ロボット物SS総合スレ 11号機

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1創る名無しに見る名無し
ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二時創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで 何 で も どうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物も受け付けています。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。
・とある方が言っておられました。「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」雑談のネタが気に入らない時は、新しくネタを振りましょう。
・スルー検定10級実施中です。荒らしは華麗スルーしてください。それが紳士の条件です。
・ロボスレもついに二桁突入です。ルールを守って、楽しく創作活動に励みましょう。
・ここはいいところだぞー! みんなー、早く帰ってこーい!

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/


前々スレ
ロボット物SS総合スレ 9号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253096042/

前スレ
ロボット物SS総合スレ 10号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253605179/

関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/
2創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:49:50 ID:GtM6Ag4/
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!

【ザ・シスターズ ◆klsLRI0upQ】
平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱
その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで―――
超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ!

【電光石火ゼノライファー ◆.dMD1axI32】
「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」
正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する!
少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ!

【Tueun ◆n41r8f8dTs】
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!?
「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇!

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!

【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 ◆gD1i1Jw3kk】
悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』
その力は二つの世界を交差させる!
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!
3創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:50:48 ID:GtM6Ag4/
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【スーパー創作ロボット大戦OP映像風 ◆gD1i1Jw3kk】
スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを
ロボット物SS総合スレ作品で再現!
所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ!

【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!

【仮想戦闘記録 ◆gD1i1Jw3kk】
海上都市姫路守備隊戦記・外伝
設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場!
果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!?

【ARTIFACT LEGACIAM あお ◆6k/dFp.sTw 】
突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕!
4創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:54:07 ID:GtM6Ag4/
【Diver's shell ◆a5iBSiEsUFpN氏】
人類共通の夢の一つに、「もっと遠く」というものがある――――
これは、表面の90%が水で覆われた星を舞台に、愉快なダイバー達が織り成す物語。
男の娘もあるよ!

【ヴィルティック・シャッフル ◆n41r8f8dTs氏】
普通の少年・鈴木隆昭の前に現れたのは、普通じゃない少女・メルフィーだった。
時を同じくして、平穏な日常に忍び寄る悪魔、オルトロック・ベイスン。
その「カード」を引く時、「未来」は訪れる。果たしてそれは「希望」か、「絶望」か――――

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs氏】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――

【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1 】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!

【剣神鋼王ミカズチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。 剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―

【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!

・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
5パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 18:10:20 ID:mHDVQigF
「地上最高のロボットを見たいか――――ッ」
「オ――――!!!!」
「それは私もだ、私もだみんな!!
 全 選 手 >>1 乙 !」
6まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/27(日) 19:01:32 ID:tRXz8li/
能ある>>1は乙を隠す!
7 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 19:50:31 ID:QbpUeSFv
見事なまでの>>1
8 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/27(日) 19:52:18 ID:U7EZi+Hb
>>1
スレ立ておつです

前スレ947
面白そうなのでレオパルディネで一つ

・攻撃
「二時の方向!距離800!弾種徹甲弾装填!フォイア!
続けて榴弾装填!遅延信管調定!跳弾射撃!フォイア!
残敵は40mmと.50口径で掃討!」

(成功)
「ブラーヴォ!命中確認!まだまだいくよ!次弾装填!」

(失敗)
「照準が狂ってる!?左に3ミル修正!ああもうシャイセ(ドイツ語で畜生)!
私のケツでも舐めなさいよこの虫けらども!」

・被弾

(余裕)
「へへーん!その程度じゃ装甲に傷一つ付かないよ!」

(焦り)
「駆動系統に異常発生!?でも砲が無事なら…!」

(恐怖)
「やぁ、いやぁ…助けて、お父さん、お母さん……怖いよぅ、死にたくないよぅ……」

(撃破)
「だ、脱出しないと…ハッチが開かない!?やだ!やだよ!助けて!誰かここから出して!
私まだ死にたくないよ!誰か!誰か出して!助けて!
お父さん!お母さん!大尉!中隊長!イブ!みんな!私…まだ死にたくないよぉ!(爆発のエフェクト)」

・回避
「煙幕展開!チャフ・フレア放出!……危なかったぁ」

以上です。戦闘中に人柄が変わるなんてよくありますよね。
あと、私は女の子が生に必死に縋り付く様に興奮を覚える変態です。
しかし作中でそんな女の子を描ける日はいつくるのやら。
9 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 20:08:00 ID:QbpUeSFv
>>8
恐怖と撃破のSっぷりに吹いた
あんさん、やるのぉ・・・

無事に前スレが埋まったのづ、約束通り投下します
宜しければ代理と支援を宜しくお願いします
10創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:08:21 ID:mHDVQigF
>>8
>私のケツでも舐めなさいよこの虫けらども!
 はい喜んで――――!
11DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 20:08:23 ID:ixPhYfRX
まかせろ
12創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:09:26 ID:GtM6Ag4/
さーて前スレが終わりましたよ、っと
あぁ!?俺まだ本編出来てないからお題に参加できない!?w
13創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:10:41 ID:GtM6Ag4/
>>8
雰囲気出てますなーw
特に調子に乗っているときと撃破された時がw
14 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 20:23:44 ID:QbpUeSFv
避難所に投下終わりました
分量が異常ですが、弄って貰って構いません。ご迷惑おかけしますorz
15 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/27(日) 20:26:18 ID:U7EZi+Hb
支援は任された

まだ作中にBUGは登場してませんけど雑魚でもスターシップ・トゥルーパーズの
アラクニド並に強いので多脚戦車からの脱出はほぼ残酷な死を
意味するので、脱出に成功してもそれが幸運とは限らないので
レオがどうなるかは想像にお任せします。
やったねレオちゃん!脱出に成功したよ!
16創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:27:18 ID:x7N7kuLZ
誰も代理しないのか?ならまた俺がやるぞ
17DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 20:28:19 ID:ixPhYfRX
>>15
レオちゃんカワイソス('A`
18創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:33:06 ID:mHDVQigF
 すみません……ちょっと代理は無理です……orz
19創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:35:43 ID:GtM6Ag4/
>>16
作業してましたorz
お願いします
20 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/27(日) 20:36:19 ID:U7EZi+Hb
>>16
携帯からなので支援ぐらいしか出来ないのです…

>>17
本編で鬱はないので、仮に脱出してもSMIのおじさんやお兄さんが
ダッシュで回収しにきてくれるので大丈夫だよ!
でも化け物から逃げ回る女の子は書きたい…ついでに失kする女の子も。
21創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:37:52 ID:x7N7kuLZ
少し待たせる。悪い
22創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:38:30 ID:QbpUeSFv
>>16
宜しくお願いします!
23創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:43:28 ID:mHDVQigF
 化け物から逃げ回る女の子はともかく、女の子が失kするシチュエーションはウチの作品じゃなさそうだなぁ……ノリ的に。

>>21
 支援しますよ!
24創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:49:47 ID:GtM6Ag4/
>>21
支援します!
25創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:49:59 ID:x7N7kuLZ
もう少々。ギギギ……
26創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:52:39 ID:ixPhYfRX
>>25
あんちゃん…
27創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:01:46 ID:U7EZi+Hb
>>23
じゃあ脱p(PAM!PAM!
28待たせた。始める:2009/09/27(日) 21:02:54 ID:x7N7kuLZ
――――戻って、来たのか。さっきまで見えていた白い景色が閉じていく。両手の感覚がハッキリと分かる。電流による痛みは感じない。
体……いや、正確には頭にぼんやりとした奇妙な違和感を感じる。だけど不快ではない。欠けていた物が埋まった様な、そんな充足感を感じる。
電流の痛みに耐えきれず離れていた両手を、再び球体に乗せる。すると俺の脳内に、膨大な情報が流れ込んできた。
ヴィルティックに関する操作方法、戦闘方法、武器の特性、シャッフルシステムetc……。全ての情報が、俺の中で知識として流れ込んで来る。

良く分かったよ、アルフレッド。俺に足りなかった物が。俺に足りなかったのは力じゃない。俺は理解していなかったんだ。
力の意味――――ヴィルティックで戦う意味を。闇雲に感情に任せて、ヴィルティックを振り回していた。メルフィーに頼りきりで。
だけどやっと理解出来た。アルフレッドが俺にした質問――――この力をどうしたい? という質問の意味が。気付くには遅すぎたかもしれない。だけど――――。

「メルフィーを……メルフィーを近くの病院に転送してくれ、ヴィルティック」

俺の声に返事する様に、ヴィルティックの起動音がコックピット内に響いた。ふっと笑みが浮かぶ。俺を認めてくれたのかもしれない。パイロットとして。
亀裂から見えるデストラウを見据える。あの様子だと、オルトロックは俺もメルフィーも死んだと思っているみたいだな。その傲慢さを――――突き崩させて貰う。
浮かべるイメージはただ一つ。デストラウの撃破だ。俺は目を閉じて、ゆっくりと開けながら再度デストラウを見据える。そして――――ヴィルティックに伝える。

「デストラウを撃破する。力を貸して貰うぞ。ヴィルティック」


ヴィルティックが拘束されて既に10分が経っている。電流を停止させたものの、メルフィーはともかく、隆昭からの通信は途絶えたままだ。
先程まで蒼く発光していた、ヴィルティックが起動状態である事を表す各部のラインは、少しづつ灰色に染まり、黒色に変化した。即ち……ヴィルティックは機能を停止したのだ。
オルトロックはその変化をしばらく見続けると、小さく笑いだし、やがて腹の底から高笑いし始めた。その笑い声はまさしく狂喜と言ってもいい。
しばらく数秒間笑い続けて、オルトロックは咳払いをすると再びヴィルティックに視線を向ける。やはりヴィルティックに動きは見られない。

「殺せた……ついに私は鈴木隆昭を殺せたんだ! これで……これで未来は我々、イルミナスの物となる……」

今までの人を食った様な感情の読みとれない口調から一転、オルトロックは喜びに満ちた口調でそう言いきり、再び高笑いした。
ヴィルティックを拘束していた魔方陣が、徐々に回転を止める。オルトロックは緩んでいた口元を閉じ、デストラウを前進させる。表情は笑いを堪え切れないと言った感じだが。
頭部と左腕部を失い、なおかつ機能を停止したヴィルティックに、生気を感じる事は出来ない。デストラウがヴィルティックの真正面に仁王立ちする。

「自害しなかった事が唯一の心残りだが……まぁ何にせよ結果は同じ」


29創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:04:02 ID:QbpUeSFv
支援
30創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:04:10 ID:mHDVQigF
 
31代理:2009/09/27(日) 21:05:08 ID:x7N7kuLZ
そう言いながらデストラウは、グランファーを頭上高く振り上げた。もしこのまま振り下ろされれば、間違いなくヴィルティックは真っ二つだ。
当り前ではあるが、隆昭もメルフィーも助かる由は無い。オルトロックの両目が邪悪な輝きを見せる。そして――――オルトロックは口元の端々を歪ませて、言った。

「さようなら、鈴木博士、いや――――鈴木隆昭」

デストラウが一歩踏み出し、グランファーが勢い良く振り下ろされる。その動作には一切の迷いが無い。刀身が、ヴィルティックの頭部へと迫る。
ヴィルティックに未だ動きは見えない。オルトロックの両目が見開く。オルトロックの手により、ヴィルティックも、未来を奪われた……。

筈だった。次の瞬間、オルトロックは何が起こったか分からず目を丸くした。沈んだ筈のヴィルティックが、右腕を上げてグランファーの刀身を寸前で掴んだのだ。
まさかまだ生きていたのか? 鈴木隆昭はともかく、メルフィーにあれだけの電流を耐えられるとは思えない。しかしヴィルティックは残った右手でしっかりと、グランファーを掴んでいる。

「馬鹿な……!」
先程の狂喜に満ちた表情から一転、目を吊り上げた憎悪に溢れる表情で、オルトロックは操縦桿を前方へと押しこむ。だが、幾ら押してもグランファーが振り下ろせない。
何故だ? 何故振り下ろせない? ヴィルティックは通常時も、ましてやヴァースト時でさえグランファーを抑え込めるパワーは無い筈だ。こんな馬鹿な事……!
だが――――目の前でヴィルティックは確かに、振り下ろされんとするグランファーの刀身を、右腕の力だけで抑え込んでいる。その内、刀身にピシッと亀裂が入る音がした。
オルトロックは舌打ちをして、操縦桿を後部へと下ろす。デストラウが瞬時に三基の背面スラスターを動かし、ヴィルティックから後退する。

黒色と化していたヴィルティックのラインが、鮮明な蒼色へと戻っていく。
同時に、右肩が駆動音を立てながら展開していく。連動するように、腰部のスカートアーマーとテールスラスターもその姿を変える。
ヴィルティックは拘束されているにも拘らず、ヴァースト状態への変形を始めているのだ。やがて全ての変形機構が作動し、再びヴィルティックはヴァースト状態へと変化した。
しかし偽デストラウでの戦いで見せたヴァースト状態とは、決定的に違う点が二つある。それは頭部と左腕、その他各部装甲が消失している事と――――。

ラインが蒼のまま、変形した事だ。それはまるで、ヴィルティックが本来の姿へと戻っているかの様に見える。

「何だ……何が起こっている?」
目の前で起こった事に、オルトロックは動揺を隠せない。それもそうだろう。ヴァースト状態が二度始まるなど、本来はあり得ない。
しかし、そのあり得ない事が目の前で起きている。それだけは、否定しえない事実だ。

変形を終えたヴィルティックが、右肩のスラスターとテールスラスタ―から蒼く光る粒子を少しづつ噴出させ――――やがて粒子は蒼い光となった。
異変に気付いたバインドが、ヴィルティックを拘束せんと高速で回転する。だが、バインドが幾ら回転しようと光は抑えられず、やがてバインドは眩い光を放ちながら四散した。
バインドを破壊したその光は、翼の様になびいている。ヴィルティックは右の拳を握ると、デストラウに向けて構えの姿勢を取った。
各部のパーツが無いとは思えないほど、バインドを破壊し、空中を飛んでいる今のヴィルティックには、言いしれぬ威圧感を醸し出している。

「……ありえない。私が知らない機能があるなんて、そんな事……」
「どうした? 俺を殺しに来ないのか?」
32創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:05:12 ID:U7EZi+Hb
俺に出来ることはせいぜい支援することぐらいだ!
33創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:05:54 ID:mHDVQigF
 
34創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:05:55 ID:GtM6Ag4/
支援
35代理:2009/09/27(日) 21:06:28 ID:x7N7kuLZ
途端、オルトロックの耳に死んだ筈の人間の声が聞こえた。その声は紛れも無く、電流によって死んだ筈の鈴木隆昭の声だ。
オルトロックはくっと歯ぎしりをし、隆昭に恫喝する様な低い声で問う。

「……ヴィルティックに何を隠している?」
「その声……ヴィルティックに変化に動揺しているようだな」

隆昭の声には、怒りや恐怖、ましてや悲しみといった感情的なブレは見えない。さっきまでの隆昭とは別人かと思うほど、今の隆昭の声は冷静沈着だ。

「どんな小細工を施したかは知らないが……君に勝利は無い。悪あがきは虚しいだけだよ?」
「俺はお前を倒すまで死なない。挑発なら聞き飽きた。掛かって来い、オルトロック」

すると、ヴィルティックの右腕に幾選もの蒼いラインが走りはじめる。そのラインは重なり合うと、やがて太い一本のラインとなった。
そのラインは蒼色の光を放ちながら――――ヴィルティックの腕から手の甲に掛けて、光の刃へと変化した。ヴィルティックは蒼く発光するその鋭い刃を、デストラウに向ける。

「武器の自動生成……!」
ヴィルティックが起した一連の流れに、オルトロックは驚きを隠す事が出来ない。しかしオルトロックには何もかもが想定外なのだ。
再起動はおろか、ヴァースト状態を再発動させ、挙句に見た事も無い武器の生成――――全て、あちら側の世界では全く見た事の無い機能だ。
それにパイロット――――鈴木隆昭の様子もおかしい。さっきまで死にたくないと怯え、感情のままに戦っていた、全てにおいて未熟な人間とは思えない。
ふとオルトロックは気付く。自分の手が若干離れている事に。これは……私が怯えているのか? ヴィルティックに。

「それとも、俺が怖いのか? 弱者に対しての残虐さは、弱い自分を隠す為の矮小な見栄か。救えないな、お前」

隆昭の声が聞こえ、オルトロックは我に返る。これではまるでさっきと立場が逆転しているようだ。
焦る必要は無い……。どちらにしろ戦況は此方が俄然有利だ。ヴィルティックにどれだけ武器があろうと、デストラウには性能差に根本的な開きがある。
ヴァースト状態でやっとヴィルティックはデストラウに互角の性能だ。見た事の無い機能を目の当たりにしたせいで取り乱れたが、冷静になれば状況は何も変わっていない。
恐らく鈴木隆昭が挑発しに来るのはその機体性能にかまけている為だろう。ならば――――潰してやろう。その希望をな。

「……良いだろう。その挑発を聞き入れ」

オルトロックの言葉が止まる。意識をヴィルティックに向けた瞬間、モニター前面にヴィルティックの姿が映り込んだのだ。
操縦桿を握ろうとするが、一気に距離を詰められた為と、ヴィルティックの素早さに対応できず、どうデストラウを動かすべきかの判断が下せない。
だがヴィルティックは攻撃する様子も無く、一回転するとデストラウから距離を取った。

オルトロックは首を捻りながらも、操縦桿のスイッチを切り替え、各部に損傷が無いかのチェックを行う。脚部、背部スラスター、右肩、及び腕部、左……左?
モニターには各部の状態を表示したアイコンが点滅しているが、その中で――――左腕部だけが点滅していない。つまり……。

カメラアイを上空に向けると、飛翔しながらこちらを見下ろすヴィルティックが見えた。その右手には――――デストラウの左腕部が握られている。
あの一瞬で……切断したというのか? 左腕部を……? そんな動作を行えば直ぐに気付ける筈だが、オルトロックは全く反応できなかった。
ヴィルティックは持った左腕部を投げると一閃した。切断された左腕部は、切断面から蒼い粒子を浮かばせながら、消滅していく。
36創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:07:11 ID:GtM6Ag4/
支援
37代理:2009/09/27(日) 21:07:19 ID:x7N7kuLZ
「これでお互いフェアな訳だ。いや、まだ足りないか。まぁ良い。ついてこい、オルトロック。地上じゃ狭くて戦えない」

――――はっきりと理解する。今対峙しているのはヴィルティックではない。ヴィルティックを超えた何かだ。
どう覚醒したかは分からない。だが、追いつめられた事によりその本当の力を発揮したのだろう。ヴィルティックも、鈴木隆昭も。
自然にオルトロックの口元から笑いがこぼれる。殺せなかったのは至極残念だが、その分最高の殺し合いが出来そうだ。

「……その要求を飲んであげるよ。その代わりに私を、失望させるなよ」

そう言ってオルトロックはデストラウの全身のスラスターを噴出させ上昇すると、ヴィルティックへと飛翔する。
それを見、ヴィルティックは踵を返して背を向けると、天空へと各部スラスターを全開させて、高速で飛んでいく。
青き流星と黒き巨星が、高速で豪雨を抜け、灰色の雲の中へと消えていった。


「うわっ、病院に直に飛ばすとか何考えてんのよ、あの子」

モニターを眺めていた「魔女」が、小さく驚きの声を上げた。
ルヴァイアルのモニターには現在、ヴィルティックとデストラウの闘いを映しているモニターとは別に、ヴィルティックの熱源反応を表したブラウザが浮かんでいるのだが……。
背中にあった反応――――つまりメルフィーの反応が消えたのだ。一見これではメルフィーが死んだかの様に感じるが、それは違う。
ある細工により、ヴィルティック内の通信を盗み聞きしている「魔女」には、隆昭が発した言葉が全て聞こえている。

「飛ばすにしてもうちょっと頭の良いやり方があるでしょうに……。メルフィーの正体がばれたらどうすんのよ、全く馬鹿なんだから」
そう愚痴愚痴言いながらも、「魔女」の表情はどこか嬉しそうだ。口元に掌を当てて数秒考えると、魔女はピッと人差し指を立てた。

「スチュアート、私をメルフィーの転送予測地点まで転送して。ルヴァはあの二人の戦いを見守りなさい。それで少しでも戦況が悪くなったら……」
『了解だ。ヴィルティックの戦況不利と判断次第、介入行動に移る』
「魔女」の言葉に、ルヴァイアルのCAS――――スチュアートが返答する。「魔女」は大きく頷いた。

「魔女」の体を上下から複数の赤い円が囲む。その円が上昇と下降を繰り返す度に、「魔女」の体が次第に消失していく。
残すは顔だけになった時、「魔女」は視線だけを後ろに向けて、スチュアートに言った。

「頼んだわよ、スチュアート」
次の瞬間、魔女の姿が完全に消失し、囲っていた赤いリングが全て、大きく広がってぼんやりと薄くなり、やがて消えていった。
「魔女」が消えた事を確認し、ルヴァイアルは自ら頭部を大きく動かすと、遠方で戦っているヴィルティックとデストラウを認識し、飛んでいく。


38創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:07:43 ID:ixPhYfRX
シェー
39代理:2009/09/27(日) 21:08:26 ID:x7N7kuLZ
豪雨により、夕日が姿を見せない薄暗い夜空で――――新たな姿となったヴィルティックと、左腕を失ったデストラウは熾烈な戦いを繰り広げている。両者とも一歩も引かぬのだ
ヴィルティックが宿した刃の威力は伊達では無く、グランファーと衝突しても弾かれる事は無い。グランファーとほぼ同等の攻撃力と耐久力と言ってもいい。
デストラウはヴィルティックの急所を突く為に正確無比な攻撃を与えるが、驚くべき事にそれらに対してヴィルティックは殆ど反応し、的確な回避か防御行動を取る。
亀裂でしか視界を得る事が出来ない筈だが、ヴィルティックは驚くべき事に頭部及び五体満足だった時以上の動きを見せている。

オルトロックは三度驚く。自分が加える攻撃攻撃、全てが回避されるか、防がれるかのどちらかである事に。
完全に姿が見えているこちらに比べ、ヴィルティックが得られる視覚は胴体を斬った時に出来た亀裂だけの筈だ。だが……。
だが、ヴィルティックはどんな方向から攻撃を仕掛けてもそれをかわし、防ぎ、受けながす。――――見違えている。数分前に戦ったヴィルティックとは何もかもが。
初めてオルトロックはヴィルティック――――否、鈴木隆昭に対して敵対心を露わにする。面白い。命を掛けて戦う価値が、今の鈴木隆昭にはある。


全ての感覚を戦闘に集中させる。俺の頭の中で、デストラウが――――オルトロックがどう動くかが手に取る様に分かる。
確かにデストラウは強い。機動性も装甲も、ヴァースト状態のヴィルティックを超えるほどに。だが――――その特性を、自らの武器で殺しているんだ。
あの大剣は威力に富んでいる。コイツの頭部と左腕を丸ごと持って行くほどに。だが、大剣はその威力ゆえにデメリットがある。

刀身の長さと、その振り幅の大きさだ。直感的にどう振ってくるかさえ分かれば、回避行動も防御行動も容易に取れる。
上から来るなら急降下しながら回転、横から来るなら後退しながら回転、下から来るなら急上昇しながら回転。俺の考え通りにヴィルティックは軽快に動いてくれる。

デストラウは強いが、ヴィルティックに絶対に勝てない面がある。それは小回りだ。設計上の違いか、デストラウはヴィルティックの様に一回転出来る程機体が軽くない。
いっそこの機動性で錯乱状態にして、隙が出来た所を叩こうと思ったがオルトロックの攻撃は非常に正確だ。一寸の隙も油断も見えない。
ギリギリまで接近出来れば攻撃の機会が出来るが、そのチャンスが伺えない上に、この刃が何時まで持つか分からない。――――そろそろ使うか。シャッフルシステムを。


「ちょこまかと……うっとうしい!」
決定打を加える事が出来ない事に苛立ちを感じ、オルトロックはデストラウの動きを一旦止めると、グランファーをヴィルティックに向けて突貫する。
だが、ヴィルティックは急上昇しながら一回転し回避すると、攻撃が空ぶった事で背を向けたデストラウに向かい、刃を斜めから振りおろしながら突っ込む。

「甘い!」
デストラウを急旋回させて、オルトロックはグランファーでヴィルティックの刃を受け止めた。対してヴィルティックは光の翼をバーストさせて、刃をぶつけ続ける。
長時間続く戦闘の中で、初めて鍔迫り合いとなる。ぶつかり合う蒼い刃とグランファーは共鳴するように激しい音を立てながら火花を散らし合う。
隆昭とオルトロックは互いの名前を叫ぶ。それはまるで――――互いを倒すべき敵として、認識しあうように。

「オルトロック・ベイスン!」
「鈴木……隆昭!」
40創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:08:36 ID:mHDVQigF
 
41創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:08:40 ID:GtM6Ag4/
支援
42代理:2009/09/27(日) 21:09:59 ID:x7N7kuLZ
やっとここまで持ちこむ事が出来たが……やはり背後を突ける程、オルトロックは甘くない、か。
しかしこれは好機だ。刃をグランファーにぶつける事でデストラウを引きつけたまま、俺はオルトロックに聞かねばならぬ事を問う。
俺は知らねばならない。オルトロックがこの時代に来た理由を、そして奴の背後に潜む、イルミナスと言う連中の事を。

「オルトロック! お前がこの時代に来た理由は何だ!」
「それを知ってどうするんだ? 君自身の胸に聞いてみなよ」
「ならば……質問を変える! お前の背後にいるイルミナスとは何だ! 何故この様な行為を働く!」
「明確かつシンプルな答えさ……間違った人類を導く為だよ。アストライル・ギアを使ってね」

間違った人類だと……? メルフィーの話には、イルミナスはアストライル・ギアを使って世界を戦場にするのが目的と聞いたが。
……もしや戦争でも起こして人類を間引きでもするつもりなのか? それと未来というか時間軸に干渉しようとしている事もその目的の内なのだろうか。
俺はもう一度、オルトロックに問う。

「お前達はイルミナスは、過去や未来に干渉すると聞いた! それも間違った人類を導く為のプロセスか!」
「……それもあくまで計画の内さ。人類を導く為のね。で……君はイルミナスをどうするつもりかね?」
「決まってるだろ! 未来を戦禍に変えたイルミナスを、俺は潰す。徹底的にな!」
「君には……無理だよ! 目の前の人間も救えない……君にはね!」

まずい……! 次第に刃の粒子が空中へと少しづつ浮かんできた。これは刃が削れてきたって事か。
俺は大剣の刀身をなぞる様に刃を滑らし、同時にヴィルティックを後ろへと回転させた。
そしてテールスラスターを逆向きにして、デストラウの方を向きながら距離を取る。あっちの大剣も相当消耗しているのか、刀身の至る所に傷が見える。
正面から対峙しても、デストラウに恐怖は感じない。俺もそれなりに成長したみたいだな……。何にせよ、次の一手で勝負を決めたい。


隆昭の察した通り、デストラウもここまでの戦いで機体、及びグランファーを相当消耗させている。
武器のカードはある事にはあるが、エシュトリームクラッシュを最大出力で撃った事により、デストラウのエネルギー残量は底を尽きそうなほどに枯渇している為に使えないのだ。。
それに左腕を失った事も実に痛い。左腕があれば、不意打ちで武器を召喚したりヴィルティックを掴む事が出来るが、それが出来ない今、グランファーで戦うしかない。
そのグランファーもヴィルティックに攻撃を仕掛けるうちに、次第に刀身が削れてきた。あの刃がグランファー並みに耐久性があるとは思いもしなかった。

特殊なカードも自己再生時に大体使い切った。それに温存していたカード類が、再生時の副作用として全て消滅した。
使う必要が無いと思っていたが、その考えは浅はかだった様だ。実質武器はグランファーのみ。しかしデストラウもグランファーも持久戦には持ち込めない。まさか……。
「まさかこの私が追いつめられるとはね……」

しかしこの高揚感は堪らない。今は本気で命を掛けた殺し合いをしているのだ。その感覚に、オルトロックは性的な興奮すら覚える。
それにヴィルティックの本当の性能と言うのを知る事も出来た。鈴木隆昭の事は心の底から憎んでいるが、やはりあの人は私が手本にする程の天才だった様だ。
だがこの殺し合いももうすぐケリが着く。もう一度鍔迫り合いになれば、グランファーは折れる。確実に。ならば手の内、使わせてもらう。
43創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:10:23 ID:U7EZi+Hb
尿を漏らす女の子が書きたくて仕方ない支援
44代理:2009/09/27(日) 21:10:59 ID:x7N7kuLZ
「惜しいなぁ……だけど悪くは無い」
そう言ってオルトロックは舌で上唇を舐めた。まだオルトロックは勝者の余裕が見て取れる。
それは今までの戦績と、経験の差によるものだ。君が強くなった事は素直に認めよう。だが――――君と私には絶対に埋められない差がある。

「先に行かせてもらうよ」
オルトロックがそう言いながら、グランファーを天へと掲げる。
ヴィルティックは各部スラスターの粒子を溜める様にその場に静止すると、一気にスラスターを吹かし、デストラウに立ち向かう。


――――目を……目を覚まして、祐二! 私が……私が貴方を……。

「泣くなよ……メルフィー……。お前は何も……悪くねぇ……よ」

――――違う! 私が……私が戦争って自覚してなかったから……。

「しょうが……ねえって……。俺達は……大人には……逆らえない……から」

――――祐二? しっかりして、祐二!

「次……は……平和な、世界で……お前……と」

――――祐二……祐二! 起きてよ……祐二! いや……いやぁぁぁぁぁぁぁ!

「祐二!」
そう叫んでメルフィーは起き上がった。ここは……何処だろう? 頭が混乱している。
気付けば自分は大きなベッドで寝かされていた様だ。胸のあたりを探ると、包帯が巻かれている。だけど――――ここは病院じゃない。
周りにはシックなインテリアや観葉植物、それに大きなTVがある。視線を横に映すとドアが閉じられたベランダが見えた。
内装からして、どこかのホテルだろうか? しかし私は何時の間に……と、誰かの気配を感じて、メルフィーはその方向に顔を向けた。


45創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:11:17 ID:ixPhYfRX
oh...

しえん
46創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:11:38 ID:GtM6Ag4/
支援
47代理:2009/09/27(日) 21:11:57 ID:x7N7kuLZ
「落ちついたかしら?」

そこには、コーヒーを飲みながら壁に寄り掛かる一人の女性がいた。メルフィーはその女性の顔を見て、ポカンと口を開けて、言った。

「……どうしてマチコさんがここに?」


大剣を頭上に向けたまま、何故かデストラウは動かない。俺が飛び込んだ瞬間に叩き斬るつもりか? いや、オルトロックがそんな単純な事を考えるとは思えない。
まだ何か武器を仕込んでいるのか? だが左腕が無い上に、右手が塞がっている状態で使える武器があるとは考えにくい。其れに遠距離武器は全て避ける自信がある。
熟考したって仕方ない……。決着を付ける! 俺はシャッフルシステムを発動させ……何だと?
大剣の刀身が次々と分離していく……! 分離した刃を繋ぐ様に、大剣の柄には異常に太いロープみたいなのが見える。

「避けられるかなぁ!」
オルトロックの叫び声が聞こえた瞬間――――分離した大剣が、蛇の様に俺の方へとS字に斬りかかって来た。
つっ! ヴィルティックを横回転させながら回避するが――――刃先が俺を追いつめようと迫ってくる。あの大剣……鞭にもなるのか!


隆昭の言う通り、グランファーの特性はバスターソードだけではない。その刀身を分離させる事により、攻撃範囲を格段に広くした鞭へと変化するのだ。
その攻撃は非常に不規則であり、一手一手が予想できない。ヴィルティックは迫りくるグランファーの猛攻に、ただ避ける事しか出来ない。
ヴィルティックは刀身を繋いでいるロープー―――グランドワイアットを斬ろうとするが、縦横無尽に動き回るグランファーは、その隙も油断も与えない。


何て攻撃だ……! 振り幅と刀身の長ささえ分かれば対処できた大剣の時とは違い、この鞭は何処から攻撃が来るか分からない。
右を避けければ左に巻かれた刃が迫ってくる。剣先を避ければ、その剣先は方向転換して追ってくる。まるで生物を相手にしてるみたいだ……!
このまま避けているだけじゃ、全く埒が明かない。どうにか鞭を断ち切る方法は……いや、デストラウの懐に入る方法は無いのか!
その時――――ヴィルティックの動きが、止まった。しまった! 右足を……。


「捕……まえた!」
オルトロックがそう言って口元を歪ませる。グランファーはヴィルティックの右足に巻き付いた。複数の刀身が右足に食い込み、離れない。
続いてグランファーを大剣に戻す為に一気にヴィルティックを引きずり込む。抵抗する間もなく、ヴィルティックは引きずり込まれた。
右足に絡み着いた刀身が離れた瞬間、ヴィルティックの右足がショートを起こしながら爆発する。
48創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:12:14 ID:mHDVQigF
 
49代理:2009/09/27(日) 21:13:00 ID:x7N7kuLZ
グランファーを大剣に戻し、デストラウは急上昇して、ヴィルティックの姿を捉える。右足が破壊されたヴィルティックは、ショックのせいか動きが止まっている。
そしてグランファーを逆手持ちにすると、ヴィルティックに向かって高速で急降下する。
「やっぱり君は甘い! 後悔する暇も無く死になよ!」

オルトロックが狂喜を全開にしてそう叫びながら、ヴィルティックへと急降下してくる。
――――だが、肩部スラスターも、テールスラスタ―も死んではいない。何より、隆昭の目には確かな闘志が燃えあがっている。
じっと片目だけを上げて、そのタイミングを見計らう。……見えた!

「シャッフル! プレイスフィールド! そして――――」
瞬間、右腕の刃が蒼い粒子となって消えさり、代わりに腕を覆う程のシールドがヴィルティックの腕に召喚された。
急降下してくるデストラウに対し、ヴィルティックは急上昇を行う。デストラウとヴィルティックの距離が目と鼻の先まで迫り――――鈍い衝撃音が二つ、夜空に響いた。

グランファーが頭部からヴィルティックを突き刺した。完全に頭部から下半身に掛けて、グランファーが突き刺さっており、正に串刺しの状態だ。
だが、オルトロックの表情に喜びは無い。むしろ――――その表情には、はっきりとした悔しさが浮かんでいる。
感覚が、無い。モニター上のロックオンサイトは確かにヴィルティックを捉えているが、それはあくまでモニター上での結果だ。
精神的に問題があるものの、オルトロックは百戦錬磨のベテランだ。実際に獲物を捉えた時の独特の感覚を知っている。だが――――今はまるで感じない。

モニターを見つめると、串刺しにした筈のヴィルティックの姿が、次第に半透明な緑色の物体へと変化した。
そうか! 目標は外れてはいなかった。完全にあの時、グランファーはヴィルティックを刺していたのだ。
だが――――気付かぬ内に、ロックオンサイトを緑色の物体に変えられていた。本物は――――。

デストラウを振り向かせた瞬間、全てのモニターが停止して、コックピットが暗闇に包まれた。
「く……くそがぁぁぁぁぁぁ!」
オルトロックは叫びながら、モニターを殴打した。殴打音が、空しく木霊する。


ヴィルティックを回転させて、デストラウから距離を取る。どうにか成功したな。
いつ接近戦まで持ちこめるか迷っていたが、まさかオルトロックの方から来てくれるとは。お陰でデコイを使って錯乱出来た上、奴のモニターを潰す事が出来た。
デストラウの頭部には、俺が思いっきり突っ込んだ盾がぶっ刺さっている。全身が強固なデストラウでも、絶対に防げない場所がある。
該当する所はいくつもあるが、その中でも一番デカイのはそう、カメラアイだ。さっきから俺はこの部分を潰したくて堪らなかった。
50創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:13:26 ID:GtM6Ag4/
支援
51代理:2009/09/27(日) 21:13:56 ID:x7N7kuLZ
人間で言えば眼球。ここを潰されれば、どんなに屈強な人間でさえ普通に動く事が出来なくなる。鍛えようが無いしな。
何にせよヴィルティックで奴に取られた左腕と頭部の分の借りは返してやった。言っちゃなんだが、凄くすっきりした。

相当悔しかったのか、デストラウは頭部に刺さったプレイスフィールドを大剣で突き刺し、そのまま叩きつけるようにプレイスフィールドを投げ捨てた。
大した威力だな……。さっきまで紅く光っていたデストラウの目は、今や完全に破壊されていて原形を成しちゃいない。
多分頭部以外にもカメラはあるだろうが、さっきの様な戦い方はもう出来ないだろうな。デストラウも、オルトロックも。

有難う、アルフレッド。貴方のお陰で戦う事に対して迷いも、余計な雑念も消えた。見ていてくれ。この戦いの雌雄を。
「シャッフル。グレイブナックル」

俺は残された1枚のカードを使う。ヴィルティックの右手に、メリケン……というか、薄いボクシンググローブみたいな武器が覆う。
親父、お袋、姉貴、会長、草川、木原さん、それにメルフィー。目を閉じると、守るべき大切な人達の顔が浮かぶ。

――――これで、全て終わらせる。覚悟を決めろ、オルトロック。


「ここまでやられるなんてね……」
そう言うオルトロックの顔には、数時間前に見せていた勝者の余裕も、殺し合いを楽しむ狡猾な笑みも既に無い。
今まで自分がやってきた事を、全て返されたのだ。幻術で惑わす事はおろか、各部を次々と破壊された。一種の屈辱さえ覚える。
メインカメラが潰されたが、胸部に備われたサブカメラはまだ動く。しかしサブカメラが写すのは、あくまで正面のみだ。

「こう言うのは全く性に合わないが……四の五の言ってられないか」
目前のヴィルティックを睨みながら、グランファーを持ち構え、突きの構えを取る。
そしてヴィルティックも、こちらに向かって右腕を構える。どうやら同じ事を考えていたようだ。

時間が止まりそうなほどの静寂の中で――――ほぼ同時に、ヴィルティックとデストラウはスラスターを吹かして、特攻する。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
52創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:14:30 ID:U7EZi+Hb
第301直接支援中隊
53代理:2009/09/27(日) 21:14:56 ID:x7N7kuLZ
瞬間、衝突しあったグレイブナックルとグランファーが閃光を放った。空中で輝くそれは、星空も見えない夜空の中を激しく照らす。
隆昭もオルトロックも互いに凄ましい形相を浮かべて死力を尽くし合う。共振するかの如く、ぶつかり合う刃と拳は白と黒の閃光を放ち続ける。
だが、その二人の意思とは関係無しに、グレイブナックルもグランファーの剣先も次第に亀裂が入りはじめている。
しかし隆昭もオルトロックも気づかない。互いのプライドと意地、そして力を掛けてぶつかり合う。この男に勝ちたい――――例え、自らが滅びようと。

「まだだ……まだ持ってくれ、グレイブナックル!」
「この……程度か! グランファー!」

その途端――――事態は意外な方向へと転がった。ほぼ同時に――――グランファーの刃先と、グレイブナックル全体に亀裂が走り、やがて爆発した。

「何!?」
「ちっ! だが……!」

オルトロックはほくそ笑む。完全に潰えたグレイブナックルに対し、こちらはまだ刃先が死んだだけ。刀身は――――生きている!
デストラウを急速にヴィルティックから後退させ、オルトロックはグランファーを再び鞭状態にした。
狙うはもちろん、全ての武器を無くしたヴィルティックだ。分離したグランファーの刃が、今まさにヴィルティックへと振り下ろされる。
オルトロックが高笑いする。勝利を確信した―――――そんな、笑い声だった。

「今度こそさようならだ! 鈴木隆昭!」 


――――最後の最後まで、強い男だった。惜しむらくは――――その、どうしようもなく救い難い性根。もしも道を間違える事が無ければ、俺は恐らく憧れただろう。
グレイブナックル……無理をさせてすまなかった。グランファー、お前も持ち主が違うなら、もっと良い戦いを出来ただろうに。
俺は静かに目を閉じ、全ての意識をヴィルティックへと同化させる。俺は断罪する。この――――悪意と暴力でしか己を保てない、愚かな男を。

『君に全ての力を授ける。守ってくれ、未来を。そして――――メルフィーを頼んだぞ。

 過去の――――私よ」

―――――目を開く。俺はヴィルティックに向かって、世界を変えうる、その力の名を叫んだ。

「ヴィルティック! エクステッド・ヴァースト!」
54創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:15:08 ID:ixPhYfRX
砲撃開始
55創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:15:56 ID:x7N7kuLZ
次の瞬間、ヴィルティックの右腕のラインが再び宿り、刃を成型する。だが、その刃はさっきまでの刃とは比べ物にならない程、蒼き輝きに包まれている。
違うのは輝きだけではない。刃はヴィルティックの腕を遥かに超えるほどに長くなり、なおかつ太くなった。

「な、何だアレは!?」
その姿にオルトロックは驚嘆の声を上げた。ヴィルティックの右腕から、巨大でかつ、異常な長さの――――青い刃が、発現したのだ。
同時にヴィルティックの各部スラスターの光が、ヴィルティックより巨大な翼へと変化する。隆昭はその右腕をデストラウに向けて斬り込む。

「斬り……裂けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
隆昭の叫びに呼応するように、刃が激しく光り輝き――――グランファーはおろか、頭部と右肩ごと斬り裂いた。
デストラウの動きが完全に止まる。オルトロックは驚きのあまり呆然とし、操縦桿を動かす事を忘れている、が、直ぐに我に返り回避行動を取ろうとした途端――――。
ヴィルティックの姿が、ほぼ目前に迫っていた。声さえ出ない。ただただその目は、ヴィルティックを映しているだけだ。

「これで……決める!」
次の瞬間、刃が蒼き粒子となって分解すると、ヴィルティックの拳へと集まる。蒼き光を放ちながら、ヴィルティックの拳がデストラウの腹部へと殴り込まれた。
その拳はデストラウの装甲を物ともせず、中心部まで突き抜ける。デストラウの各部が激しく爆発音を上げながら崩落していく。

「うおおおおおお!?」
モニターが完全に機能を停止して真っ暗になり、凄ましい衝撃がオルトロックを襲う。コックピットから投げだされそうな程の。
デストラウは機能を停止した。背面のスラスターから噴出していた粒子が少しづつ消失し始め、やがて途絶える。
対してヴィルティックのスラスターは先程より勢いを増しており、光の翼を輝かせながら上昇する。


これで終わり……じゃない。この男は生かしておいてはいけない。もし生き残させれば、また弱者がこの男の遊びで殺される事になる。
俺はデストラウの腹部を突き抜けたまま、ヴィルティックを――――大気圏外に向けて急上昇させる。ヴァースト状態ももう長く持たない。
この男の存在自体を消滅させる。ヴィルティックも無事で済まないだろうが――――この男を倒せるなら、それも構わない。

「何をする気だ? まさかこのまま……」
「なぜ焦る? 死は怖くないんだろ?」

あの異常性も残酷性も、全て弱い自分を隠す為の鎧か。底が知れたな。オルトロック。
……いや、違う。笑っている? 自分がこのまま死ぬと言うのにか。訂正する。この男には底なんて無い。どこまでも――――救い難い、暗闇だ。


56なんであがってるんだ:2009/09/27(日) 21:17:05 ID:x7N7kuLZ
「大気圏の熱で私を燃やしつくすか。常人の思考じゃないな。確信したよ、やはり君は死神だ。その残虐性で君は必ず人類を滅ぼす」
「……確かに俺は死神かもな。関係の無い人を散々巻き込んで。その咎は甘んじて受ける。生きていく上で」

「だが――――俺は立ち止まらない。未来を救う為なら、死神にでも悪魔にでも――――修羅にでもなってやる」

「自ら人類の天敵になる事を選択するのか? 君の後には屍しか残らない……。所詮君が戦う理由は憎しみと怒りだけだ」
「いや、俺が憎み、怒りで倒すのは、お前で最後だ。オルトロック」

「……本気か? ……貴様は、全ての人類から憎悪される事になるんだぞ。それでも……」
「幾らでも恨まれてやる。世界を――――未来を、変える為ならな」

気付くと俺の前にあった亀裂が少しづつ塞がっていくのが見える。――――自己再生? 口元から変な笑いが出る。
本当の力を発揮したヴィルティックってのはここまで無茶苦茶なんだな。これで五体満足な状態だったらどれだけ強いんだか。
だが――――それでも無いと未来の世界では通用しないんだろう。そうだろ、アルフレッド。いや――――未来の、俺。

モニターは見えないが、状況は大体分かる。コックピットに異常な熱気が立ちこめてくる。
暑さで全身に汗が滲む。だが俺は目を閉じない。最後までこの男の死を見届ける。それが俺の――――この男に対する敬意だ。

「……貴様は……必ず……」
熱で機体が溶け出しているのか、オルトロックの声が途切れ途切れ聞こえてくる。俺は黙ってそれを聞く。

「貴様は必ず……後悔する……未来は……変えられん……絶対にな」
「変えてみせる。悲しみに満ちた未来は、俺の手で断ち斬る」

――――さらばだ、オルトロック。あの世で永遠に懺悔し続けろ。お前が殺めた死者にな。

瞬間、獣の咆哮にもけたたましい機械音にも聞こえる悲鳴が聞こえ、コックピットが激しく揺れた。その揺れの強さに対応できず俺はシートに押し付けられる。
途端視界がグルグルと回りだした。デストラウの爆発に巻き込まれて投げ出されたのか……。

何だかすげー眠い……。緊張状態から解かれたせいか、視界が偉く滲んでいる。
肩にどっと疲れが押しかかってきた。気付けば俺の目は自然に閉じていた。もう体が休めって言ってるのかな。
俺はそれに逆らわず、シートに体を預ける。このまま死んでも、悔いは無いな。……いや、一つだけ、あった。
57創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:17:08 ID:U7EZi+Hb
特科大隊に効力射を要請
58創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:17:27 ID:mHDVQigF
 エクステッド支援
59創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:17:42 ID:GtM6Ag4/
了解、支援する
60創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:17:49 ID:tRXz8li/
支援
61創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:17:51 ID:ixPhYfRX
HQに支援要請
62なんであがってるんだ:2009/09/27(日) 21:18:01 ID:x7N7kuLZ
――――最後に、君ともう一度話したかったな。メルフィー。


「私よ。どうなった? そう……勝ったのね。えぇ、ヴィルティックは後で回収するから良いわ。それより彼は無事?」

「なら、今すぐ彼を乗せて戻ってきなさい」


「メルフィーが、待ってるから」


『ヴィルティック・シャッフル』

第9話 後
スピリッツ


                                 次回 最終回
                                 
                                  グッドバイ
63創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:19:11 ID:tRXz8li/
投下乙!
64創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:20:37 ID:U7EZi+Hb
代理投下乙です!

次回で終りかぁ。goodエンドだよね?…救い様のないバッドENDも好きだけど
大衆はやはり幸せな結末を望むものなのさ。
65創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:21:08 ID:x7N7kuLZ
以上となります。大変お待たせして申し訳ない
ギミックのアナウンス入るとかメカ描き冥利につきますです
66創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:21:25 ID:GtM6Ag4/
>>62
代理投下乙でした!
さて、じっくり読むぞー!!w
67創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:23:16 ID:mHDVQigF
 投下乙です!
 おお、アッキーがめちゃくちゃ強い子になって……。
 やはりヴァーストの次がありましたか! ヴィルティックかっこいいよヴィルティック。
 メルフィーが生きていてよかった……。

 最終回、楽しみに待ってます!
68創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:25:32 ID:ixPhYfRX
メルフィー……生きてて良かったよかった(ノД`)・゜・

投下乙ッ!
69 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 21:26:43 ID:QbpUeSFv
>>65
代理投下、本当に有難うございました!
それと支援してくれた皆さんも有難うございます!

色々考えた感じでオルトロックをぶっ飛ばしましたが・・・どうでしょうw
この作品の魅力を担ってくれた彼に合掌

それと隆昭君が誰お前になってる気がしないでもない
70創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:27:16 ID:tRXz8li/
良かったメルフィー生きてて……
つかヴィルティックかっこよすぎwオルトロックざまぁw

……はい、失礼いたしました

次回も楽しみにしてるぜ!



……そういえばタウエルンの時もそうだったけど、◆n41r8f8dTs氏って敵を上空に持ち上げて倒すのがお好き?
71創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:30:25 ID:mHDVQigF
>>69
 学園のほうがある意味誰コイツなんで大丈夫ですよw

 いやぁ、やっぱ悪役が倒れた時はスカッとしますね! オルトロック先生、乙でした!
72創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:31:05 ID:GtM6Ag4/
>>69
これこそまさにカタルシスッ!!
いい死に様だなぁ?オォルトロォオオオオオック!!
さて次回最終回かーwktk!木原さんの立ち位置に期待w

>誰お前になってる気がしないでもない
 少年は覚悟することを理解して男になったのですよ!w
73創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:32:06 ID:ixPhYfRX
一皮剥けたn(ry
74 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 21:35:27 ID:QbpUeSFv
>>70
というか、空や大気圏でで決着ってシチュエーションが大好きです
主人公の機体が決戦後に落ちてくるとか最高!
75創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:36:25 ID:GtM6Ag4/
むしろ「おめでとう坊や。童貞を捨てたな」の方がw
76創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:48:04 ID:GtM6Ag4/
あら、これだと敵にとどめを刺した後だから違うわw失礼
○キネタも自重しますw
77創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:57:04 ID:ixPhYfRX
未来を変えるための決意。がんばれ鈴木少年……!



と、作品の余韻が消えない時なのに投下をもくろむ
78創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 21:58:21 ID:mHDVQigF
 来るか!
79創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:01:49 ID:GtM6Ag4/
>>77
読み返している間に先手を打たれたか!w
良し、支援しよう!
80潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:12:44 ID:ixPhYfRX
投下します。イチャイチャさせてみたかったのは秘密カナー。
81潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:14:49 ID:ixPhYfRX
 『Diver's shell』


 第八話 「思い出した記憶」



 ユトとメリッサの二人が救助されてから数日。
 両腕を喪失し、スラスターや耐圧殻などに損傷を負って、通常の潜水すら耐えられなくなったポンピリウスはオヤジさんの家に運ばれた。
 気絶したメリッサは医者に。怪我は無いユトは付き添って医者へ。検査の結果、病気でも怪我でもなんでもないとの結果がでたので二人は自宅に戻っていた。

 「………はぁ」
 
 時間は既に夜。
 数日という時間は、細くも無ければ太くも無い肉体から疲労を消し去っていた。
 でも精神の疲労は取れたわけではない。相棒に背後から強襲され、その後たった一人で死の恐怖と格闘する羽目に遭えば当然なことである。
 夏に近づいた空。
 窓の外に眼をやってみれば、コウモリ数匹が目にも留まらぬ速さで飛び去っていくのが見えた。亡霊の如く立ち並ぶビル群から伸びるアンテナなどが枯れ木にも見える。枯れ木に立つのはカラスだろうか。
 ユトは今さっきまで続けていた仕事をやめてパソコンの電源を落とし、メガネを取って片手で目頭を揉み解すと、その手で肩を揉む。φ37遺跡に関するデータが空間投影モニターから消え失せた。
 メリッサは病院というか診療所で検査を受けた後、ユトの手によって家に運ばれてベットにいる。
 つまり寝っぱなし。気絶したまま眼を覚ましていない。理由は分からない。
 水の入ったコップからストローを口に突っ込むと水を飲んだりするので脳に損傷を負ったというわけでもないのだが、起きない。
 今日も一日メリッサの看病をしたユトであったが、とうとう眼を覚ますところを見ることは叶わなかった。
 溜息をつくと眼鏡を机の上に置いてベットに飛び込む。
 布団をかけるかかけないか微妙な気温と湿度。
 ユトは布団を横にどけると、足をその上に乗せて寝転んだ。見知った天井の照明を睨みつけて両腕を枕とする。

 「………」

 眠気が襲ってきた。
 メリッサの周辺のこととか、機体とか、オヤジさんとか、様々な処理に手一杯だったので、疲れはある。
 メリッサは眼を覚ますだろうか。
 きっと大丈夫だろう。
 そんなことを考えつつも、ユトの思考はよどみ始めて眠りへと誘われていった。
 時間と空間の感覚が消失していく。
 眠りと覚醒の中間に落ち込んだ辺りで―――……部屋のドアがノックされた……気がした。
 薄っすらと目を開けるも、眠気がそれを許してくれない。
 ふんわりとした甘い匂いが鼻腔を擽った。
 なんだろう?
 閉じたまま開いてくれない瞼を全身の力を総動員するかのようにこじ開けていく。

 「起きてる?」

 洞窟の奥に閉じ込められた姫君のような朧な囁きが耳に入ってくる。
 ユトは瞳を開けた。
 時間は深夜か、それとも明け方か? 時計を見ない限りは分からないのだが、眠りに入ってからそう時間が経過していないということだけは分かった。
 ドアが開いて、霞のように薄い光を暗い部屋に差し入れている。自分がどこに居るのかが一瞬分からなかった。寝起きの前後は考えるという行為そのものを脳が拒絶するのだ。
 と、ユトの寝ているベットに誰かが体重をかける。スプリングがぎしぎしと音を立てた。

 「メリッサ、……なのか?」
 「……うん」
82潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:15:57 ID:ixPhYfRX

 ユトの意識が外界を正常に認識できる程度まで回転し始めた。
 身体を僅かに持ち上げて、メガネが無い所為でぼやける視界で部屋を見渡してみると、ベットの上にメリッサらしき姿を捉えた。
 心の中に動揺が生まれるよりも先にメリッサがユトの隣に滑り込むように寝転んだ。
 湿り気を帯びた髪の毛がユトの身体に触れた。
 ユトは見た。メリッサの格好を。
 いつもなら高い位置で纏めている髪の毛は垂れ下がっていて、腰辺りでばさりと広がっている。シャワーでも浴びたのか水分を帯びていて花のような匂いが全身を包み込んでいるよう。
 着ている衣服といえば、白いTシャツに、下は……見えない。男物のシャツを着ているので見ることが出来ない。つまり下着ということなのか。
 熱を帯びて朱を帯びた身体は、普段見る姿よりも格段に女性を感じさせる。
 無意識に唾を飲む込んだことをユト本人は気がつかずにいる。
 メリッサは、足の指だけで布団を掴んで二人を覆うようにかける。発生した微風が二人の間に駆け抜けて、布団本体の重みで空気が抜けていく。メリッサの髪の毛がひらひらと舞った。

 「め、メリッサ?」
 「寝て」
 「…………なにを、いや寝てって……、それはいろいろとな!」

 論理的にというか理性的な意味で不味いんだよとは口にだそうに出せず。
 夜なのか朝なのか。ひょっとして天国か地獄か? 意味不明な文章を脳内で組み立てては並べるユトを尻目に、メリッサは身体を寄せてくる。ベットにしがみ付くように肢体を緊張させているユトの身体に柔らかな身体が押し当てられた。
 心臓にニトログリセニンが注入された。
 ばっくばっくと高鳴り、顔が高潮する。
 なんてことはないと理性が本能を制御してかかる。
83創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:16:01 ID:tRXz8li/
 
84創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:16:04 ID:QbpUeSFv
支援
85潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:17:00 ID:ixPhYfRX

 「眠れなくって、……寂しくて。……だめ?」

 ずきゅーん。
 顔を赤くして、甘えるような目つき、更には掠れを含んだそよ風に近い声。
 ユトは震えそうになる頭を制御しつつ頷いて、起こしかけた身体をベットに寝かしつけた。
 男と女がベットに。
 これが分からぬほど二人は子供ではない。
 奇妙な沈黙で作られた時間が経過していく。

 「ねぇ………」
 「ん?」

 恐る恐る。言葉を辞書の中から選んで、更に選りすぐってピンセットで摘みあげるような。耳元でメリッサのささやき声が発せられて、ユトの全身の毛が逆立つ。メリッサの指がユトの服の端っこを摘んだ。
 服がきゅっと引かれて力が伝わった。

 「…………首絞めてごめんね?」
 「いや、気にしてないよ。うん。無事でなにより」

 二人して声が震えてしまっている。
 身を動かすと布団や服の衣擦れの音が聞こえてくる。合間を埋めるのは酸素を肺に取り入れる音か。
 何も話していないと静寂の音が聞こえてくる。
 メリッサは、ユトの腕に顔を寄せた。乾いた唇が皮膚に触れる。幸いにも鳥肌と高めの体温には気がつかなかった。

 「あの時、思い出しちゃって」
 「……うん」
 「お母さんが殺されたところを」
 「…………ぇ?」

 紡がれた言葉に耳を疑う。思わず聞き返す。
 同時に聞き返したことを後悔した。
 数秒の逡巡があった。
 メリッサがユトの腕に額を当てる。体温が伝播する。
 体の上に乗っている布団が重く感じる。

 「聞きたくないなら聞き流して。嫌なら私を追い出して。独り言だから」
 「あぁ」
 「ううん……ゴメン…………………泣きそう」

86創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:18:09 ID:tRXz8li/
 
87創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:18:15 ID:mHDVQigF
 
88潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:18:20 ID:ixPhYfRX

 言うなり、ユトの腕にメリッサの白く細い二の腕が巻きつく。
 ユトは身体を横に向けてメリッサの身体を抱きしめた。
 羞恥よりも行動の方が勝った。
 鼻を鳴らして、涙をこぼしながら大声で泣き始めるメリッサ。普段の彼女からは想像することも出来ない豹変っぷりであった。顔をぎゅっと押し付けることで表情を見られまいとしている彼女の頭を撫でる。
 話の続きを聞き返すことはしない。心の傷を抉るような真似はしたくないからだ。

 「泣きたいときは泣いたほうがいい。じゃないと潰れちゃうから」
 「……ひっ………、ひっ……しょうせつから、……とった、……の?」
 「バレバレかぁ……。うん。昨日読んだ本にそんなのが」
 「バカぁ ッ」

 ユトの肩を緩く握った拳が叩く。
 しゃっくりを上げていたメリッサだったが、ようやく普通の呼吸をし始めた。涙でぐしゃぐしゃになった顔を手の甲で拭って、直ぐ側にあるユトの顔に向ける。
 思わず噴きだしそうな笑みを一瞬だけ見せたユト。メリッサはとりあえず頭突きをした。鈍い音がした。余り強い力ではないのだが、彼は顎を押さえる。

 「眠くなっちゃった」
 「今何時だろう。俺も眠くなってきた」

 時計を見ることは出来たが、あえて見ない。
 彼女の体の感触を感じて本能的な行動に出てしまいそうなのを彼の理性が押し止める。
 それを知ってか知らずか、メリッサはユトの身体に抱きついて脚と脚を絡ませるようにしていく。
 ごごごごごご。
 効果音がつきそうなほどにユトの手が開いたり閉じたり。
 ――触りたい。こんな時でも男としての本能が疼く。悲しいかな男の性よ。
 眠いというのも実は嘘に近かったりする。興奮のほうがずっと強い。
 もう限界かもしれない――……。
 ユトが手をゆっくりとメリッサの肩に触れさせようとしたその時、心地よさそうな寝息が聞こえてきた。我に返って手を引っ込める。その手で自分の額をデコピンのフルバーストをかまして自分を自制させる。
 額に赤い跡が残ったのは言うまでも無い。しかも痛かった。
 身体を動かそうとしたユトだったが、メリッサがしがみ付くような格好で寝始めてしまったので、動こうに動けず、諦めて寝ることにした。
 メリッサの乱れた前髪を指で直す。髪の下には満足げで美しい柔和な寝顔があった。彼女が口を開いて一言を紡いだが、何を言ったのかは分からなかった。
 朝になりかけてきたのを感じ取った鳥の声が外から聞こえてくる。

 「…………うぅ」

 動けば起こしてしまうが、動きたい。
 ユトは悶々しながらも、驚くべきことに眠りについた。
89潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:19:13 ID:ixPhYfRX



 「―――……外科医より患者へ。ダイヤのエース、赤。……はい」

 どこかの暗い格納庫で一人の女性が話している。
 傍らにあるのは潜水機。二本足では起立できないので、上から鎖で吊り下げられている。鎖のほかにもいくつかの固定装置が伸びていて、あたかも拘束されているようで。
 女性は機体から伸びるスタビライザーに手をかける。
 手に持っているのは赤い携帯電話。口にも赤い口紅が引かれている。

 「下が思い出したようです。はい。はい。一気に切除するためにカルテの一部を漏洩させる? ………安全策はどうなっているんですか? ………はい。はい。分かりました……が、我々がメスを使用して上下のをということを許可していただければ」

 女性は格納庫から出て行くと、出入り口のドアの指紋認証のパネルに指を押し付けて出て行く。携帯電話を持っていないほうの手で髪の毛を整え、かつかつと通路を歩いていくと、自分の部屋を目指す。
 目つきは鋭く、耳から入ってくる情報の一欠けらを逃すまいとしている。

 「分かりました。………はい。分かっています。箱に手を入れるのは………えぇ、そうなることは間違いないかと。はい。では、お大事に」

 電話が切れる。
 女性は携帯電話をポケットに入れると、ドアノブを捻って消えた。


                【終】
90創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:19:36 ID:GtM6Ag4/
支援
91潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:20:27 ID:ixPhYfRX
八話終了です。支援に感謝を。
気絶して寝てたのにまた眠くなるものなのかという疑問には目を瞑って頂きたく………だめ?
92創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:23:20 ID:mHDVQigF
>>91
 投下乙です!

 くっ……いちゃつきよって……! 祝ってやる! 祝ってやるぞ!
 しかしダイヤのオースとかメスとか上下ってなんなんだー!


Q:だめ?
A:二度寝って、しますよね!
93創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:26:49 ID:tRXz8li/
>>91
投下乙!
なんやかんやで二人はラブラブじゃのう。そして謎の敵組織が動き出すか……!?
次回を楽しみにしてるぜ!

>>92
二度寝ワロタw
94創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:28:32 ID:GtM6Ag4/
>>91
投下乙です!二人とも無事だったかー!
しかし謎の女性の符丁混じりの会話が気になるわーw

>>92
嫉妬マスクかと思いきやw
イイ奴すぎワロタw
95創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:31:13 ID:mHDVQigF
>>94
 ロスガの時も「祝ってやる!」の大合唱でしたよw
96創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:34:01 ID:GtM6Ag4/
そうでしたww
くっ、1号機からから見直してこよう……orz
97潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:36:27 ID:ixPhYfRX
感想ッ………これだから止められないッッ!! 手が止まらない……ッ! …腱鞘炎……………??


ふと思った。
この変態な場所(誉め言葉)ではユトとメリッサは少数派?
いやそれはないな。うむ。
98まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/27(日) 22:38:15 ID:tRXz8li/
この機会にロボスレの歴史を振り返ってみるのもいいかもわからんねw

……ええすみません、まだロボスレ年表できてません
99創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:42:51 ID:GtM6Ag4/
>>97
プラトニックということならアイザックさんがいますよ!(マテ

>>98
いつもお疲れ様です!( =ω=ゝ
出来る時でダイジョブですよー
100創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:46:18 ID:mHDVQigF
>>96
 1号機は現在のノリの影も形も無いから注意だ!

>>97
>この変態な場所(誉め言葉)ではユトとメリッサは少数派?
 ですねw

>>98
 スレの流れが目茶苦茶早いから仕方ないですよw
101潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 22:47:45 ID:ixPhYfRX
どーでもいいですけど次回から本格的に「過去」について書こうかと思ってます。
………作品一本続かない自分が良くぞここまで来たもんだ。

>>99
そうか、プラトニック!w
102チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 22:48:43 ID:GtM6Ag4/
>>100
覚悟を決めて行ってきます!w

と、その前に「俺のターン!!」やってもいいですかね?w
まだ感想タイムで早いかw
103創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:59:23 ID:mHDVQigF
 おおっと、チャンバラ氏が投下しようとした時に風呂が開いた――――!
 というわけでお風呂入ってくるので、支援は出た時という事でw

 ……ええ、間に合えば、の話ですが!
104潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 23:00:13 ID:ixPhYfRX
ぐぅ 自分もお風呂に入らねばならないのです。支援できれば支援しますが…
105チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:01:19 ID:GtM6Ag4/
>>103
オーライ!本編がまだ出だしだけなので暫く作業してますw
12時少し前くらいに投下する方向でw
106パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 23:02:53 ID:mHDVQigF
>>104
 昨日といい、生活リズムが被っているだと……!?

 まさか生き別れの兄さん!
107創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:36:14 ID:tRXz8li/
今読み返してみると、昔はPBM氏も一発じゃ判別不可能な仕様だったんだな
……結局はノリでなんとなくわかるんだがw

つか最近のスレに負けず劣らず、2号機も豊作だったんだのう
108創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:39:20 ID:EdFTk97z
勢い400で五日で1スレ消費とかこの板のスレの消費速度じゃねーよwww
109パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 23:44:41 ID:mHDVQigF
 ふぅ、いい湯といい牛乳じゃったわいw

>>107
 むしろPBMの場違い感が凄かったですよ、当時はw
 今ではPBMすら霞む大物が続々と……。

>……結局はノリでなんとなくわかるんだがw
 あれでも控えめだったんですよ、ロリコンドライヴ全開じゃありませんでしたし!

>2号機も豊作
 現在の基礎になってる部分が多々ありますからねー。

>>108
 まったりな板の中にせっかちなスレがあってもいい、自由とはそういうものですヨ。
110創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:46:02 ID:tRXz8li/
>>108
つまりこのスレはこの板の最先端をいっているという事さ
111初デザロボが大役だった882 ◆MVh6W.SAZtbu :2009/09/27(日) 23:49:41 ID:/kF5AeBo
>>69
いい決着でした。まさしく「死闘、そして決着」という感じで。
変な感想かもしれないけど、オルトロックが「改心」とかしたりせずに精神的にはそのまま死ぬところが良いなあ。
あと>デストラウが瞬時に三基の背面スラスターを動かし、ヴィルティックから後退
意図したこと(あの管状スラスターは根元で回転して運動性の向上に寄与する)をデザインから読み取って頂けて
メカ描き冥利につきますです。

>>91
いやね、よいね、このユトの心の動き(動揺ともいう)が。

>気絶して寝てたのにまた眠くなるものなのかという疑問には目を瞑って頂きたく………だめ?
まあコレが気になる向きは
>彼女が口を開いて一言を紡いだが、何を言ったのかは分からなかった
ここから全力で何かを妄想するという作業に突入すればよいかと。

>>105
修正射まで終わっている、いつでも支援火力を叩きこめるぞ!
112チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:52:02 ID:GtM6Ag4/
ふははははー!作業小休止!そして!
「俺のターン!!」
ミカズチのオープニング後編をドロー!
少々長いが支援をお願いする!
113創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:53:21 ID:/kF5AeBo
>>108
一年以上前からあるのに、いまだに総レス数323のスレから来た俺は振り落とされないので精いっぱいだ。
114創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:53:41 ID:mHDVQigF
 任せんしゃい!(ロボット魂アーバレストでブンドドしながら)
115チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:53:53 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 再び太刀を青眼に構えるフツヌシと、盾のある左腕を前に出し、長剣を脇に引きつけた構えを取る青騎士。
 間合いはおよそ200メートル。
 フツヌシにとっては、いやフツヌシと騎士、両者のどちらにとっても一瞬で距離を詰め一撃を加えられる距離、言うなれば一刀一足の間合い。
 息の詰まるような睨み合いの中、手の内を探るように先に仕掛けたのは青騎士だった。
 鋭い高速の踏み込みと同時に跳ね上げられた刃が、太刀を握るフツヌシの左腕に襲い掛かろうとする。
 だが、青騎士の長剣よりも一瞬早く、半歩踏み込んだフツヌシの太刀が真っ向から騎士の頭部に落とされた。
 しかし後の先で放たれたその斬撃を、青騎士は胸前にあった盾を斜めに翳して受け流す。
 結果としてフツヌシの斬撃は盾の表面を削る様にして騎士の左手側に流され、青騎士の攻撃も太刀の勢いに体勢を崩されフツヌシの左下腕部の装甲を浅く削るだけに止まった。
 互いに初撃が決まらず双方とも体勢を崩した状態にも関わらず、
 戦闘は更に継続する。
 青騎士が上体ごと左腕を振り回し、盾を左後方にいるフツヌシの背部に叩き付けようとすると、
 フツヌシは太刀を振り下ろした姿勢から右膝を胸に引きつけ脚を折り畳みつつ機体を左前方に投げ出し、地面に倒れ込むようにしてその盾を回避。
 方形の盾の先端が背部スラスターのカバーを砕くがフツヌシ本体は無傷。
 そして盾打ちがカバーを砕いた瞬間フツヌシは胸に引きつけた右足を左前方の地面に突き刺すように踏み下ろした。
 地面を踏み付けた右足が親指の付け根に当たる部分を軸に回転し、その回転の動きのまま右脚が伸ばされ、重心である腰が回転しつつ左足側に移動。
 腰の回転に同調して上体が回り、青騎士が放った盾打ちの意趣返しとばかりに、左の片手横薙ぎが放たれる。
 背後から右腹に襲い掛かる斬撃に、青騎士は一瞬だけ青白い光を全身に纏うと、地面を軽く蹴った。
 その軽い動作の結果、重さを持たないかのように青騎士の身体が大きく前方に跳躍し、フツヌシの斬撃が空を切る。
 空中で身体を捻った青騎士がフツヌシに向き合うように軽やかに着地し、フツヌシも青騎士が降りる間に体勢を整え構えを取り直した。
116創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:54:19 ID:tRXz8li/
 
117チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:54:45 ID:GtM6Ag4/
 ―――――――――――――――――――――

 再び睨み合う両者。
 二合目を仕掛けたのはフツヌシからだった
 構えを左脇構えに変化させつつ、背部のスラスターを同調させた踏み込みで青騎士に正面から突っ込む。
 無論、青騎士もそれに応じて構えを取るが、フツヌシは急激にスラスターの角度を変えて、騎士の左手側に走り抜ける。
 青騎士の左後方まで抜けたフツヌシは背部のメインスラスターを急停止させ、右肩と右腰、左肩と左腰の姿勢制御用スラスターをそれぞれ後部と前部に噴射し急速旋回を敢行。
 振り向く青騎士の背中が正面に来た瞬間に姿勢制御用スラスターを切り、同時に背部スラスターを噴射。
 左後方から青騎士の背後に放たれる太刀は脇構えからの左袈裟。
 それに対する青騎士の反応は背中をフツヌシに正対させることだった。
 斬撃の動作に入ったフツヌシに対して、青騎士の背中から昆虫の羽根のように、細長く鋭い結晶状の物体が4本一斉に突き出した。
 結晶柱がそれぞれ青白い燐光を放ち始めた瞬間、フツヌシは機体前面の姿勢制御用スラスターを全力噴射させ、右足を杭のように地面に突き立てて急制動をかけようとする。
 そして一瞬の間をおいて、フツヌシがいた位置で空間がねじ曲げられ、砕かれた。
118創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:54:46 ID:/kF5AeBo
しえん
119創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:54:47 ID:mHDVQigF
 
120創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:55:10 ID:tRXz8li/
 
121チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:56:27 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 辛うじて制動が間に合い、脚部スラスターを使って後方に跳躍したフツヌシに空間破砕の余波が衝撃波となって襲い掛かる。
 体勢を崩した空中のフツヌシに対して、姿勢制御スラスターを稼動させるまでの一瞬の隙を突こうと身体を反転させていた青騎士が身構えるが、
 大気を貫いて飛翔した短剣が青騎士の目前、腕一つ分ほどの位置に迫っていた。
 衝撃波を受けつつも空中のフツヌシは左手を柄から放し、右腰に装着されていた短剣を手に取り投擲していたのだ。
 青騎士が素早く盾を打ち振り、短剣を払い落とそうとするが、盾に衝突した短剣が内部に仕込まれていた炸薬により爆発。
 それを煙幕としてフツヌシは地面に降り立った。
 そして三度目の睨み合い。
 僅かな時間に必殺の意思を込めた攻撃をやり取りしてお互いに決め手は無く、戦いは互角かと思われた。
 しかし、
 フツヌシが纏っていた神光が一瞬消えそうなまでに弱まり、機体が揺らぎ上体が傾ぐ。
 そのまま膝から頽れそうになったフツヌシだったが、
 「!やっ……兄様!唱!」
 固唾を呑んでスクリーンを凝視していた祈が思わず漏らした声が聞こえたかの様に、その場に踏み止まり青眼の構えを取る。
 しかし神光は目に見えて減衰し続けており、搭乗者と機体の双方に限界が来ているのは誰の目にも明らかであった。
 希望に縋り付くように祈っていたその場の全員の脳裏に、最悪の展開が浮かぶ。
 その絶望を振り払うようにフツヌシが動いた。
122創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:57:29 ID:/kF5AeBo
援護
123チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:57:38 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 青眼に構えられていた太刀がゆっくりと持ち上がり、切っ先が天を指す。

 それは火の位とも称される大上段。

 太刀を構えたフツヌシの全身から眩い程の神光が放たれ、元々刀身が帯びていた神光の上に、更に稲妻の様な神光が絡み付いていく。
 青騎士も次が最後の一合になると見たのか、フツヌシに応じるように長剣を顔の横に立て、全身に青白い光を纏う。
 フツヌシと青騎士が放つ「力」の圧力に負けて、それぞれの周囲で空間が軋みを上げて爆ぜ始める。
 共に最大まで高まった力を放つべく機を窺う両者。
 その力の余波がぶつかり合い、互いのほぼ中間で一際大きく空間が爆ぜたのを合図に、フツヌシが、騎士が、同時に地を蹴った。
 フツヌシはスラスターの赤光を、青騎士は青白い燐光を置き去りにするような速度で両者が激突し、その余波で撮影装置が破壊され、一瞬ノイズが走ったあとスクリーンの映像が消失した。
124創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:57:55 ID:tRXz8li/
 
125創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:58:15 ID:mHDVQigF
 
126創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:58:30 ID:/kF5AeBo
支援
127チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:58:43 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 永遠とも思える僅かな時間の後、ホワイトアウトしていたスクリーンに映像が復活する。
 「!?……あぁ……」
 そして、祈の口から意味をなさない声が漏れた。
 それは、ほんの一瞬前から祈の左半身に発生した奇妙な鈍痛の所為ではなく、
 青騎士の掲げた盾を左腕ごと断ち切ったフツヌシの太刀が、騎士の左肩口、人間で言えば鎖骨に当たる位置で停止してしまっている所為でもなく、
 「……フツヌシが……」
 青騎士の長剣に胸部を貫かれたフツヌシの姿に因るものだった。
 深く踏み込んだ姿勢の青騎士が突き上げるような形で放った長剣が、フツヌシの胸部装甲を貫き、背部からその切っ先を覗かせている。
 「……あ、…………あぁ……」
 問題は、刺突によって貫かれたのが「操縦席がある筈の場所」である、ということだ。
 祈の左半身の痛みは鈍痛からさらに痛みを増し、激痛とでもいうべきものになっている。
 「………………とな、え」
 祈は、この痛みがしばしば唱との間に起きる双子としての共感によるもので、今現在、唱が味わっている痛みが自分に届いているのだということを理解していた。
 その吐き気を催す程の激痛と、スクリーンの中のフツヌシの状態、それらが意識の上で重なり、気付きたくなかった結論が導き出される。
 今、唱は、自分の妹は、あの長剣によって、こんな痛みを味わっている。

 あの刃が唱の生命を奪おうとしているのだ。
128創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:59:11 ID:tRXz8li/
 
129創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 23:59:19 ID:/kF5AeBo
130チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 23:59:55 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 神光は最早微かにしか見えないレベルにまで弱まり、フツヌシは、青騎士に食い込んだ太刀と己の腹を貫く長剣によって辛うじて機体を支えているように見えた。
 青騎士が踏み込んだ姿勢から体勢を戻し、只の人形のように力を失ったフツヌシの機体から長剣を引き抜く。
 そして右肩に浅く食い込んだ太刀を半ばから断ち切られた下腕部で押し上げるようにして外そうとした。
 しかし、
 両手で保持された太刀は微動だにしない。
 二度、三度と力を入れる青騎士だが、太刀は動かない。
 そして次の瞬間、それは起こった。
 フツヌシの全身から爆発的な神光が放たれたのだ。
 細部が確認できなくなる程の神光で、輝く人型と化したフツヌシの両腕に力が籠もり、凄まじい勢いで青騎士の右腰側に振り抜かれた。
 無論、両腕と同じ軌跡をなぞった太刀によって左肩から右腰にかけて青騎士の身体が両断される。

 しかし、フツヌシの動きはそこで止まらない。

 右腰に抜けた刃が疾風の速度で垂直に跳ね上がり右腕を肘上から断ち切り、
 さらに加速しながら刃は青騎士の頭上へと翻り、
 青騎士の頭頂部から股間を正中線にそって雷光の速度で断ち割り、
 そのまま、真下の地面までをも切り裂いた。
 青騎士の足下から背後に伸びる長大な亀裂を創り出す程の斬撃、その余波によって太刀筋の余りの鋭さに立ち姿を保っていた青騎士の身体が弾け飛ぶように四散する。

 僅かな間の後、地面に太刀を食い込ませていたフツヌシの機体が、頽れ、左膝を突く。
 そして頭部が力無く項垂れ、その巨体から神光が完全に消え失せた。
131創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:00:28 ID:9vq3XYNE
enngo
132チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 00:00:58 ID:VloFg+V0
 ―――――――――――――――――――

 司令室でスクリーンを見守っていた皆が呆然としている中、真っ先に動いたのは矢張り若本だった。
 「フィールド内の捜査開始!実働部隊はフィールド内に突入せよ!フツヌシの機体回収と搭乗者の救護を急げ!!二人の、フツヌシの状態はどうなっている!?」
 若本の最初の一語で正気を取り戻し、オペレーター達が作業を再開する。
 「敵「青騎士」の反応完全に消えました!その他の『尖兵』の出現もありません!」
 「第一、第二部隊突入、フツヌシとの合流まで3分です!」
 「整備装甲車と救護班も同時に突入しています!」
 次々と報告がなされる中、一人のオペレーターの報告が皆の表情を凍り付かせた。
 「……フツヌシ、主機関停止!覚君と唱ちゃんの生命反応が危険域です!!副機関も出力不全で二人分の生命維持系が保ちません!!」
 若本は焦燥を顔に貼り付けたまま、
 「第一部隊!到着し次第フツヌシの操縦席のハッチをこじ開けろ!!救護班はすぐに二人を『クレイドル』に入れるんだ!一秒の猶予もない!」
 回復魔術と能動型人工ES細胞の併用により、世間の常識を遙かに越える回復機能を持たせた個人型の生命維持槽の使用許可を端末に打ち込みながら叫ぶ。
 その場の全員が一瞬でも早く二人が救助される事を祈っていると、そこに割り込むように通信が入った。
 「司令!覚君からです!」
 「!?繋げ!」
 通信端末から聞こえてきたのは覚の、どこか熱に浮かされたような声だった。
 「……司令……聞こえて……ますか……?」
 「兄様!」「聞こえるぞ覚君!」
 「……司令、見ました、か?……フツヌシも、……僕達も、限界……って言ってましたけど……勝ちましたよ……?」
 「あぁ!君はよくやってくれた!だから喋るのを止めて救助を待ち給え!すぐに救護班が……!」
 「えぇ……、そうです、ね。……流石に……限界、みたい……です。……少し……寝ますけど……すぐ、起きます……から……」
 「分かった!だから喋るのは……!!」
 「…………祈」
 自分の名を呼ばれた祈が司令席の端末に駆け寄り、覚の声に答える。
 「は、はい!聞こえてます!兄様!!」
 「……悪いん、だけ……ど…………、…………三十……分……くらい、……した、ら…………起こ……し…………て………………」
 覚からの通信はそこで途切れ、通信端末から聞こえているのは途絶時のノイズのみになってしまった。
133創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:01:01 ID:Vmmk3OZ5
 
134創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:01:19 ID:mHDVQigF
 
135チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 00:02:11 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 「兄さま!?ねぇ!返事をして下さい兄様!!!」
 ノイズだけが聞こえる端末に懸命に呼びかけ続ける祈。
 一分、二分……、祈の呼び掛ける声と途絶のノイズが司令室に響き続ける。
 どれ程の時間が経過したのだろうか、急に途絶のノイズが止まり、端末に通信有りのランプが点灯した。
 司令が反応するよりも早く、祈が端末を操作し、相手に呼びかける。
 「兄様!返事をして下さい兄さ……」
 「……祈ちゃーん、兄様じゃないよぉ……」
 端末からは覚ではなく唱の、場にそぐわないノンビリとした声が流れ出す。
 「と、唱!?大丈夫なの!?怪我は、怪我はどうなってるの!?」
 「……ん〜?大丈夫だよ?」
 大丈夫な訳が無い。
 現に祈が感じる痛みは一向に衰えていないのだから。
 負傷が酷すぎて怪我の程度が認識できなくなっているのだろうか。
 「そんな筈……!良いから!喋らないでじっとしてて!今フツヌシが動かなくなっちゃって、二人分の生命維持が難しいんだから!お願い!!」
 祈のその言葉に、少し間があってから唱の返答があった。
 「……そうなんだぁ。うん、分かった〜。……あのねぇ、祈ちゃん」
 「何?……どうしたの唱!?」
 「……さっきね、あの騎士の人最後に笑ってたの。楽しそうに」
 「え……笑って、た……?」
 「……うん。何でだろうね。……あぁそれともう一個」
 「だから喋らないで!話なら後でちゃんと聴くから!!だから……!!」
 泣きそうになりながら話を遮ろうとする祈に苦笑混じりの声で唱は言葉を続ける。
 「……後じゃ間に合わないよぉ……祈ちゃん、この前のケーキバイキングの約束なんだけど」
 「え?」
 「……行けなくなっちゃった。ゴメンね」
 「……唱?」
 「――――――」
 妹の唐突な言動に祈が訝しげな声を出したが、唱からの返事は無く、すぐに途絶のノイズが流れ出す。
 「唱?……唱!?しっかりして!とな……!」
 嫌な予感を振り払おうと、何度も通信のスイッチを入れ直し、繰り返し何度も唱の名を呼ぶ祈。
 しかし、何十度目かの呼び掛けをしようとしたその時、

 ぞくり、と

 祈の背筋に震えが走った。
 そして、その感覚が何であるのか気付くよりも早く、オペレーターのその声が祈の耳に届いた。
 「……唱ちゃんの生命反応が…………拾えません……」
 突然周囲が騒がしくなった。
 司令も、オペレーターの人達も、何かを叫んでいる。
 しかし、自分の耳に届く周囲の音が段々と小さく、いや遠ざかっていく。
 もう皆が話しているのがどんな内容なのかも分からない。
 照明が故障でもしたのか、周囲が急激に暗くなっていく。
 もう真っ暗だ。
 何も聞こえないし、
 何も見えない。
 聞きたくないし、
 見たくない。
 きづきたくない。
 いやだ。
 いやだいやだいやだいやだ。
 いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ……。
 「……となえ……」

 ドサッ

 「!?祈君!?」
 妹の名を口に出した祈の身体が力を失い、端末に覆い被さるように倒れ、そのまま床に崩れ落ちた。
136創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:02:39 ID:tRXz8li/
 
137創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:02:44 ID:9vq3XYNE
sienn
138チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 00:03:24 ID:GtM6Ag4/
 ――――――――――――――――――――

 そして様々な因縁を内包し、物語は時を移す。
139チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 00:04:07 ID:VloFg+V0
後編以上です!皆様の支援に感謝を!
140創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:04:34 ID:9vq3XYNE
し・えん・ど
141創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:18:14 ID:Vmmk3OZ5
>>139
投下乙!
剣と剣のぶつかり合いがかっこよすぎるぜ……しかし激動の序章はかのゼノライファーを思い出させるのう


そういえば最近のロボスレは人死に多いような……ああ、オルトロック先生のせいか
142創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:19:05 ID:dEF+wXwt
>>139
 投下乙です!
 今日は勢い半端無いなぁ、戦闘の密度が凄いですね!
 って妹さんとお兄様が生命の危機だ――――!?

 次回を楽しみにしてます!
143創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:21:50 ID:9vq3XYNE
>>139
乙!
伊達に「チャンバラ」のコテを名乗ってはいないな…… いい剣劇でした!
144チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 00:23:21 ID:VloFg+V0
オープニングは4部構成になりそうでしたが、なんとか削れましたw
それで次は本編の第一章になるんですが、
オープニングとは時間的にずれておりまして、オープニングから2年後になります。

そしてしばらくロボ分がありませんorz
145創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:32:59 ID:VloFg+V0
それではお先に失礼( =ω=)ノシ
>>135の最後少し唐突だったかwすこしテンション上がりすぎてた……orz
明日辺り最後の部分だけ修正して避難所に投下します
146創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:35:36 ID:dEF+wXwt
>>144
 拙作なんかロボは毎回出る上にけっこう殺陣あるのに密度スッカスカですよw
 それに戦闘ばかりでは息が詰まってしまいます!
147創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 00:53:27 ID:Vmmk3OZ5
>>144-145
まあ小休止って事でいいじゃないw

>明日辺り最後の部分だけ修正して避難所に投下します
wikiのを編集すれば……ってチャンバラ氏携帯だっけ?

>>146
ギャグの密度でカバーだ!
148創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 13:16:19 ID:BcifOXZQ
和風伝記百合ゲーとして有名なアカイイトとアオイシロをプレイしたら猛烈に和風伝記ロボが
書きたくなってしまった。もちろん内容は百合で。次回作はこれでいくぞぉぉぉぉぉ!
149創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 13:34:28 ID:dEF+wXwt
 うわぁ、変態だぁ(これは期待せざるを得ない)。
150創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 13:45:52 ID:Kp8y0k4X
これは変態杉(構わん続けろ)
151創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 16:59:41 ID:Y6E/NgnX
おやおや
152創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 17:52:33 ID:VloFg+V0
変態ですなぁ(是非書き上げてくれ)
153チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 18:26:41 ID:VloFg+V0
>>147
あ、そうか編集できるんでしたっけwちょっと直してきますw
ご忠告感謝!
154創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 18:57:16 ID:dEF+wXwt
 ちょうど昨日更新されましたしねw
 wikiの人、乙です!

 ふぅ、バスターガンダムとデュエルガンダムはかっこいいですなァ。
155創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:04:58 ID:Vmmk3OZ5
wikiに直接乙してきたどー

>>154
というか初期の5機はなんやかんやでかっこいいと思うんだ
ところでアヘッドって滅茶苦茶かっこいいよね!
156創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:09:14 ID:Y6E/NgnX
種系はテスタメント一択。しかしヴェルデバスターもうまい。
ジンクス神だろjk
157創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:20:26 ID:4fx0FkiX
レーゲンデュエルとヘイルバスターはだめだとおもいます
158創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:22:34 ID:BcifOXZQ
男は黙ってティエレン。
コクピットハッチが戦車のキューポラっぽくて更に
旋回機銃付きの設定画を見た時は嬉しさのあまり股間から
GN粒子が放出されて気が付けばニールとライルの間で揺れ動く
乙女なティエリアを妄想して萌え狂う腐男子と化していたよ。
しかし00は年増好きにはたまらんアニメだった。
159創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:24:48 ID:Y6E/NgnX
あれはやらかしちゃったんだよきっと
160創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:29:57 ID:Kp8y0k4X
ところで全身が武器な改造少女の需要はありますん?
構想中だけども。
161 ◆n41r8f8dTs :2009/09/28(月) 19:30:28 ID:jLPRGbEe
亀にしても程がありますが−
>>191
読んでて2828が止まらなかったぜ・・・危ない危ない
しっかし良いコンビだな−w裏でうごめく影も気になる所
メスか・・・何だろう
>>139
盛り上がりすぎて真っ白になった・・・
フツヌシと青騎士の戦いもさる事ながら、終盤の緊迫感がすげえ!
一体覚と唱はどうなったのか・・・あぁ、気になるw

それと感想を下さり誠に有難うございました
多分ハッピーエンドになるのかな?多分・・・
メカ職人さん方が満足してくれた様で嬉しい限りです

巧みに自分は00でアルケーガンダムが一番好きですね
異形さと悪役さを両立させたデザインは最高です
162創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:30:33 ID:dEF+wXwt
 100系フレームの機体はみんな好きですw
>>155
 私を土下座させたMS! 私を土下座させたMSじゃないか!
 アヘッドかっこいいよアヘッド。ティエレンかぁいいよティエレン。

>>156
 ジンクスのデザインは素晴らしいと思いますw

>>157
 はい? ヴァーサスアストレイなんてありません、ありませんヨ?

>>158
 ケンズィー=テラオカノフ氏の愛が詰まってますからね!
 メカニック1stで鉄人の運用方法やバリエーションについて延々と語り続けるテラオカノフ氏ったらもう。
163創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:33:20 ID:jLPRGbEe
>>91だった
ごめんなさい
164創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:34:50 ID:Vmmk3OZ5
>>159
種がやらかさないほうが不思議だw
スタゲは奇跡だったんだよ……

>>160
需要なんて関係ねぇ、さあ来いよ!

>>161
アルケーもいいけどスローネもいいよ!

>>162
早くも黒歴史扱いかよw
165創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:37:10 ID:Y6E/NgnX
>>161
主人公機描くとか体がふるえましたよ。話に華を添えることができれば満足です
鬱とか言ってるけどきちんとおとせばそれでいいと思うのよ。オルトロックさんはよい敵役でした
やっぱ設定とか楽しいけどまずは中身で魅せるもんだよなお話て
166創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:44:24 ID:BcifOXZQ
失kと脱(PAN!PAN!)する少女、どちらの需要があるのだろう
167創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:46:09 ID:Kp8y0k4X
>>166
背後にごくやめなにをす
168創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:47:18 ID:dEF+wXwt
>>161
 スローネからあったガンダムジャナイっぷりが最高潮に達して素晴らしい事になってますよねw>アルケー
 隠し腕の時は鳥肌が立ちましたw

 00の機体ならティエレンかジンクスかセラヴィーかスローネかリボーンズか……アンフ?
 動きまくりなので皆好きですなぁ、決められませんw

>>164
 いいえ、ヴァストレイなんて無かったんです。
 あんな私の嫁達をレイプするような作品無かったんです。
 あるのは小売り店の山だけです。

>>165
 設定だけだと「ふーん。で、何?」ってなったりしますからねぇ。
 ははは……傷が疼くんだよぉ!
169潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/28(月) 19:49:27 ID:Kp8y0k4X
>>161
というか感想サンクスっ!
メスとか外科医とかは暗号みたいなもんです。適当じゃないです。じゃないです。うん。
170創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:56:55 ID:BcifOXZQ
ならば両方うわなにをするやめr

まぁ、架空の物語とはいえ、その中の人物はその世界で
生きる人間なのだから、その世界では人間として当然な
事をしてもなんら不自然ではないと思うのが個人的見解。
現実の美少女だって食ったらその分出すのは質量保存の
法則があるわけで。
それを描く必要があるかないかはまた別問題だけど。
しかし失kと女の子のあの日ネタは必ず出すぜ!
171創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 19:57:06 ID:Y6E/NgnX
>>168
設定ばかりあってそれが死んでたら意味茄子ていう話だす。だって設定て話を作る為にあるんじゃないかなていう
あとダイジョーブ!八スレ目あたりで俺やらかし(省略されました..
>>169
感想文書けない子だけどちゃんといつも読んでるのよ、文体が落ち着いてていいと思うよ
え、展開?そういうのは黙って期待だけしとく
172創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:03:24 ID:jLPRGbEe
>>165
いえいえ、自分の稚作にあんなにカッコイイデザインを描いて頂いて恐縮しまくりです
タウエルンの時から悩みまくりですね・・・設定があっても、物語に重要かどうかで足したり引いたりw
やっぱ物語を活かしてこそ、設定が光るんですよね。全然出来てないけどorz
>>166-167
構わ・・・いややっぱ駄目だ!特に脱は(板的な意味で)
>>168
もうちょっとケルディムと戦って欲しかったなと思う
まぁあの終わりはサーシェスらしいから良いけど

何気にオルトロックはサーシェスにも影響されてたり。命に異常にシビアな点が
>>169
ますます気になる・・・w
173創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:12:01 ID:dEF+wXwt
>>166
 どちらかというと失k……いえなんでもありません。

>>171
 あくまで設定って物語の補強ですからねー。

>>172
 スペエディに期待ですよ!
 いい加減アルケー作らないとなぁ……。
174創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:13:52 ID:Vmmk3OZ5
>>168
>傷が疼くんだよぉ!
遺作かあんたはw

>>171
どれ、傷をほじくって来よ(ry
175創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:16:32 ID:Y6E/NgnX
>>170
別にいんでね。殺し合いがある話には割とよくある表現だし。あでも画像にしたらたぶん板的アウト
176創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:17:20 ID:dEF+wXwt
>>174
 どちらかというと遺作よりも痔悪化のほうが好きですねー。スパロボでお世話になりましたし。
 二人共種死では一体どこで何をしていたんでしょうねぇ(棒)
177創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:25:21 ID:Vmmk3OZ5
>>175
エロパロあたりに島流し食らうなw

>>176
テストパイロットでもしてたんじゃないかな(棒)
178創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:30:57 ID:Kp8y0k4X
この板の限界はどの程度なんだろう…
179創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:34:23 ID:jLPRGbEe
とりあえずアンドロイドとはいえ、全裸の女の子が放置される程には


投下当時はぶっちゃけビクビクしてました。怒られるんじゃないかと
180創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:35:36 ID:BcifOXZQ
日常の仕種でエロスを表現する分には問題はないと思うけど。
例えば抱きしめるという行為一つとっても五感は多くの
情報を得る訳で、相手の肉体の柔らかさ、体温、匂い、
そのほか様々な事を感じる訳で。
181創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:38:48 ID:Y6E/NgnX
具体的に描いたらアウト。これはガチ
182創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:40:23 ID:Y6E/NgnX
ん、字が違うな。まあこの字のレベルだと確定でアウトだなwww
183創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:41:06 ID:dEF+wXwt
>>178
 うーん……直接的な表現はNGって感じでしょうかね?
 匂わせるくらいなら問題無いと思います、はい。

>>179
 しかし反応は逆であった!
184創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:42:06 ID:DhIw9ObS
まあエヴァ弐号機が解体ショーされてるシーンで性的な意味で興奮できるような人もいるし
ロボが破壊されるシーンもエロいと言えばエロいとは思う
185創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:42:48 ID:dEF+wXwt
 エロスは人それぞれですしねー。
186創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:43:45 ID:Kp8y0k4X
アクエr……合体すると操縦者が気持ちよくなるロボットものはアウトですか?
187創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:44:29 ID:SXKS7ELq
感情を刺激される、或いは喚起されると言う意味では、
破壊もエロスも近いよ。

まあエロはこの板ではダメだけどねー。
188創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:45:08 ID:BcifOXZQ
>>184
パンフレットだったかな?
凌辱されるエヴァ弐号機という言葉から妙に興奮した覚えがあったなぁ
でもあれはアスカの凌辱を表現しているのでやっぱりエロい
189チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/28(月) 20:45:11 ID:VloFg+V0
>>166
是非失k(打撃音

しかしオープニングの量がエライ事だな俺のw
ロボット物第一話目の冒頭にある感じの伏線まみれの戦闘シーンを書きたかったのですが
あれで精一杯w

ラノベ程度の表現ならいいのではないですかね?
「エロ」はダメだけど「エッチ」はおkみたいなw
190創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:45:45 ID:SXKS7ELq
>>186
あなたにはイクサー1をオススメしておきますw
191創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:48:16 ID:Y6E/NgnX
なんてーか結局は子供も見てるかもしれないので自重してねという意味の筈。
192創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:50:00 ID:bT6cfc5I
そういや男はどこまでやっていいモンなのかね?

リアル過ぎる戦争モノやろうとすると
敵兵に捕まってシリアーナさんが刺殺される系のネタも入ると思うが
193創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:50:34 ID:Kp8y0k4X
アッー?
194創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:51:08 ID:4fx0FkiX
尻穴に触ったらアウト
195創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:51:52 ID:BcifOXZQ
まぁ常識の範囲内でということかね

じゃあ失kは全然エロくないから大丈夫だね!
だってものっそい怖ければ美少女だろうとオッサンだろうと
漏らすものは漏らしちゃうんだし。
……失kするオッサンもいいと思った俺はもう駄目だ。
196創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:52:12 ID:SXKS7ELq
言うまでも無く、舐めるのもダメな。
197創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:52:44 ID:VloFg+V0
>>192
青年マンガだと捕虜にされてロッテな扱いの描写はありましたなー
まぁすぐに「ブヅンッ」でしたがw
198創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:53:37 ID:Y6E/NgnX
なんだこの流れ
そろそろ平常運転に戻った方が
199創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:54:04 ID:SXKS7ELq
そういや今思い出したが、
ガンダム外伝のノベライズで、主人公がノーマルスーツの中に射精してました。

すごい描写だなと思ったもんだ。
200創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:54:12 ID:jLPRGbEe
・・・コテが無くても誰か分かっちゃう俺はホント、このスレの中毒だな
201創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:54:46 ID:BcifOXZQ
>>192
三島由紀夫的な表現なら問題ないんじゃね?
健康的でドキッとさせられる表現は見習うべきところも多い。
202創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:54:48 ID:Kp8y0k4X
ロボスレにはよくあること
そろそろロリ印のあの人が来る頃かな
203創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 20:56:15 ID:VloFg+V0
>>198
了解

さて、前スレで出てた「各物語のキャラでスパロボ風戦闘ゼリフ」は
まだ続いてますよね?
……俺は参加できないですけどworz
204創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:00:19 ID:jLPRGbEe
>>202
いや、もういる気がする・・・w俺は名無しで混じってもバレないかなw今日は無理だけど

携帯だからキツイけどちょっと待ってね>スパロボの台詞

それと今更ですがまとめサイトの管理人さん、お疲れ様です
205創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:02:37 ID:Y6E/NgnX
自己主張しない限りコテでもないのでステルス効いてる……筈。投下したら即バレだけど
スパロボ最近買ってないな
206創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:03:39 ID:VloFg+V0
言い忘れてた……管理人さんいつも乙です!
有り難う!

>>204
あ、いえw催促ではなく確認ですのでw
思いついてからでおkです(;=ω=)
207創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:05:00 ID:Kp8y0k4X
あぁー…自分も書いてある内容で大体どの人か分かるかもしれねぇ……
208創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:06:21 ID:DhIw9ObS
>>205
俺は今日NEO予約してきた
209創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:06:32 ID:J/eLqezL
まぁ、人を特定するような話題は避けようぜ
せっかく雑談時はコテを外すようにしてるのに、意味がなくなるw


というだけでも難だし、名前の由来ネタも掘り返してみようか
俺は作者じゃないが分かる範囲で描きだしてみる

・鋼鐵の特攻兵
御前静
→静御前。源義経の嫁

アイザック・C・ハインライン
→SFのビッグスリー(アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、ロバート・A・ハインライン)から
210創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:09:19 ID:gp9naDsH
俺は名無しに交じってばれた事が無い筈
自分からばらしている以外は・・・
211創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:14:28 ID:dEF+wXwt
>>202
 定期的にBBQにされてレスできなくなるだけで、最初からいるでござるよー。

>>203
 月並みな台詞しか思い浮かばない私……orz
212創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:16:10 ID:J/eLqezL
もうひとつ

・ブリキの騎士
部隊の人物全員
→第二次大戦を舞台にしたノンフィクション、バンド・オブ・ブラザースの登場人物から
213 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/28(月) 21:20:48 ID:BcifOXZQ
変態ネタ全開な俺に隙はなかった!

>>209
名前と容姿から義経の嫁と思いがちですが実は声優の伊藤静というオチです。
アイザックはご存知SFのビッグ3から。
他のキャラはほぼ適当です。
「この名前ならこの国っぽいな」とか「アメリカ人はピザとコーラが大好物だろjk」とかなり適当です。
でもちらほらと趣味のネタがあったり。
214創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:24:09 ID:J/eLqezL
>>213
なんと
完全に騙されてた!
215創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:25:15 ID:Y6E/NgnX
SF作家は即きたなあ。クラークはまだ手を出してないせいか至らなかったが
ヴィルティックは多少'built'に引っかかる希ガス
216創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:27:10 ID:Kp8y0k4X
引用?となると

ポンピリウス=オウムガイ=ノーチラス→海底二万マイル

カナー
217創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:27:13 ID:dEF+wXwt
>>213
>実は声優の伊藤静というオチです。
( 0M0)<ヤハリソウイウコトカ。
218創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:34:25 ID:jLPRGbEe
>>209
すまないorz俺が話を振ったばかりに

って訳で◆6LGb3BALUde1さんを参考に、隆昭&メルフィーで考えてみた

・攻撃フェイズ
「行くぞ、メルフィー!」
「戦闘は私に任せて下さい!」
(撃破)
「よっしゃあ!やるじゃん、俺!」
「油断しないで、隆昭!」
(反撃)
「やられた分は・・・やり返す!」
(必殺)
「頼んだぞ、メルフィー!」
「意識を集中させて・・・今です!隆昭!」
「シャッフル!」

・回避と防御、撃墜
(回避)
「避けろ、ヴィルティック!」
「・・・ふぅ、危なかった・・・」
(防御)
「それぐらい・・・よし!」
「大丈夫か、メルフィー!」
「隆昭こそご無事で」
(被弾中・小)
「つっ!少し油断した・・・」
「敵が来ます!呆けないで、隆昭!」
(被弾大)
「しまっ・・・!」
「大丈夫です!これくらいなら、まだ・・・!」
(撃墜)
「俺は・・・何も守れず・・・・ごめん、メルフィー・・・」

うーん月並w
覚醒隆昭はしばらく待ってね
219創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:35:37 ID:BcifOXZQ
名無しに戻って早速自分も

ブリキの騎士はバンド・オブ・ブラザーズとブラックホークダウンが混じってるかと。

オキーフ→ブラックバーン
リーブゴット→グライムズ

つまりオキーフきゅんはヘリからリペリングする際に落下して
早々に退場するという訳なんですか。
220創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:37:00 ID:VloFg+V0
俺はさっきコテのまま書き込んでしまったので問題外w

んでは作品中の名前の説明でも
>フツヌシ:日本神話の剣神にして武神「経津主神」(ふつぬしのかみ)

>ミカズチ:同じく軍神にして武神にして剣神「武甕槌神」(たけみかずちのかみ)
 タイトルには出ているが、今搭乗しているのはフツヌシ、つまり…………後は分かるな?w

あとは登場人物のプロフィールちょっとだけー
祈>春日・祈(かすが・いのり)唱の双子の姉
  年齢:オープニング時13歳、瞳:黒、髪:黒、髪型:前髪ぱっつんなお姫様カット(搭乗時ポニーテール)
  身長:150無い、体重:身長に比してやや細め
  性格:ハッキリ、活発

唱>春日・唱(かすが・となえ)祈の双子の妹
  年齢、瞳、髪:祈に同じ、髪型:祈と同じ(搭乗時:首の後ろで結んでます)
  身長:祈に同じ、体重:祈に同じ
  性格:のんびり、気配り屋
221創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:40:04 ID:VloFg+V0
ありゃ>>220で髪の長さ書き忘れてたw
二人とも肩胛骨の下辺りまでの長さです
222創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:41:22 ID:yxSs/DoD
>髪:黒、髪型:前髪ぱっつんなお姫様カット(搭乗時ポニーテール)
分かってる。さすが、分かってるよ>>220
前章前編の冒頭からこのイメージで想像してたw
223創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:44:19 ID:VloFg+V0
>>222
ご期待に添えた様で何よりだ、兄弟w
224創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:44:33 ID:dEF+wXwt
>>220
>身長:150無い
>150無い
>無い
 イィィィヤッホォォォォォォォォゥ!!
225創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:45:58 ID:jLPRGbEe
皆スゲーな。凄い凝ってるし
俺は由来とか考えた事無いやw
せいぜい木原さんと氷室くらいだ。どっちもゼオライマ-の悪役(てか黒幕)とヒロインから拝借しました
226創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:46:16 ID:Kp8y0k4X
>>224
ワロタ
227創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:47:46 ID:VloFg+V0
>>224
喜んでいただけてなによりw
平均身長より多少低めで見積もりましたw
228創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:48:57 ID:Vmmk3OZ5
>>224
落ち着いて師匠!

>>225
なんとなくそれっぽいと思ったらマジだったのかよw
229創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:50:54 ID:VloFg+V0
>>225
>どっちもゼオライマー
( 0M0)<ヤハリソウイウコトカ。
230創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:53:27 ID:yxSs/DoD
>>219
個人的には、B.O.B.の俺的最萌シーン「ウィンタースさん、雨だれ打ちでキーボードを叩く」を再現して頂きたいw
ブリキの騎士の年代じゃさすがに無理な予感もするがw
231創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 21:57:11 ID:dEF+wXwt
>>225
 銃器関係とそれっぽい名前を適当にくっつけた私みたいなのもいる!
 ええ、初期設定じゃ色々あったんです、初期設定じゃ。

>>227
 うぇっへっへ、三年後が楽しみじゃのう。
232創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:01:14 ID:VloFg+V0
>>231
女性はスタイルとのバランスもあるのでまだ脳内審議中なのですよw

あと覚兄様のもありますが……ヤローはいらんかw
233創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:04:08 ID:BcifOXZQ
>>230
しかしこの場合はBOBなのかBHDで考えるべきなのか…
M23部隊はデルタっぽいと個人的には思ったり

>前髪ぱっつんなお姫様カット(搭乗時ポニーテール)
髪型だけ見たら半身不随の重傷を負ったけど変な石で
物凄くパワーアップして知り合いを惨殺していくけど
最終的に最愛の妹に討たれる事を望んだあの子を思い
出して鬱になった…
234創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:09:41 ID:jLPRGbEe
>>228-229
まぁ本編に全然関係ないんだけどねw木原さんが元ネタみたく二面性があるくらいで

って訳で覚醒隆昭です
・攻撃フェイズ
「その隙、突かせて貰うぞ」
(撃破)
「良い戦いだった。敬意を払う」
(反撃)
「やられた分はしっかり返して貰う。悪く思うなよ」
(必殺)
「この一撃で・・・決める!」
「エクステッド・・・ヴァースト!」
(トドメ)
「懺悔し続けろ。あの世でな」

・回避、防御、撃墜
(回避)
「軌道さえ読めば・・・そこだ」
「見える。なにもかも」
(防御)
「油断したか・・・だが、悪くない」
(被弾・中少)
「問題無い。迎撃に移る」
(被弾大)
「くっ!だが・・ここで倒れる気はない!」
(撃墜)
「すまない、メルフィー。どうやら俺は・・・」

・・・◆6LGb3BALUde1さんに比べれて俺センスなさすぎワロタ
流れを邪魔してすまなかった
235潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/28(月) 22:11:02 ID:Kp8y0k4X
九話完成ー……
でも体力不足ですので明日見直し投稿ということにします

骨組み組んだ結果本編が十三話。アニメの1クール?
236創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:13:54 ID:VloFg+V0
>>234
やはり覚醒時の隆昭は格好いいのぅw一本芯が通るね。騎士の様だ

流れは邪魔してないですよwお題はこれですから
237創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:36:49 ID:dEF+wXwt
 では悪ノリしてリヒトとヘーシェンでw

・攻撃フェイズ
リヒト「よし、やるぞヘーシェン!」
ヘーシェン「ええ、頑張ってください」
リヒト「いやおまえも行くんだよ」
(撃破)
リヒト「雑魚は引っ込んでな!」
ヘーシェン「あ、じゃあ私は引っ込みますね」
リヒト「待てコラ」
(反撃)
リヒト「肉を斬らせて!」
ヘーシェン「戦闘後にごゆっくりどうぞ」
リヒト「そういう事じゃねぇ」
(必殺)
リヒト「この一撃で決め」
ヘーシェン「汚物は消毒だ〜!」
(トドメ)
リヒト「どうだ、これが俺達の!」
ヘーシェン「あ、剃り残し」
 ぶちっ。
リヒト「ウボア――――」


・回避、防御、撃墜
(回避)
ヘーシェン「回避成功ですね」
リヒト「ああ、外してくれたな」
ヘーシェン「回避成功でしたよ」

(防御)
ヘーシェン「バリア使わせんじゃねぇですよふぁっきんまげっつが」
リヒト「なら避けろよ」

(被弾・中少)
ヘーシェン「いでえよ〜」
リヒト「修理費がな」

(被弾大)
リヒト「大丈夫か、ヘーシェン」
ヘーシェン「そんな声出さないでください、惚れてしまいます」
リヒト「クソッ、手遅れかよ!」

(撃墜)
ヘーシェン「うわーだめだー」
リヒト「なんてこった、ヘーシェンが殺されちまった! このひとでなし!」
238創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 22:46:55 ID:jLPRGbEe
>>236
なるたけ覚醒前とギャップが出るようにしました
こうして見るとやっぱ誰(ry
>>237
良い意味で緊張感がまるで無いww最後のサウスパークネタは意表を突かれましたw
・・・ここは悪ノリに乗ってPBMさんのキャラての援護台詞を考えてみるか
239創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:00:00 ID:dEF+wXwt
>>238
 悪ノリ大歓迎ですw
240創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:02:15 ID:VloFg+V0
>>237
戦闘の空気じゃ無ぇー!!w
何この軽快な感じwGJ!
241創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:08:58 ID:Vmmk3OZ5
>>237
こ れ は ひ ど い w
相変わらずネタたっぷり過ぎ吹いたw
つか回避の時のお嬢かわいいな
242創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:11:05 ID:dEF+wXwt
 緊張感の無さが二人の売りですから!

 ちなみに遥とリヒターは月並み過ぎ、たまとまどかのひらがなコンビはネタバレになるのでやめておきました。
243創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:13:51 ID:jLPRGbEe
>>239
んじゃしばらくお待ち
しかし突然人がいなくなるなw
244創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:15:02 ID:dEF+wXwt
>>243
 了解です!

>突然人がいなくなる
 もはや完璧に伝統になってますねコレw
245創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:17:02 ID:Vmmk3OZ5
>>突然人がいなくなる
なんつーか定番ネタになりつつあるよなw

……いや、もうなってるかw
246創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:18:20 ID:VloFg+V0
>人がいなくなる
 本当に突然ですよねw
 自分の書き込みの後に誰も書かないとすげー怖くなる俺は小心者w
247創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:19:30 ID:dEF+wXwt
>>246
 自分もですよw
 まあ最近はあまり無くなりましたけどね!
248創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:20:53 ID:Vmmk3OZ5
>>246
それは多分誰だって一緒だw
249創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:26:47 ID:VloFg+V0
>>248
ですよねーw
失礼しますたw
250創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:47:39 ID:dEF+wXwt
 やめておいたとか言いながら遥&リヒターを書いてしまった俺僕私。

・攻撃フェイズ
遥「頑張ろ、リヒター!」
リヒター「イエス・マイマスター」
(撃破)
リヒター「目標の沈黙を確認しました」
遥「お疲れ様、後で身体洗ってあげるね」
リヒター「……どうも」
(反撃)
遥「傷付けたお返しっ、いくよ!」
リヒター「イエス・マイマスター。万倍にして返します」
(必殺)
遥「何も考えずに接近して……とっつけ!」
リヒター「イエス・マイマスター」
(トドメ)
リヒター「マスターの邪魔をするものは、何であろうと貫くのみ……!」
→(撃破)へ

・回避、防御、撃墜

(回避)
リヒター「回避成功」
遥「即座に次へ!」
(防御)
リヒター「防御、成功しました」
遥「マナは大丈夫?」
リヒター「イエス・マイマスター」
(被弾・中少)
リヒター「命中、小破」
遥「でも、この程度なら!」
リヒター「問題ありません」
(被弾大)
リヒター「くっ……」
遥「リヒター!」
リヒター「大丈夫です、まだ戦える……!」

(撃墜)
リヒター「……すみません、限界です」
遥「リヒター……ごめんね……!」
リヒター「マスター……離脱を……」
遥「ごめんね……!」


 オウフ、月並み過ぎる……。
251創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:52:30 ID:VloFg+V0
>>250
 おぉ!>>237に比べて何という理想的な主従!GJ!
 思わず見比べてしまったw
 撃墜時のセリフから遥さんの優しさが伝わるぜぃw
252創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 23:59:12 ID:Vmmk3OZ5
>>250
遥もリヒターもなんていい子なんだ……てかリヒター健気過ぎる
おかげでリヒトとお嬢の滅茶苦茶っぷりがいっそう際立つなw
253創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 00:25:05 ID:hwWYzGYA
ではそろそろ失礼を。
あ、あとwikiの方でフツヌシ登場時の外見描写と、オープニング最後の部分修正しましたのでw
第一話が投下された時にでもご確認くださいm(_ _)m
254創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 00:30:49 ID:0sDl5G5q
待たせてごめーんね
って事で。隆昭&メルフィーと、覚醒隆昭でPBMさんの各キャラに対する援護台詞です。援護防御と援護攻撃にわかれます
・遥とリヒター
援護攻撃
「一条さんに続くぞ、メルフィー!」
「私達も加勢します、一条さん!」
援護防御
「一条さんは俺が守る!」
「ここは私達にお任せ下さい!」
・リヒトとヘーシェン
援護攻撃
「えっと・・・俺達の切り札、とくと味わえ!」
「隆昭・・・?」
「いや、あの二人のノリで・・・ごめん」
援護防御
「見たか!これがカードバトルの真髄・・・」
「・・・・・・」
「ごめん、真面目に戦う」
・たまちゃんとまどか
援護攻撃
「援護・・・いるのかな。何か怒られそう」
「何言ってるんですか!援護します、ブラウニングさん!」
援護防御
「衝撃が加わると凄く揺れそうだな・・・」
「何の話です?」
「何でも無い!援護する!」

覚醒隆昭
・リヒターと遥
援護攻撃
「加勢する。ここは任せるぞ、リヒター」
援護防御
「この程度・・・一条さんの手を煩わせる必要もない」
・リヒトとヘーシェン援護攻撃
「良いコンビネーションだ。称賛するよ」
援護防御
「少し真面目に戦った方がいいぞ」
・たまちゃんとまどか
援護攻撃
「余計な手出しならすまない。気にしないでくれ」
援護防御
「防御は俺に任せて攻撃に専念してくれ」

30分も待たせて何と言うガッカリクオリティ。すまない、PBMさん
255創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 00:58:57 ID:qBrCnDV8
 ところがぎっちょん! たった今風呂から上がったのであった!

>>251-252
 とりあえずPBMの三組は、

 遥とリヒター→主従
 リヒトとヘーシェン→対等
 まどかと玉藻→姉妹

 という構図になっとりますw

>>253
 了解です!
 さて、次PCが使えるのはいつかしら……。

>>254
 ひらがなコンビへの援護防御時の掛け合いにちょっとときめいた私がいる……。

>すまない、PBMさん
 これがガッカリなんてとんでもない!
 素敵だと思います!

 覚醒前アッキー見事に染められてますねw

>「少し真面目に戦った方がいいぞ」
リヒト「だそうだ、ヘーシェン」
ヘーシェン「イエス・マイマスター」
リヒト「やればできるじゃないか」
ヘーシェン「イエス・マイマスター」
リヒト「よし、いくぞ!」
ヘーシェン「イエス・マイマスター」
リヒト「よくやった、ヘーシェン」
ヘーシェン「イエス・マイマスター」
リヒト「それ以外は喋れないのかよ」

 さて、こうまでしてもらったなら私もネタを返さねばなるまい……!
 でも今日は遅いのでまた明日という事でw
256創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 01:28:54 ID:i7jY8RGf
このスレ、携帯だと一日みないだけでえらい事になるでゴザルの巻
前スレで異世界召喚モノのプロローグ投下させてもらった者ですが、他の所でも創作やってるんでちょっと本編の投下遅れそうですタイ。まだ半分しか書けてません
と生存報告をば
安西先生、時間が……欲しいです……
257創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 02:05:03 ID:ANS/IJVo
今までずっとロムって来たのですが
このスレの方々の熱気に当てられて取り合えず書いてしまいました。
このままココに投下してもいいんですかね?
258創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 02:08:31 ID:JG8vM+xN
ばっち来ーい!
259創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 02:08:38 ID:fv8018UE
いいんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
260創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:01:08 ID:ANS/IJVo
了解です、投下開始します。
261創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:20:08 ID:ANS/IJVo
鋼殻牙龍 ドラグリヲ 第一話 悪い目覚めに蜂

暗い…ここは……どこだ…?

フと気が付くと僕は深い深い闇の中にいた。
光も音もこの漆黒に飲まれたように、何も見えない、何も聞こえない
自分の手も身体も確認出来ず、自分が本当にこの場所に存在しているのかさえ不安に思える。
どうして僕はここにいるのか、ここは一体何処なのかも全く分からない。

自体を把握する為、目を凝らして周囲を見渡すと遥か彼方にうっすらと小さな灯火が見えた。
僕はその小さな光を目指し、シッカリと地面を踏みしめ駆け出す。その暗闇という名の恐怖から逃げだすように。
段々と大きくなってゆく光、しかしその光はただの明かりでは無かった。

炎上するマンションから噴き出した炎が、周囲一体をを紅く染め、黒い煙が周囲を舐めるように広がってゆく。
そして破壊されたマンションの頂上に巨大な化け物が大量の人間を口に咥え陣取っている。
いつの間にか傍にあった戦車隊が化け物に対して一斉に砲撃を開始し、どこからともなく飛来したヘリが大量のミサイルを放ち離脱していく。

だが化け物はその攻撃に身動ぎ一つせず全て受け止め、お返しとばかりに吐き出された炎は僕の脇を通り過ぎ、戦車を一両残さず焼き尽くす。
そして離脱しようとしたヘリも尻尾に叩き落とされ、無残にスクラップと化す。
高らかと天を仰ぎ吼える化け物、その姿はとても恐ろしくあれど何故かとても美しくも感じた。

その時マンションの内部から、ドサクサに紛れて一人の男が子供を脇に抱え飛び出して来る。
脇に抱えられた男の子はその男の腕から逃れようと必死に身体を捩るが逃れることが出来ない
そしてすれ違った瞬間、僕は脇に抱えられた男の子と目が合った。
白い髪に赤い瞳、そして何処で切ったか分からないが、顔を斜めに過ぎる大きな傷。
これは…幼い頃の…僕の姿?
262創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:22:40 ID:qBrCnDV8
 朝早くから投下とは、豪気な事だ。
 支援しよう。
263創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:29:48 ID:ANS/IJVo
「ハッ……」
突然視界が開けた、そして周囲の音も明瞭に聞こえる様になった。
欠けた月と星が夜空を彩り、黒い雲がその淡い光を飲み込み、広く暗い空をカッ飛んで行く。
「夢…か…。」
久々に嫌な夢をみた…ずっと昔…無力で何も出来なかったあの時の夢を。
徐に時計を見る、まだ3時を少し回った位で、まだ夜が明ける気配はない。
「カルマ…あとどの位で着くか分かるかい?」
僕の前でずっと空を眺め続けているゴスロリ衣装の少女に声をかける。
『この調子だと……後2時間程掛かるでしょう…。もう少し寝てても問題ないですよ。』
カルマと呼ばれた少女は二つに纏めた金色の髪を風に靡かせ、こちらを向く。
「そうか…。」
もう一眠りしようと身体を無意識に寝返りを打とうとする………………が、そこに床は無く、雲同様高速でカッ飛んでいく地面が見えた。
「……………あ?…………アッーーー!!!落ちる!死ぬ!助けて!カルマちゃん助けて!!」
咄嗟に伸ばした腕が運良く輸送用リニアの屋根に引っ掛かり、一命は取り留めるが気を緩めたら間違いなく落ちる。
屋根の淵にしがみ付き、上にいる少女に冗談抜きで必死に助けを求める。
『ユーザー何考えてるんです!?こんな所で寝返りを打つなんて!』
屋根の上から銀の触手が飛び、僕は屋根の上に軽々と引き上げられた。
「た…助かった…。」
屋根の上に下ろされた瞬間、腰が抜けたようにドテッと情けなくへたり込む。
『まったく…変な世話かけさせないでくださいよ……だから乗る前に、警備システム弄って中に隠れてた方がいいってあれ程言ってたじゃないですか。』
カルマは呆れかえった顔で僕に文句を言う。
その言葉を聞いた瞬間僕は彼女の両肩を掴み、全力で揺さぶった
「狭苦しい所は嫌だって言ってたのは誰だ!お前だ!お前!!」
『……そうでしたっけ?』
カルマは僕と目を合わせないようにしながらボソッと答える。
「自分の言ったことを棚に上げて人に文句言う悪い子にはこうだ。」
僕は彼女の両頬を摘まむと、力を程ほどに入れて引っ張る
『いひゃー!いひゃいでふ!ゆーふぁのいふぃある!ばふぁ!へんふぁひ!ほひほん!ほうへい!そうほう!たんひょう!』
カルマはお返しとばかりに僕の胸ポカポカを殴る………痛い。
「僕のナニが早漏で短小で包茎だ!そんな言葉何処で覚えた!そんな事教えた覚えはないぞ!」
と掴みあい罵りあいを三十分ほど続けたが、相手にするのもいい加減飽きて来たので、適当に謝って寝ることにした。
到着直前には彼女が起こしてくれるだろう。
264創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:32:38 ID:ix3FQ0jD
支援する他ない
265創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:35:09 ID:qBrCnDV8
 
266創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:41:23 ID:ANS/IJVo
『でもこんな夜中に護衛部隊無しで貨物リニアを走らせるなんて危険じゃないんですか?』
さっきまで喧嘩していたことを忘れたのか、彼女は僕の傍に身を寄せソワソワと落ち着かない様子で僕に問いかける、胸の前でモジモジとさせる手つきが妙に可愛い。
「この辺のエリアの“害獣”はこの間の掃討戦で一匹残らず駆除されてるらしいし、大丈夫だろ?……多分」
僕は適当にそう言い返すと再び眠りに就こうと軽く瞳を閉じる
『…本当にそうなのなら有難いんですが……………!………そうは言っていられなくなったようです。』
彼女はそう言うと風圧で飛ばされない様、ゆっくりと“躯”を起こし、西の空を見る。
『…複数の巨大な生体反応の飛来を確認。間違いありません…“害獣”です。蜻蛉型空母種が一体、蜂型労働種がニ匹と思われます。』
僕はその言葉を聞いて上半身を起こす。
「…カスゴミの連中……また金渡されて大本営発表しやがったな……屑共め…。」
『如何します?』
いつの間にか僕の目の前に回り込み、膝の上にちょこんと座っていたカルマの大きな瞳が、僕の眼をジッと捉える。
「如何しますって言われても…何もしなかったら喰われるだけだからなぁ…殺るしかないだろ?」
丹田辺りにグッと力を込め、ナノマシンのスイッチを入れる。すると身体中を紅いラインが奔り力が漲ってくる。
「最後尾辺りにあった車両を貰おう、積み荷と車両の質量を合わせれば十二分に確保出来る筈だ…。」
僕はそう言って立ち上がり、彼女を抱き抱えると先頭車両から一気に13両後ろの車両まで一気に走り抜ける。
「1…2…3…4…5秒…か最近使ってなかったから遅くなったかな?」
『場所考えてくださいよ、こんな所でまともに突っ走れる筈ないでしょう?』
彼女はそう言ってリボンを僕に手渡すと、深呼吸をしてブツブツと呟き始める
『進化制限解除確認、素体成形用物質取り込み開始。』
僕の腕の中にいた彼女の躯がズブズブと銀色の膜に覆われ溶け、その銀色の液体が僕が乗っている車両全体を飲み込んでいく。
『進化必須質量クリア、コア接続…。』
銀の液体から伸びた触手が僕の背中に突き刺さり、ずるずると引き込まれる。
そして腕、腿、胴体と身体の彼方此方から銀色の細い糸が伸び、銀の液体と“接続”される。
『コア接続完了、防護殻生成率87%…………。』
バキッと液体の外から何かが折れる音が聞こえた、恐らく殻を造る過程で連結部分が折れたのであろう。
それまで凄まじい勢いで駆けていた車両のスピードがグングンと落ちてゆき、遂には停止してしまった。
267創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:42:48 ID:qBrCnDV8
 
268創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:52:34 ID:ANS/IJVo
風の音が止み、辺りは静寂に包まれる、だがそれも長くは続かなかった。
明らかに異質な羽音が複数だんだんと近づいて来るのが分かる。
「来たな…!」
思わず気を引き締める、とは言っても今は何も出来はしないが。
取り残された僕達を見つけたのか、先頭を飛んでいた“蜂”が一匹勢い勇んで飛んでくる、そして針を爛々と輝かせ殻に躍りかかって来た。
殻の内部全体に衝撃が奔る、
「…耐えてくれよ……少しの間でいいから……」
透明な殻越しに蜂が針と鋭い牙を突き立てているのが嫌でも見える。
針が刺さった部分に薄いヒビが入りはじめ、牙はすでに先端の部分が抉り込まれているが、途中で止まってしまってそれ以上は入ってこない。
噛んでもあまり効果が無いことを学習したのか、今度は針を何度も突き立て始める。
針が撃ち込まれる度に殻に入ったヒビがみるみるうちに大きくなっていく。
「カルマ、まだか!」
『怒鳴らないでください、あと少し待って!』
そうこう怒鳴り合っているうちに針の先端が殻の内部に入り込んで来た。
この調子だと恐らく後一分も持たないだろう。
「チィッ……急げカルマ!もう持たないぞ!何も出来ずに肉団子になるなんて嫌だぞ!」
背中に嫌な汗をかきながらもう一度怒鳴る、その時殻の中全体にカルマの凛とした声が響き渡った。
『装甲生成率100%……ボディ成形完了…、コンバットプログラム起動、お待たせ致しましたユーザー……起動します』
今まで透明だった周囲の風景が一気に変わる。
銀の液体に包まれていた僕はいつの間にか無機質なコックピットの内部にいた。
銀の糸に吊るされ、身動きが取れないのは何時になってもいい気持ちがしない。
だが、この繋がりがあったから生きて来れたのだから贅沢は言えない。
正面のモニターに映る蜂の憎たらしいツラを睨みつけながら僕は叫んだ。

「いくぞ!ドラグリヲォォォォオオオ!!!」
269創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:53:50 ID:qBrCnDV8
 いいぞぉ、支援するぞぉ。
270創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:58:14 ID:ANS/IJVo
[グルルルルルォォアアアアアアッ!!!]
防護殻を引き千切り、飛び出したの銀色の巨大な蜥蜴だった。
頭は龍頭の様に勇ましく、瞳は紅玉の様に赤く、腕は盾のように厚く大きく、逆関節の脚は堅牢で、曲がった爪は研ぎ澄まされた短刀よりも鋭い光を放つ。
長い尾は鞭のようにしなり、そして大きな口から伸びた一際目立つ牙は血のように紅く濡れていた。

{ギィィィィ!??}
突然殻から飛び出してきたモノに驚いた蜂は急いで飛び立とうと、その薄い翅をばたつかせる。
が時既に遅く、銀蜥蜴は蜂の首根っこに深々と喰らいついていた。
喰らいつかれた蜂は何とか逃れようと全身をバタつかせ暴れようとする。
しかし銀蜥蜴は其れを許さない、そのままガッチリと牙を食い込ませそして頭上に持ち上げる。
[キィ!?]
一瞬呻く蜂、だがそれが蜂が発した最後の言葉となった。
銀蜥蜴の牙の隙間から赤い光が漏れた瞬間、蜂の身体は粉々に砕け散る。
周囲には緑色の血液が飛び散り、蜂の肉の焼け焦げた匂いが周辺を包む。
[グオオオオオオオオオオオオ!!]
蜂の身体を構成していた甲殻を踏み潰し、星空を仰ぎ誇るように雄叫びを上げた。

{ギュイ!}
先に突っ掛かっていった仲間が無残にやられたの見て警戒したのか、もう一匹の蜂は上空を八の字にぐるぐると回り始める。
「仲間を呼ぶつもりか?そんなメンドクサイ事はやらせん!!」
攻撃が届かないとタカを括り余裕かまして余所見した瞬間を狙って、地面が抉れんとばかりに全力で地を蹴っ飛ばし飛び上がる。
そしてこちらの接近を気付かせる間もなく、重力と機体を捻り発生させた遠心力を乗せた爪を蜂の背中に思いきり叩きつける。
爪を喰らった蜂は、呻き声一つ立てず真っ二つになり、緑色の血を降らせながら地面に墜ちていった。
その後を追うかのようにキリモミしながら落下し、そして綺麗に着地する。
271創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 09:59:23 ID:ix3FQ0jD
ヒート支援
272創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 10:02:17 ID:qBrCnDV8
 
273創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 10:30:27 ID:ANS/IJVo
「おっし!最後は……」
遥か上空彼方を睨みつける。
そこには眼下で起きた喧噪など無かったかのように悠々と飛び続ける巨大な害獣の姿があった。
「あれは落とすぞ…絶対に!」
『了解…ブレス発射準備に入ります、………覚悟はよろしいですか?』
「…成層圏まで届く武装がそれしかないから贅沢言ってられんだろ…。」
『……すいません。』
僕がそう答えると、彼女は小さい声で謝った。
そして粛粛と発射への準備を始める。
『外殻装甲パージ……各部冷却開始………。』
躯中を覆っていた装甲が脱げ落ち、素体部分が露わとなる。
そして銀蜥蜴は顔の先を自らが討つべき敵の方角へ向けた、脚部からスパイクが飛び出し銀蜥蜴の躯を完全に固定する
『口内砲撃機構補修完了……圧縮粒子弾装填……!目標、敵空母蜻蛉級…補正完了!…ユーザー…いきますよ…。』
「何時でも…いける…。」
『……了解………ブレス発射!』
彼女がそう叫ぶと何かが炸裂する音がした、その瞬間辺り一面が閃光で包まれる。
光が益々広がっていく中で、コックピット内の温度も急激に上昇していく。
「くぅぅぅぅ…ぁあああああああああああ!!!」
凄まじい振動と熱と轟音がコックピットを襲う、覚悟はしていてもやはり苦しい物は苦しい。
余りの熱気に息が出来ず、意識が緩やかに遠のいていく。
だが仕留めた事を確認するまでは意識を失う訳にはいかない、ナノマシンの稼働率を限界まで引き上げて何とか耐える。
そしてその生き地獄が続くこと数十秒、コックピット内にカルマの声が響き渡った。
『目標消滅確認…!ユーザー!やりましたよ!』
「そ…そうか…!よか……た……………。」
彼女が喜び勇んで撃破を伝える声が聞こえた瞬間、一瞬気が緩み僕の意識はそのまま暗い闇の中へと引き込まれていく。
『…?ユーザー!?ユーザーしっかりして下さい!ユーザー!ユ……z…………………。』
遠のいていく意識の中、彼女が必死に僕を呼ぶ声だけが頭の中に最後まで響いていた。
274創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 10:30:51 ID:ix3FQ0jD
支・援
275創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 10:34:27 ID:ANS/IJVo
投下完了、今回はここまで。
こんな駄文に支援して頂いた皆様に感謝の気持ちを込めて。
276創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 10:39:57 ID:ix3FQ0jD
>>275
乙っす!結構ハードだな……
後で読ませて頂きますね〜。しかし新規さんがまた一人……
おれもウカウカ出来んなw
277創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 11:08:07 ID:qBrCnDV8
 ゴス ロ リ 少女と聞いて光の速さでダッシュしてきました。

>>256
 生存報告乙です!
 生存報告さえあれば大丈夫ですよ、ゆっくり待ってますからw

>>275
 投下したその勇気に敬意を表して乙です!
 なんだろう、ライダーにおけるアマゾン的な異形さを感じる……。
 しかし色んな意味でリスキーな必殺技ですねw

 次回を楽しみにしています!


 そういえば1スレにひとつは新作が投下されてますね、すごいや!
278創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 12:21:29 ID:2utbspOS
>>275
乙ス。
イイね、有機系な感じが。

作品も機体数も結構増えてきたね。
マジでスパロボみたいなシミュレーション作って欲しかったりする
279創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 12:49:54 ID:7tlaF2Gs
>>278
http://www.src.jpn.org/
よし!がんばれ!
280創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:07:40 ID:227LJPAE
                         あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!
                          今、9機目の過去ログを読み返してて
                    各キャラ、機体の名前の由来についての部分に興味がわいて
               海外で実際に使われてる名前、単語のキャラが、その国の言葉で表記されるのか
                    ってのを軽〜く調べてたんだが、恐ろしい事に気付いてしまった
                  い…いや…気付いたというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 調べた事を話すぜ!
          |i i|    }! } //|
         |l、{   j} /,,ィ//|          『独語の兎は「Hasen」と書くのだが
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ  カタカナ表記で書いた場合は「ハーゼン」って発音するらしく
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |   「ヘーシェン」に近い発音の独語は「Hoschen」という単語で
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ     日  本  語  訳  :  ぱ  ん  つ  』
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉 
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ    な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ おれも何についてを調べてたのかわからなくなった…
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \ 
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    頭がどうにかなりそうだった…
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  } 
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  エキサイト翻訳だとか戸田奈津子だとか
                             そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

                            もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
281創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:11:04 ID:fv8018UE
>>280
ウムラウト忘れてますよ
282創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:19:18 ID:227LJPAE
>>281
2chじゃウムラウトが表記されんのよ

正しくは「Hoschen」の「o」は上に点が二つ並んでんだが
それを書き込もうとすると自動的にoにされる
Damonsスレでもそんな感じだったし

まあ俺の貧困なドイツ語知識で調べた事だから
間違ってる可能性は普通にあるけどな

ちなみに「geschtreiftes Hoschen「で「しましまパンツ」
「Tupfelhoschen」で「水玉パンツ」なのだそうだ
283創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:22:39 ID:OeK7HmwU
ドイツ語で真紅はプルプルン……外国語では普通では日本語では妙なことになるのはよくあること
284創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:25:28 ID:fv8018UE
¨o こう書くしかないのか
2chのドイツ民困るなww
285創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 16:25:29 ID:OeK7HmwU
×普通では
○普通でも

マチガエンナヨオレ
286創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 17:37:41 ID:0sDl5G5q
>>285
昼間感想書けずに申し訳無い。初投下お疲れ様です
・・・来たぜ、ゾクリと
謎のゴスロリ少女、カルマに不気味な敵、そしてバイオレンスな戦い方の主役機・・・ダークな世界観も自分にはストライクです!
こりゃあ次回を所望するしかねぇ!
>>280-283
この流れワロタww
PBMさんは狙ってたのかねwこの事はヘーシェンの奇跡と名付けよう

あー規制が全く解ける気配が無くて最終回書く気力が出ないw
住人さんに頼ってばっかでホントに申し訳無いぜ・・・早く直接投下したいわ
もう最終回後に書く話の構想も出来てるし。エピローグと番外編の未来系魔法少女ヴィヴィっとメルちゃんに取り掛かりたい
287創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 17:42:10 ID:0sDl5G5q
>>275だった・・・スマヌ・・・スマヌ・・・
288創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 17:49:06 ID:EB1e/wt1
Ho"schen(oにウムラウト)はパンツだなw
ちなみに仔兎はHa"schen(aにウムラウト)

どっちもカタカナ表記では、ヘースヒェンが近いのかな
実際、ヘーシェンでググると、最上位を含めてヒットするページの多くがPBMの本文だしねw

とはいえ、まぁあれだ
こまけぇことはいいんだよ!



……でも、白パンツはちょっとオイシイと思う

かの変態もこう申しておられます

>「ふむ……白、しかも綿100パーセントと見た」
> ――――べらぼうにブラボーじゃないか。いいセンスだ、そそられる。
        ――リヒト・エンフィールド (パラベラム! Episode 8.5 より)
289創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 17:56:53 ID:OeK7HmwU
はいッ 白より黒がいいと思いますッ!
290創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 17:59:06 ID:mjD2SFnM
ついでにガーターベルトもつけてください。
291創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:00:42 ID:OeK7HmwU
ニーソはどうした…
292創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:02:31 ID:mjD2SFnM
ニーソとガーターベルトは別腹だから。

どちらもおいしくいただけます。
293創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:04:24 ID:OeK7HmwU
>>292
アンタとはいい酒が飲めそうだ。未成年だけど。
294創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:06:53 ID:mjD2SFnM
>>293
残念だな おれぁ下戸だ。
295創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:07:42 ID:0sDl5G5q
下着で盛り上がるとか何のスレだww
そういや今まで野郎ばっかし主人公だったから、俺もPBMさんや鋼鐵さんみたいに女主人公書きたいな

ノリ悪いし百合も書けないけど・・・
296創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:10:46 ID:EB1e/wt1
とりあえずロリコンの集うスレ(偏見)で縞パンが出てない事実に驚愕しておこうと思う
297創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:12:21 ID:mjD2SFnM
>>295
別に百合は必須じゃないと思うけどね。
おれはよそで女主人公物書いてるけど、今んとこ百合はないし。
この先はわかんないけどなw

女主人公で書けそうなら、やってみるべきだよ。
298創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:12:54 ID:fv8018UE
水色縞もいいけどあざといような気がするんだよな
299創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:18:57 ID:hwWYzGYA
新たな同胞が現れたと聞いて
>>275
投下乙です!
ゴスロリでナノマシンの集合体な女の子……(*・∀・)bGJ!!
あと自身にもダメージある必殺技いいですなーw燃える!

>>280-283
Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!?

>>288-292
の流れがねwもうねw
相変わらずロボ以外に脱線しやすいなぁこのスレw好きな流れだけどね!w

>>295
先ずは書いてみようぜ!
ノリが悪い?
鬱に成らない程度に真面目な話でもイイじゃない!
百合も書けない?
ノーマルカップルでもいいじゃない!!

俺は!貴方が参加するのをwktkしなが待ってるぜ!!
300創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:20:35 ID:0sDl5G5q
>>297
いやぁ〜自信なすw
サブでさえ女キャラ書くの下手だからなぁ・・・
このスレの紳士達の琴線に全く触れないキャラ書いちゃそうで・・・
301創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:21:07 ID:OeK7HmwU
>>300
そうだとしても私は一向に構わんッ!!
302創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:21:26 ID:hwWYzGYA
あぁ、言い忘れた。
ぱんつは色の他に形状も重要だぜ?兄弟
303創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:22:05 ID:7tlaF2Gs
……まとめwikiが愉快な事になってるようだな
304創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:22:19 ID:i7jY8RGf
変態キャラかぁ……何も思いつかんorz
俺にはここの紳士達と供に戦えるだけの力はないのか……!
305創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:22:43 ID:CVyj3GWu
まあお茶ですすっておちつこうよ
306創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:23:28 ID:hwWYzGYA
>>300
兄弟!俺も今女性キャラが上手くいかなくて苦しんでいる……
だからこそ試行錯誤しているんですよ!

書いてから時間をおいて読み直して修正だぜぃ!
307創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:24:57 ID:CVyj3GWu
「でも」だなあ。しかたない好きなお茶を飲みなさい
308創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:25:36 ID:hwWYzGYA
>>304
( =ω=)っ「このスレの過去ログ」
愉快な変態紳士に定評のある我々を参考にするんだ!www
309創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:26:27 ID:OeK7HmwU
気配がする。ロリ印のあの人の気配が。
自分のゴーストが囁いている。
310創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:27:35 ID:hwWYzGYA
ズズゥー…………
緑茶ウメェ

さて、ロボの出ない日常パート書きで苦しんでくるか……
311創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:30:59 ID:i7jY8RGf
>>308
センキュー! 頑張って変態になってきます )ゝ
そして頑張って本編投下するよ!
312創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:34:10 ID:hwWYzGYA
>>311
健闘を祈る!( =ω=)ゝ
313創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:44:38 ID:EB1e/wt1
>wikiの人
大量更新乙ですわ
そして、画像の容量が限界か……
314潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 18:54:16 ID:OeK7HmwU
第九話投下します。正直今回は読まなくてもいいような気がしてならない。
315創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:55:18 ID:hwWYzGYA
>>314
何を仰るw
書き上げたのだろう?ならば見せ給え!w

ということで支援するぜ!
316潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 18:56:54 ID:OeK7HmwU
 『Diver's shell』


 九話 「過去」



 フローラ=ファルシオン。
 彼女を知っている人間は以外にも多く、凄腕のダイバーとして知られていて、師と仰ぐ人間も居た。
 大きくなければ小さくもなく特徴といった特徴も無い汎用性を追い求めた結果誕生したような潜水機「アクアマリン」を駆って危険な遺跡に潜ったり沈没船の調査をしたり、更にどこぞやの密輸組織と本気でやりっあったとか、振った男は星の数だとか、伝説的な存在だった。
 そんな彼女も結婚して子供が産まれてからは「比較的」大人しくなる。潜る回数も格段に減ったため、周囲からは残念がられた。
 潜るために産まれてきたと称されるほどの天才、それが彼女。
 メリッサが憶えているのはこういった話だけで、実際に過ごした日々に関する記憶は完全に抜け落ちていた。
 ……φ37遺跡に潜るまでは。




 第二地球暦148年 7月2日。
 この日、ユトとメリッサの二人はφ37遺跡に潜った。
 遺跡に接近したとき、メリッサはユトの首を絞めるという暴挙に及んだ。
 理由は一つ。
 恐怖と混乱が呼び覚まされて、目の前に居たユトを本能的に害そうと考えたからだ。
 人は余りに衝撃的で、悲しすぎたりする出来事が起こると、その物事そのものの記憶を抹消して、時には細部を変更して再記憶してしまうという。心を防御する機構は優秀であるのと同時に選択の余地を発生させない融通の無いモノ。
 メリッサの場合も同様である。
 今まで思い出せなかったのは―――……。




 記憶の中のフローラ……メリッサの「お母さん」は、とても美しく、そして強い女性だった。
 遺跡に潜ったときの話を子守唄代わりに育ち、活動的な母親と静かながら理知的な父親の漫才のような掛け合いで毎日のように笑った。
 そんなある日。
 フローラがダイバーを止めるかもと父親と話しているのを聞いた。
 当然、理由を尋ねる。するとフローラは丁寧に説明をして、メリッサの質問に一つ一つ答えてくれた。幼いメリッサには完全に理解することは出来なかったが、「万が一のことがあったら」というのは理解できた。
 そして、事はメリッサが8歳の時に起こった。
317創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:57:12 ID:hwWYzGYA
支援
318潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 18:57:43 ID:OeK7HmwU


 ―――……銃声。
 母親は絶対に触らせてくれなかった銃の音が家で鳴り響く。
 その時メリッサは潜水機の格納庫に居た。メリッサは、音がした方向に走っていく。そろりそろりと顔をリビングに出してみるが誰も居ない。家はそれなりに広いので探す場所はたくさんある。
 フローラの真似をしたポニーテールが揺れる。ただし髪の毛の長さが足りなくてきつそうである。
 更に銃声。
 メリッサの小さな体が飛び上がって、思わず床に尻餅をついてしまう。それを合図にしたのか、ドリルの掘削音と聞き間違うほどの断続的かつ大量の銃声が家の中に轟いた。
 人の呻き声、鳴き声、絶叫―――……女性の、声。
 女性の声? 聞こえた声は明らかに愛する母親のものだった。
 たちまち萎えてしまっていた身体に力が入る。爪で床を傷つけ、バネに弾かれるが如く走り出すと、家の廊下を靴下で滑って玄関へと向かう。誰に教えられたのではない。感覚が教えてきたのだ。
 玄関へと辿りついたメリッサの顔が歪む。

 「おかー……さん?」

 血だ。
 見慣れたドアに血がついている。
 違う。人だ。母親が腹から血を流して玄関のドアの内側に倒れている。
 正確には、ドアを半開きにして外を窺いながら傍らの銃を操作してマガジンを差し込みながら腹を押さえて倒れている。
 顔は疲労一色。片耳からは血が流れて服を赤く染めている。
 ふと、フローラがメリッサを見遣った。
 額から一筋の赤い体液が顔を汚しているのがはっきりと見えた。

 「お、おかーさんっ! 血が!」
 「メリッサ良く聞きなさい。逃げて」
 
 駆け寄ろうとするメリッサだったが、フローラに突き飛ばされる形で向こう側に押しやられて転んでしまう。フローラは短機関銃を片手で持ち上げ、ドアから顔を覗かせると、牽制のつもりで数発を発射した。
 とたんにドア目掛けて数え切れないほどの弾丸が殺到。間一髪身体を玄関に引っ込めたフローラ。ちっ、と舌打ちが響く。
 濃密な硝煙が玄関の空気を染めて、家の中にまで入り込み始めていた。
 押し寄せてくる恐怖と、母親に突き飛ばされたことで頭が混乱して思考が錯乱しかける。
 ちょん。
 フローラは腹に穴が空く重傷なのに、突き飛ばしたメリッサの鼻先を擽るように撫でる。
 そして長く伸ばされたポニーテールを解き放つと、またドアの影から外を窺った。

 「もう一度言うから良く聞いて。私が時間を稼ぐから、格納庫の裏口から逃げなさい―――……ッ!」

 玄関の外。庭に陣取った黒服の連中が、腰から下げたベルトから手榴弾を抜くと、一斉に安全ピンを抜くと、玄関目掛けて放り投げた。
 数秒が永く感じられる。
 メリッサは、血まみれなフローラに抱きかかえられて床に伏せていた。
 爆発。衝撃。視覚と聴覚、五感を手榴弾の爆発で産み落とされた衝撃波が埋め尽くす。
 炸薬の作用で四方八方に撒き散らされた破片が、玄関のいたるところに突き刺さって、見る影も無いほどボロボロにしてしまっている。
319創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:58:24 ID:0sDl5G5q
支援
320創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:58:53 ID:EB1e/wt1
 
321潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 18:59:05 ID:OeK7HmwU

 「―――……無事……みたいね…………。手榴弾を街中で使う……本気かな。……あはは、触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものね……。メリッサ、行って。場所は知ってるでしょう?」
 「で……でも」

 メリッサを庇った所為で破片を背中に受けてしまった。それだけではなく、単純な爆発の威力を至近距離で喰らってしまった。意識朦朧のフローラ。メリッサは耳が痛い程度で済んだ。
 外で男達が会話している。突入の機会を伺っているのだろうか。無論たった一人で防げるような人数ではない。
 足音が迫る。
 フローラは、動かない右腕と、奇跡的に無事だった左腕でメリッサを立たせ、破壊の痕跡生々しい玄関を見渡す。短機関銃はどこかに消えてしまっていた。反撃することすら不可能だ。
 逃げようにも逃げられない。当然だ。フローラの片足のアキレス腱に弾丸が食い込んでいるのだ。立っていることが不思議なくらいだ。
 フローラの凜とした声がメリッサを諭す。
 
 「メリッサ、あなたはこんな場所で死んじゃ駄目。だから、……いきなさい」
 「………うん」

 次の瞬間、板切れ同然のドアが開かれる。
 時間を取りすぎた所為で接近を許してしまった。
 咄嗟にフローラが両手を大きく広げて肉体による障壁を作る。
 黒服の男たちは無常にも手持ちの武器を乱射してフローラに弾丸を叩き込む。憎しみと愉しみが含まれた笑みを浮かべ、フローラが床に倒れるまで引き金を引き続けた。
 
 「お母さんッ!!」

 傷の無い場所を探すことのほうが難しいほど身体に銃弾を撃ち込まれたフローラは、口から血を噴きつつ、車に轢かれたように床に倒れこんだ。じわりじわりと赤が広がって水溜りを造っていく。致命傷というのは子供にも分かった。
 ひゅーひゅー、と虫よりも静かで、どうしようもなく悲しい呼吸が聞こえる。
 フローラだ。
 口から血を流しつつも、必死に呼吸して、男たちから自分の娘を遠ざけんとして上体を起こそうとした。が、直ぐに崩れ落ちてしまう。銃弾に穴を開けられた手が持ち上がって、気がつかないうちに泣いていたメリッサに向けられる。

 「―――……、…リッサ、……に……げて……」

 メリッサは走り始めた。
 いやらしい笑みを浮かべた男たちが癪に触った。
 が、直ぐに追いつかれてしまう。8歳そこそこの子供が出せる身体能力などたかが知れている。成人、しかも男性の腕力に捕まえられて、両腕をねじり上げるようにして持ち上げられてしまった。
 腕に噛み付いてやろうとするが、腹に拳が叩き込まれて動きを止めてしまう。
 叫ぼうにも叫べない。痛みの所為で胃液が逆流しかける。
 メリッサは身体をばたばた暴れさせた。涙で自分がどこにいるのかも分からない。ただ赤い何かが目に入ったことだけは分かった。
 黒服の侵略者達は、メリッサの首に手刀を叩き込んで意識を落とさせる。
 家に沈黙が宿った。
322創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 18:59:18 ID:hwWYzGYA
支援
323潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 19:00:25 ID:OeK7HmwU



 「…………お母さんの最期は……大体そんな感じで……」
 「……話したく無いなら話さなくても良かったんだぞ、嬢ちゃん」
 「そんなことが―――……あったなんて」

 旧都市区にあるオヤジの家のリビング。
 メリッサは、ちゃぶ台の上にある湯飲みの中のお茶を凝視しつつ一気に話をした。
 φ37遺跡に潜ったときの話について、思い出したことを全て。思ったこと。感じたこと。自分がどこに連れて行かれて何をされたのか。それを全て。
 衝撃を受けた顔を隠せないオヤジ。メリッサの隣に座ったユトは、余りに生々しく、そして悲しく苛立ちを覚える話に、呆然と口を開いている。

 「ねぇオヤジさん。お母さんってどんな人だった? お父さん、写真見せてくれないから」
 「ちょっと待ってろ」

 昼下がりの時間帯。
 やや生ぬるく、下手すれば暑く感じる気温だというのに、鳥肌が立つ。ユトは冷めかかったお茶を一口飲む。
 席を立って部屋の奥に消えたオヤジ。その方向に眼をやって、しきりに両手を揉み解すように擦り合わせているメリッサ。落ち着きが無く、眼は遥か彼方を見つめている。
 先ほどまで話していたのにはまだ続きがある。彼女が両腕を失うことになった、猟奇的なショーのことだ。メリッサは言おうと思えば言えた。けど、言いたくなかった。精神が拒絶を始めていたからだ。吐き気もしていた。
 ユトとメリッサの距離は極めて近い。触ることも十分可能な距離。けれどユトには、千里先に霞んでいるようにも感じられた。

 「これだこれだ。ほら」

 オヤジが大きくて古いアルバム片手に部屋に戻ってくる。
 重厚な感じのアルバム机の上に置くと、ページを捲っていって、とあるページで止める。ユトとメリッサ、そしてオヤジの顔が一冊の本の上に集合した。

 「これが俺、そんでこれがアレックス、で、……フローラだ」

 ごつごつとした指が、一枚の写真の中の人物を指し示しては次に移っていく。場所はどこかで見たことがある酒場だ。レンズに曇りがついている。撮影するときに指か何かが映り込んでしまっているのだろう。
 最初に今よりもずっと若いオヤジの顔で指が止まる。白髪が少なく、筋肉質。手に持ったグラスの中の酒を掲げてウィンクを決めている。
 続いて男性だ。鋭い目つきながら柔和な印象を受ける中々のいい男。細身で長めの髪の毛で、顔色一つ変えずにビールのジョッキを3杯ほど飲んで、4杯目に突入しているところでカメラのほうを見ている。メリッサの父親の若き日の姿だ。
 そして最後。メリッサに似た顔つきの、ポニーテールの女性。限界突破に近い真っ赤な顔つきで、ベロンベロンに酔ってますと言わんばかりに緩んだ顔を机の上に乗せてカメラを見ている。
 父親であるアレックスが一切の記録を見せてくれず、断片的にしか知ることが出来なかった母親の姿。記憶を思い出した今では見る意味も余り無いが、こうやって写真で見るのは事実上初めてなのかもしれない。
 メリッサは写真をじっくりと見つめた。
 オヤジは湯のみからお茶を飲んで口を開く。
324創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 19:00:35 ID:hwWYzGYA
支援
325潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 19:01:29 ID:OeK7HmwU

 「アイツ――……フローラはいいダイブ仲間で親友だった。知ってるとは思うがアレックスが補助をやってたんじゃないぞ。んで………あの日に連中がやってきてアイツを殺した」
 「連中?」

 途中でユトが口を挟む。理由も無く小声になってしまっているのには気がつかない。
 オヤジ、そしてメリッサの顔が曇ったのを見て、あっと声を上げてしまいそうになりながら萎縮する。
 メリッサは気にしてないと言う様に手を挙げて続きを促した。

 「連中っても手がかりはゼロだ。警察の捜査も意味は無かった。俺だって裏に手を回して追尾を試みたが………金ばっかり流れるだけだ。………それで10年。今となっちゃあ殆どのダイバーが憶えてねェ」
 「………」

 聞けば聞くほど辛くなってくる。
 犯人がある程度特定出来ているなら、目の前にいるなら、恨むことも復讐を果たすことも出来るだろう。だが、居ない上に10年が経過してしまっていてはどうしようもない。
 思考の泥沼にはまり込んで考え込むオヤジ。アルバムを捲っては何かを思い出すように固まるメリッサ。ユトは、お茶を飲みながらアルバムを覗き込む。
 アルバムが捲られていく。と、メリッサの手が止まった。
 眠くてうつらうつらとする幼いメリッサの頭を、フローラが指一本で支えて悪戯っぽい顔を浮かべている写真だ。
 部屋に沈黙が満ちる。メリッサはアルバムを閉じてオヤジのほうに押しやった。目元が濡れているのに気がつかれまいと、前髪を直す動きに合わせて涙を拭う。
 場の空気に耐えられなくなったユトは、オヤジさんの方に頭を向けた。

 「あのーオヤジさん。機体の方はどうなってます?」
 「安心しろ、3日で直す。そうだな、あれだ。お二人さんにはちょっと休憩が必要なんじゃないか? というかマッタリが必要なんじゃないか?」

 いきなり話が変わった。ユトとメリッサはオヤジを見る。
 オヤジはニヤりと口元を引き上げた。

 「どうだ、お二人さんで一緒にお風呂に入って楽しく洗いごっこをだな……」
 「ユトー。オヤジさんに熱湯をコップ一杯」
 「エリアーヌに頼んでくるよ」
 「冗談だぞ、いいか、今のは冗談だ」

 早速立ち上がったユトにオヤジの顔が引きつった。
 その後、オヤジの冗談で場の空気が緩んだお陰で世間話に盛り上がった。

326創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 19:01:39 ID:hwWYzGYA
支援
327潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 19:02:47 ID:OeK7HmwU
終了です。【終】を入れ忘れてますけど、九話は終了です。
相変わらず構成が悪いなぁ自分。
328創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 19:02:48 ID:7FxmFfv1
   
329創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 19:03:28 ID:hwWYzGYA
>>327
投下乙です!さてじっくり読み返すか!
330創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 20:06:45 ID:EB1e/wt1
>>327
投下乙です

予感はしてたけど、なかなかに凄絶な過去だなぁ、メリッサ

動き出した敵?と、呼び覚まされた過去と
話はいよいよクライマックスへ向かってるね

敵は一体何なのか、なぜφ37遺跡によって記憶が呼び戻されたのか
まだまだ謎は尽きないなぁ

続きにも期待せざるを得ない
331創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 20:09:42 ID:0sDl5G5q
うあ−ぐだぐだしてたらもう8時だ−
>>327
乙っす!
・・・メリッサ過去がハード過ぎる。フローラ母さんを殺した奴らをエクステッド・ヴァーストしてやりたい・・・!
親父さんのひょうきんさも、こういう背景があると思うと泣けます
ユトはメリッサを男としてしっかり守らないとね。次回を楽しみにしています

しっかし突然人いなくなり過ぎワロタw
珍しくPBMさんの姿が見えないのぉ
332ロリベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/29(火) 20:25:06 ID:qBrCnDV8
 ぐへぁ。今週忙しすぎだよ、誰さこんな予定組んだの……。

>>327
 投下乙です!

 すみません、レス返と感想はもう少し後という事で……。
333潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 20:35:29 ID:OeK7HmwU
支援と感想だけで次回分を3本は書ける これだから止められない止まらない
334ロリベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/29(火) 20:44:52 ID:qBrCnDV8
>>280
 つまりヘーシェンはぱんつお嬢様だと、君は!
 ……いいですね、このネタw

>>286
 全然狙ってませんでした、ガチでイッツァ・ミラクルですw

>未来系魔法少女ヴィヴィっとメルちゃん
 何それ凄く読みたい……!

>>288
 ウチのクソ古い独和辞書にはヘーシェンと書いてあるでござるのマキ。
 これいつの……って、

 1966年……だと……!?

>白パンツはちょっとオイシイと思う
 ですよねー!

>>295
 実は自分も初女の子主人公だったr(ry

>>303
 落書きでも投下しようかと思ったら容量足りないみたいですね。……wikiも2号機突入かしら?

>>327
 改めて投下乙です!
 ウホっ、やっぱりオヤジさんいい男。
 ……さて、フローラさんを殺ったのはどいつだ! マッハで蜂の巣にしてやるから表出てきやがれ!


 では、次回も楽しみにしておりますw
335創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 20:53:20 ID:0sDl5G5q
>>333
潜る人さんのバイタリティはマジで凄いっすw創作スピードが早い早い
俺はロスガの時はサクサク書けてたけど今は駄目だな−
>>334
ヴィルシャは最初、すぐ終わり軽目の作品って感じだったんですが・・・
今振り返ると胃もたれするような話になっちゃたんで、最初のコンセプトで弾けますよ>メルちゃん

多分その反動でエピローグが胃潰瘍出来るくらい重くなるけど
336潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 20:56:04 ID:OeK7HmwU
文章読まないと書かないとらめぇ病なんです
337創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 20:57:24 ID:CVyj3GWu
ほいほい投下乙。安定してるよね。複線更にはってきたな、謎の秘密結社的な。新規の人も乙。

だんだん自分の描いてるものが意味不明に見えてきた
338創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 20:58:26 ID:qBrCnDV8
>>335
>最初のコンセプトで弾けますよ
 wktkwktkwktk

>その反動でエピローグが胃潰瘍出来るくらい重くなるけど
 その胃潰瘍はメルちゃんで回復するから大丈夫ですヨ!
339創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 21:26:21 ID:EB1e/wt1
>>334
>容量足りない
アプロダの方は容量無事なんだし、ガンガンうpするんだ

それと一応、避難所の方にwiki用の容量対策案を1個書いてみた
多分アレでいける……はず

なので、二度手間で申し訳ないが、まとめの人はちょいとそっちも見て頂けるとありがたいです

>>336
良性の病ですね
340創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 21:30:55 ID:qBrCnDV8
>>339
 ではPCが使えるようになったら上げますね、落書きですけどw

 ああ、そうだ。まとめの人と管理人さんは別人デスヨ?
341創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 21:47:17 ID:EB1e/wt1
>>340
>まとめの人と管理人さんは別人
ありゃ、マジすか
その辺よく分かっていなかったですわ
普通に失礼しました

では改めて
まとめwikiにログインできる方(=画像をアップロードしている方)は
あちらを一読してもらえるとありがたいです
342創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:05:15 ID:0sDl5G5q
しっかしWiKiが容量不足になったり五日でスレが消費されたり、昔じゃ考えられないくらい繁盛したなぁとしみじみ思う
こうなったらどこまで行くか、最後まで見届けたいな。来年の8月がスゲー楽しみ
343パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/29(火) 22:07:26 ID:qBrCnDV8
 ふぅ、うぷろだに落書きを上げてきたでござるのマキ。

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/70/IMG.jpg

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/71/IMG_0001.jpg

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/72/IMG_0002.jpg

 ただの落書きですからね! 期待しないでね!
344潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 22:09:37 ID:OeK7HmwU
>>343
 何 故 俺 を 吹 か せ た し
345創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:17:02 ID:EB1e/wt1
>>343
これはいいw

2枚目の遥がひどく愛らしいw

ちなみに俺はロボスレ学園(というか人型ヘーシェン)はセーラーでイメージしていたよ
346まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/29(火) 22:18:12 ID:tpwJwDKN
新作とDSの最新話が投下されている……だと……!?
くっ、今は乙としか言えない!

……感想はまた後でと言う事で

>>342
紛らわしい名前ですまんのう……

>>343
落書きワロタwww色んな意味で酷すぎるwww
347創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:21:55 ID:tpwJwDKN
>>345
初期のほうの投下でセーラー服のヘーシェンの画像あったしなw
348創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:22:06 ID:CVyj3GWu
>>343
やまじゅんネタとかここまでストレートなの久々に見た
349パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/29(火) 22:32:38 ID:qBrCnDV8
>>344
 三枚目は描いた本人すら噴きましたw

>>345
 今週の予定の密度の濃さに愕然とする自分の心の叫びを代弁していただきましたw

>ロボスレ学園(というか人型ヘーシェン)はセーラーでイメージしていた
 ロリにはセーラー服のほうが似合いますもんね!

>>346
 ええ、三枚目は(ry

>>348
 最初はヤマジュンネタでもなんでもなく、ただ単純に恥じらうまどかを描いただけだったんです。
 で、スペース空いたんでそこに阿部さん顔のリヒトを描いたら変な事に……。

 あ、まどかはあくまで普通の娘ですからね! 「ウホッ」は私の悪ノリなんですからね!
350創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:37:29 ID:EB1e/wt1
>>347
え、マジスカ
351創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:40:11 ID:tpwJwDKN
え?9枚目のってヘーシェンじゃないの?
352創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:47:22 ID:qBrCnDV8
>>350-351
 はい、ヘーシェンズで合ってますよー。
353創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:50:32 ID:EB1e/wt1
>>351
4〜5スレ目のログ見てきた
ああ、なるほど、そういうことだったのか

やべぇ、色々全然把握してないことを露見しまくりだ、今日の俺
354創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 22:59:00 ID:hwWYzGYA
>>327
フローラさん……ちっちゃいメリッサ……(´;ω;`)
黒服共め……切り捨てるぞゴルァ!!w
あとオヤジさんナイス!これが本物のオヤジギャグですよね!w

>>343
くっなんという見事な三段オチwww

よし、セーラー見たらまた気力上がったw日常パートの作業再開するw
355創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:15:16 ID:qBrCnDV8
>>353
 大丈夫ですよ、本人がどういう事だったか覚えてないですから!

 何て言ったっけ……。

>>354
 セーラー服を脱がさないでと申しまして。

>なんという見事な三段オチwww
 本当だ、よく見たら三段オチになってるwww
356創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:22:28 ID:hwWYzGYA
>>355
ふむ、成る程……つまり半脱ぎということだな!(キリッ

特盛りか並盛りか牛皿か……小柄で特盛りはまずいよなぁw
え?あぁ胸の話でs(連続する打撃音
357257の蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/09/29(火) 23:22:46 ID:ANS/IJVo
スレの流れを切ってしまいそうでコメしづらかったのですが…IDが変わる前にご挨拶を
色々な感想ありがとう御座います。
これからココに住み付かせて頂き、駄文を投下させて頂く事になりますが、どうか皆様宜しく御願い致します。
358創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:26:09 ID:hwWYzGYA
>>357
ようこそ!新たなる同胞よ!
我々は貴公を歓迎する!w
いやーw新規さん増えるのは嬉しいのぅw

このスレは流れなんてあって無いような物ですw特にエロ関係の時はw
359潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 23:28:28 ID:OeK7HmwU
>>357
ウェルカム同志よ!


……どうしよう。十話投下する時間あるかなぁ…
360創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:31:59 ID:hwWYzGYA
>>359
まさかの2連撃!?Σ(・ω・ )
投下するなら支援するよ
361潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 23:32:38 ID:OeK7HmwU
………以前のように途中で消えちゃうかもですから、明日にしようかな。
362創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:33:39 ID:hwWYzGYA
>>361
ここは安全に迂回作戦で行った方がよくない?w
363潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/29(火) 23:35:08 ID:OeK7HmwU
>>362
採用。また後ろから消さr……じゃなくて消えちゃかもですから明日にしますね。
じゃあお風呂ッ
364創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:36:47 ID:0sDl5G5q
>>343
三枚目のせいでもはやリヒト=阿部さんになってしまった
謝罪と遥を要求する
>>357
駄文だなんて下卑する事無いですよ。面白いです
何はともあれロボット物スレにようこそ。まぁ軽いノリで雑談にも参加して下さい。ここは住人さんが紳士的に優しいので、気兼ね無く楽しんでください〜


しかし新規さんが皆レベル高すぎてビックリ。俺も政権交代の時か・・・
365創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:36:53 ID:qBrCnDV8
>>356
ヘーシェン「皿だけですが何か」(ライダーキック・ダークカブト仕様を連続で叩き込みながら)

>>357
 君の力は見せてもらった。ようこそ、新たなる職人。君を歓ゲイしよう。

>>358
 ですよねw
 差し詰めここはピラニアの巣……。

>>359
 1日で2話投下だと……!?
366創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:41:07 ID:qBrCnDV8
>>364
>謝罪と遥を要求する
 だが私は謝らない。そして娘はやらんッ!
 あ、代わりに赤髪のロリコン置いてきますね。

>俺も政権交代の時か・・・
 逝かせねぇよ!?
367:2009/09/29(火) 23:42:33 ID:VRoCDXxU
>>357
ようこそ魔窟へおいでませ
又いずれ会いましょう

>>364
頑張って下さい師匠
368創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:45:21 ID:0sDl5G5q
>>360
ティマとロリ・コンの称号を授ける・・・後は頼んだぜ、相棒・・・ガクッ
369創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:47:17 ID:hwWYzGYA
>>364
この激戦区で敵前逃亡とか冗談は無しっスよ先輩www

>>365
(変形した顔面を修正しながら)イヤー、シヌカトオモタ。
胸はウチの祈の話でもあるんですが……まだ悩んでるんですよねw
つーか以前白熱したけど「大きいことは良いことだ」派が多かったんだよなぁw
370創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:47:22 ID:0sDl5G5q
こんなレスをアンカーミスとか馬鹿過ぎるorz
>>360>>366
371創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:48:27 ID:tpwJwDKN
目を離したらまたスレが進んでやがる……どういう事だ、これは!

>>355
あなたのせいで興奮してしまった、謝罪とヘーシェンを要求する

>>357
流れなんてまた勝手に出来上がるさ、ここはそういう場所だw
なにはともあれ、これからよろしくな!

>>364
今もこれからも政権を交代できる状況はない!

>>365
>(ライダーキック・ダークカブト仕様を連続で叩き込みながら)
鬼畜www

>君を歓ゲイしよう。
◆Uu8AeR.Xso氏逃げてー!

>ピラニアの巣
食いつきいいからなw
372創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:50:18 ID:hwWYzGYA
>>370
ドンマイ!
373257の蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/09/29(火) 23:52:30 ID:ANS/IJVo
 、        ヽ
 |ヽ ト、  ト、 ト、 、.`、
/|l. l. | |l l | | l |l.| |l. l
/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄   ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
::   ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|   >>365
    l'  """  l ) /
  h、,.ヘ.      レ'/
          レ′
 r.二二.)     /  
  ≡≡    ,イ
.       / !
\   /  ├、
::::::` ̄´   /  !ハ.

374創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:53:56 ID:hwWYzGYA
>>373
むせたwww
蜥蜴氏ノリいいねwww
375創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:59:27 ID:qBrCnDV8
>>368
 僧侶ー、あるいは賢者♀@私の嫁ー、この人にザオラルかザオリクを至急お願いしまーす。

 ただしティマとロリ・コンの称号は、海賊らしく…… い た だ い て い く !

>>369
 このスレ的新ジャンル:美乳
 という手段が!

>>371
 だが私は謝らない。そして娘は(ry

>>373
 いいぞぉ、お前のアームズフォートが見えてきたぞぉ。
 いいぞぉ、デカいだけの鉄クズとは違うぞぉ。
 いいぞぉ。
376創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:04:33 ID:hlp7lhVF
>>375
そ れ だ !!
よし!祈は手の平に収まるお手頃サイズd(銃声

153でドバーンッ!だと不自然だよねwよしこれで行こうw
377創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:09:18 ID:uvO1nNiD
>>369
ワシはPBM君の様に前線を無双出来る程、もう若くないんじゃわい
病院の屋上から君達の戦いを見守るよ
>>371
誠に遺憾(ry
>>373
そのノリの良さ・・・言葉は不要か
か か な い か(ロボット物を)
>>375
ちょっと白栗と戦って沈んでくる
引き上げなくても良いよ
378創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:11:32 ID:CsqlWvCn
>>375
どさくさに紛れて嫁宣言するんじゃねぇw
そしてティマは置いていけ、代わりに極細あげるから

>>376
しかし世の中にはロリ巨乳というジャンルが
379創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:11:54 ID:yQ9gY5/j
>>358
知ってるか? ピラニアってぇのは存外臆病な魚なんだぜ?
カンジルの巣じゃねぇ分だけ随分とマシだ。
380創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:22:37 ID:NKsh6P6U
>>377
 そのPBMくんの身体がボドボドなんですが!

>ちょっと白栗と戦って沈んでくる
>引き上げなくても良いよ
 あまり無理をされては困ります。

>>378
 だって賢者かわいいじゃない!

>代わりに極細あげるから
 いりませんw

>>379
 感じる……?(^q^)
381創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:28:25 ID:hlp7lhVF
>>379
うろ覚えですが穴から進入する魚でしたっけ?
382創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:29:29 ID:NKsh6P6U
>>381
 穴……?(^q^)
383創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:29:36 ID:uvO1nNiD
>>379
ケツから食い殺されるとか絶対嫌だなw
>>380
またまたご冗談を。ロリを見ればすぐに再起動すればくせに
まぁこんなネガティブ思考なのも規制の仕業なんだ
384創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:34:04 ID:5dT2UbTa
>>382
ケツは当然ながら
女性のマ○コだけでなく
男性のチ○コの尿道すら入り込んでくると聞いたことがある
385創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:34:11 ID:NKsh6P6U
>>383
 いえ、割と真面目に今週はハード過ぎて……。
 まあロリを見たら再起動するってのは否定しませんがぁ!

>まぁこんなネガティブ思考なのも規制の仕業なんだ
 マイPCぶっこわれて2スレ目からずっと携帯よりはマシと思いねぇ。

 ……まあ慣れちゃいましたけどね! 今じゃPCより携帯のほうが早いよ!
386創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:35:54 ID:NKsh6P6U
>>384
 あまりの驚きでナウい息子♂が縮こまっちゃいましたよ?
387創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 00:59:53 ID:hlp7lhVF
>>386
鱗が「返し」の機能を持っているので引き抜くときに更に酷いことになるらしいですよw

あー、寝オチしてたw今日はこの辺で( =ω=)ノシ
388創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 01:06:44 ID:NKsh6P6U
 ああ、結局1時まで起きていたとは……。
 私も寝ましょうかねw


>抜くときに更に酷いことになる
 あひぃっ!?
389創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 10:35:33 ID:aGOka7uf
そういやこのスレのキャラで、一番不幸なのって誰だ?
ロボット物じゃ主人公が不運ってのは定番だし
390創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 11:08:34 ID:NKsh6P6U
 多分隆昭くん@ヴィルシャだと思います。

 1番幸せなのは……極細かな?
391創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 12:35:32 ID:uvO1nNiD
隆昭君は巨大ロボットと巨乳の未来人をゲット出来たのでプラマイゼロです

この後もっと酷くなるかもしれないし
392創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 13:57:21 ID:ZCR+qoft
昨日の会話を見て吹いた

>>389
目の前でジェノサーイドされた隆昭君に一票
393創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 16:56:43 ID:uvO1nNiD
報告人から返答来たぁぁぁぁ
そろそろ解除されるかもしれないんで、今週中に最終回投下出来るかもしれん
394創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:03:33 ID:NKsh6P6U
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!


 ……それまでに自由になれるかしら。
395創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:05:45 ID:ZCR+qoft
>>393
これは期待

>>394
そして特定
396創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:18:34 ID:8vfrs4EI
今のスレに対して新しいロボ話てなんだろう?
397創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:19:23 ID:ZCR+qoft
新しいとはどういう意味で?
398創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:23:25 ID:8vfrs4EI
ジャンルつか世界観かな。濃い口SFはあまり見なかったかな、割とファンタジックな方が多いと思う
新しい切り口を探してみるのも一興になるんじゃないかね
399創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:27:09 ID:ZCR+qoft
SFかぁ… 誰かが書いてくれるのを期待するしかないなぁ。
今書いてるのを終わらせないとならないし。
400創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:32:18 ID:rU0HXoC8
濃い口のSFか……
ロボット三原則がどうのってノリ?
401創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:37:21 ID:PBR1rSJ4
>>396
合体ロボ!合体ロボ成分が不足してると思います!
402創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:39:53 ID:8vfrs4EI
>>400
ガチで行くなら三原則は要らないと思うよ。あれはあくまでアシモフの思想だから書く人は自由にしていいでしょ
まあ本気なら恣意的な分子兵器かサイバー攻撃で(夢を失ったため省略されました
403創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:42:19 ID:BJJVrquU
合体ロボといえば、まだ全貌を見せていないがゼノライファーか。
あと兄弟スレの勇者連中。
404創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 17:42:23 ID:hlp7lhVF
>>389
CRの潤也君も大概不幸だと思うんだ
隆昭君はメルフィーをゲットしたのでもっと不幸になれb(銃声

濃い口のかー
例えば、隕石から発見された特殊な鉱物を中枢に組み込んだ人工知能を搭載したロボットが暴走して、
それを人間が何とかして倒す、見たいなかんじかね?
その隕石が珪素生命体みたいなものでw

405創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:01:23 ID:NKsh6P6U
 合体といえばスプリガンに大スプリガンという没設定がありましたねー。
406潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:04:59 ID:ZCR+qoft
第十話を投下したいと思います。
核心部分とかに矛盾や違和感が出てきませんように…。
407創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:05:31 ID:8vfrs4EI
ドリルが足りないんじゃないかと思い出した
408創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:07:10 ID:hlp7lhVF
>>406
Σ(・ω・ )DS続ききた!支援する
409潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:08:46 ID:ZCR+qoft

 『Diver's shell』


 十話 「動き出した者共」



 ―――……天気が悪い。
 夏近づいたこの日、島の天気は最悪だった。最悪と言えるうちはまだ最悪ではないと言っても、空から轟々と雨が叩きつけ、地面にぶつかって細かな霧に分裂して視界を奪うような日では、最悪に限り無く近いというほか無い。
 今日は船を出すのも危険だろうな。
 オヤジはそう呟きながら窓の外を見遣った。古いガラス越しに見える空は灰色の絵の具を圧縮したが如く青色を隠蔽している。外を走る車などの音も聞こえない。鳥の姿も消えている。
 雨の日は憂鬱になると同時に冷静にもなれる。
 オヤジは、シャツを脱いで洗濯機に放り込んで新しいのを着ると、リビングというより居間を通って冷蔵庫の置いてある台所へと向かう。冷蔵庫の中から牛乳を取り出して一気飲みすると、パックを握力で握りつぶしてゴミ箱に投げ入れた。
 エリアーヌの姿が見えない。ついさっきまで台所に居たはずなのに、である。
 疑問に思ったオヤジは、雑貨や潜水機の部品を保管している倉庫のほうに足を向けた。
 廊下を歩いていって、扉に手をかける。
 その時、首筋に冷たいものが押し当てられた。

 「動くな喋るな妙な真似をするな。両手を頭の上に置け。さもなくば5秒以内に射殺する」
 「誰だ……ッ」

 銃だ。
 角度からは良く見えないが銃と言うのだけ分かった。
 その人物は、物陰、丁度置いてあった箱の陰から染み出るようにオヤジの背後を取って銃を視界ギリギリに映る場所から押し付けてくる。動けば間違いなく殺すつもりなのであろう。
 オヤジは最初抵抗しようとした。むざむざとやられるわけには行かないと。だが、ここまで寄られ、気配一つ物音一つ立てずに背後を取れるのだから、手馴れであり、下手に動けば死ぬというのを本能と理性が警告してくる。
 両手を挙げて頭の上に置く。すると、両手首にプラスチック製の拘束具がはめられた。工具か何かが無ければ切れそうに無い。

 「歩け。ただし歩調を変えたら殺す」
 「………」

 オヤジと謎の人物は歩き始める。
 背後の人物に服を引かれて方向転換させられている様は情けないが大真面目だ。
 もし―――……もしも、殺そうと思えばどうにでも出来たはずだ。背後から首筋をかき切るもよし、拳銃で脳天をブチ抜くもよし、ナイフでグサリもよし。それをわざわざ拘束したということは何か理由がある。
 居間の扉を開けて中に入る。
 そこには、黒服の男が7〜10人が居て、ツナギ姿のエリアーヌががんじがらめに縛り付けられていた。エリアーヌは口に貼られたテープに負けじと地面で「んー」を連呼し続けている。

 「座れ。座らないのなら殺す」
 「殺す殺すうるせーなぁ………お嬢さん?」
 「……ふん、性別など関係ないな。黙って座っていろ」
 「何者だっつったって答えないよな? お嬢さん」
 「黙れ。脚を撃ちぬくぞ」

410創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:08:56 ID:hlp7lhVF
支援
411潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:09:30 ID:ZCR+qoft

 そういうと、オヤジの背後に立っている女性は銃を背中に押し付けて床に座らす。オヤジは不貞腐れた顔をし、両腕を組もうとして拘束具に止められてしまった。
 男たちは、一見すると普通の格好をしているが、服が盛り上がっていることから防弾ジョッキを着込んでいることが分かる。何より、肩から腰からぶら下げた銃器、そして手の拳銃などから一般人ではない。
 目的も無しにこんなことをするわけは無い。

 「んんんんーッ、んんーッ!!」
 「このガキやかましいぞ。おい、クソオヤジ、こいつを黙らせろ」

 全身を縄で縛られても直抵抗を続けるエリアーヌ。窓の外を窺っていた男の一人が足で軽く小突く。オヤジはエリアーヌに目配せをすることで黙らした。
 オヤジの背後で銃を突きつけている女がポケットに手を突っ込むと、携帯電話を取り出す。電話をかけると、指を動かして男達に二人が銃を突きつけられているところを撮影させる。
 女は、銃を天井に向けて携帯電話を耳に当てる。すかさず男の一人がオヤジに向かって銃を向けた。人一人殺すには十分な威力の自動小銃だ。
 そして女の声が雨に掻き消されずに室内に響きだした。


412創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:09:43 ID:hlp7lhVF
支援
413創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:11:51 ID:jGIu9Dtq
 
414潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:12:06 ID:ZCR+qoft



 ユトとメリッサ宅。
 やっとこさ修理が完了したポンピリウスの各部の調整作業が終わった午後。
 憂鬱な雨が降り続く空を見つつのお昼休み。二人は退屈と微かな倦怠感を滲ませてソファーに向かい合うように座っていた。ユトは両手をソファーの後ろに。メリッサはイチゴジュースをちびちびと飲みつつ、ぼんやりと。
 その時、電話がかかってくる。ユトとメリッサは眼で喧嘩をして、結局ユトが立ち上がった。女には勝てない。
 ユトが受話器を取って耳に当てると、妙に冷たい女性の声が耳に入ってきた。

 「はい、もしもし?」
 「………ユト=シーゼンコードだな。よく聞け。お前の知り合いを預かっている。メリッサ=ファルシオンの父親もだ」
 「………何を、言ってるんです?」

 話が飲み込めないユトは、時計を確認するために眼を彷徨わせて、最終的にカレンダーに視点を落ち着かせる。
 電話の向こうでは男達が話しているような音が聞こえてきている。

 「一度しか言わないからよく聞いておけ。我々の言うとおりに行動を起こさない場合、我々は彼らを血祭りに上げるだろう」
 「え、いや、っていうかアンタ誰? 根拠も無く脅しをかけられても」

 俗に言う誘拐? 脅迫? 新手の詐欺?
 混乱しかけたユトを見ているかのように電話の向こうで数秒の沈黙の後、女は言葉を発してくる。

 「これから画像と映像をお前の家のパソコンに送る。今から5分以内に閲覧しろ。警察や知り合いに知らせた場合、我々にも考えがある」
 「ちょっと待った! ………あっ、クソ、切ったか」

 電話は一方的に切られる。
 ユトは、困惑の表情を浮かべて暫くの間電話を見ていた。様子が妙なことに気がついたメリッサが歩み寄ってきて肩を叩く。

 「どうしたの? 殺し屋から電話でもかかってきた?」

 脳内の思考回路が必死に言葉を探す。
 たちの悪い悪戯電話だったのではないか、とか。知り合いのダイブ仲間の冗談か何かではないか、とか。
 だが、ユトの深層心理から「真実」だと何かが囁いてくる。胸騒ぎと言ってもよい。
 ユトはメリッサの不思議そうな顔を眺めると、小さく頷きながら受話器を戻した。

 「……あながち………間違ってないかもしれない……!」
 「は? あ、ちょっと!」

 地面を蹴っ飛ばして破壊する勢いで自室に走り始めたユトを、何がなにやら分からない顔のメリッサが追尾する。
 自分の部屋のドアを蹴っ飛ばして開ければ、パソコンを起動する。OSその他が完全に起動するまでは数分かかる。
 5分以上かかったらどうなるのかは考えたくなかった。
 パソコンの画面にかじりつくようにして待っているユトの背後にメリッサが追いつく。両手を膝に置いて姿勢を落として背後から覗き込むようにする。
 やっとメールソフトが起動した。素早く操作して最新の受信メールを確認すると、確かに今しがた送られてきた画像と映像が添付されている空メールがあった。ウィルスのことを考える前に開く。

415創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:12:36 ID:jGIu9Dtq
 
416創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:13:38 ID:uvO1nNiD
支援
417潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:13:51 ID:ZCR+qoft

 「なによ、これ……オヤジさんとエリアーヌ君……?」

 画像を開く。
 腕と足にプラスチック製の拘束具をされたオヤジさんと、全身を縄でグルグルに巻かれて縛られたエリアーヌ。その周りを取り囲むように男たちがいて、銃を向けている。
 続いて映像データを開く。音声付だった。カメラに向かって引きつった笑みを見せるオヤジと、「ん〜」しか言えない涙を浮かべたエリアーヌ。周囲の男たちは面白半分で銃口を押し付ける。
 ユトとメリッサの顔から血が引いていく。
 更に画像データを展開させる。次の瞬間、メリッサがパソコンの置いてある机の表面を爪でがりりと引っかいた。白い痕跡が生まれる。

 「お父さん……!」

 メリッサの父親であるアレックスが、オヤジと同じように拘束されて周囲を銃を持った男達に囲まれている。アレックスの目つきは鋭かったが、やや疲労の色が見られた。
 映像データを見るまでもない。
 ユトとメリッサが無言で顔を向き合わせた時、また電話がかかってきた。
 机の上にある受話器を、ユトが震える手で取って通話を出来るようにする。
 また女の声が鼓膜を叩く。

 「見たようだな。なお、我々は他にも君らの身近な人物を抹殺する手はずを整えている。画像こそ送信しないが、理解出来るな?」
 「お前ら一体なんなん……」
 「質問は許可出来ない。我々の言うとおりに行動しろ」
 「くっ……」

 人質を取られているため、迂闊な行動や言動は出来ない。自分であるならまだ選択の余地はあるが、知り合いや家族に銃が向けられているとなるとどうしようもない。
 ユトは悔しげに歯から息を漏らすような音を出し―――……メリッサに受話器を奪われた。
 速度は正に神速。

 「アンタ誰なのよ! 人質とって脅してどうするっていうの!? お金? いいわよ、いくらでもあげようじゃない!」
 「メリッサ冷静にならないとっ」
418創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:13:56 ID:jGIu9Dtq
 
419潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:14:46 ID:ZCR+qoft

 受話器を握った手に触れたが、冷静さを失っているメリッサを止めるには至らない。メリッサは顔を真っ赤にして、片方の手を腰にあて、大声を張り上げて電話の向こうに怒鳴る。
 すると女性は渇いた笑い声を上げた。

 「黙れ。なんならあそこのガキでストリップショーをするって手もある。いや男だったか。兎に角、今のお前たちの立場をわきまえる事だ。それから交渉は許可出来ない。お前らから得られる品などたかが知れている」
 「………………どうすればいいのよ」
 「これからお前らにはφ37遺跡に潜ってもらう」
 「は?」

 それこそ気でも違ったのかという声を上げて聞き返すメリッサ。ユトは耳をくっつけるようにして声を拾う。
 電話の向こうの脅迫者は要求を再度繰り返した。

 「φ37遺跡に潜れ。直ちに準備をし、遺跡の最深部付近へと到達し、指定のものを引き上げてこい。対象に関しての資料及び必要な情報はお前らの船のトイレの天井に貼り付けておいた。確認しろ、以上」

 電話がぶちっと音を立てて切れる。
 メリッサとユトは呆然とした顔で見つめあい、轟々と雨が降り続く外を見た。
 よりによって豪雨。
 それでも立ち上がると潜水機の格納庫へと走っていく。途中で二人して転んで痣を作ったが、笑っている暇や痛みを堪えている暇は無かった。


420創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:15:39 ID:jGIu9Dtq
 
421潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:15:58 ID:ZCR+qoft



 きゅっ、と音を立てて服のベルトが締められる。
 女性は自分の防護服の止め具を止めていくと、机の上に置かれている拳銃を手にとって、マガジンを引き抜いて弾を確認すると再度差し込む。更に机の上の短機関銃を手にとって背中に回し、足に装備されているナイフの刃を確認して戻す。
 多目的ゴーグルを被って、周辺の地図が確りと表示されるかを確かめる。続いて赤外線モードを確認して頭の上に上げた。

 「準備は出来たわ」
 「ええ、こちらも出来ました」

 散弾銃を背中に下げて、拳銃と大型ナイフで武装した男性は、胸に装備されているスタングレネードをちらりと一瞥してマジックテープを押し付けなおす。
 外へと視線をやる二人。
 雨の中の戦いは骨が折れそうだ。
 女性は顔をしかめ、自室のドアを出て行く。後ろを男性がついていく。双方の動きに無駄は存在しない。どこかで雷鳴がした気がした。

 「雨の日に決起するほど追い詰められたのかしらねぇ………。ま、計画通りだけど」
 「あぁ……そうだ、化粧の乗りが悪いとか言わないで下さいね」
 「予知能力?」
 「予想能力です」

 なんてことも無い会話をし、都会の一角にある家から外に出た二人は、エアバイクに跨る。女性のは大型エアバイク。男性のは速度を追及したようなスポーツタイプ。
 雨に濡れるのも気にせずにエンジンをかけると、数mまで上昇する。
 女性は銀色の前髪を指先で整えると、男性に目配せをする。男性は小さく頷いた。

 「他のは?」
 「我々に合わせるそうです。行きましょう」
 「今言っておくけど、背中は任せたわよ―――…タナカ」
 「分かっていますウィスティリア」

 二人は雨の中を飛び去って行った。
 独特のエンジン音が雨音に紛れて消えた。



            【終】



422潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:17:50 ID:ZCR+qoft
なんだってー! な展開をやってみたかった。反省はしていない。
423創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:18:42 ID:8vfrs4EI
投下乙。まさしく転な回だナー、続きが気になる的な意味で
424創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 18:22:56 ID:hlp7lhVF
>>422
投下乙です!
とうとう動き出したか……黒服達が何なのか気になるなー
ウィステリアさんがただのエロいダイバーじゃなかったなんて!w
425潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/30(水) 18:40:22 ID:ZCR+qoft
ふと気がついたらDSの文字数合計で10万とかもうね、ひゃっほー。
支援・感想感謝。
426創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 19:05:34 ID:hlp7lhVF
>>425
毎回楽しませて貰ってるぜ!

427創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 19:19:55 ID:pIQWJlRo
ナノマシン使ってるロボは
合体ロボと言えなくもないのでは?
428創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 19:52:04 ID:8vfrs4EI
変身とか召喚のほうが近い気が
429創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 19:54:18 ID:ZCR+qoft
ガシャーンガシャコーンってならないと合体ロボにならない希ガス
430創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 19:56:26 ID:NKsh6P6U
>>422
´_ゝ`)_ゝ`)ゝ`)`)<な、なんだって――――っ!?

 投下乙ですw
 各々動き出しましたね。φ37には一体何があるんでしょうか。そして黒服達の目的は、ウィスとタナカさん(ウホッ)は何故決起の事を知っていたのか……ウーン、まったく見当がつかない。

 次回も楽しみにしてます!
431創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:01:34 ID:pIQWJlRo
>>429
初代合体ロボのゲッターも大概アレじゃないか
432創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:14:46 ID:PBR1rSJ4
ナノマシンの集合を合体ロボと認められる程俺の懐は広くはないっス
433創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:22:18 ID:pIQWJlRo
>>432
つまりヒゲは合体ロボじゃないけど
お兄さんは合体ロボって事でいいかい?
434創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:27:17 ID:QouhqsmA
合体変形する勇者みたいなのとは違うよね
435創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:32:04 ID:PBR1rSJ4
>>433
…なんか根本的な認識が違う気が
合体ロボってのはそれぞれ単独で行動のできる複数のメカ(できれば一人はパイロットが乗っててほしい)が合体して一体の巨大ロボになることだ!
一体のロボがバラバラになるのは合体ロボでもなんでもねえよ!

…とつい熱く語ってみました
436創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:51:42 ID:8vfrs4EI
てか合体じゃなくて集合体じゃねえか
437創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:52:47 ID:ZCR+qoft
>>436
それだ
438創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:54:47 ID:NKsh6P6U
 ふぅ、ようやく帰って来れた……。

>>436
 そ れ だ。
439創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:59:55 ID:DybsXNpC
>>435
言いたいことを推測するに、

・それ単独では「Aの構成要素である」というだけしか機能を持たないものの集合体Aは「合体したもの」ではない。
 仮に、それ単独では「Aの構成要素である」というだけしか機能を持たないものの集合体を「合体したもの」と認めると、
 極端な話、「整備のためにボルトを外してまた留めた」というだけで「分離・合体をした」ということになってしまう。

・故に、「合体」とは、それ単独で「Aの構成要素である」以外の機能を持つものが集合してAを構成することである。

ということ?
440創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:00:50 ID:PBR1rSJ4
>>436
それだよブレイド


…本編書いてくる
441創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:01:14 ID:ZCR+qoft
ところでナノマシンの集合体を合体ロボとする作品ってあるの?
442創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:01:18 ID:QouhqsmA
そんな小難しいこと言わなくても分かるから大丈夫
443創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:03:32 ID:NKsh6P6U
 なんか逆にややこしくなってるようなw
444創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:09:55 ID:uvO1nNiD
>>422
投下乙です!
本格的に闇が動きはじめましたね・・・
果たしてエリアーヌと親父さんの無事は・・・そしてφ37に眠る物とは・・・
一刻も目が離せませんね!

良く分からないけど、合体ロボットは男のロマン!こまけぇこたぁドリルで突き抜けろ!!って事でFAですね!
445創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:14:05 ID:9xIek45A
手元の辞書によると、合体は「性交」の婉曲表現としても用いられるらしい
つまり、そういうことなんだろう
446創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:18:45 ID:NKsh6P6U
>>444
 バンカーじゃ駄目ですか!

 ふぅ。久々に殺陣を書てみたんですけど、全然書けなくなってますね……。
447創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:19:17 ID:ZCR+qoft
>>444
次回分は明日(だといいな)ですからお楽しみにっ。

そう、合体ロボとはそういうものなのさ。

>>445
おっと、アクエリオンの話はそこまでだ
448創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:22:30 ID:8vfrs4EI
>>439
俺的にはだいたいあってる
>>445
やんスケベ
449創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:30:01 ID:uvO1nNiD
投下出来るかもとか言っといて、ぶっちゃけ一字も進んでないれす(^p^)
最終回だし力入れなきゃと思うけど、番外編とエピローグの設定考えるのが楽しすぎて困る
450創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:31:01 ID:ZCR+qoft
>>449
失礼ながらどの作品の作者さんです?
451創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:33:26 ID:NKsh6P6U
 ヒント:次で最終回。
452創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:34:19 ID:ZCR+qoft
ばっちり特定した
453 ◆n41r8f8dTs :2009/09/30(水) 21:34:22 ID:uvO1nNiD
鳥付けるべきだったね、スマソ
454創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:39:47 ID:NKsh6P6U
 よっし合ってたぁ!

>>449
 そんな日ってありますよねw


 なんだろう、今無性にロリータを欲している私がいる……。
 でも疲れてるから紙とペン用意するのも億劫だナー。
455創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:41:19 ID:ZCR+qoft
>>454
つ「脳内美幼女」
456創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:43:02 ID:NKsh6P6U
>>455
 常にいるよ!
457創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:44:37 ID:1fgvdnqg
ちなみに声は誰?
458創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:46:28 ID:NKsh6P6U
 気分によって変わりますけど、今は野中藍さんですかねー。
459創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 21:59:44 ID:CsqlWvCn
素直に答えるのかよw
460創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:00:02 ID:1fgvdnqg
いもちゃんだ!!
461創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:01:43 ID:ZCR+qoft
声を自分で合成して脳内でアニメを作る自分に隙はなかった
462創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:02:45 ID:67BmafkE
声優と聞いて俺参上
取り合えずDSのメリッサは浅野真澄、ユトは沢城みゆきでイメージ余裕でした
ヴィルシャはオルトロックがバリバリ悪役を演じてる子安で再生されるww
お前ら……ってあんまここって声優には詳しくないんだっけ
463創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:06:11 ID:NKsh6P6U
>>462
>バリバリ悪役を演じてる子安
 変態、変態じゃないか!

>あんまここって声優には詳しくないんだっけ
 当然ながら私みたいな例外もいますヨ?
464創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:15:27 ID:CsqlWvCn
>>462
言いかけてやめるんじゃない!w
465創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:16:23 ID:ZCR+qoft
構わん、続けたまえ
466創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:31:46 ID:67BmafkE
それじゃあ言うけどwお前らの脳内キャスティングを教えてくれw
俺は新規作品でかつ、主役に絞れば
・DS=沢城みゆき
・ヴィルシャ=櫻井孝宏
・マーナガナム=杉田智和
・鋼鐵=能登可愛いよ能登
・ミカヅチ=関智一

で決まり何だが、お前らはどうだ?
467創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:45:59 ID:CsqlWvCn
待て兄弟、ミカヅチの主人公が覚とは限らんぞ。ただ概ね同意w


……まとめの人らしく前のほうであった同じ話題のレス引っ張ってくるか
468創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:46:40 ID:CsqlWvCn
ってageちまった!
ツクヨミ先生とにらめっこしてくる
469創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:50:25 ID:ZCR+qoft
構わん続けろとは言ったが続けられるとは言っていない(キリッ
「スネーク役の人」とか言われないと分からないからグーグル先生大活躍ひゃっほー。
自分のならオヤジさんは石塚運昇(オーキド博士の人)か、大塚明夫(スネークの人)と考えてたり。

>>468
死ぬなよ
470まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/30(水) 22:52:09 ID:CsqlWvCn
◆n41r8f8dTs氏
ショウイチ:平田宏明
タウエルン:水橋かおり

PBM氏

パラベラム!
一条 遥:佐藤 莉奈
リヒター・ペネトレイター:泰 勇気
リヒト・エンフィールド:緑川 光
ヴァイス・ヘーシェン:広橋 涼
玉藻・ヴァルパイン:伊藤 美紀
まどか・ブラウニング:中原 麻衣
リタ・ベレッタ:大谷 育江
ルガー・ベルグマン:森川 智之
ライディース・グリセンティ:福山 潤
フラガラッハ:諏訪部 順一
フェーレス:斎賀みつき
シュヴァルツ:広橋 涼
レオン:てらそまさき
ムジナ:水橋かおり
虎徹:土師 孝也
トゥグリル:平田宏明

CR ―Code Revegeon―
黒峰潤也:櫻井 孝宏
秋常譲二:関 智一
シャーリー・時峰:田中 敦子
α5:小山 剛志
α6:坂口 周平
471創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:03:23 ID:NKsh6P6U
>>466
 ツクヨミさんに杉田は予想外過ぎた。
 なーんちゃってw

 んー、そうですね。

・DS=朴 路美さん
・ヴィルシャ=鈴木 健一さん
・マーナガルム=勇者王
・鋼鐵=名前の元ネタまんま御前
・ミカヅチ=(主人公を祈と考えた場合)かかず ゆみさん

 かな?

>>470
 またまた懐かしいものをw
472創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:05:12 ID:NKsh6P6U
 って鈴木じゃねぇよ鈴村だよ!

 くっ、いつも鈴木隆昭と打っているせいでナチュラルに……なんてこった!
473 ◆n41r8f8dTs :2009/09/30(水) 23:05:31 ID:Jh9Fb21b
解除された……かな?
>>470
あれま懐かしいw
474創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:08:24 ID:CsqlWvCn
>>472
しかもヴィルシャのところで間違えているというw

>>473
おめでとう!
475 ◆n41r8f8dTs :2009/09/30(水) 23:12:37 ID:Jh9Fb21b
解除来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!うわぁ、すげぇ嬉しいwww
解除されてるうちにガンガン書きますよ!次の連休まで持たない気がするんでw
>>471
隆昭にムラケンは合うと思いますよw
個人的なイメージだと、情けない少年声と、覚醒時の冷静な声のギャップを考えて……俺も櫻井さんかなぁw
オルトロックはねちっこく人殺しを楽しめる変態声だと考えると、飛田さんしかいないですw
>>474
あーざーす!マジでやる気ありまくりですよ多分
476創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:17:53 ID:NKsh6P6U
>>473
 3機目の埋めネタですねw

>解除
 おめでとうございます!w

>>474
 携帯の予測変換はこういう時厄介ですのぉ。

>>475
>オルトロックはねちっこく人殺しを楽しめる変態声だと考えると、飛田さんしかいないです
 ピッタリですね!
 何の因果かガンダムvsガンダムでZ使ってたので噴きましたw

 どうでもいい話ですが、最近清水 静を小野大輔さんの声で想像してしまう……。
477創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:38:04 ID:hlp7lhVF
あれま、ちょっと離れてる間に声優の流れになってるw
んーと、これは本編第一章のAパート投下すべきか……
いやいや短すぎて訳わからんだろ、と自分会議w

あぁ日常パートが俺を苦しめるwww
478創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:45:14 ID:NKsh6P6U
>>477
 一方ロボスレのロリコン代表はバトルパートに苦しめられていた――――


@ もう投下してしまえ!
A いや、もう少し書いてからのほうがいいかもしれない。
B いっその事声優の話に参加だ!
479チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/30(水) 23:48:52 ID:hlp7lhVF
>>478
「どうせなら俺はこの@を選ぶぜ!」
ということで序盤部分投下いきまーす!w
480創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:49:56 ID:Jh9Fb21b
>>477
自分もどう話を書きだそうか迷ってますw
色々整合性とか考えると、そればっかり考えちゃうんですよね―
>>478
アイディアが浮かばないなら、声優話に参加しちゃえばいいじゃない!と言ってもその話も浮かばないんですがw
481チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/30(水) 23:50:24 ID:hlp7lhVF
第一章「始動」−遭遇と命令−


 物部・京介(ものべ・きょうすけ)は目を覚ました。
 「んぅ〜……ふぅ」
 身体を伸ばしながら目覚まし時計を見ると、いつも通りセットしたタイマーまで少し間がある。
 (さて、と……)
 布団から出た京介は、机の上に置かれたペットボトルを手に取ると、半分程残っていたミネラルウォーターを一気に呷った。
 喉を落ちていく水は生温いが、寝起きで水分を失っていた身体には美味く感じられる。
 一つ息をついてからペットボトルを机に置き、タオルケットと敷き布団を適当に畳んで開いたままになっているクローゼットの下段に押し込む。
 一度背筋を伸ばしてから、寝間着のTシャツとトランクスのままフローリングの床に腰を下ろし、日課の柔軟運動を始める。
 最初は動かす力を小さく、角度を浅く。身体が馴れ始めたら徐々に大きく、深くしていく。
 身体が暖まり、こわばっていた身体がほぐれて少しずつ汗が浮き始める
 腰を下ろし、両方の足首を反対側の太股に乗せた結跏趺坐の状態で、上下から背中に回した両手の指を肩胛骨辺りでしっかりと組み合わせる。
 脚を百八十度開き、上体を伏せて床につける。
 その他にも様々な動きを試し、最後に反らした中指が手首に付くことを確認してから立ち上がる。
 壁に立てかけてあった太めの長い木刀を取り上げ、青眼の構えを取る。
 そして目を閉じ、イメージする。
 素手で、ナイフで、金属バットで、こちらを狙ってくる暴漢達を。
 実際には身体を動かさず、イメージの中で攻撃を防ぎ、避け、無力化出来るギリギリのラインで木刀を振るう。
 イメージしていた暴漢五人を叩き伏せたところで目を開き、床に放り出していた竹刀袋を拾い上げ木刀を納める。
 椅子の背から取り上げたフェイスタオルで汗を拭いながら時計を見ると、いつも運動を終える時間になっていた。
 朝食は夕べの残り物である大根の味噌汁と夕べ作っておいた握り飯(中二個)ですませる。
 着ている物とタオルを洗濯機に叩き込み、シャワーと歯磨きを済ませ、制服に着替え、姿見の前で身だしなみをチェック。
 いつも通り、中肉中背で平凡な男子学生が映り込んでいる。
 顔立ちも悪くはないが良くもない、平凡そのものだ。
 特徴と言えるのは、元々目が細いのに半分瞼を閉じている所為で閉じているように見える位か。
 (……若者らしさが無いな)
 まぁ見苦しくはないか、と一人ごちて
 鞄を肩に掛け木刀入りの竹刀袋を手に取り玄関へ。
 足首まで紐があるタイプのスニーカーを履き、ドアノブに手を掛ける。
 そして誰もいない八畳の部屋に、
 「行ってきます、と」
 声を掛けて部屋を出た。
482創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:51:23 ID:Jh9Fb21b
おっと支援
483チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/30(水) 23:51:38 ID:hlp7lhVF
 ――――――――――――――――――――

 海上都市「わだつみ」
 政府の提案により首都近郊の海上に建造された人工の都市である『第二十四区』。
 複数の企業体によって運営されているこの都市は「技術革新」をテーマに様々な化学・科学的な研究を推奨しており、また技術者や研究者を育成する為の学術機関をも備えている―
 と、表現すると近未来的な印象を受けるが、
 (実際済んでる人間からするとあんまり変わらないよな、普通の街と)
 それどころか、
 (植物多いし、一部以外人混み少ないし、なんかノンビリするよなー。田舎って程じゃないけど)
 地方出身者の京介にとっては大変過ごしやすい街である。
 都市建設当初から建っていた風格すらあるアパートから、徒歩十分ほどで最寄りの停留所に着く。
 しばらく待っていると、時間通りに路面電車がやってきたので他の乗客に続いていつもの車両に乗り込む。
 社内を見渡すと、いつものように見知った顔が手を上げた。
 なるべく人にぶつからないように、その相手の元に移動する。
 「お早う、キョウスケ」「よぅ、京の字」
 友人の挨拶に
 「お早ぅ。コーシ、リュウ」
 こちらも挨拶を返した。
 先に声を掛けてきた小柄な銀縁眼鏡の少年が羽村・光司(はむら・こうじ)、後の方の赤褐色の長髪を後頭部で括った大柄な少年が志藤・竜意(しどう・たつおき)
 どちらも『学園』の高等部に越境入学したときからの友人だ。
 ちなみに竜意の言う「京の字」は彼だけが使っているあだ名で、その由来は「なんとなくサムライっぽいから」だそうだ。
 (……まぁ木刀持ち歩いてればなー)
 挨拶のあとはいつも通りそのまま雑談に流れる。
 締め切りの近い課題や次の試験、先日放送された総合格闘技の試合や人気アーティストの新譜や新作ゲーム等々。
 大人からは「他愛もない」と表されそうな、だが本人達にとっては重要な情報のやり取り。
 そうこうしている内に電車は『学園』最寄りの停留所に到着。
 『私立帝陵学園』
 大学部と高等部を併設する、この海上都市でも珍しい大規模な教育施設の一つである。
 京介達が他の学生と一緒に電車から降り、学園の校門に向かっていると、
 (……?)
 違和感を感じた京介が急に足を止めた。
 「あれ?」「どうしたんだ?」
 「いや……」
 周囲を確認した京介の視界の中、その少女は真っ正面から京介を見据えていた。
484チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/30(水) 23:53:24 ID:hlp7lhVF
 ――――――――――――――――――――

 視線が音を立ててかち合った、少なくとも京介はそう感じた。
 そのまま少女は京介に向かい大股で歩いてくる。
 「何だ?京の字に用でもあるのか?」
 「またあれじゃない?彼氏がキョウスケにボコられたから謝れとか何とか」
 「……人を暴力好きみたいに言わんでくれ。それだったらリュウも同罪だろ?」
 カツアゲやら強引なナンパやら、そういったもめ事に遭遇した場合、関わらないように顔を背けて通り過ぎる。
 それが大抵の人間が取る行動だが、京介達、特に京介と竜意は積極的に関わるタイプであり、それが喧嘩沙汰に発展することも少なくない。
 その場合、大抵は当人同士の中で決着が付いた時点で収まるのだが、稀に周囲の人間が関わってくることもあったので、光司もそう予想したのだが、
 (……違うな、これは)
 目の前に立った少女の目を見て、京介は光司の予想が外れているのを理解した。
 そこには敵意も怒りも憎しみも無く、
 (品定め、か)
 こちらを見極めようという意思しか見あたらない。
 それにしても印象的な外見の少女だ。
 腰辺りまである、艶のある黒髪。
 前髪は眉に掛からない程度に、両脇の髪は頬の辺りで真っ直ぐに切り揃えられているため、髪色とも相まって和風な印象だ。
 小作りな顔立ちは可愛らしい、と形容すべきなのだろうが、身に纏っている凛とした雰囲気と目力の強さで、何処か神秘的な雰囲気さえある。
 170を少し越えている京介の顎程までしかない小柄な身長だが、手足が長く、バランスが良い体型の為、こうして目の前に立たれるまで、ここまで小柄だとは気付かなかった。
 それに、
 (……結構ある、かな)
 京介の目線が、顔から下がって首もとから下を確認したのに気付いたのか、少女のやや太めな眉根に皺が寄った。
 不快さを隠さない険のある声音−それでも滑らかなアルトの声が京介にかけられる。
 「……物部・京介さんですね」
 「いいえ違います」
 そして京介は即答で否定を返した。
 「………………」
 その返答に少女は固まり、
 「………………」「………………」
 友人二人は呆れ顔で苦笑した。
485創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:53:36 ID:NKsh6P6U
 
486創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 23:54:01 ID:CsqlWvCn
支援!
487チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/30(水) 23:54:05 ID:hlp7lhVF
取り敢えずココまでです!支援感謝!

あと流れぶった切ってサーセンorz
488創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:00:59 ID:NKsh6P6U
>>487
 投下乙です!

>流れぶった切って
 おお、チャンバラだけに!

 新展開きましたね! 果たしてここからどう話が動くのか……。

 あ、太めな眉に心撃たれました!
489創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:05:32 ID:CsqlWvCn
>>476
>最近清水 静を小野大輔さんの声で想像してしまう
ロボスレ学園の清水さんならピッタリだなw

>>487
投下乙!
新キャラ&新展開ktkr
ミカヅチの主人公は京介なのかな?

>>488
あんたの好みのタイプは一体どれだけあるんだw
490チャンバラ? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/01(木) 00:08:36 ID:ztttekk0
設定厨なので文章が回りくどく膨大になる……orz

さて、この何と戦っているのか分からない物部・京介。
彼は一体物語にどう関わっていくのか?
そしてこの少女の正体は!?(バレバレだがね!

491創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:11:06 ID:ztttekk0
>>489
一応京介が主人公です。
これから色々巻き込まれていく予定ですw
492創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:14:28 ID:uP2xfS8p
>>490
 一方設定をせの字くらいしか考えていないロリコンは(ry
 回りくどい文章を書けるのがふらやましいですよ……。

>そしてこの少女の正体は!?
 誰なのか全然見当が付きませんね!
493創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:22:45 ID:ztttekk0
急で中途半端な投下失礼しましたorz
お先に失礼を

週末になんとか続き投下したいと思いますので
494創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:29:15 ID:J40ewkw0
回りくどいというか説明セリフ多すぎになってきた
3部構成での2部って書くの難しいなー
あんまり簡単に書くと味気なくなっちゃうし
その分出来る限り頑張ろうとすると余計なもの詰め込んで、食当たりおこしちゃうようなものになっちゃう
一番のネタは結局3部にとっておかないといけないし・・・
元々贅肉多いから見なおして今からどっか削る作業でもしようかなー
495創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 00:59:03 ID:cHGPp0NM
今週末くらいに投下するから皆、宜しくなのだぜ。
496創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 01:07:00 ID:uP2xfS8p
>>494
 さてはリベジオンの人だなッ!?

>>495
 了解デース。
497創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 01:08:12 ID:avqZrDW0
私も今週中にあと一回投下出来るかもしれません。
498創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 01:13:39 ID:6phKersd
>>481->>484
投下乙。
たぶんナゾの少女(ナゾの少女の正体は一体誰なんだろう?)に注目してる人が多いだろう中、
竜意が気になってる俺は異端なのか。

>>490
>設定厨なので文章が回りくどく膨大になる
まあ俺前にほとんど設定描写しか書いてない短編投下したけど
少なくとも叩かれはしなかったし(ありがたいことに、再投下を望んでくれる人までいた)、
描き方次第かと。
499創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 01:24:39 ID:J40ewkw0
>>496
えー、まさかーそんなわけないじゃないですか(棒読み)
たまに前編からちょっと手を加えたくなるから困るw
500創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 10:44:32 ID:uP2xfS8p
>>499
 ですよねー、そんなわけないですよねー(棒)

>たまに前編からちょっと手を加えたくなるから困るw
 後になって「やっぱりここはこうしたほうが良かったんじゃないか」っての、よくありますよねw
501創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 12:24:04 ID:YkGVrbAb
もう500かぁー……早い早い
都民の自分は休日ダゼひゃっほー
502創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 14:07:40 ID:6OK45wPJ
どうでも良い事に気づいたんだが、ここまで来てロボ娘があんまりいない事に気づいた
ロスガとシスターズくらいだよな。ヘーシェンやたまちゃんは違うだろうし
503創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 14:12:30 ID:YkGVrbAb
>>502
IDがPJだと……!?

それはとにかく。次回作はロボット娘とか出す予定ですのでご安心を。
504創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 14:31:52 ID:6OK45wPJ
な、何者だ!w次回作ってもう考えてあるのかいw
……そういや今連載終わりそうなのってヴィルシャと13話で〆予定のDSか
何気に◆n41r8f8dTs氏と◆klsLRI0upQ氏に続く三人目になるな>◆a5iBSiEsUFpN氏
505潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 14:35:19 ID:YkGVrbAb
私だ。なんだお前d(ry

次回作は武装ロボット娘をメインに考え中。
506創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 15:23:16 ID:tVR9tJqa
別のスレでSS書いてた者ですがサイボーグ娘を題材にしたSSを構想中です。
形になったら投下して宜しいでしょうか?
507創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 15:25:46 ID:uP2xfS8p
>>504
 シャドウミラージュは完結していないと◆klsLRI0upQ氏が言っとりました。
 つまり◆a5iBSiEsUFpN氏は二番目……!

>>505
 wktk

>>506
 ば――――っちこ――――い!!
508潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 15:31:16 ID:YkGVrbAb
>>507
なんだってー!?

次回作のコンセプト「ボロボロになりながら戦うロボ娘」


>>506
来い、作品をたたきつけるんだ!
509創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 15:33:10 ID:6OK45wPJ
>>506
これは期待せざるおえない
510潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 17:06:15 ID:YkGVrbAb
今日中に十一話の前編を投下します
511創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 18:01:57 ID:ztttekk0
>>498
光司も竜意も脳内別物語の主役なので
気にしていただけて嬉しいですwロボ成分が無いのが残念ですがw

>>505
>>506
両氏の作品をwktkしながら待ってるぜぃw
スレ的に新しい流れになるかな、ロボっ娘作品w

>>510
支援するぜぃwというか速すぎるでしょう!?www
読む側としては嬉しいですけどもw
512 ◆klsLRI0upQ :2009/10/01(木) 19:40:44 ID:J40ewkw0
>>507
ただ、当分書く予定ないですけれどね(´;ω;‘)>シャドウミラージュ

あれはある意味短編シリーズモノとして見て貰えればいいかも、あれはあれで完結してるとも見れますし
まあ、3万字近くあるのでSSとしては短編なんて言っちゃダメかもしれないけれど

CRの一章終わったら、シスターズをとりあえずささっと書いて、一区切り
んで、CRの二章に手を付ける予定なので、やっぱ書く余裕が無い(´・ω・‘)
一人一人のモブキャラの過去設定から世界の秘密みたいな設定まで作ったので愛着あるのでいつか書きたいな〜とは思っているんですけれどね
あんまりCR遅くなるみたいだと最後の切り札としてシャドウミラージュの3話という切り札をスレに投稿する事になるかもしれないけれど
ただ、あれ完全に次回に続くみたいな結末なんだよなー、6万字近くある癖に・・・
513潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 20:04:00 ID:YkGVrbAb
>>511
ただDS終わってからなっ。投げ出すわけにはいかん崎。

>>512
それは投下すべきと自分のゴーストが囁いてる
514創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 20:38:42 ID:ztttekk0
>>512
ほほぅw残弾がまだ豊富にあるとはw
さすが偉大なる先達のお一人ですなーw

CRの続き待っとりますので♪( =ω=)ノシ
515潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 20:57:04 ID:YkGVrbAb
宣言通り十一話前編を投下します。
誰も居ないかもですが。

相変わらず切り方がヘタクソだなぁ…
516潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 20:58:38 ID:YkGVrbAb
 『Diver's shell』



 十一話 「目標地点へ(前)」


 メールと電話でのやり取りの数時間後。
 二人はクルーザーで海に漕ぎ出し、全速力でφ37遺跡に向かう……のではなく、脅迫者が用意した船に潜水機を積んで移動していた。
 しかも以前二人が助けられた時の船で。

 「悪く思わねぇで欲しいッスね。仕事ッス」
 「そんなことよりもとっとと行ってくれる? 正直な話もっと早くいけるんでしょ?」
 「へいへい分かってますッス」

 二人の足代わりになったのはハンナのホバークラフトだった。
 クルーザーのトイレの天井に貼り付けてあった封筒の中身を読むと、港の一角が指定されていた。その場所へと行くと、ハンナが居たのだ。潜水機を運ぶ手はずも整えられていたのでものの数時間で出航できたのだ。
 計画的犯行だというのは分かったが、何故我々なのだろう。ユトとメリッサは頭脳をフル回転させて考えてみたが、結局何も出てこなかった。ただメリッサだけは「あて」があった。
 それはフローラを殺害してメリッサの腕を切断した黒服の連中だ。
 銃も持っていたし、雰囲気が余りに似すぎていた。ひょっとしてそうなのかもしれない。もしもそうなら今すぐ殺してやりたい気分だったが、人質を取られていてはどうしようもない。
 荒れ放題の海をホバークラフトが行く。
 後方の大型のファンの他にも小型のジェット推進装置が仕込まれており、船とは思えない速度で進んでいく。雨脚は轟々として変化は無い。潜るには都合のいい天気とはいえない。
 ダイブスーツに身を包んだユトは、操縦席の後方に設けられた座席から外を見遣った。
 普通の船なら上下左右にがっくんがっくん揺れるところだが、ホバークラフトであれば関係なく上を滑っていける。しかも速い。
 あの電話の向こうの女の言葉が正しければユトの家族も危ない。
 視線を室内に戻し、続いて自分の手を見る。緊張で震えていた。
 ハンナが操縦する隣で険しい顔をして「速く行け」と催促をしているメリッサ。気丈な振る舞いを見せている彼女だが、脚が震えている。船の動揺とは関係あるまい。
 苛立ちが取れない。ユトは、いつの間にか貧乏揺すりをしていた脚を撫でると、腿をパンと叩いて立ち上がった。
 それを合図にしたかのように船ががたんと大きく揺れ、ユトとメリッサはよろめいてしまう。ハンナがファンの回転を最大に引き上げたのだ。被害者は一人だけではない。操縦席にある無線機から苦情が飛び込んできた。

 「お姉ちゃん加速酷いじゃん! 敵居ないし急ぐ必要ないのに何やってんの!?」
 「依頼者にこのお二人さんの言うことは聞けと言われてるんだから仕方無いッスよ、黙ってなさい」
 「………ドンパチやんないだけマシかぁ」

 ハンナは無線の向こうに居る兄妹に返答をすると、船の進行方向を調整した。
 落ち着かないどころか明らかにイライラして前を見つめているメリッサ。ユトも同じように前を向くと、眼鏡の位置を直した。
 海は荒れ狂って船を沈めんとしている。それはまるで二人の心情を具現化しているようでもあった。
 時間の流れが遅く感じてしまう。
 二人は、椅子に座ったり、準備運動をしてみたり、天気の様子を確認するべく携帯電話でテレビ放送を見たりする。
 対するハンナはリラックス状態で運転を続けている。
 φ37遺跡までは、もう少し。
517潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 20:59:58 ID:YkGVrbAb



 「……WよりT。10人前後と推定。連中の配置が不明につき警戒して」
 「T了解。潜入を開始する。制圧隊の到着は?」
 「もうじきよ。でも、作戦開始は夜……もしくは早朝以降になりそう」
 「了解」

 雨が降っている。
 レンガ造りからコンクリートに木造。地震どころか壁の一蹴りで倒壊してしまいそうな建物から、爆弾が投下されるのを想定されているが如く補強された建物までずらりと建て並ぶ旧都市部の端っこ。
 夏特有の湿った大気が風に運ばれて流れていく。夜と夕方の中間の時間帯。電灯が道路を照らし始める。
 オヤジの家から数km地点の雑居ビルの屋上にある看板の下からゴーグルが覗いている。暗闇でも見えるゴーグルの下には月の光を思わせる銀髪が押さえつけられており、端整かつ鋭利な顔を隠している。
 ゴーグルの向こうにはオヤジの木造の家がある。煌々と灯る照明のお陰で赤外線モードなどは必要ない。が、窓を覆うカーテンの所為で内部の様子を直接には窺えない。
 ウィスティリアは、カーテンに映っている人影の数をもう一度数えなおす。電気が消えては怪しまれるからとカーテンを閉めているのだろうが、影で丸分かりだ。問題は正確に数えられないということだが。
 さて、拘束されている二人を助けるにはどうすればいいか。
 それには二人が拘束されている場所及び犯人達の場所を絞り込む必要がある。狙撃をするにしても居場所が分からなくては意味が無いのだ。
 あの家の構造を大雑把に言うと「木造二階建て」。一階は作業スペースと居間。二階は寝室等。一階は広く、二階は狭い。
 周辺の家との距離は極端に狭く、家の玄関側が比較的大きな道路に接している。車両を用意するには難しいであろう。もしも逃走するとすれば空だ。上空ならどうにでもなる。
 居場所。拘束されて動けない状況の2人がロッカーかなにかに押し込められているとは考えにくい。少なくとも2人以上の見張りに銃を向けられていると考えるのが妥当である。そうすることで抑止力となる。
 「組織」の連中は手馴れのものを送り込んできているに違いない。諜報部隊の報告によると、マフィアとつながりのある人物が雇われているという。そう簡単に解決は出来ない。
 ウィスティリアはゴーグルの映像を拡大する。
 窓際に見張りが居る可能性が高い。タナカを潜入させるに当たっては経路を慎重に考えなければならない。下水道などからの侵入も検討してある。あとは現場の本人の判断だ。
 隊の人間はまだ到着していない。行動に移すのはもう暫く時間がかかる。
 ウィスティリアはゴーグルを外すと、短機関銃を背中に回し、ビルの屋上から飛び降りた。同時に衝撃を和らげるための体勢を取り、隣のビルの屋上にあったコンテナの着地する。密着するように建てられているので距離は余り無い。
 走る。
 ビルの屋上のアンテナを蹴るように跳躍、隣のビルの壁面へと飛びついてくるりと反転、壁に配置されているクーラーの室外機を足場に地上へと飛びおりた。
 何もそんなことをしなくてもいいが、体が鈍っているような気がして実行した。危険にも程がある。

 「WからTへ。私は目標の家からちょっと離れた場所から偵察を続けるから」
 「了解」

 タナカは涼しい声で答えると、ゴーグルについている無線機を切って、小さな鏡を取り出す。目標の家から少し離れた地点。比較的新しい建物の影から鏡を出して人が居ないかを確認した。
 タナカが走り出す。足音すらさせず、漆黒の髪を揺らしながら走る。家一つ分走ったタナカはゴミ箱の陰に身を潜めて周囲の様子を感じ取ろうとする。
 ここらへんは買い物が出来る場所や、人が来る要因が少ない地域だ。夕方ということもあって通行人もほぼ居ない。異変にすら気がついていないであろう。
 目標の家に小さな通りを挟んだ向こう側の家に肉薄する。真正面から様子を窺ってみるが、玄関は閉じられて窓も閉じられている。
 相手は事を起こしたことを察知されたとは思っていないはずであるが、警戒をしていることは人数から容易に想像がつく。
518創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:00:14 ID:9926XYse
いるよ!?支援
519潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:01:49 ID:YkGVrbAb

 「さて」

 一言呟いたタナカは、家の裏へと周ると、目標の家の裏から近づくべく走り出す。
 レールに乗せられたが如くのしなやかな動きに無駄は一つも無い。
 時間をかけずに目標の家の裏へと周ったタナカは、置いてあったコンテナの裏に座って、滑り止め付きの黒い手袋をしっかりとはめなおす。
 と、そこで家の裏の扉から男が一人出てきて、口笛を吹きながらうろうろし始めた。
 コンテナの端から男の様子を観察してみる。ハゲ頭に黒い帽子を被っていて、自動小銃を肩から下げて、さほど広くない家の裏のもの置き場を歩き回っている。無線機らしきものは確認できない。
 視線を家の窓へとやって、見張りが居ないかを確認する。
 感づかれてはならない。
 息も漏らさぬように気配を殺し、機会を伺う。沈黙の音ですら銃声に聞こえてくるようだ。
 黒服の男は仕事熱心とは言えないようで、あっちへ行ったりこっちへ行ったりを繰り返しては、時々地面を脚で穿ったり、肩にかけた自動小銃を空に構えたりしている。
 男がドアから離れて家の裏にあったゴミ箱へと近寄っていく。タナカは、一気にドアに向かって走り出し、音も無く内部に侵入した。
 背中の散弾銃を使うことは避けたい。威力は高いが銃声も大きいのだから。
 埃臭い空気に満ちた家の中へと入れば、今しがた入ったドアの簡易型の鍵をかけてしまう。腰を落としたまま進んでいき、潜水機の大型の電池が無造作に置かれている場所の影へと身を隠す。丁度電池がそのまま置かれていたので裏に身体を入れてしまう。
 家の奥からは話し声などが聞こえてきている。いつまでも電池の影に隠れてはいれまい。
 タナカは周囲を見て、工具入れを見つけた。丁度人一人入るのにいい大きさだ。しかし中の工具が邪魔で入れない。
 裏口のドアノブが捻られて、何度も何度も開けようと試みているのが音で分かった。数回繰り返して音は止まった。仲間に閉められたと思ったのだろう。
 この家は非常にモノが多く、隠れる場所も豊富にあるが、見張りがうろついているために身動きが出来ない。ユトとメリッサの二人は「誰にも知らせない」ことを条件に動いているのだから、もし見つかったらタナカは兎に角としても人質は死ぬであろう。
 タナカは電池の影で思考の枝を張り巡らしていく。
 何せ作戦はまだ始まったばかりなのだから。

520創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:02:09 ID:9926XYse
支援
521潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:03:09 ID:YkGVrbAb



 ―――……深度4000m。
 各部のセンサー、そして腕部を高性能なものに換装したポンペリウスは、いきなり4000mを緩やかに下降するようにしてφ37遺跡に接近していた。
 暗い。
 地上から降り注ぐ光は、曇りで豪雨という影響もあってか、増幅しても殆ど画面に光をもたらしてくれない。かといって人間が見えない赤外線を利用しての映像もうかつには使えない。ガードロボには丸見えな可能性もあるからだ。
 時折機体が水圧で軋みを上げるのが聞こえてくる。その度に二人は進むのを止めて点検を行っていたが、徐々に回数が減っていった。
 時間は有限なのだ。自分たちの命ではなく、知り合いや家族の命の。
 猶予時間はポンペリウスの活動限界時間に幾分上乗せした数字。活動限界時間に5時間を足した数が、大切な人たちの命が奪われるまでの時間となっている。寿命でも、事故でも、なんでもない。「殺される」。
 ユトとメリッサの口数はいつもの半分以下。否、もっと少ないかもしれない。
 冗談を言ったら脚から順番に崩れてしまいそうだったからだ。

 「ユト……電話の女が言ってた紙なんだけど、分からないところがあるんだけど……」
 「うん」
 「私の―――……義腕が鍵となるとか書いてあるんだけど、どういうこと?」

 以前よりモニター数の増えた後部座席に座って白い紙を読んでいたメリッサは、一番初めの疑問点を(たくさんあるのだが)ユトに問いかける。ユトは暗闇を睨みつけたまま返事をした。
 機体の潜航速度は変わらない。

 「こんなこと聞くのはアレなのかもしれないけど、実はその義手は特製だとか……その、……殺されたお母さんの遺品だったりはしない?」
 「……それは無いわ。お金あんまりなかったから怪しい商人から安値で買ったのを弄ったのだから。人工皮膚だけはいいの使ってるけどね。……というか義腕は成長しないから何回か変えてるんだけど」
 「問題は出なかった?」
 「なんにも。これは左右同じフレームなのに重量に違いがあった程度かな」

 会話から分かると思うが、二人はオヤジさんやエリアーヌを監禁しているのが10年前の事件の連中ではないかと思っている。ユトは事件の詳細を聞いていたから、そしてメリッサは当事者だったから、なんとなくそう思っている。
 例えそうでないにしても黒服に銃の組み合わせは余りに怪しい。
 ユトは、魚雷ランチャーを構えたまま深海を進んでいく。鮫のようにしなやかに。蟻のように慎重に。蝶のように軽やかに。梟のように隠密に。
 ソナー音を捉えれば直ぐに対処し、見つからぬようにφ37遺跡を目指す。
 運が味方してくれたのか今日はガードロボの数が少なかった。
 聴覚視覚が針のように研ぎ澄まされているよう。水に押しつぶされる映像や、ガードロボの魚雷を喰らって粉みじんになる映像、そして、大切な人が頭を撃ち抜かれて死ぬ映像が思考の端っこに流れてくる。
 ユトはまだいい。問題はメリッサだ。
 母親が殺される記憶の影響で時折視点を彷徨わせてぼーっとしている時がある。思い出したときと比べて慣れてきたといっても、涙を滲ませるときがある。忘れように忘れられないのだ。
 危険領域でぼっーとしていれば命に、大切な人の命にも関わってくる。メリッサは自分の頬をぱんと叩くと、センサーから送られてくる情報から周囲の状況を探っていく。
 光無き深海を進む恐怖。目隠し運転と言ってもおかしくない暗闇の中を巨人が行く。
 荒れる海の影響も深海までは届かない。星の体内に侵入している感覚に、二人の体が微かに震える。
 時間は刻一刻と減っていく。
 残り時間を示す数字がまた一つ減った。

522創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:03:44 ID:ztttekk0
支援
523創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:05:10 ID:9926XYse
支援
524潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:05:35 ID:YkGVrbAb



 ―――……海底。
 海の神様が味方したのか、ガードロボに一回も見つかることなくφ37遺跡に接近することが出来た二人は、前と同じような大きさと形状の岩の後ろに張り付いていた。
 ポンペリウスは訓練された兵士のように匍匐体勢で岩の上に居る。
 ぴったりと張り付いていれば目視以外の方法ではまず見つからない。
 前方へとカメラを向ける。朧ながら遺跡の姿が見えてきた。ピラミット型の要塞。多くの物資を宿したまま海に眠り続けている超科学の遺産。
 ユトは手に汗が滲んできたことを実感すると同時に、時間の経過の早さに驚く。時計が故障しているのかと思ったくらいだ。

 「メリッサ、大丈夫?」
 「………っ……、……うん、……大丈夫。早くしないと、……連中が……何をするか分からないから、急ぎましょう……」

 メリッサは、遺跡を映した映像を見るなり口を押さえて涙を滲ませ始めていた。やや呼吸も早く、何かの衝動を必死に堪えているようにも見える。
 首を絞められるのではないか、とユトは一瞬考えてしまう。嫌な記憶は中々消えてくれないものなのだ。万が一首を絞められて意識を喪失すれば二人の命、そして大切な人の命は無い。
 だが、すぐに考えるのを止める。メリッサを信じようと思ったのだ。毅然とした面持ちで遺跡を睨みつければ、そろりそろりと機体を動かしていく。
 遺跡のどこから侵入するかは重要なことだ。一回のダイブしか許されていない以上、今までの知識を搾り出し、しかも時間をかけずに考えなければならない。二人の心臓が極度の緊張で壊れそうなほど脈を打つ。

 「メリッサ、ソナーを一回弱めで」
 「了解」

 ポンピリウスからソナーが発せられ、遺跡や地形が視覚情報として表示される。微弱故に遠くに響くことは無いが、入り口を探すには十分だ。
 すると、ソナーに反応してソナーが返ってきた。幸い地面に張り付くように移動していたので見つからなかったようだが、ライトの光が地面を移動している。探しているらしい。
 ガードロボは、正々堂々ライトを照らしているため、位置がはっきりと確認できた。
 見つからぬよう、近くの岩の裏に逃げ込むと、遺跡の方とガードロボを交互に観察する。
 比較的見張りが少ないといっても完全に居ないわけではない。何とか隙を見つけて押し入らなければなるまい。
 ガードロボの隙を見つけるというのと、遺跡の内部に入れる場所を見つける必要がある。遺跡は看板を立てて「ここが入り口」と示してはくれないのだから。
 ピラミッド状の遺跡のどこが入り口なのか。
 ユトはメインカメラを岩の隙間から覗かせ、光学増幅をかける。駄目だ。あまりの暗さに薄っすら見える程度で詳細が見えてこない。
525創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:06:07 ID:ztttekk0
支援
526潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:07:06 ID:YkGVrbAb

 「近づいて調べよう。気が付かれたくないからね」
 「時間かけないで。今までの最短を狙って。じゃないと……」
 「分かってる、大丈夫」

 自分の心音すら大きく聞こえてくる。
 機体を、匍匐前進かと見間違うほどの低い姿勢で遺跡に近づいていく。遺跡の周辺を取り囲んでいる「塔」の一つに近づくと、胸部から取り出した探査機器を押し当てて内部構造を探ろうとする。両腕を武装解除するわけに行かないのでブレードを肩に戻した。
 結果は芳しくない。
 塔そのものはがっちりと中まで詰まっていて、どう考えても中に入れる感じではない。表示された数値にメリッサが舌打ちをした。強度も高かったのだ。
 塔が遺跡を取り囲んでいる。一つ一つの塔が違う用途・構造とは思えない。ということは、塔から入るのではなく、外見どおりにピラミッド状の遺跡本体のどこかに入れる場所があるということだ。
 二人の動きを察知してわけではないだろうが、塔の天辺が光り輝いたかと思うと、四方八方へとサーチライトらしき灯りをつけた。サーチライトは何かを探すように海中を動いている。強烈な光の所為で白い刃が海中を混ぜているようにも見えた。
 ユトは、機器を胸に仕舞って、改めてブレードと魚雷ランチャーを握りなおすと、塔の影から遺跡へと忍び寄っていく。
 用途不明の表面構造物を眼にしつつ、遺跡へとたどり着くことに成功した。上を見上げてみる。サーチライトや、ゴマ粒ほどの大きさにしか見えないガードロボ、海の不純物などがあいまって、自分たちが地上にいるように錯覚させる。
 実際には数千mの水が積み重なった下にいるのだ。そう考えるとのん気には居られない。
 ユトは、遺跡の上を脚部スラスターを微弱に吹かしながら進み始めた。
 長い年月が経過しているとは思えぬほど遺跡の表面は艶やかで、逆につい最近建造されたかと思うほどだ。ただ緻密な電子部品を彷彿とさせる表面の細かな溝は白いマリンスノーで埋められていた。
 遺跡は途方も無い大きさを持っている。一つの島と認識されても不思議ではないほどの大きさ故、どこから入ればいいのかが分からない。
 時間は容赦なく流れていく。
 機体の駆動音とスラスターが静かに深海に消えていった。
 ユトは機体を止めると、眼鏡の位置を直して栄養ゼリーの入ったパックの中身を全て吸い出し、ポンピリウスの手に持たれている機器を遺跡のハッチらしき部位に押し当てた。反応を見ると、内部に空間がある。
 メリッサは今までのデータと比較検証。内部の空間が罠ではないか、などを調べて、考えて、ユトに口を開いた。

 「入りましょう。開かないならとっととこじ開けて」
 「言われなくてももうやってる」

 腕に握られたプラズマカッターが遺跡のハッチを溶かし始めていた。時折気泡が発生して上に上がっていってしまっている。ユトは時間をかけぬよう、出力を最大に上げていく。
 程なくして、ハッチは穴となった。ハッチの残骸をなんとなく収納し、内部を覗き込む。
 何も無い。各種センサー類で構造を確かめて見たところ、果てしなく奥まで続いている通路か何かということが判明した。躊躇っている時間は無い。

 「鬼が出るか、蛇が出るか―――……」
 
 そう呟くユトに、メリッサはキーボードを叩きながら言う。
 強い目つきが黒い空間を睨んだ。

 「出たとしても行かなくちゃならないの。行って」

 二人は魔の暗闇へと侵入していった。


         【終】



527創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:07:20 ID:ztttekk0
 
528潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:09:14 ID:YkGVrbAb
十一話前編終了です。次回は後編です。
あぁもうじき終わりなんですねぇ。長かったのか短かったのかわからない。
支援に感謝を!
529創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:20:21 ID:ztttekk0
>>528
投下乙!
いやー、この緊張感。地上も海中も手に汗握るシーンですな!
Tの活躍に期待せざるおえない。
つい某蛇を連想してしまったw
530PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/01(木) 21:29:19 ID:uP2xfS8p
 ふぅ、今週も残るは後少し……頑張れ自分!

>>528
 投下乙です!
 数話前から緊迫の展開が続いてますね……あぁぁぁぁ愛しのエリーは大丈夫かー!
 しかしDSもラストスパートですか。
 ああ、なんだかPBMだけ時代の流れから取り残されてるような……。

 次回も楽しみにしてますねw
531潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/01(木) 21:41:25 ID:YkGVrbAb
>>529
Tさんは今某蛇のお方モードですよw
いざとなったら筋肉が炸裂するに違いありません。

>>530
取り残されてるとかご冗談を。次回も頑張りまする。
532創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:56:41 ID:ztttekk0
>>530
俺なんかスレの空気から浮いてますよ?w
という訳でお疲れな貴殿に

『彼女』は最近ようやく自然になってきた笑顔で
「お疲れ様、無理しないでね」
そう『俺』に告げた。
知り合いの伝手で手に入れたアンドロイド。
一世代前の型式で殆ど全面的な補修が必要だったが、時間(主に睡眠時間を削り)と資金(主に食費を削った)を
つぎ込んだ甲斐があった。
(しかし表には出せないよな……)
身長145cm、金髪(放熱索兼用)、青い瞳(光学センサー)、
そして非常にコンパクトなボディーライン!非常にコンパクトな!!(大事な事なのd(ry )
ある資産家が娘の遊び相手に作らせた特注品だったそうだ。
娘が成長して、頭脳部分を成人女性タイプの物に変えた際、貸倉庫に預けたままになっていたらしい。
(知り合いがどうやって入手したかは謎だが)
市販のAIを何十種類もの合法アプリで改造し、なんとかここまでこぎ着けた!
(あぁ、ょぅι゛ょが俺に微笑んでいる……まさにパ ラ イ ソ !!)
感動に打ち震えている『俺』を眺めていた『彼女』は、何かを思いついたように表情を明るくすると、
ソファーに腰掛け、『俺』を見ながら自分の膝を軽く叩いた。
「え?」
(いやまさか、そんな筈は!?……そんなデータ入れて無いよな!?)
自分の予想外の動きをする『彼女』に軽く錯乱する『俺』。
動かない『俺』に焦れたのか、眉根を寄せた、拗ねが入った恥ずかしげな表情で
「膝枕……してあげるってば……」
と呟いた。
「!?」
(パ ラ イ ソ !!……いやいやいや!?……こんな反応入れた覚えは!?)
………………
…………
……
後日、ある事を切っ掛けに『俺』は『彼女』に自我が芽生えていた事に気付くのだが、
それはまた別のお話。

どっとはらい。



あぁ、膝枕はして貰ってますよ?
533創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:06:13 ID:ztttekk0
ありゃ、ちと訂正SS部分11行目を
娘が成長して、頭脳部分を成人女性タイプの身体に載せ替えた際、貸倉庫に預けたままになっていたらしい。

失礼しましたorz
534 ◆n41r8f8dTs :2009/10/01(木) 23:00:58 ID:9926XYse
>>528
遅れませながら投下乙であります
うぉー雰囲気が前半と凄く変わりましたねwウィスティリアさんとタナカさんがすげーその道のプロって感じがするw
ユトとメリッサが一体何を垣間見るのかがワクワクします。二人とも無事に帰ってくると良いな……乙でした
>>532
>身長145cm、金髪(放熱索兼用)、青い瞳(光学センサー)
極細(ガタッ)
何だろう、この青年から漂うチェリーボ―イ臭はww

良かったら暇な時に続きを書きたいけど、イイカナ?
535ロリベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/01(木) 23:19:54 ID:uP2xfS8p
 ガチで疲れて寝ているとは……私の馬鹿馬鹿っ!

>>532-533
 って、イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
 ごろごろしーたーいー♪

>>534
 極細、貴様にはティマさんがいrうわ極細なにをするやめ
536創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:23:24 ID:qcWl4rCg
>>528
投下乙です

遂に遺跡に突入
色んな伏線がどう消化されるのか、期待が止まらないですわ

DSも残すところあと少しかー
綺麗に完結して欲しいと思うのと同時に
俺的にはすげぇ好きな舞台装置だけに、これで見納めというのは寂しいという思いも……
もうぶっちゃけ同世界観上で話書きたいくらいですよ
537創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:26:36 ID:ztttekk0
>>534
おぉぉ!?即興で作ったネタですがいいんですか!?
どうぞどうぞ!お好きに使ってください!
538創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:29:02 ID:uP2xfS8p
>>531
 というか、自分が超遅筆かつ構成力皆無なせいですね、浦島さんなのは……。

>次回も頑張りまする。
 はい、頑張ってください!

>>536
>ぶっちゃけ同世界観上で話書きたい
 わかります、そういうの!
 冒険物って憧れますもんねw
539創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:31:20 ID:9926XYse
DSさん、良い読者さんに巡り合いましたねw
>>537
何時出来るか分かんないしクオリティがありゃりゃ?になる気がプンプンしますが、それでも良ければ書かせていただきますよ
540創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:31:52 ID:qcWl4rCg
>>538
同志よ!(高く腕を掲げながら)
541創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:34:34 ID:uP2xfS8p
>>539
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!

>>540
 同志……そうか。
 君も 小 さ な 存 在 が好きなのだな……。



 え? 違う?
542創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:35:58 ID:qcWl4rCg
>>541
お っ ぱ い が好きです!(高く掲げた手をわきわきさせながら)
543創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:35:59 ID:ztttekk0
>>539
是非是非お願い致します!w
あ、外見はそのままだと極細に消されそうなので変更してもおkですよw
544創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:37:57 ID:uP2xfS8p
>>542
 お っ ぱ い……そうか。
 君も 小 さ な お っ ぱ い が好きなのだな……。


 え? 違う?
545創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:41:08 ID:ztttekk0
>>544
落ち着いて師匠!w
546創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:43:13 ID:qcWl4rCg
>>534,537
新たな金髪ロリの伝説が始まりそうだw
金髪ロリ×ロボスレ=破壊力ですね

>>544
それじゃ揺れないだろうがぁぁぁ!(高く掲げた手の平を天に向けて上下させながら)
だがまぁしかしロリ体型もそれはそれでうわ極細なにをするやめ
547創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:44:25 ID:avqZrDW0
>>544
美乳こそが至高だと、私は思いますよ。

そろそろ投下しようと思います、どなたか支援御願い出来ますか?
548創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:45:28 ID:qcWl4rCg
546、後に述懐す

「男の浪漫と冒険心について話していたはずなんです。
それがいつのまにかロリとちっぱいの話に……。
いえ、それはそれで男の浪漫と夢が詰まってるんですが……」
549創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:46:13 ID:qcWl4rCg
OK、支援しよう
550創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:46:53 ID:9926XYse
もう PBMは だめだ ここにおいていこう
>>543
はいはーい。期待しないで1万2千年くらい待っててね。ヴィルシャ全然書けなくてさ―w気分転換したかったんですw
>>547
うおっ!いいぜ!
551創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:49:39 ID:ztttekk0
>>546
あれに>>534氏が手を入れてくれればなるかもですね!>新たなる伝説

このスレでは俺のような雑食派(胸的な意味で)は少数?w
552創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:50:32 ID:ztttekk0
>>547
支援おk
553蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:04:23 ID:avqZrDW0
↓ 投下開始
554創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:06:20 ID:s+qS19J2
 なんとか間に合った……支援します!
555蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:07:37 ID:+EO3gj7g
鋼殻牙龍 ドラグリヲ   第二話 竜を抱きし旧首都

「う…くぅ………」
意識が朦朧とする、その意識を体現するかの如く視界もボンヤリと乱れ、身体の感覚もハッキリとしない。
『グスッ…。』
誰かが鼻を啜る音が聞こえる、誰だ?誰がいる?
無理やり目を開くとカルマの頭が見えた、どうやら僕は彼女に膝枕されているようだった。
顔をよく見ると目元が赤くなっている…どうやら泣いていたらしい。
『ユーザー!…大丈夫ですか?頭痛くありませんか?自分の名前が言えますか?』
「真継…雪兎……」
まだハッキリとしない頭を働かせ、何とか自分の名前を頭の片隅から捻り出す。
すると彼女は表情をパァッと明るくし抱きついてくる。
『良かった……また目を覚ましてくれて本当に良かった……。』
ギュッと僕に抱き付き、僕の顔に頬を擦り寄せる。
「心配かけてすまん……もう大丈夫だから……放してもい……分かったから………ぐ…ぐるじい゛はな゛ぜ馬鹿」
常識外れの力で抱きつくカルマを何とか引き剥がし、状況を確認しようとする。

「ここは…?…ブレス使ってトンボを墜として…それから…どうなった?………ハッ!そういえばリニアに置いてかれたまんまだった!
 取り込める金属も無いのにここで獅子型か何かにあったらデッドエンド確定だぞ!?」

慌てて立ち上がりオロオロと周りを見渡す僕、情けないと思われても仕方がない行動だが、そう簡単に死にたくもないので勘弁して貰いたい。
『フフ…大丈夫ですよ、ここはもう“ツガイ”のテリトリー内ですから』
僕の慌てふためく様子を見て、彼女は笑いながら言う。
その言葉を聞いて線路を辿って先を見ると、荒野には不釣り合いなビル街が視界に飛び込んできた。
「…ということは…ここは旧首都の近くか……よく此処まで歩いてこられたな……」
『ユーザーが気を失って…元に戻るまでに急いでここまで運んだんです…。』
「そうか…よく頑張ったな…。」
僕は彼女の頭を優しく撫でてやる、すると彼女は嬉しそうに躯を足に擦り寄せてくる。
『うふふ………』
寝てて乱れた服を簡単に整え、髪を結び直す。
「さて…さっさと要件を済ませて帰ろう、早く帰らないと皆心配するだろうし…
 頭領にネチネチと文句言われるからね。」
『キャッシュは落としてませんよね、ユーザー?』
彼女が心配そうに僕の顔を見上げる。
「大丈夫だって、ほら!」
僕はそう言うと着ていたコートの内ポケットから札束を出す。
「皆が頑張って稼いだ金だからね、そう簡単に無くしたりはしないさ。さて、いこうか。」
僕は彼女に手を差し伸べる
「はい!」
そして彼女は僕の手を強く握り返した。
556創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:07:48 ID:s+qS19J2
 
557創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:07:51 ID:0wKu1OJ+
 
558創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:08:24 ID:AzhxmwXu


559蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:10:01 ID:+EO3gj7g
旧首都
かつて東京と呼ばれていた都市。
起きる起きると騒がれていた災害は起きず、戦争などとは無縁で、呆れかえるほどに平和だった。
しかし或る日突然“害獣”が発生して事態は一変した。
狭い土地に人間が密集していた東京は忽ち“害獣”達の格好の餌場となり、他の国の首都の人間同様、凄まじい勢いで食い尽くされていった。
だが全ての人間が喰い殺されることは無かった、あるモノが人々を危機から救ったからである。
しかし皮肉なことにそれは他国の軍隊でも、自衛隊の新兵器でもなく、自らを襲った“敵”の同類だった。

旧都庁に営巣するニ匹の幻想型竜種の“害獣”がそれである。
彼等は何故か人間の血肉の味を好まず、雲霞の如く押し寄せる同胞である筈の“害獣”を片っ端から食い漁り、焼いていった。
しばらく過ごすうちに彼等は人間を“撒き餌”として理解したらしく、他の“害獣”を食い尽くした後、襲わずに放置するようになった。
そして人間は彼等のことを“ツガイ”と呼びその強大な力に庇護を求めて集まり街を作リ直した、小型の害獣の侵入も度々あり流石に完全に元通りという訳にはいかないが、ある程度のLVまでは復興を遂げた。
他に高い建造物があったにも関わらず、何故か東京タワーだけは破片も残さんとばかりに焼き尽くされ徹底的に破壊されたが。
560創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:10:16 ID:0wKu1OJ+
 
561創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:10:43 ID:xwZLUpHq
 
562創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:10:56 ID:AzhxmwXu


563蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:13:19 ID:+EO3gj7g
「そこのおにーさん!私を買って!安くしとくわよ!……まぁありがとう!さっ行きましょ!」
娼婦の人を誘う甘い声
「昨日の真夜中の光見た?何だったのかしらねぇ…。」
「また新しく進化した害獣がいるのかしら…怖いわねぇ…」
「でもここは安全よね…“ツガイ”がいるし…」
「そうは言うけど…奴らもいつアタシらを食い出すか分かりゃしないよ…。」
何時の時代も口うるさい叔母様方の無駄話
「てめえ…俺のシマでいったい何をさらしとんのや、コラ…喰らしたるぞワレェ!」
「上等じゃ!表出ろやチキン野郎!」
酔っ払いのヤクザ者同士の喧嘩
「そこの君、君も自警団に入らないかい?強化アーマー着れるよ?戦車乗れるよ?って…おい!貴様!無視すんなよこのボケ!」
「自衛隊じゃなけりゃあ入りませんよ!あ!イキナリ何するんです!」
権力を盾に暴力を振るう野蛮人と、一言多くて災いを呼ぶ貧弱一般人。
様々な雑音が乱れ飛ぶ闇市の人混みを掻き分け、目的の店まで向かう。
カルマはこの人ごみにまだ慣れていないのか、僕の手をギュッと握り離そうとしない。

しばらく歩いてようやく目的の店へと辿りついた、そこかしこヒビの入った壁や柱そして何よりその異様に小さな店構えが、人の入るのを拒んでいるかの様に見える。
暖簾をくぐり大声で店の主人を呼ぶ
「爺さん!いるかい?」
店の外観に反してとても広く暗い店内を見渡しながら、しばらく待つ。
「誰じゃ…わしゃ忙しいんじゃ、危ないモンは夜しか売らんぞ…さぁとっとと帰れ」
誰が来たのか分からなかったらしく顔を見ようとせず、店の奥から出てこようとしない。
「爺さん、僕だよ僕だって、とりあえずこっち見てみな。」
そう言うと店の奥から視線を感じる、自らが信用する者の前にしか姿を見せない、この店の主人のモットーである。
しばらく店内を沈黙が包む。
「おぉ坊主久しいの…余りにも来ないモンだからの、てっきり奴らに喰われたもんだと思いこんどったわ!。」
ようやく確認したのか、店の奥から顔中皺だらけの隻眼の老人が健康煙草を吹かし、ニヤけながら顔を出す。
「こっちも売り込みの宣伝無線が入らないモンだから、ボケて詐欺られて路頭に迷って喰われたかと思ってたよ。」
老人はよく響く声でカカカッ!と景気良く笑い飛ばし、そして言い返す。
「フン、ワシを誰と思っとる…霞ヶ関の大鰐とまで呼ばれた…このワシが小賢しい詐欺などに引っ掛かる訳がないじゃろうが。」
そう言うと杖を突きながらゆったりと立ち上がり身長の何倍もあるような棚の前に向かう
そして棚の中から飴を取り出し、カルマに声をかける。
「嬢ちゃん久しいの…、飴でも食わんか?お前さんの為に丹精込めて作ったガソリン味の飴だわい!」
どうやって作ったんだそんな味……、一人心の中で突っ込んでいると、カルマは顔を輝かせトテトテと老人の元へ駆け寄り飴を受け取る。
『ありがとう御座います!おじいちゃん!』
衣装をフリフリさせ、飴を握りながら行儀よくお辞儀をする。
「んうふふふ…いいんじゃよ、お前さんはワシの曾孫のようなもんじゃからのう!」
その姿を見て老人は気持ち悪い笑みを浮かべながら悶えた。
「え〜っと………もう良いかな?ちょっと用入りがあって来たんだけど。」
僕はそのウザったい姿を視界に入れないようにしながら話す。
「はいはい、御用があれば何なりと…」
老人は何処からともなく算盤を持ち出し、気持ちの悪い笑みを浮かべる。
「食糧を五ヶ月分、新鮮肉と野菜の宅配サービスの契約期間更新を御願いするよ」
そう言って僕はカウンターの上に札束をバンッと出す。
「はいはい毎度アリ、……武器弾薬はいいのかね?お前さん方に必要ないだろうが…あの筋肉ダルマとアバヅレが困るだろうに」
札束をピラピラさせ念入りに枚数を確かめながら、老人は僕に問う。
「別の口から更に安くて大量に質がいい武器を仕入れたから要らないだそうで」
「…………人様の恩を仇で返すと末代まで祟られるぞと、あの筋肉馬鹿とアバヅレに言っておけい……おのれ…どこの商売人じゃ…この辺でも最高品質だと自負しとるというのに…。」
ブツブツと祟るように低い声で文句を言い始める、客の前でやる態度じゃ絶対にない。
564創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:13:20 ID:s+qS19J2
 
565創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:13:49 ID:0wKu1OJ+
 
566創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:14:11 ID:AzhxmwXu


567蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:17:09 ID:+EO3gj7g
「はいよ、それじゃまた生きて会える様に祈っておいてくれよ〜。」
もうすぐ今日二発目の下りリニアが出る、それに乗って(密航)帰ろうと思った時だった。
「……ちょっと待て、少しお前さん方に尋ねたいことがある。」
老人は暖簾をくぐり、外に出ようとする僕達を唐突に引き止める。
「お前さん方、昨日ブレスを撃ったな?西の空が真昼のように明るくなったぞ……。」
老人は鋭い目で僕達を見る
「あぁ、一匹厄介そうな奴がいたからね、無理して撃っちまったよ…。」
隠しても得などありはしないので包み隠さず全て話した、複数体の害獣を討伐し、空母級を墜とした事を。
「空母級がいたのか!?……すまん、今日は帰らずにココに泊まっていってくれないか?本体はブレスで消滅しただろうが…搭載された奴らが先に投下されていたのかもしれん…。
 杞憂かもしれんが念のためだ、首領にはワシから連絡を入れておく…頼めるか?」
老人は真剣な顔で僕に迫る
「ん…あぁ首領に連絡を入れてくれるなら…僕はそれで構わないよ、カルマ〜良かったな、今日は御爺ちゃんの家でお泊まりだぞ〜」
『本当ですか?やった!』

何も知らずに無邪気に喜ぶカルマ、その姿を見ながら老人の心中は複雑に揺れていた。
568創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:17:23 ID:0wKu1OJ+
 
569創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:17:27 ID:s+qS19J2
 
570蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:19:00 ID:+EO3gj7g
投下終わり、ちょっと短かったかなと個人的には反省しています。
支援ありがとう御座いました
571創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:22:00 ID:0wKu1OJ+
>>570
投下乙です!
おぉ……この世界観は好みだ……w老人もいい味だしてるしw
あとカルマかわいいよカルマ
572創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:23:30 ID:s+qS19J2
ルガー「筋肉ダルマだって?」
ニック「それは」
タナカ「最高の」
「「「褒め言葉じゃないか」」」


>>570
 投下乙です!
 カルマかわいいよカルマ。筋肉ダルマとアバヅレってどんな人なんでしょう……。
 何はともあれカルマかわいいよカルマ。
 次回も楽しみにしてます!
 カルマかわいいよカルマ。
573創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:27:46 ID:E0OgB5sC
ポストウィス&タナカが現れたと聞いて起きてきました
574創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:28:06 ID:0wKu1OJ+
>>572
落ち着いてw
575創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:29:19 ID:xwZLUpHq
>>570
投下乙です

この荒みつつ混み合った情景、偏屈気味な爺さん、雰囲気出てていいなぁw
次回にも期待
576創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:34:06 ID:s+qS19J2
>>574
 これが落ち着いていられますか! ヒャッハ――――!!
577蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/02(金) 00:41:51 ID:+EO3gj7g
皆様感想ありがとう御座います、次回はまた荒事で御座います

>>576
怒らせたら引き千切っちゃったり跡形残さず消炭にする様なデリケートな乙女(?)ですが
気にいってくださったら幸いで御座います
578創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:47:38 ID:s+qS19J2
>>577
 なんという乙女だ……。
 だが、それでこそやり甲斐があるというもの!

 そういえば、wikiの容量不足の件はどうなったんです?
579創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:52:41 ID:xwZLUpHq
>>578
一応、解決法は書いてみたんだけど
管理人さんの実験待ちですかね

果たしてアレで通じているか、一抹の不安もある……
580創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:01:22 ID:s+qS19J2
 ここは休日に期待ですかねー。

 ……ふぅ、それだってのに今週は休日が1番忙しいぞぉ。


>果たしてアレで通じているか、一抹の不安もある……
 念のためコメントにも書き込んでおくというのは……ちょっとくどいかしら。
581創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:07:43 ID:xwZLUpHq
>>580
>ちょっとくどいかしら
俺もちょいとそこは気になっていたりw
582創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:12:33 ID:/0PhUgtl
ふう、投下用SSでようやく主人公がメカに乗る目処が立ったぜ
いつまで破壊描写や事前描写に手間掛けるつもりだったよ俺
今日は寝よう
583創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:13:12 ID:s+qS19J2
 てか携帯じゃコメントをする事も見る事もできませんがねHAHAHA!
 ……orz

 管理人さんがこのスレを読んでいるなら、今の話題に気付いてくれればあるいは!
584創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:17:10 ID:s+qS19J2
>>582
 wktkしながら待ってますぜ!

>今日は寝よう
 はい、おやすみなさいw
585創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 01:29:58 ID:xwZLUpHq
現状の問題についてのレスはあったから
こっちのレス自体は見てくれたっぽい

書いた方法を試してくれたかどうかと、その結果は不明なんで
そこらへんの報告待ちって感じだね

>>582
乙!
投下待ってる!
586 ◆klsLRI0upQ :2009/10/02(金) 03:46:10 ID:XEtslxTV
一応投下希望があったのともうちょい時間がかかりそうなのと
色々あって、来週まともに執筆できる時間が無さそうな為
場つなぎにシャドウミラージュ3話の投下準備中です
多少の加筆と修正も踏まえて作業してます、早いと明日から投下できる筈

んで、皆に質問
今までzipに突っ込んできたんだけど読めないという人もいたので個人的に色々解決案を考えてみた
どの投下形式が良い?
何分5万字を軽く超える内容なので一度の投下じゃ処理しきれないし
これだけ長いと読む方も大変だと思うから解決策を考えてみた

1・スレに書き込み形式の投下(やるなら分割で毎日投下するぐらいの感じ、7日間かな)
2・zipにいつもみたいに突っ込んで投下



>>528
凄い緊張感だなー
深海に潜っているという感じが出ていて深淵に吸い込まれそうだという感覚があります

>>570
AI娘ってのは何でこんなに萌えるんだ!
587潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 14:08:34 ID:jcBtft7b
感想多すぎて返せないけど、みんなアリガトウなんだぜ! これであと72時間は潜れる!

「ぶっちゃけ同世界観上で話書きたい」……なん……だと。これは予想外。
非常に嬉しいですけど、判断力の無さ故どう返答していいのか分かりませんです。完結するまでお待ちを。

なお、DSに関しては、番外というか外伝というか、おまけ的な話を書こうかと考えてたり。


>>570
投下乙ッ!! 爺さんイイキャラしてる。というかカルマ可愛いよカルマ。

>>586
失礼、その五万というのは「一話で」ですか? 合計でですか?
前編後編とかで分割というのはどうでしょう。
588 ◆klsLRI0upQ :2009/10/02(金) 17:49:50 ID:XEtslxTV
>>587
もち一話でですw
おまけ含めると6万ちょいだったかな、おまけは流石にアップロードにしようかと思ってるけれど
それでも本編で5万5千ぐらい
前後編だと確実に止まりそうなので(前中後にすると逆にキリが悪い)
大体1度の投稿を5000字〜10000字でキリが良いところで終わらせて、7夜連続更新ぐらいで出して行こうかなと思っています
589創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 17:52:18 ID:s+qS19J2
 きょ、今日は早く帰れた……。

>>586
 投下すればスレが盛り上がりますぜ!
590創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 18:59:02 ID:0wKu1OJ+
>>588
投下していただけたら幸せになれる者がここにも一人(=ω=)ノ
591潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:20:52 ID:jcBtft7b
>>588
一話でその分量とは凄すぎる……。全部で何話くらいあるんです?


さて、間を繋ぐというか以前から書きたかったおまけ話を投下します。短いですけど。
例の運び屋姉妹の一幕ということで。
592潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:24:55 ID:jcBtft7b
 『Diver's shell』



 「運び屋チェルヴィ姉妹の一日」


 ハンナ=チェルヴィとその妹のダニエラ=チェルヴィの一日は非常に早く始まるときもあるが、遅く始まる時もある。今日は、早く始まる方だった。
 一隻のクルーザーが海を行く。
 窓ガラスには粘着テープ、船の各所は装甲化されており、銃座やサーチライトまで付いている。船尾には明らかに怪しい盛り上がりまである。これも二人の所有する船の一隻のうちの一つだ。
 ホバークラフトもあるが、普通はこっちを利用している。
 時刻は早朝四時。海はなりを潜め、真冬の真白い空からは真白い雪がちらついている。
 息を吐けば直ちに白く染色されるほどの気温。
 ハンナは暖房の強さを上げると、海図に眼を通しながら舵を切って目標へと向かっていく。
 重量感のあるクルーザーの艦首が波を突き崩して白波を飛ばした。

 「堪えるッスよ………ぁあ〜寒い寒い」

 暖房の効きがどうにも悪い。それなりの年数が経過しているのか、それとも断熱が出来ていないのか、気温が低すぎるのか。というより、ハンナが寒さに弱かったのだった。
 太陽が顔を覗かせていないので、海は黒々とした表情を浮かべている。
 ハンナは舵に手を置きつつ、椅子に座りなおした。

 「お姉ちゃん相変わらず寒いの弱いね」

 操縦席のドアが開けられたかと思えば、コートと帽子を被ったハンナそっくりの女性が姿を見せる。赤毛をウルフカットにしてソバカスのある顔。体格は彼女の方がやや「ふっくら」している。つまり凹凸がある。
 ハンナは椅子の背もたれにもたれるように伸びをして彼女―――……ダニエラを見遣った。
 ダニエラの手にはコーヒーで満たされたマグカップが二個。その内の一つを差し出してきたので素直に受け取る。両手で包み込むようにして熱を手のひらに行き渡らせていき、一口飲むと食道から胃にかけて熱が通る。
 ほっと溜息をつくハンナの隣にダニエラが座った。
 目的地はまだ見えてこない。地平線の向こう側を見ることは出来ないのだ。
593創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:25:48 ID:AzhxmwXu
支援
594潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:26:34 ID:jcBtft7b
 「そんなに細いから寒いんだよ。太れば?」
 「アタシは太ろうとしても太れないの知ってるッスね?」
 「肉食えばいいじゃん」
 「脂肪を一日喰ってても無理ッス」

 どっちが姉なのか妹なのか分からないのは仕方が無いのかもしれない。
 他愛も無い会話をしているうちに時間は経過していって、やがて目的地が近づいてきた。
 ダニエラは操縦席から出て行き、ハンナは島に向けて船を進めていく。暖かみを帯び始めてきた大気は、冬の乾燥した空気をしっかりと持っていた。
595創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:26:55 ID:0wKu1OJ+
 
596潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:27:35 ID:jcBtft7b



 ―――……セントマリア島(221島)。
 島というには余りに歪なその島は、ほんの僅かばかりの陸地を鉄で改造して、掘り出してきた土で運河を造り上げて迷路のように組み合わせた奇妙な場所である。
 クルーザークラスなら楽々と通過出来るほどの運河を、ハンナとダニエラの船が通過していく。
 手漕ぎ式のボートですれ違うのを想像すればよい。ただ大きさが違う。よくもまぁこれほどの広さの運河を造ったものである。
 運河の左右には店や家などが密集して立ち並び、手すりや看板から結び付けられた綱がケーブルのように右から左に、下から上に、時に綱そのものに結ばれていて、絡まっているところもある。綱からは宣伝文句や用途不明の旗や布、洗濯物と思しきものまで垂れ下がっている。
 運河を満たしているのは海水だが、運河そのものが複雑に入り組んでいるために茶色か緑色に近い色合いとなっている。
 ハンナは舵を取って、正面から進んでくるタグボートをすれすれで避け、運河を右折する。船に取り付けられているスラスターを巧みに活用して急角度で曲がっていくと、一際狭くなっている運河へと差し掛かった。
 浮いていたゴミを艦首で跳ね飛ばしつつ、エンジンの出力を徐々に落としていく。
 時間は丁度六時。街はまだ完全に覚醒していない時間帯であるが、運河を進む船の数はそれなりに多い。商いをする人間はもう起きて当然の時間なのだ。
 ハンナは無線を取ると、電源をつけて、ダニエラに話しかける。

 「ダニエラー。雪かきはもういいッスよ」
 「あいー」

 気の抜けた返事が返ってきた。
 船の上に積もった雪をデッキブラシでそぎ落としては海に放り投げていたダニエラは額の汗を拭って船の中に戻る。ハンナは、体温が上がらないことに不満を持ちつつも、傍らにある端末から地図を呼び出し、それに従って舵を切る。
 今回は買い物に来たのでも、遊びに来たのでも、休暇を取りにきたのでもない。仕事だ。運び屋の仕事をするべくここに来たのである。
 ハンナはパソコンを操作して、顧客に指定された場所を見る。島の血管というべき運河の一角にあるドックだ。ここからそう遠くは無い。
 運ぶ品物は書いてあることが正しければ大量の現金である。マフィアが絡んでいるのか、単純に運びたいのかは不明。それなりの前金は貰っているのでそれ以上詮索はしない。
 防寒着をしっかりと着込んだダニエラが、帽子を脱ぎながら操縦席に入ってきた。雪かきをしていたために両手が赤くなっている。
597創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:28:14 ID:0wKu1OJ+
 
598創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:28:28 ID:AzhxmwXu
支援
599潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:28:51 ID:jcBtft7b

 「ねぇ、お姉ちゃん。現金運ぶとか臭すぎる気がする」
 「何を今更。もっとヤバいのなら運んできたでしょうに。それとも投げ出して逃げるッス?」

 ダニエラは両手を擦り合わせて体温を取り戻そうとしつつ、ハンナの隣に腰掛け、今しがた横を通過したボートを眼で追う。これでもかと積荷を積んでいるのでぶつかったら横転しそうだった。
 もちろん接触を起こすことは無い。ハンナは慣れた様子で船の位置を微調整し、横を通過していく。ふと空を見上げてみれば、雪は止んでいた。
 ドックに到着した。
 錆びかけている上に強度が足り無そうなドックに船を進ませていき、停止させる。エンジンを切って周囲を見てみると、人っ子一人として姿が見えない。
 姉妹二人して時計を確認。時間通りのはずなのだが。

 「こりゃドックどころか倉庫ッスね。船の修理一つ出来そうに無いッスし」
 「むしろ廃墟に近いね。まぁ、ほら、別にここに住む訳じゃあるまいし」

 ドック。というのも外見だけで、エアバイクを分解して放置したままだったり、煙草の吸殻が小山を作ってたり、成人以上しか読めない雑誌があったり、窓ガラスが破壊されていたり、不良のたまり場としか思えない。
 痺れを切らしたダニエラが船の外に出る。突然襲撃を喰らう可能性も否定できないため、腰に皮製のホルスターを提げ、拳銃を携行している。
 すると、ドックの奥から数人の男達が現れた。一人の手にはジェラルミンケースがある。どうやら顧客らしい。ハンナは船のエンジンをかけ、ダニエラが男達の前に歩み出る。
 男たちとダニエラの吐く息が白くなってドックの埃臭い大気に交じって消えていく。
 ハンナは操舵輪に両手を重ねて置き、その上に顎を触れさせるようにしながら外の様子を窺う。万が一のことに備えて煙幕弾装置などを起動しておいた。ハンナは銃で撃ち合うのが苦手なのだ。
 ダニエラは依頼の書類を相手に見せる。男の一人がそれと似たような書類を懐から出して手渡してきた。内容を確認する。どうやら依頼者らしい。
 ジェラルミンケースがダニエラに渡された。
 男たちは一言も言葉を発さずにドックの奥へと消えていった。
 ジェラルミンケースの中身を開ける事は出来ない。振ってみると紙のような音がした。恐らくは紙幣であろう。
 ダニエラが船に乗り込んだのを確認したハンナは、ドックから出るべく船を後進させはじめた。


600創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:29:13 ID:0wKu1OJ+
 
601潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:30:05 ID:jcBtft7b



 目的のモノを受け取った二人は、改造されたクルーザーで大雪になってきた海を航行していた。
 そろりそろりと暖かさが出てきたといっても真冬は真冬。冷え性なハンナにとっては生き地獄。暖房をがんがんにつけても脚が寒い。ズボンを穿いていても寒いものは寒い。
 一方のダニエラは涼しい顔ならぬ温かい顔だ。全身が温まっているのか、顔色はいい。ハンナの隣に座って前を見ている。
 ダニエラは、椅子の前の簡易型の机に顔をべったりとくっつけるようにしてもたれかかった。赤い髪の毛がばさりと広がり、防寒着の襟から首筋が覗く。
 船は大きく動揺しているが二人は酔っている様子は無い。運び屋が車酔いや船酔いでは意味が無い。
 ハンナはレーダーへと眼を注ぐ。運んでいるモノが現金なので襲撃される可能性もあるからだ。今のところ不審な船影は映っていないが、いつ何があるか分からない。戦闘員でもあるダニエラの防寒着の下には防弾チョッキが着込まれている。

 「お姉ちゃん〜……コーヒー持ってこようか〜? 脚超震えてるじゃん」

 ダニエラの指摘は正しい。冷え性のハンナの両足は貧乏ゆすりのように震えている。
 だがハンナは操舵輪に片手を置いたまま首を振った。
 なお、オートパイロットでもいいのだが、距離が近いということもあって手動にしている。今のところは、であるが。

 「コーヒーコーヒーって、中毒症状? カフェインは肝臓に良くないって聞いてるッス」
 「バケツ数杯一気に飲まないと死なないんだから大丈夫」
 「一気に飲めばの話と毎日飲み続ける話はまた別ッスよね……って飲んでるし」

 亜空間辺りから引き出してきたような自然な動きでダニエラの手にブラックコーヒーが並々と注がれたマグカップがある。芳醇な香りが操縦席に広がっていく。
 いつ出したのかは全く持って不明である。
 本当に美味しそうにコーヒーを飲む傍ら操縦を続ける。
 ハンナは、暇が出てきたのか小さく欠伸をすると、レーダーを一瞥して、パソコンから海図を呼び出して目標地点までの距離を算出させる。船備え付けのを使わないのは性能が低いからである。
 結果は数時間といったところ。オートパイロットにしてしまったほうが楽そうである。ハンナは少し迷い、オートに切り替えた。
 オートにすると襲撃への対応が遅れたりするが、今回は別にいいかと判断した。
 船は巡航速度で冬の海を行く。
 目標はまた別の島にある港の一角。
 マグカップの中のコーヒーを半分近く飲んでしまっているダニエラに、ハンナは尋ねる。

 「眠気覚ましとか体を温める時……ってか、一年中飲んでて飽きないッス?」
 「安物は酸っぱいけど高いのは美味しい。とろけそう」

 コーヒーを一気飲みして手の甲で口元を拭いつつ「かー!」とか言葉を上げるダニエラ。ハンナは首を振りつつ、自分の腿辺りを軽く撫ぜた。手のひらの温かさが服越しに温度を伝える。

 「酸っぱい?」
 「うん。飲んでる人には分かるんだけど。お姉ちゃんはあんまり飲まないから分からないかな」
 「苦い印象しかねーッス」
 「あ。レーダーレーダー!」
 「おっと」

602潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:31:11 ID:jcBtft7b

 寒気を抑えていたハンナの顔が変わる。レーダーに船影が映ったのである。詳細は分からないが、二人を追いかけてきている。敵かもしれないとオートパイロットを解除して操舵輪を握る。
 マグカップを握ったままでダニエラが操縦席から飛び出していく。目視による確認が必要なのだ。
 ダニエラは銃座兼監視台へと到着すると、遠距離用のスコープを覗き込んで、レーダーに映り込んだ船影を確認しようとする。船が大きく揺れているのでそれに合わせてスコープの位置を変える。
 見えたのは、ごくごく普通の船……ではなく、武装を施された船だった。
 狙いは恐らくジェラルミンケースの中の巨額の現金であろう。ダニエラは無線に向かって叫ぶと、重機関銃の銃口を追尾してくる船へと向けて銃座に腰を降ろして視線を遠くに向けた。まだ射程距離ではない。
 ちらつく雪が目に入りそうになる。船が進むことで発生する風と、海風が融合して造られる暴風がダニエラの髪の毛を大きくはためかせた。
 獣が唸るような音を上げてエンジン出力が上昇、船は一気に速度を上げ始めた。
 轟々と吹き付けて身体を持っていこうとする風の音に交じって無線からハンナの声が銃座に届いてきた。緊迫している声色だ。
 船の煙幕弾発射装置や装甲板が稼働し、かすかな機械音をさせた。

 「振り切るッスから反撃は頼むッス!」
 「了解、頼まれた!」

 これがハンナとダニエラの日常なのだ。
 二人は、追跡者から逃れるために行動をし始めた。
 雪を被った船はまるで化粧をしているようだった。


           【終】



603創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:31:17 ID:AzhxmwXu
支援
604潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:32:32 ID:jcBtft7b
赤毛にソバカスな姉妹の一幕、これで終了です。
本編では完全に脇役だった彼女らにライトを当ててみたかったんです。
605創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:47:10 ID:s+qS19J2
>>604
 投下乙です!
 二人の日常ものんびりしてそうでやっぱりハードなんですねw
 てか、冷静に考えたら海賊とかいっぱいいそうな気が……うん、やっぱりハードだ。
 では次回も楽しみにしてますねw


 さて、ハンナ派かダニエル派かでいうなら私はダニエル派だという事を先に宣言しておこう!
606潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 19:50:05 ID:jcBtft7b
>>605
くぬぅ…「ダニエラ」なのだ……っ
やっぱ覚えにくい名前かなぁ
607創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:52:36 ID:s+qS19J2
Σ(゚Д゚;)なんとぉーっ!

 ですよね……なんかおかしいと思ったもん……。
 ちょっとツクヨミ先生とにらめっこしてきます……。
608潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 20:03:53 ID:jcBtft7b
>>607
気にしてないからおk。だがこれを使うんだ!
つ「対魔眼用の鏡」

支援に感謝!
609創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 20:28:35 ID:0wKu1OJ+
>>604
投下乙です!
ほほぅ……凹凸がある……ほほぅw
合法非合法問わない運び屋に襲撃は付き物、いい感じッスw
610 ◆n41r8f8dTs :2009/10/02(金) 20:36:00 ID:AzhxmwXu
中々感想書けんのぉ、すまん
>>570
投下乙っす!害獣とはこれまた…・・真ゲッターのインベーダー思い出したw
雑多な世界観が今までの作品と一味違ってて好きだなぁ。ぜってぇおじいちゃんカタギじゃないよねw
カルマの無邪気さが妙に怖いなぁ……。つかここまで主人公の素性が全く分からないとワクワクするw次回楽しみにしてます
>>586
自分は毎日でも構わんですよ。間に合い次第支援しますし
>>604
投下乙っす〜
サブキャラの日常って良いなぁ。世界観が深まりますな。
ダニエラもハンナも可愛らしいのに生活が実にハードな様でwまぁ強くなければ生き残れないみたいな世界ですがw
最後の
> 雪を被った船はまるで化粧をしているようだった。
この表現は詩的で好きです。DS本編も待ってますよ

そろそろ>>534に取り掛かると共に、このままだらだら待たせてるのも悪いんで、明日ヴィルシャの最終回を投下します
例によって「幸せ」な終わり方にはならないと思いますが、ご容赦を
611創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 20:40:45 ID:0wKu1OJ+
!?
まって師匠!ダニエラ嬢は凹凸があるのよ!?
ひんぬー派ではなかったのかアンタはw

あとこれも持っていって!
つ「護符:ファーティマの手」(効能:邪眼無効化)
612創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 20:44:13 ID:0wKu1OJ+
>>610
おぉ、投下予告!
何というか不穏な感じでdkdkしてますがwお待ちしていますw
613潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 20:47:47 ID:jcBtft7b
>>609
ありがとうございます〜。
凹凸で食いつくとは思わなんだ。
なお、ハンナは痩せた身長の低い女性……胸なんてアリマセン。
襲撃なんて彼女らには日常茶飯事なんです。じゃないと装甲貼り付けたクルーザーなんて持たないですしね。

>>610
ありがとうございます。はい、本編も執筆中です。
投下の方ワクテカしながら待ってますね。

614潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/02(金) 20:56:45 ID:jcBtft7b
ttp://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/73/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9.jpg
フローラ=ファルシオン……のはず
連続でサーセン………いやスイマセン。
615創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:03:30 ID:s+qS19J2
>>610
 楽しみにしてます!

>>611
 ぐぅっ。しかし、私は……私は……!
616創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:08:33 ID:s+qS19J2
>>614
 何故謝ったし!

 あらまあ、娘さんと瓜二つだこと……。
617創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:08:57 ID:0wKu1OJ+
>>614
イラスト乙!娘さんよりすこし柔らかい印象ですな〜。
こんな優しそうな人があんな事に……オノレ黒服メ……

>>613
最近資料(という名の本の山)を見返したら自分がボリューム派だと思い知ったのでw

618創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:34:03 ID:s+qS19J2
 貧乳派……そう、私は貧乳派だったはず……ヒャア! もう我慢できねぇ、落書きだぁ!
619創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:37:43 ID:jcBtft7b
ひんぬーは難しいのだぜ…
620創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:38:57 ID:0wKu1OJ+
>>618
おぉ!師匠に火が点いた!
楽しみにまってるぜぃw

さて、土日中に区切りのいい所まで日常パートを書かねば
621創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:41:08 ID:AzhxmwXu
>>614
おぉーフローラさんだー
流石に娘さんに瓜二つですな。惜しい人を亡くした……orz

>>534そろそろ出来るよ―
自分で書いてて気持ち悪い笑い声が出てきたwwww例によってクオリティは許してちょ><
622創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:42:34 ID:XEtslxTV
>>621
10時まで待ってねw
623創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:42:43 ID:0wKu1OJ+
>>621
MJD!?
うわぁー!wktk!wktk!
ばっちこーい!w
624創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:47:26 ID:AzhxmwXu
>>622-623
まぁ10時くらいに投下するニャス
支援はいらないでござる。2レス位なので
625創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:47:29 ID:jcBtft7b
>>621
wktkwktkwktkwktkwktk


それにしてもフローラが若く見えすぎる…
626創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:48:57 ID:XEtslxTV
つか俺じゃ無かったwwww
何このじry

というかかなりテンパってます><
◆n41r8f8dTsさんの投下終了10分後ぐらいに投下するかな
627創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:49:07 ID:0wKu1OJ+
>>624
りょかーい
628創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:54:42 ID:0wKu1OJ+
>>626
早いよ師匠!?w
描けない俺からすると(゜д゜)こんな感じなんですがw
629創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:59:17 ID:XEtslxTV
>>628
20分後ぐらいが良い?
まあ、みんなが感想出終わった頃を見計らって出しますw
630創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:59:52 ID:s+qS19J2
 志村ー、ロリコンは私私ー。

 てか今描き始めたのですがー。
631創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:02:30 ID:jcBtft7b
なんでだろう。誰が誰やら混乱してきた自分が居る
632創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:05:39 ID:0wKu1OJ+
おおぅ!?
スレ混乱させて申し訳ないw
あーw作業しながらだったから見間違えてましたwサーセンorz
633ロリベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/02(金) 22:07:01 ID:s+qS19J2
 ならば姿を現すだけよ!

 ちなみにID:XEtslxTV氏=◆klsLRI0upQ氏……デスヨネ?
634創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:07:33 ID:dbasF0SG
ていうか誰が誰か特定する必要ないんじゃないかと

名無しが雑談してるって状態なんだからさ

たしかにロリの人は、文頭にスペースが入ってたり、分かりやすいんだけど
あんまり師匠師匠言って特定するのも良くはないと思うよ


>>621,626
投下wktk
支援はまかせろ
635創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:11:09 ID:O1eVa6cv
まあ同じロリコンだしな
誰が誰でも
636創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:12:04 ID:0wKu1OJ+
>>634
あぁ、確かに仰る通り(=ω=;)
ちょっと暴走してました。

反省して今日はROMってる事にしますorz
637創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:12:05 ID:dbasF0SG
>>635
それもそうだw
638 ◆n41r8f8dTs :2009/10/02(金) 22:14:37 ID:AzhxmwXu
おーし投下します
>>626wktkしておりますよ

しっかしどう考えても頭にティマが過ってまずいな
639 ◆n41r8f8dTs :2009/10/02(金) 22:16:31 ID:AzhxmwXu
『俺』が『彼女』と同居し始めてしばらく経つ。ちょっとした伝手で入手した『彼女』こと、少女型アンドロイドは、『俺』が手塩を掛けて作りだした正に愛娘だ。
外見は西洋の人形を彷彿とさせる程に綺麗で、『俺』が必死扱いて組んだAIによって動く様はアンドロイドとは思えないほど自然で、可愛らしい。
こんな事を言っているとまるで俺にそっちの気がある様だが、それは違う。俺はあくまで同居人として、『彼女』を作ったまでだ。そっちの気は無い。大事だから二回言った。
さて、『彼女』は最近、料理についての知識を得るため日本やインターネットで情報を収集している。きっかけは先月の会話だった。
何時もの様に近くのスーパーで出来合いの総菜を買ってきて食っている時、『彼女』が『俺』に実にクールでウィスパーなボイスで言ってきた。

「……料理」
「ん?」
「……添加物ばかりを取ると体に悪い。私が料理を作ってあげる」

驚いた。同居人として必要な事はプログラムしたが、料理を作るなんてプログラムを設定した覚えは無い。
この前の膝枕以降、何だか妙に『彼女』に人間味を感じる。成長しているのか? もしかしたら新手のバグかもしれない。色々危ない橋を渡ったからなぁ。
けどこれは良いバグ。『俺』は『彼女』に手料理を作って貰う事を心底喜び、返答した。

「あぁ、宜しく頼む。で、何を作ってくれるんだ?」
「まだ料理については知識不足。しばらく情報を収集するから、待っててくれる?」

俺は二つ返事。『彼女』がキッチンに立って料理している所を想像するだけでご飯を三杯は食えるね。
そういやキッチンは全然使ってないからな―。『彼女』が料理を作ってくれるなら、あの空虚なキッチンもさぞ喜ぶことだろう。
『彼女』の情報収集が始まった。俺が仕事から帰ってきても、オフの日でも、『彼女』はひたすら勉強しまくる。図書館でもネットでもTVでも。
その一生懸命な姿を見ながら俺は飯を食う。いやぁ、上手い。一生懸命な女の子って良いよね。すげー良い。

気付けば『彼女』の情報収集から時既に一か月が経っていた。その可愛さを毎日眺めていたら時間が経つのをすっかり忘れていた。カレンダーを見て吃驚する。
もうそろそろ勉強は満足なんじゃないか? とは言え、『俺』の為に勉強してくれている姿を見ると、何と声を掛ければいいのか。
けど、このまま『彼女』を勉強させっぱなしだと凄く寂しい。膝枕もしてくれないし。『俺』は意を決し、「彼女」に話しかけた。

「なぁ、もうそろそろ良いんじゃないか?」

『俺』がそう聞くと、『彼女』は俺に首を横に振って言った。

「やだ。美味しい料理を食べさせたいから、もっと勉強する」
「いや、その気持ちだけでも俺は凄く嬉しいよ。だから」
「やだ!」
640創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:17:12 ID:s+qS19J2
>>632
 いやぁ、一瞬IDが被るという奇跡でも起こったのかとヒヤヒヤしましたヨ。


>>636
 ノォォォォォウ!! 絶対にノゥッ!!
 そしたら姿を現した私はどうなるんですか! 極刑じゃないですかー!


 o.....rz
641 ◆n41r8f8dTs :2009/10/02(金) 22:17:57 ID:AzhxmwXu
初めて『彼女』が俺に対して大声を出した。それも怒った……いや、違う。
……涙を溜めているのか、『彼女』の目元は緩んでいた。アンドロイドだから涙は出ないけど、人間だったらすぐにでも泣き出しそうな顔だ。
アレ、俺の目の前にいるのってアンドロイドだよな……? 何かもう、『彼女』が一人の女の子にしか見えないぜ。

「足りない……足りないの」
「足りないって何が?」
「いくら探しても、どうしても足りない調味料があって……それが無いと、美味しい料理が作れないの」

調味料だって? なんだそりゃ。よっぽどの高級食材か、それとも職人さんでしか作れないうんたらかんたらとか?
『俺』は『彼女』が読んでいる本を見せて貰う。『彼女』はページに書かれた、足りない調味料を指差した。
……真心。「彼女」が指を刺した部分には、大事な調味料として最後に真心と書かれていた。

「どれだけ検索しても、真心ってどこで買えるのか、何処にあるのかが出てこない……それさえあれば……」

そうか……これだけ時間掛かってたのは、真心を探す為だったんだな。ごめんな。『俺』も一緒に探してやれば良かった。
黙って『彼女』の体を抱き寄せる。脳が溶けそうなくらい甘い匂いが鼻をくすぐる。『彼女』の冷たくて温かい体温をしっかりと抱きしめる。
『彼女』はポカンとすると、静かに俺の胸に顔をうずめてきた。泣くのを我慢してる様に声を押し殺す動作に、俺の心拍数がバクバク上がる。
そっちの趣味は無いはず……何だけど。惚けてる場合じゃない。『俺』は『彼女』の顔を上げて囁く。

「今度俺と一緒に料理作ろう。その時に教えてやるよ。真心をさ」
「……ホント?」
「おう、満足するほど教えてやる」

俺がそう言うと、「彼女」が俺の背中にまわした腕をグッと強めて、再び胸に顔をうずめてきた。またも心拍数ドックドク。

「……大好き」
「ん?」
「……何でもない」

「所で、何を作る気だったんだ?」
「んっと……フカヒレの姿煮! 最近、仕事疲れで元気が無さそうだから、スタミナ付けなきゃ」

止めておいてよかった。スタミナが尽きる前にの前に俺の財布が尽きる。


続き未定
642創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:20:21 ID:AzhxmwXu
投下終了〜
うーむ、◆YHSi90Gnr2氏、申し訳無い。主人公の口調というか、元の文に比べて色々しょっぱくなってしまった
まぁ言いたい事は一つ


一生懸命な女の子はジャスティス
643創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:21:30 ID:AzhxmwXu
連レススマソ、ひでぇ誤字
×スタミナが尽きる前にの前に俺の財布が尽きる。
○スタミナが尽きる前に俺の財布が尽きる。
644創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:21:31 ID:s+qS19J2
 って投下と被った……orz
 これこそ極刑モノですね……反省して今日はROMってます……orz

 『彼女』可愛いよ『彼女』。
 おぢさん炒飯ならいくらでも作り方ご教授しちゃう!
645創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:23:12 ID:s+qS19J2
 ああ、忘れてた。

>>642
 投下乙です!

>一生懸命な女の子はジャスティス
 不器用だとなお良し!
646創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:24:42 ID:0wKu1OJ+
>>640
おおぅw貴殿は巻き込まれただけなのだからお気になさらずw
では失礼してまたレスをw

>>642
うぉおおおおおおお!?
俺の即興からこんなクォリティーの高い作品が!?w
あぁくっそー!嫉妬すると共に人には見せられないキモイ笑顔ががががwww

感謝!
647創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:26:19 ID:dbasF0SG
>>636
ROMに移るくらいなら、ツクヨミ先生との睨めっこ一発で済ませるんだ(酷

>>644
ROMに移るくらい(略
極刑か
ツクヨミ先生の絵を壁紙にするとか(酷

>>642
投下乙!
甘ァァァァイ!!
なんという糖分過多の味付けだ、最高じゃないか
648創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:29:11 ID:XEtslxTV
>>642
相変わらずのクオリティ乙です!
しかし、いいな〜もう、こういうのは羨ましすぎてry
649創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:29:35 ID:E0OgB5sC
作品の投下されない日がほとんど無いとは恐ろしいスレになったものだ……
しかし今日はドジっ子分が多いですね(住人的な意味で)

>>642
投下乙!

>一生懸命な女の子
人それを乙女と言う!
最近ギスギスしてるから癒されたでござる
650創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:31:56 ID:0wKu1OJ+
>>647
部屋暗くして睨めっこしてきますたo...rz
あぁぁ、心臓に悪い
651創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:32:01 ID:jcBtft7b
>>642
投下乙ッ!

フカヒレだと…!? サイフがヤバイw
しかしそこで踏ん張るのが男…!
652創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:38:11 ID:s+qS19J2
>>647
 PCが息をしてないのでPS3とPSPの壁紙にしてきました……うわぁ、これでいつでもにらめっこできるぞぉ……。
653創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:46:13 ID:dbasF0SG
>>649,652
部屋を暗くしたり、二つも壁紙にしたり
思ったよりもさらに斜め上の苦難に飛び込んどるww
654創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:47:47 ID:AzhxmwXu
おぉ、好評な様でなによりです―。こりゃ良かった。感想感謝です
オルトロックさんのせいで最近心が荒んでたので、良い感じに浄化できましたw
良い気分転換をさせてくれた ◆YHSi90Gnr2さん、有難うございました
655創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:47:56 ID:E0OgB5sC
つまり、ふたりはマゾ!
656創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:49:43 ID:jcBtft7b
>>655
ふたりはプリキュアのノリで「ふたりはマゾ」とか考えてしまったじゃないかどうしてくれる
657創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:51:07 ID:E0OgB5sC
>>656
まさに狙い通りじゃよ
658創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:51:10 ID:0wKu1OJ+
>>654
気分転換のお役に立てたならなによりですw

>>655
!?
ソソソ、ソンナコトナイヨ!?エ、Mダナンテソンナ!?w
659創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:53:06 ID:s+qS19J2
>>653
 しかし携帯のリタ@チョーさんだけは死守です!

>>655
 さ、最近はサディスティックな衝動が勝っておりますヨ?
660創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:54:05 ID:jcBtft7b
容疑者Mを発見しました
661創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:54:56 ID:E0OgB5sC
よし、マッハで確保だ
662 ◆klsLRI0upQ :2009/10/02(金) 22:55:13 ID:XEtslxTV
んじゃ、そろそろいく?
663創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:57:47 ID:E0OgB5sC
オウサァ
664創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:58:09 ID:AzhxmwXu
よ〜し、明日はこのほんわかムードを鬱の海に叩きこんでやるぞ〜
>>662
構わん。やれい
665創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:00:10 ID:jcBtft7b
やるのだ
666創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:00:59 ID:s+qS19J2
 はいな! じゃあ支援します!

>>664
 じゃあそこにまた上書きしますねー。
667シャドウミラージュ 3−1 1/4:2009/10/02(金) 23:02:14 ID:XEtslxTV



それがなにか?と問われるならば舞踊だった。
一人の少女は町外れの小さな劇場の舞台で踊る。
少女の衣服は赤を基調にした軽いもので肩から腰まで伸びる羽衣が特徴的だった。
少女の舞踊がみるも無様なものだったのか?と問うならばそれは否定される。
いや、もし形容するならばそれは天女を思わせるような美しさがあった。
暗い舞台に一つのスポットライトという演出がまたそれに妖艶な…とでもいうべき美しさを与えていた。
見るものの心を掴む美しさ、これこそがまさに天から彼女に与えられた才能だったのだろう。
その最中、彼女は宙に浮く。
飛び跳ねたような様子もなく、本当に宙に浮き、留まった。
少女は宙に浮いてそのまま舞踊を続ける。
これこそが彼女の一族が代々口伝してきた技術であり、秘術だった。
人はそれを天女舞と呼ぶ。
もし、何も知らぬ人が見るならば劇場は驚きに声にならない声を上げて感動し拍手がおこるのだろう。
だが、それは起こらない。
劇場は100人分用意した席のうち5席しか埋まっていないのだ。
その内2人は少女の身内だ。
そして起こるのは罵声。
たった、三人の客は全てまだ、年が12もいっていないような少女に歓声でも拍手でもなく、ただ耳を壊すような罵声を送る。
舞踊が酷かったからではない。
それはしいて言うならば、彼女の一族が受け続ける受難であり咎。
一族がかつて犯したという大罪、そしてその一族であるが故に彼女もその咎を受け続けている。
だが、少女は泣く事は無かった。
既に罵られ続けることには慣れていた。
だから涙は既に枯れている。
何故、そこまで言われてやめないのか?
少女は信じていたのだ…いつか報われる日がくるという母の言葉を…。 





シャドウミラージュ 第三話「変幻する糸」






そこはくたびれたというべき印象を持つ会議室。 
色々な機器がその部屋中に置かれてはいるが、あまりにそのくたびれた風景と似合わないような光を放っていた為、
誰が見てもそれは最初からこの部屋にあったものでは無く、つい最近この部屋に持ち込まれたものだという事が理解出来ただろう。
言うなればそこは廃墟だった。
別にその会議室のある建築物だけが廃墟だったというわけではない。
街に数多とある建造物は半壊しているモノも多く、まともな形をしている建造物は数えるほどしか無い。
そう、この街イアナーラは言うなればゴーストタウンとでも呼ばれるような、誰も住んでいない街だった。
正確には誰も住めなくなった街というべきか。
そんな街に人がいるようになったのはほんの三週間ほど前ほどである。
当然ながらそれはこの街に住みこみ始めた一般人というわけではなく、わけありの数十名のメンバーであった。
そんな街の中にある領主の館の会議室の中に三人の人間がいた。
一人は黒髪黒眼で白衣と手に持っている煙草が特徴的な女性、もう一人は銀髪黒眼で焦茶色のジャケットを着た男、そして最期の一人は黒髪蒼眼でツナギのような服を着た男だ。
「とりあえず聞いておこうか、君はこのイアナーラという町をどれほど理解しているのかな?」
668創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:03:05 ID:AzhxmwXu
支援
669シャドウミラージュ 3−1 2/4:2009/10/02(金) 23:03:06 ID:XEtslxTV
黒髪の女が手に持った煙草を吸いながらそう銀髪の男にそう聞く。
「ここが妖魔に五年ぐらい前に滅ぼされた街だという事は知っているかな、三大貿易都市の一つが妖魔の襲撃で滅びたという話は当時は大ニュースだったからね。」
ふむ、と黒髪の女は頷く。
「ならば、何故、我々がこの地区にやってきたのか?それはわかるかな?」
「貿易の拠点を取り戻す為といった所か?」
黒髪の女の問いに銀髪の男は答えた。
「いいや、クーガ、それは違う。」
横から入ってくるように黒髪の男は言った。
「違う?この地域に他の価値があるという事なのか、セイム?」
銀髪の男、クーガは不思議そうに黒髪の男、セイムに聞いた。
「ああ、そもそも今、王国は自分を守るので一杯一杯だ。例のオロチの襲撃事件以降な。
 だから、今更領土を無理に広げても、それを守る程の力は無い。
 だからな、例えここの地方にいる妖魔を殲滅したところで今更貿易都市としてこの街を機能させたりすることは出来ないって事さ。」
クーガは納得したように頷いたような素振りを見せる。
「なるほど、ならば今更なんでここに名うての騎士を集めて総力で妖魔の殲滅に当たらないといけないんだ?都市に近いところでももっと危なそうな所はあるだろうに・・・。」
クーガの問いは当然の疑問だった。
かつてこの国を存亡の危機まで追いやった十魔獄の一にして戦神の異名を持つ上位妖魔オロチの襲撃事件。
その事件以降、国は自分を護る為にその力の全てを費やすようになった。
だが、その守りを国の重要都市に集中させたが故にその防衛を受けられない小さな街が出てくる事になってしまうという問題も起してしまう。
国は重要都市の拡大し収容できる人数を増やしたが、その人間達の全てを収容できたわけではなかった。
言うなれば溢れて追い出され路頭に迷う人間も出てしまったという事だ。
そんな状況の国が今、わざわざかつての貿易拠点のひとつであったとはいえその地区を人間の手に取り返すという事の意味はどれほどあるのだろうか?
そもそも、そんな力すらあるのだろうか?という事だ。
シャドウミラージュは護る事に精一杯な国が唯一妖魔達を能動的に倒す為の術として編成された特殊部隊だ。
だが、クーガにはその力をこの作戦が有効に活用しているという風には思えなかった。
「おう、そこが重要なんだぜ、それはな・・・。」
セイムの発言を遮ってコホンと黒髪の女は咳払いをした。
「ああ、わるい、わるい、これの説明はあんたの役目だったな、カタリナ。」
黒髪の女カタリナはやっと気づいたかという顔をし、説明を始める。
「さて、我々シャドウミラージュが今回のこのイアナーラ奪還に乗り出したのかそれには大きな理由が一つある。」 
「それは?」
カタリナは手に持っていた煙草を灰皿に置き、また新しい煙草を白衣のポケットから取り出し火を付け、少し考えるような素振りを見せた後、
「単に答えを言うだけでは面白くないな、君が当ててみろ。ヒントは私だ。」
そう言ってカタリナは火を付けた煙草を吸いはじめた。
670創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:03:21 ID:0wKu1OJ+
 
671創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:03:25 ID:jcBtft7b
シェー
672創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:03:37 ID:s+qS19J2
 
673創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:03:51 ID:E0OgB5sC
 
674シャドウミラージュ 3−1 3/4:2009/10/02(金) 23:04:44 ID:XEtslxTV

「面白くないって…。」
クーガは呆れたように言った。
「まあ、こいつは昔からこういう奴だからなぁー、答えてやらんと話すら進まないぞ。テキトーな答えを出すと怒るから気をつけた方が良い。」
セイムが憐れむような瞳で、クーガを見つめる。
「本当かよ…。」
はぁーっとクーガはため息を吐いた後、仕方が無いので考える事にした。
せっかく頂いたヒントだ、まずはそれから活用しよう。
まず目の前にいる女が何なのかだ?
知っている情報を全て並べてみる。
名前はカタリナ。
シャドウミラージュの鋼機全般の技術主任であり、王国でも随一の鋼機の技術者。
伝説の鋼技師、サンズ・ハルバート唯一の弟子。
今、世で現役を張っているD型の大体は彼女の作品であるといわれている。
つまりは彼女こそが今の鋼機技術の第一人者とでもいえるような人物だ。
それが彼女という人間の持つ肩書きである。
―――ならばそこから答えを導き出せるという事だろうか?
流石に女性であるというのは安直だよなぁ…となると、もう一つの線で見るのが妥当だ。
「つまりは鋼機に関する事か?」
そのクーガの解答にカタリナは煙草の煙が混じった溜息吐き、
「あのなぁ、いくらなんでもそんな範囲の広すぎる解答はOKとは言えないだろ。」
と呆れたように言った。
そういわれて、クーガもそれはそうだよなぁー納得する。
確かにそれではあまりに問題にならない。
「俺様からもヒントだ、目の付け所はいい線だと思うぜ」
「セイム!!」
セイムの一言にカタリナは怒鳴りつけた。
「べ、別にいいだろ?このぐらいは・・・。」
「いいや、お前のやったのはヒントなんてレベルじゃない、問題なんてのは疑いを持っているから問題になりうるんだ。
 『たぶんそうだろう…でも、これで本当に正しいのか?』という疑心暗鬼が問題の難しさになる、つまりは確信を与えてしまったら、 それは問題としての難易度がガタ落ちだよ。
次、私のゲームをつまらなくするような真似をするならばお前の機体の調整は二度としてやらんからな。」
「はいはい、わかったよ。ようわからん所に相変わらず拘りがあるようでして…。」
「お前がそういった拘りが無さ過ぎるんだ!」
「しらねーよ、俺様はそういう学が無いからなー。」
「そんなんだからお前はいつまでも格下の騎士までに――」
なんかこの漫才を見ていたくもなったのだが、それはひとまず置いておいて、クーガは真剣に問題を考える事にした。
セイムは言った、「着眼点はそこでいい」と・・・せっかくのヒントだ、活用させてもらうとしよう。
俺が着眼した事、つまりは彼女が女であること等ではなく、鋼機に関することだという事だ。
だが、わざわざこのような辺境まで来て、鋼機に必要な事というのはなんだろうかとクーガは考える。
素材――だろうか・・・?
だが鉱山の類は別に不足はしていない筈だ。
ならば、なんだろうか。
鋼機に使われる希少な素材・・・。
つまり、それが解答になるのではないだろうか?
「ああ、そうか。」
クーガは理解した。
何故こんな所までこのシャドウミラージュが派遣されたのかという事を・・・。
「ほう、解答を出したようなだな。」
口から煙草の煙を吐き出し、カタリナは言う。
「では聞こうか、お前の解答を・・・。」
一つだけある。
そこまでしてこの国が欲しがるようなモノが…。
それは――
「ディールダインだろう?」 
そのクーガの解答にカタリナはニヤリと笑って言った。
「正解だ。」 
675創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:04:50 ID:dbasF0SG
 
676創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:04:54 ID:0wKu1OJ+
 
677シャドウミラージュ 3−1 4/4:2009/10/02(金) 23:05:30 ID:XEtslxTV

妖魔、それはこの世界のもう一つの支配者。
そして人間の天敵である。
人ならざる生命体であり、様々な個体が存在する。
一城ほどの巨躯を誇るモノも存在すれば、魚のような大きさの個体も確認されており、上位の妖魔になれば人間の知能を大きく上回るものもいるとされる。
何時からそれが存在していたのか?というとそれは不明である。
かつてそれの生態の全てを明記してあった書物があったらしいが、今ではそれに関する事を書かれたといわれる書物は全て行方知れずになっており、妖魔が一体どのような存在なのかはわからない。
一説によるとイングラ王国にその一部が王宝として存在しているらしいが、その真否は不明である。
唯一わかっているのは妖魔にとって人間はあらゆる傷や病魔を癒す特効薬であるという事だ。
ゆえに妖魔は人間を喰らう。
そんな妖魔と人間達は闘うために様々な術を編み出した、それがイングラ王国の鋼機であり、スーサウ共和国の鋼獣である。
だが、妖魔の力を利用した鋼獣と比べ、イングラ王国の鋼機はそれ自体では妖魔の抑止力としてはどうしても弱い点もあり、下級妖魔ですら2桁を越える量の鋼機で立ち向かわなければ戦いにすらならないようなものだった。
今から80年程前、イングラとスーサウの二国間の戦争が終わった際、世に言うリヴァイアサン事件で受けた災害の復興に協力するという条件の下に一つの鉱物を安価で貿易する品として扱う事を要求した。
それが鋼機開発に変革をもたらしたといわれる特殊エネルギー増幅源である鉱石、ディールダインである。
その鉱石を用いたエネルギーパイプは機体全体に流すエネルギーの伝達効率化を図るどころかそのエネルギーを増幅するという特別な作用があり、それを利用して鋼機に搭載される動力機関の縮小化、軽量化、効率化に成功した。
これはまさに鋼機におこった革命だったといっても過言では無い。
だが、このディールダインは希少なモノであった。
復興が終わったスーサウ共和国は貿易においてディールダインを出す事を渋るようになる。
元々このディールダインはスーサウにおける鋼獣においても重要な素材であったため、国防も兼ねていた事もありこれは当然ともいえた。
問題は、ディールダインの供給が容易でなくなったという点である。
現在のイングラ王国はその優れた機械技術を提供する事で少々高値であるがディールダインを買っている状態になっている。
つまりは、もしイングラよりも遅れているといわれるスーサウの技術レベルがイングラのレベルまで追いついてしまったら、スーサウ共和国にとって、イングラは本当に用済みになってしまう。
ゆえにイングラ王国にとって独自のディールダインの供給源を見つける事は急務であった。
「まったく、ヒントを与えるからゲームが台無しだ。」
カタリナはボヤくように言う。
「だが、別に自力で鋼機までは辿りついたじゃないか、俺様は後押ししただけだ。」
「あのなぁーそれが、まず・・・あーあーあーあー、もういい、それが本筋では無いしな、クーガ、君の回答した通りだ。このイアナーラ地方にディールダインがある事が判明した。」
カタリナは新しい煙草に火を付ける。
「あんた一体、一日に何本吸うんだ?」
ふと、クーガは純粋な疑問を質問する。
この部屋に三人で集まって既に30分ほど経過したぐらいだが、灰皿には既に5本もの吸殻が置かれていた。
「数えた事など無い、暇があれば吸っているからな。」
当たり前のようにカタリナは答える。
セイムはそれを快活に笑って言った。
「こいつの部屋は凄いぜ、文字通り煙草の山だからな、それに――」
「――セイム、何時、私の部屋に入った?」
空気が凍る。
カタリナの声に静かな怒気が含まれていたからだ。
「ま、まあ、そんな事は置いておいて本題の話をしようぜ、な、な?」
触らぬ神にタタリ無し。
そうとでも言わんばかりにセイムはクーガに指を刺して話の矛先をなんとか反らそうとする。
だが、触らぬどころかもはや突っ込んでるの領域に突入しているようで、なんかもう色々手遅れのようにクーガには見えた。
とはいえ、セイムの一言にも一応の効果はあったらしくカタリナはクーガを見てぐっと息を呑んで、6本目の煙草に火をつけた。
それを見て少し残念そうな顔をしてクーガは言う。
「別に俺のことは気にしなくていいよ、なんというかさ、見てて楽しいというか――」
そのクーガの発言に対してセイムとカタリナは大声をあげて・・・。
「俺様は!」
「私は!」

「「全然楽しく無い!!!」」

その二人の怒鳴り声のシンクロ具合にクーガはただひたすら凄いなと関心していた。 


【3−2】に続く
678創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:07:30 ID:0wKu1OJ+
 
679 ◆klsLRI0upQ :2009/10/02(金) 23:12:54 ID:XEtslxTV
というわけで第一回になります
大体毎回夜10時ごろを目処に更新していこうかなと思っています
全7回かな

今日、明日は世界観、状況説明と漫才やって終わりそうでごめんなさいw
というかこれだけだと流石に話が薄いな…ロボは6回目ぐらいに暴れます

一つQ&A的なモノを

Q.CRにもディールダインとか鋼機とか出てくるけれどなんか関連性あるの?
A.まったくありません、断言します。実は設定考えるのが悪く言うと設定考える際の手間省くための手抜きです
  ちなみにこっちの方が先に出来たものでオリジナルと言えます、混乱招くようならば本当に申し訳ない
  ディールダインはエネルギー増幅作用があるという物質と設定していますが、細かい所はCRと結構違います


んじゃ、CR書く作業に戻ります
680創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:17:23 ID:0wKu1OJ+
>>679
投下乙でした!
fmfm、資源確保かー。かなり重要な要因ですな。
次の投下も楽しみにしとります!w
681創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:22:53 ID:s+qS19J2
>>679
 投下乙です!
 セイムとカタリナ、いいコンビですねw

 さて、今回はどんな事が起きるのか……次回を楽しみにしてます!
682創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:25:50 ID:dbasF0SG
>>679
投下乙!
息の合った凸凹コンビは良いね!

あとこの投下方式、結構良いかもしれない
毎日楽しみが出来たよ
683創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:27:48 ID:jcBtft7b
>>682
投下乙ッ!!
しかしロボの世界でも資源争いとは人類って変わらないなぁ…

あぁ書きたくなってきた
684創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:29:29 ID:jcBtft7b
>>682じゃない>>679だぁぁああ!
685創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:52:53 ID:s+qS19J2
 ……ふぅ、おなごの寝顔はいいものじゃのう。

 ネタは思い付くけど、ほとんどロボ関係無いから困る。
686創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:56:00 ID:jcBtft7b
>>685
寝顔……だと
687創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:01:35 ID:XIK0CwBq
>>685
気になるじゃないか……
688創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:02:34 ID:yxwbxx/L
>>685
吐いてもらおうか……さもなくば……
689創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:03:47 ID:LiZ8XAKL
>>686-688
 ああっ。昔描いた落書きの話であって、決して今隣で彼女が寝てるとかそういうわけじゃ!

 いやまあ時々我が半身が変な体勢で寝てたりはしますが……。
690創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:06:20 ID:+YD7BYKL
皆さん感想ありです><
終わった時どんな感想が来るのか怖かったり楽しみだったり

ちょっとシャドウミラージュの資料みたいなのを用意させてもらいましたー
ここまでのあらすじや、簡単な設定も載っていますので、暇があれば読んでみてください><
ttp://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/75/
691創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:06:30 ID:JPHKuodR
半分こ怪人が出たと聞いて
692創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:15:05 ID:XIK0CwBq
>>690
了解!( =ω=)ゝ
693創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:16:12 ID:JPHKuodR
>>690
了解だっちゃ!
694創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:19:22 ID:LiZ8XAKL
>>690
 はい、月曜日にでもw

>>691
 いや変身しないよ!?
695GEARS 第一話 1/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:25:04 ID:40ffITdp
統合歴329年5月1日

必死になって戦い抜いた受験戦争も終わって、遂に俺も高校生だ。
なんて思っていた矢先に通勤に便利だからという母の一声で、八坂州に家を建てる事になった。
そんなアパートを借りるような気分で家を建てて良いようなものなのだろうか?
家なんてものは一生に一度の買い物じゃないのかと母に問うと

「一度に限定する必要は無い。」

軍人である父よりも、ある意味男らしい人だと思った。父はと言えば

「殆ど帰らないからな。寝心地の良いベッドがあるなら何処でも構わない。」

実に如何でも良いよいうような反応を返された。
そして、必死に勉強して入学した砕牙州立砕牙高校に僅か一ヶ月で別れを告げ
私立八坂高校に転入する事になってしまった。

態々、州立高校に受かったのに私立高校に移される事になろうとは…嘆いていると

「私立高校の方が何かと黙らせるのが楽だ。」

お袋様、相手は子供なのだから、もう少し表現を考えて欲しい。
寧ろ、多少の無理があっても嘘を吐くべきだと思う。

「州立よりも私立の方が遊び易い。」

親父殿。学校は勉学に励む場所だ。

そんないい加減な両親に連れられ新たな制服を受け取る為、新たな学び舎に訪れていた。
それにしても、周りの視線が鬱陶しい。身内が有名だと如何にも肩身の狭い気分だ。
696創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:25:48 ID:fzKI3fAl
しえん
697GEARS 第一話 2/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:26:09 ID:40ffITdp
繊細な自分に引き換え、母は随分と慣れたもので差し向けられた視線など何処吹く風だ。
父親に至っては最近の高校生は発育良いな。などと通報されても文句は言えないような危険な言葉を発している。
本当に勘弁してくれ。我が家の有名人。

教員の目の前で両親が変な事を口走りやしないか心配ではあったが、大人しくしてくれていたのは幸いだった。
恙無く、制服や教科書一式を受け取り、長期休暇後、新たな高校生活が始まる事になった。
それにしても何故、子供の俺が問題児を預かる親のような心情で自分の親を警戒しなければならないのだろうか。

転入に伴う必要な儀式を一通り終えると、母はさっさと職場に戻った。
家と職場が近くなった事だし、週に一度は家に帰って来る事になるだろう。

父親と何ヶ月かぶりに夕食を共にした。

「お前も高校生だし、両親が留守にしがちなんだ。大いに羽目を外せ。」

如何贔屓目に見ても、未成年の子供に言う台詞では無いと思った。

「ガキの癖に可愛げの無い事ばかり言っているからだ。ガキなんざ、親に迷惑かける程度で丁度良いんだ。」

尤も、何かしでかしたら殴り倒すがな。と後から思い出したように親の役目を持ち出されてもな…
頼むから、もう少し大人になってくれ親父殿。

「そういや、八坂高校にはスポーツギアがあるそうだな。」

スポーツギア

全長7mの軍用人型機動兵器アームドギアの能力を大幅に限定したスポーツ用ロボット。
一般車両以上、戦闘車両未満の微妙なラインの上に立つスポーツ用品で
格闘技とも、モータースポーツとも付かない微妙なラインの上に立つ競技である。

何かと微妙な立ち位置ではあるが、鋼の巨人がぶつかり合うスポーツに多くの人間が熱狂している。
698GEARS 第一話 3/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:26:50 ID:40ffITdp
とは言え、この兵器紛いのスポーツ用品は兎に角、金がかかる。
金を持ったロボットオタクのスポンサーを捕まえないと話が始まらない。
始まらないが思いの他、この世の中には金を持ったロボットオタクの大馬鹿野郎どもが世界各地に居る。
特に筋金入りのロボットオタクは自分が乗って戦うよりも
自分が理想とするロボットが大暴れする様を間近で見る事に全てを賭けている。
だから、他のスポーツ同様、区大会、州大会、全国大会と大規模な大会を開催し
人と金を集める事には概ね成功していると言って良い。

「それは何か?スポーツギアで暴れて予習しておけというフリか?」

この親父殿、俺が軍人になっても苦労しないようにと
幼少の頃から現在進行形で現役の軍人と同様の訓練を課してくれている。殺す気か。
それはさて置き、スポーツギアの前身であるアームドギアは軍は勿論の事
警察にも配備されているし、消防にはレスキュー用のギアが使用されている。
スポーツギアに慣れておけば、将来、ギアを使った職業に就いた時、
人並み程度の苦労をする必要が無くなるという算段である。

今、人並み以上に苦労しているけどな。

兎も角、軍人になった時に苦労しないようにと訓練を課してくれる親父殿ではあるが
流石に金が無いせいか、アームドギアを使った訓練は課されていない。

「興味があるならやってみれば良い。アレは存外、良い玩具だ。
予習にならない事も無いが…アレは兵器じゃなくて玩具でしかない。」

よくよく考えてみれば、ギアだけに限らず銃器を含む他者を殺傷する目的に作られた武器や兵器の類は
一切、触れさせてもらっていない。触れさせられても問題だが。

「俺がお前にやらせている課題は、あくまでも健康的な身体作り為のものでしかない。」

何を仰るのやら、この鬼教官は。

何はともあれ、鬼教官である親父殿にとってスポーツギアは出来の良い玩具に過ぎず
折角、珍しいクラブがあるのだから興味があればやってみれば良い。
よく考えれば、極普通の親子の会話だ。
あまりにもまとも過ぎて俺の脳が追いついていなかっただけらしい。
699GEARS 第一話 4/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:27:43 ID:40ffITdp
統合歴329年5月11日

その日、八坂高校では季節外れの転入生の話題で持ち切りだった。
特に一年生は新たに始まった高校生活が思いの他、普通で中学と何ら大差が無くて辟易していた矢先に
有名人の息子が転入してくるという、ちょっとした一大イベントの発生である。
TVや雑誌などで顔を見た事のある目ざとい女子生徒などは特に有頂天になっている。

その中でも、他とは違う意味で転入生に一抹の期待と不安を寄せている女子生徒がいた。
霧坂茜華。スポーツギア部に所属する一年生である。

ついでに、転入生に対し大いに期待する、やたらと屈強そうな男子生徒も居る。
様々な思惑が本人の与り知らぬ所で渦巻いている事も知らずに転入生はHRで無難な挨拶をした。

「砕牙州から来ました。守屋一刀です。」

統合歴以前…たった一つの小さな惑星の中で無駄に多くの国家に分かれて人間同士で
殺し合っていた時代、古くから倭国を守る一派、守屋一族の末裔である。
尤も、今となっては様々な血を受入れるようになった事もあり、純粋な倭国民族では無いし
其れ程、大それたものでは無い。ただ軍の広報が守屋の一族を放っておかない。
そうこうしている内に世界で一番、有名な軍人とその息子になっていただけだ。
全く、普通の家庭…と断言出来る程の厚かましさは持ち合わせては居ないが
周囲が思っている程、大した物でも無いと思っていた。

だが、他人から受ける評価に本人の意思は関係無い。
例え、それが大きく的外れな評価であってもだ。

この場合、大きく的外れな評価だったら、このような事件も起きなかったのだろう。
多くの生徒の想像通り、守屋一刀は高校生としては破格の身体能力、戦闘能力を持っている。
だからだ。だからこそ、運動部。特に格闘技系のクラブの生徒達は何がなんでも
守屋一刀を引き入れようと必死になった。
その勢いは、ミーハーな女子生徒でさえ近付くのを諦める程で守屋が激怒する程度には充分過ぎた。
700創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:28:09 ID:yxwbxx/L
し、しえん!?
701GEARS 第一話 5/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:28:24 ID:40ffITdp
「同じクラスなら勧誘なんて楽勝だと思っていたんですけどねぇ…」

霧坂は苦い顔でギア部専用スタジアムで事の切欠をレギュラー陣に話していた。

休憩時間の執拗な勧誘のせいで、守屋はトイレにも行けない、食事も落ち着いて摂れない。
最初の方は丁寧に断りを入れていたのだが、厚かましい上級生達の行いに耐えかねて
ぞんざいな対応をしてしまい、口論となり…一年の教室棟の廊下は血に染まった。

喧嘩両成敗という事で守屋一刀以下53名は2週間から1ヶ月の停学処分。
尤も、殆どの生徒が一ヶ月で退院出来るか如何か怪しいところだ。
全クラブには入学式後のクラブ案内以外の部活勧誘を一切禁止を言い渡された。
暫くは格闘技系のクラブはゴミクズのような目で見られる事になるだろう。

「だけど、そんなに乱暴そうな子じゃなかったんだよね?」

ギア部レギュラー、内田燐は正直、憂鬱だった。
例え、どんなに強かろうと不良等の手合いだったら関わりたく無いし、入部もして欲しいとは思わない。
だが、内田のそんな不安も霧坂にとっては何処吹く風だ。
いや、霧坂に限った話では無い。彼女を除くレギュラー陣は守屋をギア部に引き入れる気でいる。

「何の面白味も無さそうな、極普通の男子って感じなんですけどね。
寧ろ、よくぞ昼休みまで耐えたって思いますよ?私なら2限でブチきれてます。」

だからこそ、停学二週間という最も軽い処分で済んだわけだが。

「それにしても、如何します?何か脳筋達のせいでやり難くなりましたけど」

霧坂が視線を投げかけた先には如何にも優等生といった風貌の生徒が今回の事件に関する書類を眺めていた。
霧坂に話を振られたと同時に書類を丸めてゴミ箱に投げ捨てた。

「罰するべき相手を誤るような大人の言う事など一々、聞いていられないだろう?
勧誘については礼節を損なわないようにな?」

「そりゃあ、私だって血の海に沈みたくは無いですからね。」

最初から学校側の指示を従うつもりなど更々無く、クラスメイトという立場をフル活用して
守屋をギア部に引き込むとういう当初の目的を達成するつもりだった。
702創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:29:24 ID:fzKI3fAl
援護するぅ
703GEARS 第一話 6/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:29:44 ID:40ffITdp
統合暦329年5月22日

「終わった……しっかし…どう考えても俺が被害者なのに、何で俺が停学二週間とかになるんだろうな。」

職員室で渡された課題は、夏休みの課題かと見間違える程の量で、守屋を辟易させるには充分過ぎる量だった。
根が真面目なお陰で、復学までには余裕を持って片付ける事が出来た。

尚、転校初日に早速、傷害沙汰を起こし停学処分を受けた事に対して両親は

「ガキのじゃれ合い如きで大騒ぎするな。」

「子供の喧嘩如き、子供同士で解決しろ。」

知った事かと一片の躊躇も無く斬り捨てた。
今更、親が何か言って来るなんて思ってもいなかったし
退学にならなかっただけマシと思う事にした。

それにしても新たな高校生活を初日から滅茶苦茶にしてくれた武術系のクラブには
絶対に入部しないと心に決めて辟易する量の課題を鞄の中に仕舞い込んだ

「それにしても…絶対に俺の第一印象最悪だ…友達出来るのか、俺?」

ロクでも無い高校生活になるのではと、頭を抱えているとインターフォンが鳴った。

(此処を訪ねるような人なんて…担任か?)

ドアを開けるとブロンドアッシュの長い髪にダークブルーの瞳をした少女…霧坂が人懐っこい笑顔で手を振っていた。
白を基調とした制服から察するに八坂の生徒なのだろうが、全く知らない生徒だった。
寧ろ、乱闘事件を起こす切欠となった男子生徒の顔すら覚えていないのだから
そもそも、八坂の生徒の顔なんて一人も覚えていない。

「どーも、こんばんは。」

考えても考えても顔も名前も出て来ない。

「こんばんは…えーと、クラスの子?」

クラスメイトが停学中に溜まっているプリントを持って来てくれたとかだったら
何と無く、有り勝ちな話だと思い言ってみた。

「やっぱり覚えてないか…同じ1年3組のクラスメイトだから宜しくね。」

顔も名前も覚えていないが、クラスメイトというのは正解らしい。
霧坂は顔を覚えられていない事を別に気にするわけでも無く喋り出したので
守屋も気にせず話を促した。

「ああ。宜しく。それで…今日は?」

「うん。守屋君ってさ、ロボット。スポーツギアに興味無い?私、ギア部の部員なんだけどさ。」
704創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:30:25 ID:LiZ8XAKL
 支援します!
705GEARS 第一話 7/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:30:26 ID:40ffITdp
正直、停学処分を受けた時の怒りが再燃しそうな思いだった。
八坂の生徒が滅茶苦茶な勧誘の仕方をしなければ停学処分を受ける事も無かった。
恐らく自分の印象は最悪だ。これ以上、印象を悪くするような真似だけは避けたい。
兎に角、理性を総動員させて感情的にならないよう、無愛想にならないように努めた。
愛想笑いをしながら断りを入れよう。頭の中で丁寧な断り文句も用意した。

(よし、大丈夫だ。いける。)

「いや〜、あの後で全校集会になっちゃって、守屋君に対して部活勧誘行為が一切禁止になっちゃったんだよね。」

そんな霧坂のあっけらかんとした態度が守屋の癇に障った。
必死に総動員した理性も何処かへ飛んでいった。

「で?教師の目が届かない自宅なら大丈夫だと思ったのか?
住所を調べ上げて断りも無く来て…八坂には非常識な生徒しか居ないのか?」

あからさまに不機嫌な態度を取る守屋に霧坂は酷く焦った。
流石に暴力を振るわれる事は無いだろうが…無いよな?
兎に角、コレは非常に良くない。如何にか機嫌を直して貰わなければ。

「あ、いや…それはその…」

焦る霧坂を前にしても一度開いた口は簡単には止まらない。

「態々、勧誘なんかに来なくてもギア部には興味があった。
だけど、あんな事があったせいで俺は停学になったからな。
勧誘して来たクラブには入らないって決めているから。」

「うあ…もしかして、私やらかした?」

簡単に止まった。見ているのが気の毒になるくらい霧坂は落胆したからだ。
守屋は霧坂のそんな様子に溜飲が下がり、此の侭、追い返すのも忍びない。
そんな短絡的な発想を持ってしまった。

「態々、訪ねて来てくれたのに悪かったな。」

「そう思うんだったら!」

すぐに顔色を変えて飛びついて来る。
前言撤回。成る程、この女はそういう手合いの奴なわけか。
せめて謝罪くらいはするべきだと思った自分が馬鹿だったと思い知った。

「厚かましい。帰れ。」

そして、理解した。
コイツに限って言えば、無碍な扱いくらいが丁度良い。
706GEARS 第一話 8/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:31:10 ID:40ffITdp
統合暦329年5月25日

停学の開けた月曜日の朝の事だった。
気を使ってくれているのか、行動力があるのか。はたまた厚かましいだけなのか。

(厚かましいだけなんだろうな。)

何故か、霧坂が守屋の自宅まで迎えに来ていた。

「いや、別に勧誘とかじゃないから警戒しないでよね?」

「呆れているだけだ。」

「そんなに邪険にしなくったって良いじゃん。
クラスメイトだし、家も目の前だし、純粋に一緒に学校行こうかなとか思っただけだよ。」

眩暈がした。今、何て言った?
家も目の前だし?

「家が目の前って如何言う事だ?」

「如何って?そのままだけど?」

ホレと、霧坂が指差した表札にはしっかり霧坂と書かれていた。

「すまん。お前の名前知らない。」

「自己紹介して無かったっけ?」

守屋自身、人の名前を覚えるのは余り得意な方では無いので、ただ忘れている可能性もあるが…
此処までアクの強い奴なら一度聞いたら忘れたくても、忘れそうにも無い。

「取り合えず、霧坂で良いんだな?」

「うん。霧坂茜華。忘れないでね?」

出来る事なら忘れたいと思った。
しかし、狭い道路を隔てて、文字通り目の前とは…

「…眩暈がする。」
707創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:31:23 ID:yxwbxx/L
シェー
708創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:39:28 ID:gb9xa2VP
sien
709GEARS 第一話 9/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:40:57 ID:k2SwgVRK
「そう言えば、ギア部の活動場所って何処にあるんだ?見学に行こうと思っているんだけど。」
「え?何?どういう心境の変化?寧ろ、私に気がある!?」
質問に対して普通に返せば良いのに、何でコイツはこう…変なリアクションを取るのだろうか
なんだか疲れる奴…絶望的に相性が悪い。そんな思いで胸がいっぱい…胸焼けしそうな思いになった。
「元々、ギア部には興味があるって言っただろう?
勧誘されて良い気はしないけど、見学するくらいなら行っても良いかと思っただけだ。
それから…知り合って間もない相手に対して、そんな気は起きない。」
「50点。」
「意味が分からない。」
「私に対して、その気が無いってのは、どういう了見よ?」
(鬱陶しい。)
守屋は返事をする気力も根こそぎ抜き取られ、霧坂を無視して学校へ向かった。
霧坂が何か言っているが、これ以上疲れるのはゴメンだと、歩みを止める事をしなかった。
(とは言え、霧坂にギア部の活動場所を教えてもらうまでは機嫌を損ねるのは良くないか?)
何と無く、霧坂の方を振り返って見ると
「どしたの?」
(うん。コイツはそういう奴なんだろうな。)
気にかけた事が馬鹿らしくなり、再び歩みを進めた。
それから、放課後まで大
710GEARS 第一話 9/9 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:43:27 ID:k2SwgVRK
人しく過ごし、校内モノレールに乗る事5分程。
案内された先は、山の中腹を削って建設されたスポーツギア専用スタジアムの中だった。
広々としたスタジアムの中には鋼の鎧を纏った鋼鉄の巨人。
いや、鋼鉄のスポーツマン。5体のスポーツギアが稼動していた。
「アレが…スポーツギア…」
父親の職業柄、その手の知識はあったが軍用機アームドギアですら触れた事も実物を見た事だって無かった。
7mなんて中途半端な大きさだと思っていたが、初めて見るギアの勇姿に守屋は完全に心を奪われていた。
711創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:45:20 ID:yxwbxx/L
シエン
712 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 00:48:13 ID:k2SwgVRK
取りあえず一話完了です。
最後に連投規制入った上にケータイの字数制限で、グダグダになってしまいました。
申し訳ねーですorz
713創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:49:45 ID:yxwbxx/L
>>712
投下乙ですぜ!

ところで新人さん……かな?
714創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:52:02 ID:XIK0CwBq
>>712
投下乙です!
このスレでは貴重なスポーツ物枠に参戦が!
苦労性の主人公とご両親がいい味出し過ぎwww

あとこれは俺も前言われたんだが、人物名の読みを教えてくだされ
715創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:53:45 ID:fzKI3fAl
>>712
投下乙でした。スポーツものは少ないですからねぇ。頑張ってくださいな。
716創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 00:55:55 ID:LiZ8XAKL
>>712
 一瞬さるさん喰らったかとヒヤっとしましたよw
 何はともあれ投下乙です! 何度か話題には出てましたけど、ついにきましたねスポーツ物!
 それぞれのキャラがすごくいいですw
 特に霧坂さんは好みだわー。
717創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:01:21 ID:yxwbxx/L
にしてもスポーツ用ロボって発想は無かったわ…
718 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 01:06:18 ID:k2SwgVRK
>>713

新人です。
何と無く書きあげてしまったので、何と無く晒してみました。

>>714
守屋一刀 (モリヤ イットウ)
霧坂茜華 (キリサカ センカ)

やっぱ、DQNネームは辞めとくべきだったw

>>715
遅筆ですが、プロット自体は完成してますので完結に向けて頑張ります

>>716
大好評おさる中。次回はもう少し短くいこうと思います

>>717
トップを狙えってを見て勢いで書いた。今は反省(ry
719パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/03(土) 01:09:58 ID:LiZ8XAKL
>>718
 おお、新人さんでしたかw
 おいでませロリ……ロボスレへ! ゆっくりしていってね!
720潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/03(土) 01:11:59 ID:yxwbxx/L
おいでませ 変 態 ス レ へ !
721創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:13:56 ID:XIK0CwBq
>>718
応援しますよー。貴重な枠の担い手でもありますしw
あと名前の読みサンクス!
>DQNネーム
はっはっはw
この程度のネーミングw
俺の黒歴史から比べれば普通レベルもいいところです、よ……
あぁぁぁぁ……(悶絶中
722ロリベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/03(土) 01:14:35 ID:LiZ8XAKL
>>720
 変態じゃないよ! 仮に変態だったとしても、変態という名の紳士だよ!


 ふぅ、なんかここまでバンバン新作が来ると闘志が燃え上がっちゃいますねw
 おかげで息抜きのはずのロボスレ学園が大変な事になってるよ!
723創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:15:33 ID:LiZ8XAKL
>>721
>俺の黒歴史
 ウホゥ興味深い……惹かれますな。
724潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/03(土) 01:16:02 ID:yxwbxx/L
>>722
そうだ 紳 士 なのだったな!

自分も明日には投下できる勢いで書きまくってますw
725ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 01:17:05 ID:XIK0CwBq
>>722
おおっと!?第三話クルー!?
支援するぜぃw

んでは俺も日常パート長くなりそうなので、一区切り分投下しますかねwww
726潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/03(土) 01:17:53 ID:yxwbxx/L
ロボスレ学園……期待せざるを……いや期待するべき作品が多すぎる
727 ◆B21/XLSjhE :2009/10/03(土) 01:18:21 ID:k2SwgVRK
>>719
居座らせて頂きますw
次回作以降でロリババァが、いっばい出て来る作品を投下させて頂きます

>>720
ヘイ、ブラザー。類友って言葉知ってるかい?

>>721
凄く…興味深いです
728創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:18:28 ID:LiZ8XAKL
>>724
 つまり明日は(上手くいけば)緊迫した、鬱で、漫才で、学園な日なんですね!

 ……いやもはやこれ学園関係無いナー。
729創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:20:06 ID:XIK0CwBq
>>723
人目に晒したら舌を噛んでしぬるレベルですよwww
730ロリコン ◆1m8GVnU0JM :2009/10/03(土) 01:22:52 ID:LiZ8XAKL
>>725
>一区切り分投下しますかね
 明日が超々豊作のヨ・カ・ン。

>>726
 ぶっちゃけちゃうと、もう普通にバトルしてますよw
 いやぁ、ゲームってクロスオーバーの材料として便利だね!

 しかしこれでロボスレ学園にギア部が増えたわけですが。

遥「え!? また何かやるの!?」

>>727
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
731創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:25:39 ID:XIK0CwBq
>>727
ロリババァ……だと……!?
み な ぎ っ て き た !!

>>730
一区切りの次にロボ登場の予定です!
さて、描写と戦う時間が始まるぜ……w
732潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/03(土) 01:26:41 ID:yxwbxx/L
>>727
ロリ…ばばぁ…………!!!!!!!
wktkwktkwktkwktkwktkwktk

733創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:34:43 ID:LiZ8XAKL
>>731
 自分も今回は説明多めですw
 ズサキャンとかの用語は別に解説を設けようかしら……。

 そういえば昔書いてた作品のヒロインが守屋って苗字だった事を思い出しましたw
 遥も当時は一条 遥じゃなくて神守 遥だったなぁ。
734創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:35:24 ID:RCx2UtQP
735創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:50:34 ID:XIK0CwBq
まだ誰か居たら教えて欲しいんですが、
10階建てのビルって……小型のビルっていいます?w
736潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/03(土) 01:51:33 ID:yxwbxx/L
>>735
自分なら「高めのビル」「高層ビルにまではいかないが高いビル」とか
737創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:55:02 ID:XIK0CwBq
>>736
サンキューです!w
ですよねー。小型はないですよねw
あー、表現間違えたw修正せねば
738創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:55:08 ID:LiZ8XAKL
>>735
 そう高くも低くもないような……。
 都会ならそれくらいのビルはありふれてますし、単純にビルでもいいんじゃないですかねー。
739創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:59:16 ID:XIK0CwBq
>>738
ありがとうございますw
いやー、ロボの大きさの見積もり間違えてましてw
スパ○ボ表記ならLですわwウチの機体
740創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:01:21 ID:LiZ8XAKL
>>739
 どういたしまして!

>スパ○ボ表記ならLですわwウチの機体
 ウチの子らはSですねw
741創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:06:26 ID:XIK0CwBq
>>740
以前もありましたね。スパ○ボ風の大きさの区分け。
Lはウチのフツヌシで二体目ですね。
もう一体は最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ様でw
742創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:08:36 ID:LiZ8XAKL
>>741
 ありましたねーw
 ……そういえばヴィルティックってどれくらいの大きさなんでしょうか。


 あー、そのうちロボスレ学園でスカンクエイプvsヘーシェンとかやりたいなー。
743創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:13:04 ID:XIK0CwBq
>>742
それは読みたいw
リヒトが被弾しないといいけど(ネタ振りじゃないよ?よ?

誰かと戦わせるの難しいなー、ウチはw
他人様のキャラを借りて扱える自信がないともいいますけどね!w
744創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:14:26 ID:yxwbxx/L
地上だと棒立ち精一杯で涙目
745創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:18:20 ID:LiZ8XAKL
>>743
 あとはヴィルティックvsリベジオンで装甲展開対決! とかw


>リヒトが被弾しないといいけど
 ゲームなんでそれは大丈夫です、残念ながら。

>他人様のキャラを借りて扱える自信がないともいいますけどね!w
 正直自分が書いた隆昭くんや清水くんも誰コイツ状態ですけどね!
 ま、まあそのへんはスパロボにもある現象という事でここはひとつ……。
746創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:19:29 ID:LiZ8XAKL
>>744
 それをフォローするためのいいカードが(ry
747創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:20:02 ID:XIK0CwBq
>>744
強化パーツ:ホバークラフトやフライトユニット装備でいくというのはいかがかな?
腕のいいオヤジさんなら異世界の科学者とも技術交流できるかもw
748創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:21:23 ID:yxwbxx/L
>>747
その発想は無かった
749創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:23:21 ID:LiZ8XAKL
 そして魔改造ポンピリウスの完成ですね、わかります!
750創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:27:25 ID:XIK0CwBq
>>745
>ゲーム内
そうだったwチッ!(マテ

>スパロボにもある現象
まぁ確かにw俺も本編ある程度進んだらやってみようかな?w
それまでにサイズ:Lの機体が増えることを願ってみたりw

さて、お先に失礼をば( =ω=)ノシ
751創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:29:03 ID:yxwbxx/L
では自分もバイキューしまする
752創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 02:31:02 ID:LiZ8XAKL
>>750
 はっはっは、サイズ差がありすぎるとゲームにならないので実はほぼスルーしてt(ry

>俺も本編ある程度進んだらやってみようかな?w
 是非とも学園の世界観を広げまくっちゃってくださいw

 では、おやすみなさーいノシ
753創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 13:33:18 ID:/1S2mjyW
>>750
サイズLだとリアル的な世界に落としこむ時に運用が困難になるんだよなー
4,50mの機体を現行の空母等で運用する光景はなかなか想像が難しい
754創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 14:05:04 ID:XIK0CwBq
こんにちはーっと
>>753
確かにそうですよね。
大雑把に考えて10階建て以上のビルと同じ大きさの機体ですからねー
755創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 14:20:20 ID:/60Sgftq
昨日の流れから思ったが、各作品のロボットの全長というかサイズが知りたい所
とりあえずフツヌシとネクソンはLだな?
756創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 14:34:25 ID:XIK0CwBq
>>755
ですなー。確か過去ログの何処かで他にも出ていた覚えが……
さてどれだったか……?w
757パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/03(土) 14:37:48 ID:LiZ8XAKL
>>756
 スパロボ企画が出たあたりだったかと思います。

 あ、ウチの連中は設定のとこに書いてありますよー。
758創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 14:49:22 ID:XIK0CwBq
>>757
さんくす!見つけてきました!
>>755
こんな感じでーす。3号機以降のはおいおい確認する方向でw

30m  ネクソンクロガネ
10m  リベジオン、ヴァドル
5m   オートマタ(大)、スプリガン
4m   タウエルン、超重装甲強化服改、機士
3m以下 オートマタ(小)、重装甲強化服

30m ネクソンクロガネ サイズL
10m リベジオン、ヴァドル サイズM
それ以外S
759 ◆n41r8f8dTs :2009/10/03(土) 17:54:23 ID:bYOSHkDA
支援半ばで寝てしまった……亀ってレベルじゃねーぞ!
>>679>>690
久々の投下乙です。やっぱ掛け合いが良いなぁwクーガ一人冷静w
最初の少女の事が物語にどう絡んでくるのか気になりますな―。今日の話も楽しみにしてます
それと設定集がとにかく濃いwクロノスさんは本編出てくるのかしら
>>712
初投下お疲れ様です
スポーツ物とは……これは新しい風が吹くな
内田はこれから凄い苦労するんだろうなw霧坂さんと守屋の関係がどう変わっていくのかも楽しみだ―
一体どんなロボット物が見えるのか、wktkしてますね!

さて……最終回ですが、まだ本題に入ってないのに1万超えとか\(^0^)/
ので当初の予定を変えて前編と後編に分けたいと思います
分量が分量だけに、多分皆さんが大体投下し終わる11時頃に投下できるかなと。1話で終わると思った方、ごめんなさいorz
760創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 18:01:14 ID:LiZ8XAKL
 一方私は今日は投下できそうになかった……orz
761ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:06:48 ID:XIK0CwBq
>>759
私は一向に構わん!!

>>760
ドンマイ!明日でも構わないさ!(オイ

まだちょっと文章伸びそうなので、一旦投下しても良いですかね?w
762ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:30:13 ID:XIK0CwBq
誰もいないようなので、コソーリ投下ー( =ω=)っ「日常パート」
763ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:31:03 ID:XIK0CwBq
 ――――――――――――――――――――

 「ふざけて、いるんですか?」
 「いや、いきなり名前確認されてもな。先ずそっちが名乗ってからだろ普通」
 苛立たしげな表情でこちらを見上げてくる少女に、淡々と返す京介。
 睨み合いになりかけたところで、竜意が割って入った。
 「おいおい、京の字。講義が始まるぜ?早く教室いかねーと」
 少女の方に笑顔を向けた竜意は
 「それからそっちのお嬢さんもだ。積もる話なら暇な時にしようぜ。昼休みにはコイツ付き合わせるから」
 と、勝手に約束をして話を強引に纏める。
 「おい……」
 「さぁ授業授業」
 と言いつつ京介の手首を掴んで強引に連れて行く竜意。
 京介の背中を睨んでいる少女に光司が声をかける。
 「ゴメンね。キョウスケってちょっと変わってるから」
 光司の言葉に少女はため息を吐く。
 「ちょっと、ですか」
 「……あー、昼休みまでには宥めておくよ。学食で待ち合わせということで」
 困った表情で頬を掻く光司に少女は、
 「いいえ、放課後に屋上に来て頂くようにお伝え願えますか?出来ればお一人で」
 綺麗な姿勢で一礼すると、校舎に向かっていった。
 その後ろ姿を見送った光司は詰めていた息を吐き出す。
 「……はー、圧倒された。さて、さて、取り敢えず情報収集からか……面白い話だといいな」
 不謹慎な独り言を呟きつつ、光司は文庫本サイズの携帯端末を取り出し、素早く操作をしながら自分も教室に向かった。
764ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:32:09 ID:XIK0CwBq
 ―――――――――――――――――――

 午前中の授業が終わり、昼休み。
 「はいはーい、情報収集の結果はっぴょーう!」
 「おー、いつも通り仕事早ぇなコウ!」
 「……また学内ゴシップから集めてきたのか」
 ややテンションの高い光司とニヤニヤと笑っている竜意、そして困惑に眉を寄せる京介。
 「だって放課後呼び出しだよ?しかも二人っきりだよ!?これはアレの可能性が大!!」
 「いやー、とうとう京の字にも春が来たか〜。お父さんは嬉しいぞぉ?」
 「アレって……あとリュウに育てられた覚えはない」
 周囲に迷惑にならない程度の音量で騒ぐ友人達。
 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず!」
 「あのお嬢さんの事を知っておけば、その後の展開もスムーズに行くということだな!」
 「………………」
 からかっているだけなのは分かっているので、ツッコミも止めて日替わりランチ(本日は豚生姜焼き定食)を食べる作業に戻る。
 「ノリ悪いよ?キョウスケ」「そういうとこが、京の字の欠点だよな」
 「もう良いから……。コーシ、俺に教えたい事だけ送ってくれ」
 「分かったよ、それじゃ……」
 えーと、と前置きして光司は端末を操作し、京介の端末にデータを送る。
765ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:33:25 ID:XIK0CwBq
 ――――――――――――――――――――

 生姜焼きに添えられたキャベツの千切りを口に運びながら、左手で携帯端末を取り出しメール欄を操作。
 光司から送られてきた、箇条書きになったデータをスクロールさせていく。
 名前:春日・祈(かすが・いのり)
 年齢:16
 所属:高等部・普通科・1−F
 成績:極めて優秀
 身体能力:かなり高い
 素行:問題なし
 友人:多い(特定のグループ等には属していない)
 恋人:学園に入学時から現在までは無し(それ以前は確認出来ず)
 スリーサイズ:90・50・88
 「………………おい?」
 「冗談だよ?最後の部分は」
 これが参考資料、とマンガ雑誌のグラビアを見せる光司。
 「………………」
 「知りたければ本当にデータ漁ってくるけど?」
 「やめれ」
 「まぁ冗談はこれくらいにして……こっちが本命」
 そして新しいメールが送られてくる。
 備考:『SOUMA』の関係者?
    企業への実地研修に行った生徒が『SOUMA』のビルに出入りする姿を目撃。
    学園近辺で『SOUMA』の社用車から降りる姿を目撃した者あり。
 「ふぅん……ソウマ、な」
 重工業から医療技術まで、関わっていない分野は無いと言われる程の超巨大企業グループ『SOUMA』。
 『わだつみ』を運営する企業の中でも実質トップと目されている企業であり、帝陵学園の出資者の一人でもあるが、
 「ソウマの関係者が一体何の用だ……?」
 心当たりが全く無い。
 「そりゃお前ぇ、アレだろ」「アレだよね」
 「……もうそのネタいいから」
 「ん〜、それ意外だとしたら……スカウトとかじゃね?」
 出資者である企業が優秀な学生に在学時から声をかけるのは『わだつみ』ではよくある事だが、
 「座学も選択した実技も、成績良くないからそれはないなぁ」
 自分の能力を鑑みて、竜意の意見に苦笑で返す。
 「……まぁ取り敢えず会ってみるか。放課後に屋上だっけ?」
 「そそ。まぁ頑張ってねキョウスケ!」「赤飯炊いといてやるからな!」
 「………………」
 友人の冗談を聞き流し、豆腐とワカメの味噌汁を啜る。
 呼び出されたといっても元々関わりのない学生同士、それほど深刻な事情が出てくる筈がないのだが、
 (……無い筈だよな?)
 京介は何故か背中にのし掛かるような不安を感じていた。
766創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 18:34:27 ID:bYOSHkDA
夫支援
767ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:34:32 ID:XIK0CwBq
 ――――――――――――――――――――

 ―放課後。
 最後の講義が終わった所で教師に手伝いを頼まれてしまった。
 (……まぁいいか)
 今朝の少女−春日・祈の事が一瞬頭に浮かんだが、気にせず教師の後に付いていく。
 三十分程して用事が終わり、お茶をご馳走するという教師の誘いを断って屋上に向かった。
 階段を上がりながらとりとめのない思考を巡らす。
 (帰ってた方が面倒が無くていいよなー)
 朝、自分の目の前に立ち、身長差を気にもせずこちらの目を真っ直ぐに見据えてきた表情を思い出す。
 あの手の表情は苦手だ。
 今すぐUターンして帰ってしまいたいが、光司が約束してしまった以上すっぽかすことは出来ない。
 遅れた事については、
 (まぁ仕方ない)
 見知らぬ下級生との約束より教師の心証の方が大事だ。
 何の取り柄もない人間としては、細かいところで点数を稼がないとあっという間にジリ貧になってしまう。
 そんなことを考えている内に屋上に続く扉前に到着。
 (どうかいませんように)
 そう願いながら扉を押し開ける。
 すると、まだ高い日差しの中、落下防止用の金網の近くに立っている春日・祈が、こちらに振り向くところだった。
 (あー……やっぱ居たのか)
 友人達が言っていたような状況だったら緊張より期待と昂揚が勝っている所だが、
 (竜意や光司じゃないんだから)
 それ以外の可能性が遙かに高いことを自覚している京介にとっては、真逆な緊張に晒されている状況だ。
 だがいつまでも屋上の入り口で立ち止まっている訳にもいかない。
 ゆっくりと歩を進めて、屋上の端に立つ春日・祈の1メートル程手前で足を止める。
 「来たけど、用件は?」
 問いかけた京介に対して春日・祈は
 「……これを」
 一通の封筒を差し出した。
 「……?」
 受け取り、差出人を見る。
 「………………」
 封筒の頭をちぎり、中を探ると、出てきたのは一枚の便箋。
 便箋を広げ、そこに記された数行の文章に目を通した京介は、封筒を戻すと、目の前の少女に問いかけた。
 「……用件を言ってくれ。俺は何をすればいい?」
768創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 18:35:25 ID:bYOSHkDA
支援るぜ
769ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 18:35:35 ID:XIK0CwBq
投下以上!です
支援感謝!
770創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 18:39:09 ID:XIK0CwBq
次回はロボ分出せると思いますので!
それともうpろだでやった方がいいのかな?(;=ω=)
771創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 19:35:02 ID:yxwbxx/L
今日は投下できそうにないゼ…


>>763
投下乙!
772創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:30:28 ID:/1S2mjyW
>>765
投下乙

どうでもいいけどB90H88はいいとしてW50は細すぎる、あと10cm追加していいはずだと思いました
773創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:37:45 ID:XIK0CwBq
>>772
了解w
774創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:45:35 ID:jSXN2yow
>>772
ていうか、3サイズ書いてるプロフィールだったら
その前に身長がどれくらいあるか書いてあった方が自然ではあるな
3サイズのみがぽつんと表記されてても逆に不自然だし
775 ◆n41r8f8dTs :2009/10/03(土) 20:46:55 ID:bYOSHkDA
>>765
投下乙です!祈さんのスペックの高さに脱帽。つか最後はどんな手を使って調べたw
SOUMAが何を考えているのかが、物語の肝になりそうですね―。そして京介にどんな災難が降りかかるのか…
次回楽しみにしてます

やっと仮組み終わったけど今日中に出来るかなw
会話文が多いと言うかほぼ8割だから時間掛からなきゃいいけど…
776創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:48:43 ID:bYOSHkDA
ごめん、目欄ミスッタorz
777創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:58:57 ID:jSXN2yow
身長が150cm以下、体重が身長に対して軽いのにB90・W50・H88だと
胸と尻に風船を詰め込んだ小人って物体になるよな

誰得の捏造データなんだろうかw
778創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:15:59 ID:XIK0CwBq
んー、分かり易い嘘データ、の積もりでいれたんだが、
余計だったね。投下前に読み返すべきでしたorz

ちょっといちゃついてる極細とティマにちょっかい出してくる)ノシ
779創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:29:13 ID:LiZ8XAKL
 いやぁ、空に大きいウサギさんがいますなぁ。

 ようやく家に帰れる……。
780創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:31:04 ID:XIK0CwBq
>>779
お疲れ様です。ホントにw
781創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:41:22 ID:LiZ8XAKL
 すみませんねぇ、感想は明日の夕方あたりに纏めて投下しますから、どうかこの通り命だけはー。
782創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:48:21 ID:XIK0CwBq
>>781
よし、分かった(何様
いつかこのお題を消化すると約束するならいいぞ(だから何様
つ「戦闘力の高いロボッ娘を拾いました」

上のは冗談ですから取り敢えずゆっくり休んでくださいねw
783創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:50:52 ID:T+2dnpDX
>>782
戦闘能力の高いロボッ娘が、苦手な家事を精一杯頑張るとか、そういうシチュエーションは好ましいね
784創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:52:22 ID:bYOSHkDA
>>781
はいはい、ゆっくりお休みになって下せぇ
学園の方も期待してますよー
785創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 21:54:56 ID:XIK0CwBq
>>783
さすが兄弟!分かっていらっしゃる!w
786 ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 22:08:55 ID:XIK0CwBq
しかし夜中のテンションで書いた物を確認せずに
投下するもんじゃないですね。本日は駄文失礼しましたw
次はもう少しましな文章になるよう努力しますorz
787 ◆klsLRI0upQ :2009/10/03(土) 22:12:54 ID:+YD7BYKL
今回ちょっと多いので支援たのんます
788 ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/03(土) 22:14:15 ID:XIK0CwBq
了解
789創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:16:41 ID:270f9Vxa
ラジャー
790創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:17:08 ID:fENkoBNN
がってんだ
791シャドウミラージュ 3−2 1/7:2009/10/03(土) 22:17:42 ID:+YD7BYKL

「はぁー、では話の続きをしようか…。」
溜息を吐きつつカタリナは心底疲れたように椅子に腰かけて、背もたれによしかかった。
「だよな、お前が話を脱線させるからだぞ、話が進まないのは…。」
セイムが頷きながら言う。
そう言うセイムを見てカタリナの体が震えている。
それが寒いとか何かに怯えているとかそういう震えでは無いのはクーガの目から見ても明らかだった。
「ん?どうしたカタリナ寒いのか?」
鈍感なのか、わかってやってるのか、セイムはさらに追い打ちをかける。
「こういう時はちゃんと言わないと駄目だぞ、カタリナ、施設でも言われてたじゃないか、紫陽花組のカタリナちゃんは口籠る癖があるので――」
「あのな、少し、黙ろうな?な?」
出来るだけ平静を装っているつもりなのだろうが、それでも抑えきれない怒気が彼女の体が漏れてきていている。
傍から見ているクーガでも足に震えを感じた程だ。
流石にそれに命の危機を感じたのかセイムは慌てて、
「俺、別の用事を思い出したし、ちょっとそっちに行くわ、ごめんな、クーガ、補足役やってやれなくて、んじゃなー。」
「え、ちょっと待て、お前それじゃ―」
動き出したら一瞬、まるで神風のようにセイムは会議室から出ていった。
わからない事があったら俺様がわかりやすく解説してやるよと言って付いてきた癖にそれはあまりに無責任では無いだろうか…あんにゃろう…。
そんなわけでセイムは会議室から退場した。
少しの間、気まずい雰囲気が流れる。
カタリナはそれを見送り大きなため息をついて、
「さてだ、邪魔者もいなくなった事だし話を進めるか・・・何処まで話したかな・・・。」
何事も無かったかのように説明を再開し始めた。
だが、その顔に凄い疲れの色が出ていた。おそらくはいつもこのような感じなのだろう。
「ディールダインがこのイアナーラの近くにあるってところまでかな・・・。」
そう言ってクーガは窓を開ける。
部屋にはカタリナの吸った煙草の煙と匂いが充満し流石に気持ち悪くなってきたからだ。
「ああ、そうだった、そうだった。」
そう相槌を打ちながらカタリナは新しい煙草を取り出そうとするが、煙草を切らしたことに気づきそれにため息をする。
彼女にとっては煙草は精神安定剤のようなものなんだろうなとクーガは理解した。
「さて、本題にはいるかな、今回シャドウミラージュがこの地に送り込まれたのは陽動の為だ。」
「陽動?ディールダインの採掘がてっきり任務なのかと思っていたけれど・・・。」
「いや、ディールダインはの採掘は少々デリケートでな専門的な道具が必要なんだ。」
カタリナが肩をすくめて言う。
「それをするのがあんたの役目なんじゃないのか?」
「いーや、まあ、私はその仕事をする事も仕事のうちだけど今回の採掘に関しての技術者としては私は予備だ、国から他の専門家どもが派遣されている、現在も別働隊として国立鋼騎士団の護衛を引き連れて採掘作業をしている筈だよ。」
「ふむ、では陽動というのはその採掘班の方に妖魔達が向かわないようにする為、俺達が囮になって注意を引き付けるという事か?」
「ほう、結構ものわかりがいいじゃないじゃないか・・・。」
カタリナは三枚の資料を取り出し、クーガに渡した。
一つ目がこの周辺の地図が書かれているもの。
二つ目がこの一体の妖魔の分布表のようなもの、クリアになっており地図と重ねて使うもののようだ。
三つ目は妖魔の個体情報らしきものが載っているものだった。
「まず一つ目の資料はこの辺りの地図だ、当然の事ながら頭の中に叩き込んでおいてくれ、
 二つ目の資料はこの辺りの妖魔の分布量を示したものだな、三つ目はこの地に住むといわれる妖魔のブラックリストだ。
 さて、我々はディールダインを我が国内にも存在することを確認した。だが、問題はそのディールダインのある場所だ。」
792創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:17:51 ID:270f9Vxa
 
793創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:18:09 ID:XIK0CwBq
 
794シャドウミラージュ 3−2 2/7:2009/10/03(土) 22:19:02 ID:+YD7BYKL
「場所?」
「そう、ここから北東の方角にある深淵の森クロロスペッツゥナという場所だ。」
地図を取り出しそこをカタリナは指を差し、話を続ける。
「妖魔の生息の分布表があったろう?それと照らし合わせるとわかりやすいな。」
クーガは言われた分布表を取り出し、地図と重ねクロロスペッツゥナの位置と照らし合わせる。
「これは・・・。」
クーガはそれを地図を見て息を呑んだ。
分布表にはマーカーでその地域ごとに妖魔の生息数の予想地が書かれている。
マーカーで書かれた数値が大きい程その地に妖魔が多くいるという事だ。
基本的には地区ごとに大体50から多くて100とかかれることになる。
そして、そのクロロスペッツゥナにマーカで書かれた妖魔の予測生息数は1250と書かれていた。
「どうだ、見ればわかるだろう?そこは文字通り妖魔達の巣なんだ。」
「もしこれを全部倒せというのなら無理だな、俺達がちまちまやるより戦略兵器をぶち込んだ方が効果的だろう。
しっぺ返しの危険性もあるし、ディールダインごと吹っ飛ばしてしまう可能性もあるが。」
 いくら、シャドウミラージュが精鋭といえどもこの数の妖魔を相手にしては勝機が薄いのは明白だった。
「君の言う事も最もだろう、だが少しだけ安心していいのはこのクロロスペッツゥナの深部までいかずとも良いという事だ。
森に入って比較的浅い部分でもディールダインは採掘できる、ようはその部分だけの妖魔を取っ払えてしまえばOKだというわけだ。」
カタリナは口が寂しいのか近くにあった串のようなものを口に咥えた。
「あんた、せわしないな。」
その挙動を見てクーガが言った。
「正直、もっと多くの煙草を持ってくればよかったと後悔しているところだ。
煙草は良いぞ、お前も一服どうだ?んで、良ければ煙草を分けてもらえるとありがたいんだが…。」
「いや、俺そもそも吸わないし…。」
祖父にあんなもん毒でしか無いから吸うなと教え込まれて来た為、クーガは煙草とまったく縁が無い人間だった。
その素気ない返しにカタリナはしゅんと少し落ち込む。
「そうか…まあいい、話を続けよう、ならばクロロスペッツゥナの浅い部分の妖魔の数だけを減らす事が重要になってくる。
そこでするのが陽動、つまりクーガ、お前がさっき言った通りの我々が囮となって森にいる妖魔の注意をこちらに逸らしつつ数を減らす事だ。」
「でも、それっておかしくないか?数を減らすって言ったって森の妖魔がいなくなるなんて事はありえないわけだし、採掘隊の危険が無くなるなんて事じゃないか?」
そのクーガの疑問に、カタリナは笑って応える。
「まあ、当然だが国からよりすぐりの鋼騎士を4人ほど彼らの護衛につけている、そこら辺にいる下級妖魔なら相手にはならん程度には強い奴らだ。
我々はそいつらの負担の軽減も目的というわけだな。
まあ、今回はあそこにどれほどのディールダインが眠っているかというのを調べるのが主な作業だから、それでも良いというわけさ。」
国からよりすぐりの鋼騎士となるとDを持っているものかもしくは騎士団の上位騎士クラスがいるという事だ。
かつてクーガは国立騎士団に所属していた為、それらが束になればそこらの下級妖魔如きでは相手にならないほどの実力者だという事は把握していた。
「重要なのは今、スーサウ共和国が我々がディールダインを持っていないと高を括っているという事だ。
最終的にはディールダインの安定供給を望みたいが、今はそれを否定できる程度のディールダインを我々も持っているという事を奴らに示せれば良い。
スーサウの奴らからしても我々の技術は喉から手が出るほど欲しい筈だ。
だが、それを手に入れる為の交渉道具であるディールダインをこちらもそれなりの量を確保しているという事を示す事が出来れば、奴らは下手に出ざる負えなくなる。
というのがお偉いさん方の考えのようだ。」
「なるほど・・・期間はどれぐらいを想定しているんだ?」
「まあ、一月だ、採掘隊は1週間ごとに補給に戻ってくる。現在で既に15tのディールダインを回収した。
予定では1月で100tを回収したかったのだがね、出来るだけ危険の無いように安全な方法を取るとどうも効率的には採掘出来ないようだ。
今回は初めてだからな、まあこんなものだろう。」
カタリナは少し暗い顔をする。
一般的には鋼機一体に0.5tのディールダインが必要とされている。
つまり普通に鋼機を作るにもたかだか30機程度のものにしかならないという事だ。
1月でこれだけの労力を賭けてやっと15tとなるとカタリナが意気消沈するのも仕方無い話ではあった。
795創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:19:29 ID:270f9Vxa
 
796シャドウミラージュ 3−2 3/7:2009/10/03(土) 22:19:52 ID:+YD7BYKL
カタリナはため息をついて話を続ける。
「期間はあと一週間ほどだ、まあ、君の機体がこんな状況じゃあ、君の機体が修理し終わる頃にはもう君の出番も無いかもしれないな。」
「そうか・・・。」
クーガがここに来た事でやったことといえば半壊した鋼機の修理という手間を増やしただけだった。
つまりは増援で来た己は単に余計な手間をこさえて足を引っ張っただけという事になる。
これはクーガとしては非常に情けない話であり己を責めている点でもある。
「ああ、君はそんなに落ち込まなくてもいい、実のところ君は既に一定の戦果を上げているからね、もし自分を役立たずだとか思っているのならばそれは大きな間違いだ。」
「戦果を上げた?」
クーガにはその戦果の心当たりが無かった。
「お前が『名無し』で闘ったという妖魔の事だ、アレな、ここらじゃ一応、我々のブラックリストに載る程度に有名な妖魔だったんだ。」
『名無し』とは国に非公認で作られた集落の通称だ。
クーガは12日ほど前、このイアナーラに向かっていたクーガは鋼機を一緒に運んでいたトレーラーの故障した為、近くにあった『名無し』に修理パーの購入と長旅での休養の為、数日間そこで過ごす事になった。
その後、成り行きでクーガは町に巣食っていた妖魔と闘うことになったのだがその戦いの際、自身の鋼機であるスラッシュゲイルに大きなダメージを受けてしまった・・・。
「あいつそんなに凄い奴だったのか?」
カタリナを妖魔の個体情報が書かれた資料取り出し、これだと掌で叩いた。
「この三つ目の資料がこの地方での強力な力を持つとされる妖魔のリストだ。お前が倒した妖魔はグラスと名乗ったんだろう?」
「ああ、確かそんな名前だった筈だ。」
村にいたいかれた儀式の執行人が妖魔の事をグラス様と言っていたのをクーガは思い出しながら答えた。
「3枚目だ、『グラス』、クラスCの妖魔としてブラックリストに載っている奴だ。
その『名無し』の地区を支配していたと言われる妖魔だな、結構な数の舎弟もいたらしく、そのグラスの配下が今森から出てきて仇を取ろうと血眼になってお前を探しているようだよ。
お陰で森の妖魔は結構な数が森の外に出た、つまりはお前は役目を意図はしていなかっただろうがシャドウミラージュの目的を一つ果たしていたという事だ。
だからここでは誰もお前を責めたりするような奴はいない、その点に関しては安心してもらってもいい。
まあ、この部隊は能天気な奴が多いせいかそんなことせずとも歓迎してただろうがな。」
そんな事を言いながらカタリナはポケットの中に手を入れて中をさぐっていた。
おそらくはポケットの中に箱から落ちた煙草が無いか?と探しているのだろう。
そのため、クーガは慰めの言葉をかけられても余り説得力を感じることが出来ず、苦笑した。
クーガはその妖魔のブラックリストを眺める。
そこに一つ気になる妖魔の名前があった。
「一ついいか?」
「ああ、なんだ?」
ポケットの中からしなびた煙草をとりだしてカタリナはクーガの方に向いた。
「この――――」
クーガが質問を告げようとしたその時、乱暴に開けられた扉が壁にぶつかる音が会議室に響き渡った。
「カタリナ!!!」
扉を開けて入ってきた女は大声で上げて会議室に入ってくる。
女は赤い髪の長髪が特徴的で服装はローブのような布の白い服を着ていた。
年齢はおそらくは自分と同じ20代前後ぐらいではないだろうか…とクーガは見積もる。
「なんだ、ミナ、私は今、一応仕事中なんだがな・・・。」
「こっちも仕事の話、あんた、あたしのグレリーナにまた変なもん積んだだろ?」
慌ててこの会議室にやってきたようだ。
「変なもの?ああ、姿勢制御のプログラムで新しい奴が出来たのから全部の機体にいれとけと指示だしたかな。今度のは中々の自信作だったんだが駄目だったか?」
797創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:20:19 ID:270f9Vxa
 
798創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:20:22 ID:XIK0CwBq
 
799シャドウミラージュ 3−2 4/7:2009/10/03(土) 22:21:32 ID:+YD7BYKL

「全然良くない、姿勢が崩れると無理に制御をかけて姿勢を直そうとするから逆に動かしづらくなった!」
真顔でミナはそういった。
それを聞いてカタリナはため息を付き。
「あのな、それは倒れそうになった鋼機を機械側のがわざわざ補正をかけて立て直そうとしてくれているんであって――」
「だから、それがいらないんだって!!・・・って、あれ?あんたは誰?」
ミナがクーガに気づきカタリナに尋ねる。
「うーん、お節介好きの馬鹿者かな。」
クーガはとぼけて答えた。
「そいつがお前が大好きな男だ。」
見知らない人間がいきなり自分が好きだったとカタリナに告白されクーガは驚いた。
というもののクーガ・ラグナグは色恋沙汰は苦手である。
別に女性が苦手とかではないのだがどうもある人間と親交を持ってしまってから、そういった感情をクーガは抱くようになった。
だから内心、クーガは少々慌ていた。
そんなクーガをよそにミナは少し考えた仕草を見せて答える。
「あたしが好きな男?あー、えー、あー、ああ、そういう事か、という事はあんたがクーガ・ラグナグって事ね?」
「まあ、そうだが、俺が好きってどういう意味だ?」
カタリナがくくっと笑って言う。
「いや、こいつがお前の噂話をよくもってきてな、部隊の中でお前の噂を知らない人間はいないんだ。」
「噂?」
そういえばあの村にいた時、セイムが噂好きな奴がどうだのこうだのと言っていた気がする。
それが彼女だという事だろうか?
だが、自分に噂されるような事柄があるだろうかとクーガは考える。
「あるよなぁ…。」
半年ほど記憶を遡ってみたが、心当たりがあるような事柄ばかりである。
そしてその、思い当ったどれもがあまり言われて嬉しいような噂ではない事にクーガは落ち込んだ。
「その話はあとにして、先に本題ね。」
ミナがその話をさえぎって言う。
「つまりはさっさと元に戻せという事か?」
「そういうこと。」
ふむとカタリナは頷く。
「だがな、私も今、取り込み中でな、こいつ色々講釈してやらねばならんのだ、これは隊長からの正式な頼みで――」
「でもね―――」
ミナはカタリナの耳元でぼそぼそと呟く。
その後、カタリナは煙草の火を消して考え始めた。
クーガはそれに少し驚く、さきほどから煙草、煙草といっていた彼女がそれを忘れてまで熱中し考える事があったのだと…。
そんなカタリナの顔には少々の笑みが浮かんでいた。
「ふむ、ふむ、ふむ、クーガすまないが講釈の続きはまたの機会にしてもいいか?」
「ああ、別にいいが一体なんだ?」
「そう言ってもらえると助かる、ちょっとした野暮用・・・のようなものだ。」
カタリナからこれ以上聞いて欲しくないという顔をしていた為、クーガはそれ以上追求するのをやめた。
ミナはそれをくすっと笑って――
「まあ、この新入りが何か質問あればあたしが答えといてあげるから、行ってらっしゃいよ。」
「そうだな、じゃあ、あとは頼む。」
「りょーかい。」
800創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:21:57 ID:270f9Vxa
 
801シャドウミラージュ 3−2 5/7:2009/10/03(土) 22:25:58 ID:+YD7BYKL

そんなやり取りの後、カタリナは会議室から出て行った。
二人でそれを見送った後、ミナはクーガを値踏みするような目で見る。
「なんか気持ち悪いな、そういう目で見られるのは・・・一応、俺はまだあんたが誰だかすら知らないんだが・・・。」
そのクーガの発言にミナは忘れていたというような表情をする。
「ああ、ごめん、ごめん、あたしの名前はミナ、シャドウミラージュで鋼騎士をやってる、まあ、役としてはあんたと一緒だね。」
「さっきグレリーナとか言ってたが、それがあんたの機体か?」
「そそ、グレリーナっていう、型番はD―40。」
自慢気にミナはクーガに語る。
「D―40という事はかなり新しい型だな、という事はあんたも最近D型を受け取ったのか?」
クーガの乗る鋼機はD−42である。
D型と呼ばれる特殊な鋼機はワンオフ前提で開発されるがために型番分しか機体が存在しない。
言うなれば、D−42 スラッシュゲイルの二つ前に作られた鋼機という事になる為、製作時期が非常に近い機体という事になる。
「そういう事、一応、D―41は戦闘用じゃないから実質的にはカタリナの最新作という事になるね。」
「そういえばさっきカタリナにミナ・・・さんでいいのかな、ミナさんは何を言ったんだ?」
「ミナでいいよ、めんどくさい。他人行儀は嫌いなんだ。」
クーガはセイムと初めてあった時、呼び捨てで良いといったことを思い出す。
カタリナもそうだったが、ここではあまり敬称の類は好まれていないようだ。
「そうか、ミナ。」
ミナは満足したように言葉を返す。
「さて、あたしが何を言ったのか?だったよね、実はグレリーナはまだ未完成でね、一つだけ搭載される武装が足りてなかったんだ。」
「未完成?」
「そうそう、別に戦闘行動には何の問題は無いんだけれど、いわゆる隠し手って奴、切り札っていった方がわかりやすいのかな?
それがやっと完成したのが工場から届いてね。」
「ああ、なるほどカタリナはそれの取り付けに行ったのか。」
ならば別に自分への説明終わってからでも良かったんじゃないだろうか?とクーガは思った。
「あの人、自分の鋼機と煙草の事になると周りが見えなくなるからねぇ。まあ、あたしも早く搭載して欲しかったから呼びに来たんだけれど…。」
「へぇー。」
「しかしねー、あんたがあの、悪名高きクーガ・ラグナグかー、ちょっと信じられないなぁ、もっと変なやつだと思ってた。」
「どんな奴だと思っていたんだよ!」
「まあ、いいや、一度あんたと話してみたかったんだ。」
「俺と話してみたかった?」
そう疑問を返したクーガにミナは耳元にまで近寄って囁いた。
「あんた、ガチホモって本当?」
「へ?」
クーガはミナのその一言に気の抜けた返事をした。




ミナが会議室にやってきてから既に二時間ほどが経過していた。
ミナがしたかった話というのはいわゆる噂話の真偽の確認である。
なんでもクーガは王名を7年ぶりに受け取った人間という事であった噂からあらぬような噂まで色んな噂がたっているらしい。
王名とは王族からその人間をたたえるためにかつての王の名を字としてもらうことである。
これは星名に次ぐ名誉な字とされている。
だが、この王名には色々黒い噂が耐えない。
愚騎士ブラッドレイ・クライスなんてのがその良い例で実力も実績も無いのに王名を王家から授けられた事があった。
このときは大臣や武官達は王名を授ける事にほとんどが反対したのだという。
だが、結局のところ王名は王室がその与えられる者の偉業などを賞賛して与えるものであるがために、最終的な決定権は王室側にある。
そして王室側はそれを駆使し押し切った。
よって、当時、回りから落ちこぼれと呼ばれていた騎士、ブラッドレイは王名持ちの仲間入りを果たしたのである。
当然ながら、何故、あんなどうしようもない騎士が・・・という風評が民衆に広まる。
そうして色々な噂が流れる事になる。


802創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:26:54 ID:270f9Vxa
 
803創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:26:56 ID:XIK0CwBq
 
804シャドウミラージュ 3−2 6/7:2009/10/03(土) 22:28:01 ID:+YD7BYKL
賄賂や、王室の弱みを握ったのだの、王族を人質にとったのだの流れた噂は根も葉もないモノであった。
王名の授与以降、彼が国益になることをしたのならば、このような噂は払拭されるものであっただろう。
だが、ブラッドレイは王名授与後も前と変わらず好き勝手に過ごしており国の為に何かを行ったなどという事は一つも無かった。
それどころか、彼一人のせいで国が傾きかけた事もあり、彼に恨みを持つ者も多く、王名というのは栄誉であると同時に忌むべき字になってしまっているのだ。
そのような出来事があった為、この王名という字には黒い噂が絶えない。
それ故にそれ以降、誰もがこの王名を受け取る事はなくなってしまった。
そんなわけでクーガ・ラグナグ、若干19歳にしてその名誉騎士という位と共に黒い噂が絶えない王名を得たという情報が出たときはスーサウ全土の人間が驚いたものだった。
しかも、ただの王名では無い、かの名君、武聖王ラグナグの名前を授けられたという一大事だ。
無名の騎士がいきなり名誉騎士に?それにあの王名を授与された?
一体どんな手段で!
まるで、ブラッドレイ・クライスの再来を思わせるそれは様々な噂が立つにたる出来事であった。
ある人は、彼は名家の出身だったがあまりの無能な為、字が貰える可能性が無かった、それゆえに賄賂で彼に称号を与えたという。
ある人は、彼は本当に実力者であり、先見の目を持った王家が彼に授けた称号だったという。
他には妖魔を5世代遅れのS型鋼機で単機で倒したとか、王国の姫君を誘拐して王名を要求したとか、
実は宇宙生物ガンダーの生まれ変わりとか、筋肉質のガチホモでイングラ王に男の色を教えて気に入れられたとか、
俺がガン○ムだとか、まあ根も葉もある噂から無い噂、意味不明な噂までより取り見取りであった。
この話を聞いている中、クーガはすぐにでも崖から飛び降りて死んでしまいたい衝動かられたのは語るまでも無い。
そして、ミナが知りたいのはこの真偽であった。
噂を集めるのが趣味といいつつも別にミナはその噂を鵜呑みにしているというわけでは無い。
彼女の興味は非常に単純で、その噂がどれほど真実と違っているのか?という点だった。
「まあ、なんというか誇張表現が酷いがいくつか事実は混ざってるな・・・。」
クーガはその噂の数々に苦悩するように頭を抱えたい気持ちになった。
そもそも目立つ事をあまり好まない彼からすれば噂の種になるという時点で面白い話では無いものだった。
それが今の話はどうだ?
自分が最も嫌うケースでは無いのか?
ああ、まったくをもって嫌になる。
「ええ!事実混ざってるの!!まさか本当にガチホモで・・・。」
ミナは驚愕、否、キラキラした瞳でクーガを見つめる。
クーガはその視線に慌てて叫んだ。
「俺を変態の仲間に入れるな!ていうかなんでそんな噂が立つ!誘拐した罪を被せられたことならあるが・・・。」
「うわ、それはそれで何気に衝撃発言かな・・・。」
「――もう嫌だ、この部隊・・・。」
そう嘆くクーガの肩をミナは慰めるように叩いた。
「まあ、いいよ、思ってたより面白い奴みたいだしね、あんた。」
「それは喜んで良い話なのか・・・・・・。」
クーガは飽きれるように呟く。
「まあ、王名って基本的にろくな奴が持たないって印象があるからなぁー、あんたもその類だと思ってた。
だから驚いたよ、こんな最前線に立つような部隊に配属希望するなんて・・・。」
王名が良い風に思われていないという噂はクーガも知っていたのだが、ここまで人におかしな先入感を与えるものだと自覚しクーガは脱力する。
そもそもこの王名、クーガが望んで得たものでは無く、半ば無理矢理受け取らされたようなものなのだ…。
「あ、へコんでる、へコんでる。」
その反応を見て面白そうにミナは笑う。
805創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:28:20 ID:XIK0CwBq
 
806シャドウミラージュ 3−2 7/7:2009/10/03(土) 22:28:56 ID:+YD7BYKL
「大した用無いのならもう帰っていいか、ちょっと長話が続いて俺もくたくたなんだよ。」
苦笑しつつクーガは言った。
嘘は無かった。
何せこの2時間半ほどずっと講話をしていたのだ。
この際、半分が雑談だったという事は・・・まあ、忘れた事にして・・・疲れているというのは事実ではあった。
そんなクーガを見て、ミナは少し考えるようにしてから、
「うーん、じゃあ、最期に一つだけ、うん、これだけはどうしても聞いておきたかったんだ。」
「なんだ・・・?」
クーガは少々呆れた風な素振りをする。
だが、それに構わずミナは最期の問いをかける。
これだけはなんとしても聞いておかなければならなかったからだ。
「あなたがゼス・ブラックスターを殺したというのは本当?」
クーガの顔が強張る。
先ほどまであったある種の気の抜けた雰囲気ではなく、その会議室という空間が即座に殺伐とした空気に包まれた。
そして、この部屋に充満する異様な空気を作り出したのは間違いなくクーガだ、そしてそうなる原因は今、己が踏んだ地雷にあるのだとミナは直感的に確信した。
「いいよ、ありがとう、その顔で十分答えになった。」
ミナはそう答える。
「――そうか、じゃあ、俺は休む事にするよ。」
そう言ってクーガは部屋から出て行こうと席を立った。
そのクーガの後姿に向けて、
「クーガ、一つだけ忠告しておくよ、仲間内でそんな殺気を出されたら困る・・・いかなる理由があろうともだ、妖魔は恐ろしいほど気配に敏感なモノもいる。
信じられないだろうが、鋼機の中にいてもそれを察知するとんでもない奴もいるんだ、今のお前はそんな奴らに見つけてくださいといっているようなものだ。
実戦ではそんな癇癪を絶対に起こすなよ。」
と真剣な眼差しでミナは言った。
その視線、その一言を受けて、クーガは軽く自嘲気味に背中で笑う。
「ああ、肝に銘じておくよ。」
そういって、クーガは会議室から出て行った。
「はぁー・・・殺されるかと思った…また変なのが入ってきたもんだ・・・。」
ミナが床にペタリと腰を落としたのはその後だった。







 【3−3へ続く】
807創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:30:07 ID:XIK0CwBq
808創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:32:31 ID:XIK0CwBq
すまんageちまった。ちょっとツクヨミさんと睨めっこしてくるorz
809 ◆klsLRI0upQ :2009/10/03(土) 22:41:21 ID:+YD7BYKL
で大体説明編終了〜という感じです
わからないことあったらどしどし聞いてください(´・ω・‘)
というか読みなおしてミスタイプ多くて泣いた、何回も読みなおしたけれど、まだあるかと思うとgkbrです
次回は問題提起になる予定です

Q&A
Q:字ってなーに?
A:名字は称号という扱いになっています。設定集から持ってくるとこんな感じです

 【氏名】

 イングラ王国では苗字(字と書く場合のが多い)は称号である。
 故に名は持つが氏は持たないものが多い。
 氏を持つものはそれだけでも大きな尊敬羨望の目で見られることになる。
 また字にも色々な種類があり、星名、王名、国名、武器名、商名、工名、学名、芸名、司名、武名などがある。(他にも色々)
 名前からどういう人に送られるのか大体予想つくと思うからわかりづらそうなのだけ説明すると 

 国名 王族を示す字。

 星名 何かの偉業を成し遂げた際に送られる最大の名誉。
     シャドウミラージュ時点では3名しかいない。

 王名 作中で説明があったとおり、王室から送られる特殊な字。
    元々は名誉の称号であり、今も本来は大変名誉なのだが、
    ブラッドレイ・クライスと呼ばれる男がその名を忌むべき者の名としてしまった。
810創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 23:05:38 ID:270f9Vxa
投下乙です

字のシステム面白いねぇ
キャラの背景や性格が名前一つで際立ってる

結果、クーガさんはウホッ疑惑という不名誉なことになってるけどw
811創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 23:18:28 ID:XIK0CwBq
>>809
投下乙です!
セイムwww空気読めwww
ミナは悪気はなかったんだろうけど、地雷踏み抜いてしまったw
害悪の象徴みたいに受け取られてしまってるんですな>王名
クーガの過去も気になりますねー。



しかし睨めっこは心臓に悪い
812創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 23:21:18 ID:270f9Vxa
>>811
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵。∴∵
∴∵∴∵:。∴∵∴∵∴: --─- ∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵゜∴∵∴∵∴∵  (__ )(__ )  ∵。∴∵∴∵ ゜
∴∵∴∵∴:∵∴∵_ i/ = =ヽi ∴∵∴∵。∴∵∴
∴∵☆彡∴∵∵ //[||    」   ||] ∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵ / ヘ | |  ___,ヽ | | ∴:∵∴∵∴∵:∴∵
∴゚∴∵∴∵ /ヽ ノ    ヽ__./  ∴∵∴∵:∴∵∴∵
∴∵∴∵  く  /     三三三∠⌒> ∴:∵∴∵:∴∵
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵
   ∧∧   ∧∧  ∧∧   ∧∧
  (   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ 無茶しやがって・・・
   i⌒ /   i⌒ /  i⌒ /   i⌒ /
   三  |  三  |  三  |  三  |
   ∪ ∪  ∪ ∪ ∪ ∪  ∪ ∪
  三三   三三  三三  三三
813 ◆n41r8f8dTs :2009/10/03(土) 23:26:06 ID:bYOSHkDA
あぁ……俺も今日投下無理かもorz散々予告出しておいて本当に申し訳ない
明日は確実に投下できると思う。本当にすまない
>>809
投下乙です!一段落ついたら読みますね―
814創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 23:50:39 ID:+YD7BYKL
>>810
ウホッ疑惑とか言われて仕方が無いことはしてるかもなー
本人はウホッの気はまったくないですが


>>811
セイム先生は空気を読む事が出来ないのです><
たぶん、最後まで…
815創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 00:00:07 ID:xRQOx42R
>>587
1日でレスがかなり遠くなってしまったw 遅レスですんません

>どう返答していいのか分かりませんです
困惑させてしまったようで申し訳ないです

オマケ編も読ませて頂きました
雑多な区画って好きだなぁ。錆びた鉄骨良いよ、綱渡し路地良いよ

DS、引き続き期待しつつお待ちさせて頂きますわー
816創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 01:37:40 ID:xRQOx42R
>>814
>ウホッ疑惑とか言われて仕方が無いことはしてるかもなー
クーガさんなかなかに複雑な過去がある(前作のストーリー?)っぽいし
気になりますな
817創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 02:07:23 ID:srq4YqeN
>>816
前作というより時系列的に前にあった物語というべきでしょうか(正直、プロットぐらいしか作ってないので)
一応、その時に作った物語の分がクーガには背負わされているのでバックボーンは結構豊富になっています
何があったのか?というのは続きを書く事があれば、追々明らかになっていくかと

実はこの同一世界で3つぐらいお話を考えてありまして
まずこういう話がやりたいという本命的な物語が一つ
そしてせっかくこんだけ世界作ったんだからこの世界で短い物語を考えてみようというのが一つ
んでこれを膨らませるともっと面白そうな物語が作れそうなんじゃないかという感じに考えたのがシャドウミラージュです
というわけでシャドウミラージュで使わない所まで設定があります、というかそっちのが多いです


本命はもう御倉入りしそうな勢いだったりはするんですがw
818GEARS 第ニ話 1/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:07:24 ID:olV3G2oz
統合歴329年5月25日

守屋がギアスタジアムで初めて見るギアに見惚れているのもお構いなしに
副部長である三笠慶(ミカサ ケイ)の駆るスポーツギア・クランが専用装備のハルバートを振りかぶりながら
部長、加賀谷望(カガヤ ノゾム)のスポーツギア・スカーレットに肉迫する。

重装甲でありながらスポーツギアとしては破格の出力を誇るクランに対し
機動力と追従性に特化したスカーレットは、クランの怒涛の一撃を容易く避ける。

この程度で捉える事の出来る相手では無い事くらい承知しているのだろう。
三笠は避けられた事に対して、何の感想も抱かず機体を反転させ、次の攻撃プログラムを入力。
ショルダーアーマーに装着されたランスを左手に装備し、スカーレットに穂先を向け、機体とランスのブースターを起動。
これで重装ギアでも高い機動力を発揮する事が出来る。
とは言え、所詮は重装型。高機動型を圧倒出来る程の機動力では無い。
少なくとも加賀谷にとっては回避に専念すれば、避け続けるのも大して難しい攻撃では無かった。
しかし、三笠も上手いもので本体と武器のブースターを巧みに操り、じわじわと加賀谷に追い縋る。

反撃に移ろうにも何せ相手は重装型だ。生半可な攻撃は通用しない。逆に三笠に隙を見せるだけだ。
必殺の間合いを見極め、一呼吸で仕留めなければ此方がやられてしまう。

三笠が新たに用意した攻撃プログラムのパターンもある程度、見切れて来た。
そろそろ、反撃に移る用意をしなければ…闘牛士の様な軽業でクランの攻撃を往なし背中を叩き斬る!!

不発。ランスに内臓されたブースターは可動範囲が非常に広い。
戦闘プログラムに頼らずとも、適当にランスが可動するようなモーションプログラムを発動させれば
変則的なマニューバを行う事が出来る。
しかし、ランス内臓ブースターとクラン本体の背面ブースター二基の推進エネルギーに曝されたクランの
左腕に無視出来ないレベルの負担が掛かっている。
何度もこんな回避運動は取れない。矢張り、加賀谷に攻撃の隙を与えてはならない。

三笠はクランの背面ブースターと、ランスの内臓ブースターで機体を大きく跳躍させた。
最大高度に到達すると新たな戦闘プログラムを発動させた。
クランは構えを取り、ランスをスカーレットに向かって投擲した。
高出力のクランが放つエネルギー、ランス自体に内臓されたブースターの推進エネルギー。
当たり所が悪ければ大惨事になる程の必殺の威力を持つであろう事は誰の目にも明らかだ。

加賀谷はスカーレットの腰部にマウントされたソードライフルを構えた。
迫り来るランスに向かって、3発撃ち込むがあの勢いだ。流石に撃ち落とすのは現実的では無い。
回避運動は?既に手遅れだ。この攻撃を発動前に潰す。または退避出来なかった時点で不可能だ。
819GEARS 第ニ話 2/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:08:07 ID:olV3G2oz
この場に留まった状態でロケットランスを無力化する方が、まだ分がある。
加賀谷はソードライフルを正眼に構え、砲弾を只管、ランスに撃ち込む。
そして、ロケットランスがスカーレットを貫こうとした瞬間、砲弾がランスの軌道に歪みを起こした。
勢いがあるからこそ、適切な部位に適切な力を加えれば簡単に崩れ去る。
目で見て分かる程の歪みならば対応は容易い。正眼に構えたソードライフルを、其の侭ランスに叩き付ける。
加賀谷の目論見通り勢いを殺されたランスは素直に地に堕ちてくれた。

三笠はまだ慌てない。高高度から投擲したロケットランスで倒れてくれるのならば、それで良し。
だが、この程度で加賀谷を倒せるなんて思う程、見縊っていない。此処までがフェイントみたいなものだ。

加賀谷の意識がロケットランスに向いている今こそが遂に訪れた必殺のチャンスだ。
機体の全エネルギーを全て背面部のブースターに回す。
持てる手は使い尽くした。この攻撃が不発に終わっても仕切り直しは無理だ。
だから、ここまで来たら後先を考える必要が無い。
ハルバードを両手に持ち替え上段に構え、スカーレット目掛けて突撃する。

いくら加賀谷とは言え、これは対応出来まい!この勝負、俺の勝ちだ!

後一瞬でハルバートの有効射程距離。三笠は勝利を確信した。
これが他の部員なら、確実に三笠の勝利なのだろう。
加賀谷にとっても一撃必殺の好機が訪れている事を三笠は気付いていなかった。

「的がデカイと狙い易い。」

クランが勢いよくハルバードを振り下ろした結果…背面ブースターが正面からでも見えていた。
だから、ただの一撃。たったの一撃。ただ一度だけトリガーを引くだけ。

ソードライフルから吐き出された砲弾はブースターに突き刺さり、小気味の良い音を立て動きを止めた。
ブースター一基で重装ギアの姿勢制御など出来る筈も無く、スカーレットから明後日の方向へ
何も無い地面にハルバードの一撃を見舞った。
更に二基のブースターが健在である事を前提に組まれた攻撃プログラムは
ブースターが片方停止している事などお構いなしの動きを取ろうとする。
慌てて、動きを修正しようとするが間に合う筈も無く、満足な着地姿勢も取れず地面に叩き付けられた。

「勝負あったな。」

「こ、このヤロー…また俺の負けかよ!」

特に目立ったダメージも受けずに鮮やかに勝利した加賀谷であったが
悔しがっている三笠の様子を見て少し驚いていた。

「あれだけ派手に墜落したのに元気そうだな。
腕は兎も角、身体の頑丈さだけはレベルアップしているじゃないか。」

「チッ…厭味かよ。」

「勝者の余裕って奴だな。」
820GEARS 第ニ話 3/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:08:48 ID:olV3G2oz
目の前で繰り広げられた鋼の巨人の戦いは、ただただ圧巻としか言い様が無く
守屋は呆然とする事しか出来なかった。

これが出来の良い玩具だって?冗談じゃないぞ、クソ親父…

元々、スポーツギアに興味はあったが、初めて見るギア戦に完全に心を奪われてしまった。
間近でギアの戦いを見る為だけにスポンサー契約をする連中の事を
酔狂で馬鹿な連中だと思っていたが、心の中でそれを撤回した。

目の当たりにしたからこそ分かる。コレはそういうものなのだと。

霧坂は呆然としている守屋を横目で見て、ほくそ笑んだ。

(堕ちたな。)

興奮冷めやらぬ内にスカーレットの外部スピーカーが鳴り響く。

『霧坂、新入部員を連れて来たのか?』

「転校生の守屋一刀君でーす。見学希望って事だったんで連れて来ましたー!」

スカーレットの集音目標が霧坂になっていた為、小声で喋っても聞き取れるのだが
霧坂が叫び声をあげた為、スカーレットのコクピット内で霧坂の叫び声が何倍にも増幅され鳴り響いた。
耳や鼻から出て来ては不味いモノが噴出しそうになるが、気分を害するわけでも無く、コクピットから叫び返す。

『そうか!でかしたぞ!』

ただ五月蝿いだけで、意趣返しにもならないだろう。
それよりも、こんな早くに守屋一刀を連れて来てくれた事を素直に喜んでいた。

加賀谷はギアを守屋達の傍に移動させ、コクピットハッチを開きギアから降りた。
丸い銀縁眼鏡に綺麗に切り揃えられた頭髪…加賀谷の容貌は所謂、優等生という奴で
守屋には、あの激闘を征したした男とは到底、信じられなかった。

「君が守屋一刀か。スポーツギア部、部長の加賀谷望だ。宜しくな。」

「宜しくお願いします。…と言っても、入部するか如何かは別問題ですよ?」

(無理しちゃって、もう…入部する気満々の癖に。)

それにしても偶然とは言え、二人が実機訓練の最中で好都合だったとも思っていた。
二足歩行のロボットが、派手に動き回って戦うのだから、その魅力に取り付かれるのは当然だ。
女の私でも、そうなのだから男なら尚更の事だろう。何よりもアレコレと懐柔する手間が省けた。

「二人とも、こっちに来てくれ。良い物を見せてやろう。」

加賀屋は二人を促し、レギュラー陣が使っているギア格納庫とは別の格納庫へ向かって歩き出した。
霧坂は思い当たる節があったのか、顔を輝かせた。

「良い物ってアレですか!?」

「アレって?」

加賀屋は慌てて、霧坂を制止した。

「待て!此処でバラすな!口で言うよりも直接見せて驚かせる方が面白い!」

霧坂は仕方の無い人だと思ったが、加賀谷が言う事も尤もだと思い、口を噤んだ。
821GEARS 第ニ話 4/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:09:29 ID:olV3G2oz
加賀谷は二人を格納庫に招き入れ、格納庫のスポットライトのスイッチを入れた。

スポットライトは一機のスポーツギアを照らした。
極端に大きな腕部と脚部持つが、重装型と言う訳でも無い。
肩部と腰部には装甲が無く防御力が高そうには見えない。
だが、間接の可動範囲は非常に広そうだ。

「あれ…このギア…」

「気付いたか?」

そう、この使われている形跡の全く無いギアにはブースターとスラスターが無い。
走る、跳躍は出来るだろうがこれでは滞空性能と機動力は無いに等しい。

「MCI搭載ギア、アイリス・ジョーカー」

Motion Link Control Interface 略称MCI
搭乗者の動作を、ギアに反映させるコントロールシステムで
高い身体能力を要求されるが、ただ動かすだけならば通常のギアよりも容易で
新たな選手層を獲得する為にスポーツギア用に再開発されたのである。

ただ動かすだけならば容易ではあるが、大会出場レベルとなると並の身体能力では
容易く返り討ちに遭ってしまう。そして、ギア部の部員は総じて身体能力は並以下なのだ。
態々、スポンサーが高い金を出して容易した最新システムを導入した新型ギアは
陽の目を浴びる事も無く、予備格納庫で埃を被っていたと言う訳だ。

「と言うわけでな。入部するなら即レギュラー入りで、君の専属ギアにアイリス・ジョーカーを預けよう。
ついでにMCI対応訓練シミュレーターの独占使用権のおまけ付だ。こんなお買い得商品他には無いぞ?」

「一応、今回は見学って事なんですが…」

とは言うものの、既に気持ちは固まっている。新型ギアの専属選手となれば入部する他無いと思っていた。
ある意味、意地みたいなものだ。霧坂に勧誘して来たクラブには入部しないと言った手前、素直に入部するのは
何と無く、負けた気分で良くないのだ。何がと言われても困るが、兎に角良くない。

「急いで返事が欲しいわけでも無いし、強要するわけでも無い。ゆっくり考えてくれ。」

「じゃあ、入部するか如何かは一先ず置いといて…ちょっと乗ってみない?」

何て魅力的な…いや、滅茶苦茶な事を言い出すんだ、この女は。
いきなり部外者に乗せるのは流石に色々と不味いだろう。

「そうだな。良かったら乗ってみるか?」

そんな、あっさりと了承されても…良いのか?乗るぞ?寧ろ、乗りたい。

「良いんですか?」

社交辞令で一応、聞いておくが、心の中では何でも良いから、さっさと乗せろと地団駄踏んでいるのは内緒だ。

「現時点では君以外に任せられる生徒が居ないからな。君が乗らないなら、アイリス・ジョーカーもただの置物に過ぎない。
万が一、大破する事になったとしても誰も君を咎めはせんよ。その辺はスポンサーも了承している。」

となれば乗るしかあるまい?
822GEARS 第ニ話 5/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:10:57 ID:olV3G2oz
慣れない浮遊感と振動に戸惑いつつ、ゆっくりと格納庫から歩み出た。
成る程。搭乗者の動きを、そのまま機体に反映させるという操縦システムだが思いの他、面白い。
確かに、ただ動かすだけならば簡単だし、誰にでも出来るだろう。
だが、スポーツギアの醍醐味であるバトルとなると、如何だろう?
折角だし、レギュラー陣に軽く手合わせを頼もうかと思案していると見慣れないギアがスタジアムに現れた。

「7機目のギア?八坂はどれだけ金持ってるんだよ…」

遂、独り言を漏らしていると、霧坂から通信が入った。

「守屋君、下がって!八坂のギアじゃない!先輩達に出てもらうから!!」

普段の飄々として厚かましい態度は見る影も無い。
全然、親しい間柄では無いが、霧坂の焦った様子に新鮮さを感じていた。

何はともあれ、ギア戦に関しては超が付く程のド素人だ。
アイリス・ジョーカーに内臓された武器がどんなものなのかすら知らない。
この場は大人しく引き下がろうと後退しようとするが、侵入者がそれを許す筈も無く
両手首に内臓されたハンドガンを発砲しながら、ブースターを吹かし距離を詰めてくる。
反射的に両腕で身体を庇ったお陰でアイリス・ジョーカーも防御姿勢を取ってくれた。
極端に大きな両腕が盾の代わりになり深刻なダメージを受けずに済んだ。

「相手は違法ギア……だったら、此方を逃がしてくれる道理なんて無いよな。」

後退を諦め、交戦する覚悟を決めた。
幸い敵も格闘戦をお望みのようだ。
ならば、下手に距離を取られて飛び道具で攻撃されるより勝機がある。
それに、今の防御である程度、戦い方も理解した。いつも通りにやれば良い。

「霧坂。逃げられそうにない。殺されない程度に交戦するから早く先輩達を!」

「わ、分かった!死なないでよ!?」

こんな所で死んでたまるかと思いつつ拳を構える。
違法ギアはアイリス・ジョーカーに飛び蹴りを放ちつつ、ダガーを引き抜く。
ブースターの推力が乗った飛び蹴りを左腕で打ち払う。思った通りだ。何一つとして難しい事は無い。
躊躇い一つ無く反撃に意識を切り替える。打ち払った左腕を翻し、違法ギアに叩き込もうとする。
だが、左腕は甲高い異音を発し、紫電を発した。

(どうなった?)

守屋の切り返しが早すぎて、アイリス・ジョーカーの限界追従速度を越えている。
そして、守屋はそれを理解しておらず無理矢理、追従させようとした為、半ば自爆に近い形で左腕を破損させてしまった。

(まるで自分の身体じゃないみたいだ…ジョーカーの癖に合わせろって事か…)

動作が1テンポ遅れる。追従して欲しい時には無反応な癖に、如何でも良い動きには追従してくれる。
敵に何かされたわけでも無いのにバランスを崩し転倒しかける。
戦闘中にそんな無様が出来るかと丹田に力を込め必死に踏ん張る。
如何にか持ち直したが、時既に遅し。
違法ギアのダガーがアイリス・ジョーカーの頭部に叩き落とされようとしていた。

誰も咎めはせんよ。加賀谷の言葉をふと思い出す。だからと言って、分かりました。と言うわけにもいかない。
幼少の頃から戦闘技術を叩き込まれておきながら、肝心な場面で遅れを取って、屈しろと?
12年間、戦闘技能を叩き込まれて来たのは何だったんだ?こんな無様、他人が許しても俺自身が許さん。
823創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 02:11:29 ID:gcn+6CSP
しえん
824GEARS 第ニ話 5/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:13:25 ID:olV3G2oz
身体を沈め、斬撃を避けるが相手も素人では無いのだろう。
攻撃が避けられたからと言って、慌てるわけでも無く次の攻撃に繋げて来る。

(腕にせよ、脚にせよ、振り回せば機体が持っていかれてしまう。
その度に姿勢制御に気を取られていては敵に付け入る隙を与えてしまう。ならば…)

違法ギアの右腕をダガー毎、撃ち払おうとするが紙一重の所で避けられる。

「馬鹿が!」

違法ギアの操縦者の声が聞こえた。こちらの声が届くかどうかは知らないが、短く返した。

「自覚している。」

機体を引っ張ろうとする右腕に逆らわず、その勢いを利用し機体を反転させ、回し蹴りを放つ。
アイリス・ジョーカーが転倒しかけると決め付けていた違法ギアは完全に油断していたのだろう。
避けようともせず、ダガーを構えていた違法ギアの頭部にアイリス・ジョーカーの
アンバランスな脚部がめり込み地面に叩き付けられ違法ギアは煙を吹き、沈黙した。

「戦闘不能…?俺が勝ったのか?」

初の実戦で辛くも勝利を納めたが余韻に浸ったり、呆けている暇は無い。
ギア戦で勝利を収める事は出来た。次は中の搭乗者だ。
大人しく出てきて拘束されてくれるのなら良いが、あまりにも現実的では無い。
コクピットハッチをもぎ取り、搭乗者を引きずり出す方が安全でてっとり早いか。
だが、守屋がハッチをこじ開けるよりも早く、搭乗者が出て来た。

「思いの他、諦めが早いな…」

「くっ…はははははははッ!!」

搭乗者は守屋達と同じく、倭国系の顔立ちをしており、年の頃も守屋と同じくらいのモヒカン男だった。
いきなり沸いて出て来て、好き勝手暴れて敗北しておきながら、何故かアイリス・ジョーカーを指差し爆笑している。

「何が可笑しい?」

「これが笑わずにいられるかよ!高性能なMCI搭載機を使って、SCI機を倒すのが精一杯ってか!?
てんで、話にならねぇじゃねーか!八坂はよぉ!!今年の地区大会は俺達、宋銭高校の勝ちだな!!」
成る程、違法ギアでは無く、ただの頭が不自由な他校生らしい。

「今日初めてギアに乗った奴にボロ負けてしておいて、何を言っているんだ?
負け惜しみにすらなっていないし、そもそも、俺は部員じゃない。」

違法ギアじゃ無かったと言う安堵と、目の前のモヒカン男の馬鹿らしさのせいで思わず溜息が出る。
だが、モヒカン男にとっては溜息どころじゃない。見る見るうちにか男が真っ青になっていく。

「ぶ、部員じゃないだと…?」

「その通り!!彼はスポーツギア部見学中の一般生徒だ!!」

いつから居たのか、加賀谷が戻って来ていた。寧ろ、最初から登場するタイミングを伺っていた。
漸く回って来た出番だ。加賀谷は更に言葉を続ける。

「お前達、宋銭高校スポーツギア部の永久活動停止にお前の退学。
これでも、まだ足りんくらいだ。ギア乗りが一般人に手を出したのだからな…懲役5年くらいは覚悟するのだな!!」

と言っても、加賀屋は大きな問題にするつもりは無い。ただでさえ近場にギア部のある高校が限られているのに
対人戦の経験を積む機会を潰すような事は出来ない。宋銭に借りを作る事が出来た上に守屋の素質も見極められた。
825創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 02:14:37 ID:RjtuxsDb
援護
826GEARS 第ニ話 7/7 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 02:18:56 ID:olV3G2oz
統合歴329年5月26日
守屋一刀は朝から憂鬱だった。まだ部外者だというのにギアに乗って戦闘。その上、他校のギアを工場送りになってしまった。
確かに悪いのは向こうだ。しかし、スポーツギアは非常に高価なスポーツ用品だ。
恐らく、全くのお咎め無しというわけにもいかないだろう。また一週間か二週間くらいの停学処分を受けるのでは…
そんな守屋の悩みなど霧坂にとっては知った事では無いわけで、守屋の机の上に入部届を景気良く叩きつけた。

「ねえ、昨日の戦闘を見て思ったんだけど、正式に入部する気…無いかな?」

やたらと厚かましい態度で入部届けを叩き付けた癖に、なんで誘い文句の時はそんなにしおらしいんだよ。
思わず心の中で霧坂に突っ込みを入れた。口で言っても、ロクな回答を貰える筈が無い。

「ツンデレと同じよ。男らしさと女らしさのギャップ。どーよ?萌えた?」

「悪い。本当に意味が分からないし、分かりたくも無い。そして、人の心を読むな。気味が悪い。」

「心を読むも何も守屋君って単純だからねぇ…色々と分かり易いんだよね。」

霧坂はそう言って、ケタケタと笑い出した。
単純に輪をかけたような奴に単純と言われた上に笑われてしまった。しかも、正解なのが非常にムカつく。

「もう一個、守屋君の考えている事当ててあげよっか?」

どうせ、愚にも付かないような事しか言わないだろ。

「昨日の事件、お互いにとって都合が悪いから大人の事情により揉み消されました。
よって、守屋君にペナルティは一切ありません。これで少しは安心した?」

「はっ!?」

「へっへー!またまた大正解。気味が悪いとか思わず褒めて褒めてー!」

どれもこれも大正解。気味が悪いのを通り越して閉口し入部届けにサインを書いて、霧坂に渡す事しか出来なかった。

「ほら、これで良いんだろ?」

霧坂は入部届けを受け取り、満面の笑みを浮かべた。

「うん。大変、よく出来ました。これが今、一番欲しかった物。女の子の欲しい物が分かる男はモテるよ。
勿論、分かった上で行動してくれたらの話だけどね?ま、その点、守屋君は合格かな。」

人の机に叩きつける程、ねだっておいて何を言うか。
ま、別に良いか。やれやれと肩を竦めて、霧坂の笑顔に負けないくらいの笑顔で言ってやった。

「改めて宜しくな。霧坂。」

すると霧坂は恐ろしい程の邪悪な笑顔で返事をした。

「こちらこそ。で、この封筒の中に婚姻届が入っているから一筆頂ければ
不束者ですが、宜しくお願い致します。って事になるんだけど、如何する?」

ああ、そうだった。霧坂を相手に真面目にやっても馬鹿を見るだけだって事をすっかり忘れていた。
コイツは…コレはそーゆーモノなんだと自分に言い聞かせて接するくらいで丁度良い。
これから卒業まで、こんなテンションでこんな変わり者とやっていかなきゃならない。
そう思うと、実に辟易した。眩暈もする。ついでに頭痛もする。
827創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 03:02:36 ID:xRQOx42R
>>826
7/7ってことはここまでかな
投下乙です

バトルの駆け引きが熱いなぁ

スポーツ物らしく快活溌剌としたノリだねー
変態度(と、最近は若干の鬱度)高めのロボスレにあって、一服の清涼剤の役を果たしてくれてる予感がw
それにしても霧坂はアッパーテンションがだだ漏れだw

>>817
>前作というより時系列的に前にあった物語というべきでしょうか(正直、プロットぐらいしか作ってないので)
なるほど
あとがきにチロッと書いてあったのは、そういったものだったんですな
キャラにも世界にもその分の厚みがあるねぇ
828 ◆B21/XLSjhE :2009/10/04(日) 03:52:23 ID:olV3G2oz
>>827

おさる回避の為、終了報告が出来ずに申し訳無いです。

霧坂はプロットの段階では少しズレているってだけの子だったのですが
書いていたら、こうなってしまいました。罰として霧坂を変態にしてやろうかと思いますw
829創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 09:22:41 ID:Sxab0v5g
>>828
戦闘が熱いですなー。これはGJ!
主人公のポテンシャルが高そうなのもいいですなー
この機体で主人公がどう戦っていくのかが凄く楽しみです!

>霧坂を変態に
なん……だと……!?
変な娘は嫌いじゃあ、ないんだぜ?
つまりなにが言いたいかというと
「いいぞもっとやれ!」
……つまりは、そういうことだw
830創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 09:52:55 ID:XgbiSAwD
>>828
主人公才能あるなぁー。投下乙!
そして霧坂の性格に惚れた。
831ちゃんばら? ◆YHSi90Gnr2 :2009/10/04(日) 10:06:29 ID:Sxab0v5g
ところでこの前一斉に突っ込まれた部分を手直しして、
wiki収録時に直そうと思うんだけど、スリーサイズネタ引っ張った方がいいかな?
832創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 11:22:10 ID:Sxab0v5g
入れるとしたらこうなんですが

 恋人:学園に入学時から現在までは無し(それ以前は確認出来ず)
 身長:152cm 体重:44kg
 スリーサイズ:79:55:81
 「……おい?……最後の方のは何だ?」
 「これくらいの個人情報なら簡単に手に入るんだよ?……ってまぁ嘘だけど」
 因みにこれが参考資料ねー、とアイドル系サイトのアドレスを送ってくる光司
 「本当に、冗談だよな?」
 「ん?キョウスケ知りたいの?じゃあ5分待ってね」
 「待て」
 「はいはい、冗談はこれくらいにしとこうね−。んで……これが本命」
 京介の反応を無視して更に新しいメールが送られてくる。
833パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/04(日) 11:29:04 ID:n6n8ZIz/
 いぃぃぃぃやった――――! これでしばらくは自由だ――――!!

 っておお、wikiにイラストが載っているじゃないですか! 容量問題、解決したのかしら。
 ……あ。管理人さん、長目氏の作品一覧、ユト=シーゼンコードじゃなくてリタ・ベレッタですヨ。
834潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 11:40:20 ID:XgbiSAwD
なんでユト? そう思いつつ執筆中。マクロス聞いてると手が止まらない。
835創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 11:50:59 ID:Sxab0v5g
>>833
解放おめ!w

しかし俺日常パート下手だなぁorz
836創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 12:07:32 ID:n6n8ZIz/
>>834
 マクロスいいですよねー。自分の十八番ですw

>>835
 ありがとうございます!

>しかし俺日常パート下手だなぁorz
 会話しか書けない私のような奴もいる!
837潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 13:55:25 ID:XgbiSAwD
あぁ〜……後編が一万文字越えそうだ…
838創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 13:58:18 ID:xeBdduhc
うわぁーまだ作業おわんぬぇ―
もうちっとだけ待ってほしいんじゃ
>>837
支援挟めば大丈夫ですよ
自分のは1万7千字ですしw
839創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 14:04:12 ID:Sxab0v5g
>>837
>>838
支援しますよ!(OG音楽で作業しながら
840創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 15:30:06 ID:gcn+6CSP
>>833
あ〜〜〜〜
何でそんな謎のミスしたんだろうか
眠気が限界値の時に作業するもんじゃないね
841創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 16:44:47 ID:xeBdduhc
毎度毎度……出来るだけ早く書きたいのに書けないぜ
>>809
投下乙です!クーガが王名になった理由が事細やかに書かれて良いっすな―。まぁ俺がガ○ダムは困るなw
ここに新たなる良い男が誕生したか……冗談ですよw
>>826
投下乙っす!うおぉ、描写のスピード感がパネェ……!読んでて脳内でギアが縦横無尽に動きまくってますよw
主人公の守屋君とアイリス・ジョーカーの相性がとても良さそうですねw加賀谷さんが守屋君にどう影響を与えていくのを考えるの楽しみだなぁ

霧坂さんのノリの良さが可愛すぎる件

やっとドタバタしてたのが一段落つきそうです……何時かはわかりませんが、夜頃投下しますね
しっかし木原さんがこんなに重要人物になるとは俺自身も思わなかった
842創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:20:23 ID:Sxab0v5g
>>840
管理人さんいつも乙です!
作業は無理しない程度にw

>>841
ほほぅ、木原さんが……
もしその時いたら支援しますね
843潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:21:14 ID:XgbiSAwD
十一話後編が完成いたしました。今までの中で一番量が多いような気がしますが、投下します。
途中で規制食らって投下出来なくなったら時間を置いて投下ということで。
844潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:25:15 ID:XgbiSAwD
 『Diver's shell』


 十一話 「目標地点へ(後)」



 深夜になった。
 オヤジは大きな欠伸を一つ漏らすと、今だに降り続けている雨を見るべく視線を窓に向けた。カーテンの所為で見えないが、音と湿気で感じることは出来る。
 この状況でも人は眠くなるものなんかと呆れるものの、縛られたままですやすや寝息を立てているエリアーヌを見るとどうでもよくなってくる。しかも涙で酷い顔だ。
 二人は大丈夫だろうか。
 オヤジは地面に座ったまま考える。
 今自分を縛っているのは間違いなく、10年前にフローラを殺した連中であろう。電話をかけたとき喋っていた内容や、状況などからそう推測した。
 だが、何故今になってこんなことをするのかは分からない。なんで10年間も影も形も見えなかったのか。ユトとメリッサを殺さずにφ37遺跡に潜らせた理由もさっぱり分からない。
 オヤジを脅してここまで連れて来た女は、疲れた様子を見せるでも無く、椅子に座って銃の調整を行っている。それが終われば人員を周囲の警戒に当たらせ、自分も窓の外を窺う。

 「頼むぜフローラ……」

 オヤジは、今は亡き人物の顔を思い出しつつ呟くと、瞳を閉じて眠りにつこうとする。
 返事は無かった。
 あるとすれば言葉を発した報復として銃で殴られた程度だ。



845潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:26:24 ID:XgbiSAwD



 深夜にもなれば、体力気力共に減ってきて、疲労が顔や行動の一つ一つに出てくるようになる。
 コーヒー飲料で眠気を誤魔化し、栄養剤などで疲労を誤魔化して遺跡の奥へと進んでいた二人だが、流石に動きは鈍く、切れが無い。
 遺跡のどこかで安全な場所を見つけて休憩すべきかを考えてしまう自分を鞭で打ち、機体を動かし、情報に眼を通し、奥へと進む作業を続行する。
 ガードロボに何度出くわしたかは分からない。先手必勝、サーチアンドデストロイを擬人化したような勢いでブレードで斬りかかって破壊し、魚雷で吹き飛ばす。
 よくぞここまできたものだ。
 大きく口を開けて欠伸をしたユトは、魚雷ランチャーのマガジンから装填し、ブレードの損傷を確認すれば、そろりそろりと回廊を進んでいく。
 右脚スラスターの調子が悪い。バランスを崩さぬように回廊を進んでいけば、前方に見えてきたハッチの前で立ち止まる。
 ノックするように叩いてみると、今までくぐってきたのと比べて格段に軽い音がした。
 メインカメラでハッチを調べていく。ハッチの横にアクセス用の端末らしきものが見えた。だが、規格そのもの、方式そのものが違うのではお話にならない。強制的にこじ開けるしかない。
 ライトの光量を絞って後ろを見て、プラズマカッターを取り出してハッチに当てる。
 家一軒が優に通過できるほどのハッチに小さな穴が空き始めた。
 警告。
 赤い文字列がメリッサとユトに異常を知らせる。メリッサは背後に敵が居ると瞬時に判断した。

 「後ろッ!」
 「ちっ!」

 ブレードを一振り。
 背後から突進してきていた人型の接近戦機の一撃を横に逸らし、ハッチのぎりぎりまで後退する。プラズマカッターは地面に放り投げた。
 またV型だった。知り合いならいいがコイツは知り合いの中でも驚異的な破壊力を持った戦闘マシナリーなのだ。ユトはブレードを構え、警戒すると見せかけて一気に斬り込んだ。
 袈裟懸けの一撃。すかさずV型は防御のために両腕のブレードを交差させて受け止める。
 計算通り。攻撃を仕掛けると回避よりも防御をして、素早い反撃を与えてくるという行動パターンを、ユトはしっかりと記憶に刻んでいた。魚雷ランチャーを、V型が動くよりも前に構え、ネットを発射した。
 V型はかわさずに見事なまでにネットに絡められる。ユトはブレードでV型の胴体を串刺しにすると、横に引き倒した。
 動きは極めて作業的だ。速度こそ早いが、先手を決められるなら勝機はある。それが狭い空間ならなおさらだ。
 ブレードの損傷は大丈夫だろうか。V型の残骸が回廊の地面に沈んでから数秒と立たないうちにユトの思考はそっちの方向へと流れていく。脳内麻薬の分泌なのか、今見ている風景が映画を鑑賞しているように現実味が無い。
 精神的な疲労と、肉体的な疲労が、皮肉なことにも通常時よりも戦闘能力を引き上げてしまっているのだ。
 センサーが微細な反応を検知。ハッチを開ける作業が終わってないというのに、ガードロボが次々に出現してくる。
 数は4。物を運搬するためのドロイドで、球体に二本の腕を無理矢理溶接したような形状のソレが、遺跡の中の異物を排除せんとするために突撃してきた。
 距離、中距離。やや歪曲して続く回廊の向こう、暗闇から一気に来る。
 魚雷ランチャーを構え、一発。
 シュッ、と空気の音を立てて発射された魚雷は、炸薬という毒牙を大きく開けたまま運搬型ドロイドのド真ん中へと飛び込んで爆発した。
 海中に衝撃波が広がってポンピリウスを、操縦席の内部にいる二人を揺らす。爆発の余波が消え去ったとき、運搬型ドロイド4機は推力を維持できずに回廊の地面へと没した。
 すかさず魚雷を装填する。魚雷ランチャー本体の後方のマガジンが稼働して魚雷を装填。8発が直ぐに発射できるようになる。残弾もまだたくさんある。問題は肉体的なことか。
 φ37遺跡に潜り始めてから9時間以上が経過している。時計を確認してみると、日付が変わって3時。どうりで眠いわけである。
 地面に沈んでいるプラズマカッターを拾うべく機体を沈ませ、肩にブレードを装着して、片手で取る。ハッチの表面にカッターを押し付け、こじ開け始める。仄かな気泡が回廊の天井へと伝っていった。
 さっきから極端に口数が少なくなってきたユトの異変に気がついているメリッサだが、彼女も同じように疲れていた。眠気が無いのが救いか。メリッサは眠らんとして頭を振った。
846潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:27:15 ID:XgbiSAwD

 「ユト、大丈夫? どこか安全な場所見つけるか、休むかしないと。私も結構キテたりするから」
 「時間が、無い」
 「……ん。でも休まないと作業効率に響く」
 「そうだねー…………うん。じゃ、メリッサ、見張りをお願い出来る?」
 「勿論」
 「お休み」

 ユトは会話を終わらせ、両腕、両足、頭部、と力を抜いていくと、瞳を閉じた。
 数秒後には意識が消失して睡眠へと落ちる。
 ユトのすやすやと健やかな寝息を聞き、メリッサは今まで以上に神経を尖らせて周辺の反応に気を配る。機体の位置がハッチの真正面では不味かろうと、一時的に権限を受け取り、ぎこちない動きで回廊の端に座り込むようにした。
 今まで得た情報を展開する。空間投影モニターが複数飛び出てきて、φ37遺跡の構造図や、構成物に関するデータが表示された。一つ一つにじっくりと眼を通し、ユトが眼を覚ました時のために頭脳を働かせた。
 それから一時間ほど経過しただろうか。飲み込まれそうな沈黙に包み込まれたメリッサは、いつの間にか夢の中に居るのか現実なのかが不覚になってきたことを自覚した。

 「いけない」

 脳が眠りに入る前準備か何かなのでは? 
 そう思い、コーヒー飲料のパックを一気に吸って胃袋に流し入れた。苦味が眠気を和らげてくれる気がした。
 ―――……こう静かだと危険と言われたφ37遺跡に潜っていることを忘れそうになる。
 図書館でもここまで静かではあるまい。メリッサはユトの姿を後ろから一瞥し、妨害装置の状態を確認してみたところ問題は無かった。
 二時間が経過した。何度も何度も眠りそうになったのを、睡眠を感知したら目覚ましを行うように設定しておいたのが功を奏し、起きていられた。
 しかし、辛い。
 メリッサは手を止めると、つい先ほどから回廊のどこかでうろついている小型のガードロボを視覚化させて解析をかける。遠すぎて分からなかった。
 そろそろいいだろう。メリッサは前の座席で眠っているユトの肩に手をかけて揺すった。

 「起きて、2時間経ったわよ」
 「………もうちょっ……と寝てるわけに行かない」

 ずっと寝ているわけにはいかない。眠っていても起きなくてはと考えていられるのはダイバーの性か、自分の置かれている状況を理解しているからなのか。ユトは照明をつけるようにぱっと眼を覚まし、大きく伸びをした。
 ユトが眼を覚ますと、たちまちの内にメリッサは眠気と疲労を感じて欠伸をしてしまう。女性らしく両手で口を押さえて欠伸をしたため、欠伸の音は小さかった。

 「今度は俺が」
 「お願い。お休みなさい」

847潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:28:13 ID:XgbiSAwD

 メリッサもストンと眠りの海へと落ちる。
 キーボードに頭を置いて眠るわけには行かないので座席で身体を丸めるようにして寝息を立て始める。俯いた顔に前髪がふわりとかかっている。呼吸する度に胸が上下して柔らかな体が動く。
 警戒を怠ってはならない。
 メリッサが担当しているセンサー類の制御を一時的に得たユトは、睡魔を吹き飛ばした頭で周辺の状況を確認していく。深度5000m。水は沈黙を守っている。
 これから先のことを考えて栄養ゼリーを食し、コーヒー飲料を飲む。
 いつ何があるか分からないので機体の各部の状態を確かめて、おかしいところがあれば直ちに戻す。その作業で一時間を費やしてしまった。
 今は六時。あと一時間はメリッサを寝かしておきたい。ユトは、後部座席へと眼をやってメリッサを見た。子供のような無邪気な寝顔。身体を丸めて寝ているところを見ると自然と笑みが浮かんでしまう。

 「いかんいかん!」

 ニヤニヤしてどうするというのだろう。
 もしも目的を果たせなかったら知り合いや家族が殺されるのだ。自分の顔を一発殴り、更にデコピンを決める。パチンと大きな音が響いた。眼鏡がずれるが気にしない。
 痛みをかみ締めつつ、メインカメラをハッチに向けて観察をする。切りかけている最中のところを見、続いて流れで今来た回廊の方向を見る。何も居ないようだった。
 コーヒー飲料を啜って、成すべきことをしている内にまた一時間が経過した。
 七時。
 外は朝なのだろうが、遺跡の中は暗闇だ。
 ユトは、寝言を呟いているメリッサの身体を叩いて起こそうとする。ぱちりと開いた大きな瞳と、ユトの瞳が合った。

 「………ふぁ……。おはよー。何も無かった?」
 「何にも。あ、機体のチェックは済んでるから」
 「上出来上出来」

 眠り足りないといえば嘘になる。人間が必要とする睡眠時間は通常9時間前後と言われているのだ。2時間では足りていない。
 だが、ダイバーの二人には十分な時間となる。ダイブ中に贅沢は言ってられない。
 地面を蹴り浮かび上がり、脚部スラスターでハッチへと取りつき、プラズマカッターで穴を空けていく。
 程なくして、ポンピリウスが潜り抜けられるだけの穴が完成した。頭部を突っ込んで向こう側の様子を窺って安全を確かめ、するりと滑り込む。
 プラズマカッターを収納してブレードを右手に持ち、魚雷ランチャーを前に突き出すように回廊を進んでいく。
 完全なる暗闇なので音波や光を利用して映像を得て、自機が壁面などに衝突しないようにする。
 数百mほど全身していくと、目の前に巨大な空間が見えてきた。円形の空間の中央に独楽のような円周状の何かを備えた塔が上から下へと貫通している。
 よく見ると、何かの文字が円形の空間に刻まれている。解析を試みるも不明と出てくるばかり。
 他の回廊からも来れるのか、ユトとメリッサが入ってきたのと大差ない「穴」があり、全体像を見てみると、円形の空間に複数の穴が空いていて中心に軸のような塔が鎮座しているということになる。
 ユトは両腕の武器を構えながら、壁伝いに進み始めた。脚部スラスターが水を押しのけて推進力を作り出す。メリッサは機体のライトを薄っすら灯した。
 円形空間の内部は、錆びた青銅で造られているかのように緑に近い色をしていた。
 ここに限らず遺跡は緑に近い色をしていることが多い。人の目が行き届いて「安全」とされる場所もそうだ。なんらかの合金を使用している、錆び付いている、塗装だ、など様々な説があるが詳細は不明。

 「敵襲!」
 「了解!」

 センサーに反応アリ。
 円形空間に、ドロイドがぞろぞろと出現してきた。
 数、15以上。


848創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:28:59 ID:xeBdduhc
遅れた!支援
849潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:29:04 ID:XgbiSAwD


 朝。
 ユトとメリッサがφ37遺跡に潜ってから、大体12時間ほどの時間が経過した。
 全身を縛られてテープを巻かれているのに眠れるエリアーヌとは違ってオヤジはうつらうつらしか出来なかった。
 水や食事は与えられているが、トイレに行っていない。いい歳した大人が漏らすのは恥の極み。オヤジは、隣に座っていた男に喋りかけた。

 「便所行かしてくれねェか?」
 「我慢しろ」
 「あぁそうかい。じゃあここでするしかないな!」
 「分かったから黙れ。立て。一言も喋らないで歩けよ」

 オヤジに声をかけられた黒服の男は、リーダー格の女に目で許可を取って、立ち上がる。オヤジは銃を突きつけられたままトイレに向かって歩き始めた。居間に居座った男達がじろじろと視線を送ってくる。
 トイレはさほど遠い場所にあるわけではなく、一階の倉庫近くにある。
 オヤジと男はトイレにたどり着く。黒服の男はトイレの窓が外に通じていることを確認したが、余りに小さくてオヤジが出ることが出来ないのを眼で測り、中に入るように銃で促す。
 ただしドアは開けっ放しだ。

 「とっととしろ」
 「そう急かされちゃあ出るもんもでねェーだろ」
 「早くしろ!」
 「へいへい」

 オヤジは、………用を足すべく便器の前に立つ。
 大体数十秒後に用事が終わって、備え付けの洗面所で手を洗っている最中に「それ」に気が付いた。天井から一枚の紙が紐で吊るされて降りてきたのだ。
 紙には、次のようなことが書いてあった。
 『喋らずに動揺せず読んでください。貴方達二人を助ける準備があります。貴方達二人が拘束されている場所は一階の居間ですね? そうでしたら咳払いをお願いします』。
 オヤジは手を洗いながら咳払いをして、その紙がスルスルと天井へと吸い込まれていくのを見る。もう一枚降りてこないかと眼だけを上に。するともう一枚の紙が糸に吊るされて降りてきた。手を洗いつつ読む。
 『救出の際に当たっては近くにある教会の鐘を鳴らします。直ぐに伏せてください』
 紙は、ものの数秒で上に上がっていって、糸を垂らす為に開けられていた穴も塞がる。

 「早くしろと言ってるんだ!」
 「手ェくらいしっかり洗わせてくれや」

 トイレの外から黒服の男の声がした。いい加減に返事をし、手から水分を取ると、居間へと戻るべく身体を黒服の方に向けた。


850潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:29:52 ID:XgbiSAwD



 ―――……爆発。
 衝撃で機体各部に装着されているセンサーがいくつか御陀仏になり、搭乗者である二人の頭ががっくんがっくん揺さぶられてしまう。

 「7と8センサー破損! ……右スラスター出力低下、しかも右脚の回路断線!」
 「クソっ、次から次へと!」

 円形空間で遭遇したガードロボは、今正に大量生産してるんですとでも言うかのように次から次へと波状攻撃を仕掛けてきて、結果二人は中心にあった塔の中に入って、下へと逃げ続けていた。
 もしも入れる場所が無かったら海の藻屑の仲間入りだったのは確かである。
 この塔のようなものがなんなのかは定かではない。一つ分かっているのは、逃げなくては破壊されるということだ。
 探査など、やっている場合ではない。今まで見たことが無いほどの数のガードロボが真上から攻撃を仕掛けてきているのだから。
 魚雷ランチャーを真上に向けたまま引き金を引き絞る。連続して発射された短魚雷が、運搬用のガードロボの数機の突撃を阻止し、木っ端微塵にして散華させた。
 爆発で発生した気泡と靄が海水を埋め尽くすが、そんなことお構いなしにガードロボの群れが下へと逃げるポンピリウスを追跡してくる。
 塔の内部はかなり広く、果てしないと思ってしまうほど、下へと下へと続いていた。頭部を下にして、スラスターを使って落下かくやという速度で潜っていくポンピリウス。逃げることを優先するため、ブレードで斬りかかることは出来ない。
 破壊したガードロボの破片より速く。もっと速く。考えは逃走と反撃。
 接近戦型ガードロボが斬りかかってくる。脚部を切り落とされるものかと身を捩り、ブレードの一撃を回避すれば、魚雷ランチャーからネットを発射して動きを封じ込めてやる。接近戦型の一機は水中でもがくしかなくなった。
 右脚の先端のスラスターは、さっきから動きを止めたり、突如動き始めたりと、不安定になっている。攻撃を喰らってしまったのだ。
 ユトは全身に立つ鳥肌に気が付かず、大声を張り上げて塔の内部のパイプ状の空間の壁面を蹴っ飛ばし、下へ下へと落ちていく。
 魚雷を乱射。至近距離で発射すれば自分にも被害が出ることは必至。けれども、撃たなければ接近戦型に膾切りにされるか、上から降ってくる魚雷に粉々にされるか、そんなところの結果しかないのだ。
 機体のどこかが痛々しい金属の悲鳴を上げる。オイルが漏れたか。
 メリッサは、必死な形相で出力を無理矢理上げ、機体の損傷箇所の対処を行う。汗で前髪がべっとりとして顔に張り付いている。
 深度計が物凄い勢いで数値を増やしていく。現在の深度、一万千m。限界潜航深度には達していないのだが、一気に潜り過ぎて機体の各部が悲鳴を上げ始めていた。
 圧死、爆死、その他。駆け巡る映像が脳裏を揺らがす。
 自爆型ガードロボ5機を魚雷で吹き飛ばすと、装填が始まる。完全に装填が終わるまで耐えなければならない。流石に弾数も少なくなってきた。ドルフィンキックで体勢を整え、メインカメラで前を見遣る。
 明かりだ。トンネルを抜ける時の様に、パイプの出口に光が満ち溢れている。
 メリッサの声が操縦席に響いた。

 「ユト、前!」
 「ああ!」
851創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:30:20 ID:xeBdduhc
支援
852潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:30:58 ID:XgbiSAwD

 沈んでいく力に脚部スラスターの推進力を上乗せしているのだ。もし、その速度で突っ込めば手足が折れるか、耐水殻が歪むか、どっちにしろ死に直結することは必至。光が強すぎて先がどうなっているのか分からない。
 ひょっとすると壁かもしれない。ユトは、急旋回できるよう身構え、機体を突っ込ませた。
 パイプを抜けた―――……機体を一回転、急停止。身体にGがかかり、機体の各部が軋みを上げる。
 光が強すぎて操縦席からは何も見えない。咄嗟の判断でブレードを突き出し、近場に寄って来ていたガードロボ一機を叩き潰す。
 機体が停止した。ブレードで破壊したガードロボの破片がどこかへ消えていく。自動で調整が入って、追跡してきていたガードロボの姿が消えていることに気が付く。センサーにも反応が無い。
 何故追跡を諦めたのか。二人は周囲を見渡してみた。また、パイプのようだ。この遺跡には巨大なパイプが張り巡らされている。その中の一つだろうか。
 ユトとメリッサは、周囲の状況よりも自分達の状況を優先させることにした。現在時刻9時だ。
 ブレード……皹が入っている。魚雷……弾数少なし。センサーはいくつか落としてきてしまった。妨害装置は大丈夫。スラスターは背面のは大丈夫だが、右脚の動きが悪い。
 二人は、主観で久しぶりに訪れた静寂にホッと胸をなでおろしながら、パイプの左右を見遣った。
 センサーとライトを利用してこのパイプがなんなのかを探って、自分達が通ってきた道を視覚情報として空間投影モニターに表示させる。
 くねくねを入り組んで、絡まって、それでいて下へと続いている。何故か蟻地獄を思わせた。
 メリッサは手を止めず、前の席のユトに声をかけた。これも数年ぶりに発した声のように感じられた。

 「はぁ……もう九時かぁ……。酸素と電力は十分だけど時間が無い」
 「弱気になるなよ。やらないとダメなんだから。じゃないと……な」
 「うん、行こ………待って。何か変じゃない?」
 「ん?」

 メリッサの言葉に、ユトは頭を後ろに向けるようにして聞き返す。メリッサはキーを数回叩いて、パイプの中の海水の流れが徐々に速くなっていっていることを示した。
 ガコン。
 音がした。ふと眼を、さっき潜ってきたパイプへと向けてみると、「閉じていく」ところが目に入った。ハッチが完全に閉鎖され、固定専用の器具がせり出して止まる。破壊するには時間がかかりそうだ。
853創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:31:26 ID:xeBdduhc


854潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:31:38 ID:XgbiSAwD

 「閉じたわね」
 「閉じたな」

 ―――……嫌な予感しかしない。
 逃げる場所と言ったら、パイプの向こう側とこっち側、即ち、普通であれば「流れてくる側」と「流れていく側」。
 施設全体が爆撃を受けたように揺れ、二人して背もたれに身体をぶつけてしまう。

 「揺れたわね」
 「あぁ揺れた揺れた」

 水流が急激に増してきた。冷や汗が垂れるのが分かった。
 冷静に解説出来るのは不安がにじみ出てきた証拠。
 次の瞬間、ポンピリウスは巨人に殴られたような勢いで海水に押し流され始めた。

 「なんとかしなさいよぉーッ!」
 「もうやってる!!」

 脚部スラスターを全開にして水流に逆らおうとするが、右脚スラスターが不調では、台風の時に飛ぶ蝶のような機動しか描くことが出来ない。
 ブレードと魚雷ランチャーを収納。両腕を伸ばし、今居るパイプの出っ張りに向けてワイヤーを発射。ワイヤーは、水流に揺られながらも引っかかって、巨体を繋ぎとめた。
 だが、いつまでも持つ訳が無い。津波のように押し寄せてくる海水にワイヤーが伸び始めて、ワイヤーシューターのモーターが悲鳴を上げる。
 いつか見た光景だ。
 ユトは、水流を受け流すように機体の体勢を変えて、背面スラスターまで使用して水流に逆らおうとするが、いつまでも流れ続けてくる奔流に勝てるほど凄い機体ではないため、抜け出せない。
 ワイヤーは更に伸びていく。過負荷でワイヤーシューターが漏電し始めた。

 「出力全開…………ダメか」

 ユトの呟きを最後にワイヤーが弾け飛び、自然の摂理に従って機体はパイプの奥へと哀れな格好で流されてしまう。
 ユトは操縦席に顔面を強く打ちつけ、メリッサはキーボードに顔面を叩きつけられ、意識を消失した。
 水の音が悲鳴にも聞こえた。


855潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 17:33:08 ID:XgbiSAwD



 「―――……、…………ンっ……く ぅ……」

 呻き声が肺の奥底から漏れた。
 頭が鈍痛で埋め尽くされている。
 丁度、二日酔いのときに滑って転んだ時に体験したのにも似ているような気がした。
 視界に光が戻っていく。最初に映ってきたのは見慣れたキーボードの羅列だった。顔を押し付けていたので跡になっているだろうと思うと多少憂鬱さが染み出る。
 メリッサは、首筋を撫でつつ顔を上げると、時間を見た。
 11時ちょっと過ぎ。2時間近く気を失っていたということになる。

 「最悪……」

 口を動かすよりも手を動かしたほうが建設だろう。
 メリッサはモニターを表示させると、機体各部の状況を読み込ませていく。その時間で、前の席に座っているユトを起こそうとして脚で席の後ろを蹴っ飛ばした。
 あ、とも、え、とも取れるくぐもった声が聞こえた。
 席の横から、よだれやら鼻水やら涙でぐしゃぐしゃなユトの顔がメリッサのほうに向けられる。

 「天国?」
 「少なくとも死んでないと思うケド」

 ユトは自分の顔が自然災害に見舞われたことに気が付いていない。それよりも、機体の損傷や、今どこなのかを確認するほうが先だと、席に座りなおしてモニターを見る。
 酷いものだった。
 右脚は折れ、左足は不調。両腕こそ無事だが、ブレードを乗せてあった右の担架システムが丸ごと無い。背面部スラスターや胴体部にも多少の損傷が認められる。帰還は出来ても作業を続行するのは難しいであろう。
 そこで一箇所致命的な損傷を発見した。電池が破損して背面部スラスター以外をまともに動かせそうに無いのだ。
 二人は暫し沈黙した。

 「ユト。今気が付いたんだけど、ここ空気があるみたい」
 「何? 空気?」

 海に没している海中で空気があるわけは無い。
 そう思ったユトは、情報を読んでみた。なんと空気があった。ただ、気圧は地上とほぼ同じなのだが酸素量が致命的に少なく、短時間しか生存出来ないであろう。
 操縦席に投影されるべき周辺の様子は未だに復帰していない。航空機のようにガラス越しに見れるようには造られていないので、これが映らないと真っ暗だ。
 数分後、操縦席に映像が戻ってきた。二人は驚愕した。
 一見すると本棚かと勘違いするような形状でありながら、小さいビル程の大きさの「それら」が、巨大な空間ににょきにょきと生えている。無機質ながら生体部品のように滑らかで、コンクリートのように灰色一色で統一されている。
 よくよく見てみれば、表面を青と紫色の中間の色の血管のようなものが走っており、人間の心臓が鼓動を刻むのと大差ない速度で発光しては消失してを繰り返している。
 二人は小さく口を開けたまま視線を上に上げていく。
 自分達はどこから落ちてきたのだろう。そう思ってのことだったのだが、また驚かざるを得なかった。天井には幾つも無造作に巨大な穴が空けられ、水が蠢いている。
 コップの淵ギリギリまで水を注いでも表面張力で零れない、というのに似ているのだが、天井にそれがあっては原理がさっぱり分からない。
 ついでに、高い。30mはある天井から地面に落ちて良くぞ死ななかったものだ。機体も砕けてもおかしくなかった。
 音が皆無な巨大構造物の中。幻聴のように水の音が囁いてくる。水の一滴を落としては静けさが間を埋めて、また忘れた頃に水の音。機体の中に乗っているのに聞こえるのは実に面妖なことだ。
 やっと正気を取り戻した二人は、自分の成すべきことを思い出した。
856創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:33:41 ID:xeBdduhc

857創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:34:38 ID:xeBdduhc


858創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 18:23:47 ID:Sxab0v5g
859創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 18:26:48 ID:v+tEEazD
860創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 18:35:00 ID:LFIGMAGx
さるった?
861創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 18:37:44 ID:Sxab0v5g
その可能性が高そうですな
862創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:02:07 ID:k5U4KekP
さるだったら、0分を跨いだから
もう解除されてるんじゃないか

他の規制ならわからんが
863創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:11:03 ID:LFIGMAGx
投下中に規制発動? そりゃひでぇ
864創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:15:54 ID:xeBdduhc
一応規制になったら避難所代理って手がありますよ
DSさんから応答が無いっすねぇ
865創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:20:32 ID:n6n8ZIz/
 もしや背後が消えたのでは……。
866創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:23:11 ID:xeBdduhc
8時……半くらいまでこっちにも避難所に応答がなかったら、俺が投下しても大丈夫ですかね?
やっぱ待った方が良いかな
867潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:28:53 ID:XgbiSAwD
蘇ったぞ!
868創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:29:19 ID:xeBdduhc
>>867
良くぞ戻った!支援するぞ!
869潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:32:55 ID:XgbiSAwD

 「最深部に到達して……って、ここ最深部?」
 「…………今までこんな場所来た事無いから分からない。けど、そんな感じするよね。勘だけど」

 例の脅迫者は「最深部に到達し、鍵を使って宝石を持ち帰れ」と紙に記していたのだが、ここが最深部という確証が得られない。ひょっとすると意味の無い場所かもしれない。それに、宝石と言われても意味が分からない。
 二人は議論の結果外に出てみることにした。
 食料や作業用工具に銃などが入れられたバックパックを背負って機体から出てみる。酸素が薄いので簡易マスクを口に当ててである。
 銃はユトのほうが得意なので、メリッサが工具を持つことになった。
 巨大構造の内部は湿度が高く、気温も高かった。二人は固い地面を歩いていく。
 用途不明のビルに近い構造物から誰かが見下ろしてくるかのような錯覚を受けてしまう。
 一歩一歩歩くごとに灰色の地面の表面の血管状の部分が光を発する。足音が増幅されているかのように空間に広がっていき、思わず慎重になる。

 「―――……ユト……私たち帰れるのかな」
 「帰れる帰れないんじゃない、帰るんだよ。こんな広い遺跡なんだから、修理に使えそうなモノの一つや二つあるに決まってるじゃないか」

 遺跡にあるものが修理に使えるとは限らないのだが、そう言っておかないと心が折れそうになってしまう。機体が壊れたことは帰還出来ないことと同意義なのは二人して口には出さない。機体を修理出来たとしても時間に間に合わない。
 短機関銃をしっかりと握ったユトは、メリッサを連れて遺跡の奥へと歩いていく。巨大すぎる空間を歩いているために距離感が狂いそうだが、正確に配置されているビル状の構造物がそれを防いでくれた。
 ユトが口を閉ざして歩き、メリッサが寡黙に後に続く。近いとも遠いとも言えない微妙な距離は埋まらない。
 どれだけ歩いたのだろうか。12時を過ぎた辺りで疲労を感じ始め、1時になる頃には脚が痛くなっていた。座りっぱなしで作業していたから筋肉が落ちていたのか、疲労の所為か。
 巨大構造物の中心らしき場所にやっとたどり着いたユトとメリッサは、天を貫くように長く、背骨の標本のようにごつごつとしていて頑丈そうな塔を見上げていた。
 なんでたどり着けたのかはさっぱり分からない。あえて言うなら水の囁きに従ったと言うべきか。
 塔の根元に当たる部分には、人間が通れそうな「ドア」があった。

 「…………罠っぽいわね」
 「罠だと思うけど行かないと」
 「なら私が先に行く」

 メリッサは強い口調で言葉を発すると、乱れた髪の毛を直そうともせず、ドアを蹴り開けた。
 ドアを開けると爆発。銃撃。電流。
 だが、ドアを蹴り開けたメリッサに襲いかかってきたのは何も無かった。当たり前だと示すようにドアは開いて二人を招き入れて、内部の光景を見せ付けてくる。一瞬暗かったが数秒後には内部は柔らかな光で満たされる。
 メリッサは、操り人形のように中へと歩いていく。銃を構えたユトは、慌てて後を追った。

 「凄い………」
 「……なんだこれ……」
870創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:33:22 ID:xeBdduhc


871潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:33:50 ID:XgbiSAwD

 全ては光で満たされていた。
 海というフィルターにかけられた光のカーテンをそのまま内部へと詰め込んだように全てが揺らめくように光っている。人工的なようで、そうではない。幻覚を見せられているのかと考えてしまうほどに美しい。
 φ37にこんな場所があるとは、つい数日前には考えもしなかった。
 部屋の広さは大したものではなかった。潜水機の格納庫四部屋分かその程度だ。
 光の中に部屋の輪郭。輪郭の中に光。光と輪郭の中央に、それがあった。
 潜水機が丸ごと入れられるほどに大きな「試験管」状のポッドの中にそれが眠っている。
 鋭利な直線で構成された下半身部。人間の脚に該当する二本の部分は、先端に行くほど細くなっており、最後は折れてしまいそうなほど華奢に出来ている。
 対する上半身部は曲線が多い。刃物かと勘違いするほど頭部パーツは滑らかかつ鋭利。両腕は人の形をしておらず、武器のランスを思わせる。
 その人型は巨大構造の色と同じく灰色一色で、表面を青と紫の中間の血管のようなものが走っている。
 兵器にしては美しく、乗り物にしては凶暴な外見。
 ユトとメリッサは、警戒することも忘れてふらふらと試験管へと歩み寄っていく。すると、二人が近寄ったことを感知したのか、試験管が音も無く上に持ち上げられていき、機体に触れられるようになった。
 機体に命が吹き込まれる。表面の青紫の血管が発光しては消失しを繰り返し始めた。
 二人は顔を見合わせ、また機体を見遣った。

 「使えると思う?」
 「見ず知らずとかそんなレベルじゃないよね、コレは。もう言葉に出来ないほど感動してたりするんだけど、正直動かせるとは思えない。ところでアレはなんだろう」

 そう言うとユトは部屋の隅を指差す。そこには、哀れにも分解されて背面部から部品を地面に垂れたままの同型の機体があった。二人は近寄って、機体の内部を覗き込んでみた。複雑な外見と違って、機械というより器械といえるほどに内部は単純であった。
 ポッカリと空いた球状の場所がある。何かを嵌めろと言わんばかりに矢印まである。しかし、肝心の「入れるモノ」が見当たらない。二人は無事な方の機体の側へと戻った。

 「調べましょ。なんにせよ情報が欲しいから」
 「調べて大丈夫なのかな。触れたらどっかーんってのはない?」
 「私ならドアの段階で死ねる罠仕掛けるわね」
 「あぁ、じゃあきっと大丈夫だ」

 ぐだぐだと時間を消費している暇は無い。
 ユトは機体の背面を調べることにして、メリッサは前を調べることにした。

872創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:34:18 ID:xeBdduhc



873潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:35:31 ID:XgbiSAwD



 その機体の完成度は眼を見張るものがあった。
 遺跡を造った連中の科学力も去ることながら、長い年月が経過しても劣化せずに立ち続けていられる素材から、何からなにまで素晴らしい。
 普段ならこれはいくらで売れる――とか、バラしてしまいたい――などと考えるのだが、今は「これを使って帰れるか」ということしか考えない。脅迫者の言う「宝石」とやらは後回しだ。
 工具で分解するどころか傷一つ付けられないので、機器でスキャンをかけるほか無い。機体の出っ張りに脚をかけてよじ登ったメリッサは、酸素マスクの位置を直すと、ダイブスーツの上から肩を回した。

 「これは光―――……?」

 そこでメリッサはありえない光景を眼にした。部屋を満たす青い光の波間に、右の義腕の上腕部が光っているのが見えたのだ。
 作業を中断して機体から降りると、ダイブスーツの袖を上腕部まで捲り上げる。義腕越しから、しかもダイブスーツまで透過して白い光が輝いている。今まで気が付かなかったことだ。
 魅せられたように義腕の上から撫ぜる。温度は体温しか感じない。青い光で満ちた部屋では決して目立たない純白の光が腕にある。
 『鍵』とはこれのことなのかもしれない。
 メリッサは暫く悩んだ後、地面に座ると、腕を挙げた。

 「ユトー。ナイフ持ってない?」
 「ナイフ?」

 酸素マスク越しなのでくぐもった会話になる。メリッサの声を聞いたユトは、肩にかけたままの銃を背中に回すと、機体から飛び降りてメリッサのほうに歩み寄る。
 右腕が光っていた。
 右腕が、光っていた。
 普段整備している本人でも良く分からない光景。ユトは胡坐をかいて座って腕を突き出しているメリッサの側に座ると、腕を持って表面から見ていく。表面ではなく奥から光が出ているようだった。
 メリッサは腕を揺らし、口を開く。

 「腕取ってナイフで切り開いてみましょ」
 「そんなことしたら………分かった」

 ナイフで切り開くというのは、義腕が使えなくなることに等しい。片腕ではどうしようもなくなる可能性がある。日常生活でも同じことが言える。
 だが、今躊躇っていては、家族や知り合いの命に関わる。
 ユトは工具入れからナイフを取り出して床に置くと、メリッサの鎖骨へと手を伸ばした。
 ボタンが中々見つからない。ユトは、鎖骨をまさぐる。手つきがいやらしいのはご愛嬌。

 「……んっ……。もう、ここ!」
 「ご、ごめん。焦っちゃって」

 くすぐったさから我慢出来なくなったメリッサがユトの手を握って、鎖骨にあるボタンへと指を誘導して押させる。電子音の後、右上腕部の皮が捲りあがった。ユトは、今度はしくじらまいと右腕を取り外した。
 分解用の器具があればいいのだが、潜水機にも、工具入れにも、入っていない。
 作り物と分かっていてもナイフで傷つけるのは躊躇われる。体温や手触りなどは完全に人間そのものなのだ。
 メリッサの視線がそそがられるなか、ナイフが義腕の外装を剥がし、フレームを露出させる。絡み付いている回路を脇にどけて、電池を引き抜く。光っている箇所はフレームのようだ。ユトはナイフでフレームを引き出した。
 人の骨そっくりな形状の茶色のフレームの端っこが発光している。切断するしかあるまい。ナイフをズドンと突き立ててフレームを傷つけ、鋸のように前後に動かして、慎重かつ大胆に光っている箇所だけを斬り落とした。
 光っている箇所はほんの数cm程度。ユトは、ナイフで『鍵』を取り出そうと、慎重に削っていく。万が一破壊してしまったら取り返しが付かない。
874創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:36:03 ID:xeBdduhc

875創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 19:37:02 ID:+qWHnmAn
続きキター
876潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:37:39 ID:XgbiSAwD

 「ちっちゃい」

 どっちが言ったかは定かではないが、感想は一言で全てを表現していた。
 フレームを削っていくと、ストロー大の純白の物体が姿を見せる。ユトは指二本でつまみあげると、自分とメリッサの目の高さまで上げた。眩い程に光り輝いていた。

 「……え? これが鍵?」
 「連中の言ってることが正しければ鍵なんだろうけど………。俺にはそう見えない」

 意味が分からない。操縦席に差し込めというのだろうか。二人して沈黙してしまう。
 鍵というくらいなのだから差し込めということなんだろう。
 ユトは機体へと鍵を近寄せてみた。
 すると、その『鍵』の光が機体へと向きを変え始めた。二人は唖然として光を目で追いかける。白い光が機体の頭部へと注がれるや、表面の青紫色の血管状の部分が白く光を帯び、灰色だった機体が青に染まった。
 何も起こらない。
 ユトとメリッサは警戒して立ち上がり、じりじりと後退していくが、機体の大きさから比べたらヒヨコのヨチヨチ歩き程度だ。
 次の瞬間、機体頭部の三眼式のモノアイに光が宿った。


             【終】
877潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 19:39:47 ID:XgbiSAwD
投下終了です。この場に至ってまだ引っ張るよ展開ですいやせん。
支援に感謝っ!
878創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 20:20:03 ID:xeBdduhc
……皆何処へw
>>877
投下乙っす!人知の及ばぬ未開の地ktkr!
最初のジリジリ追いつめられていく描写に痺れました。それと着実に、親父さん&エリア―ヌ救出作戦が進んでますネw
果たしてα37で眠っていた、謎の人型兵器の正体とは……マジで佳境だと思うと凄くワクワクする半面、さみしい気持ちになります
次回も待ってますよ〜

俺もそろそろ投下できるか…・・な?
879潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 20:46:38 ID:XgbiSAwD
みんなは行っちまったのさ。広大なる(ry

>>878
感想ありがとうなんだゼ! ありがとうなんだけど、「α」ではなく「φ」なんだぜ…

DSも次回で終了……エピローグを含めて13回構成のつもりです。
長かった。
880創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 20:52:29 ID:Sxab0v5g
>>877
投下乙です!
うわー!遺跡の中の謎の空間とか!w大好物なんですが!!w
ここまで耐え抜いたポンピリウスに敬礼!( =ω=)ゝ

最深部、鍵、は見つかったけど、宝玉がなんなのか……
あぁ気になりすぎる!w

>>878
支援おk
人が一気にいなくなるなホントにwww
881パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/10/04(日) 20:58:18 ID:n6n8ZIz/
 ずっとスレを追い掛けてました……。やっと追い付いたw
 さてさて、皆さん投下乙です!

>>769
 おおー、引っ張りますねー。
 ていうか祈ちゃんなんというバデーなんだ……。

>>809
 カタリナかわいいよカタリナ。
 ブラッドレイ・クライスは一体何をやらかしたのか……。

>実は宇宙生物ガンダーの生まれ変わりとか、筋肉質のガチホモでイングラ王に男の色を教えて気に入れられたとか、
>俺がガン○ムだとか
 クーガ……恐ろしい男……。

>クロロスペッツゥナ
 おうふ、なんか舌噛みそうw

>>828
 きりちゃんかわいいよきりちゃん!
 モリーかっこいいよモリー。
 爽やかバトルがアツいですね! いやぁ、なんかやっぱり新鮮だわぁw

>罰として霧坂を変態に
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!

>>877
 ああっ、ポンピリウスがボドボドに!
 そして遺跡に眠っていたのは……新型?

 それにしてもずっとコクピットに缶詰って精神的にかなりキツそうですね……。


 皆さん次回も楽しみにしてます!
882潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/10/04(日) 21:05:02 ID:XgbiSAwD
クッ、「イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!」でいつも吹いてしまう自分が居るっ。

次回は次スレかなぁ。容量ヤバそうだ。
883創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:06:19 ID:Sxab0v5g
>>881
えーと祈のパーソナルデータなのですが
あれは「光司が適当にいれた嘘データ」という描写のつもりだったのですが、
文章が分かりにくすぎた。サーセンorz
なので>>832の部分と入れ替えて読んでくださいw(=ω=;)
884創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:10:30 ID:xeBdduhc
>>879
あぁ、φか……申し訳ないorz細かい部分をミスっちゃ駄目だよね…
てか容量大丈夫かな?30分に投下する予定だけど
885創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:11:47 ID:n6n8ZIz/
>>882
 ロリコンは興奮するとついイッちゃうんだ!
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!

 あ、確かにあと15kbで次スレですねぇ。>容量

>>883
 ガッデム、見落としてました! すみません!


 しかしゼーガやV2ABやクロスボウがロボ魂化ですか……いい時代になった……。
 てかクロスボウが出るって事は我が家に色違いのカエルが3機も……。
886創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:14:24 ID:Sxab0v5g
では12号機建造がそろそろ?w
887蜥蜴 ◆Uu8AeR.Xso :2009/10/04(日) 21:15:42 ID:v+tEEazD
おぉ…一日見ない間に沢山の投下が…後でじっくり拝見させて頂きます。

>>884
もう次スレの季節ですか、この板にしては妙に早いような気がします。
888創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:18:09 ID:n6n8ZIz/
>>886
 もう950近いし、投下は次スレでも問題無いよーな、あるよーな……どうなんでしょ。
 先に12号機建造しちゃうってのもアリアリアリーヴェデルチですねw

>>887
 このスレ的には通常運航ですw
889創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:18:11 ID:xeBdduhc
あ、もう次スレですか?
最近自分スレ立ててないんで、自分が立ててきていいでしょうか?ちょうど投下したいし
890創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:19:09 ID:srq4YqeN
>>950というよりは要領がもう50も無いw
891創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:22:41 ID:XgbiSAwD
もう少し埋まってきたらではいかが
892創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:22:45 ID:n6n8ZIz/
>>889
 抵抗するんじゃない、いっちゃえよ!

>>890
 あらあらまあまあ。
 それにしても久々の容量不足ですねw


 あ、そういえば新作の紹介文……ま、次スレで考えればいっか!
893創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:23:15 ID:Sxab0v5g
>>890
うわ、ホント早いなw
894創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:23:47 ID:xeBdduhc
じゃあもうちょい埋まってから……何か埋めネタってありますかねw
895創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:25:31 ID:n6n8ZIz/
 じゃあ機体サイズの話、再燃〜。
 というわけで、ヴィルティックって何mなんです?
896創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:29:49 ID:XgbiSAwD
ここのロボの大きさを小から大までのコピペ作りたくなってきた
897創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:30:06 ID:xeBdduhc
>>895
ガンダムのフォーミュラシリーズを想定してます。大体15mくらいですね
逆にデストラウは23m。ルヴァイアルは20mくらいですね
898創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:32:50 ID:n6n8ZIz/
>>896
 抵抗するんじゃ(ry

>>897
 おお、このスレには珍しいMサイズ!
 巨大ロボット物をすると聞いていたので60mくらいのモンかと思ってました……。
899創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:36:11 ID:xeBdduhc
>>898
人から見たら十分巨大ですwヴィルティックが一番小さいのは、機動性を重視されてるって設定だったリ
アストライル・ギアの標準サイズは20mですね
900創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:39:11 ID:XgbiSAwD
今のところの最大はどの作品のどのロボなのだろうか…
901創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:40:15 ID:n6n8ZIz/
>>899
>人から見たら十分巨大です
 確かにそうですねw

>ヴィルティックが一番小さいのは、機動性を重視されてるって設定だったリ
 おうふ。危うくロボスレ学園で鈍重な機体にするところだった……。
902創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:42:09 ID:Sxab0v5g
機体サイズでしたら
フツヌシは35mくらい
他にはオープニングで名前だけ出てた
十八式魔導甲冑「吉兼」&十九式「時正」のサイズは20mくらいで考えてます。
903創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:43:31 ID:XgbiSAwD
35m! 潜水機の3.5倍だと…!
904創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:47:29 ID:n6n8ZIz/
 ヘーシェンの10倍以上だと……!?
905創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:47:38 ID:Sxab0v5g
参考にしたのが斬艦刀持ちのアレだったので、
動かす分少し小さくした積もりだったんですが、まだでかかったというw
このスレの中でもかなりでかい方ですねw
906創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:48:54 ID:RiGlmVgG
スーパーロボットは40、50mなければスーパー系にあらずと思ってた節があったけど
よくよく考えてたらそこまでデカい機体を妄想していたのは数年前までのことだった
907創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:50:54 ID:Sxab0v5g
もうちょい縮めた方がいいかな?w(=ω=;)
908創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:51:47 ID:LFIGMAGx
120メートルで書いてる俺に死角は無かった
909創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:52:01 ID:n6n8ZIz/
>>906
マジンガーZ「すまんねぇ、18mで……」
910創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:52:22 ID:XgbiSAwD
120! さぁ他には! もう居ませんか?
911創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:54:02 ID:Sxab0v5g
>>908
Σ(・ω・ )上には上がいらっしゃった!?w
912創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:58:37 ID:5XJNBDqf
ネクソンくらいスーパーロボ分が強いなら某天元突破方式で巨大化できそうだ
913創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:58:44 ID:xeBdduhc
120mだって……!?コイツはとんでもない大物が表れたぜ……!

そろそろ次スレ立ててよかですか?
914創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:01:07 ID:XgbiSAwD
あぁ巨大ロボいいなぁ、飾りたい

>>913
いけぇ
915創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:03:07 ID:Sxab0v5g
>>913
健闘を祈る!
916創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:03:40 ID:xeBdduhc
OK忍!
917創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:03:44 ID:n6n8ZIz/
>>913
 がんばれー!
918創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:07:12 ID:Sxab0v5g
とすると今の話題の中では
サイズ:LL 120mの方
    L  フツヌシ
    M  ヴィルティック、十八式&十九式
といった所ですな
919創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:13:15 ID:xeBdduhc
新型ロールアウト
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254661560/

ヴィルシャはここが埋まったらすぐ投下します〜
920創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:14:40 ID:n6n8ZIz/
>>919
 新型乙です!
 よくやった、テストも兼ねてぶっつけで大気圏突入する権利をやろう。
921創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:15:54 ID:Sxab0v5g
>>919
建造乙です!
922創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:17:24 ID:RiGlmVgG
>>919
よくやった、HGストフリをMGのプロポーションバランスにする権利をやろう
当然ライフルは全塗装でな!
923創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:20:05 ID:xRQOx42R
>>828
>終了報告
いやいやお気になさらずw
あ、ちなみに、さるさんは1時間以内に10レスしない限り来ませんぜ

>霧坂を変態に
オウフ
やはりロボスレのキャラは変態のくびきから逃れることはできないというのかっ……!

>>877
投下乙です
遺跡の最奥、謎の空間と謎の機体、鍵……
いよいよクライマックスの気配が高まって来たなぁ

>>919
ロールアウト乙です
924創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:21:38 ID:n6n8ZIz/
>>922
 MGストフリだなんてプロポーション最悪じゃないですか。やっぱりストフリは1/100こそ至高ですよ(棒)
925創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:23:47 ID:xeBdduhc
もうそろそろ埋まりますかねー

ずっと前にヴィルシャに合う曲って感じで皆イイ曲選曲してくれたけど
個人的にアンインストールが一番合う気がして来た。色々と
926創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:25:54 ID:srq4YqeN
俺もどうしようかw
ヴィクシャ終わってからのが良い?
927創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:26:08 ID:2GVpneM/
>>919
よくやった、ニクスプロヴィデンスを3個買ってサンコイチの組み換えで
マトモなデザインにする権利をやろう
928創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:27:14 ID:xeBdduhc
>>926
あ、自分のは無駄に長いんで、後で良いですよw
929創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:28:46 ID:Sxab0v5g
ぬぅ、まだ埋まらぬのか!?w
930創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:28:48 ID:RiGlmVgG
もう少しで第一話分が書き終わる
最終的にワードパッドで80kb近くになっちまったが……
931創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:29:30 ID:srq4YqeN
>>928
俺は今回8000字程度の予定、5レスかな
んじゃ、先に次スレに書きこんどく?
932創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:29:56 ID:v+tEEazD
>>919
建造乙です。

新作の紹介文が無かった事に今気づきました。
933創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:30:21 ID:Sxab0v5g
>>930
分割投下で!w序・破・急な三分割で!w
934創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:30:25 ID:xeBdduhc
>>931
良いですよ。支援します
てか後何レス位で埋まるんだろうw
935創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:39:01 ID:Sxab0v5g
少女は忘れない、自分を護ってくれた逞しい腕を。

少女は忘れない、『敵』を打ち砕いた巨大な鋼の拳を。

戦う事を選んだ少女は戦場に赴き、そこで運命の再会を果たす。

再会を喜ぶ少女に、
「俺に近付くな」
冷たい目をした男は、そう告げた。

新番組「シリウス・ブレイカー」
近日堂々公開!……しませんw
936創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:41:35 ID:xeBdduhc
そんじゃ俺も昔考えた設定を晒すか…

主人公は凄ましい遺産金で暮らしているニート、家政婦つき
家政婦のスーパーアンドロイド美少女
叔父が残したスーパーロボットに乗り込むニート
呼べば何処でも現れるスーパーロボット
敵は封印された百鬼夜行の巨大妖怪達
ライバルは妖怪を解き放った陰陽師の子孫
もちろんスーパーロボットに乗るライバル

何時か書いてみたいと保存して2年経ちます。誰か書いて下さい
937創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:56:33 ID:D3AYhkfj
>>936
ニートが何故敵と戦う事になったのかが分らんとちょっと……

まあカブトの天道みたいに戦いに備えて自主的にニートやってたってタイプもありなんだろうが
938創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:59:56 ID:Sxab0v5g
次スレでシャドウミラージュが投下されましたよ、と
投下予定のある方は次スレの方でおkかと

さて、雑談のネタをどうするか
939創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:01:03 ID:xeBdduhc
>>937
単純に亡くなった先祖の遺言ですw
化け物が将来復活するから、それに備えて頑張れー金なら沢山あるから、その時まで鍛えろ―ってw
かこう書こうと思っても中々書けずにいつの間にか時間が立ってたんですよね
940創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:01:54 ID:ey7olR5k
>>936
自分で書く気が無いなら、ビッグオーでも見た方が早いです。
941創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:05:10 ID:xeBdduhc
>>940
まぁ軽い埋めネタって事で……サーセンorzビッグオー見ます
つかサーッと人いなくなるから焦るw
942創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:06:32 ID:D3AYhkfj
>>939
しかし、無駄に金があって準備期間があったってんなら
自前で防衛組織作るなり何なりした方がいい訳で
鍛えるだけのニート生活ってんだと、やる気があるにしてもないにしても微妙かと

ていうか、封印されていた妖怪の対抗手段が巨大ロボってのは
ロボっぽい見た目の呪術道具って感じなんで?
943創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:07:06 ID:Sxab0v5g
確かに焦りますねw
このスレ楽しいんだけどその部分だけが怖いw
944創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:08:30 ID:xeBdduhc
>>942
まぁそんな感じ……というか、設定だけ考えたまま進まなくなっちゃったんですよ
だから設定に穴だらけというか、穴しか無いです。ごめんなさい
945創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:12:22 ID:ey7olR5k
>>941
というか>>936の設定は、
主人公にアンドロイドメイド、呼べばどこにでも現れるロボって段階で
ビッグオーと被るのでね。
妖怪退治はしないけれども。
穴を埋められるのは、それを考えた本人か、それを面白いと思える人だけだろうね。
946創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:12:26 ID:n6n8ZIz/
 設定の穴は不条理なギャグで補うのだよ!
 というかそれしか出来ない……。
947創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:14:00 ID:Sxab0v5g
一方穴だらけの設定で見切り発車した俺は隙だらけだった
948創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:14:36 ID:4kJsYWua
なんだこのネタレスフルボッコタイムは……見てていい気分じゃねーぞ
949創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:15:00 ID:xRQOx42R
>>941,943
普段の流れが早いからねぇ
そう気にすることでもないかとw
950創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:16:00 ID:xRQOx42R
フルボッコというか、ちょいとネタにマジレス気味だなw
951創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:16:12 ID:xeBdduhc
まぁ埋めネタとはいえ、クオリティの低いネタを投下した俺が悪いっす。すんません
952創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:17:50 ID:ctU9HP12
なに、このスレにはツッコミ所だけで構成されている作品もあるんだ
953創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:18:22 ID:Sxab0v5g
>>951
ドンマイ!あのネタで書く気になったら設定手伝うよ!
954創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:19:15 ID:n6n8ZIz/
 まー正直設定うんぬんでつっつくのは感心しませんねー。

 などと設定の数が片手の指で足りる程度しか無い奴が言ってみる。

>>951
 誤 っ て な い の に 何 故 謝 っ た し 。
955創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:19:33 ID:u/MHeldw
まぁ、設定だけを暖め続けて放出もしない俺よか数倍マシ
956創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:21:17 ID:4kJsYWua
>>954
誰 が 上 手 い こ と 言 え と
957創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:21:42 ID:xeBdduhc
>>954
いや、俺の書いたレスに対して真面目に突っ込んでくれた人が居るのが嬉しくてw
何となく初期の1号機、2号機の時を思い出したんですよw
>>953
ここで成仏させたから多分もう書きませんwごめんなさいね
958創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:22:34 ID:Sxab0v5g
ふむ、ちと真面目にネタとして設定考えてみますかね>>936
今書いてるネタとも近いとこ多いしw

ニートというよりディレッタントな感じにした方がやりやすいかのぅ
959創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:23:05 ID:u/MHeldw
>>957
それをすてるなんてとんでもない
960創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:24:24 ID:xRQOx42R
そういえば、妖怪系世界観ベースの巨大ロボットものって何かあったっけ?
961創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:24:31 ID:D3AYhkfj
>>944
個人的にこの手の設定を考えるだったら、軸にする部分をハッキリさせた方がいい気がする

・ロイヤルニートな主人公が叔父の遺したロボに乗り込む
・スーパーアンドロイドの家政婦と主人公の日常
・封印されていた妖怪軍団との過去から続いている宿命の戦い

って部分が、作品において重要な要素になると思われるが
その「どれが一番重要な要素なのか」ってのを決めんと、話にし難いと思われる

例えば、妖怪軍団との死闘がメインとなるんだったら、話の都合でニート設定は変更しても構わないだろうし
「働かないなら戦えニート!」って感じのギャグにしたいんだったら、敵もコミカルな物体に変えていいだろうし
アンドロイド美少女とのラブコメをメインにしたいんだったら、ロボも妖怪も適当な設定で構わないだろうし

とにかく「どんなストーリーを書きたいのか」「書くにあたってここだけは変更できない、絶対に書きたい部分」ってのを
ハッキリさせた方がやり易くはなるかと
962創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:24:59 ID:xeBdduhc
てか中々埋まりませんねw俺のネタじゃ加速装置にならないかw
ちょいと失礼します。
963創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:26:09 ID:n6n8ZIz/
>>956
 俺 の 本 能 が 叫 ぶ の よ !

>>957
 な る ほ ど な る ほ ど !
964創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:27:06 ID:ctU9HP12
妖怪っていうと小型な印象がな・・・
あ、でも響鬼みたいなイメージならアリか
965創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:28:02 ID:LFIGMAGx
ちょっとした妄想にマジレス。久々の初期のノリだな
966創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:29:04 ID:xeBdduhc
>>961
……ここまで熱の籠ったレスを返されるとは思わなかった
まぁ何時か>>936を書いてみる時には、重要な要素を決めて書きますね。御鞭撻感謝します
967創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:29:09 ID:n6n8ZIz/
>>964
 ぬりかべとかって大きいイメージありません?

 ふむ、巨大な子泣きジジイか……。
968創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:29:46 ID:D3AYhkfj
>>964
見上入道みたいなにもいるし、巨大が売りの妖怪がいない訳でもない

むしろ「主人公の先祖が巨大妖怪を大半封印していたおかげで、小型の奴が多かった」みたいな
世界観に繋がる設定にも持っていける訳で
969創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:35:35 ID:Sxab0v5g
主人公:ニート 無料で憑き物落としをしている街の変わり種有名人
家政婦アンドロイド:中世に作られた自動人形(魔術的な)
          呪いの人形として持ち込まれた物を主人公が修理。
          無口系
叔父:本職の拝み屋。呪詛払いに失敗して若くしてお亡くなりに
ロボット:叔父が使っていた最強の式神を内蔵している(又は叔父が式神として使っていた妖怪)
ライバル:芦屋道満とか有名どころの子孫など

話の導入部としては、新しく街に引っ越してきた好奇心旺盛な少女が町中をぶらついてる
主人公を見かけて、追跡途中で妖怪に襲われ、ロボがバトっている所に巻き込まれる

即興でこんな感じ、ってもう人いないかw
970創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:36:34 ID:xeBdduhc
……もしかして容量落ちじゃなくて、>>1000にまで行かないと落ちませんか?
やべぇ、雑談のネタが……
971創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:37:50 ID:xRQOx42R
段々>>936から逸れて
ヒトカタと同じ原理で人間の動きをトレスするとか
千年の時を経て憑喪神となったため、現在では意志を持っているとか
そんなロボット設定を妄想しまった
972創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:38:21 ID:Sxab0v5g
>>970
ちょっといじらせてもらったけど、どうですかねw>>969
973創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:38:21 ID:wsHD9+tt
   △  ¥ ▲
  (  皿 )  がしゃーん
  (        )      
 /│  肉  │\         がしゃーん
<  \____/  >
    ┃   ┃
    =   =
3ゲットロボだよ
自動で3ゲットしてくれるすごいやつだよ
974創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:38:53 ID:D3AYhkfj
日本産の妖怪相手にするロボってんなら
木製の歯車が内部で大量に回ってる感じのがそれっぽくはあるな
975創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:39:16 ID:u/MHeldw
主人公が対魔の血筋の人間で、その血中に特殊な因子を有している
ロボの武器はその血中の因子を増幅、覚醒させて妖怪に撃ち込む事で滅することが可
このシステムの転用が出来ないため組織的な兵器としての運用は不可
ちなみに血を武器として使用するために主人公の体調が崩れがちで、メディカルケア含め諸々の管理のためにアンドロイドが必要
ライバルは直系の血族じゃない義兄弟、血の濃さが半分のために能力的に劣り、本家から冷遇→主人公に恨み→ライバル化
妖怪の大半はツクモガミなので機械などに憑き、巨大化 ボスはロリコン成敗バックベアード様

…みたいな
軽く流してくれ

976創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:41:01 ID:Sxab0v5g
>>971
妖怪:塵塚怪王
    器物の妖怪、金物や陶器などゴミとして捨てられた物が寄り集まって出来た妖怪
    これを拡大解釈して、金属なんかが在れば自動再生する機体みたいなw
977創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:44:22 ID:xeBdduhc
>>969>>975
俺なんかよりずっと設定が良いじゃないですか―!面白そうですw
978創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:45:19 ID:xRQOx42R
余談だが、ブライトライツ・ホーリーランドというラノベには
500人の羅漢の祈祷により動く、全長30mの重機動如来が
ヘカトンケイルとガチンコするシーンがあったりするw

>>968
大型というと、がしゃどくろ、ダイダラボッチ、わいらなんかもいけるなw

>>976
いいねぇ

個人的にはコ・パイロットに座敷童が欲しいw
979創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:45:46 ID:n6n8ZIz/
 おお、本格的に懐かしいノリになってるw
980創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:45:50 ID:ctU9HP12
ヒヲウの炎(木製巨大からくり)
ガサラキのクガイ(鬼)
ヤマトタケルのスサノオ(和風ファンタジーロボ)
あやかしびとのメカ九尾(付喪神)

わりとモチーフになりそうなのも多いかも。
981創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:47:01 ID:Sxab0v5g
>>975
あぁそうすると色々合いますなw俺より細かいw
982創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:49:27 ID:Sxab0v5g
>>978
古橋作品の中でも有数のぶっ飛びシーンでしたね!(ドロップキック的な意味で
983創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:49:45 ID:ctU9HP12
いい感じに埋まったな
984創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:51:03 ID:xeBdduhc
>>980
全部和風というか、日本的なキーワードがモチーフですね
ガサラキのクガイは好きだったなぁ。得物が刀でかつ外見が鎧兜とかツボ
985創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:51:20 ID:4kJsYWua
設定担当のみなさん相当くすぶってたんだなw
986創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:52:05 ID:RiGlmVgG
フノレハシ「仏像が闘ったっていいじゃない」
荒山トヲル「そうそう、殺戮したっていいじゃない」
987創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:52:06 ID:xeBdduhc
あ、だいぶ遅れましたが、次スレに12時ごろ投下します
良ければ支援のほど、お願いしますネ
988創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:52:36 ID:xRQOx42R
>>978
>全長30m
訂正、座高30mだったw

>>980
おお、意外と沢山あった、GJ
でもちょっとだけマイナー気味なのが多めなのかなw

>>982
まさかブラなんとかシリーズのネタが通じる人がいようとはw
あのシーンは読んでて笑いが止まらなかったw
989創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:52:41 ID:Sxab0v5g
偶にはこういう討論もイイ感じですなー
>>977氏が言っていた様にスレの初期みたいですなwこの前見直してきたんですが
990創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:53:03 ID:D3AYhkfj
このスレって、ちょっとした一言から作品が出来た事例もあるから
設定のみを投下するってのも、そこから新作に繋がる可能性があるから
どんどん書き込めばいいと思う

たまに、自分で外伝とか書いてみたくなるような設定の作品もあるし
991創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:56:53 ID:xeBdduhc
>>990
そうですねー。気軽に設定とか書きこんで貰って、それを皆で討論するのも良いと思います
何時もの軽いノリも良いけどw
992創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:57:07 ID:n6n8ZIz/
>>987
 了解です!

>>990
>ちょっとした一言から作品が出来た事例
>自分で外伝とか書いてみたくなるような設定の作品
 タウエルンとDSですね、わかりますw
993創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:58:40 ID:4kJsYWua
って、もう>>1000目前じゃないかw
994創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:59:30 ID:xRQOx42R
>>990
>外伝とか書いてみたくなる
あるあるww
995創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:59:44 ID:XgbiSAwD
よし、自分もネタを投下してやろうとワクワクしたら1000手前だった

996創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 00:00:19 ID:jzI5QTEk
埋めっかー
997創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 00:00:28 ID:jS3EkPFc
ニセ予告→過去のネタ→討論→もうすぐ埋まる
              ↑今ここ!

つーか凄い流れだw
998創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 00:01:11 ID:H6EXw7cd
久遠に臥したるもの死することなく
999創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 00:01:27 ID:XgbiSAwD
1000ならロリ神さま降臨
1000創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 00:01:29 ID:UYyTZ2Em
1000なら>>936作品化
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
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