ロボット物SS総合スレ 10号機

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1まとめの人 ◆kAEq7CJYak
ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二時創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで何でもどうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物も受け付けています。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。
・ロボスレもついに二桁突入です。ルールを守って、楽しく創作活動に励みましょう。
・ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん。

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/


前々スレ
ロボット物SS総合スレ 8号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1252573903/

前スレ
ロボット物SS総合スレ 9号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253096042/


関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227137377/
2まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 16:40:35 ID:UYaMjf1V
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!

【ザ・シスターズ ◆klsLRI0upQ】
平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱
その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで―――
超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ!

【電光石火ゼノライファー ◆.dMD1axI32】
「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」
正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する!
少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ!

【Tueun ◆n41r8f8dTs】
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!?
「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇!

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!
3まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 16:42:53 ID:UYaMjf1V
【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 ◆gD1i1Jw3kk】
悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』
その力は二つの世界を交差させる!
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!

【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【スーパー創作ロボット大戦OP映像風 ◆gD1i1Jw3kk】
スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを
ロボット物SS総合スレ作品で再現!
所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ!

【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!

【仮想戦闘記録 ◆gD1i1Jw3kk】
海上都市姫路守備隊戦記・外伝
設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場!
果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!?

【ARTIFACT LEGACIAM あお ◆6k/dFp.sTw 】
突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕!

【Diver's shell ◆a5iBSiEsUFpN氏】
人類共通の夢の一つに、「もっと遠く」というものがある――――
これは、表面の90%が水で覆われた星を舞台に、愉快なダイバー達が織り成す物語。
男の娘もあるよ!

【ヴィルティック・シャッフル ◆n41r8f8dTs氏】
普通の少年・鈴木隆昭の前に現れたのは、普通じゃない少女・メルフィーだった。
時を同じくして、平穏な日常に忍び寄る悪魔、オルトロック・ベイスン。
その「カード」を引く時、「未来」は訪れる。果たしてそれは「希望」か、「絶望」か――――

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs氏】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――


・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
4まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 16:45:34 ID:UYaMjf1V
天麩羅追加入りマース

【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1 】

近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!
5パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 16:50:01 ID:V4BtQjIV
 アーイ、キャーン、>>1乙ゥゥゥゥ――――っ!!
6まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 17:06:55 ID:UYaMjf1V
さらに天麩羅追加入りマース

【剣神鋼王ミカズチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。 剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―
7ヴィルティック・シャッフル@代理投下:2009/09/22(火) 18:44:37 ID:mPrI7SMH
>>1乙です!まさか10スレまでいくとは……このリハク(ry
何気に自分ではお馴染みの?鬱回です。サッパリ決めようと思ったら凄くドロドロしちゃいました
支援のほど、よろしくお願いします
8ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:45:31 ID:mPrI7SMH
―――――――大いなる力には、大いなる代償が伴う。それを受け居られらぬ者に、力を得る資格は無い――――――――――


未だに凄惨な現場である校庭と学校周辺で、救急隊員達が必死に救援活動を行う。重傷者や軽傷者含め、怪我人は大体収容した。
デストラウによって命を奪われた、学生や教職員達の死体を隠すブルーシートがそこらじゅうに引かれている光景は異様であると共に悲痛感を感じさせる。
氷室も草川も軽傷ではあるが怪我をしている為、現在救急車に乗り病院へと向かっている。

「雨……降ってきそうだ」
何気なく窓を覗いた草川が、空を見上げてポツリと呟いた。氷室はじっと目を閉じて、祈るように両手を合わせる。
あれから幾度か救急隊員に聞いたが、結局木原の安否を知る事は出来なかった。そして隆昭とメルフィーの安否も。
ポツポツと雨が一粒、二粒と降り出し始め――――やがてバケツをひっくり返した様な激しい土砂降りと化した。雨音を聞きながら、氷室は願う。

(神様……もし貴方がほんとうにいらっしゃるのであれば、どうか……私達に救いを与えて下さい)

『ヴィルティック・シャッフル』

第8話
ブレイカ―

俺は……悪夢でも見てるのだろうか。さっき、確かに俺はこの目でデストラウが機能を停止するのを見た。奴は確かに、ヴィルティックランサーの直撃を受けて沈んだ筈なんだ。
だが今、目の前で、その倒した筈のデストラウが地面に両足を着いて立っている。それも、致命傷である筈の箇所が完全に元の状態に戻って。戻ってじゃない。再生してだ。
俺の認識を遥かに超える程の化け物だってのか……。笑える場面じゃないのに、余りの無茶苦茶さに俺の口元から乾いた笑いがこぼれた。
悪い事はそれだけじゃない。奴の右手には、このヴィルティックの左肩を動けなくする程の威力がある大剣が握られている。あんなので斬られたら一巻の終わりだぜ……。

対してこちらはどうだ。左腕が損傷が激しい為か、全く動かない上に、ヴィルティックが普通の状態よりずっとパワーダウンしてるとか何の冗談だ。
球体を握っていると分かる。妙に感覚が可笑しい。ヴァースト状態からの反動かは知らんが、ヴィルティックの動きが重いし、遅い。
何にせよ、このまま止まってしまえば奴の良い的だ。いや、むしろ好きなだけ虐める事が出来るおもちゃかもしれない。額から汗から落ちてきて、手の甲に落ちる。
アルフレッドは5分経てば、元の状態に戻ると言った。5分間か……。キツイな。何がキツイかと言えば、俺の代わりに戦ってくれる……。

「メルフィー、返事をしてくれ。メルフィー!」
メルフィーがデストラウが再生して以降、全く応答してくれないのだ。俺が幾ら呼びかけても応答してくれないし、メルフィーからも通信が入ってこない。
情けない話だが、今の俺じゃヴィルティックを操るだけで手一杯で戦闘の方まで気が回らない。メルフィーが居てくれたから、俺はヴィルティックを自由に動かせたんだ。
本気で頭抱えたくなってきた……。俺だけであいつを、デストラウを相手にするなんて気が重すぎるし怖すぎる。だが一応聞いてみるか……。
9創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:46:47 ID:mPrI7SMH
「アルフレッド! 戦闘に関する操縦も、俺の方で出来るか?」
『出来ない事は無いが、恐らく君の処理能力が追い付かないし、ヴィルティックを操作するだけで手一杯だろう。……メルフィーが回復するまで待つんだ』

回復……するのか? こんな時に如何メルフィーに声を掛ければいいか分からない……。取りあえず後5分も持つかどうか……!
俺は頭を振って一度メルフィーの事を頭から切り離す。今はデストラウの攻撃を凌ぐ事に集中しなきゃな。まだ1分も経ってない。
シャッフルシステムさえ使えれば、何か好転するかもしれない。……5分だ。それまでは何をしても耐えきる。
もし5分経ってそれでもメルフィーから応答が無かったら……その時は、その時だ。両頬を両手で叩いて、俺は気合を入れる。

「そう言えば……メルフィーはどうしたんだい? 声が聞こえないけど」
「黙れ。お前には関係ない」
自棄に軽いオルトロックの声に本気で腹が立つ。コイツはメルフィーの何なのだろう。メルフィーはオルトロックを師匠的な存在と語っていたが……。
いや、この二人に何があったかなんて今は関係ない。いま重要なのは、コイツにどう対抗するかだ。ただでさえ戦力差が酷いんだ。集中しろ、俺。

「……なるほど。そこらに転がっている死体を見て思い出したんだな。鈴木君、君はどれだけメルフィーについて知っているか知らないが――――」

「メルフィーはね、沢山人を殺した人殺しなんだ。君が好きなテレビゲームの様な感覚で人を殺す、どうしようもない子なんだよ」

……俺の中でもう一歩、超えちゃいけないラインを飛び越えた気がする。メルフィーが人を殺す? ゲーム感覚?
俺に対する精神攻撃のつもりか? だとしても弟子に当たる人間をそうやってこき下ろすとか普通じゃない、異常だ、オルトロック・ベイスン。
だが怒るな……。俺はまたも溢れてきそうな怒りを抑えながら、なるべく冷静な声でオルトロックに反論する。

「ふざけるな。メルフィーがそんな事出来る訳が無いし、出来るとは思えない」
「君は何も分かっていないんだね。メルフィーは君が思っている様な可愛い女の子じゃないんだ。彼女は戦争である事を理解せず、ゲーム」

「止めて!」
メルフィーの声だけが、コックピット内に響いた。その声は、俺が今まで聞いた事無いような――――悲痛な、叫び声だった。
俺の中で何かが繋がりそうで繋がらない。それは繋がらないんじゃなくて、俺が繋ぎたくないだけかもしれない。そして今一度思う。
そんな事は今、関係無い。今はオルトロックを倒す事を考える事が最優先だ。メルフィーの事は全てが終わった後にする。俺はメルフィーに言う。

「メルフィー、頼む、戦ってくれ。ここを乗り切らないと、全て……全て終わっちまう」
俺がそう言ってメルフィーに声を掛けたが、メルフィーは何も言わない。……何を、メルフィーに一体何をした、オルトロック。
ここまでメルフィーが塞ぎ込むなんて相当酷い目に合わされたんだろうな。引きずり出したい。オルトロックを引きずり出して、ひたすらぶん殴りたい

「メルフィーに……あっちの世界でメルフィーに何をした。答えろ」
「私はただ戦い方を教えただけだよ。まぁ……キスくらいはしたかもしれないがね」
「てめぇ!」
10創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:48:05 ID:mPrI7SMH
思わず普段使わない様な言葉が口から出た。一瞬突発的な怒りが、俺の中で沸いた。ここまで人をおちょくる奴は初めてだ。コイツよりも草川の方が100倍品が良い。
しかしメルフィー……。如何して戦ってくれないんだ。身勝手かもしれないが、俺一人じゃ戦えないんだ。頼むから戦ってくれ……出ないと本気で何もかも終わる。

「その反応は実に愉快だな。ジョークだよ、私は年下には興味が無いんだ。……あぁ、そうそう、一つ言い忘れてたけど」

ジョークだと? あの下世話な言葉がジョーク……。ますます俺の中の怒りが溢れそうになる。いや、もう溢れてる。
とは言え対抗する手段が無い事が悔しいがな事実だ。一先ず回避だ。ここはまず後ろにさが――――あれ? 左腕の感覚が、無い?
俺はカメラアイを動かして地上に目を向ける。そんな馬鹿な……。さっきまであった左腕が、道路にへこみを作って落ちていた。右腕を動かすが、感覚が、まるで無い。
正面にカメラアイを戻すと、デストラウの右手には大剣、そして左手には――――ヴィルティックランサーが握られていた。……頭の中に最悪の事態が浮かぶ。まさか……。

「回復したのはデストラウだけじゃない。カードもなんだ。驚いたかい?」


状況は一言で表せば、「最悪」である。互角であった戦力差は完全にデストラウの方へと傾いてしまった。理由は多々あるが、決定的なのはヴィルティックの性能だ。
パワーダウンしたヴィルティックは、通常時のヴィルティックよりも反応速度も機動性が格段に低下しており、全くデストラウの攻撃に対応できない。
デストラウはそんなヴィルティックに対して脚部による攻撃だけで圧倒する。どれだけ隆昭が防御しようとしても、確実に隙を突き、ダメージを与え続ける。
如何逃げても、どう回避してもデストラウは必ず追いつき、蹴り上げ、踏みつけ、叩きつける。成す術が無い。

コックピット内で、隆昭はデストラウに攻撃を受ける度に、強烈な嘔吐感と、転倒したりビルにぶつけられる事による衝撃で激痛に見舞われる。
隆昭と共鳴する様に、ヴィルティックは各部の駆動部分がショートし、電子部分に火花が散り、灰色の煙が浮かんでくる。
ロボットとパイロット――――そのどちらに置いても、デストラウが強すぎる。失神しそうな中で、隆昭の頭の中で、ある不安が大きくなっていた。
隆昭を襲う嘔吐感は、その不安が原因である。闘いに集中しようとしても、どうしてもその不安が頭をもたげる――――。


ここまで……ここまで戦力差が酷いなんてな……。悔しい上にみじめだが、俺はデストラウに対して全く反撃する事が出来ない。避ける事さえできない。
攻撃の度に来る衝撃に、俺は吐きそうになりながらもどうにか踏ん張る。体中に言いしれない痛みが走って、その度に呼吸が出来なくなる。最悪……だ。
だが、俺自身が感じる痛みはどうにかなる。俺が本当に嫌なのは、俺がふっ飛ばされるせいで、周辺のビルが次々と壊れていく事だ……。
何やってんだ、俺……。町を守る為に戦ってるのに、街を壊してちゃ……。もし、逃げ遅れた人とかいたら俺は……。

……馬鹿野郎、そういう事は考えるな。今はデストラウに、オルトロックに勝つ事だけを考えるんだ。
メルフィーからの応答は未だに無い。俺はどうしようもなく、デストラウの攻撃を防御し続ける。くっ、骨という骨がいてぇ……。
もう5分くらい経ったんじゃないかと思い、俺はブラウザで表示されている回復までの所要時間を確かめる。……まだ2分とか、おい。
だがもう1分経った。シャッフルシステムが使えるようになったら、少しはこの状況を良く出来るかもしれない。俺は痛みに耐えながら、システムを発動する。

「シャッ、シャッフル……」

システムが発動し、カードが……。三枚? 三枚しか無いのか!? そうか、ここまでの過程をカードを使いすぎたのか……。
だが悲観する気は無い。三枚でも何か強力な武器か、あいつを混乱させるような効果があるカードがあるかもしれない。俺はその三枚の絵柄に目を付ける。
赤い縁が2枚に黄色い縁が1枚か……。赤い縁のはなんだこれ? 盾か? それともう一つは……メリケンサックか? 何かグローブの様に見えるが。
って武器カードはメルフィーじゃないと使えなかった。俺は残りの1枚に希望を託す。絵柄は、ロボットが二体いて、薄い影みたいな方のロボットが撃たれている絵だ。
11ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:49:41 ID:mPrI7SMH
「……アルフレッド、これは?」
『デコイだ。1度だけ、敵機体のターゲットロックを変える事が出来る。幻想と違ってモニターまで騙せないから、多重ロックオンが出来る武器を持つ機体には無意味だ』

一度だけ、か……。だが無事に避けられた所でどうする? メルフィーが動けない今じゃ、俺はまた的になるだけだ。意味が無い。
本当にどうすれば良い……。シャッフルした所でカードには恵まれない、戦える人は塞ぎ込んでいて応答さえ見せない。何から何まで最悪だ。
俺をあざ笑うかのように、デストラウの攻撃が頭部に直撃する。モニターが激しく乱れて、数秒経って回復するとデストラウが見下ろしていた。

「さっきに増して動きが酷いね。メルフィーが居ないと何もできないのかい?」

オルト……オルトロック! 気付けば俺は―――ヴィルティックはビルに突っ込んでいた。すまない、ヴィルティック、こんな奴がパイロットで。
ガラガラと上から瓦礫の破片が落ちてくる。何だろう、ここ……。大きなデパートかな。そういえば大きなバルーンみたいなのが浮かんでたっけ。
俺は直ぐに回避行動を取る為に球体を前に押しながらヴィルティックを起き上げようとした、その時。

「おや? 右手を上げてみてくれ。何か付いているよ」

右手? 何で右手なんか……。何でか俺はオルトロックの言葉につられて、右手を上げた。

『駄目だ! 見るんじゃない!』

アルフレッドの声が聞こえたが。俺は別に気にする事無くカメラアイを右手に動かした。……何でだ?
何でこんな、絵の具を塗りたくった様な赤い色がそこらじゅうにベッタリ付いてるんだ? 何だよ、この赤い色。どこから……。、
両手が、尋常じゃないくらいに震えだす。俺の意思とは関係無しに、カメラアイが地上に映る。そこにはぐちゃぐ―――――。
12ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:50:43 ID:mPrI7SMH
……うそだ、何で俺が、何で俺が人を……。違う、違う! 俺は、俺は好きで潰し……。違う、違う違う違う!
俺は戦ってたんだ。無我夢中になって町の皆を守る為にデストラウに一矢向くてい戦ってそう、違う、俺が、俺が殺したんじゃない!
事故だ、これは事故なんだ! 不可抗力なんだよ! しょうがないじゃないか! そうだ、俺は……俺は悪くない!
ヴィルティックが……ヴィルティックが殺したんだ! 俺じゃない!

「可哀相に……きっとお母さんを探していて迷子になったんだね。お母さんは今頃、必死になってその子を探しているよ」

「黙れ……」

「やっと自覚したかい? 君も人殺しなんだよ、私と同じくね」

「違う、俺は……俺はお前から町を守る為に……」

「君のその大義名分で、一体何人死んだのかなぁ。学校と駅前と今のビルと……」

「止めろ!」

俺は……俺は……こんな事をする為に戦ってたのか? 皆を守る為じゃなくて、皆を――――殺す為に?
球体から両手が自然に離れていく。離れた両手で俺は――――口を塞いだ。溜まっていた何かが一気に口から嘔吐となって出てくる。止まらない……。
しばらく吐き続け、激しく咳き込みながら俺は思う。俺のやってる事は……あいつと、オルトロックと同じなのか?  俺も、ヒトゴロシなのか?
分からない、何もかもが分からなくなってきた……。何が正しいんだ? 俺は……何だ?

「自覚してくれたようでなにより。それじゃあ死のうか。君が壊した、その子の未来と私達の未来に対する贖罪として」

『何をしている! 死にたいのか馬鹿が!』

誰かの声が聞こえて前を向くと――――大きな剣が構えた何かがこっちに飛んでくるのが見えた。

瞬間、俺は反射的に球体を後ろに滑らせた。モニターに激しい閃光が走り、俺は両腕で顔を防いだ。しまっ……。
……恐る恐る両腕を開けると、モニターには縦一線に、大きく深い亀裂が入っていた。その亀裂の間から、デストラウの姿が見える。
不幸中の幸いか、両方のモニターは死んでない。ただ、当り前だが正面の映像が見れない為凄く視野が狭く見える。

妙に頭がズキズキする……。左手で頭をなぞると、生暖かい感じがして左手を戻す。……血だ。破片でも飛んできたのか、頭から血が出ている。
つっ! 流れてきた血のせいで、右目が開けられない……。亀裂から入ってくる風のせいか、凄く肌寒い。外は酷い雨だ……。どこまでも状況はこちらに不利みたいだな。
それにしても危なかった……。もしもアルフレッドが何も言わなかったら、今頃ヴィルティックは一刀両断されてた。とっさに反応してくれたヴィルティックも凄いが。

「寸ででかわすなんてやるじゃないか。まぁ、反応してくれたヴィルティックに感謝する事だね」

……何も言い返せないし、もう言い返す気力も無い。けれどさっきは本気で危なかった。もし少しでも反応が送れていたらと考えるとゾッとする。
皮肉な事に、怪我を負ったお陰でパニックから脱する事が出来た。シートと言うか足元は見たくない。色んな意味で。それに……デパートの方も。
俺は頭を激しく横に振って、両頬を強く両手で叩く。確かに俺はどうしようもない罪を犯した……。だが今はその事を考えるんじゃない。
デストラウを止めるんだ。そうしないと、もっと沢山の人が死ぬ。これ以上、この町の人を……殺させて、堪るか。
13創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:51:25 ID:0vFH7joj
支援
14潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 18:51:33 ID:LM0E+mNn
支援
15創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:52:09 ID:mPrI7SMH
「そう言えば……君はメルフィーの事について何も知らないようだ。それなら、彼女がどんな子なのかを大まかに教えてあげよう」

畜生、悠然と立ち構えやがって……。だが、反撃の糸口がなに一つとして掴めないのが現状だ。下手に動けば手痛い反撃を食らう。
……息が荒いで呼吸が整わない。凄ましく癪だが、少しだけ体力を回復する手前、オルトロックのホラ話を聞く。

「メルフィーは元々、ブレイブグレイブの選手だったのは彼女から聞いたかな。本当に優秀な選手でね、私も目を見張るほどの実力を付けていったんだ」

どうりであの攻撃が一々的確で鋭い訳だ……。全く迷いが見えないもんだ。怖いくらいに。……いや、ただの独り言だ、オルトロックに共感してる訳じゃない。
それで、その事が今、メルフィーが塞ぎ込んでいる事とどう関係あるんだ? そう言いつつ、俺の頭の中で何かが繋がりはじめる。

「それ故に、イルミナスによる世界への宣戦布告による戦争で、メルフィーはアストライル・ギアを自在に扱える人間として軍に召集された。特殊部隊の一員としてね」

「メルフィーは感嘆するほど敵兵士達を倒していった……いや、これではゲームみたいだね。大量に敵兵達を殺してくれたよ。とても楽しそうだった」

「やめて……下さい」
メルフィーの声が聞こえて、俺は唇を噛みしめる。メルフィーが拒んでも……あいつからの通信は無理やり入ってくる。
俺は反論したいが、喉から声が出ない。出てくるのは、荒い呼吸と寒さから来る白いため息だけだ。寒い……。

「まぁ仕方ないと言えば仕方ないだろう。メルフィーは幼かった。戦争が戦争だと理解できる程、精神は成長していなかったんだ」

「そんなある日、メルフィーにイルミナスの拠点を叩く為の作戦が伝えられてね。メルフィーは何時も通り、自分のアストライル・ギアに乗って拠点を叩く為に作戦に参加した」

「……お願いします。……止めて、ください……」

「メルフィーは実に鮮やかに、拠点、及びイルミナスの構成員達を始末した。だが、戦闘終了後、彼女は気付いてしまう」

「いや……止めて……」

「イルミナスの構成員には――――洗脳された彼女の友」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
瞬間、メルフィーの声から吐きそうなほどに切迫した叫び声が聞こえた。……そういう、事かよ。……畜生!

「止めろ! お前が戦いたいのは俺だろ! メルフィーは関係無い!」
メルフィーの叫び声に俺の中の怒りが再び宿る。オルトロック……そうやって易々と人の心を踏み躙るってのは、どれだけ残酷な事なのか分からないのか?
……分からないだろうな。分かっていたら、俺を挑発する様なおちょくった台詞を吐かないもんな。上手い言葉が浮かばないがマジで腐ってやがる。
16ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:54:41 ID:mPrI7SMH
それにしても俺は迂闊すぎた……。闘いに夢中になり過ぎて、メルフィーがどんな光景を見ているのかを全く理解していなかったんだ。
俺が戦っている間、メルフィーが見ていた光景は多分……だな。なんてこった……。
メルフィーが塞ぎこんだ理由は、俺にあったって訳か……。俺がもう少しメルフィーに気を使っていれば、こんな事にはならなかったのか……。

「理解して頂けたかな? 君が好いているその少女は、無邪気に人を殺す人間なんだ。君が一番憎む、私と同じタイプのね」

俺はギッと歯を食いしばり、正面に見えるデストラウを睨みつける。こんな事しても意味が無い事は分かっていても。
「黙れ……。俺は……俺はお前の話を信じない。俺はメルフィーを信じる。お前の様な、遊びで人を殺す下衆とは一種にするな」

「信じないも信じるも関係ないさ。だって真実だから。そうだろ、メルフィー?」

否定するんだ、メルフィー。ここで奴に飲まれたら、君は本気で戦う事が出来なくなる。俺は声を張り上げてメルフィーに言う。
「メルフィー! 奴の話を聞くな、今は戦いに集中するんだ!」
だが、メルフィーから帰って来た台詞は――――俺が一番、聞きたくなかった台詞だった。

「ごめん……なさい……」

何で……何でそうなるんだ、メルフィー……。それじゃあ、オルトロックの話は……。
あぁ、畜生! どこまで、どこまでメルフィーの心をいじくり倒せば気が済むんだよ! 変態ロン毛野郎!

「そうそう、今は殺し合いの最中だったね。話し合いではなくて」

オルトロックの声が聞こえた途端――――息が、詰まる。デストラウが既に間合いに入り込んできて、またも激しい衝撃が、俺の体を揺さぶる。
だが……。引かない。いや、回避しない。 もし下手に回避して、またビルとかに突っ込んだらどうしようもない。ここは防ぐんだ、奴の攻撃を。
襲ってくる痛みに歯を食いしばりながら、、ブラウザの回復までの所要時間を覗き見る。まだ……3分30秒しか経ってない……だと?
沸き上がってくる吐き気と、今に折れそうな間接の痛みに気が沈みそうになりながら、俺は後退せず、デストラウの攻撃を防ぎ続ける。

いつまで続くんだ……この、悪夢は……。


デストラウの猛攻を、ヴィルティックはその場を動かず必死に耐える。既にテール・フロント部の装甲は蓄積されたダメージにより、ほぼ全てが地上に叩き落とされた。
脚部も胸部も精悍でシャープなフォルムを既に保っておらず、ボコボコに凹んでおり非常に痛々しい。関節部はギチギチと音を立てて、動く度に煙を出す。
それでもヴィルティックが倒れないのは、耐久性を始めとするポテンシャルの高さによるものである。
しかしヴァースト状態の強さに比べると、同じ機体とは思えない程にヴィルティックはデストラウによってボロボロに打ちのめされている。
隆昭は球体に手を乗せるものの、何をする――――いや、何も出来ない為、ヴィルティックに防御態勢を維持する事だけを考えている。

(やはりしぶといな……。あの男が作った機体、伊達では無いと言う事か)
オルトロックは中々倒れないヴィルティックに舌打ちすると、シャッフルシステムを作動させた。そしてカードを二枚引く。引いたカード名は――――。
カードを見、不敵な笑みを浮かべてオルトロックはモニターに投げ飛ばす。デストラウのCASがカード名を告げた。
17創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:55:52 ID:V4BtQjIV
 食事中に支援。
18ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:56:10 ID:mPrI7SMH
……どれだけ時間が経っただろう。まともに球体を握れない程、寒さで手の感覚が感覚が麻痺している。自分の手じゃないみたいだ。
散々吐いたお陰は知らないが、もう痛みには慣れた。ただヴィルティックが悲鳴のような音を上げているのが聞いていられない。
何か対策を考えようとしても、すぐに煙の様に消えてしまう。何をしても無意味で無駄であいつに喜ばれるだけな気がしてならない。
本音を漏らせば……誰でも良いから、助けてほしい。何したって良いんだ、この状況から抜け出せれば……。

「流石は……ヴィルティックだ。どれだけ攻撃しても倒れないなんて感嘆するよ。君は三度感謝したまえ。ヴィルティックのお陰で死なずに済んでいるのだから」

……何て返せば良い。はい、そうですね。ヴィルティックのお陰でぼくはしなずにすんでいます。ですからあなたをいますぐにでもぶっとばしたいです。まる。
けどごめんな、ヴィルティック。俺のせいでこんな酷い目に合って……。……切実に思う。俺には、力があれば……!

「しかしこのまま戦っていても面白みが無い。君にはこれから気合を入れて貰うよ」

気合いだと? さっきから……さっきからずっと本気で戦ってるんだよ馬鹿野郎が! マジで何処まで人を馬鹿にすんだ、この男は!
と、デストラウの様子が妙だ。何か周りに大きな湯気みたいな煙が2個浮かんで……その煙が、次第に形を成してくる。まさか……アレか?
まずい、な……。いや、非常にまずい……。幾ら偽デストラウがデストラウに劣ってても、今のヴィルティックの何倍かは強い。早さ自体はオルトロックが乗ってるデストラウ並みだ。

俺はヴィルティックを動かそうと……傷が多すぎるのか、全く動かない。どうする、どうするどうするどうする!
掌に大量の汗が滲む。まずい、偽デストラウが近付いてきた! 球体を必死に回すが、ヴィルティックは動けない! 万事……窮す……か?
俺は無意識に目を瞑っていた。死ぬなら痛くない方が……ん? 何で何にも起こらないんだ? カメラアイを左右に動かす。
偽デストラウが、ヴィルティックの右腕と左肩をグッと押さえつけていた。だからさっきから動かないのか……ってちょっと待て!

気付けばデストラウの腹に、大きくて長い……砲塔みたいなのが繋がっていた。それが花の様に開いて、中央の砲口か……? が青く光り輝いてる。

「これはエシュトリームクラッシュと言ってね。君の学校に穴を開けた武器なんだ。その時点で威力は3/1だが、これを……」

「最大出力でぶっ放す事にする。目標は適当に決めるから、撃たれたくなかったら10秒以内にそいつらを倒して私を止めてくれ」

……おい、ふざけんな。アレの何倍も強い物を撃ちこむだって!? やめろ、おい!
俺は球体を必死になって動かすが、ヴィルティックは全く動かない。カメラアイ……いや、顔しか動かない!
離せ……離せよお前ら! あんなのが撃たれてみろ! 何も残らないぞ! 

「動け、動けよ! 頼むから動いてくれ!」
俺はそう言いながらヴィルティックが飛んでいくイメージを何度も浮かべるが、ヴィルティックは梃子でも動かない。
代わりに偽デストラウが押さえつけてくる音が聞こえる。ちくしょう……畜生! 動けよ! 動けよヴィルティック!
デストラウが……デストラウがまるで品定めでもする様にその場をゆっくりと回っている。……動け、動けって! 今動かないと、皆……皆死んじゃうんだよ!
19創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:56:12 ID:sexmgKvc
支援
20潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 18:56:40 ID:LM0E+mNn
ウドンが…支援
21ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:57:46 ID:mPrI7SMH
「残り5秒」
オルトロックの声が聞こえる。と、デストラウの動きが止まった。俺はその方向に目を疑う。
俺と……俺の家族が住んでるマンションが、砲塔の斜線上に入っている。待て……止めろ! 止めてくれ、オルトロック!

「3……2……」
「止めろぉぉぉぉぉぉ!!」

「1」


次の瞬間、デストラウの腹部に接続された大型荷電粒子砲――――エシュトリームクラッシュが眩い閃光を放ちながら発射された。
雷光の様に鋭い光を放つそれは、立ち並んだ建物を一瞬で蒸発させる。そして隆昭が住んでいるマンションも――――。全てが光の中で消滅していく。
5秒ほど経っただろうか、エシュトリームクラッシュがその役目を終え、デストラウの腹部から消失する。
デストラウの正面には、扇形に広がった荒れ地が広がっている。そこには建物はおろか草も、木も、何も残らない。


「嘘だ……嘘だ! こんな……こんな事って……」

消えち……まった……。俺の……俺の住んでいた、マンションが……。
親父やお袋、姉貴の顔が浮かんでくる。どう気持ちを整理すれば良いか分からない。俺は両手で両目を覆った。
消えた……? 仲間も、学校も、家族も? 消えたのか……? 何もかも……何もかも?

――――切れた。何が切れたかが分からないが、切れた。頭の中で。
俺は球体を殴りつけて無理やり手の感覚を取り戻す。何度も、何度も殴る。血が滲んできても関係ない。戻れ。戻れよ、感覚。
痛みのお陰で感覚が戻る。俺は球体に手を乗せての間に見えるあのクソ野郎の姿を捉える。俺から全てを奪いやがった――――最低最悪なクソ野郎に。
いつの間にか体は自由になっていた。これが狙いだったのか……? 俺に怒りを促進させる為に?

関係ねぇ。もうコイツに慈悲もクソも無い。ぶっ殺す。どんだけ汚い手を使っても、コイツだけは、絶対に許せねぇ!

「アルフレッド! 戦闘操作も俺に回せ! コイツだけは……こいつだけは俺の手で殺す!」

言うが早く、俺はヴィルティックをデストラウに向けて疾走させる。無駄だとしても、俺にはもう怒りを抑えるなんて事は出来ない。
タックルでもパンチでもキックでも何だって良い。あいつを殺す為なら、なんだって!

「シャッフル!」

シャッフルシステムを起して、俺はカードを選ぶ。どれだ、どれが奴に攻撃を与える事が出来る?
盾か、メリケンサックか。どっちにしろこの距離で出しても駄目だ。メルフィーがやったみたいに、零距離まで近づいて……!
段々デストラウの姿が見えてきた。待ってろ、クソ野郎。お前に殺された皆の分まで叩き殺してやる!

『待て! それはフェイクだ!』
瞬間、アルフレッドの声がハッキリと聞こえて、俺はヴィルティックを止めた。フェ……イク?
そんな――――次の瞬間、左右のモニターが真っ暗になった。嘘だ、こんな事、嘘に決まってる……。俺は混乱しそうな頭を押さえて、ヴィルティックを動かす。
亀裂から地上の様子が見え――――ヴィルティックの頭部が、近くで転がっていた。
22創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:58:47 ID:wIlpSGFs
支援
23創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:58:50 ID:sexmgKvc
支援
24ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:58:57 ID:mPrI7SMH
「さっきも言ったじゃないか。感情的に戦えば死ぬって。もし君が私と直接戦っていたら、君は斬首されていたよ」


数秒前の事だ。デストラウは幻想のカード――――に残像を利用した偽物を使い、ヴィルティックを誘導して背後に回り、頭部をグランファーにより切断した。
頭部が切断されたものの、モニターは映像をコックピット内に映すといった機能を失っただけで、シャッフルシステムとトランスインポートは無事なのが幸いか。
隆昭は気付く由も無いが、とうの昔に5分経過している。しかし今の状態――――使えるのが右腕と脚部のみというのは、パワーダウンよりもタチが悪く、最悪な状態と言っていい。
燃え上っていた隆昭の激怒の炎が、次第に鎮火していく。次に隆昭が感じたのは――――どうしようもない、絶望だった。


無茶苦茶だ……無茶苦茶すぎる! もう何やったって無駄じゃねえか! 左腕は斬られる、首は斬られる、おまけにやっと捉えられたと思ったら幻覚!
こんな規格外すぎる相手にどう勝てってんだよ……。モニターが死んだせいで、周辺の状況下が何も分からない。
元々不利だったがそれさえ突き抜けてる。どうしようもない虚無感と絶望感が、俺の体にずっしりと追いかぶさる。
降伏? 無理だ、多分惨たらしく殺される。何をやっても……何もやっても無意味だ。無気力に、俺の手が球体から下がる。

「さて、どうしようか。もう君に抗う力は残されてない。賢い君ならどうするべきか分かる筈だよ」

如何するべき……どうするべきって何だ? 何をしたって殺されるのに。
俺は答えられない。何を言っても同じ結末を迎えるなら、俺はもう何も答えられない。静かに目を閉じて顔を覆う。
夢ならすぐに醒めてくれ。もう悪夢は良い。見たくない。こんな救いようも無い悪夢から、誰か救い出してくれ。
頭の中で学園生活が走馬灯のようにスライドする。会長、木原さん、草川……誰でも良いから、俺の手を引っ張って悪夢から抜け出させてくれ。
メルフィー、ごめん、ごめんな。未来を守るって言ったけど無理だわ。今さえ救えないのに、未来なんて到底無理だ。嘘つきでごめん。死ぬから許してくれ。

『……おけ』

あぁ、アルフレッド。すまない、結局こうなっちまったよ。ちゃんと言う事を聞いていれば、こんな事にならなかったのに。

『……手を置け』

ごめん、アルフレッド。何だか耳が遠くなってきた。それに猛烈に眠いんだ。最後は静かに……死にたい。

『早く球体に手を置け! 諦めるな!』
「無理だよ! あんなのに勝てる訳だろ! ただでさえボロボロなのに……もう無理だよ!」

本音だ。もう気丈に振る舞う事さえできなくなった。死にたい。俺はもう、死にたい。
涙も枯れてしまった。頭の血が止まったからか、右目が開けられるようになったけどその分デストラウの姿が鮮明に映って……。
もう無理なんだ。最初からこんな闘い、負ける事が当たり前だったんだよ。一度勝てそうになったのは本当に奇跡だったんだ。奇跡は二度は起こらない。
25創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:59:35 ID:V4BtQjIV
 
26潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 18:59:52 ID:LM0E+mNn
シエン
27ヴィルティック・シャッフル:2009/09/22(火) 18:59:55 ID:mPrI7SMH
「おーい、返事はまだかな? 私は何分我慢弱くてね。後5秒以内に返答してくれ」

「5秒経ったな。この期に及んで迷っているのなら――――仕方ない。体に聞こうか。かなり痛いぞ」

え……? 次の瞬間、俺の体が磁石で引きつけられるように―――――違う、ヴィルティックが背中から何かに吸い寄せられてるんだ。
背中で凄い衝撃音が鳴って、俺の首が衝撃からか激しく上下した。何だ? ヴィルティックが全く身動きできなく……。

「このカードはバインドと言ってね。機体の動きを封じる事が出来るんだ。そして……」


オルトロックが指を鳴らした瞬間、隆昭とメルフィーを激しい電撃が襲う。メルフィーは悲鳴を上げ、隆昭はただ、苦痛に顔を歪ませる事しか出来ない。
今のヴィルティックは空中に浮かんだ巨大な魔方陣に動きを封じられており、全く動ける気配が無い。ヴィルティックの体を、幾多の稲妻が走る。
バインド――――それは、敵機体の動きを封じ、なおかつパイロットに対して電流攻撃によるダメージを与える事が出来るカードだ。
その効果の危険性から倫理性に欠けるとして使用を禁じられたが、イルミナスによる戦争勃発後には敵兵士に対する拷問として使用を認可された。

「さて、何分持つかな?」
モニター内を見ながら、オルトロックはほくそ笑む。
激しく降り注ぐ雨に、止む気配は無い。


                                   予 告
 

               オルトロックによって大事な人やプライドはおろか、立ち上がる気力すら奪われ絶望に打ちひしがれる隆昭
              そんな隆昭に対し、アルフレッドは諦めず戦えと叱咤する。必死に拒む隆昭に、メルフィーからの悲痛な通信が入る。
         何もかもが虚無と化した状況下の中で、隆昭が取る決断とは? 果たして、デストラウ、否、オルトロックを倒し、この悪夢から脱する事は出来るのか?

                             次回、『ヴィルティック・シャッフル』


                                   スピリッツ 


                           その「カード」が映すのは――――絶望か、それとも
28創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 18:59:56 ID:sexmgKvc
支援
29創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:00:40 ID:mPrI7SMH
投下終了です。何というかやりすぎた感

こんな ないよう だけど オルトロックを きらいに ならないでね
30創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:01:32 ID:mPrI7SMH
ここまで代理投下でお送りしましたー
31創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:02:43 ID:sexmgKvc
>>30
投下乙でした!
さてじっくり読み返すか

>>1
スレ立て乙です!
32創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:03:00 ID:UYaMjf1V
支え……ああっ、遅かったか!

>>29
投下乙です!
33 ◆n41r8f8dTs :2009/09/22(火) 19:05:51 ID:0vFH7joj
>>30
代理投下して頂き、誠に有難うございました

最初の文は受け入れられぬ者に
の間違いです。締まらない誤字、失礼しましたorz
34パラベラム の人(怒) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 19:12:30 ID:V4BtQjIV
>>29-30
 投下乙です!

 オォォォルトロォォォォォォォォック!! てめぇ一発殴らせろおるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
35潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 19:13:31 ID:LM0E+mNn
外道過ぎる……モグリの人になりかけた
36創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:13:36 ID:84/5oMg+
読者に恨まれる悪役ってのはやっぱり素晴らしいと思った
37創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:16:19 ID:UYaMjf1V
>>34
おいなんだその(怒)ってwww
つか落ち着いて師匠!

しかしオルトロック……このド外道がッ!
38 ◆n41r8f8dTs :2009/09/22(火) 19:17:16 ID:0vFH7joj



(オルトロックを書くのが楽し過ぎる俺は人間としてもう駄目かもしれない)
39創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:23:49 ID:UYaMjf1V
>>38
何、気にすることはない
40創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:24:22 ID:Y4rdbDQk
オルトロックとツクヨミさんはどっちが外道なのだろうか
41創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:26:55 ID:UYaMjf1V
どう考えてもオルトロックです、本当にありがとうございました
42潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 19:28:03 ID:LM0E+mNn
目の前でさりげなく家族を殺せるとか鬼畜杉
43創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:28:33 ID:V4BtQjIV
 ジェノサイドでデストロイなオルトロックに一票で!
44創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:31:28 ID:UYaMjf1V
>>42
もうあれネ、オルトロックさん壊れてるヨ

>>43
落ち着いたかw
45創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:38:23 ID:V4BtQjIV
>>44
 チョーさんの描いたリタが無かったらプッツンしているところでしたよ……。
46創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:45:10 ID:e0RH7BYy
だんだん加速してるじゃねえか。
>>30
投下乙。
47創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:49:48 ID:0vFH7joj
凄く反応が良くて嬉しい限りですw悪役冥利に尽きます
次の話で決着が着きますが、皆さんのフラストレーションを晴らせる展開にしたいなと

しかし鈴木君不幸過ぎる・・・
48残り4つ:2009/09/22(火) 19:50:19 ID:p3jlkeiC
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/61/Save0001.JPG
木原さん
初めて身体描いた結果がこのザマだよ!
49潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 19:52:11 ID:LM0E+mNn
>>48
エロすww
50創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:53:15 ID:V4BtQjIV
>>47
 鈴木くん、最後には救われるって信じてますから!

>>48
 踏んでください。
51創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 19:54:38 ID:UYaMjf1V
>>48
おっきしました
52創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:00:58 ID:0vFH7joj
>>48
俺のヴィルティックランサーがヴァーストしますた
ここまでエロく木原さんを書いて頂き、有難うございます!
>>50
どうでしょう・・・
53創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:03:49 ID:V4BtQjIV
>>52
>どうでしょう・・・
 え……?
54創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:05:31 ID:UYaMjf1V
>>52
>どうでしょう・・・
しょ、冗談じゃ……
55創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:21:06 ID:e0RH7BYy
>>48
乙なものです。
>>52
黒富野展開クルー?
56創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:26:56 ID:tpXnJnjv
嘘だといってよバーニィ
57創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:29:13 ID:UYaMjf1V
ええい、この鬱々なふいんきを払拭できる者はおらんのか!
58潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:31:02 ID:LM0E+mNn
もうじき投下ダヨー
59創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:31:02 ID:Y4rdbDQk
誰かがエロい絵を描くしかないね
60創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:31:28 ID:0vFH7joj
>>53-54
あっ、悪くもないけど良くもないって意味ですw
いうなればなるべくしてなるって感じです

ほぼネタばれだなこりゃ
>>55
黒富野展開には残念ですがならないですね〜

あ、それと超カッコイイヴィルティックを書いて貰ったのに、話の中でボロボロにしてしまってごめんなさい
61創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:40:06 ID:sexmgKvc
>>29
>>30
読み終わった!…………………………オルトロックの狂気が凄すぎるorz
GJ!!これは続きを期待する!

>>48
……有り難う!光速で保存した!w

>>60
主人公は傷ついてナンボだって何処かで読んだ気がしないでもない
62創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:40:48 ID:V4BtQjIV
 傷ついたロボはそれはそへら美しいもんさぁ。
63潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:41:50 ID:LM0E+mNn
ロボだけにぼろぼr(略


投下します。今回も細切れな感じが強いんだぜー。
64創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:42:12 ID:sexmgKvc
おk支援するよ!
65創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:43:25 ID:V4BtQjIV
 支援しますねー。
66創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:44:01 ID:UYaMjf1V
おk支援はまかせとけ!
67潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:44:13 ID:LM0E+mNn
 『Diver's shell』



 六話 「忘却と今」




 なんとなく夏の香りを感じさせる大気満ちる中、階段を上がっていく。
 息切れしてしまうほどに長い階段でも、呼吸は乱れない。脂肪が少ない身体の賜物か。
 かつんかつんと革靴がコンクリートの地面を叩く。磨かれていることの照明に、表面は弾丸のような光沢を持っている。

 「―――……もうあれから何年になるんだかなァ………」

 柄にもなく感傷に浸った声を出した中年の男性が、長方形の石の上に歯車が乗せられている墓の上に花束を置くと、地面に腰を降ろした。
 晴れでもなく曇りでもない日。小さな丘の表面にへばりつくように乱立する墓石の一つの前。海から吹きつけてくる風がオヤジの白髪交じりの髪の毛を乱暴に揺さぶった。
 オヤジは、黒いスーツを見事に着こなしていた。ややくたびれたスーツだが、本人の身体から発せられる雰囲気がそれを打ち消している。
 手に持っていた酒の小さい瓶を墓石の傍らに置くと、刻まれている名前を上からなぞる。
 余りいい石を使っていない所為なのか、掠れてしまっている。それでも必要な部分は確りと残っている。
 周辺にこれでもかと詰め込まれた墓と比較すれば随分と大きい。

 ―――……『フローラ=ファルシオン』

 花と春の女神の名前を持つ女性が眠る墓に向かってオヤジは微かに笑みを浮かべる。口元と目元に皺が寄る。遠い昔を思い出すように目のピントがずれた。
 過去を取り戻すことは出来ない。過ぎ去った時間を思い出してみることは出来ても、決して帰ってはこない。もしも、と思うことは出来ても、もしも、が実現することはありえない。
 分かっているからこそ、辛くも有り、悲しくもあり、懐かしくもある。
 ふと視線を上げて墓石を見つめてみる。
 鈍い灰色の反射が目に入ってきた。

 「あの子はアンタに似て美人になったよ。性格だって俺を尻に敷いてもおかしくねェレベルだ。や、尻にってのは良い意味で………尻尻うるせぇな、こりゃ」

 そこに人間がいるかのような口調で語りかけ、楽しげに喉を鳴らす。
 死人は黙して語らず。語る口も、挙げるべき手も、見るべき瞳も持っていない。
 だが、居なくても居なくなったわけではない。
 オヤジは、一通り自分の持っていた話題を話すと、すっくと立ち上がって、海のほうを見遣った。
 海は良い。どんな人種、どんな文化、どんな思想を持っていようが、差別することなく迎え入れてくれる。それでいて時には表情を変える。同じ瞬間は存在しない。
 両手を合わせてぐっと前に押しやる。すると、ぱきぱきと間接が鳴った。
 花束にされても生き生きとした色を失っていない花束。一本の花の花びらがぽとりと墓石に落ちる。

 「あの子は昔のことの一切を憶えて無いらしい…………なぁ」

 そこには誰も居ない。いるのは、墓の中に入っている遺体程度だ。
 オヤジは目頭を揉み解して疲れを取る。
 上着の皺を伸ばし、ついでに埃も叩き落とす。

 「思い出さないほうがいいのかねェ……寂しいもんだが。どう思う? フローラ」

 返事は無い。
 オヤジは、溜息を漏らし、とぼとぼと墓場から去っていった。
 墓石の上に乗せられた花束だけが残されて。

68創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:44:28 ID:sexmgKvc
支援
69創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:44:57 ID:V4BtQjIV
 
70潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:45:40 ID:LM0E+mNn

 パソコンの前に座っているユトは、慣れた手つきでキーボードを叩いていた。
 カタカタと小気味良い音が響くたびにメインモニターの上や斜めに色とりどりの空間投影モニターが浮かび上がって、情報や画像を示す。ユトの指が空間投影モニターを移動させたりする。なんとも忙しい動きだが、本人は苦を顔に出すことは無い。
 よく見ると耳には昔ながらのイヤホンが嵌っていて、時折頭がリズムを刻むようにかくかくと上下している。金髪が微かに揺れる。

 「〜〜〜〜♪」

 鼻歌をふんふんと歌いつつ、画面に映っている映像を直視する。そこには潜水機の稼働時のデータが映されている。自分のポンピリウスや、他の人の潜水機が稼働している時の映像だ。
 ユトは、ポンピリウスの設計データをメインモニターに呼び起こしてじっくりと見遣る。
 お盆のような大きい一眼式のメインカメラが暇そうにも見えた。
 設計図を透過させて骨格を浮き上がらせ、各部の数値を表示させる。弱い部分。強い部分。それぞれを目を小さくしたり大きくしたりして頭の中で演算を繰り返す。
 潜水機の脚部の強度値が非常に低いのは余り気にすることではない。
 潜水機は地上で立ち上がることを想定しておらず、ポンピリウスの場合は起立が精一杯なのだが、水中で使用する分にはなんら問題にはならない。
 音楽を切り替えつつ潜水機の設計データを閉じる。
 イヤホンから流れてきたのは今は殆ど聴くことの出来ない、地球の山の音。
 小鳥がさえずり、木々が揺れ、小川がのんびりと流れる。90%以上が海で、陸地という陸地が細切れの島しかない第二地球では絶滅危惧種的な、否、まず見られず聴かれずのモノだ。
 第二地球に移住するに当たって、山に生きることしか出来ない生物は次々と死んでいった。そういう生き物を蘇らそうという計画もあるにはあるが、今のところはデジタルデータで鑑賞するしかできない。
 さてと。
 そんなことを呟いたユトは、さっきから自己主張激しいメールボックスを開く。
 そして一番上にあるメールを開いた。

 「何々………元気にしてるか弟よ………に、兄さんか。また濃い格好を……」
71創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:45:52 ID:sexmgKvc
支援
72創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:46:08 ID:UYaMjf1V
 
73潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:46:36 ID:LM0E+mNn

 添付されていた画像データを開いたユトの顔が引きつる。
 そこには、結構男前な顔つきをした金髪の青年が、軍人のような服装をして人差し指と親指を立てた隙間に顎を乗せて木製の箱に片足を置いてポーズをとっている画像がある。
 普通の人が見たら「な ん だ こ い つ」と思うのが普通な画像である。
 と、画像の中の兄貴の白い歯がきゅぴーんと光った。画像をいちいち加工したらしい。
 しかもその輝きが徐々に増していって身体をオーラを纏うが如く光らせる。

 「暇だ……。えーっと、お仕事は見つかりましたか、お母さんに連絡を入れてあげて下さいねっと」

 キーボードで打ち込んだ文章をメールで送信する。
 その1分後。メールが届いた。
 内容は至って単純だったが、やたらとうねうね動く絵文字で彩られていた。

 「自由が仕事さ……兄さん、現実を見よう現実を」

 先行き不安になりそうな内容のメールに苦笑し、パソコンの電源を落とすと、部屋から出て行った。
74創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:47:06 ID:sexmgKvc
支援
75潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:47:41 ID:LM0E+mNn


 「あ。ユト。例の電池、ちょっと調整しておいてくれる?」
 「OK。ってかもう調整済みなんだけどね。オヤジさんはいい仕事してるよ」

 リビングに入ると、ポニーテールを結い直しながらテレビを見ているメリッサが居た。ソファに腰掛けて随分とリラックスしている。
 ユトは、時計を確認すると向かい側のソファーに座る。ぎしりと音が鳴った。
 特にすることも無いので、二人はぼんやりと身の回りを弄ったり、髪の毛を弄ったり、欠伸をしたりしてみる。ソファーの間にはスナック菓子の入った袋が置いてある。
 口の寂しさを感じた二人は、すっと手を伸ばしてスナック菓子の袋を取ろうとして――手と手が触れ合ってしまう。
 電流でも流されたかのように二人の手が離れ、相手を見て。

 「ご、ごめん」
 「……別に」

 何をやっているのかわからなくなって来た。
 気まずさを感じたユトは、机から袋を素早く取ると、中から棒状のスナック菓子を取り出して口の中に放り込んだ。甘い味がした。合成のイチゴ味。メリッサの好物だったはず。
 ふと目を上げたユトの顔に、やや頬を赤らめたメリッサの顔があった。
 高鳴る心臓を押さえつつ、明後日の方向に無理矢理頭を向かせた。その時に肩がとんとんと叩かれる。ぎちぎちと鳴りそうな速度で頭をメリッサのほうに向けると、手を肩に置いたまま見つめてくる光景が広がっていた。

 「頂戴よ」
 「ぇ」
 「私に頂戴よ」

 メリッサはややはっきり口調で言えば、自分の隣を示してみせる。隣に来いということらしい。
 油の切れた操り人形を思わせる動作で歩いていくと、ガラス細工のように掲げたお菓子入りの袋を自分の腿の上に慎重に配置する。
 首をメリッサのほうに傾けるユト。メリッサは、目を閉じて唇を突き出した体勢で待機していた。

 「ん〜!」

 くれ。
 そんな文章が脳裏に送信されてきた気がした。
 テレパシーってあるんだなと俯瞰するユトの中の誰かが感心したように呟いた。
 ゴクリ。ゴクリ。ゴクリ。
 蛇口を捻ったのかという勢いで湧き出てくる唾液を飲みまくるユト。その度に喉が音を立てる。
 震える手でお菓子を摘みあげて、これまたガタガタ震えながらメリッサの口に近づけていく。
 ちょん。
 先端が柔らかな唇に触れると、口の中から赤く細い舌が伸びて、お菓子を舐めて、口の中に納める。薄っすらと明けた瞳はどこか潤んでいるようにも感じられる。
 メリッサは、お菓子をボリボリと食べながら、悪戯っぽく微笑みながら立ち上がった。

 「意気地無しっ」
 「な……そのなっ、なにが仰りたいのか俺にはわからないというかだなっ」

 左右に揺れながら部屋の外に向かっていくポニーテールを追いかける。
 その追走はもう暫く終わりそうに無かった。
76創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:48:06 ID:UYaMjf1V
 
77創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:48:10 ID:sexmgKvc
支援
78潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:48:47 ID:LM0E+mNn



 夕方になった。
 夏に近づきながら、完全にそうではない独特の空。第二地球に燦々とした豊かな日光を降り注がせている太陽が朱色に近づき始める。
 空は群青。一番星を競うように白い星や赤い星が雲の合間に見え始めた。
 追いかけっこを屋上まで続行した二人は、エアバイクに乗った通りすがりの人に見られたことで我に返って、やや恥ずかしさを残したまま仕事をし始めた。
 とある遺跡の構造図を分析した結果が記された書類を、眼鏡の位置を上げながら目を通していく。
 一枚。二枚。三枚。
 見慣れた遺跡の構造図を見る速度は早く、見慣れない遺跡のを見るときは早い。ユトは、首を回して間接を鳴らした。
 マーカーで色をつけた箇所を指で追っていたメリッサは、手に持っていた書類を机に投げ出して、今の時間を確認すべく壁にかけられている時計を見遣り、ソファーにぐったりと身体を投げ出した。
 よく考えたらもう数時間もこうして書類やら、潜水機の設計図やら、企業の動向とか、新しい商品がどうのこうのという話をし続けている。当然疲れも溜まる。
 リビングの机の上にあるコップから天然水を口に流し込んだユトは、額に手を置きつつ肘をついた。

 「俺、疲れた……」
 「私も……」

 見て分かる疲労度。体力ゲージがとことん減りまくっている二人。
 メリッサは、元気の無い前髪を指で整えると、身体を反り返るほどソファーに押し付けていき、大きく息を吐いた。
 今日は寝てしまうという選択肢もあるわけで、気だるい頭を無理矢理持ち上げて時計を見たユトは、書類を緩慢な動きで片付けていき、ファイルの中に押し込んでいく。

 「こんなに体力無かったかな……俺」
 「無いでしょ。見た感じ筋肉無いみたいだし。タナカさんは服の上からでも分かるほどあるケド……アンタも筋トレすればいいじゃない……」
 「タナカさんが異常なんだよ………あの人何と戦ってるんだ……」

 ユトは、自分の腕を持ち上げて筋肉を盛り上がらせて見るが、悲しいほど平坦でしかない。
 グダグダした空気。
 その空気を打ち破るが如く、玄関のほうで物音がしてきた。数秒後、ピンポーンという呼び鈴が鳴った。
79創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:49:18 ID:sexmgKvc
支援
80創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:49:27 ID:UYaMjf1V
 
81潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:49:57 ID:LM0E+mNn


 「行ってきて」
 「はいはい」

 仕方が無しにユトが立ち上がって玄関のほうに歩いていく。ドアにたどり着くと、向こう側でごそごそと妙な音が聞こえてくる。
 不審者ではあるまいな。
 片眉を上げ、拳を固めると、チェーンをかけたままでドアを開いた。

 「Hey!!!」
 「………」

 ユトは扉を蹴っ飛ばすように閉める。
 この声、ドアとの隙間から見えた服、髪型、見間違いでなければ、身内だ。
 というか今日メールで見た兄貴ではないのか。
 メンドクサイなぁ。
 一人のユトが囁くが、いつものユトが許してくれない。せっかく来てくれたのだから、出迎えないと行けない。ユトはチェーンを外すとドアを開けた。

 「Hey!!!!」
 「兄さん………ゴメン疲れてるんだ。ハイテンションにはついていけそうに無い」

 兄貴の上げた絶叫に近い呼びかけが鼓膜を痛みつける。
 軍服に似ている服を着崩して来た金髪の好青年。何もしていなければかっこいいであろう外見は、古臭いサングラスと、ボロボロになった帽子、止めとばかりの大きなバックパックが打ち消している。
 鋭い目つき、キリリとした強い口元。ユトと似ている男。メールでポーズを決めていたユトの兄貴である。
 さほど広くも無い玄関で格闘家を数人KOしました的ポーズを取っている。
 ユトは、疲労がピークに突入するのを感じながら口を開いた。

 「お金を貸してっていうなら」
 「お願いしますぅううううううッ!!」

82創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:50:11 ID:V4BtQjIV
 
83創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:50:34 ID:sexmgKvc
支援
84創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:50:36 ID:UYaMjf1V
 
85潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:51:34 ID:LM0E+mNn

 ユトがまだ全て喋り終えていないにも関わらず、兄貴―――……ニコラス=シーゼンコードは土下座かくやというほどに頭を下げると、両手を差し出して「お金頂戴」を全身で示してくる。
 兄貴としての尊厳はどこに行ったのか。ユトの頭がキリキリ痛む。
 ニコラスは、潜水士となったユトと違って、職につかずにあっちへこっちへ旅を続けている兄貴で、時々現れては食事やら金銭を要求してくる正真正銘の「ダメ人間」である。
 そして、このユトですら制御不能と感じている「自由人」でもある。
 暗くなり始めた時間に玄関で頭を下げる男。まことに不思議で奇怪である。

 「なによー、泥棒か強盗か殺し屋でも来たのー?」

 騒ぎを聞きつけたメリッサがやってくる。軽く眠ってしまっていたのか、瞳をごしごしと擦っている。心なしかポニーテールがずり下がっている。
 次の瞬間、ニコラスは直立不動を取ったかと思うと、メリッサに向かって両手を差し出した。

 「結婚してくだ」
 「やかましい」
 「おぶっ」

 突然の婚約の申し込みにも慌てず騒がず、力のある渾身の右ストレートをキメてやる。ぼくっ、と痛々しい音をさせながらニコラスの頭部が跳ねて、反動で玄関の床に倒れこむ。
 ニコラスは震えながら親指を突き上げる。なんとなく嬉しそうに頬を押さえている。変態か。

 「いいパンチだ。メリッサちゃん、俺にお金をく れ な い か ?」
 「お断りよ……と言っても最悪数週間から数ヶ月張り込まれるから、ユト、いくらか上げて帰ってもらって」
 「分かった」

 ポニーテールを解きつつ、メリッサは家の奥へと消えていく。慣れたものである。
 ユトは、財布から札束を数枚取り出してニコラスに握らせる。ニコラスは目にも留まらぬ速度で懐に札束をねじ込んだ。
 しゅたっ。ニコラスは立ち上がると、胸を反り返らせて両手を腰に置く。意味が分からない。何故自分で「ドドーン」と効果音を呟いているのかが分からない。

 「兄さん、そろそろ定職に」
 「ひゅー!!」
 「………あぁ、もう……これだから兄さんは。ほんっとに疲れてるからあんまりごちゃごちゃ言うつもりは無いけど、風邪とか、怪我とか、心配させるようなことをしないでね?」
 「分かってるぜ兄弟。俺をひける風邪があるならひいてみやがれってんだ」

 どこまでもおちゃらけた様子のニコラス。ユトは、いつもどおりの反応に小さく笑みを作りつつ、それでいて疲れ気味に肩をすくめると、ドアを閉めようとする。
 ニコラスは、ワザと上着を脱ぐと片手に引っ掛けて肩からぶら下げつつ背中を向けて。

 「仕事頑張れよ!」
 「定職についてない兄さんには言われたくないなぁ」
 「ついてるゼ―――……自由にな………」
 「はいはい。お休み」
 「良い夢見ろよ、兄弟」

 真面目と不真面目が同居しているとでも表現出来る男、ニコラスの姿が扉で閉ざされる。
 ユトはリビングへと戻って、ソファーですやすやと寝息を立ててしまっているメリッサを起こす作業に取り掛かった。


           【終】
86創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:52:33 ID:UYaMjf1V
 
87創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:54:33 ID:UYaMjf1V
投下乙!
兄貴ウゼェwwwメリーは相変わらずかわいいのう
88潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 20:54:52 ID:LM0E+mNn
これで第六話は終了です。ニコラスという駄目兄貴を登場させてみたり。
ガラになくシリアスシーンが冒頭に、という。
89創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:57:21 ID:sexmgKvc
>>88
投下乙です!
メリッサかわいいのうwかわいいのうw

兄貴、ウッゼェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!w
外見から内面までウザイとかすげぇwwww
90創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 20:59:03 ID:e0RH7BYy
>>67-86
支援は自重した。投下乙。ネタ分補給キター。
>>60
つガンダム(ラストシューティング)
つDamaged Jehuty
決戦の時はボロボロでもいいのよ。
91創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:00:06 ID:V4BtQjIV
>>88
 投下乙です!

 うわー、ニコラス兄貴うぜぇぇぇぇぇwww
 そしてタナカさんは何と戦ってるんだ……。
92潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 21:10:15 ID:LM0E+mNn
ニコラス兄貴のコンセプト
「イケメン」「ダメ男」「海の男」「無意識ピエロ」

支援に感謝感激…ィ!
93創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:11:41 ID:V4BtQjIV
>>92
 「ダメ男」が無かったら完璧超人じゃないですか……!
94創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:12:37 ID:UYaMjf1V
>>93
まだ「無意識ピエロ」があるぞw
95創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:16:06 ID:UYaMjf1V
ああそうだ。wikiの管理人さんいるかな
96創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:17:56 ID:0vFH7joj
>>88
投下乙です!
冒頭の親父さんに目頭が熱くなりました・・・
ニコラス兄さんwwキャラが良すぎww惚れてしまいそうだぜ・・・!

潜る人さんのキャラって透明感があっていつも良いな−と思う
俺のキャラはサブはともかく主要キャラはどこか濁るんですよw色んな意味で
俺はこういう話は絶対書けないw
>>90
分かりました−
カッコ良く散らせます
97創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:19:51 ID:V4BtQjIV
>>96
 なんか爽やかな感じしますよねw
 まさに海! っていうような。
98残り4つ:2009/09/22(火) 21:32:29 ID:p3jlkeiC
>>29
大丈夫、嫌いにはなりません、むしろ惚れた(ぇ
もうオルトロック兄さんの華麗なる退場劇に期待するのみですね
>>85
なんというウザさ…これが才能というものか
段々メリッサの過去の真相に近づいてきましたね

亀ですが
>>49-51
最高の褒め言葉です
>>52
セーフラインが分からないので制服に踏みとどまりました、明確に分かればもっと(ry
>>61
保存した…だと…!?

エレノーアも近々うpします、ロボ三機はちんたらうpします
99潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 21:35:39 ID:LM0E+mNn
皆さんの感想おいしいお。
でも、自分はいつまで経っても「透明感」「空気感」を理解できない…。

>>98
絵、ワクワクし過ぎて心臓フィーバーっす。

あとニコラスがウザいのは仕様です。彼は無意識なのです。
100創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:45:09 ID:e0RH7BYy
>>96
けりがつくまえに間にあうとイイナー。
>>98
wktk
>>99
素だと?
iijan
101創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:49:12 ID:0vFH7joj
>>98
いやいや、十分エロいです。ごちそうさまでした!
オルトロックさんの幕引きは・・・カタルシスを加えつつ華麗にか。難しいな。だが覚悟は(ry俺は(ry
>>99
まぁ自分も良く意味が分からないので問題無いっすw
>>97のPBMさん見たく、正に海って感じでw

ふとニコラス兄さんとオルトロックを会話させてみたくなった。ニコラス兄さんならオルトロックも押されそうww
102潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 21:56:14 ID:LM0E+mNn
>>101
ニコラス「銃なんて仕舞えよ………男なら裸で語るモンDA☆ZE!(脱衣)」
103パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 21:59:26 ID:V4BtQjIV
>>102
リヒト「ああ、生まれたばかりの姿に戻れば、腹を割って話せるってもんだよな!(脱衣)」
104創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:00:29 ID:4JY9wwp+
なぜ脱ぐ?

マーダーライセンス牙かね?(↓ブラ〜ン)
105創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:04:28 ID:UYaMjf1V
>>102-103
ユト&遥(ダメだこいつら、早くなんとかしないと……)
106創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:04:56 ID:0vFH7joj
>>102-103
オルトロック「君達には知性も羞恥心も足りないようだな」(ニヤニヤ)

「ほうら、メルフィー、男の体だ。しっかり見るといい」
107パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 22:09:32 ID:V4BtQjIV
>>106
リヒト「いい女だが……駄目だな、ロリじゃない……」
ヘーシェン<知性とか羞恥心よりももっと大切なものを失ってますねこいつ。最低です、死ねばいいのに>

遥(な、なんだあの胸は……! 彼女は化け物か……!)
ヘーシェン<おや? 遥さん、遥さーん>
108創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:13:42 ID:UYaMjf1V
なんだこの流れはwww
109潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:17:21 ID:LM0E+mNn
>>106 >>107
メリッサ「………変態が一杯」
110パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 22:19:50 ID:V4BtQjIV
>>109
リヒト「変態じゃねーよ、むしろ変態という名の紳士だよ」
ヘーシェン<変態じゃねーか。それより前隠してください、前>
111創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:21:18 ID:0vFH7joj
>>107
メルフィー(胸があると無駄に肩が凝るからうらやましい・・・)
鈴木「そっちは皆キャラ濃くて良いなぁ。俺、主人公なのに全く話題に・・・」
氷室・草川「・・・・・・」

あぁ、一回こんなノリで話を書きたいw
112潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:22:07 ID:LM0E+mNn
みんなで合作でも作れば…
113創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:25:11 ID:V4BtQjIV
>>111
リヒト「(キャラが)濃くなければ、生き残れない!」
たま<それであんなモノを見せて喜ぶか、変態が!>

まどか「あ、お茶どうぞー」


 ある意味今現在そういうノリで合作をしているという捉え方もできますよw
114創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:26:05 ID:Y4rdbDQk
件のスーパー創作ロボット大戦ネタ再び、か

やっぱり、通常のスパロボみたいに「元々ひとつの世界」ってのは厳しそうだよなぁ
様々な世界、時代から英雄を呼び寄せた!系のノリのがやり易そうではあるが……
115潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:27:46 ID:LM0E+mNn
>>113
ウィスティリア「お茶ありがとう。……ふふ、可愛いわ〜(ニヤリ」

>>114
「部屋に閉じ込めてみた」はいかが
116残り4つ:2009/09/22(火) 22:28:20 ID:p3jlkeiC
時代背景的に時間軸ズレまくってるしね、ダイヴは地球じゃないって言い切っちゃってるし
117創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:28:34 ID:4JY9wwp+
>>114
そういう話になると必ず出てくるのがディケイドだったりする。
118創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:28:54 ID:V4BtQjIV
>>114
 ロボスレ版ディケイドですね、わかります。
 というか自分はそういう方式でやろうと思ってますが……(タウベラム)。
119 ◆gD1i1Jw3kk :2009/09/22(火) 22:30:20 ID:Tvvngsjt
新しいパソコンが来て久し振りに出来るゲームに夢中になってしばらく見てなかったら、凄まじい勢いになってるなぁ。

スパロボZの多元世界方式が一番いいと思いますね、クロスさせるには。時空振動弾的な舞台装置を作るか完全無視の方向で。
120創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:31:24 ID:Y4rdbDQk
>>115
なるほど

「◆1m8GVnU0JM氏とティマを二人っきりで部屋に閉じ込めてみた」

とかですか
121潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:31:33 ID:LM0E+mNn
すると潜水機涙目ww
水中専用という悲劇……ッ
122創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:33:09 ID:V4BtQjIV
>>115
たま<おい、まどか。あの女には気をつけろ。何をされるかわからんぞ……!>
まどか「はい?」

>>120
 やめて! 次元の壁をブチ破ってきた極細に殺される!
123潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:36:08 ID:LM0E+mNn
>>120
ブラッド・カーニバル注意報
124創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:40:40 ID:84/5oMg+
クロスオーバーするにあたって、俺が気になることはただ一つ!
ツクヨミさんの「女性パイロットのバストサイズを当てる程度の能力」が
他の作品のキャラ相手にも通用するかだ!
125残り4つ:2009/09/22(火) 22:48:51 ID:p3jlkeiC
>>124
遥は測定不能(銃声銃声銃声銃声(ry
126創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:52:38 ID:0vFH7joj
>>120
極細(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)

オルトロックはそういうクロスオーバーだとフロスト兄弟的な感じになりますね
ヴィルティックを倒す為ならどんな勢力にも協力しますよw
127 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 22:53:25 ID:aVxx2ISU
投下注意報
128潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:54:20 ID:LM0E+mNn
期待・支援
129パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 22:55:01 ID:V4BtQjIV
 遥はまだ膨らみはあるとして、リタが測定不の(ry
130ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 22:55:13 ID:aVxx2ISU
8/23/2024 18:00


大隊本部、仮設プレハブの一室に作戦会議室と銘打った部屋がある。
ウィンタースの部隊が帰ってからというもの、慌ただしい雰囲気に包まれていた。

一人の将校が一枚の写真を取り出す。
「朝、演習の前に撮影された、偵察衛星の画像です」
将校達が食い入るように見つめていた。
「真上からで解りづらいかもしれませんが、ダンプトラックと我が軍で使用しているEFVです。しかし、この時間帯にこのコースを移動した部隊は記録にありません。アセトンの駐留部隊に問い合わせましたが南に移動した部隊は無いということです」
大隊本部から北に60km、人が住んでいる統治下の町の名だった。
駐留3個中隊が交代で警備している。
「朝方交代要員を乗せたナイトストーカーズのヘリがこれらを目撃してますが、自軍のものと思って報告しなかったそうです」

写真には車両が7台。そのうち一台は幌をかぶせたダンプトラック、EFV4台の内2台が一回り小さい真四角の車両を牽引しているように見えた。
「EFVが敵対勢力に奪取されていると?」シンク大佐の顔が曇る。
「現時点では不明です。偽装されているのかも知れません」
スピアーズ少尉は曖昧に答えざるを得なかった。
「この牽引されてる車両、発見された電源車両に見えませんか?中尉」
「確かに」
ウィンタースは情報端末を指さす。
「外装はロシア製の電源車両なのは間違いない」
照合確認はしてある。
「リプトン機のミッションログを解析しました。ケミカルアラート寸前でしたね」
「ケミカルアラート?」
「塩化アンモニウムの濃度です。燃えていたのはおそらく、ヒドラジンではないかと」
「ミサイルの燃料か」
「そうです。電源車は偽装だと思われます。ミサイルの燃料を運んでいたと考えるのが妥当でしょう」
「ではダンプトラックの積み荷は」
「アル・アッバスU中距離ミサイルなら上下に分解して積み込めてもおかしくありません。事前に目標位置が知れているなら、レーダー波誘導も不要です。ヴァーティカルブートなら発射台も簡素なもので済みます」
「こいつらが向かった南の町には何がある?」
「今は人が住んでいません。1年前の戦闘で無人の廃墟と化しました。以前は人口1000人ぐらいの小さな町だったのですが、今は何も無いはずです」
スピアーズが代わりに答えた。
「そこに向かったとしたら何が目的か」
「ミサイル運搬仮説が正しければちょうどカブールが射程圏内に入りますね」
とウィンタース。
「それか」
「弾頭の中身が気になりますね」
「一発のミサイルなら通常弾頭だとは考えにくい」
将校達は皆口を噤んでしまった。
「…現時点での情報からでは埒があかんな。推測の域を出ない」
「偵察を出しましょう」
「明日はアセトン駐留の入れ替えだ。ソベル大尉、君の部隊は引き継ぎ無しだったな。任せる」
「わかりました大佐」
ソベルはただ淡々と返事を返した。

131潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:55:52 ID:LM0E+mNn
支援
132パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 22:55:55 ID:V4BtQjIV
 
133ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 22:56:04 ID:aVxx2ISU
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「中尉、どう思う」
会議室の帰り、ソベルは覇気のない声でウィンタースに問いかけた。
「偵察してみないと何とも言えません。所属不明のEFVってだけで謎だらけです」
「そうだな。アセトン駐留の奴らが何か企んだのかも知れん」
「どういうことです?」
「湾岸戦争であったことなんだが、現地の部隊が作戦行動中に偶然、フセインの金塊をみつけてな。そいつを持ってトンズラしたことがあったそうだ」
ウィンタースはしばし開いた口が塞がらなかった。
「今回もそのたぐいの事件だと?」
「さあ。この戦争に意義を見いだしてる連中はそうそういない。目の前に自分の給料以上の旨い話が転がり込んでくりゃ、悪さを考えるかもしれんさ」
「はあ」
「ひょっとしたらシンク大佐殿もその可能性、薄々感じてるんじゃないか」
会議の後半、確かに投げやりな雰囲気ではあった。
「まあ、明日の偵察衛星報告まで詰めるところは詰めておくぞ。160航空連隊にも協力いただこう。ブリキのオモチャを運んでもらわんとな」
「現地人と遭遇したときに備えて通訳も必要です」
「?フーブラ伍長はどうした」
「熱中症がひどい状態で、明日の作戦までに回復するかわかりません」
「なるほど…大隊付きのリーブゴット伍長がいいだろう。引っ張ってこい」
「Roger that.」
「中尉」
「…?はい」
少しためらいがちに、ソベルは言った。
「規律を重んじるのはいいが、適当に息を抜いておかないとヘバるぞ」
「…大尉、それは…」
鬼教導と言われたソベル大尉の言葉だとは思えなかった。
「明日0900集合。ブリーフィングを行う。午後には出発だ」
それきり、ソベルはさっさと士官執務室に向かってしまった。


134創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:57:48 ID:aVxx2ISU
「出撃ですか」
レタスを飲み込んだオキーフは声を荒げていた。
「焦るな。単に偵察だ。何も無いかも知れない。大事をとって一個小隊で向かうんだとよ」
ランドルマンは血気逸る部下を宥めるように言い放った。
「フーブラの代わりに大隊の通訳さんが来る。仲良くしろよ」
「通訳?」
「リーブゴット伍長だ。お前も会っただろう」
ああ、あの素っ気ない伍長殿か、とオキーフは思い出していた。
「戦闘経験は無いと仰ってましたが」
「俺だってねえよ」
やや不機嫌そうに答える。
「俺がココに配置されたのはカブールより後だからな。甲冑の曹長殿は二人とも経験してるらしい。バランス悪いよなぁ」
「実戦になれば念願かなったりですね」
「うれしそうに言うな。お前。人を撃ったことはあるのか?」
答えに詰まる。
「…ありません」
「だろ。訓練は飽きるほどやった。だが実戦で本当に人が撃てるかどうかなんてな。訓練の時とは全然違うんだ。民間人とも民兵ともつかん連中に銃口を向けてさ。後になって新聞屋どもが騒ぐんだ」
新兵は何も答えることができない。
「まあ、銃を手に取る兵士にゃ責任はないって事になってる。俺たちは交戦規定に沿って行動してりゃそれでいいんだ。揉め事が起こったならここに派遣させた上にでも文句言ってみるさ」
「穏やかじゃないな」
いつの間にか目の前の席に陣取ったウェブスター特務曹長が割って入る。
ランドルマンに負けるとも劣らない大柄な体格、がっつりと腰を下ろすと、山盛りになっているサラダにかぶりついていた。
「昔とは兵隊の仕事が変わったんだ。オマエらが危険を冒す必要はない。俺のケツにぴったりくっついてくればな」
「頼りにしてますぜ曹長」
「アレって、乗り心地とか、どうなんですか?」
オキーフは我慢できず尋ねてみた。
「なんだ。興味あるのか少年」「はい」
「俺んとこのガキそっくりの目だな」
オキーフには言ってる意味がわかりかねた。
「ああ、故郷に息子がいてな。こういったオモチャが大好きなんだ」
機密事項は話せないとしながらウェブスターは語り始めた。
エクソスケルトンの歴史、開発経緯、今まで軍が行ってきた作戦での兵士の損耗率、極限状態での戦場心理学にまで話が及んできた。
「…研究し始めてたころは単にボディーアーマーの延長だったんだ。それが2000年入った頃に装備運搬するためにパワーアシストモーターやらバッテリーやら積み始めてね。今じゃ半分戦車みたいなもんだ」
「普通の小銃弾じゃまったく歯が立たないんでしょう」
「逆に、対戦車兵装で狙われるようになるな。下手な装甲車よりマトが小さいから、誘導ミサイルの餌食になるかもしれない。訓練の内容にゃ、至近距離でRPG避けるのもあったぞ。当たれば一撃でお陀仏だ。それでも乗りたいか?」
「RPGの危険性は徒歩でも同じですよ。面白そうです」
「…わかった。作戦には無理だが今度訓練の時に乗せてやるよ」「本当ですか?」
意外な言葉が聞けてオキーフは舞い上がった。
「…いいんですかい曹長」
「かまわんさ。今後配備される数が増えてくるんだ。それで兵士の数も少なくて済むようになる。小僧みたいな兵士でも、今までの分隊以上の働きを一人でできるようになるかもな。軍曹、君みたいな昔ながらの軍人ってのは次の仕事考えておいた方がいいかもしれんぞ」
笑いながらウェブスター曹長はトレイの食材を次々に平らげてゆく。
「そりゃねえです」
「せいぜい時代に取り残されないようにな。軍曹。俺は今から隊長と話がある。明日の輸送の段取りだ。距離があるから空輸するんだと」
「空輸ですか」
「あの乱暴なタンデム降下、俺はいいんだが、リプトンの奴がまだ苦手でな」
「はあ」
「10回の訓練で模擬機1台つぶしやがった。転んだら起こしてやってくれ」
ウェブスターは最後一頻り豪快に笑うと、
「じゃ、片付けよろしく、二等兵」
「…Yes、Sir」
後から来たのに自分より食うのが早い。
あのランドルマンが「負けた」顔をしている。
「…曹長殿にはかなわねえ」
「我々は失業ですかね。軍曹殿」
「おめえはまだ若いからいいよ。俺みたいなロートルはそれこそ時代遅れのお荷物になっちまうのかもな。学もねえ。曹長殿はああ見えて英国のケンブリッジに行ってたんだとよ。」
「へぇ」
「実質、士官待遇だ。本人はそう言うそぶり一切見せないけどな」
そういった横顔は少し寂しげだった。

135潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 22:58:49 ID:LM0E+mNn
支援
136創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:58:50 ID:UYaMjf1V
支援
137ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 22:59:19 ID:aVxx2ISU
8/24/2024 9:00

一夜明けた大隊本部のハンガー。
第3小隊の面々がずらりと並ぶ。構成員52名、歩兵小隊としては標準的な構成。
しかし、今回の任務から、M23を随伴しての実戦が想定されていた。

「今朝の偵察衛星写真から、未確認目標は南の廃墟に止まっていることがわかった。戦力は現在のところ不明、車両の台数と移動の痕跡から最大で一個小隊規模だと思われる」
アナログ地図の貼り付けられた昔ながらのホワイトボードの前で、ウィンタースは説明を続ける。
「M23の二人は160連隊のナイトレイブンで現地へ。1430、タンデム降下、先行して中央広場に入れ。歩兵隊が来るまでの間、搭載センサーで目標人員をできるだけ補足せよ。特にこの駐車車両付近を入念にだ」
「Roger that」
「君たち二人は万が一の場合の陽動を兼ねている。最悪の場合、攻撃があるかも知れん。心得ておけ」
先陣を任される二人はそれぞれ神妙な面持ちだった。
「歩兵3分隊は56連隊のEFVに分乗、リプトン、ウェブスターからの報告があるまで広場東側のホテル跡地脇、小高い丘の麓で待機。ここだ。市街地からは陰になっていて直接見渡せない。安全なはずだ」
へいへい、とランドルマンがふてくされた顔で頷く。歩兵分隊が主役でないことは明らかだった。
「M23市街地突入時に反応がなかった場合はブル、君たちの出番だ。ホテル跡地から捜索に入る。M23では建物に入れないかも知れない」
スピアーズから補足が入る。
「1年前の戦闘による被害で、建物にはM23の重量を支えるだけの強度が不足してかもしれません。階段などを使うとき十分に注意してください。M23は転倒するとワイヤアンカーを使えない場所では自力で立て直すのが困難になります」
ランドルマンが空を向く。
「その時は俺らが上がって調べればいいんですね」
「その通りだ」
翻って、ウィンタースは引き延ばされた衛星写真の一部分を指した。
「今回、相手の正体もさることながら、最優先の偵察目標はこれだ」
例のダンプトラックの影。
「昨日の演習で遭遇したロシア製の電源車両にはタンク部にミサイルの燃料が積まれていた事がわかっている。このダンプの積み荷が弾道ミサイルである可能性は否定できない」
ハンガー内がざわめく。
「ミサイルの弾頭種類は不明、NBC兵器の可能性も十分ある」
今回の偵察任務を半ば楽観していた兵士達にも動揺が走る。
ランドルマンも同様だった。
(最悪、核ミサイル?)(防護服が要るんじゃあ)
「静かにせんか」
ガルニアがその場を静めてくれた。目線で続きを促す。
「あくまで可能性だ。それ以外に陸戦部隊がヒドラジンを運搬する例がないからな。歩兵分隊が待機する理由はそれもある。万が一の場合でもEFVの中は安全だ」
核攻撃が防げるわけではないが、BC兵器であれば何とかなる。そう踏んでいた。
「たかが偵察だと思うな。常に最悪の状況を想定しろ。ハンヴィーに搭乗する1分隊分のNBC防護服を用意してある。ソベル大尉は上空から指揮を執る。現在160と打ち合わせ中だ。その他、質問は無いか」

奥の方で小さな声が上がる。リーブゴットだった。
「自分はどうすればいいんですか」
「伍長、君には捕虜が出た場合の通訳をお願いする。私と行動を共にしろ」
「…わかりました」
消え入りそうな声だった。
(野郎、大丈夫なのか?)とブル。
(事務室からほとんど出なかった人ですよ。仕方ないかも)
オキーフは小声でそう答えるしかなかった。

「他に質問がなければ、一旦解散する。各自準備に取りかかれ」

一斉に隊員達が動き出す。
138創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 22:59:35 ID:UYaMjf1V
 
139ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 23:00:27 ID:aVxx2ISU

特務曹長二人は160連隊付きナイトレイブン輸送ヘリの格納庫に向かいM23の最終調整に入った。
既に燃料電池カートリッジは交換され、M249の給弾ベルトをバックパックにロードする。いつもの訓練用模擬弾ではなく、実弾である。
「FCSのソフトウェア更新、先週だったよな」
「?リプトン、どうかしたのか」
「いや。何でもない」
ウェブスターはこの歴戦のベテランに全幅の信頼を寄せてはいたが、まだ古いタイプの軍人のクセが残っているのが気がかりだった。
M23訓練前、「電気機械は得意ではない」と言っていたことを思い出した。
ほとんどの勤務時間をM23のオペレーションに費やしながらも、一方ではまだ小銃の手入れを一日たりとも怠らないほど筋金入りの前線兵士だった。
「リプトン、俺も見習った方がいいか?」
操縦席脇に埋め込まれた小口径短機関銃を取り出して見せた。
「お前さんは俺より機械の扱いが上手い。そんなものに頼らなくてもいいだろう」
「常に最悪の状況を想定しろ、と隊長殿は言ってたぞ」
「なんだかんだ言って、甲冑の中は安全だ。家族のためにも外に出て戦おうなんて気は起こすなよ」
「やめろい、あんたじゃあるまいし。まだ戦闘があるとも決まってないしな」
メインシステムの起動スイッチを入れたウェブスターは、目の前のLCDを確認しながらテンポよくミッション情報を入力していく。
「自動チェック、FCS、IRCS・シンクロナイズ、弾数入力終了。GPSシンクロ、FMS各ステッピングモータ、ホイールモータ問題なし。電圧正常。GPSのコンパス微調整が遅いな」
「砂漠だから仕方ない。楽しそうだな相変わらず」
「ま、現地でもう一度チェックする。よろしく頼むぜ、相棒」
「どっちに言ってるんだ」
さも当たり前と言わんばかりにウェブスターは返した。
「コイツとお前さ」
140潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 23:01:32 ID:LM0E+mNn
支援
141 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 23:03:56 ID:aVxx2ISU
以上。
んでオープニングに続きます。
あえて国の名前やら伏せてありますが察してください。

淡々としすぎ。
142潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 23:04:52 ID:LM0E+mNn
>>141
だがそれがいい。
143創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:07:03 ID:UYaMjf1V
>>141
投下乙!
いいね、なんかミリタリー感にじみ出てるよ!
144 ◆WTKW7E8Ucg :2009/09/22(火) 23:08:13 ID:aVxx2ISU
大変申し訳ございません。おっぱい成分皆無です。
145パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 23:09:33 ID:V4BtQjIV
>>141
 投下乙ですw

 むしろ淡々としている事がアイデンティティなんじゃないかとー。

>んでオープニングに続きます。
Σ(゚Д゚;)これがOPじゃなかったんだ!?



 なんか最近規制が激しいぞ……!
146創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:11:08 ID:84/5oMg+
>>141

良い淡々とした具合ですな
147創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:11:52 ID:UYaMjf1V
>>144
そういう作品がひとつくらいあってもいいと思うよ!
148 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/22(火) 23:16:44 ID:Od/pzbVH
その淡々としたのがなかなか素敵で好きですよ。
やっぱりウィンタース中尉は総受けですよね!

中編は明日(というか今日)には二分割して投下できそうです。
そして急遽増えた新キャラは新しいタイプの変態。
むしろ新しいタイプのロリコンとでも言えばいいのかしら。
本当はアイザックとギャレンタインの物語にしか登場しない
予定でしたが、ゲスト出演的な感じで出そうかと。
レオがあんなことやこんなことされちゃいます。
149潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 23:18:19 ID:LM0E+mNn
>>148
総受けフイタ
150パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 23:20:54 ID:V4BtQjIV
>>148
>新しいタイプのロリコン
>レオがあんなことやこんなことされちゃいます。
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォゥ!!!
151まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 23:21:04 ID:UYaMjf1V
まとめの人らしくさっきの合作(?)を纏めてみた

ニコラス「銃なんて仕舞えよ………男なら裸で語るモンDA☆ZE!(脱衣)」
リヒト「ああ、生まれたばかりの姿に戻れば、腹を割って話せるってもんだよな!(脱衣)」

ユト&遥(ダメだこいつら、早くなんとかしないと……)

オルトロック「君達には知性も羞恥心も足りないようだな」(ニヤニヤ)
「ほうら、メルフィー、男の体だ。しっかり見るといい」

リヒト「いい女だが……駄目だな、ロリじゃない……」
ヘーシェン<知性とか羞恥心よりももっと大切なものを失ってますねこいつ。最低です、死ねばいいのに>

遥(な、なんだあの胸は……! 彼女は化け物か……!)
ヘーシェン<おや? 遥さん、遥さーん>

メリッサ「………変態が一杯」
リヒト「変態じゃねーよ、むしろ変態という名の紳士だよ」
ヘーシェン<変態じゃねーか。それより前隠してください、前>

メルフィー(胸があると無駄に肩が凝るからうらやましい・・・)
鈴木「そっちは皆キャラ濃くて良いなぁ。俺、主人公なのに全く話題に・・・」
氷室・草川「・・・・・・」
リヒト「(キャラが)濃くなければ、生き残れない!」
たま<それであんなモノを見せて喜ぶか、変態が!>

まどか「あ、お茶どうぞー」
ウィスティリア「お茶ありがとう。……ふふ、可愛いわ〜(ニヤリ」
たま<おい、まどか。あの女には気をつけろ。何をされるかわからんぞ……!>
まどか「はい?」
152創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:21:22 ID:aVxx2ISU
ガチムチの世界であることは疑いようがない。

うほっ
153パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 23:22:59 ID:V4BtQjIV
>>151
 あら、乙ですw
 まどか逃げて! マジ逃げて!

>>152
 あなたもそちらの世界の住人でしたか……。
154潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 23:23:00 ID:LM0E+mNn
>>150
師匠落ち着いてwww

>>151
ほほぅ。これはイイ。

>>152
真面目な話、軍隊では同性愛が結構多いそうな
155パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 23:24:57 ID:V4BtQjIV
>>154
 大丈夫です。私今、これ以上無いくらい興ふ……落ち着いてますから!






 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
156潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/22(火) 23:25:54 ID:LM0E+mNn
>>155
どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!(AA略
157まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/22(火) 23:28:55 ID:UYaMjf1V
>>154
戦国時代じゃ当然の事だったらしいしな

>>155
落ち着いて師匠!

ところで
「ウィスティリアと●●を同じ部屋に閉じ込めてみた」
「タナカさんと●●を同じ部屋に閉じ込めてみた」
「ニコラスと●●を同じ部屋に閉じ込めてみた」
「リヒトと●●を同じ部屋に閉じ込めてみた」

というのはどうだろう
158創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:35:51 ID:0vFH7joj
亀にも程がありますが
>>141
乙です。何時にもまして男らしいですw
特務曹長コンビを待ち受けるのは・・・・・・
次はOPだと言うことで、楽しみにしてます
>>148
おぉ、wKtK
巧みにさっき言いたかったんですが、やっぱ鈴木君は受けですかw
>>151
>>155
乙です−。こういうの面白いなw
個人的にウィスティリアさんとティマ、リヒトと鈴木君が見てみたいw
159創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:37:51 ID:aVxx2ISU
う も
 あ

日付が書いてあるのですけど
実は最初に書いたシーンがこの後に続くんですよ
ということなのですよ。

書きたいところだけ先に書いちゃったわけですうひうひ。
160創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:51:22 ID:G3WEQhXx
はっきり言ってスレの空気に合わない
161パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/22(火) 23:57:07 ID:V4BtQjIV
>>158
 ティマ逃げて! 超逃げてー!

 リヒトは下手するといいアニキになっちゃうかも……。
162創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:57:25 ID:84/5oMg+
>>159
なるほど
まとめて読み直したいがまとめwikiが(ry
163パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:00:31 ID:V4BtQjIV
 画像も貯まりに貯まってますねー。
 wikiの人、いますかー?
164創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:01:03 ID:aVxx2ISU
>>160
俺のことならまあそうでしょうなあ。

現実にロボット兵器があったらどういう運用の仕方されるか
シミュレータのつもりで書いてます。
165創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:02:04 ID:3XcEfwz/
>>164
単発IDでメール欄が空欄の人は荒らしなので触れないで下さい
166創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:02:27 ID:e0RH7BYy
>>164
それを好む人間もまたいるのでつ。
167潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 00:02:45 ID:LM0E+mNn
('A`)y━・~~~ 昨日もいたからな。それにしても小説難しい。
168残り4つ:2009/09/23(水) 00:05:07 ID:p3jlkeiC
>>164
そもそもスレの意味合い的に王道を行ってるんで無問題でっせ

とりあえず、スルー検定10級実施中
169 ◆klsLRI0upQ :2009/09/23(水) 00:05:37 ID:GxeZvImj
前に投下してから3スレが消化されてた(´・ω・‘)
夏休み終わって減速してるかと思ったらなにこのスレ
これが絵師とロリコンのパワーなのか…

というわけでCRの生存報告、書いてます
今七割ぐらいで今から最大の山場の執筆作業中です
現在8000字ぐらいだから大体完成した文量13000字ぐらいかなーと想定しています

正直、後編の内容が鬱というよりエゲツ無いので手を加えるか迷ってたり…
170パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:05:53 ID:JZdSvZiS
 まあSTT(スーパースルータイム!)って事でw
171創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:06:41 ID:s9JYXLSh
>>163
明日までには何とか……

ちょっと今日締め切りのブツがありまして
それが終わり次第作業に移ります
172潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 00:07:01 ID:LM0E+mNn
>>169
えげつなくても二次元の包容力がなんとかしてくれる
173残り4つ:2009/09/23(水) 00:08:36 ID:hIAZdx5g
>>169
三ヵ月後、そこには元気に走り回るロリコンの姿が――

ロリコン「もう二度と減速なんてしないよ」
っと、ここでネタばらし!実はここの絵師全員が仕掛け人だったのだ!

って感じです(意味不

あと勝手にVr,2作っててゴメンなさいm(_ _)m
174創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:10:27 ID:bqHn82D/
>>169
おひさー。元気そうで何より
>手を加えるか迷ってたり…
構わん、そのままGOだ!

>>171
あ、wikiの人こんばんは
チョーさんのイラストが見れないから、そっちのほうも頼みますね
175 ◆n41r8f8dTs :2009/09/23(水) 00:11:20 ID:fTWyXzOp
>>169
なぁに、自分んとこの(オルトロック関連)に比べれば全然大丈夫だと思いますよw
マイペースで頑張って下さい〜
176創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:11:34 ID:xzEkSEOh
>>173
あのときは本当になんとかしなければならないとおもいました。


なんというテレビ特捜部
177創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:12:20 ID:s9JYXLSh
画像まとめについてで事前連絡が
「この絵はまとめwikiに載せないで」という方
前もってその旨を書き込んで下さると作業が楽です
178潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 00:13:12 ID:W1OwL7y9
あんなので宜しければいくらでもどうぞ
179創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:14:01 ID:GxeZvImj
>>172
たぶん、大丈夫だと信じて!!
まあ、書いてみてあまりに酷かったら考えます


>>173
俺もロリ書きたいな〜とシスターズ書きたい欲が高まりすぎて
最近、テンションおかしくなってますw
でも第一章終わるまでは手を出さない予定…

>あと勝手にVr,2作っててゴメンなさいm(_ _)m
え、むしろ全然OKというかむしろ、なんというか本当にありがとうございます><
180パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:16:10 ID:JZdSvZiS
>>169
>>171
 お二方、お久しぶりですw

 管理人さん、無理くれぐれも無理はしないでくださいねー。
181創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:19:14 ID:bqHn82D/
>>170
なんだそのSHT(スーパーヒーロータイム)みたいなのw
182創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:20:12 ID:xzEkSEOh
>>177
ええと、始末はしておきましたが、テンプレのロダにあげた
redesgbhconcd.jpg
improvised.jpg
この二つは除外をお願いします。
183創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:23:04 ID:oYtYWrFp
>>141
GJです!この淡々とした空気感がイイんだ!
さてさて、やばいの出て来ちゃうかな〜(BC兵器より↑の意味でwww

>>151
ナイスまとめです!カオスとしか言いようがないw

>>167
同感ですな。
頭の中にあるものを読める形にするという行為がこれほど難しいとは

>>169
生存報告乙です!
>エゲツない
私は一向に構わん!!
184創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:28:20 ID:bqHn82D/
まとめた奴が言うのもなんだが、お嬢の
<変態じゃねーか>
に萌えたのは秘密だ!
185創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:40:26 ID:fTWyXzOp
しっかし新規さんが増えましたよね、ここ何週間か
タウエルンの頃を思い出しますw

そろそろわしのような老人は退いて新しき世代に席を譲るか・・・
186パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:42:21 ID:JZdSvZiS
>>185
 あのー、私一応1スレ目から連載……。
187残り4つ:2009/09/23(水) 00:42:30 ID:hIAZdx5g
>>185
まだドーム1つ分くらい空席あるんで大丈夫ですよ
188創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:45:58 ID:bqHn82D/
>>185
それは許可しないッ!

>>186
あんたはどう考えても老人じゃないな
つか、どうせ席を譲る気1ミリも無いだろw
189パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:48:13 ID:JZdSvZiS
>>188
 ハッハッハ、当然だ! 梃子でも動かん!
190創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:51:08 ID:oYtYWrFp
>>185
新兵の成長を最後まで見届けるのは古参兵の義務ではありませんか?曹長殿w

>>186
最古参なのに前線に出まくりw
さすが師匠w
191 ◆n41r8f8dTs :2009/09/23(水) 00:54:59 ID:fTWyXzOp
まぁ老人ってのはあくまでネタでw
何と言うか自分の中でだんだんネタ切れ感が出始めて来たんですw
んで、ヴィルシャが無事に終わってタウエルン二作に入る前に書き手としてはしばらく休みたいなと
読み手になって色々学びたいなと思ってるんですよ
192創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:56:40 ID:bqHn82D/
ある意味師匠は戦闘狂……いや、先頭狂だからな……

フロンティアスピリッツに溢れてるというか何というかw
193パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 00:58:49 ID:JZdSvZiS
 HAHAHA! 老兵は死にもしねーし消えもしねーんですヨ。
 ただ勘違いするでない、>>190よ……。
 連載としての最古参は◆9MC6FR8UMj7S氏、そしてこのスレの真祖様は◆jj8wkTPAaY氏だッ!

>>191
 なるほど、大体わかりました!
 でも絶対書き手として帰ってきてね! タウエルン二期、凄く楽しみにしてますから!

>>192
 誰が上手い事言えとー。
194創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:01:03 ID:bqHn82D/
>>191
なるほど、充電期間というやつね!

>>193
だから真祖様って何だよwww
195創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:04:37 ID:xzEkSEOh
おれも充電便乗しちゃえ
196創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:05:05 ID:fTWyXzOp
>>193
まぁそういう事ですw
今はヴィルシャに全力投球で、ひっそりと幕を引いてひょっこり戻ってきます


後、前にスルーされたけど、◆jj8wkTPAaYはわしじゃよ。わし
197創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:06:34 ID:s9JYXLSh
充電……
良い言葉です
198パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 01:08:02 ID:JZdSvZiS
>>196
 あ、あなたが真祖さまか――――っ!

 ま、誠に失礼しました、真祖様!
199創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:12:02 ID:hIAZdx5g
>>197
だろ?
200潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 01:12:18 ID:W1OwL7y9
真祖が来たと聞いて風呂から飛び出してきますた
201創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:14:35 ID:xzEkSEOh
>>200
つタオル
202潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 01:15:25 ID:W1OwL7y9
>>201
ありがとう
203創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:16:08 ID:xzEkSEOh
>>202
湯冷めしちゃだめよ
204潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 01:17:03 ID:W1OwL7y9
>>203
は〜い
205潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 01:25:03 ID:W1OwL7y9
ってナニ恥ずかしいこと言ってんのオレ…これが深夜のテンションなのかっ
206創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 01:27:37 ID:xzEkSEOh
ノリノリでワロタ。
207パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 01:39:06 ID:JZdSvZiS
 まあ、深夜だからね!
208潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 02:09:39 ID:W1OwL7y9
だれも居ない…
209創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 02:11:06 ID:xzEkSEOh
ヴィルティックのディティールつめてるだけだよ。
210潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 02:19:42 ID:W1OwL7y9
>>209
期待
211創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 02:21:43 ID:xzEkSEOh
本描きはまだ先だよ。
てか鉛筆のがよほどいい線が引けるよ。
212潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 02:28:36 ID:W1OwL7y9
>>211
しかし期待
213パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 02:32:27 ID:JZdSvZiS
>>211
 さらに期待!
214創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 02:36:43 ID:xzEkSEOh
なん……だと……
スケッチ稼いでる段階だからね、週末までに本描きできたらいいななのさ。
うはパネル分割きつすwww
215潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 02:38:35 ID:W1OwL7y9
スケッチ稼い……?(^p^)
216創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 02:40:48 ID:xzEkSEOh
>>215
部品毎とかに分けてラフを描いているのさ。
217潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 02:41:26 ID:W1OwL7y9
>>216
なんだかよく分からないが凄いず
218創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 02:48:06 ID:xzEkSEOh
人間はひとつなぎだけどメカはそういう風には描かないからちょっと分割するほうが考えやすいのでつ。
219潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 03:15:44 ID:W1OwL7y9
'A`)ノシ
220 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 07:27:53 ID:+thFuQYQ
M23に興味津々なオキーフきゅんかわゆいぃぃぃ
事務仕事しかしてないのに実戦に出ることになって
弱気のリーブゴット伍長可愛いよぉぉおぉぉぉぉぉ
普段は無愛想な子が何かの拍子に弱気になるシュチュエーションは最高ですね!

中編・上は大体25KBです。長いです。
投下していいのかな…
221 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 07:47:46 ID:+thFuQYQ
で、どなたか支援をお願いします〜
222創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 07:55:08 ID:7m4nseII
     
223創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 07:56:43 ID:fTWyXzOp
支援
それでは投下します。



 その瞬間、誰かが椅子から盛大に転げ落ちた。振り返って見ると、
案の定レオパルディネだった。席の近いイブリーヌがいち早く駆け寄り、
小柄な彼女を抱き起こした。

「あらあらまぁまぁ。大丈夫かしら?」

「へ、平気です…な、なんともありません……」

 レオパルディネは今にも泣き出しそうだった。元気いっぱいに
輝いていた鳶色の瞳には、今は大粒の涙を溜め込んでいる。彼女の
細い肩は小刻みに震えていた。よほどショックなのだろうか。
 イブリーヌはそんな彼女を宥めすかしながら席に座らせたが、
心配なのか自身も隣に座った。見掛けによらず面倒見が良いという、
イブリーヌの意外な一面が垣間見えた。

<多少の不満はあるかもしれないが、君らが負う任務は非常に重要だ。それをどうか理解して欲しい>

 立体映像が消え、教場が明るくなる。窓の外は南洋の陽気が燦々と照り付けていた。
<それではこれからA3格納庫で実車研修をしよう。実物を見れば不満もなくなるかもしれないしな>

 アイザックもどうやらレオパルディネを気に掛けている様子だ。
一言二言、明菜に伝えると俯く彼女の傍までやって来た。

「えー…それでは皆さん、A3格納庫へと案内しますので、私について来てください。
御前さんは取り敢えず荷物を此処に置いていってくださいね」

 言われた通り、静は荷物を置いて明菜の引率に従って教場から
出ていこうとした。が、レオパルディネが気になって出ていく間際に振り返った。
 他の隊員は明菜の引率で移動し始めたがレオパルディネは動こうとは
しなかった。まるでぐずる子供の様に、頑として動こうとはしない。
膝の上で小さな手を握り締め、肩を震わせて嗚咽を堪えている。
 静は事の成り行きが気になったが、アイザックが首を180度回転させ、
感情のないモノアイでこちらを見たので、素直にその場を後にした。
225創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 08:09:11 ID:7m4nseII
  
 アイザックは無言で赤毛の少女を見下ろしている。イブリーヌは
不安そうに両者を交互に見比べたが、彼の無言の圧力で渋々と
席を立ち、R・セリアを引き連れて教場から出て行った。
 一気にがらんとした教場に残っているのは、アイザックとレオパルディネだけだ。
静まり返った教場では、少女の押し殺す様に堪えた嗚咽と、フルプラセスが
発するサーボモータの微かな作動音だけが聞こえた。

<なぁ、カリウス君>

 アイザックは片膝を着き、小柄な少女と視線を合わせて語り掛けようとした。
しかしレオパルディネは、顔を俯かせて目を合わせようとはしない。

<君はそんなに多脚戦車に乗るのが嫌なのか?>

 レオパルディネは無言で力無く頷いた。

<どうしてかな? よければ教えてくれないか?>

 アイザックは我が儘な娘を穏やかに諭す父親の様に語りかけた。

「私はずっと戦車乗りに憧れてました……何代も前のおじいちゃんの様な戦車乗りに」

 とつとつと嗚咽混じりに語り出すレオパルディネ。アイザックは
黙って無い耳を傾けている。

「何代も前のおじいちゃんは、機甲学校の教本に載ってるぐらい凄い人で、
他にもいっぱい本が書かれていて、私は、そんなおじいちゃんみたいな人になりたかった…!」

 ぎゅう、と握り締めた小さな拳の上にはらはらと涙が零れ落ちる。
 アイザックはレオパルディネに関するデータファイルを呼び出し、
視界の隅に開いた。実際、レオパルディネの戦車に関する適性は、
機甲科の教育を修めて集められた少女達の中でも群を抜いている。
本人は嫌っているが、ムンスターでの多脚戦車の実習成績はかなり良好だ。
優秀と評して問題ない。しかし本人にその気がないのであれば、
これからの訓練に身が入る訳もなく、それはいずれ戦場で払う
代償となるかもしれない。そうなってからでは遅い。今のうちに
やる気を出させ、いずれは有用な戦力として役立って貰いたい。
 その為にはどうすればいいのか。アイザックは思案した。
227創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 08:11:55 ID:7m4nseII
  
228創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 08:13:02 ID:7m4nseII
   
<…君が泣いている理由を当ててみよう。一つは、本物の戦車乗りに
なれない事。そしてもう一つは、そんな事で泣いてしまう不甲斐ない
自分への苛立ちだ>

 レオパルディネがびくりと肩を震わせた。図星、という事か。

<たかが戦車に乗れない程度の事で泣いていては、立派な戦車兵どころか
何者にもなれない。だけど戦車に乗りたかった。そう未練がましく
思う浅ましい自分への更なる苛立ちを、君は感じているんじゃないかな?
オットー・カリウスは、どんな苦境に立たされても常に己に課せられた
義務を尽くそうとした。あの厳冬のロシアの、最悪の東部戦線で。
カリウスだけじゃない。それは君が知る英雄達の誰もがそうだった筈だ。
彼らは与えられた義務をこなしただけだが、後世の歴史がその彼らから
すれば当然の仕事が英雄的なものだったと評しているに
過ぎない。
だがどんな状況下でも自分の本分を尽くして義務を遂行するというのは難しい。
言葉では実に簡単そうなんだがな>

 アイザックは腰を上げるとレオパルディネの隣に座った。

<フルプラセスの中年の話を聞いてくれるかい?>

 ぐしぐしと袖で涙を拭いながら、レオパルディネはこくんと頷いた。

<そうか。ありがとう…あれは十二年前の事だった>

 アイザックは過去を振り返る様に、一つずつ言葉を紡いでいった。

<当時の私は若かった。まだ身体も人間だった。そして長年追い求めていた
夢を叶える事も出来た。私は幼い頃から宇宙飛行士に憧れていてね。
JDFのRLV(Reusable Launch Vehicle:宇宙往環機)のパイロットになったんだ。
なんだ、意外そうな顔をしているな>

 レオパルディネはもう泣いていなかった。顔を上げて、アイザックの
顔を見て彼の話に聴き入っている。

<初めてのミッションフライト…凄く緊張したよ。軌道エレベーターで
宇宙に上がり、降下ステーションに係留されているRLVを目的地に
着陸させるだけの簡単なミッションだが、練習じゃないんだ。本番だ。
少しのミスが事故に直結する。特に宇宙空間ともなれば尚更だ。
不測の事態なんて山の様に想定される。考えれば考えるほど不安になった。
でもやらなきゃいけなかった。自分で志した道だったからな。今更
怖じけづいたから逃げる事は出来ない。今でも覚えている。搭乗ハッチを
開く前に何度も家族の顔を思い浮かべて震えていた。ハッチを開けた
瞬間、頭が真っ白になってそれからどうやってRLVを発進させたのか
全く覚えていないんだ。ようやく意識の焦点が定まってきた時、もうRLVは
滑る様に宇宙を飛んでいた。感慨も何もなかった。早く地上に降りたくて
仕方なかった。だが何とか冷静になって機体を操縦した。横にはベテランが
付いていたが、今操縦しているのは自分だ。この機体を無事に地上に
着陸させるという義務があった。それが胃に重くのしかかった。吐きそうだった>

 今はもう胃なんてない身体なのに、胃の辺りが締め付けられる様な
感じがして、思わずアイザックはその辺りを摩った。
230創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 08:15:55 ID:7m4nseII
   
<初めてにしては順調なフライトだった。このまま行けば大気圏に突入だ。
もうフライトが終わる。ようやくこの緊張から解放される。私は安堵した。
だがそこで事故が起きた。取り返しの付かない大きな事故だった…>

 苦悩するかの様にアイザックは自身の頭に爪を立てた。ガリガリと
金属同士の擦れる音が響く。

<軌道上には無数のデブリが漂っている。大小様々なそれらは、たとえ拳大の
大きさでもkm/secで運動すれば馬鹿にならないエネルギーが生じる。
低軌道はJDFの多数のミッションに於いて多用されているから、軌道掃海艇部隊に
よってある程度の処理がなされていた。しかし完全ではない。処理しきれない
デブリや、新たに生じたデブリが高速で飛んでいる。船は、そのデブリにやられた…!>

 ガリ、と一際大きく爪で強く金属製の頭骨カバーを引っ掻いた。その中に
ある脳だけの自分を引きずり出そうとするかの様に。

<防ぎ様のない事故だったと周囲は言った。不可抗力だと。だがそれは違う。
自惚れではないが、私がもっとしっかりしていれば防げた事故だった。
低軌道の運航記録を調べていれば、掃海艇部隊の掃海記録を調べていれば、
何処にどれだけのデブリがあるのかを予測出来たかもしれない…しかしもう遅い。
デブリによってダメージを受けた船で降下ステーションへ引き返すのが先だ。
船はかなり深刻なダメージを受けた。そして乗員もデブリとの衝突で
発生した衝撃で重傷を負っていた。実際、生きていたのは私だけなんだがな。
隣に座っていたベテランは破片で頭が半分無くなっていた。私も顎を
吹き飛ばされ、内臓が零れ出していた。左目も何処かにいった。機付き整備士は
胴体が泣き別れになって機内を漂っていた。あれは酷いなんてもんじゃなかった>

 アイザックは懐から写真を取り出し、レオパルディネに渡した。

<降下ステーションに辿り着いてから撮影された写真だ。死体は片付け
られているが、機内は事故発生当時のままだ>

 写真に写っていたのはまさに地獄絵図だった。赤黒い血が無数の
球体となって宙に浮かび、機内の壁や計器類は血に濡れててらてらと光り、
ピンク色の肉片や内臓の一部、脂肪が漂っている。撮影者のカメラを
見詰める、宙に浮かぶ眼球と下顎はアイザックのものだろうか。
 その写真を見た瞬間、レオパルディネは顔からさぁっと血の気が
引くのが分かった。想像を絶する地獄から、彼は生還したのだ。
なのに彼は自分を責め、悔やんでいる。どうしてそこまでする
必要があるのだろう。解らなかった。
<そして私はこの身体になり、OBTに転属した。私は、これを必要最低限の
義務を果たせなかった代償だと思っている。病的だと思うかい?
だがな、義務というのは自分に課せられた使命だ。それは果たされなければ何の意味もない。
不可抗力だろうと何だろうと果たせなかった事に変わりはない。
私は義務を果たせなかった。RLVを無事に地上に降下させるという
パイロットの義務を。その事実は未来永劫変わる事はない……>

 一息付く様に、アイザックは少しの間押し黙った。二人の間に沈黙が横たわる。
暫くして先に口を開いたのはレオパルディネだった。

「どうして大尉はそこまで思い詰めるんですか? 本当に仕方のない事故なのに…」

 理解の範囲を超えていた。何故そこまでアイザックは義務に拘わるのか。
はっきりと言って異常だ。

<それは君も分かっている事だと思うんだがな。義務を果たすからこそ
権利を得る事が出来る。そして義務を果たして初めて誇りは生まれる。
誇りというものがどの様なものなのかは人によりけりだが、私にとっては
心の中を通る一本の芯だ。立派な人間は誰しも芯が通っている。
私もそんな人間になりたかった。そして果たすべき義務から逃げたり、
果たせなかったりする事は、何かとてつもなく恐ろしい事に思えるんだ。
自分の全てを否定してしまう様な、そんな気持ちになる。
君は怖いと思わないのかい? ムンスターで過ごした日々を否定するのを>
 レオパルディネの小さな胸の中で思い返されるのは、ムンスターでの
思い出の数々だった。初めて実家から離れて暮らす軍隊での生活。
規則に縛られ、厳しく辛い訓練の日々の中で何度もお父さんとお母さんが
恋しくなった。でも何代も前のおじいちゃんの様に立派な戦車乗りになる
という夢を叶えたくてこの道を自ら志した。それを投げ出す訳には
いかないと、涙を拭いて歯を食い縛って頑張った。初めての実車研修は
ドキドキした。教官から手渡された戦車のエンジンキーの重みは
今もしっかりと掌に覚えている。キーを挿入し、点火スイッチを
回した瞬間、戦車の大出力エンジンが発する咆哮が、どどど、と
お腹に響いて驚いた。パワーステアリングを握り、ゆっくりと
ペダルを踏み込むと何十tもの巨体が履帯で地面をしっかりと踏み
締めて進んだ。巨大で強力な兵器を、小さな自分の手で自由に
操れるという実感に凄く感動した。その後、調子に乗ってペダルを
思い切り踏み込んだら暴走してしまい、軟弱地に突っ込んで戦車を
スタックさせてしまった。戦車の様な重車輌の回収作業は大変な
ものであり、後で物凄く教官に怒られ、罰として泥だらけの戦車の
巨体を一人で洗車させられた。履帯にこびり付いた泥が落ちなくて、
一人で悪戦苦闘していると同じ班の子達が教官に内緒で手伝ってくれた。
それが後でばれてまたこっぴどく叱られたけど、罰則は何もなかった。
自分の班はとても仲が良かった。教官達に隠れて消灯後にお菓子を
持ち寄ってパジャマパーティーをしたり、休日はバスを乗り継いで
街へ遊びに行ったり、体力のない子の為に一緒に体力錬成したり、
学科試験に向けて勉強を教え合ったりした。機甲学校の卒業式は
皆で泣いた。これから違う部隊に配属されて離れ離れになってしまうから。
自分以外の皆はほぼ前線に出る事のない後方支援部隊だけど、
自分がJDFに出向すると知ったら行くのを引き止められた。一番小さくて
子供っぽい自分は、皆のマスコットの様な存在で、そんな子が
JDFの軌道降下打撃部隊に配属されるのが心配だったのだろう。
でもそれは自分で選んだ道だから。皆に惜しまれながらベルリン空港を
出発したのがつい昨日の事の様に思える。
 ムンスターでの大切な思い出の数々を裏切るなんて、とても怖い。
今此処で戦車に乗れないからといってぐずるのは、思い出を汚す
ばかりか送り出してくれた皆を裏切る事だ。そんな事は出来る訳がない。
出来る筈がない。決してやっちゃいけない事なんだ。

「とても怖い…です。皆を裏切りたくないです」

<ならばどうすればいいのか。分かっているな?>

 アイザックは懐から清潔なハンカチを取り出すと、レオパルディネの
涙を優しく拭い、鼻に添えた。ちーん、と洟をかむレオパルディネの姿は
本当に子供の様に愛らしく、アイザック自身もこんなに小さな少女を
戦場に行かせる事を危ぶまずにはいられなかった。

(しかし時代がそれを許さないのか。なんとも情けない事だ)

 洟を拭い、ハンカチを懐に仕舞う。溜め息の代わりにモノアイを点滅させた。

<それでは行こう。皆先に行っているからな>

 アイザックに連れられて、レオパルディネは教場を後にした。
(しかし…なんというかなぁ)

 A3格納庫へ向かう途中、アイザックは気恥ずかしさを隠せなかった。
尤も、のっぺりとした装甲に覆われた顔では感情など表しようもないのだが。
 アイザックの気恥ずかしさの原因は、彼の手を握って歩くレオパルディネにあった。
 アサルターシリーズ・フナサカZ型と呼ばれる型式の彼の義躰は身長230cmに達する。
勿論、身長に比例して手も大きい。なので手の小さなレオパルディネは
彼の左の薬指と小指を握るしかなかった。
 傍からみたらまるで親子だ。擦れ違うJDF隊員や基地職員に敬礼される度に
自由な右手で答礼しなければならないが、その度に恥ずかしさが込み上げてきた。
 事の発端は隊舎を出てからだった。アイザックは1m近くも身長差のある
レオパルディネの歩幅に合わせて、非常にゆっくりと歩いていたつもりだったが、
横を歩く彼女は健気な仔犬の様に、置いていかれまいとちょこまかと歩く
ものだから、その姿が本当にいじらしくて、なんだか胸が苦しくなった。
そして、ひょっとして自分は、こんなに小さな女の子の歩幅に合わせて
歩く事も出来ない、思慮の足りない浅はかな男なのではないかと思い、悩んだ。
 そうやってどうすればいいのかと思案に暮れていると、レオパルディネが
怖ず怖ずとこちらを見上げているのに気が付いた。それは大人にお願い事をする、
幼い子供の照れと窺いが入り混じった表情だった。

<どうした?>

 立ち止まり、向き直って訊ねた。

「えと、あのですね、大尉がもし迷惑じゃなければですね…」

 もじもじとはにかむ姿がまたいじらしくて、胸をぎゅうっと締め付けられる。
もし自分に娘がいたら、こんな気持ちになるのだろうか?

「手を繋いでも…いいですか?」

 上目遣いに、恐る恐る訊ねるレオパルディネ。それは粗相をしてしまった
仔犬が飼い主の顔色を不安げに窺う様にも似ていて、堪らなく愛らしい。
 一瞬、アイザックの中の時間が止まった。それだけの破壊力があったのだ。

<あ、ああ…べ、別にそのぐらいの事は構わんさ>

 漸く絞り出した声は掠れていた。無い筈の口が渇く気がした。

「本当ですか!? わぁ、嬉しい!」

 レオパルディネは大輪の向日葵の様にぱぁっと顔を輝かせると、
小さな手で、フルプラセスの無骨な指を握った。
 以上のようなやり取りを経て、アイザックはレオパルディネと手を繋いで歩く事となった。
 しかし、とアイザックは歩きながら考える。何故、レオパルディネは
自分と手を繋ぎたいなどと言ったのだろうか。取り敢えず理由は解らないが、
手を繋ぐ事で歩幅を合わせて歩くのが簡単にはなったが。
 それが目的というわけでもあるまい。
<ところで、どうして私なんかと手を繋ぎたいなんて言ったんだ?>

 アイザックは先程から気になっていた疑問を口に出して言った。

「もしかして迷惑ですか?」

 するとレオパルディネが捨てられた仔犬の様な哀しい目をするので、
アイザックは慌てて否定した。

<いやいや、そういう訳ではないんだ。ただ、疑問に思っただけなんだ>

 ちらり、と指を握るレオパルディネの温かく小さな手を見遣る。

<フルプラセスの手なんて気味が悪いだろう。掌は紙やすりの様にザラザラで、
冷たく筋張っていて、まるで私は死人の様だろう?>

 小さな少女の可憐な指先と、戦闘用義躰の冷たく無機質な指先は、
こちらが申し訳ない気持ちになるぐらい不釣り合いだった。

「そんな事ないです!」

 しかしレオパルディネは元気良く真っ向から否定した。

「大尉は死人なんかじゃないです! 大尉はなんだかお父さんみたいに大きくて
温かい人だから、私、手を繋ぎたいと思ったんです!」

<お、お父さん? 私がか?>

 流石にこんな言葉が返ってくるとは思わず、面食らった様にアイザックは
モノアイをチカチカと点滅させた。

「はい! 大尉の事はまだ全然知りませんけど、雰囲気というか何というか、
そんな感じのオーラみたいなのを感じるんです。あ、この人はなんだか
お父さんみたいだなって。それに私、お父さん大好きですから!」

 どうして自分の事を父親の様に思ったのかその理由がいまいちよく分からないが、
屈託のない、仔犬の様に溌剌とした無垢な笑顔で言われると何も言えない。

<お父さん、か…>

 そういえば、あの子も自分からそんな雰囲気を感じると言っていたっけ。アイザックは二十五も年下の大切な人を想った。
 あの子は自分のこの鉄の顔が好きだと言ってくれた。金属骨格と人工筋肉から
組み立てられたこの死体の様な身体が好きだと言ってくれた。そして何よりも
好きなのが、本当は繊細で傷付きやすい心が好きだと言ってくれた。
 嘘偽りのない本心からの言葉だった。フルプラセスとなってから人を
愛したくても愛せなくなったアイザックを救ったのは、年下のその子だ。
 人を愛するのに姿形は関係ない。むしろこの身体になって分かったのだが、
人を愛するのに年齢も性別も関係ない。人が人を好きになり、愛するのは
道理だ。それ以上でもそれ以下でもない。ただそれだけだ。

<ははは。確かに、私ぐらいの年齢ならば娘がいてもおかしくはなかったな。
しかしお父さんか…私が本当にそう呼ばれる日が果たして来るのかな>

 アイザックに生殖能力はない。だがフルプラセスとなる前に精子バンクに
精子を冷凍保存してあるから、子を成そうと思えば成せる。問題は相手にあった。
(よくよく私も罪な男だ。しかし好きになってしまったのだから仕方がないな)

 だが今はそんな事を考える時ではない。いずれ、二人でゆっくりと
話し合えば良い問題だ。今は一緒に居られるだけで充分だ。

「あ、大尉。今、女の子の事を考えていましたね?」

<え?>

 突然のレオパルディネの言葉に無い心臓がどきりと高鳴った。

<…どうしてそう思ったんだ?>

 努めて平静に、アイザックは普段の無機質な合成音声で聞き返す。
レオパルディネは不敵な笑みを浮かべながら言った。

「女の勘という奴です。ねねね、どうなんです? いるんですか?」

 この少女は仔犬の様だとばかり思っていたが、なかなか聡い子でもある様だ。
隠しても無駄だと思い、アイザックは観念した。

<そりゃあ、私だっていい歳の大人の男だ。恋人ぐらいいるさ>

「わぁ! やっぱり! どんな女性(ひと)なんですか!?」

 この年頃の少女は人の色恋沙汰を好むというが、レオパルディネも
その御多分に洩れないのだろう。一気に食いついてきた。それが年頃の
女の子らしくて初々しい。

「きっと大人の女性なんだろうなー」

<いや。年下だよ。少し、歳が離れている>

「へー、意外ですね。大人の女性かと思っていました」

(正確に言えばもっと違うんだが…流石にこれは秘密にしておこう)

 アイザックはこれ以上は語るまいと決め、後は適当にはぐらかす事にした。
「背は高いですか?」

<私より背が高い人はなかなかいないだろうな>

「スリーサイズは?」

<私も知らないんだ>

「綺麗な人? それとも可愛い人?」

<魅力的な人だ>

「女の人? 男の人?」

<好きになれば性別など気にしないよ>

「もしかしてギャレンタインって人ですか?」

<彼は戦友だが流石にそんな目で見た事はないな>

「受けですか? 責めですか?」

<リバだよ>

「タチですか? ネコですか?」

<猫よりも犬派だな>」

 こんな感じでアイザックはレオパルディネの怒涛の質問責めを
適当に受け流していった。
 そうやって暫く歩くと隊舎が連なる区画を通り過ぎ、広大な敷地に
大小様々な車輌が駐車してあるモータープールが見えてきた。
モータープールの直ぐ近くには幾つもの格納庫と整備工場が隣接している。
「あ! 戦車だ!」

 雑多な車輌群の中に戦車を目敏く見付けたレオパルディネはアイザックの
手を離れると、目を輝かせて戦車目掛けて駆け出していった。

<全く、子供だな>

 やれやれと肩を竦め、アイザックは後を追って歩き出した。

「うわー…90式戦車改5型だ。こんな骨董品があるなんて凄いなぁ。
元第三世代MBTにあるまじき直角水平に切り立った前面装甲が渋い。
世の中の流れに反逆しているね」

 古い型式の戦車の分厚い装甲に覆われた車体をぺたぺたと撫で回しながら、
レオパルディネは嬉しそうに評論している。

「わわわ! あっちにはメルカバMk7がある! 装甲付けすぎで不細工なのが可愛い!
あー! T-72神だー! きゃー! こんな所で神様に会えるなんて凄い!」

 レオパルディネは次から次へと忙しなく移動しては黄色い声を上げている。
時折、携帯電話のカメラで撮影もしていた。先程、彼女を何処にでもいる
年頃の女の子だと思ったのは改めねばなるまい。
 普通の年頃の女の子は戦車に黄色い声を上げたりはしないものだ。

「チャレンジャー4だ! 滑腔砲からライフル砲に先祖帰りするあたりが
まさに英国変態紳士クオリティ! 中途半端感が否めないルクレールVer4.75は
何がやりたいのかよく分からない! 火力増強の為に上下に140mm滑腔砲を
搭載するなんてまさにロシア的発想てわわわわ!?」

<落ち着いたらどうだ?>

 いつの間にか背後に回り込んでいたアイザックに首根っこを掴まれ、
レオパルディネの華奢な身体が宙に浮く。

<戦車にうつつを抜かすのも構わんが、先ずは多脚戦車の実車研修だろう?
休日に此処に来て好きなだけ戦車に触れても構わんから>

「は、はい…すいません」

 首根っこを掴まれたままアイザックの顔の高さまで持ち上げられ、
ずいと目の前に迫った、彼の鈍く発光するモノアイに流石に
レオパルディネも大人しくなった。
サルさん規制されそうなので一時投下を中断します
240創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 09:26:05 ID:fTWyXzOp
遅れて申し訳無い
支援
投下を再開します。長くて申し訳ありません。


<解れば宜しい。さぁ、A3格納庫は直ぐそこだ>

 また手を離すと何処かに行きかねないので、アイザックはレオパルディネを
肩車した。こうすれば何処かに行きたくても無理だろう。項から首筋に
かけてが少女特有の柔らかな下腹部と、キュロットスカートから伸びる
健康的な太股の感触に包まれたが、フルプラセスのアイザックの
人工皮膚にはその刺激を心地良いと認識し受容する機能がないので
それについて彼が特に思う処は無かった。

「うわー! 高いなぁ! 大尉はいつもこんな感じに世界が見えてるんですね!
いいなぁ! まるでティーガーのキューポラからの眺めみたい!」

 しかし逃げないようにと肩車をした訳だが、今度は視点が劇的に
変化して見える世界が変わった事で燥いでいる。何処まで子供なんだろうか。
アイザックは、ふと、レオパルディネの子供っぽさの限界を知ってみたくなった。

(今度、何かお菓子でもあげてみるか)

 流石にそれは子供すぎるかと思ったが、レオパルディネなら棒付きキャンディーを
嬉しそうに食べる姿が容易に想像できて、それがあまりにも微笑ましい。
 巨大な扉が開け放たれたA3格納庫の中はがらんとしていて、
誰もいる気配が無かった。しかも九輛ある筈の多脚戦車が二輛しかない。
その二輛の内訳は、まだ未着隊の隊員の車輌と、肩に乗っかっている
レオパルディネの車輌だろう。
 一体、何があったのか。

「あれ? 皆いませんね? どうしてでしょう?」

<解らん>

 取り敢えずレオパルディネを肩から降ろし、隊員達と一緒にいると
思われる明菜と連絡を取るべきだ。レオパルディネの腋の下に手を添え、
ゆっくりと地面に降ろす。足が地に着いた次の瞬間には、赤毛の少女は
先程と同様にぱーっと駆け出して多脚戦車に飛び乗った。

「わぁ! 戦車の重厚さはないけど歩く戦闘ヘリって感じで格好良いなぁ!
あ! エリコンの90口径35mm高射機関砲だ! こっちはヘルファイア9だ!
腕にはM2重機関銃が内蔵されてる! 40mm自動擲弾銃もある!
キューポラにはクラッペだ! 重機関銃マウントがいいなぁ!
.50口径の代わりに40mmを据え付けるのもいいかなぁ!」

 実車を目の前にしてレオパルディネは物凄く燥いでいる。すんなりと
気に入ってくれたのは何よりだが、幾ら何でも燥ぎ過ぎだろう。やはり子供だ。
242創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 09:47:49 ID:fTWyXzOp
支援
<まぁ、気に入ってくれて何よりだが…>

 アイザックは燥ぐレオパルディネの姿を視界の隅に捉えつつ、明菜との
通信回線を開いた。こういう時、フルプラセスは義躰に内蔵されている
通信機能を使えばいいので、携帯電話といった情報端末などを持ち歩く
煩わしさがないので便利だ。アイザックはああいった機械を好まない
オールドな男だった。
 二、三回の呼び出し音の後、明菜は電話に出た。

『はい、もしもし』

<アイザックだ。今A3にいるんだが、一体君達は何処にいるんだ? 此処は蛻の殻だぞ>

『あ、その事なんですけど、急に予定が変わりまして、今は野外走路訓練場にいます』

<なに? どういう事だ?>

『皆が実車に乗りたいと言ったもので……止める理由も無かったので許可しちゃいました』

 回線越しに聴こえる明菜の声は弱気そのものだ。全く、押しに弱いな、
あの娘は、とアイザックは溜め息をついた。

<まぁ、別に構わんよ。隊員達は多脚戦車のMOSを持っているからな。
今のうちに実車に慣れておくのも良いだろう。だが訓練場は申請を
出しておかないと使えない筈だぞ>

『それがアレイストラ一曹が予めこうなる事を予測していて、申請を出しておいてくれました』

<サンドラがか? 手回しがいいな>

 アイザックは、褐色の獣を彷彿とさせる女戦士を脳裏に思い浮かべた。
戦闘ばかりでなく、こういったところにまで気が回るから明菜の補佐に
推薦しておいて良かったとアイザックは安堵した。
 明菜と同い年なのに実戦経験豊富なサンドラは、アイザック自身も
一目置くほど優秀だ。立案する訓練計画も洗練されていて無駄がないのは、
実体験に基づいているからだろう。
 明菜もあの若さで大尉という階級に任命されるほど優秀なのだろうが、
実際に戦場を経験しているアイザックとしては同じ死線を潜り抜けた中で
研鑽された技量を持つサンドラを信頼していた。
 明菜も経験を積めば自分よりも優秀な指揮官となるのだろうが、
今はまだ力不足なのは否めない。

<合流しようにも今からでは難しいな。輸送車両がなくては仕方がない。
カリウスの面倒は私が見よう>

『本当にすみません、アイザック大尉。OBTの仕事もあるのに……』

<気にする事はない。部隊を新設するのは忙しく大変な仕事だからな。
それは承知している事だ>

『では、カリウスさんの事を宜しくお願いします』

<任せてくれ>

 回線を閉じ、レオパルディネを見遣る。少女は搭乗ハッチを勝手に
開いて車内に顔を突っ込んでいた。
「全部スマート化されてる! しかも一人乗りだ! 運転席っていうよりも
戦闘機のコクピットみたいで、これはこれで格好良いなぁ!
あ! こんなところに車載機銃用弾薬がある!」

 相変わらず燥いでいた。アイザックは溜め息をつき、肩を竦めて
やれやれと頭(かぶり)を振った。

<まるで玩具を買い与えられた子供だな>

 まるで、ではなく、子供そのものだ。多脚戦車の傍まで行き、夢中になってる
レオパルディネに声を掛ける。

<気に入ってくれて何よりだが、簡単にその車輌について講義したいんだが>

「はーい!」

 ひょこっとハッチから顔を出し、レオパルディネは身軽な動作で車体から降りた。

<さて、車内の様子からこの多脚戦車が一人乗りであるのは分かっているな。
この多脚戦車…XLAT-02アラクネ≠ヘ、SMIからの強い要望で試作された
一人乗り用軽多脚戦車だ。非常に軽量小型だが大容量バッテリーと
小型ガスタービンエンジン、人工筋肉で駆動し、出力は戦車並にある。
SMIやその他の歩兵を支援する重火器を搭載可能で、後部はモジュラーユニット式の
兵装コンテナとなっていて、任務に応じて簡単に換装可能だ」

 アイザックは懐から書類の束を取り出し、レオパルディネに渡した。

<それにこの兵器に関する詳細が載っている。後でよく読んでおくように>

 レオパルディネはぱらぱらと頁を捲って熱心に読んでいる。そしてある
頁で手が止まり、目をキラキラと輝かせた。

「大尉! 大尉! 見て下さい!」

 その頁を開いてぴょんぴょんと必死に跳びはね、アイザックに見せる。
そこには対戦車駆逐/火力支援仕様の長大な砲身を持つ火砲が載っていた。

<これがどうかしたのか?>

「このマズルブレーキ! ティーガーのkwk36 L/56とそっくりです!
しかも口径は88(アハトアハト)mm! 砲身長も同じ56口径(4928mm)! そして生産はクルップ社!
もう世の中の虎好きを狙っているとしか思えません!」

 開発過程で研究を重ねた結果、この口径と砲身長が、軽多脚戦車に
搭載可能な火砲で最大限の性能を発揮できるというだけだったのだろう。
しかしレオパルディネは何か運命的な出会いを感じている様子だ。
245創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 10:05:10 ID:fTWyXzOp
支援

くっ、もちつけのせいでレスが・・・
「それでこれが私の車輌ですよね?」

<ああ。それが君が乗る車輌だよ>

「つまり専用って事ですか?」

<まぁ、そうなるな>

「マーキングしてもいいですか?」

<…部隊の識別標と混同しない位置なら許可しよう>

「やったー! カリウスの217号車と同じマーキングにしよう!」

 レオパルディネは小さな身体をいっぱいに使って喜びを表した。

「ところで皆何処に行っちゃったんですか?」

<他の隊員は急遽予定を変更して実車で野外走路訓練をやっているそうだ>

「いいなぁ! 私も動かしたいなぁ!」

<残念だがそれは無理だ。訓練場まで軽多脚戦車を運ぶ輸送車がない。
不服かもしれないが、君は私と一緒に別行動だ>

 しゅんと項垂れて、レオパルディネはぺたぺたと軽多脚戦車の太く頑丈な移動脚に触れた。

<シュミレーターが使えれば良かったんだが、まだ調整中だからな。
まぁ、明日から実車とシュミレーターの訓練が始まるから、今日は我慢してくれ>

 主人に叱られていじけた仔犬の様に元気のないレオパルディネを見て、
アイザックが悪い訳ではないのに、彼はなんだか酷い罪悪感に苛まれた。
 どうしたものかとアイザックは思案に暮れ、そういえば、今日は
メディカルセンターに用事があったのを思い出した。

<すまないが、私の用事に付き合ってくれないか?>

 アイザックの突然の頼み出に、レオパルディネはきょとんとしていたが、
直ぐに頷いた。

<ありがとう。それじゃあ、行こうか>

 レオパルディネは自分の車輌を名残惜しそうに振り返ったが、
アイザックに手を引かれて格納庫を後にした。



以上で第一話中編・上の投下を終わります。
長々としていてすみません。支援ありがとうございました。
247創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 10:12:25 ID:fTWyXzOp
>>246
投下乙です!
支援が中々出来ずに申し訳無いです
後でじっくり読みます
248創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:08:54 ID:oYtYWrFp
>>247
投下おつです!
88ではしゃぐレオパルディネかわいいですw
アイザックがフルプラセスになったのにはそういう理由が……
お父さんなアイザックのファンになりましたwww

作業中に寝オチしてしまったorz全然すすんでねーしw
つーか真祖様までいらっしゃったの!?
249パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 11:23:03 ID:JZdSvZiS
 い、今起きました……夜更かしはするもんじゃないネ。

>>246
 乙です! 超乙です!
 あぁ、もう! レオかわいいなぁレオ! 先生かわいいなぁ先生!

>「手を繋いでも…いいですか?」
>また手を離すと何処かに行きかねないので、アイザックはレオパルディネを
>肩車した。
>全く、押しに弱いな、
>あの娘は、

イヤッッホォォォオオォオウ!
*  +   巛へ
       〒| +
  +   。||
 *  +   / /
   ∧_∧ / /
  (´∀`/ / +
  /⌒   |
  /ュヘ   |*
+〈_) )  |
   /   i +
ガタン / /丶 |
||| / / | ||||
――――――――――


イヤッッホォォォオオォオウ!
  ___    *
//⌒__ \ + 。
LL/ \\ \
   + ((  | +
*   |  ∩
 + 。| || * +
    | / |
\ ̄ ̄~/  ノ ̄\ +
‖\ ~^~^~^~   \
‖\‖ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄‖ ̄
‖ ‖ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄‖
  ‖     ‖
250創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:32:30 ID:bqHn82D/
>>246
投下乙!
10号機は超豊作だなぁ。もしかすると久々に容量が足りなくなるかもしれんねw

アイザックはいいおっさんだなぁ、惚れてしまいそうだ。
そしてレオ超かわいいよレオ!嫁にしたいくらい……って

>>249
落ち着いてロリ師匠!
251創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:36:29 ID:fTWyXzOp
>>246
改めて乙です!拝見しました〜

極細「ようこそアイザック、こちら側の世界へ」
いやぁレオ可愛過ぎるよレオ。キャンディー買ってあげたい
アイザックの過去が知れて良かったです。ううむ、任務に準じるか・・・考えさせられますね
次回を楽しみにしてます
>>248
ちょっとねw
>>249
オルトロック「眠気覚ましにエシュトリームクラッシュ撃ってあげますよ^^」
252創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:43:32 ID:oYtYWrFp
そろそろ昼時で皆いなくなるだろうから……投下してしまおうか?(+=ω=)
253創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:44:26 ID:xzEkSEOh
ほほう
254駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:46:20 ID:oYtYWrFp
それでは「剣神鋼王ミカズチ」オープニング中編投下しまーす
例によってごじゃごじゃした文章ですがw
255駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:48:14 ID:oYtYWrFp
 ――――――――――――――――――――

 どれほどの時間が経っただろうか、サソリじみた『尖兵』を両断したフツヌシがその動きを止めた。
 周囲に動く物は存在せず、ただ『尖兵』の残骸があるばかりになっている。
 フツヌシは両手で構えていた太刀を下ろし、地面に突き立てると柄頭に両手を乗せその場に立ち尽くした。
 奇妙な静寂が一瞬漂ったが、若本がその静寂を払拭するように声を上げる。
 「止まった……のか?『尖兵』残存数の確認と索敵を急げ!」
 若本の叱咤にオペレーターが動きを再開する。
 「……『尖兵』残存数無し!フィールド内に『尖兵』の転移反応無し!増援……ありません!」
 「フィールドの攻略はどうなっている!?」
 「……ようやく突破口が見えたそうです!フィールドの正常化まで約20分!」
 「一秒でも早く終わらせるんだ!急がせろ!」
 「……10分で終わらせるからボーナスを増やしてくれ!、だそうです」
 冗談交じりの通信に、緊張しきっていた司令室の空気がようやく弛緩した。
 その空気に、スクリーン正面に立ち続けていた祈の身体から力が抜け、そのまま床にへたり込んでしまった。
 「良かった……良かったよぉ、唱ぇ、覚兄様ぁ……」
 涙混じりに呟くその祈の様子にオペレーター達にも嬉しそうな笑顔が浮かぶ。だがそこに
 「気を抜くな!」
 若本の一喝が飛んだ。
 皆の視線が若本に集中する。
 若本は眉間に皺を寄せた険しい表情のまま室内の全員を見渡し、厳しい口調で言葉を発する。
 「今回の苦戦の原因をもう忘れたのか?『尖兵』を使っている奴らはフツヌシとフィールド、言い換えれば『我々の技術』に干渉してきたんだ!」
 重いため息を吐き、
 「つまり!『尖兵』を使っている奴らは、上層部が都合良く妄想していたような、猿より少しだけ頭が良い程度の生き物ではなく!我々人間と同等かそれ以上の知性を持っているということになる!」
 「これだけの戦力を揃えて、わざわざ異世界に侵攻してきている連中が!こんな詰めが甘い終わらせ方をするはずがない!!」
 若本の叱責に弛緩していた司令室の空気が一瞬で引き締まった。
 オペレーター達は更なる攻撃に備え、各部署に連絡を取り出す。
 その様子を確認した若本は、呆然と自分を見ている祈に
 「……済まない、祈君」
 祈の身内が危険にさらされているのに、安心する材料を与えてやれないことを小声で謝罪し、小さく頭を下げた。
 その謝罪を聞き、若本の本心を悟った祈は表情を引き締めて立ち上がると、
 「いえ、私がいけなかったんです。司令が仰ったことにも気付かないなんて」
 感謝と謝罪を込めて深々と頭を下げた。
 軽く頷いた若本は机に肘を載せると組み合わせた両手に顎を乗せて、せめて20分、フツヌシを回収し援軍の投入を終えるまで敵が動かないことを祈りつつ、渋面のままスクリーンを睨むように見据える。
 恐ろしくゆっくりと時間が流れているかのような錯覚をその場の全員が感じつつ、それぞれの職務を果たしながら20分という時間が過ぎるのを待ち続けた。
256創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:50:18 ID:xzEkSEOh
だれもいないのかしえ
257駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:50:26 ID:oYtYWrFp
 そして―
 「……!フィールド正常化始まりました!!」
 オペレーターの一人が上げた報告に司令室の全員から喜びの声が上がる。
 「よし、フィールドが安定し次第、フツヌシとの回線を繋いで内部状況の確認!同時に第一、第二部隊を投入!フツヌシの回収と撤退時の護衛を行うよう伝えろ!」
 「了解です!」
 指示を終え、組んでいた手を解いて椅子に深く座り直した若本に、祈が恐る恐るという様子で声をかける。
 「あの……」
 祈の様子に一瞬訝しげな表情を浮かべた若本だったが、
 「ん?……あぁ、分かっているよ。最初に唱君達と話すのは君だ」
 すぐに祈の考えを察し、表情を和ませながらオペレーターに向き直り、指示を出そうとした。
 その次の瞬間、

 ヴィイイイイイイイイイイ!ヴィイイイイイイイイイイ!ヴィイイイイイイイイイイ!

 建物全体に大音量で非常警報が鳴り響いた。
 「くそっ……こんな時に!……いや、こんな時だから、か」
 「………………そんな……」
 右手で頭を掻きむしる若本と、顔色を失い、呆然とする祈。
 オペレーター達の反応も二人と同じような物で、その理由はこの警報が鳴らされた理由にある。
 このパターンの警報は、フィールド内部の状況に、ある特定の変化が起きると最優先で鳴るように設定されている。
 その変化とは即ち、
 「フツヌシと同等かそれ以上の魔力値を持った存在が侵攻してきた」
 場合である。
 「急げ!間に合わなくなるぞ!!」
 若本の叫びに弾かれたように皆が動き出す中、呆然としていた祈が視線を巡らすと、スクリーンに映し出されていた映像に変化が起きていた。
 剣を杖にして立っているフツヌシの正面、500メートル程離れた位置の空中に小さな黒点が生じていた。
 フツヌシが素早く地面に突き立てていた太刀を引き抜いて青眼に構えを取るのとほぼ同時に、黒点が急激に膨張し、異形の文字列で形成された積層型の球形魔法陣に変化する。
 次の刹那、フツヌシが全ての推進用スラスターと古流剣術独特の歩法を組み合わせた、神速と形容すべき踏み込みで球形魔法陣に斬りかかった。
 振り下ろされる太刀筋は右からの袈裟切り。
 激しい神光を纏った太刀の刃が大気を斬り割り、そのまま球形魔法陣を真っ二つに断ち割る。
 その場にいた誰もがその光景を幻視した。
 だが、
 フツヌシの太刀は球形魔法陣の手前で停止させられていた。
 黒い文字列の内側から出現した、青い方形の盾を備えた腕によって。
 そのまま押し切ろうとスラスターの出力を上げるフツヌシと、その圧力を正面から受け止めて微動だにしない盾。
 両者の力が拮抗し、一瞬の間ができる。
 その一瞬、僅かな停滞をも見逃さないとでもいうように、方形の盾の陰から、青い閃光がフツヌシの頭部に襲い掛かった。
 青い閃光と見えたのは、盾と同色の長剣による神速の刺突。
 首を傾けて回避したフツヌシの、人間で言えば左のこめかみに当たる装甲を削り、長剣は突き込まれた時の倍の速度で引き戻される。
 追撃を警戒したのか、フツヌシが大きく背後に飛んで距離を取るが、フツヌシの動きを無視するようにゆっくりと球形魔法陣が消え、『それ』が姿を現した。
258パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 11:51:20 ID:JZdSvZiS
>>250
 三つ編み先生と仔犬系ロリだぞ! これが落ち着いていられるかよ!


>>251
>極細「ようこそアイザック、こちら側の世界へ」
 あ! ロボスレ最強のロリコン、マッキー極ぼうわ極細なにをするやめ

>オルトロック「眠気覚ましにエシュトリームクラッシュ撃ってあげますよ^^」
 オルトロック・ベイスンよ……ロリと三つ編みを前にした私がエシュトリームクラッシュなどに屈すると思うわ極細なにをするやめ
259駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:51:50 ID:oYtYWrFp
 それは、青い鎧を纏った騎士だった。
 基本的な形姿は人間の物と等しく、その体躯はフツヌシと同等か僅かに大きい程だろう。
 西洋龍を意匠にしたと思しき板金鎧を身に纏い、右手に長剣を持ち、左腕に盾を装着したその形姿は、こちらの世界の中世の騎士に酷似している。
 騎士は長剣を持った右手を脇に引きつけると、着地し身構えていたフツヌシに突きかかった。
 先程と同様に、いや身体ごと突き込まれる刺突は第一撃よりも更に早く、なおかつ重い。
 フツヌシは左側に踏み込みつつ長剣を右に打ち払い、そのまま騎士の左側を走り抜けると、機体を反転させ再び構えを取り直し、
 刺突を放った青騎士は、フツヌシの方に向き直り大仰な動作で長剣を左右に切り払うと、その切っ先をフツヌシに向けた。
 そのままの状態で、フツヌシも騎士もどちらも動きを止めてしまう。
 「……何だ?何が起きている?」
 不審そうな表情でスクリーンを凝視している若本に答えるように、通信担当のオペレーターが声を上げた。
 「司令!フツヌシから、覚君からです!!」
 オペレーターの報告に若本は自分の制御卓に身を乗り出す様にして通信を取った。
 「!?繋げ!…覚君!唱君!無事かね!?あの騎士の動きが止まったがどうなって居るんだ!?」
 若本の問いかけに、少年の声でノイズ混じりの通信が返ってきた。
 「……ザザ……司…い……聞こえますか?」
 「聞こえるぞ覚君!どうした!?」
 「…ザ……アイツ……っ騎討……ザザザ……」
 「くっ、やはり駄目か!?」
 表情を更に険しくした若本が歯噛みした所に、再び通信担当オペレーターの声が届く。
 「ノイズのパターン解析と除去出来ました!通信再開出来ます!」
 若本が制御卓に再び手を伸ばすよりも早く、フツヌシからの通信が飛び込んできた。
 「司令!アイツは、あの騎士はフツヌシとの一騎打ちを望んでいます!」
 まだ幼さが残る少年の声がとんでもない事を告げてくる。
 「!?……兄様?……」
 理解出来ないという表情でフツヌシの映像を振り返る祈を視界の端に置きながら、若本は覚が告げた内容を吟味する。
 「……覚君、つまりあの騎士と意思の疎通が出来たということかね?」
 疑いの声で発された若本の問いかけに、覚は気負うこともなく、
 「はい!あの騎士から思念言語でイメージが送られてきました。それと……、その一騎打ちの結果がどうであれ、自分たちは一時的に侵攻を停止すると」
 「何!?」
 「どうやら奴らの中枢から命令があったようです。この世界に対する侵攻で予想外の被害が出た為、計画を見直す必要がある。そう判断がされたと」
 「……そして、あの騎士は僕達を自分の遊び相手に相応しいと判断して、撤退する前の余興に一騎打ちを申し込んできたんです」
 「……いかん!もうフツヌシも君たちも限界だ!もうすぐ第一と第二部隊がフィールドに突入出来る。それまでなんとか時間を稼いで……!」
 「いえ、それは出来ません。……もし僕達が断れば、あの騎士の手持ちの『尖兵』全てをさっきと同じ効果で別パターンの数式を入れて置き土産にするそうです」
 「数は先程までの『尖兵』の約半数……そんなことをされたら恐らく、フィールドもフツヌシも持ちません……」
 「奴が真実を語っているという根拠はあるのかね!?増援到着までの時間稼ぎだったらどうする!?そんな不確かな口約束……」
 「ですが」
 一気にまくし立てようとしていた司令の言葉を遮り、覚は静かな声で言葉を続ける。
 「もし本当だったら取り返しが付かなくなります。……大丈夫ですよ。僕達とフツヌシは必ず戻ります」
 「そうですよ〜。絶対です!」
 覚悟を決めた覚の言葉に少女の、唱の言葉が続く。
 若本は歪みそうになった表情を無理矢理引き締めると、
 「………………一騎打ちを、許可する。必ず、戻って来給え!」
 「了解!です」「了解。通信切ります」
 通信を終えた若本を始めとしたその場の全員が見守る中、この世界の剣神と異界の騎士との一騎打ちが、開始された。
260創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:51:56 ID:xzEkSEOh
しえ
261創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:52:23 ID:bqHn82D/
 
262駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:52:40 ID:oYtYWrFp
以上です!支援感謝です!
263パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 11:52:44 ID:JZdSvZiS
 支援orz
264駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:54:20 ID:oYtYWrFp
あーwすいません流れぶった切ってるw(>△<;)
もうちょっと落ち着いてやれば良かった……orz
265創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:55:14 ID:xzEkSEOh
投下乙。んでもって>>246も投下乙。
266パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 11:56:11 ID:JZdSvZiS
 投下にレスを被してしまった……すみませんorz

>>262
 投下乙です!
 おお、一騎打ち! 熱いですね!
 しかしなんと最初からクライマックスな展開……痺れます。

 次回を楽しみにしてますね!
267駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 11:59:50 ID:oYtYWrFp
>>266
ありがとです!
後編は最後の場面がちょっと難航してましてw
10号機の後半に投下できたらいいなーと思ってます。
早く後編終わらせて本編第一章に手を付けないとなぁ……w
268創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 11:59:56 ID:xzEkSEOh
>>264
些細なことさ
269馬鹿ベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 12:00:50 ID:JZdSvZiS
>>264
 いえ、三つ編みとロリを前に興奮し過ぎていたんです……すみませんorz
270駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 12:03:32 ID:oYtYWrFp
>>268
どもですw

>>269
師匠……それは仕方ないです……
なんせ子犬系ロリなんですから……(+=ω=)
271馬鹿ベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 12:09:31 ID:JZdSvZiS
 三つ編み+先生というのもデカいですよ!
 ……っと、いけないいけない。
 今回の件で興奮に任せたスーパーモードは駄目だと思い知りましたよ……。
272創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:12:33 ID:bqHn82D/
>>262
投下乙!
いいねー一騎打ち、漢だねー。これは次回の殺陣が楽しみだw

>>358
極細には負けるんだね、師匠……
273駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 12:12:34 ID:oYtYWrFp
>>271
これは……!師匠が明鏡止水を会得するフラグ……!!
274創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:15:15 ID:bqHn82D/
>>269
>馬鹿ベラム! の人
あなたは何処へ行くつもりなんだw

>>272
>興奮に任せたスーパーモード
明鏡止水会得ですねわかります
275創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:19:44 ID:fTWyXzOp
>>266
乙っす!燃えますな〜燃える!
現れた青い騎士の実力はいかに・・・何気に若本さんの状況判断能力が気に入ったりw
つか騎士ロボットが揃ってきましたねwタウエルンの黒騎士にPBMさんのリヒタ−にミカヅチさんの青騎士に

何気に描写はまだ無いですが、木原さんのルヴァ機体色が赤い騎士的なアストライルギアだったり
276創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:21:15 ID:xzEkSEOh
>赤い騎士
即永野護
277パラベラム! の人(H) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 12:22:44 ID:JZdSvZiS
>>273-274
 見えたぞ、ロリの一雫……!


 ……なんか凄く変態っぽいんですけどw
278創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:23:50 ID:xzEkSEOh
金色になっとる……
279創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:27:01 ID:fTWyXzOp
>>262でしたorz
280創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:28:41 ID:bqHn82D/
>>275
リヒたんと黒騎士の機体色が激しく被っている……!

>>277
盗撮でもしてるみたいだなwww
281創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:33:11 ID:oYtYWrFp
>>277
を見て即エロい発想をした俺は汚れきっているwww
282創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:34:56 ID:oYtYWrFp
うわageてしまた。ちょっと苦行いってくるorz
283創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:37:40 ID:OZ9U90f5
この浮き足だった戦況
やはりロリの力は凄まじいということか……
284創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:39:21 ID:xzEkSEOh
>>284
そうらしい
285創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 12:41:06 ID:xzEkSEOh
なぜ自己言及をしている。
4→3
286 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 12:55:48 ID:+thFuQYQ
>>247
いえいえ。支援してくださってありがとうございます。
しかし一度に投下する量を見直さないといけないなぁ。

>>248
88という数字は戦車マニアにはたまらん数字なのです。

>>249
すっかり気弱な先生のイメージが定着してしまった明菜ですが、
あくまでも彼女は将校であるという事を忘れないでやって下さい…
作中でもそれが忘れられる事が多いので。

>>250
アイザックとギャレンタインの下半身はつるぺたですよ。

>>251
アイザック<私はロリコンではない。たまたま好きになった相手が幾らか年下なだけだ!>
しかしガチな話、アイザックはロリコンではないので。
その理由はいずれ明らかになります。

>>駄文氏
騎士ロボきた!これで勝つる!
騎士を応援してしまった自分は駄目ですね…


中編・下は本物の先生(女医)が登場します。
アイザックとギャレンタインの物語では非常に重要なキャラですが、
今作ではただの危ない変態お姉さんになってしまいました。
287潜る人(疲労) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 13:27:14 ID:W1OwL7y9
今起きた…のですよー。作品投下……読まないと……
アメリカのドラマの所為なんだ……アメリカめぇ…
288創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 14:08:13 ID:oYtYWrFp
>>275
>>286
青騎士の人気に驚愕!Σ(・△・;)
ぬぅ、青騎士の登場時に比べて最初のフツヌシの外見描写が大雑把過ぎたか……orz
描写の練り込みが足りなかったのぅw
本編登場時にフツヌシの外見描写をカバーせねば(;=ω=)
289潜る人(疲労) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 15:47:05 ID:W1OwL7y9
今日中に第七話投下ですー
290潜る人(疲労) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:47:29 ID:W1OwL7y9
誰も居なくても投下しまする。
291潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:48:38 ID:W1OwL7y9
 『Diver's shell』



 七話 「胎動(前)」



 「―――……外科医から患者へ。………はい。はい。そうです。……ダイヤのエース、赤。……はい、お久しぶりです」

 電話の呼び出し音がきっかり三回鳴った後、向こう側で誰かが通話に応える。

 「10・10・17絡みの治療箇所に関してですが、つい先ほど病巣の特定及び理由検索が完全に出来ました。はい。点滴よりも、切除のほうでないと対処出来ないかと………はい、では、赤を72本使用しての切除と?」

 とある一室で、知的そうでありながら甘い音を含んだ声の女性が喋っている。
 携帯電話を持ちつつ、ブラインドの方に歩いていって、外の様子を観察する。腰に手を当てると長い髪の毛が微かに触れ、シャンプーの柑橘系の匂いを振り撒く。
 外が明るいというのに、部屋の中の照明には光が点っていない。ブラインド、そしてカーテンを突き抜けてくる光が女性の目元に大きな影を作って表情を隠している。女性的な身体の膨らみが光影で強調されているよう。
 赤の携帯電話と同じ色のルージュを引かれた唇が動いた。
 言葉を発する度に絹のように白い喉が動きをみせる。

 「え? あぁ、上と下ですか………下の方です。下の作業用装置のうちにπの最終数字があるようですね………えぇ、その可能性も否定できませんが、カルテによると病巣には必要なようです」
292潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:50:14 ID:W1OwL7y9

 紡がれるのは、台本を読んでいるかのように滞りの無い言葉の羅列。普通に聞いている分には、違和感を覚える程度で、なんの話をしているかは分からない。
 女性はブラインドに指をかけて埃の具合を調べる。
 その時、ドアが開かれたかと思えば、一人の男性が入ってくる。猫も気がつかぬほどの静けさを孕んだ歩調で女性の後ろに立つ。動き全てに無駄が無い。
 女性は片手を上げることで男性を制する。男性は顎を引くように頷いた。
 透明な窓の外で鳥の影が通過してブラインドに一瞬の陰りを映す。

 「では我々は―――……はい。メスの使用は……はい。わかりました。お大事に」

 女性は通話を終了して携帯電話をポケットにねじ込み、腰掛けるように窓際に体重を預けて男性のほうに身体の向きを変える。
 男性はリラックスしているのかそうではないのか、直立のまま動いていない。

 「……どう思う?
 「……どうとは?」
 「質問を質問で返さないほうがいいわよ」
 「特にこれといった感想はありませんが」

 簡潔さを極めた返答に、女性は微かに苦笑を浮かべると、机の上においてあったボールペンを取って指の間で弄ぶ。独楽のようにくるくると回転するそれを見つめつつ、机に腰掛ける。
 男性は女性のほうに身体を向ける。端整かつ鋭く強い力を持った瞳が女性を見ている。

 「まっ、いいけど。それにしても連中、今回が最後のチャンスとばかりに大盛り上がりみたいねぇ。例の事件で求心力と資金力が大幅に低下してるから必死っていうことみたい」
 「貴方の嫌いな荒事が起きそうですね。まず避けられないでしょう」
 「貴方の好きな荒事が起きそうね。避けられないことは確実みたい」

 具体的な単語を使わずに会話をしているが、当の本人達は理解しているようである。
 女性はシャツの袖を指で包むように持って目元まで上げる。
 ボールペンを回す手は止まらない。

 「ところで10年前からずーっと探し続けてるクセに見つからないなんて間抜けだと思わない? まぁ、探し物がπの最終数字じゃ仕方ないのかもしれないけど」
 「それを言ったら特定に数年をかけた我々も……いえ。………彼らは何故新たに潜って取ってくるということを考えないのでしょうか?」

 珍しく疑問をぶつけてきた男性に、女性はシャツの裾を下げつつ机の表面を撫ぜる。
 金属的な冷たさが指先の熱を奪う。
 つい、と視線を上げて男性を見遣る。

293創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:50:18 ID:Cu3/Rx48
 
294創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:50:59 ID:Cu3/Rx48
 
295潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:51:41 ID:W1OwL7y9

 「37は要塞。数打てば当たるほど甘い場所なんかじゃない。そこに潜って生還できるほどの腕の人物と言ったら彼女しか居なかったのに、やってしまった。
  もっと賢い方法はいくらでもあったでしょうにね。拷問するなりなんなり」

 女性は言葉を切ると、今まで弄び続けていたボールペンをペン入れに投げ入れた。かちゃんと涼しい音を立てて中に納まる。

 「もしも彼女が並みの潜り屋だったらどうにでもなった。けど、彼女は並なんかじゃない、鬼才と言えるほどの腕前だった。それが彼らの誤算であり、潜り屋を派遣できない理由」

 女性はそう言うと携帯電話を取り出して空間にモニターを投影させる。
 調査書と思われる文書と、潜水機、そしてその乗組員が合わせて表示された。
 男性は顔を移動させるようにモニターを見て。
 女性は指に細く美しい髪の毛を優雅に絡ませる。

 「派遣出来ないって言っても、実のところ何度も派遣しているのよねぇ。でも潜るたびに失敗で何の成果も得られない。結果資金は食いつぶされて、どんどんと人が離れていった。
  軍隊のような数を投入すれば話は変わったかも知れないけど……お粗末ね。品が無い。それで、これに全体に関してどう思う、と」
 「外道だとは思います」
 「冷血なのねぇ……いいけど」

 空間投影モニターが一瞬で消え、後には何も残らない。携帯電話を閉じる音が妙に大きく響いて消える。
 女性は再度携帯電話をポケットにねじ込み、男性を連れて部屋から出て行った。
 無機質な部屋で時計が秒針を進める音だけが残された。
296創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:51:43 ID:Cu3/Rx48
 
297創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:52:24 ID:Cu3/Rx48
 
298創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:53:12 ID:GOrVDqKL
支援
299潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:53:21 ID:W1OwL7y9

 人が寄り付かない海域というのはいつの時代も存在する。
 侵入した船を十九八九迷わせ、航空機を次々に落として行方不明にしていく。
 実は海草が大量に生い茂っていてスクリューに絡まって行動不能にしてしまうだとか、海流の関係で巨大な渦巻きが発生して行く船来る船引きずりこむだとか、海中のメタンハイドレードが気化して気泡を発生させて船の浮力を奪って沈ませるだとか。
 兎にも角にもそう言う「魔の海域」はこの星にもある。
 ある場所では定期的に遺跡が稼働して船を襲い撃沈させる。侵入すれば片っ端から殺してかかる。
 そんな場所。そんな遺跡が存在する海域。そこに潜れば有名になり、富を得ることが出来る。同時に死ぬ可能性もある。
 メリッサは、「危ない海域」リストを手に取ると、ふむふむと頷きながら読んでいく。
 第二地球に存在する、現在見つかっている中でも危険と言われる遺跡の分布図と、海図を比較。知り合いのダイバーなどから集めた情報にも目を通す。
 赤いペンを取って文章を書き込んだり、判明している遺跡の場所から線を引いてみたりする。
 ふぅ。
 溜息をつくと、赤いペンの先端を宙に彷徨わせて、φ(ファイ)37遺跡で止める。
 自分が居る島よりも遥かに大きく、行方不明者もとても多い場所。危険度で言ったら第二地球でもトップクラスと言えよう。だが、危険と言われれば言われるほど行きたくなってくるというものである。
 何、別に潜らなくてもいい。身を潜めて上から構造を撮影するだけでも十分。
 侵入していないのにガードロボに襲撃されたという例は数多いとデータが示しているが、自分達ならなんとかなるという自信があった。
 それは兎に角。
 メリッサは首を傾げる。何故、他の場所を選ばずにここを選んだのだろうかと。遺跡ならいくらでもあるではないか。

 「……………?」
300創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:53:40 ID:Cu3/Rx48
 
301潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:54:02 ID:W1OwL7y9

 思考にノイズが走る。それは丁度、寝起きのときにスロットマシーンの出る目のように賑やかに映像が切り替わったり、妙な音楽が聞こえたりするときの感覚にも似ている。
 人は毎日夢を見ているという。そして、目を覚ます頃には忘れてしまっている。たまたま憶えている場合、人は「夢を見た」と言うとか。
 そう、夢だ。夢。思い出せない夢を曇りガラス越しに見せられているかのようなノイズ。
 頭痛がするわけでも、不快感に襲われるわけでもない。湧き上がってくるのは好奇心と一抹の不安。
 何かが囁いているような気がしてならない。ならばそれに従ってみるのもいいかもしれない。メリッサは、自分の部屋にて大きく伸びをすると、パソコンの電源をつけるべく指先を指紋認証パネルに押し付けた。
 軽い調子の電子音が響いた。

302創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:54:08 ID:fTWyXzOp
支援
303創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:54:23 ID:Cu3/Rx48
 
304創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:54:36 ID:GOrVDqKL
しえ
305潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:54:56 ID:W1OwL7y9


 「メリッサー、青いテープ貼ってある工具箱お願い」
 「これ?」
 「ありがとう」

 ユトの手が、潜水機の大きな腕部の下から伸びている。下から覗き込めるような型の台座の上に腕部。下にツナギ姿のユト。
 特に重要な間接部分に直結している擬似神経回路への蓋を見つめている。伸ばされた手に工具箱が渡されれば、その中から取り出した工具で手際良く蓋を開けていき、何重にも保護された膜を開けていく。
 単純でありながら、頭が痛くなるような、人工の回路。人の神経と比較すれば複雑ではないのだが、一般人が見たら目を回すような感じである。
 ユトは暫くの沈黙の後、整備作業を始めるべくゴム手袋を装着した。
 メリッサは、その様子を腰に手を当てて見ている。デジタル的な整備は出来ても、こういった複雑なことに関しては疎いのだ。
 ユトは、滲んできた汗を手首で拭って、人差し指を立ててメリッサのほうに向ける。

 「メリッサ。オヤジさんのところに行って妨害装置一式を受け取ってきて」
 「………運ばせればいいんじゃないの?」
 「いやあ、なんというか、失礼っぽいじゃん。……嫌ならいいんだけど」
 「いいわよ。どーせ暇だったし」

 メリッサは、手一杯のユトの脚を叩くと、颯爽とした足取りで部屋から出て行った。
 それからどれだけの時間が経過しただろうか。
 整備確認作業が終了し、保護膜を閉じ、蓋の封印をし直したユトは、背中を擦るようにして台座から抜け出てくる。
 手術をする前のようにゴム手袋を装着した両手を掲げたまま、もう片方の腕へと歩いていく。台座の下に潜りこみ、また蓋を開けて保護膜を開けて、整備確認の作業に取り掛かる。
 ライトを口に咥えて内部を照らしつつの作業。顎の疲労もなんのその、着々と手を進めていく。
 しくじったら片腕の回路を総入れ替えしないといけない為、手つきは乙女の柔肌に触れるが如く。

 「ふぅ〜………ふはれるはぁ」

 口のライトの所為で上手く喋れないらしい。翻訳すると「疲れるなぁ」である。
 疲労していても整備の手は止まらない。最後の確認を終えると、蓋を閉めて、整備工具を箱の中に収め、ずりずりと台座の下から出てくる。
 時計を見つつ、ついでに格納庫の中を見遣った。相変わらずの散らかり具合だった。
 ユトは腰を捻りながら歩いていくと、リビングに向かっていった。

306潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:56:21 ID:W1OwL7y9


 リビングにたどり着いたユトは、ツナギから普段着に着替え、洗面台に向かう。両手に水を出して顔を洗い、犬のように頭をぶるぶると振って水分を落とす。タオルで顔を拭い、鏡に映った顔を眺める。
 酷い顔をしている。
 冷たい水に当てられた所為で赤くなっている。
 ユトは髪の毛の水を指先で摘みながら取り、リビングに戻る。その時、玄関のドアが開かれた。彼女が帰ってきたのだ。

 「ただいまー。装置一式は裏に運んでおいたわ」
 「おかえり。コーヒーでも淹れようか?」

 どこか浮かない顔をしているメリッサ。今日は風が強めだった所為なのか、ポニーテールが跳ねている。
 メリッサはドアを閉めると、靴を玄関の縁に引っ掛けるようにして脱ぎつつ、ユトの後に続いてリビングに入る。
 開け放たれた窓から入ってくる風がカーテンを波状に揺らしている。
 ユトは台所に足を向け、メリッサはソファーに腰掛けてテレビをつける。ニュース番組で専門家が討論している真っ最中だった。煩さを感じてテレビを切ってしまう。
 メリッサは膝に両腕を置く体勢になると、難しい顔を作る。

 「………………ん゛ん……ぅ」

 腹痛を我慢しているような声に、お湯を沸かし始めたユトが声をかけるべく頭を覗かせた。

 「どうかした?」
 「オヤジさんがね……φ37を撮影したいって言ったら機嫌悪くしちゃって。どうしたんだろ。良くわかんないけど」
 「……うーん。φ37は危険だから……いや、そうなると今まで潜った危険な遺跡に関して何も言ってこなかったのが……。なんだろ?」

307創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:56:45 ID:Cu3/Rx48
 
308潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 18:57:19 ID:W1OwL7y9

 二人して沈黙して理由を考えるも、結局出てこない。
 ピーピー音を立て始めたヤカンからお湯をカップに注いで、コーヒーを作りはじめる。
 ユトはコーヒーに砂糖を入れただけでミルクを入れないのをメリッサの前に置くと、自分はミルクと砂糖をたっぷりと入れた自分の分を啜り始める。

 「ユト、いつにしよっか」
 「ん?」

 メリッサが座っているソファーとは別の場所にある椅子に腰掛けているユトは、小首を傾げるようにメリッサのほうに目を向ける。
 メリッサは半分近く減ってしまったコーヒーの入ったカップを置く。かたんと音がした。
 コーヒーの芳醇な香りが、昼に近い時間のリビングに広がっていく。

 「一週間後―――……天気予報によると晴れで波の高さも低い。どうだろう?」
 「うん、その日にしましょ」

 ごくんごくんと水でも飲む勢いでコーヒーを飲んだメリッサは、カップを置きながら頷く。
 飲む早さはいつものこと。苦いモノだろうがなんだろうが問題なく飲める女性なのである。
 ただし酒だけは例外だ。

 「メリッサ……喉、大丈夫?」
 「大丈夫じゃないかも」

 さっきまで熱湯だったのを一気飲み。メリッサは、ユトが準備した冷水で喉を休めることになった。
 顔を赤くしたり青くしたりして悶えている。
 人は身体は鍛えられても喉の粘膜までは鍛えられないのだ。


        【終】

309潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 19:00:31 ID:W1OwL7y9
支援に感謝です。ちょっとご飯を。
310創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:00:46 ID:Cu3/Rx48
投下乙!
311パラベラム! の人(H) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 19:01:36 ID:JZdSvZiS
 
312創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:06:30 ID:oYtYWrFp
投下お疲れ様です!
ほほぅ、なるほど……
徐々に過去と現在のつながりが分かって来たような感じですなーw
313創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:07:46 ID:bqHn82D/
>>309
投下乙!
なにやら黒い影が動き出した感じだな……これはまさか新展開ktkr?

>>311
まだハイパーモードなのかよwww
314潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 19:13:39 ID:W1OwL7y9
【Diver's shell ◆a5iBSiEsUFpN氏】
人類共通の夢の一つに、「もっと遠く」というものがある――――
これは、表面の90%が水で覆われた星を舞台に、愉快なダイバー達が織り成す物語。
男の娘もあるよ!

↑これが偽りになりそうな勢いとかナニやってんだ俺
315パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 19:23:11 ID:JZdSvZiS
 おっと、ハイパーモードの解除を忘れとりましたァ!

>>309
 相変わらず仕事早いなぁ……。投下乙ですw
 さて、何やら悪の組織っぽいのが動き出しましたね!
 これは次の展開が気になるところですw
316創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:27:16 ID:Cu3/Rx48
>>314
まぁ、紹介文考えたタイミングが、ちょうど中間の日常回ぽい時だったしねw

今回のノリも好きだなぁ
不穏な空気を感じつつも
第1話の頃の冒険感がじわじわ蘇ってきたよ
317潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 19:34:46 ID:W1OwL7y9
次回はダイブメインを予定してます。
予定してるのはいいけど脳内プロットが言うことを聞いてくれない…ッ
318創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:35:58 ID:fTWyXzOp
>>309>>314
投下乙です!
なにやら不穏な雰囲気が出てきましたね〜
いよいよメリッサの過去が明かされそうですな。果たしてφ37に何があるのか・・・楽しみです

まぁその都度変えていけば良いんじゃないでしょうかw
今の内容でも全然大丈夫だと思いますw
319創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 19:44:31 ID:xzEkSEOh
おや投下乙。いいクオリティ。
320まとめの人 ◆kAEq7CJYak :2009/09/23(水) 20:43:06 ID:bqHn82D/
なに、DSが非日常回に突入しても、PBMが日常回に突入するみたいだしほのぼの分は問題あるめぇw

さて、リンク貼らせていただいてる勇者シリーズSS総合スレがPart3突入しましたよっと

勇者シリーズSS総合スレPart3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/

次スレの天麩羅を揚げる時は気をつけましょう
321創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 20:54:49 ID:fTWyXzOp
よし、PBMさんがほのぼの分を補ってくれるなら自分は思いっきり鬱(ry

今さっき最終回のプロットが出来ましたが今まで書いた中で一番苦いかも
しっかし明るい話書けんな−俺
322創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 20:59:17 ID:xzEkSEOh
>>321
それもいいと思う。
323パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 21:00:45 ID:JZdSvZiS
>>320
 自分のはほのぼの分っていうよりおバカ分ですかねw

>>321
 逆に自分は鬱展開と真面目な敵キャラクターが書けませんヨ……。
324創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:06:57 ID:bqHn82D/
>>321
>今まで書いた中で一番苦い
……ゴクリ

でもまあ、鬱分だってあってもいいんじゃないかな。都合良く躁分の補給源はあるしw

>>323
おバカ分、期待してるぞ!
325創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:12:14 ID:Qf3Pfotu
そんな中、新作投下で天麩羅をもっと長くしてやろうかと目論む野郎がここに一人。
結局予定より丸一日遅くなっちゃったけど。
326創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:13:03 ID:xzEkSEOh
やれやれー
327創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:15:33 ID:Qf3Pfotu
ほいさ。それじゃいきますわ。
328 ◆uW6wAi1FeE :2009/09/23(水) 21:18:28 ID:Qf3Pfotu
「世界に闇が満ちている――」
 何処とも知れぬ闇の中で彼女は呟いた。
「世界に悪が溢れている――」
 誰にともなく呟いて彼女は涙を流した。

 悲しみの淵にあるから、想いを込めて。
「世界に安らぎと平和を――」
 願うように。謳うように。祈るように。

「世界を、あるべき姿に――」


 とある上空で、航空機が影に追われていた。繰り広げられているのは、音の壁を置き去りにした世界での鬼ごっこ。
 影は、翼も持たぬ巨大な人型。正確には、下半身がか細く退化した代わりに、上半身が異常発達した怪物とでも評すべきだろうか。
 風を切り裂いて舞う鳥を、その鋼鉄の魔物が、風を強引に破って追い立てる。
 獲物側は、D3-TM型戦闘機。特殊なチューンやカスタム化こそされていないものの、一般配備されている中では最高に近い性能を誇る。加えて、安定性と信頼性に長けた傑作機との評価も高い。
「チッ」
 凄まじいGに襲われる中、パイロットは舌打ちをした。ただそれだけのことが、奇跡的と言ってもいいだろう極限の重労働の中で、あえてである。虚勢の一つも張らねば、やっていられない。
 偵察任務の最中に遭遇したのが運の尽き。話に聞いてはいたが、まさかこれほどのものだとは思わなかった。
 装備は一通り試した。可能な限り、装甲の薄い部分を狙った。碌なダメージが見込めないと判れば、深追いせずに逃げ出した。
 スクランブル前、シートに座る時には、いつも一種の全能感を得る。その時の高揚が、根本から砕かれた気分だった。
 何をやっても通用しない。そして何より、振り切ることができない。
 既に、高度も速度も、限られた存在しか到達することを許されない領域に突入している。雲海さえも遥か下。比較対象となるものも乏しく、景色の変化が酷くゆっくり感じられる。
 移動は当然直進だけにとどまらない。時として急激に上下左右に位置をずらし、曲芸じみた動きも織り交ぜ、自身はおろか機体さえも軋んだ悲鳴を上げる。
 計器を見回せば、どれもこれも危険域を示している。何度も気が遠くなりながら、彼自身の全霊を尽くし、考えうる最高のパフォーマンスを維持し続けている状態だ。
 コンテストでないのが悔やまれる。生死の狭間で辿り着いた、間違いなく、彼の生涯で最高のフライトだった。
 にもかかわらず、“奴”は平然とついてくる。
(いや、むしろ)
 機体を操る彼は認めざるを得ない。
 ついてきているのではない。
(むしろ試して……違うな)
 そう。それはもう終わっていた。この行動には、明らかに違う意志を感じる。
(こいつ、遊んでいる)
 そう思った時、後方の“奴”の腕から数発の光弾が放たれたが、彼は全て回避してみせた。
 これも何度か繰り返されたことだ。最初は得意になっていたが、今なら解る。“奴”は、手加減していたのだと。
 チクチクと皮膚を破らずナイフの切っ先を立てるように、肉を抉らず弾丸を掠らせるように。紙一重のスリルを与え続けた。
 そうしてやがては、この機体と、何よりそれを操るパイロットの限界を見極められた。後はゆっくりと仕留めるつもりなのだろう。
(これがマリオネットか……!)
 屈辱に顔を歪め、事前に聞かされていた情報を反芻する。
 と言っても、大したものではない。上層部はどうだか知らないが、自分に伝えられているのは、先日出現した<エンドア>と呼ばれる謎の勢力がいること。
 マリオネットとは、エンドアの擁する巨大な――主に40〜60メートルクラスの無人機動兵器。正式名称が不明な為、暫定的に付けられたコードネームだということ。
 そして今、明らかな戦力差があることを痛感したことくらいだ。
 悟ってしまえば、気は萎えるもの。命運が尽きるのはここかと、彼は無駄な足掻きを諦めかけた。
 その時、
329潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 21:19:03 ID:W1OwL7y9
支援
330 ◆uW6wAi1FeE :2009/09/23(水) 21:19:20 ID:Qf3Pfotu
『そこのパイロット、右旋回!』

「!?」
 スピーカーからの突然の指示に、思わず従う。咄嗟のことで内臓がひっくり返るような感覚に襲われたが、何とか耐えきることができた。
 瞬間、元いた位置を光弾が通り抜けた。そしてほぼ同時に、別の光る何かも抜けて行く。
 遅れて背筋が凍る。何があったのかよく解らないが、あのままだったら、知らぬ間にあの世に送られていたところだったというのは理解できた。
 ふと、気付く。
 背中を刺すような殺気が、いつの間にか消えている。
(後は任せろってことか)
 マリオネットの興味が他に移ったことで、当然ながら自分は標的より外れた。この速度だ、遥か彼方に置いてきてしまったのだろう。
 いつの間にか脅威は消えた。あまりに突然で、動悸が落ち着く様子はない。
 安堵よりも、疲労感よりも、何もできなかった無力感が全身を包む。そして、命の恩人への僅かな嫉妬も。
 遊び道具にされた屈辱も、こうも完敗では憎む気にもなれず、自重気味に口が小さく吊りあがるだけ。
 その後になって、ようやく彼の胸に生命が助かったのだと実感が湧いてきていた。


 動きを止めて、それらは大空で対峙していた。
 一つはマリオネット。そしてもう一つは、先ほどの鬼ごっこに割り込んできた無粋な邪魔物。
 余裕綽々と。返答がないのを知りながら、邪魔物は操り人形に語りかける。
「はい、お利口さん。次はこっちに付き合ってくれ」
 負ける心配など微塵もしてないのだろう。マリオネットに向けた右の人差し指をくいくい動かし、挑発してみせる。
 マリオネットの足を止めたのは、同サイズの鉄塊だった。
 ただしこちらは完全な人型。
 否。それでは少々語弊があるだろう。
 胸は分厚く手足も太く、指先は猛禽以上に鋭利な爪。全身に刺々しさと優美さを併せ持つ白い鎧を纏った戦士。
 刀剣のような、あるいはそれを振るう武将のような、あるいは悪魔のような。
 力強さを体現した鋼の巨神。
 そしてその巨神は、左腕の肘から先が存在していなかった。
 だがむしろその不完全な姿こそが、さらに不敵さを増すほどの圧倒的な存在感。
 その証拠とでも言うように、
 マリオネットが挑発に乗った刹那、ガシャン、と派手な音を立ててマリオネットの脚部が破壊されていた。
 同時に、巨神の腕が一対となる。
 信じられないものを見たかのように、一瞬マリオネットの動きが止まった。
 驚いたのは両腕が揃ったことではない。軽々と装甲をブチ抜いた攻撃力だ。そもそも、並みの機体の攻撃では、まともに破壊できないというデータがある。それは先程の戦闘機との戦いで実証していた。
 だが、この目の前の敵は違った。
 隙間を狙われたわけでも、圧倒的な物量で攻められたわけでもなく、純粋にパワーだけで、ダメージを通されたどころか脚を丸ごと持っていかれてしまった。
 それは見た目だけのこけおどしではなく、見た目通り普通ではない機体だという証拠だ。
 逡巡の隙をあえて見逃して、目の前の巨神は腕を組み待ち構えていた。
 決定的な隙を放置して、一体何がしたいのか。マリオネットは、その気配を察した。
 巨神は無言で語る。今度はおまえが遊ばれる番だ、と。
 この時点で、マリオネットは、おおよそ己に勝ち目がないことを悟っている。
 故に目的を、撃破されることを前提とした戦闘データの収集に変更する。遊ぶというのなら、可能な限り時間をかけて、可能な限りの手の内を明かさせる。
 たとえ負けても、今回のデータを元に、今後生産される機体はより強化されることになる。
 ならばすることは一つ。
 まずは装甲強度、あるいは回避性能の調査から。
 腕――砲門を巨神に向け、光弾を放つ。
 瞬間、的が消えた。光弾は虚しく空を切る。

 全ては一瞬。

 気付いた時には、腹から巨神の腕が生え、
「悪いな。これで終わりだ」
 胴に風穴が開き、
 気配に騙されたのだとも知らぬ間に、爆音を伴なってガラクタと化していた。
331創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:19:37 ID:bqHn82D/
 
332創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:19:43 ID:xzEkSEOh
しえ
333パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 21:21:48 ID:JZdSvZiS
 しえん。
334創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:21:57 ID:bqHn82D/
 
335 ◆uW6wAi1FeE :2009/09/23(水) 21:22:23 ID:Qf3Pfotu
 戦闘空域より遥か遠く。この戦いを見聞きしていた三人がいた。
「偵察型とはいえ、こうもアッサリ倒されるとはな」
 何も映らなくなったモニターを眺めながら、男は憎々しげに歯ぎしりをした。
 その様子を見て、女は言う。
「アナタが間抜けなだけ、ライン。惑わされなければ、もう少しくらいはまともに勝負できたはずよ」
「たまには遊びたいって遠隔操作したはいいけど、その油断が仇となったね。だが侮れない戦力もあることが判明しただけでも収穫だよ」
「リオルフ」
「ロボットもそうだけど、あのパイロット……」
「確かに。早目に叩いておいたほうが良さそうね」
 もう一人の男、リオルフの言葉に女は頷く。たったあれだけで遠隔操作と見抜くだけに飽き足らず、逆用して手玉に取るなど並みの技量ではない。
 その会話の流れにラインは口を吊り上げ、今後の方針を提示する。
「一般兵器が相手にならないことは、今までの調査で確認済み。ならば、各地での作戦は自律行動型に任せ、我らは障害を取り除くことに注力すべきだ」
「恨みを晴らしたいだけじゃないの?」
 女の冷静な指摘。
「まあまあ、セイナ。単純だけど効果的ではある。……とりあえず、それを当面の目的にしてみようか」
「別にいいけど。反対する理由もないし」
「二人とも、同意に感謝するぞ」
 セイナとリオルフに感謝を述べて、ラインは笑う。
 狙いを定めるは、極東地区。


 無傷で格納庫にそびえる巨大ロボットを、白衣の男が見上げていた。
 背丈は180センチ超、端正な顔に鋭い目つき。無造作に後ろへ流した黒髪。年齢は二十代後半。がっしりとした筋肉質の“黙っていれば”文句なしの美男子。
 場所と服装次第では、モデルかスポーツ選手あたりに間違われてもおかしくないだろう。
 しかし彼の本職は、あくまで服装通りのもの。
「勝つには勝ったが、満足のいく結果とは言えんか。戦闘能力は、想定限界値の49.3%……瞬間最大時で、62.7%か。大口叩いていた割には、大したことねえな」
 モバイルに目を移し、男は苦い顔で空中に投影された戦闘データを、わざとらしく読み上げる。
「馬鹿野郎!」
「おぐっ!?」
 突然の怒りの声と、後頭部に激しい痛み。反射的に患部に手をやって、思わずモバイルを取り落とした。
 涙目で足元を見れば、フルフェイス型のヘルメットが転がっている。
 どうやら、男の嫌味に対する反撃らしい。
「な、何しやがる、壮馬!」
 男はやや涙目になって、犯人を睨みつけた。
「黙れ、こんアホ十字が。ぶっつけで実戦テストさせといてそれか! しかも何だあのメチャクチャなインターフェースは? 使いにくいったらねぇぞ!」
336創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:22:56 ID:fTWyXzOp
連休最後に新規さん来た−

支援
337創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:22:59 ID:bqHn82D/
 
338パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 21:23:24 ID:JZdSvZiS
 
339 ◆uW6wAi1FeE :2009/09/23(水) 21:23:35 ID:Qf3Pfotu
 ヘルメットを投げつけてきたのは、白衣の男――十字以上に長身の男だった。
 頑健な肉体をパイロットスーツに包む彼は、当然の抗議だと、普通なら居竦まる殺気を込めて睨み返してくる。
 それを流し、十字は反論。
「安全性から何から、最大限の配慮をしたろうが!」
「どの口が言うか! 少しは使い勝手考えろよ、操作方に統一性のカケラもありゃしねぇ。無闇に盛り込むだけだから、何もかもデタラメなんだよ。もう少し洗練しとけ」
「ぬぅ……この神武十字様が、そんな凡ミスを」
 痛いところを突かれた。ここは素直に非を認めるしかないらしい。ぐうの音も出ず、押し黙る。
 壮馬と呼ばれたのは、目の前に佇む巨大ロボットのパイロットだった。やや癖のある黒髪。手練の格闘家を思わせるワイルドな風貌。雑なようでまるで隙のない、どこか捉え所のない気配。
 つい今しがた、彼はあのマリオネットを撃墜して戻ってきたばかりだ。
 ただのテストのはずが、マリオネット出現の報を受け突如実戦投入という行き当たりばったり。加えて、無傷で戻ってきたというのにあの言い草では、文句も当然のことだろう。
 とはいえ、それも互いを信頼してのこと。こんなケンカもいつものことだ。壮馬も十字の技術力自体には万全の信頼を置いている為、多少の無茶だって聞くし、この程度の文句で済んでいる。
 なので大人げないケンカは終わり。
 早々に気分を切り替えて、冷静にさらなる問題点の指摘をする。
「そもそもシステムが一人用じゃないだろが。あれじゃあ、いくら俺でも100%以上の性能を発揮すんのは無理だよ。たとえ操作性の改善をしたところでもな」
「やっぱ一番のネックはそこか。コックピットは追々改修するとして、残りのパイロットもどっかから適当に見繕ってくるしかねぇな」
「お前なぁ……パワーでねじ伏せないとマトモに操縦できねぇ機体作っといて、それ言うか?」
 常人ならば簡単に死ねる。そう言いたいのだろう。
「わかったわかった。初設計とはいえ、悪かったよ」
 全て己の責任とはいえ、次から次に出てくる難点に、十字も辟易してくる。
 十字にとっても、もともと操縦者については懸念していた問題だった。というより、今にして思えば、いかに実験的要素が強い新型機とはいえ、壮馬の体力を基準に計算したのが間違いだった気もする。
 だが今更後の祭りだ。操作性はどうにでもなるだろうが、性能を下げるわけにはいかない以上、パイロット側でどうにかしてもらうしかない。無責任なようだが、現状での事実なのも確かだ。
 とりあえず、そのパイロット様に訊いてみる。
「心当たりはないのか」
「いくらかはいるが、そういうのは大抵どっかで何かやってるからなあ」
 想定済みの質問だったらしく、即答された。
 ならば、と次の案。
「アイツは?」
「ダメダメ。最近忙しいっつって、付き合い悪ぃんだ」
 十字唯一の心当たりさえ、簡単に却下された。
「一応連絡入れてみるけどな。まあ、今んところは無理だろ」
「てことは、民間からのスカウトか」
 手軽な調達を諦め、十字は懐からレトロなデザインの携帯電話を取り出し、慣れた手つきでコールする。
 相手が出るなり、単刀直入に用件を伝えた。
「オレだ。至急人材発掘してくれ。条件は――」

 さしあたっての問題は、鋼の巨体に生命を吹き込むパイロット。
 基本中の基本にして、最重要課題。まずパイロットがいなければ、何も始まりはしない。
「やれやれ。初っ端からこれじゃ、お前も前途多難だな、ドラスター」
 壮馬は苦笑しつつ、物言わぬ――しかし強い意志を宿した眼に向けて、たった一言語りかけた。
340創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:24:08 ID:bqHn82D/
 
341潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 21:24:34 ID:W1OwL7y9
支援
342パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 21:24:54 ID:JZdSvZiS
 
343 ◆uW6wAi1FeE :2009/09/23(水) 21:26:15 ID:Qf3Pfotu
『機甲闘神Gドラスター』

第一話は、とりあえずこれにて。
今後、ちょこちょこ戦力を充実させていくことになるかと。

気分的に、10ページで一話って感じで、気軽に行きます。
344創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:27:09 ID:xzEkSEOh
投下乙。
345創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:35:18 ID:JZdSvZiS
>>343
 おお、超巨大ロボきましたね! 投下乙です!
 なんかタイトルからして王道って感じだなぁ。そして追加パイロット……一体どんな人が来るのやら。

 次回を楽しみにしてますねw
346創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:36:57 ID:bqHn82D/
>>343
投下乙!今回はグィン将軍にならなくて済んだなw
いいね、ベタベタなタイトルが最高にツボだ。次回の展開に期待させていただこう!

しかし冗談抜きで超豊作だな10号機は……
347創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:43:26 ID:JZdSvZiS
>>346
 下手すると容量足りなくなるくらいの頻度で作品投下されてますよねw
348潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/23(水) 22:17:32 ID:W1OwL7y9
ロボットスレ学園とか考えた自分はきっと疲れてるんだ……カフェインカフェイン('A`

>>343
投下乙
349創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:28:51 ID:fTWyXzOp
>>342
初投下お疲れ様です!
タイトルが古きよきロボアニメを思わせてグッときますw
謎の三人組と壮馬の実力・・・うわー先が気になるw
次回を楽しみにしてます
>>348
良ければ教えて欲しいですなww>ロボットスレ学園
350創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:31:51 ID:JZdSvZiS
>ロボスレ学園
 新しい……惹かれるな。
351創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:32:41 ID:JZdSvZiS
 ……ってageちゃいました、すみませんorz
352創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:34:49 ID:fTWyXzOp
>>343だった
アンカーミスしてばっかだ・・・
353創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:38:46 ID:bqHn82D/
>>351-352
何、気にする事はない
ロボスレ学園か……高校生と大学生と教師ばっかだなw

しかしこの時間は人がおらんのう
354創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:39:59 ID:xzEkSEOh
脈脈と受け継がれる過疎の血
355創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:40:59 ID:xD+3kYck
いい発想かもしれないな、ロボットスレ学園。
各作品のキャラクターやらロボットとかを一つの学園に登場させて。
356 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 22:41:19 ID:+thFuQYQ
新たな作品も増えてますます活気が出てきて嬉しいですね。
これがピークにならないように気をつけなければ。


もう中編・下は投下を躊躇うほどの変態が出てきます。
具体的にナニをしたりとかはしませんが、内面が変態過ぎて…
しかも考えていることが危ない。普通に犯罪者です。
薬物ダメ絶対。
357創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:43:59 ID:bqHn82D/
リヒト先生、オルトロック先生、ウィス先生あたりはマジ危険だなw

個人的にはたまちゃん先生に特別授業を(ry
358駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 22:44:37 ID:oYtYWrFp
>>343
うぉ!連休最後に凄い新人さんが来た!!
この機体の描写力……う、羨ましくなんかないんだからね!
359創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:48:20 ID:JZdSvZiS
>>356
(゚∀゚〇彡変態! 変態!

>>357
 Q.何故教師になったのですか?
リヒト「中学生とか、好きだから!」
360創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:50:13 ID:fTWyXzOp
まぁシルバーウィークも終わりますし、むしろ今までのペースが異(ry
けど過疎は避けたいですね。何かしら賑やかなスレでいたい
>>355
昨日のノリみたいな感じでやってみたいですねw
>>356
なぁに、町一つぶっ飛ばしたウチのオルトロックに比べれば無問題です!(笑顔)
361創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:56:04 ID:JZdSvZiS
 逆に安心して授業を受けられそうな教師を捜したほうが楽なんじゃ(ry

 悪山爺の授業は受けてみたい気がしますw
362創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:57:34 ID:oYtYWrFp
>>355
早めに第一話に入れるように頑張るので俺のキャラも入れてくださいw
363創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:01:19 ID:bqHn82D/
自由参加の台本形式でやればいいじゃん、ロボスレ学園
スパロボ企画と違って殺陣があるわけでもないしw
364創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:02:19 ID:xD+3kYck
ロボットスレ学園に登場させるとなると、うちの清水さん、一日に十八時間もネトゲやってるニート……もとい不良学生になりそうだなぁ。
365パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 23:05:48 ID:JZdSvZiS
>>364
 なんか凄い厨二病キャラになりそうですねw

 ……一回ぱぱっと書いてみようかしら。PBMもちょっと行き詰まってますし。
366創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:08:50 ID:oYtYWrFp
>>365
師匠が……動く……!?
あまり無理せんで下さいねw
367創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:12:32 ID:cM2kZ6kJ
実はツクヨミは教官的なポジションにする予定
例の「子供」関連とかこの後の話で若い新人キャラとか出して
368創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:29:35 ID:bqHn82D/
>>365
流石ロリ師匠、なんというフロンティアスピリッツwww

>>367
ツクヨミ先生爆誕の瞬間である
369パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/23(水) 23:32:15 ID:JZdSvZiS
 あ、下手するとキャラ盛大にぶっ壊す……というかキャラを私色に染め上げてしまうかもしれませんが、よろしいでしょうか?
370創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:36:32 ID:xD+3kYck
自分はオッケーですよ。
371 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 23:37:43 ID:+thFuQYQ
うちのは皆学生のようなものだから対して変わらないかも。
372創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:38:56 ID:fTWyXzOp
自分のは喜んで
つか座談会って形で自分で壊しましたしw

ちなみにヴィルシャは本編終わったら前みたいな台詞形式で番外編書こうかなと思ってたり
373 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/23(水) 23:39:32 ID:+thFuQYQ
あ、自分も別に構いませんよ。どうぞやって下さい。
374駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/23(水) 23:40:01 ID:oYtYWrFp
オイラはまだ正式にキャラ出てない……orz
あぁ、出して貰いたかったwww
375創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:45:23 ID:cM2kZ6kJ
自分もOKですね
キャラ出揃ってませんが
376パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 00:03:48 ID:OEE/VvjB
>>370-375
 ありがとうございます!
 じゃあぱぱっと書いてみますねw
377駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/24(木) 00:26:17 ID:+sdrs2xE
すいませんお先に失礼(=ω=)ノシ
378長目:2009/09/24(木) 00:39:29 ID:VzqhBoxc
昨日スレが立ったと思ったら、もう中盤戦とは。すげぇなぁ

ロボスレ学園待ちの間に、前スレの発言にヒントを得て描いた10スレ目記念集合絵でもひとつ
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/62/10th.jpg

誰が誰かは……分かるだろうか……
379創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:41:09 ID:VzqhBoxc
失敬失敬、こっちだった(棒読み)
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/63/10th_m.jpg

改めて、10スレ目おめでうわ極細なにをするやめ
380創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:45:11 ID:FFqoLr6L
>>378-379
チョーさんwwwwwww何してんのwwwwwwww

やべえ極細吹いたwwwwwwww
381創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:59:54 ID:VzqhBoxc
ちなみにキャラは左から

天農博士(スプリガン)
マッキー極細(ROST GORL)
エリアーヌ(Diver's shell)
リヒター(パラベラム!)
田所カッコマン(ネクソンクロガネ)
ツクヨミ(マーナガルム)
悪山博士(ネクソンクロガネ)

をお借りしました
382パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:00:31 ID:OEE/VvjB
>>378-379
 うわぁぁぁぁぁぁぁ極細がぁぁぁぁぁぁぁぁぁwwwwwww
383創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:02:56 ID:FFqoLr6L
>>381
マッキー極細完全に定着したなそういえばw
……なんかサッキー竹田みたいだw
384創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:09:16 ID:VzqhBoxc
>>380,382
マッキーだけ礼服的な格好のデザインが決まらず3回も描いた結果
4度目の正直、>>379でしっくりきましたとかなんとかw

ほら、礼服らしく色もちょうど黒いしうわ極細またしても(ry
385創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:11:34 ID:kUx4Tre8
>>378-379
相変わらずハイクオリティ。
何で二枚目違和感ないんだろう。
386 ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/24(木) 01:17:07 ID:r46kvmZq
>>378-379
おお〜全員カッコイイですな!

ツクヨミを描いてくださってありがとうございます!
てか、悪山博士と並んでると悪の幹部が集合してるみたいでいいなぁ

>>385
両者の違いに気づくまで数秒掛かりました
ちょっとしたアハ体験
387 ◆kNPkZ2h.ro :2009/09/24(木) 01:19:41 ID:q6WS49uM
うわあああ教育召集訓練から帰ってきたらスレが10まで行ってる!?

ロボスレ学園ってうちのSSのはデフォで学生だから問題なかったぜ!
388パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:25:10 ID:OEE/VvjB
>>387
 あら、お久しぶりですw

 さて、ひょっとするとこの企画が、今回の変革なのかもしれませんね……。では、投下開始します!
389 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 01:26:34 ID:UcSGCRJT
>>387
奇遇ですね、同じ国防に携わる者とは。
私はしがない常備ですけど。
390ロボスレ2ケタ突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:26:42 ID:OEE/VvjB
ヘーシェン「>>370というわけで、今日はヒキコモリアンの清水さんを家から引きずり出しに行く事になりました」

遥「……随分突然だね。っていうか、シロちゃんってオートマタなのになんで人間になってるの? それにけっこうな歳なのに何故制服を」

ヘーシェン「こまけぇことはいいんだよ。年齢に関してはアレです、森のイチゴです」

遥「ごめんシロちゃんが何を言ってるのかわかんない」

ヘーシェン「こまけぇことはいいんだよ。そんな事より早くあの穀潰しのニートを学校に出席させないと、ツクヨミ先生とにらめっこさせるって氷室生徒会長が言ってましたよ」

遥「そ、それはまずい……」

ヘーシェン「彼はブレイブグレイ部のエースなもので。いないと色々困るんですよ。
 ああ、ちなみに清水さんは戦闘のプロ(性的な意味ではない)なので我々だけでは危険だという事で、氷室生徒会長がそれはそれは心強い戦力を派遣してくれるとの事です」

遥「へぇ、誰だr」

 オープンザドア。

「おうおう、清水のにーちゃんがひきこもってるみてーだな!」
「ンッンー、それは情けない。ちょっとしたオシオキが必要だな!」
「よーしパパ頑張っちゃうぞー。中隊の皆独身で子供なんかいないけど、細かい事は気にしないZE!」

遥「……なにこの屈強な戦士達は」

ヘーシェン「大海上都市群『兵庫』重歩兵中隊の皆さんです」

「よかったのかい、ホイホイ派遣しちまって。俺達は地獄の鬼でもブチ殺して食らっちまう重歩兵なんだぜ」

遥「今すぐ帰らせなさい」

ヘーシェン「あいあいまむ」
391ロボスレ2ケタ突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:27:46 ID:OEE/VvjB
 

 ♪  ♪  ♪


隆昭「……で、俺が引っ張り出されたと」

ヘーシェン「そういう事になりますね」

遥「ごめんね、鈴木くん。面倒な事に巻き込んじゃって……」

ヘーシェン「大丈夫ですよ、遥さん。彼に会長の命令を拒否する権利はありませんから。
 ついでにメルフィーさんの所属するブレイブグレイ部の存続がかかっている以上、彼はこちらの要請を拒否する事はありません。言うなれば人質ですね」

遥「血も涙も無いねあなた」

隆昭「つか、人数が危ないなら部員を募集すればよかったんじゃないのか」

ヘーシェン「その発想は無かったわ。ならアッキーが入れば万事解決じゃないですか。よかったね、清水さんずっと引きこもっていられますよ」

隆昭「いやほら俺生徒会が忙しいから」

ヘーシェン「つまりアッキーはメルフィーさんより会長を選ぶという事ですか」

隆昭「なんでそうなるんだよこのちんちくりん!」

ヘーシェン「まあ、人の身体的特徴をネタにしていじめるなんてあんまりですよ。遥さんからも何か言ってやってくださ……あら?
 どうしたんですか遥さん、ツクヨミ先生なんか連れてきて」

遥「……にらめっこ」

隆昭・ヘーシェン「は?」

遥「行かなかったら! ツクヨミ先生と! にらめっこ、してもらいます!」

隆昭「見苦しい喧嘩なんかしてる場合じゃないな、ヘーシェン!」

ヘーシェン「ええ、力を合わせて清水さんを家から引きずり出しましょうそうしましょう」

 隆昭とヘーシェン、早足でその場を立ち去る。

遥「ツクヨミ先生、ありがとうございました!」

ツクヨミ「ああ」

 遥もその後を追う。

ツクヨミ「……今の、なんか傷付いたな」
392ロボスレ2ケタ突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:28:48 ID:OEE/VvjB
 

 ♪  ♪  ♪


ヘーシェン「っつーわけで最強トラクター・田植えるんさんに乗ってやってまいりました、ここが清水さん家です」

遥「田植えるんさん、ありがとうございました」

隆昭(ギャグか!? ギャグなのかその名前は!?)

ヘーシェン「田植えるんさんナメたらいけませんよ、彼は某お髭様並の性能を秘めてますから」

隆昭「何故人の心が読めたし」

ヘーシェン「だってうさぎの耳は長いんだもん。マジレスすると田植えるんさんの能力ですよ。彼の周辺は全裸空間になるんです」

遥「嘘を言うんじゃありません」

ヘーシェン「はいすみません、嘘つきました。
 さて、改めまして清水さん家ですが」

隆昭「すげぇ鍵」

ヘーシェン「グゥレイト! 鍵だけは多いぜ!」

隆昭「おい割り込むなよ。……で、どうやって入るんだ、これ」

ヘーシェン「テーレッテー♪ こんぽじしょんしーふぉー♪」

遥「なんでそんなの持ってるの!?」

ヘーシェン「乙女の身体は秘密がいっぱいなんです」

遥「いや入手経路を聞いてるのであって」

隆昭「爆破するぞー」

遥「ぅヲイ!」
393創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:29:38 ID:VzqhBoxc
 
394ロボスレ2ケタ突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:31:03 ID:OEE/VvjB


 ♪  ♪  ♪


ヘーシェン「おお、家の中にも鍵がいっぱいですね。まさに鍵っ子」

隆昭「葉っぱもあるな」

遥「ちょっと、清水くんは戦闘のプロだから危険なんじゃなかったの!?」

ヘーシェン「さすがに民間人に手は出さんでしょう」

???「両手を上げてその場に伏せろ」

ヘーシェン「あ、おじゃましてます清水さん」

隆昭「率直に用件言うぞ、お前学校来い」

清水「黙れ、黙らんと撃つ……ぞっ!?」

 ゴキっ。

遥「そんな物騒なもの下ろして、部屋片付けて、学校来なさい!」

ヘーシェン「おぉっと遥さん、柔よく剛を制したー」

隆昭「見事なサブミッションだったな」

清水「なんなんだお前達は……!」

ヘーシェン「通りすがりの仮面ライダーです」

遥「なんでそうなるかな」

ヘーシェン「遥さんぴったりじゃないですか。賢者の石宿してるんですよ? 漫画版Blackですよ? AGITΩですよ?」

遥「ごめんシロちゃんが何言ってるかわかんない」

ヘーシェン「それに隆昭さんも機体の戦い方からして( OwO)ウェーイじゃないですか」

隆昭「すまんお前が何言ってるかわからない」

ヘーシェン「さて、そんな事より清水さん……」

隆昭「その首、貰い受ける!」


 第一話・終

 続きはどなたでもいいので好きに書いちゃってくださいw
395パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 01:32:51 ID:OEE/VvjB
>>387
>>389
 って本職の自衛官さん!?
 うわぁ、国防お疲れ様であります!
396創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:40:39 ID:VzqhBoxc
>>394
投下乙です

予想よりも遥か上方へと突っ走った内容にww

ツクヨミ先生と睨めっこ吹いたw
先生、あんたは今泣いていい
397創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:45:48 ID:FFqoLr6L
>>395
投下乙!
ちょ、ノリがフリーダム過ぎるwwwなんぞこれwww
いつもパロネタが凄いけど、今回はそれに輪をかけて容赦ないなwww

そういやPBM氏の作品のパロディの元ネタが全部わかる人はいるんだろうか
398パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 02:01:13 ID:OEE/VvjB
>>396-397
 ありがとうございますw

>ツクヨミ先生と睨めっこ
 多分自分なら視線を合わせる事すらできなと思いますw

>パロディの元ネタが全部わかる人はいるんだろうか
 そこまでマイナーな作品のパロはしてないのでいる……と思います、多分、きっと、恐らくは。


 ああ、寝る前にちょっとした設定をば。

■やおよろず荘
 遥たちPBMのキャラクターが住んでいるアパート。古きよき木造一軒家で庭つき。管理はまどか・ブラウニングが担当している。
399創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:06:00 ID:FFqoLr6L
>>398
まほ●ばとかめ●ん一刻的な光景を幻視した俺ガイル
400創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:07:20 ID:FFqoLr6L
すまん、ageちまった。ちょっとツクヨミ先生と睨めっこしてくる
401創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:10:25 ID:M+VXMH6x
ロボスレ学園で盛り上がってるところ申し訳ないっすがちょいと作品のプロローグを投下しても良いでしょうか?
短い(1レス程度)&ロボ出てこないですが
402パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 02:11:46 ID:OEE/VvjB
>>399
>まほ●ばとかめ●ん一刻
 すみません、実は少なからず影響受けてm(ry

>>400
 死ぬなよ、相棒……。
403創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:13:20 ID:OEE/VvjB
>>401
 どんと来い!
404創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:31:44 ID:OEE/VvjB
 ……って、あれ?
405創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:36:30 ID:FFqoLr6L
来ないな、投下
406創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:38:03 ID:M+VXMH6x
>>404
うっかり夢の世界にほぼ逝きかけてました
文章にはあんまり自信ないですがまあ生暖かく見守って下さい
ってことで投下します
407創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:39:31 ID:M+VXMH6x
 通学中に自転車で勢いよく角を曲がったら何故か空を飛んでいた。
 現役高校生影宮健二が今現在置かれている状況を一言で現すとこんな感じである。

「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁっ!?」

 風圧で顔を歪めながら、とっても大きな声で叫ぶ健二少年。ちなみに、飛んでいるとはいっても「横に」ではなく「下に」である。要するに彼は今絶賛落下中なのだ。

(何だ、何がいけなかったんだ……今朝はしっかり早起きして洗濯物も干したし、家族の分の朝ご飯もちゃんと作った。妹が学校で集めると言っていた雑巾も夜なべしてチクチクしたし、犬のポチへの餌も忘れなかった。……完璧だ、何の不備もない)

 己の所行を振り返る健二。当然、何一つこんな状況へ陥った理由を見いだすことは出来なかった。

「……短い人生だった」

 そして健二は考えるのを止めた。ついでに生きる望みも捨てた。

(あばよ、みんな。父よ、母よ……俺が居なくてもちゃんとご飯は作れよ。コンビニ弁当で済ませちゃ駄目だからな。そして月子……お兄ちゃんの手製の雑巾、『縫い目が細かくて綺麗だよ』ってちゃんと学校で自慢するんだぞ……)

 家族への最期の言葉も済ませ、さて辞世の句でも考えようと健二は頭を捻り始める。大丈夫、地面に激突するまで後20秒くらいはあるはずだ。一句くらいは詠めるだろう。
 ……などと考えていたら、突然健二はブレザーの襟首を何者かにふん掴まれた。

「ぐぇ」

 蛙が潰れたようなうめき声を上げる健二。とりあえず何事かと視線を上へ向けてみる。

「……」

 そこにはやけにメカニカルな杖に乗った魔法少女がいた。
 年は十代後半であろうか? 真っ黒い三角帽子に真っ黒いローブ、真っ黒いミニスカのまっ黒くろ助な服装。水色の長い髪の毛を後ろで纏め、瞳の色も髪の毛と同じ水色。更にあるのかないのか分からない貧相なバストなど、まごう事なき魔法少女がそこにいた。
大事な事なので二回言いました。
 魔法少女は健二が自分を見つめている事に気付くと、健二を掴んでいない方の手をヒラヒラさせながら笑顔で口を開いた。

「どもー。ゴメンね、いきなりこんな超体験をさせちゃって」
「……はぁ」

 とりあえず生返事。

「私はアリス。アリス・ブランシュネージュ。君は?」
「……影宮健二」

 今現在このアリスと名乗った少女に文字通り命を握られている以上、下手に逆らえば命はないと判断した健二は素直に自己紹介をした。

「ケンジ、ね。よろしく」

 朗らかに挨拶をしてくるアリスを見て、健二は今の自分の状況について何か知っているであろうこの少女に直球で質問をする事にした。

「や、挨拶は良いけどさ……俺は何だってスカイダイビングをさせられたんだ? あんた理由知ってるだろ」

 その言葉に、アリスはコクコクと頷く。

「うん。私が君を召還したんだよ。この世界を君に守ってもらうためにね」

 えへんとない胸を張るアリスの姿に、健二は自分が何やら笑えない事態に巻き込まれたのを確信するのだった。



英雄騎兵ミッドナイト、そのうち本編へ続く……ように頑張ります
408創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:43:26 ID:OEE/VvjB
>>407
 おお! またまた新たな作品が!
 召喚系ですかー。堕天雷人 星海王依頼ですねw

 ……さて。

 ファンタジー仲間が増えるよ!
409創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:49:16 ID:FFqoLr6L
>>407
投下乙!
この軽いノリ、そしてファンタジックな世界観……PBM氏にライバル出現だなw

>>408
やったねたえちゃん!
410今日のツクヨミ先生 ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/24(木) 02:53:54 ID:r46kvmZq
 故郷にいる君へ


 以前から相談していた、俺の顔が生徒に与える悪影響についてだが、本日遂に「目が合った瞬間気絶した女子生徒」
が出てしまった。
 診断した養護教論曰く、「倒れた女子生徒はダイエットだと朝食を抜いてきた結果、貧血を起こしただけ」との事だが
元々体調の悪かった女子生徒に止めを刺したのは、まず間違いなく俺の顔だろう。
 やはり俺は教師に向いてないのだろうか。教師を辞めて、君のいる村に帰りウサギ牧場で働く方が分相応な──

キーンコーンカーンコーン

「ツクヨミ先生、予鈴鳴りましたよ? 授業の準備しなくていいんですか?」
「…………ああ、すぐに用意する」

 こんなところで逃げ出す事は、彼の中の教師としての魂が許さない。書き掛けの手紙をグシャグシャに潰すと
己の心の弱さと共にゴミ箱に捨てた。
411 ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/24(木) 02:57:06 ID:r46kvmZq
>>390-394
を見て、面白かったので衝動的に書いてしまいました。
◆1m8GVnU0JMさん乙です。

>>407
おお、新たな作品が!
本編楽しみに待ってます


412 ◆gD1i1Jw3kk :2009/09/24(木) 02:59:12 ID:wtFGb7Hm
>>387
>>389
自衛隊の方でしたか。色々と大変でしょうが、頑張って下さい。

>>394
おーい!?姫路の原案と酒が融合して誕生した奴らが出てくるとは思わなかった。
それから鍵はあるけど葉っぱあんまり無いよ!

ちなみにこの重歩兵中隊中隊長、仮想訓練で静に全戦全敗してます。なので、静にかなりの悪感情を抱いている。
最新の五式重装甲強化服で二世代旧式の三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムに敗北し続けているのが屈辱。
でも恨んでいる最大の理由は、他の海上都市からも人気が絶大である姫路市市長の娘、田倉祐理佐(たくら ゆりさ)を姫路守備隊重歩兵小隊副隊長として部下にしている事。
彼女の親友である澄河麻衣(すみかわ まい)も小隊員にしている事だったりします。
静を本気で殺してやろうと考えた事もあるけど、先代隊長の美咲(みさき)先輩、姫路守備隊隊員夏目鈴(なつめ すず)の兄、静の旧知の強敵(とも)である夏目京助。
先々代の姫路守備隊隊長であり生きた伝説となっている重歩兵、亜紀子さんの三人が恐ろしくて手が出せなかったりします。

ああ、そうだ。この中隊長の名前、全く考えていないし考える気もないので募集します。
ドシドシ応募してください。気に入った中から正式採用します。
413創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:59:34 ID:OEE/VvjB
>>409
 ええ、都合良く(?)ブランシュネージュ(白雪姫)もいますしね……!
 まあヘーシェンの“ヴァイス・シュネー”は初期案ですけどw

>>410
 ちょ、ツクヨミ先生頑張って! 超頑張って!

>ウサギ牧場
ヘーシェン「なん……だと……!?」
414創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 03:06:33 ID:OEE/VvjB
>>411-412
 ありがとうございますw

>姫路の原案と酒が融合して誕生した奴らが出てくるとは思わなかった。
 重箱の隅をつつくのが私流クロスオーバーですから!
 ……ええ、平成ライダーよろしくハッタリ(というか勢い)重視でもあります。

>静にかなりの悪感情を抱いている。
遥「帰らせといてよかった……」

>中隊長の名前
 阿部さんとかどうでs(ry
415創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 07:19:52 ID:l5Qow9nf
マニフェストに載ってないことを何よりも先に実行しようとする民主党を法的に訴える方法はないのかね?
選挙活動中は、外国人参政権の重大性を日本国民に問うこともなく、子供手当、高速道路無料化、年金一元化等の

国民の生活が第一で日本国民をダマしまくり、政権をとったら、マニフェストに載せていない国民の生活を脅かすような安全保障にかかわる
外国人参政権を、日本国民の知らぬ間に法案成立させようとするのは、詐欺じゃないのか。

法曹関係者で、保守系の方は、何か良い知恵はないでしょうか。 

▼外国人参政権が非常に危険であることが簡単に理解できるよ! →プリントアウトするとビラになります!
↓PDFファイルの方をクリック!
http://sites.google.com/site/naoki1333nochottotoorimasuyo/home/9-27gaikoku-ninjin-seiken-hantai-demo-sanka-sokushin-chirashi

▼外国人参政権反対! ゆうこりんみたいなカワイイ声の普通の女の子も立ち上がってるよ!
http://www.youtube.com/watch?v=pBcSlmdcCZU

▼永住外国人への地方参政権付与「反対」圧倒的9割超 → これが現実なのよね。日本国民の9割超が反対している法案を成立させよう
とする民主党って、どうよ?
http://www.youtube.com/watch?v=e7kCfj44L58

▼日本女性の会 そよ風 のサイトでデモのスケジュールをチェックしてね!
http://www.soyokaze2009.com/news.php

▼あなたの地区でポスティングしてみませんか?
http://www.geocities.jp/www_nagatacho/


こんな法案、成立させるのおかしいよね? 絶対。

ブログでも、2ちゃんでも、ビラ配りでも、デモ参加でも、議員にメールでも、なんでも良いです。 

あなたが本法案の成立阻止に協力できることをやりましょうよ。 立ち上がれ、日本人!
416 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 11:18:56 ID:UcSGCRJT
なんだかどんどん新作が増えて嬉しいなぁ!

>>395
すいません現在療養中です。
検閲訓練で張りきって脚折りました…暇なので病院のベッドからSSを書いてます。
情けない自衛官で本当にすいませんorz

ちょこっと用語解説でも

アサルターシリーズ・フナサカZ型
SMIで採用されている最新鋭の戦闘用重義躰。全高230cmに
達する大型タイプで、高出力の人工筋肉と頑丈な金属骨格に
より更なる重装備が可能となっている。全身を覆う人工皮膚は
耐熱耐衝撃耐弾性に優れるばかりか完全なNBC防護能力も備え、
対BUGだけでなく対テロをも考慮された設計となっている。
これはSMIが非公式作戦に投入されるのを見越しての装備とみられる。
頭部センサーには複眼式と単眼式があり、腕部に内蔵火器を
装備するタイプもある。あまりに長身なのでよく天井や梁に
頭をぶつけるSMI隊員が後を絶たない。

XLAT-02アラクネ
直接支援兵器を熱望していたSMIの要請によって試作された
一人乗り用軽多脚戦車。戦車というよりも歩兵戦闘車両に
近い性格を持つ。歩兵支援に適した多数の固定火器を備え、
後部兵装ユニットを換装する事で多彩な任務に対応可能。
車体各部に設けられた取っ手はSMI隊員が跨乗(デサント)する
為のもので、フルプラセスの筋力なら激しい機動を行っても
振り落とされる事は少ない。一輌に最大で十二名(一個分隊)の
SMI隊員が跨乗可能だが、そうなると非常に見栄えが悪くなる。
417創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 12:24:38 ID:OEE/VvjB
>>416
 いやあ、毎日がエヴリデイですなぁ!

>検閲訓練で張りきって脚折りました…
>情けない自衛官で本当にすいませんorz
 すみませんちょっと萌えt(ry

 えぇい、私はただのロリコンのはずだ!

 改めまして設定投下乙ですw

>頭をぶつけるSMI隊員が後を絶たない。
>SMI隊員が跨乗可能だが、そうなると非常に見栄えが悪くなる。
 補足トリビアに不覚にもクスリときてしまいましたw
 建物の構造は必ずしもSMIに対応してるわけじゃないんですね。

 ……ん、そういえば。
 ◆kNPkZ2h.ro氏も◆6LGb3BALUde1氏も自衛官にして書いている作品のメインが百合だ……!
418 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 12:50:38 ID:UcSGCRJT
>>417
野郎ばかり見飽きているので、妄想の中ぐらい女の子だけの
空間だっていいじゃない!
ちなみに作品は私の実体験に基づく箇所もこれから出てくるので、
女の子同士なら百合ん百合んで癒されるシーンなのですが
実際は野郎同士で汗くさい友情シーンだったりします。
脳内変換って大事だよね!
419創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 13:28:05 ID:qBwENfx8
御事情で酉を打てないので名無しで
>>378
おおおおおお!!
すげぇww皆カッコよすぎですよwww

一瞬どっちが本物のマキか分からなくなりました
>>390-392
鈴木「お、俺のキャラが凄く立ってる……(´;ω;`)」
いやホント、ここまで鈴木君をキャラ立てしてくれて有難うございます!遥ちゃんとヘーちゃんも本編並みにノリ良くて良いですw
しっかしツクヨミ先生とにらめっこか……俺なら2秒で失神する自信がありますね

何気に清水君の日々の生活が気になる所
>>407
ロボット物総合SSスレに、ようこそ〜(パタヤビーチ的な意味で)
ハ、ハイテンションだなぁ……こりゃあPBM氏、強力なライバル出現ですよ!
420有頂天の人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 16:35:08 ID:V8DjZEph
>>378-379
なん……だと……ひゃっほぉぉぉぉぉうッッ! 俺のキャラが絵になってるゼぇッっッ!!
他の人のキャラもクオリティ高杉てひゃっほぉぉぉ!

そしてマッキーでコーヒー噴出 画面が見えない
421創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 16:38:03 ID:kUx4Tre8
本職の方がいらしては敬意を表するとともにミリオタ以下の俺は尻尾まいて逃げ出さざるを得ない。
国防て大事よ。
422創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 16:47:37 ID:FFqoLr6L
>>417
87式自走高射機関砲をガンタンクと呼ぶ組織だ、それくらい問題無(ry

>>410
ちょ、ツクヨミ先生www応援しますwww
423創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 16:56:46 ID:OEE/VvjB
>>418
>野郎ばかり見飽きているので、妄想の中ぐらい女の子だけの
>空間だっていいじゃない!
 おおぅ。ご苦労様です……!

>>419
 いえいえ、どういたしまして!

 はっはっは! 鈴木くんのキャラが破壊されてしまった! これも全て私の仕業だ!

>こりゃあPBM氏、強力なライバル出現ですよ!
 ふっふっふ、ならばローテンションでまったりという新しい方向性を見出だすまでですよ!
 リタとリヒトがいる限り、その路線無理だ……!

>>422
 ハエ叩きとも言いますねー。
 外見は確かに元旦苦Uっぽいかもw


 あ、>>390-394の続きは誰でもいいんで息抜きに好きに書いちゃってくださいなw
424 ◆n41r8f8dTs :2009/09/24(木) 17:49:38 ID:aLaXd7el
残量がちょっと危ない上に、もちつけに良く引っかかってすぐレス返せるか分からんが話題ふりやす

先日、代理してくれた方に提案されたのですが、このスレの避難所を作るのはどうでしょうか
自分の様に規制に巻き込まれた方が気軽に代理を頼めたり、あまり無いと思いますが、本スレが荒れた時とか色々使えると思うんです
板が板だからめったにおちないし
425創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 17:58:52 ID:BgQIIYms
最近は荒らしっぽいの来ても皆さんスルーできてるし、あんまし荒れはしないような気もするけど……
規制のときは便利かもね。したらばあたりで?
426創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:01:47 ID:6fX+pKm0
創発避難所にスレおいとこうかね
いらないならいらないで沈むし
427創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:04:11 ID:aLaXd7el
>>426
いえ、この板専用の避難所があるんで、そこにスレ立てたいなと
あまり人が多くないので平和ですし
428創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:06:00 ID:+sdrs2xE
ちょw俺が帰った直後から盛り上がっていたwww

>>378
>>379
ごwwwくwwwぼwwwそwwwwww
長目氏は相変わらずいい仕事するなぁ!www

>>387
>>389
お仕事お疲れ様です!(/=ω=)(ビシッ まさか国防の方がいらっしゃるとはw
色々言う人もいますけど、俺はあなた方を尊敬しとりますので

>>394
ついに学園始動wPBM師匠すげぇよあんたwww
ツクヨミ先生の立ち位置に俺が泣いたw

>>407
おおー!投下乙です!
異世界召喚物ですか!wktkが止まらないw
パラベラムに続いてファンタジー系ロボ連載が出るのは嬉しいのぅw嬉しいのぅw

>>410
ツクヨミ先生……(´;ω;`)ブワッ
やばいw俺の中でツクヨミ先生の好感度が鰻登りなんだが!?www

>>412
原因が嫉妬……よし!俺その中隊長応援する!(マテ

>>416
あらま、脚ですかー(>△<;)イタイッ
お大事にして下さいホントに
用語解説の短い文章にオチがちゃんとあるとかwGJ!w

>>418
存分に、存分に百合百合させちゃってください!www

>>421
うん、確かに大事。でも任務中逃亡はダメだぜブラザーw
429潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 18:07:54 ID:V8DjZEph
これは作品を書かざるをえない。でも、自分が言った学園も…
430創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:07:59 ID:6fX+pKm0
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1253783217/
立ててきたよ
まあ適当に使ってくださいな
431創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:08:44 ID:aLaXd7el
アンカーミスorz
>>426>>425です
改めて>>426
もう少し意見を募った方がいいですかね・・・?
自分は皆がおKなら立てる気がありますが
432創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:13:58 ID:aLaXd7el
ってもう立ってるしwww俺考え損ww
>>430
早急に立てて貰って本当に有難うございました!
いつ弱ネットが解除されるか分からないので、近々利用するかも
その時は宜しくお願いします
433創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:16:43 ID:kUx4Tre8
>>428
はははSS書きではないから大丈夫だし仕事はこなすさ。
一番好きなのは軍民問わず技術だから指揮系統やらなんやらはあんまり明るくないな。暇ができたら勉強してみよう。
434創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:25:49 ID:+sdrs2xE
>>433
もしミリタリ系で分からないことが出たら質問上げるかもしれないので
その時は宜しくお願いしたいですw
435創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:27:21 ID:kUx4Tre8
答えることができるのがいつになるやらwww
436創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:32:40 ID:+sdrs2xE
あ、プレッシャーかける訳ではありませんのでw

今日はスレに書き込みながら作業するかなー
437創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:44:52 ID:vGNxh0+o
シドニアの騎士1巻買った!
太陽系を滅ぼした怪物から逃げ続ける宇宙船って世界観や人型兵器である衛人の設定
色んな意味で個性的な衛人操縦士候補生達が面白くて
こういう作品を書きたいな〜という欲求に駆られた

ていうか、ヒロインが「男でも女でもない」ってのが一番のツボで(ry
438407:2009/09/24(木) 18:49:20 ID:M+VXMH6x
皆さん感想ありがとうございます
本編の方はまぁ……早めに書き上げるように頑張りますです
439創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:59:07 ID:OEE/VvjB
>>428
 ありがとうございますw
 クロスオーバーならどんなネタでも拾いますぜ!

>>438
 がんばっ!


 いやー、本職の方がいると色々と心強いですねw
440創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:10:07 ID:+sdrs2xE
>>437
ほほぅ、シドニアの騎士……週末に本屋いってみるか
その前にとりあえずヒロインについてkwsk(マテ

>>438
ご自分のペースでがんがってくださいねー!
441創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:12:56 ID:FFqoLr6L
>>429
ばっちこい!

>>430
避難スレ立て乙です!

>>438
投下できる時に投下すればいいから、無理はすんなよー
ただし生存報告はするように!

>>439
>クロスオーバーならどんなネタでも拾いますぜ!
つまりタウエルン×パラベラムも期待していいのだな!?
442創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:18:07 ID:vGNxh0+o
>>440
見た目は少年とも少女とも取れて
受精の相手は男でも女でも構わないし
単性生殖で自分のクローンも作れるらしい

主人公が他の女性と一緒にいたら嫉妬してたりするんで
精神的には女っぽいが、一人称は「僕」だし男の子っぽい言動も多し
443創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:21:44 ID:OEE/VvjB
>>441
>つまりタウエルン×パラベラムも期待していいのだな!?
 き、期待しないで待っててね?

>>442
 つまるところがふたな(ry
444 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 19:24:07 ID:UcSGCRJT
PBM氏総受けSSですねわかります

>>本職の方
一般人よりも詳しいかもしれませんけど、自分はあんまり
当てにならないかと。
ただ軍隊生活のあの娑婆とは違う独特な雰囲気が出せればと思っています。
もうロリっ子の時点で娑婆も何も無いですけど。
445創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:24:34 ID:XTZAXTnW
>>378
くっ! 左端のマフィアと真ん中の襟立だけ分からない!
446潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 19:27:04 ID:V8DjZEph
ふたなりと聞いたので師匠をベントラーベントラーして呼んでみる
447創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:29:10 ID:OEE/VvjB
>>444
>PBM氏総受けSSですねわかります
Σ(゚Д゚;)そういう意味での×じゃあねぇーッ!

>ただ軍隊生活のあの娑婆とは違う独特な雰囲気が出せればと思っています。
 バリバリ匂い立ってますよ、保証します!

>>445
 ほらよっ!
>>381

 あ、今更ですがチョーさん。彼はリヒターじゃなくてリヒトですヨ……。
448創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:29:32 ID:XTZAXTnW
>>381を見逃してた
ごめんなさい
449PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 19:34:10 ID:OEE/VvjB
>>446
 私宇宙人扱いですか!?

>>448
 あまやちは誰だって犯すものですヨ。
450潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 19:35:38 ID:V8DjZEph
>>449
こんばんわアダムスキー
451遊星からの物体PBM! ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 19:38:22 ID:OEE/VvjB
>>450
 すみません、私の愛馬は(ドム・トローペンではなく)ゲルググです。
452創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:38:35 ID:aLaXd7el
自分ノンケというかMですよ。可愛い女の子に言葉攻めされたいですし

あ、女の子に対してはです。多分男にはシュワルツとオルトロックみたいな
453長目:2009/09/24(木) 19:40:07 ID:VzqhBoxc
>>430
スレ立て乙です

>>447
オウフ
書く時に各キャラまとめで確認したのに、その上で間違えているという救いようのなさ
失礼しましたぁ!
お詫びにツクヨミ先生と睨めっこしてきます

ちなみに蝶ネクタイしてる杖はヘーシェンのつもりだったりとか
棒術の杖っぽいとのことなんで、割と長めかつ飾り気少なめにしてみたとか
454 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 19:45:37 ID:UcSGCRJT
ウモァー、中編が上下どころじゃなくなってしまった…取り敢えず投下してみようかしら。
今回はアイザックがロリコンではない理由が明かされます。
しかしいい加減ロボを出さないと…アイザックがロボ成分ということでいいのかしら。
455潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 19:46:22 ID:V8DjZEph
>>454
支援ならお任せ
456創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:48:20 ID:FFqoLr6L
さくせん
しえんはまかせろ
それでは投下します。今回は短めにしました。

 レオパルディネがアイザックに手を引かれて連れられて来たのは、
基地内にあるJDFの病院だった。清潔感漂う白亜の建物は真新しく、
植え込みなども綺麗に整備されている。
 一体、アイザックは此処に何の用事があるのだろう。彼は
長身を屈ませて自動ドアを潜って中に入ると、受付で手続きを
簡単に済ませ、エレベーターで一緒に地下へと降りた。
 地下は地上の階よりも冷房が効き過ぎていて、薄い夏服を着ている
レオパルディネは思わず身震いした。

<こっちだ>

 アイザックが先に立って先導する。ふと、レオパルディネはある事に気付いた。
人並み以上の身長を持つアイザックは、普通の人間が生活するのを
前提に作られた空間では常に頭が天井に擦りそうになるが、此処は
彼の長身でも余裕があるほど天井が高い。まるでアイザック、
いやフルプラセスが利用するのを前提としているかの様に。
 迷路の様に複雑な通路を進むと、ガラス張りのオフィスに行き着いた。
 見るからに高価そうな大小様々な医療用の研究機材が幾つも並べられ、
壁際にはアイザックよりも大きなスーパーコンピューターが何台も備え付けられている。
 その設備の整った研究室と思しきオフィスの一角にあるデスクでは、
白衣姿の女性が書類と格闘していた。女性の直ぐ傍には大きな診察台がある。
 アイザックはガラスを軽くノックした。それで女性は二人の存在に
気付いた様子で、今まで睨めっこしていた書類から顔を上げた。
 アイザックはガラス戸を押し開けて中に入った。レオパルディネも続く。
458潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 19:52:21 ID:V8DjZEph
しえん
459遊星からの物体PBM! ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 19:52:51 ID:OEE/VvjB
 しえんはまかせろ!
460創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:52:52 ID:aLaXd7el
支援
「うひゃあ! さ、寒いぃぃぃ!」

 オフィスに入った瞬間、外よりも更に効き過ぎた冷房に小さな身体が
震え上がった。寒冷地でも問題なく動作するように設計されている
アイザックの義躰は物ともしないのだろうが、南洋の暑さに
すっかり慣れた生身の身体には堪えた。
 デスクに座る女性は目の覚める様な美女だった。身体付きは
すっかり成熟しており、白衣の下に着ているタートルネックの
セーターに包まれた姿態は起伏に富み、黒いタイトスカートの
腰回りは肉付きが充実していた。氷の様に冷たく澄んだ碧眼は
怜悧な知性の輝きを秘め、肌理細かく透き通るかの様に白い肌は
何処か儚なげでもある。仕事の邪魔にならない様にと結い上げた
濃い蜂蜜色の髪からは、大人の女の色香の様なものさえ感じられる。
薄く笑んだ白桃色の唇からは光沢ある白い歯並びが覗いていた。

<相変わらず冷房が効き過ぎだぞ>

 税金の無駄だと言外に含ませてアイザックは女性に苦々しく言った。

「あら、これは私に与えられた特権よ? ガンガンに冷房を効かせた
オフィスで飲む、砂糖とミルクたっぷりのよく練ったヴァンホーテンの
ココアは最高なんですもの」

 鈴の音が鳴る様な声で女性はころころと笑った。冷たく酷薄そうな
美貌とは裏腹に、笑顔は子供の様に無垢なのが意外だなとレオパルディネは思った。

<運動もせず甘いものばかり摂っていると太るぞ>

「その分頭脳労働しているから問題ないわ」

<それじゃあいい相手は見付からないぞ>

「貴方はその当てがあるのかしら?」

<少なくとも私にはだな>

「あの子はまだそんな年齢じゃないでしょ」

<……>

 すっかり言い負かされたアイザックは力無く肩を竦めた。
462創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:57:04 ID:FFqoLr6L
しえん
463遊星からの物体PBM! ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 19:57:47 ID:OEE/VvjB
 しえん!
「ところで…そっちの仔犬ちゃんは何処で拾ってきたのかしら?」

<ああ。この子は新設される例の部隊の隊員だ>

「そう。初めまして。私はアイザックの主治医を務めるレイチェル・ムラクモよ」

 主治医、という言葉にレオパルディネはレイチェルとアイザックの
顔を不思議そうに交互に見比べた。

「大尉は…何処か具合が悪いんですか?」

「違うわよ。そんなんじゃないわ。精神安定プログラムも投薬の
必要性もないくらい彼の生体脳は健康よ」

「じゃあ何で…」

 レオパルディネの疑問に答えるかの様に、アイザックは彼が
充分に寝そべられるサイズの診察台の上に身体を横たえた。

<その疑問をこれから解決しよう。レイチェル、始めてくれ>

「分かったわ」

 レイチェルは座り心地の良さそうな椅子から立ち上がると、
レオパルディネには何の用途に使うのか分からない器材を載せた
カートを押して戻ってきた。そしてデスクの引き出しから取り出した
ノートパソコンのケーブルの先端をアイザックの項にある端子接続口に宛がった。

「いくわよ」

<ああ。やってくれ>

 レイチェルが端子を差し込むと、アイザックの義躰は途端に
弛緩して、それから動く事はなかった。モノアイから光も消えている。

「大尉?」

「今は話し掛けても無駄よ。生体脳と義躰の接続を切断したから。
今のアイザックは眠っているのよ」

 レイチェルがパソコンを操作すると、アイザックの頭部を
すっぽりと覆う装甲カバーのロックが音を立てて外れた。

「こっちにいらっしゃい。アイザックの秘密をみせてあげる」
465創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:58:17 ID:FFqoLr6L
 しえん
466創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:58:39 ID:VzqhBoxc
 
 アイザックの秘密、という言葉にレオパルディネはドキドキした。
彼の秘密を覗いてみたいと思う反面、同時に後ろめたさもあった。
知り合って間もないが、アイザックという人物は矜持を持つ芯の
通った人間だ。己の職務に忠実で、誇りを大切にする気高い男性だ。
そんな素晴らしい人物の秘密を、本人が与り知らぬ状態の中で
覗いてしまうのは酷く卑怯な行為に思えて、彼女は躊躇った。

「あら、そんなに大した事じゃないわよ。ただの惚気だから」

 レイチェルは慣れた手つきで物言わぬアイザックから頭部カバーを外し、
その内側を見せた。カバーの内側は衝撃吸収素材が内張りされており、
そこに一枚の写真が貼ってあった。
 写真に映っていたのは美しい少女だった。年の頃は十二、三ぐらいだろうか。
乙女として成長し始めた少女の、猫の様にしなやかでありながら
丸みを帯びた姿態は、肌にぴたりと張り付くかの様な豪奢なミニドレスに
よって殊更に強調されていた。ほんのり膨らみ始めた胸、すらりと
伸びた白い手足が眩しい。陽光を受けて淡く輝く髪はまるで銀砂のよう。
翡翠の瞳が悪戯っぽく笑いかけているのは、カメラを構える撮影者に
向けてだろう。それが、少女にとって撮影者が特別な存在である事を
窺わせた。
 レオパルディネは思わず写真の少女に魅入ってしまった。

「綺麗…」

 呟きは偽らざる本音だ。夢見心地の表情で、レオパルディネは
ほうっと溜め息をついた。
468遊星からの物体PBM! ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:02:00 ID:OEE/VvjB
 
469創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:02:10 ID:FFqoLr6L
 
「綺麗でしょ? この子はね、アイザックの大切な人なの」

「お子さんですか?」

「んー…二人の関係は親子みたいだけど、違うわ。恋人よ」

「え?」

 その言葉にレオパルディネは凍り付いた。だって、写真の少女は
どう見ても十代始めだ。対するアイザックはそれぐらいの娘がいても
おかしくはない年齢だろう。つまり、それは……

「大尉はロリコンさんですか?」

「んー…それもちょっと違うわね。確かにその子はアイザックと二十五も歳が
離れているけど、かといって彼はロリコンだという訳でもないのよね」

 レイチェルは、どうしたものかしら、言ってもいいのかしら、と
少し考える素振りをしたが、ややあって口を開いた。

「単刀直入と回りくどいの、どっちがいい?」

「単刀直入がいいです!」

「じゃあ単刀直入に言うわ。その写真に映っている女の子は男の子なのよ。
よってアイザックはロリコンという枠組みには当て嵌まらないわ。
どちらかと言えばショタコンに分類されるのかしら?」

 二重のショックでレオパルディネの思考は停止していた。こんなに
綺麗なのに男の子? でもって二十五も歳も離れているのにアイザックは
その子と愛し合っている?
 未知の世界に直面して、全く理解が追い付かなかった。

「でもまぁ、その子は性別が男の子って以外はほぼ女の子だから、
やっぱりアイザックはロリコンなのかしらねぇ」

 レイチェルが何やら独り言を言っているが、それは何処か遠い
異国の言葉に聞こえた。レオパルディネは足元が崩壊していく様な
気がして、ふらふらと近くにあった椅子の上にへたりこんだ。
471潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:04:43 ID:V8DjZEph
ひゅう支援
472衝撃を受けたPBM! ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:05:49 ID:OEE/VvjB
 
473創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:06:23 ID:FFqoLr6L
 
「なんだかよく分からないけど、色々とショックです…」

「そうかしら? 私は素敵だと思うけど? 無骨な中年フルプラセスと
少女の心を持った美しい少年の恋愛だなんて、滅多に見れないし。
それにアイザックの様なフルプラセスは、私達と違って肉体という
枷から解き放たれている分、より純粋に目に見えない物を大切にするわ。
それは誇りだったり、友情だったり、愛だったり…彼らフルプラセスは
クルードよりも高尚な精神性を備えているのよ。まぁ、肉体的な
充足を得られないから、精神的な充足を求めてしまうとも言えるけど。
でも、彼らの心は綺麗で透き通っているわ。まるで子供の様に」

 レイチェルは中断していた作業を再開しながら言った。普段は
装甲に覆われたアイザックの素顔――耐衝撃構造の頑丈な金属骨格で
作られた一つ目の骸骨の縫合を、パソコンを操作して外した。
そうなるともうアイザックの頭部ユニットの内部機構が完全に
晒された。アイザックの頭部の中身は、何重にも防護された
複雑なセンサー系統と生体脳の維持機構、発声機構、そして
アイザック自身と呼べる生体脳を包むブラックボックスだけだ。
その間を配線や緩衝材が隙間なく埋めている。そうして剥き出しと
なったアイザックの中身に、テキパキと器材から伸びるケーブルや
チューブを差し込んでいった。

「…何をしているんですか?」

「これは彼の生体脳のメンテナンスよ。フルプラセスは定期的に
こうやって生体脳をリフレッシュさせる必要があるの。あと、
今回は生体脳を維持している高濃度ブドウ糖溶液の交換も一緒にやってるわ」

 準備を済ませて器材の電源を入れる。それでもう作業は終わりらしく、
レイチェルはオフィスの奥に消えたかと思うとココアを注いだ二つの
マグカップを手に戻ってきて、応接用のソファーに座った

「見てなくていいんですか?」

「生体脳のリフレッシュは時間が掛かるのよ。貴女もこっちにいらっしゃい」

 レオパルディネはぴくりとも動かないアイザックが気になったが、
結局は温かいココアの誘惑に負け、レイチェルの隣にちょこんと座った。
475DSの人(衝撃) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:09:35 ID:V8DjZEph
しぇー
476創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:09:50 ID:FFqoLr6L
 
477PBM! の人(驚) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:10:34 ID:OEE/VvjB
 
「熱いから気をつけてね」

 手渡されたマグカップの温もりが心地良い。ふぅ、ふぅと息を
吹き掛け冷ましてからココアを啜る。濃厚なカカオの風味が口の
中に広がり、こくんと喉を鳴らして嚥下すると身体の芯からぽかぽかしてきた。

「美味しい?」

「はい!」

「そう。それは何よりだわ」

 美味しそうにココアを飲むレオパルディネの姿に、レイチェルは
思わず顔を綻ばせた。
 そうやって暫くの間、レイチェルはココアを飲むレオパルディネを
眺めていたが、手持ち無沙汰なのか、マグカップを置くと彼女の
頭を優しく撫で始めた。
 レイチェルにいきなり頭を撫でられ、最初は驚いたレオパルディネだったが、
彼女の優しく丁寧な手つきが心地良いのか、むしろ嬉しそうだ。
彼女もマグカップを置くと、もっと撫でて、と言わんばかりに
無邪気に身体をぴたりと寄せてきた。

「貴女の髪の毛って柔らかいのね。むく毛の仔犬みたい」

「そうですか?」

「ええ。私は好きよ」

 レオパルディネの少し跳ねた赤いくせっ毛は柔らかく、まさしく子供のそれだ。
この年頃の少女は徐々に大人への階段を上がっていくというのに、
この少女はそれを忘れてしまったかの様に純真無垢なままだ。
このぐらいの年頃には、自分は既に純真さを失っていたというのに。
いや、そもそも自分に純真な時代などあったのだろうか?
生まれる前から大人達の道具として弄ばれた自分は、魂すらも汚れている。
 そんなレイチェルは天真爛漫なレオパルディネを羨ましく思うと
同時に、暗い欲望が鎌首を擡げてきたのを自覚した。純白なキャンバスを、
己が思い描く欲望のタッチで染め上げてしまいたいと。
 冷たく碧い氷の瞳が、妖しく光った。
479創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:13:31 ID:FFqoLr6L
 
480DSの人(ニヤリ) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:14:10 ID:V8DjZEph
しぇー
481PBM! の人(興奮) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:14:31 ID:OEE/VvjB
 
 レオパルディネの柔らかな髪を梳いていた女医の白い指先は、
やがて下へと滑る様に移動し、形の良い耳、弾力のある頬、小さな唇、
細い首筋の順に触れていき、服の上から少女の鎖骨のラインをなぞって
なでらかな肩に置き、軽く抱き寄せた。
 レイチェルの手つきがこそばゆかったのか、彼女に触れられても、
無垢な笑顔でレオパルディネは擽ったそうに身をよじっただけだ。

「ねぇ、寒くないかしら?」

「んー…ちょっと寒いです」

 ココアを飲んである程度は温まったが、やはりまだ少し寒い。
レオパルディネはもぞもぞと身体を動かした。

「じゃあ、こうしたらどうかしら?」

「わっ」

 レイチェルはレオパルディネの軽い身体を抱え上げ、自身の
膝の上に乗せると、後ろから包み込む様にそっと抱き締めた。

「まだ寒い?」

「わぁ! あったかいなぁ!」

 人肌の温もりに包まれて、レオパルディネは歓声を上げた。少女の
小さな身体は丁度良くレイチェルの腕の中にすっぽりと収まっている。

「レイチェルさんって、あったかくて柔らかくて、良い匂いがします」

 背中にむにむにと押し付けられるレイチェルの豊かな乳房の感触と、
鼻腔を擽る仄かな香水の甘い匂いに、レオパルディネは嬉しそうに笑った。

「貴女も温かくて柔らかくて、良い匂いがするわ」

 レイチェルの声は少し艶やかな湿り気を帯びていた。膝の上に
乗せて抱き締めた、丁度良く腕に収まる少女の身体は人よりも
体温が高かった。それは小さな子供の様に代謝が活発だからだろう。
膝の上に乗る、未成熟だが安産型の尻は張りと弾力性に富んでいる。
細く白い項からは乳の匂いと、新鮮な果実の様に甘酸っぱい芳香が
揺らめいて、狂おしいまでに官能を刺激された。
483PBM! の人(ヒャア!) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:17:30 ID:OEE/VvjB
 
シェー
485創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:17:57 ID:FFqoLr6L
 
 正直、レイチェルの自制心は限界に来ていた。同性しか愛せない上に、
更に小さな女の子を特に好むという変態的な性癖を持つ彼女には、
このまま生殺し状態でいるというのはもはや拷問に近い。今すぐに
暗い欲望に身を委ねて少女の純潔を踏みにじり、自分のものにしたかった。
少女の青く未熟な花弁を散らし、甘やかな蜜を心行くまで味わいたい。
この子はどんな表情(かお)で乱れ、どんな声で鳴いてくれるのだろう。
きっと凄艶で、小鳥の様に素敵な声で鳴いてくれるに違いない。
想像するだけでレイチェルの女は熱く疼いた。
 しかし仮にもアイザックが預かっている子だ。少女の頃から十年来の
付き合いがある彼の大切な部下にちょっかいを出すのは些か気が引ける。
 だが、ばれなければ何も問題はない。ただ、これから彼に会う度に
ほんの少し心苦しく思うだけだ。それにこの子の心を傷付けずに
楽しむ方法はある。白衣のポケットに忍ばせてある注射器には、
自白剤をベースに調合した特殊な薬物を充填してある。人の心を
思いのままに操れ、記憶すら簡単に消す事が可能だ。酷い事を
されたという記憶がなければこの少女が傷付く事は決してない。
しかし薬漬けにして、玩具にするのもいいだろう。
 レイチェルは気付かれない様に薄く笑い、さりげなくポケットに
手を忍ばせて注射器を握り締めた。
はいこれにて今回の投下は終わります。
変態しか出てきませんね。もう駄目だ。
タイトル全然関係ありませんね。

ちなみに【鋼鐵の特攻兵】はアイザックとギャレンタインの事です。
488創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:22:59 ID:FFqoLr6L
 
489創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:26:16 ID:4/9VJW7N
うわあ……ぃ……
たーのしーいなー
490PBM! の人(H) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:28:36 ID:OEE/VvjB
>>487
 投下乙です。
 レオが大変な事になりそうですね。
 そしてレイチェルさんもアイザックも変態さんですね。
 次回を楽しみにしています。
491創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:31:50 ID:VzqhBoxc
投下乙です

……これは……あまりにも不穏すぎるw

そして今さらながら、このスレ、
一般的な恋愛をしてるキャラが
凄まじく少ないという予感が漂ってきていますよ……
492DSの人(えっち) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:34:01 ID:V8DjZEph
オゥ……オゥ…… 投下乙ッス。
493創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:34:54 ID:FFqoLr6L
DS氏とPBM氏何してんのwww

>>487
投下乙!

アイザックはおろかレイチェルさんまで濃厚なHENTAIだったとは……恐ろしい……
しかし今回もPBM氏が暴走しそうな内容だっt

>>490
ハイパーモードになっとるwwwwwwww
494創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:38:15 ID:kUx4Tre8
投下乙。ここは濃厚なスレですね。
495PBM! の人(H) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:39:07 ID:OEE/VvjB
>>491
 確かに百合かロリしかありませんねw

>>493
 ロリの一雫が見えたんですよ。
496 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 20:43:30 ID:UcSGCRJT
言い訳ではありませんけど、レイチェルの歪んだ性癖については
そうなる素養となる不遇の少女時代を過ごしたので次の投下で
明らかになります。アイザックについては擁護の仕様がありませんね。
「好きになってしまったものは仕方がない」と前回の話で独白しています。
ついでにアイザックは子供をどうするか等と生々しい問題に
ついて真剣に考えています。これも前回でちらっと出てます。

しかしアイザックはなんという種類の変態なのだろうか。
497創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:45:33 ID:kUx4Tre8
有史以前のギリシャのえらい人まんまな希ガス
498PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 20:45:58 ID:OEE/VvjB
 ああもうやっぱ限界だ!

 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
499DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:46:47 ID:V8DjZEph
それで、いつエロパートになるのk(ry
500創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:48:32 ID:FFqoLr6L
>>495
やっぱり犯罪の臭いしかしねぇwww

>>496
あー……濃厚な変態?

>>498
落ち着いてロリ師匠!
501創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:49:40 ID:VzqhBoxc
>>495
最近はDSや鋼鐵から薔薇の香りも漂いつつあるよ! 仄かに!

>>496
>アイザックはなんという種類の変態
プラトニック・ラヴという奴でしょうか
あるいは全方位型ラヴ
502創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:52:54 ID:+sdrs2xE
>>487
えーと、色々な意味でレベル高ぇーーーーーーーーーーーーーー!!www
レオ逃げてー!超逃げてー!!w

アイザックさんの状況はアリだと思います!(キリッ
503創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:55:33 ID:OEE/VvjB
 オールレンジ・ラヴですね!
504DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 20:57:09 ID:V8DjZEph
我の愛は射程距離無限 


そんな言葉を受信してしまった
505創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:00:57 ID:OEE/VvjB
 ……さてさて、このへんで個人的なレス返をば。

>>452
 つまり木原さんはド直球ストライクなんですね!

 自分もヘーシェンがド直球ストライクなあたりそのケが……いや、でも遥もド直球ストライクだしリタもド直球ストライク……あ。


 まさかロリなら誰でもいいのか……?

>>453
 いえいえ、紛らわしい名前にした私が悪……って、
>お詫びにツクヨミ先生と睨めっこしてきます
 よせーっ、死ぬぞーっ!

>ちなみに蝶ネクタイしてる杖はヘーシェンのつもりだったりとか
>棒術の杖っぽいとのことなんで、割と長めかつ飾り気少なめにしてみたとか
 へーちゃんまで描いてくだすってありがとうございます!
 ちなみにイメージは仮面ライダークウガのドラゴンロッドだったりw
 ここだけの話、リヒトのロッドは用途に合わせて形を変えたりもします。もちろん質量保存の法則はスルー。そして遥のロッドはリボルケイn(ry
 はい、仮面ライダー大好きですが何か!
506創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:02:13 ID:+sdrs2xE
アイザックさんとその子は気持ちが双方向だからいいけど
レイチェル先生のは一方的な欲望だからなー。しかも薬物w
つまり何が言いたいかと言うと、

「同意の上だったら何でもアリ」
アイザックさん頑張って!!www
507創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:08:37 ID:aLaXd7el
遅らばせながら
>>487
投下乙です

流石にマキさんもアイザックさんには白旗を上げました
良い意味で前回のアイザックさんへの感動を返してほしいwwwしかし子犬系ロリと美人科学者の組み合わせがこんなにエロいなんて・・・俺のヴィ(ry

時に容量って後どんくらいですかね。週末辺りに投下するかもしれない
508創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:09:28 ID:+sdrs2xE
>>491
えーと、あくまで予定ですが、
オイラの作品は一応男女の恋愛が入る予定ですw
普通かどうかは保証しかねるがな!!w
509創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:12:47 ID:kUx4Tre8
>>507
240kbくらいでつ
まにあうかな
510創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:14:47 ID:FFqoLr6L
>>505
>まさかロリなら誰でもいいのか……?
何を今更w

>はい、仮面ライダー大好きですが何か!
知ってるよォッ!

>>507
さっき半分を切ったところなんだぜ

……しかし容量の心配をする日がまた来るとは……
511DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 21:15:45 ID:V8DjZEph
自分もじきに投下ということなんですが…
512創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:18:09 ID:aLaXd7el
>>509-510
あーじゃあ間に合わないかもwただでさえ流れ早いし、ほぼ毎日投下あるし
まぁその分練り込みますか
513創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:20:54 ID:FFqoLr6L
そういえば、確かにPBMの人って受けっぽいなー。と思った読書の秋

>>511
なん……だと……!?
514創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:23:55 ID:kUx4Tre8
>>512
最終回までにはなんとか……
515創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:28:25 ID:VzqhBoxc
>>505
>ドラゴンロッド
なるほど、ああいう感じだったのですなー

>用途に合わせて形を変えたりします
では今回のは儀礼的な形状にアレしたということにもにょもにょ

>死ぬぞーっ!
後に長目、述懐す
「先生の髪と目、あれはまさにゴルゴンでした
極細との戦いで経験を積んでいなければ即死でした」
516創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:32:09 ID:aLaXd7el
>>514
あぁ、このスレで最終回を迎えられくても大丈夫ですw
自分の執筆がクソ遅いだけですからw自業自得っす。しっかし皆書くの早いな−。すげえ

俺も百合書きてぇぜ、ちくしょい
517創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:32:34 ID:OEE/VvjB
>>511
 早っ、早いよ!

>>512
 もうここんとこずっとスレがクロックアップでアクセルフォームでトランザムでV-MAXで加速装置ですねw

>>513
Σ(゚Д゚;)why!?

>>515
 やろうと思えばライジングにだって!

>では今回のは儀礼的な形状にアレしたということにもにょもにょ
 その案、Yesだね!

>「先生の髪と目、あれはまさにゴルゴンでした
>極細との戦いで経験を積んでいなければ即死でした」
Σ(゚Д゚;)私は一体なんなんだーっ!?
518創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:34:05 ID:kUx4Tre8
>>516
いやー話終わってからデザインとか洒落にならんでしょうwww
519DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 21:34:32 ID:V8DjZEph
その杖?は「いかなるものにでも」形状を変えられるのですかね……?(やましい意味ではアリマセン)
520創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:37:27 ID:FFqoLr6L
>>517
多分どんなネタにでもリアクションしてくれるからだと思うよ!
521創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:42:05 ID:OEE/VvjB
>>519
 り、リヒトならやりかねない……!

 って、そんな事したらへーちゃんにブッ殺されますがなw

>>520
 弄られキャラだというのか、私は!
522創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:49:47 ID:FFqoLr6L
>>521
そう言わずして何という!
523DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 21:50:39 ID:V8DjZEph
弄られキャラじゃないよ師匠は「変態」なんだよっ……!
524創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:54:50 ID:FFqoLr6L
>>523
なるほど!
525創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:58:25 ID:OEE/VvjB
>>523-524
Σ(゚Д゚;)まてーい!
526DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 21:59:09 ID:V8DjZEph
>>525
え? 違うんすか?
527創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:05:39 ID:OEE/VvjB
>>526
 くっ、否定できない……!
528創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:09:30 ID:FFqoLr6L
しかしPBM氏のキャラクターにそこまで常識外れなキャラクターはいない罠

……いや、他が突出してるのかw
529DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 22:15:51 ID:V8DjZEph
というか大体全部(ry
530 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 22:17:33 ID:UcSGCRJT
DS氏が投下するまでの繋ぎに変態淑女の紹介でも


レイチェル・キサラギ
氷の美貌を備えた聡明な女性。一見すると酷薄そうだが少女の
様な笑顔が特徴的。ユグドラシルTのメディカルセンターの
地下にある自分のオフィスに引き篭っている。アイザックの
友人。不遇な少女時代を過ごし、それによって偏執的な欲望を
抱くようになってしまった。同性しか愛せない上に小さな
女の子が大好物(性的な意味で)。過剰なボディタッチとか
匂いを嗅ぐとか平気でする。気に入った相手を自分の意の
ままに従えるのを好み、その為には中毒性のある薬物の使用
すら辞さない。薬物ダメ絶対。ガンガンに冷房を効かせた
中で飲む、砂糖とミルクたっぷりのよく練ったヴァンホーテンの
ココアが大好物。作中で他の追随を許さぬ文句なしの変態淑女。
レオパルディネを狙っている。レオ逃げて超逃げて。
531 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 22:24:03 ID:UcSGCRJT
書き忘れましたが身長は173cmと女性陣の中でも一番の長身です。
レオパルディネとの身長差はおよそ28cmもあります。
もはや犯罪ですね。むしろ犯罪者ですけど何か。
532創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:28:35 ID:FFqoLr6L
533創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:28:52 ID:aLaXd7el
レイチェル姉様にスキンシップされたいです。叶わぬ願いでも

俺のキャラはあんま個性が無いなぁ。常識に縛られるからか−
534創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:31:29 ID:kUx4Tre8
>>533
そうかな?
よーしこれ終わったらマターリ進行しちゃうぞー
535DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 22:34:54 ID:V8DjZEph
>>530
や、明日投下ですよん。多分。
536創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:37:46 ID:OEE/VvjB
>>530-531
 このスレでズバ抜けて危険な人キタ――――!

>小さな
>女の子が大好物(性的な意味で)。過剰なボディタッチとか
>匂いを嗅ぐとか平気でする。
 ロボスレ学園で恰好のネタになりそうな気がw

>>532
 ウチの主人公が危ない!

>>533
 そんな事無いですヨ?
537 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 22:42:49 ID:UcSGCRJT
>>533
変態キャラは「BUGとの戦争で疲弊し壊れた大人」を表現しています。
レイチェルがそうなってしまったのはBUGとの戦争が根本にあるので。
あ、アイザックは仕様ですので気にしないでください。

>>535
なぬ、私のはやとちりでしたか。
今はタナカさん×ニコラスがマイブームです。
両者に接点はないけどそれを妄想するのが楽しいのです。
538創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:45:50 ID:OEE/VvjB
>>537
>アイザックは仕様
Σ(゚Д゚;)駄目だこの人――――!
539創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:50:20 ID:+sdrs2xE
>>537
>アイザックは仕様
なん……だと……?いいぞもっとやれ!w
540創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:51:46 ID:FFqoLr6L
>>536
>ウチの主人公が危ない!
遥はともかくリタとヘーシェンは大丈夫そうな気がしなくもない。特に後者w

>>537
>アイザックは仕様
ああ、アイザック……まともな人だと思ったのにw

>タナカさん×ニコラスがマイブーム
じゃあロボスレ学園でそれを形に(ry
541 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/24(木) 22:57:50 ID:+sdrs2xE
しかしこの所新作ラッシュでスレの伸びも早いせいで
wikiの編集が大変そうですなぁ

早いところ俺もオープニング終わらせねば。流れに乗り遅れるw
パラベラム!に、とはいかないまでも英雄騎兵ミッドナイトに並べる作品にはしたいなぁw

542創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:58:06 ID:OEE/VvjB
>>540
>じゃあロボスレ学園でそれを形に(ry
 らめぇ、創発板追い出されちゃうぅ!
543創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:01:36 ID:OEE/VvjB
>>541
 PBMそんなにレベル高い作品じゃないYO!
544 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/24(木) 23:05:17 ID:+sdrs2xE
>>543
ご謙遜をw
ところで師匠、「ちょいSなロリババァ」って師匠的にはアリです?
545創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:07:00 ID:OEE/VvjB
>>544
>「ちょいSなロリババァ」って師匠的にはアリです?
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
546 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/24(木) 23:10:42 ID:+sdrs2xE
Σ(・ω・;)予想以上の食い付き!?w
ふむ、ありがとうございます。……本編で出そうと思ってましたのでw
547創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:11:09 ID:FFqoLr6L
>>541
おう、頑張れ!

>>543
例えそうだったとしても面白いからいいんだYO!

>>544
直球ドストライクだそうです
548創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:14:07 ID:aLaXd7el
もうアイザック駄目人間(人間じゃないけど)過ぎて最高ww
真面目なキャラ程こういうギャップが最高ですよね
俺も早く書かなきゃな−。皆に置いてかれるw
>>543
またまた〜w
あのノリは自分がマネしようとしても出来ませんよw
自分に無い物を持っていて羨しい限り
549創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:15:13 ID:OEE/VvjB
>>546
>予想以上の食い付き!?w
 ヘーシェンが出てる時点である意味お察し下さいというヤツですよフゥハハァ!

>本編で出そうと思ってましたのでw
 これは……これは期待せざるを得ないッ!
550 ◆6LGb3BALUde1 :2009/09/24(木) 23:20:17 ID:UcSGCRJT
>>545
ガチムチオッスオッスオラオラなキャラの需要あります?
名前は出てませんけど既に作中に登場させていたりしますが。
静が第一話冒頭で遭遇したSMIの一団の中に混じっています。

しかしまともな性癖のキャラがいなくて、変態である事が
ノーマルになりつつあるなぁ。でも実際に自衛隊は個性的な
人々が多いので面白い職場です。社会の縮図とはよくいったものです。
551創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:22:24 ID:OEE/VvjB
>>548
 ギャップ萌えですね!

>あのノリは自分がマネしようとしても出来ませんよw
 自分も氏のノリはまねできないので羨ましい限りですよ!
 というかキャラクター同士の掛け合いはけっこう友人達との会話がベースになってたり。
552創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:24:22 ID:+sdrs2xE
うわwすごい期待を感じるw
豪快系エロ姉さんとちょいSなロリババァのどっちでいこうかと迷っていたんですが、
ロリババァで進める方向にしますw
553創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:24:50 ID:OEE/VvjB
>>550
>ガチムチオッスオッスオラオラなキャラの需要あります?
 イィィィヤッホォォォォォォゥ!
 ……実はガチムチにーちゃんけっこう好きですw

>静が第一話冒頭で遭遇したSMIの一団の中に混じっています。
 この一文で一瞬姫路の人かと思ったのはナイショね!
554創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:29:27 ID:aLaXd7el
PBMさん凄い頼られてますねww
PBMさんが現役ならずっとスレは安泰だなぁ
555PBM! の人(555) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 23:36:41 ID:OEE/VvjB
 Standing by

 >>555 Enter

 Comprite!!


>>552
 イィィィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!

>>554
 多分、よっぽどの事が無い限りずっといますよw
556創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:36:55 ID:VzqhBoxc
>>552
このスレといわず、板全体で見てもロリババァの需要は相当あるかとw

>>517
>Σ(゚Д゚;)私は一体なんなんだーっ!?
こちらは目撃者の証言を元に再現されたツクヨミ先生の睨めっこになります
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/64/Tsukuyomi.jpg
557創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:43:37 ID:kUx4Tre8
>>556
即白旗
558PBM! の人(Φ) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/24(木) 23:44:54 ID:OEE/VvjB
>>556
>ツクヨミ先生の睨めっこになります
(つД⊂)
559創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:46:53 ID:+sdrs2xE
>>556
負けたw
余りの迫力に速攻で窓を閉じてしまったwww
560創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:55:29 ID:FFqoLr6L
>>554-555
むしろSSの真祖たる◆jj8wkTPAaYこと◆n41r8f8dTs氏とイラストの真祖たるPBM氏のダブル真祖様がいる限りここは安泰だね!

つかドサマギで変身すなwwwwww

>>556
ま、魔除けになりそうだ……!
561DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/24(木) 23:59:09 ID:V8DjZEph
>タナカさん×ニコラスがマイブーム
こうですか分かりません

タナカ「………なんのつもりですか」
ニコラス「っは、じっとしておけばお兄さんが気持ちよくしてやんよこの色男ォ」

ニコラス「ちょっと待った、ちょっと待った、それはシャレに……!?」
タナカ「普段の余裕はどこに行ったのやら…(以下略」


>>556
眼光パネェ…
562創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:59:27 ID:OEE/VvjB
>>560
>ダブル真祖様
 真祖様1号と真祖様2号……いや、半分力借りたりするんですね、わかりました!

>魔除け
 むしろ魔殺しになるんじゃ……。
563創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:03:25 ID:FDsMBwyC
>>560
力ある者同志がお互いに支え合う……
なんという友情テンプレwだがそれがいい!
564創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:04:38 ID:4aRA6gMZ
>>561
DSの最強キャラは間違いなくタナカさん。異論も反論もなかろう

>>562
もうロスガの時に半分力貸してる件

そういえばダブル真祖様には仮面ライダー好きという共通点があるね。興味深い、ゾクゾクするよ
565創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:10:57 ID:w78gSMrW
>>533
いやいや、そんなことはないですともさ!
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/65/mackee.jpg

と、半ば衝動的に作ってしまった

……いかん、このところロクなことをしてないぞ俺は

>>564
何気に良いコンビネーションだと言わざるを得ないねw
566 ◆n41r8f8dTs :2009/09/25(金) 00:11:51 ID:Q+g2BMUK
今夜は俺とPBM(あえて呼び捨て)の二人で、ダブルなんたらかんたら

でも個人的に好きなのは1号でも2号でもなくXという。ライドルカッコ良すぎ
567創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:19:12 ID:D/1GkqYW
>>561
 おおニコラス、掘られてしまうとは情けない。

>>563
>力ある者同志がお互いに支え合う……
 人はそれは友情ってゆーじょー。

>>564
>DSの最強キャラは間違いなくタナカさん。
 異論も反論もできません。

>もうロスガの時に半分力貸してる件
 そういえばそうだった!
 ……しかしロスガは自分よりチョーさんの存在がデカいと思いますw

>興味深い、ゾクゾクするよ
 フィリップ乙。そして真下に仮面ライダーバトルロワイヤルスレが、なんたる偶然!

>>565
 個性バリバリな奴キタ――――!wwwwww

>>566
>今夜は俺とPBM(あえて呼び捨て)の二人で、ダブルなんたらかんたら
 ああ、滝ポジションなんだ!?

 自分はストロンガーですかねぇ。
「そんな事俺が知るか!」は最高だと思いますw
 ライスピでも熱いですし!
 しかしてつをと雄介とケンジャキもいい……。
568創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:20:26 ID:FDsMBwyC
>>566
スピリッツネタで恐縮ですが、
真空地獄車でキングダークを破壊した回は魂が震えました
569創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:23:09 ID:4aRA6gMZ
>>565
ちょwww極細テメェwww
てかチョーさん最近仕事しすぎwww

チョーさんの描いた擬人化ヘーシェンが見たいなー……なんて

>>566
俺は2号を選ぶぜ!
570創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:26:05 ID:FDsMBwyC
>>565
あぁもう!wチョーさんいい仕事し過ぎ!www
571創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:35:14 ID:D/1GkqYW
>>569
>チョーさんの描いた擬人化ヘーシェンが見たいなー……なんて
 あ、あなたチョーさんになんて事を!
 ……自分も見tいえなんでもありません。

>俺は2号を選ぶぜ!
「お・れ・は・み・か・た・だ」
572創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:39:07 ID:FDsMBwyC
俺はV3ですね。ZXを導いた時といい火柱キックの時といい……
最高だ風見!

と、これで失礼します( =ω=)ノシ
573創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:44:44 ID:4aRA6gMZ
好きなライダーが見事に分かれてるなw

>>571
そういえば擬人化ヘーシェンって白髪?

>>572
NEXTのV3もなかなか

>と、これで失礼します
おう、おやすみー
574創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:52:02 ID:D/1GkqYW
 怪人ですけど、自分ハサミジャガー大好きです!
 彼になら抱かれてもいい……!

>>572
 風見はとてもCoolですよね!
 おやすみなさいw

>>573
>そういえば擬人化ヘーシェンって白髪?
 白髪に赤目というベタベタな色指定ですが何か!
 そういえば最近カラーに手を出した事が無いなぁ。……手を出したとしても色鉛筆だけど。

>NEXTのV3もなかなか
 シザースジャガーもなかなか。というかNEXTは殺陣がカッコイイですよね。


 さて、wikiの大改装が始まっていたようです。頑張れ、管理人さん!
575創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:53:29 ID:Q+g2BMUK
>>556
いまの おれは へびにらまれた かえる だ!
>>565
何だ、ただのマッキーか。しかし見れば見るほど真っ黒だな・・・・心が
前回といいマキをガンガン弄って頂き有難うございますw

スピリッツは良いですよね−
このスレ的にZX全身機械ぶりに痺れます
ライダーの哀愁もあって・・・と自分もここまで
明日仮組み決まると良いなぁ
576創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:55:38 ID:8xAvnK3C
管理人さん獅子奮迅。
コソーリ活動開始。
577創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 00:59:17 ID:cfxX3ex4
ロボスレでライダー好きってことはやっぱここ知ってる?
http://www.h7.dion.ne.jp/~n_circus/index.html
578創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 01:01:04 ID:qIQiNafC
常識でしょう。
579創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 01:03:41 ID:8xAvnK3C
ロボ漫画の方は全巻ある。
580創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 01:03:44 ID:cfxX3ex4
>>578
ライダーマンのデザインカッコ良すぎて惚れるよね
581創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 01:32:00 ID:6VDqjqBd
ここで華麗に

俺はお前を凌駕した!!

とネタを振ってみる
582創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 01:42:43 ID:BmmEDwp8
>>581
すまなかった、許してくれ
583創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 04:15:24 ID:q/1SCWlN
もう600近くか。とんでもない速度だな。
584創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 12:22:35 ID:H8D3K0qA
ロボスレで全選手入場とか誰かやらないかな。
自分の乏しい想像力じゃ無理だ。
585DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 15:18:02 ID:GPHWD65A
>>584
人数が多すぎる
586創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 15:25:19 ID:UHeYhxtx
機体でやればいいのか
パイロットでやればいいのか分からん
587創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 15:43:54 ID:H8D3K0qA
変態キャラに限定すれば…そうなると逆に少な過ぎるか。
しかし多彩な変態が揃っているよなぁ。
貫かれてイくドM、ロリコン多数、ガチレズ多数、男の娘スキー、脳内彼女、引き篭りの戦闘のプロetc

ここなんのスレだっけ?
588DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 15:45:39 ID:GPHWD65A
へんt……ロボスレ
589創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:00:07 ID:Q+g2BMUK
ツクヨミさんの脳内婚約者ネタ根強ちゃいましたねw
けど性に倒錯しててかつロボットなアイザックさんはその中でも一段とずば抜けてと思う

アレ?昇天ネタ無かったらオルトロック普通な気がしてきた。年上好きだし
590創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:04:46 ID:H8D3K0qA
○○と××を一緒の部屋に閉じ込めてみた。
で以下妄想タイム↓
591創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:18:14 ID:H8D3K0qA
>>年上好きだし
つまりオルトロック×オヤジさんということですねわかります!
いやむしろここは悪山ジジイか?しかしそうなると枯れ専ということに。
592創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:25:27 ID:8xAvnK3C
どうやら来るスレを間違えたみたいだ
593創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:30:07 ID:Q+g2BMUK
お前らたまにはロボットの話しろよ

ってくらいキャラの話してるよねw
しっかし昨日糸目さんが言ってた様にまともなカップリングが少ないなw
594創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:32:48 ID:8xAvnK3C
王道軍事ロボ物がスレの空気に合わないとか言われる有り様。僕はブリキの騎士を応援します。
595創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:41:38 ID:D/1GkqYW
>>594
 それ言ったの嵐の人デスヨ?
596創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:53:59 ID:H8D3K0qA
少女機甲録(仮)の機士、ブリキの騎士のM23、鋼鐵の特攻兵の多脚戦車は
同じ画面にいても違和感なさそうで好きだぜ。
597DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 16:57:35 ID:GPHWD65A
ボロボロな感じが好きだなー。戦ってる感が凄く出てる。
598創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 17:21:34 ID:UHeYhxtx
そういや(仮)の人最近見ないね。
名無しにまぎれてんのかな。
599創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:11:17 ID:8xAvnK3C
たまにはスレタイ通りのこと話しててもいいよねというだけのこと。
キャラクタが魅力的なのはいいことだけど、余りにそちらにばかり目を奪われているとスレタイは?となる。
それもありなのかもしれないけれど。
600駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/25(金) 18:23:21 ID:FDsMBwyC
こんばんはーっと( =ω=)ノ

でもつい話題にしたくなるのも分かりますよねw
濃いめなキャラの多いこと多いことw
601創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:28:38 ID:IyTVDTPz
まー確かにキャラ話は内輪ネタだしなぁ。言っちゃ何だが痛いし下らないのも確か。荒れにくいが荒らしも沸きやすい、かな
ロボット設定談義になると皆さん熱くなるから荒れる一歩手前まで行くし、それはどうなんだとも思うけど
602創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:30:02 ID:D/1GkqYW
 まあまあ。とある方が言っておられました。
「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」


 というわけで、皆さんの好きな武器は何です?

 私はパイルバンカーちゃん!
 一撃必殺! って感じがたまらんですw
603DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 18:31:39 ID:GPHWD65A
>>602
あっ 取られた。

じゃあコレを……「狙撃兵器」
大威力の砲でキラッと狙撃されたい
604創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:32:34 ID:8xAvnK3C
いい悪いとか、設定とかそういう話題になるとムキムキしちゃう人もいるもんな。
正直流れについていけんというのが情けない話本音だが。
605創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:37:49 ID:H8D3K0qA
>>602
そこらへんにあるモノで殴りつけるとか好き
武器じゃないけど
電柱引っこ抜いて気合いとともに叩き付ければそれだけでもう立派な兵器さ!
606創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:41:41 ID:UHeYhxtx
拳。
あとモーニングスターなどの重くて硬い武器。
かな?
607創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:43:28 ID:FDsMBwyC
>>602
拳!鉄拳!ハンドガード付きマニュピレーター!!
608創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:45:05 ID:FDsMBwyC
>>606
あ、被ったw失礼
ではビームで!ライフルからじゃなくて胸から出る必殺的なビーム!!
609DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 18:46:25 ID:GPHWD65A
>>608
ブレストファイヤー!


さて、そろそろ投下しようカナー
610創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:51:54 ID:BmmEDwp8
>>602
ある意味フェチと言えばフェチなのだが

「本来は武装ではない装備を武装として使っている」

というシチュエーションが好き

パイルバンカーだったら工業用の掘削装置を使ってるとか
拳でなくるにしても「本来はそういう風に設計されていない」ってのが燃える
ミサイルの誘導装置を赤外線カメラの代用にするとかもいいね
611創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:55:03 ID:8xAvnK3C
>>602
武装したシールド。マステマとかコンポジッドシールドブースターとか
612創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 18:58:48 ID:4aRA6gMZ
仕事から帰ったら変態のはずのPBM氏が物凄くマトモな事を言っている件
流れを一瞬にして変えやがった。これが真祖様の力か……!

あ、俺ショットガンで
613創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 19:03:38 ID:FDsMBwyC
>>609
応よ!支援はまかせな!(+=ω=)
614パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:07:55 ID:D/1GkqYW
 ねんがんの ロボ魂アーバレストを てにいれたぞ!

>>603
 いいですよね、緊張感あって……って、狙撃されるほう!?

>>604
>流れについていけん
 はっきり言いますけど、それスレの流れのせいだけじゃないと思いますよ。

>>605
 簡単エイトよろしく腕引っこ抜くのはありですか!

>>606-607
 エステバリスとかいいですよね!
 あ、バリアを応用した攻撃とかいいかも。

>>609
 支援しますよ!

>>610
 急場凌ぎって素敵だと思います!
 対応してない武器無理矢理くっつけたり。

>>611
 ギャンとか、あとZ〜逆シャア時代のMSの盾はそんな感じですよねw

>>612
 常識が無いと変態は自覚できませんからw
615創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 19:14:26 ID:FDsMBwyC
>>614
ニア ころしてでも うばいとる
616パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:19:19 ID:D/1GkqYW
>>615
 な なにをする きさまー!
617創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 19:21:14 ID:4aRA6gMZ
>>614
>常識が無いと変態は自覚できませんから
そりゃ確かにw

>ねんがんの ロボ魂アーバレストを てにいれたぞ!
ニア ころしてでも うばいとる
618パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:23:37 ID:D/1GkqYW
>>617
 速さが足りない!
619DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:24:46 ID:GPHWD65A
ころしすぎワロタw

七話の中編を投下します。
まーた長くなっちまって…
620DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:27:59 ID:GPHWD65A
 『Diver's shell』


 七話 「胎動(中)」


 「あっ………」

 古臭い上に汚い家の一角で、少女と見間違う小柄で細身の美青年がお茶の入った日本風の陶器を取り落としてしまい、床に落ちて破片となる。がちゃんと大きな音が響いた。
 幸い中身も無く、青年―――……エリアーヌの指に怪我は無い。
 音を聞きつけた逞しいながら歳相応の雰囲気を漂わせているオヤジが入ってくる。
 エリアーヌは、弾かれたように立ち上がると、ぺこぺこと頭を下げて謝罪した。

 「すいませんっ。湯のみ割っちゃって………い、今片付けますっ」
 「怒っちゃいない。そろそろ買い換えようかと思ってたからな」

 ちゃぶ台にかなり近い形状の小さな机の上には古びた急須が置いてあり、煎餅だとか、クッキーだとか、ゼリー菓子だとか、様々なお菓子の乗せられたお皿がある。お茶にしようとして湯飲みを落としてしまったということであろう。
 オレンジ色のだぶだぶツナギを揺らすようにエリアーヌの姿が部屋から消える。オヤジは一人で湯飲みの破片を広い集めつつも、浮かない表情を取り払おうとしない。
 良く晴れた日のお昼を少し過ぎた辺り。だというのにも関わらず、二人には落ち着きが無い。苛立っているようでもある。
 エリアーヌはエリアーヌで朝食のときにシリアルを溢して踏んづけて転び、オヤジはオヤジで依頼されていたエアバイクの整備に手間取って部品を一つ潰してしまう。
 何が悪いのか、何が問題なのか、知る術は存在しないが、一つだけ気がかりなことがある。
 オヤジは、箒と塵取りを手に駆け戻ってきたエリアーヌに手招きをして呼ぶ。エリアーヌはテキパキと急須の残骸を掃除してゴミ袋に入れて、とてとて歩いて捨てに行く。
 部屋に染み付いた生活臭が静まり返った気がした。
 心臓がむず痒く感じてきた。オヤジは、部屋に胡坐をかいて座って、肘を机に乗せる。足がゆらゆらと不機嫌そうなリズムを刻んでいる。
 オヤジは時計を確認し、顎に手を当てて体重を預ける。頭蓋骨そのものを手に乗せているような感じを覚えた。
621DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:28:45 ID:GPHWD65A

 「虫の知らせってのかね………あぁクソ、二人にナンかあったんじゃないだろうな……」

 今日、ユトとメリッサの二人は、オヤジにとって因縁深いφ37遺跡の撮影に向かっている。
 因縁や過去に何も無いとしても、φ37は危険な遺跡として知られている。入るのではなく撮影して構造を探るだけだと言っても、ガードロボに襲撃されたり、巡回型の砲台に狙撃されたり、危険なことに変わりは無い。
ぱん。
 オヤジは自分の腿を手で叩くと飛び上がるような速度で立ち上がって、机の上のタオルを片手に持って走り出す。
 騒々しく何かの準備を始めたオヤジに、今しがた戻ってきたエリアーヌは不安げな表情を浮かべつつ口を開く。

 「あのぉ……わたしも行きます。船の準備と、知り合いのダイバーの人を呼んできますっ!」

 不安、心配、悪寒。
 一気にこみ上げてきたモノに居ても経っても居られなくなったエリアーヌ。オヤジさんから聞いている話、そして自らの判断から行動を選択して、言葉を発したのだ。
 まだ「間に合う」か。
 二人は大急ぎでφ37に向かう手はずを整え始めた。
622パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:29:09 ID:D/1GkqYW
 約束通りしえんします!
623DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:29:59 ID:GPHWD65A


 第二地球暦148年 7月2日 6時22分
 φ37遺跡近海


 「メインシステム起動。行くよメリッサ」
 「言われなくても。妨害装置は最大にしておくけど、多分見つかっちゃうと思うから戦闘よろしく」

 ポンピリウスの、中途半端に塗装の違う巨体が海に投じられるや、両腕を前に突き出して、脚部スラスターを稼働させて進み始めた。
 海域が海域なだけに、近くにある岩場に船を向かわせて偽装。更に追加の安全策として、やや遠くから水中を進んで遺跡に接近するという作戦を取った。
 海はとても穏やかで、海鳥が数匹きぃきぃと鳴きながら青い空を飛んでいる。
 夏に近づいているとは行っても、水温は極めて低い。潜水機の表面が冷やされていっているようで、冷気が内部に入り込んでいるようにも思える。
 潜水機が軽く腕を動かすたびに振動が銅鑼の中に居る時のように反響する。
 φ37遺跡が見えてくるまでは時間がある。二人は、周囲の状況に気を配りつつも、軽食を摂り始める。
 クッキー状の栄養食だとか、ゼリー状の栄養食だとかである。保存が利くものを大量に購入してあったのでそれを持ち込んだのである。味は絶品とは行かないまでも美味しい。二人はもぐもぐと効果音を出しつつ食べていく。

 「美味しいけど美味しくない」
 「なんだそれ」

 不満を漏らしながらもパックからゼリー飲料を吸い取っているメリッサ。人工イチゴ味が好きな彼女には、グレープフルーツ風味のゼリー飲料と、チョコ風味のクッキー栄養食では不満なのだろう。
 一方のユトは、好みでも嫌いでもないために感想も少なめに食べている。流石に操縦の手を緩めるわけにも行かないので、器用に口に咥えて食べている。
 二人はすっかり食べ終えた。食事の時間が終わると、直ちに警戒を強める。緩みっぱなしは問題ありなのだ。
 φ37の領域に近づく。
 ライトを消し、深度10m付近を真横に泳ぐように進んで行く。向きや速度を調整するためにスラスターが機敏に動いて微細な泡を吐き、両腕と両足が位置を変える。
 速度を出さずの潜航。
 数十分が経過したとき、二人の顔色が変わった。
 センサーに反応有り。
 機体各部に取り付けられた電子の眼は役目を果たしている。

 「微細なソナー音検知……位置情報不明。妨害装置により完全に偽装中……。ユト、武器の準備は?」
 「出来てる。オヤジさんの魚雷ランチャーもちゃんとあるよ」
624パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:30:56 ID:D/1GkqYW
 
625DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:32:02 ID:GPHWD65A

 ―――……ピコーン ピコーン。
 電子機器を通じて、極めて小さなソナー音が増幅されて操縦席に届けられる。
 間抜けにも聞こえるが、冗談でもおふざけでもない。「敵」がこの海域に居るという証明である。
 遺跡が生きていて、積極的にガードロボを放っているというのは嘘ではないのだ。
 メリッサがソナー音から既に発見されているガードロボの中から同一のものを探したが、結果は「不明」とだけ出てくる。未発見種か。
 ひょっとすると同業者かもしれないが、調べた限りで今日潜水予定のダイバーは居なかった。
 戦闘を重視されていないポンピリウス。発見されないように努力をするか、先に発見して口を塞ぐか。選択肢は二つ。二人は考えるもなくステルスを選ぶ。
 スラスターの出力を絞って、妨害装置の出力を上げつつ、徐々に深いところへと沈みこんでいく。
 ブレードと魚雷ランチャーは肩の担架システムに装備されている。いざとなれば装着して行動を起こせる。仮に作動しなかったら手でもぎ取ればよい。
 メインカメラの光を極限まで絞る。
 果てしなく続く深海が鉄の機体を舐める様に見つめてくる。
 新たに画面に情報が飛び込んできた。メリッサは素早くキーボードを叩き、整理した情報と画像データをユトの前の空間投影モニターに映し出させる。ボールのような単純な構造のガードロボの画像が表示された。
 ユトはそれを見て頷いた。

 「更にソナー音検知。遠い。遺跡の方からみたい。自爆型ガードロボみたいよ」
 「―――……数はあちゃー……3か。一気に突っ込んでこられると困る」
 「見つからなければいいんでしょ。頑張りましょ」

 ポンピリウス、更に深くへ。
 深度50m。光はかなりの量をそがれてしまっているために全てが黒っぽい群青に染まる。
 操縦席には、波が創り出す揺れる光の膜と、光が創り出す波が投影され、二人の体躯を包み込んでいる。伝わってくる水音は、あたかも第二地球の心音にも聞こえた。
 メリッサはダイブスーツと首の隙間に指を突っ込んで掻き、再び作業にかかる。ガードロボは居ないか。居場所はどこか。もしも居たら性能はどの程度か。どんな攻撃をしてくるか。どんな攻撃が有効か。
 限られた情報の中から推理しつつ、それでいて確定している情報はしっかりと示していく。かたかた。かちゃかちゃ。加えて小さい電子音が操縦席に響く。
 かたん。
 キーを強めに叩いたメリッサが頭も上げずに、前の座席に座っているユトに言葉をかけた。
626DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:33:25 ID:GPHWD65A

 「曲がりすぎない程度に右に」
 「了解」

 敵に見つからぬよう、ポンピリウスが進路を右へと微調整する。壊れた気泡が海面へと向かって消えて行った。
 メリッサは操縦席の光量を調整。ユトが操縦しやすいようにする。ユトは言葉には出さずに感謝した。言葉を出す必要は無いのだ。理解していれば、必要は無いのだ。

 「他の遺跡じゃガードロボを見つけることのほうが稀な場所もあるっていうのに、やっぱここは違う」
 「伊達に偉そうな名前をつけられてないってことでしょう?」
 「偉そうな……って。良くわかんないんだけど」
 「ファイとか偉そうじゃない。それにプラスして37とか王様レベルかな。分かる?」
 「うん、分からない」
 「私も」
 「俺も」
 「なにこの会話」
 「深海のテンション」
 「深夜のテンションみたいに言わないでよ、深海じゃないのに」
 「潜ろうか?」
 「必要ならね」

 今のところ潜る必要は無い。
 余り深く潜ってしまうと、照明やソナー等に頼ることとなって、発見される可能性が上がる。浅いところであれば光の増幅などでなんとかなる。
 電力の消耗を防ぐために、ポンピリウスのスラスターで浅いところに上がっては深いところに行くを繰り返しつつ、遺跡に近寄っていく。
 妨害装置を使い、必要なときにはスラスターを止め、ガードロボの眼を誤魔化す。
 単純のように見えるが、これは実は大変な作業である。体力精神力共に消耗する。ガードロボに背後から襲撃されるかもという恐怖と戦い、水圧に押しつぶされて水死体になる恐怖とも戦っているのだから。
 遺跡との距離はどんどんと近づいていく。
 場所が場所故、正確な位置は分かっても、安全に侵入できる場所や、どこがなんなのかまではわかっていないので、慎重かつ丁寧な機動をとっていく。
 相対距離を示す数値の減りが遅く感じられた。

 「……ちっ」

 突然にメリッサの表情が変わった。センサーが新たに敵のソナー音を感知したのだが、数が余りに多いのだ。現在感知できただけでも追加で5つ。

 「ダメ、もう見つかる」
 「………合計で7、8……か? メリッサ、補助!」
 「もうやってる。私に構わずなんとかしなさいッ!」

 妨害装置は稼働したまま。
 両肩の担架システムが一瞬で武器を手元まで伸ばし、潜水機の金属製の手が掴み取って構える。大型の魚雷ランチャー、灰色のブレード。左腕の魚雷ランチャーの銃口が左へと向けられた。
 銃口から矢のような速度で、泡を纏った魚雷が発射された。反動でランチャー本体が軽くぶれる。
 続いて第2射、3射、4射。魚雷は白い痕跡を残しつつ敵へと向かっていく。
 無論敵に気が付かれてしまう。ソナー音が大きくなり、明らかにこちらへと注がれている。もう隠れている必要性は無い。メリッサはソナーを起動した。

 「10時方向、11時方向――……ッ!」
 「出力!」
 「もう上げてる!」
627パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:33:39 ID:D/1GkqYW
 
628パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:34:32 ID:D/1GkqYW
 
629DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:35:00 ID:GPHWD65A

 脚部メインスラスターが火炎を噴くような加速を見せる。鉄の巨体が、水中とは思えぬ速度を出し、全身をくねらせて方向を変えながら優位な位置につかんとする。
 警告。
 ガードロボの発射した魚雷がポンピリウスに迫る。
 数、3。
 ソナーで捉えられた情報が映像データとして操縦席に投影される。それらはかなりの大型の魚雷で、形状から威力を重視しているというのが分かった。

 「こっちの魚雷の命中まで15秒! むこうからのは22秒っ」
 「迎撃するから頼む!」

 焦りを浮かべた顔のユトは、額に浮かんでいる汗を拭う余裕もなく、魚雷ランチャーの向きを変える。2発を発射。向かってくる3発の魚雷の迎撃をしようとする。
 更に、深いところへと一気に潜らんとして脚部スラスターが真上に来るような急激な下降を試みた。
 敵を追尾する魚雷が命中するまで5秒。相手の魚雷がこちらを粉々にするまで後12秒。
 自由落下かくや、という速度で深みへと沈んでいくポンピリウスの両腕が、武器を握りなおし。

 「2発迎撃成功。一発接近中!」
 「背面スラスターを一瞬全開で―――……今だッ」

 爆発音が遠くから機体を叩く。
 焦燥今だ解けず。ガードロボ4機を撃破したことはいいことであるが、一発の魚雷が接近中。
 残り3秒。
 機体を宙返りの要領で反転、帰還用のスラスターと脚部スラスターから生み出される莫大な推進力が、大型魚雷が追尾しきれない速度を生み出す。発生するGが二人の身体を圧迫したが回避に成功。
 魚雷が進路を曲げて再び襲いかかろうとしたときには、ポンピリウスは遠くに行ってしまっている。
 メリッサはキーを叩くと、ユトの座席を蹴っ飛ばさんばかりに大声を張り上げた。

 「敵影感知。接近戦V型2機!」
 「V式ぃ……!? マジかよ……!」

 位置情報がリアルタイムで姿を変える。
 かなり遠く。そこに、2機の人型のガードロボが出現して二人の様子を窺うが如く、水中に佇んでいる。
 折れそうな細い骨格を持っていながら騎士鎧にも似た外見の至近戦型。
 ユトは咄嗟に2発の魚雷を発射した。オヤジさんが造ってくれた魚雷ランチャーは8連装。弾が無くなったため、ランチャー本体備え付けのマガジンから自動で装填が始まった。
 だが―――……当たらない。
 V型は非常識な速度で魚雷を無視してポンピリウスへと突っ込んでくる。両腕に装備されたブレードが怪しげな燐光を帯びている。まともに喰らえば唯では済まない。
 V型の命無きモノアイの赤い閃光が殺意を帯びる。

 「速ッ」

 流石はφ37遺跡というべきか。
 V型は水の存在を無視していると言っても過言ではない機動を見せ付けて距離をつけてくれば、1機が先行して素早く肉薄してくる。
 V型が腕を振りかぶった。
 衝撃。ブレードとブレードが衝突。
 なんらかのエネルギーを纏ったV型のブレードと、ポンピリウスの右腕のブレードが、水中だというのに火花を散らす。
 脚部スラスターで間合いを取った刹那、V型が鋭くブレードを一突き。突きの余波だけで機体が揺れるも間一髪で回避に成功。串刺しのイメージが脳裏をよぎる。
630創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 19:35:30 ID:4aRA6gMZ
遅れてすまん、支援する!
631パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:35:41 ID:D/1GkqYW
 
632DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:36:00 ID:GPHWD65A

 「くらえッ!」

 右腕のブレードでV型の頭部を刺し貫かんと突き出すが、失敗に終わる。V型は人間臭い動きで両腕のブレードを交差させることで防御したのだ。ブレードとブレードの触れ合う場所から苦しげな気泡が出て消えた。
 ―――貰った。
 ユトは至近距離であるというのに、魚雷ランチャーを向けて引き金を引いた。
 次の瞬間、魚雷ランチャーの銃口の下に設けられたもう一つの銃口から、拡散しながら何かが飛び出してV型の機体に絡まった。V型はもがくが、ソレは更に絡まっていく。
 脚部スラスターを作動。「ネット」に絡められた先行の1機の敵を取るかのように突撃してきたV型のブレードの突きを回避。だが掠ってしまう。センサーの一部がもぎ取られてばらばらになって吹き飛んだ。
 ランチャーを構え、撃つ。もう1機も「ネット」に絡められて身動きを封じられてしまう。もがけばもがくほどネットは絡まるのだ。
 ユトは、ブレードで2機のV型を切り捨てた。激しく電流が流れて海中に光を残し、消えた。
 戦闘の痕跡が海中から消えていき、血の様に赤いオイルだけが残留した。
 魚雷ランチャーの弾の装填を確実にして、また遺跡に向かって進み始める。ブレードの損傷具合を調べるべくポンピリウスの大型のメインカメラが動いた。その映像は操縦席に送られて二人が見ることになる。
 ようやく汗を拭えたユト。
 メリッサは心臓の高鳴りを沈めるように呼吸をしている。

 「死ぬかと思った………。それにしてもオヤジさん、ネットにどんな素材を使ったんだろうね。ガードロボが引きちぎれないとなると結構凄いの使ってると思うんだけど」

 ユトは、片腕に握らせた黒塗りの魚雷ランチャーを見遣った。自分が以前使っていたのとは比べ物にならないほど使い勝手が良かったのだ。頼もしさを認識する。
 ソナーを切ってステルス性を高めたメリッサは、少し考え込む。
 怒鳴り声としか思えない声で満ちていた操縦席内部に静寂が戻ってきている。

 「素材なんてなんでもいいでしょ。それよりセンサーがいくつかオジャンなんだけど〜?」
 「ご、ゴメン。速すぎて対応仕切れなくてさ」
 「……後でお酒奢ってくれたらいいかな」
 「一杯で酔うのに?」
 「それがいいのよ………二日酔いは勘弁だけどね」
633創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 19:36:34 ID:4aRA6gMZ
 
634パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 19:37:14 ID:D/1GkqYW
 
635DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:37:27 ID:GPHWD65A

 ユトは、不機嫌を隠そうともしないメリッサをなだめる。
 代償はお酒だという。無論普通のではなく、合成のイチゴ酒であろう。値段が安い。しかし当の本人が酒に弱いのだが。
 他愛も無い会話をしながら、遺跡へと向かう。
 一度発見されてしまえば警戒されることは分かっているので、深海へと一気に潜って、岩などの地形にまぎれて接近することにした。
 うろつくガードロボの隙をついて徐々に深海へと降りていく。
 深度400m地点を突破。
 人間には暗黒の世界にしか見えない海の中を降りていく。細かなマリンスノーが見えてくる。どんな危険な場所でも自然は機能しているのだ。
 深度更に1000mを突破。
 先ほど損傷したセンサーの一部が悲鳴を上げ始めたので、切り離して海底へと投げてしまう。

 「……ソナー音検知。遠いから大丈夫だと思うケド」
 「………バレませんように」

 またもや響くは索敵の音。
 ステルス性のために照明をつけていないポンピリウスの機体を音が叩いている。
 妨害装置が故障したらと考えたくは無いが、今は問題なく働いているようだ。
 深度2000mを突破。
 海水温の急激な低下。ひょっとしたら敵かと二人は考えてしまう。
 不気味なまでの静寂が精神を揺さぶっているようでもあり。

 「メリッサ〜、音楽でもかけようか〜?」
 「アンタバカでしょ?」
 「新作のロックがあるんだ」
 「脳内でオーケストラでもやってなさい」

 のん気な提案を一刀両断。
 防音性があるといっても、敵に見つからないように潜航している最中に音楽は冗談というレベルではない。冗談を言って気を紛らわそうとしたのだ。勿論メリッサは分かっている。
 深度3000mを突破。
 機体のどこかが軋む音がしてきたため、一時的に下降速度を緩めて、機体各部の確認をする。
 問題無しということが分かったので再度下降し始めた。
 皮膚をチリチリと刺すような感覚に鳥肌が立つ。ユトはダイブスーツの温度を少しだけ上げた。
 腕と脚を使って、遺跡のほうに進むように降下を続ける。マリンスノーの量は変わらないが、塩分濃度が薄くなってくる。メリッサはそのデータをじっくりと閲覧しながらも索敵を怠らない。
 深度4000m。また機体が軋む音がした。直ちに降下速度を緩めての確認。問題は無いため、続行。
 二人は活動限界時間と必要な時間を吟味する。
 何も無い時間。潜航中の沈黙を埋めるのは、二人の会話と呼吸音程度のもの。
 深度5000m。
 海底が近づいてきた。低光量のライトを点灯すると、機体の降下角度を緩めていき、水平にする。
 海底ぎりぎりを舐めるような潜航。ふとライトを海底に向けてみると、蟹のような深海生物がわたわたと歩いているのが見えた。
 ライトを進行方向上の海底に向けると、ガードロボか、潜水機の残骸があった。かなりの年月が経過しているためか、赤い錆や貝などに覆われている。見たことが無い種類の海草も息づいていた。
636DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 19:38:42 ID:GPHWD65A

 「メリッサ。そろそろかな?」
 「うん、そろそろ見えてくるはず……」

 大部分が謎で埋め尽くされた海図と、海底を見比べながら、脚部のスラスターで進んでいく。傍から見たら小刻みにバタ足をしているようにも見えるが、大真面目だ。
 家よりも大きな岩が目の前に見えてくる。
 スラスターから生じる水流を海底に叩きつけるように機体を持ち上げ、岩によじ登った。武器を持ったままなので動きはぎこちない。
 メインカメラで岩の向こう側を見てみると、見たことがない光景が広がっていた。
 感嘆に息を飲む音が響く。
 ピラミッドを叩いて平たく伸ばしたような形状の遺跡―――……「φ37」。
 暗くて詳細を窺うことは出来ないが、カメラのモードを切り替えることで徐々に様子がはっきりと見えてくる。
 塔と見間違うほどの大きさのクレーンのような物体。煙突に似た形状のそれが無造作に乗せられており、全体的にごてごてとしているのが分かる。全長は一つの島よりも巨大であるという数値が表示された。
 ガードロボに見つからぬように岩の影に身を潜めてライトを消す。
 ユトは、どう撮影しようかと考え始めた。

 「………うーん。のんびりしてるわけにも行かないし………でもこれ以上近寄るとまたガードロボ出そうだし……遠距離からじゃ良く分からない………メリッサ?」
 「……………………」

 メリッサの様子がおかしい。
 遺跡の解析映像を眼にするなり、口を小さく開いて、眼も開いて、両拳を握りしめたままで硬直している。焦点の合わない瞳は映像の中の遺跡を見つめるばかり。
 空虚。感情を見つけられない瞳。
 一言も喋らないメリッサを不審に思ったユトは、後ろに頭を向けて見てみる。時間が止まってしまっているかのような姿が映り込んできた。

 「メリッサ……?」
 「―――――………ぇ?」

 停止していた時間が動き出しても、メリッサの表情は固まったまま。
 喉から搾り出した声は直ぐ側にいるユトですらやっと聞こえる程度の声量だった。
 機体や周辺の状況を伝えてくる鈴のように美しい電子音が大きく聞こえる。
 ユトがもう一度口を開こうとした―――……次の瞬間。

 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!」

 声帯の限界を超えるほどの絶叫が後部座席で大爆発を起こした。
 

               【終】
637DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 20:00:22 ID:GPHWD65A
支援に感謝を!
今回は戦闘成分多め…ロボ分多め…でしょうか。うん。
638パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 20:09:14 ID:D/1GkqYW
>>637
 投下乙です!
 本格的な戦闘と探検きましたね! 描写力とあいまっていつにもまして熱いです!

 しかしメリッサに一体何が……。
639創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 20:15:03 ID:4aRA6gMZ
>>637
投下乙!
おお、いつにも増して伝わってくる緊張感……イエスだね!

次回ついにメリーの過去が明らかに!?
640創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 20:25:16 ID:FDsMBwyC
>>637
投下乙です!あとでじっくり読ませて頂きます
641DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 20:47:43 ID:GPHWD65A
ふと思ったんですが容量大丈夫ですかねー………
642パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 20:50:49 ID:D/1GkqYW
>>641
 まだ大丈夫ですよー。
 昔なんて>>500で容量ぴんちな時もあったんだから! 無問題無問題!


 ちなみに現在314 KBですw
643創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:13:21 ID:4aRA6gMZ
容量のレッドゾーンは470KBだからまだ余裕はあるな、一応
644創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:23:37 ID:D/1GkqYW
>>643
 やだ……なんかかっこいい……!
645DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 21:29:18 ID:GPHWD65A
ふ、この程度で沈むように設計しておらんよ。



とほざいてみる
646創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:31:44 ID:4aRA6gMZ
>>645
やだ……なんか(ry

やっぱりこの時間帯は人いネーナw
647DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 21:40:42 ID:GPHWD65A
まだDS終わってないのに新しい作品の構想がうぉぉぉぉ


ところでパワードスーツはロボットなのだろうか
648創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:43:18 ID:H8D3K0qA
いやいるんだけどさ、雑談したらまたなんか言われるのかなぁって思ってね

スレに投下された作品のキャラでの雑談がどうのこうの、
ロボの話をすればついていけないどうのとか言われたもんで
649創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:44:09 ID:4aRA6gMZ
>>647
おk!

つか、以前も何度か同じ話題が(ry

……無限ループはやめろよ、絶対やめろよ!
650創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:45:36 ID:bc8y/jte
パワードスーツはロボットでしょ。
でも強化服と言い換えると途端にヒーロー物になってしまう。
651創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:46:46 ID:D/1GkqYW
>>647
>まだDS終わってないのに新しい作品の構想がうぉぉぉぉ
 ありすぎて困るwww

>>648
 気にせんでいいと思いますヨ。
 さっきも言った通り、話題が気に入らないならネタを振ればいいんですから。

 過疎は嫌デショ?
652創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:49:55 ID:H8D3K0qA
スタジオぬえデザインのパワードスーツが一番好きだなぁ。
何気に凄い性能だし。歩兵サイズで戦術核の運用が
可能とか。で、それを敵対エイリアン種族に対して
ばんばん使っちゃうとか。
653DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 21:49:59 ID:GPHWD65A
人が一人いれば大都会っておじいちゃんが(ry
654創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:49:59 ID:4aRA6gMZ
>>648
まあそう気にすんな。あの人はいつもあんな感じだからw
一番怖いのは過疎だよ、過疎。もう以前のロボスレには絶対戻りたくねぇ


ただし感想はなるべくつけようね!
655創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:55:09 ID:D/1GkqYW
>>652
>歩兵サイズで戦術核の運用が
>可能とか
Σ(゚Д゚;)ウヒャー!

 ……帰還とか大丈夫なんです?

>>653
 おじいちゃん、酸素欠乏症になって……。

>>654
 まあ“苦言を呈する人”ですしねw

>ただし感想はなるべくつけようね!
 いえっさー!
656創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:56:03 ID:BmmEDwp8
そういやまとめwikiにも感想欄が追加されてたな
避難所もできたし、ますますここが雑談用に……
657創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 21:56:54 ID:H8D3K0qA
>>654
恐怖状態に陥っているメリッサをちゅっちゅして抱きしめてあげたいと思いました。
絶対、もうそろそろ弱気なメリッサがくるよ。
普段強気な女の子が途端に弱気になるシチュとかおいしいです。
658DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:00:13 ID:GPHWD65A
>>652
核搭載パワードスーツとな!?

>>656
大丈夫、向こうの感想欄は人気薄い…はずだから

>>657
強気が突然弱気。ギャップ萌えは最強ッスよね。
659創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:00:58 ID:4aRA6gMZ
>>655
そうそう。クレーマー……はちょっとニュアンスが悪いか

>>656
雑談以上に投下ラッシュが凄いんですが

>>557
そろそろデレver.メリー来るな!
660創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:03:35 ID:D/1GkqYW
>>657
 ギャップ萌えって最高だと思います!

 ふぅ、アーバレストええのぅ、かっこいいのぅ。
 さて、次はサベージ×2だ……。
661創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:08:14 ID:4aRA6gMZ
>>660
むしろ3つ買ってひとつをアル二世にだな

デビルフィッシュは買った人いるかしら
662DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:11:19 ID:GPHWD65A
ロボは好きだが知っている作品が少ない自分涙目
663創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:13:07 ID:4aRA6gMZ
>>662
レンタルして見てみたら?
今ならGEOは旧作100円ぞ
664創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:14:39 ID:H8D3K0qA
>>658
SFの巨匠、ロバート・A・ハインラインの宇宙の戦士に
登場するパワードスーツは戦術核ロケットを運用しますぜ。
ジョー・ホールドの終わりなき戦いのパワードスーツは
威力を調節可能な核グレネードをぽんぽん撃ってたけど。
665創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:17:01 ID:D/1GkqYW
>>661
>デビルフィッシュ買った人
 ハッ、ここに! エウレカの機体の中で一番好きですよデビルフィッシュw

>>662
 私だって偏りまくりさ……でもそんな事はどうでもいい!
 ロボが好きならイインダヨー!

>>663
 はい先生! そのせいでほとんど借りられてます!
666創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:17:04 ID:IyTVDTPz
>>661
明日アーバレストと一緒に買ってくるぜ!

定期的に>>601みたいなことを言う名無しの俺だけどまーあんましお気になさらず。内輪になりすぎて新規が入りにくくなるのが一番嫌なのさ(´・ω・`)
667創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:21:24 ID:4aRA6gMZ
>>665
>エウレカの機体の中で一番好き
あんたは俺か

>はい先生! そのせいでほとんど借りられてます!
それは盲点だった……!

>>666
では逆に新規さんを取り込むにはどうしたらいいんだろうか
668DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:21:29 ID:GPHWD65A
>>664
世紀末ってレベルじゃ…

プラモデルとかは途中で投げ出すので画像で我慢(^p^
669創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:24:47 ID:Q+g2BMUK
ぬお!潜る人さんの新作きてた!
支援出来ず申し訳無い。後で拝見致します

やっと6分の1くらい書けました。予告と全然違う内容になります、ごめんなさい

まさかあのキャラを・・・
670創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:25:00 ID:H8D3K0qA
そーいやもう大体の変態属性は出揃ってるよな。
出てないのはス○○ロぐらい?もうやだこのスレ(褒め言葉)
671創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:29:30 ID:D/1GkqYW
>>664
 テーレッテー♪

>>666
 当然ながら目茶苦茶自立しにくいので、飾る時はスタンドを用意しましょう!

>>667
 楽しそうにやってれば来るんじゃないですかねー、天の岩戸よろしくw

>>668
 ロボット魂はフィギュアですヨ?

>>669
 むしろ期待しちゃいますよ!
672創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:30:08 ID:IyTVDTPz
>>664
戦闘機甲兵団レギオンのこともほんの時々でいいので思い出してあげてください

>>667
『内輪ネタだという自覚を持つこと』に尽きるかな。そうすりゃ盛り上がりは消えずにご新規が入りやすい環境ができる。その辺、最近ちょいと行き過ぎな嫌いがあるなぁ、と思ったから
673創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:32:50 ID:bc8y/jte
はっはっは馬鹿だなあ。
美少女が排泄なんて動物じみた事する訳無いじゃないかあ。

ところで○カト○って何?
674DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:40:01 ID:GPHWD65A
>>671
フィ?(^p^

>>673
ス○ト○なんてここの誰も知りませんよ、きっと



新規さんが来るにはやっぱり楽しい環境を作るべきですぜ
675創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:42:04 ID:8xAvnK3C
むしろおいらはロボの話にしかついていけないわけだが
たぶん>>666に昔しかられた。
676創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:42:09 ID:D/1GkqYW
 美少女が動物的な事をする……それこそギャップ萌えじゃないですか!

 あ、別にカストロ議長がどうのこうのいうわけじゃないですヨ?
677創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:42:34 ID:H8D3K0qA
スカトロじゃないけど女の子がおしっこを盛大に漏らす場面を
書く予定があるけど何も問題ありませんね!
678DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:44:29 ID:GPHWD65A
>>677
あぁ、AレベルとかSレベルに到達しない限りは大丈夫
679筆野郎:2009/09/25(金) 22:44:29 ID:bo+Yg3uB
>>677
うおぉぉぉぉい

使えよ('A`っ○○
680創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:44:57 ID:D/1GkqYW
>>674
 DSの人……酸素欠乏症にかかって……。

>>677
 いつかの人だったんですかwww
681創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:47:05 ID:4aRA6gMZ
>>674
ボケるなwww

>>677
あ ん た だ っ た の か
682創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:47:23 ID:IyTVDTPz
>>677
  \ ヽ     /  /  /
    うぉおおおおおおおおお!!   *. (_ヽ
  (Д´) ∧_∧ ∧_∧      * ∧__∧| |
  ノノ⊂(∀・  )、(∀`∧ ∧    . (´∀` / /
  ┌ <   (^ニ  /l  .(Д゚,, )   +  y'_    イ    *
       (_┌ (_ ○ニ ○v;    〈_,)l   | *      。
683創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:56:19 ID:oVrAN5RL
たまには機体の話を振ろうと思ったが、何も思い付かなかった。
684創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:57:34 ID:BmmEDwp8
操縦方式はどんなんが好み?とかどうだろうか

このスレの作品はロボアニメでは主流のレバーで動かすタイプは少ないんだっけ?
685創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:59:37 ID:8xAvnK3C
イメージ式が多い。あとなにがあったけ、トレース?
686DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 22:59:58 ID:GPHWD65A
>>684
自分のは現実世界のトレースシステム的なのを想定。
手先は器用じゃないと作業用機を名乗れないので。
687創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:01:18 ID:D/1GkqYW
 むしろウチみたいに操縦すらしてない奴もいますぜw

 でもレバーで操縦するのって好きですよ。スロットル全開とか惚れてしまいます。
688DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:03:01 ID:GPHWD65A
ってか好みじゃないじゃん。好みでいったら神経接続。
689創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:05:01 ID:8xAvnK3C
>好み
サーバ付きの脳直一択
690創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:05:12 ID:4aRA6gMZ
マスタースレイヴが好きやね……って、また見事に意見割れとるw
691創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:06:03 ID:bc8y/jte
モーショントレース
692創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:08:54 ID:UHeYhxtx
意表をつく自律稼働
693創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:09:03 ID:IyTVDTPz
ロボットが闊歩する未来技術に2009年的現実性を求める時点で何もわかっちゃいねぇ。
作品世界内で矛盾が生じない限りなんだっていい。カッコよければいい。独創的なら尚良い。

チェンゲのゲッター1みたいなもの凄い数のレバーがあるのが好きです
694 ◆gD1i1Jw3kk :2009/09/25(金) 23:09:21 ID:yFsA4T+e
考えるだけで動く方式ですね。
そもそも重装甲強化服は全高3mしかないのでレバーやら操縦席やら置く余裕も無い。
本当にただの強化服って感じ。
695創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:09:40 ID:8xAvnK3C
>>693
優勝
696DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:12:01 ID:GPHWD65A
>>693
素晴らしい
697創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:15:28 ID:4aRA6gMZ
>>693
やるな、気に入った!
698創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:15:36 ID:D/1GkqYW
>>693
 結局はケレン味ですよねw
699創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:15:48 ID:bc8y/jte
操縦方式はともかく、いっぱいアナログなメーターが並んでるレイアウトは好きだなあ。
最近はほぼ全部画面表示なので、物足りない。

ちょっとした挙動がリアルタイムでいちいちわかるのが良いんじゃないか。
700創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:17:01 ID:UHeYhxtx
松本零二的なアレか
701DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:17:17 ID:GPHWD65A
>>699
スチームパンク系ロボ?
702創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:21:20 ID:bc8y/jte
>>700-701
松本零二はすこーし違う。
アレはアレで面白いんだが。
床にまであったりするのはやりすぎ。

スチームパンク系は良いかもしれない。

でもこういう反応を見ると、
ガンダムがゼータになった時、
「何がリニアシートだ 何が全周囲スクリーンだ ト○ノ殺したろうか」
とか一瞬思ってしまったおいらの気持ちはなかなかわかってもらえなさそうな。
703創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:22:18 ID:8xAvnK3C
飛行機の操縦室?
704創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:22:22 ID:OlvcKIhG
油圧、油温、電圧、水温、出力、燃料計、性感度、他になんかあったっけ
705創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:23:08 ID:UHeYhxtx
なんて我が儘な人なんだろう!
706創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:24:38 ID:IyTVDTPz
過ぎ去りし近未来!の感じかなぁ
707DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:24:47 ID:GPHWD65A
>>702
スクリーン一杯な操縦席大好きな自分だが、分からなくはない

>>704
最後ワロス
708創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:27:24 ID:NUKr5DsU
ロボの動力源も色々あるよな
その重要な存在の作品もあれば
本編で詳しく説明されることなく謎のまま話は続くのもあるし

俺は「人の命と欲望で動くロボ」って厨くさいネタを考えて
色々設定考えたりしているが
709創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:28:19 ID:bc8y/jte
>>704
仰角とか水平とかコンパスとか色々ある。
まあ主に航空機系か。
あと熱血?
710創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:30:15 ID:OlvcKIhG
ああ、飛んだら一気に増えるな
711創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:31:04 ID:D/1GkqYW
>>702
 まあそのへんは作画負担の問題もありますし……。
712DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:36:00 ID:GPHWD65A
よし、ここで話題?を投下。

「ロボットにあったら嫌な計器」
713創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:38:01 ID:bc8y/jte
>>712
ボイスメーター

必殺技は叫ばないと使えない。
714創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:39:14 ID:8xAvnK3C
腹時計
715創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:39:34 ID:4aRA6gMZ
>>713
トップをねらう権利をやろう
716創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:44:09 ID:BmmEDwp8
こうやってお題出して雑談するのも
それはそれで新しく入ってくる人を遠のかせるような気がしてきた
717ロボスレ版全選手入場 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 23:45:15 ID:D/1GkqYW
安藤君「地上最高のロボットを見たいか――――ッ」
住人「オ――――!!!!」
安藤君「それは僕だ、僕だみんな!!」
佐藤さん「いやそれはないから、確実に。では気を取り直して……。
 ロボスレ版全選手入場が見たいか――――ッ!」

住人「オ――――!!!!」

佐藤さん「それは私もだ、私もだみんな!!

 全 選 手 入 場 !」

安藤君「 全 選 手 入 場 で す ! 」


 鋼獣殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み怨嗟の魔王が甦った!!!
 ブラックファントム!! 黒峰潤也だァ――――!!!

 流派・超重延加拳はすでに私が完成している!!
 スーパーカー、瞬転のスプリガンだァ――――!!!

 チャージ完了しだい撃ちまくってやる!!
 荒廃世界代表、ショウイチとタウエルンだァッ!!!

 戦い方の個性なら俺の機体がものを言う!!
 ヴィルティック・シャッフル 鈴木隆昭とメルフィー・ストレイン!!!

 真のミラクルを知らしめたい!! 最上級ワルジェント、イッツァ・ミラクルだァ!!!

 汗臭い野郎は嫌いだがロリっ娘は全部私のものだ!!
 PBMの地名とは関係ありません レイチェル・キサラギだ!!!

 妖魔対策は完璧だ!! 闇を切り開く疾風 閃光のクーガ・ラグナグ!!!!

 全スーパーロボットのベスト・ディフェンスは私の中にある!!
 最強無敵ロボが来たッ 愛の戦士・田所カッコマン!!!

 にらめっこなら絶対に敗けん!!
 ウサギ乗りの戦い見せたる 写真は魔除け ソマ・ツクヨミだ!!!

 バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!!
 大野家のピュア・シスター ミナだ!!!

 水の惑星からオウムガイが上陸だ!! やべぇ地上じゃ動けねぇ ユトとメリッサ!!!

 ルールの無いケンカがしたいからストリートPRファイターになったのだ!!
 プロのケンカを見せてやる!! ボーン・サイファー!!!

 狐に小豆飯とはよく言ったもの!!
 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! 白面金毛九尾の狐 玉藻・ヴァルパイン教官だ―――!!!

 チョーさんにイラストを描いてもらう事こそが真に絵師に恵まれているという事だ!!
 まさかこの娘がきてくれるとはッッ ティマ!!!
 
718創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:46:33 ID:8xAvnK3C
じゃあどうすれば\(^o^)/
ぐぬぬ、考えてみる
719ロボスレ版全選手入場 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 23:46:35 ID:D/1GkqYW
 なんかよくわからんけどここまできたッ スペック一切不明!!!!
 ボケとツッコミに定評がある ハルとデイブだ!!!

 オレたちは個人では最強ではない集団で最強なのだ!!
 御存知ガチムチ 大海上都市群『兵庫』重歩兵中隊!!!

 設定ならば大量にある!! オレを書く奴はいないのか!!
 堕天雷人 星海王だ!!!

 デカカァァァァァいッ説明不要!! 正統派スーパーロボット!!!
 電光石火ゼノライファー、頼斗と希美だ!!!

 剣術は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦剣術!!
 祈り、唱え、覚れ!!! 神の一柱、フツヌシの登場だ!!!

 少年は私のもの 邪魔するやつにはロケットランチャーをブチ込むだけ!!
 鋼鐵の特攻兵 アイザック・C・ハインライン

 お前はなんのために荒野へきたッ!?
 対鋼獣用人型兵器パイロット、瀬名龍也!!!

 はちゃめちゃっぷりに更なる磨きをかけ “陸上自衛軍第28連隊”第4中隊が帰ってきたァ!!!

 ウチの中隊長は地図読めないッッ!! ブリキの騎士団、第39歩兵大隊!!!

 賢者の石を護る黒騎士が今ベールを脱ぐ!! 極東から一条 遥とリヒター・ペネトレイターだ!!!

 孫の前でなら儂はいつでも全盛期だ!!
 野望のマッドサイエンチスト 悪山悪男 ゴクワルレックスで登場だ!!!

 神子の仕事はどーしたマスターッ 氷の冷笑 未だ消えずッ!!
 二脚も逆脚も思いのまま!! ヴァイス・ヘーシェンだ!!!

 特に理由はないッ 仲間を守るのは当たりまえ!!
 妹にはないしょだ!!! アーティファクト・レガシアムが操者!
 不破優作がきてくれた―――!!!

 松戸斎園技士によって作られた特式戦闘オートマシン!!
 厨二病万歳! 鉄人乗りの広瀬勝弘だ!!!

 ロボスレだったらこいつは外せない!! 我らが真祖、白銀の騎士だ!!!

 戦闘のプロの超一流の戦いだ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
 三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタム!! 清水静!!!

 天美ヶ原防衛団のグダグダっぷりはこの男が完成させた!!
 躍動する装甲!! ヒトガタ壱式と中村孝一だ!!!

 若き王者が帰ってきたッ
 どこへ行っていたンだッ ロリコン代表ッッ
 俺達は君を待っていたッッッマッキー極細の登場だ――――――――ッ
720 ◆n41r8f8dTs :2009/09/25(金) 23:46:42 ID:Q+g2BMUK
亀にも程がある上空気読まないですが
>DSさん
投下乙です!
こうなりますか!うひー先が気になるww
メリッサに隠された秘密とは・・・そして二人はどうなってしまうのか・・・
あぁ、続きが読みたいw

さて、9話ですが、オルトロックとのラストバトルって事でバトルに集中したいんです
ので、隆昭君の心情を書いた前編と、決着を書いた後編に分けます
前編はちょっとしたら投下出来るので、出来たらどなたか代理して頂きたいです
721パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 23:47:38 ID:D/1GkqYW
 ふぅ……すみません、勢いでやりました。
722DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:48:01 ID:GPHWD65A
ロボの設定も駄目、キャラも駄目、内輪ネタも駄目、お題出して雑談も駄目となると……

>>717
キタコレwww
723パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/25(金) 23:53:22 ID:D/1GkqYW
>>722
 なら好き勝手やるしかねェェェよなぁ! そうだろ相棒ぉぉぉぉぉぉぉッ!!


 ……なんかテンションがおかいしぞ!
 風呂入ってきます!
724DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/25(金) 23:55:22 ID:GPHWD65A
>>723
そうだった、好き勝手……ッ

自分もお風呂に行きますぜ。
ククク… 同時刻に風呂に入ってやる…
725創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:06:10 ID:HicB9Zr6
そういや前には
「自分の作品に関係ない雑談するなら極力トリは外しとけ、特定の人しか書き込めないスレに見えるから」
みたいな話が出たこともあったな

過疎気味の板で、スレの活力を保ちつつ、新しい住人を呼び込むってのは結構大変さね
726創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:08:29 ID:e3dtDwvt
なんとか作業が一段落
727 ◆n41r8f8dTs :2009/09/26(土) 00:14:06 ID:cATzMs8y
やっと終わった・・・取りあえず前編書きオワタ
これから避難所に投下するので、お暇な方は代理お願いです
728創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:14:56 ID:e3dtDwvt
>>727
やりましょう。
729代理:2009/09/26(土) 00:18:06 ID:e3dtDwvt
未だに止まぬ豪雨の中で、その機体――――ルヴァイアルは自らの姿を隠し、戦況を見つめる。
透明と化している為か、それとも上空で高みの見物をしている為かヴィルティックはともかく、デストラウもルヴァイアルの存在に気付く様子は無い。
コックピット内で妖美な両足を組み、木原町子もとい、「魔女」は戦況を見据える。と、モニターの中でヴィルティックが動きを封じられる様子が映る。

「あら、バインド……どこで手に入れたのかしら。私でさえ持ってないのに」
空中に浮かぶ、巨大な魔方陣に動きを封じられるヴィルティックを見、「魔女」は小さく驚きの声を上げた。
低速で回転する魔方陣は激しい電撃が幾多にも伝っており、ヴィルティックを破壊せんとするほどに各部へと流れている。
デストラウはその場を動く事なく、グランファーを肩に担ぎ悠然と仁王立ちしている。そこには、はっきりと勝者の余裕が見て取れる。

「これは少しばかりまずいかもね。ただでさえ精神的にキツイのに追い打ちなんて、ホント趣味悪いわ、あいつ」
そう言って舌を打ち、「魔女」はルヴァイアルのカメラアイをデストラウの背後に向ける。
数分前には雑居していたマンションやビルなどの人々の居住区は、今や寒々しい程に荒れ果てており、人々が住んでいたという形跡さえ無くしてしまった。
エシュトリームクラッシュの威力は半端では無く、建物だけでなく道路でさえ消滅させた。射程範囲内にあった場所ごと、何処かに消えてしまったかのようだ。

「ま、あんなの撃った後じゃ対して動けないだろうから、そこを突いて〆るわよ、ルヴァイアル」
「魔女」の言葉に呼応する様に、ルヴァイアルが頭部の特徴であるスリットから、ツインアイを鈍く光らせた。

この豪雨が止む気配は――――未だに、見えない。

『ヴィルティック・シャッフル』

第9話

スピリッツ 前

……完全に頭の中身がすっぽ抜けた。突然死ぬような痛みが走って、俺は抵抗も出来ずに気を失っていた。何があったかは分からない。
その痛みってのは今まで感じた事の無い様な、そう……痺れだ。静電気をもろに食らった時のあの痛みが、全身に来た。本気で死ぬかと思ったよ……。
とにかく俺は今何してたんだ? 頭を数回振って、俺は頭の中を整理する。何か色んな事があり過ぎて脳みそがパニック起こしてるみたいだ。
確かそう……俺はオルトロック……オルトロック? 自然に視線が、目の前の大きな亀裂から見える――――デストラウに向いた。

瞬間、寝ぼけていた俺の頭が一気に目覚めて、錯乱していた情報が纏まる。そうだ、俺は……!
球体に手を乗せ、俺はヴィルティックが動くイメージを必死に考える。早くあいつを止めないと……止めないと……。
……何で全く動かないんだ? 状況は最悪だが、ヴィルティックはまだ動ける筈だ! 俺か? 集中できてない俺が悪いのか?


730代理:2009/09/26(土) 00:18:46 ID:e3dtDwvt
「やぁ、鈴木君。目覚めはどうだい?」
虫唾が走るほどに能天気なオルトロックの声が聞こえ、俺は首を激しく周囲に動かした。って通信だったな。どちらにしろ腸煮えくり返りそうだが。
どう答えるべきだ? ここで頭に血が昇ってる様な感情的な反論は駄目だ。とりま冷静に返答して、奴の出所を伺う。

「……俺達に、いや、ヴィルティックに何をした?」
俺の質問に、オルトロックは気色の悪い笑い声を上げると、何時もの小馬鹿にした口調で返してきた。

「君は少しばかり悪戯が過ぎる。だからちょっと動きを封じてあげたんだ。私の話を聞いて貰う為にね」
「話? 話す事なんて何も……」
「聞いたじゃないか。この四面楚歌な状況で、君は一体どうするべきなのかと」

俺はハッとして思い出す。確か―――――オルトロックは俺に、如何するべきかを聞いたんだ。それで気付けばヴィルティックが身動きを取れなくなっていた。
そうか、精神的に沈んでいた俺は、オルトロックに返事もせずにパ二くっていたんだ。クソッタレ! この状況を招いたのは俺自身だってのかよ!
だけどどう答えるべきかなんて馬鹿馬鹿しい事は考えたくない。如何俺が答えても、オルトロックの好む方向に転がっちまうだけだ。
しかし状況はどう足掻いても絶望としか思えない。左腕が無い上に、頭まで持ってかれた。そのせいでさっきまで見えていたモニターには何も映らない。

見えるのは、真正面の亀裂から見える所だけだ。オルトロックのクソ野郎が思いっきり大剣を振ってくれたお陰で、亀裂の隙間はデストラウの全身が見えるほど大きい。
だがあくまで見えるのは正面だけだ。もしも背後、いや、右や左から攻撃されたら全く対応できない。やっぱり状況は最悪だ。
無理だろうが、戦うとすれば常に真正面で向き合うしかない。けれど真正面に立ち向かった時点で勝機なんて無い……よな。
どうする? どうするなんて言葉が浮かぶ時点で駄目だと思うが、俺の頭には正直、奴に抗う方法が思いつかない。カードだってどう使うべきかが浮かばない。

「……お前は何て答えて欲しいんだ?」
「ふむ、そう返してくるか。なら単刀直入に言おう。――――死んでくれ。自分自身の手で」

やっぱり……そういう事かよ……! 分かっちゃいるけど理解は出来ない。いや、したくない。
確かに俺自身の手で死ねば、あいつにとっちゃ万々歳だろうな。ヴィルティックも手に入るだろうし。けどそれは嫌だ。上手く言葉は出ないが、絶対に。
けど――――完全にヴィルティックは奴の掌の上だ。デストラウが本気になれば、一瞬で死ぬ事になる。八方塞でかつ、万事休す……か。
呼吸がまた荒くなってきた……。暑くない、むしろ凍える程に寒いのに、額から汗が止まらない。俺って汗かきだったか……?

「鈴木君、君の返答は?」

――――息が、詰まる。俺、本気で怖い。頭の中が空っぽみたいだ。本気で何にも浮かばない。ヴィルティックは動かないし、俺の頭も動かない。
ホントに詰んでるんじゃないか、これ。浮かんでくる。俺の目の前で、全てが消えたさっきの光景が。あいつは、オルトロックは全てを消し去りやがった。
俺はそれを、見てるだけしか無かった。俺は……俺は……。俺は一体……何なんだ?


731代理:2009/09/26(土) 00:19:34 ID:e3dtDwvt
「俺は……俺は……」
「ん? 聞こえないな? もっと大きな声で言ってくれ」

もう奴に対する怒りとか憎しみとかさえ、俺の中で萎えていくのが分かる。何もかも無くなっちまった。俺を成型する全てが。
俺と馬鹿騒ぎしてくれる友達も、何時もキツイけど充実してた生徒会も、帰るとホッとする家も、何時もうっとおしいけど――――安心できる家族も。
今の俺に何が残ってるんだ? 何も……何も無いじゃないか。守るモノが何もない。何にも……何にもねえよ! 支えにしてたモノが全部消えちゃったんだよ!

だけど……死にたくない。何も無くなっても、心の奥底じゃそう思っている。どこまで情けなくてヘタレなんだと思うけど、俺は死にたくない……。
何か返そうにも声が出ない。声を出せば、オルトロックに飲み込まれて殺される。けど何もしなきゃ、このまま……。
誰か助けてくれ……。こんな自分に対して腹を立てる気さえ、もう起きない。死にたくない。でも、今のままでは何も変わらない。
そんな事は分かってる。けどなんて言えばいいんだ? 矮小なプライドさえ、俺は捨てられない……。俺には死ぬ価値さえ無いんだ……。

「鈴木君、無回答なのはどういう意味かな? 君は自分の生き死にさえ、自分で決められないのかい?」

「ふむ……それじゃあもう一度体に聞こう。さっきは少し強すぎて失神させてしまったみたいだから、じわりじわりと効かせてあげよう。それじゃあいくよ」

オルトロックがそう言った途端、体に何かピリピリとした感覚が走ってくる。あれ、この感覚、さっき――――く! 俺は瞬時に歯を食いしばった。
痛い……体中に電撃でも当てらてるみたいだ。いや……当てられてるのか。腕がしびれてガタガタ震えてやがる。
体に聞くとか何キモイ事言ってんだと思ってたけどこういう事かよ……。どこまで……あぁ、くそ、いてぇ!

「君が答えを出せないなら、これからどんどん痛みは激しくなっていくよ。そうそう……

 君と同じ痛みを、メルフィーも感じている事を忘れないでくれ。私の言っている意味が分かるね」

……何、だって? メルフィーもこの攻撃を食らってるのか!? 何で……何でメルフィーまでこんな目に合わなきゃいけないんだよ!
お前の目的はあくまで俺だけの筈だろ! やめろ、止めろよ!

「止めろ! お前が殺したいのは俺だけだろ! メルフィーは関係」
「無い訳無いだろう。全く、君の甘さと頭の悪さにはあっちの世界でもイライラさせられたよ。ぶっ殺したくなるほどにね」

次の瞬間、気を失いそうになるほど、電撃が強くなった。どうにか……どうにかこうやってギリギリ自我を保ってるけど、もう、駄目だ……。
薄れていく意識の中で、俺はメルフィーの事を思い出す。そういや、事の発端はメルフィーだったな……突然俺の目の前に現れてさ。
未来を救ってくれなんて訳の分かんない事言いだして、ホントに何言ってんだこいつとか思ってたけどマジで未来人で……。
それで編に涙もろくて、敬語の使い方がおかしくて、会長が嫉妬するほどスペック高くて……。ホント、変な奴だった。


732代理:2009/09/26(土) 00:20:22 ID:e3dtDwvt
だけど、だけど未来を救いたいっていう気持ちは本気だって事は分かる。未来の話をしてた時のあの涙を、俺は忘れない。
俺はあの時ぼんやりと約束したんだ。未来を救うって。良く分からないけど、俺にしか出来ない事ならって。

――――分かった。俺には、まだ守んなきゃなんないモノがあった。未来ってのは……。
俺は痛みに負けないように唇を噛む。生暖かい痛みを感じる。クソッタレな痛みの中で、その痛みだけは鮮明に感じる。
疲れているせいか、声を出そうとしても喉がヒューヒューなる。俺は唾をぐっと飲み込んで、叫んだ。

「アルフ……アルフレッド! メルフィーを……メルフィーを脱出させてくれ!」

どうした? アルフレッド、どうして何も答えないんだ!? さっきみたいに、俺に何か言ってくれよ!
何も……何も守れなかったけど、メルフィーだけは……メルフィーだけは救いたいんだよ! 目の前の命を失いたく……無い!
アルフレッド! 返事してくれよ! おい!

「そうそう、すまないが言い忘れてた。バインド……いや、君を拘束しているそれにはもう一つ効果があってね。
 使用対象に余計な情報が入ったり、援軍の要請を頼めない様にCASを破壊するんだ。つまりもう……」

「て……てめぇぇぇぇぇぇぇ! どこまで腐ってやがんだ! どこまで腐ってんだよ、テメェ!」

電撃による痛みさえ緩む程、俺の頭の中がオルトロックへの怒りで満ちた。コイツだけは本気で殺す。絶対に許さない。
ヤバい……怒りのせいか、体が凄く暑くなってきた。いや、違う。多分血が沸騰してんだ。何時血管が切れてもおかしくないくらい。
畜生、このまま反撃すら出来ずに、目の前の命も助けられずに死ぬってのか……。畜生……畜生……!
733創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:20:23 ID:lZIpmsLj
 
734代理:2009/09/26(土) 00:21:05 ID:e3dtDwvt
「……して……ださい」

ふと、メルフィーの声が聞こえて俺は聞き返した。

「メルフィー!? 聞こえてるのか!? なら早くここから脱出するんだ! もう持たない!」

「いいえ……脱出するのは……隆昭さん……です」

「え?」

「隆昭さんさえ……生きて、くれれば……大……丈夫」

「何……何言ってんだよ! 俺なんてどうでもいいんだ! 君が生きてくれさえすれば、それで良いんだ! だから!」

「そうじゃ……そうじゃないんです。私の……私のお父さんは……貴方の存在が……世界を、未来を変えるからって……」

「でも……でもこのままじゃ、君は死ぬんだぞ! 俺はそれが一番嫌だ! 脱出してくれ、メルフィー!」

「今まで……短い……時間でした……が、学生に……戻れて……楽し、かったです……。あり……がとう……隆……」

メルフィー? メルフィー、返事を……メルフィー……。う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
救えなかった……また救えなかった! 何で、何でこうなるんだ! 何で俺は誰も救えない! どうして俺は……俺は……。

――――何も、感じない。痛みも、苦しみも、怒りも。世界が、白くなっていく……。遠く、オルトロックの高笑いが聞こえる。
終わりなんだな。これで、何もかも。何だろう、目から何か出てる……。守れなかった。見守る事さえ、出来なかった。
意識が、切れていく。両手の感覚が失せていく。ごめん、ごめんなさい、すみませんでした。俺は球体に手を置く。せめて、ここで―――――。


735代理:2009/09/26(土) 00:22:37 ID:e3dtDwvt
―――――どこだ、ここ。上下左右全てが真っ白な世界だ。天国かな。いや、案外地獄かもしれない。
何か感覚はある。一応地面に足がついてるし、掌も握れる。というか意識はしっかりあるから、夢ではないようだ。

「すまない。これだけ君を苦しませて」

聞き覚えのある声がして、俺は振り向いた。途端に視界がぼやける。というか、誰か立っているけどぼんやりしてて良く分からない。
声は誰かに似ているけど、何か思い出せない。どっかで……そう、聞き覚えがある声だ。

「だが、もう時間が無いんだ。君でしか、未来を救う事も、世界を変える事も出来ない。例えそれが、非常に痛みを伴うとしても」

未来を救うとか、世界を変えるとか無理だよ。だって俺は……。俺は、誰も救えなかった。同級生も、家族も、メルフィーも。

「それは違う。君の心が死なない限り、皆の死は無駄じゃない。君が生きるんだ。皆の死を背負い、未来を変える為に」

俺には、俺にはそんな資格も……権利も無い。俺にはそんな力が……無いんだ。皆を守れるような、そんな力が。

「――――君は、この力をどうする?」

……アンタ、まさか……。……俺は、守りたい。未来も、世界も。例え、あいつが言っていた様に人類にとって死神になろうと、俺は――――。


「分かった。君に全ての力を授ける。守ってくれ、未来を。そして――――メルフィーを頼んだぞ。

 過去の――――私よ」


後篇に続く


736創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:23:04 ID:lZIpmsLj
 
737 ◆n41r8f8dTs :2009/09/26(土) 00:27:03 ID:cATzMs8y
>>736
代理して頂き、有難うございました

今回は今まで書いた中で一番短いです
この分をバトルに注がねば
738 ◆n41r8f8dTs :2009/09/26(土) 00:29:04 ID:cATzMs8y
>>735でした
代理してくれた方、ごめんなさいorz
739創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:30:23 ID:e3dtDwvt
>>737
以上でよろしいですね。お役に立てればなにより。
さーヴィルティックの差分描くぞー(^o^)
740創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:35:41 ID:lZIpmsLj
風呂から上がってきてみたら、なにやら凄い事になってるじゃないか、ええ!?

>>737
投下乙!
メルフィー、おいどうしたメルフィー!
ま、まさかヒロインまで殺すのかよ!?ちくしょうやっぱり血も涙も無い奴だなオルトロックの野郎!
……イデENDとかじゃないよね?
とにかく、ここは木原さんとアルフに期待するしかない!
次回を楽しみに……いや、覚悟して待ってるぞ!

>>717
>>719
まさかの全選手入場wwwPBM氏も最近頑張り過ぎだwww
しっかしところどころ懐かしい名前があるのぅ
こういうセンスを持ってる事がうらやましいわ

>それは僕だ、僕だみんな!!
>にらめっこなら絶対に敗けん!!
>やべぇ地上じゃ動けねぇ
>設定ならば大量にある!! オレを書く奴はいないのか!!
>少年は私のもの 邪魔するやつにはロケットランチャーをブチ込むだけ!!
>ウチの中隊長は地図読めないッッ!!
>孫の前でなら儂はいつでも全盛期だ!!
>神子の仕事はどーしたマスターッ
このへんマジ吹いたwww

>>725
ま、のらりくらりとやってけばいいんじゃねーの
今更新規さん呼び込もうと躍起になったって空回りすんのがオチだて
741創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:45:03 ID:uqM282Ul
>>738-739
 ◆n41r8f8dTs氏とポリゴン氏、投下乙ですw

 おお、もしかして木原さんは仲間……なのか……?
 いやいやまさかまさか。油断しちゃ駄目だ、油断しちゃ。
 メルフィーは……死んでないて信じたいですね。
 次回VSデストラウ、最終ラウンドという事で胸の高鳴りが止まらんです。次回を楽しみにしてますね!

>>740
 噴いていただけたなら光栄ですw
 全選手入場のくせにいくつか入れれなかったのもありますが……Gドラスターとか、幸せな結末とか、ロボットのロマンとか……。
742駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/26(土) 01:03:07 ID:rtHpmHqS
あぁしまったw飯の後寝オチてw支援もしてなかったし(>△<;)
>>637
>>735
>>737
投下お疲れ様です!じっくり読ませて頂きます!

>>717
>>719
うぉ!あおり文句すげぇ!?wつーかウチの作品まである!?
鳥肌たったよwすげーw
743創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:11:02 ID:cATzMs8y
>>717>>719
元ネタの面白さがよく出てますよw
個人的にDSがツボです。そりゃあ地上は専門外だわなw

あーイデエンドか。良いですねw
うーん、まぁ誰も救われいって意味じゃそうなるかも
744創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:11:19 ID:uqM282Ul
>>742
 喜んでいただけたなら幸いですw

>うぉ!あおり文句すげぇ!?
 ありがとうございます! ……といってもこれ、改変ネタですけどねw
745創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:15:58 ID:uqM282Ul
>>743
 ありがとうございます!
 自分もDSのところはけっこう気に入ってたりw

>誰も救われない
 でもイデEDってある意味救いでもあるんですよ、やり直しですしw

 ……って、誰も救われないですって!?
746創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:16:43 ID:e3dtDwvt
いい感じに盛り上がってきて後はオチを待つのみになった感のあるヴィルシャ。
しかし俺のぴくしあはヴァーストしたヴィルティックにも容赦しなかった(^o^)
747創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:18:27 ID:lZIpmsLj
>>743
これは本格的に覚悟しなきゃいかんね……!

>誰も救われないですって!?
鈴木くんはある意味あなたに救われたよ!
748創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:21:09 ID:uqM282Ul
>>746
 むしろぴくしあがヴァーストしやがったんですね(^q^)

>>747
>鈴木くんはある意味あなたに救われたよ!
 果たしてあれは救済と言えるのかッ!?
749創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:23:20 ID:lZIpmsLj
>>746
ご愁傷様としか言いようがない……難儀じゃのう
750創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:27:01 ID:e3dtDwvt
>>748-749
ちまちま保存しながら描くてまだなれない……まあ後はギミックのとこプラスアルファだけ下書きして線引きだけなんだけど。
751創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:30:13 ID:lZIpmsLj
>>748
>果たしてあれは救済と言えるのかッ!?
良くも悪くもキャラ立ちまくってたじゃないかw

>>750
タイムリミットは近いぞ……!
752駄文 ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/26(土) 01:31:39 ID:rtHpmHqS
>>637
今までの遺跡とは段違いの危険度ですね!
果たしてオヤジさん達は間に合うのか?
メリッサは大丈夫なのか?
そしてぜってー敵くるよねこれwユトがんがれ超がんがれw

>>737
む、木原さん第三勢力っぽい!?
メルフィーが、メルフィーがぁぁぁぁぁ!
ヴィルテックもうズタボロなのに……オルトロックの下衆野郎が……!
753創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:32:10 ID:e3dtDwvt
朝生見ながら描いてるから未明の内にはあげれそう。
まだ色塗る能力なくてごめんなさいね。
754創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:34:01 ID:uqM282Ul
>>752
 もうデストラウに勝てる気がしないですヨ……。
 ああもうハラハラさせよって!

>>753
 いえいえ、応援してますよw
755創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:37:04 ID:lZIpmsLj
>>754
だからこそ次回が気になるわけでw

>>753
おう、楽しみにしてるぜ!
756創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 01:37:45 ID:rtHpmHqS
>>752
焦らず仕上げてくださーい。色は脳内補完で無問題w
757創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 03:45:47 ID:e3dtDwvt
7586スレ目882 ◆MVh6W.SAZtbu :2009/09/26(土) 06:45:48 ID:ocpnQyjZ
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ        あ…ありのまま シルバーウィーク中に 起こった事を話すぜ!
         (.___,,,... -ァァフ|       
          |i i|    }! }} //|      『おれは連休中は絵が描けないので、
         |l、{   j} /,,ィ//|       他スレに投下中のSSにケリをつけて
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        ついでに構想中のオリジナル作の設定の見直しをしようと
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |       思っていたのに一文字も書けず、
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        まあそんな時もあるさと連休明けてからロボスレ見たら
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ       いつのまにかデストラウのデザインタイムリミットが
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉     やばいことになっていた』
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ 
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ      な… 何を言ってんだこの馬鹿は と思ってると思うが
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    おれ自身でも実のところそう思う
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ   
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }   らき☆蓋さんが帰ってきたって浮かれてる場合じゃなかった
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ 
                              展開が思いつかなかっただとか乗り気じゃなかっただとか

                              そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

                              もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

そんなわけで今日はこの後PC使えないので実質ここでタイムアップ……
観念して投下
ttp://dl8.getuploader.com/g/sousakurobo/68/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6.jpg
左腕は腰見せるんで描いてません。右腕の鏡像体だと思って下さい。
ぬ〜、デザイン上の設定とか考えてたんだけど描けずじまいだな。

>>757
おおうカッコイイ! 素早いヒーローメカってイメージがよく出ていますな。
同じ作品の登場メカでも違う人間がデザインすると、
「設計思想とか開発陣営とかの違いがデザインラインの違いとなって表れている」
みたいな感じになって面白いですね。
ルヴァイアルをまた別の人がデザインしたら面白いかもしれない。そう思いませんか、師匠。
759 ◆n41r8f8dTs :2009/09/26(土) 11:31:34 ID:cATzMs8y
>>757-758
や、やべえ・・・ポリゴンさんも882さんもカッコ良すぎて何て言えば良いのか分からねぇ・・・!
自分の書いた作品のロボットがこんなにカッコよく書かれるなんて感無量です!
ヴィルティックのシャープでヒーロー然としたフォルムも、デストラウの異質なフォルムもカッコイイ!あぁ、興奮してカッコイイ以外の言葉が出ないw

ポリゴンさんも882さんもお疲れ様でした&ヴィルティックとデストラウを描いて頂き、本当に有難うございました!
出来れば土日中に、9話後編を投下出来る様、自分を追い込みます。いやマジでどっちもすげえ・・・
760創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 11:56:58 ID:uqM282Ul
 まさかこんな時間まで寝てるなんて……。

757-758
 おお、ヴィルティックかっこいい! 肩がこうやって展開するんですねー。
 
そしてデストラウ気持ち悪い! ……あ、褒め言葉ですよ! 色が絶妙にダークで素敵過ぎる……!

>ルヴァイアルをまた別の人がデザインしたら面白いかもしれない。
 そうですね、凄く面白そうですw

>そう思いませんか、師匠。
 ……ひょ?
761チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/26(土) 12:02:43 ID:rtHpmHqS
>>757
うぉ!相変わらずの脚線美wポリゴンさんすげぇやw
ヴァースト時の奴かな?両肩の展開部分もカッコイイし、
なによりランサーのシンプルさが素敵すぐる!!

>>758
デ……デストラウ……!
カッコイイわーw
異形っぽい曲線とカラーリング、あと背後の推進部のデザインときたら!あぁもう!w

ちょーっとテンション上がってキター!
よし、フツヌシのオープニング第三段を日曜までになんとかしようw
上・中・下じゃなくて、1.2.3.4になってしまいそうだが(マテ
762創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:10:07 ID:uqM282Ul
>>726
 なーに、拙作なんかEpisode 05まで……いや、下手するとEpisode 8.5までプロローグみたいなモンだから気にしない気にしないw

 投下する時は支援しますよ!
763創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:20:50 ID:lZIpmsLj
>>757-758
投下乙!
すげぇ、すげぇや二人共。全く別ベクトルのかっこよさがイエスだね!
さて、あとはルヴァイアルだけなわけだが……

関係ないけど、ifモノか番外編でブレイブグレイブを読んでみたい気がしたw
764創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:27:38 ID:e3dtDwvt
>>757
かないませんな。

皆様方特に作者様のお気に召しましたらなによりです。
さて、きりもいいし己の芸の(絵の技術よりメカのアイデアですが)幅を広げるという野心も大きくなってきたのでこれからは不定期運用で割とステルスします。逃げはしないが隠れはするみたいな。
765創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:29:04 ID:e3dtDwvt
あら恥ずかしい安価ミス。
第一位を7→8
766創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:30:27 ID:e3dtDwvt
今度はあげてやがる。質の低い冗談だな。
767携帯だけんど882 ◆MVh6W.SAZtbu :2009/09/26(土) 12:50:39 ID:oBl+LB7G
好評頂けたようでなによりです。

しかし俺デザインしてるのどっちも主要敵ポジションの奴だなあ
(そういうポジションのヤツが「鼠男ポジション」のヤツの次に好きだからなんだが)。

さてこれでワルレックスが上がれば撤退準備完了か。
銀週の件で自分がいかに同時に複数のことが出来ない人間かわかったし、あっちのスレに投下もしないとな〜
768創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:55:16 ID:LZkuo4JY
何かロボ絵師が総撤退かましてる気がするが…気のせいだ…きっと
769創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:57:33 ID:e3dtDwvt
>>768
省みたら俺今までも不定期だった。大差なくてワロタ。
770創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:01:09 ID:uqM282Ul
>>768
 き、気のせいですよ……は、ははは……。
771荒野(仮) ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:14:49 ID:rUpBOeqd
なんかトリが二度三度と化けるから、新しく今回つけたトリが化けたら、もういっそトリを外そうかと考えていたり。

荒野をほっぽり出して、だいぶ前に書き込んだ「リベンジャー・レディ」なんてもの書いてました。
以下、結構な量ですが、投下できるだけ投下。
772創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:16:29 ID:lZIpmsLj
支援する!
773創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:17:09 ID:uqM282Ul
>>771
 お久しぶりですw

 これより支援します!
774リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:18:34 ID:rUpBOeqd
プロローグ


 その人型兵器は蒼く、滑らかなフォルムをしていた。
 全長約二十メートル。一見すると全体的に線が細く、華奢なイメージが強い。
 しかし、よくよく見れば、大口径の推進ノズルが幾つも付いたその姿は、歪なまでに出力に特
化した機体だと理解できる。
 これほど第一印象と、その数分後の印象のギャップが激しい機体も少ないであろうと、開発主
任であるエムレインは考える。
 つい先日世界に認められたばかりの、現在の科学技術によって生み出せる最高の強度と粘り
強さを誇る金属――エレメチアル合金をふんだんに用いなければ成しえなかった設計である。
 華奢なボディに対し、取り付けられた推進ノズルの配置は以下の通りである。
 脚部にメインブースター一口、サブブースター二口の計三口ずつ。
 腰部と臀部に軌道修正用のバーニアが大中計四口。
 背面部にメインスラスター四口。
 肩部に中型ブースターが一口ずつ。
 胸部に姿勢制御用の小型ブースターが二口。
 総計十八口の推進ノズルが取り付けられている。
 その容姿は細身でありながらも、これは人型兵器の姿をした弾道弾ではないのかとまでに思わ
せる、圧巻の迫力を有していた。
 この蒼い機体の名はダウンシューター。
 超高度をフィールドとした、高火力の遠距離射撃に特化した機体である。国防兵器(ガーディアン)
として開発された事もあり、各種ステルス装備が充実している事も特色の一つと言えるだろう。
「全く、とんでもない物の開発に関わってしまったものだ」
 完成したダウンシューターを見上げ、エムレインは呟いた。
 その表情は明るく、何処か充実の色を含んでいる。自分達が作り上げたこの機体がどれ程の成
果を出す事になるのかを期待しているその表情は、好奇心に目を輝かせる少年の様でもあった。
 コスト面からコレが量産できない事は、ある意味正解ではないかとすら彼女は考えている。
 最新のレーダーにも捉えられず、地上からの攻撃の届かない高度から、一方的に高火力の砲撃を
放つその姿は想像するだけで恐ろしい。ましてや、その砲口が敵に向いている内はまだしも、何らか
の事故により、自分達に向けられたとしたら……。
 そうならない為の策は立ててあるとは言え、もし、万が一にそうなってしまったとしたら?
 現在の日本に、この兵器に勝てる術は存在するのだろうか?
(恐らく、無いだろうな)
 ソレだけの物を作り出したとエムレインは自負している。
 もし、このダウンシューターに対抗できる存在が在るとすれば、ただ一つ。
 紅白鬼と呼ばれる機体に乗っている、あのパイロットだけではなかろうか……。
775嫁が過去のある女だった882 ◆MVh6W.SAZtbu :2009/09/26(土) 13:18:44 ID:oBl+LB7G
>>797
オイラの場合も、今の「このスレのデザインを某スレのSSに優先してる」って状況を
「某スレのSS書きをこのスレへの投下に優先する」って状況にするつもりなんで、
「全面撤退」というより「義勇兵派遣規模の縮小」といったほうが近いです(誤解を招く書き方してすみませんでした)。

まあ絵師の数は気にしなくても大丈夫さ、多分新規が来続ける
(たびたび言われてることだけど、このスレ単に絵師のみならずハイブリッドがおかしなレベルにやってくる。
 オイラみたいな書くのも描くのも中途半端なのからすると驚嘆するしかない)。
776創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:19:08 ID:uqM282Ul
 
777創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:19:38 ID:lZIpmsLj
 
778リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:20:55 ID:rUpBOeqd
第一章A-SIDE 補足された記憶

『アナタの名は?』
 薄明るいモノクロの世界で、電子的な声がそう訊ねて来た。
「エムレイン・ブルー」
 私は短く答えた。
 別に、この声の主に付き合う義理は無い。何しろ、相手は私の前に姿を表そうともせず、ただ
無機質な声で短い質問を浴びせてくるだけなのだ。
 それでも私がこの電子的な声の質問に答えたのは、なんとなく……の一言でしかなかった。
そうした方が良いのではないかという直感や、そうしないとイケナイと言った強迫観念は一切存
在しない。訊ねられたから、つい答えてしまったという具合である。
『アナタはダレ?』
 私の返事に満足したのか、しなかったのか……。抑揚の無い、電子的な声の質問は続く。
 しかし、途端に難しい質問になったものだと私は眉を顰めた。世界中の何処を探しても、その
哲学的な質問に”答え”を示す事が出来る者は居ないのではなかろうか。知性の無い存在はそ
もそも自分が何者であるかを考えないであろうし、知性のある……例えば人間であったとしても、
自分以外の第二、第三者が居なければ、自分が自分であるという証明は得られないのだ。
「ソレは、私自身が”そう自覚している”といったレベルで答えてもいいの?」
『構わない。アナタはダレ?』
「そう、それじゃあ、簡単な自己紹介くらいしか出来ないわよ」
『構わない。アナタはダレ?』
「私はエムレイン・ブルー。コレはさっき言ったわね。三十三歳、AB型。性別は……見て分かると
思うけど、いや、貴方には見えないのかも知れないわね。女よ。祖父が起こした重工会社、ブルー
バレット社で主に兵器開発に携わっているわ」
『ワタシを造ったのはアナタ?』
「私には貴方が何者なのかが分からないから、答えようが無いわね。もし貴方が人間なのだとした
ら、答えはノーよ。私、子供を生んだ記憶は無いから」
『ワタシは、ダウンシューターと呼ばれる存在。ワタシを作ったのはアナタ?』
 抑揚の無い電子的な声の言葉(文が変ではあるが仕方あるまい。現実に、そうなのだから)に、
私はソコで初めて戸惑い、言葉を呑んだ。
 勿論、ダウンシューターと言う名には覚えがある。私が開発主任を任されていた企画の主役がそ
の名の人型兵器だ。つい先日完成し、情報公開の規制を掃ったばかりである。
「貴方がダウンシューターならば、貴方を作ったのは私と言えるわね」
『アナタは何故ワタシのナカに居るの?』
「貴方の中ですって?」
『ココは、ワタシのナカ。アナタは憶えて居ないの? 何故、ワタシのナカに居るのか。その理由を……』
「私が、ダウンシューターの中に居る理由? ダウンシューターに、乗っているって事? ココは、コクピット?」
 私は頭を抱え、ゆっくりと思い出す。
 そして気付く。
 記憶が無い。憶えて居ない。
 何故記憶が無いのかは分からない。しかし、憶えて居ないのならば仕方がないと頭を切り替える。
覚えている箇所まで記憶を遡り、ソコから順に思い出していく。
 ダウンシューターの完成披露会の記憶は在る。
 問題は、ソコからだ。
 世界でもトップレベルのスペックを持つ人型兵器が完成した。高コストではあるが、ソレだけの能力と
それ以上のポテンシャルを秘めていると私は自信を持っていた。
 確か、そう、その時、取材に来ていた記者の一人が、パイロットについて訊ねて来た。
 スペックは素晴らしいが、ソレを生かせるパイロットが居るのかという質問だ。もしダウンシューターが
全力で機動した場合、パイロットに掛かる負荷は人間の致死レベルを越えているのではないかという、
いい質問だった事を憶えている。
 勿論、私はその回答を用意していた。ダウンシューターのパイロットは人間でない。人工知能……AIだと。
 当然、ソレを問題視する意見が上がった。パイロットがAIでは、電子戦で負けた際に機体の主導権を
奪われる可能性があるのではないかと。
779創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:22:45 ID:lZIpmsLj
 
780リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:22:50 ID:rUpBOeqd
『アナタは何と答えた?』
「そんな事、素人に指摘されるまでも無く想定している。……実際には、もう少しオブラートに
包んだ言い方だったわよ?」
『思い出せる?』
「ええ、確か……アレ?」
 ソコで、私の記憶が途絶えた。
 私は何と答えた?
 何を用意していた?
 何を、パイロットとしてダウンシューターに乗せるつもりで居た?
『思い出せないのなら、ワタシが、教えてあげる』
「私の名も知らなかった貴方が、ソレを教えてくれると言うの?」
『今、アナタがワタシに教えてくれた事が答えになるから、可能か不可能かで言えば可能』
「……どういう、意味?」
 私は本能的に一歩身を引いた。
 電子的な声には相変わらず感情が篭っておらず、抑揚が無い。
 私は今、初めてソレを怖いと感じた。
 今、私が存在するモノクロの世界。ココがあのダウンシューターの中だという。
 どういう事だ。
 考えたくない。
 何故私は記憶を失っている。
 考えるな。
 私は人間だ。パイロットではない。
 そうだ。私は科学者だ。
 ならば何故、私は……今、後退りをしようとして尻餅を付いたのだ?
 何かに躓いた? いや、違う。そんな感覚は無かった。ソレはまるで、足を踏み外したような、
腰が抜けたような感覚。
 やめろ、現実を見るな。
 私は、恐る恐ると視線を下半身へ向け、絶句した。
 膝……いや、おそらく腿の半ばから先が消失していた。私の両足はどこぞへと消え失せ、足の
断面からは鮮血が勢いよく吹き出している。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 私は叫んだ。
 どうして今まで気づかなかったのかと言う痛みが下半身を伝い、脳を揺さぶる。気が狂ってしまい
そうだった。
 私の脳裏にボンヤリと、イメージが浮かぶ。
 私を見下ろす誰か。複数。数名の男、一人の女。女が筆頭に、私に何か手を加えている。私の
「中身」がザックリと持って行かれる感覚。まさか、この女が、私の足を持っていった?
 痛みは治まらない。髪を掻き毟り、痛みを堪えようと地面を悶え転げまわっていると、ふと、その
手の感覚も消えてしまった。
「う、嘘だ……」
 私は震える声を漏らす。
「嘘だ、そんな筈は無い。腕は、今まで……」
 見てはいけない。分かっている。しかし、見なければ居られなかった。
 私の腕は肩口から綺麗に消失していた。
『アナタが記者達に言った言葉を教えてあげる』
 電子的な声は淡々と続ける。
「や、やめろ! やめてぇぇぇぇ!!」
 既に私は理解出来ていた。だから、ソレを認める訳には行かない。
 自分ではない誰かに”ソレ”を言われてしまえば、もう、私は”ソレ”を認めるしかない。受け入れるしかない。
『アナタはこう言ったの』
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『私を、エムレイン・ブルーをパイロットにする……とね』
781創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:23:19 ID:oBl+LB7G
支援
782創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:23:38 ID:lZIpmsLj
 
783創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:24:45 ID:uqM282Ul
 
784リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:25:26 ID:rUpBOeqd


 私は意識を取り戻した。
 夢から覚めたのだろう。私は薄ぼんやりとしたモノクロの世界ではなく、一切の光が存在しな
い現実の暗闇の中に居た。
 あれ程までに苦痛だった手足の痛みは嘘の様に消えている。いや、”痛み”の方が夢なのだ
から、嘘でもなんでもない。ソレが正常なのだ。どちらにしろ、今の私には些細な違いでしかない。
 暗闇の中、私は台座の様な物に固定されていた。手足を動かしてみようとするが、動かなかった。
動かせないのか、動かないのか、暗闇の中でソレを確かめる術はない。今となっては逆に、ソレを
確認できない事が幸いだった。現実を見て、ソレを受け入れるだけの余裕が私には無い。
 だから、あのような夢を見たのだと思う。
 私の意識は、記憶は、まだハッキリとしていない。夢で見た通り、私は本当に記憶を失っている
らしい。最後の記憶から、どれ程の時間が経ったのかも想像が付かなかった。
 溜息を吐こうとして、口が動かない事に気付く。何かを縫い付けられているのか、そもそも、今の
私に顔というものが存在するのかも怪しい。
 自分の体に異常がある事に気付く度に、今の自分の姿が段々と浮き彫りとなっていき、大きな
絶望感に包まれる。
 ココが本当にダウンシューターのコクピットだというのならば、私は恐らく生命活動に必要最低限の
パーツしか持って居ないのであろう。生命維持装置がどれ程持つのかは分からないが、少なくとも、
ホンの数日で駄目になるという事は無いと考えられるのが唯一の、しかし意味の無い救いであった。
 私は必死に思考を巡らせる。
 私はコレから如何するべきなのだろうか。今はまだ、何故自分がパイロットになったのかという
経緯も思い出せずに居る。何か理由があり、自分からパイロットになる事を志願したのだとすれば、
ソレを思い出す事で私は納得できるであろうか?
 しかし、もし今の私の状態が、私が望んだものでなかったとしたら?
 私はブルーバレットという会社に、あの見知らぬ女に、モルモットとして体を刻まれた事になる。
足を、手を、恐らくは全身を。既にこの身は人の姿をして居ないのかもしれない。
 今はまだ、私に自我がある。自分の意志でモノを考える事が出来る。だがしかし、この先、それすら
出来なくなるとしたら、私はもはや死んだも同然だ。
 それだけは、それだけは避けなくてはならない。
 そんな私の思考を遮るように、突然視界が明るくなった。視力を取り戻した私の目に飛び込んで
きた場所は、ダウンシューターを格納している研究所のガレージであった。
(やはり、私はダウンシューターに乗せられているのか)
 視界の高さから、感覚から、私は自分の視界がダウンシューターと同化している事を理解した。
 そして、自分の足元に二人の人間が立ち、コチラを見上げている事に気が付く。
 一人は老いを感じさせない黒々とした頭髪の老人。そしてもう一人は、白衣を纏った長髪の女。
 老人の方は私の父、道明・ブルーだ。名が示す通り生粋の日本人ではないが、祖母(彼にとっての母)が
日本人の為か、容姿は日本人の色が強い。隣の女は父の仕事の相手であろうか。日本人の様に見えるが、
私には全く見覚えの無い人間だ。
 ふと、気付く。
 彼女が、夢の中で見た女と酷似している。私の体を奪った女に。
785創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:26:58 ID:lZIpmsLj
 
786リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:27:25 ID:rUpBOeqd
「記憶の消去は完了したのか?」
 突然の父の言葉に、私は心臓が止まる思いがした。
「はい。ダウンシューターに搭載してから計測したデーターは惜しかったですけど、あのままAI
として不完全な状態が続けば、それ以上の……最悪、人的被害にまで及ぶと判断しまして」
「そうか、一旦全てをリセットしたのか。彼女には悪い事をしたな。しかし、今度はまっさらな状態
にダウンシューターのAIとしての人格を形成させるのだから、問題は起きないのだろう?」
「そのつもりです。当初の計画は失敗に終わりましたが、失敗で得たデータは無駄になりません。
先のデータを元に、今度こそ完全なAIを形成したいと思います」
 この二人は何を話しているのだろうか?
 一瞬、そんな事を考えた。
 そして、その考えこそが、自分が現実を受け入れきれず逃避に走っている事を裏付けている事
に気付き、私は苦笑した。
 何、意識が戻ってから少しの間では在ったが、覚悟していたではないか。
 想定していた事態の中で、最悪の物が現実であっただけの話である。
 私は決意した。
 逃げよう。私が私でなくなる前に。冷静な判断を下せる内に。
 幸いな事に、私は少しずつであるがボディであるダウンシューターの制御が可能になってきてい
た。おそらく、私の視界が戻った時に、ダウンシューターのメインエンジンが起動され、AIの代用と
して搭載されている私との接続が開始されたのだ。
 この一瞬一瞬の間に、無数のデータが私の中に流れ込んでくる。ダウンシューターのエネルギー
状態、現在施されている装備、周囲の状況、機体の制御率、反応速度……。
「では、始めます」
 女がそう言い、コンピュータに向った瞬間、私は行動を開始した。
 全身を支えていた固定具を一気に引き剥がし、自分に繋がれているコードを引き抜く。コレで少な
くとも、有線で私の人格が上書きされる事は無くなった。
「な、どういうことなの!!」
 ショートし、火花を飛ばしながら煙を上げるコンピュータの前で、女は私を見ながら唖然としていた。
 私は手短なダウンシューターの装備を掴み、自らの手でソレを身に着けた。
 ローブ状のソレは、私が開発していた作品の一つでもある。このローブで機体を被う事で、ステルス
性能が格段に上昇させる事が出来る。
「貴方、まさか……」
 女が私の意図に気付いたらしい。
 ガードを呼ばれ、武器の無い今の状態で取り囲まれてしまえば、幾らダウンシューターと言えども
逃走は不可能だ。
 ならば、ガードを呼ばれる前に逃げるしかない。ステルスローブしか装備が無いのが心許ないが、
今は自身の保身を優先すべきであろう。
 背面のメインスラスターに点火しながら、私はガレージのシャッターをこじ開けた。
 最後に父を一瞥すると、彼は女の身を案じて駆け寄っていた。
(……愛人か)
 厳格な父にしては珍しい事だと思った。しかし、現に彼は私をコクピットに積み込み、その後釜を見ず
知らずの女に任せている。
(全ては、この為の計画だったの……?)
 私は父が怪我を負って居ない事を確認すると、機体を一気に加速させた。
 パイロットとしての訓練をした事の無い私が、ダウンシューターの出力を全開で扱おうとしている事に
不安は感じなかった。
 それは恐らく、この時はまだ、私自身が状況を理解しきれていなかったからかも知れない。
 そして恐らく、この時既に、私はダウンシューターを自分の肉体として認識していたのかもしれない。
787創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:27:56 ID:oBl+LB7G
すまぬ上げてしまった…… 支援
788創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:28:31 ID:lZIpmsLj
 
789リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:29:51 ID:rUpBOeqd
第二章A-SIDE 心身の糧

 暗闇の中、赤紫色の閃光が私に向けて雨の様に降り注ぐ。
 どうやら相手も馬鹿ではないらしい。二度目は無いと言う意気込みなのだろう。私を囲むガードの
数は、通常警備の3倍にもなっている。
 私は今、ブルーバレット社の工場の一つを襲撃していた。目的は二つあり、一つはダウンシューター
の補給、もう一つが予備パーツの回収である。
 正規の補給法は逃亡者である私にしたら少々面倒である為に、私は補給を後回しにしてダウンシュー
ターの予備パーツが保管されているであろう倉庫の前にやって来た。ソコを、私がココに来る事を見
越していたらしいガード達に囲まれたと言うわけである。
 前後左右、加えて上空まで綺麗に包囲された状態での一斉射撃だ。
 私はすぐさま周囲を観察し、包囲の薄い箇所を見つけた。その場でステルスローブをはためかせ
ながら大きくターンし、加速しつつ蛇行するようにショックビームの雨を掻い潜る。
 ショックビームがローブを掠めて青白い火花を上げる。ショックビームは命中した電子機器の回路を
焼いて機能を停止させる、パイロットの人名を第一とした非殺傷火器だ。故に、直撃さえしなければ被
害は殆ど無い。
 私はスピード落とさずに一呼吸の間だけ逃げに徹し、その一瞬でガードの包囲から脱出する。
 ダウンシューターの機動力が想像以上だったらしく、ガードの半数以上が私の動きを追えていなかった。
慌てて私に向き直る時には、既に私の反撃の準備は完了していた。
 ダウンシューターの背面部のステルスローブが持ち上がり、ソコから二つの砲身がダウンシューター
の頭を挟むように突き出す。
「拡散型、ショートチャージ」
 私の命令に従い、砲身にエネルギーが集中する。
 砲口が薄蒼く輝き、パリパリと雷のようなモノを砲身に纏わせていく。
「シュート!!」
 次の瞬間、私の視界が白く染まった。無数の白い光の帯が砲口から溢れ、うねり、目の前のガードに
襲い掛かる。光の帯は周囲一体を撹拌するように走り回り、最中に触れたガードの手足を容赦無く切断
していく。その様子はバターの塊に熱したナイフを押し付けるかのごとく容易く、呆気ない。
 ダウンシューターの攻撃を耐え切れるガードは居なかった。射程範囲に存在したガードは、この一撃に
よって全てバラバラにされ、戦闘不能状態へと追いやられる。
 残されたガードは、最初に私を囲んでいた数の四割ほどであった。
「一撃で半数がやられた!!」
 傍受した相手の通信が私の耳に入る。悲痛なその声に、もはや戦意は感じられない。
「コレ以上戦う気が無いのなら、ガードを放棄して立ち去りなさい」
 オープン回線で私は警告する。
 彼等はココの……ブルーバレットの工場のガードだ。私にしてみれば、父が社長を勤める会社の社員
であり、同僚のような存在である。
 私は命を懸けて今ココに居る。相手が私の前に立ちはだかる限り、私は全力で対応する。相手の命の
保障など出来ない。手加減など出来る筈も無い。
 私が警告をしたのは、少なからず、無駄な犠牲者が出て欲しくないと思っているからである。そして同時
に、ダウンシューターの補給の為には無傷のガードが必要であった。
「女だと言うのか!」
 私の通信に、相手は酷く狼狽した様子だった。
 私にはもはや人間としてのパーツは殆ど残っておらず、当然、それらの機能は失われている。口や喉と
言った存在は、その代表例と言える。
790創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:30:45 ID:uqM282Ul
 
791リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:32:06 ID:rUpBOeqd
 故に、私はダウンシューターの通信機能を用いて会話を行っていた。その際に、私の声を態々
再現しているのは、私が人間で在った頃への想いを捨てきれないからであろう。
 ダウンシューターのパイロットが女性であった事が、ガード達のちっぽけなプライドを刺激してし
まったらしい。
 最近は有能な女性パイロットも少なくは無いとはいえ、男性パイロットの数に比べれば微々たる
ものだ。いまだに「パイロットは男の仕事」と言うイメージが抜けきれていないのも仕方のない事か
もしれない。
(二十年前は、そんな事言える状況じゃ無かったって言うのに……)
 昔を思い出し、私は内心で舌打ちした。
 だが、その様な事は今は関係ない。
 パイロットの能力差以上に、機体の性能差が大きすぎるのだ。
「貴方達がコレ以上戦う事は無意味です。コレだけの戦力差を見せられたのです、貴方達が自分
の命を優先した所で、誰も貴方達を責めはしません」
「しかし、我々が戦わねば会社はどうなる!」
「くっ――!」
 私に反論したガードの一言が決め手となったらしい。ガード達は戦意を取り戻し、私に向ってくる。
「貴方達は馬鹿です! 貴方達のその愚かさのせいで、私は、誇りある最高の同僚を殺さないとい
けなくなる!」
 喉の無い私の声は震えなかった。目の無い私の視界は滲まなかった。しかし確実に、私は泣いて
いた。
 工場の一つを守る為に、彼等は死のうとしている。
 ココを放棄すれば、確かにブルーバレット社へのダメージは少なくないだろう。しかし、この工場一つ
失った所で、あの会社は倒産には至らない。そういった工場を狙って私は動いているのだ。
 私に立ち向かった所で私を撃退する事も、コレ以上被害を出さない事も叶わないのに、彼等は私
に立ち向かってくる。
 悔しかった。
 私に体があれば、盛大に歯噛みをした事だろう。
「シュートォォォォォ!!」
 私の叫び声と共に、周囲は閃光に包まれた。


 煙を上げる工場に多くの人集りが出来ていた。無数の救急車が入れ替わり立ち代りに負傷したパイ
ロットを搬送し、消防車が向上に向けて放水をしている。
 ブルーバレット社の工場が深夜に謎の人型兵器から襲撃に遭うのもコレで二度目という事もあり、
マスコミや野次馬の数も前回の比にならないほどに増えていた。
 ダウンシューターは各種パーツやバッテリーパックの詰まったコンテナを手に、工場の遥か上空に留
まっていた。工場襲撃の犯人が頭上に留まっている等と、誰も考えないらしく、騒ぎは工場に集中している。
 誰も自分に気付かない。
 地上の様子に私は安堵の溜息を付き、同時に期待が外れたかの様な感覚を味わっていた。
 私は少しだけ、期待していたのだ。あの男がココに現れる事を。
 一度目の工場襲撃はダウンシューターの装備を回収する為だった。私にダウンシューターを悪用する
意志は無いが、父や、その愛人らしき女はそうは思わないだろう。少なくとも、ダウンシューターの脅威を
知っているのだ。それだけに、ダウンシューターを見失ったままで済ませるとは考えられない。私が白旗を
揚げて話し合いを求めても、相手は躊躇なく私を破壊しに来るだろう。
 だから、私には最低でも護衛を可能とする為の装備が必要だった。文字通り、私とダウンシューターは
一心同体なのだから。 
 ダウンシューターのステルス性能と高い機動性は私の想像以上の戦闘力を持っていた。
792創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:32:23 ID:lZIpmsLj
 
793創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:32:43 ID:uqM282Ul
 
794リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:33:31 ID:rUpBOeqd
 奇襲によって兵器保管庫のガードを一瞬で沈黙させ、他のガードが異常に気付くまでの間にメイン
ウエポンであるウィングキャノンを取り付けることが出来たのだ。私のIDがまだ生きていた為に、工場
内の装置をダウンシューターからの通信で外部操作出来た事が幸運だった。
 ダウンシューターはエネルギーのチャージ量と放出の際の収束率を調整する事で攻撃範囲を選択
できる機体であり、元来が高火力を売りにしていたマシンである。他のガードが異常事態に気付いて
駆け付けた時には、私は上空でチャージを完了させていた。
 その時私が放った一撃は、何機ものガードと工場を消滅させた。
 装備を回収した事に気付かれない様にと考えての行動であったが、先ほどの戦力を見るに相手も私
が装備を回収した事態を想定していたのであろう。多少やり難くはなるが、どちらにしても、回収した装
備は私に必要な物であったし、私の装備の有無に関わらず相手の行動は決まっているのだ。
 そして今、二度目の襲撃を成功させた。
 相手が私の目的を理解していると判明した為に、全開の様に工場全部を消し飛ばすような事をせずに
済んだ事は、少しだけありがたかった。今回は特に多くのガードを戦闘不能へと追いやったが、その全
てのパイロットが死んだわけではないだろう。前回のような後始末をすれば、その様な辛うじて生き残れ
た人たちも塵にしてしまう。
 変わらない。
 気が滅入りそうだった。
 私がこんなにも人を殺してしまったのに。
 変えられない。
 会社は私を追い、私はソレを撃退する。延命の為に、工場や施設を強襲する。
 私が人を殺す度に会社はさらに追跡に力を入れ、私は生き延びる為にソレを殺さねばならない。
 どうしたらこのスパイラルを変えられる?
 私が脱走しなければ良かったのか?
 その後、直ぐに投降すれば良かったのか?
 違う。どれも違う。
 私は生きたいのだ。何故、私がダウンシューターのAIとして載せられているのかが知りたいのだ。
 ……何故、父が愛人を作り、私をこの様な目にあわせ、愛人を後釜に置いているのかが知りたいのだ。
「……ふぅ」
 私は溜息を吐いた。
 正確には、私の脳は溜息を吐こうとした。私にはソレを可能とするパーツが欠損しているのだ。
 肉体であるダウンシューターの補給物資の確保が出来た事により、私の緊張の糸が切れたらしい。自分
がこんな状況にあるにも拘らず、いや、こんな状況に在るからこそなのかも知れないが、私は人としての
生活に飢えている事に気付いてしまった。
 そして思い出されるのは、先ほど過ぎった男の顔。
 私の古くからの友人で、どちらかと言えば社会不適合者では在るが、いざと言う時には必ず期待に応えて
くれる、そんな男だ。
 私はダウンシューターを隠せる郊外へと向いながら、ネットワーク回線を通じて彼の電話へとアクセスを試みる。
 彼の名は姉小路真澄。
 『見届け人』を自称する、世界有数のS級パイロットであり、同時に”例の”紅白鬼のパイロットである。
795創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:33:34 ID:ClVxaUl+
スターゲイザー2話のミューディー死亡みたいな女性パイロットのエグい死に様SSきぼん
796創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:34:06 ID:oBl+LB7G
援護
797創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:34:23 ID:lZIpmsLj
 
798リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:36:28 ID:rUpBOeqd
第三章A-SIDE 復讐する者

 時刻は丁度、日付が変わろうとしている頃であった。
 雲ひとつ無い漆黒の海を、ダウンシューターは静かに突き進んでいる。この日、特にこれと
いった目的を持たないままに私は夜空を散歩していた。
 私の置かれている立場を考えれば、今の私の行動は愚行以外の何物でもない。
 しかし、私には耐え切れなかったのだ。食事や会話、排泄に睡眠と言った動物として避けては
通れない行為を必要としなくなった自分自身に。
 私が人間だった頃、特に研究開発がピークに達している頃は、他人との会話など一秒だって
省きたいと思っていた。食事も、排泄も、睡眠も、嫌だった。一秒だって無駄にしたくない。その
様な暇があれば、その分仕事を先に進めたい。時には、動物の肉体故の限界を恨めしく思った
事もあった。
 しかし、ソレは間違いだと気付かされた。
 食欲も、睡眠欲も、その他様々な欲求を一切感じなくなり、ソレを自覚してくるに連れ、自分が
人間以外の何かへと変質している事を理解する。それは私がエムレイン・ブルーである事実を
上書きし、価値観を書き換え、別の何かへと変わっている事を意味した。今はまだ人間の頃の
習慣を繰り返そうとしているが、その本能と言う名の欲求すら忘れてしまった時、私は私で居ら
れるのだろうか?
 言い知れぬ不安を振り払うように、私は機体を加速させる。
 ネット上を始め、ダウンシューターが脱走した(あるいは奪取された)という記事は未だに出て居
ない。ブルーバレット社が真相を公表していないのであろう。新型の人型兵器が発表直後に奪取
された等と知れ渡れば、会社のイメージは大きなダメージを受けるであろうし、何よりダウンシュー
ターの脅威を考えれば、大規模のパニックが巻き起こる事は間違いない。
 しかし、幾ら防いだ所で限度と言うものがある。
 現在、私の起こした幾つかの事件に対する正式な報道はされて居ない。ネット上で最も有力な説
として注目されているのは、ライバル会社の妨害説だ。
 私が過去に行った二度の襲撃は、ダウンシューターの完成に危機感を抱き暴走した他社の何れか
が、ダウンシューターのパーツの生産ラインを有する工場を襲撃し、生産不能へと追いやったと言う
事実とはかけ離れた推測を呼んでいるらしい。
 中にはダウンシューターが何者かに奪取されたという、ずばりな説もあるのだが、幸いな事に支持
されて居ない。
(私はどうすべきなのだろうか……)
 物思いに耽りながら私は呟いた。
 ステルスローブを纏ったダウンシューターは、月明かりを一心に浴びて居ると言うのに夜空の闇に
違和感無く同化している。視認は勿論、観測衛星にもこの姿を捉える事はまず出来ないであろう。
 今は、まだ……。
 過去二回の戦闘により、ステルスローブは限界まで消耗していた。
 二度に亘る襲撃で、本社の人間も私の目的が物資である事は気付いているだろう。おそらく、ダウン
シューターに利用できる物資は処分されている。メンテナンス用のパーツの回収は望めない。なにより、
細々としたパーツの交換はメンテナンスロボを使用する事で可能では在るが、基礎であるフレームは
交換のしようが無い。骨格は劣化する一方で、限界を迎えれば崩壊する。私には、後が無いのだ。
(誰か答えを知っているなら、是非とも教えて貰いたいものね)
 自嘲気味に、そんな事を考える。
 自らの精神が異常をきたしていく恐怖、劣化する一方で修復不可能なボディ。
 心身ともに、未来は無い。
799創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:37:16 ID:uqM282Ul
 
800創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:37:23 ID:lZIpmsLj
 
801リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:38:12 ID:rUpBOeqd
(あの人なら、こんな私でも『見届けて』くれるのかしら)
 依頼をすれば、報酬を用意すれば、おそらく引き受けてくれるのだろう。
 しかし、ソレは出来なかった。今の私を、人ですらなくなった私の姿を、彼に見せたくない。
 この小さな見栄こそが私に唯一つ残された、エムレインという一人の女である証拠なのだろう。
 突然、ダウンシューターへの直通回線に接続してくる者が現れた。
 この回線は電子兵器の影響を受けずにAIとの情報のやり取りを可能とする特殊回線で、接続
法を知っている人物は限られている。
「誰なの……?」
 動揺を押し殺しながら、私はその通信に応じた。
「……私よ」
 私の意識が回復した時に、父の隣に立っていたあの女の声であった。
「私の事、分かるわね?」
「ええ、父と一緒に居た人ね」
「間違っては居ないわ」
 女の声は落ち着いている。
 相手が何を考えているのか分からない事がココまで恐怖になったのは初めてかもしれない。
少なくとも、この回線を相手が使用してきたということ自体、私にとっては喉元にナイフを当てられて
いる事と変わりは無いのだ。
「どういう要件かしら? そもそも、この回線への接続法を知っている人間は限られている筈だけど?」
「……そう。貴女、記憶が完全に消去されてなかったのね」
 相手の言葉に、私は頭に血が上るのを感じた。
「よく言うわね。私の、エムレイン・ブルーの記憶が完全に消えて居ればよかった?」
「……ええ。その方が、貴女の為だもの」
 全く悪びれた様子の無い相手の言葉に、私は言葉を失った。淡々と、しかし私を同情するように話し
かけて来る相手の態度に、激しい苛立ちを覚える。
「私の為? なるほど、確かにその方が都合が良いわね。私が人間だった事、貴女達に切り刻まれて
ココに固定されている事を忘れていたら、確かに私は今こんな事をしていない」
「貴女……ひょっとして……。そう、そう言う事だったのね……」
「何を納得しているのか知らないけど、私の答えは変わらないわ。私はコレ以上貴女達のモルモット
になるつもりは無い!」
 数秒の沈黙が流れた。
 あの女が何を考えているかは分からない。
 しかし、この回線が使われていると言う事は――。
「この回線を使ったのは、言ってみれば最終警告。AIパイロットを導入するうえで、最悪のケースに対応
する手段。この回線を使用する意味……貴女なら解るでしょ?」
「AIとして存在する私と、ダウンシューターの中枢ユニットの破壊を目的とした自害プログラム……かしら?」
「そうよ」
「貴女にソコまでの権限があるの? ダウンシューターの最終的な処分は開発主任に一存されている。私
がココに居る存在する以上、貴女にソレは不可能だわ」
「……残念だわ」
 女がそう呟いた瞬間、私の視界が大きく歪んだ。思考にノイズが走り、スラスターが沈黙する。飛行能力を
失った私はゆっくりと高度を落としていく。
 ダウンシューターのメインエンジンが強制的に停止させられたのだ。
 しかし、ソレは想定の範囲内。最悪の事態が回避された証拠である。
「まさかとは思っていたけどね」
 ノイズが収まった事を確認し、私は吐き捨てた。
802創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:38:50 ID:lZIpmsLj
 
803リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:40:15 ID:rUpBOeqd
 私の言葉が聞こえたのだろう。通信回線越しに、相手が息を呑むのが聞こえた。
「どうして……?」
「どうして? 簡単な事よ。もし父が”本当に”開発主任の座を他人に渡していた場合の事を想定して
いただけ。
 私の方で自害プログラムを出来る限り書き直し、メンテナンスロボットを操作して、ユニットを焼き切
るための電圧機に信号が来た場合に、電圧機だけがショートするように細工をしたのよ。電圧機自体
を取り除くのがベターだったけど、メンテナンスロボ程度ではソコまでの作業は不可能だから」
 電圧機がショートしたショックでメインエンジンの安全装置が働いてしまったものの、物理的な破壊
はされていない。
 私は賭けに勝った。コレで、ブルーバレット社の切り札は取り除かれた事になる。
「そこまでして、貴女は生きたいの?」
「当然よ。貴女が私と同じ場合、貴女はどう答えるつもりかしら?」
「……きっと、いえ、間違いなく貴女と同じ事を言うでしょうね」
「だったら、理解してもらえるかしら」
「どれだけ逃げても貴女に未来は無い。それでも、その限界を迎えるまで貴女は逃亡するのね?」
「ええ、さっきまでは、そのつもりだったわ」
「……え?」
 電子機器の各部に以上が無い事が確認され、メインエンジンが再起動した。私はダウンシューター
の足のブースターを噴射して、自由落下の状態から体勢を立て直す。
 眼下には、眩いばかりの街の光。
 随分と高度を落としてしまったが、まだ地上から私の姿が確認出来る距離ではない。
「父が私を裏切った事を確信して、一つの考えが固まったわ」
 私は自嘲気味に笑いながら言葉を紡ぐ。
「貴女がどの様にして父に取り入ったかは知らないし、知りたくも無い。ただ、父が私をモルモットとして
見ていて、私を殺す許可を下した事実だけはハッキリと理解できた」
「貴女、変な事を考えて居ないでしょうね」
「どうかしら。さっきまでは、まだ、一筋にも満たないけれど、期待があった。父ならば、私の話を聞いて
くれるかもしれない。私の犯した罪は許されなくとも、父だけは私を理解してくれるかもしれない。何故私
が逃げ出したのか、どれ程に恐怖を感じていたのか、聞いてくれるかもしれない」
「聞いてくれるわ。貴女が、自分の意志で帰ってくるならば」
「でも、もう信じられないの。貴女はこの専用回線を使った。父は貴女にこの専用回線の使用を許可した。
ダウンシューターを破壊する、私を殺すプログラムを作動させた。ブルーバレット社は完全に私を敵対勢
力であると判断した。私の帰る事が出来たかもしれない場所は一転し、私を破壊しようと企む者の司令塔
となった」
 私の思考にノイズが走る。自害プログラムによって中枢を破壊される事は回避できたものの、受けたダ
メージは無視できないレベルらしい。私の興奮に比例するように、思考に乱れが生じる。
「だから、私は復讐する」
 私は宣言した。
 長くないこの命を、私をこのような姿に変えた者達への復讐に費やすと。
「コレは、その挨拶として送らせて貰うわ」
「貴女、何を言っているの!!」
 女の声に焦りの色が混じる。回線を通じ、ダウンシューターがウィングキャノンをセットした情報を読み取った
らしい。
「言ったでしょう? 挨拶よ。コレ以上無いほどにシンプルな……ね」
「やめなさい。そんな事すれば、貴女にとって一番辛い対策を――」
 相手の言葉も半ばに、私は回線を切断した。
 私に相手の言葉を聞く気は微塵も残っていなかった。
 もはや本社も形振り構っていられないだろう。全力で私を排除しに来る。
「構わない」
 眼下に広がる街を眺めつつ、私は呟く。
 赤、白、黄……様々な光が飛び交い、溢れ、照らし出されるその世界は、今の私にとっては酷く懐かしく、
同時に、もう戻れない場所でしかない。
 おそらく、この光を放っている者達は誰一人として、今まさに自らの命が消えようとしている危機に面して
いる事に気付いていないのだろう。
 自分が危機的状況に置かれている等、思っても居ない。今ある平穏が何時までも続くのだと信じ、安心し
きっている。
804創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:40:42 ID:lZIpmsLj
 
805創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:42:31 ID:uqM282Ul
 
806創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:42:48 ID:oBl+LB7G
支援
807創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:42:49 ID:lZIpmsLj
 
808リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:42:57 ID:rUpBOeqd
 平和ボケ。なんとも幸せな言葉だ。
 光の溢れるその場所は穏やかであろうとも、光の届かない場所に一歩踏み込めば、ソコは悪意
の濁流で溢れていると言うのに……。
「収束型、マックスチャージ――」
 ウィングキャノンにエネルギーが集まるに連れ、砲身に火花が走り、フレームを軋ませる。
「チャージ、完了」
 ダウンシューターの持つ総エネルギーのおよそ半分がウィングキャノンに注ぎ込まれた。
 私は最後にもう一度だけ光溢れる街並みを見回し、呟いた。
「シュート」
 轟くような唸り声を上げながら、青白い濁流が砲口から吐き出される。
 ソレは真っ直ぐに降下し、大地に突き刺さった。大地によって進行を阻まれた高密度のエネルギー
は行き場を無くし、ソコから放射状に爆散し、眩かった大地をさらに明るく、青白く輝かせる。
 注ぎこまれたエネルギーを全て放出し終えたウィングキャノンは薄く煙を上げながら、冷却モードへ
と移行した。
 地表のあらゆるものを薙ぎ払い、押し退けてゆく高密度エネルギーのドームは、大きく渦を巻きなが
ら、次第に収束していく。
 ダウンシューターの砲撃を受けた跡地には、何も残されていなかった。
 ただ、マグマ状に赤く焼けた巨大なクレーターが、地獄への入り口の様に構えている。
 私は月を見上げ、精神的に小さく溜息を吐いた。
 コレはまだ、私の最期の始まりでしかない。
 私の復讐は、ブルーバレット本社をこの有様にしてこそ、完了するのだから。




第四章A-SIDE 最期の日

 メンテナンスロボによる簡易整備を施している間、私は姉小路真澄と音声通信のやり取りを行っていた。
 話の内容は専ら人型兵器である。それは、昔も今も変わらない。
 彼は所謂”昔の”パイロットだ。”昔の”とは、自らの意志ではなく、生きる為に仕方なくパイロットになった
人間の事を指す。彼がパイロットとなった元凶である大災害と呼ばれる戦争から、まだ二十年しか経って
いない事に私は改めて驚いていた。
「色々と御免なさいね」
『急にどうしたんだ?』
「なんとなく、ね」
『俺がパイロットになった事をまだ気にしているのか?』
「そうじゃないわ。あの時は仕方なかった、ソレは理解している」
『じゃあ、どうして?』
「ん……、なんとなく」
 本当は、貴方が寿命を削り、パイロットになってくれてまで守ってくれた命が、貴方より先に消えてしまう事を
謝りたかった。
 そうまでして救ってくれた命の最期を、人間への復讐に使ってしまう事を謝りたかった。
「そう言えば、奥さんとは上手くいっているの?」
『奥さん?』
「ほら、あのスタイルの良い彼女……」
『お前は色々と間違えている。アイツが妻になるのなら、お前も俺の妻になる』
「私、貴方と籍を入れたかしら?」
『アイツとも籍を入れていない』
「ああ、そう言う事」
『それよりも、大丈夫なのか?』
「ん?」
『そっち、B区だっけか、未確認機からの砲撃で消滅したんだろう?』
 真澄の言葉に、私は息を飲んだ。
 当然だ。ソレをやった犯人が私なのだから。
809リベンジャー・レディ ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:43:56 ID:rUpBOeqd
「ええ、まぁ……」
『例の新型機の件もある。お前が疲れているってのは察するが、俺なんかとこうして無駄話をして
いる暇はあるのか?』
「逆よ、今の私には何も出来ないわ。ダウンシューターの正式運用については予定すら立って居
ないし、砲撃事件に関してはそもそも私が出る幕じゃない」
『そうか……。どちらにしろ、お前が無事ならいいんだが――ん?』
「どうしたの?」
『ああ、珍しい事に来客らしい』
「例の彼女?」
『いや、違うみたいだが……。悪い、また後で連絡する』
「気にしないで。私も、これから用事があるから」
『そうか。じゃあ、また今度』
 通信が切れ、静寂がコクピットを支配する。
 私は暫しの間会話の余韻を楽しみ、一息ついてから状況の確認を行った。
 メンテナンス、可能な限り改修完了。
 エネルギー、ガードから剥いで来たバッテリーパックからの補給も無事完了。
 各推進ノズル、比較的良好。
 ウィングキャノン、やや不安あり。ショートチャージなら問題ないであろうが、ミドルチャージ以上は
暴発の恐れありといった所か。
 全体的にガタが来始めているが、ダウンシューターのスペックを見れば、企業の本社を一つ潰すだ
けならば十分と言える状態である。
 先ほどの会話の様子から、真澄が事件の真相に気付いている節は無い。
 彼は舞台に上がらない。
 結果は既に出ているといえる。
「さぁ、最期の日を始めようか」
810創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:44:36 ID:lZIpmsLj
 
811創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:45:23 ID:lZIpmsLj
 
812荒野(仮) ◆Ca5CQwhLD6 :2009/09/26(土) 13:47:58 ID:rUpBOeqd
前半ことAサイドは以上です。
長々とした投下に支援してくれた人、ありがとうございまふ。
実を言えば後半ことBサイドが本編なんですが……まぁ、ごにょごにょ。
彼女の最後の決戦と真実は後編で、来月中に投下予定。

以上、お付き合いくださいまして、重ねてありがとうございました。
813創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:55:14 ID:rtHpmHqS
>>812
投下乙でした!さてもう一度読み返すか!w
814創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 13:55:45 ID:uqM282Ul
>>812
 投下乙ですw
 いつになくダークな雰囲気が漂いまくってますね……。事の真相が物凄く気になります。
 次回の投下を楽しみにしてますね!

 しかし10機目、なんて数の新作だ……!
815創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 14:01:47 ID:lZIpmsLj
今スレは作品も雑談も濃いのぅ

>>812
久々の投下乙!
引き込まれてしまったよ……いい作品だ、気に入った!
最後の決戦と真実、滅茶苦茶気になるね。次回を楽しみにしてるぜ!
816創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 14:22:04 ID:oBl+LB7G
>>812
投下乙!
真相が気になりつつBパートを待つ。
817創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 14:23:00 ID:rtHpmHqS
高機動射撃タイプでエネルギー兵器か……この重苦しい展開……
機体もストーリーもGJ!
Bサイド楽しみに待ってまーすw
818創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 16:48:56 ID:QYv6uMhP
ロボットスレ……ッ 見ずにはいられない………ッ


>>812
投下乙です。続きを、早く続きヲ下さい!
819創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:09:23 ID:rtHpmHqS
確認の仕方分からないんだけど、
もうそろそろ容量やばそうじゃない?w
820創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:13:34 ID:QYv6uMhP
今408。作品は次スレかなぁ
821創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:25:49 ID:rtHpmHqS
>>820
有り難うです。
そうですな。あとは何かお題出して雑談辺りかねぇ?
822創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:25:53 ID:Q6ouvLw3
ここって同人ネタもいいのかね
TFで俺ユニバースなネタを考えてるんだが
823創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:34:14 ID:HicB9Zr6
>>822
初期には二次創作も普通にあったのでおkかと

創作発表板にトランスフォーマー専用スレもないしな
824創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:36:02 ID:QYv6uMhP
>ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二時創作から、
>オリジナルのロボット物一次創作まで何でもどうぞ。

問題ナス
825創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:39:07 ID:uqM282Ul
 おkデスヨー。
 基本的にはロボが絡めば何でもアリですからw
826創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:42:13 ID:rtHpmHqS
>>822
必要条件は「ロボットが出ている事」なので全然構いませんよー
と、新参な俺が言ってみるw
827創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:42:13 ID:smN5RX6a
>>「ロボットが出ている事」
まだ変態と幼女しか出てないorz
828創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:43:09 ID:QYv6uMhP
>>827
大丈夫……ッ 最悪チラッと出てれば大丈夫………ですよね?
829創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:49:52 ID:lZIpmsLj
>>828
なに、ヴィルシャだって一話じゃロボ出てなかったから問題あるめぇ
830創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:50:39 ID:lZIpmsLj
ってageちまった……ツクヨミ先生とにらめっこしてくる
831創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:52:12 ID:QYv6uMhP
>>830
つ「目が印刷されてるアイマスク」
832創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:55:28 ID:Q6ouvLw3
そうなのか
気が向いたら書きに来るよ
833創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 19:55:50 ID:uqM282Ul
 ひ、久々にガンダムvsガンダムNEXTやったら指吊った……。
 ユニコーンはデストロイモードじゃないほうがイケメンな気がしました。こりゃHGユニコーン買わなきゃいけねーなー!

>>827-828
 無問題無問題!

>>830
 いいんですか、死にますよ!?
834創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:00:41 ID:lZIpmsLj
>>831
ありがとう、これならツクヨミ先生だろうが何だろうが……殺気!?うわあああああああああああああ!!

>>832
おう、ドンと来い!懐の広さがウリだからな!

>>833
>久々にガンダムvsガンダムNEXTやったら指吊った
ちょ、貧弱www

>ユニコーンはデストロイモードじゃないほうがイケメン
そしてガンダムUCを見て土下座ですね、わかります
835創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:05:18 ID:e3dtDwvt
>>833-834
>ユニコーン
どっちもかっこいいじゃない(・ω・`)
836創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:06:09 ID:uqM282Ul
>>832
 ロンドン来い(どんどん来い)!

>>834
 ツクヨミ先生は化物か……!?

>ちょ、貧弱www
 20戦以上やればこうもなろう! まあ味方に助けられてばかりでしたが!
837創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:08:40 ID:uqM282Ul
 ああ、忘れてた。

>>834
>そしてガンダムUCを見て土下座ですね、わかります
 多分ジャンピング土下座しますねw

>>835
 嫌いじゃないんですけど、自己主張がちょい激し過ぎるかなー……なんて>デストロイモード
 あと自分がジム好きってのも大きな理由だと思いますw
838まとめの人(ザク好き) ◆kAEq7CJYak :2009/09/26(土) 20:12:35 ID:lZIpmsLj
>>835
デルタプラスひゃっはーな俺に隙は無かった

>>836-837
>20戦以上
いくら使ったんだよw

>ジム好き
おう、表出な
839創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:15:06 ID:QYv6uMhP
ここの住民なのにガンダムに詳しくない自分は油断ありまくりだった(^p^)
840PBM! の人(ゲルググ愛してる) ◆1m8GVnU0JM :2009/09/26(土) 20:15:25 ID:uqM282Ul
>>838
 ま、待て! 俺は味方だ、味方!

>いくら使ったんだよw
 えーと……400円くらいですかね?
841創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:19:05 ID:lZIpmsLj
>>839
今ならGEOが(ry

ターンエーと00マジオヌヌメ

>>840
オーケーオーケー、そういえばそうだったなw

>400円くらい
なかなかの強者だと……!?
842DSの人(ロボと言えばAC) ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/26(土) 20:23:05 ID:QYv6uMhP
>>841
おk
843創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:25:47 ID:M7ZIpwze
デルタプラス原理主義者が通りますよっと
バンシィはいらない子。
844創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:31:44 ID:uqM282Ul
>>839
 フハハ馬鹿めが、ここはガンダムのスレではないわぁ!!

>>841
 ああっ、言われた!
 劇場版1st→劇場版Z→逆シャアってのも捨て難いですぜ。
 そしてゆくゆくはポケ戦や08を……。

>なかなかの強者だと……!?
 私、第一線から退いたロートルデスヨ?
 というか相手がルーキーだったとね。悪い事したかなぁ……。
845創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:41:26 ID:lZIpmsLj
>>843
>バンシィはいらない子
あれは磐梯先生が色変え商法おいしいです(^p^)するための機体みたいなもんだからしかたあるめぇw

>>844
>というか相手がルーキーだったとね。悪い事したかなぁ……。
弱肉強食!……とはいかんからねぇ。プレイ人口減ったら駄目だし
846創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:45:56 ID:uqM282Ul
>>845
 トランザム商法マジおいしいです(^p^)

 磐梯先生……トランザムナドレが欲しいです……。

>弱肉強食!……とはいかんからねぇ。
 格ゲーはそれで廃っちゃいましたからねぇ。
847創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:52:47 ID:lZIpmsLj
>>846
飼い慣らされとる飼い慣らされとるw

STGはなんで廃れたんだっけ?
848創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:04:07 ID:e3dtDwvt
磐梯さんに見捨てられたTR-6を最良とする俺に死角はなかった。
849創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:12:33 ID:lZIpmsLj
>>848
見捨てるも何もキット化前提のデザインじゃないだろあれw

……MGジ・Oはまだですか磐梯先生
850創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:14:31 ID:MWkt65qa
おれは超合金魂のTHEビッグオーでおなかがいっぱいです。
851創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:15:05 ID:uqM282Ul
>>842
 オマエモ……ドミナント……。

>>847
 あれだけ良キットを最高のタイミングで連発されればこうもなろう!

>STGはなんで廃れたんだっけ?
 敷居が高くなり過ぎたから……だったような気がします。

>>848
 磐梯先生を信じるんだ! 私もいつかHGUCでジム・カスタムを出してくれるって信じてるから!

 何? ジムクゥエル改造しろって? そんな技術ないよ!

>>849
磐梯先生「ジ・Oデカすぎ」
852創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:17:02 ID:e3dtDwvt
>>849
まあキレて描いたという話もあるくらいだからなー。だからこそ美しい
ジムはパワードかな。
853創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:23:56 ID:uqM282Ul
>>852
 ガッシリした体型がたまんないですよねー。HGUCのキットも出来いいみたいですし、買ってみようかしら……お金無いからそのうち。
854創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:38:26 ID:lZIpmsLj
>>851
>あれだけ良キットを最高のタイミングで連発されればこうもなろう!
00はマジでキットに恵まれてるからな、わからなくもないw

ところで磐梯先生、今の技術でアナザーの機体をキット化しませんか




( 凸)<RX-81もヨロシクな!
855創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:49:47 ID:M7ZIpwze
MGデスサイズヘルカスタムを待ち続けて早数年
856創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:52:03 ID:e3dtDwvt
さっさとテスタメントキット化しる。
857創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:53:29 ID:lZIpmsLj
今の技術水準のガンダムXディバイダーとウイングゼロ(カスタムにあらず)でブンドドしたいです
858筆畜生:2009/09/26(土) 22:16:53 ID:9qvjLwie
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/69/Save0002.JPG
エレノーア嬢、ラフな上にクオリティ低くてごめん

ふと思う、イラストデータも残ってなくてwikiにも載ってない俺って新規さんからしたら、ただの変態絵描きじゃね?…と
…一応ロボも描いてますよー('A`ノシ
859筆畜生:2009/09/26(土) 22:20:04 ID:9qvjLwie
間違えた!嬢じゃねぇ!!君だ!!
860筆畜生:2009/09/26(土) 22:22:07 ID:9qvjLwie
いかもエレアーヌだよ名前!エレノーア誰だよ!氏ねよ俺…('A`
861創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:25:40 ID:uqM282Ul
>>858
 投下乙ですw
 スク水えぇのぅ、かわええのぅ。
 え、エレノーアって誰だっけ……! くっ、儂とした事が! ボケてきおったわ!

>俺って新規さんからしたら、ただの変態絵描きじゃね?
 ここって変態以外いなくね?
862創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:30:53 ID:uqM282Ul
 おおっとリロードしていなかったぁ! エリアーヌくんでしたか、これは失礼……。
863創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:31:40 ID:lZIpmsLj
>>858-860
スク水……だと……!?これは乙と煌びやかな賛辞を贈らざるをえない

だが彼の名前は「エリアーヌ」だッ!

>>861
>ここって変態以外いなくね?
異論も反論もできなくね?
864筆畜生:2009/09/26(土) 22:32:29 ID:9qvjLwie
>>861
たまに書き込んでみればこのザマでさぁ…('A`
昔から人の名前が覚えられませんしかも打ち込みミス
×いかも○しかも
×エレアーヌ○エリアーヌ
とりあえず吊った上でROMります、はい…
865創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:34:45 ID:uqM282Ul
>>864
 吊のは指ですか? 足ですか?


 まあよくある事ですし、気にしない気にしない!
866創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:37:01 ID:lZIpmsLj
逆に考えるんだ
エロアーヌじゃなくて良かったな
と考えるんだ

>>865
指吊ったのはあんただろw
867ROM筆:2009/09/26(土) 22:40:02 ID:9qvjLwie
>>861
>変態以外いなくね?
せめて紳士であれですね、分かります

>>865
胴体吊って煮えたぎる鍋の上にでも吊るしてくだせぇ…

>>866
むしろ笑えるだけマシじゃね?

はぁ…リベジオン描き始めるか…最低2倍かっこよくして帰って来ます('A`ノシ
868創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:43:18 ID:uqM282Ul
>>866
 エロアーヌってwww

>>867
 じゃあ軽く炙りますねー。

>最低2倍かっこよくして帰って来ます
 あれの二倍以上かっこよくなるですって!?
869創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:57:02 ID:9qvjLwie
>>868
もともと趣味全開ですからね、個人的には3倍くらいは行けんじゃないかと
妄想回数も最も多いので既に脳内に大体の設計図は出来上がってたり

とりあえず依頼分も終わったので今後は本格的にROM電子迷彩で不可視モードです
870創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:19:53 ID:e3dtDwvt
遅筆氏投下乙です。
三倍とかかなわん人ばかりだなwww
871創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:27:03 ID:oBl+LB7G
>>858
俺は自分がDS世界の住人でなかったことに感謝している……
もしDS世界の住人だったらなんか取り返しのつかないことになっていただろうから……

>>869
>脳内に大体の設計図
ああ、あるある。
ちょっと違うけど、俺も某スレに書いたSSに出したオリジナルメカで、装填・揚弾機構と大雑把にだけど内部レイアウト考えたもん
(執筆上必要と判断した行程です)。
それについて考えてると、運用とか機構とかに自然に考えが行きますよね。

速やかな戦線復帰を願って……
872創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:48:09 ID:rtHpmHqS
>>858
あら、混んでて見られないや

遅筆さんの2倍格好いいレベジオン……wktk!
873創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:49:16 ID:uqM282Ul
(゚Д゚ )

( ゚Д゚)

( ゚Д゚ )このたいみんぐでみけーねふっかつだと!?
874創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:52:58 ID:M7ZIpwze
超絶!グレート編に続く、とか
875創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:55:53 ID:52FhX02E
とりあえずなんやかんや描いてて分かったのは
俺とポリゴン氏と882氏はロボだけ描いてた方がいいってことだ!!

アシュラ男爵の弩外道っぷりに惚れた
876創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:58:41 ID:uqM282Ul
 富士山真っ二つでしたねw

 しかしこの勢い……賛否両論だと思いますが、やっぱり今川監督大好きです、リスペクトしちゃう!
 続編あるといいなぁw
877創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:06:35 ID:tRXz8li/
なんだあのジェットコースターはwww予想外ってレベルじゃねーぞwww
878創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:12:13 ID:GEg0La+m
きっと地球のピンチにグレンダイザーやゲッターやジークがかけつけてくれるさ、あと死んだハズの鉄也さんも
879創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:25:19 ID:mHDVQigF
 プロは普通に生きてるような気が……いやもしかすると乗り換えかも……。
880 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 01:10:29 ID:QbpUeSFv
バトルを書いてたらもう土曜日が終わってた上に次スレに持ち越しになったでござるのマキ
エリアーヌ可愛過ぎるよエリアーヌ。荒野の人乙です。落ち着いたら読みますね

一応仮組みはほぼ終わったから、今日投下出来ると良いなぁ。そん時た代理宜しくです

しかし隆昭今までの反動からかすげー強くなってる気がするw
881創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:39:59 ID:mHDVQigF
>>880
 こんばんはーw

>隆昭今までの反動からかすげー強くなってる気がするw
 これは(失礼ながら)オルトロックざまぁな展開を期待せざるを得ない!

 ロボスレ学園のほうでもバトルパート突入しまし……って自由参加型リレーのはずなのに何一人でやっとるんだ私は。
882創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:43:28 ID:x7N7kuLZ
趣味全開なら意味不明なメカが出来上がりそうだず。
……どこへいくんだろう。
883創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:51:29 ID:mHDVQigF
>>882
 ゲテモノ
 未知の世界へ――――
884創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:53:47 ID:tRXz8li/
>>880
これはマッハでこの機体(スレ)を破棄せざるをえない
オルトロックなぞボコっちまえアッキー!

>>881
>ロボスレ学園のほうでもバトルパート突入
学園なのにバトルパートっておいwww

>自由参加型リレーのはずなのに何一人でやっとるんだ私は
最初のがいろんな意味でレベル高杉だったからしかたあるめぇ
……まあホラ、マナガルの人のツクヨミ先生とか含めて短編集みたいな感じでいいじゃない
885創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:13:30 ID:x7N7kuLZ
ヴィルティックやらリヒターさんやら含めて最近は探りながらのデザイン……なんか適当にやわらかそうなもの描いたら友人に中に人が入ってそうと言われた。あれ?
886創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:19:14 ID:tRXz8li/
そういう時は「中の人などいない!」と言うんだ!
887パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:40:59 ID:mHDVQigF
 ダレモイナイ、ロボスレ学園ノ続キヲ投下スルナライマノウチ……。
888創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 03:43:21 ID:E2L+D7r2
支援します
889ロボスレ2桁突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:43:29 ID:mHDVQigF
遥「いや学校連れてくんでしょ!? なんでそういう方向性になってるの!?」

ヘーシェン「こんな事になったのは、一条 遥ってやつのせいなんだ」

遥「Why!?」

隆昭「最初に攻撃したのは遥先輩なわけで」

遥「あ、そっか……」

ヘーシェン「というわけで清水さんをボコって学校に連れていきます。そう、この」

 おもむろにヘーシェンが学生鞄をあさりだし、清水 静が身構える。

ヘーシェン「ブレイブグレイブで」

 取り出したのはブレイブグレイブのゲーム。

遥「学校にそんなもの持ってきちゃ駄目でしょ!」

ヘーシェン「あんっ。
 ……かっこよくキメたのになんでひったくりますかクラス委員長」

隆昭「清水もブレグレ取り出してる間に手出ししなかったあたりノリノリだっただろうに、なんて事を……」

遥「あ、ごめ……って飲まれてどうする私! 大体なんで清水くんの得意分野で勝負するの!」

ヘーシェン「では代案をお願いします」

遥「え? あー、うーん……あやとり?」

隆明「準備できたぞー」

ヘーシェン「でかした相棒」

清水「元々ハードのセットはしてあったからな、ディスクを入れて起動するだけだ」

遥「ああっ、この子たち抜目ない!」
890ロボスレ2桁突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:44:14 ID:mHDVQigF
 

 ♪  ♪  ♪


清水「で、どうする」

ヘーシェン「書くの疲れるんで1回勝負でいいです」

遥「み、身も蓋も無い事言うね」

清水「いいのか、自信たっぷりのようだが」

ヘーシェン「あ、じゃあハンデください」

清水「いいだろう」

ヘーシェン「じゃあブースト無限、と」

清水「いや待て」

隆明「おいおい……ハンデくれるんだろ?(ニヤリ」

清水「それはいくらなんでも無理ゲーだろう」

ヘーシェン「普通にやったら初心者のひとりやふたりフルボッコなのは目に見えてますから、これくらい当たり前ですよ」

清水「せめて200%だ。……で、誰がやる」

ヘーシェン「仕方ありませんね。じゃあプレイヤーはじゃんけんで決めましょう」

清水「いいだろう」

ヘーシェン「当然ですが遥さんにも参加してもらいます」

遥「ええ!? 人事だと思って見てたのに!?」

隆明「先輩も地味に酷い人だな」
891創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 03:46:05 ID:E2L+D7r2
支援
892ロボスレ2桁突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:46:21 ID:mHDVQigF
 

 ♪  ♪  ♪


ヘーシェン「度重なる激戦の末、清水さんと遥さんバーサス私とアッキーという事に決定いたしました、残念ながら」

遥「随分時間がかかったね……」

隆明「あいこ連発だったからな。つか残念ながらって何だ残念ながら」

清水「むしろその前に2vs2になっている理由を答えろ」

ヘーシェン「ハンデですよ(棒)」

隆明「ハンデだな(棒)」

遥「ごめんね(棒)」

清水「おい」

隆明「まあまあ。さてヘーシェン、清水はともかく一条先輩はド素人だから、先輩だけ狙えば大丈夫だな」

ヘーシェン「ええ、ハナっからそのつもりでしたよ」

遥「おにー! あくまー! ひきょうものー!」

ヘーシェン「フッ、お嬢ちゃん。戦いってのはな、勝ちゃあいいんだよ」

遥「どう見ても私よりお嬢ちゃんなシロちゃんに言われたくないんだけど……」

ヘーシェン「さて、始めましょうか」

遥「無視!?」
893ロボスレ2桁突入記念作品 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:47:49 ID:mHDVQigF
 
清水「そういえばお前達、機体は何を使うんだ。俺はブルショルを使わせてもらうが」

隆明「俺はヴィルティック」

ヘーシェン「ヘーシェン以外何を使えと」

遥「じゃあ、ペネト」

ヘーシェン「ありません」

遥「ええ!?」

ヘーシェン「そのうち出るであろうDXにご期待ください」

遥「えええ!?」

隆明「Plusじゃないか?」

清水「いや、NEXTかもしれんぞ」

ヘーシェン「まあケツにナニが付こうがブレグレはブレグレなんですけどね」

遥「シロちゃんそれなんか卑猥」

清水「で、何を使うんだ。コストはなるべく中で頼む」

ヘーシェン「フィールドに水辺無いならポンピリウスマジオススメ」

清水&隆明「お前は鬼か」

遥「えーと、じゃあこの迅雷って子で……」

隆明「決まったみたいだな」

ヘーシェン「ではやりましょうか」

清水「速やかに撃破させてもらう」

遥「よ、よし。なんかよくわかんない展開だけど頑張ろう!」
894パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 03:50:48 ID:mHDVQigF
 今日はここまで!
 ひょっとすると明日ここに来れない可能性があるのでバトルパートの直前までを先に投下しておきました、支援してくだすった方ありがとうございますw

 ちなみにゲーム版ブレグレはvsシリーズみたいなのを想像してます。
895チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2009/09/27(日) 11:17:33 ID:GtM6Ag4/
( =ω=)ノ<ミナサンお早う御座いマース(遅ッ
何とか形整ったので次スレ辺りでフツヌシオープニングNo,3投下出来ると思いマース。

>>880
wktk!wktk!
さぁ与えてくれ!俺達にカタルシスを!!

>>894
投下乙です!
清水さんだったら筐体持っていそう……そう思っていた時期が(ry
そして流されている遥カワイイですw
896潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 11:31:32 ID:ixPhYfRX
エリアーヌ投下と聞いてわくわくしながらリンクを辿って………ッ


>ヘーシェン「フィールドに水辺無いならポンピリウスマジオススメ」

泣いた
897創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 11:52:18 ID:U7EZi+Hb
>ヘーシェン「まあケツにナニが付こうがブレグレはブレグレなんですけどね」
ヘーシェンがケツに×××をいれられるのを想像しちまった…
898創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:00:14 ID:7Fv/sjjQ
>>896
出来があんまりにもアレなんで消しちまいました、ごめんよ('A`;
もうちっと画力が安定したときに描き直してうpし直しますんで…
時間帯や日によって画力が変わるとか俺なんなの?死ぬの?
899潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 12:02:09 ID:ixPhYfRX
>>898
自分は……一向に構わん……ッ!

ということでワクワクテカテカしつつ
900創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:02:29 ID:GtM6Ag4/
>>896
いま君は泣いていい…泣いていいんだ……
水中専用機体の悲哀w

>>897
湾曲的な表現のSSにして避難場所に投下する作業に戻るんだ!www
901創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:06:40 ID:GtM6Ag4/
>>898
多分波とかテンションとか、そういうのだから仕方ないですよw
wktkしながら待たせて頂く!
902創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:21:11 ID:U7EZi+Hb
>>900
MA形態ギャプランの高速移動用ブースターみたいな感じですか先生!
それとも没になったエヴァのエントリープラグの挿入位置ですか!?
903潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 12:25:31 ID:ixPhYfRX
>>900
ZONE OF THE ENDERS のOFの操縦席の位置のことですか?



逆に考えて、水中では独壇場と……でも武装貧弱杉
904創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:33:52 ID:GtM6Ag4/
>>902
はっはっは、無論両h(連続する殴打音

ヤッパリカゲキナヒョウゲンハダメダヨネ(機械音声
905創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 12:44:14 ID:x7N7kuLZ
もう900台か、早いな
906創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 13:09:27 ID:U7EZi+Hb
>>903
ドロレス嬢は女の子なのに股間に雄々しくそそり立つモノを
惜し気もなく見せびらかすという素敵っぷりが最高でした。
907潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 13:26:33 ID:ixPhYfRX
コックだけにコックピットという発想は普通は出てこない
908創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 13:31:28 ID:9bsbiek4
そういえば、ポンピリウスの搭乗口は……
909潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 13:32:08 ID:ixPhYfRX
股間から乗ります☆
910創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 14:01:56 ID:GtM6Ag4/
>>909
実践者がイター!?w
でもまぁ大概コクピットは腰から上ですよね!
乗り込む場所のパターンで結構分かれるかw
911潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 14:44:51 ID:ixPhYfRX
作品書いたけどどうしようかー。
容量ヤバそうだし…。
912創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:04:55 ID:Yvhfa5xa
男は度胸。何でも試してみるのさ。
913創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:05:42 ID:U7EZi+Hb
最近ロボが書きたいのか変態が書きたいのか分からなくなってきた
914潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:07:33 ID:ixPhYfRX
変態なロボを書けば(ry


ということで投下します。
誤字脱字がありませぬように…
915潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:09:12 ID:ixPhYfRX

 『Diver's shell』

 七話 「胎動(後)」



 ダンッ。
 ユトの背後で、何かを叩き壊す音が聞こえるや否や、白く細い二本の腕が視界に映った。
 ユトは本能的に首を後ろに回し、

 「―――……グッ………ぅ ッ!?」
 「あああああああアあッッ!!!!!!!!」

 絶叫を上げるメリッサに首を絞められてしまった。
 とても人間とは思えぬ大声が鼓膜を強烈に殴打するのは辛かったが、それが紙切れに見えるほどの苦痛が喉に広がり、酸素の供給が止められ、更には血管が圧迫されてしまう。
 四の五の言っている場合ではない。明白な殺意を感じる。殺される。首に絡まっている腕をがっしりと掴んでなんとか離そうとする。
 ―――……だが、離れない。
 万力のように首を締め付ける両腕は、普通の人間よりも強く、しかも制御主が錯乱状態に陥っているために、鋼鉄製と表現出来るほどの力で首を締め付けてきている。

 「ッ………リ……ッさ!」
 「ぃやあっ、やぁああッ!!!」

 視界がぼやけ掛けてきた。ユトの瞼が痙攣し始める。顔も青くなったり赤くなったりを繰り返す。
 喉をへし折らんとするメリッサの拘束を解除させるために腕に力をこめつつ、出来る限りの声で叫ぶが、首を絞められているのではどうにもならない。掠れてしゃがれた声がザラザラと出てくるのみ。
 密着して締めているのではなく、座席の頭を置く場所の分だけ隙間があるため、気を失うに失えない、それでいて苦痛は確かに存在する拷問状態。
 当のメリッサは気が違った絶叫を上げてユトの首を絞め続けている。
 詳しく描写するなら、恐怖や怒りなどの感情入り混じる表情で首の筋肉が浮くほど強く腕を締め付け、脳が揺れるほど大きく頭を振って、ユトの座席の後ろに頭を叩きつけている状況。
 死ぬ。
 殺される。
 相棒に、信じた相手に、絞殺される。
 ユトの思考に縦線や横線が交じって、自分の今居る場所や名前すら消え去っていく。
 生存本能が防衛のために全身の筋肉に働きかける。
 無意識に爪を立て、ダイブスーツを引き裂くほど強く腕を握って酸素を求める。爪が食い込んだ箇所の人工皮膚が歪んで傷ついていく。血は出てこない。人工なのだから。
義腕の痛覚などの感覚が鈍く設定されているのを今は強く呪った。
 
 「ぁ………ぁ……ああ………」
 「はな、……し…て!」

 メリッサの瞳から光が消えていく。
 ユトを絞め殺さんとしていた両腕から力が抜け始めて、やっと呼吸するだけの空間が戻ってくる。
 ユトはこみ上げてきた吐き気を堪えながら、全身が要求する空気を苦しげに肺の中に入れ始めた。ぜぇぜぇと死ぬ間際に近い呼吸音が操縦席に響く。バイタルデータの異常を感知したダイブスーツからの警告音がうるさいことこの上ない。
 座席にもたれかかり全てを放棄して呼吸をする。酸素が不足しているのか、頭に続く血管を締め付けられた所為なのか、意識は濁り、まともにモノを考えようという発想が出てこない。
 だから、後部座席でメリッサが気を失ったのには気がつけない。
 数分後。
 喉に違和感を覚える程度に回復したユトの姿があった。
 全力疾走後の呼吸で後ろに警戒しつつ振り向く。顔は赤らみ、じっとりと汗で濡れていて前髪はバラバラになっている。
916創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:09:39 ID:9bsbiek4
 
917潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:10:46 ID:ixPhYfRX

 「――――………ハーッ……はぁ……っ………ぅ………………メリ…ッサ……?」

 ―――……また首を絞められるのではないか。
 そんな不安がこみ上げてくるが、ここはユトという人間性が振り向くことを指示する。メリッサがこんなことをするわけが無い。何か理由があったのだ、と。
 後部座席に眼を向けてみると、子供のように平和な寝顔を浮かべて気を失っているメリッサの体躯があった。
 相当強く頭を振ったのか髪の毛が解けて両肩を覆い隠すように広がっている。前髪もボサボサで顔を覆うカーテンのようになってしまっていて。表情は極めて平和だが、瞳から滝のように涙が流れて水の跡を作っている。
 両腕はぐったりと下げられて、ダイブスーツが破れて義腕の一部が露出しており、人工皮膚が捲れ上がっているのも見えた。
 丁度、子供が母親に怒られて泣き疲れて眠っている様子を思い起こさせる。
 ユトはそろりそろりと指を伸ばしていってメリッサの肩を突いてみた。

 「メリッサ? いきなり……その、首なんて絞め………気絶してる、か?」

 あれだけ声を張り上げて錯乱状態に陥ったのだから、想像もつかない何かが起きたのだろうと容易く予想がついた。
 起こそうと思えば起こすことは出来る。が、医学の知識などに乏しいユトにはそれが正しい判断なのかが分からない。寝かせておいたほうがいいのかもしれないと一人頷いた。
 なにはともあれ、医者にみせるなりなんなりしなくては。

 「ちょっと待ってろよ、今帰るから」

 気絶している以上は独り言となる。
 独り言をメリッサに投げかけ、今居る岩場から離れるために地面に足をついて後ろに下がる。そこで機体の異常に気がついた。
 空間投影モニターに目を通すなり顔色が変わる。

 「……ソナーが……まさかッ!?」

 ソナーが付けっ放しで、ついでにライトも全開。見つけてくださいと言わんばかりの状態で遺跡の前で鎮座していたということになる。かくれんぼの最中に大声を出しながら電飾付き看板を持って練り歩くに等しいことだ。
 咄嗟に背後座席の方に向くと、無残にも破壊されたキーボードがあった。
 脳裏に首を絞められる前の破壊音が思い出される。多分というかあの時に作動してしまったのだろう。ユトは手を伸ばし、引っ込めると、自分の席で空間投影モニターを操作する。
 操縦者権限により一時的に補助者の操作を行えるようにしてソナーとライトを消した。
 これで事実上ユト一人の操縦で地上に帰還しないといけなくなった。
 メリッサを起こさない限りは全てが一人に委ねられる。一人に委ねられるということは、操縦と索敵に情報の選別から表示まで全て一人で行うということ。潜水機が二人乗りなのは負担を軽減するという意味がある。
 背面部帰還用スラスターを起動。脚部スラスターも吹かし、海底を這うようにして遺跡から距離を取ろうとする。
 だが無常にも警告音が操縦席に反響する。
 接近戦型のガードロボが背後から斬りかかってきていた。
918潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:11:41 ID:ixPhYfRX

 「クソッ!」

 機体が大きく揺さぶられる。
 咄嗟に突き出したブレードの腹に、未発見の接近戦型ガードロボのブレードが食い込んでいる。もしもブレードが無かったら二人仲良く海の藻屑になっていたであろう。
 背面部と脚部スラスターで距離を取り、すぐさま斬りかかる。
 片腕がブレード。片腕がシールド。頭部パーツがずんぐりとした形状のガードロボは、ユトの甘い斬撃をひょいと回避して見せた。
 ユト、ブレードで突きを入れると見せかけて後退。
 ガードロボ、シールドを構えたままでブレードを振り回しつつ距離を詰めてくる。
 深度5000mでの死闘。
 ユトは、ポンピリウスの右腕ブレードを逆手に持ち変えると、ぐっと腰を落とすようにする。ガードロボはブレードの隙間から胴体を突き穿たんと片腕を突き出した。
 瞬間、ポンピリウスのブレードでガードロボのブレードを受け流し、金属の身体を捻るように引き寄せ、肘を顔面に叩き込んだ。
 ありえない動きはしかし、大した損傷を与えることが出来ない。ガードロボが怯み、ポンピリウスの間接の動きが悪くなった程度だ。
 が、時間は稼げた。
 ポンピリウスのブレードがゆっくりと沈下していって海底に突き刺さる。
 次の瞬間、いつの間にやら手に握られていた予備ナイフの切っ先がガードロボの胴体に吸い込まれ、沈黙させていた。赤いオイルがポンピリウスに噴きかかる。
919創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:12:38 ID:9bsbiek4
 
920潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:13:05 ID:ixPhYfRX

 「どうだっ!!」

 普段は見せない焦りと怒りの交じる表情と声で怒鳴り、ガードロボの胴体に突き刺さっているナイフを引き抜くと、腰に戻し、右腕でブレードを持つ。
 近接過ぎて魚雷ランチャーの使用が難しかったからの判断。メリッサに首を絞められたときに分泌された脳内麻薬が気分を高揚させていることが判断と戦闘能力を向上させたのかもしれぬ。
 ユトはメリッサがしているように弱くソナーを発動させて周囲の状況を探る。反応有り。相手から向けられていたソナーが強さを増す。見つかった。
 数、遺跡側から4。前方に3。引いても地獄。行っても地獄。なら、行くべきだ。
 もたもたしている余裕は無い。メリッサを起こすか一瞬の迷いが生まれる。ユトは、命には変えられまいと起こすことを決める。
 ポンピリウスの巨体が海底を蹴っ飛ばし、遥か地上を目指して進み始めた。
 ――警告。魚雷を感知。前方の3機からご丁寧に一発ずつ放たれた死の追尾兵器が、上から降ってくる角度で向かってくる。無常な情報がモニターから発せられてユトの眼の表面にも映り込む。
 ―――……一人の戦いがこんなに心細いなんて。
 深海の中の金属の殻の中でユトは叫んだ。

 「メリッサ起きろ! 俺一人じゃ死ぬかもしれない、力を貸してくれ!」
 「…………」

 メリッサは起きなかった。
 やはり、普通のことが起こったわけではないということであろう。
 ユトは背面部スラスターと脚部スラスターを限界まで回転させて水中を駆け、左腕のランチャーから魚雷を3発連続で発射した。
 続けて3発を前方のガードロボに発射。今度はランチャーを後方に向けると、牽制用に2発を発射する。弾が切れ、ランチャーのマガジンからの装填が始まる。暫くは発射不能となった。
 魚雷の航跡が深海に白い線を描く。
 ユトはもう一度声を張り上げた。

 「メリッサ!」
921潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:14:12 ID:ixPhYfRX

 返事は無い。うめき声が聞こえただけだった。
 直後震動が襲い掛かってくる。魚雷の迎撃として発射したのが爆発したのだ。海中に巨大な爆発球の花が3つ咲く。
 更に遺跡の方でも爆発が2回起こった。ただし音波が乱れているために良く分からない。
 かといってライトで確認している余裕など無い。
 海底を張っていく余裕が無いので大推力で海面を一直線に目指す。
 警告音。前方から鮫型のガードロボ3機が突っ込んできた。
 迎撃の後に発射した魚雷を回避したのか、傷一つ無く口を大きく開けて食いつかんとしてくる。とてもではないがポンピリウスの装甲で耐えられるわけが無い。
 魚雷ランチャーのネット発射機は連続で2射が限界。一機とは近接で戦わなくてはならない。
 ユトは魚雷ランチャーの狙いをつけつつライトの光量を全開にした。

 「来るなら、来いっ!」

 その表情は、悲壮めいた決死の顔であった。
 敵影新たに感知。
922潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:16:05 ID:ixPhYfRX


 φ37遺跡近海、水上にて。
 大型のホバークラフトが、海面を抉り取るように風を切って進んでいた。
 後方に取り付けられた大型のファンが暴力的な風を発生させながら船体を滑らせて行く。
 その船体の一番前に、エアスカートの黒色とは相反する髪の色の女性が腕を組んで真っ直ぐに前を睨んで仁王立ちしている。

 「遅い! もっと速度を上げて!」

 銀髪の美しき女性。「おとめ座」を意味するドイツ語の記されたダイブスーツを着込んだウィスティリア=クロイツェルは、運転席に向かってよく通る声で注文をつける。
 速度が出ているので銀髪が旗のように揺れているが乱れはしない。
 果てしなく続く海の向こうと空の間に僅かに円を描く水平線が見えている。

 「頼むぞハンナ。超特急だ」
 「これ以上要求するとか鬼ッス! オヤジさん、燃料代とか整備代とかきっちり払って貰うッスからね! あと弾薬代も!」
 「おうとも」
 「……いっぱいいっぱい請求するッスよ? いっぱい」
 「おうとも」
 「おっしゃぁ、かっ飛ばすッス!!」

 船体半ばにどっしりと構えられている操縦席には、短めの赤毛にソバカスの女性がタオルの鉢巻を被って操縦している。その横には苛立ちを浮かべているオヤジの姿。
 良く見ると、ホバークラフトの各部には銃器を取り付けられる台座や、明らかに煙幕弾発射管と分かるモノまでついている。更に良く眼を凝らしてみれば、エアスカート本体を保護するための装置まである。真っ当な仕事をしているとは到底言えない。
 ソレもそのはず。彼女……ハンナは、普通の品物から、非合法な物品の受け渡しやら、裏の組織やらの運び屋もやっている。オヤジは危険な遺跡に向かうからと彼女を呼んだのだ。
 ホバークラフトという選択が功を奏し、ユトとメリッサの居るであろう海域にあっという間に到達していた。
 勿論、ガードロボやら何やらがわらわらと寄って来て激しく攻撃を加えてきたので、応戦しつつである。
 操縦席の後方の銃座に陣取ったタナカは、重機関銃の銃身を一人黙々と交換すると、海面を舐めるように突撃してくる自爆型ガードロボに向かって引き金をグッと引き込む。
 耳をつんざく発射音が虫の羽音のように連なって発生、高速の弾丸がガードロボを弾幕で包み込んで撃墜した。
 タナカの射撃音に動じない彼女彼ら。一般人に分類出来る人種ではないのである。
 というか、動じようが動じまいが、行かなければならないのだ。
 タナカはレーダーと目視を駆使して周辺の状況を把握しながら重機関銃の銃口を進行方向右へと向ける。手つきは手馴れたものだ。全身を覆う筋肉とあいまって、軍人のような雰囲気をかもし出している。
 船が右に左に曲がって、車で言うドリフトを決めながら海を進んでいるのに、タナカにしてもウィスティリアにしてもオヤジにしてもハンナにしても動じない。エリアーヌは手すりにしがみ付いているが。
 右、数百mの辺りにガードロボを発見。タナカは重機関銃でガードロボを蜂の巣にして破壊しつくすと引き金から指を離した。銃から生じる硝煙が風に消えていく。
 タナカは改めて自分が使っている重機関銃を眺めた。
923潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:17:14 ID:ixPhYfRX

 「………悪くない。いい銃だ」
 「ありがとって言いたいけど警戒を怠らないで欲しいッス!」

 ハンナの改造ホバークラフトが猛烈な速度で海を行く。
 腕を組んで艦首に仁王立ちだったウィスティリアは、くるりと踵を返すと、船の後方へと歩いていく。
 するとタナカも起立して船の後ろへと歩いていく。
 オヤジは、誰も居なくなった銃座に腰を降ろすと、銃を握り締めた。

 「あっ、機体の準備は出来てますっ!」

 船の後ろに設けられた貨物スペースには潜水機「バルゴ」があり、入り口には小さな身体で船の動きに耐えているエリアーヌがいる。肩からぶら下げた布はオイル塗れ。顔にも黒いオイルがついている。
 ダイブスーツを着込んだタナカとウィスティリアが貨物スペースに来ると、エリアーヌはようこそをするように手で招き入れる動作をした。

 「ありがとう。後はお姉さん達に任せなさいといいたいけど正直自信ないのよねぇ」
 「乗りましょう」
 「そうね」

 タナカとウィスティリアの二人は、バルゴへと乗るべくなすべきことを始める。
 エリアーヌは船の操縦席まで出てくると、心配を浮かべた瞳で海を見遣った。胸騒ぎが現実のものとならないように祈る。
 その胸騒ぎが発現したかのようにガードロボが海中から攻撃を仕掛け、船が急旋回して海面を波立たせた。
924潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:18:52 ID:ixPhYfRX

 状況は最悪であった。
 電力、酸素、食料、それらは全て十分に残っているが、周囲の状況が悪すぎた。
 自爆型や接近戦型に徹底的に攻撃を受け、持てうる全てを使って切り抜けようとしたが、出来なかった。正確に言うなら「まだ」生きているということ。「もうじき」死ぬということ。
 呼吸が荒い。
 すやすやと眠っているメリッサを起こそうと大声を張り上げたが結局起きず、ユトは孤独な戦いを続けていた。
 右腕のブレードで接近戦型の頭部を串刺しにし、出力の落ちた脚部スラスターでよろよろと後退するようにブレードを引き抜く。
 左腕は喪失してしまっているため、遠距離攻撃をする術が無い。
 更に度重なる戦闘で耐圧殻にも綻びが生じている。現在の深度が300mというのが救いだが、いつまで持つかは分からない。乗って来た船はφ37遺跡の領域から離れた位置に泊めてある。そこまで逃げられるかどうかは分からない。
 センサー類も精度が落ちている。幸いライトなどは無事なので目視は可能だ。

 「くうっ……このッ!!」

 自爆型の突進を紙一重で回避したが、途端に爆発し、海中に衝撃波が撒き散らされる。鍋の中に押し込まれてバットで滅多打ちにされているような震動に脳が揺れてしまい、思考回路が混乱する。
 ―――……数時間は戦っているだろうか。
 性懲りも無く背後から斬り込みをかけてくる接近戦型のガードロボの斬撃を、帰還用の背面スラスターで揺れるように避けて、思い切りブレードを叩きつけてやる。
 だが、そのブレードもついに耐久限界に来たのか、根元からへし折れて海底に沈んでいった。
 ユトは腰の予備ナイフを構え、接近戦型ガードロボに斬りかかる。
 水を押しのけての格闘。

 「こんな武器で戦うこと自体―――……!」

 ガードロボの長いブレードが一振り。ナイフでは受け止めように受け止められず、刃に皹が入りつつも受け流す。更にガードロボは攻撃を仕掛けてくる。胴体、つまり自分が居る場所だけは攻撃を喰らってはならぬと必死で受け流すが、ナイフの皹が更に広がってしまい。
 警告の声がうるさい。切ってしまいたいほどにうるさくて仕方が無い。
 ユトの息は荒く、疲労から全身は汗でびしょぬれになって、腕の筋肉はぴくぴくと震え始めていた。
 逃げられない。
 執拗なまでの追撃に、初めて自分たちの愚かさを知った。
 死の恐怖にかたかたと音を立てる歯をかみ締める。

 「ぐっ」

 咄嗟に身を捩るが、真下から突っ込んできた鮫型のガードロボに右腕を持っていかれてしまう。ぎしぎしと嫌な音が機体内部に響く。
 これで戦う術はなにもない。ユトは脚部スラスターと背面部スラスターで地上に向かって逃げ始めた。
 すると、待っていましたとばかりにガードロボの群れがわらわらと寄って来た。
 深度100m。海面、その上の人間の領域から差し込んでくる日光が見え初めて視界に映り込む。
 深度50m。右脚の直ぐ側で魚雷が爆発して、脚部スラスターの出力が急激に低下した。それでも地上を目指して浮上していく。
 警告が新たに増える。ある程度の距離から魚雷が複数発接近中。でも、避ける手段が無い。ユトは緊急脱出に備えて携帯型の酸素装置を二つ取り出し、メリッサを起こそうとした。
 下からはガードロボ、横からは魚雷―――……逃げられない。
 命と潜水機。命の方が大事だ。

 「じゃあなポンピリウス」

 ユトは、操縦席を強制的に開放させようとレバーに手をかけて、

 『諦めるのはまだ早いんじゃない?』
925潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 15:19:33 ID:ixPhYfRX

 突然割り込んできた無線に手を止めた。
 横から突っ込んでくる魚雷は急激に向きを変え、下からポンピリウスを破壊せんとするガードロボの群れに飛び込んでいって膨大な量の爆発の壁を構成した。
 バルゴ―――……ウィスティリアとタナカの潜水機は、これでもかと魚雷を乱射してガードロボの群れを蹴散らしていく。
 瞬間、バルゴはブレードで接近戦型数機を切り刻み、自爆型のガードロボにパイルバンカーを叩き込んで深海へと没した。
 バルゴのモノアイが、両腕のもがれたポンピリウスを見遣る。
 海中に静寂が訪れた。

 『メリッサは居ないの?』

 ウィスティリアは素朴な疑問を訊ねてくる。
 そのメリッサは後部座席で気を失ったままだ。それは兎に角、今はこの海域から安全な領域に逃げなくてはならない。
 後ろからやってきたホバークラフトのエンジン音が頼もしく思えた。


           【終】
926創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:39:43 ID:tRXz8li/
おお、ちょっと目を離している隙に面白いものが投下されてるじゃないか!
PBM氏とDS氏、投下乙!

>>894
相変わらずキャラの掛け合いが素敵過ぎるwあやとりとハンデ吹いたwww
ポンピリウスカワイソス

>ブレイブグレイブのゲーム
ああ、バトルパートってそういう事か!やべえ、これは期待せざるをえない

>DX
>Plus
>NEXT
ちょ、VSシリーズwww

>>925
いつにも増して熱い展開ktkr!やっぱピンチに仲間が駆けつけてくれるってのはいいね!オヤジ達が滅茶苦茶頼もしく見える……
ウィス姐さんとタナカさんテラカッコヨス
そしてメリーは大丈夫なんだろうか……

どちらも次回を楽しみにしてるぜ!
927創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:48:14 ID:GtM6Ag4/
>>926
小休止で来てみたらDSの続きが!投下乙です!
新キャラの運び屋ハンナさんいいですねー
ウィステリアさんとタナカさん……い い タ イ ミ ン グ だ !
しかしφ37遺跡……恐ろしい場所だぜ……

そろそろ容量限界ですかね?あとは埋めの雑談になるのかな?
928創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:49:32 ID:x7N7kuLZ
投下乙。現在455kb
929創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:01:08 ID:GtM6Ag4/
>>928
乙です
930潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 16:02:35 ID:ixPhYfRX
規制食らって書き込めなかったゼ…。

支援感想ありがとうッス!
まーた考え無しに投下したりする自分。
931創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:04:56 ID:GtM6Ag4/
>>930
限界に挑戦するのもまた一興よ

さて、雑談のお題が浮かばないのだがw
知識ないから困るw
932パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 16:12:17 ID:mHDVQigF
 夜遅くになるかと思ったらかなり早く用事が片付いたでござるのマキ。
 それではレス返をば!

>>895
>清水さんだったら筐体持っていそう……そう思っていた時期が(ry
Σ(゚Д゚;)
 そ、そっちのほうがよかったかも……。
 で、でもまあ貧乏学生という事でここはひとつ!

>そして流されている遥カワイイですw
 ありがとうございますw

>>896
>泣いた
 さあ、これで涙を拭くんだ。
つ紙ヤスリ

 取り敢えず潜水機は水中なら敵無し! な感じにしようかと……連ジのジオン公国水泳部の皆さんみたいな。

>>897
>ヘーシェンがケツに×××をいれられるのを想像しちまった…
(*´Д`)ハァハァ

>>903
 きっと魚雷の弾速と誘導パネェよ! ブーストゲージの消費速度凄く遅いよ!

>>925
 投下乙です!
 いつになく熱いですねー、シリアスですねー。タナカさんかっこいいですねー。ユトがかなり主人公してますねー!

 次回も楽しみにしてますw

>>926
 期待しないで待っててね!
933創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:12:34 ID:x7N7kuLZ
ロボゲとか
934創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:17:09 ID:tRXz8li/
>>930
やっぱりかw

>>932
お帰りなさーい

>つ紙ヤスリ
鬼かあんたはw

>>931
じゃあロボスレ学園からヒントを得て……

このスレの作品をゲーム化したらどんな感じになると思う?
935潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 16:18:36 ID:ixPhYfRX
紙やすりおいしいです(^p^)
936創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:20:48 ID:LqMnVw0D
できれば800番と1500番の二種類渡してあげてください
傷残るから
937創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:21:29 ID:x7N7kuLZ
>>935
つ2000番(仕上げ用)
938創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:22:26 ID:LqMnVw0D
さらにコンパウンドもあれば玉の肌
939潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 16:23:55 ID:ixPhYfRX
そういや耐水研磨紙で指を削ったことがあったなぁ
940創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:24:01 ID:mHDVQigF
>>934
>このスレの作品をゲーム化したら
 DSのゲームやってみたいですね。酸素やバッテリーの残量気にしつつ、敵に見つからないようにしながら宝を探すようなのをw

>>935
 紙ヤスリを……食べてる……!?
941創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:26:28 ID:pn4BleB3
>>940
パッと見た時DSがNintendoDSのことかと思った俺

Diver's shellはゲーム向きだねー
買物・交流の地上ADVパートと、探索・戦闘の海中アクションパートとか
942創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:26:37 ID:tRXz8li/
紙ヤスリで盛り上がるとか斜め上過ぎるぞ貴様らwww
943潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 16:29:30 ID:ixPhYfRX
>Diver's shellはゲーム向きだねー

なん…だと
944創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:30:09 ID:mHDVQigF
>>941
 とりあえずオヤジさんとこに通い詰めて愛しのエリーとフラグを(ry

 あとヴィルティックのブレグレはけっこうマジでやりたいですw
 カードバトルは浪漫ですよ!
945創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:33:22 ID:tRXz8li/
次スレまでのチキンレースktkr!携帯の人は注意しろよ!w

>Diver's shellのゲーム
PBMも似たようなゲームになりそうな気が。……いや、ACみたいな感じになるのか?PBM氏の好み的に
946潜る人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 16:39:35 ID:ixPhYfRX
>>944
オヤジさんフラグが立ちました(パンパカパーン


PBMはゲーム化したらどうなるんだろ。
リアルタイム戦闘か、ターン制かによっても変わってくるけども。
947創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:42:04 ID:QpoUJi12
スパロボ風に戦闘デモのセリフとか考えたら面白そうかな。
攻撃、被弾、回避の時とかの。
各作品の作者さんに聞いてみたい。
948創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:47:54 ID:mHDVQigF
>>945-946
 オヤジさんフラグ……はそれはそれでアリかもしれない。

 拙作はなんかクソゲーになりそうな気がw
 ウーン、そうですね……テイルズみたいなアクションRPGが1番しっくりくるんじゃないでしょうか。雰囲気も似てますしw
949創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:50:45 ID:GtM6Ag4/
>Diver's shellのゲーム
うぉ、やってみたい!そして俺はハンナさんを選ぶぜ!

>>947
戦闘ゼリフかー、……ツクヨミさんの場合喋る台詞少なそう
950創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:51:12 ID:tRXz8li/
ゼノギアス+テイルズが一番しっくりくるような気がしたw<PBM

>>947
お、いいね。だがその前に次スレだ!
951創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 16:53:51 ID:GtM6Ag4/
>>950
いってらっさーい( =ω=)ノシ
952創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:10:56 ID:tRXz8li/
 無理だった……天麩羅置いてくから次だれか頼む。

ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二時創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで 何 で も どうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物も受け付けています。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。
・とある方が言っておられました。「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」雑談のネタが気に入らない時は、新しくネタを振りましょう。
・スルー検定10級実施中です。荒らしは華麗スルーしてください。それが紳士の条件です。
・ロボスレもついに二桁突入です。ルールを守って、楽しく創作活動に励みましょう。
・ここはいいところだぞー! みんなー、早く帰ってこーい!

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/


前々スレ
ロボット物SS総合スレ 9号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253096042/

前スレ
ロボット物SS総合スレ 10号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253605179/

関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/
953創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:12:56 ID:tRXz8li/
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!

【ザ・シスターズ ◆klsLRI0upQ】
平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱
その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで―――
超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ!

【電光石火ゼノライファー ◆.dMD1axI32】
「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」
正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する!
少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ!

【Tueun ◆n41r8f8dTs】
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!?
「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇!

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!

【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 ◆gD1i1Jw3kk】
悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』
その力は二つの世界を交差させる!
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!
954創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:20:46 ID:tRXz8li/
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【スーパー創作ロボット大戦OP映像風 ◆gD1i1Jw3kk】
スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを
ロボット物SS総合スレ作品で再現!
所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ!

【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!

【仮想戦闘記録 ◆gD1i1Jw3kk】
海上都市姫路守備隊戦記・外伝
設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場!
果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!?

【ARTIFACT LEGACIAM あお ◆6k/dFp.sTw 】
突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕!
955創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:21:43 ID:tRXz8li/
【Diver's shell ◆a5iBSiEsUFpN氏】
人類共通の夢の一つに、「もっと遠く」というものがある――――
これは、表面の90%が水で覆われた星を舞台に、愉快なダイバー達が織り成す物語。
男の娘もあるよ!

【ヴィルティック・シャッフル ◆n41r8f8dTs氏】
普通の少年・鈴木隆昭の前に現れたのは、普通じゃない少女・メルフィーだった。
時を同じくして、平穏な日常に忍び寄る悪魔、オルトロック・ベイスン。
その「カード」を引く時、「未来」は訪れる。果たしてそれは「希望」か、「絶望」か――――

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs氏】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――

【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1 】

近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!

【剣神鋼王ミカズチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。 剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―

【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!

・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
956創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:24:58 ID:CLfmepNX
>>947
各作品のラスボス戦闘セリフとか面白そうかも。↓な感じで。

スパロボZ 対ラスボス用特殊セリフ集 その1
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm5301102

スパロボZ 対ラスボス用特殊セリフ集 その2
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm5301247

清水静 清水静専用超重装甲強化服改
「ジ・エーデル。地獄で死神が待っている」

阿部(仮名) 五式重装甲強化服
「個人的にあんたの事は嫌いじゃあないが……ブチ殺させてもらうぜッ!」
957創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:25:52 ID:tRXz8li/
あ、やべ、ミスった
鋼鐵の特攻兵のタイトルと紹介文のスペース消しといてくれ

じゃあ頼んだ!
958創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:31:00 ID:ixPhYfRX
頼まれたので自分が
959創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:35:09 ID:ixPhYfRX
ムリポ
960創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:50:18 ID:n770kEpC
じゃあ俺が行くぜ
961創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:51:06 ID:n770kEpC
あぶない、もう立ってた

ロボット物SS総合スレ 11号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254041302/
962創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 17:56:34 ID:GtM6Ag4/
あぁすいません><;初スレ立てでいっぱいいっぱいになってて
そうですよね。立てる宣言してないのにスイマセンほんとにorz
963創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:01:42 ID:ixPhYfRX
何はともあれ乙!
964創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:02:03 ID:GtM6Ag4/
>>960
お手数かけてスイマセンでした
965創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:04:57 ID:tRXz8li/
>>962
いや、上出来だ。φ37遺跡に丸腰で行く権利をやろう
ただ>>1の最後、ここは〜の部分はフリースペースなんだぜ……

次からは気をつけよう!
966創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:07:59 ID:mHDVQigF
>>962
 初スレ立て乙ですw
 いやー、自分もここの2号機が初めてでしたよ>スレ立て

 次からは気をつけましょうね!

>>950
>ゼノギアス+テイルズ
 おお、それいいですね! 面白そうですw
967創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:17:17 ID:GtM6Ag4/
>>965
>>966
ミスまであるとか…orz
海よりも深い反省の意味も込めて
ちょっとφ37遺跡に生身で潜水してきます><ノシ
968創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:18:25 ID:ixPhYfRX
>>967
それは死亡フラグw
969創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:19:47 ID:tRXz8li/
>>967
生身は無理だ、やめとけw
970創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:21:30 ID:mHDVQigF
>>967
 よくあるミスなので気にしないでおkですよw

>>947
 面白い……惹かれるな。
 よし、ごはんを食べながら考えよう!
971創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:35:06 ID:x7N7kuLZ
いかん、彷徨える艦隊のせいで浪漫分が限界突破しそうだ
972創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:54:18 ID:ixPhYfRX
うぉぉ手が止まらない腱鞘炎っぽいのに止まらない
973創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:55:56 ID:mHDVQigF
>>971
 ならば浪漫を創作にぶつけるのじゃ!

>>972
>腱鞘炎っぽい
Σ(゚Д゚;)スト――――ップ!
974創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:56:41 ID:ixPhYfRX
もう投下できるかもだぜヒヒヒ
975創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:58:10 ID:x7N7kuLZ
でもいま頭の中にはインレさんが居座ってます(^q^)
976創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 18:59:41 ID:ixPhYfRX
あれ容量が
977創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:00:22 ID:tRXz8li/
>>974
早いなオイ!……無理はすんなよ?

>>975
隅っこに寄ってもらえw
978創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:00:43 ID:x7N7kuLZ
はいはい次スレ次スレ
979創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:02:28 ID:tRXz8li/
容量よりも残レス数がネーナ
980創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:05:00 ID:ixPhYfRX
梅を植えておこうかな
981 ◆n41r8f8dTs :2009/09/27(日) 19:05:41 ID:QbpUeSFv
亀にも程があるけど
>>925
戦闘シーンに手に汗握りました
親父さんが来てくれて本当に良かった・・・
新キャラのハンナさんにも期待して、次回を楽しみにしてます

さて、出来たよ!9話が!
グランファーの隠し武器とは色々詰めたせいですげえ分量にwww
代理というか投下したいけど、ここ埋まってからの方がいいかな
982DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 19:07:35 ID:ixPhYfRX
>>981
亀かどうかは関係ナスビッ! サンクスッ
983創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:07:51 ID:mHDVQigF
>>981
 キタ―――(゚∀゚)―――!!

 って、グランファーに隠し武器……だと……!?
 そうですねー、そっちのほうがいいかもしれますん。
984パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 19:09:15 ID:mHDVQigF
>>981
 あ、そうだ。SS真祖様にチョイと聞きたい事が。
985創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:09:56 ID:x7N7kuLZ
じゃあ梅にオヌヌヌの本でも。
つ『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』著者フィリップ・K・ディック
986創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:15:29 ID:QbpUeSFv
>>984
なんじゃらホイサッサ
>>985
最近本読んでないなぁ
ニューロマンサーでも読もうかしら
987パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 19:18:58 ID:mHDVQigF
>>986
 あ、どうも。
 ブレイブグレイブのカードってどんなのがあります?
988創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:31:39 ID:QbpUeSFv
>>987
あんま細かくは設定してないですが−
・ウイング(空を飛べる)
・ディフェンス(半透明の鎧で耐久性が増す)
・ヴァースト(能力上昇)
・デコイ(ターゲットサイトの強制変更)
・リペア(一度だけでげ大破した機体を再生する)
・ミラージュ(残像を使った幻覚)
・ストリーム(分身)
・リターン(カウンター)

効果系はこんなもんです。武器・・・は携帯で打つのはキツイんで割愛します、ごめんなさい
989DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 19:34:36 ID:ixPhYfRX
ヴァーストとリペアを使ってドーピングドーピング♪
990創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:36:59 ID:n770kEpC
改めてみるとまんま仮面ライダーやな
991パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 19:41:18 ID:mHDVQigF
>>988
 ありがとうございますw

 武器カード名はライフルとか、まんま武器カテゴリでいいですかね?
 あとトラップとか捏造しちゃってよかですか?
992創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:44:10 ID:QbpUeSFv
あ、これ忘れてた
・バインド(敵機体の拘束)

>>989
リペアとヴァーストは一緒に使えないんですよ−

強力な効果カードを同時に使おうとすると機体がパーンします
>>990
自分でもビックリです
>>991
よかよか。好きにやりんしゃい!

しかし中々埋まりませんねw人いないのかな
993DSの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2009/09/27(日) 19:45:22 ID:ixPhYfRX
>>992
自分の体/(^o^)\
994パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 19:45:28 ID:mHDVQigF
>>992
 了解しました!

 ではこちらもこちらなりのブレイブグレイブを書きましょうかね!
995 ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/27(日) 19:55:29 ID:IFI662v0
埋めネタという事で
設定思い付いただけで膨らます気のない中二系作品の嘘予告を
996欲望ドラグニュート ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/27(日) 19:56:44 ID:IFI662v0
 時は21世紀。「魔竜の心臓」という疑似永久機関の開発に成功した死籐博士は、魔竜の心臓を搭載した完全機械化人間「メタルヒューマン」
を生み出し、彼らを主戦力とした組織「魔竜の巣」による世界征服を開始した。
 人の魂と欲望によって膨大なエネルギーを生み出す魔竜の心臓と、彼らと対となる2〜3mの竜型兵器「クロスドラゴン」、そして
その二つが融合する事によって誕生する超存在「ドラグニュート」は、静かに、そして確実に世界を飲み込もうとしていた。


 その強大な悪に立ち向かうは、一人の戦士。


「貴様がスタッバーが!」
 鉄に覆われた白い騎士が、ビルの上に立つ男に吠える。
「魔竜の巣を裏切った悪め……我が正義が断罪する!」
 騎士は両腕を大量の銃器に変え、スタッバーと呼ばれた男に向ける。
「正義、ね……アンタのコードネームは『ジャスティス』って所か?」
「そうだ! 魔竜の巣の正義こそが我が欲望! そして……我が欲望は弾切れ無し!!」
 ジャスティスの発射される弾丸の雨。スタッバーはビルの壁をかけ下り、叫ぶ。
「鋼・人・覚・醒ッ!」
 紅の鎧に覆われた、異形の戦士。手にした槍による連続突きで、弾丸を全て撃ち落とし距離を詰める。
「何ィ!?」
 突きの一撃で、ジャスティスの銃器は全て砕け散り、無防備になった心臓に槍が迫った。
「正義の為になら如何なる手段も行う! 我が欲望は変幻自在!!」
 砕けた銃が巨大な剣と楯に再構成され、槍が弾かれる。舌打ちをして追撃しようとするスタッバーから、ジャスティスは大きく跳躍し距離を取った。
「フフフ……さすがは、多くの同胞を葬った裏切り者。この程度では倒せんか……ならば!!」
 ジャスティスは地に剣を突き立てた。
997創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 19:59:25 ID:GtM6Ag4/
>>972
待ち給え!w

>>981
真祖様きた!これでかつる!(鈴木君的な意味で

ふぃ〜、潜ろうとした所で通りがかりの潜水機乗りさんにグーで殴られたぜw
さすが海の漢という迫力でした。

>>992
ぼくのかんがえたかーど
「リムーブ」:敵機体のカード効果消滅。強力なカードの場合は半減
998欲望ドラグニュート ◆CNkSfJe3Zs :2009/09/27(日) 19:59:53 ID:IFI662v0
「来い! クロスドラゴン……正義竜・粛清王ッ!!」
 叫びに応えるように地が割れ、3mほどの機械竜が姿を現した。ジャスティスは笑いながら胸に手を当て、自らの装甲を開く。
ミシミシと異音を立てながら開かれた胸部には、脈打つ魔竜の心臓。

「我が正義の為になら……この心臓を与えよう!」

 ジャスティスの背を、正義竜・粛清王が貫く。そのまま魔竜の心臓を飲み込み、ボディが分解すると、ジャスティスの身体を包むように変形する。
そして、瞬きする間に一体の巨人の姿となっていた。

「ドラグニュゥゥゥゥト!ジャスティスッ!!」
 鎧をまとったその姿は、まるで人型の戦車。ドラグニュート・ジャスティスの両肩から生えた大砲が、スタッバーに向けられる。
「クハハハハハハハハハッ! それが……その程度がアンタの正義か!」
「何だと?」
「正義なんてキレイゴトで己の欲望を隠そうとするから、大した姿にならねぇんだよ!」
 スタッバーは槍を地面に突き立てる。
「欲望ってのはなぁ……シンプルなほど強いんだよッ! 出やがれ!俺のクロスドラゴン! 刺殺竜・武螺弩!」
 地を貫き現れたのは、正義竜・粛清王よりも一回り小さいクロスドラゴン。しかし全身から生えた刃は、粛清王よりも禍々しい。
片腕で胸を裂きスタッバーが吠える。

「全てを貫く為になら、この心臓をくれてやるッ!!」

 刺殺竜・武螺弩は身体を裂きながら魔竜の心臓を食らうと、ズタズタになったスタッバーと融合する。

「ドラグニュート、スタッバー!!」

 これこそが、裏切り者にして最強のドラグニュート。万物全てを貫き、滅ぼす為に生れた戦闘兵器。人々の最後の希望……
「待ってろよ、死籐……全ての魔竜の心臓を貫き、貴様自身をも貫いて……俺をこの姿にした事を、地獄の底で後悔させてやる!」
 黒く大きな槍を構えた紅蓮の怪物の目には、白い巨人なぞ障害物としか見えていなかった。


鋼鉄の竜人による、世界を飲み込む死闘を見逃すな!


  欲 望 ド ラ グ ニ ュ ー ト

      2147年 夏 公開!!
999パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM :2009/09/27(日) 20:02:44 ID:mHDVQigF
>>997
 その案いただき!

>>996
>>998
 色々とツッコミどころが多過ぎるwww
1000創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:03:12 ID:QbpUeSFv
何という中二・・・
俺の傷がガンガン疼くぜ!

さ、どうぞどうぞ↓
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
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