>>245 五立方センチメートルって、ちっちゃいよっ!
ありふれていて読者にも分かりきっていること――この場合、りんごの手触りは描写する必要ないんじゃないかな
大きさも何センチとか具体的に書くのは無粋だと思うよ
一郎がふとテーブルに目をやると、皿の上にりんごがポツンと乗っていた。
目を疑うくらいに大きな赤いりんご。
瑞々しい光沢を放つその真っ赤なりんごに惹かれて、一郎は思わず手を伸ばした。
りんごは一郎の大好物なのだ。
手に取ってみるとズシリと重い。通常の三倍くらいの重さだ。
香りもまた格別だった。鼻に近づけるまでもなく漂ってくる甘い芳香は、一郎の意識を
桃源郷へといざなう。口の中はいつの間にやらあふれ出る唾液でいっぱいになっていた。
我慢の限界だった。
一郎は誰が用意したかも分からぬそのりんごに思わず噛り付いた。
その瞬間――――。