【からくりメイデン】

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1創る名無しに見る名無し
【代理】
2創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:09:55 ID:vydN7grx
>>1サンクスコ!!
3創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:15:14 ID:vydN7grx
 からくりメイデン〜開幕ベル
   
???「突然ですが皆様はローゼンメイデンと言う人形を御存知でいらっしゃるでしょうか?」

???「名人形師ローゼンの手によって作られたその人形達は通称『薔薇乙女』と呼ばれております。ローゼンメイデンは自分の意志を持ち、ある目的の為に姉妹で闘い続けるのです。」

???「その目的とは『究極の少女=アリス』になること…
そのために彼女達は互いの命のかけらを巡って殺し合い、美しく、そして誇り高く咲き誇るのです」

???「御紹介が遅れました。私の名前はフウ・クロード・ボワロー。人呼んで道化のフウ…以後お見知り置きを…」

フウ「そして、意志を持つ人形はローゼンメイデンだけではありません。」

フウ「とある世界には、『自動人形』<オートマータ>と呼ばれる人形がいました。
その人形は人の生き血を吸い、難病を撒き散らし、そして自分達を創った創物主に忠誠を尽くしたのです。」


フウ「あるモノは笑顔を願い、またある者は思いし人と結ばれることを自動人形に願いました。
その願いが叶ったかどうかは、また別のお話…」

フウ「かたや可憐で麗しいアンティークドール」


フウ「かたや人に害をなす殺人人形。」

フウ「その2つの世界が出会った時、この人形劇の幕があがるのです」


フウ「では、長の口上失礼つかまつりました。
それでは開幕いたしましょう。
『からくりメイデン』の開幕でございます」
4創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:20:00 ID:obj1/NZw
長編とのことなので期待であります
5創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:20:33 ID:vydN7grx
からくり〜薔薇乙女入場
  

−手紙−

−この人形劇は手紙によって幕が上がる−


   〜鳴海兄ちゃんへ〜

『鳴海兄ちゃん久しぶりです。
 勝です。
こっちの生活に慣れて来たので手紙を出してみることにしました。
ゾナハ病が地球上からなくなってから1年が過ぎました。鳴海兄ちゃんは今、どこで何をしていますか?

ぼくは今、夏休みを利用して桜田サーカスというサーカス団でサーカス芸の修行中です。修行は辛いけど、自分の芸がどんどん上手になっていくので楽しいです。
また、桜田サーカスではぼくの人形繰りが目玉の1つになっていて少し嬉しいです。使っている人形はジャック・オー・ランターン!!(平馬と一緒につくりました)

人形繰りはほめてもらえるけど、他の芸はまだまだなので早くしろがねみたいに上手なジャグリングをしてみたいです。

ところで鳴海兄ちゃんとしろがねはどうしていますか? よく、しろがねが電話で「ナルミが謝ってばかりで困ってしまう」と言っています。

記憶を失っていた鳴海兄ちゃんがやった事を、しろがねはもう気にしていないから、謝るのはもうやめた方が良いと思います。

サーカスの仕事が忙しいので、今日はぼくからの手紙はこの辺でおしまいにします。

最後に、鳴海兄ちゃんとしろがねのおかげでぼくは生きているんだ、笑っていられるんだ。本当にありがとう、鳴海兄ちゃん。
今ぼくは、生きています。
笑っています』

6創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:28:59 ID:vydN7grx
勝「ふう。これでよし、あとはポストに入れれば…」


桜田団長「おーいマサル−ッ。お前に手紙が来てるぞー」

勝「はーい。ありがとう団長。誰からだろう…?鳴海兄ちゃんじゃあないよね…ん?何だろう、これ!?」

まきますか
まきませんか

勝「まきますか?まきませんか?これだけしか書いてないし字も汚い…子供のいたずらかなぁ…?」

バッ!

勝「あっ、団長!?」

桜田団長「なんだこれ?アンケートか何かか。こういうのは直感でいんだよ。」

勝「うーん。じゃあ『まきます』に丸っと」キュッ

→まきます

 → ま き ま す


  →  ま  き  ま  す


 → ま き ま す


  →  ま  き  ま  す


ドガシャァァン!!

勝・桜田「ッ!?」
7創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:34:23 ID:vydN7grx
勝「何だ、この音!?」

桜田団長「おい、音は道具置き場の方からだ。ちょっくら見てこいよ。」
勝「わかったよ、団長。」


勝「一体何だろう…?」

ガッ、ビッターン

勝「いたたっ、何でこんな所に鞄が…この鞄、見慣れないなぁ…けど何だろう?少し、ほんの少しだけど懐かしい気持ちがする…」

勝「ちょっとだけ、開けてみよう」

ギィィィ

勝「えっ!?女の子!?いや、人形か」

勝「誰の人形だろう?とっても綺麗だなぁ」スッ
ぷにぷに

勝「ほっぺたも柔らかい。良く出来てる…。あれっ!?」

勝「ゼンマイが入ってる。まくってこのことなのかな?」


→まく

→まかない


勝「ちょっとだけなら…」

 → ま く

−廻る…廻る…運命の歯車が廻る…−

カチャッ…キリキリ…キリキリ……

人形「…」

キリキリキリキリ…

人形「…」ムクッ

勝「立ち上がった!?まさか自動人形!?」

人形「…」トテトテトテ…ガッ

ビッターン!!

勝「人形が動いて…ころんだ!?」

その時、ぼくはとても大きな選択をしてしまったかもしれない…

どこかで…

開幕のベルが静かに鳴っていたんだ…

〜からくりメイデン〜
8創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:40:36 ID:vydN7grx
>>4頑張って完結させます。

そして>>6はまきますが2つ余分だったので訂正。



まきますか
まきませんか

勝「まきますか?まきませんか?これだけしか書いてないし字も汚い…子供のいたずらかなぁ…?」

バッ!

勝「あっ、団長!?」

桜田団長「なんだこれ?アンケートか何かか。こういうのは直感でいんだよ。」

勝「うーん。じゃあ『まきます』に丸っと」キュッ

→まきます

 → ま き ま す


  →  ま  き  ま  す



9創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:49:23 ID:vydN7grx
からくり〜白いいばら

勝です。ぼくは今とても混乱しています。
ぼくの前に人形が現れました。その人形はゼンマイを巻いたら歩き出してころびました。そして、今にも泣き出しそうです。
とりあえず声をかけてみることにします。

勝「思いっきり転んだけど大丈夫?」

???「ぶゃおゎぁぁぁぁんんっ。とってもいたいの、おでこがじんじんするのよ〜」

勝(自動人形にしては生き生きしてるなぁ。涙も出てるし…まるで人間の女の子みたいだ)

勝「ぼくは才賀勝って言うんだけど、君の名前を聞いても良いかな?」

???「ひな…ヒック…いちご…エグッ」

勝「雛苺って言うんだ。珍しい名前だね。ところで雛苺は自動人形なn」

バンっ!!

桜田団長「勝ぅぅぅっ!!女の子の鳴き声が聞こえて来たがどうした…って、ぎにゃぁぁぁ!!密かに買った幸せの黄色フンドシに大きな穴がぁぁぁ!!姉ちゃんに、姉ちゃんに殺されるぅぅぅぅ!!!」ガタガタガタ…

勝「あっ、ジャコも少し傷ついてる」

雛苺「ぶわぁぁぁぁん」

桜田団長「おい…通販で買った物は壊したらクーリングオフできないんだぞ…!?」

勝「ご、ごめんなさい…団長」

桜田団長「うるさい!!もう出ていけぇぇ!!!」

勝「えええぇ!?そんな急な」

ポイッ

勝「ひ、ひどい…行くあてがなくなっちゃった…」
10創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 23:56:33 ID:vydN7grx
雛苺「ぶぉわぁぁん、びゃおゃわぁぁぁん」

勝「ああ、放っておいてごめんね雛苺。ほら、痛くない痛くない」

さすさす…さすさす…

雛苺「ありがとう…なの…ヒック…あなたのおなまえは…?」

勝(さっき言ったんだけどなァ…)

勝「ぼくは勝。才賀勝って言うんだ。ようやく泣き止んでくれたね雛苺」

雛苺「マサルのおかげなの〜。そう、マサルって言うのね。よろしくなのよマサル」

勝「よろしくね雛苺。ところで雛苺は自動人形じゃないよね?」

雛苺「おーとまーた?ヒナは違うの。ヒナは誇り高い薔薇乙女なのっ」

勝「薔薇乙女?聞いたことないなあ…」

勝「薔薇乙女って」
雛苺「自動人形って」

勝・雛苺「何なの(よ)?」

???「それには私がお答えしましょう。お坊ちゃん、6番目の薔薇」

勝「大きなうさぎさん!?」

雛苺「あっ、ラプラスの魔なの」

勝「知り合いなの?」

雛苺「うゆ、ラプラスの魔のお話は難しいの」

ラプラスの魔「そう、話は難しければ難しい方が良い…また、物語も難しければ難しいほど良いのです」

ラプラスの魔「だが悲しいかな、昨今の物語は謎よりも嘘。終わりよりも続き。推理よりも解説を求める…だからこそ、このお喋り好きなウサギの出番なのです」

勝「ひそひそ(聞いた方が良いの?)」
雛苺「ひそひそ(まかせるの〜)」

ラプラスの魔「さて、薔薇乙女とは何か?」

ラプラスの魔「薔薇乙女とは生きる人形…
互いに命であるローザミスティカを巡り殺し合う、悲しき人形…」
11創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:03:47 ID:vydN7grx
勝「どうしてそんな事を?」

ラプラスの魔「それはアリスになるため。アリスそれは究極の少女。唯一、父と会う資格を持った少女なのです」

勝「お父さんと会うのに資格なんていらないじゃないか」

雛苺「うゆ…仕方ないことなの…」

勝「えっ!?」

ラプラスの魔「そう、6番目の言うとおり。確かに彼女が人間ならばそうでしょう…が、彼女は人形なのです」

ラプラスの魔「成長せず、老いもせず、ただ延々と生きていく存在…
自分を作りし造物主の命令には絶対なのです」

雛苺「お父様は命令なんてしてないの…
ヒナ達は自分の意志で闘っていたのよ…」

ラプラスの魔「おっと、これは失礼いたしました。そう、少女達は自分の意志で何百年、何世紀と闘い続けていたのです」

勝「何百年も何世紀も!?」

ラプラスの魔「薔薇乙女は時代を越える…錬金術がなせる技でしょうな」

ラプラスの魔「さて、そろそろ次の話をいたしましょうか」

ラプラスの魔「自動人形も同じく生きる人形…人の生き血が動力の、恐ろしい人形…」

雛苺「こ、怖いの…ヒナの血はおいしくないのよ」

勝「安心して雛苺。自動人形はもういなくなったよ」

ラプラスの魔「果たしてそうでしょうかな?」

勝「えっ!?」
12創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:06:46 ID:/9am0fR6
ラプラスの魔「『雪華綺晶』という薔薇乙女がおります」

雛苺「!!」ビクッ

ラプラスの魔「雪華綺晶…7番目のドール。そして恐らく最強のドール…実体を持たず人の心に根を張り巡らせ、人のこころを糧とする白い薔薇…」

勝「それと自動人形がいったいどんな関係があるの!?」

雛苺「……」ガタガタ…

勝(雛苺の様子がおかしい!?)

ラプラスの魔「おっと、またまた失礼いたしました6番目の薔薇。あなたの前で言う話ではなかったかもしれませんね…
これから壮絶なショウが始まると思い、ついつい言葉が過ぎてしまいました」

勝「ショウって一体何の?
自動人形と7番目の人形はどんな関係があるの!?
雛苺に何があったのさ!!?
答えてよ!!」

ラプラスの魔「注文の多いお坊ちゃん。物語には解説が必要ですが解説だけの物語はないのです…
それに前の兎だけでなく後ろの兎を見るのも大切ですよ」

勝「えっ」クルッ

キリキリ…キリキリ…
ラプラスの魔「では、兎風情はこのあたりで退散といたしましょう…」ピョン

ラプラスの魔「さてさて、後ろに居るのは道しるべの兎か、はたまた餌を求める狼か…」

勝「オート…マータ…」

〜とある場所〜

子供「うわぁ〜すっげえ、夢にまで見たお菓子の家だ〜。いっただきま〜す」

クスクス…

子供「誰!?」

雪華綺晶「お菓子の…家…大きく、甘い、夢…」

子供「お、お姉ちゃんも食べる?」

雪華綺晶「ええ、頂くわ。あ な た を 」

ずるずる…シュル…

子供「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



…………………………………………
 …………………………………
  …………………………

    ぜひ…ぜひ…
13創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:17:48 ID:/9am0fR6
からくり〜スピーディー・フランクとの戦い

フウ「さて、動き始めたこの人形劇を皆様はどうお思いでしょうか?」

フウ「3幕を演じてようやく敵役が見えただけの説明の多いこの物語。多くの観客の皆様は展開の遅さに怒り狂っていると思われます」

フウ「言い訳をさせて頂きますと、止まってしまった歯車と今も細々と動き続ける歯車を一つにするのは無能な演じ手にとっては大変な事なのです」

フウ「だがしかし。油と水が一つになるように、時間をかければ大抵の事はどうにかなるのがこの世の中。こうしている間にも歯車はゆっくりと、しかし確実に回っているのです…ほら、今も…」


勝「何で自動人形が!?いつの間に!?」

自動人形「おっと、美味そうなガキが2匹もいやがる。んん?片っぽは人形かァ…まあ良い、退屈しのぎにはもってこいだぜェ」

勝「雛苺、危険だから下がっていて!」

雛苺「コクっ」トテ…トテ…

勝(雛苺…名前を聞いただけであんなに怯えて…)

勝「ともかく今は雛苺を守らないと。
いくぞ!ジャック・オー・ランターンッ!!」キリキリッ

ジャコ「イヒヒヒヒヒ 」ビュンッ

雛苺(人…形!?)

勝「一撃で決める!くらえっ!!超高速振動鎌<グリム・リーパー>!!!」ズバァァァァ

自動人形「アスファルトを抉ってやがる!!何て切れ味の鎌だ…!だが…当たらなきゃ意味は無いよなァ」ギャアッ

勝「グリム・リーパーを避けて、ぼくの方に!?」

自動人形「ヒャハハハ、このガキ、まさか懸糸傀儡を使うとはなァ。だが相手が悪かったなァ!!」ドガァッッ

勝「ぐっ!!は、早すぎる…」

スピーディー・F「どうだい、このスピーディー・フランクの一輪車捌きはァ!早ェェだろォォ!!」キコキコ…

勝「クッ…何てスピードだ…」

スピーディー・F「お前はいつでも殺せるようだから、次のお楽しみに行くとするかァ」

勝「や、やめろ…雛苺には手を出すな…」

スピーディー・F「聞こえねェなァ…クソガキ」ドゴッ !!

勝「ぐうッ!!」ドサ…

雛苺「マ、マサルぅッ!!」ダッ

勝「来ちゃ、駄目だ…雛苺…」
14創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:18:51 ID:ubnPzBUm
よく分からんが頑張れ
15創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:29:47 ID:/9am0fR6
スピーディー・F「そうだぜェ。人形ゥ。せっかく逃げる時間があったのになァ。ん…?お前…」

雛苺「ヒナ!?」

スピーディー・F「お前、雪華綺晶様の器になるハズだった人形だろォ…」

雛苺「…ッ!!」ビクッ!

勝「器…?」

スピーディー・F「そうだ、思い出したぜェ。あのお方はおっしやった。実体のない自分には体が、体となる器が必要だと、その為に6番目の姉を器にしようと…」

スピーディー・F「そして、あのお方は嘆いた。あと少しの所だったのに他の姉妹に邪魔されたと…」

スピーディー・F「しかし、あのお方はお気づきになさった!器がなくともこの世にいられる方法を!!」

雛苺「雪華綺晶は一体何を企んでいるの?」

スピーディー・F「黙れ!あのお方の名を呼び捨てにするな!!お前ごときがあのお方の名を…お前はあのお方を侮辱した!!その罪は…死に値するッ」ギョアッ

グオ…ッ!!!!

雛苺(また、ヒナは寝たきりになるの…?
   また、ヒナは動けなくなるの…?)
16創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:35:47 ID:/9am0fR6
勝「やめろ」ヨロ…

スピーディー・F「しつこいぜェ。人間っ」ゲシッ!!

勝「ゴフッ」ベシャ…

雛苺「マサルッ!!ヒナの事は良いから逃げて」

勝「ひ、雛苺に…さわるな…」

スピーディー・F「そうかい、バーカ!」ゴッ

勝「が…ッ!!」ドシャッ…

雛苺「もうやめてマサル!」

勝「まだ、まだ…」

スピーディー・F「いい加減しつこいんだよォォォ!!」ドガガガッ!!

勝「ぐ…っ!!まだ…だ…」ムク…

雛苺「ごめんなさいなの、ヒナのせいでマサルを巻き込んで…」ポロポロ

スピーディー・F「そうだぜ。この人形さえ差し出せば、お前だけは助けてやるよ。なぁに、お前は巻き込まれただけだ、逃げても誰も文句は言えねェよ」


雛苺「その通りよ、マサル。ヒナが捕まれば全部良いの…巻き込んでごめんなさい、マサル…」

勝「雛苺…」

勝「あきらめちゃだめだッ!雛苺は何も悪くない!!こんな時、おとなしくかっこつけたあきらめガオはやめるんだ!!」

雛苺「マサル!?」

勝「怖い時には怖いって叫べば良い!助けてほしい時は助けを呼べば良い!!」

勝「あがいてあがいてダメだったら、その時は…」

勝「にっこり、笑うしかないけどね」にかっ

雛苺「マサル…」ドキッ
17創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:41:45 ID:/9am0fR6
スピーディー・F「ゴチャゴチャうるせェ!!なら笑いながら死んじまえよォ!」ギョワアッ!!

勝(やっぱり早い!あの一輪車をどうにか出来ないのか!?)

雛苺「お願い…ベリーベル…力を貸して!!」
シュルシュル
雛苺「お願い…ベリーベル…力を貸して!!」
シュルシュル

シユルッ!

スピーディー・F「何だ!?一輪車に何かが絡まって…」ギャキャ…ギャ…ギ…

勝「チャンスだ!ジャック・オー・ランターン!!」きゅいッ!!

ジャコ「イヒヒヒ…」ダンッ!!

勝「いけええええ!!」

ジャコ「イヒヒヒヒヒヒヒ」ズパァッ

スピーディー・F「チックショォォォォ」ピシ、ピシ…

ガシャ…ン

勝「やった…」

雛苺「あの強いお人形をやっつけたの…?」

雛苺「やったのよ!マサルっ」

勝「勝った…ぞ…」ドサァッ

雛苺「マサル?マサルーッ!?」


〜からくりメイデン〜
18創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 00:46:22 ID:/9am0fR6
>>14頑張る!どっちも原作は面白いですよ。

そして>>17は雛苺が1人増えてた…

数時間後にまた投下します。
19創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 02:08:50 ID:cUpLTLyP
うわああああからくりサーカスと薔薇乙女のコラボだと!?
どっちも好きすぎる!
20第4幕:2009/08/10(月) 10:15:14 ID:/9am0fR6
からくり〜禁じられた再会

…ル…マサ…ル…マサル…

勝「だ…れ…?」

勝「え…ここは?」ガバッ

雛苺「マサル〜ッ」ギュッ

勝「え?ち、ちょっと雛いち…」

雛苺「うわぁぁん。やっと起きてくれたのぉぉ!!あの後倒れちゃったから、ヒナ心配で…心配で…」グスッ

勝「そっか、ぼくはあの後倒れて…心配かけてゴメンよ雛苺。ところでここはどこ?」

雛苺「ここは『あぱーと』って言う所らしいの。マサルが倒れた後に男の人が助けてくれたのよ」

勝「男の人?その人は今どこに?」

雛苺「マサルのすぐ後ろにいるのよ」

勝「えっ」クルッ

ギイ「久しぶりだなマサル。女の子に抱き付かれているとは、大したドンファンぶりじゃないか。しばらく見ない内に成長したな」

勝「ギイ…さん?」ポロッ

ギイ「ああ、僕だよ。何だいマサル、感動のハグをしたいのかい?仕方ない、今回だけd 

勝「うわあん。まんまんちゃん〜」ばっさばっさ ちーん ちーん

ギイ「…」

ギイ「僕を幽霊だとでも思っているのか?」

雛苺「マサル、このギイさんは幽霊じゃないのよ」

勝「えっ?」

ギイ「そうだぞマサル。感動の再会が台無しになって僕は深く傷ついたぞ」

勝「え?だってギイさんは1年前の戦いで…」

ギイ「僕が生きていてはいけないのかい?」

勝「…」ふるふる

ギイ「だろう?」

???「ギイさ〜ん。たまご焼きできたかしら〜」

ギイ「ああ、ありがとう。さて、積もる話もあるだろから…
まずはディナーにしようじゃないか」
21第4幕:2009/08/10(月) 10:21:28 ID:/9am0fR6
ギイ「紹介しよう。金糸雀だ」

金糸雀「カナは誇り高きローゼンメイデンの第2ドール金糸雀よ。よろしくかしら」ペコッ

勝「よ、よろしく」

雛苺「ヒナはマサルが眠っている間にギイさんと金糸雀にあいさつをしたのよ〜」

勝「第2ドールっていうことは雛苺のお姉さんなの?」

金糸雀(お姉さん…悪くない響きかしら)ムフフ

雛苺「うい〜。金糸雀はローゼンメイデンの次女なのよ」

金糸雀「ところであなた、たまご焼きは好きかしら?」

勝「たまご焼き?おいしいよね。好きだよ、だし焼きのたまご焼き」

金糸雀「ちっちっ…たまご焼きはお砂糖いっぱいのあま〜いのに限るかしら」

勝「甘いたまご焼きか。食べた事ないから分かんないな」

金糸雀「っ!!ギイさん、今の言葉聞いたかしら?甘いたまご焼きの味を知らないなんて…マサルはとっても、とってもかわいそうかしらぁぁ」ウルウル

ギイ「聞いたとも金糸雀。感動の再会も満足に出来ず、金糸雀のたまご焼きの味も知らないとは。嗚呼…なんて可哀想な男なんだマサルは」

勝(うう…ギイさん根に持ってる)

勝「と、ともかくいただきま〜す」パクッ

金糸雀「お味はどうかしら〜?」

勝「おいしい!おいしいよこれ」

雛苺「甘くっておいしいの〜」パクパクパク

金糸雀「ふふん。たまご焼きは甘いのが1番かしら」

雛苺「でも、うにゅ〜の方がもっとおいしいのよ」

勝「うにゅ〜?」

ギイ「苺大福の事らしい。さっき絵を書いていた」

金糸雀「むむむ…カナのたまご焼きの方がもっともっとおいしいかしら!」
雛苺「ヒナのうにゅ〜はもっともっともっとおいしいの!」

金糸雀「カナのたまご焼きっ」

雛苺「ヒナのうにゅ〜っ!」

金糸雀「カナカナカナカナカナ!!」
雛苺「ヒナヒナヒナヒナヒナ!」

ギイ「やれやれ、シェイクスピア曰(い)わく、『神よ、知り合い同士が手を繋ぎ合うのはなんと難しいことか』」

勝「でも、こんなに賑やかなのは楽しいね」

ギイ「ふふっ。そうだな」
22第4幕:2009/08/10(月) 10:29:36 ID:/9am0fR6
  10分後

雛苺「つ、疲れたの…」

金糸雀「カナも同じくかしら…」

ギイ「落ち着いて来た所で、そろそろ話をしようじゃないか」

ギイ「まずは何でも質問したまえ。僕の知っている限り答えよう」

勝「じゃあさっそくだけどギイさんは1年前の戦いで死んでなかったの?」

ギイ「いや、あの時僕は確かに死んだ」

金糸雀「ギイさんは死んじゃってたのかしら!?」ギョッ!!

雛苺「でも今は生きてるの〜」

ギイ「そう、今はこの通り生きている。」

勝「一体何が?」

ギイ「僕も良く分からないんだが、突然声が聞こえたんだ」

勝「声?」

ギイ「ああ。かろうじて聞こえたのは『教えて』とだけさ」

ギイ「そして、しばらくすると目の前が急に眩しくなり一瞬だけ声の主が見えた」

勝「どんな人だったの?」

ギイ「声の主は人ではなく、人形だった…」

勝「人形!?まさか…っ!?」

ギイ「いや、恐らく違う。その人形は自動人形にしては小さく、美しかった…」

ギイ「そして気がついたら、なぜかこのアパートいたんだ。ご丁寧に隣には服とオリンピアが置いてあったよ」

雛苺「おりんぴあ?」

金糸雀「ギイさんの持ってるおっきなお人形のことかしら。すっごくキレイですっごく強いかしら」

雛苺「強いお人形ならマサルも持ってるのよ。カボチャみたいな、お化けみたいな、名前はええと…」

勝「ジャック・オー・ランターン、ジャコだよ。雛苺」

雛苺「そう、ジャコなの。とっても強いのよ」

金糸雀「ギイさんのお人形の方が強いかしら!」

雛苺「マサルのお人形の方が強いの!!」

ギイ「ケンカはダメだぞ金糸雀」

勝「そうだよ。雛苺も、ね?」

金糸雀・雛苺「むむむむ…」
23第4幕:2009/08/10(月) 10:33:22 ID:/9am0fR6
ギイ「話が少しズレてしまったな。まあ、つまり僕も何故生き返ったかは分からないんだ。今の所自分自身のことで分かることは3つ」

ギイ「1つ。生き返ったのは僕だけではないことだ」

勝「ええ?」

ギイ「その人形は最後にはっきりと『あなた達は生き返った』と言ったんだ。つまり、僕以外にも生き返った者がいてもおかしくないということだ」

ギイ「そして2つ目。なぜか自動人形が再び動きだしている。」

勝「うん。ぼくも戦ったよ」

ギイ「これは仮説だが、自動人形の復活と僕の復活。そして自動人形ではない人形、つまり『薔薇乙女』には何か繋がりがある。と僕は考えている」

勝「どっちにしたって自動人形を野放しには出来ないよ」

ギイ「ああ…原因を突き止め今度こそ自動人形を完全に破壊しないとな…」ギリ…ッ

金糸雀「ギイさん…」

ギイ「そして3つ目は、金糸雀の作る卵焼きはとてもおいしいということさ」ポンッ

金糸雀「ギ、ギイさん…て、照れるかしら〜」

雛苺「マサル〜ヒナもなでなで〜」

勝「クスッ、わかったよ」なでなで

雛苺「今度はヒナに質問してほしいの〜」

金糸雀「カナにもカナにも」

勝「ん〜じゃあ、ローザミスティカって何か教えてよ」

雛苺「ローザミスティカはね〜」

金糸雀「薔薇乙女の命で、全部集めると『アリス』になれるかしら〜」ズイッ

雛苺「むう〜」

ギイ「ローザミスティカを取られた薔薇乙女は動けなくなる。また、ローザミスティカを手に入れた薔薇乙女は『アリス』に近づき強さを増すのだよ」

勝「ギイさんも知ってるの!?」

ギイ「それは心外だな、マサル。僕は輝かしい人生の中で、常に知を探求してきたギイ・クリストフ・レッシュだぞ」

金糸雀「本当はカナが教えたかしら…」
24第4幕:2009/08/10(月) 10:41:38 ID:/9am0fR6
勝「次はアリスについて教えてよ」

金糸雀「アリスとは〜」

雛苺「究極の少女のことで、ヒナ達薔薇乙女の目標なのよ」ズイッ

金糸雀「むぅっ」

ギイ「アリスになった薔薇乙女は『お父様』つまり創造主に会うことを許されるそうだ」

勝「へぇ〜」

勝「じゃあ、最後に聞くけど、ふたりの鞄は同じ鞄みたいだけど、その鞄について教えてよ」

雛苺・金糸雀「それはね〜」ピタッ

雛苺・金糸雀「…」

雛苺「ヒナヒナヒナヒナヒナ…!!」

金糸雀「カナカナカナカナカナ…!!」

ギイ「薔薇乙女にとってあの鞄は寝床であり移動の為の道具でもある。薔薇乙女はあの鞄でないと疲れがとれないらしい」

勝「なるほど、あの鞄にはそんな使い方があったんだね」

金糸雀「ぜぇ、ぜぇ…そ、そう言えばマサル。あなたは、雛苺と契約はしたかしら?」

勝「契約?」

ギイ「薔薇乙女は『マスター』と契約することによって力や能力を上げることが出来るのさ。僕と金糸雀はもう契約済みだがね」
25第4幕:2009/08/10(月) 10:46:05 ID:/9am0fR6
雛苺「ヒナとマサルは出会ったばっかりだから契約も薔薇乙女の話も出来なかったのよ」

金糸雀「ちなみにカナはヴァイオリンで音を操る力を持っているかしら」

勝「雛苺はどんな力を持っているの?」

雛苺「実はあの時の戦いで使ってたの。ヒナの力で一輪車を止めたのよ〜」

勝「ああ、草を生やす力なんだね」

金糸雀「…」

ギイ「…」

雛苺「…ちご…」

勝「え?」

雛苺「いちご…わだちなの…マサルのおバカぁ〜!」ダダダダッ

ギイ「全く、乙女心を全然理解していないな。マサルは」

勝「え…?」

金糸雀「カナはマサルの美的センスを疑うかしら…」

勝「え?えぇ!?」

金糸雀・ギイ「良いから行って来い(かしら)!!」

〜外〜

勝「早く探さないと…わあっ!!」ズルッ

ズッテ〜ン。ビリッ

勝「あたた…あっ雛苺。あんな所に」

雛苺「…」クスン

勝「雛苺…ごめんね…」
雛苺「マサルは謝らなくて良いのよ」

勝「でも…」

雛苺「全然良いの。さっきはちょっとだけビックリしただけよ」

雛苺「ヒナね、雪華綺晶に食べられた事があるの…」

勝「…」

雛苺「そこでヒナは雪華綺晶の『器』になるために、からっぽになって、真っ暗になって、とってもとっても怖かったわ…」ガタガタ…

雛苺「でもね、あの時…おっきなお人形に立ち向かったマサルを見たらそんな気持ちはどこかに飛んでいったの。きっとマサルと一緒なら雪華結晶も怖くないかもしれないわね」

勝「雛苺…」
26第4幕:2009/08/10(月) 11:04:10 ID:/9am0fR6
雛苺「あっ!!マサルの服破れてるのよ」

勝「さっき転んじゃったんだ」

雛苺「マサルはすごい傷だらけなの…」

勝「ぼくもある人の『器』だったんだ。その時ぼくはすごくコワイ目にあって、大切な人と離れ離れになっちゃったんだ」

勝「今でも…たまに怖くなって…痛くなって…それで…それでっ!!」ガタガタ

雛苺「マサル…」

雛苺「怖くない…怖くないわ」なでなで

勝「雛苺…」

雛苺「あのね、うーとね…」

雛苺「あのときマサルが寝たままだったらどうしょうって思ってたの…」

雛苺「だからマサルが起きてくれてヒナはとっても嬉しかったの…」

雛苺「ヒナはね、かばんの中でずーっと1人ぼっちだったの。だから今でもかばんで寝る時はたまに怖くなっちゃうの…」

雛苺「ヒナが目覚めなくて、誰も起こしてくれなかったらヒナはまた1人ぼっちになるかもしれないって…」

雛苺「でも、マサルはヒナを起こしてくれたの…」

勝「…」

雛苺「えへへ…」

雛苺「だからマサルが夜眠るのが怖くなったらヒナに言ってね。ヒナが起こしてあげるからね」

勝(あれ…もう怖くないや…)

雛苺「マサル…ありがとうなのよ」にこっ

勝「うん。さあ、早く帰ろう。もう真っ暗だ」

雛苺「それはいけないの!マサル、お家まで競争よ」ダッ

勝「ず、ずるいよ雛苺」

雛苺「うふふ。早くしないと置いていっちゃうの〜」

勝「待ってよ〜」
27第4幕:2009/08/10(月) 11:08:18 ID:/9am0fR6
〜アパート〜

ギイ「金糸雀…」

金糸雀「どうしたの?」

ギイ「お前は今、幸せかい?」

金糸雀「ええ、ギイさんがいて、雛苺がいて、マサルがいて…カナはとっても幸せかしら」

金糸雀「この幸せは、ずっと続いてくれると良いかしら」にこっ

金糸雀「ギイさんは今、幸せ?」

ギイ「どうだろうなぁ…」
金糸雀「ちゃんと答えて欲しいかしら」

ギイ「僕は…そうだな…」

ギイ「おっと、9時を5分も過ぎているぞ。寝なくて良いのかい?」

金糸雀「もう!?薔薇乙女一の策士であるこの金糸雀一生の不覚かしら!ギイさんおやすみなさいっ!!」ピューン!!

ギイ「ふふ、おやすみ」

ギイ「さて、僕はオリンピアの手入れでも…」

勝「ただいま〜」

ギイ「…すまないオリンピア。手入れは明日で良いかな」

勝「雛苺に許してもらったよ」

雛苺「すぅ…すぅ…」

ギイ「それは良かったな。そうだマサル。鳴海とエレオノールの話を聞かせてくれないか?」

勝「良いよ。あのね…」

「こうして激しい1日の幕は降りたのでした…」
28第4幕:2009/08/10(月) 11:10:48 ID:/9am0fR6
フウ「さて皆様、勝と雛苺の出会いと戦い、そして安息の『からくり』編はいかがでごさいましたでしょうか?」

フウ「器になる運命だった少年と少女…この出会いは偶然か必然か…」

フウ「ここに於いて皆様のお目を転じていただきたい」

フウ「この世界にやってきた薔薇乙女と再び動き出した自動人形…」

フウ「次回よりは皆様に『薔薇乙女』を追っていただきましょう」

フウ「では、『からくり』編は、ほんのしばらくの間…」

フウ「『一時閉幕』とあいなりまする」

→ からくりメイデン
 
  一時閉幕
29創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 23:23:34 ID:590Ol2gV
ギイが生きてる…!
からくりの雰囲気を出すの上手いなー
選択の場面や戦闘シーンは藤田絵でコマ割や絵が脳内再生されて大変だったw

からくり編が勝サイドということは、薔薇乙女サイドはしろがねかな?
wktk
30創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 10:24:05 ID:lz77+Nh5
伝え忘れていたのでここに。

投下は書きためがある限り6日間に1〜2回を予定しています。
ちなみに今のところは第20幕分まで溜まっています。

gdgdとしていますが、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
31創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 17:53:46 ID:oa2WIi6Q
からくり×ローゼンとかなんて俺得なスレだ
>>1よ期待してるぜ
32創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 18:44:46 ID:KBTz0NAN
面白いな
ローゼンメイデンはよく知らないけど
33創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 20:03:14 ID:oa2WIi6Q
からくりに例えると
・カバンから出てくる人形を小さく可愛く女の子に。操り人形でなくゼンマイで動く人形
・勝はチート化しないし性格はあんまりよくない、能力は瞬間記憶でなく裁縫
・自動人形VSしろがねなどの争いは全力で小規模化。人形の能力も小規模化。ナルミがいたら多分一秒で全員瞬殺

これがローゼンメイデン。でも俺は好き。
34第5幕:2009/08/15(土) 13:46:28 ID:tyMvnAvZ
からくり〜開幕ベル 〜

「英雄は幸せになれない」

ラプラスの魔「他人を救った者は自分が救われる事はない。誰が言った言葉かは存じませんが、実に悲しい言葉だとは思いませんか?」

ラプラスの魔「ある道化がおりました。名は−デモン−と言います」

ラプラスの魔「哀しきその道化は、世界中の笑顔を守るため恐ろしい人形と死のダンスを踊り、自分の全てを燃え上がらせ…そして世界に笑顔を取り戻したのでした」


ラプラスの魔「そして今“彼”は笑うことができているのでしょうか?そして、英雄は本当に幸せになることは出来ないのでしょうか?全ては導かれるままに…」


ラプラスの魔「からくりメイデン。『自動人形』編の幕が上がります…」
35第5幕:2009/08/15(土) 13:49:43 ID:tyMvnAvZ
雑誌とかでよく見るタイプ別診断ってあるだろ。

あなたは猫が好きですか?

YES→ねこさんはびすけっとが好きなのよ〜
NO→薔薇乙女にとって猫は敵よ!

そこでオレ、加藤鳴海から質問だ。突然…

まきますか
まきませんか

って聞かれたらどうする?

→まく
→まかない


真紅「ナルミ。茶葉が開ききっていないわ。早く紅茶を淹れ直しなさい」

ヒント…俺は以前同じ質問に答えた事がある。

『まきます』の選択で俺の前に現れたのは
−人形−
それも命を持ってる人形だ。あいにく生きている人形は見慣れていたんだが、紅茶を淹れろという人形は慣れてないんだ。紅茶の作法などにやたらと厳しい。

鳴海「へいへい。わかったよ。…ったく、これで何回目だよ…」ブツブツ…

ペチン

鳴海「いってぇ〜!」

真紅「返事は一回。言動よりも行動で示しなさい」

鳴海「くっそ〜。あの暴力人形め…」

パチン

鳴海「ってぇぇ!!」

オマケに暴力的だ…

蒼星石「ほら、マスター。僕も手伝うから一緒に淹れよう」

鳴海「ああ、悪いな。蒼星石」

コイツは蒼星石。オレが見つけた人形で、一番早く出会った。出会った時に契約しろとうるさかったが、契約してからはとても良い奴だ。

ちなみにさっきの人形『真紅』は蒼星石と出会った数時間後にしろがねが見つけた。真紅は契約がどうだのとは言わなかったが、紅茶を飲ませろとうるさかった。あと、よく髪で俺を叩く。
36第5幕:2009/08/15(土) 13:53:52 ID:tyMvnAvZ
真紅「全く…少しはしろがねを見習って欲しいわ」

しろがね「いえ、私はそんな…」

ヒントその2……

−しろがね−

オレの恋人だ。ちなみにちゃんとした結婚式は挙げていない。
オレとしろがねは初めて会った日に一目惚れした。けど、お互い死ぬほどの目に会ってしろがねとは生き別れになり、オレは記憶を失った。
そして再び会ったしろがねにオレは…ひどい言葉を沢山言った。
今は記憶も戻り、オレ達は結ばれているが、オレはまだ自分のやった事を許せていない。許したくもない…
俺はこれ以上人形を増やしてしろがねを危険な目に合わせたくない…
37第5幕:2009/08/15(土) 13:57:55 ID:tyMvnAvZ
真紅「鳴海…たかだか紅茶とは聞き捨てならないわね…」

鳴海「うぉぇ?違う、今のは言葉のあやで…」

蒼星石「ふふ…真紅の冗談だよ、マスター」

真紅「早くお茶を楽しみたいのは冗談ではないのだけれどね」

しろがね「あの…紅茶よりもまずはこの鞄を開けたほうが良いのでは?」

ヒントその3…

−鞄がまた見つかった−

蒼星石や真紅は特別な鞄に入っていて、ゼンマイを巻くと動き出す。ついさっきオレらは3つ目の鞄を見つけた。今度はどんな奴が来るのか…蒼星石みたいな奴ならいいんだけどな。

鳴海「スウ〜ハア〜。行くぜ…」

  ガチャッ…

真紅「この子は…」

しろがね「蒼星石に似ている?」

蒼星石「…」グッ!

蒼星石「マスター!!ゼンマイをお願い!!」

鳴海「わかったよ…」カチャッ

  キリキリ…キリキリ…

  …パチッ

翠星石「…」

鳴海「おう。お目覚めか」

翠星石「…」すっ…


  メシャッッ


鳴海「ぐぉぉっ!?」

しろがね「ナルミ!?」
38第5幕:2009/08/15(土) 14:02:19 ID:tyMvnAvZ
翠星石「イ、イノシシが出やがったですぅ!真紅、蒼星石さっさとずらかるですよぉぉ〜」ダダダ

真紅「え!?」ガシッ

蒼星石「あのね、この人は僕の…」ガシッ
翠星石「もたもたしてると食われちまうですよぉぉ!!!」ピューン

 いってぇ…残念ながら3体目の人形は真紅よりも暴力的みたいだ。見た目だけは蒼星石そっくりなんだが…

しろがね「ナルミ!大丈夫ですか!?」

鳴海「ああ。目を思いっきりつつかれたから涙が止まんねぇがな」

しろがね「そうですか。無事で何よりです…」

  20分後…

しろがね「おかしいですよナルミ。あの人形達、帰って来ません…」

鳴海「どうせ、どっか遠い所にでも逃げたんだろ。オレはどうやらイノシシみたいだからな」


しろがね「でも、もし何か事件などに巻き込まれていたら…」

→人形を助ける
→人形を助けない

鳴海「なあ…しろがね」

鳴海「この件に首を突っ込むのは辞めねえか?」

しろがね「何故ですか!あの人形達が心配ではないのですか!?」

鳴海「すまねぇ…それは違うけどよ…もう面倒事に関わるのは辞めようぜ…」

鳴海「オレはもうゴタゴタした事に巻き込まれてお前と離れたくないんだ…」
39第5幕:2009/08/15(土) 14:04:19 ID:tyMvnAvZ
しろがね「ナルミ…あなたは変わってしまった…以前のあなたはこんなに簡単に謝らず、そんな弱音を吐かなかった…」

鳴海「…」

「きゃぁぁ〜っ!!」

鳴海「この声はさっきのヤツらの…」

しろがね「今の声が聞こえましたか!?彼女達は助けを求めているのです!!」

しろがね「私の好きだった、私の愛したカトウナルミはこんな時に逃げなかった!助けを求める子供から目をそらそうとはしなかった!!」

しろがね「あなたは私に酷い言葉を送った事を悔いているのでしょう!」

しろがね「でも私は…あなたに暴言を吐かれたあの時よりも、今のあなたを見ている方が辛いのです…」

しろがね「悩むのは…考えるのはもうやめて!」

しろがね「ナルミっ!!!」

鳴海「…」

鳴海「へへっ…」

鳴海「すまねぇな。済んだ事をウジウジ悩んでたみたいだったな…」

しろがね「ナルミ…」

鳴海「行くぜェ!しろがねぇ!!」

しろがね「ええっ!」

ダッ!!

ヒントその4…
−俺は子供の悲鳴がガマンならない−

40創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 15:14:14 ID:tyMvnAvZ
あああ…『からくり』編ではなく『メイデン』編でした。薔薇乙女編です、すみません。

41第6幕:2009/08/15(土) 18:27:12 ID:tyMvnAvZ
メイデン〜剣とマリオネット

翠星石「真紅、蒼星石っ!もっと遠くへ行くです!!」スタタタ…

真紅「翠星石、話を聞いて頂戴…」

翠星石「あいつらから逃げきったら聞いてやるですぅ!」タタタ…

蒼星石「翠星石、前!前っ!!」

翠星石「へ?」ドカッ

男「…いてえな。何だ?子供か?」

蒼星石「すみません。よそ見をしていたんです」ペコリ

男「そうか、でもなァ…謝っただげじゃぁ許されねぇよな」

真紅「ではどうすれば許してくれるのかしら」

男「なぁに…ちょっと知らないおじさんの所で働いてもらうだけさ」

翠星石「何言いやがるですか、こいつは!!んなの嫌ぁですよっ」

蒼星石「翠星石!?」

翠星石「こんなヤツなら翠星石達だけで倒せるですよ」

真紅「私は契約していないのだけれど蒼星石はしているから何とかなるわね」

男「おいおい…人手は沢山いるぜェ」パチンッ

ズラアアアアッ…

下っ端「ちっ!ガキかよッ」

下っ端「ふひひひ…可愛いよォ…」

下っ端「大人の世界を教えてやるぜ、お嬢ちゃん」

真紅「人がこんなに…」

翠星石「こいつは厳しいですかね…」
42第6幕:2009/08/15(土) 18:30:23 ID:tyMvnAvZ
男「ほう。ガキとはいえなかなか可愛いじゃねぇか。ん?こいつ…人形!?」ガシッ

真紅「翠星石っ!」

蒼星石「このッ!!」

翠星石「翠星石に触るなですっ!この変態っ!!」

男「くく…お前らはその変態共に高く売れるだろうなァ」

真紅「下劣ね…」

蒼星石「翠星石から手を離せッ!!」ザクッ

男「いってぇ!!まずはその帽子を捕まえろォ!!」

蒼星石(10、20、30…数が多すぎる!僕らだけで勝てるのか!?)ダダダ…

真紅「蒼星石、後ろよ!」

手下「はい!捕まえたあ〜」ガシッ

蒼星石「しまった!」ボトッ

翠星石「庭師の鋏がっ!!」

男「ハサミなんか持っちゃってェ。さっきのはちょ〜っとだけ痛かったぞォォ…」ニタァ…

下っ端「まずはその可愛い顔を吹っ飛ばしてやるぜェ!」ブン

翠星石「いやぁぁぁ!」

蒼星石「くっ…」

  ガシッ

鳴海「オイタはそこまでだ」

蒼星石「マスター!?」

しろがね「みんな無事でしたか」

真紅「それにしろがねも!?」
43第6幕:2009/08/15(土) 18:35:14 ID:tyMvnAvZ
下っ端達「何だァ、こいつら。獲物持ってる俺らに向かって来るなんて頭おかしいんじゃねぇの?」

下っ端「ひゃひゃっ!お楽しみが増えたぜ!!」

鳴海「女の子いじめて何が楽しいんでぇ、このォ…」

鳴海「カスカスカスカス!!」ゴッ!ズドド!!ドガアッ!!!

下っ端「うがぁっ」バタッ

真紅「強い…っ!」

翠星石「イノシシが人間を吹っ飛ばしてるですぅ…」

下っ端「なんだよアレ…おい、女の方を人質にとるぞ!」

しろがね「ナルミに勝てないと分かると私を人質か…最低だ。あなたもそう思うでしょう?」

しろがね「ねえ…『あるるかん』」キュキュ…ギキュッ
  

  キリキリキリ…

真紅「鞄から人形!?」

翠星石「で、で、でっけ〜です…」

蒼星石(僕達よりも数倍大きい…!!)

しろがね「『LES ARTS MARTIAUX!』<戦いのアート>」

あるるかん「…」キキキ…カキカキ…ガキッ…ガカカカカ…

しろがね「『コラン』」

あるるかん「…」ギュアアアッ!!


 ドガガガガガガ…!!!

下っ端達「ごっふぁ」ドサササ

下っ端「こ、こいつら強すぎる〜」

真紅「たった2人で30人以上を…」
44第6幕:2009/08/15(土) 21:54:12 ID:tyMvnAvZ
蒼星石「ッ!!最初の男がいない!?」

翠星石「あのやろ〜見つけたらただじゃぁおかねぇです」

しろがね「トラックに!!」

男「ヒャッハー!!ペチャンコにしてやるよ!!」ブロ…

蒼星石「たあっ!!」シャッ!!シャッ!!

真紅「だめ…切れ味が鋭すぎて決定打にならないわ」

翠星石「翠星石達ペチャンコになるんですか!?」

男「終わりだァ!」ブロロロ…

蒼星石(スピードが出てきた。もうダメだ…)

鳴海「諦めんのは早すぎるぜ」ジギジギ…

蒼星石「マスター!?」

鳴海「『聖ジョルジュの剣』…」ジャキイィン!!

翠星石「何ですか!?イノシシの腕のぶっとい剣は!!」

真紅「あれはドラゴン退治の聖人の名前を持つ武器…」

蒼星石「でも、あれはかなり堅いよ。いくらマスターが強くても…」

しろがね「大丈夫です。あの剣を出したナルミは絶対に負けません」
45第6幕:2009/08/15(土) 21:56:04 ID:tyMvnAvZ
男「潰れたカエルみたいになっちめェェ!!」ブロロロロロロロロロ!!

翠星石「危ねぇですっ!」

鳴海「オオ…ッ」ダンッ!

鳴海「ラア!」ヂギギギ…

ズ バ ア ァ っ ! !

男「嘘だろ…!?」

男「まさか…トラックが真っ二つになるなんてェ!!そんなの有りかよ…」

鳴海「有りさ…」

蒼星石「すごい…」

しろがね「伏せて!!」

 ドガァァァァン


蒼星石「マ、マスターは!?」

真紅「あそこ…」

 ゴオオオォォ…

鳴海「オイ、そこの目つぶし人形」ザッ

翠星石「な、何ですか?イノシシ」

鳴海「オレはイノシシじゃねぇ…」

鳴海「鳴海ってーんだ」ニイッ

−また1つ、大きな歯車が動き始めた−
46付け足し:2009/08/15(土) 22:09:42 ID:tyMvnAvZ
>>36>>37の間にこれをお願いします。次回の投下は明日の午前中に予定しております。




しろがね「あの、私も手伝いましょうか?」

鳴海「いや、たかだか紅茶を淹れるだけだから3人もいらないぜ」

しろがね「そうですか…」

鳴海「っ!いや、その…悪いな…」

しろがね「いえ、別に…」

今みたいにお互いが気まずくなることがたまにある。
47創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 10:09:50 ID:fR8Fud1B
やっべ、投下されてたのか
早寝するんじゃなかった、とりあえず乙
48第7幕:2009/08/16(日) 13:47:48 ID:2HZk/ykr
メイデン〜黒い亡霊

「ねぇ、近くの教会に亡霊が出るんですって」
「聞いたわ。黒い亡霊でしょう?」
「ええ、夜になると動き出すらしいわね」
「私は早朝に見かけたって話を聞いたわ」
「幽霊が早起き?これは笑い話ね」
「ふふ、さあ早く行きましょう。お祈りが始まるわ」
「ええ、そうね」


真紅「…」ガシッ

翠星石「ちょっと真紅、狭いんだからしがみつかないで欲しいです」

蒼星石「流石にリュックの中にドール3体と鞄3つは辛いね…」

翠星石「別に人形が町を歩いてたって良いじゃねぇですかぁ〜」

鳴海「良くねぇよ。しかし歩きにきぃな」

しろがね「すみませんナルミ。私も手伝いたいのですが、あるるかんで精一杯で…」

鳴海「良いってことよ。もうちょっとでホテルまで着くから頑張ろうぜ、しろがね」

翠星石「そうです。頑張るですよイノシシ」

鳴海「だからオレは鳴海だって、目つぶし人形」

翠星石「…」ひょこっ…ちらっ

翠星石「イ〜ノシシぃ〜」

鳴海「てめぇ…」

翠星石「ひゃあっ、助けてしろがね〜」ササッ

蒼星石「マスター。翠星石を許してあげてね」

しろがね「ふふふ」
49第7幕:2009/08/16(日) 14:30:11 ID:2HZk/ykr
真紅「そんな事より早くホテルへ行きましょう。こんなに暗い場所に長くいたくないわ」

しろがね「ええ、そうですね」

鳴海「お、あれだな」

  ガチャッ

しろがね「すみません。一泊したいのですが」

宿屋「分かりました。でも良いんですか?」

鳴海「何がだい?」

宿屋「最近出た黒い亡霊の話ですよ。」

真紅「!」びくっ!!

翠星石(真紅?)

鳴海(動くな)ぼそ…

しろがね「ああ、さっき町の人が話していましたね」

宿屋「そいつが出てから旅人は気味悪がってこの町に寄り付かなくなったんですよ。話によればそいつは闇よりも黒い体をしていて…」

真紅「〜!!」ジタバタ

蒼星石(相変わらずこういうのに弱いなあ…)

鳴海(暴れるな…)ぼそっ…

しろがね「そ、そうなんですか。では私達は部屋に行きますね」

宿屋「ああ。ゆっくりしていきな」
50第7幕:2009/08/16(日) 14:33:45 ID:2HZk/ykr
  ドサ…ッ

鳴海「ふう…やっと落ち着けるな」

蒼星石「ここまで運んでくれてありがとう。マスター」

鳴海「おう。それにしてもさっきはリュックの中でお前らが動くからヒヤヒヤしたぜ」

翠星石「翠星石と蒼星石は大人しくしてたです。真紅が暴れやがったんですぅ」

しろがね「真紅。亡霊に何か心当たりがあったのですか?」

真紅「い、いえ…た、ただその亡霊を退治しようかと考えただけだわ…」

しろがね「それは素晴らしい考えです!!皆さんも手伝いませんか!?」

鳴海「面白そうだな。やるぜ」

蒼星石「マスターが行くなら僕も」

翠星石「しゃあね〜ですね。この町の為に翠星石が一肌脱ぎますか」

真紅「…」サアア…

鳴海「幽霊退治ってことだから、このまま夜まで待つか」

真紅「いえ!!さ、早速行きましょう!」

翠星石「夜の方が雰囲気が出るですよ?」

蒼星石(やっぱり怖いんだ)

真紅「ロ、ローゼンメイデンは人を幸せにする為の存在なのよ。だから一刻も早くこの町を救わないと」ぶるぶる…

しろがね「それもそうですね」

蒼星石(あんなに震えちゃって…可愛いなぁ)

真紅「早く行くのよ!暗くなる前に!!」
51第7幕:2009/08/16(日) 14:36:54 ID:2HZk/ykr
〜教会〜


ギイイ…

鳴海「邪魔するぜ」

翠星石「普通の教会ですね」

しろがね「ええ、ですが油断してはいけません」

真紅「そうよ。奴らは隙を見つけたら襲いかかってくるわ!」

蒼星石「真紅、落ち着いて」

鳴海「しっかし本当に何も変哲もないな」

しろがね「もしかしたら夜にならないと現れないのでしょうか」

翠星石「じゃぁ、今は夕方ですから、いったん宿屋に戻って出直しますかね」

真紅「も、もう少し粘ってみない?」

鳴海「はは〜ん。さてはお前、亡霊が怖ぇんだろう」

真紅「…」カァァ…

蒼星石(頑張れ真紅)

真紅「…」ポカポカポカポカ

鳴海「いててて、おい止めろって」蒼星石(頑張れ真紅)

真紅「…」ポカポカポカポカ

鳴海「いててて、おい止めろって」


  ギイイ…ガチャン!
翠星石「扉が閉まりやがったです!!」

しろがね「教会が真っ暗に!!」

蒼星石(真紅のローザミスティカが飛び出しそうだ!)
52第7幕:2009/08/16(日) 14:40:39 ID:2HZk/ykr
真紅「っ…」ギュウッ…

鳴海「…仕方ねぇ…離れんじゃねぇぞ」

真紅「…」コクっ

しろがね「何か…来る!!」

バサッ…バサッ…バサ…

  ふわっ…

翠星石「黒い羽?」

  バサッバサッバサ…

「あらぁ、こぉんなに縮こまっちゃって、一体どうしちゃったのかしら」

真紅「あ、貴女は…」

水銀燈「ねぇ、しぃんくぅぅ」

 バ サ … ッ

〜からくりメイデン〜
53訂正:2009/08/16(日) 14:52:52 ID:2HZk/ykr
>>51

〜教会〜


ギイイ…

鳴海「邪魔するぜ」

翠星石「普通の教会ですねぇ」

しろがね「ええ、ですが油断してはいけません」

真紅「そうよ。奴らは隙を見つけたら襲いかかってくるわ!」

蒼星石「真紅、落ち着いて」

鳴海「しっかし本当に何も変哲もないな」

しろがね「もしかしたら夜にならないと現れないのでしょうか」

翠星石「じゃぁ、今は夕方ですから、いったん宿屋に戻って出直しますかね」

真紅「も、もう少し粘ってみない?」

鳴海「はは〜ん。さてはお前、亡霊が怖ぇんだろう」

真紅「…」カァァ…

蒼星石(頑張れ真紅)

真紅「…」ポカポカポカポカ

鳴海「いててて、おい止めろって」


  ギイイ…ガチャン!
翠星石「扉が閉まりやがったです!!」

しろがね「教会が真っ暗に!!」

蒼星石(真紅のローザミスティカが飛び出しそうだ!)
54第8幕:2009/08/16(日) 15:55:35 ID:2HZk/ykr
メイデン〜2人目

真紅「貴女は…水銀燈…!!」

水銀燈「うふふ…お父様以外の男性にくっつくなんて、恥知らずも良いところねぇ」

翠星石「やい!水銀燈っ!!どの面下げて翠星石達の前に来やがったですか!!」

水銀燈「あらぁ、アナタもいたのね。オマケがいるってことわぁ…」

蒼星石「翠星石はオマケなんかじゃない!!」

水銀燈「会いたかったわよぉ、蒼星石ィ。お元気そうで何よりだわぁ」にやっ

翠星石「このっっ…」

鳴海「ちょっと待てよ。あいつとはどんな関係なんだよ」

しろがね「見たところ真紅達に似ていますね」

真紅「あの子は『水銀燈』ローゼンメイデンの第1ドールで私達の姉妹よ」

鳴海「第1って…姉ちゃんかよ!」

翠星石「でも、あいつは…蒼星石のローザミスティカを横取りしたんです!そのせいで蒼星石は二度と動けなくなるかもしれなかったんです!!」

しろがね「そんな事が…」
55第8幕:2009/08/16(日) 15:57:16 ID:2HZk/ykr
蒼星石「あれは気を抜いていた君達に非があったと僕は思うよ」

翠星石「!?」

水銀燈「あらぁ、私を庇ってくれるのぉ?姉思いの妹を持って幸せだわぁ」

蒼星石「でもね、マスターや翠星石に危害を加えるとなると別だよ。水銀燈。君の目的は何だい?」

水銀燈「目的ィ?決まっているじゃない…」グググ…

翠星石「来るですよ!」

水銀燈「アナタ達のローザミスティカよぉっ!!」シュババババ

鳴海「羽なんかでオレを倒せると思ってるたぁ甘ぇな!」パシッ、パシパシシ…

水銀燈「甘いのはそっちよ…」

蒼星石「マスター!羽に触っちゃだめだ!!」

鳴海「へ?」

ボォォ…

鳴海「わっちいっ!!」

しろがね「ナルミっ!あるるか…」ガバッ

真紅「待ってしろがね!今あるるかんを出したら真っ先に糸を狙われるわ…」

しろがね「くっ…」

翠星石「万事休すですか…」

水銀燈「うふふふ…お別れは済んだかしらぁ?いくわよ」ググググググ…

鳴海「くっそォ…」

ギイイィ…

???「おやおや…これはとんだ再会だねぇ」
56第8幕:2009/08/16(日) 16:00:46 ID:2HZk/ykr
鳴海「まさかその声は…」

しろがね「ルシール先生!?」

水銀燈「アナタ…」

翠星石「誰です?このオババは?」

ルシール「知らない内にエレオノールとの子供なんかこさえて…全く人は見かけによらないねぇ」

鳴海「はあ!?何言って…って本物なのか!?」

しろがね「何が何やら…」

ルシール「話は後だよっ!まずは、あの自動人形を破壊してからさ!!」ジャキッ!

ギュイイィィン

水銀燈「そんなちっぽけなヤリで勝てるとでも思ってるのっ!?」バシュッ

ルシール「さてどうかね、刺されば分かるかも…しれないよっ!!」スタッ!ビュオッ!!

蒼星石「マスター。あのおばさんは何者なの?」

鳴海「ルシール。オレの仲間だった奴さ。死んじだハズだったがな…」

蒼星石「死んでいたはず…!?」

真紅「…」ぱくぱく…

翠星石「本当の亡霊が出やがったんですか!?じゃあ今戦ってるあのオババは一体何なんですか!?」」しろがね「わかりません。しかし本当に先生だとしたら…先生は最古の『しろがね』。あの人形が勝てるかどうか」

蒼星石(しろがね?)
57第8幕:2009/08/16(日) 16:02:28 ID:2HZk/ykr
ルシール「どうしたんだい!?羽が当たらないじゃないかえ!」ビュン、ブォン!!

水銀燈「くっ…」バサァッ

鳴海「飛びやがった!」

ルシール「そっちは罠さ」ニィっ

ルシール「頭にお気を付け!!」カチャッ

ドカカカカ

蒼星石「マシンガン!?」

翠星石「バ、バイオレンスなオババです…」

パリィィィイン

水銀燈(狙いは私じゃなくてガラス!?)

パラパラ…

ドザアアア!!

水銀燈「きゃあっ!」ガシャァンッ

しろがね「危ない!真紅っ」

真紅「え?」

ヒュー…

しろがね「くっ」ダッ
ザクッ

しろがね「無事で良かった…」

真紅「助かったわしろがね。貴女、腕を…」

しろがね「心配いりません」パキパキ…

真紅「傷が塞がって…?」

しろがね「私は『しろがね』ですから」
58第8幕:2009/08/16(日) 16:06:39 ID:2HZk/ykr
鳴海「おい、そろそろ止めないとお前の姉ちゃんバラバラになっちまうぞ」

翠星石「くっ…」

蒼星石「翠星石、許してあげよう。僕は水銀燈を恨んではいないんだ」

翠星石「でも…」

鳴海「ほら、さっさと助けに行くぞ」


水銀燈「痛た…っ!お父様から頂いたヘッドドレスが…どこ…どこなの?」キョロキョロ…

水銀燈「あった…」ぱしっ

チャキッ

ルシール「さあ、遊びは終わりだよ」

水銀燈「この…っやるならさっさとやりなさいよっ!!」


ルシール(この顔…この髪…似ている…あの子に…)
59第8幕:2009/08/16(日) 16:07:54 ID:2HZk/ykr
しろがね「先生っ!やめて下さい!!その人形はあの子達の姉なんです」

ルシール「…わかったよ」スチャッ…

鳴海「やけに素直だな…」

ルシール「なぁに、久しぶりに会った旅の連れや教え子と話をしたくてね」

ルシール「あと、そこのお嬢ちゃん達ともね」

蒼星石(死んだはずのマスターの仲間…)

翠星石(このオババ、危なすぎですぅ…)

真紅(怖くない、怖くない…)

水銀燈「くっ…退散するしか…」

ルシール「あと、そこの羽を生やしたあんたもだよ」

水銀燈「何よ、アナタ!数日前から私を追って…」

ルシール「済まないが、人違いだったんだよ。いや、人形違いと言うべきかね」ニャっ

鳴海「ルシール…お前どうして生きてんだよ!?」

ルシール「その話は後さ。あたしらが騒いだから此処には居づらくなっちまったよ」

ルシール「さて、まずはどこかのホテルにでも行って高級なワインでも飲ませて貰おうかね…」にぃっ


からくりメイデン〜一時閉幕〜
60創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 17:06:30 ID:2HZk/ykr
次回は21日を予定しております。

書き込んでくれた人達ありがとうございます!!
61創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 18:39:38 ID:fR8Fud1B

蒼の子のローザミスティカが一度取られてた?
そうするとジュン達の時代は経験済みか?
62創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 19:41:49 ID:2HZk/ykr
>>61時間的には

からくり→最後の戦いから一年後
ローゼン→旧ローゼン最終巻から色々あってからくりの世界へ

という設定です。 だからジュンの世界をみんな体験しています。
63創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 23:12:23 ID:fR8Fud1B
>>62
なるほどね、把握
64創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 02:26:37 ID:Xtv7ihgk
こんなのあったのか
ローゼンはよく知らないがからくり好きな俺は応援するぜ
できれば最古の四人も復活させてあげてほしいです
あ、ドットーレは除く
65第9幕:2009/08/21(金) 12:40:22 ID:KblbLxOl
からくり〜再び黒賀村へ

フウ「さてさて皆様ご機嫌よう」

フウ「ようやくゆるりと動き出したこの物語。やっと歯車が集まって参りました」

フウ「『生き返った人間』『自動人形』『薔薇乙女』そして『雪華結晶』…」

フウ「さて、これらの歯車は如何なるようにかみ合って行くのか…」

フウ「青年は旅に出て少年は故郷に帰る」

フウ「からくりメイデン『からくり』編、第2幕の始まりでございます」
66創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 12:42:17 ID:i8ZXvKTq
第二幕ktkr
67第9幕:2009/08/21(金) 12:42:44 ID:KblbLxOl
おひさしぶりです。勝です。僕達は今、ギイさんの運転する車に乗って僕のもうひとつの故郷である黒賀村に向かっています。

ブオーン

雛苺「ソフトクリームおいし〜の」ペロペロ

金糸雀「アイスキャンディ−を考えた人は偉大かしら〜」ぱくぱく

雛苺・金糸雀「はあ〜幸せ〜」ほわわわ…

勝「喜んでくれてぼくも嬉しいよ」

ギイ「ところでマサル。どうしてもジャコの修理は平馬じゃないとダメなのかい?」

勝「うん。ジャコをいじっても良いのは僕と平馬だけって約束したから」

雛苺「ジャコは壊れちゃったの?」

勝「ううん。ただ、このジャコはサーカス用の戦いは得意じゃないタイプなんだ。それに最近傷んできたからちょっとね」
68創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 12:45:37 ID:i8ZXvKTq
すげえ会話がそれっぽいなww
69第9幕:2009/08/21(金) 12:46:38 ID:KblbLxOl
金糸雀「早くマサルの友達の『平馬』っていう子に会ってみたいかしら」

ギイ「ほら金糸雀。お喋りに夢中になってキャンディ−が溶けてきてるぞ」

金糸雀「え!?きゃぁぁ!大変かしら!大変かしら!!」

雛苺「マサル〜ソフトクリームごちそうさまなのよ」

勝「ふふ。美味しかった?」

雛苺「うゆ!マサルの買ってくれたアイスとってもおいしかったの。もっと食べたかったのよ〜」

勝「じゃあはい、これ半分あげるよ」パキ…

雛苺「うわ〜い。ありがとうなのマサル〜」

ギイ「それは半分に割れるお得なアイスだな。子供らしくてなかなか良いチョイスじやないか」

勝「うん。このアイスは特別好きなんだ」

雛苺「マサルと一緒に食べるアイスはとってもおいしいの」にこっ

金糸雀「ギイさんはアイスキャンディ−食べなくて良いかしら?」

ギイ「キャンディ−はもう、いらないんだ」

金糸雀「キャンディ−?」
70創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 12:48:42 ID:i8ZXvKTq
ドリアン「キャンディ」
71創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 12:55:17 ID:jNkvL+e2
梶山くんのアイス……
72第9幕:2009/08/21(金) 12:55:46 ID:KblbLxOl
勝「あっ。入り口が見えて来た」

ギイ「すまないが少し止まっても良いかな?」

雛苺「ギイさんお腹いたいくなったの?」

ギイ「いや、変装さ。死んだはずの僕がここに来たらみんな驚くからね。なあに、ここの住人以外で僕のことを知る者はほとんどいないから変装はここだけさ」

金糸雀「…」

勝(ギイさんをみんなに会わせてあげたかったな…)

ブロロ…

雛苺「人が沢山いるの〜」

ギイ(変装)「これは大層なお出迎えだな」

勝「お〜い。みんなぁ〜」

ユリ「マサル〜」

れんげ「マサルちん〜」
菊「勝〜っ」

ギイ(変装)「若い女の子が3人もお出迎えとは…この僕も恐れ入ったよ」

勝「ギイさん、それは違うよ…」

雛苺「むぅ〜」むっつり

金糸雀「もしかして雛苺怒っているかしら?」

雛苺「怒ってないのっ!」むっす〜

金糸雀(やっぱり怒ってるかしら…)

ダダダダ…

「マぁ〜サぁ〜ルぅぅ」ぐいっ!

勝「ヘ−まっ!」

金糸雀「『へーま?』じゃあ、あの子がマサルの…」

平馬「お前ェ…よくもジャコを壊しやがったな!」ゴチイン!

金糸雀「トモダ…チ?」
73創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 12:58:30 ID:i8ZXvKTq
うわああああ絵が浮かぶううううううwwwwwwww
74第9幕:2009/08/21(金) 12:59:00 ID:KblbLxOl
勝「っつ…壊れてないよ!ちょっと傷ついただけだっ!!」ガチイン!!

ギイ(変装)「全く、不器用というか野蛮というか…」

平馬「姉ちゃん達には悪りぃがマサルを借りてくぜ」ガシッ

3姉妹「ええぇ〜」

雛苺「ヒナはマサルに付いていくの〜」ピョン

金糸雀(雛苺の御機嫌がいつの間にか直ってるかしら!ケンカしてるマサルを見て…!?雛苺は黒苺かしら…)

金糸雀「カナも〜」ガシッ

金糸雀「え…?」

れんげ「ねぇ、そこの可愛いお人形さん。私ら置いてかれちったみたいだからちょっと遊ばない?」

ユリ「良ければお話しない?」

菊「勝の好みの女性像を教えて下さる?」

3姉妹「さあ…さあ…」

金糸雀「う…うえ〜ん」


村長「あなたはいったい…?」

ギイ(変装)「あ、ああ…私はマサルの知人だよ」
村長「マサルの…!!ちょっと最近のマサルの話を聞かせてもらっても良いですかな」グイグイ…

ギイ(変装)「ま、待ちたまえ…」

村長「さあ…さあ…」


〜村外れ〜勝と平馬の秘密の工房

平馬「ジャコの使い心地はどうだよ?」カチャカチャ

勝「すごく良いよ。ミサイルとかのギミックがなくなったのは少し寂しいけどね」

平馬「サーカス用のマリオネットにはグリムリーパーだけで十分だって」ニイッ

勝「まあ、そうだね」ニイ
75第9幕:2009/08/21(金) 13:02:12 ID:KblbLxOl
雛苺「うゆ。このジャコはマサルとへーまが作ったの?」

勝「うん。そうだよ。ぼくと平馬の2人で作ったんだ」

平馬「この人形も良く出来てんなァ〜お前1人で作ったのか?」じ〜

雛苺「違うのよ!ヒナを作ったのはお父さm」

勝「わ〜っ!!と、ところでジャコは直りそう?」

平馬「何だ?まあ、痛んでた部品はみんな取り替えたから大丈夫だろうよ。ただ、まだ馴染んでないから気を付けろよ」

勝「わかったよ。部品はどのくらいで馴染むの?」

平馬「慣らしも入れてざっと2日ぐらいだな。まあ、その間はあんまり激しく使うなよ」

雛苺「ヒナわかったのよ!すぐに動かすとジャコは大変な事になるの!!」

平馬「おう。その通りだ。賢いなお前」なでなで… 雛苺「えへへ…見てマサル。ほめられたのよ」

勝「うん。スゴいよ雛苺」

雛苺「ヒナもジャコを直すのよ〜」ペタペタ…

平馬「お〜い。あんまし変な所をいじんなよ。って聞いてねぇか…」

平馬「ところでマサル」

勝「なに?」

平馬「お前はジャコで何と戦ったんだ?」

勝「え!?」ドキッ
76創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:03:05 ID:i8ZXvKTq
右下あたりのコマで勝と平馬が顔をめっちゃ近づけて笑いあうのが浮かんだ
77創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:04:04 ID:i8ZXvKTq
支援
78第9幕:2009/08/21(金) 13:04:06 ID:KblbLxOl
平馬「オレは懸糸傀儡の知識なら少しはあるんだよ。ジャコに付いてた傷は明らかに人間の手で付けられた傷じゃねぇ…」

平馬「自動人形か?」

勝「…うん…」

平馬「マジかよ!自動人形はみんなくたばっちまったんじゃねぇのかよ!?」グイッ

勝「ぼくにもわからないんだ。フウさんなら何か知ってるかと思って尋ねようとしたけど、その前にジャコを直していこうと思ってここに来たんだ…」

平馬「そうか…」パッ

平馬「今回は勝てそうか?」

勝「わからない…敵が何を企んでいるかもわからないんだ…」

勝「でも勝つさ」ニヤッ

平馬「ったりめーだろ」ニヤッ

雛苺「2人とも嬉しそうなのね」

平馬「んぁ、これはその〜」チラッ

平馬「っ!!」

平馬「マサル…」

勝「今度は何?」

平馬「お前はどうやら姉ちゃん達以外にも人気者らしいぜ…」

勝「まさか、ここにもっ…」

勝「平馬!ぼくらと一緒にいた人形にこの事を伝えてっ!!雛苺はぼくと一緒に戦いの準備を!!」

雛苺「うぃ−」

平馬「おい、マサル!ジャコは調整中なんだぞ!!勝てんのかよ!?」

勝「さっきも勝つって言ったろう?さあ、平馬はやくっ!」

平馬「ちっくしょぉッ!!」ダダダダッ

勝「雛苺、準備は良い?…怖くはない?」

雛苺「ええ、マサルが一緒だから大丈夫よ」

勝「そっか」にこっ

雛苺「来るのよ…」

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ

勝「さあ来い!自動人形ッ!!この村は…ぼくらが守るっ!!」

〜からくりメイデン〜
79創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:05:05 ID:i8ZXvKTq
かっけえ
80第10幕:2009/08/21(金) 13:11:21 ID:KblbLxOl
からくり〜故郷


自動人形「ふふん…ガキ2匹がこのスパッツア様に勝てるとでも思ってんのかァ!」

雛苺(強そうなの…)ゴクリ…

勝「勝つさ…」

スパッツア「ふふふん!!これを見てもそんな口を叩けるのかなァ!?」ゴオオオ…

雛苺「お空を飛んだのよ!!」

スパッツア「驚いたか?じゃあ死ねッ!!」ゴオッ…

雛苺「きゃあっ!!」

勝「安心して、雛苺。ジャコは飛べるんだ」

キュウッ

ジャコ「イヒヒヒヒ」ヒィィィン

ヴインン…ふわっ

雛苺「グリム・リーパーが箒に!」

勝「雛苺!ぼくに捕まって!!行くよっ…」ブオオッ

スパッツア「ちっ!あのマリオネットも飛ぶ機能を持ってたかっ!!」

雛苺「スッゴいの〜!ヒナ達がいた場所があんなにちっちゃく見えるのよ」

勝「さあ、これでぼくらは互角だ」ビュオッ

スパッツア「何が互角だァっ!出力が違う!装備も違う!!何より強さが違ガァァう!!!」ドパパッ!!

勝「当たらないよっ!」ヒュン

ジャコ「イヒヒ…ヒヒ…」ギシッ…ギシッ…

雛苺「マサル!ジャコが苦しそうなの」

勝(やっぱり戦うには早いかっ!)
81創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:14:39 ID:i8ZXvKTq
やばいな
82第10幕:2009/08/21(金) 13:18:56 ID:KblbLxOl
スパッツア「おやぁ〜どうやらそのマリオネットはベストじゃねぇみてぇだなァ…」ニタァ…

スパッツア「じゃあ簡単だ!ソイツをブッ壊したらおまえらは墜っ死ぬ!!」ジャキッ!

スパッツア「しかも、たった一つの武器のその鎌を使って飛んでるから狙い放題だぜェ!」ゴオオッ!!

勝「くっ」ゴオッ…

スパッツア「ほらほらどうしたッ!!攻撃してみろよォ!!」ズガガガガ

勝「くっ!」

ズバッ…!!

ジャコ「イヒヒ…」プチッ…プチ…

雛苺「マサル!糸が!!」

勝「くっ…雛苺!しっかり捕まってて!!」

勝・雛苺「わああぁぁ!!」ヒュ−…………

ドガアッ!!

スパッツア「はははァ!ガキ2匹死亡ォォオ。後はさっきのガキを見つけてっと…」

スパッツア「んん!?」

勝「雛…苺。大丈…夫?」

雛苺「うゆ…でも、マサルがっ!」

勝「こんな傷は…へいちゃらさ…」ズキッズキッ…

スパッツア「おうおう!泣かせるねェ!退屈すぎてこの村に火を付けちまう所だったぜェ!!」ゴウウゥ…

勝「させない!この村は、この場所は…ぼくの故郷なんだ!」

スパッツア「じゃあ止めてみせろよォ!まァ、マリオネットが壊れたから手も足も出せねぇがなァ!ひひひひ…」

スパッツア「ヒャヒャ!力のねぇヤツが何をしても意味ねぇんだよ!!」

「その意見には全面的に賛成だな」カチャリッ

 ドガガガガガン!!
83創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:21:05 ID:i8ZXvKTq
>勝「こんな傷は…へいちゃらさ…」ズキッズキッ…

雛苺を安心させるために笑っているに違いない
84第10幕:2009/08/21(金) 13:26:03 ID:KblbLxOl
勝「ギイさん!?」

ギイ「済まないマサル。村長がなかなか解放してくれなくてな」

金糸雀「カナも参上っ!かしら」ぴょこっ

スパッツア「ギイ、テメェ…」

ギイ「どうやら僕とお前には何か縁があるようだな。もっともその縁は今断ち切られるがな」キュイッ

ギイ「舞え…」きゅいっ…

ギイ「『オリンピア』!!」ぎゅぎゅッ!!

オリンピア「…」ゴワアアア…

金糸雀「ギイさんのオリンピアも空を飛べるのよっ」

スパッツア「今度こそお前の首を切り落としてやるよォ」ドパパパパ

ギイ「なら僕は今度こそお前を完全に排除してやろう」ドバババ

金糸雀「カナも手伝うかしら『終わりのないカノン』っ」ゴオッ

スパッツア「チイイっ」チュイン

雛苺「これなら勝てそうね」

勝「うん。だけどもう時間がないよ…」

雛苺「え?」
85創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:32:18 ID:i8ZXvKTq
え?
86第10幕:2009/08/21(金) 13:35:28 ID:KblbLxOl
勝「いくらここが村から離れていても、ぼくらの落ちたときの音やスパッツアの銃の音は村に届いているはずなんだ。早くあいつを倒さないと村の人に自動人形の事が知られちゃう…。この村の人たちを戦いに巻き込みたくないんだ…」

雛苺「…マサルは本当にここが大好きなのね」

勝「うん。ここは楽しくて、あったくて…幸せになれるんだ」

雛苺「ヒナにもあったわ。そんな場所が…」にこっ

雛苺「マサル…契約よ!!」

勝「え?」

雛苺「ヒナの苺轍ならどうにかできるかもしれないのよ」

勝「そうか!それなら…」

→戦う
→逃げる

勝「戦おう、雛苺…」

雛苺「ええ…」

→戦う

勝「一緒にだッ!!」

雛苺「ええッ!!」

→一緒に戦う

雛苺「マサル。この指輪にキスをして…」

勝「キス!?わ、わかったよ…」すっ…

パアアアア…

スパッツア「ハァ、ハァ…おまえらァ…」ボロ…

ギイ(そろそろ終わりそうだが、さてどうするか…)
87創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:36:39 ID:i8ZXvKTq
それっぽい
物凄くそれっぽい
88第10幕:2009/08/21(金) 13:41:24 ID:KblbLxOl
勝「…」す〜っ

勝「そいつをここに連れ来て〜」

ギイ「やれやれ、あんな大声を出して…。仕方ない。行くぞ!金糸雀、オリンピア!!」ビュンッ

金糸雀「とっても早いかしらぁ〜」ブオオッ

スパッツア「体当たりか!?」

ギイ「シェイクスピア曰わく『自ら飛び込むほうがよい。手をこまねき待つよりも』」

オリンピア「…」ガシッ

スパッツア「こ…の…放せェ!」ジタバタ…

ギイ「オリンピアの五本の腕はお前を地獄に連れて行くまで放さないさ」ギュンッ

金糸雀「今度は急降下かしらぁぁ〜」

スパッツア「地獄に行くのはおまえらもだぜェ…」

ギイ「何…!?」

スパッツア「オレ様の体の中には爆弾が入ってんだよ。衝撃にとびきり弱ぇ奴がなァ…」ニタリ…

金糸雀「そんな…」

スパッツア「ほらほらァ!地面が見えて来たぜ!放さなくて良いのかよ?オレが激突したらみんな死んじまうぜェ!!」ゴオッ…

ギイ「くっ…」ギユィッ

オリンピア「…」パッ


スパッツア「ヒャッホォウゥ!流石だぜ!ありがとよ!地獄へ落ちなっ!!」チャキッ!

金糸雀「ギイさん!!」

シュルルッ…パシンッ!!

スパッツア「何だこりゃあ!?」

金糸雀「これは雛苺の…」

勝「やっと苺轍が届く所まで来てくれたね」

雛苺「ヒナはあなたを絶対に許さないの!」ギチッ…
89創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:44:14 ID:i8ZXvKTq
>スパッツア「何だこりゃあ!?」

浮かぶwww
90第10幕:2009/08/21(金) 13:44:30 ID:KblbLxOl
スパッツア「クッ…だがオレに衝撃を与えると…」

金糸雀「マサル、雛苺!危ないかしら!!」

勝「ねえ金糸雀。『分解』って知ってる?」

金糸雀「えっ…!?」

勝「…」チャキッ!

ビュ…ビュンッ

勝「  分 解 ッッ ! 」

ヒュンヒュン!!

スパッツア「は…?」ぼと…

スパッツア「はぁぁぁ!?」ガチャン…

雛苺「あっという間にバラバラになったの…」

ギイ「地面におびき寄せ、苺轍で逃げ場を塞ぎ分解か…考えたな」

勝「雛苺のおかげだよ。雛苺がぼくに勇気を…力をくれたんだ」

雛苺「て、照れるのよ〜」

金糸雀「カ…カナは急いでギイさんを呼んできたかしら」

勝「うん。金糸雀もありがとう」

村人「さっきここから変な音がしたぞ…」

村人「平馬も気絶させられていたし怪しいな…」
91第10幕:2009/08/21(金) 13:46:14 ID:KblbLxOl
ギイ「村人が近くに来たか。村長の気をそらすために平馬を気絶させたのが仇となったな…」

ギイ「僕は一旦身を隠そう。適当に誤魔化しといてくれたまえ」ドンっ

勝「え!?そんな…って、うわっ」

村人「マサルがいたぞ〜」

村人「うわ、人形の部品だらけじゃないか。イタズラでも考えてたな〜」

ワイワイガヤガヤ

ギイ「…」


金糸雀「ギイさんはあの中に入らないの?」

ギイ「僕は入っちゃいけないのさ。ほら、金糸雀も行っておいで」

金糸雀「いいえ、カナはギイさんと一緒にいるかしら」

ギイ「そうか…」

ギイ「なあ、金糸雀…」

金糸雀「どうしたの?ギイさん」

ギイ「ここは良い村だろう」

金糸雀「ええ、そうね」

ギイ「ここは僕にとっても故郷なんだ」ふッ

金糸雀(ギイさん、いま笑って…)ぱぁぁ

ギイ「急ににやけ顔でどうしたんだい?」

金糸雀「うふふ、何でもないかしら」

金糸雀「ここは本当に良い所ね…」

からくりメイデン〜一時閉幕〜
92創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:46:57 ID:i8ZXvKTq
支援
93創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:47:40 ID:i8ZXvKTq
分解とかなつかしいww
94創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:57:20 ID:KblbLxOl
今日の投下はここまでで。

まさかすぐに書き込んで貰えるとは…うれしすぎです!!

次回、メイデン編第2幕は27日に予定しております。

95創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 14:03:22 ID:i8ZXvKTq
おおっ! 創作発表板の一周年の日に投下があんのか!

読もうと思って丁度スレ開いてたんだw
ここでこんなに脳内再生度高いもんが読めると思ってなかったよー
続きも待ってるぜ!!
96創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 14:50:35 ID:jNkvL+e2
ファティマ復活希望
97創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 21:24:39 ID:qhCTGOQU

スパッツアって誰だっけと思ったらあの虫型人形か
自爆人形の爆弾はルシールでも分解できるぐらいだから勝なら朝飯前だな
98訂正:2009/08/21(金) 22:26:51 ID:KblbLxOl
>>82

スパッツア「おやぁ〜どうやらそのマリオネットはベストじゃねぇみてぇだなァ…」ニタァ…

スパッツア「じゃあ簡単だ!ソイツをブッ壊したらおまえらは墜っ死ぬ!!」ジャキッ!

スパッツア「しかも、たった一つの武器のその鎌を使って飛んでるから狙い放題だぜェ!」ゴオオッ!!

勝「くっ」ゴオッ…

スパッツア「ほらほらどうしたッ!!攻撃してみろよォ!!」ズガガガガ

勝「くっ!」

ズバッ…!!

ジャコ「イヒヒ…」プチッ…プチ…

雛苺「マサル!糸が!!」

勝「くっ…雛苺!しっかり捕まってて!!」

勝・雛苺「わああぁぁ!!」ヒュ−…………

ドガアッ!!

スパッツア「はははァ!ガキ2匹死亡ォォオ。後はさっきのガキを見つけてっと…」

スパッツア「んん!?」

勝「雛…苺。大丈…夫?」

雛苺「うゆ…でも、マサルがっ!」

勝「こんな傷は…へいちゃらさ…」ズキッズキッ…

スパッツア「おうおう!泣かせるねェ!退屈すぎてこの村に火を付けちまう所だったぜェ!!」ゴウウゥ…

勝「させない!この村は、この場所は…ぼくの故郷なんだ!」

スパッツア「じゃあ止めてみせろよォ!まァ、マリオネットが壊れたから手も足も出せねぇがなァ!ひひひひ…」ニマァッ

勝「くっ…」

雛苺「マサルをいじめるのは許さないの!」

勝「雛苺…」

雛苺「マサルは大切な毎日を…大切な人たちを守ろうとしてるのよ!!あなたなんかにマサルは絶対に負けないの!!」

スパッツア「なら今すぐ負かしてやるよっ!!」ビュンっ

勝「くそおっ…」

スパッツア「ヒャヒャ!力のねぇヤツが何をしても意味ねぇんだよ!!」

「その意見には全面的に賛成だな」カチャリッ

 ドガガガガガン!!
99創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 22:47:08 ID:KblbLxOl
馴れ合いと叩かれるのが怖かったけど思いきって


>>64ある程度決まっているんで、それはできないかもしれないです。

>>71気づいてくれた!!
梶山君の話は最終幕に次いでサーカス編の傑作なはず。
残念ながらファティマは復活しません…
自動人形ならある程度は。

>>97原作で戦ってない組み合わせをしたかったのでスパッツアを出しました。

本当はVIPでやってみたかったのでi8ZXvKTqさんの沢山の書き込みが震えるぐらい嬉しかった…!!
100創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 22:51:52 ID:i8ZXvKTq
ある程度の雑談が無いと創発だとスレ過疎っちゃうから全く問題無いんだぜ!
これは最後までここで書いたら、それを書き溜めとしてVIPに投下してもおkだと思う
っつうか、かなりクオリティたけえよw
101創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 23:00:47 ID:KblbLxOl
>>100良かった。じゃあ遠慮なく!!
VIPへの投下は今はそんなに良いかも。この板の居心地が良すぎてw
ちなみに最後あたりと盛り上がり所は軽くだけど書いてあるので完結する気満々だからね。
書きためはもうすぐで21と22幕が終わる速度…

そして100おめ
102創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 23:04:33 ID:i8ZXvKTq
>>100
そりゃ楽しみだ! 支援する気満々だから次の投下を待ってるでー!
そして100あり
103創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 19:09:34 ID:4UQH42f7
うわぁ、見ていなかったうちに投下きてたとは!
もう藤田絵でほとんど脳内再生されて、頭の中が大変なことにw
日常の一コマとか、勝が雛苺をかばうシーンとかなんともこう…!
完結まで見れると聞いて今からwktkが止まらないぜ!


あと、この板だと馴れ合いと叩かれる事は殆どないのでご安心をw
104創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 14:27:18 ID:xaO7VaXz
支援待機
105創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:20:09 ID:pIPJjJzi
創作発表板一周年

 お め で と う 
 ご ざ い ま す
106第11幕:2009/08/27(木) 16:21:52 ID:pIPJjJzi
メイデン〜しろがね

ラプラスの魔「この人形劇を御覧になるのが初めてでも、そうでない方もご機嫌よう。私はラプラスの魔と申し上げます」

ラプラスの魔「先ほど2幕目を演じられた『からくり』編では自動人形との戦いが繰り広げられました」

ラプラスの魔「7体の乙女は揃い、早くもこの『メイデン』編は用済みになるのでしょうか…」

ラプラスの魔「いいえ、違います。こちらの物語はここからが始まり」


ラプラスの魔「それでは『メイデン』編、第2幕の始まり始まり…」


ルシール「〜〜」

翠星石「ほうほう」

ルシール「〜〜〜」

蒼星石「ふむふむ」

しろがね「つまり先生は何者かに生き返らせられたということですね」

鳴海「夢みたいだが、こうして本人を見るとなあ…」

鳴海「ところでお前を生き返らせた奴はどんな奴なんだ?」

ルシール「さあねぇ。その白い人形は何だったんだろうね…」

ドールズ「!」

しろがね「皆さんどうしたんですか?」

真紅「もしかしたら…その子もローゼンメイデンかもしれないわ…」

水銀燈(雪華結晶っ…!!)ぎり…っ
107創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:23:02 ID:xaO7VaXz
ktkr!
108第11幕:2009/08/27(木) 16:24:02 ID:pIPJjJzi
蒼星石「僕たちローゼンメイデンは全部で7体。たぶん残りのドールズも目覚めているかもしれないね」

しろがね「その白いローゼンメイデンはどの様な子なんですか?」

翠星石「翠星石達もさっぱりわからんです。ただ…相当強くて危険なヤツですよ」

ルシール「その子に人の命を自由にする力があるのかい?」

蒼星石「僕は少し関わった事があったけどそんな力はないはずだよ」

真紅「じゃあ一体…」

しろがね「もしや『生命の水』<アクア・ウイタエ>が関係しているのでは…?」

鳴海「確かに、生命の水の回復力とこいつらの不思議な力を合わせるとどうにかなりそうかもな」

翠星石「ちょっと!生命の水って何か教えやがれですぅ!!」

ルシール「生命の水とは、まあどんな病気も治すことのできる万能薬だね」

水銀燈(どんな病気も…!?)

しろがね「但し副作用があり、目の色や体毛などが銀色になるのです」

蒼星石「病気が治るならそのぐらい良いんじゃないの?」

鳴海「副作用はもう1つあるんだ。水に呪われちまうんだよ…」

真紅「っ!!」びくっ

水銀燈(呪い…?)

ルシール「生命の水はなんでも溶かしてしまうのさ。金属も、人も、記憶もね…」
109創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:25:07 ID:xaO7VaXz
やっぱりルシールは良いなぁ
110第11幕:2009/08/27(木) 16:28:05 ID:pIPJjJzi
ルシール「生命の水はなんでも溶かしてしまうのさ。金属も、人も、記憶もね…」

翠星石「な…何ですか、その危ねぇ薬は!!」

ルシール「そうさ、恐ろしい薬さ。その中にある錬金術師が溶けた。そのお方は人形を…自動人形と言う人形を恨んでいた。尋常ではないくらいね」

蒼星石「人が溶けるとどうなるの…?」

ルシール「溶けた者は死ぬが、記憶は生命の水に保存されてしまうね。その水を飲めば溶けてしまった者の記憶が飲んだ者に流れ込んでくるのさ」

鳴海「溶けた奴の思いが強かったら飲んだ奴の心を支配しちまう…まあ、これが呪いだな」

しろがね「他にも老化を遅くしたりと…様々な効果があります」

真紅「ところで、どうしてそんなすごい物と貴方達が関係あるのかしら?」

鳴海「オレ達の血に混じってるんだよ。生命の水がな」

ドールズ「!!!」

鳴海「って言ってもそんな奴らは俺等しかいねぇよ」

しろがね「私達は5年に1歳しか年をとりませんし、軽い傷ならすぐに治ります」

真紅(だからあの時は傷が治ったのね)
111創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:29:37 ID:xaO7VaXz
だよな
サハラで壊滅状態になったし
112第11幕:2009/08/27(木) 16:31:17 ID:pIPJjJzi
翠星石「すげぇです。人間離れしてるですよ…」

ルシール「ええ、そうさ。私らは人間じゃない。生命の水を飲んだ者は『しろがね』と呼ばれ、自動人形の破壊に一生を賭けるのさ…」

水銀燈「ちょっと良いかしら…」

ルシール「何だい?お嬢ちゃん」

水銀燈「私の名前は水銀燈よっ!アナタ…私を変な人形と勘違いして壊しかけておいて謝りもしないって言うの!?」バンッ

真紅(いつにも増してイライラしているわね…)

ルシール「『済まない』とは言ったはずだがね」

水銀燈「このっ…」ギロッ

翠星石「っ…」ぞくっ

鳴海「おいおい。やめようぜ」

しろがね「そうですよ。ほら、先生も」

ルシール「…悪かったよ…」

水銀燈「フンッ」

蒼星石「今度はこっちが質問させてもらうけど、『自動人形』とは何なの?」

しろがね「自動人形とは人を襲う命を持った人形です」

鳴海「しかもそいつらは人の生き血を飲むわ、病気をバラまくわのクソッタレな人形さ」

翠星石「物騒な人形もいるんですねぇ〜」

水銀燈「ルシール。貴女…私とその人形を間違えたって訳…!?」
113創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:32:41 ID:xaO7VaXz
>ルシール「何だい?お嬢ちゃん」

“らしい”なwww
114第11幕:2009/08/27(木) 16:34:42 ID:pIPJjJzi
ルシール「ええ、さっきも言った通りさ。あんたを自動人形と勘違いしてこの町まで追って来た。もっとも、町の人に気づかれないように夜だけしか動けなかったがね」

鳴海「まあ、自動人形はもういないんだけどな」

蒼星石「それが亡霊騒ぎの正体だったんだね」

真紅(ほっ…)

ルシール「しかしこの人形達はよく出来てるね。初めて見たときはエレオノールの子供だと思ったよ」

しろがね「な…先生っ」カアアア…

鳴海「お、おい待て!クソババアっ!!」バッ

水銀燈「クスクス…蒼星石ぃ。どうやら貴女のマスターは下品な言葉が大好きなおばかさんのようねぇ」ニヤニヤ…

翠星石(フォローのしようがねぇです…)

蒼星石「マスターの悪口は許さないよ?」ガタッ!

鳴海「やめな。蒼星石」

蒼星石「でも…」

水銀燈「ほらほらぁ。『ますたぁ』が止めてるわよぉ」くすくす…

蒼星石「くっ…」

鳴海「なあ、水銀燈」

水銀燈「あらぁ、なあにぃ?」にやっ

鳴海「時には下品な言葉でも吐かねぇと、人ってのは自分の気持ちを素直に伝えられねぇんだよ」

水銀燈「あらぁ?そうだったの?勉強になったわぁ」にやり

蒼星石(くっ…水銀燈っ!!)

真紅「やれやれだわ…」

翠星石(マズいです。何とか話題をそらさねぇと…)

翠星石「そ、そう言えば町が嫌に静かですね」
115創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:36:06 ID:xaO7VaXz
先生何言ってんすかwwww
116第11幕:2009/08/27(木) 16:37:02 ID:pIPJjJzi
しろがね「おかしいですね…」ガチャッ

真紅「これはっ!!町の人達が…」

蒼星石「死んでいる…?」

自動人形「いや、寝ているだけさ」ザッ

全員「っ!!」

自動人形「紹介が遅れた。私は『真夜中のサーカス』の楽士の『トルネード・ラプソディー』だ」
翠星石「『真夜中のサーカス』!?」

しろがね「これは…自動人形!?でもどうして!?」
T・ラプソディー「人も蘇るなら人形も蘇ることが出来ると思わないか?エレオノールさん…」


蒼星石「この人形も蘇った!?」

真紅「貴方…どうしてこんな事を!?」

T・ラプソディー「雪華結晶様からこの町の人間を眠らせよと御命令を承った。ただ、『しろがね』3人と『ローゼンメイデン』4体では流石に分が悪いので低級な自動人形を連れて来たがね」

自動人形達「うひひひ」

自動人形「オマエラみィ〜んなオワリさ!!」キリキリ…

翠星石「どれもこれも白薔薇が関係してるんですか…」

ルシール「お前は自動人形なのに町の人間を殺しはしないのかえ?」

T・ラプソディー「殺しはしない。『土壌』を無駄にするのは馬鹿げているからな…」

蒼星石(土壌…!?)

鳴海「ゴタクは良い…さっさとかかってきな」ゴゴゴゴ…

水銀燈(あの男の雰囲気が変わった!?)

T・ラプソディー「その男の言う通りだな。さあ!来たまえ!!」

鳴海「歯車も残さねぇよオモチャヤロウ!!」

〜からくりメイデン〜
117創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:39:21 ID:xaO7VaXz
兄者なつかしいwwwwwwww
118第12幕:2009/08/27(木) 16:44:48 ID:pIPJjJzi
メイデン〜契約の力

鳴海「うおおおお!!」ジャキイッ!

ズバァッ!!

自動人形「ごあぁぁっ!」バキャッ

T・ラプソディー「なかなかやるな…」

T・ラプソディー「だが、こいつらはどうかな?」

自動人形「きひひひ!!オレらは新たに限定生産された…」

鳴海「何くっちゃべってやがる」ドガっ!!

自動人形「え…!?」

鳴海「…」ドガガガガガガガガガガガ…

自動人形「オ…オレの体がぁぁ!!」

鳴海「いっちょあがりだッ!!」ズバンッ!!

自動人形「こ…こいつ強ええぇ…」バギョ…

T・ラプソディー「!!」鳴海「黙りやがれッ!」バギャッ

T・ラプソディー「!!」

翠星石「イノシシのやつ…もの凄く怒ってるです…」
119創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:46:03 ID:xaO7VaXz
>自動人形「オ…オレの体がぁぁ!!」

擬似体液がゴパァっと出ましたね、わかります
120第12幕:2009/08/27(木) 16:47:57 ID:pIPJjJzi
蒼星石「うん。きっとマスターは誰かの為に怒っているんだと思うんだ…」

翠星石「そうですね。だからあんなに強いんですかね」

自動人形「ひゃはぁっ!!手足のもげたお前らはきっとイカしてるぜぇ!!」ばぁっ!

翠星石「きゃあっ」

蒼星石「危ないっ翠星石!!」ジャキン!!

自動人形「ははぁっ!!ちっちぇえお前の攻撃が届くかぁっ!!」グアッ!

蒼星石「届かないなら届かせるまでさ」ダンッ!!

自動人形「くっ!どこへ行った!?」

蒼星石「上だよ」ジャキィィンッ!!

自動人形「な、何だよお前ぇ…強いじゃねぇかよ…」ドサッ…

翠星石「すまんです。蒼星石」

蒼星石「良いんだ。それよりも他のみんなが気になるね…」

翠星石「ええ、みんな戦い易いようにバラけましたからね…」



自動人形「カラッカラの干物になりなクソババァ!!」ダッ

ルシール「やってごらんなさいな、ポンコツ!」ギャリギャリギャリ…

自動人形「ごぉあぁっ!!」ベギベギ…

水銀燈「みんなして必死に戦って…ばっかみたい」

子供「えーん…えーん…」

水銀燈「っ!!子供があんな所に。仕方ないわね…」バサッ

水銀燈「ほら、そこのガキ逃げなさい」

子供「へえ…ぼくが子供に見えるんだ…」キリキリ…

水銀燈(歯車の音!!まさか!?)
121創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:49:03 ID:xaO7VaXz
良いよ良いよー!
122第12幕:2009/08/27(木) 16:50:57 ID:pIPJjJzi
自動人形「一緒に遊ぼうよお姉ちゃぁぁぁん!!」

自動人形「うひひひィィ」ガショガショガショ

水銀燈「なんなのよ…」

水銀燈「なんなのよコイツラはッ!!おかしいわ、イカレてるわ!こんなヤツらと戦うなんて私は冗談じゃないわ!」

自動人形「まずはその羽をムシらせてよォォオォォオ!」

水銀燈「冗談じゃないけど…」グワッ…

シュババババッ!!

ザクッ!

水銀燈「なめるんじゃないわよ」

自動人形「…」

自動人形「やったなァ…」ギロッ!

水銀燈(そんな…ほとんど効いていない!?)

自動人形「今度はこっちの番だ!!」ガバァ…

水銀燈「きゃあぁっ!!」

  ザスッ!!

自動人形「あれぇ…?」
 ギャリギャリギャリギャリ

自動人形「うごががががぁぁぁ…」グシャッ

ルシール「おやおや、ずいぶんと可愛い悲鳴じゃないかね」

水銀燈「くっ…貴女ッ…」
123創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:51:47 ID:xaO7VaXz
さすが銀様の羽だ! なんともないぜ!
124創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:52:06 ID:EzYAX6Vs
流石は銀様の羽、見かけ倒しだなww
JUNも倒せないのに自動人形倒せるワケねーなwww
125創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:57:51 ID:xaO7VaXz
おっと、さるさんか
支援
126創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:58:00 ID:pIPJjJzi
ごめん、さるさん食らったよぉぉ。
127創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:58:59 ID:g1R2bpqQ
   
128創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 16:59:12 ID:EvT+BGcM
あと一分くらいで解除だが支援だ
129創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:00:11 ID:EzYAX6Vs
さるさんか
支援
130創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:01:04 ID:g1R2bpqQ
そろそろ復帰はできてる頃
131第12幕:2009/08/27(木) 17:01:49 ID:pIPJjJzi
真紅「…」

真紅(体の大きさの違いがあるとはいえ、契約をしていない水銀燈ではあの人形を壊せなかった…)

蒼星石「翠星石は僕の後ろに!」

翠星石「すげぇですよ蒼星石!!もう5体も倒しています!」

蒼星石「翠星石は僕が守る!」

真紅(蒼星石。目覚めてから直ぐに契約を求める行動力…華奢なしろがねではなく屈強なナルミを契約者に選んだ判断力…きっと全ては翠星石の為なのね…)

真紅「さて、私もそろそろ契約をしようかしら…」

真紅「契約できそうなのはやはり…」

しろがね「あるるかん!!『炎の矢』!」

あるるかん「…」ガシュンッガシュンッガシュン!!

自動人形「くそぉ〜」ゴギャッ!!

真紅(しろがねは確かに強い。けれどもあの細い体は…)

しろがね「かかって来なさい!自動人形!!」

真紅(背に腹は代えられないわね…)

真紅「しろがね。契約よ!」

しろがね「ど、どうしたんですか?」

真紅「貴女と契約をしたいの」

しろがね「え!?私とですか!?」

真紅「ええ。ナルミは蒼星石と契約しているし、あの老婆は体力的に難しいでしょうからね。さあ、この指輪に口付けを…」サッ

しろがね「こ、こうですか…?」

パアアアア

真紅(何!?何なのこの力は!?)
132創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:02:58 ID:xaO7VaXz
赤いの、ルシール先生をなめちゃあいけないの?
133第12幕:2009/08/27(木) 17:03:28 ID:pIPJjJzi
鳴海「オラアッ!!」ゴシャッ!!

自動人形「ヒ、ヒイッ」バギョッ

ルシール「さあ、後はあんただけだよ」

T・ラプソディー「そのようだな」

翠星石「さっさと諦めやがれです!!」

T・ラプソディー「そうもいかないんだ。喰らえ…トルネード・ラプソディー『クラッシュンド!!』」ドガガガガガッ!!

蒼星石「コンクリートの塊が…危ないっマスター避けてっ!!」

鳴海「ッ…!」ドゴッ!グシャァッ!!

蒼星石「マスター!?」

T・ラプソディー「ふふふ…クリーンヒットしたな。きっと内蔵は…」

鳴海「こんな攻撃…きかねぇなぁっ!」

T・ラプソディー「何っ!?」

ルシール「やれやれ…避けれるはずなのにわざわざ当たりに行って…」

翠星石「イノシシよりタフです!」

水銀燈(この人形は決して弱くないはず!!あの男はどれだけの強さを…!?)

ルシール「お前さんはもう終わりだよ」

T・ラプソディー「くっ…」

鳴海「さあ、ぶっ壊してやるぜ」

T・ラプソディー「ふっ、ふふふ…」

ルシール「何か可笑しいかえ?」
134創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:04:38 ID:g1R2bpqQ
    
135創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:04:54 ID:xaO7VaXz
なつかしい技をwww
136創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:04:58 ID:EvT+BGcM
支援
137創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:06:16 ID:g1R2bpqQ
   
138第12幕:2009/08/27(木) 17:07:01 ID:pIPJjJzi
T・ラプソディー「いや、やり方を変えればまだまだ渡り合えると思ってね」

蒼星石「どういう事!?」

T・ラプソディー「こういう事さ!クラッシュンド!!」ドガガガガガッ!!

水銀燈(眠らされている町の人に向かって!?)

翠星石「や…やべぇですっ!!大怪我に!!」

ゴオオオ…

しろがね「あるるかぁん!」

あるるかん「…」バキョッ!

蒼星石「良かった…」

ルシール「油断するのは早いよ坊や!!」

蒼星石「えっ!?」

水銀燈(そう…あいつは私たちがギリギリ届く範囲にいる町民に攻撃をするだけで私たちの動きを限定できる。この状況をどうにかしないと…)
T・ラプソディー「ははは!!自分達の命か町民の命ッどちらかを選べぇ!!」

翠星石「こいつ卑怯ですよっ!!」

鳴海「くっ…選べる訳がねぇ…」

T・ラプソディー「早く答えないと両方失うことになるぞ…」にィ…

真紅「私が選ぶわ」スッ…

T・ラプソディー「いつの間に後ろに!?」

翠星石「危ないです真紅っ!!」

蒼星石「そうだよ!契約してない君には……まさかっ!?」

水銀燈(真紅…貴女も…)ギリっ

ルシール「余裕で一発当てられるねぇ」
139創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:07:26 ID:g1R2bpqQ
           
140第12幕:2009/08/27(木) 17:09:25 ID:pIPJjJzi
T・ラプソディー(くっ!油断した…だが、あの人形達の攻撃の威力はたかがしれてる…)

T・ラプソディ(それにもしも私が破壊されたとしても…『私達』は2体で1つの自動人形。私がやられた後は分かるな?)

T・ラプソディ<兄>(わかってるぜ、兄弟。油断してるヤツらの体を…)

T・ラプソディ((切り刻む!!))

T・ラプソディ「さあ仕掛けてこい!しろがね!!薔薇乙女っ!!!」

真紅「やるわよ」

しろがね「ハイっ!」

真紅・しろがね「捕らえなさい!『ローズテイル』!!」

ズズズズズ…

鳴海「何か出て来たぞ!?」

ルシール「薔薇…みたいだねぇ」

T・ラプソディ(当たってやるさ)

ズズズ…ガシッ!!

翠星石「薔薇の尻尾がバカでけぇです!」

水銀燈(真紅の力を完全に超えてるわ!)

T・ラプソディー(オイ!?これは…)
141創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:09:47 ID:xaO7VaXz
緊迫したシーンなのに「坊や」でワロタw
142創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:10:32 ID:xaO7VaXz
確かに供給がでけぇからそうなるな
143第12幕:2009/08/27(木) 17:11:17 ID:pIPJjJzi
ギチッ!!

T・ラプソディー(何だこの力は!?人形の中で強いのは帽子の奴ではないのか!?)

ギチ…ギチッ…ギチギチ!

T・ラプソディー「ぐっお…おおおおおぉ」バキバキッ

T・ラプソディー「そんなぁぁぁぁ!!」バキャンッ!!

翠星石「なんて威力ですか…」

鳴海「凄い技だな…」

真紅「違うわ!ローズテイルはあくまで相手を捕らえるだけの技…あんな威力はないわ」

真紅「しろがね、教えて頂戴!貴女の『無意識の海』はいったい何なの!?」

しろがね「私には何の事だかさっぱり…」

蒼星石「僕たちローゼンメイデンは契約者…つまりマスターから力を与えて貰うんだけど、その力はどこから取り出していると思う?」

しろがね「いったい…何処から?」

翠星石「心ですよ。正確に言うと心の中にある『無意識の海』と呼ばれる領域から力を貰うんです」

水銀燈「ただ…あまり力を貰い過ぎると契約者の体に負担がかかるわ…」

ルシール「おや…あんたも説明してくれるのかえ?」にやっ

水銀燈「ち、違うわよっ!!これは警告よ!貴女が私と契約したら直ぐにイッちゃうってことを伝える為のね!!」

ルシール「これは丁寧にありがとうよ」

水銀燈「ふんっ!」
144創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:11:52 ID:g1R2bpqQ
    
145創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:12:33 ID:g1R2bpqQ
     
146創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:14:19 ID:xaO7VaXz
ってことは、ルシール先生と契約したらえらいことになりそうだなw
147創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:14:37 ID:g1R2bpqQ
    
148第12幕:2009/08/27(木) 17:15:15 ID:pIPJjJzi
鳴海「おい…しろがねの『無意識の海』がおかしいって事は…しろがねの心か体がおかしくなってるって事なのかよ!?」

真紅「いいえ…違うわ。広すぎたのよ!しろがねの無意識の海が…心が!!まるで他の人間の2倍も3倍もね…」

しろがね「私の中には…私以外にあと2人の心が入っているのです…」

真紅「やっぱり…」

しろがね「詳しい事は言えませんが私の心の中に住んでいる彼女らは無害です」

翠星石「そいつらは生命の水に溶けてたんですね…」

しろがね「ええ…残念ながら…」

蒼星石「でも、そのおかげでしろがねさんと契約した真紅の力は格段に強くなれたね」

真紅「ええ!これならしろがね達の足を引っ張らなくて済むわ」

ルシール「さて私らの目的が決まったね」

しろがね「そのようですね」

翠星石「オババを蘇らせたのも…」

蒼星石「自動人形を操っているのも…」

真紅「ローゼンメイデン第7ドール雪華結晶」

鳴海「まずはこいつら起こそうぜ。おい、水銀燈。お前も今度はちゃんと手伝えよ?」

水銀燈(私が…蒼星石より…真紅より劣っているというの!?)

水銀燈(あんな力が…あいつらと契約をすると手にはいるの…!?)ドクン

鳴海「おーい。聞いてんのか!?」

水銀燈(力が…)ドクン!ドクン!!

ドクン、ドクン、ドクン!!

からくりメイデン〜一時閉幕〜
149創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:16:08 ID:g1R2bpqQ
乙なんだぜーっ!
150創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:16:37 ID:xaO7VaXz
そのフリだと、同じサンデーつながりでARMS思い出すww
151創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:17:29 ID:g1R2bpqQ
ドクンドクン
152一時閉幕…!?:2009/08/27(木) 17:19:39 ID:pIPJjJzi
途中さるさんを食らってしまってびっくりした!

支援、書き込んでくれた方々ありがとうございます。

そして今日はどうやら創作発表板の一周年記念日なので、また投下しようと企んでいるのですが…

→支援する
→支援しない

頼みます!!
153創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:20:31 ID:g1R2bpqQ
応よ!
154創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:22:21 ID:EzYAX6Vs
→支援する

155創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:22:42 ID:EvT+BGcM
良かろう。支援だ
156第13幕:2009/08/27(木) 17:23:51 ID:pIPJjJzi
からくり〜道化は何処へ

ラプラスの魔「やあ、またお会いましたな観客の皆様。おやおや…人探しですか?」

ラプラスの魔「ふむふむ。『道化』は何処へ行ったかと…」

ラプラスの魔「残念ながら私は知りません。しかし…彼ら、彼女らならばその答えを探し出してくれるかもしれませんよ…」

ラプラスの魔「さあ、からくりメイデン『からくり』編、第3幕の始まりです」



雛苺「フウさんは何処?」ガサガサ…

金糸雀「フウさんは何処?」キョロキョロ…

雛苺・金糸雀「フウさんは何処なの(かしら)〜!」

ギイ「イギリスさ」

勝「ほら、早くしないと飛行機が出発しちゃうよ」

雛苺・金糸雀「きゃあ〜っ飛行機ぃっ!」タタタ…

ギイ「ふふ…全く子供だな」
157創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:23:51 ID:xaO7VaXz
               、___
                _于三三ニ=- 、
           _,.-=-=三三三三三三三ヽ__,
          /三三三三三三三三三三三イ-、
        /三三三三三三三三三三三三彡|
       /三三三三三三三三三三三不、ヽ彡!
     /三三三三三>/~7````^´ ̄`   \ヽ!、 、 ヽ   / 支
     /三三三三=イ/:// !        ,. - 、 ! ト、  jハソ  / 援
     |三三三三/:/:i::::!|  | ,.===、   〃 `ヽ!_ト、ヽ {i  /  の
     !三三三千!::!:::|::::|  ,イ       '7 /⌒メ_ハハ \ !ヽ!  プ あ
    /三三三彡,::|::_|::::レ' ! ::::::::...    |/   _j_ルリ  !ヽ-!  ロ た
     Y三三三彳:「::「:::|  >―‐ 、    ! ,ィrf´_メ「i:|  ! i |  な し
     F三三三ミ::!:::|:::::L,. 二==ミ、、_z 匕二-‐7 i!|、_」 ! |  ん ゃ
      !三二三ミ::!:「`¬ー`'’_,.-‐^`.::::. ヽ     i|`う   |  で
      V /:r:、:Vミ::j>'´ヽ ̄    :::::::::::. \_   ! ヾ=、|  ね
  ヽ   Y:::ト、〉:Vミ!:::::!:::  `     ::::::: ,.  / 、 /   ノ   o
  !ノ    ト、ヽヽ:::!三::::!::::.        ,/  /   j /!   ´ ̄ !
 レ'/    j三ヽ::::ヽ三:::::::::..          '  ,りイi!ト、     !
 K   _ノ三三\:::彡',:::::::::.. r7       __,.-rイ !\\二二、 ヽ
/ し`ーニ三三三ニヽ_j〃:::::::..!ん、_,. -r‐_「-十卞----‐、 __,.-、_ノヽ
しイ 三ニ=-z三三三|::::::V::::::::ヽ`ー‐± エ ⊥-匕`r‐-― 、i!i!j ・  ゚ `ー‐'′
(⌒ テ7千三三三三!:::::::\:::::::...  ヽ、   _,./  !三三ヽ ヾ、 r'´`ヽ_,.'
ー‐' / //´三三三三|:::::::::!::`ヽ::::::..  ` ̄ ̄´   !二\`ヽ\\'
`メこ彡' /7ァァァ三イ|::::::::::!:::::::::!\:::...       ト、ヽ、二二ト、!
二二彳/〃〃//7 r┴ 、:::::::!:::::::::!:::::\::::、::::::::::::::∧ヾ三二=リ、ヽ
'⌒ー'7// /////:::::::::::::`:::::::、::::::ヽ::::::::`ー‐-r'爪ヽ\`ヽ \  \\
158創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:25:09 ID:EvT+BGcM
続き早いw支援
159創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:25:11 ID:g1R2bpqQ
          
160第12幕:2009/08/27(木) 17:25:35 ID:pIPJjJzi
勝「初めて飛行機に乗るみたいだから仕方ないよ」

ギイ「そうだな。ところでジャコを持って来なくて本当に良かったのか?」

勝「うん。操り糸が切れちゃったから…今頃平馬が必死に直してくれてるよ。渡した時カンカンだったけど…」

ギイ「だが直るまでの間は自動人形との戦いを素手で臨むつもりかい?」

勝「ぼくには『分解』があるしギイさんもいる。それに金糸雀や雛苺もいるからへいちゃらさ!」

雛苺「マサル〜早く〜」

勝「今行くよ〜」

ぼく達はこれから飛行機に乗ってイギリスのオックスフォード付近に行きます。そこでフウさんに今回の事件のことについて相談してみるつもりです。
あっ、フウさんとは世界一のお金持ちで自分を『道化』と言っている少し変わった人です。変わった人だけどフウさんは1年前ぼく達に協力してくれました。
161創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:25:56 ID:g1R2bpqQ
     
162創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:26:32 ID:xaO7VaXz
支援
163創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:27:05 ID:EvT+BGcM
支援
164創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:27:11 ID:g1R2bpqQ
   
165第13幕:2009/08/27(木) 17:29:22 ID:pIPJjJzi
ギイ「まだフウの所へ電話は通じないのか?」

勝「うん、また話し中だったよ。向こうに行く前に一言かけてから行きたかったけど仕方ないよね」

ギイ「ああ…ほら、早くしないと子供軍団が迷子になるぞ」

勝「あっ!雛苺、金糸雀ぁ!!そっちはレストランだよ〜」

ギイ(…無事だと良いが…)


金糸雀「発車5秒前〜5…4…3…2…1…0かしらぁぁ!」

シーン…

雛苺「金糸雀の負け〜今度はヒナのカウントダウンよ〜」

ギイ「さっきからずっとこの調子だな…」

勝「誰だって初めての飛行機は落ち着いてられないよ。ギイさんもそうじゃなかった?」

ギイ「いいや、僕は…」

グオォ…

雛苺「動いたの!マサルっ動いたのよっ!!」

勝「これからがスゴいんだよ雛苺っ!」

金糸雀「…」

ギイ「金糸雀は楽しくないのかい?」

金糸雀「ギイさん!だってこれは地面を走っているだけかしら!カナは空を飛べると聞いてワクワクしてたのにぃっ!!騙されたかし…」

ギイ「おい、喋ると危ない…」

グオォォ!!ゴゴゴゴッ!ビューッ!!


金糸雀「ら゛ぁっ!!」ガチィっ

金糸雀「…」ぶるぶる…

ギイ「金糸雀…舌を噛んだか…」

金糸雀「…」こくっ

ギイ「痛いだろう…」

金糸雀「…」ポロポロ…
166創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:30:34 ID:EvT+BGcM
支援
167第13幕:2009/08/27(木) 17:30:52 ID:pIPJjJzi
勝「ほら、こっちを見て!雲が見えるよ!!」

雛苺「スゴいのよ〜金糸雀も見てる?」

金糸雀「…」うるうる…

勝「泣くほど感動したんだね!」

雛苺「金糸雀は『かんじゅせい』がゆたかなのね」

勝・雛苺「わーい。飛行機ばんざ〜い」

ギイ「やれやれ、マサルまで…金糸雀、今は休んでおくと良い。飲み物はオレンジジュースで良いな?」

金糸雀「…」こくっ

ギイ「そこのマドモアゼル」

スチュワーデス「はい?」

ギイ「失礼ですがオレンジジュース3つとコーヒー。そして貴女の笑顔を頂けないでしょうか?」キラキラ…

スチュワーデス「まあ、いけない人ね」

雛苺「…」じい〜っ

勝「気になるの?」

雛苺「ち、違うのよ!ただぼ〜っとしてたら…」

勝「ギイさんはカッコ良いもんね」

雛苺(ヒナはマサルの方が…)カアア…

金糸雀「…」ゴクッゴクッ!

金糸雀「カナの朝は一杯のオレンジジュースから〜」

金糸雀「オレンジジュースの力で金糸雀ふっかつかしら〜」スタッ!
168創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:30:53 ID:xaO7VaXz
さすがでこっぱち、かわいい
169創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:31:13 ID:g1R2bpqQ
    
170創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:31:30 ID:EzYAX6Vs
これは痛いなw
しかし人形なのにパスポート・・・偽造ですね、わかります
171創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:32:16 ID:g1R2bpqQ
   
172第13幕:2009/08/27(木) 17:32:38 ID:pIPJjJzi
金糸雀「こら、雛苺!ギイさんはカナの契約者で2人はあっつ〜い絆で結ばれてるかしら!」

金糸雀「それを横から入ってくるとは…カナカナカナカナ!!」
雛苺「ち、違うの…うゆ…」

勝(あれ〜雛苺が押されてる?)

金糸雀「カナカナカナカナカナカナ!!」

雛苺「うゆ…うゆ…うゆ…うゆぅ…」

勝(負けちゃった!?)

金糸雀「うふふ。勝利のあとの一杯はきっと格別かしら」グイッ

ギイ「金糸雀、それは僕のコーヒーだ」

金糸雀「ゴブファ−ッ!」
173第13幕:2009/08/27(木) 17:33:59 ID:pIPJjJzi
1時間後

ギイ「雛苺は寝たか?」

勝「うん。遊び疲れたんだね」

雛苺「すう…すう…」

勝「金糸雀は?」

ギイ「この通りさ」

金糸雀「うふふ…」ムニャムニャ

勝「よだれが出てる…」クスッ

ギイ「ところでマサル。ここは空の上だ。ここから落ちたらいくら僕らとはいえ生きてはいられない」

勝「うん、だから自動人形の襲撃に備えて…」

ギイ「警戒を怠るなよ」

ギュイ−ン

勝「けっきょく襲われなかったね…」

ギイ「まあ、気をつけていて損はないさ」

雛苺「久しぶりのイギリスの空気なの〜」

ギイ「おや、雛苺はイギリスに来た事があるのかい?」

雛苺「うゆ、2580456時間前にはいたわ」

勝「スゴい…なぁ…」

金糸雀「カナは570968243時間くらいぶりかしら」

勝(ひょっとしてぼくとギイさんよりも長生きしてる?)

ギイ「ところで諸君に一つ言いたい事がある」

勝・雛・金「なぁに?」

ギイ「財布をスられた…」

勝・雛・金「    」
174創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:34:02 ID:xaO7VaXz
藤田絵で再生されるから困るww
175創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:35:07 ID:EzYAX6Vs
ギイてめぇww
鳴海がいたらフルボッコだなwww
176第13幕:2009/08/27(木) 17:38:44 ID:pIPJjJzi
勝「え…ここ…外国…全財産…」パクパク…

ギイ「いや、可憐なレディーと話をしていたら無粋な男が僕の財布を…」

金糸雀「で、でもギイさんなら取り返すのは簡単なんじゃ…」

ギイ「ヤツらは卑怯な事に僕のペンダントを逃げ道の反対側に投げたのさ」

勝(『奴ら』って女の人もグルだったんだ…)

ギイ「卑怯なスリ師達に僕らは引き裂かれてしまうところだったよ、ママン〜」しくしく

雛苺「ギイさんのお母様はペンダントがお家なの?」

勝「ひ、雛苺っ!」

雛苺「うゆ?」

ギイ「いいんだ、マサル。雛苺…僕のママンは自動人形に殺されたんだ」

雛苺「っ!ご…ごめんなさいなの…ギイさん…」

ギイ「大丈夫さ、雛苺。その人は僕を最後の一瞬まで守ってくれたんだ。僕はママンを守れなかったのに…」

金糸雀「…」

ギイ「おっとすまない。こういった話はもうおしまいだ。フウの会社までは近いみたいだからこのまま歩いていこうか」

金糸雀「ギイさん…」

ギイ「何だい?」

金糸雀「カナは今からギイさんのママンになるかしら!ばんばん甘えても良いかしら!!」

ギイ「…それは楽しみだな」ふっ
177創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:39:02 ID:g1R2bpqQ
    
178創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:40:00 ID:xaO7VaXz
カマン!
179創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:40:27 ID:g1R2bpqQ
    
180第13幕:2009/08/27(木) 17:41:15 ID:pIPJjJzi
雛苺「ギイさん嬉しそうね、マサル」

勝「そうだね、あっ!道案内の看板だ」

ギイ「なるほど…ここを右に行ってトンネルを抜けてすぐだな」

金糸雀「では、レッツゴーかしら」

〜30分後〜

勝「やったあ、トンネルだ!」

ギイ「ここを抜けたら目的地だな」

金糸雀「カナが1番乗りかしら〜」ダッ

雛苺「あっ、ズルいの金糸雀!ヒナも〜」ダッ


勝「また先に行っちゃったよ…まあ、仕方ないか」

ギイ「…待て、マサル…!」

勝「え!?」

ギイ「このトンネルに出入りする車が全くないのはおかしいと思わないかい?」

勝「まさか……雛苺達が危ないっ!!」
181創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:42:31 ID:g1R2bpqQ
       
182創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:42:44 ID:xaO7VaXz
支援
183第13幕:2009/08/27(木) 17:43:40 ID:pIPJjJzi
雛苺「金糸雀〜待って〜」

金糸雀「待てないかしら〜」

雛苺「はあっ…金糸雀は足が早いのよ〜」

ブウン…

雛苺「あれ…?」

雛苺「金糸雀〜おかしな音が聞こえるの〜」

金糸雀「おかしな音?そんな手にカナが引っかかるとでも…」

ブウン…ブウンッ!!

金糸雀「えっ!?本当に…聞こえたかしら…」

ブウン…ブウン…ブウンッブウンッッ!!

金糸雀「音が近づいて…」

ブウン!ブウンッ!!ピタッ…

金糸雀「止まった…!?」

雛苺「か…金糸雀っ天井っ!!」

金糸雀「へ!?」

自動人形「ハロー、ドールズ。そしてグッバイ!!」グアッ

金糸雀「きゃあっ!」

ギイ「オリンピア!!」ギュイッ!

オリンピア「…」ガイィン!!
184創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:44:40 ID:xaO7VaXz
さすがギイ
185創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:45:14 ID:g1R2bpqQ
     
186第13幕:2009/08/27(木) 17:46:43 ID:pIPJjJzi
自動人形「やるな、ギイ・クリストフ・レッシュ…」

ギイ「何とか間に合ったか。僕の名前を知ってるのか…お前の名は?」

自動人形「私の名はブロム・ブロム・ロー。自慢じゃないが自動人形の中で5本の指に入るほど強い!」

勝「みんな無事!?」

雛苺「ギイさんが助けてくれたの」

金糸雀「ありがとうかしら、ギイさん」

ギイ「別に良いさ。しかしコイツ…相当強いぞ…」

ブロム「お褒めいただき光栄だな。『オリンピアの恋人』」

ブロム「自動人形200体破壊の伝説を持つ君にそう言われるとは私も鼻が高い」

ギイ「光栄ついでにそこを通してくれるとありがたいんだが…」

ブロム「残念ながら出来ないな。そういった者にはコイツと…」ジャキィン!

ブロム「コイツを味わってもらう事になっている!」ブウンッ!!

雛苺「『飛ぶ』ドリルが来るのっ!!」

ドンッドンッドンッ!!

金糸雀「危なかったかしら…」

ギイ「まだだ!ヤツが来る!」

ブロム「その通りっ!!」ビュオッ!

勝「させるかぁっ『分解』ッ!!」ひゅあっ!!

ブロム「まさか!?」

勝(いける!完全に不意を付いた!!)
187第13幕:2009/08/27(木) 17:48:33 ID:pIPJjJzi
ブロム「くっ!」バッ!

雛苺「急にブロムが消えたの…!?」

ブロム「上だよ、お嬢さん達…」ブン…

金糸雀「えっ!?」

ブロム「まさか『ブランコ』を使う羽目になるとは…君達を侮っていたよ」

勝「今度は飛ぶブランコ!?」

ブロム「そうだ!このブランコがある限り君達の攻撃は当たらない!!」

雛苺「そんなのヒナが!!」シュルシュル…

勝「やった、捕らえた!!」

ブロム「甘い」ブンッブチブチィッ

ギイ「ドリルで引き裂いたか」

金糸雀「そんなの壊せばモウマンタイかしら!沈黙の鎮魂歌っ!!」ゴオオッ!!

ブロム「やれやれ…」ブウウン!スカッ…

金糸雀「避けられた…!?」

ブロム「今度はこっちのターンだ!」ゴアっ!

雛苺「たくさんのドリルが…」

勝「数が多すぎる…避けれないっ!」

ギイ「オリンピア…『破壊輪舞曲』」ガガガガガ!!

ボト…ボト…

ブロム「また君か…私に勝てるとでも思っているのかね?」

勝「くっ!ジャコさえ使えれば…」

雛苺「あのドリルと剣は当たると痛そうなの…」

金糸雀「ギイさん…」

ギイ「こちらの攻撃は避けられて、向こうの攻撃は当たる…か。でもな、オリンピア…金糸雀…」

ギイ「僕は負けないのだなァ」キュウッ!

オリンピア「…」

  バ サ ア ッ !!

〜からくりメイデン〜
188創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:48:35 ID:g1R2bpqQ
    
189創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:49:19 ID:g1R2bpqQ
    
190創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:49:42 ID:xaO7VaXz
パウルマン先生の出番に期待
191創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:50:30 ID:xaO7VaXz
一瞬キム・シジャンになっとるがなwwwwwwwwwww
192第14幕:2009/08/27(木) 17:53:39 ID:pIPJjJzi
からくり〜思いがけない一撃

ギイ「行くぞ!」ギュイィッ!

オリンピア「…」ドガガガガ…

ブロム「ハハハ、私のギミックはドリルと剣だけではないぞ!!」ガチャッ

ブン…ブウウウン

勝「ブランコがあんなにたくさん!?」

雛苺「捕まえるのよっ!」

シュルシュル…グアッ!!

ブーン…スカッ

雛苺「くっ!早くて捕まえれないのっ!!」

ギイ「やれやれ、少し面倒になりそうだな」

金糸雀「ギイさん足下っ!!」

ブロム「気付かれたか。だがもう遅い!」

ブウン

ギイ「何っ!?」

オリンピア「…」ガッ

ブロム「そのまま上に上がれ!」

ブイイン…

ギイ「くぅっ!」ぐぐぐ…

雛苺「おりんぴあがブランコに連れて行かれたの!!」

勝「マズい、糸が伸びきってる…オリンピアの操り糸が外れないとギイさんは…」

金糸雀「あれじゃあ身動きが…」

ブロム「これで終わりだな…ギイ・クリストフ・レッシュ」

金糸雀「ギイさん、今カナが助けるかしら!!」ガチャッ

ギイ「いや、いい」

勝「え!?」

ギイ「みんな…ここは僕に任せてくれないかい?コイツの動きを止めてみせよう」
193創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 17:54:40 ID:xaO7VaXz
支援
194第14幕:2009/08/27(木) 18:01:14 ID:pIPJjJzi
勝「そんな事が出来るの?」

ギイ「絶対に何とかするさ」

雛苺「来るのっ!!」

ブロム「ははは!天井は寂しいとオリンピアが泣いているぞっ!!」ブオンッ!!


雛苺「ギイさん逃げてぇっ!」


金糸雀(ギイさんは任せおけって言ったかしら)

金糸雀(ギイさんの事だから、きっとみんなが驚くようなスッゴい作戦を用意しているかしら)

金糸雀(きっと…きっと…!)

勝「ダメだぁぁっ!!」

 ズ ボ オ … ッ!!

ギイ「ぐっ…あ…」ガクッ…

金糸雀「ギイさんっ!!」

ブロム「これで1人目…」

ギイ「それは…どうかな?」ゴフ…ッ

ブロム「何だと!?」

ギイ「推定60センチの刃物が腹部を貫通…おまけに肋骨が三本粉砕…とても深い一撃を食らってしまった。これはそう簡単には抜けないな…」

ブロム「それが何だと言うのだ!?」

ギイ「なあに…お前は自分の長所である機動力を自分で捨てたというだけさ」にやッ

ブロム「そんな!?敢えて攻撃を受けて私を止めたのかァァ!?」

ギイ「今だ!マサル!!」

勝「たああぁっ!」

  ガ チ ャ ッ !!

ブロム「こっ…こんなバカなアァァ〜〜!!」パラ…ガチャンッ!

ギイ「誠に申し訳ないが…僕には頼れる仲間がいるんでね」

ブロム「負けたよ…君達には…」ビキッ!バギャッ…
195創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:03:00 ID:xaO7VaXz
>ブロム「こっ…こんなバカなアァァ〜〜!!」パラ…ガチャンッ!

脳内再生余裕でした
196創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:03:42 ID:k7Zr1Y+a
阿紫花&ジョージの復活に期待
197第14幕:2009/08/27(木) 18:04:09 ID:pIPJjJzi
雛苺「ギイさん…お腹…」

ギイ「ああ、僕は『しろがね』だからこんな傷は直ぐに治るさ…」ピキピキ…

ギイ「ほらね」

雛苺(しろ…がね?)

勝(でもさっきのは…本当にぎりぎりだった…)

ギイ「やったな金糸雀」

金糸雀「…」スッ…

 バ チ ン !!

雛苺「え!?」

勝「へ!?」

ギイ「…は!?」ジンジン…

金糸雀「ギイさんはさっき…カナに任せておけと言ったかしら…絶対に何とかするって…」

金糸雀「でも!!ギイさんが死んじゃったら何にもならないかしら!!」

金糸雀「カナ…カナ…ギイさんが死んじゃうかもって思って…」

金糸雀「う…う……ええ〜ぇん。うええぇ〜ん。ええ〜ぇん」ポロポロ…

ギイ「…済まない金糸雀。僕が…悪かったよ」ポン

金糸雀「ええぇ〜ん。うえぇ〜〜ん」

勝「ぼくらは先に出てよっか」

雛苺「うゆ。そうねマサル」

テクテク…
198創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:04:34 ID:EzYAX6Vs
「限界状況」、またしても克服されたな
199創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:05:11 ID:xaO7VaXz
支援
200創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:05:35 ID:EvT+BGcM
支援
201第14幕:2009/08/27(木) 18:07:00 ID:pIPJjJzi
テクテク…

雛苺「ねぇ…マサル」

勝「なあに?雛苺」

雛苺「マサルもいつかは死んじゃうの?」

勝「うん。きっとそうだね…」

雛苺「そう…」

勝「でも、今はまだ死ねないな。楽しいことをもっと知りたいし、雛苺ともっと仲良くなりたからね」にぃっ

雛苺「ヒナも!ヒナも、もっと…楽しい思い出を作りたいし、マサルと…その…仲良く…なりたいの…」カアア…

勝「顔が赤いよ、雛苺?」

雛苺「な、なんでもないのよ!光が見えてきたから早く出るの〜」タタタ…

勝「あっ!ちょっと…おかしな雛苺だなぁ」

勝「ほんとだ、光がまぶしいや」ふっ

勝(確かに自動人形との戦いは厳しいのかもしれない。だけど今回だって勝てたんだ!力を合わせればきっと生き残っていけるはず!!きっと…きっと!!)



〜とある場所〜

フラッシュ・ジミー「申し上げます雪華結晶様。ブロム・ブロム・ローが破壊されました…」

雪華結晶「4体…」

フラッシュ・ジミー「は…?」

雪華結晶「4体の仲間が…壊された…」
202第14幕:2009/08/27(木) 18:08:11 ID:pIPJjJzi
雪華結晶「可哀想…可哀想なお人形…」

フラッシュ・ジミー「…」ガタガタ…

雪華結晶「だァれが壊した…お人形…」

雪華結晶「そォれはあなた…」

雪華結晶「 あ な た な の … 」

シュルシュル…

フラッシュ・ジミー「も…申し訳ありません雪華結晶様ァっ!確かに出撃する自動人形を選んだのは私ですっ!!今度は私が出撃するのでどうか…どうかご慈悲をぉッ!!」

雪華結晶「クスクス…」

フラッシュ・ジミー「許して下さるのですね!?」

雪華結晶「貴方は…勘違いをしている…」

フラッシュ・ジミー「えっ!?」

雪華結晶「貴方が…謝らなければいけないのは…私ではなく…壊された4人…」

フラッシュ・ジミー「そ、そんなァァァ!」

ミシミシ…グシャッ!!ズル…ズル…
203創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:08:21 ID:xaO7VaXz
やっぱりその役はフラッシュ・ジミーだよな
204創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:09:03 ID:xaO7VaXz
即退場かよorz
205創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:10:34 ID:k7Zr1Y+a
フラッシュ・ジミー原作では名前通り地味に最後のほうまで生き残ってたのに
今回は即退場か……
206創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:12:11 ID:g1R2bpqQ
    
207第14幕:2009/08/27(木) 18:12:17 ID:pIPJjJzi
雪華結晶「4人…四人…そう…うふふ…」

雪華結晶「アノス…ケニス…」

アノス・ケニス「はっ!ここに!!」ザッ

雪華結晶「お願いがあるわ…」

アノス「は…はっ!何なりと!!」ガタガタ…

雪華結晶「あの方達を呼んで来て…」

ケニス「あ…あの方とおっしゃいますと…?」

雪華結晶「人形に造られたお人形…笑顔を求めたお人形…」

雪華結晶「そォれはだぁれ…?」

雪華結晶「私は知ってる…」

雪華結晶「 最 古 の 四 人 <レ・キャトル・ピオネール> よ … 」にぃっ…

からくりメイデン〜一時閉幕〜
208創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:13:06 ID:xaO7VaXz
おおおおおおパンタローネ様がくるぞおおおおぃ!
209創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:14:25 ID:k7Zr1Y+a
コロンビーヌはぜひロリボディバージョンでお願いします!
210創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:22:23 ID:pIPJjJzi
今日はここまで。

次回はまた6日後の昼過ぎあたりに予定しています。

しつこいけど創作発表板一周年もう一回おめでとう!!
211創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:23:45 ID:EzYAX6Vs

からくりとローゼンってそこまで時間軸ズレてないんだよな・・・
となると、この世界のジュン達は下手すりゃZONAHA病で死んでるね
それどころか自動人形のエサになってたりして
212創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:25:00 ID:EvT+BGcM
213創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:26:18 ID:xaO7VaXz
投下乙! 続きも待ってるぜー!

>>211
それでも梅岡なら……梅岡ならなんとかしてくれる……!
214創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:27:08 ID:pIPJjJzi
しかしまたもやリアルタイムで支援してもらえるなんて。
さるさん食らったけど倍投下して良かったぁ。

ちなみにアシハナとジョージは復活しません…

アシハナ分は水銀燈の「なめるんじゃないわよ」
で精一杯でした。

パンタローネ様はそれっぽく出来るか不安です。
ロリコロンビーヌと月光条例の赤ずきんは2大ロリキャラ!!任せとき!!

安価省略
215創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:31:00 ID:xaO7VaXz
>ロリコロンビーヌと月光条例の赤ずきんは2大ロリキャラ!!任せとき!!

わかってる
お前は相当
わかってる
216創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:37:54 ID:pIPJjJzi
ローゼンメイデン達がからくりの世界に来るまでの話も時間に余裕があれば書くよ!けど今はないよ!!

書きためも半分きった…書かなきゃ。

赤ずきんはダムデストロイの顔でも可愛いから困るw

そして、そろそろローゼン関係の話も入ってくるのでローゼンを知らない人はウィキペディアでちらっと見てくれると嬉しいです。
217創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:39:36 ID:xaO7VaXz
ローゼンは、基本漫画版のちょいアニメ交じりって感じだよね
218創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:44:43 ID:EvT+BGcM
からくりわかりまへん><
219創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 18:53:29 ID:pIPJjJzi
ローゼンは原作は持ってるけどアニメは見た時ないんだ。あとは他の台詞形式での知識のみです。出来るだけ原作っぽくしようとしたけど蒼星石の口調で挫折した。

からくりは面白いよ!今はコンビニでワイド版売ってるけど、ちょうど伏線回収してるところだから見ない方が良いかも。
220創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 19:03:15 ID:k7Zr1Y+a
>>218
とりあえず読んでみろ
絶対面白いから
221創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 22:11:35 ID:ctw0a/rl
うおおおお、今回も脳内再生がやばい!
そして次は最 古 の 四 人 だ と……!?
うわぁああああああ、テンションあがってきたぁあああ!
222創る名無しに見る名無し:2009/08/28(金) 11:15:20 ID:gN7qUoJM
演出の再現度パネェ!?
からくりサーカス途中で挫折してたんだよなぁ。読み返すかな
223創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 18:22:48 ID:r0JsuC3R
もしもフェイスレスが復活して勝側についたら自動人形側涙目だな
224第15幕:2009/09/02(水) 12:58:14 ID:02PsThLr
メイデン〜ゾナハ病棟にて

ラプラスの魔「やあやあ皆様。人間と人形が巡り、廻るこの人形劇。楽しんで頂けているでしょうか?」

ラプラスの魔「ところで先ほど演じられた『からくり』編は如何だったでしょう?」

ラプラスの魔「道化を探した彼、彼女らを待っていたのは恐ろしい人形…そしてついに動き出した白薔薇たち…」

ラプラスの魔「『からくり』編の面々は強敵との戦いを続け、その命を燃やしつつも笑顔の旅をなさっています」

ラプラスの魔「さて、『メイデン』編の面々はどのような旅になるのでしょうか…」

ラプラスの魔「からくりメイデン『メイデン』編、第3幕の扉が今開けられます」
225第15幕:2009/09/02(水) 13:08:32 ID:02PsThLr
一般人「…」

ルシール(見たところ外傷は無い…)

ルシール(それに…)ギュウゥ…

一般人「…」

ルシール(痛みを加えても目を覚まさない。かなり深い眠りに入っているね…)

ヒュー…ヒュー…

一般人「……」ブルブル…

ルシール(まさか…これは…ッ!!)

鳴海「おい、ルシール。こんなとこで何してんだ。何か俺に手伝えることあるか?」

ルシール「何でもないよ。ここには特に何もなかった。破損の酷いホテル側へ行くよ」

鳴海「そうなのか?」

ルシール「さあ、さっさとこの町を綺麗にするかい」
226第15幕:2009/09/02(水) 13:16:54 ID:02PsThLr
しろがね「だいぶボロボロになりましたから時間がかかりそうですね」

真紅「しろがね、それは問題ないわ」スッ…

ふわ…

鳴海「な…瓦礫が浮いただと?」

蒼星石「僕も手伝う真紅よ」スッ…

翠星石「しゃあねぇから翠星石もやってやるですよ」スッ…

ふわ…スウ…ッ


鳴海「瓦礫が元の形に戻っていってる…」

しろがね「夢のようですね…」

翠星石(バカ面全開です)クスッ

〜一時間後〜

蒼星石「ふうっ。やっと町が元通りになったね」

ルシール「ああ。みんな良くやったよ」

翠星石「…って、オババと水銀燈は見てただけじゃねぇですか!!」

ルシール「おやおや、年寄りに力仕事をさせる気かえ?」

翠星石「ぬぬぬぬ…」

水銀燈「…」

しろがね「そ、それよりも建物を元通りに出来るなんて真紅たちは素晴らしい力を持っていますね」

真紅「時間のゼンマイを巻き戻しただけよ」

鳴海「なんか良く分からねぇけど、お前らローゼンメイデンが不思議な力を持ってるのは分かったよ」

翠星石「ふふっ。なら今すぐ翠星石と蒼星石を崇めやがれですぅ!!」

蒼星石「ぼ、僕は良いよ…」

鳴海「蒼星石は良いがお前はゼッテェ崇めたりしねぇよ」

翠星石「この…っチョンマゲイノシシっ!」ズビシ

鳴海「ぐはぁっ!!」

真紅「見事両目にヒットね」

蒼星石(ぼ…僕は良いの…!?)
227第15幕:2009/09/02(水) 13:22:11 ID:02PsThLr
しろがね「しかし錬金術の力でこんな事も出来るとは…」

ルシール「ああ。だからこそ私や自動人形は蘇る事が出来たんだ」

全員「…」

鳴海「…第7ドール雪華結晶…いったい何が目的なんだ」

真紅「分からないわ。ただあの子はローゼンメイデンとしては異質な存在…」

蒼星石「実体を持たないから別の世界にしかいられないはずなのに」

しろがね「別の世界とは?」

翠星石「しゃあねぇから翠星石が教えてやるです!『Nのフィールド』って言うのがあってですね〜」

水銀燈(生命の水を飲んだ人間『しろがね』…しろがねと契約できれば私も格段に強くなれるはず…)

水銀燈(けれど今、どのドールとも契約していないのは…)ちらっ

ルシール「何だい、私の顔が珍しいのかえ?」

水銀燈「何でもないわよ…」

鳴海「おい水銀燈。お前この前の戦いから変だぞ」

しろがね「よろしければこの辺りで休んでいきましょうか?」

水銀燈「そんな事しなくて良いわよ…さっさと貴女のマリオネットの部品を買いに行くわよ!!」

真紅「ちょっと貴女っ!しろがねは貴女の事を思って…」

しろがね「良いんです、真紅。先の戦いであるるかんの部品を傷つけてしまった私が悪いんですから」

蒼星石「でもあれは町の人を守る為に仕方なくあるるかんを盾にしたんじゃないか!!」

水銀燈「そうね、強い貴女達は町の人を守る余裕があるものね!!」

翠星石「はぁ!?おまえは何を言ってるんですか?」
228第15幕:2009/09/02(水) 13:25:33 ID:02PsThLr
水銀燈「五月蝿いわっ!!たまたま生命の水を飲んで…たまたま強い人と契約して…たまたま強い仲間が守ってくれて…貴女達を見てるとイライラするのよっ!!」

鳴海「これって俺らが悪いのか?」

しろがね「わかりません。水銀燈、私が気に入らないなら謝ります」

水銀燈「だから違うわよっ!!」

翠星石「しろがねに対して何て態度ですかっ!」ダッ!!

鳴海「落ち着けって翠星石」ガシッ!

ぽろっ…

蒼星石「マスター何か落ちたよ。これは…マスク!?」

ルシール(あれは…)

水銀燈「あはは!何よこのヘンテコなマスクは!!真紅ぅ貴女のマスターの趣味はイカれてるみたいねぇ」にや…

鳴海「…」

蒼星石「マスターを…笑ったな…?」

真紅「水銀燈…貴女いい加減にしなさい…!」

しろがね「け…喧嘩はやめましょう」オロオロ…

ルシール「やれやれ…」
229第15幕:2009/09/02(水) 13:33:32 ID:02PsThLr
ルシール「ナルミ、エレオノール。マリオネットの部品はあんたらだけで買いにお行き」

鳴海「おい、自動人形がお前らの方に来たらどうすんだよ!?」

しろがね「そうですよ先生。前の戦いだって真紅がいなければ…一緒に行動するのが得策なはずです」

ルシール「私は急な用事を思い出してね…それに不安なら真紅達をこっちに置いて行けば良いじゃないか」

真紅「私は別に構わないけれど」

鳴海「ちっ…すまねぇが蒼星石も残ってくれないか?」

蒼星石「マスターがそう言うのなら」

翠星石「じゃあ翠星石も残るですぅ」

鳴海「オレとしろがねは行くが本当に良いんだな?」

ルシール「ああ良いさ。だいたい2日ってところかね…向こうに着いたら連絡をおくれ」

しろがね「でもやはりみんなでいた方が…」

蒼星石「安心してよ、しろがねさん。貴女と契約した真紅がいるんだ」

翠星石「そうですよ!それに蒼星石も強いですし、一応だけど水銀燈もいますし」

水銀燈「…」

ルシール「ほら、さっさとお行き!2人きりの旅を楽しんでおいで」

鳴海「な、何言ってやがる!」

しろがね「そ、そ、そ、そうですよ!!」カアア…


真紅(あまりにも青臭くて微笑ましいわね)クスッ

鳴海「そ、それによぉ〜。町の人たちの様子が気になるじゃねぇかよ」

翠星石「確かに気になりますねぇ。一回みんなで見てきますか?」

ルシール「それはおよし」

しろがね「何故ですか?」

ルシール「私がさっき状態を確認してきたけれど、何の心配もなかったさ…」
230第15幕:2009/09/02(水) 13:43:41 ID:02PsThLr
しろがね「先生が確認したなら大丈夫ですね」

鳴海「じゃあ、行くか。しろがね」

しろがね「はい、部品を買ったらすぐに帰って来ますね」

蒼星石「急がなくてもゆっくりで良いよ、しろがねさん」

翠星石「せいぜい2人でイチャイチャしてきやがれです」

鳴海「な…っ!!おいこら!」

翠星石「真紅〜助けて下さい〜」

真紅「ダメだわ。しろがねを冷やかすのは私を冷やかすのと同じ事よ」

翠星石「そ、そんなぁ〜!!」

ルシール「そろそろ行っておいで。この調子じゃ日が暮れちまうよ」

しろがね「それでは皆さん、また後で」

真紅「ええ。しろがね、ナルミいってらっしゃい」

ルシール「さて…私らも行こうかね」

蒼星石「どこへ行くんですか?」

ルシール「ゾナハ病治療施設<レイ疫病研究所小児病棟>あたしら…いや、ナルミの強さが隠されている場所さ」

水銀燈(病棟!?そこにあいつの強さが…)
231第15幕:2009/09/02(水) 13:49:37 ID:02PsThLr
「さあ、何で行こうかね…」

「船に乗ってクルージングしたいです!!」

「僕は徒歩が良いなぁ…」

「私は歩きたくないからバスかタクシーを推薦するわ」


がら…ん

ヒュウ…

ヒュウウゥ…

一般人「……」

一般人「…ひ……」

一般人「ぜひ……ぜひ!!」

一般人「 ぜ ひ っ … !! 」
232第15幕:2009/09/02(水) 13:56:01 ID:02PsThLr
〜レイ疫病研究所〜


ヘレン「あ…あなたは…!お久しぶりです」ペコ

ルシール「ええ、久しぶり…突然の訪問で悪いね」

ヘレン「いいえ…ところでこの子達は?」

ルシール「人形だよ」

ヘレン「えっ!?」

ルシール「安心しな、人間には危害を加えないと保証するよ。ところであんた少し痩せたかい?」

ヘレン「やはり…わかりますか?」

ルシール「ああ…理由は『ゾナハ病』だろ?」

ヘレン「どうしてそれを!?」

ルシール「私らの前に自動人形が現れたのさ。自動人形はゾナハ病をばらまく…そして私はついさっきゾナハ病のような症状にかかった人間を見たんだ。そのことを確かめたくてね」

ヘレン「あの…ナルミは来てないんですか?」

ルシール「あの男にまた重荷を背負わすのは気が引けるから置いてきたよ」

ヘレン「そうですか…では中へ…」

ガチャ…ッ


蒼星石「お邪魔します」
子供達「うわ〜」

子供達「きゃ〜」

真紅「なかなか大きい建物ね」

翠星石「チビがいっぱいいるですぅ!!」

子供達「うわ〜何だあれ〜」

水銀燈「フン。くだらないわ…」

子供「わぁ〜キレイなお人形」とてて…

女性「近づいてはダメよ!!」ガシッ

女性「あいつらは人を殺すの!!人形なんて…人形なんてみんな壊れれば良いのよっ!!」ギロッ
233第15幕:2009/09/02(水) 13:58:28 ID:02PsThLr
石「お…おにばばが出やがりましたよ」

真紅「どうやら私達は招かざれる客のようね」

ヘレン「すみません。でもあの方を許してあげて下さいね」

ヘレン「あの方の夫であるバンハート博士は自動人形に殺されかかった事があるんです…」

蒼星石「そんな事が…」
バンハート婦人「人形が…人形がここにぃぃぃぃぁ!」

看護婦「落ち着いて下さい!あの子達は危険ではないんです!!」

バンハート婦人「人形なんて…だいっキライよォオ!!!!」

ヘレン「それに彼女の息子もゾナハ病にかかって…」

翠星石「『ゾナハ病』!?」

ルシール「自動人形がバラまく最低な病気さ。私ゃ今からその事について博士達と話をしてくるよ」

真紅「私達も話に加われば良いのかしら?」

ルシール「お前さん達はここの子供と遊んで貰おうかね」


〜三時間後〜

バンハート博士「貴重なお話ありがとうございました」

ルシール「いや、私の話なんて全くさ。それよりも奥さん…大変だねぇ」

バンハート博士「はい…人形には敏感で…」

ルシール「そういった事はいずれ良くなるさ。ちょいと小さなお人形達の様子を見てくるよ」
234第15幕:2009/09/02(水) 14:04:58 ID:02PsThLr
ベス「おいしい!真紅の淹れてくれた紅茶とってもおいしいよ」にこ…

真紅「お口に合って何よりね」

トム「この花は何て言うの?」

翠星石「これはですね〜って、聞いといてどっか行くなです!チビチビ!」

トム「ねぇ、君を抱っこしても良い?」

蒼星石「ぼ…僕を!?」

翠星石「ちょっと待った〜!その前に翠星石の花のウンチクを20分ほど聞かせてやるですぅ!!」

真紅「それは聞きごたえがあるわね」

ベス「私に聞かせて〜」

「あはは。うふふふ。はははは」

ルシール「ほう…なかなか上手くやっているじゃないかい」

水銀燈(なによ、この子達。めぐは…めったに笑わないのよ!)

トム「そうだ。ナルミは!?ナルミはいないの?」

真紅「残念ながらナルミは今お出かけ中よ」

トム「そっかぁ…」しゅん

翠星石「しゅんとするなですぅ!あんなイノシシよりも翠星石達の方がすげぇんですよ」

ベス「でも、ナルミがいないと寂しいな」

蒼星石「マスターはここで人気者なんだね」

水銀燈「あはは!子供に人気があるなんて、貴女のマスターは中身が子供並みのようね。蒼星石ぃぃ!」

蒼星石「この…っ!」

真紅「怒ってはダメよ!ルシールがここの子供は病気で、緊張するとその発作が起きると言っていたわ!!」

蒼星石「ゴメン…軽率だったね…ありがとう真紅」

翠星石「けど、ぱっと見は普通のチビチビですよねぇ」
235第15幕:2009/09/02(水) 14:15:48 ID:02PsThLr
子供「あっ!」とてとて…

メグ「あなた、スイギントーって言うんでしょ?あたしはメグ。よろしくね」にこっ

水銀燈「メグ…!?」ピクッ

ルシール「…」

メグ「ねぇ、スイギントー。あなたの羽とってもキレイね」

水銀燈「…」プイッ

翠星石「見ましたか真紅!?水銀燈のやつ、病気のチビ達にもあんな態度を!!」

真紅「ええ…けど、ここで怒っては駄目。子供達が怖がってしまうわ…」

翠星石「でも…」

蒼星石「仕方ないよ。もともと水銀燈には無理矢理付いてきてもらっただけだから…ねぇメグちゃん僕らと一緒に遊ぼう」

メグ「イヤっ!!あたしはスイギントーと遊びたいの!」

真紅「どうやら貴女をご指名のようよ」

水銀燈「いやぁよ…」

翠星石「意地っ張りもここまできたらたいしたもんです!」

蒼星石「ねぇ…どうして水銀燈が良いの?」

メグ「だってね、スイギントーはキレイで羽が生えてて…まるで天使みたいだから」にこっ

水銀燈「っ!!」

『貴女は天使よ』『私の命を使ってよ』『ねえ水銀燈?』

水銀燈「くっ!」ズキッ…

水銀燈「メグ…良い事を教えてあげるわ…私、病気の人は大嫌いなの!だからあなたとなんか話したくないのよっ!!」

メグ「…」

翠星石「お前っ!何て事を!!」

真紅「止めないで蒼星石…こんなに腹が立ったのは久しぶりかしら…」ぶるぶる…

蒼星石「止める?まさか!加勢するよ…」ジャキッ!

水銀燈「あらぁ?3対1ってワケぇ…暴れたい気分だし、まあ良いわ…行くわよっ!」バサァッ!!

メグ「…なさい…」ポタポタ…

メグ「ごめんなさい…スイギントー…」ダッ!!
236第15幕:2009/09/02(水) 14:19:13 ID:02PsThLr
真紅「メグ!」

翠星石「水銀燈…おまえぇぇ!!」

水銀燈「…」

水銀燈「…もうやる気なくなっちゃったぁ」サッ

蒼星石「逃げるのかい!?」

水銀燈「何とでも言いなさい」

ルシール「…」

翠星石「まったく、水銀燈のヤツ…」

真紅「でも最近あの子やけに不機嫌よね」

蒼星石「うん。けど今はこんな時間だ。この件は明日にしよう」

翠星石「なあっ!9時になるじゃないですか!?真紅、蒼星石、オババ、おやすみです!」タタタ…

真紅「ええ、おやすみなさい。私も眠ろうかしら」

蒼星石「じゃあ僕もそろそろ」

真紅「ルシール、貴女は?」

ルシール「私が寝るにはまだまだ早いね。それに今日はやることが出来たんでね…」

水銀燈「…」

水銀燈(流石に…少し言い過ぎたわね…明日には羽ぐらい見せてあげようかしら)

水銀燈(あの子…めぐと同じ名前を…そして同じ事を言っていた…私は天使じゃないのに…)

水銀燈(私は今、何の為にここにいるの?強力な契約者を見つける為!?真紅達を倒してローザミスティカを手に入れる為!?)

水銀燈(わからない…人を傷つけることしかできない私はここにいて良いの!?
明日になったら、この旅から外れようかしら…)

夜が更ける…

〜からくりメイデン〜
237第16幕:2009/09/02(水) 14:31:42 ID:02PsThLr
メイデン〜水銀燈のやったこと

カチ…コチ…カチ…コチ…

水銀燈(眠れないわね…)

 …コツ…

水銀燈「っ!!」

 コツ…コツ…コツ…コツ…

水銀燈(誰か近づいて来てる!)

 コツ…コツ…ピタッ

水銀燈(私の鞄の前にいる!?)

  ガチャッ!

水銀燈「…ルシール…?」

ルシール「体をお越し…水銀燈」

水銀燈「こんな時間に何よ…」

ルシール「世間を知らないひよっこに見せてあげようと思ってね」

ルシール「ゾナハ病にかかった子供達の真実を…この世の地獄を…!」
238第16幕:2009/09/02(水) 14:34:01 ID:02PsThLr
コツ…コツ…

水銀燈「ねぇ、どこに向かっているの?」

ルシール「『ゾナハ病』には3段階の症状がある」

水銀燈「ねぇ、ちょっとぉ?」

ルシール「『第1段階』呼吸困難と全身の痛み。しばらくそれがけいれんを伴い意識不明も引き起こす」

水銀燈「無視ってワケ…」

ルシール「症状を抑える方法は『他人を笑わせること』」

水銀燈「なによそれぇ。全然簡単じゃないの」

ルシール「『第2段階』は第1段階によって体が弱り、免疫力が低くなった患者を別の病気が襲う。ウイルスの感染…ホルモンの異常…内臓の機能障害…実際これで多くの患者が死んだのさ…」

水銀燈「な、何よ!私だって死んだ人間を見たことはあるわ!!」

ルシール「そしてここが『第3段階』の子供達がいる部屋さ…」ギイィ…

 ぜひ…ぜひ…ぜひ…ぜひ…

水銀燈(何よこの音…!?)

ルシール「不運にも生き延びた者は…死ねなくなるんだ…」

水銀燈「っ!!」

子供達「ぜひ…ぜひ…」

ルシール「考えてごらんよ。本当なら友達や親と遊んでいるような歳の子供達…しかし与えられたものは痛み…苦しみ…そして絶望…この子達は死ぬ程の目にあっても…」

ルシール「死ねないんだ!」

子供「ぜひっ!ぜひっ!ぜひっ!!」

水銀燈(何よこれ!?何なのよ…この子達は…この子達は…)

水銀燈「…めぐより…ヒドいじゃない…」
239第16幕:2009/09/02(水) 14:37:31 ID:02PsThLr
子供「ぜひ…ぜひ…」ガシッ

水銀燈「きゃっ!」

子供「…ろ…し…て…」

水銀燈「え!?」

子供「こ…ろ…し…て…」

水銀燈「っ!!」

水銀燈「こんな…ことって…」ペタン…

ルシール「どうだい?ひよっこ。ナルミはこんな子達を助けるために…子供の笑顔のためだけに『そんな理由』であそこまで強くなったのさ」

ルシール「辛すぎる現実から心を隠すためにあんなふざけたマスクをかぶってね…」

水銀燈「…っ!!メグは!?今日わたしに話しかけたあの子は!?」

ルシール「夜中頃、第2段階にはいったよ。診察ではあの子、もう少し持ったはずなんだけどねぇ…。きっと『誰か』の言葉があの子から『何か』を奪ったんだ」

水銀燈(そんな…私あの子に何て……)

水銀燈「っ!!」

水銀燈『私、病気の人は大嫌いなの!だからあなたと話したくないのよっ!!』

水銀燈(私は…あの子に…あの子にあんな事をッ!!)

水銀燈「メグは!?メグはどこに!?」

ルシール「あそこさ…もしかしたら第3段階に入るかもしれない。早くお行き」
240第16幕:2009/09/02(水) 14:40:03 ID:02PsThLr
水銀燈「メグッッ!!」

メグ「スイ…ギントー…?」ぜひ…ぜひ…

水銀燈「ええ、そうよ私よ!!」

メグ「来て…くれたん…だ…」ぜひっぜひっ!

水銀燈「ええ、来たわ!さっきの事は謝るわっ!」

メグ「良い…の…」にこっ

水銀燈「っ!!」

メグ「あのね…代わりに…お願いが…あるの…」

水銀燈「何よ!?何だってやってあげるわ!!」

メグ「あの…ね…羽を…触らせて…」

水銀燈「ほら、羽なら何度だって触って良いから…だから…こんな病気さっさと治しなさいよっ!」バサ…

メグ「やった…ァ…。うふふ…柔らかくて…キレイで…まるで…」ス…

メグ「天使…みたい…」ガクッ

水銀燈「メグ!?ねぇ、メグッ!?」

メグ「ぜひっ!ぜひっ…」

ルシール「『しろがね』になる者はみんなゾナハ病だったんだ。この苦しみや辛さを知ってるから『しろがね』の連中は強いのさ…なんだ、聴こえてないかい…」

水銀燈「…めぐぅ…私は…天使なんかじゃ…ないわよ…」


ルシール「…」ぎゅっ!

水銀燈「な、何するのよ!?」

ルシール「なぁに、たまには泣くのも良いもんさ…」

水銀燈「…誰が…泣くもんで…すか…」

水銀燈「…」ぎゅうっ!

ルシール「やれやれ…」ぽん

ルシール「やっぱりアンタはひよっこじゃないか」

からくりメイデン〜一時閉幕〜
241創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 15:02:38 ID:02PsThLr
次回は9月8日に予定しています。投下次回は午後1時以降ならいつでもできます!
242創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 17:10:15 ID:tEvhjV0f
投下キター!
そしてまさかの最古の四人放置プレイ
243創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 17:35:30 ID:02PsThLr
>>242申し訳ないですが次回も放置となります…

244創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:07:06 ID:/D5PcFJ4
あれ?「ハリー」は?
新型ZONAHAだから効果なしなのか?
245創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:56:15 ID:02PsThLr
>>244はい、新しいゾナハ病にハリーは効きません。一応理由は考えてるけど納得してくれるかどうか…
いずれ作中で語ります。
246創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:13:40 ID:tEvhjV0f
もしも最後の四人も復活するなら鳴海VSハーレクインのリターンマッチに期待
原作だと最期まで全力出さずに死んだからなぁあいつ
247創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:33:42 ID:02PsThLr
>>246確かに雨や嵐とかも戦いに使ってなかったし手刀(チョップ)一発だったもんね。

あと、次回投下する時間帯でもし希望があったら教えて下さい。

6日後 午後1時〜午後9時あたりまでの間で。
248創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 23:45:36 ID:/D5PcFJ4
俺は午後7時ぐらいがいいかな
その時までには家に帰ってきてるだろうし
249創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 00:07:35 ID:Xm+GOYAD
>>248了解です。
次回も説明が多いかも…
ただその次はちょっとした山場(作者がやりたかった場面)なので少しは盛り上がるかも。

一周年記念でつい浮かれてしまって最古を出すのが早かった!。
250第17幕:2009/09/08(火) 19:05:01 ID:HmcSYDzk
からくり〜道化のフウ

フウ「皆様しばらくぶりです。どうやらご心配をお掛けしてしまったようで誠に申し訳ございません」

フウ「私が何をしていたか気になっているでしょうか?そんな事よりもこちらをご覧頂きたい。大きな2つの歯車は…もう、すぐそこまで近づいているのです……『からくり』編最終幕の始まり、始まり……」



251第17幕:2009/09/08(火) 19:07:23 ID:HmcSYDzk
勝「ここがフウさんの会社かぁ……」

雛苺「とってもおっきいの〜」

ギイ「フウは世界の財産の30%を持っているからな」

金糸雀「30%!?それはスッゴいかしら!!こうなったらカナが楽してズルして……って、置いてかないで欲しいかしらぁぁぁ」




雛苺「中はもっとスゴいの〜」

勝「高そうな置物がいっぱいあるね」

使用人「お待ちしておりました。フウ総帥があちらでお待ちです」

金糸雀「おかしいかしらっ!カナ達が来る事はフウって人に言ってないはずなのにっ!!」

ギイ「会えばわかるさ」ガチャッ

フウ「日本からよく来てくれたね。私はフウ・クロード・ボワローだ。フウと呼んでくれ。勝君、雛苺さん、金糸雀さん、そして……ギイ君」

勝「何で雛苺達の名前を!?それにギイさんが生きている事をどうして知ってるの!?」

フウ「あたしは何でも知りたがり……そして何でも知っているんだ」にや…
252第17幕:2009/09/08(火) 19:12:28 ID:HmcSYDzk
ギイ「『アイセクト』と言う小さな虫型の自動人形がある。そいつにはカメラとマイクと発信システムが付いているんだ」

勝「まさか、あなたはそれを使って!?」

フウ「ああ、そうさ。蘇った3人の『しろがね』や自動人形の動きに付いて……後は他の薔薇乙女についても知っているねぇ」

全員「なっ!!」

勝「蘇った『しろがね』ってギイさん以外に誰がいるの!?」バッ!!

雛苺「ねぇねぇ、真紅は翠星石は蒼星石はぁぁ!?」ズイッ!!

金糸雀「しろがねって何かしらぁぁぁ!!」ギョワッ!!

ギイ「みんな落ち着くんだ」

フウ「流石ギイ君。どんな時でも冷静だな。さて、まずは蘇った『しろがね』について話そうか」

フウ「最初はアイセクトの故障かと思ったよ。何せ一瞬眩しくなったと思ったら、そこには死んだはずの人間がいたんだからね」

フウ「まず1人目はギイ君、君さ。発見場所は日本で半月ほど前だったかな。次に蘇ったのはルシールさ」

ギイ「ルシールだと!?」

雛苺「マサル〜誰なの?」

勝「ごめん、ぼくも分かんないや」

ギイ「以前いっしょに旅をしていた仲間さ。死んでしまったがね」

金糸雀「その人も……」
フウ「だが、生き返った。話を続けさせて貰うよ。ルシールは一週間前に中東で確認した。そして、つい一昨日に復活を確認したのが『フェイスレス』さ」

勝・ギイ「な…ッ!?」
253第17幕:2009/09/08(火) 19:14:45 ID:HmcSYDzk
勝「フェイスレスまで!?一体どうして!?」

フウ「残念ながら、このあたしにも分からないね。ちなみにアイセクトはすぐに破壊されたよ。全く抜け目のない奴さ」

ギイ「まさか奴も蘇るとはな……」ギリッ!

金糸雀(今のギイさんとっても……怖いかしら)

雛苺「『ふぇいすれす』って人はマサルのお友達なの?」

勝「フェイスレスは……自動人形を生み出した人間で、ぼくを自分の器にしようとした奴なんだ……」

雛苺・金糸雀「えっ!?」

ギイ「狂っている奴さ。惚れた女と結ばれる為にマサルを……いや、世界中を巻き込んだんだ」

勝「そいつの計画では自分の人格をぼくに『転送』して、ぼくを乗っ取るつもりだったんだ」

ギイ「だがその計画は防がれた。そして自分の思い通りにならないと分かると、奴は自動人形を使って世界を滅ぼそうとしたんだ」

フウ「まあ、あたしらが頑張ってどうにかしたがね」

雛苺「自動人形を作った人…」

金糸雀(カ…カナはあんまり関わりたくない人かしら…)

ギイ「あいつが蘇ったとなると世界とエレオノールが危ないな」

勝(でもフェイスレスは最後にぼくらを助けてくれたんだ……)
254第17幕:2009/09/08(火) 19:17:04 ID:HmcSYDzk
フウ「さて話を急ごう。雛苺、金糸雀。君達の姉妹である薔薇乙女は次の人達と契約をしている。真紅はエレオノールと、蒼星石はカトウナルミと。後は翠星石、水銀燈の2体は共に契約をしていない。彼女らにルシールを加えたメンバーで今は旅をしている」

勝「鳴海兄ちゃん達も!?」

ギイ「向こうにもドールが来ているのか。何か不思議な巡り合わせを感じるな」

金糸雀「真紅も翠星石も蒼星石もみんないるかしら〜」

雛苺「す…水銀燈もいるのね……」

フウ「彼らは今アメリカに」

ビーッビーッ!

「緊急事態です。緊急事態です」

勝「いったい何が!?」

雛苺「サイレン怖いの……」

使用人「失礼します、フウ様。侵入者が現れました!恐らく自動人形と思われます」

フウ「そうか、分かったよ」

金糸雀「カナとギイさんが退治してくるかしら!」

フウ「いや、いいよ。あんたら……特にギイ君と勝君は最近の戦いで消耗しているはずだ。あたしに任せておきな」

ギイ「そうか。では休ませて貰おうか」

フウ「さて、この機会にひとつ『実験』をしてみよう」にいッ

〜からくりメイデン〜
255第18幕:2009/09/08(火) 19:22:22 ID:HmcSYDzk
 からくり〜侵入→判明

雛苺「し、し、侵入者って誰なの〜!?」

勝「安心して雛苺。ここはフウさんに任せて」

フウ「そうさ。あたしにお任せ。ついでに『しろがね』と呼ばれる者についても教えてあげ…

ドガシャァァァン!!

雛苺・金糸雀「きゃあっ!!」

フラーヴィオ「邪魔するぜぇぇ!!」ズンッッッ!!

勝「この自動人形も強そうだよっ!!」

フウ「話の途中に来るとは…バカのフラーヴィオか、あたしゃツイているねぇ」

フラーヴィオ「テメェッ!!」ドガァッ!!

ボキ…ッ!

フウ「ぐぐぅ……っ」プシャァ…

雛苺「フウさん、腕があっ!」

フウ「いたた…。見ていて…ごらん…これが…『しろがね』の回復力さ」ピキ…

ピキピキ…

金糸雀「傷がもう治ったかしら!」

フラーヴィオ「余裕見せてんじゃねぇよ!」ズン…ズンッ!!

フウ「…引っかかったね」パチッ

フラーヴィオ「はあぁ!?」

使用人「…」パカッ…

ドシュアッ!!

勝「使用人の人形の口から鎖がっ!!」

金糸雀「お手伝いさんも人形だったかしら〜!?」

ジャララララ……ガシイン!!

フラーヴィオ「何だよコレ!?動けねぇっ!!」

ギイ「上手いな。奴の可動できる部分のみを狙っている」
256第18幕:2009/09/08(火) 19:27:41 ID:HmcSYDzk
フウ「ギイ君。すまないがオリンピアを借りるよ」

ギイ「手荒な使い方はしないでおくれ」

フウ「ありがとう。傷を付けないよう気を付けようかね」ガチャ…

スチャッ!!

オリンピア「…」キリキリ…

フラーヴィオ「な…何をするつもりだ!?」

フウ「なあに、“抱きしめる”だけさ」キュ…

フウ「オリンピア<聖母の包容>!」キュキィッ !

オリンピア「…」パキュン!!

金糸雀「オリンピアの指が注射器に!?」

雛苺「い…痛そうなの〜」

オリンピア「…」ザシュシュシュ!!

ブジュウゥウゥウ!!

フラーヴィオ「うおおおお!体液が吸われるぅぅ!?」

フウ「こいつら自動人形は『疑似体液』というもので命を吹き込まれたのさ」

ギイ「疑似体液とは、ゾナハ病を引き起こす『病原体』の塊だ」

勝「けど、その病原体は世界から消えたはずなんだ!」

雛苺「じゃあ、この自動人形は何で動いているの?」

フウ「それをこの実験で確かめるんだ」キュウッ!!
257創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 19:31:17 ID:4GoosrXr
そういやそうだな
何で動いてるんだろう
258第18幕:2009/09/08(火) 19:37:32 ID:HmcSYDzk
オリンピア「…」ギュァァァァァッッ!!

フラーヴィオ「ぐおおおおぁぁぁ!!!!」ブシャシャ−ッ!!

ビシャシャ…

金糸雀「部屋中が銀色の液体で…おえっぷ」

雛苺(この液体…アレに似ているの!!)

オリンピア「…」ズボオッ!!

フラーヴィオ「ちくしょうっ!イテェェェ!!お前らの血をよこせぇぇ!!」

金糸雀「まだ生きてるかしら!?」

ギイ「なかなかタフだな」

フウ「やれやれ…お前さんにはこれをやるよ」ヒュン…ザクッ

勝「ナイフ!?」

フウ「ああそうさ。あたしの血がべっとりと付いているがね」にいっ

フラーヴィオ「何だと!?このォ、テメェ…ご、ごえぁぁぁあ!!」びしゃしゃ…バタッ!

金糸雀「え!?え…!?」

ギイ「『しろがね』の血が体内に入ると自動人形は体の内側から破壊される。つまりは奴らにとっては猛毒という事さ」

ギイ「だが、しろがねの回復力を見せるためとは言え、わざわざ奴の攻撃を貰わなくても良くなかったかい?見たところ腕を複雑骨折したようだが…」

フウ「あたしは科学者でも技術者でもあったんでね……実証しないと気が済まないのさ」

勝(この光景は雛苺達にあんまり見せたくなかったなァ)ちらっ

雛苺「大丈夫よマサル…」じっ…

259第18幕:2009/09/08(火) 19:39:36 ID:HmcSYDzk
雛苺「大丈夫よマサル…」じっ…

フウ「さて、この体液を調べるとするかね。なあに、この機械を使えば1分もかからないさ」

ガシャッ…ウイーン…ギュルル…

フウ「これは…」

ギイ「何が分かった!?」

フウ「いや、何も。このあたしが少しも理解出来ないなんて…」

勝「そんな…」

雛苺「ローザミスティカ…」

全員「えっ!?」

雛苺「あのどろ〜ってしたのはローザミスティカに似ているの」

金糸雀「確かに少し似ているかしら…」

フウ「ローザミスティカとは何だい?」

勝「雛苺たち薔薇乙女に命を与えているものなんだ」

ギイ「…まさか!?」

フウ「なるほど…」

勝「そうか…!」

金糸雀「何のことかしら?」

勝「雛苺たちはローザミスティカで動いているね?」

雛苺「うゆ、そうなのよ」

ギイ「自動人形は疑似体液で動いていた」

金糸雀「でも、今の人形は疑似体液で動いてなかったかしら」

フウ「そうだね。だが重要なのは疑似体液もローザミスティカも人形に命を吹き込めるということさ」

金糸雀「それって…!?」

フウ「そう…自動人形に命を与えたのはローザミスティカを持つ者…つまりローゼンメイデンの内の誰かである可能性が高い。誰か心当たりはあるかい?」

雛苺「…雪華結晶……」

金糸雀「…」
260第18幕:2009/09/08(火) 19:42:04 ID:HmcSYDzk
フウ「その人形について…詳しく話して貰えるかい?」

雛苺「…うい……」

勝「雛苺、ぼくも付いて行くよ」

雛苺「大丈夫。ちょっとだけお話をして来るわ、マサル…」にこ

金糸雀「雛苺…」

ギイ「やれやれ…フウよ、道化なら少しは僕らを楽しませてくれても良いんじゃないかい?」

フウ「そうだねぇ。じゃあ良いニュースを2つ程…」

フウ「まずはこれ…」ガチャ…

勝「これは…」

フウ「平馬くんからジャック・オー・ランターンを預かっていた。ギミックも増やし、すぐにでも動かせるようにしてあるらしい」

金糸雀「もう!?あの子に預けたのは、ほんの数日前だったかしら!?」

フウ「2日徹夜したと言っていたが、さすが人形繰りの村の子だよ。そして2つ目…」

フウ「カトウナルミ達が君達と合流をする」ニヤっ

勝「え!?」

ギイ「な!?」

全員「ええぇ〜!?」

からくりメイデン〜一時閉幕〜
261創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 19:52:26 ID:26g7Q0II
フェイスレス復活か
まあ原作の死に様的に考えて勝の味方だろうけどあいつの「分解」に勝てる自動人形はいるのだろうか
262創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 20:10:40 ID:4GoosrXr
フェイスレス最後の体はクローン体
蘇っても防御力と生命力が貧弱だろうから弱いんじゃない
現にナイフの一撃が致命傷だったし
263創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 20:25:57 ID:HmcSYDzk
>>261
>>262で言ったように機械の体でないので溶解も使えないから最強って訳ではないです。そして、フェイスレスもしばらく出ないです。

>>223でフェイスレスのことが出てて心臓が止まった。


次も6日後で時間は特に決めてないです。希望があったらお願いします。

次回は久しぶりにageます。
264創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 20:27:38 ID:26g7Q0II
そう言えばそうか
でも「分解」の速度はクローン体の頃と変わらんかったし十分強いと思うがな
後クローン体じゃないってことは「溶解」はもう使えないな
265創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 20:35:14 ID:4GoosrXr

時間は5時〜9時くらいだと支援しやすくて助かる
266創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 20:49:35 ID:HmcSYDzk
>>265了解です。

たぶん5〜6時あたりに投下します。

次回は今回より少しだけ文章量が多いので支援をお願いします。
267番宣:2009/09/14(月) 18:43:01 ID:xbctLyuo
ブカブカ ドンドン 。

さてさて8月から演じられました【からくりメイデン】も、ひと月が過ぎ、もはや20幕目に入ろうとしております。

薔薇の乙女との不思議な出会い…
蘇ったかつての仲間と憎むべき病気…
再び動き出した自動人形…
そして…それらを操る者、雪華結晶…

様々な演目を演じましたが今回の演目はこの人形劇の大きな節目となることでしょう。

今宵演じられますは果たして……

超熱血骨董人形活劇、因縁と対決の第20幕であります。
268第19幕:2009/09/14(月) 18:47:51 ID:xbctLyuo
メイデン〜結婚式

ラプラスの魔「やあやあ皆様お元気そうで何よりですな。おや…嬉しそうなそのお顔は探し人が見つかった顔だ…」

ラプラスの魔「先ほど演じられた『からくり』編が最終幕という事で、これで『メイデン』編も終幕となります。しかし、この人形劇はもう暫く続くのでご安心を…」

ラプラスの魔「さて、前回の『メイデン』編では恐ろしきゾナハ病を扱いました。そして『からくり』編では『メイデン』編の面々が集結頂くことが分かりました」

ラプラスの魔「次第に明らかになっていく敵の正体…集う仲間達。順調に物語の歯車は廻っております」

ラプラスの魔「くくく…そう…不気味なくらいに順調だ。『メイデン』編最終幕の始まり、始まり…」
269第19幕:2009/09/14(月) 18:49:42 ID:xbctLyuo
しろがね「やっと待ち合わせの町に着きましたね」

鳴海「おう。なあ、ここにサーカス団が来てるみたいなんだがちょっと見に行かないか?」

しろがね「もう!今は集合を優先させるべきです」

鳴海「ちぇっ。まあ、おっかねぇばあちゃんに雷落とされるよかマシか。走るぜしろがね!」ぎゅっ

しろがね「あっ…」ドキッ

しろがね(ああ。やはり私はナルミが大好きだ)にこっ

〜ホテル〜

ルシール「わかったよ…」

水銀燈「ねぇ、ルシール」

ルシール「ちょっとうるさいのが来たからお話はここまでさ」ガチャン

水銀燈「電話は良かったの?」

ルシール「ああ、ところで何だい?」

水銀燈「ルシール、左手を出しなさい」
270創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:51:43 ID:Q1B8VGRU
     
271第19幕:2009/09/14(月) 18:52:06 ID:xbctLyuo
ルシール「契約の指輪か…。良いのかい?こんなおばあちゃんじゃあ力はそんなに貰えないよ」ニヤ

水銀燈「契約者は体だけじゃなくて心の力も大切なのよ」

水銀燈(それに…もう力なんて…)

ルシール「そうかい。なら尚更およし。なにせ私のこころは闇の色をしているんだ」

水銀燈「良いからやるわよ!!」

ルシール「やれやれ…」

バサッ…

ルシール「シーツ?何だいこれは…」

水銀燈「雰囲気作りよ」

ルシール(ふ、まるで結婚式だね…)

水銀燈「さあ、始めましょう」

水銀燈「病める時も健やかなる時も…」

ルシール「私ゃ病みっぱなしだったけどね」

水銀燈(あの子と同じことを…)ふっ

水銀燈「死が二人を別つまで…?」

ルシール「いいえ」

水銀燈・ルシール「 死 ん で も 一 緒 だ わ 」

パアアアア…

272創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:53:20 ID:Q1B8VGRU
      
273第19幕:2009/09/14(月) 18:57:00 ID:xbctLyuo
コソコソ…

翠星石「み…見ましたか!?『ふっ』って笑いやがったですよ!!あの水銀燈がっ!!」

蒼星石「ゾナハ病棟から帰って来てから丸くなったよね」

真紅「ええ、あの子が他人にあんなに心を開くをなんて…」

翠星石「あっ!こっちに来るですぅ!!」ひゅん

真紅「退散ね…」ひゅん

蒼星石「あっ!!ちょっと」

ルシール「結婚式なんて意外とロマンチックだねぇ」

水銀燈「別に良いでしょ」クスッ

ルシール「ところで水銀燈。あんたにとって”めぐ“とは何だい?」

水銀燈「な…どうしてそれを!?」

ルシール「ゾナハ病棟でその名前を聞いた時にお前さんの様子が変わったから気になってね」

水銀燈「…」

水銀燈「こっちの世界にも偶然おなじ名前の子がいるみたいだけど、私の前の世界のマスターよ…心臓だかの病気にかかっていて、死ぬのは怖くないだの、自分は“壊れた子”だのってウルサいイカレてる子よ」


水銀燈「しかも、私を天使なんかって言って…こっちの『メグ』もあっちの『めぐ』もとんだおばかさんよ…」


蒼星石(マズい事聞いちゃったかな…)

ルシール「その子…大切にしておやりよ」

水銀燈「それどういう意味…

「お〜い、どの部屋にいるんだルシール!」

「大声は他のお客様の迷惑になりますよナルミ!!」

「やべっ!!」

水銀燈「どうやら帰って来たみたいね」

ルシール「ふう、全くあの子らは…」

ルシール(結婚式…か…)

ルシール「ねえ、水銀燈。お前さんに本当の結婚式を見せてあげるよ」
274創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:58:14 ID:Q1B8VGRU
これはちょっときついな……
275第19幕:2009/09/14(月) 18:58:40 ID:xbctLyuo
ルシール「突然だが私達は明日イギリスに行く事になった。どうやら向こうでも薔薇乙女が発見されたみたいでね」

真紅「ということは金糸雀と雛苺ね」

蒼星石「2人とも目覚めたのかな?」

翠星石「そうらしいですよ」

水銀燈(全てのドールが目覚めたのね。私は今、この子達と戦えるの…?)

ルシール「そして今日、ナルミとエレオノールの結婚式を開こうと思うんだが、どうかえ?」

鳴海「結婚式だとぉ!?」

ルシール「ああ、私が命を助けた事がある男が、今はこの街の町長になっているみたいでね」

翠星石「教会を貸し切りにするっていう話ですよ」

しろがね「ぜひとも!!ありがとうございます先生!!」キラキラ

ルシール「いや、良いさ。何せ特別な結婚式だからね…」

蒼星石「何が特別なんですか?」

しろがね「しろがね同士で結婚したのは私達以外にたった一組だけなのです」

真紅「それは特別ね」

しろがね「はい!!その女性、『アンジェリーナ』さんは何とルシール先生の娘さんなのです!!」

水銀燈(へえ…あの人間に娘が…)
276創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 18:58:56 ID:Q1B8VGRU
内容ではなく支援的な意味でね!
だが支援
277創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:00:23 ID:D/ToEOEH
 
278創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:01:12 ID:Q1B8VGRU
    
279第19幕:2009/09/14(月) 19:02:09 ID:xbctLyuo
ルシール「それ以上はおよしエレオノール」

しろがね「す、すみません。つい舞い上がってしまって…」

ルシール「別に良いさ。私はちょいと休ませて貰うよ。それと結婚式は夜9時に始まる。ナルミとエレオノールはその前には準備を終えときな。くれぐれも遅刻するんでないよ」

翠星石「9時ですか。こうなりゃ今日は徹夜ですよ!」

蒼星石「え!?う…うん」

真紅「たまには良いかもしれないわね。もちろん貴女もよね?」

水銀燈「ええ…」


バタ…ン

ルシール「ふう…」

〜数時間前〜

−コンコン−

ホテルマン『ルシール・ベルヌイユ様。お電話が入っております』

ルシール『私にかい?ありがとうよ』

フウ『やあ、ルシールお久しぶり』

ルシール『ふん、お前さんには私が蘇った事もお見通しかい』

フウ『なあに、あたしゃ何でも知ってるのさ。早速だがルシール。お前さん達にはあたしの屋敷に来てもらうよ。こっちにもローゼンメイデンがいるのでね。迎えはそうだねぇ…明日にでも着くかな』
280創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:03:32 ID:Q1B8VGRU
  
281第19幕:2009/09/14(月) 19:04:15 ID:xbctLyuo
ルシール『そっちにも人形が来ていたのかい』

フウ『そして、言って良い事か悪い事かは分からないが…お前さんに言いたい事がある』

ルシール『何だね?さっさと言いなさいな』

フウ『エレオノールはアンジェリーナが生んだんだ。つまりエレオノールはアンジェリーナの子供なんだよ』

ルシール『…』

ルシール『そうかえ…』

フウ『お前さんはやっぱりそれだ。良いかい?余計な事かもしれないが、昔なじみからのお節介だ。せっかく生き返る事が出来たんだ。陰ながらでも良い、ずっと一緒に居てやってアンジェリーナの分まであの子を大切にしておやりよ』

ルシール『どうだろうね…』


フウ『そうか…最後にもうひとつだけ。自動人形がそっちへ向かっている。今夜の9時にお前さん達のいる街に着くハズだよ。その人形はドットーレだ…』

ルシール『あいつが…!』

フウ『だが鳴海君やドールズ全員で戦えばきっと勝てる。絶対に1人で戦おうとするんじゃないよ。良いね?』

ルシール『ああ。分かったよ…』

フウ『おい、本当にわかったのかい!?』

水銀燈『ねえ、ルシール』

ルシール『ちょっとうるさいのが来たからお話はここまでさ』

フウ『おい、ルシール!!ルシール!!』

−ガチャン−

ルシール「ふっ、結婚式を開くなんて私らしくないかもしれないね…さあ、行くとするかね」ガチャ

水銀燈「何処へ行くのよルシール?」
282創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:04:16 ID:D/ToEOEH
 
283創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:04:37 ID:Q1B8VGRU
   
284第19幕:2009/09/14(月) 19:06:06 ID:xbctLyuo
ルシール「ちょっと外へお出かけさ」

水銀燈「これから結婚式が始まるっていうのに?当ててあげるわ。自動人形が来るんでしょう?」

ルシール「だったらどうするかね?」

水銀燈「ナルミやしろがねを呼ぶわ。気に入らないけど真紅達も…」

ルシール「それはおよし」

水銀燈「何でよ!?まさか1人で戦いに行く気!?」
ルシール「自動人形は…闇色の血を流すんだ…」

水銀燈「は?何を言いたいのよ」

ルシール「昔々、ある村に少女がいた。その少女は恐ろしい病気にかけられ、呪われた運命を背負わされ、バケモノ達と戦わなければならなくなった…」

ルシール「その少女の母はその子にバケモノ達をおびき寄せるエサになれと言い、そして少女を追い出したんだ」

ルシール「その少女の名はアンジェリーナと言った…」

水銀燈「な…ッッ!!」

ルシール「アンジェリーナは私に似て美人で、私に似ずよく笑う子だった…」

ルシール「そして、お前さんとおんなじ色の髪をしていたよ…」スッ

水銀燈「…」

ルシール「どうやらエレオノールはそのアンジェリーナの子供らしいのさ…」

水銀燈「なんですって!!」

水銀燈「じゃあ貴女…尚更この結婚式を見届けなきゃいけないじゃない!!」
285創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:07:19 ID:Q1B8VGRU
  
286創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:09:07 ID:Q1B8VGRU
  
287第19幕:2009/09/14(月) 19:09:49 ID:xbctLyuo
ルシール「これから来る自動人形に私は息子を目の前で殺された…その時私は人間を捨てた…」

水銀燈「ッ!!」

ルシール「そしてアンジェリーナを…実の娘をバケモノ達のエサにした時…私は親であることを捨てた…」

ルシール「私は親であることも人間であることも捨てた…」

ルシール「私の血は、自動人形と同じ、闇の色をしているのさ」

水銀燈「…」

ルシール「そんな私が結婚式なんて清らかなモノに出られると思うかえ?さあて…そろそろ時間だ。馬鹿な人形を壊してこようかね」

水銀燈「わかったわよ…。鳴海達にはごまかしておくわ」

水銀燈「…けど呆れたわ。たかが結婚式の為にあんなバケモノと1人で闘うなんて貴女も相当イカレてるわね」

ルシール「実の娘には何もしてやれなかったものでね…」ニヤッ
288創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:10:52 ID:Q1B8VGRU
   
289第19幕:2009/09/14(月) 19:11:20 ID:xbctLyuo

−そして午後9時−

蒼星石「そっか、ルシールさんは遅れて来るのか…」

翠星石「あのイノシシのふにゃけた顔が見れるのにもったいないですねぇ〜」

蒼星石「そ、それはどうかと思うよ」

水銀燈「確かに伝えたわよ」バサッ…

真紅「待ちなさい、一緒に結婚式を見ましょう」

翠星石(絶対断りますね…)

蒼星石(きっと断るだろうなぁ)

水銀燈「…」

水銀燈「今日だけよ…」

翠星石・蒼星石(な…なんと!!)

〜教会、花嫁の控え室〜

鳴海「着替えは終わったかしろがね?」

しろがね「はい、今開けますね」ガチャ…

鳴海「とってもキレイだ…」

しろがね「少し照れますね。ありがとうナルミ。しかし先生がこんな事をして下さるなんて」にこっ

鳴海「ああ、用事だかで遅れるらしいが、このしろがねを見たらきっと驚くぜ」にっ

しろがね「ふふふ、どうでしょうかね」

リンゴーン…

しろがね「さあ、結婚式が始まりますよ」

リンゴーン…リンゴーン…



ザッ……ザッ……

「ほう、なかなか綺麗な教会じゃないか。しろがね共の寝床にするには少し上等すぎるな」

 ザ ン ッ ッ !!


ルシール「上等すぎて悪いことなんてないさ」ス…
290創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:12:17 ID:D/ToEOEH
 
291第19幕:2009/09/14(月) 19:12:40 ID:xbctLyuo
ドットーレ「やあやあ、久しぶりだなぁルシール。サハラではずいぶんと世話になった」

ルシール「何だい、またオンボロになりに来たのかい?」

ドットーレ「己はお前に『復讐』をしに来たのだよルシィィール」

ルシール「ほほほ!!あんたが私に復讐かい?わざわざ蘇ってご苦労だねぇ」

ドットーレ「己を以前の己と思うなよ!?」ギロッ!!

ルシール「ところで、どうしてあんたの御主人様は自動人形だけでなく私も蘇らせたんだい?」

ドットーレ「雪華結晶様のお考えは誰も知らない。無論我ら『最古の四人』もな」

ルシール(やはり最古の四人も…)

ドットーレ「さぁて、お前の首を手土産に、教会の奴らも皆殺しにさせてもらうとするかな」にたぁ…

ルシール「失せなドットーレ」

ルシール「ここから先は敬虔で善良なる者以外立ち入り禁止だよ」

ルシール「…あたし達は入れない」

〜からくりメイデン〜
292創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:13:45 ID:Q1B8VGRU
   
293創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:14:29 ID:Q1B8VGRU
     
294創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:15:50 ID:Q1B8VGRU
       
295創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:15:50 ID:N4XMsTBd
支援
296創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:16:36 ID:Q1B8VGRU
 
297第20幕:2009/09/14(月) 19:16:53 ID:xbctLyuo
メイデン〜悪夢

ドットーレ「では、己とお前の因縁に幕を引こうか」

ルシール「その前に場所を変えないかい?ここじゃ邪魔が入るかもしれないからねぇ」

ドットーレ「良いだろう。そうそう、所で…」

ドットーレ「お前の息子は元気にしてるかい?」にやあ…

ルシール「挑発しても無駄さ。今は不思議と良い気分なんだ…」

ドットーレ「そうか。死ぬには良い時期じゃないか」ニヤニヤ

ルシール「フン…あそこのテントへ行くよ!」

ドットーレ「サーカス団のテントか…お前の最期にふさわしいなっ!!」

〜教会〜

神父「〜〜また病める時も健やかなる時も死が2人を分かつまで互いを愛し慈しむことを誓いますか」

鳴海「誓うぜ」

しろがね「…誓います」

神父「今ここに2人を夫婦と認めます。それでは誓いのキスを」

鳴海「…」スッ…

しろがね「…」スッ…

水銀燈「…」

翠星石「お〜お〜見てるこっちが恥ずかしくなっちまうですよ」

蒼星石「でも…しろがねさん綺麗だなぁ…」

真紅「ええ、そうね。ちょっと水銀燈。どこに行くつもり!?」

水銀燈「見る物見たし、ちょっと散歩よ」バサッ

翠星石「全く、丸くなったと思ったら直ぐに個人行動ですか!!」

真紅(この時間に散歩!?何も起こらなければ良いけど…)

水銀燈「はあ…はあっ…!ルシールはどこに行ったのよ!?」

水銀燈「たった1人で自動人形を倒せるとでも思ってるのっ!?」バサ…バサッ…!
298第20幕:2009/09/14(月) 19:18:21 ID:xbctLyuo
〜サーカス団テント〜

ドットーレ「二度と蘇らぬように念入りにトドメを刺そうかな」カチャ…

ルシール「そうかい。ところでドットーレ。お前からおかしな力を感じるがそれは何だい?」

ドットーレ「くくく…死ぬまでの時間稼ぎかァ?まあ良いだろう。これを見よ!」ガバァッ!

ルシール「帽子の下に…白い薔薇!?」

ドットーレ「ああそうだ。この茨は雪華結晶様が我ら最古の四人にのみ授けてくださった物だ!」

ルシール「へえぇ…見たところ、あんたの歯車にしっかりと根を張ってるが大丈夫なのかい?」

ドットーレ「我々は雪華結晶様に絶対の忠誠を誓ったのだ!その証を無くした者が朽ち果てるのは道理だろう?」

ルシール「自分から忠誠を手放した事のあるあんたがそんな事を言うとはねぇ」にやっ

ドットーレ「黙れェッ!!雪華結晶様はその誓約と共に我らにローザミスティカの力を分けて下さったのだッ!!」

ルシール「ほお…そうなのかい。けれど、そんな重要な事を私に教えてしまっても良かったのかえ?」
299第20幕:2009/09/14(月) 19:22:13 ID:xbctLyuo
ドットーレ「ああ良いのさ。お前を生かしておくはずがなかろう?今すぐ息子の下へ送って行ってやろう」カシャッ!!

ルシール「そいつは無理さ。私は天国へは行けないよ」

ルシール「そして…これは何だと思う?」ゴソッ

ドットーレ「まさか……それはッ!」

ルシール「そう、あたしらしろがねの発明の1つ、小型発信機『ヘルメス』。あんたが教えてくれた秘密をリアルタイムで発信中さ」ニヤッ

ドットーレ「おのれ…おのれぇぇぇぇ」

 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ……!!

ルシール「ドットーレあんたさ」

ルシール「やっぱ馬鹿だろ?」にやっ

ドットーレ「 ル シ ィ ィ イ ル !!」ダッ!!

ルシール「おほほほ!!もう一度絶望させてあげるよ!ドットーレッ!!」ギュイィイイン!!

ドットーレ「そんな物が己に効くとでも思ったかぁっ!?」

ルシール「思ってるよっ」ブンッ!ビュオッ…

ドガァァァン!

ドットーレ「この程度の爆発でッ!!……己を壊すにはヌルすぎるぞォオ!!」ぐしゃりっ…

ルシール「まだ攻撃は終わっちゃいないよっ!!」ドガガガガガ!!

ドットーレ「マシンガンか。面白みのない攻撃を!!」すっ…

ルシール(バカめ!その弾丸には私の『生命の水』入りの血が入っているのさ!!弾丸が一発でもかすりさえすれば勝てる!)

ドットーレ「下らんな…」ピキ…ピキ…

ルシール(何だいこの音は!?)
300創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:23:23 ID:Q1B8VGRU
さるってた支援
301創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:25:43 ID:Q1B8VGRU
    
302第20幕:2009/09/14(月) 19:29:10 ID:xbctLyuo
ドットーレ「お前の手はこれで終わりか?」パラララ……

ルシール「っ!!弾丸が……」

ドットーレ「今度はこちらの『手』を見せてやろう!!」ダッ!

ルシール「くっ!」ダッ!!

ドットーレ「逃がすかっ!!喰らえぃ『紺碧の手』ッ!!」

ピキ……パキパキッ

ルシール(またこの音がッ!?)

ピキピキピキッ!!!

ルシール「足が凍って!!!!?」

ドットーレ「ふはは!!どうだ!己の掌は空気中の水分を氷結させるっ!!」

ルシール(コレのせいで弾丸は触れなかったのかい…)

ドットーレ「そしてお前の周りの水分を凍らせる事により…」ピキッ…

ルシール(かはっ!!息がっ…)ガクッ


ドットーレ「どうだルシィィル、苦しいか!?苦しいだろう!?だが己の復讐はこんなものでないぞっ!!」
ガシィ……ブンッ!!

ドシッャァァ!

ルシール「ぐっ…!!」

ドットーレ「まだだ!まだ終わらんぞ!」ぐいッ

ドットーレ「苦しめ!!」ガンッ!!

ドットーレ「苦しめッッ!!」ボギッ!!

ドットーレ「苦しめぇぇぇぇぇ!!!!!!」メシャ…ッ

ルシール「ゴフ…ッ」グシャ…ッ

ドットーレ「そして無様に這いつくばれェェェ!」ブンッ!!

ズザザザザザザザッ!!

ルシール「ぐ……がはっ…」
303第20幕:2009/09/14(月) 19:31:54 ID:xbctLyuo
ルシール「くっ……!」ゼイ…ゼイッ


ドットーレ「くくく、良い眺めだなぁルシール。今、己の帽子でお前に最高のフィナーレを飾ってやろう!!」カシン!

「待ちなさいっ!!」ビシュシュシュ……

ドットーレ「誰だ?」

スタッ!!

ルシール(アンジェリーナ…!?)

水銀燈「ルシール!!何よあなた!?ぼろぼろじゃない…」
ルシール(水銀燈か……)

ルシール「結婚式は見てきたかい…」

水銀燈「こんな時に何を!?」

ルシール「結婚式は…見て来たのかい…」

水銀燈「ええ…」

ルシール「エレオノールは…美しかったい…」

水銀燈「天使みたいだったわ…」

ルシール「幸せ…そうだったかい」

水銀燈「世界中の誰よりもね…」

ルシール「そうかえ…」ふっ

水銀燈「何笑ってるの、早くあいつを倒すわよ!」

水銀燈「ジャンクになりなさいっ!」バシュシュシュ

ドットーレ「届かぬ!」ピキキ…

パキキキキ…
304創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:34:02 ID:Q1B8VGRU
   
305創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:40:06 ID:D/ToEOEH
 
306創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:40:49 ID:D/ToEOEH
 
307創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:42:10 ID:Q1B8VGRU
   
308第20幕:2009/09/14(月) 19:45:07 ID:xbctLyuo
水銀燈「まだまだぁぁぁ!!」シュババババッッ

ドットーレ「これが雪華結晶様と同じローゼンメイデンの力なのか?」パシ…ッ

ドットーレ「 弱 い ! 」メキ…ッッ

ドットーレ「弱すぎるぞォ!!しろがね!!ローゼンメイデンッッ!!」パキキキキ…!

水銀燈「力が…違いすぎる…」

ルシール「…」

ルシール「私の力を使いな…」

ドットーレ「ほう。まだ奥の手があるのか。良いだろう使ってみたまえ」

水銀燈(使えるワケ…ないじゃない。使ったら…死んじゃうかもしれないのよ!?)ガタガタ…

ルシール「使いな、水銀燈」

ドットーレ「使え」

めぐ『使って…水銀燈…』

めぐ『私の命を…使って…?』

水銀燈「う…く…」ガタガタ!!

水銀燈「そんなの使わなくて結構よ!」ダッ!!

水銀燈「壊れなさいッッ!!」ギュアッ!!

ドットーレ「遅い!」ヒュッッ!!

水銀燈「そんな…」

ドットーレ「どうやら壊れるのはおまえのようだなァ!」グオッ

水銀燈「くっ…」

ルシール「おどきっ!」ドンッ

水銀燈「きゃっ」

ルシール「ッ!」ザクッ…ジワァ…
309創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:45:38 ID:Q1B8VGRU
    
310第20幕:2009/09/14(月) 19:49:29 ID:xbctLyuo
ドットーレ「ふん。運が良いな。あと数秒遅かったらその人形の首は飛んでいたぞ」

水銀燈「何で私を庇ったのよ!!こんなイカレた攻撃がまともに当たったら死ぬわよ!?」

ルシール「心配してくれるのかえ水銀燈?おまえ私を嫌いなんだろ?」

水銀燈「何を言って…」

ルシール「嫌いなはずさ…」

ルシール「私の血は、こころは、奴らのような深い闇色…おまえのようなひよっ子と私が相容れる訳もないよ」
   
私を嫌っておくれ。

アンジェリーナ…

水銀燈「キ ラ イ な わ け な い で し ょ ク ソ バ バ ア !!!」
水銀燈「あなたは私だわ!眩しい物に怯えて…けれど、それに憧れて…っ!でも、あなたは私なんかと違う!!あなたは穢れてなんかいない!壊れてなんかいないのよっ!」

水銀燈「だからルシール、死なないで…」ぽろぽろ…

ルシール「…」

ルシール「さあ、ドットーレ、決心はついたかえ!」

ドットーレ 「終わりだァ!ルシィィィィール!!」


ド   ン  ッ !!!!!
311創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:49:55 ID:D/ToEOEH
 
312第20幕:2009/09/14(月) 19:50:44 ID:xbctLyuo
ねぇ、アンジェリーナ。覚えているかい?初めて自動人形との戦いを見て怯えきったお前に私がかけた言葉を…

自動人形『ぎゃぁぁ』バギョ…

アンジェリーナ『あ…あぁ…』ガタガタ

バシンッ

ルシール『しっかりしなさい!アンジェリーナ』
痛かったろう…

やっぱり私の血は赤くはないね…

アンジェリーナ。今更だがね。あのとき、本当は別の言葉をかけてやりたかったんだ。

私があのとき本当に言いたかった言葉は…

 言 葉 は …

ルシール「お逃げ…」

水銀燈「え?」

  お逃げなさい…アンジェリーナ…


     ザクッ



ザアアアアアアアア


おかしいね、アンジェリーナ。

テントの中に雨が降る…

なんてあたたかくて、赤い雨……
313創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:50:55 ID:D/ToEOEH
 
314創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:51:47 ID:D/ToEOEH
 
315創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:53:03 ID:Q1B8VGRU
     
316第20幕:2009/09/14(月) 19:53:37 ID:xbctLyuo
水銀燈「ル…」

水銀燈「ルシィィール!!」ダッ

ドットーレ「ふははは。雪華綺晶様ァァ。ドットーレはやり遂げましたぞ。ふははははは」

水銀燈「ルシール!しっかりしてよ!ルシール!!何よ!こんなに真っ赤じゃないの!?あなたの血は、こころは闇色なんかしていないわ!!」

ルシール「……あら…そうかね……」

水銀燈「待ってて、今、鳴海や真紅を…」

ルシール「いいさ…」

水銀燈「え?」

ルシール「もう私はいいんだよ…」

水銀燈「な…何言ってるのよ…ルシール……私と…ろくに…まだしゃべってもいないじゃない…」

水銀燈「私…もっとあなたと話をしたかったの…教えてもらいたい事もいっぱいあるのよ…」

ルシール「それは…ブルターニュ地方一おいしい…オマールエビの煮込みの作り方だね…」

ルシール「それとも……きれいな田舎風パッチワークのやり方かい?」

水銀燈「ええ…そうよ…ルシール…」

ルシール「ああ…教えて…やりたいねえ、水銀燈。でも…時間切れなのさ…」

水銀燈「そんな…」

ルシール「人生は…そういうものだよ…」
317第20幕:2009/09/14(月) 19:55:11 ID:xbctLyuo
ルシール「生まれた時、人は白い画用紙と色とりどりのクレヨンを渡されて、なんでも描いていいよと言われる…」

ルシール「さて何を描こうか…考えているうち…たっぷりあったはずの時間は過ぎてゆく…」

ルシール「ようやく描きたいものが決まった時には…もう帰る時間さ…描きかけの紙とクレヨンは…取り上げられてしまうんだ…」

ルシール「私はね…ずっと…紙の端を黒く塗っていたよ…水銀燈。
ウサギを描きたかったんだけど…気付いた時には…フフ…もう、白いところは全て塗り潰してた……」

水銀燈「ル…ルシール…」ぼろぼろ…

ルシール「泣くのはおよし…水銀燈。あんたは…私には、なるんじゃない…よ…ちゃんと…良い絵を…」

ルシール「クレヨンをしっかりにぎって…
真っ直ぐに紙を見て…
迷わず…お描き…
…自分の…絵を…さ」

水銀燈「待って!行かないで、ルシール!!」


水銀燈「ルシール!?ルシール!?ねえ、ルシール!?」

ルシール「……」ピシピシ…パキィン!

水銀燈「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ドットーレ「さて、次はお前の番だな。苦しまぬように一撃で終わらせてやろう」

水銀燈(力が欲しい…あいつを倒せるだけの、強い力が!)
318第20幕:2009/09/14(月) 19:57:45 ID:xbctLyuo
水銀燈「!」

水銀燈(ルシール…お願い…力を貸して!!)ゴクッ

ドットーレ「おやぁ?こいつ、ルシールの血を飲んだのかァ?」

ドットーレ「ふははははは!何という事だ!!汚らしい!死人の血を飲むとは!お前は壊れているのだな!!!」

水銀燈「うぐっ……」ドサッ…

ドットーレ「はははは!あまりの絶望に自ら命を絶ったか!」

水銀燈(頭に声が響く…)

土は土に、灰は灰に!人形は人形に還せ!!

水銀燈(これが、こころの支配…『生命の水』の、呪い…)

自動人形を…壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ

水銀燈(ああ…頭がぼ〜っとして…)

…………………………………………………
319創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:58:19 ID:D/ToEOEH
 
320創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:04:16 ID:Q1B8VGRU
      
321創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:05:02 ID:Q1B8VGRU
       
322創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:05:31 ID:MhAZRUos
生命の水は人形にも効くのだろうか
それと今のドットーレには生命の水攻撃は効かないよな、ルシールは知らないからしょうがないけど
323第20幕:2009/09/14(月) 20:10:07 ID:xbctLyuo
サワサワ…

サワサワサワ…

ここは…どこ…?

ルシール「一緒に紅茶でも飲まないかえ?水銀燈」

水銀燈「え?ルシール」

ルシール「何だい。あたしがいちゃ悪いかえ」

水銀燈「いいえ。どうやら、悪い夢を見ていたみたい…」

ルシール「そうかい…」

水銀燈「何だかね。ルシール…」

ルシール「え?」

水銀燈「いつもよりも優しいわね」

ルシール「ふん、いつもこんなもんだよ」

水銀燈「そうだったかしら」クスッ

ルシール「ああ、そうさ」クスッ

ルシール「さて…と」カチャ

水銀燈「どこかへ行くの?」

ルシール「ああ、向こうに待たせている者達がいてね…」

水銀燈「ふうん。待たせなきゃ良かったのにね」

ルシール「そうだね」ニコッ

ルシール「あんたはそんなことするんじゃないよ。自分の持ち時間は決して憎むことにつかはいけないよ」

ルシール「愛することに使うんだ」

ルシール「そうすれば、出発する時が来ても、…きっと後悔は…しない」

水銀燈「ねぇ、なんのハナシ?出発って…どこに行くのよ!?」

ルシール「あんたには関係のない所さ」

ルシール「ほら、あんたにはあんたの行くべき所があるだろう?水銀燈」

ヒュオ…

水銀燈「ねぇ、待ってよルシール!」

水銀燈「ルシール!」

水銀燈「ルシールッッ!!」
324創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:10:52 ID:snKqCQk2
ルシィイイイイイイイイイイイイイイイイル!!!!!!!!!!!1
325第20幕:2009/09/14(月) 20:12:18 ID:xbctLyuo
自動人形を…壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ壊せ

水銀燈(…言われなくても…そうしてあげるわよ!!)

  グ…ググ…


ドットーレ「何だ…!?」

水銀燈「ルシールが…その血が私に力をくれた…」

水銀燈「ドットーレッ!あなたを完全に破壊するわ!!」

水銀燈「ジャンクになりなさいっ」シュババババ!!

  ザクザクザクザクザクザクッ


水銀燈「やったわ!」


















ドットーレ「 誰 を だ い ?」
326第20幕:2009/09/14(月) 20:14:16 ID:xbctLyuo
水銀燈「うそ…?」

ドットーレ「己の『紺碧の手』は無敵なんだなァ…水銀燈ォォ」

水銀燈「なんで……なんでよぉぉぉぉ!!」

ドットーレ「はははは!!はははははははは!!!」

ドットーレ「今日は挨拶に来ただけだからここは引いてやろう。ただし、次に会った時は…水銀燈。お前の…最高に!絶望した!!その顔を見せてくれよぉ!!!?」ニタァ

ドットーレ「ふはははは!ふははははははははは!!」ザッ…



真紅「ナルミ、しろがね!!メイメイはあっちに向かったわ。急いで!!」

蒼星石「これは…」

翠星石「この血まみれの服はオババの…」

しろがね「水銀燈ッ!何があったのですか!?」

水銀燈「壊れているのは…私だけ…」

鳴海「お、おい…」

水銀燈「ルシールは…ルシールは…穢れてなんかいなかったのよ…」

からくりメイデン〜一時閉幕〜
327創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:17:28 ID:snKqCQk2
あぁ……やっぱり銀様の羽じゃあなぁ
328創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:19:25 ID:MhAZRUos

紺碧の手は結局原作では出されずじまいの技だからな、補完は嬉しい
329創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:23:09 ID:xiWPLJmI
やっぱりドットーレは敵側か……
他の3人は多分こちら側に寝返るだろうけどな
330創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:36:19 ID:xbctLyuo
支援してくれた人たちありがとうございます。

やばい、書きためがあと1話しかない…

投下はしばらく休ませてもらうかもしれないです。
331創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:37:58 ID:MhAZRUos
そうか、把握
ゆっくり待ってるよ
332創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:40:41 ID:snKqCQk2
あいお、乙だったのだぜ
333創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 20:59:58 ID:xbctLyuo
バトルの方は、なかなか書きたまっているんですが、ストーリーの方が…
>>331>>332 ありがとう!頑張って書きためるよ!

あと、途中で書き足しをしたので投下速度が遅くなってました。すみません。

ちなみに作者のやりたかった事

@ ルシール「私たちは入れない」
A水銀燈「キライなワケないでしょクソババア」

334創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 01:10:10 ID:DdK+pIIt
結婚式と来た時はもしやと思ったが本当にあれが来るとは
あれはルシールにもすごくぴったり来る台詞だなぁ
そして名前のみの幻の技、紺碧の手を引っ提げてのドットーレの帰還とは
まさかジャグラーらしい奥の手もあったりするのか…!?
335創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 11:20:59 ID:rpOd7zyM
スプリンガルドも入ってますね
台詞廻しが実にらしくていい感じ!
336創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:35:59 ID:8MhJVaf5
明日の午前中から夕方までの間に1話分だけ投下します。
ペースが落ちまくってます。
337創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 12:01:33 ID:hZq74xuT
今月は月光条例とローゼンの最新巻が出たよぉぉ!!

めでたいなぁぁぁ!!

赤ずきん可愛いよ!良かったね!頭撫でてもらえて良かったね!!だむですとろいい奴だったね!!

きらき−…いやぁぁぁぁ!!泣かないできらき−!!けど泣いてるきらき−も可愛いよ!ちょっとしか出てないけど金糸雀も可愛いよ!!撫で撫でしたい!

日曜はマンガの現場に藤田先生が出るよ!イャッホ−ィ!!





投下します。
338幕間 :2009/09/26(土) 12:03:15 ID:hZq74xuT
ラプラスの魔「からくりメイデンをご覧の皆様、お久しぶりです」

ラプラスの魔「前回で大きな区切りが着いたこの人形劇。絶望に打ちひしがれた一番目の薔薇の様子が気になりますが…

ラプラスの魔「その前に、少し別の扉を開かせていただきます」

ラプラスの魔「これより始まるは『幕間』。本編では触れられる事のなかった物語」

ラプラスの魔「今回演じられるのは、あるドールと契約者の出会い」

ラプラスの魔「では、時間の針を少し戻させてもらいましょう…」

ぐにゃぁぁ…

ラプラスの魔「では、からくりメイデン『幕間』どうぞお楽しみください…」
339幕間:2009/09/26(土) 12:05:27 ID:hZq74xuT
「カナ、どうしたの?何で泣いてるの!?みっちゃんのせい!?みっちゃんのせいなの!? 」

「ち…違うの…」

「カナ幸せだな〜って思ったら…」

カナ、シアワセダナァッテオモッタラ…



〜からくりメイデン〜


「何だこの人形?ゼンマイがあるぜ!」

 「おい、巻いてみろよ」

キリキリ…

ガバッ!

金糸雀「よくぞ巻いててくれたかしら!カナは薔薇乙女一の…」

「バ、バケモンっ!!」

ポイッ

金糸雀「え…!?」

ザアア…ザアア…


〜からくりメイデン〜幕間

幸せの黄色いカナリア
340幕間:2009/09/26(土) 12:09:14 ID:hZq74xuT
金糸雀「う…うぅ…いきなり捨てられたかしら…」

ピチカート「…」カチ…

金糸雀「泣いていないわよピチカート」グスッ…

金糸雀「この薔薇乙女1の策士である金糸雀はこんな事ではへこたれないかしら!!」

金糸雀「逆境の時こそカナの知能が冴えわたるかしら!!」

グー、ギュルル…

金糸雀「…早速やるべき事が決まったかしら。さあ、食料探しに行くわよピチカート!」

ピチカート「…」カチッ!!

金糸雀「ふむふむ…」キョロキョロ…

金糸雀「このお店から甘い匂いがするかしら。綿密に調査を重ねてから潜入を…」

ぐぎゅるる…

金糸雀「や…やっぱりすぐ行動するのが一番かしら」

金糸雀「そうよねそうよね。やっぱりそうよね」
ピチカート「…」こくこく
341幕間:2009/09/26(土) 12:11:21 ID:hZq74xuT
金糸雀「…」コソコソ…

金糸雀「おじゃましま〜す。…かしら」ボソッ

ガララ…

キョロキョロ…

金糸雀「潜入成功かしら。カナの前ではここのせきりゅてぃーは丸裸ね」

金糸雀「…」すんすん…

金糸雀「良い匂い……じゅるり…。こうなったら薔薇乙女1の才女であるこの金糸雀がラクしてズルしていただきかしら!!ピチカートは見張りをお願い」ダッ

金糸雀「食べ物があるのは調理場。しかしそれは素人の考え…。カナは食べ物のいっぱいある冷凍庫に突撃かしら!」

金糸雀「お昼近いこの時間は忙しいから邪魔者も入って来ない。完璧なプランかしら」カチャ…

キラキラ〜

金糸雀「うふふ、これが全部カナの物に…」うっとり…

「誰だ?冷凍庫を開けっ放しにした奴は。ったく」ガチャン!

金糸雀「と…閉じ込められたかしらぁぁぁ!?」
342幕間:2009/09/26(土) 12:15:12 ID:hZq74xuT
金糸雀「ピチカート!?ピチカートはどこ!?」キョロキョロ…

金糸雀「あ…ピチカートは外で見張りを…」

金糸雀「じゃあ、カナは今ひとりぼっち…?」

金糸雀「ッ…!」ゾクッ

金糸雀「誰か開けて〜。ここから出して〜!」ドンドン!

金糸雀「ピチカート!みっちゃぁぁん!!」バンバン!!

金糸雀「うっ…うう…」ぐずっ

金糸雀「クシュンッ…!」ぶるっ…

金糸雀「さ…寒い…。濡れてるからよけい寒さが…」ガタガタ…

金糸雀「眠く…なって…来たかしら…」バタ…!

ガチャッ

「ん?なんだこの人形。捨ててるぞ!」

ぽい…
343幕間:2009/09/26(土) 12:19:51 ID:hZq74xuT
ザアアア…

ピチカート「…」カチッ!!カチッ!!

金糸雀「うっ…」パチッ

金糸雀「ここはゴミ置き場…?」

金糸雀「…ハッ!」チラッ

ぐっしょり…

金糸雀「服が!お父様から貰ったカナの大切な服がっ!!」

金糸雀「あ…あぁ…」

ピチカート「…」カチ…カチッ…

金糸雀「泣いてなんか…いないわ…」ぐすっ

???「キミ…」

金糸雀「えっ?」

???「そこの泣いている君。良ければおじさんにワケを聞かせてくれないかな」

金糸雀(カナが人形って事に気づいてない…?それとも気づいてるの…?)

???「どうしたんだい?」

金糸雀(理由を言ったら…また怖がられて捨てられるかもしれない…)

金糸雀(けど…ひとりぼっちはもう嫌かしらッ!!この人ならカナの事を分かってくれるかもしれないかしら!!)

金糸雀「わかったわ…貴方のお名前は?」

???「おじさんは善治。さあ、私の家で話を聞かせて貰おう」にぃ…
344幕間:2009/09/26(土) 12:22:55 ID:hZq74xuT
善治「そうか…そんなことがあったのかい」

金糸雀「う…うん。だからカナはとっても怖くて、寂しくて…」グス…エグッ…

善治「安心しなさい。おじさんが守ってあげるからね。話の途中だけど、お腹が空いているだろう」

メイド「さ、どうぞ…」かちゃ

善治「さあ…どんどん食べて。イチゴゼリーもコロコロしてていいぞ」

金糸雀「ゴクリ…」ぎゅるるる…

金糸雀「いただきま〜す!!かしら」

メイド「善治様、お電話が」

善治「おじさんは少し席を外してくるよ。ゆっくり食べていて良いからね」にこ…

金糸雀「わかったかしら〜」パク、ムシャ

金糸雀「このオムライスはプリプリしてるし、イチゴゼリーはコロコロで最高かしら〜」

ピチカート(…)カチ…

金糸雀(ごめんねピチカート。おじさんに全部を話すまで隠れていてほしいかしら)ボソボソ…

金糸雀「あ…そうよ。お礼を言うのを忘れていたかしら!!お礼を言わないなんてイージーミス、この薔薇乙女1の才女である金糸雀がする訳ないかしら」

善治「〜〜」

金糸雀(お電話中かしら。お電話が終わったらお礼と一緒にこのイチゴゼリーを2人で食べる!!完璧な作戦かしら)ぷるるん

金糸雀(まずはこっそり近づいて…ミッションスタートよ!!)そろり…

善治「ああ…わかってる。これから例の物をそっちに送る。私も最初見たときは目を疑ったよ」

善治「だが、奇跡っていうのはあるものだなァ…。これで才賀グループは一生安泰だ」
345幕間:2009/09/26(土) 12:26:22 ID:hZq74xuT
善治「もう少ししたら油断しきった『ヤツ』を拘束できるだろう」にたぁ…

金糸雀(なにか…怖いわ…)

善治「ぜひ、その生きてる人形を分解してそのメカニズムを解明してくれぇ」

金糸雀「え…?」ぐら…

ガチャァン…!!

善治「誰だ!?」

金糸雀「どうして…ウソよ…そんな…」

善治「聞いてしまったのか…金糸雀…」

金糸雀「おじさんが…カナをバラバラにするなんてウソよね…?」

善治「ああ、そうさ。だからおいで金糸雀」にこ…

金糸雀「それも…ウソよね…!?」

善治「…」

善治「ああ、そうだよ…!!

善治「私はお前を分解してその中身を解析するつもりだった!!だってお前のような人形を作ることが出来たら世界中が私に注目するだろう?沢山の金が私の物になるんだぞ!?」

金糸雀「カナを…騙してたの…?」

善治「いいや、私はお前を自分の物にしようとしただけさ。だから金糸雀…」

善治「 お じ さ ん の 人 形 に な り な さ い 」

金糸雀「いや…いや…っ」ジリ…

善治「…」ぐいっ

金糸雀「きゃあっ!!」ドンッ!!

善治「ことわらない方が…いいなあ」にやぁぁ

金糸雀「…っっ!!」ぞわ…

金糸雀「いやぁぁぁぁぁ!!」ザスッ!!

善次「ぎ…ぎゃぁぁあ!!コイツ、傘を刺しやがったぁぁぁ!!おい誰かコイツを捕らえろぉぉぉ!!」
346幕間:2009/09/26(土) 12:42:14 ID:hZq74xuT
ピチカート「…」カッカッ!!

金糸雀「ピチカートッ!!ここから脱出するかしら!」ダッ

善治「追え!!追えええ!!」

善治「あいつを捕まえろぉぉ!!捕まえてバラバラにしてしまぇぇぇ!!」

善治「くそォっ!!生きてる人形なんてバケモノに関わったばっかりに!!」
金糸雀「…」

金糸雀「…」ポタ…

ピチカート「…」カチチ…

金糸雀「…」ダダダ…




金糸雀「…」

金糸雀「どうにか…逃げきれたわね…」

ピチカート「…」カチ…

金糸雀「泣いて…ないわ…」

金糸雀「…」ぐ〜ぎゅるるるる

金糸雀「お腹…すいたなぁ…」

金糸雀「…」ぐしょ…

金糸雀「お洋服、キレイにしないとなァ…」

ポツ…ポツ…ザアアア…

金糸雀「雨が強くなってきたかしら。傘を…」

ボロ…っ

金糸雀「…」

ザアアアアアア…

ピチカート「…」カチカチ!カチカチ!

金糸雀「泣いて…ないわ…」ポロ…

金糸雀「泣いてなんか…」ポロポロ…

ザアアアアアアア…!!!!

金糸雀「うええぇぇん!!みっちゃん、みっちゃぁぁん!」ボタボタ…

金糸雀「カナ…全然幸せなんかじゃないよぉっ!ひとりぼっちはイヤだよぉ…!!みっちゃんに会いたいかしらぁぁっ!!」
347創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:30:47 ID:Ur4g4Yx6
俺の嫁を泣かせたのは誰だ善治だああもうみっちゃああああああんん!!
348幕間:2009/09/26(土) 22:51:41 ID:hZq74xuT
金糸雀「みっちゃん、みっちゃん、みっちゃん…」ギ…シ…

金糸雀「みっちゃん、みっちゃ…」ギシイッ…

金糸雀(あ…ゼンマイが…切れ…る…)

金糸雀(みっちゃん…みっ…ちゃん…)

ドサ…ッ

ザアアア……


「これは…」

キリ…キリキリ…キリキリ…

金糸雀「…っちゃん…」
金糸雀「みっちゃん!!」がばっ!!

???「ゼンマイを回すと動くのか…この人形は奴らではないのか…?」

金糸雀「ここ…は?」

???「お目覚めかな。可愛いらしいお人形さん」

金糸雀「貴方…だれ…?」

ギイ「僕はギイ。ギイ・クリストフ・レッシュ。こちらのレディーはオリンピアだ」

金糸雀(『ギイ』…それにお人形…!?)

ギイ「ところで君の名前と、君が何者であるかを教えて貰っても良いかな?」

金糸雀「カナは…」

金糸雀「ッ!!」

金糸雀(ダメよ!!本当の事を言ったらまた捨てられちゃう…。どうせ同じひとりぼっちなら、捨てられる前に出て行くかしら…)

金糸雀「ごめんなさい。それは言えないわ…。ゼンマイを巻いてくれてありがとうかしら。さよならっ!!」ダッ!!

ギイ「待ちたまえ」

金糸雀「…」ピタ…
349創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:52:46 ID:Ur4g4Yx6
支援
350幕間:2009/09/26(土) 22:56:12 ID:hZq74xuT
金糸雀「…」

ギイ「僕が見つけたとき、君はボロボロだった。よほどな事情があるんじゃないのかい?」

金糸雀「貴方には何もできないかしら」

金糸雀「だってカナは…人形だもん…」

ギイ「人形の扱いなら手馴れているよ」

金糸雀「カナはバケモノって言われたもん!!」

ギイ「君は人形だ。今、自分で言ったじゃないか」

金糸雀「だって…カナは…カナは…」

金糸雀「ひとりぼっちなのよ!?」

ギイ「ひとりぼっち…か」

ギイ「僕もひとりぼっちだ。だが…」

ギイ「これでひとりぼっちじゃなくなったな」ぽんっ

金糸雀「…」

金糸雀「う…」ポロ…ッ

金糸雀「うええええぇぇぇん!!」ポロポロ…

ギイ「やれやれ、キミは泣き虫だな」

金糸雀「カナ…はぁ…!!っヒグッ…金糸…雀…エグッ…」

ギイ「そうか、金糸雀と言うのか。念の為に聞くが、金糸雀は自動人形ではないな?」

金糸雀「違う…かしら…カナは…薔薇おと…ハッ!!」

金糸雀(相手のペースに乗せられてはいけないかしら!!この人もどうせカナを裏切るかしら…!)

ギイ「どうやら知らないらしいな」

金糸雀「カナからも聞きたいことがあるかしら…」

金糸雀「どうして貴方はカナを拾ったの!?その理由を言ってほしいかしら!!」

ギイ「理由…か…」

金糸雀(何を言っても無駄よ!!カナに甘い言葉は通じないかしらッ!!)
351創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:57:01 ID:Ur4g4Yx6
さすがギィ
352幕間:2009/09/26(土) 22:57:43 ID:hZq74xuT
ギイ「……」

ギイ「シェイクスピア曰わく、『心にありて美しきものは、優しき愛』…僕の愛が君を助けた。理由なんてそれで十分じゃないかな?」

金糸雀「え…っ!!」キュピーン!!

金糸雀「何それ!!カナの心に届いて来たかしら!!その言葉は何なのかしら〜!!」

金糸雀「たまご焼き!!お砂糖いっぱいのたまご焼き!!」

ギイ「しばらく待っていてくれたまえ。いま作って来よう」

金糸雀「行っちゃったかしら…」

ピチカート「…」カチッ

金糸雀「ピチカート!!あなたもいたのね。良かった…」

金糸雀「あの男の人はキッチンに行ったし、逃げるなら今かしら!!」

『これでひとりぼっちじゃなくなったな』

金糸雀「…」

金糸雀「お…お洋服がちょっとだけ濡れてるかしら。外は雨だし、こ…これはお洋服が乾ききるまでここにいなきゃいけないかしら!!仕方ないわねピチカート」

ピチカート「…」カチチ…

金糸雀「仕方ないの!!」
353創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:01:27 ID:Ur4g4Yx6
ああ、仕方ないな
354幕間:2009/09/26(土) 23:03:03 ID:hZq74xuT
ギイ「騒いでる内に出来たぞ」カチャ

金糸雀「いただきます…」カチャ…

金糸雀「…」パク…ムシャ…

ギイ「美味しくないかい?」

金糸雀「いいえ、とっても美味しいかしら…」

ギイ「じゃあ、どうしてそんなに元気がないのかな?」

金糸雀「傘…」

金糸雀「お父様から頂いた傘を壊しちゃったかしら…」グスッ

ギイ「傘…か…」

ギイ「その傘を貸してご覧」

金糸雀「ど、ど、どうするつもりかしら!?」

ギイ「なる程、先端が少し折れ曲がっているが…」カチャカチャ…

ギイ「ほら、直った」

金糸雀「あ…!!」

金糸雀「直ったかしら!!お父様から頂いた傘が直ったかしら〜!!」ぱあああ


金糸雀「ギイさんありがとう。これは今からカナの一番大切な物になったかしら!!」にこっ

ギイ「ふふ、ようやく笑ってくれたな」

金糸雀「ギイさんは今すぐカナと契約するかしら!!」

「落ち着いて話してくれたまえ」

「カナと契約するとね〜」

「たまご焼きが口からこぼれているぞ…」

「きゃぁぁ〜!!たいへんかしら、たいへんかしらぁぁ…」

「ふふ、ゆっくり話してごらん。僕はどこにもいかないから」

「う〜んとね。じゃあみっちゃんの話からするかしら〜」



そして、時計の針は元に戻る…
355創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:04:20 ID:Ur4g4Yx6
支援
356幕間:2009/09/26(土) 23:04:56 ID:hZq74xuT
金糸雀「って事があったかしら〜」

雛苺「うゆ、金糸雀も大変だったのね」グスッ

勝(あはは…。善治おじさん、また悪い事をしようとしてたんだ…)

ギイ「みんな揃って何の話をしていたんだい?」

金糸雀「ヒ、ヒミツかしら〜」

ギイ「そう言われると知りたくなるな」

雛苺(金糸雀テレてるの)クスッ

勝(この2人は本当に仲が良いなぁ)クスッ

ギイ「勝と雛苺もにやけたりして、一体どうしたんだ?」

金糸雀「えへへ。ねえ」、ギイさん」

ギイ「うん?」

金糸雀「ギイさんは今、幸せ?」

ギイ「僕は、そうだな…」

ギイ「おっと、もう夕食の時間だ。フウが山のように玉子焼きを用意してくれたみたいだぞ」

金糸雀「ええ!本当!?今すぐ食べに行くかしらぁぁぁ!!」

雛苺「ヒナがいっちば〜ん」タタタ…

金糸雀「そうはいかないかしら〜!」タタタッ

ギイ「…」フッ

ギイ「なあ、金糸雀…」
金糸雀「どうしたの?ギイさん」クルッ

ギイ「金糸雀。君は今、幸せかい?」

金糸雀「カナはね…」

金糸雀「今、と〜っても幸せかしら」にこっ

〜一時閉幕〜
357創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:06:16 ID:Ur4g4Yx6
支援
358創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:08:07 ID:hZq74xuT
支援本当にありがとうございます!

さるさん喰らって、続きは明日にしようと思ってたからスゴい嬉しいです。
359創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:10:32 ID:Ur4g4Yx6
さるさんは、毎時00分をまたぐと解除されるよー
だから、連投規制にひっかかならなければ、一時間に10レスづつは投下出来るんだ

まぁ、俺が居る時は支援するんだぜ!
360創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:16:35 ID:hZq74xuT
>>359
時間ごとだったのか!!

さるさんの説明パッとしか見てなかったから時間と日時を見間違ってました。

支援頼みます!ageて半日もレスが無くてさるさんも喰らったから、心がへし折られる寸前だったw
361創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:23:26 ID:Ur4g4Yx6
あー、投下が安定してるから安心してROMってたんじゃねえかしらw
むしろ、途中で途切れてたから何か用事でもあったんかと思ってたわww

さるさんは、

・11レス目をしようとした時点でなる(書き込み失敗も含む)
・毎時00分に解除
・11レス以上をするには、他のID二種類が11レス以上をしなければならない
 →12レスをするなら、他が12レス。13レスをするなら、他が13レス、って具合に

大体こんな感じだよー
362訂正:2009/09/26(土) 23:24:04 ID:hZq74xuT
>>352
また抜けてた…

ギイ「……」

ギイ「シェイクスピア曰わく、『心にありて美しきものは、優しき愛』…僕の愛が君を助けた。理由なんてそれで十分じゃないかな?」

金糸雀「え…っ!!」キュピーン!!

金糸雀「何それ!!カナの心に届いて来たかしら!!その言葉は何なのかしら〜!!」

ギイ「ウィリアム・シェイクスピアだ。イようやく話をしてくれる気になったか」

金糸雀「な…っ!!カナはまだ貴方に心を許した訳じゃ…」

ぐ〜ぎゅるるる…

金糸雀「あ…」

ギイ「ふふ、金糸雀のお腹はご機嫌ななめだな。何か作ろう。リクエストはあるかい?」

金糸雀「たまご焼き!!お砂糖いっぱいのギたまご焼き!!」

ギイ「しばらく待っていてくれたまえ。いま作って来よう」

金糸雀「行っちゃったかしら…」

ピチカート「…」カチッ

金糸雀「ピチカート!!あなたもいたのね。良かった…」

金糸雀「あの男の人はキッチンに行ったし、逃げるなら今かしら!!」


『これでひとりぼっちじゃなくなったな』

金糸雀「…」

金糸雀「お…お洋服がちょっとだけ濡れてるかしら。外は雨だし、こ…これはお洋服が乾ききるまでここにいなきゃいけないかしら!!仕方ないわねピチカート」

ピチカート「…」カチチ…

金糸雀「仕方ないの!!」
363創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:28:04 ID:Ur4g4Yx6
わかってたんだぜw

ちなみに、IDが1ともう一人の二種類だけだと、
同時に二人さるさんになっちゃうんだわ
だから、本当にその時投下者と支援者の二人しかいないなら、
途中携帯で1レスする必要があるの

前に●持ちの人と実験して、●持ちの人が11レス以上してたけど、
俺の元にさるさんがやってきたから、IDが三種類以上無い状態だとさるさんは避けられない
364創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:31:46 ID:hZq74xuT
>>361
勉強になるなぁ。
もうさるさん怖くなくなったw

そろそろ次の章の1話目が出来そうなので聞きたいのですが…
前みたいに一気にその章の話(大きなまとまり毎)を書きためて決まった周期で投下するのと、
1話ができたらすぐに投下するのは、どっちが良いですかね?
365創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:37:56 ID:Ur4g4Yx6
んー、難しいねぇ
常に人が居るVIPと違って、創発は対さるさん支援をする人間って実は限られてるんだ
それにかち合わないと章毎の投下はさるさんもあって時間かかっちゃうと思うよ

だから、ある程度支援しやすい長さの、一話毎の投下が個人的には楽だと思う
そうすれば、支援する側も長時間レスしっぱなしは避けられるしねー

あ、あと大体夕方から24時にかけての方がレス付く事が多いよ
366創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:47:48 ID:hZq74xuT
確かに1話毎なら10〜20レスだから調度いいかもしれないです。
次回からは1話毎で投下してみます!

夕方から夜あたりか…
レス付くとスンゴイ嬉しいので今度からその時間に投下しようかなw

支援やら相談やらで世話になりっぱなしでスミマセンw
367創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:53:20 ID:Ur4g4Yx6
やー、俺がリアルタイムで投下に立ち会いたいだけだw
クオリティ高いもんが読めるなら可能な限りで手伝うさー
台詞系の支援って、読みながらの実況レスみたいなもんが基本だしねw

ちなみに、20レスなら、

リセットちょい前に10レス→携帯でレス(連投規制回避)→リセット後に10レス

ってすると一気に投下出来るよー
書き溜めタイプだったら、これを覚えとくと投下時の負担が大分減る、はず
368創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:06:23 ID:VPkpa8Ud
>>367

投下次回は1時間ぐらいなので、リアルタイムで見るのは難しいかもしれないですよw

クオリティーの件は、バンハート夫人と言うオリジナルキャラ(笑)やルシールがエレオノールの秘密をバラされたりと、
かなり崩壊して来ますが次回はもっと崩壊するので果たして耐えて貰えるかw


間に携帯を挟む方法か!今度やってみるかもしれないです。

今日で結構スレ伸びたw
369創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:15:03 ID:mvc4Hspf
マジかw

んとね、頭ん中にガッツリイメージがあって、
それがその作品の空気に合っているキャラクターだったら、
オリジナルキャラでも脳みそが勝手に再生するから平気さ
それに、元のキャラをきちんと掴んでれば本編には無い動きをさせても問題なく
そのキャラクターだと認識出来る
台詞回しとかのそれっぽさが凄いから、安心して見続けるよー

伸びはまぁ、あんまり気にしないでおkだw
370創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:25:56 ID:VPkpa8Ud
>>んとね ←モジモジしてる雛苺が脳内再生された。

ヘレンさんを酷い目(精神が参った的な意味で)に合わせたくなかったのでバンハート夫人を作り出しました。ほとんど出ないので名前のある一般人として見てくれれば。

台詞については、作者の好きな台詞を使っていく予定です。

スレが伸びると嬉しいから、たまにはこんな日も良いかもw

あと、マンガの現場の放送は来月でした。
371創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:30:55 ID:mvc4Hspf
おー、楽しみにしてるぜ!
このスレの続きも藤田もなw
372創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 02:52:37 ID:vku8qJjs
やっべ、投下きてたのか
乙でした
373創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 03:01:35 ID:whLRLvO9
支援?
374創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 14:14:01 ID:i0dX8viy
もう終いか?
375創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 17:43:00 ID:AGVLSGox
すみません、まだ終わりません。
少し創作活動が行き詰まっています。もし良ければもう少しお待ち下さい。
376創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 19:09:10 ID:n8oPWUQS
スランプかw
頑張れ、気長に待つぜー
377>>374:2009/10/16(金) 14:30:42 ID:tAoPr8Sr
ああ、そういう事か
なるほどなるほど了解です

気長に待ってます^^
378創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 19:03:03 ID:0NXLp+WE
俺も待つぜ!
379創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 21:09:07 ID:NfUiArO3
何とか一話分できた!

遅くなって申し訳ないです。そして投下は月曜の夜9時〜10時を予定しています。
本当にすみません!
380創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 21:27:26 ID:0NXLp+WE
よし! その時間なら支援可能だ!
381創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 06:00:43 ID:O0S29PAD
おk、把握
382創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 20:07:18 ID:Yb7nZcOX
よかったよかった
支援するじぇ
383創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 18:53:39 ID:0RzkdX0l
メチャメチャwktk
384開幕ベル :2009/10/19(月) 21:12:29 ID:pE5W3B90
 からくりメイデン

〜開幕ベル〜

フウ「彼女は親であることを捨てた…」

フウ「彼女は人間であることを捨てた…」

フウ「しかし、彼女の血は誰よりも赤く、温かだった…」

フウ「2つの世界は、もう後戻りが出来ぬ程近づき、歯車が噛み合いました。運命と言う名の歯車が廻る、廻る…」

フウ「からくりメイデン新章『ドールズダンス〜人形達の舞踏〜』編の始まりで御座いまする…」
385開幕ベル:2009/10/19(月) 21:13:39 ID:pE5W3B90
〜フウの家〜

勝「…」ウズウズ…

雛苺「…」

雛苺「…」ニヤリ

雛苺「マサル登り〜」よじよじ

勝「うわぁっ!!」ビクッ!

雛苺「マサルは朝からソワソワしっぱなしなのよ〜」よじりん

ギイ「勝よ、少しは落ち着けないのかい?」

勝「ううん!!出来ないよ!!だって…鳴海兄ちゃんとしろがねが来るんだもん!!」ドタバタ

金糸雀「…」じっ

金糸雀「勝った…」

金糸雀「ギイさんの方が背も高いし落ち着いてるかしら!」

雛苺「マサルはチビっちゃいしドタバタしてるけどジャコは静かだもん!!」

バタバタ…ギャース!!

ギイ(やれやれ。金糸雀達も姉妹が来るから緊張しているのかな)

ギイ「おい、そろそろ止めたま…グシャッ!!

金糸雀・雛苺「あ…」

ギイ「…」ツー

ギイ「マ…ママン〜」

雛苺「ギ…ギイさんごめんなさい〜!!」

金糸雀「ギイさんほら卵焼きかしら〜抱きしめてあげるかしら〜元気出すかしら〜!!」

勝(兄ちゃん達…元気かなぁ)
386開幕ベル:2009/10/19(月) 21:14:57 ID:pE5W3B90
〜同時刻、フウの自家用ジェット機〜

鳴海「…」

しろがね「まさかこんな事になるなんて…」

翠星石「オババはきっと…みんなを守ってくれたんですよね…」

鳴海「ああ、そうさ。ルシールはいつだって自分の事は後回しだった…」

蒼星石(きっと失ったものはルシールさんだけじゃない…)

水銀燈「…」

真紅「水銀燈…確かにルシールは遠くに行ってしまったわ…けれどそれは迷子になっただけ。貴女や私達が彼女の事を忘れなければ…

水銀燈「なぁによ、辛気くさい顔して。たかだか人間が1人イッちゃっただけじゃなぁい」

真紅「えっ!?」

水銀燈「こんな暗い連中と一緒の部屋にいるなんて耐えられないわぁ」スタスタ…

しろがね「行ってしまわれました…」

翠星石「どうやら水銀燈は平気みたいですね」

蒼星石「本当に平気なのかな…」

鳴海(目…赤かったじゃねぇかよ…)

ガチャ…バタン

水銀燈「…ったじゃない」

水銀燈「死んでも一緒って…誓ったじゃないっ!!」


−そして、様々な思いをのせた歯車は噛み合う−
387開幕ベル:2009/10/19(月) 21:17:53 ID:pE5W3B90
ギュイイイン!!

金糸雀「ジェット機が着いたみたいかしら!!」

雛苺(真紅に翠星石に蒼星石に会えるのね!水銀燈はちょっと怖いの…)ワクワク

勝(兄ちゃんしろがね兄ちゃんしろがね兄ちゃんしろがね兄ちゃん、兄ちゃんっ!!)ドキドキ

ギイ「迎えにでも行くとしようか」

勝「うんっっ!!」





フウ「この扉の向こうに彼らがいるよ。勝君、扉を開けるんだ。君にはその資格がある」

勝「ゴクリ…ッ」

ガチャ…ッ!!

勝「兄ちゃんッッ!!」
388開幕ベル:2009/10/19(月) 21:19:00 ID:pE5W3B90
翠星石「どきやがれです〜〜!このっカマボコ眉毛!!!!」ゲシッ!!

勝「ぎゃんっ!!」

翠星石「…」キョロキョロ

雛苺「翠星石ぃマサルになんてことするの!!」

金糸雀「翠星石は自動人形よりも強いかしら…」

翠星石「チビカナとチビチビ…」ほっ…


真紅「もうちょっとおしとやかに登場できないのかしら」

蒼星石「ふふ、それだけ2人を心配してたという事じゃないか」

翠星石「べ…別に翠星石は心配なんか…」

ギイ「お話の所すみませんがお嬢さん方、美しい女性と東洋のサルを知りませんかな」キラキラ

勝「そうだよ!!しろがねと兄ちゃんはッ!?」ガバッ

水銀燈「いるわよ…」

金糸雀「す…水銀燈!?」

雛苺(何だか元気がないの…)

「お、おぼっちゃまぁぁぁ!!」

勝「しろがねぇぇ!!」ダッ

しろがね「お元気で何よりですッ!!」ギュッ

勝「しろがねも元気で良かったよォ〜」ポロポロ…

翠星石「ぷぷ、カマボコ眉毛のヤツ泣いてやがりますよ」

蒼星石(雛苺と金糸雀を見たときの翠星石も泣きそうだったけどね)クスッ

ギイ「さて…後は”あいつ“だけだな」

金糸雀「あいつ?」

ギイ「野蛮なイノシシさ」ふっ
389開幕ベル:2009/10/19(月) 21:20:45 ID:pE5W3B90
勝「…」ドキドキドキドキ…

 ガ チ ャ …

「 よ お 、 マ サ ル 」

勝「に…」


勝「 兄 ち ゃ ん ッ ッ !!!! 」



雛苺「ねえ、真紅。どうしてマサルは泣いてるけど笑っているの?」

真紅「さあね。人形である私たちにはわからないのかもね。ただ…」

真紅「本当に嬉しいとき、人間はあんな顔をするんじゃないかしら」ふっ
390創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:27:22 ID:kmzdX2/G
支援
391開幕ベル:2009/10/19(月) 21:27:36 ID:pE5W3B90
勝「兄ちゃん、兄ちゃん、兄ちゃんっっ!」

勝「ぼく、兄ちゃんのおかげで笑えるようになんたんだよォ…」

鳴海「なんだよ勝ゥ。せっかく会えたのに、泣きやがって」

勝「兄ちゃんだって…兄ちゃんだって泣いてるじゃないかぁ〜」ボロボロ

鳴海「へへ…っ」ボタボタ

しろがね(良かったですねナルミ、おぼっちゃま…)

勝「鳴海兄ちゃん、左手は大丈夫…?」

鳴海「おう、大丈夫だ。今は『あるるかん』の左手だがな」カチャ…

勝「あるるかんの…」

しろがね「ナルミはあの事件の後、失った左手の変わりにこれを付けていたのです…」

勝「兄ちゃん…ぼくのせいで…ごめんねぇ…」

鳴海「気にすんなよ」ぽん…

勝「でも…」

鳴海「だあ〜!ほら、それよりこのジャグリングを見ろ!!」スポポポポ〜

…ポト……

鳴海「あ…」

しろがね「ナルミその…まだ特訓中です…」

鳴海「それを言うなよしろがねぇ〜」

勝(兄ちゃんとしろがね、仲直りしたんだ…)

勝「…」クスッ

勝「あはは、鳴海兄ちゃん失敗してるじゃない」にこっ

鳴海「笑ったなぁ〜。よし、今度は勝。お前がやってみろ」にこっ

しろがね「おぼっちゃまはとてもお上手ですよ。私が保証します」にこっ
392創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:28:08 ID:kmzdX2/G
 
393創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:28:50 ID:kmzdX2/G
 
394創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:29:33 ID:kmzdX2/G
 
395開幕ベル:2009/10/19(月) 21:29:54 ID:pE5W3B90
フウ「…」

ギイ「わざわざ、違法スレスレの改造をしたジェット機を飛ばせて迎えに行かせるぐらいに時間が迫っていたのではなかったのか?」

フウ「ああ、確かに今は1秒でも惜しいが、あたしにゃこんなに良い笑顔を邪魔する勇気がなくてね」

ギイ「同感だな…」ふっ

フウ(それに、これから先の戦いを考えるとお前さん方に、このぐらいはしてやらないとね…)

鳴海「おいギイ、お前も来い!!」ガシッ

ギイ「な…」

しろがね「ギイ先生も蘇りになられたのですか!?」

鳴海「ギイ、お前は殺しても死なない奴だと思ってたが、まさ生き返るたぁ…この野郎〜!!」ボカッ

ギイ「嬉しそうに殴りかかるな!!これだからイノシシマンは…」

勝(ギイさんも、こんなカオするんだ)クス…
396創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:30:15 ID:kmzdX2/G
 
397創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:31:02 ID:kmzdX2/G
嬉しそうな鳴海の顔が浮かぶなぁ
398創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:31:51 ID:kmzdX2/G
 
399創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:32:37 ID:kmzdX2/G
 
400開幕ベル:2009/10/19(月) 21:33:01 ID:pE5W3B90
雛苺「ちゃんとマサルにごめんなさいするのよ翠星石!!」

翠星石「やぁ〜ですよ、いきなり出て来たカマボコ眉毛が悪いです!!」

勝「な…僕の名前は才賀勝だよっ!!」

蒼星石「ごめんね、口ではああ言ってるけどちゃんと反省しているんだ」

ギイ「ああ、わかっていますよ小さなマドモワゼル…」キラキラ…

翠星石「蒼星石に話しかけんなです!!このキザ人間!!」

しろがね「どうどう…落ちつきましょう?翠星石」

金糸雀(怒ってる翠星石を上手になだめてるかしら。この人ただ者じゃないわね…)

鳴海「しかしこの2体のローゼンメイデンはちっちぇえなあ。ちゃんとメシ食ってんのか?」

雛苺・金糸雀「カチーン」

真紅(墓穴を掘ったわねナルミ…)

雛苺「ヒナヒナヒナヒナ…!!」シュシュシュ…

金糸雀「カナカナカナカナ…!!」シャシャシャ…

鳴海「ぎゃああああ!!」勝「や…やめなよ2人とも〜」

翠星石「甘いです!!ここが野生ならイノシシはとっくに骨と化してるですよ!!」

しろがね「ああ、しかし…これは…」オロオロ

真紅「ある意味一番怒らせてはいけないタイプだったわね」
401創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:33:57 ID:kmzdX2/G
カマボコ眉毛wwwwwwwwww
402開幕ベル:2009/10/19(月) 21:34:54 ID:pE5W3B90
鳴海「ぐおおお〜っ!!」ピクピク…

ギイ「そろそろ止めようか金糸雀」

金糸雀「ギイさんが言うなら…」

鳴海「助かったぜギイ、さすが女ったらしだな」

ギイ「やれ」

金糸雀「はい」メキョ…!

鳴海「ぎゃあああああああああ…」ゴロゴロ…


雛苺「マサルは『おぼっちゃま』なの?」

しろがね「はい、お坊ちゃまは『おぼっちゃま』です」

雛苺「う〜。よくわからないの」


蒼星石「はじめまして勝君、僕は蒼星石。雛苺がお世話になったね」

勝「ううん、雛苺にはお世話になりっぱなしだよ。よろしくね」

勝・蒼星石「……」

勝・蒼星石(良い人だなぁ…)
403創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:37:27 ID:kmzdX2/G
ちょっとしたシンクロみたいなもんかw
404創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:38:13 ID:pE5W3B90
さるが来なさった!
申し訳ないですが支援お願いします。
405創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:39:04 ID:xJ0zsrY6
避け
406創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:39:05 ID:mDb0ODea
支援
407開幕ベル:2009/10/19(月) 21:39:56 ID:pE5W3B90
ワイワイガヤガヤ…

水銀燈「…」

勝(あの人形だけ静かだ…)

ギイ「そう言えばルシールも生き返ったと聞いたが…」

しろがね・鳴海「…」

水銀燈「ルシールは…死んだわ…」

勝「え…!?」

フウ「…」

パン、パン、パン!!

ピタ…

フウ「楽しい時間はこれで終わりさ」

フウ「そろそろ聞いて貰おうか。あたしが君たちを集わせた理由を…」
408創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:40:32 ID:mDb0ODea

409開幕ベル:2009/10/19(月) 21:42:36 ID:pE5W3B90
フウ「まずはこれを見て貰おう」す…

蒼星石「カラス?」

勝「違うよ、これは自動人形だ…」

翠星石「うひゃ〜これもですか」ツンツン…

しろがね「迂闊に触れるのは止めた方が…」

自動人形「…」カチリッ!!

金糸雀「動いたかしら!!」

自動人形「…レ…イ…」キリ…

自動人形「伝…令…伝令…」ギ…ギ…

自動人形「『しろがね』と『ニンゲン』…そして『薔薇の人形』に告グ…真夜中のサーカスは…サハラ砂漠にて『ゲェム』を始める…ゲェムを始める…」キリ…

自動人形「今夜…ドットーレ様がアメリカのしろがね達にアイサツに参る…」

自動人形「ゲェムの商品は…『ゾナハ病の情報』…2日後の深夜…」

鳴海(ゾナハ病…!?)ピクッ

自動人形「真夜中のサーカスは…ゲェムを始める…!!」キリキリ…

キリ…

410創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:43:48 ID:kmzdX2/G
サハラか……
411開幕ベル:2009/10/19(月) 21:44:43 ID:pE5W3B90
フウ「これが一昨日、あたしの所へ来たのさ」

ギイ「奴らからの宣戦布告という訳か…」

鳴海「おい、ゾナハ病がまた発症したってどういう事なんだよ!?」ガシッ

鳴海「おい!答えろフウ!!」

鳴海「 答 え ろ !! 」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

フウ「まずは落ち着いておくれ。みんな見ているよ」

勝「…ッ!」

鳴海「あ…」パッ…

勝(鳴海…兄ちゃん…!?)

雛苺「顔色が悪いのよマサル?」

勝「う、ううん。何でもないよ雛苺」にこ…

フウ「私がこの事を調べ始めたのは一週間前になるかね。ゾナハ病のような病気が再び各地で広まっている。というウワサを耳にしたんで調べてみたのさ」

フウ「流石にあたしもその時点では、ゾナハ病が再び発症するのは有り得ないと思った。いや、その病気はゾナハ病ではないのかもしれない」

しろがね「どういう事です?」
412創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:45:29 ID:kmzdX2/G
支援
413開幕ベル:2009/10/19(月) 21:46:46 ID:pE5W3B90
フウ「今回のゾナハ病はあたしらが知っているそれと少し違うんだ。ゾナハ病を退ける唯一の希望である『ハリー』を使用した子供にも感染が確認された」

鳴海「なんだと…!?」

フウ「普通に暮らしている子供に突如発症し、意識を奪う。つまりゾナハ病の第3段階がいきなり発症するんだ」

フウ「その新型ゾナハ病は全世界で無差別に発症しているそうだ。それも小さな子供のみを対象として…」

フウ「しかし、事態はもっと悪い方向へ向かっている。鳴海くん、君たちが自動人形『トルネード・ラプソディ』と戦った街で初めて大人の新型ゾナハ病の発症を確認した」

フウ「この事から、全ての人間がゾナハ病にかかる可能性が出てきた」

鳴海「なっ!?ルシールはあの街にいた時はなんでもなかったって…」

水銀燈「ウソだったのよ」

水銀燈「私たちに心配かけさせない為の、くっだらないウソ…」
414創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:48:49 ID:mDb0ODea
支援
415創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:48:51 ID:kmzdX2/G
支援
416開幕ベル:2009/10/19(月) 21:49:58 ID:pE5W3B90
フウ「世界は再びゾナハ病の危機に瀕している。あたしが君らを集合させたのは他でもない」

フウ「君たち『しろがね』と『ローゼンメイデン』に自動人形たちのゲェムに参加してもらい、『新型ゾナハ病の情報』を手に入れてもらいたいからさ」

フウ「どうだろう。行ってはくれないだろうか?」

フウ「ただし、『真夜中のサーカス』は自動人形たちの本拠地だ。無理強いはしないがね」

全員「…」

鳴海「俺は行く。これ以上奴らの好きにさせてたまるかよ!!」

フウ「話が早いと助かるよ。行く気のある者はこのドアを通っておくれ。あたし特製の飛行機が用意してある」

鳴海「わかった」

勝「待って!!」

勝「ぼくも行くよ、兄ちゃん」

鳴海「勝…」

鳴海「敵は強いぜ。俺の仲間も奴らに殺されたんだ…。正直、俺だって生きて帰って来られないかもしれないんだ」

勝「それでも…」

勝「それでもぼくは、もうぼくの前で泣いてる人を見たくないんだ!」

鳴海「…」

勝「…」

鳴海「わかった。もう止めはしねぇ」

鳴海「いくぜ、勝!」にっ

勝「うんっ!!」

ウイィン…

勝(やっぱりいつもの兄ちゃんだ。そうさ!さっきぼくが見た顔は気のせいだ!兄ちゃんはあんな顔はしない!!)

勝(あんな、悪魔みたいな顔なんか…)
417開幕ベル:2009/10/19(月) 21:50:40 ID:pE5W3B90
雛苺「マサルが行ったからヒナも行くの。蒼星石も一緒に行くのよ〜」

蒼星石「待って雛苺。良く考えてから行くんだ。どんな敵が待っているかもわからないんだよ」

フウ「ああ、それが正しい。あそこには奴らがいるからね…」

翠星石「奴ら?」

ギイ「奴らは僕たちの大きな障害となるだろう…」

しろがね「最初に作られた自動人形、『フランシーヌ人形』によって命を与えられた特別な四体の人形…」

フウ「アルレッキーノ、コロンビーヌ、パンタローネ、ドットーレ…」

「「「 最 古 の 四 人 <レ・キャトル・ピオネール> !! 」」」

水銀燈「最古の…四人…!」

418創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:51:20 ID:kmzdX2/G
勝がサハラに行くwktk
419創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:52:02 ID:kmzdX2/G
これは俺の嫁のファティマが(ry
420開幕ベル:2009/10/19(月) 21:54:02 ID:pE5W3B90
フウ「ナルミ君も一度、奴らの一人に敗れた事がある」

蒼星石「あのマスターが!?」

真紅「どうやら今までの人形とは数段違うみたいね」

雛苺「とっても強いのね…」

金糸雀(ワンパスできないかしら…)

ギイ「だが、そういった奴らと戦うのが僕ら『しろがね』の役目だなエレオノールよ」

しろがね「はい、私もあるるかんも準備は出来ています。ギイ先生!!」

ギイ「そうか。では行くとしようか」

ウイィン…

金糸雀(ええぇ〜!?ギイさんが行っちゃったかしら…。まさか、真紅たちも…)

真紅「さあ、私たちも行きましょう」

金糸雀(やっぱり〜)ゴーン

フウ「ちょいとお待ち」

真紅「何かしら?道化のピエロさん」

フウ「あたしは君たちローゼンメイデンひとりひとりの決意を聞きたい」

フウ「自動人形たちはお前さん達が考えているよりもはるかに強い。まさに、住んでいる世界が違うんだ」

フウ「真紅さん達は今のところ奴らと戦って無傷だが、それはただ単に同行していたナルミ君達が強かっただけさ」

フウ「奴らと三度戦った雛苺さんと金糸雀さんは良くわかっているだろう?」
421創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:55:05 ID:kmzdX2/G
フウの気遣いパネェ
422開幕ベル:2009/10/19(月) 21:56:01 ID:pE5W3B90
雛苺「うゆ…マサルはいつもボロボロになっていたわ…」

金糸雀「ギイさん達がいなかったらカナはここにいなかったかもしれないかしら…」

フウ「君たちの体や服は大切な造物主である『お父さま』と呼ばれる存在に貰った大切なものらしいね…」

フウ「君たちは奴らと戦いつつ、守り通す事ができるかい?その服を、部品を、命を!!」

翠星石「…」ゴクリ…

蒼星石「…」

蒼星石「ひとつ、お願いがあるんだ…」

蒼星石「翠星石はここに残ってくれないかな…?」

翠星石「そんな…ッ!!嫌です!翠星石も蒼星石達と一緒に戦いたいです!!」

蒼星石「それはダメだよ翠星石。君は戦うタイプじゃない。それに誰とも契約をしていない君がこの戦いに参加しても、みんなの足を引っ張るだけだよ」

翠星石「でも…翠星石だって…」

蒼星石「だけど約束する。僕たちはみんな帰ってくる!誰一人欠けることなく!!みんな笑顔で!!」

蒼星石「だから…翠星石には笑顔でみんなを待っていて欲しいんだ」
423創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:57:02 ID:kmzdX2/G
おおう?
424開幕ベル:2009/10/19(月) 21:57:39 ID:pE5W3B90
翠星石「…」

翠星石「…仕方ねぇですね…」

翠星石「スィドリーム!」

スィドリーム「…」カチカチ

翠星石「翠星石のスィドリームを貸してやるです。強い翠星石の人工聖霊だから、どんな奴らだってイチコロです!」

蒼星石「ありがとう。大切に使わせてもらうよ」

翠星石「ただし、貸したからには絶対に返すんですよ?返さなかったら蒼星石の帽子をチビ苺のオモチャにしてやるから覚悟しやがれです!!」

蒼星石「ふふ、それはご勘弁」

フウ「では、最後にもう一度だけ聞こう。君たちはこの世界と全く関係ないし、奴らと戦ったら無事ではすまないかもしれない。そして、ルシールは復讐なんて望んでいないだろう…」

水銀燈「…」

フウ「それでも…来るのかい?」

フウ「『こっち』の世界へ」

水銀燈「……」
425創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:59:26 ID:kmzdX2/G
翠星石は残留か
水銀燈はどう出る
426開幕ベル:2009/10/19(月) 21:59:30 ID:pE5W3B90
水銀燈「答えはとっくに出てるわ…」

水銀燈「奴らは私の誇りを傷つけた。理由なんてそれで十分よ…!!」

真紅「ええっ!!」

蒼星石「うんっ!!」

雛苺「うゆっ!!」

金糸雀「か…かしら〜」

水銀燈「行くわよ!!」ザッ

ごめんなさいルシール。私も貴女と同じように画用紙を黒く塗り潰すことしかできないみたい。だって私は…

−ジャンクだから−


ドールズダンス〜人形達の舞踏〜一時閉幕
427創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:03:52 ID:mDb0ODea

428創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:06:15 ID:pE5W3B90
今回は以上です。遅くなって本当にすみませんでした!

次回は未定です…
書く気はあるからね!
429創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:07:09 ID:kmzdX2/G
投下乙!
支援遅れてすまんかったぜ……

続きも待ってるからな!
ファティマは俺の嫁可愛い
430創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:16:52 ID:pE5W3B90
>>429支援乙!

ざんねん、ファティマは出ません。出せる技術がありません。
出たらしろがねと鳴海の三角関係に…なるのだろうか。

主に遅れた理由は鳴海と勝の再会にあります。

からくりで鳴海と勝を出すはずなら再会がないと不自然だったので…
暴挙に出てみました。
431創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:27:30 ID:kmzdX2/G
支援乙ワロタwww

やっぱ鳴海と勝の再開は燃えるよねぇ
個人的にはルシールでグッときたけどw
432創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:36:48 ID:pE5W3B90
最終的に勝は鳴海ぐらい強くなったんだろうかねぇ。

ルシールも良いけどパンタローネも捨てがたい!どっちとも退場の仕方が切なくて切なくて…
433創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:41:21 ID:kmzdX2/G
からくりラストを見た感じだと、エピローグ時点ではそうっぽいよねぇ

パンタローネ様も良いよな!
ジョージと阿紫花のコンビも良い感じで好きだったわー
434創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:51:05 ID:pE5W3B90
阿紫花はずっと十円大切に持ってたと思うと感慨深い。
ジョージとのタバコ吸うのがかっこよかったな〜

今日はここあたりで、次回は2〜3週間後を目指そう!

気長に待って貰えると嬉しいです。
435創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:55:42 ID:kmzdX2/G
おー、待ってるぜー!
436創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 06:06:14 ID:UtW7Aj02
437創る名無しに見る名無し:2009/11/05(木) 09:08:03 ID:ooYlDL1s
遅くて申し訳ない!9日7時頃に投下予定です。あくまで予定です。
438創る名無しに見る名無し:2009/11/06(金) 16:08:12 ID:H1FrVlC6
把握した!
待ってるぜ!
439創る名無しに見る名無し:2009/11/07(土) 18:51:32 ID:vwecvUoR
前言撤回。明日の夕方から夜にかけて投下する予定です。ごめんね。
440創る名無しに見る名無し:2009/11/07(土) 18:53:04 ID:tQ/p9DFR
早く読めるようになるんだからお得としか思わんッ!
441第2場:2009/11/08(日) 20:49:14 ID:/U2D5edG
ドールズダンス〜人形達の舞踏

第2場〜作戦会議〜

ラプラスの魔「さてさて皆様、ここまで『からくりメイデン』によくおつきあいくださいました」

ラプラスの魔「白薔薇の率いる自動人形と、強き人間たちを味方に付けた薔薇乙女たち…遂に役者は揃い、『ショウ』は幕を上げようとしています」

ラプラスの魔「彼ら彼女らは果たして誰一人欠けることなく帰還する事が出来るのでしょうか」

ラプラスの魔「皆様どうか、お静かに…」

ラプラスの魔「ドールズダンス編の幕が上がります。どうか一瞬たりともお見のがしないように…」

442第2場:2009/11/08(日) 20:52:26 ID:/U2D5edG
雛苺「マサル〜」

勝「…」カチャカチャ…

雛苺「マサルマサル〜」ゆさゆさ…

勝「あ!このギミックは…平間の奴め」ニヤニヤ

雛苺「マサルマサルマサル〜!!!!」ぶんぶんぶん!!

勝「えっ!?うわあああぁ!!雛苺っ!?」


雛苺「もうっ!マサルはジャコに付きっきりだったのよ!」

勝「ああ、ごめんね。ジャコの調整してたらついつい熱中しちゃって……いったいどうしたの?」

雛苺「ジャコのアタッシュケースに手紙が入ってたのよ。読んで〜」

勝「はいはい。ええと〜」カサ…ッ

『こわれてたとこはカンペキに直しといた。あと今度ジャコをこわしたら100回ぶんなぐる!!平間』

勝「…」

雛苺「ねぇねぇ、何て書いてあるの〜?」

勝「何でもないよ、雛苺」サッ

雛苺「うゆ?どうして手紙を隠すのよ〜?それに笑顔が引きつってるのよ?」

勝「な、何でもないよ。あははは…。それよりも、ぼくはまだジャコをいじってて忙しいから雛苺は遊んできなよ」

雛苺「お手紙がちょっと気になるけど…わかったのよ。みんなの所に行って来るの」

443第2場:2009/11/08(日) 20:54:18 ID:/U2D5edG
雛苺「忙し〜いマサルの〜ジャマしちゃいけないの〜よ〜♪」テクテク

ギイ「歯車はマリオネットの命だ。一個でも欠けたり不完全な部品があればそのマリオネットは少しも動くことはない」カチャカチャ…

しろがね「はあ…」

ギイ「ほう、暫くしない内にあるるかんのギミックを調整したのか。出力を上げつつ重量を削るとは流石エレオノールだ。講師である僕の鼻も高い」

しろがね「あのう…」

ギイ「どうしたんだい?エレオノール」

しろがね「先生のドールがこちらを睨んでいるのですが…」

金糸雀(これ以上ギイさんに近づかないでギイさんはカナのパートナーかしらお願いだからギイさんにくっつかないでカナからギイさんを取らないで) ゴゴゴゴゴゴ…

しろがね「何というか、執念を感じます…」

雛苺(金糸雀泣いてるの!!)

ギイ「はは、金糸雀はやきもちやきだなぁ。エレオノール、これは金糸雀と君の親睦を深めるチャンスだ。僕は退散しよう」タッ

雛苺(忙しい人はジャマしちゃいけないのよね。ヒナも退散するの)タッ

しろがね「ギ、ギイ先生〜っ!?」

金糸雀「……」グスッ…

しろがね「……」

金糸雀「……」

しろがね「……」

しろがね「な、中町サーカス団員しろがね。アクロバットをやります……」

444第2場:2009/11/08(日) 20:56:44 ID:/U2D5edG
雛苺「ふ−っ。あんなに悔しそうな金糸雀は初めてなのよ〜。うゆっ!?誰かいるのよ?」こそっ

蒼星石「レンピカ、スィドリーム!!」

レンピカ「……」カチカチ

スィドリーム「……」カチカチ

真紅「スィドリームは完全に貴女に従っているわ。流石は双子と言ったところね」

蒼星石「スィドリームは素直だから助かるよ。ただ、人工聖霊を二つ従えても君には遠く及ばないけどね」

真紅「しろがねは媒介としては間違いなく最高よ。それでも少し不安になるわね……」

蒼星石「うん、確かに敵は計り知れないかもしれない。でも僕たちにはマスターやしろがねさん達がいるんだ。心配ないよ」

真紅「そうね。それに無事に帰って来ないと貴女の帽子が大変な目に合うものね」クスッ

蒼星石「ふふ、約束したから絶対に帰って来るさ」

雛苺(ヒナにはマサルがいるの。絶対みんな無事で帰ってくるのよ!!)

445第2場:2009/11/08(日) 20:57:57 ID:/U2D5edG
雛苺「真紅も蒼星石も忙しそうだったのよ〜♪ジャマしちゃ〜メッ!なのよ〜♪」テクテク

雛苺(あっ、またギイさん!それに、あの人は…え〜と…)

鳴海「189、190…」ビシッ!ダンッ!

ギイ「拳法の特訓か。戦いに向けて休むようフウに言われていたのに……やはりイノシシマンに言葉は理解出来ないのかな」

鳴海「うるせぇ、昔っから体を動かさなきゃ寝れねぇんだよ!」ポタッ…ポタッ…

ギイ「石器人の習慣などに興味はないが、なぜ上着を脱がない?サハラの昼の暑さは機内にいても相当なものだ。まさか脳みそまで筋肉で出来ている訳ではあるまい」

鳴海「それは…」ピタ…

ギイ「勝にその機械の手足を見せたくないからか?」

鳴海「……」

ギイ「安心しろ。勝はその手足を見てもお前を恐れはしない。お前も勝がそういった男でないことは知っているだろう」

鳴海「ああ。でも俺は一番見せたくないモノを見られちまったんだ…」

鳴海「『デモン』の顔を…よぉ…」

ギイ「そうか…」

雛苺(でもん…?マサルに見られちゃいけないの?)




雛苺「あと会っていないのは〜」

雛苺(水銀燈……)ゴーン!

雛苺「水銀燈はちょっと怖いのよ。羽でぶわ〜ってやられたりするのは絶対に嫌なのよ〜!!」

水銀燈「ねぇ、ちょっと」

雛苺「〜〜〜〜ッッ!!」ビクククッ!!

雛苺「す、水銀燈ッッ!!」ビクッ

水銀燈「何よ、そんなに驚いて。まあ良いわ。メンバー全員をコックピットに集めて頂戴」

水銀燈「頼んだわよ……」ふっ

雛苺(あれ、水銀燈いま笑った……!?)
446第2場:2009/11/08(日) 21:01:25 ID:/U2D5edG
〜コックピット〜

フウ《やあ、みんな集まってくれたかな?出発の時は慌ただしくて出来なかったが、作戦会議を始めさせてもらおう》

しろがね「テレビで動画を通してリアルタイムで話をしているのに、ほとんど時間差や画像の乱れがありませんね」

ギイ「フウの奴め、また特許クラスの技術を開発したな」

フウ《いくら君たちが自分の意志でゲェムに参加したとはいえ、私にはこの限らた時間の中で君たちに奴らと戦う為の知識を教える義務がある》

フウ《今から自動人形を破壊する方法と最古の四人について、私の知っている事を全て教えるとしよう》

真紅「戦う前に少しでも敵の能力を知ることが出来ればだいぶ戦いが楽になるわね」

鳴海「おい、その前に勝がいないぞ」

雛苺「今はマサルのジャマをしちゃいけないの。ヒナが後でちゃんと教えるから平気なのよ」

ギイ「多少不安だが、時間がない。よしとしようか」
447創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:02:01 ID:6TQNep0M
 
448創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:02:21 ID:KwoB5sqj
支援
449第2場:2009/11/08(日) 21:02:47 ID:/U2D5edG
フウ《自動人形を破壊する方法は大きく分けて3つある》

フウ《まずは1つ目。奴らの体を物理的に破壊すること。主に勝君や鳴海君が行っているやり方だ。この方法はローゼンメイデンの皆さんにはおすすめできない》

蒼星石「確かに。自動人形と僕らは体格が大きく違うし、僕らの戦いは人工精霊を多く用いるからね」

フウ《次に2つ目。奴らの体内に生命の水や『気』と呼ばれるものを打ち込む方法がある。やはりこの方法も君たちローゼンメイデンには向かないだろう》

金糸雀「むむむ…カナとしては楽してズルしていただきたかったかしら」

フウ《そして3つ目。これはルシールが最後に教えてくれた方法だ》

フウ《自動人形の部品に根付いている『白い茨』を破壊するという方法だ》

水銀燈「……」

フウ《現時点で、その白い茨の根付いている人形はドットーレしか確認していないが、あたしはその茨は『上級』いや、『最上級』の自動人形にのみ根付いていると推理している》

フウ《力の足りない君たちにとっては一発逆転できる勝機となるだろう》

フウ《ただし、その茨は自動人形に力を与えているらしい。奴らもそう簡単には破壊させてくれないだろう》

フウ《以上が奴らを破壊する最低限の知識だ。次は最古の四人についてだが、今までアイセクトが撮った画像、動画も交えながら説明させて貰う》
450創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:03:22 ID:6TQNep0M
 
451創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:05:55 ID:6TQNep0M
支援
452第2場:2009/11/08(日) 21:06:29 ID:/U2D5edG
フウ《では一体目》

『己は人間の<味覚>というものに興味を持っていてね』

『このドットーレが、最高のフィナーレにしてあげようほどに』

フウ《最古の四人<ジャグラー>ドットーレ。『紺碧の手』を持っている》

蒼星石(この人形がルシールさんを…)

フウ《奴の掌は空気中の水分を氷結させる力があり、その氷は攻撃はおろか防御にだって使用できる。また、相手の周りの水分を氷結させる事により呼吸を妨害させるという使い方もあるらしい》

フウ《奴と戦う者は何よりもそれに気を付けなければならない。一瞬でも気を抜けば全身を氷結され、生きながら奴のオモチャになってしまうだろう》

金糸雀(絶対に…戦いたくないかしら…)ゴクリ…

フウ《次は二体目》

『私とやったら、あなた死んじゃうよ』

『ろうそくの束の間のゆらめきってステキ〜』

フウ《最古の四人<虫使い>コロンビーヌ『純白の手』を持っている》

『負っけないも〜ん!』

鳴海「このちんちくりんが『あの』コロンビーヌだぁ!?」

フウ《ああ、以前のサハラでの戦いで破壊され、フェイスレスの手によって違うボディーで復活したんだ。彼女の武器の1つであるゾナハ病の病原体『ゾナハ虫』はこの世界から消滅したので『虫使い』としての攻撃は無いだろう》

フウ《しかしその力は健在だ。女型とはいえ、そのパワーは計り知れない。そして、あらゆる物を溶かす『純白の手』を持っている。彼女は最古の四人の中で最も接近戦に強いだろう》

真紅(鳴海や蒼星石には相性の悪そうな相手ね)

フウ《次は三体目のアルレッキーノについて話そ…ジ…》

《ジ……ッ》

《ジ…ジジ…ッ》

《…ジ…ジジ……》


金糸雀「画面がジラジラしてきたかしら」

しろがね「機械の故障でしょうか?」

蒼星石「いいや、違うよしろがねさん。この感じは……ッ!!」

《…き…げん…よう……》

雪華結晶《ご機嫌よう…人間の皆様。そしてお姉さま方…》

雛苺「雪華結晶……ッ!!」

  ぞ  わ  っ
453創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:06:39 ID:6TQNep0M
 
454創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:08:38 ID:6TQNep0M
ティンババティ思い出した
455第2場:2009/11/08(日) 21:11:57 ID:/U2D5edG
しろがね(この人形がローゼンメイデン第七ドール…)

ギイ(なる程、これはなかなか手ごわそうだな)

鳴海(何だ!?この人形……ッッ!!今まで自動人形と何回も戦ったから分かる!)

鳴海(自動人形には笑いを求めたり、人間を傷つけたりとかした『欲求』が何かしらあった。けど、コイツは空っぽだ…!!)

鳴海(コイツからは……コイツからは何も感じねぇ…ッ!)


真紅「わざわざ電波をジャックしてゲェムの前の挨拶に来たというわけかしら?」

雪華結晶《ゲェム?クスクス…》

蒼星石「何がおかしい!」

雪華結晶《ごめんなさい、蒼薔薇のお姉さま。けれど、これはゲェムなんかじゃありませんわ…》

雪華結晶《これから始まるのは『パーティー』…》

雪華結晶《私のお人形さんとお姉さまたちがダンスを踊るの…だけど、おきをつけになって…》

雪華結晶《私のお人形さんたちはダンスが下手な子が嫌いだから、ちゃんと踊っていただけないと酷い事をしでかすかもしれませんわ…》

雪華結晶《例えば…》

雪華結晶《悪い病気を流行らせたり……ね……》にや…
456創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:12:57 ID:6TQNep0M
おおう
457第2場:2009/11/08(日) 21:13:28 ID:/U2D5edG
水銀燈「そう…。じゃあその『お人形さん』達に、こう伝えて頂戴」

水銀燈「人形どものパーティーは穢れたジャンクがメチャクチャにするってね!!!」

雪華結晶《了解致しました黒薔薇のお姉さま…》ニヤ…

雪華結晶《では、ご機嫌よう…》ジジ……ジ……

……プツン………

全員「……」

「誰も見当たらないなぁ……」

勝「あっ、いた!!」

勝「ぼくに内緒で集まってるなんてみんなヒドいよ〜」

勝「あれ、みんな黙ってどうしたの?」



「からくりメイデンをご覧の皆様……」

ラプラスの魔「舞台の途中に申し訳ありません。どうか、兎風情の戯言を聞いていただきたい」

ラプラスの魔「少年は今、話合いの場には出席いたしませんでした…彼だけは、まだ白薔薇の姿を見てはいないのです」

ラプラスの魔「その事実が、今後の彼にどう関わってくるか……イーニー、ミーニー、マイニー・モー。神様の言うとおり……ククッ!!」

ラプラスの魔「おっと失礼。無駄話をしている間に彼らはゲェムの舞台に着いたようだ。では、再び舞台を戻しましょう。二度とはやらない命がけのショウが始まりますゆえ…」

458創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:14:08 ID:KwoB5sqj
 
459創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:14:21 ID:6TQNep0M
どうなるんですか、わかりません!
460第2場:2009/11/08(日) 21:16:57 ID:/U2D5edG
〜サハラ砂漠〜

しろがね「ここが…真夜中のサーカス…!!」

ギイ「僕たちしろがねが長年探し続けていた場所…」

鳴海「わかっていると思うが、もう逃げられないぜ?」

勝「大丈夫だよ兄ちゃん。ぼくたちなら…きっと出来る!」

真紅「そうよマサル。私たちなら出来る。いいえ、出来なければならないの…!!」

蒼星石「うん。病気の子共たちや、この世界のためにも!!」

雛苺「じゅんびは出来てるの〜〜!!」

金糸雀(隕石とか落ちてきて自動人形がやっつけられないかしら…)

水銀燈「さっさと行くわよ…ッ」


雛苺「ここが入り口ね…」

しろがね「何から何まで不気味ですね…」

ヒュウウ…

金糸雀「ひゃあああ!変な音がしたかしらぁぁぁぁぁ!」

勝「安心して、風の音だよ。けど、こうも不気味だとビックリしちゃうよね」

ギイ「僕としてはあのテントが気に食わないな」

ギィィィィ……ゴオオォ……

真紅「命のない自動人形たちのテントとしては皮肉なものね……」

真紅「 あ の テ ン ト は 生 き て い る !! 」

ゴゴゴゴゴゴゴ……!!
461創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:17:56 ID:6TQNep0M
なつかしい
462第2場:2009/11/08(日) 21:26:23 ID:/U2D5edG
鳴海「おい、自動人形ども!くだらねぇゲェムをしに来てやったぜ!!出てこい!!」


「  心  得  た  」フッ



雛苺「えっっ!?」くるっ

しろがね(速いッッ!!)

蒼星石「いつの間に後ろに!?」

ドットーレ「はるばる遠くから御苦労…。申し遅れたが、己はドットーレと申す者、君らの敵である『最古の四人』の一人だよ」

水銀燈「……」

ドットーレ「入ってくれば、また、お目にかかろう」

ドットーレ「真夜中のサーカス<シルク・ド・ミニユイ>で……」

  フ  ワ  ッ  

勝「今のが…最古の四人……」

ギイ「ハンカチだ。これを使え」スッ

勝「えっ!?」

雛苺「マサル。スゴい汗なのよ」

勝「ごめん。ぼく、あの人形に『呑まれてた』……」ゾクッ

鳴海「安心しろ勝。俺もそうだった。けど、今はこんなに強い奴らがいんだ!!心配すんな!!」バンッ!

勝「そうだね…」クスッ


水銀燈「そんな事より先を急がない?」

しろがね「ですね。話こんでしまうと余計に恐怖が出てきます」

真紅「準備は良いみんな?開けるわよ!!真夜中のサーカスのテントを!!」


  バ  ン  ッ  ッ



〜一時閉幕〜
463創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:27:41 ID:6TQNep0M
やっとドットーレのまともな戦闘が見られるのか!?
464創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:31:45 ID:AlKcLiZR
    
465創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:32:03 ID:6aeUv1wb

466創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:32:42 ID:/U2D5edG
今日はここまで。次回からはバトルがしばらくあるよ!単行本持ってないと相手の顔は間違いなく思い出せませんw

>>463ドットーレとのバトルはもう書いているけれど、正直難しいです。期待しないで待っててね。支援ありがとうございました。

次回はたぶん6〜12日後とちょっと早くなるよ!!

ではまたね〜
467創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 21:34:13 ID:6TQNep0M
乙!待ってるぜー

しかし、ルシール先生がいない状態でのドットーレ戦がどうなるかわかんねぇw
どうさばくかに期待してるぜ!
468創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 17:50:33 ID:5vXNXd2p
投下が遅れるかもしれないです。明日投下出来なかったらまた1〜3週間ぐらい遅れます。
ごめんなさいぃぃぃぃぃ!!

ささやかなお詫びに作者の技量不足で伝えることは難しいであろう【からくりメイデン】での現時点のドールの強さを発表します。
真紅(『契約者』しろがね)

〜絶対に越える事のできない壁〜

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>蒼星石(『契約者』加藤鳴海、スィドリーム所持)>>>>>>>金糸雀(『契約者』ギイ・クリストフ・レッシュ)>雛苺(『契約者』才賀勝)

〜契約の壁〜

>>>>>>>>>水銀燈(『契約者』なし)

〜お留守の壁〜

>>>>>>>翠星石(『契約者』なし)
470創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 18:55:39 ID:Hjc6TxsX
真紅がチートだww
でも単銃な能力はともかく、金糸雀は戦闘の仕方を間違えなきゃ能力以上に強そうだ
広範囲に攻撃できて防御不可の音波スキルは結構優秀な気がするから
アルレッキーノの諧謔歌・ベネデイカムス・ドミノも相手が悪かっただけでかなり強かったし

それはそうと、遅延了解



471創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 21:52:17 ID:Q9aOs7ZW
最大三週間待てだとォ……!?


たやすい!!
472創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 18:56:13 ID:MJ6B1l9e
最近追いついた
多分投下中に出くわすことはないだろうし
さるさん私怨も出来ないだろうが
とりあえず応援していると言っておく

楽しみにしてるぞー!
473創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 18:08:10 ID:MQqM+ztx
今更ですが

>>470
一応この強さの順位を基準にして話を展開していくつもりです。
作者の技量が足りないので、切羽詰まったら無かった事になるかもしれないですw

>>471
な、何とか一週間ちょっとに出来ました…
ほめて!!

>>472
仕事上、平日に休みになることが多いので、投下の間隔は長いけど、時間を指定してくれれば合わせて投下出来ます!
というか、こんな下の方にあるスレを見つけて読んでくれただけで感動ものです!

そして、お待たせしてスミマセン!ようやく出来たよ!
来月1日の夜7〜8時ごろに投下します。

結構スレが下の方に来たので次回はageます。


474創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 19:15:19 ID:PogAk8In
>>471じゃないが、ワースゴイ>>1カッコイイー
そして来月初日に投下、了解
475創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 23:08:03 ID:qWWIEbWY
ぃよっしゃ追いついた!!
他の人も言ってるが場面場面が原作風に脳内再現されて大変なことに
お前のSSで俺の脳内がヤバイ

とりえず一言叫ばせてくれ

ルシィィーーーーールゥウウウウウ!!

銀様とルシールの意地っ張りコンビ良すぎるだろう
ルシール……!でも死に様がらしすぎる

火曜日は都合悪いから立ち会えないのが凄く残念だが、楽しみにしてるぜー!
476番宣:2009/12/01(火) 19:59:10 ID:7MrzxpPO
ブカブカ ドンドン

舞台は整い、役者は揃い、これより始まるは人形相手に死の舞踏!!

勝と雛苺の一行は新種のゾナハ病の情報を手に入れるため、ついに真夜中のサーカスのテントをくぐる。
そこで待ち受けるは幾多の敵と…………最強最大の『最古の四人』!!

ご存知、超熱血骨董活劇、激戦開始の第3場でございます。
477第3場:2009/12/01(火) 20:05:15 ID:7MrzxpPO
ドールズダンス〜人形達の舞踏

第3場〜ファンファーレ、そして初戦〜


  バ  ン  ッ

シーン……

全員「…」

全員「……」

全員「…………」

ギイ「真っ暗だな」

しろがね「真っ暗ですね」

雛苺「真っ暗なの〜」

勝「音もしないし、嫌に静かだ……」

蒼星石「それが逆に無気味だね…」

真紅(ちょっと、真っ暗じゃない。何か灯りでも……)

  ボ  シ  ュ


真紅「〜〜ッッ!!」ビクッ!

ボシュ、ボシュ、ボシュ!!

蒼星石「くっ、眩しい!この光は何なんだ!?」

勝(これはカメラのフラッシュ!?)


「うひひひひ」

「けひひひひ」

アノス「ひへへ、フラッシュ・ジミーのカメラは良く撮れるゥ〜」カシャ…

ケニス「ああ〜おかしいねぇ、どいつもこいつも似たような顔してブルっていなさる!」
478第3場:2009/12/01(火) 20:06:48 ID:7MrzxpPO
雛苺「敵…!?」ザッ!

ギイ「何だ、どんな敵が出て来ると思ったら、インチキジャグラー2人か」

金糸雀「そうかしら!!あなた達なんかギイさんにやっつけられると良いかしら!!」ビシッ!

ケニス「なんだとォ!!ギイ、人形、てめえらぁぁぁ〜〜!!」

アノス「まずはギイの隣にいる人形。お前をぶっ殺してやる!!」

金糸雀「ぎゃぁぁぁぁぁ〜〜!!こっちに来るかしらぁぁぁぁ!!」

ケニス・アノス「イィヤアァッホオォ!!」ダッ!

 グ オ ォ ッ … !

水銀燈「来なさい自動人形め。ジャンクにしてあげるわ!!」

アノス「弱いくせに邪魔すんな!」ドンッ!!

水銀燈「くっ!」

ケニス「おいアノス。そんな雑魚は後回しだ。しろがねの奴らを狙おうぜ」

水銀燈(アイツら……私なんか眼中にないってコト…!?)

ケニス「ああ、雪華結晶様に頂いた力を見せてやるぅ!!」

アノス・ケニス「死ねえええ!!!!」

蒼星石「突っ込んで来るよ!」

勝「来い…ッ!!」
479第3場:2009/12/01(火) 20:08:05 ID:7MrzxpPO
ドットーレ「まあ、待ちたまえ『しろがね』と『薔薇乙女』の諸君」ス…

アノス・ケニス「ドットーレ様ッ!!」

鳴海「ドットーレッ!お前、よくもルシールを!!」ダッ!!


   フ   ッ


鳴海「くっ!!何処へ行った!?」

しろがね「後ろですナルミ!!」


 ガ シ イ ッ …


鳴海「なっ!?」

ドットーレ「自分は最古の四人に勝ったことがある、だから、また…勝てる…」

ドットーレ「…………ノン、ノン」

ドットーレ「己たちは雪華結晶様から『白い茨』を頂き、復活した。以前よりも強大な力を得てな…!!」

鳴海「ぐ…っ!!」

ドットーレ「これで2回だ……」ギリギリ……

鳴海「がっ…!!」

真紅(ナルミ…首を絞められているせいで動けない!?)

ドットーレ「テントに入る前と、そして今。己は君たちを全滅させることが出来た……」ぐぐぐ…

鳴海「ぐ……がぁっ……!!」

しろがね「ナルミィィィィイ!!!!」

ドットーレ「どうした。誰も助けに来ないのか?このままじゃぁ、こいつ……」

ドットーレ「 死 ん じ ゃ う ぜ ? 」

鳴海「ぐ……あああぁ……!!!!」
480創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:08:19 ID:3PC0L6az
支援
481創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:09:00 ID:FtfZi7RX
  
482創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:09:03 ID:3PC0L6az
支援
483創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:10:32 ID:FtfZi7RX
   
484第3場:2009/12/01(火) 20:10:53 ID:7MrzxpPO
勝「や、やめろ……」

勝「兄ちゃんを離せェェェェ!!」ギュッ!!

ジャコ「イヒヒヒ!!」ギュンッ!!

ギイ「待て!!勝!!」

勝「っ……!!」ピタッ

ギイ「僕たちは『ゲェム』に来たんだ。ルールの説明も無く襲って来るのは無粋じゃないのか?」

ドットーレ「ああ、そういえばそうだったな」ニヤ…

パッ…

鳴海「ぐっ!!」ぐら…

蒼星石「マスターッ!!」

鳴海「へ、平気だ……勝…カッコ悪いトコ…見せちまったな…」ゼエ…ゼエ……

勝「う、ううん……」

しろがね(不意打ちとは言え、あのナルミが……)

ドットーレ「と…言うわけで、だ……」

ドットーレ「真夜中のサーカスへようこそ。進行役はドットーレにお任せいただく」
485創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:10:56 ID:3PC0L6az
支援
486創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:11:25 ID:FtfZi7RX
    
487創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:11:41 ID:3PC0L6az
うおお、このドットーレかこいい!?
488第3場:2009/12/01(火) 20:11:58 ID:7MrzxpPO
ドットーレ「まずは己たちからのささやかな歓迎だ…」パッ!!

自動人形たち「オオオオオオオオォォォ!!!!!」

蒼星石「自動人形…!!暗闇に隠れていたんだ!!」

真紅「あら、現れたのはたったの数体?大層なお出迎えだけど、数が少し寂しいわね」クスッ…

アノス「へっ!!言ってなさいな。こっちのメンバーは今までの奴らとは違うんだぜ!?」

ケニス「それに、自分の心配をすんだね。ゲェムはもう始まるんだからなァ!!」

雛苺「ついに始まるのね…!!」

水銀燈(ルシール、メグ…見ていて……)

金糸雀「ねぇ、ギイさん…」

ギイ「うん?」

金糸雀「ナルミって人はカナたちの中で一番強い人なんでしょ?」

ギイ「ああ、たぶんそうだ…」

金糸雀「その人より強い人形がいるなんて…」

金糸雀「カナたちはこの戦いに勝てるの!?」ガタガタ…

ギイ「勝てるさ…きっと…」
489創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:12:48 ID:FtfZi7RX
      
490創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:13:55 ID:FtfZi7RX
     
491創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:13:56 ID:3PC0L6az
ドットーレなど関係ないわあああ!
492第3場:2009/12/01(火) 20:13:59 ID:7MrzxpPO
ドットーレ「それでは主なメンバーを紹介しよう!」パッ

ズルズル…

鳴海「何だ、急にツタが!?」

ズク…ズク…

勝「信じられない速度で成長してる……!これは……ッ!!」

ズズズズ……

雛苺「白い薔薇に育ったの……!!」

ドットーレ「では紹介しよう!『しろがね』の諸君、『ローゼンメイデン』の諸君!!」

真紅「見て!!薔薇の中から何か出てくるわ…!」

「まずは良くやったと言わせて貰おう……」

 ズ … …

アルレッキーノ「僕たちが送って来た刺客を倒し、よく此処まで来た……」


「でも、悲しいね……」

 ズ ズ … …

コロンビーヌ「アナタたちの旅は此処で終わり……」


「お前たちは、もう帰ることは出来ない……」

 ズ ズ ズ … …

パンタローネ「なぜなら此処は……」


「「「「 真 夜 中 の サ ー カ ス 」!! 」」」


  ビ  リ  ビ  リ  ビ  リ  ……


全員「 … … ッ ッ !! 」
493創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:14:37 ID:3PC0L6az
パンタローネ様きたあああああ!!!!!!
494創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:15:27 ID:FtfZi7RX
   
495第3場:2009/12/01(火) 20:17:01 ID:7MrzxpPO
真紅「何て…プレッシャー!!」

しろがね(アルレッキーノ…パンタローネ…)

金糸雀「勝てない…こんなの…絶対に勝てないかしら…!!」ブルブル…

ギイ「落ち着け、金糸雀。僕が付いている」

蒼星石(立っているだけでも辛い…これが最古の四人…)

鳴海(倒す……!!)

雛苺「勝てるわよね、勝」

勝「……」

雛苺「ねぇ、勝?」

勝「コ……」


勝「 コ ロ ン ビ ー ヌ … !? 」


勝(どうしてコロンビーヌがここにいるの?)ドクッ…ドクッ

勝(コロンビーヌは僕を助けてくれたじゃないか…っ!!)ドッドッドッ…

勝(ぼくは……コロンビーヌと戦えるの……!?)ドク……ン……!

水銀燈「ふう。全く見てられないわね」

水銀燈「落ち着きなさい、戦う前から呑まれては負けよ」

全員「ッッ!!」

勝(そうだ……そうだよ…!!)

勝(コロンビーヌにぼくと一緒にいた時の記憶が残ってるかもしれない…。それに、あそこにはしろがねを守っていた人形もいる!)

勝「ごめん雛苺、ぼくはもう大丈夫。さあ、戦おう!」

雛苺「やっといつもの勝に戻ったのね!」
496創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:17:18 ID:FtfZi7RX
     
497創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:18:05 ID:3PC0L6az
勝ちん・・・
498第3場:2009/12/01(火) 20:18:05 ID:7MrzxpPO
ドットーレ「おや…おやおやぁ〜」

ドットーレ「ルシールが見当たらないなぁ〜。なァ、あいつはどこにいるんだい?」ニヤニヤ

鳴海「テメェ…ッ!!」

ギイ「乗るな、下らない挑発だ」

パンタローネ「薔薇乙女の方も1体足りないな。恐れをなして逃げたか…」

蒼星石「翠星石は逃げてなんかない!!」

コロンビーヌ「ふぅ〜ん。でも、この人数の差はハンデにしてはおっきいよね。だからあたしたちから提案があるんだ」

アルレッキーノ「ゲェムのルールは総当たりの力比べとする。9回戦いを行い勝者の多い方が勝ちだ」

勝「総当たり…みんな必ず一回戦わなきゃいけないって事か…」

雛苺「1対1で戦えるのね。自動人形たちは人数が多いからヒナたちは助かるわ!」

しろがね「裏を返せば、今までのように戦いの中で助けが入ることはない。つまり個人の純粋な強さが重要になるということですか…」

金糸雀(無理無理無理!!そ、そ、そんなの恐すぎるかしら〜〜!)
499創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:18:47 ID:3PC0L6az
キムwwwww
500創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:19:13 ID:FtfZi7RX
     
501創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:20:59 ID:FtfZi7RX
      
502創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:22:56 ID:FtfZi7RX
    
503第3場:2009/12/01(火) 20:23:26 ID:7MrzxpPO
ドットーレ「では、戦う順番が決まったら己に教えてくれたまえ。すぐにゲェムを始めよう」

ドットーレ「進行役としては『しろがね』の皆さま用に特別な自動人形を用意してあるのでローゼンメイデンには先に戦って頂きたいがね……」

真紅「私たちは前座と言う事…?」ピクッ

ドットーレ「なぁに、我ら最古の四人はまだ戦わん。安心して出場者を決めたまえ」にたぁ…

鳴海「で、どうするよ…?」

真紅「初戦は私が行くわ」

全員「えっ!?」

真紅「あの人形たち、完全に私たちを馬鹿にしてる。薔薇乙女の力を見せてあげるわ!!」

しろがね「勝てるのですか……?」

真紅「ふふ、私の契約者を誰だと思っているの?」

ドットーレ「どうやら決まったみたいだな」

ドットーレ「さァて、開始曲は華やかに参りましょう」パッ

ドットーレ「 フ ァ ン フ ァ ー レ !!!! 」

自動人形たち「わああああああ!!」

パパパラ パパパラ パアァァァァアン…
504創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:24:19 ID:3PC0L6az
ドットーレには華があるな
505創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:25:34 ID:FtfZi7RX
   
506第3場:2009/12/01(火) 20:25:47 ID:7MrzxpPO
真紅「さあ、相手はどんな子かしら」

薔薇乙女1番手

−第五ドール真紅−

雛苺「真紅〜あいと!あいと!!あいと〜!!」ブカブカ〜!

金糸雀「やるかしら〜!勝つかしら〜!!カナの分も敵を倒すかしら〜!!」ドンドン〜!

勝「緊張感のない応援だね…」

ギイ「本音が出ているぞ金糸雀」

蒼星石「まあ、2人のおかげでこの重苦しい空気がマシになったね」

水銀燈(真紅…以前の戦いで見た貴女の力はまだ完全ではなかった…。見せなさい!貴女の本気を!!)

真紅「ねぇ、相手はまだなの…?」

ドットーレ「…」にや…

ヒュウウゥ…

勝「危ない真紅!!上から何か落ちて来る!」

真紅「くッ!!」ザザッッ!

ド  ス  ン ッ!

しろがね「無事ですか真紅ッ!?」

真紅「ええ、私は無事よ。しろがね」

真紅「こんな下らない罠は私に効かないわ。そんなことより早く私の対戦相手を出しなさい」

ドットーレ「あのなァ、いま来たじゃないか。ほら、そこに…」

真紅「まさか…ッ!!」

ガコン…ガコン…チンカラ…チンカラ…

自動人形「や…やあ…」

自動人形1番手

−メリーゴーラウンド・オルセン−
507創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:26:58 ID:FtfZi7RX
  
508創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:27:16 ID:3PC0L6az
やっぱ応援はブカブカドンドンなのかw
509第3場:2009/12/01(火) 20:27:32 ID:7MrzxpPO
鳴海「オルセンッッ…!!こいつがもう出てきたのか!」

蒼星石「マスターはあの人形を知っているの?」

鳴海「ああ、奴は前の戦いで5人抜きをした唯一の自動人形だ。クソ!これなら俺が出てれば…ッ!」

しろがね「おかしい。そんなに強い人形が初戦から出るなんて……」

ギイ「まさか!?ドットーレ、お前……!!」

ドットーレ「くくく、ようやく気づいたか」

ドットーレ「ふっふっ。ゲェムはこのテントに入る前から始まっているのだよ」

パンタローネ「君らは、『ローゼンメイデン』の数と『契約者』の数に差がある事に気づいていないのかね?」

コロンビーヌ「うふふ、それって、ど〜いう意味かしらァ」

アルレッキーノ「そうさ、それは…どういうことだと思うかな?」

ドットーレ「ローゼンメイデン6体に対して契約者は5人。しかもその内1人は死んだ…」

アルレッキーノ「我々はローゼンメイデンの数だけ契約者がいると思い、その数だけ特別な人形を作らせたその数は6体…」

コロンビーヌ「けど、ここに人間は4人しかいない。余った2体の内の1体はどこにいると思う?」

ドットーレ「それはなァ…」

ドットーレ「 真 紅 、 お 前 の 目 の 前 だ 」
510創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:27:58 ID:FtfZi7RX
   
511第3場:2009/12/01(火) 20:28:45 ID:7MrzxpPO
蒼星石「くっ!卑怯だぞ!!」

ギイ「棄権するんだ。特別な人形が相手では僕たちでも苦戦する」

雛苺「真紅ぅ……」

真紅「あら、私がこんなつまらないお人形に負けるとでも思っていて?」

オルセン「キミィ〜ボクのメリーゴーラウンドはつまらなくないよ。ボクのメリーゴーラウンドおなかペコペコ〜」

真紅「あら、その“つまらない”オモチャがどうかしたの?」クスッ

オルセン「お…おまえ、コロス…!!」ギンッ!!

ドットーレ「さあ、さあ、さァ!第1試合が始まるぞ!」

ドットーレ「薔薇乙女チーム、最初は真紅。メリーゴーラウンド・オルセンと激突だ〜!!」

自動人形たち「ワアアアアア…!!」
512創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:28:49 ID:3PC0L6az
オルセンの回転に真紅が対応出来るかだな
513創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:31:44 ID:FtfZi7RX
  
514第3場:2009/12/01(火) 20:32:26 ID:7MrzxpPO
オルセン「は…ははァ……!!」ギュル…

ギュルルルルル…!!

しろがね「あの人形のメリーゴーラウンドが回り出した…?」

雛苺「面白そうなの。ヒナ、あれに乗ってみたいのよ〜」

オルセン「『ろうそくが来るぞ…♪』」ギュルンッ!!

真紅「あら、歌なんか歌って随分と余裕ね」テクテク

鳴海「真紅!!そいつに近づくなぁっ!!」

オルセン「『ホラ…おまえの首はねに…♪』」ピシ……クンッ!!

真紅「……」テクテク…

オルセン「 首 切 り 人 く る ぞ ! 」

  ズ  バ  ッ  !!!!

515創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:33:15 ID:3PC0L6az
支援
516第3場:2009/12/01(火) 20:33:55 ID:7MrzxpPO
勝「な…!!真紅は……!?」

オルセン「ふひゃひゃひゃ!メリーゴーラウンドは、おなかヘリヘリ〜!!」

「あら、そう…」

オルセン「え…!?」

雛苺「しぃ〜んく〜!!」ぴょんぴょん

しろがね「無事ですか…」ほっ

オルセン「な…何で…!?」

真紅「どうやら貴方は救いようのないぐらい頭が足りていないようね」

真紅「貴方たち『特別な人形』は『しろがね』つまり人間を相手にするために創られた。対人間用で私たち薔薇乙女と戦う事は想定されていなかった…」

真紅「しかも、貴方の体はこんなにも大きい。それに比べて私たちはこんなにも小さい……」

真紅「『想定外の相手』と『想定外の体格差』。貴方のほとんどの攻撃は私には届かないわよ。今の一撃だって私の頭上の遙か上を通っていったわ」

真紅「貴方は私には勝てない……。さあ、覚悟は良いかしら?」

オルセン「勝ったつもりになるのは早いよ〜」

オルセン「ボクのメリーゴーラウンドの台は何でできてると思う…?」ガチャン…

蒼星石「横になった……!?」

金糸雀(ぷくく、頭がおっきいから体が横になってないかしら)

オルセン「なんと、何でも切れちゃう刃物でしたぁ〜!!」ジャキイッ!!

金糸雀「なッ!!」

ヒュインヒュイン……ッッ!!
517創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:35:22 ID:3PC0L6az
成る程
518第3場:2009/12/01(火) 20:35:44 ID:7MrzxpPO
真紅「これはマズいわね!距離をとらないと…」

オルセン「ざ〜んねんでしたあ!」ぐぐぐ……

 グ イ ン

オルセン「ボクのおもちゃ、それだけじゃないも〜ん!!」ヒュツ!!

ギイ「手が伸びた!真紅、大型なだけあってギミックが多いぞ!!」

ガシイッ!!

真紅「くっ!」

オルセン「つかまえたぁ〜!!」

勝「このまま回転してる刃の中に放り込まれちゃったら……」

オルセン「お前はこれでおしまい、バーラバラ!!カンタンだったねぇぇ!!」

真紅「全く…いきなりレディの体に触れるなんて……あなた達自動人形は人間のオス以上に下劣ね」

真紅「お仕置きするわよホーリエ!」

ホーリエ「……」カチカチッ!!

  カ  ッ  !!


しろがね「っ!?」ビキ…

しろがね「指輪が……熱い…!?」

真紅「蹴散らしなさい…」ス…

真紅「 ロ ー ズ テ イ ル !! 」

  ボ  ン  ッ  !!!
519創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:35:48 ID:FtfZi7RX
  
520創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:36:31 ID:FtfZi7RX
  
521創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:37:33 ID:3PC0L6az
そうか、ギイは知らないんだよな
522創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:37:36 ID:FtfZi7RX
     
523創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:38:21 ID:FtfZi7RX
    
524創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:39:24 ID:FtfZi7RX
     
525第3場:2009/12/01(火) 20:39:38 ID:7MrzxpPO
オルセン「あ゛っ!!」

 ズ ザ ザ ザ ザ ……

鳴海「アッパーの要領で出しやがった!!」

蒼星石「前より格段に大きい…!」

水銀燈(そして、強くなっている……!!)

オルセン「な……あァ……!?」ゴギャギャッ!!

ふわっ……

ギイ「あの巨体を浮かせた…!?」

金糸雀「な、な、な……えええ〜!?」

真紅「行きなさい」

  ド  ゴ  ン ッ ッ  !!
勝「まだ攻撃は終わってないんだ…!!」

雛苺「真紅〜〜あいとあいとあいとあいとぉ〜〜〜!!」

オルセン「あががががががががががが……」

ギュラララララララ……ッッ!!

アルレッキーノ「ッ!!」

パンタローネ「強い…!!」

コロンビーヌ「恐らくアタシたちと同じ。いや、それ以上…!」

オルセン「ががががががががががががががががががが……」

バキッ!!ベキベキベキィッ!!

オルセン「や…」

オルセン「やられちゃうの…や〜だ〜」ギ……

オルセン「まだ…まだぁ…」ギギ…

オルセン「 ま あ 〜 だ 〜 !! 」ガギギギッ!!

真紅「いいえ。貴方は終わりよ、オルセン」パチンッ

フッ…

オルセン「が…あぁ……」グラ…

 ド ス … … ン
526創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:40:15 ID:FtfZi7RX
     
527創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:41:05 ID:FtfZi7RX
     
528第3場:2009/12/01(火) 20:41:45 ID:7MrzxpPO
鳴海「た…倒しやがった……」

雛苺「あんなにおっきな人形を……」

勝「しかも一撃で……!!」

ドットーレ「ブラヴォー、真紅!!」パチパチパチ…

ドットーレ「第一試合の勝者は、メリーゴーラウンド・オルセンを倒した『薔薇乙女』真紅だ〜!!」

真紅「ふう…っ」

真紅「7割って所ね…」

自動人形たち「ッッ!!」

コロンビーヌ「あれだけの力を出してもまだ余裕があるの…!?」

パンタローネ「ローゼンメイデン。侮れぬな…」

アルレッキーノ「雪華結晶様以外の人形は遙か格下と思っていたが、これでは…」

ドットーレ「まあ、気にするのは辞めにしようじゃないか。もしかしたら奴らも我々と同じように力のある者を初戦に送っただけかもしれないだろう?」

ギイ「まさか…勝つとは…。見事だったよ」

鳴海「すげぇな真紅!!」

蒼星石「お疲れ様」


真紅「ええ、ありがとう。しろがね。勝ったわよ」

しろがね「は、はい。おめでとうございます。あの、真紅。指輪について少し聞きたい事が……」

「 わ あ あ あ あ あ 」

真紅「五月蝿くて仕方ないわ。後にしてもらっても良いかしら?」

しろがね「はい……」

ドットーレ「では第2試合を始めようか」

 宴は続く……

〜一時閉幕〜
529創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:42:44 ID:FtfZi7RX
  
530創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:45:18 ID:3PC0L6az
真紅つええな、さすがかわいいだけの事はある
531創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:47:38 ID:7MrzxpPO
今回はここまでです。

遅延すみませんでした。そして支援メチャクチャ有難うございました。支援はかなり心の支えになっています!!

532創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:49:53 ID:3PC0L6az
人という字は、支えあっているように見えるんだよ!
533創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:56:59 ID:7MrzxpPO
>>532勝のような事を言っちゃって!!
…ブワッ!!

そしてFtfZi7RXさんも本当にありがとうございます!

ちなみに最近オーベルテューレとトロイメントを買ったんだ!
534創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 20:59:38 ID:3PC0L6az
ほう!

アニメのみっちゃんはおっぱい大きいよ!
535創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 21:04:23 ID:7MrzxpPO
おっぱい!!おっぱい!!おっぱいぃぃぃ!!

おっぱいは良かったけど水銀燈の発音が
すいぎんと(↑)う
じゃなくて
すいぎんと(↓)うだったのがちょいショック…

薔薇水晶かわいい!
536創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 21:06:59 ID:3PC0L6az
キャラの発音に関してって気になるよねぇ
でも、それを言ったらからくりキャラの名前もどう発音するかが気になるんだぜw
ティンババティとかww

ばらすぃーは俺のドール
537創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 21:12:21 ID:7MrzxpPO
個人的にはティンババティ(↑)だなぁ。

何だろう。音を上げて発音するのが好きかもw

おや?以前に金糸雀は嫁と言っていた人がいたような…

おっと誰か来たみたいだ……
538創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 01:48:42 ID:jvuaxgUE

メリゴーラウンド・オルセンか、気持ち悪かったなアイツ
539創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 17:26:35 ID:0E2eIc51
書き込めないだろうが乙
540創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 17:28:47 ID:0E2eIc51
あ、書き込めた。
支援したかったんだが規制だったんだ、ごめんな
2番手は誰だろうなァ
541創る名無しに見る名無し:2009/12/08(火) 16:12:29 ID:6Il+OH2E
ふと思ったんだが、
「人形が恋だと!? ははは」のくだりを
ローゼン衆に聞かせたらどういう反応するんだろうか。
542創る名無しに見る名無し:2009/12/08(火) 20:55:40 ID:cLjmr6Rs
>>541

真紅「そうかもしれないわ。けれどry…人はそれを絆と言うの!!」

翠星石「な…っ!!こ、このバカおじじ〜もう知らないです!」

蒼星石「同感だね」

水銀燈「アリスは恋など超越してなんちゃらかんちゃら…」

金糸雀「うええ〜ん!」←言い返せなくて泣く

雛苺「パンタローネ。あなた、壊れるの」

雪華結晶「で…?」

以上、勝手ながら妄想させて貰ったよ。

あと、前回伝えていなかったので…
今のところ2〜3割しか出来てないので、次の投下は三週間待ちコースになるかもです。
543創る名無しに見る名無し:2009/12/10(木) 15:10:38 ID:ZH6jzlfL
>>542
何か適当に思いついたこと書き込んだら
すごいのが返ってきて感動した

金糸雀かわいいなww
544創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 08:41:52 ID:aqpwyOfm
一瞬スルーしかけたが雛苺が怖すぎだろww
人形が恋するのは滑稽?笑える?
だがちょっと待ってほしい、たとえ人間でも誰かに熱心に恋焦がれる姿が滑稽でない者などいるのだろうか?
545創る名無しに見る名無し:2009/12/15(火) 03:53:48 ID:uQPOZ0XU
一気読みした
藤田絵脳内再生パネエww
546創る名無しに見る名無し:2009/12/26(土) 08:16:43 ID:2BTdVf5M
今月30日投下←確実

時間は夜9時←予定

文章量3割増し←たぶん

遅くなって←ごめんなさい
547創る名無しに見る名無し:2009/12/26(土) 14:50:04 ID:7pXCX5uw
3割増しだと…

待ってた甲斐があったぜ!!
548創る名無しに見る名無し:2009/12/26(土) 21:51:35 ID:ZEfNqbcC
よっしゃ来た来たぁあああ!
待ってますぜ!
549創る名無しに見る名無し:2009/12/26(土) 23:39:38 ID:SHNPhrdd
来たァ!

ああ、楽しみだ。
550創る名無しに見る名無し:2009/12/27(日) 02:06:45 ID:Ky7x78gy
くそぅ!
30日は忘年会が入ってやがるっ!!!
大晦日に読むぜ!!!
551レス代行です:2009/12/30(水) 21:30:05 ID:oYaIElPo
からくりメイデン始まるよ〜
552第4場:2009/12/30(水) 21:31:16 ID:oYaIElPo
人形達の舞踏〜ドールズダンス〜

第4場〜二回戦、そして三回戦〜

オルセン「ロンドンば〜しお〜ちた……」キリキリ…

オルセン「おちた…おち…た…」キリ…リ…

オルセン「ロンドンば〜し……」キィィ

オルセン「お…ち…た」キィ……

オルセン「………」

真紅「おやすみなさい。オルセン」

ドットーレ「初戦はローゼンメイデンの真紅が勝利した…」

ドットーレ「何と!我らがオルセンが倒されてしまった!!これは波乱の幕開けだ〜!!」

自動人形「オルセンの仇を伐てぇぇ!!」

自動人形「オルセンを倒した人形を殺せ〜!!」

自動人形たち「殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!」

自動人形たち「オオオオオオオオオオ!!!」

勝「特別な人形がやられたせいか、自動人形たちの方が盛り上がってきてる…」

雛苺「ヒナ達も負けずに盛り上げるのよ〜!!」

雛苺「ふおおおおおお〜〜!!!!みんなぁぁぁぁあいと〜〜!!!!!!!!!!!」ジタバタジタバタ!!!!

真紅「うるさい」ビシッ

雛苺「あうっ」

勝(これが兄ちゃんの言ってた巻き毛ウイップか…)
553第4場:2009/12/30(水) 21:32:15 ID:oYaIElPo
蒼星石「ねえ、マスター。体は大丈夫?」

鳴海「お、おう。平気だぜ!この通り…」

ギイ「嘘をつくな」バシッ

金糸雀「かしら!」ゲシッ

鳴海「……」

鳴海「……っ!!」プルプル…

鳴海「ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!!」

しろがね「見たところ、首と喉…。先ほどドットーレに襲われた時のダメージが抜けていないのですね」

鳴海「こん…なの…問題…ねえやい…。ほっとけば…治るさ……」ゼイ…ゼイ…

水銀燈「奴をあまり舐めない方が良いわ。いくら紺碧の手を使っていないとは言え、あなたのダメージはそう簡単には抜けないはずよ」

鳴海「いや…俺はまだまだ…」

ギイ「シェイクスピア曰わく、『どんな毒舌も馬鹿者には効果なし!』」

ギイ「その状態で最古の四人と戦えるのか?体調が不十分なせいで負けたらどうするつもりだ?誰が責任をとるんだ?お前1人の問題ではないぞ」

鳴海「う…」

ギイ「やれやれ、これだからサル人間マンは…」はぁ…

金糸雀「ギイさん曰わく、『どんなどくぜつもバカものには効果なし!』…かしら!!」

金糸雀「意味はよくわからないけど……ともかくともかく〜」

金糸雀「あなたはバカかしら!!」ビシッ!

鳴海「ちくしょう、言い返せねぇ…」
554第4場:2009/12/30(水) 21:34:47 ID:oYaIElPo
金糸雀「ギイさん、ギイさん!!バカがここにいるかしら〜!!」

ギイ「ダメだ、目を合わせるな金糸雀。お前もチョンマゲザルになってしまうぞ」

金糸雀「えええ!?それはイヤかしら〜!!」

ギイ「ははは、大丈夫さ。何と言ったって金糸雀は『薔薇乙女1の才女』だからな」キラキラ

雛苺「金糸雀とギイさんは息がピッタリなの〜」

鳴海「どうせ俺は馬鹿だよ!!」

蒼星石(く…っ!!笑っちゃダメだ)プルプル

しろがね「ふふふ、ナルミ。どうやら今は体力を回復させるのが私たちの仕事らしいですよ」

鳴海「はいはいはいはい、わかったよ」にっ

真紅(全く、何て賑やかなメンバーなのかしら)

真紅(ここが戦場であることも忘れてしまうじゃない)クスッ
555第4場:2009/12/30(水) 21:36:14 ID:oYaIElPo
ドットーレ「一回戦は終わった。さあ、次の試合を始めようか!!」

勝「もう二回戦が始まるのか。このペースで戦ってたら、あっという間に最古の四人の出番が来そうだ…」

真紅「ええ、そうね。体力を温存する為にも、今はともかく時間が欲しいわね」

自動人形「……」

自動人形「なあ、オルセンを倒した紅いドールのじょ〜ちゃん。お前に用がある」

真紅「どんな用かしら?この試合は総当たり戦だから私の出番は終わりよ。まあ、どうしても仲間の敵を伐ちたいというのなら…」

真紅「特別に戦ってあげるわ…!!」ゴゴゴゴゴ…!!

しろがね「っ!!」カアァ…

しろがね(指輪がさっきよりも熱く…!?)

自動人形「いや、遠慮しとくぜ。お前の強さは十分すぎる程わかった。オレはおろか、他の特別な人形だって目じゃねェだろうよ」

蒼星石(もしかして真紅は、今このメンバーの中で一番強いんじゃ…)

自動人形「なァ……」

自動人形「オレとギャンブルしようぜ」

真紅「ギャンブル…!?」
556第4場:2009/12/30(水) 21:37:35 ID:oYaIElPo
自動人形「簡単なコイントスさ。もしも、お前がオレに勝ったら1時間の休憩をやるよ」

水銀燈「ふん、あなたたち自動人形の言うコトなんて信用できるワケないわ!」

自動人形「言える立場かよ。時間、欲しいんだろ?」

鳴海「ぐ……」

真紅「賭け…と言ったわね。貴方は時間を賭けた。では、私は何を賭けたら良いのかしら?」

ジョーンズ「対戦相手の指名権…」ニヤ

ジョーンズ「賭けでオレが勝ったら二回戦の相手はオレが選ぶ。おまえら、どうせ順番は決めてなかったんだろ?」

勝(悔しいけど図星だ。本当は真紅が戦ってる間に決める予定だったけど……。決着があまりにも早すぎたんだ)

しろがね「お前は本当に約束を守るのか…!?」

自動人形「おいおい、オレもギャンブラーだ。嘘もチーティング<イカサマ>もしないぜ!!」

自動人形「まぁ、負けるのが怖いんなら別に良いんだけどよ」

真紅「負けるのが怖いですって…?」ピクッ

真紅「人を乗せるのが上手いわね。良いわ、そのギャンブル受けてあげる!!」

自動人形「よ〜し、そうこなくちゃな!!」ニヤ…

自動人形「コインはオレが弾かせてもらう。表になるか、裏かになるか、選びな」

真紅「……」

真紅「表よ」

自動人形「じゃあ、オレは裏か」キィン…

 パ シ ッ

自動人形「コインは、裏…」

「オレの勝ちィ…!!」

自動人形二番手

−ギャンブラー・ジョーンズ−
557第4場:2009/12/30(水) 21:39:53 ID:oYaIElPo
ジョーンズ「自動人形側の二番手は、このギャンブラー・ジョーンズが受け持ったぜ……」

ギイ「今回は特別な人形ではなさそうだな」

蒼星石「どうやらそのようだね。でも、あの雪華結晶の率いている人形たちの中の一体なんだ。油断は禁物だよ」

ジョーンズ「じゃあ、相手を選ぶとするかなァ」

ジョーンズ「さァてと……」チラ

蒼星石「僕とやる気かい?」

ジョーンズ(こいつは…違う)

雛苺「ヒ、ヒナだって戦えるのよ!」

ジョーンズ(こいつも、違う…)

水銀燈「……」

ジョーンズ(こいつにするかな…)

ジョーンズ(いや…)チラッ

金糸雀「っ!!」ビクッ!!

ジョーンズ(カモ<サカー>、見ぃつけたぁぁぁ…)ニヤッ

金糸雀(ままままマズいかしら〜目が合っちゃったかしら〜!!)

ジョーンズ「相手が決まったぜ」
558第4場:2009/12/30(水) 21:42:49 ID:oYaIElPo
金糸雀「ひう……っ」

ジョーンズ「オレが指名した奴は出てこい」

ジョーンズ「ただし、ここに来たら、決着が付くまで舞台から降りらんねぇ。勝負が終わるまではどんな状態になろうと闘わなきゃいけないのさ」

ジョーンズ「例え体がバラバラのゴミみたいになったってなァ…!!」

金糸雀「ひぃぃっ!!」ビクッ!

ジョーンズ「言っておくが、オレの取り立ては厳しいぜェ…。どんな手を使っても取り立ててやるんだ!!」

金糸雀「あ…あうぅ……」

ジョーンズ(くくく、ビビっていやがる。仕込みはこれで十分だ…)

ギイ「……」

金糸雀「う…ううう…っ」ガタガタ

ジョーンズ「オレの相手はそこの黄…」

「キレイな男。つまり僕のことか」

金糸雀「え…?」

ジョーンズ「な…っ!?」

ギイ「さあ、出番だオリンピア」タンッ!

薔薇乙女側二番手

−ギイ・クリストフ・レッシュ−
559第4場:2009/12/30(水) 21:44:49 ID:oYaIElPo
水銀燈「あの男…金糸雀が狙われてる事に気付いて…」

ジョーンズ「お、おい!対戦相手はオレが選ぶって…」

ギイ「お前はついさっき『決着が着くまで舞台からは降りられない』…と言ったな。僕は舞台に上がってしまったぞ」

ギイ「じゃあ、決着を着けないとここから降りられないなぁ…」キュッ

オリンピア「…」キリキリキリ

ジョーンズ「き、汚ねぇぞ!!オレはギャンブルに勝って相手を指名する権利を手に入れたんだ!!」

ギイ「汚いのはお互い様だ。何故コインを真紅に投げさせなかった?どうせお前が向きを操作したんだろう」

ジョーンズ(チッ!!バレてたか…)
560第4場:2009/12/30(水) 21:45:31 ID:oYaIElPo
しろがね「あの〜ギイ先生。金糸雀の代わりに試合に出たのは素晴らしい事なのですが…」

しろがね「このままでは金糸雀は特別な人形と戦うのでは…」

金糸雀「あ…」

鳴海「へへへ、お前もバカじゃねぇかよ」

ギイ「うるさいぞおたんこなす。お前は始まりから終わりまで奴らの言いなりになるつもりか?」

鳴海「…っ」

鳴海「ならねぇよっ!!」

水銀燈(ええ、そうよ。こんな下らない試合なんか……)

水銀燈(私がメチャクチャにしてやる……!!)

金糸雀「ギ…ギイさん…」

ギイ「心配するな金糸雀。どんな事があっても僕が守るさ。だから安心して見ているんだ」

金糸雀「うんっ!!」ぱああ…

ギイ(我ながら甘いな…)フッ

蒼星石「ねえ、勝君。あの男の人は強いの?」

勝「うん、とっても」

勝「ギイさんは…ぼくに戦い方を教えてくれた人なんだ」
561第4場:2009/12/30(水) 21:46:14 ID:CQCbjvJ/
ドットーレ「さあ、少し揉めたが第2試合の始まりだ〜!!」

自動人形たち「わあああああああ!!」

ギイ「踊れ…愛しのオリンピア!!」キュッ

オリンピア「……」キリキリ…

ジョーンズ「これが噂に聞いたオリンピアの恋人か。とんでもない大勝負になりそうだぜ…」

ジョーンズ(だがぁ…。オレはオレ自身にオールべッド<全賭け>だ!)

ジョーンズ(何故ならギイよ、お前はこれから絶対に勝ち目のないギャンブルをするんだからなぁ…!!)ニヤリ

ジョーンズ「まあ待てよ、オリンピアの恋人」

ギイ「…」

ジョーンズ「オレとギャンブルしようぜ……!!」

ギイ「……」

ジョーンズ「良いか?ルールは…」

ギイ「レ・ザア・マシオウ<戦いのアート>」

オリンピア「……」キリキリキリ…

ジョーンズ「え…!?」

ジョーンズ「なっ!!お、おい!待てよ。ルールはまだ言って…」

ギイ「『ラ・サントビエルジュダンブラスマン』<聖母の包容>っ!!」

オリンピア「……」グアッ…


 ズ ブ … ッ !!
562第4場:2009/12/30(水) 21:51:08 ID:CQCbjvJ/
ジョーンズ「ぎゃあああああああ!!」ブシヤアアアアッ!!

ギイ「……」キュキュキュッ

ジョーンズ「ああああ!!」ブシュアアア…ッ!!

ジョーンズ「あ……あ…あ………」シュアアア…

ジョーンズ「あ……」シュア………

ギイ「待つ…?ルール…?」

ギイ「『あの時』僕が待てと言っていたらお前たちは待っていたのか?」

ギイ「『あの時』の戦いにルールなんてものは無かった。お前たちは僕の大切な人を奪ったんだ…」

勝(ギイさん…)

ギイ「僕等しろがねが、お前たち自動人形と繰り広げて来た戦いはそんなに甘いものではなかったよ、ギャンブラー・ジョーンズ」くんっ

オリンピア「……」ズポッ!!

ジョーンズ「……」ドサッ!!

金糸雀「さっすがギイさん〜〜!!」

金糸雀「ねぇ見た雛苺?今のギイさんとってもかっこよかったかしら!」

雛苺「ごめんなさいなの金糸雀。ヒナたちは見てなかったのよ」

金糸雀「え?どうしてかしら」

水銀燈「あの男が戦ってる間に私たちは戦う順番を決めてたのよ。貴女は試合に夢中だったみたいだけどね」

金糸雀「いつの間に!?」

蒼星石「ちなみに金糸雀はドールの中で最後に戦うことになったよ」

金糸雀「しかも大トリ!?」

真紅「頑張るのよ金糸雀。貴女なら勝てるわ」

金糸雀「根拠は!?」

真紅「無いわね」

金糸雀「うわ〜〜ん!!」
563第4場:2009/12/30(水) 21:55:19 ID:CQCbjvJ/
アルレッキーノ(ジョーンズは特別な人形ではないが、通常の人形の中では上の中ほどの実力を持っていたはず…)

アルレッキーノ(ギイ・クリストフ・レッシュ。奴は少しやっかいだ)

アルレッキーノ(だが、今の戦いで穴を見つけた。ギイ・クリストフ・レッシュ唯一の弱点…それは奴のドール!)

金糸雀「っ!?」ゾクッ

自動人形「おい、これで2連勝されちまったぞ」

自動人形「そんなことより、どっちも一発でやられちまった事が大変だろ!!」

ドットーレ「ふ〜む、せっかく創り直してやったのに不甲斐ないなぁ〜」

自動人形「ドットーレ様ァ…オレ『たち』に出番をください…」

ドットーレ「ほう、お前たちは…」

ドットーレ「良いだろう。ショウに余興はつきものだ…」ニヤ…

金糸雀「ギイさんお疲れ〜っ」ぴょん

ギイ「ああ、ありがとう金糸雀」くしゃくしゃ…

金糸雀「むふふ〜」

ギイ「ところで、次は誰が出るか決めたのかい?」

真紅「ええ、もう六番手まで決めてあるわ」

蒼星石「金糸雀は六番手、ちなみにじゃんけんで決めたんだ」

水銀燈「三番手は…」

雛苺「ヒナよ!!」ち〜ん…

鳴海(ちっちぇえ…)

しろがね(幼い…)

雛苺「うゆ?」

鳴海・しろがね(ふ、不安だ……)
564第4場:2009/12/30(水) 21:57:17 ID:CQCbjvJ/
勝「自動人形側の三番手はいったい…?」

ドットーレ「やあやあ、三番手のお嬢さん。我々の三番手と戦うなら、パートナーを呼ぶべきだと己は思うね」

雛苺「ぱあとなぁ?」

ドットーレ「なぜなら、君の相手は…」

「「オレ(ボク)達だからね〜!!」」

自動人形側三番手

−アクロバット・ブラザーズ−

オラーツィオ「ふぅぅ〜〜。ぼくらは二人一組で戦うのさああ…。だからお前も、もう一人よびな〜。でないと〜」

ペドロリーノ「オレらがズルになっちゃうだろうう?」

オラーツィオ「そうそう、言っておくけどボクたちは特別な人形だよ〜」

ペドロリーノ「そんなガキなんかじゃあなくて、強いしろがね達を呼んできなよ〜」

自動人形たち「ガキは帰れェェェ…!!」

自動人形たち「ガキは下がってろォォォ…!!」

雛苺「う……っ」

鳴海「観客の奴らも敵みたいなもんじゃねぇか!!」

しろがね「この試合は雛苺に荷が重いのではないでしょうか…」

自動人形たち「帰れ!!帰れ!!帰れ!!帰れ!!」

雛苺「う…うぅ…」

「うるさいぞ自動人形!!」

自動人形たち「誰だぁ…?」

雛苺「あ…」

勝「雛苺。一緒に戦おう!」にっ

雛苺「ええ、マサル!!」にこっ

薔薇乙女側三番手

−雛苺&才賀勝−
565第4場:2009/12/30(水) 22:00:34 ID:CQCbjvJ/
ドットーレ「まずはこの試合は人数は2人だが、回数は1試合分として数えるとだけ言っておこう」

ドットーレ「では、第3試合の始まりだ〜!!」

「わあああああああ…!!」

自動人形たち「あのムカつくガキたちをブチ殺せ!!アクロバット・ブラザーズ!!」

オラーツィオ「ああ、わかってるよぉォ。何てったって…」

ペドロリーノ「オレらはガキについて知ってるだからねェェェ、兄キィ」

オラーツィオ「ああ、戦うコトがとオっても苦手なコトをねえ」

オラーツィオ「じゃあさっそく試してみようよォ、ペドロリーノォ〜」

ペドロリーノ「わかったよォ、オラーツィオ兄キィ」ガパァア…

雛苺(おっきな方が口を開けたの!)

勝(何をするつもりだ!?)

ペドロリーノ「……」スウーッ…

ペドロリーノ「……ッ」ピタッ!

ペドロリーノ「 コ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ !!!! 」

雛苺・勝「ッ!!」ビリビリ…

勝「ぐっ!!何て大声だ!」

雛苺「もう一体の人形は!?」

  フ  ッ

「ガキの弱点その1〜」スチャ…

オラーツィオ「大きな音にビックリしやすい〜」ジャキ…!!

雛苺「あ…っ!!」

オラーツィオ「だから簡単にスキができるぅ」ズババババッ!!

勝「雛苺!危ないッ!!」ドンッ!!

オラーツィオ「ひひひひひ、自分から切られに来たのか〜」ズババババッ!!

勝「ぐうっ!!」ブシュッ!!
566第4場:2009/12/30(水) 22:03:46 ID:oYaIElPo
勝「う…あああっ!!」ブシュッ…

オラーツィオ「ほっほ〜人形を庇うなんてなぁ〜」

雛苺「マサルぅぅぅ!!」

オラーツィオ「よそ見はイヤよォォお嬢ちゃん〜」

オラーツィオ「キミの後ろのペドロリーノがヒマしてるじゃない〜」

雛苺「えっ!?」

「ガキの弱点その2〜」ダダダ…

ペドロリーノ「仲間がやられるとすぐに取り乱す〜」ブン…ッ!!

 ド ゴ ォ ォ ッ !!!!

雛苺「うっっ!!」

ペドロリーノ「へへへ。大当たり〜」ニヤ

雛苺「う…ぐ…っっ!!」ぐら…

雛苺「っ……く!!」ガク…ッ

勝「雛苺ッッ!!」

真紅(耐えるのよ、雛苺…!!)

鳴海「まともには当たらなかったみたいだが、あの小さい体じゃ…」

蒼星石「体の方は大丈夫だと思う。僕たちはお父さまの手によって作られたから…」

しろがね「しかし雛苺は今の一撃のせいで痛みに対する恐れを抱いたはず。厳しい戦いになりそうですね」

コロンビーヌ「……」

コロンビーヌ(あの人形『痛み』を感じる事ができてる…)

コロンビーヌ(『ローゼンメイデン』…私たち自動人形とは違う人形…)
567第4場:2009/12/30(水) 22:09:26 ID:oYaIElPo
オラーツィオ「あははは、痛い?ねえ痛い?ペドロリーノの力はスゴいでしよォ〜」

ペドロリーノ「へへへへ、一回で壊れちゃうとつまんないから優しくしてやったんだぜェェ」

雛苺「あ…あぅ……う………」

勝「おまえぇぇぇぇ!!」

ギイ「馬鹿か、安い挑発に乗るな!!それは罠だ!!」

しろがね「冷静になって下さいおぼっちゃま!!闇雲に突っ込んでしまっては…っ」

勝「いけぇぇぇえ!ジャコッ!!」ぐんっ

ジャコ「イヒヒヒヒ…!!」だんっ!!

 ギ ュ ン ッ !!

オラーツィオ「ひひひひ、マリオネットが来るよ〜。ペドロリーノ」

ペドロリーノ「ああ、狙い通りだね兄貴〜」

オラーツィオ「子供の弱点その3〜」

ペドロリーノ「頭に血が登りやすい〜。それで…」

アクロバット・ブラザーズ「「 オ レ た ち に 殺 さ れ る 〜 」」ザザザザ…ッ

勝「ぼくの方へ!?」

鳴海「勝、今すぐ攻撃を止めろ!!あいつらマリオネットがお前から離れるのを待ってたんだ!!」

真紅「無理よ!攻撃に加速が付いてしまってる。軽いマリオネットの弱点が出たんだわ…」
568第4場:2009/12/30(水) 22:10:08 ID:oYaIElPo
勝「しまった……っ!」

勝「止まれぇぇ!!」ギギ…ッ

ジャコ「ヒヒヒ…」ギュ…ン

オラーツィオ「あはは、今からじゃぁマリオネットは止まらないよ〜」

ペドロリーノ「オレたちのコンビネーションを見せてやる〜」

勝「く…っ!!」

ドットーレ「終わりか…」

水銀燈「終わるにはまだ早いんじゃなくって?」

シュルル…


 パ シ ッ !!


ペドロリーノ「あれぇ、腕が重くなったァ?」ぐぐぐ…

雛苺「マサルには…ゆびいっぽんさわらせないんだから!!」ギチッ!!

金糸雀「雛苺…」

金糸雀(雛苺はあんなに頑張ってるのにカナは…)

ギイ「慌てるな金糸雀。ゆっくり強くなれば良いさ…」ぽんっ

金糸雀「うん…」

オラーツィオ「何だ、人形の方のガキの仕業だよ。今すぐこのツタを切ってやるからね、ペドロリーノ」ジャキッ…

ブチブチブチッ!!

蒼星石「ダメだ、雛苺の苺轍じゃ力が足りない……」

ペドロリーノ「さああてと、悪いコトした子供にはお仕置きしないとね〜」ギロッ

雛苺「う…っ」

鳴海「ヤベェ!!勝の方に力を使ったから雛苺が無防備だ…!!」

オラーツィオ「思いっきりやっちゃいなぁ、ペドロリーノォ…」ニヤ…

ペドロリーノ「わかったよぉ、兄貴ィ…」ニヤ…

勝「やめろ!!やめてよっ!!」

ペドロリーノ「イヤに決まってるだろォ?これだからガキは嫌いなんだ」

  ブ  ン  ッ
569第4場:2009/12/30(水) 22:11:46 ID:oYaIElPo

   ゴ  ッ  !!!


雛苺「う……っっ!!」メキメキ…

雛苺「………っ!!」

 ミ シ ッ ……


雛苺「あぐ…っ!!」


  ド  ゴ  ン  ッ  ッ  !!


雛苺「げ……っほ………」

ズル…ズル……

真紅「雛苺…っ。これはマズいわ!!」

しろがね「あの人形のコンビネーションは完璧すぎる…!!」

オラーツィオ「あははは。やっぱりガキはバカだなぁ〜!!ペドロリーノに手を出さなきゃお前は殴られなかったのにねぇぇぇぇ!!」

勝「ひ…雛苺ォォォッ!!」

ギイ「雛苺に気を取られるな勝!!」

オラーツィオ「後ろォ〜いただきィ〜!!」

勝「しま…っ!!」

オラーツィオ「本っ当にガキは馬鹿だねぇ〜」ザクッ…

勝「がふっ!!」

オラーツィオ「ほ〜らぁ!!」ゲシィッ!!

勝「がぁぁっ!!」ズザザザザ…

オラーツィオ「ほっほ〜ちょうど小さいガキの方に向かったか」

勝「ぐ…あぁ…っ!!」ザザァ…ッ!!

勝「ぐ……っ!!」

雛苺「う…うぅ…」

ペドロリーノ「あははは!!弱い奴らが仲良く隣同士で寝転んでやがるぅ〜」

オラーツィオ「良い〜コト考えちゃった」

オラーツィオ「なあ、最後は二人仲良くクビを飛ばすってのはどうだい、ペドロリーノ?」

ペドロリーノ「さすが兄貴、面白い見せ物になりそうだぁ〜」

オラーツィオ「でしょう、でしょう〜!?」
570第4場:2009/12/30(水) 22:13:10 ID:oYaIElPo
蒼星石「ここまで一方的になるなんて…」

しろがね「お願いです、後は私たちに任せて棄権して下さい!!雛苺、おぼっちゃま!!」

ギイ「心配は無用だ。いったい誰が戦い方を教えたと思う?」

鳴海「ああ、勝たちの目は…まだ死んじゃいない…!!」

勝「……」

勝「……」ゲホッ!!

勝「雛苺……大丈夫……!?」

雛苺「……」

雛苺「……」ケホッッ!!

雛苺「大丈夫じゃ…ないわ……。けど、平気よ…」

勝「どうして…さっきぼくをかばったの…!?そのせいで…雛苺は殴られちゃったんだよ…?」

雛苺「だって、勝は…いっつもヒナのせいでボロボロになってるんだもん……」

雛苺「自分はボロボロになってもヒナを守ってくれてたんだもん……」

雛苺「だから…ちょっと怖いけど…ヒナだって勝を守ってあげたいの……!!」

勝「雛苺…」
571第4場:2009/12/30(水) 22:13:59 ID:oYaIElPo
「わあああああああ!!」

オラーツィオ「まあぁ〜ったくつまらない戦いだったなぁ〜。けど、これから楽しいショウをやるから見てね〜!!」

自動人形たち「いいぞ〜!!アクロバット・ブラザーズ〜!!」

ペドロリーノ「どうしてコイツらはこんなに弱い〜?」

自動人形たち「ガキだから〜!!」ゲラゲラ

「ガキ!!ガキ!!ガキ!!」

「 ガ 〜 キ ! ガ 〜 キ ! 」


勝「……」

勝「ねえ…雛苺…」

勝「ぼくら、なんで子供なのかなァ……って思ったコトない?」

雛苺「え…?」

勝「なんで大人は子供のコトを『ガキ』なんて呼んで……なんでも言うコトを聞くと思ってて、いつも威張ってるのかな…」

勝「雛苺、大人より子供が弱いなんて誰が決めたんだろう?」

勝「いつだって大人になろうとしてる……」

勝「子供の血のほうが熱いのに…!!」

雛苺「そうね……」

雛苺「そうよね、マサル…!!」

勝「雛苺、立てる?」

雛苺「平気よ。マサルは立てる!?」

勝「もちろん…っ」

雛苺「ジャコは!?」

ジャコ「イヒヒヒ……」カタカタ…

勝「バッチリ!!」

勝「いくよ、雛苺ッ!!」

雛苺「ええ!!マサルッ!!」
572第4場:2009/12/30(水) 22:15:06 ID:oYaIElPo
オラーツィオ「いっせ〜のぉ〜で切り落とすよ〜」チャキッ…!!

ペドロリーノ「オレはひねり潰すよ〜」ミキミキ…ッ!!

オラーツィオ「いっせぇ〜」

ペドロリーノ「のぉ〜」

「「で……

雛苺「 苺 轍 ぃ ぃ !!!! 」

シュルルルルルルル……

オラーツィオ「あははは!!意表を付いたみたいだけど、ボクらには効かないよッ!!」ズバババハ!!

ペドロリーノ「ガキはやっぱりバカだな〜。無駄だよ、そんな攻撃」

しろがね(無駄ではない、雛苺は一瞬だが時間を稼いだ。そしてその一瞬は…)

勝「ジャック・オー・ランターンッ!!」キリキリ…

ジャコ「イヒヒヒヒ!!」

しろがね(おぼっちゃまが活かす!!)

勝「『バブル・ザ・スカーレット』」ぐんっ!!

ジャコ「ヒヒヒ……ッ!!」ぷくぅぅ…


ドン!ドン!!ドンッ!!!!
573第4場:2009/12/30(水) 22:18:21 ID:oYaIElPo
ペドロリーノ「あ…」

ベチャッ…

真紅「やった!大きい方に当たったわ!」

ペドロリーノ「なんだコレぇ…?」ベチョー

オラーツィオ「硫酸か変な薬品かもしれないよペドロリーノ」

ペドロリーノ「でも、オレのカラダは何ともないよぉ兄貴」

ピキ…ピキキ…ッ!!

勝(良しっ!!)ニヤっ

ペドロリーノ「おいガキ、この液体は何だァ!?」

勝「バブル・ザ・スカーレットは速乾性の粘着液だ!!ペドロリーノ、これでお前は動けない!」

金糸雀「ええ!?ジャコにあんな機能あったかしら?」

ギイ(平馬の仕業が…)

鳴海「よしっ!!これで奴らのやっかいなコンビネーションを封じた!」

蒼星石「でも、相手は特別な人形だよ。これだけで終わりなはずは…」

オラーツィオ「はっはあ、よ〜くわかってるじゃないか。ペドロリーノ!自慢のパワーを見せたげなぁっ!!」

ペドロリーノ「うえへ、うえへへへ…」ミシッミシッ…

水銀燈「ま…まさか…」

ペドロリーノ「オオオオ…」ペキ…パキキ…

しろがね「今まで誰にも破られたことのなかった…おぼっちゃまのバブル・ザ・スカーレットが…っ!!」

ペドロリーノ「があああああっ!!」メキョメキョメキョッッッ!!!!

 バ キ イ ン ッ !!

真紅「な…何て力なの!!?」
574第4場:2009/12/30(水) 22:20:05 ID:oYaIElPo
オラーツィオ「ははは〜!せっかくの隠し芸も大失敗だね〜」

自動人形たち「殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!」

オラーツィオ「わかってるよぉ、せっかちだなァ」ニヤっ

ペドロリーノ「どうだい、オレらの強さは!!さっさと諦めて…」

勝「バブル・ザ…」キュッ…

勝「スカーレットッ!!」

ドン!ドン!!


ペドロリーノ「兄貴、またアレが来た!!」

オラーツィオ「えっ?」くるっ

ベチャッ!!

ペドロリーノ「だいじょうぶ兄貴!?」

オラーツィオ「平気さ、どうやらボクの頭の刃を固めるために狙ったみたいだけど、残念〜当たったのは顔でした〜!」

蒼星石「万事休す…か…」

オラーツィオ「しかもしかもォォォ、ペドロリーノのパワーでならひっぺがせるもんねぇぇぇぇ!!」

ペドロリーノ「こんなの簡単だよ兄貴ィ」ぐいっ

ぐにぃぃ…

オラーツィオ「ん?接着剤が伸びた?」

勝「知らなかった?バブル・ザ・スカーレットの粘性と硬化速度は変えられるんだ」

勝「例えば、ゴムぐらいに…」

ペドロリーノ「それがどうしたぁ!!さっきみたいにオレのパワーで…っ」ぐぐっ

ペドロリーノ「く…っ、この…っ!!」ぐぐ…

ペドロリーノ「オオオオ…ッ!!」ぐぐぐぐ…

ペドロリーノ「このゴム、オレのパワーでも引きちぎれないだと〜!?」
575第4場:2009/12/30(水) 22:24:49 ID:oYaIElPo
勝「単純な力ならお前の方が上だよ。だけど…」

雛苺「もっと…もっと瞬いてベリーベル!!!!」

パキ…パキキ…

オラーツィオ「な…中から苺轍がぁ〜!?」

ペドロリーノ「あのガキ、どうりでさっきから静かだと…っ!!」

雛苺「う…っ!!」ズキッ…!!

真紅「雛苺…ダメージが溜まってるのに複雑に苺轍を使うから…」

しろがね(雛苺。よく頑張りました。後はおぼっちゃまに任せて下さい…)

ピキピキ…

ペドロリーノ「オレの拳に付いた接着剤が固まってきたよ!!」

オラーツィオ「ボクの顔に付いたのも固まってきたけど、心配するなよペドロリーノ。何てったって相手はガキなんだからね!」

勝「アクロバット・ブラザーズ。お前たちは子供の事を知ってるみたいだけど、これは知ってる?」

勝「ゴムは伸びたあと…」

勝「縮むんだ」

ぐにぃぃぃ…

 ぐ ん っ !!

ペドロリーノ「うわぁ!!オレの手についたゴムが縮むぅぅ!?」グンッ!!

オラーツィオ「ペドロリーノ手を止めろぉぉ!!そのゴムの先にはぁ!!ぼくの顔があるぅぅ〜!!」

ペドロリーノ「無理だぁ!!固まって動かせない!!避けて兄貴〜〜!!」ギュンッ!!

オラーツィオ「ちくしょう〜〜!!」

ゴギィィィン!!
576第4場:2009/12/30(水) 22:28:13 ID:CQCbjvJ/
オラーツィオ「かああああ!!」ドシャシャシャシャッ…

オラーツィオ「あああああっ!!」ドガァッ!!

オラーツィオ「くうっ、衝撃で体が…」ギィ…

ペドロリーノ「兄貴ィィィイ!!ごめん〜!!」

オラーツィオ「ぐ…前だ…ペドロリーノ…」

ペドロリーノ「えっ!?」

勝「今のは雛苺を笑った分…」

勝「次は…」キリキリ…

勝「 殴 ら た 雛 苺 の 分 だ !! 」ギュイッ!!

ジャコ「イヒヒヒヒヒヒ!!」ドンッ!!

  ギ  ュ   オ  オ  ……  !!!!

ペドロリーノ「兄貴〜あのマリオネットが来るよ〜!!」

オラーツィオ「手だ!!ペドロリーノ!!あのマリオネットの手に石を投げるんだぁ〜!」

ペドロリーノ「う…」

ペドロリーノ「うわぁぁぁぁぁ!!」ブンッ

ジャコ「イヒ…ッ!!」ガインッ!!

グラ…

勝「しまっ…!!」

ペドロリーノ「やったよ兄貴!!あのマリオネットが武器を落とすよ!」

オラーツィオ「あっはは〜!!最後のツメが甘かったね〜!!ガキィィィ!!」

勝(グリムリーパが…落ちる…っ!!)

ジャコ「イヒ…」ポロ……

シュル…

 ギ チ ッ !!

ペドロリーノ「なぁ…っ!?ツタがマリオネットの手を縛った〜!?」

オラーツィオ「これは…このツタはあいつの…ッ!!」


雛苺「今度こそ…ヒナがマサルを守るのよ…っ!!」ぐぐ…っ
577第4場:2009/12/30(水) 22:29:30 ID:CQCbjvJ/
勝「雛苺っ!?」

水銀燈(体力の限界と痛みに打ち勝って、よく立ったわ雛苺…!!)

雛苺「行くのよジャコ!!」

雛苺「これが…」

雛苺「 マ サ ル の ぶ ん よ っ !! 」

ジャコ「イヒヒヒヒヒヒ!!」


ジャコ「 イ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ ヒ !!!! 」

  ギ  ュ  ン  ッ  !!


鳴海「奴らのコンビネーションは完璧だった…」

水銀燈「あなたたちの敗因は…雛苺と勝君を子供だと判断し、油断したこと…」

ギイ「このジャコのスピード…奴らは付いていけない」

ペドロリーノ「クソ、クソォ〜!!」

オラーツィオ「ガキ!ガキ!!ガキのくせに〜!!」

勝「教えてあげるよアクロバット・ブラザーズ。その4…」

雛苺「子供は怒らせるとコワいのよ!」



 ザ  ン  ッ !!



〜一時閉幕〜
578創る名無しに見る名無し:2009/12/30(水) 23:32:56 ID:9WlV7urN
579創る名無しに見る名無し:2010/01/02(土) 03:36:28 ID:IBFm7OUD
あけおめ!
今年も楽しみにしてるぜ!
580レス代行:2010/01/04(月) 00:31:53 ID:H0hAUqJK
遅くなっちゃったけど

ことよろ!

次回は小さな【からくり】が動くよ。ショボい仕掛けかもしれないけども、必死こいて考えたのでぜひ見てね。

規制されたし、投下日も未定だけど、今年も頑張るよ!!
581創る名無しに見る名無し:2010/01/04(月) 21:02:58 ID:oTHSCzS2
乙!あけおめ!

借りようと思っていたパソコンが帰省中の実家で
規制にあっていたとさァ! 笑っちゃうよなァア!

しかしあの兄弟は変わらんなァ。
仕掛け楽しみにしてるぜ!
582創る名無しに見る名無し:2010/01/20(水) 17:44:43 ID:Lkg2oqCP
しかしあれだな、今気がついたけれども
ローゼン風に考えるとコロンビーヌって
自動人形の長女なんだな。
で、ディアマンティーナがその妹なんだな。
うわぁ・・・
583創る名無しに見る名無し:2010/01/20(水) 21:45:45 ID:kJB+ifDT
長女がロリになって何か問題が?
妹がうわぁなのには同意する
584創る名無しに見る名無し:2010/01/22(金) 17:41:00 ID:qfALjrBU
長女がロリなのは何ら問題は無いと思う。
だけど会話の内容がさァ・・・
妹「告白されちゃった☆」
姉「残念ね。人間もよく(ry」
だぞ?


最近カピたんがパンさんアルさんに向かって
「お兄ちゃーん」とか言ってるイメージが頭から取れない
585創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 00:27:10 ID:Rd2ck97Y
自動人形第二ドール アプ・チャー

自称、自動人形一の策士。ある国の王女になりすまし、その国を「楽してズルして」頂こうとしたが失敗。
自動人形一のドジっ子でもある。必殺技はまさちゅ〜ねっちゅによる火炎放射。強い。
全身に巻いてある包帯をはずすとチャームポイントのおでこがあらわになる。

自動人形第三ドール 銃人形(A)

いっぱいいる。双子なんてものじゃない。今も新たな姉妹が生産されている。

自動人形第四ドール 銃人形(C)

やっぱりいっぱいいる。銃は持ってるけど鋏はもってない。

自動人形第五ドール レディ・スパイダー

少女と言うか、婦女。人間の血の温度にうるさい。
第一ドールとは別に仲がわるいわけではない。

自動人形第七ドール フランシーヌ人形

幻の第七ドール。お父様に首を絞められたことのある唯一の人形。
どこを探しても見つからないので幻のドールと言われている。

第一、第二ドールは割合。






ごめんなさい。次の投下までもう少しかかります。
携帯規制辛いです。スランプ超辛いです。時間が無いのが一番辛い・・・

泣き言ですスミマセン。
586創る名無しに見る名無し:2010/02/11(木) 09:48:50 ID:A8ZkZVdH
第三第四ドール周辺お父様の製作意欲パネェw

スランプがケツまくって逃げだした頃になって
代わりに時間がたんまり集まっていたら
どうぞ、そん時は渾身の一発を喰らわしてやってくださいよ
>>1さんが思う存分たのしんでメラメラ創ってくれたサーカスだったら
きっと見てる自分も燃えるにちがいないと思うんです
規制かかってなかったら保守しやすよ

忙しい時は体に気をつけてね
587創る名無しに見る名無し:2010/02/13(土) 20:51:16 ID:qlDeLuOa
このスレがたってからもう半年か
>>1さん体調に気をつけて頑張ってください
588創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 07:52:08 ID:0jbrfrTf
もうキレた。時間が足りない。作業が進まない。終わりが見えない。自信がない。投下出来ない…!!

ので、今回のは前編と後編に分けさて貰います。

午後から前編を投下します。


中途半端で遅くてごめんねぇ……
589創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 13:34:50 ID:4qoQDkda
           :: ___  :::._ ::
         ::  ´         `´  `丶、::.     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
         .:://                  \::.     ,′  __       |
    ::ー=≠彡           \     ヽ::.  | >>1  /      .|
    :://         \  \   ヽ        ::. |    /   (⌒⌒) |
  .:::/      i{     ヽ   ヽ   ハ     ::.      ̄ ̄   ヽ/ |
  .:://    /  __八       iィ´ i丁`ヽ| \/ |::  \         ノ
 .://      〃 「  、    | \  | i | /\ |::    厂 ̄ ̄ ̄ ̄
  ::′   |  / i jxミ \{\|  ノ)ノ∧ |   }  八::.
  ::i  .イ {   {∨ ):ハ     x=≠ミ |  ハ    \::.
  ::| / :|i 八   ハ{ {r':xi|        / j / !  }   \::.
  ::|′.:|i  \ ∧ ゞシ         / /  ノ   ハ }ヽハ::.
     人   i \ \   ' r  ‐┐/イ ノr‐‐くー=ミjノ::
     ::ヽ 丿 ゝ ̄    ー一'′ .イ(  ̄`ヽ /  ヽ.______  ::.
     .::///  ノ≧=‐----r‐≦  j(  ̄ ̄)′            `丶、::.
     ::/イ  /}ハノハノハ ( ̄ ̄ ̄   ̄ ̄                 )::
      .::|/ /⌒{≧「 ̄ノ  ̄ ̄ ̄ ̄/ x≦´ 厂 ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄    .イ::
        .::/  {  マハ `ヽ /   (,/    /     /    -‐=ニ:::
        .::〃 ハ  \ `ー-----/')′    /     (´ ̄「::
      ::// / ∧    >‐‐一' /_____ ノ{       ) /::
   .::/ /   ノイ > '´     .イノハノハノハ}小、    / /::
   ::ヽ /     {./       `ー――一く⌒! lヽ. /./::
    .::〉^⌒ヽ/            xr――一' ノ j  V´::
   .:/   /8    />x _フ´ |        厂`⌒´::
  .::/  /   8  /  {    l   |     /:::
590第5場(前編):2010/03/05(金) 17:37:54 ID:0jbrfrTf
人形達の舞踏〜ドールズダンス〜

第5場〜第四試合、そして……〜(前編)

ペドロリーノ「うわあああ〜!!」

オラーツィオ「ちくしょう〜っ!!」

ジャコ「イヒヒヒ…」ギャンッ…


  ザ  ン  ッ  !!!!!


ガシャシャシャン……


鳴海「よっしゃぁ!!良くやったぜ雛苺!!」

雛苺「いっちょうあがりなのよ!!」

ゆら…

水銀燈「…!!」

水銀燈「まだよ、雛苺!!」

雛苺「え…?」

ペドロリーノ「かああ、一緒に行こうよォォ、チビガキィィ〜!!」ダッ!!

金糸雀「うそ…!?ジャコにやられたのにまだ動けるなんてっ!!」

ペドロリーノ「オ、オ、オレの執念をあ、あ、侮っていたなァ〜!!」ギシィ…ギシッ…

しろがね「雛苺!!あの人形は弱っています。今ならあなたの苺轍で捕らえられるはずです!」

雛苺(無理よ…。もう…からっぽなの…)

ペドロリーノ「死ねぇ!!!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェェェェェェェェェェ!!!!!」

真紅「雛苺ぉぉッ!!」

チュインッ!!

ペドロリーノ「なぁ…っ!?」キシ…ッ…

勝「分解…っ!!」

ペドロリーノ「げええええ〜!!」ガシャ…バキョ…

バララっ!……カランッ…
591第5場(前編):2010/03/05(金) 17:41:26 ID:0jbrfrTf
真紅「ふう、これで今度こそ決着ね。2人ともお疲れ様」

鳴海「おう、あんな強い奴ら相手によくやったな勝!!」

しろがね「申し訳ありません雛苺。私はこの試合が、あなたにとって荷が重いと思っていました。しかし!!機転を利かせた戦法、追い詰められても諦めない強い意志。さすがローゼンメイデンです!」

雛苺「えへへ。しろがね、それはちょっとホメすぎなのよ」

金糸雀「な…な…雛苺のくせに、この薔薇乙女一の才女である、この金糸雀を差し置いて誉められるなんて…」

蒼星石(でも、あの2人は本当に強いなぁ…。今の人形、僕だって勝てたかどうか…)チラ…

雛苺「うにゅ〜潰れちゃったの…」ベチョ

勝「ポッケに入れてたの!?」

雛苺「お腹が減ったら食べるつもりだったの…」しゅん…

勝「後でフウさんに頼んで持って来てもらうから元気出してよ」

雛苺「ホント!?マサルありがとう〜」ぎゅうっ〜

水銀燈(あの人間と雛苺…お互いがお互いを支え合って、どんどん強くなっていってる。きっと、此処にいる誰よりも深く結びついてる…)

水銀燈(私は…)

水銀燈(私は、独りだ……)

ズキッ!!

水銀燈「……」

592第5場(前編):2010/03/05(金) 17:44:14 ID:0jbrfrTf
ギイ「勝よ、よくやった…と言いたいところだが……」

ギイ「あれほど言っていた左の隙がまだまだ改善されていなかったぞ。雛苺の援護と平馬がバブル・ザ・スカーレットを装備させていなかったらどうなっていたか…」くどくど

勝「うう…」

雛苺「ギイさん。マサルはと〜っても頑張ってるからイジメちゃ、めっ、めっ、めっ!!なの…よ…?」くらっ

雛苺「あれぇ…?」ふら〜

ガシッ

勝「わっ!雛苺、大丈夫?」ぎゅっ

雛苺「マ、マサル!?」

勝「ごめんね、雛苺はたくさん傷を受けたんだもんね…。痛いところはない?壊れたところはない?」

雛苺「う、うん……」かあ…

真紅(雛苺にはまだ早いと思っていたけれど…あらあらこれは…)

蒼星石(わああ…勝君、以外と大胆…)

しろがね(まるでギイ先生のような…それでいて本人に自覚がないとは、末恐ろしい…)

勝「?」

雛苺(嬉しいけど、恥ずかしいの…)ドキッ…ドキッ…

金糸雀「…」じ〜

金糸雀(後でギイさんに頼んでみようかしら…)
593第5場:2010/03/05(金) 17:46:59 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「いやあ、素晴らしかったよ!!サイガマサル君、雛苺嬢!!」パチパチ

ドットーレ「ふうむ、これで我々は3連敗か…」

ドットーレ「……」

ドットーレ「……」にたぁ…

ドットーレ「薔薇乙女側の4番手、出てきたまえ…」

水銀燈(ドットーレ…何を企んでる!?)

勝「気を付けてね蒼星石」

鳴海「ああ、勝の言う通りだ。いいか?絶対に油断するなよ」

蒼星石「大丈夫だよ勝くん、マスター。僕にはレンピカと翠星石のスィドリームがあるから」

蒼星石「あんな奴らに負けるもんか……!!」

薔薇乙女4番手

−第四ドール蒼星石−

594第5場(前編):2010/03/05(金) 17:48:30 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「では、我々の4番手に来て貰おうか」スッ

ズン…ズン…

ギイ「来るぞ…!!」

ズン…ッズン…ッ

「こ〜んや〜の相手〜は…」

金糸雀「歌も聞こえてきたかしら…!」

ランバージェイコブ「弱ぁぁぁい人形にし〜よう♪」

  ズ  ン  ッ  !!

自動人形4番手

−ランバージェイコブ−
595第5場(前編):2010/03/05(金) 17:53:38 ID:0jbrfrTf
ランバージェイコブ「こ〜んや〜のランバージェイコブ様の相手は〜小さく弱い人形〜♪」ズンッズンッ…

蒼星石「…」チャキッ!!

ランバージェイコブ「もうォダメだよ〜誰も助けはこない〜♪」ズン…ッ

ランバージェイコブ「お前のハサミはァ〜今日からオレのモノ〜そのハサミで子供の耳をそぐ〜♪」カシャカシャ…

ランバージェイコブ「どれ拝借〜♪」グオ…

蒼星石「で…?」

チョキン!!


カシャン…


ランバージェイコブ「え…!?オレのハサミが…っ」

蒼星石「…」チョキン!!

ボトッ…

ランバージェイコブ「オ、オレのカラダが紙みたいに〜!?」

蒼星石「自動人形…君に、一言だけ口を聞いてあげる…」

蒼星石「レンピカと、マスター。そして、スィドリームがある限り…この『庭仕の鋏』に切れないものは…」

蒼星石「 な い っ っ !! 」
596第5場(前編):2010/03/05(金) 17:56:26 ID:0jbrfrTf
ランバージェイコブ「た、助け…」

蒼星石「聞こえないね」タンッ…


 ヂ ョ キ ッ !!

ランバージェイコブ「が……っ!!」バキョッ!!

蒼星石「言い忘れてたから、もう一言…」

蒼星石「僕の鋏にそんな下劣なことはさせないよ」

鳴海「ひゃあ〜意外とやるんだな、蒼星石も」

金糸雀「意外とは何かしら、このゴリラ!!蒼星石はカナと同じ薔薇乙女なんだから当然かしら…!!」

鳴海「ゴリ…」

しろがね「そうですよ、失礼ですよナルミ」

しろがね「真紅、雛苺、蒼星石…いずれのドールも誇り高く、華やかな戦いでした」

しろがね「そして金糸雀も、これから薔薇乙女の名に恥じない戦いを繰り広げてくれるはずです!」

金糸雀「そ、そうかしら!」

金糸雀「ここからは薔薇乙女一の策士にして才女!泣く子も黙る乙女番長、ローゼンメイデン第二ドール金糸雀が…」

金糸雀「楽してズルしていただきかしら〜!!」

全員「…」じ〜

金糸雀「…た……たぶん……」
597第5場(前編):2010/03/05(金) 17:59:57 ID:0jbrfrTf
パンタローネ「……」

パンタローネ(鋭い太刀筋だ…。通常の人形では手も足も出ないだろう)

パンタローネ(ローゼンメイデン。実力は本物か…)

ドットーレ「いやあ、ブラヴォー、ブラヴォー」パチパチ…

ドットーレ「実に良い。実に良い勝負だった……が」

ドットーレ「我々自動人形側からは、いささか不満があるそうだ」

ギイ「試合に公平なのが進行役の仕事じゃないのか、ドットーレよ」

ドットーレ「観客を楽しませるのが進行役の仕事だよ、伝説のしろがね…」ギンッ!!

ギイ「……」

ドットーレ「では、観客席の声を聞いてみようじゃないか」ニィ…

自動人形「ガキにやられるなんてだらしないぞ!!アクロバット・ブラザーズ!!」

自動人形「オレたちはこんなつまんないのを見たいんじゃねぇ!!」

自動人形「オレらにやられて泣き顔見せろ!!」

自動人形「ドクドク流れる血を見せろ!!」

自動人形「マズい血流すしろがね殺せ!!」

自動人形「奴らの味方のオンボロ人形ぶっ壊せ!!」

自動人形「殺せ、殺せ…」

自動人形たち「殺せ!!殺せ!!殺せ!!殺せ!!」

自動人形たち「殺せェェェェェェ〜!!!」オオオオォ…!!




ドットーレ「もう、いい」


  き  し  …  ぃ




自動人形たち「……っ!!!!」ビクッ


  シ  …  …  ン
598第5場(前編):2010/03/05(金) 18:02:56 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「…と、このように君たちの連勝に不満があるそうだ」

ドットーレ「分かるかい?己たちが欲しているのは君たちの勝利などではなく…」

ドットーレ「恐れ、苦しみ、怒り、痛み、そして絶望…」ゴゴゴゴ…

ドットーレ「人間の持つ、『負の感情』!!それこそが己たちの欲するモノ!!」

ドットーレ「己たちは、貴様らのその笑顔が恐怖と絶望で塗り潰される様が見たいのさ!!」

ドットーレ「一分でも…っ!!」

ドットーレ「一秒でも早くなァっ!!」

全員「っっ!!」ぞわ…っ!!


ドットーレ「ふ…」


ドットーレ「  ふ  は  は  は  〜  〜  !!  」

599第5場(前編):2010/03/05(金) 18:04:34 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「それだよ、その顔こそが、己の!!雪華結晶様の!!求めているものなのだよ!!」

ドットーレ「命にかえても己たちを破壊しようとする君たちが…!!人類を救うという誇り高い使命を背負った君たちがっ…!!」

ドットーレ「敵である己たち前に恐怖し、そしてすぐさま自分が目をそらした事に気づき、自らの恥辱に沈黙した瞬間がなァァァ〜!!!!!!」

自動人形たち「わああああああああ!!」

ドットーレ「ふうむ…」

ドットーレ「では、次の試合の代表を出したまえ」ニヤリ

雛苺「せっかく連勝してるのに、一気に盛り返されちゃったの…」

真紅「全てはあの人形のせいね…」

勝「真紅の圧倒的な力を見てもたいして驚かないし、やっかいな相手になりそうだ…」

蒼星石「うん。だけど、ここから戦うのは…」

鳴海「よくやった蒼星石。後は俺たちに任せな」

しろがね「私たちの出番も近づいてきましたね」キュイッ…

ギイ「ああ、ローゼンメイデンの淑女たちが作ってくれたこの流れを断ち切らないようにしないとな」キリキリ…

金糸雀(も、もうカナの出る幕はないのかしら…)

水銀燈「……」
600第5場(前編):2010/03/05(金) 18:08:17 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「さァさァ大変なコトになってきた。我々は仲間を五体もやられてしまったぞ。しかも相手は華奢な人形だ」

ドットーレ「しろがねの連中が出てこない内にこの様なら、雪華結晶様は我々に絶望するだろう。恥だ!恥だよ、恥ずかしい〜」

ドットーレ「そんな時は誰を出す〜?誰が我々の恥をすすいでくれる〜?」

ディアボロ・ウィリー「ドットーレ様ァ!!オレに出番を下さいぃ〜」

自動人形たち「おおお、『特別な人形』のウィリーが出てきたぞぉ〜!」

フラフープ・ワイズ「いいや、あたしに任せな」

自動人形たち「フラフープ・ワイズ!!こいつのフラフープは上手すぎる〜!!」

スネーク・チャーマー「……」きりきり…

自動人形たち「スネーク・チャーマーもやる気だぜェェェェ!!」

マッスル・フランキー「けえええ、オレ達が出てきたからには楽に死ねぬぞ、人間ン〜!!」

自動人形たち「フランキー!!コイツには『気』も打撃も効かないぜ〜!」

ハイコード・ルディ「血…ニンゲンの血……血ィィィィィ!!」

自動人形たち「血の禁断症状が出てやがる!!今のルディは止めらんねェェェェ〜!!」

自動人形「ひやひや!!人間共にローゼンメイデン。お前たちはもう終わりさ!!」

自動人形「今出てきたのは、よりすぐりのヤツらだ!!どいつもコイツも段違いだぜぇ〜」

自動人形「しろがね共を血祭りにあげろ〜〜!!」

ドットーレ「さァ、ショウはここからが本番だ!!楽しませてくれよ、人間とローゼンメイデン共……!?」

自動人形たち「わあああああああああああ〜」


自動人形「 わ あ あ あ あ あ あ あ あ 」




自動人形たち「  わ  あ  あ  あ  あ  あ  〜  〜  !!!!  」



「くっだらないわね、反吐が出るわ…」
601第5場(前編):2010/03/05(金) 18:09:44 ID:0jbrfrTf
ディアボロ・ウィリー「なんだとォ〜!?」ピクッ

「下らないって言ったのよ……貴方たちの『感覚機関』は満足に音声も拾えないの?」

フラフープ・ワイズ「へえええ…やる気かい。いいよ、相手を選びな。パーティーを始めようぜぇぇ」


「誰が来たって…良いわよ…」


  た  ん  …  っ


水銀燈「こんな下らないパーティーなんか…メチャクチャにしてあげる……!!」

薔薇乙女5番手

−第一ドール水銀燈−
602第5場(前編):2010/03/05(金) 18:14:18 ID:0jbrfrTf
ドットーレ「ほう、どこかで見たような顔だと思ったら、スイギントウじゃあないか」

ドットーレ「舞台に立ったからには只では降りれないぞ?せいぜい、面白可笑しく飛び跳ねてくれよ」ニヤニヤ

水銀燈「……」

ドットーレ「ふん、つれない奴め」

ドットーレ「さあ、さあ、さア!!」

ドットーレ「厳選された特別な自動人形の諸君!!」くるっ

ドットーレ「今、舞台に上がった人形は誰とも契約をしていない!!」

ドットーレ「知っているか?薔薇乙女と言う人形は契約者と契約をしないと全力で戦えないのさ!!」

自動人形「契約なんてメンド〜な事しないと戦えねぇのかよ、ガラクタみたいなもんだな」

水銀燈「……」

ドットーレ「我々からは誰が出る〜!?」

ハイコード・ルディ「この…人形……血の匂いが…する………」ブルブル…

ハイコード・ルディ「もうガマンできねェェ!血の匂いがオレを呼ぶんだよォォォォォォ」

スネーク・チャーマー「ルディが出るか…」

「残念だったね、ルディ」タッ

マッスル・フランキー「誰だ?」

「このワイルド・ウエスト・ジェーンは、いつでも弾丸のように一番乗りさ」ガコ…ッ!

自動人形側5番手

−ワイルド・ウエスト・ジェーン−
603創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 18:25:57 ID:0jbrfrTf
以上、前編でした。

こんな死にかけのスレを読んでくれた、書き込みをしてくれた方々、ありがとうございます。

本当に、本当に、心に熱い物が湧き出てきました。


小さな小さな仕掛けは後編で明らかになります。

そのために…

させるぞ!!完結!!
繋ぐぞ!!次章へ!!
でかすぞ!!後編!!

まだまだ遅くなるかもしれないけど、長い目で見てくれてると嬉しいよ!!
604創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 21:41:52 ID:IP4y3jIB
規制規制で感想も満足に出来ないけどいつも楽しみに見てるよ
完結目指して頑張ってください
後編も楽しみにしてます
605創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:59:25 ID:0jbrfrTf
>>604ありがとう、そんな一言が有るから頑張れています。

もう少しで最古たちにも出番が来て、第2のクライマックスに向かうので、どうか、どうか…

たまに読んだり、あわよくば書き込んだりしてください!!
606 ◆bCur/BvOtD1Y :2010/03/07(日) 12:13:04 ID:80aLP/G0
1乙
607創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 14:34:59 ID:8OGe+hqx
乙!
ワイルドウェストジェーンと水銀燈か、全く予想がつかないぜ
まぁ無理せず楽しんで歯車を回して行って下さいな
608創る名無しに見る名無し:2010/05/27(木) 12:24:34 ID:+eIaN4US
翠星石の輝かしい戦歴

2006年度
■4回戦
1位→1位 1382票→1268票 翠星石@ローゼンメイデン トロイメント
2位→2位 1360票→0997票 アリス・キャロル@ARIAシリーズ
■5回戦
1位→2位 2685票→1518票 長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱
2位→1位 2115票→1704票 翠星石@ローゼンメイデン トロイメント

2007年
■4回戦
1位→1位 3125→1741票 柊つかさ@らき☆すた
2位→2位 2375→1559票 翠星石@ローゼンメイデン オーベルテューレ

609創る名無しに見る名無し:2010/06/01(火) 08:12:03 ID:ZvpYVfGn
続き期待
610創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 13:47:21 ID:+F+9duvB BE:1661034593-2BP(0)
遅くなりましたが、ようやっと出来ました。

規制も解けたし、長かった後編を8日の夜7時〜8時ころに投下させて貰います。

次回はageさせてもらうよ!
611創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 21:10:32 ID:0PrxFQgq
もしやこのまま未完で終わり……?とか思って正直不安だったw
お待ちしてます
612お詫びと訂正:2010/06/08(火) 20:06:33 ID:Wvb0Xqv8 BE:3014470777-2BP(0)
前回投下は第5場の前編を投下しましたが、区切りの問題で「第5場前編」でなく、ただの「第5場」という形式にさせてもらいました。

まあ、あんまり関係ないけどさぁ。

投下始まるよ!!
613第6場:2010/06/08(火) 20:13:38 ID:Wvb0Xqv8 BE:922797735-2BP(0)
人形達の舞踏〜ドールズダンス〜

第6場〜闇色の羽〜


ジェーン「さァ〜て、ひと暴れしょうかなァァァ…」ゴゴゴゴ…

金糸雀「ちょ、ちょ、ちょっと雛苺!あの人形おっきな銃を持ってるかしら!!『ガコッ』ていったかしら『ガコッ』て!!」あばばばば

雛苺「け、け、けど金糸雀!!水銀燈は怒るととってもコワいのよ!!羽が『ぶわ〜』ってなるのよ〜!!」あばばばば

鳴海「はあ〜。これやるから静かにしてろよな」コロン

金糸雀・雛苺「「きゃ〜!!アメなの〜(かしら〜)」」

金糸雀「オレンジ味は頂きかしら!」

雛苺「ヒナはうにゆ〜味!」

鳴海「お前らの姉ちゃんなんだろ。しっかり見てやれよ」

金糸雀「そうよね、そうよね。しっかり見るわよ雛苺」カラコロ

雛苺「うい〜むっしゅ〜」コロカラ

しろがね(ふふふ、もうナルミはこのドールたちを手懐けてしまったみたいですね)

ギイ「このまがまがしい感じ…ヤツも特別な人形か」

蒼星石「戦うのを止めるんだ水銀燈!!契約をしていない今の君は僕たちの中で一番弱い。それは君自身が一番知ってるはずだ!」

水銀燈「……」カツ…カツ…

勝「ダメだ…あの自動人形と戦うつもりだよ。こうなったら無理にでも止めないと、取り返しのつかないことに…」

真紅「……」

真紅「お願い、蒼星石、マサル」

真紅「水銀燈を信じてあげて…」
614第6場:2010/06/08(火) 20:16:58 ID:Wvb0Xqv8 BE:2583832076-2BP(0)
水銀燈「……」

ジェーン「その刺し殺すみたいな視線。たまんないねェ〜」

ジェーン「アタイ、あンたに目をつけてたンだ。あンたはあの甘ちゃん人形たちの中でイチバン艶っぽそうだからねぇぇ〜」

水銀燈「それで…?」

ジェーン「あはははぁ、お喋りはニガテかい?まあ良いよ。アタイはジェーン。ライフルの得意な、ワイルド・ウエスト・ジェーンだよ」

ジェーン「でもさ、もっと上手いのは『ナイフ投げ』と…アメリカにゾナハ病をバラまくコトだったがね」ジャキ…!!

水銀燈「アメリカに…ゾナハ病……」ピクッ

ジェーン「そうよ、雪華結晶サマにお願いしてアメリカに行かせてもらったンだ。もしかして、アメリカにあンたの知り合いでも居たのかい?」

水銀燈「……」

『あなたは天使よ、スイギントー』

『ぜひっ、ぜひっ!!』

水銀燈「さあね……」

ジェーン「くふふ。アンタ面白いねぇ、最高さ!ますます気に入ったよ!!」

水銀燈「ねえ……」

ジェーン「あン!?」

水銀燈「貴女は…ゾナハ病を広めていた時、どんな気持ちだった…?」

ジェーン「アタイかい?アタイは使命感でイッパイさ!人形にとって造物主の命令は絶対だからね」

ジェーン「ああ、楽しかったねぇ……。ただ、ガキ相手は別だよ…」

水銀燈「……」

ジェーン「右のガキも左のガキも、ナミダとハナミズで顔をぐしゃぐしゃにして、壊れた人形みたいに『タスケテ、タスケテ〜』ってさァ!!」

ジェーン「まァ〜ったく。壊れちゃったヤツはガラクタらしく、コッケーに苦しんでればアタイも笑えるのにさァ」ゲラゲラ

鳴海「ゲスが…っ!!」

しろがね「許せない…!!」

ジェーン「あははァ、アンタにも見せてあげたかったよ!!あのガキ共の

    −シュッ−



 ド ゴ オ ッ !!!!


615第6場:2010/06/08(火) 20:19:28 ID:Wvb0Xqv8 BE:984317344-2BP(0)
ジェーン「が…っ!?」ぎし…ッ

水銀燈「さっきから五月蝿いわよ、貴女…」

ジェーン「あはァ!!やっとヤル気に

水銀燈「黙りなさいって…」ドガっ!

ジェーン「ぁぁ…!?」ぐら…

水銀燈「言ってるのよ…っ!!」ドガガガガガガガガガ…ッ

水銀燈「このっ…おばかさん…ッッ!!」ドゴンッ!!

ジェーン「く……ッ!!」ドサァ…

雛苺「水銀燈…本気の本気なの」ゴクリ…

勝「すごい…。息もつかせない攻撃だ」

きり……

「おやまァ、驚いた。契約してないドールの力はこんなもんかい」

きりきりきりきり……

しろがね「全く…効いていない…!?」

ジェーン「いヤ、ちょっとは痛かったさ。けど、はははは…!!アタイよりもこっちの方が痛そうだね〜!」

水銀燈「……っ」みし…ぃ

鳴海「酷ぇ!手の外装が剥げてやがる!!」

ギイ「あの自動人形はギミックよりも体の頑強さに特化しているのか。あの堅さはやっかいだぞ」

蒼星石「水銀燈!お父様から頂いた体に何てことをしてるんだ!!」

水銀燈「まだ……」ぐ…

ドゴッッッッッッッッ!!!!

水銀燈「……つっ!!」ギ…ィ……

金糸雀「ひぃぃぃ〜ボロボロの手でまた…」

勝「水銀燈から、怒りが…まるで何かに取り憑かれたかのような、激しい怒りを感じるよ…」

ギイ「しかし、怒りだけでは…心だけでは奴らには勝てない……」

しろがね「そう、水銀燈には…自動人形を倒すだけの力がありません……」

真紅(水銀燈……)

616第6場:2010/06/08(火) 20:26:06 ID:Wvb0Xqv8 BE:1476475564-2BP(0)
鳴海「あいつ、このまま攻めきるつもりだ!!」

水銀燈「これで……っ」ドゴッッ!!ゴガァァァッ!!!

ジェーン「く……」

水銀燈「くたばっときなさい……っ」ドガガガガガガガガガガ…ッ

水銀燈「トドメっっ!!」ブンッ!!

ジェーン「……」ニヤ

ザス…ッ

水銀燈「つっっっ!!」

ジェーン「く…ふふふ…」

ジェーン「ヒット<当たり>〜」

水銀燈「く……っ!!」ダラン

ジェーン「はははぁ!!どうだい!アタイのナイフは!!飛びっきりでしょぉ〜」

勝「マズい!右腕が…あの様子だと動きそうにないよ!!」

雛苺「マサル、ほんとうの問題はそんな事じゃないわ…」

金糸雀「水銀燈は…『お父さまから頂いた体』に傷を付けたかしら!!」

蒼星石「ドールにとって、お父さまから頂いた物は掛け替えのない、大切な物…」

真紅「それを傷つけられるのは、薔薇乙女にとって本当に…本当に辛いことなの……」

鳴海「……」
617第6場:2010/06/08(火) 20:27:43 ID:Wvb0Xqv8 BE:1291915973-2BP(0)
ディアボロ・ウイリー「ジェーンのヤツ遊ぶつもりだ。流石にあの人形が気の毒になってきたよ」ゲラゲラ

マッスル・フランキー「見せ物の試合とはいえ、闘いの最中だ。寝首をかかれても知らんぞ」

フラフープ・ワイズ「けどさァ。不意打ち喰らっても、あの弱ぁぁい人形だぜ?やったにしても、せいぜい体にキズ付けられるくらいだろ」

スネーク・チャーマー「確かに…契約者さえいなければローゼンメイデンはカスだ。強さは武装した人間と変わらない。どうやらお前はお預けだなルディ」

ハイコード・ルディ「オアズケ…ガマン……ガマン…」ブツブツ…

ジェーン「あっははは!!キレイな服とステキな体にキズが付けられちゃったねェェェ!!」グリグリ

水銀燈「っつ!!ああぁっ!!!!」

しろがね「ジェーン…何てことを…!!」

ハイコード・ルディ「あ……ああ…ガ…ガマンしないと…ガマン…ガ…ガ…ガ…マン……ガガ…ガガガ…」ガタガタ…

ギイ(あの人形…まさか!?)

ハイコード・ルディ「ウヒヒヒヒィ!!ガマンできるかよォォ!!」ダンッ…

アルレッキーノ「ゲェムに割り込むとは愚かな奴だ」

パンタローネ「どうするドットーレ?」スッ


ドットーレ「進行役は己だ。己がやろう」

コロンビーヌ「ルディのバカ…ドットーレに壊されちゃうよ」

勝「メチャクチャだ!!舞台へ上がるなんて!!」

鳴海「気をつけろ水銀燈!!後ろから自動人形が!!」

水銀燈「チッ…」くる…

ハイコード・ルディ「どけエ!!ジェーン!!その人形はオレがバラすぅぅぅ!!

ジェーン「ジャマだよ、ルディ」カチャ


  ド  ン  ッ  !!  
618第6場:2010/06/08(火) 20:31:40 ID:Wvb0Xqv8 BE:1291915973-2BP(0)
ハイコード・ルディ「アハハハあぁ…ハハ……ハ…ハ………」ドシャッ…!!

真紅「自動人形を一撃で!?ナイフだけでも強いのに、あんなライフルまで使われたら…」

自動人形「ジェーン!!何であのドールを助けた!?放っておけばルディがぶっ壊してたんだぜ!!」

ジェーン「アタイの楽しみをジャマしたからさ!!お次はアンタがジャマするかい!?」カチャッ!!

自動人形「う……」

アルレッキーノ「ジェーンが始末を付けたか…パンタローネ、コロンビーヌよ。この試合をどう見る?」

パンタローネ「『特別な人形』と『契約者のいないドール』…勝敗は明らかだろうアルレッキーノ」

パンタローネ「だが、あのローゼンメイデンの目は他のドールとはどこかが違う。深い絶望と激しい憎しみを抱いている…」

コロンビーヌ「昔、そんな『しろがね』がいたわね。そして、そのしろがねは最古の四人の一人を倒した…」

アルレッキーノ「ルシール…か……」

619第6場:2010/06/08(火) 20:33:07 ID:Wvb0Xqv8 BE:3937267788-2BP(0)
ジェーン「ほらほらほらァ!!ショウの時間だよッ!!アンタはいくつよけらるかなァ〜?」ヒュヒュ…ヒュンッ!!

水銀燈「……!!」

金糸雀(カナならギリギリ当たりそうかしら。でも水銀燈ならラクラク避けて…)

ドスッ!!ドスススス……!!

金糸雀「え……!?」

水銀燈「ぐ……あぁっ!!」

自動人形「くひゃひゃ、まさか全部当たるなんてよぉ、一本ぐらいオレでも避けれるぜ〜!!」

自動人形「こいつはとんだガラクタだぜ。ゼンマイがサビついてんじゃないかぁ!?」ゲラゲラ

鳴海「水銀燈の動きが悪いぞ!!一体どうしたってんだよ」

ギイ「先ほど帽子のお嬢さんが言った通り、水銀燈は契約をしていないからだろう。違いますかな?」

蒼星石「その通りさ。僕たちの強さは契約者の力で増減するんだよ。僕たちが自動人形とまともに戦えているのは契約者から力を貰ってるからなんだ」

勝(真紅は特別な自動人形を一撃で倒したから、しろがねは一番良い契約者っていうことか…)

雛苺「見て!!また攻撃が!」

ジェーン「続きましてはァ……第2波ァァァ!!」ヒュヒュッ!!

真紅「もう一本も当たってはダメよ水銀燈!!これ以上当たったらまともに動けなくなるわ!」
620第6場:2010/06/08(火) 20:37:26 ID:Wvb0Xqv8 BE:738237762-2BP(0)
水銀燈「く…っ!わかってるわよ……!!」バサァッ!!

金糸雀「やったわ!!上に逃げたかしら!」

鳴海「あいつに空を飛べるギミックは無え!!チャンスだ水銀と……」

ジェーン「うふん、フェイントォ……」

蒼星石「投げるフリを…!!」

ジェーン「上に逃げるのはわかってたンだよ!」ガコ…ッ!!

ギイ「読まれていた…ナイフは囮で、本命はライフル…!!」

ジェーン「あっははぁ!!上じゃぁそんなにスピードは出せないよねぇぇぇえ!!!!」

勝(あの威力のライフルが当たる…!?)ドクン…

勝(当たったら無事で済むわけ……)ドクン…ドクン…ッ!!

真紅「逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」

ジェーン「逃がさないよ」カチャッ

   ド   ン   ッ   !!!!!

水銀燈「ッッッッッ!!!!!」



   バ   ス   ッ   !!!!



621第6場:2010/06/08(火) 20:39:35 ID:Wvb0Xqv8 BE:984317928-2BP(0)
水銀燈「か……っ!!」

水銀燈「……」ふら…

ドサアッ…!

金糸雀「ギ…ギイさん…水銀燈は…無事よね……?大丈夫よね……!?」

ギイ「……っ」

真紅「酷い…っ!!」

しろがね「水銀燈の胸に……穴が…!!」

ドットーレ「くくく、ジェーンは本当に良い仕事をしてくれる」

雛苺「水銀燈!!!!」ダッ

コロンビーヌ「舞台には通せないよ」ザッ!!

雛苺「邪魔しないで!!」シュルルル…!!

スパンッ!!

……パラ……………

アルレッキーノ「娘よ。もう一度言おう。ここから先は通せない」

鳴海「うるせえ、力づくでも通させて貰うぜ…!!」

パンタローネ「ならば死ね…」カキッ…

「う……るさ…いわね……」

真紅「水銀燈!!!!!!」

水銀燈「試合は……まだ…終わってない…わ……」
622第6場:2010/06/08(火) 20:43:24 ID:Wvb0Xqv8 BE:553678733-2BP(0)
ジェーン「わァお!!まだやる気なンだ?」

水銀燈「当然…よ…私は…まだ戦える…わ……」ゼェ…ゼェ…

自動人形「きひひひひ。強がってやがる!死にかけのくせに強がってやがるぅ!!」

金糸雀「戦えるって、その体じゃ…」

アルレッキーノ「あのドールは戦いを続けるそうだ。どけ、ゲェムの邪魔になる」

ギイ「……」

ギイ「引くぞ。この場には、最古の四人だけでなく、やっかいな自動人形たちがいる。ここで奴らと戦うのは得策ではないぞ」

鳴海「そんなのわかってら。だけどよ…アイツ、フラフラじゃねぇか…」

水銀燈「ハァ……ハァ……ッ!!」

真紅(肩で息をしている…限界はとっくに通り越しているわよ!こんな状況でも貴女は戦うというの!?)
623第6場:2010/06/08(火) 20:45:21 ID:Wvb0Xqv8 BE:1476475564-2BP(0)
ジェーン「ほらァ〜もっと楽しもうよォ〜。アタイはアンタと刺し合いをしたいんだよ」

水銀燈「ひとりで…やってなさい……おばか…さん……」ペッ

ジェーン「あははは!!残念〜」ガンッ!!

水銀燈「が……っ!!」

ドシャアッ!!

雛苺「う……っ」

雛苺(水銀燈、あんなにボロボロに…もう見ていられないの…っ!!)

しろがね「目を背けてはいけません雛苺。辛くても、彼女を信じているなら見続けるべきです」

雛苺「……」

雛苺「……」こくり

勝(だけど、どうするの?あの自動人形が本気を出せば水銀燈は……)

水銀燈「ぐうぅ…っ!!」ぐぐ…

金糸雀「その調子よ。立つかしら水銀燈〜!!」

水銀燈「あぁっ!!」ドサッ!!

蒼星石「もう立ち上がることもできないのか…っ!!」


コロンビーヌ「さっきからやけに足が震えてたけど本当に限界だったんだァ…。結局あたし達が感じた不安はムダみたいだよ」

パンタローネ(しかし何か引っかかる…)

パンタローネ「……!!」

パンタローネ(何故…ルディはあのドールから『血の匂い』を感じとったのだ!?)

パンタローネ(ローゼンメイデンと言う人形は我々のように有機化合された血管などを内蔵しているのか!?)

パンタローネ(いや、違う。雪華結晶様はそのような事は仰ってはいなかった……!!)

パンタローネ(私たちは何か重大な事を見落としている気がする……)

624第6場:2010/06/08(火) 20:49:19 ID:Wvb0Xqv8 BE:738238043-2BP(0)
ジェーン「あははは!!ほらガンバって〜」

水銀燈「ぐ…っ!!」ズル…

水銀燈「ゲホッ、ゲホォッ!!」ガクッ

ジェーン「……」

ジェーン「あらァ〜。こりゃダメか……」

ジェーン「最初見た時は艶っぽかったのに、もう見る影もないねェ…」

ジェーン「まあ良いや。あンた、なかなか楽しめたよ。お礼に頭におっきな穴あけてアゲる」ガコ…

真紅「またあのライフルを…っ!!」

鳴海「くそっ!!今度こそ俺は助けにいくぞ!!」

しろがね「もう間に合いませんナルミっ……!!私たちが助けに行くよりも、あの自動人形がライフルの引き金をひくのが早い…っ!!」

ジェーン「うふふふ。くたばっちゃう前に言いたいコトはあるかい?」

水銀燈「……」

水銀燈「……たわ…」ボソ

ジェーン「あぁン?」

水銀燈「私にも居た…わ……大切な人が……」

ジェーン「はははっ!!何の話かと思えばそんな話かい!!やっぱりいたんだ『大切なヒト』ってヤツが。そりゃあそうだろうねぇ、そうじゃなきゃそんな暗いカオにならないもんねェ!!!!」

アルレッキーノ(時間を稼ぐつもりか?壊れる覚悟が出来たのか?どちらにしてもジェーンの勝ちは決まっている)

アルレッキーノ(余程な切り札が無い限りは、な……)
625第6場:2010/06/08(火) 20:55:43 ID:Wvb0Xqv8 BE:2153193757-2BP(0)
ジェーン「そうかい、そうかい。じゃあ、その『大切なヒト』をゾナハ病にしたアタイが憎いってことか」

水銀燈「いいえ…」

水銀燈「その子を…メグをゾナハ病にしたのは私よ…」

勝(メグ…?ゾナハ病に…?)

真紅「……」

ジェーン「あっははははははは!!!!何だい、何だい!!それじゃ、あンたはアタイ達と変わらないじゃないか!!」

水銀燈「そうね……私は貴女たち自動人形と変わらないわね……」

ジェーン「ははははは!!おっかし〜〜!!オカしいよ!!スイギント〜。あンたどっか壊れてるんじゃないのォ!?」

水銀燈「……」ズキッ

ジェーン「くふふっ!!そういうオカしい人形をあンたらは『ジャンク』って言ってるみたいだね。ジャンク!!あははは!!」

ジェーン「今のアんたにピッタリじゃないか。壊れたジャンク!!ゾナハ病をバラまくジャンクっ!!壊れちゃったお人形にはピッタリの名前さ!!」

ジェーン「はははははははは!!病気にさせた『ジャンク』が病気になった『ジャンク』の仇を討とうとしてたのかい」

ジェーン「あははははははははぁ〜!!バカみたい!!あはははははははははははははははははははははははは!!!!」

水銀燈「……」ぎり…っ
626第6場:2010/06/08(火) 20:58:19 ID:Wvb0Xqv8 BE:1476476238-2BP(0)
ジェーン「残念だけど、もう時間さ。せいぜいキレイにくたばりなァ……ジャンクゥゥ!!」ゴリッ

水銀燈「……」

水銀燈「……」キッ!!

水銀燈(この距離なら、いくらあなたでも避けきれないわよね…!?)

水銀燈(やるなら…今っ!!)ギラッ

ドットーレ(ん…?)

ドットーレ「ジェーン。スイギントウは何かするつもりだ。気をつけておけ。一応な」

ジェーン「了〜解っ」ニヤッ

パンタローネ(だが、何が出来る…!?)

コロンビーヌ(ジェーンの体はかなり頑丈になってる。真紅ってドールぐらいの攻撃じゃなきゃ、かすり傷しか付かないよ)

アルレッキーノ(いずれにしても、あのドールは切り札を出すつもりだ…!!)

水銀燈(メグ、ルシール…見てて…)ぐ…

水銀燈(私がこのサーカスを…この下らないパーティーを…っ)ぐぐぐ…っ

水銀燈(メチャクチャにしてあげるからっ!!)


  ド  バ  ァ  ッ  !!!


627第6場:2010/06/08(火) 20:59:56 ID:Wvb0Xqv8 BE:1845594656-2BP(0)
勝「な…これはっ!?」

真紅「羽を飛ばしただけ…!?」

ジェーン「ざぁ〜んねん。そんなチンケな羽は刺さってもイミ無いよっ!!」カンッ…カンッ

水銀燈(もっと羽を…力を出しなさいメイメイ!!)ぐっ

メイメイ「……」カチッカチッ!!

水銀燈「あああああああああ!!!!!!!!!」

ドババババババババ…ッッ!!!!

雛苺「水銀燈、まだ羽を飛ばす気なのっ!!」

ギイ(羽の量が多い。多すぎる。不利な状態から相手に少しでも攻撃を当てる為の苦肉の策か?)

ヒュン、ヒュン、ヒュンッ

サクッ

金糸雀「ぎゃぁ〜っ!!痛いかしら!!」

金糸雀「水銀燈っ!相手を良く見て羽を飛ばして欲しいかしら〜!」

しろがね(敵も味方も関係なく、無差別な攻撃。確かに意表を突いている。現に他の自動人形たちにも水銀燈の羽が刺さっている…)

自動人形たち「……」ザクッ!!ザクク…

しろがね(だが…)

フラフープ・ワイズ「うわっ、刺さっちまった。でも全然効かないぜ」

ディアボロ・ウイリー「あはは、イタい、イタいよ〜」ゲラゲラ

 −ザクッ−  ポタッ…

しろがね(人間の私の体に刺さっても、軽く血を流すだけの威力…。自動人形には…まして特別な人形であるジェーンには効果は無いはず…)
628第6場:2010/06/08(火) 21:04:19 ID:Wvb0Xqv8 BE:2768391959-2BP(0)
ジェーン「はァ…とうとう中身もジャンクになったのかい…」カン…カンッ…

スネーク・チャーマー「あの人形、こわれてる……」

マッスル・フランキー「まさか仲間にまで羽を飛ばすとは…ジェーンの攻撃で思考回路に欠陥が生じたか…」

水銀燈「ああああああああああああ!!」ドババババババッ!!

グサッ…グサササッ!!


鳴海「羽の数がまた増えた…」

金糸雀「もう刺さるのはイヤかしら〜」

ギイ「おいで金糸雀。僕の後ろに隠れると良い」

金糸雀「ギ…ギイさ〜ん」

真紅「水銀燈の様子が明らかにおかしいわ…」

蒼星石「うん。ドールの中で最もプライドのあの水銀燈が、あんな姿になっても戦おうとするなんて…」

蒼星石「水銀燈。君は一体どうしてしまったんだ…」

雛苺「……」

雛苺「そういえば…あの時、水銀燈が笑っていたの…」

勝「あの時?」

雛苺「ジェット機でここに来る間…」




【−ブゥ……ン−】

フウ《おや?最初にこのモニターに気がつくのは雛苺さんや金糸雀さんだと思っていたが、まさか君とはね…》

フウ《水銀燈さん》

水銀燈『……』
629第6場:2010/06/08(火) 21:06:02 ID:Wvb0Xqv8 BE:2214712894-2BP(0)
水銀燈『…偶然見つけただけよ……』

フウ《偶然ついでに、あたしから君に頼み事があるんだが…》

水銀燈『真紅たちを呼んでくれば良いの……?』

フウ《ああ、それもあるが…。あたしはキミに質問をいくつかしたいんだ。答えてはくれないかな?》

水銀燈『イヤよ。メイメイ、真紅たちを呼んできなさい』

ブウ《やれやれ、素直に答えてはくれないか…》

フウ《ルシールがドットーレに殺されたあと……君はその血を飲んだそうだね》

水銀燈『……』ピクッ!!

水銀燈『……』

水銀燈『ええ……そうよ。それがどうかしたのかしら…!?』

フウ《どうにもしないさ。ただ、あたしがキミに聞きたい事に関係していてね》

水銀燈『……』

水銀燈『言ってみなさい。答えてあげるわ』

フウ《そうか。では質問をさせてもらうよ》ニヤ
630第6場:2010/06/08(火) 21:10:47 ID:Wvb0Xqv8 BE:3937267788-2BP(0)
フウ《そうか。では質問をさせてもらうよ》ニヤ

フウ《君は“あの夜”ルシールの血を飲んだらしいが、ルシールの血は“しろがねの血”だ。君の体に変化はあったかな?》

水銀燈『沢山の声が聞こえたわ…』

フウ《生命の水の“呪い”か…》

水銀燈『そう。そして私がその声に呑まれそうになった時、ルシールの声が聞こえたわ。そして、ルシールの記憶も私に流れて来た…』

水銀燈『“あいつ”がルシールに何をしたか…ルシールがどうやって“あいつ”を倒したか…』

水銀燈『ルシールの怒り、ルシールの悲しみ、ルシールの絶望、ルシールの全てが私に流れ込んできたわ…』

フウ《体の方の変化はあったかい?》

水銀燈『全然……』

水銀燈『私は人形だからゾナハ病にならないし、年もとらないい。それに、もとから銀髪だから…』
フウ《そうか…》

水銀燈『次の質問は…?』

フウ《雛苺さんや金糸雀さんが勝君たちと食事を楽しんでいるのを見て思ったんだが…》

フウ《君たち薔薇乙女が食べたりしたもの。つまり、体に取り込んだ物は君たちの原動力として使われるのかな?》

水銀燈『それが…次の質問…?』

フウ《そうだが、何か不満かね?》

水銀燈『いいえ…』
631第6場:2010/06/08(火) 21:12:55 ID:Wvb0Xqv8 BE:3937267788-2BP(0)
水銀燈『私たちは錬金術の力で動いてるわ。だから食事を摂取しなくても動けるの。ついでに言うと他のドールもね…』

フウ《ほお、原動力を使わないで動く事ができるのか。それは興味深い!!》

フウ《だが錬金術の力だけでは難しい…他の何か特別な力があるに違いない。いや、そもそも永久機関が…》ぶつぶつ…

水銀燈『質問はこれで終わり?』イラッ

フウ《おっとすまない。面白そうなテーマがあって、ついついのめり込んでしまったよ》

フウ《ローゼンメイデンが動作するにいたって、老廃物が体から出る事はあるかい?》

水銀燈『……』ピキッ

フウ《ん?質問が少し難しかったかな。老廃物、つまり糞尿や涙、血液などの体液のこと…

水銀燈『……じゃないわよ…』ボソ…

水銀燈『 ふ ざ け ん じ ゃ な い わ よ !! 』

632第6場:2010/06/08(火) 21:14:58 ID:Wvb0Xqv8 BE:984316782-2BP(0)
水銀燈『私が答えるのはルシールに関わりを持つ質問だけよ!!あなたの下らない研究に付き合ってなんかいられないわ!!』

水銀燈『こうして貴方と呑気に話をしてる間もゾナハ病にかかった子達は…メグは…っ!!生きたまま地獄を味わっているのよ!?』

水銀燈『貴方はそれを何とも思わないの!?ルシールは自動人形に殺されたのよっ!?自動人形どもが好き放題やってても、そんな所で研究をしてるつもり!?』

フウ《あたしに自動人形へのを憎しみを期待するのはお門違いさ》

水銀燈『貴方は最高におばかさんよ。私は今、自動人形の次に貴方が憎いわ…!!』ギリ…っ!!

フウ《いいトコロをつくなァ、水銀燈さん》

フウ《他の者が汗水流して苦労している時に、それを高みの見物。あげくに愉快な歌まで歌いだす……》

フウ《それが、F・o・U、馬鹿(フウ)》

フウ《転じて【道化】。つまりはあたしなのさ》

フウ《そして、素直にあたしの質問に答えるか、あるいはそうしないか…》

フウ《どちらが賢い選択かは、馬鹿でもわかる》ニヤッ

水銀燈『く……っ!!』ぎりっ

633第6場:2010/06/08(火) 21:17:41 ID:Wvb0Xqv8 BE:2460792285-2BP(0)
水銀燈『薔薇乙女は…老廃物を排出したりなんかしないわ……』

水銀燈『ただ、涙や涎…血液意外の体液は出るわよ。もしかしたら、そういった液体を出す装置が私たちに内蔵されているかもしれないわね…』

フウ《なるほど、“体液は出るが、老廃物は出ない”と…》

フウ《ありがとう水銀燈さん。質問はこれで終わりだよ》

水銀燈『で、何が言いたいワケ!?』

フウ《君たちローゼンメイデンは実に興味深い構造をしている》

水銀燈『……?』

フウ《ローゼンメイデンは物を食べるが、食べた物は排出されない…。そして、食べた物は動く為の原動力にはならない。つまり、消化もされない》

水銀燈『それがどうしたって…』

水銀燈『…!!』

フウ『そう。君はルシールの血を飲んだ』

フウ『君が飲んだその血は今、どこにあるだろうね』ニヤ…

水銀燈『まさか…っ!!』

フウ《クローグ村の数少ない生き残りであり、自動人形の復讐に人生を捧げた淑女。最古の『しろがね』ルシール・ベルヌイユ…》

フウ《彼女の意志は…その誇り高い血は…》

フウ《 君 の 中 で 生 き て い る  》

634第6場:2010/06/08(火) 21:18:46 ID:Wvb0Xqv8 BE:2214712894-2BP(0)
水銀燈『……!!』

フウ《どうだい、驚いたろう?》

水銀燈『悪いわね、全然驚けないわ』クスッ

フウ《ほう…?》

だって、誓ったもの…



「病める時も健やかなる時も…」

「私ゃ病みっぱなしだったけどね」

「死が二人を別つまで?」



   い   い   え




      −死んでも一緒だわ−






635第6場:2010/06/08(火) 21:23:09 ID:Wvb0Xqv8 BE:2460792285-2BP(0)
水銀燈「あああああぁ…!!」ビシュシュッ!!

ジェーン「この羽うざったいったらァ。狙いが付けにくくてしょうがないよ」カンッ

アノス「くひひひ、あの黒いローゼンメイデンがくたばっちまうのも時間の問題ですぜ、ドットーレ様ァ」カンッ

ケニス「けひひひ、いくら羽が当たっても雪華結晶様に頂いたこの体はビクともしないぜェ」カンッ

ドットーレ「ふむ……」ス…ッ

ババババババ…

勝「すごい羽の数だ。多すぎて舞台が見えないや…」

鳴海「しろがね。腕から血が出てるぞ!!」

しろがね「大丈夫、ただのかすり傷です。しかし、水銀燈の方は…」

蒼星石(仮にこの戦いを生き延びても、体に穴を空けた水銀燈は…)

パキ…

雛苺「うゆ?」

雛苺「何かヘンな音が水銀燈から聞こえるの…」

水銀燈「……」パキ…パキパキ……

勝(この音は“しろがね”の傷が癒える音…!)

金糸雀「なぁっ!?水銀燈のお腹の穴が少しずつ塞がってるかしら〜!!」

真紅「まさか水銀燈がしろがねに!?」

ギイ「いや、“なりかけ”だ。力が足りなかったかは分からないが、僕たちよりも回復が遅い」

ギイ(そもそもドールがしろがねの血を飲んだらどうなるか…この僕でも分からない)
636第6場:2010/06/08(火) 21:24:26 ID:Wvb0Xqv8 BE:2214713849-2BP(0)
ディアボロ・ウィリ−「ジェーンは何もたついてんだよォ。ライフルで壊すコトにこだわらなかったらスグ倒せるだろ〜」

フラフープ・ワイズ「おっ、やるみたいだね」

ジェーン「いい加減に…」ぐん…っ

ジェーン「その目障りな羽を出すのをやめなァっ!!」ゴッ!!

水銀燈「くっ!!」

ビューグル・ハーレー「やっと終わりそうだぜ。とっとと殴り殺しちまえ」

水銀燈「ぜ…はぁ…っ」キッ

水銀燈「……っ!!」シュバババッ

ジェーン「まぁだ羽を出すのかい、あっきれた〜。別にいいけどさ。あンたはもう壊れるから」

水銀燈(あの道化が言っていた事が本当なら、私にも勝機が……あるっ!!)



フウ《どうだい。面白い話だったろう》

水銀燈『まあね。お礼を言うわ。一応だけど』

フウ《一応…か。君らしいな》ニヤリ

フウ《ああ、そういえばね水銀燈さん…》

水銀燈『何よ?』

フウ《君の中に溶けているであろう“ルシールの血”は、自動人形にとって【猛毒】なのさ》ニヤ…

637第6場:2010/06/08(火) 21:27:01 ID:Wvb0Xqv8 BE:2214713849-2BP(0)
カンカンカンッ!!

ジェーン「効かない効かない、効かないんだよォォオッ!!」ゴッ!!

水銀燈「がふっ!!」

 バ キ ィ ッ !!

蒼星石(水銀燈の顔にヒビが…っ!)ぎりっ

ジェーン「あはははは、ローゼンメイデンなンてこの程度かい。あははははははははは!!」

ジェーン「あは…あは……」

ビューグル・ハーレー「ジェーン!!自分の体を良く見ろ!!」

ジェーン「え?」

フラフープ・ワイズ「漏れてるんだよォ…」

フラフープ・ワイズ「オレたちの原動力…疑似体液がっ!!」

ゴプ…ッ

ジェーン「げええええええ!!!!」ドパアッ!!

マッスル・フランキー「ジェーン!!ジェーンッッ!!おのれェ!!ローゼンメイデンっ!!」

水銀燈「……」パキパキ…ッ

ディアボロ・ウィリー「この人形!!体の傷が直ってきてやがる!!」ドプ…

フラフープ・ワイズ「おい!ディアボロ・ウィリー。おまえ、疑似体液が出てる!!」ゴプ…

スネーク・チャーマー「お、おまえもだ…!そんな……オレ…もっ!?」ゴバァッ

ビューグル・ハーレ「まさか、この人形…まさかッッ!!」

マッスル・フランキー「その羽に『生命の水』を仕込んでいたのかぁぁ〜ッッ!!」

638第6場:2010/06/08(火) 21:28:20 ID:Wvb0Xqv8 BE:1291916737-2BP(0)
自動人形「ぐえええぇ〜」ドサッ!!

自動人形「うぎゃぁぁぁあぁぁ」ドプ…ッ!!

ビューグル・ハーレー「ちくしょう!!やりやがったなぁ〜!!」

マッスル・フランキー「その羽を出すのをやめろォォォォォォ!!!!!!」


     ザクッ


マッスル・フランキー「が…が……」ドパパ…


勝「すご…い。これだけの自動人形を一気に倒すなんて…」

ギイ「威力はないが、数は出せる水銀燈の羽と生命の水の組み合わせか…。『しろがねの羽』と言ったところか…」

しろがね「安心するのはまだ早いですよギイ先生。奴らは特別に創られた自動人形。ああなってもまだ動きます!!」

鳴海「ああ。来るぞ…っ!!」

自動人形たち「くそ…くそォ…っ」ギ…ギギ……

自動人形たち「調子に乗ってんじゃねぇ〜〜!!」


    ダ    ッ    !!


自動人形たち「死ねぇぇえぇぇぇえ!!ジャンクゥゥゥウ!!」
639第6場:2010/06/08(火) 21:31:03 ID:Wvb0Xqv8 BE:369119232-2BP(0)
水銀燈(そういえば、蘇った自動人形には生命の水の効果が薄いともあの道化が言ってたわね)

水銀燈(けれど、そんなの関係ない)

水銀燈(効果が薄いなら効くまで撃ち込んであげる!!)ビシュッ


  ドパパパ……ッ!!

自動人形たち「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!」ドププ…


雛苺「水銀燈。契約もしていないのにヒナより強いの…!!」

金糸雀「この勝負は貰ったかしら。水銀燈は信じられないぐらい強くなったかしら〜〜!!」

蒼星石「けれど…水銀燈は、そのかわりに…何かを捨てている…」

真紅「ええ、蒼星石。私にも分かるわ…。水銀燈は何かを捨てて変身しているわ…」



ー自動人形にとっての、堕天使に!!ー


640第6場:2010/06/08(火) 21:31:54 ID:Wvb0Xqv8 BE:3445109287-2BP(0)
水銀燈(メグをゾナハ病にさせたとき、私は穢れた…)

水銀燈(ルシールを目の前で殺されたとき、私は壊れた…)

水銀燈(それらは全て……私の責任……)

ディアボロ・ウイリー「うわああぁ!!生命の水のせいで体が動かねえよォオ!!」ドプッ…

水銀燈(お父様は壊れた人形に何も許さない)

マッスル・フランキー「こんな…こんな所でぇえ〜」ゴプ…

水銀燈(救われることも、笑うことも……)

フラフープ・ワイズ「ぎゃぁぁぁっ!!嫌だ!嫌だ!壊れたくなんか…!!」

水銀燈(私に許されたことは、ただひとつ…)

水銀燈「あなた達自動人形を憎むこと!!!!」

 土は土に、灰は灰に、人間を苦しめることしか出来ない『出来損ない』は……

−私と同じ−

水銀燈「 ジ ャ ン ク に な り な さ い 」


自動人形たち「うああああああああああ〜〜〜!!!!!!!!」


  ゴ パ ア ア ァ ァ ッ ッ !!

641第6場:2010/06/08(火) 21:32:20 ID:Wvb0Xqv8 BE:738238043-2BP(0)
ジェーン、あなたの言った通りよ。私もあなたたち同じく人間を傷つけることしか出来ないわ。

私は壊れた…人形だもの。

でも、見ていなさい。

壊れた人形は、闇色の羽の中で踊り狂って、あなたたちのパーティーをメチャクチャにしてやるわ。


そうすれば、

きっと…

もう誰も、

壊れなくて済むでしょう?



〜一時閉幕〜

642創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 21:45:33 ID:Wvb0Xqv8 BE:2460792285-2BP(0)
今回は以上でした。

>>611おっそくてホントすみません。もはや月1以下の投下率…!!
でもね、言い訳だけど文章の量は地味に初期より増えてるんだよ?


あと>>123>>124は水銀燈にごめんなさいしないといけないよね。


何回もだけど、投下遅くてすみません。ですが作者の心はまだ折れてはいません。今はまだ…

643創る名無しに見る名無し:2010/06/14(月) 22:03:24 ID:BBUhwxMG
投下Zです

水銀燈はデモンになるのか・・・
そしてルシールの血が効果を表し始めてるなぁ
先が気になります非常に

自分でも何かいてるのか解らなくなったけれどとにかく乙です
644創る名無しに見る名無し:2010/07/04(日) 20:27:40 ID:kA+ihNXz
面白かった。メイデンはアニメで少しみた程度だけど藤田先生の作品を見ている僕にはその雰囲気が伝わってきたよ。

水銀燈がルシールの血の効果でしろがねになりかけてる…ということはいずれ鳴海みたいに完全なしろがねになるのも近いか?

自動人形破壊の理念が鳴海と一緒なのも被るし、新しい人形を見ているみたいだ。デモン化した水銀燈の活躍に期待。
645創る名無しに見る名無し:2010/07/26(月) 22:10:45 ID:JeyHjus2
保守
646創る名無しに見る名無し
sage忘れスマン・・・