1乙!
1さん乙かしら〜
明日からは本気だしてロボ創作がんばるですぅ
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)
【荒野に生きる(仮)◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!
【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!
【瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!
【パラベラム!◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!
【ザ・シスターズ◆klsLRI0upQ】
平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱
その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで―――
超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ!
【電光石火ゼノライファー◆.dMD1axI32】
「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」
正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する!
少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ!
【Tueun◆n41r8f8dTs】
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!?
「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇!
【海上都市姫路守備隊戦記◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!
【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!
【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者◆gD1i1Jw3kk】
悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』
その力は二つの世界を交差させる!
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!
【少女機甲録(仮)◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!
【スーパー創作ロボット大戦OP映像風◆gD1i1Jw3kk】
スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを
ロボット物SS総合スレ作品で再現!
所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ!
【R,B&G◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!
【仮想戦闘記録◆gD1i1Jw3kk】
海上都市姫路守備隊戦記・外伝
設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場!
果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!?
【ROST GORL◆n41r8f8dTs】
小雨の降る夜、ロボット修理士マキ・シゲルはひとりの少女と出会った。
彼女の名はティマ。鮮やかな金髪と透き通った青い目を持つアンドロイド。
「空箱を埋める空箱」でしかないはずの彼女の中に入っていたのは、「心」と「秘密」──
・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
ここまで天麩羅
立った!立った!スレッドが立った!ヽ(o´ω`o)ノ
>>1
乙です、大佐
いよっしゃあああああああああああああああああ!!
スレ立て乙!!
>>1天元突破乙です
つか前スレ一か月も経たないで消費したんですねw
>>1 まあ、乙じゃないか、貴様。
いやー早いもんですねー。
前スレのスピードは絵師降臨が原因かとw
さて、前スレが埋まった訳ですが
前スレ埋まりましたねー乙です
案の定、てか今回一番長いかもorz
おそらく深夜帯くらいに投下します。あー何か危なそうだなーと思ったら支援お願いします
>>12 (=゚ω゚)書くのはえぇぇぇ
角だけで良いんでくれませんか
じゃあ俺は赤くなる!(ID的な意味で
校正し終わって自分でも納得できたので、まだ昼間ですが投下しまーす
今回ティマに関わる伏線は全て回収できた…筈。ぶっちゃけおっさんたちの会話が殆どです、ごめんなさいorz
鉄と熱の匂いが立ち込める工場内で、その男――――タカダは目の前で鎮座する巨大な兵器――――自動人形と対峙する。
タカダの兵器を見上げるその目には確かな野望の炎が燃えており、また、口元には爬虫類を思わせる冷酷な笑みが浮かんでいる。
その時、タカダの元に長身のスーツを着た男がゆっくりと歩いて来る。タカダがその男に顔を向けると、男は淡々とした口調でタカダに言った。
「タカダ様、モリベ・タクヤと思わしき人物が見つかったとの情報が入りました」
「そうか。早急に特定を急がせろ」
タカダがそう自らの秘書に伝えると、秘書は小さく頭を下げて工場内から立ち去った。
秘書から再び、タカダは目の前の兵器に視線を戻す。そして露骨に舌を打ち、思う。
あのデータチップさえ手に入れば、我が社は――――いや、俺は世界を握れるというのに。何処に居る、モリベ――――そしてティマ。
<LOST GORL ep,6>
愛車を図書館の駐車場に止め、私は公園へと足を早める。既に時刻は夕刻を指していた。
腹を決めたつもりだが、昔からの性分だろう、内心落ち着かない。それに若干腹痛の気がある。良い年の大人が何を言っているかと思うが。
しかし何にせよ、こういう日が来ない筈が無かったのだと思う。出所不明のデータチップを持ったアンドロイドに関わった時点で覚悟はしていたはずだ。
それに、私にはティマを妻として迎え入れた手前、彼女に関する全ての事を知らねばならない義務がある。二人で生きていく為に。
次第に公園が見えてきた。ベンチに目を向けると、誰かが座っているのが見えた。……間違いない。モリベ・タクヤだ。
茶色いコートを着たその男は、私に気付くとベンチから立ち上がった。そして私に対して話しかけてきた。
改めてモリベの姿を観察する。データフォンに記録されていた顔写真が何歳の頃かは分からないが、記されていたモリベの年齢は私と同じ30代。
それにしては整った顔立ちといい、恰好は小汚いが理知的な雰囲気といい、私よりずっと若く感じる。正直嫉妬する。
「来てくれて本当に良かった……手数をかけさせてすまない」
「構わないさ。それより本題に入る前に一つだけ確認させてくれ。……ティマをゴミ捨て場に廃棄した人物はアンタなのか?」
そう、本題に入る前に一つだけ、私にははっきりさせたい事がある。
それはティマをゴミ捨て場に廃棄した人物が、モリベなのかどうかという事だ。これがはっきりするだけで私の中の疑問は大体解決する。
私の質問に、モリベは俯いて何か考えて居る素振りをすると、ゆっくりと顔を上げて私に答えた。
「……そうだ。私が自らの手でティマに危害を加え、貴方の近所にあったゴミ捨て場に廃棄した人間だ」
自分の中の渦巻いていた気持ちの悪い何かが明確な形になり、その形が怒りに姿を変えた。一瞬めまいがしてよろける。
この男がティマに凄惨な過去を刻み、部位を破壊し、あまつさえゴミ捨て場に廃棄した本人だと考えると私の中の憤怒というマグマが噴出しそうになる。
しかし私は決してこの男と争う為に来たのではない。ティマの過去を知る為に来たのだ。
……そうそう、もう一つ聞いておきたい事があった。私はジャケットのポケットから、ある物を取り出しモリベに渡す。
怪訝な表情を浮かべて受け取ったモリベが、その物を広げる。瞬間、モリベは小さく驚き、そして後悔といった表情が浮かべた。
「……これは」
「アンタと出会った翌日、ティマは突然ノートいっぱいに狂った様にGORLと書きはじめてな。
今のティマは正常に戻ったが、その時には本気で焦ったよ。ティマがおかしくなったのかと思ってね。……開発者のあんたなら説明できるよな。ティマに起こった事が」
私の疑問に、モリベは私から受け取った、ティマがGORLと異常なほどに書きなぐって真っ黒なページを畳むと、静かに答えた。
「……恐らく、一度に処理が出来ない程のメモリーが蘇った為に、ティマの行動を司る人口回路が一時的にオーバーヒートを起こしたのだろう
そのせいで昔……昔私が覚えさせていた行為を今すぐ取らねばならないと、ティマ自身の感情とは関係なく、ティマの体が暴走したのだと思う」
「そうか……今後ティマは暴走する危険性は?」
正直モリベの言っている事の意味が分からない。外的な要因で熱暴走を引き起こされるならまだしも、データチップが原因でなるとは聞いた事が無い。
だが否定する理由もない。しかし考えれば考える程おかしな話だ。昔の記憶が蘇ったせいで体が自らの意思と関係無く暴走するなんて……。
私の質問にモリベが頷いて返答する。
「それなら心配はいらない。……私がティマの前に現れなければ、ね」
「……私が聞きたかった事は以上だ。本題に入ってくれ」
私がそう言うと、モリベはベンチに腰かけた。長くなろうだろうし、立っているままでは色々とキツイと判断したのだろう。
続く様に私もベンチに座った。もうすぐ日が落ちる為か、斜陽がベンチを染めている。モリベが両手を組み、目を閉じる。
そしてゆっくりと目を開くと、コートの懐から何かを取り出した。剥き出しのデータチップだ。私は受け取り、データフォンに挿す。
モニターに映し出されたそれを見て、私は息を飲んだ。
そこには、苦笑しながらピースをしているモリベと、そのモリベの横には白い肌で蒼い目をした、綺麗な金髪の女性が幸せそうな頬笑みを浮かべて立っている。
そしてモリベの下には、はにかんだ笑顔を浮かべ、ぬいぐるみを抱いた……。
ティマに瓜二つの、金髪でショートの幼女が立っていた。周りの風景を見ると、どこかの湖の様だ。
私がモリベに顔を向けると、モリベは空を見上げながら、静かに語った。
「まず私自身の事を話そう……」
私は子供の頃から、開発者の両親の影響もありデータチップ……いや、むしろロボットに対して異常なまでに愛情を注いでいた。
近所ではもしもロボットが壊れた場合は、モリベに頼みに行けと言われてくらいにね。
エリート気質だった両親に後押しされるように、私はその内、開発者としての道を歩むようになった。
技術を学ぶ間際、自分の好きなデータチップに関する研究を行える……私はそう信じてレールを突き進んだ。
しかし、待っていたのは型に嵌った面白みの欠片も無い研究の日々だった。
独自性も何も無い、言われた事をするだけの世界。そこには自由など存在しない。
枠をはみ出れば無理矢理矯正される。まるでロボットの様にね。国が欲しかったのはロボットの未来を作る研究者じゃない。研究員という名の従順なロボットだ。
それでも私は何時か、何時か私自身がやりたい研究が出来ると信じて必死になって打ち込んだ。だが、肉体は既に悲鳴を上げていたんだ。
私は研究中に倒れた。体力の限界に加え、不眠不休が祟り、しばらく復帰は無理だと医者は判断した。
上はそんな私は容赦なく切り捨てた。同じ時期に両親が病に掛かり……。
私は何もかも失ったと病院で泣き濡れた。かつて心の支えとしていた物が一瞬で目の前から消えてしまったからね。
そんな私に声を掛けてきた人物がいた。看護婦として勤めていた私の元妻……エミーだ。
私はエミ―の明るい笑顔に惚れこんだ。エミーの存在は、酷く沈んでいた私にはまるで太陽の様だった。
やがて私はこのままで良いのかと自答した。何もかも無くしたままで、本当に良いのかと。
そして退院したその日、私は一からリスタートする事を決め、同時にエミーに告白したんだ。いつか……何時か私自身の研究が評価されたら、結婚してくれと。
それから私は必死になって修理士として生活していく間際、開発者の頃には出来なかったデータチップの研究に勤しんだ。
開発者だった頃、それなりにロボットの技術分野も学んでいた事が功を成して、修理士として満足に生活できるほどに私は回復していた。
だが、私は満足してはいない。例えこの体が壊れても、私は子供の頃からの夢だった自分の意思で動き、成長するロボットを見たい。
その一心だけで私はデータチップの研究に打ち込んだ。収入の殆どを研究費に費やすから、次第に私自身の生活は質素に、いや困窮していった。食事も満足に取れないほどに。
そんな私を周囲は変人だと噂した。自らの生活を顧みず、新しいデータチップの開発に打ち込む変な男として。
だがそんな周囲の声も聞こえない程、私は研究に自らの人生を捧げたんだ。
そんな日、私に投資したいという男が現れた。アールスティック社の社長、タカダ・コウイチロウだ。
タカダは私に対してその研究はロボットと人間の垣根を超える、画期的な研究だと言った。私は感激した。初めて私の研究に理解を示す人間が現われた事に。
それにアールスティック社と言えばロボットに関して知らぬ者はいない大企業だ。私はタカダの誘いに乗ったよ。乗らない訳が無い。
だがそれがそもそもの間違いだった事に、私は何一つ気付いていなかった。……本当に馬鹿だよ、私は。
タカダからの投資もあって、私の研究は格段に飛躍した。行き届いた設備、優秀な部下、そして資金。
かつての苦労が嘘の様に私の研究は進み、遂に私が思い描いた自らの意思を持ち、成長する新型データチップが完成した。
私はただただ嬉しかった。私の研究に理解者が現れた事も。私の研究が遂に形となった事も。そして……。
私は後日、正式にエミーにプロポーズした。エミーはそれを喜んでと受け取った。
それから私はデータチップを様々なアンドロイドに試してはタカダに認められた。
サルを模ったアンドロイドは次第にサルの行動を覚え自由に動き回る。子供のアンドロイドに算数の計算方法を教えると、自ら計算し、答えを出す。
私が開発したデータチップは、アンドロイドに自我を与え、思考を成長させる。私はそれをメモリーチップと名付けた。記憶するデータチップとしてね。
そんな日、私とエミーの間に子供が出来た。生まれてきたその子は、ティマの様に綺麗な青い目をしていた。
私はその子にティマと名前を付け、エミーと共に大事に育てていった。自然を愛し、動物を愛し、人にやさしい少女になる様に。
かつての私の様な人生は歩ませたくない。そう思うと、私は一層ティマに愛情を注ぐ様になった。
ある日、ティマが三歳になった頃、エミーはティマと一緒に買い物に行くと言って出掛けた。
……私はいつも通り、元気に二人とも帰ってくると思っていた。思っていたんだ。
その日以来、二人は永遠に私の元に帰ってくる事は無かった。ナビゲーション機能が暴走したトラックに轢かれて、二人とも即死と聞かされてね。
私は平衡感覚を失う程、目の前が暗くなった。何も分からない。何も考えられない。
また、また私は失ってしまったのか。大事な……大事な者を救う事も出来ずに。
気づけば私は、自らの手でアンドロイドを作っていた。睡眠も食事もいらない。ただ私の体はアンドロイドを作る為だけに動いた。
透き通る様な蒼い目、鮮やかな金髪。そして美しい顔立ち。私は一心不乱にメモリーチップの事を放置して、アンドロイドを作った。
その時の事は正直覚えていない。ただ、私はもう一度会いたかったんだ。――――ティマと、エミーに。
完成したそのアンドロイドは、蒼目の金髪な、美しい少女型のアンドロイドだった。
私は狂喜し、彼女にティマと名付けた。ティマとエミーが帰って来た気がして本当に嬉しかったんだ。だが今思うと彼女はティマでも……エミーでも無かった。
私はメモリーチップ完成前の最終テストとタカダに説明し、ティマにメモリーチップの使用許可を願った。タカダは怪訝な顔をしたが了承したよ。
私はティマに、ティマとエミーの全てを教えた。二人の仕草、趣味、性格……彼女に関するありとあらゆる全てを。
ティマは……いや、正確にはメモリーチップは私が教えた事全てを完璧なまで理解し、そして成長した。
それはティマとエミーの欠点……そう、彼女がGIRLという綴りをGORLと書いてしまう癖に、エミーの学んだ事を間違った解釈で理解する事も。
私は自ら作った存在に幸せを感じる間際……正直恐怖した。私の目の前に居るのはアンドロイドではなく、一人の少女その物だった。
ティマは日々成長する。やがてティマは私の好きな物や喜ぶ事を自ら実行しようとするほど成長したよ。
しかし私の中で次第に不安が募っていく。もしや私は……私は恐ろしい物を生みだしてしまったのではないかと。
ある日、タカダが私のその成果を見せてほしいと言ったよ。
私はティマの成長する様を撮ったデータチップをタカダに見せた。しばらくして、タカダは私に顔を向けると、静かに一言目を発した。
――――これは戦場で使えるのか? と
私はタカダの言った意味が分からず、どういう意味かと説明を求める。すると、タカダは冷徹な声で私に告げた。
「どうやら貴方は酷い勘違いをしていらっしゃるようだ。私は貴方にこんな下らない人形遊びをしてもらう為に、我が社に引き入れた訳ではないのです。
貴方には戦場で自ら行動し、計画を立て、そして成長する兵器を作ってもらう為に我が社に来てもらったのです。人間の手を介さずとも働く、優秀な兵士をね。
ロボットと人間の垣根を超えるの意味を履き違えていたのなら失望しました。しかしまぁ……良いでしょう。今後も研究に励んでくださいね、モリベ博士」
タカダの背中が遠くなった途端、私は膝から崩れ落ちた。あの男が私を評価した目的は……。
私は研究に没頭していたあまり、タカダの裏にある本性に気付く事が出来なかった。
間抜けだ。あまりにも間抜けすぎる。私は……私はただ、覚めない夢を見せられていただけだと、ようやく知る事になった。
私はティマをどうするかで苦しんだ。このままティマからメモリーチップを抜き挿せば、タカダの野望を食い止める事は出来る。
それに加え、私が死ねば、もはやメモリーチップを作る人間も存在しない為、実質……。
だが……それで良いのか? ティマと向き合うと、自分の手が震えだす。
ティマには、ティマとエミーの面影が浮かんでいる。もしも手を下せば、私は……
だがこのままだと、メモリーチップは兵器として利用させる事になる。それだけは避けたい。
ティマが何も知らずに、私に近づいて首を傾げながら、言った。
「パパ、どうしたの? 悩み事があるならティマに教えて?」
ハッとして私はティマに視線が合う。どこまでも無垢で蒼い瞳が、私の姿を映していた。
この子は……この子は何も知らずに、何をされるのか分からない。ただ生み出されて存在しているだけの……
気づくと私の目から涙が流れていた。私は震える腕でティマを抱き寄せて――――メモリーチップを取り出した。
ガクンと機能を停止するティマに。私は……デッドチップを取り出した。
「デッドチップ……」
モリベの語りにただただ呆然と聞いていた私は、その単語にピクリと反応した。
デッドチップ……それはアンドロイド用に作られた、アンドロイドの機能を破壊する為だけのチップだ。
挿入されたアンドロイドは全身の電子回路にウイルスが流し込まれ、駆動系が全て機能不能となる。無論、アンドロイドの行動を司るヘッドパーツも。
人間でいえば心臓のみならず脳も死ぬ、つまり完全に死に、二度と生き返らなくなると言っていい。
それ故、暴走したアンドロイドを止める等に使われる為、警察機関や企業でしか扱う事が許されず、私の様な個人経営の修理士は法律で所有禁止とされている。
「それで……デッドチップをどうしたんだ?」
「……挿せなかったんだ。ティマの顔を見ると。両手が異常なくらいに震えてね」
私は自分の両手が震えているのを感じた。これさえ挿せば、完全にティマを破壊する事が出来る。
だがそれは私にとって妻子を……殺す事と同じように感じた。だから挿せない。
しばらくティマを抱いたまま、私はふっと立ち上がった。
自らの手で殺すのが嫌なら……他人に消してもらおう。そうすれば私は罪悪感に苛まれる事もない。
そして愚かな科学者である私が生きている資格など無い。……死のう。ティマを捨てて。
震える手を無理やり抑えながら、工具を取り出す。そして――――ティマの足目掛けて振り下ろす。
彼女の両足を歩けなくなる程に振り下ろす。次第にティマの両足は原形を無くす程に潰れ、破損していく。
ゴミ捨て場に捨てれば、処理場まで運ばれて機械的に処分される。ティマの存在自体が、この世から消える事になる。そしてメモリーチップも。
私は狂った様にティマの両足を破壊した。と、気付く。ティマもエミーも右腕が利き腕だった事に。払拭……払拭するんだ。
私は続いて右腕を破壊する。気が狂った様に。……気づけば、ティマの姿は目を背けたくなる様な、見るも無残な姿になっていた。
最後に……最後に私はティマの顔めがけて工具を振りおろそうと腕を上げた。だが、どうしても振り下ろせない。
その時の私にはもう、正常な思考能力は無かった。ただ疲れたというだけで、私はティマをそれ以上破壊する事は……止めた。
タカダから授かった開発責任者という身分の為、私にはそれなりに自由に行動できる。
私はティマに布を被せ、中身が分からないように偽装してトラックを使い、ティマを運び込んだ。
そしてどこでもいい、ティマを捨てられるごみ捨て場を探した。町中を駆け巡ってね。
その内、私はそう……貴方がゴミを捨てに行っていた、路地裏のゴミ捨て場を見つけたんだ。
私はトラックからティマを運び出し……廃棄した。メモリーチップを挿入して。少しだけ傘が必要なくらい、微妙な雨が降っている日だった。
ティマが涙を流している様に見え、私はティマを振り変えずにトラックに乗り、適当な所でトラックを捨て去る。
それから私は今に至るまで、アームスティック社から逃げ回っている。自業自得……でな。
……言葉が、出ない。私はどうリアクションを取ればいいのかが、全く思いつかない。
想像していたよりずっと、ティマは過酷な運命を背負わされていたのだ。私は自分自身の思慮の無さを恥じた。
そしてモリベという男に対してあまりに失礼な誤解を抱いていた事にも。モリベが一呼吸置き、話を続ける。
「しばらく私はろくに生活する事さえ、出来なくなった」
ティマをゴミ捨て場に廃棄して以降、私は死人の様に町を彷徨った。時にアールスティック社から逃げながら。
私は自分の手で妻子を殺してしまった。そう考えると、すぐに強烈な吐き気がして、私は便所に入るたびに嘔吐を繰り返した。
しかしこれで良い、これで良いんだと私は自分自身を無理やり洗脳した。兵器開発に加担しなかっただけで良いんだと。
無理だ。私は自分自身への洗脳に対しても気持ち悪くなり、更に吐き気を催した。
財産はあるものの、無論食事など出来ず、日に日に体力が落ちていく最中、私は毎日を図書館で過ごすようになった。
ここなら誰にも干渉される事無く、またアールスティック社も追ってくる事が無い。病んでいく精神の中で……。
私は、貴方が修理したティマを見かけた。最初は遂に幻想を見るほどまでに落ちぶれたのかと思った。
しかもティマは、しっかりと本を読み、自らの意思で本を借り、そして言葉を発していたからもう私はもうすぐ死ぬのだろうと
だが、次第に幻想じゃないと気付く。一度じゃない。恐らく貴方が連れて来ていのだろう、ほとんど毎日、私はティマを見かけた。
私は本当にティマなのかを確かめたい衝動に駆られていた。だが、もしも違っていたらと考えるとどうしても怖くてね。
そんな日、私は図書館から出ていく途中の公園で、ブランコで遊んでいるティマを見かけてね。
私は意を決して、ティマに近づこうと考えた。どうせ死ぬ間際に、一度ティマに……ティマに触れたかったんだ。
「……本当にすまなかった。彼女がああなる事を忘れていたせいで……」
モリベが立ち上がり、私に頭を下げた。私は慌てて首を横に振った。
「いや、謝らないでくれ。私はアン……いや、貴方に謝られる様な人間じゃない」
「だが、結果的に貴方を危険な目に巻き込んでしまった。謝っても謝りきれない……」
「だからそう気にも留めないでくれ。私が勝手にティマを修理しただけだ。危険な目に会うのは自業自得って事で覚悟してたよ」
ぶっちゃけ覚悟何か出来ちゃいない。どうやら私はとんでもない事に知らず知らずに巻き込まれていたようだ。それも中心に。
しかし慌てた所でどうしようもない。……私には、ティマを守る義務がある。今のティマはかつてのティマではない。私の妻という、新しい記憶を授かったティマだ。
そうだ、私はともかく……。
「……モリベさん、貴方は、貴方は今後どうするんだ?」
私がそう聞くと、モリベは初めてふっと笑みを浮かべると、空を見上げて静かに答えた。
「……タカダと決着を付ける。あの男に対してとどめを刺せるのは、私しかいない」
そしてモリベはコートの袖から、透明なケースに入った、黒いチップを私に差し出した。
「……これを貴方に託す。……遅かれ早かれ、アールスティック社は貴方を追いつめようと躍起になる。
もしも、もしも貴方が限界だと感じたら……このデッドチップを使ってくれ。貴方にはその権利がある」
私はデッドチップを受け取る。
「……受け取りますが、私は使いませんよ。彼女を守ります。どんな手を使っても」
私がそう答えると、モリベは私に振り返り、深く頭を下げた。
「ティマを……宜しく頼む」
何だか異常に疲れた気がする。実際肩がどっしりと重い。足も石の様に重い。
カードを通して我が家に帰ってき……なんだ、この焦げ臭い匂い……というか何だ! この灰色の煙は!
まさか火事か!? 私は急いで靴を脱いで、煙の発生源を探る。その発生源は……台所?
息を荒げながら台所に着くと……エプロンをしたティマが、得体の知れない何かを作っていた。
ティマが私の帰宅に気付いて振り向く。
「あ、お帰りなさい、マキ。ごめんなさい、全然気が付かなかった」
「あ、あぁ只今……ってティマ!」
私は煙をもくもくとあげている発生源を止める為に、急いでコンロを捻って火を止めた。鍋を覗き見ると、プスプスと焦げた野菜……だったものが転がっている。
私はあえて大げさにため息をして、ティマの頭を撫でながら聞いた。
「ティマ……一体何をしようとしていたんだ?」
私がそう聞くと、ティマは背中から、一冊の本を取り出して私に見せる。
何何……じっくり煮込む美味しい料理? ううん……。
「強火で煮て30分って書いてあったから強火で煮たんだけど……」
「ティマ、強火と言っても最大火力で30分も煮たら大変な事になるぞ。ましてやこんな小さい鍋で……」
ティマはそう言って落ち込んだ表情を見せる。私はティマのその顔を見て、自然に苦笑が出てくる。
「ごめん、マキ……私、マキの妻として何かしてみたかったの」
「良いんだよ、ティマ。そんな無理しなくっても、ティマはティマのままで元気でいれば」
私はティマを膝の上に乗せ、頭を撫でながら、ふっと抱きしめた。
「マキ……」
「しばらくこうさせてくれ、ティマ」
脳裏に、私に頭を下げたモリベの顔が浮かぶ。どうして……どうしてこう、人の運命は残酷で、皮肉なのだろう。
私には彼の意思を継ぐ義務がある。彼の分まで……私はティマを一人の少女として育てよう。
――――亡くなった、彼の大事な二人の為にも。
続く
投下終了です
あー連投規制にならなくて良かった…
気づく間もなかった…投下乙です
おーっと投下乙
埋めネタ使う暇がなかった・・・まあいいか!
レスの程、有難うございまーす
誰もいないようなのでひっそり相談?
ティマの出所も書けてこれからクライマックスに向けて一直線なのですが
このまま突入すると色々と結構きついので、次回の7話は明るい話を書きたいなぁと
で……ティマとマキをどこかに連れていくとしたら、何処が良いですかねw遊園地らへんが良いかなぁ
うみがいいな!
おじちゃんとうみにいこうか!
南の島へ新婚旅行とか
(俺と)
おー海に旅行ですか―!良いっすねー
……水着イベントですか
>>27 投下乙です。
過去と秘密が明らかになって、あとは走るだけってとこですなぁ。
行かせたい場所かー。
新婚さん的なふたりっきりの場所もいいけど、
世界には色んな人間がいることをティマに見せてあげたくもあるなぁ。
その方が、ただ楽しいだけじゃなく、今後の話にも繋げられそげふんげふん。
それこそ混み合う遊園地とか、水族館とか、街を一望できる場所(夜景の見えるホテルレストラン)とか……。
……やばいなぁ、想像が止まらんです。
>>10 なるほどー
……って、いの一番に絵投下して、一番投下多い絵師アンタじゃないかw
しかもうまいしw
>>27 動物園とか?
沢山の命に触れるってノリで
しかしROST GORLの世界だと
動物園の動物もオール電化になってそうだ
前言撤回。
水着イベントと聞いてはそれを優先せざるを得ない。
うわあ、死んだように眠りこけていた!
ティマの出所がわかってひと安心。ティマが元気そうでさらに安心。でもやっぱりバットエンドにならないかヒヤヒヤします。
自動人形が何なのか非常に気になるところですが……。
>>27 >このまま突入すると色々と結構きつい
(゚Д゚;)
>ティマとマキをどこかに連れていくとしたら、何処が良いですかねw
夢の島なんてどうでしょう!(待てやコラ
>>31 なんと、けしからん! 賛成せざるを得ないじゃないか!
>>33 動物園にはもう行ったんだぜ!
>>32 >……って、いの一番に絵投下して、一番投下多い絵師アンタじゃないかw
(゚Д゚;)真面目に自分の事を忘れていた……。
>しかもうまいしw
(゚Д゚ )
( ゚Д゚)
( ゚Д゚ )
こっちみんな色男
こっち見(ry
>>33 動物園には一応行きますた(ep.4で)
でも沢山の命に触れるってのは良いですね
>>34 まだ仮定ですw当初アンドロイドは水気厳禁って設定にしようと思ったんですが、海行った時点でそんな(ry
しかし水着というだけでこの反応…・・・紳士よのぉ
>>35-36 >自動人形
もう分かっちゃうと思うんですがアレです。いや、正確にはアレになる前の……
確かにパラべラムさんが一番投下多いですねw
さて、相談に乗って下さり皆さん本当にありがとうございましたw
ティマとマキが何処に行くかが決まりましたので、出来るだけ早く書いて投下したいと思います〜
もちろん水着は白いスクールみz(ウボァ――――
>確かにパラべラムさんが一番投下多い
まあほとんど連載してるSSとは関係あるか微妙な絵ですけどねw
肝心の登場人物を描いてないという
死ぬほど寝てた…('A`
>>36 あぁ〜、そういえば自分パラベラムさんより投下数全然少ねぇww絵しか描いてないのにww
そしてロリ絵でも勝てないというね
そして相変わらずの変態紳士の多さ、流石です
ティマの白スクが読めるって聞いt(ry
おや、こんな朝早くに誰か来たようだ…
そして誰もいなくなった――――
>>42 おおいかん。
前スレのマッハ進行のせいで忘れていたが
相変わらずバトルが熱くてよかたある。
<しかし、捕まえたのは、こちらも>/リヒターも負けじと腹に膝蹴りを喰らわせた。/<同じ……!>
みたいな分割商法はいつか俺も試してみたいものだ
それはそれとして、やはりへーシェン嬢の台詞から目が離せなかったやほーい!
毎日活発だしたまには静かでも良いと思いますよw
駄目だ……シチューエションが浮かぶけど文に出来ね
はかいこうせんのはんどうで動けないってワケですねー。
>>43 感想ありがとうございます!
>相変わらずバトルが熱くてよかたある。
いやあ、バトル久々なんで張り切っちゃいました! 深夜に、ノリノリで!
>へーシェン嬢の台詞から目が離せなかった
お嬢のメイン回やったら普通の人には意味不明な台詞ばっかで大変な事に……w
駆け引きする戦闘もいいよね!
無双や一撃必殺も楽しいけど!
逆シャアを見たせいで一対多を書きたい私ガイルです。敵は、各距離対応の武器を装備。間合いに応じた武器変化に注意して下さい。至近距離でのサマーソルトキックにも注意して下さい。
書き込もうとしたら規制食らってた(´;ω;`)
昔書いた気がするけれど無双って実は書くのかなり難しかったりする
あとアニメ的な書き方はやっぱり難しいね
文章だと大画面で小芝居入れれるからいいけど
一々文で書くと内容がまどろっこしくなる
>>47 1対多は結構書きやすいよー、数の考慮と空間、あと他の敵を棒立ちにさせない的な配慮はいるけれど
ただ、多対1とか多対多は視点の置き所難しくてかなりしんどいw
俺次、多対1書かないといけないからかなり気を引き締めないと
まだ前振り書きと書き方考えてる段階だけどw
>>48 HAHAHA! 一応書いた事はあるYO!
>数の考慮と空間、あと他の敵を棒立ちにさせない的な配慮
ええ、その辺の大切さは某ガンダムと某ガンダムを見比べる事で嫌というほどわかりましたw
>>48 おのれ規制!悪魔め……!
確かに頭の中に映像が浮かんでいても、文章で表すとなると難しいですよね
飽きさせない様にテンポ良く視点を変えていかなきゃならないし
>>49 アレとアレですね、分かります
>>48氏が規制になったのは、乾巧ってやつのせいなんだ
……いや、ゴルゴムの仕業か……?
>>50 ドン、ドン、パッっとリズミカルに書くといい……かも?
>アレとアレですね
ええ、ガンダムブランドを破壊しかけたあのシリーズと、最近放送が終了、プラモ大好調だったアレです
ゴルゴムで思ったんだが、このスレ的にロボライダーってありなんだろうか?
特に怪魔ロボットを軍団を蹂躙するってのなら、何の問題もなさそうだがw
ロボって言い張ればありw
>>52 断然おKですよ
自分のはロボット物かと言われれば疑問符付きますし
駄目押しで霞のジョーをロボにしてしまえば完璧ね!
そういや脳味噌残ってるサイボーグはどうなのかね?
全身機械のエイトマンはセーフだろうけど
そういやたまにエイトマン∞みたいな話を書きたくなる
アレのヒロインがとても好みだったから
自分で言っといて何だが、こんな光景を幻視してしまった
ガテゾーンは怪魔ロボット大隊が総力戦を挑み
過半数をスクラップにされながらも、徐々に体力と装甲を削っていくことに成功する
いかなロボライダーも、さすがに多勢に無勢
無尽蔵の気力体力も底を尽きかけ、ついに膝をつくこととなった
ガテゾーン自身も、それをクライス要塞から見守る仲間も歓喜に打ち震える
これで憎きRXとの戦いも終わりだと
ここで終わりなのかと光太郎が思ったその時、不思議な事が起こった
「お前死んだら俺も死ぬんだ!」
どこかで聞いた声が採石場全体に響き渡った
恐る恐る、ガテゾーンは声のした方に目を向ける
そして、機械でできた身にありえるはずがない、血の気が引くという感覚を味わうこととなる
崖の上には、今正にトドメを刺されようとしているものとは別のロボライダーがいた
それも一人二人と増えていき……
やがてそれは、視界を埋め尽くす無数のロボライダー軍団と化した
>>58 ぜひ本編を書いてみては如何でしょうかww
てかロボライダーがおkならG3とか……ゴクリッ
>>58 >時、不思議な事が起こった
はい、敵に敗北フラグ立ちましたーw
今作ってるのがヒロインがライダーというかテッカマンというか。
主人公はロボだけど。
>>59 たくさんのG3マイルドを指揮するG3-X……ゴクリ
>>61 なんと、実に興味深い……。
>>62 敵は怪獣は怪人だったりします。
巨大ロボで戦うのとは別にヒロインは人間サイズの敵と戦ったりとか。
あとやっぱり肉親が悪の変身ヒーローになって襲ってきたりも。
>>63 惹かれますな……勝手ながらも期待したいw
>>63 >肉親が悪の変身ヒーローになって襲ってきたりも
王道的展開ktkr
これは期待せざるをえませんね!
ふう
明日は朝早いっていうのに何してるかな、自分
お久しぶりでございます(一部のぞく
アーティファクト・レガシアム の続きを書いてきました
第四話、投下させていただきまーす
昔、わたしは蝶になった夢を見た。
ひらひらと飛ぶ蝶そのものになっていたらしく、
自然と楽しくなり、のびのびとした気持ちを楽しんだ。
わたしは蝶になりきっていたらしく、自分が自分であることさえわからなくなっていたが、
目を覚ましてみれば、わたしはわたし以外の何者でもなく、断じて蝶などではない。
わたしが夢で蝶になったのか、それとも蝶が夢でわたしになっているのか。
それはきっと──
ARTIFACT LEGACIAM 第四話 バタフライ・ドリーム
「じゃあ、明日のお昼には迎えにくるね」
汚れ物をつめたカバンを抱えて千歳は笑いかけてくれた。
「明日の昼だなんて言わないで、もう今連れて帰ってくれないか?」
そんな事を言っても千歳は笑うだけで、まともに受け取ってはくれなかった。冗談だと思ったんだと思う。半ば本気なんだけど。
「看護婦さんの言うことちゃんと聞いて、大人しく休んでいなきゃダメだからね」
まるで子供扱いだ。
「夕方まで寝てても何ともなかったしさ、気分も悪くない。もう何ともないさ」
「でも、お兄ちゃんナノマシン治療できないし。後で何かあったら大変だし……」
それを言われると辛い。
「アレルギーなんだからしょうがないじゃないか」
そうだよと千歳は言った。
「しょうがないんだから、大人しく休んでいてね。……わかった、明日少し早めに迎えにくるから、ね?」
まったくもって子供扱いだ。
とはいえそれ以上反抗するようなことは言わず、僕は気をつけてお帰りとだけ声をかけた。
「うん」
妙に機嫌の良い千歳は微笑むと「それじゃ、おやすみなさいお兄ちゃん」と言って病室を出て行った。
夏とは言え、20時をまわれば外はもう暗い。
『あいつちゃんとタクシー乗って帰るんだろうな』
再三くどくなるほどタクシーに乗って帰るんだぞと言ったから大丈夫だと思うけど、それでももう一回くらい言っておくべきだったかなと思う。
「お兄ちゃんは心配性だねェ」
ベッドサイドのTVの上に陣取った黒猫が囃し立てた。
「うるさいな」
相変わらず人の心を読むとはなんなんだ。プライバシーの侵害だ!
とはいえ……。
ボスッ。
僕は倒れこむようにベッドに身を放った。
「うっわ、埃立つから! ボスッとかドサッとかやめてよね!」
怒る元気も気力ももうない。わいてこない。だって、
「今日は、本当に、疲れた……」
・
・
・
「そりゃあもちろん、必殺技を使うのさ」
「必殺技?」
「そ。みんな好きでしょ、必殺技ってやつがさ」
蹴り飛ばされた花瓶が体勢を整え、後ろからゆっくりと迫る花瓶と共に僕らを挟む形になる。
自衛軍のセンチネルの攻撃はまるで効果がなかったように見えるし、こちらの攻撃が効かないのもさっき見たばかりだ。
だったら──!
「ふたつ教えてくれ」
「何だい?」
「ひとつ、その必殺技を使っても周りに被害は出ない?」
「大丈夫だ」
「ふたつめ、それは僕に出来るのか?」
「君と僕とレガシアムなら、やれる」
それなら──!
返事は簡潔であればあるほど良いという誰かの言葉を僕は思い出していた。
「僕は何をすればいい?」
下手に上昇して距離を取るわけにはいかない。
──そうすればやつは十中八九地上の市民を狙うからね。
かといって接近を許して懐に入られるわけにもいかない。
──至近距離からの射撃を連続して喰らえば、いつかはバリアの隙間から打撃を食らいかねないからね。
僕がすべきことは。
──僕が必殺技のためのエネルギーをチャージする。その間あいつの攻撃を避け続けてくれ、つかず離れずの距離で。
「くうっ!」
回転、回転、そして回転!
くるりくるりとダンスのようにして花瓶たちの連撃を避け続ける。
これならどうだと花瓶の後ろにまわっても、奴はグルっと回転してこちらに機首(?)の砲塔を向けてビームを放つ。
それを回避してアンカーを撃ち出す!
ガチンとまたも跳ね返されてしまうけど、それでもその一撃は牽制にはなる。当たれば花瓶も躊躇うかのように動きを止めるからだ。
「それにしても!」
思わず愚痴をこぼしてしまう。
「怖いんだよ!」
一方を一方への盾となるように回り込もうとしても、それと察してすぐに位置を入れ替えるように動くのだ。まるで二体で一体の動物であるかのような動き!
上昇と下降、右へ左へのロールとターン。どれだけ工夫をこらした機動を作っても花瓶はこちらの動きについてくる。
右下方から花瓶Aが突進。
左側面から花瓶Bがビーム射撃。
だったら!
僕はレガシアムを空中でバク転のような動きを命じた。
背後に反り返るように飛んで、手をつく──花瓶Aの先端部分に手をついて、そのままその背後に飛び込むのだ!
急激な動きについてこれなかった花瓶Bは咄嗟に止めることもできずに、花瓶Aの背後に隠れた僕らに向けてビームを撃つ!
花瓶たちの同士討ちのその隙に僕はレガシアムの機体をヤツラから後退させた。
「やっぱりダメか」
ゆっくりと振り返る花瓶Aの姿には、ダメージを受けたような雰囲気は見られない。
何をどうしても堪えない相手ってのはイヤだな。段々心が折れてくる。
「に、してはまだ余裕あるじゃん」
うるさい、お前は早いとこチャージとか言うのを済ませてくれ。
「アイアイサー」
追い込まれてるわけじゃない。確かにもうしばらく続けてくれと言われても大丈夫かもしれない。このレガシアムってロボットはシューティングゲームの自機よりも早いし強い。
この性能はまさにチートだ。まるで自分の体のように──自分の体以上に思い浮かべたイメージ通りに動いてくれる。
問題は僕の方だ。
いくら敵キャラより遥かに性能の良いチートキャラを使っているにしても、何をしても好転しない展開が続いていればさすがに焦りが生まれる。そうなれば思わぬミスを起こさないとも限らない。
「これはゲームじゃないんだよ?」
わかってる。これは気分の問題だ。ゲームだとでも思わなきゃこんなこと──
「受け止めきれない、か」
「だからエネルギーのチャージってのを早く済ませてくれ!」
ギュン!
意識が別に向いた間隙をつくかのように花瓶のビームが襲う。
今のは危なかった。叫ぶと同時にレガシアムの機体をロールさせてビームを避ける。
ガガンッ!
だけど三発中の一発だけが避け切れずに機体をかすめる。衝撃が機体を揺さぶると共に肩に焼けるような痛みが走る。
「なんだ、これッ?!」
「避け切れなかった一発がフィールドの隙間を抜けた? やってくれる!」
レガシアムが受けたダメージは僕自身のダメージにもなる?
そういえばさっき花瓶を蹴っ飛ばした時の衝撃を足に感じたような覚えがある。
「大丈夫、ダメージを受けたのはレガシアムの身体だ。君自身が傷ついたわけじゃない」
「でも、その衝撃は僕も感じるってわけか」
花瓶たちの動きは変わらない。
しっかりとこちらに食いついて離れないでいてくれている。この調子なら、奴達が避難所の皆の方へ向かうことはないだろう。
「僕たちが──」
「──やられなければ、の話だけどね」
やられるもんか。
再び花瓶たちがレガシアムを左右から挟むように回り込む。
「仕掛けてくるッ!」
だけど今度はさっきまでと動きが違っていた。ジグザグに複雑に機動しながら単発・三連射を組み合わせて波の様に押し寄せてくる!
避けるにしても限度がある! ロール、下降、上昇、水平移動! まるでドッジボールをやってる気分だ。
とうとう焦れて本気になったのか? 花瓶たちにそんなものを感じることができるのか知らないけれど。
黒猫のやつのサポートなしに、これ全部を避けきれるものなのか? そう、思ったときだった。
花瓶Aの側面に回りこむと同時に、奴が身体を“捻った”。
目の前に砲塔の黒い穴が広がり、そこから光が迸る!
避けきれないか──!?
しかし光は着弾寸前で弾けて飛散した。
「間一髪ッ!」
飛び退って距離を取り、アンカーを撃って牽制をかける。
バリアを張って守ってくれた? ていうことはつまり……。
「お待たせ、エネルギーチャージ完了だよ!」
おぉ……と安堵のため息が司令部に広がった。
直撃コースの光弾を何とかフィールドで受け止めた光景には皆、正に肝を冷やしたようだ。
「ヤベェな。ユニット01はろくな装備もしてなかったんだろ」
「はい、砲撃戦パッケージも格闘戦パッケージも装備していません。非戦闘状態のまま出撃した模様です」
信濃の言葉に吾妻が答える。
「いくらユニット01でも何の装備もなしにE&Eに対抗できるとは……」
その言葉には答えず、信濃は大和の側に口を寄せる。
「どう思う?」
「状況からして“彼”は“継承者”を見つけて搭乗させたんだろう。でなければ主機関が動いている説明がつかん」
「やれると思うか?」
大和は正面のモニターを重苦しい表情で睨みつけているだけ、だ。
「やってもらわねば、困る」
搾り出すように言い、
「現状E&Eに対抗できるのはユニット01だけなのだからな」
ため息を吐き出す。
「せめて100式が配備されていればな……」
モニター上のユニット01は再び戦闘機動を開始したようだった。
「それにしてもユニット01に乗り込んだ奴ァ……ムチャクチャだな」
「マニューバも何もまるでデタラメだ。正規の訓練を受けたような人物ではないのだろう。……にしては上手く避けるものだが」
そうだ……と言いかけて大和は口ごもった。
ムチャクチャだと何のかんの言っていても、ユニット01は周囲に被害を出していないのだ。
避難している市民にかまわずAAM(対空ミサイル)をぶっ放した自衛軍のセンチネルとは違うように思えた。
『市民を守って戦っているのか?』
そう思うとムチャクチャな機動にも少々納得できる点も見えてくる。
『市民や街に被害が出ないようにE&Eの注意を自分に向けるよう飛び回っているのか? つかず離れずの距離を保って』
もしその想像が当たっているとしたら──
「“継承者”クンは、“彼”やユニット01共々、我々の味方になってくれるかね?」
「信濃君、私の思考を先読みするのはやめてくれ」
そう言いながら、大和は自分のしかめっ面がようやく綻んだことを実感していた。
が、その苦笑も長門通信士の報告で吹き飛んだ。
「大変です! ユニット01を中心に巨大な重力震が発生!」
再び司令部にざわめきの波が広がる。
「ありえません! こ、こんな……地表上で重力場崩壊が発生するだなんて!」
「吾妻君、ユニット01は?」
「主機関、補機ともにフル稼働中です。フル稼働時の想定出力をかるく30%はオーバーしています! ……今、レッドライン突破しました!」
「こいつは……前言撤回、かな? 長門三尉、周辺環境はどうなっているか」
長門は信濃に答えない。
「……長門三尉、どうした?」
「それが……」
「長門君、報告は明瞭にしたまえ。戦闘空域の周辺環境はどうなっている?」
「それが……なんともありません」
長門の言葉はモニターに転送されたデーターに過不足なくあらわれた。
すなわち、
巨大な重力異常が発生していながら、
街にも人にも、なんら異常は起きていなかったのだ。
量子力学ではエネルギーと時間は不確定性関係にあるそうで、時空の極々狭い領域で粒子と反粒子の対生成・対消滅が絶えず起こっているんだとか。
ブラックホールの地平面でこのような粒子の一対が生まれると、それらが対消滅する前に、一方がブラックホールの地平面内に落ち込み、もう一方が遠方へ逃げ去ることがある、らしい。
つまり、粒子がブラックホールから地平面を通り抜けて飛び出してきたように見えるらしいのだ。
この粒子が放出される現象はブラックホールの地平面上で起こるために、見た目にはブラックホールが熱放射で光っているように見えるらしい。
ブラックホールが光る? 想像もできないけど、そういうことらしいからしょうがない。
輻射によってエネルギーを失うと、当然エネルギーは質量であるからブラックホールの質量は減少する。
質量が減るとさらにこの効果が強く働いて輻射の強度が増える。ブラックホールは加速度的に質量とエネルギーを失い、最後には爆発的にエネルギーを放出して消滅する。
それがブラックホールの蒸発という現象──なんだそうだ。
説明されてもまったくもってチンプンカンプンだったけど、そういうものなんだそうだ。
「レガシアムを特異点として事象の地平を作り出す。アーティファクトエンジンフルドライブ、補機は機体制御サポートへ。グラヴィティコントローラー、グラヴィティ・フォース・フィールド・マキシマム」
黒猫が分からない言葉を列挙しだす。
それと同時にレガシアムを中心におおきな球形のバリアが広がったのを僕は見た。
グラヴィティ・フォース・フィールド・マキシマムってやつなのか。さっき説明を受けたバリアのことなんだろう。だがしかし、
なんであの花瓶ABもこのバリアの内側にいるんだ?
その何たらフィールドっていうやつもさっきまでと違って、目でその存在を確認できるようになっている。青だか紫だか、そんな薄い半透明の幕のような感じに見える。
「フィールド、反転!」
だが幕はその言葉とともに文字通り反転した。
さっきまでの青系統の色が、真逆の赤、朱色系の色の幕に変わってしまったのだ。
「なんだよ、これ?」
迫る花瓶の攻撃を飛んで避けて……僕は異変に気がついた。
「レガシアムを上昇させるとこのフィールドも動く?」
「そう、このフィールドはレガシアムを中心に内側へ向けてフィールドを維持したまま形成されている」
つまりレガシアムが動けばそれにあわせてフィールドもレガシアムが中心にあるよう動くってことか。内側に向けて形成されているってのは?
「文字通り外からの作用にではなくて、フィールドの内側からの作用に対して威力を発揮するってことさ」
外側からの攻撃ではなくて、内側からの攻撃をシャットアウトするバリア。
「光、熱、衝撃、放射線、ありとあらゆる物理的作用を遮断するフィールドなんだよ? そしてあいつらに逃げ場はない!」
「だったら」
「周りを気にせずぶちかませる!」
いいかげん逃げ回るだけの戦いに飽きがきていたところなんだ。僕は一気にレガシアムを上昇させる。
フィールドに引かれて花瓶たちも一緒だ。
わかる。感じる! エネルギーの高まりを!
レガシアムを核に重力が、時間と空間が歪みはじめている!
「頂点に到達するよ。レガシアムを特異点としてマイクロブラックホールが生まれる!」
「連中もフィールドを張って抵抗しようとしている?」
「ムダだよ、超重力に耐えてもブラックホールの重力に押し潰されて地平面に拘束されて」
「そして?」
「ブラックホールの蒸発とともに発生するガンマ線バーストに、焼かれる!」
レガシアムは一気に高度二万mまでも上昇していた。機体を止めて近寄る花瓶を蹴り飛ばす!
これで終わりにしてやる!
躊躇はなかった。
超重力波、加速運動開始!
念じると共に加速を始める重力波が花瓶たちをおろし金にかけるように磨り潰していく。もうあいつらは逃げられない!
「消えてぇ、しまえぇぇぇ!!!」
多分、操縦桿のトリガーを引くことに意味はなかったはずだ。
いままでそうだったように、それは発動を念じるだけでよかったんだろうと思う。
だけど、僕はトリガーを引いた。
それは、きっと自分がそれを行った……という行為の証明だったんだ。
これは僕が僕の意思で、僕の責任で行った行為だという。
その瞬間、光が弾けて世界が真っ白になった。
飽和する世界。
何もかもが消失して、
僕の意識も一緒に消えていった。
次に目が覚めた時、そこはロボットの──レガシアムのコックピットではなく、みんなが覗き込む病院のベッドの上だった。
夢を見ていた。
その夢で僕は蝶になっていた。
ひらひらと飛ぶ蝶そのものだったんだ。
それはとても楽しくって、のびのびと野原を飛ぶ気持ちを楽しんだ。
僕は蝶になりきっていて、自分が自分であることさえわからなくなっていたけど、
目を覚ましてみれば、僕は僕以外の何者でもなくて、当然蝶じゃあない。
僕が夢で蝶になったのか、それともこれは蝶が見ている僕になっているの夢なのか?
それはきっと──
目を覚ますといくらもしないうちに看護助手さんがもうすぐ朝食になりますよと知らせてくれた。
身体に異常はない。
運ばれてきたご飯をペロリとたいらげると、下膳に来た助手さんに美味しかったことを告げると「この病院は病院食にも気をつかっているのよ」と誇らしそうに笑っていた。
千歳は昨日言った通り昼前には来てくれた。
「昨日は良く眠れた?」
千歳がいなかったから心配で眠れなかったよと言うとツボにはまったのか大笑い。
退院の手続きをしてくるねという千歳に一緒に行くよと言うと、いいから荷物をまとめてロビーに降りておいてとやんわり断られてしまった。
まとめると言っても病院の売店で千歳がそろえてくれた洗顔セットくらいしかない。汚れ物は昨日持って帰ってくれたもんな。
後は……何もない。
TVの上にも何もない。
しばらくボーっと部屋の中で佇んでいると、千歳が戻ってきた。
「おにいちゃん? もう帰るよ?」
そうだな……そう言おうとして、やっぱりやめた。
「ごめん、千歳は先に帰っていてくれ」
洗顔セットを押し付けて僕は病室を出る。
「お、お兄ちゃんッ?!」
千歳の驚いた声が背中に飛んだけど、僕は振り返らなかった。
学校裏に緑地帯公園がある。災害時には避難所として機能する小高い丘の上にだ。
学校周辺は自衛軍によって封鎖されていた。
瓦礫が撤去された後で、すぐにでも封鎖は解かれるとすぐに教えてくれた。。
緑地帯公園も封鎖されていたけど、監視の兵隊はいなかった。忍び込むのは難しくともなんともない。
「夢じゃない。夢であるはずがない」
つぶやいて僕は振り返った。
「いるんだろう? 出てこいよ」
夏の日差しと心地よい風が肌の上を通り過ぎていく。
「他に誰もいないだろうからここに来たんだ。出てこいよ」
二度目の呼びかけ。
「意外と鋭いのかな?」
とぼけた声と一緒に出てきた黒猫を見て、僕はハァっと安堵のため息をついた。
「よかったよ」
「……なにが?」
精一杯憎らしそうな顔を作って、僕は言ってやる。
「こんな風に言えば出てくるかなと思ったからさ、いればね」
ネコもしまったって顔をするんだと僕は初めて知った。まぁこいつが特別なんだろうけど。
「もうちょっと様子を見てからでてくるべきだったかな」
「それも困る。誰もいないところで出て来い! とか言ってるのなんて恥ずかしいじゃないか」
黒猫はそうだねぇと笑う。つられて僕も笑い、二人してひとしきり笑った。
考えてみれば変な話だと思う。
ある日突然わけのわからない物体? 敵? が現れて、街が戦場になって、黒猫が喋り出して、僕がロボットに乗って戦った、だなんて。
「──ごめん」
笑うのをやめて黒猫が俯いて謝る。かわいそうなほどにしょぼくれて。
「どうして謝るのさ」
僕は自然に……ただ理由がわからなくって尋ねていた。
「なぜって」
黒猫が口ごもる。
「いきなり迎えに来たとか言ってさ、何の説明もしないでレガシアムに乗り込ませて、戦闘にまでつき合わせて……その、さ」
なんだ、と僕は思った。
なんだそんなことかと僕は思った。
「そんなことかとは何だよ!」
今度は怒った。笑ったり、しょぼくれたり、怒ったり忙しいやつだ。ネコみたいに表情がくるくる変わる。
「僕はネコだ!」
そうだったね。
僕は学校の方を見下ろした。
「夢じゃない。夢じゃなかったんだ」
黒猫がトコトコと歩いてきて僕の横に座る。
「壊れちゃったね」
でも、
「市民に死傷者は出ていない」
僕は黒猫を振り返った。
「お前が来てくれて、レガシアムに乗せてくれたから守れたんだ。街も、友達も、みんな──」
黒猫も僕を見上げる。
「お前が守ってくれた街なんだよ」
黒猫は「そっか」とだけ言って視線を学校に戻した。
それっきり黙りこんだ黒猫の脇に僕も腰を降ろして一緒に学校を見下ろす。
今はまだ夢の中の話のようだ。
だけど、崩れた校舎はこうして眼下に惨状を晒していて、黒猫はこの通りすぐ横に座っている。
まだ夢の中にいるんだろうか?
僕は夢であって欲しいと思っているのだろうか?
答えはNOだ。
あの時、レガシアムの中で戦っている時、僕も確かに感じていたのだから。
あんなにも怖かったのに、何だかとても“懐かしかった”んだ。
迫る巨大な花瓶のような“敵”も、その“敵”が放つビームの光状も、あんなにも怖かったのに──
だけどそれ以上に安心できていた。
ここがこの世のどこよりも安心できる場所だと僕は“知って”いた。
だから、
「現実と夢に絶対的な差異なんてないにしても、僕はあれを夢だなんて思いたくない。夢で終らせたくない」
その言葉は照れずに言うことが出来た。
きっと、僕もお前たちに会えて嬉しいんだと思う。
その言葉は言えなかった。
「……うん、うん!」
頷きながら、黒猫は泣いていた。その涙から目を離せなくて、口にするタイミングを失ったから。
「僕も、僕も嬉しかったんだよ。夢になんてしたくない!……やっと、やっと会えたんだから!」
それでもいいんだと思う。そう思ったから僕はずっと二人並んで風に身を任せていた。
それが、すべてのはじまり。
僕の世界が変わる、総てのはじまりだった。
支援
■次回予告■
夏季休暇を目前に誰も彼も忙しない学校
それは何の変哲もない当たり前の日常として始まって、
何の変哲もない一日として終る“はず”だった
SARFの長官大和孝和はNOAの太平洋第七艦隊との共同作戦をもって
太平洋上に出現した新たなるE&Eを撃退しようとするが、その戦力差は余りにも広く、大きい
その戦いの様子を感知したユウは……
次回 アーティファクト・レガシアム
夏の扉
しばらく間を空けてしまいました
レガシアム第四話でございます
気に入ってもらえたらうれしいのですが、やはり戦闘描写とか苦手ですの
これはもう、インプットが足りないのとセンスが足りないのとダブルパンチで100メガショックな感じですわ(本人も割りと意味がわかっていない
なんとかもっと緊迫感のある描写ができるようがんばりますので、また投下させてくださいまし
それでは、また
おっと
支援ありがとうございました
いいかげん寝ないと明日がとんでもないことになりそうなので寝ま〜す
それじゃまたー。おやすみなさ〜い
>>49 某ガンダムだとまだロックオンしてるという理由付けが出来てるから
まあ、それはまた別といえば別だけどね
アニメは動の表現の手段としては最高峰だろうけれど手間隙かかるしなぁーw
これで復帰できたかな
さるってたw
投下乙です
>>86 投下乙であります! 相変わらずレベル高いなぁ……。
>お兄ちゃんナノマシン治療できない
怪我したら大変な事になりそ……Σ(゚Д゚ )ハッ、ソウイウコトカ!
>100式
まだだ、まだ終わらんよ!
>>87 でもロックオン中の光点が動いてな(ry
まあ気にしないでいきましょうか! 粗を捜せば通常の3倍はてきますし、アレw
>>86 お疲れー
色々謎が出されてて先が気になるね
ただ、確かにちょっと戦闘がドラクエとかのRPGちっくだったかもしれないw
流れを意識して書いてみるともっとよくなるかも
「てきます」て何さ。
「出てきます」だよ……orz
ガンマ線バーストの下りが激萌え
妹激燃え
あと、あおさんはかなりギアス好きだよねwww
今日からしばらく携帯からです
規制……いや帰省かッ!?
95 :
遅筆:2009/08/08(土) 21:00:40 ID:Hw+uPdow
帰省さ!なんで描いても写メです
つまり同じ環境になったという事ッ!
97 :
遅筆:2009/08/08(土) 21:20:54 ID:Hw+uPdow
>>96 まさしく!そして全然進んで無い!
サーセン
エヴァっぽいの書こうと腐心してるがなかなか難しいな……
ファーストバトルまでかなりの字数を費やす羽目になりそうだ。メディアは違うけど、少ない時間に膨大な情報を突っ込んだ新劇:序はやっぱりすげーや。
>>98 破も大概ですヨ。
えぇい、富野も庵野も化け物か!
>>98 半分はアニメの情報量を映像に押し込めるという手腕があってこそだけどね
まあ、それはそれでとんでもなく凄いことなんだがw
現在、世界観を共有するニ作品を同時作成中…前者はハードボイルド、後者は百合ん百合ん。
うーむ、どちらを先に書きあげて投下するべきか。
しかし百合ん百合んなのは少女機甲録さんと内容的に被りそうだorz
>>101 この際被るとか気にせずに、プリミティブな衝動に殉じておもいっきりやってみてはいかがでしょうか?
>>101 背景や設定を作中で描写しやすい方を先に投下しては?
そうすれば後発の方の内容が理解しやすくなると思います。
2章 その想いの正体
(2)
様々な機械音が混ざり合った雑音が響くハンガールームへと、ディーネは足を運んでいた。
シャッターを潜り、ハンガールームの内部へと入った途端、噎せ返るような熱気が彼女を包み込む。
高く昇った太陽が焼け付くような日差しを放ち、殆ど風の吹いていない屋外は簡単に熱中症になれるであろう暑さであったが、
ハンガールームの中はソレをさらに上回っていた。
シャッターを境に重たい空気の層が出来ているかの様な感覚があり、空気が全身に纏わりついてくる気さえする。
しかし、ディーネはそんな熱気にも顔色一つ変えず、ゆっくりと視線を巡らせた。
ハンガールームには、大粒の汗を滝の様に流しながらヴァドルの整備をしているメカニック達の姿しかない。ハンガールームの片隅に
設けられている、コンピュータールームとは名ばかりのプレハブ小屋の中も覗いてみたが、彼女の探している人物の姿はなかった。
彼女は小さく鼻から息を漏らし、「どうしたものか」と内心で呟いた。
作業中のメカニックに尋ねてみるのが一番手っ取り早いのではあるが、彼らの仕事の邪魔をしなくてはならないほど急いでいる訳でも
ない。
タダでさえヴァドルの整備には人手がかかる上に、試験運用部隊に回されたメカニックの数は少ないのだ。一人の手が止まれば、
全体の作業効率が一気に落ちてしまう。
ディーネは腕につけている携帯端末に視線を落とし、目を細めた。
通信回線を使えば、まず間違いなく連絡は取れるのだが、彼自身に「至急の用件以外では、端末での通信を入れるな」と言われている。
ディーネが思案に暮れていると、ヴァドル二号機のコクピットからヒューマニマルが出てくる姿が目に付いた。
身長は高く、肩幅も広いが、二つの大きく揺れる胸の膨らみが彼女が女性である事を主張している。
「よう!」
彼女の方もディーネの姿に気付いたらしい。ヘルメットを外しながら片手を挙げて声をかけてくる。
ヴァドル二号機のパイロット、リートであった。
パイロットスーツを着込んでいることから、神経接続システムが正常に作動するかのテストを行っていたのだろう。
彼女の様子を見る限りでは、問題は見つからなかったらしい。
リートはパーツを吊り上げるクレーンの鎖を掴み、ソレを伝って一気に地面まで降りてきた。
「どうしたんだ? まさかディーネまで、コイツ等の姿を眺めていた……なんて言うんじゃないだろうな?」
二号機の修理が順調な為か、はたまた、何か嬉しい事でもあったのか、リートは最近纏っていたピリピリとした空気を忘れているかのように
上機嫌である。
「それ、どういう意味?」
笑顔で訊ねてくるリートに、ディーネは小さく首を傾げた。
「さっきまでエルツがソコに立っていてな。俺が、何をしてるんだ……って訊いたら、ヴァドルを眺めているんですって返されたんだ」
「ヴァドルを眺めている……だけ?」
「そうそう。ただ、眺めているだけだってさ。何も考えず、ただ、ボンヤリと視界に入れているだけらしい。
なんでも、そうしていると、人類の未来に希望が感じられるんだと」
軽い口調であるが、リートにソレを馬鹿にしている様子はない。彼女もまた、エルツと似た感情を抱いているのかもしれない。
「確かに、あの土竜型をたった四人で倒せた事を考えれば、その気持ちも解らないでもないわね」
ディーネは納得したように頷き、ヴァドルを見上げた。
この機体には従来の兵器にはない可能性が秘められている事は、先の戦闘で証明されている。
もしコレが量産される事となれば、人類は鋼獣との戦争に勝利できるかもしれない。
二号機は既に、分断されていた手足が繋げられており、人口筋肉を覆う装甲板を打ち付ける作業に入っていた。
装甲板が付けられていないヴァドルの姿は、灰色の人口筋肉が所々剥き出しになっており、見ようによっては皮を剥がれた
人間のようにも見える。
「ところで、何か用事があったんじゃないのか?」
ディーネにつられてヴァドルを見上げていたリートは、思い出したようにディーネに視線を戻した。
「ええ、隊長を探しているのよ」リートに向き直り、ディーネは答えた。「先ほど帰還した遠征隊が鋼獣の巣らしき場所を見つけたらしくてね……」
「ソコの調査の任がウチに回ってきた、と」
「そう言う事」ディーネは苦笑交じりに頷いた。「先日の土竜型の件が、天沢長官を除く、多くのお偉い様達の期待を良い方に裏切ったらしくてね。
土竜型を倒せた部隊ならば、コレくらい被害を出さずにこなせるだろう……って話になったみたい」
「フン。散々キワモノ扱いして、役に立つ筈がないなんて言って居たくせに、使えると分かった途端に掌を返して、偉そうに遠征命令を下しやがって……」
リートは腕を組み、呆れた様子で吐き捨てる。
想像していなかった訳ではないが、この調子だと、戦果を上げる度に試験運用部隊へ回ってくる仕事の量が増えるだろう。
なるほど、このような形で試験運用部隊に任が集まり、最終的にはヴァドルが正式採用され、量産されるに至るのか……。
リートは納得しながらも、やはり上層部の態度が納得いかなかった。
そんな彼女の心情を汲み取ったらしく、ディーネが優しく微笑みかける。
「仕方ないわよ。便利なモノがあるのに、敢えてソレを使わない手は無いもの」
「それは分かっているけど、どうも……な」
「都合よく利用されているようで嫌?」
「……いや、結局はどれも、オレ達ヒューマニマルがしなければならない仕事なんだ。そう考えれば、ヴァドルを使える隊が任に当たる方が、被害が少ない
事は確かだな」
「でも、素直に受け入れられない」
「ああ。少なくとも、あいつ等の態度は安全な防壁の内側に居ながらのものじゃない」
「そう……かもしれないわね」
でも、とディーネは小さく肩を竦めて見せた。
「ウチには一緒に戦ってくれる人間が居るわ。それも、貴女の言う”人間”よりも遥かに優秀な人が……」
「――フンッ」
リートは面白くなさそうに鼻を鳴らし、そのまま逃げるようにハンガールームを後にした。
リートは何が気に食わないのか、隊長である龍也を極度に嫌っている節がある。
元々人間嫌いの塊である彼女にしてみれば、それは何の不思議もない反応なのかもしれないが、ディーネにはそうは思えなかった。
何しろ、リートが人間を嫌っている理由の大半が、「ヒューマニマルを無駄死にさせる作戦しか立てられない人間の無能さ」等の、「人間の弱さ」や、
自らが戦場に立とうとしないのに戦場を分かり切ったように振舞う「傲慢さ」である。
しかし、龍也はその様な――所謂、「リートの嫌う人間像」に当て嵌まらない。
リートが、「人間だから」と言う理由で無差別に人間を嫌悪していないのは、天沢長官という前例がある。それ故、ディーネにはリートの態度が不思議でならないのだ。
(天沢長官と瀬名隊長。確かに、いろんな意味で正反対の二人だけど……)
ディーネはリートの背中を眺めながらボンヤリと考える。
天沢香織と瀬名龍也。
この二人の『決定的な違い』とは何かを。
ハンガールームに瀬名龍也が姿を現したのは、それから五分ほど経っての事だった。
シャッターを潜る龍也の姿に気付いたディーネは、すぐさま彼の方へと足を向けた。
「隊長、上層部から遠征の命令が下りました」
そう言いながら、ディーネは腕の携帯端末を操作し、エアディスプレイを出して任務の詳細を表示した。
龍也は何も言わず、相変わらずの生気の無い疲れきった瞳をエアディスプレイに向ける。
暫くして、龍也は何か小さく呟くと、側に居るメカニックの一人に声を掛けた。
「二号機の修理は終わったか?」
「はい。接続システムのチェックも先ほど完了しました。後は装甲板を打ち付ける作業だけです」
「そうか。遠征の命令が出た、3時間以内に出撃する」
「了解しました」
「それと、コンテナからA換装を2つ、B・C換装を1つずつ出して、フライボックス(輸送機)に積んでおけ」
「はい!」
メカニックは力強く頷き、作業に戻って行く。
龍也の口から出た聞きなれない単語に、ディーネは目を丸くした。
(確か、ヴァドルは追加換装による性能の特化が図れると言っていたけど……)
以前目を通した仕様書を思い出す。
装甲と人口筋肉追加による白兵能力強化、各種高感度センサーの追加による伝達と感知機能の強化、巨大なバックパックの追加による
物資運搬性能の強化……。
確か、ABC各換装はそんな性能だったとディーネは記憶している。
(でも……)
難敵であった鋼獣土竜型に対しては無換装で挑んだのだ。今回の任は、目標地点が鋼獣の巣と化しているかの確認である。
もし巣と化していた場合、鋼獣との戦闘は避けられないものではあるが、それでも相手にする鋼獣は『四つ足』という、土竜型に比べれば
脅威ではない存在だ。
むしろ、機動力が相手の一番の武器である為に、コチラの機動性を落とす追加換装はマイナス要素ではないのかとすら思えてしまう。
それとも、それほど脅威ではない相手だからこそ、追加換装の機能テストをしようと言うのだろうか?
龍也の真意を理解しようと頭を捻るディーネに対し、龍也は自分の携帯端末に打ち込んでいたデータをディーネの携帯端末に送信してきた。
「これは?」
「ヴァドルの出撃準備が完了するまでに、兵器部から調達して来い」
「弾薬の申請ですか……?」
龍也から送られてきたデータに目を通し、ディーネは言葉を失った。
そこに表示されていた弾薬の量は、通常の遠征時に用意する量のおよそ三倍。C換装の運搬量を考えても、ヴァドル四機では無理のある量であった。
「流石に、コレだけの量を一度に使う許可は下りませんよ」
「許可など必要ない。試験運用部隊に関する判断は全て俺に一任されている。俺が必要だと言えば必要だ。必ず用意しろ」
「そんな、無茶な……」
「必ず、だからな。でないと、死ぬぞ?」
自分の目を覗き込んでくる龍也の冷たい視線に、ディーネは思わず背筋を振るわせた。
ディーネがコレまでに感じた事のない感情を秘めたその視線には、嘘や冗談が一切含まれて居らず、一種の強制力が感じられる。
「誰が……死ぬのですか?」ディーネは龍也の瞳を見つめ返しながら訊ねた。
「俺」言う事は言ったという態度で、龍也はプレハブに向って歩き出す。そして思い出したように付け加えた。「そして、お前達だ」
ディーネは唖然としたまま龍也の姿がプレハブの中に消えるまで立ち尽くしていた。
暫くボンヤリした後に、彼女はようやく彼の言う意味が少しだけ理解できた。
「つまり、私達が……全滅?」
土竜型に比べれば脅威のレベルが圧倒的に低い四つ足を相手に、自分達が全滅する事などあるのだろうか?
ましてや、コレほどまでに大量の弾薬が無ければならない理由とは……。
大量の弾薬が羅列されているエアディスプレイを見つめながら、ディーネはますます龍也の真意が理解出来ずに居た。
(3)
瀬名龍也率いるヴァドル部隊は、荒野へと遠征していた。
鋼獣との戦闘は大きく分けて二種類ある。
都市を襲撃してくる鋼獣を迎撃する「防衛」と、荒野に赴き鋼獣を掃討する「遠征」だ。
防衛は言わずもがな、遠征は鋼獣の襲撃を未然に防ぐ意味の他にも、鋼獣の生態の調査、分布の移行、討伐、鋼獣の骨肉となった
金属の回収等、防衛の戦力を増強する為の戦いであると言える。
特に、バクテリアが分裂するかのスピードで進化を繰り返している鋼獣の生態の調査は重要である。大掛かりな進化をする前に
仕留められればソレに越した事は無いが、ソレが出来ずとも、襲撃を受ける前に進化した鋼獣の特性を調査研究することにより、
対策を立てる事が出来るからだ。
今回、龍也達に課せられた任務は、都市の近郊に鋼獣が巣くって居ないかの確認である。
最も、今回は既に鋼獣の姿が数体見かけられている事もあり、例え巣を作っておらずとも鋼獣との戦闘になる可能性はきわめて高い。
今回の掃討対象となりえるのは、鋼獣の中でもポピュラーな部類に属する「四つ足」だ。
四つ足は文字通り”獣(けだもの)”で、その容姿は犬や狼などのソレに似ており、全身を鉄の皮で覆われている。
目が無く、後ろ足が異常発達した容姿形状をしており、本能だけで活動する。
高い機動力を有しており、嗅覚と聴覚で周囲の状況を判断するが、「土竜型」のような感知力はなく、突出した特性を持たない為、
鋼獣の中での危険度は低いとされている。
龍也達を乗せた輸送機は、目的地から少し離れた場所に下り立った。残りの行程はヴァドルの足で一時間程で、ココからは四つ足の
奇襲を警戒しながら進む事になる。
「今回は後方の待機チームが居ないからって、ココまで重装備にする程なのか?」
荒野に下り立ったヴァドル二号機――リートが、不服そうに呟いた。
二号機はA換装を施しており、全身が一回り膨れていた。
美しい流線型のボディーは追加装甲によって歪に角張り、無骨さに磨きが掛かった感じがする。
手足が太くなった事で稼動範囲が若干狭まり、行動が制限されてしまう事がリートには不満らしい。
「貴女はまだマシな方よ?」
腕をグルグル回して稼動範囲を確かめているリートに、一号機のディーネが苦笑交じりに答える。
C換装の一号機はフォルムが全くと言って良いほど変わっており、その野暮ったさは二号機を上回っていた。
頭は膨れ上がった胴に埋もれ、足は通常のヴァドルの胴ほどの太さにもなっていた。装甲と出力は圧倒的に高い水準であるが、駆動部は
A換装よりも圧倒的に狭く、明らかに戦闘向けの仕様ではない。
特に目を引くのが、ヴァドルをもう一機詰めて運べそうな巨大なバックパックである。今回、弾薬を初めとした予備の武器や物資は全てココに詰め込まれている。
「私は今回、物資を全て預かっているっていう事もあって支援に徹する事になるけど、見ての通り戦闘には不向きだからフォローを頼むわね」
特に、今回はコレ等が無いと全滅するとまで言われているし。とディーネは内心で付け加える。
「ああ、任せな。今回は絶対にヘマをやらかさねーよ」と、リートは力強く頷く。
前回の出撃のミスを気負った様子の無いリートに、ディーネはそっと安堵の息を吐いた。
彼女がそこまで弱い性格ではない事は十分に理解しているが、不安を感じていなかったと言えば嘘になる。
ましてや、ヴァドル隊に配属されて以来、彼女は隊長に対して妙に神経を尖らせ、精神の状態が不安定だったのだ。
四つ足の四、五体程度ならば、各機の持てる予備弾倉の量で十分だと思うのだが、龍也はソレを許さなかった。彼なりに何か考えがあるようだが、
ディーネはソレをいまだに説明されて居ない。
結局、色々な人間に頭を下げ、なんとか龍也に頼まれた物資は無事に用意することが出来たが、ディーネは慣れない仕事(各部署に無茶な注文をして、
しかもソレを押し通す事)に出撃前から一仕事終えたような疲労感を持っていた。
「それで、何の説明も無しかよ?」
「ええ。隊長の事だから、意味が無いなんて事は無いと思うんだけど……」
「ディーネはアイツの事を買いかぶり過ぎなんじゃないのか?」
「そう……かしら?」ディーネはバックパックを背負い、龍也の方に視線を向ける。「ソレならば、それでいいのだけど……」
隊長機の側に立っていた三号機が、二人の視線に気付いたらしく振り返り、小さく手を振ってくる。
B換装の三号機の見た目は殆ど変わって居ない。変化と言えば、背中や肩、頭からアンテナらしき突起物が生えている位である。
「二人とも、準備は出来た?」
エルツからの通信に、二人は片手を挙げて返事をした。
「それにしても、鋭いな」
リート達は最小出力の電波で通信をしている……すなわち、小声で囁き合っているような状態で、三号機に通信は届いていない筈であったが、
エルツは二人の僅かな動きを感じ取り、振り返ったらしい。
「そうね。もともと感知力は高い子だったけど、ヴァドルと接続される事でその精度が格段に上がっているみたい」
「この会話も聞こえているのかもな」
「まさか。あのこの子の事だから、そんな事はしないと思うわよ。あの子の性格を、貴女も知っているでしょう?」とディーネ。
「別に、それを悪く思っている訳じゃないさ」とリート。「ただ、俺達の会話を聞いてアイツが余計な心配をしないかが気になるだけだ」
「そうね。お互い、変な事は言えないわね。あの子はメンタル面が弱いから……」
「ああ。出来るだけオレ達の内で片付けるに越した事は無いな。それに、もし……」
そこまで言って、リートは慌てて口を閉じた。
(アイツの本当の目的が判明し、それがオレ達ヒューマニマルに牙を剥く物だった場合……アイツは二度と人間を信用できなくなるだろうから)
隊長機の傍に寄り添うように並ぶ三号機を見つめながら、リートは口をきつく結んだ。
ビルの残骸である瓦礫の山を迂回し、時に乗り越えながら、龍也達は目的地へと向っていた。
どの荒野に来ても、風景は殆ど変わらない。在るのはコンクリートの破片ばかりである。
今回、龍也達四人はフォーメーションを取っていた。
白兵戦レベルの高い龍也とリートのA換装ヴァドルを先頭に、B換装のエルツ、C換装のディーネの順に一同は進軍する。
報告にあった、目撃された鋼獣の数は五。いくら鋼獣の中では危険度が低いとは言え、従来の兵器で戦闘をするならば甚大な被害が出る事は覚悟しなければ
ならない数である。
しかし、前回戦い、無事に討伐した鋼獣土竜型に比べれば、四つ足は五体といえど、さほど脅威ではない。四つ足の機動力は少しばかり厄介ではあるが、
それだけだ。
包囲されるまで接近を許さず、確実に撃破してゆけば良い。
(確かに、そう考えれば難しい事ではないように感じる……)
隊長機と肩を並べ、警戒しながらリートは内心で呟く。
(瀬名龍也、この男は何を考えている? 確かに、土竜型を撃破出来た戦力ならば、四つ足の数体程度は脅威と言うほどではない。
それなのに、今回の重装備……。四つ足の正確な数が判明していないとは言え、あまりにも身構え過ぎているのが気になるな)
リートは前方を警戒するフリをしながら、横目で龍也を見た。
リート同様のA換装により、隊長機もまた甲冑を纏っているかのように一回り膨れている。手には前回と同様にシールド付きのライフルを構えており、背中には予備の
武器と弾が詰まった小型のバックパックが装着されている。
もっとも、今回のライフルは前回ほど威力を重視したものではなく、ヴァドルの標準装備とされているバランスの良い性能の物だ。
今回はリート達も(シールドは付いていないが)同じ物を装備している。
「前方に鋼獣の反応アリ!」突然、身構えるように三号機が立ち止まった。「四つ足、五体です!」
火力と装甲を強化している龍也達とは異なり、レーダー機能を強化された三号機から通信が入る。
その通信に遅れ、前方の瓦礫の隙間を縫うように、灰色の巨大な獣が姿を現す。コチラへと猛然と迫り来る、狼に似た形状の鋼獣
――四つ足である。
「各機、視覚マーキングをオンに。同じ鋼獣を同時に撃つような無駄を避け、狙ったからには確実に仕留めろ。今回の任務はスピードと
正確さが要求されるが、それだけだ」
ひどく落ち着いた龍也の声に従い、リートは視界の隅にあるコマンドを目で操作し、視覚マーキングをオンにした。
それにより、リートの視界に他機の視線がレーザーポインタの様に表示される。
各ヴァドルが視覚情報を共有する事で、自分が何処を見ているかが他人にも判別できるようになったのだ。
四機は同時に構えた。
最初に発砲したのはディーネだった。ディーネは殿を務めていたにもかかわらず、鋼獣の姿を確認した次の瞬間には照準を定め、
トリガーを引いていた。
ディーネの射撃の正確性と速さはヒューマニマルの中でも軍を抜いている。彼女はその一撃は、龍也達前衛に迫っていた先頭の四つ足の頭を
見事に撃ち抜き、四つ足唯一の生体部である脳を赤い霧として撒き散らした。
ディーネに続き、龍也とリートも引き金を引いた。
一発が戦車砲程の破壊力を持つ銃弾が立て続けに発射される。
龍也の弾丸はターゲットである四つ足の全身に無数の巨大な穴を穿ち、リートの弾丸は見事四つ足の頭を捕らえた。
それを見て、後続の四つ足が急激に軌道を変えた。
続いて二発目を発砲したディーネとエルツの撃った弾は、四つ足が予測していた軌道を逸れた捉えきれない。二体は散開し、龍也達を
挟み込む様に襲い来る。
「二号機は一号機のフォロー!」
「フン、了解!」
同時に飛び掛ってくる四つ足に、龍也とリートはそれぞれ向き直った。
「伏せろ!」
「はい!」
龍也の命令に従い、エルツは即座に銃の構えを解いて身を屈めた。その背中をなぞる様に、龍也のブレードが真一文字に振り抜かれる。
ブレードはエルツに踊りかからんとしていた四つ足の口を捉え、火花を散らせながら四つ足の顎に食い込んでいく。
「ぜぃっ――!!」
裂帛の気合いと共に、龍也の一撃は四つ足の胴を割り、上下に両断した。
背中と腹の二つに分断された四つ足は激しく痙攣していたが、すぐに動かなくなった。
「くっ、間に合わない!」
龍也達の背後で、重たい機体のせいで小回りが利かないディーネが悲痛な声を上げる。
ディーネが自分に襲い来る四つ足に向き直った時、既に四つ足はディーネの懐に潜り込み、一号機の頭に向けて喰らいつかんとしていた。
「おおおぉぉぉぉぉぉぉっ!」
そんな四つ足の腹に、リートの強烈なアッパーが叩き込まれた。換装により通常の二倍はある太さの腕は、リートの気合と共に更に膨れ上がっている。
フィストガードが付いた豪腕から繰り出された一撃は四つ足の腹に深くめり込み、四つ足を空高く打ち上げた。
「ディーネ!」すかさずリートが叫ぶ。
「任せて!」
ディーネは即座に宙に舞った四つ足に構えを取り、連続で三発打ち込んだ。一発は頭を砕き、二発は胴に命中した。胴に打ち込まれた二発の銃弾の
威力で、四つ足の胴は千切れ飛ぶ。
程無くして、四つ足だったモノが重たい音を立てて瓦礫の山に墜落した。
一呼吸置き、龍也は周囲を見渡した。
エルツが鋼獣の存在を感じ取ってから僅か一分の間に、四つ足五体との嵐のような一戦が繰り広げられ、決着が付いた。
幸いにも、龍也達に被害は無い。
「コレで、任務完了なのか?」
出力が想像以上だったらしく、振り上げた自分の腕をマジマジと観察しながらリートが呟く。
「報告にあった四つ足の集団と言うのはコレで間違いないだろうから、半分が完了したと言う所か」四つ足の死骸を見下ろしながら、龍也が答える。
「残りの半分は、目標の地点に巣を作って居ないかの確認……ですね」
「そうなるな」龍也はディーネの言葉に曖昧に頷きながら、エルツに視線を向けた。「三号機、他に敵の反応は?」
「えっと、この周囲には、もう……」体を起こし、周囲を見回して気配を探っていた三号機の動きが止まる。「コレって……うそ、でしょ?」
「どうした、エルツ」
何かを感じ取り、信じられないといった様子で絶句するエルツにリートが向き直る。
「まだ鋼獣がいるのか?」
「ぜ、前方から四つ足、三体!」
「なんだと!」
エルツの言葉に、龍也達は弾かれたように一斉に武器を構えた。
しかし、そこに四つ足の姿は無い。
「上だっ!」
瓦礫の山を駆け上がり、空中から接近してきた四つ足に気付き、龍也が叫ぶ。
四つ足の牙をライフルのシールドで叩き落す事でかわした龍也は、四つ足が体勢を立て直す前にとどめを刺した。
残り二体も、空中から跳びかかって来ていた。
リートは再び拳を握って大きく身を引くと、襲い来る四つ足にタイミングを合わせて、横殴りに裏拳を叩き込んだ。ビキビキと人口筋肉が唸りを上げ、
四つ足の頭を粉砕し、血煙を巻き上がらせる。
ディーネは以前龍也がそうしたように、飛び掛り来る四つ足の口内にライフルを捻じ込んだ。
「これなら、構えが間に合わなくても確実に当てられるわね」
そう呟き、引き金を引く。四つ足の体が一瞬震え、首から後ろが破裂する。四つ足はディーネのライフルに貫かれた姿勢のまま絶命した。
決着はほぼ同時に着いた。
再び、静寂が訪れる。
しかし、エルツは冷静を取り戻さない。むしろ、様子は悪化して言っている。
「三号機、報告しろ」
殆どパニックを起こしているエルツに、龍也はゆっくりと声をかけた。
「わ、分かりません」エルツは取り乱しながら、激しく首を横に振る。
「分からない筈は無い。理解できないのなら、感じたままに報告しろ。判断は俺が下す」
憮然として言い放つ龍也に視線を向け、エルツは小さく頷いた。
「北に四つ足、五体。南に同四つ足、七体。東、瓦礫の密集地の隙間を縫うように四体。西、五体……」
それぞれの方角を指差しながら報告するエルツに、リートが掴みかからん勢いで詰め寄る。
「おいおい、どういう事だよ? そんな数の鋼獣が一箇所に固まる事なんて、コレまでに無かっただろうが!」
「落ち着いて、リート。貴女の言う通りよ」
「なにぃ?」
「”コレまでは”無かったの。でも、今は違う」
「……まさか」
ディーネが何を言いたいのか気付き、リートは絶句した。
支援いたす!
龍也だけが、何も感じていないかのように冷静を保っている。
「俺達は鋼獣を狩るつもりで、逆に狩られる為に誘い込まれた……。現状はまぁ、そんな所だな」鼻で笑いながら龍也は言葉を漏らす。
「出来れば、もう少し開けた場所を拠点にしたかったのだが、仕方ない」
その言葉に、リートが弾かれた様に身構えた。
「テメェ、初めから気付いていたんだな?」
「…………」
リートの問いに龍也は答えない。
リートは確信した。最初から、この男は気付いていたのだ。
遠征隊からの報告にあった四つ足が、人間をおびき寄せる為の囮であった事。
命令通りに出撃したら、鋼獣に囲まれて逃げ場を失う事。
その鋼獣が、コレまでに無い規模で群れている事。
何故報告書とソレに添付された僅かな画像だけでソコまで判断できたのかは分からないが、この男は、瀬名龍也は、最初からこの展開を
予測していたのだ。
「分かっていたなら、何故俺達にソレを言わなかった!」
リートは苛立たしげに、地面を踏みしめた。ヴァドルに踏み抜かれ、コンクリートの地面は割れて捲りあがり、粉塵が舞う。
「何故、上層部に進言しなかった! 何故、作戦を変更しなかった! 何故、わざと危険な選択肢を選んだ!」
「ソレが必要だからだ」悪びれた様子も無く、平然と龍也は答える。
「回避できる危険に自ら飛び込む愚行がっ、一体、何に必要なんだっ!」
リートは狂ったように吠え、ライフルを龍也に向ける。
味方に銃口が向いているエラーが視界に表示されるが、リートはソレを気にせず引き金に指を掛けた。
同じく、龍也にも銃口が向けられているエラーが表示されているはずだが、彼もまたソレを気にした様子は無い。
「だめぇ!!」
エルツが両手を広げて二人の間に割って入るが、リートはソレを無視してエルツの肩越しにライフルを構えなおす。
「やめなさい、リート!」
リートの本気に気が付き、ディーネが動く。
ソレよりも一瞬だけ速く、リートのブレードがディーネに突きつけられた。ブレードは一号機の腹部の装甲の隙間を捉えている。このままリートが
腕を突き出せば、一号機は腹部と腰の筋肉、そして背骨を切断され、自立できなくなる。
「リート!!」
「黙れ、ディーネ!!」
リートはノイズ混じりの震える声を張り上げる。
「俺はな、死ねないんだよ。俺が死んだら、誰がヒューマニマルを守るんだ!
荒野を知らない人間共が防壁の内側で作り上げた、何の役にも立たない命令に従い、無駄死にしていくアイツ等を、誰が守れるんだよ!
俺が動かなければ、人間に従順なあいつ等は、見当違いの作戦を実行する為に死んでいく。例え命令無視の処罰を受けようと、俺が動かないと、
多くのヒューマニマルが死ぬんだよ!」
「だからって、瀬名さんを撃つ理由にはならない!」
エルツは必死に訴えるが、リートは聞く耳を持たず、龍也をにらみつけている。
「お前の、人間の――下らない考えに付き合わされて死ぬつもりなんて、俺には無いんだ!!」
リートの叫びと同時に、エルツの肩の上で構えられていたライフルが火を噴いた。
今回は以上です。
長文の上に読みづらくてゴメンネ。
以下裏話
リート、ディーネ、エルツ、そして龍也という順に過去やら想いが晒されていく話の予定なんですが、
なかなか最後の展開への調整が難しくてニントモカントモ……
あと、今後は舞台が荒野に移るので、殆どケモ耳の姿が見れません。
かわいらしい動作(主にエルツ)のロボとか、想像すると「うへぇ」って感じで笑えますw
>>104 (゚∀゚)〇彡おっぱい! おっぱい!
>>114 投下乙であります!
エルツもリートもディーネもいい娘だなぁ。
いやぁ、久々の戦闘でお腹いっぱいですヨ!
それにしても、タイチョーさんはやっぱり謎だらけやでぇ……。
>かわいらしい動作(主にエルツ)のロボとか、想像すると「うへぇ」って感じで笑えますw
むしろそのギャップが良いと思う私は歪んでいるというのか……!?
ゴツいロボットが可愛い声でおしとやかなポーズとか恥じらったりとか凄くいいじゃないですか!
半分くらいそれを書くのが目的でパラベラムを……っておしとやかなキャラがオートマタにいねぇぇぇ!?
亀ですが
>>86 花瓶の強敵っぷりが堪らんです。こういう強力な敵がいると主人公達が際立ちますね
まさかのブラックホール概念に驚きましたが、花瓶に対する必殺技が熱い!
黒猫君も良いキャラしてます―次回も楽しみです。
>>101 何時でもお待ちしてますよ〜自分はどっちも好きですw
>>114 投下乙です!すげー緊迫感のあるチーム戦ですね…
龍也の本心が読んでいるこちらの裏を斯いて驚きました。一体何を考えているのか…・・
いやー続きが気になりますね。次回をお待ちしております。
さて、ちょっと時間掛け過ぎた気がしますが、どうにか7話が出来た予感
ただ何となくじっくり書きたいなと思って前篇・後編に分けま―す。今回は前篇で夜、投下します
今更新キャラとか……まぁ7話だけだけど
>>116 >ちょっと時間掛け過ぎた気がしますが
(゚Д゚ )
( ゚Д゚)
( ゚Д゚ )<ウゾダドンドコドーン!
さて、突然ですが投下します
出来るだけ皆さんから受けたレスを参考してみましたがどうでしょう……書いてて変な汗出てきた(^q^)
掌のデッドチップを眺めながら、私はぼんやりと、モリベ氏の言葉を思い出す。アールスティック社……いや、タカダは私達を追いつめると。
それほど、ティマの中のメモリーチップがタカダにとって喉から手が出る程のものなのかもしれない。
一体どんな手で追いつめてくるのかなんて想像もつかないが、穏やかに交渉してくるとは思えないし、してきたとしても必ず裏があるだろう。
最早退路は無い……か。もしかしたらティマと過ごす時間は殆ど残されていないかもしれない……。
それなら出来るだけ多く、ティマとの思い出を作らないとな。限られた時間であろうと、ティマの記憶に残る綺麗な思い出を。
私はデータフォンを起動し、何か思い出になりそうな場所のデータを探る。と、ある旅行会社のデータが目に入った。
隠れた名スポット、夏風島。綺麗な海と豊かな自然の中でゆったりと夏休みを過ごしてみませんか……か。
確か観光名所として前々からTVで特集されてたな。隠れてないがな。
けど、良いかもしれない。ティマに取って旅行は初めての事だし。何より豊かな自然に綺麗な海というのが気に入った。誇張だとは思うが。
まぁまずはティマから了承を貰う方が先だ。ティマに呼びかけてみる。ん? 何か熱心に読んでいるが……何の本だ?
再度呼びかけると、ティマはハッとして読んでいた本を背中に隠した。気になるけど、まぁ良いか。
「ティマ、旅行に行ってみないか?」
私の台詞にティマは小さく首を傾げる。だがその口振りには興味がある事が分かる。
「旅行?」
「あぁ、ちょっとした新婚旅行だ」
<ROST GORL ep.7 前篇>
夏風島……島人口は300人にも満たない、本当に小さな島だ。昔は娯楽施設などで盛況していたが、時代の波を受けてことごとく閉鎖。
今は島の特有である自然と、長い歴史を誇る島唯一のホテル……月影を島の観光名所として売り出している。
その自然の豊かさゆえに、さまざまなドラマ、映画のロケ地としても知られており……。
……と、私は気持ち悪くなり、パンフレットを読むのを止めた。駄目だ、船の揺れにどうしても耐えられない。
今、私達は陸地と夏風島の橋渡しである、個人経営のクルーザーに乗り込み、夏風島に向かっている最中だ。
本来は夏風島に向かう為の大きなフェリーがあるのだが、ティマがクルーザーに乗ってみたいと言った為、こちらを選んだまでだ。
私はゆったりとフェリーで夏風島に行きたかったが……予想より船揺れが凄くて、何か、もう、参る。
支援
ティマはグロッキー状態の私と違い、嬉しそうに甲板に昇り海を眺めている。彼女にとっては初めての経験だからな。
私は力無く、ティマに手を振るう。自分でもこんなに船に弱いとは思わなかった。もう何十年も乗ってないからな……。
そう言えば、旅行に行く前にティマと一緒に水着を買いに行ったのだ。
私は昔とあまり体型が変わってない為持っている海パンで十分だが、ティマ用の水着は無いからな。近くの大型スポーツ店に買いに行った。
私にはそう言う水着とか選ぶセンスは無いので、ティマ自身に決めさせる。どんな水着をティマが選んだのか、私は分からない。下世話だが楽しみである。
「そろそろ着きますので、代金を用意しておいてください」
操縦士が声を掛ける。私はふらつく頭を押さえながらどうにか立ち上がり、データフォンの財布機能を取り出す。
パタパタとティマが下に降りてきた。私の顔を見ると、心配そうな表情を浮かべて、言う。
「マキ、大丈夫? 何か顔色悪い……」
「あぁ、元からだから大丈夫だよ。海は楽しめたかい?」
私がそう聞くと、ティマは嬉しそうにほほ笑んだ。あぁ、もうこれだけでクルーザーにわざわざ乗った甲斐があった。
そろそろ島が見えてた。私はティマにあれが私達が泊る島だよと指を指す。
「大きい島……」
ティマは夏風島をみると小さくそう呟いた。私もすこし驚く。想像よりずっと大きい島だ。
あのどこかノスタルジックな古びたホテルが月影か。中々趣があって結構じゃないか。
ふと、ティマが私を見上げている事に気付く。その目には何か言いたそうな感じがある。
「ティマ、どうした?」
私がそう聞くと、ティマは気恥ずかしそうに俯いて、小さく呟いた。
「……何でも無い」
そう言ってティマは視線を正面に向けた。言いたい事があるなら言って欲しいけど……まぁ、あっちで良いか。
交通費を払いクルーザーを降りると、爽やかな風を打ち消してくれる猛暑が私を襲った。あぁ、参る。
夏真っ盛りな事は分かるし、青空が素晴らしいのも分かる。だが暑さは理解できない。額から汗が滲む。
「私、先に行くね」
ティマは嬉しさを抑えきれない様に私にそう言って走り出した。おいおい、あまり焦ると転ぶぞ。
早くホテルに行って部屋で休みたいが、ティマが海で泳ぎたいといった手前、一緒についていかねばなるまい。
正直体は既に暑さのせいでへばっているのだが、ティマが喜ぶなら断る事など出来まい。
そういや、ティマの姿が見えないな。そう思い、周囲に目を移すと、ティマが私に向かって大声を出していた。
「マキ―、大丈夫―?」
……ティマは既に何百メートルも先にいた。あぁ、そう言えば彼女はアンドロイドだから暑さとかそう言うのはまるで感じないんだよな……
私は右手を振って大丈夫だというサインを送った。大丈夫じゃないが、ティマの嬉しそうな姿には代えられん。必死に足腰を動かす。
支援します
つ、着いた……既に足腰はガタガタで、今すぐ着替えないとすぐに風邪を引きそうなほどに汗が噴出しまくった。
まさか山道だったとはな……コンクリートの道だった為に尋常じゃないくらいに暑い。
しかし老舗なだけあって中々良い内装じゃないか。ロビーを鮮やかに彩る観葉植物たちが目の保養に良い。
「マキ・シゲル様ですね。少々お待ち下さい。……アンドロイドが一名ですね。クラスカテゴリーをお教え下さい」
あぁ、忘れてた。予約する時にティマの事をファミリーと分類するのを忘れていた。
未来ではアンドロイドをこの様な施設に同行する際に、そのアンドロイドが利用者にとってどんな関係なのかを教える義務がある。
アンドロイドとはいえ、一人の客な為身分を証明しなければならないからだ。
仕事などのビジネスではパートナー、ペットや介護などの場合はファミリー、その他の場合は事細やかに説明しなければならない。
ここはファミリーで良いか……若干怪しまれそうだが、そこまで突っ込む権限はこの人達には無い。
「ええっとごめんなさい。ファミ」
「妻です」
一瞬、場の空気が凍った。ティマはキョトンした表情で、私の顔を見る。そうか、そうだよな……夫婦って言ったもんな。
ロビーの受付の顔は口元が笑ってはいるものの、目は全く笑っていない。周囲の客達もティマの声が大きかった為か、じっと私に視線を向けている。
私はティマを有無を言わさず抱っこして、受付に自分自身出来るだけの笑顔でごまかした
「ごめんなさい、ファミリーです! それで部屋はどちらでしょうか!」
受付は手元から、黄金色のカードキーを差し出した。
「ありがとうございます!」
私はそれを笑顔で受け取り、ティマを抱っこしたまま、急いで止まる部屋に向かった。何だ、この積りにつもる疲労感は……。
カードキーを通して部屋に入る。窓から海が一望できる、結構良い感じの部屋だ。
ベッドにゆっくりとティマを下ろす。ティマは私の反応を察したのか、俯いて静かに言った。
「ごめん、マキ……私、何か言った方が良いのかなって思って……迷惑、だったよね?」
いや、ティマは悪くない。受付に何か聞かれたから、ティマなりに答えようとしただけだ。前もって私がちゃんと説明しておけばよかっただけの話である。
私はティマの頭を撫でて、首を横に振った。
「いや、ティマ。君が落ち込む事はない。さっきのは私のミスなんだよ、色々とね……。さ、海に行こうか」
私がそう聞くと、ティマは小さく頷いた。
早速ティマと共に、この島の名物である海へと向かう。正直山道は歩きたくないのだが、海に行く道がこのルートしかないし仕方あるまい。
しかしさっきから妙にティマの様子が気になる。私に何か言いたそうだが言えない。そんなもどかしさを感じる。
今だってそうだ。ティマは私に呼びかけてくるが、何か言いかけて黙ってしまう。正直言いたい事は何でも言ってほしい。
あの日以来、互いに夫婦と認め合ったのだから……。まぁ、世間体はともかくな。
数十分歩き、遂に目的地である海に着いた。確かにパンフレット通り、まさに透き通る様な蒼い海だ。
それに砂浜も綺麗だ。白い砂浜に所々散らばっている小石が、キラキラと輝いている様に見える。素晴らしいね、青い空と蒼い海。
一つ欠点があれば、太陽が馬鹿みたいに暑くて私の髪と脳味噌をガンガンに苛めている事だ。帽子を被っていてもいやぁ、暑い。
私は持ってきたシートを引いて、何処で買ったか覚えてないがせっかくなので持っていたビーチパラソルを広げた。
「それじゃあマキ、あっちで着替えてくるね」
そう言って、ティマが向こうの簡易的な更衣室へと向かった。私はいってらっしゃいと右手を振る。
何の水着を買ったんだろうな……正直、ティマがどんな水着を選ぶのかが想像できない。まさかビキニなんて選ぶような子じゃないし。
ふと周囲に目をやる。夏休み真っ盛りだからか、結構人が多い。この中でどれくらいがアンドロイドなんだろうな……なんて無駄な考察をしてみたりする。
数分後、背中からティマの声がした。
「お待たせ」
私はワクワクしながら後ろを振り向いた。さて、ティマが選んだ水着はどういう……。
……スクール水着……だよな? 紺色で野暮ったいフォルムに、ひらがなで打ってあるティマって名前……っておい。おいおいおい。
「似合う……かな?」
ティマが恥ずかしそうに私にそう聞いた、私は反射的に立ち上がり、ティマの手を握ってその場から離れる。
何故だろう、歩く度に妙に視線が痛い気がする。ここらで良いかな……ティマの手を離して、向き合う。
ティマが不思議そうな視線で私を見上げている。まぁそりゃあそうなんだが……私はなるべく冷静を装って、ティマに聞いた。
「すまない、ティマ。似合う、凄く良く似合うんだが……何でスクール水着なんだ?」
私の質問にティマは小さい声で、もじもじとしながら答えた。
「えっと……あのね、マキ。……私って小さくてその……あんまり胸、ないでしょ? だから泳ぎやすい水着の方が良いかなって……」
そうだな、体型を考えたから何も間違ってはいないな。ティマ、賢いぞ。賢いんだが、まさかスクール水着を選んでくるとは想像してなかった。
そうか……考えてみればスポーツ店だからスクール水着があっても何らおかしくないよな……。普通に水着の専門店みたいな方が良かったかな……。
しかしこう、危うい。ティマの姿とスクール水着はこう、のっぴきならない気がする。私の考えすぎである事は重々承知だ。
何だろうな。ティマが目覚めた頃の生まれたままの時より、今の状態の方がずっとインモラルな気がするのは。
白い肌と華奢な体型、それに金髪ってのがクリティカルだ。その手の人には堪らないだろう。私は違う。違うと思う。
というか何故私はティマの姿をまじまじと見ているのだろう……。これじゃあまるで……。
「マキ?」
ティマに呼ばれてはっと我に返る。いかんいかん、夏の暑さだ、夏の暑さで脳がダラけている。
「その……何だ、ティマ。自由に泳いでくれても良いけど、私の目に着く所で頼む。事故にでもあったら大変だからね」
私がそう言うと、ティマは大きく頷いて、再び海へと向かう。と、ティマは振り向いて、私の所に駆けてきた。何だ?
ティマは私の前で止まると、じっと私を見上げる。
さっきみたいに何か言いたくて迷っている素振りをするが、意を決したのかしっかりとした口調でティマが口を開いた。
「ねぇ、マキ……私達、夫婦だよね?」
支援
思いもよらないティマの発言に、私は目を丸くして、素直に答えてしまう。
「あ、あぁ。そうだとも。私達は夫婦だ。あくまで私達の間柄ではな」
「……じゃあ」
ティマの言葉が止まる。……じゃあ?
「じゃあ……ええっと、キ……」
「キ?」
「キ……キ……」
「……ううん、何でもない。ごめんね、マキ」
ティマはさっと後ろを向いて海に駆けていく。
何が言いたかったんだろう……。キ? キ……キ……駄目だ、思い浮かばない。まぁ、良いか。
それにしても思う。インモラルだのなんだの言ったが、海で遊ぶティマを見るのは良い。こう、穏やかな気持ちになる。
何か娘なり息子なり、自分の子供が元気に遊んでいるのを見ている様な、そんな心境だ。生憎家庭など持てる性格じゃないが。
……にしても今にして見れば、妻というのは少々飛躍しすぎだと思う。娘とかパートナーみたいなので良かったんじゃないかと。
だけど考えてみれば、ティマの作り主……むしろ父親はティマを作りだしたモリベ氏だ。私はそのモリベ氏からティマを預かった身、妻でも良いんじゃないかと。
とはいえ世間体を考えると妻と公言したら色々と厄介な事になるので、夫婦と呼び合うのはティマとの中だけにしよう。いや、絶対そう言う事にしておこう。
それにしてもティマが何を言いかけたのかが引っ掛かる。キとは何なのか……キーマカレ―か? いや、アンドロイドに食欲なんて無い。
キーワード……、キーチェーン……駄目だ、私の貧困な想像力では、何も具体的なメッセージが浮かばない。今は海で遊ぶティマに心癒されよう。
私ももう少し、むしろ10代くらいにまで若返れば、ティマと遊ぶのにな……と思ってふと思い出す。
こんな私でも、昔は好きな女性が居たのだ、黒い髪のツインテールが美しい、少しだけツリ目の女性だった。
彼女とは学生時代に知り合い、いつの間にか付き合う関係になっていた。どういうきっかけで付き合ったかは覚えていない。けれど私と彼女は互いに理解し、愛し合っていた。
彼女とは実家から少し離れた海で、暇な時は何時も待ち合わせしていた。学生である為に満足に金も無く、暇と時間を潰す為に遊んだり、将来について語り合っていた。
今思うと気恥ずかしい若気の至りだ。彼女は私の様な修理士ではなく、開発者の道を志していた。その為、目指す道が違っていたせいか敬遠になり、気づけば彼女との仲は自然に消滅していた
だが、そんな彼女が言っていたある台詞が、私には忘れられない。今でもたまに思い出す事がある。
「ねぇ、シゲル。何時か、何時か人とアンドロイドが仲良く、本当に仲良く手を繋ぎあえる社会が来たら楽しいと思わない?
私は何時か、そういう社会が来るって信じてる。その時にはシゲルが作ったアンドロイドのデータチップを、私が作りたいな」
キラキラとした目で話す彼女を、私は当時心の中で一笑していた。所詮ロボットは人間に使われる代用品に過ぎないよと。
今の私には彼女を笑う気にはなれない。それどころか、もし彼女と再び会えたら、その未来について熱く語るかもしれない。
年を取ったのかもしれないし、考え方が昔に比べて甘くなったのかもしれない。しかし今の私は、彼女の語った言葉の意味に痛く共感を覚える。
私を変えてくれたのは紛れも無くティマだ。それがプラスなのかマイナスなのか分からないが、ティマと出会った事で、私の考え方が大きく変わったのだ。
気づけば少し眠っていた。じりじりと迫ってくる様な暑さで目を覚ます。……あぁ、くそ。せっかく暑さを忘れていたのに。
そう言えばティマは……と思って妙に海が騒がしい事に気付く。何やら皆あたふたしているようだ。
私は立ち上がり、その騒いでる所に走った。奇妙な胸騒ぎがする。近くの人に話しかける。
「どうしたんですか?」
「女の子が海でおぼれているらしい。長髪で金髪の……」
聞くが早く、私の体が勝手に海に向かって走り出していた。嘘だろ……? まさかティマが?
ぶつかる人に謝りながら、私は海へと走る。視線を海に向けると、一人の少女が真ん中でバタバタともがいているのが見えた。
確かに金髪でかつ長髪だ。確かにティマに見える。私の鼓動が一段と速くなった。
そう言えばティマの姿が見えない。私がパ二くっているだけで状況が見えてないかもしれないが……だから何だ?
ティマじゃないにしても、目の前で少女が溺れているんだ。今すぐ助けなければ大変な事になる。
私は急いで服を脱ぐ。海に入る事は全く考えてなかったが、一応の事を考えて海パンを履いてきて正解だったようだ。
適当な運動をして海に入る。海の冷たさが妙に心地が良い。砂浜にずっと居た為だろう。
それにしても、と苦笑する。以前の私なら無関心のままだっただろうな。他人の為に何かしようなんて考えもしなかったと思う。
ティマと出会ってから、私は他人に対して優しくなった気がする。ティマを見ていると自分が如何に傲慢だったのかが分かる。
私は彼女に学んだのだ。人に優しくする事、人を愛する事の美しさって奴を。照れくさいが、ホントにそう思う。
しっかし幾ら泳いでも泳いでも追いつけないな……あれ? 足が……足が言う事を聞かない?
あれれ、おかしい……な。そんな筈は……。く、足が攣ってきた……。
海水が口の中に入る。視界が真っ逆さまになる。認められるか……こんな……死に様……。
誰かが私を呼ぶ声がする。泣き出しそうな、いや、泣いているのか?
というか喉が痛い……。私は何回か咳き込んだ。海水のせいか喉が痛い……それに目に海水が入って痛い……。
ゆっくりと、ぼやけた目を開けると、今にも泣き出しそうな表情を浮かべているティマの姿が見えた。ティ……マ……。
「マキ……マキ! ジュンさん、マキが起きました! 良かった……」
ティマがそう言って私に抱きつく。しかしホントに胸が……じゃなかった。
いかん、状況が呑み込めない。私はティマの体をゆっくりと離す。取りあえずティマに謝らねば。
「……ごめんな、ティマ。心配、掛けさせちゃったな」
私がそう聞くと、ティマはじっと目を瞑って私の肩に寄りかかった。
「ホントに……ホントに心配したよ。マキが死んじゃったら私……私……」
ティマの体を抱きしめる。肩が震えている……本当に私の事を心配してくれてたんだな。
「ごめんな、ティマ。本当に……ごめん」
「後もう少し遅かったら、危ない所でした」
ふと背中から凛とした声が聞こえ、私は振り向いた。……恐らく競技用だろうか、シャープな水着を着た、切れ長の目の女性が立っていた。
ティマは私の体を離すと、その女性について説明した。
支援します
「紹介するね。アンドロイドのジュンさん。マキを助けてくれたの」
私は立ち上がり、ジュンという名のアンドロイドに深く頭を下げる。
「本当に有難う。君が助けてくれたんだね。……馬鹿な真似をしてすまなかった」
「感謝ならティマさんに言ってください。私はただ、彼女を救うついでに貴方を助けただけですから」
彼女? 私が疑問符を浮かべると、ジュンは冷静に事の成り行きを話しだした。
どうやら溺れていたのは、ティマと同じ金髪で長髪だが、顔立ちは全く違う子だった。
私はその子を救うために海に飛び込んだが、長年の運動不足が祟って足を攣り、その子にたどり着く以前に溺れて沈んでいた。
その頃、ティマと仲良くなったジュンが、持ち主から女の子が溺れている事を教えられて、海に飛び込みその女の子のついでに溺れている私を助けてくれた……という訳だ。
つまり私はただ単に海に入って勝手に溺れた馬鹿な男という訳だ……。自然に私は四つん這いしていた。あまりのふがいなさと情けなさに海に沈みたくなる。
「ごめんね、マキ……私を心配してくれたんだよね」
ティマが元気なく俯く。遊びに来たのに落ち込まれちゃ連れてきた意味が無い。
私はティマの頭を優しく撫でて、彼女の気を取り直す。
「私が勝手に誤解して馬鹿やっただけだ、ティマは何も悪くないさ。気にすんな」
「でも、私……私、マキの妻なのに、マキを助ける事も出来ずに、何時も困らしてばっかりで……」
ティ、ティマ……だから妻って言うなと……。ジュンをちらりと見ると、ジュンは無表情のままだ。
良かった……いや、良かったのか? まぁ良いや、それよりちょっとジュンに聞きたい事がある。
「たびたび迷惑を掛けてすまなかった。ちょっと聞きたいんだが……君とティマは何処で出会ったんだい?」
「ティマさんが上手く泳げなくて困っていましたから、マスターが遊んでいる間、ティマさんに教えてあげてたんです。飲み込みが早くて驚きました」
ティマの方を向くと、ティマが感動したような口ぶりで、ジュンの事を話した。
「マキ、ジュンさんって凄いんだよ。オリンピックとかに出る水泳選手の模範選手として働いてて、持ち主さんと世界を飛び回ってるんだって」
確かそういうアンドロイドがいるって聞いた事あるな……。色々なスポーツの模範選手として重宝されていると聞いた。
それ故に持ち主には高給取りが多いと聞く。ただ、それ故にメンテナンスが非常にデリケートで、生半可な技術者や開発者では扱えないらしい。
「お―いジュン―!」
その時、私達の方へと大声を上げながら駆けてくる、アロハシャツの青年の姿が見えた。
次第に輪郭が見えてくる。結構若いな……タレ目だ。本人自身が笑っているかは分からないが、ニコニコと笑っている様に見える。
青年はある程度まで走ると、ゆっくりとこちらに歩いてきて声を掛けてきた。
「いやぁ、あの子のお母さんから凄い感謝されちゃってさ。謝礼でもとか言われちゃって参っちゃったよ。
……で、そちらさんは?」
続く
支援
投下終わりです。支援の程、有難うございました!
って安価間違えました、すみません。自分に乙してどうするの……orz
正しくは
>>118-132でした。
>>132 本当に圧倒的な執筆速度だ……。惚れてしまいます。
相変わらずティマ可愛いよティマ。そしてティマに振り回されるマキ可愛いよマキ。
……マキって言うとなんか女の子みたいですねw
>黒い髪のツインテールが美しい、少しだけツリ目の女性だった
マッキー、貴様……!
投下乙です
>キ……
マキ・シゲル……この、ニブチン……!
シゲルめ、モテモテじゃないか
畜生祝ってやる
「死ね! バレンタイン・デー」が頭の中でリピート再生されている
時期もシチュも全然違うが、想いは一つだ
(゚Д゚ )ダレモイナイナー
( ゚Д゚)コノヘンデドカントイッパツ
m9( ゚Д゚ )9m イラストデモトウカサレナイカナー
女の子が失禁するシーンから始まるとか変態過ぎるかい?
前スレで「戦艦出てくるリアルロボットものを宣言し」
一週間以上経っても第一話が書き終わらないという惨めな状況になったので
自分を奮い立たせる為にもプロローグだけ投下します……
無問題だと思いますよ。恐怖を表現するにはこの上ないものですし>失禁
22世紀初頭。人類が月に生活の場を広げてから既に半世紀が過ぎ、前世紀から行われていた環境復元運動により豊かな自然を取り戻した地球を、月面の85%を人工物で覆われた月が回っていた。
地球圏統合政府は地球環境維持と人口増加の対策として月への移住を強硬に推し進めてきたのだが、月の居住施設は短期間で急激に拡張した結果問題点が多く残っており、各所で事故が起き続けていた。
しかし、統合政府は居住施設の改善はほとんど行わなかった。更に、ここ数年の技術革新で新たに建設可能となったスペースクロニーの開発を優先し始めた事が、元々あった地球と月に住む者達の軋轢を亀裂へと変えた。
2147年6月6日。
全ての月面都市の市長達が『月面革命政府』を名乗り地球圏統合政府へ宣戦布告。同時に、月面警備隊改め『月面革命軍』が地球各地の軍事施設へ侵略行為を開始した。
月面開発用人型工作機械を改造した機動兵器『ラビットソルジャー』
10mを超える巨体でありながら、爆発的な出力を生み出す人工筋肉と、各所に仕込まれた小型ポリ窒素スラスター、そして頭部から生えた兎の耳を思わせる巨大な一対のリアクション・コントロール・ブレードによって生み出される驚異的な運動性。
それらは統合軍が使用する既存の兵器を圧倒し、革命軍は数ヶ月で地球の約6割を支配するまで、その勢力を広げた。
このまま月の革命は成就されるかと思われた。だが……
統合軍が短期間で独自にラビットソルジャーの開発・量産に成功し、2147年末に実戦へ投入した事で、戦況は大きく変わった。
同等に戦える兵器を得た事で統合軍は勢いを得た。月面都市からの物資や人員の輸送に手間や時間の掛かる革命軍は逆に失速し始め、少しずつだったが支配地域を奪還されていった。
──そして、2149年 春。
地球の支配地域が3割程度まで減った現状から、再び勢力を盛り返そうとする革命軍。
このままの勢いを保ち、地球から革命軍を完全に排除しようとする統合軍。
並んだ二つの星の住人同士による戦争は、まだ続いていた……
人狼機兵マーナガルム 第一話「白銀の月」 近日公開
>>141一行目の日本語が変だな
正しくは
前スレで「戦艦が出てくるリアルロボットものを投下する」と宣言し
だ……orz
とりあえず今週は一週間休みなので
今週の内に完成させれるよう頑張ります
>>144 おお、5スレ目にしてようやく宇宙進出w
これは期待せざるを得ませんな!
>兎の耳を思わせる巨大な一対のリアクション・コントロール・ブレード
ウサギロボも出ますしね!
いつまでも待ってますし、応援もしてますよー。
ただ生存報告はこまめにね?
>>139 そう言うあんたは絵師だろうがwww
>>140 変態のすくつで何を今更!
ま、度を越えたエロじゃなきゃ大丈夫でしょ
>>143 >人狼機兵
ウサギ狩りですね、わかります
ゆっくり待ってるから、無理はすんなよ。遅れたって誰も責めたりはしないさ
>>145 >ウサギロボ
ヘーシェンお嬢様があぶない!
宇宙進出してる設定がある作品はあるけど(ゼノライファー、レガシアムとか)、宇宙戦は初めて……か?
>>146 壊死なんてそんな上等なモンじゃないですよw
それに携帯のカメラ傷だらけでスモークかかるしな!
あ、そういえばセンチネルのリョウ・ルーツも失禁してましたねー。
>ウサギ狩り
お嬢があぶない!
(゚Д゚;)うわぁぁぁぁ! 壊死じゃねー絵師だー!
おぉ!感想の程ありがとうございま……な、何だ?このマキに対する黒いオーラ力は……!
取りあえずティマはマキの嫁である事は確定済みです
>>144 そ、壮大だ……半端無くスケールのデカさを感じます
月の兎を思わせる機動兵器に異星同士による戦争……ロマンですなぁ。これはワクワクします!
焦らなくても大丈夫ですよー。自分が納得するまでじっくりと取り組んでください。皆待ってくれてますから
>>140 良いと思いますよ。物語の始まりって考えると凄いインパクトありますし
にしてもホント変態紳士が多くて参っちゃいますよねー、このスレ(棒
>>139 宜しければリクエストしても大丈夫ですか…・・?w
パラべラムさんが好きに書いたティマが見てみたいですwロリロリってしてるのw
150 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 12:31:29 ID:gbY1xCZN
このスレッドは
そもそもノーマルってなんなんだ、人類皆アブノーマルなんだよ!
くらいの勢いでお送りしております
>>149 >マキに対する黒いオーラ力
>ティマはマキの嫁である事は確定済み
ちくしょう祝ってやる! 死ぬまで祝ってやるぞ!
>変態紳士が多くて参っちゃいますよねー、このスレ(棒
ですよねー。まったく誰のせいなんでしょうねー(棒
>リクエスト
了解しました! ただ現在友人とスケブにぐりぐり落書きしてるのでしばしお待ちをー。
>>150 >そもそもノーマルってなんなんだ
コジマ技術を使用していないACの事だよ! コジマ使ってないから地球に優しいよ!
152 :
sage:2009/08/10(月) 13:50:18 ID:gbY1xCZN
っと、sage入れ忘れちまったぜ
ちなみに2スレ目
>>37-66くらいで既に現在の片鱗が見受けられております
>>151 >友人とスケブにぐりぐり落書き
よし、まずはその落書きを(ry
さて、じゃあパ(ry氏が描き終わるまでの話のネタでも
今回の『人狼機兵マーナガルム』はウサギがモチーフのロボットが(おそらく狼がモチーフのロボットも)出るけど、動物がモチーフだとキャラクターを付けるのが楽だよね
>>150 人類の無意識が!変態を望んでいるのだ!
……ホント、ANUBISのノーマンさんは迸る程変態だわ
>>151 引き受けて貰えますか!!
ヒャッハー!ロリ祭りだー!つかパラべラムさんってホントAC大好きですよねww
コジマは……まずい……
>>152 特性や性格づけがその動物のイメージから出来ますからね。ロボットに限らず
ライオンロボがスーパー系に多いのもそういう事かも?
>>152 (゚Д゚;)そこはsage入れるところじゃあねぇ――――ッ!
>まずはその落書きを(ry
ほらよぉっ!
ttp://p.pita.st/?m=xiafhist 学生時代の落書きのオマケ付きだ! ぶっちゃけ見れたもんじゃないぞ!
>動物がモチーフだとキャラクターを付けるのが楽
ですよねー。
ビークルがモチーフでもキャラ付け楽ですぜ!
さて、ティマを描き始めようかと思います。下手糞でも勘弁な!
>>154 けしからん!
おっと…ROMってるつもりが、あまりのけしからなさに…
しかし揃いも揃って変態紳士ばかりでオジサン悲しいよ(棒読み
何故だか見れない……orz
こっちの不調かなぁ
>>154 ケモノミミ、だと……!?
つかやっぱりロリなんかいwww
ビークルがモチーフのロボといえばトランスフォーマーと勇者ロボ
俺も見れない……PC許可とかかなぁ?
ロリだ、ロリだ、お前はロリになるのだ!
>>153 >ホントAC大好きですよね
だって自分でロボット作れるなんてたまらんじゃないですかー!
ストーリーも全体的に妄想の予知ありまくりですしw
そういえばカスタムロボなんかにもハマったなー。
>ライオンロボがスーパー系に多い
(゚∀゚)ワァン!
おろ、見れた
これは見事なロリ分
>>154 幼女コレクションには他にも、ブルマーやスパッツやスク水も有ったのだが、検討した結果「チャイナ」にしておいたよ。
多少、アダルティな雰囲気が漂ってしまうのは否めないが……。
>>156 >>158 おかしいですね、PC許可はしてある筈なんですが……。
>>161 ごめんなさい、見れるようになりました
しっかし見事なまでのロリ分……これが選ばれし者の……ドミナントの力か
>>155 やあ遅筆氏、あんたも書いてきなよ!
>>159 >カスタムロボ
懐かしいなオイw
ハマったなあ俺も……
>>164 まぁクーガ―の兄貴もロボと言えなくないっすねw
……何故にカオスのエプロンコスプレwww
>>163 そうですね、煮詰まってるからティマでも描きましょうか
>>164 うめぇww
今の俺には早さよりイマジネーションが足りない
>>165 カオス「50円ってゆーな!」
>>166 プラモ見ながら必死こいて描きましたw
よし、まずはモチベーションUPのために我が家のハム(≠乙女座)と遊ぼう。
>>167 立体物それだけ模写出来れば十分っすよww
自分よりはるかに上手いし(涙
ネクソンクロガネ全然進みません、名が体を如実に表してきましたね…
愛猫でも愛でて来るか
>>167 1カオスとか新シャアの住人しかわかんねーよwww
じゃあベイオネットは俺が
>>168 模写よりもオリジナルで描ける事のほうがすごいと思う俺僕私
オリジナリティのあるロボ描けないんですよorz
>>170 しかし肝心のイマジネーションと捜索意欲がどん詰まり中
本当に気分転換に愛猫なでながらティマ描いてきます!
一方の私はスランプに陥っていた……。
うん、かき氷でも食べて気分を一新しよう、そうしよう。
スランプってわけじゃないけど
気合入れて展開作りすぎて涙目な俺w
書きたいシーンまでの道のりが遠い(´・ω・`)
つーか敵の設定が今思えば、強すぎて、頑張って設定いじって弱体化中w
最初からあんなの出すと、インフレが俺の脳内じゃ追いつかなくなる(´;ω;`)
>>173 確かに展開に凝りだすと筆が全く進まなくなるんですよね……それで話を書く事自体が嫌になったりorz
一度スパっていらないと思う部分を切ってみたりすると、展開がスムーズになるかもしれません
完成するよう期待していますよー。勿論無理しない程度に頑張ってください く(`・ω・´)
>>174 畳み掛けに欲しい部分ではあるからまた難しい所
ただ、前振りに力入れすぎると間延びするかなぁーと思ってどのぐらいの分量にしようかという按配で悩んでたりもする
次の話に入ったらもっとシンプルに話を作ろう(´・ω・`)
今回は視点が色々動きすぎた(やってみたかったというのはあるんだけれど、少なくともSS向きじゃない)
あれだなー最初に色々やること考えるより
軸はストレートにして後から色々追加した方が綺麗になる気はしてきた
一回脱線して気分転換でもするかなw
>>175 ここはこう盛り上げようって考えて按配しだすと、何処も盛り上げたくなって結局決まらなかったりするんすよねー
なるたけシンプルに話の筋を考えといた方が後々書きやすくなりますよ
後からつけ足したり削ったりした場合でも、しっかり筋があるから話にブレが出なく・・…まぁちょっとはでますが大きくブレる事は無くなりますし
そうですねw一回気分転換すると、良いアイディアが浮かぶかもw
これ以上無いくらいスランプですが、できました……ゴフッ。
ttp://p.pita.st/?m=9079iwqn 一枚目 ティマ
髪の毛をロングに、あとスク水装備で。
え? ロボットは汗かかない? 細けぇ事はいいんだよっ!
スランプのせいにするわけじゃありませんが、出来が良くありません。このリベンジは、いつか必ず……!
二枚目 昔描いたロボ
オリジナルです。何故かSDです。このナリで女の子です。しかもロリです。多分リヒターはこいつからいくつか流用します。
……おお、なんかプラモみたいな言い方だ。
三枚目 ロリ
そのうちパラベラムに登場します。こう見えてけっこう歳だったりそうじゃなかったり。
スクランブル
濃厚なロリの流れと聞いて緊急発進してきました
>>177 おぉ、兄弟流石だ…見下ろしアングルとはまたハイレベルな…
そして何故SD
小学生の頃は馬鹿みたいに作ってたな〜
あっははー、けっこーリアルに憂鬱だー。
それもこれも黒歴史を漁ったせいだ! やはり私は悪魔だ!
この気分を払拭するためにGジェネをしよう!
>>179 >そして何故SD
SDのほうが気持ち描きやすいのでw
SDって密度あって好きなんですよー。
>>177 おぉ〜……想像以上だ……
いえいえ、十分出来良いっすよwしかしこんなロリと旅行に行くマキマジ変態
SD風ロボもケレン味が利いててカッコイイです。……この謎のロリの正体が気になる
>>178 スクランブルしてきたと聞いて反応せざる負えない
台詞形式でティマとマキのSSでも書いてみようかな…
酉忘れorz
それとリクエストを受けて頂きありがとうございます
>>181 >この謎のロリの正体
ただ単に自分の書く作品に必ず登場するキャラなだk(PAM!
名前は千春さんですじゃ。
>>182 いえいえ、こちらこそこんな自分にリクエストありがとうございます!
>台詞形式でティマとマキのSS
これは期待せざるを得ない
>>183 千春さんかー。……フ、フフフ
また今度機会があれば宜しくお願いしますw
>>184 出来るだけ早く投下したいですがちょっとモチベ高めますんで、結構お待ちください…
>>185 >……フ、フフフ
Σ(゚Д゚;)なんだー!? なんなんだー!?
さて、自分もパラベラムを書き始めなければ。
今週中には投下できるとイイナー。
>>185 焦らずとも、じっくりお待ちしてますともさー
リアル路線過ぎて些細な事で詰まる…
女の子にぴっちりむっちりパイロットスーツ着せたいと思う反面、凝り固まった自分の頭だと
実際の戦闘機パイロットや戦車搭乗員のようにゴテゴテと装備の付いたスーツじゃないと
「操縦中のGや衝撃、脱出した後のサバイバリティが全然考慮されてねぇ!」と否定してしまう。
あと、実際の女性軍人のようにやっぱり髪型は動き易さを重視したものだろうから色気の
ないものになってしまって人物描写の書き分けに悩み、そして女の子だけの部隊でしかも
百合ん百合んってどうなのよ?と延々と悶え苦しんでるぜ。
>そして女の子だけの部隊でしかも百合ん百合んってどうなのよ?
どう? キミは今どうって聞いたのか?
俺達の答えなんて、そんなの・・・「さいこう」に決まっているじゃないか
>>187 待たせてごめんなさいね
時間だけはたくさんあるから早く本編も書きたいけどどうしても……アイディアが浮かびませんorz
>>188 自分はリアル路線でも百合百合路線でもどちらもいたただきます!っすよww
まぁあまり悩み過ぎて話が進まなくなっちゃうのもアレなんで、どこかで妥協しても良いと思います
そうだ、パイロットスーツはムチムチで薄く見えるけど、謎の素材で出来ていて最強の強度を誇るってのは……嘘です、ごめんなさい
ならいっその事仮面ライダーのスーツ的な……嘘ですすみません
>>188 戦時や刑務所で、男だけの状況だとカマを掘ゲフンゲフン的な話があるし
女だけの部隊が百合ん百合んなのも、そこまで突飛な設定ではないんじゃないかなぁ
などと言ってみる
まあ女子校にいるらしいですし、普通に。ソースは妹。
まぁ、あと、リアルに対して妥協とするいうよりは
【リアル←――+――→非リアル】
↑図のどの辺に立ち位置を置くか、最初に思い切ってバシッと決めてしまうのが肝要な気がします
それを決めてしまえば、あとは考えついた設定の中から、世界観に沿うものを取捨選択するだけ、と
「リアルで行くぞ!」と決めているなら、ゴテゴテ装備付きスーツで
「非リアルで行くぞ!」と決めているなら、ぴっちりむっちりスーツで
最初に選択基準を決めてしまえば、迷うことはないのです
「非リアルで! ……でもリアルにもしたいなぁ」
という風に、最初の軸がブレ続けてるといかんと思うのです
この状態のまま作ると、設定考えるたびに迷って作業的に遅れていく感じがします
そんな個人的経験則
ちなみに読む側としては、俺はどちらでも美味しく頂けますぜ
もうリアル設定考えるのめんどくさいからオカルトにしちまうよ。
オリハルコンの装甲にエクトプラズムで構成された怪獣に……
>>188の髪型の話を見ていて
ロボットの性能を決定づける外部プログラム兼接続端子が女性の髪型だったらどうだろうか
とか、そんな設定が脳裏をよぎったw
古来から、人の髪には魔力が宿るとされる
それを魔導ロボット技術に応用したとかなんとか
たとえば、
短髪ツンツン頭なら、スピード近接戦タイプ
流れるような黒髪ロングなら、回避力高めの合気orサムライタイプ
彼女たちは世界の平和のため、今日も髪のお手入れを欠かさない!
機体は通称、『ストロードール』!
……うん、駄目だこれはw
>外部プログラム兼接続端子が女性の髪型
そういえばスパロボのジュデッカって、パイロットと髪の毛で繋がってましたよね。
やっぱり先達はどっかにいるものなんですな
まあ特に設定は無いんですけどねw>ジュデッカ
あと、何故かパイロットの髪が伸びます
>>188 >女の子にぴっちりむっちりパイロットスーツ着せたい
むしろ、Gに対抗するべく無理やり体を締め付けて頭に血を上げているとか……
(確か実際の戦闘機のパイロットスーツも下半身締め付けて血を頭に上げてブラックアウト対策してたと思う)
>脱出した後のサバイバリティ
脱出したパイロットが自力で長時間サバイバル活動しなきゃならないような状況ではロボットが運用できないとか。
あんな複雑な機械を運用するとなると、整備だなんだで味方の集結地からそう離れられんという理屈は通りやすいと思う。
>そして女の子だけの部隊
なーに、魔女飛行隊とか実在してたから。むしろ男女混合の方が問題多くなるかも。
>百合ん百合んってどうなのよ?
なんだかんだいって同性愛嫌悪ってアラビア出の宗教によってると思う。日本じゃ江戸時代なんか男色がエロいことだし。
実際、古代ギリシャじゃ神聖隊っつって同性愛者の部隊を編成してたり
(愛する者を守るため、愛する者に恥ずかしい姿を見せないため、果敢に戦うのでエリートです。
あと、古代ギリシアじゃ「愛」っつったら男性同士のプラトニックラブが至高なので、
偏見とかなかったっつーかむしろ「女にしか興味のない男ってどーなのよ」って感じだったと思う)、
日本の戦国武将はケツの穴まで掘り合った仲の家臣とガッチリ組んでたり
(いわゆる現在のノンケ→戦国時代じゃ軟派 な勢い。
秀吉はノンケだったので家臣が美少年をあてがわせて目覚めさせようとしたり。失敗したけど)
といった具合だったので、宗教的縛りとかなければ社会的には同性愛ってフツーに受け入れられると思う
(余談だけど、アメリカでブッシュが同性愛者に冷淡だったのも、支持基盤にキリスト教右派がいたっつーのが大きい)。
つーか、人間なんていう大脳が異常肥大して行動がわけわからん状況になっちまってる動物相手に
そもそもマイノリティなんていう概念を持ち込めるのかどうか。
むしろ問題は、同性愛って部分よりも、
非合理的な行動に走る恐れがある恋愛という行為自体(異性愛・同性愛問わず)が
テクノロジーや集団化と分業化の重視される組織(ロボット運用できるような軍隊も含まれるだろう)においては
不安要素として嫌われるだろう、というところかもしれない。
うわ、地震が。
静岡の住人の方、大丈夫ですか?
サイレントヒルは震度6か……けっこうヤバいな
昨日より震源地が愛知に近づいてるって意味でも、台風が近づいてるって意味でも
震度6食らいました
ウチは幸い怪我はないけど
ただ、玄関開けに行ってる間にモニタ倒れた……orz
>>202 >昨日より震源地が愛知に近づいてる
ま、まさか東海地震が起きたりするんじゃ……。
>台風が近づいてる
悪い事は連続してやってくるとは言いますが……。
>>203 よかった、被害が少ないようで何よりです。
朝起きてびっくりしました…・…まさか震度6とは
色んな意味で不安orz
昨日台詞形式と書きましたが、どうも台詞だけだとキツイので、ショートショート風に変更します
突然の変更、ごめんなさい
あああ全鯖規制うっぜぇええ……
作者さんたちがいらっしゃったら聞きたいんだけど、第一話(或いは最初のバトル終了まで)に何文字くらい使った?
それと、読んでる人たちとしては、どれくらいの文量が丁度良いもの?
>>206 自分はタウエルンに4330文字
ROSTGORLに6324文字ですね
自分のは無駄に長くなっちゃって、読んでくれる方が疲れちゃってると思いますw
んー……3000〜4000文字くらいがちょうど良いのかな?と自分は思いますね
まぁでも読んでくれる方を考えるとなるべく短くした方が良いのかな?といつも思ってます。出来ませんがorz
>>206 自分は1番最初に投下したのは442文字、次に正式に投下したプロローグが3368文字でした。
現在は1話につき大体5000文字くらいになるように心掛けてます……例外はありますけどw
>>207 でもなんだかんだで実際に読むと短く感じるんですけどねw
書く時は長いのに……。
>>206 読んでる側からすると、導入部なんでテンポさえ良ければそれなりに長くても大丈夫かと
個人的には6000〜7000くらい行っても良いんじゃないかと
世界観とかの説明もいるだろうし
さて、番外編の骨組みが出来たので今から校正します
うーん、どうなんだろうコレw夜頃失礼します
>>206 シスターズは3000字
リベジオンは6000字
シャドウミラージュは24000字w
シャドウミラージュは結構正気の沙汰じゃないです
結構思いつきで話の内容足してるので中々短くならんとです
個人的には4000字ぐらいがちょうどいいんだろうなーとか思いつつ
いつも8000字相当なものを投下しています
リベジオンのSIDE Cは分割しなかったら14000字相当でしたし(´・ω・`)
>>210 相変わらず仕事が速くて、惚れてしまいます。
必要以上にwktkしながら待ってますw
>>211 おお、シャドウミラージュすんごぉい!
ううむ、ありがとうございます。
いや、前々からエヴァっぽいの書く書く言ってる者なんだけど、やっぱりこう、冗長になりすぎて。
引き合いに出すのもアレかもしれんけど、エヴァでいうミサトさんの「おまたせっ!」の時点で12000字なのよ。
>>213 戦闘シーンだけプロローグとして先に書いておいて、1話からは回想ってどうでしょう?
>>210 早いなぁ
その筆速俺にわけて欲しいです><
>>212 2話で3万こして、3話おいては5万5千とかね>シャドウミラージュ
正直、やりすぎたと思ってる、時間も物凄いかけてたし(両方あわせて1年はかけてたような…)
でも気に入ってるのでいつか続き書きたいなー
今、情報量をつめこみつつ、テンポよく、短くを練習中です
>>213 キリのいい所で分割してみるとか、いきなり事件が起こってる所からジェットコースター風味に物語を仕立てていくとか
いきなりロボ出さなくても大丈夫だよ
>>215 >気に入ってるのでいつか続き書きたい
おお、自分けっこう気に入ってたので嬉しいですw
ゆっくりまったり待ってますねー。
>>212>>215 筆が早くても中身が整ってないですorzただただ精進ですね……
て訳で番外編投下します。そんなにレス取らないと思います〜
支援は任せてくださいよ、隊長!
※時間軸はep.6、マキがモリベと公園で待ち合わせする前の出来事です
私の朝は常にブラックコーヒーから始まる。朝の寝ぼけた眼を起こすのにはこれ以上無い程の起爆剤になるからね。
私が起きる時間帯に自動的に焙煎されるブラックコーヒーの味と香ばしい香りに私の頭脳が目を覚ます。
そう言えばティマの姿が見えないな……朝一番に図書館から借りてきた本を読んでいるのだが。
と、ティマがドアを開けてコーヒーを飲んでいる私の元にトコトコと歩いてきた。その動作は小動物を思わせて何とも可愛らしい。
ティマは私の膝元に座ると、小さく首を傾げながら言った。
「ねぇねぇ、マキ。聞きたい事があるんだけど、良い?」
「ん? 私に答えられる範囲でなら、何でも構わんよ」
私がそう返答すると、ティマは続けて言葉を発した。
「えっと……マキって、ロリコンなの?」
ティマの言葉に、私は盛大にコーヒーをテーブルに吹きだした。
<ROST GORL ep side>
私の反応に驚いたティマが、台所から直ぐに濡れた雑巾を持ってきてくれた。良い子だ……発言の意味がいまいち分かりかねるが。
受け取ってテーブルを素早く拭く。引いてあるカーペットに落ちていないのが幸いだ。染みを抜くのが非常に面倒だからな。
しかしティマ……一体どうしたんだ。いきなりそんな何とも言えない質問をぶつけてくるなんて……。
「ティマ……良かったらその言葉を何処で聞いたか教えて貰えるのか? 出来るだけ詳しく」
私がそう聞くと、ティマは視線を上に向けて何か思い出すような素振りをすると、ゆっくりと話し始めた。
「最近読んだ本でね、ロリコンって人の事を知ったの。私……みたいに小さい女の子と一緒にいる様な人を指すんだよね」
待て、その解釈だと世間で父親と言われている男が何人ロリコン認定されるのか……ま、まぁ良い。ティマが物を変に覚えるのは今に始まった事じゃないし。
ティマは続けて、予想し得ない言葉を私に語った。
「でね、ロリコンってね……ちっちゃい子に酷い事する様な悪い人が多いって書いてあったの。
……私、なんか怖くなってそれ以上は調べなかったけど、マキは悪い人じゃない……よね?」
何の……何の本を読んだんだ? ティマ……。私はその本の出版社に苦情を入れたい気分になった。
そうだ、ここはちゃんと教えてやらないと……と思うが教えていいのだろうか。逆にティマに引かれたらと思うと正直不安だ。
というかそもそもロリコンって別に個人の性癖を指してるだけで悪い意味じゃないよな……にしては何だ、この不安感は?
私が頭を抱えている事に気付いたのか否か、ティマは慌てて言った。
「わ、私、マキが悪い人だなんて全然思ってないよ! だってマキ……」
ティマ、ティマ。それ以上は良い。何だかフォローにならない気がする。あくまで気がするだが。
「マキは……見ず知らずの私に、新しい服を着させてくれたり図書館に連れて行ってくれたり凄い優しいもん。……それに」
「……私みたいな子のをお嫁さんにしてく」
「待て、ティマ。それ以上はちょっとまずい」
嬉しい。心の中ではティマがそんな事を思ってくれて凄く嬉しいのだが、私の中の理性がこれ以上いけないと言っている気がする。
このままティマの言う事を認めたら、私は自らをロリコンと認める事になるのではないかという危惧を抱いているのである。
……待て。考え方を変えてみよう。私が好きなのはティマだ。小さい女の子ではない。ティマという女性その人なのだ。
何故かって? 妻と認めた以上、私はティマを一人の女性として取られているからな。間違ってはいないと思う。いないだろ?
それよりも、だ。今はティマにロリコンの認識を改めさせなければいけない。でも無いと私の精神衛生上、すっごく悪い。
私はティマの両肩に優しく手を置き、囁きかける様にロリコンの意味を説く。ここは……
「ティマ、良いかい? ロリコンというのはね、決して悪い事では無いんだ」
ここは……ウソも方便。なるべく良い意味に改変してティマに教えよう。でも無いと色々と困る。
「男という生き物はね、ティマ。古来より小さき物、弱き物を守る為に生きているんだよ。それで……」
ティマは興味深々と言った輝いた目で私を見上げる。……痛い。嘘をついていると思うとその目は私の心にズバズバと突き刺さる。
「……それで、ロリコンとはそういう男達に対して、人々が付けた名誉ある呼称なんだ」
とは言え、ティマが興味深々なら問題無い。このまま……嘘を付き通す。大人になると人は汚くなるってのを、今私は実感している。
「実はロリコンには由来があってね。悲しい事にあまり知られていない事なんだが……」
「昔々、とある国で人々を恐怖の渦に落とし入れた大盗賊がいたんだ。その盗賊達は物を奪い、人を殺し、そして国ごと奪っていった。
そんな日、その大盗賊のボスは若くて小さい……そう、ティマの様な女の子達を誘拐していったんだ。己の快楽の為にね」
「しかし、そんなボスを倒す為に立ち上がった一人の英雄がいた。彼の名はロリ・コン。コン一族なる勇敢な一族の末裔だ」
自分で話していて馬鹿馬鹿しくなる。しかし途中で止める訳にはいかない。
「ロリ・コンはそんなボスを倒す為に仲間達と共に大盗賊に立ち向かい……若くしてこの世を去った。
しかしロリ・コンは自らの命を犠牲にして、女の子達と国を奪い返したんだ。ロリコンの偉業は、細々と、人々の間で後世まで伝えられている……でだ、ティマ」
ここからが本題だ。まぁティマは静かに聞いてるから、多分信じてくれると思う。……あぁ、心が痛い。
「ロリコンって言葉は、そんなロリ・コンの様に、果敢にも君の様な女の子を身を呈して守る男の人に対して付けられてる呼称なんだ。決して悪い意味では無いのだが……」
私はワザとオーバーアクションで大きくため息をついた。如何にも時勢に失望しているかのごとく。正直、今私は私自身に失望しているが。
「最近、物を知らない評論家が、由来も知らずに子供を酷い目にあわす輩に対して、ロリコン、ロリコンとまるで侮蔑する様に使うんだ。
この事象は非常に嘆かわしい。本当に嘆かわしい」
「良いかい、ティマ。ロリコンとは素晴らしい言葉なんだ。だからこそ、あまり口に出してはいけない。
そういう品の無い評論家みたいになっちゃうからね。それはつまり、ロリコンという言葉の価値を下げる事に繋がる」
私がそう言うと、ティマは頷いた。ようし、良いぞ。この様子だと、私のホラ話を信じてくれたみたいだ。ごめんな、ティマ……。
ティマは私の話が終わると、大きく頷いて、言った。
「分かった、マキ。私、今度からロリコンって言葉はあまり言わないようにする。じゃないとロリ・コンさんに失礼だもんね」
私はティマの頭を撫でながら褒める。ホントに褒めたい気分だ。何処まで純粋なのだろう、ティマは……。
「ティマは賢いなぁ、偉いぞ」
ティマは私に頭を撫でられると、何時も照れ笑いを浮かべて嬉しそうにほほ笑む。素直に思う。可愛いわ、この子。
「あ、そうだ……マキ、もう一つ良い?」
ティマはそう言って、ソファーに重ねてある本から何かを抜きだした。何か分厚いな。
そして私にその本を手渡してきた。何何……?
「ロリ・コン自叙伝……え?」
「ごめんね、マキ。私……全部知ってたの」
その時、窓を突き破り、同時にドアを破壊しながら、奇妙な男達が入ってくた。その男達は警察官の姿をしていて……警察?
いつの間にかティマがソファーに仁王立ちし、私を見下すような眼をしながら指を指し、言った。
「マキの嘘つき! 嘘をつくのは悪い人って事だから、マキはロリコンだね! このロリコン!」
ティマの叫びに呼応するように、男達が私を罵る。しかも大合唱で。
「そうだ! 嘘つきはロリコンの始まりだ!」
「ロリコンは子供の敵! 社会から制裁を受けるべき!」
「ロリコンは須らく逮捕だ! マキ・シゲル! 貴様を逮捕する!」
家中で鳴り響く逮捕コールに、私は頭を抱えてうずくまった。こんな、こんなはずじゃ……
や、止めろ、止めてくれ! 私は、私はロリコンなんかじゃ……止めてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
「うわぁ!!」
私は叫びながらベットから転げ落ちた。……掌と額と、その他体中の穴から汗が噴出している。
夢か……。……酷い、あまりにもひどすぎる。程度が低いってレベルじゃない。
……まるで私が自らをロリコンだという事を認めるのが怖いみたいじゃないか。どうしても私は認める気にならない。いやむしろ絶対。
しかし、別にロリコンだからと言って糾弾される理由も無いよな。あくまで(私個人は否定するが)個人の性癖の違いだけだ。
無論、手を出す輩は静粛されるべきだが、ロリコン自体である事は別に悪くないと思う。もう一度言うが、私は違うぞ。……誰に言っているんだ、私は。
さて、馬鹿馬鹿しい夢なんて忘れよう。今日はモリベと公園に会って、ティマの真実を知らねばならない。
リビングに行くと、ティマがソファーで本を読んでいた。……良かった。私は自然に胸を撫で下ろしていた。
「おはよう、ティマ」
早速挨拶をすると、ティマは私の方を向いた。ふむ、いつもの顔だ。やはりあれは夢だったのだろう。
「あ、おはよーマキ。あのさ……」
「聞きたい事があるんだけど、良い?」
RORICON・END(BGM:世にも奇妙な物語のテーマソング)
あ、別にループとかしません。……多分
投下終了です。支援の程、有難うございました!
えぇ〜と……良い訳を少し
まずこういう話になったのは、最近良い目見てるマキを少し懲らしめようと考えたからと
話を考えている最中、世にも奇妙な物語にちょっと嵌ってたわけで……
えー色々と期待された方、本当にごめんなさいorz
(`・ω・´)ゝ投下、乙であります!
(`・ω・´)ゝじっくり読ませていただくであります!
>まずこういう話になったのは、最近良い目見てるマキを少し懲らしめようと考えたからと
むしろ幸せな気がry
>>225 のろけやがってちくしょうマッキー極細め! 末代まで祝ってやる! 祝ってやるぞ!
>ロリコンとはそういう男達に対して、人々が付けた名誉ある呼称
デスヨネー。ロリコンハトテモ偉大ナモノナノデスヨネー。
>>225 ロリ・コン…惜しい人を亡くした…
ってかマキ自覚症状あったのねww
まぁ、男は基本ロリコンだから何も問題など(ry
おや、こんな時間に誰か来たようだ
>>229 (´・ω・`)ノやあ、僕だよ、ロリ絵師だ。
>>225 投下乙です
ロリコンで嘘つきでピグマリオンコンプレックスとは……
マキ・シゲル、なんというダークヒーロー
1レス丸々使って全力の言い訳を放つ彼の必死さに乾杯
>>228 マッキー極細フイタw
一発変換で『末期ー極細』と出た時に
「ああ、なるほど……」と思ってしまったのはテレビの前のよい子とお兄さんだけの秘密だ
>>230 しっ師匠!流石です!(言えない…実は年上の巨乳好きだなんて…絶対言えない
>>229 >ってかマキ自覚症状あったのねww
>間違いない、この子を求めてるのは変態だ。それもドが付く。
(LOST GORL ep.1より)
まさかこれが自分自身に適用される日が来ようとは
その時のマキ・シゲルには思いもよらなかったという……
それはそうと、普段のダウナー健気天然なティマに対して
今回は蔑みの目が煌めくドSティマでしたね
ごちそうさまです(色々な意味で)
<重箱の隅>
なんかもう、マキの実娘のスペルミスの癖に、
RとLをよく間違えるのも含めていいんじゃないかと思えてきた
ROSTとかRORICONとか
</重箱の隅>
>>232 聞こえておるぞ遅筆ぅぅぅ!(声:秋元 羊介)
(言えん、どちらかと言えばお姉ちゃん派だなんて口が裂けても言えんわ)
何故だろう、ここにいるとワレラ・ロリー・コンダを思い出す……。
>>229 いや、ロリコンは日本人に多い傾向ってだけで
米ではそうでもないそうなw
やべーこんなに反応が良いとは思わなかったwwありがとうございます!
男はだれしもロリコンだってエロい人が言ってましたから……
それはそうと、どっかでマキにロリだと自覚させなきゃな(彼は絶対認めませんが)と思い書いた次第ですw
まさかep.1での発言がここに帰ってくるとは書いた自分でも思いませんでした。ドロリコンですね。救いようがない
……意識しないとRとLを間違えて書いちゃうんですよ、ホント無意識に
今度から気を付けますorzもうあんま話数が無いけど
>>235 なにっ!?壁に耳あり障子にメアリーですね、わかります(共鳴してる気がするが…気のせいか
>>236 HAHAHA!皆シャイなのさ!
>>236 欧米人は劣化が激しいから、向こうの人には東洋人はみんなロリータに見えるってばっちゃが言ってた
>>238 こうして人はわかりあえるのね……
>>240 (゚Д゚ )顔KAKKEEEEEEEEEEEE!!
>>240 やべぇ、マッシヴカッコいい……
完成図が今から楽しみだぜ……!
>>336 日本ではロリコンでも犯罪行為に走らなければ、生暖かい目で見て貰える(事もある)けど、
欧米だとロリコンってだけで生きている価値が無いと断じられ、抹殺対象にされるらしいからな。
欧米のロリコンは、日本以上に深く静かに潜行しているのだよ。
つまりマキの夢が欧米ではマジになるのか……
つまり某エンフィールド氏(28)はかなりアブない人なのか……。
うおおおおお規制解除ktkr!
この調子で明日中には第一話を投下できたらいいなぁ。
おぉ、おめでとう!
>>246 おお、また新しい仲間が!
なんだかんだで投下されてる作品多いですよね、ここw
てs
うっひょおおお解除ktkrwwwwwwww
>>246 祝いまーす
wktk
あ―俺も早く本編に取り掛からなければ…
間違って、消してしまったよ、1000文字も……
>>252 ctrl+Zで戻らなかったら(´;ω;`)
頑張れ
それにしても、もう250か。とんでもなく速いな。
スレの流れを更に加速させたい……けど全然書けない……。
スパロボOP風のパラベラムとタウエルンの話、頭の中では組みあがってるのに、文字にするのがとんでもなく困難。
パラベラムとタウエルンの設定を組み合わせたり、タウエルン(アルタイル)の準同型機をオートマタとして出したりやりたい放題してるのがいけないのか。
>>254 あるあるw
俺も前フリ書いてる段階だけど
見せ場だけが頭の中で暴走して中々手が進まないw
早くこのフレーズ使いたいとか
早くこの台詞言わせたいとか
早くこんな動きをさせたいとか
早くry
とか脳内で暴走してるのを必至に制御しつつ執筆に挑んでる感じw
>>253 自分のPCが春に逝ったから携帯ですよ(´;ω;`)
>>254 >パラベラムとタウエルンの設定を組み合わせたり
ちくしょー先を越されたー!
楽しみに待ってますw
え〜とりあえず人狼機兵マーナガルムがキリのいい所まで書けたので投下します。
話的には結構中途半端なのですが、出来た分から投稿していかないと最初からやり直したくなる悪癖がでそうなので……
という訳でどうぞ
人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」前編
支援します
月にいる君へ
俺が月へ君を残し地球に降りてから、もう2年くらい経っただろうか。地球の強い重力にも機械制御ではない変わり易い気候にも
だいぶ違和感はなくなった。戸惑っていた頃が懐かしいくらいだ。
月は、俺が離れた頃のままだろうか? まだ戦火は月までは広がってないとはいえ、居住施設の不安定さが無くなった訳ではない。
君がいる場所が事故に巻き込まれたりしないか、それがとても心配だ。
そうそう、俺の方はこの前の手紙に書いたように、あと少しで月へ帰還する事になりそうなんだ。君との再会が今から楽しみで
しょうがない。今回の作戦が終わったら急いで……
いや"急いで"は変だな。別に、俺が急げば到着予定時刻が早まる訳でなし。などと思いながら、彼は左手に持った鉛筆を指で回す。
しばらく目をつぶり考えを巡らせた後、"今回の作戦が終わったら、地球の御土産を用意しよう"と書き直した。そうなると御土産は
何にするべきか。彼女が好きと言っていた地球の花……生花は持ち込みが難しい、種が妥当だろう。花の種は基地の購買にあっただろうか?
「ソマ中尉」
手紙の下書きをしている最中に名前を呼ばれ、手を止め通信モニターを見る。映っていたのは、この基地に所属するオペレーターだ。
鉛筆と紙をパイロットスーツのポケットにしまいながら、通信機のマイクをオンにする。
「何かあったのか?」
「いえ、そういう訳ではないのですが……作戦開始10分前です」
「了解」
マイクを切り、ソマ・ツクヨミは、だらしなく肩まで伸びた海藻類のような髪を押し込むようにヘルメットを装着し始めた。計器類の
チェックもすぐ終わり、作戦内容は全て頭の中に叩きこんである。やる事が無くなったので暇つぶしとして婚約者への手紙を
書いていたのだが、いつのまにか結構な時間が経っていたらしい。
ヘルメットの装着も終わり、パイロットスーツ各所にベルトを繋ぎ身体をコクピットに固定。ペダルに足を掛けレバーを握り、準備完了。
作戦開始までまだ8分ほど残っているだろうか、ツクヨミは復習を兼ねて、記憶した作戦の内容を頭の中で思い出した。
現在、月面革命軍アラスカ基地に、地球統合軍が迫りつつある。既に北アメリカ大陸は、ほぼ全て地球統合軍に取り返されており、
アラスカ基地が北アメリカ大陸における革命軍の最後の砦となったのだ。上層部は北アメリカ大陸から全ての兵力を一時後退させ、
アジア地域で迎え討ちそこから盛り返すつもりのようだが、やる事は敗走と同義だろう。
敵の追撃を少しでも減らす為、各所の基地からアラスカ基地に迫る統合軍の追撃部隊の一つに単機で奇襲し、殲滅せよ。
それが、アラスカ基地所属ラビットソルジャーパイロット、ソマ・ツクヨミに与えられた任務だった。
ツクヨミは以前からアラスカ基地の司令部の連中と異様なほど折り合いが悪かった。その原因は、ツクヨミ自身にもある程度想像が付いていた。
まずは社交性の悪さ。目付きの悪さに隈まで加わった酷い表情と、必要以上には声を出さない極度の口下手が人間関係においてプラス評価に繋がるとは
思っていない。撤退命令を無視し戦闘続行したのも何度かある。それは記憶している限りでも一回や二回程度ではない。そして、そんな人間が
ラビットソルジャーパイロット……通称『兎乗り』としては優秀で、敵機撃墜数だけならば革命軍内でトップクラスであるという事実。
俺がこんな奴の上官だったら、戦闘中に後から撃ってるかもしれんな。ツクヨミも自分自身について、そう評価していた。
自分のどこに問題があるかというのが自覚できていたとして、すぐに改善できる訳ではない。その結果、ツクヨミの司令部からの評価は最低以下となり、
後から銃で撃たれる代わりに、一人きりで死地へと送り込んだのだ。
ちなみに奇襲方法もえらく単純で、2147年6月6日の大規模地球占領作戦にも使われたラビットソルジャー用の大気圏突入ポッドをロケットを取り付け、
そのまま統合軍の飛行輸送艦に突撃する……というものだ。目標地点でポッドから出て輸送艦全てを撃墜したのち、墜落の衝撃で破壊されなかった
統合軍兵器を片っ端からブッ壊し、そのままアラスカ基地まで帰還して、やっと任務完了。
まったく、ふざけた作戦を任されたものだ。司令部としては、どうせ倒しきれず返り討ちにあうだろうが、ちょっとでも時間稼ぎになればいい。などと
考えているのだろう。しかし、ツクヨミは違った。推測される敵の兵力は量こそ多いが、今回の作戦が奇襲である事、そして、奇襲するポイントが大型都市の
廃墟付近の上空である事が勝機へと繋がってると考えていた。廃墟の地形については既にマップを調べ、細かく記憶している。上手くやれば敵機を全滅させ、
生きて帰れる可能性もあるだろう。
革命軍に見切りを付けて統合軍に投降する。もしくは、無視して逃げるという選択肢もある。しかし、ツクヨミはそれを選ぶ事は出来ない。
彼の中で静かに燃える兎乗りの魂が、戦わずに負けを認める事を良しとしないのだ。
「作戦開始30秒前」
「…………」
オペレーターの無愛想な声を聞きながら、ツクヨミは深く深呼吸をする。かなり危険な作戦だというのに、身体の震えもなく心拍数も変化していない。
戦場慣れもあるが、子供の頃から危機的状況に追い込まれれば追い込まれるほど、心が研ぎ澄まされていく体質だったという事の方が大きいだろう。
「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…」
震動がコクピットまで伝わってくる。大気圏突入ポッドのカメラとリンクしたモニターの隅に閃光が見えた瞬間。
「出撃!」
轟音と共に、ツクヨミを乗せたポッド付きロケットが発進した。
「…………ッ!」
慣性緩和装置越しでも押し潰れそうになる凄まじい加速力に、ツクヨミの元々凶悪な顔がさらに酷く歪む。モニターに映る景色はすぐに雲を抜け、目まぐるしく
変わり続けていったが、その中で唯一、ロケットを追走するものがあった。同時にアラスカ基地から発射されたミサイル群だ。何でも元々撤退時に廃棄予定だった
らしく、使う機会があって良かったよ。などと整備士たちが話しているの出撃前に聞いた。俺も廃棄したかったもので、捨てる前に再利用したかったのだろうな。
そう思いながら、ツクヨミは視線を前方に戻して、空の一点を見つめた。
ポッドの複合センサーが敵機を捕えるよりも早く、太い光線がミサイル群の一部を薙ぎ払った。おそらくは、統合軍の輸送艦から放たれた対空レーザーだろう。
第二射がロケットごとミサイル群を全て焼き尽くす寸前に、ツクヨミはロケットからポッドを切り離した。爆風に乗りさらに加速。遂にセンサーが捉えた輸送艦
5隻の内の1隻に狙いを定めた。ウォーターシップ級輸送艦。全長500m、大雑把に説明するなら「空飛ぶ直方体」という分かりやすいシルエットだ。
ツクヨミはコクピットからポッドを操作し、輸送艦から放たれる対空レーザー、迎撃用ミサイル、機関砲と、雨のように降り注ぐ全ての攻撃を紙一重で避ける。
大気圏突入ポッドには、軌道修正や着陸時の減速用に小型ポリ窒素スラスターが仕込まれている。しかしその数は少なく、また、噴出口の位置調整もほとんど
できない為、細かい制動を行うのには向いていない。とはいえ、それも使う者の腕次第であり、理屈の上では攻撃を回避し続けるのは不可能ではない。
しかし、そんな無茶が長く続く訳もなく、輸送艦に接触する寸前に迎撃ミサイルが数発当たり、勢いが止まったと同時に機関砲がポッドを蜂の巣に変える。
ボロ雑巾のようになったポッドが爆発する様を、ツクヨミはモニター越しに見た。脱出があと0.1秒でも遅ければ自分も爆風に飲まれ飛び交う金属片に混ざって
いただろう。
爆発寸前の大気圏突入ポッドから飛び出した巨体は、そのまま勢いを殺さずに目標としていた輸送艦の上に無理矢理着地した。
RS-02MB スカンクエイプ改。全長 13.0m(リアクション・コントロール・ブレードを除く)、全備重量 約85t。
月面開発用人型工作機械『ラビットワーカー』を戦闘用に改造しただけのRS-01Mとは違い、設計段階から戦闘用として作られた史上初の本格的ラビットソルジャー
『RS-02MA スカンクエイプ』。
スカンクエイプ改は、その機動性と火力を向上させるべく、背面に大型のスラスターを、両肩、腰、両足に火器を搭載したアーマーを追加装備させたタイプである。
しかし二兎を追った結果、機動性も火力も半端となり、それぞれの機能に特化した、RS-02MC スカンクエイプ高機動型と、RS-02MD スカンクエイプ武装強化型に
役目を奪われ、生産されなくなった悲運のラビットソルジャーである。
しかし、ツクヨミ自身はこの機体が気に入っていた。少数で戦うのであれば、どんな状況でも一定以上に戦えるオールマイティな機体の方がありがたいのだ。
ツクヨミの駆るスカンクエイプ改は、輸送艦から引き剥がさんと放たれる機関砲を避けながら、取り付いた以外の輸送艦に砲弾やミサイルを撃ち続けていた。
揺れや風が凄まじかったが、人型というには極端に太い下半身と、広げれば翼長15m以上あり忙しなく動くリアクション・コントロール・ブレードによって
生み出される高い安定性の前には、大した意味を持たなかった。
統合軍の部隊は、「ロケットに乗って単機で突っ込んでくる」という常軌を逸した作戦にえらく動揺したらしく、艦体に当たらぬように機関砲を撃ち続ける以上の
抵抗はなく、やがて、スカンクエイプ改の砲弾とミサイルが無くなる頃には、5隻全てが艦体各所から煙を吹き、重力のままに大地へと吸い寄せられていっていた。
ツクヨミは沈みゆく艦から飛び降りると、弾の無くなった大砲とミサイルポッドを空中で外し、スラスターで減速した後に、ラビットソルジャー独特の転がるような
着地動作を行った。単に脚だけで着地するよりはポリ窒素の消費が少なくて済み、長期戦を行うのであれば必須の技術なのだが、体得している者は少ない。
「月が……出ていたのか……」
ツクヨミは着地を終えてから、初めて青空に月が浮いている事に気付いた。金属に覆われ、白昼であっても銀色に輝く月。そこには婚約者がいるというのに、戦いに
没頭し過ぎた時は、いつも存在すら忘れてしまう。
「君が観ているなら、ここで死ぬわけにはいかないな……」
スカンクエイプ改の複合センサーの捉えた、墜落した輸送艦から出てきた統合軍のラビットアーマーは合計13機。その全てが当初の予定通りに大都市の廃墟内にいる。
彼らが墜落の混乱でまともに動けない内に、1機ずつ確実に仕留めていかなければならない。ツクヨミは、スカンクエイプ改の残った武装であるガトリングガンと
超震動ハルバートを構え、獲物の待つ廃墟へと向かった。
という感じで、人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」前編 終了です
この後で中編、後編と続く予定です
中編も今週中に書き上げたい…・・
☆どうでもいい補足設定
ソマ・ツクヨミは漢字で書くと「蘇摩月読」
細かいキャラや機体の設定は
第一話後編の後に纏めてやった方がよさそうですかね〜
>>268 投下乙であります!
お風呂上がりにゆっくり読ませていただきます!
こんばんは〜
どなたもいらっしゃらない? ですかね?
いるよ。支援なら任せろぃ
>>271 ところがぎっちょん!
何かご用ですかな?
あぁよかった
つい調子にのっちゃったもんで、11レスにもなっちゃったんですよ
支援もらえないとやばいかなぁと思ったもんで
じゃあ投下させていただきますね
とっくの昔に、諦めていた。
僕には無理だ、僕にはなれない。
父さんのような、母さんのような、強い人間になんてなれるわけがない。
でも──
ARTIFACT LEGACIAM 第五話 夏の扉
「状況は?」
大和の格好は随分と不恰好なものだった。
仕立ての良い漆黒のスーツに琥珀色のカッター、臙脂色のネクタイ──そして、ミスマッチな黄色の安全ヘルメット。
その安全ヘルメットだけは辺りの風景に馴染んでいる。ここは整備場を兼ねた巨大で広大な格納庫であるからだ。
「あれから5日の間突貫作業でこなしたからよ問題はねぇ。マッチングも完璧よ。出撃とあらばすぐにでも出られるぜ」
答える男は薄いブルーの作業衣に安全ヘルメット、初老の……けんの深い顔立ち。“おやっさん”として技術部・整備部の職員に慕われる“職人”笠置清四郎だ。
だがよ、と笠置は低い声で大和を振り返る。
「補機の熱核反応炉……最新型のGEA−3000Dは二基ともおじゃんだしよ、電装系も端から端まで全交換よ。ユニット01のは特別製だからな、あいつの電装部品1パッケージで中古の89式が5機は買えるぜ」
報告書には目を通していた大和だ。笠置から直に聞くまでもなく損害状況は把握している。
想定されていた最大稼動時のエネルギー量、そのほぼ二倍以上という記録的な数字を叩き出したため、機体の補助動力である熱核反応炉はオーバーロードで完全に破損した。それゆえに全交換。
その過負荷をもろに受けた電装系は、これもまた完全破損。当然ながら全交換だ。機体の特殊性から現用兵器との互換性のないその部品はありえない程コストがかかる。
もちろんそれだけではないが、目を引く程に金のかかる修理箇所はこの二箇所だった。逆に言えばここまで金のかかる破損は他になかったと言っていい。
「修理にかかった金額は……考えるのも怖いくらいですよ」
「まぁ、俺の仕事は金の心配をすることじゃあねぇ。そこはあんたにまかせとくけどな、それにしたってこいつァひでェや」
ふむ……と大和は頷いたきり黙りこくる。笠置はその様子を複雑そうに見ていた。
「今後もあのマイクロブラックホールがなんとかっていう武装を使うつもりだってんならとんでもねェ金がかかる。そいつは覚えといてくれや」
もっとも見ているだけにとどまらず、口や手が出るのが笠置という男なのだが。
「注意を喚起するこたァできんだろ、こいつのパイロットってのが見つかったンならよ──」
「見つかってはいないのです」
自分の言葉を遮った大和に笠置は「何だって?!」と聞き返す。
「見つかったわけではないのです、先の戦闘でユニット01を駆ったパイロットは」
「おいおい、聞いてねぇぞ。じゃあどうするんだよアメリカさんとの話はよ」
目を見張る笠置の前の大和の顔は苦渋に満ちたものだった。
「“彼”は先の戦闘の後に一度は帰ってきたものの、何の情報を我々に落とすでなく、気がついた時にはその姿を消していました」
その消息はようとして知れない。
「“継承者”──つまりパイロットに関する情報は何一つないわけです」
絶句だ。言葉も出ないとはこのことだ。
しかし、大和には絶句したりする余裕も何も許されることはない。責任者、SARF長官である限り。
「太平洋の件は我々だけで取り掛かるしかないでしょう……」
大きく見上げる大和の視線の先にあるもの──
レガシアムは物言わず、ただそこに立ち尽くしているだけだった。
支援
>>256 いやいや、パラベラムの原作者であるそちらの考えたタウエルンとの設定とかも見たいです。
>>268 投下乙です。後でゆっくり読ませてもらいます。
いよいよ夏休みを間近に控えて、太陽は早朝から大いにはりきって働いているようだ。
夏の扉が早くこっちに来いよって、知らない世界へ誘ってるような気分になるよなって山彦あたりなら言いそうなくらいに。
「そういえばさ」
「うん?」
僕はバックパックに入り込んで、首だけチョコンと出している黒猫に語りかけていた。
「お前の名前ってなんていうんだっけ?」
なんだそんなことかぁと黒猫は間延びした調子の返事をする。
あぁ、こいつまだ眠いんだな。昨日なんか随分遅くまで人のデータ端末をいじっていたし。
「ないよ、名前」
その返事は想定の範囲外だった。思わず「ないって何が」などと間の抜けた言葉を返してしまう。
「だから名前だよ。僕、持ってないんだ」
「じゃあ普段は何て呼ばれていたのさ?」
うーんと考え込む。
「ヒィかな。確かそんな風に呼ばれた覚えがある。後は“ちょっと”とか“ねぇ”とかさ」
ヒィ? それは呼び名であるとか、名前の範疇には入らないのだろうか。ふと思い浮かんだ思考はすぐに読み取られてしまう。
「うぅん。そんなんじゃないんだ。あれだよ、共通言語で“彼”って“ヒィ”って言うだろ? 男性を示す三人称のさ」
「お前、それって腹が立ったりしなかったのか?」
「何で?」
「何でって……名前も付けないで、呼ぶにしたって“彼”だなんてさ、失礼にも程があるんじゃないか?」
そういうものなのかなーと黒猫は相変わらず眠たそうにしている。ふぁーと欠伸まで出た。つられて僕も欠伸が出る。
「お前って何かズレてるな。それってまるでイジメみたいなもんじゃないか」
「そうかな?」
「だってさ、お前って要するにレガシアムと並んで、謎の敵に対抗する地球連邦評議会のなんたらフォースの切り札なわけじゃないか」
「SARFだよ。Special Armed Response Force 特殊装備運用迎撃応答軍事機関サーフ」
「そのサーフだかセーフだかがさ、頼りにしてるレガシアムの、そのお前がそんな扱いされるってのはヘンな話じゃないのかってことなんだよ」
「そういうものなのかなー」
また言った。なんだかそんな黒猫にも腹が立ってきて、僕は唐突に思いついたことを口にする。
「わかった。僕がお前の名前を考える」
「僕の名前?」
後ろ手でバックパックから黒猫のヤツを引っ張り出す。両手を脇の下に入れて、正面向いて抱き上げた。
「こうして見ると、ただの黒猫なんだよなぁ」
「ほっといてよ」
ビロードの深い黒。その毛並みは艶があって、混じり気なしの掛け値なしの真っ黒。そしてエメラルドグリーンの瞳。
「よし、決めた。お前の名前は今日からカイアな」
「カイア?」
「お前の瞳って綺麗な緑じゃないか。藍晶石──カイアライトっていう天然石があってさ、その石って綺麗な緑色をしているんだ」
ついでに言うと、衝撃によって割れやすいので取り扱いに注意が必要ってとこも似合っていそうだ。
「後の方の説明には何かひっかかるものがあるけど……、いいねそれ」
「気に入った?」
「気に入った」
そう言うと黒猫は僕の腕をよじ登り、肩を伝ってまたバックパックの中へと帰っていった。
「黒猫じゃなくて、カイアだろ!」
へぇへぇすんません。
「そっか、僕の名前かぁ」
いつの間にか眠たそうな間延びした口調でなくなっている。僕はカイアの嬉しそうな声を耳の側で聞きながら、僕はまた歩き出した。
早朝だってのに日差しはもう痛いくらいに強くなっている。
「なぁカイア」
「にゃあ」
「とりあえず、学校についたらどっかで時間潰しといてくれよな。授業中もバックの中でじっとしてるなんてイヤだろ?」
「にゃあ」
交差点を右に曲がると校門まで続く最後の坂が目の前に広がる。一年の頃には見上げるたびにげんなりしたものだけど、さすがに二年にもなれば慣れた。
とはいえ出来ることなら、この坂くらいは自分で登っていってくれないかな。重たいとは言わないけど、お前を背負わずに登っていけるならそれに越したことはないだろうし。
「にゃあにゃあにゃあ」
「なんだよカイア、喋れよ」
急にネコみたいににゃあにゃあ言い出したカイアに僕は首をまわして振り返り──
「そうよカイア、喋りなさいよ」
緊張しきったカイアの顔と、その向こうに委員長を──伊吹志摩子の顔を見たのだった!
「い、伊吹……さん?!」
「おはよう、不破君」
にっこりと笑って、伊吹はカイアの方に視線を移す。
「ねぇ、喋らないの?」
「や、やだなぁ。ネコが喋るわけないじゃないか」
よし、どもらずに言えた。ナイス自分。
ふうん、と伊吹は僕の顔に視線を戻し、そしていきなり大笑いを始めたのだ!
「おっかしー! 不破君ってばその顔!!」
「え?」
伊吹は子供の可愛いイタズラを見つけたお母さんのように笑っている。
「だって不破君ってば本気で焦ってるんだもん」
ということは?
「それとも、このネコちゃんって本当に人間語を喋ってくれるの?」
聞かれてしまったわけじゃあないってことか!
背中に噴出した汗が一気に流れていく。あぁ、冷たい。
こんな早朝に登校してる奴なんていないだろうと思ったから普通にカイアと話しながら歩いていたのに。
そのことを聞くと、伊吹は誰もいない早い時間に新鮮な空気を吸いながら登校するのが好きなんだと教えてくれた。
「それにしても意外だなぁ」
並んで歩き出すや否や伊吹がそんなことを言いだす。
「不破君ってネコ大好きなんだ、普通に喋りかけるくらいに。まるでホントに会話してるみたいに自然に語りかけてたもんね」
アハハ、と笑ってみせて、僕も反撃を試みる。
「僕も意外だったよ」
何が? と伊吹が首をかしげる。
「伊吹さんってもっとお堅い感じだと思ってたからさ、あんな風に声をあげて大笑いするんだなぁって」
「ヘンかな?」
「いや、いいと思うよ。もっと笑えばいいのにって思った」
「そう?」
それから僕たちが話をしたのは期末考査がどうだったとか、夏休みはどうするとか、そんな他愛もない話ばかりだった。
一年の時からずっと同じクラスだったのにこんなに話をするのは初めてだねとか、そんな話もしながら僕たちは校舎に入る。
その時だった。
──!!
それはまるで暗闇の中で放たれた火花のように僕の頭の内に弾けて消えた。
「どうしたの?」
急に立ち止まった僕を訝しげに伊吹が問いかける。
彼女には分からないし、伝えることもできない。
僕と、おそらくはバックパックでごそごそし始めたカイアだけに伝わったその感覚。
それが教えたのは、簡潔なただひとつの事実。
今、敵が、現れた。
支援
NOA太平洋第七艦隊旗艦は揚陸指揮艦バイクスピークという。
その指揮所に大和と信濃、いつもの白衣に身を包んだ鞍馬がいた。
「哨戒機αより目標は発見できずとの報告」
「よろしい、引き続き捜索任務を続行せよ」
「アイアイサー、捜索任務の続行を指示します」
オペレーターに指示を出した初老の軍人が大和たちに振り返る。
「哨戒機と電子戦機はほぼフル稼働です。サテライトネットワークも利用して完璧な監視網を構築していますが」
「けっこうです」
とはいえ、不満があったとしても「けっこうです」としか言えないのが現在の大和たちの状況だ。
正直なところ、わき上がる不安を拭えないでいる大和である。
太平洋上に表れたE&E出現の痕跡を調査する為にNOAを引き込めたのは僥倖だったが、肝心のユニット01──レガシアムを持ってくることはできなかったのだから。
E&E迎撃の要であるSARFの切り札。
それがないというのはどういうことか? お前たちは此処に何をしに来たのか?
そういう無言の圧迫感を大和は感じている。
基本的に他国との相互不干渉政策をとっているNOAをこういった舞台に引きずり出せたのは確かに成果かもしれない。
だが、この成果を今後にいかせる形で結末を見れないではなんの意味もないではないか。
その思いが大和を萎縮させ、口数を少なくさせていたのだった。
「東北東方面の海面上に不自然な断続点が見られないでしょうか」
もっともそういうものに全くもって無頓着な者もいる。
「ここと、ここと、ここです。一見潮流による海面温度の温度差と錯覚しかねない微弱な違いですが」
ほう、と声があがる。と、同時に余所者が何を言い出しやがるという反発の雰囲気も持ち上がり始めた。
が、そういう物に無頓着であるからこそ鞍馬のような人間は好きに物を言えるのだ。
「敵はこちらの常識では測りきれない非常識な存在です。こちらの観測能力では手に負えない欺瞞能力の存在を想定するべきでは?」
ふむと部下たちに指示を与えていた初老の軍人が鞍馬に向き直る。
「では、我々はどうするべきかな? ミスター・クラマ」
「戦闘隊形を構築して西南西方面からの急襲に備えること、ですかね」
鞍馬は戦術コンソールの大型モニター上を指し示す。ここと、ここと、ここ。そうやって示していくポイントは東北東の地点から艦隊現在位置を中心に大きく回りこみ──
「今、E&Eはこの周辺にいると思われます。失礼、五分前には……に訂正しましょう」
「敵はこちらの動きに対応して回り込んでいると?」
「こちらが見つけるまで待ってくれているなんて義理は、彼らにはないでしょうから」
考え込む逡巡はほとんどなかったと言っていい。
「全艦に戦闘態勢をとるよう通達せよ。空母バラク・オバマにセンチネル部隊スクランブル召集の伝達急げ。砲撃艦エドワード・H・オヘア、ユージン・A・バレンシアに砲戦準備を指示。急いでくれたまえ」
「ついでに申し上げるなら、試験艦ヴァンデクリフトVを前面に押し出すこともお勧めいたしますが」
鞍馬の言葉にギョっとしなかったNOA軍人は、その視線を真っ向から受け止めた初老の軍人を除いて他にはいなかった。
「NOA全軍を通じて初めて完成したという、実用型重力子兵器運用特務艦ヴァンデクリフトV。ここで使わずにいつ使う……とは思いませんか、提督」
「その通りだ」
率直にその言葉を受け止め、ニコラス・A・アンダーセン──NOA太平洋第七艦隊司令官はこの日初めて笑い顔を見せた。
「これより我々は戦闘ブリッジに移る。君たちもぜひこちらで我らをサポートしていただきたい」
アンダーセンの言葉を受け入れて、大和はつくづく何がきっかけで良い方向に転ぶものかはわからないなと一人ごちるのだ。
できれば“彼”が“継承者”をSARFに連れてこなかったことも良い方向に転ぶきっかけになってくれればいいな……。
そんなことを考えながら戦闘ブリッジに入っていき、大和は通信士の甲高い声を耳にすることになった。
「方位170、距離30000にエネルギー反応、感アリ! 未確認敵性体ナンバー4と思われます!」
ソレは巨大なクラゲのような形をしていた。
巨大──そんな形容が冗談のような直径十数kmの円盤状の物体。それが太平洋上に現れた新たなるE&Eだった。
「方位コード25に、複数の熱源確認。敵機動兵器群捕捉!」
「VFA27ロイヤルメイセス、VFA102ダイヤモンドバックス迎撃行動に入ります。アンノウンにエンカウント、戦闘開始」
クラゲはその内部に小型の子機を保有しているようだった。小型といえども、それらは全長15mクラスのセンチネルと同等の大きさではあるが。
それら子機の進路を塞ぐ形で機動空母バラク・オバマの艦載機であるセンチネル、セクレタリアトが迎撃戦闘を開始する。
「今度のE&Eは空母タイプとでも言うのか……」
大和はため息をつくことすらできない。先から感じている不安感がさらに増しているのだ。
「そうか、了解した」
インターホンを置き、指揮卓のアンダーセンは大和たちに振り返る。
「ヴァンデクリフトVと砲撃艦2隻の戦闘準備が完了したようです。あなた方の意見を聞きましょう」
「提督、E&Eは強力な防御フィールドを展開しています。それゆえに重力子兵器でフィールドをこじ開け、砲撃艦の電磁レールガンで中枢を狙い撃つしか勝機はありません」
「チャンスは一度、と言うわけですな」
「こう言ってはなんですが、当てにさせていただきます。提督」
フフっと笑ってみせるアンダーセン提督だが、その目は笑っていないように思う大和だ。
実際大和も笑えない状況だと思っている。
コンソールのモニターに次々と増える光点は圧倒的に敵戦力である赤い光が占めている。太平洋における最大級の戦力であるNOAの太平洋第七艦隊のソレに倍する量に思えるのだ。
「センチネル部隊の戦闘空域に突入する。敵戦力の右翼に対してミサイル第一波発射」
「アイアイサー、各艦ミサイル第一波攻撃開始」
ミサイル攻撃の開始を支持しつつ、アンダーセンは機動空母バラク・オバマに対してセンチネル部隊の第二派、第三派の出撃も命じていた。
NOA海軍の主力艦載センチネル、セクレタリアトはNOAとしては艦載機タイプの範疇に収まらない全領域汎用タイプのセンチネルだ。
同じ汎用型である日本の96式撫子と比較して、高速機動戦闘での機体制御において劣っているが、反面中・低速域での機動性や稼動時間などの面で優勢な性能を示しているという。
だが、この日、この時では相手が悪かったと言っていい。
援護にかける艦砲やミサイル攻撃も正確にE&Eの子機たちを狙い撃っていくが、数が多すぎる。落とす分より新たに出てくる分の方が多いのだ。
戦力比はセンチネル一機に対して、E&Eの子機は五機……以上。
センチネル部隊は目に見えて押されていた。
「進路このまま、速度維持しつつ前進。ミサイル第二波用意。本命を使う」
それでもアンダーセン提督は前進を命じるのだ。
クラゲの様なE&Eは先程の位置から動いているようには見えない。ならばこちらから近付くしかない。
「ミサイル第二波発射準備よろし」
「第二波発射」
ミサイルの第二波は先程の第一波よりもさらに右翼側へ、センチネル部隊の戦闘空域から大きく離れて放たれたように見える。
理由はすぐに大和たちにもわかった。
──!!!
その爆発光はモニターを挟んでいても、幾重ものフィルター越しであっても人の根源的な恐怖を呼び起こす。
圧倒的な熱と光の暴力が空間を満たしていくのだ。
「核、ですか」
『NB−87』
それは西暦2104年の現在においても最強の、そして最悪の兵器。第七艦隊に数発だけ配備されている小型の限定戦術核弾頭だ。
「軍人としてはともかく、人としては愚行の極みかもしれないが……必要とあれば私はそれを躊躇わない」
人類に躊躇っていられる余裕はない。わかっていても自分に『核』という選択肢は選べただろうか?
大和にとって答えはNOだ。
「提督、敵機動兵器群右翼は完全に消滅! 間隙ができました!」
よおし……そのアンダーセンの言葉は酷く陰鬱な響きを含んでいたように大和は感じる。
「ヴァンデクリフトVは敵を射程に捉えているな? 重力子砲による空間断裂攻撃を慣行する。砲撃艦2隻はヴァンデクリフトVの攻撃の後、最大火力をもって集中攻撃をかけよ!」
「重力子砲準備完了、いけます!」
「砲撃のタイミングはこちらへ。艦隊全艦に停止命令発令。対衝撃、対閃光防御の指示を」
命令は一つ一つ確実に命じられ、達せられていく。
左翼の敵はセンチネル隊とそれを援護する巡洋艦、駆逐艦によって完全に拘束されている。正に千載一遇のチャンスだ。
それなのに不安は消えない。むしろ大きくなってくるのはなぜだと大和は自問自答していた。
「重力子砲カウント開始。30、29、28……」
遮蔽された戦闘ブリッジの中で、スタッフたちがそれぞれのシートに座り、対衝撃姿勢をとる。
「22、21、20、19……」
その時だ。
「目標円周部に重力震発生! 質量値、エネルギー値、双方極めて大!」
「変更はない。カウントは続行せよ」
確かにいくら重力波障壁を形成したところで、空間そのものの断裂を作り出して直接本体に砲撃を加える為の“道”を作り出す重力子砲は防げないだろう。
「12、11、10……」
「そういうことなのかッ?!」
カウントだけが続く静寂を切り裂いたのは鞍馬の悲鳴にも似た叫びだった。
「撃ってはいけない!」
その言葉はカウント0と重なった。
ズンという鈍く短い衝撃とともに、不可視の波動がヴァンデクリフトVからクラゲE&Eに向け放たれたはずだ。
だが、その強烈な力場の働きをその身に受けたのは、
「全艦艇が強力な重力場変動に捕えられました! う、動けません!!」
次々にモニターが死んでいく。最後の戦術コンソールに映し出されたのは海面上に落ちていくセンチネルたちの姿だった。
「な、何が起こった?!」
「わかりません! 重力場変動が我が艦隊の展開する広範囲に突然発現したとしか!!」
オペレーターたちの声はもはや泣き声にも等しい。混乱が冷静さに取って代わっている。怒声と悲鳴が立ち始めた時、アンダーセンが「各員、現状把握急げ」とただ一言を発する。
ただそれだけでスタッフたちが、少なくとも表面上は平静を取り戻すのを大和たちは目撃した。それはやはり年季の差なのだろうか。
闇がブリッジを覆ったのは本の一瞬。すぐに非常用電源に切り替わり、薄暗い照明とモニターの明かりが回復した。
「SARFの諸君、意見を聞こう。ミスター・クラマには気がついたことがあるように見えるが」
はい、と鞍馬は即答した。
「恐らくあのE&Eは子機を搭載する空母であると同時に、その巨体自体が巨大な加速器なのです。荷電した重力子を加速させることにより、瞬時にマイクロブラックホールを発生させたのでしょう」
そうか、と信濃がそれをつなぐ。
「発生させたブラックホールを用いてヤツはこちらの重力子砲を空間の断裂を引き起こす以前の時点で偏向させた?」
「その余勢をかって、敵は逆にこちらに重力攻撃を行ったというわけか……」
アンダーセンがつぶやき、鞍馬が続ける。
「あれだけの巨体ならば加速器内部で生み出されるエネルギーはとんでもない数値となるでしょう。あの巨体、円形のボディ、もっと早く気が付くべきでした」
オペレーターがアンダーセンの下に駆けつけるが、その身のこなしは目に見えて鈍い。
いや、と大和は思った。おかしいのは自分もだ、身体が不自然に重い!
「現在我が艦隊には重力変動と思われる攻撃がかけられている模様です。広範囲──およそ10000m四方に渡ってであります。実測値ではまだ2G弱に過ぎませんが、時間とともにその強さは増していっております!」
「おそらく指向性のある重力攻撃だと思われます。2G……簡単に二倍の重力とは言え、人間でならば60kg余分に背負ってるだけでも、艦艇で言えば──」
行動不能になるだけでは済まない。
「どうすることもできないのか……ッ」
士官の一人が吐き捨てるように言う。
「まだだ、まだ何か方法が」
いま一人が打開策を探る。
そして、
「待ってください」
端末を操作していたオペレーターが、
「この空域に高熱源体が接近しています! 識別信号は……信号はSARF−01、アーティファクト・レガシアム!」
その名を高らかに読み上げた。
眼下に広がる光景は、どう控えめに見たところで地獄だった。
それは僕が、戦争を知らない世代だからなんだろうか。本当の地獄は、まだまだもっと酷いものなんだろうか?
また一隻、軍艦が中ほどから折れて火を噴いて沈み始めた。飛んでいるセンチネルはいない。飛行機もだ。
「あの敵が広範囲に重力場変動を起こしている! このままじゃ……」
全滅の二文字。
怖い──だけど!
「いいのかい、ユウ?」
「何をいまさら」
カイアはもう一度「いいのかい?」と繰り返す。
「君には、自分から戦場に飛び込んでいく義理はないんだよ」
でも、
「僕にはこの敵のことがわかった」
そして、
「レガシアムと一緒に戦えるのは僕らだけなんだろ?」
「そうだけど……」
カイアは口篭ってハッキリとものを言わない。
心配をしてくれているのだと僕にはわかった。危険に飛び込む僕の身を案じてくれているのだとわかった。
「何で僕にこんなことが出来るのかとかさ、とりあえずそれは後回しだ」
「でもさ、危ないことは怖いことなんだよ!」
それもわかっている。だけど──
「言っただろ。怖いからってじっとしているのはもっと怖いんだよ」
「でもさ!」
「自分なら出来るかもしれないことを、出来ないかもしれないって震えているのは、もっともっと怖いんだ!」
わかってしまったから、見えない振りをすることはできない。
心で念じる。さぁ、戦おうレガシアム。お前の力で、僕たちの力で!
「助けられる命を、助けるんだ!」
ゴウッ。
それはレガシアムの巨体をも揺らすとてつもない強さの突風だった。
「ヤツが動き出したんだ」
目の前のクラゲの様な敵がじりじりとこちらに向けて動き出している。その速度は驚くほど遅い。
「ちょっと動き出しただけでこれか?!」
「それだけの巨体、それだけの質量を持っているってことなんだよ!」
グラヴィティ・フォース・フィールドを展開する代わりに重力制御システムで広範囲重力変動の影響を遮断しているそうだ。
高重力の影響を受けないその反面、こちらの突風の──物理的影響は遮断できていない。
「バリアーの防御は期待しないでね。相手の攻撃は全部回避して」
無茶を言ってくれる!
それを言葉にして口に出す間もなくビームの光条がレガシアムを襲った。だけど、僕はその光の軌跡を見ることなく感じ取っていた。
ビシャーン!
そんな音が聞こえたんだ。説明しようがない感覚を頼りにレガシアムの機体を右に左に振って、飛来する飛翔体に対して正対する。それは幾つもの正四面体を歪に組み合わせたかのような物体だった。
『こないだの花瓶みたいなモノなのか?』
左手を置いたスロットルを調節し、フットペダルを踏み込む。後は念じた動きをレガシアムが拾って実行してくれる。
ズズンッ!
突進の勢いはそのままに、膝蹴りをキューブにかましてピンポイントでバリアーを張った拳を振り下ろしてその真芯を貫く!
そのレガシアムの拳はあまりにも簡単にキューブを粉砕して、僕は拍子抜けした。
「こいつ……弱いぞ?」
違う! とカイアが警告を発する。
「こいつらは本体が生み出す子機──外部端末に過ぎないんだ。いくら潰したって本体には何のダメージにもならない!」
なるほど、確かにワラワラとまるで砂糖に群がる蟻のようにゾクゾク、ゾクゾクとクラゲの中から這い出してくるじゃないか。
雑魚を相手にしてもしょうがないってわけだ。本体を叩かないといけない。
だけど、ちょっと動き始めただけで大型台風並の猛烈な突風を起こす相手にどう近付けばいい?
考えてる暇なんてない。
「ユウ、重力場変動の数値が2Gを突破する! これ以上の負荷がかかると下の艦隊は!」
切迫したカイアの声に、2Gってそんなにヤバイのかと思いつつ僕はレガシアムの機首をクラゲに向けた。
わらわらとキューブの大群が迫ってくる、その向こうからクラゲも近付いてきている。
「なんでキューブ共は突風の影響を受けないんだ」
「受けていないわけじゃないみたいだ。風の流れに抵抗しないで、利用して飛んでいるんだよ」
手近に迫った一機にアンカーを撃って固定。ワイヤーを手繰って振り回す。
こいつら自身はフィールドを持ってないようだ。アンカーは簡単に撃ちこめたし、振り回して他のヤツにぶち当てればその衝撃で爆発もする。
だけど数が多い。ロケットアンカーで一つ一つ撃ち落していくんじゃとうてい捌ききれない。
やはり直接突っ込んでいくしかないのか?
しかしそういう訳にもいかなさそうだ。
一部のキューブたちがレガシアムから眼下の艦隊に向けて動き始めている。
どうする? どうすればいい?
ハっとしたのはその時だった。
「カイア、レガシアムには重力を操る能力があるんだよな」
「そうだよ。振り分けるエネルギーの量次第で僕たちはブラックホールだって作り出せる」
ならば、だ。
「重力の力は波の形で伝播する。荷電した重力子を作り出して、一気に放出したら──どうなる?」
洋上はまるで嵐のようになっている。
風が凄いからじゃない。風に乗って飛び交うキューブたちがまるで巻き上げられる枯れ葉のようだからだ。
渦を巻いているようで、見ていると酔いそうになる。
「エネルギーチャージはできてるよ。一時的に対重力制御を切らなきゃいけないけど、出来なくはない!」
「よし。連中が艦隊に取り付く前にまとめてやっつけるぞ」
モニター上に重力制御系の切り替え表示が出た。
「カイア、頼む」
「了解! 発信のタイミングはトリガーで!」
再びフットペダルを踏んでキューブの真っ只中に飛び込んでいく。
「……!!!」
それは怖いなんてものじゃなかった。冷や汗が溺れるほど噴き出してくる。なにせ15mからはあるように思えるキューブたちとそれが放つビームの隙間を縫うように飛ぶのだから。
だけどそれでも、このレガシアムの中こそが一番安全な場所だという確信が疑うまでもなくある。
そして、なぜか敵の動きがまるでスローモーションの様に見え始めていた。
なんで僕にこんなことが出来るんだ? それは後で考えればいい──自分の言った言葉だ。けれど不審とかそういうことじゃなくて、“なんで?”という気持ちが心の隅にはある。
正面にキューブ!
減速はしないで蹴り飛ばす。そいつは飛んでいって別のキューブに当たり、爆発して飛び散った。
「カイア!」
艦隊を巻き込まないように調節は頼むぞ。背中でカイアが頷く気配を感じる。
そして僕はトリガーを引いた。
後で聞いた話によると、その様子はまるで静かな水面に大きな石を投げ込んだような感じだったってことだ。
石はレガシアム。そして広がっていくキラキラとして波紋は荷電した重力子の凶暴な波!
「メガ・グラビテイショナル・ウェーブとでも呼んでもらおうか!」
カイアの得意気な声が耳を打つ。その厨二めいた呼び名をつけられた本来不可視であるはずの波動は所狭しと飛び交っていたキューブたちを波に飲み込んでいく!
「凄いもんだな……」
正に一掃という言葉そのものだ。
「子機は完全に殲滅完了だ。ユウが一気に飛び込んだから全部射程範囲に収められたし」
じゃあ後は!
その時、ズンという衝撃が僕を襲った。
「な、ん、だ、こ、れ……?!」
まるで押さえつけられるような感触。見えない手で下へ下へと押さえつけられてる!
「E&Eの、重力攻撃だ。一気に、強力な、重力場変動を、かけて、きた、み、た、い……」
そんな! それじゃ下の艦隊は?!
確認するよりも早く、考えるより早く僕はカイアに向かって叫んでいた。
「カイア! レガシアムのパワー全開でヤツからの重力場攻撃を遮断しろ!!」
「重力場変動が……消失した?!」
さっきまでの身体の重たさが嘘のように消えている。大和たちは立ち上がり自分たちの異常を確認しあった。
艦隊に重力場攻撃が仕掛けられてすぐにユニット01が現れ、そして急激な加重に意識を失いかけて──唐突にそれが消えたのだ。
「全艦ダメージチェック、報告を急げ。戦闘可能な艦はどれだけ残っているか?」
アンダーセンはさすがにいち早く我を取り戻したようだった。すぐさま指示を飛ばし始める。
「状況確認……ヴァンデクリフトVは大破、空母バラク・オバマ損害軽微。特殊砲撃艦エドワード・H・オヘア、ユージン・A・バレンシア健在です──」
「強襲揚陸艦ヴァリィ・フォージ大破轟沈。ミサイル巡洋艦ロジャー・ヤング中破、ただし戦闘継続は可能と報告アリ──」
「提督!」
指揮下艦艇の損害確認を妨げてオペレーターの声が上がった。
「今確認できました。重力場変動の影響が途絶えたのはSARF−01の行動によるものであります!」
蘇ったモニターにレガシアムの姿が写し出される。
その姿は巨大なE&Eに向かって両の手を突き出し、立ち向かうかのように空にその身を晒していた。
「目標の重力場攻撃に対してSARF−01が同量同質のカウンターアタックをかけている模様です。彼がこちらへの攻撃を総て受け止めているんです!」
どよめきがブリッジに満ちる。
「一人で戦っているのか」
アンダーセンが掠れた声でつぶやく。
「たった一人で我々を守っていると、いうのか……」
激震の中で操縦桿を握ることさえできないでいた。握る? そもそも、その腕がまだ身体にちゃんとくっついているのかさえ怪しいもんだ。
あんな急上昇や超々スピードで飛んでも殆ど慣性を感じないレガシアムのコックピットだったのに、今、僕は目を開けることさえ困難な程の衝撃に翻弄されている。
身体が引き裂かれそうな、バラバラに引き千切られそうな、信じられないくらい重たいものに押し潰されつつあるような。
痛い、苦しい、辛い、怖い、怖い、怖い──!
恐怖、死んでしまうという恐怖が少しばかりの義務感や正義感なんて一気に吹き飛ばしてしまった。
じっとしてる方が怖い? 震えてる方が怖い? 見ない振りなんてできない?
それで死にそうな目にあってれば世話ないじゃないか!
──やっぱりムリだったんだ。
ロボットと猫と、不意に感じた不思議な感覚。
それで自分は特別なんだと思ったのか?
スペシャルなロボットとスペシャルな相棒は手に入れたのかもしれない。だけど、それで自分もスペシャルな存在になれたなんて思うのは間違いだったんだ!
そうだ、とっくの昔に、諦めていたじゃないか。
僕は、何にも、なれない。
強い人間になんてなれるわけないんだって。
強くなんてなれない。
「優作、強くなれよ」
僕には無理だ。
「優作、強い子になるのよ」
僕になれるわけがなかったんだ!。
父さんのような、母さんのような、強い人間になんてなれるわけがない! どうして、どうして強くならなきゃいけないんだ!!
──なぁ優作。夏休みには海行くからな、う・み! 今年こそひと夏のバケーションって洒落込もうぜ!
──ねぇねぇユウちん。これ見てよ! この96式の滑らかで艶やかなボデーがたまらないって思わない〜?
──不破くん、私も家でネコ飼ってるの。よかったら、その、今度うちのネコ、見に来ない?
それは山彦のニヤケ顔だったり、高雄のぽややん顔だったり、伊吹志摩子の落ち着いた笑顔だった。
「優作、強い男に、なれよ」
また声が聞こえた。
どうして強くならなきゃいけないのさ。
誰かに必要とされるために?
誰かに無碍にされないため?
誰かに頼ることなく、生きていくため?
──お兄ちゃん!
千歳? そうだ、千歳。僕の妹。父さん母さんの代わりに、僕が──!
何かがわかった気がした。
そうだ、強くなる理由、それは──
「大事なものを、守るために」
「守るんだ、守るんだ……」
再び操縦桿を握る手に力が戻る。そうだ、まだ何も終っちゃいない。
「まだ、諦めるには早すぎる。僕はまだ、何もやりきっちゃいない!」
力を込めて、心に念じる。もっと力を、もっと強く、もっともっともっと!!
再びレガシアムに力が蘇った気がした。
心なしか圧力が弱まった気もする。
そして、
レガシアムの右側面1000mを灼熱のプラズマが飛ぶ。
特殊砲撃艦エドワード・H・オヘア、ユージン・A・バレンシアの両艦に搭載されている陽電子重砲が火を噴いたのだ。
「構うことはねェ、砲身が焼き付くまでぶっ放せ!」
「SARF−01を援護せよ。後の事は考えなくていい、砲撃を休むな!」
そう檄を飛ばすのはエドワード・H・オヘア艦長のジェラド・イングラム大佐。ユージン・A・バレンシア艦長のユージーン・マクドナルド大佐だった。
ともにアンダーセン提督の秘蔵っ子で、動のジェラドと静のユージーンと知られた将校だ。
その二人がレガシアムを援護すべく、指示を待つことなくその艦載重砲の威力を発揮していた。
E&Eは重力攻撃の最中であり、その巨体を守るバリアフィールドが発生していなかったことは彼らにとって僥倖だったと言っていい。
特殊砲撃艦艦載型陽電子重砲──それは核を除けば地上で運用される最大級の威力を持つ兵器だ。
そしてこれまた僥倖であることに、彼らの得物がまず撃ち抜いたのは、E&Eの重力制御器官だったのである。
「いけるぞ!」
眼下の艦艇から放たれた灼熱の光の砲弾はクラゲE&Eの致命的な何かを撃ち抜いたようだ。
「カイア!」
ユウが叫ぶ。
「おうさ!」
僕が答える。
高重力の中で一度は折れかけたユウは再び真っ直ぐに目を見開いて天に向かってそびえ立った。
ユウには彼の前進を妨げるトラウマがあるようだ。それは事ある毎に現れてユウの気持ちを折ろうとする。
だけど、ユウはきっと負けない。きっと乗り越えていく。
『それは僕たちには生まれない──心』
雄叫びを上げて、ユウは巨大なE&Eに立ち向かっていく。
『ユウ、君のその心が僕たちに力をくれる。君が僕たちを連れていってくれる。扉を開けて、ここではない何処かへ』
フィールドを円錐状に展開して、フルブースト。こんな戦い方なんて僕には思い浮かばない。
『そうさ』
ショックアブソーバーの効力を最大設定へ。円錐状に展開したグラヴィティ・フォース・フィールドにさらに高エネルギーフィールドを被さるように展開する!
「貫けえぇぇぇ!!」
その一撃はE&Eの中枢を文字通り串刺しに貫いた。
──信じてる。君となら、僕たちはどこまでだって強くなれるって。
支援スパーク
■次回予告■
再びE&Eを殲滅し、優作はレガシアムと共に空へと消えた
だが、その行く手はSARFのサテライトネットワークによって完全に追跡されていたのだった
レガシアムのパイロットとしてSARF情報部のエージェントに追われる優作
市街地であるにも関わらず、センチネルさえ繰り出して優作を取り押さえようとする大人たちに、
カイアはレガシアムを呼び出すのだった
次回 アーティファクト・レガシアム
SARFとの接触
○設定○
SARD−01 レガシアム(アーティファクト・レガシアム)
ある事件によってもたらされた“アーティファクト・ユニット”をコアとして建造された特別な機体。通常ユニット01と呼ばれる。
地球連邦評議会直属のLAT機関の主導によってEU、中華連邦、APCの主要国の国際共同開発によって開発されている(NOAは国としては開発計画に参加せず、企業単位のみで参加)。
主機関としてコアとなるアーティファクト・ユニット。補助として熱核反応路を二基有する。
操縦系はレガシアム用に新規開発された神経電位接続によるダイレクトインターフェイスと通常型のAIサポートの操縦システムの兼用である。
固定武装として実装されているのは腕部の射出式ロケットアンカーが二基だけだが、重力制御システムを転用して攻撃に使用することが可能。
防御兵装としてグラヴィティ・フォース・フィールドがあり、他にコックピット周辺にエネルギー転換装甲を装備している。
戦闘時には要求される状況にあわせて、専用武装パッケージを換装することで対応する。
現在確認されている武装パッケージは格闘戦用パッケージ、砲撃戦用パッケージ、宙間戦闘用パッケージの三種類。
西暦2104年現在、コンパクトかつ対E&E戦闘に効果的な重力制御システムを持つのはこのレガシアムだけであり、唯一E&Eに対抗できる兵器であると認知されている。
しかし、アーティファクト・ユニットは解析されつつあるとはいえ、未だに70%以上が手付かずのブラックボックスであり、秘められた謎は余りにも多い。
ちなみにその建造には天文学的な予算が費やされており、その維持や運用の難しさ、有用性への疑問視などから半ば押し付けられる形で対E&E迎撃応答組織として発足されたSARFに預けられている。
ちなみにレガシアムの電装系部品のユニット一つで日本の主力センチネル、89式山茶花が5機は買えるという。
必殺技は機体を核として事象の地平を作り出し、マイクロブラックホールの生成と蒸発を行うことで対象を破壊する『エベント・ホライズン』
機体を中心に広範囲に荷電した重力子を波のように放出する『メガ・グラビテイショナル・ウェーブ』など。
>>301 投下乙です!
これからじっくり読ませていただきますねw
◆CNkSfJe3Zs氏もちょっと待っててくださいねー。
あ、wikiの人も、更新乙でありまふ!
おーわーりーでーすー
ありゃ、11レス目のレガシアムの形式番号がSARDになってますのん
誤字ですの、SARF−01ですの
最後の最後であちゃー(本文に誤字はないというわけではない)
長く長くなってすいません。土下座モノです、トルネードスピンで土下寝をせねばなりますまい
まったくもー
(でも以前全20レス、容量50kbなんて投下をした覚えもある戦犯です)
長いですが気に入ってもらえたら嬉しいのですが、どうでしょう?
支援ありがとうございました〜
レガシアムを読んで、サキエルに破壊されたエヴァ初号機の頭部の修理費用で
一国の国家財政を傾かせる額が必要なのを思い出した。
腕とか足とか千切れたら天文学的数字がかかるんだろうなぁ。
リッコさんが(修理代で)国が傾くわねって言ったのってありましたっけー
それでいくとゼルエル戦の後とかどうなっちゃうんでしょうね
零号機・弐号機大破ですやんとゆー
>>268 おお、ツクヨミさん強い! そして殺陣がかっこいい!
兎乗りって響きがとてもイイ感じですね、気に入った!
それにしても、スカンクエイプ……臭い立つUMAですなw
>>279 >パラベラムの原作者であるそちらの考えたタウエルンとの設定
まあ、時が来たらという事でw
>>303 >空母バラク・オバマ
ヽ(゚Д゚ )ノ オバマフィーバー!
>グラヴィティ・フォース・フィールド
略してGFFですな!
>ヴァリィ・フォージ
嗚呼、AC2の戦闘ヘリを思い出す……。
>容量50kb
(゚Д゚;)
いやー、今回も相変わらず熱かったですw
重力操作って色々応用できてイイナー。
さて、自分も負けてられないぞ、と!
あ、そうだ。まだ作品紹介文が無い作品ってどうします?
高価格によって支えられた高性能。スーパーロボットはこうでなくては!
最悪八月中の投下は無理かもしれないので、スーパー創作ロボット大戦OP映像風その4の概要などを。
自動人形とオートマタの大軍勢を相手に戦う一条遥&リヒター、リヒト&ヘーシェン、ショウイチ&タウエルン。
半分程倒した所で、三機ものダルナスが現れる。
ショウイチとタウエルンに遥達、村人が協力して倒したはずのダルナス。
先頭の一回り大きく細かな形状が異なる、改造が施されているであろうダルナスに乗っていたのは、死んだと思われていたシュワルツだった。
タウエルンのソーラーキャノンをマナの防壁で弾いたダルナスに驚く一同の中で、一人冷静に考えるショウイチ。
ショウイチは以前から、自動人形とオートマタの共通点に疑問を抱いていた。
マナという超常的な部分を除けば、自動人形とオートマタに使われている部品や設計思想は非常に似通っており、完全に互換性のある部品まであった。それが示す真実とは……。
シュワルツによるスーパー説明タイム。
調子に乗ったシュワルツは、シュワルツの乗っているダルナスのブラックキューブにはワルサシンジケートから供与されたネクソニウムを組み合わせて性能が数倍に向上している事
賢者の石と大量のネクソニウムを求めて、遥とネクソンクロガネの奪取を狙っている事を暴露。
隕石から発見された希少物質という共通点を持つブラックキューブとネクソニウム。
タウエルンとネクソンクロガネが最初に会った時に発生した異常な共鳴現象。
セイギベース3で龍聖寺院光から見せてもらったネクソニウムについての資料と、かつて軍にいた頃にブラックキューブについて分かっているだけの情報から考えていた仮説が正しかったのだと気付くショウイチ。
ブラックキューブとネクソニウムは……。
大量のネクソニウムさえ手に入れればアルタイル級の戦闘力を持つ自動人形を大量生産出来ると豪語するシュワルツ。それを阻止しようとするショウイチ達。その時、空から一機のロボットが現れる。
それは、タウエルンより一回り大きなサイズの赤いタウエルンだった。
驚愕するショウイチ。それは絶対に存在しないはずの、かつて確実に破壊したはずの機体だった。
説明係のシュワルツから、その機体は軍が古代遺跡から発掘したオートマタだと語る。
数万年経過しているはずだが、パイロットは生存していた。
赤いタウエルンの正体はアルタイル型自動人形二号機「ベガ」であった。そして、その機体に乗っているパイロットはかつてショウイチが愛した女性だった。
ショウイチを、軍を裏切り、潜伏していた一派と共に新型自動人形のデータを奪取、そしてブラックキューブの情報を世界中に流し、 世界を崩壊させた元凶。
今度こそ世界と平和を守ると決意して戦うショウイチ。
次回、最終話のネクソンクロガネ編へ。
こんな感じです。
最初はマイルドに行こうと思ったけど初めから
色々とガチになってきた。でもいいよね、可愛い
女の子同士でにゃんにゃんは正義だよね。
>>309 >色々とガチになってきた
僕もガチガチになってk(ry
>女の子同士でにゃんにゃんは正義だよね
デスヨネー。アトロリータモジャスティスデスヨネー。
あ、wikiの方、改めて乙であります! 乙でありますが……ヒトガタが途中からになっております……。
おおw
ティマイラストの独立コーナーが出来てるw
>デスヨネー。アトロリータモジャスティスデスヨネー。
もうやだこのスレ
ロボ好きとロリ好きには何か共通点でもあると言うのか…
まぁ、かく言う私もロリ(ry
ロボとロリ
一文字しか変わらんじゃないか
つまりロボでロリな存在こそ至高だと!
嗚呼、永遠のロリータ。
……ぬう
ロリキャラは出していかんと駄目なのかな
縛りはイクナイけど人気はでるだろうな
>>315 いえいえ、そんな事無いですよw
お姉ちゃんも大好きでs(ry
あ、wikiの人、修正ありがとうございました&ご苦労様でした!
特に某ロリ絵師に大人気だね
ってか今wiki見たらパラべラムさんのイラスト投下数すげぇぇぇ!
あ、本当だw
26も投下していたのか……。
プラモ含めて32もあるw
亀ですが〜
>>268 ツクヨミのキャラが気に入りましたww凶悪な顔と書いてありますが想像だとイケメンがww
世界観が何処となく無情で良いですね。果たしてツクヨミを待ち受けているモノは……
続きが楽しみですー
>>301 乙です!カイアニヒルだよカイア
核云々の流れで色々考えさせられました。そしてまさかの重力制御・……でもレガシアムにはまだ秘密がありそうな予感
艦隊からの援護に燃えますね!こういう展開は大好きです。次も楽しみにしてます
>>308 ( ゜Д゜)……
す、凄い……・ここまで話が作られているとは……
こりゃ期待しない訳にはいきませんな……
うーん、凄いや。ここまで熱が入った話が続くとホントにモチベーションが上がります
俺も巨大ロボとか書いてみたいけど、動かし方が分かんないんだよなぁ…・・
冷静に考えたら
>三機ものダルナス
(゚Д゚;)圧倒的じゃないか……。
wiki見たら更新量半端ネーナw
たった10日でこれかよwww
>>307 作者さんがいる時に決めればいいんでない?
>>308 平仮名コンビ「……。」
いや当時は影も形も無かったから仕方ないけどw
しかしダルナス三機とはなんという無理ゲー
>310
つまりロリコンの百合お姉様ですねわかります
それなんてアオイシロの綾し(ry
そういうキャラも出したいけれど、登場人物は18歳以上に
ならざるを得ないのでロリ百合分が不足する…
>>323 >そういうキャラも出したいけれど、登場人物は18歳以上に
>ならざるを得ないのでロリ百合分が不足する
保護した女の子とかー、低身長な女の子とかー。
どっちも理由はこじつければなんとかなる……はず! 多分!
>>325 定番の不思議ロリですねw
ああ、ロリババァもアリだなぁ……。
そういえば遥の身長がロリにしては高いんじゃないかと思い始めた今日この頃。準ロリくらいかしら?
>>313 あーん、シスターズでやろうとしたネタとられたwwww
このスレを見てるとアグネスがアップをする姿が目に浮かぶようです^ ^
>>328 奴が行動を開始するとなれば、そろそろ俺も真の力を出さねばならぬ様だ……
>>328 偽ユニセフなど返り討ちにしてくれるわ!
>>328 どうやら俺が本気を出す時が来たようだな…
ネクソン胴体できたー
同時進行でリベジオン製作開始じゃい
ロリ絵師がまたやらかしたと聞いて(ry
>>332 もうやめて!遅筆のライフはもうゼロよ!
とりあえず、@の眼鏡っ子よこせやぁぁぁ!(遠くの方で銃声
ほんと、ロリべラムさんにはかなわねぇや…
おかげでリベジオンのイメージ沸いたよ、貧乳の(ry
>>334 __,__
/:::}i::::::::\
./:::;ィ-'-、::::::::::ゝ、_, / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/::::::|__ _>;;ヾ::::::z‐' < そのキレイな顔を
ノ゛{◎}ri|゛゜'l. ⌒ い::::::::ゝー- | フッ飛ばしてやる!!
ハ. `ー' ヽ ワ/|リハヾ:::::::: \________/
/lミト、 !、`- "::::::::::::::::::::
/:l_丿:\/:::\:::::::::::::::::::::::
/:::::::::::::/::\::::::::::::::::::::::::::::::ノ
/:::::::::::::∧:::::::\:::::::::::::::::::::::{
/::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|:::::::::::ノ ト:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
\ 、 m'''',ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,, 落ち着きたまえ^^
丿 [ \|:::|/ ] >"'''''
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
しばらく目を離したらなんで世界一の殺し屋とガリがいるんだよw
カオスなスレだなぁオイwww
>>332 なんだかんだで結局ロリしか描いてないじゃないか!
Aの2枚目、後ろのヤツが気になったぞ
ここがブレイク・ワールドか……
やべぇ、久々に文が1ミクロンも進まない
sideで調子乗りすぎた反動か…
ふう、寝ボケてケフィアですとか書き込んでる自分って一体……。
>>334 ロリベラムって、ゆーな!
>おかげでリベジオンのイメージ沸いたよ、貧乳の(ry
もしかして擬人化ですか――――ッ!?
>>339 >後ろのヤツ
ああ、それは……ゴニョゴニョ
とうとうパラベラム! の人氏のコテが変わると聞(ry
>>340 自分もですヨ……。
話が一段落すると気が抜けちゃうなぁ。
>>342 変わらない事が特別だと思ってますから!
ああ変わるんだ?
まあ俺はいつかやるんじゃないかと思っていたけどね。
先に薔薇ベラムのほうをやろうと思ったんですけどねーw
ホントだww気づけばあちら側の名前にwww
大まかなストーリーボードは出来てるから、後は文章を乗せるだけなんですよねー
その文章が浮かばないのが苦しい。一度乗れば後は校正するだけなんですが
347 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/12(水) 23:47:03 ID:XU72k68Y
っと、ageちまった
罰としてザク改でNT-1と戦ってくる
そこは薔薇ではなく、そこは一つ耽美でお願いしたい
ぜひに
は、ともかくとして
wikiの方、さっそく収録していただいて、どうもありがとうございました〜
近所のスーパーのアイスコーナーからあずきバーが消えていて、あずき分が足りません
あずき分が足りないから創作が進まないですよ
……多分
>>350 俺が思うにコンビにか100均で小豆買ってくればいいのではないか
それにどら焼きやアンパンでも小豆分は補完できると思うんですがねぇ・・?
>>350 小豆が無いなら大豆で代用するってのはDo-dai?
うぐぅ
あずき分じゃなくて、あずきバー分に訂正しますの
近所のスーパーだけでなくて、周辺のコンビニも全部回ったのになかったからー
余計食べたくなってゴロゴロしたくなったんだもー
>>352 できるかよw
そうだな、友人が飼ってるウサギをあげよう(名前・あずき)
>>353 なんと! あずきバーに一体何が……。
>>354 ウサギですって!? そいつをよこせぇぇぇぇぇぇ!!
>>353 ほう……ではあずきを買ってきて冷凍庫に入れればあずきバーとなるぞ
所詮創作が進まない言い訳を考えるくらいならおれは素直に謝るだろうなまったく筆が進まないですしおすし
>>356 だが私は謝らない!
という訳で
人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」中編
投下いたします
追伸 やっと女性キャラが出るよ!!
敵機は13機全て、地球産ラビットソルジャー『R-47 マーチヘア』だ。スカンクエイプ改の複合センサーが捉えた熱源反応と歩行音のパターンから考えて
まず間違いないはないだろう。このマーチヘアというラビットソルジャーは、地球圏統合政府が軍部以外も巻き込んで技術の粋を結集し完成させただけあって、
通常のスカンクエイプより装甲も機動性も上回っている。単純な戦闘力はスカンクエイプ改と互角、高機動型や武装強化型相手だと勝率3割程度なのだが、
生産性や拡張性が革命軍のラビットソルジャーよりも優れているので、ツクヨミの兵器としての評価は、総合的にスカンクエイプシリーズよりも上だった。
以前、革命軍のラビットソルジャーを製作している軍需産業の偉い人が「現場の率直な意見が聞きたい」と来た際に、思ったままに自分の主張をした所、
そのツクヨミの発言に同席していた司令部の連中が過剰に反応し、引きつった顔で退席するように命じられた事があった。あれも軋轢が生じた原因の一つだろう。
それはともかくとして、マーチヘアはその拡張性の高さを活かす為に専用の武装がやたらと充実しており、装備パターンによって柔軟にその戦法を変える。故に、
同型のマーチヘアであるにも関わらず、迎え撃つ側は全く異なった対処法を迫られる場合もある。つまるところ、スカンクエイプ改1機でマーチヘア13機を相手にする
というのは、無謀以外の何物でもないのだ。
しかし、ツクヨミは一切躊躇せずに、最も距離が近い位置に在る5機へとスカンクエイプ改を走らせた。人工筋肉が生み出す脚力だけで時速300kmに到達し、
大きく広がったリアクション・コントロール・ブレードが重心や空力を調整するおかげで、障害物を乗り越え、道を曲がったにも関わらず、その速度はほとんど変化しない。
勝算を少しでも高める為にも、13機全てが合流する前に迅速に撃破していかなければならない。とはいえ、最初からスラスターを全開に吹かして、おおよそ時速1000kmの
最高速度にまで到達させる必要はないだろう。帰還までの手間を考えるなら極力消耗は押さえるべきだとツクヨミは考えていた。そもそもツクヨミがマーチヘアの群れを
相手に撤退せず挑むのは、単純に墜落時の混乱があるからだけではない。もっと大きな『勝てると判断できる要因』があるからだ。
距離が近づくにつれ、マーチヘア達が散開し始めた。スカンクエイプ改が進むルートの先には、巨大な廃ビルが建っている。マーチヘア5機はそれぞれビルの前で
動きを止めた。おそらく、ビルを盾にしながら戦うつもりなのだろう。5対1という有意な状況であるにも関わらず守りを優先したのは、輸送艦を5隻も沈めた敵を
警戒しているが故だろう。敵が臆病で助かった。正面から力押しされれば相応のダメージを受けていたかもしれないからな。心の中で笑みを浮かべながら、ツクヨミは
スカンクエイプ改を減速させることなく、そのまま廃ビルに突っ込ませた。統合軍を真似てビルを盾にしながら戦えば持久戦になる。残りのマーチヘアまでこの場に
揃い兼ねない。ならば……
スカンクエイプ改はラビットらしく、上へと跳ねた。20mほど上空に舞った後に窓枠に爪先を掛け、そのまま壁を駆け上がる。ほんの数秒でビルを登り終わり、屋上を駆け、
敵の群れの上空に飛びだす。
3機がスカンクエイプ改の奇妙な動きに対応し空へ砲口を向けて発射した。しかし、砲弾はかすりもしなかった。空中でスラスターを上に向けて吹かし、凄まじい勢いで
降下したのだ。そのまま1機のマーチヘアに狙いを定めて着地。マーチヘアは衝撃で潰れ、さらにコンクリートが割れて周囲に土煙を巻き上げる。慣性緩和装置でも無力化
出来ず、コクピットまで伝わった衝撃に歯を食いしばりながらも、ツクヨミは冷静にスカンクエイプ改を操作する。土煙に紛れながら、近くにいるマーチヘアに向かい走り、
右手に持った超震動ハルバードを振るい、ピックをコクピットのある胴体に突き刺す。同時に左手に持ったガトリングガンを次に近くにいる機体の胴を狙い掃射。2機とも
小爆発した後、ぴくりとも動かなくなった。残りの2機が、一斉にスカンクエイプ改に向けてマシンガンを撃ち始めた。しかしツクヨミは回避動作は取らせず、
リアクション・コントロール・ブレードで弾丸を受け流した。リアクション・コントロール・ブレードは、ラビットワーカーだった頃から単純な姿勢制御の為だけでなく、
宇宙空間を高速で跳び回る石やゴミから機体を守るという用途があった。故に、ラビットソルジャーのリアクション・コントロール・ブレードも防御に使えるのだ。
片方にハルバードを投げ付け、もう片方には、さっき踏みつぶしたマーチヘアが持っていたらしきラビットソルジャー用のナイフを足で掴み投擲。槍状の穂先が胴に深々と
刺さり機能停止したマーチヘアからハルバートを引き抜くと、ナイフが頭部に刺さり動きが乱れた最後の1機を、斧部で頭から胴まで両断した。
ツクヨミが考えていた『勝てると判断できる要因』は、パイロットの技量の差だ。地球統合軍の兵士はラビットソルジャーという兵器を乗り始めてから、まだ1年と
少ししか経っていない。戦場で扱う事に慣れていないし、そもそも十分な訓練ができていないのだ。対して月面革命軍は、単純な開戦時期だけで言うならば統合軍より
半年程度長く扱っているだけなのだが、月においては戦闘用になる以前のラビットワーカーの歴史が長い。開戦前からラビットワーカーを用いて戦闘訓練を行っていた
部隊も存在し、それ以外にはツクヨミのように、作業者として子供の頃から兎乗りとして鍛錬を積んできた者も多くいる。
とはいえ、そういう熟練した兎乗りの数は多くなく、数に勝る統合軍に押された結果、敗走を続けている訳だが……
撤退命令に従った事は何度かあっても、ツクヨミ自身がラビットソルジャー同士の戦闘で敗北した事は今の一度も無い。
「これで5……残りは8か」
ツクヨミは超震動ハルバードのバッテリー残量とガトリングガンの残弾を確認し、敵機の残骸には一切気にも留めず次の獲物に向かい走り出した。
「6……」
墜落のショックで破損していたのか、ギクシャクした歩き方で移動していたマーチヘアを襲撃。敵はマシンガンを構えたが、引鉄を引く隙すら与えずにハルバードで
胴を横に割った。
「7……8……」
廃工場内に2機ほど隠れていた。奇襲を狙っていたらしいが、出てくる前に気付いたので廃工場を体当たりで倒壊させ埋めた。パイロットが生きてるかどうかは
分からないが埋まったマーチヘアはもうまともに動かないだろう。
「9……」
どうやら、パイロットは機体を破棄して逃げたらしい。残しておいても厄介なので、むき出しになったコクピットにハルバードを突き立てて破壊。ついでに、
マシンガンを回収しておく。
「10……」
パニックになったのか、ナイフを振り回して真正面から突っ込んできたので、マシンガンとガトリングガンで胴を蜂の巣にする。ちなみに、ハルバードは邪魔に
ならないように背中のウェポンラックに固定している。
今回の作戦の敵も、兎乗りとしては半人前以下だった事に、ツクヨミは安堵した。しかし、何というか、当初の予定通りに混乱させた後で各個撃破していくだけの、
作業のような戦闘にへの軽い失望感もある。死にたくはないと願いながらも、心の奥底では己の全てをぶつけられる強敵の出現を望んでいた。それが、今しがた
殺害した敵兵への侮辱である事はツクヨミ自身も理解している。その上で、そんな感情がある事に、自己嫌悪を覚えていた。
「今の俺を見たら、君はどう思うんだろうな?」
残る3機のマーチヘアに向かいながら、婚約者の顔を思い浮かべた。彼女のいる白銀の月は、まだ空に輝いている。
3機のマーチヘアは、纏まって移動していた。都市部のような障害物の多い道を走り慣れてなかったらしく、ツクヨミが他の機体を破壊している間に
逃走しようとしていたにも関わらず、30分もしない内に追い付かれていた。スカンクエイプ改は追い付くと同時に、瞬く間に2機をマシンガンで撃破した。
弾切れのマシンガンを投げ捨て、背中の超震動ハルバードを抜き、構える。
「ま、待ってくれ!」
残る最後のマーチヘアから、外部スピーカー越しに声が響いた。どうやら、パイロットの男のようだ。
「こ、降参だ!降参! 俺はもう戦えねぇ!!」
その言葉に嘘はないようで、マーチヘアは超震動刀やマシンガン、背負っていた大砲などの武装を外し、両腕と両耳を上に上げる。完全に戦意を喪失している
ようだ……だが。
「悪いが、捕虜をとる余裕はない」
「な……」
マーチヘアが反応するより早く、スカンクエイプ改の超震動ハルバードがその首をはねた。とはいえ、頭部を切断しただけでは、メインセンサー類と
リアクション・コントロール・ブレードが無くなるだけで、とても動かし難いだろうが、まだ戦う事自体は可能だ。
「や…止め……!」
マーチヘアの両腕が、スカンクエイプ改に伸びる。防御しようとしたのか、反撃しようとしたのか。ともあれ、伸ばされた腕の肘から先は、瞬時にハルバードによって
断ち切られる。そのまま右脚を太股から斬り、倒れた所で左膝もピックを突き刺し破壊する。
「た、助けて!助けてぇ!!」
倒れたマーチヘアのコクピットのみを外してハルバードで何度も突く。その間、パイロットの男の悲鳴が外部スピーカーを通じて聞こえ続ける。
元々、敗走の時間稼ぎをしている身だ。捕虜をとる余裕がないのは事実。しかし、だからといってちょっとでも敵の兵力を削らなければいけない以上、敵兵を逃がす
訳にはいかない。ラビットソルジャー1機であっても、半人前の兎乗りひとりであっても。とはいえ、戦意喪失した相手を殺すというのは、ツクヨミも乗り気には
ならなかった。なので。
「ヒッ!止めろ!うわぁぁぁぁ!!」
二度とラビットソルジャーに乗りたくなくなる程度の心的外傷を負ってくれれば、ちょうどいいのではないか? 悲鳴が聞こえなくなるまでマーチヘアを突き続ける。
弱者を傷め付ける事に快感を覚える人種ならば、心の底から楽しめるのだろうが、そういう趣味の無いツクヨミにとっては不快だった。
やがて、気絶したのか、スピーカーが壊れたのか、悲鳴が聞こえなくなった。スカンクエイプ改はマーチヘアだった残骸にゆっくりと背を向ける。予定通りに、敵部隊を
壊滅させた。後は帰還するだけだ。
「…………ん?」
複合センサーが、一隻の輸送艦を捉えた。50kmの上空。拡大された映像に映るのは、ツクヨミが見た事のないシルエット。新型なのだろうか?
「ついでに堕としておくか」
アラスカ基地がなくなり、司令部も解散するのだろうが、人がいなくなる訳ではない。今後、月へ帰還するとしても、上官達に『最後の最後に活躍した』と少しでもいい
印象を持って貰えれば、色々と楽になるかもしれない。予定よりも多くの敵を倒しておけば、評価アップに繋がるだろう。そんな安易な発想で、己の中の物足りなかったを
誤魔化しながら、人工筋肉もポリ窒素も連戦の割にさほど消耗していない。装甲も多少の傷やへこみがある程度。ハルバードのバッテリー残量とガトリングガンの残弾が
心もとないが、最後のマーチヘアが外していた物を無理矢理にでも使えばいいだろう。ツクヨミは次の標的に狙いを定め、スカンクエイプ改を走らせた。
「それで、その輸送艦も撃墜した……そういう訳か」
「はい」
統合軍の追撃部隊の一つを壊滅させてから、三日ほど経った。ツクヨミは新型輸送艦と、それに搭載されていた新型っぽいラビットソルジャーを撃墜し、アラスカ基地に
帰還していた。スカンクエイプ改は限界まで破壊されていたのだが、それでも基地まで辿り着けたのはツクヨミの兎乗りとしての腕が良かったからだろう。基地に帰還し、
仮眠を取った直後に司令室に呼び出されたツクヨミは、眠気に耐えながら髭を蓄えた司令官に作戦結果を報告していた。
「あの輸送艦には、統合軍の新型ラビットソルジャーのデータを収集するべく、スパイが入り込んでいたんだが……知らなかったのか?」
「それは、知りませんでした」
司令官は『何でそんな事も知らないんだこの馬鹿は』といった表情でツクヨミを睨んできているが、そもそも今回の標的だった追撃部隊についての情報もほとんど知らされず
戦っていたのだ。諜報部が潜入している艦が近くを通りかかるという情報など、知りうるはずもない。
「我が革命軍の諜報部は優秀だ。君が唐突に艦を撃墜したにもかかわらず、見事に脱出し……君よりも早くこの基地に帰還したよ。君の攻撃のおかげで新型のデータは
持ち出せなかったそうだがね」
本当に優秀というのなら、データを持ち出すくらいできたのでは……と思ったが、口には出さなかった。そういう事を言えば更に空気が悪くなる事を、ツクヨミも学習している。
「おかげで色々と台無しだ。どうしてくれるんだ? ソマ・ツクヨミ中尉君?」
「司令官殿。あんな多少固くて動きが早いだけの新型のデータなんて、入手した所で大して戦況は変わりませんよ。自分は15分で破壊できましたから」
「そういう事を言っているのではない!!」
司令官の怒りに火に油を注いだようだ。ツクヨミは己の会話能力の低さと学習の足りなさを痛感した。司令官は怒りのままに机を叩いた後、思い出したように口を閉じて笑みを浮かべた。
その急な変化は明らかに不信だったが、ツクヨミは表情を変えることなく、次の言葉を待った。
「詳細は翌日9:00までに報告書にまとめて提出。とっとと退室したまえ」
「了解」
司令官は明らかに何かありそうな態度だったが、そとっとと部屋に戻って眠りたかったので、流れるような動作でツクヨミは退室した。
ツクヨミの足音が遠のくのを確認し、司令官は通信モニターのスイッチを入れた。
「ユノー・ハーディング少佐」
「はい、なんでしょうか?」
モニターには何も映らない。若い女性の声だけが、司令官に答える。
「前に君が要望していた、若くて優秀なパイロットだがな……1人用意できそうだ」
「あら、それは素晴らしいですね」
声は、心底嬉しそうだ。
「『マーナガルム計画』といったか? 人体実験なりなんなり好きに使うが良い。どうせ、いるだけ役に立たんどころか邪魔になる男だ」
「了解しました。細かい手続きはこちらで行いますので、準備はそちらでお願い致します」
それだけ言って通信が切られる。司令官は不愉快そうに席に着くと、煙草に火を付けて煙を吐く。司令室の窓からは銀色の月が覗いていた。
という感じで、人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」中編 終了です
何というか、ロボット同士の戦闘って書いてて疲れますな〜
投下乙です
後で読みますねー
おつかれさまでした〜
読ませていただきます〜
>「こ、降参だ!降参! 俺はもう戦えねぇ!!」
それに、あんた達はまだ生きてる! ノーカウントだ、ノーカウント!
>「悪いが、捕虜をとる余裕はない」
くそっ、最悪だぜ!
ついてねぇ、ついてねぇよぉ……。
>二度とラビットソルジャーに乗りたくなくなる程度の心的外傷を負ってくれれば、ちょうどいいのではないか?
一思いにやれぇぇぇぇぇぇぇ!!
ツクヨミさん、確かに性格に難アリですねw
そんな彼がこれからどう変わっていくのか、ユノー少佐はどのような人物なのか、マーナガルム計画とはどのような物なのか……とても気になります。
それにしても、書くの早いなぁ、ふらやましいよ。
>>375 最後の弄られるマーチヘアのパイロットを
今このスレで流行っているロリロリした女性パイロットにしようと思ったのですが
良心の呵責的なものに阻まれて、普通に男にしました。
>>371 投下乙ナリよ
ツクヨミは強いけど空気読めない奴だなぁw
皆いるみたいだし、新規組のテンプレに入れる紹介文決めたらどうよ?
>>376 >最後の弄られるマーチヘアのパイロットを
>今このスレで流行っているロリロリした女性パイロットにしようと思った
ええい、ドSまでいるのかこのスレはw
>>377 それもいいかもしれませんね。
よし、ちょっと考えてみよう。
と、いうわけで書いてみたでござるの巻
数十年前に世界を壊滅寸前に追いやった「新生物」。
そして新生物に立ち向かう鋼の巨人、ヒトガタ。
勝つのは人類か、新生物か――――
走る、跳ぶ、撃つ! 躍動する戦闘メカアクション!
うーん、紹介文を書くのって難しいですね。テンプレの紹介文を書いたwikiの人、凄い……。
>>320 タウエルンを読んだ後に、続編ではタウエルン(アルタイル)には二号機があって名前はベガ。ベガにはショウイチを裏切った元恋人(名前はオリヒメ)が乗っていて、確実に破壊(殺害)したと思ってたけど実は生きていたという展開になるに違いないッ!
原作者よりも先に書かねば!と思いっきり暴走して生まれた設定です。
>>321 >>322 スパロボだと、原作の方では一機しか登場しない強力な敵が何機も出てきたりするじゃないですか。それと似たようなものです。
それにOP風は物語の中盤辺りを想定しているので、リヒター、ヘーシェン、タウエルンのどれかを全改造して養成しまくってステータスとか上げていれば単機で楽勝だろう、という感じです。
>>371 ツクヨミさん、強いなー。
マーナガルム計画という怪しげな代物に無理矢理参加させられちゃうみたいですけど、どうなってしまうのか。
今後の展開が楽しみです。
>もしかして擬人化ですか――――ッ!?
擬人化どころかようやく着手したところなんだぜ!いつかヘーシェン嬢を(ry
>薔薇べラム
毎度毎度変なあだ名つけてサーセン、フヒヒ
しかし進むの早いですね〜、ちょっと離れたらえらい進んでましたよ
ツクヨミさんのサドっぷりは作者譲りですか、そうですか
片付けついでにV.I.隊長弄ってたら月光の付け根が折れたぁぁぁぁぁ――――!?
>>380 >スパロボだと、原作の方では一機しか登場しない強力な敵が何機も出てきたりする
サイコガンダムとか、オーバーデビルとか、デストロイ(これは原作再現だけど)とかですねw
レイヴン的にはデデデデストローイ、ナインボー。
>リヒター、ヘーシェン、タウエルンのどれかを全改造して養成しまくってステータスとか上げていれば単機で楽勝だろう
まさに(α以降の)スパロボw
>>381 >いつかヘーシェン嬢を(ry
よし、クリンナップは任せた!(酷い)
>毎度毎度変なあだ名つけてサーセン、フヒヒ
(#0M0)<ヒドヲオヂョグッデルド ヴットバスゾ!!
>よし、クリンナップは任せた!(酷い)
ならまずは擬人化ヘーシェン嬢をアップするんだ、話はそれからだ!でもするとは限らない!(酷い
>(#0M0)<ヒドヲオヂョグッデルド ヴットバスゾ!!
ウゾダドンドコドン!
人が少ないのはお盆のせいかな
>>383 明日からコミケだし
色々忙しいのでは?
メカもののイラスト集とか出してるサークル知らない?
>>383 >ならまずは擬人化ヘーシェン嬢をアップするんだ
ああ、擬人化っていうかヘーシェンなら実は既n(PAM!
ネタバレは、よくない
>擬人化っていうかヘーシェンなら実は既n
おい、どういう事だ、おい!
凄く遅ばせながら
>>371 ラビットソルジャーの描写がそそります。ツクヨミの戦い方がプロフェッショナルで痺れるぜ……!
何か司令官は毎回、ツクヨミに苦労させられてそうですねwでもこういうドライ主義な主人公は好きですw
さて、ユノーさんの素性が実に気になりますが……楽しみは次回に取っておきますw
>>380 実はベガってのを出そうと思っていたんですが先を越されましたwwやられたww
こりゃ本編でより強い敵を出さねば……
うーむ、骨組み作るだけで異常に時間が掛かってしまった
投下は明日になります。あくまで予定ですが……内容としてはティマが積極的になったり
>>390 >こりゃ本編でより強い敵を出さねば
デネブをよろしく!
>投下は明日になります
は、早い。
赤くて角付き……いやまさか金色なんじゃ。
>ティマが積極的になったり
これは期待せざるを得ない。
>>393 勝手なことするんじゃない、侑斗!
……あれ?
今日の東京フレンドパークですね、わかります
見逃しちまったorz
>>392 おっと、お嬢は渡さん
>>391-392 元々別の作品のキャラだったのでw
ちなみに最初ヴァイス・シュネーって名前でした。白雪姫。
しかしここ数日の加速はホントに驚きます
タウエルンの頃はまったりペースだったから余計にw
祝いに新規さんの紹介文でも考えてみますかー
>>397 その話、乗りましたよ大佐(あるいは大尉)!
>>398 うぃ、ちょっと……いや、結構待っててね
>>397 手こずっているようだな、尻を貸そう
ACって操作ムズいのな……
>>398 コレン軍曹かもしれんよ!
>>396 よし、今度から姫と呼ぶか
……ごめん、誤爆
>>399 了解しました、コレン軍曹!
>>400 >ACって操作ムズい
新入りかい? ケツの力抜きな。まずはジャック先生に挨拶だ。
興<遅かったじゃないか……。
僕は、ネリーブレンちゃん!
くそっ、3なら真っ先にYF-19なのに!
ならば私はトールギスVでいかせてもらう!
あ、人狼機兵マーナガルムに関しては
2話目でツクヨミの相棒(仮)とか出きて
何で人狼なのかとかの意味とかもまあまあ判明する予定なので
紹介文制作は、その後にしたいのですが……
死神様のおとおりだぁ! 死ぬぜぇ! 俺の姿を見たやつはみんな死んじまうぜぇ!
2ならデスサイズ一択!
取りあえず
ARTIFACT LEGACIAM
突如として現れた謎の巨大生物、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、爽やか系ロボット小説、ここに爆誕!
レガシアムはこんな感じかな。まぁ作者さんに見てもらないと意味無いんだけど
>>407 了解しました
>>407 なんとぉーっ!
了解しました……って、自分が了解しても意味無いですね……。
>>405 ジョナサンのために死ねよやぁぁぁぁぁ!!
>>409 そのセンスに脱帽&嫉妬!
あおさん出現頻度そんなに高くないですからねー。今、いるかな?
むしろ誰もいないようです
こんなスレがあったとは……一つ聞きたいんだけどお勧めと言うと何?
>>412 まぁ確定ではないのでーあおさんが来たら聞いてみます
時間合わないかもしれないけど
>>416 キュウリはお付けしますか?
>>390 >より強い敵
アンチタウエルン・コアトリクエ……とか
>>414 個人的にはROST GORLとパラベラム!がオススメだが……
wikiをサラっと見たほうが早いと思うぜ
>>420 良いっすね。対タウエルン兵器
何となく思い浮かぶのは全身が(禁則事項)で(禁則事項)な感じの自動人形です
>>422 >全身が(禁則事項)で(禁則事項)な感じの自動人形
助平な想像をしてしまった私を叱ってくれ……。
>>421 拙作は万人受けする作品ではないと思うよ!
>>423 読みは対と潰えるを掛けて「ツイエルン」でどうでしょう。
ナノマシン無効にするの。
>>425 ソーラーキャノンを吸収するとかも面白いんでない?
肉弾戦に持ち込むしかない!みたいな
プロトタイプタウエルンとかどうでしょうw
スペックとかの設定は仮面ライダー913みたいな感じで。
あるいは、
≧<遅かったな、言葉は不要か……。
最後のが言いたかっただけちゃうんかとw
913みたいってーと、乗ってる人が灰になるとかそんなんか
エロ描写ってどこまでおk?
平均的なラノベ程度なら問題ない?
うわーやべー
もしかしたら投下は明日になるかも……もしそうなったらごめんなさいorz
>>430 自分が言うのもなんですが、あくまで軽くなら良いと思います
直接的な表現は勿論アウトですが
多分それくらいでおkだと思う
グロ描写ってどこまでおk?
平均的なチャンピオンRED漫画程度なら問題ない?
BPOから苦情が来ない程度のレベ(ry
>>433 >平均的なチャンピオンRED漫画程度
参考にならねーよwww
>>433 そこで何故赤い核実験場を持ち出すかw
下ネタに関してはビーストウォーズリターンズくらいなら問題ないですよね!
シスターズにものすごいやばい設定の奴がいる
本当にこれでいいのかってぐらい危ないw
だからだそうか迷ったり
>>436 つまり登場人物が「ち○こ――――!」と叫ぶわけですねわかります
>>437 どんな設定かおぢさんにコッソリ教えておくれ
>>438 うーん、しいていうならば一種のSM的な設定…
ギャグならそこまで過激じゃなきゃいいと思うよ!
そうじゃないとやってられませんがなー。
グウウウウウウウウウウン
>437
大丈夫、俺の方が変態だから
好きな娘のお小水の音で自分を慰める百合っ娘や
好意を寄せるお姉様の靴下の匂いを嗅ぐ百合っ娘、
男の娘じゃなきゃ駄目なサイボーグ等が登場する予定なので
>>439 つまるところ、サドなキャラか……それは確かにヤバい設定だな
ぼくにはとてもかけないや
>>442 うわ――――! 変態だ――――!(これは期待せざるを得ない)
>>443 どの口でそれを言うかw
このスレの変態濃度がどんどん上昇してるな
>>442 (流石のワシでもそこまでせんぞ……!)
このスレの皆はロボット大好きな少年の心を持った純粋な人達だと思ってたのに……ショックやわぁ
>このスレの皆はロボット大好きな少年の心を持った純粋な人達だと思ってたのに……ショックやわぁ
ダウト―――ッ!!
>>445 元々あったものが最近になって爆発しただけだよ! よ!
>>446 ベガ大王乙。
ロボットも大好きだけど、女の子も大好きなだけだよ! よ!
>>445 全ては◆n41r8f8dTs氏と絵師達のせいだ! やはり彼らは
>>449 全くだ!健全な絵師として恥ずかしいぜ!
おや、誰か来たようだ…
>>452 (´・ω・`)ノシ やあ。僕だよ、ロリ絵師だ(チェーンソーで扉を破壊しながら)
| ', i l / l イ,、-‐ーー‐--、::::,、-‐ー-、l !::i;::::::::::';::::::::::::::::::l l:::::::::` ‐、
| ', l イ// l/ r'/ /-''"´ ̄ ̄ヽ `,-''"´``‐、 ヽl';::::::::::';ヽ/:::::ノ ノ::::::::::::';::::\
| ',! l/ /::::/::::::/::::::::::l l:l lヽ、二ニニニニニニ、-'´:';:::::::::::::';:::::::
ヽ! /、:/:::::;イ::_,、-'´ノ:l し u l:!';:l ';::::/:l', ';::::::l';::::::';:::::::::::::';::::::
___l___ /、`二//-‐''"´::l|::l l! ';!u ';/:::l ', ';::::::l ';:::::i::::::l:::::::';:::::
ノ l Jヽ レ/::/ /:イ:\/l:l l::l u !. l / ';:::l ', ';:::::l. ';::::l::::::l::::::::i::::
ノヌ レ /:l l:::::lヽ|l l:l し !/ ';:l,、-‐、::::l ';::::l:::::l:::::::::l:::
/ ヽ、_ /::l l:::::l l\l ヽ-' / ';!-ー 、';::ト、';::::l:::::l:::::::::l::
ム ヒ /::::l/l::::lニ‐-、`` / /;;;;;;;;;;;;;ヽ! i::::l::::l:::::::::::l:
月 ヒ /i::/ l::l;;;;;ヽ \ i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l l::l::::l:::::::::::::
ノ l ヽヽノ /:::l/:l /;;l:!;;;;;;;;;', ';;;;;;;;;;;;;;;;;ノ l:l:::l:::::::::::::
 ̄ ̄ /::::;ィ::l. l;;;;!;;;;;;;;;;;l `‐--‐'´.....:::::::::!l:イ:::::::::::::
__|_ ヽヽ /イ//l::l ヽ、;;;;;;;ノ.... し :::::::::::::::::::::ヽ /!リ l::::::::::::::
| ー /::::l';!:::::::::::::::::::: u ', i ノ l:::::::::::::::
| ヽー /イ';::l ’ し u. i l l:::::::::::::::
| /';:';:!,.イ し 入 l l U l::::::::;':::::
| /,、-'´/ し / ヽ、 u し ,' ,' l::::/:;':::::::
| /l し _,.ノ `フ" ,' ,' ,ィ::/:;'::::::::
| /::::::ヽ ヽ / し ,' ,' / l::/:;'::::::::::
| /::::::::::::`‐、 し ', / u ,、-'´ l,、-''"´ ̄
| ``‐-、._::::::::::` ‐ 、 ',/ , -'´`'´ ,-'´
| _,、-‐'"´';:::::::::イ:l';:::` ‐ 、._____,、-‐'"´ u / し
| | | | \ l::/ l::::::/リ ';:::::lリ:::::l';:::l l:l:::::l\ u /
| | | | \/ l:::/ ノ ';::/ ';::::l l::l リ l::l l::/ヽ / し
.・. ・ ・. ・ ヽ \ リ レ ヽ! り レノ `y
しかし真面目な話、マキを初期設定のままだったらもっと危ない話になってたなとこの流れを見てつくづく
当初はマキは仕事ばかりしてきて自分の幸せを犠牲にしてきた女の人だったんですね。アラサーのwww
名前はマキ・ヨウコ。シゲルの一人称が私なのは、ヨウコさんの名残ですー
……と、余裕が出来たし早く書かねば
これはきっとシゲルさんを差し置いて、ヨウコさんがイラスト化されるフラグ……!
>>455 それはそれで気になる変態がここに一名。
自分も続き書かなきゃー。
>チェーンソーで扉を破壊しながら
エルム街からのゲストでフレディさんにお越し頂きました
でも実際ティマ以外は描いてないから、あながち嘘でもないんだぜ
ヨウコ「ティマは私の嫁」
シゲル「ティマは私の嫁」
どっちにしろ危ない……w
しかしこのスレ、
いよいよ(変態という名の)紳士名鑑が出来そうな面子になってきたなw
自分は現状、作品自体は女性率が少なくて硬派ッスから……
変態という名の紳士とか、そういうポジションじゃあないんで……
>>458 一方私はスク水だのブルマだのチャイナだのセーラー服だの描きまくっていた。
そうか、僕は変態だったのか……。
日本人はみんなhentaiなんだって、それをわかれ!
>そうか、僕は変態だったのか……。
ついに悟りを開いたか
>(変態という名の)紳士名鑑
ロリータが好きです、でも、お姉さんはも〜っと好きです
>チェーンソーで扉を破壊
シャイニングの「おこんばんわ!」を思い出してしまったw
あれはたしか斧だったが
>>460 謙虚な人だ
そして、その内に秘めたドS魂(ソウル)
まさに紳士と呼ぶにふさ(ここから先は(ry
>>463 小三くらいの頃から気付いてたけどNE!
>ロリータが好きです、でも、お姉さんはも〜っと好きです
ならば貴様も変態だ!
>ならば貴様も変態だ!
変態ではない!
こ れ が 正 常 だ !
The League of Gentlmen
☆ 紳 士 同 盟 ☆
パラベラム・ザ・ロリ絵師
◆n41r8f8dTs・ザ・変態(ドが付く)
遅筆・ザ・オネーサンスキー
ID:q9auoMCa・ザ・サドマゾ
◆CNkSfJe3Zs・ザ・RED級グロ
ID:QELzMOXe・ザ・百合ン百合ン
このスレで正常であろうとする事、それ即ち異常ッ!
>>467 これ以上ないほど的確なネーミングだNE!
そして会員番号1はやはりロリべラム御大か…
>>467 やだ・・・・・・これじゃあまるで僕が広めたじゃないですか><
最初はアンドロイドと人間の垣根を超える事は出来るのか?なんて壮大なテーマで書きはじめたのにどうしてこうなった……!
>>468 30枚以上投下したイラストの大半がロリ絵ならこうもなろう!
名誉挽回の為にも
色っぽいお姉様かシブいオッサンを描くべきですね
あ、冷静に考えればコジマ汚染されてる……いやむしろ何かされてる時点で私ってば変態じゃない。
いやー失敬失敬。
>>471 このスレが変態に侵略されたならこうもなろう!
ソーレハトテモシィーズカニィー ダーレニモキヅカレーズニィー
>>472 ふはは幼かろう。
>>471 変態は超えてゆくということさ
概念を、観念を、常識を
悶々と、易々と、そして、嬉々として
こうして彼ら紳士同盟は活動を開始した
この世の全てにhentaiを啓蒙するために
――そして、ID:OcIgnCqcもまた、野望を胸に動き出す
スレの全てを異常に
これが後に続く変態時代の始まりであったことを、
今はまだ、誰も知らない……
――続く
ふぅ(一仕事やりきった笑顔で)
>>473 色っぽいお姉さん分、是非補充して頂きたい
>会員番号1
あれです、言わずもがなと言う奴です
>>478 >鉄人かわいいよ鉄人
同意せざるを得ない
>>479 かわいくてかっこいい……ほんと鉄人は偉大やで!
プラモの出来も目茶苦茶いいしね!
>>480 これは対抗せざるを得ない。
>これは対抗せざるを得ない。
今夜勝負ですね、わかります
オネーサンスキーの本気を見せてやるぜ!
まぁ、ロリは敵前逃亡だけどね!
>>482 なんだと! ロリコンだけどお姉ちゃんも好きな私の本気を見せてやる!
>まぁ、ロリは敵前逃亡だけどね!
まぁ、ロボは敵前逃亡だけどね!
何この暇を持て余した神々
あんまりお前ら暴走すると俺が真の姿を現すぞ!
フフフ、私はあと3回変身を残している
>>485 私はそれに加えさらに一回分の変身を残している……
じゃあ私は分身しますね、トゥァ!
じゃあ俺は乱心するわ
/ , -:::::::::::::::::::::::..、
ど / _ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.,
う ヽ / `>ー r--ー 7::::::::::::::,::::ム
し / ,....j-''"´:::: ̄::::`:::::..':......、::::::l´
て \イ:::::::_;:::::-=---- ::::;_:::::::::ヽ、!
こ /::,〃.,、/'´i ̄l`ヾ,、_ ヽ、:::::::\、
う <:::;;::{/ ! /l. ∧ .ハ {__ヽ::::::::::ハ
な \:/ , '`> レ _..'-- 、i i、_、:::::::::ハ
っ /;' /u´ `` u ヽ! 、:::::::}
た /`! /!{ u _ ,..:'⌒::.、u./ l/:::::::/
!! < j;' l.l、. l´:::::::::::::::::::::/ ト-- '
> ' .`tー,-r--,-<j ,'
\ `/:::-' ´`r-'lj_ /__
/|:::::::::::::::::::::ヽ.:.:.:.:、:.:.:.:、:.:.:.、.:.、.:.:.:.:.:.::`゛>
/{::|:\:::::::\.:.:.:\.:.:.ヽ::.::.ヽ:.:.ヽ::::::::::.:.`゛ー- ..,__
: 何 : /:|::',:ト、::::::ヽ、:.\:.:.:.\:.:.ヽ:.:.:\.:.:.:.:.:::.:.:.:.:::.::::_;:-'´ : : :
: が : //:/:::|::',|::'、:::::::::\:.:\.:.:.ヽ:.:.:\:.:..\::::::::::::\、::::\ : : :
: 何 : /!::|::l::::/|:::l:ヽ:\::ヽ:.:\:.:\.:::ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:\::::::::::::\ ̄ : : :
: だ : |/l::|::|::|:ト、:::::::::、、:ヽ、:.:.:.:::::::::::::::ヽ::::.:ヽ:.:.:.:.\:.:.:.ヽ:::\. : : :
: か : |::|::/l::|::|r‐ヽ:::::ヽ(ヽー,―\::::::、::::::::::ヽ::.:.::::::.:::::::ヾ. ̄ : : :
: : }//l::|:::|{(:::)ヾ、:::ヽ \!(:::) ヽ,:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、 : : :
: わ :. |/l::|::|:::|ヽ==''" \:ヽ、ヽ=='" |:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::\
か / ',|::|:::| / `゛ |!::::::::::::::::::::::::::::ト、::ト、_` ゛`
ら l::!::::ト、 '、 _ ||::::::::::::::::::::::::ト:ヽヾ| | ̄ ̄ ̄`ヽ、
な r'"´||',::::', |:::::/l:::::|\:::ト、ヾ | | / / \
い / ll ',::', 、 ーこニ=- /!::/ ヽ:::| ヾ、 ノ ノ / ,イ ヽ、
,' | '、:, \ -- ,. '´ |;' l ヾ、. // / | l: l
| |! ヽ; ヽ /.: i! / ゛// |l / | | |
そんな事より虚無ろうぜ!
そういえば、あと少しでこのスレ一周年を向かえますね!
あー、もう一年か……。
すっかり毛色が変わりましたね。
つかスレの進行が非常に早くなりましたね。
どうしてこうなった!(AA略)
___
/ || ̄ ̄|| ∧_∧
|.....||__|| ( ) どうしてこうなった・・・
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | ( ./ /
___
/ || ̄ ̄|| ∧_∧
|.....||__|| ( ^ω^ ) どうしてこうなった!?
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
| | ( ./ /
___ ♪ ∧__,∧.∩
/ || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ どうしてこうなった!
|.....||__|| └‐、 レ´`ヽ どうしてこうなった!
| ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪
| | ( ./ /
___ ♪ ∩∧__,∧
/ || ̄ ̄|| _ ヽ( ^ω^ )7 どうしてこうなった!
|.....||__|| /`ヽJ ,‐┘ どうしてこうなった!
| ̄ ̄\三 / ̄ ̄ ̄/ ´`ヽ、_ ノ
| | ( ./ / `) ) ♪
うわああああああああああああああああああああああああああああああ
ずっとファンだった百合同人ゲーがアニメ化するよぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉぉ
キャラデザはストパニの人だよ緒おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ
ちょっと百合成分倍増させてから投下するわ
いやーもうすっかり変態のすくつになっちゃって(棒)
>どうしてこうなった
責任の一端がある気がしてならない
そう呟くパリー氏の真上に!真上に!
>>499 >今日イケるかも
起爆剤が来るぞー!
>>496 おうさ! 徹底的にやっちまいな!
>>499 >今日イケるかも
ハレルヤ、スレが加速するのが目に見えるようだよ……。
>>500 レッツパーリィ
誰が大統領やねん!
今頃皆さん夕飯ターイムか
我々ロボスレ住人は、遅筆・ザ・オネーサンスキー氏とパラベラム・ザ・ロリ絵師氏、そして◆n41r8f8dTs・ザ・変態(ドが付く)氏の投下を心待ちにしております
やったー出来たよー
取りあえず細かい所をチェックして、今日中に投下します
11時頃かな?
ふむ・・・・・
で、
これはいったい、なに? なにがあったのwww
何で100以上のびているんだwww
呼ばれた気がした
>>504 お客様、本日も当店
通 常 営 業 でございます
あ、あおさんこんばんわー
ちょっと色々変な流れで……あっとそうだった
まとめサイトに乗せる、レガシアムの紹介文
>>409を考えてみたんですけどどうですかね?
まぁ仮確定なので、ん?と思ったらまた考えてみます
色々あったんです。
このスレで現在精力的に活動中の職人さん方が変態だとわかればこうもなろう!
>>509 変態じゃないよ、仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ
男はみんな変態という中身を持った紳士なのさ
>>506 作ってくださったんですね〜
ありがとうございます!
そうですね、E&Eは今のところ“まだ”生命体じゃないから、
謎の巨大生物 を 謎の未確認侵略体 としてもらって、
この先爽やかでは“なくなりそうな”感じでもあるから、
爽やか系ロボット小説 を 鋼のジュブナイル と交換してもらって完成! みたいな!
せっかく作ってもらったのに茶々いれてすいません
こんな感じでお願いできますか〜
そういやわたしも雑談スレで
変態淑女じゃね?
とか言われてたし、やっぱ仲間なのかも・・・あぅ
>>513 >変態淑女
>変態“淑女”
>変態淑“女”
(゚Д゚ )
( ゚Д゚)
( ゚Д゚ )
>>512 わっかりました〜ちょっと変えてみますね
てか
>変態淑女じゃね?
お、女!?
男臭かったロボスレにヒロイン降臨と聞いて
>>513 おいでませ、変態の世界へ
これで紳士淑女そろったね
こ、こういう時はうろたえたら駄目よ! 座禅を、座禅を組むんだ! ひっひっふー。
まぁそれはそれとして
やっぱこれかしら
^´ ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´ 〈
〉 変 〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈 変 /
〈 態. ∨, '/l| ,.'-‐、`//`7/ /''"´__ | ハ l丿 態 {
人) ! ! (/! |ヽ〈_ ・.ノ〃 〃 / '/⌒ヾ.! ,' !く ! ! (_
ト、__/ ヽ、_,.イ /l l |:::::::```/:::::/...´.. //´。ヽ }! ,' !! ) /
ト' 亦 ,イ⌒ヽ/ !l l ! l し J ::::::::::::::::::::``‐-</ / ,'、`Y´Τ`Y
l 夂 (ハ ヽ l i ! l ', ! , -―-、_ ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ 〉,\ ! i ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、 ι 〃,'/! ヽ、\ ヽ、
! 能 // ,' lヽ! ii ',l ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、! / ハ ノヽ._人_从_,. \
| 心 { / ,' ' ,! ll l`、 { ヽ' \ ヽ ' '´ Λ ',} ( \
.丿 ∨ // ,',! l l l ヽ`、 \ \ ∨ し /! ∨ 変 ,ゝ、
∧ / / ヾノ //l l l l、_ヽ\ \ ヽ , ' ,.イ |ノ 態 (ヽ
/ノ__ ゚ ゚ (⌒`〃'j | l l l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl { | ヽ ! ! ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l l l } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! ! | )_
お約束ってことで
あんさんそれラマーズ法や
/´゙`ヽ、
/ ヽ
,/./ ,...., ;ii、
('/.i ( (,,) i::b
i' i `゙゙´ :「:::b
ζ | | .丿:::h
・==キ /´`ヽ,|::::::h まあ落ち着きたまえ
. [],i|i。 .h | `゙'- ノ⌒ヽ
ゝ| ̄|、_:tl i 〈,´゙`ソ/´'' ヽ
〈 ̄フ ti| ( `ヽソ/::::::ゝ 'i
〈 ̄フ 丿it:| i`'''ノ/::::λ::;;} |
 ̄ ̄ヾ|ノ::ヽ,,ソノ::::::/´⌒ヾノ
,,.---――――---;;::;;:::::;;;;/ 'λ
(..,,,,________,,..)::´/λ ノミi
| |__,| |____| |;;;;/ノ//)ノノ
|,,,,| | | |,,,.|
'''''
改訂
ARTIFACT LEGACIAM
突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕!
こんな感じでどうですかね
\ 、m,"ヾミ、、/「だいじょうぶだ
\、_γYYヽ、ミ/ミ ・・・
ヽ\ヽ||y/γミ おれはしょうき
\ \::::/ /ミミ に
ヽ\o 、, o/{ミミミ もどった!」
丿 [\||/] >"゙
>> ∪ <<
ノii -=- ノiト-、
""L \\″//_| ヾ
一部の元Gの人にはわかると思うのだけど
あれだ
HANA子と名乗ったこともあったわたしです
>>524 ,-、__,-'~~ ̄`ー-、
~ノ,-−--、_ i
/| ニー : | ,、
..| ー ~ ;、__,-、| ! `ー-、
ヽ、 ,-三=' , ヾ |_|_,,,,,,,,__|
|ヾ `┴' ! /、_ノー-、
|__,,,┘`-' `┤ ) ) <まったく、カイエン殿も大変でござるな
/ ー-、 , |.| ( (
└' ̄`┘ノ ,,-' |-、 `-、`ヽ
-、 | '// | `ヽ、`、 )
 ̄ ̄ ̄/ ,-┴- | リ
しかし自分A4サイズの紙に毎回描いてるんですが、このサイズって写メるとスッゴイぼやけるね
オールインワンのプリンターで安くスキャナも揃えるとかどうです?
さ、さて。火垂るの墓でも見て落ち着こう……
凹 む わ !
>>525 >元G
・元ガンダムの人
・元黒い弾丸の人
・元ガオガイガーの人
・元ゴライオンの人
etc.etc...
>>528 あ、すみません
スキャナーとプリンターはあるんです
ただ、実家に帰省中でして
火垂るの墓を見ると、
・鬱になる
・生きていてごめんなさいと言いたくなる
・サクマドロップの缶をにぎりしめたくなる
・そうだ、明日樹海に行こうって気になる
・まぁ、いいか! だが、屋上からダイブ
ってことになりかねないから注意だ!
……誰も突っ込まないから自分で
>>526 お前がカイエンだろ!
……虚しい
>>527 距離を合わせれば多少はよくなるはずですぜ!
くっ、先を越されたか……。
パラべラム兄さんのテンションが元に戻ったようだ
ピントか〜でも肝心な絵の方クシャクシャにして捨てちまったぜ…
>>535 むしろACのプラモ弄ってあまりのカッコ良さに興奮が冷めないよお兄ちゃん。
>肝心な絵の方クシャクシャにして捨てちまった
MOTTAINAI! MOTTAINAI!
デジカメかぁ
最近思うところがあって新しそうなのを買ったんですよ
で、初めて撮った写真が
ゼロを右手で掴んで輻射波動をかまそうとしているROBOT魂紅蓮可翔式 の写真だったとゆー
(ゼロはROBOT魂ゼロ用無頼付属のフィギュアを使用)
なにやってんの自分・・・orz
>>537 ROBOT魂は再販がかからないから困る。
そういえば聖天八極式が今度出ますねー。
あー、デビルフィッシュ買わなきゃ。アーバレストは……どうしよう、リボルテック出るしナー。
>ゼロを右手で掴んで輻射波動をかまそうとしているROBOT魂紅蓮可翔式
Σ(゚Д゚;)って何してんだー!
ACってアーマードコア?
ヘタっぴなわたしはフォーアンサーで初AC
ホワイトグリントに瞬殺されて放置中
ランカー戦は双子のかたっぽを乗り越えなくて放置だったかな
蜃気楼とランスロットアルビオン、他幾つか再販来るらしいよ!
>>537 トリスタンが仲間に入れてほしそうな目であお氏を見ている!
>>538 それよりもサザーランドジーク買おうぜ!
うn
オフシュート版の無印ランスロットも再販同時期になんですって
オフシュートも再販できるんなら、高騰してる無印紅蓮も再販してもらいたいもんです
>MOTTAINAI
ワンガリ・マータイかよw
ACの機体はもはや芸術だよね
おじさんはAC4にはついていけないよ…
PS時代の無印で自由にロボを組み替えられるのに感動し、プロジェクトファンタズマで
スミカねえやんに惚れ、マスターオブアリーナでラナにM男調教され今日に至っております
サザーランドジークwww 置く場所ねーですよ、場所がwww
トリスたん(´・ω・)・・・
>>539 >ACってアーマードコア?
はいそうでございますよー。
>ホワイトグリントに瞬殺されて放置中
水没……オッツダルヴァの天才坊やを上手く盾にしつつ、近接伸管型ミサイル+連動ミサイルで攻めれば勝つる!
違うミッションならオンで手伝えるんですけどねー、PS3なら。
>ランカー戦は双子のかたっぽを乗り越えなくて放置だったかな
赤いキツネと緑のタヌキですね、わかります。片割れ……タヌキのほうかしら。
AC3Pのエビちゃんが倒せない俺
最近ようやくレイヴンになった俺が通りますよ
ACってけっこうマゾゲーだよね
>>PS3
残念、うちは箱○なのですよ
うちのお兄様にその黒い箱○くださいな(はぁと
って言ったら涙を流しながら快く譲ってくださいましたことですわよ☆
まぁ、今は叩き売って新型に換えたんですが
>>541 それなら私レグナント買います(キリッ)。
>>543 何組合わせてもそれなりにカッコ良くなりますからねw
>>544 おじさんおじさん。僕と一緒にファンタズマの上に乗ろうよ。
>>547 フロート使ったらマッハで落とされたでござるの巻
今字数数えたら16000字とか\(^0^)/
時間を置きながら投下する予定ですが、もしもの時には4940です
あ〜そろそろ昼間言ったやつ描いた方が良いのか
とりあえず、フォーアンサーは置いといて
バーチャロンをするです
まぁ、ランクマッチで圧倒的に負け越してますが
>>549 >箱○
あらまあ残念。
箱○はミッション中に好きな曲流せるのがウラヤマシイナー。
カスタムサントラ、PS3にも導入されないかしら。次回作あたりに。
>>552 支援は任せて下さいよ、軍曹!
>>554 バーチャロンはスパロボでしか知らない俺僕私……。
>>556 いや、一回描いたんすよ
ただまぁ、何を思ったのか調子こいて体まで描いて大惨事に…
再び仕事場から
>>552 相変わらず早いよw
>>555 アプデに期待しようぜ
毎回アプデで面白い機能追加されてるし
>>558 >いや、一回描いたんすよ
MOTTAINAI! MOTTAINA(PAM! PAM! PAM!
一方私は気分転換のため、お嬢にはしった。
>>559 ですねー。ゆっくり待つとしますw
あ、地味に555踏んでたんだ。
1話でまだロボット乗ってないのに二万五千とか行ってる俺よりマシ
>MOTTAINAI
もうそのオバサンいいよww
まぁ、一応写メのデータが一枚だけあるんですが
>>561 (゚Д゚ )
>>562 >写メのデータが一枚だけ
ほほーう……興味がありますな。
このスレが無くなるまでに8.5話を投下できるか不安になってきたw
>>561 何時ぞやのエヴァの方かww
キリの良い所で投下しても良いと思いますよー
>>561 3話でロボ乗るまでに4万字ぐらいつかって肝心のロボ戦を4000字ぐらいで終わらせたry
だまされる な
あお=HANAこは せいべつは おんなでも おとめなど では ない
なかみは おっさ
>>566 チ○コが生えてようが生えてなかろうが
尊敬に値する人間はみんな「アニキ」だ
性別なんて些細な事なんだよ!
さて、ちょっと時間が早いけど、7話後篇を投下します
色んな意味でこの後の話がきつい
絵を描きながら支援します
高速道路を疾走する、黒光りの高級ブランド車の中でその男――――タカダは、後部席で足を組みながら、データフォンを眺めている。
モニターには秘書と共に、あるデータが円状になって表示されている。タカダはそのデータの一つをドロップすると、秘書に尋ねた。
「本当にこの男がティマを匿っているのか? 俺にはそうには見えんが」
タカダの質問に秘書は一言、間違いありませんと頷いた。タカダは顎鬚を撫でて息を吐く。
そのデータにはある男の住民情報と顔写真が映し出されていた。顔写真に映るのは――――マキ・シゲル。住民情報には、マキについての情報がくまなく羅列されている。
「マキ・シゲル……。A級ライセンス取得者という事はそれなりの地位はあるようだな。それでこの男がティマを匿っているという情報に信憑性はあるのか?」
若干疑いの気を含めたタカダの言葉に、秘書は冷静な口調で返す。
「調査員によるデータをお見せします」
するとモニターに、若干荒い映像がスライド形式で流れてきた。そこには図書館や動物園で過ごしているティマとマキが映し出されていた。
タカダは掌で口元を覆った。確かにマキの近くで歩いている少女は、かつて、モリベが組み立てたティマの外見と酷似している。秘書が加えて説明する。
「直接接触してみなければ確証は取れませんが、外的特徴はティマとほぼ一致しております。
また、データフォンによる解析で生体反応が確認できない為、アンドロイドである事には間違いないかと」
秘書に耳を傾けながら、タカダはふっと顔を上げて、静かに口を開いた。
「……マキ・シゲルの勤務状況はどうなっている。いや……家を開ける時間帯は何時だ?」
タカダの質問に、秘書は手元の分厚いファイルをパラパラとめくり、タカダに返答する。
「差異はありますが、平均は朝8時に出勤、こちらも差異がありますが、午後5時位に帰宅しています」
「ふむ……」
タカダは再び掌で口元を覆い、しばし熟考すると秘書にドスの利いた低い声で言った。
「今からマキ・シゲルの自宅にカードキーのロックをかけろ。警官を使って奴を引き剥がし、その間にティマを頂く」
<LOST GORL ep.7 後篇>
運動不足でかつ自分を過大評価していた私は、後先考えず海に突っ込み足を攣って溺れていた。多分この恥は墓場まで持っていくと思う。
そんな私を、通りすがりでありティマと親しくなった競泳用アンドロイド、ジュンが助けてくれた。本当にありがたい。
ジュンに感謝するのは勿論のこと、ジュンの持ち主にも感謝しなければならない。その持ち主が、私達の元へと駈けてきた。
アロハシャツを来た、目元がニコニコと笑っている青年……いや、若く見えるが結構体型ががっしりしてるから、私と同年代かもしれない。
「いやぁ、あの子のお母さんから凄い感謝されちゃってさ。謝礼でもとか言われちゃって参っちゃったよ。
……で、そちらさんは?」
青年が私とティマに対して疑問符を浮かべた。ここはひとまず感謝の意を示さなくてはいけない。私は青年の前に立ち、深く頭を下げる。
「先程、貴方のアンドロイドであるジュンさんに助けて貰いました。
生兵法で海に飛び込んだばかりに……。本当に有難うございました」
私がそう言うと、青年はジュンの方をちらりと見た。事情を聞きたいようだが……正直聞かれると少し恥ずかしい。
ジュンは無言で青年の目を見つめる。青年とジュンは見つめ合う。と、青年は何か察したのか、首を小さく縦に振ると、私を心配そうに気遣った。
「お怪我はありませんか?」
何だかすごく申し訳ないな……。
「それなら大丈夫です。度々すみません」
私がそう返すと、青年はほっと胸を撫で下ろした。まるで自分の事の様に。
「あぁ、それなら良かった。お怪我が無くて何より」
もしかしたら、この青年はとても人が良いのかもしれない。人の性格は顔に出るというし。……待て、それだと私の性格が悪い事になる。
それにしても命を救って貰ったんだし、何かお礼がしたい。とは言っても、今の私にはそれほどお金が……。
とは言え、このまま立ち去っても心地が悪い。私は恐る恐る、青年に聞く。
「宜しければ何かお礼でも……」
私がそう言うと、青年は激しく首を横に振った。
「あ、いえいえ。そういうのは良いですよ。あくまで僕が勝手に助けたまでですし」
その時、誰かの腹の音が鳴いた。私は自分の腹かと思ったが、それほどお腹は空いていない。と、言う事は……。
青年の方を見ると、気恥ずかしそうに俯いていた。ジュンが淡々と、青年に言う。
「ここは恩に着るのがベターかと思います。マスター」
青年は控え目に顔を上げると、私に対して平謝りしながら申し訳なさげに言った。
「……それじゃあお世話になります」
私はなるべく、自分が出来るせいっぱいの笑顔で青年に返答する。
「えぇ、取りあえずホテルのレストランに行きましょうか」
私と青年がホテルのレストランで食事を取りながら会話を交わす間、ティマとジュンは散歩に出かける。二人とも互いに聞きたい事があるらしい。
ティマが他のアンドロイド……いや、むしろ私以外の人と話すのは初めての経験だ。良い経験になるだろう。恐らく。
しっかしホテル価格かは知らんが、妙にメニューが高いな……。まぁ命を救って貰った手前、どんなメニューでも構わない。
「本当に良いんですか? ……って入っちゃってから聞くのも難ですけど」
青年がまだ申し訳無さそうに私に聞く。……ますます私の方が申し訳無く感じる。私は苦笑しながら返答する。
「彼女に命を救って貰ったんですよ。むしろこれぐらいじゃ足りないと思います」
互いに食べたい食事を注文し、改めて青年に向き合う。年がとても気になる。
体型は20代らしくガッシリしているが、ニコニコとしている顔は若々しく、10代に見える。いきなり年を聞くのは……失礼だな。
先に私の方が自己紹介せねば。水を一口飲み、私は青年に自己紹介をする。
「改めて自己紹介を……私はマキ・シゲル。30代半ばの、しがない修理士です。この島にはちょっとした観光でね……」
私がそう自己紹介すると、青年も水を一口飲み、芯の通った声で自己紹介する。
「僕はアイバ・キリトと言います。ジュンの……なんて言えば良いんだろう。まぁパートナーです。僕も息抜きでこの島に来たんですよ。良いですよ、ここ」
キリト氏はそう言ってニコニコと笑った。私は記憶の奥底からアイバ・キリトという名前を引っ張りだす。どこかで聞いた事が……あ、そうだ。
確かアイバ・キリトと言えば、若干16歳にして、高い知識と技術が必要とされ、非常に狭き門と言われる競泳型アンドロイドの技術者として脚光を浴びた少年だ。
かつてのTVや新聞には、キリト氏と、キリト氏がパートナーとしている……そう、ジュンだ。キリト氏とジュンが毎日といって良いほど取り上げられてた記憶がある。
突然パタリと姿を見なくなってしまったから、同じ技術者として心配……していたかは正直言えないが、まさかそんな神童にこんな所で出会えるとは。
「まさか貴方があのアイバ・キリトさんとは……いやぁ、度々頭が下がります。ホントに」
私がそう言うと、キリト氏は手を振りながら頭を横に振った。何だろう、言っては悪いが凄く分かりやすい人だ。
「あ、いえいえ、そんな事無いですよ。もう昔みたいな栄誉も名誉も無いですし……。
それと僕の事はキリトで良いですよ、何となくさん付けはむず痒いんで」
流石にいきなり呼び捨ては幾らなんでも非常識なので……。
「……君、で良いかな?」
キリト氏……いや、キリト君は屈託の無い笑顔で、良いですよと答え、逆に私に質問してきた。
「それよか、あの小さい女の子はマキさんとはどんなご関係で?」
妻です。なんて言える訳が無いので、私はすこし考える素振りを見せながら、無難に返答する。
「ちょっと知人から預かってましてね。中々わがままで、困ったものです」
私がそう答えると、キリト君ははぁと苦笑し、手を拭いたおしぼりを置いた。
しかしどう話を切り出そうか……私は少し考えた挙句、何の面白みの無い質問をキリト君に聞いた。
「宜しければお聞きしたいのですが、キリト君はジュンさんとどれくらいの付き合いになるんですか? 何分興味がありまして」
下世話……かな。もしかしたらキリト君にとって触れられたくない過去に干渉してしまったのかもしれない。
キリト君はポケットから何かを取り出し、私に見せた。……煙草の箱か。
「構いませんがその前に……ちょっと吸っても良いですか? もしマキさんが嫌なら吸いませんけど」
確か私達の座っている席は野外のテラスだったな。既に3時を過ぎて夕刻な為か、あまり……というかテラスにいる客は私達だけの様だ。
それに喫煙席のエリアでもある。私自身は別に煙草に嫌悪感は湧かないし、何よりキリト君の喫煙を阻む理由も無い。
「良いですよ」
私がそう答えると、キリト君は嬉しそうに煙草を一本抜き、ライターで火を点けた。
「いやぁ、ありがたい。ジュンには何時も止められてるから、なかなか吸えないんですよ。親父も相当苦労したみたいで……」
キリト君がプカーと口から煙草の煙を吐く。ドーナツ状になったそれは、ゆっくりとあがって行き、ぼんやりと消えていく。
「ジュンとの出会いは16歳の頃でしたね。親父が危篤状態からそのまま死んじゃって。それで親父の親戚って人から、ジュンを紹介されたんですよ」
sien?
所変わり、ティマとジュンは海岸を二人で歩いている。ティマは白いワンピース、ジュンはタンクトップにジーンズのラフな服装だ。
偶然にも二人も肌が白く、蒼い瞳の為(まぁ同じ規格のアンドロイドの為であるが)傍から見ると姉妹に見えなくもない。
「夕方時の海って綺麗ですね……」
ティマが夕日が沈み、朱色に染まる海を眺めながら感嘆しながら話す。
「私もそう思います。センチメンタリズムを感じさせると言いますか……」
ジュンの台詞に、ティマが羨望の目を向けた。ティマは続けて言葉を発する。
「ジュンさんって凄いんですね……私にはそんな難しい言葉、思い浮かばないですよ」
ジュンは小さく首を傾げながら、淡々と返答する。どこか言葉に感情が薄いのは、ジュンの特徴らしい。
「そうですか? ティマさんも覚えようと思えばすぐに覚えられますよ。ボキャブラリーは増やしといて損はありませんから」
「ボキャ……はい、頑張って勉強します!」
ティマには知識を沢山得ても、それをどう使うかまでの術までは習得していない。間違って知識を覚える癖といい、ティマの頭はまだ子供のままだ。
ちなみにティマは今、ボキャブラリーの意味を考えようとしたが、とっさに浮かばなかった為言いかけて止めた。
しばらく二人は海岸を歩く。と、ジュンがティマの方を向いて質問する。
「所で先程から聞きたかったのですが、ティマさんとマキさんはどの様なご関係なのですか?」
ジュンの質問に、ティマはうーん……と考えるとジュンに顔を向けると、はっきりとした声で答えた。
「私の……私のとっても大事な人です。あの人がいるから、今の私がいると言って良いくらい」
ティマの返答にジュンはふむ、と頷くと、淡々とした口調でティマに言った。
「つまり好きなんですね、彼の事が」
「好……」
ジュンの言葉にティマは一瞬、頬が熱くなった気がした。考えてみれば、はっきりとマキの事を好きだと言った事が無かったからだ。
しかし自分の気持ちは紛れも無く……。ティマは一度深く俯くと、少しだけ照れを込めた返答を返す。
「……好きです。いえ、大好きです。私の事を理解してくれる人……だから」
ティマの表情と返答に、ジュンは今まで見せなかった頬笑みを浮かべて、言った。
「私もです。マスターは……キリトは私の事を理解してくれて、私もキリトの事を信頼しています。両想い、と言った方が分かりやすいでしょうか」
ティマは両想い……と小さく口に出した。意味は良く分からないが、なんだか素敵な言葉だと思う。覚えておこう。
ふと、ティマはジュンにジュンと同じく先程から聞きたかった質問を聞く。
「あの……ジュンさんが良かったら教えて欲しいんですが」
ジュンが首を傾げる。
「何をです?」
「その……ジュンさんとキリトさんの出会い……というか、今までの付き合いみたいなのを聞いてみたいなって」
キリト君は煙草の灰を灰皿に落とすと、話を再開する。
「僕の内は父子家庭で、親父が筋金入りの技術者だったんですね。ジュンの前のパートナーで、色んなスポーツ選手から信頼された腕利きの技術者って事で」
「だから家には殆ど帰ってこなくて、何時も僕は一人で過ごしてたんですよ。飯も遊びも勉強も。そうすると自然に……」
キリト君は二本目の煙草に火を付けた。その目には笑みは浮かんでおらず、どこか遠い目をしている。
「自然に、親父に対して何も思わなくなって。もう親父の事なんて眼中に入れないで、僕は僕の夢を追ってたんですよ。サッカー選手になる為に」
紫煙
「初めて会った頃の彼は、私に対してどうして良いかも分からず、何時も泣いていました。どうして僕はこんな目に会うんだって」
立ち止まり、ティマとジュンは砂浜に座って海を眺めながら話し合う。
「無理も無かったんです。突然、私の前のパートナー……キリトのお父様のカズヤさんが亡くなっただけでもショックだったのに、私の事を引き受けなければならないと言われたのですから」
「……こう言ったら失礼かもしれませんが」
「いえいえ、どうぞなんなりと」
「……キリトさん以外に、ジュンさんのパートナーになる人っていなかったんですか?」
「実を言うと、私のパートナーをキリトに決めたのはキリト自身ではなく、カズヤさんの御親戚の方々だったんです。
このまま前のパートナーがいなくなったからという理由で私を処分するのはもったいないという事と、カズヤさんの交友関係にも、ご親戚の方々にも私を扱える技術者がいなかったのですね。
だからまだ若くて知識を詰め込める事と、カズヤさんのご子息と言う理由で……」
「そう、だったんですか……」
ティマはキリトの事を考えて溜息をもらした。大人の事情で自分の意思を押しまげられるなんて……と考えると何とも言えない気持ちになる。
「キリトは一度途方に暮れましたが、それでもカズヤさんの後釜として、私専属の技術者となるべく奮闘しました」
「完全に僕個人の意思を捻じ曲げられたと知っていても、まだ幼かった僕にはどうする事も出来なかった。だから僕は……」
二本目の煙草が灰皿に押しつぶされる。キリト君は水を一気に飲み干した。
「だから僕は必死になって知識を得て、技術を学び、ジュンのパートナーとして努めました。僕の意思を捻じ曲げた奴らを見返す為に」
「完全にルサンチマンというか……恨みとかそういう屈折とした感情だけで僕は突き進んでました。
……いつしか、マスコミが僕とジュンの事を取り上げ始めましてね。その時、僕の中で何かが切れました」
「キリトは次第に、調整を怠ったり、ミスを犯した場合に酷く罵ったりと私に対して冷酷になっていきました。
恐らく、キリトの中で今まで溜め込んでいた物がマスコミに注目された途端、一気に噴出したんだと思います」
「……ジュンさんは怖くなかったんですか? キリトさんと一緒にいて」
「私はただの競技用アンドロイドです。キリトさんに従う以外の選択はありません」
ジュンは自分の右手を見ると、会話のトーンを落とした。
「……ですが、私もキリトも日々の激務の中で気付かなかったんです。既に体に限界が来ている事に」
「ある大会の前、コーチを買って出た僕は何時もの様にジュンの調整など何もせず、遊び呆けてたんです」
気づけば料理が来ているが、私もキリト君も食べる気にならない。それほど、キリト君の話に私は夢中になっている。
「でね……どうせジュンは勝手に自宅に戻って来てると思って帰ってみたら、ジュンはいないんです。その代わりにデータフォンに連絡が来ましてね」
「……何と?」
「ジュンが更衣室で機能を停止してたって。完全に頭の電子回路が逝っちゃってましてね」
そう言ってキリト君は掌で目を覆い、苦笑した。その苦笑にはどこか憐みみたいなのを感じる。
「僕はその時でさえ、ジュンに対して何も思わなかったんです。どうせ新しい競泳用アンドロイドを探してくれば良いって」
「でも駄目でした。どんな競技用アンドロイドも、僕には合わなかった。それにマスコミも僕とジュンのコンビが見たかったから……」
キリト君は三本目の煙草に火を付ける。意外と顔に似合わずヘビースモーカーなのかもしれない。
「……全て失ってしまいました。どこも取材にも来ないし、仕事もキレイサッパリ無くなった。ジュンを蔑ろにした罰が当たったんですよ」
キリト君はそう言って宙を仰いだ。陽が落ちて、周囲が少し薄暗くなっている。
「ふと、考えたんです。このままジュンを壊して自殺しようと。そうすれば何もかも楽になると。でもね……」
「考えてみれば、ジュンには何の罪も無いんですよ。ジュンは……ジュンはただの競技用アンドロイドだから……その時、ジュンがね」
「私はキリトに謝りました。彼のパートナーである以上、彼に迷惑を掛けるのはアンドロイドとして恥ずべき事だと思いましたからね」
「それでキリトさんは……」
ティマがそう聞くと、ジュンは天を仰いで、静かに答えた。
「彼は私に対して、涙を流しながら僕を許してくれ、自分の為に君を傷つけた僕を……と言いました。それを聞いて、私は彼にこう言ったんです」
「謝らないでください。貴方は貴方自身が出来る最大限の事をしました。ここで朽ちるのなら、私はそれまでの存在です……と、ジュンはそう言ったんです。
僕はその時なってようやく分かったんです。僕には……僕には、ジュンしかいないって」
4本目の煙草に火を付ける。そのとき、キリト君の目は初めて最初に会った時の笑っている目になっていた。
「彼女にとって、僕は必要な存在で、また僕にとってもジュンは必要な存在だったんだってって事に」
「僕は必死になって、彼女を今一度元の姿に戻す為に駆けずり回りました。幸い、彼女のデータチップに損傷が無かったんです。これが本当に良かった」
キリト君はそう言って、初めて目の前の食事に手を付ける。ハッとして私も食べはじめるが、案の定冷めててまずい。
「ジュンを修理しながら、僕は多分初めて、ジュンと真正面から向き合いました。そうするとね……」
「ジュンって融通は利かないけど結構……いや、凄く可愛いんですよ。その融通の利かなさというか、不器用さというか」
そう語るキリト君の顔は凄く良い笑顔だ。……私がティマと話している時の顔はどんな顔だろう。
「ジュンと話しながら、僕は決めたんです。これからはジュンと二人三脚で生きていこうって」
「私はキリトの姿を見て思いました。彼の事を知っていこうって。パートナーとしての関係以上に」
そう語るジュンの顔つきに、ティマは何処か憧れを抱いている。私も何時か、ジュンさんみたいにマキと……。
「彼の趣向、彼の苦手分野、彼の性格……彼と話しながら、色々な事を彼から学びました」
そう言うと、ジュンはくすっと笑った。
「意外と子供っぽいんですよ、彼。ハンバーグが好物だったり、部屋が暗いと怖く眠れなかったり」
ジュンは静かに目を閉じて、ゆっくりと目を開くと、言った。
「その過程でようやく、私と彼はパートナーとして心が通じ合えたんです。そして彼も」
しえん
「ジュンの事を心から理解できたんです。パートナーとしてでなく、一人の女性として」
私もキリト君も食事を食べ終わり、食後のコーヒーに口を付ける。キリト君は煙草をしまった。
「……それで、キリト君は今何を?」
キリト君は私の図々しい質問に、笑顔を浮かべながら答える。
「今は、彼女と一緒にいろんな国の子供達に水泳を教えているんです。それと僕個人は修理士として働いています。ジュンの維持費は馬鹿にならないんで」
そう言ってキリト君はへへっと照れ笑いを浮かべた。……モリベ氏といい、キリト君といい、どうして修理士にはこれほど優秀な人材ばかりが集まるのだろう。
私は自分自身が情けなく感じる。どうしてこう頭の構造自体が違……。まぁ、恨みつらみは家に帰ってからにしよう。
「それに、ジュンに気付かされたんです。自分の境遇は自分で変えるしかないって。嘆くだけでは何も変えられないって」
「私は競泳用だけでは無く、彼自身の人生のパートナーとして歩んでいきたい。それが……亡くなったカズヤさんの意思を汲む事にもなると思って」
ジュンの口ぶりにははっきりと、キリトに対する思いが受け取れる。ティマは妙に胸が熱くなるのを感じた。
「そして何時か……何時かキリトが幸せになるまで一緒に付き添っていきたい。そう思っています」
「私も……」
ティマがジュンを見上げながら、少し躊躇ったものの、首を横に振って、しっかりとジュンに目を合わせて聞いた。
「私も、ジュンさんとキリトさんみたいに、マキと……マキとそういう関係を築けますか?」
ジュンはしばらくティマの目を見つめると、ふっとほほ笑んで返答した。
「勿論。貴女とマキさんはきっと良い関係を築けますよ。確信しましたから」
「懸命にマキさんを助けようとした、貴女の姿を見て」
「僕は何時か、ジュンとアンドロイドの垣根を超えて生きていけると信じています。そういう時代が来ると信じていますから」
そう語るキリト君の目には、一点の曇りも見えない。……凄い男だ。ただそう思うしかない。
しかしモリベ氏にしろ、キリト君にしろどちらも正反対であるが一つの結論を出している。それは……。
私は勘定を払う為に席から立ち上がる。と、一つだけ聞きたい事がある。私はキリト君に向き直り、その事を聞く。
「キリト君は……」
「キリト君は、何時かアンドロイドが人間と仲良く手を繋ぎあえる社会が来ると……思うかい?」
キリト君は私の質問の意図が掴めず(当たり前だが……)一瞬ポカンとした。私は慌てて否定する。
「あ、いや、君の考えを否定する訳ではないんだ。……私の昔の友人がね、そういう事を言っていたんだ。昔の私はそれを夢物語と一笑してた。だが……」
言葉に詰る。だが、私はぐっと唾を飲み込み、言葉を紡ぐ。
「今の私は違う。私は……私は信じている。アンドロイドと人間が……仲良く手を繋ぎあえる社会が来ると」
「来ますよ、きっと。いや、寧ろ来てほしいじゃないですか。そんな未来が」
キリト君はそう言って、私に手を伸ばした。私はその手を握る。
「またどこかで会いましょう、マキさん」
「あぁ、また会う日まで、キリト君」
キリト君とジュンに別れを告げ、私達はホテルに戻る。既に日は完全に落ちていた。
私もティマも、話に夢中になっていて全く気付かなかったようだ。
どれだけの時間話してたかも分からない。ただ、ティマの様子を見るに互いに有意義な会話が出来た事だけは分かる。
「……ねぇ、マキ」
ティマがふと、私に質問してきた。にしてもすこし顔立ちが成長した気がするぞ、ティマ。
「キリトさんと、どんな話したの?」
どんな話と言われてもな……。詳しく話せば凄い長くなる気がするし、ここは無難に。
「そうだなぁ……色々と将来の事とかね。ティマはジュンさんと何を話したんだ?」
私の質問にティマは人差し指を口に付けて何か考えている。と、悪戯っぽく笑って、答えた。
「んーと……お互い苦労しますねって」
「苦労って……どっちが掛けてんだどっちが」
私は笑いながら、ティマの頭をちょっとだけ激しく撫でた。ティマはやだーと言いながら嬉しそうに笑う。
ふと思う。人とアンドロイドが垣根を超える日か……夢物語なのだろうか。そんな世界は。
確かに今の世界はアンドロイドには優しくは無い。はっきりと人とアンドロイドの間には越えられない境界線が存在する。
だが、それでも……それでもあの二人の様に、そう言う境界線をひょいっと飛び越える、そんなケースもある。
ティマの笑顔を見ていると、私達も既にその境界線を超えているのではないかと思う。だが……それが本当に正しい事なのだろうか。
ホテルに着き、私達はカードキーを通し、泊まる部屋に入る。
部屋に入ると、窓一面に向こう側の街の夜景が広がっていた。ほぉ……綺麗だな。ティマが窓の方に駆けると、感激の声を上げた。
「凄いよ、マキ! あっちの街がキラキラ光ってる!」
窓に張り付いて夜景に夢中なティマは実に子供らしくて可愛い。そう言えば他人との接触に夜景に水着と、ティマにとっては初めてばかりだな。ここは。
私は靴を脱ぎ、ベットに横たわる。なんだか疲れてしまった。どうせ後は風呂に入るだけだし、色々と疲れた。ティマには悪いが、風呂に入る前に少しだけ眠ろう。
と、ティマは寝そべっている私に振り向く。何か言いたそうな目だ……と、ティマは私に視線を向けながら、静かに口を開いた。
「……ねぇ、マキ」
しえーん
しえん
私は無言でティマの次の言葉を待つ。何だろう、この緊張感は。
ティマは体を私の方に向けると、ゆっくりと二言目を発した。
「さっきね……ジュンさんと話してて、私、再確認したよ。……マキの事が好きだって」
……ティマの表情が何時もよりずっと色っぽく感じる。まずい、なんだか非常にまずい気がする。
そうだ、バックに夜景があるからだ。だから妙にティマに艶を感じている……そう思う事にしよう。
ティマは口を閉じたり、開いたりしてどう言おうか迷っているようだが、きっと口元を閉じると、私に言った。
「マキも、私の事好き……だよね?」
どう答えるべきだ……私の頭の中は正直右往左往している。色々とまずい。上手く言えないが、色々と。
……何時か言おうと思っていたが、ここで言うべきだな。恥ずかしさとか年を考えろとか色々な邪念が浮かぶが、一気に取り払う。
……良し、言うぞ。
「……好きじゃない」
ハッとティマが驚いた表情を浮かべる。……もう少し上手言い方は出来ないかと私は自分を罵倒しながら、次の言葉を紡ぐ。
「……ティマ、好きじゃない。正確には愛してる、だ」
私の言葉にティマはキョトンとして首を傾げた。そりゃそうだよな。
「愛……してるって何? マキ」
「おいで、ティマ。詳しく教えてあげよう」
ティマを呼び寄せ、私の横に寝かせる。しかしこうしてみると本当に小さいな……ティマ。
「良いかい、ティマ。私達は夫婦だ。だから好きじゃなくて、愛してるって言うんだ」
「好きと愛してるは違うの?」
「愛してるはね、ティマ。好きよりも大好きよりもずっと大きな……強い……なんて言えば良いんだろう」
「上位?」
「そう、賢いぞ、ティマ。そうだ。大好きの上位にくる言葉だ。だからな、ティマ。
私はティマを愛してる。ティマを私を愛してる。今度からそう言い合おう」
つくづく私は説明が下手だな……というか何処か説明がおかしい気がするが、上手く説明できないのだ。愛なんてどう説明すれば良いんだか。
ティマは小さく頷くと、自分自身で確かめる様に言う。
「……分かった、マキ。私。マキの事愛してる。大愛してる」
「ティマ、愛してるに大はいらないんだよ。愛してるって言葉は愛してるだけで良いんだ」
「……わざと言ってみたの」
ティマはそう言って舌をちろっと出した。いつの間にか、こんな動作もできる様になったのか……。
私のそばにいるのはアンドロイドじゃない。私の妻であり――――確固たる一人のティマと言う少女だ。
ティマは私に抱きつくと、心臓の所に耳を当てた。あぁ……どこかで誰かが私に警告を出している。
「マキ……もうちょっとだけ、こうしてて良いかな?」
断る理由は無い。断る気もしない。もう駄目かも分からんな、私は。
「あぁ、構わないよ。もう風呂に入るだけだから」
ティマの体温をまじかに感じる。肉体が冷たく感じても、私の心は温かみを感じる。
この華奢な体を優しく抱きしめてあげたい。……と思うが、ティマの背中に回っている両手は、グッと堪えている。
「マキの心臓の音……なんか落ち着く」
ティマは目を閉じて、囁くような口調でそう言う。私の理性が危険信号を上げている。
しかし冷静に考えなくても、この状況下は色んな意味で堪える。必死に、枷を外さない様にしている自分がいる。
「マキ……私ね、今度は人間としてこの世界で生きたいな。それでね……」
ティマ……くっ、駄目だ、耐えろ私。
ティマは一度言葉を止め、ゆっくりと目を開いた。私はティマの吸いこまれそうな蒼い瞳に息を飲んだ。
「また、マキのお嫁さんになる。それでマキと色んな世界を旅して……幸せになるの。ずっと、二人で」
私は無言でティマを抱き寄せた。細くて起伏の少ないティマの体には、確かな熱が籠もっている。
ティマと私はしばらく体を寄せて抱き合った。何分くらいそうしていただろう……私はティマの体を離して、両肩を掴んで語りかける。
「なれるさ、きっと。その時には……その時には私の妻になってくれ。約束しよう」
するとティマが小指を私に向けた。あぁ、そうか……私も自分の小指を絡ませる、
「嘘付いたら針千本のーます」
「指切った」
私達は指を切った。その時のティマの指は、小さくて、白くて、可愛くて……美しかった。
もう……もう、良いだろう。私はティマの顔に触れ、聞いた。
「キス、していいかな?」
ティマはうん、と小さく頷いた。私はティマに近寄り、ティマの唇に自分の唇を重ねた。
柔らかく、心地の良い冷たさが私の唇を優しく包む。私の手は自然にティマの掌と重なっていた。
「……ティマ」
私はゆっくりと唇を離して、ティマの上になる。ティマは私をじっと穏やかな笑みで見つめている。
その蒼い目も、小さい鼻も、柔らかい唇も、全てが愛おしい。私は掌を……。
……何をしているんだ、私は。今私の目の前にいるのはアンドロイドとはいえ、幼い少女だ。
幾らアンドロイドでも超えてはいけない一線がある。これはモラルの問題だ。人としてそのラインは超えてはならない。ならないんだ。
「すまない、ティマ。風呂に入ってくるよ」
私はベッドから立ち上がり、一先ずティマから離れた。まずい、本気でまずい。ティマの顔をまともに見れない。
これほどまでに、私はティマを愛してしまったのか……。一瞬制動が利かなくなった自分自身に、私は驚く。
「……あのさ、マキ」
ティマが呼びかけている事に気付いて振り向く。……ティマ。
ティマ、その表情は駄目だ。その、何だ……唇を指でなぞるのは止めなさい、ティマ。
ティマは少しだけ目元を伏せるが、やがて私を見上げると、言った。
「もう一回……キス、して?」
……流石にこれ以上は私の理性が持つ気がしない。私はティマの頭を撫でる。
そして髪の毛を上げて額同士を合わせる。
「明日はもう帰るから、朝一番海を見に行こう。それでキスをしよう。もう一回」
ティマは不服そうに頬を膨らませたが、すぐに笑顔をなってうん! と元気よく頷いた。
そう言えば、アンドロイド用の充電器があったな。この部屋にも確かあった筈だ。
ホテルの宿泊料には入ってないから結構割高だが、充電できるに越した事は無い。
「ティマ、もうそろそろ一週間が立つから充電しよう。あそこに……」
私がそう言うと、何故だかティマは大きく首を横に振った。何でだ、ティマ?
「今日……今日、マキと一緒に寝たい」
「ティマ……」
「だって……だって何時もマキはベッドで寝てるから……一緒に寝てみたいの」
ティマ、言いたい事は分かる。でも充電しとかないとなぁ……まぁ一応スリープモードでそれなりに蓄えられるけど。
「家に帰るくらいはまだ持つと思う。だから……お願い」
ティマがそう言って私を見上げる。何だってそんな……そんな目で私を見るんだ。
そんな目で見られたら私は……断る事が出来ないじゃないか。
「……分かった。ただし、家に帰ったらすぐに充電するぞ。良いかい?」
「うん!」
ティマはパアっと明るい笑顔を浮かべ、元気に返事をした。はぁ……ふぅ……。
ぼんやりと風呂に入りながら考える。人とアンドロイドの将来を。
しかしティマやジュンを見ていると、人とアンドロイドの違いが分からなくなる。無論当り前の事だが、構造上の違いはあるだろう
だが、ティマやジュンには人と同じ様に、心……いや、何と言えばいいのだろう。感情? 違うな。上手く言葉が浮かばない。
何にせよ、そういう物がジュンとティマにはある。そういう物に対して、モリベ氏は恐怖を感じ、キリト君は理解しあえると語った。
どちらも共通するのはアンドロイドが既にアンドロイドの枠組みを超え、一人の人間として認識されている事だ。
これは驚くべき事だと思う。つまり人とアンドロイドの垣根は簡単に越えられるんじゃないかと。だがこれは同時に、恐ろしい事でもある。
だから……熱い。これ以上は言ったら茹蛸になっちまう。難しい事は帰ってでも考えよう。ティマが待っている。
「マキ―、入って良い?」
ベッドに潜り込んだ私に、パジャマに着替えたティマが話しかけてきた。……何時も見ているパジャマが何か凄く、良い。
私が頷くと、ティマがもそもそとベッドに入って来た。
「初めてだよね。マキと一緒に寝るのって」
「そうだな。こうやって寝るのは」
ティマがそう言いながら、私に体を寄せる。……近い、近いぞティマ。
何故だか鼓動が速くなる。落ちつけ、落ちついて……そうだな、修理士教本の修理士心得でも唱えよう。
「ティマ、明日に備えて早く寝るんだよ。私は先に寝るから」
さっきから私の中で何かが色々と危ない。私はティマに背を向ける。あえて冷たく接す……。
ティマが私の体に抱きついてきた。ティ、ティマ……それ以上はいけ……ない……。
「少しだけ……こうさせてくれる? マキの体、暖かいから……」
なんでこう、この子は私の色んな所を突いてくるのか……。もう駄目だ、ホントにギリギリまで……。
「ティマ……ちょっと離れて貰えるかな?」
静かに首を向けると、ティマは目を閉じてスリープモードに入っていた。……ふぅ。
……私も寝るしかないか。どうにか妙な高揚感を抑えながら、私は静かに目を閉じ、眠る事にした。
なるべく、ティマの方を向かないように。
……朝日だ。私は目をこすりながら、ベットから起き上がる。
傍らのティマを見ると、まだスリープモードの様だ。寝顔を見ると昨夜の出来事を思い出す。
……いかん。あらぬ事を考える所だった。サラサラな髪を撫でながら、私はティマに声を掛ける。
「おはよう、ティマ」
ティマは静かに目を開けると、起き上がって私に挨拶した。
「おはよー、マキ」
髪を掻きあげるティマの姿は、朝日が照らしてるからか、いつもより大人びて見えた。
荷物をまとめて、ホテルのチェックアウトを済ます。クルーザーが来る時間帯を確かめてから、海岸に向かう。
ティマとは歩いている間、何も話さなかった。その代わり……私とティマは手を繋いでいる。
「マキ……手」
「手?」
海岸に向かう前に、ティマは私に手を繋ぐ様に言った。私は苦笑しながら、ティマの手を繋ぐ。
妙にティマが照れて俯いている様に見える。
海岸が見えてくると、ティマが握っている手を少し強くした。私も強く握り返す。
早朝の為か、海は誰もいない。ジュンとキリト君はまだこの島に残るのだろうか。少しだけ気になる。
ティマと手を繋いだまま海を見る。ティマは静かに海を見つめたまま、ぽつりと言った。
「また、この景色が見たい。……マキと一緒に」
「あぁ。きっと来れるさ。ティマ」
ティマが私の手を離し、海に歩いていく。何か見つけたみたいだ。ティマは落ちている、綺麗な色の貝柄を拾うと耳を当てた。
そう言えば……ずっと忘れていたが、荷物にカメラを持ってきていた。取り出してティマにシャッターを向ける。
……シャッターが押せない。何となくこの一瞬をカメラに収めたくない。私はカメラをしまい、ティマの姿を目に焼き付ける。
ティマが私の方に戻って来て、貝柄を見せる。そして。
「ねぇ、マキ。……これ持ってって良い?」
私は勿論了承する。ティマは少しだけ私を見上げて感謝する。
「ありがとう、マキ。えっと……」
「……キス、して」
私はティマの顔を指先で上げて、静かに唇を重ねた。
時間が止まった様な感覚に陥る。この時間から、抜けだしたくない。そんな感覚を抱きしめる。
帰りのクルーザーに乗って、私達は夏風島を後にした。
ティマは何時までも、夏風島を眺めている。彼女の中にどんな思いが去来しているのか、私には分からない。
だが、彼女が夏風島で得た者は決して無価値な物ではないと、私は信じている。
これから何が私達を待ち受けるのか――――それは誰にも、私たち自身にも、分からない。
続く
投下終了です―。支援してくれた方、本当に有難うございます!
まずジュンとキリトに尺取りすぎです、ごめんなさい
後ホテルの下りはもう謝罪の余地がありません。脳が痛いです
投下乙でした
ゆっくり読ませていただくとして、今日はこれでお休みです
それじゃまたー
>>599 投下乙であります軍曹殿!
ゆっくり読ませていただきます!
初めてこのスレ来たけど投下中だったか 乙
ってか成る程、スレタイのロボってこういうのもあるのか。
デカいロボがドンパチするみたいな先入観があったぜ
>>603 もちろんそういうのもあるよ。自分もそっち方面で製作中ですし。
>>599 乙!
>>603 どっちかっていうとそっちのほうが主流なんだけどね
どんなのがあるかはwikiを見るといい。テンプレにリンクあるから
>>603 まぁロボットって点を抑えてあればおk打と思いますよ
自分は今書いてる作品の前にデカクは無いけど、ロボがドンパチする奴書いてたし
>>599 読み終えましたー。
ぐぅの音も出ないというか、マッキー極細に嫉妬する余裕も無いというか、頼むから充電して!
着々と鬱になっいってます自分。ああ、二人がハッピーエンドを向かえられるといいなぁ。
>>603 自分もでっかくないロボがドンパフする話書いてますよ!
馬鹿はここぞとばかりに宣伝した!
さて、遅筆氏のほうはどうなってますかー。
弱スランプっす
明日朝までには上げるんで今日は寝た方が身のためでっせ
ははは、自分もですヨ。
やっぱりロリしか描けないなあ、私は……。
人は難しいですね、相変わらず
ロボに比べたら下書きの量も半端じゃないです
こういうところに投下できる人って素直に尊敬する……w
さんざんロボットのバトルは書いて2chに投下したが二次創作ばっかりで一時創作ができない体質になっちまった……w
バランスとかかなり気を使わなきゃいけないですもんね。バランスが悪いところはロボ以上に目立っちゃいますし。
>ロボに比べたら下書きの量も半端じゃない
一方私はぶっつけ本番でやっていた……。
>>611 ここは二次も受け付けてますよー。
ただ単に二次の投下が無いだけでw
次の埋めレスは二次にしようカナー。
614 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 01:11:56 ID:pRfWEqT9
>611
実はここ、ロボット物SS「総合」スレだから二次創作もおkなのだよ
>>612 何の二次創作なのか教えていただこうか!
マキもキリトもいいカンジにデキちゃって
祝ってやる!
ageちまった……って、そういえばage sageの指定無かったっけ、ここ
自分は一応下書きをします
と言ってもロボに関しては棒人間かいて終わりですが
一応言った以上朝までには意地で仕上げます
>>614 磐梯先生とガノタを震撼させた21世紀のファーストだよ!
再構成SSというのにですね、手を出していた時期がありまして……。
>>617 付き合いますよ、地獄まで!
そもそも自分もまだ描けていないというトラップ。
>>618 大体わかった
アレとアレの続編はね、うん、再構成したくもなるわ
>>617 では朝までの暇つぶしという事で
マーナガルムの続きを投稿させて貰います。
という訳でどうぞ
人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」後編
──5日後。
ツクヨミは、パイロットスーツに着替えてから格納庫へと向かっていた。当初の予定ではもうとっくにアラスカ基地から
ロシア基地まで行き、月面都市行きの宇宙艦に乗りこんでいるはずだったのだが、司令部が出した急な配属変更により、
最後の脱出部隊に組み込まれたのだ。その最後の脱出部隊の出発が、この後すぐに行われる。私物も特になく、すぐに出発準備を終えた
ツクヨミには、最後に艦載前のラビットソルジャーをチェックする作業が残っていた。
1ヶ月ほど前までは何十機ものラビットソルジャーが並ぶという威圧感満載の光景が広がっていた格納庫も、ラビットソルジャーが
殆ど他の基地へと持ち出され数えるほどしか無くなった今では、想像以上の広さと物悲しさあった。
「ソマ中尉! RS-02MCの整備調整終わりました!」
整備兵のテティス・ステュクス伍長が、チェックリストを片手にラビットソルジャーの横で手を振っていた。前回の出撃で修復不能にまで
破壊され、廃棄する事となったスカンクエイプ改に変わり、新たにRS-02MC スカンクエイプ高機動型が宛がわれる事となり、その整備を彼女が
請け負っていたのだ。テティスは本人曰く『最強の兎乗りであるソマ・ツクヨミのファン』であり、アラスカ基地では嫌われ者のツクヨミに対し
普通に話し掛けてくる数少ない人物である。この弱冠19歳の伍長は年齢に見合わぬ高い整備技術を持ち、ツクヨミの機体を酷使する操縦に対応した
調整が完璧に出来たのが彼女くらいしかおらず、配属されてから1年間、ほぼツクヨミ専属の整備兵となっていた。
「今度のコはじゃじゃ馬な前のコと比べて凄く素直ですよ! 調整も完璧ですし、動かしてみれば前のコ以上にしっくりくると思います!」
「……火力の低さが改善されていない」
ツクヨミはテティスからチェックリストを受け取ると、歩み寄ったスカンクエイプ高機動型を見上げてぽつりと呟いた。彼はスカンクエイプ改
のままの方が望ましかったのだが、既に生産中止となったラビットソツジャーを敗走準備の続くアラスカ基地で入手する事は出来なかったのだ。
「あ〜 武器を付け過ぎると、急激にバランス悪くなりますからね〜」
超震動ハルバードやガトリングガンも装備出来ないと聞き、テティスにあり合わせの武装で構わないので何か破壊力のあるものは取り付けてくれ、
と頼んでいたのだが、どうやらその願いは聞き入れられなかったようだ。高機動型は、両肩に超震動ナイフ1本ずつ、腰にサブマシンガンと
マガジンが2つ、さらに小型ミサイルポッドが両脚に二発ずつ装備されているだけだ。
「バランスが悪くても構わない」
「いくらソマ中尉であっても、それは正直オススメできません……飛べなくなりますから」
ツクヨミの新たな搭乗機が、スカンクエイプ武装強化型ではなく高機動型となった最大の理由は『飛行可能』という要素だった。高機動型は
オプションとして、リアクション・コントロール・ブレードの上に、一回り耳が大きくなったように見えるフライトユニットを取り付ける事で、
飛行する事が可能となる。飛行時間はとても短く、最高速度は戦闘機よりも遅いが、ヘリコプター以上に小回りが効き、そのまま地上戦にも
使えるので、様々な場所で使われている。ツクヨミはそれを使い、アラスカ基地から飛び立った艦が襲撃された際に、上空で対処する役目を
任されたのだ。
「だが、地上に降りた時に備え、もっと強力な武装を用意したい」
あくまで任務は、空中で襲撃された場合の対処だ。想定する相手である戦闘機と戦うのなら、この装備だけでも撃墜は可能だ。とはいえ、
1週間ちょっと前にツクヨミ自身が、輸送艦に単機特攻し撃墜、さらに輸送艦から這い出てきたラビットソルジャーも全滅させている。
統合軍に同レベルかそれ以上の狂人がいるかどうかは分からないが、警戒するに越したことはないだろう。
ロボット物ならなんでもいいなら、オリジナルのドラえもん大長編とか投下してもいいって事か。
……書く気も書く自信も無いけど。
「……そう言うと思ってましたよ。ソマ中尉は変な所でガンコですからね」
右手で頭を押さえ、左手でツナギのポケットからリモコンを取り出す。そのスイッチをテティスが押すと、高機動型の背面にあるシャッター
開いていった。そこにあったのは、高さ4mほどの黒い箱。
「ちゃんと用意しておきました! このボックスの中にバレルを短くしたガトリングガンと、折り畳み式の超震動ハルバードが入ってます!」
テティスはそう言いながら、箱へと駆け寄る。
「この箱ボックス背負う形なら、飛行中でも大した妨げにはなりません!」
「なるほど」
「しかし、重量は増えるので、最高飛行速度は下がりますし、飛行時間も短くなります!」
「心得た」
「ガトリングガンはバレルを短くした結果、射程も威力も命中精度も下がってます!」
「十分だ」
「超震動ハルバードは通常のものより一回り小さいですし、折り畳み式という構造上、いささか脆くなってます!」
「構わない」
「あ、飛行中にボックスは開けようとしないで下さいね? 中身がばらけて飛びますし、上手く装備出来てもバランス悪くなって墜落しますから!」
「そこまで間抜けじゃない」
「簡易マニュアルはこちらです! 手書きで汚いですけど、細かいデータも書いておきましたので、艦内ででも読んでください!」
テティスは走りながら簡単な質疑応答を行う間に、箱の隅にくっ付いていた小冊子を取って小走りで戻ってきた。小冊子を手渡されたツクヨミが
パラパラと目を通すと、いささか殴り書きっぽくはあるが、読み易い字と、分かりやすい図が並んでいた。
「ボックス取り付けは動作確認ついでに俺がやる。ステュクス伍長、まだ引越しの用意をやっていないのだろう?」
「あ、はい! 取り付け方もマニュアルに書いてあるので、その通りにやって下されば結構です! それでは……」
「……ああ、そうだ」
ツクヨミに背を向けて格納庫を出ようとするテティスの肩に手を掛けて呼び止める。
「最後の最後だというのに、面倒な事を頼んですまんな……今まで、本当にありがとう」
テティスは、4日前に高機動型の武装や調整について打ち合わせした時、「私はアラスカ基地から脱出した後は極東基地へと向かい、
そこの部隊に配属されるんです」と、話しており、その際にツクヨミは「俺はロシア基地から宇宙に出て、統合軍の宇宙部隊を警戒する
為に、月面都市に戻れる事になった。久しぶりに婚約者に会えるのが嬉しい」と、彼にしては珍しく笑顔で答えていた。
その時、一瞬だけテティスが浮かない顔をしていた事が、ツクヨミはどうも引っかかっていた。何故テティスがそういう顔をしたのかが
理解できなかったので、その理由を今日まで彼なりに考え続けたのだ。そして、彼が出した結論は『何だかんだで1年間組んで戦ってきたのに、
別の部署に配属されたのを嬉々として語ったのは、自分の整備の腕を信頼してなかったのか。と思われたのではないか?』というもので、
ならば、1年間の感謝を言葉にしてちゃんと伝えようとツクヨミは考え、そしてそれを多少強引なタイミングだが今しがた実行したのだ。
「あ、あの!ソマ中尉!」
テティスの顔が紅くなっていた。おそらく自分の腕が認められていた事が分かり、照れているのだろう。ツクヨミは自分の結論が
間違ってなかったと、己の僅かながらのコミュニケーション能力の向上を表情に出さず喜んだ。
「非礼を承知でお願いしたいのですが……その、最後に自分の事をステュクス伍長ではなく、テティスと呼んでいただけないでしょうか!?」
ツクヨミとテティスはプライベートな付き合いは一切無かった。とはいえ、ずっと命を預けてきた仲だ。名前を階級名を付けずに
呼ぶほど、親しい友であるはずだ。
「わかった。俺の事も、ツクヨミと呼んでくれ」
友であるならば、そう応えるべきだ。少なくともツクヨミはそう考えた。赤面して動かないテティスの前に手袋を外して手を差し出す。
ツクヨミの意図に気付いたのか、テティスも慌てて手袋を外すと、滲んだオイルのついた手をタオルで拭いてから、その手を握った。
「極東基地でも頑張れ、テティス」
「貴方も無茶はしないで下さいね! ツクヨミ!」
別れの挨拶を握手と共に交わすと、テティスは小走りで格納庫から出て行った。ツクヨミは手袋をはめ直し、タラップを登って
スカンクエイプ高機動型のコクピットに入った。ボックスの取り付けを行う前に簡単に高機動型の両腕を動かしてみた。彼の考えていた
以上の滑らかな動きに、自然と笑みがこぼれた。
遂に最後の輸送艦が飛び立つ時刻となった。有事に備えるという名目でラビットソルジャーのコクピットに乗ったままだった
ツクヨミには、無人となった基地の最後の姿を見る事が出来なかった。聞いた話では、北極上空を通ってロシア基地へと向かうらしい。
しかし、コクピットに入りっぱなしで、モニターに映る格納庫の壁しか見えないツクヨミにとってはあまり意味の無い情報ではある。
離陸してから数時間。幸いな事に敵の襲撃は無かったので、ツクヨミはえらく暇だった。テティスから渡された小冊子はすでに
何度も読み返しており、内容も完全に暗記してしまっていた。今ならバレルの短いガトリングガンも折り畳み式の超震動ハルバードも
戸惑えずに使えそうだ。とはいえ、このまま無事にロシアまで着いたのなら、この武器は全然必要が無かった事になり、小冊子まで
作ったテティスの努力は、完全に無駄になるのだが……彼女の仕事の丁寧っぷりには頭が下がる。ツクヨミは、彼女が極東基地では
己のような注文の多い兎乗りに振り回されたりしないよう祈った。他にやる事が無かったので。
そういえば、基地に戻ってからはゴタゴタが続いて、手紙の続きを書いていなかったな。その事を思い出し、紙とペンを出そうとした
瞬間、大きな揺れが輸送艦を襲った。
「只今本艦は、敵機の超長距離弾による攻撃を受けた。被弾箇所不明。損傷不明。繰り返す、敵機の超長距離弾による攻撃を…」
攻撃?被弾したような震動は無く、気流の乱れで揺れたようにも見えない。今の揺れ方は、単純に操作ミスしただけのようだったが。
艦内通信は続き、更に格納庫内のランプも点滅し始めた。
「ソマ中尉! 正体不明の敵機が近付いてきます!出撃してください!」
通信モニターに、不自然なくらい慌てたオペレーターの顔が映る。それが、なおさらこの状況の胡散臭さを浮き彫りにした。
「まずは状況の確認を。敵襲というには、この状況は不自然過ぎる」
「いいから早く!」
格納庫内の巨大な作業用クレーンが動き、ツクヨミの乗るスカンクエイプ高機動型を、無理矢理にリニアカタパルトへと運んでいく。
「待て、まだこちらはフライトユニットの装着が完了していない」
ツクヨミの声が聞こえないのか、無視をしているのか、クレーンは高機動型をリニアカタパルトに押し付ける。
「スカンクエイプ高機動型、射出!」
オペレーターの声が聞こえたと同時に、リニアカタパルトが作動し、ツクヨミは艦外へと弾き飛ばされた。
夜空へと放り出されて見えた輸送艦はやはり無傷で、ツクヨミは己の考えが間違ってなかったが、そんな状況で無理矢理外へ出された事に
軽く混乱を覚えたが、やがてスラスターを全開で吹かしても戻れない位置まで飛ばされてしまった事を悟り、仕方なく地表を見下ろして
着地できる場所を探した。
いつものように、ラビットソルジャー独特の転がるような着地動作を行い、高機動型は氷の上に立つ。21世紀初頭は地球温暖化の影響で
溶けて消失するかと言われていた北極の氷も、現在ではラビットソルジャーが立っても問題が無いほど分厚くなっている。
さて、どうしたものか。ツクヨミは考える。輸送艦の位置は確認できているが、高高度を飛行しているので追い付いたとしても乗り込むのは
厳しいだろう。高機動型の足ならば、走ってロシア基地まで行けない事もないが……そもそも、何故このような事を、誰が何の目的でこんな
事をやったのか?
あの輸送艦の乗員の数名、下手をすれば全員がこの謎の行為の仕掛け人である事は間違いない。目的として考えられるのは、司令部の
連中が最後の最後に手の込んだ嫌がらせをした、とかだろうか。だとしても理解できない。成功率の低い作戦を立案し、押し付けるなら
ともかく、フル装備のラビットソルジャーをパイロットごと北極に破棄して、何の意味があるというのだろうか。ツクヨミがロシア基地
へと辿り着ければ、否が応でも軍法会議沙汰になるはずだ。ただの嫌がらせにしては不可解な要素が多い。あの輸送艦にスパイが乗り
こんでいて、機体ごとパイロットを殺害しようとした可能性もある。しかしその場合でも、輸送艦内の設備を操縦出来るのであれば、
別の手を使った方が確実に殺せたのではないか?
疑問は多く残るが、悩んでいても何も始まらない。夜空に浮かぶ銀色の月と現在時刻、方位磁石を見ながら現在位置を大まかに確認しつつ、
ロシア基地に向かって、脚を進めようとした。だが……
「……何だ?」
スカンクエイプ高機動型の複合センサーが、こちらへ向かって飛んでくる『何か』を捉えた。それは凄まじい速度で、しかし減速しながら、
まっすぐにツクヨミへ向かって進んでくる。速度こそ違うが、その挙動はリニアカタパルトで正常に射出したラビットソルジャーのそれに似ていた。
やがて、その『何か』は、高機動型の光学カメラで全体のシルエットが確認できる。その姿に、ツクヨミは見覚えがあった。
「あれは……RS-03M ライオンイーター?」
スカンクエイプシリーズの後継機であり、革命軍が扱っているラビットアーマーの中では現時点で最新鋭機だったか。来年の頭辺りに本格的に
量産され、以後はスカンクエイプから切り替わっていく予定であると、ツクヨミは聞いていた。映像などではまだほとんど出回ってないが、以前
テティスから整備兵向けの資料をこっそりと見せて貰った事がある。少なくともカタログスペックでは、高機動型よりも速く、武装強化型よりも
火器が充実しているという代物だったが……
「だが、それにしては……」
部分的にだが、記憶している形状と異なる部分がある。何やら武装と装甲が追加されているっぽい両腕と両太股……
そして、狼を模したような、異形の頭部。
リアクション・コントロール・ブレードが、2枚とも頬に相当する部位から生えているのも、更に異質感を煽る。
正体不明の『狼頭』は高機動型の方へ機体を向けたまま、武装を構えもせず静かに立っている。すぐにガトリングガンと超震動ハルバードが
使えるよう背負ったボックスの展開ボタンに手をかけつつ、ツクヨミはゆっくりと、機体を前進させた。
〜次回予告〜
襲いかかるは狼の牙
精神すらも噛み砕く異形の獣
立ち向かうは人の技
月に勝利を誓いし不滅の魂
2つの力がぶつかり合い
新たなる戦いが始まる!
人狼機兵マーナガルム 第2話「人と狼」
近日公開予定!
という感じで、人狼機兵マーナガルム 第1話「白銀の月」前・中・後の全部が投稿し終わりました
追伸:テティスさんは1話のゲストキャラなので、今後の出番は予定してません
>>629 乙です! えぇい、支援できなんだとは……。
>テティス・ステュクス伍長
凄く……舌噛みます……。
しかしいい娘だなぁ、テティス伍長。
伍長と絡んでる時のツクヨミさんもいい男になっていてグッドですw
>テティスさんは1話のゲストキャラなので、今後の出番は予定してません
Σ(゚Д゚ )嘘だと言ってよバーニィ!
>ラビットソルジャー独特の転がるような着地動作
ちょっと疑問に思ったんですけど、これって前回り受け身とは違うんですかー?
さてさて、騙して悪いがトラップ発動で狼頭と戦う事になったツクヨミさんですが、狼頭の性能は果たしてどんなものかがとても気になりますね。手も足も出ないか、それとも……。
次回もwktkしながら待ってますね!
途中送信しちまったorz
ツクヨミとテティスのやり取りがけっこうツボったw
ついにマーナガルムが登場か。ヒゲ付いてるのね
>>623 >オリジナルのドラえもん大長編とか投下してもいい
1スレ目でもよく言われてましたが、そうなりますねーw
>書く気も書く自信も無い
◆gD1i1Jw3kk氏はやらなきゃいけない事山積みですからね。頑張って!
ああん、もう皆、筆が早すぎるwww
その上、クオリティ高い
うみねこ買う前にもう一回投稿するという枷作るかな(´・ω・`)
>>630 テティスさんは
元々ツクヨミが名無しの整備兵(男)と淡々と会話しているシーンを書き直してる際に
ただの名無しじゃつまらんから名前付けるか
→どうせなら個性も付けよう
→女性キャラ分が足りないから、女の子にするか
→ツクヨミ嫌いの奴ばかりだとバランス悪いしファンにすんべ
→テティス・ステュクス伍長、爆誕!
という工程を経て半日ほどで出来あがったキャラなので
そもそも今後のプロット登場予定が無いのさ!
……とはいえ女性キャラの引き出しが少ないので、せっぱつまった時に再登場させる可能性はゼロではない
あと、ラビットソルジャー独特の転がるような着地動作というのは、うさ耳も使った側転みたいな回り方です
>>635 つまりケルゲレン子の類ですね!
……ちょっと違うかしら。
>うさ耳も使った側転みたいな回り方
ナルホド了解合点承知。当方勘違いをしとりましたヨ……。
ウサ耳も使った側転か……なるほど。俺もてっきり前回りかと思ってた、スマソ
つか、寝れねぇ
意地でも、寝ねぇ。
ふぅ、一応の妥協点をハケーンしました。ここからマッハで描き進めていく事にします。
さて、時間かかったけど出来たぞー、っと。
誰かいますかー?
流れの支援屋で宜しければここに
でも●持ってないので、もう一人いないとさるさん避けのお役には立てないかもしれないです…
っと、絵だったかw通りすがりで最初に見られるのはなんか得した気分ですww
キャラ知らなくて申し訳ないけどお姉さんステキ! 脇セクシー!
>>641 あら、こんばんはー。
でも今回はSSじゃなくてイラスト投下なんです、すみませんm(_ _)m
また今度、SSを投下する時にお世話になりますねw
了解ですw深夜にいることは多いから任せれ!
兎も角、投下乙であります!
>>642 お褒めにいただき光栄の極み!
>キャラ知らなくて申し訳ないけど
いや、二枚目以外はオリジナルなので知らなくて当然ですよw
>>644 こちらこそ、支援乙であります!
なんだろ…自分の画風が分からなくなって来た
>>646 あんまり考えこまない方がいいよ
とりあえず書きたいと思ってこういうものが良いとおもったのを書けばいいと思う
誰かの書くことで気負ってるのならば、なおさら
ええ、自分にも言い聞かせてますw
>>646 描きたい物を描いたらいいのさ
色々描いていればその内見つかることもあるし
と、意図的に複数の画風で絵を描いている男が申しています
>>647>>649 ありがとう、取り敢えず好きなモノ描き続けてみるよ
写メが見にくいのは筆圧弱いせいかレンズのせいか…
いずれにせよ、何処かで人の書き方もマスターしないと駄目っぽいね
>>640 相変わらず恐ろしい安定感だぜ
二枚目は筆ペンか何かですか?
体の書き方教えてください、結構切実に
>>629 投下乙です!テティス……多分一生懸命だけど日常生活はドジっ子っぽいw
会話のテンポが良いです。ツクヨミのそっけない返答に何気なく良い男らしさが浮かんでたり
ライオンイーターとどんな戦いを繰り広げるのか……楽しみです!
最終章に向けてプロットを読み直してると、自分の性格の悪さが滲んでて鬱('A`)
ごめんよ、ティマ……
けどただのバッドエンドにだけはしない予定。しかし自分のキャラを……・辛いっすね
結局落ちてしまった腑甲斐無い私を叱ってくれ……!
>>648 これはいいお姉さんかついいおっぱい。
個人的にはむしろ形のいい巨乳を描ける遅筆氏が羨ましいです。
>>651 >相変わらず恐ろしい安定感だぜ
ここに至るまでに恐ろしい数の産廃が……むしろ力み過ぎたら駄目な気がしてきました。息抜きで描いたヘーs(ryとアリーヤが一発でイケたのでなおさら。
空回りしちゃうんですよね……。
>二枚目は筆ペンか何かですか?
正解ですw
二枚目は筆ペンで、こう、ババッと、ダイナミックに、ストレスを全部発散する勢いで。
>体の書き方
うーん……感覚的なものなので技術的なアドバイスはできないんですけど、やっぱり慣れるまで描きまくる事が重要だと思います。
自分は中坊の時に絵本と称して漫画を……(当然黒歴史)。一日で50枚は地獄でした……。
>ただのバッドエンドにだけはしない予定
ふぅ、ちょっと安心……
>ごめんよ、ティマ……
>しかし自分のキャラを……
Σ(゚Д゚;)できるかよ!
>>640 ヘーシ(ryを僕に下さい
筆ペンいいなあ。なんか味があって
つか描いたお姉さんって、まさか……
>>648 うほっ、超セクシー。適度にエロくて最高じゃないか
絵なんて描けない俺からすると、どっちも凄く上手いわけですが
>>653 上手い人なら納得いく方法で二人を幸せに出来ると思うんですがね……w
自分は出来ないですwwけど、何もかも終わった―っバッドエンド完!て感じ内容だけにはしない様にします。というかしたいです
一思結末は考えていますが、何か反応が怖いwグレーよりのブラック的な…・・
>>654 彼女を嫁にもらうとロリコン変態紳士が漏れなく憑いてくるよ! よ!
>つか描いたお姉さんって、まさか……
そうよ! そのまさかよ!
>>655 >自分は出来ないです
(゚Д゚;)うわぁぁぁぁぁぁぁ――――!
>反応が怖い
大丈夫。スレが深い悲しみに包まれるだけさ!
>結局落ちてしまった腑甲斐無い私を叱ってくれ……!
ちょっと女王様よぶからまってくれ
>これはいいお姉さんかついいおっぱい。
おっぱい!おっぱい!
>>654 サンクス
でも、もっと着エロを極めたい!
俺、ティマが幸せになったらネクソンとリベジオン投下するんだ…
>>656-657 多分鬱系にはならないと思います……ごめんなさい
まぁ考え方次第ではグレー(ビター)でもあるしブラック(バッド)ぽいかな?って感じで
>>658 何……だと……?
まずいな……ティマを幸せにしないとネクソンとリべジオンが……
>>653 まぁ、そうですよね
上手くなりたきゃ描くしかないですよね
でも一日50枚は流石に無理ですwww
それと今回の絵はwikiには乗せない方向でお願いします、wikiの方
あと、あの頭だけ描いてるロボも消して頂けると助かります
何個もすみませんm(__)m
>>658 >ちょっと女王様よぶからまってくれ
女王様はょぅι゛ょで4649!
>>659 >多分鬱系にはならないと思います……ごめんなさい
むしろ望むところだと言わせていただこう!
>>660 >でも一日50枚は流石に無理ですwww
自分、それ以降しばらく絵を描くのが嫌になりましたよw
>>657 >ロリコン変態紳士が漏れなく憑いてくる
いらねぇwww
>そうよ! そのまさかよ!
なん……だと……!?
>>658 >もっと着エロを極めたい!
ならば鍛えよ、勝つために!
>ティマが幸せになったらネクソンとリベジオン投下する
完成していたのか……!
>>661 >女王様はょぅι゛ょで4649!
やっぱりあんたロリコンだwww
>完成していたのか……!
リベジオンはまだまだ構成段階(15%くらい)だけどネクソンクロガネはほぼ完成してまっせ〜
そして完成度80%で出撃ですね、わかります。
リオ・マリーニ曹長「足なんて飾りです、偉い人にはそれがわからんのですよ!」
できた分から逐次投下…遅筆に過ぎるというか早くも失速し始めている気が
では前回からの続きを始めたいと思います
「他の中隊の現状がどうなってるか、知ってる?」
由香里は一瞬聞かれたことがよくわからなかった。
現状、と言っても、第1〜第4中隊はほぼ毎日数キロ離れた北斗市防衛線で戦っている事ぐらい知っている。
彼らが戦っているから、函館市内の市民と自分たちは、それなりに平和に暮らせているのだ。
夜には砲煙の音が響いてくる、文字通り戦場と隣り合わせの平和。
沢山の兵士や学生兵士の血の犠牲を払って、玲や由香里たちは防衛線の後ろの安全圏内にいる。
彼らがどれだけ苦戦し、必死に戦っているのか。
そのくらい、由香里は承知している……とばかり彼女は思っていた。
だが、玲はもっとシビアに現状を分析していた。
「私達の第4中隊が設立されて、あの子たちが配属されてきて、麗美が中隊長で私達が先任として教育しろって申し送りされて、今日で何日が経ったか憶えている?
…二週間。 この二週間の私達は、北斗市防衛線で戦っている第1〜3中隊に比べれば殆ど遊んできたようなものだった。
考えてみて? 戦力不足で、訓練も完了していない学生兵士すら編入して組み込まなければならないほど困窮した状態の3個中隊が、二週間も戦い続けて、今頃どれだけ部隊を消耗させているのか。
戦死も多いだろうし、損耗率はそろそろ全滅、悪くすると壊滅判定を受けても良い頃ね。
自衛軍の頼みの綱のはずの第7師団は中山峠方面から迂回してくるワームの阻止で手一杯だし、南下して合流してくれる様子も無いようだから、多分こっちと似た状況。
本州側からの増援も、そろそろ来ていいはずなのにその気配無し。 いくらなんでも準備に時間がかかりすぎてるし、制海権が取れないから渡って来れないんだと思う。
…次のシミュレーションは、ワームの編成をタイプCやタイプDを混交した機動編成部隊にしないといけないかも知れない。
今までの浸透部隊や威力偵察部隊じゃなく。 どういうことか解るでしょ?」
支援は任せて!
これまでのシミュレーション内で戦ってきた小型・2mサイズのタイプAは接近戦を挑んでくる歩兵、中型・3mサイズのタイプBは胴体左右から針弾を発射する火力支援タイプだ。
両者は浸透戦術と言って、こちらの防衛線の隙間をぬって侵入・突破し内側を食い荒らす事を目的としている。
これに対応するのは味方の遊撃機動戦力であるが、現在の自衛軍函館戦線にはそれが不足しており、玲たちの第4中隊が
名目だけとはいえ、それを任せられている。
だがタイプCとタイプDはそれらとは違う。
4mサイズとなるタイプCは体の正面にツノの様な突起を持ち、6本の脚で時速50kmという高速で突撃してくる、重騎兵。
さらに一回り大きい5mサイズのタイプDは胴体上面にある発射腔から生成・射出する化学反応ロケットによる
遠距離攻撃をする砲兵だが、強靭な8本の脚で重騎兵に追従してくる機動力を持っている。
これらに直協歩兵としてのタイプA・Bを加えれば、戦線を文字通り突き破って進攻して来る機動部隊となる。
通常は、これらの敵が味方戦線を突破してこないように維持しているのが、北斗市防衛線の役割である。
「まさか…いくらなんでもそんな事態が切迫してるなら、私達の中隊も解散して他の中隊に組み込まれるとか、
増員されて、ちゃんとした指揮官と教官が配属されて戦線に投入されるとか、もっと動きがあるはずでしょう?
いくらなんでも悲観的な推測なんじゃないの?」
「初李の実家が自衛軍のお偉いさんなのは知ってるでしょ?
そのおかげで一部の補給品、特に糧食とかは、お荷物部隊で放置状態でもそれなりに、困らない程度に融通してくれてる。
でも、燃料や弾薬は訓練用の最低限しか回されてこない。
別に訓練はシミュレーションでも出来るから構わないし、事実上は書類だけの幽霊部隊だから、そんなものかもしれない。
でも、今朝になって次の定期補給で弾薬の配備は削減するって通達が今朝、連隊本部から届いた。
つまり私達お荷物部隊のことまで気を回せる余裕は、いよいよなくなってきたって事」
顔を青ざめさせて玲の憶測に懐疑的な態度を取りたがる由香里とて、現状がどれ程危うい状態に近づいているのかぐらい、認識している。
ただ、玲よりは「もっと遅いだろう」「そうなっても自分たちに出番なんか無いだろう」ぐらいに甘く考えていた。
そんな由香里を見て、玲は胸のうちでやっぱり由香里も軍隊ごっこ遊びに興じていただけか、と少なからず落胆した。
「…例え、もし、連隊司令部から出撃命令が来なくても、防衛線が突破されて敵がこっちへやって来る事態は起こるかもしれない。
そしたら私たちは、命令として戦うんじゃなく、自分たち自身を守るために自衛戦闘をしなくちゃならなくなる。
戦争では敵を殺すのは当然、戦うのは当然。 でなきゃ自分が殺されるんだから。
私は、由香里や、麗美や、真璃や中隊のみんなを、全員を死なせたく無いの。
せめて誰も死なないで戦えるくらいには、準備を整えておきたい。
…由香里、手伝ってくれるでしょ?」
玲はまっすぐに、由香里が視線をそらせないように目を由香里に合わせた。
逃げないで、助けて。 私一人の力ではできないから、そう訴えるような視線だった。
多少落胆はあったとはいえ、玲には協力してくれるような立場の人間は、由香里しか居ない。 頼らざるを得ない。
そして由香里は逃げようの無い、否応無く戦いを選択させられる現状が近づきつつあるのだという事実を突きつけられて、
一瞬迷った……逃げ出したい、逃避したいという思いに駆り立てられたが、玲の視線から目をそらすことは出来ず
そして「戦友」である玲を見捨てる事も出来ないので、観念し、覚悟を決めた。
由香里は、自分の手を伸ばして玲の手をそっと優しく握り、そして少しだけ玲と自分の顔を近づけ、苦笑いを浮かべつつ囁いた。
「手伝わないわけは無いでしょう? 私も玲を死なせたくないし、誰かが死んで玲が悲しむのも見たく無いもの。
もし死ぬとしたら、私は玲と一緒に死ぬのを選ぶ。 一蓮托生よ?」
「由香里…」
由香里は握った玲の手を持ち上げて、その甲に軽く口付けすると玲と二人そろって頬を赤らめた顔を…
「おー…ゆかりんとれーちゃんは百合百合だねえ」
「そうなのかー 二人はらぶらぶ?」
側で並んでしゃがんで、こっちをジーっと見上げている翠と留美に気がついた。
「ちょっ…! あんたたち何時から聞いて…いや見てたのよ!?」
全く二人の視線に気付かないで居たので、うろたえる玲と、両手で顔を覆って「うかつ…私とした事が往来で…」とか
凹んでいる由香里を尻目に翠と留美はしゃがんだまま何やら談義を始める。
まあ確かに、グラウンドで、他の人の目もあるのに、密談に熱中して周囲が見えなくなっていた玲・由香里にも非はあるが。
「なーんかヒソヒソ話してると思ったらさー、いきなり手を握りだすんだもんね、びっくりしちゃったよ」
「キスするかと思ったー」
「そういやうちって、案外女の子同士のカップルになりそうなの多いよね。 有理・真璃とかー有理・初李とかー」
「そうなのかー? だったら中隊長と咲也も?」
「あれはどちらかというと、ちっちゃい子と保護者かなあ……後は、ちる・大も怪しい感じだね
こっちは初々しくていいかんじだけどさー。 まあ玲・由香里の雰囲気には誰も勝てないよね」
ニヤニヤしながら「ねえ?」とこっちを見てくる翠に、ついに玲は切れ、「だれがガチレズだあああああ!?」の怒鳴り声を機に
きゃーと叫んで逃げる翠と留美を玲が真っ赤になって追いかけっこを開始した。
それをこめかみを押さえながら見送る由香里。
少し離れた所で真璃と有理が「なんだ?」という顔を向けている。
とりあえず、第4中隊と函館市内は今日も平和だった
午後。
戦闘班と整備班に分かれて、戦闘班は小銃の射撃訓練、整備班は整備の訓練を、それぞれグラウンドとハンガーで行う。
機士というパワードスーツに乗って戦う時代でも、生身の歩兵が使う小銃の訓練は基本教練の一つだが、
戦闘中に破損して動かなくなった機士から脱出した時の自衛のためにも射撃訓練は必要である。
これまで、銃の扱い方は分解整備と空砲を用いた訓練や、機体脱出後に味方陣地までたどり着くための匍匐前進などしか
やってこなかったが、玲の判断で実弾を用いて標的を撃たせ、命中させるという訓練も開始した。
標的は人間型と、ワーム型があるが、あまり差は無い。
ブルパップ式で銃身長の短い小銃である92式5.7ミリ自動小銃は、女子学生でも構えやすく、軽いのでさほど負担にはならない。
それでも実弾射撃にあまり慣れていない女子学生たちは、あまり良い得点結果にはならず、実弾の反動の大きさに苦慮しているようだった。
グラウンドに響くパン、パンという乾いた音を背景に玲はそれぞれの射撃得点を表に書き起こし、渋い顔をしている。
「咲也は20点…真璃は35点…高いのはこの二人くらいね。 あとは10〜15点を揃って低空飛行。
まあ、個人携行火器なんて、引き金引ければ別にいいんだけれどね…」
92式自動小銃は良い銃である。
マガジンは縦ではなく、銃身と平行に横になるように、銃の上部に装着されて装弾数は50発。
そして重量は2.8kg。 発射速度も一分間に900発。 全体が短くコンパクトなので、取り回しがいい。
集弾性能も悪くなく、連射でも良好な命中率を誇ると言われている。
射撃モードも単発・連発・バーストと切り替えられるし、地味にFCSを搭載しているので、自働で風向きや湿度、
目標との距離を測定して最適な射撃が出来るように補正してくれる。
難点といえば、薬莢が足元に真っ直ぐ排出されるので、場合によっては踏んで転ぶ危険があるという事ぐらいだが…
「100m標的でこの成績っていうのは…」
「仕方ないと思います、機士に乗ってるときは弾道計算までFCSが行ってくれますし、
目標に銃口を向けるのは自分の手じゃなくて機士の腕ですから。 でも、小銃は自分で構えて、自分で狙って、自分で撃ちます。
ブレとか、反動とか、構えがフラフラしてしまうとかの誤差は、どうしても出てしまうんじゃないでしょうか?」
玲の隣でそう言うのは早苗。
彼女は弾丸を詰めなおしたマガジンを装填し、レバーを引いて発射可能状態にしてからセレクターを「安全」から「単発」に切り替え「射撃準備、よし!」と声に出してからシューティングレンジ内に歩いてゆく。
そんな早苗の成績も、あまり良くはない。 パン、と一発撃った弾丸は標的の一番上をビシ!とかすめて命中した。
入れ替わるように、撃ち終わった真璃が今度は玲の隣に来て、結果を申告する。
「ていうかさ、小銃なんて、ワーム相手には弾丸バラ撒いて威嚇する程度しか役に立たないんだし、必中目指す意味はないんじゃないか?
それよりフルオートでの練習しようぜ、と私は思う」
「あんたは撃ちまくってスカっとしたいだけでしょ……それに、そんなに弾薬の備蓄はないの!」
まあ確かに、小銃と言いつつも実際の位置づけはPDW(個人防衛火器)なのは事実だろう。
軽さといい、短さといい、弾丸の口径といい、まともに対ワーム戦闘を考慮しているとは思えない。
対人なら別だが。
ついでに言えば、丸腰よりは安心するという理由のためだけにあるような装備だ。
普段は機士のコクピット搭乗口の横にあるラックに、サバイバルキット類と一緒に収納されている装備である。
「それよりさー? 玲は射撃訓練しなくていいの? というか、先任陸曹様は射撃点数は何点なの?」
同じく麗美が結果申告に戻ってきてそんな発言をしたので、思わず玲は「うっ」と呻いた。
急にしどろもどろになって目を左右に泳がせる。
紫煙
「私は…別にいいのよ。 教官役だから!」
「ふーん。 じゃあさ、玲が訓練した時は何点だったの?」
「何点でもいいでしょ…? というか何で点数に拘るのよ!」
「私も聞きたいな。 玲の射撃の腕前を。 なあ、何点だった?」
「何で真璃まで訊いて来るのよ!?」
しばらく、三人の間に沈黙の時間が流れる。 二人の視線が玲に注がれるが、玲は顔を露骨に横に向けて冷や汗を流している…。
怪しい。 何となく怪しい。 そう思った麗美と真璃は、じーっと玲に注目して口を割るのを待ったが、玲は沈黙を貫いていた。
ボソりと呟いてそれを破ったのは真璃だった。
「…まさか0点」
「そんなわけないでしょ! 18点は取ったんだから!」
ついと言うか、思わず口走ってしまいハッとする玲と「へーえ、18点なんだあ…」とニヤける二名。
そして今度は麗美・真璃がきゃーと叫んで玲に追い掛け回される場面を、他の戦闘班のメンバーが射撃の手を休めて「なんだろ?」と見つめていた。
(今回はここまで)
次回は整備班パートと私生活パート入れて3話目を終わり…にしたい
4話目で実戦いけるかなあ?
百合? 肩に触れたり手を握ったりおでこにキスしたりという清い関係の事かね?
>>682 投下乙です
ゆっくり読ませてもらいますね
687 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 14:54:00 ID:pRfWEqT9
688 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 15:03:53 ID:iIBi+qve
さて…
ROM専だったが書きたくなってきた
SSはおろかろくに文章も書いたことがないというのに
どうするかな…
>>687 つまり私はオルテガですか、そうですか。
>>682 ほほえましいなぁ。
相変わらず色々と濃くて惚れてしまいます。特に玲に。
>有理・真璃とかー有理・初李とかー
どっちにも有理がいる……(゚Д゚)ハッ!
つまり三角関係!
>つまり私達お荷物部隊のことまで気を回せる余裕は、いよいよなくなってきたって事
これで第4中隊の実戦投入のカウントダウンが始まりましたね……さて、どうなる事やら。
次回も楽しみに待ってます!
690 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 15:09:23 ID:pRfWEqT9
ついに実戦間近って感じですね
しかし本当に情報量が凄い
>>688 いらっしゃい
まぁ、ケツの力抜けよ
>>688 @ 一次創作を投下してみる。
A 二次創作を投下してみる。
B イラスト担当になる。
C 模型担当になる。←New!
D 雑談に参加する。
E や ら な い か。←New!
F 全部やる。←New!
等がありますがいかがいたしましょう?
一応アドバイスなんかはしますぜ! 初心者は大歓迎よ!
693 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 15:27:42 ID:pRfWEqT9
>>692 New!ってなんだNew!ってwww
つかアンタ全部やってるじゃねーかw
>>693 Σ(゚Д゚;)いや、ヤッてはいねーべ!?
たった今ネクソンクロガネ、デザイン完成しました
そしてデカ過ぎて写メれないw
スキャナーって偉大だね
>>695 ついにネクソンktkr!
>デカ過ぎて写メれないw
これは期待せざるを得ない
>>695 コンビニ行って縮小コピーという手は!?
最近のコンビニのコピー機って
パソコンで使える情報媒体に画像取り込んだりも出来なかったっけ?
最近のコピー機にはそんな機能が…!?
取り敢えず後で部分ごとに写メってうpしようかと思っとります
おお、格好良い!!
>>700 おお、目茶苦茶かっこいい!
見違えましたな。さらにマッシヴになった! ネクソンクロガネッ!
……やっぱりロボじゃあ敵いませんねw
マッハで保存しました
KAKKEEEEEEEえええ!!11
遅ればせながら
>>682 だんだん世界観がシビアな一面を見せてきましたねー。これから第4中隊を待ち受けるのはどんな苦難か……
それと百合はやはり正義だ……てか小隊内で認識されてるってのがwww良いのかwww
そろそろ実践……それと百合百合し恋愛模様がどうなるのか、楽しみですなぁ
>>700 す、すげぇ……・
マッシヴさと頭部のリアルロボットらしさが一体となって独特の……何言ってんだ俺
つか単純にカッコ良すぎです!やっぱ太い腕はロマンですよねー
こりゃリべジオンも期待せずにはいられない……
つか仮組みの文が全然浮かばん……おらに力を貸してくれー
>>705 力→カ→か→蝦
わかりました、お貸ししましょう!
>>701-
>>705 偉い時間が掛かったんで正直ビクビクだったんですが、ひとまずは好評なようで一安心w
後は作者さんと話し合いで詰めて行こうかと
次はリベジオンじゃぁぁぁ!
>>707 頑張れー負担にならない程度に期待してますw
俺も遅筆氏が書き上げるまでに書きたいなーw
>>707 リベジオンの次は三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムですね!
そして、その次は……?
>>707 いやぁ、あんさんのセンスは折り紙付きやでぇ
いやいや、最初見た時からカッコイイと思ってましたよw
そういやネクソンの作者さん大丈夫かな……最近来てないの
>>709 遅筆氏自身が新しく作品を作って
そのロボットを描くんでしょうね
今から楽しみです
来てないのってなんだorz
最近来てないので……の誤字です
>>712 一瞬、遊びで付き合ってる女に言われたら困る単語系のネタかと思いました
>>710 確かに姿を見ませんねー。
このスレになったら本気出すって言ってたけれど、一体今はどこに……。
てかこのスレの残量がもう風前の灯というw
あるえ、容量って今どんくらいですか?
あ、いえ、ここ最近の勢い的に考えて、って事でございます。
言葉が足りませんでした、すみませんm(_ _)m
394k、500kでオーバーなので約100kでございまする。
ちなみに、文字数だと5万字だがIDの部分とかもあるんでせいぜい4万5000字くらい
>>716 あぁ、こちらこそ早とちりしてごめんなさいorz
たしかに一カ月も経たずにもう700ですもんねw
>>717 教えて頂きありがとうございます。そうか100k……
今までの量からするに最終話は次スレかな
えぇい、誰も「ララァかよ!」的なツッコミをしないとは! やっぱアクシズ落として地球に贖罪するしかねぇ!
しかしいいロリだ……ジオン兵(中尉)でよかった。
>>722 >ヒロインは男の娘
新しいタイプのhentaiが来たぞーっ!
>>719 ぼかぁシオンよりもシエル先輩派かな
じゃなくてwwこう言う、戦争の裏にある民間人の存在ってのは良いですよね。リアリティがあって
0080とかそういう所を重点的に描いてて面白かったな
>>722 三作同時進行とか凄い漢だ……自分はL(ryでいっぱいいっぱいですww
どの作品もどんとこいですよ!
>>719 なにそのわたしの心のバイブル
MS ERA と初版のGUNDAM FIX は我が家の火砲・・・もとい家宝
花輪が弾帯で出来ているとか、子供が笑顔で自慢するのが空薬莢とか・・・泣けますよね
絶賛雑談中かと思ったら、もう一時間も前の雑談だったとは・・・
なんたるたるたる
多分皆マジンガーに夢中ですヨ。
薔薇ベラムさんこんばうあー(マテ
クソッ、マジンガーが放映されない田舎在住のわたしは何に夢中になればいいんダッ!
エネルガああああああゼェェェエエエエエエット!!!!11111
どうせだから聞いてみたかったり
皆さんってガンダムシリーズで何が好きですか?
自分はMSのセンスはZ、印象に残ったという意味では1話から最終話まで一緒に突っ走った00ですね
>>728 改めましてあおさんこんばんはー。
そうですね……MG Ex-Sとか!
>>729 戦闘のプロ乙。
毎回カオスすぐるw 俺もあんなの書きてぇぇ!
やっぱ家族って大事な要素だよな、ロボものには。
>>730 作品なら00が好き。MSならW。量産型もガンダムも好きだ。でも最近はユニコーンのMSたちに浮気中なんだぜ。
後は別ベクトルでリック・ディアスが好きだなぁ
>>730 外伝作品の類ですかね
世界を変えたり、戦争を止める鍵となったりする訳ではないが
それでも各地で命懸けで戦った兵士達がいた……的なノリが大好きなので
マーナガルムはそういう自分の趣味がモロに出た作品だから
多くの人を救う事はあっても、戦争終結には直接関わらない予定です
正直な所、兄ちゃんの影響もあってベストはファーストガンダム。これはそれ以外とは別次元ですわ
その正当な結末ってとこで逆襲のシャア
さらにガンダムの総てを肯定するというスタンスで∀が続く
ミリ好き嗜好で限定すると、センチネル。次点で0083
平成ガンダムだと実はWが一番好き。Vは後になって全話一気鑑賞したら凄く好きになった。けど二位
00は嫌いじゃない。むしろ好きな方。だけど惜しいってのが感想
ぶっちゃけガンダムはみんな好き。嫌いなガンダムはないってくらい。
たまにファースト原理主義とZ世代が争ってたりするけど、みんな仲良く幸せになろうよ〜って思う
そんなわたしだけど、種死だけはちょっとムリ
本放送中、けっこうマジギレしつつ、「わたしに脚本やらせろよ!」と思ってたり、なかったり、にんともかんとも
だから、瑞穂ちゃんの“原作版”ガンダムSEED DESTINYにはマジ泣きしかけた
>>730 ほとんど好きだから何と答えればいいか……。
話が丁寧かつよく動く00、MSの動きが気持ち悪い(褒め言葉)CCA、富野監督がやりたい事をやった∀、美しいF91に、定番のファースト、とにかく熱いG、初ガンダムのZとW、ジュドーのメンタリティに惚れたZZ、リーンホース特攻で涙したV、あと不遇だけどXも大好きですね!
マジでほとんどじゃないか……。
まとめると、アレとアレ以外は基本好きって事ですな!(ただしスパロボZ版はちょっと認める)
>>730 どれも好きですが作品としては∀が一番好きです
各作品、駄作といわれたりする作品だってなんだかんだでいい所はあるしなー
種・種死はギャグのつもりで見ればいい……
わけねーだろォォォォォォ!!
739 :
◆n41r8f8dTs :2009/08/16(日) 00:15:29 ID:VIpx2T29
皆さんの熱意が凄い伝わってくるww流石このスレ住人は格が違った
何だかんだで、自分もガンダムシリーズに好き嫌い(嫌いというか苦手はちょっとだけ)は無いですねー
まぁでも一番カッコイイと思うMSはナイチンゲールだと思う俺
>>728 ネット配信で見ればいいじゃない
>>735 平行宇宙の何処かには、監督、高山瑞穂。シリーズ構成、後藤リウ。の
普通に面白いロボットアニメ、ガンダムSEED DESTINYが在るに違いない……
むしろ創作発表板住人ならば・・・
己が正史と断ずるSEED DESTINYを作ればよい…よい…ヨイ…(エコー
>>740 冥王星にあるらしいですよ!
デュエルとかバスターとか、好きだったんだけどなァ……。
全ガンダムシリーズで一番好きなキャラは誰?
って質問でも、色々と意見が分かれそうではありますな
個人的に一番好きなキャラだと00Fのフォン・スパーク
当初の予定ではツクヨミもあげゃあげゃ笑うような男にしようと思ったが
ああいう傍若無人だが常に先を読んで行動するキャラを書く技量が無かったので
普通に技量が高いだけの無口系に纏まったという経緯がありますが
……00Fはマイナーですかね?
>>741 なら種から何とかしないと駄目だよ、姉さん!
4vs1とか無理ゲーなんで、デュエルとバスターを味方に(ry
>>743 自分はグラ公ですね。ああいう突き抜けた変態は大好きだw
一番好きなのはGガン。その次がイグルーかな。
3Dであるのも理由の一つだろうけど、イグルーはガンダムの中で最も戦争をしているというリアルさを感じる。ストーリーも最高だった。
ヨルムンガンド、ヒルドルブ、ヅダ、ゼーゴック、オッゴ。
歴史の表舞台に出る事は無かった数々の兵器。
最後まで信念を貫き通した男達。その砕け散った魂の欠片が心に突き刺さる。
「せめて、大砲屋の時代の幕引きは……俺に、やらせてくれや」
「……ヒルドルブ……俺は、まだ戦えるんだ……」
「この歴史の真実は、何人たりとも消せまい」
「ゼーゴックはいい機体だぜ。水中用モビルスーツのパワーは桁外れだからな」
「中尉。僕は……いえ、私は公国のお役に立ったのでしょうか」
最後の決戦においてビグ・ラングで戦うオリヴァー・マイ技術中尉の奮戦。
例え、ジオンの旗が永久に消え去ったとしても。
確かにイグルーはジオン魂が震える作品でした・・・
自分の一番はファーストで、それは不動なんだけど、
ぶっちゃけそれ以外の作品も順位とかつけんのムリポ
あれが好き、これも好き、で結局はみんな好き
になっちゃうからなぁ
好きな作品には順位なんて付けられませんよね。
ああ、この流れのせいで若さ故のあまやちを投下したくなってきた……
>>若さ故のあまやちを投下したくなってきた……
しろ〜 しろ〜
投下しろしろ〜
いいんですか! 若さ故のあまやちって種ですよ、種!
あんたが書いたなら俺、いいと思うよ
というか種系って
世界観設定や人物設定やMS設定だけなら普通に良作だから
そのまま使うんだったらよほど才能ない奴でない限りは
普通にまともな作品が出来るはずなんですよね
だがそれがいい
>>752 実際ゲームとか漫画は評判そこそこいいですもんね。本編が一番残念って…
>あんたが書いたなら俺、いいと思うよ
くそっ、しょうがねぇな(冒険王版)。
投下するのは種死の前フリとしてヤキン・ドゥーエ攻防戦を書いたものになります。
ある程度歪みは正してあると思いますが、なにぶんあの世界根本から歪んでるのでアレな部分が目立つと思いますがご容赦ください。
間違いなんかをチェックしてる間にオレガン設定でも投下して時間稼ぎ(原文ママ)。
■ウィザード、シルエットの規格を統一。
■デスティニーにコアブロックシステムを採用、汎用性の向上を図る(剛性の問題は無かった事に)。
■それによるバリエーションの増加。
脚部を強襲用大型ブースタに換装。
索敵用シルエット、索敵用頭部ユニット。
などなど。すごくセンチネルでアーマードコアでF90なデスティニーになる→バリエーションいっぱい出る&遊びの幅が広がる→小売りと消費者ウハウハ。
■強襲・殲滅用ユニット“メガロード(仮)”
コアブロックシステム搭載機用(出力の問題上実質的にデスティニー専用)強襲・殲滅ユニット。パイロットの情報処理能力が追い付かないため、複座機。
じゃあ今から間違い直してきます!
途中だけど勘弁な!
つまり、関連商品販促アニメだったという
あれ? もしかしてスポンサー様万々歳www
がんばってねぇん
け、けっこう長かった……。
支援は頼みますよ、隊長!
――――コズミック・イラ71年。
ニュートロンジャマーキャンセラーによって外されたタガ。
戦闘の内容は大量破壊兵器に対して大量破壊兵器で応戦するという、これまで人類が避けてきた選択肢を進んでいた。
滅亡へのカウントダウン
それは止めなければならない。
その為の力。
それを行使する事に、もはや躊躇いは無い。
ムウ・ラ・フラガの駆るモビルスーツ、ストライクは現在、最前線を戦っていた。
核ミサイルはミーティア二機とザフト部隊による弾幕形勢により、何とか第一波は直撃を食い止められたようだ。
よって、今は敵の頭数を減らす必要がある。二つの軍を敵に回すなどと、自分でも馬鹿馬鹿しい事だとは思っている。
だが、どちらの組織も、既に地球を正しく導く事はできそうにもない。
生存競争と言っても過言ではないだろう、この戦争は。
全く、本当に馬鹿馬鹿しい――――いや、虚しい。
怒りや憎しみ以外に、この戦場には何も無いのだ。本来あるべき、志すらも。
ムウにはそれがはっきりと感じられた。
不快な感覚――――討つべき男の存在も!
「邪気が来たな……ラウ・ル・クルーゼェッ!」
愛機の目が捕らえたその映像。それは――――
Gだと!?
灰色の、後光を背負ったような機体。
その顔は、ムウのストライクと同じツインアイを採用したタイプだ。
ビームライフルを灰色の機体に向ける。
発砲しようとしたその刹那、ムウは周囲に独特の雰囲気を感じた。所謂“殺気”というやつだ。
その殺気が、周囲から放出されている。
ムウはストライクのバーニアを蒸す。
刹那、周囲から一斉にビームが発射された。
全身のスラスターと四肢を起用に動かし、それらを全て回避する。
どういう事だ、これは。
灰色の機体――――クルーゼは目立った動きは見せていない。
だが、周囲にはあのモビルスーツ以外の反応は無い。
ミラージュコロイド搭載型の機体が潜んでいるのだろうか。いや、だとしたら、自分にはその存在を“感じる”事ができるはずだ。
つまり、これは!
「ガンバレル!」
直後に後ろに殺気を感じ、それを避ける。
「クルーゼ! これが望みか、貴様の!」
器用にビームの雨をかい潜りながら、ムウは叫ぶ。
連合にニュートロンジャマーキャンセラーの技術を流したのは、クルーゼだった。
何の為に――――それは、彼の放つ黒い波動が証明している。
「私のではない!」
勝ち誇ったような、ラウの叫び。
「これがヒトの夢! ヒトの望み! ヒトの業!」
「チィッ!」
一条のビームが、ストライクの肩部装甲、エールストライカーのウイングをかすめる。
圧倒されているのだ。機体の性能でも、経験でも。
それでもムウは、ストライクを駆り、灰色の機体を追う。
加速度と運動性なら負けてはいない。いや、むしろ勝っている。これを生かせば、活路は見出だせるはずだ。
背部のエールストライカーにある可動式のバーニアをフル活用し、他の機体には真似のできないマニューバで、次々とビームを回避してゆく。
しぇん
そして、ビームサーベルを引き抜き、ストライクがクルーゼに迫った。
クルーゼもシールドからビームサーベルを出力させ、それを受け止める。
「他者より強く、他者より先へ、他者より上へ! 競い、嫉み、憎んで、その身を喰い合う!」
「それは貴様の理屈だろうが!」
「既に遅いさ、ムウ! 私は結果だ! だから知る!」
刃を弾き、ストライクに蹴りを入れる。
「ぐうっ!」
「自ら育てた闇に喰われて、ヒトは滅ぶとな!」
――――それが、貴様が結果だと?
「ふざけるな、ラウ・ル・クルーゼ!」
遠隔攻撃端末が、ストライクを囲う。もはや退路は断たれた。
……いや、退路は断たれたかもしれない。だが!
「ヒトは――――地球は貴様一人でどうこうできるほどちっぽけじゃないんだよ!」
再びスラスターを全開にし、瞬時に姿勢を戻す。そして、後ろに展開していた攻撃端末を“撃ち抜いた”。そして開いた包囲の穴に機体を滑り込ませ、やり過ごす。
「やるな、ムウ・ラ・フラガ……!」
クルーゼがにやりと笑った。
「だが、もうエネルギーは残ってはいまい!」
「糞ッ……!」
ムウが小さく毒づく。
クルーゼが言った通り、ストライクのエネルギー残量があと僅かしか無いのだ。
バッテリー式のストライクは、それに伴って継戦能力が低い。フェイズシフト装甲やビーム兵器などの搭載も、それらを圧迫する要因となっている。
エネルギーが切れる前に、カタをつけるなり撒くなりしなければ、やられる……!
幸いこちらのほうが加速性能は上だ。だが、補給を受けに帰還しようとすれば奴をアークエンジェルに導く結果になってしまう。
いや、何を迷っているんだ、自分は。
モビルスーツに乗って戦っているのは自分一人ではないのだ。
仲間を信じないでどうする。
ムウは急いでアークエンジェルへ回線を開いた。
「こちらストライク! エネルギー残量がヤバい! 一旦帰還する……が、少々厄介な奴に狙われてる。何機か援護に回してほしい!」
CICの少女、ミリアリア・ハウの「了解!」という声を聞き、ムウは安堵した。だが、気を抜くわけにはいかない。後退しながらの戦闘というのは難しいのだ。
転進。デブリを盾にしつつ、アークエンジェルへと急ぐ。
アークエンジェルに、核攻撃を阻止したモビルスーツ部隊が帰還する。
「必要な機体は補給を! 私達はドミニオンを押さえるわ」
昔――――と言っても、数ヶ月前。それまで部下として苦難を共にした、ナタル・バジルール。そして彼女が駆る艦、このアークエンジェルの同型艦、ドミニオン。砲火を交える事に心を痛めつつも、あくまで毅然とした態度でマリュー・ラミアスは命じた。
「フリーダム、ジャスティス、ストライクルージュはアストレイ三個小隊とジェネシスへ! 他の機体は帰還してくるストライクを援護!」
幸い、ドミニオンからの砲撃は途絶えており、離脱は容易だった。恐らく向こうも似たような状況なのだろう。
「ストライク、帰還します!……後方より追撃する機影あり! 未確認の機種です!」
その時、モニターにムウの顔が映し出される。どうやら負傷は無いようだ。マリューはほっと胸を撫で下ろす。
「すまん、後は頼んだ。あの新型……オールレンジ攻撃をしてくる。気をつけろ」
「わかりました。整備班! 緊急着艦用ネット用意!」
「グゥレイト! デカいのが来たぜ! ……イザーク、お前はどうする?」
ディアッカがイザークに問う。
ディアッカはおそらく死亡扱いになっているであろうが、イザークは違う。今もれっきとしたザフトの軍人なのだ。自軍の機体に攻撃する事は反逆と見なされ、最悪処刑も有り得るだろう。
親友のディアッカとしてはそんな事にはなってほしくはない。だが、イザークは頭に血が昇るとなかなか止められないタイプなのだ。――――だからと言って好き勝手させていいわけではないが。
「俺は……」
イザークが何かを言おうとして、口ごもる。
「……いや、聞いた俺が馬鹿だったよ。すまねぇイザーク。お前はまだ、ザフトの軍人だもんな」
「ぐっ……」
現実を突き付けられ、イザークが怯む。
「大丈夫。俺一人でもいけるって!」
ガッツポーズをしてみせる。
「……わかった。だが……死んだら承知しないからな!」
「オーケーオーケー。イザークも、死ぬなよ?」
「当然だ!」
苛立たしげに発したイザークの声に、ディアッカは静かに笑みを浮かべた。
しぇん
離れてゆくデュエルを一目見て、から操縦桿を握り直す。
深呼吸。
「『どうせ俺はあの時死んでたんだ、命なんて有って無いようなもんだ』って思ってたが――――案外そうでもないみたいだな」
彼の乗機、バスターがその手に持つ二つの砲、350ミリガンランチャーと94ミリ高エネルギー収束火線ライフル。それらは連結し、巨大な砲、超高インパルス長射程狙撃ライフルへと姿を変えた。
その巨大な砲こそがバスター。破壊の象徴。
同時に肩部ミサイルランチャーの砲門を開く。
レーダーには、無数の光点。
その中にひとつ、高速で接近するものがあった。
識別信号はザフト。機種は不明だ。
――――見つけた。
マニュアルで照準を操作し、狙いをつける。
「……当たれよッ!!」
ディアッカが吠え、ライフルの砲口から凄まじい量のエネルギーが迸る。
一発、二発、三発!
何があっても、アークエンジェルへは行かせない。
彼女と、その掛け替えの無い友人達の為にも。
「グゥレイト! ここは通さないぜ!!」
バスター――――数奇な運命を辿り、所属を転々とした機体。それは彼の煮え切らない気持ちを現していたのかもしれない。
『何となく』その程度の気持ちで戦っていた彼を。
しかし、今は違うのだ。
敵が、味方がはっきりと見える。
やるべき事が確かにわかる。
今はただ、大切なもののために。
そのエゴで、トリガーを引こう。
そのエゴで、戦場を駆けよう。
今はただ、大切なもののために。
行こうバスター。
敵は今、そこにいる。
「奴を追ってここまで来たが……」
後光背負いしモビルスーツの中、仮面の下で悪魔が笑う。
アラート。
刹那、複数の光条が彼目掛けて殺到する。
男はスラスターを蒸し、難無くそれを回避した。
この大出力ビームと、感覚。
「バスター……ディアッカか」
ディアッカ・エルスマン――――かつての彼の部下だった青年。だが、その事について彼は特に何も感じてはいない。むしろ嘲笑すら浮かべている。ラウ・ル・クルーゼとはそういう男だった。
彼はあくまでもどこにでもいそうな青年――――それこそ、ハイスクールの片隅で友人達と猥談を交わしていてもおかしくないような。
確かに多少腕は立ったが、それ以上でも以下でもない。特に目を掛けてやる必要も無い、凡庸な青年。
『自分にとっては、ただの的でしかない』そう、思っていた。
次の瞬間までは。
「……直撃コースだと!?」
素早く左腕に装備されたシールドを構え、ビームを逸らす。
先程までのは牽制。今のが本命だったという事か。
「面白い……。いや、やるようになった!」
ならばこちらも本気を出そう。それが礼儀というものだろう?
心中でひとりごちる。
しぇんふー
同時に彼の乗機、プロヴィデンスの背部からいくつもの光が飛び立った。
ドラグーン・システム。
この機体に搭載されている武装の名称だ。
それは機体を離れてそれぞれが独立して動き回り、目標を攻撃する事ができるという、きわめて強力な兵器である。
かつてのムウ・ラ・フラガの愛機、メビウス・ゼロに搭載されていた『ガンバレル』の発展型と言って差し支え無いだろう。
ただし、ガンバレルが有線なのに対してドラグーンは無線。自由度には天と地の差がある。
ただし、これを扱うには優れた空間認識能力が必要だった。それを持っているのはクルーゼが知っている限りでは二名。ムウ・ラ・フラガとクルーゼ自身だ。
それゆえに、互いは互いを感じ合えたのだろう。
しかし、今は少し違う。
会敵を繰り返す内にその力は肥大し、感知できるものは今は互いだけではなくなっていた。既にこの能力は別のものに変貌しているのかもしれない。
空間認識――――少なくともその程度のものではない、確実に。
今はその能力にムラがあるが、完全に覚醒したのなら、彼は唯一無双の存在になるだろう。
――――が、まあいい。クルーゼは思考を彼方にいる元部下に移した――――今はそのような事を考えている時ではないのだから。
灰色の機体から何かが射出されると同時にコクピット内にアラートが鳴り響いた。オールレンジ攻撃が来る!
即座に超高インパルス狙撃ライフルを逆に構え直し、対装甲散弾砲へとシフトさせる。
間髪入れずに肩部ミサイルと散弾を同時発射。その反動を利用して姿勢を四五度変え、離脱。
宇宙では空気抵抗が無い……つまり発射された弾はほとんど初速を維持したまま飛んでいく。
発射された弾はその威力を維持したまま広範囲に拡散し、そして――――
ガツンッ!
それは前面に展開していた端末に命中。ある物はその衝撃で姿勢を崩して出鱈目な砲口にビームを放ち、またある物はその砲口に弾丸が侵入し、爆散する。
成功!
ディアッカは心の中でガッツポーズをした。
あの手の兵装には散々手を妬かされたのだ。対策を立てないわけが無い。
努力が実った事に、ディアッカは喜びを隠せない。ついつい顔が綻ぶ。
しかし機動は慎重に、かつ迅速に。
油断はならない。
敵は新型。もしかすると見た事の無い武器を積んでいるかもしれない。それは相手にとって大きなアドバンテージだ。
相手の出方を見るか、それとも……。
ぎり、と歯噛みする。
やっぱM1を何機か寄越してもらえばよかったか。いや、むしろイザークがいてくれれば……。
そこまで考えて、ディアッカは首を振る。
――――これは甘えだ。ついさっきイザークは巻き込まないと誓ったばかりではないか。
皆に迷惑をかけるわけにはいかない。
だが、ただ一言だけ叫びたい。
いや、もう叫んでしまおう。
「……早く来いよッ! オッサン!!」
SIEN
「曹長! チャージはまだ完了しないのか!?」
計器類と睨めっこをしているコジロー・マードック曹長にムウが怒鳴る。
「駄目ですよ少佐! 流石にまだ満足に動ける程にゃあ!」
「ストライカーパックの分だけでもいい!」
「だから駄目ですって!」
「坊主がアイツと戦ってんだ! ディアッカの坊主が!」
「落ち着いてくださいよ! 少佐が取り乱してどうするんですか!」
コジローの言葉を聞いてムウははっとし、うなだれた。
「……すまん、曹長」
「なに、いいってモンですよ。……それより少佐、ストライカーパックの話なんですけどね……」
ムウから目を逸らしてマードックが言う。
「エールストライカーに何か不具合でもあったのか!?」
もしそうだとしたらムウがラウと戦う事は叶わない。高機動型のエールでも辛いのだ。ランチャーやソードではあの弾幕を避け切る事はできないだろう。
「いえ……」
マードックの顔が笑みで歪んだ。いやらしい、そんな言葉がしっくりくるような笑みで。
「調整が終わったんですよ。……アラスカでドサマギに掻っ払ってきたアレの!」
降り注ぐ驟雨のような光の柱を、何とかして避ける。
戦況はバスターの圧倒的不利のまま進んでいた。このままではやがて撃墜されてしまう。
「ちぃっ! さっきより動く!」
攻撃端末の反応速度が、先程と比べて明らかに速くなっている。
「欝陶しい!」
散弾とミサイルで応戦するも、それらは避けられ、撃ち落とされて無力化した。
――――さっきまでは俺をおちょくってたって事かよ……!!
ぎり、と奥歯を噛み締める。
しかしここで熱くなってはいけない、それはディアッカも理解していた。
すぐさま超高インパルス狙撃ライフルにエネルギーの充填を開始する。
「イチバチだ、無理は承知で……!」
ヘルメットを投げ捨て、汗を拭う。喉が渇く、唇が乾く。
舌で唇を舐め、生唾を飲み込み、そして、
「チャージ完了、撃ち……落とす!!」
トリガーを引くと迸る、高威力のビームが吐き出される。
それはデブリを貫き灰色の機体に迫るも、すんでのところで躱される……が、
「照射ッ!」
機体を捻る。
無理を承知で吐き出され続けるビームは巨大な光の剣となって複数の攻撃端末を溶かし、消し飛ばす。同時に超高インパルス狙撃ライフルの砲身もその負荷に耐え切れず溶解し、小さな爆発と煙を上げた。
灰色の機体も左足を光の剣が掠め、膝から下が溶解している。だが、それだけだ。致命傷には至っていない。
「チッ、仕留め損なった!!」
即座に超高インパルス狙撃ライフルを分離。ビームライフルの砲身側――――94mm高エネルギー収束火線ライフルを腰部補助アーム基部ごと切り離す。
機体のAIが偏った重心を安定させるために予めいくつか用意しておいたOSのうち現在の状況にもっとも該当するものをオートで適用。
94mm高エネルギー収束火線ライフルを損失。
つまり当機はビーム兵器を失った、という事になる。それはPS装甲に対して有効な打撃を与えられなくなった、という事も意味していた。賭けに負けたのだ。
「あーあ、くそっ」
だが今ので敵も攻撃力を相当削がれたはずだ、無駄ではない。まずは一度誰かにバトンタッチをして体勢を――――そう思った時だった。
静かにこちらを狙っている一基の攻撃端末に気付いたのは。
「しまっ……」
一筋の閃光が、それを貫いた。
私怨
ペダルを踏み込む。
バーニアスラスターが機体を加速させる。
もっと速く。
もっと速く。
もっと速く。
急がなければ、あの蒼い星が死ぬ。
あの兵器を止めなければ、あの蒼い星が死ぬ。
父を止めなければ、あの蒼い星が死ぬ。
「父上……!」
コントロールスティックを握る力が無意識の内に強まった。
レーダーに光点。数は三つ、識別は――――
「連合!? まさか」
次の瞬間、ミーティアユニットのメインスラスターが融解した。
「見つけたぜ内臓色ォッ!!」
獲物を見つけた昂揚感からか、オルガ・サブナックが叫ぶ。
「なんだよ、今日は羽根付きいねーよかよ、つまんねー」
そしてつまらなさそうにフリーダムの不在をクロト・ブエルが指摘し、
「……いつもいつも、お前ェッ!」
シャニ・アンドラスが殺意を剥き出しにして咆哮した。
「チィ……ッ!」
焦燥に駆られ、舌を打つ。ミーティアユニットは破壊され、その上モビルスーツ三機に包囲されてしまった。容易に逃げる事はままならない。
こんな奴らに構ってる暇なんか!
「お前達! この状況がわかっていてやってるのか!」
叫ぶ。それと同時にデッドウェイトとなったミーティアユニットをパージ。サーベルを引き抜き、青緑色の機体――――オルガのカラミティに切り掛かった。
「鈍重な支援機から潰す!」
「そう簡単に殺られるかよ!」
昂揚した叫び声を上げてオルガが機体を後退させた。
「なっ……!」
予想以上の加速力にアスランが驚愕する。
「死ねやオラァァァァァァ!!」
カラミティの胸部に備えられた大口径ビーム砲、スキュラが放たれた。すんでのところでそれを回避。胸部表面装甲が僅かに赤熱し、溶けた金属が宇宙を舞う。
「奴ら……以前より強化されている!」
間髪入れずに、フォビドゥンから湾曲するビーム、フレスベルグが放たれる。
すかさず盾を構えるが、フレスベルグを防ぐと同時にレイダーに装備された鉄球、ミョルニルがそれを吹き飛ばす。
「こうまで一方的に……ッ!」
Gに歯を食いしばって耐えながら呻く。実際防御すらままならない状況に追いやられているのだ。いや、むしろ……、
「遊ばれている――――!」
支援
「糞ッ! 糞ッ! 糞ォッ!」
男の悪態とコンソールを殴る音がブリッジに虚しく響く。今、アークエンジェル級二番艦“ドミニオン”内部は、まるで死んだように静まり返っていた。
それもそうだ。肝心の核攻撃は失敗し、ジェネシスにより艦隊はほぼ壊滅。月からの援軍もジェネシスによってその大半を消し飛ばされ、さらに月基地まで消滅させられたのだ。
まごうことなき完全敗北。もはや反撃の術は残ってはいない。兵士の士気と戦意はどん底まで叩き落とされた。もはや銃を手に取る者など殆どいない。
それでも彼は喚き続けた。
「ピースメイカー隊を……残りの戦力全部かき集めて、核攻撃隊を再編成しろ! あの忌ま忌ましい砂時計、一基残らず叩き落とすんだよ! 一基残らず!」
――――反コーディネイター組織“ブルーコスモス”盟主、ムルタ・アズラエルは。
「しかし! それでは地球に対する脅威の排除には」
「うるさいな! アンタは黙って僕の指示に従ってればいいんだよ! 早く全体に指示を伝えろ!」
艦長のナタル・バジルールが抗議するが、全く聞き入れようともしない。
彼は、錯乱している――――!
「落ち着いてくださいアズラエル理事。トップのあなたが取り乱していては士気が乱れます」
「落ち着け、だって? この状況で取り乱さないほうがどうかしてる! アンタも見たらわかるだろう!? この状況が!」
「だからこそ、です。あなたがそうだから――――」
その瞬間、ナタルの足元で何かが弾けた。
撃ったのだ、アズラエルが。
「今何て言おうとした! 僕にそんな口を利こうだなんて、ふざけるのも大概にしろよ!」
そう叫んで、拳銃をナタルに突き付ける。
何を考えているのだ。ブリッジ内部で発砲するなんて。
意外にも冷静な自分に驚きつつも、声を低くしてナタルが言う。
「乗っ取ろう、とでもいうのですか、この艦を」
「乗っ取るも何も、最初からこの艦も艦隊も僕の」
刹那、アズラエルの鳩尾にナタルの右拳がめり込んだ。その拍子にアズラエルの手から拳銃が離れる。
「がッ!? な……な、に、を……」
「思い上がるのも大概にしろ、ムルタ・アズラエル!」
宙に浮いた拳銃を掴み、ナタルが声を荒げた。
「この艦があなたのものだと? この艦隊があなたのものだと?」
襟首を掴み、持ち上げる。
「そう言うのなら、喚くな! 守ってみせろ!」
右頬に一発、ビンタを喰らわせ、そして椅子に叩き付ける。
「……それができないのなら、あなたは艦橋に居座る資格は無い!」
艦長席に戻り、なおも気丈に言い放つ。
「まずは全体部隊を呼び戻し、ポイント2357に集結。体勢を立て直す。各艦にもそう指示を。信号弾、てぇっ!」
三つの光が放たれ、弾ける。
果たしてどれだけ集まるか――――ジェネシス発射に伴う惨状を思い出し、ナタルは小さく溜息をついた。
「艦長、その……。ムルタ・アズラエルはどうします?」
CICに座っていた男性兵士が尋ねた。しばし黙考し、ナタルはこう答える。
「……ここに括り付けておけ」
しえん
支援
サルった?
どうもそのヨーダ
まぁ、NHKでやってる朝四時までぶっとおし怪談百物語を見ながら待ってる
とはいえ、疲れてきたようなら寝たほうがいいと思うのよ〜
いいや、待つねッ!
なんかムウとラウが輝いてて気になるし、ある意味注目すべきキラもまだ出てないしな!
そうだねぇ
明日は日曜日だし、ゆうっくり待とうかねぇ
寝ちゃったか、ストック切れか・・・
今回は終了かしらん?
さるさん喰らいましたorz
よし、書き込めたぞ。さて続きを……と言いたいところですが、キリのいいとこがここなので、若さ故のあまやち、ここまでとなります。本当にお目汚し失礼いたしました。
改めて読み返すと目茶苦茶やってますね、自分。ま、いっか!
>>756 >つまり、関連商品販促アニメだったという
ぶっちゃけガンダムってプラモ販促アニメですからねw
おちゅかれさまー
じゃあ、おやすみなさいかな?
わたしは百物語を四時まで見てから寝ますw
生きていたか……ってこれで終わりかい!
大丈夫!
きっと明日あたりには最後まで書き終えてくれるはず!
だよね? ん?
>>783 いえ、ちょっとパラベラムを書いてから寝ようと思います。早くしないとこのスレが終わっちゃいますからw
それに本編一段落させて他作品とのクロスオーバーもやりたいですし……。
>>784 すみません、だが私は謝らない。
>>778 >ムウとラウが輝いてて気になる
だって後々の種死の展開を考えると主人公よりも主人公できる逸材ですものー。
>ある意味注目すべきキラもまだ出てない
はっはっは。正直キラは自分では書けそうにありません、色んな意味で。
>>785 そ、そんな目で私を見ないで!
ウーム、なら書いてみようかなー。
がんばれ
草葉の陰から応援しているゾ!
>>786 謝ってるじゃねーか!
>後々の種死の展開を考えると主人公よりも主人公できる逸材
ああ、ムネオ化ね
>正直キラは自分では書けそうにありません、色んな意味で
適当に戦うのは止めろって言わせつつフルバ連発させりゃ(ry
昨日に限って携帯の調子悪くてアクセスできないってどんな嫌がらせですか神様
>リベジオンの次は三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムですね!
パパ頑張っちゃうぞ〜!
>いやぁ、あんさんのセンスは折り紙付きやでぇ
ありがてぇ、ありがてぇ
>遅筆氏自身が新しく作品を作って
!?…何故バレたし
自分はデザイン的にMSではエールストライクが好きです
あのデザインは何気に凄い秀逸ですよね
>>790 エールいいですよねー、あの可動式のスラスターとか特にツボですw
アニメでもっとよく動いてれば……。
>>790 >遅筆氏自身が新しく作品を作って
>!?…何故バレたし
って、
Σ(゚Д゚;)なーんだって――――!!
>>792 まぁ、あくまで構想段階なのですぐに描くという事はないと思います
つか、かなり先になるかとww
そしていつぞや言った事を全撤回して自分の趣味ガンガンでリベジオン製作中ですw
鎧みたいな外見なら趣味ぶち込んでも大丈夫かな〜っ と思いまして
ネクソンとは全く別路線を暴走中です
種終盤から再構成か……
よろしい、ならばZENRA待機だ!
あー、結局完成させずに寝てしまったー。
かなり前に書いたものなので、書き方を忘れちまってて大変ですw
796 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 11:36:32 ID:0UYP4kF7
>>793 >自分の趣味ガンガンでリベジオン製作中
俺好みのデザインになりそうな予感
>>795 無理はすんなよー。
よーし仮組み出来た―
って、パラべラムさんの種死終盤改変だと!煤i゜Д゜)
こりゃ期待せざる負えないですな……・
あ、後次が最終回です。一応
ミスター、種死じゃないですよー。種ですよー。
忘れてた部分を思い出すために種見てるせいでSAN値が! SAN値が!
>>797 >次が最終回です
マッハで駆け抜けたなあ、もう最終回か……
てかIDがVIPwww
>>798 種死まで見れば、君は悟りを開く事ができる!
>>798 あぁ、種でしたか。こりゃ申し訳ないorz
昨日話を振った身の上、俺も何かガンダム系で書きたいー
あーでもタウエルンが……
>>799 自分自身ペースが異様に進んでましたw何か一回話を書くと次を書きたくなると言うかw
けど終止符を打たねば次に進めないですから……辛いっすけどね
てか俺のIDwwwうはwwおkww
そういや新シャア板だかに、種死後の世界を頑張って作ってる作品があったような。
最終決戦でルナマリア死んで、地上のレジスタンス組織でラクス一派の世界支配に立ち向かうシン、みたいなの
>>799 >もう最終回か……
ですよね。ほんとにあっという間だった……。やっぱり赤くて角付(ry
>てかIDがVIPwww
本当だwww
>種死まで見れば、君は悟りを開く事ができる!
悟る前に狂って死ぬと思います!
>>800 ニコニコのアカウントを取得していない私は隙だらけだった……
>>801 >俺も何かガンダム系で書きたいー
気になる気になる。
>>802 『機動戦士GUNDAM SEED-Revival』ですね!
個人的には『もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら』が好きですw
>>804 まぁ余裕が出来たらその内
他作品と並行とか器用な事出来ないっすからね……自分
>>895 前に見た事あったり。書いた事はないですが
>>806 うーん、どの年代もそれなりに書けそうだったり
つか今までの反動からMS飛ばしまくり格闘させまくりたかったりw
>>805 名前は知ってたけど見た事は無かったです。
>>807 きれいなキラですね、わかります。
>>808 >今までの反動からMS飛ばしまくり格闘させまくりたかったり
そういえばタウは射撃主体でしたねー。
自分はそろそろ武器を使ってNXのOPばりに暴れさせたい……。
よし、格闘がしたいならGガンが(ry
個人的に00は二次創作書きにくいような気がします。
>>809 いや、00は自分は書きやすそうな気がしたりwあくまで気ですがw
ダリル・ハワード以外のフラッグファイター部隊の活躍とか、最終決戦でガが及びイノベイターと戦うカタロンを書きたかったり
あれ……何か地味だ……
お台場ガンダム見てきたけど質問ある?
>>809 設定的に太陽炉の数が限られてますからな
外伝作品の00FもOガンダム用の太陽炉を使い回してガンダム動かしてて
00の2期の話に繋がる最終回で、太陽炉を全てトレミー組に受け渡すって流れになったし
まあ、あの世界だと「センサー系を頭部に一番効率良く配置するとガンダム顔になる」って設定で
ジンクスやアヘッド、ガ系MSはガンダムっぽい顔の上に装甲付けて別モンにしてるだけらしいので
擬似太陽炉搭載して、頭部を偽装せず剥き出しにした「自称ガンダム」的なMSがいても
さほど問題はない気もしますが
813 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 16:08:13 ID:oCAf6v6q
>>810 >あれ……何か地味だ……
ある意味作品の空気と同じですね……一期序盤の、ですが。
一期二話のアンフvs鉄人は最高だと思います!
>ダリル・ハワード以外のフラッグファイター部隊の活躍
アラスカ・ノ・ジョシュアが主人公とな!?
何故か名前が消えてるけど、
>>813は私よ!
>>812 擬似太陽炉も100くらいしか無いんですよね。
さて、00の二次創作といえば太陽光発電紛争!
AEUの新兵器アグリッサに立ち向かうアンフ。苦戦するアンフ部隊に駆け付ける頂武鉄人部隊!
俺何書いてんだろ、って思う事間違い無し!
>>812 >擬似太陽炉搭載して、頭部を偽装せず剥き出しにした「自称ガンダム」的なMSがいても さほど問題はない
アヘッドが何故ガンダム顔の上に装甲くっつけたか思い出すんだ!
>>815 や、ガンダムはあの世界じゃ嫌われ者ってのは分かってるけど
反政府勢力に刹那みたいな宗教的ガノタみたいなのがいて
強奪したジンクスやアヘッドを無理矢理ガンダムっぽく改造して使う奴がいても
ギリギリセーフかな〜と
しかしそうなると擬似太陽炉搭載MSをどうやって入手するかが問題ですね!
カタロンの保有する戦力だと撃墜も強奪も難しいですし、運用には専用の設備が必要ですし……。
>運用には専用の設備が必要
そこなんだよな。カタロンに疑似太陽炉搭載MSを使わせないための設定が徹底しちゃってる
そこで騎士ダブルオーですヨ。
これなら問題あるめぇ!
ヒント:連邦側にヴェーダがある限り無理
>>821 じゃ、じゃあエイフマン教授級の天才がいて、奇跡的に入手出来た擬似太陽炉搭載MSを元に
独自の整備システム開発するなり、擬似擬似太陽炉を造るなりやって……
実際に00二次創作を書く訳じゃないし深く考えるだけ無意味か
アロウズ内部の人間が、体制に疑問を抱いてガンダムアヘッドを作るも結局フルボッコにされるまでの7日間、とか
いっその事ガンダムじゃなくてもいいじゃない! って事で鉄人を(ry
不遇なイナクトを活躍させてあげてください
初披露の時にバラバラにされたおかげで安売りされてるから調達は容易だぞ!
フラッグより性能高いし
おれはスペシャルで! 模擬戦で! 二千回なんだよぉー!
PCメモリを増設した私にもはや隙は無い!!(何の!)
00の戦闘演出好きだったなー
キュリオスの鋏ギミックとかたまらない
気持ち引き気味の視点がたまらんですたい>00の戦闘演出。
急に書き込みがなくなる所は今も変わらないな
(……この流れで7話を投下して良いか分からない。いや、まだ出来てないけど)
7話じゃない、8話だよorz
望むところだと言わせてもらおう!
>>755 >>なにぶんあの世界根本から歪んでるのでアレな部分が目立つと思いますがご容赦ください。
素材は良かったのに、組み立てた人間が竜骨を枉げちまった上に、それに合わせて構造材をくっつけて行ったモンだから……
出来上がった船は……
>>などなど。すごくセンチネルでアーマードコアでF90なデスティニーになる
何故そこでGユニットの名前が出ないのだ!?
>>834 >出来上がった船は……
盛大に沈みましたね。てか現在進行系で沈んでますね。
ヴァーサスアストレイって、何さ……。
>何故そこでGユニットの名前が出ないのだ!?
さっぱり忘れていたのだよワトソン君。
なにやらガンダム談義で盛り上がっているねホームズ
出来ますた。何というか自分でも何でこんな急展開にしたのか……・
あとちょっち注意点
・タカダの秘書はタケハラと言う名前です。ちょっと表現が分かりにくいです、ごめんなさい
・作中に出てくる自動人形と言うのは、単純にロボットの事です。
自分の前作である作品の設定ですがちょっと関連性を持たせてみましたってわかりにくいですね、ごめんなさい・・・・・
と言う事を念頭に置いてどうぞ―
愛車のデジタル時計を見ると、朝5時55分を指していた。家に着くのはおおよそ6時くらいだな。
平日だった為だろう、帰りの高速道路が混んでないのが良かった。割とスムーズに家まで帰れたな。それにしても交通料が半端無かったが、良い旅行だった。
高速道路+クルーザーで5時間ほど掛かったが、充分元は取れる旅行だったさ。ただ一つ、もったいない事がある。
カメラを持ってきたのに、海はおろかティマの姿さえ撮っていない事だ。その事だけが心残りだ。まぁ、ティマの美しさをしっかり目に焼き付けたから悪くない。
それにしても……空を見上げると、少し雲が曇ってる。何だか不安になる天気だな……。晴れてくれればいいが
<LOST GORL ep.8>
高層ビルが立ち並ぶ大都会の一角――――ある最高級マンションの一室に、二人の男が居た。
一人はパノラマ上の窓ガラスから、立ち並ぶビル群を眺める白スーツの男――――タカダ・コウイチロウ。
そしてもう一人は、ブランド物の黒いスーツを着た、若干巻き毛で金髪、二重で黄金色の目の男だ。
男は悠然とソファーに座り、透明なテーブルの上に置かれた二つのグラスの内、一つにワインを注ぐ。そしてグラスを持ち、香りを嗅ぐと一気に飲み干した。
「朝からワインというのも、悪くないですね。貴方もいかがです? ミスター・タカダ」
タカダは男に振り返ると、テーブルの方へと歩みながら、嘲笑的に言った。
「本当に人を食った様な男だな、君は」
タカダは男からワインを受け取り、もう一つのグラスにワインを注ぐ。男は再びグラスにワインを入れ、高く掲げると、良く通る声で乾杯した。
「自動人形の輝かしき未来に、乾杯」
二人は少々ワインを嗜む。と、男がグラスをテーブルに置き、タカダに話しかける。
「それで……例の彼と物はどうなっていますか?」
グラスを持ちながら、視線を窓に向けたタカダは男の質問に返答する。
「モリベなら今から処理する。メモリーチップの方はタケハラが対処してる最中だ」
ワインを一口飲み、グラスを回しながら、男がふふっと笑ってタカダに言った。
「確か……メモリーチップは今、ティマとかいうアンドロイドの中にあるらしいですね。まぁ、メモリーチップさえ手に入ればどうでもいいのですが」
タカダもワインを一口飲むと、淡々とした口調で言った。
「私も君と同じく、メモリーチップがあれば構わない。まぁ、せっかくだから、ティマを愛玩用のアンドロイドとして売る程度の事は考えているがな」
「趣味の悪い人だ。貴方は」
「君に言われるとはな。戦争を商売とする君に」
タカダと男は互いに笑いあった。そこにはどこか、おぞましい物が感じ取れる。
「それにしてもどんな風の吹き回しですか? 貴方が一番嫌がっていた軍と提携を組もうだなんて」
男が何気なくそう聞くと、タカダはグラスの中のワインを飲み干し、男に振り返った。
「何、遅かれ早かれ我々は手を組む事にはなるのでね。それならば早い方が好都合だろ?」
男は二回目のワインを飲みきると、口元をニヤリと歪ませた。そして何処か小馬鹿にしたような口調で言う。
「流石大企業の社長となると考え方が違いますなぁ。頭の固い老害達とは、根本的に中身が違う」
男の口調にどこか引っかかりを感じたものの、タカダは続けて二言目を発する。
「それでだ。君の所で開発している、新型の自動人形……名前は何といったかな?」
タカダの質問に、男の目の色が変わった。先程の享楽的な目から一転、冷酷で冷たい色に。
「困りますねぇ。ちゃんと覚えておいてくれないと……。
――――アルタイルですよ。恐らく、完成した暁には、貴方が今開発してる大型自動人形を凌駕しますよ。遥かにね」
タカダと男の目線が重なり合う。だが、タカダは男の目に一瞬たじろいだ。それほど、今の男の目には何かが宿っている。
と、ふふっと男は笑った。そして三度ワインをグラスに注ぎ、口を付けるとニコッと笑った。
「嘘嘘、冗談ですよ。さて……そろそろミスター・モリベがが来る時間じゃないですか?」
男がそう言うと、タカダはグラスをテーブルに置き、ズボンのポケットから無機質なキューブ状の物体を取り出した。
「是非ともミスター・モリベを引きこんでくださいね。メモリーチップの開発者である彼に、聞きたい事が山ほどありますから」
「心配するな。どちらも手に入れる。奴も、ティマもな」
朝方だからだろう、帰りの高速道路では殆どとは言わないものの、あまり車が走っていなかった。せいぜい煌びやかなデコトラくらいだ。
愛車を玄関前に止め、ドアを開ける。早く家に入って、ティマを充電しなければならない。と、その前に。
「それじゃあティマ、ちょっと家開けてくるから待っててくれ」
持ってきた本を読んでいたティマは、私の言葉に頷いた。すまんな、すぐに開けるから。
……ふと、周囲が妙に気になる。何故だか、私の玄関前近くにパトカーが二台も停車しているのだ。
しかも中に人がいる。……風貌からして刑事だろうか。しかし何で車の中に居るんだ?
それにその人達が、私の事をじっと見ている気がする。考えすぎ……考え過ぎだろう。多分。私はカードキーを通した。
「認識できません。もう一度お確かめ下さい」
……は? 何で? 確かカードキーの愛称番号が違っていたり、認識できなくなるほど折れたり汚れたりしたら、アナウンスが流れるが……。
私はここ最近、いや寧ろ何年もカードキーを変えた覚えも無いし、ましてや乱暴に扱った覚えも無い。というか無くした事さえ無い。
周囲に目を移すと、パトカーから刑事さん達がドアを開けて、私の自宅へと歩いて来る。何でだ?
――――ふっと、モリベの言葉が、私の頭をよぎった。遅かれ早かれ、アールスティック社は貴方を追いつめようと躍起になる。という言葉が。
まさか……そんな警察がアールスティック社の手下になるなんて……。それに私は警察の厄介になる様な事は……。
……結構思い浮かぶのだが、しかしそれならそうと私の元に連絡が来るはずだ。手の甲に、汗が滲んでいた。
……私は踵を返し、愛車に乗り込む為に――――走り出した。すると同時に刑事達が自宅から、私の方に向かって走ってくる。
嘘だろ、本気で警察は私を……? だが迷っている時間は無さそうだ。私は回り込んで、運転席のドアを開け、乗り込む。
私の行動に、本を読んでいたマキが目を丸くした。
「マキ……?」
「ティマ、悪いが話は後だ! ……頼む、ちょっとスリープモードにしてくれ」
私の推測が正しければ、恐らく刑事達の目的は―――――この子だ。ならばするべき事は決まってる。
「ティマ!」
「う、うん」
ティマは私の言葉に驚きながらも、シートを倒して目を瞑った。今からスリープモードで蓄えた分と、昨日の分で今日1日程度は持つ……筈だ。
「手動モードに切り替え。操作方法はマニュアル」
ルームミラーに目を移すと、刑事達がパトカーに乗り込んでいるのが見える。私はアクセルを全力で踏み込み、愛車を走らせた。
刑事達が追いかけてくるのはそう時間が掛からないだろう。なら……逃げるんだ。何処か、刑事達から隠れられる場所に。
アールスティック社の本社……まだ社員達が出勤していない早朝。会議室のドアの前でその男―――――モリベは、タカダに取りつけた時間が来るのを待つ。
モリベが会議室の前で待っている訳―――――それは、タカダと直接話し合うためだ。
先日、マキとの話し合いの後に、タカダが手配したエージェントによって突き止められたモリベは、アールスティック社にある要望を叩きつけた。
それは、タカダと1対1での話し合い。無論タカダの秘書である竹原は、それを突っぱねようとしたが―――――。
意外な事に、タカダ本人がその要望を飲んだのだ。そして今日、モリベはアールスティック本社に出向き、指定場所である会議室にやって来た。
……時間だ。静かにドアに手を掛け、モリベは会議室に入った。モリベの目に映ったのは、ポケットに手を突っ込み、不敵に笑うタカダだ。
と、モリベの目にはもう一つ、デスクの上でプロジェクターの様に映像を放出するキューブ状の物体が見えた。物体が映し出している映像は……タカダだ。
(……ホログラムか。何処までも人を馬鹿にした男だ……)
「やぁ、お元気そうでなによりです。モリベさん」
タカダはそう言ってにっこりと笑った。モリベはじっとタカダを睨みつける。
「有給を取るのなら早めに言ってほしかったです。何がご不満でもあるのならなんなりと」
笑顔を浮かべたまま、浮ついた口調でそう聞くタカダに、モリベは静かに声を発した。
「……最初から」
「ん?」
「私を引き入れたのは、最初から軍事利用のためだったのですか?」
タカダはモリベを数秒見つめると、明らかに大げさな溜息をついて、言った。
「貴方は何のために技術者に? あのようなお人形を作る為にですか?」
モリベの額に青筋が走る。自然にモリベは拳を強く握っていた。だがモリベはそれでも、感情を抑え込み冷静な口調で返す。
「……下らん挑発なら止めてもらいたい。社長……貴方は、軍事目的の為に私にメモリーチップを開発させたかったのですか?」
「モリベさん、技術者と科学者の存在意義は何か、分かりますか?」
モリベの言葉を無視して、タカダが自らの言葉を続けて語る。モリベはきっと再びタカダを睨みつけた。
「国への貢献ですよ。個々の願望はありますが、それらは全て、国に還元される。国の血となり骨となる」
「……何が言いたい」
「何にせよ、貴方の研究は国の為なのです。その研究が軍事方面か、経済方面か、ただそれだけの違いです。
さて、ここから本題ですが……貴方は何故、自分の研究が軍事方面に流れるのを拒絶するのですか?」
「私は……」
モリベが強く拳を握った。そして一字一句、しっかりとタカダを見据えながら話す。
「私は、自らの研究が兵器開発……いや、軍事方面に利用される事に嫌悪感を抱いている。しかし社長、貴方はその事を何も伝えてくれなかった」
「何故……何故最初から軍事目的と言わなかった?」
「言ったら納得したのですか? 貴方は」
タカダの笑みが消え、モリベを冷静かつ冷酷な目で見据える。いや、見下す。
「恐らく貴方は拒絶するでしょう。技術者として腕はともかく、貴方は人間としてとてもとても未熟だ。未熟すぎる」
「良いですか? 技術者が生みだした技術は、開発者が生み出した発明は、総じて国の所有物なのです。国を成す重要なね。
そして、国に認められているお陰でモリベさん。……いや、貴方の様な職種の人間は、思う通りに研究や実験を行う事が出来る。国のお陰でね」
「……だから?」
「分かりませんか? 私が言わんとしている事が。国を企業に置き換えてください」
「……私に企業に戻り、貢献しろと?」
「あえて言っておきますが、貴方に選択の余地はありませんよ。貴方自身がその選択を潰したのですから」
タカダは高圧的な目でモリベを見下した。その目には、弱者を憐れみ、そして嘲笑う強者の驕りが滲んでいる。
「貴方も良い大人でしょう。いい加減、現実を理解する努力をするべきでは?」
モリベはタカダの言葉をじっと聞いていたが、数分の沈黙後、ゆっくりとタカダに視線を合わせ、言った。
「……一つ聞こう。アンタが思う、ロボットの定義とは何だ?」
モリベの質問に、タカダはキョトンとすると、口元を歪ませ、言った。
「道具ですよ。人間が創り出した、生活水準を底上げする便利な道具です。それ以上に何の意味がありますか?」
「道具……だと?」
「ええ。ロボットは人間が生みだした便利な道具です。消費し、利用する。人間の為に。……まさかモリベさん、貴方はロボットを一つの存在と認めているのですか?」
モリベは無言のままだ。タカダが掌で天を仰ぐと、はははと笑いだした。
「驚いたな。あの日から貴方は本当に何も変わっていないんですね。未熟は言いなおします。貴方はただのアダルトチルドレンだ。現実を認識できない。
良いでしょうか? ロボットはロボットなのですよ。工業製品です。製品はただの製品であり、掃いて捨てる消耗品です。そこを何時になったら理解するのですか?」
「……私は」
モリベがタカダから視線を逸らさずに、しっかりとした口調で言う。
「私はロボットを製品としては見ない。人間のパートナー……共に未来を歩む同士だと思っている」
「……いい加減にしてもらえませんか? 決断してください。我が社に戻るか、職務を失うか」
タカダは僅かに怒気を込めた台詞でモリベに言う。しかしモリベに恐れる様子はない。逆に堂々とした口調で話し続ける。
「私は恐れた……。ティマの事を。ティマが……ロボットの域を超えていた事に対して」
「モリベさん、人の話を……」
「だが、マキ君とティマを見て分かった。その恐れは必要の無い危惧だった事に」
モリベはそう言いながら、何かを取り出した。それは先端が非常に尖った鉛筆だ。
タカダが怪訝な目でそれを見て、呆れた様な口調で言う。
「何の冗談ですか……? 我が社の悪行でも暴くと言う比喩ですか?」
「私は……マキ君に……いや、未来に託す。人とアンドロイド……いや、人とロボットが主従関係ではなく、互いに理解し合い、共存できる……そんな希望を」
モリベはそう言って静かに目を閉じ――――鉛筆を自らの首目掛けて突き刺した。全力で刺されたそれは、簡単にモリベの首を貫通した。
異常な痛みの中でも、モリベの意識はまだ閉じない。しかし視界は次第に薄暗くなっていく。モリベは両膝を突き、やがてうつぶせに倒れた。
完全に視界が閉じる。しかしモリベは、意識の中で思う。
すまない、ティマ……。マキ君と共に……生きて……。
愛車を猛スピードで飛ばしながら、私はどうするべきかを考える。いや、どうするべきかと言っても正直何も浮かばない。
とにかくどこか、私達が隠れられるような場所を考えようとするが、何処に止まっても刑事達が来る事が安易に予想がつくからだ。
それにだ。今日一日逃げられたとしても……。私は手元のデータフォンを見た。帰る時は正常に動いていたが、今はうんともすんとも言わない。
家の鍵ならともかく、生活の必需品であるデータフォンまで掌握されては、もはや為す術が無い……。
何処に逃げるかを考えている間、気付けば私は、旅行から帰って来る時の高速道路を疾走していた。
まだ朝方な為だろう、帰って来る時と同じく、車はそれほど通っていない。ただ、対向車のドライバーが、パトカーに追われている私に対して怪訝な表情を浮かべるが。
それにしても、この異常事態が全てアールスティック社の仕業だとすれば、私は本当にとんでもない連中を敵に回したと言える。警察を手篭めにしているはな……
平凡な生活から脱したいとはつくづく思っていたが、こんなハードな体験は全く望んでいないんだが……。
「マキ……」
スリープモードから起きたティマが、心配する様な目で私を見ている。私はティマを不安にさせないように笑顔を作って、頭を撫でる。
「大丈夫だ、ティマ。君は私が守る。何があってもな」
そう言って、私はティマの手を握った。……ティマの小さな手は不安の為か小刻みに震えていた。すまない、ティマ……。
しかしどれだけ逃げればいいのだろう。今から夏風島に戻るか? ……馬鹿、止まった瞬間にジ・エンドだ。
どこか適当な場所で車を乗り捨てて隠れるか。しかしそれも何時まで持つか分からない。なによりティマが持つか分からない。
何にせよ逃げ道は残されてないのか……私の足が自然にアクセルを更に踏み込む。
……普段は神の存在など信じていないが、今回ばかりは信じたくなる。神よ、もしも本当に居るのなら、我らを救い給え……。
支援
「ホログラム解除」
タカダがベッドの上に置かれたキューブにそう言うと、タカダを赤く照らしていたキューブの光が、静かに消えていく。
同時にタカダは頭に被っていたヘッドギアを取り外す。キューブをポケットに戻し、ヘッドギアをベッドに放り投げるとタカダは男の居る居間に戻った。
「どうでした? ミスター・モリベは何て返事を」
「死んだ。喉に鉛筆を突き刺してな。馬鹿な男だよ」
タカダの返事に男はポカンと口を開けると、数分後、苦笑し始めた。
「非常に残念ですな。彼の存在は非常に有益だと思っていたのに……」
「だが問題無いんだろ? あくまでアドバイザーとして必要だっただけで」
タカダがそう言うと、男は鼻で笑って、両腕を頭の後ろに回し、息を吐いた。そしてゆったりとした口調で話す。
「まぁ、ミスター・モリベの事は残念でしたと言う事で。では、あっちはどうなんですか?」
「今から連絡を掛ける」
タカダがそう言って、胸ポケットからデータフォンを取り出してボタンを押した。
「俺だ。カタは付いたか? ……おい、ふざけてるのか? 未だに捕まらないとかどういう事だ?」
タカダが秘書と話す様子を、男はニヤニヤと眺めている。
タカダはしばらく秘書の話を聞くと、舌打ちをして、秘書に何時ものドスの利いた低い声で言った。
「何処を逃げているかを教えろ。場所によってはアレを使え。許可は取ってある」
一体どれくらい逃げてるんだろう……気づけば私は来た事も、ましてや見た事も無い場所へと愛車を走らせていた。
周りを見ると木、木、木。どうやら何処かの山道らしい。高速道路を降りた後、後方のパトカーを巻く為に無我夢中で走った為、気付けば見知らぬ土地に来たようだ。
だってふとルームミラーを見たらパトカーが6台くらいに増えてるんだぞ。どれだけ……どれだけ本気なんだ、アールスティック社は。一介の民間人に……。
とは言え、滅茶苦茶に走った結果、刑事達は追いつけなくなったようだ。時間の問題だと思うが、少しだけ胸を撫で下ろす。
そう言えば……ティマの様子が先程からおかしい。膝を抱えて、じっと顔を俯かせたままだ。
私が話しかけようとするが、どこか拒絶する様な雰囲気に声を掛けようにも掛けられない。
……このままではいけない。私は意を決し、ティマに話しかけようとした。その時。
「……キ」
ティマが小さく、何か言おうとしている。私はすかさず、ティマに聞き返した。
「何だい? ティマ」
「……マキ」
ティマが少しだけ顔を上げた。だがその視線は、私を見ていない。
ティマは視線を正面に向けたまま、次の言葉を発した。
「私を……車から下ろして」
「……え?」
ティマの言葉の意味が良く分からず、私は思わず聞き返した。
「ティマ、何を言って……」
「私を……今すぐこの車から降ろして。……このままじゃマキが」
「マキが……殺されちゃうから」
そう言ったティマの目には、言いしれない悲しみが見えた。……私は、誰を憎めばいい? 自然に、ハンドルを握る手に力が入っていた。
いつの間にか、雨が強くなっている。水滴がポツポツとガラスに跡を作る。
「……ティマ、心配するな。私が君を守る、何が来ようとな」
「……無理だよ、マキ」
ティマは私の方に少しだけ顔を向けた。……ティマ、止めてくれ。そんな悲しい顔をしないでくれ。
「……あの人達は、本気で私を捕まえようとしてる。多分、その為ならどんなひどい事も平気な顔でやれる。……そんな人達だよ」
……愛車を濡らす雨が次第に強さを増してきた。これほど雨の音がうっとおしく、煩いと思った事は無い。
「だからね……お願い、マキ。私を……私をここで下ろして。私……マキが傷つくのだけは絶対に嫌……だから」
「君を……」
何故だか視界がぼやけてきた。老いか、老いだろう。老いと言う事にしておく。
「君を奴らに渡した所で、私が無事にするとは限らないよ。むしろその可能性は限りなく低いと思う」
私はティマの手を握り、強く語りかける。
「良いかい、ティマ。ネガティブな事は考えるんじゃない。きっと逃げ切れるさ。私達の未来を、奴らには奪わせない」
そう言えば……私と会話した後、モリベ氏はどうしたのだろう。あの後、アールスティック社から逃げきれたのだろうか。
あの人には何としても生き延びてほしい。ティマを作りだした罪を償って貰う為にも。
間違っても死んでいないと信じたい……。モリベ氏はキリト君の様にもう一度、話したい相手だからだ。
「とにかくだ、ティマ。私は君を奴らに渡す気はない。こんな手段に出る相手に」
その瞬間、愛車が大きく揺れた。何だ……何が起こった? 私はティマの手をギュッと握った。
何故か愛車の重点が右側に偏っている。まさか……まさか後輪が破裂したのか? そんな馬鹿な事……。
しかし……しかしまだ運転は出来る……私はアクセルを踏み込もうとした瞬間、ガタンっと音を立てて、愛車の重点が後ろに下がった。まさか……。
紫煙
遥か上空――――空を迂回するように飛び回るヘリコプターの中で、ガチャンと狙撃手は専用のライフルを掲げた。
「撃ち抜いたか?」
タケハラの質問に、警視庁と印された装甲服を来た狙撃手が答える。
「はい。両方の後輪を。おそらくこれで走行不能となるかと」
「そうか……」
狙撃手の返事にタケハラはそっけなく答える。手元のスコープでマキの車を探しながら、タケハラは思う。
――――これほどの事をするほど、社長はあのティマというアンドロイドが欲しいのか? あのアンドロイドにどんな機密が……。
「く……くそったれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
私は思わず普段言わない様な汚い言葉を叫んでいた。
思いっきりハンドルを左に切る。車は木に向かって思いっきり……衝突した。同時にボンネットが私とティマをうずめる。
……立ち止まっている時間は無い。私はティマに話しかけた。
「ティマ、大丈夫か?」
ティマはしばらくボンネットに顔をうずめていたが、ゆっくりと顔を上げて、うんと頷いた。よし、それなら良い。
ドアを開けて外に出た……途端、私の右足を想像を絶する痛みが走った。木の破片が落ちてきて、私の右足に刺さったのだ。
「これ……くらい……」
私は自分の唇を噛みながら、その破片を抜き取る。これくらいの傷……ティマが受けてきた悲しみに比べればかすり傷程度の物だ。
つっ……右目が見えない……どうやら頭から血が流れてきた様だ。だが少し耐えれば……良し、行こう。
「マキ……」
私はティマの右手を引き、出来るだけ笑顔でかつ、力強く話しかける。
「行こう、ティマ。まだ逃げられる」
「俺だ。……何? ……屑が。ヘリを動かしといて見逃すだと? 何処まで使えないんだ、お前は」
「まだ捕まってないんですか。頑張りますねぇ、その人」
テーブルに乗ったブルーチーズを頬ぼり、男が苦笑しつつタカダに言った。
タカダは待ってろと竹原に伝えると、男に聞いた。
「めんどくさい事になったな。どうする?」
雨が酷い。ザーザーと降り注いでは、私の傷口を容赦なく刺激する。だが私の事はどうでもいい。
ティマが心配だ。このままだと何時ティマの可動部に水が入り込み、ショートするか分からない。それにエネルギーの問題もある。
……もう良い。どこか屋根のある場所なら。私はどうでも良いが、ティマに何かある方が、私には苦痛だ。
「ティマ、あと少し、あと少しだからな」
私はティマに話しかける。ティマはさっきから俯いたままだ。
正直頭の中でどうすればいいかが分からない。正直、もう奴らから逃げれる気がしない。というか無理だろう。
しかし頭の中で分かっていても、私自身は逃げたくはない。このまま奴らに屈すれば、私は永遠に後悔する気がする。
最悪――――最悪、私が死んだとしても、ティマには生き延びてほしい。それが私の望みだ。
もうこれ以上、彼女に過酷な運命を送らせたくない。もう―――――。
その時、何故かティマを握っている手の感触が無くなっている事に気付く。
あれ、ティマ……? 私が振り向くと、ティマが立ち止まっている。
「ティマ、何をしてるんだ。早く逃げないと」
私が話しかけても、ティマは俯いたままだ。と、ティマはゆっくりと顔を上げた。
その時のティマは雨のせいか―――――泣いている様に見える。ティマは俯いた顔を上げると、私に言った。
「逃げて……マキ」
「私を置いて……逃げて」
タカダが質問に、男は視線を漂わせると、ピット人差し指を立て、ニッと笑った。
「もうメモリーチップだけで良いですよ。体はどうでも良いです」
男がそう言うと、タカダは頷き、秘書に言った。、
「もう良い。ティマを見つけ次第撃ち抜け。マキ・シゲルとティマの頭部は出来るだけ傷つけるなよ」
次回
最終回
しえん
投下終了です―。支援してくれた方、有難うございます
いやー凄い突っ込み所ですねwもう何処から説明すりゃいいのかw
個人的に今まで一番楽しく書けた話だったりして。モリベとタカダの会話は書いてて楽しかったです。ロボットってなんでしょうね
乙です
そろそろ次スレの季節か
しかし1スレ1話のペースになりつつあるw
>>850 激動の展開でしたー
なるほどそういう風に回すのかー
結末がいくつか思い浮かびますが非常に楽しみです
凄い気になる終わり方ですね
バッドエンドは嫌だよ兄さん、でも読みたいよ兄さん
てか国家権力手下って、どんな大企業だよタカダw
次回遂に最終回ですか、まさに怒濤のペースでしたね
ティマとマキは幸せになれるのか…はたまた…
頑張れロリコン!
>>850 おお、入浴中に投下されていたとは!
乙です。後でゆっくり読ませていただきますねw
>>834 >何故そこでGユニットの名前が出ないのだ!?
>さっぱり忘れていたのだよワトソン君。
Gユニットを馬鹿にするなぁぁぁぁぁ!!!!!!
ウワァァン!!。・゚(゚`Д)゙ノ ==== ┻━━┻)`д) ;∴
>>850 ついにアルタイル来ましたね。という事は、彼が……?
国が敵になったって事は、もう二人の逃げる場所は皆無……ああ、もう、どうなっちゃうんだティマとマッキー!
次回最終回という事で、ハンカチ用意して待ってます!
858 :
856:2009/08/16(日) 21:44:54 ID:QUqdjslG
アンカーミスった…… orz
>>856 う わ ら ば !
ばっ、馬鹿になんかしてないよ! あの作品のゲテモノガンダムズはけっこう好きだよ!
スレ立て行ってきていいよね、答えは聞いてない!
よろしくおねがいしまーす。
>>859 >ばっ、馬鹿になんかしてないよ! あの作品のゲテモノガンダムズはけっこう好きだよ!
だったら許すよ(´;ω;`)
>>850 バッドエンド以外に考えられない展開ですね。
まだアルタイル開発中という事はショウイチが助けに来るという線も無いっぽいし。
最終話、どうなるのか楽しみに待ってます。
865 :
860:2009/08/16(日) 22:06:59 ID:0UYP4kF7
866 :
860:2009/08/16(日) 22:08:24 ID:0UYP4kF7
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)
【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!
【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!
【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!
【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!
【ザ・シスターズ ◆klsLRI0upQ】
平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱
その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで―――
超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ!
【電光石火ゼノライファー ◆.dMD1axI32】
「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」
正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する!
少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ!
【Tueun ◆n41r8f8dTs】
全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす
荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!?
「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇!
【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!
【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!
あと一つ
867 :
860:2009/08/16(日) 22:09:27 ID:0UYP4kF7
【劇場版 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 ◆gD1i1Jw3kk】
悪のマッドサイエンティストが造り出した『次元転送装置』
その力は二つの世界を交差させる!
海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 衝撃のクロスオーバー作品!
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!
【スーパー創作ロボット大戦OP映像風 ◆gD1i1Jw3kk】
スーパーロボット大戦名物の冒頭の3D戦闘シーンを
ロボット物SS総合スレ作品で再現!
所狭しと暴れまわるロボットたちの雄姿を見よ!
【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!
【仮想戦闘記録 ◆gD1i1Jw3kk】
海上都市姫路守備隊戦記・外伝
設定のみだった五式重装甲強化服を敵として登場!
果たして静は二世代旧式の機体で勝てるのか!?
【ROST GORL ◆n41r8f8dTs】
小雨の降る夜、ロボット修理士マキ・シゲルはひとりの少女と出会った。
彼女の名はティマ。鮮やかな金髪と透き通った青い目を持つアンドロイド。
「空箱を埋める空箱」でしかないはずの彼女の中に入っていたのは、「心」と「秘密」──
【ARTIFACT LEGACIAM あお ◆6k/dFp.sTw 】
突如として現れた謎の未確認侵略体、E&E。その脅威に立ち向かう、謎の巨大ロボットレガシアム!
レガシアムの搭乗者、不破優作は不思議な相棒カイアと共に大事な人々を守る為に立ち上がる!
軽妙な学園劇と迫力あるロボットバトルが織りなす、鋼のジュブナイル、ここに爆誕!
・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
次の人ヨロシク!
ならば俺がいくぜ!
頼んだ!
ちっ!
今回の見せ場は譲ってやるよ・・・
/´゙`ヽ、
/ ヽ
,/./ ,...., ;ii、
('/.i ( (,,) i::b
i' i `゙゙´ :「:::b スレ立て完了しました、大佐
. | | .丿:::h
. 'i| i /´`ヽ,|::::::h
r' | `゙'- ノ⌒ヽ
/´tl i 〈,´゙`ソ/´'' ヽ
丿i;:::ti| ( `ヽソ/::::::ゝ 'i
| ̄ ̄ ̄ ̄||'`i;t:| i`'''ノ/::::λ::;;} |
| FMV || |ノ::ヽ,,ソノ::::::/´⌒ヾノ
,,..|____|トェェェェ;;::::::::;;;;/ 'λ
(..,,,,________,,..)::´/λ ノミi
| |__,| |____| |;;;;/ノ//)ノノ
|,,,,| | | |,,,.|
'''''
新顔が増えてきたようですね。
スパロボ企画が今どうなってるのか知らないけど、
レガシアムとか狼さんとか夢が広がるロボスレだと思う(彼らの参加不参加はともかく)
おおいに期待している。今後の発展、その果てに何があるのか。
つかロボスレ万歳!
>>871-872 乙だ、乙だと言った!
さて、上手くいけば深夜に種のほう、2話を投下できそうです。
あ、今更ですがwikiには載せない方向でお願いしますm(_ _)m
おー感想の方、有難うございます
正直、1話に詰め込み過ぎた気がしないでもない気がする様なしない様な
後反映されない設定としては―国家権力である警察のテクノロジー面はアールスティック社が掌握してる為、タカダが自由に警察をこき使えるって感じです
つかサブキャラがもうちょっと頑張れた気がする……orz主にゲンブとかゲンブとかゲンブとか
あ、最終回後にちょっとお知らせがあったり
>>878 >スパロボ企画が今どうなってるのか知らないけど
一応自分のは水面下で進行中だったり、そうじゃなかったり……。
>>875 >最終回後にちょっとお知らせがあったり
新作か、新作なのかッ!?
>>874 >種のほう、2話を投下できそう
期待しているんだぜ!
>>875 スピンオフ作っちゃいなYO!
>>876 それは禁則事項です(キリッ
まぁ実際自分がやりたい事だったり
>>877 そーですねー
sideみたいに埋めネタでSS書こうかなと。説明ばっかになっちゃったジュンとキリトとか
>>878 >自分がやりたい事
ほう、それは……くびわつき並に興味が沸く……。
楽屋裏みたいな感じで技術者の皆さんが延々とダベるとか見てみたいような気もしますw
>>876 スパロボ的なクロスオーバーさせた場合
ツクヨミは地球と戦ってる立場の軍人だから
敵ポジションになりそうだな〜と何度か思った事があります
本人の性格もやってる事も悪役向きだから問題無いし
しかしクロスオーバーの方式がスパロボ式とは限らない罠。
ディケイド式かもしれないぞ!
「ここが2149年の世界か……」
ですねわかります
ディケイド式クロスオーバーだと
士ポジの奴が乗る機体がそれぞれの作品のロボになって
それを操縦するって流れになるんだろうが……
ROST GORLの世界を通った後に
何に変身する能力を得るのかが、とてもに気になる
>遠藤正明の「アンインストール」
確かに原曲レイプだなwwwいい意味でwww
ごめんなさい、誤爆しました
あー楽屋落ちネタ良いかも。色んな意味で本編が重いんでw
>>883 うーん……マキの愛車とかどうでしょうw
つか今回ご臨終…
>>888 ニコニコのアカウントを取得していない私に隙(ry
>>887 >アタックライドゥ!ママママキ!
それで何をどうしろとw
マッキーに死ねと申すかwww
ってつべのほうも張ってあったぁぁぁぁぁぁぁ!!
注意力散漫でした、死んで詫びますん。
>>890 \ 、 m'''',ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,, 安心したまへ^^
丿 [ \|:::|/ ] >"''''' 下のURLはつべである^^
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
さーて、日付も変わったし投下するぞー。
今回は短いのでさるさんの心配は無い……はず!
だが念のため支援せずには要られない
渇いた喉を潤しながら、サイ・アーガイルは現在の戦況を確認した。
状況はあまり良いとは言えなかった。
放たれたジェネシスに連合軍は混乱し、一方のザフトは核の迎撃で乱れた陣形を、立て直しつつある。
パイロットスーツを着直し、ヘルメットを被る。
連合の旗艦は、アークエンジェル級二番艦“ドミニオン”艦長はナタル・バジルール――――この艦の元クルーだった女性だ。
戦うのは気が引けるが、もうナタル・バジルールは……あの人は自分達の敵なのだ。割り切るしかない。
これが子供同士の喧嘩だとか、その程度ならば話は別だが、そうではないのだ。
軍を裏切れば、それは重罪。おいそれとそういった行動を出来るはずが無い――――まあ、自分達はそれをしてしまったのだが。
――――それよりも。
問題は、旗艦ドミニオンにフレイ・アルスターがいる事だ。
フレイ・アルスター。サイを捨て、キラを選んだ女だ。
彼女の事を思い出すと、今でも腹の底から黒い感情が沸いて来る。
だが、
必ず助けると心に誓った。助け出してブン殴ってやると魂に誓った。だからパイロットになった。
モビルスーツの操縦もムウやキラから教わったし、それより以前から何度もシュミレータで訓練はしている。そう、キラに捻り上げられたあの日から、ずっと。
キラには、負けない。
部屋を出て格納庫へ向かおうとした時、アラームが鳴った。
「……通信?」
応答のボタンを押す。
『サイ君?』
マリュー・ラミアスだ。
「はい、サイ・アーガイルです」
『ナタルの……ドミニオンからの通信で、ザフトの大量破壊兵器の破壊に協力してほしい、と』
「……!」
ハッと息を飲んだ。しかしすぐに元の表情を取り繕う。
落ち着け、落ち着けサイ・アーガイル……!
「ドミニオンから……ですか」
『ええ。私達は連合軍への協力を決定したわ。だからこの艦がこれからポイント2357に向かうまで、サイ君は……』
「艦の護衛、ですか」
『そうよ。M1A三機と連携して、艦の護衛に当たって』
MS四機……艦の護衛としては充分だろう。そもそも弾幕を張った戦艦にまっすぐ突っ込む馬鹿などそうそういない。
「了解しました」
通信が切れる。
部屋を出、格納庫へ。相変わらずここは慌ただしい。まあ、この煩さは嫌いではないが。
見慣れないバックパックを装着したトリコロールのモビルスーツが目に留まる。
「あれは……ストライク……?」
しかしそのバックパックはまるでムウ・ラ・フラガのかつての愛機、メビウス・ゼロのような形状をしていた。こんなストライカーパックは見た事がない。
小さなメビウス・ゼロを背負ったストライクがリフトを降りていく。
「俺も……行くか!」
サイも自分の機体、M1アストレイに向かって床を蹴った。
ハッチを開けて、ベルトを締める。モニタを立ち上げ、機体のコンディションを確認……よし、オールグリーン。
「M1アストレイ、行けます!」
一筋の閃光が、攻撃端末を貫いた。
「ビーム!? 誰が!」
その視線の先には、ガンバレルを背負ったトリコロールカラーのモビルスーツ。
「オッサン!」
「来たか、ムウ・ラ・フラガ!」
待ち侘びた、そんな声音だった。ストライクの存在を確認するやいなや、一直線にそちらへ向かっていく。
「ディアッカ、退け! こいつは俺が落とす!」
「ああ」バスターがアークエンジェルに引き返す。「死ぬなよ、オッサン!」
「できるかな、その情けない機体で!」
ストライクに向かって振り下ろされた光の刃を最低限に抑えた動作で躱し、その顔面に拳を見舞う。
「言ってろ!」
この機体は情けない機体などではない。幾度となくアークエンジェルとそのクルーを守ってきた、いわば守護神のようなものだ。そんな機体を、
「たかが逆恨みで落とせると思うなよ、クルーゼ!」
後退、バックパックからガンバレルを射出する。
「ガンバレル程度で!」
同時、クルーゼの機体が攻撃端末を射出した。ケーブルが無い分、向こうのほうが自由度は高い、高いのだが、
「黙ってろ、ド素人!」
ガンバレルの扱いには、ムウに一日の長がある。細かいコントロール等に慣れが必要な分、このアドバンテージは大きい。
攻撃をことごとく回避し、あまつさえこちらの端末を撃破するストライクのガンバレルに、クルーゼが舌を打った。
「腐ってもエンデミュオンの鷹、伊達ではないという事か……!」
フォビドゥンの一斉射の後、再び迫るレイダーのミョルニル。
「同じ手で……舐めるな!」
それを一刀の下に切り捨てる。
「やりやがったな、てンめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「お前、お前ぇ!」
激昂した二人の攻撃の密度が上がる。エネルギー残量をまるで気にしていない、遠慮も容赦も無い連携。少しでも気を抜けば、落とされる。
「構っている暇なんか無いってのに!」
アスランも隙を見て応射するが、狙い撃ちができないため命中は絶望的だ。何とか得意の格闘戦に持ち込めれば勝機はあるのだが、いかんせん相手は一撃離脱と遠距離攻撃を徹底していて近寄れない。
悔しいが、強い。三対一だという事を除いても。
……いや、二対一だ。砲戦型の緑がいない――――!
「しまった!」
「ゴチャゴチャしたのは嫌いなんだよ! テメェら纏めて吹き飛びやがれ!」
フルバースト。別々の方向に向けられた砲が宇宙を薙ぐ。敵味方の区別は無い。
「目茶苦茶な……ぐぁっ!」
光条を潜り抜けて接近するフォビドゥンの鎌が、フェイズシフト装甲を装備していない関節を狙って鎌を振り下ろし、引く。
ジャスティスの左腕がいともたやすく切り落とされて宙を舞った。アスランの焦りが加速する。そこへ、通信。
「アスラン」
「キラ!」
「今助けに行くから、あと少しだけ持ちこたえて」
アスランが返事をする前に真下から飛び込んできたビームは威嚇射撃。狙い通りジャスティスからフォビドゥンを引き離す。
「大丈夫、アスラン」
そしてジャスティスを庇うように、フリーダムが現れる。
「ああ、爆発はしないし、まだ戦える」
「そう、よかった」
フリーダムがウイング内に格納されたプラズマキャノンと腰部のレールガンを展開する。
「キラ、援護してくれ。俺が突っ込む!」
「うん、わかった」
キラが来てくれた、これで安心して格闘戦に持ち込める。
「蹴散らすぞ、キラ!」
「うん。行こう、アスラン」
操縦桿を握り、勢い良く前に押す。
フルスロットル。瞬時に機体が加速し、フォビドゥンに追い縋る。フリーダムの援護射撃が心強い。
「来るなよ、お前ェッ!」
「落ちろ、カメェェェッー!」
カーキに居合の斬撃走る。
ビームサーベルがフォビドゥンを真っ二つに切断した。一歩遅れて、爆散。
「まずは、一機!」
はい今日はここまでー。どうだ本当に短いだろう! オッサンもびっくりだ!
次の次くらいにヤキンは終わらせられたらイイナー。
>>902 支援要らなかった感;
サイがMS乗るのかー
ガンバレルは紐がついてる分紐を使った攻撃もできるという利点があるとかいうのをどっかで読んだ気がする
乙です!
>>902 そうか、SAN値が限界だったのか……何はともあれ乙!
>>904 ですね、すみませんorz
>ガンバレルは紐がついてる分紐を使った攻撃もできる
まさにそれをしようとしていたのだよワトソン君!
あと、プロヴィデンスの腹のケーブルをゴニョゴニョ。
>>902 >「ゴチャゴチャしたのは嫌いなんだよ! テメェら纏めて吹き飛びやがれ!」
北岡弁護士こんなところで何してるんすか
>「落ちろ、カメェェェッー!」
エクスデスさんこんなところで何してるんすか
さりげなく入ってるパロディが実にパラベラム氏らしいわw
あとキラがテンション低いね
>>904 >サイがMS乗るのかー
連座の影響受けまくりだな!
>>907 ありがとうございます!
>>908 で、出来心でつい……。
>あとキラがテンション低いね
いっその事桃色教祖の操り人形としてのスタンスを徹底させようと思いまして。
次スレおめ。
>>902 乙です。ワタクシ、ガンダムシード(というより、ガンダムシリーズ)見てないんですが、
これ読む限り、シードって少なくともネットでさんざん言われてるような詰まんないものにするのって逆に才能が要りそうな……
あと、題名が「ガンダムSEED DESTINY if」ってなってますが、
確かご自身で「書いてるのはシードのイフで、ディスティニーのイフではないです」っておっしゃってたような……?
さて、残り5KBということで、前スレで投下宣言して戻ってみたらスレが埋まってたネタを投下させて頂きます。
出来るだけスルーの方向で…… そもそもギリギリロボットものの定義にひっかかるか、ってシロモノなんで。
―――――――――――――――
情報処理、という観点から人類の技術の発展というものを眺めてみると、
基本的にはより多くの情報を収集と処理出来るように、という方向に邁進してきたのがわかる。
そうやってやれコンピュータだ、やれ通信衛星だ、やれインターネットだと数々の利器を生み出してきて、
行き着いてみればとても処理の追い付かない膨大な情報の中であっぷあっぷだ。
まるで、砂漠の真ん中にいたから、水が欲しい、水が欲しいと言って水を手に入れて蓄えることに血道をあげてたら、
我に返ったときには荒れ狂う海原の真ん中にいたようなもので、なかなかに皮肉な状況ではある。
「世の中にある物語を全て読みたい」なんて言ったお姫様がいたそうだけれど、
平安時代(その当時)ならあるいはそれも娯楽になり得たのかも知れないが、
21世紀の今となっては、仮に実現してしまったら永遠の責め苦以外の何物にもならないだろう。
まあもっとも、結果としてこんな状況を生んでしまったものの、人類の生産物は確実にその作り手達を利してきたわけで、
そんな先人達の努力を否定するのは恐らく適切な行為ではない。
なんとなれば、この新たな状況を打開する何らかのものをまたつくり出せばいい話だからだ
(そのものがまた新しい厄介な状況を生み出したらどうするのかって? そりゃそんときの人間がまた何か作りだせばいい!)。
そしてここにも、そんな何かを作り出そうとしている―――いや、していた男がいる。
男は机のすぐ手に取れる位置に置いたコップを眺めると、ぐるぐると顔をなでまわし、
ふーっと息を吐いて軽い伸びをして、コップの脇に置いた紙に書かれた内容を確認した。
コップの中身は(詳細は省くが)毒薬、紙は遺書である。
この状況では説明の必要も無いだろうが、男は自殺しようとしているのだ。
では何が、この聡明そうな、しかしくたびれた男にそうさせるのか?
男はロボットの開発に携わっていた―――いや、身分上はまだ開発陣の中にいるのだから、携わっているというべきか。
それはともかく、ロボットの開発と一口にいっても様々な分野の技術が絡んでいるが、
その中で男がどの分野に関わっているのかというと、情報処理、特にその取捨選択の技術である。
男が携わっているのは、自律行動型ロボットの開発である。
そうしたロボットは当然、周辺環境及び自らの状態・行動から情報を得、それを処理して行動することが求められるが。
この情報の処理という奴が曲者である。
単純に集めて処理する情報が足りなければ話にならないのはもちろんのこと、多過ぎてもいけないのである。
これはどういうことか?
ロボットが自律行動をするからには、それは、自分の行動の結果を予測してから、実際の行動に移すようになっている必要がある。
そうでないと厄介なこと極まりない。だがしかし、一体どこまで予測すればいいのか?
例えば、誰かに「ちょっとビールでも行ってきてくれ」と頼まれたとする。
さあロボットは行動開始だ。だがちょっと待て。本当にビールを買ってきていいものだろうか?
酒は百薬の長、なんていうが、実際のところ飲み過ぎると健康その他の問題を生む。
ここでほいほい買ってきたら、飲み過ぎに繋がってしまうのではないか?
それに、家計の方は大丈夫なんだろうか? 自分に頼まずに買い物をしてる場合もあるだろう。
それらも含めて、ちゃんと収支は大丈夫なんだろうか?
いやいや、ことはこういった個人・家庭レベルの問題にとどまらない。
ビールを買うのは、当然経済活動だ。つまり、確実に株価やら資源の利用やらに影響を与えるはずだ。
自分がそれを行うことで出る影響はどの程度か? それは許容されるべき範囲のものか?
いやそもそも許容されるべき範囲とはどういった量なのか?
待て。もっとその前の段階から考えなければならないかもしれない。
ビールを買うということは、当然何らかの商店まで移動するということである。
自分がそうすることで、例えば交通に何か悪影響を与えないだろうか?
ロボットに目を奪われた子供が道路に飛び出してしまったりとか。
それを避けてネットで注文したとしよう。
だがしかしだ、そうすると今度は到着までの時間やら手続きやらの問題を新たに抱え込むことになる……
と、思慮深いロボット君は哀れにも、どうする事も出来なくなってしまうかもしれない。
そんなものはいくらなんでも理屈に走り過ぎた話だ、そんなに考えさせなければ済む話ではないか、
そう思われるかもしれない。
だがしかしそれは、人間というものが実は極めて高度な情報処理を行っていることを無視した意見である。
その、「そんなに考えさせない」、これの「どこで考えを打ち切らせるか?」という部分の決定が、極めて難しいのである。
さて、ここで、「処理の追い付かない膨大な情報の中であっぷあっぷ」というところを思い出して頂きたい。
「どこで情報の収集・処理を打ち切るべきか?」というのは、情報の氾濫する社会において、
なにも自律行動型ロボットに限った話ではなく重要な問題なのである。
だから、男の携わっている情報の取捨選択技術は、ロボット開発以外の面からも注目と期待が集まり
―――というより、男自身にしてからが、もともとそういった技術開発をしていて、
そこからロボット開発にも関わるようになったのだが―――、
その当然の結果として、男にはそれだけ重いプレッシャーがのしかかってくることになる。
男は有能で、少なくとも無能ではなく、資金と協力者にも支えられ、次々と新機軸を生み出していった。
そして、周りの人間だれもに、彼らは着実に成功へと近づいて行っているように思えた―――ある時点までは。
ある時点までいった後、試作品のロボットはこちらの要求に全く反応しなくなってしまったのである。
また別の試作品をつくってみたが、同じことだった。
その後、いろいろ変えた試作品を次々作ってみても、駄目だった。
反応するロボットはどれも、最高でも「ある時点」で到達できたところまでしかいかず、
それ以上が出来るようなロボットは反応しないのだ。
何か問題があるのか? いや、だったらいい。
どんなに調べてみても、反応しない試作品は、「上手くいっている」と判断するしかないものばかりなのである。
だからそこを外してみれば、「ある時点」より先に行けないのだ。
これでは、一体、どうすればいいというのか!
こうして、男は毒薬を前に思いつめた顔をしているというわけである。