THE IDOLM@STER アイドルマスター part3
あるところに、ねずみのアイドルがおりました。名前をあずささんと言います。
あずささんには願い事がありました。
「そうですか、あずささんは運命のひとを探しているのですね」
「ええ、この世のどこかにわたしの運命のひとがいる、わたしはそう思っているんです。ですから
わたしはそのためにアイドルになりました。わたしがトップアイドルになれば、運命のひとにきっと
見つけてもらえると思うんです」
「すばらしい考えです。小さな力ですが、俺はあなたをトップアイドルにするために手を尽くしましょう」
「ありだとうございますプロデューサーさん。わたし、頑張りますね」
あずささんの担当になったプロデューサーはそんなあずささんをトップアイドルにすべく、
デュオユニットを組もうと考えました。
「あずささんあずささん、デュオユニットにすれば人気も倍になるに違いありません。世界一の
アイドルを探して、デュオを組んでもらえるようお願いしましょう」
「まあ、いい考えですねプロデューサーさん。ぜひぜひよろしくお願いします」
プロデューサーは考えます。最高のアイドルとデュオを組めば、あずささんも最高のアイドルに
なれるだろうと。
「あずささん、世界を照らす太陽とデュオを組みましょう。あずささんの笑顔が太陽とともに降り
注げば、世界はもっと明るくなるに違いない」
「それは素敵ですねプロデューサーさん」
プロデューサーはあずささんを連れて太陽のところに行きました。
「太陽さん太陽さん、あなたは世界を照らすことができる世界一のアイドルだ。ぜひあずささんと
デュオを組んでください」
「アンタねえ、仕事だからやるけどこんな配役しといて憶えときなさいよねっ!あー、こほん」
太陽は言いました。
「そう言ってもらえて光栄ね、にひひっ♪そーよ、私こそがこの凸で世界を照らす……って違う
わよっ!」
「違うの?伊織ちゃん」
「太陽って言いなさいよっ!いい?私は確かに世界を明るく輝かせることができるけど、私にも
弱いものがあるの。それはね、雲よ」
「雲?」
「そ。私がいくら輝いても、雲がその前に広がってしまうと地上に光が届かないわ。最強の相方を
探そうって言うのなら雲のところへ行ってみるのね」
そう言われ、プロデューサーはあずささんを連れて雲のところに行きました。
「雲さん雲さん、あなたは世界を照らす太陽さえ隠すことのできる世界一のアイドルだ。ぜひ
あずささんとデュオを組んでください」
「朝台本を渡されたきりだったので聞けませんでしたが、とりあえずなぜ私が雲の配役なのか
説明を求めます。内容によってはお説教ですよ?」
「だからそれ」
「え、それって?」
「なにかというとすぐカミナr(ry」
「そこに正座なさーいっ!」
小一時間のち、雲はこう言いました。
「そりゃ確かに私は気候の一端を担っていると言えますよ、地上には雨も必要ですし。ただ、
最強かと言うとそうでもないと思うんです。私なんかは所詮水蒸気の集合でしかないわけで、
風のひと吹きで文字通り雲散霧消するあえない存在なんですから。あずささん、風のところへ
行くといいんじゃないでしょうか、実際才能はあるし私から聞いたと言えばNOとは言わない筈
です。雰囲気も似てるからいいデュオになると思いますよ」