1 :
創る名無しに見る名無し:
じめじめとした蒸し暑さもなくなりはじめ
カラッとした空気になり始めた初夏
冷房もなく熱気でみちた六畳ほどの汚い部屋で
ギターを熱心に弾く少年がいた。
彼の名は剛田武
年は15高等学校に入学して最初の夏であった。
彼は幼いころから音楽に対して憧れを抱いていた。
地元の空き地に仲間を集めては歌をきかせ、
ことあるごとに自ら曲を書き発表していた。
仲間は彼の歌についてどう思っていたかはわからないが
剛田は人の評価など気にしていなかった
メッセージを相手にたたきつける
おもいきり歌ってあばれる
彼にはそれができるだけで幸せであった。
2 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 02:41:58 ID:tl3s0/yQ
そんな彼も小学校中学校と順を追って卒業していき
ついには高校生となっていた。
地元の仲間との関係も疎遠となり、曲を書くのもやめてしまった
しかし彼は最近なにかしら
不満を覚え始めていた。
「人の前で歌いたい・・・・」
そんな欲求が日に日につのってきているようだった
小学生の時のあの快感がわすれられないのである。
いつしか彼はまたギター片手に曲を書き始めていた
そして今の状況にいたるのである。
剛田は二日ほど前から書いていた曲をようやくいま完成させた
kid G というタイトルのバラード調の曲であった。
3 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 02:49:47 ID:tl3s0/yQ
彼は早速この新曲を披露したいと考えた。
しかし高校にはいってからというもの彼は孤独であった。
小学校 中学校と彼はガキ大将を名乗っていたせいで
肥大化したプライドが高校という新たなステージでの
友人付き合いというものをとても困難にさせたのだ。
ことあればすぐ人を殴る、見下す、強さで権力を誇示する
そうやって仲間を増やすことしか知らない彼にとって、
今の状況はうっとおしい以外のなにものでもなかった。
学校での彼の評判は、不細工、乱暴者、ひどい性格など
芳しいものではなかった。
それゆえ自然に彼は孤独となったのだ。
剛田はそれを重々自覚していた。
「高校はむりだな・・・だれにきかせよう・・・」
彼は考えた。
気兼ねなく俺の歌を聞かせられる相手、
ずっと俺のリサイタルにつきあってくれた奴ら、
彼は電話帳を探しに部屋をでた
4 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:02:36 ID:tl3s0/yQ
まず最初に目がいったのは骨川スネオだった
中学を卒業するまで骨川は剛田にゴマをすり常にそばにいた
剛田は新曲ができるといつも最初にスネオに聞かせていた。
「そーいや昔はスネオにまず聞かせてたなあ」
そうぼそっと呟いてすぐ、剛田はスネオに電話をかけた
・
・
・
数回のコール音の後にスネオが電話にでた。
「もしもし骨川ですが」
剛田は久しぶりに聞く友人の声に一瞬息を詰まらせたが
すぐさま用件をつたえた。
「俺だ、たけし、ジャイアンだよ、久しぶりだな!」
久しぶりの会話に剛田の胸は少し高揚した しかし
「ああ・・・ジャイアン・・で?なに?」
スネオはあまり乗り気でないように思えた。
それもそうであろう。もとはといえば小中と
己の地位の確立のために剛田にゴマをすっていただけであって
高校にはいってしまえば剛田にゴマをする必要もなく
かかわることもないのだから。
しかし剛田は思いきってスネオを誘った。
「なあ、今週か来週か暇な日あるか?よかったらうちこいよ」
スネオは少し黙ってこう返した
「ああ・・・ごめんねジャイアン・・俺勉強が忙しいから
そっちと違って進学校だしさ・・・一日でもサボったらついていけない
んだ・・・・塾もあるから・・
だから当分遊べないなあ・・じゃ・・きるよ?」
剛田は何も言えなかった。
寂しさからか、はたまた怒りか、悲しみか
わけのわからない気持ちが彼をおそった。
5 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:14:38 ID:tl3s0/yQ
中学校の時仲がよかったといえども、卒業してしまえば
ほぼ他人
そういったことは誰しもが経験することである。
ただ剛田はその現実に落胆した。
いつも一緒にいたのに、、、、、、、
昔は剛田も強いメンタリティをもっていた
些細な事では傷つかない図太い精神を。
しかし今
孤独なかれはきっと誰かに励まされ、やさしくされたかったに
違いないのだ。
いきなり突きつけられた厳しい現実に剛田は思わず深くため息を
突いてしまった。
剛田はその場に腰を落としあぐらをかいて床に手をつき
天井を見上げ、動かなくなった。
それから数分
ジリジリジリと黒電話がなった
剛田ははっとした、配達の依頼か母親、大方はこのふたつのどちらか
であるが剛田はもしかしたらと少なからず期待した。
こころなしか受話器をとろうとする手が少し震えていた。
剛田は思い切って受話器を握った。
「もしもし野比ですけど」
聞きなれた声だった
6 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:32:09 ID:tl3s0/yQ
のびたとの関係は中学校で激変した。
小学生の時はよくこぞってのびたをいじめたりしたものだが
中学に入ってからというもの、のびたは持ち前の優しさから
多くの友人に恵まれた。
いままでのびたをいじめていた者もいつしか彼と仲良くするように
なっていた。
剛田もそのうちの一人であった
いつしかのびたは剛田とも対等に会話できるようになり
お互い良き友人として付き合っていた。
だがやはり卒業してからというものなかなか連絡をとれず
疎遠になってしまっていたのも事実である。
剛田は思いがけない電話に動揺をかくせなかった
「おっおお・・・のびたか・・ひさしぶりだな!・ど どした
なんかようか??」
剛田のぎこちない喋りにのびたは笑った
「お前なんだよその喋り方www
てか今暇?久しぶりに遊ぼうぜ!どらえもんも帰ってきてるから!」
剛田はうれしさのあまり、少し目を潤ませてしまった
「ああ!いく!みんなくるのか?!
久しぶりに俺の歌を聞かせてやるよ!」
自然とそんな言葉が出た。昔の剛田が少しもどったようだった。
「おおこいよ!スネオはこれないみたいだけどなー」
のびたはきさくにいった
剛田はまってろ!と一声かけて
外出の準備をはじめた。
みんなに歌を披露できる・・・みんなと喋れる・・・
ここ数週間で今日が彼にとって最高の日であったことはいうまでもない
7 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 03:52:56 ID:tl3s0/yQ
のびたの家は昔と比べてやはり少しくたびれていたように
感じられた。
庭弄りをしていたのびたの母親が剛田久しぶりねと声をかける
彼女も久しぶりにみると
随分と老いていた。
どこかしらつかれた感じと一層かよわくなった声が
なおさらそう思わせた。
剛田はのびたの母親と少し話し、
のびたの家にあがった。
懐かしい匂いだった。
剛田がのびたの家に上がるのは小学生の時以来だった。
「おーいのびた!きたぞ!」
そう剛田がいうとのびたが二階から降りてきた。
のびたは言った
「おう!まああがれよ!できすぎもしずかちゃんもきてるぞ!」
剛田は期待に胸を躍らせた。
小中とよくつるんだ仲間とまた再会できるのだ
そして久しぶりのリサイタルができる
剛田は急ぎ足でのびたの部屋に向かった。
戸をあけると六畳ほどの部屋に
見慣れた顔ぶれがあった
どらえもんに しずかちゃん そしてできすぎ
皆何ひとつかわっていない。
昔の光景がフラッシュバックして脳裏を巡った
剛田は懐かしさのあまり思わず声を漏らしてしまった
「心の友よ・・・・・」
剛田の登場に三人はまってましたといわんばかりに
盛り上がってくれた
ドラえもんはいつもの口調で
「やあ ジャイアン久しぶり もういじわるはしてない?」
と聞いてきた。
剛田は笑いながらこう返す
「ばかやろーw小学生じゃねんだぞw」
そのやり取りをきいてできすぎとしずかちゃんもまた笑う。
その後すぐにのびたが全員分の麦茶をもってきた
「お茶もってきたぞー
てかジャイアンそのギターなんだよ?w」
剛田はまってましたと言わんばかりにこう答えた
「はははお前ら久しぶりの再開を祝って俺が新曲を披露してやろうと
おもってな!」
その言葉にまた部屋がわいた。
のびたは勘弁してくれよーと爆笑し
しずかちゃんはまあ久しぶりねと可愛く笑う
できすぎは、拍手でジャイアンと煽っている
ドラえもんはいうとすこし不満そうなかおをした。
じゃあ聞いてくれ
剛田武でKID G
約一年ぶりに剛田は人前で歌を歌った。
しえんしえん
9 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 04:11:30 ID:O41pDH5i
何だこの胸のドキドキは
wktk支援
10 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 06:07:24 ID:cfhsxUh3
頑張れ。期待
楽しみすぎるなにこれ
こっからまた親密になっていくのかな
漫画では大人になっても親交あったみたいだし
良作の予感
14 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:36:17 ID:tl3s0/yQ
支援&レスくれた方&読んでくれた方感謝です。
創作を投下するのは初めてなのでやや緊張してますが、
なにとぞよろしくです
15 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:45:13 ID:cmpDOVVG
やばい。続きが気になって仕事が手につかなさそうだ
16 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 14:51:31 ID:tl3s0/yQ
続き
剛田は小学生の時分はひどくしゃがれた声で
音もまともにとれず音痴を絵に描いたような歌声として
仲間から知られていた。
今回も剛田の歌を聴くにあたって、この四人は
「いつものジャイアン」を想像した
馬鹿でかい声でめちゃくちゃに歌う音痴なジャイアンをだ。
しかし剛田が歌い始めると四人の予想はいとも簡単に裏切られた。
しゃがれた声は渋さを増し、抑揚のある発声とブルージーな歌い方
なにより音を全くはずさない。
剛田の歌唱力は以前とは比べ物にならないほど上がっていたのだ。
KID Gの歌詞は昔を懐かしむような切ない内容であったが
声と歌い方がその内容にぴたりとはまっていた。
のびた しずか できすぎ ドラえもんの四人はあっけにとられてしまった
ギターを弾きながら歌うこの男は全く別人に思えたのであろう
のびたは口をぽかんとあけたままにしその歌に聞き入っている。
他の三人も同じだ。
剛田は自分が丹精こめて作った曲を久しぶりに皆の前で演奏できることに
感激をかくせなかった。
胸がジンジンと熱くなり、ピッキングにも力が入った。
歌に聞き入るオーディエンスと素晴らしい音を演奏する演者が
今まさにひとつになっていた。
六畳の小さな部屋にお互いの感情が交錯しなんともいえない空気を
かもしだしていた。
17 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 15:03:12 ID:tl3s0/yQ
演奏が終わると剛田は「ありがとう」と一言
そのあとしばらくの沈黙が続いた。
剛田は場をしらけさせてしまったのかと心配し、
「え?まずかったか?ははは」と頭をかいた。
すると一番最初にしずかが口をひらいた。
「たけしさんすごいわ!あたし感動しちゃった!」
その目はかすかに潤んでいた。
歌詞の内容に自分の過去をリンクさせ感情が爆発するのが
抑えがたい状況なのであろう。
次にできすぎがそれにのっかるようにして喋る
「すごいよ!ジャイアン!プロの演奏を聞いているみたいだった!」
と一言
二人の感想にジャイアンは「おせじはよせ」と珍しく照れた
昔の彼ならば謙遜や照れなどという言葉には縁がなかったが
高校生活の過酷さと孤独が彼に何らかの心理的変化を起こさせたの
であろう。 簡単に言えば丸くなったのである。
のびた どらえもんも 平常心をとりもどし
剛田を褒めちぎった。
六畳の部屋は剛田の照れ笑いと、その微笑ましさに笑う四人の声で
また演奏を始めるまえの空気にもどった。
その後も五人は昔の思い出話に花をさかせた
秘密道具での失敗談や笑い話
宇宙や異世界を舞台にした大冒険
昔の記憶は彼らにはとても輝いて見えた。
18 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 15:25:52 ID:tl3s0/yQ
思い出話は夜中まで続いた。
ドラえもんはすでに未来へ帰り部屋には四人だけになっていた。
のびたは会話が途絶えてすぐに三人に声をかけた
「じゃあ今日はこの辺で!どらえもんもかえっちゃたしさ!」
皆これにうなずいた。
帰り際できすぎは三人にこう告げた
「おれさ、実は小さい時みんながうらやましかったんだ。
楽しいことや冒険をするときはスネオ ジャイアン のびた しずかちゃん」
いつも一緒だったろ?
俺もあの時勉強ばっかりしてないでちゃんとみんなと遊んでおけばよかった
っていまでも思ってるんだ。
俺今日この集まりによばれてめちゃくちゃうれしかったよ。
ぶっちゃけ勉強ばかりしてたから嫌われてると思ってたよ。
へへ辛気臭いこといっちゃったかな」
思いがけない本音にすこし三人は動揺したが
すかさず剛田が言った
「なにいってんの。俺らはお前が友達じゃないなんて
思ってるわけねえよ、お前のこと大好きだぜ?
宿題も助けてくれたしな!w」
剛田は冗談めかしく言ったつもりであったが
できすぎは感激のあまり少し無口になった。
のびたと剛田は「なに落ち込んでんだよw」とできすぎの肩を
たたいた。
のびたは家の前まで三人を見送った。
もう時間は1時を回りすっかり暗くなっていた。
帰る方向がしずかと同じできすぎは
「夜中に女の子だけじゃあぶないよ。
俺が送ってくよ」「今日は楽しかったよありがとう」
と言い、しずかと一緒に帰っていった。
ふたり一緒に歩く後ろ姿をみてのびたは 「はあ」
と大きくため息をついた。
剛田はのびたをからかうようにして言った
「お前まだアイツにほれてんのか?」
その言葉にのびたは顔をまっかにして言い返した。
「馬鹿やろー んなわけねえだろ!」
その姿は昔ののびたとなんらかわりなかった。
と同時に剛田は昔の自分を思い出し、少し胸が切なくなった。
またな とお互いに一言かわすと 剛田は自宅に向かってあるきはじめた。
19 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 15:38:57 ID:tl3s0/yQ
夏の夜の空気は独特な匂いがする。
どこか寂しく懐かしい。不思議なにおいだ。
一定感覚に並ぶ街頭と広大な夜空が、剛田の想像力をかきたてた
祭りの後の感覚とはまさにそれに近い。
剛田は帰り道に又過去に思いをはせた。
あまりにも素晴らしすぎた過去は二度と帰ってはこない
待っているのはこのつらすぎる今
過酷な現実だけだ。
そんなことを考えているうちに剛田は涙していた。
過去を思い出しては辛くなるそれの繰り返し。
本人はそれを情けないことだと自覚していた。
今の現実に前向きになれない自分を、憎んだ。
剛田は結局終始なきやめずに自宅についた。
20 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 16:04:30 ID:tl3s0/yQ
それから数週間後
あの集まりを機に、剛田とできすぎとのびたとしずかはよく連絡をとりあい
たまに遊びに出かける仲になっていた。
特に出木杉は現代音楽に興味があるようでよく剛田からCDを
借りにきたり、音楽の話をたくさん聞いたりしていた。
なんでも出木杉は親の影響でクラシック音楽しかまともに聞いたことがなく
堅苦しく形式にのっとった格式の高い音しか知らなかった。
その反動もあり出木杉は現代ポピュラーミュージックにのめりこんでいった。
中でもお気に入りは、パンクロックと呼ばれる攻撃的でシンプルなものだった。
英語もこなす出木杉は洋邦にとらわれずパンクロックを聞きあさった。
型破りな歌詞やファッションは今までの彼の音楽に対するイメージを覆したのだ。
ある日、出木杉から剛田に一本の電話がかかってきた。
何でも今度CD屋に行くようで、オススメのアーティストとアルバムを
剛田に聞きたいらしい。
剛田は嬉しかった。前からこうやって音楽のことでわいわい話せる
仲間が欲しかったのだから。
剛田は最近インディーズで注目されている赤痢というバンドを薦めた。
すると出木杉は驚いた様子で剛田に言った。
「赤痢!?赤痢なら今度の日曜日にツアーで地元でやるみたいよ!
興味あるなあ!よかったら見に行こうよ!」
剛田は嬉しさ半分驚き半分で返事をした。
「もち。絶対だぞ」
21 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 16:23:34 ID:tl3s0/yQ
約束の前日の夜
剛田は期待と興奮のあまり眠れなかった。
しばらくしきっ放しの少し汚れたせんべい布団に大の字になり、
オレンジ色に光る電気をまじまじと見つめていた。
実は剛田も地元のライブハウスに行くのは、初めてで
生のライブとは一体どんなものなのかと彼の好奇心をくすぐった。
なにより剛田をここまで高揚させたのは、「音楽仲間」からの
さそいであろう。
孤独でつかれきった心を元気付けてくれる、励ましてくれる
友達からの誘い 言葉が きっと一番の興奮の原因なのだ。
「明日はライブ・・・・・ライブ・・・・・」
頭の中はこれでいっぱいだった。そしていつしか夜が明け
大の字になった剛田の体に朝日の光が差し込んだ。
ついに日曜日だ
追いついた
なんて等身大なジャイアンwww
正にジャイアン新ジャイアン
続き!
続き待ってるよ!
悟空ーー!!!早くしろーー!!間に合わなくなってもしらんぞーーー!!
そんな訳で続き超期待(;゚∀゚)'`ァ'`ァ
26 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 21:53:06 ID:4mK2vptp
これはいいジャイアンwww期待!
映画のジャイアンの成長をこのスレにみた
続き楽しみです。ジャイアンは勿論、出来杉くんもいいなぁ。
29 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 19:55:13 ID:CJFH6F3K
すいません一身上の都合により遅れました;
読んでくれた方感謝です;;
続き
その日は雲ひとつなく晴れた日であった。
熱さもピークに差し掛かる12時過ぎ
町の片隅にある小さなライブハウスに剛田と出木杉は待ち合わせしていた。
先に待ち合わせ場所に着いたのは剛田であった。
剛田は入り口近くにある木製のベンチに腰掛けて出木杉を待った。
初のライブを目前に、
剛田の胸はすでに若干の緊張状態にあり、なにかハラハラしたものが
腹の中をかきまわした。
約束の時間が着たが、出木杉は姿を見せない。
彼を待つ この時間 がいつもよりとてつもながく感じられた。
数分後、「おーい」となにやら申し訳なさそうな声で出木杉が走ってきた。
額には大量の汗をかき、グリーンのTシャツはところどころ汗でやや
色が濃くなっている。
かなり急いで走ってきたことが想像できた。
出木杉はまだ落ち着かない息遣いで剛田に挨拶し
「ごめん!約束もちかけといて!」
と少しの遅刻を詫びた。
30 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 20:12:01 ID:CJFH6F3K
「はは、きにすんなよ」
剛田は軽く返事をして余裕を装ったものの、
心臓はすでにどきどきし始めており、自らも変な汗をかき始めていた
しかし、ぐずぐずしている暇はない。そろそろスタート時間だ
「じゃ いこうぜ」
剛田は出木杉に一声かけて入り口前まで歩いた。
ついにライブハウスへ足を踏みいれる時がきたのだ。
ガラス状の扉を開けて先へ進むと、小さなロビーのようなものがあった。
ロビーの壁は一面フライヤーと落書きに埋め尽くされていた。
また、壁際には数個のベンチと灰皿が置かれ、
バンドマンと思われる人やそれのファンらしき人々が談笑していた。
剛田と出木杉はその脇にあるチケット売り場で、赤痢の当日チケット二枚
とドリンクチケットを購入した。
販売員はチケットとフライヤーを
渡すと「ではあちらです」と手で合図をした。
その先には薄暗い通路と黒い扉、
どうやらあの扉の向こうに会場があるらしい。
販売員の合図に従い二人は、扉を開け会場に足を踏み入れた。
おお、続き支援支援
いよいよバンドマン化かー
32 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 20:25:39 ID:CJFH6F3K
会場に入ってみるとまず驚いたのがその広さであった。
剛田はものすごく広いホールを想像していたが、
広さは学校の教室とほぼかわりなかった。やや広いくらいだろうか、
いったいこの狭い空間に
何人の人が入るのだろうか、、、これが最初の印象だった。
暗い会場を赤いライトが不気味に照らす。
一番前には、普通より床が高くなった舞台のようなものがあり、
アンプやドラムセットが置かれていた。
会場にはまだ人もまばらで剛田と出木杉の他に数人が壁によしかかって
いるだけであったが、スタート時間が近づくにつれてどんどん人は
増えていった。
と同時に剛田の緊張感も徐々に増してきていた。
すると出木杉が剛田の肩をたたいてこう言った。
「なんか緊張してきちゃったw」
彼も相当緊張していたのだろう、と同時に不安になっていたに
違いない、こうやって剛田に話しかけて少しでも胸を借りようと
したのではないだろうか。
剛田もかなりドキドキしていたが、「そうか?楽しみじゃねえか」
と強がった。 強がりなところは昔となんら変わりない。
そうやって話しているうちに人はどんどん増え、
小さな会場は人で満員となり移動すらも困難になってしまった。
会場は熱気と異様な静けさに包まれていた。
まるでたとえるならそれは、眠れる獅子のようだった。
ついにスタート時間になった。
と、同時に会場の照明が消えた。
33 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 20:50:38 ID:CJFH6F3K
SE(入場音)が鳴ったと思うと、舞台の両脇からスモークがたかれ、
紫色の照明が一気に明るい黄色に変わり、ついに人影が現れた。
二人の位置は最前列でバンドの姿を近くで見ることができた。
赤痢はVo.Gt.Va.Dr.の四人で編成されているバンドであった。
やがてメンバー全員が姿を現すと、これまで静かだった会場が一変し
人々は大声を上げ各々動き回り、会場の人間全体がうねりだし
二人はそのうねりに巻き込まれ圧倒された。
剛田、出木杉の緊張感はピークに達していた。
バンドメンバー全員が定位置に立ったかとおもうとすぐに、
ドラムの男が一定のリズムでドカドカとドラムを鳴らし始めた。
少し立つとギタリストがそれにあわせて少し音を鳴らす、
それにかぶさるようにしてベーシストが少し音を出した。
まるでなにか確認をとっているかのようだ
その様子をヴォーカリストが確認すると、何かに合図するように
腕を上げた。
その瞬間
わけのわからない音の塊が剛田の耳をとおり越して剛田と出木杉
のからだにぶちあたった。
一見爆発的でエネルギッシュな轟音は、激しいドラミングにベース音がうまく
重なりさらにギターが彩りを加えた繊細な音でもあった。
まさに音の塊と呼ぶにふさわしい。
曲が始まったのだ。
会場の人々は曲の開始と同時に大きく波打った、ジャンプしながら
騒ぐ者、モッシュ(人と人とがぶつかり合う)をはじめる者、ダイブ
(人に身をまかせ人の上を泳ぐような様)をはじめる者、
会場全体が大きくうねり、熱気と殺気にみたされていた。
さらにその音の塊は巨大化し会場全体を包み込んだ。
剛田はあまりの衝撃にその場から動くことができなかった。
ただ、叫び散らし暴れまわるボーカル、頭を振りながら飛び回る
ベーシストやギタリスト、必死に高速ドラミングをするドラマー
立ちに釘付けとなっていた。
赤痢のライブパフォーマンスはとてもすさまじいものであった
音と体の一体感が一層それを確実なものとした。
「これが・・・・ライブか・・・」
剛田の胸は更に熱くなっていた。
34 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:23:16 ID:CJFH6F3K
曲の開始から数分
剛田はふと隣の出木杉を見た。
出木杉も曲を演奏する赤痢に釘付けになり、その場に立ち竦んでいた。
きっと彼も剛田と同じ衝撃を受けていたに違いない。
いやもしくはそれ以上のものを。
バンドの音は常に彼らの体にあびせられた。
剛田にはそれが徐々に快感に変わっていくのがわかったきがした
周りのオーディエンスとともに体を動かして、音と一体になりたい
バンドと一体になりたい。 そんな気持ちが徐々に湧き出ているのだ。
バンドは一曲終えたようだ。
それからすぐMC(司会進行に似たもの。すこし喋ったりする)に入った。
音が無くなると体の緊張は一気にとけ、力んでいた肩がすっと軽くなった
赤痢のボーカリストはバンド名を紹介し二言ほどしゃべった後
「次の曲、kill all the yellow monkey 」と次に演奏する曲を紹介し
演奏に入った。
次からは剛田も出木杉も自然と体を動かしていた、オーディエンスは音の塊
とひとつになっていた。
まるで一つの生き物のように激しくうねり、
それはエキサイティングでもあり
混沌とした風景でもあった。
35 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:25:10 ID:CJFH6F3K
それから二時間ほどたったであろうか、
最後の曲の前のMCの途中、剛田はふと左側をみた、
すると同じ列の一番はじの方に、なにか見覚えのある顔を見つけた。
特徴のある前髪、尖った口に細い目
「・・・・スネオ・・・・?」
いやたしかにスネオだった。
剛田の目に狂いはない、なぜスネオがここにいるのか、
スネオも赤痢のファンだったのか、
理由など本人しか解らない。
約一年ぶりに見た友人の顔に剛田は感情を抑えられず、人を押しのけて
スネオに近づこうとした、
しかしすぐ最後の曲が始まってしまいまた、ひとのうねりに巻き込まれ
剛田はスネオの元へ行くことが出来なくなってしまった。
曲もラストなだけあって最大の盛り上がりをみせる
もまれもまれるうちに剛田は最前列から中央のどこかにまで
流されてしまっていた。
完全にスネオを見失ってしまったのだ。
36 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:26:14 ID:CJFH6F3K
ライブはなんのトラブルもなく終了した。
一瞬出木杉とはぐれてしまった剛田であったが人が減るまで
中央に立ち続けたおかげで、出木杉のほうから声をかけてくれた。
ただ スネオの姿は見つけることができなかった。
ライブハウスをでてすぐ二人は入り口のベンチに座り、感想を
言い合った。 ライブの轟音による耳鳴りが終始彼らの耳に
響いていた。
出木杉は初めてのライブに相当感動したようだった
興奮気味に剛田にこうはなした
「赤痢は全員よかったけど、ドラマーが一番かっこよかったよ!
ひたすらドラムを叩く様がパンクってかんじだったなあw」
バンドの基盤となり各パートを支えるパーカッションに目をつける
ところがいかにも出木杉らしかった。
それから剛田はライブ中にスネオらしき人物を見かけたことも話たが
興奮する出木杉には軽く流されてしまった。
二人はしばらく赤痢と初ライブについて語りあった、
それから少したったころだ、二人の前をあの見慣れた顔 スネオが
とおりすぎたのだ。
二人はスネオに気づき、スネオに声をかけた
「おい!まてよースネオー」
スネオはベンチに座る二人に気づいていたのかどうかはわからないが
その呼びかけには反応せずただ去っていった。
一度は話を流した出木杉もこれには食いついた。
「ひどいなあ、無視するなんて」
しかし剛田はスネオが無視をしたのが信じられずにいた
きっと気づかなかっただけだ、、、耳鳴りで声も聞こえにくくなっているし
剛田はそうであって欲しいと願った。
37 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:55:48 ID:4nReA4Sz
期待しとく
スネオに何があったとですかー期待
いつスレタイの展開になるのか…オラ、wkwkがとまらねぇ!
フラグ的には王手かかってるよねw
いつ来てもおかしくないが、どういった展開になるのかほんとwktk
41 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 07:15:35 ID:zOaEYpMJ
パンクに目覚めた出来杉に期待age
このジャイアンのとこなら嫁にいきたい
43 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:01:02 ID:xBiEbTIk
遅れました
読んでくれた方感謝です
あらから一週間と数日、
剛田は学校の終業式に出席していた。もう夏休みも目前だ。
高校に友人のいない剛田にとって学校は憂鬱なものでしかなく
毎日が過酷であったが、ついに長期休暇を迎えしばらくこの苦痛から
開放されるのだ。更に夏休みは出木杉やのびたやしずかなど気の許せる
友人達と疲れ果てるまで遊び続けられる。
剛田はそれを想像するとひとりでに顔が緩み、笑みがこぼれた。
終業式は校長や生徒指導教師の話等を経て一時間ほどで終了し
各々解散となった。
剛田にとって帰り道がこれほど楽しいのは久しぶりであった。
太陽がこれでもかと照り、暑さからアスファルトにできる小さな蜃気楼と
うるさいくらいに聞こえる蝉の鳴き声と民家の風鈴の音が夏本番の到来を
知らせているようだった。
家に帰ると時刻は12時
母親が冷麺を作って剛田を待っていた。
TVをつければ笑っていいとも
一足先に帰宅した妹は宿題にせいをだしている
改めて剛田は夏休みを肌で感じた
44 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:22:42 ID:xBiEbTIk
剛田が冷麺を食べている最中、家の電話がなった。
母親が先に受話器をとった。
「たけし!のびたくんからだよ!」
何年たっても家の母親はうるさい。ふとそんなことを思いながら
母親から受話器を受け取った。
のびたは早速夏休みに皆で遊ぼうと言って来た。
更に先週の赤痢のライブでスネオが来ていたことを出木杉から
聞いたらしく、なにかとスネオの事を気にしていた。
「あいつ、さっき電話したんだけど、また遠慮しとくって断られてさ
先週もジャイアン達の事無視したんだろ?
ちょっと薄情じゃねえ?俺ら小学校からの付き合いなのになあ」
とすこし心配そうにのびたは言った。
のびたもスネオの事をかなりきにかけているようだった。それは
剛田も同じであった。
九年の付き合いがありながらいまさら何を思ったのか、
なぜ距離を置こうとしているのか。
前に話したときは勉強が忙しいからといっていたが
本当の理由など今考えてもわかるわけがない。
のびたも同じ事を考えたのだろう。話題を切り替え
「まあ明々後日あけといて!皆で買い物でもいこうぜ!」
と言い残し電話を切った。
支援
スネオは映画でもなにかと孤立してたからなあ・・・
ドラ世界にいいともあるんか?
47 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:59:25 ID:xBiEbTIk
約束の当日は剛田 出木杉 しずか のびた の四人で
買い物にでかけることになっていた。
面白かったのが、出木杉が何に感化されたのか 髪を短く切って
いがぐりのようにセットしてきたことだ。
剛田とのびたは出木杉のイメチェンに盛り上がって出木杉をいじり
倒した。出木杉も悪い気はしなかったようで「からかわないでくれよ」
と照れながらも笑った。
また出木杉は自らの髪型を指さして剛田に「パンクロックだよジャイアン」
と呟いたのがさらに剛田には印象的だった。
おとなしいイメージが強かった出木杉だったがこんな大胆な一面が
あったとは。
さらに意外だったのはしずかがその髪型に代絶賛していたことだ
しずかは終始出木杉の頭をほめちぎっていた。
髪型が会話の種となり出木杉としずかはよく二人で喋っていた。
それをみてのびたは何度も不機嫌そうな顔をしていた。
買い物の帰り道 出木杉はみんなに自慢したいものがあるといい、
三人を自宅へ招待した。
48 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:17:22 ID:xBiEbTIk
三人は出木杉の部屋に入っておどろいた。
綺麗に整理された小さな部屋には黒色のドラムセットが置かれていた。
出来杉は言った。
「へへ父さんに死ぬほどお願いして買ってもらったんだ」
真っ先に反応したのは剛田であった。 少し興奮した様子で出木杉に
こうたずねた。
「お前それいつかったんだよ!すげえじゃねえか!」
出木杉はすぐさまそれに反応し長々と語りだした。
「いやあ、この前の赤痢ライブの後すぐにね。
あれを見た後、自分もやりたくてしかたなくなったんだ。
父さんに勉強を今以上にやるって約束で買ってもらったよ。」
しずかは初めて間近で見るドラムセットに感動し出木杉にこう言った
「すごいわあ!出木杉さんちょっと叩いてみてよ!」
剛田も出木杉のプレイを見たかったのでしずかに乗っかって出木杉に
軽くプレイしてみて欲しいといった。
出木杉は照れながらも
「一週間とちょっとしかやってないし まだ下手だよ 」
と言い、床においてあったスティックを握り
NIRVANAのsmells like teen spirit の一部を演奏してみせた。
一週間にしてはなかなかのできであった。
やはり多少おぼつかないところもあり、リズムキープもままなら
ない部分もあったが初心者にしては上出来だ。
剛田よりも先にしずかが出木杉を褒めちぎった。
「かっこいい!出木杉さん! やっぱり楽器も才能あるのねー」
しずかの目はうっとりと出木杉を見つめていた。
のびたはやはりこれをみて不機嫌さを隠せなかった。
「俺かえるわ」と一言いうとのびたはそそくさと帰っていってしまった。
剛田が空気を読んでフォローしたおかげでその場の空気を壊さずに
すんだ。
そのあとすぐ剛田としずかも出木杉の家を後にした。
49 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:19:06 ID:xBiEbTIk
同日
市内の小さなライブハウス 以前赤痢が演じた所だ
ただ赤痢の時と違って客は10人にも満たないほどがらがらだ。
そこで何の特徴もない高校生バンドが演奏していた。
客は皆壁にもたれ、「はやく おわれ」そんな言葉が聞こえてくるような空気だった
ライブを終えて楽屋でメンバーがライブを振り返っていた
フロントマンのギタリストが大声でメンバーに怒鳴っている
「ああ!また客はいってねーじゃねえか
お前らちゃんとチケットさばけってあれほどいったろうが!」
メンバーは「またはじまった」
といわんばかりにただ下をむいていた。
更にギタリストは続けた。
「特にお前だよ!骨川!てめー一枚もさばけないってなんなんだよ
コラ! お前が俺らと組みたいって懇願すっから入れてやったのに
なんだこのザマは? もういいよお前! 首なw次からこなくていいから」
誰も反対はしていないようだった。
そして今首を言い渡されているのは紛れもなくあのスネオであった。
50 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:19:58 ID:xBiEbTIk
スネオは中学校と同じようにクラスのリーダーグループに媚をうって
生活していた。さらにそのグループがバンドのベースを探していると
いっていたので、必死にベースを練習した。
クラスのトップの座を不動のものにするにはそのグループのバンドへ
加入し更に媚を売ることだと考えた故の決断であった。
しかし今首を言い渡されたスネオはただ無言で楽屋をあとにした。
すると今まで無言だったドラマーが口を開いた。
「お前ほんとに首にしちまってよかったのか?
あいつゴマすってんのがミエミエでうざかったけどセンスはあったろ?」
ギタリストはその言葉に虫唾が走ったのかさらに強い口調でこう返す
「うるせえなお前?腕より顔だろおが!チケットうれねえと意味ねえからな!
知り合いにイケメンのベーシストがいるからそいつに声かけてみるわ。
それとアイツ毎回毎回変なデブと一緒に写ってる写真みてたろ?
あれが気持ち悪くてしかたねーんだわw ホモとバンドができるかっての! 」
その言葉にドラマーとヴォーカルは笑った。
更にヴォーカルの男は言った。
「アイツ最近本気でロックに興味もったみたいでよ
俺にマイブラ薦めてきやがったんだぜ?」
そんな調子で三人はしばらくスネオの悪口で盛り上がっていた。
一方首をいいわたされ 落ち込んでいるスネオはある場所を目指して
あるき始めていた。
ま さ か の 展 開
バンド展開キタキター
53 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:01:08 ID:0j+ZN/Qt
読んでくれた方感謝です
更新します
出木杉宅からの帰り道、剛田はいつもの空き地を通ってみることにした。
何かの拍子に思い出したのであろう。急にそこに行きたくなった。
その空き地には昔から友達と集まって騒いだものだ。
彼らはその空き地にたくさんの思い出を残してきた。
なにか嫌なことがあったり、ふと立ち止まって見たいときに
より道したくなる。彼らにとって今の空き地はそんな場所だ。
きっと剛田もノスタルジックな気分につかりたかったのではないだろうか。
剛田が空き地につくと既にそこには先客がいた。
先客の男は三つ積み上げられた土管に腰をかけ、ただ空をながめていた。
剛田はその男をみてはっとした
それは紛れもなくスネオであった。
剛田はなんのためらいもなくスネオに声をかけた。
「おい・・スネオ・・スネオじゃないか・・!」
54 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:08:32 ID:0j+ZN/Qt
スネオはその声に気づくと驚いたような表情ですぐ剛田の顔を見た
その瞬間、スネオは今まで背負ってきたなにか重たいものをおろしたように
へなへなになり、目から涙をあふれさせて、こう言った
「ジ・・・・ジャイアン」
スネオが目指して歩いた場所は紛れもなくこの空き地であった。
彼もめまぐるしく動く日常とそれにすり減らす神経とそれに伴う
苦痛に疲れはて、一休みしたくなってここを訪れたのであろう。
剛田はすぐスネオに言った。
「おい・・隣いいか?」
スネオはうなずいた。スネオの右隣に剛田は腰掛けた。
剛田はスネオに聞きたいことが山ほどあったし、スネオもきっと
あふれる言葉を抑えるのに精一杯だったに違いない。
しばしの沈黙の後剛田はあの
ライブハウスの件をスネオに問いかけた。
スネオは嗚咽のせいでおぼつかない口調ながらも
一つ一つ言葉を選ぶように話始めた。
55 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:23:33 ID:0j+ZN/Qt
なんでもスネオは、小中と己の地位確立のために剛田達を利用
していたにもかかわらず、
それを全く気にせず、高校に入っても付き合いをもとうとしてくれる
剛田達にうしろめたさを感じていたらしい。
更に言うと新しくスネオは高校でリーダー格となるグループに
ゴマをするのにかなり神経を使っていたらしくとてもナーヴァスに
なっていたのだそうだ。
しかし
さきのバンド追放の件でスネオはリーダー格のグループから
はずされてしまった。と同時にゴマをする生活からも開放されたのだ。
上辺だけの関係などいとも簡単に裏切られる、お互いの利益だけを
追求し、本音を隠しあった友情など友情として成り立つものではない。
スネオは剛田の顔を見て思いだしたのだ
剛田達のなんの屈託のない素晴らしい付き合い方を
いかに自分が最低な事をしてきたかを
それを思い出すと涙がとまらないのだ。
スネオは執拗に剛田達の誘いを断った件と小中とゴマをすってきたこと
を詫びた。
(´;ω;`) ブワッ
57 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:34:45 ID:0j+ZN/Qt
スネオはおそるおそる剛田の反応をうかがった。
本音を隠し皆に媚を売り続けてきたこと、そうやって地位を確立
させようとしたこと。全て話してしまったが、昔の剛田なら
きっとここで 滅茶苦茶に殴られるであろう。
しかし剛田はなにもしなかった。
そしてただすこし笑いながらスネオに言った。
「馬鹿かお前は。んなことで俺らと会いづらかった?馬鹿野郎。」
スネオは剛田の意外なリアクションに少し驚いた。
剛田はなおも続けた。
「いったい俺ら何年の付き合いだと思ってんだ。
お前がゴマをすってんのなんか気づいてたよ。
俺も のびたも しずかちゃんも どらえもんも 出木杉もな」
その意外な発言にスネオは言葉を失った。
「でも俺らはお前と付き合うのをやめなかった。なんでだと思う?
俺らはお前が根はいい奴って知ってるからだよ。」
さらに剛田は続ける。
「数え切れない大冒険をしたな。お前は幾度も俺達がピンチになったとき
本気で助けようとしてくれた。 お前はそのとき友情で動いてたはずだ
利害関係なんて考えてなかったはずだろ?
俺達は友達なんだよ! 」
スネオは自分が余りにも情けなく思えた。
今まで何で自分は彼らにゴマをすっていたんだろうか、
きっとありのままの自分でも彼らはきっと自分を受け入れてくれたのに
スネオはまた泣いた。
58 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:41:56 ID:0j+ZN/Qt
それからしばらく、二人は土管に腰掛けたままお互いの
近況を報告しあった。
スネオは剛田と話すうちにこころなしか少し表情に元気が戻った
ように見えた。
スネオは帰り際に言った。
「今日はありがとう。なんだかすっきりしたよ。後でみんなに謝らなくちゃね
また連絡してよ!」
剛田は「ああ」と返事をしお互いに今日は別れた。
家に帰るスネオの後ろ姿に剛田は様々な思いをめぐらした。
今までは苦労しているのは自分だけだと思っていた。
高校で苦しい思いをしている自分を悲劇の主人公だと思っていたが、
まだ苦しむ者がいたのだ それもこんなに近くに。
剛田は少し自分が恥ずかしく思えた。 そしてこれからは
頑張ろうそう思えた。 ここに来て初めて 剛田は前を向いたのだ。
イイハナシダナー( ;∀;)
60 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 00:52:14 ID:0j+ZN/Qt
次の日
剛田はのびたからの電話に目を覚ました。
用件を聞くとなんでも剛田に頼み事があって電話したらしい。
すこし恥じらいをもった様子でのびたは言った。
「なあジャイアン・・・楽器教えてよ・・・」
剛田はのびたが何故いきなりこんな依頼をしてきたのかすぐにわかった。
おそらく しずかの気を引くため、もしくは出木杉に対する小さな
ライバル意識からか。 なんにせよしずかが絡んでいることは間違いない。
のびたは昔からしずかの気を引くために
よくいろんなことに打ち込んでいた。
剛田はあまり不純な動機で楽器を始めて欲しいとは思っていなかったが
のびたがあまりにもかわいらしかったので快くそれを引き受けた。
そしてのびたにこう言った。
「いいぜ。ギター教えてやるから。とりあえずうちこい」
あまりにも器の大きい剛田の心にのびたは感動した、
そして図に乗ったのびたはもう一つ条件を提示した。
「みんなには内緒でたのむよ!」
これから 二人の秘密特訓が始まろうとしていた。
なるほど
wktkが止まらない
映画のスネオを思い出してジーンときてしまった
役 者 は 揃 っ た ! !
これは期待だぞえ
64 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 02:30:27 ID:xympSgPL
おおいよいよか
のび太なしのスリーピースかとはらはらしたぞ
うおおおなんだ読んでてこみ上げてくるこの熱いものは!!
面白い! 面白いぞコレー!! wktkwktk!
あれ?
なんだろう……
妙にモニターが曇って見える。
拭いても拭いても曇りが取れないよ。
のび太しずかは伏線だったのね
出木杉なら親にねだったりせずに自分で金貯めて買いそうだけどな
70 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:27:37 ID:0j+ZN/Qt
読んでくれた方&レス下さった方感謝です
更新します。
電話を交わして数十分、のびたが剛田の家にやってきた。
入り口で出迎えた剛田はからかい半分で言った。
「お前、出木杉に対抗心でもいだいてんのか?」
のびたはそれを聞かれすこし焦りながらも色々と言い訳を
した。
実際剛田の予測は大方あたっていて、ドラムをプレイしている姿に
しずかが見とれていたのを見て以来、のびたは自分も楽器を使って
しずかの気をひこうと考えていたのである。
しかしのびたは剛田たちにそれが本当の理由だとは口が裂けても言えなかった。
なぜなら、剛田も出木杉も音楽や楽器に対する姿勢は真剣そのもので
あり生半可な気持ちで楽器に挑戦しようとする自分にすくなからず
うしろめたさがあったからだ。
剛田は早速のびたを部屋に上げた。
剛田は数本のギターの中から一番古いと思われる黒いストラトキャスターを
のびたにわたした。
「ほら それ持ってみろ」
剛田は早速のびたにレクチャーを開始した
71 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:38:53 ID:0j+ZN/Qt
レクチャーは三時間にも及んだ。
のびたはあまりの指の疲れと痛みに弱音をよくはいた。
しかしながら 剛田の目線からみてだが、のびたはなかなか
筋は良かった。 剛田の話を真剣に聞きそれをしっかり実行しようと
するひたむきなのびた姿勢に剛田も少なからず関心していた。
のびたは初めて挑戦するギターに対してイメージしていた
ものよりとても難しいものだと実感していた。
初心者ののびたにはコード一つ覚えてそれを抑えるのにもかなりの
時間がかかったし指の痛みも想像を上回るものだった。
四苦八苦しながらのびたは言った。
「ギターって難しいなあ・・ちょっと油断してたな・・・」
のびたの弱音に剛田は笑いこう返した。
「慣れだよ慣れ。ほらぐずぐずいってねーでそのコード押さえてみろ」
剛田のレクチャーはなかなか厳しいものであったが、
のびた自身楽器を弾くことの楽しさを時間をかけてしってゆき
数時間たったころには弱音も少なくなっていた。
厳しいレクチャーは四時間にも及んだ。
そして剛田は言った。
「今日はこのへんでいいだろ。そのギター貸してやるから
家でしっかり練習しとけよ。」
のびたはそれに「うん」と返事をして更に剛田にいった。
「これから毎日きていい?」
断る理由など剛田にはなかった。
「もちろん」と一言いのびたを家に帰した。
のびたは帰り際に剛田にギターを貸してくれたことと
時間をかけて教えてくれたことの礼をいい、急いで家に帰っていった
なんでいつも投下に十分単位で間が空くの?
73 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:50:04 ID:0j+ZN/Qt
その日から二週間ほどのびたは剛田の家に通いギターを練習し
家でも剛田に借りた教則本を見ながらひたすら練習した。
剛田ものびたにギターを教える傍ら、出木杉と地元のライブハウスに
通ったり、新しく曲を書いたりと それなりに夏休みを満喫していた。
それからのびたはギターをきっかけに音楽に興味をもったらしく
剛田の家に通いながら沢山のCDを剛田から借りた。
のびたはギターの練習の合間にそのCDを良く聞いた。
メタルバンドのギターテクに驚愕したり、プログレの音作りに関心
したり、のびたにとってはその全てが新鮮であった。
更に数日
剛田の家に出木杉とのびたが訪れていた。
当初はのびたはギターを始めたことを皆に内緒にしておく予定だったが
音楽好きが集まれば当然、好きなバンドや楽器の話にはなる。
意思の弱いのびたはその流れに飲まれ、すぐに自らがギターをしている
事をうちあけた。
そのこともあってか音楽トークはとてもはずんだ。
お互いのオススメのバンドも紹介しあったりしてなかなか
内容の濃い一日であった。
74 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 19:56:15 ID:0j+ZN/Qt
その日の夜 剛田はある事を考えた。
ドラマーに出木杉 ベーシストにスネオ ギタリストにのびた
これはバンドができるのではないだろうかと。
もしそれが実現すれば剛田にとってそれ以上の喜びはないであろう。
気の許せる昔からの仲間と、楽しく音楽をやる 想像しただけでも
剛田の胸は躍った。
剛田は決意した。 バンド結成を皆にもちかけるのだ。
今まで一人で音楽をやっていた剛田にとってこれほどワクワクした
ことはないだろう。
こころなしか剛田はギターを握りがむしゃらに弾いていた。
抑えがたい気持ちが爆発しているのだ。
明日 明日 皆を誘ってみよう。
彼は今大きな起点にさしかかっていた。
75 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:09:15 ID:0j+ZN/Qt
次の日剛田は出木杉 のびた スネオに連絡をとり
「話がある」との用件で三人を自分の家に呼んだ。
三人を待つ剛田はきっとここ数週間で一番そわそわしていただろう。
しきりなしにギターを弾いたり、何度も時計を確認したり
腹も空いていないのに何度も冷蔵庫をあけたりと、とにかく落ち着きが
ない。
この様子から彼が今どんなにバンド結成を楽しみにしているかが
見て取れた。
それからしばらくすると、のびたが一番最初に剛田の家に到着した。
のびたは「はなしってなんだよー」と剛田に問いかけたが、剛田は
「いや まだだ」とのびたを焦らした。 いや焦らしたというより
機会を待っていると言ったほうが適切だろうか。
三人そろったところでこの案を打ち明けるのだ。
その後すぐに出木杉スネオも剛田の家に到着し、ついに剛田が
あの案を打ち明けるときがきたのだ。
スネオも交えて話すのは久しぶりであった。
スネオは前の件もあり若干のびたや出木杉たちに対してきまずそうに
していたが二人とも久しぶりの友人との再会を喜んでいたようだった。
スネオは昔自分がしていた過ちと近況を報告を交えて二人に詫びた。
しかし二人はんなことはなんとも思ってないと軽く水に流してくれた。
剛田は三人に向かい合うように座り本題を話した。
「いいか、出木杉は今ドラムがたたけて スネオはベースが弾ける
のびたも練習中とはいえギターをやってるな?」
これだけ剛田が話しただけで三人は察した。
これから剛田の口から放たれる言葉がいとも簡単に予想できた。
と同時に彼らの胸は今とても高鳴っていたに違いない。
「バンド組もうぜ」
76 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:11:27 ID:U7hucBNI
バンドキター
77 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:16:44 ID:0j+ZN/Qt
三人の期待通りの言葉であった。
まず一番最初に返事をしたのは出木杉だ
「最高だよ!それ!俺は大賛成だよ!」
それにあわせてスネオも言う
「いいよ。このメンバーでできるなんてきっと楽しいよ。」
ただのびたはまだ己の力量に自身がないのか、すこし戸惑った様子
だった。
それをさっした剛田はすかさずフォローをいれた。
「安心しろよのびた。最初は簡単なのやってくから。
これからうまくなってきゃいいんだよ」
その言葉を聴いてのびたも安心したのか「うん。やろう。」と
その案に乗った。
剛田はあまりのよろこびからか、少しほっとしたきぶんからか
「よしー」と言葉が漏れた。と同時に剛田は言った。
「よっしゃ 早速バンド名とこれからやる曲きめようぜ!」
四人はこの日夜遅くまでバンド名やこれからの方向性について語りあった。
いつもどおりの日常だったはずの
現実が今なにか彩りを加えられ始めていた。
78 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/03(金) 20:23:22 ID:0j+ZN/Qt
>>72 申し訳ないです。
書き溜めを怠ってしまっていて、、、
次からは改善していきたいと思います。
今日はもう落ちます 本当に申し訳ないです。
人間関係も収まって、無事面子揃いましたなー
ここからどう展開していくのかwktk
乙です
何かこっちもワクワクしてきた
>>69 ドラムセットが幾らするのかわかってるのかw
中古でも、学生なら貯金崩したりバイトしないと厳しいぞ
82 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:19:35 ID:knJ4Qwy5
バンド名がスゲー気になるw
ジャイアンシスターズ
84 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 02:06:57 ID:ZUmoyfco
バンド名…
四次元ポケットとかね
>>81 原作で、望遠鏡買うために下級生の家庭教師とかして数万貯めてたけどな
>>85 そんなマニアックな話知ってるわけないだろ
ドラえもんスレでドラえもんのマニアックな話して何が悪いんだよ
森へお帰り。ここはお前の世界ではないのよ。ねえ、いい子だから。
92 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 13:19:09 ID:c828AdwX
ほっとけそんやつは
SSスレには原作厨はつきもんだ。
誰かにかまってほしかったんだろ、空気読まずに一人でブツブツうるせえんだよ。
文句があんなら完結してからいいな
レスの無駄だから以後放置で。
原作好きじゃないなら何でSSなんか読むの?
お前らけんかすんなw
ドラえもんは連載の長い子供向け漫画だから、世代やハマリ具合によって知識に差異が出て当然なんだって
年代を超えて面白さが共有できる原作ドラに感謝しつつ、このSSを楽しめばいいじゃまいか
二次とか今までぜんぜん読んだことがなかったけど、ドラえもんということで
このスレを読むようになった。
ここまでだけもですごい面白いし、特に動機付けとかありきたりといえば
そうだけど「あーなるほど」と思わせるのは筆力のせいなんだろうなあ。
ということで絶賛続き期待してます。
てかこの話ドラえもんでやる必要あるの?
キャラが一人として原形留めてないじゃん
オリジナルとしてやればいいのに
盛り上がってるなー
>>98 間違ったことは言ってないだろ
実際ドラえもん要素皆無なわけだし
剛田の歌にみんなが感動するシーンは、ドラえもんという作品がなければ成立しないと思うんだが。
小学生から成長したキャラクターを描いてるんだから変化してないほうが不自然じゃない?
だからって完全な別物にしちゃだめだろ
原作の原形留めた上で成長させてるならともかく
__________
<○√
‖
くく
しまった!ID:yf5vw1TPが大変な子だった!
皆ここは俺に任せて今の内に逃げるんだ!
作者さんのSS楽しみにしてます。続き期待。
103 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 17:07:59 ID:c828AdwX
一番恐いのは、
>>101のような輩の為に連載がストップすること。
>>102っ……お前の死は無駄にはしないっ……!
以後スルーで
いや何で俺が叩かれるのか分かんないんだけど
原作無視って、二次創作として最悪じゃん
文句言って何が悪いの?
>>106 作者が頑張って書いた作品を皆が楽しく読んでいる。その輪を君が乱しているからでしょう。
それに対してSSに対する価値観なんて議論は全く無意味ですよ。
>>106 楽しんでる人がほとんど、嫌なら見るなよ
お前の意見なんてスレ主も参考になんかしねえよw
伸びてるから投下あったのかと思ってきてみれば、何だこの腐った流れ
おまえら感想も碌に書かないくせに批判的レスの封殺にだけは余念が無いのな
とりあえず作者さんは思ったように書けばいいよ
二次とは言え、作者さんの作品である以上はどう書こうと作者さんの自由
小学校で幅を利かせたやつが中学で孤立とか、やさしいやつがなんとなく人気者になるのも身近であったし。
優等生で育ちもいいやつがパンクに目覚めて変貌ってのも、ロキノン系のインタビューでみた気がする。
これがドラえもんか?
もわからなくはないけど小→中は変わるんだよね。
その描き方がとても自然なものに感じた。
続きに期待
111 :
読者:2009/07/04(土) 21:07:38 ID:nEMvWulm
わたしも期待してるよ
112 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:10:18 ID:RnqWlhmL
読んでくださった方&レス下さった方感謝です
更新します
結局あれから相談した結果
バンド名は彼ら共通のフェイバリットバンドから名前をもじり
晴れてバンドはジャイズ・アゲインストと命名された。
更に演奏する曲もシンプルで演奏しやすいものを厳選した結果、
出木杉が以前演奏してみせた曲 NIRVANAのsmells likes teen spirit
やkid dynamiteのShinerそしてlitのzip lockが選曲された。
そして次の週に市内のスタジオを借りて合わせてみることも決まった。
剛田をはじめとするメンバー全員その日がとても待ち遠しかったに違いない。
あの夜以来彼らは自宅で必死にコピー曲を練習した。
譜面は剛田とスネオの耳コピから起こしたものであった。
のびたはバンド練習日まで剛田の家に通った。自宅での練習時間もいつもの倍になっていた。
自分のせいでバンドに迷惑をかけてしまう事を懸念してのことだったが
それはきっとメンバー全員同じ気持ちであったに違いない。
113 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:12:12 ID:RnqWlhmL
実際のバンド活動においてメンバー同士の意思疎通がはかれていなかったり
少しの常識の違いは致命的である。
定期的にバンド練習していたが徐々にメンバー同士の気持ちが離れて行き
空中分解してしまうことも少なくない。
しかし彼らは九年間の時を共にし、お互いによく性格も理解しあっている。
それはバンド活として活動するにあたり大きなアドバンテージとなるのだ。
剛田はそれを重々理解しており、絶対にうまくいくと先に大きな希望を抱いていた。
と同時にバンド結成は彼持ち前のリーダーシップや豪快さを徐々にとりもどしてくれているようだった。
114 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:14:39 ID:RnqWlhmL
バンド練習当日
彼らはどれほどこの日を楽しみにしていたことか、
市内のレンタルスタジオに予定時間の20分も前に全員が集まった。
剛田は笑いながら皆に言った。
「お前らよほど楽しみだったんだな」
その言葉を聴いて三人は笑った。
「自分が一番はやくきてたじゃねえかw」
とのびたが突っ込みを入れ皆がわいた。
スタジオは値段も一番安価でエフェクターレンタル有の店を選んだ。
財政的に厳しくエフェクターももたないメンバーがいるジャイズ・アゲインストにとって
これは必然の選択であったといえる。
スタジオは六畳ほどの部屋でグレーの床に防音壁がある
最奥にはドラムセットがおかれ、右隣にベースアンプ 向側にギターアンプが二台おかれていた
六畳にこれだけの者と四人の人間が入りとても窮屈な光景であった。
115 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:16:09 ID:RnqWlhmL
が、その窮屈さにはうれしさのあまり誰も触れず、早く音を合わせたいがために
皆そわそわしながら楽器とマイクのセッティングを始めた。
セッティングの合間、剛田は皆に練習の出来を聞いた。
「お前ら、曲は大丈夫か?」
その質問によくぞ聞いてくれたと真っ先に答えたのが出木杉で
「もちろん!」と一言
次にスネオが「全部の曲ベースがシンプルだったから、まあ大丈夫」
と答え のびたは最後まで心配そうにしておりその質問に答えることができなかった。
準備が整ったところで剛田は言った。
「もうOKみたいだな、じゃニルヴァーナからやるぞ」
その言葉に一気に場に緊張感が漂った。
出木杉は「じゃあ」と言うと、スティックでカウントをとりはじめた。
ジャイズ・アゲインストは初の音あわせを迎えた。
116 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:17:17 ID:RnqWlhmL
ニルヴァーナキター
他二つ知らないや聞いてみよ
投下乙ですー続きwktk
一応期待してるから、気になるとこは口に出してるわけだけど
一切の批判も許さず、ただひたすらマンセーしろって言うんだったら、
俺にはここは合わないみたいだから立ち去るよ
あと、作者さんは投下乙
俺の意見を単なる荒らしだって無視するんならそれでもいいけど、
多少でも参考にしてもらえたらありがたいです
119 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 21:31:13 ID:RnqWlhmL
>>118 いやあ 批判なくして作品はなりたたないと思っているので
ありがたいです。
これからも意見を言っていただけると先につながると思うので
これからもよろしくです
今度こそ投下来てたか、乙です
趣味に打ち込むことで本来の自分を取り戻せるってのは分かるなぁ
121 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 22:37:35 ID:MHtXcHpq
硬派なロックバンドになりそうだw
頑張れ
二次創作に絡む話は多々あったが
話はとても面白い
俺は期待している
高校生バンドにドラえもん要素をいかに登場させるか。
さほど困難な課題にはならないかな。
わくわく
125 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 22:57:17 ID:TMVJr2Y0
ありがちな設定だな
nirvanaはまだしも他の2つのバンドは
マイナーなバンド知ってる俺かっこいい
っていうオーラが出まくってるしな
つまんね
洋楽やインディーズ聴いてる俺って大人。ガキ臭えメジャーなJ-POPなんか耳が腐るぜ〜。
とか思ってた頃を思い出してこっぱずかしいのも含め、アリだと思います。
また批判厨ちゃんが出たぞー!
作者は批判レス歓迎感謝という立派な心がけの持ち主というのに、
>>128と来たら・・・
>>125 ………プ
恥ずかしい子
別にマイナーでもなんでもないでしょ
作者じゃなくて内容について意見して見ろクズが
てめえがもっと斬新な話書けるんならな(笑)
まあまあ、とがった意見もパンクバンドの話だけに、アリじゃないですか。
楽しみましょう。
132 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:25:41 ID:wfBWp53i
読んでくれた方&レス下さった方感謝です
リズム良く打ち鳴らされたカウントに合わせて、まず剛田が
数回イントロのリフを刻む
その後すぐにそれは起こった。
全パートがいっせいに演奏に加わるのだ。
ドラムとベースの重低音に支えられ上手く絡み合ったギターの音
そして全体の音は決して一人の練習では体験することのできない音であった。
以前赤痢のライブで体感した音の塊を自らの演奏で生み出しているのだ。
剛田は全員の演奏が重なった瞬間 とりはだができるのを感じた、
いやきっと剛田だけではないはずだ
そしてとりはだができるのと同時に
胸の中がとても締め付けられるような感覚に襲われているだろう
もしくはそれに近いものを。
133 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:27:06 ID:wfBWp53i
激しいイントロの後
剛田のボーカルが入る
剛田は歌ってみて実感した。これは言葉に言い表せない快感だ。
漫画や小説や雑誌ではこれはグルーヴと形容される。
グルーヴとまでいかなくともきっとそれに近いものを感じていたに違いない。
今までの一人ぼっちの練習とはなにもかもが違うのだ。
四人それぞれの意思で各パートを演奏する、それぞれのパートが生きているのだ
そして生きたまま絡み合う音とそれをその場で体感することで全員が興奮や快感や感動を共有できるのだ。
曲を演奏する間 彼らは自分が演奏するパートとそれに絡む他パートの音とそれによる自分のパートの印象の
変化などを楽しんだ。 音楽をやっているという実感に彼らは満たされていた。
練習は二時間続けられた
技術的に心配されていたのびたも 早い曲ではやや小さなミスをしてしまったり
一定のリズムを保つのに苦労していた節があったが、それを除けば今回の練習は特になんの問題も
なく充実した二時間であった。
のびたはスタジオを出た後
「いやーごめん! ちょっとミス多かった!」
とメンバーに言った。
彼はそもそも自分がギターを始めた理由からしてメンバーにうしろめたい気持ちを
かかえており、若干ではあるが彼を謙虚な気持ちにさせていたのではないだろうか。
がそんなのびたのミスなど誰も気にかけてはいなかったし、この謝罪めいた言葉に
きっとメンバー全員が「そんなに気にする必要ないのに」という気持ちを抱いていたであろう。
134 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:28:24 ID:wfBWp53i
夏休みの間
彼らは相当な数のスタジオ練習をこなした。
はじめは三曲のみのコピーであったが、夏休みが終わるころには
そのレパートリーは倍になっていた。ただこれはやはり
演奏がシンプルなものを選び続けた結果であるといえる。
初心者を二人抱えながらも一ヶ月の間順調にレパートリーを増やせたことは
バンドとしては大きな一歩と見てよいだろう。
技術的に心配があったのびたであったが、基礎的な部分はしっかりできてきたようだった。
出木杉も持ち前の探究心や熱心さが練習に功をもたらし、その技術は確実に進歩していた。
そして夏休みもやがて終わりを迎える。
蝉の鳴き声もやかましいく叫び散らすものからひぐらしのなんとも心地のよい鳴き声にかわり
暗くなる時間も徐々に早くなってきていた。
夏の終わりは何か寂しい不思議な気持ちになる。
それは何年たってもかわらない。彼らもきっとそんな気持ちを味わっているのではないだろうか。
135 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:29:19 ID:wfBWp53i
始業式を終えた剛田達はまたいつもの様に学校に通い始めていた。
剛田の孤独な状況はなんらかわりなく学校にいる数時間のあいだ彼は一人でいた。
夏休みで少しブランクがあったせいか 学校がいままで以上に苦痛に感じられた。
またそれはスネオにもいえたことである。 前のバンドを首になっているスネオは
リーダー格のグループからも見放され、更にいつも媚を売るスネオの姿を見てきたクラスメイト達は
彼に良い印象など持つわけもなく、彼と距離を置いた。
剛田は一気に現実にたたきつけられかなり気を落としていた。
帰り道の足取りも重く、明日の事を考えただけで腹痛を起こしそうな勢いであった。
やっとの事で帰宅した剛田にある吉報がまっていた。
それはいつも利用していたスタジオのオーナーからの電話である。
電話の内容は今の剛田の暗い気分を一気に明るくさせるようなものである。
そうジャイズ・アゲインストへ
コピーバンド限定のライブ企画に出てみないかという誘いであった。
136 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:38:35 ID:wfBWp53i
ライブの詳細等はまだ未定だが企画出演者を募集しており
それもまだ結成暦の短いバンドということだ。
メンバーの承諾もいるということもありその場でOKというわけには
いかなかったが、メンバー全員に連絡を入れ承諾をとった後に
晴れてライブハウスデビューというわけだ。
剛田はついに人の目の前で演奏ができるということで心のそこから
喜んだ。久しぶりに腹から歓喜の声を叫んだのではないか。
その声のあまりのやかましさに剛田の母親が剛田を殴りつけるほどであった。
早速剛田はメンバー全員にこの吉報を連絡した。
出木杉は「ほんとに?ついにぼくらにもギグができるんだね?それほんとなんだろうね!?」
とあまりの驚きと嬉しさに何度も何度もその話の真偽を疑った。
スネオはライブ経験者ということだけありやはりおちついており
ノルマやライブハウスの場所等の詳細を聞いてきた。このあたりの慣れに
剛田は少し関心した。
のびたはそのしらせに電話の向こうで腰をぬかしているようだった。
動揺のあまり上手く話すことは出来なかったが、ライブに出演することはもちろんOKした。
ジャイズアゲインストがようやく明るみに出るときが着実に近づいていた
137 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 01:41:22 ID:wfBWp53i
ミス訂正します 出木杉の台詞で
「ほんとに?ついにぼくらにもギグができるんだね?それほんとなんだろうね!?」
とありましたが この作品において彼の一人称は俺です
のでご了承を。
展開速いなぁ
いきなりのライブでのび太がやらかさないか心配で仕方ないw
最初から見て今追い付いた
これは期待
いや、ライブが楽しみだよ
どうなるかなwktk
ごめん、少し空気読めない発言するんだけど、この話だけで1000まで持って行けるのかなと思う。
もちろん話自体は最高に面白いし、僕も毎日更新を楽しみにしているのは言うまでもないけど
145 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 21:13:42 ID:8+JaTfFd
>>130 斬新な話が書けようが書けまいが
批判するのは自由だろ
結局最終的に作品を評価するのは
読者なんだからな
お疲れ様です。続き期待してます。
147 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/06(月) 22:49:02 ID:4wtMxdlp
このスレずいぶん人集まってるな
創作発表板とは思えん
他のスレ以外でも人集まってる所割とあるよ
×他の
○この
何て誤爆だ
感想がつき始めるとインフレするってのもあるけど、だって単純に面白いもの
ジャイアンメイデンまだー
154 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 19:45:27 ID:zW7bTHG3
ジャイコ・パストリアスまだー?
やめろwwww>ジャイアンメイデン
156 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:18:43 ID:QpRCJHJ2
一身上の都合により遅れました;;
申し訳ありません;;
来るべきライブに備えて彼らはスタジオに通い猛特訓を重ねた。
夏休みの期間 バンド練習に明け暮れた彼らにとって
その発表の場を必然的に求めていたのはいうまでもない。
ライブの報告があってからというもの四人のモチベーションは更に
上がりそれが練習時間にも繁栄された。
それが顕著だったのは出木杉であった。
出木杉は特にライブに対して強い憧れを抱いており
寝る前や登校中よく自分が大勢の観衆の前で自分が演奏する姿を想像したものだった。
フェイバリットのバンドがライブを重視するバンドでもありその姿に自分を重ねる節があったのだろう。
出木杉は勉強時間をかなり削りそれをドラムの練習時間につぎ込んだ。
それは同時に親との約束を破る形となった。
が彼はまだ高一ということもあり親もそれを多めにみていた。
勉強に余裕のある高校一年の間は好きなことをやらせてやろうというはからいからであった。
157 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:20:48 ID:QpRCJHJ2
そして数日ついにライブの詳細が剛田に伝えられた。
日にちは来週の日曜日十九時場所は市内のライブハウス(赤痢が以前演じた所)である。
日にちが明確になったところでメンバー間に更なる緊張感が生まれた。
そして土曜日、彼らは本番前最後のスタジオ練習に望んだ。
スタジオに入るも緊張からかメンバーの口数はすくなかった。
ただライブ経験も多々あり、多くの経験を積んでいたスネオはその空気を感じ取り
他のメンバーに気を和らげるためになるべくたくさん喋った。
「ねえねえ皆 あのバンドの新譜聞いた?」
「そういやこの前赤痢のアルバム買ったんだよー」
と普段となにもかわらないような些細な話ばかりであったが、
緊張で肩に力が入ったメンバーにはとても良い効果をもたらしていたのではないだろうか。
そして帰り道メンバーは明日の成功をお互いに祈り別れた。
ついに彼らは初のライブを迎えようとしていた
158 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:22:07 ID:QpRCJHJ2
そして当日市内のライブハウスに四人が集合した。
彼らの緊張はピークに達しておりそれは四人の表情から見て取れた。
「ついに この日が来たな。一発かましてやろうぜ」
なかなか浮かばない言葉を必死に絞り剛田が三人に声をかける。
その声はやや震えていた。
剛田の言葉に皆うなずいた。
出木杉は緊張からかあまりの期待からか普段のテンションとはややちがった喋り方で言った
「ああ がんばろう 俺たちなら できる」
さすがのスネオも本番前ということもあり緊張を隠せていなかったが
「いままでやってきたままのことをすればいいんだよ 今とってもわくわくしてるんだ
だってこのメンバーでライブができるんだよ?」
スネオの言葉に三人の表情がゆるんだ。
剛田は笑い
「そうだな」とため息交じりに返した。
ただのびただけは終始無言であった。ライブハウスに入るのも初めてだったかれから
してみればこの場所はもはや別世界、極度の緊張と恐怖が彼の体を襲い
言葉を発することはおろか周りをみることすら困難にさせた。
そんなのびたの姿をみて三人は
「大丈夫かよ?w 心配することはないぜー」と声をかけたが、
それはきっと自分に言い聞かせている部分もあったのであろう。
観客サイドから入るのはよくあることであったが、演者側から入るのははじめての経験であった。
ロビー裏の小さな楽屋のベンチに四人は腰掛けて出番を待った。
楽屋には既に他のバンドが待機しており 格好もそれなりにドスの効いた格好をしたものが多く
いかにも「できそうな」オーラを放っている。
コピーバンドのみの出演と聞いておりすこしばかり油断していた彼らにとってこれは気を引き締める
一因になったに違いない。
すこしするとわいわいと騒がしく喋りながらまた新たなバンドが楽屋に入室してきた。
そのバンドの面子を見てスネオは急に血の気が引き下を向いてしまった。
その姿に気づいた剛田はスネオに問いかけた
「おいスネオ どうしたんだ 」
スネオは下を向いたままなにも喋ろうとしない。
159 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:23:05 ID:QpRCJHJ2
理由はいたって簡単なものだった。
なにしろそのバンドというのは以前スネオを首にしたバンドであったからだ
ベーシストには顔の整った身長の高い男を新たに向かえ、ライブ慣れしている余裕からか
他のバンドよりも数倍騒がしく喋っている。
するとあのフロントマンのギタリストがスネオの姿をみつけるやいなや他のメンバーに言った
「おい!あれ骨川じゃね?wwwwさえない奴らとまたバンドくんだのかwwww」
と言った。それはわざとスネオにむけて言っているとも思えるほどの大声だった。
それに合わせてドラマーやヴォーカリストもスネオを見て鼻で笑い
「やっぱ類は友をよぶってやつ? ダセー奴の集まりだなw」
といった。
見るからに緊張しているジャイズアゲインストはライブ慣れしている彼らにとって
格好の的であった。彼らはジャイズアゲインストに対する暴言をしばらく続けた。
160 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:24:00 ID:QpRCJHJ2
するととうとう痺れを切らした剛田は「チッ」としたうちをしたかと思うと
立ち上がり彼らの元へ歩き出した。
その形相は丸く収まっていた彼の顔ではない。 以前の暴君を思い起こさせるような顔であった。
こちらにむかってあるいて来る剛田にいままで騒いでいたバンドが静まり返ったと同時に、フロントマンの
ギタリストが「なんだてめえ」と立ち上がった。
威勢が良かったのはそこまでで 一撃剛田に頭突きを食らわされるとそのばに沈んでしまった。
あまりの恐怖に他のメンバーは言葉を失った。
更に追い討ちをかけようとする剛田にギタリストは「すいません すいません
ごめんなさい すいません」と必死にあやまり続けた
その光景に他のメンバーは黙りこくってしまった。
と同時にそのいざこざを見ていた他のバンドも少しばかり剛田に対して小さな恐怖心をいだいていたのは
いうまでもない。
161 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:25:25 ID:QpRCJHJ2
それを見ていままであれほど黙っていたのびたがようやく口をひらいた
「いつものジャイアンだな」
その言葉がメンバーを緊張から救った。
出木杉や剛田もそれを聞いて笑った。
ただスネオはなんとも複雑そうな表情でただうなずいていた。
そしてすぐ スタッフの男が「ジェノサイド ペニッサーさんリハおねがいします」
と声をかけると 頭突きを食らったフロントマン率いる高校生バンドは楽屋を後にしていった。
楽屋からでていく彼らをみて剛田は「いやーくちほどにもないやつらだ」
と鼻で笑った。
それを聞いた出木杉はすこし剛田を諭すような口調でこう返す
「喧嘩で勝ってもしかたないよ。 演奏で勝たなきゃ」
その言葉に剛田はなっとくし「イカンイカン つい熱くなっちまった」と一言
それにメンバー全員が笑った。
162 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 22:26:14 ID:QpRCJHJ2
十九時 ついにライブ企画がスタートした。
オープニングはあのジェノサイド ペニッサーの演奏からスタートした。
彼らはマキシマムザホルモンやシステムオブザダウン レッドホットチリペッパーズの
コピーを演奏しており そこからもわかるように 非常に演奏力の高いバンドであった。
とくにベースの男は一際めだつプレイをみせ、観客も必然的にそこそこの盛り上がりを見せた。
以前スネオと組んでいたときよりは格段に成長を見せており いかに人間性が悪くとも
彼らもまた音楽に対して情熱的なのだと考えさせる一面を見せた。
マッテタヨ-
最初から読んできた
おもしろいなこれww
作中に何度も赤痢が出てくるが作者は赤痢のファンなのか?w
投下待ってたよー。毎回おもすろい話をありがとう
>>165 俺も知らなかったからググってみた。以下コピペ
>女性、というか女の子バンドである。要するにガールズ・バンド。
>そして、すごいバンド名である。しかも83年8月の結成当時、メンバーはまだ中学生だった。まず、ここでびっくりするだろう。
>そして、初めてレコードが出たとき、さらに波紋を呼んだ。
>85年に出したその7"EPに入っていた「夢見るオマン(ry
あら、逆リハじゃないんだ
これは余程の重鎮
スネオ虐められないだろうか・・・不安だ
続きが気になって
昼も眠れない・・。
昼夜逆転してるとジャイアンに頭突きされるぞ
まだー?
早く眠らせてくれ。
は
はやく!
面白いし続きを早く読みたいのは俺もそうだけど、そんなせっつかんでも
早く投下しないと
>>171が睡眠不足で倒れちまうぜ、作者さん
175 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 01:11:14 ID:UU9Gy1Bc
若い男女の吐息となまめかしい声が室内に満ちている。
青白い肌に光る汗の玉。
男はそれを舌先で掬い、音を立ててすすりこむ。
こくん、と震えるのどぼどけへと女は舌を這わせ、男の唇を求める。
「しずか…。僕…もう…。」
「…いいのよ…。きて…。」
怒張した逸物がしずかの肉襞に触れ、そのまま一気に中へと送り込まれる。
「んっ」
「痛い?」
「ん…いい…。今日はなんか…ものすごく感じるの…。」
瞳を潤ませながらそう呟くしずかに欲情をかきたてられ、
わっふるわっふる
>>175 返せ!続きがきたと思っていた俺のワクワクを返せ!
178 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 12:40:50 ID:UU9Gy1Bc
おもむろにピストン運動を開始したその時、窓ガラスの外から泣き声が聴こえてくる。
耳をそばだててみると、「返せ!しずかちゃんを返せ!」
というのび太の悲痛な叫び声だと解った。
男は少し戸惑い、動きを止めてしずかの顔を見た。
しずかは無表情で男の目を見つめていたが、やおら上体をおこすと男の唇に激しくむしゃぶりつきつつ、自ら男の腰に手を回し、律動を促した。
男はしずかの意を解し、のび太の嘆きをかき消さんばかりに、激しく音を立てて腰を打ち付け始めた。
179 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/16(木) 12:47:53 ID:J6m0JZOO
おっ
殺人鬼スネ夫しか見てなかったがこっちも面白いなW
エロいなw続き期待ww
エロは板違いだろうが
あれから3年、進路は様々だがジャイズ・アゲインストは月イチペースでスタジオ練習をし、ライヴやデモの制作など、精力的に活動していた。
皆変わりなく、楽しく演奏していたが、音楽性には若干の変化がみられた。
それまでは剛田の歌を中心に、各パートが伴奏をつける感じだったのだが、音楽に関して最も早熟であった剛田は、次第にバンド・アンサンブルの面白さに目覚め、バンドのスタイルもサウンド志向になっていった。
特に、のび太とのツインギターにおいて、一人で弾いていた頃とは比較にならない満足感を得ていた。
ある日、ついに剛田はメンバーにこう告げた。
「ボーカルを募集しよう。俺はのび太とのツインギターに専念したい。」
少年時代の剛田しか知らない者には、意外な言葉かもしれない。
しかし、今の剛田にとっては、仲間たちとの演奏がより良くなるためなら、自分が目立つ必要性などまったくないと考えていた。
楽器屋に貼り出したメンバー募集で、やってきた男は付近に下宿する専門学校生で、剛田たちより年齢はひとつ上であった。
ファミレスで軽く方向性について話し、デモを聴かせ、カラオケボックスで男の歌を聴いた。
「じゃ、今日はバイトあるんで、これで。」
原付に乗って去ってゆく男を見送った後で、最初に口を開いたのは骨川だった。
「なんか歌い方がアイドルっぽくない?声は悪くないけど。」
出来杉も、
「確かに、いつものジャイアンの歌に慣れてるせいか、軟弱な感じは否めないな…。でも、嫌いじゃない。のび太はどう思う?」
「…あ、うん…。ジャイアンのギターが激しい感じだから、逆にメリハリあっていいんじゃない?…ルックスもいいしさ。」
あまり音楽に詳しくないのび太の意見だったが、一同は納得し、男をジャイズ・アゲインストのリード・ボーカルとして迎え入れる事になった。
次の週末、一番早くスタジオに現れたのは、ジャイズのメンバーではなく、例の新ボーカルであった。
気合いが入っていたのではない、学校の講義が突然休みになったのだ。
剛田に貰ったデモMDを聴きながら煙草を吹かしていると、同じ歳くらいの女の子が入って来た。
彼女はテーブルの上のジャイズ・アゲインストのロゴが入ったMDケースを見つけると、笑顔で会釈してきたので、男はイヤホンを外した。
「あの、出来杉さんから聞きました。ボーカルの方ですよね?」
「あっ…、出来杉くんて…たしか、ドラムの…?」
「そうです!あの、私、源しずかと言います。よろしくお願いします!」
「あっ…こちらこそ…」
いつものように練習が終わり、しばらく待合室で雑談した後、駅前で解散した。
まっすぐ帰ろうと改札へ向かう出来杉に、後ろから誰かが声をかける。
ボーカルの男だ。
「やあ、ちょっと話、いい?」
「ああ。構いませんよ。」
「あの…。今日いた娘…。君の彼女?」
出来杉はきょとんとしていたが、やがて意を解し、なるほど〜という顔になり、言った。
「ああ〜…。そういえばそう見られちゃうかもしれないですよね〜。
…でも違いますよ。僕らみんな幼馴染みなんですよ。
でもまあ、たしかに割りとよく一緒にいた気もするな…。」
男の勘違い。
最もしずかと親しい出来杉でも、別にそういう関係でない。
剛田は音楽一筋、骨川もマニアックで女性には淡白そうだ…。このとき、男の頭にのびたの事はよぎらなかった。
初対面のメンバーの前でトチって皆に迷惑をかけたくないと思い、アンプのボリュームを抑え、手数も少なく、極力目立たないようにしていたのだ。
出来杉もまた、子供の頃から優等生で真面目で、恋愛感情というものをよく理解していない。
のび太のしずかへの秘めた思いなど、他の者にはバレバレでも、出来杉には………。
思いもかけない所で、崩壊の予兆が今、始まっていた。
レス削除依頼出しとけよ
ふう…
エロ禁止でしたね。すみません。
このあと、
>>175へとつながって行くわけです。
ちょっと過疎ってるので勝手に設定借りてスピンオフしちゃいました。
本来の話、期待してます。
僕も読者です。
出木杉
>>191 そう目くじらたてなさんな。人いないんだから
まぁ人居ないからって何しても良いって考えは正直どうかと思うけどね。
194 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 16:35:06 ID:6S4kaGYQ
ちょwおまえらw
yahoo検索ワードに「赤痢 バンド」って出たぞw
195 :
169:2009/07/21(火) 20:51:18 ID:u5mIblvM
いつになったら眠らして
貰えるんだい?
197 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/05(水) 18:51:03 ID:Haj31szV
あげ
198 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 03:49:51 ID:/p5WhnnG
あげ
199 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 14:11:28 ID:Zf4h+RTb
寝かせてくれ・・・・
200 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 02:45:56 ID:kBYoL5sN
待ってる
201 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 01:56:47 ID:crY+Px07
上げとこう
202 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 20:34:35 ID:o3x6bRse
age
203 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 19:22:06 ID:eT7dpVv/
age
204 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 19:00:16 ID:vgqdnygw
あげ!!!
205 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/19(水) 05:36:37 ID:ClVknn+s
これはもう駄目かもしらんね
いやいやまだ待つぜ!
207 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/20(木) 20:08:12 ID:uIhPS5t0
age!!!
208 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 08:53:37 ID:z+M/f8lS
えいじ
もう…もう俺達は音楽に情熱を傾けるジャイアンには会えないっていうのか!!!!
あんまりだ!あんまりだよ…!
210 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 23:47:16 ID:VvnIe+2s
ドラ一同「ジャイアーン!」
211 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 09:02:47 ID:EGfGbSLO
とりあえず上げてみようか
212 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 14:44:52 ID:wMLa5Y6k
@@@
「…それじゃ、次で最後の曲…」
ライヴのテンションも最高潮の中、ジェノサイド・ペニッサーのボーカリストがそう告げると、最前でかぶりつくようにしていた女の子たちから「エ〜〜〜〜ッ!」とわざとらしい声が上がる。
ジェノサイド・ペニッサーのメンバーが苦笑いしていると、誰かが「今来たばっかりぃ〜〜」と叫んだため、ライヴハウスは緊張感から一転、笑いに包まれた。
演奏中のどこか醒めたような表情とは裏腹に、本当に嬉しくてたまらないといった、人なつこい笑顔を浮かべるバンドメンバー達に、剛田たちは思わず親しみを感じていた。
「…本当にありがとーう! またどこかで、お会いしましょう!
ジェノサイド・ペニッサーでした!Thank yooooou!!!」
ドラマーがスティックで合図すると、再びライヴハウスは怒涛の盛り上がりを見せた。
――曲が終わり、満場の拍手に包まれて退場してゆく彼等を見送る剛田達の頭からは、開演前のイザコザなどは完全に消えていた。
本物か偽物かはこの際どうでもいいから続きを
216 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 01:08:51 ID:KuKrW39z
agar
二人の間に重い沈黙が流れる。
スタジオのロビーでスネオとジャイアンはこの間のライヴの録音を聴いていたのだ。
音程の取れていない歌、よれたリズム、間違いだらけのギター。
対バンド達の演奏と比較して、格段にひどい演奏は録音環境のせいにはできない。
演奏を終えて、廊下ですれちがった時のジェノサイド・ペニッサーのメンバー達の沈黙。
内心、もしかして俺たちが凄すぎて言葉をなくしちゃいましたか?
などとうぬぼれていた自分を恥じ、スネオはため息をついた。
あれは、もはや可哀想すぎて馬鹿にする気にもなれず、同情していたのだ。
再び深い溜め息。
今度は剛田との息の合ったユニゾンで。
がっくりと落ち込んでいると、出木杉とのび太、そしてもうひとり、見覚えのある男を連れて入ってきた。
「お…おっす。出木杉にのび太。こないだはお疲れ」
ジャイアンは凹んだ気分を隠すように自分からそう言ったが、声に張りがない。
「お疲れ。あ…もしかしてこないだの音源?聴かせてよ!まだ聴いてないんだ。」
出木杉の無邪気な調子に、剛田の胸は痛んだ。
俺と同じどん底をこれから味わうのか…これから。
「あ、ああ。そうだな。あまりよくとれてないから、残念なんだけどな。
それより、そちらの、」
出木杉とのび太が連れてきた男。
初めて会うのに、なぜか知ってるような…
「ジャイアン!ほら!こないだ、一緒に演った人だよ!」
スネオに言われてようやく思い出した。
同じ日に出演したバンドのリード・ギタリストの男だ。
ブルース・ロックを下敷きにした巧みな演奏はルーズかつ安定していて、パンク色の強い他のバンドの中では地味ながら、なぜかとても印象的だった。
とりわけリード・ギタリストのギター捌きには、技術をひけらかすだけでない「歌ごころ」のようなものを感じて、剛田は密かに家でうろ覚えのフレーズを練習したりしていたのだ。
「ああ!この間はどうも!あの…すごいかっこいい演奏で、えっと、良かったです。」
剛田の目に輝きが戻る。
まるでエリック・クラプトンと生で対面するギター少年のような剛田の緊張ぶりに、一同は笑った。
「いえいえ。こちらこそノリノリで楽しませてもらいましたよ。
Nirvanaの…」
「「Smells like teen spirit」」
剛田と男の声がハモり、顔を見合わせて笑う。
「すごかったよ〜!うちら震えてたもん。すごい、迫力があって。」
さっきまで、元曲とねあまりの差に凹んでいた剛田の目からは、今にも涙が溢れそうだ。
男に、スタジオ従業員の声が掛る。
「あっ、それじゃ。僕はちょっと個人練習なのでね。うちらも負けないように練習するから。
また、一緒にライヴできたら、ぜひよろしくお願いします!」
男は剛田と、のび太、スネオ、出木杉に固い握手をかわし、ギターケースを抱えてブースの厚い扉の向こうに消えた。
ヘローヘローヘローハウロー
221 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 01:56:38 ID:NqSMWO5/
ブルース君
待っていたぞ
読んでくれてありがとう!
作者じゃないけど勝手に続けた。
こないだスピンオフで顰蹙買ったので「男」の設定を変えて書き直しました。
初ライブ→自己嫌悪→心の友との出会い→復活のきざし
次どうなる?
なんだ偽物か
でも面白かった
偽物さん乙
ただ、名前欄なり何なりで一目で偽物と分かるようにはした方が良いんじゃないかな?
本物さんを待ちわびつつ、GJを送ります
226 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/23(水) 13:08:58 ID:Gc+PQtLO
どうも
>>1ですおひさしぶりです。
長い間更新をサボっていてすいません
本当に反省しています。
私情を2chに持ち込み言い訳することはしたくありませんが
僕自身私生活でいろいろとありましてPCをすることが困難になりつつありました
しかし今現在メンタルも回復し、作品も完結させようというモチベーションも
湧き上がってきましたので、また更新を再開しようと思います。
また私が不在の間、いろいろと書いてくださった方がいらしたようで
そちらも読ませていただきました。
とても面白く楽しませてもらいまた、私も頑張らないとという気持ちに
させられました。ありがとうございます。
読んでくださった方本当にありがとうございます
そして本当に長い間放置してすいませんでした。
227 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/23(水) 13:21:02 ID:Gc+PQtLO
本編は
>>162から
ジェノサイドぺニッサーの非常にテクニカルで熱いパフォーマンスに
オーディエンスは熱狂した。
この状況はコピーバンドの大会とは思えない。
ほとばしる汗やつばがフラッシュに照らされて実にエキサイティングだ
激しく動きまわるオーディエンスは実に波のようだ。
演奏は約20分の間続けられた。
このすさまじい光景をうらで見ていたジャイズアゲインスの
メンバー達の背筋は凍りついた。
演者からがんがん伝わってくる熱いグルーヴ、そしてそれに
反応するかのように爆発するオーディエンス
彼らはここに来て初めて自分達がいかに高い壁にさしかかろうとしているの
かを肌で感じた。
なかでものびたはプレッシャーと緊張によりひどく脂汗をかいていた。
額はすでに汗でじっとりとしている。
パフォーマンスを終えたジェノサイドぺニッサーは控え室へ帰っていった。
一つ山を通過した。
会場は徐々に静かになっていく。
そして数分後次のバンドの出番だ
ジャイズアゲインストはただ彼らを見ながら自分達の出番を待つことしかできなかった
228 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/23(水) 13:29:24 ID:Gc+PQtLO
数バンドの演奏が終了しついにジャイズアゲインストの出番がやってきた。
緊張でがちがちになりながら入場する彼らはとても滑稽に見えた。
あまりのガチガチさに観客の中にはそれを笑うものも現れた。
それにあわせて「あぁーあいつらはだめだな」 「帰ろうぜ」などと
見た目だけで心ない声も聞こえだした。
ジェノサイドぺニッサーのメンバーもさっき自分達に襲い掛かったあの男が
どんなパフォーマンスをするのか興味があり彼らを観客側から見ていた。
ライブが初めてということもありジャイズアゲインストのメンバーはセッティングに
時間がかかってしまった。
それに不満をもった客のブーイングや笑い声が次第に大きくなっていく
会場はまさにアウェーそのものとなっていった。
しかし彼ら 特に剛田にはその声など全く聞こえなかった。
それは緊張のせいかもしれないがもっと大きなものがあったにちがいない
もっと 彼を興奮させるものが
229 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/23(水) 13:37:33 ID:Gc+PQtLO
ようやくセッティングは終了しいざ演奏となる。
一曲目はNIRVANAのsmels likes teen spiritとなっている
イントロのリフをまずのびたが刻み始めた。
ジャッ ジャッ ジャッ とブラッシングの音を入れた後そのリフがはじまる
それを数回繰り返した後だ 出来杉のドラムそしてその直後 スネオのベース
と剛田のギターが一斉にそのリフに加わるその瞬間
彼らの緊張は吹き飛んだ。
彼らの周りを爆音とグルーヴが包み込む
言葉に表すことはまず不可能 えたいのしれない緊張感のような焦燥 興奮
がメンバーを襲う。
更にジャイアンが歌いだすと会場の雰囲気は徐々に変わりはじめる。
前のバンドのようなテクニカルさもなく荒削りだ
しかしこのむき出しの闘争心だろうか 音楽を楽しもうとする心が
前面に押し出されさらにはかり知れないグルーヴ感はテクニックでは
カヴァーすることはできないだろう。
ジャイズアゲインストはロックの本質でテクニックよりもソウルで観客に
興奮を投げかけているのだ。
230 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/23(水) 13:48:52 ID:Gc+PQtLO
ゴリゴリと演奏を推し進めるバンドに観客は徐々に熱狂し始めた。
それはヴォーカルである剛田が一番最初に気づいたに違いない。
あまりの嬉しさに自然と笑みがこぼれた。同時に彼はいろいろな事を考えた
これほど歌っていて楽しかった瞬間はあったのだろうか、これほどまでに
人が自分の歌 演奏に他人が聞き入ってくれる瞬間があったのだろうか
これほどまでに音楽を楽しいものと感じた瞬間はあったのだろうか。
全身から噴出す汗と涙が彼の顔をくしゃくしゃにした。
歌いながら顔面をくしゃくしゃにしている剛田を見てのびたとスネオはわらった
(出来杉は剛田の顔を確認できない)
スネオも今までのバンド演奏よりもはるかにこちらのほうが楽しさを感じていた
バンドとは本当に理解しあい信頼しあっている者どうしでやってこそ
本当のグルーヴを味わえるものなのだと改めて実感したに違いない。
ベースの音は彼らのパートをしっかり支え体に響くほどの重低音で
十分に存在感をしめした。
一曲目の盛り上がりにペニッサーのギタリストは一言いった
「あいつら・・・マジで初めてかよ・・・・・」
驚きと興奮の中一曲目はきっちりと終了した。
おお! お帰り!
また楽しみに読ませてもらうよ!
よし!始まったか!
待ってた!
初回から読ませてもらってるぜ
もう更新しないと思ってたよ
235 :
にせもの:2009/09/23(水) 23:07:52 ID:7IKrKRDl
おお!始まった!
自演臭えな
とっとと投下して終われや
237 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 03:22:13 ID:5dZ9DKiy
お帰り!!
まってました!
239 :
>>1 ◆0VLOu4zd26 :2009/09/24(木) 22:45:41 ID:lzOBx8OW
そして二曲目に入る曲はlitのZIP LOCKだ(
>>116参照)
バッキングとリードの絡みが絶妙に絡み合う曲でジャイズアゲインストのバンド形態に
非常にマッチしていたといえる。
剛田が二曲目のバッキングに入る頃には、それまでのアゥエイのような雰囲気は
0に等しかった。
バンドがさえない見た目でなおかつ緊張しおぼつかない様子であったことに反し
彼らの熱い演奏はとてつもないギャップをうみ
オーディエンスが盛り上がる要因として上手く作用していた。
ステージ側の客は徐々に手を上げたりジャンプしだしたりとレスポンスが激しく
なっていくのがメンバーには、解った。
更に三曲目 KID DYNAMITEのSHINERを演奏する頃には盛り上がりは最高潮に達した
それはレオナルドペニッサーのメンバーが観賞する後列にも及び
彼らはその状況に唖然とした。
ペニッサーのギタリストは思わぬ事態に頭の中での「バンドの常識」
が少しずつ崩れていくのがわかった。
ルックスの良さや技術力の高さ、機材の知識、人望それらも大事なのはたしかだ
しかし今演奏している彼らにはそれは何一つない。
ほぼ丸裸の状態だ しかし彼らは気持ちだけで勝負してきている
そしてこの盛り上がり、彼らにロックの本質を見たような錯覚すら覚える。
レオナルドペニッサーのメンバーは少しの敗北感を覚えた。
がそれと同時に今まで失いかけていた向上心が新たに湧き出てきているにちがいない。
ジャイズアゲインストは見事に全ての演奏を終えた。
裏にもどったメンバー達は少しの放心状態に陥った。
のびた 出木杉は初ライブでの成功をいまだ自覚できていないようだった。
スネオも今までに味わったことのない高揚感を肌で感じておりその感覚を楽しんだ。
ぎこちなく立ちすくむメンバー三人を見渡したあと剛田はニコリと微笑み声をかけた。
「おつかれ 最高だったぜ」
その言葉に安心したのかのびたはその場にすわりこみフーッと大きく息をはいた
スネオは冷静に「おつかれ」と言ったが内に秘める興奮が隠しきれていないのが微笑ましい
出来杉は感極まって目に涙をためていたが必死にこらえているようだった
「おつかれ ありがとう」
そういうと出木杉もその場に座り込んだ。
そして数十分後 イベントは無事終了した。
控え室では出演バンドのメンバー達が今までの労をねぎらいあっていた。
イベントも終了し空気も和み、彼らの心は達成感と共にイベントを成功させた
親近感にあふれていた。彼らは、
一体どんなバンドを参考にしているのか聞いたり、バンド同士互いに声をかけあったり
お互いの良かったところをほめあったり、様々な情報交換をしたりした
メンバー意外と音楽トークをしたことのないジャイズアゲインストにとってこの時間はとても
新鮮で素晴らしい時間に感じられたに違いない。
和気藹々と団欒が続き良い空気だったのだがレオナルドペニッサーが控え室に
入室するといきなりその場は静かになった。
それは無理もないことである。
やはり彼らの圧倒的な演奏力やファンの多さやオーラの違いは
他の新人バンドにとってはかかわりにくいものであった。
徐々にさめる空気の中レオナルドペニッサーのギタリストは剛田をにらみつけた
そしてこちらによってくるではないか。
まさに一触即発ムードであった。
剛田も「またやるか」といわんばかりに顔をしかめ体を大きくみせる、
マジかよ・・・とスネオものびたも出木杉もあぜんとするしかなく
他のバンドたちも固唾をのんでその様子を見守った。
しかし予想外の出来事が起こった。
「さっきはすまんかった!」そう一言いったかと思うと
レオナルドペニッサーのギタリストは剛田に頭を下げたのだ。
あまりのハプニングに剛田どころか周りの人間は皆混乱したに違いない。
「さっきは馬鹿にして悪かったよ。
最高の演奏だったよ。 俺らまた考え方変わったよ」
そういうとギタリストは自己紹介を付け加えた。
「俺高橋っていうんだ。またタイバンするかもな!
よろしく」
剛田はやっと状況を把握したのか
一言こう返した。
「殴った俺の方こそわるかったよw まあ詳しくは飯でもくいながら話そうや」
ミス
レオナルドペニッサーとありますが
正しくはジェノサイドペニッサーです
244 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:51:19 ID:Kmfmpuj0
おかえり!待ってたよ!
イベント終了から数十分後
ライブハウス近くの安っぽいファミレスに
ジャイズアゲインストの四人とジェノサイドペニッサーの四人が集まっていた。
一番奥のファミリー席にお互い向かい合うようにして机を囲んだ。
「俺ハンバーグで」
早漏過ぎる剛田の注文に一同がわいた
狙っていったのか自然とでたことばなのか、どちらにせよ場の空気が和んだことは確かだ。
ただスネオはやはり気まずそうにしていた。
自分をこうして首にしたバンドと今更仲良く飯を食ってどうするのか、彼はすこし
この現状に不満をもっていた。
そしてまもなく両バンドは自己紹介をはじめた。
「俺ジェノサイドペニッサーのリードギターの高橋よろしく」
高橋とは最初トラぶったこともあり全く良い印象など持っていなかったジャイズアゲインスト
のメンバーだったが、話してみるととても良い男であった。
冗談も良く通じるし話も面白い。
そのあとギターボーカルの池田 ドラマーの田中が自己紹介を終え
ジャイズアゲインストのメンバーも軽く自己紹介をした。
剛田が真っ先にジャイアンとよんでくれと言ったとき
高校へいって少しすさんだ彼の心が徐々に回復してきているのがみてとれた
ギタリストはギタリスト同士 ドラマーはドラマー同士
ベーシストはベーシスト同士
お互いに話すことは山ほどあった。
探究心旺盛な出来杉は田中の話を凄く真剣に聞いていた。
この八人の雰囲気を見ているとイベント開始時の殺伐さがまるで嘘のようであった。
のびたも初心者なりに高橋や池田と剛田の話に必死についていこうとしていた。
話が少し収まったところで高橋がこう切り出した。
「そろそろ うちもオリジナル一本で行こうとおもってる
もし企画することがあったらぜひジャイズアゲインストにも出て欲しいんだけど」
剛田はその話を聞くと机をゴンと叩きこう返した
「乗ったぜいつでも連絡してくれ なあみんな」
その言葉にメンバー全員がうなずいた。
すると高橋がこう付け加えた。
「できればオリジナルで来て欲しい お前らなら十分ここでできると思うんだ」
すいませんミスりました
>>245 >>247 >>246の順番で読んでください
すかさずベーシストも自己紹介を始める 彼はスネオの後任にあたる
「ベースの菅野です すきなバンドはレッチリ」
菅野は身長が高く顔の整った好青年であった。
さらにベースの腕は高校生とは思えぬほど高く、演奏の再には異常なまでに存在感をしめした。
菅野はジャイズアゲインスト 特にスネオのプレイをよくほめた。
「骨川だっけ、 すごいよかったよ ドラムとの息もばっちりあってた」
意外なほめ言葉にスネオは少し照れた
「君の方こそ すごいうまかったよ やっぱりフリー意識してる?」
菅野とスネオはこんな調子でベーストークに花を咲かせていた。
その様子をみて高橋がスネオに言った。
「骨川 すまん 前はあんなこといっちまったけど
今日の演奏見てびびったよ お前ほんとに音楽やりたかったんだな ごめん」
その言葉をうけスネオはすぐに許す気にはなれなかったけれどもなんだか
少し心がちくりと染みた。
おお!熱い展開だ!
ジェノサイドいいやつらじゃん
本物キタ!!
待ちわびたぞ!
やっぱ本物は良いな!!
なんか「本物」って良い響きだな!
250 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 07:48:53 ID:VNGvhspT
今日も書いてくれるかなあ
なんか…良いな!
「オリジナル」その言葉を聞きメンバーの気持ちは一気に高まった。
それと同時に大きなプレッシャーが彼らにのしかかったに違いない。
結成してまだ間もなくバンドとしての経験も少なかったがジェノサイドペニッサーと
の出会いはバンドとしての大きな前進であったといえる。
時間も遅くなったので各々その場で連絡先を交換し解散した。
この日の経験は彼らにとてつもないインパクトを残した。
帰り道 剛田はこれからのことに沢山の思いをめぐらせた。
一人でギターを弾く毎日だったのに気づけば音楽を通して
よき仲間を見つけ始め、そしてこれから地元のインディーズシーンに飛び込もうとしている
それを考えただけで剛田のモチベーションは上がり胸が高鳴った。
これは剛田だけにいえたことではない、のびた スネオ 出木杉
彼らも来る未来に期待を膨らましたことであろう。
翌日 昨日の興奮がまださめないまま剛田は学校へ登校した。
いまだ友達もできないかれにとって学校は苦痛の場でしかなかったが
彼は一日中オリジナル曲のアイディアを考えることによってそれをまぎらわした。
授業中もノートに歌詞や曲の雰囲気等のキーワードを書きまくった。
今の彼の頭の中には早く家に帰って曲を作ることしか頭にない。
一方スネオは今までにないほど楽しい学校となった
最近まで気まずい仲であったジェノサイドの高橋や池田らとは
昨日の件で少し関係も回復し 休み時間も彼らと話したりすることができた
媚をうり精神を削り続ける友人関係の保ち方は今の彼にはまるで嘘のようだった
昼食も 昼休みも ずっと彼らと時間をともにし、軽く冗談を言い合ったり、
お互いの好きなバンドを薦めあったりと、夢のような時間をすごすことができたのだ。
ただやはりスネオが彼らと話していて感じたもの、
それは彼ら ジェノサイドペニッサーが地元の人気バンドで自分達は
まだ駆け出しの無名バンドだということだ。
昨日のライブで少し気持ちが舞い上がっていた節があったスネオは
少し冷静さを取り戻した。
同時に「ぜったい追いついてやる」そんな気持ちがこみ上げてきているのであった。
家に帰った剛田は早速ギターを手に取った。
作曲自体は初めてではなかったがバンド形態で演奏する事を視野に入れると
曲作りは困難を極めた。
簡単なコードを並べてそれに合わせて歌う。
それが今までの彼のスタイルであったがまずそこに+他のパートの分を考えなければならない
曲としてのイメージはできていたのだがやはりギター一本ですぐ完成とまではいかなかった。
どこからか焦りとイメージをモノに出来ない苛立ちが彼を襲った。
剛田は「チッ」と一発舌打ちをするとその場にダイノジになって寝そべってしまった。
オリジナルをつくらなきゃ 真剣に勝負はできない そんな思いが頭の中をめぐり
彼をあせらせる。
全身からはなぜか汗がふきだしはじめ、集中力も徐々に失われつつあった。
数十分後剛田はできるかぎりの妥協をした。
本来の彼ならば妥協は絶対に許さないが他のメンバーと協力することで
一つのものを作ろうという考えが導いた結果であった。
剛田は数曲分のイントロ バッキング リードのみ考え
のこりのパートはメンバーと相談しアレンジしていくことにしたのだ。
早速曲作りを一気に進めるために、他のメンバーに連絡をとった。
「来週の土日どっちかスタジオ集まろうぜ」
のびた スネオはこれをすぐ承諾したのだが出来杉だけは少し様子が違った。
なんでも夏休み明けのテストの結果が悪かったらしく自分でも危機感を感じているらしい。
更に親との約束を破ってしまったことへの罪悪感からか 少しどうするべきか悩んでいるようだった
音楽をやりたい気持ちはとても大いことは間違いない
しかし音楽を最大限に楽しむリスクとして勉学は自ずとおろそかになっていく
このジレンマに出来杉はひどく悩まされた。
「ジャイアン 俺どうしよう いや来週はいくけどさ・・・・・・
なんていうか・・すげー音楽やりたいんだけど・・・ 親にもなんだか申し訳なくて」
出来杉はこの悩みを剛田に打ち明けた
剛田は彼の気持ちを理解するのに苦しんだ それは無理もないことだ
彼とは置かれている環境があまりにも違いすぎる 今剛田の前には 音楽のことしか
見えていなかったが、出来杉の前にはたくさんの選択肢が広がっているのだ。
ここで出来杉の気持ちを汲んでしっかり相談にのってやることが
最高の選択かもしれない しかし中途半端な事も彼は一番嫌う
しかし剛田は一言で返事をした
「パンクスなら自分が正しいと思ったことすればいいんだ 他人の目なんて気にすんじゃねえ」
以外にもこの雑で無責任な一言が出来杉を大きく勇気付けた。
「わかったよ ありがとう 今から良く考えてみる」
と出来杉は威勢良く返事をし電話を切った。
約束の当日 いつものスタジオにジャイズアゲインストのメンバーが
そろった。
あのせまいスタジオに四人は円になるようにして座った
剛田はギグバックからギターを取り出しメンバーに向けて言った。
「俺 オリジナル考えてきた 今から皆でアレンジ加えてほしいんだ 」
その言葉にメンバーは一気に盛り上がった。
「おおいいね! とりあえず聞かせてよ!」
とスネオがいう
剛田は「まかされよ とりあえず聞いてくれ」
というとギターを弾き始めた。
一曲引き終わると出来杉が真っ先に食らいついてきた
「いいね!とりあえずドラムいれない!? なんかアイディアわいたよ!
もう一回弾いてみて!」
その言葉に剛田は「ああ」とうなずき 出来杉のセッティングが完了したのをみはからって
またその曲を弾き始めた。
イントロ部分で少しドラムが入ってくる 以外にも簡単にマッチしたことにメンバーは驚いた
しかし出来杉はまだ納得できなさそうに注文をつけくわえた。
「イントロ部分なんだけどこうしたら・・・・・」
そうやってやり取りをかわし合い徐々に曲としての骨組みが出来上がってきた。
スネオもバッキングのキーを確認するとベースラインを作り曲にあわせ始めた。
ルート弾き主体のシンプルなものではあったが、要所要所盛り上げどころはしっかりと作りこんである
これはやはり流石であった。
のびたはただこの様を寂しそうに見つめていた。
また同じ時期に楽器を始めた出来杉が経験者の彼らとほぼ互角に渡り合っている
姿に少しの悔しさを覚えた。
アレンジをはじめて約一時間が経過したが のびたはその場に立ち尽くしたままである
楽しそうに演奏する三人の姿をみてのびたは自分の未熟さを痛感した。
練習は毎日やってきたつもりだったしCDも沢山ききこんだ
なにが出来杉とこんなにも差をつけたのか たとえ楽器が違ったとしても
あまりにも力量の差がはっきりとみえてりるこの状況にのびたは言いようのない虚無感に
襲われた。それは徐々に彼の表情にも現れ始め 最初のほうのわくわくした顔が
徐々に何か悟ったかのように無表情になりはじめていた。
ベース ドラム バッキングのアレンジも一通り区切りがつき
剛田はのびたにやっと声をかけた。
「おう のびた待たせたな とりあえずイントロから教えるわ。」
いきなり声をかけられてのびたははっとした。
同時にやっとこの孤独感から開放されたからかほっとした表情にもどった。
剛田はそののびたの急激な表情の変化に笑った
「お前なにボーっとしてんだw リード考えてきたから教えるわ」
剛田はのびたにしっかりと丁寧にイントロ部分からギターを教えた
のびたもさっきまでのうっぷんを晴らすかのように 凄く早くそれを飲み込んだ。
「じゃあ なんとか一区切りできたし 一回頭から最後まで合わせてみるか」
剛田のその一言にメンバー全員に緊張とワクワクが走った
「じゃいくぜ ワン トゥ・・・・・・」
その掛け声と同時に全パートが演奏を始める。
それは彼らにとってすさまじい状況であった。
今さっきまで自分達が作っていた曲が演奏されている
演奏されていることによって曲が生きているのだ
一回目の演奏ということもあって多少ミスはあったが
バンドの初めての曲としてはなんとも申し分のない出来だったのではないだろうか
演奏も一回目二回目と回数を重ねるごとに精度を増し、細かい点も各々
指摘しあって修正していった、この日、数時間の間に記念すべきバンドの一曲目が
完成したのだ。
二分半ほどのテンポのはやいメロディックなハードコアだ
剛田の渋い歌声とメロディに上手くのった英詩はなんとも絶妙な味をかもしだして
いたのではないだろうか。
予約分の時間も使いきり解散となり メンバーはそれぞれ帰宅し始めた
剛田は帰りの準備をする出来杉に声をかけた
「出来杉 ちょっと時間いいか?」
出来杉もなんともないかんじで「ああ いいよ」と返事をした
二人はスタジオ裏のベンチに腰掛けた。
お疲れ様です!
良いところで続きかあ〜
おぉ!オラ、ワクワクすっぞ!!
ジャイアン!かっこいいよジャイアン!
更新の量ふやして欲しい
更新おくれましたすいません
二人はスタジオ裏の路地のベンチに腰掛けた。
まず話を切り出したのは剛田からであった。
「なあ お前先週した話あっただろ 今はどう思ってるんだ?」
出木杉はすぐには返事をしなかった。 ただおもむろに彼は空を見上げる
数分の沈黙が続いた。これは剛田にとっては何十分にも感じられたかもしれない。
出木杉はひざに手をパンとあててようやく口を開いた。
「俺さあ 悩んだんだけど 音楽も大事だと思うんだ。 でもさ」
このあたりで剛田の緊張感は一気に高まった。
最悪 彼のバンド脱退すら頭をよぎったほどである。
「俺 宇宙に関する仕事に興味あるんだよ だからもっと勉強したい」
剛田は彼の意思に干渉することなどできなかった。
彼には将来のビジョンがはっきりと見えているのがうすうすみてとれたからだ。
「ちょっと前までは なんのためにあんなに勉強してんのかわからなかったんだ。
親のこととか、世間体とかそんなものばっかりが頭の中にあったと思う。
けどさやっぱり音楽と出会ってから考え方変わったよ。」
心なしか本心を語る出木杉の目はとても輝いて見えた。
「俺が勉強をやってるのは自分のためさ 誰のためでもないよ そう気づいた気がしたんだ」
剛田は怖かった。 彼の自分自身の見つめ方 それ故に自分達とは全く違うベクトルにいるのではないか
そんな気がしてならなかったのだ。
しかし剛田には聞かねばならないことがあったのだこの先にある夢のために
「お前 バンドはどうすんだ?」
出木杉はその質問に軽く笑うとすぐに返事をした
「もちろん 続ける」
「べつに どっちかって選ぶ必要はないと思うんだ 自分が正しいと思うことをすればいいって
ジャイアンはいったよね。
俺にとっての正しい選択は音楽と勉強の両立 たとえどっちかに問題が生じたとしてもどっちのせいにもしない
本当の両立だよ」
剛田は安堵のため息と共にこういった
「俺が中途半端なことは嫌いなのはしってるよな・・・・」
出木杉は当然といった表情でこう答えた。
「もちろん どっちも全力でやらせてもらうよ」
剛田の緊張はこの一言で一気にゆるんだ
「そうかい じゃあこれからもよろしくたのむぜ」
「ああ」
そんな短い会話をした後も二人はしばらく空を見続けていた。
数日後 ジャイズアゲインストは数回のミーティングを行い
記念すべきオリジナル一曲目の歌詞や曲名が決定した
曲名は「rage」剛田の怒りや不満をつづった歌詞とパワフルな曲調から
とられたものだ。
曲名一つ決めるにしてもバンド内ではわいわいと盛り上がり
とても良い雰囲気だった。
なによりバンドについにオリジナル曲ができたときの喜びは何にもたとえることの
できないものだろう。
彼らはようやく「ジャイズアゲインスト」としてのアイデンティティを確立させはじめたのだ。
それからまた数日 学校から帰るやいなやのびたはギターを手にとりただがむしゃらに練習する日がここ何日か続いていた。
あのスタジオでの虚無感をと悔やみの念が引き金となってかモチベーションはかなり高くなっていた。
ただなにか彼は物足りなさを感じていた。 曲を弾くにしても決められたフレーズをただひたすら弾いてなぞるばかり
彼はそれに楽しさを全く感じなくなっていたのだ。 楽しくもないのに楽器を弾く
出木杉に対するライバル心が最大の原動力となっていた彼にとって楽しさを追求するのには限界があったのだ。
さらに彼は最近自分がバンドのお荷物なのではないだろうかと心配し始めていた。
耳コピも人並み程もできずただスコアをなぞるのが精一杯の自分ではこれからバンドが曲をつくっていくにあたって
全く自分が参加できないのは目に見えていたのだ。
そんなのびたの考え方が180度変わったのはその次の日下校途中に本屋で立ち読みしたロック史の本だった
70年代にその名を全米にとどろかせた名パンクバンドRAMONENS(ラモーンズ)の記事をよんでのことだった。
ラモーンズのメンバーには演奏テクニックはまったくなく あまりの下手さに他のバンドのコピーをすることすら不可能だった
しかしどうしてもギグを行いたかった彼らは 自分達でも演奏できるような超シンプルな3コードとよばれるものだけをつかった
曲をつくりその曲でギグを行い人気をあつめたのだ。
このような内容の記事をみてのびたはひらめいた。
「俺も・・曲作ってみようかな・・・」
のびたは即座に本屋を飛び出し自宅にむかい走り出した
すいませんラモーンズのスペルみすりました
正しくはRamonesです
268 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 20:24:04 ID:XoxMUyoW
おもしろすぎる!!!
GJ!
いいバンドだね〜
野比がついに始動するのか…!
保守
出来杉の悩み、のび太の悩みがいかにもそれらしいなぁ
かつて壁にあたったらドラえもんに頼ってたのびたが、
自分で解決策を見出してるのが成長を実感して感慨深いね
再開されてから更新するのが楽しみでしょうがない、ガンバレー
273 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 23:43:02 ID:GJZSoxGN
応援!!!
ただ曲をなぞるのがつまらないなら自分で作れば良い。
うんとシンプルでかっこいい曲を。
のびたの頭の中にはそれしかなかった。
一曲良い曲をつくってみんなをびっくりさせたい、これからのスキルにいかしたい
曲を作るにあたって発生すると思われる沢山のメリットに彼は既に心を震わせていた。
帰宅後 のびたはすぐにギターを手に取った。
とりあえずいくつかコードを鳴らしてみる。
すると不思議なことに流れるように順調に次のコードが思い浮かぶ。
とりあえず定番のコードを三つほど使って何時間も試行錯誤を重ねた。
彼は夕食をほったらかしにし、大好きな睡眠の時間を削ってまでも曲を作り続けた。
時刻はすでに2時をまわっている。
眠気がピークにさしかかり かれのまぶたはすごく重く感じられ
腹も空き体力の限界が近づいていた。
何故こんなにもがむしゃらになれるのか 自分でも解らないくらいであった
ただ この曲作りの時間はいつもの練習の時間より楽しく感じられた。
のびたはさらに何十分もギターをかきならし、なっとくがいくまで何度も何度も
試行錯誤を重ねた。
曲の完成が近づくとのびたの気分は更に盛り上がった。
曲はいたってシンプルなものだが彼はそのシンプルさにこだわった。
時刻は四時 ついに曲が完成した。
曲調はなんと単調でストレートな定番パンクな仕上がりとなった。
単調な曲は最近のリスナーからは低くみられがちではあるが
彼はこの曲をひどく気に入った。
自分で作曲したというのもあるが イメージがそっくりそのまま形になった
ので思い入れが深いものがあったのだろう。
のびたは後二時間かけて作詞も行った。
もともと英語ができるわけでもなかったので日本語を暗号のように連発し
サビはしっかりとした日本語で歌いこむような作詞作りを意識した。
内容は彼の日々の苦悩を中心に書かれていた。
やはり自分のみに回りに起こっている事を歌詞として書き並べるのは
難しくはなかったが バッキングにあわせてしっかりと歌詞をはめる作業にはやや
てこずったようだった。
がこうして一日かけて作った曲にのびたは「エニマ・オブ・凡人」というタイトル
をつけ ようやく眠りについたのだった。
(といっても学校があるので実質一時間程度の睡眠)
週末。ジャイズアゲインストはいつものレンタルスタジオで定期ミーティングを行っていた。
この前作ったオリジナル曲rageの練習や今までコピーしてきた曲を適当にあわせたり
これからのことを話し合ったりといつものようにミーティングはすすんだ。
が、のびたの様子がこころなしかそわそわしているように見える。
それにいち早く気づいた剛田がのびたに声をかけた。
「おい のびた 小便でも我慢してんのか どした」
その質問にのびたは 恥ずかしそうにこう返事をした。
「実は オリジナル・・・・作ってきたんだ・・」
てれくさそうにいうのびたにメンバーはテンションを高くして早く聞かせるようにまくしたてる
特に剛田はその場にすわりこみ「さ 聞こうか・・」とおどけてみせたりと上機嫌になっている
それほどのびたがオリジナルを書いて持ってきたということがバンドにとっては大きなことだったに
違いない。
全員が楽器の演奏を止める。
スタジオ内にとても静かで張り詰めた空気が流れる
「じゃ いくよ・・」その言葉とともにのびたは数日前に徹夜で作った曲
エニマ オブ 凡人を披露し始めたのだった。
曲は序盤若干ミドルテンポで展開されていくのだが
サビで一気に盛り上がりスピードアップする。
このメリハリのよさには全員が感心した。
まずスネオが「クールだね」とベースラインを勝手に入れ始める。
それをみた出木杉が「じゃあ 俺も」といった感じでドラムを入れ始めるのだ
途中何度かとまってしまうことがあったが そのままの流れで曲のアレンジが始まった。
がのびたは「ちょっとまって」と一度演奏をやめさせる
「この曲はギター一本でいきたいんだ ジャイアンは歌に専念してほしい」
最初はかしこまっていたのびたであったが自分の曲のイメージはしっかり伝えておくべきと
思ったらしく、いつもよりしっかりとした言い方で剛田にそれを伝えた。
剛田は「まかせろ」というと三人の演奏とのびたの歌をしっかりと聞き込み始めた。
自分が作った曲がこうやってみんなで楽しく演奏されて形になっていく様子に
のびたはなんとも今まで味わったことのない楽しさと嬉しさをあじわったのであった。
いいねいいね
のびたやりよるな
ゆっくり書いていいからね
それって熱湯風呂の『押すなよ!ぜったい押すなよ!』と同じだよね
282 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/06(火) 04:58:55 ID:2LdIUyqG
俺、このスレみて4年ぶりに高校時代のバンド仲間に連絡とったww
今度スタジオ入らね?ってなwww
でもみんな仕事忙しくて無理だと。まぁ俺だけニートだからなwww
やっぱダメだったんだけど、でも俺もう一回、
もう一回アイツらと朝までみんなで曲つくったり
好きなバンドの新譜買ってきたぜwwつって、マジかよwwって、みんなで集まって聞いたり
タイバンやったウザい先輩にアツくロックについて語られたり
全然盛り上がらなかったライブの帰りにみんなで飲んで愚痴ったり
盛り上がった日は見に来てくれたコ誘って打ち上げやって
バイト代使い果たすまで飲んだり
またみんなで出来るんかなって思えたww
一瞬だけどまた夢見れたぜwww
>>1マジありがとなwww
このスレ大好きだから続けてくれなww
のびたの才能がほしい
284 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 15:06:29 ID:OOLAPBRQ
285 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 18:16:30 ID:QvyHWi+o
面白いなこれ
286 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 13:26:23 ID:i/3zr7Yd
あげ
保守
すごくいい
今日一気に全部読んだ
ジャイアンやスネ夫の苦悩に泣き
のびたや出来杉の葛藤に心が震えた
何よりも素晴らしいのはバンドの演奏シーンの描写!
俺は布団の中でライブハウスの高揚感を味わったよ
作者さんすげえなの一言に尽きる
いつまでも更新待ってるよ
290 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/17(木) 16:27:52 ID:hAd6BSTo
そろそろ続きが・・・
291 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/21(月) 06:08:09 ID:LN2t1wtB
まだー?
投げ出すなら最初から書くな
tesuto
294 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/12(火) 18:18:29 ID:M40WPqIm
もうだめか・・・
保守
いいSSだけど創作板でやって欲しかった
297 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/31(水) 01:04:43 ID:+OA/ElUm
age
ジャイアン「そろそろバンドやろうぜ…」
299 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/24(土) 16:19:45 ID:PsZp7SLz
激しく支援!作者さん戻って来て下さい!
しかたない、俺が続きを・・
301 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/19(水) 21:50:58 ID:xofRoa23
アゲ
302 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/23(日) 20:20:06 ID:8lyBFw2N
上げげ
303 :
ニセモノ:2010/06/05(土) 01:03:52 ID:hXebepoU
本日曲うpしますので予告age
あ?
ジャイアン死んじゃいやん
306 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 01:02:13 ID:8OP5iR9Z
早く話書くか曲上げるか偽者でも本物でも何でもいいから
307 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 21:18:38 ID:8OP5iR9Z
静がスタジオの重いドアを開けた。「みんな、お母さんからのさしいれよ」
ジャイアン「おう!サンクス!そういやスタジオ入ってもう5時間たってら。腹が減ってるのも気付かなかったよ」
出来杉「だいたい形になったな、のび太。」
のび太「うん。」
スネ夫「そうだ!静ちゃんに聴いてもらおう!のび太も1番目に静ちゃんに聴かせたいだろ?」
のび太「うん。静ちゃん、これから始まる俺達の長い旅路、船出は君に見届けてもらいたいんだ。」
静「もちろんよ。早く聴かせて!」
ジャイアン「ちょっと待てよ!せっかく静ちゃんのママが作ってくれた肉まん冷めちまうから先に腹ごしらえさしてくれよ〜」
スネ夫「そうしよ。僕も腹ペコだよ。」
出来杉「そういやのび太、曲名のエニマオブなんとか・・・」
のび太「凡人。エニマ、オブ、凡人。」
出来杉「あぁ、それだごめん。その曲名なんだけど、もっとわかりやすいストレートな曲名にしたほうがいいとおもうんだ。」
ジャイアン「俺もそう思ってたんだ。別に悪いと言ってるわけじゃないぞ。ただ、曲の仕上がり具合からして日本語でストレートにしたほうがおまえの強い気持ちを伝えられると思うんだ。」
のび太「・・・スネ夫はどう思う?」
スネ夫「僕も日本語の曲名のほうがいいと思うよ。仕上がった曲もウレセンだし、曲名も伝わりやすいのにしたほうがいいと思う。」
のび太「実は、最初決めてた曲名があって、ちょっと恥ずかしい感じの青春チックだったんでついエニマオブ凡人なんておちゃらけちゃって・・・」
静「それで、曲名はなんなの?」
のび太「・・・僕らの思いは繋がった」
http://up.cool-sound.net/src/cool14328.bin.html
308 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 21:21:03 ID:8OP5iR9Z
僕らの思いは繋がった
A D A D
僕らは別々の空の下 足りない何かに気付かずに
A D A D E
それなりに過ごす日々の中 何かを取り戻したくて
D A D A
つながる ことが 当たり前だったevery day
D A D E
今は 夢を 見ること忘れてしまった
A D E A D E
ひとりじゃ 何も 出来ないから いつも誰かを頼ってきた
A D E A D E D E
みんなで 夢 叶えたいから 明日を望みに変えたいから 一緒に 肩組むよ
A D A D
僕らは同じ空の下 足りないものは何も無い
(間奏)|A |D |A |E |DE|A |ED|A |
D A D A
つながる ことで 取り戻したよeveryday
D A D E
歩き出した確実に今ここから さぁ 始まりだ 冒険記
A D E A D E
ひとりじゃ 何も 出来ないから いつも誰かを頼ってきた
A D E A D E
みんなで 夢 叶えたいから 明日を望みに変えたいから
A D E A D E
僕らが 見ているのは 同じ空 それぞれの道は違っていても
A D E A D E A
みんなの 思いは一緒で 明日を望みに変えたいから
D E A D E A
今 踏み締めて 出来た道は ずっと 続くから
D
ずっと 消えないから
309 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 21:24:47 ID:8OP5iR9Z
アパート宅録なんでボーカル最悪ですが、のび太の気持ちになって作りました。
問題なければこのまま代わりに書き続けます。
拡張子mp3にしたらQuickTimeで開けたけどファイル形式AACって出た
binじゃ、聞けてない人の方が多いんじゃなかろうかw
312 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/15(火) 23:30:33 ID:yP+YWimk
近藤真彦>>>>>>>>>>>>>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>>>>>>>ジャイアン
どうでもいいことですが↑のニセモノさんは、以前一度続きを書いたにせものとは別の方です。
本物さんは規制でモチベーションがなくなっちゃったんですかねえ〜