1 :
創る名無しに見る名無し:
女「……」ズルズル
女(やっと、やっと帰ってきたんだな……この町に…随分と
随分と変わったもんだ…あいつの家はたしかこのあたりに…)
モブ「ねぇちょっと見てあの子…」「酷い傷…」「やだ、なにあの格好……軍服?」ヒソヒソ
女「……っ」ズルズル
女(故郷に来ても見る目は同じ、か…ん?あいつは…)
男「〜」
女(男だ…何年ぶりなんだろう、変わってない、変わってないな。
フフ、頼りなげなあのころのまま……それに比べて私は――)
2 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 02:41:58 ID:8XABdbJV
日 学校
先「今日は新しい転校生を紹介する、女さんだ。ホラ自己紹介して」
女「女です。よろしく」(まさか男がいるクラスとは……男は私のこと気づいてるのか?)
生徒達「おい見たか…頬にある傷……」「なんか雰囲気やばくね?」「暗いし怖そう…」ザワザワ
女「……」
男(まさか…嘘だろ……たしかにめずらしくはない名前だが…名字まで…)
先「ずっ、随分シンプルな自己紹介だな。じゃああそこが空いてるから座ってくれ。視力とか大丈夫か?」
女「大丈夫です」ズルズル
女(クラスが一緒の上、隣の席……フフ、どうやら悪運にだけは恵まれてるようだな私は)
生徒達「おい」「ああ足が…」「なんだ?あのリュック…」ヒソヒソ
男(俺の隣の席か…足悪いみたいだし…別人……だよな?)
3 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 02:47:00 ID:8XABdbJV
男「女さんもしかして昔会った事ある?」
ザワザワ ヒソヒソ
女「……」
男「女さん?」
女「知らんな」
男「そう」(澄んでるけど落ち着いた低いトーンの声、少し変ってはいるが確かに俺のよく知ってる人の声…だけど――)
女(バッ、バカ野郎……なぜそうだと言えんのだ、私は…昨日だって……)
ザワザワ ヒソヒソ
女(いや…でも今の私では…男に……)ギリッ
男(――だけど…俺の知ってる女ちゃんはこんな悲しそうな瞳してない……)
4 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 02:54:52 ID:8XABdbJV
キーンコーン
屋上
男(どうしよう、俺がいっつも食べてる場所なんだけど…
ていうか転校生なのに初日からこんなとこで一人弁当…)
女「……」ガソコソ
男(まあ俺だって人の心配できるような立場じゃないけど…ん?)
女「……ごくっ」
男(薬のんでるのか?)
女「……」ゴトッ
男(さっ、酒!?)
女「…んぐっ、んぐっ」
男(もしかして女さんも不良ってやつ?)
見てる人がいてネタ思いついたなら支援SSお願い…書き溜めてないし一応新ジャンルなんで
ベトナム帰還兵なんて、M60持ったスタローンしか浮かばん
6 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 03:03:25 ID:8XABdbJV
男(え、寝ちゃってる?お酒抱きかかえたまま…)
女「クカー、クカー」
男(マジかよ…見つかったらやばいぞ……)
女「クカー、クカー」
男(おいおい、寝てるとこまで来てどうするつもりだ俺?起こすわけにも…しかし…)
女「クカー、クカー」
男(こうして見ると…もう随分長いことたったし、大きな傷もあるけど…この顔はやっぱり――)
根性なくてすいません明日も続けたいです おやすいみー
7 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 03:16:30 ID:QwiDBDfd
がんがれ
みてっから
ベトナム帰還兵という言葉で男を想像したが女なのか
これは予想外
9 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 09:23:28 ID:8XABdbJV
女「ッ!!ハァッ!!ハアッ!!ハァッ!!ジョンソン!!」ガッ
男「なっ!?」
女「よせっ!!やめろ!!そいつはVCだ!!」ハァハァ
男(ジョ、ジョンソン!?うなされてるのか!?)
女「糞ッ!!誰か、誰かいないのか!!コンタクト!!」ハアハア
男(すごい苦しそうだ…汗が滝みたいに……)
女「畜生、畜生ッ!!チョッパーはまだか!?ぶっ殺してやる!!」ハァハァ
男(こッ…殺すって…こういう時って
やっぱ起こしたほうがいいのか!?)コツ
女「ハァ…糞…糞ッ…ナンバーテンだ…畜生…」ハァハァ
男(睡眠薬…さっき飲んでた薬ってこれか……)
10 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 09:30:18 ID:8XABdbJV
男(落ち着いてきたと思ったら)
女「うぅ…ひっく…うぇえええ…」
男(今度は泣きだした…)
ガタッ
不良1「お?なんだ?男の弁当箱があるぞwwww?」
不良2「マジかよwwあいつ最近昼見ねぇと思ったら屋上にいたのかwwww」
男(や、やべっ!!隠れないと)
女「う…ぐすっ……うぅぅ…畜生ぉ…」
男「……」
11 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 09:46:29 ID:8XABdbJV
男「なんか用ですか?」
不良1「うはwwwこいつ自分からきやがったww」
不良2「んじゃちょっくら付き合ってもらいますかww」
女「糞ッ!!こっちはもうウインチェスターだ!!救援はまだか!?」
不良1「ん?なんか今聞こえなかったか?」
不良2「こいつと一緒に屋上で飯食うバカがいるわけないだろwww」
男(や、やばい…あんなとこ見つかったら
女さんまでこいつらに目ぇ付けられる…)
不良1「ん〜でも確かに聞こえたんだがなぁ」
不良2「おいおいwwまた上んのかよwww」
>>7 サンクス…ジャンルがジャンルだから孤独感がやばかった
>>8 リアリティとか皆無ですがよろしゅう
12 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 14:19:28 ID:8XABdbJV
男「先輩そのシャツ格好いいと思って前あけてんですか?」
不良1「あ?」
男「だっさいから閉じたほうがいいと思いますよ」
不良2「おいおいwwwどうしたの男ぉwwww?反抗期www?」
不良1「へぇ〜クソなめたこと言ってくれんじゃん。おい、便所いくべ、便所」
男(くそっ…でも昼食わなくて良かったか…)
13 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 14:25:11 ID:8XABdbJV
キーンコーン
男「うぅ…」(女さんちゃんと教室に戻ってるな、よかった…にしても痛ってぇ…)
女「……」
男(うぷ…滅茶苦茶酒くさい……)
女「おい」
男「えっ、おっ俺?」
女「その傷どうかしたのか?」
男「あーいや、階段で転んじゃってね。ハハハ…」(我ながらベタな言い訳だな)
女「そうか」
男(もしかして俺のこと…心配してる…?)
女「……」
男「あっ、あのさ」(やっぱり…この子は――)
女「なんだ?」
男「……」
女「……」
男「いや…なんでもない」(よそう…俺なんかと話してたら女さんまで……)
女(むぅ…せっかくもっと会話するチャンスだったのに……にしてもその傷…)
14 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 14:35:24 ID:8XABdbJV
校門前
女(はぁ……私は一体なにをしたいんだ?自分で自分が嫌になってくる…違うとはっきり言った
のに…私は男が気づいてくれるのを心のどこかで期待して…今だって校門の前でやつを――)
男「〜」テクテク
女(きっ、来た!!ってなぜ隠れるんだ私…)
男(ん?アレもしかして女さんか?なにやってるんだ、あんなとこで?)
女(ぐ、偶然を装って…タイミング合わせて帰るか……家の方向は知ってるし…)
男(こっちの様子窺ってる?もしかして俺のこと待ってるとか……)
女(止まった?うっ…こっち見てる……ばれたか…?)
15 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 14:48:04 ID:8XABdbJV
男「〜」サッ
女(なっ!?そんな…避けられた?こっちからじゃないと相当遠回りに…)
男(俺のこと待ってたとしたらごめん、女さん……俺なんかと一緒に帰ってるとこみられたら女さんにまで…)
女(そうか…そうだよな……私は変わったんだ…昔とは
違う…昔の私はもうとっくにあのナムのジャングルで――)
男(なんて自意識過剰だよな…ハハ、でも…もしあれが女ちゃんなら…俺は――)
女(やっぱり、やっぱり…私は…うぅ……帰ってきちゃ…いけなかったんだ…)ポロポロ
男(俺は――)
誰かぁ…もしかしてここにいるの俺だけ?
16 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 15:25:56 ID:8XABdbJV
翌日
キーンコーン
女(うぅ…今日も一日なにも話さなかった……やっぱり避けられてるんだな私…)ズルズル
不良1「うらあっ!!」バキィ
男「ぐあっ…」
女(ん…?今なんか用具室で人の声が聞こえたような……)
不良3「へへ…次は俺にやらせろよ…ふんっ」ドスッ
男「がはぁっ…」
女(これは…もしかして男の声?そのれにこのにぶい音……
耳にこびりつくまでハノイ・ヒルトンで聞かされた――)
男「ぐふぅ…」
ガンバレよ
でもキャラの名前くらいはつけても良いんじゃね?
18 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 15:45:26 ID:8XABdbJV
ガラガラガラ
不良1「ッ!?んだテメェ!?」
不良3「誰だこいつ?こんな奴うちのガッコにいたか?」
男「なっ!?女さん…ばっ馬鹿…はやく逃げ――」ゼェハァ
女「…………」
男(なっ…なんて目をしてるんだ……まるで…まるで感情のない獣みたいな…)
不良1「なにガンつけてんだよ?おいコラ」ピシャッ
不良3「女だからっていい気になってんじゃねえぞ、おい」グリッ
男「ぐあぁっ…!!」(やばい…扉をふさがれた……どうにかして女さんだけでも…)
>>17サンクス、最初そう思ったんだが一応新ジャンルというか思いついたらSS書いてもらいたんで
汎用性の高い男と女でいこうかなと
19 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 15:55:06 ID:8XABdbJV
女「………」ワナワナ
不良3「おい見ろよコイツwww震えてるぜwwwww」
不良1「あんま無理すんなwwじっくり可愛がってやるからよwwww」
男(この構図……どこかで…随分前にも……あの時はそう…たしか……)
女「……けろ」ボソッ
不良3「あ?」
不良1「なにいってんのコイツwww?」
20 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 16:22:36 ID:8XABdbJV
女「その汚ねぇ足を男からどけろっつってんだよ!!!!!!」ヒュ
バキイイイィィィ
不良3「ぎゃああああああっっ!!!!!」ゴロゴロ
男(なっ…!?金的をいきなり!?)
不良1「てっ、てめぇ!!ぶっころ」
ガキイイイィィィ
不良1「うぎゃああああっ!!!」ゴロゴロ
男(今度はみぞおちを!!なんて動きだ、まったく容赦が…)
女「――ッ!!ハアッ!!ハアッ!!このっ…!!この…ッ!!」ガキィィィィバキィイィィ
不良1「ごぼっ…!!」
不良3「ひっ…ひぃ…!!」
男(こっこれじゃあ、まるで――)
21 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 16:29:44 ID:8XABdbJV
女「うす汚ねぇ!!グークが…ッ!!ハァッ!!ハァッ!!死…ッ!!!」ガキィィィィバキィイィィ
不良1「……」ドクドク
不良3「…ぁが……だ…誰か…たす…」ゼェゼェ
男(――まるで女さんが一人、戦争の中にいるみたいだ……)
女「ハァッ!!死…ねッ!!ハァ!!ハァッ!!くたばりやがれ!!」ガキィィィィバキィイィィ
男「や、やめて女さん、それ以上は死ぬ!!死んじゃうよ!!」ガシッ
女「ハァッ…!!ハァッ…!!なせッ…!!」ガキィィィィバキィイィィ
不良1&3「……」ドクドク
男「女ちゃん!!」ガバッ
女「――ッ!?」
男「やめろっ…もう…やめて……くれ…頼む…」ズルズル
女「おっ、男……」
22 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 17:08:05 ID:8XABdbJV
男(女ちゃんの左足から血が…)
女「フフフ……」
男(女ちゃん…)
女「ハハ……ハハハ…ハハハハハハ!!アハハハハハハ!!!」ポロポロ
男(あの日以来…女さんは席についてる時もずっと
そっぽむいて、俺が話かけても無視するようになった…)
男(連中のプライドがこんな小さな女の子に半殺しにされた事実を
よしとしないのは明らかだから、表立った問題にはならなかった…でも)
校門前
女「なっ…」
男「女さん…」
女「……ふん」ズルズル
男「ま、待ってよ女さん!!」
女「……」ズルズル
男「女ちゃん!!」
女「……」ピタッ
男「ねぇ…やっぱり女ちゃん……なんだよね?」
女「ち、違う」
23 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 17:48:13 ID:8XABdbJV
男「この前は…その…ありがとう…」
女「……自分の身を守るためにやったことだ、あそこにはたまたまはいっただけで」
男「そんなこといってさ……昔もよくいじめられてた俺を助けてくれたよね?」
女「……」
男「俺は覚えてるよ……いつも俺を助けてくれた優しいけど不器用な女の子の事…」
女「そいつと私は違う。何度言わせる」
男「なぁ、一体なにがあったんだ?」
女「……」
男「女ちゃんが消えたあの日から今日までの間に一体」
女「その名で私をよぶなっ!!」
人いねええぇぇぇ!!
24 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 18:30:49 ID:8XABdbJV
女「おっ、お前のことが――」ブルブル
男「……」
女「――お前のことが大好きだった、世の中の右も左もわからないような世間知らずの女ちゃんは…
あっ、あのベトナムの泥沼の中でくたばったんだ……っ!!もうっ、もう死んだんだよ!!!」
男「ベッ、ベトナム…?ベトナムに行ってたの?旅行かなん」
女「ああ、旅行だ…普通のソレと違うところは鉄砲担いで人殺しをする事くらい――」
男「なっ…」
女「殺したり殺されたり…楽しい、楽しい殺人ツアーだったよ……」
25 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 19:55:35 ID:8XABdbJV
男「そっ…その足も…顔の傷も…ベトナムで?」
女「…ああ」
男「なっ…なあ、女ちゃんがベトナムでどんな思いをしたのかは知らない…だけど」
女「……」
男「女ちゃんは女ちゃんだろ…違うのか?」
女「……あの時の私を見ただろう」
男「え?」
女「人殺しの私を…お前があの時止めてくれなかったら……私はあの
2人を殺してた…きっとナムでやっきたように一辺の容赦もなく―――」
男「で、でもそれは俺を助けてくれるためで!!」
女「違うッ!!」
今ディアハンター見てた
27 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 20:15:39 ID:8XABdbJV
女「私は楽しんでたんだ…!!殺しを……!!暴力を…!!ただのいじめをやめさせるためにあそこまでする必要はなかった…!!」
男「女ちゃん…」
女「だからっ…だから私に構うな……私の両手はガキ共や女の血で汚れてるんだ……」
男「でも!!ほっとけないよ、女ちゃんが倒した奴らの仲間はこの界隈にいっぱいいる…」(お前もまだガキで女だろ…)
女「私にはマリーンで叩きこまれた徒手格闘術がある…あんなヤツらが何匹かかってこようが…」
男「じゃ、じゃあ俺は!?俺だって奴らに狙われるかも知れないんだよ!?」
女「ぐ…」
男「それに…女さんだって一人じゃあ無理だよ……自分でもいったろ?もしかしたら加減できなくて――」
女「うっ、うるさい!!助けられるまでずっと…!!ずっと私のこと避けてたくせに……!!」グスッ
男「へ?」(声が震えてる……)
26>>すごい見てみたいんだが近くのレンタルビデオ店しょぼすぎておいてない……
うわ女つえーなさすが軍人
29 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 21:19:48 ID:8XABdbJV
男「な、なにを…?」
女「わっ私が…ぐすっ…こんな醜い面してるから避けたんだろっ…!?それとも…こっ…こんな……っ!!」ポロポロ
男「ちっ違う!!俺に構ったらあいつらにからまれると思って!!」
女「嘘だ…ひっく……こんなんになった私をみて…どうせお前も…お前も…あいつらみたいに…うぅ…」ポロポロ
男「おっ、女さんは醜くなんてないよ!!そのへんの女の子なんかよりずっと綺麗だ!!!」
女「なっ…///」
>>28おいらのイメージとしては強いというか加減がない感じ 暴力を抑制する
タガがはずれてる
30 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 21:53:19 ID:8XABdbJV
女「そっ、そんな見え透いた嘘なんかに…ひっく…騙されると思ってるのか…うぅ…」グスッ
男「さっき女ちゃんは…俺のことを大好きだったていってくれた……」
女「あっ、あれは昔の話だ……」グスッ
男「俺は違う…女ちゃんがいない間も…俺はずっと女ちゃんのことを――」
女「男…おまえ……」
男「今だってそうだ…俺の知ってる女ちゃんはベトナムの泥沼の中で死んでなんかいない!!今ここに立ってる!!」ガシッ
女「おっ、おまえ、今自分が…!!その空っぽのオツムで何処で何を大声叫んでるのかわかっ」
男「――わかってる!!」
男ぱねぇな
32 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 22:18:40 ID:8XABdbJV
男「わかってるよ!!学校でハブられてる俺が通学路で、気持ち悪い大声張り上げて
女ちゃんが好きだって叫んでんだよ!!周囲の視線が痛いよ!!でも――」
女「……」
男「でも女ちゃんとまた仲良くなれるなら!!こんなことくらい俺は!!」
女「……ぅ」プルプル
男「……」
女「…うぅ…ひっく……」ポロポロ
男「女ちゃ…」
――――――ガシィッ!!
男「ぶふッ!?」
女「うわあああああ!!!!!男おぉぉぉ!!男ぉ!!私っ…!!私!!うぅっ…!」ポロポロ
男「ハハハ、いっ痛いよ…女ちゃんこそココどこだかわかってる…?」(これが…海兵隊仕込みのタックルか……やべぇ腰が…)
女「…ぐすっ…うっ、うるさい!!お前は…ひっく…黙って胸を貸してればいいんだ…うぅ…ふえ……ふえぇぇ///」ポロポロ
うわ完全にデレた
34 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 22:31:09 ID:8XABdbJV
男「…落ち着いた?」
女「うぅ…まあな……はっ恥ずかしいからこっち見ないでくれ///」
男「ごっ、ごめん…」(よく考えたら俺すごいこといってたな……今頃こっちまで恥ずかしくなってきた…///)
男「……///」テクテク
女「……///」ズルズル
男「あっ…ごめん、歩くの早かったね」
女「気にするな……」ズルズル
男「ねぇ…なんで…なんで急にベトナムなんかに?」
デレデレですな
36 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 22:45:37 ID:8XABdbJV
女「……」ズルズル
男「べっ、別に答えたくないなら無理には……」
女「召集令状が来た…」ズルズル
男「へ?」(ていうか女さん日本人だよね?)
女「学生も召集されるようになってな――だがまあ大抵のやつは適当な理由をつけて徴兵を逃れた」ズルズル
>>35 べっ、別に見てくれてる人がいて嬉しいとか思ってないんだからね///!!
なんで日本人なのに召集されるのだ
38 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 23:17:59 ID:8XABdbJV
男「じゃあ女さんはなんで…」(学生つってもソレ大学生だろ…)
女「ホントになんでだろうな?中流以上の家庭、しかも学生ならいくらでも逃れる術はあった。でも多分あの頃はまだ――」ズルズル
男「まだ…?」
女「――まだ正義だとかそういう青臭いモンを信じてたんだ、悪逆非道の
コミュニスト共からベトナム人を解放する……!!なんつってな…ハハハ…」ズルズル
男(お前何歳だよ……)
女「それにな…兵隊にいくのは殆どが貧乏人のガキで……徴兵制とはいって
も実質、行き場のないそういうヤツらの志願で軍隊がもってたようなもんだ」ズルズル
男「……」
女「私にはそれが耐えられなかったし、臆病者にもなりたくなかった……自分から志願しようとまでは思わなかったが」ズルズル
男「……」
女「召集令状が来た時決めたんだ……私は逃げない、と」ズルズル
>>37すいませんリアリティは皆無です 細けぇこたあいいんだよ!!
了解
細けぇことはいいんだな
40 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 23:27:46 ID:lYOiKiMv
リアリティなんていらない。
面白いから問題ない。
41 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 23:51:30 ID:8XABdbJV
女「無論みんなと離れ離れになるのは辛かった…そっその…お前とか……な///」ズルズル
男「……」
女「でも…徴兵だし…それにTVではこの戦争はもう終わりがけで…あと半年もしない内に終わるだろうって……」ズルズル
男「……」
女「だから私は…長くても一年……一年でベトナムから帰ってこれるだろうと思ってたんだ」ズルズル
男「……」
女「フフ、男…ここは笑う所だぞ……私がもう少し世間ってやつを知ってたら……」ズルズル
女「いくら当時でもベトナムの実情なんて簡単にわかったはずだ…だがお前がもう知ってる通りベトナムは――」ズルズル
男「……」ゴクッ
女「――最悪の戦場だった」ズルズル
>>40ありがとう…うぅ…
42 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 01:21:39 ID:KpK/u7l0
女「……で男は?」ズルズル
男「え?」ドキッ
女「男は私がいなかった数年間どうしてたんだ?」ズルズル
男「どうって普通にしてただけだけど」
女「じゃ、じゃあその…なんでヤツらに…」ズルズル
男「ああ…前あいつ等にいじめられてる子がいてね」ズルズル
女「……」ズルズル
男「クラスは違うし噂で聞いただけで、実際にいじめがあったのかどうか俺もよくわからなかった」
女「……」ズルズル
男「でもある日…見ちゃったんだ……校舎裏でその子がボコボコにされてるとこ…それで思わず」
女「――飛び出しちゃったってか?」ズルズル
根性なくてごめんね 今日は寝ます ネタ思いついたらぜひ書いてください
43 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 13:42:20 ID:AFu889kY
擬音の「ズルズル」が気になってしようがないんだ。
これは何の音だ!?
ソバをすすってる音だろ…押井守的に考えて。
ベトナム帰還兵のあれこれはランボーに詳しいが、あえてエピソードを拾うとするとだ、
ベト戦中のアメリカ軍は徴兵制だったが、このせいで戦後「殺人術を身につけた、限りなく無職に近い若者」
で街が溢れかえる結果となった。一時期はガチで社会問題になったとかかんとか。
湾岸戦争で大勝利を収めた米国内で「従軍した兵士全員に勲章を」とか言う話題が出た際、ベトナム帰還兵は
「俺達には(負け戦だったから)何もしてくれなかったくせに」とふてくされたとか言う。
45 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 17:53:31 ID:KpK/u7l0
男「……うん、それで次の日から標的が俺にかわって…その子はしばらくしたら転校しちゃった」
女「プフッ」ズルズル
男「なっ、なにがおかしいんだよ!?」
女「いや…だってお前…フフ、本当にあの頃から変わってないんだと思ってな」ズルズル
男「む…」
女「あの頃からお前は……弱っちぃくせに正義感と優しさだけは人一倍あって…フフ」ズルズル
男「るせぇな…」
女「いらんことに頭つっこんで…結局いっつもお前が
ピーピー泣いてるところを私が助けてやって…」ズルズル
男「……」
女「フフ……」グスッ
男「女ちゃん…」
女「なっ、なんでもない………」プイッ
>>43びっこひいてるんです 杖つかなきゃいけないほどじゃないけど
左足引きずってる感じ
うーん…
物書きとしてゆるせないんだが
何この幼稚な文章
47 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 18:18:01 ID:KpK/u7l0
翌日 学校
女「よう…」
男「おお、普通に話しかけてきてくれるようになったか」
女「なっ…なにいってるんだバカ野郎。で、でもいいのか?」
男「ん?」
女「私なんかと話してて…」
男「ま〜だいってんのか。そりゃお互い様だろ」
女「フフ、そうだな」
生徒達「あいつら仲良いな」「え、お前昨日あいつらが通学路で何してたか知らんの?」「え…ウソ、マジで?」ザワザワ
>>46許してくださいとしか…
>>45 d
ちょっと物悲しくて好きだぜ、この女ちゃん。
あと
>>46は
ヨソの板でも貼りまくられてるコピペだw
49 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 21:38:58 ID:KpK/u7l0
先生「え〜したがってここの解は」
女「……」ブルブル
男(さっきからずっと女ちゃんの手が震えてるんだけど…)
女「せっ、先生!!」ガタッ
先生「はい?なんですか?」
女「ちょっとトイレに――」
先生「まだ休み時間終わったばかりじゃないですか…すぐ戻ってきてくださいね」
女「Rog」ズルズル
先生(え?何?今の返事?)
>>48ありがとん 安価のつけかたも最近覚えた新参なものでwww
50 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 21:54:03 ID:KpK/u7l0
女「ただいま…げふっ…帰還しました……」ズルズル
男(うわ…絶対こいつ飲んできたな……)
キーンコーン
男「う、やべ寝てた…」チラ
男(あれ?女ちゃんどこいったんだ?一緒に昼食おうと思ってたのに…)
51 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 22:01:47 ID:KpK/u7l0
女(ふう…男と一緒に飯食いたいがまずは…)クイクイ
女「んぐっんぐっ」
女「ぷはぁー」(コレだよな)
男(やっぱ屋上か、また飲んでるし……こっちに気付きそうにないな。よーし…)ジリジリ
女「はぁ…」(男まだ教室にいるかな…でもなんていって誘えば…むぅ…)
男(フフ…目標まで約3メートル、スキだらけだぜ…何かブツブツいってるな……)ジリジリ
女(なっ、なにを考えこんでるんだ私は…別にデッ…
デートとかに誘うわけじゃ…ただ一緒に飯食うだけだ…)ブツブツ
男(目標まで約2メートル…よしっ!!)ジリジリ
女(一緒にお昼食べないか?うん、これだな…実に自然だ…フフフ…これでいこう…)ブツブツ
男(今だっ!!)
バッ!!
52 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 22:21:57 ID:KpK/u7l0
カッ
男「――うおっ!?」ドサッ
女「ッ!!」グイ
男「なっ!?お、俺だよ!!男っ…ぐ…がぁ…」(く、首を絞め…!?)
女「くッ!!ハアッ!!ハアッ!!畜生ッ!!畜生がッ!!」グイィィィ
男「ぐ…げぇ……女ちゃ…」(――あの時と同じ目だ……感情のない獣のような…)
女「畜生ッ!!死ねッ!!くたばりやがれッ!!グークがッ!!」グイィィィ
男「…がっ……ぐぅ…」(だめだ…意識が遠くなっていく…俺は……)
女「殺してやる!!よくもッ!!よくもダイクをッ!!こ、このッ!!」グイィィィ
男「おっ…女…ちゃ…」(俺はここで…)
53 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 22:43:08 ID:KpK/u7l0
女「――ッ!?おっ、男!?」パッ
男「げほっ…ごほっ…!!」
女「なっ…!?」(まさか――)
男「ごほっ…!!おっ…げほっ…女ちゃ…」
女「だっ、大丈夫か!!?なあ男!!おい!!?」(まさか私は男を手に――)
男「げほっ…びっ、びっくりしたぁ」ゼェゼェ
女「おっ…男……わっ…私は…私は…」(――そっ、そんな…バカな…そんなこと……絶対に…)
男「ふぅ…ごほっ…も、もう大丈夫だよ」ゼェゼェ
54 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 22:55:20 ID:KpK/u7l0
もしかして今ここにいるのって俺だけ…?
今から読もうかなとか思った次第
創発板は2、3日放置してたら感想付いてるとかザラですので、マターリユクーリが良いですおw
ビール持って来てから読んでくるー
56 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/10(日) 23:25:50 ID:KpK/u7l0
女「すっ、すまない…こんな……私…」(絶対にありえない…ナムでは…こんなこと一度だって……私は…)
男「わ、わざとじゃないんだろ?ならもういいって」
女(……私は一体何なんだ?)
女(戦場と学校、男とVCの区別すらつかないのか?)
女(一番大切な人を守ることはおろか……危うくこの手で……こっ、殺――)
男「女ちゃんってば!!」
女「っ!!」
男「もう気にしてないからさ……本当に大丈夫、飯一緒に食おうよ」
女「……」
男(目に涙が…)
>>55おお、ありがとうございますwwそかそかwwマッタリやりますww
追いついた
なにこの深すぎな背景www
期☆待
58 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 00:05:16 ID:I5mG0H4j
男「いただだきまーす」カパッ
女「……」
男「……」ムシャムシャ
女「……」
男「……」ムシャムシャ
女「……」グスッ
男(うっ…空気が重い…やっぱりまだ気にしてるのか……なんとかして話を…)
男「おっ、女さんのご飯は?」
59 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 00:19:13 ID:I5mG0H4j
女「……」パサッ
男「へ…?これだけ?」(トースト一枚…)
女「ピーナッツバターサンドだ…おいしいぞ…」
男「そんなんで足りるの?」(チャーリーブラウンか、お前は)
女「足りるも足りないもこれで『足りさせる』しかない」
男「はぁ」
女「それに私にはコイツが――」コトッ
男(酒か…)
女「…いっ、いやなんでもない」
男「あ、全然いいよ…俺だってちょっとは飲むときあるしさ、別に隠さなくても」
女「そ、そうか?」
60 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 00:33:45 ID:I5mG0H4j
女「うっ…」グゥ〜
男「やっぱ足りないんじゃん、俺の弁当わけようか?」
女「いっ、いやそれは悪い…」
男「じゃあ購買部でなんか買ってきたら?そんなんじゃ身体に悪いよ」
女「金が無くてな…」
男「バイトとかしないの?」
女「……お前ならこんな傷だらけの薄気味悪いアル中ベトナム帰還兵と一緒に働きたいか?」
男「えっ…」(やべ…地雷踏んだか…?)
女「さっきお前自身が身をもって体験しただろう…
こんなヤツ雇ってくれるところなんてアメリカ中何処にもない…」
男「ごっ、ごめん…」(ここ日本なんだけどな……)
女「なに、本当のことをいったまでだ。あやまることはない。つまり――」
女「ネコの金玉ほどの戦傷者手当じゃコイツが限界ってことだ、まあ安い酒くらいはどうにか飲める」
男(ネコの金玉て…ベトナムにいってから言葉づかいまで……)
61 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 00:47:52 ID:I5mG0H4j
男「あの…戦傷ってさ…その…」
女「ああ、この足だ。なんでこうなったってか?」
男「う、うん…」
女「ブービートラップだ」
男「ぶーびーとらっぷ?」
女「まあ簡単にいえば即席の罠だな、私がかかったのは竹槍に糞を塗りたくってある落とし穴だ」
男「な、なんでその…糞なんか…」
女「決まってるだろう、傷口を腐らせるためだ…おかげであと一歩で膝から下を無くすとこだった」
男「でもそんな罠じゃ相手を殺すことなんて…」
女「そりゃそうだ、奴等はハナっからそんなモンで我々を殺す気なんてないんだからな」
男「え…?じゃあなんで?」
女「一人の負傷兵を運搬するのに必要な人数は最低でも2人、これだけで負傷兵を含めて3人分の
戦力をロストしたことになる……罠が仕掛けられてるのは奴等の庭ジャングルの奥深く――」
男「そ、それって…」
女「ああ…それが奴等の常套戦法、負傷兵をLZに運搬するまでに死体の山が出来るって寸法だ」
62 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 01:00:26 ID:I5mG0H4j
キーンコーン
先生「はい、じゃあ掃除の班今日は机下げるだけでいいよ」
男「女ちゃん、一緒に帰ろ」ガタッ
女「あ、ああ…」
男「どうかしたの?」
女「い、いや」(ついさっきあんなことをしたのに…なんで……本当に…本当に気にしてないのか?)
男「〜ってことがあってね」
女「フフ…」ズルズル
男「でさぁ、その時うちの母さんったら…」
63 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 01:23:42 ID:I5mG0H4j
ヌッ
男「ッ!?」
女「……」
男(まっ、曲り角にホームレスの人が寝てる…危うく踏みそうになった……)
女「……」
男「ふぅ、危なかっ……ん?女さん?」
女「……」
男(めっちゃ凝視してる…)
女「……」
男「女さん?」
女「っ…どうした?」
男「えっ、えと…あの人がどうかしたの?」(コッチの台詞だよ…)
64 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 01:31:26 ID:I5mG0H4j
女「ああ、一歩間違えば私もああなっていたかと思うとおもわずな……」ズルズル
男「え…」
女「あいつの首から顔にかけてひどい火傷の跡があった。みたか?」ズルズル
男「いや帽子でよく見えなかったからあんまり…」
女「あの火傷の跡は間違い無い……ナムで何度もみたナパームのソレだ」ズルズル
男「じゃ…じゃあ、あの人も帰還兵なの?」
女「おそらくな……」ズルズル
男「……」
女「別にそんな驚く様な事じゃない…なんたって全米の路上生活者の8割はベトナム帰りって話だからな」ズルズル
65 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 02:04:42 ID:I5mG0H4j
男「はっ、8割も!?」
女「ああ」ズルズル
男「そっ、そんな…もう戦争は終わったのに…」
ピタッ…
女「終わった――か。フフ、そいつはお偉方の連中に限ってはの話だな」
男「女ちゃん…」
女「我々は違う。ベトナムを離れ多くの歳月が過ぎた今でも…我々の心はいまだあのジャングルの中を彷徨ってる……」
男「……」
女「……我々の戦争は…終わってないんだ…」ギリッ
男(なんでだよ…なんで皆の代わりに戦った人……逃げずに義務を果たした人ばかりが…こんな……こんなっ――)
66 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 02:07:31 ID:I5mG0H4j
寝ます ネタ思いついたらぜひSS書いてください
67 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 12:55:28 ID:Bk9JRrKT
68 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 14:49:10 ID:I5mG0H4j
女宅
バラバラバラ…
小「よし、村人は全員ここに集めたな。いいか、徹底的に調べろ。
この村にはVC容疑者、および連中の武器が隠してある可能性が高い」
村「○□○△×!!」「うぅ…○△…ふえぇぇ…」「…〇△〇×」ザワザワ
兵1「訳わかんねぇ事ごちゃごちゃいってんじゃねぇ!!」バキィッ
女「……」
小「少しでも怪しい素振りをみせたら迷わず撃て、容赦するな。
女、お前はブートだから軍曹にしっかりはりついてろ」
女「ろ、rog!!」
兵2「オラオラオラ!!」タタタタン!!
軍「ニック!!豚なんて撃って遊んでんじゃねぇ、あっち調べてこい!!」
女(こんな…)
69 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 14:58:54 ID:I5mG0H4j
ゴオオオォォォ……
兵3「ハッハッハッ!!連中の家はよく燃えやがるぜ」
村「―――○△×!!」ガバッ
兵3「てめぇなにしやがる!!」ガキィッ
村「…うぅ」ゲホッ
兵3「軍曹殿。こいつ怪しいぜ、VCかもしれねぇ」
軍「よし、自白がとれるまで尋問しろ。おいロイはどこだ!!通訳してくれ!!」
女(こんなの…ただの焼き打ちじゃないか……)
女(私は…ベトナムの民衆を…コミュニスト共の毒牙から守るために…来)
70 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 15:20:13 ID:I5mG0H4j
軍「女ッ!!聞いてるのか!?」グイッ
女「ッ!!」
軍「なにボーッとしてやがる、しっかりケツについてろ!!」
女「rog…」
軍「どうした?この有様をみて何かご立派な事でも考えてたのか?さすが坊ちゃん出は違うな」
女「……」
軍「ここじゃ考えるだけ無駄だ。捨てちまいな、そんなモン。寿命を縮めるだけだ。」
71 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 15:34:57 ID:I5mG0H4j
軍「よし、女。テメェも俺のケツに張り付いてる
だけじゃ退屈だろ。だからいらねぇ事も考える」
女「……」
軍「ココで見といてやるからあのボロ小屋を調べてこい。村人を
集める時に軽く踏み込んだだけだからな、なにかないとも限らん」
女「…rog」
バタンッ
女「ッ!!」
女(怪しいものは特に何も…ん?)
女(……あそこに何かいる?)チャキ
女「……」ドキドキ
バッ
少「ひっ!!」ブルブル
女(ガキか…)
72 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 15:37:55 ID:I5mG0H4j
軍(女の奴、大丈夫か?妙に遅いな…)
兵4「○×△△?」
村「――○×□○△△!!」フルフル
兵3「なんだって?」
兵4「私はVCなんかじゃない、武器の隠し場所もしらないしそんな連中がこの村に来たのを見たことも――」
兵3「んだと…」スチャ
ガッキィィィィ!!
村「ガハッ…!!」
兵3「糞野郎が!!まだそんな事いってんのか!!いい加減吐きやがれ!!」
軍曹(コレでいいんだ。これが…戦争だ……)
73 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 15:46:31 ID:I5mG0H4j
少「……」ブルブル
女(こいつ…おそらく…私達が来た時に怖くて隠れてたんだな……)
少年「……」ブルブル
女(こんなに怯えて…可哀そうに……)
ソッ…
少年「――っ!!」
女「よしよし…私は怖くない……怖くないぞ…」ナデナデ
軍「おーい!!どうした!?なんかあったのか!?」トントン
女「!!」(やばい!!こっちに来る!!)
74 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 15:52:48 ID:I5mG0H4j
女「なっ、なんにもありません!!この家はクリアです!!」
少年「……」
女「ぼっ…坊主…私達が去るまで大人しく隠れてるんだぞ……」ナデナデ
少年「……」
女「フフ…じゃあな……」クルッ
少年「……」
女(フフ…どこにいっても可愛いもんだな……ガキってのは…)
――チャキッ
75 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 16:13:23 ID:I5mG0H4j
女「なっ――」
ドゴッ
女(メ、メットに弾が…)
少年「ッ!?ハァッ!!ハァッ…!!」カチッ
女「……」
少年「ハッ…ハアッ…ハァ!!」カチッ、カチッ
女「……」チャキ…
少年「!!」
パアアァァァン
76 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 16:22:09 ID:I5mG0H4j
少年「……ぁ…ぅ」ドクドク
女「……」
少年「……ぉ…女…ちゃ…」ドクドク
女「えっ…」
少年「…ぉ…俺だよ…男だよ…」ドクドク
女「そっ…そんな…なんで…」
男「…酷い…よ…お…俺を…撃つなんて…」ドクドク
77 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 16:41:49 ID:I5mG0H4j
女「うわあああああああああ!!!!!」ガバッ
女「ハアッ…!!ハァッ…!!」(まっ、またあの夢か…)
女「うぅ…」(まだ1時半ってことは…30分しか寝てないのか…)
女「畜生ぉ…」(前はうなされてたとはいえ、3時間は寝れたのに……あれ以来…)
女(あれ以来ずっとこんな夢だ…私が……私が…男を――)
女「畜生おぉぉ!!クソッ!!クソッ!!!!」ガンッガンッ
隣「うっせーんだよ!!今何時だと思ってんだ!!」ドンドンドン
女「畜生っ……なんで……なんでっ…」グスッ
78 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 17:49:39 ID:I5mG0H4j
ネタが〜尽きてきた 誰か思いつく人SSを…
79 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 20:23:07 ID:I5mG0H4j
女(だめだ、眠れん…最近は睡眠薬も効かなくなってきた…)
女(飲みにいくか…今月はまだたいして使ってないしな……)
某BAR
女「マスター、一番安い酒を…」
女「ひっく…うぃぃ…」
?「おい」
女「ん?」クルッ
?「やっぱりだ!!お前女だろ!!懐かしいなぁ!!!」
女「なっ…!!トンプソン!!トンプソンじゃないか!!」
ト「へへ、68年のテト以来だな…」ガシッ
畜生…誰かぁ…
これのSS支援はかなり無茶振りな気がw
自分のペースで進めたらええがなw
81 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 21:00:48 ID:I5mG0H4j
80>>ですよね…
VIPの巻き添え規制が解けたんだがこういうのって
VIPにまた立ててもいいものなのかな…?2重になるからダメかね?
こっちにも貼るけどVIPに貼るつもり(ていうかVIP以外で立てたことない)で書き溜めてたからさ
まあ今書き溜め尽きたわけだが
82 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 21:12:26 ID:gVOQ3Q01
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
こっちを避難所扱いとして宣言しとけば、誰も問題視しないと思うですよ
実質落ちない板だしw
こっそりマルチするとかじゃなきゃいいんじゃない?
84 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 22:02:37 ID:I5mG0H4j
>>83 サンクス!!じゃあ立ててみます すぐ落ちそうだけどww
85 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:01:00 ID:QwiLT7S0
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
86 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 00:57:09 ID:q3T8YfGa
VIPのもう落ちてた……
87 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:26:28 ID:6Ys+tdUm
すいません VIPで必死で並行してあげるの忘れていました 投下していこうと思います
88 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:28:37 ID:6Ys+tdUm
女「どうだそっちは?」
ト「みての通りだ…五体満足で帰れたから日雇いくらいならできるがな…」
女「そうか…」
ト「あっ、悪りぃ…足やられたのか?」
女「ああ…テトの後にフィンガーチャージでな…」
ト「お前さんのほうはどうなんだ?」
女「たいした傷じゃないし戦傷者手当がもらえるからな…なんとかやってけてる」
ト「随分と飲ってるな。ナムでもそんな飲んでなかったぜ」
女「嫌なことがあってな…なに…こんなの水みたいなもんだ…」
89 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:37:29 ID:6Ys+tdUm
>>65 男「はっ、8割も!?」
女「ああ、もっとも当時は徴兵逃れのためにホームレスになる腰抜けのが多かったがな…」ズルズル
男「そんな…もう戦争は終わったのに…」
ピタッ…
女「終わった――か。フフ、そいつはお偉方連中に限ってはの話だな」
男「女ちゃん…」
女「我々は違う。ベトナムを離れて多くの歳月が過ぎた今でも…我々の心はいまだあのジャングルの中を彷徨ってる……」
男「……」
女「…我々の戦争は…終わってないんだ……」
男(なんでだよ…なんで皆の代わりに戦った人……逃げずに義務を果たした人ばかりが…こんな…こんなっ――)
VIPだと微妙に文章修正してました 一応上げます
90 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:38:48 ID:6Ys+tdUm
>>75 女「なっ――」
ドゴッ
女(メ、メットに弾が…)
少「ッ!?ハァッ!!ハァッ…!!」カチッ
女「……」
少「ハッ…ハアッ…ハァ!!」カチッ
女「……」
少「ハアッ…!!○△…!!ハァッ!!」カチッ、カチッ
女「……」チャキ…
少「!!」
パアアァァァン
すいません、たいした違いじゃないんですがなんとなくモヤモヤしたので
91 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:41:48 ID:6Ys+tdUm
では
>>88から続けていきます
女「そっ、そうだ。軍曹…ロバート軍曹の事誰から聞いてないか…?」
ト「ん、ああ。お前軍曹の事好きだったもんな」
女「帰還してからの噂全然聞いてないんだ…何か知らないか?何でもいいから教えてくれ」
ト「い…いや…」(やっぱり…コイツ責任感じてるのか……)
女「!!なにか知ってるのか?」
ト「……」
女「……」
ト「いいか……?こ、これはただの噂だぜ…」
女「……ああ」ゴクッ
ト「パープルハートを持って帰ってきた軍曹は…職にあぶれて路上生活者になってたところを…」
女(まさか――)
ト「チンピラのケンカに巻き込まれて殺されたって…」
92 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:52:35 ID:6Ys+tdUm
女(そんな…)
ト「ホームレス狩りにやられたっつー話もあるがな、いずれにせよ殺されたって話だ」
女(私のせいだ……)
ト「まあこいつはただの噂だ…あんまり深く考…」
女(私があの時…死んでいれば…)
女(軍曹が殺されることはなかった……)
ト「おいっ!!」
女「っ…」
ト「よせ…こんなのタダの噂だ…事実だったとしてもお前のせいなんかじゃねぇよ」
93 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 04:59:22 ID:6Ys+tdUm
女「……」
ト「なっ、なあ。いいもんわけてやるよ」ソッ…
女「ッ!!お前これもしかしてジョイン」
ト「馬鹿野郎!!声が出けぇよ、ここいらにはコイツを買いにきたんだ…」ヒソヒソ
女「しっ、しかしお前」
ト「おいおい、ナムじゃ皆やってただろ。ガンボジアンレッドの味を忘れたのか?」
女「いやでも…」(だめだ…この匂いは…くぅ……)
ト「そんな安もんの酒よりずっと効くぜ、いいから一つ吸ってみな。嫌な事全部忘れちまうからよ」グイッ
女「ん!!むがっ…」
94 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 07:02:41 ID:6Ys+tdUm
女「おっ、お前無理やり」スパー
ト「ん?じゃあ返してくれ」
女「いっ、いや…」
ト「フフ…わかるぜ……お前マトモになろうとしてんだろ?」
女「……」
ト「ナムじゃ酒、女、ドラッグ、殺し、のオンパレードだったからな…」
95 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 11:56:39 ID:6Ys+tdUm
ト「だがな。この国にとっちゃ俺達はもう厄介モン、居場所なんてないんだ。努力するだけ無駄さ…」
女「わ、私は…」
ト「じゃあな、俺はそろそろいくぜ。この後日雇いの仕事があるからな…」ガタッ
女「ああ…」
パサッ
ト「こいつは俺からのプレゼントだ、今日は久し振りに戦友に会えて気分がいいからな。達者でな」
女(こんなに…ジョイントを……)
96 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 15:16:42 ID:6Ys+tdUm
>>41と
>>42の間に入れ忘れていました
女「敵も味方も、戦闘員も非戦闘員もあったもんじゃない…昼までは鍬を持って畑を耕してた連中が夜には我々に銃を向ける…」ズルズル
男「……」
女「女やガキまでがだ……」ズルズル
男「……」
女「戦線なんてあって無いようなモンでどこにいようが毎日が常に死と隣り合わせだった……」ズルズル
男「……」
97 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 17:55:30 ID:6Ys+tdUm
男「おはよう女さん…ってなんか最近すごい疲れてない?」
女「ああ、ここんとこ眠れなくてな。まあ前からだったが最近特にな…」
男「そう…」(やっぱり前屋上で見た時みたいにうなされてるのかな…)
女「気にするな、私は大丈夫だ」
男「う、うん」(前にもまして酒くさいし…俺はなんの力にも…なれないのか…)
女(優しいな…男は…私は……私はそれなのに…)
98 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 22:35:31 ID:5UTp1+2m
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
99 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 23:20:51 ID:6Ys+tdUm
68年1月3日――――ダナン近郊
タタタン…パラ……タタタ!!
軍「糞ったれ!!ヘリはッ!?ヘリはまだか!?」
通「もうすぐ到着するそうです!!それまで持ちこたえてくれと!!」
軍「畜生!!何回目の『もうすぐ』だ!!」タタタン…!!
ト「ハァッ…!!ハァッ!!一体奴らどれだけいるんだ!?」タタタタタ…!!
兵1「も、もう、だめだぁ!!死ぬんだ!!俺達はここで皆殺しにされるんだ!!」ダッ
ガシッ
軍「うっせぇんだよ!!どこへいく!?ここがテメェの墓だ!!わめいてる暇があったら一人でもグークを――」
―――ヒュルルル
女「伏せろッ!!迫撃砲だ!!」
100 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 01:46:55 ID:RjSjf6gw
パラパラパラ…
軍「誰か!!やられたヤツはいないか!?」
兵2「大丈夫です!!全員なんとか生きてます!!」
兵3「ハァッ…!!ハァッ!!」
兵1「ひいぃぃ…」ブルブル
軍「ハハッ!!まるで奇跡だな!!キリスト様様だぜ!!」
女(畜生…なんてヤツらだ…こんな距離で迫撃砲なんて使ったら味方まで巻き込むぞ…)
ト「クソッ!!このままじゃアラモの二の舞だッ!!」
101 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 05:12:07 ID:RjSjf6gw
バラバラバラ
兵3「おい見ろ!!ハハッ、ヘリだ!!ヘリが来たぞ!!」
兵1「たっ…助かったぁ!!」
バッバッバッバッ
パ「グズグズするな!!早く乗れ!!」
女「軍曹、援護します!!早く皆を……!!」
軍「よしテメェら!!重いモンは置いていけ!!全力で走るんだ!!」
タタタン…パラ……タタタ!!
軍「女!!全員収容した!!お前も早く乗れ!!」
ト「急げ!!とっとと来い!!」
V「○□××!!」
女「Ro―」(なっ…!?こんな近くに――)
V「○×△GI!!」チャキッ
ト「女アァァ!!!」
102 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 05:12:53 ID:RjSjf6gw
タタタン…パラ……タタタ!!
女「ハァッ…ハア…ハァ!!」(くっ、くそ!!グレネードか…)
女「ち、畜生……」ムクッ
パ「まだか!?早く離陸させてくれ!!」
軍「うっせぇ黙ってろ!!奴はまだ生きてる!!」
ト「……頼む、あいつを…助けてやってくれ…神様…」
兵1「……」
女「ハァ…ハァッ…!!」(まずい…爆発のショックで…真っ直ぐ歩けない…)
女「クソッ!!ハァッ…ハァ…」ヨタヨタ
タタタン…パラ……タタタ!!
兵1「もう限界だ!!これ以上待ってたら俺達まで殺される!!」
パ「そいつのいう通りだ!!もう離陸するぞ!!」
兵2「とっとと出せ!!」
兵3「このままじゃ皆殺しになるぞ!?女だって自分の為に皆を危険にさらす事は望んじゃいない!!」
ト「そんな……」
軍「テメェらそれでもマリーンかッ!?もういい!!勝手にしろ!!」ダッ
103 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 12:41:07 ID:RjSjf6gw
兵2「なっ!?軍曹!!」
パ「畜生!!いかれてやがる!!もう出すぞ!!」
――チャキ
ト「やってみろ…テメェのオツムを吹っ飛ばすぞ……!!」
兵1「へ…?そんなまさか…?」
ト「お前ら、軍曹を援護しろッ!!全力射撃だ!!」タタタタ…!!
兵2「クッソオオオオオオ!!もうどにでもなりやがれ!!」タタタタタン…!!
兵3「畜生!!畜生!!畜生オォォォ!!」タタタタタタ…!!
パ「おっ、お前ら……!!」
タタタン…パラ……タタタ!!
軍「ハァッ!!ハァッ!!」
女(なっ…!?軍曹……!?)
軍「肩につかまれ!!」ガシッ
女「わっ…私のことは放ってお」
軍「黙れ!!馬鹿野郎ッ!!」
女「ぐ…軍曹……」
104 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 12:46:59 ID:RjSjf6gw
タタタン…パラ……タタタ!!
ト「よし!!あともう少しだ!!」タタタタタン…!!
兵1「ヒィイィイイィィイィィィ!!」タタタタ…!!
女「ぐ、軍曹!!もう大丈夫です…!!自分で走れます……!!」
軍「そうか!!よしヘリまで走るぞ…!!」
V「………」ジリジリ…
タタタン…パラ……タタタ!!
女「ハァッ!!ハァ…ハァ!!」
軍「ハァ…ハァ…!!よしもうそこがゴール…」
V「○×○△!!」ヒュ
――カラン
軍「ッ!!」ドンッ
女「ぐ、軍曹なにを――」
105 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 14:24:05 ID:RjSjf6gw
軍「ぐああああ!!クソッ!腕がぁッ――!!」ジュウゥゥ…
女「なっ…」
V「ダーイ○○□△!!」バッ
ト「糞ッ…!!もうすぐソコだ!!軍曹を背負ってくる!!援護しろ!!」
軍「ぐっ…うがあああっ…!!」ジュウゥゥゥ…
女「貴様アアァァァァァ!!」ダッ!!
――ガシィッ!!
V「ッ!?○×△△!!」ドサッ
女「ハアッ!!死ねっ!!ハァッ…ハァッ…!!」ギュウゥゥゥ
V「○△…!!…□○○…ヘ…ヘル…プ……」
女「ハアッ…ハアッ!!畜生ッ!!畜生がッ!!」ギュウウゥゥ
V「…□×…おっ………」
女「畜生ッ!!ハアッ…!!ハァッ!!――ッ!?」ギュウウゥ
男「…お…俺…だよ……おん…な…ちゃ…」ガクッ
女「―――――!!!!!」
106 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 14:24:58 ID:RjSjf6gw
女「うわあああああああああ!!!」ガバッ
隣「テメェ!!毎晩毎晩なんなんだ!!?いい加減にしやがれ!!」ドンドンドン
女「ハァッ…ハァ…」(ゆ、夢か…また…)
女(またあの時の…トンプソンと会った日からずっとだ……)
女(わっ、私はいつになったら悪夢から……ぐっ軍曹…私を――)
女(私を許してください……)
ガサッ
女(も、もう耐えられない……一服…一服だけなら……)
女(男に…迷惑だって……)
107 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 14:58:52 ID:RjSjf6gw
女「よう、男」ツヤツヤ
男「あ…おはよう。なんか最近元気そうだね」(おまけに酒臭くないし…)
女「ああ。ぐっすり眠れるようになってな。昨日なんて5時間半も寝たぞ」
男「そ、そう…よかった」(5時間半『も』?)
女「フフフ…こんなにゆっくり眠れたのはナムから帰ってきて初めてだ」
女「……」プルプル
男(う…また震えてる……)
先「こうしてローマは共和せ」
女「先生!!」バッ
先「はい…早くね……」
女「rog」
ガラガラッ
女「ただいま帰還しました」
男(やっぱり酒くさくない…ホントにトイレなのか?にしては毎日、毎日……)
108 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 17:56:17 ID:RjSjf6gw
男「やっべぇ遅刻した……おはよう、女ちゃ――ってアレ?」
委「女さんならまだ来てないわよ」
男「え…でももう三時間目……」(初めて話しかけられたな…)
委「この分じゃ今日は休みじゃないからしら?で頼みたいことがあるんだけど」
男(そんな…今まで一回も休んだことなんて……)
委「ちょっと聞いてる?この手紙を女さんの家にいって渡しといてほしいのよ。月曜までに出してほしいから」
男「は、はい」(ついでに女ちゃんの様子もみれるな…それにあの話もできるし……)
委「ありがと」(よかった…女さんおっかなそうなんだもん)
男「え〜と…確かこの辺だったな…」キョロキョロ
男「お…ここだ」トントントン
男(2階の何号室だったっけ?ん?)
男(これは…明らかに……女ちゃんの――)
ゴンッ!!
男「痛っ!?」
109 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 20:12:58 ID:RjSjf6gw
女「なっ…お、男?どうしてココに…」
男「痛てて…てっ手紙届けに来たのと…一つお話が…」
女「すっ、すまん。寝坊して寝過してしまっててな…」
男(女ちゃんが寝坊!?)
女「と、とりあえず中に――いや待った!!そこで待っててくれ!!」
バタンッ
女(アレを隠さないとな)
男(フフ、女ちゃんも女の子だな…今頃必死に部屋の片づけしてるんだろうな)
女「もういいぞー!!」
男(早っ!?)
ガラッ
男「おじゃましま――」
女「どうした?」
男「え…片づけてたんじゃ…」
女「だから片づいてるだろ」
男(部屋中にゴミと暴れまわった跡らしき穴が……)
110 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 20:22:54 ID:RjSjf6gw
女「さっきはすまなかった。いきなり起きて制服も着ずに慌てて部屋を飛び出してしまったんだ」
男「え…まさかその格好のままで寝てるの?」(軍服…)
女「私服はこれしかなくてな、それにナムには寝巻きなんてモン無かったからな。もう慣れた」
男「……」
女「そんな顔をするな。ベットで寝れるだけで満足だ私は。街頭で寝てる戦友だって多いんだからな…」
男「そう…」
女「よし、とっておきの酒を持ってきてやろう」
ドンッ
女「フフ、家にある唯一の高級品だ」
男「はあ…」(そういえば家にも意外とお酒とか転がって無いしまず酒臭くないな)
女「ぷはぁー!!ひさしぶりにこっちもいいもんだな!!」グビッ
男「へ?『こっち』って?」
女「いっ、いやなんでもない…どうした?なんかさっきから元気ないぞ」
男「あ…あのさ…表の張り紙って…」
111 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 20:39:37 ID:RjSjf6gw
女「ああ、帰還兵専門の高利貸しにちょっと金をな…」
男「なっ…」
女「安心しろ。たいした額じゃない。」
男「でっ…でも前は戦傷手当でなんとかやってけてるって」(たいした額じゃないのに『金返せ泥棒!』とか張られるもんなのか…?)
女「ウッ…い、いや贅沢するようになったからというか……」オロオロ
男「どのへんが前より贅沢なの…?」(むしろ酒も減ってるつか飲んでないくさいし…)
女「うっ、うるさいな!!なんだっていいだろ」
女「とっ…とりあえずお前も飲め!!」
男「うん…」
女「どうした?まだなんかあるのか?」
男「他にも扉に『ベビーキラー』とか『人殺し』って…」
女「ああ…そいつは自称平和主義者のクソガキ共の仕業だ、高利貸しとは関係ない」
男「そんな…」
女「それに事実といえば事実だからな、何、気にしてないさ……」
112 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 20:48:45 ID:RjSjf6gw
男「でっ、でも女さんは義務を果たしただけだろ!?なのに…こんな…」
女「私みたいな階層の人間が徴兵されてナムにいったって志願したのと同じことだ。逃げようと
思えば簡単にできたんだからな。もっとも今の私は当時志願してた連中と同じかそれ以下だが…」
男「しッ志願した人だってみんなのかわりに戦ったのに…!!」
女「そいつは違うな。ヤツらに言わりゃ人殺しをしたくてナムにいったキチガイ野郎共だ。だから――」
男「……」
女「たとえ帰還兵の内、戦死者の2倍もの人間がホームレスになり、3倍もの人間が自殺しようが、全部自業自得。自己責任って訳だ」
男(こっ…これが……女ちゃんを取り巻く…現実なのか……)
男「……」ポロポロ
女「おっ…男?」(まさか…泣いてる…のか?)
男「こっ、こんなの……酷過ぎるよ…」ポロポロ
女「だ…だからってなにもお前が泣くことは……私は…」(こんなに…こんなに私のことを…心配してくれて…)
男「うぅ…ひっく…」ポロポロ
女「私は大丈夫だ…だって私には……お前が――」ソッ…
男「うっ……おっ…女ちゃん……」グスッ
女「―――お前が……い、いてくれるんだからな///」ナデナデ
男「……///」
113 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 20:56:13 ID:RjSjf6gw
女「フフフ…あの頃もこうやっていじめられて泣いてたお前をよく……懐かしいな」ナデナデ
男「うっ、言うなよ……//」
女「ところで…お話ってなんだ……?」ナデナデ
男「あっそうだ…忘れてた」
女「?」ナデナデ
男「……ってもう頭撫でてくれてなくていいよ。泣いてないよ…」
女「いいではないか」ナデナデ
男「くぅ…」(なんで俺が慰められてるみたいに…)
男「その…これ…」サッ
女「ん?映画のチケット…これがどうかしたのか?」
男「いや、俺とさ…」(に、鈍いなオイ…)
女「俺と?」
男「2人で行かない?」
女「……」
男「お、女さん…?」
114 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 21:16:33 ID:RjSjf6gw
女「これって…その…もしかして……」プルプル
男「え…」
女「デ…デデデ、デートだったり……するのか///?」カアアァァァァ
男「ま、まあそうなるかな」
女(や、やっぱり……)
男(え…なにこの沈黙……)
女「…あ…あり」(やっぱり男も私のことを……こんな…私のことを……)
男「ちょ…女さん?」
女「ありがとう…本当に…うぅ……ありがとう…」グスッ
男「ど、どういたしまして」(んな大袈裟な…)
男「明日で大丈夫かな?」
女「大丈夫だ!!例え7.62mm弾で恥骨を撃ち抜かれようとも絶対にいく!!」
男「むっ…無茶しないでね?」(なんだ、その下品な例え)
女「Rog!!」
男「えーと時間は…9時に駅前でいい?」
女「0900時駅前集合だな!!rog!!」ビシッ!!
男「う、うん…」(テンション高いな…)
女(フフ、男とデートかぁ♪)
115 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 22:30:35 ID:RjSjf6gw
女(明日は男との初デート!!絶対に今日みたいな遅刻は許されん!!)
女(今日は徹夜、ショイントも抜きだな。何、ベトナムでは一睡もとらないなんてザラにあったことだ!!)
女(うぅ…ドキドキして全然眠くはならないが……暇だな…)
女(よし!!明日の作戦を考え――とはいっても服だってコレ一着しかないしプランも男がもう考えてるんだろうな…)
女(じゃ…じゃあ目標を決めるか!!あ…明日は…デートが終わるまでに……き…キキキ///)
女(いやいやいやいや!!あっ焦りすぎだぞ…女よ……戦いにおいて焦りは一番の敵だ)ブンブンブン!!
女(よっ…よし…手だ、テートが終わるまでに手をつないでみせる…フフ…これなら妥当な目標だな)
女(ああああああ!!!!やることねええぇぇ!!)
女(こうなったらもう待ち合わせ場所にいっておくか!!あ、明日の下見をかねて!!)
※現在の時刻午後11時
男(待ち合わせ場所にでっかいダンボールハウスが…昨日までなかったのに……)
女「おお!!男、早いな!!!まだ20分前だぞ!!」ガサッ
男「待ったかな…?」
女「いや少し前(8時間40分前)に来たばかりだ!!」
男「そ、そう…」(明らかに一晩中いた形跡が…)
116 :
Stage25 訣別:2009/05/15(金) 22:42:37 ID:egz8Fn2B
「あんなヤツ、殺してやりたいといつも思っている。」
危険な発言だ。ミツオはひやりとして周りを見渡す。誰もいない。あるのは静寂だけだ。
「ただ」 ジャンの目の色が変わった。ギラリと鋭く光ったようにも見える。
「あのロボット野郎は保身のために様々なパーツを継ぎ足してバケモンになった。
強さを窮めている。あんなヤツに戦いを挑んだ所で、勝ち目なんてあるわけがない。」
目の鋭さに反比例して、ジャンの言葉はため息交じりだった。
やはりあれはバードマンの素顔ではなかったようだ。コピーの帝王は、自らが最強で
居続けるためにあんな不気味な妖獣の姿になっていたのだ。
思えば、哀れな敵である。反乱後の征服。何のためにどこへ向かおうとしているのか。
複雑な表情を浮かべるミツオ。ジャンは強引に彼の関心を自分に戻そうとした。
「そこで俺は何を考えたと思う?」
ジャンが時折見せる諧謔的な語り口。言葉は珍しく熱気を帯び、興奮が感じ取れた。
「俺は、自分と自分の大切な人間を守るためにこの道を選んだんだ。」
「えっ?」 ミツオの顔が疑問符だらけになった。すぐには状況が理解できなかった。
「いいか。俺たちは生き続けるんだ。いつかチャンスは来る。その責めはみな俺が負う。」
目が怖い、と思った。ギラギラと光り、獣のようだ。そしてその目はあの目と一緒に見えた。
「昨日のバードマン」
ジャンよ。
キミは僕を守るためにその体をケダモノに委ねたというのか。
それは美談なのか。
僕はその話に感動して泣かなければいけないのか。
少なくともボクはキミの考えについていけない。
キミはボクにその状況を知らせるために秘密の通路さえ教えたんだろう。あざといよ。
失われた信頼…… それは伝えまい。ボクを守ったつもりのキミを傷つけたくないから。
でも、見つめてくる目線からは顔をそむけたい。そうさせてくれ。
「・・・・・・・。えっ?」
そのときだった。
キミの唇・・・・・・ボクの唇を奪おうとした。
ああ!何なんだよ!!
ミツオは駆けた。草むらを必死に駆けた。夢の中のように、脚が重く、動かない。進まない。
それでも駆けた。君の歪んだ愛情は受け入れられない。ボクには大事な人がいるのだから。
117 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 22:54:32 ID:RjSjf6gw
男「ハハ、お互い随分早めに来ちゃったね」
女「ああ!!」
男「じゃ…じゃあまず映画館いこっか」
女「Rog!!」
男「ハハハ…」(相変わらずテンション高いなぁ…)
女「〜♪」
男(でも勇気を出して誘ってよかった…こんな明るい女ちゃんあの頃以来だ……)
女(フフ…映画館か……手をつなぐ絶交のチャンスだな…いきなり目標制圧か?)
映画館内〜上映中
男「……」
女「……」チラッ
男「…おっ」
女(くそぅ…男が気になって映画に集中できん……)
男「……ん」ガサゴソ
女(まだ…だよな?こういうのは盛り上がってきた時に――)ガソゴソ
コツン
男「あッ…ご、ごめん…」
女「わっ、私こそ……///」
あれ、VIPにあったんじゃなかったっけ?
119 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 23:52:53 ID:RjSjf6gw
男「はあ〜おもしろかったね。途中ちょっと泣いちゃったよ、ハハ」
女「そ、そうだな…」(結局目標達成ならず…か。なに、まだ先がある…!!)
男「女ちゃんはどうだった?こういう映画弱かったよね?」
女「ん…いや…向こうから帰ってきてから余り泣けなくなってな」
男「でも俺まだ女ちゃんって結構よく泣くイメージなんだけど…」
女「そっ…それは…お前が――」
男「お、俺?」
女「…お前が……関わった時だけだ」ボソッ
男「え?最後なんて?」
女「うっ、うるさい///!!それより次!!次はどこにいくんだ!?」
男「じゃあさ、ご飯食べに行かない?」
女「おお!!」
男「なんか食べたいモノある?」
女「ん、ベトナム料理以外ならなんだっていいぞ!!――あっ」
男「どうかした?」
女「そ…その、お金が…できたら安い所が……」
男「じゃあ俺が払うよ」
女「いやそんな…悪い…」
男「こういう時は男が払うもんだよ」
女「っ…いや…でも…」
>>118 VIPで張るつもりだったけどあんまり規制長いからこっちに貼ってたら
規制解除されちゃって…途中まで貼って放置じゃさすがに無責任かなぁと
思い一応こっちにも全部張るつもりです
120 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:38:14 ID:gRq4ym5T
マクド
男「ほんとにいいのに…」
女「すまん…」
カ女「フフ♪次はどこにいくの?」
カ男「この近くにおいしい店があるからそこにいこう」
カ女「うんっ!!」ギュッ
男「はぁ…」(デートのプラン立ててきたんだけどなぁ…)
女(うっ…カップルをじっとみてる……男もやっぱりあんなデートをしたいんだろうな…)
男「でっ、でもマックも結構おいしよね!!」(やべっ…女ちゃんのテンションが…)
女「ああ…」
男(MサイズポテトとSサイズのコーヒー…そんなにお金が……)
女「うぷ…」
男「食欲ないの?」(しかももてあましてるっぽいし…)
女「ナムから帰ってから余り食欲がな…まあ毎日ピーナッツバターサンドだったから胃が小さくなったんだろうな」
男「そう…」
121 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:47:32 ID:gRq4ym5T
モブ「ちょっとあの子見た?」 「軍服着てるぞ…」 「髪ボサボサだし傷だらけだわ…なんか怖い」ヒソヒソ
女「……」
男(うっ…俺達の周りだけ人が誰も……)
女「……」グスッ
男「つ、次どこいくか話そうか…!!」(やばい、やばい、やばい!!今絶対泣きかけてた!!)
女「…ああ」(ん?今はいってきた男…でかい鞄を店の入り口のテーブルの下に…)
男「でさ〜」
女(出口のテーブルの下にも荷物が…)
女(しかもはいってきた男…荷物を置いたらすぐ奥のトイレに入った……これは――)
男「ん?」
女(ベトナム……67年8月3日……サイゴン………)
男「女…ちゃん?」
女「ハァ…ハァッ…ハアッ……」(チョロン地区……ジェームズ伍長……デイビス上等兵………)
男「だっ…大丈夫?」(目が…)
女「ハァッ…ハアッ……ハアッ…!!」ブルブル
男(女ちゃんの目が……あっあの時の――)
122 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:52:33 ID:/9yX8cuX
VIPで支援してました
ところで加筆とかしてくれるのかい?
123 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:59:16 ID:gRq4ym5T
女「伏せろオオオオオオ!!!!」ガバッ
男「なっ…!?」
ガッシャアアアアン
モブ「なッ、何今の声!?」「あ、あそこの子がいきなり…」「ありゃイカレてるな」ザワザワ
女「ハアッ…!!ハァ…!!ハァッ!!」
男「お…女ちゃ……苦ふぃいでふ…」(胸が顔に…)
女「――――ッ!?」バッ
男「痛つつ……」ムクッ
女「すっ、すまん!!つい!!」(おっ、男を押し倒してしまった……)
男「いいよ…俺を守ろうとしてくれたんだろ?それに――」
女(しっ、しかも…男の顔が……むっ…胸に///)
男「いやなんでもないです…」(危っぶね…危うく変態発言をしそうに…)
女「……///」
男「……///」
ザワザワ… ヒソヒソ…
男「出ようか…」
女「ああ…」
>>122 お世話になりました う〜ん…基本はそのままですが言い回しとか
セリフを増やしたりはするかもです
124 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 14:23:45 ID:gRq4ym5T
女「……」ズルズル
カ女「フフ♪見てこの服!!新しく買ったの!!似合う?」
カ男「あっ、それ新しい服?」
カ女「んもー!!それくらい気づけー!!」ポカポカ
カ男「ハハ、痛てぇよ」
男「で、でさ次に行く所なんだけど」
女「な…なぁ…もう帰ってもいいんだぞ……」ズルズル
男「え、そんななんで…」
女「だっ、だってさっきも…私は……男に…迷惑を……」ズルズル
男「別にあんなことくらい気にしてないよ、今だってすごい楽しいしさ」
女「男…」ズルズル
男「だからさ、俺に付き合ってくれよ」
女「うっ…」グスッ
男「ホラ、やっぱり女ちゃんよく泣くじゃん」
女「うっ…うるさい…泣いてなど……いない…」(なんで…なんでこんなに……優しいんだよ…コイツは…)
125 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 20:20:25 ID:gRq4ym5T
ザワザワ… ヒソヒソ…
女「……」
男「う〜ん…」
カ女「ねぇねぇ!!これカ男に似合うんじゃない!?」
カ男「え〜俺はコッチのがいいな」
女(なんて…なんて華やかな世界なんだ……なのに…)
男「こっちの方がいいかなぁ…」
女(なのに…鏡に移ってる私の姿は……)
男「いや、やっぱこっちも…」
女(醜い浮浪者?それとも化け物か?フフ、場違いにも程があるな……)
女「……」グスッ
男「こっこれ着て見てくれない?」ドッサリ
女「なっ…」(山のように服が…)
男「絶対似合うと思うからさ!!」
女「いっ、いや別にこれなら体に当ててみるだけで!!」
男「ホラホラ、更衣室はあっちですよ〜」グイグイ
女「うぅ…」ズルズル
126 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 21:06:17 ID:gRq4ym5T
女「じゃ、じゃあ着てくるから……終わったら声を…かける」
男「う、うん!!前のソファーでまってるから!!」
女(うっ…こんな服着るのなんて何年ぶりだろう…ワンピースってこんなにヒラヒラしてたっけ…)ヌギヌギ
女(私なんかに…こんなモノ着せて似合うはずないのに……)ヌギヌギ
パサッ
女(あらためてこうやって見ると…酷い身体だな……ここにも傷が…)
女「…うぅ……」グスッ
女(仕方ない…着るか……)
女(き、着終わったけど…むっ……胸元まで空いてるぞ…肩もだしてて…)
女(…これじゃあ傷が全部丸見えだ……それに…)
女(こんなに軽いモノだったか…?…スースーして…なんか頼りない感じ…)
男「女ちゃん遅いなぁ…」
女(うぅ…こんな姿を見せるのか……///)
男「女ちゃんまだー!?」
127 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/17(日) 03:10:46 ID:yqrrUcml
―――カラカラカラ
女「……///」カアァァァァ
男「……っ」
女(フフ…言葉もでない程アレか…いっそ笑ってくれ……)
男「……」プルプル
女(だから嫌だといったんだ……)
男「っごい!!すっごい!!似合ってるよ!!」
女「…えっ?」
男「まっ、まさかここまで似合うなんて…!!」
女「そっ、そんな無理しないでくれ……!!別に今さら傷ついたりなど――」
男「何いってんだよ女ちゃん!!目ぇ大丈夫!?」
女「お、お前……」
男「女ちゃん痩せてるし黒い長髪が白いワンピースに映えてすっごい可愛いよ!!」
女「なッ!?わっ…私が……かっかかか可愛い///!!?」カアァァァァ
男「うんうん!!」
女(男…ありがとう……たとえそれが言葉だけだとしても私には…)
128 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/17(日) 03:23:13 ID:yqrrUcml
男「じゃ、じゃあこれ買おうよ!!」
女「いっ…いや値札をみたが私にはとても……」
男「俺が払う!!俺が払うからさ!!!」
女「だっ…それはだめだ……私なんかにお金を…返せるあてもないし…」(だめだ…)
男「返さなくていいよ!!これを普段着てくれるだけでさ!!」
女「でっ…でも……」(だめだ…男に甘えたら……男は優しいから……)
男「本当にだいじょ」
女「いいっていってんだろ!!!」
女(ッ!?いっ、いきなり声が!?そっ…そんなどうして…)
男「なっ…」
女「ちっ、違!!すまん!!怒鳴るつもりなんて!!急に声が出てしまって……!!」
男「い…いや…謝らなくていいよ……無理に勧めたのが悪かったね…ハハ…」
女「そっ、そんなこと…」
男「……」シュン…
女「か、買えはしないけど他にも男が持ってきた服あるだろ!?きっ、着てくる!!」ダッ
129 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/18(月) 09:50:27 ID:h+xEfyyt
女(ばっ…馬鹿野郎…!!なんで怒鳴ったりなんか…!!)
女「ぅ…うぅ……ひっく…」(わっ、私は…うぅ…嬉しかったのに……可愛いって言われて…)
女「…ぐすっ…ふぇ…ふえぇぇぇ」(嬉しかったのに!!)
男(滅茶苦茶泣き声が聞こえてくる……)
女「ふぇっ…ふえぇぇぇぇ……」(声がっ!?声が抑えられない!?どっどうして…)
女「…うぅ…ふぇぇぇ……ひっく…」(泣くな!!泣くんじゃない!!これ以上男に心配を……!!)
女「ふえぇぇ…ぐすっ……」(やっやだ…こんな…ふっ…震えが……震えが止まらない)
男「女ちゃん、全然気にしてないよ。だから泣かなくても…」
女「だっ、黙れ!!!泣いてなどいない!!」ブルブル
男「……」
女(なっ…また怒鳴って……)ブルブル
男「女ちゃん…」
カララッ!!
女「す、すまん…便所にいってくる!!」ダッ
男「おっ女ちゃん、上!!上まだ下着だけだよ!!」
バタンッ
女「ハアッ…ハッ…ハアッ!!」ガサガソ
女「ハァ…!!ハアッ…!!」(こっ、こいつだ!!昨日からこれをまだ一服もしてないから…)
女「クッ!!ハァッ…ハアッ…!!」(一服、一服だけ…!!)
スゥーハァー
女「ハァッ…ハァッ……」
女「フゥ…」(震えが…治まった……)
官憲につかまったりしないだろうか
131 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 18:09:08 ID:5msBDhp3
女子トイレ前
男(こっ、ここにいるのか?鍵しまってないけど…明らかに誰かいる感じだし)
男(女ちゃん…あんな格好で……泣いてるのを聞かれたくなかったのかな?)
男(でも…だとしたらなんで泣き声が聞こえてこないんだ?もしかして女ちゃんじゃない?)
女「へへ…フフフ…」
男(いや…女ちゃんの声だ……でもなんで笑って…ン?)
男(煙が天井に…それにこの変な匂いはまさか――)
――バンッ
女「なっ、おっ男!?」
男「……女ちゃんソレは何?」
女「こっ…これはタバコというか、その…」
男「いっ…いくら俺でもソレがタバコじゃないことくらいわかるよ」
女「……」
男「やっとわかったよ…」
男「何で急にお酒を飲まなくなったかも、眠れるようになったかも、お金を借りてるのかも――」
132 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 18:20:40 ID:5msBDhp3
女「なっ…何が悪い!?良い事だって…!!」
男「良い訳ねぇだろ!!!」
女「ッ…!!」ビクッ
男「なっ…なんで俺に……俺にッ!!」ポロポロ
女「……」
ガシィ
男「こんな!!こんなものッ!!」グシャア
女「――――ッ!!貴様アァァァァ!!」
―――バキイイイイィィィ!!!
男「ぐわぁッ!!」
ガッシャアアアアアン
男「ぐぅ…ぁが……!!」ゴロゴロ
女「あ…ぁ……」
男「…ぐっ…げふっ…!!」ゴロゴロ
女「…う…ぁ…ひっ……」
女「うわあああああああぁぁぁ!!!!!」ダッ
>>130だから細けぇことは(以下略
133 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 18:48:15 ID:5msBDhp3
男(次の日から女ちゃんは学校には来るが、ずっと机に突っ伏してるようになった。俺を無視
するためか寝たふりをしてるつもりみたいだ。ただ震えが激しくってとても見れたもんじゃない)
男(例のトイレにもいかないようになったし段々震えも小さくなっていった。どうやらマリファナを断とうとしてるみたいだ……だけど)
男(そんな学校生活が続く内に少しづつだが女ちゃんは学校をよく休むようになっていった……)
女宅
女(うぅ…昨日も一睡もできなかった……もう登校の時間か…でも)
女(でも行きたくない…男が隣にいるのに……寝たふりしてないといけないなんて…)
女(もう3日連続になるけど……興奮したら何をするか…自分でも…)
女「……」グスッ
女「…こんなの」
女「こんなの地獄だ……いっそあの時――」
グウゥゥゥ
女(そういえば…もう2日前からなんも食ってないな……死んでしまうぞ…)
女(フフフ…それもいいかもな……)
女(だがまあ……わざわざ餓死ってのもな……コンビニいくか…)
女「…ッ」ヨタッ
女(くっ…クソッ、まともに歩けん……)ヨタヨタ
134 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 13:24:14 ID:h4bu30Wl
女(眩しいな……こんなに太陽が…)フラフラ
モブ「ヒッ!?」
女(フフ……こういう反応にも…もう何も感じないな………)フラフラ
ワイワイ、ガヤガヤ
女(豊かな国だな…ナムとは違って……もうベトナムなんて単語は
ヤツらにとってはノスタルジーの対象でしかないんだろうな……)フラフラ
男「〜」
?「〜♪」
女(ん?あそこにいるのは…)
?「――」
男「〜〜」
女(あれは男…?隣にいるのは――)
女(――女の子だ……しかもすごい可愛い…こっ、これって……)ブルブル
女(ち、違う…!!そんなハズはない!!これはなにかワケが……!!)
男「♪」
?「〜♪」
女(二人とも……服をみてるのか………?)
女(…服を身体にあわせて……すごい楽しそうだ…い……)ブルブル
女(いっ、いや…嫌だ…こんなの嫌だ…違う……おっ…男だって…私を…私のことを……!!)ポロポロ
―――ハッ
135 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 13:36:20 ID:h4bu30Wl
女(…なんだ?この鏡に映ってるやつれた女は?髪はボサボサ、服は土にまみれ、傷だらけの死人のような顔をした……)
女(向こうの女ときたらどうだ?髪は綺麗で服は洒落てて、傷ひとつないなめらかな肌…女の子らしい笑顔…)
女(そうだ。そうだよな。わかりきってた事じゃないか。当たり前だ。至極当然。)
女(私が勘違いしていただけなんだ。)
女(フフ、そうか。勘違いか…)ブルブル
女(滑稽だな…こんなにも長い間私は――)ブルブル
女(私は―――)
136 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 13:54:40 ID:h4bu30Wl
女宅
女「……」ゴトン
女(思い残すことはない)
女(いじめもなくなった今男はああやってちゃんと彼、いや友達を…)
女(フフフ、このごに及んでまだ私はつまらない意地を張るか……まあでも)
女(充分幸せだったな、私は。祖国にも、軍にも、国民にも見捨てられても私の傍には)
女(――お前がいた。)
女(勘違いだったとはいえ、いい夢を見れた)
女(さてと、そろそろいくかな。軍曹やジェームズ達も待ってるだろうしな)
女(フフ『Once a Marine, Always a Marine.』か、死んだらどうなんだろな?)
女(まあ海兵隊だろうとなかろうと、私はどうせ地獄行きだ)
女(むこうでもお前に会いたかったが……まあお前にゃどうせ無理だろうな、フフ)
女(これで今度こそ……今度こそ―――)
女(―――サヨナラだ。)ジャキッ
※Once a Marine, Always a Marine. 一度なったら、常に海兵
つまり退役しても海兵隊としての誇りをもてと
137 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 15:32:28 ID:h4bu30Wl
女「…ハァッ…ハァ……ッ!!」キチチ…
女「ハァッ…ハアッ……!!」キキ…
――バサッ
女「ッ!?」
ダダダダッ
女「なっ…!?よ、よせッ!!来るな!!」
ズガアアァァァァン
女「な…なんで……」
男「なんで…だと?」ポタポタ
女「……」
男「それはこっちの台詞だ!!!」
女「ッ!!」ビクッ
男「何でっ…!!何でこんなことを……!?」
138 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 19:29:24 ID:zqvJWPnU
女「お、男……腕から血が…」
男「うるせえっ!!掠っただけだ!!しっ…質問に答えろ!!」
女「……」
男「答えろ!!答えてくれ!!頼む……!!」
女「……」
男「…頼む」
女「とっ、止めたのは――」
女「―――私の事が好きだからか?」
男「あっ、当たり前だろ!!好きな人に死んで欲しくない奴がこの世いるかよ!!」
女「その好きというのはどういう『好き』だ?」
男「えっ…そ、それはその…」
女「……」
男「……友達とかじゃなく…おっ…女の人として…」
139 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 01:37:17 ID:AFpzQEg7
女「――嘘をつくなっ!!」
男「なっ…!?」
女「そっ、そんなハズがないだろう!?私は見たんだ!!お前が他の女の子と買い物をしてる所を!!」
男「いっ」
女「お前がッ!!お前が私に一回も見せたことのない笑顔で!!お前たちはっ…!!」
男「そっ、それは違う!!アレは…!!」
女「もう…いいんだ……わっ、私はお前を責めてるつもりはない……」
女「当たり前の事だ…むしろせいせいしてる……」
男「な、なにを…」
女「だってそうだろ…?こっちはアル中でシャブ中で人殺しで障害持ちの兵隊崩れ……向こうは可愛い女の子……」
女「向こうが好きで当然だ…むしろ好きじゃなきゃおかしい……違うか?」
男「……」
女「だけどな……私はお前が…好きだったんだ……」
もうみんなだいたいVIPで見たのかな
140 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/22(金) 01:41:42 ID:AFpzQEg7
女「マヌケな私は…お前が私といてくれるのを…お前が映画館に誘ってくれたのも……」
女「おっ…お前も私のことを…すっ…好きだなんて……うぅ…」グスッ
男「……」
女「知ってたのにな…フフ……お前が優しい人間だって…バカがつくほど優しい人間だって――」
女「ずっとずっと前から……知ってたのにな……」
男「……」
女「私はナムにいって変わった……さっきいったようなことだけじゃない…」
女「幾つもの眠りの無い夜を過ごし、幾つもの死線を越えていく内に……お前に対する気持ちに…気づいたんだ……」
女「例え離れていても…お前がいたから……私は……っ」
男「……」
女「もうっ…もう耐えられないんだよ……」
女「お前が『優しい』から…私と一緒にいることにもう耐えられないんだよ!!」
こっちでリアルタイムで見てくれている人いますか?
ノ
俺もいるぜ
の
144 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 23:27:37 ID:sdJo07VQ
女「お前ともういたくないんだ……お前に同情や憐憫の念でやさしくされるのは私にとって死っ……」グスッ
女「…死ぬより……辛いんだ……」ポロポロ
男「……」
女「うぅ…ぐすっ…うええぇぇ……」ポロポロ
男「…ざけんな」ボソッ
男「ふざけんなッ!!!」ガッ
―――ドサッ
女「なっ!?」
男「なんで!!なんで信じてくれないんだ!?俺がッ!?俺が優しさなんかでデートいったり一緒に飯くったりする人間だと!?」
男「お前は…!!俺のことなんもわかっちゃくれてなかったのか!!?」
女「でっ、でもっ…!!」
男「好きだからに決まってるだろ…愛してるからに決まってるだろ……!!お前がいうような優しい人間なら――」
男「俺はこんなに弱っちくなんかねぇ!!!お前に守られて俺はッ!!俺はただそれに甘えていただけだ!!」
女「おっ…男…」
ありがとうございます、やっぱ見てくれてるってのがわかるとうれしいです
ベトナム戦争時のPTSD調べていたらこんなのでるとはw
続き期待。
ごめん更新してなかったwww
良い味でてるよー
147 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/23(土) 23:38:24 ID:sdJo07VQ
女「なっ…なんで…私には傷だって…それに…」
男「そんなもんで…そんなもんで俺を信じれなかったのか……!?たかがこんなモンで!!?」
女「おっ…お前を殺しかけ……」
男「ハッ!?あれが殺しかけた!!?いくら弱っちぃからってあんなもんで俺が!?俺をなめるんじゃねぇ!!」
女「おっ…男……」
男「……」ゼェゼェ
女「そっ、それでも……それでも私は……私はどうしたってお前を………」
女「…お前を信じれないんだよ」
女「こんな…こんな……私を…愛してくれるなんて………」グスッ
男「……」
女「ナムで私は何をしたと思う?きゅ…9歳かそこらの子を…撃ってきたとはいえ……」ブルブル
女「殺したんだぞ…しかもジャミングをおこして抵抗できない状態で……」
男「……」
女「そんな人間がっ…一番大切な人から愛されるなんてこと……あるはずがないじゃないか……」
女「男……私はな…」
女「私は68年1月3日のダナンで…死ぬハズだったんだ……」
>>145すまんwwwこんなわけわからん新ジャンルがひっかかってwww
148 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 15:23:58 ID:2MsIPOai
女「だけどな、死に損なった…生き延びてしまった……」
男「……」
女「フフ、でも世の中そう都合よくはいかないんだな……だから私の代わりに軍曹は……」グスッ
女「因果なんだ……分不相応な出来事はどこかで割り引かれる……私には私にあった幸せがある…… …」
女「酔いに任せてマスターにくだをまく…これくらいが私に与えられるべき最大限の幸せだ……」
男「……」
女「楽しかった…お前と一緒にいれて……だけどな、楽しすぎた…そのツケをお前に払わせることなんかできない……」
状態がまた戦場に戻ってたかもなぁ<彼女
>>149 状態が良かったらまた戦場に戻ってたかもの間違いでした
151 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 19:08:32 ID:2MsIPOai
女「そして…お前が私を……愛してくれるハズが――」
――チュ
女「――ッ!!?」
男「払うよ、全部払う…だから信じてくれ……」
女「なっ…そっ…」
男「どんなツケだろうがどんな因果だろうが受け止めてやる」
女「そんな…やっ…やめろ……私は気づいたんだ……私がこんな幸せであっていいハズが…」
男「だから俺が全部そんなもん引き受けてやるっていってるだろ」
>>150男と会いたいってのが強かったので五体満足で帰れてたらここまで苦しくなかったかも
152 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 23:33:50 ID:2MsIPOai
女「よっ……よせ…死んでしまうぞ…ぐっ、軍曹みたいに……」ブルブル
男「女ちゃんが俺の事を信じてくれるならそんなリスクくらい……」
女「うそっ…嘘だ…こっ…こんな…」
男「こんなこと嘘でいうか…女ちゃんが壊れていくのも死んでしまうのも俺にはとても耐えられない」
女「…お…とこ……」
男「今度は俺が強くなる番だ、俺が女ちゃんを守る番だ。」
女「…うぅ…ぉ…とこ…」
男「これ以上何も女ちゃん一人が……背負う必要なんてないんだ!!」
153 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 15:10:55 ID:iGXuTGOC
女「しっ…信じていいのか?」
男「何度も言ってるだろ」
女「あっ……甘えてもいいのか?」
男「もちろん」
女「じゃっ…じゃあもう一回キスしてもらっても――」
――チュ
男「どうだ?」
女「…っ」
154 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 16:05:23 ID:iGXuTGOC
女「げっ…現実…だ…やっ、やっぱりこれは……ゆっ…夢じゃないんだな……?」ペタペタ
男「当たり前だろ」
女「フフ…嘘だろ……きゅっ…急に消えたり…してくれるなよ?」ペタペタ
男「ああ」
女「――っ!!」
ギュウウゥゥ
女「男…おとこぉ…ほんとに…うぅ……」ポロポロ
男「ちょ…くっ苦しいよ…」
女「ほんとに…ぐすっ……男なんだ……」ポロポロ
男「女ちゃん…」
女「わっ…私は…えぐっ…うっ…うぅ……」ポロポロ
男「……」
女「うわああああぁぁぁ!!!ずっと!!ずっとこうなれたらって!!わっ、私は!!ナムの地獄にいた時から!!」ポロポロ
隣「うるせええええええ!!!!ぶっ殺すぞ!!!!死ね!!死んじまえ!!!」ドンドンドン
色んな意味で泣ける
156 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 12:08:22 ID:o77IQ1tg
女「うぅ…ひっく……///」グスッ
男「フフ、まだ泣いてる。ホント泣き虫だよなぁ」
女「うっ…うるさぃ……ぐすっ……わっ、私より……弱わっちぃくせに…うぅ……///」スリスリ
男「あっ…そっ、そうだ」グイッ
女「っ…どっ…どこに……」ウルウル
―――パサッ
男「はい、コレ」
女「なっ…服?」
男「女ちゃん寝巻きもないし外着もないだろ?妹といいの探しに行ったんだ」
女「あっ、あの女の子は…妹だったのか……?」
男「うん。俺センスないってよくいわれるからさ。サイズも女ちゃんに近いし
頼んだんだ。そりゃまあ家族だからね……」
女「……」チャッキ
男「女ちゃんにみせたことない顔ってのは確かにあったかも――」
ガンガンガンッ!!
男「おっ…女ちゃんなにを!?」
女「祝砲だ……私は…私はこの日を…一生忘れない……」グスッ
隣人「もしもーし、なにコレ?嫌がらせですか?ねぇ嫌がらせですか?」トントン
157 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 20:41:06 ID:o77IQ1tg
女「これから私は…男と…その……つ、付き合ってるってことで…いいんだよな?///」
男「ああ、それにね。できたら結婚もしたい」
女「なっ!?けっけけけけけ結婚!!?///」カアァァァァァ
男「いや?」
女「いっ…嫌じゃないけど…男の両親とか…お前自身にますます負担を……」
男「だからいったろ?女ちゃんを守るって、戦うんだよ」
女「きっ、君の両親とか……!?それは…」
男「違う、政府とだ」
158 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 15:02:10 ID:0LQ2LSix
男「実はあのデート以来俺はこれでも色々勉強した……」
女「男…」
男「調べて見てびっくりしたよ…退役軍人局の怠慢…軍病院のたらい回し…IMA捜索の予算削減……女ちゃんだって…」
男「女ちゃんだって明らかにPTSDだったのに……女ちゃんの睡眠薬…見た事あるけどあれが
治療の代わりにだされたモノだと知った時は…」ブルブル
女「従軍以前から情緒不安定だったとか…色々理由をつけられてな……」
男「ああ、ヤツらの常套手段らしいね。これは――」
女「……」
男「これは完全に合衆国への忠誠を誓った女ちゃん達への裏切り行為だ」
女(こんな……)
男「しかもヤツらは懲りずに第2第3のベトナムを作ろうとしてる。
帰還兵問題を放っておいてね……」ギリッ
女(こんな目も…できたんだな…男……)
159 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 16:01:44 ID:0LQ2LSix
男「今も街頭には多くの無名の英雄達が雨露を凌ぐ場所すら無く、
貧困と飢えといわれなき迫害に苦しんでいる……」
女(強くなったんだ……男は…私が思ってたよりずっと……ずっと……)
男「俺は決めたんだ」
男「この先もっともっと勉強してこの現状をたくさんの人に知ってもらうようにする。
女ちゃんをこの理不尽から救い出すために…」
女「男…お前……」
男「……でもこの戦いはきっとこの先何十年もかかる…どんな時も傍にいて
どんな時も一緒に戦ってほしい……いいかい?」
女「こっ…答えるまでもないだろ……これは私の…いや我々の戦争だ……」グスッ
男「じゃっ、じゃあ結婚……してくれますか?」
女「ひゃ…」グスッ
男「……」
女「……ひゃい///」
2人の戦争はまだ始まったばかり――完
乙!
161 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 16:10:06 ID:0LQ2LSix
長々と駄文に付き合ってもらってすいませんでした
一応これで完結です。ありがとうございました
VIPの方では終わったからこっちは放置されるかなーと思ってたw
あっちでも乙したけど、こっちでも再度乙!
163 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 16:25:26 ID:0LQ2LSix
>>162わざわざこっちでもwww本当にありがとうございます
さて
このスレどうする?w
165 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 16:29:55 ID:0LQ2LSix
>>164どうしようwww新ジャンルとはいったものの…
確かにこのテーマはきついwwww
誰か書いたり……はないよなぁ…
長編が終わった後って、ちょっと寝かせないと新ジャンル的な皆で書くってのがあんま無いかも?
ジャンルではなく、一つのストーリーとしてスレを見ちゃうからねー
過去作品とかを貼ったりってどうだい?
167 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 17:03:47 ID:0LQ2LSix
>>166それこそベトナムまったく関係なくなるがwww
まとめにも乗ってるかもだがそれでもいいならのっけてみます
あー、良いの良いの
過去作品だろうと貼っちゃって、雑談したりなんだりしないとこの板ってめっちゃ残るよww
多分だけど、このスレが落ちるのってこのままだと半年以上先くらいになるぞw
169 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 19:49:55 ID:0LQ2LSix
>>168マジかwwwじゃあ見たことあるかもだけど落としていきまふ
170 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 19:52:27 ID:0LQ2LSix
新ジャンル「コーサ・ノストラ」
男「あはは、そうだね、ところでさ」(転校してから2日目、友達も一人できたし先行きいいなぁ)
男友「ん?」
男「いっつも俺の隣の席空いてるんだけどここ誰が座るの?」
男友「ッ!?・・・そ、それはだな」ダラダラ
男「・・・どうかしたのか?」
チャア〜ラララララァララララララァ〜(愛のテーマ)
男友「・・・ひッ、ひい!?きたぁ!!!」
男「なにこの音楽・・・」
171 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:01:38 ID:0LQ2LSix
女「……」カツカツカツ
男(あっ、すごい綺麗な子がはいってきた…この学校の制服じゃないみたいだけど…)
ピタッ
男「なっ…」(目の前に…)
女「お前が男か…話は聞いてるぞ転校生だってな」
男「はっ、はい…」
女「なかなかいい面構えだ。私の名は女…困ったことがあればいつでも我々を頼ってくれ、歓迎するぞ」
男「はあ…えっ、もしかして俺の隣の人ですか?」(我々?というか生徒だったのか…?)
女「…ああそうだ、長い付き合いになりそうだな。長い付き合いにな」
クラスメート 「あ、あいつ目ぇつけられたぞ…」「大丈夫かしら…」ザワザワ
男友「…ひぃいいいい」ブルブル
男(なんかクラスの視線が…)
方向性は一緒じゃねーかwwwwww
173 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:04:55 ID:0LQ2LSix
男「なんだよ、こんなところに呼び出して」
男友「ハァハァ…」チラッ
男友「…よし、誰もいないな」
男「どうした?さっきからなんか変だぞお前」
男友「…いいか、あまり女さんにはかかわらないほうがいい」
男「なっ、なんでだよ」
男友「悪いことはいわん…お前のためだ」
男「たっ、たしかに黒ずくめの格好で変わった話し方だったけど、別に悪い人じゃ――」
男友「ッ!!お前はなんにもわかってないんだ!!!」
女「おーい、男ォ」
なんかハルヒ思い出した
175 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:07:31 ID:0LQ2LSix
176 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:09:08 ID:0LQ2LSix
男友「ッ!!いっ、今いったことは絶対口外するなよ!!頼むぞ!!」
男「あ、ああ」
男友「じゃっ!!」ダッ
女「誰かいたのか?」
男「い、いや…」
女「そうか、じゃあ一緒に昼飯なんてどうだ?」
男「えッ!?いいんですか!」(これはフラグ!?)
女「ああ遠慮するな、フフフ…」
把握した
膝の上に黒猫がいそうだww
さるさんはレス数の方が重要だから、
支援する人居る時はサクサク投下して平気だよー
180 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:17:53 ID:0LQ2LSix
女「待たせたな、ファミリー諸君」
コ「いえいえ、ゴッドマザーそちらの少年は?」
女「こいつは転校生の男だ…なかなかいい面魂をしているだろう…是非我々と友好的な関係を築いてもらいたいものでな」
男「おっ、女さんこれは…?」(黒ずくめの怖そうなお兄さんがいっぱい並んでるんですが…)
女「紹介しよう。この頬に傷のある男がジアンカーナ、頼りになる男だ。んでこいつが――」
男(たッ、助けて…)
>>178確かにwww見たことないみたいでよかった…
ゴッドマザーwwwwwwww
182 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:25:41 ID:0LQ2LSix
女「じゃあ、一通り紹介も終わったし…」
男(やっと飯か…)
女「食前のお祈りだ」
女&コ「主、願わくはわれらを祝し、また主の御惠
によりてわれらの食せんとするこの賜物を祝したまえ。
われらの主キリストによりて願い奉る。 アーメン。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて。アーメン。」
男「…女さんクリスチャンなの?」
女「ああ…ファミリーの連中はみんなそうだ、さあ食おう!!」
>>179そっか!!じゃあ割とぽいぽいいきます
薄暗い部屋しか想像出来ない
>>182 今度どっかでさるさんとか支援用のコピペ作っとくわー
終わったのか帰還兵……
男を上手く銃の代わりに使いこなしてくれるだろう、乙
この話にどういう曲が出るかと思って
Semper Fidelisとか海兵隊賛歌とか聞いてみた
185 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:29:28 ID:0LQ2LSix
男「…うわぁ、すごい豪華だね」(イタリア料理のフルコース…)
女「そうか?いつもと特に変わらんが。おいヴィットリオ。男についでやれ」
コ「へい」トクトクッ…
男「こっ、これお酒じゃ…!?」
女「それがどうかしたのか?ネロ・ダーヴォラだ…本場シチリアの上物だぞ」
男「い、いえ…」(学校の食堂で堂々と飲酒…もしかして女さん不良ってやつか…?)
>>183普通の学校の食堂だけどねwwwありがたすぎる…
186 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:31:05 ID:0LQ2LSix
>>184見てくれてマジでありがとう…まだ見てないならよかったらコーサ・ノストラ
も見てくだせい…!!
食堂でこの集団だけ浮いてんだろーなw
支援
189 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 20:35:02 ID:0LQ2LSix
女「フフフ、おいヴィットリオ。いい時計をしてるな。最近やたらはぶりが良いようだが?」
ヴィ「へへ…なっなに、思わぬ小金がはいったもんで…」ギクッ
女「そうか…なあおい、このタラバガニのスパゲッティはやたらおいしいな、ジアンカーナ」
ジ「へぇ…確かにこのタラバガニのスパゲッテイはいけますね。お前もそう思うだろ?ヴィットリオ」
ヴィ「そ、そうか?俺ぁこのラザニアのがこ、ここ好みだけどなぁ」ブルブル
女「どうした?ナイフを持つ手がふるえているぞ、ヴィットリオ」カチャカチャ
ヴィ「…ハハハ、ハ」
女「フフフフ」
男(何、この空気……)
単にカニが苦手で震えてるんですよw
乙 面白いぜw
続きもガンバって管せぇ
192 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 21:40:53 ID:0LQ2LSix
女「もう一度だけいう、どうしてだ?」カチャカチャ
ヴィ「な、なんのことだかさっぱり…へへ」ブルブル
女「そうか…残念だ、ジアンカーナ」クイッ
―――バアキイイイイイィィィ!!!
ヴィ「ぐあああっああああ!!」
男「ひっ、ひいいいいいッ!?」
女「おい、ジアンカーナ。今度から床に叩きつけてくれ…飯がこぼれてしまう」カチャカチャ
ジ「すいません。ゴッドマザー」
男(く、食ってたトマトスパゲッティに血が!!)
ヴィ「おっ、俺が悪かったぁあああ!!頼む助けて!!助けてくれ!!」
調子こいてサルさんくらってたwwww
女ダンディすぎるだろw
さるさん解説簡易版
基本的に、一時間に10レスまでならばばいばいさるさんは訪れない
10レスっていうのは書き込み失敗とかも含める
だから、書き込むってのを押した回数が書き込み回数だと思えばおk
んで、条件を満たしてなければ11レス目にさるさんが訪れる
すると、一定のレスがされるかどうかしないと毎時00分をまたぐまで復帰出来ない
基本的に、自分と同じだけレスをしてる奴が一人
プラスもう一人分のIDでのレスがあればさるさんにはならない
なったとしても、↑の条件が満たされれば00リセットを待たずにさるさんから復帰出来る
男涙目www 学食なのかよww でっかい縦長の木のテーブル想像してたw
195 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 21:54:21 ID:0LQ2LSix
ヴィ「たっ、たかがベレッ!!いやタラバガニを2箱くすねただけじゃ!!」
女「……」ヒュッ
―――ザグッ
ヴィ「ぎゃああああああああ!!!」ドクドク
男(ナッ、ナイフを手の甲に!?)
女「……なぁヴィットリオォ、そういう問題じゃあないんだぁ、わかるよなぁ?」グリグリ
ヴィ「がっぁああ、ひぐぅうう、たっ助け!!」
女「貴様はオメルタの掟を破った……ソレは血によって贖わなければならない」グリグリ
ヴィ「うった、たっすけ……ぐがぁああ!!!」
女「喚くな、みっともない…客人の前だぞ……これ以上ファミリーの名誉をけがすな。ジアンカーナ」
ジ「クーラーボックスとビニールシートを頼む…硫酸もだ……いつもと同じサイズで構わん」
男「あばばばばばばばばばば」
>>193ありがとん!!注意する!!
>>194料理はファミリーが勝手に用意したものですwww場所は食堂
しえんぬ
197 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:05:13 ID:0LQ2LSix
女「いやぁ〜今日の食事は楽しかったなぁ!!」
男「うぅ…」(パンツがぐしょぐしょだ…)
女「どうした?元気ないぞ?」
男「あっ、あのヴィットリオさんは…?」
女「ん?どうなったかってか?」
男「うっ、うん…」
女「教えてもいいが…本当に知りたいのか?」ニヤリ
男「ッ!!や、やっぱいいです……!!」ゾクッ!!
男(み、みんなが恐れてる理由がわかった…この人は不良なんてモンじゃない…もっとこうなんか――)
女「…あいつはな、ファミリーの中でも新参者だった」ボソッ
男「へ…?」
女ベタ惚れじゃねーかww
199 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:13:22 ID:0LQ2LSix
女「いつかはしでかすと思ってた……そんな眼をしてたからな」
男「……」
女「私だって好きでやってるわけじゃない…だが我々は名誉をもっとも重んずる人間だ」
男「……」
女「これしかやり方を…知らないんだよ……」
男「女さん…」(これがさっきと同じ女さん…?なんて……なんて淋しそうな――)
女「フフ…女さんはよそよそしいからやめてくれ」
男「え?じゃあなんてよべば…」
女「皆は私のことをドンとかゴッドマザーとよぶが…そうだな、男をファミリーじゃないから…おっ」
男「…」
女「おっ、女…ちゃ……んで頼む///」
男「プッ」
女「なッ、なにがおかしい!?///」
男「いや意外とかわいい所もあるんだなって」(なんでもないです)
女「……ッ!!!はっ、恥ずかしいことをいうな!!///」
やだなに、かわいい
201 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:23:34 ID:0LQ2LSix
翌日
女「よう男!!」
男「あっ女さ、ちゃん…それにジアンカーナさんも……」
女「これから教会にいくんだが暇ならきてみないか?」グイグイ
男「えっ、いや…」(答える前からひっぱってるし……)
教会
神父「これはこれは、ゴッドマザー…おかげさまで教会も新築できまして――」
女「……告解をしたい、男とジアンカーノはここで待っていてくれ」
神父「…わかりました、ではこちらまで」
積極的だなぁ
告解=懺悔?
204 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:36:42 ID:0LQ2LSix
女「神父様、私はまた一人手にかけてしまいました……」
神父「…」
女「そいつは…いくら裏切ったとはいえまだ若くて……」グスッ
女「根はいいヤツでした……なのに、それなのに…うぅ…」ポロポロ
神父(萌えるなぁ)
ジ「……」
男(うぅ、すごい気まずい…)
ジ「……」
男「おっ、女さんとジアンカーノさんは…兄弟なんですか……?」
ジ「…みたいなものだな」
男「え?だってファミリーって…」
ジ「昨日あの場にいた中で彼女と血がつかがっている者はカルロだけだ」
男「それってどういう――」
>>203そうです
神父カスじゃねーかwwww
206 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:50:20 ID:0LQ2LSix
女「…待たせたな」
男「あれ…?女さん目が腫れて…」
―――スッ
ジ「……」チッチッチッ…
女「……さっ、さあ!!どうせ休日だ!みんなでどっかに遊びに行かないか?」
ジ「む、ドン。すいませんが急用が……マンマにお使いを頼まれてまして…」
女「ハッハッハ、ジアンカーノはあいかわらず母親孝行だな!!いいことだ」
ジ「じゃあ私はこれで。あっ男君ちょっと耳を…」クイクイ
男「はい?」
ジ(……男君、くやしいがドンは君がお気に入りのようだ。我々とは違う意味でな、うまくやれよ)ボソボソ
男「?違う意味って……」ボソボソ
ジ「じゃあな」スタスタスタ
日本っていうイメージがどんどんなくなっていく
208 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:02:50 ID:0LQ2LSix
女「…ふっ、2人になったな」
男「ええ、どうします?やっぱ帰」(俺と2人なんて嫌だろうしなぁ…)
女「いっ、いや!!せっかく休日なんだしどっかいこう!!何、金もたっぷりあるしな!!ハハハハ!!」
男「はあ」
女「じゃっ、じゃあどこにいく…?」
男「そうですねぇ、女さんのいきたいところで……」
女「ん〜、あっ男。お前も昼まだだろう」
男「ええ…」(また飯か、やばい昨日のこと思い出すと震えが……)
女「オススメの料理屋がある。そこへいこう!!」
209 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:14:11 ID:0LQ2LSix
料理店
女「よう!ザナルティ!!また来てやったぞ!!」
男(やっぱイタリア料理か…)
ザ「これは、これはドン。どうぞこちらの特等席へ」
女「うむ」
ザ「そちらの方はあまり見たことありませんねぇ、ファミリーの方ですか?」
女「いや、こいつはその…」(こういう時なんていえば……)
ザ「まさか彼氏とか……やりますねぇドンも」
女「ちっ違、そんなんじゃない!!」
ザ「ハイハイ、いいから席についてくださいね。すぐにいつものを持ってきますから」
女「くうぅ…」
男(やばい、トマトソース見るとトラウマが…)
支援
支援
212 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:27:46 ID:0LQ2LSix
女「どうだ男ォ!!うまいだろう!!この界隈でシチリアの味をだせるのはザナルティしかいないからな!!」バクバク
男「は、はぁ」(昨日の今日でよく女さんこんなにバクバク食えるな…)
女「ぷはぁ!!この血のしたたるレアのステーキもたまらん!!」ザクッ!!バクバク
男「うぷ…」(全然味がわからん……)
女「な、なぁ…男は…その……かっかか、彼女とか…いるのか?」カチャカチャ
男「いませんよ、どうせ…ハァ」(女さんはいるんだろうなぁ…こんなに綺麗なんだし……)
女「ッ!!そっそうか!!!わッ私もだ!!奇遇だなぁ!!ハハハハ」
男「そんなまさか……ハハハハ」(こんなに美人なのにんなわけ……)
女「本当だぞ、フフフ…///」
男「えっ…ハハ…ハ……///」(これはまさか…!?)
213 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:31:37 ID:0LQ2LSix
女「いやぁ〜!!うまかったなぁフフフ」
男「ハハハ」(殆ど食えんかったが、なんだかんだで楽しかった…かな)
電柱の陰
ジ(あんなに楽しそうなドン…初めてだな……)
女「少し疲れてしまったな、そこのベンチに座ろう」
男「うん」(昨日あったばっかりで…あんなところまでみたのに…)
女&男(……なんか一緒にいると楽しいな)
支援
支援
216 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:41:57 ID:0LQ2LSix
女「今日は、その、ありがとうな…久し振りに……楽しかった」
男「こちらこそ…すごい楽しかったです」
女「フフフ、敬語はよせ…その……お、女ちゃんなんだし///」
男「ハハハ……そうだね」(やばい眠気が…昨日一睡もできなかったからな……)
女「……」
男(だっ、だめだ……瞼が)
女「なっ、なんか…その……で、でででででっ、デートみたいな…感じだな///」カアアァァ
男「……」コツン
女「ッ!!!?おっ、男!!?///」
男「くかー…くかー……」
女「寝てる…フフフ……」(可愛いヤツだなぁ…)
女「フフフ…」(目にくまが…あんなとこ見せてしまったからな……昨日寝れなかったのだろう、かわいそうに)ナデナデ
女「…フフ、ジアンカーノ!!」
ジ「ッ!!…ばれてましたか」
女「ったく、いらん気をまわしおって…」
女「…もう遅くなってきた。このぶんじゃ起きそうにないからな…男を自宅までおくってさしあげろ」
ジ「ハッ!!」
女「ジアンカーノ…その……」
ジ「……」
女「…ありがとな///」ボソッ
ボスの風格なくなっとるw
218 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:50:10 ID:0LQ2LSix
DQN1「なぁ〜金かしてくれよぉwwww」
DQN2「いいだろぉwwwwおトモダチじゃあねぇかwww」
生「ひっひいいぃ…誰か助けて……」
男「おっ、おまえら何やってんだ!!」(しまった!つい体が……)
両DQN「あ〜?んだてめぇ…殺すぞ」チャッ
男「っ!!」(ナイフ!?)
――パチパチパチ
一同「なっ…?」
女「さすがだ、さすがは私が見込んだ男だ。そちら側の人間にしておくのはもったいないくらいだ」カツカツカツ
両DQN「んだ?てめぇ…誰だ!?なめてんのか!!」
女「……誰だ?誰だとは心外だな。この界隈で私を知らんとは…貴様らモグリだな」
DQN1「ッおい!?こいつまさか!!アンドリーニ家の……」
DQN2「ん、んなバカな!!こんなちっこい女がか!?笑わせるぜッ!!」ダッ!!
DQNにも知られてんのか
220 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:58:39 ID:0LQ2LSix
DQN2「ぐああぁあ!!」ゴロゴロ
女「……その通りだDQN1、どうやら噛み付く相手を間違えたようだな。おい」パチンッ
――――ガシィッ!!
DQN1,2「こっ、こいつらどこから!?」
女「この2人は見せしめだ……死なない程度に可愛がったあと裸にひんむいて街頭に縛りつけろ」
コ「ハッ」
バキイイイィィ!!ドゴオオォォ!!ガスッ!!
女「すまなかったな生徒君、我々がしっかりしていなかったばかりに……」バサッ
生「ッ!?おっお金なんてとられてませんよ!!!?」
女「いいんだ、どうせこいつらの金…あと我々から少しの詫び料だ」
生「詫びなんて、そんなっ!!」
女「いいや、この界隈でおこるゴタゴタはすべて我々に責任がある。受け取ってくれ」
男(やりすぎだろ……)
−^−
222 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 00:08:59 ID:3PFmFrje
男「女さんって優しいよね…」
女「…そうか?そんなことクラスメートにいわれたのは初めてだな」
男「かつあげだって助けてくれたしさ」(やり方はどうかと思うが…)
女「まあ、仕事だからな…」
男「でもクラスの人達だって女さんの優しいとこみたら……」
女「男、我々の世界ではな…」ピタッ
男「……」
女「愛されるより、恐れらる方がずっと……ずっと安全なんだよ。長生きしたかったらな」
男「だ、だからって…!!それで女ちゃんは楽しいのか?幸せなのか?」
女「……いいんだ、恐れられる事には慣れているからな…これでいいんだ」
223 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 00:09:42 ID:3PFmFrje
ごめん 上全部女ちゃんってことで
224 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 00:27:54 ID:3PFmFrje
女「…またか」ギリッ
ジ「ええ…先日に引き続きまたしても件の系統の者の仕業のようです」
女「そうか……大幹部のファミリー諸君!!」ドンッ
女「ここのところこの界隈に妙な鼠が大量に湧いてきている」
大コ「…なんだと?」「どこの身の程知らずだ…?」「信仁会はとっくの昔に潰した筈だが…」ザワザワ
女「静粛に!!ヤツらは先の我々からの警告を無視し、我々の名誉を汚した!!」
男「うぅ…」(怖い…なんで俺までここに……ファミリーじゃないのに)
女「……そこでだ、もう奴らの本拠地はある情報筋によってつかめている。あとはわかるな?」
大コ「へへ……」「わかってまさぁ…ここんところ腕が鈍ってたんだ」「いい退屈しのぎになりそうですぜ…」
女「いいか…一人残らず、一人残らずだ。できうる限りの残忍な方法で殺せ、我々にはむかう愚か者がこれで最後になるようにな」
225 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 01:09:35 ID:3PFmFrje
本拠地前
女「全員そろったか?」
コ「副指揮官のジアンカーノの兄貴がまだです。第2集結地点にもいませんでした……」
男「うぅ…」(なんで…なんで俺がこんなところに……)ブルブル
女「クッ、もう予定時刻だ!!延ばす訳にはいかん!!いくぞ!!」
―――バンッ
女「撃ちまくれぇえええええええぇぇぇ!!!」
ドガガガガガガガガガ!!
女「ッ!?撃ち方やめっ!!止めぇええ!!」
コ&男「……なッ!?」
女「……もぬけの空だ」
226 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 02:43:09 ID:TcQgo5G/
今更だけど「ベトナム帰還兵」 クソおもしれぇ
最後らへんのお隣さんにも吹かしてもらったわ
227 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 13:30:12 ID:3PFmFrje
女「……」
コ「なぜだ…?」「この襲撃の立案は直前まで大幹部にしか…」「まさか大幹部に裏切り者が!?」ザワザワ
女「静まれッ!!」パンッ!!
コ「ド、ドンもしかして部外者のこいつが…」ギロリ
男「ヒッ!?」
女「……落ち着け、男はずっと我々の目のとどくところにいた…それに裏切り者ならここまでくるはずがない」
コ「じゃっ、じゃあまさか!?」
女「……」
>>226サンクス!!それ以外笑い所ほとんどないからなぁwwww
228 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 13:56:50 ID:VmfMOAHm
VIPでも見たがもう一度見てしまったよ やっぱり面白かった!
こちらも頑張ってくれ
229 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 14:38:37 ID:3PFmFrje
女(そんな馬鹿な、ヤツはカルロを除けば大幹部の中でも最古参だぞ……)
男「おっ、女ちゃん…」
女「ジアンカーノの家にいくぞ…急いでだ」
コ「……ハッ!!」
ジアンカーノ宅
コ「これは…」「どうなってるんだ……!?」「血だらけだぞ…」ザワザワ
女(やはり、もぬけの空か…おまけの連中の死体が2つ……)
男「オェッ…」(めっ…目がくりぬかれた上に鼻が削がれて……)
女「ん?この紙切れは…」パサッ
ジアンカーノより親愛なるドンへ
『……○△地区の×□倉庫の3号練へ来てくれ。もはや私がいっても信用できないだろうが罠じゃない。
そこにころがってる2匹の虫ケラがその証拠になるだろう。では待っている』
男「ッ!!女さんこれ――むぐっ」
女「……」フルフル
コ「どうかしましたか、ドン?」
女「いっ、いやなんでもない……」サッ
>>228ありがとう!!2回も見てくれるとは…うぅ……
よまだ見ていないならよかったらこっちも見ていてってください!!
230 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:18:26 ID:3PFmFrje
―――ガラガラガラッ
ジ「…来たか」
女「ジアンカーノ!!お前その傷!?」
ジ「……へへッ、なにかすり傷でさぁ」
女「なっ、何故!!?何故こんなことを!!おっおまえは……!!」
ジ「……ママンと嫁さんがな、これだけいったら勘のいいドンのことだ。わかるでしょう?」
女「そ、そんなっ!!何故いってくれなかったんだ!!?我々はファミリーだろ!?違うのか!!?」
ジ「……」
男「…ジアンカーノさん」
ジ「返す言葉もない…おっ、おまけに…ザマァねぇなぁ……」
ジ「ファミリーを売ってまで…守るつもりだったママンも嫁さんも……ヤツらに……クッ!!」
女「……」
231 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:19:09 ID:3PFmFrje
しかしコレ全部はっても埋まるには程遠いな…
支援
233 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:35:15 ID:3PFmFrje
女「……」
ジ「ママンと嫁さんはヤツらに嬲り殺しにされた…初めから奴らぁ皆殺しにする気だったんだ……」
ジ「バカな俺がようやくソコんとこに気付いたとき、出来上がったのが我が家に転がってる2匹の虫ケラの死骸……」
ジ「…そして俺自身も、もうこのザマだ……せめて」ゼェハァ
男「まさか…」
ジ「せめて最後くらいは…ドンの手で……」
女「……」
ジ「…なにをためらってるんですか、ドン?私はオメルタの掟を破りファミリーの名誉を汚した……」
ジ「はやいとこヴィットリオの元に逝かせてやってくださいよ……」
>>232サンクス、やっぱり見てくれてる人がいるってわかるのは嬉しい
すまない、退席するから支援はちょっと遅れるる
235 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:42:59 ID:wnva3vpj
(。○∀・)任せたまえ
236 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:44:33 ID:3PFmFrje
女「…いいだろう」
男(そっ、そんな本当に…!?)
女「ヴィットリオによろしくいっといてくれ、私もすぐにそっちにいくことになるだろう」チャキッ
ジ「ヘヘ…」
女「アルベデルチ」
ジ「――――ッ!!」
パアアアアァァァァァァン……
237 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 18:57:14 ID:3PFmFrje
男「……ッ!?」
ジ「…なんのつもりですか、ドン」
女「お前は死んだ…たった今、この場所で」
ジ「……」
女「私はもうお前を知らない、ファミリーでもない」
ジ「フフ、甘い、甘いぜ…ドン……」
女「…もうその名で呼ぶな。お別れだ」パサッ
ジ「……」
女「これだけあればいい病院で治療をうけられる、なにお前のことだ。こんな傷で死ぬ様なことはないだろう……それと」
女「二度とこの街に近づくな……たとえいつか私を見かける時が来ようとも、私とお前は一切の他人だ」
ジ「フフッ…ド、いやアンタは優しい人だ。その優しさが……いつかアンタの命を奪うことになる」
女「それで奪われる命なら……本望だ」
238 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 19:11:27 ID:3PFmFrje
カツカツカツ…
女「なっ、なぁ男…」
男(声が震えてる…)
女「私はドンとして…してはいけないことを……」グスッ
男「女ちゃん…」
女「お前はファミリーじゃないからオメルタの掟を守る必要はない……だが」
女「頼むッ!!このことだけは…このことだけはッ……!!ううっ…」
男「ああ、言わない…絶対に言わないよ……」
239 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 23:19:08 ID:VmfMOAHm
うむむ
ぬぬ
241 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 23:55:20 ID:3PFmFrje
女「…ファミリー諸君ジアンカーノは裏切り者だった。よってオメルタの掟にしたがって――」
女「――処分した」
コ「なっ!?」「やはりか…」「嘘だろ…まさかあの人が」ザワザワ
女「…ヤツらは卑怯にもジアンカーノの家族を人質にとっていた」
コ「なるほど…」「ヤツらしい理由だ……」「下衆野郎共が…」ザワザワ
男「……」グスッ
女「静粛に!!……これは復讐戦だ、やつらの家族を調べ上げろ!!」
男「なっ!?まさか…」
女「……そのまさかだ」
寝る。応援してる。
243 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 08:05:21 ID:k109Wn+6
もはよう
244 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 12:47:09 ID:WJY/qlNZ
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
245 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 18:22:37 ID:k109Wn+6
まさか・・・規制・・・!?
全鯖規制は辛い
巻き添え規制は耐えられん。
支援age
248 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 01:50:00 ID:cQG8Yp2h
ageてなかったorz
249 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 09:17:08 ID:rYV++D+s
むい
250 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 13:19:59 ID:eKbo55Lg
いけるかな
251 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 15:15:31 ID:eKbo55Lg
敵宅
マ「よう、アレクレセイ。元気にお留守番してたか?」
ア「パパだー!!」
マ妻「おかえりなさい、お風呂わいてますよ」
―――キキィッ
マ「なんだ?外に車が?」
チャキッ、ジャキッ…
マ「伏せろぉおおお!!」
ドガガガガガガガガ!!
マ「アッ、アレクレセイ!?ターニャ!!?」
カツカツカツ…!!
マ「きッ、貴様らぁ…!!!」
バキィィィィィ
マ「ぐッ、があぁッ!!殺す!!絶対殺してやる!!貴様らの家――」
パアアアアァァァン…
コ「…はい、目標殲滅しました……コレでちょうど3軒目です」
ありがとうございます 片方だけ全鯖は解除されました
252 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 16:40:50 ID:eKbo55Lg
男「おッ女ちゃん!!!なにやってるんだよ!!ヤツらの家族まで!!」
女「…復讐だ。何が問題になる?」
男「くッ…!!」バチンッ!!
女「ッ!!」
男「もっ…もう一度言ってみろ……なっ何が…」ハァハァ
女(私が…男に殴られた……?)
コ「貴様ァ!!」ジャキッ
女「よ、よせっ!!!」
男「何が問題になるッ……!?これじゃあヤツらと何も違わないじゃないか!!!こッ、こんな関係ない子供まで……!!」
女「関係ないだと…?ヤツらはマフィアの家族だ……だからジアンカーノの家族もヤツらの家族も死んだ」
男「なっ、なら復讐になんの意味があるんだ!?マフィアの家族だから殺されても当然なんだろッ!!?」
女「家族を、ファミリーを守るためだ…この世界はなめられたら終わりだ……」
男「そッ、そんな…」
女「我々に力がないとみなされたから…今回のような結果を招いた……」
253 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 19:51:00 ID:eKbo55Lg
女「…いつだったかお前にいったよな」
女「『この世界では愛されるより恐れられる方がずっと安全だ』って……」
男「……」
女「……力が全てなんだよ、こっち側の連中にとってはな」
女「だから殺す、もっともっと殺す…2度と家族の、ファミリーの血を流さないためにも」
男「くッ…もう、止められないのか……?」
女「止まったらそこが…我々の墓場だ」
254 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 20:49:31 ID:rYV++D+s
やぁおかえり
255 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 22:27:18 ID:eKbo55Lg
敵拠点
―――キキィッ!!
マ「ヤツらだ!!イタ公共がきたぞ!!!」「ぶっ殺せ!!」「一人も生きて返すな!!」ガチャッ、ジャキッ!!
ズガガガガガガガガガ!!
女「殺せ殺せ殺しまくれぇえええ!!!」
コ「ドン、やつらの抵抗が激しく内部まで踏み込めません!!」
女「ガソリンだ、ガソリンを使え!!」
ゴオオオオォォォォ…
マ「ぎゃあああああぁぁ!!!」「助けてくれぇえええ!!!」「ひいぃぃぃ!!」
女「……」
ただいまっする!!
なによりも
マジで1人でこんだけ継続してるのがすごいと思う
がんばってくれ!
マカロニ野郎如きにやられるなんてぇー!
258 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 09:21:15 ID:wNeExBG4
もはよう
259 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 15:09:15 ID:LwWPSQiU
教会の通り
女「……」
男(女ちゃんだ…以前とは違って護衛がたくさん……)
女「あ…」(男だ…アレ以来避けられてたから……久しぶりだな…)
男「……」
女「よっ、よぉ男……」
男「……」スッ
女「…っ」
男「……」
女「……」ブルブル
―――ギュッ
男「なっ…」
女「いっ、一緒に教会にきてくれ……頼む…お前がいないと……私は…」
男「俺は女ちゃん、君を嫌いになったんだ……」
女「きっ、嫌いでもいい……そばにそばにいてくれ…頼むから……頼むか…うぅ……」グスッ
男「女ちゃん…」(なんてよわよわしくて頼りなげな女の子なんだ…これがあの……)
女「お前と会えなかった一週間、淋しくて…ひぐっ…不安で……つぶれそうで…わッ、私は……!!」
女「うぅ…ぐすっ……」
男「…わかったよ、教会にいこう」
もはよう!!
260 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 15:34:39 ID:LwWPSQiU
女「神父様。最近、よく夢を見るんです…悪い夢を…夢の中では私が手にかけた者たちがでてきて……」グスッ
神父「……」
女「私を囲んで『待ってろ女、人殺しの悪魔め…こっ、今度は貴様の番だ』って……」ブルブル
女「きっ、昨日も数え切れないほど殺して…ひぐっ……」ブルブル
神父「……」
女「殺して、殺して、殺して……私もうっ…!!うぅ…」ポロポロ
261 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 15:45:35 ID:LwWPSQiU
女「じゃあよかったら…ここで……待っていてくれ」
男「あぁ…」
女「神父様…告解を……」
神父「…こちらへ」
>>260これ飛ばしてました すいません
262 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 15:59:32 ID:LwWPSQiU
女「うっ…ふぇ……ふえええぇぇぇ……」ポロポロ
コ「……」
男(告解室から…女ちゃんのすすり泣く声が聞こえてくる……)
男(彼女は優しいんだ…優しすぎるから……)
男(……ファミリーのために、家族のためにどこまでも殺し続けていく、自分自身を壊しながら…)
男(これ以上女ちゃんに苦しんでほしくない…普通の女の子として普通の幸せを味わってほしい……)
男(だが俺にッ、俺なんかに…なにができる!?)
女「待ってて…くれたのか……」
263 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 16:40:53 ID:8miR88Zw
支援しますよ
では私も
266 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 17:49:38 ID:LwWPSQiU
男「…うん」サッ
女「ハッ、ハンカチなんて…いらん!!泣いてなどいない」グスッ
男「…当たり前だ」ボソッ
女「え?」
男「君みたいな優しい女の子が…あれだけのことをしているんだ……どんなに泣いたって恥じることじゃない。むしろ当たり前だ」
女「ッ…!!」
男「だからさ…ほら、ちゃんと涙ふいて……」フキフキ
女「おっ…おとこぉ…私……ひぐっ……うぇっ……」ポロポロ
――――ガバッ
男「なッ!?」ドサッ
女「うわああああぁぁんんんん!!ひぐっ…!!えぐっ……!!」ポロポロ
コ「……お前ら、我々はここにいては邪魔のようだ。表にでてるぞ」「ハッ!!」
ありがとうございます!!ちょっと前に貼ったばかりだから見てない人
がいてくれてうれしいです
>>265見たことあるけど微妙wwwアニメの絵はすごい好き
最初の辺はおもしろかった
267 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 18:08:43 ID:LwWPSQiU
女「うッ、ひっく…うぅ……」グスッ
男「落ち着いた?」
女「……」コク…
男「な、なぁ女?やっぱりまた……殺すのか?」
女「あっ、あぁ…もうあと一歩だからな……あと一歩でヤツらを……根絶やしにできる」ゴシゴシ
男「君はドンという立場で…幸せなのか?」
女「しッ、幸せだとも…ファミリーのみんなを守れるんだから……」
男「ならなんでいっつもそんな…悲しそうな目してんだよ……」
女「なっ!?そんなことは…ない……」
男「女ちゃん…俺…初めてその……女ちゃんと一緒にデートみたいな事した時にこう思ったんだ」
男「一緒にいると楽しいなって……ただ一緒にいるだけでもさ」
女「!?」
268 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 18:19:30 ID:LwWPSQiU
女「…無理だ」
男「え?」
女「私がこっちの世界から抜け出すのはもう…無理なんだッ!!」
男「……」
女「生まれた時から私はっ!!私はこっちの世界の住人だった!!首までどっぷりこの世界に浸かり切ってるんだ!!」
男「女ちゃん…」
女「金と名誉が命の価値よりも勝り、暴力と恐怖が全てを解決するこの世界に……!!だっ、だから……」ブルブル
女「だから…お前とは…いられないんだよぉ……」グスッ
男「……」
女「うぅ…ぐすっ……」ポロポロ
男「…ドンになる」
女「ッ!?」
男「俺がドンになる。そしてこの世界のルールを変えてやる。敵にも味方にも血を流させないでこの戦争を終わらせてやる!!」
269 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 18:20:45 ID:LwWPSQiU
女「フフフ、きッ奇遇だな……私も…そう思った……///」
男「あんなに色んな…残酷なことがあったのに……女ちゃんといるだけで…いやいるからこそ俺は……」
女「無理やり……連れまわしたようなもんだけどな、フフ」
男「でもそれだって女ちゃんがいたからだ…」
男「久し振りに会ってわかった…俺だって、俺だって…女ちゃんと……一緒にいたい!!」
女「おっ、男…///」
男「……でも女ちゃんが苦しんでるところなんて…これ以上見たくないんだよ!」
>>286すまん…またぬかしてた。申し訳ない…
270 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 19:24:56 ID:LwWPSQiU
女「…無理だ」
男「え?」
女「私がこっちの世界から抜け出すのはもう…無理なんだッ!!」
男「……」
女「生まれた時から私はっ!!私はこっちの世界の住人だった!!首までどっぷりこの世界に浸かり切ってるんだ!!」
男「女ちゃん…」
女「金と名誉が命の価値よりも勝り、暴力と恐怖が全てを解決するこの世界に……!!だっ、だから……」ブルブル
女「だから…お前とは…いられないんだよぉ……」グスッ
男「……」
女「うぅ…ぐすっ……」ポロポロ
男「…ドンになる」
女「ッ!?」
男「俺がドンになる。そしてこの世界のルールを変えてやる。敵にも味方にも血を流させないでこの戦争を終わらせてやる!!」
271 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 19:26:12 ID:LwWPSQiU
うあ…ごめん……やばい…
>>270は無しで…2回はってもうた……
272 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 19:28:15 ID:LwWPSQiU
女「ハハ、なっ、何をいいだすかとおもったら……下手な冗」
男「俺は本気だ!!そしたらもう女ちゃんも傷つかないですむ!!」
女「むっ、無理だ!!お前にドンなんて!!!それに私だってお前に傷ついて欲しくは……!!」
男「もう決めたんだよ!!」グイッ
女「なっ…///」
男「頼む、協力してくれ…俺だってこの一年でそっちの世界のことを随分知ったつもりだ……」
女「お前…」(こっ、こんな目も…できたのか……)
男「頼むっ…!!」
女「でっ、でも実際問題お前がドンだなんて…大幹部連中が納得しない……」
男「結婚するんだ」
273 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 19:46:02 ID:LwWPSQiU
女「―――ッ!!?///」カアアァァァ
男「ずっと考えてたんだ!!女ちゃんは大幹部連中から信頼されてる!!俺だってこの一年でだいぶ信用されるようになってきた!!」
女「なっ、なななななな!?///」
男「結婚したら女ちゃんが大幹部を説得、隠退して俺にドンの地位を譲るんだ!!そしたら女ちゃんとも一緒にいられる!!どうだ!?」
女「そっ、そんな簡単に…!!それに入会の儀式とかもあるし……」
男「全部!全部やるから!!どんなことでも!!だから……俺と…けっ、結婚して下さい///」
女「ひゃ、ひゃい…///」ジワッ
男(ククク、チョロいぜ)
275 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 20:01:27 ID:LwWPSQiU
2日後――某廃ビル
コ「来たな」
男「はい…」
コ「洗礼は?」
男「すませてきました…」
コ「では入会の意思を確認する」
コ「あなたは名誉ある男として自らの意思でコーサ・ノストラに入会しますか?」
男「はい…」
コ「ではあなたにこれから守るべきオメルタの掟を伝えます」
第一条 第三者が同席する場合を除いて、1人で他組織のメンバーと会ってはいけない。
第二条 ファミリーの仲間の妻を見てはいけない。
第三条 警察関係者と交友関係を築いてはいけない。
第四条 バーや社交クラブに入り浸ってはいけない。
第五条 コーサ・ノストラにはどんな時でも働けるよう準備をしておかなくてはならない。それが妻が出産している時であっても、ファミリーのためには働かなければならない。
第六条 約束は絶対的に遵守しなければならない。
第七条 妻を尊重しなければならない。
第八条 何かを知るために呼ばれたときは、必ず真実を語らなくてはならない。
第九条 ファミリーの仲間、およびその家族の金を横取りしてはならない。
第十条 警察、軍関係の親戚が近くにいる者、ファミリーに対して感情的に背信を抱く者、素行の極端に悪い者、道徳心を持てない者は、兄弟の契りを交わせないものとする。
276 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/01(月) 20:05:25 ID:LwWPSQiU
コ「…確認しましたか?」
男「はい…」
コ「あなたはどちらの手で銃を持ちますか?」
男「えと…右手です」(利き手でいいんだよな…?)
コ「では右手を差し出してください」
男「……」スッ
コ「このピンで差し出した方の指を刺して血をだし、この聖母マリアが描かれた紙につけてください」
男「痛っ…できました」
コ「ではその紙を両手で包むように持ってください」
男「はい…」
コ「では今から私がその紙に火をつけますので、紙をもったまま『私が誓いを破る事があれば聖人の貴方の様に我が身も燃え尽きる』と唄い誓いを立ててください」
男「はい…」
コ「…では」
――――ボッ
男「ッ!!」(くっ…熱い……)
コ「……」
男「わっ、私が誓いを破る事があれば聖人の貴方の様に我が身も燃え尽きる……!!」
コ「よろしい。これであなたは正式に名誉ある男達の一員です。どんな時も名誉ある男としてふさわしい振る舞いをするように」
男(これで俺はもう後戻りできなくなった…女ちゃんと同じ世界に……立ったんだ!!)
277 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 14:39:41 ID:OnDHnwQB
カルロ宅
カ「めずらしいですなぁ。ドンがおこしになってくださるとは…おっ、男くんも一緒かい、ささどうぞ」
女「…今日は大事な話があるんだ」
カ「ほう、なんですかな?」
女「私は男と…その……けっ、けけけけけけ結///」カアアァァァ
男「結婚しますッ!!!」
カ「ブフッ!!なっ何を!?」
女「そういう…ことなんだ……///」
カ「貴様アアアアアァァァァ!!!!」チャキッ
女「や、やめろ!!カルロ!!」
男「俺は本気なんです!!」
カ「わッ、若造がぁああああ……命が惜しかったら今の言葉を撤回しろ!!」
278 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 14:54:59 ID:LCJn0CSk
4円
279 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 14:58:16 ID:OnDHnwQB
男「…できませんッ!!」
カ「こッ、殺すぞ!!?いいのか…!!」ブルブル
男「……こんなとこで引き下がるようじゃあ、俺は女ちゃんの夫になんかなれませんから!!」
カ「なッ!?」
男「俺はッ、俺は決めたんだ!!」
男「これ以上女ちゃんの悲しむ姿をみないために!!俺は……!!」
カ「……俺は?」
男「ドンになるんだああああああああッ!!!!!!」
カ「なっ…」
男「……」ハァハァ
カ「くっ…くふっ……」
カ「ガアッハハハハハッハ!!!お前が!?お前がいうにことかいてドンだと!!?」
280 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 15:06:15 ID:OnDHnwQB
カ「ハッハッハッ!!!おっ、おもしろい男だなッ、お前は!!!!はぁっ…!!ひぃ…!!」
男「ハハハハ…」(たっ、助かった!?)
カ「―――死ね」
男「ッ!?」
女「やめろおおおおおおおお!!!!!」
―――カチン
男「ハァッ、ハアッ…ハァッ……!!」
カ「…いいでしょう。面白い、実に面白い」
男「えっ!?それじゃあ俺の話に――」
―――バキィィィ
男「うがぁ…」
カ「……勘違いしないでくれたまえ、私はドンに動かされたんだ」
カ「ドンは君がきてからというもの…実に楽しそうに笑うようになった……」
男「……」
281 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 16:33:18 ID:OnDHnwQB
カ「私はな……ファミリーの中で唯一ドンと血がつながっていて、子供のころからドンをみてきた」
カ「一緒に風呂にはいったこともあるし…娘のように思って…一番長くドンにつきそってきたんだ……」
男「……」
カ「だがね、ドンは一度も子供らしい年相応の明るい笑顔を見せたことはなかった。君がくるまでは……」
カ「不思議な気持ちだ。君を憎くもあるが羨ましくもある……」
女「カルロ…おじさん……」
カ「いいかね男君、私はドンのいうことには何でも従う。たとえ死ねと言われても、だ。だがな」
カ「もし君がドンを泣かせるようなことがあれば、私は例えドンの命に背いても―――」
男「……」
カ「―――必ず君を殺す」ボソッ
男「ッ…!!」ゾクッ
カ「それだけだ」ポンッ
女「ありがとう!!ありがとう!!カルロ…おじさん……うぅ…///」グスッ
282 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 16:39:39 ID:OnDHnwQB
一週間後
女「大幹部のファミリー諸君!!今日は重大な知らせがある!!わっ、わたしは男と……」
大コ「お、おい…」「まさか…」「もしかしてあの噂は本当……」ヒソヒソ
女「けっ、けけけけけけけ結婚する///!!!」(言えたあああ!!)
女「今は戦争中だから式こそあげないが結婚したら私はドンを引退し……」
大コ「何だと!?」「どうなってるんだ!!」「今は戦争中だぞ…誰がかわりにドンを……」ザワザワ
女「……わが夫、男にドンを引き継いでもらう!!!」
大コ「何いぃぃ!?」「そんな馬鹿な!?」「ヤツにファミリーなぞまかせられるか!!?」
―――ドンッ!!
カ「うろたえるなッ!!みっともない!!」
283 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 16:44:54 ID:OnDHnwQB
大コ「…ぐ」
カ「大幹部諸君……これはドンのドンとしての最後の命令だ。だがたしかに男君はあまりに経験がなさすぎる」
大コ「そっ、そのとおりだ!!」「ヤツには無理だ!!」「やはりドンには引退しないで…」
カ「だから…私を初めとした大幹部諸君がサポートすればいい……」バッ
大コ「なッ!?」
カ「頼むッ!!男君を皆でサポートしてやってくれ!!!」
大コ「そっ、そんな!!あっ、頭をあげてください!!!カルロさん!!!」(さっ、最長老のカルロさんが頭を…!?)
カ「私は…諸君らが男君をドンとして認めると約束するまで頭を上げるつもりはない!!」
大コ「クゥッ…」
―――ガタッ
大コ「……私は賛成だ」「カルロのオジキがいうのなら…」「仕方ねぇ…俺もだ」
大コ「あー!!もうわかったよ、賛成だ賛成!!」
女「…ありがとう、カルロ。どうやら決まったようだな」
284 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 19:36:38 ID:OnDHnwQB
アンドリーニ家本邸
男「……」ゴクッ
コ「……」
―――シーン…
男(ついにここまで…きちまった……)
男(一年前が嘘みたいだ……振り返る暇もなかったし……これが本当に正しい選択だったかもわからない……だけど)
男(だけど…フフ、こいつらもうみんな俺のファミリー、家族……なんだよな)
コ「……なにもいわんぞ」「緊張してるのか?」「当たりめぇだ…あんなガキみたいのが――」ボソボソ
男(例え元の世界に戻れなくとも…俺は一人じゃない……)
男(あとは―――)
男「ファミリー諸君!!!」(覚悟だけだ……!!)
コ「ッ!!」
285 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 19:50:24 ID:OnDHnwQB
男「俺は元々向こう側の世界の住人だった…片足を棺桶にのっけて宙ぶらりんのままこの一年を過ごしてきた!!」
男「だが今の俺は違うッ!!俺は俺の意思でこの世界に首までつかった!!この世界のルールを変えるためにだ!!」
男「俺がドンになった以上もう誰の血も流させない!!敵も味方もだ!!力だけじゃない!!違った形の名誉をこの世界にうちたててやるんだ!!!!」
男「だから!!だからッみんな……!!」
男「……ついてきて欲しい……俺はまだ若輩者だ…頼む」
―――シーン…
コ「……」
男(…まずったか?)
コ「…理想論だな」「だがなかなか迫力はあったぞ…」「甘ちゃんのいいそうなことだぜ」ザワザワ
286 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 19:52:41 ID:OnDHnwQB
―――パチパチパチ
カ「クックックッ…何をいうかと思えば……」
コ「なっ…」「オジキが拍手してるぞ…」「あのオジギが…」ザワザワ
カ「あれだけ強圧的な態度で演説しておいて最後は『頼む』ときたか…フフフ」
カ「フハハハハ!!実におもしろい!!いやぁ〜退屈はしなかったよ!!」パチパチパチ
コ「……そ、そうだな」「ついこの前までカタギだった割にゃあ…」「よくやったほうだぜ、少なくとも眠くはなんなかった」
パチ…パチ…
カ「おめえら拍手がちいせぇぞ!!!!!」
―――パチパチパチ!!
コ「あんたについてくぜー!!ドン!!」「しっかりしたトコみせてくれよー!!!」「ビビってチビんじゃねーぞー!!」
男「たはは…うまく……いったんだよな、うん…」
287 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 20:02:18 ID:OnDHnwQB
女「う、うまくいったな!!男ッ!!」
男「うん。それよりさぁ、式はまだ先になりそうだけど結婚したんだから男はないんじゃない?」
女「え…じゃ、じゃあなんてよべば……」
男「やっぱりここはあなただな、俺はおまえと呼ぶ。どう?」
女「なっ……そ、そんな恥ずかしいぞ///」
男「いいから一回いってみ、一回」
女「いッ、一回だけだからな!!」
男「うんうん」
女「その…あ…な…た……///」
男「……」ニヤニヤ
女「うぅ……やっぱり…恥ずかしいぞ……///」モジモジ
男「かぁーーー!!もう可愛いなぁおまえはあぁぁぁ!!」グリグリ
女「いででで!!!グリグリするなってばあぁ!!///」
カ「やべぇ…やっぱ殺してェ……」ボソッ
288 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 21:35:51 ID:OnDHnwQB
大コ「……で?ドン、どうやって戦争を終わらせるおつもりで?」
男「俺が直にやつらのボスと話をして決着をつける!!」
大コ「はぁ!?」「危険すぎます!!」「無謀な…」ザワザワ
男「言ったはずだ。誰の血もこれ以上流させないと…」
大コ「おいおいマジかよ…」「にしてもこれは…」「所詮素人って事か…」ザワザワ
男「すでに書状はだしてある。ヤツらのボスは乗り気だ…諸君らの同意があれば翌週に会える事になっている」
大コ「罠の可能性は?」「連中は手段を選びませんぜ…」「イワンのヤツらこの機会にドンを消そうと…」ザワザワ
男「…カルロ説明を」
―――バサッ
カ「会合はこの廃屋でやる予定だ、お互いに3名まで護衛をつれていける。会合から半径10キロ以内にはどちらも近づかない」
カ「ここならあたり一面畑で見晴らしが良いから、そう簡単には罠はかけられん……それにヤツらは我々の復讐のすさまじさを知っている」
カ「ジアンカーノの一件以来ヤツらは我々の構成員家族には手をだしていない。まさかドンをやることもないだろう。ヤツらは前ゴッドマザーが隠退したことを知っているからな」
大コ「……」
カ「ドンに『何か』あれば…後はボルシチでふやけきったやつらのカラッポのオツムでも罠を張ることがどういう結果になるか充分予想できるってわけだ」
289 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 17:41:31 ID:IgfgsXBX
女「そッ、そんな!!いくらなんでも危険すぎる!!」
男「俺には血を流さない方法が…これしか思いつかなかったんだ……」
女「おッ、お前になにかあれば…私は……私はっ…!!」
男「いうなよ、俺はもうドンだ。それにな……」(あなたっていえよ)
女「ひぐっ…うぇっ……」グスッ
男「いっただろ、お前と一緒にいるって。俺は絶対死ねないんだよ…だから大丈夫だ」
女「絶対だぞっ!!絶対だからな!!!絶対に…生きて…帰っ…うぅ……」ポロポロ
―――ギュッ
男「約束する。絶対だ」
誰かいるかー!!
290 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 17:57:44 ID:IgfgsXBX
大コ「護衛は…まぁこの3人なら適任でしょう」「武器の方は?」「これなんて威力も精度も――」
男「俺はいらない」
大コ「なっ…!?」
男「殺しあいじゃなく、話し合いに行くんだからな。必要ない」
大コ「しっ、しかしいざという時に……」
男「それに俺はついこの前までカタギだった人間だ。そんなモン持たされたところで余計負担になるだけだ」
カ「ドン…せめてこの小口径の拳銃なら訓練をしていないドンにでも…」ゴトッ
男「いいや、いい。カルロ…君には妻づてに聞いた話だが…いいやり方を教えてもらった……」
男「そしてそのやり方は…武器なんて必要ない」ニヤッ
カ「……」
男「あとその護衛の武装についてもならべく相手の目に付く目立つ武器類は持たせないでくれ。できるだけ相手に物物しい印象を与えないようにな」
誰もいねー!!全部張っても半分もいかんぞコレwwww
291 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 18:47:47 ID:dwNOiVLw
見てるよー
292 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:03:22 ID:IgfgsXBX
翌週 廃屋
男「待たせたな」
ボ「…あなたが新しいドンね、よろしく」(なぁんだ、一年前までカタギだったっていうからどんなのかと思ったら…ただのその辺によく居るガキじゃない…)
男「あぁ、こちらこそよろしく…ミス・ナターリア」(随分と重装備な護衛だな…アサルトライフルまで持ってやがる……今にもおっぱじめそうだ…)
ボ「フフ、また今度のドンもまた随分と若いのね」(それに…防弾チョッキすら着てないのかしら?全然服に変な厚みがないし…護衛も軽装備だわ…)
男「いきなり本題だが…戦争を終わらせたい」
ボ「ふうん、こっちは構成員18人とその家族14人が死んじゃってるんだけどねぇ」(ツラ構えだってこっち側の人間とは思えないし…こりゃいい『カモ』ね…)
男「……」
ボ「別にアタシはまだ戦争を続けてもいいのよ?」(戦況は劣性だけど…幸い相手は素人同然の若造……仕掛けて来る気は無いみたいだし……)
男「…条件は?」
ボ「そうねぇ」(…できるだけ強気に出ていい条件をもらわないとね)
>>291ありがとう さすがにさびしくなってきてた……
293 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:08:06 ID:IgfgsXBX
>>292ごめんボ「フフ、今度のドンもまた随分と若いのね」です
また使い杉www
294 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:11:11 ID:IgfgsXBX
ボ「ここの界隈をアタシ達に譲ってもらおうかしら…そしたら手を引いてあげる」(最初は少し無茶くらいな要求から…あくまで強気に……)
コ「ハァ!?貴様負けてるくせに何を……!!」
男「よせ…」(なめやがって……)
ボ「あーら、ならいいのよ?なんならこのままお茶会をお開きにして、また楽しい殺しあいを続けましょうか?」
男「わかった、譲ろう」
コ「なッ!?これじゃあファミリーが納得しませ――」
ボ「フフ…」(やっぱり…こいつ見た通りの『カモ』ね……これで戦争は我々が勝ったも同然……)
男「そのかわりに、だ。おたくらと義兄弟の契りをかわしてもらう。もちろんそちらが弟分としてだ」
ボ「ッ!?」
たまに支援くれると嬉しいです
295 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:19:53 ID:nDy8zJqK
支援
296 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:28:06 ID:IgfgsXBX
男「なあに、話は簡単だ。おたくらが形式的に弟分として我々と義兄弟の契りを結ぶ」
ボ「わッ、我々の名誉はどうなる!?」バンッ
男「率直にいおう。おたくらもうだいぶ…ガタがきてるだろう?」
ボ「なッ!?そんなことは!!」(こっ、こいつ…!?)
男「悪い話じゃあない…最後まで聞いてくれ」
男「俺達の世界では面子が大事だ。違うか?」
ボ「…あぁ」(こいつ本当に一年前までカタギだったのか……!?)
男「双方にとっていい落とし所だと思うが…」
男「俺は血をこれ以上流したくない…おたくらだってそれは同じ……」
ボ「……」ゴクッ
おお、人が少しいるみたいなのでサルサンくらわん程度に
けっこう貼ってみます
297 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:35:56 ID:IgfgsXBX
男「この界隈はこれから新しい駅ができて発展していくだろう…充分すぎる条件だと思うが?」
男「……我々としてもこの世界でその名を知らぬ者のないおたくらを弟分にできる」
ボ「ぐ…」(たしかにこれなら…ヨソの連中にも部下にもしめしはつく……このまま負けるよりかは…だが)
男「……」
ボ(こんなッ…!!こんな若造にいいくるめられるのかッ!?私はッ……!?)
ボ「……」ギリッ…
男(後はこの女個人のプライドの問題だな……)
298 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:40:49 ID:IgfgsXBX
―――バッ
男「頼む、この通りだ!!もうこんな戦争終わらせよう!!」
ボ「―――ッ!?」(めッ、名誉をなによりも重んずるコーサ・ノストラのドンが敵に頭を!?)
コ「ド、ドンッ……!?」
ボ「くっ…!!」(ヤツにここまでさせて、この話を蹴ったらそれこそこちらの名誉にもかかわる!!)
男「……」
ボ(この男、タダ者じゃないわ…)
ボ「フッ、アタシの負けね…頭をあげて……」
マ「ボ、ボスッ!?」
男「てことは……」
マ「条件を承諾する…といってるのよ……」
男「ありがとう!!ありがとう!!!これでお互いにもう血を流さずにすむ!!」
ボ「ハハ…」(私としたことが……このガキにペースを飲まれっぱなしだった……)
299 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:48:11 ID:IgfgsXBX
ボ「あなた本当に一年前までカタギだったの…?」
男「あぁ、普通の高校生だったよ…」
ボ「そう…女も中々だったけど、あなたは……」
ボ「きっと来るべくして来たのね…こっちの世界に……」
男「……」
ボ「今のアタシが言うのもなんだけど…コレは先輩として一つアドバイス……」
男「……」
ボ「この世界には必ず血を流さなくてはいけない時があるわ…そして『その時』に優しさは命取りになる……それこそ」
ボ「あなただけじゃなく組織全体にとっても……命を冷静に迷いなく秤にかける事…これが上にたつ者の資格だと思うの…」
ボ「今回は『その時』ではなかった…会合を終えた今…アタシにはあなたがソレがわかっていた様に思える……」
男「……」
ボ「あんな芸当ができたのも……そんな丸腰同然で来たのもただのオポチュニストって訳じゃないようだし……」
ボ「でも『その時』が来たら?あなたにはできるかしら……」
ボ「敵だけじゃない…仲間の命をも秤にかけ、それでもなお粛々と流血の中を歩き続けることが……」
男「俺は……」
ボ「……」
男「俺はそんな世界を変えるために…ドンになったんだ……」
300 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:54:08 ID:IgfgsXBX
ボ「フフ、若いわね…アタシがまだあなたくらいだった頃を思い出すわ……まるでドンキ・ホーテ……」
男「……」
ボ「もっとも今回はそんなあなたに負けたんだけど……」
男「……」
ボ「これから長い付き合いになりそうね、アタシ達」
男「あぁ…」
ボ「楽しみにしているわ…『その時』にあなたがどういう答えを見せてくれるのか…」
ボ「かつてアタシが選んだ答えと同じになるか…それとも――」
301 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:58:41 ID:dwNOiVLw
支援
302 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:05:31 ID:IgfgsXBX
男「…じゃあな」
ボ「ああ、次に会うときは敵としてではなく…」
男&ボ「義兄弟として(ね)」
―――ブロロロ
コ「……」
男(あの人もきっと昔は…俺と同じ様な事を思って組織の頂点に立ったんだろう……)
男(だがあの人は貫けなかった…染めるはずの世界に染め上げられたんだ……)
男「いいな、お前ら…私が頭を下げたことはオメルタに誓って決して他言するな」
コ「……」
男「何、大幹部連中に知られたらうるさいからな…むこうが勝手にそういってるだけならなんら問題はない」
コ「ハッ!!」(これが力だけじゃない…違った形の名誉ってやつか……)
男(俺は違う…貫いてやる……例え血以外のどんな代償を支払ってでも…俺は……)
仕事終えて帰ってきて書いててくれると疲れがとれるぜww
304 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:25:08 ID:IgfgsXBX
男「――以上が交渉の結果だファミリー諸君」
大コ「これは…」「やっ、やつらを弟分にできたのか!?」「だがそのかわり我々のテリトリーの一部を……」ザワザワ
カ「ハッハッハッ、まさかここまでとは……いくら勝っていたとはいえあのまま戦争をつづけてたらあと何か月続いてたかわからん」
カ「我々も疲弊していたしな…そのスキに他の連中につけいられるのも無い話とは言えんだろう」
カ「それに考えてもみろ諸君……ヤツらが我々の弟分になったのだぞ『ヤツら』がだ!」
大コ「確かに…」「それもそうだな…」「ただ潰すよりかは……」ザワザワ
カ「やつらと我々が組んだら…しかも我々が主導権を握った上でだ。もう他の連中に狙われることはない…」
カ「これは考えうる限り最高の戦果とは思わんかね?」
大コ「ッ!!」ガタッ
男「ありがとうカルロ、どうだね?大幹部諸君。交渉の結果について異存はないか?」
大コ「異議なし!!」「こちらも異議なしだ!!」「ああ!!」
男「フフフ…」(やべぇ俺かっけえええwwwwww)
>>303うはwww俺明日への活力wwwwwww
305 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:30:15 ID:IgfgsXBX
男「帰って来たぞ」
女「〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」ガバッ
男「ちょっ!おま…」
女「帰ってきたぁ…ホントに生きて帰ってきてくれたんだぁ……///」スリスリ
男「あッ、当たり前だろ!!///」(かっ…可愛いすぎる……)
女「おとこぉ…ううっ……よかったぁ…本当によかったぁ……///」スリスリ
男「そッ、それより女!!式だ!!式をあげよう!!!」(おまえより呼び捨てのが使いかっていいんだよな、結局)
女「ッ!!うッ、嬉しい!!嬉しいぞぉ!!おとこぉぉ…!!!」
―――ギュウウウウウゥゥゥ
男「おっ、女!!くッ、苦しい!!」(幸せすぎて死ねるぜ……)
306 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:39:25 ID:IgfgsXBX
アンドリーニ家本邸
司祭「男さん、あなたは女さんを妻とすることを望みますか」
男「望みます」
司祭「順境にあっても逆境にあっても、病気のときも健康のときも、夫として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか」
男「誓います」
司祭「女さん、あなたは男さんを夫とすることを望みますか」
女「のっ、望みます///」
司祭「順境にあっても逆境にあっても、病気のときも健康のときも、妻として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか」
女「…誓いますっ!!///」
司祭「では誓いのキスを」
男「!!」(きたあああああああ!!!!!)
女「……///」(つ、ついに……はっ、ははははは初めての……!!)
男(女、目ぇつぶってるよ…可愛いなぁ……)
―――チュ
女「ん…///」
男「…女///」
女「うぅ…こっちを見つめるな…はっ…恥ずかしいだろうが……///」
307 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:44:55 ID:IgfgsXBX
司祭「わたしは、ここにお二人の結婚が成立したことを宣言いたします。お二人が今わたしたち
一同の前でかわされた誓約を神が固めてくださり、祝福で満たしてくださいますように」
―――ワアアアアアァァァァァ!!!!
女「……ぅ」ウルウル
男「女…そういえばまだちゃんといってなかった事があった」
女「…なっ、何だ?」ゴシゴシ
男「愛してるぞ」
女「ッ!!」
男「……///」
女「わっ…私も……だ///」
カ「…すまない、ドン。ひとつだけワガママを聞いてもらっていいか」
男「へ///」
カ「…殴らせろ」ボソッ
男「なに…///?聞こえな」
――――バキィィィィ
カ「死ね!!死んじまえ!!!」ズガッ、ズガッ!!
男「はは…痛いけど……幸せ///」
308 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:48:26 ID:IgfgsXBX
男「……ふぅ」ギシッ
男「……」
大コ「オジキ〜、泣かないでくださいよぉ…」「ハハ、オジキは昔から前ドンにべったりだったからな」「子離れできないってのとはちょっと違うか、ハハ」
カ「うっ、うるせぇ…好き勝手いいやがって…これが泣かずにいられるか……」
女「フフ…///」
―――ワイワイガヤガヤ
男(あれだけの数の人間が犠牲になった殺意の応酬劇は…たった一枚の紙切れであっけなく終わった……)
男(ついこの前まで殺しあいを演じていた者達は、何事もなかったかの様にたわいのない談笑に花を咲かせ……)
男(今や武器が固く握りしめられていたその手の内にあるのは、酒や花束に変わっている…)
男(『金と名誉が命の価値よりも勝り――』か。フフ、確かに俺は……この世界のルールを変えることは出来なかった……)
男(血と硝煙の匂いがむせ返る程充満し、口より銃口がモノを言うこの世界の……だが)
男(だがこれからだ……今は無理でも少しづつ…少しづつ変えていく……)
男(この世界にも温もりはある。ファミリーという名の絆……むこうの世界のソレとは少し違うけど…その温かみは殆ど一緒だ……)
コ「このパスタうめぇなぁ!!」「おいおい…あんまがっつくなよ。みっともねぇ」「ハハハハ、それでな。ジョルノの野郎〜」ザワザワ
男(だからこそ俺は変えていくんだ……その目的は女と同じ……二度と家族の…ファミリーの血を流さないために……)
309 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 20:55:39 ID:IgfgsXBX
男「……」
女「どうしたんだ?こんな所に座りこんで?今日の主役は私達なんだぞ!!」
男「ハハ…ちょっと酔っちゃったみたいでさ……」
女「まったく…みんなお前と話したがってるというのに」
男「今いくよ…よっと…ととととと」ムクッ
―――ガタッ
女「おいおい、大丈夫か?」
男「ハハ…ちょっと酔っちゃったみたいでさ……」
女「ホラ」サッ
男「悪いな…っと」ムクッ
310 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 21:07:55 ID:IgfgsXBX
女「〜♪」テクテク
男「そういえばさ…」
女「ん?」
男「もう結婚してたのに俺達、こうやって手をつないだの初めてだな……」
女「あっ…///」
男(今はただ信じるしかない。俺ならばできるんだと。生まれてからずっと、ついこの前までむこうの世界に身を置いていた俺ならば、と……)
女「そっ…そんな事一々言わんでいい……バカ者///」
男(信じて歩いていくしかないんだ……この地獄の窯の上を……)
女「私はもう…お前のものなんだからな……///」ギュッ
男(コイツと一緒に…どこまでも……)
おわりんこ
乙!
312 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 21:08:55 ID:IgfgsXBX
長々と駄文にお付き合いいただきありがとうございました!!
313 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 21:20:10 ID:dwNOiVLw
乙
愛してる
おもしろかったぞー
ということで次の物語はいつだね?ん?
315 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 21:32:45 ID:IgfgsXBX
皆さま ありがとうです……
また少し前書いたものですが貼って大丈夫なら明日にでも投下します
お疲れ様。おもしろっかったw
話いいけど、も少し長くても面白いと思う。やったことなかったら見てみたいな
317 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 13:15:22 ID:TNCV6qrZ
>>309 男「……」
女「どうしたんだ?こんな所に座りこんで?今日の主役は私達なんだぞ!!」
男「ハハ…ちょっと酔っちゃったみたいでさ……」
女「まったく…みんなお前と話したがってるというのに」
男「今いくよ…よっと…ととととと」ムクッ
―――ガタッ
女「おいおい、大丈夫か?」
男「ごめん…飲みすぎたみたいだ……」
女「ホラ」サッ
男「悪いな…っと」ムクッ
ホントどうでもいい違いなのはわかるけど気づいて
ああああってなったんではらせてくださいwwwセリフ2か所かぶってたww
後でまたよかったら書いたもの投下しますね
律儀だなw
楽しみにしてる
319 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 17:24:55 ID:TNCV6qrZ
おっと・・・書き方が悪かったですね…
少し前に書いたというより少し前にはったものです
ええ、遊牧民なんですよ…それでも大丈夫でしょうか?
物語然としてるのはあとはそれくらいしかないもので……すいません
俺は初だからwktk
321 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 19:03:37 ID:TNCV6qrZ
パカラ、パカラ
女「んぐっ――」グビグビ
女「げふっ…!!むぅ、私としたことが二日酔いとは……ん?あれは…」
男「ハァ、ハァッ…!!やばい、遅刻する!!」
女(これはチャンス!!)
男「ダメだぁ…もっ、もう走れない……」ゼェゼェ
女「うおおおっ!!!遅刻だぁあああ!!どけどけどけぇえええい!!!」
パカラッ、パカラッ!!
男「あ、女さ」ガシィ
女「掴まれええぇぇぇい!!」
男「いやあああぁぁぁぁっ!!?」
女「男!飯はふまへたか!?」ボリボリ
男「い、いえ…!!」
女「ならホイツを食へ!」ボリボリ
男「こっ、これは?」
女「ボルツだ!まあ羊や牛の干し肉みたいなもんだな、うまいぞ!!」ゴクゴク
男「どうも…」(すげぇ酒くさいんだけど……)
女「ぷはぁッ!!どうだ!?お前も飲むか!!!?」
男(馬乳酒…俺達たしか高校生だよね)
見てない人がいてくれてる様なので一応落としてみます
他にもココ見てる人でまだ見たことないようなら言ってもらえるとありがたいです
なんというか嬉しいのでwwww
こいつぁ初見だ
323 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 19:46:38 ID:TNCV6qrZ
パカラッ、パカラッ!!
男「で、でも女さんって結構平気で遅刻してるし割と時間には気にしない方じゃ…」
女「だっ、黙れ!!気が変わったのだ…!!」
男「はあ、そういえば女さんってどこに住んでるの?」
女「そうだな、そろそろ夏期にはいるから●●あたりになるな」
男「え、引っ越し?」
女「みたいなもんだ」
ありがとん
俺も初見。
遊牧民のジャンルは初めてだw つかベトコンとこれは新境地切り開きすぎwww
325 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 20:05:48 ID:TNCV6qrZ
一応新ジャンルなんで思いついたら書いてねwww
かき足したりとかあるからペースはそんな早くないので
むしろ早いとすぐにみなきゃって気分になるからおそめで助かる。朝起きてチェック、帰宅してチェック程度がベスト
おお!新シリーズ始まったかww
よしこれで週末は勝つる!!
329 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:02:16 ID:vxmj4vot
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
330 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 14:13:55 ID:rW9rVLP8
学校
先「よってここの解は〜」
男(しかし最前列で堂々といねむりか…)
女「くかー…くかー…」
男(ホント女さん態度悪いなぁ…先生も慣れっこだから気にしてないみたいだけど)
女「げふっ…」
4時間目
先「今日は○△先生がお休みになったので急遽俺が代わりに担当することになった」
男(げっ…この先生ってかなり厳しいって聞いたぞ…女さんは……)
先「そこ私語やめろ、こらぁ!!てめぇら黙って俺の授業聞いてりゃいいんだ!!」
女「ちっ…」ムクッ
男(怒声で起きたか…)ホッ
先「おぃ眼鏡、なんでこの時○×は主人公に対してこのような態度とったかわかるか」
眼「え、えーと…」
女「……」イライラ
先「さっさと答えろ!!えーとじゃわかんねぇんだよ!?」
女「……」ガサゴソ
男(なッ!?)
331 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 14:16:06 ID:rW9rVLP8
ありがとう、まったりいかせてもらいます
332 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 14:30:25 ID:rW9rVLP8
ク「女さん…」「やばいぞアレ…」「何やってるんんだ…?」ザワザワ
先「ッ!?おいてめぇ!!何やってるんだ人の目の前で!?あ!?」
女「腹帯を磨いている…」キュッキュッ
先「てめぇ今授業中だぞ!!解ってんのか!?」バンッ
女「だから何だ?」キュッキュッ
男(いつも態度悪いけど今回はなんか…挑発的というか……)
先「だから何だ、だと!?てめぇそれが先生に対する態度か!?」
女「なら言わせてもわうが…」ガタッ
先「うっ…な、なんだよ」
女「その先生という権威は何によって裏打ちされてるんだ?」
先「こ、こっちが教える立場なんだろうが!!てめぇらは――」
女「そうだ、そして貴様の専門は国語。だから余計に気に入らない…」
先「あぁ!?」
女「英語、数学なら交易やそれに伴う計算、化学、物理なら攻城兵器や投石機の弾道計算、世界史からはこれから行動の指針、教訓を導ける…」
男(何言ってるんだろう、この人……)
333 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:08:40 ID:rW9rVLP8
女「どれも草原で生き、放牧地を拡大していくのに必要な実用的学問だ…だが国語は何の役に立つ?」
男(草原……)
先「てっ、てめぇ一体何を…」
女「我々は学者を…学問を重んずる……だがな、学問のための学問など我々には必要ない!!」
先「だから何だ!?てめぇのその態度は人に対して――」
女「貴様はどうだった!?」
先「ぐ…」
女「貴様の態度は最初から人に対する敬意をおろそかにしていた…」
女「我々は力ある者、力によって裏付けされた権威にのみ最大限の敬意を払う…そして我々にとっての力とは――」
先「……」
女「馬か弓の腕…あるいは技術、実用的な学問の有無だ……」
女「だから私は他の先生には常に敬意を払って接している」
男(堂々と寝てた気が…)
女「それに引き換え貴様はどうだ?そのような不毛な言葉遊びで敬意を払えと…?」
先「っざけんな!!てめぇいい加減に!!」
女「それとも―――」チャッ
先「ひっ…!?」
女「こっちの腕に覚えがあるというのならまた別だが……」キリキリ…
334 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:10:35 ID:LBGwP3np
試演しよう
頑張りは認めるよっ
336 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:30:40 ID:rW9rVLP8
男(ここ…学校だよね……)
先「う…ぁ…」ヘタッ
女「どうした?私に敬意を払わせたいのだろう?」ニヤリ
先「ぁ…ひっ…」タジタジ
女「力も無いくせに人に敬意を要求するばかりか、己は人に対して最低限の敬意すら払わないからこうなる…」
先「わ…悪かった……だっ、だから弓を下げ……」ガクブル
女「もう遅い…幸いここはコンクリートの床だ……血を流したとて何の問題にもならない」
男(本気で言ってるのかこの人……)
先「ひいいぃぃ…」ガクブル
女「驚いたな…度胸までないとは…最後くらい名誉をもって死にたいとは思わんのか……」
男「あ、あのー…」ガタッ
女「あの世で悔いるがいい…己の力と分不相応な振る舞いをしたことに……」
先「っ…!!」ブルッ
337 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:57:34 ID:rW9rVLP8
生「あ…ぁぅ……」ジョオォォ
男「ちょっ、ちょっと…」ビクビク
女「男か、どうした?」
男「も、もうそろそろいいんじゃ……」
女「…そうだな。もう充分」
男&先「……」ホッ
女「充分後悔する時間は与えた」キリッ…
先「!?」
男「やっ、やめ……!!」
―――ビイイイィィィン…
先「……」ブクブク
女「やめだ」
女「たしかに男の言うとおりこんな小便野郎私が手を下さずとも、放っておけばいずれ狼にでも喰い殺される」
男「はは…」ヘタッ
先「……」ブクブク
女「まったく…コイツも君みたいな好漢を見習って欲しいものだな」ゴソゴソ
男「なっ、何をして……」
女「戦利品の獲得」ゴソゴソ
男「……」
338 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 16:22:46 ID:rW9rVLP8
女「フフフ…」ドッサリ
男(身ぐるみ全部剥いでる……)
女「そうだ、男にも分けてやろう♪」サッ
男「いっ、いやいや!!いいッ!!いいです!!」
女「遠慮するな。略奪品、戦利品を仲間に公平に分配するは草原の掟だ」グイイィィ
男「いやいやいや…!!」(なんか勝手に仲間にされてる…)
女「むぅ…なぜ受け取ってくれんのだ」
男「だ、だって…ホラ!!俺、大したことしてないし!!」
女「フフ、私が手を汚すのを止めてくれたというのに……謙虚だな、男は」
男「ハハ…」(謙虚…?)
男「にしても服や下着まで取ってどうするつもり…」
女「交易に使えるだろう。我々自身が提供できるのは毛皮に毛織物、乳製品くらいしかないからな」
男「……」
支援ww
340 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 16:39:06 ID:rW9rVLP8
男(あっ、女さんだ……あんな事するから女さんの周りだけ綺麗に人が……)
女「……」
男「け、今朝はありがとう」
女「うむ…」
男「あれ?女さんはお昼食べないの…?」
女「シッ…」
男「?」
ジイィィィ(雲を睨んでいる)
女「やはり…一雨くるな……男、傘はもっているか?」
男「いや、でも今日の降水確率は10%未満って天気予報で――」
女「もっているのかと聞いている」ギロリ
男「い、いえ」
女「そうか!!なら今日は降り始める前に一緒に下校してやろう!!」
341 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 17:00:12 ID:rW9rVLP8
男「え…」(女さんと下校……?)
女「途中まで一緒だからな。何、ほんのついでだ。気にするな」
男「はあ、えと……お昼は?」(馬じゃないならなぁ…アレ、ケツ痛くて……)
女「ん?飯なら今朝食べただろ」
男「え、たったあれだけ?」
女「今週の頭に羊を半頭食べたからな、あと2週間は毎朝干し肉一枚と馬乳酒で充分だ」
男「はぁ」
女「それに普段だって二食しか食わん」
男「すごいね女さん…」(そんなんでよくあんなに動き回れるな)
女「なあに、直におまえも慣れるさ」
男「お、俺もって?ちょっと女さんソレどういう…」
女「フフフフフ」
342 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 17:37:18 ID:rW9rVLP8
キーンコーン
男「ホントだ、雲行きが怪しくなってきた」
女「すぐに降り始めるぞ、乗れっ!」グイッ
男「ども…」
女「飛ばすぞ!!しっかりつかまれえええええいい!!!!」
男「はい…」(つかまるったって腰に手を回すしか……)
女「いくぞ!!ハイヤアアアアァァァァァァ!!!!」
パカラッ、パカラッ!!
男「ちょ!!女さん!!お、落ちる!落ちるってぇえええ!!!!!」
女「しっかりつかまれえええええ!!!!」
男「は、はいいいいぃぃッ!!!」ギュウウゥゥ
女「きょ、今日は調子がいいな///!!この分なら雨が降る前に余裕で宿営地に着くぞ!!!」
男(い、今宿営地ってきこえたような…気のせいだよな……喋ったら舌かみそうだし……ン?)
ムギュ…
女「――――ッ!?」
男「あ…」
女「きッ、貴ッ様ぁぁぁぁあああああ!!///」カアアアァァ
343 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 17:53:01 ID:rW9rVLP8
メエエェェ…ヒヒ〜ン
女「…というわけで」
男「……」
女「貴様には罰として今日は我が宿営地で寛、いや働いてもらう。ん?なんだその目は?」
男「いえ…」(今、絶対寛いでっていった…)
女「ならきりきりと歩け」
男「でっ、でもそこらじゅうに家畜の糞が……」
女「だからどうしたというのだ?」ヌチャヌチャ
男「なんでもないです…」
女「まあなんだ、その……とっ、とりあえずもう雨がふるだろうからさっさとゲルの中にはいれ!」
男「はあ、おじゃましまーす…」
比較的かきやすい気がするから見てて思いついたらどんどん書いてくだせぃ
344 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 18:13:19 ID:rW9rVLP8
ザアアアァァァ…
男「うおっ」
女「どうかしたのか?」
男「いや、すんごいご馳走の山だなぁって」(山盛りの酒と肉が……)
女「そうか?いつもこんなもんだぞ」
男「でも女さん、あんまりご飯食べないって今日……」
女「うっ…い、いやそれはだな。えーと…」
男「……」ニヤニヤ
女「クウッ…!!」
345 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 19:39:58 ID:LBGwP3np
支援
346 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 21:12:31 ID:rW9rVLP8
グツグツ
女「遠慮するな。たっぷり食えよ」ゴロッ
男「えっ…」(肉塊を茹でただけ…)
女「ほふした?」ガツガツ
男「あっ…味付けとかしないの?」
女「ほれ」トン
男(塩のみですか…)
女「農耕民共の塩と違って我々の塩はおいしいぞ」
男「あっ…ホントだ…」(塩だけおいしい)
347 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 21:26:10 ID:rW9rVLP8
女「男、馬乳酒は飽きただろ。シミーン・アルヒだ!飲め!!」
男「いっ、いやもう――」
女「遠慮するな!!」グビビビ
男「うぅ…」(飲んでも飲んでも次が……)
女「む、どうした?ホルホグは食わないのか?おいしいぞ」ゾリゾリ
男「いや、だってナイフしかないし……」
女「なにほいっふぇんら?これはナイフはへで肉を削ぎふぉってふうもんだ」ムシャムシャ
男「お、女さん…ほっぺに肉が……」
女「ほへがどうかふぃたのか?」ムシャムシャ
男「いえ…」
女「まっ白く綺麗になるふぁで食べるんだぞ」ムシャムシャ
男(助けて…)
348 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 21:38:43 ID:rW9rVLP8
女「むぅ…もう料理がなくなってしまったな」
男「うん…」(殆ど女さんが一人で食べたようなもんだけどね…でも助かったか……)
女「雨は…止んだか。よし、男!ちょっと待ってろ」
………
男(女さん、何やってるんだ?おそいなぁ)バッ
女「おっ、男。いたのか。ちょっとそっちの脚押えててくれ」ザクザクザク
男(解体してる…)
349 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 21:58:32 ID:rW9rVLP8
女「…んっ」ザクザクザク
男(意外と血でないな。というか羊もまったく鳴かないし……)
女「……」ペタペタ
男(鮮やかなもんだなぁ。ん、脚から力が抜けて…)
女「よし男、もう脚は押えてなくていいぞ。ちょっとコイツもっててくれ」ポイッ
男「ッ!?」フラッ
女「おっ、男!?手を羊の上から動かすな!羊の皮の上でもっていてくれ!!」
男「え…なっ、なんで?」(うぅ…気持ち悪い感触……)
女「血を一滴も大地にたらさないためだ、大地にも神がいる……神聖な大地を血で汚してはならないからな」
男「…そんなもんかねぇ」
女「そんなもんだ」
男(あ…だから今日コンクリートがどうだとか言ってたんだ……)
350 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 22:42:36 ID:rW9rVLP8
女「……」ポイッ
男「なんで火に解体した動物の肉片を…?」
女「火は浄化の力を持つ神聖、かつ家の繁栄の象徴。感謝の印だ」
グツグツ
女「ほら男、さっきお前がもってた心の臓だ。食え」
男「うぷ…」(拷問かコレ)
女「肛門もなふぁなはふまいほ?」ムシャムシャ
男「女さん肛門まで食べるの?」
女「当たり前だ、殺したのだからな1つたりとも無駄にはできん……」ゲフッ
351 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 03:20:20 ID:YZ/uD89b
支援
……肛門はきついなぁ
352 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:06:50 ID:r0ROFxK+
女「ぷはぁ――!!よし男、これも飲め!」ドンッ
男「もっ、もうお酒は…」(よくこんだけ飲めんで平然としてるな……)
女「なにをいう、これはツァイだ」
男「え…つぁい?」
女「磚茶に乳と塩をいれた飲み物だ。とりあえず飲んでみろ」
男「はぁ」(色が泥色なんだけど…それに変な匂いするし…これがお茶?)
女「ああ、待て待て」ポチャ
男「…」
女「バターをいれた方がさらにおいしいぞ」
男「うえぇ…」(滅茶苦茶脂っこい…すっきりしたもんないのかよ……)
353 :
女「さてと腹もいっぱいになったようだし」:2009/06/06(土) 15:18:31 ID:r0ROFxK+
女「さてと腹もいっぱいになったようだし」
男「…ヒック」
男(もうこんな時間だ…今から働かされるのか…うぅ、食いすぎ飲みすぎで気持ち悪ぃし……)
女「仕方ない、今日は泊ってけ」
男「はああああぁ…!?」
女「外はどしゃぶりの後でぐちゃぐちゃだ。それに今週は男の家親いな……いっ、いやなんでもない!!」
男「…どうしてそれを」(ぐちゃぐちゃの中で解体してただろ…)
女「なっ、なんのことだ?とにかくこんな暗い中泥濘道を帰すのは悪いから泊って行けっていってるんだ!!もう決定事項だからな!!」
男「でも女さんのご両親は…?」
女「ああ、それならすでに納、いや私の両親も旅行中なんだ!!奇遇だな!!ハッハッハッ!!!」
男(『も』って…やっぱり知ってるんじゃないか……)
誰かいるくぁい?
お、俺たちの事は気にするな・・・
お前は自分の作業を続けるんだ・・・ガハッ
355 :
女「さてと腹もいっぱいになったようだし」:2009/06/06(土) 15:30:00 ID:r0ROFxK+
女「見ろ男、どしゃぶりの後だ。星が綺麗に見えるぞ」
男「ほんとだ…」
女「フフ…お前の星はどれだろうな?」
男「俺の星…?」
女「人にはそれぞれ一つづつ己の運命の星が決まってる…きっと私の星は……」
男(己の運命の星…か)
女「おっ、おとこの星の…近くに……///」ボソボソ
男「え?」
女「いっ、いや…」(私は今日…男と…同じ屋根の下で……///)ドキドキ
男(なんか…いい感じだな……)
356 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:34:54 ID:r0ROFxK+
男「あ、流れ星見っけ」
女「なっ、何ッ…!?」バッ
男「ほら。あそこ」
女「トゥイ、トゥイ、トゥイ!!私じゃない、人の星!!おっ、お前も早く言え!!」
男「え?なっ、何それ……?」
女「いっ、いいから!!いいから早く言うのだ…!!」
男「トゥイ、トゥイ、トゥイ、私じゃない、人の星…これって……」
女「ふぅ…これはおまじないだ」
男「おまじない…?」
女「星が流れた…きっと誰かが死ぬ……これはそれが自分の番じゃない事を願うためのものだ…」
男「へぇー」
女「さ、そろそろ寝るぞ」
男「う、うん…」
女「……///」ドキドキ
357 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:40:44 ID:r0ROFxK+
女「じ、じゃあ男はそっちの寝台で寝てくれ」
男「え…寝巻きとかに着変えないの?」
女「ねまき…?」キョトン
男(マジかよ…)
女「ああ、あと一応念のためにコレを枕もとにおいておけ」サッ
男(短剣と弓…)
女「まぁ、外は犬が見張ってるからめったに使うことはないだろうがな」
男「ん?寝台の上にまでナイフが置いてあるんだけど……」(めったにって…)
女「父と母が外泊してるからな、ソレは生きている証だ」
358 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:45:53 ID:r0ROFxK+
男「…この辺ってそんな物騒かな?」
女「何をいう。狼の群れに襲われたり敵対部族に襲撃されたり…死はそこら中に転がっている」
男(俺の家から徒歩20分にそんな危険が……)
女「……」ビイィィ
男「…なにしてるの?」
女「いいか!!この線からは絶〜対入ってきちゃダメだからな!絶対だからな!!」
男「…はいはい」モゾッ
パチパチ…
男「かまどの火は消さないの…?」
女「自然に消えるまではな…自分で消したら家が途絶える」
男「はぁ…」(やばい…なんかすげぇ疲れた……瞼が…)
女「……///」ドキドキ
359 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:49:49 ID:r0ROFxK+
女「……///」ドキドキ
男「……」
女「お、おい男…」ドキドキ
男「……」
女「おいってば」
男「……」
女「…もう寝てしまったのか?」
男「んぐ…」
女「…っ///」ドキドキ
男「くかー…」
女「なっ…」
男「くかー、くかー…」
女「くうぅ…」グスッ
360 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 15:51:46 ID:r0ROFxK+
同時刻、40キロ離れたゲル
女父「しかし我が娘もようやく理想の男をみつけたみたいだな……」
女母「ええ、今まであの子まったくそういう事に興味を示さなかったから安心したわ…」
女父「思い出すな、俺たちがまだあいつくらいの若者だった頃を……お前を力づくで家族から奪った…俺を恨んでいるか?」
女母「いいえ、それが草原の掟ですもの…おかげで今こうやって、こんなにも強く逞しい人と結ばれている……これ以上の幸せはないわ」
女父「…今頃あいつも、うまくやってるんだろうな」
女母「ええ」ニコッ
女「……ふぇぇ…えっ…えぐっ」
男「くかー、くかー…」
361 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:16:30 ID:r0ROFxK+
チュンチュン
男「んん…」ムクッ
男「うぅ、頭がズキズキする…げっ、もうこんな時間か…」
女「くかー…すぴー…」
男(起こしたほうがいい…よな?でもこの状態で朝から早駆けは……)
女「にゃむにゃ……男ぉ…」
男「はっ、はい!?」
女「わはひを…りゃッ…りゃっ……」
男「りゃ…?」
女「略奪うゥゥッ―――!!」
男「なっ…」(な、なんつー寝言だ…にしてもこうやって見てみると……)
女「ん…」
男「女さんってなかなか可愛いよなぁ……」ボソッ
女(ッ!?うおぉっ…!?お、男の顔が目の前にっ!?)
男「?」
女(て、ていうか今私の事っ……!!かっ、かかかか可愛いって!?///)カアァァァ
男「急に赤くなりだしたな…」
女(うぅ…起き辛い……///)
362 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:29:29 ID:r0ROFxK+
学校
先「ハイッ!我が学年の今年の運動会の競技はぁ〜」パンパンッ
ザワ… ザワ…
男「結局遅刻かよ…」(なんか女さんはあれからずっとボーっとしてるし……)
男友「よォ、どうした?クマできてんぞ、それになんか動物くせぇ気が…」
男「そ、そうか?気のせいだろ…」(こいつに知られたらやっかいだな)
先「騎馬戦ッ!!じゃあ各自適当に組あわせを決めな!!」
男友「んじゃ組もうぜ」
男「…もう一人いるな」チラッ
女「……///」キュッキュッ
見てくれてたら支援とかもらえると嬉しいです
見てるぞ
364 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:41:31 ID:r0ROFxK+
男(鞍磨いてる……)
男友「やばいな、男子奇数だぞ。ぐずぐずしてると…」
女(かっ、かかか可愛い…っていわれてしまった……もしかして男も…私のことを……///)キュッキュッ
ク「あんたが誘いなさいよ…」「でももうみんな決まっちゃったみたいだし…」「女さん怖いんだもん……」ヒソヒソ
男(そりゃあぶれるよなぁ…怖がられてるし…いやでもさすがに……)
男友「おい、どうすんだよ」
男「…な、なぁ男友?」
男友「ん?」
男「男の方はみんな決まっちゃったみたいだしさ…」
男友「はぁ、女さんを誘おうってか…?」
男「え…よ、よくわかったな」
>>363ありがとん 淋しくなってきた所だったんで…
見ているぞ
366 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:50:36 ID:r0ROFxK+
男友「そうかぁ、お前ああいうのがタイ――」
男「ちッ、違!そんなんじゃなくてだな…!!」ガタッ
男友「冗談だよ、長い付き合いだ。それくらいわかる。お前は無駄に優しいからな、ずっ〜と女さんのほう心配そうに見てたし」
男「む、無駄にって何だよ…無理かなぁ?女の子だしさ」
男友「いやまあいけるはいけるだろ、うちの担任去年あぶれた生徒性別関係なくいれてたぜ(どうかとは思うが)」
男「んじゃ」ゴトッ
男友「お、おい!?」
男友(やっぱりマジか…相手は女さんだぞ?あいつこういうときだけ妙に勇気というか行動力あるんだよな)
おお…ありがとん
367 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:54:16 ID:xyMwdpOy
見ていないぞ
368 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:56:33 ID:r0ROFxK+
男「…女さん」
女 「……///」ぽーっ
男「女さん?」
女「ッ!?おッ、男!?」ボトッ
男「よ、よかったらさ。一緒に騎馬戦くまない?」
女「へ…?」
男「い、いや、男子もう組む相手がいなくてさ。女さんがいいなら…」
女「なッ、ななななななな!!?」(こッ、これはもしや男から初めてのお誘い!?しかも騎馬戦!!?)
男友(そらみろ…無理に決まってる……)
男「その…上でも下でも女さんが好きな方でいいから……いっ、いやなら別に無理には…」(やっぱり男子と組むのはいやなのかな)
女「…組もう」ボソッ
男「へ?」
女「くうぅううううもぉおおおおおうううう!!!!」
男「おっ、女さん!声大きいって!!落ち着いて!!!」
男友(ちょwww何この展開wwwwwww)
369 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 19:57:40 ID:r0ROFxK+
370 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:05:09 ID:r0ROFxK+
女「なにぃッ!?騎馬戦は3人一組なのか!!?」
男「え、知らなかった?ていうか女さん騎馬戦ってどんなのかわる?」
女「い、いや知ってる…と思う……」ボソ
男友「よっ、よろしく…」(あれ?男と同じ匂いがする…動物…羊の匂い?)
女「あぁ…」
男「ハハハ…」(急にテンション低くなった気が…)
男友(もしかして……)
女「むぅ…」(しかし三人とは…変わった趣向の模擬戦闘だな……)
男「女さん、大丈夫?やっぱり嫌なら」
女「嫌じゃないッ!!全ッ然嫌じゃないぞおおおおううう!!!!」
男「そ、そう…静かにね…」
男友(これは…)
女(せ、せっかく男が誘ってくれたんだし…だが3人が乗れる馬となると……)ボソボソ
371 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:14:39 ID:r0ROFxK+
運動会当日
男友「…にしても女さん」
男「ああ…」
男友「結局あの日以来一回も学校にこなくなったな」
男「やっぱ嫌だったのかなぁ…ハァ」
男友「ま、まァ気にすんな、多分関係ねぇって!!それに2人でやれないこともないし……」(俺の勘違いだったのか?)
アナ「次の競技は騎馬戦です。10−4と10−5の男子生徒はそれぞれ整列して騎馬を組んで下さい」
男友「のったか?」
男「うん」
男友「軽いからお前なら1人で充分いけるわww」
男「……」
男友「どうした?」
男「…なんかすげぇ嫌な予感がする」
372 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:27:00 ID:r0ROFxK+
パカラッ、パカラッ!!
女「ハイヤアアァァ!!」ピシッ!!
女(はぁっ…!!はぁっ!!プッ、プログラム見ないとッ!!やばい、もう始まるっ!!!!)
アナ「騎馬戦開始ッ――!!」
ワアアアァァァァ…
男友「うおっ!!来たぞぉ!!」
男「う、うわああああ!!くそッ!!」グイイイィィ
男(だッ、ダメだァ…やっぱり…俺の力じゃ……)
373 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:34:41 ID:r0ROFxK+
―――ヒュン
敵生徒「ぐあッ!?」ドサァ
男(ゆッ、弓ッ……!?)
パカラッ、パカラッ!!
女「男おおぉ!!待たせたなぁぁ!!!2人共つかまれぇぇえ!!!」ガシィッ!!
生徒一同「ええええ!!?馬ああああぁぁ!!?」
男「やッ、やっぱりぃいいいいいい!!」
男友「うwwwwwまwwwwwwww」
女「いやぁ、待たせたな!!3人が武装して乗れる馬となるとちょっと遠出しないと手にはいらなくてな!!」
男「人ぉ!!人殺したよ!!女さんってばああぁ!!!」
女「ああ、アレは演習用の模擬の弓だから多分大丈夫だ!!さすがに殺すわけないだろう!!ハッハッハ!!!!」
男「た、多分って…」
男友「wwwwwwwwwwwww」
374 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:42:31 ID:O8fJtWYK
うwwwwwまwwwwwww支援wwwww
375 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:45:24 ID:r0ROFxK+
生「な、なんだアイツ等…!?」「マジで馬乗ってるぞ…!!」「どうなってんだ…!?」ザワザワ
女「よおし!!要はこの上に乗ってるヤツらを全員倒せばいいんだな!!」キリキリ
男(回りはみえてる…のか?)
ビシュッ!!
女「いっよっしゃあぁぁ!!二騎目ぇ!!ほら、貴様らも弓を使え!!!」
男友「うはwwwww弓とかwwwwまかせろww」キリキリ
ビシュッ
男友「ムリポwww当たんねぇwwww」
男(…もうなんでもいいや)キリキリ
ビシュッ!!
敵生徒「うあッ…!!」ドサァ
男(えっ?当たっ…た?)
女「おっ、男おおおぉおお!!すごい、すっごいぞぉ!!近距離とはいえ騎射なんて初めてだろうに!!!!」
男「…というか弓持つのも初めてだよ」
女(やっぱりだ!!やっぱりこいつは軟弱な農耕民なんかじゃない…!!)
376 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:54:10 ID:r0ROFxK+
男(でもまぐれだとしても…悪い気はしないな……)キリキリ
ビシュッ!!
敵生徒「ぎゃあッ!!」ドサァ
男(また当たった…俺もしかして才能あるのか?)キリキリ
女「男ぉ……///」
男友「おまwwwwww」
女(さすがは私が目初めた男、見た目はひょろっちくても男は白き雌鹿と蒼き狼の子孫!!テングリの子なんだ……!!)
ヒュン、ヒュン
敵生徒「うわぁああ!!」ドサァ
味生徒「ま、まてッ!!おれはみかッ―――!!?」ドサァ
パカラッ、パカラッ
男友「男wwwwパネェwwwつか女さんwww無差別とかwwwwwだめだww全ッ然当たんねぇwww」キリキリ
男(うッ、うわぁ…何だこの感覚……)ゾクゾクッ
女(あの眼…草原の男、戦士の眼……男を好きでいて…本当に……本当によかった…うぅ……)グスッ
377 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:02:21 ID:r0ROFxK+
校長「あれ、お、おかしいですねぇ…?私は今までてっきり騎馬戦を見てるつもりだったのですが…先生……これは一体」プルプル
先「やッだなあ!!もう校長先生ったらぁ!!ボケちゃったんですかァ!?つもりじゃなくて騎馬戦ですよ、騎馬戦!!」
校長「でっ、ですがこれは…」ビキビキ
ワー!!ギャー!!
女「一人残らず殲滅しろ!!!遺恨を残すなッ!!殺せぇっ!!殺しまくれぇぇ!!」
友「wwwwwwwwwwww」
男「……」キリキリ
先「いやぁー、みんな元気ですね!!なんつかこう青春ってかんじで!!ハッハッ!!!」
校長「……」プルプル
378 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:13:46 ID:r0ROFxK+
男「うぅ…」ズーン
男友「よぉ、ひさしぶり!!この前は楽しかったな!!」
男「一か月の謹慎さえなけりゃね……」
男友「何いってんだ?一か月も遊べたんだからいいんだろ」
男「お前…」
男友「ん?」
男「いいや…そういえば全然女さん見ないな」
男友「どうした?そんなに女さんが気になるかwwwww?」
男「いや、そういうわけじゃないけど…いつもあんな目立つのに……」
男友「はいはいww駐輪場に馬がつないであったから今日来てるはずだぞwww」
男(とことん迷惑な人だなぁ…)
支援
380 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:37:03 ID:r0ROFxK+
女(フフ、やっとまた毎日堂々と男と会えるぞ…!!)
女(男…この首飾りに…気づいてくれるかな……フフフ)キュポッ
女「んぐっ…ん…」ゴクゴク
男(あっ、女さんだ。あんなとこに座りこんで何やってるんだろ…)
女「ん?おぉ、男ッ!!ひさしぶ…」クルッ
男「ッ!?」ダッ
女「ど、どうした?血相変えて…」
男「おっ、女さん!!血が!!!口から血がでてるよ!!大丈夫!!?」
女「ああ、これは羊の血を飲」
男「とっ、とにかく保健室!!保健室いこっ!!」グイッ
女「なっ…///」
――ヘタッ
男「えっ女さん!?もしかして立てないの!?熱もあるみたいだし…」
女「いや、これは…その……///」(おっ、男が私の手を…!?
381 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:47:13 ID:r0ROFxK+
男「お、女さん……」
女「…ぅぁ///」
男「ほっ、ほら!!早く背中におぶさって!!」
女「ッ!?」(こっ、これはまさかタナボタってヤツかじゃ…!?)
男「女さんちゃんとのれてる?しっかりつかまっててね」(すごい熱だ、顔も真っ赤だし…)
女「ああ…///」
男「うっ…」(見た目より全然重い…なんかガチャガチャいってるし……)
女「……///」(フフ、男の背中暖かいな…♪)
男(まさか…下に甲冑でも着てるんじゃ……)
男「女さん、大丈夫?もう少しだからね……」ゼェゼェ
女「おとこ…」(こんな必死になって私のことを…)
男「ホラついたよ…」ゼェゼェ
女「……」
382 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:49:01 ID:r0ROFxK+
ガラガラ
男「誰もいないね、俺は先生よんでくるから女さんベットで横に――」
女「ま、まってくれ…その」
男「ん?」
女「じっ、実は…だな……」
………
男「……」
女「すっ、すまん…わざわ」
男「ふざけんなよ!!」
女「!!」ビクッ
男「こっちがどんだけ心配したと思ってるんだ!!」
383 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:57:35 ID:r0ROFxK+
女「すっ、すまなかった……」
男「な、なんでッ…!!」
女「っ…」(あの男が…怒ってる…それだけ本気で心配してくれたのに……私は……)
男「なんでさっさといってくんなかったんだよ!?」
女「ほ、本当に…悪かった…ごっ……」(私は…男を…騙した……)
男「……」
女「ごっ…ひぐっ…ごめん…なさい……」ポロポロ
男(あの女さんが…泣いてる……)
女「うぇっ…うええぇ……」ポロポロ
男「こ、こっちも…ちょっと…いいすぎた……」
384 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:03:29 ID:r0ROFxK+
キーンコーン
男「授業……始まっちゃったな」
女「ごめん…わ、私のせいだ……」グスッ
男「いやもういいよ……どうせ嫌いな授業だったしさ」
女「……」
男「……」
女「まっ、まだ……怒ってる…か?」
男「ちょっとね…」
女「こ、これっ…!!」サッ
男「ん?」
385 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:18:31 ID:r0ROFxK+
女「わっ、私の自慢の羊の骨でつくった首飾りだ!!これをお詫びに上げるから…その……許してほしい」
男「ぷッ…」
女「なっ、何故笑うんだ…私は真剣なんだ……ぞ」
男「いやだからというかなんというかさ……まあいいや、もう怒ってないよ」
女「ほ、本当か…!?」パアァァ
男「うん、首飾りありがとうね」
女「あっ、ああ!!」
男「へぇ…よく出来てるなぁ…」ジャラッ
女「な、なぁ男…ならその……ちょっと首飾りつけてみてくれないか?」
男「いいけど…」
女「おお、似合ってる!似合ってるぞ男!!」(フフ、帰ったらさっそくまた作って男とおそろいにしてやろう…!!)
男「そ、そうかなぁ?」
女「〜♪」(男とおそろいかぁ…///)
男(立ち直り早いな、オイ)
386 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:31:40 ID:r0ROFxK+
女「おっ、男…」
男「ん?」
女「この前は…その……すっごく格好良かったぞ」
男「ああ、アレね……」(なんであんなことしちゃったんだろう…)
女「今日も私を長い距離おぶってくれたし……」
男「……」
女「男…お前は強いんだ……だからもっと自分の力に自信をもて………」
男「そんなことないよ…体だって小さいし……力もないし……」
女「ちっ、違う!お前は優しいだけだ!!本当は誰よりも…誰よりも強い…ハズなんだ……」
男「……」
387 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:35:32 ID:O8fJtWYK
支援
388 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:39:41 ID:r0ROFxK+
男「そういえば女さんと謹慎中殆ど会わなかったよね」
女「ああ、この季節は干し草を作ったり冬越しの準備で忙しいからな…それに……」
男「それに…?」
女「この天候のせいで草が全然育たんのだ…おかげで最近まったくいいモノを食ってない…食事の量も減らさざるおえんし…うぅ…」ブツブツ
男(そんな…普段少食の俺の半分も食わない女さんが食事の量を減らすって……)
女「…必然的に次の放牧地の選定や狩りに時間を割か――」
男(大体この天候って…別に少し天気が悪いだけじゃ……)
女「どうかしたのか?」
男「い、いや…そういえばなんで血なんか?」(なのにこの前は…俺にあんな沢山ご馳走(?)を……)
389 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 22:48:26 ID:r0ROFxK+
女「我々の暮らす大地は野菜や作物を栽培できるほど肥えてはいない……」
男(どおりで肉しかでなかった訳だ……)
女「だから家畜の血は交易せずに手にいれられる我々の貴重なミネラル源なんだ…」
男「なんか…遊牧民の人達って結構大変なんだね。のどかなイメージがあるのに……」
女「フフフ『のどか』か、真逆だな。我々の生活は自然に全面的に依存してるからな……」
男「へぇ…」
女「ほんの少しの事故やちょっとした自然の変化でいともたやすく崩壊する…そうなると」
男「そうなると?」
なんだろうこの気持ち・・・つまらん
とらドラなど最近やってる取り敢えず女の子だしたって感じしかしない。
あと何が原因かしらんが読みにくい。(俺が面白くないと思っているからかも試練)
見返すとベトナムベテランもそうかもしれんが、あっちはもちっともやもやさせてくれたもんだが。
391 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 04:09:35 ID:HzjZF7mq
>>390 すまん…たしかにまず遊牧民書きたいってのが先走ってたから実際その通りだと思う…
読みにくいのは擬音が多いからとかも関係してるかと
ベトナムベテラン(?)とかのがってのは言い訳がましいが、現行の除いて多分一番最近書いたヤツだからかも。
ベ>コ>短い雑なの>遊なんで…書き足したとはいえ大筋は初めてSS書いた時のままだし、
そういうの抜きにしても前の2の中で一番ストーリーに自信がないのでこの先もつまらんと思う……勘弁してくれ
でも、頑張って。
ごめん ベトナムベテラン=ベトナム帰還兵。
最近やってる取り敢えず女の子だしたって感じ?大好きです
正直結末はわかってんだ!ベトコン、マフィアの流れからしてw
それでも支援したくなるのは、例えるなら志村けんのバカ殿の「志村ー!後ろ後ろー!」的なというか
騎馬戦は突き抜けてやったのが面白かった
ともかく頑張ってくれー
超支援
394 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:29:48 ID:oYYtbYwS
おいおい俺は楽しく読んできたし読みにくくないぜ?
所詮は他人の意見なんだ。一つの意見として考慮するのは結構だが半端するのは作品に失礼じゃないか
395 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:41:19 ID:i1tVF/zW
>>393テーマの割に毎回ベタベタだからねwwww
今回はさらにベタかもwww
>>394ありがとう
昨日は書き溜めある方のPC使えんかったからがんばるよ
396 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:43:02 ID:i1tVF/zW
女「まず家畜からバタバタ死んでいく…そして……」
男「……」
女「殆どあいだをおかずして我々も死ぬ」
男「…っ」
女「まあ、そういう時のために……」
――チャッ
女「コイツがあるんだけどな」
男「…弓?」
女「ああ、我々は戦いを躊躇わない…臆病者の農耕民共と違ってな、戦わねば明日飢え死にするのは我々のほうだから……」
男「……」ゴクッ
女「フフ、男は弓の才能がある…そっち側の人間なのがもったいないくらいだ……だっ、だから」
男「女さん…」
女「だから…いつでも……その…こ、こっち側に」ゴニョゴニョ
男「?」
女「……きてくれても…いいんだぞ///」ボソッ
過去作品に拙さを感じるのはしゃーないさw
むしろ、書きたいって気持ちの先走り汁でもにんしry
398 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:56:54 ID:i1tVF/zW
パカラ、パカラ…
女「〜♪」
クラス「ねぇみた?男君と女さんの首飾り……」「あの2人地味に仲いいよね?」「運動会の時だって…」ヒソヒソ
男(おそろいになってるし……)
国=国際交流部部員
畑=畑部部員
国「今日の留学生歓迎合同BBQ大会楽しみだね〜」
畑「うん!野菜いっぱいもってくるよ〜。そっちもお肉いっぱいもってくるんでしょうね?」
国「もちろん!!だいぶ奮発しちゃった♪」
女「……」ニヤァ
>>397ありがとうwww遊牧民が大好きすぎてwwww
399 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 14:07:34 ID:i1tVF/zW
女「男、もう秋だな」
男「そうだね。紅葉がきれいだ」
女「時に男、秋といえば?」
男「う〜ん…読書とか…?」
女「フフ、甘いぞ男。秋といえば――」
男「?」
女「――戦争の季節だ」
男「せっ、戦争ッ…!?」
女「馬もよく肥えるからな、フフフ…」
男(確かに今日なんかいつもよりさらにものものしい感じが……)
400 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 14:18:54 ID:i1tVF/zW
畑部部長=畑部
ガラガラッ
畑部「男君、よろしかったら今日の放課後の留学生歓迎BBQ大会に参加しませんか?」
男「えっ、あれって部員と留学生以外参加したらまずいんじゃ」
畑部「別にいいんです」キッパリ
男「あっ、そうなの?じゃあ参加させてもらいます」
畑部「はいっ!!」
男友「……」
男友「部長さん、部長さん」トントン
畑部「はい?」
男友「俺も放課後のBB」
畑部「部外者はお断りです」キッパリ
男友「……」
401 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 14:27:50 ID:i1tVF/zW
放課後
外「ヨロシクオネガイシマース!!EYAAAAAA!!」
新畑「部長!豊作ですね♪」ドッサリ
畑部「そうですね」(男君もきてくれたし、フフ…)
畑部「悪天候が続いた割には…ん?」
国「肉もう焼くぞー!!」ジュウウゥゥゥ
男(うわぁ、初めて参加したけど豪華だなぁ…)
新畑「部長?どうかしたんですか」
畑部「い、いえ」(この胸騒ぎは……)
402 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 15:06:43 ID:i1tVF/zW
カンカンカンカン!!
男(ん、なんだこの音?鐘?)
畑見「ヤツらが来たぞォー!!」
畑部「やはり…来ましたか…」
新畑「へ、何です?ヤツら…?」
畑部「そういえばあなたはまだこの部に入って間もなかったですね……奴等は――」
外人「オーウ!!オマツリノアイズカナンカデスカ?」
畑部「―――奴等は人の形をした害虫です」
新畑「!?」ポトッ
403 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 15:28:28 ID:i1tVF/zW
パカラッ、パカラッ!!
?「ハァッ!!ハイヤアッ…!!」
畑部「いいですか。新畑さん」ガシッ
新畑「は、はい」(なんか部長さん怖い…)
畑部「奴等はタルタロスの落とし子、地の果てよりやってくる蛮族共……」ゴゴゴゴゴゴ……
新畑「ぶっ、部長さん…?」
畑部「ひとたび動きだせば、我々より遥かに少ない食糧で戦い、我々より遥かに多くの苦痛に耐え、我々より遥かに少ない睡眠で遥かに長距離を疾走する……」
新畑(この雰囲気、いつもの温厚な部長さんじゃない…)
畑部「奴等は人にして人に非ず…獣に同じ……我々農耕民の永遠にして最悪の宿敵―――」
新畑「……」ゴクッ
畑部「…遊牧民だ」
404 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:01:59 ID:i1tVF/zW
パカラッ、パカラッ!!
?「急げっ!ヤツらに迎撃の準備を与えるなっ!!」
?「おおッ!!」
畑部「野郎共ッ!!戦争だあぁぁ!!体育倉庫からバットと投槍を!!ハードルと跳び箱でバリケードを築けッ!!!」
国「へ?どうしたんだあいつら…?」「何が起こるんだ…?」「戦争って一体…」ザワザワ
畑「ハッ!!急げっ、お前らッ!!時間がないぞ!!!!」ガチャガチャ
国部「ちょ、ちょっと部長さん。コレ何の騒ぎ?」
畑部「我が部は創立以来ずっとヤツらと闘ってきました。ここは我々にまかせておいてください……」
国部「言ってる意味がよくわからないんだけど…」
新畑「そんな…闘ってきたって…遊牧民って一体どんな……」
畑「文明を憎み弱肉強食の世界に身を置いている野蛮人だ…奴等は狼の群れ……手当たり次第に獲物を喰い殺す……」ガチャ
畑「悪魔の子だ…虚弱児を殺し、騎乗出来なくなった老人を草原に置き去りにするんだぞ………」ギシッ
畑「奴らは生まれた時片方の頬の肉を削がれその血で全身を塗りたくられる…足は常の乗馬によって退化していて……」ゴトッ
新畑「ひいぃぃぃ…」ブルブル
男(これってまさか…)
405 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:04:46 ID:bSjSIgd/
支援
406 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:15:18 ID:i1tVF/zW
ヒュンッ
国「ぐわぁっ…!?」ドサッ
畑部「クソっ!!早すぎる…!!」
新畑「きゃあああああああッ!?」
国部「な、なんなんだよ…コレ」
外「ファンタスティック!!」
407 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:21:49 ID:oYYtbYwS
支援!
408 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 16:28:40 ID:i1tVF/zW
―――ザッ
女「よう、虫ケラのように地を這いつくばる憐れな農耕民共…」
男(はぁ…やっぱり……)
畑部「黙れ、獣のように移住を続ける害虫共。さっさと我々の土地から去れッ…!!」
女「我々の土地?フッ、笑わせるな。一生をくだらない土いじりで過ごし、神聖なる大地を汚す家畜以下の連中が何を……」
畑部「貴様らはその家畜以下の連中とやらに依存しなければ生存すらままならん害虫だろうが……!!」
女「フフフ、その通りだ。自らの立場がよぉ〜くわかってるじゃあないか」ニヤッ
畑部「……」
女「そう、貴様らは我々にとって大切な大切な―――」
女「略奪すべきエサ!!資源だッ!!!それ以上でも以下でもないッ!!!!」
畑部「……害虫共があッ!!」
新畑「あっ…ひぃ……」ブルブル
外「タタール!?タータル共ガキタネ!?ママ!!!」ブルブル
ジュウウウゥゥゥ…
男「…腹減ってきたな」
409 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 17:08:06 ID:i1tVF/zW
女「勇敢なる蒼き狼の子等よ!!殺せえぇぇ!!奪いつくし犯しつくせえぇぇぇ!!!!」
遊「ハイヤアアァァァァ!!」
畑部「来るぞ!膝をつき投槍を前列45度、後列水平の角度で構え食糧を中心に円陣を組めッ!!」
畑「おおッ!!」
新畑「ぅぁ……」ヘタッ
畑部「決して円陣を乱すな!!死んでも食糧を守り抜くんだ!!!!新畑は私の後ろについていろ!!」
国「え、何…どうすれば……」ポツーン
ヒュンッ
国「ぐぁッ…!!」
新畑「ぶっ、部長さん……これ…」
畑部「安心しろ、矢じりは丸めてある……死にゃせん、多分」
新畑「たっ、多分って…すごく痛そうに悶えてるんですけど……」
国「うがああああ!!痛ってぇ!!痛ってえぇよぉおおおお!!」ゴロゴロ
畑部「そうなりたくなかったらしっかりと槍先をそろえろ……そうすればあたらん、バリケードもあるしな」
410 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 17:43:32 ID:i1tVF/zW
ヒュンッ、ヒュンッ
国「ぐおおっ!!」
新畑「部長さん!!弓が雨みたいに…!!このままじゃやられっぱなしですよぅ!!」
畑部「落ち着け、円陣を乱すな……乱しさえしなければ奴等が突っ込んでくることはない」
新畑「そ、そうなんですか?」
畑部「ああ、奴等の装備は機動力をフルに生かすため基本的に弓だけの軽装だ…接近戦にはむかない……」
ヒュンッ
新畑「ひぃっ…!」
畑部「奴等の狙いはその機動力を生かし全方位から弓を射って我々の円陣を乱すこと……」
畑部「少しでも円陣を乱したら最後、奴等は突撃をかけ我々をひっかきまわし一人残らず殲滅する」
新畑「殲滅…それって……」ブルブル
畑部「まぁ捕虜になった所で奴隷として交易で売っぱられるんだけどな。我々に出来る事は…」
新畑「でっ、出来る事は…?」ガクブル
畑部「奴等がしびれを切らして円陣に突っ込んでくるか、矢玉を使い果たすまで耐え続けることだ」
新畑「そんな…」
男「肉焦げてるんですけど……」ジュウウゥゥゥ
411 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:27:07 ID:oYYtbYwS
好きだなこういうの
412 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:35:03 ID:i1tVF/zW
パカラッ、パカラッ!!
女「クソっ!さすがは畑部だ!!素人の国交部がいるのにちっとも陣形を乱さん!!」
遊「アタマン!!このままでは弓を射つくしてしまいます!!突撃しましょう…!!」
女「馬鹿者!!それでは畑部の思うつぼだ!我々は機動力が命、今突撃したら最後……!!」
遊「……」
女「軽装備の我々の衝撃力では連中の円陣を突き破れず、一人ずつ引き落とされるだけだ!!」
遊「くッ!!」
女「焦るな!!私に策がある……」
413 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 18:47:57 ID:i1tVF/zW
畑部(ヤツら、見せつけるように我々の目の前で楔型陣形を……)
女&遊「うおおおおおおおお!!!!!」ドドドド…
新畑「うっ、うわわ!!突っ込んできますよ!!」
畑部「落ち着け!隊列を乱しさえしなければ負けることは無い!!」(このタイミングで…何のつもりだ女?)
畑「……」ゴクッ
国「あぅ……」ブルブル
畑部「怯むな!!しっかりと槍を握りしめろッ!!槍先を揃えるんだ……!!!」
新畑「ひぃっ!?ぶつかるぅ!!!」
―――ドガッシャアアアアア
414 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 19:06:27 ID:i1tVF/zW
新畑「ッ!!あれ?以外とたいしたことない……」
畑部「いっただろう…槍を装備しないヤツらの衝撃力はそんなものだ」(にしてもこの感触は…)
女「だめだー退け退けー(棒)」
遊「うわあー」
国「おおっ!!奴等総崩れになったぞ…!!」
国部「よしッ!!追撃だ!!追ええええええ!!!!」
新畑「部長!!わっ、私たちも……!!」
畑部「よせっ!!追うな…!!」ガシッ
新畑「へっ…?だ、だってあの人達算を乱して……」
畑部「貴様等もだッ!!持ち場を離れるんじゃない!!止まれ!!解らんのか…!?これは罠だッ!!!!」
国部「なにをいってるッ!?このまんまじゃやられっぱないしだ!!数は我々のが断然多い!!!続けえええぇ!!!!」
畑部「よせッ!!」(糞っ、国際交流部の連中につられて我々とこの新入部員まで…!!)
男「こまめに裏返して……と」ジュウウウゥゥゥ
415 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 19:23:20 ID:i1tVF/zW
パカラッ、パカラッ!!
女「フフフ、愚かな……」
国部「もう少しで追いつけるぞ!!走れええええ!!」
国「おおー!!」
畑部(奴等明らかに遅く走ってやがる…ギリギリのところで引きずりまわして疲れさせるつもりか……クソッ!!)
新畑「ぶ、部長さん!!見てください、追いつきそうですよ!!」
畑部「…終わりだ」
新畑「え?」
国部「ハァ…ハァ……!!くそっ、あと少しなのに!!」
平和な学校が一転して草原の掟に塗りつぶされたw
このノリは女さんだけじゃないのかww
支援
417 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:33:07 ID:oYYtbYwS
支援
418 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 10:27:59 ID:5/nTsmcF
あげ
419 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:15:52 ID:lNJ0FxU1
ヒュン
国「ぐあっ!?」ゴロゴロ
国部(なッ!?や、ヤツら走りながら背中をそって後ろ向きに正確に弓を!?)
ヒュン、ヒュン
国「ぶっ、部長!!これ以上走れ……ぐわあッ!!!!」ドサッ
国部「畜生ッ!ヤツらはもうあらかた散らばった!!と、とりあえず円陣まで引き返すぞ!!!」
国「はあ、はあッ!くそッ…!!疲れて足が……」
パカラッ、パカラッ
遊「へへへへへ…」
国部「なっ…!?そんな……ヤツら算を乱してちりじりに逃げて行ったはずじゃあ……」
国「ぶっ、部長!!完全に囲まれました!!」
国部(やはり罠だったのか!?)
国「――うっ、討たないでくれ!!降伏する!!」ガシャ
支援サンクス!!
420 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:21:30 ID:lNJ0FxU1
女「フフフ、残念ながら今の我々には捕虜を養うほどの余裕はないもんでな……」ニヤッ
遊「へへへへへ……」
国部(まっ、まさかこいつら…そんな……ッ!?)
国「たっ、助け…」ブルブル
女「いいか…勇敢なる蒼き狼の子等よ――」チャッ
女「ゆっくりだ、ゆっくりと矢玉を節約して射倒していけ、向こうにいる連中をうまく誘いだせ……」キリキリ
遊「へへへへ……」キリキリ
国部(そんなっ…こんなところで……!!)
国「ひいいいいいぃぃぃぃぃ!!」
国「ぎゃあああああああああ!!」「ひいいぃぃぃ!!」「うわぁああああ!!」
421 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:28:48 ID:lNJ0FxU1
新畑「そんなっ!?相手はもう降参してるのに!!むっ、むごいよ…!!むご過ぎる……」
畑部「耐えろッ!!今でていけば我々もあいつらの二の舞だぞ」
新畑「ぶっ、部長さん…」
畑部「こ、これがヤツらの…やり方なんだ……」ギリッ…
新畑(部長さんも…辛いんだ…)
畑部(どうする?この人数、円陣の厚さじゃ奴等の突撃にすら耐えられん……)
畑部(いっそ降伏…いや危険すぎる……食糧を差し出したところで……奴等は…)
新畑(神様…お願い…私達を助けて……)
男「あ、野菜焦げちゃう」ジュウゥゥゥ
422 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 14:37:56 ID:lNJ0FxU1
新部「ぶっ、部長さん!!あの人達こっちにきますよぅ……」ブルブル
畑部「どうやら…むこうは終わったようだな……」
国&国部「……」「…うぅ」「痛ぇ…痛ぇよぉ…」
新畑「やっ、やだぁ…ひぐっ……」グスッ
女「フフフ、そのザマじゃこの戦い…どうやら我々の勝ちのようだな……」
畑部「……我々の負けだ、食糧をくれてやるから」
女「くれてやる、だと?」
畑部「………」
女「貴様自分のおかれている境遇がわかっているのかッ!?」
新畑「うぁっ…!!えぐっ…うぅぅ……」ポロポロ
女「勇敢なる蒼き狼の子等よ―――全力射撃。全てだ、全て奪いつくせ。ヤツらの命さえも」
遊「……」キリキリ
畑部(――ここまで、か)
新畑「ふえぇ…まっ、まだ…死にたく…ないよぅ…お母さん……」ポロポロ
423 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:46:03 ID:SI3txjea
遊牧民ってスゴイ、改めてそう思った。
424 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:38:00 ID:5/nTsmcF
遊牧民と農耕民は不仲なのか
なんで暴力的な女ばっかりなんだw
426 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:20:30 ID:lNJ0FxU1
男「ちょっと待ってよ!!」
女「ッ!?」
男「今までバーベキューに夢中で気付かなかったけど、女さん!!こんなの酷いよ、人のものとるなんて!!!」
女「なっ…!?お、男!?何故こんな所に!!どけっ!!そこをどくんだッ!!!」
遊(遅せぇよ……)
畑(遅せぇだろ…)
外(ナニコノ人!?オソスギルネ!!)
>>424近代に入る前までは遊牧民と農耕民は歴史的に常に対立する関係でした
>>425改めて見るとたしかに酷いwwww
427 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:28:43 ID:lNJ0FxU1
女「フフフ『酷いよ』か…なるほど優しいな、優しい」
男「分けて欲しいならちゃんと頼みなよ!!」
女「実にお前らしい台詞だ…だがな……」
女「考えてもみろ男、どっちが酷い?」
男「えっ?」
女「我々がすき好んで不毛の地で死と隣り合わせに暮らしていると思うか……?」
男「い、いや…」
女「この地上に豊かな土地なんてのはほんの僅かしかない……いいたいこと…わかるな?」
男「……」
女「その上、その上にだ……」
女「身の程知らずの虫ケラ共は豊かな土地を占有するだけでは飽き足らず無謀にも自然に挑み、汚し、破壊し……」
女「残された我々の神聖な大地まで侵している」ギリッ…
男「……」
女「草原はどんどん消えていってるんだ…だから男……私は前にお前にいったよな?」
女「『我々は戦いを躊躇わない』と、農耕民共と違ってただただ生きるために――」
男「女さん…」
428 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:30:11 ID:lNJ0FxU1
>>423今では追いやられてますが昔は農耕民の常識では計ることのできない
異質な社会で圧倒的な戦力を持っていました
429 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:08:24 ID:lNJ0FxU1
畑部「うッ、うるさい!!野蛮人共めが…!!!」
女「野蛮人?どっちがだ?生きるために戦う我々か、富のために戦う貴様等か?」
畑部「だから貴様等は獣となんら変わらんのだ!!」
女「……ではなんだ?貴様等農耕民のいう人間らしさとやらは?」
畑部「そっ、それは……」
女「先の部長のように自ら戦うこともできんくせに権力の上にあぐらをかく、例え無能でも生まれや金だけで人の上に立てる事か?」
畑部「ッ…」
女「人の上に立つ者が馬にも乗れず弓すら射れない、自ら汗を流すことなく他人の生産の上になりたっている階級の存在……」
女「確かにどれも我々の世界では考えられないこ――」
畑部「だッ、だまれ戦争屋…ッ!!貴様等、獣風情と同じ物差しで我々を計るなッ!!!」
女「そうか、ならば――」チャッ
畑部「……」ハァハァ
女「――獣は獣らしく目の前のエサをただ平らげる事だけに専念するとしよう」キリキリ
430 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:52:41 ID:5/nTsmcF
ほうほう遊牧民とかのこともわかって面白いのう(´・ω・`)
つか老人とかは切り捨てるとかって本当にあったの?
431 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:17:22 ID:lNJ0FxU1
男「ま、待ってってば!!」
女「なんだ男?まだどちらが正しいのかがわからないのか!?」
男「わからない、わからないけどっ……!!人を傷つけるのだけはやめてくれ!!!」
女「何故だ…我々に飢え死にしろというのか?」
男「ちっ、違う!!もう勝ったも同然だろ!?食糧はほら!!全部あげるからさ!!ほら部長さんもそうって!!!」
畑部「……無駄だ男君。ヤツ等は我々とは相容れない存在、お互いがお互いを死ぬほど憎んでいる。たとえ全てを差し出したところで――」
女「その通り…虫ケラの割には物分かりが良い……」
男「仲良くは…生きられないのか…?」
女「ああ『生きられない』…仲良く等していたらな。実りの無い大地に暮らす我々にとって交易は欠かせない」
男「交易…?ならこんな事する必要なんて……」
432 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:23:40 ID:lNJ0FxU1
>>430今でも僻地に住んでいる人々とかにもたまに見られますが、生産力の低い土地に
住んでいる場合人口調節は当然の様に行われる場合があります。
赤ん坊を殺したり老人を追放したり。
女の子なら殺して男の子なら育てる。こうして強力な集団を作り戦争を
仕掛け女は他所からとってくる。こんな世界もあったのです
433 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:36:39 ID:5/nTsmcF
>>432 サンクス!そんな世界が・・・・
引き続き支援
434 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:37:57 ID:lNJ0FxU1
女「前にも言っただろう『我々自身が提供できるのは毛皮に毛織物、乳製品くらいだ』と…」
男「……」
女「これだけじゃあ交換価値だって高くない上すぐに需要過多になる…そこで何が必要になるか……」
男「だ、だから…」
女「ああ、農耕地帯を略奪し虫ケラ共を奴隷として売り飛ばす…この『作業』を外して我々の『交易』は成立しない……」
畑部「わかっただろ男君…こういう奴等なんだ……我々とは違う世界の住人……」
男「……」
畑部「奴等にとっては戦争も交易も大して変わらない…どちらも血を見ずにはすまないんだ……」
女「そうだとも。もっとも交易だけじゃない、我々にとってソレは生きるという事全てに伴う…男、野蛮だと思うか?」
男「……」
女「…好きでこうしてると思うか?」
男「どうしようも…ないのか……?」
女「我々が死滅する以外はな…」
想像以上に厳しい社会だな…
436 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:02:24 ID:lNJ0FxU1
畑部「フッ…貴様こそ獣のくせにモノ分かりがいいな……」
男「……」
畑部「我々は貴様等いないても生きられる…だが貴様等は違う……」
女「殺しを楽しむ趣味など私には無い…減らず口を叩くな……」
畑部「ハッ、よくいう。では貴様の後ろにいる手下共はなんだ?」
女「……」
畑部「貴様等にとって指導者の一番の資質……殺しが、戦争が上手いからだろ戦争屋?」
女「…男」
男「え…」
女「戦うという事において人間と獣の一番の違いはわかるか?」
男「……」
女「それはな、一つの未来を予見できること……」
女「逃げた敵は傷を癒し…必ず再び牙を剥く……」
畑部「……」
女「そして我々はその事を知っている…身をもって…嫌という程にな……」
皆殺し宣言…!?
438 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:34:36 ID:lNJ0FxU1
女「人間なぞ獣と大して変わらん…富が…余分なモンが…ソレを分かりにくくしてるだけだ……」
男「……」
女「だがな、この違いは大きい…この違いがあるから…人は人を徹底的に殺す」
女「どうした、野蛮だとは言わないのか?フフ、そうだろう…貴様等にも身に覚えがあるハズだからな」
畑部「……」
女「我々の生き方は飾りが少ないだけ、これこそが人間の本質だ……貴様等が野蛮というモノ…それは貴様等の間でオブラートに包まれているにしか過ぎない…」
男「……」
女「勘違いしてるんだ、貴様等は。人間らしさ?そんなモノは幻想で……」
女「生きるために生きる我々こそが…くだらん事に目を曇らせずに、人間というモノを直視することが出来る」
畑部「……」
女「そして…」チャッ
女「つまらん感傷に悩まされる事も無く……」キリキリ
439 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:37:54 ID:lNJ0FxU1
やばいwwwwこれじゃホント女の子出しただけだな……
すまん、そう言われて書き足したもののやっぱそういうストーリー性は
これからもないです…
440 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:01:20 ID:5/nTsmcF
いいんでない?帰還兵の頃から歴史とか文化に触れた面でもすごく楽しませてもらってる
まぁできればハッピーエンドがいいけど
441 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:25:14 ID:lNJ0FxU1
>>440 サンクス…今回殆ど歴史しかないがwwww
書き足しがちょいちょいあるんで時間がかかります…勘弁ね
442 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:35:31 ID:2UlclT+m
しかしすげぇな
ベトナムとか遊牧民とか・・・普通思いつかんぞww
443 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 00:16:12 ID:tieav3mF
うい
444 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 15:25:26 ID:ALG4d1uP
―――バッ
女「なっ…」
男「頼む…」
女「何故だ、何故そこまでする!!私はお前を殺すつもりは―――」
男「理屈じゃないんだッ!!」
女「ッ…」ビクッ
男「人間がどうとかは俺にはよくわからない…何が正しいのかさえも……」
女「……」
男「でも…ここで女さんを止めなかったら俺は…」
女「……」
男「俺じゃなくなる…そんな気がするんだ」
畑部「男君…」
女「訳の分からん事を…どうなろうとお前はお前だ……」
男「いいや…違う…」
442>>新ジャンルあらかたある感じなんでこういう方向性ならとwww
445 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 15:58:34 ID:ALG4d1uP
女「何が違うのだ!!喰って寝る!!それだけでお前はお前でいられる!!生きてさえいれば!!」
男「違う!!俺達にとって『生きる』って事はそんなモノだけで成り立ってはいない!!そして…」
男「それは女さん達だって同じハズだ!!」
女「っ…」
男「あるだろ…譲れないモノが…無くしたくないものが…!!例え生きていようとソレを失ったら…」
女「……」
男「死んだも同然だ!!」
女「ぐ…」
男「だからこうして俺はまだ射られずに立ってる……女さんにもソレがあるから…」
男「女さんの言うとおりなら俺の事など構わずにとっとと皆殺しにしたらいいハズだ……その弦を引き離すだけでいい…簡単だ」
女「……」
446 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 01:17:25 ID:aY4zO6CG
∧∧,..,、、.,、,、、..,_ ∧∧,..,、、.,、,、、..,_ ∧∧,..,、、.,、,、、..,_ /i,.
;'゚Д゚、、:、.:、:, :,.: ::;'゚Д゚、、:、.:、:, :,.: ::;'゚Д゚、、:、.:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i.
'、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;.'、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;'、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄  ̄
`"∪∪''`゙ ∪∪´´`"∪∪''`゙ ∪∪´´`"∪∪''`゙ ∪∪´´
♪エッビマヨマヨエビマヨー エッビマヨマヨエビマヨー エッビマヨマヨエビマヨー
447 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 10:29:11 ID:muMWW+Hy
ざわ・・・ざわ・・・
448 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 17:02:07 ID:yCwP0dYo
畑部(おかしい…)
女「これ以上の問答は無用…どかねば射る…」
男「俺はどかないよ」
畑部(何故有無を言わさず殺さん……)
女「本当だ…殺す…殺すんだぞ……」
男「俺は信じてる。女さんは射れない」
畑部(武器を持っていようがいまいが…貴様等には関係無い筈……)
女「頼む…どいてくれ…頼む……」
男「……」
畑部(生きるためにのみ走り続ける……貴様等に信念や…信条等必要無い……)
女「何故立ちふさがる…このままでは私はお前を殺さなくてはいけない…アタマンとして……」ブルブル
男「殺すつもりは…ないんだろ…?」
畑部(一体…何故……何が貴様を…躊躇わせる……)
女「私はッ…!!私は…アタマンだぞ……!!」
男「……」
女「立ちふさがる者に…容赦など…しては…うぅ……」
男「その前に女さんは女さんだ!!」
女「ッ…」
男「自分のを殺してまで…殉ずるべきモノなんて存在しない……」
449 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 17:34:51 ID:yCwP0dYo
女「誤解だ男…私はお前が思っているようなヤツではない……」
男「……」
女「鼻で笑っている……良心だとか道徳だとかそういった高潔でお上品な概念…全部糞くらえだ…」
畑部「……」
女「己の獣性から無理やり目を背けさせているだけの惨めな欺瞞……馬のエサにすらならん…だから」
男「……」
女「だから私には…そんなモノなど……」
男「じゃあなんで…」
女「……」
男「…なんで射れないんだよ?」
畑部「……」
男「そんな事言ってるだけで本当は……」
女「……」グスッ
男「えっ…」
450 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 18:12:51 ID:yCwP0dYo
女「どうして……」グスッ
男「……」
女「どうして解って…えぐっ…くれんのだ……」ポロポロ
男「なっ…」
転(あの女が…涙を……)
女「こんな奴等…うえっ・・・幾ら死んだって……虫ケラが死んだのと変わらん……」ポロポロ
遊「ア、アタマン?」「こんな…」「あのアタマンが…」ザワザワ
男「女…さん……」
女「関係ないのだ…そんなモノ……降伏してようが…無抵抗だろうが知ったことか…うぅ…」ポロポロ
転(そうか…)
女「私が…弓を向けたくないのは…ひっく…傷つけたくないのはこの世に一人……たった一人だけ…」ポロポロ
男「そ、それって……」
転(コイツも…男の事が……)
女「なのに…どうしてっ……うぇっ」ポロポロ
女「うえええぇぇぇん……」ポロポロ
451 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 18:14:04 ID:yCwP0dYo
誰かいるかお?
見てるよ
453 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:16:31 ID:yCwP0dYo
ありがとう…ごめん
>>450転=畑部ねwwwwこんがらがっちった
誰も見てなんかいないんだからねっ
455 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:37:35 ID:yCwP0dYo
女「ふぇっ…ひっく……」
男「これ…」サッ
女「いっ、いい!!泣いてなど…ひぐっ…いないっ……」
男「……」
女「……」グスッ
男「なぁ…取引しないか…?」
女「ぇ…?」
畑部「ッ…」
男「畑部さん達を見逃してくれる代わりにさ、食糧を俺からも提供する。もちろん畑部さん達のに加えてね」
女「な…!?ななな何を……」
畑部「やめてくれ…これ以上男君に迷惑は……」
男「いいんだよ。コレは俺がしたいからやってる…それにうちの冷蔵庫には食べきれない食材が一杯ある」
畑部「……」
女「いっ、いや…しかし…」ゴシゴシ
男「ここで皆殺しにするより『アタマンとして』懸命な判断だと思うよ」
女「うぐ…」
畑部(男君…なんて人なんだ君は……君は…)
男「ね?だから…」
女「むうぅ…」
畑部(私達を助けるだけじゃなく…自分の身を削ってまで……)
男「なんなら食糧以外でも上げるからさ…服とか…色々…」
女「くううぅぅ…」
畑部(女に逃げ道を…用意してやってるのか……)
456 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:39:50 ID:yCwP0dYo
女「ふぇっ…ひっく……」
男「これ…」サッ
女「いっ、いい!!泣いてなど…ひぐっ…いないっ……」
男「……」
女「……」グスッ
男「なぁ…取引しないか…?」
女「ぇ…?」
畑部「ッ…」
男「畑部さん達を見逃してくれる代わりにさ、食糧を俺からも提供する。もちろん畑部さん達のに加えてね」
女「な…!?ななな何を……」
畑部「やめてくれ…これ以上男君に迷惑は……」
男「いいんだよ。コレは俺がしたいからやってる…それにうちの冷蔵庫には食べきれない食材が一杯ある」
畑部「……」
女「いっ、いや…しかし…」ゴシゴシ
男「ここで皆殺しにするより『アタマンとして』懸命な判断だと思うよ」
女「うぐ…」
畑部(男君…なんて人なんだ君は……君は…)
男「ね?だから…」
女「むうぅ…」
畑部(私達を助けるだけじゃなく…自分の身を削ってまで……)
男「なんなら食糧以外でも上げるからさ…服とか…色々…」
女「くううぅぅ…」
畑部(女に逃げ道を…用意してやってるのか……)
457 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:41:25 ID:yCwP0dYo
すまんミスった
458 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 19:53:30 ID:muMWW+Hy
頑張れ支援
459 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 20:22:20 ID:yCwP0dYo
遊「な、なにを考えているのですかアタマン!?取引等しなくても力づくで奪えば……!!」
女「……」
男「……」
遊「アタマン…!!」
女「…いい」ボソッ
畑部「……」
遊「え?つ、つまり……」
女「もういいといってるんだ!!矢玉が勿体ない!!命だけは助けてやる!!」
遊「ッ!?そっ、そんな――」
女「諦めろ、命令だ。二度は言わんぞ」チャッ
遊「クッ…!!」
畑部「……」
男「あっ、ありがとう!!ありがとう女さん!!」
畑「お、俺達助かったのか!?」「やっ、やったァ…」「ハハハ……」ザワザワ
女「何故礼を言う?これはただの取引。お互いの利益を追求した結果、それだけだ」
畑部(嘘だ…貴様はこんな取引に応じるような人間じゃない……絶対的優位が己の手中にあるのに……)
男「やっぱり女さんって…なんだかんだいって優しいよね…」
女「ばっ、馬鹿者…!!だからこれは取引だと言ったろう…そ、それにコイツ等から恒久的に搾り取るのも悪くはないしな…」
畑部(自分の逃げ道を用意してくれた…男の好意が……かわせなかっただけだ……)
男「……」ニコニコ
女「クウゥ……///」
畑部(お前は…ここでも……私の敵になるのか…)
女「もっ、もういい!!貴様等、食糧を持って引き上げるぞ!!用はすんだ!!」
460 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 20:44:24 ID:yCwP0dYo
畑部「男君ありがとうございます。おかげで助かりました」ペコッ
男「ハハ…いやいや……」(すっかりいつもの畑部さんに……)
国「あ〜疲れた……」「痛っ…誰か俺のメガネ知らない…?」「コレ洗濯しなきゃな……」ムクッ
男(ん?そういえば別にコレ当たったところで少し痛いだけじゃ……)
新畑「こっ、怖かったですぅ…」
畑部「すぐに慣れますよ」ニコニコ
男「……」
畑部「とりあえず射られちゃった人は保健室にいって、適当に絆創膏でもはっといくださいねー」
国部「はぁ〜あざになっちゃったよ…ったく」
男(なんか…)
外「ヒイイイ、タタール怖カッタ!怖カッタネ!!」ガクブル
畑部「いや〜やっぱり痛いのは嫌ですもんね!!」
男(ムカついてきたな…)
男友「あいつら学校のグラウンドで何やってんだよ」
wwww
462 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 00:17:46 ID:pD1Qbk4m
支援だぜ!男どうする気だWWWWWW
463 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 01:41:16 ID:7O4PgG7X
ワロタwwwほんとに何やってんだよwwwww
>>1の作品で初めてのライバル登場にwktk
支援支援
464 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 05:25:57 ID:2+xC5Woe
男「はい、女さん。約束の食糧」ドサッ
女「おお、今日もすまんな……」
男「取引、でしょ?」
女「ぐ…そ、そうだだったな」
男「ホラ、袋開けて見てよ」
女「おぉ…これは…」パアァ
男「ごめんな、殆ど豚肉と鶏肉ばっかりで肉なんて毎日食ってるだろうに……」
女「いっ、いや…そうじゃなくてこんな高級品を……」
男「へ?高級…かな?」
女「豚や鳥なんて放牧生活じゃ使わない家畜だからめったに食えんのだ」
男「あ、そうなの…」
465 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 05:37:44 ID:2+xC5Woe
女「ッ!!こっちには服まで……」
男「女さんに似合うかなって…姉のお古だけど……」
女「あぅ…これなんて可愛いなぁ…」キラキラ
男「そ、そう」(やっぱ…)
女「フフ♪どうだ男、似合うか?」ピトッ
男「似合うけど…それ後ろ前反対……」(なんだかんだいっても女の子だよなぁ、フフ…)
女「ほぉ、中々複雑な構造をしてるものだな。おっ、これもヒラヒラして可愛…」ピタッ
男「ん?どうかした?」
女「すっ、すまん…」
男「だから礼は…」
女「いやそうじゃなくて…スカートは…その……」ボソボソ
男「え?」
女「馬に乗る時…しっ、下着が……///」カアァァ
男「あっ…ご、ごめん…そういえば毎日ズボンだね……」(つか同じ服か……)
女「うむ。元はといえばズボンは我々遊牧民の発明だからな……」
男「へぇ…そうなんだ」
女「でもせっかく男がくれたんだ…このスカートは大事にとって置くぞ……///」
男「え?交易に出さないの?取引なんだし…」
女「うっ…い、いいのだ!!これはスベスベして気持ちいいから毛布代わりになるしな!!」
転「……」ギリッ
466 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 09:57:36 ID:HpYhtlXD
転校生さん何してはるんですか
467 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 11:30:31 ID:pD1Qbk4m
468 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 13:39:55 ID:2+xC5Woe
畑部「あのー…男君?」
男「ん?」
畑部「お弁当つくってきたんです。一緒に食べましょう」
男「えっ、また?毎日ホント悪いね…ありがとう……」
畑部「いいんですよ。男君が食糧を差し出してくれたお陰で命拾いしたんですから。これくらい当然です」
男「命拾い…ねぇ」(ちょっと痛い目に合わずに済んだだけだろが…)
畑部「ん?何かおかしな事言いましたか?」ニコッ
男「いや…」(とはいっても…遠慮してるのか、消費量が少ないのか…あるいはその両方なのか……)
畑部「フフ、おかしな男君♪」
男「ハハ…///」(まったく食糧の要求量が負担にならない程度なんだけど……しかも)
畑部「じゃあ食堂にいきましょうよ」
男「ん、そうだね」(おかげでこんな可愛い子が俺に弁当作ってきてくれるし…世の中何が福に転じるやら……)
女(糞ッ、畑部のヤツ…あれ以来やたらとお礼にかこつけて男に付き纏いおって…まさかヤツも男の事……)イライラ
469 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 13:41:33 ID:2+xC5Woe
>>466ごめん転=畑部でwwww
>>467現行の終わり所を見失った無駄に長い新ジャンルジェントルマンの
転校生さんとごっちゃになってwwwww
470 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/12(金) 14:30:18 ID:2+xC5Woe
女「よう糞虫!!相変わらずカサカサと目障りだな!!」
畑部「おはようございます、害虫さん。相変わらず視聴覚両方に強烈に訴えてくる気持ち悪さですね」
女「まぁ、確かに地に這いつくばってる様な糞虫とは存在感が違うという事だけは認めてやろう!!」
畑部「またいつにもまして無駄に元気ですね…鬱陶しい……」
女「フフ、いいことがあったからな!!知りたいか!?男から服のプレゼン――」
畑部「その分のエネルギーがお胸にいけばいいんですけど…」ボソッ
女「なッ…!?こ、これは馬上で弓を射やすくするためわざと押さえてあるのだ!!このデブがっ!!!」
畑部「害虫さん、デブの意味わかってます?いくらご自分の胸が貧相で悔しいからって人間様をデブよばわりですか?」
女「んだとコラ?貴様んトコの糞畑にボロ小屋、全部焼き払ってやろうか……あぁ?」ゴゴゴゴ
畑部「あらぁ〜?なんならこっちも害虫さん達のボロテント全部焼き払ってすっきりさせて差し上げてもいいんですよ?」ゴゴゴゴ
ク「おい…どうしたんだ?あの2人…」「っていうか畑部さんキャラが……」「あの温和な畑部さんはどこに…」ザワザワ
男(前は教室で喧嘩する事無かったのに……何故だか前にもまして仲悪くなってんな……)
ようやく見れた…
遊牧民こわいおww
473 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 21:05:21 ID:GUTrb3S8
>>1はRuinaのキレハ絶対好きだな
と言ってわかる人がいたら全俺が泣く
474 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 00:34:34 ID:e0NB0vSM
>>469 ちょっやっぱりか!ジェントルマンの方も楽しく読んでるぜ!
頑張れよ支援!
475 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/14(日) 23:35:07 ID:0RhdOzHh
>>473 ごめん、知らなかったおwwwwぐぐったら興味でてきた
>>474 サンクス!!ただ忙しいのとジェントルマンそろそろいい加減
終わらせたいのでちと遅くなるかもです…すまん
476 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 07:04:31 ID:o5H1U1k8
おけ!待ってるぜ支援
477 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 23:19:42 ID:o5H1U1k8
定期アゲッ
478 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 01:16:03 ID:GWovmPWD
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
479 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 02:35:54 ID:JLhBXqDN
>>475 ちょwwググってくれたのかwww
マイナーすぎてごめんねw(^o^)
支援じゃあぁぁ
480 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/16(火) 22:28:09 ID:WnrgUaKR
定時アゲッ
481 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 16:08:45 ID:fiDgkQE9
女「おーい!!男おぉぉぉぉぉぉ!!」ドドドドド
男「女さん…さすがに校舎内はマズイって…また謹慎にな」
女「そ、それより何か気付いた事…ないか?」クルッ
男「え?」
女「だっ、だから!!その…着てるモノ…とか……」ボソボソ
男「あー俺が上げた服着てきてくれたんだね」(何かすごいゴワゴワしてる気が…)
女「う、うむ!!軽くて着心地がいいからな!!」チラッ
畑部「クッ…」ギリッ
女「ふふ♪」
男「女さんソレ…」
女「似合ってるか男?」
男「今度は裏表反対…」
女「何…そうなのか。難しいモノだな…」ヌギヌギ
男「ちょっと!?何こんな所で脱いで…!!」
女「む、何かマズいのか?」
男「いえ…」(皮の鎧がびっしり…通りで……)
女「どうだ!!これでバッチリか!?」
男「うん…バッチリ……」(薄手の上着なのに…)
482 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 16:10:31 ID:fiDgkQE9
キレハ可愛いおwwwwwごめんただでさえアレなのに…
余計に遅くなりそうで… 一応新ジャンルだから思いついたらよろしゅう
483 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 16:35:13 ID:fiDgkQE9
男「でもそんな鎧なんて…まさかまた戦争する気じゃ…」
女「用心だ、用心。いつ何があってもいいようにな」
男「……」
女「それに男には戦争なんて言ったが我々の世界のソレは別段特別な事じゃない…コレは必要最低限の装備だぞ」
男「相変わらず大変そうだね…」
女「そっ、そんな事は無い!!お前のおかげで最近はまったく食い物には困らんのだからな…!!」
男「ならいいけど…困った時は俺にも相談してくれよ、な?」
女「…っ」ジーン
男「ん?女さん…?」
女「うっ…ありがとぅ…男ぉ……」グスッ
男「ハハ…」(最近分かったけど意外と女さんって泣き虫だな…)
484 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 16:52:27 ID:fiDgkQE9
畑部「男君!!」
男「あ、畑部さん」
女「チッ…」
畑部「今日はお菓子も作ってきました!!一緒に食べましょう♪」
女「!!」
男「そっ、そんな…そこまでして貰ったら…たいした事してないのに……」
畑部「いいんです!!」キッパリ
男「でも…やっぱり悪い気が……」
畑部「…いけないんですか?」ボソッ
男「へ?」
畑部「……お礼じゃなきゃ…私が男君に作ってあげたいってだけじゃ…いけないんですか?」
男「え…」ドキッ
女「なっ…」(コイツ…やっぱり……!!)
畑部「そ、それに大した事ですよアレは!!血も涙もない害虫さんを止めてくれたんですから、ねー?」チラッ
女「貴様ァ…」チャッ
畑部「あら?何か?」スラッ
485 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 17:55:09 ID:fiDgkQE9
男(畑部さんまで背中から短槍を……)
女「フフ、どうした?腰がひけているぞ?」
畑部「そうですか?害虫さんこそ胸がへこんでますよ」
女「ッ!!きっ貴様あぁぁぁぁ!!」ダダダダ
畑部「ッ…!!」
男「まっ、まあまあまあまあ!!」ガシッ
女「そこをどけ!!男ッ!!コイツは馬にくくり付けて引き摺りまわした上で殺すッ…!!」ジタバタ
畑部「あれぇ?そんなに怒っちゃって…よっぽど『胸』の事言われるの嫌みたいですね♪」
女「うがああああぁぁぁ!!!」ジタバタ
男「畑部さん!!これ以上刺激しないでッ…!!」ガシィィ
女「殺す!!殺す!!殺す!!全身の穴という穴から熱した金を流しこんで殺してやるッ!!」
畑部「まぁ確かに害虫さんには同情しますよ……私がもしそんな胸だったらと思うともうとっくに生きては―――」
男「2人共いい加減にしろッ!!」
畑部「うっ…」
女「ひッ…!!」ビクッ
男「これじゃあ…俺がこの前止めた意味ないじゃんかよ……」
畑部「…ごめんなさい」
女「だってコイツが…!!」
男「女さん!!」
女「す、すまん…」グスッ
486 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 18:03:44 ID:fiDgkQE9
畑部「……」
女「……」グスッ
男「色々あるのは分かるけど…とりあえず戦いは終わったんだから仲良くしてみない?」
女「男…前にもいったハズだぞ…」
畑部「仲良くする必要なんてありません」
男「だからさ…俺が今回みたいに助けられるとしたら……仲良くだって出来ない事無いだろ?」
女「ふん…」
畑部「無理です」
男「まぁそう言わずに…あっ、そうだ!!せっかく畑部さんがお菓子持ってきてくれたんだし…女も一緒に……」
畑部「…何ですかソレ、私は男君に持ってきたんですよ」ムスッ
女「こんなヤツの作ったモノ等こっちから願い下げだ…それに私は昼に食事なぞ……」
男「な、なら俺もポテチとか持ってるし…そんなに食べなくてもいいから……一回くらい仲良く話してみるというか……」
畑部「……」
女「むぅ…」
男「ね?一緒に楽しく食べながら話したらきっと……」
畑部「男君がそこまで言うなら…」
女「仕方…無いな…一回だけだぞ」(コイツの男に対する気持ちも…知りたいしな……)
487 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 18:36:10 ID:xUO7qLBR
紫煙
488 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 19:07:47 ID:fiDgkQE9
畑部「じゃじゃーん!!」パカッ
男「おぉ…すごいおいしそう…」
畑部「えへへ…」
女「う…」(私のご馳走には…一度だっておいしそうなんて言わなかったくせに……)
畑部「たっぷり食べてくださいね!!」
男「じゃお言葉に甘えて…」ボリボリ
女「ふん…男のお菓子のが全然おいしそうだぞ……」
男「―――ッ!!おいしいっ!すんごいおいしいよ!!」
畑部「クッキーは得意なんです♪」
男「女さんも食べてみな!!すごいから!!」
女「私はいい…そんな虫ケラが作ったモノ等……」プイッ
男「またそういう事を…でもホントにおいしいよ」
畑部「こんな頑固な害虫ほっときましょう。どうせ味だって解らないんですから」
男「だから畑部さんも…」
489 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 19:33:34 ID:fiDgkQE9
女「大体こんな栄養価の無さそうなモノ……」ブツブツ
畑部「ホラ、遠慮せずにもっと食べてくださいね」
男「う、うん…」
畑部「あっ、そうだ。あーん♪」
男「あーん」
―――パクッ
男「…ってええッ!?」
畑部「どうかしたんですか?」
男「いっ…いあ急でふぃっくりしたといふか……」ボリボリ
女「き、貴様ァ!!今のは怪しげな動きは何だ!!」
畑部「何ってあーんですよ、親しい男女がやる食べ物の食べ方です」
男(いきなりで考える暇さえ無かったけど……)ボリボリ
女「なっ、何だと…!?図々しい事をするな!!貴様は男と親しく等ないだろうが!!」
畑部「害虫はこんな事言ってますけど、どうですか男君?私達親しいですよね」
男(いま俺…畑部さんに……)ドキドキ
女「どうなんだ男!?こんなヤツ親しい訳無いよな!?」
男「ん…えっ…?な、何が?」
畑部「フフ、私にあーんされてボーっとしてましたね」
女「おとこぉ…」グスッ
男「え?ヘ…?」
490 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:16:09 ID:JXO4NCjm
支援
491 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 22:11:48 ID:f0pFbFdQ
女「……」グスッ
転「フフフ」
男「なっ…何かよくわかんないけど……」
男「とりあえず女さんもポテチだけじゃなく一個食べてみたら?せっかく一緒におやつしてるのに……」
女「……」
男「こんなおいしいモノが作れるならって…多分嫌ってても見直すと思うよ…?」
女「じ、じゃあ…」
男「うんうん」
女「男があーんってして…食べさせてくれ……///」
男「え…」
転「ッ!?なっ、何馬鹿な事言ってるんですか!!男君困ってるでしょ!!」
女「何…そっ、そうなのか…?」
男「いや、ハハ…」
女「私と男は親しくは…ないの……か?」
転「ホラ、見なさい。聞かなくてもわかるでしょう?嫌がってるんですよ」
男「別にそういう訳じゃ……」
女「そっ…そんなぁ……」グスッ
転「解ったら無茶な事いって優しい男君を――」
男「あ、あーん…」
女「!!」
492 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 22:25:22 ID:f0pFbFdQ
ごめんまたやった 転=畑部ですよ
493 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 22:35:49 ID:KAmIzfdD
もう気づかなくなったわ
494 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 22:44:30 ID:f0pFbFdQ
男(自分がやるのも…ドキドキするもんだな……)ドキドキ
女「……///」ボリボリ
畑部「くッ…」
女「やっ…やっはりわはひと男は…しひゃしいんだよな……?」ボリボリ
男「う、うん…」(何言ってるんだろう…)
女「聞いたか?残念だったな…フフ……///」
畑部「……」
男「味どうだった?俺はおいしかったと思うけど……」
女「む…」(そういえば確かに…)
畑部「…味が分かればの話ですけどね」ムスッ
女「……」
男(この反応は…絶対内心おいしいと思ってる……後は素直に……)
女「たしかに…まぁまぁうまい…」
男「うっ、うん!!うまいよね!!畑部さん!!女さんもうまいって…」(おお…!!)
畑部「まぁまぁがちょっと引っ掛かるんですが……」
男「で、でもうまいっていってるよ」
畑部「そう…ですね……意外と味…わかるみたいですね……」
男(これは…結構いい感じに……)
女「私が作った料理のが上だがな」
畑部「はぁ!?」
男(あぁ…やっちゃった……)
495 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 23:46:05 ID:f0pFbFdQ
男(何で…わざわざそういう事を……せめて同じくらいとか……)
畑部「今…信じられない言葉が聞こえちゃった気がするんですが……気のせいですよね?」
女「貴様は耳が聴こえんのか?まぁ無理もないか…虫ケラだもんな……」
男(それにどう考えたって……)
畑部「へ、へぇ〜…食べられればなんでもいいような害虫さんが……私より料理が上手い……」プルプル
女「見てくれだけの貴様等の料理よりはな…うまいといってやっただけ感謝して欲しいくらいだ」
男(見てくれだけじゃなく味でも負けてるだろ…バリエーションが少なくならざるえないのは分かるけど……)
畑部「いっ、一度だけ…一度だけ撤回のチャンスを差し上げます…」
男(うぅ…この流れは………)
女「はて?何か撤回するような事があったかな」
畑部「……」
女「……」
畑部「なるほど…よくわかりました…」サッ
女「あぁ……」チャッ
男(まっ…また武器を……)
畑部「よっぽど…土の肥やしになりたいんですね……」ゴゴゴゴゴ
女「よほど…明日の朝日を拝みたくないとみえるな……」ゴゴゴゴゴ
496 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 00:11:23 ID:iHyYWLwl
男「ぼっ、暴力はだめだよ!!」
女「男…そこをどけ…コイツに勇気と無謀の違いを教えてやる……」
畑部「そうですよ…殺しはしません……せいぜい眼球を抉るくらい……」
男「充分まずいって…!!」
女「まずい…?運が悪かったらこの世から虫ケラが一匹いなくなるだけ…万万歳じゃないか……」
畑部「それも害虫ですよ…フフ」
男「いやいやいや!!だっ、大体コレ料理の話だろ!?勝負なら料理でするべきじゃ…!!」
畑部「……」
女「ふむ…それもそうだな」
男「うんうん!!だからココはひとまず――」
畑部「それじゃ勝敗は見えてますけどね……」
女「フフ、自信無いのか?」
畑部「ッ!!そんなわけ――」チャッ
男(えっ…まさか女さん……)
女「ほらな?だからすぐモノを突き出してくるんだろ、さっきも…」
男(マジで料理畑部さんより上な自信あるのか…?アレを食べて…いやまあ……)
畑部「ちっ、違います!!これは害虫のくせに生意気な事言うから!!料理の腕なんて私のが勝ってるに決まってます!!」
女「なら正々堂々料理で勝負したらいい…簡単な話だ」
畑部「ぐっ…」
男(暴力沙汰を回避してくれたのは…ありがたいんだけど……)
497 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 16:30:05 ID:uegR4qAW
畑部「そもそも…勝負ったって料理作ってきてないじゃないですか…だからそんなことが……」
女「何をいうか、我々は常に食糧を携行してるぞ…」ガサゴソ
男(まさか…)
女「見ろ!!」ババーン
畑部「何ですか…その醜い肉片は……」
男「ボルツ…」(正気か…?天と地の差が……)
女「フフ♪さすがは男だ!!よくわかってるなっ!!」
男「前食べさせてもらったからね…」
畑部「って、ていうかまさかそれが…私のクッキーよりも勝ってるとでも……」プルプル
女「無論、ただ貴様のも中々いい線はいってたぞ。この料理に関しては僅差だな」
男(謙遜になってないよ女さん……)
畑部「なるほど…こっ…これは一体……どういたったお料理で…?」プルプル
女「家畜の肉を冬場に零下で乾燥させ、2年程かけて槌や臼でつきかためて圧縮した上に細かくほぐしたモンだ」
畑部「それって保存…食じゃ……」プルプル
女「時に貴様のくっきーとやらの賞味期限はいつまでだ?」
畑部「大体乾燥に注意させていれば2週間くらい……」
女「ハッ!!注意…!?こっちは特別な事などしなくても10年以上持つぞ!!」
畑部「私のクッキーまで…保存食扱い……」プルプル
女「この前男に食べてもらったのも15年前のモノだしな」
男「ぶッ!?」
女「なんともなかっただろ?」
男「あの後くだしたんだけど…」
498 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 16:31:52 ID:uegR4qAW
女「さ、さらに牛一頭分もの肉がこの小さな牛の膀胱で作った皮袋に入る!!」
男(スルーされた…)
女「つまりこの袋一個にある量だけで我々は一か月分以上の食糧をまかなう事ができるという事だ…フフフ」
畑部「……」イライラ
女「栄養価、携行性、保存性、量ともに満点。果たしてクッキーとやらにそんな事が―――」
―――ブチッ
畑部「だから保存食じゃねぇっつってんだろッ!!」ビュッ
女「ッ!!」サッ
男「ひいぃ…!!」
女「落ち着け。別に保存食とはいっていない、食糧として当然のメリットを上げただけの事だ。槍を下せ」
畑部「いいですか?これはお菓子…味が第一……お生憎だけどこっちは害虫さん達と違ってそんな切羽詰まってないんですよ…?」
女「味だけとってもこっちの方が上だと思うが…」
畑部「味だけ…とっても……」ビキビキ
男(やばい…)
女「味だけは負けてるとでも言うと思ったか?」
畑部「まさかぁ…害虫さんがそんな利口な訳ないですもんね……」
男(嫌な予感がしてきた…一番恐れてた事が起きそうな……)
畑部「じゃあこうなったら…」チラッ
女「そうだな…」チラッ
男「……」ソ〜
女&畑部「どこにいくんだ(ですか)男(君)?」
男「ッ!!」ビクッ
女「どちらの方がよりおいしいか…」
畑部「男君に決めてもらおうじゃないですか」
男(終わった……)
気長にマターリ支援支援
とか言いながら一日一回は見にきてしまう
500 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 23:35:52 ID:gaOz1T7z
【ゆっくりしていってね!!】
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
∧,,∧(´・ω・`)(´・ω・`)∧,,_∧・ω・` )
( ´・ω・`)(つ⌒と つ⌒と)´・ω・`) ∧,,∧
(つ∧( ´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・` ∧,,∧・ω・` )
∧,,( ´・ω(_.__つと_(_.__つと_) ∧,,∧ ∧,,∧
(´・( つ ∧,,∧ __ _(´・ω・` )・ω・` )
( ∧,,∧・ω・`)_____|i\__\ と )∧,,∧と)
( ´・ω・`)と_※ ※ |i i|.====B|ヽノ(・ω・` )
(つとノ`--∧,,∧|\\|_____◎_|_i∧,,∧ ∧,,∧
 ̄( ´・ω・| | ̄ ̄ ̄ ̄ |(・ω・` )(・ω・` )
(つとノ.\|_____|(つとノ (つとノ
501 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 18:01:13 ID:eFEh8s+V
男友「いよぅ!!お前と二人で飯食うなんて久しぶりだな!!」
男「……」
男友「最近お前ずっと転校生さんと食べてるし……ってどうした?うかない顔して」
男「…すまん」
男友「へ、何が?」(まさか男のヤツ俺が畑部さんの事…好きなのを…)
――ガチャンッ
男友「おっ、他に誰か来……」クルッ
女&畑部「……」ゴゴゴゴ
男友「ひッ!?」
男「俺には…これしか……」
女「男友がもう一人の審査員か…」
畑部「こんなヘラヘラした人で当てになるんですか…?」
男友「な、何コレ…審査員…?」(ヘラヘラした人…)
男「実は…」
……
男「…という訳なんだ」
男友「あ〜!!教室に忘れモンしてきちゃった!!取りに帰んなきゃ!!」
畑部「…ソレは急ぎの用ですか?」チャッ
男友「ッ!?い、いえ…!!」
女「なら私の美味な馳走を受けてからでも遅くはない、そうだろ?」
男友「はい…」(やっぱり畑部さんキャラが……)
女「まぁ2人に増えたところで…」
畑部「結果は見えてるんですけどね……」
男友(うぅ…出口固められてるし…)
502 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 18:03:15 ID:eFEh8s+V
遅くなるとはいったけどホントに遅くて申し訳ない
2正面作戦なもんで向こうを先に終わらせようとしてるんで…
空いた時間はどうしても向こうに……すまん
503 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 14:55:07 ID:AnnsBDaN
女「男は虫ケラのから食ってしまったからな…男友はまず私の料理から食え」
畑部「大丈夫ですよ、いくら害虫の料理だからって毒が入ってるわけじゃないんですから」
男友「おっ、男!!これ…!!」ヒソヒソ
男「俺はもう両者のを食べたから後はお前の意見を…」
男友「お、おま!!よくもこんな面倒な事に…!!」ヒソヒソ
男「すまん…後で何かおごるから……」ヒソヒソ
女「何やってる?早く食え。もう煮えてるぞ」グツグツ
畑部「そうです、辛い事は先にっていうでしょ?その後は私の美味なお菓子が待ってますよ」
男友(この状況自体が辛いんだが…まぁでも畑部さんの手作りお菓子が食えると思ったら……って)
女「?」グツグツ
男友「コレが…女さんの料理…?」(泥?しかもこの匂い…草?)
女「そうだが…それがどうかしたのか?」グツグツ
畑部「ぷっ」
女「なっ…」
畑部「アハハハ、やっぱりそうなりますよね!!だってあんな出来そこないのビーフジャーキーみたいのを煮るだけで料理って―――」
女「黙れ…貴様の粘土板にいわれたくないわ……」チャッ
畑部「粘土…板?もう一度言ってみてください」スッ
男友「ひいいぃぃ…」ガクブル
男「ホラ!!もう早いとこ食べて!!食べちゃって!!」
504 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 15:44:21 ID:AnnsBDaN
男友「……」ズズ
女「……」ドキドキ
男友「ち、ちょっともう流石に……」
女「食えるよな?それくらい全部」チャッ
男友「ひゃい…」(何これ…肉?すげぇ脂っこいし…草と獣の匂いが…うぇっ……)
男(すまん…お前の分とかいって俺が半分以上残したから……)
男友「たっ…食べ終わりました…」ゼェゼェ
女「どうだった!?おいしかったよな!!」
畑部「正直に言っていいんですよ」
男友「おいしかった…です…」ゼェゼェ
女「うむ!!そうだろう、そうだろう」ニコニコ
畑部「チッ…」
男友「あの…これって…お肉しか入ってない?」(舌打ち…)
女「ん?勿論。羊肉だけだ」
男友「なんか…すごい草のにお、いや香りが……」
女「ふふ、男友にしてはいい所に気付いたな」
505 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 16:33:44 ID:AnnsBDaN
女「我々は羊が四歳になるまで殺さない、何故だかわかるか?」
男友「おいしくない…とか?」(しては…)
女「好みにもよるが食感は子羊の方が上だ、大事なのはそんな事じゃない」
男友「はぁ」
女「我々の大地は厳しい…だが広大だ、放牧すれば数千種類の草と巡り合える。その中で羊達は栄養のある数百種類の草のみを食べる」
男友(ここ…日本だよな…?)
女「羊半頭で我々が2週間殆ど何も食わずに生きられるのは、羊肉がそういった数百の草の栄養が凝縮された製品だからだ」
男友「あ…って事は」
女「そう、意外と察しがいいな。子羊だと充分に広くは動き回れない。つまり十分な種類の草が食えず栄養価が高くない」
男友(意外とって…大して親しくないのに…何で俺こんな舐められてんだ……)
女「草の香りがするのはそれだけ栄養のある印って事だ」
男友「勉強になりました…」(不味かったけどな…)
畑部「あーん♪」
男「あ、あーん…」
女「って貴様あぁ!!人が話こんでる隙に何を…!!」
男友「ッ!!」
畑部「うるさいですねぇ…親しいならこれくらい当然ってさっきも言ったじゃないですか」
男友(おぉぉ…!!あの野郎ォ…普段二人であんな事してたのかッ…!?)
畑部「ねー、男君♪」
男「……///」ボリボリ
女「だ、黙れ!!私なんて男の方からあーんってされ――」
畑部「はい、あーん♪」
女「他人の話を聞けえぇ!!だっ、大体そんなに上げたら男友の分が無くなってしまうだろが……!!」
畑部「あ、そうですね。居たんでしたっけ、男友君」
男友(死にたい…)
506 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 18:12:55 ID:Eawc7zIO
畑部ドSwwwww
というよりもはやヤンデレ
507 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 17:58:14 ID:4g/Ke0GV
男友「はぁ…」(女さんの料理はマズイし…畑部さんは冷たいし…)
女「ならとっとと男友に…」
畑部「あーん♪」
男「ち、ちょっと!!もう残りが少な―――」
ヒュッ…!!
男「ッ!!?」
畑部「…ただの冗談ですよ、冗談。嫉妬は見苦しいですよ、害虫さん?」
男友(くっ、クッキーが粉々に…)ガクブル
女「嫉妬…?何故私が嫉妬する必要がある?貴様がノロいから警告を与えてやっただけだ…」
畑部「へぇ〜なら男君は私がもらっちゃってもいいんですね?」
男友「なっ!?」
女女「はあぁッ!?きっ、きききき貴様ッ!!な、何を血迷った事を……!!」
男友(や、やっぱり…!!というかもう殆ど分かり切ってた事だが…こうハッキリと……)
畑部「フフ…これも冗談です、何興奮しちゃってるんですか?」
女「くっ…!!」
男友(冗談に聞こえねぇよ…クソ…何でアイツばっかり…こんな……)
女「つ、つまらん冗談はいいから、とっとと男友にくっきーを食べさせろっ!!」
畑部「はいはい、男君そこの袋とってもらえます?」
男友(そっ、そうだ…!!男の反応は……)チラッ
男「……」ポリポリ
男友(砕けたクッキー拾って食べてる…)
畑部「フフフ…余程私のクッキーがおいしいんでしょうね♪」
女「くうぅ…」
男友(うぅ…ホントに何でこんなヤツが……)
508 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 18:28:05 ID:4g/Ke0GV
男「…では仕切りなおしまして」
女「ふん…」ムスッ
男友(ようやくメインイベントか……)
畑部「〜♪」ゴソゴソ
男友(ここに来るまでに何度心折られそうになったか……)
畑部「ハイ、これが私の手作りクッキーです」サッ
男友「おお、すっげぇうまそう!!」
女「ハッ…何を白々しい…さっき見ただろうが……」(コイツまで…)
男友「そ、それはそうだけど…近くで持つとまたいい匂いがして来て……」
畑部「『いい』匂いですか。そりゃさっきまで食べてた誰かさんのすさまじい匂いの料理とは大違いですもんね♪」
女「あ、あれだって…食欲をそそる…いい匂いだぞ……」
男(いやいや…完全に家畜小屋の匂いだろ……)
畑部「フフ♪さぁ、どうぞ食べて見てください」
男友「う、うん」
畑部「どうしたんですか?」
男友「いや…」
畑部「?」
男友「その…」(アーンは…)
畑部「……」ギリッ…
男友「いただきます」
509 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:07:39 ID:4g/Ke0GV
男友「ふ…ふまい…」ボリボリ
畑部「フフ」
女「……」
男友「ふぉれほんとふまいよ、焼き加減もパリパリふぃてて」ボリボリ
女(なんて幸せそうな顔で食べてるんだ…男友のヤツ……)
男「うんうん」(よかった…コイツの事だから血迷って女の料理でも気に入られたらどうしようかと思ったが……)
男友「あと甘さ、甘さが控え目で調度いいから飽きがこないんだ」
畑部「ッ!!そうですよ!!そう!!砂糖の加減に一番気をつけたんです!!」
女(いや…男にしたってそうだ…私の料理を食べても……こんな顔一度だって……)
男友「やっぱり…市販のだったら甘ったるすぎてこんだけでも食べ切れなかったよ」(おっ…!!)
女(まさか…)プルプル
畑部「いやぁ、男友君も中々分かってるじゃないですか。フフ♪」
女(まさか…ホントに私の料理…まずいのか……?)プルプル
男友「ハハハ…」(コレ結構好感度上がったか…!?)
男(これなら……)
畑部「男君って意外と繊細な舌してるんですね」
女(あの晩のごちそうも……男には…迷惑……だったのか…?)プルプル
男友「う…」(畑部さんまで…まぁ軽く見られてるのは分かってるんだが……)
女「……」グスッ
510 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:37:48 ID:4g/Ke0GV
女「……」
畑部「あれれ〜?害虫さんなんか暗くないですかぁ?」ニヤニヤ
女「…るさい」プイッ
畑部「まぁ無理もないですよねぇ、殆ど結果は見えてるんですから」
女(うぅ…何も言い返せん…)
畑部「でもよかったじゃないですか、これで一つ勘違いが解けますよ?そりゃもっと人が多い方が分かりやすいでしょうけど…」
男「男友…ちょっと…」チョイチョイ
畑部「一応ココに2人いるんですから♪害虫さんの料理は私よりまずいというより普通に『まずい』んですよ」
511 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 19:50:08 ID:4g/Ke0GV
男友「何だよ?」
男「ぶっちゃけ…どっちのがおいしかった?」
男友「そりゃお前…どう考えたって……」
男&男友「畑部さんだよな」
男友「ヒドスwwww」
男「…なら当然畑部さんに入れるよな?」
男友「もちろん」
男「そうか…」ホッ
男友「あ〜…お前さては…女さんの方に入れるつもりだろ?」
男「ま、まあ…うん」ギクッ
男友「お前…さては女さんの事……」ニヤニヤ
男「いっ、いや…そういう訳じゃ…」
男友「だってお前最初っから女さんに入れる前提じゃん、俺を呼んだのは畑部さんに恥かかせないためだろ?」ニヤニヤ
男「ぐ…」(そういや…)
男友「そりゃお前が優しいってのもあるだろうが。確認までして、俺が気を使って女さんに入れないかヒヤヒヤしてたみたいだし…」ニヤニヤ
男「ヒヤヒヤなんて…」(確かに俺は…無条件に女さんに入れようと……穏便にすませたいだけなら別に…どっちだっていいはずなのに……)
男友「まぁいいさ。お互い利害は一致してるんだからな」
男「へ…?」
男友「何、こっちの話だ」
512 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 20:11:55 ID:4g/Ke0GV
女「……」グスッ
畑部「まだ分かりませんか?害虫さんの料理はマズイんですよ?こんなの男君に食べさせたって迷惑なだけです」
女「そっ、そんな事…ひぐっ…無い…」
男「おーい…」
畑部「あ、そうでした。結果ですね」クルッ
女「っ…」ゴシゴシ
男友「じゃあまず俺から…」
畑部「フフ♪」
女「……」ウルウル
男友「俺は…畑部さんの料理のがおいしかったかな」
畑部「ッ!!」グッ
女「ぅぇ…」ヘタッ
畑部「聞きましたか害虫さん?当然の結果がでましたよ?」
男「俺は…」
女「うぅ…ふえぇ…ぇ…」
畑部「フフ、わざわざバラバラに言わなくても…」
男「俺は女さんの料理のが好きだったな…」
女「!!」
畑部「…はい?」
513 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 04:05:40 ID:RCDqJBBS
しえn……(´・ω・`)保守?
この板保守いらんて
スレ数MAX未満じゃけんの
515 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 00:34:46 ID:xiJMVmyM
ホシュ
516 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 00:34:52 ID:xiJMVmyM
保守
517 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 00:34:59 ID:xiJMVmyM
ほしゅ
518 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 13:33:03 ID:ka8KhDhv
すまねぇ…空いた時間先に終わらせたい向こうの方に使ってたもんで…
時間はかかるかもだが絶対終わらせますお
519 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 14:21:24 ID:ka8KhDhv
女「うあぁ…ぁ…///」
男「俺には…こっちの方が……」
畑部「……」ゴゴゴゴ
男友(畑部さんから尋常じゃない殺気が…)
女「お、男ぉ…私…わたしぃ……」グスッ
男「ハハ…何もそんな……」
女「だっ、だって……男も虫ケラの料理のが…好きそうだったし……」
男「そ、そう…?」ギクッ
女「もしかして…私の料理が…えぐっ…不味いんじゃないかと思うと……」
男「そんな事ないよ…ちょっと俺には量多いけど……」
女「じゃあ私は…男に迷惑…ぐすっ…かけてないんだな……?」
男「うん…」
女「私の料理を…おいしいと思ってくれるんだな…?」
男「う、うん…」
女「うぅ…よかったぁ…本当に」
畑部「嘘ですよね?」ニコッ
男「っ…!!」ゾクッ
女「なっ…」
畑部「全部丸っきり嘘ですよね?」ニコニコ
男友(怖えええぇぇぇぇ!!!)
520 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 16:29:21 ID:ka8KhDhv
男「な、なな何の事かな…?全然わからないなぁ…?」
男友(うわぁ…)
女「……」
畑部「トボケないでくださいよ、さっきの判定に決まってるじゃないですか」
男「あー、アレね…確かに転校生さんのもすごくおいしかったよ…」
畑部「ええ、そうでしょうね」コクコク
男「でも俺には女さんの料理のが口に合ってたというか……」
畑部「フフ、まだいってる。もうホント男君ったら優しいんだから♪」
男「そ、そんな事ないよ…俺はただ…」
畑部「またまたぁ謙遜してぇ〜」
男「ハハハ…」
畑部「だってどう考えても私の時の方が美味しそうな顔してましたよ?」
男「……」
521 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 16:41:01 ID:ka8KhDhv
畑部「なのに虫ケラさんの時は…男友君の分とかいって半分以上残してましたよねぇ?」
女「……っ」
男友「てめぇ…」
男(やばい…キッパリ言わなきゃなんだろうけど……)
畑部「私のクッキーは床に落ちた分まで食べてくれたのに…フフ…」
男(相手のツッコミがここまで的を射てると……)
畑部「それに虫ケラさんの料理…まるで家畜小屋みたいな匂いしませんでしたぁ?」
男「うっ…」(俺と同じ事を……)
女「男…」
畑部「フフフ、もう正直に言っていいんですよ?こういうのは代えって正直に言った方が本人のためなんですから」
男「……」チラッ
女「……」ギュッ
男(女さん…下を向いて…涙を堪えてるのか……?)
畑部「さぁ男君、時には非情さも必要です」
男「……」
女「う…くっ…」プルプル
畑部「言っちゃってください。グサっと!!」
男「俺は…正直に言ったつもりだよ?」
畑部「―――ッ!!」バキイィィ!!
男友「がぁッ!!?」
522 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 02:04:49 ID:DDhL85hC
ごぶさたですまねぇ…明日こそ頑張る…誰かいるかな?
そりゃあ誰かはいるんじゃないかなぁ
このスレにブクマ→創発板(携帯
な俺がいる
てかすごく今更なんだけど、もう片方ってどこなの(;ω;)
525 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 19:18:57 ID:DDhL85hC
ごめんよ、がんばる
>>524パー速の新ジャンル「ジェントルマン」です
グダグダ通り越してもうよくわからんことにwwww
526 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 21:14:36 ID:DDhL85hC
男「畑部さん!!…っていっちゃったし」
男友「うぐあぁ…」ピクピク
男「はぁ…」(結局仲良くさせるのは失敗か…)
女「……」ズイッ
男「ん?お、女さん…?」(近っ…)
女「男…」チャッ
男「ッ!?」
―――グイッ
男「えっ…」
女「私のナイフだ…受け取ってくれ…」
男「なんでまた…」
女「お、お前に…」モジモジ
男「……」
女「お前にもっておいて欲しい…からだ…///」カアァァ
男「女さん…」
女「大事に…してくれよ…?」
男「まさかコレ…寝台に女さんの両親が置いてたヤツと同じゃ……」
女「あぁ…///」コクッ
男「いっ、いやいやいや!!こんな大事なモノ受け取れないよ!?」
女「何故だ…?」
男「だ、だって…これ生死を示すもんだろ?」
女「うむ…」
男「君の両親とか…怒るんじゃ……」
女「うっ…だ、大丈夫だ」
男「いやでも…」
女「…と思う」ボソッ
男「いやいやいや……」
527 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 22:00:07 ID:DDhL85hC
男「大体俺が貰っても…使いよう無いというかさ…」
女「だ、だから私の生死をソレで示してくれれば……」
男「え…だってコレ寝台に置くんでしょ?一緒に住まなきゃ無理なんじゃ…」
女「っ…」ビクッ
男「あ、いや…ごめん…変な事を…」
女「変じゃ…無いぞ…」
男「へ…?」
女「全然変なんかじゃ…無いぞ…」
男「何を…」
528 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 22:07:38 ID:DDhL85hC
女「男は私の料理…好きだろ…?」
男「う、うん…」
女「私も男の事…別に嫌いじゃない…」
男「どうも…」(ん?)
女「なら…」ゴクッ
男(え?ええええ?)
女「そっ、それなら…だな…」ドキドキ
男(な、ななな何これ?もしかして…)
女「私とその…一緒に……///」ドキドキ
男(これって…!!?)
男友「あ〜…痛ててて…」ムクッ
529 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:05:14 ID:DDhL85hC
男友「へ…」
男「……」
女「……」
男友「何この空気…」
女「お前に…大罪は無い…」
男友「たっ、大罪…?」
女「その上お前は男の友人だ…違うか?」
男友「あ、あぁ…」
女「だから…選ばせてやる…喜べ、貴人として扱われるんだからな……」
男友「選ぶって…何を…」
女「血を流させはしないということだ…お前には一握りの自由と袋のオプションがある」
男友「え?ハハ…笑っちゃうよな男…いま俺血ぃって聞こえた気が……」
男「……」
男友「ぇ…」
530 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:11:36 ID:DDhL85hC
―――バサッ
女「さぁ、選べ。ここに袋がある」
男友「いや一種類しかない…」
女「この中入った上で馬に踏み殺してもらうか…」
男友「は?」
女「それとも順に関節を折って殺してもらうか……」
男友「こっ、殺し…」サァァ
女「あるいは床に転がされた上に絨毯をしき……」
男友「あ…いゃ…」ブルブル
女「……そこで宴会を開いて圧死させてもらうか」
男友「嫌ああああぁぁぁぁぁッ!!!」
女「む、どれも好みじゃないのか?」
男友「おっ、おおおお男助け!!こ、殺される!!たっ、助け―――!!」
女「あぁ、確かに木の枝にぶら下げられて棍棒で撲殺ってのも中々粋だと…」
男友「ひいいいいいぃぃぃ!!」
男「もういいよ、女さん…」
531 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:41:02 ID:DDhL85hC
女「ふん…」
男友「え…ぇぇ…俺…助かったの…?」
男「いや冗談に決まってるだろ…」
男友「なっ、なぁんだ…ハハ…」
女「まったくだ。これくらいで騒ぐな、みっともない…」
男友「だ、だって…俺てっきり…何か怒らせたのかと……」
女「てっきり…だと?」ピキッ
男友「ひっ!?」
女「てっきりもてっきりだ…貴様等は石造りの墓に文を刻むんだろ…何て刻んで欲しい?」
男友「ぁ…」ガクブル
男「まぁまぁ…伸びてたんだし…」
女「確かにそう…だが…」
男友「うぅ…」
532 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 02:31:57 ID:qkKKArtq
男友「なっ、何で…そんな怒って……」
女「っく…///」
男友「俺が伸びてる間に一体何が……」
女「うっ、ううううるさいッ!!ホントに殺されたいのか!!?」チャッ
男「……」
男友「そっか…お前等さては…」
男「な、何だよ…」
男友「うん、そうだよな…そりゃそうだ…」
男「おい…」
男友「まぁコレは…俺が悪かったな……」
女「そ、そうだ…お前が悪いんだぞ…」
533 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 02:36:00 ID:qkKKArtq
男友「ということで…んじゃ…」
男「ちょっと待て…何処行くんだよ?」
男友「お邪魔虫は帰ります…」
女「おじゃまむし…?」
男「お前…」
男友「普段なら冷やかしてる所だけど…もう何か…貶されるは、毒盛られるは、殴られるはでメンタル的にも身体的にも折れちゃいそうなんで……」
男「すまん…」
女「どく?」
男友「い、いや…とにかく…お2人でごゆっくりお楽しみになって下さい…ではでは…」
男「……」
―――ポトッ
534 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 03:03:16 ID:qkKKArtq
女「!」
男「待て…」
男友「何か?」
男「何か?じゃねぇ…全然さり気なく無いんだよ…っていうか何でポケットにコンドームが入ってんだお前…」
男友「安全第一と申しましょうか…」
男「一切危険性ないヤツが何を…そもそもだな、俺達は別に――って女さん何拾っちゃってんの!!?」
女「おぉ…」ビヨーン
男「いや気持ちは分かるけど…」
女「見ろ男!!こんなに伸びるぞ!?これは一体…!?」
男友「コンドームですよ、マダム」
女「こんどーむ?」キョトン
男「女さん…保険の授業で何を……」
女「一体何に使うんだ?」
男友「避にn」
男「いいからお前とっとと出てけ!!」
男友「いつかは知らなきゃいけない事ですよ?」
男「今はやめろ!!頼むから!!」グイイィィ
女「随分と薄い素材で出来てるな…むむ…なんか内側がねちゃねちゃしてるぞ…?」
男「女さんも…ソレ早くこいつに返しちゃって…」
女「も、もうちょっとだけ…」ビヨーン
男友「あぁ、それなら沢山持ってるから別に返さなくていいですよ」
女「そっ、そうか!!悪いな!!」パアァァ
男友「色違いもあります」
女「何ッ!?」
男「お前ちょっといい加減にしろよ」
535 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 04:07:12 ID:qkKKArtq
男「女さん…何でソレ指に被せてんの……」
女「フフ、どうだ?中々洒落てるだろう」
男「あの…まさかとは思うけどアクセサリーにするつもり……」
女「うむ。付け心地が独特で、色も綺麗だからな♪」
男「止めた方がいいよ…外でソレ付けて歩くのは…」
女「む、何故だ?」
男「いや…何故っていうか…そういう用途じゃ無いというか……」
女「そうか分かったぞ…もしかして…」
男「うん、あんまり人に見せるもんじゃ…」
女「…羨ましいんだろ?」ニヤニヤ
男「……」
女「ま、まぁ男になら…特別に貸してやらん事も無いんだが……」
536 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 04:20:21 ID:bvM+P0mS
まさかの下ネタwww
ちょっと男友を木の枝にぶら下げてくるわ
537 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 18:27:51 ID:fleFuRh2
男「おい、厄介な事してくれたな…」ヒソヒソ
男友「厄介?私が気絶する羽目になった料理対決よりも?」ヒソヒソ
男「ぐっ…だ、だからそれはごめんって…」ヒソヒソ
男友「やだな〜なんで謝るんですか?まるで私が恨んでるみたいじゃないですかぁ」ヒソヒソ
男「い、いやそんな事は…」(じゃあなんでさっきから敬語なんだよ…)
男友「いいですか?もう女さん17歳なんですよ?いくらなんでも無知すぎませんか?」ヒソヒソ
男「そりゃ…そうだけど…」
男友「ここは一つ彼女のためにもビシッと言って上げるべきです」ヒソヒソ
男「ビシッとったってお前…」チラッ
女「〜♪」
男「うぅ、大体何であんな嬉しそうに…鼻歌歌ってるし……」ヒソヒソ
男友「女さんもあぁ見えて年頃の女の子、お洒落に飢えてるんでしょうね…」ヒソヒソ
男「お洒落…」(コレで着替えの習慣が身に付いてくれたらなぁ…)
男友「今日なんて私に『男からこんな服を貰ったんだぞ!!』って自慢して来ましたし」ヒソヒソ
男「ん?お前ってそんな女さんと親しかったっけ…」ヒソヒソ
男友「いえ、全然。向こうからちゃんと話しかけられたのは、今日が初めてです」ヒソヒソ
男「……」
538 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:03:40 ID:fleFuRh2
男「いやでも色とりどりのコンドームを全身にまとってお洒落は無いだろ」ヒソヒソ
男友「えぇ、このまんまじゃ女さんのあだ名が影で近藤さんになってしまう事は間違いないでしょうね…」ヒソヒソ
男「しまうって…コレ完全にお前のせいだろが…うぅ、どう説明すれば……」ヒソヒソ
男友「クププ…」
男「へ?」
男友「妙に純情な女さんの事だ、下手な説明したら嫌われちまうかもなぁ〜?」ニヤアァァ
男「もうお前、完ッ全に俺の事恨んでるよな」
539 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:04:55 ID:fleFuRh2
男「あのね…女さん…コレの事なんだけど…」
女「ん?やはり貸して欲しいのか?」
男「あ、いや…」
女「しっ、仕方無いなぁ…一杯貰ったし…そこまで言うなら一つくらいは男に上げても……」
男「そうじゃなくてね、コレは…」
女「ちなみに私のオススメはこの緑色のヤツなんだが――」(フフ、これなら二つあるから男とお揃いに――)
男「妊娠しない様にする道具!!」
女「……ふぇ?」キョトン
男「コレは妊娠しない様にする道具なんだ」
女「にっ、にんしん?妊娠って…あの…」
男「……」
女「あの赤ちゃんが出来る…ヤツか?」
男「うん」(こういうのは…)
女「じょ、冗談だろ?ハハ…こんな可愛らしいモノをどう使ったらそんな事が……」
男「ペニスに被せる」(恥ずかしがるからいけないんだ、かえってストレートに言った方が――)
女「ぺに…す…?」
男「あぁ、そっからね…」
男友「wwwwwwwwwwwww」
540 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:06:24 ID:fleFuRh2
誰かおるかいー?
おりますともー
おるよー
543 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:41:33 ID:fleFuRh2
・・・・・・
男「わ、分かった…?」
女「……///」コクッ
男「なら取ったほうが…」(良かった…なんとか分かってくれた…)
女「うぅぅ…///」ヌギヌギ
男「なんか…ごめんね…こんなダイレクトにというか……」
女「い、いや!!」
男「……」
女「いっ、良いんだ…お陰で…大変な恥辱を味合わずにすんだから……///」ヌギヌギ
男友(あれ…?)
544 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 19:42:33 ID:fleFuRh2
おお!!こんな短い間にwwwwありがたや…
毎度だが放置ぎみですまんです…
545 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 20:05:41 ID:fleFuRh2
女「それに…未婚の女性にこんな事言うのは…きっと勇気の要る事だったに違いない…それこそ…初めての殺しくらい……」
男「ま、まぁ勇気?は要ったかなハハ…」(殺し…)
女「私の為に…勇気を出してくれて……」
男「……」
女「ありがとう、男…///」
男「女さん…///」
男友(余計いい感じになってる…ナニコレ?)
546 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 20:07:32 ID:fleFuRh2
女「しかし…びっくりしたぞ…通りでこれを付けてる者等見たこと無い訳だ…フフ……」
男「女さんはもうちょっと授業ちゃんと聞いた方がいいと思うよ…」
女「む…ち、ちゃんと聞いてるぞ…失敬な……」
男「さいですか…」
女「あっ…」
男「どうかした?」
女「コ、コレが…その…そういう道具って事は…だな///」モジモジ
男「うん」
女「のっ、農耕民共は…羊の腸は使わない…って事か///?」
男「…は?」
547 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 21:17:13 ID:/3ns0/F4
羊の腸ww
でも作者さん内情に詳しいな〜。
すっげェ量調べ物したのか?
548 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 22:50:45 ID:fleFuRh2
男「じゃ、じゃあコレ返そうか…」
女「うむ…」サッ
男「あれ?」
女「なっ、何だ?」ギクッ
男「おっかしいな…何か一つ無くなってる気が…」
女「に、にしても男友のヤツ許せんなッ!!」
男「……」
男友「やべ…」ソ〜
549 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 22:51:41 ID:fleFuRh2
550 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 22:52:32 ID:fleFuRh2
女「何故言ってくれんのだ!!危うく首飾りまで作ってしまう所だったではないか!!」
男「……」
女「だっ、大体ッ!!つがいだって居ないだろうに、生意気にこんなモン――!!」
男「……」ジト〜
女「な、何だ…その訝しげな目は……」
男「…何でずっと左手握り締めてるの?」
女「ぅ…いっ、いや別に…特に理由は無いが……」
男「じゃあ解いて見せてよ」
男友「……」ソ〜
女「まっ、待てええええええぇぇッ!!」ダッ
男「あ、こら!!」
おぉこんな所に続スレがあったのか
全然知らなかったよw
>>1 面白いから期待してるよー
552 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 01:05:23 ID:KW/BVcDQ
放置ぎみで(以下略
明日には書くお まだ誰かいるかな?
いるかもな
さあね、いるかどうかは知らん
もういないんじゃね?
556 :
524:2009/08/21(金) 03:50:41 ID:FVTPrsfQ
ここまで放置したらさすがにいないよな
557 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 14:46:17 ID:KW/BVcDQ
男友「……」
女「どういう事だ」
男友「…使ってくれればと思って」ボソッ
女「使っ……」
女「……」
女「……はあああああああぁッ///!!?」カアアァ
男「遅いよ、女さん…」
男友「んじゃごゆっk」
女「まっ、ままままま待て!!待て!!待てッ!!貴様、絶対何か勘違いしてるだろ!?」
男友「いえいえしてませんよー(棒)」
女「なら私の目を見て話せ!!いっ、いいか!!?私は別に男とそういう関係ではだなっ!!」
男友「えぇ、お仲間ですよねー。お揃いの首飾りをした草原のお仲間ですよねー」
女「そ、そうだ!!」
男(そうなんだ…)
うはww誰もいねぇwww
558 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 18:05:23 ID:KW/BVcDQ
男友「ああ、通りで男の顔を見てる時、あんな幸せそうな訳だ。」
女「そ、そう…なッ!?ちっ、ちちち違ッ!!」
男(女さん…)
男友「男が畑部さんと話してる時なんて―――」
女「うああああぁ!!やめろおおおぉぉ!!かっ、勝手な事を言うなあああぁぁ!!」
男友「すっごい悲しそうだもんな…」ボソッ
男「え?」
女「ぁ…」ドキッ
男「ハハハ…」
女「あは…は…///」
男「えーと…」
女「そ、そんな事…無い…ぞ///?」
男「そっ…そうだよね…ハハ…」
女「ははは…は…///」
男友「あれれー?顔がやたら赤いですなー?お酒でも入ってるんですか?」
女「ッ!!だっ、だだだ黙れ!!!!き、貴様いい加減にしないと本当に…ッ!!」
男友「モウオマエラツキアッチャエヨー、ヒューヒュー」
559 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 18:20:12 ID:KW/BVcDQ
袋「……」ブラーン…
生「何かしらアレ…」「知らないわよ…昼休み前までは無かったと思うけど」「垂れ方からすると…結構重いものが入ってそうね…」
ザワ…ザワ…
先「よーし、席につけー!!始めるぞー!!ん、どうした?今日は男友のヤツ休みか?」
生「さぁ?いたよな、たしか」「今日話したぜ俺」「どうせサボリじゃねぇの〜?」
先「ったく…仕方ないヤツだな。誰かアイツを最後に見かけ〜」
女「先生、男友君は体調が悪くなったそうなので保健室にいってるみたいです」
先「お、おぅ…そうか…な、何かめずらしいな…女が話すのというか……」
女「…悪いですか?」ギロッ
先「わっ、悪くない!!全ッ然悪くないよ!!?」
袋「……」ジワッ…
生「ね、ねぇちょっと…なんか…底が染みてきてない?」「ホントだ…下ら辺の色が変わってる…」「不気味だわ…」
ザワ…ザワ…
男「……」
560 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 20:59:40 ID:KW/BVcDQ
女「男…」
男「ん、何?」
女「ちっ…ちょっと…来てくれないか?」グイグイ
男「う、うん…」(答える前から引っ張ってるし…)
女(よし…ここなら…誰もいないな……)キョロキョロ
男「女さん…?」
女「……」スーハー
男(女さんから…放課後の…校舎裏に呼び出し……)
女(よし…落ち着けぇー…落ち着くんだ私…)スーハー
男(や、やばい…顔が熱くなってきた…女さんは……)
女(作戦なら授業中ずっと考えてただろ?後は勇気…)スーハー
男(俯いてるからよく分からないけど…うっすら…上気してるような……)
女(だ、大丈夫だ…骨占いの結果でもテングリは私に味方している…今度こそ…)スーハー
男(もしかして…)
男&女(今度こそッ…!!)
――ドンッ
男「げふッぅ!!?」
女「ま、ままずは…改めてコレを受け取ってくれ……」
男「ごほっ…え、いやだからさ…げほっ…悪いけどコレは受け取れn」
女「―――受け取ってくれッ!!」
こ、告白!?
だとしてもまた突拍子もないものが出てきそうなw
562 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 18:02:23 ID:Ft7uuMqV
男「っ…」ビクッ
女「頼む…」
男「……」
女「……」
男「…さっきの続き、聞かせてくれる?」
女「さっき…?」
男「ホラ、男友が起きちゃった時の…」
女「ッ!!あ、あぁ…」
男「……」
女「わ、分かっ…た…」ゴクッ
男「うん…」
女(ま、まさか…)ドキドキ
女(男の方から切り出してくるとは……)ドキドキ
女(こ、こんなの…想定外だぞ…)ドキドキ
男「……」ドキドキ
女(あうぅ…だめだ…声が…///)ドキドキ
563 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 18:41:00 ID:Ft7uuMqV
・・・10分後
女「……」モジモジ
男(な、長い…段々…足が痺れて……)
女「その…なんだ…」ボソッ
男(おっ!?)
女「さっき言いかけたのは…だな…」ドキドキ
男(き、ききき来たッ!!)
女「わっ…私とお前と…で、だな……」ドキドキ
男「……」コクッ…
女「いっ…いいい一緒…に…」ドキドキ
男「い、一緒に…?」
女(がっ、頑張れ!!もう一息だ…ッ!!)ドキドキ
男「……」
女「…い、いっしょに…すっ…///」カアァァ
男「う、うん!!」
女「…すっ…す…すすすすすすすすッ///!!!」
男「!!」
女「――――スホフッ!!」ヒュッ
男「へッ…?」フッ…
――ビタアアアアァァン!!
男「ぐぎゃああああああッ!!?」ゴロゴロ
女「おッ、男オオオオォォオォ!!!」
564 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 18:54:24 ID:Ft7uuMqV
女「す、すすすまん!!ホントにすまん!!大丈夫かッ!!?」アセアセ
男「なっ、何でぇ…」
女「…そ、その…」
男「げほっ…」
女「――――とっ、とととと取り合えず打ったところを見せてくれッ!!」ビリビリビリ
男「いやあああぁあああぁ!!」
女「……ッ!!」
男「…はっ、恥ずかしいから…服返し……」
――ポトッ
男「…痛ッ」ヒリッ
女「……」ポロポロ
男「な…ちょ、ちょっ…と…」
女「おっ、男ぉぉぉ…男おおおぉ゙…すまな゙い…すまないいい゙ぃぃ゙……」ポロポロ
男「や、止め…泣かないで…すっ…すごいしみ…痛ッ!!」
女「かくなる上は…せっ、せめ゙て…私も…えぐっ…同じ痛みぉぉぉ……゙」チャキッ
男「あああぁぁ!!痛くない!!痛くないから!!ナイフしまって下さい、お願いします!!」
女「そ、そんなハズは無い…だっ、だって私はお前に…取り返しの…ひぐっ…付かない事を!!」ポロポロ
男「えぇッ!!な、何ッ!?どうなってんの…!!?」
565 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 19:43:40 ID:Ft7uuMqV
男「なんだ…ただ痣になってるだけじゃん…」(女さんが取り返し付かない事なんて言うからどんなのかと…)
女「だけって男ぉ…お前に…こんな傷がああぁ゙……」ポロポロ
男「だ、大丈夫だって…痛っ…それより…泣かないで……」(自分なんて山の様にあるのに…)
女「私は…こ、この落ち度に…うぇ…どうやって落とし前を…」ゴシゴシ
男「いや、ヒリヒリするくらいだし…保険室行ったら大丈夫だから……」
女「わ、分かった!!保険室だなッ!!つかまれ!!」
男「…え…別に歩けるけど…」
女「無理をするな!!私のせいなんだから、これくらいさせてくれッ!!」
男「で、でも…」
女「それに前だってお前は!!私のためにおんぶをぉぉ゙…!!」ポロポロ
男「じゃあ…」
女「あ、あぁ…!!」ゴシゴシ
男「服返して…」
いるかな?
566 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:08:24 ID:Ft7uuMqV
男(ボタン全部取れてる…)ボロッ…
女「…すまん」
男「いいよ…なんとか縫うk」
女「よりによって保険室が閉まってる時に……」グスッ
男「あっ、そっちね…」
女「よし、男…私にも…多少の心得はある…」
男「ん?」
女「お前の治療をさせてくれ!!最低限の償いだ!!」
男「いやいやいや…いいって…家で絆創膏張るから…」
女「なッ、何を言ってる!!事は一刻を争うんだぞ!?」
男「ほ、ほんと大丈夫だから!!もう大して痛くないし!!」
女「ダメだッ!!私の!!私のせいで!!怪我したんだ!!こ、この上…」
男「もういいって、謝ってくれたし…」
女「この傷が元で…お前が…土にでも還ってしまったら…わ、私は……」ポロポロ
男「還らないよ…っていうか還れないよ……」
女「どうやって…うぇっ…生きて……うえぇぇぇ……」ポロポロ
男「ハァ…じゃあ、ちょっとだけ…お願いします」
女「!!」パアアァァ
男「お手柔からにね…」
女「よ、よし!!少し待っててくれ!!」
男「…え?どっかいくの?」
女「羊を連れてくるだけだ!!心配するな!!すぐに治してやるぞ!!」
男(心配だ…)
567 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:13:34 ID:Ft7uuMqV
メエェェェェ…グツグツ…
女「うむ、待たせたな…連れてきといてよかった。準備完了だ」
男「聞きたい事が多すぎるよ…」
女「最初は羊療法を試してみたいと思います」
男「最初って…それに試す…?」
女「その…治せる自信はあるのだが…いかんせん不慣れなもんだから…一通りやらせてくれないか?」
男「待って、いいけど…痛いのとかは嫌だよ…?」
女「善処します」
男「善処!?」
女「まず、上着を脱いでください」
男「はい…」(またか…)
女「アルヒを飲んで下さい」
男「…これも治療?」
女「まぁ…うむ…出来るだけ沢山飲んでくれ」
男「学校で飲酒…今更か…」グビグビ
女「痛みを…忘れられるくらいな…」ボソッ
男「…今なんかすごい不安な事を言いませんでした?」
女「つ、次はこの上に寝転がって下さい」
568 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:23:01 ID:Ft7uuMqV
男「何ですか、コレ…」
女「何って…畜殺したばかりの3、4歳の羊の皮だが?」
男「それは何となく分かるけど…香りが…」
女「一緒に様々な薬草と反芻胃内容物、それにバターや焼酎を合わせて煎じて煮たからな。それが治療効果を生むんだ」
男「ハァ…痛つつ…」クタッ
女「あぁ、あと頭にはこれを被っていてくれ」サッ
男「…これは?」
女「羊の脾臓だ」
男「マジですか……」
女「よし、これで2時間後にはすっかり痛みも取れるハズだ」
男「こ、コレかぶったまま2時間!?」
女「ずっと仰向けで頼むぞ、それと…」
男「まだあるの…」(5時間授業でよかった…)
女「マトンスープだ。起き上がるのは…億劫だろうから…私が…あ、あーんで飲ませてやる///」
男「……」
569 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:26:19 ID:Ft7uuMqV
…2時間後
男「女さんはお医者さんになりたいの…?」
女「そういう訳じゃないが…使用できる薬物、環境に比べ怪我や病気をする機会は著しく多いからな…最低限の医術くらいは……」
男「戦い…とか?」
女「あぁ、だから我々は接骨には特に自信があるぞ…骨折や脳震盪や脱臼、お手の物だ」
男「へぇ…」
女「だがそれだけじゃないぞ?肉ばかりだと消化器官系を壊しやすいし…それに長期の乗馬で神経痛や変形関節炎とかにもかかり易いな」
男「……」
女「寒い冬の焚き火で火傷をする事も多い、ホラ私もここを…」ペラッ
男「うわ…痛そう…」
女「何、ステップじゃ赤ん坊でも殆ど持ってるモンだ…ところで…それそろだな。効いてきたか?」
男「え…何が?」
女「何ってそりゃ…痛みが引いて気分が良くなったかという事だ」
男「…う、うん」(酒と脂っこいマトンスープがぶがぶ飲まされた上…むせ返る様な匂いが脾臓に篭って……)
女「む…なんだ今の間は…気をつかわず、正直に言いたまえ」
男「ごめん、ちょっと吐きそう…」
570 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:42:30 ID:Ft7uuMqV
女「なんと…嘔吐症状まで……すまん男ッ!!」
男「……」ゼェハァ
女「私がっ…!!私があんな技をかけたばっかりに…!!」グスッ
男「い、いや…だから…そっちじゃ……」ゼェハァ
女「だ、だが次は大丈夫だ!!きっと治してみせる!!」
男「あんまり…もう…匂いがキツいのはやめて……」ゼェハァ
女「安心しろ、今度はザクッとするだけだぞ?」チャッ…
男「ザクッと!?チクッとじゃなくてザクッと!!?」
女「瀉血療法だ、血管のツボを開いて悪い血を取り除く」
男「いやああああぁぁ!!これ多分打ち身!!打ち身だからそんな事したって意味ないよ!?」
女「ん、そう…なのか…?」
男「そ、そうなのかって女さん…心得があるんじゃ…」
女「普段自分にはやってるんだが…」
男「それで治った…?」(やってるのかよ…)
女「……」
男「……」
女「……さて次の療法に当たるか」
男「ねぇ、ちょっと!!?」
571 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/31(月) 21:43:27 ID:Ft7uuMqV
だれかー
呼んだー?
573 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 02:34:09 ID:T6hdKT7i
女「次は灸療法だ」
男「お灸ですか…」
女「うむ、まずは…そうだな。患部周囲を暖めてみよう」
男「…みよう?」
女「暖めます」
男「……」
女「そ、そんな顔するな…多分そこまで…熱くは無いと思うぞ?」ピトッ
男「多分って…ひっ!?あ、あれ…冷…たい?」
女「これは灸じゃないからな、フェルトにバターを塗ったものだ。しばらくしたら暖かくなってくる」
男「なんだ…よかった…」ホッ
女「熱いのはこっちだ」ジュウウゥゥ
男「なっ、なな何ソレ…焼け石…?すんごいジュウジュウいってるんだけど…まさか……」
女「その上にのっけます」ボトボト
男「え、ちょっと待っ…!!重ッ!?熱いというより重ッ!!量考えようよ!?」
女「フフフ、これだけあったら積んで遊べるな?」
男「何言ってんのッ!?」
女「よし、さっそく元気が出てきたみたいだ」
男「治療の成果みたいな言い方しないで下さい…」
>>いたwwさびしゅうてww
散々放置しといて書く時は誰かいないと寂しい?
甘ったれが!!
お、俺がいてやるよ……
(゚ω゚)
投下終了してた……だと……
576 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 14:32:43 ID:S1ehSWvF
俺は、毎日覗きにきてるぜ…
577 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/01(火) 15:35:07 ID:T6hdKT7i
男「だ、段々熱が伝わって来て……」
女「気持ちいいだろう?」
男「ぐるじい…」
女「ま、まぁ…こっちは気持ちいいハズだ…」パサパサ
男「今度は何を…」
女「生姜を患部に乗っけてる、まだメインは済んでないからな」
男「メイン…?」
女「灸を据えて無いだろ…?」
男「も、もう一杯一杯…なんだけど……」
女「大丈夫だ、馬糞を乾燥させた馬糞灸を使う」
男「馬糞…」
>>575すまん、ねちってたwww
>>576ありがたい…ほぼ週一ペースなのに…
578 :
女「バターも周りに塗っておこう」ペタペタ:2009/09/01(火) 15:54:11 ID:T6hdKT7i
女「バターも周りに塗っておこう」ペタペタ
男「…く、くすぐった……こっ、コレほんとにちゃんとした治療法…なんだよね?」
女「当然だ。確かに我々の治療法は外から見たら少し特殊らしいが、ちゃんと効果はある」
男「とっ…特殊すぎ……うあぁ゙…」ジュウゥゥ
女「何を言うか、これでも農耕民共のソレよかよっぽどマシだぞ?」
男「マ、マシ…これでマシ?」
女「マシだろう。ヤツ等ときたらどんな症状でも患部をばっさり切り落とすか、むやみやたらに瀉血する以外能が無いではないか」
男「打ち身は…熱ッ…どんな症状にもってのには…入ってないんですかね…?」
女「そ、それで効果が無かったら…王族のロイヤルタッチに呪術医の霊能力とくる…ハッ、迷信深い連中だ」
男「いつの時代の医療だよ、ソレ…ぐっ…ぁ゙…」
女「我々は奴等と違って合理主義者だからな、神頼みなどせん。信じるのは己の腕のみだ」
男「あんまり信じきッ――――あ゙があ゙ああああ゙あぁぁ゙ッ!?」ボウッ
女「おっ、来たようだな。どうだ?気持ちいいだろう…?」
男「けッ、けけけ消じでえぇぇぇ゙!!!焼けるうぅぅぅ゙!!焼けぢゃうぅぅ゙ゔぅ゙ゔ!!」ボオォォ…
女「あ、あれ…?ちょっと量が多すぎたかな…」
生「ねぇ、向こうの方ですごい煙が立ってるんだけど…」「ホントだ…何やってんだろ…」「焚き火かしら…?」ザワザワ
579 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/05(土) 13:21:35 ID:fOGSSCwF
投下終わってた…
俺は応援してるから!ずっと見てるから!何時までも待つからぁ!
どの作品も面白いんだが更新速度が……
あれだ、士郎正宗とか冨樫義博的な……おっと誰かきたようだ
581 :
女「バターも周りに塗っておこう」ペタペタ:2009/09/12(土) 03:15:27 ID:lp5bLkR0
579>>週一どころじゃなくてすまんwww
580>>明日こそ書きたいです
後、ここでいう「遊牧民」とは女真族の様な半狩猟、半農耕民的な遊牧民でなく
イメージ的には中央ユーラシアの草原地帯全域に跋扈していた家畜の遊牧のみを生業としていたフン族の様な純粋な遊牧民です
やたらモンゴルっぽいのは、この地域でのみ資料が集めやすい純粋な遊牧民の生活が、現在辛うじて残っているためです
ですが生活形態を絞ってるので、殆どの要素が他の上記の様な遊牧民にも当てあまるものと思います
浄火や、テングリ(天)崇拝、農耕民への蔑視、内臓占い、合理的価値観、社会の直接民主主義的な仕組み、戦術、交易と戦争観等が多分ソレですww
たまにモンゴル(血云々)固有の習慣等が出てきますが、それも一応ある地域の純粋な遊牧民の生活習慣の一つとして
表現したつもりで、モンゴルオンリーってしたい訳ではありません
料理とかもモンゴル料理主体ですが、昔から殆どと言って良いほど変わってませんし、そもそも純粋な遊牧民は家畜のバリエーションも調理法も
限られてるので、純粋な遊牧民の「食」としてかなりの普遍性があると思います
またモンゴル固有イメージを避けるため、意図的に軍事的リーダーの存在を、コッサクの首領に対する呼称である「アタマン」と呼ばせたりしています
コサックは遊牧民というより騎馬を主体とする軍事共同体なので、今更ながら相当不適切な気がしますがwww
でも今後もあえてこの方向性で、こうゆうバラバラの地域(とっいっても中央ユーラシア草原の地帯全域に留めるつもりですが)の
生活習慣や呼称を、「純粋な遊牧に拠った生活、社会形態」という共通性を考えた上で、ごちゃまぜにして行きたいと思います
余りにその遊牧民族にのみ独特な様なモンは基本入れません、多分ww
さっきも言った様に調べやすいので、呼称など表面的な要素は殆どモンゴルな感じなのは勘弁してくださいwww
まぁ要は自分の全てのSSに言えることですが、あくまでイメージというか深く考えないでとwww
説明下手な上、矛盾してる気がしないでも無いですが、突っ込まれる前に言い訳しときましたwwww
つっても突っ込む程人いないかwwまだ見てる人いたら言ってくれー
みとるぞー(´∀`)
おkー
設定解説キタコレ
半分何言ってるかわかんねぇ……
つっこむほど人がいない?ノンノン
遊牧民にそこまで詳しい人がいないだけだろwww
もしいたら今すぐ支援SSを書く作業に戻るんだ
585 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:48:47 ID:fGr5XIby
男「…や、やっと…終わった……」ゼァハァ
女「うむ、やっぱり何時もと同じ量の筈なんだが…」ジュウゥ…
男「あ、熱すぎ…ない?」ゼェハァ
女「全く」
男「すごいね…女さん…」ゼェハァ
女「もっとも、重傷の時は敢えて火傷するまでやるが…その時は流石に熱いぞ?」ボオォ…
男「火傷って…」ゼェハァ
女「まぁしかし…誰しも初めての時は、量の如何に関わらず大抵熱がるとも聞くし…私自身は物心付く前からやってたから……」
男「…慣れ…とか?」ゼェハァ
女「あぁ…多分な…」(慣れ、か…)
男「……」ゼェハァ
女「ところで男、痛いのは治まったか?」
男「ごめ…まだジーンとしてて…よく分かんないや……」ゼェハァ
女「…そうか」サッ
男「ひッ!?あ、あれ!?痛くない!!?全然痛くないぞぅ!!」ガバッ
女「え?だが今…」
男「あぁ!!気のせいだった!!や、やっぱり全然痛く無かったよ!!ウン!!いやー、すんごい効果だなァ!!」
女「…本当か?」
男「ホント!!ホントだからもう…!!」
女「……」
男「治療は大丈夫…だってばぁ…」ビクビク
女「私は…」
男「っ…ぅぅ…」ビクビク
女「私はただ…冷えたバターを塗ろうと……」
586 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:50:53 ID:fGr5XIby
ごめん、明日とか言ってたのにww
昨日はPC使えませんでした、勘弁を
>>584自分でも何言ってんだかww
まぁ適当って事ですw
587 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:51:05 ID:fGr5XIby
女「……」ペタペタ
男「はあぁ…」
女「気持ち良いか?」ペタペタ
男「うん…」
女「…もう、痛くないか?」ペタペタ
男「う、うん…」
女「……」ペタペタ
男「……」グッタリ…
女「なぁ男…改めて言うが…」
男「ん…」
女「済まない…私は…毎度お前に迷惑を掛けてばかりだ……」ペタペタ
男「いや、でもこれは…」
女「良いんだ、男…自分でも分かってる…今回の事で嫌が応にも痛感させられたよ……」
男「……」
女「我々と男は違うし…その溝を補うには…私自身まだ余りにも愚かで、弱い存在だって事……」ペタペタ
男「……」
女「ただ、ソレを今まで…分かろうとしてこなかっただけなんだ……」
男「そんな事……」
女「何をいう、今日だって…そうだったじゃないか…」ピタッ
男「女さん、いいよ…」
女「この傷も…赤く腫れた治療跡も…」プルプル
男「いいって…」
女「傷一つ無いお前を…私が強引に付き合わせ…」ギリッ…
男「違う…」
女「己の臆病さ、未熟さ故に――ッ!!」
男「違うッ!!」
ガシッ…
588 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:41:42 ID:wVC2zt/I
VIPでみたなコレ
589 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 22:12:24 ID:Z906N0wr
590 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 23:32:09 ID:fGr5XIby
男「…ナイフ、貰うよ」
女「…男……」
男「女さん、俺は…話すの下手だから…上手く言えないけど…違うんだよ」
女「……」
男「俺は、俺が女さんといたいから…女さんといる…純然たる自分の意思で、今もここにいる」
女「で、でも…」
男「女さん言ってくれたよね…?俺は強いって…」
女「あぁ…」
男「だからさ、なんていうか…さっきのは思ったより熱かったから、少しびっくりしただけで」
女「ホントにすまなかった…私は自分の基準で、お前を…」
男「いや、ホントにいいんだって。他の事だってみんな…確かにびっくりする事は多いよ?料理とかさ…」
女「……」
男「でもそんなんで嫌々付き合う程、ましてや女さんを嫌いになったりする程、俺は…弱くない……」
女「じ、じゃあ男は…男は私といて…楽しんでくれてるのか…?」
男「うん」
女「こんな傷まで負わされて…教師にだって睨まれて…私のせいで停学になった事まで……」
男「うん、ソレ込みで俺は…女さんと仲良くなれて良かった、ホントにそう思ってる」
女「……」
男「その事を…このナイフにかけて…信じてもらえないかな……?」
>>588ここにあるのは全部vipで投下したモノに書き足してるだけなんでww
そうなのかー
VIP行かないから全然知らなかった
さてわっふるわっふる
592 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 00:13:54 ID:by97hme0
女「…る」ボソッ
男「え?」
女「信じる…ぞ…」
男「……」
女「例え地が割れ…天が堕ちようとも……」
男「ハハ…」
女「覚悟しろよ…?今の言葉、後で違ったなんて絶対言わせないからな…」
男「うん…」
女「撤回するなら…今のうちだぞ?」
男「しません」
女「本当だな?これ以降はもうナシだからな?この喜びを裏切られる位なら私は…優しさなんて…」
男「俺を信じれない…?」
女「ッ!!そ、そんな事ッ!!」
男「うん、じゃあもう良いじゃん。こんくらいの事で負い目を感じなくてもさ、悪気があった訳じゃないんだし…」
女「あぁ…だが借りは返す」
男「いいってば、別に借りじゃないし」
女「いや、しかしそれじゃあ、私の気が…誰か殺ってきて欲しい人とかいないのか…?」
男「いません…」
女「じゃあ欲しいモノとか…奴隷なんてどうだ?一人位でいいのなら、すぐにでも調達出来るぞ?女は諸事情により無理だが…」
男「いりません…」
593 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 00:44:30 ID:by97hme0
男「じゃあ、そうだなぁ…」
女「何だ!!何かあるのか!?」
男「まぁね、欲しいモノとかいうより…女さん自身になんだけど…」
女「うむ、何でも…あ、いや…ち、ちょっと待った…まさかとは思うが…」
男「?」
女「え、えええエッチっぽいのとかは無しだぞ…///?」
男「…は?」
女「だ、だからっ!!そうゆうのは何もこんな形でなくともというか!!お互いの想いをちゃんと確認してからだなッ!!」
男「……」
女「まずは相手にきちんと攻めて見るという過程を経て初めて希望が――!!」
男「ぷっ…くく…」
女「…ってな、何故笑う!?」
男「い、いやだって…女さんに、行き成りそんな事言う訳…ハハ…」
女「なっ!?」
男「ハハハ…」
女「こ、こう見えても…皮鎧で抑えられたり、着痩せしたりしてるだけで…結構あるんだぞ!?」
男「はぁ〜、やっぱり女さんは何時もみたいに、一方通行気味のが全然良いよ」
女「ぅ…///」
594 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 17:20:50 ID:by97hme0
男「俺が頼みたいのはさ…」
女「う、うむ…」
男「さっき言った様な…俺が実は迷惑がってんじゃないか、とか…そんな事思ったらさ…」
女「む…」
男「その…難しいかも知れないけど、遠慮せずその都度俺に言ってくれないかなって…溜め込んだりせずに…」
女「……」
男「だ、だって…男友なんて俺にイライラするくらい文句ばっかいうけど…それでも親友だよ?」
女「……」
男「他の悩み事とかもさ、あれば気軽に言って欲しいんだ…そっちの世界の暮らしも色々大変みたいだし…それなら尚更…」
男「今回の食糧の一件みたいに…きっと力になれる事だって―――」
女「男」
男「ん?」
女「私が遠慮なんざする類の、悩みなんざ溜め込む類の…殊勝な人間に見えるか…?」
男「え…」(見えるから言ってるんだけど…)
女「フフフ、私が何者か思い出せ…戦争屋だ…ヤツの言う通りにな」チャッ
男「……」
女「元より遠慮する余裕等、持ち合わせていないし…」
男「……」
女「悩みを溜め込む様な器用さ等、ある道理も無い…」
男(また、だ…)
女「不愉快な事があれば酒を飲み、馬を駆り、虫ケラを殺し…」
男(頬を伝う涙の痕も…)
女「足りないものがあれば、そこに略奪を付け加るだけ。ただそれだけだ」
男「女さん…」(目尻に溜まった水粒すら、まだ残ってる内に…)
女「だから男」
男(今度は仲間も、畑部さん達だっていない……)
女「…心配してくれるな、私には必要の無い頼みだ……」ニコッ
男「うん…」(それなのに…)
595 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 17:47:59 ID:r4SBVRGj
女「だが、ありがとう男…心配してくれて」
男「困った事あったら、無理しないで言ってよ…?」
女「フフ、そんな柄じゃないと言ったろうが…男こそ…大丈夫なのか…背中」
男「あ…」
女「や、やはりまだ熱い…のか?」
男「…全然熱くもないし、痛くも…無い…」
女「ぇ…ホントか?」
男「…いやホントに」
女「……」ジィー
男「ホントだって」ペシペシ
女「!!」
男「違和感無さ過ぎて気付かなかったよ」
女「おおおおおおぉぉぉッ!!すごい!!すごいぞ男ッ!!」パアアァ
男「別に俺はすごくないと思うけど…お灸とバターが効いたのかなぁ?」
女「男だ!!男が効いたんだッ!!」キュポッ
男「どうゆう事だよソレ…」(テンションおかしくなってんな…)
596 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 17:58:44 ID:r4SBVRGj
女「〜♪」グビグビ
男「飲むねぇ…」
女「ぷはぁッ!!祝い酒だ!!」
男「ハハ…でもびっくりしたなぁ、何か肌までつるつるしちゃってるし……」
女「また『びっくり』だな!!びっくりくり!!」
男「うん、ホントにびっ…くりくり?」
女「フフッ、すんごいびっくりって意味だ!!男も使っていいぞ!?」
男「…っていうか女さん、自信もって治療してくれたんじゃ…」(何言ってんだこの人…)
女「終わり良ければ……ッ!!?」
男「…何でもいいよね」
女「うむっ!!」グビグビ
男(にしても凄い勢いだな…)
女「ぷぁッ…!!しかしアレだな!!きっとアレだ!!」ドンッ
男「…アレ?」(っていうか珍しく…酔ってる…?)
女「最強って事だ!!今度から男が怪我したら私がアレする!!」
男「はぁ」
女「こうなったら、これはもう最強コn―――!!」
男「あっ、でも考えたら…もう何時間もたってるから…自然に痛みが引いただけかも…」
女「ビ…」
男「つるつるすんのも…バター塗ったら、当たり前だよね」
女「……」シュン…
597 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:26:19 ID:2om4jGf4
女「むぅ…酔いが醒めてしまったぞ…」
男「ご、ごめん…」
女「まぁいい…フフ…相変わらず気分は良いしな…」
男「そう?」
女「何にせよ、男の怪我が治ったんだ…負わせた私が言うのもおかしな話だが…」
男「ハハハ…あ、大分…暗くなってきたね…」
女「うむ、日が落ちるのも早くなった…」
男「もうすぐ冬だもんなぁ」
女「そうだな…」(時間はもう…)
男「流石に星は見えない、か…」
女(そう多くは…)
男「ん、月が少し…見えるかな?」
女「……」
男「よし…」
女「……」
男「そろそろ、帰え」
女「男」
男「ん?」
女「お前は良いヤツだ、強いヤツだ」
男「な、何だよ…突然///」ポリポリ
女「そんなお前が、私は――」
男「!」
女「いや」フッ…
女「…そうだな、帰るか」
男「ええええええぇ……」
何だか女さんが崩壊してる
599 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 01:45:55 ID:2om4jGf4
男「ち、ちょっと待ってよ…」
女「どうした、帰らないのか?」
男「いやだって…今明らかに何か言いかけてたじゃん……」
女「そうか?」
男「そうだよ!!そ、そもそも今日、校舎裏に呼びだしたのは何だったんだよっ!!」
女「う…あ、あれは…だな…」
男「うん…」
女「…早まった///」
男「なっ…」
女「す、すまん。重ね重ね迷惑なヤツだな、私は…別に男を困らせるつもりは無かったんだ…」
男「そうは思わないけど…意味がよく…早まった?」(呼び足したのは…その…そういうアレだよな多分…)
女「あぁ、早まった…でもようやく気付いたんだ…」
男「な、何を…?」(それとも女さんの事だから…俺が勝手に早とちりして……)
女「と言うより…お前のお陰でやっと冷静になれた、と言うべきか…」
男「冷静…」(冷静に考えたら…必要ない頼みだった、とか…?)
女「このままではダメだ…だが臆病でもいい…臆病さと強さは必ずしも相反しないのだから…」
男「は?」
女「全ては…生きてこそ、だろ?」ニヤッ
男「は、はぁ」(このままでは…ダメ…?)
女「そゆこと」パカパカ
600 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 01:53:15 ID:2om4jGf4
男「ま、待って!!全然意味わかんないよ!?何『そゆこと』って!?」
女「言葉通りの意味だが…」
男「それが分かんないんだって…俺が臆病って意味?それとも俺が何か…」
女「そのうちわかる…」パカパカ
男「くっ…」
女「……」パカパカ
男「頼み事!!」
――ピタッ
女「……」
男「コレ頼み事!!頼み事、聞いてくれるんだろ!?ちゃんと答えてよッ!!」
女「……」
男「……」
女「……」
男「…何か…おかしいよ、女さん……」
女「――決まってるんだ」ボソッ
男「え…」
女「決まってるんだよ、男」
男「決まってるって…何が…?」
女「運命ってヤツだ…私が今の私であり続ける限り…どう転ぼうが…私の行き着く先はただ一つ…」
601 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 14:01:12 ID:2om4jGf4
女「案ずるな…臆病なのはお前じゃない、私だ…そして私は今…自分の臆病さに心底感謝してる…」
男「…女さんが…?」
女「あぁ…私の運命を『私達』の運命にせずに済んだのだからな…」
男「ッ!?」
女「もっともこの仮定は…フフ…己の自意識過剰か、願望とも言うべきものか知れんが…」
男(わ、私達の…運命…それってやっぱり…)
女「とにかく、だ…私には倒すべき敵がいて、越えるべき障害がある…変化の時は来た……」
男(いっ、いや…でも…敵、障害…?)
女「ステップに生きる者なら誰もが覚悟している…『時』だ」
男(もしかして呼び出したのは、俺に助けを求めようとしてで……)
女「だから焦る必要なんて何も無いし…急いた所でどうにかなる様なモンでもない…」
男(だけど敵ったって…畑部さんなら一応戦わないって決めたハズだし…食糧だって上げてる…)
女「ならば答えは一つ」
男(一体、女さんは何と…)
女「ヤツ等を殺し…幾冬を乗り越えられるだけの力を得た時…」
女「この話の続きをしよう」
602 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 15:40:23 ID:2om4jGf4
男「女さん…俺、言ったよね…」
女「男、これは悩みじゃない。深刻でもなければ、異常な問題でもない」
男「……」
女「ただ話の続きをするためにも…男の力を借りないで、こなす必要のある問題があるってだけだ」
男「ソレは…下手したら、死んだりするような問題…じゃないの?」
女「さぁ、どうだか?そもそも命に関わらない様な問題等、我々の生活には無いしな…」
男「だ、だったら!!」
女「――男ッ!!」
男「…っ」ビクッ
女「これは私の問題だ、そして避けられない問題だ。分かってくれ」
男「そんな事言ったって……」
女「それにこう言っちゃなんだが…お前の性格上…私なんかを心配し始めたらキリがないぞ?」
男「ぐ…」
女「分かってて、ここまで言ってしまった私も、私だが……」
男「し、心配な要素が多すぎるんだよ…女さんには…」
女「フフ、その上我侭だな…私の事は知っておいて欲しい…だが心配はするな、助けようともするな、と…」
男「ホントだよ…どうしてくれんの、このモヤモヤ……」
女「何、今はそんなでも…きっと直ぐに、心配損したと思うに違いない…私の物言いは大袈裟からな…」
男「……」
女「明日からも私は、またお前に迷惑をかける…覚悟しろよ?」
男「ちゃんと…迷惑かけ続けてよ…」
女「うむ!!任せろっ!!」
603 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 16:17:45 ID:2om4jGf4
女「でも私は男の方こそ心配だ」
男「女さんに言われたくは無いけど…どこが?」
女「その…男は時々…脂肪の塊に弱い気がする…目線的にというか…」
男「し、脂肪の塊…?」
女「お前に限って無いとは思うが…もしそんなモンにコロッと騙されでもしたら大変だぞ?」
男「はぁ」
女「分かってるのか?無駄に…大きいって事は垂れやすいって事だ…動くのにも邪魔だろうし……」
男「……」
女「き、きっと感覚だって…鈍いんだ…///」
男「相変わらず、話が見えないんだけど…」
女「形が、大事なんだからな…ああゆうのは…」
男「っていうか俺、脂っこいの苦手だよ…?」
女「だ、だから!!料理の話じゃ……む」
男「?」
女「そういえば男…」
男「うん」
女「やっぱり料理は…びっくりだったのか…?」
男「え゙っ…な、何で?」ギクッ
女「さっき言ってたではないか、料理とかびっくりするけどって」
男「う、あ…いや…えと…」
女「今は…私とお前しか居ないんだから…正直に言ってくれていいんだぞ…」
男「ア、アレは…」
女「……」ジイィ
男「美味しくてびっくり、的な…」
女「……」ジイィ
男「――帰るか」スタスタ
女「コラ」
604 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 16:50:28 ID:2om4jGf4
ゲル
女「〜〜〜♪」
女父「……」キュッ、キュッ
女(フフ、今日は色々な事があったな…)ニコニコ
女(男には…怪我させたり…心配させたりしてしまったが……)
女(料理対決には勝ったし…)
『美味しくてびっくり、的な…』
女(ま、まぁ正直色々疑問点はあるが……)
女(でも…)
『うん、ソレ込みで俺は…女さんと仲良くなれて良かった、ホントにそう思ってる』
女「〜〜〜〜〜ッ///!!」ゴロゴロ
女父「…楽しそうだな」
女「っ…ぅぇ…へ?」ピタッ
女父「……」
女「…そ、そう見えますか///?」
女父「誰がどう見てもな」
女母「ええ」
女父「何か、良い事でもあったのか…?」
女「あ、いや…」
女父「……」
女「…特に」シュン…
長くてスマンw誰かいるかな?
605 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 17:11:04 ID:2om4jGf4
女父「娘よ」
女「はい」
女父「最近やたら略奪品の中に、虫ケラ共の女物の服があるのだが……」
女「っ…そ、そうですか?」ドキッ
女父「そうだろ」ズラッ…
女母「……」
女「コ、コレは…交易に使えるかなと…それに生地が薄くて丈夫なのもありますし…布としても……」
女父「とても丈夫そうには見えんが…」ペラッ
女「う…い、いや…でも…」
女母「フフ、案外良いモンですよ?着心地もすべすべしてて…確かに戦とかには向いてませんけど…」コトッ
女父「ならコレは何だ?」グビッ
女「ッ…!!」(男からもらったスカート!!?)
女父「何故こんな戦どころか、乗馬にも使えん様な衣類が、そのままココに残ってる…?」
女「そ、それは…」
女父「大事そうに置いてあったから、交易には出さなかったが…何か特別な意味でもあるのか?」
女「とっ…特別な意味は無い…です…けど……」
女母「……」
女父「じゃあ出して良いんだな」
女「いっ、いえ!!それは…その…っ!!」
女母「あなた、ちょっとコッチ手伝ってもらえます?」
女父「む、今娘と…」
女母「お願いします、私じゃ力が足りなくて…」
女父「分かった」ガタッ
女(母上…)
女母「……」ニコッ
俺もいるでよ!
女父は亭主関白な感じなんかね
608 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 17:37:36 ID:X6ZIQypq
教室
男(女さん遅いなぁ…もしかして…)
先「山田くん、はいますね。女さんは…欠s」
男(昨日の話――)
オオォォォォ…ドドドドド…
先「ん…地震、ですかね?」
女「男おおおおおぉぉぉッ!!」ガッシャアアアン
男「ッ!?ちっ、ちちちちょっと女さん!!!?」
生「きゃあああ!!」「きょ、教室にそのままッ!?」「ひいいいぃ!!」
女「約束通り迷惑掛けにきたぞおおおぉぉッ!!」
男「あああぁぁぁ!!何、俺のせいなの!?」
女「見てくれコレ!!コレ見てくれ!!」ヒラッ
男「おっ、落ち着いて!!本ッ当に迷惑だから…!!授業中だし……」チラッ…
先「な、ななな…な…」
男「すいません、ホントすいません!!勘弁してやって下さい!!」ペコペコ
女「それよりコレ!!コレ!!」ピョンピョン
男「…コレって…ん?ズボンの上に……」(スカート…)
女「どうだ!?」
男「どうって…」
女「!!」キラキラ
男「か、可愛い…です…」
女「…そ、そうか///」
男「うん…」
女「///」モジモジ
609 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 17:57:03 ID:X6ZIQypq
ザワ…ザワ…
先「ッ…ぁ…」パクパク
男(どうすんだよ、この空気…)
女「男も…中々格好いいぞ…?」
男「そう…ね…」
女「フフフ…///」
先「ど、どうぞおおぉぉ゙…」ムクッ
男「ひッ…」(復活した…)
先「この続きはあぁ゙…外でごゆうぅぅっくりいぃ…楽しんでくださいぃぃ゙……」ガララッ
女「何ッ!!授業受けないでいいのか!?」
男(受ける気はあったんだ…)
先「えぇ、受けないでいい!!受けないでいいですからッ!!」ガシッ
男「ッ!?な、なな何で俺に…」
先「お願いですうぅ゙…少なくとも…少なくとも…私の授業が終わるまではあああ゙ぁ゙ぁ゙……」グイィィ
男「せ、先生も…落ち着いっ…俺は別に…!!」
先「外で遊んでてええええ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙…」グイィィ…
男「わっ、分かりました!!分かりましたから!!出て行きますから!!」
女「おぉ!!やったな、男!!」
―――ピシャッン!!
男「うぅ…」(あの優しい先生に…追い…出された…)
女「フフッ、中々話の分かる先生だな♪」
男「ソウデスネ」(絶対欠席だよ、コレ…)
610 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 18:40:20 ID:X6ZIQypq
男「寒い…」ブルブル
女「季節的に仕方無いぞ、それは…フェルト着るか?」
男「ありがと…でもこの状況+廊下じゃなかったら、こんな寒くは無かったと思う…」
女「?」
男「ピンと来てよ…」
女「でも確かに今年は…特に、寒いな」
男「そういう事じゃないんだけど…まぁね」
女「……」
男「あ、そういや…畑部さんいなかったな…休みかな?」
女「むっ…気になるのか…」
男「だってさ、あの場にいたらきっと更に大変な事に…」
女「…休み、では無いぞ。多分」
男「え、そうなの?」
女「ヤツにしては少々対応が遅いようだが…」
男「何の対応?」
女「今の季節は少々忙しいんだよ、我々もヤツ等も」
男「あぁ、冬越しか…前も言ってたモンね、女さん」
女「うむ…」(もっとも…)
男「畑部さん達も大変なんだなァ…」
女(あの時とは、大分状況が変わったが……)
611 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 19:03:53 ID:X6ZIQypq
女「んぐっ…ん」ゴクゴク
男「……」
女「ぷは…まだ、寒いのか?」
男「ごめん、フェルト貸して貰ってるのに…」
女「多分飲んでないからだな、男も飲め」
男「…校舎内は勘弁して下さい」
女「じっ、じゃあ仕方無いな…」
男「うん…我慢すr」
女「ち、ちょっとソッチに寄ってやる…///」スッ
男「えっ…」
女「だっ、だって寒いんだろ?寄り添うのは、暖を取る一般的な方法だぞ…」
男「そ、そうだろう…けど…」
女「暖かい、か…?」ピトッ
男「あ、うん…///」
女「……///」ギュッ
男(ッ!!コ、コレは…)
女(ぁ…)
男(や、やばい…ただでさえアレなのに…胸が近……)ドキドキ
女(男の…鼓動の音が……///)ドキドキ
男(息子が…)ドキドキ
女「……///」
男(アレ?もしかして当たって…る?)
612 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 20:25:58 ID:X6ZIQypq
女「……///」ドキドキ
男(女さんの胸が小さくて…ある意味良かっ…たな、ウン…でも)
女(おっ…男おぉぉ…///)ドキドキ
男(だ、だめだ…やっぱりヤバイ…何か思ったより、ちょこんとしてるし…髪も……)
女(何でも良いから何か話してくれぇぇ…でないと心臓がああぁ…///)ドキドキ
男「そ、そっかぁ…」ボソッ
女「…ッ!!」
男「もうすぐ冬かぁ〜!!」
女「そっ、そうだな!!冬だな!!やばいな!!」
男「コ、コタツ楽しみだなぁー」
女「うむ!!楽し―――…こたつ?」
男「ん…?あぁ…えっとね…」
女「?」
男「コタツは毛布がかけてあって…中に暖房がある机…みたいなヤツ、かな」
女「机の中に…暖房…」
男「ごめん、中…じゃないな…下に付けてあって…すっごい暖かいんだよ?」
女「も、燃え移らないのか…?机とか毛布に…」
男「移りません…うーん、何て言うか…」
女「???」
男「…よし、じゃあ今度家に来たら見せてあげるよ」
女「!!」パアアァァ
男「どうせそろそろ出すしね」
女「ぜ、絶対だぞ男!?絶対だからなっ!!」
男「ハハ、コタツにそんな期待されても…」
女(男の家!!男の家!!)ワクワク
男(う…何か、自分で言い出しといて不安になって来た…)
613 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 22:37:25 ID:X6ZIQypq
女「でな、でな!!それで私はヤツの頚動脈目掛けて――!!」
男「う、うん…」
キーンコーン
男「ん、チャイムだ。やっとお昼だね」
女「矢を…むぅ…」(これでまたヤツが…)
畑部「お待たせしました!!お弁当作ってきましたよ!!」
男「は、はァ」(ホントに来てたんだ…)
女「チッ…」
畑部「あれぇ〜?害虫さん、こんなトコにいていいんですかぁ〜?」
女「…貴様が言える事か?」
畑部「フフ、そうですね…でも粗方やるべき事は、やってしまいましたから…」
女「情報の遅さの割りには対応が早いな、虫ケラ」
畑部「情報が早くても対応の仕様の無い、害虫さんとは逆ですね♪」
女「ぐ…ッ」
男(冬越えに情報も何もあるのかな…)
畑部「それに…」チラッ
女「……」
畑部「害虫さんが何といおうと、男君はこっちの世界の人、なんですから……ね、男君?」
男「…へ?あ…うん」
畑部「フフフ…」
女「ふ、ふん…大体、料理勝負に負けたく癖に何が弁当だ…恥知らずめ」
畑部「あー、アレですか。アレはむしろ私にとって+です。男君の底なしの優しさが成せる判定でしたので――」
614 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 23:12:24 ID:X6ZIQypq
畑日「――改めて惚れ直しました♪」
男「っ…ほ、惚れって…ハハ…」
女「何度言えば分かる…つまらん冗談はよせと言ったハズだ…」チャッ
畑部「冗談?マジですよ私、大マジです」
男「!?」
女「……ッ!?き、きさッ!!?」(コイツまさか!?)
畑部「フフフ…ハルマゲドン、です。もう形振りなんて構ってられません」
女「本気、か…」(ダメだ…)
畑部「えぇ、今なら害虫さんの気持ちだって、ほんの少しは分かる気がします」
女(ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ……)
畑部「死の中を生き抜いてる虫ケラと、死を目前に捕らえた人間…種族は違おうが、所詮同じ生き物って事です」
女(コイツは違う…コイツは私とは違う……)
畑部「出来たら私の代では、ごめん被りたかったですけど…こればっかりは仕方無いですもんね」
女(勇気がある、例えそれが蛮勇だとしても…コイツには……)
畑部「…だから…私も、無茶になります」ニコッ
男「……」ポー
畑部「さっ、男君!!ボケっとしてないで『二人』で食堂に行きましょう!!」ギュッ
男「…ッ!?あ、え、ちょっ…待っ!!」ズルズル
女「ま、待てッ!!私も行く!!」
615 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 23:58:28 ID:X6ZIQypq
男「女さん…」
畑部「何故ですか?害虫さんはお昼食べないんでしょ?」
女「今の貴様は危…じ、じゃなくて…なんか腹が減ったんだっ!!」
畑部「一匹で食べたらいかがです?私は何時も通り男君と、二人で食べたいのですが…」
女「きっ、貴様が男と食べなきゃいい話だ!!そしたら私だって一人で食べてやってもいいぞ!?」
畑部「あ〜…もしかして害虫さんって男君の事好きですか?」
女「ッ!!」(コ、コイツうぅぅぅ!!分かってる癖にいぃぃぃッ!!)
畑部「っていうか、そもそも男君が誰と食べようが男君の勝手、違いますか?」
女「き、貴様はダメなんだ!!」
畑部「随分理不尽な話ですね、今までは黙認してたのに」
女「だ、だだ黙れ!!黙れ!!黙れッ!!どうしてもというのなら…ッ!!」チャッ
畑部「あら、何ですかソレは?男君は私達の争いを身を削って止めてくれたんですよ?それなのにそんな理不尽な理由で虫ケラさんは……」
女「もっ、もうどの道…ッ!!」
畑部「なら射れば良いじゃないですか、私は抵抗しませんよ?」
男「……」
畑部「何故だか分かります?射れないと思ってるからです」
女「う、うぅ…」タジタジ
畑部「フフ、だって害虫さんは…男君の事、異性として好き―――」
女「違うッッ!!」
男「っ…」ズキッ
616 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 00:01:02 ID:X6ZIQypq
見てたら支援くれると嬉しいです
しぇーん
618 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 00:17:28 ID:6WlG6wWf
女「ぁ…」
畑部「じゃあ放っといて下さい、今はまだ血を流す場面ではありません。さ、行きましょう男…君?」
男「……」
女「……」プルプル
畑部「お、男君は…私と食べるの嫌…なんですか…?」
男「嫌じゃないけど…」
畑部「じゃあ行きましょう、早く」
女「っ…ぁ…ぅ…」プルプル
男「…うん…行こうか…」
畑部「はい!!」
女「!」
スタスタ……
女「……」ヘタッ…
女「ハハ、ハ…」(何が…)
女(何が臆病でいい、だ……)
女(言った先から…後悔するとはな…)
女(理屈では…分かってる…筈なのに……)
女(いや…理屈と現実を…無理矢理…迎合させてるだけか……?)
女(だけど…じ、実際…その通りでは無いか……)グスッ
女(男も…満更じゃなさそうだし……)
女(私には…これくらいしか…出来な…っ…)
女(半端者め…)ポロッ
女(――臆病者め――!!)ポロポロ
ありがとう…
催促されたら支援なんてしません
絶対してあげないんだからね!
620 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 18:44:09 ID:6WlG6wWf
食堂
畑部「はい!!何時ものお礼のお弁当ですッ!!」パカッ
男「そ、その前にちょっと…いいかな…?」
畑部「好きです」キッパリ
男「…ッ」
畑部「愛してます」キッパリ
男「……」
畑部「これで充分、ですよね?返事…聞かせて下さい」ニコッ
男「……」
男(…ん?)
男(おかしい…な…)
男(俺、生まれて初めて告白された…んだよな…多分……)
男(それも巨乳でスタイル抜群、料理は最高、顔も可愛い…理想の…女の子に……)
男(なのに…何でだろう…気分は不思議なくらい落ち着いていて……)
男(思考は次に紡ぐべき言葉を、淡々と探してる…胸の高鳴りすら感じない……)
男(昨日なんて、呼び出されただけで…一杯一杯だったのに……)
男(…今はまるで…秋晴れの空を見上げてる様な……)
畑部「……」
男(――いや、違う)
男(一つだけ…一つだけ告白された瞬間から…脳裏にチラついて離れないモノがあった……)
『すっ、すまない……』
男(ソレは何時もと同じに、強引に…無鉄砲に…)
『男おおおおおぉぉぉッ!!』ドドドドド
男(澄み切った俺の頭に纏わり付いて……)
畑部「……」
男(俺を…)
畑部「害…女さん、ですね?」
>>619べ、別にちっともして欲しく何かない無いもん…むしろもっとしないで欲しいくらいだし…
そんなんでモチベーション上がったりとか絶対無いんだから!!
621 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 19:17:27 ID:6WlG6wWf
男「うん…」
畑部「あちゃー…ホントに早まっちゃいましたか、私」ポリポリ
畑部「薄々…分かってる気は、したんですけどね……」
男「……」
畑部「…女さんの事、好きなんですか?」
男「ごめん、正直…まだよく分からない…」
畑部「はっきりしないんですね」
男「うん、だけど…」
畑部「えぇ、分かってます」
男「……」
畑部「……」
男「……」
畑部「…男君は少し…強くなりましたね?」
男「…強く?」
畑部「えぇ、少しだけ」
男「そうかな…」
畑部「そうですよ、良い事だと…私は思います。それに、その事だけに限ったら嬉しいです」
畑部「万人に優しい人は、結局誰一人にも…優しくなんて、なれないんですから……」
男「……」
畑部「でも…その優しさを向ける方向さえ、定まれば…男君は……」
男「……」
畑部「絶対に、何にも…」
男「……」
畑部「…もっとも、弱い男君も可愛くて素敵ですけどねっ♪」
622 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 20:28:57 ID:6WlG6wWf
男「本当に…ごめん…」
畑部「なぜ謝るんですか?」
男「だって、畑部さんみたいな人に…」
畑部「……」
男「俺なんかが…こんな曖昧な理由で……」
畑部「男君」
男「……」
畑部「振るのは勝手です。勝手ですけど、舐めてもらうのは困ります」
畑部「私は男君に惚れたんです。その私の前で自分を卑下するのは、私を卑下するのと同じ事です」
男「畑部…さん…」
畑部「それに…良いんですか?こんな事で、全て済んだ様な気になってる様ですけど…」
男「え…?」
畑部「女さんと親しくしすぎて、私達の特質を忘れてやしませんか、と言ってるんです」
男「俺達の…特質……」
畑部「…執念深さ、ですよ」
男「……」
畑部「何せ、農耕民という生き物は…」
畑部「決してその形を失う事の無いモノに、幾世代にも渡って連綿と受け継がれてきたモノに、全面的に依存して生きて行くんですから……」
男「……」
畑部「だから曖昧な理由、上等!!むしろまだチャンスがあると受け取ってやりましたっ!!」パアァ
男「……」
畑部「フフッ、こうなったら、もう絶対に死ねません♪」ニコッ
男(俺が…)
623 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 23:20:17 ID:6WlG6wWf
男(俺が…泣かせた…)
畑部「今回はミス!!そう、作戦ミスですから!!やっぱり人間焦っちゃいけないんですっ!!」
男(こうなり得る事を、充分に予想した上で……)
畑部「生きて、生きて、生き延びて!!何としてもこの冬を乗り越えて…っ!!」
男(自分の意思…というより曖昧な感覚に従った……)
畑部「今度こそ、ちゃんと作戦を練って、再チャレーンジ!!……ってな、何ですかその顔はぁ」
男(だからこそ…畑部さんのこの姿を前に…何もしようとはしないのだろうし……)
畑部「男君は何も…っぇ…あ、あれ…?」
男(きっと後悔や…同情さえも…してはならないと思うんだろう……)
畑部「おかしい…ですね…目にちょっと埃が…っ…入っちゃったみたいで……」
男(目を逸らさず、見届ける…)
畑部「え…あ、いや大丈夫ですよ?ホントに大丈夫…なんですけど…ハハ……」サッ
男(その必要性への確信だけが……ある)
畑部「ど、どうなってるんでしょうね…なっ、中々取れないや…アハ…アハハ……」ゴシゴシ
男(これが…)
畑部「全然、ハハ…取れな…っぅ…」ポロポロ
男(優しさ、なのか…?)
畑部「いっ…ぁ…」ポロポロ
男(これが…)
畑部「ぁ…うあっ…うぇっ…」ポロポロ
男(…強さ……)
畑部「うああぁぁ…っ…ぁぁ…あぁ!!」ポロポロ
男「……」
624 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 23:46:02 ID:6WlG6wWf
放課後
女「はぁ…」パカパカ…
男「……」スタスタ
男&女「あ…」
男「やぁ…」
女「お、おぉ…」(虫ケラが一緒じゃない!!)
男「……」
女(うぅ…でもこの反応は……)
男(この顔が…)
女「…な、なァ男…その…今日一緒に帰らないか?」
男「いや今日はちょっと…一人で……」(この声が…告白された時によぎったんだよな…)
女「そっ、そうか…」(やっぱり…)
男「……」
女「そう…だよな……」シュン…
男「……」
女「じゃあ…」パカパカ…
男「…やっぱり…一緒に帰ろっか?」
女「ッ!!」パアァァ
男「ゆっくり頼むよ?」(何故だろう…)
女「ま、任せてくれッ!!全力でゆっくりしてやる!!」
男「ハハ…」(放って…置けないんだよな……)
マスター、わっふr……支援を一つもらおうか
626 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 05:09:08 ID:qAItilsm
パカパカ
女(むぅ、男のヤツ…)チラッ
男「……」
女(さっきからずっとコレだ…話しかけても生返事だし……)
男(俺は女さんの事…)
女「……」
女(ま、まさか…)サアァ…
男(飽くまで…友達として好き、なんだよな…?)
女(いっ…いやでも…あんな事言ってくれたんだ!!そんな筈ないっ!!)ブンブン!!
男(だって女さんは、異性として見た時…)
女(信じるぞ…今だってこうやって…一緒に帰ってるんだ……)
男(粗暴だし、不潔だし、酒飲みだし、料理マズいし、ちょっとお馬鹿だし…)
女(だとしたら…やはり虫ケラと昼休みに話した事と関係が…?)
女(今日のヤツの雰囲気じゃ…下手したら……)
男(オマケに貧乳…)
女(ぐ…き、聞きたい…猛烈に聞きたいが…何と言って聞けば……)
男(確かに顔は…ちょっとカワイイけど……)
女(そ、それに…思いたくも無いが…仮にそうゆう類の話が、本当にあったとして……)
男(幾ら何でも…それ以外のマイナスポイントが多すぎるよ……)
女(私が男に尋ねても…期待してる様な返答は…絶対返って来ないだろう……)
男(殆ど…俺の理想の対極じゃないか……)
女(もっとも…そこで返ってくる様なヤツなら最初から……好)
男(なのに…)チラッ
女「///」
男(何で…こんな…)
>>625支援サンクスコ!
もしや、紳士の方から?wwwもし、そうだったらあっちも放置ぎみですいませぬ
おはようごぜいます(^ω^)
紳士の方は見てないな……
でも正直最近こっちの更新が多くてうれしーです
628 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 16:16:32 ID:qAItilsm
女「……」ソワソワ
男「……」
女(よ、よしっ!!)
男「……」
女「男…なんだか…さっきから元気が無い様な気がするが、大丈夫か?」
男「あぁ、別に…大丈夫、何とも無いよ」
女「そうか…」(男…)
男「うん」
女「なら…良いんだが…」(何故、こっちを向いてくれないんだ…)
男「……」
女(そんなに俯いて…一体…)
男「ハァ…」
女「……」
女(もう…理由なんてどうでもいい…)
女(私に出来るのは……)
男「……」
女(私が知っていて、男に出来るのは……)
女「ホラ」キュポッ
男「…ん?別に今は寒くないよ…?」
女「力士も太い草につまずく。こうゆう時は飲んで、歌え、それに限る」
男「ハハ…何、カラオケでも行きたいの…?」(励まそうと…してくれてる…?)
女「コホン、では恥ずかしながら一曲」(からおけ?)
男「えっ」
>>627更新また遅くなるかもですが勘弁をww
629 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 20:57:08 ID:AiFWyFZJ
今ここまで読んだ。面白かった。
>>1頑張れ。超応援してる。
631 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 02:29:33 ID:MVkiErOF
男(綺麗な歌、だな……)
女「〜♪」
男(どこか…哀愁を帯びたような…っていうか女さん普通に歌上手い…)
ザワ…ザワ…
男(嗚呼、これで周りの視線さえ無ければ……)
女「…ど、どうだった///?」
男「すごく良かったよ。歌、上手なんだね」
女「そ、そうか!!まァこれは私の十八番だからな///!!」
男「コレは…何て歌なの…?」
女「草原の歌、だな…文字通り草原を讃えてる…オルティンドーという我々の間に先祖から伝わる民謡だ」
男「へぇ…民謡かぁ…」
女「うむ、楽器が無いのが残念だが……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「男、我々はな…」
男「…う、うん?」
女「辛いこと悲しいことがあった時、草原の中でコイツを大声で歌うんだ…もちろん飲りながら……」
男「……」
女「そうするとな、胸がスッとして…楽になるんだ…まるで自分が大地に溶けていくような…そんな気持ちになる」
女「何があったかなんて…聞くつもりはない…私自身、聞かれるのを好むタイプじゃないしな……」
男「……
女「だけど男が悲しんでる姿は見たくない…だから……」
男「女さん…」
女「お前も歌え、なんでもいいから歌って飲るんだ」
頑張る!!めっちゃ頑張るから!!
632 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 02:36:53 ID:MVkiErOF
男「ココ、住宅地なんだけど……」
女「…な?」
男「なって言われましても…」
女「私は男の歌、聞いてみたいぞ?」ニコッ
男「で、でも…あんまり最近の歌とか知らないし……」
女「よっ!!ダサい!!ダサいな男っ!!」
男「…ダサいは、褒め言葉じゃないよ?」
女「!!」ワクワク
男「ハァ…分かったよ…じゃあ」
――スゥ
男「ぅぇをむぅいて…」
女「声が小さい!恥ずかしがるな男ォ!!」ドンッ
男「ぐふぇっ!!な、何を…」
女「こういうのは全力で歌ってこそ意味があるんだ!!そんなんじゃ家畜も集まらんぞッ!!?」
男「ぅう…上をむうういて…」(家畜…?)
女「そんなもんじゃないだろぉ!!男の力はあああぁぁッ!!しっかりしろおおおぉぉ!!」バンッ
男「っが…歩こおおおおぉぉ!!」(ヤバい…相当酔い回って来てるな…俺……)
女「おぉッ!!その歌なら私も知ってるぞ!!よし、一緒に歌ってやる!!!」
男友(絡まれたく無いから、遠巻きに見てたがあいつ等…)ソ〜
男&女「涙が〜こぼれないように〜思い出す春の日〜♪」
男友(通学路で飲酒、乗馬、合唱なんでもあり…っていうか早くいってくれよぉぉ…!!帰れねぇだろうがあぁぁ!!)
633 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 03:33:01 ID:MVkiErOF
女「っ…次は何歌う?」ゼェゼェ
男「も、もういいや…喉が…」(意外と懐メロ知ってるんだ…)
女「そっ、そうか…どうだ…悲しい気持ちなんて吹っ飛んだだろ…?」ゼェゼェ
男「ていうか喉痛くてよく分かんないや…ハハハ……」ゼェゼェ
女「フフ、草原でやるともっと…気持ちがいいんだけどな…」
男「ちょ、ちょっと降りて休まない…?」ゼェゼェ
女「いいぞ、私も流石に…少し疲れた……」
川原
男「女さん、ありがとう…確かに…気持ちが少し晴れたよ…」
女「『悩みがあったら遠慮せずに相談してくれよ?』」
男「ぷっww何その声マネ、全然似て無いしwww」
女「む…これでも上手い方なんだぞ、こうゆうの」
男「歌は上手かったよ、声凄く綺麗だった」
女「ぅ…こ、こッ恥ずかしい事言うな…馬鹿者…///」
男「ハハハ…」
女「まったく…///」
男「はぁー…面白かった」
女「…もう…大丈夫か?」
男「うん、大丈夫…なんとなく…答えが出そうだし……」
女「フフ、そうか…」
男「ありがとね」
女「なぁ、男」
男「ん?」
女「ここの草は…長いな…」ファサッ
男「え…そんな長い?」
女「あぁ、コッチに生えてる草はコレの半分も無いし…もっと痩せてる…潤いだって……」
男「でも…家畜達は、ソレを食べて生きてるんでしょ…?」
女「他の地域の草食獣じゃ、殆ど見向きもしないような代物らしいがな…」
男「ココは水辺だから、きっと栄養あるんだろうね…」
女「うむ…」バサッ
634 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:44:24 ID:z/t3Uv/e
女「なぁ男、こうやって仰向けに寝転がってるとな…建物やら何やら、煩わしいものが何も見えない……」
男「うん…」
女「視界にあるのは蒼い空に、白い雲、風に揺られて靡く…長くて力強い草だけ……」
男「……」
女「背に感じるのは…ひんやりとした…豊かな土の水水しい感触……」
男「……」
女「まるで、祖父が話してくれた…在りし日の草原みたいだ……」
男「確かに、町の中には見えないね。意外と静かだし…」
女「あぁ、近くだと…男の声位しか聞こえてこないぞ…?」ゴロッ
男「道路も離れてるから、誰も来ないんだよ。この辺」(あ、こっち向いた…)
女「う、うむ…そうだな…」(って事は、誰もいない草原で…)
男「……」
女(男と…二人っきり…///?)ドキドキ
男「ねぇ、女さんってさ…」
女「……///」
男「女さん?」(聞いて…無いな…何か顔も赤いし…)
女「い、いかん…な…」
男「ん?」
女「何だか少し…眠たくなってきた…疲れたのか、酔いが回ったのか知らんが…フフ……」
男「大丈夫?女さんが、そんなになる何て珍しいね」(何だ、眠たかったんだ…)
女「うむ、珍しい…実に珍しいぞ…力も入りそうに無い…だから……」
男「あー、引っ張ってあげようか?」
女「なら…奪…できちゃうかもな…」ボソボソ
男「…え?ごめん、何て?」
女「だ、だから…今なら、だな…私も力が入らないし……」
男「うん」
女「男が…その気になったら、簡単に…り、りゃ……」
男「?」
女「りゃくd―――ッ」ハッ
635 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:58:21 ID:z/t3Uv/e
女「…ぅ…ぁい///」カアァァ
男「お、女さん?」
女「いっ、今のは…失言…だった…忘れてくれぇ///」プルプル
男「失言って…りゃ?」
女「うああああぁぁ!!いいから忘れろおぉぉぉ…ッ///!!」ゴロッ
男「ッ…う、うん!!」
女(糞ッ!!まだっ…!!まだ焦ってるのか…私は…!!)
男(な、何だったんだ今の…完全に反対向いちゃったし……)
女(大体、前も失敗した作戦を繰り返すとは!!幾らヤツがあんな出方して来たからって……!!)
男(めっちゃ悶えてるし…お)
女「……」ピタッ
男(止まった…)
女(でも…)
女(や、やはり私には…魅力が無い…のか?)
女(だって仮にも…同年代の男女が…こんな場所で二人っきり…なんだぞ…?)
女(別にそっ、そうゆう事にはならずとも…普通なら…素振りくらいは見せてくれる方が…自然じゃないか……)
女(それに私達…あの時よりは親しく…あぁぅ、ダメだ…)
女(決めただろ…同じだ…この先を乗り越えなければ…結局何も……)
女(何も…)
女「……」
男(急に大人しくなったな…)
636 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:21:08 ID:z/t3Uv/e
女「……」ポン
男(ん?手だけこっちに…)
女「あー今年の冬は寒いなぁー。ちょー寒いなー(棒)」
男「ち、ちょー…?」(清清しいくらいの棒読みだな、オイ…)
女「私としたことが冷えてしまったようだー…おっ、主に…そのー…」ゴニョゴニョ
男「……」
女「手とか…だなー…///」
―――ギュッ
男「暖かい?」
女「…ん///」ギュウ
男「そっ、そう…」(握り返してくれた…)
女(や、やた…男の手だぁ…)ギュウゥゥ
男「ッ…ちょ、ちょっと女さん…力」
女「あ、う…す、すまん…痛かったか?」パッ
男「いや大丈夫だけど、そんな強く握らなくてもw」
女「///」
637 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 19:23:24 ID:z/t3Uv/e
男「…前は気付かなかったけど…女さんって意外と手小さいんだね」(綺麗な手だ…)
女「そ、そうか?」
男「うん」(一見、傷や肉刺だらけで…無骨で野暮ったいけど…ちゃんと触れてみたら……)
女「お、男の手こそ…意外と…大きいな///」
男「手だけやたら、でかいんだよねww」(柔らかくて、細くて…何時までも握っていたい様な…女の子の手…)
女「何を言う!!男は器もでっかいぞ!!」
男「ハハ…」
女「むしろ全部でかい!!きっとアレもでかい!!」
男「ハ…アレ?」
女「…ぅ…な、何でもない…また失言だ///」
男「変なのww」(そっか…)
女(くぅぅ…何故私は…下ネタをサラッと言う勇気だけはあるのだ……///)
男(女さん自身なんだ…この手は……)
男(答えが、出た…)
638 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 20:38:00 ID:z/t3Uv/e
パカパカ
女「フフッ…」
男「ん?どうしたの急に?」
女「いや…自分の往生際の悪さについ、な」(今は…)
男「?」
女「何、こっちの話だ…ありがとう、今日も楽しかったぞ?」(これで充分…)
男「こちらこそ…あ、ここまでだ。じゃあ」
女「うむ♪」
男&女「また、明日」
――秋営地
女(…まさか…冬に感謝する日が来ようとはな……)
女(今日は…男にくっ付けたうえ…手まで…フフフ///)
女(男の手…暖かかったな…///)パラッ
女父「……」
遊一同「……」
女「ぁ…」
女父「随分…楽しそうだな?」
女「い、いえ…父上その…コレは?」
女父「マジャーニ族が連中と合流した」
女「ッ!?む、むむ無血でですか!?」
女父「あぁ」
女「そんな…」
女父「これで…連中に立ちはだかる主な遊牧勢力の脅威は消えた…」
女「我々を…残して?」
女父「そういう事だ」
639 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:33:24 ID:z/t3Uv/e
女父「フフ…あの童がココまでになるとは……」
遊伝「しゅ、首領!!」パラッ
女父「何だ?」
遊伝「バートルとトグリルがいません…」
遊一同「何、またか…!?」「追って殺すか…!?」「いやしかし…!!」ザワザワ
女父「放っておけ」
女「しかし父上、これ以上の戦力低下は…」
女父「何、戦場で背後から射られるよりかマシだ」ガタッ
女「……」
女父「誉れある狼の子等よ、我等が待ちに待ったチンギスの再来だ」
遊一同「……………」
女父「最早去りたいなら止めはせん…止められる力も無いしな……」
遊一同「お、おい…聞いたか?」「本気か…?」「だがこうなった以上は…」ザワザワ
女「……」チャキッ…
女父「……」サッ
女「父上…」
遊一同「俺は去る…」「こっちもだ…」「悪ぃな…だが…」ゾロゾロ…
女父「あぁ、責める道理も無い。当然の判断だ」
誰かー
見てますよ
641 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:39:24 ID:W9InZVh0
女「……」
女父「さて…残ったのはこれだけか、うむ。思ったとおりの面子だ」
遊「へへ…異常な連中ってか?」
女父「あぁ、異常だ。俺が貴様等なら、残りはしない。例え義兄弟でもな」
遊「よく言うぜ」「いやお前は異常だろww」「待て、待て。俺は分け前が増えるから残ったまでだぞ?」ワイワイ
女父「ハッハッハッ…」
女「父上、さっきの様な事はもう…下手をすれば……」ヒソヒソ
女父「だからこそ、だ。現状で最も考えられる直接的脅威は暗殺、反乱では無い」
女「……」
女父「コイツ等のいる場で、主導権を握った上で、事を進める必要があった。無論、その場で殺す事も考えたが…」
ワイワイ…ガヤガヤ…
女(冷静な、判断だ…)
女父「今は慎重に限る。万に一つ、一人でも味方を失うのは惜しい」
女(それも空恐ろしい位の……)
女父「後は、お前さえ帰って来るのを待って始めれば…どんな愚か者にも、行きがけの駄賃で獲れる首では無いという事位は理解できる」
女(昨日まで一緒に暮らしてきた人間を、生と死の秤に掛ける…この様子じゃ……)
遊「しかし肝が冷えたぜ」「まったくだ」「行き成りあんな事、言い出すんだもんなww」ワイワイ
女父「ハッハッ…思いつきに付き合わせて、悪かったな」
女(計画の露呈を避け、娘である私のみならず、味方と目された人間にすら…事前に話はしなかったのだろう…)
女父「〜〜〜〜〜」
女(父上、貴方に焦りは…)
女父「娘よ、今がどういう状況か分かってるよな…?」
女「は、はいっ…」ビクッ
女父「…なら、いいんだが」グビッ
女「……」
女父「ふぅ…さて、貴様等。どうせやるしか無いんだ、この頭数で出来る事を考えよう」
遊「おぉッ!!」ワアァァァ
女(…釘を…刺された?)
>>640サンクス!!誰か見てるって分かるとやっぱ安心しまふ
642 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 17:32:25 ID:W9InZVh0
女(今、この場に残ってるのは…父上と個人的に極めて親しい数人と……)
遊「―ココに到達するまでに連中の兵力は――」「進軍ルートは全てステップ地帯――」「――実戦力は―マジャーニを含め――」
女(父上と同じ、特別な『事情』で連中の陣営に加われない者達だけ……)
遊「――すでにクンバ峠にまで――」「いっそ暗殺を――」「―交渉の余地は――」
女(結束は固くとも…大量の離脱者は、残された時間を更に短くした……)
女「おい」
遊「ハッ」
女「明日だ…」
遊「分かりました。今宵の内に準備を」
女(…躊躇ってはいられない……)
男家
姉「ねぇ、ちょっと弟!!アレ見た!?アレ!?」
男「う、うわ!!何だよ、姉ちゃん!?ノックくらい――!!」
姉「見て無いのかよ!!好いから、外見てみ!!外!!」
男「も〜何だよ…そのテンション…」ガラッ
姉「ホラ!!」
男「あ…」
姉「すごい数の流れ星でしょ!?こんなの初めて!!」
男「ホントだ…すごい…」
姉「ね!?何か起きるのかしら!?」
男「ハハ、何かって別に――」ハッ
『星が流れた…きっと誰かが……』
男(死…)
姉「綺麗ね〜…きっと良い事があるに違いないわ、フフ♪」
男「……」
大丈夫!
ちゃんと見ているから安心して投下してくれ
俺がチェックする頃には投下が終わっている……
俺も見てるぞ!ちくしょう!
645 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:05:56 ID:W+DCJ2T3
遊「準備完了しました…」
女「よし、出発するぞ」パカッ
遊「……」
女「どうした?何か問題でもあるのか…?」パカパカ
遊「アタマン…先の凶兆は……」
女「構うな、時間の無駄だ。出来る限り急がねばならん」パカパカ
遊「大量の離脱者、ですか…」
女「あぁ、接触する可能性が高い。それに奴の父バルラスが護衛を連れ、現在の野営地を発ってもう四日。これ以上待つのは危険だ」パカパカ
遊「しかし…」
女「刃を交えないで済む可能性だってある、何を……」ピタッ
遊「………………………………」シーン
女「……畑部の件、か」
遊「今度ばかりは…慈悲は通りません……」
女「ハァ…」(コイツ等まで…)
遊「相手が相手です…隙を見せれば我々が喰われ―――!!」
女「言葉でッ!!」
遊「……っ」
女「言葉で、信用を勝ち取る程難しい事は無い…特に我々の関係においては尚更……違うか?」
遊「……」
女「だから今一度アタマンの権限を持って命令する、私に続け」
遊「………………………………」
女「さすれば見せてやる、私が何一つ変わって無いという事……」
女「私が正しく父ジャムイルの子――」スラッ…
遊「!!」
女「―――アタマンの女だという事をッッ!!全隊早駆け!!命令不服従はヤサに照らし厳罰に処する!!」
遊「おおおおおおおおおぉぉぉぉッッッ!!!!」ヒヒイィィィィン!!
>>644すまんwww更新が遅いモンで…見てくれてホントさんくす!!
大丈夫!
いくら遅れてもずっと待ってるぜ!
647 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 19:34:38 ID:uamAConR
学校
男(うーん…この時間になってもいない…また遅刻かなァ…でも)
男友「よっ」ポンッ
男「ッ!!…ってお前か」クルッ
男友「何だよそのリアクション、人がせっかく久しぶりにコッチから話しかけてやったのに」
男「別に話しかけりゃいいだろ」
男友「いいだろってお前、あの二人が常にどっちか周りにいるだろが。もうあんな目ゴメンだからな」
男「あー…すまん…」
男友「で、あれから女さんとは何か進んだのか?畑部さんに浮気してないだろな?」
男「だーかーらー俺達はそういうんじゃないし、付き合ってもない」
男友「…の割りには女さんが居なくて随分寂しそうだがwww」
男「だ、だってお前…今日四時間なんだぞ?女さんは、遅刻はしても毎日ちゃんと来てたのに…」
男友「ありゃ、そういやそうだな。まァどうせもうすぐ来んだろ」
男「……」
男友「心配でたまりませんかwww?」
男「るせ」
畑部「男君」スッ…
男「ッ!?」ビクッ
男友「あー…じゃな」(何キョドってんだコイツ?)
畑部「その必要はありませんよ、男友君。ハイ、お礼のお弁当です」コトッ
男「ど、ども…」
畑部「私は用事があるのでコレで」ガラッ
男「……」
頑張る!!何か無駄に当初の予定より長くなっちゃったけど!!見てる人いたら
支援くれると嬉しいです
支
支
650 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 20:36:23 ID:uamAConR
男友「ねぇ、喧嘩!!喧嘩したの!?それとも振られた!!?」
男「してないから…っていうか何で、お前そんな嬉しそうなんだよ…」
男友「全ッ然嬉しく無いッす!!」パアアァァ
男「……」
・・・・
新畑「う〜今日も寒いなぁ…」トコトコ
新畑「あ…」(部長さん達だ…倉庫から何か出してる…)
畑部『〜〜〜〜』
畑『〜〜〜〜』
新畑「部長さぁ〜ん、手伝いましょうかー♪」
畑部&畑「ッ…」
新畑「部長さん?」
畑「……あ゙?」ギロッ
新畑「ひッ…」
畑部&畑「……………………………」シーン…
新畑「あ、あの…私…その…」オロオロ
畑部「ハァ…」
新部「ご…ごめんなさい…すぐ行きますんで……」ペコペコ
畑部「…待ってください」
新畑「あぅ…」ビクッ
畑部「まぁ、どうせ教えるつもりでしたし…仕方無いですね…」
新畑「ごめんなさい…」
畑部「謝らなくて良いですよ、取り合えずコレ…出すの手伝ってもらえます?」ニコッ
新畑「はい…」
支
652 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:05:35 ID:uamAConR
ガチャ…ガチャ…
新畑「はぁ…はぁ…」(にしても…)
畑「……」ガチャ…
新畑「ふんっ…」(何だろうコレ、新しい農耕具…には見えないし…やたら沢山ある……)
新部(それに、一緒出してるこの板は…何に使うのかな…)チラッ
畑「……」ガチャ…
新畑(うぅ…聞きたいけど…なんか皆怖そうな顔してるし、先輩ばっかりだし……)
畑部「…手、止まってますよ?」
新畑「ッ…す、すいませんっ!!」
畑部「急いで下さいね…」
新畑「はぃ…」(怖いよぉぉ…)
ガチャ…ガチャ…
畑部「……」
新畑「ふぬ…ぅ…」プルプル
畑部「新畑さん、一度にそんな持たなくても大丈夫ですよ?もう残り少ないですし」ニコッ
新畑「あ、はい…」
畑部「フフ…」ガチャ…
新畑「…あ、あの」
畑部「クロスボウですよ」
新畑「へ?」
畑部「この機械の名前です、それが聞きたかったんでしょう?」
新畑「…何を…する機械なんですか?」
畑部「んー、そうですね。じゃあちょっと見ていて下さい」ガチャッ
支
しえん
655 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 21:58:12 ID:uamAConR
畑部「準備できましたか?」
畑「ハッ」
新部(あんな遠い所に鉄板置いて…何するつもりだろ…)
畑部「では矢を」
畑「ハッ」サッ…
新畑(え、矢?)
畑部「良いですか、新畑さん。簡単ですからよく見ていてくださいね?まず、矢を台座に固定した弓の弦に引っ掛けます…んっ」カシャッ…
新部「は、はい…」(ホントだ…良く見たらあれって、弓の形……)
畑部「この引っ掛ける時だけ、少し力がいります。後は台座後部の両側にある、ウィンドラスというハンドルを両手で回し、弦を巻き上げるだけで…」キリキリ…
新畑「……」
畑部「ハイ、発射準備完了です!!ホントに簡単でしょう♪」ニコッ
新畑「は、はい…でもこれって畑となn」
畑部「では撃ちますよ、狙いを付けて…」グググ…
―――ピシュッ…ガンッ!!
畑部「フフ、久しぶりなので少し自信ありませんでしたが…何とか当たった様ですね」スタスタ…
新畑「貫通…してる…」(結構厚い鉄板で…しかも丸みを帯びてるのに……)
畑部「えぇ、普通の弓なら貫通しないで滑り落ちてるところです。もうこの機械の意味が分かりましたよね、新畑さん?」
新畑「……」
畑部「弓を引き絞って構える筋力も、狙いをつけ放つ技術も必要とせず……」
畑部「これだけの威力と射程を持つ矢を、素人でも簡単に発射できる様にした画期的な機械。それがクロスボウです」
支
657 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 22:47:51 ID:uamAConR
畑部「もっとも…こうやって遠方の標的に、命中せるのは少し難しいですけどね。クロスボウの矢は構造上、太くて矢羽の少ない短い矢を使わざる得ず、空気抵抗が大きくて弾道が安定しないんです」
新畑「……」
畑部「その代わり鋼鉄製の矢にしたり、普通では手で引けない様な弓を搭載出来るので威力は抜群なんですが…まずは近距離を正確に撃てるだけで良いです♪」
新畑「ま、待って…」
畑部「あぁ、いい忘れてましたね。この大きい板はこうやって背負って、無防備な矢の装填中敵に背中を向け、自身を保護するための盾です」ヒョイッ
新畑「そうじゃなくてコレ…人に…撃つんですか?」
畑部「え?違いますよ、虫ケラさんに撃ちこんであげるんです。今日から新入部員の皆さんはコレを訓練します」
新畑「でも…こんなん撃ったら…死んじゃいますよね?」
畑部「…代わりに死にたいんですか?」
新畑「い、いえ!!だけど…前はこんな…!!」
畑部「事情は後で説明します、他言無用ですよ?私は用事があるので――」
新畑「こっ…こんなの…怖いですよぅ……」プルプル
畑部「……そうです、ね…ウン、新畑さんも付いてきて下さい」
新畑「え…ど、どこにですか?」
畑部「アンサンブル部と弓道部に頼み事をしに行くんです」
新畑「…先輩達じゃなくて…私が?」
畑部「色仕掛け要員です」キッパリ
新畑「えぇッ!?」
畑部「ホラ、行きますよ」グイグイ
新畑「ひいいいぃぃぃぃぃ…」ズルズル…
・・・・
男友「俺もう帰るわ、お前は?」
男「ん、いや…何となく…もうちょっといるよ。先帰っててくれ」(まだ来ない…)
男友「何となくとかwwwまァ、何か頑張れやwwじゃな」
男「あぁ、じゃな…」(何時もならもうとっくに…)
『また、明日』
男(女さん…)
658 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:26:56 ID:uamAConR
音楽室
畑部「部長さんはいますかー?」ガラッ
新畑(何するんだろう…何させられるんだろう…)プルプル
ア部「はーい、入部希望ですか?」
畑部「違います。畑部部長の権限において部員を五名を一時的に徴用しに来ました♪」
ア部「は?え…何?」
畑部「知ってるでしょう?非常措置…ケースBです。必要書類は揃ってます、ホラ」
ア部「え…う、嘘だろ?あんなの…タダの…」
畑部「えぇ、タダの大災害です。もうじきイナゴの群れが大挙して押し寄せてきます」
ア部「……」ヘタッ
畑部「口外したら…分かってますよね?」
ア部「…勝手に…しろ…」
畑部「部員の皆さん!!これより畑部の活動に対し一時的に協力する為の志願者を求めます!!募集人員は五名!!」
ア「何だ、何だ…」「入部希望者じゃないのか…?」「いや変な事言ってんぞ…」ザワザワ…
畑部「コレは生徒会からの正式な通達による、非常措置に基づいた命令であり、拒否権はありません!!志願者がいない場合は強制徴用となります!!」
新畑(た、頼み事じゃない…)
ア「部長、どうなってんですか…?」「非常措置って…」「活動って何を…」ザワザワ…
ア部「それは…」
畑部「……」ギロッ
新畑(私…いる必要あるのかな…?)
ア部「わ、分からないけど…生徒会の判のある取り合えず必要書類も揃ってる…罰則を喰らいたくないなら、従うしか……」
ア「えぇ〜…」「何だそれ、意味わかんねぇ…」「お前行けよ…」ザワザワ…
畑部「ちなみに志願者にはもれなく、この娘のメアドとお手手繋ぎ(恋人繋ぎ)権が譲渡されます!!」ババーン
新畑「なっ…!?ち、ちょっと部長さん勝手に…!!」
ア「お、俺は行くぞおおおぉぉぉ!!」「ハイハイハイハイハイハイハイッ!!」「連れてけええええええええェェ!!」ワアアァァァ…
新畑「ひいぇええええぇぇぇ!!?」
660 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 01:13:32 ID:HJgusUtE
新畑「うぅ…汚されたぁ…」グスッ
畑部「でもお陰で沢山、志願者が来てくれましたよ?まぁ五人で充分なので、何人かはお断りしましたが」
新畑「でもって…それなら、最初から自分でやれば良いじゃないですかぁ……」
畑部「食い付きが違います、私より新畑さんの方が断然可愛いですもん」
新畑「ちっとも嬉しく無いです…ま、また弓道部でもこんな事するんじゃ無いでしょうねぇ……」
畑部「弓道部は女性の方Tが多いので大丈夫ですよ」
新畑「ホッ…」
畑部「フフフ…」
新畑「あ…に、にしてもアンサンブル部の人達と何するんですか?それに非常措置って…」
畑部「指揮のため、ですよ」
新畑「しき?」
畑部「前の様な小規模な戦いならまだしも、大規模な戦いで肉声の届く範囲でしか、統率出来なかったらマズイでしょう?そのためのアンサンブル部員です」
新畑「楽器で指揮するんですか…?」
畑部「何、簡単な合図の繰り返しですよ、それに合わせた即席の訓練もします。古代から楽器は軍隊の必需品なんです」
新畑「大規模な戦いが、起こるんですね…さっきの武器もそのための…」(何時から私達、軍隊になったんだろう…)
畑部「えぇ」
新畑「女さん達…ですか?だけどそれならこの前…」
畑部「そうですね…」ピタッ
畑部「後で説明するつもりでしたが、そんな気になる様ならこのまま付き合わせるのも、可哀想ですので説明しましょう」
新畑「は、はい…」
畑部「……よく、民族が危機に瀕した時…英雄が現れるとか言いいますよね?」
新畑「かえさる…とかですか?」
畑部「えぇ、そしてソレは奴等も同じなんです」
新畑「英雄…」
畑部「異常気象の連続、縮小し続ける草原…それによって生じる、農耕地帯との境界線における絶え間ざる軍事的緊張…一方で火器等の発達により次第に奪われていく軍事的優位……」
新畑「??」
畑部「まさしく民族の…いや連中の世界全体に跨ぐ危機…これら不回避の要因全てが……」
畑部「もう一度現代にチンギス・ハンを蘇らせたのです…」
支援サアアアァンクス!!
支援っ
しっえぇぇぇぇぇん!
663 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 20:48:37 ID:HJgusUtE
新畑「ごめんさい…全然分からないです…ちんぐすはんって昔の人ですよね?」
畑部「『グス』じゃなくて『ギス』です。貴方も畑部の一員なんですから、もっと勉強しなきゃダメですよ?」
新畑「ごめんなさい…」(だって畑部に入って、こんな事するなんて思ってなかったもん…知らなかったもん…)
畑部「…かつてのバイキングの進出も、北欧の異常気象、温暖化とそれに伴う人口増加が引き起こしたと言われています」
新畑「はぁ…」
畑部「つまり草原がまだ虫ケラ共の数に比べ、充分に広大だった時期は遠い昔の事なんですよ」
新畑「……」
畑部「もっともこの異常気象は連中の生活基盤を破壊し、その数を激減させる方向に働くと思いますが…ソレを回避するための空間は、もはやそう多くは残されていないんです」
新畑「回避する空間…?」
畑部「えぇ、少しでも温暖な地域へ…あるいは略奪を期待できる農耕地帯に隣接する地域へ…連中は我先にと生きるために殺到します」
新畑「ひぃ…」(じ、じゃあ女さん達の部族は…今の所割りと有利なポジショニングなのかなぁ?でもそれだと……)
畑部「普通に考えたら、虫ケラ共のバトルロワイヤルが始まると思うんですが…」
新畑「え…ち、違うんですか?」
畑部「私は農耕地帯との境界線における絶え間ざる軍事的緊張…と言いましたよね?」
新畑「はい」
畑部「通常…連中の中の一部に権力が集中する事は、我々と違い一つの例外を除きまずありません」
新畑「そうなんですか?」
畑部「何せ、集中させ世襲させるだけの富も無ければ…その集団の構成員も絶えず分散し動き回ってるため、掌握がほぼ不可能だからです」
新畑「じゃあ例外って…」
畑部「戦時です」
畑部「戦時には集団の構成員の一糸乱れぬ統制が必要になります、そこで連中は最も戦争に長けた者を構成員の中から選び権力を集中させる」
新畑「へぇ…あ、女さんって…」
畑部「えぇ、ソレです。だからあの虫ケラは戦争屋なんです。まぁ父親も相当らしいですが……」
畑部「とにかくその権力は飽くまで戦時にのみ発動し、名誉はあっても平時には他の者と同等程度の地位です。家畜と運べる位の略奪品しか持って無い」
新畑「……」
畑部「しかしもし、軍事的緊張が戦時状態が、さっき述べた様な理由により絶え間なく続いたら…?」
新畑「…権力が…おっきくなっちゃう?」
畑部「その通りです、よく分かりましたね♪」
新畑「えへへ…///」
畑部「そう、新畑さんの言う通り徐徐に権力は無制限化、永続化していきます…宿命的に戦争を続け、略奪を続けそれに拠って得られる富でのみ、維持されうる権力…」
664 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/06(火) 22:53:22 ID:2wBbPaAl
新畑「それが…私達の敵…?」
畑部「はい」
新畑「うーん…」
畑部「フフ、やっぱり新畑さんには、まだちょ〜っと難しかったかな?」ニコッ
新畑「ぐ…バ、バカにしないで下さい…ちゃんと質問答えれたじゃないですか…」
畑部「そうですね、ではもう少し具体的な話をしましょう♪」
新畑「むー…」
畑部「凄く強いらしいんですよ、うちの害虫さん達は。奴等の中でも特に。もっとも私はアイツ等としか、戦ってないから余り実感は沸かないんですけどね」
新畑「…戦って無いのに分かるんですかぁ?」ムスッ
畑部「えぇ。その事自体がアイツ等の軍事力の高さを、何よりも如実に証明してるんです。分かりますか?残された草原地帯において、比較的豊かな土地に隣接してる此処で、私達が他の虫ケラ共の相手をせずに済んでる」
新畑「あ…」
畑部「遥か東方の境界線では、多数の部族がひしめき合い…此処の比じゃない規模の抗争が、断続的に繰り返されていたそうですよ?」
畑部「もちろん権力の集中傾向が、そこの各部族内で強まっていった事は疑い様も無く…この数十年、歪で危ういバランスの上に…辛うじて両世界の拮抗は成り立っていたんです」
新畑(此処は…まだマシな方だったんだ……)
畑部「だから近い将来こうなるであろう事は…私の様な立場の人間なら誰もが理解していて、後は切っ掛けを待つばかりだった…」
畑部「ここまで言えば…もう分かりましたよね?私の言う『危機』の意味が…」
新畑「はい…」
畑部「…雪まで積もったそうですよ、向こうでは」
新畑「……」
畑部「家畜が死に、一日一日と寒さが厳しくなっていく中…きっと連中の誰もが思ったんでしょう…」
畑部「このまま害虫同士で喰い合っていたら、確実に共倒れになる、と」
畑部「――力を統べる者が必要だ、と」
665 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 00:22:53 ID:Sb910jFK
畑部「それは民族意識や共同体意識等、毛頭無い…ただただ利によってのみ、結集した集団を束ね導く事の出来る害虫共の王者…」
畑部「絶大なカリスマと、戦争指揮能力を持ち…時代に求められた『英雄』テングリの子…」
新畑「……」ゴクッ
畑部「彼を権力の頂点に据え、遊牧勢力を拡大、吸収、統一し…死神に追いつかれる前に皆でより豊かな…つまり農耕地帯を喰い尽くす……」
畑部「太古から害虫共、お決まりのパターンです。我々にとって最大の不幸は、その矛先が真っ直ぐこちらに向かってるという事ですね♪」
新畑「ッ…ま、ま待って下さい…話は分かりましたけど…何でわざわざこっち来るんですか…その人達ぃ……」ブルブル
畑部「数十年の紛争状態で東方の境界線の防備は固められ、大規模な突破が不可能だからですよ。極端な気候条件もありますけど、基本的にはチンギス・ハンの時と同じです」
畑部「彼は中国が本命でしたが、まずは防備の薄い西方に向かって進撃しました。西方の征服が完了したら、今度は南下し中国をぐるりと囲むように己の版図を広げたんです」
畑部「そして最期は中国全土を喰った…まぁ、この行程は彼一代では成らないんですけど、遠大なヴィジョンとしてモンゴル帝国の指導者には等しく念頭にりました。現に実現した訳ですし――」
新畑「……」ズーン…
畑部「フフフ、でもそんな気を落とす事も無いですよ?我々の側にとって、当事より状況はずっとマシなんですから」
新畑「え…そ、そうなんですか?」
畑部「さっ、着きましたよ」
―――草原
女「よし、予定より大分早めに着いたな…あのトゥグの付いたゲル…この距離なら双眼鏡で十二分に見えるな?」
遊「えぇ…中央付近のヤツですね…」
女「うむ。では合図を確認する、アルグンが杯を一回仰げば白、二回仰げば黒だ。例え白を確認したからといって油断するな」
女「常に目を光らし…次に二回仰く事があれば…その時は即座に、やれ。或いは異変を感じた時もだ。お前の判断で良い」
遊「了解しました」
女「後私達が出て行き、連中の気が集中したら…その隙に、稜線をくれぐれも慎重にそって遠巻きな半包囲状態に。事が始まれば両翼の兵は速やかに、前進しつつ包囲を完成させるように厳命しろ」
女「情報通り男の数は少ない。層が薄くとも一気に押し包んで殲滅出来る」
遊「全て、打ち合わせ通りですね?」
女「そうだ」
遊「了解」ザッ
女「…カサル」
遊「……」ピタッ
女「私は…貴様等を信用している…」
666 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 00:37:54 ID:Sb910jFK
注を付け忘れました。トゥグとは中央アジアや、東欧、中東に跋扈した
遊牧民系の人たちが主に使用した竿の先に馬等の尻尾を付けて、空中にかがけたモノ。
またの名をブンチュークともいい、政治、軍事両方に使えるの権力の印です。
今までのヤツに比べて、長い上どうも説明くさくて…すいません
もはや女の子出しただけ以前に、女の子の意味すらwww
俺が新畑より馬鹿なのは確定した
俺も新畑より馬鹿だな
669 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 17:41:19 ID:m3AEoxEM
新畑「部長さん…部長さん…」ツンツン
畑部「何ですか?」
新畑「な、なんかココの人達…ちょっと変じゃないですか…?身体がその、左右対称じゃない気が……」ヒソヒソ
畑部「フフフ、良いところに気付きまし――」ハッ
新畑「…部長さん?」キョトン
畑部「伏せてッ!!」ドンッ
新畑「へうっ!?」
カッ―――ビイィィィン…!!
新畑「ひいいぃぃ…や、矢がああぁ…!!」
弓部「へー、相変わらず良い動きしてるわねぇ?」
畑部「相変わらず、危なっかしい人ですね。まったく…」
新畑「…な、なんなんですか…この人ぉ…急にぃぃ……」ビクビク
弓部「あら…」
畑部「ふふん、どうです?中々可愛いでしょう?」
弓部「成る程。アンタも意外と分かってるのね…フフフ…」
新畑「…へ?」
弓部「で、なんの頼み事?遊びに来た訳じゃなさそうだし」
畑部「んー、そうですね。半世紀前と同じ、ってとこですね」
新畑(半世紀前…?)
畑部「勿論、協力してくれますよね?」
弓部「な…ち、ちょっと待って…ソレ、正確に…裏取れてるんでしょうねぇ…」
畑部「えぇ」
弓部「冗談じゃ…済まないわよ…?」
畑部「えらくマジです」キッパリ
弓部「…ッく」ガクッ
畑部「弓部さん?」
弓部「くふっ…くく…くくく……」プルプル
新畑(こ、この人怖いぃ…)ササッ
弓部「くはぁッははははははははははははッ!!!はああッ!!はははは!!」
新畑「!?」
670 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 18:12:50 ID:m3AEoxEM
弓部「やっと!!やっとホンモノの人間が撃てるのね!?殺してもお咎め無しよね!!?」
畑部「えぇ、っていうか害虫ですけどね。思う存分殺っちゃって下さい♪」
弓部「くふふ…そう、そうよね…害虫ですもんね…お咎め無し……」
畑部「……」
弓部「幾らでも、殺し放題…あぁ…まさか本当に…私達の代で来てくれるなんて……」ジーン
新畑「ぶっ、ぶぶぶ部長さん!!この人絶対おかし…!!正気なんですか…っ!?」ヒソヒソ
弓部「はぁー…正気よ?」ケロッ
新畑「ひいぃッ!?き、聞か!?すっ、すいませんんんん!!こっ、殺さないでぇぇぇ!!!」
弓部「うふふ…そんなんで、一々殺すわけないじゃない…大袈裟ねぇ…」クイッ
新畑「ひっぅ…ぅぅ…」(ち、近いいぃぃぃ…)
弓部「……ましてやアンタみたいな、女の子」ボソッ
――ゾクッ
畑部「あー、まだダメですよー?」
弓部「分かってるわよ。まァ、怖がるのも分からないでもないわ。アンタ新入りっぽいし…」スタッ
弓部「それにその様子じゃ多分、あたし達の部の事全然知らないでしょ…?」
新畑「き、弓道部じゃないんですかココぉ…」(今、何か凄い悪寒が……)
弓部「そっ、使うのはコイツだけどね」チャッ
新畑「え…それも弓じゃ…」
弓部「弓だけど、アンタが思ってる弓道部の弓は和弓、日本古来の弓。コイツはロングボウ、ウェールズ発祥の弓よ」
新畑「…どう違うんですか?」
畑部「弓部さん、素人にはそんな見分けつきませんよ。和弓だって大きいんですから」
弓部「そっか。確かに分かりにくいかもね。全長だけとったら和弓は、世界最大だし」
新畑「これも結構大きいですけど…」
弓部「まぁ平均して20cm位しか違わないわよ。約2メートル。ただし、兵器としては――」
弓部「断然コッチのが上よ」
671 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 18:24:12 ID:m3AEoxEM
弓部「アンタ、弓引いたことある?」ゴソゴソ
新畑「昔、一回だけ中学の弓道部の友達に、引かせてもらった事は…」
弓部「射れた?」
新畑「は、はい」(…当たったじゃなくて?)
弓部「じゃあちょっと、コレ引いてみて」サッ
新畑「あ、は…いッ!?」ズシッ
畑部「ちょっと、引き抜きとかやめて下さいよ」
新畑「ぬぬ…」(重いぃぃ…)
弓部「いいから、いいから♪」
新畑「…ん?あ、あれ?」
弓部「どうかした?」ニヤニヤ
新畑「コレ、弦がピクリとも動かないんですけど…壊れてませんか…?」
弓部「そんな筈無いわよ。頑張って」ニヤニヤ
新畑「でも…くっ…ふ…んぅ…」プルプル
弓部「……」
新畑「んんっ…ぁ…」プルプル
弓部「ふぅ、これだけでご飯四杯はいけるわね…」
畑部「悔しいけど、分からないでも無いです」
新畑「や、やっぱり無理ですよぅ…これ固いなんてモンじゃないです…絶対どっかおかしいです……」
弓部「あらそう?じゃあ貸して頂戴」ヒョイッ
―――シュパッ!!
新畑「え゙…」
弓部「フフ、ごめんね。意地悪して。コレは張力が大体45キログラムいるのよ」
新畑「よ、よんじゅうごって…普通は…」
弓部「普通の和弓だと10〜16キログロムってとこね」
新畑「……」パクパク
畑部「そんな体型になる訳ですね」
弓部「失礼ね、骨格が変形する位訓練しないと扱えないのよ。仕方無いじゃない」
新畑「き、筋肉なんですねソレ…」
672 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 19:40:01 ID:m3AEoxEM
弓部「まぁね。左半身がちょっとがっしりしてるだけで、他はいたって普通の可愛い女の子よ?」
新畑「でも…何でこんな張力がいるんですか?」(普通…)
弓部「威力と射程の為よ。日本の和弓とは素材が違うし、なによりも日本の弓は神器としての側面が強いわ。コレは純粋な兵器」
弓部「極限まで大型化して、耳元まで弦を引く事で…板金鎧を打ち抜く程の凄まじい威力と、約300メートルもの長距離射程を実現したの」
弓部「かつて百年戦争の最中、イングランド側はこのロングボウを使ってフランスの重装騎士を壊滅させた。普通の弓じゃとても無理な芸当よ」
新畑「……」
弓部「…ん、どうしたの?」
新畑「え、あ…いや…」ハッ
畑部「フフッ、さては新畑さん…今、クロスボウのが訓練要らないし、威力あもりそうだし絶対良いじゃんとか、思ってませんでした?」
新畑「ッ…そっ、そそそそんな事無いですよっ!?いっ、意味無い事やってるなーなんて毛程も!!」ギクッ
畑部「新畑さんは、こう見えて意外と考えてますからねー」
新畑「あっ、ま、またバカにしましたね!!」
弓部「…じゃあクロスボウにこんな事は出来るかしら?」チャッ
――――シュパパパパパ!!
新畑「」
弓部「あたし程の熟練した弓兵になると、狙いを付けなければ一分間に十〜十二発撃てるわ。狙いを付けてもその半分」
弓部「クロスボウだと、どんなに頑張っても一分で4発。それも狙いお構い無しで。畑部があたしに、頼みに事に来た意味分かったでしょう?」
新畑「はい…」
弓部「それに…クロスボウは曲射も出来るけど、ロングボウは基本直射しか出来ないしね。有効射程も全然違ってくるわ。最大射程はクロスボウのがでかいんだけど…」
新畑「えっ、曲射出来ないんですか…?」
畑部「えぇ。曲射もしようと思えば、出来ますけどかなりの訓練がいります。そうなると簡単に扱える利点が台無しです…安定性も悪いので精度にも問題がありますし……」
弓部「クロスボウは最大射程の4分の一百メートルが有効射程。ロングボウは最大射程の半分百五十メートルが有効射程よ。オマケに曲射で、隊列の後ろにいる連中まで平等に殺せる」
弓部「だから…うちの部では、実戦重視の訓練として狙いは殆ど念頭に置いてないわ。いかに早く、いかに遠く、いかに狭く…死の弾幕を一定の地点に集中出来るか。その訓練の繰り返し」
弓部「退屈で、他の全てを顧みない事を要求される作業よ。地元の習慣としてあったウェールズ、イングランド以外でクロスボウが広まらなかったのもそのため。こんなん農民にやらせたら他の事何も出来ないわ」
畑部「……」
弓部「もっともイングランドの場合は、習慣というより特別待遇のエリート兵として、養成したって感じだけどね…そしてそんな濡れちゃう位、最高の兵器を自由に扱える事が……」
新畑(濡れちゃう……?)
弓部「我等が誇り…」
誰かあるくいん?
支
674 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 21:02:19 ID:m3AEoxEM
弓部「コレで分かったでしょ?皆、早く人を射たいのよ。ココまで頑張ったんだもの。人型の的も飽きたし」
新畑(ココまで頑張ってる段階で分からないよ…)
畑部「ぶっちゃけ、そのための部ですもんね」
新畑「そ、そのためって殺」
弓部「害虫駆除よ、昔は小競り合いでも殺せたらしいんだけどねー…最近は厳しくて、厳しくて。こういう機会じゃないと」
新畑(私の地元で、知らない世界がどんどん…)ヒクヒク
畑部「皮肉にも、うちの害虫さん達がこの辺りに来たお陰で、此処境界地帯にしては大分平和になりましたからねー」
弓部「女、ね…本当、アレ見るたびに震えが来るわよ。あんな娘が目の前にいるのに、を殺せも犯s…ごほん、も出来ないなんて」
新畑(おか…?)
畑部「ストライクゾーン広いですね、あんな小汚い貧乳。一体どこが良いんですか…」
弓部「ギャップよ、ギャップ。強がってる感じが堪らないわ」
新畑「あ、わかります。なんか可愛いですよね、女さん。ちょこんとしてて」
畑部「新畑さんまで…」
弓部「おぉ!!アンタやっぱり素質あるわね!!」ギュウゥゥッ
新畑「ひゃ…ちょ、な、何すんですか!?くっつかないで下さい!!」
畑部「はいはい、今はそこまでー」グイイィ
新畑「び…びっくりしたぁ…素質も何も…こんな…ロングボウなんて私には無理ですよぅ……」
畑部「…状況分かってるんですか?」(鈍いですね、新畑さん…)
弓部「分かってるわよ。この天候だしね…もしかとは思ってたけど…あの時より、酷くなりそうなの?」(鈍いわね、この娘…)
畑部「えぇ、規模は桁違いです。でも、あの時の様な失態は犯しません」
新畑「あの〜…あの時って、さっき言ってた半世紀前のってヤツですか?」
畑部「そうですよ。約50年前、この学校がまだ出来て間もない頃に、今回の様な事があって全校生徒の五分の一が死にました」
新畑「なッ、なな!?し、ししし死んだ!!?」
弓部「何を今更そんな…知らないの?」
新畑「だ、だって…急に具体的な数というか…実際…死んで……」
畑部「弓部さんの所は別でしょうけど、内は一応畑がメインなんで新入生は…っていうか普通の生徒は知らなくても無理ありませんよ」
弓部「ふーん」
支
676 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 21:32:03 ID:m3AEoxEM
新畑「こっ、こ今回も一杯死んじゃうんですか…規模が違うって…」
畑部「あの時は、今回みたいな『英雄』も現れなかったし、うちの害虫さん達も、まだこの辺りにはいませんでしたからね。異常気象による移動といっても、大した数には膨れ上がりませんでした」
新畑「大した数じゃなくても、そんなに…さ、最悪…じゃないですかぁ……」
畑部「大丈夫です。そんだけの死者が出たのは我々の側で対策を失敗したからです。本来なら簡単に迎撃し、草原に押し戻せる筈だった」
新畑「だけど…今回はもっと酷いんですよね…?」ウルウル
畑部「えぇ。ですから今回は一つのミスも許されません。その為に今頑張ってるんですよ?」
新畑「……」グスッ
畑部「一緒に頑張りましょうね、新畑さん♪」ナデナデ
新畑「はぃ…」ゴシゴシ
畑部「フフフ…」(何だかんだいって、やっぱり新畑さんは順応力高いですね…これだけ重大な事、一気に知らされたのに……)
弓部「健気で良いわねぇ」
新畑「でも…じゃあ私達の使うクロスボウの利点って…」
弓部「一応、有効射程内でストレートに当たったらクロスボウのが断然威力あるわよ。それにロングボウはもうこの形で限界だし」
新畑「限界…?」
畑部「技術的な意味での話しですよ、ロングボウはこれ以上大型化による威力、射程の増大は期待出来ない。しかしクロスボウは機械ですし、巻き上げ機等を改良したら幾らでも余地はあります」
畑部「その代わりまた欠点ですが、シンプルな構造のロングボウと違い生産が難しいです…ホントはもっと、部員全員に行き渡る位、沢山欲しかったんですけど…」
新畑「そういえばどこから、持ってきたんですかアレ…」
畑部「工作部の上級生の一部が昔から、毎年一定数作って倉庫に収めて貰う事になってます。あんまり言っちゃいけませんよ?」
新畑「はい…」(学校で兵器を…)
弓部「でも考えたら頼み事って…寧ろ私達が頼んでも、やりたいくらいだし…これなら非常措置が出てでしょうに…アンタ何企んでんのよ?」
畑部「条件があるからです」
弓部「…条件?」
畑部「指揮権を一元化するために、完全に弓部さんには私の命令系統の下に位置して貰います。つまり弓道部は私の指示通りに動いてもらう事に」
弓部「…成る程…確かに気分の良くない頼みごとね…だけどそれも非常措置が出てるなら、頼まずとも済みそうなモンだけど?」
畑部「強制は好きじゃないです、やる気を出してもらうためにも納得がないと。だからホラ、ね?」チラッ
弓部「うふ…良いわね、アンタのそういうトコ大好きよ…それにうちには少ないタイプの娘だし……」チラッ
新畑「?」
新畑さんが開発されてくSSはどこで読めますか?
678 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/09(金) 03:07:20 ID:qmoYClQf
――パカパカ
女(報告通り、ゲルの距離は通常より密集し…トゥグの色も黒い…完全に臨戦態勢だ…油断はしてない、か…)
女「良いか、許可があるまで何があっても抜くな。気取られたら終わりだぞ」(奴等に誤算があるとすれば…我々の情報力を甘く見た事だな……)
遊「ハッ…」
女(発見から集合までも早いな…この状態からどこまで隙を、作り出すか……)
敵遊「ベルケ殿!!東より、十騎、こちらに向かっています!!」
ベ「何ィ…敵意は…」
敵遊「それが…女、です」
ベ「ッ!!」
敵遊「迎撃を?」
ベ「ま、待て!!絶対に命あるまで弓をひくなッ!!」バツ
遊「どうなってんだ?」「たった十騎で…」「ベルケ殿に助命嘆願を出してもらうつもりじゃ…」ザワザワ
ベ「なっ…」(あの馬鹿、本当に…!!)
女(ベルケ…)
女(頼む、やらせないでくれ…)
新畑(あれ…?そういえば、女の子が多いっていうか……)
畑部「今回、事が始めるまで…いえ例え始まっても命令が下る、或いは明確な敵対行為をするまで、うちの害虫さんには手を出さないで下さい」
弓部「何でよ?奴が大軍を指揮して、本格的に牙を剥く前に犯っちゃった方が良いんじゃないの…?」
畑部「でもこの後に及んで登校して来るんです。囮の可能性もありまし、そうでなくとも最大限の警戒はしてると思います…」
弓部「……」
畑部「それに考えられる理由も、気になる未確認情報もあるので…今、わざわざ害虫さんを刺激する必要は無いです」
弓部「ふぅん…ま、命令には従うけど…」(まさかコイツ…)
畑部「とにかく、害虫さんには手を出さないで下さいね。あ、そういう手もダメですよ?」
弓部「分かったわよ。幸い良さそうな娘も、誰かさんのお陰で見つかったしね…」(いえ、無いわよね…まさか畑部に限って…)
新畑(さっきから、男の人が一人もいないや…変なの…何かよく見たら綺麗な人ばっかしだし……)キョロキョロ
畑部「じゃあ部員は全員、二時間後にうちの畑に集合して下さい。アンサンブル部も来ますので」
弓部「ありがと、二時間もあれば充分だわ…」ニヤッ
畑部「新畑さん、しばらく弓部さんの話相手をして差し上げてね♪」
新畑「え…は、話相手って私一人でですか?」
弓部「ふふ、そうよ。さぁゆっくりと部室でお話しましょう?」グイッ
679 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/09(金) 04:22:22 ID:qmoYClQf
新畑「あのぉ…な、何でこの部屋…こんな暗いんですか…?」
弓部「節電。省エネよ、省エネ」ガチャッ
新畑「じ、じゃあ今の音は…」
弓部「さぁ?聞こえなかったけど?」
新畑「でっ、出来れば…その…部屋明るくしてお話しませんかぁ…」
弓部「ねぇ、お話より…もっと楽しい事があるわよ…?」ガシッ
新畑「ひゃ…ち、ちょっと弓部さん?何…」
畑部(貴方の犠牲は忘れない)
新畑「っ…んんんんッ!?」ジタバタ
弓部「んちゅ…はむぅ…」ガシイィィ…
畑部(大義の為、同胞の為…貴方は、『自ら』清らなる身を呈した…)
新畑「ふゃ…んっ…ちゅぅ…///」トロォ〜
弓部「ちゅぱ…んはぁ、やっぱり初物は良いわねぇ♪」
畑部(……でも、私は信じてる)
新畑「や、やへぇ…触らな…んぁ…ぅ///」ビクッ
弓部「うふふ、今更やめられないわよ…天国に連れてってあ・げ・る」ツツ…
畑部(歴史が証明して来た様に…犠牲の末に勝利を掴むのは、何時だって我々だという事…)
新畑「めてぇ…っん…!!ひゃああっ…めてぇっ…///!!」ビクビクン!!
弓部「言う割りには、気持ち良さそうよ…フフッ、ここが良いのかしらぁ?」コリコリ
畑部「全部終わりましたかー?」(だからこそ私は、畑部の中の畑部である貴方を…選んだ)
新畑「はぁん…ぁ…んん…ふあぁぁ…///」モゾモゾ…
弓部「まだ胸だけなのに…凄い感度ね…可愛い…」ウットリ…
畑部「えぇ、上手くいきましたよ?アンサンブル部の人達も快く志願してくれました」(貴方なら絶望の中に希望を…)
新畑「…っの…ろぉ…///」カラッ…
弓部「ん?何、今のおt」
畑部「えっ、だって私はそんな趣味ないですもん。死んでもやですよぉ♪」(貴方なら、絶望の中にあるいは――)
ま、まさかここで読めるとは
支援!
ふぅ……
681 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/09(金) 05:26:53 ID:qmoYClQf
弓部「ごめんさい、もうしません」ヒリヒリ
新畑「うえええええええええぇぇぇぇぇ!!!!」
弓部「しないから泣き止んで下さい」
新畑「うぇっ…ひ、ひどっ!!ばかぁ!!変態ぃぃいぃっ!!」ポカポカ
弓部「痛ッ!!だ、だってあんな感じてたから…本気で嫌がってるなんて思わな……」
新畑「は、はは初めてだったのにいいぃ!!鬼いいぃぃ!!悪魔ああぁぁ!!」ポイポイ
弓部「それに初めても何も、まだキスとか…軽い愛撫位しか…って鏃は投げないで!!本気で危ないから!!」
新畑「うえええぇぇぇぇ…きすぅ…きっ、きすがあぁ…ふっ、ふふぁーすときすがあぁぁ……」ポロポロ
弓部「……」シュン…
新畑「もっ、もう…お嫁さんにっ…うぇ…行けないよぉ…っぇぇぇ…」ポロポロ
弓部「あ、あたしなら夫になって上げても良いわよ…?」
新畑「うるさいいいぃぃ!!ばかあぁぁ!!しんじゃええええぇぇぇ!!」
弓部「悪かったってばぁ…本気で嫌がってるって思ったらやめたわよぉ…」ポリポリ
新畑「いやって言ったもん!!何回もいやって言ったもん!!」
弓部「あぁいうのはホラ…言うだけって相場が…」
新畑「うえええええぇえぇぇぇぇぇ!!いったのにいいいぃぃぃぃぃ!!」
弓部「うぅ…手ごたえあったのに……」
ザワ…ザワ…
女「よぉ、ベルケ。久しぶりだな」
ベ「女、お前…」
女「分かってる。コレは酔狂なんかじゃない」
ベ「……」
女「話があるんだ」
ベ「分かった、俺が招いた結果でもある…入ってくれ」バサッ
女「あぁ、悪いがアルグン此処で馬番を頼む。好きに飲んでて良いぞ」
ア「ハッ」
ベ(見張りは外に置いておく、か…流石に自殺しに来たのでは無い様だが……)
682 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:32:18 ID:M7nImVkq
敵遊「おい、中はどうなってんだ?」「あのデカブツが邪魔で…」「クソ、見張りって訳かよ」ザワ…ザワ…
女「フフフ、余り良い雰囲気では無いな…ゲルを見かけたら取り合えず挨拶し、訪問された側も歓待するのが、草原の慣わしの筈だが……」(調度良い位置まで来れた、ここからなら一跳び…これ以上は怪しまれるな…)
ベ「あぁ。例え相手が誰であれ、広い草原で出会えた運命を祝して…訪問者には馳走を持て成し、出来うる限りの歓待をするべし……」
女(中は15人、か…雑魚は外で群れてる…アルグンに問題がなければいいが……)
ベ「それが平時なら、な…表のトゥグの色は見えただろう、今は状況が違う」
女「ならば殺すか?客として尋ねて来た者を…」ニヤッ
ベ「偶然だと言わんばかりの風だな…」(その筈は無い、正確にこちらの位置と…親父の出たタイミングを見計らっての行動……)
女「さぁ…ソレはお前がどう受け取るかってだけの話だ、ところでさっきから親父殿の姿が見えぬが……」(一応は客人という形だ、すぐには手荒な真似は出来まい……)
ベ「ちょっと野暮用でな…しばらくは戻らん」(白々しいもんだ…情報力をちらつかせた言外の威圧……)
女「そうか…間が悪かったな…」
ベ(何のつもりだ女…)
女「……」
ベ「…クラン、客人に取って置きのヤツを」(俺が…何時までも、連中を抑えきれるとでも思ってるのか……)
―――コトッ
ベ「どうだ?家の数少ない自慢だ。遠慮すんな」
敵遊「……」ジイィィ…
遊「…ア、アタマン…ここはなんとか杯を…家で殺すのは不名誉故、毒殺ということも……」ヒソヒソ
女「……」
ベ「……」
女「っ…んぐっ…んぐ…」ゴクゴク
敵遊&遊「!!」
女「ぷは…成る程たしかに上手い……」
ベ「ハハハ、良い飲みっぷりだな。もう一杯どうだ?」
女「聞くまでもないだろう。飛び切りの名酒、ましてや盟友の杯を断るヤツ等いない」
ベ「そうだな、その通りだ…」
女「んぐっ…ん…ん…」ゴクッ!!ゴクッ!!
ベ「……ありがとう」
女「…っ」
683 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 08:16:53 ID:087I1m9I
放置してごめんよ、まだ誰かいるかい?
いるから書くんだ
いるよ?
いる
スレに私はいません
更新期待なんてしてません
千の支援 千の支援にのって〜
688 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:20:19 ID:FE8xc9Bg
すまねえぇぇ!!放置して謝っといてさらに放置という非道!!
せっかくまだ人がいてくれたのに…
今日、明日にももう一方が終わりまするんで、その後はこっちに全力投球いたしまする所存
ご勘弁を…
689 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 01:00:53 ID:oY900TP4
弓部「何時まで、隅でうずくまってんのよ…謝ってるじゃない…」
新畑「……」
弓部「それに…もうそろそろ行く時間よ?」
新畑「……」グスッ
弓部「…行きましょ、ね?」
新畑「ち…かよらないで…一人で…ひぐっ…行ってて下さい…」
弓部「でもホラ、畑部だって待ってるし――…」
新畑「知りませんっ!!」
弓部「…ッ」ビクッ
新畑「…あ、あんな人…うぅ…知りません…たしを…騙して……」
弓部(あー…もぅ)
新畑「信じて…のに…うぇっ…じて…うぇぇ…」
弓部(そういう事ね…嵌められたわ…ハァ……)
新畑「畑部さんのばかぁぁぁ…!!うええぇぇぇ…」ポロポロ
弓部「違うわよ…畑部はアンタを騙してなんかいないわ」(仕方ないわねぇ…ちょっとは楽しめたし…)
新畑「ふぇ…?」
弓部「ホントはね、あたしがアンタに告白する筈だったの」(可愛いは正義、か…)
新畑「ど、どういう…事…ですか?」ゴシゴシ
弓部「一目惚れしちゃったのよ、アンタに…それで同じ畑部らしいから、取り持って貰う様頼んだって事…」
新畑「って事は…」
弓部「騙すつもりは無かったのよ…つい、アンタが可愛いすぎて抑えが…」
新畑「な、何で…」プルプル
弓部「…ん?」
新畑「何でそう、言ってくれなかったんですかぁ!!」
弓部「えぇっ!?」
一方がやっと終わった…今日からコッチに集中します
遅すぎなんだよ
待ちくたびれたし、もういいから
(心の中:待ってたよおおおおおぉぉぉ!!1
燃えてきたぜえええ!続きwktk!支援っっ!!)
おお!久しぶりに投下されている
692 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 16:05:58 ID:oY900TP4
新畑「ちゃんと言ってくれれば、コッチだって…もっと考えて…」
弓部「ま、待って…アンタも、そういう趣味なの?」
新畑「ちっ、違います…!!でも、私を好きだって人がいてくれるのは…」
新畑「すごく嬉しいです…それが…女の子でも……」
弓部「アンタ…」
新畑「なのに…何で、あんな事したんですかぁ…うぅ」
弓部「っ…」ドキッ
新畑「初めて…告白してくれる筈の…人だったのにぃ…何でぇ……」
弓部「ゴ、ゴメンね?ちょっと暴走しちゃった――…」
新畑「……」ウルウル
弓部「ゴメンなさい…」シュン…
新畑「もぅ…いいです…」
弓部「じゃあ――…」
新畑「ゆ、許した訳じゃありません!!ただ…ちゃんと、その、今度から考えてください…」
弓部「えっと…今度って…」
新畑「好きなら…もっと私の事考えてください…っっ!!」
弓部「はー…」ポカン
新畑「…行きますよ」
弓部「イく?」
新畑「だーかーらぁー!!部長さんのとこ!!行きますよっ!!」
弓部「あ、あぁ…うn」ソッ
――バシィッ!!
新畑「さ、三メートル以内に近寄らないで下さい!!この、変態ばかっ!!」
弓部(すごいわね、この娘…)ヒリヒリ
693 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 17:02:18 ID:oY900TP4
新畑「ゔ〜…」
弓部「……」
畑部「フフ…思いっきし、距離とられてますね。何か問題でもあったんですか?」
弓部「アンタ…」ギロッ
畑部「ま、要は弓部さんの力量の問題ですから♪約束は約束ですよ…?」
弓部「くっ…やっぱり、最初っからこうなる事分かってて…」
畑部「さぁ?ただあの娘は見た目以上に強い娘です、オツムはちょっと弱いですけど…」
弓部「えぇ…身を持って知らされたわ…」ヒリヒリ
畑部「ホント、可愛い娘には弱いですね…弓部さんは…私にもちょっとは優しくして欲しいもんです…」
弓部「だってアンタはハナから全部知ってて…しかも断固お断りじゃない…」
畑部「油断したら喰われますからね。隷下である筈の弓部さんに、ウチの女子部員が骨抜きにされても困りますし…」
弓部「分かってるわよ…むしろ燃えて来たってもんだわ…」
畑部「ん?」
弓部「あんな娘初めて…私のテクを途中まで受けて、それでも突っぱねられるなんて……」ゴゴゴ
畑部「あ、あのー…」
弓部「ぜぇ〜たいにモノにしてやるんだからぁ…」
畑部「この結果はちょっと、予想外です…」
ア「なぁ…何が始まるんだ?」「おい、見ろ…弓道部も来てるぜ…噂通り、美人ばっかだな…」「でも何か、妙な雰囲気だな…」ザワザワ
弓「……………………」シーン…
畑「全員集合を確認。準備、完了しました」
畑部「ごくろうさまです、んじゃ…始めますか」
694 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 19:56:54 ID:oY900TP4
べ「さて…じゃあ、そろそろ訳を聞かせてもらおうか」
女「フフ、盟友と飲むのに訳が?」
ベ「だからこそ聞いている…他の連中ならココで話すまでも無い…」
女「……」
ベ「……」
女「ふぅー…」コトッ
女「何故、貴様等はココにいる事が出来る…?」ギロッ
敵遊「……あ?」
女「かつての我が父上のお零れ、貴様等は良い頭を担いだ…だが今度のお零れはどうだ…?」
ベ「……」
敵遊「んだと…」「コイツ…」「……」ザワザワ
女「膨れ上がりすぎた奴等の軍勢…オマケに頭は何も分かってない…奴は虫ケラ共の土地深くに喰い込むつもりだ」
ベ(成る程…確かにただの酔狂ではないようだな…)
敵遊「上等じゃねェか、皆殺しにしてやる!!」「そもそもこうなった原因は、虫ケラ共だろうが!!」「命乞いなら素直に――…!!」
女「火器がッ!!」
敵遊「―――――ッ!!」ビクッ!!
女「軍事技術が…!!組織が…!!人数がッ!!」
女「それら全ての優劣が…半世紀前の遠征で証明された…戦争はもはや虫ケラ共のモノだ、認めろ…」
ベ(だがコレで…)
敵遊「な、何を言う!!あれは勝利だ!!」「そ、そうだ!!今回より遥かに少ない規模で、我々は虫ケラ共に大規模な損害を与えた!!」
女「だが結果はどうだ?人口比にして我等の受けた打撃の方が遥かに大きい…しかも土地は奪えず、団結はすぐに瓦解…」
女「虫ケラ共が、もっと適切な対応を取っていれば…今頃はここも奴等の土地になっていただろう」
敵遊「ぐ…ぬぅ…」
ベ(俺にとっても…)
女「父上を臆病者と罵った者がいた事は知ってる…だがどうだ?その臆病さのお陰で、今まで貴様等は此処にいるコトが出来た…」
ベ(貴様によっても…)
女「恩を仇で返すな、等と言いたいのではない…貴様等にとって、真に賢い選択はどっちかと…言ってるんだ」
ベ(万が一にも後戻りは出来なくなった……)
695 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:43:59 ID:oY900TP4
敵遊「き、貴様ァ…!!」「此処が何処だか分かっているのか!?」「舐めるのも大概にしろッ!!」ガタッ
ベ「よせ…俺の顔に泥を塗る気か…」
女「フフ…」
ベ「言いたい事は分かる、だが俺は降り所を知ってる」
女「知っていようが…一旦流れに乗った以上、途中で逆らう事は出来ん。目的を達するか…障害にぶち当たり、取り返しの付かない損害を被るまでは……」
ベ「……それは貴様等に付いた時の損害よりも、か?」
女「あぁ…」
ベ「……」
敵遊「損害だァ…?」「大ハーンに刃向かって、皆殺しになるより最悪な事があるってか…」「苦し紛れの戯言だぜ…」ザワザワ
女「今の今まで…我々は我々の暮らしを守ってきた…無論、降りたヤツも何人もいる、虫ケラ共の社会に迎合し…祖先からの生活を捨てた連中…」
女「かつてはそういう奴等も貴重な騎馬、軍事力として、重宝された…だが今はどうだ?」
ベ「……」
女「一度草原を離れれば…もはや我等の技術は無用の長物。定位置に住まわされ、人数や財産、全て把握され…監視される…自由等謳い文句でしかない」
女「何をするにも、金、金、金…鬱憤は全て酒に…後は虫ケラ共の社会の最底辺で、僅かな酒代を稼ぐため…死ぬまで搾取され続ける…」
女「馬にすら乗れない老人や腰抜け共に、な…」グビッ
敵遊「………………………」
女「このままいけば、軍事バランスは崩れ…草原は飲み込まれ…我等は永久に居場所を失う…」
女「死を免れても…この運命を免れる事は出来ない…」
ベ「……」
女「損害…死よりの損害だ、違うか?コレが損害じゃないというなら貴様等は、此処に等いない筈だ。少なくとも命の危険が身近にある事は無い…」
女「ならば我等の取るべき道は一つ…」
ベ「……この流れを、止められると思っているのか」
ベ「居場所を追われ、誇りを奪われ、生活を破壊された…復讐に燃える狼共の群れを……」
女「止めるしかないだろう、確かに草原は狭すぎる…外に出られないなら――…」
女「―――…中を空にするまでだ」ニヤッ
696 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 00:18:24 ID:DKpPtEvI
ベ「貴様の言っている事は延命策でしかない…死期が延びるだけだ」
女「確実な破滅よりはマシだ」
べ「窮鼠猫を噛むという言葉もある…」
女「猫なんて可愛いモンじゃない、ヤツは化け猫だ」
ベ「ヤツ…?」
女「長年の抗争で分かる…境界地帯の畑部…ヤツは半世紀前の失敗を決して、繰り返さない…すでに迎撃体制は着々と整えられてる…」
女「大ハーンの軍勢はそこで足止めされ…奥地から送られてきた増援を前に…身動きも出来ず、崩壊する」
ベ「……」
敵遊「…なら、何故そいつを殺さん」
女「オツムが良いからだ、無用なリスクを犯す様な無茶はしない…」
敵遊「ふん、分かったぞ…貴様の魂胆が…」
女「何…?」
敵遊「貴様、上手い事言ってその実虫ケラと組んでるな…?」「おぉッ、充分にありえる話だ…!!」「我等を罠に賭けるつもりか!!」ザワザワ…
女「ハッ…そんな事してヤツに何のメリットがある?ヤツに取っては我々は、皆同じ…屈服させるべき存在じゃない…殲滅すべき存在だ…」
敵遊「黙れィ!!そもそもこの位置を掴んで来た時点で、貴様等の心根見えたも同然!!」
ベ(まずい…そろそろ限界だ…)
女「この数で来た意味が分からんのか?我等は命を投げ出す覚悟で助力を申し出でている…」
敵遊「ほぉ、それでその態度か?跪いて、命乞いでもした方が良いんじゃないのか…?」
ベ(糞ッ…)
女「終わりだな、理屈が通じん上…時代の趨勢も読んか…バカ共め……」
敵遊「何にいぃィ…!!」「ベルケ殿!!コイツ等の首、大ハーンに献上しましょう!!」「客人の礼を尽くすべき相手等ではありません!!」ワァァ…
遊「……」スッ…
女「まだだ…堪えろ…」ヒソッ
ベ(俺に選べってのか…)
ベ(お前か…部族かを……)
697 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 00:56:55 ID:DKpPtEvI
敵遊「おい、中揉めてんのかよ…?」「怒鳴り声が聞こえたぞ…」「しかし、ベルケ殿の命だ…入る訳には…」ザワザワ
ア「……」
ベ(確かに…)
女「ベルケ、お前だけでも良い……」
ベ(俺がその気になれば、この中には俺に恩のあるヤツも沢山いる…)
女「一族を引き連れコッチに来てくれ、お前さえいれば…我々は勝てる…」
ベ(男衆は、父上の供で半減…女だって相当の手練を連れてきてるはずだ…この場は何とか凌げる…)
女「この波を乗り切れば…少なくとも当分は豊かな暮らしが戻ってくる…」
ベ(わざわざ公の場で、引き抜こうとするのは離反者を増やす為か…覚悟の程を試すため…それとも、他に手段が無かったってトコか…)
ベ(いずれにせよ…俺がこの問題から逃げ続け、はっきりとした態度を表明し無かったツケだ…)
ベ(だが……)
敵遊「ベルケ殿、父上の言い付けを忘れてはなりません!!」「我等が分裂を狙いにきたか貴様!!」「死にに行く様なもんです、どうか慎重な判断を!!」ワァァ…
ベ(俺は…)
女「お前と…戦いたくないんだ…」
ベ「……」
女「……」
敵遊「ベルケ殿!!」「虫ケラ共の手先め!!恥を知れ!!」「覚悟は出てきるんだろうな!?」ワァァァァ…!!
遊「アタマン…早く、例のモノを…」ヒソヒソ
女「まだだ…」
遊「しかし…!!」
女「……」ギロリ
遊(ッ…やはり…アタマンは…)
ベ「……」チラッ
ク「…っ…」ギュッ
ベ子「母上…?」
ベ(俺には―――……)
698 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 01:39:43 ID:DKpPtEvI
ベ「…帰ってくれ」
女「っ…」
敵遊「おぉっ!!」「待って下さい、このままこやつ等逃がすのですか!?」「この首を持って大ハーンの軍勢に合流すればきっと…!!」ワァァ…
ベ「礼を弁えろッ!!彼女は私の盟友だ!!」
女「……」
敵遊「…くっ!!」「獲物が目の前にあるというのに…」「よせ、命令だ…」ザワザワ
ベ「戦うのは本意じゃ無い、がこれも草原の宿命…いずれ虫ケラ共との全面衝突は必至…この機を逃したくは無い……」
ベ「俺の力を大ハーンに貸し、少しでも可能性に賭けてみる…だから…」
女「……」
ベ「次に会う時は、戦場だ…」
女「それは…『お前の』言葉か?」
ベ「そんな類の言葉を使うのは虫ケラか、愚か者だけ…違うか?」
女「…分かった」
遊「アタマン…!!」ヒソッ
女「……」
ベ「……」
女「ならば一つ、形見を受け取ってくれ…我等が変わらぬ友情の印として…」ソッ…
ベ「それは…」
遊「!!」
ベ「骨笛…懐かしいな…」
女「あぁ、よく小さい頃お前と吹いてたもんだ…」(もう少し…)
ベ「フフ…そうだな…今でも、吹けるのか?」
女「もちろん…」
〜〜〜〜〜♪
ベ「草原の歌、か…そういえばお前…この歌が好きだったな…」
遊「…………………………」チャッ…
ア「……」ゴソゴソ
敵遊「ん、何か笛の音が聞こえないか?」「急に静かになったぜ」「騒ぎは収まったみたいだな…」
ア「……」クイッ、クイッ…
分かりにくくてすまんね
|ョω・`)ミテルヨ
700 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 02:59:47 ID:DKpPtEvI
※すんません。アンサンブル部の「ア」はアルグンと被るので、音楽の音にします
畑&音「あれ、先輩は?」「なんか向こうの方に集まってたぞ」「あの機械なんだろう…」
畑部「え〜皆さん!!傾注してくださーい!!」トントン!!
―――ザワッ……
畑部「今日集まってもらったのは他でもありません、これから起きる一大イベントを告げ、皆でそつなくこなす為です!!」
畑&音「イベントだってさー、バーベキューかな?」「俺達いるのかよソレ」「運動会はこの前終わったし…」ザワザワ…
畑部「どれも違いますねー、正解は戦争です!!」
畑&音「……………は?」
弓「………………ッ」グッ!!
畑&音「えー…また女さんのヤツ?」「またって何だよ、知らねぇぞ俺達…」「…ゲームか何か、か?」ザワザワ…
新畑(そっか…私と同じ畑部の新入生も、何も知らないんだ……)
畑部「そうです、また女さんの類の問題です。でも今回の敵は女さんではありません!!もっとタチの悪い害虫さんです!!」
畑&音「ふーん…」「何、害虫駆除って事か…?」「訳分からんな…」ザワザワ…
畑部「つまりですねぇ。貴方達はこれからその害虫さん達の襲来までみ〜っちり軍事訓練をして貰います」
畑&音「普段、女さん対策でやってるのと同じかなぁ…」「でもみっちりするってよ…?」「あの〜〜、つまり何ですかァ!?」ザワザワ
畑部「だーかーらぁー!!戦争ですよ、戦争!!殺・し・合・い!!」
――――シーン…
弓部「……」クスクス
畑部「良いですかァ!?これからやる事の延長線上には確実に人死にが出ます!!だけどそれは訓練次第で最小限に抑えられるんです!!」
畑部「ココに来た以上、もう後戻りは出来ません!!貴方達は生徒会の認可の元、名誉ある任務に志願、または徴用された勇者です!!皆で一緒に頑張ろー!!」
畑部「おー♪」
畑&音「……………………………」
新畑(そりゃ、こうなるよね…)
畑部「…あり?」
701 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 03:29:50 ID:DKpPtEvI
畑部「ピンと来て無い様ですねぇ…ホラ、ここにあるクロスボウも…んっ」カチャッ……グルグル
…ビシュッ――――ガィィィン!!
畑部「訓練しなきゃ使えないでしょ?皆でちゃんと訓練しなきゃ…害虫さんなんて、一匹だって殺せやしないんです」
畑&音「お、おぃ今の…見た?」「ホンモンの矢だぞ…」「嘘だろ…」ザワザワ
畑部「長槍だってそうですよ?突けばいいってもんじゃありません」ギラッ
畑&音「刃が…ついてる…」「そんな、今までは刃なんて…」「え、ネタじゃないの…?ねぇ?」ザワザワ
畑部「だから皆さん!!一緒に訓練―――…」
畑&音「ざっけんなあぁぁ!!」「先輩、何ですかコレ!!」「ちゃんと説明しやがれぇええぇぇ!!」ワアアァァ!!
畑部「し、静かにしてくださーい」
畑&音「早くメアド教えろおぉぉぉぉぉ!!」「大体なんだ、害虫ってぇぇぇー!!」「女さん達とどう違うのぉ!?」ワアアァァ!!
畑部「静かにしてくださ…」
畑&音「どうなってんだあああぁ!!」「説明しろおおおぉぉ!!」「訳わかんねェ事言ってんじゃねえええぇ!!」ワアアァァ!!
畑部「チッ…」
新畑(ひ…畑部さんの表情がぁ…)
畑部「……」チラッ
弓部「……」コクッ
新畑(ん…?)
弓部「すぅ…」
弓部「全隊、弓を構ええぇぇーーーッ!!」
畑「長槍、及びクロスボウ隊構えぇーーーッ!!」
ガシャッ……ザッ!!
畑&音「!!!!!!?????」
おー♪
じゃNEEEEEEEE
|ョω・`)支援ダヨ
なんかすごいことに
705 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 17:42:01 ID:DKpPtEvI
畑「…………………」ギラァッ…
畑&音「そんな…」「さ、さっきの機械だぞアレ…」「まさか、本物じゃ…ないよな?」ザワザワ…
音「おいおい、冗談は…」
―――…ビイィィィン!!
畑&音「は…?」「え、先輩…何を…」「ち、ちょっと…やめ…」ザワザワ…!!
弓部「…フフ…死にたくないなら、黙ってる事ね?次は当てるわ」
弓「…………………」グググ…
畑部「状況が分かったか?勇敢なる兵士諸君、コレは冗談でも何でもない。我々は本気だ」
畑&音「な…バカな…」「嘘だろオイ…」「狂ってる、狂ってるよ…」ヒソヒソ…
畑部「これから起きるのはハルマゲドン。神と悪魔、文明と非文明、理性と非理性の戦い」
畑部「そして諸君等はその名誉ある戦いに、参加するたけの能力を持った精鋭だ」
畑部「だから結果は見えてる、寸分の疑いも無く…奴等は完膚なきまで敗れ…我々が勝つ…」
畑部「ただしそれは…諸君等一人一人が、自らの役割を放棄する事なく真っ当したらという前提の上で、だ」
畑部「ここでいう役割とは…例えば…槍隊ならば、持ち場に立ち続け…クロスボウと長弓なら撃ち続け…軍楽隊なら演奏を続ける…簡単な話だ、作業自体も極めて簡単」
畑部「これから行う訓練は、これらの作業の反復によって…例え、死の危険があっても同じ効率で同じ作業を行えるか、それだけの事に過ぎないし―――…」
新畑(誰もが…息を呑んでる…)
畑部「ただそれだけの事で、勝利は約束される。諸君等は実に幸運だ…」
新畑(振ってわいたような展開…静かな声によって、一方的に突きつけらていく…否応の無い現実……)
畑部「最小の危険で、最大の勝利への貢献者として、歴史の転換点の最前線に立会い……」
新畑(全てが…まるで夢の様で……)
畑部「一つの世界の終焉を、その両の眼に焼き付ける事が出来るのだから――……」
新畑(私だって信じられない…)
畑部「…………」ジロッ…
新畑(本当に、私達が…本や漫画でしか見たこと無い…あの……)
畑&音「…………………」シーン…
新畑(…戦争を?)
畑部「永遠に語られる戦いだッ!!有史以来続いてきた、我々と害虫共の闘争に終止符が打たれる!!」
畑&音「――――――…ッ!!」ビクゥッ!!
706 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 19:04:27 ID:DKpPtEvI
畑部「奴等は己が利によってのみ、結びつけられてる!!矮小な、歪で吹けば飛ぶような団結だ!!だが我々は違う!!」
畑部「高貴なる理念によって、固く結束し!!全員が全員…己の使命に喜びを持って、公共の為、命を捧げられる者達だ!!」
弓部「結束、ねぇ…」クスクス
畑部「幾千年の永きに渡り絶えず世界を理性の光で照らし続けた、文明の尖兵として!!高等生物である人類の守護者として!!豊かなる己の故郷を守った愛郷者として!!」
畑部「この戦いで死んだ者は、死して後も崇められ!!生き残った者は、その絶大なる栄光を身に纏う!!」
新畑(部長さん…)
畑部「諸君、今や害虫共は追い詰められ…狩り立てられ…神の災いを名乗り、最期のを抵抗を試みんとしている!!ならば神の名の元、殲滅してやろうではないか!!」
畑部「例えそれが雌だろうと、幼虫だろうと、老虫だろうと……沈みゆく船から、一匹足りとも生かして帰すな!!」
畑部「元より共存の道など有り得なければ、慈悲も容赦も必要無い!!そう、奴等は何だ!?」
畑&弓「――――害虫だッ!!」
畑部「害虫を踏み潰す事に躊躇はあるか!?」
畑&弓「否ッ!!」
畑部「では、どうする!!何を望む!!?」
畑&弓「殺せッ!!」
畑&音「ひッッッ…………」
新畑「ッ…ぅ…」クラッ
弓部「あら、大丈夫…?」
畑部「聞こえんぞ!?父祖の土地を食い荒らす害虫共を!!?」
新畑「だいじょ…ぶです…」(本当、だ…)
弓部「ま、分かるけどね…」
畑&弓「殺せッ!!殺せッ!!殺せッ!!殺せッ!!殺せッッ!!」ワアァァァァ…
新畑(殺意、圧倒的な…殺意……)
弓部「フフ…凄いわね…」ジュン…
畑&弓「殺せえええええええええええええぇぇぇぇッ!!!」ワアアアアァァァ……!!
新畑(噎せ返るような…全身に突き刺さる様な……)
畑&音「……………………」パクパク
新畑(本当に戦争が、殺し合いが…やって来るんだ…)
弓部(パンツ代えなきゃ…)
707 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 03:45:50 ID:jbll+9qH
ごめん、今度から三年生の畑部員とベテランとしてベ畑と表記します。後づけ多くてホントすまん
畑部「ふぅ…」
弓部「ご苦労様、中々の名演説だったわね」
畑部「分かっちゃいましたけど…あの人達に平時で最低でも一年一杯かける軍事教練を、即席で…しかも実戦で使えるまでにさせる…こりゃ大仕事ですね……」
ベ畑「畑部は傾注!!女性は基本的に全員クロスボウ、男性は槍を担当、各集団には必ず三年生が混じり指導する形になります」
ベ畑「それぞれ、男女別、言われた通りの武器を手にして下さい」
畑「私達、これからどうなっちゃうんだろ…」「俺達の槍には刃がついてないぜ…」「見ろよ、先輩達の腰…鉈を…」ザワザワ
新畑(実戦…丸めた矢が飛んできただけでも、あんだけ怖かったのに……)
弓部「大丈夫よ、もしもの時は私達がいるじゃない」
畑部「なるべく使いたくはないですけど…頼りにはしてますよ?鉈だけじゃ弱いですから」
弓部「あ、そっちか…ま、本業が畑仕事なんだから仕方ないけど…最大の敵は、寧ろ背後にいるって訳ね」
新畑(…背後?)
畑部「えぇ、今年は新入部員が多いですし…何たって私達も、教育こそされてきましたが、本当の意味での実戦は皆初めてです」
弓部「私達も初めてだけど…怖い?」
畑部「まさか…あ、新畑さん」
新畑「は、はい!!」
畑部「貴方は今後助手として、基本的に私の傍にいて下さい。クロスボウの練習の時だけは混ぜて貰って…この旨先輩に伝えてきてくださいね?」
新畑「わ、わかりました!!伝えてきます!!」タタッ…
弓部「フフ…アンタにそのケが無いのは知ってるし…随分と買ってるのね、あの娘の事」
畑部「…一人、知ってるんですよ。新畑さんに似た目を持った人を」
弓部「へぇ…もしかしておn」
畑部「男です」キッパリ
弓部「何だ…」
畑部「その人は彼女と同じに…優しいけど、優柔不断で…見た感じだって頼りないです…でも…」
畑部「――…絶対に、何事からも目を逸らさない強さを持った人です」
弓部「……」
708 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 17:36:36 ID:jbll+9qH
新畑「伝えてきましたー!!」
畑部「はいっ♪」クスッ
弓部「フフフ…確かに、ね」
新畑「へっ?な、何…ですか?」
畑部「身に染みて分かってるってトコですか」クスクス
新畑「ふぇ…?」
弓部「違いないわ」クスクス
新畑「むっ…ま、またバカにしてるんじゃないでしょうねぇ!!」
畑部「いえいえ。あー、アンサンブル部の皆さん」
音「っ…」ビクッ
畑部「貴方達の役割はもう分かってると思いますけど、演奏による合図、命令の伝達です。なので…」
音「あ、あの」
畑部「はい、なんでしょう?」ニコッ
音「その…何とか…降りれないでしょうか?」
畑部「…はい?」
畑部「おっ、俺も!!別にメアドいらないし…!!」「お、俺だって…!!」「あんなんいらないから…他に楽器出来るヤツを…!!」ザワザワ…
新畑(な、何だろ…この微妙な気持ち……)
畑部「ふむ…そうですね、それも良いかも…」
音「じ、じゃあ――!!」
―――ビタッ…
新畑「ぶ、ぶちょ!?」
畑部「フフ、良いですね。調度良いタイミングです。逃亡兵がどうなるか、初っ端からガツンと先例を作っておくのも手ですし…」
新畑(ッ!!は、背後って…まさか……)
音「っ…ぅぁ…」
畑部「幸い貴方達は部外者、大した思い入れも無い…この機会に、皆さんに…現実を叩き込む手助けをして貰いましょう……」
音「あぁぁぁ…」ジョォォ…
弓部「うわー…これだから男ってのは…ったく、だらしないわねぇ……」
畑&音「きゃあああー!!」「う、うわっ…何やってんだアレ!?」「ひ、人殺しぃぃぃ!」ワアァァ!!
畑部「ホラ、見て下さい。注目が集まってきました…フフフ…見せしめには最高の舞台ですね?」ググ…
音「たっ、助…助けぇ…ひぁぁ…」ドクドク…
709 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 19:46:16 ID:jbll+9qH
新畑「ぶ、部長!!やめっ…!!」
弓部「良いのよ、殺しゃしないわ」グイッ…
新畑「でっ、でも首!!首から血がぁ…!!」
弓部「大丈夫。アイツは冷静に、加減を心得てる…信じてやりなさい」
新畑「でも…」
ザワ…ザワ…
畑部「良いですか、皆さん!!この鉈は敵を斬る為にあるのではありません、臆病者の敗北主義者を叩き切る為にあります!!」
畑部「貴方達は勝てるんです!!各人が持てる70%程度の力を実戦で発揮さえしてくれれば良い!!しかし…!!」
畑部「この様に任務を放棄せんとする者を許せば、勝てる戦いも勝てなくなる!!私だって『人間』を殺したくはありません!!」
畑部「しかし、それによって死ななくても良い、無垢の犠牲者が増えるなら!!ほんの少しでも勝利の可能性が揺らぐなら!!」
音「ひっ…ぐぁ…」ドクドク…
畑部「私達は喜んで殺人者の汚名を着ます!!」ドンッ
音「ッ…」バタッ
畑部「一日目です、今日の所はコレだけで許してあげます。分かりますよね?次はありません」
弓部「ね?」
新畑「ほっ…」
畑部「軍規は後程、明確に文書化し提示しますが…」
畑部「一つだけ確実に言える大原則は…今後逃亡、又は戦意の停滞を促すような発言、行動、命令不服従を確認した場合は例外なく処分するという事です」
畑&音「…………………」
新畑(だけど処分って…本気…なのかな…)
畑部「ん?話は終わりですよ、持ち場に戻って下さい♪」
畑&音「は、はいぃぃっ!!」「お、おい!!ぼさっとすんな!!」「は、早く楽器出せ!!楽器!!」ダダダ…
弓部「うふ、鞭が多いわね。強制は余り好きじゃない筈じゃなかったかしらぁ?」
畑部「仕方ありません。状況が状況ですから…ただ恐怖によってのみ従ってる状態は確かに脆いです…」
畑部「後は教育で意識を変えていくしか…」
新畑「よ、よかった…アレは本気じゃなかったんですね…」
畑部「いえ、本気ですよ?今度からはちゃんと殺します」
弓部「当たり前じゃない」
おぅい
710 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 20:28:38 ID:jbll+9qH
畑部「殺し合いに参加するんですよ、私達は。どこの国でも軍隊の罰則は、重罰が基本です」
新畑「ッ…!!」
畑部「居眠りで銃殺なんて当然よね」
新畑「だ、だけど…私達は一緒に戦うんですよ!!そんな、本気で、鉈なんかもって…脅かすんですか!?」
畑部「納得できませんか?」
新畑「ひっ…酷いですよ!!やりすぎだと思います…逃げたいって言っただけで、殺すなんて…最低です……」
弓部「アンタねぇ、こっちだって…」
畑部「新畑さん。こういう戦い…古代から続いてきた槍や弓の戦いには一つの傾向があります」
弓部「……」
新畑「い、一緒に戦う仲間を脅かしたり、殺したりする事ですか!?」
畑部「落ち着いて下さい。両軍が衝突してる戦闘の最中は殆ど死者が出ないんですよ」
新畑「へっ…せ、戦闘…なのに?」
畑部「実際の殺し合いでは無いですが、前の害虫さん達との戦闘でもそうだったでしょう?」
畑部「火器の威力だってたかが知れてる上、隊列を組んで戦うから…死者が発生するのは殆ど、敵と接触してる前面で…後ろの方は立ってるだけ」
新畑「そ、そういえば…」
畑部「あらゆる手段を使って…敵に背を向けさせさえ、すれば良いんです。つまり、こうゆう戦いの傾向というのはですね…」
畑部「一度逃げ出したら逃げ出した側の死者は、極端にうなぎ上りになり…逆に逃げ出させた側の死者は極端に、うなぎ下がりになるって事です……」
新畑「あ……」
畑部「伝染するんですよ、感情が。例え一部でも独断で行動したら…密集した隊形を、組んでる兵士達は集団心理で、あっという間に流される」
畑部「背を向け様ものなら、例え後方の兵士達は怯えていなくても…踏みとどまって圧死するより、一緒に逃げ出す方を選ぶ」
畑部「指揮官の建て直しの声や、合図も耳に入らず…軍隊としての機能は崩壊、ただの無防備な標的、人の群れと化すんです」
新畑(あの時の…国際交流部の人達だ…)
畑部「盾や、槍だって前面に向けてる時以外、防御の役には立ちません。飛び道具は当たり放題。しかも敵との距離は最初から近く、追撃する側は簡単に追いつけ」
畑部「逃亡する敵の姿を見て士気は最高潮に、騎兵だって動員してくるでしょう…そうなると最後尾近くの兵士か、騎兵しか逃げられませんし…」
畑部「混乱の中で退却のスピードは落ち、運が悪ければ囲まれ…外周部の兵士は殺され、中央部の兵士は圧死します」
弓部(本当に、気に入ってるのね……たかだか新兵に…ここまで説得する上官だなんて……)
711 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 20:49:39 ID:jbll+9qH
新畑(私達は…)
畑部「ましてや敵の全てが機動力のある騎兵で…歩兵主体の軍隊で対決した場合…一旦敗走が始まれば……」
新畑(もし…あの時の戦いが本物なら……)
畑部「新畑さんも…この先がどうなるか…実体験で分かりますよね?」
新畑「……」コクッ
畑部「二度と…あんな失態を犯すわけにはいかないんです…命が掛かってる」
畑部「この戦いに参加する人達だけじゃない…私達の土地に住んでる…皆の命が掛かってるんです……」
新畑「……」
弓部「そうよ?だから畑部は、権限があるのに最低限の人数しか集めなかったの。戦闘集団としてのモラルが低下するのを避けてね」
新畑「……」
畑部「…新畑さんは…十分の一刑なるモノを知ってますか?」
新畑「いえ…」
畑部「命令不服従や、逃亡、重大な逸脱行為を犯した部隊は…兵士の中から無作為に、十人に一人の割合で当たるくじを引き……」
畑部「当たった兵士は、他の九人の兵士から石や棍棒で、撲殺されるという古のローマ軍の罰則です」
弓部「うっわ…エグいわねぇ…」
畑部「戦友を殺しても、くじを免れた兵士への罰則は続きます。小麦では無く馬の糧食である、大麦を食わされ…テントで寝る事も許されない」
畑部「古代ローマの敵にも…害虫さん達は存在しました。ヌミディアに、パルティア、フン…」
畑部「あの、プロ意識の高いローマ軍ですら、こうした並外れた厳罰主義でモラルを維持せざる負えなかったんです」
新畑「……」
畑部「これでも私達のやり方をやり過ぎと言えますか…?」
新畑「…戦争…なんですね、これが…」
畑部「えぇ」
新畑「……」
何このおしっこ漏らしそうなシリアス展開
ジョボボボボボ
713 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 00:18:11 ID:586+gM1k
遊(アルグン…入り口にまで来たな…)チラッ
女「〜〜〜〜〜♪」
遊(まだ入ってこない…)
ベ「良い音色だ…」
遊(それだけゲルの連中の意識が集中してるのか…?)
遊(まだ…)
ア「……」バサッ
遊「……!」
ベ「ん?」(表の見張りが入ってきた…)
女「……」コトッ
ベ「おい、どうした?ハハ…まさか曲を忘れたんじゃないだろうな?」
女「いや……」
―――――ヒュッ…ビタッ!!
敵遊「!!!?!?」
ベ「……」
女「……」ググ…
遊「へへ……おっと、テメェ等も動くなよ?」チャッ
敵遊「き、きさッ…!!」「なっ、ななな何を…!?」「し、正気か…!?」
女「黙れ。ベルケは私の間合いにいる、奥の方にいる連中も…分かるな?」
敵遊「くっ…!!」
遊「動いたらここにいる7人の全員の首が飛ぶぜ」
敵遊「でっ、出会え!!出会えぇぇぇェェ!!外にいる連中は何を!!」」
女「静かにしてろ…」
敵遊「ベルケ殿ッ!!敵襲―――がはッ…」ドサッ
ア「……」
敵遊「て、敵襲…だと…」「此処の事じゃないのか?」「ま、まさか…」ザワザワ…
女「ったく、聞こえんだろうが――…」
女「破滅の嘶きがな…」ドドドドドドド…
714 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 18:41:23 ID:586+gM1k
畑部「戦争です…」
新畑「……」
畑部「戦争…」
弓部「……」
畑部「私達は……」
畑部「私達はこれから…敵を、殺さなければ行けない。新畑さん、貴方は仲間を殺したりなんて言いますが……」
畑部「害虫さん達なら、何も感じずに殺せるんですか?」
新畑「っ…」
畑部「今まで生きてきたであろう、十数年を…この先生きていくであろう、十数年を…貴方は……」
畑部「何も感じずに、奪えるんですか?」
弓部「ち、ちょっと…」
新畑(そうだ…)
畑部「どうなんですか?殺すんですよ?害虫さんとはいえ…私達は殺すんです、命を絶つんです…」
新畑(どの道殺すんだ…名前も知らない、誰かを…)
弓部「ほ、他に聞こええたら……」キョロキョロ…
新畑(…全て…敵っていう理由…ただそれだけで―――…)
畑部「嫌ですか?」
新畑「嫌…です…」
畑部「そう、当然です。当然嫌…奴等を同族扱いするのは不本意ですが…それが当然なんです」
新畑「部長さん…」
弓部(畑部…)
畑部「本来人間には…他の高等生物と同じく、種の保存の為に、同族殺しを抑制する本能がある筈なんですから」
畑部「だけど槍や、弓や火器…一撃で敵を殺せる様な道具の発達は…人の抑制本能の発達が付いていけるスピードではなかった」
弓部(アンタ、自分が…)
畑部「それらの道具は必然的に…その本来の動物としての抑制本能を麻痺させ…人に加減を無くさせる……」
畑部「そこで社会的抑制が生まれた。私達は小さい頃からずっと…人を殺しちゃいけないと教わってきましたよね?」
新畑「……」コクッ
弓部(…何を話しているか分かってるの?)
いますかい
今北支援
見ています
717 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 20:42:05 ID:586+gM1k
畑部「だから…本能+社会的抑制の二重のプロテクトがかかってるから、私達は……」
新畑(はっ……)
『人間なぞ獣と大して変わらん』
畑部「頭では分かっていても…そうするしか無いと知っていても――…」
『逃げた敵は傷を癒し…必ず再び牙を剥く……』
畑部「敵をそう簡単には殺せない…嫌なのは当然、なんですよ…」
『我々は‘その事'を知っている…身をもって…嫌という程にな…』
畑部「でもこれは、自然界で他に類を見ない…もっとも大規模な同族殺し……」
『だがな、この違いは大きい…この違いがあるから…』
畑部「所謂、戦争において大きな障害になります」
『人は人を徹底的に殺す』
畑部「かつて人口増加と、それによる圧力で慢性的な食糧不足がおきやすい農耕社会において…騎士や、武士等の戦士階級が君臨し…」
畑部「政治的な主導権を握りっていたのはこの為です」
新畑(私達は、知恵を…知ってしまったから…)
畑部「独特の死生観と美学を持ち…蓄積された富を背景に…殺し合いのみを生業に生きる者……」
新畑(豊かさを持ってしまったから…)
畑部「彼等が支配する社会では、家父長制が主流で…無意識的に女性へ母性への迫害や、人口調整の為の女児の死亡率引き上げ等を招きました」
弓部「……」
畑部「…けれども、戦争は基本的に彼等に任せてさえいれば良かった」
畑部「戦士階級が存在しなくなった今…文明が進歩し、同族殺しへの社会的抑制は益々強くなった一方……」
畑部「戦争は、万人のモノになりました」
安心したw
718 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 21:56:06 ID:586+gM1k
畑部「戦争を、普通の善良な市民が担う様になった以上…いかにして彼等を、戦場で敵に対してのみ殺しのプロテクトを外させるか…」
畑部「グロテスクな写真を見せるなど、様々な方法が試みがなされましたが…それでも……」
新畑「……」
畑部「例えば、コレは南北戦争のケースですが…ある戦場で回収された銃の内半分が装填中のままで、その殆どが複数発以上装填してあったといいます」
畑部「中には二十四発もの弾丸を装填してる銃もあったとか。こんなモノ本当に撃ってたら自分がミンチです……この結果の意味する所が分かりますか?」
新畑「撃て…なかった…?」
畑部「はい。黒目の見える距離で敵と撃ちあわなければならなかった、当時の相当数の兵士達は……」
畑部「敵を目の前にして発砲出来ず、空しく装填作業を繰り返してたという事です……」
新畑「……」
畑部「同様の記録は枚挙に暇がありません。火器が発達して交戦距離が伸びても明後日の方向に、向かってに撃ってただとか…」
畑部「殆ど訓練期間も無しに動員されざる負えなかったフランス革命期や、ロシア革命内戦期の兵士達…」
畑部「一般社会で培われた健全な心理的障壁が、大きく働きすぎる彼等に至っては……」
弓部「有名な話ね。背後に督戦隊を付けられ…殺さなければ、味方に殺される。そんな状況下でようやく戦えた…今の誰かさん達にそっくりじゃない?」
新畑「私達…」
畑部「正にそうです。彼等の勝利は決して愛国心や、理想に燃えて〜なんて単純な結果だけがもたらした物ではありません」
畑部「ましてや、私達の武器はクロスボウ等の飛び道具が少ない…槍等の近接武器が主体…同じ様に近接武器を主装備に使っていた戦士階級が…」
畑部「独自の死生観や美学を形成してまで、回避しようとしていたストレス…恐らく現代の私達にとって生半可なモノじゃないでしょう……」
新畑「……」
畑部「近年、ようやくゲーム感覚で敵を殺せるような訓練方法が確立され…兵士の発砲率は先にあげた南北戦争の頃よりもぐんぐんと上がって来ています…」
畑部「弓道部さん達は、実際三年間に渡ってその訓練方法に基づき訓練されてきた来た兵士…彼女達なら、戦える…」
弓部「えぇ、殺人への根強い抵抗感を超越できる…最新の心理学と条件反射を使った反復的な訓練よ…少し、時間はかかるけどね…」
畑部「だけど…そんな彼女達すら、実際に殺しあった後正常でいられるのか…一度外した殺しのプロテクトは、再び完全に戻す事ができるのか…」
弓部「っ…」
畑部「PTSD等の問題は今も絶えず…帰還兵問題は何時だって戦争当事国を悩ませでいるんです……」
弓部「……」
畑部「本当に人が人を殺す事に…躊躇いを無くさせるなんて…今の訓練方法を持ってしても…きっと……」
畑部「新畑さん…」
畑部「どう足掻こうが…殺しは私達を変える…どう取り繕おうが、拭いきれない痕になる……」
719 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/29(木) 01:15:02 ID:axeWZdRS
畑部「けれども…これから私達が戦う連中は、違う…確かにヤツ等は生物学的には紛れも無く人間……」
新畑「……」
畑部「しかし一人一人が…完全な殺人マシーンとして機能する人間です」
畑部「彼等の社会には貧しさ故、他人の生産に依存する戦士階級等いない…生まれた時から死は、これ以上無い程身近で……」
畑部「好戦的な神話、伝承が発展し…大胆さや武勇が至上のものとして、骨の髄まで社会の構成員全体に浸透している…」
新畑(女さんも…)
―――ドドドドドドド…ヒヒヒィィィィィン!!
敵遊「うわあああぁぁ…!?」「かっ、囲まれてるぞォ!!」「は、早く馬に…っぐあぁァ!!」ワアアァァァ!!
ベ「……」
敵遊「はっ、謀ったな貴様…!!我等を謀りおったな…!!」
女「ベルケを頼む、腰のモノは外してあるから丁重に扱えよ」
遊「ハッ」
女「外が少し心配だな…」スタスタ…
敵遊「女あぁぁ!!答えろッ!!貴様、最ッ初からこのつもりでええぇッ―――…!!」ガタッ
遊「動くな!!」ググ…!!
女「もう良い」
敵遊「な…」
畑部「生活の為の狩猟、乗馬の技術は…そのまま殺しの技術に直結し…一人前になるという事は、一人前の戦士になるという事に寸分違わない…」
新畑(女さんも…そう、なんだよね…それも…リーダーなんだ……)
畑部「彼等は『敵』と見なしたら最期…」
新畑(けど、あの時見た…女さんは……)
畑部「それが顔見知りだろうが」
新畑(確かに怖かったけど……)
『どうして解って…えぐっ…くれんのだ……』
畑部「名前も知らない人間だろうが…」
新畑(けど…)
『うえええぇぇぇん……』
畑部「それこそ何の感情も、抱くこと無く―――…」
女「殺せ」
720 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/16(月) 22:03:50 ID:TFafHYkR
やっと解除きたあああああぁぁぁ!!
誰かいますかー!?
いるかなー
722 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/16(月) 22:12:45 ID:t6dMaPh+
いるぜ!てか規制だったのか!
つまりこれから
>>1000までの怒涛の投下が始まるわけですね、わかります
支援( ^ω^)
723 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 01:48:12 ID:plBM126F
敵遊「」ドサァ…
女「ひー、ふー、みー……うむ、八人か…目算通りだな」
敵遊「くッ、糞おおおおぉぉぉ!!」「ぶっ殺せええええぇ!!」「うおおおおぉぉォ!!」ダダッ
女「諸君。万が一にもあっちがやられちゃ仕舞だ、とっとと片付けるぞ」
畑部「だから…この鉈は…」
畑部「私達の敵が、そういう連中で…私達の誰もが、殺しを未経験な以上……絶対に外せないモノ」ギラッ…
畑部「かくゆう私達の背中も…これから弓道部さん達の矢尻が常に捕える様、命ずるつもりです…一歩も退け無いのは私達とて同じ」
新畑「!!」
畑部「こうやって…互いが互いを縛り、監督する……人は…責任を持って、誰かを監督する立場に付けば、無意識的にその地位に合った行動を取れる」
畑部「看守は看守らしく、囚人は囚人らしく…ソレは逃亡を防ぐ為だけにあるんじゃない……」
弓部「……」
畑部「どこまでも冷酷になるため…責任の所在を一手に引き受けるため……」
新畑(責任の…所在…)
畑部「上官に強制され、命じられた…父祖の土地を守る為に戦った……これ以上の理由が、大義名分が果たして存在しえるでしょうか?」
新畑(畑部さんは―――…)
畑部「これだけは覚えておいて下さい、新畑さん」
新畑「…はい」
畑部「私達は私達全体で一つの殺人マシーン…」
新畑「……」
新畑「例え、何がどうなろうと…」
畑部「貴方達を決して、害虫共の様な人殺しにはさせません」
>>722すまんww色々あって殆どためれて無いwww
724 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 01:59:26 ID:plBM126F
敵遊「ひゅッー…ひゅッー…」
女「…おい、ソイツ」グサッ
遊「ん?」
女「ソイツもまだ息がある、楽にしてやれ」
遊「おいおい…しぶてぇヤローだな、頭割れてるってのに…」
女「アバカ、首と胴が離れるまでは油断は無しだ」
遊「分かってまさァ」ザクッ…
ベ子「……ぃ」ブルブル
ク「……」ギュッ
遊「アタマンッ!!ご無事ですか!?」
女「あぁ、カサルか。入ってきても大丈夫だぞ、調度終わったところだ…そっちの方は?」
遊「掃討段階に入っています。確認はまだですが、損害はほぼ皆無かと」バサッ
女「フッ…確かに怒声も下火だな、杞憂だったか」フキフキ
遊「……」
ベ「……」
遊「アタマン、私は」
女「良い。見事な手際だった、タイミングも完璧だ」
遊「ハッ」
女「だから、しばらく…」
遊「分かりました。全員出るぞ」
ベ子「…ぅ…ぁ」ブルブル
ク「手を繋いで…しっかり…」
遊「何をしてる。そこの女とガキも、とっとと――」ズイッ
ベ子「うッ、うわああああぁぁぁあ!!ちっ、ちち父上のて、敵めぇぇぇぇっ!!」ダッ!!
畑部「今までの話、聞かされた所で…納得は出来ないでしょう……」
新畑「……」
畑部「分かってます、何もかもが…余りに急すぎる……」
畑部「何故私が?何故俺が…?生まれ育った土地を……あるいは、大切な人を守るため?」
畑部「害虫さんを良く知る私ですら…どんなに理由を探しても、どんなに頭では理解できても………」
畑部「選択の余地等ハナから無いものが…命を掛けるに値する事、として果たして実感が持てるか…」
725 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 03:17:35 ID:plBM126F
畑部「ましてや…今の今まで機密保持の為、敢えて何も知らされる事の無かった皆さんが……」
畑部「どれ程の驚愕と困惑を持って、この事態を迎えているかなんて…正直、想像すら付きません…」
弓部「……」
畑部「だけど…」
新畑(あぁ…)
畑部「歯車は、動き足したんですよ」
新畑(やっぱり…怖いんだ、畑部さんも)
畑部「もう、走りきるしかないんです。何が、何でも…」
新畑(それも、多分…ずっうと前から……)
畑部「走れない者がいれば……私は、私の培ってきた信頼や、絆、青春…全てを血の海に投げ捨てでも…走らせるまで……」
新畑(私達と同じ様に…不安に怯えて……)
畑部「走りきれない者がいれば…この鉈で、斬り捨てるまで」
新畑(私達と同じ様に、平和を望んでて…)
畑部「そうやって走るしか…」ブルッ…
新畑(それでも、絶対に―――)
畑部「それしか…っ」
新畑(部長さん、なんだ)
遊「何だァ?」
ベ子「お、おおおおお前等なんてッ…!!父上が…もがっ、んんん!?」
ク「止めなさい」
遊「おっ…」
ク「大丈夫だから…ね?ホラ、外に」
遊「お、おい…見たか?」「あぁ、暗くて分からなかったが…こうして見ると…」「だがベルケの女だぜ?手を出す訳にゃ…」ザワザワ
ベ子「んんーー!!」ジタバタ
ベ「…ッ」ギリッ…
女「……」
遊「アタマン、血は流させません故――…」
女「他のを使え、指一本とて触れるな」
遊「ハッ…」「ほれ見ろ…しゃあねぇ、他を当たろうぜ」「けっ…もう粗方、姦っちまってるだろうよ」ゾロゾロ…
ベ子「んんんーーー!!」ズルズル
726 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 03:49:40 ID:plBM126F
畑部「…ごめん、なさい」
畑部「まだ新入生の畑部さんに…こんな…頼りない先輩ですね」ニコッ
新畑「わ、私の方こそ…ごめんなさい…部長さんの事も考えずに……最低、なんて…っ」
畑部「良いんですよ。きっと…そう言ってもらいたかったんですから」
新畑「……」グスッ
畑部「それに…恨んでくれても。分かってるとは思いますが、選択権が無いのは新畑さんだって例外じゃありません」
新畑「た、確かに納得は…出来ないです…」
畑部「えぇ」
新畑「けど…」
畑部「けど?」
弓部「……その位にしときなさい、畑部」
畑部「そう…ですね…えへ…調子に乗っちゃいました」
新畑「そ、そんな…」
弓部「ったく…とにかく懺悔はコレで全部済んだのね?」
畑部「いーえ」
弓部「…は?」
畑部「しょせん言い訳ですよ、言い訳…フフフ、懺悔なんて大層なモンじゃありませんってば」
弓部「……」
畑部「もぅ…だから弓部さんまで、心配してくれなくて結構って言ってるんです。柄じゃないですよ?」
弓部「そ、そっちが柄に無い事するからでしょうが…」
畑部「まぁまぁ…私は最高指揮官として、貴方達に思う存分戦ってもらう様にするだけですので。愚痴や言い訳はこれで最期…」
弓部「当然よ…そうして貰わないと困るわ…」
畑部「えぇ!!計画は全部立ててあるし、下準備も今日出来ました!!明日からはいよいよ、本格的な実行の段階です!!」
新畑「まだ下準備だったんだ…」
弓部「ま、アンタの事だし…指揮権譲渡を要求してきた時点で、予想は付いてたけど…」
弓部「その様子じゃ、もうとっくに一から十まで決まってる様ね?」ニヤッ
畑部「そのとーり!!今後も口は一切出させませんし、手だって一切空けさせません!!部下は黙って付いて来い!!状況を身体に刻み付こんでやりますっ!!」
新畑「ひぃぃ…!!」
弓部「フフ、頼もしいわ。上官はやっぱりこうでなくっちゃね」
畑部「ハートマンとよんでください!!」
727 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:01:35 ID:plBM126F
―――シーン…
女「…何も、言わないのか」
ベ「……」
女「……」
ベ「もう…」
ベ「…もう我慢しなくても、良いんじゃないのか?」
女「!!だっ、だだ大丈夫だ…!!耐えて…見せる…」
ベ「ハハ、そうか」ニコッ
女「うっ…」
ベ「……」
女「…よ、ようやく…話したかと思えば」
女「お前の手にかかっちゃ…形無しだ…な…フフ……」ゴシゴシ
ベ「いじめちゃ悪いと思ってな、優しい配慮だろう?」
女「こ、このバカ…お前が強すぎるだけだ…」
ベ「……」
女「お前が、強すぎるから…っ」プルプル
ベ「美しくなったな」
女「え…は?」
ベ「しばらく見ないうちに、見違える程美しくなった」
女「な、何を…」
ベ「お前にも…やっと大切な人が出来たんだな」
女「……っ///」カァァ
男「へくしッ!!」
男「あー…やっぱ屋上は寒ぃな」
男(ここからなら…来ても直ぐに見つけられると思ったんだけどな…)
男「……」
男(何やってんだよ…女さん…)
728 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 21:20:40 ID:plBM126F
ベ「ハハハ、そうか。図星みたいだな」
女「う、あぅ…///」
ベ「にしてもあの女がなァ…で、相手は誰なんだ?」
女「ちっ、ちち違ッ!!勝手に納得するなっ!!まだ何も言って無いぞ!?」
ベ「よせよ、何年来の付き合いだと思ってんだ?ハッキリ、顔に書いてんぜ?」
女「うぅぅ〜っ…///」
ベ「いいから早く言えよ、ソレくらい良いだろ?」
女「ぜ、絶対…からかうなよ?」
ベ「もちろん」
女「はっ、初めて…好き、になった…///」
ベ「片思いか?」
女「……///」コクッ…
ベ「なら…何故奪わない?お前なら簡単だろうに」
女「いや彼は、だな…その…」
ベ「あ、あぁ…すまん…確かにこの情勢じゃな…ただでさえ、お前はこーゆーのからっきしだろうし」ポリポリ
女「違う、そうじゃなくて…」
ベ「ん?まさか…同族か?俺も知ってる様なヤツか?」
女「ち、違う…」
ベ「おいおい…もったいぶらないで教えろよ、未だに態度を表明していない連中なんざ……」
女「違うんだ、彼は…!!」
ベ「あぁ」
女「男は…この世界の人間じゃない」
ベ「……」
女「……」
ベ「………………嘘、だろ?」
女「本当だ」
ベ「お、驚ろいたな…」
見てたら支援くれー
_・)チラ |彡サッ!
730 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 22:41:14 ID:plBM126F
ベ「お前が、恋ってだけでも充分驚きなのに……」
女「……///」
ベ「よりによって、虫ケr」
女「男は虫ケラじゃないッッ!!」
ベ「っ…とと」
女「た、確かに男は、虫ケラ共と一緒に暮らしてはいるが!!強くて、優しくて、格好良くて…っ!!」
ベ「あ、あぁ」
女「その上、すっごく強いんだぞ!!」
ベ「強い二回言ってるぞ、お前」
女「私にだってそうだ!!全ッ然怯まないどころか…何時もニコニコ笑ってくれて!!何時も助けくれて!!」
ベ「どぅどぅ」
女「弓だって上手いんだからな!?お前にも見せてやりたかった位だ!!演習で男が、バッタバッタと虫ケラ共を射ち倒す勇姿ッ!!」
ベ「……」ニヤニヤ
女「だからアイツは…!!ただ、少し環境に手違いがあっただけで!!間違っても虫ケラなんかと―――――…なっ、何がおかしい!!?」
ベ「あ、いや…本当にベタ惚れなんだなァ、と」ニヤニヤ
女「くッ…///」
ベ「強くて、優しくて、格好良くて〜か。女アタマンも意外と乙女チックというか、何と言うか…」ニヤニヤ
女「う、うぅ…だ、だから…貴様に話すのは嫌なんだ…からかうなと言ったのに…」
ベ「んー?からかってるつもりは無いんだが」ニヤニヤ
女「嘘付け…だ、大体…私はホントのこと話しただけではないか……」
ベ「うんうん」ニヤニヤ
女「それなのに、お前は何時も何時も…からかいおって…」
ベ「フフ、そうだな…お前は…ガキの頃から、自分の好きな事となるとすぐムキになる」
女「悪かったな…」
ベ「なぁに、慣れっこってモンだ」
女「どうせ愚か者だってか…」ムスッ
ベ「あー、むくれるな、むくれるな。言えた事じゃないのは互い様だ、分かってる」
女「ふん…」プイッ
ベ「あー…」
731 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 04:39:07 ID:9CdY1vSV
しししえええんんん
話が微妙にわからなくなってきた……
732 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 15:37:10 ID:2dfCJym8
>>731すまん、自分でも分かりにくいと思うwwごめんねwww
草原
女、男と帰ったその日に、マジャーニ族の大ハーンの軍勢への合流の報と部族成員の大量離脱に遭遇
↓
以前より躊躇ってた計画を実行する事を決意、部下を率い早朝に出立
↓
近隣の部族長が大ハーンの元に向かってる隙に、その長男である親友ベルケに交渉を呼びかける
↓
失敗したため、やむなく奇襲
↓
ベルケ一家捕虜←今ここ
学校
畑部、倉庫より武器を取り出す
↓
他の部活を巻きこみ畑部を中心に、秘密裏に少数での戦時体制に移行←今ここ
男、放課後になっても女がいなくて心配中←今ここ
733 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 16:07:37 ID:2dfCJym8
ベ「……」
女「……」ムスッ
ベ「べー」
女「っく…」
ベ「ばぁー」
女「ぷっ…」
ベ「んげぇー」
女「くっ…あはッ!!あはは!!き、貴様というヤツは…!!こんな時にまで…はははははッ!!」
ベ「こんなんでウケるお前も大概けどな、赤ん坊じゃあるまいふぃぃ〜〜」ベー
女「や、やめろッ!!この…ば、あはははは!!く、苦しッ!!あはははははッ!!」
ベ「ぶッ、ハマりすぎだろ!!ハハッ、こ、こっちまで…!!」
女「だ、だって…貴様のマヌケ面がぁ〜!!あははははは!!腹が!!」
ベ「お、おま…ハハ…に言われたくない!!ハハハ!!」
女「ははははは!!やぁーい、マヌケ面ぁー!!」
ベ「る、るせぇー!!ハハハハハ!!」
女「はははははは!!はは…!!」
ベ「アハハハハハハ!!ハハハ…!!」
女「はは…は…ば、ばぁーか」ゼェゼェ
べ「ハハハ…お、お前もな…ハハ…」ゼェゼェ
女「ははっ、あははは…」
ベ「ハハハハハ…」
女「はっ…ぁ」サッ
ベ「見せてくれ」ガシッ…
女「…ぅ」
ベ「泣いてる所を、見せてくれ」
女「わ、私は…泣かないって決め…」
ベ「最期に」
女「…っ」
ベ「最期に、どうしても見たいんだ。頼む」
734 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 16:35:37 ID:2dfCJym8
女「ふ…ぁ…」プルプル
ベ「……」
女「うぁ…っ」ジワッ
ベ「……」
女「あ、ぁ…うあぁぁ…ああぁぁぁぁぁ…」ボロボロ
ベ「良かった、泣き虫も健在だな」
女「だ、だから…うぇっ…きさ…が強……」ボロボロ
ベ「ハハ、何言ってるか分かんねェよ」
女「ふ、ぅぁ…あぁぅ…ば、ばかあぁ…ぁぁぁ…」ボロボロ
ベ「……」
女「ばかあああぁぁ……!!」
遊「アタマン!!」
女「っ…な、なん…だ」
遊「準備が完了しました、略奪品はすべて携行。直ぐにでも執行出来ます」
女「……」
ベ「……」
遊「アタマン?」
ベ「クランが付いてる…未練を残すだけだ……」
女「…………分かった」
ベ「……」
女「殺れ」
遊「ハッ!!」
ベ「……」
敵遊「せ、せめて!!せめて礼を持って殺せッ!!俺はカル―――…ぐはぁ!!」ドサッ
遊「時間が無いぞ、クラン殿とテルムチ殿をお並べしろ。他は手早く済ませるんだ」
ベ子「うぅっ…は、母上ぇ…母上ぇ…」
ク「お願いします、目隠しを外してやってください」
遊「し、しかし…」
ク「お願いします」
遊「分かりました…」
735 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 17:26:40 ID:2dfCJym8
ベ子「母上ぇぇ!!」
ク「テムルチ、愛しいテムルチ…」
――ザシュッ…バシュッ
「ぎいゃああああああ!!」「うがああぁッ!!」「きゃああああぁぁぁッ!!」ワアアァァ…
遊「次の列、前に出ろ!!」
ク「どうか泣かないで…貴方は私と勇者ベルケの子…涙なんて流してはいけません……」
ベ子「うぁぁ゛で、でもっ…でもぉ……ッ!!」
ク「ほら、涙を拭いて…顔を上げて…見えるでしょう?」
ベ子「う゛ぅ…うぅ…」
ク「どこまでも澄み切った青…美しい蒼天…何も、怖い事なんて無い…」
ベ子「うぅ…ぅ…」
ク「還るだけ…」
ク「私達は皆…母なる大地から生まれ…父なる天の元に還るだけ―――」
ク「いずれ誰もが通る道を、テルムチは他人よりも少し早く通る……決して終わりなんかじゃないの」
ベ子「何でっ…死…ひっぐ…のに……」
ク「……」
遊「次の列、前へ!!」
ベ子「みんな…もう…えないのにぃッ!!」
ク「会えますよ…」
ベ子「嘘っ…嘘だぁ!!だって…何で…っ!!」
ク「――…天の魂が、あるからです」
ベ子「っ…」
736 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 18:36:26 ID:2dfCJym8
ク「テムルチ、良い?よーく、聞いて…」
ベ子「……」グスッ
ク「私達、生きとし生けるもの…全ての内にはね…」
ク「母から得た血と肉の魂、父から得た骨の魂…そして、天から授かった天の魂が宿ってるの…」
ベ子「…天の…たましい?」
ク「えぇ、天の魂…血や骨の魂は、肉体が大地に溶け込んだら無くなってしまうけど…天の魂は違う」
ク「他の二つの魂が無くなれば、最期にスーッと額から出ていって…天に昇ってゆく……」
ベ子「……」
ク「そうして昇っていった魂は、テングリで永遠に存在して…家族も、友人も、アタマンも…みーんな今まで通りにそこにいて……」
ク「地上で飼ってた家畜を飼い、地上で暮らした人々と暮らす…親も子も、友人も、奴隷も、全部そのまま……変わる事なんて何一つ無い」
ベ子「全部…そのまま…」
ク「そうよ…後は、私達の祖先が私達にしてくれたように…地上の子孫達を見守るだけ…」
ベ子「じ、じゃあ…父上もっ…母上も…バルフも、クトクも、ノガイも…!?」
ク「もちろん…みんな、みんないる…フフッ…今まで、食べてきた羊たちだって待ってるわ」ニコッ
ベ子「……」
ク「だからね、テムルチ…」
遊「……」
ク「受け止めなさい」
ベ子「…ッ」ビクッ
ク「死を受け止めて、何も残しちゃいけません…恨みも血も…何も、大地に残しちゃいけない」
ク「残せば魂が囚われる…地にへばりついたまま、天に還れなくなる…そんなの嫌でしょう?」
ベ子「!!」ブンブン!!
ク「じゃあ、母上の目を見て…笑ってごらんなさい」
ベ子「え…えへ…へ…」
ク「フフ、勇敢ね…テムルチ…それでこそ私とベルケの子…」コクッ
遊「……」スッ
ク「これで…」
ベ子「えへへ…へ…ぅ…」
ク「向こうで、また―――…」
―バシュッッ……!!
737 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 20:39:29 ID:LRkSWFBh
ベ「……ん、どうやら済んだ様だな」
女「……」
ベ「もう一つの願いは、頼むまでもなかった…か」
女「当たり前だ、見損なうな…」
ベ「ハハ、すまん。しっかし…」
女「……」
ベ「良く泣くなァ、お前は」
女「泣いて…欲しいんじゃないのか…」
ベ「あぁ、泣きながら殺して欲しい」
女「あ、悪趣味なヤツめっ…これの何が…」
ベ「俺だけが…知っている顔かと思ってた。今日までは」
女「…っ」
ベ「……確かに、強いんだろうな。その男ってのは。お前が惚れるくらいだ」
女「あぁ…」
ベ「そんな面白いヤツが、向こう側にいたなんて…フフッ、すっかり忘れてた……」
女「……」
ベ「そう、広いんだったな…世界は…」
女「……」
ベ「俺達ほど、その広さを知っている人間はいない筈なのに……」
女「うっ…」
ベ「俺達ほど、その広さに焦がれてきた人間はいない筈なのに………」
女「く…ぅ…」
ベ「お前の瞳はずっと、俺達より遥か遠くを――――――…」
女「ベ、ベルケ…私はただ…っ」
ベ「走りきれ、女」
女「ぁ…」
ベ「アッチにお前の居場所はねぇ、絶対に見守っててやるから…」
738 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 20:51:24 ID:LRkSWFBh
ベ「例え…地平線が消え、虫ケラ共が草原を埋め尽くそうが…大ハーンの軍勢が、幾ら時代を巻き戻そうが…」
女「……」
ベ「お前だけは…最期まで、本当の狼の子として生きるんだ」
女「ベルケ…」
ベ「何者にも囚われず、何者にも犯されず…」
ベ「その羨ましい虫ケラヤローと一緒に…新しい世界を走りきってみせろ……」
女「…!!」
ベ「そのために殺されたとなりゃ…俺も少しは…な?」ニコッ
女「ベ、ベルケ…お前…」
ベ「……」
女「お、おお前…もしかして…」
ベ「……」
女「お、おい…お前…っ!!」
ベ「……今更、かよ」
女「っあ……」
ベ「ハァ…鈍すぎんだ、何時だってお前は…その癖、この段になって……」
女「あぁ…ぁ…」
ベ「これでも、ちっとぁ気を引いてきたつもりだったんだがな……」
女「ん…で……」
ベ「……美しくなったな…その可愛い泣き顔も…元より高嶺の花だったが…」
女「なん…でっ…」
ベ「へへ、今じゃ手に届きそうな気配すら―――」
女「何でえええぇぇぇッ!!」
739 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 21:33:35 ID:LRkSWFBh
ベ「うっせェ…」キーン…
女「お、おお前ぇええぇ!!ふ、ふざける゙なぁ゙ッ!!何でぇっ!?」グイッ
ベ「何でって…」
女「さんざん他人の事、言ってお゙いて…!!何でぇ!!何故、今まで言わなかったぁ゙…!!」
ベ「そりゃ…お前が俺をそういう風に見て無い事位、俺にだって分かる」
女「だ、だが貴様ごそっ!!貴様こそ奪ったり何だったり゙出来たはずだろ゙うがぁ…ッ!!」
ベ「無理無理…だって、お前の方が全然強いだろ」
女「う…っ…ぁ…」
ベ「だから…今から俺は殺される。妻も子も仲間も、何一つ守れずに殺されるんだ。違うか?」
女「あ゙あっ…うあっぁ…ぁ…!!」
ベ「さ…そろそろやってくれ。悪趣味はもう、たっぷり満足出来た」
女「うあっ…うあぁぁ゙…!!」
ベ「ホラ、早くしろ…外は落ち着いた様だし…」
女「あ゙あぁ…うああ゙あ゙ぁぁぁ…っ!!」
ベ「聞かれる前に、済ませちまった方いいんじゃないのか…?」
女「っ…ぅぅ゙…!!」チャッ…
ベ「…よし」グッ
女「ゆ、赦しは…うぇっ…」
ベ「……」
女「赦しは…乞わんっ…!!」
ベ「当然、草原の習いだ」
女「ハッ…!!ハァ…ハッ!!ハッ…!!」
ベ「……」
女「ハッ!!ハッ…!!ハァ…!!ゴクッ…!!」
ベ「……杯、嬉しかったぜ?」
女「うっ…うああああああああああぁぁぁぁッ!!!!!」
740 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 22:50:46 ID:LRkSWFBh
ゴオオォォォォ…
女「ベルケの首を包みたい、手頃な袋をくれ」
遊「ハッ」
女「ん…安らかな顔だな。確か、テルムチだっけか?」
遊「ハッ…母共々、立派に最後を…」
女「そうか…きっと、無事に昇れるだろうな」
遊「えぇ」
女「…よし!!全員撤収だ!!全速で冬営地に戻れッ!!」ヒヒィィィン!!
遊「ハイヤアアアアァァァァ!!」
――パカラッ…!!パカラッ…!!
女「……」
遊「やったな…」ヒソヒソ
女(ベルケ、お前は…)
遊「あぁ、一片の容赦も見せずにやり遂げた…」ヒソヒソ
女(私より…弱くなんか無かった…あの時、何も盛らなかったのは……)
遊「言ったろ、やはりアタマンは変わってはいなかったんだ…」ヒソヒソ
女(私が、男を射れなかった理由と同じ…)グッ…
女(その為に、全てを失っても…お前は最後まで笑っていられた……だが)
遊「畑部の時は、所詮互いに制限してたからな…本当に何か意図があったのやも…」ヒソヒソ
女(私なら、どうだ…?)
女(私なら――…)
おーい…誰かぁぁ…
任せろ
23:00:00以降交互にレスしてこうか
743 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/20(金) 23:04:28 ID:LRkSWFBh
>>742すまんwペース遅いからそれは悪いww
不安に駆られただけだから、たまに支援してくれるのが一番嬉しいww
人員確認かよwwwwww
スレ立てからずっとスレ見てんだから心配すんなw
745 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 10:32:30 ID:AhGROT2V
スレたてから見てるなら
>>1が淋しがり屋なのは知ってるだろ?
コノコノ( ・∀・)σ)д`*)エヘヘ
支援
746 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 08:59:27 ID:r32rPJBm
遊「おぉ、帰ってきたぞ!!」
女(まだ、夕方…か)テクテク
遊「で、どうだったんだ?」「交渉は失敗したらしいな」「まぁな…だが、代わりに皆殺しだ」ワイワイ…
女(略奪品も、思ったより少なかったせいか…本当に早く…)テクテク
女(早く…)ピタッ
遊「あっ、アタマン。損害は――」
女「……」
遊「アタマン?」
女「……」ダッ!!
遊「な、なんだァ?」
――――バサッ!!
女「うっ…」(私の寝台に…)
女父「ん、女か…話は聞いた、よくやったな」
女「い、いえ…」(置いてたナイフの位置が…違う……)
女父「念の為に聞くが…ベルケ一家の死体は、全てその目で確認したか?」
女「はい、母から子まで…安らかな死に顔でした。ベルケの首はココに」(まさか…)
女(いや、見た目自体はどこにでもあるナイフだ…気付かれる筈……)
女父「それでこそ我が娘だ」
女「……」
女父「……これからも…為すべき事『のみ』を為せ」ポンッ
女「…っ」
女父「寝台が汚れるぞ、早く血を落として来い」バサッ
女「……」ギリッ…
・・・・・・
女「はぁッ…はぁっッ…!!」パカラッ!!パカラッ!!
遊「それでよ、四人目だ。へへ、全員心の臓に当ててやったぜ」「何か…嘘くせェんだよなぁ、お前のホラ多いし」「ちゃんと直に殺したヤツの耳なんだろうな、ソレ?」
女父「すまん。娘を見なかったか?」
遊「何だt…あ、いえ…」「あー…そういやさっき何か、やたら急いだ様子で駆けてった気が」「げぇ…ホントかよ、今朝からずっと早駆けしっぱなしだぞ?」
女父「……そうか」
>>744ごめんよwwこれからもたまに支援よろwww
>>745めんどくさいヤツで申し訳ないww
支援
748 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 19:07:27 ID:gdXk5zTM
男(ハァ…結局、下校時刻になっても来なかったな……)トボトボ
男(一日会えなかっただけで、こんなに不安になるなんて……)トボトボ
男(俺も、どうかして――…)ピタッ
女「はは…」
男「女さん…!!」
女「遅刻…だな…」ボロッ
男「遅刻って…」(というか何時にも増して、ボロい格好だな…)
女「ス、スマン…ちょっとばかし弓の張り替えかえやら何やら、色々してたら…つい…な」
男「そんな事、学校ですれば良いじゃんか…」
女「む?男は何時もそうゆう事、人前でやるなと言ってただろう…」
男「あ…い、いや…そりゃそうなんだけどさ…」ポリポリ
女「もしや男……私がいなくて…さ、淋しかったか?」
男「…うん」
女「っ…///」
男「……」
女「ば、馬鹿者っ…まだ…約束から二日しかたってないんだぞ?当分は迷惑、掛け続けると言ったろうが…っ」(男…)
女「なのに、たった半日会えなかっただけで……淋しい等と軟弱な事を言うんモンじゃない…」(心配じゃなくて…淋しいって…)
男「…の割りには、すんごい嬉しそうな顔してるけど」
女「う、ううるさい…ほら、いいから一緒に帰るぞ…///」パカパカ
男「でも女さん、せっかく来たばっかりなのに」
女「帰り道で迷惑掛けてやると言ってるんだ、早く来い」ファサッ…
男「あ…」
ペース遅くてすまん、野暮用が多いもんで
749 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 19:29:37 ID:gdXk5zTM
パカ…パカ…
男「ね、ねぇ女さん…」(やっぱり、何かおかしい…)
女「ん…何だ?」
男「何というか…少し、疲れてる?何時もより、元気ない感じだし…」
女「えっ…そ、そそんな事ないぞ!?元気いっぱい!!」クワッ
男「……」
女「むぅ、元気が無いのは男の方だろ…調子狂うぞ…」
男「あのさ…ホントに、弓の張替えとかしてただけなの?」
女「……どういう意味だ」
男「髪に、血がついてる…」
女「っあ…こ、これは…そのっ!!」サッ
男「……」
女「そ、そうだ…解体もしたから……きっと、コレはその時に付いた血だな…うむ…」(しまった…急いで全部、洗い流したつもりだったんだが…)
男「解体なら、見た事あるけど…ちっとも血なんて出なかったじゃんか……」
女「私にだってミスくらいある…あぁ、あるいは血を飲んだ時に少し零したからその手で髪を――――…」
男「でも女s」
女「男、だからキリが無いと言ったんだ。私は大丈夫…これでこの話は終わりだ」
男「……」
女「………よ、よおぉーし!!それじゃあ今日は本物の弓を射させてやろう!!折角、張り替えて来たんだしなっ!!」グイッ
男「え…い、いや…ちょっと」
女「良いから持ちたまえ!!今日のはまえ騎馬戦で射ったのと違って、実戦仕様の本格的な弓だぞ!?」
男「全然違わない気が…相変わらず小さいし……」
女「今日のは弦の強度が子供の訓練用じゃないって事だ。とりあえず弦を引いてみろ」
男「引いて見ろって…こんな短いの簡単に……んんッ!?」ググ…
女「フフ、何とか引けたようだな…だが…そのまま構えてられるか?」
男「っくぐ…!!な、何コレ!!なんか凄い…固ッ…!!構えてられないっ…!!」プルプル
女「ふふん、だから実戦用と言っただろう。なぁに、気に病むな。訓練していなければ当然…複合弓は全長に比べ強い張力が必要な弓だからな」
男「はぁっ…はぁ…複合…弓?」
女「うむ。このM字型の短い弓…何を隠そうコイツこそが……我々遊牧民の持つ最強の武器だ」
750 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 00:40:44 ID:/neB6cOY
男「こんな弓が、最強の兵器…?」
女「フフ…そうだとも、こんな弓がかつて世界を制していたのだ。古の東ローマ帝国等、我々から高額で買い取ってまで、複合弓を軍隊に導入していた位だからな」
男「せ、世界を…」
女「あぁ、遥かスキタイやそれ以前の時代から…世界を席捲した遊牧民達は必ずコイツを効果的に戦法に取り入れ、その力を十二分に使って来た」
男「そんな昔からあるなら…わざわざ輸入なんかしなくても、自分で作れそうなもんだけど……」
女「いいや、そうはいかん。コイツは木製の下地に、動物の骨や腱、金属板等など…様々な素材を絶妙に合わせ、初めて出来るシロモノなんだ」
女「もちろん製造方は門外不出。手間だってかなりかかる」
男「複雑な作りなんだね、コレ…」
女「うむ、もっとも…だからこそ使えるのだがな。虫ケラ共が使う、木材のみの単純な単弓と一緒にしてくれるなよ」
男「じゃあさ、ウチの学校にも…何か特別な弓を使ってる弓道部があるらしいけどアレは……」
女「例によって、単素材で作った芸の無い虫ケラ共の弓だ。ロングボウというらしいが、要求される筋力も尋常じゃないし、長すぎて馬上でなんかとても使えん」
男(というか馬上で使うっていう発想も、そんな無いだろうけど…馬に乗るってだけでも大変だろうに……)
女「技術が無いから、大型化で威力を向上させざる負えなかったんだろうが……安心しろ。複合弓も訓練は必要だが、あそこまでの扱い難さは無いぞ?」
男「はぁ…」(きっと…女さん達は殆ど、馬に乗る生活だから必然的に生まれてきたんだろうな……)
女「小型さ故、馬上での取り扱いに優れ、連射も簡単、弦を引く距離は僅かですむ。お陰で矢自体も短く、多くの矢を携行可能……おまけに」ググッ
男「ん?ちっ、ちょっと…!?」
―――ヒュッ…ビイイィィン!!
女「空気抵抗による威力の低下も少ない長射程。見たまえ、少し引いただけでこの威力…フフッ」
男「ブ、ブロック塀に…こっ、こんな小さな弓で……穴が…」
女「俗に複合弓は肘の位置まで、引くだけで…胸の位置まで引いた虫ケラ共、自慢のロングボウに匹敵する威力があると言われているが……」
男「っていうかこれ、人ン家なんだけど……」
女「実戦ではさらに弓懸を使い、弦を耳元まで引く事が出来る上……獣骨の矢尻にトリカブトの猛毒をたっぷりと塗りたくる…」
男「ト、トリカブト…」
女「そうなると射程は四百メートルを優に越え、必中距離は馬上から約五十メートル……放たれた矢は…もはや、どんな防具だろうが貫通を防ぐ事は出来ない」
男(それってもう…初期の銃より遥かに強いんじゃ……)
751 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 02:12:39 ID:/neB6cOY
女「分かるだろう男?この弓無くして…古来からの、虫ケラ共に対する我々の軍事的優位は有り得なかった」
男(って事は待てよ…矢尻を丸めてたとはいえ……畑部さんの時は相当加減してた…のかな?)
女「これぞ…我々遊牧民の誇る、最強の兵器の所以なのだ!!」ババーン
男(何だかんだいって、絆創膏で済んだ程度だし…距離も近かったから、急所を外してたとか……)
女「さて…では説明も終えたので、もっかい射ってみましょう」
男「あ、いえ結構ですぅ」
女「大丈夫だ、私が優しく指導してやるっ♪」
男「いえいえ、ホントに」
女「遠慮するな、楽しいぞ?ヒュンバシュッてなった時、すごい気持ちぃーぞ?」
男「いやでも街中じゃ危ないしね、ウン」
女「むむ…!?何と、あんな所に調度良い川原が!!」ビシッ
男「昨日、寝転んだよね。しかも来た道、引き返さなきゃだよね」
女「男ぉぉ〜…」グイィ
男「ちょ…まっ…馬の上から服、引っ張ぱんないで!!」ズルズル
女「騎馬戦の時あれだけ狙いが上手かったでは無いかぁ〜…後は弦さえ引ければだなぁ〜…」グイィィ
男「だ、だってホラ…もう結構暗いし…時計見てって……」ズルズル
女「あっ…うぅ…も、もうこんな時間なのか」
男「ね?だから、そろそろ帰ら――…」
女「むぅ、仕方ないな…」パッ
男「ぐげッ!?」ドサッ
女「すまん…フフ、余り迷惑掛けられなかったな…時が経つのは早い…」
男「いや、充分掛けれてるんじゃないかな…」ズキズキ
女「…そ、そうか?」
男「ま、いつもの調子に戻ってくれて良かったけど…」ボソッ
女「え…」
男「いっ、いや何でも…無い…」
女「……」
女「……そう、だな…男と話すと楽しいから…な」
男「アハハ…な、なんか照れ臭いなぁ…///」
女「……」
ほうら
>>1よ、これがほしいんだろう?
つ ミ[支援] フォラヨッ
うん、ちょっとやってみたかったんだ(´・ω・`)
753 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 19:20:16 ID:/DkSxezl
キーンコーン
男「あっ…女さん、来てたんだ」
女「おぉ、男。お早う」キュッキュッ
男「ごめん。急に場所変わっちゃってさ、書置きできなかったよ…」
女「なぁに、適当に時間を潰していたから大丈夫だ。フフ、こっちこそ何時もありがとな」ゴチャ
男「う、うん…」(何か迂闊に注意出来なくなったな…しかし態々、馬具を他人の机に……)
女「〜〜♪」キュッキュッ
男「…あの女さんさ…最近、大体この時間帯に来るけど……やっぱそっちの方、大変だったり?」
女「ん?まだ大丈夫だぞ。無理になりそうなら事前に言うか、きちんと一日丸々休む」キュッキュッ
男「そ、そっか…ならいいんだけど」(あれから一回も休みこそしてないけど…前は、精々遅刻しても二限目とかだったもんなぁ……)
女「私は来たくて来てるのだ。男が気に病むことは無い」キュッキュッ
男「うん…」
女「まったく…そういう男こそ、大丈夫なんだろうな?もうすぐテストだぞ?」ガチャ
男「まさか女さんに、テストの心配されるとは思わなかったな…」
女「何を言う。私は毎回、安定した高得点だ」キュッキュッ
男「テスト前になると必ず抜き身で、職員室回ってるのは……」
女「アレはテスト戦略の一環だ、何なら今度から男の分も頼んどいてやろうか?」ガシャ
男「これ以上、俺の築き上げてきた温厚な生徒像を壊さないで下さい」
男友(俺の机が、馬具に埋まって見えない…だと?)
畑部「……」
>>752いただきいいぃ!!
754 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 01:30:57 ID:n65HW2hK
タガ〜タンタンタン♪タダダン♪
ベ畑「モタモタするなァ!!」
畑部「はッ…はぁッ…!!」ザッザッ…
弓部「傍から見てると、パレードみたいで楽しそうよね」
畑部「楽器等の合図にいかに早く、正確に反応できるか。近代以前の戦争は、一見お祭りみたいな雰囲気がありますからね」
ベ畑「そこォ!!集合が遅い!!最初からやり直せ!!」
畑「ひいいいいいいぃぃッ!!」
弓部「でも実際は…もうかれこれ三時間以上…毎日フル装備で、隊列の移動と転換の繰り返し……ホントよく持つわね、あの子達」
畑部「持つというか、持たせてるんですけどね。歩兵は耐えるのが仕事です。それに野戦築城班だって大変ですよ?」
トントン…カンカン…
弓部「他の生徒に怪しまれない様、狭っ苦しい倉庫の中で…ひたすらバリケードと馬防柵の作成か……弓部で良かったわ、私」
畑部「一応アレだけは…クロスボウを製作した工作部の人も一部動員してますけどね。進軍ルートの制限は、この戦い一番の鍵ですから」
弓部「情報漏れは大丈夫でしょうね…?」
畑部「厳命してあります、機密漏洩は例外無く死刑。それに上の方はこの戦いの意義に対する理解も進んでますし」
弓部「教育成果って訳ね…あの子達もせめて、三年になってから巻き込まれればこんな受け止め方せずに済んだでしょうに」
畑部「ま、いざコトが始まれば皆一緒ですよ。誰も実戦経験は無いんです」
弓部「……」
新畑「れ、練習おわりましたぁー…きょ、教官がもういいって……」ゼェハァ
弓部「はい、お疲れ様♪」パサッ
新畑「あ…ど、どうも…」フキフキ
畑部「フフ、そろそろ思想教育の時間ですからね。槍隊と楽隊の人達も後、一巡したらやめてもらいましょう」
弓部「ね、マッサージもしてあげよっか?」ワキワキ
新畑「手をワキワキさせないで下さい。近づかないで下さい」
男友(何やってるんだろうあの人達…)
755 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 00:30:54 ID:oN83H+0L
新畑(思想教育、それは部長さんが言うに……女さん達のもたらす害悪と…その根絶される正当性を皆に分かってもらう為の教育)
畑部「〜例えば幼少から騎乗していなくとも、姿勢を安定させる事で、乗馬を飛躍的に容易にした鐙」
新畑「ふふっ…」
畑部「例えば長大な射程と火力により、騎兵の白兵効果の減少と、その存在をただのデカい的にまで貶めた火器」
新畑(いっつも事前に聞いた様な話ばかりだから、この訓練だけは楽勝ですっ!!)
畑部「我々が誇るこれらの発明一つ一つが…騎馬戦士としての害虫さん達の存在意義を消滅させていったのです」
新畑「……」
畑部「では唯一勝っていた軍事的利点までも、我々に凌駕された彼等は……一体何か?」
新畑(でも…一つだけよく分からないや………)
畑部「土地の私有を否定し、国民という共通属性を否定し、暴力を崇拝し、数千年前から変わる事の無い停滞した日々を送る……害虫さん達」
新畑(私と話す時の部長さんは、絶対に女さん達の事を…害虫だから〜なんて理由で片付けたりしない……)
畑部「そう、彼等にはもう…モノホンの害虫程度の価値さえ無いんです……寧ろ、なまじヒト科なだけその罪悪は深い」
新畑(口は悪いけど…ちゃんと、女さん達がこうせざる終えない事情だって説明してくれて…その上で戦おうって……)
畑部「その一点にのみ希望を抱き、寛大なる文明人として…我々が何世紀にも渡り行ってきた教化と、慈悲の努力の全てが……矢玉を持って無碍にされ続けたのだから」
新畑(これが、部長さんの…立場ってヤツなのかもしれないけど……)
畑部「奴等は、奴等の最後を……自らの手で絞める道を選んだという事です…レミングの様に……」
新畑(けど、部長さんは…私にだって…本気で女さん達を憎んでるって言うんだ)
畑部「そして近代国家が誕生し、地上を隙間無く埋め尽くした今……時は来たんです」
新畑(あんなに色々な事を知ってるのに…あんなに女さんとよく、喧嘩してたのに……)
畑部「近代国家の原理とは決して相容れる事の出来ない異物、進歩に対する最大の障害として………もはや、我々と奴等の間にかつての様な形の共存は不可能」
新畑(それでも……)
畑部「それ故…奴等を駆除し、残された蒙昧の地を文明の光で照らすは、神から与えられた我々の明白なる〜」
弓部「やっぱりアンタにゃ…分からないかしら?」
新畑「え…」
弓部「アイツは、いや普通はそう…フフ…誰もシラフじゃあね…」
新畑「こ、これくらい分かりますよ…失礼な…」ムスッ
弓部「そっちじゃなくて」
756 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 18:14:38 ID:oN83H+0L
男友「しっふぁし…」モグモグ
男「んー?」モグモグ
男友「まーた、畑部さんの手作り弁当かよ。てっきり振られたかと思ったのに」
男「るせぇな…だからコレはお礼だってば…」
男友「律儀な人だよなぁー」
男「まぁな…」(アレから他の事では一切、話しかけられないけどな…渡したらすぐどっかいっちゃうし…)
女「ふん…」
――――ダカタンタンタン♪ピ〜ヒャラ♪
男(にしても外、何やってんだ…)
男友「……後さ…いっつも食べて無いけど…大丈夫なの、あの人?っていうか何で最近ここにいるの?俺、帰っていい?」ヒソヒソ
男「いやいやいや…待ってくれ…一応俺にとっちゃ両方友達なんだし…もう少しお前も仲良くなってくれるとありがたいんだが……」ヒソヒソ
男友「怖いよ!!屋上の時以来マトモに話してないよ!?今だって、明らかに俺の事邪魔者扱いしてるし!!めっちゃ睨まれてるし!!」ヒソヒソ
女「ゔ〜…」グルル…
男「ア、アレはホラ…俺が悪いけどお前もさ…セクハラまがいの事したんだから……」ヒソヒソ
男友「それ以前だって、一方的に話された事あるだけだよ!!大体女さん、お前以外のヤツと仲良くしようとする気サラサラ無いだろ!?」ヒソヒ
男「ぐ…」(確かに、わざわざ壁を作ってる感じが…今だって威圧してるもんな…)
女「おい、男友」
男友「ッ…は、はぃ!?」
女「さっきから何を食ってる」
男友「へ…は、え?コ、コレ?」
女「あぁ、何だソレは」
男友「イ、イカフライ…ですけど…」
女「いか…ふらい…」
男友(あれ?もしかしてコレ睨んでた?)
女「……」ジイィィ
男友「あの…食べます?」
女「いらん」
男友「えぇ…いや、ガン見されながら言われても……」
男「た、食べてみたら?」
757 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 18:32:57 ID:oN83H+0L
男「美味しいよイカフライ?俺も好きだし」ニコッ
女「む…お、男がそこまでいうなら…仕方ないな…少しだけだぞ?」ガシッ
男友(そこまで言って無いんですけど。少しっていうか、三つ鷲づかみにしてるんですけど。三分の一なんですけど)
女「……」モグモグ
男友「…美味しいですか?」
女「ふむ…まぁまぁだな」ガシッ
男友(まぁまぁで追加…)
女「……」モグモグ
男友「…気に入った?」ヒソッ
男「みたいだな」
女「ひはし…変わっは肉らなコレは…豚は鳥?いふぁ、前に男から貰っのはほんな……」ボロボロ
男「女さん、これは肉というか…イカだよ」
男友(良く聞き取れるなオイ)
女「いふぁ…?」ボロボロ
男友(あぁ、俺の机が……)
男「あー、イカってのは海に棲んでる――」
女「ぶふッ!!」
男友「うわー、何かイカフライが戻ってきたー」
女「なっ、なな…な…!!」プルプル
男「お、女さん…?」
男友「勘弁して下さい、お願いします。勘弁して下さい」
女「…う、海って…水、だよな?…お前…そんなに貧しかったのか?」
男友「へ…水?」
女「こんな…水の中に棲んでるモノを食べる程、暮らしに困ってたのか?」
男友「困ってないけど…普通に食べてる…え、何で哀れっぽい目?」
女「はー…」
男友「え、女さん達は…魚とか食べ…ない?」
女「いや…た、確かにチンギスは幼少の頃、貧窮の余り川から魚を取って食っていたというが…これは……」
男友「川とかあるなら…普通に獲ったりすれば…」
女「そ、そもそも…獲り方もさばき方も分からん…滅多に見ないし…まさか、虫ケラ共は日常的に魚を?」
758 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 18:53:52 ID:oN83H+0L
男友「うん、まぁ…かなり…」
女「何と酔狂な…貴様等なら、他にも山程食材があるだろうに……」
男友「あるけど…結構獲れるし、基本的なメニューだよ…魚は」
女「そ、そうなのか…?というかまず魚にイカだとか、種類があるのも凄いな…」
男友「いや、だからイカは魚じゃ」
女「しかし…なんというかこう……」
男友「ん?」
女「意外と…悪くは無かったな…」ジュル
男友「そ、そう」(イカフライどんだけー…)
女「……」
女「あっ…」
男(お?)
女「……ありがと…な///」
男(おぉっ!!いいぞ!!いいぞコレ!!)
女「ふんっ…」プイッ
男友「え、何?もっかい言って、聞こえない」
女「人の話は聞いてろッ!!」バキィッ
男友「かひッ!!」
女「ったく、痴れ者が…」ブツブツ
男「……何でそう、すぐ調子に乗るんだ…お前は」
男友「いやね、仮にもメインデッシュだったもんでね」ムクッ
男「うおっ、復活はや…」
男友「耐性が出来たというか、手加減があったというか」
男「良く分からんが、良かったな」
女(…成る程、魚か)
男「今度から獲ってみたら?俺も獲り方とか良く分からないけど、女さんなら狩りとかしてるんだしコツ掴めば簡単じゃないかな」
女「っ…わ、わわ私が虫ケラの真似事なんかしてたまるか!!」ギクッ
男友「でも美味しかった、違いますか?」ズイッ
男「お前…」
759 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 21:31:59 ID:oN83H+0L
女「うっ…そ、それは…」
男友「ホラ、恥ずかしくないから。そこは素直に認めよう?ウン」
女「うむ。美味しかった、美味しかったから―――」
男友「そう。最初からね、そうやって素直に言ってくれればね」
女「明日から毎日イカフライ獲って来い」
男友「こっ…ってえええぇ!?獲ってくる!!?イカフライを!!?」
女「結構獲れるのだろう?私には魚を獲るなどど、虫ケラじみた行為は出来んが…貢物を食うのは別だ。何、今日くらいの量で構わん」
男友「ちょ、ちょっと待っ…確かにイカフライ大好きだけど…流石に毎日は……」
女「頼むぞ、イカフライ」ポンッ
男「ぷっ…wwイカwフラwwww」
男友「あれ…?もしかして俺の名前、イカフライになってる?」
男「そういやイカフライ、お前数学得意だろ?数学初日らしいし、今日の放課後でも教えてくれよ」
男友「えっ…やめて、ホントに定着しそう」
女「む…やはり苦戦してるではないか男。何も私に頼ってくれれば、数学なんて…」
男「女さんが『自力で教えてくれる』教科なら頼みます」
女「ふむ…そうだな、今回の世界史ならば…色々教えられる思うが?」
男「あぁ、確かに今回の範囲は……よし…世界史ならイカフライが苦手だし、帰りに三人でやろう」
男友「ねぇ、ちょっと自然に使わないで」
女「チッ…何だ、コイツが苦手なのか…」ジロッ
男友「……」
女「もっと勉強しろよ、イカフライ」
男友「……」
―――校庭
畑部「良いですかー。今日が期日なので、ちゃんと書いてくださいねー♪」
新畑(まさかこの歳で……)カキカキ
畑部「はい、皆さん!!ネガティブにならない!!飽くまでコレはもしもの時の為のモノですから!!」
畑&音(本当に…遺書を書く事になるなんて………)ズーン
イカアレルギーの俺が支援
男友「〜でここを二乗して終わりと。どうだ?分かったか?」
女「んぐっ…んぐっ…」
男「成る程、そういう事か。しっかしお前、ホント数学だけは得意っつーか…」
女「ふぅ…」
男「教え方も分かりやすいし、頼りになるよなぁー…」
女「……」ピキッ
男友「へへっ、こう見えても俺ぁ数検二級だぜ?恐れ入ったk」
女「……調子に乗るなよイカフライ、数学以外は全部男のが上だろうが」ボソッ
男友「すいません…」(うぅ、さっきから男に感心されるたびにコレだ……)
男「んじゃ、キリの良い所まで教わったし。そろそろ…」
男友「世界史、か…まぁ確かに苦手だけど…」チラッ
女「はぁ〜?世界史だァ…?貴様、頭いいんだろォ?男に頼りにしてもらってたしなぁ…?んぐっ…んっ…んんっ…」
男友「……」
女「ぷふぃ〜…そんなイカフライ様なら…げふっ…私に頼まずとも、世界史ていど楽勝じゃないのかぁ?あぁ〜ん?」ボタボタ
男友「い、いやそんな事は…ちょ、お酒零れてる…」
女「けッ…イカフライの分際で、良い気になりおって…たまたま男の苦手科目が得意科目だっただけではないか…」グチグチ
男友「な、なぁ絶対コレ逆効果だろ?どんどん反応キツくなってる気が…」
男「気のせいだろ、イカフライ」(飲んでんなー…)
男友「お前もか畜生」
男「でも…俺も折角だから女さんに教えてほしかったんだけど……女さんが嫌ならしょうがな――」
女「っぷは!!よし。くれぐれも男の足だけは引っ張るなよ、イカフライ」
男「おぉ、ありがとう。女さん」
女「フフッ…良いって事だ。なんせ男・の・頼みだからな♪」
男「ハハ…///」
男友「すいません、生まれてきてすいません」
女「ふん…貴様も害虫共のお仲間にしてはまぁ、殊勝な心がけだ。特別に私の杯を注ぐ名誉をくれてやろう。注ぐが良い」
男友「アリガトウゴザイマス、ウマレテキテスイマセン」トクトク
男(ま、まぁ何はともあれ…なんとか仲良く(?)はやってけそうな感じだよな、ウン…)
図「あ、あのぅ…と、図書室でお酒はちょっとぉぉ〜…」ブルブル
イカフライかわいそすぎだろwww
まぁ農民派だし仕方ないのか…
イカフライの扱いw
764 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/21(月) 19:43:56 ID:CQzC2stY
新畑「……」
畑部「なーに黄昏てるんですか、新畑さんっ」ポンッ
新畑「あ、部長さん…」
畑部「今日はもう解散して良いんですよ。それとも、何か考え事ですか?」
新畑「まぁ…」
畑部「フフッ、やっぱり。思教の時もボーっとしてましたもんね」
新畑「あ、ぅ…す、すいません…」ペコッ
畑部「良いんですよ、新畑さんなら。普通以上の負担を私の我侭で負わされるてるんですから」
新畑「そ、そんなこと…訓練だって他人より少ないんだし…むしろ……」
畑部「……とにかく新畑さんは私の助手です。害虫関連の疑問なら、私に遠慮なく聞いてやって下さい」
新畑「でも大した事じゃ」
畑部「私は聞いて欲しいんですよ、新畑さん。聞く聞かないは貴方の自由ですけど…言わばソレが、助手である貴方の仕事とでも思ってくれれば」
新畑「う…は、はぃ」(何で、この人は私なんかを助手にして…)
畑部「えぇ」
新畑「それじゃ…あの…」(何で…女さん達をあれほどまでに……)
畑部「はいっ♪」ニコッ
新畑「…っ」
畑部「ん、どうしました?」
新畑「……」
畑部「新畑さん?」
新畑「えと…その…き、起源を…」
畑部「起源?害虫さん達の、ですか?」
新畑「は、はいっ…私、その、実は何で女さん達がこういう暮らしをする様になったか知りたくて……」
畑部「それなら思教で教えたと思うんですけど…」
新畑「そ、そうじゃなくて!!」
新畑「ちゃんと、知りたいんです。女さん達について」
765 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/24(木) 18:04:45 ID:A+LgjsiL
畑部「……」
新畑「何でああいう暮らしをしてるのか…その、私に教えてくれてる時みたいに…ちゃんと」
畑部「フフッ…ちゃんとですか?」
新畑「う…い、いえ、ちゃんとというか…」
畑部「新畑さん、答える用意はあります。だけど私は……この戦争に関わる直接的な事情は、新入生の中で…全て新畑さんにだけは包み隠さず伝えました」
新畑「は、はい。ありがとうございます…」
畑部「新畑さんの知識は現状の把握には、もはや何の問題も無いレベルです。一介の兵卒として見た時は、知りすぎてる位……それでも尚」
畑部「新畑さんはこれから戦う相手について知りたい、と?戦術とか組織構成とかじゃなく…そんな余分な事まで…?」
新畑「はい」コクッ
畑部「何故…」
新畑「だって、部長さんも言ってたじゃないですか。避けられないなら、やっぱり…せめて納得はしたいです」
畑部「……知るだけで納得出来るなら、なぜ私はこんなモノを?更に重荷を増やすだけ、意味の無い事だとは考えないんですか?」ギラッ…
新畑「わ、私は別にそうは考えません。どんな事でも…女さん達について知って、それで何か感じて……その感じたままの気持ちを抱いて戦う」
畑部「……」
新畑「それがきっと…」
新畑「きっと私に出来る…女さん達に対する最低限の責務と最大限の納得、だと…そう考えてますから」
畑部「ッ…!!」
女「えー。ではまず、貴様等には我々の社会構成の単位から学んでもらおう」
男「おぉー」パチパチ
男友「あの…それより、イル・ハン国の初代h」
女「殺すぞイカフライ。良いか?当然ながら我々のもっとも小さな社会的単位は、一つのゲルに同居する家族だ」
男友「うぅ…」(さっきからずっと質問してるのに…)
女「これらの家族は通常、『共通の先祖を持つと信じられてる』他の家族と共に一つの遊牧集団を作って共に遊牧する」
男「うんうん」カキカキ
女「この遊牧集団が我々の最も基本的な単位である『氏族』で、ソレを構成する家族数は数家族の場合もあれば、三十から五十家族という大所帯の場合もある」
男「女さんの所は?」
女「三十ちょい、だな。多分」
男「そんないた様には見えなかったけど…」
女「全員かなり広範囲に分散してるからな、貴様等から見たら大した数に見えなくとも仕方あるまい」
畑部「貴方は、本当に……」
新畑「?」キョトン
畑部「こんな…可愛い顔して……」
新畑「ぅ…」
畑部「……」
新畑「ま、またそうゆうコト言って…からかわないで下さいっ…///」
畑部「……フフ、分かりました。起源…ですね」
女「で、氏族が他の氏族と合わさって、一つのより大きな遊牧集団を形成したモンを『部族』と呼ぶ。どうしたイカフライ、鉛筆が止まってるぞ?」
男友「うぅ…こんな事より早く教科書の問題を…」カキカキ…ブツブツ…
女「そして更にこれらの部族が、他の諸部族と連合しより大きな単位を構成した場合、コレを『部族連合体』あるいは『国家』と呼ぶのだ」
男「え、国家…?部族が集まったのが?」
女「そうだ、国家だ。我々の言葉ではウルス。ただし虫ケラ共のソレと違う『遊牧国家』だが」
男友「遊牧国家…」
女「うむ。貴様がバカの一つ覚えで言っていたイル・ハン国もそうした遊牧国家の一つだぞ」
男友「せめて『様な』ってつけて…んで、ソレは俺達の言う国家とどう違うの?」
女「様々な違いがあるが…まず今いった様な氏族、部族をその構成要素とするピラミッド状の政治的統一体という所が挙げられるな」
男「血縁共同体が中心なんだ…」カキカキ
女「また、この統一体は外の部族や部族連合体を柔軟に吸収、屈服させる事で急速に支配地域を拡大していくってトコにも特徴がある」
男「あー…モンゴル帝国とか?」
女「あぁ。あのスピーディーな領土拡大は馬の力だけじゃない、次々とあらゆる部族を台風の目の様に引き込んでいった結果だ」
男「へぇぇ…」カキカキ
女「次に指導者の選出の仕方も特徴的だ。これは『クリルタイ』という国会において選出される。クリルタイは他にも君主の交代や、戦争などの様々な国家事項を多数決で決定する」
男友「ふーん、民主主義的だな…」
女「…だがココで重要なのはこのクリルタイで選ばれる指導者は、その『遊牧国家形成に当たり中核となった特定の一氏族』から出され、他の氏族からは原則不可能ってトコだ」
女「例えば突厥の場合は阿史那氏、ウイグルの場合はヤグラカル氏……」
男友「え…な、なんで?一番有能だったら良いんじゃ…?」
女「その特定氏族内で、という条件付きでな。コレは当然の事だ。氏族を基本単位としてる我々が、自らの氏族の支配的権威を確保しようとしたに過ぎないし…」
女「勿論その権威は実際的な力で…遊牧国家の中核をなした氏族のみが築き挙げるモノ。貴様等と違い、名誉だけの権威はあり得ん」
男「原則って事は例外も?」
767 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/25(金) 00:46:27 ID:2yhg/Kwe
男「原則って事は例外も?」
女「うむ、他の氏族から選出されるケースもあるにはあるが…例えば自らの素性を隠してヤグラカル氏と自称したり…力ある者も形式として、名門氏族を名乗る」
女「だから原則的には何も変わらんって事だ」
女「そしてこのクリルタイに参加出来る者もまた、指導者を選出する特定氏族の成員達の他には『遊牧貴族』に限られている」
男「ええっ…遊牧民にも貴族なんているの?」(女さんの話聞いてたらそういうのいなそうな感じだったのに…)
女「フフ…コイツも貴様等の貴族とは違うがな。『多数の一般遊牧民を支配下に持つ者、遊牧部族の支配者』それが遊牧貴族だ」
男「そっか…これも実力の伴った支配者なんだ…」
女「これで分かっただろう。多数の氏族から構成される『部族』その部族の長である『遊牧貴族』そして複数の部族の連合体である『遊牧国家』」
女「指導者は『特定の氏族』から選ばれ、国会はその氏族と遊牧貴族だけが参加する。これが遊牧国家の階層構造だ」
男友「思ったよりややこしいね…」
女「そうか?単純だぞ。例えば具体例としてはウイグル遊牧国家は『アフシ』や『スクト』や『フン』等の九つの部族が連合していて…その中に『ウイグル』部族がいるんだ」
女「『ウイグル』部族を構成するのは、指導者を選出する『ヤグルラカル』氏を筆頭にこれまた九つの氏族」
女「このウイグル部族が先に上げた諸部族と連合した結果が『ウイグル遊牧国家』で『連合体の外に存在した他の部族や部族連合体』を支配する事によって成立していた」
女「よってこのウイグル遊牧国家の国会に参加出来るのは、ウイグル部族を始めとする、九つの『支配部族』の支配者である遊牧貴族達……どうだ、単純だろう?」
男友「うん」
男「う、うん…」(やべ、途中書いてて聞き逃した…)
女「まったく、これだからイカフライは……」
男友「えっ、今のこっち?逆じゃね?」
女「ハァ…」
男友「ねぇ、止めて。お手上げのポーズ取らないで。憐れみの目で見ないで」
畑部「人類の生産形態の発展として狩猟から、農耕へというのは良く知られているところですが…では遊牧はという生産形態はどの段階から確率されたのか?」
畑部「狩猟から、それとも農耕から…?大きく分けて二つの説があります。いずれも中央アジアの草原地帯を舞台に数千年前には存在していたと」
新畑(へぇ…やっぱり古いんだ……)
畑部「一つは狩猟社会起源説、狩猟民の間から遊牧民が発生したと考え。二つ目の説は逆に農耕社会起源説、農耕民の間から遊牧民が発生したと考えます」
新畑「ふむふむ」
畑部「ところで新畑さん、遊牧の成立に必要不可欠だと言われている三つの技術を知ってますか?」
新畑「…へ?う、う〜ん…お、お乳しぼりとか?」
畑部「あっ、凄い!!正解です、新畑さん!!」
新畑「えへへ…///」ポリポリ
新畑さんと畑部さんがお乳しぼりあえばいいのに
769 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/25(金) 19:06:02 ID:2yhg/Kwe
畑部「搾乳の技術は害虫さん達にとって有限な肉塊から、無限の食品を生産する事を可能にしますからね♪」
新畑「でも…後の二つは?」(に、肉塊って…)
畑部「去勢と、騎馬の技術です」
新畑「え……きょ、去勢って…あの?」
畑部「そうです。おちんちんもぎ取っちゃうアレです」
新畑「あ、ぅ…///」(そんな言い方しなくても…)
畑部「良いですか。去勢の技術は、オス同士が多数群れの中にいる事により発生する闘争を制限し、安定した群れとして人間が支配する事が可能にします」クスクス
畑部「そして騎乗の技術はそうやって、闘争を制限し増えていった家畜達と放牧範囲の拡大に人間の機動力を対応させられる様にするんです」
新畑「な、なるほど…だから必要なんだ…」
畑部「では本題に戻って、二つの説ですが…これは、これら三つの技術をどういった過程で手に入れたかという推測でもあります。まず第一の狩猟社会起源説では……」
畑部「森林で狩猟生活を送っていた人々が、その周囲の草原で群れを成す有蹄類の動物に目を付けた」
畑部「始めはこれらの動物の後に従ってく形で彼等と関係を持ち始めたんですが、やがてこれらの人々は搾乳、去勢、騎馬の技術を獲得」
新畑(やっぱり、違う……)
畑部「ついに動物の群れをほぼ完全に支配する事に成功し、ここに狩猟社会とは異質な遊牧社会が成立した。という風に説明されてます」
新畑「へぇ、動物に人間がくっ付いてったんですねー」(私にこうして話してくれる部長さんは…思教の時とは……)
畑部「フフ…確かにユニークな発想ですが、生物学的な立場からすると例証にとぼしいみたいです。現在最も説得力が、あるのはもう一方の説ですね。つまり…」
新畑「…農耕民から?」
畑部「えぇ。この説では西アジア南部のオアシス地帯で狩猟民が農耕技術を身に付け、定住を始めたが、時たまオアシス周囲の動物も殺して食糧として利用していた。と」
畑部「そのうち若干数をオアシスに連れ込み飼育を開始。ところがオアシスの人口が増加し始めると動物に対する需要が増大し、より多くの動物が必要となってくる」
畑部「そこで乳製品を確保する為、牧畜技術の発明が行われたが、それでも増加する人口に加えオアシスは多数の動物を飼育するには狭すぎた…」
畑部「やがてオアシス内で動物を飼育していた人々は、ついに周辺の牧草を求めて再び草原へと出て行く事を決意。この過程で去勢、騎乗の技術を獲得……」
新畑(再び…出て行った…)
畑部「ここに動物との生活を専門とする人々による、遊牧社会が成立した――って風な説明がなされています」
新畑「……」
畑部「またオアシスとは別に灌漑が始まる事によって、農耕と牧畜が分離したとも考えられますねー」
新畑「灌漑とも、関係があるんですか…?」
畑部「はい。雨水に頼っていた頃の農耕なら連作が効かない為、定住しても五年ないし十年程で移住します。しかし泉や川を水源とした場合は違う、一年間に何毛作も出来る」
畑部「この段階で分離が起きたと言われています。なぜなら雨水に頼る農耕と違い、灌漑農耕はそこを草原で無くしてしまいますから、必然的に分離せざる負えなかった…と」
畑部「ま、どちらにせよ害虫さん達は…一度はその膝を土に埋めておきながら……農耕を捨てたって事です」
新畑「……やっぱり…農耕より、牧畜の方が良いと思ったんでしょうか?」
770 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/25(金) 21:09:51 ID:2yhg/Kwe
畑部「さあて、フフ…昔の害虫さん達の気持ちなんて分かりようもありませんが…私が思うに……」
畑部「彼等は敗者なんですよ♪」
新畑「…っ」
畑部「農耕の発達による人口圧力に負け、より劣った生産手段を取らざる負えなかった敗者……良かれと思ってその道を選んだ訳じゃない」
畑部「だってフフッ…不自然じゃないですか?動物を狩るんじゃなくて、支配して暮らすんですよ?まるで弱者の必死の知恵」
新畑(違う…)
畑部「遊牧の方が優れてるなんていうのは、害虫さん達の負け惜しみで…逃げ込んだ先の僻地で育まれた屈折したプライド…慈悲を素直に受け取ろうともしない」
新畑(また…また、あの部長さんだ…口調は落ち着いてるけど…)
畑部「獣と暮らし、己自身が獣と化した刹那的な思考の中で…恵みを乞わず、虚勢だけを張って……」
新畑(さっきまでの…部長さんじゃ…)
畑部「だからこそ彼等は……有史以来、今より草原がずっと広大だった頃から常に…一度は袂を分かった筈の農耕地帯に引き寄せられ、侵入し続けて来た」
畑部「それこそ虫ケラが光に吸い寄せられる様に…」
新畑「…部長、さん」
新畑「太古の昔から…ずぅ〜っと」
新畑「部長さんは、ホントに…」
畑部「憎んでますよ?」ニコッ
新畑「ぁ…」
畑部「私は、ヤツ等を、憎んでます」
新畑「あぁ…」
畑部「もちろん――私自身の純然たる意思で」
男「あれ?」
女「ん、どうした男。何でも聞いていいぞ?遠慮するな」
男友(うぅ…俺の質問は散々スルーした癖に…)
男「さっきまでの話だと…限られたメンバーとは言え国家の重要事項は国会で決められるみたいだし…じゃあ指導者は何するの?」
女「流石は男…うむ、非常に良い質問だ♪」
男友「うひょー、男サイコー」
女「ぶち殺すぞイカフライ。良いか?私達の指導者は、絶対的存在ではなく契約的要素が強い。きちんと権利と義務が定められてる」
男友「……」
女「そもそもだな。部族が連合し国家を作ってるという時点で、我々にとって危機による利害の一致や、結集した力で狙うべき獲物が迫ってるという事だ」
教科書的でごめんよ、遊牧民の特徴を物語中に出来るだけ多くつめこもうとした結果です
771 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/26(土) 18:18:54 ID:hENIdpLI
男(そっか…女さん達は…普段は強力な権力なんて、俺達と違って求めてないんだ)
女「そしてその遊牧国家の指導者となると、やはり義務は必然的に軍事的な性質の強いモノになるだろう。遊牧国家において政治と軍事は分離不可」
男友(物騒な国だな…)
女「では具体的に指導者の義務とは何か?それは戦時においては『外敵に対して軍を率い勝利し、そこで得られた戦利品を公平に分配する事』」
女「平時においては『守るべき規律を定め、部民の平穏を確保し、巻き狩りの獲物を適切に分配する事』等だ…これらの義務が果たされた時」
女「最高の駿馬に最高の女…指導者には、戦争によって得られた『戦利品の最高の部分を第一に取得出来る権利』が保障された」
男「じゃあ義務を守れなかったら…?」(戦争前提の権利…)
女「さっきも言ったように、国会には『指導者の交代を決議出来る権限』もあるからな…ソイツと同じ特定の氏族から、次の指導者を再び国会で選出するまでだ」
男「成る程、そうやって有能な指導者を確保し続けるのか」
女「うむ。その氏族の中で最も戦争に長けた男を、な」
男友「強ぇ訳だ…」
女「フフ、だが軍事的資質を問われるのは指導者だけじゃないぞ?」
男友「え…」
女「国家の要となる国軍…これも通常の遊牧国家では遊牧民としての特性を引き継ぎ、氏族、部族がその重要な構成単位となっているからな」
男「えと、どうゆう事?」
女「つまりだ。遊牧国家では指導者の親衛隊を別にすれば、十人隊、百人隊、千人隊、万人隊という『十進法に基づく軍事組織』を所有してる」
女「……そしてこの大小の軍事組織は戦時に当たって特別に組織されたモノではない。こう言えば分かるだろう?」
男友「あ、兵民一c」
男「平時と組織構成が同じ?」
女「おぉ、やはり男は冴えてるな!!見事だっ♪」
男友「…ちくしょぅ」
女「そう。これらの『大小の軍事組織はぜんぶ平時における氏族、部族組織そのもの』日常的な社会組織をそのままの形で軍事組織として利用していて……」
女「百人程度の氏族員を持つ氏族の長は、その氏族を率い百人隊を…千人程度の部族員を持つ部族長は、その部族を率い千人隊を構成する」
女「だから平時における氏族長や、部族長は同時に『遊牧国家の軍の大小の単位としての指揮官』達でもあるんだ。コイツらも皆が皆、戦争に長けてなければならない」
男「権力は全て…徹頭徹尾、戦争の上手さにかかってるんだね…」
女「あぁ、それが我々の社会だ」
男&男友「……」
やっと終わったwwwメリクリwwww
772 :
創る名無しに見る名無し:
男(以前、畑部さんが言ったあの言葉は…)
『貴様等にとって指導者の一番の資質……殺しが、戦争が上手いからだろ戦争屋?』
男(こういう事だったんだ…)
女「男?」
男(そして女さんは、どれくらいの単位かは良く分からないけど…そんな彼等の指導者……)
女「…お、男?」
男「あ、うん…」
女「だっ、大丈夫か?少し疲れたか?」
男「いや何でもないよ、一瞬ボーっとしちゃって…」
男友(しかしコイツ等…)
女「そうか…無理はするなよ。一杯飲るか?」キュポッ
男「だ、だから学校ではいいってば…」ヒソヒソ
男友(ホントに、まだ付き合ってないんだよな?何だよこの愛情オーラは……いや、相当ありがた迷惑っぽくもあるけど)
男友(それに、俺は畑部さん一筋だから何だっていいが……コイツのどこが、女さん好みなんだ?今までの話聞いたら益々分からなくなった…)
男友(体はちっこくて細いし……思い当たるふしと言えば確かに、弓は妙に上手かったけど……それ以前から好きだったみたいだし……)
男友(男の良い所……いやでも…優しさなんて…あんな社会で育った女さんの中で、そんなに強い魅力に成り得r)
―――バキィ!!
男友「ぐおおおぉぉ…て、蹄鉄があぁぁぁ……」ドクドク
女「ボーッとするなイカ野郎!!講義中だぞ!?」
図「おっ、お願いですから…うぅっ…なるべく図書室では静かにってあの人にぃぃ〜〜…うぇぇぇ…」ビクビク
男「すいません、ごめんさい。分かりましたから泣かないで下さい」
・・・・・・
女「〜という訳で、今回の試験範囲ではチャガタイ・ハン国やイル・ハン国…」
男友「ゔぅぅ…」ズキズキ
女「これら教科書に出てくる様々な遊牧国家『ウルス』…コイツを虫ケラ共の持つ確たる領域国家という概念で、理解しようとするのは重大な誤りだ」
女「その証拠に、ウルスは現在のモンゴル語で『国』と訳されるが…中世モンゴルの歴史書である『元朝秘史』の漢訳でも、ウルスを『国』と訳してる場合が多い」
女「ところが箇所によっては、この同じ単語であるウルスを『人衆』と訳してる例も少なくはないのだ。つまり国と人々を表す言葉が同一……これは即ちどういう事か」
男「……」