★参加者名簿(暫定)★
6/6【スパイラル 〜推理の絆〜】
○鳴海歩/○結崎ひよの/○竹内理緒/○浅月香介/○高町亮子/○カノン・ヒルベルト
6/6【トライガン・マキシマム】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○ミリオンズ・ナイブズ/
○レガート・ブルーサマーズ/○ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク/○リヴィオ・ザ・ダブルファング
5/6【ハヤテのごとく!】
○綾崎ハヤテ/○三千院ナギ/○愛沢咲夜/●鷺ノ宮伊澄/○西沢歩/○桂雪路
5/5【うしおととら】
○蒼月潮/○とら(長飛丸)/○ひょう/○秋葉流/○紅煉
5/5【鋼の錬金術師】
○エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○ゾルフ・J・キンブリー/○グリード(リン・ヤオ)
5/5【未来日記】
○天野雪輝/○我妻由乃/○雨流みねね/○秋瀬或/○平坂黄泉
3/4【ひだまりスケッチ】
○ゆの/○宮子/○沙英/●ヒロ
4/4【銀魂】
○坂田銀時/○志村新八/○柳生九兵衛/○沖田総悟
4/4【封神演義】
○太公望/○聞仲/○妲己/○胡喜媚
4/4【魔王 JUVENILE REMIX】
○安藤(兄)/○安藤潤也/○蝉/○スズメバチ
4/4【ベルセルク】
○ガッツ/○グリフィス/○パック/○ゾッド
4/4【ONE PIECE】
○モンキー・D・ルフィ/○Mr.2 ボン・クレー/○サンジ/○ニコ・ロビン
3/3【金剛番長】
○金剛晄(金剛番長)/○秋山優(卑怯番長)/○白雪宮拳(剛力番長)
2/2【うえきの法則】
○植木耕助/○森あい
2/2【ブラック・ジャック】
○ブラック・ジャック/○ドクター・キリコ
1/1【ゴルゴ13】
○ゴルゴ13
63/65
※上記のキャラクター以外に書き手枠として4名が参戦、最終的な参加者は70名になります。
ミスったorz
★参加者名簿(決定)★
6/6【スパイラル 〜推理の絆〜】
○鳴海歩/○結崎ひよの/○竹内理緒/○浅月香介/○高町亮子/○カノン・ヒルベルト
6/6【トライガン・マキシマム】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○ミリオンズ・ナイブズ/
○レガート・ブルーサマーズ/○ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク/○リヴィオ・ザ・ダブルファング
5/6【ハヤテのごとく!】
○綾崎ハヤテ/○三千院ナギ/○愛沢咲夜/●鷺ノ宮伊澄/○西沢歩/○桂雪路
6/6【鋼の錬金術師】
○エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○ゾルフ・J・キンブリー/○グリード(リン・ヤオ)/○ウィンリィ・ロックベル
5/5【うしおととら】
○蒼月潮/○とら(長飛丸)/○ひょう/○秋葉流/○紅煉
5/5【未来日記】
○天野雪輝/○我妻由乃/○雨流みねね/○秋瀬或/○平坂黄泉
5/5【銀魂】
○坂田銀時/○志村新八/○柳生九兵衛/○沖田総悟/○志村妙
5/5【封神演義】
○太公望/○聞仲/○妲己/○胡喜媚/○趙公明
3/4【ひだまりスケッチ】
○ゆの/○宮子/○沙英/●ヒロ
4/4【魔王 JUVENILE REMIX】
○安藤(兄)/○安藤潤也/○蝉/○スズメバチ
4/4【ベルセルク】
○ガッツ/○グリフィス/○パック/○ゾッド
4/4【ONE PIECE】
○モンキー・D・ルフィ/○Mr.2 ボン・クレー/○サンジ/○ニコ・ロビン
4/4【金剛番長】
○金剛晄(金剛番長)/○秋山優(卑怯番長)/○白雪宮拳(剛力番長)/○マシン番長
3/3【うえきの法則】
○植木耕助/○森あい/○鈴子・ジェラード
2/2【ブラック・ジャック】
○ブラック・ジャック/○ドクター・キリコ
1/1【ゴルゴ13】
○ゴルゴ13
70/70
★ロワのルール★
OPなどで特に指定がされない限りは、ロワの基本ルールは下記になります。
OPや本編SSで別ルールが描写された場合はそちらが優先されます。
【基本ルール】
・最後の一人になるまで殺し合いをする。最後まで生き残った一人が勝者となり、元の世界に帰ることができる。
・参加者間でのやりとりに反則はない。
・ゲーム開始時、参加者は会場内にランダムで配置される。
【首輪について】
参加者には首輪が嵌められる。首輪は以下の条件で爆発し、首輪が爆発したプレイヤーは例外なく死亡する。
・首輪をむりやり外そうとした場合
・ロワ会場の外に出た場合
・侵入禁止エリアに入った場合
・24時間死者が出ない状態が続いた場合は、全員の首輪が爆発
【放送について】
6時間おき(0:00、6:00、12:00、18:00)に放送が行われる。
放送の内容は、死亡者の報告と侵入禁止エリアの発表など。
【所持品について】
参加者が所持していた武器や装備などはすべて没収される(義手など体と一体化しているものは没収されない)
かわりに、支給品の入ったデイパックが支給される。
デイパックは何故か、どんなに大きな物でも入るし、どんなに重い物を入れても大丈夫だったりする。
デイパックに入っている支給品の内容は「会場の地図」「コンパス」「参加者名簿」「筆記用具」
「水と食料」「ランタン」「時計」「ランダム支給品1〜2個」
※「参加者名簿」は、少なくとも支給はされている。内容(最初は投票枠キャラだけが記載されているのか、
途中で文字が浮き出る方式なのかなど)は書き手の裁量に任せます
※「水と食料」は最低1食分は支給されている。具体的な量は書き手の裁量に任せます
★書き手のルール★
【予約について】
予約はしたらばにある予約専用スレにて受け付けます。
トリップをつけて、予約したいキャラクター名を書き込んでください。
予約期限は3日(72時間)です。期限内に申請があった場合のみ、3日間延長することができます。
これ以上の延長は理由に関わらず一切認めません。
また、書き手枠に関しては、延長はできず予約期限は3日のみとなります(詳細は下記の書き手枠ルール参照)
予約に関するルールは、書き手からの要望があった場合、議論のうえで変更することを可能とします。
【書き手枠について】
このロワには、書き手が自由裁量でキャラを登場させることができる書き手枠が16枠あります。
ただし、各作品からの参加上限は6人ですので、参戦確定キャラがすでに6人に達している作品から
キャラを参戦させることはできません。
書き手枠でキャラを予約する場合は、正確なキャラクター名と作品名、書き手枠での予約であることを明記してください。
また、書き手枠には特別ルールがありますので、下記を確認してください。
@ひとつのSSで書き手枠から出せるキャラは一人とする
A一人の書き手が書き手枠から出せるのは、合計で三人までとする
Bただし、開始から1ヶ月が経過した時点で書き手枠が埋まらなかった場合、
@のルールは「ひとつのSSで書き手枠から出せるキャラは二人とする」に変更し、Aのルールは無効とする
C書き手枠を含む予約に関しては、理由に関係なく延長は一切認めない
(投票枠のみの予約は「予約3日+延長3日」、書き手枠を含む予約は「予約3日、延長なし」)
【キャラクターの死亡について】
SS内でキャラが死亡した場合、【(キャラ名)@(作品名) 死亡】と表記してください。
また、どんな理由があろうとも、死亡したキャラの復活は禁止します。
【キャラクターの能力制限について】
ロワ内では、バランスブレイカーとなるキャラの能力は制限されます。
※詳細は現在議論中です
【支給品制限について】
ロワ内では、バランスブレイカーとなる支給品は制限されます。
※詳細は現在議論中です
【状態表のテンプレ】
SSの最後につける状態表は下記の形式とします。
【(エリア)/(場所や施設の名前)/(日数と時間帯)】
【(キャラ名)@(作品名)】
[状態]:
[服装]:(身に着けている防具や服類、特に書く必要がない場合はなくても可)
[装備]:(手に持っている武器など)
[道具]:(デイパックの中身)
[思考]
1:
2:
3:
[備考]
※(状態や思考以外の事項)
【時間帯の表記について】
状態表に書く時間帯は、下記の表から当てはめてください。
深夜:0〜2時 / 黎明:2〜4時 / 早朝:4〜6時 / 朝:6〜8時 / 午前:8〜10時 / 昼:10〜12時
日中:12〜14時 / 午後:14〜16時 / 夕方:16〜18時 / 夜:18〜20時 / 夜中:20〜22時 / 真夜中:22〜24時
>>1乙です
前スレの感想書くか
誤解を招くとは思ったがまさか殺人にまで進むとは
しかしこれで一人が精神不安定でどんどん危ない人が増えてきたな
>>1乙
そして投下乙
同作品同士会う時点で嫌な予感がしてたが……なんという誤解
植木を殺したと思った森がどうなるか不安だ……
……て、森の近場にいるのって植木除いて……
ロビン(マーダー)
キンブリー(マーダー)
公明(ジョーカー)
人間台風(疫病神)
カノン(精神不安定)
……植木早く助けてあげてえええ
乙です。
+は未見なんだけど、基本的には植木は変わってなうんだな。なんか嬉しい。
森は比較的一般人に「近い」貴重な存在だから、この誤解は後々面白くなりそう。
しかしマジで周辺にロクなヤツがいないなw
そういえば、現在位置の画像も鈴子を残すのみになったね。
――――死体が二つ、転がっていた。
動揺することもなく、見慣れたものとばかりにその光景を彼女は冷静に判断する。
「……もう始まっていると、そういう事ですか」
結崎ひよの――今はこう呼称しよう――が博物館に足を踏み入れたとき。
既にそこには、肉塊が二つ、血の海に沈んでいるのが見えた。
広い、広い博物館。
雑多なモノの織り成す、知識と知恵を体現する文明の集積地。
あたかもその場の展示物であるかのように、動かぬ肉塊は実にその場に馴染んでいた。
ひとつは中心に位置する大ホールから、放射状に分岐する展示室に。
もうひとつはそこから離れて間もない外縁上のギャラリーに。
ちょうど――それぞれがお互いに視界に入る位置で。
鉄錆の香りと静寂が辺りを満たし、結崎ひよのは警戒しつつも展示室の死体に触れる。
触れながら、違和感がないか探り始める。
……一応体温は残っているが既に右手の脈はない。
何故右手かといえば、左手は胴体と泣き別れしているからだ。
展示室とホールをつなぐスペースは防火シャッターによって遮断されており、
向こう側のホールに左手を忘れてきてしまっているのは確認済みだ。
心臓は完全に停止しているし、瞳孔も開いたまま眼筋運動を仄めかす事もない。
彼女の見立てに間違いはなく、目の前の元・ヒトは自分が死体であることを主張するのに余念がないようである。
死因はおそらくは左腕の喪失での多量の出血による外傷性ショック。
その上でトドメとばかりに胸に一撃ブチ込まれている。
凶器は銃器。銃創から判断しておそらく38口径。
「――38口径? ……まさか」
いや、と首を振り、結崎ひよのは検証を進める。
憶測は後だ。今は事実確認を早々に終えなければこちらの身が危ない。
体温が残っている以上、犯行を終えてまだ間もない時間のはずだ。
下手人がまだ近くにいる可能性は少なくない。
「エグいですね。ご丁寧に足に鉛玉をプレゼントしてからシャッターを閉じ、逃走経路を潰したわけですか。
……この分だと、シャッターで腕がちょん切られてしまったのは偶然かもしれませんね」
展示室のもう一端、外縁部に近い場所から血の川がホール付近のこの位置まで続いている。
また、そちらの入り口付近にはシャッターの開閉装置が、樹脂製の保護カバーを破壊されてレバーを外気に曝しているのが見えた。
先ほど脈を取った時に気づいたが、あらためて死体を見つめなおすと手に握ったままの道具がどうしても目に付く。
「携帯電話、ですか」
しっかり握り締めたままのその手の指をほぐそうとするも、なかなかに難儀する。
死後硬直はまだ始まっていないのだが、よほど強い力で握り締めていたようだ。
どうにか携帯電話から指を引き剥がして中を確認してみると。
「……ダイイングメッセージでしょうか?」
――ひとつの名前が、血に塗れたディスプレイに浮かび上がっていた。
結崎ひよのに答える声はない。
死者は何も語らない。
だが、だからこそ語るとしようか。
二つのイノチが二つの肉塊に変わるまでの顛末を。
********************
この博物館の構造は、二重円を想定すれば分かりやすい。
内側の円は大ホールだ。
正面入り口から入ればまず、ここに展示された巨大な模型群が出迎えてくれる。
このホールは一番上の階まで吹き抜けになっているため、各展示室とは比較にならない大きなものを飾ることが可能なのだ。
たとえば、そう――ミニチュア封神台とか。
そして外側の円はギャラリーになっている。
ここには絵画が展示されており、モチーフも技法も全部バラバラだが見る人が見れば気づくだろう。
これは、参加者たちの経験してきた様々な物語の1シーンを切り取ったものであると。
――崑崙十二仙が聞仲に手も足も出ず撃破される様が絵の一つに克明に描かれていた。
この2つの円を繋ぐように、内側の円から放射状に伸びているのが各展示室である。
各階を移動するには大ホールに設置されたエレベーターと、ギャラリーに設置された階段を使用する。
……と、ここまでが太公望が把握したこの建物の概要だ。
「うーむ……、しっかしけったいなモノばかりじゃのう」
どうやらこの博物館は自分たちに縁のあるものばかり展示しているらしい。
太公望がそれに気づくまで大して時間はかからなかった。
とはいえ、情報がない以上説明を見ても部分的にしか分かるものがない。
綾崎ハヤテがいるなら――と思うも、彼も似たり寄ったりなものだろう。
それでも別行動をとったのは失敗だったかもしれない。
今太公望がいるのは3F、秘密結社バロックワークスとやらを扱った一角だった。
その設立経緯や構成員について列挙されてる他、等身大の蝋人形や実際に用いた武器までもが展示されている。
何でもこの蝋人形はドルドルアーツとやらの能力で再現されたのだとか。
ただ、何故かMr.2という人物についての記述や情報だけがすっぽり抜け落ちており、
博物館をある程度見終えた太公望はその怪しさから再度ここに訪れたのだが。
「……む?」
そのMr.2に関する欠落以上に、あからさまなおかしさを太公望は感じる。
何だろうか、先刻訪れたときには感じなかった違和感。
つまり――、先ほどから今この時までに、何か変化が起こったという事だ。
あらためて周囲を見渡しつつ、記憶と現在を照合していく。
説明文の書かれたパネル――変化なし。
ガラスケース内部の展示物――変化なし。
構成員の蝋人形――、
じり、とそのうち一体ににじり寄り、にらめっこする。
「……ぷっ」
口を押さえて笑いをこらえる。
何とも見事なカールを描いたその髪に、ついつい笑いが漏れてしまった。
その人形の説明書きに記された名前は、Mr.8。
太公望の感じた変化は、人形の持っていた道具の喪失。
その、失われた道具の名前は――――、
********************
ぶじゅり、と足を動かす度に激痛が走る。
ぼとぼとと血溜まりが足元に広がり、臓腑の奥底から譬えようもない嘔吐感が込み上げて、
しかし口から吐き出すこともできず肉の中をかき回すようにぐっちゃぐっちゃに意識と吐き気が混濁する。
膝の皿を見事にブチ割り、尚且つ体の中に弾をとどめる絶妙な射撃。
いわゆる盲管射創は自分の機動力を大幅に削いでいる。
自慢の健脚は、いまや見るも無残な棒切れだ。
一歩踏みしめると関節のお肉の内側で銃弾の冷たい感触がゴリゴリと自己主張する。
骨と神経とが擦れあっては頭を真っ白にさせ、激痛は中身の異物の形を否が応でも意識させる。
それでも、立たねばならない。
立って逃げねばならない。
たとえたった一歩前に進むのが幾千里幾万里の砂漠行軍に匹敵する過酷だとしても、そうせねばならないのだ。
だけど辛いものはどうしようもなく辛くて、仕方ないから声を上げる。
大きく、大きく。
誰かに自分はここにいると知らしめるように。
「 !」
尤も、その声が誰にも届くことはないのだけれど。
そう――、自分のこの耳も含めて、だ。
どれだけ声を軋めても。
どれだけ叫びを震わせても。
何故か、何処にも届かない。
いや、声だけでなく歪んだ自分の脚の挙げる悲鳴すらもが、この耳に届かない。
――完全な無音の世界。
自分の呼吸の音も、やや五月蝿い空調の音も、とうとう堪えきれずに今こうして無様に地面に転がったその音すらも。
何一つ、ここには存在しない。
騒がしくも奏でられる尋常の世界がどれだけ音に満ち満ちていたのか。
今こうして真の静寂に纏わりつかれていることで、ようやく実感できる。
顔を涙でぐちゃぐちゃにして、引きつる頬を抑えても状況はただ続くばかり。
助けを呼ぶことは叶わない。
それどころか、自分が今ここでこうしていることすら全く気づかない。
誰も、誰一人とて。
だからこそ、仲間のところへたどり着かねばならない。
這ってでもいい、匍匐するように後ろも見ずただ、前に進む。
ただ前へ、前へ。
その意思で綾崎ハヤテは呪わしき運命に立ち向かう。
――つい先刻。
天球の鏡の前で思い出したひとつの誓い。
その直後に一つの出会いがあり、それが終わりの始まりだった。
客人と情報を交換した矢先の事。
客人から得た情報はやはり訳の分からない事ばかりで混乱するだけだったものの、一つ得た利益がある。
自分の持っていた賞金首の手配書を見せたら驚かれ、なんとご丁寧にもその賞金は取り消されていると教えてくれた。
そのことに非常に落胆したのは確かだが、それ以上に客人の仄暗く淀んだ瞳が印象的だった。
だが、何にせよ自分にそのことを教えてくれたのは確かだ。
とりあえず同行者のところまで案内しようとハヤテは背を向ける。
自分も素人ではない、何かあれば対応できるはずだと警戒は怠らずに。
そして、数歩歩いて気づく。
何故か自分の脚が血に塗れていた。
眼に映るのは、膝の裏から開いて表面に僅かに盛り上がりを見せる真ん丸い傷跡。
途端、肉を抉られ血と組織のミックスジュースを作るとき特有の鮮烈な痛みが脳髄を揺るがした。
一気に力が抜け、その場に哀れに倒れ込む。
何故、どうして、と問うも、この明らかな異常事態に頭がついていかない。
銃声は、全く聞こえなかった。
いつ撃たれたのかすらも分からない。
苦悶の叫びを上げようとして、そこでようやく気づいた。
喉に全く異常はないのに声が耳に届かないことに。
「 」
戦場において音が聞こえないというのがどれほど恐ろしく、おぞましい事か。
確かに五感で最も情報が多いのは視覚ではある。
だが、聴覚というのはその視覚で物事を把握するためのきっかけなのだ。
何処で何が起こっているかを知らせてくれる、頼もしい門兵であり、斥候なのだ。
それが働かない事は、即ち無条件でまな板の上に体を横たえるのにも等しい。
警鐘が延々と、延々とやかましいほどに頭の中で鳴り響く。
震えそうになる手を握り締めて、背後を懸命に振り向く。
「 ……!?」
そこにはもう、誰もいない。
それを確認したとき、本当の恐怖を思い知る。
「 ! ……?
…… 。 !!」
何処に客人――いや、敵が潜んでいるのか。
何処に自分の安息の場があるのか。
一度でも眼を離したが故に、足音も聞こえないが故に、それを知る術はもはやない。
そしてまた、音がない故に対話は完全に絶たれた。
選択肢は二つ。
逃げるか、立ち向かうかだ。
何を迷う必要がある。先ほど、決めたではないか。
ここは立ち向かわなければならない。
失った少女を取り戻すために戦うと、そう決めたのだから。
……けれど、感情は決意をねじ伏せる。
逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい、
逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい。
ガクガクと体が震える。
だって、そうだろう?
いきなり脚を潰されて、痛みで朦朧とする頭で戦うなどそれこそ勝ち目は万一ですらない。
そして同時にこうも思う。
この異常を、誰かに知らせなければならない。
声が伝わらない以上、あの太公望もこちらに全く気づいていないはずなのだから。
こんな恐ろしい相手がこの博物館を跋扈している事を、誰かが彼に知らしめなければならないのだ。
そう、だから今から行うのは絶対に逃走などではない。
理に適った行動だ。そのはずだ。
博物館の構造を思い出す。
太公望がいるのは確か階上。
この脚では階段を昇るのは不可能だ。
使えるのはエレベーターのみであり、それはホール側にしか存在しない。
だから使い物にならないはずの脚を必死に動かして、どうにか前に進もうとする。
高いところから一気に落ちたときのような浮遊感ある気持ち悪さと、
病気のときに感じる悪寒を何十倍にも濃縮したような気だるい寒さと、
灼熱した針を千本、同じ箇所に繰り返し突き刺したような余りにも鮮烈な痛みが、立ち上がった瞬間に襲い掛かる。
そして、ミリ単位で足を動かすのと同期してその波が幾度も襲い掛かるのだ。
だけど。
「…… 。 。…… !
! !!」
前へ、前へ、ひたすら前へ。
びっこな片足を引きずって、口の中に吐瀉物を溜め込んでは飲み込んでの繰り返しをしながらも。
********************
「む。……やっぱり、妙じゃな」
――静か過ぎる。
この博物館とやらはそれなりの広さを持つ事もあり、最上階まで見て回るのにそこそこの時間を要した。
地図に名前が記載されている以上ランドマークとしての役割もあるからだろうが、非常に目立つ建物だ。
だから、自分たち以外にも新たな客人が訪れても全くおかしくはない。
おかしくはないし、実際にその痕跡がある。
だからこそ、妙なのだ。
自分以外に二人もこの建物にいる可能性が高いというのに、そんな騒がしさが全く感じられない。
人というのはそこにいるだけで案外五月蝿いものだ。
流石に呼吸音や心音などといった微細な音は、ヒトの域を超越した音の世界の主でもなければ聞き取れはしないだろう。
だが、たとえば足音などは存外響く上に個性的だ。
人によっては独り言が友であるものもいるし、空気の震えは嫌でも肌に響く。
「不味いの。……少し、様子を見てみんといかんか」
もしかしたら綾崎ハヤテや客人は何事もなく、平穏無事に展示物を眺めているかもしれない。
だが、太公望の策士としてのカンが遠目からワァワァと警報を鳴らしているのだ。
今は警戒に警戒を重ねてなお足りない事態であると。
選択肢は3つ。
このまま息を潜めてやり過ごすか、気づかれぬように逃げ出すか。
そして、どうにかして危機に立ち向かうか。
「わしとしては、出来れば逃げたいトコなんじゃがのー……」
16 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 00:23:49 ID:3BGOzT3T
支援
sage忘れた…orz
さらに支援
――それが最も賢い選択だ。
未知の恐怖、とはよく言われるが、何故それが恐ろしいかといえばそれこそ『未知』だからだ。
知らないからこそ、人はそれを恐れる。
知らないが故に理解できない。知らないが故に対処できない。知らないが故に抗えない。
単純な話、何がどうなっているか分からないならば手の打ちようがないのだ。
そしてそれこそが太公望のような策を武器とするものにとっての天敵なのである。
「……まいったの」
ここには、誰もいない。
元始天尊も、楊ゼンも、普賢真人も、黄飛虎も、誰も彼も。
太公望にとっては彼らのもたらしてくれる情報こそが要の一つであり、
今の様な全く情報のない事態は正味な話彼にとって明らかに辛い状況なのだ。
「だがのう、未知を未知のまま放っておいてもいずれは正対せねばならんしの」
――この殺し合いが最後まで続けられるならば、たとえどんな相手でもいずれは相見えよう。
望む望まずに関わらず、だ。
……たとえ救えずとも、偵察のつもりで様子を伺っておくべきかもしれない。
綾崎ハヤテには悪いが、救えない公算は少なくない。
だがそれでも、救えるならばそれに越した事はない。
気づかぬうちに歯の根に力を込めながらも、太公望は太極符印を手に一人歩き始める。
友の形見を頼りにして。
********************
「 ……! ……! …… !!」
息を切らせて、嘔吐を耐えて、痛みを堪えて、ただただただただひた走る。
否、ひた歩く。
ジグザグにジグザグに、どうにか狙いをつけさせない様に。
それが脚の負担になると分かっていても、自分を侵食する寒さを振り払いながら。
――アテネを、取り戻す。その一念で、ただ綾崎ハヤテは進んでいく。
虎視眈々と今も自分を狙っているはずの狩人は、どうしてか追撃の気配を見せない。
それがあまりにも不気味で、だからこそその手を叩き落とすためにひたすらに。
もし弾丸が不足しているなどの理由で慎重になっているならば、そこに付け入る隙はある!
「 ……!」
その希望に縋る事への当て付けであるかのように。
優しさすら感じさせる無情さでシャッターが静かに道を閉ざしていく。
エレベーターまではほんの十数メートルだというのに、あともう少しだというのに。
脚がどうなろうともかまわないとその覚悟で持って更なる一歩を踏み出した、その時。
「…… !?」
どてっと、ギャグ漫画のように思いっきり転倒した。
ああ、そんなつまらないミスをした自分が、悔しくてたまらない。
霞む頭でもそれでも奮起し、歯の根が合わなくともギリ、と唇を噛む。
血がだくだくと溢れ、口に流れ込んでいく。
立ち上がろうとしても、脚には力が入らない。
まだだ。まだ、諦める訳にはいかない。
だから、這ってでも前に進むのだ。
手を伸ばす。その先にある何かを掴むかのように。
芋虫のように体をくねらせて、閉まり行く扉の向こうへと体を伸ばす。
その先へと、恥も外聞も無視してひたすらに進む。
――ハヤテのごとく。
ハヤテのごとく、誰かの居場所に辿りつく為に。
そんな想いは、決して現実には届かない。
物理的事実は頑としてここに立ち塞がる。
「………… !!」
伸ばした手の二の腕に、シャッターの冷たい縁が食い込んだ。
ぐりぐりと、ぐりぐりと、皮膚が、血管が、筋が、骨が、神経が圧迫されていく。
急いで引っこ抜こうとした――いや、力で無理やりシャッターの下降を抑え、潜り抜けようとしたその瞬間。
「 !」
もう一度、今度は胸に激痛が走った。
やはり音はなく、……しかし、確実に銃撃と分かる痛み。
心臓が、バクバク言っている音が骨を伝って聞こえた。
久しぶりに聞く音は、自分の命の際を伝える音だった。
動いているということは、心臓は無事だったのだろう。
だが、それだけだ。
信じられない量の血が大量に流れ出している。
動脈を思いっきりやられたようだ。
まるで降りしきる雪に埋もれていくかのように、体が冷えていく。
それと同時に、ごりゅごりゅと自分の腕の皮膚が、血管が、筋が、骨が、神経が切断されていく感触がした。
嘔吐感などともはや呼べない、体の中の臓物が全部表に出てくるような息苦しさだけを感じている。
痛いイタイいたいいたいイタイ痛いいたいいたいイタイいたい痛いイタイ――!
気がつけばシャッターは降りきっており、自分の腕は壁の向こうに消えて無くなっていた。
既に痛みすら感じない。
ただただ、喪失感だけが自分を満たしている。
********************
。
――――吹き下ろしとなったホール。
そこを臨む通路に出てみれば、異変は一目瞭然だ。
見下ろす階下には、あからさまな異常がしっかと居を構えている。
「いつの間にあんなものが降りておったのだ?」
無骨な鋼色のシャッター。
先ほど見た時には、あんな物が道を塞いではいなかった。
「――――!?」
警報が、いつの間にか警鐘へと成り代わっていた。
耳が痛いくらいに、空気が張り詰めるほどにワンワンと唸りをあげている。
「……腕、じゃと?}
遠目からでも分かる。分かってしまう。
切り落とされた腕が、ついさっきまで生きた人間の体にくっついていた腕が、余りにも無造作に遥か下に転がっていた。
シャッターの向こうからじくじくとじわりじわりと、赤い血溜まりが少しずつ広がっていく。
「く……っ!」
予想を遥かに超える速さで、事態は刻々と悪化していた。
気づかぬうちに転移し再起不能なまでに体を蝕む病巣のように、太公望の知らぬところで早取り返しのつかぬところまで。
それでも見捨てられないと判断した太公望は、果たして賢者とは呼べぬ愚妹の輩だったのか。
それを判断するのは、読者諸氏に任せるとしよう。
********************
どろどろと、どくどくと、だらだらと、びちゃびちゃと、じゅぶじゅぶと。
あかいみずが、たっぷりとながれでていた。
ひとのからだってこんなにみずがはいっていたんだと、それはそれはしんじられないりょうだった。
直感した。
――――ああ、自分はここで終わる。
この出血量は間違いなく、充分だ。
死ぬ為に。
支援
何も出来ないまま、ここで終わる。
絶望が、綾崎ハヤテの心を満たす。
いいのだろうか。
本当に、ここで終わっていいのだろうか。
「…… 」
違う、と、そう言ったつもりだった。
だが相変わらず、音は聞こえない。
――その事から、一つ気づいた。
敵は、まだ近くにいる。
自分が死に絶えるのを、待っている。
ごろり、と、力尽きたかのように横転する。
それを警戒したかのように、何かがぴくり、と動くのが見えた。
天球の鏡の、すぐ横で。
その隣に飾られていた、あるものの影に隠れるように。
思い浮かべる、かつて袂を別ち失った一人の少女の事を。
せめて、自分が彼女のことを忘れていないとそれを伝えたくて。
「 ――――!」
片足に力を込めて、渾身の力で飛び掛る!
たとえどれだけ少ない確率でも、失ったものを取り戻すために!
せめて、せめて一太刀ぐらいは浴びせられる様に――!
そして、そこまでだった。
敵は身を隠していた『それ』ごと、飛来してきた綾崎ハヤテを殴り飛ばした。
蹴りか、掌打か、はたまた体当たりか。
綾崎ハヤテからは、『それ』が陰になっていて、何をしたのかも見えなかった。
本当にそこにいたのが敵だったのかも、見えなかった。
ぼきゅごりゅぼき、と、色々と大切なものがイッた感触が妙に生々しく感じた。
********************
結論から言えば。
どうしようもなく、遅すぎた。
「ハヤテ――――!?」
まあ、仕方あるまい。
見えないところで起こった事を知ることができる人間などいない。
ましてや見えないどころか、聞こえないという条件すら加わったのならばなおさらだ。
否、人間に限らず、すべての存在は自分の知覚出来ない場所で達せられた事を知る術などないのだ。
それは仙道であろうとまた然り。
我々に許された感覚情報というのは僅かに5つに過ぎないという事を実感している人は決して多くない。
視覚聴覚嗅覚触覚味覚、我々が外の世界を感じ取るのはこの5つでしかない、
知識ではそう知っていても、世界はそれ以上の情報に満ち満ちているという錯覚は決して拭えない。
だって、そうだろう?
この世界がたった5つの感覚の組み合わせで再現できるなんて、君たちは信じられるか?
脳に電極を繋いで5種類の刺激を送り込みさえすれば、どんな夢物語でも再現できると信じられるか?
話を戻そう。
要するに、自分の見えぬ場所、目の前で起こったのではない事という視覚情報の欠如。
そして、その場で何が起こったかを空気という媒介を通して伝えるはずの聴覚の欠如。
この2つが足りないだけで、人間はあまりに無知なる動物と化すのだ。
残っている感覚情報は嗅覚と触覚と味覚。
この内、触覚と味覚はそれこそ直に接しなければ全く意味のない情報。
少しでも離れた場所のことを教え得るのは、嗅覚だけなのだ。
太公望も良く馴染んだ血の匂いと、彼の時代には存在しない硝煙の匂い。
たったそれだけの情報でどう立ち回れるというのだ?
例えば、そう。
こんな風に心臓狙いの一発が、見事胸のど真ん中を撃ち貫いていた場合には。
「…… 、 …… ?」
音がない世界――、死の宣告の前兆が全くない世界。
目の前に現れて、あるいは自分の体を貫かれて、はじめて脅威に気づける世界。
血の池に仰向けに浮かぶ綾崎ハヤテを見て、どう動くべきかを思案したその一瞬、だと思う。
確証できないほど静かに、そしていつの間にか、太公望の胸にまあるく一つ孔が開いていた。
肺腑に漏れた血液が流れ込んでいく。
約五億にもも計上される肺胞のひとつひとつを満たすまで、
あたかも雪が降り積もるように見た目にはゆっくりと、実質的にはとても早く、速く。
。
。
ごふ、と血を吐いた。
急激な貧血で、目の前がまっしろになった。
今度はまっくろになった。
その次はまた、まっしろになった。
黒と白とが、交互に目の前に現れた。
そして、そのままゆらりと倒れた。
ごとりという音すら、音界の覇者は許さなかった。
ぽっくり、と、そんなオノマトペが良く似合った。
ころころとすぐ傍に転がる太極符印に手を伸ばそうとして――、諦める。
もう済んだ事だ、どうしようもない。
すまんのう、と、形だけ口を動かして、太公望の瞼は花が萎むように閉じられていく。
血の池がもう一つ、健康なエキスに満ち溢れた山水画を作り出した。
********************
ただ空を仰いで横たわる。
いや、空どころか低い天井でしかない。
『それ』を体の上にのしかからせたまま、綾崎ハヤテは自分の呼吸が徐々に小さくなっていくのを実感していく。
のしかかっているものは、立派なトルソーとそれに掛けられた執事服だった。
なんとなく、ちょっと重く感じたので無造作にそれをどかす。
下半身はもう動かないけど、どうにかそれくらいは出来た。
と、その執事服の中に何か硬いものがあるのに気がついた。
ポケットを探ると、その中からプラスチックの塊が一つ。
携帯電話が、転がり落ちてきた。
どうしてそうしようと思ったのかは分からないが、それを開いて電源をつける。
電話帳の一番最初を見てみると、そこには知らない少女の名前が表示されている。
何故か迷うことなくそれを選択し、ゆっくりと耳に当てた。
『――あ、おいお前! どうして私の執事の服と携帯をパクったりなんてしたんだ!』
――覚えのある少女の声が、いきなり自分を弾劾した。
気が強そうだけれど、それでもどこか優しそうな可愛らしい少女の声。
いつのまにか世界に音が戻っていると、その事を知らしめてくれた。
……これは、誰の声だったろう。
そしてもう一つ、いつもどこかで聞いているようで、やはり思い当たらない声の持ち主が電話の向こうに現れた。
『……お嬢様、いきなりそれはマズいんじゃないですかねー、もしかしたら善意の人かも……』
……この少年は誰なんだろう。
知りたいけれど、知りたくもないという矛盾した感情がせめぎ合う。
。
『だ、だってこいつ怪しいぞ! さっきからなんかハアハア言ってばかりで一言も喋らないんだ』
『ちょっ、お嬢様、切ってくださいそれは!
携帯なら契約を切って買い換えればすみますし、それより不審者の手元にお嬢様との連絡手段があるのは危険ですって!』
『……う、うむ。でも、あの携帯は……』
『大丈夫ですって、携帯電話がなくても呼んでくれれば僕はすぐに駆けつけますから』
『ふふ……、そうだな。お前はいつだってそうだもんな』
『え、あ……』
『照れるな照れるな、もっとお前は自信を持っていいんだぞ?』
聞いている内に、何とはなしに少女誰なのかを思い出した。
ああ、この声は――、
『何せお前は、この私――、三千院ナギの執事なのだからな!』
とても嬉しそうに事実を告げるこの声は、自分が誘拐しようとした少女の声だ。
……何故か、安堵の吐息が出た。
誘拐などという最低の行為をしようとしていたのに、その安否を知ったらほっとしたなんておかしいなと思う。
そしてもう2つばかり、湧き上がった感情がある。
嫉妬と羨望。
どうしようもない程に、少女と一緒にいるらしい執事の少年にその感情を抱いてやまなかった。
やっぱり、理由は分からない。
分からない事だらけだ。
どうしてこんな事になったのだろう。
どうして自分はこんなところにいるのだろう。
どうして自分のそばには、誰もいないのだろう。
天王州アテネの事を想い、悲しさを中心とするたくさんの感情がごちゃごちゃになっては消えていった。
西沢歩を始めとする、学校の友人たちがあまりにも懐かしかった。
最後に残ったのは2つだけ。
ただ寂しくて、悔しくて、上を向いて表情を変えないままぼろぼろと涙をこぼす。
後から後から、どれだけ泣いても涙が枯渇しない。
同時に、意識が溶けていく感触がする。
混沌とした暗闇の中に一人、原型もなくどろどろにトロけていく。
自我とやらはもうとっくにはっきりしない。
もしかしたら、今の電話も幻聴だったのかもしれない。
「せめて――、」
最後にたった一つ思ったことは。
「せめて君たちは、幸せに……」
――
たとえどれだけ望もうと、足掻こうと、過去は過去。
綾崎ハヤテは前に進んでいるようで、結局は既に存在しない絆に縋り付こうとしただけでしかない。
綾崎ハヤテは執事である。
執事とは、他の何に変えても主を護りぬく者である。
だが、彼が選んだ選択は、今ある大切なものを『護ること』ではなく。
失ったものを取り戻そうと『戦うこと』だった。
彼がほんのわずか未来からこの場所に訪れたのなら。
運命と戦うと、執事の本分を忘れた世迷言を望まなかったなら。
新たな誓いを胸に、大切な何かを絶対に護り抜くと、その決意が出来ていたなら。
可能性を論じることに意味はない。
今はただ、一人の少年の結末を淡々と語るとしよう。
殺し合いに招かれた、この綾崎ハヤテは死んだ。
それだけの事だ。
そしてまた、今この場にいる彼の縁者たちはその多くが生きている。
ここに招かれた三千院ナギも、生きている。
Hayate the combat butler BAD END
********************
デイパックを確認し終えたところで、長い、長いため息を結崎ひよのはゆっくりと吐く。
結局、この仏さんからは重要そうな情報を得る事は出来なかった。
当然のことながら、デイパックの中身もよく分からない文書と手配書という外れであろう組み合わせだ。
もしかしたら武器も入っていたのかもしれないが、たとえそうだとしても持ち去られたのだろう。
「まあ、完全な無駄足ってわけでもないという事にしておきますか」
少なくとも柳生九兵衛という人物の性格や行動傾向、
そして、ヴァッシュ・ザ・スタンピードという人物の顔と、『平和主義者』という備考が分かったのは確かなのだ。
まあ、ヴァッシュという人物は平和主義者という割に何故か高額の賞金首だという意味不明な矛盾が存在してはいるが。
「……600億、ですか。ハイパーインフレの国のご出身なんでしょうか?」
いずれにせよ、だ。
わざわざこれらが支給されたということは、彼らがこの殺し合いに巻き込まれている可能性は決して少なくない。
罠かもしれないという疑いがある以上どこまで信頼できるかは怪しいところだが、情報は武器である。
そして結崎ひよのは情報を扱う事に関してはエキスパートだ。
伝手が出来れば、人の繋がりを作れれば、それだけで取れる手段は大きく増える。
この情報を生かすも殺すも扱い手次第であり、自分や、自分が力となるべき少年の手で紛れもなく力となる。
そしてもう一つ得たものといえば、故人の握っていた携帯電話。
そこに示されていた名前はとりあえず要注意だろう。
この少年を殺した人物の可能性は低くないし、そうでなければ間違いなく縁者なのだろうから。
もしこの電話が使えれば、その人物と連絡が取れるかもしれない。
そう思ってリダイヤルしようと画面を開いてみれば。
「……あら?」
血に濡れたのがまずかったのか、それともバッテリーでも切れたのか。
携帯電話はいつの間にかうんともすんとも言わなくなっていた。
ショートでもして壊れてしまったのなら直しようがないし、バッテリー切れでも充電する道具がない。
「あっちゃぁ、マズりましたね。仕方ないですからとりあえず保留、と」
自分のデイパックにそれを放り込み、パンパンと手を叩く。
「それではあちらさんの方も確認しておきますか。
死体漁りなんて趣味の悪い事せざるを得ないとは、なんて私は不憫なんでしょう。
まあ、それもある意味では献身的に尽くしてる事になるんですかね?」
相変わらず警戒は怠らず、静かに、だが迷いなくもう一つの肉塊ににじり寄っていく。
見れば、どことなく中華風の服を着た少年のようである。
すぐ側に転がっているボールが印象的だが、まずは少年の方からだ。
「少年二人が赤い空間で一緒に寝ている、なんて言うとなんか耽美な雰囲気ですねー、私にはそっちの趣味はないですけど」
と、寝ている少年の横まで近寄り、あらためて検分を開始する。
「凶器は……やっぱり38口径弾ですか。
まあ芸術的なほどに胸のド真ん中をブチ抜いてます、ね……?」
と、そこまで確認したところで疑念の唸りを上げた。
「んー?」
腕を組み、眉をひそめる。
「んー……」
こくり、と可愛らしく首をかしげる。
「んん?」
軽く額に指を当てる。
「えいや」
肉塊に適度な力加減で蹴りを入れる。
「のわっ!」
肉塊が気の抜ける叫び声を上げた。
「おはようございます」
にこにこと、百点満点の笑みを浮かべる。
「…………」
肉塊はまた沈黙して、面倒臭そうにごろりと体の向きを変える。
「お、は、よ、う、ございますっ!」
にこにこにこにこと、百二十点リミットオーバーな笑みを突きつける。
「……う、うむ。おはよう」
肉塊がちょっぴり面食らったような顔で挨拶を返した。
「……どうして、わしが死んでおったのではないと分かったのだ?」
肉塊――、もとい、少年が疑問を呈す。
それに対する答えは女のカンが第一なのだが、そう答えるのもいま一つ芸がないのでこう答える事にした。
「企業秘密、です♪」
「あー……、うむ。成程な、うむ」
「はい♪」
「…………」
「…………」
絶句。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「さて、聞かせてもらえますよね?
……貴方たちは何者で、一体何があったのか、を」
貴方たち、の、たち、という部分に反応してほんの少しだけ少年――太公望は顔を歪める。
本来は72歳ととても少年などと呼べない年齢なのだが、それはこの際気にしない事にしておこう。
「あやつは……、いや、その口調ならば問うまでもないことであったな。
……そうじゃよなあ」
悔しそうに歯噛みし、だが立ち止まってはいられない。
骸の方に敢えて顔を向ける事はせず、太公望は僅かに眼を閉じ、うなずく。
普賢が、わしを護ってくれたのかもしれんのう。
そう心の中で呟く。
銃、という概念は太公望にはない。
だが食らった一撃からどのような攻撃かは類推する事が出来る。
おそらくは金属製の弾丸が、何かの推進力により高速飛翔してくる武器だろう。
殺傷力は高いが直線的で、単発だ。
だから、太極符印の斥力場を直感的に展開させる事でどうにか生き延びられた。
直線的な攻撃ならば、軌道を逸らしてやればいい。
特に急所に正確に向かってくるならば尚更だ。少しズラすだけで急所から外れるという事なのだから。
『心臓狙い』のはずが、『胸のど真ん中』を貫いたのはその為だ。
後は死んだフリをしてどうにかやり過ごす事が出来た。おそらく敵は心臓に命中したと思っていることだろう。
隣でデイパックをガサゴソやられていた時は冷や汗物だったが。
うつ伏せのまま動く事も出来ないのは中々の苦痛だったとはいえ、死よりはよっぽどマシだ。
結局何一つ持っていかれなかったのは、武器らしい武器もなかったからか。
よもやボールにしか見えない太極符印が武器とは確かに思えまいし、まあ、たとえそれが分かっても使えないだろうが。
とにかく、だ。
どうにかしてあの音なき攻撃に対処せねばなるまい。
足音や衣擦れ、飛来物が風を切る音すら聞こえないのはあまりに危険すぎる。
攻撃のタイミングが、つかめないのだ。
例えば、番天印の様な宝貝を思い浮かべよう。
押印したものを100%殺傷するという危険な代物だが、逆に言えば押印という前兆に合わせて相殺すれば無傷で対処できる。
だが、それとは全く反対に、音を奪われた上で死角から攻撃されたとあっては反応する術がない。
だからこそ、その『いざ』を万全にしておかねばならない。
……すまんのう、ハヤテ。
口には出さずとも、何度も何度も謝罪する。
助けられなかったという重い事実は、太公望の心に確かに刻まれる。
――何度経験しても、死の別離というものには慣れる事はない。
だが、彼のおかげで打開の糸口は少しだけ見えつつある。
それを実行するためあらためて太極符印を手に取り、密かに命令を入力する。
「……と、自己紹介がまだであったの。
わしはとりあえず太公望と名乗っとく。他の名前もあるがの」
ニョホホ、と笑い、目の前の少女に名乗りを促してみれば。
「そうですねー、それも企業秘密ということでお願いできませんか?」
またも必殺スマイルで回避された。フレンドリィに接したつもりだったのだが。
自分が向こうに転がっている死体を作った犯人でない保証がどこにある?
まあ、信用されないのも無理はない。
少女が自身について迂闊に話さないのは実に鉄則通りと言える。
そこまで修羅場慣れしているようにはとても見えない外見なのが末恐ろしい。
「……食えんのう、お主。どこぞの女狐を思い出させるわい。妲己という名前なんじゃがな」
「あら、そんな傾城の美女に喩えられるなんて、貴方は分かっている人ですね」
――あやつめ。後世にまで存分に悪名を伝えおって。
服装からハヤテと同年代の人間だと充分解るだけに、そんな未来まで残った悪行三昧に嘆息を隠し得ない。
思い切り、息をついた。
「……まあ、信用を得るのは一苦労なのは分かっておるしな。
当面は聞かぬ事にしておくよ」
「ふむ。当面、という事は人を集めてらっしゃるわけですか。
どうやら少なくとも、殺し合いを積極的に肯定している立場ではないようですね」
「……中々回転は速いようじゃな。
おぬしの様な相手に一体どこまで語っていいものやら」
「さぁて、それを決めるのは貴方自身ですからね。
ただ、出来る限り多くを話してくれた方が、私が貴方を信用する確率は高いですよ?」
にこり。
少女の笑みに、仕方なしに太公望は語り始める。
とりあえず出来る限り多くのことを語らねば信用を得ることはできないようだ。
下手すればハヤテ殺しの下手人として吊るし上げられる可能性すらある。
ここは正直が一番だ。
仙人界を揺るがす、一世一代という言葉すら矮小に思える、演義という名の大河の流れを滔々と、滔々と。
そして、僅かな時間だけの同道者であった、健気な少年に関する口伝を。
全てを伝えるために、語っていく。
【B-8/博物館 外周ギャラリー/1日目 黎明】
【太公望@封神演義】
[状態]:胸部に貫通銃創、貧血(大)
[装備]:太極符印@封神演義
[道具]:支給品一式、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×1@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:殺し合いを潰し、申公豹を倒す。
0:……おぬしの死は無駄にはせん。
1:目の前の少女の信頼を得る。
2:申公豹の目的は……?
[備考]
※殷王朝滅亡後からの参戦です。
※手配書は渡されただけで詳しく読んでいません。
※ハヤテと情報交換をしました。
※ひよのと情報交換をしました。ひよのと歩について以外のスパイラル世界の知識を多少得ています。
【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]: 健康 おさげ片方喪失
[服装]:
[装備]:
[道具]:支給品一式×2、不明支給品1、手作りの人物表、若の成長記録@銀魂、
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム、綾崎ハヤテの携帯電話(動作不良)@ハヤテのごとく!
[思考]
基本: 『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。
0: 言ってる内容がいちいち胡散臭いですねー……。
1: 鳴海歩がいるか確かめ、いるなら合流したい。
2: あらゆる情報を得る。
3: 2の為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
4: ヴァッシュ・ザ・スタンピードと柳生九兵衛に留意。
[備考]
※ 清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
※ 不明支給品1は、少なくともミッドバレイには役に立たないと判断されたアイテムです。
※ 手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク、太公望の外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。
※ 太公望と情報交換をしました。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
ハヤテが太公望に話した情報も又聞きしています。
※ 太公望の言動を疑っています。
【綾崎ハヤテの携帯電話@ハヤテのごとく!】
博物館の展示物である執事服のポケットから転がり落ちてきた携帯電話。
動作不良を起こしており、現在は使い物にならない。
少なくともロワに参加したハヤテの持ち物ではないが……?
********************
「……と、そうそう。一つ注意しておかねばならん事があっての」
「はい?」
「……わし達に襲い掛かってきた敵なんじゃがな。
あ奴が攻撃してくるその直前は、ほんの一瞬だけ何もかもが無音にな」
りおる、と、結崎ひよのには太公望がそう口を続けたように見えた。
まさしく、それこそが無音だった。
太公望の体が、見えない鉄槌に殴り飛ばされた。
全身のあちこちからただでさえ少なくなった血を飛び散らせて。
生ゴミの詰まったビニール袋が車に轢かれて何度も何度も撥ねるかのように。
「 」
つい一瞬前まで太公望だったモノが、何か口を動かしたように思えたけど、何一つ聞こえない。
え? と、自分も口を動かしたと思う。
気づいた時には自分のドテッ腹に腕が通るくらいの孔がこじ空けられていた。
かふ、と、口から真っ赤な湧き水と砕けた臓物の一部がせり上がっては零れ落ちていく。
何一つ思う間すらなくどてりと倒れた。
次の瞬間、ぷっつりと意識が途切れた。
目の前が真っ赤に染まる、というありきたりな表現ですらない。
考える為の脳ミソがそっくりそのままブチ撒けられたのだから当然だ。
大切な誰かを思い出すことすらなく、一人の少女が死肉と化した。
まるで、出来の悪い映画のように。
起こっている出来事が全て唐突すぎて、前後の繋がりが理解できない代物だった。
********************
誰が言った事だったろうか。
銃で撃てば、人は死ぬ。
********************
自動展開した太極符印の斥力場も虚しく、無数の鉄くれが次々と自分の体を蹂躙していく。
それをまるで他人が眺めるような心持ちで、淡々と受け止める事にした。
太極符印の特性として、攻撃パターンを記憶し、それに対処できるように力場を展開するという物がある。
これにより、前回と同じ攻撃ならば完璧に防ぐ事が出来るはずだった。
かつて自分の親友が用いた技だからこそ、太公望はそれに十全の信頼を置いていた。
だが。
銃、というらしい綾崎ハヤテと自分を襲った武器に対し、それを無力化できるよう設定したのがかえって仇となった。
太公望の生きる時代は銃の生まれ出る14世紀末より遥か2500年も前、紀元前11世紀である。
飛び道具など、宝貝によるそれを除けば弓矢や投石といった程度のものだ。
だから、銃といっても先刻自分たちを襲った拳銃以外に、様々な種類が存在する事までは知り得なかった。
狙撃銃、機関短銃、自動小銃、重機関銃、そして――散弾銃。
『高速で正確に急所に飛来する単発の金属弾』という攻撃パターンを防ぐための対策では、
『点でなく面で襲い掛かる無数の小粒弾』を防ぐ事は出来なかったのだ。
いやむしろ、なまじ斥力場で急所を、急所だけを守ったが故に、
それ以外のありとあらゆる部位に弾が食い込む結果となってしまったのかもしれない。
八大地獄すら生温い鮮痛が太公望を刻み尽くし、未知が理不尽に命を刈り取っていく。
――――大量に、血を失ったのがまずかったのかもしれない。
普段の太公望ならば、たとえ未知の武器であっても拳銃の特性から散弾銃を思い描き、対策を練れたのかもしれない。
だが、先刻の胸部への銃撃はたっぷりと太公望から血液を奪っていった。
貧血によって脳への酸素の供給量が低下すれば、当然判断力や発想力は低下するものだ。
全身といっても過言ではない程にあちらこちらで身体が軋む。
肉の内側で弾と弾が擦れる感触が、痛覚神経を直に刺激してある種の快感をもたらすほどの鋭い痛みをもたらす。
苦悶を飲み込んだその瞬間。
何一つ音がないからこそ、少女の胴体が、そのキレイな顔がフッ飛ばされる様がよく見えた。
脳漿交じりの血煙が辺りに立ち込める。
鉄臭い匂いがとても不快だ。
無音の状態が厄介なのは、一度でも無音になった後はいつ次の攻撃がくるか分からないという事だ。
分かっていても、どうしようもない。
相手はプロだ。プロフェッショナルだ。
こうも念入りに殺しに来るとあっては、今度こそ助かるまい。
このタイミングで殺しに来たのは、おそらくもう用済みだと判断されたのだろう。
……自分が話した情報は全部聞かれたと思って間違いあるまい。
一つ、仮説が浮かんでくる。
どうして一度はやり過ごせたはずの敵が、わざわざ自分たちを殺しにかかったのか。
――心音や呼吸音といった、身体の僅かな音すらも拾える耳の持ち主だとしたらどうだろう。
拳銃による一撃は、確かに心臓を貫く軌道だった。
そして太公望による死の偽装もほぼ完璧だったはずだ。
だから、太公望の生存を見抜くには何らかのファクターが必要なのだ。
、
太公望はそのファクターが音であると推測する。
異常なほどの聴覚が自分の生存を筒抜けに知らせていたのだと。
そして、その耳で以って、この無音の状況を作り出しているのではないか、と。
音とは空気の波であり、逆の位相の波をぶつけてやれば相殺できる。
この一帯のありとあらゆる音を聞き分ける事が仮に出来たならば、それら全てを0にする事は不可能ではない。
宝貝も使わずそんな真似ができたのならば、神技とすら呼べぬ魔技の使い手に相違あるまい。
そして、聞き分けるという事は、それは任意の音だけを選出して響かせる事も出来るという事だ。
敵自身の痕跡だけを消して、自分たちの会話内容を把握する事さえも。
だがそれでも打開する方法は存在する。
例えば今この時のように。
ようやく太極符印が散弾銃を記憶した。
自分に止めを刺さんとする見えざる相手の攻撃は、とうとう完全に防がれた。
取り落として、ほんの数歩先に転がっていても、確かにそれは自分を護ってくれている。
だが、結局はもうとっくに――意味がないのだ。
自分もとうに致命的に血を流しすぎてしまっている。
少女にいたっては絶命しているのが明らかだ。
今までに出会ってきた、様々な人物の顔が頭をよぎる。
自らの師である元始天尊や崑崙十二仙の面々、武王を始めとする周の人々。
黄一家の頼もしい背中や、自分を師と慕う武吉。
ずっと自分の相棒であり続けた四不象に――、いまだ立ち塞がり続ける妲己。
殷王朝も討伐し、これからという時じゃというのに、なあ……。
皆、すまんの。
心の中で謝ろうとして、苦笑する。
――そう思うのは感傷かもしれない。
楊ゼンやナタクたちなら、自分がいなくなってもきっとどうにかしていくことだろう。
この場所で封神台は機能しているのだろうか。
自分が死んだら、魂魄が封ぜられるのだろうか。
……心残りなのは申公豹めを問い詰められんかった事じゃな。
あやつめ、本当に何を考えておったのだ。
ひとり、それだけをごちる。
周の今後はともかく、この場所での後の事があまりにも不安だ。
こんな訳の分からぬ戦いを放って逝くのは少々心苦しい。
だが、希望はまだ、ある。
ん? おぬし……、珍しいものを持っておるのう。
これですか? 武器にもならなさそうですし、胡散臭い代物にしか思えないんですけどねー。
たった数分前の記憶が懐かしい。
だが、今はそれが唯一の命綱だ。
けれど――、このまま何もしなければ、すぐに敵はそれに気づいて一切合財を台無しにしてしまう事だろう。
「…… 」
……残さねば。
「 」
残さねば。
「 ……!」
残さねば……!
転がったままの太極符印まで、血反吐を吐きながらにじり寄る。
一寸がまるで千里のようだ。
それでもゆっくりと、近づく。
近づく。
近づいていく。
そして手を伸ばし――、しっかりと掴む。
指の一つ一つを堅固に絡ませ、引き寄せる。
にぃ、と口端を歪ませて、指運を神速で走らせる。
そして終わりに、確かにこう呟いた。
「後は、頼むぞ」
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく! 死亡】
【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜 死亡】
【太公望@封神演義 死亡】
B-8/博物館周辺/1日目 黎明】
【ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク@トライガン・マキシマム】
[状態]:右足打撲、イライラ
[服装]:
[装備]:イガラッパ@ONE PIECE(残弾60%)、エンフィールドNO.2(2/6)@現実
[道具]:支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク、鳴海歩のピアノ曲の楽譜@スパイラル〜推理の絆〜、銀時の木刀@銀魂
[思考]
基本:ゲームには乗るし、無駄な抵抗はしない。しかし、人の身で運命を覆すようなヤツと出会ったら…?
1: どんな手段でも情報と武器を得る。役に立たないと判断したら足がつかないように殺す。
2: 強者と思しき相手には出来るだけ関わらない。特に人外の存在に軽い恐怖と嫌悪。
3: 愛用のサックスが欲しい。
[備考]
※ 死亡前後からの参戦。トライガン関係者の存在にはまだ気がついていません。
※ ハヤテと情報交換し、ハヤテの世界や人間関係についての知識を得ています。
※ ひよのと太公望の情報交換を盗み聞きました。
ひよのと歩について以外のスパイラル世界の知識を多少得ています。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
※ 呼吸音や心音などから、綾崎ハヤテ、太公望、名称不明の少女(結崎ひよの)の死亡を確認しています。
※ 右足の打撲は綾崎ハヤテの最後の攻撃によるものです。
【イガラッパ@ONE PIECE】
博物館のイガラム人形に持たされていた、散弾銃を組み込んだサックス。
ミッドバレイ愛用のサックスより出力が遥かに劣るため、衝撃波による攻撃は不可能。
また展示品のため、予備弾も用意されていない。
********************
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「おい……フザケんなよ?」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「てめえ、それでもオレの――かってんだ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「こんなつまんねぇトコでくたばりやがって」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「――そこまで貴方がイラつく必要もないでしょう。予想された結末です」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「あァ? ……なんでてめえはそんなに落ち着いてんだよ。一応ライバルだって思ってたんだろ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「別に肉体の死など大した意味などないですからね。
かつてあの計画の影の実行者だった貴方なら当然よく知ってるはずでしょう?」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「……チッ。理性と感情は別モノだろうがよ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「尤も――、肉体の、血の二重螺旋という頚木に囚われた方たちもこの場にはいますけどね。
はてさて、肉体イコール血とするならば、彼等にとっての肉体の死は何を意味するのやら」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「“神”に対する駒としての“悪魔”の子か。皮肉なこったな」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「まあ、確かに私の予想は大幅に狂ってしまいましたけどね、それはそれで。
……導なき道に新たに澪標と成り代わった"神”の振る賽は何を示すか。
座して楽しむとしましょうか」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「地獄とは神の在らざることなり。そして、神は此処に在り。
ならば、神のおわす今この時は何なのか。
……存外、答えを出すのは人間かもしれませんよ。
神の子を信じて待つ事こそが、信仰であり、希望であり、愛なのですから。
そして、その中で最も大いなるものは――――」
********************
ぺちぺちと、自分の身体を撫でたり摘まんだりしてみる。
ぼろ切れどころかヒモ水着の方がまだマシなんじゃないかと思うくらいあちこち破れた服は、どうにも寒くてスカスカする。
「……むう」
眉根を詰めて、嘆息する。
「信じがたいですが。
ほんっとうに信じがたい事ですが、信じざるを得ないようですね」
結崎ひよのは、確かに健在だった。
「……まさか死人を蘇らせるなんて眉唾物が本物だとは。
これは、自称太公望氏の言動も全て本物と思って行動すべきかもしれませんね」
それはこの世に二つとはあるが三つとはない代物でな。
効果は――、まあ、後でとくと話すとしよう。
今はそれより敵の話をせねばの。
太公望が話を切り替えたあの時、もしもあの道具――復活の玉について詳しく踏み込んでいたら危なかった。
それこそ、蘇生した瞬間にまたも殺されていた事だろう。
「頼まれちゃったなら、まあしょうがないですよね。
とりあえずは善処するとしか言えませんけど」
今わの際の太公望の最後の力によって太極符印が空気を振動させて伝える、彼のメッセージ。
復活の玉の発動には大量の光が迸り、また、敵の異常聴覚はおそらく蘇生したひよのの生体反応を捉えるであろう事。
それらでひよのの生存を悟られないようにする為に、太公望は太極符印で大気と光の操作を行い、外に漏れないよう押さえ込んだ。
だから、希望的観測に縋るならば、今度こそ見えざる敵は自分たちが全滅したと判断してくれたのだろう。
そしてまた、残されたメッセージがいくつかの推測をひよのに伝えていく。
さらに太公望は、とあるプログラムを太極符印に組み込んでくれていた。
まさしく至れり尽くせりだ。
いつかきっと役に立つ事だろう。
本当は彼への返礼をしたいところだが、死人に返せるものは何もない。
せいぜいが、出来る限り彼の目指したものを推し進める事くらいだ。
「まあ、本当に出来る限りの範囲でしかお手伝いできませんけど、ね」
自分は死者への手向けよりも、生者への尽力を優先する。
たとえ彼に助けられようと、自分が鳴海歩につくという方針はブレる事はない。
覆せない優先順位というのは確かに存在するのだ。
尤も、あの鳴海歩が安易に殺し合いを肯定するはずはないし、その意味では結局太公望の意に沿う可能性は高い。
そして太公望の言に信憑性が出てきた以上、いくつかの疑問が呈される。
「……封神計画。神の一字の符号は、果たして偶然なんでしょうか?」
彼が実行者だと言うその計画が、どうにも気になってやまない。
今回の殺し合いに関係しているのではないかと女の勘が告げている。
乱れた国を滅ぼし、新たな国を作る。
その為に邪魔な仙人を封じ、妲己という悪女を倒す。
そこまではいい。
彼女も知っている、中国四千年の歴史の一ページだ。
だが。
だが何故、殺すのではなく――封印なのだ?
それも、敵味方を問わず死んだもの全てに等しく行われるのは。
ホールに飾られている、ミニチュア封神台をじっと見る。
けれどそこはただ沈黙したまま、答えを返すことはない。
「……いろいろ裏がありそうですね、その計画は。
出来れば関係者に当たりたいところですが……」
とりあえずは太公望一人から見た情報だけではとても足りない。
真実とは人の数だけ、彼らの見る方向だけ存在する。
あらゆる方向からの真実を突きつけ合わせる事で、はじめて浮かび上がってくるのが事実だ。
「とりあえず、今は何とも言えませんか。
未だにさっきの襲撃者が近隣をうろついている可能性も高いですし、とっとと離脱すべきですね」
だが、この場所は後ほど戻ってくる必要があるだろう。
あのミニチュア封神台とやらは、いかにも怪しすぎる。
……それを置いておいても、まだまだ考えるべきことはとても多い。
綾崎ハヤテの殺害に用いられた38口径の拳銃。
自分が灯台で出会った男の拳銃もまた、同じ口径ではなかったか。
携帯電話に名前の浮かんだ三千院ナギ。
綾崎ハヤテのダイイングメッセージだとするならば、彼女(彼?)が襲撃者の可能性もある。
太公望の遺したプログラム。一度きりとはいえ条件さえ満たせば勝手に発動するというのは心強い。
宝貝とやらは、肉体的に一般人の彼女には使えないからだ。
そして――復活の玉。
もしや、の可能性ではあるのだが、あれは一つの希望になりうるのではないか。
太公望は言った。
あの道具は、二つ存在すると。
一つは今壊れてしまったが、もう一つ手に入れられる可能性があるということではないか?
死んだはずの肉体を、生前以上の状態にまで回復して蘇生させるという道具が、もう一つ。
そして、あの道具を仮に鳴海歩に使ったのなら。
クローン体特有の問題――、寿命や免疫関係の拙さをどうにかできるのではないか?
鳴海歩はクローンとして生み出された存在だ。
行く先が短い運命が決定付けられており、覆す事は叶わない。
叶わないはずだった。
だが、超常の力ならばそれすら克服できるのではないか。
――もちろん、鳴海歩はそれを受け取る事を拒むだろう。
彼は絶望の中でこそ足掻く事を誓ったのだから。
「……でも。それでも……」
ぎゅう……っ、と、握り拳を『結崎ひよの』は俯きながら形作る。
それが役として作ったものなのか、本心からのものなのか。
語るのはやめておくとしよう。
「まあ、さしあたってするべきは……」
俯きをやめ、結崎ひよのは前を見据える。
その顔には既に満面の笑みが花開いていた。
「服の調達ですね♪」
笑みの裏に、弔いの言葉と確かな決意を隠しながら。
「鳴海さんにこんなあられもない格好を見せてしまったら、……うぅむ、それはそれでアリかもしれませんね。
面白い反応を返してくれそうです♪」
【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜 蘇生】
【B-8/博物館/1日目 黎明】
【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:健康、絶好調
[服装]:髪紐の喪失によりストレートのロングヘア、上半身の服が破れて使い物にならない
[装備]:
[道具]:支給品一式×3、手作りの人物表、若の成長記録@銀魂、綾崎ハヤテの携帯電話(動作不良)@ハヤテのごとく!
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム、太極符印@封神演義
[思考]
基本: 『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。 蘇生に関する情報を得る。
0: 服を調達する。
1: 鳴海歩がいるか確かめ、いるなら合流したい。
2: あらゆる情報を得る為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
3: 安全な保障があるならば妲己ほか封神計画関係者に接触。
4: 三千院ナギに注意。ヴァッシュ・ザ・スタンピードと柳生九兵衛に留意。
5: 襲撃者は先ほど出会った男(ミッドバレイ)ではないか?
6: 機が熟したらもう一度博物館に戻ってくる。
7: 復活の玉ほか、クローン体の治療の可能性について調査。
8: 太公望達の冥福を祈る。
[備考]
※ 清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
※ 手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク、太公望の外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。
※ 太公望と情報交換をしました。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
ハヤテが太公望に話した情報も又聞きしています。
※ 超常現象の存在を認めました。封神計画が今ロワに関係しているのではないかと推測しています。
※ 太公望の考察を知りました。
※ 太極符印@封神演義にはミッドバレイの攻撃パターン(エンフィールドとイガラッパ)が記録されており、これらを自動迎撃します。
また、太公望が何らかの条件により発動するプログラムを組み込みました。詳細は不明です。
結崎ひよのには太極符印@封神演義を任意で使用することはできません。
【復活の玉@封神演義】
四不象がいつも手に持っている玉。
実は仙人界に二つだけ存在する秘宝であり、持ち主が死亡した際に肉体を最高レベルまで引き上げて蘇生させる効力を持つ。
ただし使用できるのは1回限り。
また、本来は発動時の光が及ぶ範囲全てに効果があるのだが、制限により効果が反映されるのは持ち主のみ。
※博物館にはミニチュア封神台が設置されています。機能しているかどうかは不明です。
173 : ◆JvezCBil8U:2009/05/09(土) 00:15:52
以上、仮投下終了。
蘇生ネタが被りましたが偶然です、本当に。
少々長いのと主催関連が心配なので、ご指摘があればお願いします。あと、本投下も可能なら。
分割点は
>>38と
>>39の間です。
投下、代理投下乙!
太公望とハヤテが……。
ハヤテの死様がすごく切ないな……幸せに過ごしている本来の自分の傍らで死ぬなんて……。
引き込まれるような描写が凄い。
指摘がいくつか。
・十分な殺傷能力を持つ強力な武器を、展示品にするのはどうなのか?
・なぜ太公望はそれを回収するでもなく、その場に放置しておいたのか?
・電話が会場の外に通じてしまうのまずいのでは?
……というかこれ、仮投下して問題が無いか確認してから本投下するつもりだったんじゃ?
52 :
最初の代理人:2009/05/09(土) 01:26:59 ID:H5jBTx8C
>>51 143 : ◆JvezCBil8U:2009/05/08(金) 23:58:50 ID:UcGJK6AA0
規制中なのでこちらに太公望、ハヤテ、ミッドバレイ、ひよのを投下。
内容的な面で仮投下と言う意味合いもありますが……。
問題あるようならご指摘いただければ。
しまった仮投下ってかいてあるよorz
規制中の文字ばっかりに目が行って、ちゃんと文章読んで無かったよ。
JvezCBil8U氏申し訳ない。
書き手氏も代理の方も乙でした!
まさかの連続蘇生ネタ…それ抜きにしても生死の変化が目まぐるしくて面白かったです。
ハヤテと太公望も何かを残して倒れましたし、無駄ではないと信じます。
主催の影にもなにやら数人見え隠れしてますし、どうなることやら…
しっかし、本当に神とか運命って言葉が絡んだ参加作品が多いな。
こうしてみるとミッドバレイの能力の恐ろしさがわかりますね。
ただ、ミッドバレイの無音化の力は音域が以上に広い彼の特製サックスだから出来たハズ…
イガラッパも特殊なんで可能かもしれませんが、なにかしら描写が欲しいかな、と…
あと↑の
・十分な殺傷能力を持つ強力な武器を、展示品にするのはどうなのか?
はイガラッパはどう考えても初見で武器とは思えないと思うので大丈夫では?
投下乙です
とりあえず上の指摘もさることながら氏が気にしてるのは主催関連だと思うのでそこに触れて見ます
これに関しては各自の後半へ向けての構想があるでしょうからなんとも言えないのが大きいですが
伸公豹がこの殺し合いの行く末を楽しんでいると言っているのが少し引っ掛かったかも
彼の美学的にそう言った思考はしなさそうだし
なんらかの理由があって参加・行動していても中立に近い思考でいそうな気がします
その理由がまだ語られて無いだけで後日語られるなら問題ないんですが
主催や黒幕関係に関して考えている方いれば合わせる上で大まかでも意見聞きたいと思いました
少なくとも今回の話で自分考えてたのはボツになっちゃったしw
しかし太公望の早期退場+それで王天君登場は自分も考えてたのでびっくりしたw
自分も気にせず代理しちゃいました。すみません。
いろいろと主催については考えていましたが、まだ匂わされた程度なのであんまり気にしてませんでした。
代理の「神」についてもまだ特定は難しいし…まぁ逆に「神」にあてはまる可能性が小さくなってしまったキャラはいるんですよね。そこが微妙ですが…
申公豹は…難しいですね。個人的にはあくまで楽しんでいるというより、見守っているように感じて読んでました。
とりあえず議論スレにでも持っていきます?
投下乙
胸の中心に撃ち込まれたら普通に死ぬだろ
【大阪】「狂牛病に感染した、どうしてくれる!」・・・無銭飲食の高校生を逮捕 [3/15]
高槻南署は15日、高槻市内の焼肉店で無銭飲食をしたとして、高校生5名を逮捕したと発表した。
高校生らは同市内の焼肉店で食事をした後、
「肉を食べたら狂牛病に感染した、どうしてくれる!」などと因縁をつけ、支払いを免れようとした。
店長が「そんなに早く発症しない」と言うと、高校生らは、
「モーッ、モーッ」などと大声で叫び、店内を歩き回ったらしい。
その後、別の店員の通報で駆けつけた警察官が5人を逮捕した。高校生らは、
「狂牛病になったと言えば代金を踏み倒せると思った。狂牛病がどんな病気か知らなかった」
tp://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1239092828/l50
ぶっちゃけ、何歳まで漫画読むつもりなの?
1 名前: マロン名無しさん 投稿日: 2009/04/07(火) 17:27:08 ID:psIYv/p5
20過ぎたらやめろよw
2 名前: マロン名無しさん 投稿日: 2009/04/07(火) 17:30:47 ID:Rl4cLk6S
無論死ぬまで
新しい予約来たが怖い奴が混ざってるな
議論スレ見てて思ったんだけど、そろそろ毒吐きに新漫画用の立ててもらうよう要望出した方がいいかもね
議論に出すほどでもない事をあそこに書いても仕方ないし
待て待て、毒吐きなんか立てたところで一銭の得にもならんと思うぞ?
むしろ百害あって一利なしだ、ソースは俺の脳内だけど
ついでに聞くと、議論に出すほどでもないことっていうのは具体的にどこら辺? レス番してくれると分かりやすくて助かるが…
私見でしかないが、全部議論スレで受け持つべき話題に見えたぞ?
王天君関連なんかはわざわざ指摘するまでもないことかな、とね。
他の意見も同じような事を繰り返してないかなと思った。
毒吐きって議論スレに出す前にある程度意見まとめるのに便利だし。
何よりしたらばの設定のためか、IDが何日経っても切り替わってないみたいなのが。
あれだとトリップ消しても誰がどんな発言してきたのが丸分かりだから、書き手は意見を非常に言いづらい。
だったらID非表示で言いたい事をとりあえず書ける場所を作るのに今回はいい機会かな、と。
百害あって一利なしなんてことはそれこそないかと。
何かあったらそこから意見をまとめたのを議論スレに持って行けばいいんだし、あそこは実質交流雑談所になってるからたとえ立ててもそんなに荒れる要因にはならないと思うし。
毒吐きの是非はともかくとして、ID固定は困る。
議論スレが書き手絶対不利な状況なのは確か。
たぶん管理人に頼んだらどうにかなるはず>ID
是非以前の問題として、そもそもあそこの存在なんて本スレで出す話題じゃないと思うが。
ここのしたらばのIDに関しては、管理人氏に要望のメールを送るなりすればいい。
管理人からなら、日付変更に合わせてIDが変わるように設定を変更するのは簡単にできる。
ID非表示じゃないと言いたいことも言えないのか…少しくらい自分の発言には責任持とうぜ?
ID非表示環境じゃ個人の特定が難しい分、マッチポンプや思考誘導が簡単に出来ちゃうって言う危険性もあると思うんだよな…
したらばIDが変わらないっていうのも、既に言われてるように管理人氏に対応お願いしてもらえばいいだけだしな
ワンピースのキャラはまだ誰も死んでないのか
酷い贔屓だな
さっさと全滅させろよ
ついにここにもキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
やましいことがないなら、ID固定で困ることなんてない
>>69 やましい事が無くてもID固定は凄く困る。
例えばの話、書き手同士の中でも意見の合わない人物は必ずいるはず。
ID非表示ならそれは一反対意見で済むが、ID固定なら下手するとワザと反対意見を出している様にしか見られない可能性がある。
そこから書き手同士の対立にもなりかねんし、それがもとで過疎ってつぶれる事もありうる。
基本的に、このロワに参加している書き手及び読み手は『他人』である。
『他人』であれば、それぞれの主義・価値観も多種多様になるのは当然。
結果として相容れない主義・価値観の相手との議論は、自然と熱くなってしまう。
そんな中で議論スレでID固定であるなら、議論から個人攻撃へ切り替わる事もあり得る訳だ。
だから自分はID非表示or非固定がいいと思う。
非表示だといろいろ揉めそうなので、出来れば非固定がいい。
理由は
>>70氏とほぼ一緒。議論する際に余計な揉め事の火種になったらやだから。
固定じゃなくて表示すれば、一時の意見の対立で終わるから後腐れがないと思う。
>気に入らない話を書いた書き手を匿名で叩いて破棄させるのに便利だから非固定がいい
まで読んだ
>>72 それ、全然読めてないから
ところで、誰かIDに関して管理人氏に要望メールって出した?
管理人氏もスレ見てたら、何かしら反応してほしいんだけど、見てないかな?
>結果として相容れない主義・価値観の相手との議論は、自然と熱くなってしまう。
理由は?
>結果として相容れない主義・価値観の相手との議論は、自然と熱くなってしまう。
理由は?
1)IDなしの場合の理由
2)IDあり(日替わり)の場合の理由
3)IDあり(日々固定)の場合の理由
しかしもはや2chで一切完結させられず、したらば行くしかないというのも悲しいな……
しかも「議論」って。そんなんなく空気でいや〜じゃね?〜かもな。うーんじゃ〜で。とその場のノリと軽いトークで解決することもできない。
おっっしゃやるぜ!って空気じゃなくて敬語前提のガチガチ空気が常識だもんなぁ、思えば遠くへ来たもんだ。
きらいじゃないけどさ、なんかこれも間違ってる気がするぜ。
わるいって言うほどえらい立場じゃないけど、
みているとどうしてもそう思ってしまう。
ID固定だと議論スレでの発言そのものが書き手としての影響力を行使するのと同義になるからねえ。
強い抵抗感があって当然ではある。
結果として企画の中心であるべき書き手が発言しなくなり、議論スレは負の循環に陥る、と。
とりあえず議論スレで話し合った方がいいんじゃないか
と、書いてからそこが渦中にあることを思い出した
誰が二枚舌な書き手様かばれちまうじゃねーかwww
ハイハイワロスワロス
仮投下乙
自分は特に問題は感じられませんでした。
感想は本投下の時に。
仮投下から1日経って、特に問題なさそうなので投下します。
長めなので出来れば支援お願いします。
男は倒れ伏していた。
それを見下ろす女性。見下しているわけではない。口に手を当て、悲しみと後悔を感じさせる表情を浮かべている。
しかし、男は立ち上がろうとしていた。目の前の女性を、悲しませない為に。
なぜ、このような事態を招いたのか。それは、数分前の話になる……
浴室での首輪の確認を終え、ひとまずマスタングはキッチンに戻った。
この家のキッチンはテーブルが配置され、その場で食事が出来る仕様になっていた。
そのテーブルの上に、何かが置かれている。
「あら、おかえりなさい。何か収穫はありましたか?」
「いや、残念ながら特に…!?」
先ほど出会い、ひとまず行動を共にする事となった女性、志村妙が笑顔で迎えてくれた。
しかし、それどころではない。テーブルに置かれたものは、それどころではないのだ。
言葉を返しながら、目は完全にテーブルの上の物体に釘付けになる。
(これは…一体…?)
「腹が減っては戦は出来ぬと申しますから、とにかく食事でもと思って…
ごめんなさい。本当はもっと豪華にしたかったんですけど…卵焼きしか作れなくて」
妙の発言から察するに、これは一般に料理と呼ばれるものだろう。
更に言えば、原料は卵であるらしい。
「らしい」というのは、目の前の真っ黒なそれが果たして卵から出来ているのかわからなかったからだ。
ロイ・マスタングは国家錬金術師である。その中でも特に優秀な部類に入る男だ。
それゆえ錬金術に重要な物質の「理解」に関しては人よりも優れた五感と分析力を持つ。
それでも先ほどの首輪のように材質がわからないものはあるが、この目の前の物体もまたその1つだった。
(これを卵から生み出したというのか?一体どんな練成をすればこう…危険な雰囲気を出せるのだ…
漂う匂いや色が、既に等価交換の法則を無視しているではないか!賢者の石でも持ってるんじゃないだろうな…
あれを「卵焼き」と呼べるのか?そもそも「卵」と呼んで良いのか?「卵だったもの」の方が近いんじゃないのか!?)
様々な考えが頭を巡る。世に知れた「焔の錬金術師」である彼の頭脳をもってしても、この物体は理解しがたいものであった。
これを食せというのは遠まわしに、いやある意味一直線に「死ね」といっているようなものではないか。
そんなことを考えてしまっていると…
「……あの、無理をなさらなくても結構ですよ。自覚はありますから…」
少しうつむいて、妙が言ってきた。
この意味がわからないほど、マスタングは野暮ではない。
そしてこの言葉を無視できないくらいには、彼はフェミニストだった。
「…頂きましょう。確かに、支給された食料は少ないようですからね。現地調達で腹を満たすのは良策です。」
そう言って席に着くと、目の前にあったフォークで物体をすくい、意を決して口に運んだ。
結果は、冒頭の4行である。
絶望的な「刺激」が一通り口の中を駆け巡り終え、一端落ち着くとマスタングは立ち上がった。
無防備な口の中で劇薬を練成された気分だったが、何とか意識を失わずに飲み込むことが出来た。
これもひとえに様々な死線を乗り越えてきた経験の賜物だろう。厳しい部下の叱責にさらされ続けたのも効いたかもしれない。
なんだか視力が落ちた気がするが…気のせいだろう。視力は自分の生命線だ。大事にしたい。
とにもかくにも流れる汗を軽く拭い、引きつりながら笑顔を作り彼女に向けた。
「……この卵焼きは、治療したばかりの私の歯の治療痕には少しばかり甘すぎたようです。ははは…」
「……紳士ですのね、増田さん。どこかのバカ共とは大違いだわ」
見え透いた嘘でも何とか彼女を傷つけずに済んだようだ。
ひとまず安心しようとした、その時…
ゾクリ、と背に走る悪寒。
「伏せろっ!」
言うが早いか彼女を伏せさせ、自分も身をかがめる。
二人の頭上を、黒い影が走った。
それはリビングに突っ込むと、もうもうと上がる粉塵の中から、4mはあろうかという真っ黒な姿をあらわした。
虎と人を合わせたような、禍々しい獣だった。
(合成獣かっ!?)
マスタングの世界には様々な動物を人工的に組み合わせ生み出された合成獣(キメラ)という生き物が存在する。
それは大抵自然に存在する生物より強力で、危険な性質を持っていた。
加えてこの目の前の獣、首に自分達と同じ首輪をつけている。
「クク…人間の匂いに惹かれて来てみりゃあ…手を抜いてやったとはいえ、この紅煉様の一撃をかわすとはよぉ…ちったぁ楽しめそうじゃねぇか」
言葉まで発した。どうやらこの馬鹿げた殺し合いの参加者とみて間違いない。
しかも紅煉と名乗るコイツは、ただの合成獣ではなさそうだ。
もしかすると…
「んじゃあ次は、コイツでどうだぁ!!」
紅煉は大きく息を吸い込むと、口から猛烈な炎を吐き出した。
マスタングは妙を反対側に突き飛ばし、自分も転がるようにして炎をかわすと、隣の部屋に身を潜めた。
妙も反対側の廊下の方に隠れられたようだ。
「なんだよぉ、おい。かくれんぼかぁ…?」
先ほどの攻撃で確信した。マスタングが知る限り、炎を吐く生物など実在しない。
奴は現実の獣を合成しただけの合成獣とは違う。特殊な力を付加された存在だ。
そうなると、「ホムンクルス」である可能性がある。
ホムンクルスというのは、錬金術によって人工的に生み出された生命体である。
数多の人間の命を原料に作られた高エネルギー体、賢者の石を核とし、特殊な力と高い再生能力を備えた人造人間だ。
目の前の化け物は人間の形こそとっていないが、その一種である可能性は高い。
だとすれば、願ったりだ。
マスタングは賢者の石を欲している。自分の油断から下半身不随となった部下を治すために。
目の前にそれを持つ可能性がある化け物がいるのだ。対応しない手は無い。
そもそも既にこの家は先ほどの攻撃で燃え出しており、自分のいる部屋は窓もない袋小路。
逃げや待機は「生存」に繋がらない。生き残る為には、戦うしかないのだ。
「動くな!」
バッグから取り出した支給品を構え、マスタングは獣の前に立った。
「…クックック…お前、そんなモンがオレに通じると本気で思ってんのかよ?
それを使ってちいせぇ鉛弾を何発ぶち込もうと、オレは殺せねぇぜ?」
そう笑いながら紅煉が身を低く構えた。獲物を狙う虎のように、鋭い殺気で部屋を満たす。
バカめ、と心中で呟いた。これは時間稼ぎに過ぎない。
紅煉の後ろでマスタングの目の合図を確認した妙が、家の外に飛び出していた。
「死ねぇぇぇ!!!」
咆哮と共に獣が駆け出した瞬間、マスタングが引き金を引く。
その武器の先端から、小さな炎が出現する。そしてその炎を基点として、不思議な光が走っていく。
その光に触れた瞬間、紅煉の周りが爆炎に包まれた。
◇ ◇ ◇
「すごいんですねぇ…レンキンジュツシって。」
妙に肩を支えられつつ、マスタングは市街を歩いていた。
マスタングが先ほどおこなったのは「焔の錬金術」。
可燃物周辺の酸素濃度を調節し、爆発や炎上を引き起こす秘伝の錬金術だ。
あらかじめ手の甲に記しておいた練成陣によってそれをおこない、後は点火源があればいつでも発動できる。
しかし、火は彼の背後にあった。そこから練成によって正確に相手の所まで焔を運ぶには少々骨が折れる。
そこで支給品であった拳銃型ライターを使用したのである。
結果は上々。あの化け物はとりあえず焔に包まれ、崩れた天井の下敷きだ。
脱出の際にこちらも手傷は負ったが、たいしたことは無い。
いかに再生能力が高かろうと、あの瓦礫の下で炎に焼かれ続ければただでは済むまい。
このまま相手が死んでしまう可能性は高く、そうなれば賢者の石を手に入れるのは難しいだろう。
本来は生け捕りが望ましかったのだが、そうも言っていられない状況と相手だった。
この結果に満足しないわけにはいくまい。
「とりあえず、遠くに逃げますか?」
「いや、あのくらいの炎ならしばらくすればおさまるでしょう。悪趣味と思われるかもしれないが、死体を確認しておきたい」
妙は一瞬驚いたものの、すぐにその真意を汲み取った。倒しきった確証が欲しいのだろうと。
実際は首輪の回収と、賢者の石が残っているかもしれないという願いが含まれていたのだが…
妙から離れ、マスタングは近くにあったベンチに腰掛ける。なんとか一息ついた。
「お強いんですねぇ…おかげで助かりました。ありがとうございます」
「いや…私も自分の身を守るためにしたようなものです。お気になさらずとも。
私もここで死ぬわけにはいかないのですよ。大事な目的が待っていますから。
それに…怖い部下もね」
そこで初めて、妙はマスタングの本音と本当の表情を垣間見た気がした。
先ほどまでに、何度かお互いの状況を話し合った。彼は役人であり、部下や同僚が多くいるらしい。
すかしたナンパ男のように思っていたが、この男もまた大事なものを持ち、その為に戦っているのだろう。
自分や弟が、父から継いだ道場や魂を守って生きているように。
「大変でしょうね、その生き方は…」
「よく甘いと言われますよ」
苦笑しながら答える男の目は、どこかで見た煌きと似たものがある気がした。
ガシャーン!
「え?」
そこで聞こえた、奇妙な音。
立ち位置の都合から妙にしか見えていないが、異常が発生していた。
燃え盛る炎をかき分け、黒い物体が姿をあらわす。
「増田さんっ!!!」
妙の叫びでマスタングが異常に気づき振り返ったときには、もう獣は迫っていた。
「くっ、ぐぉぉぉっ!!」
とっさに身を逸らしたものの、傷の影響か今度はかわしきる事が出来なかった。
鋭い痛みが、マスタングの右目に走る。三本の傷痕が刻まれ、鮮血が飛び散った。
右目を押さえ、マスタングも武器を構える。
そこには先ほど仕留めたはずの黒い化け物が、ニヤリと嫌らしい笑いを浮かべて立っていた。
「貴様…あの焔を浴びて…」
「生憎オレは雷と炎の化生でねぇ?あの程度で死んでたまるかよ!」
マスタングのミスは二つある。
1つは相手をホムンクルスのような化け物であると考えた時、無意識にホムンクルスと同じ性質を持っていると思ってしまった事。
紅煉のような化け物、「字伏」は彼が言うように雷と炎の化生。炎に対する耐性はすこぶる高い。
加えて再生能力こそホムンクルスに及ばないが、腕力や耐久力といった身体能力は人間離れしている。
瓦礫の下敷きにされても、脱出できるくらいの能力は持ち合わせているのだ。
そしてもう1つのミスは、紅煉の先ほどの攻撃から彼のステータスを想定してしまった事である。
彼の発言は慢心でもなんでもなく、真実だった。すなわち、手を抜いていたのである。
それは紅煉が戦う上で相手をいたぶる事を好む、残虐な嗜好の持ち主であるからだ。
「俺が手加減してやったのもわからずに…人間風情が、調子にのるなよぉ!」
(クソ、目をやられるとは…最悪だ…)
マスタングは視界を奪われた右目に舌打ちする。
彼の「焔の錬金術」は、発動の際に「距離感」が非常に重要になる。
いわば射程と威力を自在に調節出来るバズーカのようなものだから、射程がわからなければ無関係な場所を攻撃してしまう。
普段なら、離れた相手が咥えている煙草に火をつけるくらい正確に射程を調節できる。
だが突然に片目を奪われ距離感を失った彼に、普段どおりの「焔の錬金術」は使えなかった。
いや、正確に言えば使う事は出来る。しかし、犠牲を払う必要があるのだ。
この状況で焔の錬金術を喰らわせるには、ある程度の距離は関係なく相手を巻き込める爆発を起こせばいい。
かつてイシュバールの殲滅戦でやったように…
しかし、紅煉のすぐ側には妙がいる。そのような爆発を起こせば彼女を巻き込むのは避けられない。
そして今回は、彼女を遠くに逃がす隙など与えてくれそうになかった。
(それが…どうした…!)
自分は、死ぬ訳にはいかない。絶対に。
それは、国家の頂点に立ち、全てを守るという野望の為に。
それは、自分の野望を信じてついて来てくれた部下達の為に。
それは、その野望に准じて倒れた、亡き友の為に。
マスタングは引き金を引かねばならない。
先ほど出会ったばかりの女性の為に、全てを諦めるわけにはいかないのだから…
がこーん!
「ぐぇぇぇ!?」
突如響いた、間抜けな打撃音。
見れば、紅煉の頭を奇妙な棒でぶん殴る、妙の姿があった。
「ふざけんな、ボケェェ!!!てめぇ、2度も後ろから不意打ち決めといて何偉そうにしとんじゃコラァ!!」
呆気にとられたのはマスタングばかりではなく、紅煉もだった。
「増田さんはねぇ、まっすぐ自分の信念貫いて生きてんのよ!お前みたいに中身すっからかんの、武士道もなにもない奴とは違うの!
あんたみたいなヤツにはね…誰もついてこないわよ!孤独なだけの、魅力のない男!!」
あまりの迫力に黙ってしまう。更に棒を振り回し、紅煉の頭をぶっ叩こうとする妙を見て、
マスタングは少し……笑った。
「…おもしれぇなぁ、女……おもしれぇから先にお前を引き裂いて喰らってやる」
禍々しい笑みを浮かべて、紅煉が妙の方へ向き直す。
鋭い爪が炎の光を照り返し、きらりと光る。
しかし、そこで横槍が入った。
「そんな余裕があるのか、化け物!この程度で私の力を封じたと思うなよ!」
ゆっくり振り返ると、再び右手に拳銃型ライターを構えたマスタングの姿。
片方だけ覗くその目に浮かぶのは、決意と信念。
「チッ、その力はメンドウだな…やっぱり先にてめぇが死ねぇ!」
バチバチッ、と紅煉の額周辺に電気が発生する。雷の化生でもあると言っていたのだ、おそらく稲妻も操れるのだろう。
炎を放ってくれば対策もあったのだが…やはり焔使いにそう何度も炎は使ってこないようだ。
最後の可能性も尽きた。もう、これしかない。
ギリ、と歯を食いしばると、マスタングは引き金にかけていた自分の指を…離した。
「おおおおおおお!!!!!」
左手に構えていた鉄製のナイフ(民家の台所で頂戴していた)を一斉に紅煉目掛けて投げつける。
(思えばお前の十八番だったな、ヒューズ!)
亡き親友の思い出を込めた投擲。それは本当に微かな、だが今の自分に出来る最大限の抵抗だった。
しかし、その願いもあっさりと弾かれる。紅煉の高笑いが響いた。
「ハーッハッハッハ!!女に気をつかったなぁ!?なら、死ねぇぇぇ!!」
幾本もの稲妻が走る。それは無慈悲に…「焔の錬金術師」の身を焦がした。
「増田さんっ!!!」
妙の悲痛な叫び…しかし、片膝をつきながらもマスタングはまだ倒れなかった。
全身が焼け爛れ感覚もない。黒焦げの体は、意識が飛ばないのが不思議なほどのダメージ。
しかし、生きる事を諦めるわけにはいかない。なさねばならないことがある。
全てを守ると誓った、青臭い理想が胸にある。
……その為にも、彼女を巻き込むわけにはいかなかった。
あらゆる苦しみを飲み込んで、野望に邁進すると誓った。
多少の犠牲だって乗り越えていく覚悟があった。
だが、それでも絶対に譲れぬ一線があった。
二度と悲劇を起こさぬために、自分が守れる限りの人間を守り、その守った者たちがまた守れる限りの人間を守っていく。
そうやって誰も悲しまぬ世界を作ろうという青臭い理想。それが彼の行動の原点。
その男が、目の前の守れる女性を見捨てるなどという選択肢をどうして選べようか。
その原点を思い出させてくれた、この強き女性を…
生き残る為に、野望を達成する為に、誰かを犠牲にする…
そんな情けない男に部下達が、友が……ついてきてくれるハズがないのだから。
「ほう?粘るじゃねぇか…だがもういい、死ねよ!」
(倒れてたまるか…私は、まだ…)
生きる事を諦めない…マスタングにとって、それは生きるために他の全てを犠牲にすることではない。
譲れぬ理想を守って生きるために、あらゆる手段を尽くすことだ。
彼の決意をあざ笑うかのような咆哮をあげ、闇を纏った獣は迫る。
だが、どれほどの絶望に包まれようとも…マスタングの瞳は、まだ理想を諦めていなかった。
その瞳に、見慣れたきらめきが映る。
ザクッ!
「ぐぁぁぁぁ!!??」
きらめきの正体はアメストリス軍の投げナイフ。それが紅煉の片目を、正確に貫いていた。
そのナイフは、彼の親友、マース・ヒューズ愛用のナイフだった。
(な…に…?)
そのきらめきに続くように、轟音をあげ巨大な刃が紅煉を襲う。
振り下ろされた一撃目はかわすも、地面が抉られる。
さらに人間離れした腕力によってすぐさま横なぎに振るわれた刃が、紅煉の顔面に襲い掛かる。
携えた3本の霊刀でなんとか受け止めたものの、軽く後ろに押し込まれてしまう。
刃を振るうは漆黒の剣士。ナイフを放ったのは真っ黒な闇医者。
その姿を捉え、またしても笑みを浮かべると、紅煉は飛び退き周囲を見渡した。
「いいじゃねぇか、とび入り大歓迎だぜぇ…面白そうな連中だしなぁ!」
二人の男が、見知った男によく似て見えて…紅煉は楽しくてしょうがなかった。
なにより、彼らの心が手に取るようにわかる。
「お前ら…こんだけ人数がいりゃあなんとかなると思ってんだろ?カワイイったらねぇよなぁ…!」
下卑た笑いに怯むことなく、剣士は刃を構えなおす。
しかし、紅煉の次の行動は、彼らの予想外だった。
「もう少しいたぶってやろうかと思ったが気が変わったぜ!まとめて消し炭にしてやる!!!」
大きく息を吸い込むと、周囲の敵に向けて放たんと膨大な炎を口元に浮かべる。
何をするのか察した黒い二人組も、身をかわそうとするがもう遅い。
「あばよぉぉ!!!」
叫びと共に放たれる炎。それは周囲を飲み込み、4つの焼死体を生み出す…はずだった。
だが焔は彼の管理下を離れ、口内で爆発を巻き起こす。
「な、なにぃぃぃぃ!!???」
予想外の焔の暴発に、全身と口内を焼かれた紅煉がうろたえる。
ちらりと眼に映った瀕死の男が、してやったりと笑っているように見えた。
そこに一本のナイフが飛び込み、紅煉の腹部に突き刺さる。
不意の攻撃に気を取られた一瞬、ほんの一瞬をついて振るわれる鋸状の刃、キリバチ。
その一太刀は、暗闇のように真っ黒な獣の左腕を…叩き落した。
「ぐおぉぉぉぉ!!キ、キサマら〜〜〜〜!!!」
怒り心頭の声をあげ、しかし状況不利と悟ったか、追撃のキリバチをスレスレでかわしながら紅煉は切り落とされた左腕を拾う。
そして猛スピードで飛び上がると、そのまま漆黒の闇空の中に消えていった。
支援
大佐…どうなる!? 支援
流石ブラックジャック
ナイフ投げもお手の物だぜ
その場に残された4人の中で、真っ先に動いたのは妙だった。
「増田さん!しっかりして!!」
獣の雷を浴びて、全身に傷を負ったマスタングに駆け寄る。
その後を追うように、黒い闇医者も近づいてきた。
「動かすなっ!私は医者だ!私が診る!」
そう言われ、ひとまず妙も動きを止める。
闇医者は患者に近づき、その容態を窺う。
(これは…)
普通人体は表面の2割以上が火傷すると危険だと言われる。
しかし、目の前の患者はその体の7割近くが火傷を負っていた。
(せめて、道具が揃っていれば努力のしようがあったというのに…)
悔しさがこみ上げる。普段の自分なら必ず何かしらの道具を持ち歩いている。
この戦いを開催し、自分から商売道具を取り上げた連中が心底恨めしかった。
「…やめとけ、ブラックジャック。そいつはもう…」
黒い剣士、ガッツの言葉が耳に痛い。わかっている。彼はもう、手遅れだ。
「…先程の攻撃は、君が?」
ブラックジャックが尋ねたのは先程の不可解な爆発。あれによって今自分達は無事であると言ってもいい。
口も動かせないのか、患者は微かに頷いた。
(助けるつもりが、助けられたというわけか…なんとも情けない話だ)
先程の紅煉の炎の暴発は、マスタングの「焔の錬金術」である。
距離感の調節が利かなくとも、火種が相手の元にあるのなら話は別だ。
微妙な射程の調整はせず、可燃性物質を火元近くに適量発生させれば良い。おまけに口の中の無防備さは先刻実感している。
あれが、最後の最後まで狙っていたマスタングの賭けだった。
うなだれるブラックジャックの襟首を、マスタングは弱々しくも力強く、掴んだ。
「な…!?」
そのまま何かを訴えかけるような目でブラックジャックを見る。かすかに、口を動かした。
「まだ…死ね…ん……生きね…ば…なら…ない…」
それは、助けて欲しいという意志だった。だが、決して情けない命乞いではない。
むしろ、ここで死ぬわけにはいかない、助けろ、生きたいのだ、という激しい感情だった。
それを真正面からぶつけられたブラックジャックは、激しい衝撃を感じた。
(私は…何を考えた?道具がないからどうにもならない?もう手遅れだと…?)
それは強烈な自責の念。目の前で死に掛けている患者を、助けられない状況を受け入れた自分への怒り。
マスタングは未だ諦めることなく、必死で生きようとしていた。
一度は消えかけた命。しかし、それを救ってくれた亡き友の刃。
それが再び、生への渇望を叫ぶ力となった。
そんな諦めない生命力を前にして、ブラックジャックは先程の自分の思考を恥じた。
グッと拳を握り締め、患者をその背に負う。
「ブラックジャック!なにをする気だ!?」
「この患者を病院まで連れて行く!」
「無駄だ、もたないに決まってるぜ」
ガッツの意見はもっともだ。だがブラックジャックの中にある信念が、それを良しとしない。
「まだわからん!この患者は生きようとしている!それを医者の私が先に諦めてしまう訳にはいかないんだ!!
それではあの死神にも劣る…医者として生きていくことが出来なくなる!」
そういって患者を背負おうとするブラックジャックを、支える手があった。
「あなたは…」
「手伝わせてください。増田さんは、命の恩人です。」
気丈な瞳に強い意志を込め、妙が懇願する。
無言で頷きあうと、協力してなんとかマスタングを背負う事に成功した。
「チッ」
1人そっぽを向くガッツ。だが、彼もこれ以上は止める事をしなかった。
周囲への警戒を行いつつ、共に病院への道を歩みだす。
「諦めん、諦めんぞ…君が決して生を諦めないように、私も君を救うのを諦めない…」
力強く語るブラックジャック。妙は頷き、ガッツはそれをただ眺める。
各々が覚悟を決めて歩み出した、その直後だった。
フッ
「えっ…?」
ズンッ、と突如ブラックジャックの背中の重みが一気に増加した。
まるでその体から、何かがガクンと抜け落ちたように…
妙が、声を震わせる。弱々しくも必死にしがみついていた腕に、力が感じられない…
それは、彼の背中で命が抜け落ちた瞬間だった。
背中の重みに目を見開いて立ち止まり、わなわなと震えだすブラックジャック。
顔を覆い、涙を流し出すお妙。
ただ、視線を逸らすガッツ…
最後の一瞬まで生を諦めず、理想を目指した男の命が今、消え去った。
それは守れる者を守り通した…うつむくことなき、有能な最期…
「私は、なんと無力なんだ…」
それでも闇医者の顔に浮かぶのは悔しさと、憤りばかり…
【B-3/道路/1日目 黎明】
【志村妙@銀魂】
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:支給品一式 、クリマ・タクト@ワンピース、不明支給品(0〜1(本人確認済))
[思考]
0:増田さん…
1:増田さんを手厚くを埋葬
2:新ちゃんはいるのかしら?
3:この黒い二人組みと同行するか考える
[備考]
※ロイ・マスタングと情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※参戦時期は28巻以降です。
【ガッツ@ベルセルク】
[状態]:疲労(小)
[装備]:キリバチ@ワンピース
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1個(未確認)
[思考]
基本:殺し合いの主催者を叩き潰し、仲間の下へ帰る
0:くそったれ…胸クソ悪いぜ…
1:ブラック・ジャックと共に病院を目指す
2:あの黒い獣(使徒?)は絶対に殺す
[備考]
※原作32巻、ゾッドと共にガニシュカを撃退した後からの参戦です。
※左手の義手に仕込まれた火砲と矢、身に着けていた狂戦士の甲冑は没収されています。
※紅煉を使徒ではないかと思っています。
【ブラック・ジャック@ブラック・ジャック】
[状態]:疲労(小) 強い無力感
[装備]:ヒューズの投げナイフ(8/10)@鋼の錬金術師
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:主催者を止め、会場から脱出する。
0:この場での私は無力なのか…
1:死者(マスタング)を埋葬する
2:ガッツと共に病院を目指し、医療器具を入手する。
3:この女性(お妙)の処遇を考える。
4:あの黒い獣は許さない
[備考]
※コートに仕込んでいるメス等の手術道具は、全て没収されています。
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師 死亡】
「クソがぁぁぁ…!絶対にゆるさねぇ…」
激しく悪態をつきながらその身を海辺におろす紅煉。
左腕は肘から切り落とされ、右目と腹にはナイフの傷痕が。全身、特に口内には激しい焔によるダメージがあった。
いかに妖といえどこれだけの焔や刃物にさらされては、衰弱は避けられない。
なにより、普段より傷が治る速度が格段に遅い。これが、最初に言っていた制限のようなものだろうか。
そればかりか炎や稲妻も大分威力が落ちていた。それが先程の不愉快な苦戦に繋がっている。
そう、これが彼を怒らせる原因だった。
「このオレの力を制限しやがるとは…フザけやがってぇぇ…!!!おかげで余計な怪我をしちまったじゃねぇか!!
奴ら…絶対に許さねぇ…この殺し合いが終わったら、必ずぶっ殺してやる…!!」
傷を負わせた者たちよりも、己の快楽の邪魔をする主催者への怒りを募らせる紅煉。
こんな状況でも、彼は自分が負けるとは思っていない。ただ、圧倒的な実力差で相手を蹂躙できないのが不満なのだ。
「ひとまず、体を回復させないといけねぇな…適当に弱そうな人間を見つけて、喰っちまうか。
それが手っ取り早いだろ。今度は遊ばねぇ…とにかく人を喰らうのが優先だ」
そう呟くと、左腕を布で巻きつけてくっつける。
殴ったり引っ掻いたりは出来ないが、しばらく放って置けばこれでくっつくだろう。
右目のナイフも抜いた。腹のナイフは…自分にここまで傷をつけた連中への褒美として、つけたままにしておいてやろう。
怒りを胸に、空腹を抱えた黒き獣が空を舞う。次の獲物は、誰になるのか…
【A-3/海岸線/黎明】
【紅煉@うしおととら】
[状態]: 疲労(中) ダメージ(中) 全身、特に口内に激しい火傷 右目、左腕欠損(回復中) 腹部にナイフ
[服装]:
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1〜2個(未確認)
[思考]
基本: 他の参加者を皆殺しに、殺し合いとやらを楽しむ。最後に主催者も殺す。
1:適当に弱そうな参加者を見つけて喰らう。
2:傷が回復したら皆殺し再開。自分に傷をつけた黒い二人組みと、焔使いは殺すのが楽しみ。
3: ひょうは自分の手で殺したい
[備考]
※参戦時期は原作32巻、ひょうとの最終決戦以前の時期。
※ひょうの存在はOPの場所で確認しました。うしおやとらなどは未だ未確認です。
※左腕はくっついてはいますが振り回せば取れます。右目は現在完全に視力を奪われた状態です。どちらもしばらくは回復しません。
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
なにかご指摘などありましたらお願いします。
ブラックジャック先生は、ライフルの銃口にメスを投げ込めるくらいの腕の持ち主なんだぜ!
投下乙
た、大佐ぁぁぁぁぁぁ!!
まさかこんなに早く脱落するとは……
しかし、死に瀕してもなお生きようとあがく姿はしびれました。
御冥福をお祈りします。
投下乙です
お妙が最後まで大佐を「増田」してるのには、場違いながら笑ってしまったw
そういや銀時と沙英の話ってwikiに編集されてなくね?
潰れた目も治るの?
>>105 紅煉本人ではないけど、同じ種族のとらが流に目を滅多刺しにされてから回復してたので…
字伏は体真っ二つにされたり全身貫かれても生きて再生しちゃうし…さすがにそれは制限でしょうが。
潰れた目が治るのも制限対象じゃね?っていう意見が多ければ修正します。
ちなみに原作の描写からすると、目より腕の方が治るのに時間がかかると思われる。
腕で1日以上、目は数時間で治ってました。刺し傷より切り傷の方が治りが遅いみたい。
真っ二つでも死なないとか妖怪通りこして本物のフリークスじゃねーかw
そんな超スペックなら、目の再生+第三の目が開眼しても驚かない
いや、妖怪って化け物で=フリークスだろw
たしか第三の目どころか身体から同族を生み出せたはずだぞ、紅煉は。
制限されてない状態で腕再生に一日かかるならくっつかないようにしたほうがよくね?
別に一日かかるんなら、制限なしでも構わないかな
回復するかどうか、回復時間はどれくらいかは次の書き手に任せます
でいいんじゃないの?
投下乙
かっこ良かったよ大佐。
ご冥福をお祈りします。
>>109 速度は大分落ちるが、紅煉も黒炎生み出せてたぞ
それも白面のよりも格段に強い奴
>>112の意見が真理だなぁ、と思ったので、どこまで再生するかとかは後続の書き手さんにお任せするスタンスにします。
内容は特に弄りません。ご意見ありがとうございました。
wikiに載せてくれた方もありがとうございます。
パックって支給品じゃないのかw
117 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/17(日) 13:33:18 ID:lKYfkeHf
予約0か
作品の把握中?
Yes,I do
とりあえず、「うしおととら」を全館買ってきたべ
単にスタートダッシュが終わって本来の速度になった
スパイラルがアニメ放映当時すげー嫌いで見る気にならんかったんだが
このロワでは重要そうだな…
俺は封神を読んでるぜ!
まだ15巻くらいだが、ここの太公望に本当に仲間がいないことはよく分かった。
ワンピースは無駄に長いよな
把握の手間が尋常じゃないわりに、人気とかぜんぜんないし
早めに全員殺した方がよさそうだ
そういうこと言わないの。
キャラだけじゃなく支給品とかだってあるんだし。
それより予約きた。
俺も今ハヤテを読んでて、伊澄がめっちゃかわいいと思ったんだが…orz
死者スレの犬耳で我慢するぜ!
そしてきた新予約。咲夜逃げてー、っていうかユッキーも逃げてーw
>>123 それ、ただの粘着荒らしだから触れちゃ駄目。
>>123 でもストーリー物で、50巻越えてんだぞ?
それで面白いならまだ読めるけど、糞みたいにつまらないし
あんなの把握するのは苦痛でしかない
企画を成功させるためにも、早めに殺しとくべきだよ
>>126 お前無駄に文章なげーよ
何を言いたいのか把握するのが困難だから一行にまとめろ
>>127 ワンピースは企画の邪魔だからさっさと殺すべき
てかさ、四行くらいの文章が読めなくてどうすんの?
ここSSスレだよ?
参加するにはもっと長い文章を読まなくちゃいけないんだよ?
お前○にもいなかった?
荒らしは構うと調子に乗るぞ、スルーだ
131 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/17(日) 18:09:16 ID:ymRzDSsG
これだからワンピ厨とかアンチワンピ厨とか言われるんだよ
お前らもっと落ち着けよ
ワンピースが把握困難云々とかどうでもいいじゃん
こんなことに熱くなって馬鹿みたい
どうでもよくはないだろ
誰も把握してないキャラがいたら、停滞の原因になるんだから
ID:XM6KItVj
じゃあ、殺せばいいじゃない。 自分でSS書いてさ、ワンピース勢全員死亡させればいいじゃない。
文章力についても展開についても非の打ち所が無い、『ワンピースのキャラが死んだ』という点においてしかNGが出せないような完璧な作品を作ればいいじゃない。
お前はワンピース勢のキャラが減らせて嬉しい、俺は企画が進んで嬉しい、両者が得して万々歳じゃないか。
むしろ何で今までそうしなかったんだ? 素晴らしいアイデアじゃないか、今すぐ実行に移すべきだよ。
さあ、予約スレに予約宣言をしてくるんだ。 そしてSSを投下してくれ、楽しみにしているから。
そんな簡単に言うなよ
非の打ち所がない、完璧な作品なんて、そうそう書けるわけないだろ
普通に読んでる奴が多いから問題ない
マイナー漫画とかのほうが大変だよ
魔王なんてサンデー買ってる俺でも把握してねーよw
ところどころ読んでるから歯抜けの知識はあるけど、なおさら読む気にならなくなる
そういやサンデー多くね?
ハヤテ、うしとら、魔王、金剛、うえき
三分の一か
ID:XM6KItVj
いやいや、そんなことないって。 お前なら出来るよ、きっと。
というか、書かなきゃ何も始まらんぜ? ワンピース勢が何時までも残り続けるかもしれんのだぜ?
お前もそれが嫌だからさっきから早く殺そう早く殺そう言ってるんだろ?
だったら、早く死亡SS書いて間引いていきゃいいじゃないか。 何を迷う必要がある、やっちまえばいいんだよ。
>>135 何を根拠にそんなこと言ってんだ?
ワンピースなんて長いしつまんないし、ちゃんと読んでる奴がそんなにいるとは思えない
今日本で一番売れてるだろ
たぶん
お前みたいな粘着も発生するくらいだしな
どうでもいい空気漫画ならお前みたいなのは出てこない
相手するなと言われても相手し続けるバカは何なの?
>>136 おいおい、買い被りすぎだって
俺はホントにそんな大した人間じゃないんだ
>>137 だから、こんなところで愚痴ってる暇があるなら早くワンピース勢の死亡SS書いちゃえってば。
バトロワなんて参加者が死んでナンボだろ? だったら死亡SS書いたって責められる謂れはないじゃないか、企画進行に貢献してるんだし。
>>140 俺もwktkしながら待つ事にする、さあ予約スレにGO!!
俺もサンデー多いなぁって思った。というか、マガジン0ってのがビックリ。
全体としては少年誌、青年誌、古いの新しいのとバランスよいかな、って思うけどね。
まさかゴルゴム仕業か! 許さん!!
そんなことより巨乳大好き
これってワンピキャラ殺すの難しくなったかな?なんか牽制っぽい
ところでこういう毒ってどこで吐けばいいんだ?
毒なんて極力吐かない方がいい
自分の中に留めとけ
>>147 別に気にせず殺してしまえばいいと思うよ?
さっきも言ったけど、バトロワなんて参加者が死んでナンボの企画なんだし、なにより死は平等に与えられるべき。
生存ロックだのフラグだの牽制だの、気にせずに殺し時だと判断したらサクッと殺っちゃえばいいんじゃないかな。
無理がなければ問題ない
むしろドンドン殺すべき
>>151 予約マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
相手すんなってのになあ
…自演か?
だから触れちゃダメだって言ったのに。
ワンピースは人気ない、人気ないって主張しまくる癖にその根拠も示せないイタイ子なんだから、無視するしかない。
とりあえず言えることは、
「ワンピース勢のキャラが登場して、そのキャラが死亡しない」ssが書かれた場合
贔屓だ、破棄しろ、としつこく書き込んでくるだろうからスルーしましょうってことぐらい。
こいつは破棄しろとかは言わないな
たぶん牽制だろう
じゃあ俺が予約するよ
らんばだだばどぅどぅ!
まさかゴムゴムの仕業か! 許さん!!
各キャラでどの辺読めば把握できるとかある?
ルフィとサンジは、1巻と6〜8巻読んで他のキャラのトコ読んでれば自然に把握できる。
ボンちゃんは17〜23巻まで読めば大丈夫。ロビンは30〜40巻くらいのとこが大事じゃなかったかな?この辺持ってないから忘れた。
まぁそういう意味ではうしとら全部読破するのと同じくらいの労力なんじゃない?
全部読むにこしたことは無いけど…
160 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/18(月) 01:51:14 ID:S46eUq1S
地図の現在位置からワンピース勢が消えてる...。
あのね、一応言っておくけどあの地図自動的にアクセスログ取るからね。
管理者さんはenter_log.txtから「deleteCharacter.cgi」で検索して該当のIPをホスト名変換→出てきたISPにログ添付して抗議メール。
私の管理しているサイトが御社の利用者によってこれこれこういう被害に遭いました、然るべき処置と結果のご報告をお願いします。
これだけ。超簡単。
ウチの地図でやらかした方にはちょっと社会的に痛い目を見てもらったけど、軽い悪戯だからと流してくれる管理人さんだといいねえ。
そのくらいだとたぶん注意メールが来るくらいだな
2chで規制されたりすると被害者多数だから退会処分になるだろうけど個人サイトじゃ
さほど巻き込まれる奴もいないだろうし…
まぁ本人は規制されたら嫌だろうけど
別にワンピースだしどうでもいいじゃん
そうだな
ワンピースだしな
http://newmangabr.hp.infoseek.co.jp/enter_log.txt マジだ。ご愁傷さま
deleteCharacter.cgiってのが多分キャラ削除。
IPアドレスは61.44.81.243
ホスト名は243.81.44.61.ap.seikyou.ne.jp
<tr>
<td>2009/05/18 00:49:04</td>
<td>/cgi-bin/deleteCharacter.cgi</td>
<td></td>
<td>Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB6; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)</td>
<td></td>
<td>61.44.81.243</td>
<td>Keep-Alive</td>
<td></td><td></td><td></td><td></td><td></td></tr>
<td>STDIN</td>
<td colspan=11>charaId1242568007006</td>
</tr>
その上の人じゃね?
4キャラ削除後1キャラ追加して保存して、その人は追加されてるキャラ削除してるだけじゃん
つーか管理人でもないのに下手な事しないほうがいいんじゃないか
wikiに管理人とかいるのかどうか知らんけど
関係ない人晒しちゃったってこと?
すまん、自重する
無関係どころか荒らしが勝手に加えたのを削除した善意の人だろ?
迷惑かけたらどうすんだよ
まことに申し訳ありませんでした。
いらんことすんなよ……
マイナーとか長編ものは○巻読んだらこのキャラが把握できるとかない?
一度書いてみたいんだけど……
書くんだったら全部通して読んだほうがいいんじゃね
未来日記ひだまりスケッチ魔王金剛番長辺りが短くて把握しやすいと思う
あとは全部10巻以上ある…
>>161 何かしなきゃだめなの?
正直わからないのでゴメン
>>174 しなきゃいかんというわけではないけれど、
>>161をすれば故意にデータを消した荒らしに一種の制裁を加えることができるってところか、要約すると
まあ、そこら辺は地図氏に任せるぜ
自分は何もしなくとも、IPはログから読めるみたいですね……
したらば&wiki両管理人に対応をお任せします
*.kbn.ne.jpだよね。
KBN(香川テレビ)のケーブルテレビ部門。
とりあえず管理人諸氏は上記ホストに注意されたし、と。
ユッキー、咲夜、由乃、グリード投下します。
お手すきの方がいましたら支援してくだされば幸いです。
ユッキーのにおいがするよ。
***************
カタカタと、今にも震えそうな手をぎゅうっと握り締める。
今にもくずおれそうな脚を精一杯踏みしめ、どうにか今ここに立っている。
それを顔や仕草におくびも出すことなく、笑顔を振りまいてはノリよく立ち回り、ドツいてみせる。
精神は全く萎みきっているのに勝手に肉体がそんな事をする様は、まるで人を模したロボットを眺めている心地になる。
口を半ば開いて、エッエッと気色悪い声でも出してみればそれっぽいだろうか。
そんなことを考えても苦笑すら出てこない。
人が死んだ。
人が死んだ。
人が死んだ。
人が死んだ。
……生まれつき自分は特別な存在であり、非日常を日常とする類の存在である。
それは増長でも思い込みでもない厳然たる事実だ。
金がある。
ただそれだけのことではあるが、金持ちという人種は間違いなく一般人ではありえない。
それを否定する事は、金持ちではない人間に対しての嫌味でしかない。
金持ちだから、普通の人よりは命を狙われる理由がある。
そして、少しばかりは覚悟だってしていた。
だが、それでも――。
自分はごく普通の感性を持った、人間だ。
友人達に比べてもそれなりに常識を持っているつもりの人間なのだ。
これは恐怖だ。
目の前で人が死んで、殺し合いを強要されて。
いつ周囲から殺意に塗れた銃弾が飛んでくるかも定かでない。
命を狙われる理由がある――、その程度の状況などとは比べ物にならないデンジャーゾーン。
いや、比べる事自体が間違っているのだろう。
凶器と狂気に溢れる戦場に放り込まれる覚悟なんて、最初から持ち合わせてはいない。
命を狙われる事が怖い。
そして、命を奪わなければいけないかもしれない事がとても怖い。
今にも目の前にいる少年の背中に鉛玉をぶち込みたくてしょうがなくなる衝動に駆られる。
気を許して漫才のようにどついた途端、少年が変貌する。そして気づかぬ間に心臓にナイフを突き立てられている。
酷い妄想だ。
だが、その妄想が頭から離れなくって、すぐにでも銃に手を伸ばしたくなる。
たったひとつのいのちを、まもるために。
でも、恐怖の一員のはずの少年がいるからこそ、自分を保てる。
たった一人でもいいから自分に殺意を抱かないものがいるという、そんな事実に安堵したい。
自分を殺そうとしていない相手なら誰でもいい。
たまたま少年がそれを証明してくれているから、怯えを顔に出さずについていく理由をでっち上げた。
疑心暗鬼と藁にも縋る一心の鬩ぎ合い。
そんな思考をしてしまう自分が怖くてしょうがなくて、だからこそ空元気でも明るくいつものように振舞い続けるのだ。
結局のところ。
愛沢咲夜は一般人ではないけれど。
本当に、ごく普通の少女なのだ。
決して超人なんかじゃない、ふつうのひととおんなじからだとこころを持つ、少女なのだ。
***************
名簿は第一放送までその内実を見せる事はない。
即ち、誰がこのデスゲームに巻き込まれているのか、参加者たちには知る事ができないのだ。
いや、正確に言い直そう。
大多数の参加者たちには誰と殺しあわなければいけないのか、それを知る手段がないのだ。
逆に言うなら、手段さえあればそれを知る事は可能なのである。
それは長い間の絆によって育んだ阿吽の呼吸であったり、あるいは肉体的特性であったり、はたまた研鑽し身につけた技能であったりと様々だ。
尤も、知る事のできるのは面識のある誰かのみで、全容を知る事はできないというのが殆ど――あるいは全てであるのだが。
ここにも、その一人がいる。
エドワード・エルリック。
アルフォンス・エルリック。
ロイ・マスタング。
ウィンリィ・ロックベル。
あの沈黙と暗黒に満ち満ちた聖堂の中で彼ら四人の存在を知覚できたのは、気配を探るスキルを持っているからに他ならない。
グリード、と、今はそう名乗る男の中に伏臥するリン・ヤオ。
彼のその技術は人ならざる身ですらその輪郭を捉える事を可能とする。
『……おイ、グリード。あの会場に居た化け物連中には気をつけろヨ?
ホムンクルスのお前さんですら霞むヤバい奴らが何人も巣食ってるのは事実なんダ』
思い出しただけで怖気のする、異常な気配。
例えば、圧倒的な存在感の狐の女。
例えば、鋭利な刃を思わせる創造と消滅を司る男。
例えば、いかずちと炎を使役する不滅の妖。
確かにグリードはホムンクルスであり、再生能力や最強の盾といった力は人の域を超えている。
反面、リンの身体を素体としているが故の枠組みというものも存在する。
そしてまた、彼の核たる賢者の石とて限界はあるのだ。
こう言ってしまうと矮小に感じられるかもしれないが、ホムンクルスは人間の枠組みに納まる者でも打倒可能な存在なのである。
そう、絶対的な実力差というものは、確かに認めなくてはならない。
とはいえ――。
「知った事かよ。俺は俺のモノに手を出した奴にゃ容赦しねえ。
どんな手を使おうとも、な」
強欲は決して、ブレる事などない。
それこそが彼の在り方なのだから。
やれやれ、とリンは嘆息し、仕方ないとばかりに話を切り替える。
『……デ。どうすル?』
リンの意識が指し示すのは、自分たちの来た道の後方。
そちらから二つの気配が自分たちを追うかのように後に続いている。
おそらくはアレが原因だろう。
タカマチとかいう女の拡声器による自己アピール。
何となく、いい女だな、とグリードの勘が働いた。
当初の予定からして病院に向かうつもりではあったが、あんな真っ直ぐな事を喚く女を見逃して失うのも惜しい。
自分の居場所を知らしめるなど自殺するようなものだ。
さて、それ故に早く病院に向かいたいのだが後ろの連中をどうすべきか。
リン曰く強い気配ではないとの事だから、交戦しても問題はないだろう。
しかしだからこそ、自分の部下を増やすいい機会かもしれない。
手足は多い方が絶対に有利だし、自分の欲望を満たす事もしてくれる。
「結局病院でぶつかる事になるだろうしな、だったらここで拾っとくぜ」
『了解。まあ、弱者を保護するのは王の務めだしナ、異論はなイ』
“二人”は特に意見がぶつかる事もなく、自分たちから出向く事に同意を重ねる。
きっと、それが最大の判断ミスだったのだろう。
***************
――幸か、不幸か。
天野雪輝という少年は、普通の少年とは既に言いがたい領域に踏み込んでしまっていた。
異常で異質で異端な存在である我妻由乃という少女と長く共に居すぎたために、いささか感性が麻痺してしまったのだろう。
あるいは麻痺などではなく変容であるのかもしれない。
変化は不可逆であり、もう元の彼に戻る事はない。
良識はあるし、人殺しへの忌避感だって残っている。
由乃とは違って一人に執着することなく友達を大切にするし、たとえ敵でも殺さないに越した事はないと考える。
だが、それだけだ。
根本的な所で彼もまた、どこかがとっくにズレてしまっているのだ。
それは彼の行動の節々に現れている。
容赦もなく、雨流みねねの眼球にダーツを突き刺したり。
躊躇いなく、春日野椿を葬ったり。
――由乃が来栖圭吾を撃った時、彼の安否より何より由乃を止められなかった事を嘆いたり。
要するに。
我妻由乃を好きになったことを自覚し、一度は彼女を受け入れた雪輝が異常でないはずがない。
たとえ一見、彼が常識人に見えたのだとしても。
実に分かりやすい事だ。
その意味では今の雪輝は愛沢咲夜と正反対だと言える。
確かに一見怯えているように見えるし、実際もその通りだ。
だがその実、それは彼の本心であって演技などではない。
あまりにも自然に怖れを表に出し、なおかつ冷静に事態を捉え、考えてしまっている。
雪輝はそのどこか冷静な頭で考える。否、再度確認する。
自分たちはこれからどうすべきか、と。
咲夜と出会った当初は、自分達がどこにいるかも分からなかった。
当たり前だ、突如森に放り込まれてそこがどこか特定するかなど、地質学や地図学、あるいは天文学と言った知識でもなければ不可能だ。
今ここに雪輝の未来日記――無差別日記があれば、未来の情報を確認するだけで場所はすぐ分かるのだろう。
だが、7thの戦場マルコと美神愛に奪われたのをせっかく取り戻したにもかかわらず、無差別日記はここにはない。
要するに雪輝の身ひとつでこの殺し合いをどうにか切り抜ければいけないのだ。
だから、とりあえず北を目指す事にした。
コンパスがある以上は北の方向を間違えることはない。
後はランドマークや海岸線などに突き当たりさえすれば、大体の場所は分かるだろう。
その途中で小川にぶつかった。
地図の等高線の傾きと方角、小川の位置を照らし合わせ、ようやく自分たちが島の北西にいることを把握する。
そこから二人で話し合った結果、病院に向かう事にした。
医療品はあるに越した事はない。
……その決断をして、歩を進めた矢先だった。
拡声器のような物を使ったのか、人を呼ぶノイズ交じりの声が耳に届いたのは。
あまりにもあからさますぎるそれは、罠かもしれない。
普段の雪輝は決して勇敢ではないが馬鹿ではなく、学習能力はしっかり持っている。
以前、6th――春日野椿に騙された時のことを思い出す。
下手に信用してしまう事は、殺し合いの場では致命的な隙にもなりかねない。
慎重を期してノコノコ出て行くつもりはない。
とはいえ、知り合いがその場に来るかもしれない。
可能性を捨てるのは愚かであり、少し離れたところで様子を見よう。
それが雪輝の出した結論であり、同意した咲夜もその通りに動くはずだった。
「おうお前ら、動くなよ」
――唐突に、背後からそんな声が聞こえてくるまでは。
***************
「クク、クククハハハハハ、ハハハハハハハハ……!
ハァハハハハハハッ! ハッハハハハハハッ!
ハッハッハッハッハッハッハッハァァ……、ハーハハハハハハハハッ!」
「ちょ、兄ちゃん少し落ち着け。
ウチらの居場所バレるっちゅーの。
つーか、今の話オモロいとこあったか? ウチのツボにははまらんかったがな」
――馬鹿笑いするグリードという男と、それに茶々を入れる咲夜。
そんな二人を雪輝は少し離れて見て、嘆息する。
「……やっぱり、信じられないですよね」
自分の経験してきた非日常など、信じる人の方が珍しい。
当然か、デウスや未来日記の存在など自分だって最初は妄想だと疑っていたくらいなのだ。
秋瀬或のような異才の持ち主や、日向とその友人まおの様な日記所有者の関係者ならともかくとして、
高坂王子の様な普通の人には本物の未来日記を見せて初めて信じてもらえるのだ。
だが、これが事実なのだと理解してもらえねば――、
「信じるぜ」
「……え?」
目を見開く。
今、この男はなんと言った?
「テメエこそ信じられねぇかもしれないがな、俺もちと普通の人間じゃなくてよ。
……賢者の石って、知ってるか?」
それは、自分と異なる世界のお話。
グリードは言葉滑らかに己が知識を語っていく。
雪輝には錬金術師が跋扈しホムンクルスが暗躍するその世界が、あまりにも異質なものと思えたが――。
「……どう思うよ?」
「……信じます」
ニヤニヤ笑いを絶やさないグリードに、雪輝は真面目な顔でこくりと頷いた。
今まで散々非常識な出来事に遭わされ、その上に降りかかってきたこの殺し合いという厄災。
最早それらの全ては実在するという前提で動いた方がよほど安全というものだ。
隣では咲夜が胡乱な物を見る目でグリードを眺め。
――そして、一瞬だけ更に強い視線で、雪輝を横から見た。
その視線には、理解できない存在への恐怖が隠しきれていなかった。
「そうかよ……、ハハ、こいつは面白ぇなァ、ガハハハハハァ!
イイねぇ、実に幸先がイイ!」
笑みの掘りをより深く深くして、バシバシとグリードは苦笑いする雪輝の背中を叩く。
叩きながら――、とんでもない事を口にする。
「よぅし、いい幸先だな、本当に。
……ふんぞり返って見下ろすカミサマの椅子をぶんどって俺のモノにするには、なぁ」
「……え?」
絶句。
「欲しいよな、何もかも。……何もかもが!
神様の座か、最ッ高じゃねえかよ。そんな物があるなら何もかも手に入るじゃねえか。
女も! 金も! 権力も! 部下も! 何もかも……何もかもだ!
ガァッ……ハハハハハハハハハァ、決めたぜ!」
静かな夜の淵で、強欲の象徴は斯く告げる。
それはあの聖堂に招かれたときから内心思っていたことだ。
『神の座』が、譲ったり奪ったりできるものだというのなら。
「俺が次の神に成り代わってやる、今の神とやらを蹴落としてな」
「――――ッ!」
どうする、と雪輝は自問する。
まさか、日記所有者以外にそんな事を望む人間がいるとは。
ブラフではない、おそらく本気だ。
今回のゲームには神の後継者という褒美がない。
褒美がないとなれば、来須さんや6thの様にゲームに乗ってしまう人は少ないはず。
――甘かった。
そんな考えではどうしようもない、我道を進む行動理念の存在がいるとは思いつきもしなかった。
いや、由乃や12thの様な狂った人間が多く集められた前回のゲームを想定してしかるべきだったのだ。
まさか神の座の乗っ取りなど……、と、その『まさか』がいかに役に立たない事か。
まさしく、どうする、としか言いようがない。
それがいいことか悪いことかも判断できない。
理解できる事は唯一つ。
この男もまた、螺子がどこか外れた存在だということだ。
信頼できるかどうかも分からない、あまりにも多くの騒乱の種を秘めた存在だということだ。
そのトラブルメーカーとさえ呼べない暴風の因子は、さも当然であるかのように雪輝たちに誘いをかける。
「手前ら、俺の部下になれ」
ごくり、と、どちらかが唾を飲む音が響いた。
それが雪輝自身のものか咲夜のものか、それに注意を払えるような余力は今はない。
殺意は、ない。
だが、それ以外の何がしかの圧力が周囲に満ち、自分を押し潰そうとしているかのように纏わりついて離れない。
「悪ィ事にゃしねえさ。俺としても手足が欲しいんでよ。
……俺は強欲でな。俺のモノだっていうなら全力で守り通してやる。
金だろうが物だろうが立場だろうが、部下だろうがな」
確かに、悪い話ではない。
部下とは言っているが、その実自分たちを守ってくれるのは非常に助かる。
それに縋りたい気持ちも確かに存在する。
……だが。
本当にいいのだろうか、と雪輝は自問する。
このまま流されて手駒となって、それで本当に安全なのか。
6thの時や日向の時のように利用するだけ利用されて、捨てられるのではないか。
そして何より、この男が本当に神になってしまった場合。
それが、どんな影響を及ぼすのか。
不確かな未来は全く見通せない暗闇となり、雪輝に逡巡をもたらすのだ。
――幸か、不幸か。
天野雪輝という少年は、普通の少年とは既に言いがたい領域に踏み込んでしまっていた。
異常で異質で異端な存在である我妻由乃という少女と長く共に居すぎたために、いささか感性が麻痺してしまったのだろう。
あるいは、麻痺などではなく変容であるのかもしれない。
変化は不可逆であり、もう元の彼に戻る事はない。
だから、雪輝には不安を覚えるだけの――考えるだけの余裕が存在した。
そして彼と握手を交わした少女は正逆に。
「ええで。……ウチは兄ちゃんの部下になる。
それでほんまに……、ほんまに守ってくれるんやな?」
愛沢咲夜は躊躇いなく、その決断を口にした。
……違う。
躊躇うことすらできず、ただただ“力”に縋りたかった。
仮初の余裕など、一時すら考える間を与えてはくれなかった。
「おう」
ふてぶてしく、自信満々に笑う細い目の男。
胡散臭かったとしても、その姿が雪輝よりも遥かに頼もしく見えたのだから。
その瞳と体躯からは、確かに力の匂いを感じたのだから。
結局のところ。
愛沢咲夜は一般人ではないけれど。
本当に、ごく普通の少女なのだ。
決して超人なんかじゃない、ふつうのひととおんなじからだとこころを持つ、少女なのだ。
「あ……」
ぽかんと口を開けた雪輝の横を通り過ぎて、咲夜はグリードの側に立つ。
あちらとこちら。
あの世とこの世。
彼方と此方。
彼岸と此岸。
僅か数メートルの空間は三途の川となりて二人と一人を別つ。
どちらが彼岸でどちらが此岸なのか。
はたまた、どちらともが彼岸なのかどちらともが此岸なのか。
「愛沢さん……」
雪輝は困惑したまま、道を違えるでも同じ道に歩み入るでもなく立ち尽くす。
手を咲夜の方に伸ばそうとして、しかし口を噤んで考え込む。
それはある意味で、これまでの戦いを踏まえ雪輝が一人でも先を見据えて動ける程に成長した証なのかもしれない。
――だが、それは愛沢咲夜にとっては不気味なものとしてしか写らなかった。
咲夜は雪輝を説得しなければと思う。
説得しなければいけないと、強く感じている。
……だが、恐怖しているのだ。天野雪輝という目の前の少年に。
殆ど同じ年だというのに、あまりにも自然にこの場に適応している少年が理解できない。
この状況で、自分たちよりも明らかに大人で頼れそうな存在に縋りつかないその態度。
なまじ自分と同じ普通の人間に見えるだけに、その異常さが肌が逆向くほど際立って気持ち悪い。
グリードも異常なのは確かだが、その異常さがあからさまなだけにかえって納得し、信頼できるのだ。
「もう一度、だ。次はねえ」
「……そんな」
沈黙を続ける雪輝に、グリードが最期通牒を突き付ける。
雪輝はひたすらに、この男が本当に信頼に足るのか、そして神になっても平気なのかと何度も自問を続けている。
答えは出るはずもなく、ただ、せっかく友となった咲夜とここで離れ離れになるのは嫌だった。
「天野雪輝。……俺の部下にしてやる。さっさと来やがれ」
――また、雪輝を信じたかったのは咲夜も同じだった。
たとえ雪輝の中の何かを恐れたとしても、短時間の付き合いとはいえ雪輝という人間そのものを嫌いになることなど出来なかった。
情に厚いからこそ、こんなところで見捨てるような真似はしたくなかったのだ。
だからこんな言葉を叫んだとしても無理はないだろう。
誰だって彼女を否定する事は出来はしまい。
あああああ、嫌な予感がひしひしと…支援
「天野、ウチと一緒に来い! この人の物になるってさっさと答えちまえばいいやんか!」
そしてその言葉が直接の引き金となる。
状況をお膳立てしたのがグリードで、最初のドミノを倒したのが咲夜だった。
雪輝は、いつもと変わることなく傍観者だった。
いや、傍観者であろうとする台風の目だった。
***************
2:40
とうとうユッキーを見つけたよ! 愛の力だよね、大好きだよユッキー。
でもユッキーは怖い細目の人に脅されてるし、妙な女がユッキーをいやらしい目で見てる。
騙されないでユッキー!
私も隙を見つけたらすぐに加勢するからね!!
2:50
ユッキーがあの売女に誑かされてる!
悪いのはユッキーじゃない。
すぐになんとかしなきゃ。
***************
「ユッキーはぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあああぁああぁぁぁぁ……っ!」
轟、という音と共に、少女の脳天に向かって一直線に鉄アレイのような塊が飛んだ。
「お前らのものなんかじゃぁぁあぁ、なァぁあァァあぁアァァァああぁぁアァァいッッッ!!!」
夜空に真っ赤な花が咲く。
トマトが潰れるように、真っ赤な水がびちょびちょと。
『咲く夜』、などとよく言ったものだ。
……あとコンマ秒ですら反応が遅れていたら、そんな絵を見ることが出来たろう。
「……あ、あ……、あぁ……」
――カタカタと少女が全身を振るわせる目の前で。
片腕に黒い炭素の“最強の盾”を展開し、強欲の名の男がキョウキに向かって立ち塞がる。
『グリードッ、三時の方角ダッ!』
「させッかよォッ!」
全身全霊で、暴威に任せて猛進するキョウキを叩き落し、殴り飛ばす。
ごすり、とキョウキが地面にめり込んだ。
それを確認しようと目線を下げかけた、その瞬間。
「……ッ!」
更なる圧倒的な存在感で、疾風よりもなお早く烈風がグリードのすぐ側を駆け抜けた。
やられた、とグリードは歯軋りする。
グリードの横にあったはずのものが、消え失せている。
――支給品を含んだデイパック。
その中に入っていた、厄介なモノ。
振り向くまでもなく敵がそれを構えているだろう事を、理解。
怒りを隠す事もなく、ゆっくりと身体をそちらへ向けていく。
そこにいた一つの影は――、
「由乃――――!」
雪輝の声が響く。
そこにいるのは純粋ながら歪み切った意思を湛える一人の少女。
彼女が構えるは二丁拳銃というのも物々しい二丁機関銃。
それが牧師の掲げる十字の様に、しっかとこちらに向けてその咆哮を響かせようとしている。
「……テメェ。俺の部下に……、手を、出しやがったな?」
七大罪のうち、憤怒。
彼の司るそれではないにもかかわらず、グリードは確かに怒りを露わにしてただ吼えた。
たとえ出会って間もないとしても、彼の部下を傷つけた事を許すはずなどないと、その意思を滾らせて。
『グリード……、この女、普通じゃなイ! 体はともかく、精神が狂ってるにも程があル!』
そして咲夜は今度こそ、耐えられない。
今まさに自分を襲った少女に、不安を滲ませつつ叱責する口調で駆け寄っていく少年に。
不安と苛立ちの裏に、自分たちに向けるのとは比べ物にならない信頼と、隠しようのない好意を少女に寄せる雪輝に。
自分の命を狙った少女に対して、そんな接し方をする天野雪輝という少年が、あまりにも自分と乖離していると感じたが故に。
我妻由乃を平然と受け入れる彼を見た瞬間、咲夜の抱いていた怯えはあっさりと一度目のピークを迎えたのだ。
感情は決壊し、聖堂で人の死を見せ付けられた時から堪えてきたたくさんのものが一気に溢れて止まらない。
「あああ……あぁぁぁああああああぁあぁああああああぁあぁぁぁぁぁっ!
嘘やっ! 嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘や嘘やぁぁぁぁぁぁっ!
ウチ死にとうない、死にとうないぃぃぃ!
わぁぁぁあああぁ、わぁあああああああああああぁあ……っ!
嫌や嫌や嫌や嫌やぁっ、ウチも皆も死んでまう、なんでっ、なんでぇえぇっ!
たずっ、助けてぇ……、巻田ッ! 国枝ッ! さっさと来るんや、なにしてるんやあっ!」
少女の嘆きが望んだ者に届くことはなく。
「……部下は守るって言ったろうがよ……」
パニックを起こす少女に呆れたような目を向けながらも、賢者の石の顕現は一人確かにそう呟いた。
【D-3東部/森林/一日目/黎明(2:50)】
【グリード(リン・ヤオ)@鋼の錬金術師】
[状態]:健康、グリードの意識
[服装]:
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:自分の所有物を守る為、この殺し合いを潰す。神に成り代わる。
1:自分の部下(咲夜)を狙った由乃を許さない。
2:雪輝が部下にならず、由乃を庇うなら容赦しない。
3:病院に向かいたい。
4:目の前の少女の気配に威圧されている(リンの意識)。
[備考]
※原作22巻以降からの参戦です。
※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。
※咲夜を自分の部下だと認識しました。
※異世界の存在を認識しました。
【愛沢咲夜@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[装備]:違法改造エアガン@スパイラル〜推理の絆〜、鉛弾20発、ハリセン
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:人を殺す気はない……が?
1:由乃を受け入れた雪輝に恐怖(パニック)。
2:グリードに守ってもらう。
3:由乃に直接的な恐怖。
[備考]
※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。
※異世界の存在は疑っています。
※グリードの部下になることを承諾しました。
※一見明るく見えても、多大なストレスと恐怖を感じています。
そのため疑心暗鬼に陥りやすくなっています。
※グリードの足元に降魔杵@封神演義が落ちています。
***************
2:50
ユッキーがあの売女に誑かされてる!
悪いのはユッキーじゃない。
なんとかしなきゃ。
3:00
媚びてくるあの女を始末したらユッキーに怒られちゃった。
しかも、ユッキーと私に細い目の男が襲い掛かってきたよ。
ゴメンねユッキー、でも絶対由乃が守るから!
それと、怒ってるユッキーもかっこよかったよ。
3:10
ユッキーが男の攻撃でピンチ!
庇ったけど間に合わないよ、嘘でしょユッキー!!!!!
すぐにユッキーの仇を取ったけど、結局相打ちになっちゃった……。
グリードに2nd『我妻由乃』は殺される。
DEAD END
***************
言いたいことが、たくさんあった。
何はともあれ咲夜に攻撃を加えたことはしっかり注意しないといけない。
それに、7thとの戦いが終わった後にしようと思っていたとはいえ、父親との事だって相談したかった。
だけど現実は無情にも、目の前の出来事に対処しろと執拗に迫ってくる。
「ユッキー」
聞きなれた声と共に、ぱしり、と雪輝の手に携帯電話が渡る。
由乃は両手それぞれに機関銃を構えているからだろう、日記によるサポートは自分に任せたということだ。
……そして、その文面を見て絶句する。
雪輝には咲夜を狙ったこと以外で由乃を責めるつもりはない。
あの場で乱入してくれなければ、自分が流されて間違った答えを言ってしまったかもしれないのだ。
だから、その事に関してはむしろ感謝しているとさえ言えるかもしれない。
――たとえディスプレイに浮かんだ文字が、未来の希望を何もかも断ち切るものだとしても。
DEAD ENDフラグ――奇跡を起こさぬ限り回避不能の死を示す文面が、そこにはあった。
由乃が咲夜に攻撃したからこそ、グリードを激昂させた。
……そして、DEAD ENDフラグまでの予知が示すのはこの場にいる全員の死亡、まさしく全滅だ。
勿論、自分に渡す前に由乃はしっかりそれを見ている。
だけどそれにもかかわらず、由乃は本当に嬉しそうに。
……いや、真実嬉しいのに間違いない。
とにかく、自分と会えた事がそれだけ幸せなのだと、満面の笑みでこう告げるのだ。
「想いは、遠く離れてても届くんだよ。そして想いを無くさない限り、また会えるの」
届けたい、貴方に。伝えたい、この想い。
そう、風に乗せて。
こんな殺し合いの場に招かれてさえ、再た会えた事が想いの強さを示すのならば。
今度もまた、互いに手を取り合って絶対に生き延びよう。
それがあの塔で奈落に落ちかけた時、彼女を選んだ自分の選択だと、雪輝は強く強く心の中で頷いた。
未来は変えられると、この文面通りになるとは限らないと、自分は知っているのだから。
それを二人で成し遂げてきたのだから。
【D-3東部/森林/一日目/黎明(2:50)】
【我妻由乃@未来日記】
[状態]:健康
[服装]:やまぶき高校女子制服@ひだまりスケッチ
[装備]:ダブルファング(残弾100%・100%、100%・100%)@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式×2、ダブルファングのマガジン×8(全て残弾100%)、不明支給品×1(グリードは確認済み)
[思考]
基本方針:天野雪輝をこの殺し合いの勝者にする。
0:雪輝を自分のもの扱いした二人を許さない。特に愛沢咲夜を敵視。
1:ユッキーをサポート。目の前の邪魔者二人を排除し、ユッキーをこの場から生還させる。
2:この場を切り抜けた後ユッキーの未来日記に連絡し、現在の持ち主と接触。なんとしても取り返す。
3:ユッキーの生存だけを考える。役に立たない人間と馴れ合うつもりはない。
4:邪魔な人間は機会を見て排除。『ユッキーを守れるのは自分だけ』という意識が根底にある。
5:『まだ』積極的に他人と殺し合うつもりはないが、当然殺人に抵抗はない。
6:ミズシロと安西の伝言相手に会ったら、状況によっては伝えてやってもよい。
[備考]
※原作6巻26話「増殖倶楽部」終了後より参戦。
※ 電話の相手として鳴海歩の声を「ミズシロ・ヤイバ」、安藤兄の声を「安西」として認識しています。
【天野雪輝@未来日記】
[状態]:健康
[装備]:雪輝日記@未来日記
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
基本:ムルムルに事の真相を聞きだす。
0:由乃と早めに出会えて少しだけ安心。
1:由乃の制御。
2:DEAD ENDフラグを覆し、この場をどうにか生き延びる。
3:咲夜やグリードを死なせたくない。
4:拡声器を使った高町亮子が気になる。病院に向かいたい。
[備考]
※咲夜から彼女の人間関係について情報を得ました。
※グリードから彼の人間関係や、錬金術に関する情報を得ました。
※「雪輝日記」が使用可能になりましたが、能力自体に他の制限が掛かっている可能性があります。
※原作7巻32話「少年少女革命」で由乃の手を掴んだ直後、7thとの対決前より参戦。
※異世界の存在を認めました。
※未来日記の内容は行動によって変えることが可能です。
唯一絶対の未来を示すものではありません。
【ダブルファング@トライガン・マキシマム】
リヴィオ・ザ・ダブルファングの用いる二丁揃って一つの短機関銃。
しかも一丁が二つの銃を前後両方に発射できるように組み合わせた物であるため、実質四丁の銃を使用できるに等しい。
使い手の力量次第では片方を左右方向、片方を前後方向に向けることで四方全てを同時に射撃可能であるため死角が存在しない。
気配察知や直観力に長けた者が使うならば非常に強力な武装となる。
今回支給されたマガジンは八つと多めに感じる数だが、四つの銃口それぞれに個別にセットすることを考えると実質予備マガジンは二つである。
途中で規制に引っかかってしまいましたが、以上で投下終了です。
投下乙です!
咲夜はあくまで「一般人」、雪輝はやっぱりどこか壊れてるところがあるんですね…
その対比と、由乃とグリードの「執着」の違いも面白かったです。奇跡は起こるのか?
しかし、ほんの少し違う由乃と雪輝の参戦時期の違いがすごく不安にさせるなぁw
投下乙、だけど
ダブルファングは短機関銃じゃない
人体普通に貫通してて大口径のライフル弾使用してる
未把握だけど、どうせ機関銃として運用してないんだろうから小銃弾対応の魔改造短機関銃でいいじゃん
機関銃だと凡庸機関銃でも10+10で1丁約20kgになんぞ
トライガンは人外だからいいとしても、日記の人には使えなくね?
ダブルファングって原作描写だと、スペック的にどっちに近いの?
・短機関銃
イングラム(M10)のスペック→銃長だけで約30cm、重量約3kg、分間1280発、有効射程50m
・機関銃
M60のスペック
銃長だけで約55cm、重量約10kg、分間550発、有効射程1.5km
そんなことよりちゃんとした感想書きなよ、どれだけ失礼なことしてるか理解してる?
指摘はそれからの話。
投下乙です、このロワで珍しい一般人枠の咲夜の心理が秀逸でした!
そしてこの二人の早期合流は納得、やっぱり揃ってないと違和感がw
このデッドエンドフラグをどう覆すかが楽しみです。
そしてすぐ近くに不確定因子として流兄ちゃんが……、実に不気味だ。
感想書くかどうかなんて、個人の自由だろ
感想は書くものでなく書かせるもの
ダブルファングの作中描写からしてどう考えても拳銃弾の威力ではないな
アホみたいな弾痕残すしコンクリ壁フッ飛ばしてるし
そもそもあの世界の火器を現実のもん比べるのがムチャだがな
トライガンに出てくる銃はどれもこれも変態銃だからな…
形状は短機関銃が前後逆に二個くっついたような形
長さはトンファーくらい
それを両手に持って運用する
マルロワでも一般人に支給されて一丁ずつ持たされてるけど危なすぎて誰も使ってないw
投下乙
いや〜、グリードが神の座をどうこうって話を聞いたら、絶対こうなるわなw
にしても、由乃のイカレッぷりが中々だ。
愛沢も正しい一般人の反応で。
さてユッキーはDEAD END覆せるか?
投下乙です
未来日記の連中もよくいえば修羅場を潜ってきた連中、悪くいえば壊れた連中ですからねw
修羅場で鍛えられた雪輝と由乃の絆は清い部分もあるけど傍から見たら……なぁw
そしてデッドエンドフラグが立ったかw
投下乙
日記の内容だが「相討ち」って書いてあるが全滅とは限らないんだよな。グリード再生するし。
まあロワじゃ未来日記なんぞDEADEND表示しまくりで当てにならんだろうけどさw
まがれんさりむしゃぶんこむ!
あんまり詳しくないんだけど、由乃の未来日記ってユッキーが死んだ後の事もわかるの?
>>198 指摘ありがとうございます。
とりあえずトライガンのwikipediaを見ながら書いた文だったので、その辺りをそのまま持ってきてしまったようです。
今見たらwikipediaの方も該当箇所が修正されていましたし、後ほどロワのwikiに収録された時に、説明文の
『二丁揃って一つの短機関銃』を『二丁揃って一つのリヴィオ専用銃』に修正しようと思います。
差し替え版を仮投下スレに投下するほどの修正箇所でもないですし。
>>209 基本的には無理ですけど、雪輝日記であっても今回のように由乃のDEAD ENDフラグが立つ場合には由乃の死の経過が記されます。
逆に言えばおそらくそれ以外は無理かと思いますが、明言はされてなかったはずです。
……DEAD ENDフラグが立っているのは由乃だけで、雪輝には実は立ってないんですよね、今回のはw
>>200 指摘も感想の一部
それを縛ろうとするのはとても失礼なこと
>>202 書くかどうかなんてのは201の言うとおり個人の自由
あえて言うとすれば感想は「書かせる」なんてものじゃなく思うもの
>>201、
>>211 例えば貴方達が苦心して料理を作ったとしよう、それを食べた人が美味しかったとも、自分はこうした方が好みだ等の感想も言わず。
ただただその料理の悪い所だけを注意されたら、貴方達はまた料理を作る気になりますか?
そう言うのを作ってくれた人に失礼だとは思いませんか?
悪い所の指摘が妥当ならなんとも思わんな
難癖付けるのならともかく妥当な指摘を失礼だとは思わない
マナーとルールの違いな気がする。
そりゃ全体的な感想があった方が書き手にとってはありがたいんだけど、
指摘だけはダメとも言えない。それでフィードバックなくなったら書き手が困る。
まぁ指摘する時も感想はあるほうがいいね、くらいでいいんじゃない?
とりあえず、だ。
お前ら、そういうのは議論スレでやれ議論スレで。
ついでに、ぐだぐだ言ってる暇があったら感想つけろ。 何、もうつけた?
ならもっかい書け、水増しだと思われようが感想が多く来るのは嬉しいんだよ、書き手にとっちゃ。
というわけで、遅くなったけど
>>196投下乙
一般人と逸般人の差が如実に現れた1シーンだったなあ…つーか、我妻さんが怖すぎるw
トマトの描写は本気でビビッたよ…咲夜、生き残れてよかったね。 いっそこの場で死んでた方がマシだったかも分からんけどさ
とりあえず、グリードの旦那の健闘を期待したいが…何故だろう、肉体的スペックでは圧倒的に勝っているはずなのに不安が消えないw
>>ついでに、ぐだぐだ言ってる暇があったら感想つけろ。 何、もうつけた?
ならもっかい書け、水増しだと思われようが感想が多く来るのは嬉しいんだよ、書き手にとっちゃ。
流石にちょっと押し付けがましい気がするけどいいのかなぁ?
あんまそういう染みた風潮は書き手にも読み手にも負担になりそうな気がするけどどうなんだろうか
なにはともあれ投下乙です。
雪輝も殺されるDEAD ENDとはいえ、相打ちでグリードを仕留めることができた由乃に恐怖を感じてしまった…w
>>216 あんまそういう染みた=あんまそういう強制染みた
だw
218 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 10:42:54 ID:x+ol5AZw
ところで現在は把握とアイデアを煮詰めてる最中?
1度だけ宣伝あげ
ロワでヤンデレは強力補正かかるもんなw
書きたい箇所はあるんだが、戦闘確定で書けんw
苦手なんだよなあ……
右下書いた全員+地図作者が戦犯。
戦闘が駄目なら奇襲や罠だw
あとは虐殺でもOK。
>>219 由乃は愛するがゆえに病んだんじゃなくて狂人が偏執的な愛を注いでいるタイプだからヤンデレじゃないと思う。
ヤンデレ扱いされるのも仕方ないけど、微妙にカテゴリからズレてるんだよな。
まあツンデレが初期の定義から大分意味合いが拡散しちゃってるのと同じなんだろうけど。
雑談ネタとして振ってみるけど、今後の動向が楽しみなキャラやチームはいる?
>>222 そーなんだ、ロワ中じゃヤンデレ扱いされまくってるから…
このキャラの活躍を楽しみにしてますとか言うと殺されそうな気もするがw
銀さんと沙英の雰囲気が好きだわー
ひだまり荘面子の中じゃおねえさんぶってる沙英も銀さんの前じゃただの小娘
そのギャップがいい
銀さん20数年彼女いないってちょっw童貞かよw
原作中じゃそういう感じじゃないけどな、ただれた関係でもおkみたいな
次の放送でお互い大事な人間が死んだって知った時どうなるのか…
つーか
>>5の【書き手枠について】を読むとあと16枠あるっぽいけど
>>2-3を見るともう埋まってるっぽくも見える
70人で全部なの?
どう見てもただのテンプレ修正ミスです。
俺も銀さんが童貞とは思えないw
特定の恋人はいなくてもいろいろどろどろとした修羅場はくぐってそうだw
素人童貞か…
エドと聞仲が気になるなー
聞仲は参戦時期が面白い事になってるし、
エドはやっとの思いでレガートから逃げたと思ったらまた微妙に危険人物だし…
由乃はヤンデレだと普通に思ってた。そういわれると、確かにそうなんだなw
勉強になります。
229 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 22:19:37 ID:bwti7bjd
停滞
予約はいった!
lDtTkFh3nc氏がんばるなぁ、こちらも負けずに把握して書かねばな。
期待してます
未来日記7巻まで読んだ
8巻まだなのね
ほぼ半年もたってるのに
月刊ならそんなもんよ
あれ、地図から流兄ちゃん消えてる?
5/17に消した人がいるみたい。
うっかりミスで消したのか、画像差し替えのつもりで消したけど元に戻すのを忘れたのか、はたまた悪戯か。
元々画質も悪かったし、差し替えるつもりで忘れただけに一票……そうだよね。そうなんだよね?
17日っつったら、ワンピ消した奴と同じじゃないのか?
てか管理人とかから連絡ないけど、あいつどうなったんだ
アク禁くらいしたの?
>>235 画像って勝手に差し替えてもいいのかな?
正直、「これはちょっと…」ってのがちらほらいるから、いいなら差し替えたいんだけど
1) 管理人の立場としては
全く問題ない。でも、システム上差し替えるには一度消して元に戻さないとダメなので注意が必要。
2) 画像を貼った立場としては
自分の貼った画像が「これはちょっと…」で差し替えられるのは精神的につらい。
17日の奴はワンピと同じホストだよ……うん、そうなんだよ
流は戻しといたよ
オペラで見るとズレるのはどうにかならないの?
tp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E5%9E%A3
日本人が貞淑ってのは嘘だ
地図が……
しかしまぁマーダーいないな…
レガート(怪我)・ミッドバレイ・紅煉(怪我)・ゾッド・ロビン・白雪宮拳(動揺中)・マシン番長(損傷)
ステルス
秋葉流・ゾルフ・J・キンブリー
ユッキー次第
我妻由乃
ジョーカー
趙公明
7分の1か…
確かに少な目だが対主催と言い難い連中が多いから何とかなる
でもマーダー陣戦力的にはめちゃくちゃ高くね?
対主……催……?な奴がごろごろいるから無問題。
スパイラル勢とかナイブズとか封神勢とか。
でも、対主催(?)のとらと互角に戦えるマーダーがどれだけいることか……
>>246 紅煉、流は原作で互角に戦ってるよん
というか紅煉は単独だと圧倒してる…
>>246 普通に問題ない
紅蓮や流はそうだが、それ以上にゾッドやマシン番長、更にはレガートなんざいる
ナイブズなんか今はあんな心境だから怖い。
あんなボロボロの状態でもマーダーになったらヤバすぎ、てか終わる
投下まだかなあ…
遅くなりましたが、ナギ、サンジ、スズメバチ投下します。
寝ている間に見る「夢」は最高の娯楽であるといえる。
漫画やゲームのような非現実を、この上ない現実味を帯びて体験できるからだ。
夢を見ている間は、誰もがそれを現実と信じて疑わない。
ならば逆に考えて欲しい。
現実で漫画やゲームのような、夢のような状況に直面したら…
そこに現実味を持つことは出来るだろうか?
◇ ◇ ◇
「ナギちゃん…か、いい名前だな」
「そ、そうか?」
「あぁ、とても美しい女性……の名前に似ている」
コケッ、と効果音でも出そうなリアクションをとる少女。
これもとある関西出身の幼馴染の影響だろうか。
三千院ナギは、G-8にある旅館で出会った男と情報交換中だった。
「本当に美しいんだぞ。それはもう天女のように…いや、もはや天使と呼ぶべきか。
あ、勘違いしないでくれ、美しいだけじゃない。美しいのは間違いないんだが…
賢くて強い。航海術にも長けて、金銭感覚も素晴らしいし……あ、あと美しいな」
唯一見える右目をハートにし、聞きもしない女性の美しさを延々と語るこの男はサンジと名乗った。
「…ちょっと会ってみたい気もするな。いやそんな事より、さっきの話は本当なのか?」
ちょっとした誤解も解け、お互いの身の上話をした二人だったが、なにやらいろいろとおかしなことがわかった。
サンジは、麦わら海賊団という仲間たちのところでコックを勤めているという。
「偉大なる航路」という海を航海しながら、「オールブルー」という海を探しているのだとか。
他にもいろいろな体験談を聞いたが、その全てがナギには眉唾物であり…同時にとても魅力的だった。
「まるで、漫画みたいな世界じゃないか!」
子供のように(子供ではあるが)目を輝かせ、話を聞いてくるナギに対し、サンジは少し戸惑っていた。
「漫画ってのが何かは知らないけどな…俺にしてみれば君の話のが驚きだぜ」
ナギは大金持ちである。
そういう事はわかるらしいが、サンジは高校とかパソコンを知らない。
無論、ゲームやインターネットといったナギの趣味に関わる全般の知識もない。
ついでにガン○ムも知らなければウルト○マンも知らないし、同人誌も知らなかった。
「これは…パラレルワールドだな。間違いない!」
顎に手をあてたナギのつぶやきに、サンジが首を傾げる。
「パラレルワールド?」
「そうだ、いわゆる並行世界というヤツだな。自分達が住む世界とは別に、似てはいるが違う世界があるという話だ。
きっと私から見たらお前はパラレルワールドの住人なのだろう。ドラ○もんでは常識だぞ」
ふふん、と自慢げに語るナギのおでこに、サンジが手をあてた。
「な、何をする!熱などないぞ!!」
「いや、スマンスマン…まぁ空島の例もあるし、あんなモン見せられちゃな…信じない訳にもいかないか」
少し前に繰り広げられた悲劇を思い出し、サンジは自分が苛立ってくるのを感じていた。
気丈にもこの殺し合いに逆らったが為に、命を奪われた少女。
気高い素敵なレディだっただろうに…女性の命を無下に扱うこの殺し合いに対しての怒りが募る。
「こうしてる場合じゃねぇな…ナギちゃん、俺は君を守ると約束した。
だが他にも守らなくちゃ行けない人達がいる。君はこれからどうするつもりだい?」
サンジの問いに、ナギも改めて自分の行動方針を考えてみる。
これが本当に殺し合いだとして、なぜ自分が巻き込まれたか。心当たりがないわけじゃない。
ナギは三千院家の遺産がらみで何度も命を狙われている。
ここまで悪趣味なやり方をされた事は無いが、これがその関係である可能性は捨てきれない。
さすがにパラレルワールドまで絡んではその可能性も低いだろうが…
ともかく、自分は自宅で寝ていたはずなのだ。
そこからさらわれたとすれば、自宅にいた自分の使用人達が巻き込まれている可能性は高い。
その中にはもしかしたら、自分にとって特別な…最高の執事がいるかもしれない。
「私も何人か知り合いが巻き込まれている可能性がある。
メイドのマリアやペットのタマ…それに、執事のハヤテも…」
他にも一人くらいいた気がするが、今はとりあえずいいや。
「主として、私があいつらを見捨てるわけにはいかない。もしいるなら、探してやらねばな」
「いいね、強い女性は素敵だぜ」
サンジの褒め言葉に、胸が高鳴る。
「なら決まりだ。とりあえず名簿が読めるようになるまで、仲間探しといこう。
なに、危ないクソヤロー共は俺が残らず蹴り飛ばしてやりますよ、お嬢様」
大げさに礼をするサンジに照れつつ、ナギは自分の心臓の鼓動が速まるのを感じた。
ナギにだって恐怖はあった。だが、とある感情がそれを押し込めている。
これは、期待なのかもしれない。
日常の夜には想像もしていなかった、非日常な夜明けを迎えたのだから…
◇ ◇ ◇
とりあえず腹ごしらえを、というサンジの提案で二人は厨房にいた。
ロビーで旅館のパンフレットを拝借し、見取り図を入手したのだ。
さすがは一流のコック。サンジは厨房の冷蔵庫を覗き、なにやら考えている。
「ロクな食材がねぇな…ホントに宿泊施設かよ」
支給されたバックの中に入っていた食料は、どちらも質素な握り飯だった。
サンジに言わせれば
「愛情もなにもなく、力を込めて握った固いだけのシロモノ。塩加減も適当だし、こりゃホントに最後の非常食」
ということらしい。普段からいいもんを食べてる身のナギとしても、できるだけおいしいものが食べたかった。
彼は米やバター、それにワインとレモンなどを用意していく。
「待ってな、最高に上手いレモンリゾットをご馳走してやるよ」
ニッと浮かべた笑顔は、海賊とは思えない…まさしくコックの笑顔だった。
まずレモンを絞り、それからブイヨンを用意する。時間がないので固形のもので済ませた。
玉葱とニンニクをきざみ、米を洗う。米は炊く直前に洗わないといけない。
厚手の鍋でオリーブオイルを使いニンニクを炒めると、香ばしい香りが漂ってきた。
パチパチと良い音をたて、ニンニクが小麦色になったら玉葱を加える。
玉葱の甘い香りがしはじめたら、いよいよ米を投入だ。
透き通るような色になるまで待ち、白ワインを入れて更に煮詰める。
煮詰まったらブイヨンを足して、火を強めた。少し待てば米が炊ける。
米が炊けるまでの間、更に情報交換をした。
彼女の世界の話は驚きの連続で、ウソップの嘘がかわいく思えるほどだった。ルフィが聞いたら喜びそうだ。
彼女もまた、こちらの話に目をキラキラさせながら聞いている。
「偉大なる航路」「ゴールド・ロジャー」「王下七武海」……
こちらでは珍しくもない話を、夢物語を聞くように楽しんでいる。
「おっと、そろそろだな。味付けだ」
鍋に塩、胡椒、バター、たっぷりのレモン汁を加える。あとはパセリでもあれば最高だが…まぁ上出来だろう。
爽やかなレモンの香りが食欲をそそる。フンワリとした、レモンリゾットの出来上がりだ。
このメニューはサンジなりの気遣いだった。
このような状況…落ち着いているように見えるがナギとて相当参っているだろう。
加えて焼死体を見せられた後だ。肉料理なんてもってのほか。
さっぱりしていてどことなく安心できる料理。それゆえの、レモンリゾットだった。
「うむ、これは美味しそうだな」
普段からおいしい料理を食べているナギに、ありあわせの食材でここまで言わせるのはさすがといったところか。
「皿の用意をして、っと…皿もロクなもんがねぇな。クソレストランの方が百倍マシだぜ」
しかし食器の準備に少し目を離したほんの一瞬…そこで悲劇は起こった。
「よしよし、んじゃさっそく…って、何いれてんだーーー!?」
目の前にはファ○リーピュアを鍋に注ぐ、ナギの姿があった。
「え?いや、隠し味にと思って…」
目の前の少女が浮かべる素敵な笑顔。
その笑顔の前に、女好きなサンジの怒りは揺らぎ…
「…そ、そうそう!これを加えると爽やかな香りがこう、キュキュっとね……
って違うわーーー!!!!!」
思わずノリツッコミしていた。
「これは洗剤!食べるものじゃないの!」
「な、違う!よく見ろ、これはハーブの香りの油だ!」
そういって突き出された容器には、ハーブの絵と共に「油汚れを落とす」と書かれていた。
「……そうじゃなくて、ハーブの香りの植物性洗剤だ!」
「なん…だと…?」
冷や汗を浮かべ、じっくりとファ○リーピュアの容器を見直すナギ。段々顔が強張っていく。
終いに虚閃でも放ちそうな表情を浮かべて、叫び返した。
「うぅ…そ、それくらいなんだ!ハヤテはマ○レモン入りのおかゆを残さず食べたぞ!」
「そういう問題じゃない、ていうか前にもやった事あるのか…」
語気を強めていたサンジは、そこで段々潤んできているナギの瞳に気がついた。
「……う、ぐす……すまん、私のせいでせっかくの料理が台無しだな…
昔ハヤテにも同じようにヒドイことをしていたのに…どうして私はこうなんだろう…」
女性を泣かすのは、最低の男だと心に刻んで生きてきた。
サンジの感情スイッチが、憤りから一気に後悔へと切り替わる。
「……悪かった。一生懸命手伝ってくれたんだもんな、泣かないでくれよ。作りなおしゃ済むことさ。
それにきっと、それを食った奴は…君の心遣いが嬉しかったんだよ」
ファ○リーピュアを握ったままのナギの涙を拭い、サンジが謝罪する。
ナギも少し笑顔を浮かべ、「そ、そうか」と呟いた。
「…いい仲間がいるんだな、ナギちゃんにも」
「あぁ、自慢の執事だぞ!マリアやタマに、伊澄に咲夜…ヒナギクも」
少女の笑顔を取り戻せたことに安堵し、サンジは台所に向きなおした。
鍋の中のレモンリゾットは横に退けて、新たに作りなおすことにする。
もったいないが、さすがに食べるわけにはいかない。普段なら男共に食わせるのだが…
ふと、そこでサンジが背後の気配に気がつき振り返った。厨房の入り口に誰かがいる。
状況が状況なだけに、否応なく高まる緊張感。
「…誰だ?俺の料理の匂いに惹かれたかい…?」
サンジの質問に答えるように、ドアの影から侵入者が姿を現す。
ゴスロリファッションに身を包んだ……とてつもない美少女だった。
予想外の人間の登場に、二人とも少々面食らう。
「蜂……蜂……とんで来た……」
人指し指を口唇にあて、物憂げな表情を浮かべて呟きだす。
ちょこんとスカートを掴む仕草が妙に似合った。
「頭の用心……御用心……」
見た目通りに幼く、なのに見た目からは考えられないくらい妖艶な声。
「下駄ぬいで投げろ……投げても駄目だ……」
サンジが半歩前に出る。ナギを庇うような形で少女と相対した。
「頭の用心……御用心……」
奇妙な威圧感。
まるであの生物と出会った時のような、特殊な焦りと恐怖。
大きくもなく、鋭い爪や牙を持つわけでもない。
小さな小さな…だがこの上ない危険を隠し持つ飛翔生物。
「蜂……蜂……とんで来た……」
少女の名は、スズメバチ…
「な、なんなのだ、お前は!」
サンジの影から、ナギが叫ぶ。彼女なりに相手の危険性くらいは察知していた。
ス…と少女が自らのスカートを捲り上げる。
「なな…は、破廉恥だぞ!」
赤面するナギに対して、サンジは息をのみ明らかな期待のまなざしを向ける。
そんな二人の目に入ってきたのは、綺麗なふとももに描かれた二匹の蜂のタトゥー…
さらに困惑したナギがつぶやく。
「は、蜂…?」
「そう……蜂……」
少女の頬は微かに赤く染まっている。
それがたまらなく妖艶で……不気味だった。
「……スズメバチよ!!!!」
言うがはやいか、表情を激変させフワリと舞い上がる少女。
鍛え上げられた足が、ナギ目掛けて振るわれる。
「あぶねぇ!!」
とっさにサンジが突き放し、ナギは身をかわす事が出来た。
しかし少女は止まらない。一端着地し、再び舞い上がる。
嬉しそうな笑みを浮かべていた。だが、それは決して可愛らしいものではない。
背筋の凍る様な狂気を笑顔に貼り付けて…摘んだスカートをヒラヒラとなびかせる。
「う、うわ!」
「させるか!」
サンジがナギの顔面目掛けて振るわれる蹴りを自分の足で受け止める。
そのまま押し返し、彼女をナギから引き離した。
少し驚いた表情を浮かべる少女。
「兄様、強いのね」
「…お前、何が目的だ」
至近距離でにらみ合う二人。
少女が心底楽しそうに、残虐な笑みを浮かべる。
「私はスズメバチ。目的は…そうね、今はこの遊びを楽しむことかしら」
遊び、とは殺し合いのことだろう。サンジは直感的にこの少女の危険さを理解した。
「ナギちゃん、逃げろ!どこかに隠れるんだ!」
スズメバチが飛び上がり、その両足が今度はサンジを狙う。
身を低くして攻撃をかわしつつ、ナギから離れるように誘導する。
「お、お前ひとり置いていけるか!こ、このーー!!!」
ナギが手近にあった食器をスズメバチの顔面目掛けて投げつける。
しかし食器は「すりっぷ」と、嘘みたいな音をたててあらぬ方向へと飛んでいってしまった。
「なっ…」
「これは…まさかスベスベの実か!?なんでこう悪魔の実がいくつも…」
未知なる能力に驚くナギと、知った能力に戸惑いを見せるサンジ。
そんな二人の状況にお構いなく、スズメバチは追撃をかける。
「不思議な実の力で私にそんな攻撃は効かないの。
うふふ…いいわぁ二人とも、とってもいい表情ね……楽しくなっちゃう!」
「どうして反撃しないのだ、サンジ!お前は強いのだろう!?」
確かにサンジは先ほどからスズメバチの攻撃を紙一重でかわしはするものの、攻撃しようとはしなかった。
サンジは苦い顔を浮かべるばかりで答えず、二人はお互いに踊るように攻撃と回避を繰り返す。
(埒があかねぇ…とりあえず組み伏せるかなんとかして、動きを止めるっ…)
サンジはそう判断し、相手の攻撃が空振った瞬間に距離を詰める。
「キッチンで暴れんじゃね…ぇ…?」
しかし、そこでサンジの時間がピタリと止まる。
スカートを舞い上がらせたスズメバチが開く足の間で、妙ちきりんな体制のまま停止することコンマ数秒……
それはすなわち、神秘の世界との邂逅の瞬間。
眼前の光景にサンジは、漫画のように鼻血を噴出させながら仰向けに倒れた。
「さ、サンジ!?」
なんの攻撃を受けたのかわからないが、鼻血で弧を描いて倒れるサンジに駆け寄るナギ。
スズメバチは着地し、楽しそうに見下ろしていた。
サンジはなぜか幸せそうな顔を浮かべている。
「ど、どうしたのだ?きゅ、急に鼻血が…」
「お、俺は桃源郷を見た…も、桃ばかりか他のものまで…」
「う…なんだかよくわからんが、もういい…それ以上喋るな…」
詳しくはわからなかったが直感的に最低なことだろうと悟り、ナギは追求をやめた。
なにより、そんな場合ではなかったからだ。
「うぶで紳士な兄様…遊んであげたいわ」
またしてもスカートを摘み、戦闘体制に入るスズメバチ。その下には桃源郷があるわけだが…
笑顔に浮かんだ狂気が、そんな下世話な想像をかき消す。
(ヤバイ!!)
追い込んだとスズメバチが確信し、サンジも焦りを覚えたその時…
「え…?まさか!?」
そこで突然、ナギとサンジの姿が見えなくなったのである。
忽然と姿を消した二人に混乱するスズメバチ。
周囲を見渡すも、この厨房には隠れるような場所は無い。
出入り口も彼女が使ったもの一つだけ。換気扇などが開けられた様子は無い。
いなくなるはずが無いのに…と、混乱が増す。
軽く舌打ちすると、彼女は唯一の出口から素早く厨房を飛び出した。
「な、なんとかごまかせたようだぞ」
先ほど姿を消した場所から寸分たがわぬ位置に、ナギとサンジが姿を現した。
二人はどこかに逃げたのではなく、ナギの「スケスケの実」の能力で姿を消していたのである。
「スケスケの実」の能力は本人のみならず、触れているものまで透明に出来る。
それによって絶体絶命のピンチを脱したのであった。
「悪い…助かったぜ」
バツが悪そうにサンジが答える。
「倒れた理由は、き、聞かないでおくが…なぜ反撃しないんだ?あれでは絶対に勝てないぞ?」
「俺は…女は蹴らねぇ。そう叩きこまれて育ったし、俺の中の騎士道精神が許さない。
これだけは…死んでも出来ないんだ」
サンジの発言に、ナギは黙る。
彼が適当に言ったのではなく、真剣だというのが表情から伝わってきたからだ。
「…まぁ戦うのは無理だが、ある人のおかげで1つ学んだ。こういう時は逃げるが勝ちさ」
サンジはそう告げながら立ち上がった。
幸い相手はこちらを見失っている。この場は撤退が賢い判断だろう。
「ダメだ!」
しかし、予想外の発言によってそれは妨げられる。
「あんな危険なヤツ、野放しにしていたらどうなるか…誰を襲うかわからないぞ!
もしお前や私の仲間たちが襲われたらどうする?」
押し黙るサンジ。自分の仲間はまぁ大半が問題ないだろうが…
それでもナミさんやウソップ、それにナギの仲間などに関しては保障出来ない。
だが、それでも今は逃げるべきだと思った。
自分が戦えないのもそうだが、掴み所のない相手への警戒…そして何よりナギだ。
先ほどは確かに彼女の「能力」に助けられた。それは認める。
しかし、あくまで彼女は戦闘の素人。いくら特殊な力があってもそうそう戦えるものではない。
だが、今の彼女の目…キラキラと輝くその目には、やる気が満ち溢れている。
それが逆に危険な上に…彼女を止めるのを難しくさせていた。
「仕方ねぇ…なんとか方法を考えるか」
◇ ◇ ◇
旅館の暗い廊下で、サンジとスズメバチが攻防を繰り返していた。
いや、正確には一方が「攻」を繰り返し、もう一方が「防」を繰り返している。
無論、守りに徹するのがサンジだ。
これは彼のポリシーのみならず、ある作戦の為でもあった。
『いいかい、奴はおそらく君と同じ悪魔の実の能力者。弱点は水ってことになる』
「うふふふふ、兄様、せっかく帰ってきてくれたんですもの。もっと積極的になって!」
すれすれで攻撃をかわした…つもりが、頬に痛みが走る。
いつの間にか、彼女の靴には一本ずつ針がセットされていた。
(クソ、ますます戦いにくくなりやがったか…ナギちゃんの準備は…?)
『それなら、風呂に落とすのはどうだ?ここには大きな浴場があったはずだぞ!』
一方、旅館一階の大浴場ではナギが下準備を進めていた。
作戦は単純明快。スズメバチを大浴場におびき出し、隙を突いて浴槽に突き落とす。
囮役はもちろんサンジが務め、姿を消したナギが突き落とす担当だ。
問題は、いかにして彼女をここに導き、浴槽に落とすか。
能力を理解していたという事は、弱点も理解しているだろう。
水場には近づきたがらないはずであるが、もちろんその為の策は練った。
ナギは、正直ワクワクしていた。
よく自分の非力が憎いと思っていた。少年漫画の主人公のように強くなりたかった。
嘘みたいな冒険の中で、かっこいい活躍がしたかったのだ。
その夢が今、叶う。自分は特別な力を身につけ悪に立ち向かうのだ!
これが私の、冒険の夜明け……!!
「紳士な兄様!そろそろ鬼ごっこは終わりにして、窒息プレイのお時間よ!」
先ほどまでとは別人のように、瞳孔の開いた目で獲物を追うスズメバチ。
仕込み針によっていたるところに小さな傷がつけられるが、サンジはかろうじて攻撃を回避、距離を絶妙に保つ。
近づきすぎてはやられる。離れすぎれば見失う。
階段を駆け登っても一度停止し、姿が見えるのを待った。
真っ暗な階段から、徐々に徐々に姿を現すスズメバチ…
目が、鼻が、口が…少しずつ見えてくるその全てが、狂気を彩る。
「兄様、あまり逃げ回るようなら…遊び相手を変えてもいいのよ?」
痺れをきらしたか、スズメバチが告げる。
それはつまり、ナギを狙うという宣言だった。
「させるかよ…ここで俺が相手してやる」
覚悟を決め、サンジも身構えた。
お互いにグッと地面を踏みしめると、スズメバチは高く舞い上がり、サンジは右足を振り上げて停止する。
ひゅっ…と風が吹き、スズメバチの針が肩に突き刺さる。一瞬苦悶の表情を浮かべるサンジ。
一方スズメバチは追撃の為か、すぐに針を引き抜き着地の態勢に入る。
それを待っていたかのように、サンジが掲げた足を振り下ろした。
狙いはスズメバチではなく…その着地点の床!
がしゃぁぁぁぁん!!!
木製の床が蹴り抜かれ、地面にぽっかり穴があく。
着地するはずだった地面を失い、蜂は一階へと落下していった。
一階の、大浴場へと…
「くっ…」
落下の途中、スズメバチは舌打ちする。
下は浴場、水の宝庫だ。
自分が食べた「スベスベの実」の注意書きにはこうも書いてあった。
「これを食したものは、海に嫌われ永遠にカナヅチになる」と。
『海』には『水の張られた場所』全てが含まれる。
だが、真下は浴槽ではない。タイル張りの床だった。
伊達に空中戦を得意としているわけじゃない。普通に着地をして、さっさと離れればいいだけの話だ。
いつも通りに着地をしようと試みて、足が地面についた…しかし
つるんっ
「きゃう!?」
スズメバチは足を滑らし、バランスを失った。
(そんなっ!こんな普通の着地を失敗なんて…)
それもそのはず、この大浴場の床にはナギの手で一面にファ○リーピュアが撒き散らされていたのである。
タイルの上に大量の洗剤。これで滑らないハズがなかった。。
「やあああああああ!!」
なにもない空間から叫び声が聞こえる。
バランスを保とうと必死になっていたスズメバチの腹目掛けて、透明状態のナギが突進していた。
「落ちろ、蚊トンボォォォォ!!!」
やった、うまくいったぞ! ハァ…驚いちゃった…
私だってやれば出来るんだ! 小さな姉様ね…かわいい…
サンジめ、驚いてるかな? 嬉しそうな顔してる…
ハヤテにも絶対自慢してやるんだ! 私の弱点、知ってるのね?
マリアも、みんなびっくりするぞ! でも、ご愁傷様…
このまま浴槽に落とせば… 集中して…上下を認識
し、死んだりしないよな 少しだけ加速をつける
まぁ、なんとかなるだろ…ん? 自ら半回転、これでいい
なんでコイツのヒザがここに? 姉様の顔を挟んであげる
うわ、なんだ、どうなってる? さらに加速して半回転…
あ、あ、体が…浮いてる…!? お風呂には一緒に入りましょう、姉様?
『ばっしゃーん!!!』
激しい水音と共に、29kgの軽い体が水中に投げ込まれた。
「ナギちゃん!!!」
二階から、事の顛末を見ていたサンジの叫び声が響く。
スズメバチは突き落とされる瞬間、自ら体を回転させる事で天地を逆転させたのだ。
それによりヒザでナギの頭を挟み、プロレス技のフランケンシュタイナーの要領で投げ飛ばしたのである。
完全に油断し、透明化を解除したのがナギの失敗だった。
ナギは彼女のふとももの間で水中に沈み、動けなくなっている。
スズメバチもヒザから下は水に浸かっているので力が抜けているようだが、ナギは全身だ。とても抵抗できそうにない。
「あら、小さな姉様…もしかしてあなたも『実』を食べたのかしら?うふふ、お仲間ね」
余裕たっぷりで笑うスズメバチ。
サンジはすぐに2階から飛び降りた。
つるんっ
「ぬがっ!?」
ファ○リーピュアに足をとられてコケる。
しかし、そんなことはものともせずにすぐ立ち上がった。今はレディの大ピンチ。
ここで立たねば、自分の中の騎士道精神が…
グラァ
「な…?」
だが、意思に反してサンジは倒れる。今度はファ○リーピュアのせいではない。
全身が痺れたように動かなかった。
「うふふ、やっと効いてきたのね。ありあわせで作ったから、随分効くのが遅くなっちゃった」
ハァハァと息を荒くし、スズメバチが動けないサンジを嬉しそうに見ている。
(毒…か…しまった…)
悪魔の実の能力者であることに気を取られすぎて失念していた。
思えばスズメバチの名前で、針を武器に使うのである。最初に毒を警戒すべきだったのだ。
「私が大事に調合した毒を針につけたの…この旅館の周りにいろいろ毒草が生えていたわ。
紳士な兄様に使ったのは麻痺毒だから死なないの、安心して」
スズメバチの下では、ナギが苦悶の表情を浮かべていた。
最初こそ彼女のスカートの中身に驚いて顔を真っ赤にしていたが、次第にそんな余裕もなくなっていた。
もがこうにも、水の中では力が入らない。
甘かった。ナギは後悔していた。
ただ泳げなくなるだけだと思っていた。それなら今までと変わらない、と。
だがこれはそんな生やさしいものじゃない。水に力を、命を吸われているような感覚だった。
必死で止めていたが、少しずつ息が漏れていく…
(苦しい…苦しい…怖い…怖い!!死んでしまう…誰か…だれか!!)
おかしい、なぜこんなことになった?とナギは思う。
無敵の力を手に入れたはずなのに…私は、漫画のように強くなったはずなのに…
怖い…死ぬのは怖い!
死ぬなんて聞いてない!こんな、こんなことって…
徐々に、意識が遠のいてゆく…
ナギは勘違いしている。
まるで漫画のような状況に陥り、自分もまた漫画のような力を得た。
そこで彼女は自分を…「漫画やゲームの主人公」と重ねてしまった。重ねすぎてしまった。
漫画のキャラクターは、死んだ後も元気に雑誌の表紙を飾るし、読み返せば元気に生きている。
だが、現実の死がもたらすのは「無」に他ならない。
そういう意味で、彼女には「死」に対する現実感が不足していた。
「ガハッ!」
大きく息を吐き、意識を失ったナギ。
すかさずスズメバチが彼女を浴槽から抱えあげる。
「ねぇ、怖かった?苦しかった…?
じわじわ『死』に近づいていく小さな姉様、とっても素敵な表情だった……うふふふふ……」
うっとりとした顔で意識のないナギを抱きとめる。
「私、あなたのこと好きになっちゃったわ」
告白と共に両手でナギの頬を挟み、触れ合いそうな距離でじっと見つめる。
「もっともっと遊んであげる…だから、死んではダメよ」
そう言うと、ナギを背負って出口に向かった。
「ま…て…クソ…」
毒によって体がほとんど動かないサンジが必死ですがる。
「ごめんなさい、紳士な兄様。私、この子と遊ぶ事にしたの。遊び終わったら、また会いに来てあげるわ」
それだけ言い残すと、彼女は大浴場、そして旅館を飛び出していった。
その背に夢見る少女を乗せて…
「クソッタレ……!!」
大浴場に響くのは、残されたサンジの悲痛な声のみ…
「ハァ…かわいい姉様。意地っ張りで怖がりで…強くて、弱い。とっても楽しく遊べそう。
やる事はいっぱいあるけど、今はあなたと遊んであげる。ゆーっくり、たっぷり…ね」
そんなことを呟きながらスズメバチは息をきらせて夜を駆ける。
どこか素敵な遊び場はないかしら。道具も要るわ。毒を調合しなきゃ。
ここに生えてるものだけじゃ強力なものは作れないかも知れないけど、遊ぶのには十分。
どうやって遊んであげようかしら。すぐ痛くしちゃうのはつまらないわ。
苦しくして、怖くして、じっくりじわじわ………追い詰めたい。
「死めくくり」は、なんとでもなるもの。
「あぁ…とっても楽しみ…」
夢を…夢をみていた。
自分は不思議な力を持った海賊となり、船と仲間を集めて財宝を探していた。
麦わら帽子を被り、楽しそうに船首に跨っている。
お姉さんのようなしっかり者の航海士…一般人で生意気な狙撃手…喋るペットに、ナンパなコック。
そして最強の執事、もとい剣豪を目指す、1人の少年と共に…
それはそれは楽しく、現実感のある夢をみていた。
目覚めた彼女を待ち受けるのは、現実の夜明けか、日没か…
「ハヤテ……」
彼女の執事はここにはいない。
【G-7/森/1日目 黎明】
【スズメバチ@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:疲労(中)、実の力で美しくなっている。 下半身びしょぬれ
[装備]:縫い針を仕込んだ靴(毒なし)
[道具]:支給品一式
[思考・備考]
基本:皆殺し。帰って仕事を続け、優しい兄様と遊んであげる。
0:うふふふふ…
1:小さな姉様(ナギ)と遊ぶ。
2:姉様と十分遊んだら、他の遊び相手を探してみる。
3:旅館に残した紳士な兄様(サンジ)とも遊びたい。
4:興味の無い相手は、遊ばないですぐ殺す。
※ スカートはギリギリで見えません、履いてるか履いてないかは…ご想像に(ry
※ 針は現地調達です。毒は浴槽に入ったことで洗い落とされてしまいました。
【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】
[状態]:疲労(大)全身びしょぬれ 気絶中
[装備]:なし
[道具]:
[思考・備考]
基本:ハヤテ達やサンジと協力して脱出
0:ハヤテ…
1:漫画の主人公のように、この状況を乗り越える。
2:サンジと一緒にお互いの仲間探し。
※ サンジからワンピース世界についてかなり詳しく聞きました。
かぽーーーーん
旅館内の大浴場で、1人の男が湯に浸かっていた。
「クソ…俺のせいで…」
先ほど不覚を取った、サンジその人である。
だが、別にただ呑気に風呂に浸かっているわけではない。
苛立った表情が、それをよくものがたっていた。
彼は毒で麻痺した状態で、こんな看板に気がついたのである。
『ここはムルムル温泉じゃ!効能は美容と疲労回復!
疲労以外にも小さな怪我や軽い毒なら、15分ほど浸かっとればなおるぞ』
這うように動く事しか出来なかったサンジは、藁にもすがる思いでこの温泉に浸かった。
眉唾ものだったが、どうやら効いているらしい。少しずつ体の一部が動くようになってきた。
「ナギちゃん、待ってろよ…」
サンジはこの事態の原因が、逃げを選ばなかった自分にあると責任を感じていた。
このままではナギが危ない。体が動くようになれば、すぐにも助けに行くつもりだった。
「守るって…約束したからな」
大浴場の床に転がる空っぽのファ○リーピュアを見つめて、サンジが拳を握り締めた。
【G-8/旅館内 大浴場『ムルムル温泉』/1日目 黎明】
【サンジ@ONE PIECE】
[状態]:疲労(中) 左肩に小さな刺し傷(回復中) 毒による麻痺(回復中) 入浴中
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、ノートパソコン@現実 旅館のパンフレット 不明支給品1〜2
[思考・備考]
基本:仲間や女性を守り、脱出する
0:ナギちゃん、待ってろ…
1:スズメバチを追いかけ、ナギを助ける。
2:その後は彼女を守りながら、一緒にお互いの仲間探し。
3;どうしてスケスケの実やスベスベの実があったんだ…?
※ ナギからパラレルワールド仮説を聞きました。半信半疑です。
※ 「ハヤテのごとく」関係の情報を得ました。
参加者ではハヤテ、咲夜、伊澄について詳しく聞いています。
※ 毒は15分ほど浸かっていれば完璧に治ります。途中であがるとどうなるかはわかりません。
【ムルムル温泉】
G-8に存在する旅館の一階にある大浴場。源泉かけ流しの混浴天然温泉。
効果は美容と回復で、疲労の回復を早める他、小さな傷や軽い毒なら15分ほどで回復する。
ただし、この会場に来る前の怪我や病気、あるいは大怪我や強力な毒も治せない。
飲んでもおいしく効果的らしいが、ファ○リーピュアが入っている可能性があるので注意。
※G-8旅館一階の大浴場の床が、ファ○リーピュアで大変滑りやすくなっています。
以上、投下終了です。参考資料:クッキング○パと餓○伝w
何かご指摘ありましたらお願いします。
とのことです
投下乙
よかった〜、まだナギ生きてるよ。
まあ、直に殺されそうではあるが。
しっかし、サンジとスズメバチはひたすら相性悪いな、サンジの方が。
サンジのポリシーは、ロワ内である意味致命傷だからな、もしかしてここは任せて逃げろ→DEAD END
になるのではとハラハラしていたが、そんな事はなかったぜ。
投下乙
料理ネタでほんわかした雰囲気出てました。しかし詳しいですね。ご自身も料理してますか?
そしてスズメバチはやっぱりイっちゃってるなw やっぱりサンジはヘブンですかw
ナギは奮戦してるな。だが相手が悪いし生き残れても放送聞いたらどうなるやら
273 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 14:32:25 ID:dQJfYyxc
あんちおつ
274 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 15:55:10 ID:p8P0R79S
あんちおつ
あんちおつ
投下乙
サンジはサンジらしくていいな
他の二人は知らんキャラだけど、スズメバチエロ怖い
投下乙
幸せ投げか…
サンジが食らってたら鼻血で死んでたな
スベスベの実の能力者らしいところをあまり感じなかったが…
278 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 11:09:16 ID:6qUv31EX
地図の画像ってどうやって入れ替えるの?
>>278 一端消して自分の手元にある画像を挿入して新たに作るしかないよ
消し方がわからない……orz
ざくり、ざくりと足踏みする音。
暗闇の隙間から差し込む月明は、さながら針穴をくぐる糸のごとし。
生い茂る木々の合間から漏れる薄光が、少年の足元を照らしていた。
ざくりと音を立てるのは、木の葉混じりの茶色い地面。
時折木の根を踏みながら。時には枝を踏み折りながら。
これぞ森林といった地面を、赤紫の髪の少年が踏破していく。
出発から約3時間。
大きな道を逸れるところまでは来た。いいペースと言えるだろう。
この分なら、夜明け頃には目的地たる高校にたどり着けそうだ。
「……やれやれ……何やってんだ俺は……?」
にもかかわらず、少年――浅月香介の顔色は冴えない。
眉間に寄せられた不機嫌そうな皺に、心底うんざりしたような目付き。
面白くないというその心境を、顔面全体で物語るような顔立ちだ。
無理もない。
背中に見知らぬ女の子を背負いながら、しかも起こさぬように気を配りながら森を突っ切るのだ。ストレスが溜まらぬわけがない。
今でこそ幸せそうに寝息を立ててはいるが、一度目を覚まそうものなら、いきなり騒ぎ立てられてもおかしくないだろう。
この金髪の娘――宮子はそういう奴だ。少なくとも、浅月の知る限りでは。
放り捨てるとまではいかずとも、その辺に置き去りにしたいと何度思ったことか。
だがそれでも、思うだけで行動には移せない。
九兵衛と交わした約束が、幼馴染の亮子の口うるささが、何より自身の僅かばかりの良心が、最後の一歩で踏み留まる。
恐らくこいつが自然に起きるまで、自分はずっとこのままなのだろう。
もう、何となく分かってしまった。これまでの経験に基づいて。
(まぁ、今更嘆いても仕方がねぇ)
その辺りの切り替えの早さは、やはり彼の苦労人たるが故の慣れなのだろうか。
そう考えると、また少しだけ、己が情けなく思えた浅月であった。
敵をいたぶることを好むサディストの傾向こそあるものの、彼は基本的には常識人だ。
何かと自分を振り回す亮子や変人揃いの仲間達に囲まれた環境では、自然と彼が損な役回りになる羽目になる。
こんな展開には慣れっこだ。普段からみんなして、あれやこれやと役割を押しつけるのだから。
閑話休題。
情けないエピソードはこれくらいにしておいて、今後の予定へと思考の射程をを伸ばしていく。
現在の目的地は高校。
幼少より前線に立ち続けた浅月とは違い、最重要ターゲットの亮子は普通の高校生だ。目をつける場所があるとすればそこだろう。
鳴海歩の方は正直微妙だ。あいつほど頭の回る奴ならば、むしろより実用的な、研究所や病院の方に向かう。
仮にここに呼ばれていたらの話だが、竹内理緒が来る可能性は五分五分。
一応月臣学園に通ってはいたが、それ以前の学歴があるかどうかはかなり怪しい。アイズ・ラザフォードはまずいるまい。
となると高確率で合流できそうなのは、亮子1人だけということだ。
他の参加者はどうだろう。
地図上にその存在を明記されている以上は、やはりこの手の施設は他より目立つ。
自分が神社をそうしたように、何らかの集合場所として用いられる可能性もある。
そうなれば自分と同じように、殺し合いから脱出を図る面子と出会えるかもしれない。
ブレード・チルドレン以外と協力するというのは、何ともむずがゆいものだが、今は状況が状況だ。
使えそうな人間がいたならば、共同戦線を張るのもやむなし、といったところだろう。
どちらにしても、首にかけられた爆弾を解除できる人間がいるといいのだが。
(こんなことなら、理緒に構造くらい聞いとけばよかったぜ……)
ため息と共に思い出すのは、かつて歩と対峙した時の記憶だ。
以前理緒は歩と戦った時、これと同じような爆弾を作ったことがある。
せめてその内部構造を教えてもらっていれば、解体の時に応用が利いたかもしれないのだが。
この首輪が外れないことには、あまり派手な行動に出ることはできない。
いずれあの主催者連中と対決することを考えると、優先すべきは首輪の解除だろう。
そして、警戒すべきは爆弾だけではない。
むしろ今真に注意すべきは、殺し合いに乗った連中だ。
名前の載っている施設は溜まり場にちょうどいい。浅月の読みだ。
そして殺し合いでの優勝を狙う連中も、遠からず同じ結論に行き着くだろう。
故に目的地にたどり着いた瞬間、そういった奴らと遭遇し、そのまま戦闘に雪崩れ込む可能性だって大いにあり得るのだ。
(やべ……武器の1つでも分けてもらうべきだったな)
顔をしかめ、己の思慮の浅さを恥じた。
現在の浅月の持ち物は、コレクションフィギュアに女物の衣装、それから背中でぐうすか寝ている宮子のみ。
要するに、丸腰だ。
先ほど九兵衛と別れる時に、その支給品を確認しておけばよかったと後悔する。
もう1つ何か武器でもあれば、借りることもできたのだろうが。
――こーすけ君のばーか。
――香介……お前何アホなミスやらかしてんのさ。
――期待通りのヘタレさんですねぇ。
――何だ、お前意外と馬鹿だったんだな。
――だからお前は間が抜けてるんだ、アサヅキ。
(だーもううるせぇなチクショウッ!)
脳内で五重奏を奏でる罵倒に、これまた脳内で叫び返す。
ブレチル3人はまだいいだろう。百歩譲って歩も許そう。ただしおさげの新聞部、何でお前まで出てくるんだ鬱陶しい。
こっちだって変態扱いされたり投げ飛ばされたりと、それなりに悲惨な目に遭っているんだ。
あんまりいじめると泣いちゃうぞ、そのうち。
(と……いつまでも馬鹿やってる場合じゃねえな)
悪態をつくのもこの辺にしておこう。
優先すべきは武器の確保だ。
香介自身が持っているはずもない。こんな森の中では現地調達などできやしない。頼みの九兵衛はここにはいない。
となると、彼が武装するために残された手段は1つ――背中の宮子だ。
適当な木の幹にもたれさせると、その背中からデイパックを拝借。
彼が選んだ調達手段――それは宮子の持ち物から、武器になりそうなものをいただくということ。
正直ギャンブル性も高いし、人の物を盗むようで良心も咎める。
だが、万が一強力な武器があったならば万々歳だし、この程度の良心の痛みで命が救われるなら安いものだ。
鞄の口を開け、中を探る。
2つのランダム支給品のうち、片方は戦闘には使えなさそうなものだった。
そして残されたもう片方が、見事お目当ての武器だったわけだが。
「……何だこりゃ……」
最初のリアクションがそれだ。
彼の右手に握られていたのは、無骨な印象を受ける重厚なピストル。
それなりに威力もある方だろう。使い慣れた銃器が得物だというのも利点。
だが、どうしても腑に落ちない部分が1つある。
その銃の上下に折りたたまれた、アーミーナイフのような刀身だ。
少し弄ってみる。がちゃん、と音を立て、2つ同時に展開された。
まるで鋏のような構造。恐らく設計理念もそんなところなのだろう。
「……趣味悪」
心底そう思った。
大体何でピストルに銃剣がついているのだ。しかも1つではなく2つも。
こんな得物で敵を挟み斬るなんて、そんな器用な真似ができてたまるか。漫画の世界じゃないんだし。
喜ばしい状況には変わりないはずなのだが、素直に喜べない浅月であった。
「……ん……」
と。
その時だ。
どこからともなく、女の声が微かに漏れる。
いいや、出所は分かっていた。彼のすぐ傍の木の幹だ。その声色にも聞き覚えがある。
金髪の少女の瞼の睫毛が、ふるふると僅かに震えていた。
意識の覚醒を迎えたのだろう。
事実として、ゆっくりと開かれていく瞳。
眼鏡の奥の浅月の目と、視線が重なる。
「よう、起こしちまったか。悪いな」
極力警戒させないように、フレンドリーに応じた。
相手だって人間だ。対応のし方さえ間違わなければ、騒ぎ立てるような真似はするまい。
おかげで目覚めは穏やかだ。先ほどはあれほどパニックに陥っていた宮子も、今は随分と静かなもの。
「んー……?」
その、はずだった。
彼女の視線が下がらなければ。
――ここで思い出してほしい。
宮子がこの浅月という少年を、一体どのように認識しているのかを。
そして今の浅月が、一体いかなる状況に置かれているのかを。
宮子にとっての浅月は、イモ色の頭を持った変人だ。
そして彼の手元には、ぎらぎらと輝く刃物が納まっている。
変人に武器。
さて、この状況から導き出される結論は――?
「……うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! やっぱり変な人だあああああああぁぁぁぁぁぁ!?
変な人がナイフ持ってるううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「どぅわあっ!? い、いきなり何だよ心臓に悪ぃ!」
「いやーいやー! 殺されるー! こーろーさーれーちゃーうーぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「だああぁぁぁ落ち着け落ち着け! 誤解だ誤解ぃぃぃぃ!」
【F-4/森/一日目黎明】
【浅月香介@スパイラル〜推理の絆〜】
【状態】健康、精神的疲労(中)
【装備】レガートの拳銃@トライガン・マキシマム
【所持品】支給品一式 、ハヤテの女装服@ハヤテのごとく!、メイドリーナのフィギュア@魔王 JUVENILE REMIX
【思考】
基本:亮子を守る。歩と亮子以外に知り合いがいるなら合流したい。
1:少女(宮子)を落ち着かせ、学校に向かう。
2:学校に着いたら、できれば爆弾を解除できる人間に会いたい
2:ひとまず殺し合いには乗らないが、殺人に容赦はない
3:亮子が死んだら―――
4:殺し合いには清隆が関与している……?
※参戦時期はカノン死亡後
【宮子@ひだまりスケッチ】
【状態】健康、パニック
【装備】なし
【所持品】支給品一式 、不明支給品1(武器ではありません)
【思考】
基本: ???
1:いやああー! 殺されるー!!
※現実をいまいち理解していません。
代理投下終了。感想も…投下乙でした。
浅月迂闊過ぎるw というより染み付いた苦労人の性のせいだろうか…
宮子はいつになったら状況を理解するんだろうw まぁ、まだ理解できない方が幸せかもしんないけど。
投下乙
タイミング悪過ぎw
浅月カワイソスw
宮子は状況を把握することは出来るのだろうかw
把握出来なくても把握出来ないなりに対応出来る子だからなぁw
延長申請しましたがなんとか書き終わったので投下
まだ暗い夜の帳に閉ざされた街。
その街灯の下を二人の人影が進む。
(さっきは恥ずかしいとこ見せちゃったなー
あの子たちやヒロに見られてたら絶対からかわれちゃうよ……)
女子にしては高い身長とボーイッシュな外見、運動も出来る沙英は普段はクールで大人びたキャラで
通しており、後輩たちからは頼りになるお姉さんと認識されている。
親友のヒロには弱いところを色々知られてしまっているが、後輩たちの前ではこんな醜態は晒したくなかった。
あの褐色の少女が何を基準に人を集めたのかは知らないが、自分やヒロが連れてこられているのであれば
後輩たちも連れてこられている可能性もある。
自分でもこれだけの恐怖を感じているのだから、怖がりの後輩ゆのやヒロがもし連れてこられているとしたら
今頃恐怖に震えて動けないでいるかもしれない。
時折自分にも計り知れないほどの大物ぶりを見せつけてくれる宮子なら、もしかすると
平気でサバイバルしているかもしれないが……
やっぱり放ってはおけない。自分が見つけて助けてあげなければ。
絶対みんなで揃ってひだまり荘に帰るんだ。
そこまで考えを纏めると隣を歩く男を見上げる。
最初エロ本を見ながら鼻血を出しているのを見たときは、大人としてどうかと思ったが突然こんな場所に
連れてこられて来たにも関わらず、動じずに落ち着いた行動がとれる頼りがいがある人なのかもしれない。
(私の事守ってくれるって言ってくれたし……)
恋愛小説やドラマのヒロインがそんな言葉をかけてもらうシーンを見ることはよくあったが、
沙英自身が男の人にそんなことを言ってもらったのは初めてだった。
(私より背もだいぶ高いし……こうして黙っていると結構男前じゃない?)
思わず顔が赤面してしまう。
こんな状況だというのに…いや、こんな状況だからだろうか。
吊り橋効果という言葉がある。
揺れ動く吊り橋などの上で危険を共に体験した男女には連帯感や恋愛感情が生まれるというのだ。
(ああもう! なんですぐ顔が赤くなるんだよ私!
こんなの吊り橋効果って奴だよ、だいたいあんな出会いから恋愛関係になるなんて小説でも見たことないよ! )
「ん? どしたぁ? 」
沙英が一人わたわたしていると銀時が声をかけてきた。
「あ、い、いえ、なんでも……あ、そうだ銀さん
さっきも言ったけど武器の確認しておきましょうよ」
「あぁ、そういえばそうだったな、よし、じゃあそこの街灯の下で見てみるか」
こんな開けた場所で、明るいところに長時間いるというのは見つかるリスクもあったが、持ち物の確認をするのに
明りがなくてはどうにもならない。
二人は街灯の下で自分に与えられた所持品の確認を始める。
「なんだこりゃ……義手……か? 」
「会場の地図」「コンパス」「参加者名簿」「筆記用具」「水と食料」「ランタン」「時計」
ここまでは二人とも共通の物だったが、次に銀時が引き出した物に沙英が短い悲鳴を上げる。
まるで切り落とされた人間の腕のようなそれは、どうやら機械仕掛けの義手のようだった。
説明書が付いており、それにはこう記されていた。
『太乙万能義手
ガスで動くからくり義手(左手用)』
どうやらボタン操作で色々な機能を発揮するものらしい。
細かい機能を頭に入れると銀時はそれをデイパックの中に戻す。
こんなものを普段から持ち歩いていては出会う人間にいらぬ誤解を受けてしまう恐れがあるからだ。
次に出てきたのはヤシの実を二つに両断したかのような形の不思議な金属で出来たものだった。
「何かな、これ……銀さん、説明書ついてなかったの? 」
「うーん、この形……こりゃやっぱアレだろうな……」
呟くと、銀時は素早くそれを沙英のスレンダーな胸に押し当てた。
「おっぱいプロテクター」
「んなわけあるかああああああーーーーー!! 」
「ぐはあぁぁっ!? 」
瞬間、沙英は銀時を張り倒す。
ぱーではなく、ぐーで。
まるで漫画のように銀時が吹っ飛び、アスファルトの上を転がっていく。
「あ、ご、ごめんなさい……」
「ふっ……いいツッコミだったぜ、メガネキャラはやっぱそうでなくちゃな……」
思わず激しすぎるツッコミを入れてしまった沙英であったが、銀時は結構平気そうである。
この男にとってはこのくらいのツッコミは日常茶飯事なのだ。
むしろそのくらいじゃないと落ち着かない。なんとも厄介なボケ体質であった。
「あ、銀さん、これ……」
銀時が吹っ飛ばされた衝撃でデイパックからごっついショルダーアーマーのついた鎧が出てきていた。
肩の先端の部分のパーツが外れており、そこにさっきのパーツがぴったりとくっつく。
説明書もその鎧のほうにくっついていた。
『九竜神火罩
捕獲専用の宝貝であるが、仙人界最硬の宝貝合金で出来ておりシェルターとしても使える』
「宝貝って何だろ……仙人界? 」
「さーねぇ……お嬢ちゃんのほうは何が入ってたんだ? 」
「私はこれです。特に説明書とかはついてなかったんで、普通の刀だと思いますけど……」
沙英は一本の刀を差しだす。
「へー、正統派ジャンプヒーローが使ってそうないい刀じゃねーか」
どうやら刀が気に入ったらしい銀時に、沙英は刀と鎧の交換を提案した。
鎧は軽い金属素材で出来ているらしく、沙英が装備してもさほど重くは感じなかった。
「あとは……まだ何か入ってるみたい。なんだろこれ……おっきい……」
デイパックに手を入れてゴソゴソ探ってみると大きくて硬い何かが手に触れる。
原理はわからないが、このデイパックにはデイパック自身より大きなものが入るらしい。
手触りからしてどうやら円柱型をしているらしい何かを、沙英は両手でデイパックの中から引きずり出す。
「んしょっ! 」
ずるり
デイパックから引きずり出された白銀の砲身が沙英の眼前に現れる。
長大な砲身の根元に二つの球体をぶら下げたその形はまるで……
「ギャアアァァァァア!? 」
「おお、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか
完成度たけぇな! おぃ!! 」
「アームストロングって二回言った!? ちょっ、なんなのよコレ! 」
「見りゃわかるだろ? 大砲だよ
……しかし砲身を顔に向けておくのはお兄さん感心しないよー?
いきなり暴発しちゃったら大変だよ、きみぃー? 」
「変なコト言わないでください! セクハラで訴えますよ!? 」
「セクハラァ!? おいおい、まったく思春期って奴ぁー、すぐエロい妄想を……」
ここがどんな場所だか忘れたかのように大騒ぎする二人を、街灯が静かに照らしていた……
◇ ◇ ◇
「緊張感のかけらもない連中ですね……ここが戦場であるとわかってるんでしょうか? 」
大騒ぎしている二人を百数十メートル先から見つめている人物がいた。
ここではない、異世界の国家アメストリスにおいて「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師
ゾルフ・J・キンブリーである。
白いスーツとコート、帽子といったいでたちは、この闇夜の中でもよく目立つ。
「ハハハ、なかなか芸術的な武器じゃないか。興味深いよ」
声を返す貴公子然とした人物はこのゲームのジョーカーたる趙公明。
「……彼らにも『華麗なる決闘』とやらを挑むのですか? 」
「いや、ここであんな大砲を使われてはヴァッシュ君がすぐかけつけてくるだろう
まだ決闘の準備も整っていないというのに彼との再戦は避けたいな」
趙公明は懐からマップを取り出すとバサリと広げる。
「ふむ、そうだねぇ。
この競技場というところに行ってみようか、華々しく技を競い合う場と言う意味だろう?
ここを僕のゴージャスな戦いのステージにすることとしよう! 」
(北、ですか……さきほどの少女は西に向かったようですし、ちょうどいいかもしれませんね)
キンブリーは心に「火種」を仕込んだ剛力番長と名乗る少女を思い出す。
あれは愉しかった。まったく上手い具合に仕込めたものだ。
時が来れば「火種」は「爆弾」となり、見事な花火を打ち上げてくれるだろう。
ああいう「爆弾」をもっと増やし、この舞台に一斉に花火を打ち上げようではないか。
この、「紅蓮の錬金術師」の二つ名が示す通りに。
独自の価値観を持つことによって元の世界ではそれぞれが「異端児」とされた趙公明とゾルフ・J・キンブリー。
この二人の同盟がいつまで続くかは、神とても見通す事は出来ないだろう。
だがひとまずは迫りくる「人間台風」を避けて北上する事で意見の一致をみる。
このバトルロワイアルにさらなる混迷を齎す為に……
【I-07〜08境目/街道/1日目 黎明】
【趙公明@封神演技】
[状態]:健康
[装備]:オームの剣@ワンピース
[道具]:支給品一式、ティーセット、盤古幡@封神演技
[思考]
基本:闘いを楽しむ、ジョーカーとしての役割を果たす。
1:闘う相手を捜す。
2:太公望と闘いたい。
3:カノンと再戦する。
4:ヴァッシュに非常に強い興味。
5:特殊な力のない人間には宝貝を使わない。
6:宝貝持ちの仙人や、特殊な能力を持った存在には全力で相手をする。
7:自分の映像宝貝が欲しい。手に入れたらそれで人を集めて楽しく闘争する。
8:競技場を目指す(ルートはどうでもいい)
[備考]
※今ロワにはジョーカーとして参戦しています。主催について口を開くつもりはしばらくはありません。
※参加者などについてある程度の事前知識を持っているようです。
【ゾルフ・J・キンブリー@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2、ヒロの首輪、不明支給品0〜2
[思考]
基本:優勝する。
1:趙公明に協力。
2:首輪を調べたい。
3:剛力番長を利用して参加者を減らす。
4:参加者に「火種」を仕込みたい
[備考]
※剛力番長に伝えた蘇生の情報はすべてデマカセです。
※剛力番長に伝えた人がバケモノに変えられる情報もデマカセです。
※制限により錬金術の性能が落ちています。
◇ ◇ ◇
ニコ・ロビンは自分の能力と支給品を確認した後、デパートの内部を調べていた。
建物内は電気がついていないため時間がかかったが、双眼鏡、医薬品、食料、着替え、タオル、毛布など
必要そうな物を一通り揃える事が出来た。
ナイフがあれば色々重宝するので欲しかったのだが、なぜか武器の類は見当たらず代わりに包丁をデイパックに放り込む。
(これを武器にしたらサンジくんに怒られそうね……)
まぁ自分の能力と武器は相性があまり良くないので、これを武器として使う事はないだろうが……
ドオオオォォォォン!!
階下から爆発音が轟く。
参加者同士による戦闘が始まったのだろうか?
ロビンは迷わず階段に向かって駆け出した。
◇ ◇ ◇
デパート1階外壁に大穴が空いていた。
瓦礫が外側に吹き飛んでいるところを見ると、これをやった人間はデパート内部から爆弾か何かを
使ってこれを行ったのだろう。
問題はその人物がこの穴から外に出て行ったのか、未だにこの場にいるのかどうかだが……
「これはあなたがやったのかしら?」
ロビンは新たにその場に現れた赤いコートを着た見知らぬ男に尋ねる。
殺気は感じないし、気配を隠す様子もないことから危険性はないと判断するが……
サングラスをかけた表情は読めない。
「僕がやったわけじゃないけど、さっきまで戦ってた相手の相棒の仕業だろうねぇ。
怪我はなかったかい? セニョリータ」
「ええ、大丈夫よ……私はニコ・ロビン
殺し合いに乗る気はないのだけど……あなたは? 」
ロビンはあえて八千万ベリーという高額賞金首として世界に知られる名前を名乗ってみる。
「悪魔の子」と悪名轟かせる彼女の名を聞いてなお挑んでくるようなら海賊の天敵たる正義の味方か、
賞金首狙いのバウンティーハンター。あるいはゲームに乗った危険な参加者。
いずれにしても麦わら海賊団に仇為す者だ。
逃げようとするようなら大した力を持たない小物。捕えて情報を引き出すのは簡単だ。
動じないようなら、あの麦わら一味のような天然……あるいは大物だ。
話し合いのテーブルにつくのもいいだろう。
彼女の望みを達するには情報や、主催者を打倒する強い力が必須なのだから。
「いやー、自己紹介なんて照れますけどー『愛という陽炎を追い続ける平和の狩人』みたいな感じ?
大丈夫、僕も殺し合いなんてする気はないよ」
対するヴァッシュはあくまでも飄々とした自然体を崩さない。
サングラスをとるとロビンに微笑みかける。
彼もまた600億ダブドルという天文学的な額の元・賞金首なのだが、別に名を隠そうとしているわけではない。
この優男然とした外見のおかげか、『あの』ヴァッシュ・ザ・スタンピードと気付かれる事はまずないのだ。
だが、その軽口をロビンは名を隠す慎重な言動と判断した。
交渉するに十分な相手だと。
「そう、信用するわ、狩人さん。それではとりあえず情報交換でもいかが? 」
そう言うとヴァッシュを近くにあるファーストフードのテナントに案内する。
口元に艶やかな微笑みを浮かべて。
【I‐7/デパート1Fファーストフード店/一日目 黎明】
【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式、ダーツ(10/10)@未来日記、んまい棒(サラミ×2、コーンポタージュ×2)@銀魂
双眼鏡、医薬品、食料、着替え、タオル、毛布、包丁
[思考]
基本:麦わら海賊団の仲間が会場にいた場合、何を犠牲にしても生還させる
1:しばらくは情報収集。(主に主催者について)
2:可能なら、能力の制限を解除したい
※自分の能力制限について理解しました。体を咲かせる事のできる範囲は半径50m程度です。
※参戦時期はエニエスロビー編終了後です。
※デパートの衣服売り場に、首のもげたマネキンが一体あります。
※デパート内部は探索済みです
【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康、黒髪化3/4進行
[服装]:真紅のコートにサングラス
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(5/6うちAA弾0/5(予備弾24うちAA弾0/24))@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本:誰一人死なせない。
1:趙公明を追いたいが、手がかりがない。
2:参加者と出会ったならばできる限り平和裏に対応、保護したい。
3:この綺麗なお姉さんとお近づきになりたいなー
[備考]:
※参戦時期はウルフウッド死亡後、エンジェル・アーム弾初使用前です。
※エンジェル・アームの制限は不明です。
少なくともエンジェル・アーム弾は使用できますが、大出力の砲撃に関しては制限されている可能性があります。
◇ ◇ ◇
ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にまつわるコントをようやく終了させた二人は
進んだ先にあったデパートの中に踏み込む。
銀時が甘い物を所望したためであるが、この先の事を考えれば色々必要な物をここで調達するのは
悪い選択ではないだろう。
「銀さん糖分とらないと死んじゃうからねー」
「はいはい、いちご牛乳ですよね。でもこれって泥棒なんじゃ……」
(ヒロも甘いもの好きだし、もしかするとここに来てるかも……)
沙英は知らない。
このデパートのすぐ近くで親友が元の姿もわからないほどの化け物に練成されて殺され、埋葬されたことを。
もはや親友の優しい笑顔を二度と見ることは出来ないという運命を。
【I‐7/デパート入口/一日目 黎明】
【沙英@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[装備]:九竜神火罩
[道具]:支給品一式 、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲
[思考・備考]
1:銀さんと協力して、ヒロを見つけたい。
2:いるかどうかわからないけど、後輩たちがいたら保護したい。
3:銀さんが気になる?
4:宝貝?仙人?
5:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲は忘れたい
【坂田銀時@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:和道一文字
[道具]:支給品一式 、大量のエロ本、太乙万能義手
[思考・備考]
1:沙英を守りながら、ヒロを探すのを手伝う
2:ヒロを見つけたら、二人を守る
3:糖分が欲しい
【九竜神火罩@封神演義】
崑崙十二仙の一人太乙真人の持つ宝貝
仙人界最硬の捕獲専用宝貝であり、太乙真人の鎧の肩に装備されている
鎧ごと支給されている
【太乙万能義手@封神演義】
左腕を失った太公望のために太乙真人が開発したガス仕掛けの義手
宝貝の力は使っていない
水鉄砲、ロケットパンチ、自在に伸縮して動かせるなどの機能を持つ
【和道一文字@ONE PIECE】
三刀流の剣豪ゾロの親友くいなの形見である大業物21工の一振り
一千万ベリーはくだらない価値を持つ
【ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂】
かつて江戸城の天守閣を吹き飛ばした決戦兵器
わいせつな形をした大砲
モデルは戊辰戦争で官軍に使用されたアームストロング砲
以上です
ご指摘などあればお願いします
投下乙です
銀さんと沙英さんはいいコンビだな。仲間を探そうと前向きに奮闘するが相手はすでにってシチュは好きですw
それと支給品がw
マーダーコンビはとりあえず北か。厄病神が人を救うなんてw
そして賞金首コンビ誕生か。どちらも根は純粋で仮面かぶってる所が似てるな。
手を結ぶか決裂か。そして銀組とばったり会うか?
GJです
>>280 聞けば何でも教えて貰えると思うなよ
ちょっとくらい自分で調べろ
投下乙です。
銀さん、確かに正統派ジャンプヒーローっぽい刀だけど、それは口に咥えられてるものなんだぜw
沙英とのコンビいいなぁ…しかし、銀さんも厄介な体質だw
異端者コンビが北上すると、一気に危険が広範囲に広がるね、GJ!
ロビンはステルス気味なのか…ステルス+ヴァッシュ…なにかしらの悲劇の予感w
>>297しかしやり方がわからない297であったw
>>298 ロビンは放送までは危険対主催と解釈してます
放送後で名簿が見られるようになった時、仲間が二人いることがわかれば主催打倒か脱出路線
(優勝では一人しか生き残れないので)
どちらかが死んでいれば奉仕マーダー
(ルフィーが生き残ってる場合は確実にこっちかな、サンジだとわからんけどw)
二人とも死んでいたらどうなるかわからん
って感じかと
みんな仲良くしようよぉぉぉ!
ずっとこのままで居たいじゃあああああん!?
だが断る
マジで地図変わってない?
>>280 ぶっちゃけていえば俺も消し方はわからないが、荒す奴がいる可能性を考えたら頑張って自分で見つけてとしか言えないな。
そもそも消せなくなってるよ多分
ファイルをアップロードしてアドレスを変更すればいいのでは?
なんで変えたいのかイマイチよくわかんないけど
キャラ追加も出来なくなってるから、管理人が出来なくしたんだろ
未来日記8巻でてるのすっかり忘れてた
前日まですげー楽しみにしてたのに…
定期的に予約が来ていい調子だなw
久しぶりのスタンス確認。超主観です、ご了承ください。
無差別マーダー(他人なんて知るか、ただ殺すだけだ派)
紅煉(怪我)、キンブリー、流、スズメバチ、ゾッド、ミッドバレイ(やや不安定) マシン番長(損傷) 趙公明(ジョーカー)
奉仕マーダー(あの人を死なせたくないから自分がやらなきゃ派)
レガート(怪我)
マーダーより危険人物(邪魔者は殺すorとりあえず情報を得たい、得たら知らん派)
潤也(捕縛)、由乃 ナイブズ みねね ロビン
対主催より危険人物(ひとまず乗りはしないがもしかしたら……派)
或、理緒、妲己 ひよの
限定マーダー(憎いあん畜生だけはひねり殺したい派)
ひょう
積極的対主催(殺し合いなんて絶対するか!全力で抵抗する!派)
ガッツ、ブラックジャック、ウィンリィ、ルフィ、鳴海歩、リヴィオ、亮子、エド アル 金剛番長 うしお 九ちゃん 植木 台風
反抗型対主催(人殺しに抵抗はないが主催が気に入らねえ派)
ゴルゴ13、グリード キリコ
中立(今の段階じゃ動けない、ぼちぼち考えよう派)
パック、安藤兄、とら
合流優先(とりあえずあいつに会おう、話はそれからだ派)
サンジ、沖田、ハム、ボンクレー、グリフィス、雪輝、咲夜、妙、ナギ(捕縛)、ゆの 銀時 冴英 浅月 鈴子 卑怯
混乱(どうしよう、私はいったいどうすれば…派)
森 剛力番長(捕縛?) カノン
特殊
黄泉(正義!正義!)、雪路(このよいどれが!)、ロリッ☆(不明)蝉(ツンデレボディガード)
宮子(うわぁぁぁぁぁ!) 聞仲(????) ギリョウさん(はくめェェェェん!!)
残念ながらお亡くなりっ☆
ヒロ(キンブロー+剛力番長) 伊澄(ゾッド) ウルフウッド(マシン番長+妲己) 新八(マシン番長) ハヤテ(ミッドバレイ) 太公望(ミッドバレイ)
マスタング(紅煉)
こうしてみると、結構危険人物多いんじゃね?
レガートは奉仕型ではあるけど、死なせたくないんじゃなくて(ナイブズが負けるわけないと思ってる)
自分の忠誠心を見せつけたいだけだな
困難が大きければ大きいほど燃えるタイプだ
ガッツは反抗型対主催じゃないか?
キリコも限定マーダーかな…
しかし古本屋のスタンプサービスがたまってたからそれ使ってスパイラル1〜13買ってきたんだが
分厚い15巻は100円だったけど14巻だけなぜか250円もする
なぜ?
立ち読みで済ませるか
今日未来日記八巻読んだが、ユッキーが八巻から出てたらマーダーだった気がする。
つかやってることがまんまステルスマーダーだよなあ。
しかし揚げ足取りだけど未来日記の神候補のほとんどが性格破綻者だな
こんな中から神を決めるなんてどうゆう試験官よw
ユッキーは最新話でも言われてたけど、どう取り繕っても壊れてる人間だからなー。
それが目に付きやすいかそうでないかって言うだけで。
8巻から出したかったのは自分もそうなんだけど、まあこればっかりは登場話で7th脱落前と言われちゃったからしょうがない。
これはこれで面白い時期だしねw
ってか参加者一般勢でまともなのって
ハヤテとひだまりくらいだからな
安藤弟は根はまともでプッツンしちゃった口かもしれんが
兄はわりと異常者だし
俺には安藤弟がまともにはとてもじゃないが見えねえww
一部はともかく二部の潤也は初っぱなからとばしまくり
ヤンデレってレベルじゃねーぞww
そういや潤也の能力って制限いらないんだろうか?
戦闘直結じゃ確かにないんだが、なんか何でもありになりそうで。
>>321 マスターと能力比べして苦戦してたから絶対ってわけではないな
ただ先に出したらアドバンテージが凄いが
副作用半端ない・一息分しか喋らせられない(これは原作だけの設定である可能性高い)
超人ども相手には意外と丁度良い
あのくらい有りにしなきゃ他の連中と到底立ちまわれないだろ
>>322 兄貴と間違えたああああああああああおあああああああ
弟の方はなぁ……
10分の一までの確立を100%にする能力だろ?
ある意味自分の望む展開を作れる神の弟の能力な歩とどっこいだろ。
ぶっちゃけ書き手の気分でどうとでもできる能力。
つかあの兄弟揃ってレガート・ナイブズ並の厨能力者になりえるだろ
だがそこが良い
「なりえる」←ここ重要
どっちも展開次第な能力だからな。実にパロロワむきというか…
まぁ能力の恐ろしさだけを考えたら森の能力もそーとーヤバイからw
メガネ好きのレガート、メガネ好きのゾット、メガネ好きのナイブス、メガネ好きの紅煉、メガネ好きの趙公明……
みんなでメガネの争奪戦をしている様を思い浮かべたら……うわw
しかし由乃だけは克服しそうで怖すぎるw
でも能力にハメられそうなアホ候補としてはありうる
ユッキーってこういうの好きらしいよとか言われたら簡単に乗りそう
レガートに抵抗したヴァッシュも耐えそうだな。
由乃と言えばグリードはどう立ち回るつもりだろう、女は殴らない主義だったよな。
332 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 12:27:58 ID:eZltL923
土
みねね、アル、剛力番長、妲己を投下します。
お手すきの方がいらしたら支援お願いしたく。
神様なんて、くそったれだと思ってた。
……いや、思っている。
いつだって世の中は理不尽すぎて、何もかもが何もかもを唐突に台無しにしてしまう。
そこには慈悲だとか愛だとか、連中がさも大切であるかのように謳い上げる代物なんざ介入する余地は存在しない。
ただただ、物質的な事実、たとえば建物や人間が唐突に木ッ端微塵にフッ飛ばされるという光景が存在するだけだ。
まあ、そんな木ッ端微塵の一つに私の両親やらが入ってるわけだが。
そしてそれを引き起こすためのお題目はいつも神様の正義を貫くためと来たもんだ。
もっとマシな言い訳を思い付かんのかね。
いずれにせよ、だ。
裏にゃあカネやら利権やらが絡んでいるんだろうが、少なくとも私のいた場所では正義とやらが民衆どもを納得させるに十分な代物だった。
正義。
正義。
――正義。
正義ってのは何だ?
人の信条やら理念やらは千差万別だ。
それら全てを納得させられる正義なんてない。あるはずがない。
とある誰かの死や苦しみさえ別の誰かの喜びになる。
政敵やら肉親の仇なんてご大層なモノを持ち出すまでもなく、例えば葬儀屋や神父だって人が死ねば金が入って喜ぶんだからな。
結局は、要するに。
どれだけご立派な事をほざこうが、正義なんてものはそれぞれのエゴに過ぎないのさ。
……そう言えば、テロリズムに正義はない、なんてどこぞの国のお偉いさんはほざいてやがったな。
そりゃあいい。
正義なんかクソ以下だ、犬のエサにも勿体ねえ。
テロリズム上等、暴力ってのは一番分かりやすく効果的な主張の方法じゃないか。
私はテロリストだ。
どうしようもなく、正義とは程遠い人間だ。
……敢えて言うなら。
この私が正義なんて持ち合わせているとしたら、それは神を否定し、ぶち殺す事だ。
神の全てを否定して、粉々よりもなお細かく叩き砕いてやる事だ。
支援大好き!!
***************
「って訳で、だ。お前にその気があるんなら妲己って女を捜しとけ。
リスクとコストは保証しないがな」
――雨流みねねは、一人の巨漢と対峙していた。
「……ありがとう。じゃあ僕はこれからその人を捜してみようかな」
鋼の鎧を着込んだ巨漢の名は、アルフォンス。
アルフォンス・エルリック。
国家錬金術師たる鋼の錬金術師ことエドワード・エルリックの実弟であり、自身も優れた力量を持つ錬金術師である。
正確には鎧を着込んでいるのではなく、今の彼の体そのものが鎧ではあるのだが。
それよりも、我々も現況の確認に入ろうか。
とはいえ見ての通りである。
それぞれ一つずつの台詞による対話の通り、彼女らは今しがた情報交換を終えたところだ。
彼女らの元いた場所での人間関係や基礎知識、そしてこの殺し合いの場に連れて来られてからの経緯。
研究所あるいは工場、どちらに向かうにしても山道を通るのが楽そうだと判断したみねね。
その山道の入り口を歩いているうちに偶然出くわした彼と、一先ず情報が必要だと互いに語り合う事にしたのである。
とはいえドラゴンころしを担いだ鎧の男など見るからに危険人物であるのだし、
手にある職がテロリストなどという慎重さを真っ先に要求するそれであるみねねが彼と出くわした当初、
それこそ仲良く喧嘩する猫と鼠じみた愉快で不毛な追いかけっこがあったのだが。
そのおかげでだいぶ山道からは離れてしまった。
とりあえず、そういうどうでもいい事はすっ飛ばしておいて、必要なところだけさっさと描写しよう。
……と、その前に追いかけっこでみねねはせっかく作った閃光弾を無駄に使ってしまった事だけは付記しておく。
黄金ではないが鉄の塊で出来ている錬金術師が目潰しの小道具に遅れをとるはずは無いのだ。
自分が閃光弾に目をやられないように目を閉じていたその僅かな間に、錬金術とやらでとっ捕まったのが運の尽き。
……一応、その錬金術とか言う手札を先に曝してもらったからこそ、あらためて話を聞くに値すると判断できたのは怪我の功名と言ったところだが。
さて、話を戻そう。
「そちらも兄さんやウィンリィと出会ったらよろしくお願いします。それと、みねねさん……」
――アルフォンスの口から出たのは、身内を心配する声。
そして何かをみねねに頼もうとする声だ。
前者は、大切な存在を憂慮するという当然の行動だ。
その心配できる誰かがいるという事にみねねは僅かに心を揺らし、そして気づかれないよう首を振る。
次いで浮かび上がってきたどこぞの刑事の顔を見なかった事にして、それより後者について考える。
考えるまでもない事だ。
この(態度を)見るからに善良な坊っちゃんの言い出すことなどいくらもない。
何せ、明らかに危険だと分かる少女を保護していると言うくらいなのだ。
殺し合いに乗っているかもしれない、程度の事しか聞いていないが、その少女は彼の鎧の内側で寝こけているらしい。
……そんな甘ちゃんは色々面倒だ。
いくら腕が立っても足手纏いになりかねない、先手を打って釘を刺す。
そちらの方がどちらにとっても身の為だ。
「同行なんてお断りだからな。
私は逃げるのが本業でね、お前みたいに図体デカいのを連れてくつもりは全くねえ。
一人で動く方がずっとやりやすいんだよ」
……そうだ、自分はいつも一人で何とかしてきたのだ。
同盟くらいは組んでもいいが、せいぜいそれ止まり。
目標を撃破撃滅し、逃げては生き延びる。
それが自分の流儀なのであり、この場でも変えるつもりはない。
身軽なのが一番さ。
「本業?」
くく、と素朴な問いにみねねは苦笑を洩らす。
そう言えば、デウスや未来日記、その所有者については話したものの自分の正体はまだ口にしていなかった。
この人の良い男――いや、少年は、果たしてそれを知った時どう反応するのだろう。
できれば怯えないでほしいと考える。
……それは、今後この少年を利用する為だ、他意はない。
みねねは頷き、皮肉気な笑みと共にその単語を告げた。
「――テロリストさ」
どす。
「「テロリスト?」」
暢気な少年の問い返しが、どうしてか知らない誰かの声とハモって聞こえた。
妙なものだと気楽にいぶかしんで、みねねは違和感の源をそこに見つける。
「――おい」
いつのまにかアルフォンスの土手ッ腹から、可愛らしい女の子の手が生えていた。
「あれ?」
アルフォンスがその首を傾けて確認しようとしてみれば、
それだけで無骨な巨躯の表面に一瞬で数え切れないほどの葉脈が走ってひび割れた。
まるでバターにナイフを入れるかの様に、鋼鉄の鎧の寸胴が花開いては剥がれていく。
四肢の一つ一つを熟れきった果実のごとく、ぽとりぽとりと落としていく。
間抜けな音が、鎧から漏れた。
「兄さ、」
それきり鎧は衝撃テスト後のダミー人形より手酷くひしゃげ、物言わぬ残骸が弾ぜて散らばった。
あたかも割れた花瓶の様に無造作に、雪降る様にしんしんと、踏切上の電車のように金切り声を迸らせて。
ぐちゅ、と、たかだか金属の塊のはずなのに、まるで人間が潰れたような音を洩らしたのが印象的だった。
ささやかな願いを叶えるために、禁忌を侵せるほど練り高めた錬金術も。
偉大な先人に弟子入りした際に、自分の子とは違い生き延びてほしいと師が鍛えあげてくれた体術も。
絶対に失わせないと、兄がその身を“持っていかれ”てさえ取り戻してくれた魂の、その拠り所たる不死の鉄身も、何一つ。
その何一つさえ意味を成す事無くスクラップが出来上がった。
欠片さえ砂粒ほどさえ微塵さえ、全く完全に完璧に完膚なきまでに完美なまでに役に立つ事無く、アルフォンス・エルリックは見事鉄クズに生まれ変わった。
彼自身が積み重ね、また兄や師、幼馴染たちに託されてきた想いなど、この戦場(いくさば)ではその程度のモノでしかなかった。
やあやあ、無惨なことだ。
那由他に等しく感ずる阿頼耶の沈黙。
そこに参ずるは実に空気の読めない、あどけない声である。
「――――正義の執行の時間です」
金臭い砂煙が立ち込める中。
粗大ゴミが邪魔臭く転がる中。
つい今しがたまで鎧のあったはずの場所に、少女が敢然と立ち尽くしていた。
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師 死亡】
***************
こんな冷たい鉄檻に気絶した人間を監禁するテロリストなど、断じて許せるものではない。
白雪宮拳が靄のかかった頭で、それでも意識を取り戻して最初に思った事がそれだった。
最初に形を成した思考が、それだった。
いつからかずっと、気づいたときからずっと、茫洋たる暗黒の海に見止める者もなくひとり溺れ続けている。
さっきまで立っていた確固たる足場はとうになく、翼ある銃の弾丸に抉られ消え失せていた。
……さっきって、いつなんだろう。
はやそれすら理解できず、沈黙の波間に漂っては安らぐ事もなし。
生まれ生きる事そのものが悪であるものがいるのならば。
よろづ全ての人を生かすことは正義なのか? それとも悪なのか?
それをお題目に掲げてこれから鏖殺せんとする自分は正義足りえるのか?
いや、そもそも殺す事を選択した自分は正義ですらないのだろうか?
――はじまりは、過って名も知らぬ異形の少女を殺してしまった罪悪感。
加えて初対面の親しくもない男に囁かれ、嘯かれた夢見事。
そんな不確かで心許ない良心と甘言に従った時点で、少女の進む道はつり橋よりも細く、よくよく揺れる代物と成り果てたのだ。
一歩進む、もとい一歩進もうとするそれだけの行為で足元は天地鳴動ほどにも揺れ走る。
船酔いにも似てなお強烈な気持ち悪さに包まれて、だから少女は何か碇が欲しかった。
自分を繋ぎ止める鎖。
燦然と輝き北方を誇示する極星。
これだけやっていればいい、それを示す絶対の羅針盤。
そんな何かが、欲しかった。
だから、彼女にとってその単語は実に都合のいい方便だった。
暗闇に浮かんでいてもはっきり耳に届く、テロリストという分かりやすい単語。
テロリスト、イコール絶対悪。
即座にそんな方程式が脳裏に浮かぶ。
恐怖を糧に己がエゴを民衆に押し付け血と肉の驟雨を届ける絶望の配達人。
ソレをのさばらせる事は一刻たりともしてはならない、そんな義憤が巻き起こる。
そして、彼女の正義の心に端を発する義憤は覚醒を十分すぎるほどにもたらすくらい、強いモノなのだ。
……いや、訂正しよう。
縋るものがそれしかないが故に、強く強く執着せざるを得なかったのだ。
まあぶっちゃけた話、思考放棄だ。
単純明快な悪を叩き潰す。
生きている限り悪を振りまく様な存在は、何をおいても粛清しなければならない事は変わりない。
後ほど生き返らせるかどうかの選別とはまた別の話で、自分のような動機以外で殺し合いに乗った人間は皆、悪だ。
悪は倒す。勧善懲悪、子供でも分かる行動原理。
そしてまた、自分は皆殺しをする事を選んだのだからやる事は変わりないわけで。
とりあえず身近な悪をブチ殺す事は、彼女の行動指針になんらブレをもたらす事はない。
自分を苛み刻み続ける問題はひとまず棚に上げて、目の前の事だけに専心すれば悩まされる事はないのだ。
単純明快な正義とやらに縋るしかなくて、だから非常に短絡的な思考だけを前面に押し出していく。
ああ、さっさとこの檻を壊して自称テロリストを殺してあげればいい。
そうと決まれば躊躇う事はない、たとえ武器がなくとも自分の体質のもたらす剛力は、鉄の皮一枚破れないほどひ弱くない。
剛力番長は冠した名前の頭文字を暴の一字に変えてチカラを振るう。
だからその拳で檻をブチ抜きこじ開け広げ、邪魔な部分は千切って捨てた。
周りの鳥篭の一切合財を粉微塵にして、しばらくぶりに外気に触れる。
――ああ、新鮮な空気が気持ちいいですわ!
全く酷いものです、檻の中の油臭い空気はもうたくさん。
こんな場所に私を監禁するようなテロリストは、断じて許せませんわよ。
あまりにも間抜けで救われない話だが、ここで注釈を入れておくとしよう。
要するに彼女は、自分を包む鉄の塊が一個の人格を備えた魂の器などとは全く気づいていなかったのだ。
最初ッから最後まで!
これ……ッぽちも疑う事すらせず!
一人の人間と認めることすらせず!
テロリストという物騒な単語を聞いて、この冷たい拘束具が自分を捕らえ離さない様にするための物であるという考えにしか頭が回らなかったのだ。
あるいはつい先刻、化け物のような少女をやはり救いようもなく殺したその瞬間と同様に――、
“気づいていない事”にしたのかもしれない。
我々にそれを知る術はない以上、詮無い事ではあるが。
***************
「――おい」
呆然。
「おい……」
絶句。
「――――おいッ!」
驚愕。
そして悲鳴にも似た咆哮。
「何ッだよ、こりゃぁよおォぉ……ッッッ!」
341 :
Escape 〜逃逸〜 ◆JvezCBil8U :2009/05/30(土) 13:38:34 ID:A036uNLm
――叫びながらも、雨流みねねは慌てない。
感情は頭の表層のみに留め置き、紛争地域で鍛えぬいた判断力を総動員。
脳髄の危機への対処を司る箇所を起動。
リスク管理及びに安全確保に専心、全速で回転。
現状把握及び今後数シーケンスにおける展開を予測。
想定可能なパターンの拾い出し開始。
「テロリズムは、悪です! 許されない事ですッ! ……私が貴方に正義の鉄槌を下しますッ!」
真っ先に想定するのは相手の沈黙、即ち抹殺が可能か否か。
「――く、」
無理だと判断。
判断は迅速、逃走の一択だ。
いくら爆破能力を手に入れたとはいえ、素手で鋼鉄を引きちぎる化け物に敵うはずもない。
……ボムボムの実、全身爆弾人間なんて言えば聞こえはいいが、要するに相手に触る事叶わなければ全く以って意味がない能力だ。
言葉尻ほど役に立つ能力ではなく、相手に接近接触可能な程の身体能力と体術があって始めて効果を発揮する。
みねねは確かに身体能力が低いわけではない。
だが、人間の域を外れた化け物相手に突っかかっていけるほどでも、勿論ないのだ。
それなりの準備があるならまだしも、こんな遭遇戦での勝ち目はそれこそ0といっていい。
相手の表情を確認すれば、自分が正しいと信じる――信じたがっている子供のそれだ。
厄介だ。
相手はガキだ。力を持ったガキだ。
年齢的には自分と大差ないかもしれないが、精神的にはぬくぬくとしたぬるま湯に浸かって育ったクソガキ以上でも以下でもない。
だからこそ、その純真さが厄介なのだ。
正義やらにトチ狂った阿呆は常に物質的な損得を度外視する。
故にいったん退いておかねばなるまい。
「そったれがぁぁあああああぁああああ……っ!」
吼える。
相手を怯えさせられればいいと思うも、そこまでは実際には求めていない。
いずれにせよ一瞬自分の叫びに気をとらせる、それだけが目的だ。
叫びがあるならば、それに付随して何らかのアクションを起こすと誰だって考えるだろう。
勿論、自分もそのセオリーからは外れない。
ただ――、そのアクションそのものを、予想外のものにしてやるだけだ。
思い切り振りかぶり、クソガキの足元に投げつけてやる。
「……!? 小癪な真似を……!」
直後、煙が立ち上り、少女の姿をかき消した。
支援
煙幕。
黙々と、モクモクと立ち込める黒と灰色の実体なき壁は、確かに自分たちを別ってくれる。
駆ける。
駈ける。
――翔ける!
クソガキが動揺した、僅かな隙。
虚を突いた今しか出来ない事がある。
みねねの片目に映るはゴミの様に転がったアルフォンスの首輪とデイパック。
一心不乱で少女の傍を走り抜け、その二つを抱いて勢いを殺さず突き抜ける。
どんな道具でも、この相手の傍に置いておいてはロクな事になりはしない。
本当は大剣――ドラゴンころし――も回収したかったが、みねねにそんな代物を持ち上げている余裕はない。
結果として。
雨流みねねは何一つ判断を過つ事無く、このガラクタ置き場からの離脱に成功した。
――しばし、後。
煙がゆっくりと晴れていく中に、仁王立ちする影が消えずただ存在を誇示している。
「……逃がし、ません……っ」
テロリストを倒す、と、その事だけを考えていないと、余計な不安がまた鎌首を擡げそうだったから。
故に、名も知らぬ隻眼の少女を殺す事だけを考えて、考えて、ただただひたすらに考える。
今涙が出ているのは決して殺人を決意した自分が悲しいのではなく、煙に目が染みたから。
自らのデイパックに手を伸ばし、とある道具を手に取り頷く。
――この道具は、敢えて使わなかったものだった。
最初に手にした時は、使う前にキンブリーや『バケモノ』と呼んでしまった少女との騒動が起こってしまった。
そしてそれ以後はどうしても自分が殺した少女の事を思い出さずにはいられなかった為、手が伸びる事はなかった。
だけど、今は躊躇っている暇はない。
テロリストを殺す事を考えていなければ、自分が自分でなくなってしまいそうなのだから。
……この道具を使いこなすのは、少し時間が必要そうだ。
少々練習に当てた後、あらためてテロリストを追う事にしよう。
***************
あらん、中々面白いものが見れたわん。
……もしかして使えるかもしれないわねぇん。
***************
最後の『仕掛け』を設置し終えて、雨流みねねはゆっくりと嘆息する。
「……ま、こんなモンか」
額の汗を拭き拭き呟く声には、言葉とは裏腹に不安が滲んでいる。
それはそうだ、こんな小細工などどこまで通用するか分からない。
罠。トラップフィールド。
そんなものを、みねねはH-4〜H-5の山道付近に幾つか作り上げていた。
尤も逃げながらの簡易なものでしかないので、そこまで頼りには出来ないだろう。
どんな代物かといえば実にシンプルなワイヤートラップ。
自分の最後の支給品として渡されていた、極細の“金属糸”。
それらを木々を利用して張り巡らせて、ついでに自分の商売道具も絡めておいた。
単純にワイヤーを用いた足払い(これほどの細さなら、勢いがついていれば足の切断すらできるかもしれないが)の他、
自分の血液を染み込ませたメモ帳をワイヤーに連動させて起爆させるようにしたのだ。
ボムボムの実の能力は、自分及び自分の体の分泌物への爆発能力の付加。
その吐息までもが爆発するのであれば、血液であってもそれが通用するのは道理だろう。
血液そのままでは扱いづらいため、ニトログリセリンを珪藻土に染みこませてダイナマイトにするがごとく血液をメモ帳に浸透させたのだ。
その上で、“鼻空想砲”や“そよ風息爆弾”と同様に『何かに触れたときに自動で起爆』というトリガーをセットしてやれば、間に合わせとしては上等なトラップの完成である。
また、ワイヤーそのものにメモ帳爆弾を巻きつけたものの他、地面に埋め込んで土塊を撒き散らしたり、木に取り付けて幹をヘシ折ったりなどの種類がある。
一応まだ金属糸は4本ほど余裕があるが、何か今後使えるかもしれないので保険として取っておくことにする。
――地図で見る限り、この山道は島の中心側としては唯一のまともな道路だ。
ここを抑えておけば、比較的うまく立ち回れるはずである。
それは何もあのアルフォンスを殺した少女への対策だけではなく、この先の展開全てを見据えた布石だった。
まあそんな布石は、悉く意味もなくこの場で潰える事になるのだが。
山道の上方にて、瞼の上を拭ったみねねが高みから眼下を見下ろしてみれば。
「――おい」
何故だ、何故分かる。
「冗談も大概にしやがれ」
なんでこいつがココにいる。
「……ざっけんなァ!」
どうしてこんな短時間で、罠を潜り抜けて場所を突き止められる……ッ!
支援
支援
一念を込めて見据える先に。
ドラゴンころしを肩に、少女の皮を被った狂信者が悠然と歩み寄る。
答えは簡単だ。
例えば、首輪の探知機の様な物を持っていたのだとしたら。
いや、それでは無傷である事の説明がつかない。
この道を上がってきたということは、経路上間違いなく地雷原に突っ込んでいる。
なのに何故、煤一つ泥一つ被っていないのか。
それを説明できる道具を、雨流みねねは知っている。
「お前、日記……所有者かぁぁあぁぁッ!」
「――あの道具は、つい今しがたキンブリーさんの協力者に預けてきました。
私を応援して、手伝うといって下さった方です。
貴方があの道具を悪用したくとも、ここにはありません……っ!」
ざく、ざくとゆっくり一歩一歩を踏みしめて、狂った正義はにじり寄る。
何を勘違いしたか自分は日記の奪取を狙っているとでも思われたようだ。
まずい、とみねねは感じる。
感じるなどというのは生易しいか、警報が針となってただひたすらに全身を刺し貫いているような感覚すらある。
協力者、それも日記を見ている者がいるとするならば逃亡日記のない自分はまず逃げる事は出来ないだろう。
そしてまた、この女が日記所有者なのだとしても手元にないならば日記の破壊を狙う事はできない。
……まあ、日記所有者でなくとも日記は利用できる。
たまたま主観情報に因らない日記を手に入れただけという可能性は否定できない。
どうする、と、ただひたすらにその事だけを思考。
回答はコンマ単位で弾き出される。
応えは明朗、己が足を用いて疾走。
――疾走! 疾走! 疾走!
「……! また逃げるのですか!? 無駄な足掻きを!」
バーカ、日記所有者相手に逃げられるなんざ考えてねえ。
心の内でそう呟き、背を向けて走り出す。
狙うのは布石。
逃走か戦闘か、決断はそれを果たした後にすればいい。
現状打破の勢い以ちて、みねねは薄ら暗い木々の影へと身を躍らす。
木陰に入りて三々打つ。
瞬間。
「……っ!」
びゅう、と右頬を風が掠める。
ぼこりと、すぐそばの木に真ん丸いクレーターが出来上がった。
散らばる木片が頬に傷を作り出す。
みねねは知る由もないが、それはアルフォンスの残骸を剛力番長が投擲した結果できた物だった。
手ごろな鉄くれは、エネルギー保存の法則の通り投げて当たればとても痛い。
少なくともそこらの硬球なんかよりもよほど暴力的で、当たり所が悪かろうが良かろうが死んでもおかしくない。
だから、使いやすそうなのを幾つか見繕って剛力番長は印地撃ったのだ。
彼女の膂力を持ってすれば、ただの投石でも銃弾より恐ろしい代物となる。
「ちぃぃいいいいい……!」
バケモノが、と口の中の愚痴を押し込めてその瞬間を察知するのに全力を注ぐ。
――二投目。
頭に当たれば即死。
胴体に当たれば内臓破裂。
足に当たれば転倒、追撃が防げない。
唯一腕になら当たってもまだ保険が利くが、片腕になれば余計不利になるのは火を見るより明らかだ。
まあ要するに、どこに当たろうが致命傷モノな訳だ。
ふ、ふ、と走りながらの精神集中は意外にキツい。
特にこの宵闇の中ではいつ転倒してもおかしくない。
どこに木の根が張り出し、石コロが鎮座しているかも分からない状況は、追われる物にとって余りにも厄介すぎるお膳立てなのだ。
だがそれでも逃走のプロフェッショナルたる雨流みねねにとっては瑣事にすら値しない。障害とはなりえない。
意識を研ぎ澄まし、辺りの現象を全て脳髄に叩き込んでいく。
木の葉が擦れて、ざぁ……と微風が凪いだ。
踏み込む腐葉土の感触は柔らかく、湧き出た湿気は汗と交じり合い体の表面を撫でていく。
呼吸はやや荒く、次の息継ぎでどうしてもペースダウンする事だろう。
だから、その瞬間横に跳べばいいだけだ。
「ふッ……!」
回避。
十二分な余裕を持って、あらぬ方向へ砲弾は飛んでいくよ。
「――な、今のは当たっていた筈ですのに……!」
……タイミングの調整は完璧。
十分の一秒前にソコにいたはずのみねねは掻き消えて、瞬間移動したかのようにその隣で足をひたすら前へ前へ。
剛力番長にはそんな光景が見えているに違いない。
とはいえ、追うモノ追われるモノ、彼我の有利不利が覆ったわけではない。
回避行動という余計な動作の有無は間隙を確実に満たしている。
……そもそもが、身体能力に差がありすぎるのだ。
そんな一動作があろうとなかろうといずれは距離をつめられ、背中を刺される事だろう。
刺されるよりも叩き潰されるの方が正しいか。
ざ、ざざざ、ざ、と、藪を駆け抜けていくその間にも距離はじりじりと縮まる。
縮まっていく。
この射程でも先刻同様の投擲へ緊急回避は可能。
されど、回避したとて剛力番長の肉体そのものによる連続追撃の対処は不可。
鉄屑をいなしても次の瞬間には剛力番長が目の前にいる。
それは決定された抗えぬ未来。
――故に、雨流みねねは剛力番長の暴力に踏み潰される。
――故に、齎されるべき必然の結末は死。
――故に、最初の最初から彼女の取ったいかなる行為も無意味。
そう、だから雨流みねねはここで散る。
鉄屑に身を貫かれて脳ミソと内臓と血液とリンパと肉片をブチ撒け惨めに死ぬか。
ドラゴンころしで髄を臓器を砕き割られ、黄色く汚らしい汁を垂れ流して死ぬか。
大して変わりはしまい。
投擲されたならばそれで仕舞いだ。
日記を確認するまでもないDEAD ENDフラグがそこにある。
そして順当な流れのまま、剛力番長が慈悲深い殺意を振り被った。
轟、と、物騒すぎる音と共に鉄くれが金切り声をあげて猛進してくる。
水蒸気の尾さえひいて突き進むそれは余りにも圧倒的な暴力だった。
「……!」
ただそれでも、こんなものでくたばってたまるかよと意地を張る。
当たってやるものかとばかりに、死がその直後に控えていると分かっていながらもみねねは全身のバネを使って回避。
服の一部をフッ飛ばしながら、暴力の塊はみねねの腹のすぐ隣を訪ね貫いていった。
そして、そこまでだ。
暴力の塊すらも生み出す、チカラそのものの権化がみねねの息の届く範囲に“い”る。
それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それはまさに鉄塊だった。
鉄くれすら赤子に感じられる大きさの剣を、チカラの権化は振り被っていた。
逃れる術は、どこにもない。
「……この白雪宮拳が、引導を渡して差し上げます」
哀しそうに目を細め、涙すら浮かばせてそれでも強く強く彼女はこう言い切った。
「お別れですわ」
対するみねねはただ、ぼう……と、鉄塊を見上げている。
そして、辞世の句でも告げるかのように、静かにこう零した。
「やなこった」
にぃ……、と、みねねの口端がしたたかに吊り上げられる。
その掌に握っていた白い物を鞠で遊ぶのと同じ動きで、宙に投じた。
剛力番長には、それが血に染まった紙切れのように見えた。
静かな森の中に、綺麗な爆華が花開いた。
香ばしい火薬のにおいと、瀑布の如き烈音が響く。
「あああぁぁぁああぁぁあぁぁぁああああぁぁああああぁぁぁあああぁぁぁぁぁっ!」
それすら跳ね除けて、剛力番長の拳が華を散らせた。
拳を振れば、風が起こる。
風は炎を散らし、道を作り出す。
針や剣すらものともしないヒュぺリオン体質。
しかし電気や炎に対しては、完全に防ぐ事はできない。
だというのに、剛力番長はそれを撥ね退けた。
右手の肉を焼け焦げさせ、真皮を露出させながらもブチ抜いた。
「私はッ! 負けないッ! これで負けたなら殺した方に申し訳が立たないッ!
私は正しい人々を生き返らせるまで勝ち続けるのですわッ!」
「ああクソが! だからトチ狂った奴は嫌なんだよ……!」
窮鬼の如きその表情に苦虫を噛み潰した表情を返しながらバックステップ。
みねねは後退しながら、血を染み込ませたメモを自分の目の前に次々投じていく。
願いましては一枚なり二枚なり、三枚なり四枚なり五枚なり六枚なり。
出来上がるは爆炎のライン。
星座を形作るかのように美しく、焔が暗闇を彩っていく。
「負けない……! 負けない……!
負けない! 負けない! 負けない負けない負けない負けなぁぁぁぁぁいっ!」
それら全てを、剛力番長は蹂躙した。
叩き割り、踏み潰して一直線にみねねに突き進んだ。
その姿はあたかも不死鳥。
全身に炎を纏い、熱風とともにひたすら翔け続ける。
たとえ幾度その身を痛めつけられようと、純粋さ故に止まる事を知りはしない。
「そうかい」
――テロリスト、雨流みねねはその生き様を見ても何一つ表情を変えず。
ただ、こう告げた。
「それじゃあ、」
一直線に進む剛力番長。
その足元、脛の辺りに鋭い痛みが走った。
「てめえは夢を見たまま死んでいけ」
仕掛けられたワイヤーが、皮膚に食い込んでいく。
同時、そのワイヤーに巻き付いた紙切れが特大の花火を引き起こす。
「――――!」
悲鳴すら聞こえず、剛力番長は足元から白い灯火に包み込まれた。
――機動力を削ぐ。
みねねの想定していた布石は、初めからそれだけだった。
あらかじめ仕掛けたトラップによる、脚部へのワイヤーによる切断と爆炎の波状攻撃。
ここに誘い込む事だけを最初から想定し、どうにかここまで辿り着いた。
もしこれが日記を持っていた上での行動ならばそれは十分な余裕で回避されていたはずである。
だがこの白雪宮とやらは、自分を探し当てるのに使っていた未来日記をどうしてか誰かに預けたらしい。
なるほど、彼女ほどのヒトを超えた身体能力の持ち主ならば、ちまちま日記に頼るよりもその暴力を存分に振るった方が効率的だろう。
事あるごとに日記を手にしていてはかえって集中力も散らばるし、片手が塞がってしまう。
白雪宮の剛力を考えるならば実に勿体無い。
また、もし本物の日記所有者ならば、日記は剥き出しの弱点ともなりかねないのだ。
これらのリスクを回避する為に安全なところに隠すのは十分考えられることである。
あと、性格面でも日記に頼って策を巡らすほど頭が回るとは思えないというのもあるが。
……だからこそ、そこに付け入った。
自分の突破口は機動力を削いだその先にしか存在しないと、みねねの頭脳はその数多の戦場の経験から導き出していたのだ。
足を斬られて爆破されたならば、どんな人間だろうと最早まともに動けまい。
すわ、想定外だ。
予測の斜め上にも程があった。
「正義はァァアアアァァァアァァアァァアァァ……ッ!!」
それこそ、ワイヤーが全く通じていないとは。
足の肉は半ば炭化しており、表皮に至ってはグジュグジュに崩れて炭屑とすら呼べない有様だ。
なのにそれでも、正義の狂信者はしっかと大地を踏みしめて前進する。
漸進する。
進軍し、蹂躙する。
「必ずゥゥゥ、勝ァぁぁぁァつのですわぁぁぁあああああぁああ……ッ!」
風を切る音は急降下爆撃機のそれにも等しい。ジェリコの喇叭を掻き鳴らせ。
ソニックブームすら発して振り下ろしたドラゴンころしの狙いは力いっぱいのあまり逸れ、みねねの左肩に掠る。
それだけで、彼女の左腕は全て全てハンバーグに丁度いい按配の挽き肉となった。
「ぎ、」
鮮烈な熱さと、体が凍り付いていくという矛盾した感覚が同時にプレゼントされる。
悲鳴が肺腑の奥の奥の奥からせり上がってくる。
それでも唇を血が滲むほどに噛み締め、文字通り生きながらに肉を抉られる苦痛を飲み込んだ。
「畜生、がぁぁぁッ!」
――嗚呼、それはまさしく神の思し召しとやらだったのだろうか。
そんな筈はない。
神は、まつろわぬモノに寛容を示す事はない。
だから、純然たる雨流みねねの意思の行使の結果なのだ。
彼女が純然たる己の力のみで切り開いた、未来への糸口なのだ。
世間に報道されるテロリズムとは、当然の如く非常に歪められた一側面にしか過ぎない。
誰が好き好んで人を殺す?
誰が好き好んで自爆する?
誰が好き好んで――非難されると分かってそれでもテロリズムを敢行する?
偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。
そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。
ルカ福音書、6章42節より。
……テロリズムとは、力の絶対量がどうしても大きくない者がそれでも何かを訴えたいからこそ、
命に代えてでも伝えたいことがあるからこそ最後に取り得る手段。
しかしそんな必死な主張もメディアを通じる際に検閲される。
漉し取られた後、お茶の間に届くのはトチ狂った凶悪犯罪者が酷いことをやってのけました、
そう淡々と惨状を伝えるだけのリポーターと、さも憤っていると言わんばかりの偽善そのもののコメンテーターの声のみ。
どうして誰もが、そのフィルターの向こうにある必死な嘆きを聞き届けようとしないのか。
誰も彼もが、彼らに毛ほども興味を示してさえくれないからだ。
……届かぬ声の無力さに落胆しつつも、それでもなおきっと誰かが自分達を見てくれると信じて声を張り上げる者。
それこそが、そんな意思を強く持ち続けられる者こそがテロリストなのだ。
吼え上がるその大きく開いたクソガキの口に、直感的に握り締めたそれを突き出し引っ掛ける。
「――――!!!???」
剛力番長の目端に映ったのは、アルフォンス・エルリックの首輪だった。
「散ィィり、やがれ――――――――!」
――外そうとしたり強い衝撃を与えても爆発するから気をつけるようにしたほうがいいのう――
そう、首輪は立派な武器をその内側に仕込んである。
この会場にいるどんな存在であろうと、首一つを軽々吹っ飛ばすのに十分な程の爆薬を。
残った右腕に意識を集中。
皮膚を。筋肉を。血管を。血液を。神経を。爪を。
細胞を。骨格を。骨髄を。体液を。産毛を。毛根を。
腕のありとあらゆる構成要素を爆弾と変えて、フッ飛ばす。
たとえそれが、制限によって自滅当然の結果をもたらすのだとしても。
――新星の煌きが、満ち満ちた。
仰向けで地面に倒れ伏したまま、みねねは静かに息を吸い……、吐く。
それだけで生きている事を実感する。
ただ、ぼう、と、空を仰いだ。
起き上がろうにも腕が両方ともなくなっていて、どう立ち上がったらいいものやら。
流れ出す血が生温いのに体は冷えていて、気持ち悪い感触だな、と感じた。
自分と白雪宮、どちらが正しかったのかとなんとなくそんな事を思う。
正義とやらを否定して人殺しを躊躇わない自分と、
正義とやらを妄信して人殺しを躊躇わない白雪宮。
――そんなことは考えるまでもない。
『勝ッタモノコソ正義!』
「オイ」
……なんであの変態野郎なんだ。
本気でイラついた口調で舌打ちした後、それでも頭を振った後にその言葉に同意した。
「その通りだよ、12th」
決まりきった結論を一人、呟く。
「私も、お前も――、間違ってたのさ」
勝者など、何処にもいない。
……正義は本当はあるのかもしれない。
だけど、剛力番長の言う正義はそんな正義ではない醜いエゴイズムだ。
「救えねぇ」
テメェ自身も含めて誰一人な、と続けようとして――、知らぬ間に横に立っていた一つの影に気づく。
「お久しぶり……でもないわねぇん」
「……協力者って、お前の事かよ」
「やっぱり察しがいいのねぇん、嫌いじゃないわん」
この殺し合いに招かれ最初に出会った女――妲己。
再会の才のもたらす効果だろうか、こんな瀬戸際に出会うことになるとは。
「勘違いしないでねぇん、その子がトチ狂ったのはわらわのせいじゃないのん。
面白そうな道具をもってたからちょちょいと献上してもらっただけよん」
白雪宮をけしかけたのは自分ではないと言いたいのだろう。
まあ、嘘をついているかいないかはどっちでもいい。
この言動の要旨は、妲己が自分に敵意を持っていないというアピールなのだ。
とりあえず何か目的があるようだし、そっちを優先した方がどちらにとっても得なはずである。
そして、その手でくるくると弄んでいるのは携帯電話。
「……やっぱりかよ」
「あなたに話を聞いておいて正解だったわぁん♪」
――どんな手練手管、口八丁手八丁を用いたものやら。
それを想像することはできても考えるだけ無駄という物だろう、真相は闇の中だ。
見れば、妲己のしばらく後方に犬が三匹、忠誠を誓うかのように座り込んでいる。
それがおそらく日記の特性なのだろう、自分の知らない日記所有者の物のようだ。
「……で、気づいた事とかはあるかしらん? 役立ちそうな情報があれば聞かせてほしいのん」
苦笑する。
「直球だな」
「わらわとあなたが別れた短い間でも、少しは収穫があるかもと思ってねぇん。
せっかく助けてもらえるかもしれないんだから、チャンスは有効活用しないと勿体無いでしょぉん」
やれやれ、だ。苦笑にさらに苦笑を上書き。
だいぶ血が抜けてきて、口を動かすのも億劫になっているというのに。
さっさと止血でもしてくれればいいのにと思うが、でもまあ、この女はまず情報を吐かなければ動きはしないだろう。
せっかく生き延びる機会が降ってきた、ならばそのくらいは願ったり叶ったりだ。
「プラ爆だ」
「ぷらばく? それは何かしらん?」
「首輪に使われてる爆薬だよ。あの爆発の仕方は十中八九プラスチック爆薬だ、威力は滅茶苦茶だがな。
――粘土みたいに自由に成型できて、なおかつ信管の刺激がなきゃまず起爆しない。
首輪に使うにはもってこいのアイテムだな」
「成程ん、ハンバーグの種みたいにコネコネできる爆薬な訳ねん」
「……ま、そうだな。
だから、外そうと思うならセンサーか信管を探して取り除け。出来れば信管だ。
おそらく衝撃や振動、熱とか電気とかに反応するセンサーが信管に信号を送るって構造になってる。
それを突き止めんのは……、まあ、新しい首輪がないと無理だな」
「……いい仕事したわよん、みねね。ありがたく使わせてもらうわん」
「
ふう……、と、十数秒かけてゆっくり息を吐く。
まだまだ余力はある、他に話すべきことはないだろうか思案する。
『自分のことは自分で守るしかない。困っても誰も助けてくれない。
未来は自分の力で掴み取るしかないんだ。私は今までずっとそうやって生きてきたんだからね。
誰かが何とかしてくれる、神様が助けてくれる。そんなのは幻想でしかないんだよ』
――つい先刻、見知らぬガキンチョに言い放った言葉だ。
全く、その通りだとその思いを更に強める。
現にこの通り、自分は未来を打開した。
そして、その手でくるくると弄んでいるのは携帯電話。
「……やっぱりかよ」
「あなたに話を聞いておいて正解だったわぁん♪」
――どんな手練手管、口八丁手八丁を用いたものやら。
それを想像することはできても考えるだけ無駄という物だろう、真相は闇の中だ。
見れば、妲己のしばらく後方に犬が三匹、忠誠を誓うかのように座り込んでいる。
それがおそらく日記の特性なのだろう、自分の知らない日記所有者の物のようだ。
「……で、気づいた事とかはあるかしらん? 役立ちそうな情報があれば聞かせてほしいのん」
苦笑する。
「直球だな」
「わらわとあなたが別れた短い間でも、少しは収穫があるかもと思ってねぇん。
せっかく助けてもらえるかもしれないんだから、チャンスは有効活用しないと勿体無いでしょぉん」
やれやれ、だ。苦笑にさらに苦笑を上書き。
だいぶ血が抜けてきて、口を動かすのも億劫になっているというのに。
さっさと止血でもしてくれればいいのにと思うが、でもまあ、この女はまず情報を吐かなければ動きはしないだろう。
せっかく生き延びる機会が降ってきた、ならばそのくらいは願ったり叶ったりだ。
「プラ爆だ」
「ぷらばく? それは何かしらん?」
「首輪に使われてる爆薬だよ。あの爆発の仕方は十中八九プラスチック爆薬だ、威力は滅茶苦茶だがな。
――粘土みたいに自由に成型できて、なおかつ信管の刺激がなきゃまず起爆しない。
首輪に使うにはもってこいのアイテムだな」
「成程ん、ハンバーグの種みたいにコネコネできる爆薬な訳ねん」
「……ま、そうだな。
だから、外そうと思うならセンサーか信管を探して取り除け。出来れば信管だ。
おそらく衝撃や振動、熱とか電気とかに反応するセンサーが信管に信号を送るって構造になってる。
それを突き止めんのは……、まあ、新しい首輪がないと無理だな」
「……いい仕事したわよん、みねね。ありがたく使わせてもらうわん」
「
ふう……、と、十数秒かけてゆっくり息を吐く。
まだまだ余力はある、他に話すべきことはないだろうか思案する。
『自分のことは自分で守るしかない。困っても誰も助けてくれない。
未来は自分の力で掴み取るしかないんだ。私は今までずっとそうやって生きてきたんだからね。
誰かが何とかしてくれる、神様が助けてくれる。そんなのは幻想でしかないんだよ』
――つい先刻、見知らぬガキンチョに言い放った言葉だ。
全く、その通りだとその思いを更に強める。
現にこの通り、自分は未来を打開した。
たとえ精神的なものであろうとも物質的なものであろうとも。
神様や正義に縋るばかりで、自分の意思と力で障害を打ち破る事を放棄した人間のその末路はあまりにも哀れだ。
とはいえ――、ひとりは、少ししんどいとも思う。
だからだろうか。
なぜか自分に付き纏う、一人の刑事の姿を思い出してしまった。
「そうだ、妲己」
「何かしらん?」
雨流みねね様ともあろうものが、と自嘲する。
「いるかどうかも分からんが、頼みがある。西じ――」
ぽき。
首が180度回転して、後ろ前が逆になってしまっている。
体は仰向けのまま、首から上だけが地面とキスをしている形だ。
そのまま何一つ続きを告げる事無く、あっさりと雨流みねねは死んだ。
最後までその顔には自嘲を浮かべたままだった。
「他人の惚気話なんか聞いてても面白くないのん、時間の無駄よねぇん」
せっかく未来への糸口を切り開いて突き進んでも、扉の向こうは奈落の底になっていた。
良くありすぎる陳腐な話だ。
皮肉にも――みねねの死に方は、ついさっきバラバラに引き裂かれたアルフォンスのそれと全く同種の物だった。
まるで、いくら藻掻いても結局は同じ結末にしか辿り着かないと言わんばかりに。
いくら頑張って頑張って頑張って、結果を出したって立ちふさがる現実には全くの無意味。
どんな想いも自己陶酔でしかない。
この麗しの妲己ちゃんには、そんな役に立たない感傷に付き合ってやる必要などないのである。
【雨流みねね@未来日記 死亡】
こきこきと手首と指を動かして、一仕事終えた時の気持ちいい伸びをする。
「……とりあえず、重要そうな情報は首輪の事だけねぇん、現状じゃ手に入れられる情報に限界があるわん。
きっとこのままだと情報量がそのままジリ貧になるわねぇん」
……と、なれば。
やはり今後のプランに少しでも多くこのゲームの情報を増やす方向性を加えるべきだろう。
思い当たるポイントの一つは、やはり“放送”だ。
おそらくゲームの進行に従って、その放送の内容で参加者の行動を制御するつもりなのだろう。
そこを逆手に取る。
つまり――、
「ゲームの進行が早ければ早いほど、“神”から手に入れられる情報は増えていくわん。
だったら、わらわもそのスピードを加速させてやればいいのよん」
このゲームのスピードの加速とは、即ち参加者の死亡の増加だ。
妲己がみねねやウルフウッドを殺害したのも、そういう思惑が存在したからである。
……とはいえ、死にかけを探して殺しまわるだけでは効率が悪いし、何より華がない。
それは非常に不満の溜まることなので、やはり別の一手を打っておくべきだろう。
積極的に参加者を減らすその為の一手が。
「まあ、わらわ自らが手を下しちゃえば、それはそれで動きづらくなるのよねぇん」
さてどうするべきか。
基本方針は変わってはいないので、下手に参加者を殺してしまうのは信用の面で宜しくない。
思案する為にも、とりあえずみねね達の道具を回収しておこう。
彼女らの支給品次第では妙案が浮かぶかもしれない。
「……この金属の糸を然るべき持ち主に返したら、面白い事になりそうねぇん」
呟きながら、まずはみねねの持っていた金属糸をデイパックに入れなおす。
ついでにメモ爆弾が残っていないかと探したが、どうやら先刻の攻防で使い切ってしまっていたようだ。
なので、次は剛力番長――白雪宮拳のところに向かおうとして、気づく。
「あはん」
「……! ……っ!」
「すごい生命力だわん」
――――白雪宮拳は、生きていた。
両足は焼け焦げて一部は炭化しているし、上半身はそれ以上に酷い。
下顎が半分以上吹っ飛んでなくなっており、顔面は完全に焼け爛れている。
とっさに庇ったのか目の周りだけは綺麗なものだが、その代わり両腕もボロボロだ。
万一生き延びても、きっと顔全体に火傷の痕が残って二目と見られないことだろう。
また、胸付近へのダメージもそれなりだ。
学ランは最早服としての呈をなしておらず、つつましい胸の膨らみが痛ましいくらいに真っ赤に染まって露出している。
そんな有様の剛力番長を見て、いいことを思いついたとばかりに妲己は口を三日月にする。
「……運が良ければ、生き延びさせてあげるわぁん。
わらわに感謝して、しっかりお仕事に努めて頂戴?」
くすくす、と、まさしく女狐の表情をした妲己がゆっくりと近づいた。
その懐から取り出したるは、小さな瓶。
「さっきの男のところで拾ったものが、こんなにすぐに役立つなんてわらわってラッキーだわん」
――その小瓶の中には、赤い液体金属のような物がぷるぷると蠢いている。
ある人はそれの試作品を、 黒い核鉄と呼んだ。
ある人はそれを、柔らかい石と呼んだ。
ある人はそれを、赤きエリクシルと呼んだ。
ある人はそれを、第五元素と呼んだ。
ある人はそれを、哲学者の石と呼んだ。
――賢者の石。
つい先刻砕け散った鎧の少年、その父親が生み出したホムンクルス。
その分け身たる大罪の一つ、憤怒。
かつてとある男に注入されたはずのそれは、なぜか今ここに形を持って存在していた。
妲己は焼け爛れた剛力番長の胸の、特に深い傷を、尖った爪を差し込みこじ開ける。
そのまま、ちゅうぅぅぅ……っ! と、ぶじゅう……っ! と、静かに、ゆっくりと。
一滴残さず、賢者の石を剛力番長という器に注ぎきった。
沈黙。
沈黙。
……沈黙。
そして。
「キャァアあアァパぱぱパッパパびゃぎゃきゃくあけけぎキキキキきぐぐぐぐばっばば
ぺきゃっつばびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃじゅじゅぶぐぁがががっががががが
しししししぎきけってててぶぴゃぅぱぐぅぐぎゃァアアアァアアアアァア――――!」
白目を剥いた。
四肢が吊ったようにピンと張った。
バタバタと、アヒルの玩具のように忙しなく動き始めた。
口から漏れる涎は溢れて止まらず、しまいには蟹の如く後から後から泡を吹いて止まらない。
まるで何かの映画のように、十字架で自慰を始めるような、そんな光景が妲己の目の前で繰り広げられる。
「さて、それじゃわらわは行くわねぇん」
うんうんと満足げに頷いた後、妲己は踵を返してさっさと立ち去る事にする。
……そんな悪魔の所業に反応したのだろうか。
「……っ!」
獣の槍が、またもや妲己目掛けて飛び掛ってきた。
尤も、本来の力を発揮できないこの状況ではやはりあっさりと妲己に止められはしたのだが。
「この槍、やっぱり怖いわぁん」
妲己の手の中で、びくびくと獣の槍が唸りを上げている。
その様子を見ていて、妲己は気づいた。
どうやら槍は、とある方向に向かって飛び去ろうとしているようにも見えるのだ。
……もしかしたら、そちらの方向に本来の持ち主がいるのかもしれない。
それに留意してしばらくそのままにしておくと、ようやく槍はその激情を治めたようだ。
「さて、ちょーっとばかり寄り道をしたけどぉん、あらためてゴージャスにデパートに向かうわよん♪」
剛力番長から妲己が騙し取った、“飼育日記”。
その示す情報によれば、デパートの方には騒動の種がたくさん転がっているらしい。
……実に楽しみだ。
その後は獣の槍の本来の持ち主に会ってみましょうかしらん、と一人呟いて、妲己は今度こそ歩みを再開した。
正義もテロリズムも踏み潰し蹂躙して、威風堂々と我欲の象徴が闊歩していく。
【H-5南東/森林/1日目 黎明】
【妲己@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら、飼育日記(α1:健在、α2:健在、α3:健在)@未来日記
[道具]:支給品一式×5、再会の才@うえきの法則、
マスター・Cのパニッシャー(残弾数0%・銃身射出済)@トライガン・マキシマム、
金属糸×4@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数8/12)@現実、
パニッシャー(マスター・C)の予備弾丸4セット、不明支給品×3
[思考]
基本方針:神の力を取り込む。
1:デパートに向かう。その後、獣の槍の反応する方に向かい本来の持ち主を見極める。
2:対主催思考の仲間を集める。
3:太公望ちゃんたちと会いたい。
4:この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る。
5:獣の槍と、その関係者らしい白面の者と蒼月が気になる。
6:“神”の側の情報を得るために、自分の信用に傷がつかない範囲で積極的にゲームを促進する。
7:金属糸の持ち主を探してみる。
[備考]
※胡喜媚と同時期からの参戦です。
※みねねと情報交換をしました。未来日記の所持者(12th以外)、デウス、ムルムルについて知りました。
※みねねとアル及び剛力番長の一連の会話内容を立ち聞きしました。
錬金術に関する知識やアルの人間関係に関する情報も得ています。
※獣の槍が本来の持ち主(潮)のいる方向に反応しています。
※みねねから首輪に使われている爆薬(プラスチック爆薬)について聞きました。
【金属糸@トライガン・マキシマム】
レガート・ブルーサマーズが人体強制操作に用いる微細な金属糸。
これを人体に刺して電流を流すことで、たとえ自壊しようともなお人体を意のままに操る事が可能となる。
また、特殊な電磁場が存在するとこの金属糸は弾かれてしまう。
【飼育日記@未来日記】
未来日記所有者10th、月島狩人の持つ未来日記。
月島の飼育する狩猟犬は3つのグループを作っており、それぞれの群れにはリーダー(α1、α2、α3)が存在する。
この3頭のリーダーへの命令と、そのレスポンスを記録したのがこの飼育日記である。
本来は数十頭もの犬の報告を受け取ることが出来るのだが、今回は制限により群れのリーダーである3頭しか会場には存在していない。
なお、月島はこの殺し合いに参加させられていないため、ここで飼育日記が破壊されれば全く関係ないどこかの世界で月島狩人が人知れず死ぬことになるだろう。
ご愁傷様。
【H-5南西/山道/1日目 黎明】
【白雪宮拳(剛力番長)@金剛番長】
[状態]:下顎半分喪失、眼球付近を除く顔面及び上半身前面に火傷(大)、両足に火傷(中)、両腕に火傷(中)
精神的疲労(中) 、悶絶中、賢者の石(憤怒)注入
[服装]:学ラン焼失、上半身裸
[装備]:ドラゴンころし@ベルセルク
[道具]:支給品一式、アルフォンスの残骸×6
[思考・備考]
0:あびゃびゃびゃびゃぐぐぐうぶばが、ァ――!
1:全員を救うため、キンブリー以外を殺す。
2:強者を優先して殺す。
3:ヒロ(名前は知らない)に対して罪悪感
4:私は……悪……? でも……
5:悪はとりあえず殺す。
[備考]
※キンブリーがここから脱出すれば全員を蘇生できると信じています。
※錬金術について知識を得ました。
※身体能力の低下に気がついています。
※主催者に逆らえば、バケモノに姿を変えられると信じています。
※参戦時期は金剛番長と出会う直前です。
※アルフォンスが参加者だったことに気づいていません。
※妲己がキンブリーの協力者だと信じています。
※剛力番長が賢者の石の注入に耐えられるかどうかは次の書き手さんにお任せします。
【賢者の石(憤怒)@鋼の錬金術師】
かつてキング・ブラッドレイに注入された賢者の石。
注入されて、なおかつ生き延びることが出来ればその人間はホムンクルスとなる。
ただし、自我が残っている保証はない。
※H-5を中心とした一帯に無数の爆発音と閃光が確認されました。付近の参加者が感知している可能性があります。
※H-4〜H-5の山道付近に無数のワイヤートラップが仕掛けられています。
※アルフォンスの残骸がH-5〜I-5境界付近の森林部に転がっています。
以上、投下終了です。
本スレの方で支援してくださった方に感謝の意を。
とのことです。以上で代理投下終わります
うーむ、予想外の出来事の連続でしたが、少々気になる事もありました。
首輪の爆薬+みねねの腕分の爆薬を爆弾のスペシャリストみねねが使ったのに
生きている事。これで生きているなら首輪外しても生き残れるのでは。
未来日記はあまりの強力さゆえに本来の持ち主に会ったりしないと発動しないという縛りがあったのに
今回の参加者とは無関係の飼育日記を持ち出して縛りなしでいきなり使える事
しかもオプション付き
逃亡日記を持っていたのがみねねと出会って使えるようになり、逃げた先がわかるようになったでいいのでは?
まぁそれでも今まで使途不明だったアイテムをいきなり扱えるようになった事がわかって
それを使いこなし、それを妲己に渡す…というのはちょっと考えにくいですが…
そして賢者の石
次の書き手さん次第ですが場合によるとまったく別の参加者に変貌してしまう恐れがあるのでは?
姿は剛力番長のままでしょうが中身が…
最後にみねねの扱いですが信管を外せばいいとか聞いても妲己にはさっぱりわからんはずなのに
重要な情報源であるみねねをあっさり殺すのはどうかと…
ていうか、参加者の力を集わせて主催に戦いを挑むつもりなのに、参加者を殺して神から
情報を得るとか意味がよくわかんないんですけど…
投下乙
二転三転とした戦闘は迫力もがあって中々楽しまさせていただきました。
それはそれとして、自分も気になることがあったので一つ。
幾つかは
>>362とかぶりますので割愛します。
なぜアルフォンスが砕け散ったのかよくわからない。
飴細工やガラス、光子力研究所のバリアじゃ無いんですから、腹の部分をぶち抜かれても
ああもきれいに割れるとは思えないのですが。
それならば、ぶち抜いたの背中側でその時に血印も破壊した、という方のがスッキリする様な気もしますがどうでしょう?
投下乙です
自分も結構疑問に感じた事が上に書かれてますが
疑問の方が先に来て上手く感想をまとめれずにすいません
さすがに首輪の爆発で死なないのは根本的な問題じゃないかと思いました
当たったのが身体や足とかなら理由付けにはなりそうですが
口に突っ込んで爆発させて死なないのはさすがに…
あと飼育日記もどうかなと
ブリーダーでもない妲己が犬を操れるとは思わないので単なる予知日記になるでしょうが
その予知を制限無しで使えるのはどうなのかなと
それこそ上で書かれている逃亡日記で良かったのではと思いました
みねねを殺した理由についても、基本方針は変わって無いと言いながら
本文読む感じだと全部殺そうみたいな趣旨変えしたように取れました
ウルフウッドみたいにもう役に立ちそうに無いから殺したで良いのでは?
…読んだ段階ではこう考えてて、上の信管の突っ込みを見てますます本文からだと殺す理由が見えなくなりました
登場時の思考だと、知らない有益な情報を持っていて「新しい首輪があればまだ情報は手に入る」と言っているみねねに賢者の石は使いそう
賢者の石での復活に関しては、異能力追加におけるデメリットとしてのキャラ暴走は問題ないとは思いました
そこは自分も気になりましたが脱出するためだけではなく、やつあたり的意味も含めて
鉄の檻を破壊したのでは
まぁ血印の部分さえ残ってれば大丈夫だと思いますが…
特性上、アルだけ首の部分のパーツと首輪が一体化しててみねねが爆弾として使うまでは
意識あったけど、爆弾として使われて爆散というのも面白かったかも
投下乙です
緊迫した戦闘の雰囲気が十分出てました
異なる正義の考え方の対比は俺の好みですw
アルフォンスの件は俺もぶち抜いたの背中側でその時に血印も破壊した、でいいと思います
さすがにみねねが爆発で生き残ったのは問題かな。理由付けがそれなりに納得出来るならともかく。
日記は詳しくないですが逃亡日記がいいみたいな意見があるので1度書き手の意見が聞きたいです
みねねを殺害した理由は重傷だから足手まといと判断して殺したのでしょうか?
でも爆弾に詳しそうだから治療して首輪を手に入れればと考えて生かす可能性はあったかも
賢者の石での復活に関しては、俺も異能力追加におけるデメリットとしてのキャラ暴走は問題ないとは思います
投下乙です
強力+鉄より固い皮膚+最強の眼
すごいことになりそう
投下乙です
バトルの展開も含め楽しませていただきました。
ただ、これまでも疑問として出されているように
妲己が対主催スタンスはそのままなのに方向性がが急に変わってしまっていることに強い違和感を感じました、
特に思考4の「この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る」へ真っ先に役立ちそうな知識を持っていて、
現状敵対関係ではなかったみねねをあっさり殺してしまってるのは、これまで自身の利益に聡い立ち回り妲己らしくないなと感じます。
あとこれも同じくですが、首輪の爆発で剛力番長が生きていたとすると、自分の首輪でさえなければ完全至近距離の爆発に対してでも
超人クラスなら耐えれてしまうという例として今後も残ってしまわないかが少し心配です。
遅くなりましたが投下乙です。
みねねと剛力番長の考え方の間にある壁の大きさを感じました。
テロリズムと正義…言葉だけなら真逆な印象なのに、不思議なものです。
金剛と出会った後の彼女ならあるいは…と思わずにはいられませんね。
しかし、みねねも悲しいがアルの死があっけなくて泣いた…
一個だけ確認で、本文からわからなかったんですけど、獣の槍って完全な自立移動は出来てないんですよね?
妲己が掴んでないと勝手に潮のとこに飛んでっちゃうようではちょっと問題かなと思うので…
どこかに行こうとしているが制限で動けない…と認識してよろしいでしょうか?
あれは原作じゃ勝手に動いたはず…
作者さんこっち書けないみたいだから議論は議論スレでやったほうがよさそう
(…………何なんだこの人達は…………?)
目の前の女性二人を不可思議に眺める。
自分の事をなにやら言っている様子だが、特に敵意が感じられるわけでもない。
状況は良くわからないのだが少なくとも戦おうとかそう言った内容ですらなんでもないようだ。
改めて内容を聞いていると男としての自分を値踏みされているようで良い気分がするものではない。
(……え?)
そこで唐突に。
向かい合い言い争っていた二人の視線が秋山に移る。
そして片方の――明らかに自分に対して不満を漏らしていた女性が睨み付けて来た。
「お、おい……」
隣の同じ顔をした女性が制止の声を上げているのも聞かず、ゆっくりと秋山に向かって歩を進めた。
「な、なんだ君は?」
背筋をまっすぐと伸ばし、堂々とした態度でまっすぐ近づいてくる目の前の女性。
視線は自分を睨み付けて全く離そうとしないその態度に秋山は思わず身構えていた。
それでも一切の迷いも見せずさらに近づいていく。
そして目の前でぴたりと足を止め……一言。
「何その格好?」
「……は?」
何をするのかと思えば。
両手を腰に当て、伏目がちに目を細めながら放たれた言葉。
緊張した自分が馬鹿らしくなりながらも、向けられた態度に思わずむっとする。
睨み返した秋山を気にも留めずに再び足を動かし、秋山の周りをゆっくりと回りだす。
「その……学ラン? 何でそんな短いの?
サイズぐらい合わせたら? それともそれが格好良いとでも思ってんの?」
丁度一周した所で再び足を止めるとビシッと秋山の顔面に指差し――
「そもそも何よ、その変なマスクは。趣味が悪いったらありゃしない」
「み、見ず知らずの人間にそんなことを言われるいわれは無い」
「はあ? 馬鹿じゃないの? 外見なんて他人に見せる為にあるんでしょうが。
それが変だから変って指摘してるわけ。
何も疑問に感じてないんだったらあんたの周りの人間は誰も言ってくれなかったんでしょ?
むしろ感謝して欲しいぐらいよ!」
喧嘩を売られているんだろうか……。
未だかつてこんなことを言われたことは無い。
自分では格好良いと思っていたしポリシーだって持っている。
だがこれでも秋山も年相応の男であった。
妙齢の女性に自信満々に否定されてしまったことにショックを隠しきれない。
もしやみんな、本当に自分に気を使って言い出さなかっただけなのか?
否定的な意見が頭の中にもやもやと浮かび上がりだした。
「ほら、とりあえずその仮面外してみなさいよ」
呆然とする秋山の顔から一瞬でマスクを奪い去る。
「ちょ、ちょっと!」
慌てて素顔を隠そうと顔をそらす秋山だったが腕を掴みそれを許さない。
整った顔立ち、切れ目に少し下がった細目に高い鼻。
顔に自信が無いから隠してるわけでは絶対にないと確信できる。
むしろ美形としか言えないにも関わらず、何故それを隠しているのかが雪路には理解できなかった。
「なによこれ! 素材は良いのにもったいないったらありゃしないじゃないの」
金切り声と共に憤慨した言葉を吐き捨てると、グッと秋山の腕を引っ張りだした。
「っ、なんのつもりだ?」
「つもりもタモリもないわよ。あんたに少しファッションって言うものを教えてあげるわ。
いいから黙ってついて来なさい」
連れの女性に助けを求めようとチラリと視線を移した……が、肝心のとらはと言うと
「あー、まあなんだ。……諦めろ」
頭をポリポリと掻きため息をつきながら、同情するような生暖かい目で秋山を眺めるだけだった。
☆ ☆ ☆
コンビニより少し離れた一軒の居酒屋に場所は移る。
店員も客もいないフロアーの一席に座る女性二人と男性一人。
「……大体ねえ、なんで誰も私の魅力に気づかないのよ!?」
すでにテーブルの上には数本の酒瓶が転がっていた。
完全に出来上がっている雪路のテンションを止める事も出来ず、マシンガンのように飛び出す単語の羅列に相槌を打つばかりの時間がただ過ぎていた。
自分は何故ここでこんな事をしているのだろうと項垂れながらただただ雪路の愚痴を聞き続けている秋山。
いつまでここでこうしていなければならないのか。
幾度と無く席を立とうとしたがそのたびにしがみつく様に絡まれ止められる。
無理やり飛び出しても良かったのだが、少し情報が欲しかったのもあった。
自分を騙していると考えを除けば、この雪路と言う女性は番長ではない。
おそらく一般人の部類だ。
そうするとこれは23区計画ではないのかと言う疑問が湧き上がる。
それともただ巻き込まれただけ…・・・?
突っ込んだ話をしようにも男がどうたら酒がどうたらで会話にならない。
まったくどうでも良いのだが、そもそも自分にファッションの指南をするとかで連れて来たんじゃないのか……?
隣に座っているとらと言う女性も見た目は普通なのだが相当酔っているようだ。
化け物だとか二千年生きているとかまともな情報が手に入らない。
秋山が途方に暮れ、なかば自暴自棄になりかけていたその時だった。
ドオオオォォォォン!!
と。
大きな音と共に店全体が大きく揺れた。
「なんだっ!」
とらと秋山が同時に席を立つ。
警戒するように外へ飛び出そうとした秋山の学ランのすそを掴みながら、少しも慌てたそぶりも見せずに雪路はつぶやく。
「でっかい地震でしょ?」
「いや……今の音は何かが爆発したような」
「んじゃガス爆発? 大変ねえ。まあここは何も問題ないみたいだから気にしない気にしない」
まったく危機感を感じさせず、コップに酒を注ぎながら雪路がのほほんと答えた。
「それより!」
全力で掴んだ学ランを引っ張る。
物凄い力に秋山の身体はバランスを崩し……そして雪路の膝の上へ座る形になった。
「あたしばっかり呑んでさあ、あんた全然呑んでないでしょ!?
良いから付き合いなさいよ!!」
言いながら一升瓶を手に持つと、秋山の口に押し付けごぶごぶと流し込んだ。
「……ぐっ、ゲホッ」
自分の意思とは無関係に酒が流し込まれていく。
入りきらずに口から漏れ、器官を浸食した液体の感覚に思わずむせ返るが、それを見ても意にも関せず雪路は大笑いを続ける。
顔を引きつらせながらその様子を見ていたとらだったが
「あんたもよ!」
……と、酒瓶を投げつけられた。
下手に機嫌を損ねても、この男の二の舞だなと。
目の前の光景も面白いし酒もうまいからまあ良いかと。
付き合うように酒を浴びるように呑みながら、合わせる様に目の前の光景を楽しむことにした。
☆ ☆ ☆
――数時間後。
酒の匂いで充満した店内で眠りにつく三人の姿があった。
その表情は三者三様に笑顔で満ち溢れていた。
すでに何人もの人間が戦い合い死んでいる中、楽しい日常とも言える時間を過ごせたのは幸せだったのかもしれない。
だが、現実を知らしめる放送が流れているのを聞くことが出来なかった。
それが彼らにとって不幸としか言えないだろう事は間違いないだろう。
【J-8/居酒屋/1日目 朝】
【秋山優(卑怯番長)@金剛番長】
[状態]:泥酔
[装備]:衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE
[道具]:支給品一式、激辛せんべい@銀魂
[思考・備考]
基本:どのような状態でも、自分のスタンスを変えない
1:雪路のテンションについていけてない
2:金剛晄(金剛番長)と合流する。
3:できれば自分の武器も回収したい。
4:とりあえず、今は脱出することを考える。
5:もし、金剛番長が死んだ場合は……。
※登場時期は、マシン番長が倒される〜23区計画が凍結されるまでの間のどれかです。
※金剛番長がいることに気づきました。
※桂雪路ととらを双子の姉妹だと思っています。
【とら@うしおととら】
[状態]:泥酔、雪路に変身中
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)
[思考]
基本:自由気ままに楽しむ。
1:とりあえず飽きるまで雪路に付いていく。
2:秋山に対して同情心を抱いてます
【桂雪路@ハヤテのごとく!】
[状態]:泥酔
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)、大量の酒(現地調達)
[思考]
基本:酒を飲む。
1:覆面外したら少し格好いいじゃないの
[備考]
1:殺し合いを本気にしてません。酒に酔ったせいだと思っています。
※三人とも眠っていたため第一回放送を聞き逃しました
※殺し合いに関する事や人間関係に関する話はしておらず、どうでもいい雑談しかしていません
【衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE】
空島に存在している貝(ダイアル)の一つ。
衝撃を蓄え、それを自在に放出することができる。
ただし、使用後は体を痛める可能性があります。
【激辛せんべい@銀魂】
沖田の姉・ミツバが真選組に送ってくる、とても辛いせんべい。
しかし隊士曰く「辛すぎて食えない」らしく、評判は良くない。
以上です、タイトルは『秋山優――続・卑怯番長の女難』で
放送を越えさせてしまうと言う点に関して不安が残るのですが
その辺の指摘も含めて何かありましたらお願いします
とのことです。以上で代理投下終わります
うーむ、朝まで寝こけるとはw
ある程度展開縛りになりますが、とりあえず周りに危険もないし
いいのではないでしょうか
まぁ宴会に入ったらこうなりますよねw
投下乙でした。
雪路…っていうか卑怯番長かっこいいと思ってたのかw
女難ではありますが、確かにロワでは幸せなほうですねぇ…
周囲に誰もいないし、放送後もしばらく寝てたりしてw
ここまでロワをスルーする奴等も珍しいw
投下乙
卑怯さんwwwwww
すっかり雪路のペースにwwww
ひょうにも同情されてるしなんだこの呑気な集団はwwww
放送は問題ないのでは?
投下乙!
卑怯……アレをかっこいいと思っちゃっていたのか……
てっきり変な格好をして相手を混乱させるとかの戦術かと思ってたのに、真性だったのか……
しかし雪路ぐらいマイペースだと卑怯の策謀って効果ないんだろうなーww
放送は問題無いと思いますよ
投下乙
おま、普通ロワでここまでフリーな連中も珍しい気がするぞw
とらはともかく雪路も卑怯番長もずれまくりだw でも目覚めて酔いがさめたらどうするんだ?
卑怯番長、引きずられて眠りこけていいのかよ?
でも第一放送まで生きられるから他よりマシか?
確かにある程度展開縛りになりますがこれくらいならOKです
雪路なんて知り合い二人も死んでんのに放送スルーって‥w
ギリギリまでかかったー
投下します
「いきなりで悪りぃんだけどよ……おっさんは殺し合いに乗ってんのか?」
この殺し合いの場で最初に出会った参加者。
赤い外套の少年に尋ねられた時、私はすぐには返答出来なかった。
この三百年、私は行動の全てを殷の為という指針に基づき動いてきた。
その方針に従うならば、悪趣味なゲームだが優勝して殷に帰り、周軍を迎え撃つのが私の仕事だろう。
そこにブレなどあろうはずもない。
だが、飛虎よ。
お前が逝って、私は知ったのだ。
自分の掌の上から、守りたかったものが全て零れおちていた事を。
もはや私の掌には何も残っていない事を。
(腑抜けているな……私は……)
なぜか十二仙や元始天尊に負わされた傷は回復しており、戦って負けるとは思わなかったが
もはや戦う気力もない。
もし、太公望が相手であれば殷の太師として、旧き国の老いたる象徴としての最後の責務を果たす気
にもなっただろうが、このような少年を相手に勝敗を競ったところでどうにもならない。
「私は……何もするつもりはない。首が欲しいのなら取るがいい……」
だいぶ時間をあけて返答をすると、私はその場に座り込む。
首を落としやすいように少し俯くと最後の瞬間を待つ。
「このバカ野郎っ!! 」
「……!! 」
それは飛虎が最後の一撃と共に私に刻み込んだ言葉。
少年の一喝は、私にその痛みを思い出させる。
「何もう諦めてんだ! まだあんたは歩けるだろうがっ!
ああもうっ……ヤバいのが近くにいるんだよっ! 戦う気がないなら逃げるぞっ! 」
そう言うと少年は鋼の腕で私をひっぱり起こすとグイグイ引っ張って歩き出す。
その強引さ、力強さを、私は嫌いではなかった……
◇ ◇ ◇
蒼白い月の光に孤影が浮かび上がる。
レガート・ブルーサマーズ。異能の殺人集団GUNG-HO-GUNS(ガンホーガンズ)のノーナンバー。
主ナイブズにその絶対の忠誠心を見せつけるべく、彼は動き出す。
さぁ、この場の一切合財を殺し尽くし、このような場を提供してくれた主催を名乗るあの道化どもも殺し尽くし、
神すらも殺し尽くそう。
運命よ、僕の前に天災の如き絶望を用意しろ。
そして我が忠誠の糧となるがいい。
◇ ◇ ◇
闇の中、煌々と照らし出される一つの巨大な建物。
聞仲の知らない建築様式で建てられたそれは病院という。
「誰っ!? 」
赤い外套の、エドと名乗った少年とともに聞仲が病院へと辿り着くと、巨大な十字架を持つ少女が
誰何の声を上げる。
「あんたがタカマチか! 何バカな事してんだよっ! 殺し合いに乗ってる奴があれ聞いたらどうするんだ!?
死にてーのか!? 」
「む、バカとはなによ。それより答えなさい! あんたはこの殺し合いに乗ってんのかい?
乗ってるんだったら悪いけど死なない程度にぶっ飛ばす。あたしはこんな殺し合い絶対許さないっ! 」
タカマチ…そういえば先ほどそんな名前を大声で叫んでいた奴がいたな。
緊張しながらも、こちらの反応を見極めるような真摯な瞳。
こんな仙道でもない、年端もいかないような少年少女に殺し合いをさせるなどと……
申公豹……奴は一体何を企んでいるのか。
それともこれは妲己の趣向なのだろうか。あの狐めが……
「俺はエド、こっちは聞仲。安心しな、俺たちは乗ってねーよ」
「へぇ、ちいさ『誰が豆粒みたいに小さいドチビじゃ!! 』かってるじゃん」
タカマチの言葉をエドが遮るように怒鳴りつける。
「それより逃げるぞっ! 殺し合いに乗ってる奴がここを目指してやってくる
……って、やべぇ!! 」
少年が拝むように両手を合わせ、大地に両手を叩きつけると突然大地が盛り上がり
病院の入口を塞ぐような巨大な壁となる。
ダダダダダッ!!
同時に響き渡る炸裂音。
土の壁が砕けて土煙が舞う。
「くっそ、もう来やがったっ!! 気をつけろ、奴は底が知れないっ!! 」
「な、なんだい今のは!? 」
「説明は後だっ! 逃げろ! 」
(今のは術か? だが、彼から仙人骨は感じないが……)
――術。かつて宝貝がまだ主流ではなかったころの仙人の力。
少年の示した異能の力に私は目を瞠る。
崑崙にはかつて術能力だけで宝貝と渡り合えるほどの者がいたと言うが……
だが考えている暇はない。
病院の中に滑り込んだ二人に続き、私が建物の中に入ると同時に土の壁が砕け散る。
現れるは蒼白き月の化身か。
右手に見知らぬ武器を携えたその男が指を動かすだけで、硝子の扉を高速の飛翔体が打ち砕く。
扉が破壊されると同時に、その飛翔体をも追い抜かんばかりのスピードで蒼の男が目の前に現れ
慣性を殺すために壁を片足で蹴りつけながら、武器の筒先をこちらに向ける。
エドの顔を確認するとニィ、と男の口元が笑みの形に歪む。
なんという身体能力。天然道士、いや、それ以上か。
私の背筋を、終ぞ感じたことのない戦慄が駆け抜ける。
ダダダダダッ!!
だが、間一髪エドが再び作り出した壁が我々と男とを分断する。
「チクショー、素手でもやっかいだったのに、武器まで持ち出しやがった」
「この先に階段がある、そこまで撤退するぞ」
廊下を疾走しながらエドは次々に壁を作り出し、
巨大な十字架を担ぎながらそれに並走するタカマチが指示を出す。
この私でも寒気がするような魔人を前に、若者たちは生への希望を微塵も疑う様子はない。
(これが若さか……)
「どうする? このまま外に逃げても遮蔽物のない場所じゃあっというまにハチの巣だ」
「ここで迎え撃つ。絶対殺すなよ、あたしは殺るくらいなら殺られるほうを選ぶっ! 」
「上等ッ! 俺の錬金術で何とか拘束してみる。牽制とか、頼めるか?
一瞬でいい、奴の動きを止めてくれ」
階段手前、廊下に対し、死角となるポイントでタカマチは十字の武器を構える。
武器の外装が二つに分かれると、中から砲身が現れる。
「おいおい……物騒なもん持ってるな……殺すなよな? 」
「誰に言ってんだいっ! 任せときなって」
だが、おかしい。先ほどより断続的に響きわたる壁の破砕音。
それが最後の一枚を残して止まったのだ。
固唾を飲み、魔人が姿を現すのを待ち構える二人。
だから気付く事が出来たのは私だけだった。
「窓から来るぞ! 」
警告を発すると同時に硝子を砕き飛び込んでくる蒼白き影。
竜巻のような回転を加えた蹴りがタカマチを吹き飛ばす。
だが、咄嗟に構えた武器で防御出来たのは称賛に値しよう。
兵は詭道なり。
魔人は待ち構えられている事を察知し、正面からではなく、窓から外に回り込み
再び我々の前に姿を現したのだ。
魔人はふっ飛ばしたタカマチには目もくれず、エドに銃口を向ける。
完全に虚を突かれながらも、エドはなんとか回避運動を始める。
だが、遅い。遅すぎる。
あの壁を作り出す術は両手で手を合わせて、壁に手を付ける必要があるのだ。
指を動かすという一工程だけで破壊をまき散らすあの武器に対し、そのような動作を行うのは不可能。
故に少年を待つのは死という定め。
次の瞬間には物言わぬ死骸となり、無様に血に塗れているだろう。
それを……ただ座して見ていていいのか?
バキッ!
気付いた瞬間、私の身体は魔人に殴りかかっていた。
もはや戦意などないと思っていたこの身体に満ちる気合は何事か。
吹き抜ける殺意の蒼き風。
だが朱氏や飛虎と共にこの身に刻み込んだ三百年の修練が、その殺意に自動的に反応する。
一撃を防御するたびに骨が撓み、肉は軋む。
「おっさんっ! 」
視界の端に目に入る練成の光。
壁から伸びてきた巨大な手が、魔人を反対側の壁に押さえつける。
これもエドの術なのか。
この質量で抑えつければいかな魔人とて、もはや身動き出来まい。
「ふー、助かったぜ、おっさん。あんた強いんだな……」
大きな術を使った反動か、疲労困憊といった様子のエド。
十字架を支えに起き上がるタカマチ。
誰も失わずに済んだこの結末に私は少し安堵する。
やれやれ、飛虎の替わりでも望んでいると言うのか私は……
奴の替わりなどどこにもいないというのに……
「ククク……」
壁に押さえつけられて、項垂れていた魔人が含み笑いを漏らす。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!! 」
「な、なにがおかしいんだい!? 」
「この程度で僕を封じたと思っているのかい? まったく揃いも揃っておめでたい連中だ……」
「……っ!? 」
突然タカマチが我々に武器を向ける。
まるで操り糸に操られる人形のようにギクシャクと。
「お、おいっ! 何やってんだっ! 」
「あ……身体が……勝手に動いて……厭だぁっ! 」
十字武器の短いほうの筒先が狙いを着けて発砲。
空間が炎に包まれた。
◇ ◇ ◇
眼に見えないほどの微細な金属糸を対象の脊髄に突き刺し、電気信号を送り込み、強制的に操る。
それが異能の殺人集団においても規格外を示すノーナンバーたるレガート・ブルーサマーズの魔技。
だが、やはりその技は予想通り制限を受けていた。
対象はただの人間だと言うのにまるであのヴァッシュ・ザ・スタンピードを操る時のような、異常な抵抗を受けるのだ。
これでは対象が禁忌としているようなことをさせる事は難しいだろう。
仕方なくロケットランチャーを、自分を拘束する「腕」に向かって発射させる。
あのミカエルの眼の誇る最強の個人兵装。
その一撃は過たず「腕」を打ち砕いた。
少女を操っていた金属糸を自分の体の制御に戻し、「腕」の残骸を振りほどく。
その間に三人は階段を上り逃走。
「逃がしはしないよ……」
一息で踊り場まで跳躍。着地と同時に足元の違和感に気付く。
――ザァ……
階段が砂のように崩壊する。
これもあの少年の技なのか。
この階段での追撃は不可能と判断し、別の階段を探す。
どこに逃げようと逃しはしない。
こちらのほうがスピードは圧倒的に上なのだ。
せいぜい無駄な抵抗を続けるがいい。
この病院が貴様らの棺桶になるのだ。
◇ ◇ ◇
「ご、ごめんよ。身体が勝手に動いて……必死に抵抗したんだけどっ! 」
「ふむ、奴の技かも知れぬな」
他人の肉体を自分の意のままに操る。
あの女狐めの誘惑の術のような効果を持つ技を、あの魔人は操ると言うのか。
あの身体能力に加え、そのような技まで持つとなれば容易ならざる難敵。
先ほど最後の練成で階段を崩したエドは、聞仲に背負われている。
術の使いすぎで疲労したのか走ることも出来ない有り様なのだ。
この戦力では、もはやあの敵に抗する事は出来まい。
事態を打開出来る物はないかと、手に持つデイパックの中を探る。
「む、これは……屋根の上までいくぞ」
手の中にある希望を握りしめると、私は足に力を込めて階段を駆け上る。
背中の重みを感じながら。
◇ ◇ ◇
病院の中を気配を探して走りまわる。
単分子鎖ナノ鋼糸があれば、自ら動かずとも相手の動きなど手に取るようにわかるのだが……
ないものはしょうがない。
屋上に巨大な力の気配を感じる。
なるほど、決戦は屋上か。
追いつめられた獲物たちがどのような抵抗を示してくるのか。
恍惚とした笑顔すら浮かべてレガートは階段を上る。
あの黒い衣の男……奴の身体能力は超人の域に達していた。
まったくもって素晴らしいところだ。
こうも強者ばかりが集められているとは。
しかも、この自分に対して不殺を貫こうなどと……
あのヴァッシュ・ザ・スタンピードのような信念が折れるさまも見てみたいものだが……
扉をぶち破り、レガートは屋上へと転がり込んだ。
すばやく周囲を確認。誰もいない。
いや、気配は更に上から発せられている。
レガートは頭上を見て驚愕する。
見たこともない巨大な生物が頭上に浮遊していたのだ。
これこそかつて魔家四将が使っていた、花狐貂と呼ばれる仙人界の宝貝。
聞仲の力を得て3人を乗せ、今まさに飛び立つところだった。
手に持つFN P90をフルオートで撃ちまくる。
だが鋼の牙は鯨に食い込む事もなく、花狐貂は暗闇の空の向こうへと消えていった……
【D-2/病院屋上/1日目 黎明】
【レガート・ブルーサマーズ@トライガン・マキシマム】
[状態]:疲労(中)全身にダメージ(中)、左拳骨折、エドワード・聞仲への興味
[服装]:
[装備]:金属糸×1 FN P90(0/50)
[道具]:支給品一式、FN P90の予備弾倉×2 不明支給品0〜1
[思考]
基本:ナイブズの敵を皆殺しにし、ナイブズに自分の忠誠の強さを知ってもらう。
1:自分の忠誠に見合うような強者を探して殺す。
2:逃がした連中を探して殺す
3:1、2をこなしつつナイブズを探し、合流する
4:あるのなら自分の金属糸を探す
[備考]
※11巻2話頃からの参戦です
※ナイブズが参加させられていることに気付いています
※金属糸は没収対象外のもので、レガートの身体を動かすために使用されています。これが外れると、身動き一つできなくなります
※最初から装備していた金属糸の、相手へ使用する際の最大射程は、後続の書き手さんにお任せします
※自分の技能の制限内容に気付きました
※病院1Fの地形が一部変わりました。
【FN P90@スパイラル 〜推理の絆〜】
カノン・ヒルベルトが使用したPDW(Personal Defence Weapon:個人防衛兵器)
【D-2西部/1日目 黎明】
【高町亮子@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:疲労(小)打撲
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:パニッシャー(機関銃 100% ロケットランチャー 0/1)
[道具]:支給品一式、拡声器、各種医療品 機関銃弾倉×2 ロケットランチャー予備弾×2
[思考]
基本:この殺し合いを止め、主催者達をぶっ飛ばす
1:とにかく仲間を集める。
2:ヒズミ(=火澄)って誰だ? 鳴海の弟とカノンは、あたし達に何を隠しているんだ?
3:できれば香介は巻き込まれていないといいんだけど……
4:あのおさげの娘(結崎ひよの)なら、パソコンから情報を引き出せるかも。
5:そういや、傷が治ってる……?
6:勝手に身体が動いた?
7:エドの力に興味
8:何この鯨
[備考]
※第57話から第64話の間のどこかからの参戦です。身体の傷は完治しています。
※火澄のことは、ブレード・チルドレンの1人だと思っています。
また、火澄が死んだ時の状況から、歩とカノンが参加していることに気付いています。
※秋瀬 或の残したメモを見つけました。4thとは秋瀬とその関係者にしか分からない暗号と推測しています。
【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:疲労(大)、全身にダメージ
[服装]:
[装備]:機械鎧
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
基本:この殺し合いを止める。誰も殺させはしない
1:疲れた…
2:首輪を外すためにも工具が欲しい
3:白コートの男(=レガート)はなんとかしないと…
4:何この乗り物。かっちょいい
[備考]
※遅くとも第67話以降からの参戦です
※首輪に錬金術を使うことができないことに気付きました
【聞仲@封神演義】
[状態]:疲労(小)健康、喪失感
[服装]:
[装備]:花狐貂
[道具]:支給品一式、不明支給品0〜1
[思考]
基本:特に為すべきこともないが…
1:とりあえず安全なところまで子供たちを運んでやるか
2:エドの術に興味
[備考]
※黒麒麟死亡と太公望戦との間からの参戦です
※身体の傷は完治しています。
【花狐貂@封神演義】
くじらのような形の攻城兵器。浮遊移動しながら城壁などを破砕しつつ飲み込む。
外装は強固だが、内部に侵入されると脆い。ポケットに入る程度まで小型化することも可能。
制限として全長を10Mほどに縮小、遠隔操作不可、仙人以外でも使えるが疲労が激しい
【パニッシャー@トライガン・マキシマム 】
装甲の強度の低下と軽機関銃程度の火力に制限されている
代わりに50kg程度の重さになっている
以上投下終了です
ご意見、ご指摘、ご感想などあればお願いします
くはー、投下乙です!
どうなる事かとハラハラしながら読んでましたw
人間最強クラスの魔人相手+拡声器の呪いで、被害がこの程度なら上等な方ですね…
聞仲のスタンスも珍しくて面白いです。そしてエドの美的センスはやっぱり…w
パニッシャーの制限が普通の人間でも使えそうになってていいと思います
乙。
いいねぇ
聞仲がどう行動するか楽しみだったが、期待を裏切ってくれないなw
いやしかし兇人ホントやばい。これで身体能力制限受けてるんだから
エド、花狐貂をかっちょいとな。流石の美的センスだ
パニッシャーの威力はそれでいいと思う。とゆうか制限しないとマジ大殺戮になる
でもパニ50kgでも相当抑えてるけどそれでも重過ぎる。
その重さだと普通の人間に扱えるもんじゃない
M2立ったままぶっ放すようなもんだし。そんなこと極限まで鍛え抜かれた軍人でも出来るかどうか
もっと軽くしないと。
あとガンホーのノーナンバーじゃなくてそれと別格の存在。
ナイブズの側近みたいなもんだし
ご意見ありがとうございます
>パニ50kgでも相当抑えてるけどそれでも重過ぎる
内部構造を軽機関銃にしたのにともない小型化により軽量化を図りたいと思います。
それでも30kg以下にはならんと思うけど、異常環境でブレチル因子が発動したとでも思ってもらうしか。
>>392 【パニッシャー@トライガン・マキシマム 】
装甲の強度の低下と軽機関銃程度の火力に制限されている
合わせて全長を1メートル半ほどに小型化
代わりに30kg程度の重さになっている
に変更します
>>386 >レガート・ブルーサマーズ。異能の殺人集団GUNG-HO-GUNS(ガンホーガンズ)のノーナンバー。
レガート・ブルーサマーズ。人間でありながらナイブズの傍に侍る事を許された魔人。
>>389 >それが異能の殺人集団においても規格外を示すノーナンバーたるレガート・ブルーサマーズの魔技。
それが異能の殺人集団からも恐れられ、別格の存在とされるレガート・ブルーサマーズの魔技。
にそれぞれ変更します
【海賊の多数決】
・メンバー全員に順序があらかじめ決められている
・自分の番が来た者は、宝の分配法を全員に提案する
・提案者を含めた全員でその案を採択するかどうかをyes/noで決をとる
・yesが半数以上なら、その案に従い宝を分配し、終了とする
・noが過半数なら、提案者を処刑し、次の順番の者が新しい案を提案する
・以上を分配法が決定するまで繰り返す
・メンバー全員は各人とも、次の優先順位に基づき提案・選択をする
(1)自分の命(自分が死なないような行動をとる)
(2)物欲(自分が死なないなら、自分の取り分を少しでも多くしようとする)
(3)他人を殺す快楽(自分が死なず自分の取り分が同じなら、他者が死ぬ方を選ぶ)
・メンバーは全員、賢い(論理的思考力と計算能力が十分ある)ことが仮定されている
・メンバー全員の前で同時に「メンバー全員が賢いこと」と
「メンバー全員が上の優先順位に基づき行動すること」が教えられる
・金貨は分割できない
問。次の時、どのようなことがおこるか?
(i)海賊のメンバーが10人で金貨が10000枚の時
(ii)金貨が10枚で海賊が10000人の時
遅れましたが、投下乙です
聞仲が良い味出してるなあ
放心状態からの参戦だったからどうなる事やらと思ってたけどw
花狐貂で脱出は想定外で面白かったです
扱い難しそうな支給品だなあと少し不安も残りますがw
紅煉、とら、ゾッドなど飛べる化け物と空中戦とか
個人的にはマップの端っこがどうなってるのか調べてもらいたかったり。
しかしヴァッシュや亮子の不殺はこういう化け物連中にも適応されるんだろうか
エドはホムンクルス相手に戦ってる時は特に手加減してないっぽいけど
決着付いた後で改めて殺すとなると無理っぽいかな
ヴァッシュは人類対象とゆうよりもう他者の命を奪うこと自体無知で傲慢と考えてるから
絶対殺そうとはしないな。
エドも覚悟の差は違うが、殺さない決意と言ってたから似た様なもんだろ
ヴァッシュは元々キチじみた鍛錬のおかげで比類ないガンマンな上に、愛用の銃まで手に入れてるんだよなー。
しかも時期的にエンジェルアーム弾や尖翼使いこなせるから、間違いなく新漫画の現状最強キャラなんだが……、厄介ごとの種にしかなりそうもないのはw
現状の最強クラスってヴァッシュ、無差別殲滅可能なナイブズ、スーパー宝貝持ちの上原型解放もある趙公明あたりかね?
ラース注入剛力番長もヤバそうだが
元の戦闘力がレガートを遥か上回りおまけにプラント能力持ちと来た
チートすぎるが制限がある上、ありえないお人よしで絶対他者を殺さない
絶対どっかで滑るんだよなこうゆうヤツ
ナイブズは更に上だが、こいつは元があれだから今後の行く先が気になるところ
まあ怖いのは趙公明と盤古旛かねぇ。最高クラスの仙人にスーパー宝貝っておま
まとも戦える相手がほとんどいねぇ
その辺のチートには及ばないかもしれないが、武器を大量に抱えてる上に
使途形態になれば空も飛べるゾッドもかなり危険だよなぁ…
まぁ「危険」って形容詞をつけるならレガートと由乃がある意味ツートップだけどw
それでも安藤兄弟なら……あの二人ならなんとかしてくれる
超強力なのに規制対象になりそうでならない絶妙な能力だよな
戦闘力なら第一放送まで生存確定グループもトップクラスだと思う
とらと雪路の支給品によっちゃ卑怯も活躍してくれそうだ
メ欄にはsageと入れてくれ
HBC
>>404 しかし兄は無気力で弟は暴走ヤンデレだ。
……安藤が負の方向に振り切れたらどうなるんだろうと思ってしまう俺がイル。
そろそろ投下来るかな?
ルフィ、ウインリィ、グリフィス、ゆの組は破棄だぞ
今日二組予約きてるけど
しかしおかまとおなべか…ごくり
おなべ言うなwww
いや、間違ってはいないがwww
オカマと言えば表紙漫画でサンジ君が大変な事になってる件について
まさに惨事
順調に予約が来て力作が書かれて先が明るいねw
過疎気味なロワスレも多いがここは安全かな
>>412 そういう話は週漫板辺りの該当スレでやってください
スレ違いなんで
>>416 ああキチガイ月厨さんか
違うスレまで粘着ご苦労さん
しかし流石に格が違うな月厨さんは
418 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 02:13:37 ID:QV/npSeo
仮投下きてるよ
誰か代理してあげて!
俺は酔ってるから無理w
これからどう動くべきか――。
競技場の壁に寄りかかりながら理緒は考えふけっていた。
少し離れた場所で喜媚が無邪気に走り回っているのを微笑ましく思いながらもため息が漏れていた。
なんと言うか能天気だなあと。
卑下したつもりも無く、純粋に羨ましいと思った。
あんな風に楽観的になれればどれだけ楽なんだろうと自分の性分に嫌気がさす。
(とりあえず――)
視線を空に移し、思考を戻す。
現実的に考えるならここに留まっているのが一番安全だとは言える。
何らかの目的が無ければこの様な所に来ようとは誰も思うまい。
少なくともまず自分なら目指さない。
喜媚の探し人と出会えれば状況が一気に良い方向へ向く可能性はある。
自分の知り合いにしたってそうだ。
清隆様ならこんな状況でも簡単に解決してくれるに決まっている。
仮にどちらの知り合いもいなかった場合や、居た場合は合流するためにどこへ向かうか。
今のうちに候補を絞っておくのは必要と考えた。
自分の知りうる人間が居た場合、彼らはどこへ行こうとするか。
それを想像することが重要となる。
もしも清隆様がいたら? 鳴海歩がいたら?
人の集まりそうな所……たとえばここのように地図に載っている施設が候補に挙がるだろう。
その点で考えると数点の候補は導き出せる。
一番の候補に挙がりそうなのはデパートだ。
必要なものが手に入る、そう考える人間が多いのは間違いないだろう。
次に病院、もしくは診療所。
怪我をした時に備えて薬や医療品を手に入れたいと考える。
この三つは間違いなく人と会うためにならうってつけの場所だろう。
何よりその中の二つが自分達のいる場所から近いのが幸いとも言える。
だが問題もある。
先程遭遇した人間、我妻由乃の事を思い返す。
もしも偶然出会ったのが揚々と襲い掛かってくるような人間だったら?
そんな事を言ったら何も始まらないのはわかっている。
これがもしもはじめに出会ったのが、いかにも私は殺人鬼ですよとでも言わんばかりの容貌の人間だったら理緒も深く考えることも無かっただろう。
自分が抱いてる疑問、『殺し合いとはなんだ?』と言うこと。
まずここにつながる筈だ。
だからまず情報を得ようとするはず、しかしその有用性を気にせずいきなり殺意を剥き出しにしてくる人間が居た。
しかも見た目にはただの女学生としか思えない人間が……だ。
あの時は例に漏れず情報を得ると言う前提でうまく戦闘を回避できたが
一歩間違えれば殺し合いを強制されていたところだったかもしれないのだ。
集まりすぎるところも逆に危険、行くとするなら十分な警戒が必要と考える。
そして他にも理緒には個人的に行きたい場所もあった。
圧迫されたままの首に手をやる。
鉄のひんやりとした感触が全身から血の気を引かせていた。
この首輪を爆破された少年の姿。
弾け飛んだ首に噴出す血しぶき。
その光景を思い返すだけでもぞっとし胃の中のものが逆流しそうになる。
鳴海歩に同じような事をしもしたが、いざ自分がその立場に立たされたとなるととても生きた心地がしない。
この首輪を一刻も早く外したい。
地図を見る限り、工場やら研究所やらが記されている。
ここにいけば使えそうな工具でも見つかるのではないだろうか。
「理緒ちゃん、どうかしたっ?☆」
無言で考え続けていた理緒に、喜媚が屈託の無い笑顔ではにかんできた。
その笑顔の下には同じようにつけられている首輪が光っていた。
ハッと。
ある考えが理緒の頭を駆け巡る。
「喜媚ちゃん、さっき熊の石像に変身してたよね?」
「うんっ☆」
喜媚が自分の前に姿を現した時は見上げるほどの……確かにそうだった。
そして今は……自分で言うのも悲しいが、お世辞にも大きいとは言えない自分と大して変わらないほどの小さな身体。
……何故?
「喜媚ちゃん小さな動物とかにはなれる? 例えば……猫とか鼠とか」
「簡単なのっ☆」
言うや否や先程と全く同じように変てこな呪文を唱え、そして喜媚の姿がぶれたかと思うとその姿がみるみる縮み
――現れたのは真っ白い一匹の子猫。
「どうっ?☆」
そして目の前の子猫から発せられるのは間違いなく喜媚の声。
「凄いですね……」
そう言いながら子猫と化した喜媚の身体を抱きかかえる。
耳の付け根を軽くなでてやると、首をごろごろと鳴らしながらうっとりとした視線を理緒に送っていた。
(本当に凄いです……けれど)
理緒が先程から感嘆しているのは変身に関してではなかった。
それに関してはもう嫌と言うほど感想を出し尽くした。
今理緒が抱いている感情――感嘆と、そして不安。
その正体は彼女の視線の先を追えばすぐにわかるだろう。
一点に向けられているのは、喜媚の首についたままの首輪。
その体型にぴったりと合わせる様にサイズが縮んでいるのだ。
熊だった時の首のサイズと先程の人間サイズでは間違いなく取れてしまうだろうに。
つまりはこの首輪はその時の状況に合わせて大きさを変えると言う事。
これもなんらかの、普通の人間には出来ない力の一つだと言う事で間違いないだろう。
その力に驚くと共に、こんなものに自分の命を握られていると言うことに愕然とした。
そしてそれを自分にどうにか出来るのか不安に駆られる。
急激に得も知れない恐怖に襲われ、身体の奥底から震えが走る。
「理緒ちゃんどうしたのっ?☆」
突然顔を青ざめさせる理緒を抱きかかえられながら心配そうに見上げる喜媚。
(この子だって今は何も考えてないかもしれないですけど、本当なら凄い化け物だって……)
腕の中に抱える小さな身体、でも今なら……。
不意に自分の意思ではない黒い感情が浮かび上がった。
――そのまま力を込めてしまえ。
信号が脳から送られ……握った手に力を込めようと身体が勝手に動いていた。
「え……?」
理緒の顔にザラっとした感触が広がる。
ゆっくりと目を見開くと、落ち着かせるように喜媚が理緒の顔をペロペロと舐め上げていた。
驚きに思わず抱き抱えていた手を離し……支えが無くなった喜媚の身体が地面へと落下する。
衝撃で変身が解け元の姿に戻っていた。
「いたっ☆」
「ご、ごめんなさい。大丈夫……ですか?」
痛そうにお尻をさすりながら、理緒に対して笑顔を向けると
「だいじょうぶぃっ☆
でもどうしてかわからないけど理緒ちゃん悲しそうなのっ☆
笑わないと何も楽しくないよっ!☆」
「うん……そう……ですよね」
喜媚のはにかんだ笑顔にも心が震える。
作り笑いがどれほど簡単かを知っているから。
自分の中に芽生えた恐怖を打ち消すように理緒も笑い返しす――が
――自然に笑えているだろうか?
そんなことを思う時点で拭い切れてないのは明白なことに気づく。
喜媚を知るものなら彼女の行動に何の裏もないことがわかる。
だが理緒は喜媚の事を何も知らない。
知らないゆえに人は恐れを抱くものだ。
根源が大きければ大きいほど、それはまた強くなっていく。
この子の心が見えない。
この子と一緒にいても大丈夫なの?
それを確かめる勇気が理緒にはなかった。
ゆっくりと時が過ぎるのを沈んでいく月の位置だけが教えてくれる。
時折無邪気に話しかけてくる喜媚への対応に、精神を磨耗させていった――
【B-2/競技場前/一日目 黎明】
【竹内理緒@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:健康 精神的に多少の疲弊
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:ベレッタM92F(15/15)@ゴルゴ13
[道具]:デイパック、基本支給品、ベレッタM92Fのマガジン(9mmパラベラム弾)x3
[思考]
基本方針:生存を第一に考え、仲間との合流を果たす。
1:第一放送までは生存優先で現状待機。殺し合いを行う意志は無し。
名簿の確認後、スタンスの決定を再度行う。
2:異能力に恐怖を感じています
3:喜媚と行動を共にしても平気か、信用しても大丈夫かを図りかねています。
[備考]
※原作7巻36話「闇よ落ちるなかれ」、対カノン戦開始直後。
※首輪の特異性を知りました
【胡喜媚@封神演義】
[状態]:健康
[服装]:原作終盤の水色のケープ
[装備]:如意羽衣@封神演義
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本方針:???
1:妲己姉様とスープーちゃんを探しに行きっ☆
2:皆と遊びっ☆
3:元気の無い理緒ちゃんが心配なの☆
[備考]
※原作21巻、完全版17巻、184話「歴史の道標 十三-マジカル変身美少女胡喜媚七変化☆-」より参戦。
※首輪の特異性については気づいてません。
【如意羽衣@封神演義】
ありとあらゆるものに変身出来るようになる宝貝
(素粒子や風など物や人物以外(首輪として拘束出来ないもの)への変化については
「制限で出来ない」or「外れた瞬間爆破」等考えましたが、話の中では明言してないので後続の方にお任せします)
投下は以上ですが指摘等ありましたらお願いします
タイトルは「それは小さな小さな『棘』」で
お手すきの方代理投下お願いいたします
とのことです。こんな時間になって申し訳ない。
とにかく投下乙でした。短い中で理緒の不安が伝わってきて面白かったです。
理緒の思考はところどころ危なくて怖い…小さいだけに、後々不安な棘ですねぇ
喜備もまだスタンスはっきりしないし…不安要素多いなぁ、この組もw
投下乙
見た目ロリコンビで和み系だけど、中身が中身だしやっぱりほのぼのとはいかんわな
しかし似たもの同士のコンビが多いな
鳴海歩と安藤(兄)の頭脳コンビ
竹内理緒と胡喜媚のロリロリコンビ
キンブリーと趙公明で異端者コンビ
とらと桂雪路でのん兵衛コンビ
天野雪輝と我妻由乃で原作コンビ
沖田総悟と安藤潤也で弟コンビ
ガッツとブラック・ジャックで黒傷コンビ
キン肉マンのタッグチームみたいなチーム名があればいいのにw
投下乙です
確かにほのぼのとはいかないな
理緒の気持ちも人間としてわかるんだが不安定だな
胡喜媚は原作でも天然か芝居かわからんキャラだからなおさらだなw
カノンと同じ異なる存在に恐怖を覚える心理はこのロワでどう転ぶか?
先が気になる繋ぎでした。GJ
コンビ名は想像力豊かな人に任せます
理緒とキビはロリロリコンビ、通称ロリコンでいいよ
……ん、あれ……ドアの向こうに爆弾持った女の子がry
やっぱりそれかよw
九ちゃんボンちゃん投下します。
もしどなたかいらしたら支援をお願いします。
◇ ◇ ◇
オナベ【お-なべ】
職業上、男装して男性のように振る舞う女性や、女性同性愛者のうち男性的な出で立ちで
男性的に振る舞う人、女性から男性へ性転換した人に対する呼称。
◇ ◇ ◇
苦労性の少年と眠る少女を見送った後、暗い夜の森の中で柳生九兵衛は地図を見つめていた。
ランタンの光を出来るだけ漏らさぬように気をつかいつつ、目的地を定める。
(浅月さんは高校側に向かった。僕は東…しかし、東といっても広いしな…)
地図を眺めてみると、この島の東側と呼べる場所に記されている施設は7つ。
もちろん市街地には他にも何かあるだろうが、行動の目安としてはここから選ぶのが妥当だ。
博物館や灯台、教会といった施設のある北部に比べ、南部にはデパートをはじめとした役に立ちそうな施設が多い。
人捜しの為に目指すなら南部であろうが…
(逆に施設が多すぎる。放送が行われたら一度神社に戻らねばならない事を考えると、
むしろ北部の施設を全て確認しておいた方がいいかもしれない)
先ほど別れた浅月と合流の約束をした神社は森の中にある。
南部の市街地側からでは森を突っ切っていかねばならないが、北部からなら整備されていると思われる道が通っている。
これなら九兵衛の足をもってすれば放送後すぐにたどり着けるだろう。
(ひとまず北部を目指すか…新八君、無事でいろよ)
目的地を決定し、立ち上がる。
もたもたしてはいられない。速く新八君を見つけて……見つけて、どうする?
移動の為に大通りを目指しながら九兵衛は考える。
最初の説明に偽りがなければ、これは殺し合い。しかも最後の1人になるのを求められている。
彼を見つけて自分は、何をしようというのだろう。
これが柳生の者を狙った悪行なら、自分には彼を護る責任がある。
彼を護る?なら自分はどうする…あるいは他に知り合いが参加していたら?
父、祖父、柳生四天王、万屋、そして……妙ちゃん。
誰か1人しか助からないとしたら…
浅月さんやあの少女も手にかけねばならなくなるのではないか…?
「……?なんだ…?何かが聞こえる…」
そんな思考の螺旋にズケズケと飛び込んできた音に、思わず1人で呟く。
誰も周りにいないことを思い出して少し恥ずかしくなったが、それどころではない。
背後から聞こえる何かは徐々に大きくなる。どうやらその発信源は、大通りをこちらに向かって来ているようだ。
(こんな場所で大声を出して動きまわるなどと、命知らずな…いや、相当腕に自身があるのか…?)
ひとまず人間がいるなら確認しておきたいと、九兵衛は慎重に音源に近づいていった。
◇ ◇ ◇
オカマ【お-かま】
男性同性愛者の一部や異性装をする男性、あるいは女性を装う男性を指して言われる言葉。
◇ ◇ ◇
結論から言えば、そこには人間がいた。
あれは男だろう、間違いない。しかし、そう言い切ってしまうのもはばかられた。
かといって女性かもしれないとは絶対に思えない。
要するに、大柄なオカマが踊りながら歌っていたのである。
「所詮〜〜んこの世は〜〜男と〜〜女〜〜♪しかし〜〜オカマは〜〜男で〜〜女〜〜♪」
誰が聞いている訳でもなし、それでもオカマは歌い続ける。
背中にはご丁寧に「おかま道」と書かれていた。
「だ〜〜か〜〜ら〜〜最強!!! 最強!!! オカマウェ〜〜イ♪
あー最強!!! 最強!!! オォ〜〜カマ〜〜ウェ〜〜イ〜〜〜♪」
奇怪な動きに合わせて歌いきると、どこか不満げに回転を止める。
部下達による合いの手が無いことが不満だなどと、隠れ見る九兵衛には想像もつかないだろう。
彼女はこの人物に声をかけるか激しく迷っていた。
(どう考えてもおかしな人物だが…一応参加者のようだし…)
首輪をつけている以上、彼(?)は参加者だろう。
おかしな人物=危険人物ではない。
それでは自分の周囲の人間は大抵危険人物としてしょっ引かれてしまう。
覚悟を決め、九兵衛は姿を現した。
「そこを行く人よ、話を聞いて欲しい!僕は柳生九兵衛!柳生家の当主だ!」
こちらの存在に気がつくと、オカマは「くるり」とこちらに向きなおした。
「すーー」っと爪先立ちで接近してくるその光景は、九兵衛が経験した中でも5本の指に入るシュールさだった。
「なーによう、アンタ。あちしに何か用なのう?」
「僕は人探しをしている。眼鏡をかけた、志村新八という少年と会っていないか?」
ある程度の距離を保ったまま、九兵衛は質問を投げかけた。
あえて、妙ちゃんや他の面々については尋ねない。彼女達は巻き込まれていない…そう信じたいのだろうか。
「あちしはまだ歩ちゃんっていう普通の女の子と、変態仮面にしか会ってないわよう。
アンタこそあちしの部下達と会ってなぁい?」」
『歩』という名前に少し反応するが、女の子ということでこれは違うと判断する。
変態仮面の方は…心当たりが多すぎてちょっとわからない。
「僕が会ったのは浅月という少年と、金髪の少女だけだ。あなたの部下にそういった人物は?」
「いないわねい…残念ながらお互い無駄足だったみたい。じゃあねい」
早々とその場を去ろうとするオカマに、九兵衛は慌てて声をかける。
「待ってくれ!あなたがこの殺し合いに乗らないなら、協力しないか?」
不意の申し出に、オカマは不振そうな目でこちらを見てきた。
九兵衛とて相手を完全に信用した訳ではない。むしろ、かなり不審な人物だと思っている。
だが外見と裏腹に、中身は比較的まともそうだ。殺し合いへの参加は否定しないものの、
こちらとの接触より仲間捜しを優先しているということは、積極的に殺しを行うつもりはないのだろう。
説得の余地アリと判断し、申し出たのである。
「…アンタねい、わかってんの?あのガキンチョが言ってたことが本当なら、これは殺し合いなのよう?」
「わかっている!だが僕は、こんな理不尽な殺し合いで誰かが死ぬなんて認めたくない。
僕の力の及ぶ限り戦い、護りたいと思っている」
言葉が自然と出てきた。
こちらの目を見つめ返し、オカマがなにやら迷っている。
顎に手を当て、奇妙な表情で考えること数秒…オカマは口を開いた。
「話くらいなら聞いてあげるわ」
◇ ◇ ◇
お話【お-はなし】
話す人を敬って、その話をいう語。また、「話」の丁寧語。
オカマが「離せ」という意味でよく使う「おはなしっ!」とは別物。
◇ ◇ ◇
大通りから少し外れた森の中で、「男女」の二人組が会話をしていた。
詳しくは記さないが、会話の内容はまさに押し問答。
殺し合いにはのらない、仲間も護ると主張する男装剣士。
そんな綺麗ごとじゃ早死にするだけだと鼻で笑うオカマ拳法家。
オカマはMr.2 ボン・クレーと名乗った。
随分変わった名前だったが、浅月さんの探し人ではなさそうだ。
おまけに彼は、殺し合いへの参加を明確に否定はしなかった。
彼に言わせれば先ほど別れた浅月だって、放送後の合流を求めたのは計算があってのことだろうと言う。
参加者や死亡者によってはスタンスを変える可能性があるからだと。
言われてみればそう思えなくも無い。だが、九兵衛も譲らなかった。
永遠に平行線をたどるかと思われた議論だったが、ひょんなことから変化が生じる。
「そんなにそのダチが大事なら、とりあえずそいつらだけ護ればいいじゃない」
Mr2の言葉に、思わず押し黙る。それみた事かと、彼は言葉を続けた。
「とりあえずそいつら見つけて護って、一緒に脱出すればいいでしょう?
それにそいつが死んでたり、誰もいなかったら帰る為に他の連中なんて遠慮なく倒してけばいいのよう!」
確かに、彼の言うとおりだ。
自分が護りたいものを護る。それはつまり、護るべき対象以外は排除しても構わない。
浅月さんや眠りこけた少女、それに目の前のオカマも全て倒せば、仲間や自分の生存確率は上がるのだ。
そういう意味で、彼の言い分は間違っていなかった。
それでも…
「……それではダメなんだ。それでは、本当の意味で相手の幸せを祈っているとは言えない」
神妙な面持ちのまま、九兵衛はひねり出すように言葉を紡いだ。
気恥ずかしいのであまり気は進まなかったが、自分と幼馴染の少女の間に起こった出来事を、己の生い立ちも含めて語りだす。
自分が柳生家の跡取りとして生きる為、男として育てられたこと。
幼馴染の少女を愛するあまり、憧れるあまり…想いを押し付けてしまったこと。
それは多くの人に護られていることに気づかなかった、いや気づいていながら認めなかった己の弱さが原因だったこと。
そしてそれに本当の意味で気づかせてくれた、勇敢な侍達のことを…
「…ということだ。わかるだろう?相手や自分の幸せを本当に願うなら、そんな方法ではダメなんだ。
それではきっと妙ちゃんも、新八君も……誰も心から喜べはしない。誰にも僕は顔向けできない」
あるいはあの騒動の前の九兵衛なら、妙ちゃんや知り合いを護る為に、あるいは彼女達と再会するために…
他の者達に刃を向けたかもしれない。それは否定できない。
だが、あの時思い知ったのだ。本当の意味でその人の幸せを願うなら、その人の笑顔を願わねばならない。
護りたい者の志まで護ってこそ、本当の笑顔を見ることが出来る。
己の過去と心中を語り終え、決意と共に伏せていた顔を上げる。
ところがなぜか話し相手は首だけを180度捻り、顔が見えなくなっていた。
「おい、ちゃんと聞いていたのか?」
プルプルと震えるばかりで返事が無いことに不満を覚え、九兵衛は顔を見ようとする。
しかし、その度に器用に体を動かし、絶対に表情を見せない。
それはなぜか…
(ヘヴァァァ…な、なんでがなじい過去を背負っでるのよう…
づ、辛い過去を乗り越えて、最高のダチに巡り会えだのねい……えがったぁ……)
それはその表情が涙と鼻水に塗れた、一発で泣き顔とわかるものだったからである。
眼鏡をはずし、見えないトコロで顔をゴシゴシと拭くと、Mr.2は真剣な表情で九兵衛に向きなおした。
「わかったわよう!あちしも協力してあげる!!」
「う、うわぁ!!なんだその顔は!?」
マスカラが流れた真っ黒な顔を急に近づけられて、九兵衛が驚く。
ただでさえ迫力満点の顔が更に破壊力を増していた。
しかし、何とかわかってもらえたようだとほっとする。
「あ、ありがとう。力を合わせればきっと活路も開ける」
こうして、何とか二人の間に協力関係が生まれた。
改めて簡単な自己紹介を終えると、Mr.2の提案で二人は支給品の確認に移った。
九兵衛のほうは既に1つ確認済みだったのだが、Mr.2のほうが未確認だという。
「Mr.2殿は、武器を必要とするタイプではないのだな?」
「やーねい、堅苦しいからボンちゃんでいいわよう」
(やや一方的に)打ち解けた二人は、まず未確認のバッグから調査する。
最初に出て来たのは奇妙なコインケースだった。
中にはコインが12枚入っているが、うち3枚が半分欠けていた。
「7枚目と10、11枚目が欠けているな。誰かが持っているか、どこかに隠されているか…」
「全部揃えると、何かがおこるのかしらねい。いいわねい、お宝っぽくてワクワクするわ!」
次に出て来たのは、妙に軽いフードと剣。
フードの方はひとりでにフワフワと動いており、普通のものではないのがすぐわかった。
「こっちには説明書がついてるわねい…なになに…」
説明書によると、このフードと剣は風の精霊の力を宿しており、不思議な力を操れるという。
剣は羽箒のようで頼りなかったが、実際に振るってみると数m先の木の枝を切り落とした。
どうやら風を操りかまいたちの類を発生させる武器らしい。
直接攻撃に使うと相手を殺しかねないが、風を巻き起こす力は相手の抑止に役立ちそうだ。
改造バットと上手く使い分ければかなり戦力になるだろう。
今のところ殺さずの決意を曲げるつもりは無い。
胸を張って、護りたい人たちの笑顔を見るために……
「これはあちしには必要ないわねい。アンタにあげるわ」
ボンちゃんはそう言うと、ためらうことなく思考していた九兵衛にそれを投げ渡す。
「お、おいボンちゃん、いいのか…?」
「いいわよう、さっきいろいろヒドイ事言ったお・わ・び!
それに、アンタの支給品であちしに使いやすそうなものがあったらそっちを貰うわよう」
勝手に九兵衛のバッグをあさりながら返事をしてくる。
彼女の持ち物の1つであるバットは趣味じゃないと既に拒否されている。
彼は「スワンちゃんが欲しい」とよくわからない事を言っていたが…
九兵衛は自分のバッグに、彼にとって役立つものが入っている事を願った。
「あーら!これはいいじゃないのよう!」
結局出て来たのは、つま先に針が仕込まれた靴だった。
足技を得意とする彼にとって、なるほど相性の良さそうな武器である。
ただ1つの問題を除けば…
「あ、待てボンちゃん…」
「決まり!これを貰うわよう!華麗に回るあちしにぴったり!」
そういってさっそく靴を脱ぎ、支給品を履こうと試みるが…
「…んん??これは……ふぬ、ぬ、がぁぁぁぁぁぁ!!!!」
野太い叫び声がこだまする。
履けない。そう、履けないのだ。それもそのはず、その靴は女性用である。
おまけに小柄な人物の愛用品らしく、かなり小さめだ。
自分ならともかく、鍛え上げられた肉体を持つボンちゃんにはいささか小さい。
それを無理に「はめ込もう」としている。
「ボンちゃん、足を痛めるぞ!僕のフードはいらないから…」
「ぬぐぐ……ダメよう!一度あげたからには返されるなんて許せないわ!
あちしは別に、こんな靴どうでも……グス、どうでもいいのよう……」
下唇を噛み締め、明らかにガッカリした様子でオカマがうなだれる。
かわいらしい靴なので、乙女心から履いてみたかったのかもしれない。
これ以上この件に触れるのは酷だと思い、九兵衛は話題を変えた。
「そ、そういえばさっき言っていたマネマネの実の能力とやら、見せてくれないか?」
先ほど自慢げに語られた彼の能力。右手で触った相手とそっくりに変身できるという。
その代わりカナヅチになるという副作用があるらしいが…
落ち込んでいる時には得意なことを披露させるのがいいだろうという、彼女なりの気遣いだった。
「…気になる?」
「あぁ、すごく気になるな」
「しょーがないわねーーい!!」
一気にテンションを上昇させ、ボンちゃんが立ち上がる。
くるくると回りながら九兵衛の顔にタッチすると…
「目ん玉かっぽじってよーく見なさいよう!!」
「おぉ!」
そこでは奇妙な服装と白鳥を身にまとった九兵衛が回っていた。
「どーよう!?すごいでしょうが!」
「うむ…なんだか奇妙な感じだな。声まで変わるのか」
自分そっくりの顔で奇行を行われるのは少々嫌だったが、何より彼が元気になってくれたようで安心した。
「そーれだけじゃないのよう!あちしの能力はなんとメモリー機能付きぃ!
一度触った相手の顔はいつでも再現……?」
語りながら次々と顔を変えていくボンちゃんだったが、何人かの顔を見せたところで止まってしまう。
「どうした?」
「どーゆーことよう、あちしのメモリーが消されてるわ……
さっき会った歩ちゃんと麦ちゃん一味、それにBWのメンバーの顔しか残ってない……」
どうやら本来より変えられる顔が限定されているらしい。
九兵衛は、最初の説明で言われた「細工」という言葉を思い出していた。
ボンちゃんも同じらしい。
「やーってくれるわねい…ますます気に食わないわ」
そちらにはあまり気落ちすることなく、むしろ主催者への不満を募らせたらしい。
その後九兵衛は、知人だという彼が変身できるメンバーの説明を受けた。
◇ ◇ ◇
お説教【お-せっきょう】
教え導くために言い聞かせること。
年上のかわいいメイドさんなんかにされるとキュンとする。
◇ ◇ ◇
情報交換も終えた頃、急にボンちゃんが顔を接近させてきた。
(か、顔が近い…)
「ところでねい、九ちゃん。あちし、あんたにこれだけは言っときたいんだけど…」
巨大な顔を間近に寄せられ、やや引き気味に九兵衛は
「な、何だ…?」
と返した。
真剣なんだかよくわからない迫力のある顔で、ボンちゃんは語りかけてくる。
「アンタ、自分が男でも女でもない中途半端な人間になったのは、自分が弱いからだって言ってたわねい?」
確かに、先ほど自分の生い立ちを語る際にそういった旨の発言をした。
「あ、あぁ…父上やお爺様にそう育てられたとはいえ、僕の心がもっと強ければ…」
そこまで言ったところで、ボンちゃんは回転しながら叫びだす。
「ンノォォォォォォ!!違うわ九ちゃん、そうじゃないのよう!
いい?あちしたちオカマは確かに半端……そう、『あやふや』よう!でもその何が悪いの?
男でも女でもない。逆に言えば男でも女でもある。『あやふや』は武器でもあるのよう!」
完全に予想外の発言に、九兵衛は戸惑う。ボンちゃんは何を言っているのだろうか。
「それはオナベも一緒!大事なのは、性別が『あやふや』でも、確かな自分を持つこと!
あちしはあちし、アンタはアンタ!男だろうが、女だろうが……どーーっちだっていいじゃないのよう!!
だってあんたはいい奴だものねい!!さぁ、歌うわよう!!」
そう言って更に回転を増すと、最初に出会った時の歌を歌い始めた。
「所詮〜〜んこの世は〜〜男と〜〜女〜〜♪しかし〜〜オカマは〜〜男で〜〜女〜〜♪」
最初は完全に戸惑った九兵衛だったが、その言葉をよく噛締めてみる。
自分は柳生家の当主である為、男として育てられた。それが嫌だった。
女の子としての生活に憧れ、妙ちゃんみたいに優しくて強い女の子になりたかった。
だが、その劣等感もあの時の過ちを呼んだのだ。
妙ちゃんはあの騒動の後、自分にこう言ってくれた。
『九ちゃんは九ちゃんよ…男も女も関係ない。私の大切な親友』と…
「だ〜〜か〜〜ら〜〜最強!!! 最強!!! オカマウェ〜〜イ♪
あー最強!!! 最強!!! オォ〜〜カマ〜〜ウェ〜〜イ〜〜〜♪」
半端だったのは自分の覚悟の方なのだろうか……?
不思議な事を教えてくれるこの友人は中々面白いなと、九兵衛は少し微笑んだ。
「な〜にしてんのよう!アンタも歌いなさい!」
「う…む、そうだな…よし、歌おう!」
こうして夜中の森で、肩を組んだオカマとオナベの大合唱が始まる。
「「所詮〜〜んこの世は〜〜男と〜〜女〜〜♪
しかし〜〜オカマ(オナベ)は〜〜男(女)で〜〜女(男)〜〜♪」」
男としてとか、女の子らしくとか……難しく考えすぎていたのかもしれない。
もう少し適当に、肩の力を抜いてもいいのだろうか。そう、あの侍の様に……
「「だ〜〜か〜〜ら〜〜」」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「「オカマウェ〜〜イ♪」」
「あー最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「「オォ〜〜カマ〜〜ウェ〜〜イ〜〜〜♪(ハモリ)」」
「あ〜〜テンションが上がってきたわ、あちし!!回るわよう!!」
久々に合いの手つきのFull ver.を歌い、猛烈に高まったテンションに任せて回転を増すボンちゃん。
「そ、それより次の行動に移ろう。僕はこれから教会を調査しに行こうと思う。
時間が無いからひとまずここだけ見たら戻ることになりそうだが…君はどうする?」
冷静になり少し恥ずかしくなってきた九兵衛の問いに、ボン・クレーは回転を止め、悩んだ。
部下達を捜したい気持ちは変わらない。
しかし、今はこの小さいながらも立派な友人に協力せねば、オカマがすたるというものだ。
「もーしよければ、手伝ってもいいかしら?」
真剣な顔つきになっての友人の返事に、九兵衛もまた少し迷う。
彼が信用に足る人物だということは短い付き合いながらも理解できた。
力を借りられるなら正直、ありがたい。
本来なら先ほど浅月と別れたように、バラバラに動いた方が人探しに効果的だ。
しかし少々はしゃぎすぎて思わぬ時間のロスをしたため、放送まで3時間程しか無い。
教会のみを見に行く事にしたのも、放送までに調査出来そうなギリギリの距離だと判断したからだ。
全力で走って回れば間に合うかもしれないが、それこそ誰かと出会い情報交換する可能性を考えれば
あまりギリギリで時間を計算するのは好ましくないだろう。
今から別行動をしてもお互いに大した情報もなく合流しそうな気もする。
それに…1つ気になることもあった。
「む…そうだな。ではとりあえず、放送まで共に行動しよう。
後はその時の状況に合わせて対応していけばいい」
同意を得て、やっと行動を開始する。
空はまだまだ闇に包まれていた。
「……ボンちゃん。1つだけ確認したい」
「んん?なーによう?」
出発の際に問いかけた言葉に、ボンちゃんが振り返る。
「やはり最初の放送で君の友達や部下達が死んでいたり、参加していないと分かったら…
君は殺し合いに乗るのか?」
黙ったまま、またしても真剣な面持ちになるボンちゃん。
こうして見ると男っぽいな、などと九兵衛は思ってしまう。
そういえば彼に触られた時も触った時も、投げ飛ばさずにすんだ。
オカマだからだろうか…?
「き―まってるでしょう!ダチがいたら、殺し合いなんかしないわよう!」
「いや、それが1人もいなかった場合の話…」
そこまで言って、ボンちゃんの笑顔に気がつく。
「少なくとも目の前に1人、いることがわかってるからねい」
◇ ◇ ◇
お友達【お-ともだち】
互いに心を許し合って、対等に交わっている人。
時には命を懸けて、支えあう関係にある仲間。
または、「ダチ」
◇ ◇ ◇
【F-6/大通り/1日目 黎明】
【柳生九兵衛@銀魂】
【状態】健康
【装備】 シルフェのフード@ベルセルク
【所持品】支給品一式 改造トゲバット@金剛番長 シルフェの剣@ベルセルク
【思考】
基本:殺し合いにはのらない。大切な人の志まで含めて護る。
0:新八君…無事でいろよ
1:ボンちゃんと教会に向かい、知り合いを探す。
2:最初の放送後、神社で浅月と合流。
3:新八や他にも知り合いがいるなら合流したい。
4:卑怯な手を使う者は許さない
5:妙ちゃんもこの会場に……?
6:男……女……あやふや?
※参戦時期は柳生編以降。
※西沢歩、麦わら海賊団(アラバスタまで)、BWオフィサーエージェントの顔と名前を知りました。
【改造トゲバット@金剛番長】
唐鰤 三信が使う釘バット。
改造済みなので普通の釘バットより威力はあると思われる。
【シルフェのフードと剣@ベルセルク】
風の元素霊(エレメンタル)シルフェの加護を受けたフードと剣のセット。
フードは風を身に纏い、高く飛び上がったり弓矢を逸らしたりしてくれる。
剣は羽箒のような形で旋風を起こし、かまいたちで敵を切り裂く。
風の元素霊に好かれるとより強く力を発揮するらしい。
ちなみに参加者のパックも「一応」風の精霊。
【Mr.2ボンクレー@ONE PIECE】
[状態]: 健康
[服装]: アラバスタ編の服 森あいの眼鏡@うえきの法則
[装備]:
[道具]: 支給品一式 スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX コインケース@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:友達や部下を見捨てるようなマネはしない。脱出する。
0: ちょっと待っててねい、可愛い子分たち!
1: ひとまず放送まで九ちゃんの人探しを手伝う
2: 巻き込まれているかもしれない子分たちや麦ちゃんを捜す。
3: 殺し合いなんてどうでも良いけど自分の邪魔する奴や友達を襲う奴は許さない
[備考]
※アラバスタ脱出直後からの参戦
※グランドラインのどこかの島に連れて来られたと思っており、脱出しようと考えています
※マネマネの実の能力の制限
メモリーが消去されています。現状変身できるのは消されていない
麦わら一味(アラバスタ編まで)+BWのオフィサーエージェントと、
直接顔を触れた人物→西沢歩、柳生九兵衛
その他の制限はまだ不明。
【スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX】
スズメバチが使う、つま先に針が仕込まれた靴。毒が仕込まれているかは不明。ちょっと小さめ。
【コインケース@トライガン・マキシマム】
レガートがゲームの為にとヴァッシュに渡したコインケース。
12枚のコインを収納できるが、コインは全て半分に分けられGUN-HO-GUNSのメンバーがそれぞれの片割れを所有している。
正体は特製超小型超磁場発生装置。
全て揃えるとボタンが出現し、それを押す事でレガートの魔技である人体操作を封じる超磁場を発生させる。
欠けているコインは今回参加しているGUN-HO-GUNSの物だが、本人達が所有しているかどうかは不明。
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
タイトルは「何にでも「お」をつけりゃ綺麗になると思ってんだろ?ナニはどうする、ナニは」です。
タイトルも含め、問題点などありましたらお願いします。
投下乙
ボンちゃんええやつや…
コインケースは全部揃ってていいんじゃないですかね
ウルフウッドとリヴィオの分が必要となるとあまりにも手間がかかりすぎる上に
対レガート専用アイテムでしかないし…
ワンピースのキャラ死なないのかよ
ボンちゃん良い奴過ぎて泣いた
投下乙です
どうなるかと思ったが意気投合してる!
これもボンちゃんの人徳か。見かけはアレだがすごいぞw
そしてここに新たなコンビが誕生した
コンビ名はどうしよう?
コンビ名なんて無理につける必要もないでしょ
投下乙!
ボンちゃんと九でボン九ボン……
ほんわかしていい話でした。
一緒に歌う場面とか声付きで想像すると吹いたw
>>448 しまった、ウルフウッドを忘れてた…好きなのに。後で修正しますが、
5(チャペル=ウルフウッド)、7(ミッドバレイ)、10、11(リヴィオ&ラズロ)が欠けてるのが正しいですね。
欠けてるのは原作でもそれが特徴のアイテムだったので、出来るだけそれを活かそうと考えました。
展開的に面倒なようなら残りのコインはまとめて支給したりしてもいいので、このままにしたいと思います。
ちなみに自分は
>>453とまったく同じコンビ名考えてましたw
まぁ無理につけることは無いですけどね。
これを書き忘れるとか何様だよって感じですが……感想ありがとうございました!
ワンピースのキャラばっかり活躍しすぎだろ
贔屓すんな
これ、まえにワンピケしてた人?
うーむ、みねねこれは惨いな、死んでたほうがマシだったかもしれんw
そして妲己ちゃんぱねぇっす、なんというドSw
そうか?ドラゴンころしで使い物にならなくなった左腕がふっとんだだけじゃん
ロワなら有り有りだろw
義肢キャラ多いし職人もいるぞ
つか未来日記の弱点とかまで話してたのかよw
まだ左腕だけじゃんと考える俺は毒されてるな
ついでに今回はみねねは被害者だが状況が変われば平気で加害者になるキャラだから同情はしない
個人的に傍にいて欲しくないキャラだし。みねねの性格とか考えると
とりあえず仮投下スレに修正案が来てるので他の人も読んで意見出してください
ケガより自分の未来日記を詳しい詳細付きで他人に握られたってのがねぇ…
おまけにその相手が妲己ちゃんだもの…充分生き地獄と言える
同じ他人に持たれてるのでも、ユッキーより大分ヤバイ状況だよな
でも何で「未来日記が壊れると所有者が死ぬ」という情報を知ってるんだろ?
鳴海と安藤は支給されて説明書も突いてるのに「知らない」んだよ。
ちょっと気になったので書き込んでおく。
妲己ちゃんだからなー、まあその辺りは感付いてもおかしくない
日記を破壊しようと脅すのはみねねの命を左右するものと分からなくても不自然じゃないし、みねねの反応で感付くのもいかにもありそうだ
まあ、みねねがついうっかりこぼした可能性だってあるんだがw
実はそこつものだしなw
らららららぃらららぃ
煽りとかじゃなくてマジメに聞きたいんだけど、何でワンピースが参加してるの?
ワンピースならマルチロワで活躍中じゃん
何でこっちのロワにも出てるの?
あんまり贔屓とか言いたくないけど、二つのロワに同時に出てるのはちょっと納得いかないな
一般ならともかく、2chでの人気はそんなに高くないはずだし
キャラ作品とキャラ選びはすべて投票だ。
票数の多い方から決まった。
みんなが指示してるんだから、そりゃ出さないわけにはいかんだろ
多重なのかもしれない
だが、多重投票をしたという証拠も無いし、多重投票をしていないという証拠もない
ともかく、決まったものは覆しようがない。どうにもできんよ。
2つのロワに出たって言っても、ハルヒ、らきすた、ひぐらし、ローゼンメイデンに
比べたらまだ登場回数は少ない方だと思うぜ。
煽りとかじゃなくてマジメに聞きたいんだけど、何でワンピ厨荒らしがここにいるの?
ワンピ厨荒らしならマルチロワで活躍中じゃん
何でこっちのロワにも出てるの?
あんまり贔屓とか言いたくないけど、二つのロワに同時に出てるのはちょっと納得いかないな
一般でも、2chでも人気は底辺のはずだし
ワンピキャラを殺したいなら皆が納得できる物を書けば良いのに
それすらできず、でも書き続ければいつかはアニロワのように、と
考えている可哀想な奴なんだから触るなよ
(しかしなぜワンピースなのであろうか…… サンデーの作品なら編集が糞的な意味で愚痴愚痴言いたくなるのはわかるが)
そいつ別ロワで大好きな型月の主役が殺されてキチガイになってるだけだから
触らないほうがいいよ。変なの移るし
ワロタw
移るのかよ
182 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2009/06/11(木) 01:30:04 ID:YrVuRoxg
>>180 よそのロワにはな
少なくともここにはいない
未収録の作品があるのに、一週間以上wikiの更新停止してるしな
>>478 何だよ、じゃねぇよ
池沼がナメた口きいてんじゃねぇぞ
お、なおったっぽい
未収録作品の一括wik登録ありがとうございました
おつかれさまです
殷の太師を少々修正させていただきましたのでご報告申し上げます
初wiki編集でドキドキ
まーいいんじゃねワンピースが出るのは
「トライガン」や「銀魂」もほかのに出てるし
その3つ以上に出てるのは
「ハルヒ」や「らきすた」や「ひぐらし」だけど
この3つは出すぎな気もする
「なのは」も結構出てた気もする
その三つはいわゆるキモオタ枠ですね
どっちもどっち
メディア展開していることも大きいと思う。
ハルヒで言えば、ラノベ、アニメ、ニコニコだけで3カウントだ。
なのはに関しては賛否両論あるけどデバイスが割りと使いやすいからかな。
よしみんなここで好きなキャラについて語ろうぜ!
とりあえず西沢さんはもらっていきますね
ひよのちゃんは俺の嫁!
そういう話いいから
ゴルゴに期待してる
ノーパン大好き!
ゲリラ投下ー。
お手すきの方がいたら支援お願いしたく。
むかーし、むかし。
むかァしといっても、ちょっぴりだけむかし。
ほんのなんじゅうねんぼっちむかしのおはなし。
とおいとおいちゅうごくというくにの、そのまたとおくのやまのなかに、ひとりのおとこがすんでいました。
いいえ、いいえ。
ほんとうは、ひとりではありません。
おとこにはやさしいおよめさんと、あいらしいむすめさんがいたのです。
ずっとずっと、こどものころからいっしょにすごしてきたおよめさんも、
ふたりのあいだにうまれた、むじゃきでおとうさんがだいすきなむすめさんも。
おとこにとってはかけがえのない、だいじなだいじな、
ひゃくまんべんうまれかわってもたいせつにおもいつづけるにちがいないおたからです。
なくしてしまったらぜったいにぜったいにとりもどせない、ふたつとないおたからです。
ぽりぽり。さくさく。がつがつ。こりこり。
むしゃむしゃ。ぽきぽき。ばくばく。くちゃくちゃ。
もぐもぐ。じゅわじゅわ。れろれろ。ちゅぱちゅぱ。
しゃきしゃき。んぐんぐ。ちゅうちゅう。ぬるぬる。
ずるずる。ごきゅごきゅ。かりかり。ぱくぱく。
ごっくん。
うめえなあうめえなあ、ひさしぶりのめしはうめえなあ。
おとこは、まっくらなよみちをすこしあせってあるいていきます。
おもったよりもかえりがずっとおそくなってしまったのでしょう。
もしかしたら、むすめさんにおこられてしまうかもしれません。
だけど、おとこはしあわせでした。
おこってくれるひとがいるという、ただそれだけでおとこはこのせかいのだれよりもしあわせだったのです。
れいしゃ、かわいそうに。ねむってしまったろうな。
おとこはむすめさんのなまえをつぶやきます。
いつもいつでも、おとこはかぞくのことばっかりかんがえています。
でも、めずらしいぶりきのおもちゃもあるし。
ゆるしてもらおうか。
おとこは、ゆっくりとえがおをつくりました。
おとこのてのなかにあるとりのおもちゃをわたしたとき、むすめさんはどんなかおをしてよろこんでくれるのでしょうか。
おさななじみのとってもなかのよいおくさんといっしょにそのわらいがおをみまもるしあわせを、おとこはしんじてうたがっていません。
いま、かえったよ。あけとくれ。
いま、かえったよ。
それから、なんねんもなんねんもたちました。
********************
どこともしれぬ、あおいあおいうみのうえ。
ざざーん、ざざーんとうちよせるなみのそばで、まっくろくろのおばけがすいへいせんのむこうをながめています。
ちくしょう、こくえんどももむかしのよわいやつらしかつくれねえのかよ。
そのうえゆびのかずしかだせないんじゃあ、あのいまいましいけっかいもぶっこわせねえ。
おばけはついさっき、つよいにんげんにおそいかかったのです。
そう、このおばけはひとくいのこわいおばけだったのです。
ですが、おばけはにんげんにかえりうち。おおきなけがをしてしまいました。
わるいことはできないものですね。
なので、おばけはかんがえました。
おばけがきずをいやしているあいだ、てしたににんげんどもをおそわせようと。
じぶんはなにひとつきずつかず、てしたにごはんとしてにんげんをもってこさせようと。
おばけじしんはにんげんにはこえられないうみのむこうで、ゆっくりとちからをとりもどせばいいのです。
むかしおばけにちからをあたえてくれた、せかいいちのばけもののように。
おばけがせかいいちのばけものにもらったちからには、かぞえきれないてしたどもをつくりだすちからもありました。
てしたどもはこくえんというなまえで、おばけとそっくりなことができます。
ひをはくことも、かみなりをおとすことも、おそらをとぶことも。
ですけど、ものごとはそうそううまくはいきません。
よのなかはきびしいのです。
なんと、うみのむこうにわたるまえに、おきあいにけっかいがはられていたのです。
これではひともひとでないものも、このしまからでることはできません。
しかも、けっかいのそとのけしきはまったくみえないのです。
ふんだりけったりで、つくりだせるてしたどももむかしのよわいものがさらによわくなったものばかりでした。
かずもいくらもつくれなくて、いまのところよんひきがせいぜいです。
こくえんども、おれのちかくでしかうごけねえじゃねえか。
ほんっとうにやくにたたねぇな。
通りすがり支援
つくりだしたこくえんは、だいたいおばけのまわりのちずのひとますぶんくらいのなかでしかうごけませんでした。
それいじょうはなれてしまうと、じゅうっとおとをたててきえてしまいます。
おかげでもうこくえんはさんびきしかのこっていません。
なんということでしょう、これではじんかいせんじゅつもできないではありませんか。
おばけはおもいっきりためいきをはいて、ぎりぎりとおもいっきりはをならしました。
ぷんぷんです。
そうしたら。
まさしくぷんぷんと、いいかおりがただよってきました。
へへえ、このにおいはさかなのにおいじゃねえか。
にんげんどもをくうまえに、はらごなしでもしておくとするか。
そうして、おばけはすいぞくかんのなかにはいっていったのです。
なんだあ、こりゃあ。けったいなたてものだぜ。
なかをみてみても、おばけにはりかいできないものばかりでした。
めだまのはずのだいすいそうとやらならおなかいっぱいにたべられるとおもっていってみても、なかにはなにもみえません。
かいおうるいだとかあやかしだとかうなばらばんちょうだとかいうひょうじがあるだけで、まったくのすっからかんなのです。
まわりのこものなんかはすぐにくいつくしてしまったのに、まだまだぜんぜんたりません。
どうしたものでしょうか。
ふとまわりをみわたすと、おばけのめににんげんがとびらににげているすがたのかかれたみどりいろのかんばんがうつりました。
くくくははは、こんなもようがかかれているってことはもしかしてにんげんがこのさきにいるのかよう?
いいぜ、このおれさまがおいつめてくらってやらあ。
ためらいもなにもなく、おばけはそのしたのとびらをけやぶってつきすすみます。
すると。
なんだとぉ!?
――そのさきは、さらにおばけにとってはきみょうきてれつなばしょにつながっていました。
たくさんのぎんいろのきかいがごうんごうんと、ひたすらにうごきつづけているのです。
おばけはしっています。
たぶんここは、こうじょうです。
にんげんどもがこうじょうとよぶばしょです。
もしかして、こっちとあっちはつながってるってのかよ。
みどりいろのかんばん、ひじょうぐちとかかれたとびらは、みしらぬばしょどうしをつないでいたのです。
すくなくともさっきのひじょうぐちは、すいぞくかんとこうじょうをつないでいたみたい。
きがつけば、こくえんどもが3びきまわりについてきています。
どうやらてしたどももいきなりここにとばされたようです。
ふと、おばけはひとつのことにきづきました。
よくわからないけはいが、こうじょうをうごかしているのです。
なんでしょうか、にんげんでもようかいでもない、おばけのしらないけはいです。
へへへ、なかなかおもしれえばしょじゃねえか。
それにさっきのうみのちかくよりはにんげんどもがあつまってきそうだ。
ようし、おれさまはここでまちぶせするとするか。
おばけはそういうと、おおきなおおきなどなりごえをあげます。
おい、こくえんども! ようくきけ!
このおれのきずがなおるまではここのまわりでかりをしろ!
そんでよぉ、よわっちいやつらはぶちころしておれのところにもってこい、まずはめしだ!
つよくてたのしめそうなやつはおれさまがじきじきにぶっころす、あしどめしやがれ!
おばけはそういうと、てにもっていたふくろをあけました。
てしたどもにたよるきはさいしょからありませんが、せめてきずをなおすあいだくらいはがんばってほしいからです。
にんげんどものぶきだが、きさまらにこいつをひとつずつくれてやる。
ほのおやいかずちだけでたたかうよりもつよくなれるだろうよ。
さんびきのこくえんにそれぞれなげわたされたのは、おおきなおおきなじゅうじかでした。
おばけはかおにくくりつけたかたなをゆびさして、こくえんどもにいいはなちます。
おれのこのれいとうも、にんげんどもがばけものをころすためにつくったものなのさ。
だったら、にんげんどものつくったこのでっけえひなわもきっとやくにたつことだろうよ。
ぎゃはははは、とおばけがおおきいこえをあげてわらいます。
てしたどもも、ぎいぎい、きゃあきゃあとみみざわりなおとでわめきます。
********************
しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん。
しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん。
したたるあかいみずは、まるでめとろのーむのようにたしかにじかんがながれていることをおしえてくれます。
とびらをあけたむこうには、きたならしいにくかいとどすぐろくてくさいちだまりがころがっていました。
もとのかたちなんていっさいわからないひきにくです。
はんばーぐなんかよりもよっぽどやわらかくほぐされたおにくがぶちまけられて、のうみそがとろりとながれでていました。
おいしくてこくのあるればーはほとんどたべられてしまっていましたが、わずかにのこったたべのこしがけんこうさをあぴーるしていました。
あぶらのたっぷりのっただいちょうは、うんちがつまっているからかはんぶんいじょうがてつかずでした。
かみしめればかみしめるほどあまさがにじみでてくるのに、もったいないことです。
ほねはばきばきにおられて、なかのうまみのぎょうしゅくされたこつずいがすこしものこらずすいだされていました。
ですが、おとこにはすぐにわかってしまうのでした。
しんじられないけど、りかいしてしまうのでした。
れいしゃぁぁああぁぁあぁぁぁ! はいふぉぉぉぉおおおぉぉおぉん!
そのむざんであわれでこぎたない、くいちらかしたあとのざんぱんが、
たぁいせつなむすめさんとだぁいすきなおよめさんだったものなんだって。
どんなかたちになっても、たいせつだから、だいすきだからひとめでわかるのです。
あいのちからって、なんてすばらしいのでしょう。
そしておとこのみぎめには、まっくろくろすけのおばけがうつります。
それが、おとこのみぎめのみたさいごのこうけいでした。
ぶじゅう……っ、と、ふかぁくふかくくいこんだなにかが、おとこのみぎめをわりました。
しろくてとうめいで、とろとろのなかみがこぼれだしていきました。
********************
めが、うずくな。
おとこはよるのやみのなか、ひとりめをおさえてつぶやきました。
あおくてきれいなそのめはしずかに、しかしちからづよいひかりをたたえています。
なあおじさん、さっきからなにをしているのさ。
すわりこんでてをうごかすおとこのちかくに、ぼんやりとべつのすがたがうかびあがりました。
ふを、つくっているのさ。
おとこのこたえにくびをかしげるはねのはえたそのすがたは、まさしくようせいさんです。
ふ? そんなかみきれでなにができるんだ?
わたしはふじゅつしでな、これをつかってたたかうのさ。
こうげき、ぼうぎょ、けっかい、たいていのことはこれでことたりる。
いまあるものでつくったまにあわせだが、ないよりはずっとましだろう。
しゅっしゅっとかみとぺんをうごかしつづけるおとこに、ようせいさんは、ふーんとわかったようなわからないようなはんのうをかえしました。
そちらのほうをむきもせず、おとこはもくもくとさぎょうをつづけます。
じつはおとこのからだのなかにはふがなんまいもぬいこまれており、みぎめのじょうがんにもれいりょくがためこまれています。
しかし、それはさいごのしゅだんです。
じゆうにつかえるふがなければ、おとこはとってもたたかいづらいのです。
と、そのとき。
かぜにのってかどうなのか。
げんちょうなのか、ほんものなのか。
どこからか、おぉぉぉぉぉおおおぉぉおん! というとおぼえと、
ぎゃはははははははははは、というわらいごえがきこえてきたような――、
ようせいさんのみみには、そのおとがここまでとどいた、と、そんなきがしました。
すると。
いるのか。
それだけをつぶやくと、おとこはにったりとわらいました。
ようせいさんは、それをみてぞっとします。
わらう、としかいいようのないそのかおに、ぞうおとよぶすらなまぬるいなにかがびっしりとつまっていたのでした。
うごめく、ということすらできないほどに、あまりにもびっしりと。
ふくしゅうきになれているはずのようせいさんですらいっしゅんおびえさせる、それはそれはいいぐあいにじゅくせいされたぞうおなのでした。
おとこはただ、にたにたとわらいつづけたまま、ふをつくるのをやめないまま――、
くちをうごかして、だれかとだれかのなまえをよびました。
********************
なんねんもなんねんも、おとこはひたすらにきたえつづけました。
ときのすすまないらくえんで、おさけをのんでおどってわらって、なにひとつくるしまずにいきてゆかれるらくえんで。
ただただずっとずっと、じぶんをいじめつづけました。
きたえよ。きたえよ。
せんにんではなく、ただただばけものをころすためだけのいきものになるために。
いつしか、おもいをよせておんなのひとがじぶんをみつめていてくれたことにきづきながらも。
のぞむならばずっと、とうかげんというそのらくえんでくらせたのにもかかわらず。
おとこには、それでもふくしゅうしかのこっていなかったのです。
もしくは、おとこはこころからのぞんでふくしゅうをえらんだのです。
だからおとこは、おんなのひとのところに、じぶんのほんとうのなまえをおいていきました。
はたして、おとこはふくしゅうをとげられるのでしょうか。
いまはまだ、わかりません。
ここによばれたおとこがふくしゅうをとげられるのかどうかは、まだだれひとりしらないのです。
ふくしゅうのあいてにであえるかすら、くらやみのむこうがわなのです。
ただ、ひとついえるのは。
とびらをあけたさきで、いまかえったよ、ということばへのへんじが、おとこにとどきますように。
たったななもじのあいさつが、たいせつでだいすきなひとたちからかえってきますように。
【C-7南/森/1日目 黎明〜早朝】
【ひょう@うしおととら】
[状態]: 健康
[服装]:
[装備]:手製の符×25、ガッツの投げナイフ(6/6)@ベルセルク 短刀@ベルセルク
[道具]:支給品一式(メモを多少消費)、ガッツの甲冑@ベルセルク 不明支給品×1
[思考]
1: 符術師として、人に仇なす化け物を殺す。
2: 蒼月潮を探す。場合によっては保護、協力。
3: 目に隈取のある、長い髪の化け物を見つけたら、何に変えても殺す。
4: 子供を襲うなら、人間であっても容赦はしない。
[備考]
※ガッツの甲冑@ベルセルクは現在投げナイフと鞄と短刀がついたベルトのみ装備。甲冑部分はデイバックの中です。
※参戦時期は少なくとも潮を知っている状態です。とら、紅煉についてどこまで知っているかは、後の書き手さんにお任せします。
※紅煉の存在を確信しました。
【パック@ベルセルク】
[状態]: 健康
[服装]:
[装備]:
[道具]:支給品一式 不明支給品×2
[思考]
1: ひょうについて行く。
2: ひょうが復讐の為に無茶をしないか気がかり。
3: アイツもいたりして…
[備考]
※浄眼や霊感に関係なくパックが見えるかどうかは、後の書き手さんにお任せします。
※参戦時期は少なくともガッツと知り合った後、ある程度事情を察している時です。
※バックの大きさはパックに合わせてあります。中身は不明。
********************
さて、どうしておばけはつよそうなじゅうじかをてしたどもにぷれぜんとしてしまったのでしょうか。
それは、おばけにはもっともっとおそろしいものが、もうひとつくばられていたからです。
おばけはこくえんどもにきづかれないようそっとふくろにてをいれると、それをにぎりしめてにたにたとこみあげるわらいをこらえるのでした。
げへへへへ、こいつのにおいはあいつのにおいによぅくにてるぜぇぇ。
あのふじゅつしのおとこのつかう、せんにんのじゅつに。
せんにんどものにおいが、ぷんぷんただよってきやがらあ。
とってもとってもくろぐろとしたくらやみが、しまのうえにうずまきはじめます。
うずまきはじめているのです。
【C-7南/森/1日目 黎明〜早朝】
【紅煉@うしおととら】
[状態]: 疲労(中) ダメージ(中) 全身、特に口内に火傷 右目欠損(回復率15%)、左腕欠損(回復率15%) 腹部にナイフ
[服装]:
[装備]: 黒炎×3、トライパニッシャー(機関銃:100%/100%/100% ロケットランチャー:100%/100%/100%)@トライガン・マキシマム
[道具]:基本支給品一式、詳細不明宝貝×1
[思考]
基本: 他の参加者を皆殺しに、殺し合いとやらを楽しむ。最後に主催者も殺す。
1:工場で休息し、傷を癒す。
2:黒炎を使って適当に弱そうな参加者を狩らせ、喰らう。強者は足止めさせ、自分が撃退する。
3:傷が回復したら皆殺し再開。自分に傷をつけた黒い二人組みと、焔使いは殺すのが楽しみ。
4:ひょうは自分の手で殺したい
[備考]
※参戦時期は原作32巻、ひょうとの最終決戦以前の時期。
※ひょうの存在はOPの場所で確認しました。うしおやとらなどは未だ未確認です。
※左腕はくっついてはいますが振り回せば取れます。右目は現在完全に視力を奪われた状態です。どちらもしばらくは完全回復しません。
※トライパニッシャーは黒炎にそれぞれ1つずつ渡されています。
※島の結界とワープの存在について知りました。
【黒炎に関する制限】
出現させられる黒炎は旧型が弱体化したものです。穿などは使用できず、会話などもできません。
一度に出せる数は最大で4体です。
黒炎には行動範囲(紅煉中心に直径が地図1マス分の円)が設定されています。
行動範囲から出ると消滅します。(紅煉がワープした場合は紅煉の傍に転移させられます)
その他にも制限がかかっている可能性があります。
【トライパニッシャー@トライガン・マキシマム】
ミカエルの眼によって作られた、『最強にして最高の個人兵装』パニッシャーを3つ一組にした、
リヴィオのもう1つの人格であるラズロ・ザ・トライパニッシャーオブデスの愛用武器。
機関銃とロケットランチャーを組み込んである上、防具としても非常に堅牢。
重さを利用して鈍器としても扱える。
ちなみにこれは11〜13丁眼にあたる。
※島の沖合いには結界が張られています。結界の詳細は不明です。
※水族館と工場の非常口はそれぞれワープで繋がっています。他の施設にもワープがあるかは不明です。
また、ワープの原理も現状では不明です。
※工場やワープの動力源は人間でも妖怪でもない何らかの生命である模様です。
投下乙
こういう童話調の文体嫌いじゃない
投下乙…流石同作者作品、タイトルと文体、登場人物がいい感じに当てはまってる…
そして、ま た パ ニ ッ シ ャ ー か w
多いなぁ…流石最強の個人兵装と謳われるだけのことはある、しかしこれじゃあ鬼に金棒ってレベルじゃねーぞw
ゲリラ乙
月光条例のおとぎ話部分は毎度読み飛ばしてる俺もちゃんと全部読めたよ!
しかしワープか…
これ上手く使うと停滞気味な流れを打破出来るんだけど、ご都合になりがちな展開も
作っちゃうんだよな。
まぁ書き手次第か。
黒炎に関する制限…これって4体消滅したらまた4体ノーリスクで生み出せるのかな
参加者が紅煉に戦いを挑んできたとき防壁として使えば永遠にたどりつけなくね?
今の3体だけならまぁいいかなと思うけど。
あと前作の作者さんが腕と目では治るスピードが違うって言ってたけど、両方同じくらいの
速度で治療中だな
しかも1〜2時間で15%だと6時間から半日程度でほとんど治る事になり原作以上の治癒速度なのでは
紅煉の居場所はコピペミス?
読みにくいと思ったが最後まで読んでしまったぞw
厄介な怪物が最悪の兵器のパニッシャーを持つ・・・だと・・・?
なんと言うヤバさ。ホント鬼に金棒ってレベルじゃねーw
まあ当然パニの制限受けるが。
投下乙です
読みにくいと思ったらさらりと最後まで読めたぞ
ここで最悪の相手に最悪の兵器とは。俺個人はこの程度では乱発してるとは思わないよ。
このロワの名物支給品になりそうだからもう少し出回ってもいいと思うが?
そしてひょうも本能的にその存在を感じ取ったか。先がどうなるか期待
ワープの件は建物が壊れたらワープ出来なくなるとかなら書き手次第でOKと思います
黒炎の制限や治癒の速度は議論スレで議論かな?
いや、もっとだせと言われてももうないからねw
銃身射出したマスターの奴は再利用出来るんかな
あ、予約来たw
皆さん、ご感想本当にありがとうございます。
>>503氏
黒炎に関しては最後の所の、その他にも制限がある、というグレーゾーンを設けたことで後の書き手さんにお任せしています。
あまり詳しく書きすぎてもかえって枷になりますし。
一応自分では黒炎が消滅したらしばらくは作れない、という考えではありますが、敢えて書いてはいません。
まあ、即座に作れるなら紅煉自身すぐに補充していないとおかしいですしねw
怪我に関しては、たしかに治癒速度が速すぎるようで。
大体前の時間から1時間半程度を想定していたので、回復率について眼の怪我を10%、腕の怪我を5%程に変えようかと思います。
それぞれ全快までおよそ15時間、30時間ほどかかる計算ですが、これなら大丈夫かな、と。
あと、紅煉の居場所はコピペ……というより改変ミスです。
正しくは【E-6/工場/1日目 黎明〜早朝】ですね。
と、これで解決できないでしょうか?
本文ではそこまで変える部分もないので、wiki上だけで修正することを考えています。
悪くないと思う
508 名前: ◆JvezCBil8U [sage] 投稿日: 2009/06/15(月) 21:53:28 ID:q6Ooq3oc
皆さん、ご感想本当にありがとうございます。
>>503氏
黒炎に関しては最後の所の、その他にも制限がある、というグレーゾーンを設けたことで後の書き手さんにお任せしています。
あまり詳しく書きすぎてもかえって枷になりますし。
一応自分では黒炎が消滅したらしばらくは作れない、という考えではありますが、敢えて書いてはいません。
まあ、即座に作れるなら紅煉自身すぐに補充していないとおかしいですしねw
怪我に関しては、たしかに治癒速度が速すぎるようで。
大体前の時間から1時間半程度を想定していたので、回復率について眼の怪我を10%、腕の怪我を5%程に変えようかと思います。
それぞれ全快までおよそ15時間、30時間ほどかかる計算ですが、これなら大丈夫かな、と。
あと、紅煉の居場所はコピペ……というより改変ミスです。
正しくは【E-6/工場/1日目 黎明〜早朝】ですね。
と、これで解決できないでしょうか?
本文ではそこまで変える部分もないので、wiki上だけで修正することを考えています。
なんでコピペしてんの?
修正案それでいいと思います
511 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2009/06/15(月) 22:17:34 ID:QVrHcwzr
なんでコピペしてんの?
修正案それでいいと思います
しかしこれまで中谷さんくらいしか脅威がいなかった中央〜北東に一気に爆弾が投げ込まれたなー、それも戦略兵器級の。
工場周囲だけとはいえ、自律行動可能な移動砲台×3かw
しかも紅煉本人にはまだ隠し弾の宝貝があるという……
トライパニッシャーよりヤバい宝貝ってそれこそきっとスーパー宝貝クラスだよなあw
ライコウベン(主催側だけど)、キンベン、バンコハンは出てるから、キンコウセンあたりが最有力かな、他のは扱いづらそうだし
六魂幡もかなりやばいぞ。包んだ相手を完全消滅させるし、ドーム状に広げてバリアにも使える。
まあ他にも空間宝貝ってやばいものもあるけど。
ぶっちゃけ仙人以外で宝貝使える奴とか多いかもな
>>515 安藤兄弟は使えると思う
これは言及するとある意味ネタバレになるから
言わないが。別に言っても良いレベルでもあるが
ワンピースの速度計算をやってみた
バギー(達人並)の剣(36m/s)が首筋に迫った(1cmくらい)状態から首が傷つけられるよりも速く
1.2kmの距離を降ってくる落雷=4,320km/s
(基本的に塔などを除いて特別に高い建物がなくどの建物も高さがほとんど同じなローグタウンで
11巻148ページより建物の高さは50m程度で、178-179ページより白く光ってる建物の24倍ほどの高さから落雷が振っているため高さ1.2kmとした)
落雷と同速のエネルの雷=4,320km/s
6mほど離れたところからエネルの雷の発射後に電気泡を発動させられるナミ=6mからの4,320km/s反応
そのナミが反応できない速度で8mほど移動可能なカリファの"剃"=5,760km/s
"剃"と設定でほぼ同速のクロの杓死=5,760km/s
その杓死で移動中のクロを捕まえることが可能なルフィ=戦闘速度5,760km/s
4mほど離れた状態でルフィを捕まえることが可能なスモーカー=煙速度23,040km/s
そのスモーカーの煙に後ろから追いかけられても逃げ切っているルフィ=移動速度23,040km/s以上
また、スモーカーの煙を横から妨害可能なエースの炎=炎速度23,040万km/s
ルフィと同等の移動速度のウソップよりも速い"ゴムゴムのダメだ"=ハンドスピード23,040km/s以上
そのルフィの"ゴムゴムの銃"が10cmまで迫ったところから回避可能なクロコダイル=戦闘速度230,400km/s
そのクロコダイルと互角に戦闘可能なルフィ=戦闘速度230,400km/s
ルフィが10m程度の距離で避けられないウソップのパチンコ=弾速230万4千km/s
ウソップのパチンコから強化された新パチンコ"カブト"による攻撃がほとんど進まない間に防御可能なオーズと同速のルフィ=戦闘速度230万4千km/s
オーズの攻撃が50cmまで迫った状態から仲間を救出可能なナイトメアルフィ=移動速度460万8千km/s
自身と同程度の能力を持つ影がルフィと互角なモリア=戦闘速度230万4千km/s
3m程度の距離からモリアに"ゴムゴムの銃"あてられるナイトメアルフィ=ハンドスピード691万2千km/s
モリアの6倍ほどの大きさになったナイトメアモリア=戦闘速度1382万4千km/s
ナイトメアモリア以上の速度のギア2ルフィ=戦闘速度1382万4千km/s
雷速は150km/sだってネギが言ってた
根本からして間違ってるな
なんか最強スレであったダイと植木は光速戦闘出来るっての思い出した
ワンピ死ね
>>520 最強スレならジャイアンすら光速反応だったりするからな
あのスレのスペックでロワやったら、このスレの参加者レベルでも島ごと全てが吹き飛ぶ
ナイブズ、西沢歩、12th投下します
「ねぇ、これからどうするのかな」
支給品のパンを齧りながら、後ろをついて来る女が問いかけてくる。
自分で考えろ。
そもそもお前の目的は知り合いと会う事だろう。どこへなりとも勝手に行けばいい。
俺の目的は、あの道化どもに分際を思い知らせる事だ。
「決マッテル、共ニ正義ノ為ニ戦ウノダ!」
……自分の目的を教えてやれば、この連中も同行をあきらめるだろうか。
俺と神との対決などに巻き込まれれば、無力な人間など死ぬ他はない。
――お人好しのガンマンでも居れば話は別だろうが、奴はもはや戦える身体ではないのだ。
こんな戦いの場にいるはずもない。
「ここ、どこなのかな……」
天体から読み取れる情報、周囲の景観から得られた情報からここが自分が大墜落を起こした惑星、ノーマンズランドではない事だけは判るが
現在位置がどこであるかなど、先ほど目覚めたばかりの自分にわかるわけがない。
もう少しまともな質問は出来ないのか?
「ねぇ、やっぱり名前教えてくれないかな。話しにくいよ」
まったくレムもそうだったが、女というのはなぜこうもお喋りなのか。
かつての従者であれば、こうも勝手な振る舞いはしなかったし許さなかったものだ。
イライラする。
「教えてくれないなら、勝手に名前付けちゃうよ
えーと……外人さんだからブランドンさんとかどうかな」
「ナニヲ言ウ、レッド。コンナ得体ノ知レナイ男デモ“ゴ12th(トゥエルブス)”ニ入ッタ以上、コイツノ名ハ12thイエローダ!」
「……ナイブズだ、次にその巫山戯た名で呼んだら殺すぞ」
……別にレムが付けた名に執着があるわけではないが、ブランドンやらイエローなどと呼ばれるのは怖気が走る。
名を教えてやると、俺は足早に歩を進める。
「あーん、待ってよぉー」
俺は女の言に一々思考を傾けていた事に気付くと、耳から入るノイズをカットする。
これからの方針について纏めよう。
あの道化どもに分際を思い知らせる。
それはいい。
だが、ネックとなるのはやはりこの首輪だ。
これがついている限り、参加者の命は主催サイドに握られているも同然。
下手をすれば反逆の意図を口に出しただけでも消されかねない。
参加者の反逆を防ぎ主催者の安全を守る安全装置にして、参加者たちに絶望を齎し殺し合いをさせるための舞台装置。
ふん、上手く考えたものだ。
だが迂遠すぎる。
俺たちを殺したいなら今すぐにでも起爆させればいい。
なぜ殺し合いなどさせる?
娯楽か?
だが神とやらが俺の力も及ばぬほどの絶対者だと言うのであれば、参加者たちの殺し合いなど見ても何も感じまい。
かつての俺のように――
「ム、アレヲ見ロ、レッド」
「え……あ、ねぇねぇナイブズさん」
それとも、何か俺たちが殺し合う事に意味があるのか。
だが、目の前の連中のような者しか参加していないのであれば、この戦いは殺し合いというよりは一方的な虐殺になるだろう。
……俺に人間を殺させて再びかつてのような存在に戻そうとするプログラムか?
この会場に存在するであろう同胞たちと再び融合させて、その力を利用しようとしている?
……参加者のリストすら公開されていない現状でそれを考えるには情報不足。下手な憶測は思考の選択肢を狭める。
そういえば始まりの会場で主催者どもに食ってかかっていた連中がいた。
奴らからなら何か情報が得られるかもしれん。
結局。
今、判っているただ一つの事は主催者たちは俺を捕えるほどの実力を持ってはいるが、
自分たちの手による殺害ではなく、参加者同士の殺し合いを望んでいると言う事。
故に首輪の爆破は恐らく最後の手段。
――――ならば考えねばならん事は3つ。
一つ目は主催者たちが、俺たちを逐一見張っているのかどうかだ。
この遊戯盤に俺たちを押し込めただけで満足しているなら話は簡単だ。
いくらでも反撃のチャンスはある。
だがワムズのように無数の端末を通して監視・情報伝達をしている存在がいるというのであれば難題だ。
せっかく解除の手段を見つけても、解除しようとした瞬間ドカン、では困る。
その機能を統合するサーバー的存在をなんとかしない限り、首輪解除に向けて動く事は出来まい。
その存在の有無をどう探るか。
「ちょっと、ナイブズさん!」
二つ目は首輪の解析・解除の方法だ。
よほどの阿呆でもなければ参加者に簡単に解除出来るような作りにしているはずがない。
自分のプラントとしての能力で解除出来るくらいならとっくに「制限」とやらをされているだろう。
また、ここの施設や支給品といった主催サイドの用意したものに頼るのも論外だ。
必要なのは、主催者たちの想像もつかない何か。
たとえばヴァッシュが自分にしてみせたような、まったく新しいプラントの力の使い方。
それをなんとしても見つけ出す。そのためにも力の無駄遣いは慎まねばならない。
もはや無限の力は自分にはないのだから。
三つ目は主催者の正体を探る事だ。
相手は落ちぶれたとはいえ、この自分を捕えるほどの存在だ。
首輪を外してようやくイーブン。
次こそは不覚を取らぬためにも対策を立てる必要がある。
だが果たしてその正体を知る手立てなどあるのだろうか。
あまりにも不明な事が「ナイブズさんってば!!」
女に腕を掴まれる。
言葉はカット出来ても、さすがにこれは無視出来ない。
「五月蠅いぞ、なんだ」
「あ、あの、あれ見てくれないかな」
指さす先にランタンの光を掲げると、そこにあったのはダークメタリックな外見の扉。
山肌に直接取り付けられたような扉の上には研究所と書かれたプレートがあった。
人間でも、連れ歩けばたまには役に立つものだ。
どうやらランドマークの発見により現在位置の確認と、拠点の確保は出来たようだった。
◇ ◇ ◇
自動ドアの入口を潜り抜けると私たちを出迎えるように廊下に明りが灯る。
この闇夜の中、シェルターじみたそれを発見したのは平坂さんだった。
空気の音の流れで分かったんだって。
目が見えないかわりに千倍の聴覚を持ってるって言うのも本当なのかも。
……ここに来てから変人ばっかり見てきたけど、やっぱりみんな凄い。
ナイブズさんもタダものじゃないって雰囲気だし……
なんで私なんか連れてこられたんだろ、ただの普通の女の子なのに……
ハヤテくんや、ヒナさんもいるのかな。
いてほしくないけど、いてほしい。
そんな矛盾した欲求が私の中にある。
うう、私って勝手だよ。
今もナイブズさんが迷惑がってるのわかってるのに一緒にいさせて貰ってるし……
でもやっぱり一人じゃ怖いよ。変態さんと二人きりも嫌だよ。
誰か知ってる人と合流したい。出来れば、優しくて頼りになるあの人と。
そんなことを考えながらしばらく歩いていると、私たちは円状の広いホールに出た。
広い。
山の中に埋まっているなんて考えられないくらい広いよ。
体育館くらい?
しかも無数の部屋があるみたいで、全体的な大きさがどれくらいのものなのかもわからない。
壁や床の素材もコンクリートなんかじゃなくて、冷たくて硬い金属製。
なんだか映画に出てくるような近未来的な建物を思わせた。
あ、案内図発見。
ふむふむ、ここは研究者たちの居住区なんだって。
入口から向かって反対……つまり一番奥にある大きな扉から研究棟。
右側にある大きな扉から医療棟。
左側にある大きな扉からは開発棟に行けるみたい。
あとの小さな扉は研究者たちの個室。誰もいないみたいだけど……
でもここで問題発生。
大きな扉は電子ロックされてて、ナイブズさんがいうにはカードキーが必要なんだって。
私たちはそれを手分けして探す事になった。
とはいえ、目の見えない平坂さんは役に立てないからって落ち込んでるみたいで、ホールに備え付けられた
椅子に座ってテープレコーダーみたいなのを聴いてる。
ココ見つけたのは平坂さんなんだから別に落ち込む必要はないと思うけどな。
でも、どの部屋も判で押したような生活感のない部屋ばっかり。
お菓子とか置いてないのかなー。
備え付けの家具しかない部屋の探索は簡単で、私はすぐに研究棟のカードキーを発見出来た。
◇ ◇ ◇
研究棟に入り、俺はいくつか存在する部屋を検分する。
一緒についてきた女は最初の部屋で退場。
……まぁ無理もあるまい。
俺もテスラを見た時は似たようなものだった。
その部屋にあったのは、何百という解体された人間のホルマリン漬け。
いや、人間に限らず、牛、熊、虎などさまざまな動物の脳やら臓器、肉体組織が壁一面に実に整然と分類されていたのだ。
しかも、コンピューターに残された資料からすると、死んだ人間を解体して保存したわけではない。
まだ生きている人間をじっくりと調べあげながら、それぞれの肉体の特性を解き明かそうという悪魔の医学。
人間どもがテスラにやったことと同等の――
ここで行われていたのはそういう生体実験だ。
アクセス制限により、詳しい事は不明。
だが、最終的には動物と人間を掛け合わせて合成獣(キメラ)と呼ばれる新たな生命種を生み出そうとしていたようだ。
それが古代の地球で一時期隆盛を誇ったという錬金術という学問による研究らしい。
――人間の醜さなら、既に知悉している。
自分の正しさを盲信する限り、奴らはなんでもやる。
この行いは正義だと、わずかな痛みによって大いなる一歩を踏み出せるのだと。
実に愚かな生き物だ。
そんな事だから自ら生み出した種によって滅ぼされかけたりするのだ。
だが、
ヒトの持つ比類なき悪性。それを断罪せんと俺は戦った。
ヒトの持つわずかな善性。それを信じて弟は守った。
結果は既に出た。
今更これを見てどうこうしようなどとは思わん。
こちらを恨めしそうに見ている眼球に一瞥をくれると、俺は部屋を出た。
◇ ◇ ◇
いくつかの部屋を見た。
実物こそなかったが、複数の生きた人間を対価に錬成されるという賢者の石の研究。
そして、その賢者の石から生み出されるという人造人間(ホムンクルス)。
どの部屋も反吐が出そうな悪魔の研究の成果に満ちている。
そして、この最後の部屋には、人間が鈴なりにぶら下がっていた。
……いや、これは人ではないな。
単眼しか持たぬそれは、錬金術により魂を定着させた不死の肉人形。
記録によれば制御する事が出来ずに封印したようだが……
「……戻るか」
見るべきものは見終わった。
いったんホールに戻り、他の棟にも入ってみたいがカードキーが見当たらない。
研究員がどこかへ持ち出しでもしたのか?
自身のエンジェル・アームならば扉ごと切り裂けるだろうが、残り少ない力を代価にするほどの価値があるだろうか?
ともかく、部屋を後にしようと背中を向けた瞬間それは始まった。
オぎゃアああああああああああああああああああああぁァあああアあああああああああああああああ!!
ギャあああああああああああああああああああああああああああああああああああぁァあああアあ!!
ぎゃぃぃぃああ!! オギャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
ビリビリと、建物が震撼するほどの咆哮。
この世に生まれ落ちたばかりの赤子のような、だが生命を冒涜するかのような声音で発せられた泣き声と共に
すずなりにぶら下がっていた肉人形が落下する。
ズン
見事に着地を決めた肉人形どもがこちらににじり寄ってくる。
「いたいよ」「パパ」「おなかへった」「たすけて」
ちっ、侵入者に対するカウンターか?
俺はデイパックの中から武器を取り出す。
人の作った武器など使った事はないが、そうも言ってはいられまい。
ズパッ
抜き打ちに一閃。
肉人形の首を刎ねる。
「いたい」
しかし、首を無くしても肉人形は倒れない。
なるほど。これが不死というわけか。
だが――
ゴリュッ
刀の根元にある刻刃で肉を抉る。
抉られた傷口がふさがる気配はない。
敵に再生能力の類なし。
ならば二度と動けぬように切り刻むだけだ。
ちょうどいい。新たな武器の試し切りといこう。
ズパッ
撫で斬る片刃
ドシュッ
叩き割る両刃
ゴリュッ
えぐり裂く刻刃
バシュッ
刺し貫く突刃
4つの刃を持つその刀の名は金糸雀(カナリア)。
俺はその刀で肉人形どもを切り刻んでいく。
「オギャああああアアーーー!!」
だが不死というだけで、大した攻撃能力も持たない肉人形どもを半数も切り捨てるとさすがに飽きてくる。
ここは一先ず撤退し、この研究棟の中にこいつらを閉じ込めてしまえばいいのではないか。
半ばルーチンワークと化した戦闘。
だから頭上から迫る殺気に、対応が少し遅れた。
ズル――ドサッ
咄嗟に身をひねるが、避けきれない。
銀色の刃にデイパックが切り裂かれ、中身が零れ落ちる。
襲撃者は12thブラックを名乗る覆面の同行者。
正義を標榜し、俺を殺しにきた道化の姿がそこにあった。
◇ ◇ ◇
テンツク テンツク
バッグから零れ落ちた俺の支給品。
跳ね回るボールのようなものを抱え込むと12thは猛然と走り出す。
後ろから切りかかるのを躊躇う俺ではない。
刺し殺すべく、突き出した刀を肉人形が代わりに受ける。
「!?」
先ほどまでは本能のままに動いていたという様子だった肉人形どもが12thを中心に陣形を取る。
そして12thから渡された覆面を被ると、名乗りと共にポージングを決める。
「12thピンク」
「12thグリーン」
「12thブラック」
「12thブルー」
「12thホワイト」
「5人揃ッテ“ゴ12th”ッ!!!」
「……」
なんらかの方法で肉人形を12thが操っているのか。
とりあえず、奴らが名乗っている間に刀で貫いたままの“ゴ12th”とやらからあぶれた肉人形を解体しておく。
「グゲ!? 貴様、名乗ッテイル間ニ攻撃スルトハ!?」
「これは貴様の差し金だったか。あの女はどうした? 殺したか?」
「私ガ倒スノハ悪ダケダ! 私ノ未来日記『正義日記』ニAM2:43分ヲ持ッテ貴様ガ悪トナルト予知ガデタノダ。
ダカラ、ソノ前ニ貴様ヲ倒ス!」
「予知だと?」
「貴様ニハ関係ノナイ事ダ! イクゾ、イエロー! ゴ12thストーム!!」
12thブラックから、ピンク色のマーキングを施された覆面の肉人形に、俺の支給品だったボールがパスされる。
ピンクはそれを小脇にかかえたまま俺に襲いかかる。
だが、俺もいい加減、慣れぬ刀による人体の解体にも慣れた。
ピンクを両刃にて一刀両断で真っ二つにする。
残り4人。
「ギャア! グリーン!」
ピンクが最後の力でパスしたボールをグリーンが受け取る。
ピンクの相手をしている間に包囲網を敷かれたか。
前後左右から同時に襲い掛かってくる“シ12th”。
だが完全に囲まれる前に抜けてしまえば、包囲網など意味はない。
襲い掛かるグリーンを、逆にすれ違いざまに十を超える肉塊へと解体。
残り三人。
「ホ、ホワ……イト」
こぼれ落ちたボールをホワイトが拾う。
その隙だらけの瞬間を俺は狙う。
踵を返して間近に迫る。
「ブルー!」
ホワイトはなんとかブルーにボールをパスすると、俺に噛みつこうと大口を開ける。
その口の中に金糸雀による刺突を放り込む。
そのまま連続で全身を突きまくると、骨が砕け、肉が弾け飛ぶ。
残り二人。
「ブラック!」
ブルーは手にしたボールをすぐ12thブラックに渡すと両手を広げて俺に突進してくる。
俺を拘束する気か?
出来ると思うなよ、人形が!
ピンク同様、脳天唐竹割りで両断してやったが、なんとその手が俺の足を掴む。
そうか、真っ二つで動けなくなってもこの程度は出来ると言うわけか。
「フィニッシュ!!」
残り一人となった12thブラックが俺にボールを投げつける。
だが、狙いが逸れたか途中で地面にバウンドすると、空気が抜けたボール特有のボテボテした跳ね方で
あらぬ方向へと飛んでいく。
爆弾か何かだったのかは知らんが攻撃は失敗。
そう見た俺は、刀で足を拘束する腕を切り落とそうと――
ギュルッ
あらぬ方向へ行くかと思われたボールから突如、刃が飛び出す。
それが高速回転しながら俺のほうへと飛んでくる。
「くっ!?」
予想外の奇襲。
だが俺の反射神経――それは弟同様、人類を遥かに越えたものだ。
切り飛ばした刃が少し腕に掠りはしたが……迎撃は成功。
足を拘束するブルーの腕を切り落とすと、一人生き残った12thブラックに向かい歩き出す。
「ッ!?」
ピリピリと、身体に違和感が走る。
これは……さきほどの刃に麻痺毒でも塗ってあったか?
「動ケマイ、覚悟!!」
エレザールの鎌を構え、12thブラックが向かってくる。
俺は痺れる身体を引きずるようにして、それを――
◇ ◇ ◇
麻痺毒に犯されながらも、ナイブズの動きは12thを上回った。
最後の決着は、そんな理不尽な終わり方で幕を閉じる。
ザザッ――
「2:38分、12th……『平坂黄泉』は死亡する
DEAD END」
正義日記が告げる己の未来。
(ヤハリ、コノ未来ハ覆ラナカッタカ……)
ナイブズに敵対する未来を選べばDEAD END以外なかった。
それがわかっていながら12thは2度目の生も自らの正義に殉じた。
(ダガ、正義ハマダ負ケテナイ……後ハ頼ンダゾ、レッド……)
【平坂黄泉@未来日記 死亡】
◇ ◇ ◇
敵対勢力の全滅を確認すると、俺は椅子に座る。
床は一面、血の海。
なるべく返り血を浴びないように切ったが、靴は血まみれになってしまった。
麻痺はうっとおしいが、動けない事もない。
脳にワムズの毒を仕掛けられた時のように、プラントの力で消しさるまでもあるまい。
しばらくすれば治るだろう。
しかし、2:43分に俺が悪になるだと?
俺を悪というなら、最初から悪だろうが……時間指定された事が気になる。
何かが起こるというのか?
死んだ12thのデイパックに自分の荷物を放り込む。
時計だけ残して時間の確認。
2:43分
そして俺は感じた。どこかでゲートの開いた感触を。
忘れるはずもない、我が半身の力の波動を。
「バカな……ヴァッシュ、お前も来ていると言うのか……」
最後に見た弟の姿を思い出す。
限界まで進んだ黒髪化。
瀕死の状態まで追い込まれた肉体。
俺がプライドを振り捨ててまで人間の医師に縋った。それほどの傷だった。
プラントの力どころか、ガンマンとしての力すら振るう事はままなるまい。
だというのにヴァッシュがここにいて、しかもプラントの力を使っただと?
あの弟の事だ。
ここでも人を殺したりはするまい。
それどころか、殺そうとした相手を助けるような奴だ。
そんな条理に外れた生き方で今まで生き延びる事が出来たのは、その身に宿る超越種としての力のおかげ。
それを無くしてもまだそんな生き方を続けるなら、必ず帳尻を合わせなければならない時がやってくる。
「ヴァッシュ――お前は」
【F-05地下/研究棟/1日目 黎明】
【ミリオンズ・ナイブズ@トライガン・マキシマム】
[状態]:麻痺、黒髪化進行
[服装]:普段着にマント
[装備]:金糸雀@金剛番長
[道具]:支給品一式×2、エレザールの鎌(量産品)@うしおととら、正義日記@未来日記
[思考]
基本:神を名乗る道化どもを嬲り殺す。その為に邪魔な者は排除。そうでない者は――?
0:ヴァッシュ――
1:首輪の解除を進める(まずは監視の有無の確認)
2:搾取されている同胞を解放する。
3:エンジェル・アームの使用を可能な限り抑えつつ、厄介な相手は殺す。
4:レガートに対して――?
[備考]:
※原作の最終登場シーン直後の参戦です。
※会場内の何処かにいる、あるいは支給品扱いのプラントの存在を感じ取っています。
※黒髪化が進行している為、エンジェル・アームの使用はラスト・ラン(最後の大生産)を除き約5回が限界です。
出力次第で回数は更に減少しますが、身体を再生させるアイテムや能力の効果、またはプラントとの融合で回数を増加させられる可能性があります。
※錬金術についての一定の知識を得ました。
※研究棟からはカードがなくても出られますが、再び入るにはまたカードが必要です。
※正義日記が効力を失っているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。
【金糸雀(カナリア)@金剛番長】
インドに古くから伝わる、撫で斬る片刃・叩き割る両刃の2つの性能を持つ両手剣『フィランギ』に
えぐり裂く刻刃と刺し貫く突刃を加えた憲兵番長の独創作(オリジナル)の刀剣。
【化血神刀@封神演義】
ビーチボール状の宝貝で、投げられると刃が出て回転しながら敵を襲う。
麻痺性の毒が染み込ませてあり、刺されると僅かな傷でも動けなくなる。
◇ ◇ ◇
闇夜の山道を少女がふらふらと歩く。
目に生気はなく、まるで操られているような虚ろな様子。
いや、まさに少女は操られていたのだ。
12thこと平坂黄泉の催眠術によって。
そして今、平坂黄泉の死亡によりその催眠術は解ける。
「あ、あれ!? あれあれ!? こ、ここはドコなのかな!?」
少女に操られている間の記憶はない。
ホールで休んでいたと思ったら、次の瞬間には外にいた――という認識だ。
ここへ連れてこられた時と同様の、わけのわからない現象に少女は再び恐怖する。
「ナイブズさーん! 平坂さーん! どこ行っちゃったのかなーー!?」
しかも、誰もいない。
闇夜の山林に女の子が一人きりだ。
殺し合いなどという要素がなくても普通に怖い。
「……ボンさーん! ヒナさーん……ハヤテ……くん……うう、誰か返事をしてくれないかなー!?」
故に仲間を、知り合いを呼ぶ声も次第に細く、小さくなる。
なにか、良くないものを呼び寄せてしまいそうで。
【???/研究所周囲のマスのどこか/森/1日目 黎明】
【西沢歩@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:五光石@封神演義
[道具]:支給品一式(一食分消費)、大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー
[思考]
基本:死にたくない。ハヤテや知り合いに会いたい。
0:だ、だれかいないのかな
1:ここはどこなのかな
2:殺し合いって何?
3:ハヤテくんに会いたい。
[備考]:
※参戦時期は明確には決めていませんがハヤテに告白はしています。
以上です。
ご意見、ご感想、ご指摘などありましたらよろしくお願いします。
と、最後に書こうとしたら規制されてしまった。
自分が未熟なせいでイかせることが出来なかった人もいるけど、
Hの後も一緒にいて、優しく抱いてあげました。
1回いったら、クリにはもうさわらないでって人、結構いて、体も触られたくないって人もいました。
男と同じだなーと感じましたね。
蛇足ですが、クリでいかせるときにも数パターン、
挿入でいかせるときにも数パターンありますね。
それほどテクニシャンではないので最初Hでいかせられないことも多々あります(^^;
投下乙です。
考察や12thの闇討ち、催眠術を活かした展開などに引き込まれました。
はてさて、西沢さんはどうなるのやら。
そしてナイブズ、危ういな……。
ところで、ナイブズが名前を簡単に教えているのに違和感があるのですが……。
前話で「名前を教える必要がないのは、自分の出した答えを捨てたくはないから」と言っています。
これで煩いからすぐ名前を教える、だと、前後の繋がりがおかしいかと。
基本的に無視を貫くつもりのようですし、名前を教えず必要最低限のことだけ話す、という風にしたほうが無難かと。
投下乙
12thそれなりに善戦したな
1056 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 00:02:47 ID:???O
「ちょっとでも自分で不要だと思ったところはバッサリ削る」って大事だよね
アマチュアにとってはなかなか難しいことだけど
ま、新人賞狙うわけでも原稿料貰ってるわけでも無いなら
好きに書く方がいいかもしれないけどね
1057 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 00:04:04 ID:???0
読んでてわくわくするような考察が書けるようになりてえなぁ
1058 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 00:31:41 ID:???0
誤爆
毎日毎日よくやるな・・・
1059 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 01:05:46 ID:???0
考察話は見せ方が勝負だな
何を考えるか、以上に
1060 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 06:59:48 ID:???0
明後日の方向に考えさせるのもいいかも
1061 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 09:14:33 ID:???O
誤爆
三沢のリング禍で思い出した
スクロワで播磨がジャーマンスープレックスで死亡したのが没話になった件
1062 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 16:11:59 ID:???O
何で没になったんだ?
1063 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 18:31:30 ID:???O
当時のログ持ってないからウロ覚えだけど、その時点で真の黒幕が未定で
しかも天満や麻生を初めとして有力キャラが激減していたから
頃し方がアレなのと相まってNGにしたと思う
1064 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 18:37:38 ID:???O
チラ裏
あーもー、ヒステリックに叫べば要求が通ると勘違いしてるババアは片っ端から干からびればいいのに…
ま、負の感情はせいぜい推進剤として利用させてもらうけどさ…
1065 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 19:04:39 ID:???0
>>1063 >頃し方がアレなのと相まってNGにしたと思う
しかしその後の播磨の死に方はそんなもん凌駕する凄まじいヘタレなものだったというw
最終盤ということ考えると、はっきり言ってあれはパロロワ史上に残るヘタレ死亡だと思うぞw
1066 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 20:24:23 ID:???O
>パロロワ史上に残るヘタレ死亡
脱出フラグがパロロワ史上最悪の形でへし折れた後、
優勝エンド不可避の状況でロワ瓦解のリスクを推して
人間ジェンガ(又は逆椅子取りゲーム)をやった結果だもんな
良く崩れずに優勝エンドまで行けたよ
1067 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 20:34:57 ID:???0
それ違う
1068 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 21:14:29 ID:???0
あの脱出フラグの折れ方も伝説かもなー
何気にスクロワってネタ多い、主人公中盤死亡とか
そして結局あらゆる意味でハラミの一人勝ちw
1069 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 21:22:55 ID:???0
でかい矛盾で議論を巻き起こして、その議論の隙に本当に通したかった小さい矛盾を通させるという方法、
ものすごくうまいと思った。
1070 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 21:34:05 ID:???0
矛盾があるならこじつけちゃえばいいじゃない。
最近はすぐ修正だからつまんない。
もっと、斜め上の展開とかないかね。
1071 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 21:47:50 ID:???0
誤爆
やる夫ロワが面白かったから、やらない夫ロワも気になったので見て見たら
酷い目にあった。
面白いけどありゃバトロワの皮を被った別物だと思った。
やる夫ロワは完全なバトロワだっただけにちょっと驚いてしまった。
1072 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:02:53 ID:???0
ごば
何の為に組ませたのよ。
何の為にあれだけ心理描写費やしたのよ……。
どうしてたった一話で引っ剥がすんだよ、バカァ……。
あのさ、ちゃんとした意図があって組ませたんだよ、それこそ相性とか人間関係とか、掛け合いの書き易さとか戦闘力の調整とかさあ。
うん、分かってる。これがリレーなんだけどさ。
無難な話にしてくれてれば、次の話で自分がもうワンアクションさせてとか色々考えててさ、そのための伏線仕込んでおいたのに、とかさ……orz
1073 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:05:13 ID:???0
なに、そんなの日常茶飯事だ。
……特にマーダーコンビの別れやすさは異常
1074 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:10:19 ID:???0
自分の望む展開にしたいなら全部自分で書けよw
1075 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:13:06 ID:???0
>>1072 南無……
そういう無念も芸の肥やしになると思い込むしかないよな……
1076 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:13:28 ID:???0
マーダーコンビ解散の理由でここのところいくつか見たのが、たかが数時間で互いを信頼し合えるわけがないので息が合わない、
なんだが、そんなの対主催チームだって同じだろ……orz
マーダーだって色んな事を考えてゲームに乗ってるんだから、一概に悪人だと見なさずに、対主催と同じように扱ってほしいんだよな
1077 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:15:10 ID:???0
だって最終的な目的は自分以外皆殺しだろ?
そりゃ対主催より別れやすくもなるだろ
1078 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:16:57 ID:???0
だからといって、一人で十人も二十人も殺せる、なんて馬鹿か狂人か突き抜けて強い奴しか思わないよ。
てか、頭がいい設定で、組むことに利益があると感じれるキャラがそう判断することが多いことよ。
キャラの頭のよさくらい把握しとけや
1079 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:18:02 ID:???O
俺はマーダーコンビ好きなんだがなあ。
マーダーコンビっても、奉仕マーダーコンビが好きなんだけど。
1080 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:19:11 ID:???0
>>1077 そうなんだけど、最近そういう理由でマーダーコンビが解散する話を最近いくつも見たので
マーダーほどでなくとも、対主催だって少しくらい周りの仲間に対して神経質になってもいいじゃない、と思った
1081 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:21:29 ID:???0
コンビを組ませる裏の意図を読まずに解散させる人って多いよなー……。
たとえば過剰戦闘力をできる限り制限させない形でも不満を出させないように一般人と組ませたり、
キャラ立てとしてそのキャラにとって大事な人間と重なるようなキャラだったり。
あるいは派手好きなキャラと策謀のうまいキャラを組ませて互いに活かしあったり。
その逆もあって、ダメなコンビってのもどうしてもあるよな。
個人的には考察キャラコンビはダメになる率が高いと思う。
どっちも頭がいいとかえって動かしづらいんだよな、片方が受身になると頭脳派キャラらしさが失われるし。
それに効率的過ぎてイベント起こしづらいし、戦闘力も大抵は高くないから戦わせづらい。
1082 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:22:51 ID:???0
どこで裏切るか、どちらが先にカードを出すか、ギリギリの緊張感を保つのがいいんじゃないか。
あっさり別れるなんて根本的に演出ってもんが分かってないぜ。
1083 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:23:39 ID:???0
馬鹿としっかり者のコンビって人気が出やすいような気がする
1084 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:24:19 ID:???0
>>1081 あとキャラのタイプがかぶるのも場合によってはキツイな。
特にハイテンションなツッコミタイプがコンビ組むと動かしづらくて仕方ない。
1085 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:24:26 ID:???O
つっても土台が違うからな
基本的に脱出=他人との協力が必要な対主催と最終的な優勝=自分以外皆殺しなマーダーじゃ殺し合い前提のロワでも信頼の基本値に大差がでるのは必然
比較して考えるのには向いてないっすよ
1086 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:28:22 ID:???O
そういやふと思ったんだが、マーダーと危険対主催(要らない人間は容赦なく始末、必要なら協力)のコンビはマーダーコンビと呼ぶべきなのか?
1087 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:28:28 ID:???0
信頼、ってのをコンビ結成の基幹に置く時点で既にマーダーコンビの扱いとして間違ってない?
互いに最高の効率で優勝を目指すための戦略的な繋がりなんだからさー。
1088 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:29:25 ID:???0
信用と信頼は別物だぞ。
最高の効率で優勝を目指すための戦略的な繋がりなら、それこそ信頼してないと話にならんだろ。
1089 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:29:50 ID:???0
>>1086 危険対主催って優勝狙いじゃないだけで立派なマーダーだと思うんだ
1090 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:29:57 ID:???O
でもマーダーコンビで恋愛に発展した奴等もいるからなあ。
マーダーになる動機にもよるけど、絆を作れないわけじゃないと思うよ。
1091 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:31:35 ID:???O
>>1083 ツッコミとボケの組み合わせが人気出るのは、まあ当然だわな
1092 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:31:48 ID:???0
>>1088 言葉遊びをする気はないよー。
1093 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:32:38 ID:???0
お互いの腕や武器や頭脳や、そういうものを利用しあう仲なんだから、
少なくとも結成当初は背中を預けるとかそういう甘さとは無縁じゃない?
勿論、絆を作るも惨劇に発展させるも流れ次第だけど。
1094 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:32:52 ID:???0
利益と打算で長く組んで何が悪いんだ?
信用するZE! で組まれるよりよっぽど胸がスッとするんだが
1095 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:35:22 ID:???0
葉鍵2の晴子と明日菜は良かったなあ
結成から血の破局に至るまでマーダーコンビのお手本みたいな二人だった
ゲンジマル涙目だけど
1096 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:35:21 ID:???0
まあ世の中にはマーダーと仲良くなる対主催とかいるんだがら南斗も言えないのが実情
1097 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:35:43 ID:???0
仲良くさせた方がいい、信頼関係を築かせた方がいいとかは言わないが、一度は組んだんだから突然安易な理由で裏切ったり解散させないで欲しい
1098 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:35:58 ID:???0
言葉『遊び』じゃないだろ、れっきとした定義の話だ。
組む以上は相手の何かを信頼してなきゃはじまらんだろうとそれだけの事さね。
それが実力であれ頭脳であれ運であれ人格であれ。
1099 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:37:05 ID:???0
収穫を焦る人が多くなったよね、っていう印象
種撒いて芽を出して、そこで摘み取っちゃう
水をやれよ、陽に当てろよ、虫を取って大事に育てろよと
1100 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:37:58 ID:???0
>>1098 横レス悪いが、定義論が必要になる段階で世間一般では言葉遊びだと思われるぞ
1101 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:39:20 ID:???0
育てないよな…マーダーに限らず。
分割クラスの大作で急速育成→即収穫してみたりとか。
1102 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:39:21 ID:???0
まあそれで育てたマーダーコンビが一話で一網打尽にされたりもするがな……
1103 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:40:23 ID:???0
ホントもう、常に書き手同士で打ち合わせしながら進めたくなる衝動に駆られるわ……
1104 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:41:44 ID:???0
ここでマーダーの扱いに対して愚痴る書き手は結構いるんだが
何で一向に改善されないのかが謎だ
1105 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:42:18 ID:???0
逆にフラグが生かされたらすごく嬉しいけどなあ
ものすごい欠点があるかなりいい支給品をだして、
負の使い方をしてくれたときはすごく嬉しかったなあ。
1106 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:44:35 ID:???0
>>1104 それ以上にマーダーをないがしろにする書き手が多いのさ。
こればかりはどうしようもないんだけどね。正直。
1107 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:44:48 ID:???0
改善すべきと意識する段階が人によって違うから租借がでる。
誰かの「どうでもいい」が誰かの「大変だ!早く手を打とう」になってるの。
1108 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:45:08 ID:???0
>>1104 育てるのは手間が掛かるが、収穫は一瞬だから・・・
10人が育てても、1人が収穫すればそこで終わる
1109 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:46:46 ID:???0
>>1104 人と人とがわかりあえるのは難しい。
そういうことさ。
1110 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:47:06 ID:???0
つーか書いた後の展開に希望とか持ってる書き手なんていたのか
俺はどう転がろうと、矛盾がなければ問題ないと思うけどなぁ
1111 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:47:17 ID:???0
IDでないから何とも言えないが、4〜5人ぐらいはいるよな
これだけの人数が一つのロワに集まれば多少のことじゃマーダーがどうこうって話にはならなそうだが
1112 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:47:50 ID:???0
「意図があって組ませた!」って言われても、
(贔屓だけどあんまり美味しくないキャラに人気キャラをカップリングさせたぜ!これで自贔屓キャラも暫くは安泰だなwww)
…って意図が透けて見える時があってだねえ。
と、そんな悪意の話は別にしても、自分の意図が汲まれて当然と思うのはリレー向きじゃないよ。
君が思ってる「ベストな展開」は、必ずしもベストじゃないかもですよ。
1113 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:51:58 ID:???0
まぁ意図でいうなら書き手それぞれに意図はあるだろうしな
自分の密かな展望が潰された!っていうんだったら潰されようもないくらい強固な
フラグにしておけばよかったんだよ
それすらもブチ折られるのがロワだがw
1114 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:52:34 ID:???0
世界の悪意が見えるようだ
1115 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:53:37 ID:???0
>>1104 マーダーが大切なのは分かるが、それ以上に対主催が頑張る熱い展開の方が大事、もしくは好きって書き手は結構いそう
展開のためにマーダーを犠牲にしたり、他の書き手の鬱展読んで熱血分補完しとくか、みたいな
それで面白いなら何の問題もないけどつまらないならただ単にマーダーを安易に殺しだけにしか見えないという
1116 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:54:38 ID:???0
たとえばマーダー組ませるなら、お互い死なれたらかなりの不利益になるような条約を
交わしておけばいいんだよ
そうすれば次の奴が別れさせようとしたとき、この不利益を無視してでも別れさせるのは
おかしいとか突っ込めるじゃん
1117 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:55:20 ID:???0
>>1110 俺もそうだな。
それがリレーの醍醐味だと思ってる
1118 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:57:31 ID:???0
まーフラグ折られたくなけりゃ一人で俺ロワ書けばいいじゃん、って話だしな
もしかして埋め立てる気か?
549 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:02:04 ID:jMChLX6f
1119 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:58:38 ID:???0
自贔屓キャラが次話で死ぬのが当たり前ってのがパロロワだと思ってたんだがなあ。
最近は流れ変わってるから良く分からんよなあ、実際。
アニとかギャルゲとかで比較的多くのキャラがしっかり書かれた上で死んだけど、それって異常だったんだけどね。
それ以降、キャラは大事に殺すんだって風潮になって、どんどん死亡がスローペース化してる印象。
……そういうの、実力派書き手が集結した、ある意味異常なロワだから出来たワケで。
アニとかも序盤であっさり死ぬキャラは沢山居たワケで。
そういう死亡率計算とかを緻密にしてた書き手も(多分)複数いたワケで。
何でもかんでも「活躍させて見せ場を作ってからじゃないと死んじゃダメ!」なんてしてもワンパターンなんだがなあ……
キャラ死なないと緊張感無くなる上にフラグが増えすぎて中盤以降に首が回らなくなるんだけどなあ……
1120 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:59:48 ID:???0
フラグ折られるのは嫌だけど俺ロワ開いて一人で書ききる根気もないので、仕方ないと割り切らざるを得ない
1121 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 22:59:48 ID:???0
それは極論だろ
リレーで予想外の展開をするのと既存の話を台無しにするのは別物なんだから
それに、フラグを折るならそれ相応の書き方ってものがあるだろうし
1122 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:02:47 ID:???0
だから既存の話から見て矛盾があるならそこをついて修正させればいいじゃん
1123 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:03:33 ID:???0
>>1121 予想外の展開か、既存の話を台無しか、
その違いは主観の違いでしかないんだぜ?
フラグの折り方が相応かどうか、その違いも主観でしか決まらないぜ?
なんかアナタはパロロワには向かない性格に思えるよ。
無論それも俺の主観だが……同じ主観を持つ人、他にもいるかもね。
550 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:05:16 ID:jMChLX6f
1124 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:07:08 ID:???0
>>1119 まあ、割と同意。
2チャンでやる以上、一定以上の腕があるなら共同作業を突き進む覚悟をしないといけないよな。
その上で理想どおりにならないこともある。
自分の気に入らない話が通ることもある。
それでも完結したときの喜びを分かち合いたいから、2ちゃんでリレーするという道を選んだはずなんだがなー。
1125 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:07:15 ID:???0
ふと
「放送2回目の前にマーダーが一掃されてしまい残りは対主催キャラのみとなってしまいました。
残り人数は開始時点での60%近く、誰かをマーダーに転向させるにしても相当無理な展開が必要です」
とかそれとは逆に
「放送2回目の前に有力な対主催候補が全員死亡か発狂マーダー化して、主催に対抗する為のフラグも全てへし折れました。
後はマーダーによる一方的な狩りの時間です」
どっちがやりにくいだろうか、と思ってしまった。
1126 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:08:24 ID:???0
主観で話していいのなら
>>1123は内容よりまず煽りっぽいレスをしたがるその性格が共同作業に向かないと思う。
少なくともうちのロワには来てほしくないです。
1127 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:09:03 ID:???0
>>1125 人数が多いほう
1128 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:09:14 ID:???0
詭弁だろ、それは。
例えば恋愛フラグなんか例に挙げるとする。
その恋愛フラグを活かしていて、なおかつ唐突な死に方をさせて相方を一人放り出すのと、
いきなりの奇襲で心理描写もへったくれもなく両者死亡とじゃ残るものが全然違うだろう?
投下乙です。
奇妙な三人組、意外と仲良く行くかと思ってましたが…そう上手くはいかなかったか。
ナイブズがすごくナイブズらしくて面白かったです。武器もぴったりというw
西沢さんに幸あれ…
552 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:06:53 ID:jMChLX6f
1129 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:09:24 ID:???0
>>1121と
>>1123による脊髄反射レス対決が始まります
1130 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:09:30 ID:???0
>>1124 理想なんて言ってるのがそもそもスタンス違うなーって思う。
もうちょっと気楽にやりなよ
1131 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:12:20 ID:???0
てか完結なんて目指すならそもそも2chでやらないだろう、と思ってた俺みたいなのもいる
ロワ住人はその例に入らず本気で完結目指してるらしいことを最近やっと理解できたが
1132 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:13:47 ID:???0
>>1129 シャドーボクシングされると困るから言っておくけど、
>>1121と
>>1126は別人だから。
1133 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:13:57 ID:???0
理想とかは特に考えないな
自分が密かに練っているプロットが使えるかどうかは考える
1134 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:20:07 ID:???0
>>1131 2chでやるのは単なる人集め、ってのはロワの主流派思考だからねえ
ある程度の頭数さえ集まったら即したらば撤退、なんてのもこれからは流行るかもね
1135 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:20:39 ID:???0
>>1125 後者の残り人数によっても変わる。
また前者の場合面子次第では、少年漫画的な「主催者と熱血バトル」という路線変更の手がある。
対主催大勝エンドで早期終了となればそれはそれで有りだろうし。
553 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:13:32 ID:jMChLX6f
1136 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:23:29 ID:???0
完結はしたいが、したらば撤退はやなんだよな。
完結するにあたって、完結向きの書き手が先頭に立って、他がある程度空気読んで書けばどうにかなるし。
その空気を読むのが難しいし、喧嘩の元になるんだけどねw
1137 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:23:32 ID:???0
路線変更といえばGR2は意外な手を打ってきたよな
「ここから先はリレー企画ではありません、合作発表企画なので新規お断りです」ってのは
案外、新基軸になるかも知れん
1138 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:25:13 ID:???0
>>1136 本スレでの雑談皆無なロワの上にプロバが規制地獄な俺には何の不都合もなかったりする。
実際、専ブラで読む分にはまるで変わらないし。
1139 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:25:31 ID:???0
>>1137 あんな芸当ができるのは余程しっかりとしたところだけだろw
1140 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:26:42 ID:???0
>>1136 その空気を読むっていうところにおいて2chは最悪とも言うべき環境だもんなぁw
1141 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:27:21 ID:???O
キャラ同士が絆を深めていくのをしっかりと話使って書かれるのを読むのは大好きだぜ
554 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 01:24:08 ID:jMChLX6f
1142 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:33:18 ID:???0
ほぼ初対面で一言二言会話を交わしただけの相手なんて
次の瞬間「じゃあ」って即別れても何の違和感も無いと思うんだがなあ
「状態表に『信頼した』って書いてあるだろ!」とか言われてもさー
1143 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:37:29 ID:???0
状態表に書かれてるだけの事なんて無視しても差し支えない。
1144 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:42:51 ID:???0
>>1140 実際「ぼくの考え=読むべき空気」な部分が大きいとこだもんな、ロワに限らず2ちゃんってw
歩み寄る姿勢皆無の場所で相手全滅させようと頑張るのって相当な難易度だと思うんだがなあ
1145 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:44:58 ID:???0
ttp://www.shomei.tv/project-1025.html なん……だと
1146 :やってられない名無しさん:2009/06/17(水) 23:57:26 ID:???0
誤爆
新漫画とマルチに毎回出没するアンチ、
どうにかできねえかなあ……
なんつか、ロワ見なけりゃいいのに
どんだけマゾなんだって話だ。
1147 :やってられない名無しさん:2009/06/18(木) 00:00:00 ID:???0
>>1146 あの程度スルーすりゃいいだけなんだ、かわいいもんじゃないか
>>535 >「……ナイブズだ、次にその巫山戯た名で呼んだら殺すぞ」
>……別にレムが付けた名に執着があるわけではないが、ブランドンやらイエローなどと呼ばれるのは怖気が走る。
>名を教えてやると、俺は足早に歩を進める。
ここを
思いもよらぬ提案に、思わず足の力が抜けるような感覚が走る。
だが、どの道ヒトと慣れ合うつもりなどないのだ。
ならばどう呼ばれようが知った事ではない。
「……好きにしろ」
そう言い捨てると、俺は足早に歩を進める。
に修正するということでどうでしょう。
以下、歩がナイブズに呼び掛けるシーンは全てブランドンに修正。
お疲れさまです、それで問題ないかと思います。
557 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 00:45:04 ID:6bnRsXh1
書き手さんがんがれええええ
ちょとwiki編してみるかと思ったら偉い時間かかったわ
いつも編集してる人御苦労さんです
ミスがあったら直しといてw
座個が偏執してもスレに+なし
はいはいツンデレツンデレ
また予約が止まった・・・・・・
新たな波が来ると信じて待つか
562 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 21:11:03 ID:zvHdFLzw
オナガキとかは2chとかの影響モロに受けてジャンプ=腐女子に受けないと駄目
と思い込んだんじゃね?w
でも現実はテニヌクラスの弾けた漫画で無いと腐女子向けはどんどん下がっていくのが
ジャンプの宿命なんだが。それでもテニヌは後半かなり下がった。
リボーンは特別。ただあれも意外と少年に受けているのかもしれん。
でも実際アイシは後半腐女子受けも悪くなって褒めているのはヲタのおっさんだけ
のように見えたがなw
マガジン辺りで連載がちょうど良かったかもw
563 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 21:14:22 ID:zvHdFLzw
マンコは都市伝説だと思う。
女には全員マンコがついているという。
だがちょっと待って欲しい。
女全員にマンコがついているとすると、日本だけで約6000万個のマンコが存在することになる。
俺の住んでる東京都だけでも600万個以上のマンコが存在する計算だ。
だが、俺は28年東京に住んでいるがいまだかつて一度もマンコを目撃したことがない。
例えば東京都のコンビニの数は5000店と言われている。
5000店のコンビにでさえ少し歩けば2,3店は見かけるくらいの数である。
それにもかかわらず、600万個も存在するマンコを28年間一度も見たことがないというのは、
確率的にありえないのではないか?
新しい予約来てるw
予約が三件も……楽しみすぎるぜ。
ゴルゴ13。
世界最高の狙撃手。
ありとあらゆる依頼をこなし、その遂行率はほぼ100パーセント。
ゴルゴ13を敵に回して生き延びた者はいない。
一国の大統領。世界を裏から牛耳る大富豪。科学の粋を集めた究極の兵士。人の思念を読む超能力者。
そして機械仕掛けの神ですら、彼に十字架にかけられる運命を辿った。
ゴルゴ13の行動目的は単純にして明快。
首輪を外し、主催者たちの居場所を突き止め、報復する。
そのためにはまずは情報を集め、装備を整える必要がある。それも迅速かつ慎重にだ。
実を言えば、当初彼は南に存在するはずの市街地へ真っ先に向かう予定だった。
無論、多くの参加者が集う可能性が高い街というフィールドは、その他の場所に比べると危険度が高い。
あの開始前の奇妙な空間に居合わせた他の参加者たち。
姿形は判らなかったが、気配だけで『プロ』であると判断できる者たちも混じっていた。
そしてムルムルと呼ばれた少女はこうも言った。
『身体の動きが鈍いと感じているものはおらんか?』
少なくともゴルゴ13の身体に異常はない。
これはすなわち彼を超える、すなわち人間の限界を超える身体能力の持ち主が存在することを意味する。
彼らと遭遇した場合、ゴルゴ13といえども無事で済む保証は無い。
それでもこの状況を打破するためには街を無視して行動することはできないだろう。
何より――街の状況はおそらく時間が経てば経つほど悪化するはずだ。
ならばなるべく早い段階で市街地を探索しておくべきである。
それがゴルゴ13のゲーム開始直後の判断だった。
しかしウィンリィ、ルフィとの情報交換を通じて異世界の情報を得た彼は、方針を変えた。
異世界の存在を仮定した場合、まず真っ先に確認しておくべきことがある。すなわち、ここは一体どういう場所なのか、である。
今までは主に植生を頼りに、東シナ海に位置する島であろうと推測していたが、もはやその推測は当てにならない。
それだけならまだしも、街が全く未知の技術、文化に基いたものであった場合、取るべき行動は全く違ったものとなる。
仮に南方の街がまるで勝手の分からない施設に満ち溢れたものだったらどうなるか?
それは彼の知る『街』になら確実に転がっているはずの数々の道具――それらは彼にかかれば時には強力な兵器にすらなり得る――が存在しない可能性を示唆する。
設備の扱い方を知らぬが故に自滅する破目に陥るかもしれない。
街のルールを知っている者にとってのみ、街は街の機能を果たすのだ。
故に、そのルールを知る者から情報を得ない限り、未知の街に進入することは自殺行為となりかねない。
特に街中での戦闘は絶対不利と考えて間違いない。
そう考え、ゴルゴ13はまず地図上で最も近い人工物――教会へと歩を進めていた。
***************
ぱきり、と小枝を踏み折る音。
風が吹くたびにざわざわと葉が擦れあう。
視界のほとんどを埋め尽くす漆黒の木々は、この先の運命を暗示するかのよう。
木々の合間から漏れる頼りない月明かりを頼りに、二人の少年が森の奥へと分け入っていた。
「あのさ、そういえば」
深くなってきた森を背景に少年の片割れ――安藤が不安そうな声を出す。
「何だ?」
安藤よりも少し幼い外見の少年――鳴海歩はそっけなく応える。
「いや、自分で提案してておいてこう言うのもなんだけど……大丈夫かな?」
「何が?」
「よく考えたら森の中の神社なんて簡単に見つかるのか? ……今も暗くて周りがほとんど見えないんだけど」
深夜の森は安藤の考えていたものよりずっと深い闇に包まれていた。彼の不安はもっともだ。
「まあ、簡単には見つからないだろうな。それどころか俺たちが森から迷わず出られるかも怪しい」
定期試験の難易度を語るかのような気軽さでとんでもない発言をする歩。
焦る安藤。それを察して歩は続ける。
「だが今回に限ればそれほど心配はいらない。神社は山のほぼ頂上にあっただろ? だからとにかく上へ向かえば自ずと神社の近くに着くはずだ。
その頃には十分明るくなってるはずだから、ちょっと探せばすぐ見つかるさ」
もちろんこれには、途中で誰にも遭遇しなければ、という但し書きがつくのだが。
「あー、なるほど、そりゃそっか。……やっぱりすごいな、鳴海は」
「あいにく褒めたって何も出ないぜ」
その憎まれ口に弟の姿が重なり思わず苦笑する。
そう、どれだけ頭が切れようとも、歩もまたただの学生に過ぎないのだ。
この少年を守らなくては。安藤は「兄」としてそう決意した。
***************
暗闇に包まれた森。その木々の間を淀みなく動く影が一つ。
(……確かに教会はあった。少なくともまるで出鱈目な地図というわけではないようだな……)
ゴルゴ13は既に頭に叩き込んだ地図と、教会周辺の情報を照らし合わせながらそう考えた。
待ち伏せの可能性を考慮して教会に接近することは避けたが、それでも必要十分な情報は手に入った。
(教会は一般的なカトリック式のものだった……そして北の沿岸灯台と道のアスファルト舗装……加えて星の配置……)
結論としては、ここは彼のいた地球か、それに非常に近い世界であると考えて間違いないようだった。
(ならば次は街、だ。日が昇らぬうちに、森との距離が近い箇所から侵入すべきだろう……)
夜の山森は普通の人間にとっては大きな障害となる。
草木による天然の障害物。方向感覚の消失。暗闇への恐怖。
これらは人間を惑わせ、迷わせ、時には命にかかわる事態すら引き起こす。
だが野戦のエキスパートでもあるゴルゴ13にとっては大した問題にならない。
むしろそれらの脅威は隠密行動を取る今のゴルゴ13に味方しているといえる。
並の人間が闇に紛れたゴルゴ13を捕捉することは不可能に近い。
(……地図が正しいなら夜明け前に辿り着けるはずだ)
無論、それは何事もなければ、の話だ。
そして、往々にしてそのような期待は外れるもの。
(……?)
暗闇の中、ほぼ丸腰で山頂方向を目指す若い二人組が左手の視界に入った。
(…………)
一瞬、接触すべきか否か逡巡する。
装備の薄さ。明らかに戦闘訓練を受けていない動き。互いの警戒心の薄さ。敢えて街から離れる行動。
これらの要素を勘案すると二人組が危険人物である可能性は非常に低い。だが、
(ここで時間を浪費したくはない)
ゴルゴ13は、明け方以降、街が平穏無事に済むとは全く思っていない。
日が昇れば視界が大幅に広がる。そうなれば街は強者の狩場となるとほぼ確信している。
実際は既にその状態に近いのだが。
(しかしここで逃せば次は無い、と考えるべきだ……)
非戦闘員がこの場で長時間無事でいることは難しい。
彼らが目的の錬金術師であったらここで逃すことは最悪手となる。
その最悪を防ぐためにも、最低限必要な情報だけは引き出しておきたい。
つまりここで取るべき行動は――
***************
ヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバ
イヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
俺はちょっと前、本物の殺し屋に狙われた。だから分かる。こいつはヤバイ。
状況はその殺し屋「蝉」に襲われたときと似ている。
そう、こんな感じで心当たりもないのに突然正面から襲い掛かられたんだ。
でもあの凶悪なナイフ使いだってこの怪物に比べればミンミン煩いだけの虫だ。
この男がその気になれば瞬きの間に殺されるという確信。格が違う。
死ぬ――死ぬ? 俺が? 嫌だ。そんなのは嫌だ!
どうする。どうすればいい!?
考えろ。
考えろ。考えろ。
逃げる? 振り向く間も与えてくれないだろう。
考えろ。
腹話術? そんなチャチな小細工が効く相手じゃない。
考えろ。考えろ!
いっそ飛びかか「やめておけ」――っ!?
「ひっ」と情けない音が喉から漏れる。
頭から液体窒素を浴びせかけられたような感覚。
カミソリのような視線に全身が切り刻まれる。
蛇に睨まれた蛙。まな板の上の鯉。鷹の前の雀。そんな慣用句が頭を過ぎる。
やめてくれ……頼むから……もう余計なことはしないから……殺さないで……。
***************
鳴海歩もまた焦っていた。
行く手にある大木の裏から無言で体格のいい東洋人の男が現れたのだ。
内心で舌打ちする。
完全に不意を突かれた形になった。しかも俺も安藤も、男の一足の間合いに入ってしまっている。
周囲に気を配っていたはずなのに、こうもあっさりと接近されるとは。
安藤の怯えがはっきりと伝わってくる。俺だって怖い。今すぐ尻尾を巻いて逃げ出したいくらいだ。
そう思ったとき、男が初めて口を開いた。
「やめておけ」
今の脅し文句だけで、それも俺に直接向けられた言葉では無いにもかかわらず、全身の毛穴が開く。
俺に戦闘の心得はない。だが素人二人がこの尋常ならざる男を倒すことなど、天地がひっくり返っても不可能だということくらいは判る。
安藤の腹話術が決まればもしや、とは思うが、この距離で敵意を向けた時点でなんらかの「処置」がなされるのは明らかだ。
そもそもさっきの言葉で安藤は戦意を失っているようだ。
だが……おそらくこの男はこの時点で俺たちを殺すつもりはなさそうだ。
というより殺すつもりならもうとっくに俺たちは物言わぬ肉塊になっているだろう。
ただ、相手の意図が解らない以上、迂闊な行動は取れない。この男は殺人を躊躇うタイプでもないだろう。
黙って男の出方を窺う。僅かな沈黙。緊張。
そして男が再び口を開き、
「錬金術を使えるか?」
予想外に過ぎる質問が飛んできた。
――錬金術――
古代ギリシアで原型が生まれ、中世ヨーロッパで大きく発達した学問。
その名称から金を造る魔法のようなものと誤解されることが多いが、本質は科学に極めて近い。
事実、初期の近代化学の成果の中には錬金術師達がもたらしたものも多く存在する。
錬金術の研究には歴史上多くの人々が関わっており、かのサー・アイザック・ニュートンも熱心な研究者であったとされる。
男の質問に一瞬呆気にとられたものの、歩は自身の頭から錬金術の知識を瞬時に引っぱり出す。
しかしやはり男の問いの真意が理解できない。
(錬金術を「使う」ってのは何だ? どういう意味だ?)
適当な答えを返すわけにもいかず、歩は沈黙する。
***************
レンキンジュツ?
「……知らないようだな。それならいい」
冷たい声でそう言うと同時に男が踵を返した。どうやらこちらへの興味を失ったらしい――助かった……のか?
軽い恐慌状態から脱出する。
でもレンキンジュツ……錬金術?
クズ鉄から金を造るとかいうアレか?
カネを寄こせとか……じゃないよな。
というか今のは一体何だったんだ?
そのまま去ろうとする男の背中に
「待てよ」
あろうことか鳴海が声を投げかけた。
ギョっとして鳴海の顔を見る。心中までは解らないが、鳴海は不敵な表情を取り戻していた。
謎の男は特に反応せず数歩南へ。
「おっさん、首輪を外したいんだろ? 当てがないわけじゃないぜ」
今度は反応があった。立ち止まる男。
まさかとは思ったが、鳴海はこの男に交渉を持ちかける気らしい。
しかもこの手の交渉は初めての経験ではなさそうなのが怖い。
「そのために街で情報収集するつもりだったんだろ? だったら俺たちの話も聞いておいた方がいい。
例えば……俺たちでもその気になればあんたを殺す方法があるって話なんかをな」
言われた男ではなく俺の方がギクリとする。
これはブラフに近い。そして賭けだ。こんなことを言えば何をされるか分かったもんじゃない。
だが男は特に焦った様子もなく佇んでいる。それが逆に不気味だ。
もうこうなったら鳴海に命を預けるしかない。
俺は鳴海の邪魔をしないよう傍観に徹する。
「それに俺たちは携帯電話も持ってる。こいつの重要性はあんたなら説明するまでもなく分かるだろ。
ま、先を急ぐっていうなら無理に引き止める気はないけどな」
鳴海の告げる言葉がついに男を振り向かせた。
先程と同じく冷徹な、しかし先程とは全く違う妙に人を落ち着かせる声で、男が言葉を発する。
「……用件を聞こうか……」
【F-8北西/森/1日目 黎明】
【ゴルゴ13@ゴルゴ13】
[状態]:健康
[服装]:
[装備]:ブラックジャックのメス(10/20)@ブラックジャック、ジャスタウェイ(4/5)@銀魂
[道具]:支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、不明支給品0~1(武器ではない)
[思考]
基本:主催者に報復する。
1:二人(安藤(兄)、鳴海歩)から情報を引き出す。
2:なるべく早く市街地に行って、情報と装備を入手する。
3:首輪を外すため、錬金術師に接触する。
4:襲撃者や邪魔者以外は殺すつもりは無い。
[備考]
※ウィンリィ、ルフィと情報交換をしました。
彼らの仲間や世界の情報について一部把握しました。
※奇妙な能力を持つ人間について実在すると認識しました。
【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:疲労(小)
[服装]:猫田東高校の制服(カッターシャツの上にベスト着用)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、バラバラの実@ONEPIECE 不明支給品×1(確認済み)
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦うかはまだ保留
1:ゴルゴ13がちょっと怖い。でも情報は多いほうが……。
2:神社を目指す。そこで主催に関する情報と脱出を目指す人間を探す。
3:ユノから連絡があれば天野雪輝と接触し、危険人物でなければ日記を渡して協力する。
4:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい
5:殺し合いに乗っていない仲間を集める
6:殺し合いには乗りたくない。とにかく生き残りたい
7:潤也が巻き込まれていないか心配。
[備考]
※ 第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です
※ 我妻由乃の声と下の名前を認識しました。警戒しています。
※ 無差別日記の効力を知りました。
【鳴海歩@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:疲労(小)
[服装]:月臣学園の制服
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、無差別日記@未来日記 不明支給品×1 (確認済み)
[思考]
基本:主催者と戦い、殺し合いを止める
1:ゴルゴ13と情報交換する。特に錬金術について聞き出したい。
2:神社を目指す。そこで主催に関する情報と脱出を目指す人間を探す。
3:ユノから連絡があれば天野雪輝と接触し、危険人物でなければ日記を渡して協力する。
4:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい
5:殺し合いに乗っていない仲間を集める
6:何故主催者達は火澄を殺せたのか? 兄貴は何を企んでいるのか?
7:「爆弾を解除できるかもしれない人間である竹内理緒が呼ばれている」という事実が、どうにも引っかかる
[備考]
※第66話終了後からの参戦です。自分が清隆のクローンであるという仮説に至っています
※オープニングで、理緒がここにいることには気付いていますが、カノンが生きていることには気付いていません
※主催者側に鳴海清隆がいるかもしれない、と思っていますが、可能性はそう高くないとも思っています
※我妻由乃の声と下の名前を認識しました。警戒しています
※無差別日記の効力を知りました。
以上です。
何かありましたらご指摘下さい。
初めてなので繋ぎっぽい話を書いてみました。
投下乙
はやい!もうきた!
用件を聞こうかキタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!
投下乙
機械仕掛けの神・・・ってなんか気になるけどなんだっけか
つーかゴルゴって原作でバトロワ紛いの実験に迷い込んで優勝+主催者全滅させた経験あるんだよなw
あとさりげなく蝉の扱いがひでぇw
投下乙です。
ゴルゴ冷静だなぁ…殺し屋の格が違うw
今後が気になる引きでした!
投下乙!
さすがゴルゴ、存在だけであの二人をびびらせるとは……
安藤がひそかに蝉に対して酷いのに吹いたww
情報交換がどうなるか期待。
魔王の最新刊買ってきたが、二部を見ればみるほどアサガオさん出したかったぜ……と思ったが、ロワであの殺し方したら暗殺よりよほど荒れそうだなww
おお、投下乙です
初めてなのにゴルゴらしい考察とか雰囲気がよく出てました
この二人がここまでびびるとはさすがゴルゴ
この情報交換でどう転ぶか先が気になるよ
天野雪輝、我妻由乃、愛沢咲夜、グリード(リン・ヤオ)、蒼月潮、蝉、秋葉流の投下開始します
森の木々に身を隠しながら、携帯電話のディスプレイに映る最後の一文に示された言葉を読み直しながら僕は考える。
――DEAD END
未来日記を用いた自分達の戦いでそれが示されるもの。
ENDの名のとおり、所有者の手によってこの先日記が書かれる事は無い。
だからその先の予知が表示されることは無い。
完全な行き止まり。
……絶対的な『死』の予言。
そしてその内容は、あの場に居た全員が『死』に繋がる様に読み取れた。
今まで自分も、そして由乃もDEADENDを立てられたことはあった。
だがこうして生きている。
そう、けして回避できない未来なわけではないのだ。
少なくとも3:10まではこのDEADENDが成立することは無い、まだ猶予はある。
実際は自分はその前に何らかの攻撃を受けることになるのだからもっと猶予は無いのだが
それでも、まだ出来ることはあった。
『媚びてくるあの女を始末したらユッキーに怒られちゃった』
そう、これだ。
間違いなく由乃による愛沢さんへの攻撃。
まずこれを第一に止めなくてはならない。
これさえ無ければグリードさんが襲い掛かってくることも無くなる。
でもそれは由乃だってわかってるはずなのに。
いつでも反撃できるようにと両手の機関銃にはしっかりと指がかけられている。
「大丈夫、わかってるよ」
そんな僕の思考を読み取ったのか、ポツリと由乃が呟いた。
警戒を緩めないように視線は僕へと向けず、無表情で一言だけ。
「あの女は殺さない……少なくとも"今"は」
そして続けられた言葉に一抹の不安を抱えながらも携帯を見直す。
書き換わる気配は無い。
だが由乃がわかっているなら3:00までなんとか時間を稼げばそれで問題ないはずだ。
たとえ相手が自分達を殺す気でいたとしても3:00までは……。
なのに――何故?
携帯を眺めていた視線をぼんやりと元に戻すと、そこに居たはずの由乃の姿は煙のように消えていた。
物音一つ立てず、ポツンと取り残されてしまった僕は頭を抱えるしかなかった。
由乃が何を考えているのか、僕にはさっぱりわからない。
☆ ☆ ☆
「ちっ……どこへ隠れやがった!」
溢れ出る怒りを撒き散らしながらグリードは叫ぶ。
だがそのそばに、守ると宣言した少女の姿は無い。
『あんまり離れるとあの子が危ないゾ?』
「わかってんよ!」
パニックに陥る咲夜に注意を逸らしていた一瞬の隙に、雪輝と由乃は忽然と姿を消していた。
そしてその結果、咲夜の混乱はさらに増して行ったのだ。
「狙われとるんや。どこからもわからずいきなり攻撃される……もう嫌や嫌や……」
半狂乱になりながら手に持った銃をやたらと振り回す咲夜を制止しせめんとその腕を掴む。
だがそれを振りほどきながら咲夜は叫び続ける。
口吐き出され耳に届くのは、最早言葉にはなっておらず、音と表現した方が正しいかもしれない。
咲夜の表情は涙と鼻水にまみれ、とても見れたものではなかった。
(しょうがねえ……)
顔をしかめ右拳を軽く握り締めると――咲夜の鳩尾へ叩き付けられた。
一瞬の呻き声を零しながら咲夜の身体が支えを失ったようにグリードの身体へと倒れこんできた。
『おイおイ』
「気絶させただけだ、このままだとどうしようもねえだろ?」
咲夜の身体を抱き抱え、近くの木の根元へ横たわらせる。
『で……どうすルつもりダ?』
「決まってんだろうがっ!」
目を離して一分も立ってない。
そんな遠くへ逃げれるはずは無いのだ。
俺様の部下にしようとしたことをそのまま返してやるよ。
そう考え、今しがた拾ったばかりの降魔杵を握る手に力が篭る。
その刹那。
断続的な銃声が鳴り渡り、グリードの足元の土がはじけ飛んだ。
反射的に右へ向かって地を蹴ると、今まで居た空間を銃弾が通過し真後ろにあった木へと突き刺さる。
「ちっ――」
悔しげに漏れ聞こえてきた女の声が苛立ちを募らせる。
先程の由乃とか言う女の声に間違いは無かった。
そして草木を踏む音が小さく消えていく。
素早く体勢を立て直すと、残響のした方角へと向かって地を蹴った。
(悉く奇襲が好きなようだ……だが逃がさねえ!)
☆ ☆ ☆
――最初、私は何よりも先にあの女を殺すつもりだった。
でも予知通りならそれはまずい。
あの女は殺さない。
違う、殺したいけどDEADENDを回避するためだ、殺せないが今は仕方ない。
だがあの男は別だ、だから矛先を変えた。
ユッキーにとって百害あって一利なし。
ユッキーがそばにいない状況で殺せさえすればユッキーが襲われる事も無い。
一石二鳥の策だったはずだ。
でも私が思考を変えた時点では予知は覆らなかった。
ならば実行すれば……?
ユッキーに言えば間違いなく止められるか逃げようと言うだろう。
そんな考え甘いよユッキー。
……でも私の考えも甘かったのか。
私は荒ぶる呼吸を治めるように息を吐き、呼吸をゆっくりと変える。
聳え立つ大木に身を隠し周囲を探るように目を凝らすが、あの男の姿はどこにも見当たらない。
逆に言えば私の姿も向こうからは確認できないはず。
このままやり過ごせるか……と緊張の糸が少し切れた直後――
「――由乃っ」
不意に私の肩へ置かれた暖かい手の感触、そして聞き慣れた大好きな声が私の耳に届いた。
(ユッキー!)
――こうなるのは予想通りだったんだけど。
ユッキーが振り返った私を凄い形相で睨んでいる。
それが凄い悲しくて、ユッキーの顔をまともに見れなくて、怖くて目を逸らす。
『知るか』
再会する前、ユッキーに言われた最後の言葉を思い出す。
もしかして……また?
嫌、もうユッキーに嫌われたくない!
でも。
「早く行こう」
私の手をぎゅっと握ってくれた。
反射的に顔を上げたら、そこには優しいユッキーの笑みが広がっていた。
あれ、怒ってないの?
そう聞きたいけど聞けない。
だって怒っているのは間違いないよ。
でも、なんだろう。
前と違う。
私を見つめる瞳がもっと優しくなってる。
こんな瞳を向けられたことは――ないよ?
「そんなに怯えなくても、何かは知らないけど僕の為にやろうとしてくれた。そうだろ?」
え?
「僕は由乃を信じると決めた」
え? え?
「だから由乃も僕を信じて。一人で何でもしようとしないで、ちゃんと話して」
なんで……急に、そんな?
だって、ユッキーは高坂を撃った私に凄い怒ってて、え?
そんな疑問が沸いたけど、私の手に伝わってきたユッキーの手の暖かさが、そんなもの消し飛ばしてしまった。
ユッキーが私を見てくれてる!
うん、わかったよユッキー。
……勝手なことしてごめんね。
☆ ☆ ☆
今はただがむしゃらに走ることしか出来ない。
そんな自分の無力さが憎い。
獣の槍が無いだけで自分はこんなに体力が無かったのかと潮は顔を歪める。
「置いていくぞ?」
少し前を蝉が先導しながら走ってくれている。
ぶっきらぼうな口調で辛辣にも聞こえるが、明らかに自分のペースに合わせて距離を離さないようにしているのが見え見えだった。
「さ、先に……」
心臓が口から飛び出そうなぐらい脈動している。
代わりに潮の口から飛び出たのはそんな言葉だった。
後ろを振り返りバック走のまま潮へ呆れた様な視線を送る。
その息は一つも乱れてはいない。
「ああ? 依頼はお前と一緒に行動しろってことだぜ?」
先程言っていたことと明らかに矛盾している発言。
依頼への義務感か、それとも蝉なりの照れ隠しからか。
どちらとも判断はつけ難かったが、なんにせよ足を引っ張っている自分が情けなかった。
噴水のように湧き出る汗が顔中を濡らしている。
拭っても拭っても止まらない汗にすら憤りを感じる。
そして目に入りそうな汗を拭おうと腕を顔に上げた瞬間。
蝉がぴたりとその場に止まったのに気づくものの、勢いは止まらずその背中へと顔面を打ち付ける。
「ってて……」
尻餅を突きながら鼻を擦り蝉を見上げる……が、蝉が神妙な顔つきで右の空を見上げていた。
「また鳴ったぜ、さっきより全然近い」
『また』と言う言葉に潮の唾がゴクリ音を立て喉を通り抜ける。
蝉曰く、先程銃声らしいものが聞こえたらしい。
らしいと言うのは聞こえたのが蝉だけで潮には聞こえなかったからだ。
空耳などではなく本当に銃声だったとしたなら、誰かが戦っているのかもしれない。
突き動かされるように潮の身体はその方向へと一目散に走り出していた。
かなり遠いから間に合わないと言う蝉の静止も聞かず。
それが再び鳴ったと言う、しかもかなり近い。
必死だったからなのかわからないが潮の耳には届かなかった。
いや、聞こえていたのかもしれないが銃声と認識できなかっただけなのか。
「ど、どっち?」
「この方向をまっすぐだな……」
「急ごう、蝉兄ちゃん!」
聞くや否や潮は再び駆け出した。
最初の再現と言わんばかりにそっくりな行動が、蝉の笑いのツボに入ったのか
「遅い原因はおまえだってーの」
口元から小さな笑みをこぼし、再び先導を切った。
☆ ☆ ☆
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3:00
媚びてくるあの女を始末したらユッキーに怒られちゃった。
しかも、ユッキーと私に細い目の男が襲い掛かってきたよ。
ゴメンねユッキー、でも絶対由乃が守るから!
それと、怒ってるユッキーもかっこよかったよ。
3:10
ユッキーが男の攻撃でピンチ!
庇ったけど間に合わないよ、嘘でしょユッキー!!!!!
すぐにユッキーの仇を取ったけど、結局相打ちになっちゃった……。
グリードに2nd『我妻由乃』は殺される。
DEAD END
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
変わらない日記の内容と、対称に時の流れを告げる時計を交互に見つめる。
3:00まであと1分。
少なくとも自分達が何もせずあと1分逃げ切れば予知は変わるはずだ。
それが良い方向なのか悪い方向なのかはわからないけど。
そう。
変わると思っていたんだ。
グリードさんも僕らを見失っていたのに。
時間はあとわずかだったのに――
「グリードさんまでウチを……」
いつ現れたのだろう。
ほんの数時間程度の付き合いでしかなかったけれど、絶対に忘れない。
小柄な体躯。
まっすぐに整えられた髪形。
綺麗な顔立ち。
でも、僕を睨み付ける瞳からは色が消え、光に満ちていたあの表情の面影すら残っていなくて、一瞬彼女かどうかなのかを疑ってしまった。
口が小さく動き、暗い呟きが僕の耳に届く。
僕らに向けて発せられたのかも判別しにくい、独り言に近い細く重い声。
そして絶叫と共に目の前の愛沢さんがエアガンの銃口を向けて――
僕が制止の声をかける暇も無く由乃の身体が動いて――
彼女らの手に収まっていた二つの銃口から同時にから銃声が放たれ…………目の前に鮮血が舞った。
☆ ☆ ☆
『良い予感はしないナ……』
いちいち余計なことばかり言いやがる。
だがリンの奴の言うとおりだ。
銃声のした方角は自分の進んでいた方向とは逆方向……つまりは真後ろだ。
いつの間にか追い越しちまったってのか。
慌てて180度身体を反転させると再び駆け出す。
逆に戻るって事は眠らせてた女の方角に戻るって事だ。
自分の想像に苛立ちばかりが募る。
そして暗闇の中、微かに浮かんだ人影に目が留まり……。
雪輝ってガキと由乃って女。
そして二人が見下ろすのは――横たわる咲夜の姿。
「てめえらあああああっっ!!」
己が胸の中に湧き上がる衝動に身体が震える。
叫ばなければその勢いに頭の中が弾け飛んでしまいそうなぐらいにゆでって熱い。
(許さねえ許さねえ許さねえ! 貴様ら二人とも絶対殺してやる!!)
「由乃!」
「でも、ユッキー・・・」
「大丈夫、僕を信じて!」
目の前の二人が言うや否や雪輝が一方へと跳ね、一瞬の躊躇を見せながらも由乃もまったくの逆方向へと駆け出した。
『何か狙ってるゾ、気をつけロ』
「ああ? 関係ねえよっっ!」
作戦なんぞ立ててようが知ったことじゃねえ。
追いついてぶっ殺す、ただそれだけだ。
どちらを追うか迷った。
二人とも姿はもう見えなくなってたが、由乃って女が少しだが出遅れていた。
女の足だしこっちを追うほうが捕まえやすい可能性が高い。
足に力を込め、全力で地を蹴った瞬間、横目でチラリと咲夜を見やる。
生きているのか死んでいるのかわからない。
グリードの中にあったのは、どちらにしろそれ以上の苦しみを味あわせてやる、と言う感情。
(あの女ぶっ殺したらすぐ戻ってくるから待ってろよ!)
【D-3/南/1日目 黎明】
【グリード(リン・ヤオ)@鋼の錬金術師】
[状態]:健康、グリードの意識
[服装]:
[装備]:降魔杵@封神演義
[道具]:なし
[思考]
基本:自分の所有物を守る為、この殺し合いを潰す。神に成り代わる。
1:自分の部下(咲夜)を狙った由乃も雪輝も許さない。
2:咲夜の安否を確かめる
3:病院に向かいたい。
[備考]
※原作22巻以降からの参戦です。
※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。
※咲夜を自分の部下だと認識しました。
※異世界の存在を認識しました。
☆ ☆ ☆
雪輝・由乃・グリードがその場から去り数刻後。
血まみれで倒れる咲夜を見つめる視線が一つあった。
秋葉流は感情も何もこもっていない瞳でピクリともしない身体を冷たく見下ろす。
(生きちゃあいるようだが……まあオレの知ったことじゃねえか)
ほっぽって置けば死ぬだろう、と彼の興味は一瞬で咲夜から消えた。
彼の目的はこんな死にぞこないの子供を殺すことじゃない。
もっと醜く歪んでしまった……想い。……そして願望。
「流兄ちゃん!」
その想いを果たすために彼はどこまでも卑怯になろうと決意したのだ。
嫌われ、蔑まれ、その先にあるものが自分の辿り着きたい終着駅と信じて。
それは遠くない未来なのか、それとも永遠に手には入らないのか?
(教えてくれる人間はこいつらしかいねえよなぁ?)
高揚感にあふれる身体を必死に内へと押し留め、声の主へと小さく再会の手を掲げた。
【D-3/中央/1日目 黎明】
【蒼月潮@うしおととら】
[状態]: 健康
[服装]:上半身裸
[装備]:エドの練成した槍@鋼の錬金術師
[道具]:支給品一式x2 不明支給品2つ
[思考]
基本: 誰も殺さず、殺させずに殺し合いをぶち壊し、主催を倒して麻子の仇を討つ。
1: 病院に向かい、ブラックジャックと会う。
2: 病院にブラックジャックがいなかったら一旦神社に戻る。
3: 殺し合いを行う参加者がいたら、ぶん殴ってでも止める。
[備考]
※ 参戦時期は27巻以降、白面によって関係者の記憶が奪われた後です。流が裏切った事やとらの過去を知っているかは後の方にお任せします。
※ ブラックジャックの簡単な情報を得ました。
※ 悲しみを怒りで抑え込んでいる傾向があります。
【蝉@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]: 健康
[服装]:
[装備]:バロンのナイフ@うえきの法則
[道具]:なし
[思考]
基本: 自分の意思に従う。操り人形にはならない。
1: これが仕事なのか判断がつくまで、とりあえずキリコの依頼を受ける。
2: うしおと一緒に病院を目指す。
3: 襲ってくる相手は撃退する。殺すかどうかは保留。
4: 市長を見つけたらとりあえずそっちを優先で守る…つもり。岩西がいたら…?
[備考]
※ 参戦時期は市長護衛中。鯨の攻撃を受ける前です。
※ ブラックジャックの簡単な情報を得ました。
【愛沢咲夜@ハヤテのごとく!】
[状態]:気絶、左腕にいくつもの銃創、左手は半分欠けている
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:人を殺す気はない……が?
1:雪輝・由乃・グリードが自分を殺そうとしていると思っています
[備考]
※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。
※異世界の存在は疑っています。
※グリードに裏切られたと思っています
※多大なストレスと恐怖を感じています。
そのため疑心暗鬼に陥りやすくなっています。
596 :
代理:2009/06/22(月) 22:04:39 ID:BXUopidU
【秋葉流@うしおととら】
[状態]:疲労(小)、法力消費(小)
[装備]:禁鞭@封神演義
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本:満足する戦いが出来るまで、殺し続ける。潮に自分の汚い姿を見せ付ける。
1:他人を裏切りながら厄介そうな相手の排除。手間取ったならすぐに逃走。
2:高坂王子、リヴィオを警戒。
[備考]
※参戦時期は原作で白面の者の配下になった後、死亡以前のどこかです。
※蒼月潮以外の知人については認知していません。
※或の名前を高坂王子だと思っています。
※或の関係者、リヴィオの関係者についての情報をある程度知りました。
【エドの練成した槍@鋼の錬金術師】
国家錬金術師の試験等でエドワード・エルリックが練成した槍。
割と頻繁に練成している。しかし、特に秀でた力はなく、登場のたびに壊されているような気も…
彼が練成したものにしては比較的センスがいいと思うのだが…
【バロンのナイフ@うえきの法則】
ごく普通の軍用ナイフ。バロンは能力の基点として使ったが、これ自体に特殊な力は無い。
【禁鞭@封神演義】
離れた敵を打ち据える事に特化した、聞仲の持つシンプルながら強力なスーパー宝貝。
本来ならば数km先の敵も打ち砕く代物だが、制限の為射程がおよそ100m程度になり、威力も低下している。
その分使用者への負担も減少している。
☆ ☆ ☆
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3:10
ユッキーが必死に走ってる。
でもあの男はもう追ってないよ、安心してユッキー!
3:20
疲れきった顔をしてるけど、それもかっこいい!
抱きしめたくなっちゃうけど我慢しなくちゃ。
ユッキーまた困っちゃうよね。
3:30
ユッキーが私のことを心配してくれてる。
嬉しいよユッキー、すぐ行くから待っててね!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
597 :
代理:2009/06/22(月) 22:06:37 ID:BXUopidU
「はあ……はあ……」
グリードさんがこちらを追ってくる様子は無い。
書き変わった予知を見る限りじゃ完全に逃げ切れた……しばらくは安全に休めそうだ。
でもグリードさんが追っていったのは由乃だと言うことを考えると気が気じゃない。
DEADENDが消えたことがせめてもの救いだけどそれでも不安は拭えない。
あの時愛沢さんを撃ったのは由乃の意思じゃない事はわかっている。
少なくとも由乃自身殺すつもりが無かったのはあの慌て方を見ればわかる、反射的に撃ってしまったのだろう。
だからそれは仕方が無いと割り切った。
これは愛沢さんが死んでいなかったから割り切れたのもあったけど、少なくとも由乃を責める事だけはしなかった。
結局ここまで予知通りになってしまったのだから。
そして日記は変わらかなかった。
ならばもう手段は一つしかなかった。
『僕がグリードさんに襲われ、由乃がそれをかばうという状況自体を無くす』
つまり僕らが一緒に行動すること自体がまずいわけでしかない。
由乃は最後までごねていたけれど日記で僕の安全は保障できるからと言う理由でしぶしぶ納得してくれた。
結果論だけ見ればうまく行った訳ではあったけれど、正直自分自身の行動に釈然としない。
別行動を取ったことにじゃない……その後だ。
別れてすぐ未来が書き換わって由乃のDEADENDが消えた時点で、由乃の所に戻ることだって出来たはずなのに。
"僕は弱い"から。
足手まといになることを避けてそのまま逃げた。
その時は最善の選択だと思っていたのに、身体を休めながら冷静になってみると自己嫌悪に踏み潰されそうになる。
『女のピンチに火中だって飛び込むのが男ってもんだろ!?』
7thの言葉が不意に頭をよぎった。
本当に最善の選択だったのかな?
これでもし由乃が死んだら、僕は……僕は……。
携帯を握り締め僕は立ち上がった。
今更ここでこうして悔やんでいたってどうしようもない。
無事合流できることを信じるしかない。
ならばこまねいているよりも可能性が高い行動を取った方が良いに決まってる。
合流場所は中・高等学校と話し合っていた。
グリードさんが病院を気にしていたから向かうのは危険と判断した為だ。
高町さんの事も気になるが今は由乃と合流する方が優先だ。
疲労の抜けきっていない身体に鞭打ちながらも僕は力の限り駆け出した。
僕は由乃を……信じる――
☆ ☆ ☆
598 :
代理:2009/06/22(月) 22:08:06 ID:BXUopidU
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
5:20
ユッキーが私のことを探してくれてる。
疲れてるよねユッキー。
すぐ行くから休んでてくれて良いんだよ!
5:30
ユッキーが笑顔で手を振りながら出迎えてくれたよ!
ううん、由乃は大丈夫。どこも怪我なんてしてないよ。
待たせちゃってごめんね?
5:40
ユッキーってばぐっすりと眠っちゃった。
今はゆっくり休んでね
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
599 :
代理:2009/06/22(月) 22:11:40 ID:BXUopidU
【G-3/西/1日目 早朝】
【天野雪輝@未来日記】
[状態]:健康 疲労(中)
[装備]:雪輝日記@未来日記 違法改造エアガン@スパイラル〜推理の絆〜、鉛弾19発、ハリセン
[道具]:支給品一式x2、不明支給品1〜2
[思考]
基本:ムルムルに事の真相を聞きだす。
1:由乃の制御。
2:拡声器を使った高町亮子が気になる。
3:咲夜の生死が気になる
[備考]
※咲夜から彼女の人間関係について情報を得ました。
※グリードから彼の人間関係や、錬金術に関する情報を得ました。
※原作7巻32話「少年少女革命」で由乃の手を掴んだ直後、7thとの対決前より参戦。
※異世界の存在を認めました。
※未来日記の内容は行動によって変えることが可能です。
唯一絶対の未来を示すものではありません。
【我妻由乃@未来日記】
[状態]:健康 疲労(中)
[服装]:やまぶき高校女子制服@ひだまりスケッチ
[装備]:ダブルファング(残弾75%・75%、100%・100%)@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式×2、ダブルファングのマガジン×8(全て残弾100%)、不明支給品×1(グリードは確認済み)
[思考]
基本方針:天野雪輝をこの殺し合いの勝者にする。
1:ユッキーの未来日記に連絡し、現在の持ち主と接触。なんとしても取り返す。
2:ユッキーの生存だけを考える。役に立たない人間と馴れ合うつもりはない。
3:邪魔な人間は機会を見て排除。『ユッキーを守れるのは自分だけ』という意識が根底にある。
4:『まだ』積極的に他人と殺し合うつもりはないが、当然殺人に抵抗はない。
5:ミズシロと安西の伝言相手に会ったら、状況によっては伝えてやってもよい。
[備考]
※原作6巻26話「増殖倶楽部」終了後より参戦。
※ 電話の相手として鳴海歩の声を「ミズシロ・ヤイバ」、安藤兄の声を「安西」として認識しています。
【ダブルファング@トライガン・マキシマム】
リヴィオ・ザ・ダブルファングの用いる二丁揃って一つの短機関銃。
しかも一丁が二つの銃を前後両方に発射できるように組み合わせた物であるため、実質四丁の銃を使用できるに等しい。
使い手の力量次第では片方を左右方向、片方を前後方向に向けることで四方全てを同時に射撃可能であるため死角が存在しない。
気配察知や直観力に長けた者が使うならば非常に強力な武装となる。
今回支給されたマガジンは八つと多めに感じる数だが、四つの銃口それぞれに個別にセットすることを考えると実質予備マガジンは二つである。
小型化され、一般人でも使用可能なようにされているがその分殺傷能力は落ちている。
600 :
代理:2009/06/22(月) 22:14:47 ID:BXUopidU
結構な人数予約したのにつなぎに近くて申し訳ないですが、以上で投下終了です
支援と新スレ立てありがとうございました
転載もお手すきの方いましたらお願いします
咲夜の状態表に傷の度合い書き忘れていたのですが
「急所は外れているが何らかの処置をしないと失血死するレベル」ぐらいに考えています
代理投下終了
おお、愛沢生きてたよ。
気づいたら投下途中だったから、後で最初から読みなおしてたんだが。
まだまだ火種が燻ぶっていて、先が読めませんな。
投下乙でした。
乙です
いやあ、いい感じに火種ばら撒かれてますねえ。
とりあえず本格始動しそうな流兄ちゃんに期待大。
投下&代理投下乙
ヤンデレ由乃は相変わらず、そんな由乃を受け入れる雪輝がすごいなw
また分裂したけどどうなるやら
咲夜は死んでないがいい具合に壊れてきたなw
流はとうとう潮と合流か。原作の様な行動を取るか、それともロワの状況を利用するか?
先が気になる引きでした。GJ
欲を言えば流と合流したのに潮と蝉の状態表の思考の1の部分でそのことに触れてないのがちょっと
そこだけ修正して欲しいかな
あ、ちゃんと再合流してるわw
ところで参加数70名で第一放送前で9人死亡は多い方?
まぁ、早いペースで大勢死んでもそれはそれで面白そうだけどねw
投下乙
一人は死ぬと思ってたから予想外でした
咲夜は肉体的にも精神的にも危ないし、流って爆弾も出来たからどうなるかわからないけどw
一転してユッキー由乃が合流で危険度増して来たなあ
未来予知持ちで武器は充実、不明な支給品もある
ユッキーが鍵握ってるけど本編みたいに優勝目指し出したらヤバすぎるw
>>605 誰がいるかもわからず各人のスタンス確定しきって無いのに9ってのは早いと思う
勿論悪い意味じゃなく、どんだけ戦闘凶そろってんだって感じるなあ
名簿確定後のこと考えたら恐ろしくもあるw
戦闘狂はむしろ少ないだろう。
おまえのような対主催がいるか!って叫びたくなる奴が多すぎる。
>>606 確かに名簿確定後が楽しみだ
今回は時期違いで死んだ奴が参加してたり放送前に身内が既に死んでたりしてるし
>>607 今の所、無差別マーダーが殺したのと危険対主催が自分の都合で殺したパターンの2種類だな
ダッキとみねねは戦闘狂じゃないが切り捨てる時は切り捨てるタイプ
ナイブズは今回は戦闘狂とは言い難いな
グリフィス、ゾッド、ゆの投下します
500KBまでだっけ?
たぶん入ると思うけど駄目なら次スレで
>>595
川に沿って歩き、森を抜けたグリフィスとゆのは、一先ず旅館へと向かう。
お風呂に入りたいという、ゆののリクエストがあったからだ。
グリフィスもそれを承認する。
小便臭い娘など連れまわしていては、連れである彼自身の品性を疑われかねないし、
現時点では彼の得意とする知略など働かせようがないからだ。
とりあえず人が集まるであろう市街地――特に地図上に記載された建物は人が集まる可能性が高い――
をうろついて、他の参加者を探して接触し、情報と手駒を増やさなくては方針など立てようがない。
今はただ、行動の時。
とりわけグリフィスが欲しいのは、他の参加者の情報である。
影としか認識出来なかった他の参加者たちの姿、第一放送までは秘匿されると言う参加者の名が書かれた名簿。
この徹底された情報の秘匿は何を意味するのか。
……恐らく、参加者同士は自分とゆののような、まったくの他人ばかりではないのではないだろうか。
ガッツがいたように、他の鷹の団メンバーも多数この場にいるのであれば、その情報を秘匿する意味とは
大集団に対するハンデキャップである。
互いの存在を知っていれば、まずは集結を目指して動くであろう大集団も、その存在自体があやふやでは
各員が集結の意思を持つことも出来まい。
組織としての方針も統一しないまま各々がバラバラに動いた結果、抜き差しならない状態になるかもしれない。
一つの意思で統一されていない大軍団ほど弱いものはないのだ。
あのボスコーン将軍を倒された後のチューダー軍のように。
逆に母数の少ない集団であれば統率は容易であろうが、大集団が集結する前に各個撃破しなければ
生き残る事は難しいだろう。
もしくは小集団同士で同盟を結ぶか。
だが、そのハンデも第一放送までの短い期間に限られる。
その程度のハンデで公正に殺し合いが運ぶ程度の数量差だという事だ。
力に細工を施された参加者もいると言っていた。
他の参加者と「少しでも」公正を期す為にと。
おそらくそれは永続的なハンデ。
自分にはそのような制限は感じられない。
それはつまり、自分と連れの少女の力量差など問題にならないほどの化け物も参加しているという事だ。
――不死のゾッド
かつて戦で遭遇した、正真正銘の化け物。
自分とガッツ、二人掛かりで尚、一蹴された。
あの時はなぜか見逃されたが、再びあんな化け物と遭遇すれば鷹の団総掛かりでも倒せるかどうか。
奴の如き化け物が、もし参加しているとするならば――
なるほど、“殺し合う”為には力の制限が必要だろう。
このハンデの付け具合から考えて、参加者たちの力関係は
化け物>大集団>小集団
であると考えられる。
下位のカテゴリに属する者は上手くハンデや、見知らぬ他者を利用しなければ勝ち抜く事は難しいだろう。
未だスタンスの定まらぬ者が多いであろう、第一放送までの期間。
この6時間でどれだけ他者を勧誘し、あるいは欺き、戦力を充実させるか。
それが生き残りの鍵なのだ。
更には参加者同士の殺し合いだけではなく、主催との駆け引きも考えねばならない。
集団を率いるとしても、主催者に提示された殺し合いというルールの中で生き残れるのはたったの一人。
途中までは生き残りの為結束出来たとしても、終盤ともなれば内部崩壊は確実。
それまでには、この首輪という支配の軛から逃れる必要がある。
さもなくば……仲間同士での殺し合いという、不愉快な未来が待っている。
聞けば連れの少女も、知り合いがいるかどうかはわからないと言う。
だが、これほどの弱者である。
確実に複数の仲間が呼ばれているはずだ。
弱い人間は群れなければ、化け物と戦うことなど出来ないのだから。
◇ ◇ ◇
そもそもグリフィスは殺し合いに乗っていてもおかしくない人物である。
どんな犠牲を払ってでも「夢」という名の神を追い求め、天空の城へと至る為に空の無限を翔るただ一匹の孤高の鷹。
それがグリフィスの本質だ。
だが、そんなグリフィスの生き方に一石を投じる、一つの出会いがあった。
――ガッツ。
身の丈をも超える長剣を易々と振るう少年戦士。
何物にも縋らず、たった一本の剣のみを持って「死」という人間が決して逃れ得ぬ運命と戦っているようにも見えたその姿。
もがくように、足掻くように、挑むように。
欲しいと思った。
初めて対等の殴り合いをした。
そして、その上で手に入れたのだ。
それはグリフィスが今まで手にした物の中で、一番キラキラした――
あるいは「夢」よりも鮮烈に刻まれたその出会いは、グリフィスの運命を狂わせたのかもしれない。
鷹が一人だけ生き残る道を良しとせず、足掻く事を選んだのは彼の者の為であったのだから……
× × ×
参加者って言っても、別に殺し合いに参加してるとは限らないんだよね。
考えてみれば当然だ。
いきなり拉致されて、殺し合わなければ殺すなんて脅されて。
そんな脅迫をされたって、いきなり簡単に人殺しなんて出来っこない。
人の命ってそんなに軽いものじゃないよ。
この会場に連れてこられた参加者たちは敵なんかじゃない。
自分と同じ境遇の被害者なんだ。
みんなで力を合わせれば、きっと帰れるはず。
そう考えると、ゆのは少し勇気が出てきた。
それに気付かせてくれたのは前を歩く白銀の青年。
まるで物語から飛び出してきたような、英雄然とした佇まい。
もしここにスケッチブックがあったら是非書いてみたい。
そのくらい絵になる人だった。
それに引き換え、私は……
(高校生にもなっておもらしなんて……ハズカシすぎだよぉ)
ぐしょぐしょの下着が気持ち悪い。
旅館に行けば浴衣くらいは貸してもらえると思うけど、下着はさすがにないかなぁ。
洗濯して、乾くまでの間どうしよう?
旅館に着くまでに、コンビニかスーパーが見つかればいいんだけど……
夜の風は冷たくて。
下半身の冷たさにゆのはブルッと震える。
(そうだ、この中に着替えとか入ってないかなぁ)
ゆのは背負っていたデイパックの中身を探ってみる。
だが、やはりと言うべきか。
下着も、タオルなどの布の類も入ってない。
(やっぱりないかぁ……あ、これ!?)
わずかに失望したゆのだったが、見覚えのある機械を見つけて顔を輝かせる。
携帯電話。
自分の知ってるそれとは若干違う形状だったが、液晶画面に数字やアルファベットの割り振られたキー。
間違いなく通話用のアイテムだ。
「グリフィスさん、携帯だよ。携帯が入ってた!」
画面の中心に二つの光点、周囲を一つの光点が動いてるスクリーンセーバー。
通話機能を呼びだす事で画面を切り替えるとあわただしく、ゆのは実家の電話番号をプッシュする。
だが――
「お父さん! お母さん!」
「ツー・ツー・ツー」
聞こえるのは不通を現す信号音。
続けてかけた宮子、ヒロ、沙英の携帯も同様にかからない。
じゃあじゃあ警察……えっと117だっけ?
「どうした、ゆの」
「あ……荷物の中に携帯が入ってたから家にかけてみたんですけど……繋がりませんでした……」
「携帯? なんだい、それは?」
「え? 携帯知らないんですか? 携帯電話ですよ、えっと、なんていうか……携帯する電話……?」
不思議そうな顔のグリフィスに、ゆのは電話の概念から説明するはめになる。
× × ×
遠く離れた所へも、一瞬で声を届ける事の出来る道具。
そんなものがあれば、戦の様式は一変するだろう。
グリフィスの知識からは想像もつかない未知のテクノロジーに驚愕する。
だが、残念な事にゆのの知り合いに電話は繋がらなかったらしい。
「電波は来てるみたいなんだけど……ここ、日本じゃないのかも……」
日本。
彼女の国の名だろうか。
グリフィスは一介の平民ではあるが、部屋一面を埋め尽くすほどの書籍からありとあらゆる知識を学んでいる。
だからわかる。
そんなテクノロジーを持つ国は、いまだこの世に存在しないと。
だが、ゆのが嘘を言っているわけでもあるまい。
例え電話が通じないといっても、ボタン一つでめまぐるしく表示を変える未知の道具。
それをゆのは操ってみせているのだ。
今も画面には二つの光点に近づく、一つの光点が映しだされて――
ズドオオオオオオオオオォン
地響きを伴い、着地する巨大な影。
不死のゾッド。
グリフィスがただ一度経験した悪夢の具現。
過去と同様、それはあまりにも突然、目の前に現れた。
◇ ◇ ◇
「不死のゾッド……」
戦慄と共に、その名を呼ぶ。
不味い。最悪だ。一度相対したからこそ判る。
こいつが逃れえぬ死そのものだと。
出会ったが最後、進む事も退く事も出来ない事を。
グリフィスは巨獣に剣を向けながら、ありとあらゆる生存の策を考える。
前回はベヘリットを見たら飛んで行ったとガッツが言っていたが、今そのベヘリットも手元にない。
ここで終わりだと言うのか。こんなところで終ってしまうと言うのか。
現状を打破する策を思いつかない事に歯噛みする。
◇ ◇ ◇
どういう事だ?
ゾッドは目の前の存在に疑問を覚える。
因果律により、選ばれし御子。
使徒たちの王。
我らが守護天使5人のゴッド・ハンド。
自身は宿敵との闘争に夢中で目にしていなかったが、確かにこの男はあの蝕で5人のゴッド・ハンドの一人
渇望の福王フェムトとして転生を果たしたはず。
そして光の鷹の啓示によって自分の角をへし折った。
その啓示に従い、鷹を探している最中にこの場に呼ばれたのだ。
だが再び出会った鷹からは魔の気配は感じられない。
まるで最初に出会った時のような……
ただの人間の若造でしかなかった。
これも神の悪戯だというのだろうか。
確かに5人のゴッド・ハンドと言えども神そのものではない。
この宴の主催者だと言う神によって、再び人たる身に戻されたと言うのか。
時間の逆行。
因果律の改変。
ゴッド・ハンドでも叶わぬだろう奇跡を前に、ゾッドは神の力の一端を知る。
ゾッドは目の前の男を見る。
首元に真紅のベヘリットは見当たらない。
この男を引き裂くのは簡単な事だ。
望むままを行う。それが使徒に課せられた唯一の戒律。
たとえ、この男が選ばれし御子だとしてもそれは関係ない。
だが――
定められし運命が神に書き換えられた結果、どうなるのか。
ゾッドは新たな神のシナリオに興味を持つ。
この宴の中で死んでしまうならば、それまでの存在。
しかし、再び鷹の元に因果が収束する時が来るならば……
切り落とされた角が疼く。
夢であいまみえた圧倒的存在。
現実にその存在と会ったとき、自分はどうするのか。
抗うのか。従うのか。
今は見逃そう。
新たなる運命がお前を……いや、我らをどう導くのか。
その答えが判る時までな。
ゾッドは背中の巨大な羽を広げると、無言のまま飛び去る。
まだ見ぬ強者を求めて。
【G-7/空中/一日目 黎明】
【ゾッド@ベルセルク】
[装備]穿心角@うしおととら、秋水@ONE PIECE
[支給品]支給品一式、手榴弾x3@現実、未確認(0〜1)
[状態]疲労(小) 使徒化
[思考・行動]
基本:強者との戦いを楽しむ
1:出会った者全てに戦いを挑み、強者ならばその者との戦いを楽しむ。
2:グリフィスが再び覇王の卵を手にしたら……
[備考]
※未知の異能に対し、警戒と期待をしています。
× × ×
でっかい牛のおばけはグリフィスさんとしばらく睨みあいを続けたかと思うと、どこかに飛んでいった。
「行ったか……」
グリフィスさんは刀を鞘に納めると、へたりこんでいた私に手を差し伸べてくれる。
でも……
「こっち来ちゃダメぇーーー!!」
私は思わず拒絶の声を上げる。
だって、だって
私は……またおもらししちゃってたから……
【H-7北東/市街地手前/1日目 黎明】
【グリフィス@ベルセルク】
[状態]:健康
[装備]:居合番長の刀@金剛番長
[道具]:支給品一式 確認済支給品0〜1(剣の可能性は低い)
[思考] 旅館を目指す
1:ガッツと合流
2:殺し合いに乗っていない者を見つけ、情報の交換、首輪を外す手段を見つける
3:当面はゆのと同行、可能な限りは守る
4:ゾッドは何を考えている?
[備考]
※登場時期は8巻の旅立ちの日。
ガッツが鷹の団離脱を宣言する直前です。
【ゆの@ひだまりスケッチ】
[状態]:下半身がドロなどで汚れている
[装備]:PDA型首輪探知機
[道具]:支給品一式 未確認支給品0〜1
[思考・備考] 旅館を目指す
1:お、お、お、おばけーーー!?
2:宮子、沙英、ヒロに会いたい
3:グリフィスさんに守ってもらう。
4:お風呂に入りたい。服を洗いたい。
※首輪探知機を携帯電話だと思ってます。
※PDAの機能、バッテリーの持ち時間などは後続の作者さんにお任せします
【PDA型首輪探知機@現実】
バトロワではお馴染みのアイテム。
通話機能付きPDAとして支給されている。
以上です。
ご意見、ご感想、ご指摘などありましたらよろしくお願いします。
とりあえず容量がギリギリだから次スレ↓
新漫画バトルロワイアル 第4巻
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1245674870/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄
お 届 オ 'l . | そ
い .く .レ .'| ヽ,,.;, ...ii;;..,,.ヽ|ヽ|∨ノl∧ ,, ,,,/; | .れ
て .と の .| ;;; ;,.,. ヾヾ||:::i;;ヽiyリlll;;ii.;ヽli;,,/;;/ハ /;, .| な
お こ 剣 ヽ_,,ヽlllゞ"l;,,,ll〆ヾl;lll"::: ii;i;;i::/ハ:llハ;ii;;/ハ .| ら
き ろ が _ミミヽllミ"';;;''lll i;;,ミ》lll l l>;;ゝl;,,ii,,ll;iii.ヽl/;;;;,/l /l/\ _
て に .ヽーヽllミミミミii;;; i;;;巛l lヽ∨lllllll/ハll;iii;ハ:ii; ヾl/ii;i|||li //
.ぇ >=ll"ll;;,,,l,,ソミミll》》iiii::ii:llll/"l/l lll;;,ヽハヾlll":::ヽl//llllレ'';"
____ / .-;;ヽミllll;;ミミミll《<ミiiiii iii l;ヽii:::::iiii:::lllllllllll::i ii/ii::iii iiii lllll彡i/
\l ._,,:ll;,,;;,ミiiミミlll;;; ヽlllll>》ll》llll::lll"i iii"lllハ,;iii;;;iii;iii,,i,ii;;iii"lll;;iレ;
\ii\;;;,,,,,ヾヽllll; "### ;;iii;;ll; ヾ;;;;; ; ii lllll i lll/ノl 'ii/l;ii/ノ"/
∠lllミミllミ"ヽi;;..;.ヽlヽlllll;, ;;llllll ii 'illl;.;lll ;llll i lll ノl;;ノ /l/i..ノr/''"
<;;;...ゝlミミミ,,;;;lll;;;...ミlllillillillゝ:ヾll;;lヽliili ll.,.ilill; ;ll ;lllll";;ii"//;iノ7
巛ミ;;ヾllミミミiiミミミ;:"''"'''"/ll/iiiiiiiiヽll::iiヽiiiレ"llll'';;llll::ノii彡ミ
」ミミミ巛ミiii;;;;::,:: //i////;::;::i/iiiii:ii:::::lllll;;;iii::ヽ"'ミ彡
丶ミ,;、ミミミミミミiiiミ> / ||/ ./ii///iiハ,ヽii|ヽiiYiiii|,ヽゞ ヘ
<ミ|'トヽ:::,,,ミミi:i:i; |レ l/l |//| | |iil liil i .iiii l|iYヽ
ヽ .>.Kニヽヽミiiiミ i| ll リl .l : | ll/ |リ |i| . |ll
:::::ヽ く l : rー).lミ <巛ミミ=::,l,,,,l i ;j ii リ / レ,;;l|li>
::彡ヽ 'liiヽヽ-;.ノミ < ””'''##ミミミ;;;; .リ /彡彡》ゞ'';"
::彡ヽ jiiiiii::. く ::: "'::::.,,,,,,,,;;-- ヽ ミ /r'''::6::'';i"i
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