THE IDOLM@STER アイドルマスター part2

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272Brand New Fairy (1/4)
「社長、お呼びでしょうか?」
「おお、待っていたぞ。実は、新たに君にプロデュースを始めてもらおうと思ってだね。」
「は、はい。」
珍しいこともあるものだ。
たいがいはプロデューサーの方から社長に対して申し入れをすることで、新しいプロデュースがスタートするの
が恒例の765プロで、逆に社長側からのプロデュース依頼だなんて。
「君にプロデュースして欲しいのは、他でもない、彼女なんだが。」
「・・・はじめまして。」
俺はその時、部屋の片隅にいた女性に初めて気付いた。そして驚愕した。
一目で知れる長身、スタイルの良さはもちろん、何よりも彼女を特徴づける、美しく輝く銀色の髪。
流れる様な優雅で華麗な立ち居振る舞い。風格までをも備えた表情に、意志の強さに光る瞳。
誰が名付けたか、しかし誰もが納得する、人呼んで『銀髪の王女』・・・
「し、四条・・・貴音・・・!」
「うむ。君も知っていたとは思うが、彼女には今後、この765プロでアイドル活動をしてもらうことになった。
君には、貴音君のプロデューサーになってもらおうと思う。」
俺は一瞬逡巡した。
果たして、俺に務まるのか。
いや、そんなことを考える時ではない。彼女の様な珠玉の素材、プロデューサーとして今後二度と出会えるか
どうか。あえて言うなら、一生一度のチャンス逃さないわ。絶対手抜きしないで以下略
「わかりました。四条貴音のプロデュース、引き受けます。いえ、是非やらせて下さい。」
後悔するよりはマシ、アタックしよう。
「そうか!ぜひ貴音君をよろしく頼むよ!」
「では、よろしくお願いいたします。」
相変わらず優雅で礼儀正しい態度の貴音の、その目元が、わずかばかり緩んだ気がした。
この四条貴音ですら、さすがに再デビューやそのためのプロデューサーが決まるまでは不安があったのだろうか。
そう思うと、俺も多少ながら安堵した。大丈夫、やって行ける。
「よし、そうと決まれば、今日これからは止まってられない明日に猛ダッシュだぞ!」
「了解しました。その意気、しかと受け止めさせていただきます。」
おお、さすがは王女だ。気難しいどころか、度量が大きい。