【魔王】ハルトシュラーで創作発表するスレ 2作目

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114創る名無しに見る名無し
ハルト「七夕だな」

倉刀「七夕ですね」

美作「七夕だね」

ハルト「というわけでお前たち!願い事は書いてきたか!」

倉刀「バッチリです。」

美作「へへっ笹も準備オーケイですぜ旦那!」

ハルト「よしっそれでは!」

美作「おお!」

ハルト「第一回!」

倉刀「第一回?」

ハルト「『織姫彦星お幸せに(はぁと)七夕を飾る素敵アート製作大会』ぃぃぃ!」

美作「ヒャッハー!」

倉刀「ひ、ひゃっはー。」

美作「倉刀テンション低い!」

倉刀「……ゴメン。」

ハルト「と、まぁ気を取り直してだ。要は七夕をテーマに皆で何か作ろうという話だ。」

倉刀「師匠にしては珍しくまとも……?」

ハルト「ただし!」

倉刀「じゃなかった。」

ハルト「各々の作品を比較し、最も七夕に相応しいと思われた作品の製作者の願い事を、敗者は叶えなければならない!」

美作「つまり、勝った人の願い事を他の二人が叶えてあげるってことだね。」

ハルト「いぐざくとりぃ。」

倉刀「それって最初から勝負が見えてるような……」

ハルト「因みに審査員はこいつだ。」

柏木「やぁ、久しぶり。」

美作「あ、柏木さんだ。」
115創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:29:16 ID:8i2huC4F
倉刀「お久しぶりです。」

ハルト「二人も知っているように、こいつは私が嫌いだ。私も嫌いだ。なのでお前たちに偏った判定をしてくれるだろう。」

倉刀「ハンデ……ですか?」

ハルト「そのとおり。」

倉刀「……美作。」

美作「はいはい。」

倉刀「やってやろう。師匠の高い鼻を複雑骨折させてやる。」

美作「おーけー!」

ハルト「……ふふふ。」

柏木「じゃあ、いいかい?」
倉刀「あの、美作との合作は良いですよね?」

柏木「もちろん良いよ。えぇと、制限時間は今から三時間。作品のジャンルの指定は無し。場所はここ、ハルト邸エントランス……」

倉刀「師匠、覚悟しててくださいね。」

ハルト「望むところだ。」

美作「ばっちゃん、願い事は覚悟しててね!」

柏木「……それでは、用意……ドン!」

倉刀「さぁ、何を作ろうか?」

美作「僕は彫刻が良い!」

倉刀「三時間じゃあ厳しくないか……?」

美作「そうだねー……あっ!」

倉刀「どうかした?」

美作「ばっちゃんが居ない!」

倉刀「えっ!?……本当だ。」

116創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:31:48 ID:8i2huC4F
美作「急がないと!えぇと……三時間じゃあ少ないよお……!」

倉刀「本当に。でもやるしかない。三時間で作れて、かつ師匠を越えられるもの……」

美作「絵画?」

倉刀「……駄目だ、時間が無い。」

美作「オブジェ。」

倉刀「たった三時間じゃ師匠を越えられるレベルは無理だ。」

美作「じゃあどうしろってんだよ!」

倉刀「ゴメンゴメン。……実は、ちょっと良い考えを思い付いてさ……」

美作「本当?」

倉刀「……ゴニョゴニョ……」


〜そして三時間後〜


柏木「さぁ時間いっぱい。君はもう戻ってきたけど……」

ハルト「……」

柏木「……来ないな。」

ハルト「……」

柏木「これはもう不戦勝かな?」

ハルト「……」

柏木「じゃあ、後十秒以内に戻らなかったら負けにしよう。10……9……」

倉刀&美作「ちょおっと待ったあああああああ!」

ハルト「!」

倉刀「ぜぇ……ぜぇ……危なかった……」

美作「うー気持ち悪い……」

柏木「……君たち、作品は?見当たらないけど。」

美作「のんぷろぶれむ!」

倉刀「向こうの部屋に……用意してあります。」

柏木「へぇ、じゃあ、行こうか。」

倉刀「どうぞ、お入りください」
117創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:33:37 ID:8i2huC4F
ハルト「……これは?」

柏木「へぇ、意外だな。」

美作「僕たちの作品は、これです!」

ハルト「料理か。」

倉刀「愛情は入ってませんが、精一杯作りました。」

美作「さあ席について!」

柏木「じゃあ、いただくよ。」

美作「ほらほらばっちゃんも。」

ハルト「え?私もか?」

倉刀「師匠だけじゃなく、僕たちもです。」

美作「皆、席についたー?」
美作「それじゃあ皆で!」

「いただきます。」

柏木「……うん。美味しいよ。」

倉刀「ありがとうございます。」

ハルト「すまないが、醤油をとってくれないか?」

美作「はいはーい。」

柏木「……ふぅ。美味しかった。」

美作「でしょ?」

柏木「だけど、作品が料理とは……わざわざ自分たちの苦手分野を……。」

倉刀「ふふふ、早とちりしてもらっては困りますよ。」

柏木「……?」

倉刀「僕たちの作品は料理じゃありません。美作。」

美作「ほいほーい、デザートお持ちしまーす!」

柏木「?」

倉刀「窓、開けますね。ほら、天の川が綺麗です……。」

ハルト「……成る程な。」

倉刀「ところで柏木さん、師匠の作品は?」

柏木「いや、まだ……」

倉刀「じゃあ師匠、お願いします。」
118創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:34:53 ID:8i2huC4F
ハルト「わかった。」

柏木「バイオリン……?ああ、そうか、そういうことか。」

倉刀「そういうことです。」

美作「デザートお持ちしましたー!」

ハルト「少しチューニングを。」

柏木「君たちの作品は――」

倉刀「――『幸せ』です。」
美作「どうですか。」

倉刀「晴れた七夕に、天の川の下で、師匠のバイオリンを聞きながら、皆で食卓を囲む……これ以上の幸せは無いです。」

柏木「……うん。素晴らしい作品だ。」

美作「でしょ?」

ハルト「まさか私の作品を読み、それを利用するとはな。」

倉刀「正直ヒヤヒヤしてました。曲じゃなかったらどうしようって。」

ハルト「はは。じゃあ、いくぞ……。」

ハルト「……即興曲を一つ……」









美作「ところで――」

倉刀「ん?」

美作「――勝敗はどうなるの?」

倉刀「美作、お前そんな……」

柏木「ん?ああ、それはもちろん――」

美作「もちろん――」

柏木「――ハルトシュラーの勝ちだよ。」

美作「――僕たち――ってえええ!?」

柏木「だってそうだろう。君たちの作品は彼女の作品ありきの、他力本願なものだ。残念ながら、彼女には及ばないね。」
119創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:36:21 ID:8i2huC4F
美作「そんなぁ〜!」

倉刀「じゃあ……」

柏木「それではお待ちかね、だね。」

ハルト「楽しい罰ゲームたいむだ!」

美作「うぅ……」

倉刀「まぁ、うん。」

柏木「ではお願いごとをどうぞ。」

ハルト「ふふふん、では二人とも、よく聞け。私の願いは――」

倉刀&美作「……」

ハルト「――『来年は私に勝つこと』だ。」

倉刀「え……」

美作「え?」

ハルト「……頼むぞ、二人とも。」

倉刀「……は、はい!頑張って、一人前に成ります!」

美作「ううー厳しいなー。」

柏木「はは、良い師匠じゃないか。」
120創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 22:37:10 ID:8i2huC4F
倉刀「ですよね!」

ハルト「止めろ恥ずかしい。」

美作「ばっちゃん大好き!」

ハルト「馬鹿もの、止めろ!」

柏木「はは、君がこんなに顔を赤くするのを初めて見たよ。」

ハルト「ば、ばか!お前たちもやはり未熟ものに過ぎる!来年も再来年も打ち倒してくれるからな!覚悟しておけ!」

倉刀&美作「望むところだ!!」

ハルト「この未熟もの――――!!!」


おわり