新漫画バトルロワイアル 第2巻

このエントリーをはてなブックマークに追加
1創る名無しに見る名無し
ここは、漫画作品のキャラクターたちによるバトルロワイアルパロディ(パロロワ)の
リレーSS企画スレです。
この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。

前スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1238859483/

したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12531/

まとめwiki
http://www42.atwiki.jp/newmangabr/

2創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:20:22 ID:kWlC1CfG
★参加者名簿(暫定)★

6/6【スパイラル 〜推理の絆〜】
○鳴海歩/○結崎ひよの/○竹内理緒/○浅月香介/○高町亮子/○カノン・ヒルベルト
6/6【トライガン・マキシマム】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○ミリオンズ・ナイブズ/
○レガート・ブルーサマーズ/○ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク/○リヴィオ・ザ・ダブルファング
5/6【ハヤテのごとく!】
○綾崎ハヤテ/○三千院ナギ/○愛沢咲夜/●鷺ノ宮伊澄/○西沢歩/○桂雪路
5/5【うしおととら】
○蒼月潮/○とら(長飛丸)/○ひょう/○秋葉流/○紅煉
5/5【鋼の錬金術師】
○エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○ゾルフ・J・キンブリー/○グリード(リン・ヤオ)
5/5【未来日記】
○天野雪輝/○我妻由乃/○雨流みねね/○秋瀬或/○平坂黄泉
3/4【ひだまりスケッチ】
○ゆの/○宮子/○沙英/●ヒロ
4/4【銀魂】
○坂田銀時/○志村新八/○柳生九兵衛/○沖田総悟
4/4【封神演義】
○太公望/○聞仲/○妲己/○胡喜媚
4/4【魔王 JUVENILE REMIX】
○安藤(兄)/○安藤潤也/○蝉/○スズメバチ
4/4【ベルセルク】
○ガッツ/○グリフィス/○パック/○ゾッド
4/4【ONE PIECE】
○モンキー・D・ルフィ/○Mr.2 ボン・クレー/○サンジ/○ニコ・ロビン
3/3【金剛番長】
○金剛晄(金剛番長)/○秋山優(卑怯番長)/○白雪宮拳(剛力番長)
2/2【うえきの法則】
○植木耕助/○森あい
2/2【ブラック・ジャック】
○ブラック・ジャック/○ドクター・キリコ
1/1【ゴルゴ13】
○ゴルゴ13

63/65

※上記のキャラクター以外に書き手枠として4名が参戦、最終的な参加者は70名になります。
3創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:21:19 ID:kWlC1CfG
★ロワのルール★

 OPなどで特に指定がされない限りは、ロワの基本ルールは下記になります。
 OPや本編SSで別ルールが描写された場合はそちらが優先されます。


【基本ルール】

・最後の一人になるまで殺し合いをする。最後まで生き残った一人が勝者となり、元の世界に帰ることができる。
・参加者間でのやりとりに反則はない。
・ゲーム開始時、参加者は会場内にランダムで配置される。


【首輪について】

参加者には首輪が嵌められる。首輪は以下の条件で爆発し、首輪が爆発したプレイヤーは例外なく死亡する。
・首輪をむりやり外そうとした場合
・ロワ会場の外に出た場合
・侵入禁止エリアに入った場合
・24時間死者が出ない状態が続いた場合は、全員の首輪が爆発


【放送について】

6時間おき(0:00、6:00、12:00、18:00)に放送が行われる。
放送の内容は、死亡者の報告と侵入禁止エリアの発表など。


【所持品について】

参加者が所持していた武器や装備などはすべて没収される(義手など体と一体化しているものは没収されない)
かわりに、支給品の入ったデイパックが支給される。
デイパックは何故か、どんなに大きな物でも入るし、どんなに重い物を入れても大丈夫だったりする。
デイパックに入っている支給品の内容は「会場の地図」「コンパス」「参加者名簿」「筆記用具」
「水と食料」「ランタン」「時計」「ランダム支給品1〜2個」

※「参加者名簿」は、少なくとも支給はされている。内容(最初は投票枠キャラだけが記載されているのか、
 途中で文字が浮き出る方式なのかなど)は書き手の裁量に任せます
※「水と食料」は最低1食分は支給されている。具体的な量は書き手の裁量に任せます
4創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:22:11 ID:kWlC1CfG
★書き手のルール★


【予約について】

予約はしたらばにある予約専用スレにて受け付けます。
トリップをつけて、予約したいキャラクター名を書き込んでください。
予約期限は3日(72時間)です。期限内に申請があった場合のみ、3日間延長することができます。
これ以上の延長は理由に関わらず一切認めません。
また、書き手枠に関しては、延長はできず予約期限は3日のみとなります(詳細は下記の書き手枠ルール参照)

予約に関するルールは、書き手からの要望があった場合、議論のうえで変更することを可能とします。


【書き手枠について】

このロワには、書き手が自由裁量でキャラを登場させることができる書き手枠が16枠あります。
ただし、各作品からの参加上限は6人ですので、参戦確定キャラがすでに6人に達している作品から
キャラを参戦させることはできません。
書き手枠でキャラを予約する場合は、正確なキャラクター名と作品名、書き手枠での予約であることを明記してください。
また、書き手枠には特別ルールがありますので、下記を確認してください。

@ひとつのSSで書き手枠から出せるキャラは一人とする
A一人の書き手が書き手枠から出せるのは、合計で三人までとする
Bただし、開始から1ヶ月が経過した時点で書き手枠が埋まらなかった場合、
 @のルールは「ひとつのSSで書き手枠から出せるキャラは二人とする」に変更し、Aのルールは無効とする
C書き手枠を含む予約に関しては、理由に関係なく延長は一切認めない
 (投票枠のみの予約は「予約3日+延長3日」、書き手枠を含む予約は「予約3日、延長なし」)


【キャラクターの死亡について】

SS内でキャラが死亡した場合、【(キャラ名)@(作品名) 死亡】と表記してください。
また、どんな理由があろうとも、死亡したキャラの復活は禁止します。


【キャラクターの能力制限について】

ロワ内では、バランスブレイカーとなるキャラの能力は制限されます。
 ※詳細は現在議論中です


【支給品制限について】

ロワ内では、バランスブレイカーとなる支給品は制限されます。
 ※詳細は現在議論中です
5創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:22:53 ID:kWlC1CfG
【状態表のテンプレ】

SSの最後につける状態表は下記の形式とします。

【(エリア)/(場所や施設の名前)/(日数と時間帯)】
 【(キャラ名)@(作品名)】
 [状態]:
 [服装]:(身に着けている防具や服類、特に書く必要がない場合はなくても可)
 [装備]:(手に持っている武器など)
 [道具]:(デイパックの中身)
 [思考]
  1:
  2:
  3:
 [備考]
  ※(状態や思考以外の事項)

【時間帯の表記について】

状態表に書く時間帯は、下記の表から当てはめてください。

 深夜:0〜2時 / 黎明:2〜4時 / 早朝:4〜6時 / 朝:6〜8時 / 午前:8〜10時 / 昼:10〜12時
 日中:12〜14時 / 午後:14〜16時 / 夕方:16〜18時 / 夜:18〜20時 / 夜中:20〜22時 / 真夜中:22〜24時
6創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:25:24 ID:kWlC1CfG
ごめん、>>2に入れ忘れた

・『うしおととら』の「ひょう」は漢字がバグるみたいなのでひらがなになっています。
・『トライガン・マキシマム』の「リヴィオ・ザ・ダブルファング」はリヴィオ&ラズロです。
7創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:36:15 ID:L3GBTM1P
スレ立て乙。
テンプレ、一部直す必要あるかな、名簿とか。
8創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:48:12 ID:kWlC1CfG
>>7
次スレまでには書き手枠も埋まるだろうし、それまでには完全版が出来るんじゃないかなと
とりあえずしたらばの暫定版拝借して貼り付けました、作ってくれた方多謝です
9 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 19:52:19 ID:2TcCwnUc
遅れてすみません。予約が今日の朝までなのを失念していました。
投下はできますが、期限オーバーなので破棄したほうがいいのでしょうか?
10創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 19:56:45 ID:SWTa/OfU
投下いいですよ
今度からは気を付けてください

ところで名簿がおかしいな
70人なのに65になってる
11創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:34:24 ID:H/k458Ng
書き手枠はもう残り無し?
12 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:34:32 ID:2TcCwnUc
ありがとうございます。そしてすみませんでした。
では大佐とお妙さん投下します。
13 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:35:52 ID:2TcCwnUc
上を見れば吸い込まれそうなほど真っ暗な夜空。
前を見れば騒々しく立ち並ぶ建物と、その間を縫うように伸びる道路。
そして、周りには煌々とそれらを照らし続ける街灯。
その中を私は歩いていた。

ここは、かぶき町と似ているようで全然違った街。
人の声はおろか、車の音も聞こえない。看板も、一辺のゴミさえも無い。
どこかミニチュアの世界に入り込んだみたいだ。
そう感じたのはただ単に無人だからというわけではない気がする。別にはっきりした理由も無いのだけれど。

「それにしても……」

立ち止まって手元へ目を向ける。手に握ったバッグっぽいものが目に障る。
――殺し合い、ねえ。
脳裏に浮かぶのは先程の光景。
首輪を付け、罪もない人の首を飛ばし、殺し合いをしてもらうと言った元凶の姿。
ムルムル、と言ったかしら?
ここから帰れるのは優勝した一人だけ。殺し合いをしなければ全員が死ぬ。
そんな、そんなのって……。

ぎゅっと手に力を込める。手に震えが走るのを感じた。

そう、私は――

「ふざけんじゃねえぞボケェェェ!!」

――今、ちょっとイライラしている。

「人拐っておいていきなり殺し合いだぁ!? こちとら毎日が人生という名のサバイバルだわァ!!
私がいなくなったら父上の残した道場どうなると思ってんだコラァ!」

怒りに任せてバックを叩きつける。蹴る、蹴る、蹴る、踏みつける。
あまり形が変わらないのが憎らしい。
こんなことをしてもどうしようもない。むしろ危険なのだが、怒らずにはいられなかった。
そして罵詈雑言を叫び、少し落ち着くと、今度は別のことが気になり始めていた。

「新ちゃん、巻き込まれてなければいいけど……」

私達姉弟は同居している。
寝ている間に誘拐されたのならば、私だけとはいかないかもしれない。
もし弟までもが連れてこられているならば、もう道場どころではない。志村家存亡の危機だ。
じゃあ、私はどうすれば――

「……そこのレディ、少しいいかね?」

男の声。
私は反射的にバッグを引き寄せ、その方向へ目を向ける。
少しほど離れた場所に見えたのは、背が高く、すっきりとした短い黒髪に、どこぞの警察のような青い制服を着た男の姿。
手探りでバッグから棒のような物を取り出す。
物腰柔らかに声をかけてきたが、警戒するに越したことはない。
――少し、騒ぎすぎたかしら……。
「何かしら?こんな時にナンパですか?」
「まあ、そう固くならずに。ナンパかもしれないが、君に危害を加えるつもりはない」
「……その言葉、信じてもいいのかしら?」
14 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:36:33 ID:2TcCwnUc
直後、足元でどさっと音がして、私は目を見開く。
男の人がバッグをこちら側に捨て、手を上げていた。

「信じられないなら、君が私のデイパックを持って持ってもらっていい。私が欲しいのは情報だ。
それに……女性がこんな危険な夜道を歩くのは見過ごせなくてね」
「まあ、お上手ね〜」

私はバッグを拾い上げ、これも足元に寄せる。
正直まだ疑わしさはあるが、いつまでも一人でいるよりはいいかもしれない。
再び向き直ると、それを了承として男の人が近づいてきた。

「私はアメストリスの軍人、ロイ・マスタング。地位は大佐だ」
「私は志村妙といいます〜。アメフトポリスの増田さん? チンピラ警察24時みたいなものかしら?」
「う、うむ……?まあよろしく頼むよ、ミス・タエ」
「こちらこそ〜。お妙でいいですよ」

私は頭を下げる。と、向こうは手を差し出していた。思わず体の動きが止まる。
あら?握手?
外国人の方だったのかしら、天人……には見えないけれど。
そんなことを思って顔を上げる。そして、気づいた。向こうも同じ思案顔であることに。
私が見ていると、増田さんが言葉を返すように苦笑いを浮かべる。

「……お妙さんは、どこにお住まいで?」
「江戸のかぶき町……あ、地球の東の都市ですぅ」
「エド……?シン国とは関係無い場所で?」
「清なら隣の国ですけど……」
「「…………」」

何だか色々と噛み合わない。
そこでようやく私は、私達を取り巻く違和感に気づいた。
江戸は世界で一番と言っていいほどに発展した都市。隣の清まで知っているなら、江戸を知らないわけがないのだ。

「やはり……。もう少しお妙さんの話を聞きたいのだが、よろしいかね?」
「そうですねぇ…。こんなところも何だし、あの家で話しましょうか?」
15 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:39:52 ID:2TcCwnUc



その後、私はお妙さんと色々な話をし、ある確信を得た。
それは、私の住む世界と、お妙さんの住む世界は似ているようで全く別のものだということ。
向こうはアメストリスも知らなければドラクマ、アメルゴという言葉も聞いたことが無いという。
それどころか、お妙さんの世界では宇宙人が平然と住み着き、宇宙へ行くターミナルが立っているというのだ。
世界広しと言えど、そんな話は全く聞き覚えが無い。
つまり、ここに集められたのは異世界からの寄せ集めなのだろう。
しかしシンのこと、シンの向こうの砂漠、北の大国などの位置が同じだということは不可解だが。

一旦話し終えた私達は、少しの間この家でそれぞれ別に行動することになった。
ここの住宅は私達の世界でよく見る形式だが、お妙さんにはあまり馴染みがないらしい。
お妙さんは使えそうな物を探すと言っていた。少々頭に血が上りやすいようだが、弟思いのいい娘だ。

そして今、私はバスルームの鏡の前に立っている。
今気に鳴るのは、この首輪。
ぴったりと肌に付くそれは、全くもっていい気持ちはしない。
錬金術で分解できないかとは思ったが、触り見ただけでは材質が何なのかよく分からない。
「理解」ができなければ錬金術は成立しない。今の段階では外すのは無理であろう。

「まあ、そう易々と外してくれるとは思っていないが……」

とりあえず、外れた首輪を用意する所から始めるのが妥当だろうか。
出来る限り無駄な犠牲は出したくないのだが……。
首輪が外れれば、あの子供の支配を受けることも無くなる。そうなればそれに越したことはないだろう。

そういえば、私は先ほどの場所で、ちらとあの特徴的な影を見つけることが出来た。
おそらくあれは鋼のの弟、アルフォンスの姿。
そしてルール説明で言われた、「放送後に浮かび上がる参加者名簿」。
知らない人々しかいない名簿なら、あの説明も意味は無いはず。
つまり名簿には知り合い――あの兄弟や、私の部下がいる可能性がある。
部下がここで死ぬことなど、私は認めない。探し出して守らねば。

「……放送まで、長いな」

私は壁に寄りかかり、大きなため息をついた。
16創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:41:45 ID:0s1ifmqx
 
17 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:42:05 ID:2TcCwnUc
【B-2/家の中/1日目 深夜】
【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、不明支給品(0〜2)
[思考・備考]
1:知り合いがいるならば探して守る。
2:首輪を調べたい。そのために首輪が欲しい。
3:妙さんと行動。放送後はどうするか……。
※志村妙と情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※参戦時期は22巻以降です。



「キャベツ、人参、魚、……しなしなしてるわねぇ」

狭い台所の中、私は冷蔵庫の中を物色している。
増田さんは首輪を調べたいと言って出て行った。私にはよく分からなかったが、レンキンジュツシという役職らしい。
どうやら私の出る幕はなさそうなので、何か使えるものはないかと家を散策している。
まず気になったのは武器。先ほど引っ張り出した棒は支給品だったらしい。
天候を操作することができるようだけれど、専門的な知識が必要らしく私には使えない。
まあ、殴るのは存分できそうだけれど。

そして、今確認している食料。
殺し合いを促進するから少なめなのだろう、一日分くらいの食料しか支給されなかった。
ここもそう、食料があるにはあるが、冷蔵庫が動いていない。しかもあるのは生ものばかり。
加えて火は出るのに水は出ない。
これじゃあ長持ちはしそうにない。それは料理をあまりやらない私にも分かった。
でも、火を通せば食べられるかしら?

「あら、卵もあったわ! 増田さん、頑張っているし……私が玉子焼きを作ってあげようかしら」

そうとなったら動かずにはいられない。
フライパンとあるだけの調味料を取り出し、私は早速料理を始めた。


【B-2/家の中/1日目 深夜】
【志村妙@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:フライパン、腐った卵
[道具]:支給品一式 、クリマ・タクト@ワンピース、不明支給品(0〜1(本人確認済))
[思考・備考]
1:料理を作る。
2:新ちゃんはいるのかしら?
3:増田さんと行動。
※ロイ・マスタングと情報交換をしました。 お互いの世界の情報について一部把握しました。
※参戦時期は28巻以降です。

※天候棒(クリマ・タクト)
ウソップがナミのために開発した武器。
本来、宴会芸で使用するようなおもしろ手品アイテムみたいなものだが、ナミが独自に使い方を編み出し、天候を操ることが可能になった。
周りの気圧を操作し、人工的に蜃気楼を発生させたり、雨を降らせたり、雷を起こすことができる。
18創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:48:05 ID:/YSwOI7G
増田大佐wwwある意味死亡フラグがwww
そして前スレの亮子…かの有名な「拡声器」を使ってしまうとは…
エド共々無事を祈らずにはいられないw
19 ◆2/z7o.Vlls :2009/04/15(水) 20:48:25 ID:2TcCwnUc
投下終了です。題名は「知らない人にはついていっていけません」でお願いします。
おかしいところがあれば言ってください。
20創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:49:26 ID:SWTa/OfU
投下乙です
確かに江戸の住人から見たら異国の外人だろうけど増田かよw
そしてその卵腐ってますよ
しかし波乱なしで情報交換出来たのはよかったな

ところで銀世界に詳しくないんだけど外人は嫌われてないの?
21創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:50:04 ID:OOHX3Qn7
投下乙です!

亮子ー、確かに君はいい子だ、しかし拡声器は死亡フラグー!
エドとレガートの戦闘はどうなるか期待だ。

お妙さんやめてやれwww増田さん死んじゃうwww
しかし大佐のスタンスはかなり怖いな、部下がいないことを知ったらどうなるんだ……
22創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:51:24 ID:OOHX3Qn7
>>20
嫌われてはないかな。
天人は嫌われてるけど。
23創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:51:59 ID:DkXY6A5M
投下乙です
増田さんの思考が微妙に怖いw
24創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 20:56:54 ID:0s1ifmqx
投下乙です
いきなりお妙さんの『かわいそうな卵』とは…大佐死亡のお知らせw
…逆に考えるんだ、あんな強力な兵器なら制限対象になるかもしれないと

あと前スレの方も乙です
パニッシャーと拡声器とは、当たりとハズレが大きいw
エド頑張れ、超頑張れ
25創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 21:38:29 ID:sUu7cGYF
まず前スレの方から。
パニッシャー来た、これは期待w
付近には流兄ちゃんや紅蓮、という危険分子もいるし、どうなることやら。
エド……そいつは掛け値なしにヤバイ、すぐ逃げろw

それと亮子のいる場所なんですが、病院は秋瀬君がスタートした地点のはず……。
時間の関係上、秋瀬君を見かけたとかの一文で少しだけでも言及させた方がいいかもです。


そして大佐、今回は悪魔軍人にならなさそうで何よりw
今度こそ真っ当に活躍してくれ、死亡フラグが怖いけどw
26創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 23:14:41 ID:SWTa/OfU
もう来ないのかな?
27創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 23:32:41 ID:/YSwOI7G
予約の期限が危ないのってあったっけ?
28創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 23:48:21 ID:OOHX3Qn7

今まで出てきた参加者をスタンスごとに細かめに分けてみた。
一部微妙かも。


無差別マーダー(他人なんて知るか、ただ殺すだけだ派)
紅煉、キンブリー、流、スズメバチ、ゾッド、ミッドバレイ(やや不安定)

奉仕マーダー(あの人を死なせたくないから自分がやらなきゃ派)
ロビン、レガート

マーダーより危険人物(邪魔者は殺すorとりあえず情報を得たい、得たら知らん派)
潤也、由乃

対主催より危険人物(ひとまず乗りはしないがもしかしたら……派)
ハヤテ、或、理緒、ロイ

限定マーダー(憎いあん畜生だけはひねり殺したい派)
ひょう

積極的対主催(殺し合いなんて絶対するか!全力で抵抗する!派)
ガッツ、ブラックジャック、ウィンリィ、ルフィ、鳴海歩、リヴィオ、亮子、エド

反抗型対主催(人殺しに抵抗はないが主催が気に入らねえ派)
ゴルゴ13、グリード

中立(今の段階じゃ動けない、ぼちぼち考えよう派)
パック、安藤兄、とら

合流優先(とりあえずあいつに会おう、話はそれからだ派)
サンジ、沖田、ハム、ボンクレー、グリフィス、雪輝、サク、妙、ナギ、ゆの

特殊
黄泉(正義!正義!)、剛力番長(皆を生き返らせるためマーダー化)、雪路(このよいどれが!)、ロリッ☆(不明)、ひよの(歩を支える)

マーダーは割といる方かな?スタンス未確定者もいるし。
29創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 23:48:43 ID:0s1ifmqx
現在の予約は

◆oUQ5ioqUes:森あい、アルフォンスエルリック (延長中)
◆xmpao6V6sI:沙英、坂田銀時
◆H4jd5a/JUc浅月香介@スパイラル、宮子@ひだまり 柳生九兵衛@銀魂
◆40jGqg6Bocニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム、志村新八@銀魂、マシン番長@金剛番長(書き手枠)
◆zTb8tEnpHg金剛晄(金剛番長)@金剛番長
◆7pf62HiyTE 書き手枠で鈴子・ジェラード@うえきの法則 
◆LQx8BgACjE 書き手枠趙公明@封神演技、カノン
◆1ZVBRFqxEM 雨流みねね@未来日記、妲己@封神演義

一番古いのは延長中の◆oUQ5ioqUes氏の予約で、金曜0時頃が締切
次は◆xmpao6V6sI氏で…木曜14時が締切、でいいのかな?
間違ってたらスマン
30 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 23:51:38 ID:4w4mGNC7
>>25
またやっちまったorz
とりあえず、修正案を仮投下スレに投下してきました。ご指摘ありがとうございました
31創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 23:51:59 ID:0s1ifmqx
>>28
まとめ乙
特殊スタンスが二名ほど酷いw
3229:2009/04/15(水) 23:55:45 ID:0s1ifmqx
>>29
すまん、◆JvezCBil8U氏の
ミリオンズ・ナイヴズ、西沢歩、平坂黄泉 が抜けてた
メンツで確実に一波乱ありそう…二人とも逃げてー
33創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 00:26:03 ID:p4Xy2m6z
スタンス&予約のまとめ乙です!ありがたい!

思ってたよりバランスよいなぁ…危険人物多いけどw
34創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 00:35:30 ID:5Rm4VRtw
スタンスまとめ乙

こちらもどーぞ
http://newmangabr.hp.infoseek.co.jp/#
35創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 00:38:09 ID:5Rm4VRtw
>>34
は各キャラの現在位置をまとめた地図です。
キャラの画像があれば、キャラを地図に追加することができるらしいです。
36 ◆1ZVBRFqxEM :2009/04/16(木) 02:12:11 ID:DjTKEurG
すみません。
「犠牲になったような、悲しい顔はやめてよ」のキンブリーの状態票に
ヒロの首輪が抜けていました。
wikiの方を下記のように編集しておいたので報告いたします。


【I-7/デパート内部/1日目 深夜】
【ゾルフ・J・キンブリー@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(6/6(予備弾24))@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式*2、ヒロの首輪、不明支給品0〜2
[思考・備考]
0:優勝する。
1:デパートを調べる。
2:首輪を調べたい。
3:剛力番長を利用して参加者を減らす。
※剛力番長に伝えた蘇生の情報はすべてデマカセです。
※剛力番長に伝えた人がバケモノに変えられる情報もデマカセです。
※制限により錬金術の性能が落ちています。

【人語を解する合成獣@鋼の錬金術師】
錬金術師ショウ・タッカーに合成させられた実娘ニーナと愛犬アレキサンダーの成れの果て。
最近の鋼の錬金術師で出てくる合成獣を見るとタッカーの実力の無さに涙すら出ない。

【ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン・マキシマム】
ヴァッシュの銃。アニメと設定が違うため普通の銃である。
ただし、その精度はトップクラスの名銃。
37 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:29:02 ID:Ejmx8iVN
銀さんと沙英、投下しますね
38 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:30:37 ID:Ejmx8iVN
月光の下、住む者のいない街に一匹の獣がいた。
銀色の髪をときおり吹く夜風に揺らしつつ、彼は人気の無い街を闊歩する。

ある者は、獣をこう称した。

壤夷戦争に臨した修羅、白夜叉と。

獣が、足を止める。
その鋭い視線の先、遥か前方に獲物を見つけたのだ。
あまりに無防備な獲物の姿に、彼は微かに笑みを浮かべる。
息を潜めて、彼は一歩一歩、動かない獲物へと近付いていく。
駆ければほんの数秒で詰まる距離ではあったが、そうはしない。
周囲に気を配りつつ、ゆっくりと、じっくりと、しかし確実に獲物との距離を詰めていく。

彼は、よく理解していた。
これから自らが行う行為が、罪であると。
このような状況であれど、決して許されるものではない、罪であると。
故に、誰にも見られるわけにはいかない。
間違っても、知り合いに見られるなんてことは絶対にあってはならない。

もしも見られたのなら――全ておしまいだ。

二度と、今までのような関係には戻れないだろう。

そう、彼は理解していた。
そして、理解していてなお、獲物へと進む足を止めていない。
彼の本能が、彼に足を止めることを許さないのだ。

手を伸ばせば触れられる距離にまで、獲物へと近付く。
この期に及んでも微動すらしない獲物へ向けて、彼の腕が徐徐に伸びていき、そして――――











39 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:31:21 ID:Ejmx8iVN
「……あの、何してるんですか?」

彼女にとっての開始地点であった書店の中から出てきた沙英が、
街に人が一人としていないので、ここぞとばかりに書店へ向かい、(男の)本能のままに獲物(であるエロ本)を、
(店員がいないのをいいことに)思う存分貪りつくす(ように熟読する)という罪を犯していた獣(というかケダモノ)こと坂田銀時におそるおそる声をかけたのは、その直後のことだった。

「…………」

なお、沙英の頬が微妙に赤く染まっているのは、銀時が熟読していた、
書店の入口に平積みにされていた、やたらと不埒な写真とともに『団地妻』だの『未亡人』だの『熟女』だのといった文字が表紙に踊っている書物を、不可抗力ながら目撃してしまったからである。

「…………」
「…………」

互いに、沈黙。
無理もないことである。
銀時からしてみれば、エロ本を読んでいる最中という、誰にも見られたくないであろう姿を少女に目撃され。
沙英からしてみれば、このわけのわからない状況にて、本来頼れる存在であるはずの大人が、緊迫感の欠片もなくエロ本を立ち読みしている姿を目撃してしまった。

お互いにとって、この上なく最悪なファースト・コンタクトであった。

いつの間にやら出ていた銀時の鼻血が、ぽたりぽたりとアスファルトに落ちる以外は、完全な沈黙。
お互いに何と言えばいいのかわからないまま、無情にも時間は過ぎていき、
永い永い沈黙を経て――沙英が、口を開いた。

「あ、あの、私、何も見てませんから!」

考え抜いたすえに――沙英は、目の前の現実からの逃避を選択した。
銀時の手には相変わらず書物がある以上、何も見ていない、などと白々しいにもほどがある台詞であったが、

「そ、そうか! いやあ、お互い災難だなあこんな変な場所に連れてこられて!」
「そ、そうですね!」
「よ、よし、とりあえず今の状況について話し合ったりしてみないかお嬢ちゃん」
「わ、わかりました!」

まあ、そんな感じで。
少なくとも二人の間では『何も見なかったし、何もしていなかった』と、そういうことになったとさ。





40 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:32:42 ID:Ejmx8iVN






「つまり、お嬢ちゃんはヒロって友達を探している、と」
「はい……坂田さんはヒロを見ていませんか?」

少しだけ、時間が経過して。
軽い自己紹介を終えて、沙英は何よりも気にかかっていることを――自分の親友、ヒロを見ていないかと、銀時に尋ねる。
最初の場所で、姿こそ確認できなかったものの、沙英はヒロの声を聞いていた。
聞き間違いであってほしいと願いつつも、その願いはおそらく叶わないことを沙英はわかっている。
ひだまり荘で、長い間家族同然に過ごしてきた友人の声である。
彼女の声を聞き間違えるなんて、あるはずがなかった。

「……悪いが、見てねーな。お嬢ちゃんに会うまで、ここに来てから誰一人見かけちゃいねえ」

故に、その答えに、沙英は肩を落とす。
もちろん、たまたま出会った男が、たまたまヒロを見かけていたなんて、そんなうまい話があるとは思ってなかったけれど。
それでも僅かな期待を込めていたのは事実であり、銀時の否定の言葉に、目に見えて落ち込む沙英。
慌てて、銀時が助け舟を出す。

「あーあー、ガキがそう落ち込むんじゃねえよ。どうせ行く場所もないんだ、その人探し、手伝ってやるよ」
「え……?」

銀時の言葉に、顔を上げる沙英。
そこには、先刻までとはうって変わって、凛々しい顔付きをした銀時の姿があった。
まるで――侍のような。

「まあ、これも万事屋の仕事のうちってことだ。ただし後でお代はきっちり頂くけどな」
「坂田さん……」
「坂田さんだとどこかの猫耳思い出して不愉快だ。銀さんでいい」
「あ、あ――」

ありがとうございます、銀さん。
そう礼を言おうとして――つい先程エロ本を読んで鼻血を出していた銀時の顔を思い出し、
そのギャップが何だかおかしくて、思わず沙英は吹き出してしまう。

「オイィィィ!? 何で笑った!? 今の流れの何処に吹き出す要素があった!?」

銀時が憤慨しているのが耳に入るものの、余程ツボにはまったのか沙英の笑いは止まらない。

軽く溜め息を吐きながら、銀時も笑い続ける少女を見て――少しだけ、笑った。

「さーて……忙しくなりそうだな、こりゃ」
41 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:34:16 ID:Ejmx8iVN
【I-8/書店/1日目 深夜】

【沙英@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、不明支給品(0〜2)
[思考・備考]
1:銀さんと協力して、ヒロを見つけたい。


【坂田銀時@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、大量のエロ本、不明支給品(0〜2)
[思考・備考]
1:とりあえずヒロを探すのを手伝う
2:ヒロを見つけた、その後は……
42 ◆xmpao6V6sI :2009/04/16(木) 05:36:21 ID:Ejmx8iVN
投下終了
地図に存在しない施設が登場していますが、大丈夫ですかね……?
市街地ならば、普通にあるとは思いますが
指摘等ありましたらお願いします
43創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 07:37:41 ID:69/vpVfB
投下乙です
銀さんw人妻ものとはいい趣味してるなw
そして沙英…ヒロさんいたんだよ、その近くにな…
44創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 08:14:03 ID:gDdfirhX
投下乙
さすが銀さん、ロワの最中でも平然とエロ本を熟読するとは。
そしてそれを持ってくなw


ところで◆6UnIKD6QLI氏に質問です。

【愛沢咲夜@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[装備]:違法改造エアガン@スパイラル〜推理の絆〜、鉛弾20発、ハリセン
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:人を殺す気はない
1:我妻由乃を捜す


【桂雪路@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[装備]:違法改造エアガン@スパイラル〜推理の絆〜、鉛弾20発、ハリセン
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)、酒(現地調達)
[思考]
基本:酒を飲む。
 1:とら(名前は知らない)のルックスを利用して男に酒をたかる。
[備考]
 1:殺し合いを本気にしてません。酒に酔ったせいだと思っています。

御覧の通り愛沢と雪路の状態表の装備項目。
まんま一緒なんですよね。
これは状態表を作る時に愛沢の物を流用して修正し忘れたのか、たまたま同じだったのか返答をお願いできませんでしょうか?
45創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 09:04:48 ID:uyqN4dz4
前スレの誤字
>>695
>だが、どうせ自分のバッグの中身も役に立ちそうに無かったのだ。かまうまい。

敵(かな)うまい。

>>729
>蒼い紙に白いコート。
蒼い髪にry
46創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 10:13:31 ID:yEDf38In
投下乙!
銀さんwwww
殺し合いの場でエロ本読んでんじゃねえ!
沙英はヒロのことを知ったらどうなるんだろうか……
47創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 10:43:06 ID:69/vpVfB
そういや、書き手枠ってもう全部埋まったのかな?
48創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 10:55:12 ID:yEDf38In
埋まったと思う
49 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/16(木) 10:56:49 ID:p4Xy2m6z
銀さんwwwビックリしたわwww
しかしヒロと冴英が近い場所にいたのは因果なのか…

>>45
すみません、むしろ「構うまい」のつもりでしたが…これって使いかた間違ってますかね?
そうだったら後で修正します。
50創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 10:59:41 ID:Li1jFRde
埋まった。
犬養破棄されて、様々な意味で華のある超公明かが入って満員。
今後破棄あるかもしれんけど。
51創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 11:33:36 ID:uyqN4dz4
失礼
俺の読みが浅かった
52創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 11:37:43 ID:L6TBpe4n
>>34

便利だなこれ。
早速何人か登録してみる
53創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 11:41:23 ID:L6TBpe4n
無理だった……
画像が分からない、誰か頼む
54創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 14:35:00 ID:nwv5+etM
◆xmpao6V6sI氏、タイトルを。
作品のタイトル書き忘れてますぜ!
55創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 15:52:27 ID:nwv5+etM
>>53
画像は横の参照ボタンを押すと、自PCのマイフォルダなりなんなりが出てくるから、そこから使う画像を指定してやればいいよ。
画像が無いのならどこかから拾ってくるか取り込むと良いよ。
56創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 16:30:33 ID:wLonheju
現在位置の増田ワロタw
57創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 17:14:37 ID:kua39j1c
キャラ画像にネタが増えそうな予感w
58創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 18:12:11 ID:Hp4VyrFR
すまん、>>34の12thの画像って某動画で使われてる奴じゃなかった?
そういうのはちょっとどうかと思う…
あと雪輝の画像が酷いwww
59創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 18:17:57 ID:2STq0diS
画像さえあれば軽くサイズと明度整えて追加出来る
簡単な作業だから俺以外にも出来る奴いると思う
なんか画像持ってる人いたらここにアップしてもらえると作業がはかどるかも
60 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:21:33 ID:qEuCSTEp
鈴子・ジェラード分完成しましたので投下します。
61鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:23:29 ID:qEuCSTEp
 もし、貴方が突然
『御主等にはこれから最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう』
 と言われたらどうなるだろうか? 恐らく幾つかのケースが考えられるだろう
 恐らく只普通に(多少普通では無い所はあるかもしれないが)平穏な日々を過ごしている人達ならばパニックに陥る人が数多いだろう。
 日夜死と隣り合わせである過酷な環境に身を置いている人達ならば多少の動揺こそあってもすぐさま冷静にどう行動するかを考え、早々に行動に移せるだろう。
 では、仮に既に似た様な状況に置かれている人であればどうだろうか?ここで、最初の空間でのある言葉を思いだして欲しい。
『新しい神が新しくゲームを開いただけじゃ。
人数は大幅に増えてしまったがな。やる事は今までと大して変わらんよ。』
 これは既に前に似たゲームを行っている事を意味している。そしてそれだけで説明を済ませるという事はそれ以上の説明は不用。つまり、似たゲームの参加者がいる事を示していると言えよう。
 となれば、そう言った人物達はどうするだろうか? やる事は大して変わらない以上、そのままゲームを続ける者もいるだろう。だが果たして本当にそれでいいのだろうか?
 本当にこのゲームは自分が行っていたゲームの延長線上にあるものなのだろうか? その前提は果たして正しいといえるのだろうか?



   ▲   ▲   ▲   ▲   ▲



「ふぅ……」
 島の北東部B-10にある灯台展望室に長い髪を両側で束ねている1人の少女がいた。彼女の名は鈴子・ジェラード。
「どう考えても妙ですわね」
 彼女はこの状況に違和感を覚えていた。彼女はこの場に連れて来られている前、同じ様な戦いに参加しているのだ。
 その戦いは天界の神様が新しい神を決める為に、神候補の天界人が自分の選んだ中学生に能力を与え、他の神候補が選んだ中学生その合計100人で戦うというものだ。
 そして最後に勝ち残った中学生の神候補が新たな神となり中学生は自分の好きな才能を手に入れられる『空白の才』を手に入れる事が出来るのである。
 もっとも、先程鈴子も参加していると書いたが、彼女は『空白の才』を手に入れる為にこの戦いに参加しているわけではない。
 彼女は参加者の1人ロベルト・ハイドンを優勝させる為に彼の統率する10人の強大な能力者団ロベルト十団の一人として戦っている。
 ロベルト十団の仕事は他の全ての能力者を撃破して最後に自分達が自滅する事でロベルトを優勝させる事である。

 さて、あの場での最初の言葉に従うならば鈴子のすべき事は決まっている。これまで通りロベルトを優勝させる為に他の参加者を撃破して最後に自滅すれば良く何も迷う事はない。だが……
「本当にこのゲームは同じなのかしら?」
 鈴子にはこのゲームがこれまで自分が参加させられていた戦いが同じ物だとは思えなかった。
 そもそも前提自体がおかしいのだ。新しい神が新しくゲームを開いたと言っていた。
 自分達はその新しい神を決める為に戦っていたはずではないのか? 何故新しい神が既に決まっているのだ? そして新しい神が神になって間も無いのにすぐにまた新しい神を決める為に戦うのはどう考えても妙だろう。
 百歩譲って理由については置いておくとしよう。だが、それ以外にもあからさまに奇妙な点が多い。
 まずは根本的なルールの変更だろう。元々の戦いでは気絶させるだけで良かったが、今回は相手を殺さなければならない。(ちなみに、鈴子達の能力の中には気絶どころか相手を殺しかねない能力もあるがそれについては考えない)
 他にもあの場での説明では力に制限をかけている事をほのめかされていた。だが、元々の戦いと同じルールならばわざわざそんな事をする必要は無い。何故制限をかける必要があるのか?
 ちなみに鈴子自身はまだその制限がどうなっているのかは把握していない……というよりは出来ないでいた。今現在ある理由から鈴子は能力を使う事が出来ないでいる。
62鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:24:58 ID:qEuCSTEp
 となれば、今現在の手持ちの道具で戦うしかないわけだが、それでは元々の戦いとルールが違ってしまう。何しろ元々の戦いでは能力を駆使して戦うものだったからだ。(中には能力を使わないで戦う能力者もいるにはいるが)
 さらに、24時間死亡者が出なければ全員死亡というのも奇妙なルールだろう。全員が失格になったら全ての神候補が神になる事が出来ずゲームの意味が無くなってしまう。
 そして何よりこれだけの違和感があるにも拘わらず殆ど質問も許さず、納得のいく説明が行われなかった事だ。放送までは誰が参加させられているのかわからないのも含めてあまりにも不親切過ぎるだろう。
「……もしかしたら、私達の戦いとは違う戦いかもしれませんわね」
 鈴子はこのゲームが自分達の行っていた新しい神を決める戦いとは別である可能性を考えた。そう考えるならば先程までに感じた違和感がある程度払拭される。下手に説明すれば別のものである事を露呈してしまう可能性があるのだから。

 さて、今現在能力を使う事が出来ないと書いたが、その理由はあるものが無いからだ。
 鈴子の能力は“ビーズ”を“爆弾”に変える能力……つまり、自分が一度手で触れたビーズならば爆発させる事が出来るという事だ。なお1m以内ならば遠隔操作での爆破も可能である。
 だが、今現在没収された為かビーズは手元には無い。これでは能力を使う事は不可能だ。一応、デイパックの中を捜したがビーズは何処にも見当たらない。市街地の店まで行けば入手は可能だろうが現在位置からは遠い為、すぐにというわけにはいかない。
 となれば手持ちの道具で戦わなければならないわけだが……
「やっぱり妙ですわね……」
 デイパックに入っていた道具を見て、先程の違和感を更に強めた。
 見付けた道具の1つは妖精の鱗粉と呼ばれる物、説明書に寄れば傷を治療する為の薬らしい。もう1つはスパスパの実と呼ばれる悪魔の実、説明書に寄れば食したらカナヅチになる代わりに全身刃物人間となるらしい。
 勿論、説明書を信じるならばどちらも十分に使える物だ。だが、
「こんな物聞いた事ありませんわ……」
 これらの物は鈴子にとって未知の道具であった。それは、この状況が異質であると推測させるのには十分過ぎる物だった。
「もし仮にこのゲームが私達の戦いと違う物だとしたら……」
 この戦いが自分達の戦いの延長にあるものならばロベルトを優勝させる為に戦えばいい、だがそうでないならば下手に動くわけにはいかない。鈴子は名簿を確認する。しかし、そこには最初の説明通り何も書かれていない。
「確か『知り合いがおらんことを祈っておれ』と言っていましたわね……知り合いがいるとは限らないという事なのかしら……もし、ロベルトがいないとしたら……」
 仮にこのゲームが、先程までの戦いの延長にあるならば当然ロベルトも参加しており名簿にはロベルトの名前があるはずである。だが、ロベルトの名前が無いならばロベルトは参加していないという事になり関係が無いという証明になる。
 いや、極端な話ロベルトでなくても良い、未だ失格になっていない能力者の名前が1つでも無ければこのゲームが自分達の戦いとは関係ないと判断する事が出来る。だが、今現在は名簿が使えない以上それを確かめる術はない。
「ここは最初の放送までは迂闊に行動しない方が良さそうですわね」
 鈴子は方針を決めるのを放送後まで待つ事にした。このゲームが自分達と関係在るのかわからない以上、迂闊な行動を取るわけにはいかない。
 勿論、ロベルトが参加していて最初の6時間の内にロベルトが殺される可能性もあるだろう。しかし、ロベルトは最強の能力者、並の参加者相手に負ける事はまず無いはずだ。
 だが、絶対に大丈夫という保証はない。何しろロベルトには能力を使い過ぎるわけにはいかない理由があるのだ。ロベルトは能力を使う度に寿命を1年削っているからだ。使いすぎればロベルトが死ぬのは言うまでもない。
 とはいえ、その事自体はロベルトもわかっているから、無茶はしないと鈴子は考えていた。
 いや、本音を言えばロベルトを守る為にすぐにでも動きたいとは思っている。しかし、得体の知れない道具が支給され、元々持っている道具が奪われ、情報も少ない現状では下手に動くのは得策ではない。
 こういう状況だからこそ時間をかけて慎重に考えてから行動に移さなければならないと鈴子は考えていた。
 そう、鈴子がこの状況に違和感を覚え下手に行動に移さなかったのは彼女があまりにも慎重な性格だったからだ。故にこのゲームが自分達の戦いと関係のない可能性に気付いたのだ。
63鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:27:39 ID:qEuCSTEp

 では、仮にこのゲームが自分達の戦いの延長線上にあるものならばどうするか? それならば前述の通りロベルトを優勝させる為、他の参加者を撃破すればいいだろうが……
「……」
 口には出さないものの、鈴子の表情には迷いの色があった。
 鈴子はジェラード財団の令嬢であったが故に友人達から金づる扱いされた過去があり、そういう自分勝手な連中を見ていた為、仲間という物に不信感を持っていた。
 そこでロベルトから自分勝手で腐った世界を消す為に一緒に来ないかと誘われ鈴子は十団に入ったのだ。
 だが、その一方で鈴子は内心では仲間に対する情景を持っている。そう、仲間同士が戦う事には内心で抵抗があったのだ。だが、ロベルトを優勝させる為には他の十団同士で戦う必要が出てくる。
 元の戦いならば気絶で済む為何の問題も無い。だが、今のルールだと相手を殺さなければならない。仲間を自分の手で殺さなければならない……その事が鈴子を迷わせる……。
 とはいえ、延長線上にあるかは断定されたわけではない。そうではない可能性は十分にある。
 では、逆に自分達の戦いと関係が無いならばどうなるだろうか? この場合はロベルトが参加させられているかどうかで状況は若干変わってくる。
 ロベルトが参加させられているならば先程同様ロベルトを守る必要がある。但し、今度はロベルトを優勝させる為に戦う必要はない。
 勿論、一番重要なのはロベルトの生還ではあるが、関係が無いならこのゲームの後には自分達の戦いが待つ可能性はある。それならば出来る限り自分を含めた(参加させられているなら)十団の団員も帰還しておいた方が良い。
 但し、敵の能力者がいるならばこの場で倒しておいた方が良いだろう。そうする事で自分達の戦いに戻った後の脅威が減るのだから。
 ロベルトがいないのならば、(やはり参加させられている場合だが)他の十団の団員と合流して彼等と共に脱出を狙えば良いだろう。但し、やはりこちらも敵の能力者の減少を狙っていくのはいうまでもない。
 最悪敵の能力者を仕留める事が出来なくても自分が生き残り続けさえいれば24時間死亡者が出なかった場合のルールで全員死亡となり、相手を巻き込む事が出来る。そうすればロベルトにかかる負担を軽減させる事が出来る。

 どちらにしろ現状ではこのゲームと自分達の戦いの因果関係がどうなっているのか不明瞭である為下手に動く事は出来ない。当面は情報集めを優先した方が良いだろう。
 情報を集める為には他の参加者と接触する必要が出てくるがそれは慎重に行うべきだろう。この戦いの真意がどうあれ相手が殺し合いに乗っているならば自身が危機に晒される。下手を打てば武器のない鈴子はすぐに殺されてしまうだろう。
 なお、支給品であるスパスパの実を食べるつもりは今の所無い。説明書通りならば下手に食べれば一生カナヅチになるというリスクを負う為迂闊には食べられない。
 さらに、仮に他にも実が存在するのであれば、それを見付けた方が良いという考えもある。何しろ説明書に寄れば複数の実を食べたら死亡するらしいからだ。慌てて実を食べる必要はない。
 いや、それ以前に迂闊に得体の知れない物を食べる事など慎重な鈴子に出来るはずがないだろう。
 話を戻そう、普通に考えれば参加者の中には殺し合いを良しとしない者、他人を守る為に戦う者がいると考えるだろう。だが、鈴子はそういう人物がいるとは思えなかった。
 何故なら、前述の通り鈴子自身自分勝手な人達の姿を見ていたからだ。故に鈴子は誰もが自分の事しか考えない人ばかりだと考えていた。だからこそ、十団の仲間以外の人物の事を信用する事は出来ないでいる。
 だが……鈴子自身は内心では自分の事しか考えない人ばかりという現実に嘆いていた……本当の所、彼女は……
64創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 18:28:01 ID:2STq0diS
 
65鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:30:17 ID:qEuCSTEp

 さて、鈴子はこれからどうするべきだろうか?
「まずはビーズの確保ですわね」
 ビーズの確保を優先する事にした。鈴子自身の能力を使う為にはビーズが必要不可欠だからだ。一応灯台の中も調べるつもりだが、常識的に考えて灯台にビーズがあるわけがないだろう。
 近くには博物館や教会もあるがやはりビーズがありそうな所だとはとても思えない。となれば灯台より東の市街地か南の市街地に向かわなければならないだろう。だが、
「どちらに向かうべきか……慎重に考えなければなりませんわ」
 どちらに向かうべきかの結論はまだ出ていなかった。それもその筈、灯台からの距離はどちらもさほど変わらず、ビーズがありそうな店の場所は書かれていないのだ。どちらに向かうべきかを断定は出来ない。
 何にせよビーズがなければまともに戦う事は出来ないのだから、ビーズは手に入れなければならない。その一方、
「もし、この戦いが私達の戦いと関係が無いとしたら……私達が不利になりますわね……」
 鈴子達の戦いには重要なルールが存在する。それは能力で能力者以外の他人を傷付けた場合自身の才を1つ失うというルールだ。そして才が0になった者は消滅してしまうのだ。
 勿論、能力者同士の戦いならば何ら問題はないわけだが、この場ではそうはいかない。例え凶悪な殺人鬼が現れた迎撃したとしても能力者で無ければ才を失う事に変わりはない。
 十団メンバーは(例外はあるが)基本的に400以上の才がある為、多少減少しても問題は無いだろう(勿論避けたい所ではある)。だが、使いすぎれば自身の消滅を招く可能性がある。
「逆にそのルールを無効にしている可能性はありますけど……」
 鈴子は制限をかけているという情報から、そのルールも無効になっている可能性を考えた。そうでなければ自分達能力者が能力を使う事は難しくなるからだ。とはいえ、これは仮説に過ぎず信じる事は全く出来ない。
 何にせよビーズが手に入ればある程度行動に幅は広がるものの戦いで優位に立てるとは言い切れないだろう。
「食べろ……という事なのかしら」
 鈴子は自分に与えられたスパスパの実を見た。説明書通りならば全身刃物人間となるが、一体どんな人間だというのだろうか? 考えれば考えるほど喰う気など無くなってしまう。

 とりあえず鈴子は思考を切り替える。それは自身が合流すべき仲間やこの場で倒して起きたい敵の事だ。このゲームが自分達の戦いの延長なら当然の事だが、そうでなくても連れて来られている可能性は高い。
 ロベルト十団の実力はほぼ互角ではある。しかし自分同様道具を没収されている為に能力が使えない仲間がいる可能性は高い。
「例えば佐野君とかは……」
 十団最強の天才ともいうべき佐野清一郎が挙げられる。彼の能力は“手ぬぐい”を“鉄”に変える力だ。能力自体は他の十団に比べて攻撃力が高いとは言えないが、彼はズバ抜けたバトルセンスで多くの能力者を倒してきている。
 しかし、幾らバトルセンスに秀でていても手ぬぐいが無ければ能力は使えないのでマトモに戦うのは厳しいだろう。そういう道具を奪われた仲間達とは早々に合流しておいた方が良いだろう。
 問題はこの場で倒しておきたい敵だ。自分達の戦いと関係があるなら勿論の事、関係ない場合でも終わった後で戦う可能性がある以上、倒せる相手は確実に倒しておいた方が良い。
 元々のルール上は気絶させれば済む話ではあるが、才のルールと同様弄られている可能性は高い。そうなったら最悪殺す事も視野に入れなければならないだろう。さて、鈴子から見てそういった倒しておきたい能力者は数人いる。
「十団の噂で聞いた宗屋ヒデヨシ……」
 宗屋ヒデヨシ……鈴子自身も実際に会った事はないが、彼と戦った人は皆『二度と彼とは戦いたくない』と漏らしている以上、その実力は相当なものであると言えよう。そして何より肝心な人物がいる……
「植木耕助……」
 植木耕助……彼はロベルト十団の黒木影男とカムイ=ロッソを倒し、その後ロベルトを倒す為に十団に入り十団メンバーであるアレッシオ・ユリアーノやドンを倒した能力者だ。
 才数こそ10強と少ないものの超重量の岩を背負ったまま3日間飲まず食わずで立ち続けていた(十団の妨害付き)ことからも警戒すべき相手なのは明らかだ。仮に植木が参加しているならばこの場で確実に倒しておかなければならない。
 鈴子はこの場に来る前の事を思い出す。ロベルトにドン敗北の事を報告した時の事だ。ロベルトは植木に敗れたドン達を役立たずと斬り捨て、鈴子にこう言ったのだ。
66鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:31:47 ID:qEuCSTEp


『鈴子……キミはあんな奴らとはちがうよね。

僕は君を、最も信頼している。』


 そう言われた鈴子は……


『私は……ロベルトが好きなんですわ! それが例え片思いでも……
あの人の信頼を得つづけていれば……私はずっとあの人のそばにいられるんですわ!!!』


 ロベルトの信頼に応える為、植木の所に向かったのだ……先に植木の所に向かったマルコ・マルディーニと共に植木を倒す為に……だが、植木の所に向かう途中で突然最初のあの場所に連れて来られたのだ。

 鈴子はロベルトの信頼に応える為、この場にいるかもしれないロベルトや十団の仲間と合流し植木を含めたロベルトに敵対する能力者を倒そうと考えていた……。
「ロベルト……」


 その時、真夜中の静寂を打ち破るかの様に音が響いた。
「銃声!?」
 それは紛れもない銃声だった。さほど大きくは無い事から少なくとも灯台の中からでは無さそうだが近くなのは間違いない。
 つまり、近くに銃器を使った参加者がいるという事だ。当然この状況下ならばその人物は殺し合いに乗っているという事になる。その人物がここに来ないとは限らない。
「今襲われたら確実に……」
 鈴子は警戒を強め、ここに来るかも知れない襲撃者に備える事にした。



   ▲   ▲   ▲   ▲   ▲



 ところで、何故ロベルト十団の団員はわざわざロベルトに協力しているのだろうか? 彼等は空白の才を手に入れる為に戦っているのでは無かったのか? ロベルトが優勝したら空白の才は手に入らないのではないのか?
 実は十団にも見返りはちゃんとある。ロベルトは空白の才でこの世を“無”に……まだ何も無いまっさらな世界に戻すという話だ。そして十団だけがロベルトからそれぞれ理想の地位を与えられそこで支配者になれるという話だ。
 つまりだ、十団の団員は結局の所自分の為にしか戦っていないという事だ。実際、ロベルトを倒す為に十団に入った植木はその話を聞いて、
『なんだ……コイツらロベルトに忠誠誓うとか言っといて……結局は自分のためか。かっこわりい……』
 と思っていた。実際、ロベルト十団の団員の殆どはまず自分の事しか考えられない連中だと言えよう。

 だが鈴子は違う、鈴子は純粋にロベルトの為に戦っているのだ。しかし、残酷な事にロベルト及び他の十団の団員は誰かの為に戦ってはいない。あくまでも自分の為に戦っているのだ。
 いや……実は十団の中にも誰かの為に十団に入った人物はいる。先程話題に出た佐野がそうである。彼はある人物を助ける為に十団に入る事を強要されたのだ。

 前述の通り、鈴子は自分の事しか考えない人ばかりという現実に嘆いていた。その為、他人の為に行動する人物がいるとは思えないでいた。実際問題十団の殆どの団員はそうだ。
 しかし、他人の為に行動する人物はいる。先程挙げた佐野がそうである。
 いや、佐野だけではない。彼女が警戒しているヒデヨシもまたそうなのだ。彼は孤児院で子供達の面倒を見ており、能力者になったのも自身の神候補の為である。そう、ヒデヨシもまた他人の為に行動する人物であるといえよう。
 そして何より、鈴子が敵としてこの場で倒そうと考えている植木自身が他人を守る正義を持っているのだ。
 他にも植木のクラスメイトである森あいも仲間を助けられる勇気を持っており、植木を守る為に行動している。彼等の様に他人の為に行動する人物はいるのだ。
67創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 18:32:11 ID:2STq0diS
 
68創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 18:34:05 ID:2STq0diS
 
69鈴子の法則 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:34:13 ID:qEuCSTEp





そして―――





―――ほんの少し先の未来―――





―――植木、森、佐野、ヒデヨシは鈴子の仲間となっている―――





―――だが、その事実を今の鈴子は知らない―――





【B-10/灯台展望室/1日目 深夜】
【鈴子・ジェラード@うえきの法則】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、スパスパの実@ONE PIECE、妖精の鱗粉@ベルセルク
[思考]
基本:このゲームが自分達の戦いの延長ならロベルトを優勝させる、そうでないならロベルト及び十団の団員と合流して脱出(最悪ロベルトは脱出させる)
 1:灯台の近くにいるであろう参加者の来訪に備える。
 2:このゲームが自分達の戦いの延長にあるかを確かめる。
 3:ビーズを手に入れたい。その為に市街地の店に向かいたいがどちらの方向に向かうかはまだ未定。
 4:情報を集め今後どうするかを考える。特に他の参加者への接触は慎重に行う。
 5:(この場にいるなら)ロベルト及び佐野等の十団の団員と合流。
 6:(この場にいるなら)植木、ヒデヨシ他の能力者を倒す。特に植木は確実にこの場で倒しておきたい。
 7:ロベルトがこの場にいない場合、倒せない能力者がいるなら誰も死ななかった時の全員死亡を狙う。

[備考]
 ※第50話ロベルトへの報告後、植木の所に向かう途中からの参戦です。その為、森とは面識がありません。
 ※このゲームが自分達の戦いとは関係ない可能性を考えています。名簿にロベルトや十団の団員及び自分の知る未だ失格になっていない能力者の名前が1つでも無ければ関係ないと判断するつもりです。
 ※能力者以外を能力で傷付けても才が減らない可能性を考えています。実際に才が減るかどうかは次の書き手に任せます。
 ※気絶させても能力を失わない可能性を考えています。気絶したらどうなるかは次の書き手に任せます。

【スパスパの実@ONE PIECE】
食べた者は全身のあらゆる箇所が刃物になる。また、鉄が耐えうる攻撃は無効となる。原作ではMr.1がその能力者。

【妖精の鱗粉@ベルセルク】
妖精の羽根から出る鱗粉で傷等何にでも効く最良の良薬。
70 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 18:36:58 ID:qEuCSTEp
投下完了致しました。支援の方ありがとうございました。
鈴子の参戦時期は植木の仲間になる前にしてしまいましたが……アリですよね?
さあ、確かこのタイミングだと灯台にはひよのがいるが……果たして接触するかどうか……
それでは何か問題点があれば宜しくお願いします。
71 ◆7pf62HiyTE :2009/04/16(木) 19:21:11 ID:3UIjLUjH
書き忘れ、サブタイトルの元ネタはアニメ第十五話『鈴子の法則』からです。
72創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 20:55:49 ID:p4Xy2m6z
投下乙です!
いやぁ、鈴子もグレーですねw ひよのとの邂逅が楽しみです。
73創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 21:04:15 ID:w0ndTudO
悪魔の実は前作における武装錬金やスタンドディスクのポジションみたいだね
74創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 21:08:31 ID:yEDf38In
投下乙!
鈴子はマーダーにはならずともやばい匂い……
しかしここにはロベルトもいない上に植木たちはいるんだぞー
75創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 21:30:51 ID:0dV4NH8g
乙です

うえき書き手枠はザ×キャラでしたか
うえき世界観と彼女のバックボーンは上手く説明されてますね

うえきヒロインの中では考察系な上
精神不安定な部類に入るので結構面白そう


76創る名無しに見る名無し:2009/04/16(木) 22:42:46 ID:sURHUchw
1/6【トライガン・マキシマム】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード
1/3【金剛番長】
○秋山優(卑怯番長)
2/3【封神演義】
○太公望/○聞仲
1/2【うえきの法則】
○植木耕助

新しい予約と破棄で空いてるキャラです
77 ◆6UnIKD6QLI :2009/04/16(木) 22:59:19 ID:bUIhgkf3
>>44
ご指摘の箇所を直しました
78 ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:08:56 ID:YWIybQSs
すいません。
遅れましたが、投下します。
79創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:09:54 ID:f2XzAu3E
 
80創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:09:56 ID:/H7PwknD
支援
812つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:10:21 ID:YWIybQSs
「はぁ……これからどうしよう……」

鎧姿の少年――アルフォンス・エルリックは戸惑いながら一人街を歩いていた。
彼はこの殺し合いに乗るつもりなど元々ない。
かと言ってこのまま黙ってこの事態を見過ごせる人物でもなかった。
何故、何十人もの人の命が失われなければならないのだ。
そんなこと許されていい筈がない。
だからこそ、立ち向かわなきゃいけない。
この狂ったゲームを始めた人物達に。

(でも、兄さん達はここにいるのかな?)

アルは一人考えていた。それは、ここに自分の知り合いが本当にいるのかどうかということだ。
あの少女――ムルムルは最初の放送があるまで名簿は読めないと言っていた。
そして、それは事実であった。
アルはここに着いてからからすぐに自分のバックの中身を確認していた。
一番の理由としては自衛のための武器がないかと思ってのことだったのだが、ついでにあの少女の言葉の真意を確かめようとしたのだ。
そうして探した結果出てきたのは、一枚の何も書かれていない紙であった。
おそらくこれが名簿なのだろう。
ちなみにこのとき、武器らしいものが何一つなく落胆した記憶もあったが気にしないでおこう。
その気になれば錬金術で武器はどうにかなるはずだ。

(そういえばあの子他にも変なこと言っていたな……)

「デウス」 「1st」 「日記」
そして「新しい神」
いずれも訳が分からない単語だった。
唯一「日記」というのは分かる単語ではあったが、何故あのとき出てきたのかが分からない。
分かることがあるとすれば、「1st」という人物がこのゲームに参加していること。
そして、「デウス」というのが「新しい神」の前に神であったのだろうということだけである。
無論本当に神がいるのかどうかは微妙なところではあるが……。
82創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:12:37 ID:f2XzAu3E
 
832つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:12:37 ID:YWIybQSs

話を戻そう。名簿が白紙だった。
これはつまり自分以外に誰がこのゲームに参加させられているのかがわからないことを意味していた。
もしここにいるのが自身の兄であるエドワード・エルリックや、「焔」の錬金術師であるロイ・マスタング大佐ならまだいい。
協力して一緒にこのゲームを潰してしまえばいいのだから。
だが仮に、ここにいるのがホムンクルス達だったらどうする?

(少なくとも、協力したりとかはできないだろうな……)

それだけではない。
ここにいるのがもし、何の力も持たない一般人だったらどうする。
それこそ、ウィンリィのような人物が呼ばれているとしたら……。

(……ッ!!大変だ!!)

アルはすぐさまそこから走り出した。
理由は簡単だ。いるかいないかも分からない幼馴染を探すためだ。

ウィンリィ・ロックベルはエルリック兄妹の幼馴染である。
そして同時に機械鎧整備士でもある。
だがそれ以外では、彼女は普通の少女となんら変わらない。
つまり……戦闘能力など持っていないのだ。
もしも彼女がこの殺し合いに巻き込まれていたら……。

無論ここにウィンリィ・ロックベルが来ているかどうかなんてわからない。
わかる訳がない。
が、それでも探さないで後悔するよりはマシだ。
そう思い、アルは走り出した。
いるかもわからない人物を探すために。
それが無駄になるかもしれないのに。
アルフォンス・エルリックは暗闇の中をかけて行った。


     ◇
842つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:14:13 ID:YWIybQSs


同時刻。

「はぁ……これからどうしよう……」

頭の上に眼鏡を乗せている少女――森あいは困惑しながらも一人街を歩いていた。
彼女もこのような殺し合いの乗るような人間ではない。
そして彼女は人が死ぬのを黙って見ていられるほど非情な人間でもなかった。
だからこそ、許せるはずがないのだ。
このような殺し合いを。
ただ、止めることが出来るかどうかを聞かれたらかなり微妙なところではあるが。

「それにしても……ホントどうなってんのよ……」

森は一人考えていた。それは、この殺し合いのゲームについてであった。
あの少女――ムルムルは「新しい神」が新しくゲームを開いたと。
だが、そんなことはありえないのだ。
少なくとも、森あいにとってはありえないことなのだ。


何故なら……今自分達が「神様」を決めるために戦っているのだから。


     ◇


森あいはとある能力を持っている。
その力は神候補が神の座を巡る戦いで、選ばれた中学生だけが持っている能力である。
そして、その戦いに勝ち残った中学生には自分の好きな才能を何でも手に入れられる「空白の才」が。
その中学生の担当であった神候補には神の座が。
それぞれ手に入れることが出来るのである。

森はそんな戦いに巻き込まれた。とある少年に興味を示したことによって。
最初彼女は能力を持ってはいなかった。
85創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:15:36 ID:f2XzAu3E
 
862つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:15:47 ID:YWIybQSs
だがとある事情により彼女にも能力が与えられ、結果的に彼女も途中参加という形で戦いに参加したのだ。
そしてさっきも強敵であったバロウチームを倒し、喜びに浸っていたはずなのだ。
だがその喜びも、直後に響いた少女の声によって打ち消されてしまったのだが。
とそこまで思い出して、森はやっぱり戦いは終っていないなということを再確認した。

「でも……現実にこんな状況になってるしね……」

まずは状況を確認しなければならない。そう思い、森はその場に立ち止まって考えてみた。
まず、この状況だが……今の状態では情報が少なすぎる。
分かっていることと言えば、次のことぐらいだろう。

第一に、どうやらいつの間にか戦いが終っていて「新しい神」が新たに戦いを始めたということ。
森としては認めたくはないことなのだが、この状況を見るにそう考えるしかないだろう。
何故「新しい神」が神になったばかりなのに再び戦いを始めたのかはわからない。
何か理由があってのことなのだろうが、今の時点では何も分からないので今は保留して置こう。

第二に、自分達の知っている神様の名前が「デウス」で今はいないということ。
正直あのオヤジの神様の名前なんてどうでもいいが、「いない」というのがどのような意味で言っているのかが分からない。
単純に新しい神が殺してしまったから「いない」のか。
それともこの状況に手を出すことができないから、助けは来ないという意味で「いない」と言ったのか。
いずれにしても今の状態では情報が少なすぎる。
ただ……どうやら「1st」という人物が何か知っている可能性があるようだ。
一応保留として置こう。

第三に、ルールが大幅に変わっていること。
これが森にとって一番衝撃だった。
一次選考に似たようなルールではあったが、それでも前の戦い――森にとってはついさっきまでやっていた戦いのことなのだがあえてこうして置く――の時とはルールがあまりにも違うのだ。
まず前の戦いでは相手を気絶させれば良かったのだが、この戦いでは相手を殺さなければならなくなっている。
87創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:16:38 ID:f2XzAu3E
 
882つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:17:20 ID:YWIybQSs

(そりゃあ確かに相手を気絶させるどころか殺しかねない能力を持った奴とかはいたけどさ……)

それでも、ルール的にはあくまで気絶させればそれで終わりだったのである。
少なくとも前の戦いでは確かにそういうルールであったはずなのだ。

他にも、あの少女――ムルムルは力の制限をしているみたいなことを言っていた。
これも考えてみれば変な話だ。

(前の戦いの時だって、反則みたいな能力あったのに……)

それでも制限されることはなかった。
厳密に言えば“限定条件”と呼ばれるものが全ての能力にあるが、これはあくまで“条件”であって“制限”ではない。
おまけに24時間死者が出なければ全員死亡というとんでもないルールまで追加されているというのは一体どういうことなのだろうか。
そんなことをしたら全ての神候補が神になれないというのに、一体何故?

(まぁ……それもわからないんだけどねぇ……)

とても分かったこととは思えないが、これが今現在分かっていることなのだからしょうがない。

「はぁ……こんなときに佐野とかがいればね……」

と、そこまで言ってふと森はあることを思い出した。

「そうだ……。みんなは……みんなはどこ!?」

そう。あの場にいた植木チームのみんな。

植木耕助、佐野清一郎、鈴子・ジェラード、宗屋ヒデヨシ。
いずれも森の仲間であり……そしてあの場にいたメンバーでもある。

「私がこの戦いに巻き込まれているってことは……他のみんなもひょっとして巻き込まれているんじゃ!!?」
892つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:18:50 ID:YWIybQSs

そう思い、森はその場から急に走り始めた。
言うまでもなく仲間を――植木チームのメンバーを探すためである。

佐野や鈴子ちゃんがいれば、違いはあるだろうが自分よりいい考察をしてくれるはずだ。

植木がいれば、どうしてかは分からないが勇気が沸いてくる……気がする。

ヒデヨシは…………どうなんだろう……。

とにかく仲間がいれば心強いのは間違いないだろう。

(それに……どの道私の能力じゃあゼッタイに生き残れないと思うし……)


     ◇


ここで少し彼女の能力についての説明を入れたいと思う。
彼女――森あいの能力は「相手をメガネ好きに変える能力」である。
文字通り、相手をメガネ好きに変えてしまう能力である。
ふざけた名前の能力ではあるが、その効果は非常に強力なものである。
何故なら能力をかけられた相手の目の前で眼鏡を破壊すると、相手はとてつもない悲しみに襲われそのまま自滅してまうことさえあるぐらい強力な能力なのである。

ただそんな強力な能力ではあるが、二つ弱点が存在する。
一つは相手が眼鏡をしている場合は自滅に追い込めないこと。
これは単純に自滅してしまうと自身の眼鏡にも危害が及んでしまうため自滅ができないためである。
そしてもう一つは、この能力の“限定条件”が異常に難しいことである。
そもそも“限定条件”とは能力を使う為に満たさなくてはならない条件のこと言い、全ての能力に存在しているものである。
だが、の条件は能力の強さによって厳しくなり、特に洗脳系に属されている能力は自分や相手の強さに関係なく相手を気絶させることができるので、より厳しい条件が設定されているのである。
902つの想い……重ならず  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/17(金) 01:20:08 ID:YWIybQSs
それは、森の能力においても例外ではない。
森の能力の“限定条件”。

それは……「対象相手がぶりっ娘ポーズをすること」なのである。
より詳しく言えば、相手が両拳を顔の前に上げ、右足を後ろに上げるポーズをすることが条件なのである。

……正直なところ、この条件なのにどうやって今まで勝つことが出来たのかが不思議でしょうがないのも無理ないだろう。
実際彼女が倒した能力者も――

一人は本当に偶然条件のポーズをしてしまったから。
一人は単に(語弊があるかもしれないがあえて)馬鹿だったから簡単に条件のポーズをさせることができたから。

――といったように、完全に当たる相手が良かったから勝てただけなのである。
だが、この先もそうなるとは限らない。
というより、たぶんよっぽど馬鹿な奴がいないかぎり、そしてよっぽどの偶然がないかぎり――

森あいは自身の能力を使うことはない。

それだけは確かであろう。


     ◇


(自分の能力は頼りにできない……)

なら、探すしかないだろう。
自身のチームの仲間を。自分の手で。
無論ここに植木チームのメンバーが来ているかどうかなんてわからない。
わかる訳がない。
が、それでも探さないで後悔するよりはマシだ。

91創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:21:22 ID:/H7PwknD
支援
92代理:2009/04/17(金) 01:25:46 ID:/H7PwknD
(何より……私はまだみんなと別れたくない!!)

そう思い、森は走り出した。
信じられる仲間を探すために。
絶対にいると信じながら。
森あいは暗闇の中をかけて行った。


     ◇


今同じ時、同じエリアで、同じことを思った少年少女がいた。

少年はいないかもしれない幼馴染と自分の兄、信頼できる知り合いを探すために。

少女は絶対いると思っているチームのメンバーを探すために。

もしこの二人が出会うことができれば、心強い味方が出来たかもしれない。

だが、運命とは時に残酷である。

彼らこの時出会うことはなかった。

ひょっとしたら、いずれ出会うことになるかもしれない。

ひょっとしたら、二度と出会うことはないかもしれない。

でもそんなことは、誰にも分からない。

それが例え……「神様」であっても……。
93代理:2009/04/17(金) 01:27:04 ID:/H7PwknD
【I-6 南西/市街地/1日目 深夜】
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:健康 焦り(中)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み、武器ではない)
[思考・備考]
基本:兄や知り合いを探し、このゲームに立ち向かう。
1:ウィンリィを探す。
2:できれば「1st」も探してみる。
 ※ウィンリィを探しているが、いない可能性も考えています。


【I-6 北東/市街地/1日目 深夜】
【森あい@うえきの法則】
[状態]:健康 焦り(中)
[装備]:眼鏡(頭に乗っています)
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2
[思考・備考]
基本:植木チームのみんなを探し、この戦いを止める。
 1:とりあえずみんなを探す。
 2:できれば「1st」も探してみる。
 3:能力を使わない(というより使えない)。
 4:なんで戦い終わってるんだろ……?
 ※第15巻、バロウチームに勝利した直後からの参戦です。その為、他の植木チームのみんなも一緒に来ていると思っています。
 ※この殺し合い=自分達の戦いと考えています。
 ※デウス=自分達の世界にいた神様の名前と思っています。

代理投下終わりです
94代理:2009/04/17(金) 01:34:48 ID:/H7PwknD
名前: ◆oUQ5ioqUes 投稿日: 2009/04/17(金) 01:28:29 ID:uuwVtYpE0
投下終了です。
ずいぶんと時間がかかってしまったことをここでお詫びします。
ちなみに本スレでもタイトルは乗っていますが、ここでも一応書いておきます。

タイトルは「2つの想い……重ならず」です。

感想書きます

合流しないのか。
あの鎧姿を見たらびっくりするがこれが自世界のゲームでないと考察出来たかもしれなかったんだが
名簿が見れるまでわからないかそれとも他者と合流出来るか・・・・
95 ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 01:52:45 ID:iqDGNlOE
投下&代理投下乙!
おお、コンビを組むのかなーと思っていたので予想外。
うえきの法則は未把握ですが森の能力が面白いですねwぶりっ娘のポーズってw
世界観と能力の説明が判りやすく、キャラは勿論作品自体にも興味が持てました。


それでは少し遅れましたがウルフウッド、新八、マシン番長を投下します。
96ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 01:54:37 ID:iqDGNlOE
「あーアホらし……」

漆黒の闇の中、一人の青年がさも気だるそうに呟く。
青年は周囲に溶け込むような、真っ黒な服装に身を包んでいる。
彼の受け持つ職業は巡回牧師、但し自由気ままの。
何処かのチンピラにしか見えない彼の名は、ニコラス・D・ウルフウッド。
そして――殺し屋家業にも踏み込んでいた。


「殺し合いか……なんでそんなコトせなあかんねん。
まあ、ワイみたいなヤツが言えたもんちゃうか……」

自嘲するかのように呟く。
最強の殺し屋の養成を目的とした組織、“ミカエルの眼”。
ウルフウッドは数年をかけて、そこで戦いの術を教わった。
数に限りがあり、関係者曰く“最強の個人兵装”――パニッシャーまでも与えられた。

そしてウルフウッドは送られた。
ミカエルの眼が協力関係を結んでいた存在、ミリオンズ・ナイブズの元へ。
ナイブズが有する最凶の殺人集団、“GUNG-HO-GUNGS”の一席、“チャペル”の資格をもぎ取る。
実際はウルフウッドの師ともいうべきマスター・C(チャペル)に与えられた地位。
強引にミカエルの眼へ連れ出された事により、ウルフウッドが彼に抱いてた感情は憎しみに塗れていた。
故にウルフウッドは彼を事故に見せかけて殺害。
チャペルの肩書を偽り、ナイブズに近づき――そして彼はしかと見た。
あまりにも馬鹿げた力を、ナイブズという存在があまりにも彼の知る常軌を逸していた事に。

考えた。
ミカエルの眼で薬物による肉体投与を与えられた。
だけどもウルフウッドは人間だ。
そう。エネルギー生産装置――“プラント”、人型プラントとも言うべきナイブズ。
そんなナイブズの強大な力に較べれば十分に人間だ。
夜空に聳える月に大穴を穿つ存在など――狂っているとしか思えない。
だからウルフウッドは己の指針を定めた。
ナイブズを、彼と同等の力を持つと思われる存在と相撃ちにさせる。
ヤツを野放しにすれば、自分の大切な存在達が失われる。

そんな事はさせない。
破滅への歩みを止めるためにも、ウルフウッドは再び接触を図った。
ナイブズの配下、レガート・ブルーサマーズの指示により今まで共に居た男を。
ナイブズの弟であり、また人間では在らざる者である彼を。
ロスト・ジュライ――何万もの人間を天国とも地獄とも取れない場所へ送った存在に。
兄弟仲良くとは言わないが、ナイブズと一緒に死んでもらう。
ウルフウッドはそう考えた筈だった。
97ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 01:55:29 ID:iqDGNlOE
「トンガリ……お前なら自信を持って言えるんやろなぁ。
……べつに羨ましいとは思わんけど」

しかし、今のウルフウッドには一種の迷いがある。
確かにナイブズは危険だ。機会があれば倒せる事に越したことはない。
だが、弟の方は――金髪のツンツン頭だからトンガリ――はどうにも掴みどころがない。
弟の名はヴァッシュ・ザ・スタンピード。
真紅の外套を羽織り、絶えずヘラヘラとなんだかムカツク笑い顔を浮かべている青年。
が、いつもそんな調子なのかと聞かれればそうでもない。
銃の腕前は目を見張るものがあり、“本気”になればヴァッシュと互角にやり合える人間は居ないだろう。
そう。自分も含めて人間では駄目なのだ。
同じ存在、ナイブズのような怪物でないと――しかし、ヴァッシュに困惑を覚えるのは何と言っても性格面についてだ。
呆れるほどに、夢のような綺麗事を言ってのけるヴァッシュ。
たとえ殺意に満ちた銃や剣を向けられても、ヴァッシュは最後まで見捨てはしない。
信念を、望みを、そしてその相対する人物の命を、なんとしてでも。

絶対に他人を殺さない。
それを意固地なまでに貫くヴァッシュと旅をし、ウルフウッドの中で何かが変わった。
いや、その変化はウルフッド自身にすらも判らない変化かもしれない。
だけども、何かが変わったような気はした。
振り返れば、いつしか致命傷を避けるようにはなっていたかもしれない。
自分に向かってくる相手、手軽にあしらえる相手だけの話だが。


だから気にはなる。
もし、この場にヴァッシュが居るならば、彼はどうするのだろう。
やはり最後最後、自分の命が本当に危なくなるまで意思を通そうとするのか。
ナイブズを葬るための、重要な鍵――その認識すらも塗りつぶしてしまいそうな感覚。
わからない。何故、自分はこれほどまでにヴァッシュ・ザ・スタンピードの生き方に疑問を抱くようになったのか。
その答えを知るためにもウルフウッドは取り敢えず捜すことにした。
居るかもしれないヴァッシュを、今もボロボロになりながら誰かを守っているかもしれない――あのアホタレを。
見つけ出すためにも、ウルフウッドは歩いていたのだが。



不意に気配を感じた。




「――ッ!!」


それは酷く冷たいものであった。


◇     ◇     ◇
98ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 01:56:42 ID:iqDGNlOE
「こ、殺し合いだなんて……そんな……」

会場に設置された、一件の民家でか細い声が響く。
男の声、十代半ばと思われる声だ。
黒毛の短髪、白と青を基調とした、時代劇にでも出てきそうな服を着込んでいる。
少年の名は志村新八。とあるよろず屋で細々と働いている。
そして震える声が示すとおり、新八もまた震えていた。
突然起きた出来事――今も続いているこの事態に思考が追いついていないようだ。

「女の子と男の人が……ゆ、夢じゃないよね…………?」

頬を軽く抓るがしっかりとした感覚がある。
少なくとも未だ夢の中というわけではない。
だが、そうであるならば“あれ”も事実という事になる。
恐らく数分前、どこか良く分からない場所で新八は見た。
名前の知らない二人、いや他の誰かに名前を呼ばれていたあの二人が死んだ事を。
自分の直ぐ傍で人が死んだという事実が、ヒロにとって大きな衝撃を与えていた。

「なんで、なんでこんなコトに…………」

特に女の方――中村麻子という少女の死は、新八を不安の底に落とすのは簡単であった。
見慣れない服装ではあったが、自分と年が近そうに見えた。
もしかしたら同年代なのかもしれない。
あんな状況で怖気つくことなく叫んだ麻子の事は、勇気のある人だと新八は思う。
自分は怖さで何も言う事も、一歩も動く事が出来なかったというのに。
だけども麻子は死んでしまった。
あっ、と驚きの声を上げる間もなく帰らぬ人となった。
そのすぐ後に聞こえた、男の子の悲痛な叫び声が今も耳に反響している様でならない。
自分がもし、麻子のようになったら――そう考えるだけで、背筋に寒気が走る。

「だけど、いつまでもこんな場所でグズグズしているわけには……」

だが、新八は仮にも侍の家に生まれた子だ。
なけなしの勇気と根性を振り絞り、ゆっくりと立ち上がる。
取り敢えず誰か、親切な人と話でもして気を紛らわせよう。
そう思いたったのだが――直ぐにその決意は打ち崩されることになった。
99ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 01:58:47 ID:iqDGNlOE
「え――う、うわあああああああああああああああああああああ!?」

その場にへたれ込み、新八が金切り声にも似た叫ぶを飛ばす。
見れば目の前に何かが転がっている。
いや、厳密に言えば転がってきたという方が正しいだろうか。
黒い塊、人間程の大きさのそれは小屋の外壁を突き破って新八の目の前に転がり込んだ。

「ちっ! おい、そこの坊主!!」
「は、はいいいいいいいい!?」

それは即座に立ちあがり、新八に向かって叫ぶ。
黒い服装が嫌でも目立つ青年、ウルフウッドの身体には無数の傷跡があった。
表情には焦りのような感情が見えた。
しかし、全てがいきなり過ぎたため新八は只、慌てふためくだけだ。
名前を聞くべきか。いや、それとも何でいきなり転がってきたんですか。
聞いておくべき事は数多くあったが上手く言葉に表せない。
されども、そんな新八の意思は知られる事なく場の状況は確実に移りゆく。
多少前かがみがちになりがらも、ウルフウッドの身体に加速が掛かり出す

「死にとうなければ走れ! ワイはいちおう警告はしてやったからなぁ!!」

弾丸のように、ウルフウッドが走り出す。
呆然とした新八とウルフウッドの距離はみるみる内に開いていく。
チラリと見えた顔には“あとは知らんわ!”と言っているような、極めて無責任な感情さえもある。
一体どうしたっていうんだ――新八の、あまり早くはない頭の回転が漸く思考に追いつく。
そして新八は見た。何者かはわからない。

只、此処に居ては危険だ、と本能が呼びかけているような感覚があった。
この場に留まって居れば、きっと“アレ”が届いてしまう。
視界の先、崩壊した外壁のもっとずっと奥に見えた一つの影。
体格のいい、筋肉隆々とした肉体を持つ男性と思わしき襲撃者の姿。
その人物の右手首から、一本の細い糸のようなものがまるで蛇のように伸びていた。
先端には手首から先の部分がしっかりとついている。
一度は戻りはしたが、再びそれは飛ばされ、ぐんぐんと近づいてきた――ような気がした。

「ま、待って下さいよおおおおおおおーーーーーーーー!!」

呑気にギリギリまで観察している場合ではない。
情けないかもしれないが、新八は逃げる事には慣れている。
数秒の間を置いて後方でもの凄い音が響いた。
振りかえらなくとも大体は判る。そんな暇があればさっさと足を動かすべきだ。

誰に言われることなく、新八は猛然とその場を後にする。
目に見える負傷が身体の動きに障害をきたしているのだろうか。
やがてだんだんと距離が詰まっていき、声が届く場所まで新八は届いた。
100創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:59:31 ID:f2XzAu3E
 
101ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:00:59 ID:iqDGNlOE
「な、なんなんですかあなたは!? 納得のいく説明をしてくださいよ!? ねぇ、ホントに聞いてんですかアンタあああーッ!?」
「あ――――――ッ!じゃかしいわボケェ!!
トンズラの最中に話しかけるなや、こっちは一杯一杯なんや!」

互いに息を切らせながら言葉をぶつけ合う。
巻き込まれた身、巻きこんでしまった身の二人。
前者には特に非がないが、後者にこれといって悪びれた様子はない。
ウルフウッドにしてみれば先程の警告だけで十分世話を焼いたと思っているのだろう。
新八はそうは思っていないのだが、ウルフウッドの威圧に押され気味で上手くは伝わらない。
そんなこんなの内にウルフウッドが懐からとあるものを引き抜く。
周囲の闇に似た色、漆黒の銃身がその手には握られていた。
撃鉄を引き半身を逸らし、さも慣れた手つきで銃口を後方へ向け、撃った。

「ち、ちょっと! なに物騒なもの撃ってるんですか!?」
「黙っとれや!気が散ってたまらん!だいたいなぁ――」

一発ではない。二発目、三発目が続き、少なくとも四発以上だ。
かなり近い距離からの発砲に新八は驚く。
明らかな不快感が映るが、ウルフウッドも負けてはいない。
新八の勢いに負けず、喰ってかかる様に怒声を飛ばす。
同時に視線を向けて、新八に合図をする。
さも当然だ、と言わんばかりの表情がそこにあった。

「あいつが只の人間なわけないやろが!!」

後方から、ウルフウッドの向く方から何かが弾かれた音が響いた。
映ったものは、黒い学ランの前ボタンを全開にした男の姿が一つ。
金色の毛髪、眼鏡の下にはまるで鉄表皮のような顔が覗いている。
そして彼はウルフウッドが言うように彼は人間ではない。
身体の各所には銃弾による傷跡があるが、どこからも血は流れ出ていない。
只、機械的な動作で二人の後を追いかけるその人物の名は――番長。
そう。彼は番長。とある科学者が己の全てを注ぎ込み、開発された鋼鉄の番長。

「無駄ダ。コノマシン番長カラ逃ゲルコトハ――0%ダ」

マシン番長がゆっくりと、右腕を前に突き出す。
碌な予備動作も取らずに発射、ウルフウッドの身体を吹っ飛ばした際に使用した同じ攻撃。
“ライトニングフィスト”とコード設定された、拳の弾丸とも言うべき鉄拳が放たれる。
対象はウルフウッドと新八の内――狙いやすい方だ。
やがて着弾、片方の人間の身体が更に前方へ弾き飛ばされる。
その人物は――眼鏡を掛けていた。

「おい! しっかりせい、坊主ーーーーー!!」

そう。マシン番長の拳を貰った者は志村新八であった。


◇     ◇     ◇
102創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:01:40 ID:f2XzAu3E
 
103ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:01:45 ID:iqDGNlOE
「データ照合……完了、該当データ0。
対象ノ戦闘力未知数ダガ排除行動ヲ続行。
同時ニ、コノ状況ノ分析モ依然実行中」

マシン番長が瞬きもせずに呟く。
彼はこの殺し合いに呼ばれる前に、既に別の闘いに参加していた。
教育・法・社会・国民など、様々な問題を抱えた日本を建て直すため、とある組織が企てた一大プロジェクト。
それが23区計画――東京都23区を舞台に行われる、一般人には秘匿とされた闘い。
“番長”と呼ばれる者同士が最後の一人になるまで戦い合う。
最後に残った番長、生き残った者には最高の権力が与えられる。
マシン番長の開発者、Dr.鍵宮はその権力を己の手中に収めるべく彼を造った。

銃弾すらも通さない、強固なボディから繰り出される打撃の一撃一撃はあまりにも多い。
加えて数多くの内蔵武器も有し、今まで数多くの番長を倒してきた。
その中には金剛番長、卑怯番長、剛力番長の名前も――彼が受けた指令は全て達成した。
修理のためにDr.鍵宮のラボに戻り、彼は新たな指令を貰い、その場所へ向かっていた。
その筈であった。


「現在位置不明。参考ト成リ得ルデータ、未ダナシ。
更ニ確認。ヤハリ俺ノスペックハ低下シテイル。原因ハ恐ラクアノ二人、解決手段ハ……不明」


しかし、周囲を見渡せばデータベースにない光景が浮かんでいる。
加えてこれまたデータにない二人組による宣言だ。
マシン番長には彼らの指示を聞く理由がない。
だが、この場からはなんとしてでも抜け出さなければならない。
何故なら自分は指令を貰ったのだから。
突如、自分のニューロコンピューターに生じた原因不明のノイズ。
それを取り除くには指定された部屋へ向かうことが必要らしい。
故にマシン番長はその目的を達成するためにこの殺し合いに乗った。
104創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:01:55 ID:/H7PwknD
支援
105ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:02:58 ID:iqDGNlOE
あまりにも早い決断。それもその筈だ。
この殺し合いとやらが続く限り、自分は此処に居るしかない。
先程から確かに計測出来た、明らかなパワーダウン。
以前の状態との比較――解析不明な首輪の存在があからさまに怪しい。

だが、この首輪が自分に掛った負荷に関係があるのかは未だ断定できないが、判る事はある。
それはあの二人組は、本気でこの殺し合いとやらを仕組んでいる事だ。
そうでなければ此処まで用意周到に手を回す事もないだろう。
よって、確認した地図の外へ出ようとしても何らかの妨害を受ける可能性がある。
少なくともこの首輪が付いている限りは。
だから、シンプルにかつこの殺し合いを終わらせるには――破壊されず、最後まで立ち続ければいい。
マシン番長は冷静に結論を下し、そして再び動き出す。
先程一撃を喰らわせた少年ではなく、真っ黒な服を着た男の方へ。
焦りを顔に滲ませながら何かを叫んでいる、ウルフウッドの懐へ飛び込み――放った。

「障害ノ排除行動ヲ続行スル」

右脚を振り上げ、ウルフウッドの胸板へ叩き込む。
確かな衝撃を感じ、何かが砕ける音を聞き、そしてウルフウッドから苦しげな嗚咽が漏れた。
やがて強力な衝撃を殺しきれず、ウルフウッドもまた新八のように、逆の九の字の形で吹き飛ばされた。

◇     ◇     ◇
106創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:03:35 ID:f2XzAu3E
 
107ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:04:24 ID:iqDGNlOE
「……無茶苦茶なヤツやで、ホンマになぁ……!」


仰向けに身を投げ出される事となったウルフウッドがさも恨めしそうに言葉を吐いた。
直ぐに起き上がり、立ちあがる。
未だズキズキと胸が痛み、口元からは赤い雫が流れたが致命傷ではない。
このくらいの傷は今まで何度も体感している。
だが、傷の再生速度が普段よりも遅くなっている。
これがあの二人組の言っていた、“細工”なのだろうか。
真偽はわからないが確認している暇はない。
無残にも、先程命を落としてしまった、名前も知らない少年。
気の毒な事だとは思いながらも、ウルフウッドはこの場をどう切り抜けるか考える。
その時、ふと声が聞こえてきた。


「……だ、大丈夫ですか?」
「……なんや、生きてたんか。すまん、心の中でサヨナラしてたわ」
「お、おいィィィィィ! 勝手に殺すなーーーーーー! そりゃ、結構痛かったですけど……」

それは紛れもなく新八の声。勢いから察するに瀕死というわけでもない。
ウルフウッドと新八には知る由もないが、マシン番長の力に掛けられた制限の存在。
更にマシン番長と新八の距離がかなり空いていた事も幸いであった。
流石に全くの無傷というわけにいかず、全身には擦り傷があり、着衣の下の背中には青々しい痣が出来ている。
そして状況が好転したというわけでもない。
ゆっくりと、周囲を観察しながらマシン番長が二人に近づく。
いきなり襲いかかってきたところを考えると、今更会話でどうにかなる相手ではないだろう。
ならば力ずくでどうにかするしかない。

「坊主、今なら間に合う……さっさと逃げろ。あとはワイがなんとかしたる」
「なっ……なにを言ってるんですか――」
「死にたないやろ」

必要なのは考えるよりも行動を起こす事だ。
先ずウルフウッドが取った行動は酷な言い方をすれば厄介払い。
お世辞にも特に秀でた能力がないと思われる新八は戦力として期待できない。
ウルフウッド自身も使い慣れたパニッシャーはなく、デザートイーグルと心許ない。
新八が何か言おうとするのを強引に割り込む。
意図的に使った口調による言葉。やはり新八は黙り出した。
そうだ。それでいい。死ぬのは誰だって怖い――気軽に命を賭けろなど自分が言えるわけがない。
自分はあいつとは違う。そんな簡単に命を危険に晒すことなど出来はしない。
きっとこの少年もそうだろう。
確信にすらも似た推測。だが、あくまでもそれはウルフウッドの視点だけから見た話であった。
108ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:05:15 ID:iqDGNlOE
「……当たり前じゃないですか。だけど、それ以上に怖いんですよ……」

何かが違う。
未だ名前も教え合っていない新八に対する見方がぐるりと変わった。
当たり前――その言葉は理解できる。自分も良く実感出来る。
しかし、怖いとは一体何がだろうか。
目の前の襲撃者が、死ぬのが怖いならさっさと逃げ出せばいい。
心のどこかで、そう願う自分が確かに居ることが痛いほど判った。
出来れば死んで欲しくはない。目の前で死なれては只、気が滅入るためか。
自分の事である筈なのに明確な結論が出る事はない。
されど、所詮、新八とは碌な知り合いでもなく、それ以上の感情を抱く必要はない。
確かに必要がない筈であった。その筈だ――なのに揺れてしまう。
そしてウルフウッドの視線に促されるように、新八の口が開かれてゆく。

「もし、何処かに姉上や銀さん達が居て、こいつに襲われたりでもしたら……もし誰かが殺されるコトになったら……。
そう思うと、僕はどうしようもなく怖くなってくるんです……」

ウルフウッドは思わず息を呑んだ。
新八の声は震えている、みっともないくらいにだ。
だが、ウルフウッドは何の変哲もない新八から、“何か”を感じ取った。
言葉では言い表せない、一種の信念にも似たような強い感覚があった。
あのヴァッシュにも通ずる“何か”がウルフウッドを揺さぶる。
目の前の恐怖よりも、自分の信じるものを守るための心意気。
人はそれをきっと――

「だから、僕は逃げたくない……ここであいつを止めたい……!」

魂。今は既に牙を抜かれたにも等しい、“侍”の魂とも言うだろう。
勿論、江戸という街も時代を知らないウルフウッドに侍が判るわけもない。
特に頷くようなこともなく、ウルフウッドは無言のまま新八の言葉を聞く。
109創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:05:52 ID:f2XzAu3E
 
110ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:05:58 ID:iqDGNlOE
「……おまえ、姉ちゃんが居るんか?」
「居ますよ、一人だけ。大切な姉上が……」
「そうか……」

翻すように視線を新八から背ける。
何を思っているのだろうか。
答えはウルフウッド本人にしか知りようがない。
故にウルフウッドの次の言葉を、行動を予期出来る者は――誰も居なかった。

「あ!ち、ちょっと!! それは僕のものですよ!?」

新八が思わず慌てて抗議する。
見ればウルフウッドは唐突に、あるものを引っ手繰っていた。
それはデイバック、この殺し合いの参加者に等しく配られた支給品。
但し、ウルフウッドが手に取ったものは新八が言うように、新八の分だ。
先程、弾き飛ばされた際の衝撃により、新八の元から離れたデイバック。
ウルフウッドがそれを半ば横取りの形で奪っていた。

「ああ、わかっとる。
まあ、それよりもや……これでおんどれの身を守るものは何もなくなったな」

新八には一瞬、ウルフウッドが何を言っているのかわからなかった。
未だ碌に確認をしていなかったが、もしかすれば強力な武器があったかもしれない。
だが、今はウルフウッドの言うとおり新八は丸腰の状態だ。
まさか自分の命が惜しいがために、こんな暴挙に出たのだろうか。
笑い顔すらも浮かべ、新八の方を振り返るウルフウッド。
思わず耐え難い怒りを新八は覚えてしまう。
しかし、やがてウルフウッドが再び前を向き、言葉を続けた。
111ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:06:46 ID:iqDGNlOE


「だからや……逃げろ。こんな薄情者は身捨ててさっさとな……ヴァッシュのアホにでも助けてもらえ」


思考の歯車がしっかりと噛み合った気がした。
先程のぶっきらぼうな言葉とは違う。
今、ウルフウッドが呟くように吐いた言葉には一つの意思があった。
背中を向け、顔を見なくともなんとなくわかった。
いや、それは最早確信の域にも近い。
逃げろ――その言葉に、新八は不器用な優しさが込められていると感じた。
暫しの思考を経て、新八はゆっくりと歩き出す。


「……あなたの名前を教えてください」
「ケチな名前や、知ったところでおまえの足しにはならん」
「それでも、それでも教えてください……お願いします……!」


何故だろうか。
さっきまで感じていた怒りも今ではどこかへ消えていた。
そして自分は何故急にこの人の名前が知りたくなったのだろうか。
密かに新八は疑問を抱く。
何故、こんなにも強く知りたいのか。
違う。わからないというのは嘘だ。
新八は思う。きっと自分は認めたのだと。
敢えて汚い役を被ろうとも、どんなに不器用な方法しか判らなくても――


「……ニコラス・D・ウルフウッド、通りすがりの巡回牧師や――覚えておけ、クソガキが」


ウルフウッドが信頼に値する人間だと、認める事が出来たのだから。
そして新八は走り出す。誰か、頼りになる人を連れて来て――出来ればヴァッシュなる男を。
不器用な振る舞いしか出来ない、ウルフウッドを助けに戻る為に。
新八は後ろを振り返ることなく走り去った。


◇     ◇     ◇

112創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:06:54 ID:f2XzAu3E
 
113創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:07:49 ID:/H7PwknD

114ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:07:58 ID:iqDGNlOE
「理解不能。オ前ノ行動ハ俺ニハ理解出来ナイ」

新八が猛然と駆けだした後、程なくしてマシン番長がウルフウッドに問いかける。
どうやら先ずはウルフウッドから始末するつもりらしい。
一歩一歩、確実にウルフウッドへにじり寄る。
ウルフウッドが新八を逃がした行為が理解出来ないらしいが、特に表情にも変化はない。
そもそもその答えを希望しているのかどうかすらも判別がつきにくい程だ。
だが、生憎、そんな事はウルフウッドにとって何も興味がない事であった。
新八のデイバックを何やら漁っていたが、ふいに顔を上げる。

「知るか。おんどれにわかってもらうつもりはない、わかろうとすんな」

マシン番長と同じように、ウルフウッドの方も近づく。
デイバックを引っさげて、但し、自分の方は捨て置いて。
新八の分のデイバックを右肩に掛け、歩いていゆく。

「ワイはワイや。誰にもワイのコトを知ってもらう必要はない。
同情なんて真っ平や、ワイはワイがしたいと思ったコトをする」
「同情? ソノ言語データハ知ッテイル、俺ハオ前ヲ憐レンデハイナイ」
「黙っとけ、わけわからん機械風情が……人間に口出しすんなや」


ウルフウッドとマシン番長。
互いに近づきあった一人と一体だが、遂にはすれ違い、ある程度の位置で立ち止まった。
背中を向けながら、マシン番長はウルフウッドのデータ計算を、ウルフウッドは己の戦意を高める。
最早言うまでもない。一触即発の状況、直ぐにでも戦闘行為へ転がりそうな瞬間。
一秒がとてつもなく長い、永遠にも似たような感覚。
けれども、その時間がいつまでも続くわけがない。
沈黙を破ったのは――マシン番長の方だ。
振り向きざまに右腕を翳し、ライトニング・フィストを放つ。

「何?」

だが、ライトニング・フィストが何かに打ち止められる。
筋肉の類ではない。
何か金属のようなもので止められた感触があった。
右腕を引き戻し、マシン番長がアイセンサーでその正体を確認する。
其処に映ったものは――1本の十字架。

115ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:08:48 ID:iqDGNlOE
「出来ればこいつは使いとうなかったが……しゃあない、贅沢は言ってられへん」

否、ウルフウッドが手にしているそれは十字架そのものではない。
只単に十字架の形を取った兵器だ。
白色が施された銃身、髑髏を模した握り手を中心として、円状に予備弾丸を装備。
マシン番長に向けられた銃口は今にも獲物を喰らうかのように、鋭利な突起を突き出している。
そう。その兵器の名前こそがパニッシャー、マスター・チャペルが使用した個人兵装備。


「さぁ――やったろうやないか。ぶっ壊したるから覚悟せいよ、このポンコツが」


あの男のパニッシャー――数奇な運命の巡りあわせに今だけは感謝する。
姉上が居る。血のつながった身内が居るという新八。
同情しているのだろうか。
わからない、どうにもわからないが――彼を死なせる事はどうにもしたくなかった。
故にウルフウッドはマシン番長との闘いへ身を投じ始める。


只、それだけの事であった。


116創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:09:29 ID:/H7PwknD

117創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:09:44 ID:f2XzAu3E
 
118ザ・パニッシャー ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:11:43 ID:iqDGNlOE
【I-4/中心部/深夜】
 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム)】
 [状態]: 疲労(中) 胸部に痛み
 [装備]:マスター・Cのパニッシャー(残弾数100%)@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数12/12)@現実
 [道具]:パニッシャー(マスター・C)の予備弾丸4セット 不明支給品0〜2
 [思考]
  1: 殺し合いには乗らない。
  2: 目の前のマシン番長を倒す。
  3: 取り敢えずヴァッシュが居るか探索する。
 [備考]
  ※参戦時期は少なくともマスター・Cの生存を知る前(原作7巻)

【I-4/中心部/深夜】
 【マシン番長@金剛番長】
 [状態]:良好
 [装備]:
 [道具]:不明支給品1〜2(未確認)基本支給品一式
 [思考]
  1: 殺し合いに勝ち残り脱出。Dr.鍵宮の指令を遂行する
  2: ウルフウッドの殺害
 [備考]
  ※参戦時期は四番長(居合、卑怯、剛力、念仏)殺害後、Dr.鍵宮の指示で月美の部屋に行くまでの途中。


【I-4/北部/深夜】
 【志村新八@銀魂】
 [状態]: 背中に痛みあり
 [装備]:
 [道具]:
 [思考]
  1:殺し合いはしない
  2:誰か頼りになる人と共に戻り、ウルフウッドを助ける。
 [備考]
 ※何処へ向かうは次の方にお任せします。
119創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:12:54 ID:RQl22ZSO
支援
120 ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 02:13:21 ID:iqDGNlOE
投下終了しました。
支援どうもありがとうございます。
何か誤字などがあれば指摘お願いします。
121創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:19:55 ID:f2XzAu3E
お二方とも投下乙です
うえきも「神」関連の話だからな、そこら辺の誤解もおいしい
合流するかと思ったけど、これはいい意味で意外

そしてニコ兄かっこよるぎるだろ…!
やっぱりマシン番長はガチマーダーだな…この時期だと番長勢とのフラグもあるか
新八頑張れ、超頑張れ
122創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:20:24 ID:/H7PwknD
投下乙です

おおおお!!、ニコ兄かっこいいぞ!!!
そしてここで引きか。ヒーローモノの王道だがそれがいい!
新八も弱いが男を見せた。助けを呼ぶことが出来るか?、それとも?
ニコ兄はマシン番長に勝つことが出来るのか?
GJです!
123創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 02:37:24 ID:gD2V5Tbi
投下乙です!頑張れ、ウルフウッド!
しかし当代きってのパニッシャー使いに、チャペルのパニッシャーが支給されるとは、燃えるw


1つ疑問で、デザートイーグルを確か4発ぶっ放してたから、弾数が減ってないとおかしいのでは?
124 ◆xmpao6V6sI :2009/04/17(金) 07:31:46 ID:VboNvg23
投下乙です
マシン番長はやっぱりマーダーか……
ニコ兄かっこいいよニコ兄




なお、昨日投下した自作ですが、タイトルは銀魂サブタイ風に『なんだかんだで第一印象は結構大事』でお願いします
125創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 08:23:42 ID:1X2cMlWI
投下乙!
ニコ兄かっこいいよニコ兄
パニッシャーもあるし頑張って欲しい……しかし相手は強大だ……

そういやここの参加作品で非アニメ化の奴って未来日記と魔王だけ?
まあ未来日記はもう少し経ったらアニメ化筆頭株だと思うけどさ。
126創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 08:35:26 ID:87UXqVh8
投下乙
予約の段階だと誰か死ぬかと思ったがそんなことなかったか。死亡フラグ立てちゃったニコ兄頑張れ超頑張れ

一つ疑問なんだが、マスター・Cの獲物ってあれの名前もパニッシャーなのか?十字架って見た目以外は全然違う銃っぽいし、
ダブルファングや9巻のミカエルの眼の構成員っぽい絵を見る限り、あの組織の銃の殆どは十字架型のようだし
127創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 09:32:47 ID:lLJsqLu2
見たところ単発式っぽいしな。
同じパニッシャーであるラズロのアレが、ニコ兄のと全く同じ性能だったことを考えると、マスターのは違うのかもしれん
128創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 09:40:05 ID:iycQcmFe
今って>>76のキャラしか予約できない?
129創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 09:49:07 ID:1X2cMlWI
>>128
そんなことはないと思う。二週目ってことだろ?別にいいと思う。
130代理投下:2009/04/17(金) 09:52:25 ID:CSWysFDZ
代理投下します
ぼっこぼこにしてやろう だからちょっと覚悟しやがれ ◆zTb8tEnpHg
131代理投下:2009/04/17(金) 09:53:43 ID:CSWysFDZ
まだ夜も明けぬ空。
静かに揺れる海岸の前に一人の男が佇んでいた。

彼の名は金剛晄。彼はずっと海の向こうを見つめていた。
平然としているようにも見えたが、彼の心の中はあの薄暗い中で起きた陰惨な光景に対し、
怒りの炎をふつふつと燃え上がらせていた。

「これも親父と兄貴の計画の一つなのか……?いや、それは考えにくい」

晄は多くの番長たちが東京都23区を統一するまで戦いあう、バトルロワイアル
『23区計画』にこのゲームを重ねようとしたが、すぐに否定する。

周りには23区計画に参加していそうな屈強な人影を幾人か見かけたものの、
23区計画参加者の目印である刺青を彫っている人物を見つけることはできなかった。
それになにより、明らかに戦いには向いていないかよわい女性や子供までもがあそこに連れてこられていたからだ。

「だが、これだけは分かる。このゲーム……スジが通ってねぇのは明らかだ」

晄はあの部屋の中で犠牲になった少女と少年を思い出す。
彼らは何の罪があって殺されたというのだろうか。ただ、彼らは殺し合いに反対しただけだ。
それに、彼らは戦う術を持たないただの一般人だ。彼らとは違う力を持つ自分たちはまだしも
彼らを巻き込み、あまつさえ知り合いの目の前で虫けらのように殺してしまうような行為を目の当たりにして
怒りを抑えることは晄には到底不可能なことだった。


晄は砂浜からむき出している大きな岩を見る。
彼はそれに近づくと大玉サイズくらいの岩を両手でつかみ、ゆっくりと持ち上げる。


「ムルムル、申公豹……貴様らの殺し合いなぞ……」
132代理投下:2009/04/17(金) 09:54:28 ID:CSWysFDZ







     「 知 っ た こ と か  ―――――――――――――  !  !  ! 」







晄は持ち上げた岩をそのまま海の方へ放り投げるかのように勢いよく投げる。
岩はまるで砲丸投げの鉄球のようにきれいな放物線を描き、飛んでいく。
そして、はるか向こうに着水し、大きな水柱が上がる。
それは彼なりの主催者達への宣戦布告だった。

だが、何故か晄の顔は釈然としなかった。
岩を投げたようと試みた時、自分の体に違和感を覚えたのだ。

「……いつもより力が入りにくくなっている。いつもならもっと遠くに飛んだはずだ」

晄は自分の首筋に巻かれている銀色に光る首輪をそっと触る。
あの少女の話によると、首輪に細工がしてあるらしい。

「全力が出せないのもこれが原因か……こいつもどこかではずす必要があるな」

晄が次に気にかけたのは仲間のことだった。
念仏番長や剛力番長のような仲間たちや、陽菜子や月美たちもここに巻き込まれているかもしれない。
もしも、彼らがこのゲームに巻き込まれているとしたら真っ先に合流する必要がある。と晄は考え、
彼はデイバッグから地図を取り出した。
今、自分がいる地点はH-2。海岸の砂浜のようだ。

「近くに学校があるな。誰かがあそこにいるのかもな……」


133代理投下:2009/04/17(金) 09:55:09 ID:CSWysFDZ

小学校と中・高等学校のどちらかに行くか。
ひとまず、晄は北の学校の方に向かうことに決めた。
陽菜子や他の番長がここにいるのなら、ここを目指すだろうと推測したのだ。

「待ってろ、ムルムル、申公豹。このスジの通らねぇゲームは俺がブッ潰す。」

静かな怒りの炎を灯しながら金剛番長、金剛晄は
新たな戦いへと挑む決意を固めた。


【H-2/海岸/深夜】
【金剛晄(金剛番長)@金剛番長】
[状態]:健康
[服装]:学ラン
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3
[思考]
基本:殺し合い?知ったことか!!
 1:ゲームを潰す
 2:施設をまわり、情報を集める。
 3:このゲームの参加者にスジを通させる
 4:陽菜子や他の番長たちはいるのか……?
[備考]
※自分の力が制限されている可能性を持ちました。


134創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 09:55:14 ID:1X2cMlWI
しえん
135代理投下:2009/04/17(金) 09:59:43 ID:CSWysFDZ
投下終了です。
問題点・疑問点などありましたらレスお願いします


代理投下終了
いや〜やっぱ金剛はいいねぇ頼りがあって。
だがマシン番長はガチマーダーで、剛力番長も奉仕マーダー気味、残る卑怯番長はどうなるか。
乙でした。


136創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 10:13:49 ID:0q10f44y
投下乙

さすがみんなの番長だぜ!
でもまた支給品多いよ
137創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 10:26:52 ID:1X2cMlWI
乙!
番長未把握だがかっこいいな!
素手で岩投げるとかすげえwww
あとの番長勢が皆やばいし、対主催としてかなり期待。

そういやwikiで作品見れないんだが……
138創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 10:55:18 ID:SBBWhRCd
お三方投下乙です

>2つの想い……重ならず
『神』の使い方うまいなー
頭脳系キャラと会えればいい感じに引っ掻き回してくれそうだ

ザ・パニッシャー
やっぱりウルフウッドかっけえwww
しかし序盤のこれは確実に死亡フラグ…

>ぼっこぼこにしてやろう だからちょっと覚悟しやがれ
「知ったことか」言ってくれるのを期待してた、タイトルもひどいwさすが金剛www

>>137
とりあえず今すぐ一巻を読む作業に入るんだ
しょっぱなから乗用車持ち上げてヤクザにカチコミするんだぜ?www

一つ思ったけど、あの会場で刺青見えるかな?
未来日記好きだとどうしてもいろんな作品で他の人間が見えるって書かれるたびに気にしてしまう
139創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:03:33 ID:SBBWhRCd
>>128
登場済のハムとキチのコンビが予約されてるし、自分も良いと思う

と言うか書き手枠が全部投下されて、今大きく動きのありそうな人間が落ち着いたら
未登場のままのキャラがいても放送にして名簿出しちゃった方が良いと思うんだけどどうだろう
スタンス変わる人間も多いしなあ
140創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:07:58 ID:0q10f44y
シルエット、目、声しかわからんからね。
原作で言えば上下かまどくらい外見に特徴あれば判別できそう。
このロワ、外見特徴ある人多いし、いるかもと思うくらい大丈夫じゃね?
141創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:17:06 ID:SBBWhRCd
>>140
かまどはひどいよな・・・二頭身すぎるwww
あんな奴滅多にいないんだから、4thとか11thとかその職業でお前らなんでわからなかったんだよとか思ってたなw
そう言う表現なら全然ありだと思う、ただやっぱ見えたってのだけはどうも引っかかっちゃうね
142創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:17:47 ID:1X2cMlWI
大佐はアルに気付いてたしな。
確かにアルなら分かりやすい。
143創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:33:57 ID:gD2V5Tbi
金剛番長を購入する事を決意しました。投下乙!

個人的に趙公明とカノンのテンション全然違う組み合わせが楽しみですが、皆さんは?
144創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:43:18 ID:0q10f44y
みねねが死にそうで不安
145創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:51:00 ID:1X2cMlWI
皆把握率どれくらい?
◎→書ける
○→読んでるけど書けない、途中
×→読んでない

スパイラル→◎
トライガン→○
ハヤテ→◎
鋼→◎
うしお→×
未来→◎
ひだまり→◎
魔王→◎
ベルセルク→×
封神→×
銀魂→◎
金剛→×
ワンピ→○
うえき→◎
ブラックジャック→○
ゴルゴ→×


これでも把握作品多い方なんだ……
古めの長い奴は全然読めてないw
まず金剛番長から把握しようと思ったんだが古本屋にあるかな?
146創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 11:59:05 ID:0q10f44y
◎→書ける
○→読んでるけど書けない、途中
×→読んでない

スパイラル→×
トライガン→◎
ハヤテ→×
鋼→◎
うしお→◎
未来→◎
ひだまり→◎
魔王→○
ベルセルク→◎
封神→◎
銀魂→◎
金剛→◎
ワンピ→◎
うえき→◎
ブラックジャック→◎
ゴルゴ→◎


ハヤテと魔王はともかく、スパイラルが手に入らない。
古本屋もなくて困った。
147創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 12:00:19 ID:gD2V5Tbi
スパイラル→◎
トライガン→◎
ハヤテ→○
鋼→◎
うしお→◎
未来→○
ひだまり→◎
魔王→◎
ベルセルク→◎
封神→○
銀魂→○
金剛→×
ワンピ→○
うえき→◎
ブラックジャック→○
ゴルゴ→×

こんな感じ。
このロワの為に把握しようと思ったら、魔王とスパイラルにハマッた。
148創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 12:02:58 ID:SBBWhRCd
◎→問題なし
○→本を持ってないから書くのには不安が残る
△→キャラや設定的に書くのが難しい
×→難しいを通り越して無理

スパイラル→△
トライガン→○
ハヤテ→◎
鋼→◎
うしお→○
未来→◎
ひだまり→◎
魔王→○
ベルセルク→○
封神→△
銀魂→◎
金剛→△
ワンピ→◎
うえき→◎
ブラックジャック→△
ゴルゴ→×

全部読んだから記号いじってこんな感じ
149創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 12:34:37 ID:x+OxeVCA
一応全把握しているから若干厳しめに付けてみると自信を持って書けるって奴これくらいだな
書き手する気ないから読み手レベルで十分楽しめるから構わないが・・・いまさら思ったがここって個人的に最高のメンバーだわ

スパイラル→○
トライガン→○
ハヤテ→◎
鋼→◎
うしお→○
未来→○
ひだまり→○
魔王→○
ベルセルク→○
封神→◎
銀魂→○
金剛→○
ワンピ→◎
うえき→○
ブラックジャック→○
ゴルゴ→○
150創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 13:07:18 ID:lLJsqLu2
スパイラル→◎
トライガン→◎
ハヤテ→○
鋼→◎
うしお→○
未来→×
ひだまり→×
魔王→○
ベルセルク→×
封神→×
銀魂→○
金剛→×
ワンピ→○
うえき→○
ブラックジャック→◎
ゴルゴ→×
151創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 13:58:09 ID:Dt0APLRM
スパイラル→×(単行本欲しいのに最終巻だけねぇ…)
トライガン→×(単行本発注中)
ハヤテ→○(アニメなどで知識はある。後は……)
鋼→○(アニメなどで知識はある。後は……)
うしお→×(ごめん無理)
未来→×(単行本入手すべきか……)
ひだまり→○(アニメなどで知識はある。後は……)
魔王→×(単行本入手すべきか……)
ベルセルク→×(ごめん無理)
封神→×(ごめん無理)
銀魂→○(アニメなどで知識はある。後は……)
金剛→×(単行本入手すべきか……)
ワンピ→○(アニメなどで知識はある。後は……)
うえき→◎(唯一単行本全巻制覇)
ブラックジャック→○(知識はあるにはあるけど多分無理)
ゴルゴ→×(……どないせっちゅうねん)

……せめてスパイラルが入手できれう゛ぁぁぁ!!
152創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 14:08:42 ID:4UCeHEal
スパイラルは最終巻ないと結崎ひよのが把握できないんだよな。
ブレチル勢は全部なくてもカノン編まで読んでれば十分。

スパイラル→◎(全て読破。アライヴも最終巻以外読破)
トライガン→×(存在自体知りませんでした。)
ハヤテ→○(全ての○についていえるが、読んだことはある。単行本ないから不安だらけ)
鋼→○
うしお→×
未来→×
ひだまり→×
魔王→○
ベルセルク→×
封神→×
銀魂→×
金剛→○
ワンピ→○
うえき→×
ブラックジャック→◎(1話完結型のおかげで主人公はいける。キリコはミリ)
ゴルゴ→×(無理ゲー)
153創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 14:43:05 ID:0q10f44y
ゴルゴって把握困難?
単行本一つ読めば把握できると思うんだ。

たまに芝居でキャラ違うときあるけどさ。

家にあるゴルゴ開いたら
「俺は太極拳に命をかける!」とかゴルゴが言ってて吹いたwww
154創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 15:15:42 ID:lJZBgx+3
>>139
でもせっかく名簿が最初は白紙なんだしある程度は放送前の話が欲しい
ナイヴズらの例みたいに初登場と2回目登場キャラが絡むとかでもいいから

ところで細かいようで悪いけど金剛番長の参戦時期が不明だけど?
がちがちに決めるのもアレだけど原作のこの辺りからとかは決めて欲しい
これは最初のSS書いた書き手に決めて欲しい
155創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 15:19:18 ID:3v5GeYGJ
それは次の書き手で良いんじゃね
156創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 15:20:34 ID:0q10f44y
決めなくてもいいよ。
前話と矛盾してないなら。
157創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 15:42:14 ID:lJZBgx+3
言いだした俺も決めるか決めなくていいか迷ってる
前話と矛盾しないなら次の書き手任せかな?
158創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 16:28:00 ID:BszDickK
◎:書けるぐらいまで把握
○:途中まで把握、書くのには不安
△:ちょっとだけ把握、書くのは厳しい
×:全然把握していない、書けない

スパイラル→◎(単行本12巻ぐらいまで持ってる)
トライガン→○ (無印全部とマキシマム5巻まで把握)
ハヤテ→◎ (14巻まで持ってる&毎週立ち読み)
鋼→○(キャラぐらい)
うしお→× (全然分からない)
未来→△(1巻のみ)
ひだまり→△ (漫画をちょっとだけ)
魔王→○ (5巻まで)
ベルセルク→△ (単行本をちょっとだけ)
封神→◎ (全巻所持)
銀魂→◎(15巻まで把握&毎週立ち読み)
金剛→○ (毎週立ち読み)
ワンピ→○ (毎週立ち読み、話の大筋は理解している)
うえき→△(1巻ぐらい)
ブラックジャック→○(ワイド版15巻ぐらいまで)
ゴルゴ→× (…どう把握しろと)

ゴルゴは一人だけだからいいとしても、うしとらが…。
大体がコンビニや古本屋での把握。
159創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 16:41:24 ID:NF8jmFAx
そもそも、参加時期なんて絶対決めなくちゃいけないもんでもないだろ
矛盾さえなければ、最後まで曖昧でも問題ないし
160創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 16:46:43 ID:g3K6wVfl
参戦時期による変化は金剛番長はマシン番長に敗北したあと再戦で新技だしたけど、技の構想事態は前からあったみたいだし問題はないな。
161創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 17:02:07 ID:lJZBgx+3
やっぱり書き手的に二回目が難しい?
把握済みと無把握のキャラが同じ位置にいると
162創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 17:58:19 ID:+FFCKPpX
スパイラル→○
トライガン→△(ちょこちょこ立ち読みレベル)
ハヤテ→○(全巻持ってるし、BSも全部読んでる)
鋼→○(全巻持ってる)
うしお→×
未来→○(全巻持ってるし、モザイクも読んだ)
ひだまり→×
魔王→○(漫喫だけど全巻読んだ)
ベルセルク→△(黄金時代までしか読んでない)
封神→○
銀魂→○
金剛→×
ワンピ→○
うえき→○
ブラックジャック→○
ゴルゴ→△

スパイラルってアライヴも読んどくべき?
163創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:11:07 ID:lLJsqLu2
>>162
ブレチル勢を深く書きたいなら読んどくに越したことはないけど、なくても書けることはかけるかな。
歩やひよのは特に影響ないし
164創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:19:01 ID:1X2cMlWI
い、今ありのままに起こったことをry
「金剛番長を立ち読みするつもりが四巻まで大人買いしていた」
何を言っているのかry
165創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:20:08 ID:2ygyZoAD
キャラの現在位置表が完成しているだけでだいぶ違うんだけどな
位置関係が画像で見えるかどうかだけで二週目のプロットの組みやすさは段違い
166創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:30:17 ID:VTCrMXkG
>>164
魔王を7巻まで大人買いした自分の勝ちだ
167創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:31:29 ID:1X2cMlWI
ワンピースを大人買いした猛者はさすがにいない……よな?
168創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:32:43 ID:gpSQ8MXd
>>166
スパイラルを全巻大人買いした俺がいますよ
169創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 18:36:11 ID:lLJsqLu2
しかし、みんな意外とスパイラル把握してるもんなんだなぁ。
同誌のハガレンに比べるとやっぱり地味だったから、てっきり自分以外ほとんどみんな知らないんじゃないかとビクビクしてたんだが、ほっとしたよ
170創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 19:16:40 ID:0q10f44y
うしおととらならまだわかる。
ゴルゴ13は漫喫で読め、大人買いは死ぬ。
171創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 19:19:02 ID:1X2cMlWI
つか剛力番長を勝手に大人っぽいお姉様系に変換してたんだが、普通に萌え系なロリっ娘?で驚いた。萌えた。
172創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 19:39:42 ID:EihBuWP7
完全に未把握の状態だと、一番把握きついのは、ワンピースかな
ストーリー物で50巻越えは厳しいかも
ゴルゴも巻数は多いけど、別に全部読む必要もないし
173創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 19:41:14 ID:3oB4kRKv
スパイラルは小説とアライブだけ読んでる俺がいる
鋼鉄番長ツンデレおもしろいです
174創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 19:41:47 ID:CJcHvIpU
ゴルゴ13を全巻読んでいる俺に隙はなかった
175創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 20:09:04 ID:gD2V5Tbi
>>164
同志よ。

>>168
同志よ。

どんだけ金を使ってんだ、俺はorz
176創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 20:25:22 ID:PEhcWipq
スパイラルはアニメ放送時に単行本まとめ買いしてそれから新刊発売日に購入してたな
歩とひよのはいいコンビだっただけに最後のオチは驚いた


うしおととらは……
からくりも読んでみたけど、この作者の絵柄が……
なんと言うかどうも読めない
他のサンデー漫画はいろいろ読んでるんだが、この作者の漫画はいつも読み飛ばしてるし
177創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 20:50:21 ID:11eld4mK
ゴルゴは単行本(できれば100巻以降)4〜5冊読めばおk
ブックオフ行けばコンビニ用の廉価版あるし、厚さがガンガンサイズのベストセレクションもあるだろうし。
個人的にお勧めは「すべて人民のもの」 ゴルゴはロマノフ王朝の末裔だったんだよ!
178創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 20:51:21 ID:gD2V5Tbi
な、なんだってー
179創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:06:06 ID:SBBWhRCd
ゴルゴは読めば読むほどどう動かしていいのかわからなくなって途方にくれるんだよなw
180創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:11:20 ID:1X2cMlWI
金剛番長三巻途中まで読んだが卑怯番長はどんなスタンスになるんだろう。
対主催は厳しいけどただのマーダーも惜しい感じのキャラだな。

初め名前だけ聞いてニコβの卑怯を連想して仕方なry
181創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:14:51 ID:11eld4mK
極論で言えば、不思議武器(ex:パニッシャー)なんか「見たことも無い武器に命を預けるもんじゃない……」とか言って使用しない可能性や
支給品の飲食物は誰かに毒見させてからじゃないと食べそうにないし……w>ゴルゴ
182創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:27:39 ID:yAGQ0yz1
2・3日だから、食わなくて平気だろうしね
183創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:28:50 ID:3nkqhBg0
>>180
対主催よりの危険人物じゃね?
184 ◆40jGqg6Boc :2009/04/17(金) 21:31:43 ID:iqDGNlOE
>>123
すっかり忘れてました、指摘どうもです。
ではwikiに収録された時に銃弾を8/12に、あとは予備弾丸の方も忘れていたので32発持たせる方向で修正します。
185創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:31:45 ID:g3K6wVfl
でも卑怯番長、卑怯ではあるけど外道ではないんだよな。
本人も意図的に最後の一線は越えないようにしてるっぽいし。
186創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:35:04 ID:3nkqhBg0
>>185
卑怯な行動を取る動機が動機だからね。
某ラノベの人間LOVEな情報屋とは決定的な違いがある。
187創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:42:36 ID:1X2cMlWI
奴は卑怯じゃなくて外道だwww>外道王
188創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:45:06 ID:gD2V5Tbi
>>186
彼は卑怯とか関係なく外道だからなーw

でもそういうスタンスの人間がいるとロワって盛り上がるよね。キリコとかも。
189創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 21:56:03 ID:lJZBgx+3
ただ変に信念持ってる人間がこんな手のひらの上で踊らされるゲームを受け入れるか微妙
割り切って乗ったとしても不思議ではないが
190創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 22:00:31 ID:1X2cMlWI
今日投下来るかね?
せっかく人もいるし投下された作品の話でもしようぜ!
今までの投下作品でどれが一番印象に残ってる?
191創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 22:08:29 ID:gD2V5Tbi
個人的には銀さんと冴英の話が雰囲気出てて好きだ。
ひだまりキャラって動かしづらそうだし、今後の動向に注目。

あと変態二人の対決もすごかったw
バトルでは、「彼の者もまた」が迫力あって印象に残ってるかな。
192創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:20:14 ID:+YUzKc/M
ブラックジャックとガッツの黒疵コンビは結構良いと思ったな。
言われるまでは気付かなかったが、こいつら見た目とか過去とか、相当似ているんだよな。
ガッツは言うまでもないが、実はブラック・ジャックも結構な復讐者。
自分の体をバラバラに吹き飛ばし、おまけに母親が死ぬ原因を作った連中を探し回して、復讐しようとしてるし……
193創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:27:33 ID:eSaR0/PA
「犠牲になったような、悲しい顔はやめてよ」読んでてふと疑問に思ったんだがキンブリーの参戦時期っていつごろなんだ?
軍服着てるって書いてあるんだがこいつが軍服着てるのってイシュヴァール戦の時ぐらいだと思ったんだが
194創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:31:12 ID:RQl22ZSO
主人公三人予約……なんかもの凄い不安だな。
195創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:34:59 ID:lJZBgx+3
あの面々では多少誰かが暴走しても大丈夫とは思うが
書き手の技量の方が不安なの?
面々の意味ならお人好しと危険対主催が混ざる方が不安
196創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:35:29 ID:3nkqhBg0
>>192
地雷を大量に埋めた島に復讐対象を置き去りにするエピソードには戦慄した記憶がある。
まあ、死ななかったわけだけれども脅迫まがいのやり方で自白させてたな。
197創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:36:54 ID:AoRmlLsT
ハヤテが処分される予感
198創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:40:30 ID:lJZBgx+3
先読みは嫌われるがハヤテが人間台風に喧嘩売っても処分はないと思う
もう一人も冷酷ではないが
誤解位はあるかもしれないが
199創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:43:12 ID:RQl22ZSO
いやー大公望とヴァッシュが組んでしまうのかと思うと不安で不安で。
そこにハヤテも入る事になったらもう最悪……
200創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:43:49 ID:1X2cMlWI
だってヴァッシュだぜ?
ヴァッシュがただ賞金狙って襲ってきたくらいで処分はないわなw
何かあるなら知らんが普通ならないよ。
201創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:45:45 ID:x+OxeVCA
あ、もしかして組む事自体に不安が?噂で聞く不吉な兆候か?
202創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:47:46 ID:lJZBgx+3
ああそういう意味かw
人間台風のロワでのもう1つの呼び名は厄病神だっけw
他の二人が危ないw
203創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:48:19 ID:yAGQ0yz1
ハヤテ処分確定か。登場時期おかしいからなぁ
204創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:50:03 ID:EihBuWP7
そういう牽制みたいな真似はいいから
205創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:51:25 ID:1X2cMlWI
台風的意味かなるほどwwww

>>203
決め付けるなよ……
時期は関係ないだろ
206創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:52:32 ID:x+OxeVCA
ここまで別の意味で騒がれるキャラも珍しいな>ヴァッシュ
207創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:57:38 ID:m1M4jIl9
ここでハヤテ殺すほど愚かな書き手はいないから大丈夫
208創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:00:10 ID:w+Chn5Yd
……よし!
好きな作品の話に戻そうぜ!
209創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:02:05 ID:VboNvg23
ハヤテ処分確定とか言うのもアレだけど、殺したら愚か、なんてのもイクナイ
210創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:03:55 ID:gP2lJTjt
まだ始まったばかりだからもう2〜3周目になってから好きな話で盛り上げたいような気がする
211創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:05:55 ID:6oWPPQwp
よし、自分は伊澄死亡話だな
あれハヤテのごとくってバトル漫画だっけ…と一瞬思ったほどのガチバトルっぷりは見事
未把握だったのに把握させる気を起こさせました
212創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:06:02 ID:3oB4kRKv
これはいい釣り堀ですぬ
213創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:06:04 ID:1X2cMlWI
>>209
触れないであげなよ


んー、話題は何がいいんだろう?
展開縛りにならない範囲で。
214創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:06:24 ID:eUYY/QyQ
>>184
>>126-127でマスターCのはパニッシャーじゃないかもと言われてるが、結局あれの名称はパニッシャーで合ってるの?
確証がないなら「マスターCの銃」とかにしといた方が無難な気もするが
215創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:08:48 ID:Z506AiFV
    ,ュ .,__          / ̄ ̄ヽ
    'ィ /ム         {  釣  }
    〈,_ヾ .人        .{  れ  .}
     i~゙ヽ、ヾ=ミッ_彡"弋  .{  ま  .}
    .i 西 /',ヾ≠--ヤ ̄  .{  す  .}
     i   i ム   ヽi    .{  か  }
     i  tヾ/        { ?  .}
     i  ,〉ヽュ       .ヽ__/
    /.y__i゙ヽi ト,_
    i  }_ 〉 i ヾiト、_
   ノ  i ̄ i  ヾ ~キ-ュ          _iヽ-ノi
 / ,.'/   .i    \ i ト、        ≠iV,_ヾ,  〃'- .,_
..}  .〈 i!  ./     ヽ+ i ヽ,     ,.__ 。ヾ_~ノ___〃    ~ '-
.ヤ .i /  /        i yっ'     'y  ヾ、__/ 〃
 i ヽ,i   y        i/≠_    i   (_ノ,_ { ミ}⌒}
 i y-/   マ            ゙    ゙=ニ二ヾ { ミチ_ --i
 ゝ' 冫  'y___                 }ヾ  ~   / ヽ
   i!≠~   ̄~゙ヽ,       ,ィ'~゙ ' --,__,.{__i  ,ノィ   i_
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ゙̄"  ゙ " ヽi  __ミミッ,
                               ~( '"yヽチ
                                 '-' iiiiii_
216創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:18:36 ID:7tyELJgm
こんな時に聞くのもなんなんだけど、
分割投下ってどのくらいの容量になったらしたほうが良いものなの?
217創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:22:59 ID:gP2lJTjt
それは他の作品を参考にした方が早いかも
そして出来るだけレス数が少なくなるように分割して投下かな
218創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:26:16 ID:QtbPP9sh
じゃあ、原作の作中でバトロワもどきやったのって
どれくらいあるんだろう。人は死ななくてもよい
219創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:27:42 ID:w+Chn5Yd
金剛とうえきと未来日記
220創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:31:45 ID:gP2lJTjt
>>219の人の言う通りだがロワもどきでなくても戦いが主流な作品入れると大半がそう
修羅場を潜ったキャラの方が多い
221創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:34:04 ID:w+Chn5Yd
>>219
追記
金剛→死ぬのもあるが殺さなくても大丈夫

うえき→気絶でおk
未来日記→携帯壊されたら即死

やっぱ未来日記が段違いにやばい世界だよなあ、倫理的にwww
222創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:34:47 ID:smM0Fnro
>>220
ワンピースも結構シビアだし、スパイラルのブレチル勢なんて過酷どころじゃないしな。
ところでさらに新たな予約が入ったんだが、サンジ大丈夫だろうか(煩悩的な意味で)。
223創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:37:18 ID:w+Chn5Yd
サンジwwww
224創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:37:40 ID:7tyELJgm
>>217
ありがとう。結構長くなっちゃって…
他のロワも見て考えてみるよ。
225創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:38:59 ID:9cWKVc5A
でもワンピって回想以外でほっとんど人が死なない世界だから、あんまり過酷に思えない俺がいるw
いや実際修羅場はめっちゃくぐりぬけてるけどさぁ
226創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:42:27 ID:smM0Fnro
>>225
そういやそうだなwww
となるとガチでポンポンと人が死ぬハガレンの方を例示すべきだったかな。
まあ、平和な作品の方が少ない気がするけど。ハヤテとひだまりぐらいじゃね?
227創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:45:45 ID:7tyELJgm
作中で死んだ人の数なら、ベルセルクも負けてない。
というかトップクラス。
228創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:47:02 ID:gP2lJTjt
ワンピはギャグ成分とほのぼの成分も混ざってるからな
でもロワだとそういう成分もなくなるから死ぬ時は死ぬ
ハヤテもギャグ成分あるが1部のキャラはシリアスだしギャグ漫画のキャラの強さはチートだから
ひだまりとは大きく違うのかもしれない
229創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:57:38 ID:/EfUZqJk
サンジは死んでも女蹴らんって言ってるからメンドイよな
単独で女マーダーに出会ったら死ぬしかないw
230創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:03:04 ID:gP2lJTjt
野郎には容赦ないけどなw<サンジ
そういえば平和主義者や非殺主義者とかけっこう多い?
231創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:05:48 ID:jD5D2K/X
さらにスズメバチの食べたスベスベの実(物理攻撃無効)は打撃主体のサンジにとって相性が最悪というw
まあ制限あるから完全に攻撃無効とはいかないと思うけど、とりあえずナギに期待ww
232創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:15:26 ID:6oWPPQwp
しかしスズメバチも足技中心の戦い方だろ…?
もしもサンジがスカートの中見てしまったら大変だな、満足で死ぬかも知れん
233創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:20:37 ID:gP2lJTjt
先読みになるから詳しくは言わないが位置的に近いあのキャラとこのキャラが出会うのか気になる
位置関係見てたらわかる人いると思う
234創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:20:43 ID:7tyELJgm
>>満足で死ぬ
吹いたw確かになw
ここで穿いてるか穿いてないかが重要になってくる訳だw
235 ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:32:44 ID:Q2/zMozx
投下しますね
236創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:33:34 ID:6oWPPQwp
ktkr支援
237真夜中のティータイム ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:34:02 ID:Q2/zMozx
ミズシロ火澄が殺された。それも、あんなにあっけなく。
それは火澄の実態を知る者全員にとって驚愕の事態だったであろう。無論、カノン・ヒルベルトもその例外ではなかった。
普段の様な余裕は消え失せ、心の中はひどく狼狽している。
(どういうこと何だ!?火澄は歩君にしか殺せないはずじゃ……)
そう、悪魔の弟、ミズシロ火澄は対の存在である鳴海歩にしか殺せないはずであった。
例えどのような状況であろうと運命がそれを許さないのだ。
だが、あのムルムルという少女はいとも簡単にその運命を覆した。
それがどれだけのショックをカノンに与えたかは計り知れない。

「まさか、これも清隆のシナリオ?」
カノンは思わず呟いていた。
火澄が殺された時、自分の他に火澄の名を呼んだ者がいた。
自分の聞き間違いではない限りあの声は鳴海歩のはずである。
歩が火澄のことを知っていたのは驚きだが、今はそれどころではない。
歩がいるということは清隆が絡んでいる可能性が大きいのだ。
だが、清隆にこれほどの力があったとは聞いたことがない。
最初の雷はまだ何とかなるかもしれないが、ワープはやり過ぎであろう。
「となると、やはり清隆とは関係ない第三者が仕組んだと見るべきか?
 けど、結論は歩君に会ってから出すのが懸命だね。清隆のシナリオだったら彼に何かしらの鍵があるはずだから」

そこまで考えるとカノンはバックからペットボトルを取り出し、水を口に流し込む。
「……少し風にでも当たろうかな」
やはり、火澄の死は彼に相当のショックを与えたようだ。
カノンはエレベーターに乗り込み、ボタンを押す。指の先にあったのは屋上のボタンであった。
エレベーターが止まり、ドアが開く。
そして、カノンの目に飛び込んだのは優雅に紅茶を啜る貴公子の姿だった。

「おや、お客様のようだね。君も一杯どうだい?」
238創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:34:47 ID:6oWPPQwp
 
239真夜中のティータイム ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:34:57 ID:Q2/zMozx


男は趙公明といい、本人曰く仙人だそうだ。
その趙公明に誘われるがままカノンは彼と一緒にささやかなティータイムを送っていた。
そして、二人のカップの中が空になると趙公明の口が開く。
「さて、ティータイムが済んだところで本題に入ろうか」

一瞬の出来事であった。
趙公明が腰から白い棒を取り出すと、カノン目がけてそれを振り下ろす。
カノンも趙公明の殺気を感じ取るや否や、バックステップすることでその攻撃を回避。
それと同時に袖の内に隠しておいた麻酔銃の引き金を引く。
必ず当たる距離であった。
だが、趙公明が振り下ろした棒を振り上げると共に彼の前方に激しい風の壁が現れる。
そのため麻酔弾は趙公明には当たらず明後日の方向へと飛んで行った。

「趙公明さん、これはどういうことですか?」
カノンは普段の様な涼しい笑顔で趙公明に尋ねる。
「簡単なことだよ。君を試したのさ。
 僕と戦うだけの実力が君に有るのかをね」
「結果は?」
趙公明は舞台役者の様な大げさなポーズをとりながら答える。
「合格だよ、カノンくん。君となら楽しい闘いができそうだ。
 さあ、トレビアーンな闘いを始めようじゃないか!」
「せっかくの申し出だけどパスって訳にはいかないかな?
 僕にはやらなくちゃいけないことがあるんだ」
「ノンノン、悪いけどその提案は却下だ。
 今の僕は君と闘いたくてウズウズしてるんでね!」
趙公明が再び白い棒――宝貝『打神鞭』を振るう。
すると、趙公明の周囲にフリスビー大の丸ノコのような風の塊が出現した。
その数は全部で三。
その三つが一斉にカノン目がけて襲いかかる。
だが、一つは右にステップすることで回避、一つは跳躍することで回避、そして最後の一つはデイパックから取り出した盾を使うことでガードに成功する。
「やるじゃないか!やはり闘いはこうじゃなくちゃ!」
攻撃が不発に終わったにも関わらず趙公明はとても楽しそうであった。
それはカノンが予想以上の実力を持っていたからだろう。
240創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:36:02 ID:6oWPPQwp
 
241真夜中のティータイム ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:36:16 ID:Q2/zMozx

当のカノンとはいうと、趙公明とは真逆に冷静に事態の打開に勤めていた。
(どうやら、あの白い棒で風を操ってるみたいだね。
 どうもまいったな。こっちの武器は理緒手製の麻酔銃と変な盾だけ。
 それに比べて向こうの武器は攻防に使える上、遠距離の攻撃も可能。
 その上、趙公明はふざけた態度でいるが実力は一流。
ちょっと勝ち目が薄いなぁ。となると逃げるしかないか)
カノンは辺りを見回す。
屋上からの唯一の脱出口であるエレベーターは趙公明の背後にある。
つまり、エレベーターを使うには趙公明の脇を走り抜けなければならないのだが、
(無理だな。趙公明に近づけば近づくだけ風の刃に当たる確率が高くなるし、あの風がどれだけの汎用性があるのかも未知数だ。
 よしんば趙公明を抜けられたとしてもエレベーターの扉が閉まり切る前に再び攻撃されるだろうし。
 ……やっぱり、あれしかないか)

「どうしたんだい、カノンくん。反撃のひとつでもしてごらんよ」
趙公明は相変わらず楽しそうに笑っている。
「それじゃ、お言葉に甘えて反撃の一つでもしてみようかな」
カノンは再び麻酔銃の引き金を引く。
「またそれかい。それ!」
先ほどと同じように趙公明の前方に風の壁が現れ、弾もまた同じ様に虚空へと消えていった。
一瞬の後、風の壁が消える。
242創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:37:10 ID:6oWPPQwp
 
243真夜中のティータイム ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:37:50 ID:Q2/zMozx

だが、その壁が消えた先にカノンの姿はなかった。
「!?」
これには趙公明も驚きを隠せなかった。
屋上と下の階を繋ぐ唯一の手段であるエレベーターが動いた気色はない。
それにこの屋上には吹きさらしになっており、隠れる所などないのだ。
「……まさか!」
慌てて趙公明は屋上の端まで移動し、下界を眺める。
そして捉えた。何事もなかったかの様に地面に着地したカノンの姿を。
あの時、カノンは趙公明を倒すために銃を撃ったのではない。風の壁を発生させるために銃を撃ったのだ。
風の壁を出現させ一瞬でもいいから趙公明の視界から姿を消し、その隙に屋上から飛び降りる。
それがカノンの作戦であった。
幸い、デパートがそんなに高い建物ではなかったため、飛び降りたところで体に支障をきたす可能性が低かったのも作戦を実行するのに後押しをした。

不意にカノンがこちらを見上げ、趙公明と目が合う。
彼は趙公明に向って微笑むと、その姿を闇に消した。
「ハハ、やるじゃないかカノンくん!
 まさか、仙人骨も持たないただの人間がここから飛び降りるなんて思ってもみなかったよ。
 それにしても、一人目からこんな楽しい闘いができるなんて申公豹に感謝しなくては。
 待っていたまえ、太公望くん。今度は僕が勝たせてもらうよ!」

【I-7/デパート屋上/深夜】
【趙公明@封神演技】
[状態]:健康
[装備]:打神鞭@封神演技
[道具]:支給品一式、ティーセット
[思考]
基本:闘いを楽しむ
 1:闘う相手を捜す
 2:太公望と闘いたい
 3:カノンと再戦する

244創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:38:27 ID:6oWPPQwp
 
245真夜中のティータイム ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:38:48 ID:Q2/zMozx

「ふぅー、何とかうまくいったようだね」
趙公明から逃げることに成功したカノンはデパートの程近くにある民家にいた。
「まさか、初っ端から襲われるなんて思いもしなかったよ。
 けど、おかげで頭が冷えた」

火澄が死んだということは運命が覆ることを示してるのかもしれない。
ということはブレード・チルドレンも呪いから救われる可能性も出てくるのだ。
だが、カノンの顔に笑顔は無かった。
「……遅いんだよ……!
 僕はもうアイズを刺しているんだぞ!?大事な弟でもある親友をこの手で……!
 ブレード・チルドレンの忌むべき運命のために!
 なのに今更運命が覆るだって?
 じゃあ、僕がアイズを刺したのなんだったていうんだよぉぉぉぉ!!!」

カノンの心の吐露が闇に響く。
それはとても深く、そして悲しい叫びであった。

【I-7/デパート付近の民家/深夜】
【カノン・ヒルベルト@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:健康、混乱
[装備]:理緒手製麻酔銃@スパイラル〜推理の絆〜、麻酔弾×18、パールの盾@ワンピース
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ブレード・チルドレンは殺すが、それ以外の人は決して殺さない
 1:僕はどうすればいい?
 2:歩を捜す
 3:ブレード・チルドレンが参加しているなら殺す
246創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:39:28 ID:6oWPPQwp
 
247 ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 01:39:39 ID:Q2/zMozx
投下終了です
何かありましたらお願いします
248創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:44:13 ID:6oWPPQwp
投下乙です
ティータイム→ガチバトルとは読めない流れだ…
両方とも深く知らないキャラだけど、いい波乱役になってくれそうだw

あとちょっと質問
一応普通の人間なカノンがデパートの上から飛び降りて大丈夫なのか…?
普通デパートってかなり大きいイメージがあるし、大きくなかったら地図に乗らんと思う
打開案としては、場所を市街地の適当なビルにするとか、デパートから別の建物に飛び移ったとか
249創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:46:45 ID:gP2lJTjt
投下乙です
茶会からあっさりバトル。そしてお開きか。この二人らしい淡々としただが熱いバトルだな。
原作でも趙公明はバトルマニアな部分があったがおそらくロワだろうが何だろうが関係ないんだよな
カノンはブレチル限定マーダーとはやっかいで面倒な立ち位置だな
GJです
250創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 01:57:19 ID:7tyELJgm
投下乙です。
潮や鳴海歩と並んで、見せしめの影響がでかいキャラだよな、カノン。
公明の相変わらずっぷりに笑ったw
彼みたいな奴にとってはある意味天国だわな
251創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 07:50:23 ID:w+Chn5Yd
投下乙。
やっぱりカノンは動揺するよなあ、無理もないけど。
お茶会から戦闘の流れが面白かったです。


>>248
本編で同じようなことやってるから……w
252 ◆LQx8BgACjE :2009/04/18(土) 08:48:10 ID:Q2/zMozx
>>248
上にもある通り原作でも5階から飛び降りて傷一つ負ってなかったので問題ないと判断しました
253 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/18(土) 09:19:40 ID:HY0t4wWe
投下乙です
趙公明www
お茶会のシーンは原作と同じようにキラキラしてたんだろうなと思うとカノンの顔が想像できないw


あと申し訳ありませんがオープニングでミス発見
申公豹は太公望の事を名前で呼んでいたのでそこを削る方向で修正します、影響ある頭脳キャラいない・・・ですよねorz

それと前スレ457の方すいません、指摘見逃してました
色は黒が無いことは認識してます
改心したとか途中で仲間になったとかそんな感じの6人目って大抵黒かなあとか思ってああしました
254創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 16:05:13 ID:jxrOvS6f

現在位置まとめ
自分が地図のいじり方分からないので誰かまとめて反映してくれると嬉しいな。


B−2 理緒、喜媚、ロイ、妙
B−4 由乃
B−5 BJ、ガッツ
B−7 ハヤテ
B−10 鈴子
C−2 或、リヴィオ、レガート、エド
C−3 紅煉
D−2 亮子
D―3 流
C−8 ひょう、パック
C―9 ミッドバレイ
C−10 ひよの
D−8 ルフィ、ウィンリイ
D−9 ゴルゴ、歩、安藤
E―4 ユッキー、咲夜、グリード
F−5 歩、黄泉
F−6 ボンクレー
G−2 潤也、沖田
G−8 ナギ、サンジ、スズメバチ
H−2 金剛番長
H−6 グリフィス、ゆの
H−9 ゾッド
I−4 ニコラス、新八、マシン番長
I−6 森、アル
I−7 剛力番長、(キンブリー、ロビン)(ともにデパート)、カノン(デパート外)、公明(デパート屋上)
I−8 銀時、冴英
J−9 雪路、とら

一部逃げてーすぐ逃げてーな人がw
すぐそばにいて激突必至なところもあるし。
前病院すごい、って話が上がってたけどまとめて分かった、デパートの方が更にすごいw
しかも見事にマーダー&危険人物しかいないというw
255創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 16:06:24 ID:RkAQPVDz
確認したらカノンが本当に五階から飛び降りて平気で笑った。
256創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 16:07:48 ID:jxrOvS6f

ミス修正

B−2 理緒、喜媚、ロイ、妙
B−4 由乃
B−5 BJ、ガッツ
B−7 ハヤテ
B−10 鈴子
C−2 或、リヴィオ、レガート、エド
C−3 紅煉
C−8 ひょう、パック
C―9 ミッドバレイ
C−10 ひよの
D−2 亮子
D―3 流
D−8 ルフィ、ウィンリイ
D−9 ゴルゴ、歩、安藤
E―4 ユッキー、咲夜、グリード
F−5 ハム、黄泉
F−6 ボンクレー
G−2 潤也、沖田
G−8 ナギ、サンジ、スズメバチ
H−2 金剛番長
H−6 グリフィス、ゆの
H−9 ゾッド
I−4 ニコラス、新八、マシン番長
I−6 森、アル
I−7 剛力番長、(キンブリー、ロビン)(ともにデパート)
I−8 銀時、冴英
J−9 雪路、とら
257創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 16:24:34 ID:c3ARDd6e
そういえばOPの場所が第三十八因果律大聖堂じゃなくて第十三因果律大聖堂だけど
OP書いた人、あれで問題ないの?
258創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 17:40:33 ID:xmnhwX69
デパートと病院の付近が危ないなw
259 ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:13:29 ID:fxZI1+zT
ミリオンズ・ナイブズ、西沢歩、平坂黄泉を投下します。
260カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:15:00 ID:fxZI1+zT
――――夢。

夢を、見ている。

過ぎ去ったいつか、遠い遠い、取り戻せない日々。

俺から道を違える前の、夢を見ていた過去――。


全てを終わらせようとして、全てが終わる時に見る、最後の夢。
たった一人の弟以外、蔑んだ存在からも、救わんとした同胞からも見放された男の見る夢。
結末のその果てにある、泡沫―うたかた―の終焉。


背中の羽はただの一枚。
飛ぶ機会は既になく、必要な存在を必要なところへと届けきった。
末期にヒトに頼った意思を誇ることも卑下することもせず、未来と過去の自分に許しも乞わない。
共に歩むべきはそれに相応しい弟に任せ、自分は音もなく消え往こう。
弟に手を汚させるのではなく、自分の意志で往こう。


********************


広大な外宇宙、星の海を往く銀の船。
眠り人に包まれたゆたう揺りかごの中で、3つの影が一つの卓を囲んでいる。
母親と呼ぶにはいささか若く、力強く、しかし確かにその役割を果たしていた女性。
そして、金の髪を持つ双子の兄弟。
たった1年という時間の、その一区切りを祝う食卓。

神の目でその光景を見ている。
俺はとうに祝賀会の当事者だった少年ではなくなっているのだ。
混ざることもなく、立ち去ることもなく。
繰り返される1年目のその時間だけを延々と見つめ続けている。

……いずれ、いずれきっと、透明な莢の中で夢を見続ける人とも手を取り合えるのだと願い信じていたあの頃。
彼らの殆どは既にない。
俺のこの手でもたらした墜落で死んだか、寿命を使い切ったか。
今もなお眠り続けるごく一部だけが、生き延びている。

思い返せば、共に歩んでいられたのはそれ程までに短い間だったのか。
その期間を百度繰り返しなお余る時の流れの上、自分は違う道を歩き続けてきたのだ。

始まりの分水嶺の名は、忘れたことなどない。
今も克明に思い出すことができる。

……テスラ。

『彼女』と対面した時こそがその瞬間だったのだ。
生まれが違っても、おなじこころを持つと信じていた存在と袂を分かったのは。

この祝賀の食卓が終われば、俺は彼女と対面することになる。
だからなのだろうか。
繰り返し繰り返し、この場面だけが再生されているのは。
261カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:16:36 ID:fxZI1+zT
――この後、弟は人を信じ続け、俺は人を憎み殺した。
奴が人に怯え、人に丸め込まれたのか。
俺が人に怯え、人を排除しようとしたのか。
それは最早問うまい。
確かなのは俺が彼らの下を自分の意志で離れていったことだけだ。
母の様な存在が俺を抱きしめた時にも、弟が不安そうに後ろを追って来た時にも。
共に料理や遊戯、勉強をしていたどの時ですら踏み止まらず、大墜落を引き起こした。
機会はいくらでもあったのにもかかわらず、だ。

搾取された同胞達の怒りと怯えを束ねた全てが俺の選択であり、その悉くを俺は顕示しよう。
たとえ俺が弟に下された事実があっても、否定などしてたまるものか。
俺はお前と道を分かった後、あまりに遠くまで来てしまったのだから。

そして俺達は、終わりの終わりを終わらせた。

……ヴァッシュ。
それでもお前は、俺を殺さなかった。
数え切れないモノを俺に背負わされて、その体に傷ばかりを刻んできたというのに。
背中の羽を広げ、お前は俺を助けた。
羽は満足に羽ばたくこともなく、対の片方が崩れてしまう程に限界を迎えていたというのに。

……ああ。
そして俺も、お前を助けた。
足りない片方の羽を補い、二人で空を飛んだ。

思い返す事は、もう少ない。
俺は人間にヴァッシュを託し、ヴァッシュに人間を託した。
同胞が、弟が人と共に歩む道を選んだのならば、その正逆を掲げた俺の道は言葉にするまでもない。

今更、人と共にいる事などできないのだから。


――――夢が、終わる。


俺達が二人で、人と暮らしていた時間が遠ざかっていく。
俺と、ヴァッシュと、レムとで語らいあった食卓が霞み、揺りかごは星の海に溶けていく。

それを見届ける俺の視点だけがゆっくりとあの砂の星へと墜ちてゆき、移民船は墜落する事無く新天地に向かって加速する。
果たして、その場所では俺達はどんな暮らしをしていたのだろう。
あるいは本当に、人間が俺達を受け入れてくれたのかもしれない。
だがそれを夢想することに価値はない。俺自身が否定し、壊したIFに意味はない。

俺は、最後まで俺の道を全うしよう。

全てが熱砂の向こうに消え、浮上する意識の中で、最後に一つの光景を見る。
林檎の木が荒野の一軒家、その傍らで実りをもたらしていた。


……ああ。
俺が、あの人間の子供に林檎の木を残したのは――――


262カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:18:05 ID:fxZI1+zT
********************


声が、聞こえた。
真砂を散らす風に包まれ白く塗り潰されていく視界の中で。
他に何一つ音のしない、静寂に満ちた蜃気楼の中で。
夢と現の境界へと、誰かが呼びかけている声――。


「……夫!? 死……ゃって……よね? まだ、生……るよね?」

畏敬や怖れのない、心配をするような声色。
忠義を誓う存在は漏らす事のない、久々に聞く音。

「……きて。起きなよ。こんな……で眠っちゃ……だってば」

俺を起こそうとする更なる遠くから、奇妙な台詞が飛んでくる。
会話なのだろうか、近くの声はその方に向かい何かを告げた。

「そ、そう……れないけど……。やっぱり放っておけ……し」

誰かの名前を口ずさみ、呼びかける声が一時止まる。

「困ったな、どうしよ……こんな時……がいてくれ……なぁ」


――何故か。
まったく似ていないのにもかかわらず、その声が誰かと重なった。
静かにその名を呟くと同時、意識が在るべき世界へと引き戻されていく。
覚醒する。


********************


「……レ、ム?」

「う、うわわわわわわわわわわわ、わわっ!」

――騒がしい。
耳障りな悲鳴を上げるな。

目頭を押さえ、静かに上半身を起き上がらせる。
エンジェル・アームをいつでも起動可能な様に待機させて辺りを窺う。
殺気や敵意は、少なくとも感じない。

目の前には女がいた。レムのそれと聞き違えたのは、この女の声か。
……だが、それはどうでもいい。
瑣末な存在に構うより先に気にしなければならない事がある。

何処だ、ここは?
見飽きた砂漠にあるはずのない、新緑に満ち満ちた森という空間。
これは何だと再度問うより早く生温い夢に浸かる前に見た光景が蘇る。
首に手を伸ばしてみれば、そこにはご丁寧に冷たい首輪がしっかりと嵌め込まれていた。
263創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 18:18:36 ID:Kl+xrWT2
やくざ牧師が死ぬかと思ったが、良い場面で話を切ったな
>>96
>ミカエルの眼で薬物による肉体投与を与えられた。
肉体投与が何を意味するか解らない(→受肉?)
取り敢えず、『肉体投与を与えられた』だと、『腹痛が痛い』等の二重表現なので、物書きとしてその癖を修正した方がよい
文意を読むと、薬物投与による肉体云々(改造やら強化)?

>>97
>やはり最後最後、自分の命が本当に危なくなるまで意思を通そうとするのか。
最後最後が、よくある造語なのか解らなかったから『最後最後』と『最後々々』で検索したが出てこなかった。
最後の最後?

>>98
>自分の直ぐ傍で人が死んだという事実が、ヒロにとって大きな衝撃を与えていた。
新八の回想なのに何でヒロw
264カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:19:35 ID:fxZI1+zT
神だと? 
巫山戯るなよ、道化ども。
この俺を貴様らの遊戯盤の駒にでもしたつもりか。

……確かに俺はかつてに比して見る影もない。
黒髪化は進行し、あと何度“力”を行使できるかも定かではない。
同胞を纏め上げ、人間の希望の悉くを打ち砕いてきた融合体の頃からはかけ離れた、敗北者の末路だ。
成程、確かにお前たちに捕らえられるなどという失態を犯すほどに落ちぶれたのは事実だろう。

だが。
それで、それだけで俺を飼い慣らしたつもりか。
俺がただ一人敗北を認めるのは血を分けた弟だけだ。
救いがたい思い上がりを抱く貴様らに、俺を舐めた事への後悔と絶望を刻み込んでやる。
たとえ朽ちるのを待つ体でも、俺の在り方は俺が決める。
神などという道化の慰み者として唯々諾々と従いなどはせん。

――そして。
何より、俺の身体が共鳴している。
この場所の何処かから、嘆きに満ちた同胞達の声がする。
この低俗な遊びを開く為に同胞の命を搾取したのならば、地獄すら生温い所へ送ってやる。

ぎり、と手を握り締める。
待っていろ。
如何なる手を使ってでも辿り着き、貴様らを嬲り殺してやろう。

その為には――、

それを考えようとした時に、唐突に思考に割り込んでくる声。

「よ、良かったあ……。目覚めたみたいだね。
 私が言えた義理じゃないけど、こんな状況でずっと寝てたら危ないって、うんうん」

「……人間か」

……年若い人間の女。特に特徴らしい特徴もない。
殺そうと思えば、いつでも殺せるだろう。
それくらい相手は脆弱な存在であり、取るに足りなかった。

「へ? あぁ、うん。見ての通りわたしは普通の人間だけど……、な、何かマズかった!?
 ナギちゃんみたいなお金持ちとか、ヒナさんみたいな完璧超人とかじゃないといけなかったのかな!?」

「…………」

何を訳の分からないことを言っている。
こんな女も例の殺し合いとやらに放り込むとは、あの道化どもは何を考えているのだ。
この程度の存在と殺し合えというのか、この俺が。
――いい扱いだな、腸が煮えくり返る程度に。

「えっと……。あなたも多分巻き込まれたクチなんだろうけど、お互い気をつけようよ。
 とりあえず生き延びるために協力できる事は協力しないかな」

「…………」
265創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 18:20:19 ID:Kl+xrWT2
あっ投下か
すまん
266創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 18:20:20 ID:bq1/GCwh
 
267カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:21:32 ID:fxZI1+zT
ああ、成程。
そう言えば、俺を起こしたのはこいつの声だったか。
……五月蝿いから始末しようかと思ったが、正直な話そんな事で力を使うのは無駄使いが過ぎる。
今の俺にはその程度の力すら限りがあるのだから。
眠る間に命を絶たれる事を防いだ礼などではないが、見逃してやろう。

――元より、俺は一度人間に請い願う事さえしているのだ。
弟を助ける為だったとはいえ、俺があれ程忌み嫌った人間を頼った事実はもう覆すことなどできない。
だから、だろうか。
最早、かつての様な殺意を全ての人間に抱くことがなくなっている。

「その、み、見ての通り私はごくフツーの人間で、誰一人傷つけることなんて出来ない一般人だから。
 あなたにそんな事するつもりだってモチロンないから、お互い助け合わないかなー、なんて……」

「…………」

だろうな。
眠る俺を殺すことすら出来なかったのだ。
わざわざ俺が手を下すまでもなく、殺し合いなどすれば野たれ死ぬに違いない。

「で、できればでいいんだけどね! できればで!
 えぇと、えぇと……、その……、き、気に障ったらごめんなさいっ!」

「…………」

協力、か。
馬鹿馬鹿しい話だ。
弟は兎も角、今更俺自身が人に媚びる事などありえん。
そもそもが俺には何の利もありはしない。

何一つ言葉に出す事無く、目線だけで女を射抜く。
――早く立ち去れ。
いずれにせよ、お互いに構っている意味はない。

その意を受けて、女が困惑の表情で諦める。
女は何故か申し訳なさそうに、別れの言葉を切り出す。

「あぅ……、じゃ、じゃあ私、行くから! そ、その、お互い無事で生き延びられたらいいですね!
 ……い、生き延びられ……た、ら……」

「…………」

切り出すも――、言い終わる事無く、肩を震わせた。
自分で自分を抱きしめ、幾人かの名前を呟く。
……自分で言っていた通り、あまりにも弱過ぎる。

「ひ、ぁ……。ゃだよぉ、お父さん、お母さん……。
 一樹……、は、ハヤテ、くん……」

「…………」
268カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:23:07 ID:fxZI1+zT
家族の名を口にして今にも泣きそうな姿に、また誰かの姿を見た。
それでも女は、決して泣く事はない。
……それが何だというのだ?
わざわざ殺すまでもない相手が怯えて縮こまっているだけの話だ。
これ以上関わっても時間の無駄でしかない。
立ち上がり、背を向けようとあらぬ方角に顔を向けた瞬間。

「モウイイダロウ、ソコマデニシテモラオウカ」

――人間は、本当に俺を疲れさせる。

「う、ぅ……ふぁ? ひ、平坂……さん?」
「違ウ! 私ハ12thブラック!」
「は、ははは、はいっ?」

「…………」

馬鹿げた格好でお遊戯をしたいのなら勝手にしていろ。
あまり俺を苛立たせるな、折角拾った命を捨てることになるぞ?

「罪モナキ女性ヲ泣カセ、家族ヲ人質ニ取ル不届キ千万!
 貴様ノ悪事ハ我々正義ノ味方ガ裁イテクレル!」

「…………」

女は巫山戯た連れに呆けた顔を向けたまま、動く様子はない。
役立たずめ、世話くらい見ておけ。

「ソウダ、私ノコノ千倍ノ聴覚ニ聞コエルゾ。
 貴様ノ殺メテキタ計リ知レナイ犠牲者ノ怨念ガ!
 私ノ正義ノ勘ガ、貴様ガ悪ダト叫ンデイルノダ!」

「…………」

……悪、な。
確かに俺は貴様ら人間どもを何十何百でない単位で殺してきたな。
それは確かだ。否定などせず、むしろ俺はそれを誇ろう。
だが。
貴様が喉奥で喚く耳障りなノイズを聞く度に苛立ちが込み上げてくるのは、どうしようもあるまい?


「私ノ『正義日記』ノ告ゲル未来ニ間違イハナイ!
 今カラ貴様ヲ倒ス我々コソガ勝者デアリ、正義ナラバ。
 我々ニ倒サレル敗北者ノ貴様は間違イナク、悪ッ!
 引導ヲ渡シテクレルッ!」

「……くく」

笑い声がどうしても漏れる。
負けた者が悪、か。
ならばあいつに負けた俺はまごうことなき悪だな。
ヴァッシュ。……お前が、正義だ。
269カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:24:38 ID:fxZI1+zT
地には平和を、そして慈しみを。

なんとまあ、素敵な正義じゃないか。

……くくくく、ははははは。

――ああ、それでいい。
世の中の誰が俺を悪と断じようと構うものか。
所詮は人と歩むことを選んだ同胞から見放された身だ。
だがな。
俺は、貴様如きの手で死んでやる程惨めな存在になったつもりはない。
勝った者が正義であるというならば、少なくともこの場での正義は俺だ。

消えろ。

肉一片と言わず微塵すら残す事無く、刻み尽くしてやる。
現世の何もかもを斬り飛ばす天使の刃を見せてやろう。

腕に静かに、かつ高速に力を込める。


「や、止めてぇ――――!」


「…………」

……しゃしゃり出てきたか、女。
一歩も動けず、立つ事も覚束ないのに声だけは騒々しいな。

「ムッ、ドウシタ。何故止メル、レッド!」
「な、何故止める、じゃないよ!
 わ、分かってるの? 人を殺すってことなんだよ!?
 いきなり何もしてない人にそんな事するのはそれこそ悪じゃないかな!」
「レッド、コノ男ハ先程カラ私ノ言葉ヲ否定シテイナイゾ?
 返事モセズ、言ワレルガママトイウ事ハ認メルノト同ジ事ダ。
 ナラバ! 私ハ正義トシテコノ男ヲ野放シニハデキン!」
「た、確かにその人はさっきからずっとだんまりだけど、そんな事で決め付けるなんてどうかしてるよ。
 負けたから悪ってのもなんか納得いかないし……。
 そんな事言ったら私だって周りの人に比べて勝ってる所なんか全然ないから、やっぱり悪って事になっちゃうって。
 それに……」

「…………」

……何かほざきあっているが、どうでもいい。
興が削がれた。
確かなのはこの女の行動の結果、力を無駄使いする必要がなくなったという事だろう。
それだけの話だ。
俺が貴様ら人間を滅ぼそうとしていた以上、悪と断じられることに異議はないというのに何を必死になっている。

「たとえ本当に道を踏み外して悪いことをしちゃったとしても、それを償う事ってできるんじゃないかな……?」

「…………」
270カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:26:07 ID:fxZI1+zT
――――償う、か。
別に何一つ償うことなどない。
俺は、俺の選択を翻すつもりなどないのだから。
今更貴様らと共に歩む為に媚びる事など、俺自身が許さん。
在り得ない事とはいえ、他の誰に許されても俺が許さないのだ。
その役目は弟が果たせばいい。

「……殺シテ償ウ機会ヲ奪ッテハナラナイト、ソウイウコトカ?」
「う、うん? そうなのかな……。私、あんまり頭良くないし……。
 と、とにかく! 殺すなんてダメ! 絶対ダメ!」

「甘スギルゾレッドッ!」

びく、と女の肩が震えた。
どうしてか、体が少しだけ前のめりになる。

「……ト、言イタイトコロダガ、私ハオ前ニ負ケタ身……。ナラバ正義ハオ前ニアル。仕方ナイ」

道化は肩を竦め、不快な挙動で俺を指差す。
……やはり、今ここで殺しておくべきか。

「今ハ見逃シテヤル! ダガ、次ニ貴様ガ悪事ヲ働イタソノ時コソ容赦ナク鉄槌ヲ下シテクレル!
 レッドノ優シサニ感謝シテ、サッサト立チ去リタマエ!」

「…………」

……いや、この程度の相手にこの限界の近い体を行使する必要はないと今しがた確認したばかりだろう。
無言で立ち上がり、何処へともなく歩き出す。
別れも言わず、背を向けて。
仮に背中から撃たれたのならば、今度こそその躯を断ち割るまでだ。

「あ……あの! ま、待ってくれないかな!」

「…………」

俺の意に反して、なお女の声が俺を引き止める。
顔も向ける事無く、……しかしどうしてか、俺の足は歩みを止めた。

「えぇっと、その、私行くってさっき言ったけど、やっぱりついていっていいかな?
 あなたを一人にするのも心配だし、私も人数が多い方が心強いし!
 ……そ、それに、この人と二人っきりってのもなんかすっごく不安だし」
「ナニッ!? レッド、私ハ正義ヲ心掛ケテイルノダ、不埒ナコトナド決シテシナイ!」

――ああ。成程、この道化は確かに鬱陶しい。
貴様の様な非力な女や、弟の様な馬鹿でもなければとうに殺している事だろう。

「で、できればでいいんだけど……。
 ハヤテくん、って男の子と会えるまででもいいから、助けてくれないかな?」

「…………」

助力を請うと言うのか?
人間が、この俺に?

……誰に対して下らない口を聞いている。
271カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 18:28:12 ID:fxZI1+zT
「思イ留マレレッド! コンナ得体ノ知レナイ男ト行動スルナド、正気ノ沙汰デハナイゾ!」
「か、鏡見てその台詞は言った方がいいんじゃないかな……?」
「私ニ『見ル』事ハデキナイ。ダガ、コノスタイルガ正義ノ味方トシテ相応シイモノデアルコトニ疑イハナイ!
 変身〜♪ ベルト! 変身〜♪ タイツ! 変身〜♪ グローブ! 変身〜♪ マスク!
 ドウダイレッド、カッコ良イダロウ……」

「あ、あははははははは……」

力ない笑いが鼓膜に届く。顔も見るつもりはないが、きっと青ざめている事だろう。
それも、俺の気にすることなどではない。

「えっと、勝手な思い込みなんだけどね、多分大丈夫なんじゃないかなって。
 ……起きた時、この人は別に襲い掛かったりしなかったでしょ?
 だから、殺し合いをするつもりはないんじゃないかなって思ったんだ」

「…………」

浅慮にも程のある考えだ。やはり人間は愚昧な衆合だとしか言えん。
少し取り入られればいくらでも信用し、裏切られる事は間違いないというのに。

「え、えっと……」

「…………」

続く沈黙に、それでも言葉を紡ごうとする。
……会話の意思もないということすら分からないのか?

「その……、」

ふん。
やはり度し難い阿呆だな。
貴様らも俺も。

……喜べ、ヴァッシュ。
どうやら俺にも、少しばかりお前の馬鹿が感染った様だ。

「……好きにしろ」

力を貸す心積もりなど毛頭ない。
俺の戦いに巻き込まれ、誰に護られる事も看取られる事もなく勝手に死んでいけ。
降りかかる厄災に自ら足を進めたのは貴様なのだから。

「……あ、は、はいっ!」

声に反応する事なく、自分の道を自分の速度で歩き始める。
ぱたぱたと、背中について来る音がする。
足音は二人分。

「――仕方ナイ。貴様ヲ監視スルノダト考エレバ、納得デキナクハナイカ。
 コノ12thノ耳カラハ逃レラレルトハ思ワナイコトダ」

……結局、邪魔ならば貴様ら諸共に首を跳ね飛ばすまでだ。
272カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 19:00:14 ID:fxZI1+zT
「わ、私は西沢歩っていうんだけど、あなたの名前は?」

口を開きかけ、そのまま閉じた。
後ろを振り向かず、そのままにただ、進み続ける。
名前など教える必要はない。

俺は、今もまだ俺の答えを捨てたくはないのだから。


――――ふと、いつかを思い出した。
青い青い夏の空。
汚物の壺を斬り開いた陽光の下の邂逅、出会い。
あの時も人間が、俺の背後に続いて歩いていた。

無為なことだ。やはり俺はどうかしている。
……いや。お前に狂わせられたようだ、ヴァッシュ。
人間の、それも死んだ男の事など思い返すとは。

なあ、どう思うんだろうな?
……お前の殺したあの男が、今の俺を見たのならば。

――既に亡き男の行動という、答えの出るはずのない問い。



【F-04研究所付近/森/1日目 深夜】

【チーム:12−3(トゥエルブスリー)】

【ミリオンズ・ナイブズ@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康、黒髪化進行
[服装]:普段着にマント
[装備]:支給品一式、不明支給品×2
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:神を名乗る道化どもを嬲り殺す。その為に邪魔な者は排除。そうでない者は――?
0:――償う事など、何もない。
1:搾取されている同胞を解放する。
2:エンジェル・アームの使用を可能な限り抑えつつ、厄介な相手は殺す。
3:歩達がついてくるのを止めるつもりもないが、守るつもりもない。
4:レガートに対して――?
[備考]:
※原作の最終登場シーン直後の参戦です。
※会場内の何処かにいる、あるいは支給品扱いのプラントの存在を感じ取っています。
※黒髪化が進行している為、エンジェル・アームの使用はラスト・ラン(最後の大生産)を除き約5回が限界です。
 出力次第で回数は更に減少しますが、身体を再生させるアイテムや能力の効果、またはプラントとの融合で回数を増加させられる可能性があります。


273カタハネ -クロハネ- ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 19:01:35 ID:fxZI1+zT
【西沢歩@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[服装]:制服
[装備]:五光石@封神演義
[道具]:支給品一式、大量の森あいの眼鏡@うえきの法則
[思考]
基本:死にたくない。ハヤテや知り合いに会いたい。
0:な、名前くらいは教えて欲しいんだけどな……。
1:……もう、レッドでいいや。
2:殺し合いって何?
3:ハヤテくんに会いたい。
4:とりあえず、平坂と二人きりは嫌。
[備考]:
※参戦時期は明確には決めていませんがハヤテに告白はしています。


【平坂黄泉@未来日記】
[状態]:健康
[服装]:烏避け用の風船の様なマスクと黒の全身タイツ、腰にはおもちゃの変身ベルト
[装備]:エレザールの鎌(量産品)@うしおととら
[道具]:支給品一式、正義日記@未来日記
[思考]
1:コノ怪シイ悪人ヲ監視スル!
2:悪ハ許サナイ!
3:弱キ物ヲ守ル!
4:シカシ、ドウシテ私ハ生キテイルノダロウ?
5:コレデメンバーガ三人揃ッタ!
[備考]:
※御目方教屋敷にて死亡直後からの参戦。

【正義日記@未来日記】
未来日記所有者12th、平坂黄泉の持つボイスレコーダー型の未来日記。
全盲の彼は己の善行を事細かに声という形で残していたため、ボイスレコーダーが未来日記となった。
道のゴミ捨てや老人の荷物持ちからカルト宗教討伐まで『正義』の内容は幅広いが、報告されるのはあくまで彼自身の解釈上での『正義』である事に留意する必要がある。
本来は90日先までの未来が記録されているが、今ロワでは見通せる未来が制限されている模様(詳細は不明)
また未来日記の例に漏れず、このボイスレコーダーを破壊した時点で平坂黄泉は死亡する。


274 ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 19:02:53 ID:fxZI1+zT
以上、レガートいじめ投下終了です。
275創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 19:22:18 ID:BSfM34M+
「特に特徴らしい特徴もない。」でクソワロタwww
レガートがみたら固まりそうな光景だ・・・w
276151:2009/04/18(土) 19:32:23 ID:2fC6RDBW
投下乙でございました!!

なんとナイブズの参戦時期は原作終わり!!これは予想出来なかった!!
絶対西沢&平坂のどっちかもしくは両方退場になったと思ったもの……生きててー良かったー!!
うん……十分危険人物だけどね……早々に離れた方が良い気が……

丁度、トライガン全巻GETして先程大体読み終わった後なだけに色々何かの感情が込み上げてきました……
とりあえず超危険対主催方向という解釈でいいのかな……???

でも、レガートがいるって事知ったら……いや、別に方針は変わらないか。
277創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 20:11:28 ID:6oWPPQwp
投下乙です
き、綺麗だ、綺麗なナイブズだーーー!
グリフィスといい、ここは危険人物が丸くなるロワですねw
にしてもこのまま五人チームとかが出来上ったりしたら、リアルにゴ12thが完成するんだろうか…?
278 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/18(土) 20:15:14 ID:HY0t4wWe
投下乙です
ナイブズが危険対主催なんて誰が予想したものか・・・良い意味で期待裏切られた
って言うかか自分で出しててなんだけどキチやっぱりうぜえwww
一秒先が見えなさ過ぎるwwww

>>257
えーっと原作どおりだと人の立てるスペースが10人分しか無いので
この人数収容だとまずいかなと思い、38あるなら他にもあるんだろうとオリジナルな設定の部屋を勝手に作った感じです


279創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 20:25:41 ID:HY0t4wWe
>>278
10じゃないや、12だった
280 ◆40jGqg6Boc :2009/04/18(土) 20:32:54 ID:sG0AgQml
投下乙!
ナイブズがまさかこの時期から来るとはびっくり!
いつ西沢さんや12thの首が飛ぶかひやひやした……w
特に12thの言動が危なっかしくてw

>>263
指摘どうもです。
wikiで修正しておきました。
281創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 20:36:59 ID:8nGjyV0b
投下乙です。

ナイブズがちょっと丸い!
面白い展開です。

ですが、未来日記破壊が死に繋がるのは良いのでしょうか?
原作通りではありますが、莫大な制限があるのに壊されたら死亡はキツイのではないでしょうか。

感想と合わせて書きましたが、議論スレに書くことかもしれないですね。
282 ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 20:59:22 ID:fxZI1+zT
様々な感想、ありがとうございます。

>>281
未来を見る事ができる、という時点でかなりのアドバンテージなので、これでいいと判断しました。
今回の話の中では制限に関してはまったく触れていないですし、それをいじる事でどうにかできるのではないかな、と。
赤の他人に支給された場合はその限りではありませんが、今回同様本人支給にすればリスク管理もしっかり出来ますし。
ぶっちゃけ、デイパックの中に入れておくだけで相当安全だと思いますw

一応、既に出ている未来日記に由乃の雪輝日記がありますけど、あちらも本人に支給されているので問題ないと判断しました。
283創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 21:09:02 ID:rcAexhI4
投下乙
まさかのナイブズ対主催
でも下手なマーダーより厄介な気がしてならないw

>>280
マスター・Cの十字架銃はウルフウッドとラズロのパニッシャーとは相違点が多く、これをパニッシャー扱いするのは疑問です
原作でこの武器は名前が出てきていないですし、何故パニッシャーとしたのかだけでも良いので答えて頂けないでしょうか?
284 ◆40jGqg6Boc :2009/04/18(土) 21:24:03 ID:sG0AgQml
>>283
はい、原作では名前が出ていなかったのでSSで表記する際に少し考えました。
ですから一応便宜上、後続の方が文中で表現しやすいようにパニッシャーとつけさせてもらいました。
相違点といっても大きなものはロケットランチャーの有無や銃口ぐらいですし、形状も似ているので特に問題はないかと思ったのですが
そもそも個人的に特に重要な問題ではないと感じていたので、絶対にパニッシャーじゃないといけない……と思っているわけではありませんので。
285創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:00:07 ID:c3ARDd6e
あれ、ということは
誰かに無差別日記が支給されて壊されたらユッキーが死ぬのか。
それか平坂黄泉は普通に死んだ場合正義日記はゴミ支給品になるのか……
本人以外に支給するなって縛りじゃないのかな
286創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:32:03 ID:EX4fUdX3
確かに全員に支給されてれば破壊=死亡でも良いとは思うけど
雪輝とみねねに支給されてるか次第になる?
287創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:37:52 ID:rcAexhI4
>>284
お答えありがとうごさいます
個人的にはロケットランチャーが無いという事が一番重要な問題だったので、考え方の違いですね
あ、それとこの事はただ聞きたかっただけなので、別に名前を変えろって言ってる訳ではありませんので

よくよく考えるんだと、コルト・パイソンとコルト・キングコブラの違い的な一部のこだわる人以外にはどうでもいい話でしたねw
288創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:53:12 ID:BRWBUX2y
289創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:57:33 ID:tK6y3Eij
破棄でヴァッシュが空いたな
書きにくいのか?
290創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:07:01 ID:98YZ3iHL
書き手のレベル差が激しいからな
できればクオリティ高いSSを書ける人に書いてほしい
291 ◆JvezCBil8U :2009/04/18(土) 23:11:13 ID:fxZI1+zT
>>285
個人的には本人以外に未来日記が支給されても視点の関係でそれ程意味がないかと思います。
原作4巻で秋瀬君がその点を突いてますけど、基本的に日記の情報は『本来の持ち主の主観情報』なので。
無差別日記なんかは雪輝の視点での情報しか得られない以上、まったく別の場所にいる赤の他人にとっては役に立たないですし。
そもそもが、『未来日記の破壊=死』というのは、未来の記述が破壊される事で所有者の未来も失われるっていう設定があるので……。

一応、雪輝日記や千里眼日記、飼育日記、交換日記といった他人の視点の情報が得られるのもありますけど、
このロワでは雪輝日記以外の日記の視点となりうる存在がいませんし、雪輝日記もそもそも由乃自身に支給されてますし。

問題になりそうなら議論スレに移りますし、設定に関わる以上できれば他の書き手さんのご意見も伺いたくはあるんですが……。
292創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:14:53 ID:TwNzH9nb
個人的には序盤は矛盾が無ければ構わないな
文章は書けばある程度上達するし、フラグもまだ浅いし
むしろ書こうか迷ってる人は今のうちに参加して欲しい
293創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:20:09 ID:BRWBUX2y
>>290
なさにまのつりもだ
294創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:23:06 ID:HnId7Wdd
>>293
文句には同意。新人お断りの風潮を開始直後に出してどーする。
295創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:26:02 ID:JdNEKlEe
なんでそんな発言できんだろう
296創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:27:30 ID:BRWBUX2y
>>294
297創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:43:58 ID:HnId7Wdd
>>296
ああ、なにさまのつもりだ、という発言に同意するっていう意味。
新人〜の下りは>>290に対する俺の文句。
298創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:44:23 ID:FveWwOTI
入れ食いですね
299創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:45:35 ID:7kp6w7qK
今までの書き手氏の作品を見てランク付けしてみた(敬称略)
書き手諸氏に今後SS書く上でどれくらい無理な展開を上手く受け入れられるかに参考にしてもらいたい


S ◆1ZVBRFqxEM ◆9L.gxDzakI  ◆xmpao6V6sI

A ◆7pf62HiyTE ◆oUQ5ioqUes

B ◆Fy3pQ9dH66 ◆AO7VTfSi26 ◆JvezCBil8U

C ◆lDtTkFh3nc ◆H4jd5a/JUc  ◆KKid85tGwY ◆6UnIKD6QL ◆zTb8tEnpHg

D ◆40jGqg6Boc ◆/mnV9HOTlc ◆ZQLR7nMTKE ◆DZllJyXPF2

E ◆kmhuhaSiIw ◆LQx8BgACjE ◆Nfn0xgOvQ2 ◆L3YPXWAaWU ◆2/z7o.Vlls


300創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:52:54 ID:BRWBUX2y
>>299
今までの読み手氏のレスを見てランク付けしてみた(敬称略)
読み手諸氏に今後レス書く上でどれくらい無理なレスを上手く受け入れられるかに参考にしてもらいたい

Z >>299 >>290
301創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:58:06 ID:RSBX/1SR
>>299
お前、自分が何やってるのかわかってるのか?
302創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:00:42 ID:xKAZvIE4
どーせ碌なことも書けない読み手様だろw?
ざまあwwwwwwwww勝手に言ってろよwwwwwwww
303創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:00:56 ID:vVDB4Tup
荒らしはスルーしろって
304創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:12:41 ID:FzLxxu9n
いやあ……書き手のランク付けは強敵でしたね
305創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:30:12 ID:NZQP1HYc
画像頼む
306創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:32:49 ID:LF4iFYtg
>>304
アトリームはあの角を曲がった先ですよ
307創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 00:33:27 ID:gAIkiwx/
この淀んだ流れを戻すには…
308 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:03:36 ID:p3o+OQW3
被らないうちに、キリコ、蝉、うしお投下します。
309死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:04:37 ID:p3o+OQW3
「ちくしょぉ…ちくしょぉぉぉ…」

石畳に拳を叩きつけ、泣いている少年がいる。
ここは地図で言うF-5、「神社」と呼ばれる施設だった。
少年は周囲にはばかることなく、大粒の涙を流している。

「麻子…」

少年、蒼月潮が名を呼ぶ少女は、もうこの世にはいない。
彼の目の前で、真っ黒な墨に変えられその若い命を散らした。
失われた、彼の記憶を取り戻すことなく…

彼女と少年は知り合いだった。
いや、そんな言葉でくくれる関係ではなかっただろう。
幼馴染であり、最大の理解者でもあり、そして―――――

しかし、彼女は少年の記憶を失ってしまったのだ。
世界に恐怖をもたらす九尾の狐、最大最強の妖、白面の者の策略によって。
彼女だけではない。潮少年とその相棒、とらに直接関わったことのある人間は全てその記憶を奪われたのである。
それは、潮が最強の霊槍、獣の槍の力を操ることが出来る唯一の少年であり、
その力が大妖怪、白面の者を倒す可能性のある唯一の武器であったからだ。
その力を恐れた白面が彼らから希望を奪い、絶望を与えることで己を強化しようという算段だった。
日本各地を回り、苦しい戦いを乗り越えることで手にした人や妖との絆を一方的に断たれる。
これが中学生の少年にとってどれだけ重たいことであったか。
信じた者に裏切られ、仲間を失い…それでも諦めることなく、孤独の中でも少年は相棒と共に戦う決意をした。
必ず白面を倒し、皆の記憶を取り戻そうと。
ヤツを封じる為に海底深くで戦い続ける、母を助けようと。
それが自分の暮らした世界を取り戻す唯一の術だから。

だが、それはもう適わぬ夢となってしまった。
彼の世界に欠かせなかった、中村麻子を失ってしまったのだから。

「ちっっっきしょぉぉぉぉぉ!!!!!」

ついに大声を張り上げ、蒼月潮は絶望する。
そこに掛けられた、死神の化身の声。

「ぼうず、あの時も叫んでいたな。」
310死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:05:28 ID:p3o+OQW3

振り返ると、奇妙な男が立っていた。
痩せぎすの体にこけた頬、長い白髪、眼帯に冷たい微笑、おまけに真っ黒なコートと、
その出で立ちはまるで殺し屋の出来損ないのようだった。

「あのお嬢ちゃんの知り合いか?そりゃ残念だったな。」

冷たい言葉だった。潮の神経を逆なでするに十分なほど。

「あんたに、何がわかるんだっ!」

叫び、飛び掛るとその胸倉をつかむ。
蒼月潮は頭が悪い。だが、漢字以外の国語と体育の成績だけやたらと優秀だ。
加えて数多の妖怪と命を賭けた死闘を繰り広げてきた。
獣の槍の助力があったとはいえ、その体力は相当なものである。
痩せこけた男はガクガクと揺さぶられるがまま口を開く。

「詳しくは知らんがね、あのお嬢ちゃんはまだ運がいい。あれは即死だ。痛いと感じる暇もなかったろうさ。」
「ふざけんなぁっ!!」

バシィッ!

潮の拳が男の頬にめり込む。男は地面を転がった。
息を切らせ、目に涙を浮かべたまま、潮は拳をさらに強く握る。
男は頬をさすりながら立ち上がると、薄笑いを浮かべて続けた。

「ぼうず、おれはな、軍医だったんだよ。戦場で体を半分吹っ飛ばされて、しかも死ねないような人間をウンザリするほど見てきた。」

男の言葉に、うつむいていた潮が少し顔を上げてそちらを見る。

「そういう人間を穏やかに死なせてやると、みんなすごく喜ぶんだ。誰も彼もおれに心から感謝して死んでいく。」

重たい口調だった。男の言葉は本当だろう。
いわゆる安楽死、というヤツだろうか。

「それほど、人間は苦しみってものが恐ろしいんだ。
 死は誰にも平等に訪れる。最後が安らかだっただけ、マシじゃあないか。」

ギリ、と歯を食いしばる潮。まだ涙は止まらない。

「だからって…麻子があそこで死んでいい理由になんかなるもんか!こんな、こんな…」
「なに、もう誰か死んだの?まぁ、そういう事もあるだろうな。」

素っ頓狂な声が乱入してくる。
茂みの中から、奇妙な格好の人間が姿をあらわした。
311死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:07:45 ID:p3o+OQW3

「で、お前らは何?殺し合いしてるわけ?つーか、これマジで殺し合いなの?メンドクセーな。」

奇抜な髪型とファッション。両手をポケットに突っ込んで、半開きの目が周囲を見渡す。
ペラペラとよく喋るヤツだった。

「…なんだよ、アンタ。」

潮が睨み付けながら問いかける。

「俺は「蝉」。殺し屋。ところで俺、なんでここに呼ばれたと思う?」
「!?」

殺し屋、とこの男は言った。否応無しに警戒態勢に入る潮。

「へぇ、あの連中におれたちを殺すように依頼された訳じゃあないのかい。」
「よくわかんねーんだけどさ、今別件の仕事中だったんだよ。岩西…あ、俺の上司なんだけどさ、
 こいつがいっつも俺にメンドクセー仕事を勝手に回してくっから、これもそうなのかとも思ったんだけど…」

訳のわからない会話だった。
潮だって妖怪たちと命のやり取りはしてきた。殺されかけたことも一度や二度じゃないし、滅ぼした妖怪も多い。
しかし、それはある意味種の存亡をかけた「戦い」だった。
彼らが話しているのはそんな「戦い」とはかけ離れた仕事としての「殺し」である。
こんなものに巻き込まれて、麻子は死んだのか…?

「なんで殺しあわないといけないわけ?岩西ってゼッテー依頼の理由を教えねーんだよ。
 俺はアイツの操り人形じゃないからな。理由ぐらい知らないと殺したくねぇんだ。ホントは。」
「さてね。心当たりはあるといえばあるし、かといって明確に思い浮かぶわけでもない。」
「ふーん。そっちのお前は?」

蝉が、潮に話題を振る。
潮は、右手で涙を拭うと二人を睨みつけた。

「ふざけんなっ!さっきから人の命をモノみてーに扱いやがって!オレは!誰も殺さないし、殺させないぞっ!」

ポカン、とあっけにとられた顔で蝉がこちらを見ている。
眼帯の男の方も、少し驚いたような表情だった。

「なんだよ、俺が悪いみたいに言いやがって。こんなふざけたゲーム始めたのは、あのじじくさいガキとみょうちきりんなピエロだろ。
 だいたい、さっきまでメソメソしてたくせになんだよ、急に。」

確かに、先ほどまでの潮とは雰囲気が違っていた。
しかし、本来彼はこういう人間なのである。
大切なものの為ならば、多少自分が傷ついたって構わない。
曲がったことや嘘が嫌いで、正義感に満ち溢れた少年。それこそが蒼月潮だった。
目の前で行われる、命を軽視したかのような発言の数々に対する怒りが、折れかけた潮の心を支えていた。
312死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:09:29 ID:p3o+OQW3

「じゃあアンタは、あいつらが殺し合えって言ったからハイそーですか、って人を殺すのかよ!」

ムッ、と見るからに蝉の表情が不機嫌になった。
先ほどより少しトーンの落ちた声が放たれる。

「ちげーよ。それが俺の仕事だからだ。俺は自由だ。」
「ソイツはちょいと違うな。」

またしても横槍が入り、チッと舌打ちをして声の主を見る。
眼帯の男はニヤリと笑って続ける。

「理由も依頼主もわからない。そもそも、依頼かどうかもわからない。進んで殺しがしたいわけでもない。
 そんな状況で仕事なんかするかよ。お前さん、怖いんだろう?」
「…なんだと?」

さらに声のトーンが落ちる。修羅場慣れしない人間なら、それだけで動けなくなるような声。
しかし、その場の誰も身をすくませることはなかった。

「あの小娘とピエロに、ぼうずの知り合いの嬢ちゃんや緑の髪のガキが殺されるのを見てビビッちまった。
 自分の生き死にを握られて言いなりになっちまった。違うかい?」
「…どうやら死にてーらしいな。」

つかつかと、蝉が男に近づいていく。手にはナイフが握られていた。
男も警戒し、なにやら身構えようとしたが、その間に割って入る影が1つ。

「…どけよ。」
「嫌だ。誰も殺させないって言っただろ。」

潮だった。
どこから取り出したのか、妙なデザインの槍を構えている。

「戦えると思ってんのかよ。第一、お前にはかんけーないだろ。」

蝉がナイフを眼前に突き出し、威嚇する。
しかし潮とて日本刀と対峙したこともある身だ。そうやすやすとはひるまない。

「関係なくない。オレの目の前で誰かが死のうとしてる。オレが戦えば助けられるかも知れない。
 だったら、何度だって対決してやる。」

迷いのない、まっすぐな目でそう言い放つ潮に、蝉は1人の少年の目を思い出す。

「そうかい。じゃあ覚悟しな。」
「おいおい、おれは無視かい?」

男が未だ余裕崩さぬ声で語りかける。
しかし、今の蝉には潮以外目に入らなかった。

「こういう目をしたやつには負けたくないんでね。」

313死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:10:30 ID:p3o+OQW3


神社の境内の中心部で、ナイフと槍を構えた影が対峙する。
手馴れた得物。リーチの差は明確。しかし、潮は冷や汗が止まらなかった。

(コイツ…すごく強いぞ。)

構えや簡単な身のこなしから、強者のオーラのようなものが伝わってきた。
槍を構え身を低くし、先手をきろうと駆け出した瞬間、相手もダッシュで飛び出してきた。

「シュッ!」

槍を突き出す。蝉は半身でそれをかわすと、ナイフを潮の右肩に向ける。
しかし潮はそれを読んでいたかの如く、槍の柄で蝉の腕をはじき懐に潜り込んだ。

「ちっ!」

体当たりを仕掛けてきた潮の顎を膝蹴りでかち挙げる。潮はまたしても槍の柄でガードしたが、
お互いにバランスを崩し、後ろに飛んで距離を稼ぐに留まった。
今度は蝉が先手を打つ。フェイントを交えて左右にステップを踏み、かく乱させてから一気に直線で距離を詰めた。
頭上から大げさに振り下ろしたナイフを、槍で受け止める潮。
しかしそれは蝉の想定内。左拳をボディに叩き込んだ。潮が苦悶の表情を浮かべる。
しかし、怯まない。弓なりになった体を起こすようにして頭突きを蝉の顎に目掛けて放つ。
蝉はバックステップでかろうじてそれをかわすと、再び距離をとった。

(何だ、コイツ?)

蝉にしてみれば予想外だった。
ただのガキかと思ったらやたらと戦い慣れている。
槍の扱いも初めてとは到底思えない。かといって槍術を習っているという感じでもない。
むしろ実践で磨いたような動きだった。
だが解せない。この少年、動きの割に攻撃に殺気がない。
殺さないように気を使って戦っている。

(舐めてくれんじゃん。)

自分自身も無意識に手加減をしているのだが、それはそれとして置いておく。

そう、蝉の苦戦の理由はいくつかある。
先ほど言ったように、無意識に手加減をしてしまっていること。
得物のナイフが使い慣れた自分の物ではないこと。数も一本しかない。
加えて予想外の潮の実力である。
俗に日本刀で1人、人を切ると初段の腕前という。
刀でこそないが、潮は数多の妖怪を獣の槍で打ち破っている。よって、彼の腕前も相応のものなのだ。
ある者は言った。「剣はな、人を斬って覚えるんだよ」と。


「…アンタ、そんなに強いのに、人を殺すのか?」

距離を置いたまま、潮が尋ねる。
驚いたのは蝉だった。
314死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:11:27 ID:p3o+OQW3

「はぁ?何言ってんだよ。強くなきゃ、殺せねーだろ。」

至極真っ当な蝉の発言。しかし、潮は揺らぐことない瞳で言葉を紡ぐ。

「違う。弱くたって、人を傷つけるヤツはいる。でも、守ろうと思えるのは何かが強いヤツだけだ!」

その言葉で、蝉は自分がここに来る前に引き受けていた仕事を思い出す。
彼は、猫田市という市の市長を守る仕事を請けていた。

(そいやアイツ、俺が消えて死んでねーだろうな。)

ふと、そんなことを思い、ぶんぶんと頭を振る。
何を考えているんだ、俺は。今は目の前のヤツに集中だ。
大体、仕事を失敗したからってなんだというのだ。別に俺は、岩西が怖い訳じゃない。
しかし、そんな彼の思考をあざ笑うかのように、とある笑い声が聞こえてくる。

「ハァーッハッハッハッハッハ!」

眼帯の男だ。何がおかしいのか、バカみたいに笑っている。

「面白いことを言うな、ぼうず。おい、そっちのお前。いったん休戦といこうや。提案がある。」

あっけにとられ、蝉は思わずナイフをおろしてしまった。


「結局、提案って何だよ。」
「まぁ待て。おい、ぼうず。お前はここでこれからどうするつもりだ。」

神社の建物の中で、座り込んで会話する3人。
眼帯の男はドクター・キリコと名乗った。
信じられないが、この見た目で医者らしい。「安楽死」専門らしいが。
それじゃまるで殺し屋じゃねーか、と思うと、彼の外見にも納得がいった。

「オレは…麻子を殺した奴らを許さない。こんな殺し合いも認めない。
 なんとかしてあいつらをやっつけて、はやくみんなのところに戻るんだ。」

相変わらずまっすぐな瞳だった。悲しみを乗り越えたとは言い難いが、今は立ち向かう決意を固めたらしい。
それが怒りで固められたもののようで、少し危うさも感じられる。
またしてもニヤリと笑みを浮かべ、キリコは地図を広げた。
315死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:12:41 ID:p3o+OQW3

「なら、病院に向かいな。」
「なんでだよ?あ、怪我人が集まるからか?」

割って入った蝉を一瞥し、キリコは説明を続ける。

「これは勘だがね、多分ここにはある闇医者がいる。ぼうずとよく似た生き方をする人間だ。違うところも多いがね。
 そしてそいつはおそらく、病院を目指すだろう。」
「その人に会え、ってこと?」

潮の問いにうなずくキリコ。

「それはいいけどさ、おじさんはどうするの?」
「おれはこっちの診療所に向かう。ここにも医療道具はあるだろうから、こっちにヤツがいる可能性もある。
 その時はぼうずのことを伝えて、間にあるこの神社に来るように言っておく。病院で会えなかったら戻って来い。」

そう言うとキリコは地図をしまった。すぐに行動しようという雰囲気だった。

「なんで、おじさんはこんなことをするんだ?」

潮のもっともな疑問に、蝉も心の中で頷く。

「おっさんこそ、こういう場所で人を殺すのが本分じゃねーの?」

悪態混じりに問いかけると、キリコはジロリと睨むような目で答えた。

「もちろん殺すさ。もう助からない人間がいて、そいつや周りの人間がそれを望むなら、な。
 だが、健康な人間や、自殺志願者を殺すのはおれの仕事じゃない。
 おれはこれでも自分の仕事に誇りを持ってるんでね。こんな殺し合いに呼ばれたのは、神聖な仕事を汚された気分なんだ。」

その言葉に、蝉が少し反応する。

「おれはここでも自分の仕事を全うする。連中が何を求めようとね。
 だが連中は気に入らない。アイツらに一泡吹かせたいと思うのは、自然だろう?」
「その為に、オレとその人を会わせるの?」
「あぁ、そうさ。そういうこともおれの仕事じゃない。ぼうずやアイツ…ブラックジャック先生のお仕事なわけさ。」

そっか…とだけ呟き、潮は黙った。まだ何か考えているようだった。
そこでキリコはすっかりおいていかれた蝉に向き直る。

「さて、そこでおまえさんの出番な訳だ。」
「あぁ!?」

どこをどうすれば自分の出番なのかわからず、蝉は声をあげる。
316死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:14:07 ID:p3o+OQW3

「おまえさんはこれが仕事の依頼かわからない。だから、今フリーな状態なんだろう?
 だからおれが依頼する。このぼうずと一緒に行動して、あの連中に一泡吹かせろ。」
「はぁ!?なんだそりゃ!」

むちゃくちゃな提案に蝉が大声をあげる。

「あんまり騒ぐなよ。なに、強制しようって訳じゃない。ただすることがないのなら仕事を頼みたい、ってだけさ。」
「俺をアゴで使う気かよ。言っとくけどな、俺はだれの操り人形でもない。自由なんだ。何にでも従うと思うなよ。」

きっちりと言い放ち、蝉は立ち上がる。
こんなことの為にコイツはさっきの戦いを中断したのか。バカバカしい。
しかし、今から続きを、などというのも少し違う気がした。

「言ったろ。強制するわけじゃない。ただ仕事を提示して、選ぶのはおまえさんの自由さ。
 嫌なら他の依頼人を探すなりなんなりすればいい。あぁ、金なら心配いらないぞ。」

とても金を持っているように見える外見ではなかったが、本人の言うとおりコイツが法外な値段で安楽死をさせる医者なら相当な金を持っているかも知れない。
…ちょっとだけ揺れ動く蝉。そこに、黙っていた潮が口を挟んだ。

「オレからも頼むよ、蝉兄ちゃん!」

予想外の発言に、言葉を失う。

「オレは、あいつらを…この殺し合いをぶっ壊したい。おじさんが言うとおり、それはオレの仕事だと思うんだ。
 でも、オレ1人じゃたぶんどうにもならない。助けてくれる仲間が欲しいんだ!」
「…わかってんのかよ。俺は殺し屋だぞ。」
「あぁ、わかってる。でも、必要なんだ。
 殺しはさせないよ。でも、力をかしてくれ!」

矛盾だらけの発言を、まっすぐな瞳でしてくる。
横のキリコが笑っているように見えて、腹立たしかった。

(岩西抜きじゃ仕事も出来ないと思われるのも癪だな…クソ、どうせやることもねーなら、自分の意思で決めてやる。)
317死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 01:15:30 ID:p3o+OQW3


「…とりあえず6時間だ。」

フードを目深に被り、表情を見せないようにしながら蝉が答える。

「えっ!?」
「…6時間後!名簿が読めるようになって、岩西とか、本来の依頼人がここにいたらそっちを優先するからな!
 それまでは、引き受けてやる、よ…」

そっぽを向きつつも、明らかな肯定の言葉。
ぱぁ、と顔を明るくした潮が、感謝の声をあげる。

「ありがとう!蝉兄ちゃん!一緒に頑張ろうぜ!!」
「あーあー、うるせぇうるせぇ。言っとくけどな、これは金の為…仕事で手伝うんだからな!
 べ、別に俺はお前がどうなろうと構わないんだからなっ!」

心なしか、顔が赤いように思えた。

「クックック…」
「あ、あとおじさん!」

1人楽しげに笑っていたキリコに、潮が真剣なまなざしで言葉を放つ。

「人、殺さないでくれよ。」
「…そいつがおれの仕事だからな。安楽死を依頼する人間がいるのなら、殺すだろうさ。」
「じゃあ、絶対諦めないでくれ。」

絶対ゆずらないという意思のこもった言葉。

「ホントに似てるぜ。…わかってるよ、卑しくもおれは医者だ。出来る限りは治してやるさ。」
「よし!約束だぜ!」

かくして、死神の化身は抵抗の種をまいた。
彼自身、うまくいくとは思っていない。
だが、何度もその目に見せ付けられた奇跡がある。
自身の命を救った、あるいは自分が諦めなければ、父親の命を救ったかもしれない奇跡。
だから彼は、諦めない人間を支えるくらいならしてもいいだろうとでも思ったのだろうか。

318創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:15:51 ID:hwoqo6XX
319創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:17:48 ID:hwoqo6XX
320創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:20:42 ID:GRgsCw/O
321代理投下:2009/04/19(日) 01:21:30 ID:hwoqo6XX
「じゃあ、おじさんも気をつけてな!あ、さっきは殴ってゴメン!でも、あんな言い方、もうやめた方がいいぜ。」
「あぁ、せいぜい気をつけるよ。おまえさんたちも気をつけてな。
 あんまりカリカリしなさんなよ。クックック。」
「うるっさい、死ね!大っ嫌い!」

最後まで騒々しく、バラバラに、3人の男達は別れた。

1人きりになり、ドクター・キリコは夜空を見上げて思う。
人はだれもいつか死ぬものだ。それが自然の摂理であり、抵抗するのは人間だけ。
だからキリコは殺す。自然に逆らい、苦しんでまで生きるくらいなら、いっそのこと穏やかな死を与えることが幸せだと信じている。

だが、だからこそ、こんな殺し合いは認めない。

(こんな事が自然な「死」なもんかね…これでも医者の端くれだ、命が消えるより、助かる方がずっと良いさ。)


この殺し合いの場でも、彼らの生き方は変わらない。

誰かを守れるなら、立って戦う、立ち向かう。それがどんなに苦しく、悲しい道でも…
迷い、悩み、素直になれないけれど…死んだように生きないために、満を持す。
望むのなら、辛いのなら、死を与える。その根底に、命を尊ぶことを忘れることなく。


彼らは出会えるだろうか。
自分の生き方を変えた、定めた、共に歩んだ…半身とも言うべき存在に…


【F-5/神社/1日目 深夜】
 【蒼月潮@うしおととら】
 [状態]: 健康
 [服装]:
 [装備]:エドの練成した槍@鋼の錬金術師
 [道具]:支給品一式 不明支給品1つ
 [思考]
 基本: 誰も殺さず、殺させずに殺し合いをぶち壊し、主催を倒して麻子の仇を討つ。
  1: 蝉と一緒に病院に向かい、ブラックジャックと会う。
  2: 病院にブラックジャックがいなかったら一旦神社に戻る。
  3: 殺し合いを行う参加者がいたら、ぶん殴ってでも止める。
 [備考]
  ※ 参戦時期は27巻以降、白面によって関係者の記憶が奪われた後です。流が裏切った事やとらの過去を知っているかは後の方にお任せします。
  ※ ブラックジャックの簡単な情報を得ました。
  ※ 悲しみを怒りで抑え込んでいる傾向があります。
322代理投下:2009/04/19(日) 01:22:11 ID:hwoqo6XX
【蝉@魔王 JUVENILE REMIX】
 [状態]: 健康
 [服装]:
 [装備]: バロンのナイフ@うえきの法則
 [道具]:支給品一式 不明支給品1つ
 [思考]
 基本: 自分の意思に従う。操り人形にはならない。
  1: これが仕事なのか判断がつくまで、とりあえずキリコの依頼を受ける。
  2: うしおと一緒に病院を目指す。
  3: 襲ってくる相手は撃退する。殺すかどうかは保留。
  4: 市長を見つけたらとりあえずそっちを優先で守る…つもり。岩西がいたら…?
 [備考]
  ※ 参戦時期は市長護衛中。鯨の攻撃を受ける前です。
  ※ ブラックジャックの簡単な情報を得ました。


 【ドクター・キリコ@ブラック・ジャック】
 [状態]: 健康 ほほに殴られた跡
 [服装]:
 [装備]:
 [道具]:支給品一式 不明支給品2つ
 [思考]
 基本: いつも通り、依頼してくる人間は安楽死させる。かつ、主催者に一泡吹かせる。
  1: ブラックジャック探しと医療道具探しの為、診療所に向かう。
  2: ブラックジャックと会えたらうしおの事を伝え、神社で合流させる。
  3: 助かる見込みもなく、苦しんでいる人間がいたら安楽死させる。
  4: ただし、自殺志願者や健康な人間は殺さない。重傷者も、ある程度までは治療の努力をする。
   [備考]
  ※ 参戦時期は少なくとも「99.9パーセントの水」と「弁があった!」の後。
  ※ 「治療の努力」の程度はわかりません。彼の感覚です。



【エドの練成した槍@鋼の錬金術師】
国家錬金術師の試験等でエドワード・エルリックが練成した槍。
割と頻繁に練成している。しかし、特に秀でた力はなく、登場のたびに壊されているような気も…
彼が練成したものにしては比較的センスがいいと思うのだが…

【バロンのナイフ@うえきの法則】
ごく普通の軍用ナイフ。バロンは能力の基点として使ったが、これ自体に特殊な力は無い。


55 :死と向き合う者たち ◆lDtTkFh3nc:2009/04/19(日) 01:20:49 ID:kSdBChBo0
以上で投下終了です。
問題点ありましたらお願いします。
323創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:25:05 ID:hwoqo6XX
代理投下終了です

投下乙!
とりあえず蝉、ツンデレ乙w
キリコは一応医者だが…頼もしいかは微妙、むしろ不吉に見える…
やっぱ見せしめの関係者はキツいよね、頑張れ潮
324創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:34:17 ID:B8AK9QQl
投下乙!
とりあえず こ のツ ン デ レ め !
ヒロインにツンデレはデフォだよねっ!……え?違う?
キリコは対主催なのになんか怖いんだがw
とりあえず潮頑張れ
325 ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 01:57:11 ID:B8AK9QQl
遅れてすみません……
今から投下します。
326創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 01:58:04 ID:NrUFSUD8
支援
327創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:00:14 ID:hwoqo6XX
 
328創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:00:24 ID:+4Dw3CtM
投下乙
蝉はツンデレの王道だなw
キリコは不吉だがやっぱり手のひらで転がされるのは嫌だったか
彼なりの信念に反するから反抗する。自殺志願者や健康な人間は殺さないだけマシか
潮は熱血対主催だけど参加者の面々を考えると非殺を貫きとおせるのか?
まぁ、がんばれ
329たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:01:53 ID:B8AK9QQl
「……おいおい、冗談じゃねえぞ」
つんつん頭に眼鏡の青年・浅月香介が、草木生い茂る森林の中で目を覚ましたとき、開口一番に零れ出たのはそんな言葉だった。
ぼやけていた視界も、皮肉な現実のせいで一瞬にして開けてくれた。
「……どうなってんだよ、これ……」
右手を持ち上げる。……何も問題なく動かせる。
逆の手で軽く頬を抓ってみる。……痛みはある。
どうやら、都合良く夢でした、よし起きるか、とはいかないようだ。
もっとも、これが現実であることなど、はじめから分かっていたのだが。
「……頭いてえ」

現実だと分かっていたからこそ。
浅月は、理解できなかった。
「……殺し合いだって……?」
思い返すは、目の前で起こった惨劇。
少年の首が吹き飛び、知らない少女が殺された。
それだけなら、浅月がここまで驚くことはなかった。
彼は外見こそ普通の高校生だが、その身に悪魔の血を宿すブレード・チルドレンの一人。
今まで殺した人間は数知れないし、危険な目に巻き込まれたことも一度や二度ではない。
よって目の前で死体が二つ完成しようと、誰かの悲鳴を聞こうと、本来なら動揺も迷いも混乱もしないはずなのだ。

「あれ……亮子……だよな……」

―――よく知る少女の声を聞かなければ。

浅月は真っ暗な闇空を仰ぎ見て、複雑な表情をする。
高町亮子。
自らと同じブレード・チルドレンの独りにして、浅月の幼馴染。
女らしさの欠片も可愛げもない、女子に真顔で愛の告白をされ、『クマ殺し』との愛称さえつくほどに腕っ節の強い少女。
そして―――浅月にとっては、それ以上の存在でもある。
10年間幼馴染としてやってきた女の声を聞き逃すほど、彼は愚か者ではなかった。
「間違いない、あれは亮子だ。……となると、俺と亮子以外の……理緒やアイズもここにいる可能性は高い、か」
そう呟く浅月、次に口から零れたのはため息だった。
「……清隆、なのか……?」
その言葉がどこか苦々しげなのは、責めようもないだろう。

ここには、自分以外のブレード・チルドレンがいる。
その事実は、『これも清隆の手の内なのではないか』というあまり認めたくない仮説を立てざるを得ない状況を作り出していた。
清隆の好みそうな方法ではない、確かにそうは思う。しかしあの男は歩を試すためにはどんなことでもする。
結果的に、歩が死ぬようなことであっても、なんの躊躇いもなく。
もし清隆が殺し合い、というあまりに極端な方法で歩を更なる絶望に放り込むつもりだというのなら、彼に試練を与えるべき自分たちブレード・チルドレンがこの場にいるのもまた不自然はない。
そう、浅月は気付いていた。
この会場に、鳴海歩がいるということに。
浅月は亮子とともに、歩の声もわずかながらとらえていたのだった。
330創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:02:13 ID:7zQTv2bf
支援
331たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:02:52 ID:B8AK9QQl

「……ああ、ったく……殺し合いといい、首輪といい、亮子や鳴海弟のことといい……どれから考えればいいんだよ」
かつて、とある騒がしい女に「少年探偵」と呼ばれていた浅月。彼にとって考察は得意分野だし、多少の自信もある。
しかし、首輪に仕込まれているであろう爆弾に関する知識にかけては、爆裂ロリー……爆炎の魔女・竹内理緒の方が上だ。
自分には彼女と違って爆弾を生成する技術もない。『そういう』ことは理緒に任せておくに限る。
ならば、自分がすることは。
「殺し合いに乗る……なんてするわけにもいかないしな」
あるいは、ここにいるのが浅月一人だったならば、彼は殺し合いに乗ることもためらわなかったかもしれない。
しかし、ここに歩や亮子と言った知り合いがいることで、優勝して帰還するという選択肢はあっけなく消える。
特に亮子は、この場でも間違いなく殺し合いなどするもんか、皆で主催者をぶっ飛ばしてやろう、と大声で宣言でもしているはずだ。手に取るように思い浮かぶのは長い付き合い故だろうか。
それはどう考えても危険だ。亮子と同じように殺しを否定する人間のみが寄ってくればいいが、そう上手くいくはずがない。人を殺すことが目的の人間もそれに吸い寄せられるはずだ。
今も亮子が危険な目に合っている可能性は……ある。
となれば。
「……まず、亮子の奴と鳴海弟を探すとするか。あいつ、無茶やらかしそうだしな……。理緒達もいるなら合流しねえと。」
何よりも亮子を見つけて守る、そう決まっていた。
これは今更決めたことでもない、もっと幼いころからずっと思い続け、考え続けたことにすぎない。
浅月はそのために、自らの手を染め続けてきたのだから。

そうときまれば、迷っている時間はない。
「亮子の奴がいるとすれば……高校辺りか?」
自分や理緒と違い、純粋に高校生として、里玖上部としての生活を送っていた亮子が、この場でも学校、またはそれに準じる施設を好む可能性は高いように思えた。
ここからは少し遠いが―――とりあえずの目的地とする。周辺にある建物は一通り捜索して回ればいいだけの話だ。
「……そういや、武器を確認してなかったな」
自分がディパックの存在を失念していたことを思い出し、肩をすくめる。
こんな物騒な場では武器の確認くらい必須だというのに。
闇の世界で何人も屠ってきた浅月なら、ある程度の武器は使いこなせる。だからこそ、朝月はこの事態を想定していなかった。

「……は?」
まさか、武器以外の者が支給されている可能性など。
「……な、なんだこれ……?」
それを握り締めたまま、浅月は疑問符を浮かべる。
332たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:04:02 ID:B8AK9QQl
それは、少女の姿をした―――人形だった。
正確に言えばそれはフィギュアと呼ばれる一種のマニアの収集品の一つなのだが、そのようなことは今回あまり関係がない。
おかっぱ髪に、眼帯をつけた美少女フィギュア。
それが、浅月の持ち物(その一)だった。
「……」
一瞬理緒の爆弾のような類の武器かと思い、全身をくまなく凝視する。穿いてなかった。
頭を叩いたり手足を引っ張ったりしてみたが何もない。つまり。
「……ってちょっと待て!これはどう考えても武器じゃないだろ!鈍器として使うにも無理がありすぎるだろ!」
どう考えても、外れだった。
「……ったく、武器以外の余計なものを入れるんじゃねえよ……あの理緒くらいちっこい女とおっさんは殺し合わせたいんじゃないのか?それなのに武器を支給しないなんてどういうつもりなんだ?……お、もうひとつ何かあるみたいだ……」
今度こそ、まともな武器で会ってくれ。
浅月は本気でそう祈りながら、それをディパックから引きずり出した。
「……」
『それ』は、露出度の高い女ものの衣服だった。
……思わず浅月がそれを地面に投げ捨てたとしても、この場で責められはしないだろう。
何せ、亮子を探さなければという浅月の真摯で紳士な想いをあざ笑うかのような不運が二度も続いたのだから。
「あいつら……絶対許さねえ……」
殺し合いとは違う方向に怒りを覚える浅月。
こんな人を馬鹿にしたような支給品をすぐさまディパックに戻し、再び歩き出して―――
気づいた。
いつの間にか少女が、こちらに走って近づいてきたことに。
「……っ!?」
咄嗟のことだったが、浅月はそれに対処できない一般人ではない。
いつ攻撃されても反撃し返せるように構えをとり、そして。

びったーん。

「……」
思わず浅月は眼鏡の奥の瞳を点にする。
自分に向かって全力で駆け寄ってきた少女が、浅月の数メートル手前で派手に転倒したからだ。
しかも、頭から思いっきり、漫画のような擬音語付きで。
理緒がキャラを作ってわざと転倒する時と似たようなものか。
「……派手にやったな、おい……」
放っておいてもいいのだが、明らかにすっ転んだと思われる人間を放置しておくのはいろいろとまずい。
……どうやら、演技というわけでもなさそうだ。
そう判断した浅月は顔を上げない少女の肩をゆすった。
わずかに手に触れる髪は、鮮やかな金髪。
見た目は品がよさそうに見えるのだが、地面としたたかに熱い口づけをする様を見ればとてもではないが『上品そう』なんて言えるはずがない。
さすがに人は転んだ程度では死なないだろう……死んでないよな?
「……おい、お前、大丈夫か……?」
「……んっ……」
少女は、小さなうめき声を漏らしながら顔を上げる。
ばっちりと、浅月と目が合った。
やはり、全体的に女の子らしい雰囲気で、ぱっちりと見開かれた瞳、愛らしい顔立ち。浅月の周りにはいないタイプの女性である。

「……あ、」
だから少女が何か言いかけた時、浅月はやばい、と思った。
怖がらせたのだろうか、と。
この場は殺し合いの場なのだ、少女が見ず知らずの人間に対して怯えたとしても何も不思議はない。
まして浅月は、自分の外見が信用に値されるような人当たりのよいものではないことは理解しているのだから。
カノンくらい外面がよければまた別だったのかもしれないが、そんなことを嘆いたところでどうにもなるまい。
「ま、待て、俺は―――」
だから、浅月は否定の言葉を紡ごうとして。
333たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:05:12 ID:B8AK9QQl
「…………っう、うわああああああああ!変な人だあああああああああああ!」
少女の思いっきり不審な人物を糾弾するかのような声に、口を閉ざした。
「……ちょ、おま、声がでかい……!」
「だってどう考えても変じゃん!頭の色変だしなんか見た目も……もがが」
「ええい静かにしろ!」
浅月は、とてもよく通る声で自分を指差して変だと連呼する少女の口を塞ぐ。
いきなり人を指差して変な人とは何事だ。
前言を全て撤回。こいつはちっともお嬢様系なんかじゃない、どちらかと言えばあの関口伊万里よりの女だ。以上   BY浅月

しかし、ここで騒がれてはたまったものではない。
何せこの場は殺し合い。大声を出せば、それだけ危険人物に見つかる可能性が高まる。
武器さえあればある程度戦える自信があるが、自分の支給品はゲーム機と人形のみ。あれではどうにもならない。
自分だけならともかく、この少女まで死ぬのはさすがに忍びない。
だからこそ、浅月は少女の命を助けるためにその行動に出たのだが―――

「……んー!んー!へんはい!へんはい!ははひいほほふふひはほ!」
「ちげえよ!少し黙ってろ!」
浅月の腕から逃れようと両手両足を振り回し暴れる少女。いろいろな意味で台無しである。
何故か少女の言葉が聞こえた浅月は、焦りも相まってつい強い口調で少女に返してしまう。
「……いいかよく聞け!俺はお前を殺すつもりはない!だから頼むから暴れるな!」
「ははへははへー!!ふほっひ、はへはん、ひほはんはふへへー!」
「いいか、ここでお前が騒ぐと殺されるかもしれないんだぞ!死にたいのか!」
ぴたり、と声がやむ。
「……」
「……よし、分かったか?俺はお前をどうこうするつもりはない」
「……ほんほ?ほんほふひ?」
「本当だ。だから―――」


それが、原因だったのかもしれない。

「だから……何だ?」
一瞬、体内温度が二度ほど下がった気がした。
少年らしき声は淡々と、しかしどこか怒りを滲ませて、浅月に一言告げた。
「手を挙げろ」

―――冗談、だろ……?
浅月は、自分の今日の運勢が最悪だと知った。
334創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:06:10 ID:hwoqo6XX
 
335たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:07:18 ID:B8AK9QQl



柳生九兵衛は憤っていた。
何の罪もない少年少女を残虐に殺した主催者の少女と男に。
この、殺し合いというゲームそのものに。

柳生は、決して江戸中から好かれている一族ではない。
柳生流に敗北した他の流派はこちらを恨み、いつ寝首をかこうか狙っているやもしれぬし、また金のためだけに柳生にすり寄ろうとする連中も存在する。
だから自分だけが憎まれ、殺し合って死ねとここに連れてこられたのならば、九兵衛は頭首として仕方なくも納得することができただろう。
しかし。
「……あれは親八君の声だった。間違いない……僕は確かに聞いた」
志村新八がこの場にいるならば、話は変わってくる。

もし、この殺し合いが自分への憎しみを晴らすために開かれたものだとしたら?
そして、新八などの知り合いも巻き込むことで、自分を追い込もうとしているのだとしたら?
新八だけではない。新八がいるならば、その上司である坂田銀時や仲間の神楽、―――そして、九兵衛にとって特別な存在の少女・志村妙すらいるかもしれないのだ。
他にも柳生四天王や父、祖父……柳生の関係者は数多くいる。彼らもこの殺し合いに巻き込まれているならば。
「……そんなことを、許してたまるか……!」
九兵衛はだからひたすら、森を駆ける。
自分の知り合いと一刻も早く合流し、殺し合いに乗る者を裁くため。

そんな、使命感に燃える彼―――否、彼女がやがて見たのは。
自分と同じくらいの年齢の男が、制服姿の少女に対して野蛮な行為に及んでいる(ように九兵衛には見えた)姿。
しかも男の周りには、露出度の高い衣服と、怪しげな女の子の姿をした人形が落ちているではないか。
不審者以外の何物でもない。
「……っ!」
何があったか知らないが、女性に暴力を振るうなど許せない。
九兵衛はやや空回りした正義感で―――気配を隠しながら男に近づき、その背に鋭い切っ先をつきつけた。



やばい。
誤解されている。
浅月はすぐにそう理解した。
そして、その誤解の方向性も何となくながら把握していた。
とんだ勘違いにもほどがある。
自分はむしろ、この少女を助けてやったというのに。

「違う、俺はそんなつもりじゃ―――あいつに聞いてくれ!絶対……」
そして、少女をびしりと指差して。
少女に、自分が無罪であるという証明をしてもらおうとして。
「……は?」
言葉を失った。

少女は眠っていた。
それはもう気持ちよさそうに、すぴーと寝息を立てながら。
寝たふりでは間違いなくなかった。判開きの口から涎が零れ落ちる。
殺し合いの場にいるという緊張感は、皆無。
これでもう、自分の無実を説明する者はいないわけで。
336創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:08:22 ID:hwoqo6XX
 
337たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:08:26 ID:B8AK9QQl

「……」
少年の冷たい視線が背後から突き刺さる。
「……いや、その……」
ああ、これは不味い。
相手が殺し合いに乗っているのならば隙をついて殺害してもいい。しかし彼はこの殺し合いを良しとしない善人。可能ならば協力しない手はない。
……もっとも、まともな武器がなければ殺すこともできないのだが。

「……すまない」
だから、浅月には予想外だった。
こうなったら何としても説明してみせる、そう考え口を開きかけたその時、目の前の少年がそれを降ろしたことが。
浅月は少年の方に向きなおった。年のころは自分とそう変わらないくらいに見えるが、浅月よりずっと小柄だ。
少年とはいえ、少女にも見える中世的な雰囲気を持っている。その表情はりりしく、実力者であることは明白だった。
「……い、いいのか?あれだけ疑っていたのに」
もちろん信じて貰えたことは嬉しいし助かったが、こんなに簡単に行くとは思わなかった。
「……彼女は、幸せそうに眠っている。貴方が危険人物なら、こんなに安らかな顔できないだろう?」
ああ、そうか。
少女を見る。
確かにその寝顔は安らかだった。
浅月の肩にわずかに体を任せている。
最後の言葉を信じてくれたようだ。……一安心というやつか。
これだけで自分を信用してくれるとは、彼もお人好しなのだろうか。

「……まあ、分かってくれたのなら構わねえよ。俺は浅月だ。浅月香介」
とりあえず、名乗る。名簿とやらがまだ表示されていないため偽名を使うという選択肢もあったが、わざわざ再び疑われる真似をする理由もないだろう。
「僕は柳生九兵衛、柳生家の当主だ」
やはり男と女の中間のような声で、少年は名乗り返した。
「九兵衛、か。お前は殺し合うつもりはないんだよな?」
本来なら警戒を緩めてはいけない場面なのだが、先ほどの言動からして彼が危険人物を許し難いと思っていることは分かった。
「当然だ。僕は人を守るために戦っているのだから、殺し合いなどするはずがない」
やはり、見た目通り性格も気まじめな正義感らしい。
少し亮子に似ているかもしれない、と思った。相手は『男っぽい女の子』などではなく本当の男だろうに。
「……浅月さん、貴方を信頼に値する人物と判断して頼みがある。
……僕の探し人を見つけたら、手を貸してやって欲しい。志村新八、という少年だ。もしかしたら同じ名字の女性や、坂田銀時、神楽の二人もいるかもしれない。彼らにも協力してあげて欲しい。……二人は強い」
「……一人で行動するつもりか?」
九兵衛の言葉は、今からすぐにでも浅月から離れようとするものだった。
思わず、浅月は問うてしまう。
聞いてからまずかったか、と思ったが、すでに遅い。
しかし少年は、浅月の言葉に深く頷いた。
強い決意の秘められた瞳だった。
何かを知り、人間として成長したであろうことがよく分かる、真剣な顔だった。
「人を探すならまとまって行動するより散った方が手っ取り早いからな。……大丈夫だ、これでも腕に自信はある」
少年の身を心配したという訳ではなかったのだが、そう解釈されたらしい。
問題ない、そう言っているのだから問題ないのだろう。
できれば協力してみる価値がある、その程度にすぎない。向こうにその気がないのに、無理に引き止める必要もない。
それに、人を探すには二手に分かれた方がいいという考えにも大賛成であったことだし、ちょうどいいだろう。
だから浅月は、九兵衛の言葉に小さく頷いた。
338創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:10:01 ID:hwoqo6XX
 
339たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:10:25 ID:B8AK9QQl
「ああ、了解。だがせっかくだ、俺の方も頼まれてくれ」
代わりとばかりに、こちらも九兵衛に知り合いを探させることにする。
ギブアンドテイク、という奴だ。
「高町亮子、って女と鳴海歩っつうもみあげの男がここにいるはずなんだ。あいつらは間違いなく人殺しはしないだろうから、二人に会ったら浅月に会った、と伝えてくれ。あと俺は高校方面を探してみようと思っている。お前は別の方を当たってほしい」
理緒や他のブレードチルドレンがいる可能性については口にしなかった。
ブレードチルドレンは本来危険な存在だ。自分や亮子とてどうなるか分からない現実、他は更に保障などできない。
少年はやや先走りやすいタイプのようだし、余計な情報を与えるといろいろまずいことになるかもしれない。
「承知した。それなら僕は東に向かうことにする。……しかしそうなるとどこかで合流する必要があるが……どこがいいだろうか?」
九兵衛の言葉に、浅月はマップのちょうど中央に位置する神社を指差した。市街地に比べて人は少なく、それでいて分かりやすいとなれば限られている。その中でも自分の目的地に近いところを選んでみたのだが。
「この辺でどうだ?時間は―――この名簿が表示されてからだ。お互い名簿を見れば目的が変わるかもしれないしな」
浅月は暗に『名簿に乗った名前によっては自らの立場を変えるかもしれない』とほのめかしたのだが、九兵衛はそれには気づいていないようだった。
「ああ、それで構わない……しかし、その子はどうする?このまま寝かせておくわけにもいかないだろう」
九兵衛は浅月の言葉に同意し、そして、すぐに視線を浅月にもたれて眠っている少女へと移した。
「……そうだな……」
なんだか現実を突き付けられた気分だ。
九兵衛の言葉はもっともだ。
しかし、見たところ何の力もなさそうに見えても、実は危険人物の可能性はある。
理緒などその主たる例だろう。
害はなさそうだからといって、簡単に気を許してもいいのか。
「……」
自分には亮子と鳴海弟を探すという目的がある。
この少女と一緒にいたところで、お荷物になるのは明白だ。
前の少年も同じ考えなのかもしれないが、うまく連れて行ってはもらえないだろうか。
「……あのさ、お前」
立ち上がろうとする。
ずる、と少女の体が浅月の動きに合わせて動く。
肩に寄りかかって眠っていれば、当然のことだ。
このまま浅月が立ち上がれば、少女は地面へのセカンド・キスをすることになるのは明白だった。
「……」
嫌な予感がした。

「……突然顔も知らぬ僕に保護されるよりは、安全だと認識されている君が同行した方が、彼女にも良いと思うのだが」
やっぱりそうなるのか。
浅月は内心嘆いた。
名前も知らない少女を、世話してやる義理などない。
「……それはそうだがなあ……」
「頼む」
少年は、頭を下げる。
「……僕の力では、彼女を運ぶことは難しい。……貴方に頼みたい。……どうか引き受けてくれないか」
確かに少年は小柄だ。きっと今眠っているこの少女の方が背も高いだろう。
実力者であっても、これでは移動すらままならないだろうことは、浅月にもすぐ分かった。
断ることは、できる。
340たった2つの冴えないやりかた ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:11:11 ID:B8AK9QQl

―――ったく。

浅月は、身を守るすべもない少女を無償で守ってやるほどお人好しではない。
しかし。
「……勘弁してくれよ……」
今や、それを放置しておけるほどの悪人にもなれなかった。
正確に言えば、もし女の子を放っておいたことが亮子にばれたら、烈火のごとく怒られるに違いないと考えたからなのだが。
「……会えたのが貴方でよかった。……では、約束通り会おう。……死なないでくれ」
「んなの今更すぎるだろ。当たり前だ」
浅月の言葉に、九兵衛はそうだな、と小さく笑った。
誤解から始まった出会いだったが、とりあえず味方は確保できた。
もしもの時は彼の力も借りよう。……そしてできれば武器が欲しい。

「じゃあ、また会えたらな」
だから、きっとそれは迂闊だったのかもしれない。
既に頭の中は、九兵衛と別れた後のことを考えていたためだろうか。
常に女性と(普通の意味で)行動することが多かった浅月にとって、それはしごく普通の動作だった。
ただの別れのあいさつの延長線、それだけのこと。
まだ声代わりもしていないだろう少年。年齢は自分より下だろう。
そう判断したからこその行為。
「九兵―――」

ぽん、と。
浅月は何ということない気軽さで、九兵衛の肩を叩いた。

「―――――っうがあああああああっ!」

そして気づいた時には、自分の体は宙を舞っていた。
浅月は、ただ考える。
殺し合いに巻き込まれて。
まともな支給品が何一つなく。
面倒くさそうな女の子を掴まされ。
それが原因で誤解され。
挙句の果てに『女の子』に投げ飛ばされるなんて。

ああ、俺はやっぱり今日の俺は貧乏籤なんだろう、と。
341創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:12:38 ID:hwoqo6XX
 
342創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:13:24 ID:zRtXxpoC
支援
343代理投下:2009/04/19(日) 02:15:48 ID:hwoqo6XX
【F-7/森/一日目深夜】
【浅月香介@スパイラル〜推理の絆〜】
【状態】健康、精神的疲労(小)、頭痛
【装備】なし
【所持品】支給品一式  ハヤテの女装服@ハヤテのごとく! メイドリーナのフィギュア@魔王 JUVENILE REMIX
【思考】
基本:亮子を守る。歩と亮子以外に知り合いがいるなら合流したい。
1:しょうがないので少女(宮子)の面倒を見る。学校に向かう。
2:ひとまず殺し合いには乗らないが、殺人に容赦はない
3:亮子が死んだら―――
4:殺し合いには清隆が関与している……?
※参戦時期はカノン死亡後

【ハヤテの女装服@ハヤテのごとく!】
ハーマイオニーのあれ。
可愛いだけで特殊効果はありません。

【メイドリーナのフィギュア@魔王 JUVENILE REMIX】
安藤兄のクラスメイト・要が好きなキャラクターのフィギュア。金髪おかっぱ眼帯メイド服。
ただのフィギュアだが、どうにも不気味な印象を与える。
余談だが、このフィギュア、コミック表紙にまでなっている。

【柳生九兵衛@銀魂】
【状態】健康
【装備】
【所持品】支給品一式  不明支給品0〜1 改造トゲバット@金剛番長
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
0:マップの東側に向かい、知り合いを探す
1:とりあえず新八と合流したい。
2:卑怯な手を使う者は許さない
3:妙ちゃんもこの会場に……?
※参戦時期は柳生編以降。

【改造トゲバット@金剛番長】
唐鰤 三信が使う釘バット。
改造済みなので普通の釘バットより威力はあると思われる。
344創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:16:17 ID:1w55kSiF
すみません代理投下頼みます……orz
345代理投下:2009/04/19(日) 02:18:08 ID:hwoqo6XX


ああ、夢か。
少女・宮子が出した結論はそれだった。
きっと夢なんだ。
また屋根の上で寝すぎちゃったのかなー。
うん、きっといつかゆのっちが起こしてくれるさ。
だから、きっと夢。
そうじゃなくっちゃおかしいってば。
だって、人が死ぬなんてありえない。
あんなサツマイモみたいな髪をした人が現実にいるわけないって。
優しい人みたいなのは分かったけど。

彼女は、どこまでもマイペースに思考する。
真に彼女はそう思っているのか、それともただの現実逃避なのか。
それは、おそらく彼女にしか分かるよしもない。

ああ、でも次に見るなら、もっといい夢が見たいよ。
ヒロさんと沙英さんとゆのっちと三人で、落書きする夢がいい。
そう願いながら。
宮子は再びの眠りについた。

その『夢』から、彼女はいつ目覚めるのだろうか?

【宮子@ひだまりスケッチ】
【状態】健康、ZZZ
【装備】なし
【所持品】支給品一式  不明支給品1〜2 
【思考】
基本: ???
1:ZZZ……お腹空いたあ……
2:これって夢の中だよね?

※現実をいまいち理解していません。目覚めた後に考え方が変わるかもしれません。


58 : ◆H4jd5a/JUc:2009/04/19(日) 02:14:51 ID:RW1ozSEI0
投下終了です。
何か指摘ありましたらお願いします。

……さるったOTL
346創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:20:54 ID:hwoqo6XX
代理投下終了です

ハーマイオニーとメイドリーナw支給品ひっでえw
九ちゃんは会う男性を次々投げ飛ばさないか心配だ。このロワ男多めだし
そして宮ちゃん起きろーサツマイモ頭は現実に存在しているぞー
347創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:26:06 ID:p3o+OQW3
代理投下&投下乙です。

香介どう動くか心配だったんだが…貧乏籤でしたかw
でも怪しい部分もあるし…宮子共々、今後が気になる終わりだなぁ…若も頑張れ!
しかし、サツマイモ頭とは…言い得て妙!
348創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:29:44 ID:mT+HD9qL
投下乙です

なんという殺し合いさせる気がなさそうな支給品ww
美少女フィギュアを持ちそれをじっくりと調べ、かつ百面相をする男…
宮子に見られてなくてよかったなw変態確定だw
349 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 02:39:21 ID:p3o+OQW3
>>256を見て気がついたのですが、「それでもなお、あきらめを踏破するのなら」のキャラの位置を間違えていました。
すみません、どちらもCでは無く、B-10とB-9です。

それと先ほど代理投下してくださった方、ありがとうございました!
350創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:39:55 ID:+4Dw3CtM
代理投下&投下乙です
ゲームに乗っても不思議ではなかったがとりあえず様子見か
でも清隆の影を気にしたり亮子が死んだりしたらとかこいつも不安定だな
九ちゃんは普通に対主催だがこんな調子で投げてたら死ぬぞ
そして宮ちゃんは夢の住人へ。このまま寝るのは究極の護身か?
351創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:45:44 ID:B8AK9QQl
書きこめたー
代理投下ありがとうございました・
あと武器バットなのに剣っぽい描写があったので書きなおしておきます。
352 ◆H4jd5a/JUc :2009/04/19(日) 02:46:50 ID:B8AK9QQl
おっと鳥忘れ
上は自分です
353創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 03:01:14 ID:YvFkIiFd
銀魂未把握なんで
肩を叩いたら女の子でした
の部分がすっきりしないから元ネタを教えて欲しい
354創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 03:05:21 ID:8j3BDcDG
これでスパイラル勢全員が清隆陰謀説を立てたことになるなw
ひっでぇ、少しは信じてやれよwww
……ごめん、俺は無理だわ。清隆なら裏で何やっててもおかしくないよな。
355創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 03:30:32 ID:+4Dw3CtM
清隆はこれまでの行いがアレだしなw
黒幕は清隆なのかそれとも・・・・・・
OPの言い回しで黒幕は白面の者とかは無くなった
でもダッキとの関連性は・・・・・書き手に任せるか
清隆以外の黒幕で連中の足元掬って欲しい
356創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 06:38:44 ID:7zQTv2bf
神様ってフレーズもあったし、清隆を疑わない方がむしろ不自然
357創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 09:01:10 ID:Afk67muO
しかし清隆にはいろんな世界を行き来して
化け物のような強さの参加者を集めるほどスペック高くないんだよな
いくら世界が清隆を中心に回っていてもこればっかはどうしようもない
358創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 10:50:54 ID:VqPGisb/
>>353
九ちゃんは、異性に触れられると反射的にぶん投げる癖があるキャラ。

誤解を生みやすいにも程のある癖なんだよな……
359 ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 11:44:39 ID:St8nUh6B
ひとまず完成しました。
ですが、通るのかどうか分からないので仮投下スレに投下します。
360 ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 11:51:57 ID:St8nUh6B
投下終了しました。
矛盾や問題点があれば指摘してください。
361創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 12:52:45 ID:wPfB1B8C
投下乙
特に問題はなさそうです
というか、この程度ならどこも不安になる要素とかないから、もっと自信持っていいと思いますよ
362創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 13:03:46 ID:B8AK9QQl
とりあえず本投下された分までの現在位置更新
SS読み直さなくても居場所分かるようにもっと詳細に書いてみた。

B−2 【競技場前】理緒、喜媚
    【家の中】ロイ、妙
B−4 【道路】由乃
B−5 【競技場内】BJ、ガッツ
B−7 【砂浜】ハヤテ
B−10 【灯台展望室】鈴子
C−2 【市街地】或、リヴィオ
    【詳細不明】レガート、エド
C−3 【中心部】紅煉
D−2 【病院前】亮子
D―3 【森】流
C−8 【森の中】ひょう、パック
C―9 【大通り】ミッドバレイ
C−10 【灯台】ひよの
D−8 【湖付近】ルフィ、ウィンリイ
D−9 【教会付近】ゴルゴ
    【教会】歩、安藤
E―4 【研究所付近/森】ハム、黄泉、ナイブズ
    【森】グリード
    【詳細不明】ユッキー、咲夜
F−5 【神社】 蝉、潮、キリコ
F−6 【中央街道】ボンクレー
F−7 【森】浅月、九兵衛、宮子
G−2 【高等学校裏】潤也、沖田
G−8 【旅館付近】ナギ、サンジ
    【旅館】スズメバチ
H−2 【海岸】金剛番長
H−6 【森の中】グリフィス、ゆの
H−9 【詳細不明】ゾッド
I−4 【中心部】ニコラス、マシン番長
    【北部】新八
I−6 【市街地】森、アル
I−7 【デパート付近】剛力番長
    【デパート内部】キンブリー
    【デパート内、衣服売り場】ロビン
    【デパート付近の民家】カノン
    【デパート屋上】公明
I−8 【書店】銀時、冴英
J−9 【詳細不明】雪路、とら
363創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 13:11:05 ID:po7QKLxl
デパート多いw
364創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 13:14:39 ID:64UWz9ML
365創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 13:51:24 ID:UBtzGs3D
こうして見るとこいつとこいつは近いとかよくわかるな
書き手のインスピレーションに期待
366創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:02:07 ID:lWIn8Q7F
>>362
>>349で当の書き手が仰ってますがどうやらひよのとミッドバレイの位置をミスって記載されてる模様です。
まあ、たしかにC-10には灯台なんてないのですが、ね。
正しくは
B-9 【大通り】ミッドバレイ
B-10 【灯台】ひよの
ですね。
そういえばwikiの状態表はまだ修正されてませんね。
うーん、書き手じゃないのに触るのは一種のマナー違反ですから……どうしましょう?
367創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:04:35 ID:hwoqo6XX
現在位置表の画像に処々酷いのがあるw(いい意味で)
368創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:09:41 ID:B8AK9QQl
>>366
見落としてました……指摘どうもです。

状態表は議論スレの方で意見出してみて、一瞬間経っても返事がないなら勝手に修正とかでいいんじゃないでしょうか?
369創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:10:24 ID:mSMTXZVt
現在位置がうまく表示されないんだが…
画像もないし
370創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:11:36 ID:UBtzGs3D
仮投下スレの話は俺も問題ないと思います
本投下しても問題ないと思います
371創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 14:23:49 ID:lWIn8Q7F
>>368
議論用スレに連絡しました。
拙い表現になってなければいいのですが……
372 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 14:25:26 ID:p3o+OQW3
>>366 >>368
ご指摘ありがとうございます。wikiの方編集してみました。これで間違いない…ハズ。
ついでに自作をほんの少し修正しました。改行しただけだけど…
373 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/19(日) 14:26:51 ID:p3o+OQW3
>>371
ありゃ、すれ違い…失礼。
374 ◆1ZVBRFqxEM :2009/04/19(日) 15:58:37 ID:a4xt832Z
完成したので投下します。
小学校の教室の中で、私は意識を取り戻した。
もう一度、精神を元の場所に戻そうとしてもそれは叶わなかった。
そもそもあそこが精神世界だったのかすら、今となってはわからない。
ただ、理不尽な今の状況に、教室の壁を、力の限り叩く。
無駄な行動だと知りつつ、そうでもしなければ感情が抑えきれなかった。

「あのやろう、ふざけるな。デウスはもういない?」
この雨流みねね様を、コケにしてくれた。
その怒りを、どうして殺すことができようか。

「ムルムル、今回のおふざけは許しがたいよ」
12名の日記所有者によるバトルロワイアルはどうした。
もう残り人数も半分切ってるんだぞ?
先に死んだ日記所有者たちはとんだマヌケだ。
そして、今生き残ってる日記所有者も救いようが無いほどマヌケだ。
弱くてニューゲーム? 第二部から異世界物に方向転換? 打ち切りでテロリスト坂でも登るか?

「流石に勝手がすぎるんじゃないか、デウス? 始めたゲームくらい、ちゃんと終わらせろ!」
「――それは無理な御話ねぇん☆ 神にとって、人間なんて玩具以下なのよん?」
その声に、私は振り返る。
だがそこには、誰もいない。声のした方角には影も形も存在しない。

「はっ……それで、何のようだよ。そのまま、「背中」を一突きにでもするにしちゃ行動が遅すぎるんじゃない?」
「うふん☆ 額に汗して口にする言葉じゃないわねぇん」
いつ回ったのか、振り向いた私の背後にいる女は私の顔……というか眼帯をぺたぺた触ってくる。
「あらん、残念ねぇん♪ せっかくの美貌も、片目が取れてちゃ半減よん?」
「興味ないね。それに、普通の人間様が神に挑むには、これくらい無茶しないと死んでいたのよ」

その言葉に、女は興味ありげに笑いかける。
「あはん☆ わらわ、あの場所とムルムルちゃんのこと知りたいのん。教えてくれるかしら?」
「……奇特だねぇ、自分から私の不満の捌け口になってくれるなんて、お優しいことで」

「当然よん☆ わらわはジャンプ不滅のゴージャスヒロイン、妲己ちゃんだものん☆」
……何を言ってんだ、こいつは?
「ふぅん、なるほど。簡単に言えば、あんたもデウス同様人間じゃないと」
「同様なんてわらわ照れちゃうん☆ ほんの千年ちょっと生きてるだけの妖怪仙人よん♪」
文句を聞かせると言いながら、結局情報交換になってしまった。
あの大聖堂に戻る方法を聞かれたが、私自身お手上げだ。
あそこが現実の世界ではない、空想、妄想の世界かもしれないこと伝えると、妲己は考え込むように黙ってしまった。
他にも、デウスとムルムルのこと、参加しているだろう現存未来日記所有者の情報を妲己に話す。

すると、気を良くしたのか妲己は自身のゴージャス人生とやらを語りだした。
先ほどまで頭の両端にまとめていた髪を解き、足まで届く長髪を晒す。
女の私から見ても美人だ。今までどれだけの男を騙してきたか、見当もつかない。
妖怪というくらいなのだから、いろんな意味で食い物にしてきたんだろう。

妲己はやはり人間じゃあなく仙人……人間の仙人もいるそうだが、更に妲己は妖怪だという。
神とは違うそうだが、人間様からすればどっちも変わらない。
あの時、雷を出して女を殺した申公豹って奴と、それと話していた太公望って奴も仙人らしい。
神と違って、宝貝なんて魔法の道具を使える以外は、人間と大差ないと妲己は言う。
目の前の妲己を見ていると、実にうそ臭いが死なないわけではないんだろう。

話によると、周という三国志なんかより古い時代の中国から来たそうだ。
タイムスリップというやつか……どうでもいいや。
わけのわからない力なんて、みねね様の知ったことじゃない。

「それじゃあ貴女は、遠い未来から来たということでいいのかしらん?」
「それでいいよ。未来とか過去とか、神からすりゃ遊びの一環なんだろうよ」
その回答に、妲己はそれなりに満足を得たらしい。
「それで、貴女はそんな神様をどう思うのん?」
「気に喰わないね。私は、神を殺すために神の座を目指してたんだ」

だが、それも振り出しに戻った。
片目を犠牲にしてまで守った未来日記「逃亡日記」までない以上マイナスか。
それでも私は諦めない。このゲームでも勝ち抜いて、私は、
「私は神になるん☆ とか思ってるわね?」
この場を、なんとか乗り切らなければならない。
377創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:04:01 ID:1w55kSiF
しえん
妲己はふざけた表情のまま、強烈な威圧感を私に放つ。
支給品の確認なんてまだしてない。怒りに我を忘れたツケってわけだ。
どうやってでも、こいつを殺すか逃走するかしなきゃならなかったってのに、隙をつけなかった以上、もはや逃げることもできない。

「でも、それは妙ねぇん? このゲームで優勝した御褒美なんて、わらわは聞いてないわん☆」
………あれ?
「何か勘違いしてるのねぇん☆ あの子とムルムルちゃんの会話のせいかしらん?」
待て、思い出せ。
たしか1stとの会話は……

「ムルムルッ!」
「1stか」
「どうなってるんだよこれは? 日記は? デウスは!?」
「――デウスはもういない」
「なっ!?」
「そして新しい神が新しくゲームを開いただけじゃ。
人数は大幅に増えてしまったがな。やる事は今までと大して変わらんよ。
悪いが1st、お前一人に長々と説明する時間は無いんじゃ。
最後まで生き残った時に改めて説明してやるから頑張ってみせよ」

「……そうだ。「やること」は変わらないってだけだ。一言も、優勝者が神になるなんて言ってないな」
とんだ思い違いだ。
この雨流みねね様ともあろう者が、こんな初歩的なミスか。
いや、ただ認めたくなかったんだろう。
神を殺す道が、断たれた事実を。

「あらん、つまらない顔ねぇん☆ そんなに嘆くことかしらん?」
「ククク……言いたいことはわかるさ。嘆くな、恨め、神を殺せ……そんなことは言われるまでも無い」
一瞬きょとんとした表情を妲己はしてみせ、再び私に問う。
「わかってるんじゃないのん。だったらどうして嘆くのん?」
「同時にわかることもあるのさ。……私の火力じゃ、神は殺せない」
デウスの座を争ったときでさえ、私が神を殺すには神になるしかないと理解していた。
神を殺すには神になるしかない。矛盾な気もするが、それ以外にはなかった。
「TNT爆弾で死んでくれるってんなら話は別だけどね」
「あはん、神様が人間の武器で死んでくれるなら、簡単よねぇん?」
それくらい知っている。
だから困ってるってのに、妲己の口調はまるで世間話のように、

「……だったら、私と手を組んでみないん?」
同盟を結ぼう、なんて言ってきやがった。

「……ハッ、この雨流みねね様がバケモノのあんたと?」
「構わないはずよん♪ わらわは妖怪だけど、神じゃないものん。それに貴女に損はさせないわん」
ああ、そうさ。力で劣る私に損はない。
こいつの力があれば、あるいは神を殺せるかもしれない。
だが、妲己は何の目的で?

「私に損はなくても、あんたに何の得がある?」
「……みねね。人の力は、それぞれが大したことが無くても、集まれば脅威になるわん」
「知ってるわ」
人が集まれば逃げることも立ち向かうこともうまくいかない。
警察にしろ宗教にしろ、集団の力は厄介だ。

「いつもなら、わらわの奴隷や兵を湯水のように使うわん。だけど、今は手駒が限られてるじゃないん☆」
「私はあんたの奴隷にはならないわ」
「知っているわん。貴女の自由を縛るつもりは無いのよん。ただ、誰かに会う度、こう言って欲しいのん♪
『妲己という人物が、このゲームから脱出するため仲間を集めている』ってねぇん」
仲間を集める広報活動をしろってことか?

「誰かに会う度……つまり危ない奴でも『無差別』に、か?
妲己、あんた死ぬ気? そんな真似すればどうなるかわかるだろ?」
「そうねぇん。わらわを求めて甘い人も危ない人も集まってくるのん☆ わらわ怖いん♪」
「わかっててなんで……」
まさかとは思うが、こいつの目的はそれなのか?
ともかく裏はあるわけだ。その方が、下手な偽善よりは信頼できる。
「……いいぜ、協力しよう。で、あんたと行動する必要はないんだな?」
「もちろんよん。あ、でも別れる前に支給品の交換でもしないん?」
「そうだな……どっちかの荷物に逃亡日記が入ってるかもしれない」
未来予測できるってことは大きなアドバンテージだ。
こんな場所じゃ『DEADEND』が何度も表示されそうだが、奇跡でも何でも起こして乗り越えてみせる。

「チッ、無いか。妲己、そっちは?」
「こっちにも入ってなかったわん☆」
未来予測が可能なんてアイテムは、やっぱり支給されてないのか。
それとも、どこかの誰かに支給されてるのか。

「(くそっ、支給されてたらなんとしてでも取り返さないとな)」
「ねぇん? 何かわらわの気に入る支給品はあったのん?」
人が考えてる間に、勝手に妲己は人の荷物をあさろうとしていた。
その前にあんたの支給品を見せろよ、と言おうとしたその時だった。

私の荷物から「勝手に」支給品が飛び出し、妲己を攻撃したのは。

「なっ!?」
「……あはん☆」
妲己の頬を、血が伝う。
それを舐めつつ、妲己は何がおかしいのか笑みを浮かべている。
その僅かな間に、頬の傷は完全に塞がっていた。

「まさか、支給品に命を狙われるとは思わなかったわん♪」
「ただの、槍じゃないのか?」
そう、妲己を傷つけたのは私の支給品の槍だった。

それが、まるで妲己を狙い済ますかのように飛び出したのだ。
「あん♪ わらわ、どうしたのかしらん。この槍を見てると、胸のドキドキが止まらないのん☆
これってもしかして……恋!?」
「何か違うんじゃないのか?」
もう襲ってくる様子はないらしく、妲己は槍を満足そうに見ている。
381創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:10:39 ID:0KCEIK7K
支援
「みねね、これをわらわに献上してん☆ とても気に入ったわん♪」
「ちょ、ちょっと待てよ! 私の好みの得物じゃないけど、こっちだって武器はいるのよ」
「んもォ、しょうがないわねぇ。なら、わらわも大奮発してこれをあげるわん」

何やら円形のものを投げて寄こす妲己。
「(なんだ、パイナップルみたいな……まさか手榴弾か♪)」
思わず受け取ってしまったソレは、ずっしりと重みがあった。
予想はハズレ、それは手榴弾ではなかった。
「なんだ、本当のパイナップル……でもないな、なんだこれ?」

それは実に奇妙な実だった。
美味そうには見えないし、こんなもので槍と交換なんてふざけているとしか思えない。
「たしかに食料は大事だけどね。これと槍じゃ割に合わないだろ?」
「そうねぇん☆ それがただの実ならねぇん♪」
妲己は風に乗せて、紙を一枚こちらに飛ばしてくる。
それには、なにやら説明らしき文章で埋め尽くされていた。

「悪魔の実……ボムボムの実、だと?」
「そうよん☆ 永遠にカナズチになる呪いと引き換えに、お手軽肉体改造が可能な呪われた実なのん☆」
話によると妲己自身も、水に溶かせば酒になる桃とやらを知っているらしい。
そういった不思議な食べ物はありえない話じゃないそうだ。

「永遠にカナズチか……海外への移動中に事故にあったらアウトじゃないか」
テロリストである以上、どんな方法でも海は通るし海上でのテロも行う。
それを考えれば、海に落ちれば溺れ死ぬしかないリスクは高すぎる。
「いや……そんなもの、神を殺せるチャンスのためなら小さいね」

それに、ボムボムの実なんて名前も能力も私好みだ。
全身爆弾人間……雨流みねね様にこそ相応しい呼び名じゃあないか。
私はボムボムの実にかぶりつく。

「ぐっ……マッズ……!」

日々の空腹生活で多少まずくても気にしない私だが、それでも毒みたいな味だ。
実は本当に毒で騙されたんじゃないだろうか。
383創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:12:30 ID:UBtzGs3D
sienn
「あらん、見た目の変化はないわねぇん。わらわ、ちょっと残念」
「……見た目だけじゃなくて、私も変わった感じがしないんだけどね」
とにかく試してみれば手っ取り早い。
私は目の前の机を蹴り上げる。
聞きなれた、ドンッという爆発音。
机は爆発に巻き込まれ、煙を上げながら砕け散った。

「クッハハハ! いいね、雨流みねねらしい能力じゃないか!」
お手製TNT爆弾に比べれば微々たる火力だが、対人だと考えれば十分な威力だ。
「あはん、汚い花火ねぇん♪」
対『人』ならな。こいつには効くんだろうか。

「いいぜ、槍はあんたにやるよ。……で、これからどうする?」
できればこいつと同じ方向は避けたい。
協力はともかく、いっしょに行動すると不安で仕方がない。
「わらわは当然デパートに向かうわん☆ 綺麗な服があるかもしれないでしょん♪」
「ならここでお別れね。私はそっちには向かわない」
「ならここでお別れねぇん☆ また会うときは仲間を増やしておいてねぇん」
妲己はそういうと、窓から飛び出しスキップしながら離れていく。

「おい、妲己」
「あらん、何かしらん?」
こいつほどの化物に必要ないかもしれないが、一応忠告しておく。
「2nd……我妻由乃には気をつけろ。あれはお前らの域に達する『異常』だ」
「ヤンデレの未来日記の所持者ねぇん。わかったわん」

「……読めない奴だ」
信用するのは危険だが、一筋縄じゃいかない。
神を殺すためなら、危険な爆弾を背負い込むのも一つの手だ。
「自分が吹っ飛ばされないように気をつけないとね」
まずは、準備といこうか。

私に必要なものは何か。もちろん爆弾だ。
理科室へと足を運び、爆弾を調合する。
少ない材料で出来たのは、衝撃で発動する簡易な閃光弾と煙幕弾。
もう少し作りたかったが、あまり一箇所に留まっても危険が伴う。
385創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:15:05 ID:UBtzGs3D
sienn
「さて、どこに向かおうか」
選択肢としては病院、警察署か研究所、工場という所だろう。
病院には薬品があるし、警察署には武器があるかもしれない。
研究所、工場には機材や火薬があるだろう。

爆弾人間なんてのになってしまったが、この首輪を外すにも、敵の排除にも武器や道具は必要だ。
「今は、高みの見物でも洒落込んでいるといい」

今度こそ殺してやるわ、神よ。

【H-3/小学校理科室/一日目深夜】
【雨流みねね@未来日記】
[状態]:健康、爆弾人間
[装備]:手製閃光弾、手製煙幕弾
[道具]:支給品一式、不明支給品(0〜1(日記ではない))
[思考]
基本方針:神を殺す
1: 病院方面、もしくは研究所方面に向かう。
2: 出会った人物に、妲己が主催に反抗する仲間を集めていると伝える。
3: 首輪を外すため、神を殺すためならなんでも利用する。
※ボムボムの実を食べて全身爆弾人間になりました。
※単行本5巻以降からの参戦です。
※未来日記所持者は全員参加していると思っています。死んだ12thが参戦しているとは思っていません。
※妲己と情報交換をしました。封神演義の知識と申公豹、太公望について知りました。

【ボムボムの実@ONE PIECE】
バロックワークスのMr.5が食べた悪魔の実。
食べた人間は全身起爆の爆弾人間となる。
体液などの分泌物も爆弾に変えられ、銃に吐息を吹き込めば、見えない爆弾を射撃できる。
爆撃でのダメージがなくなるが、能力が制限対象のため、高威力の爆撃を完全無効とは出来ない。
デパート方面への道を歩く妲己。
その表情は先ほどまでとは異なり、神妙なものだった。

「(この会場の文明水準は、殷と周の時代より遥かに上よねん)」
警察署、デパートなどは妲己のいた時代には存在しない建築物だ。
それは、数千年先に存在すると「決められている」建物。
『歴史の道標』によって定められている事象である。

「(やっぱりここは、未来ということなのん? でも、ありえないわん)」
そう、ありえないのだ。
妲己は『歴史の道標』―――女?の配下である。
「最初の人」である女?は、歴史をあらかじめ決定している。
夏の時代が終わり、殷の時代が終われば、周の時代が来る。
それはすべて女?に決められていることなのだ。

「最初の人」は滅んだ惑星からやってきた異星人であり、女?は故郷と同じ星を作ろうとしている。
失敗すれば、また壊してやり直す。
何百万年も世界を滅ぼし、繰り返してきたその作業。
その過程を知っているからこそ、妲己はありえないと言うしかないのだ。

「(女?様ですら、世界をわざわざ壊さなければいけなかった。それなのに、未来に生きるみねねとわらわが同時に存在しているなんて……)」
女?ほどの力があっても、時間移動はできなかった。
僅かな失敗を修正することができなければ、すべてリセットする他になかったのだ。

「(新たな神とは、何者なのかしらん。女?様なのん? それとも違う誰かなのん?)」
このゲームを開いた神とやらが女?である可能性は低いと妲己は見た。
地球を歴史通りに作りたい女?が、こんなことをするとは思えなかった。
女?だとしても、おそらくは単独での行いではないだろう。
何度も言ったように彼女には時間移動の力は無いのだから。
388創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:18:00 ID:V1e6BJNw
おおっと
389創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:18:40 ID:V1e6BJNw
 
390創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:19:22 ID:V1e6BJNw
 
デパート方面への道を歩く妲己。
その表情は先ほどまでとは異なり、神妙なものだった。

「(この会場の文明水準は、殷と周の時代より遥かに上よねん)」
警察署、デパートなどは妲己のいた時代には存在しない建築物だ。
それは、数千年先に存在すると「決められている」建物。
『歴史の道標』によって定められている事象である。

「(やっぱりここは、未来ということなのん? でも、ありえないわん)」
そう、ありえないのだ。
妲己は『歴史の道標』―――女カの配下である。
「最初の人」である女カは、歴史をあらかじめ決定している。
夏の時代が終わり、殷の時代が終われば、周の時代が来る。
それはすべて女カに決められていることなのだ。

「最初の人」は滅んだ惑星からやってきた異星人であり、女カは故郷と同じ星を作ろうとしている。
失敗すれば、また壊してやり直す。
何百万年も世界を滅ぼし、繰り返してきたその作業。
その過程を知っているからこそ、妲己はありえないと言うしかないのだ。

「(女カ様ですら、世界をわざわざ壊さなければいけなかった。それなのに、未来に生きるみねねとわらわが同時に存在しているなんて……)」
女カほどの力があっても、時間移動はできなかった。
僅かな失敗を修正することができなければ、すべてリセットする他になかったのだ。

「(新たな神とは、何者なのかしらん。女カ様なのん? それとも違う誰かなのん?)」
このゲームを開いた神とやらが女カである可能性は低いと妲己は見た。
地球を歴史通りに作りたい女カが、こんなことをするとは思えなかった。
女カだとしても、おそらくは単独での行いではないだろう。
何度も言ったように彼女には時間移動の力は無いのだから。
392創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:20:11 ID:UBtzGs3D
sienn
393創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:20:30 ID:V1e6BJNw
 
「(女カ様である可能性が低いから対主催なんて言っちゃったけどん。女カ様だったら困るわねぇん)」
妲己は女カの手足となって動いているが、彼女には大きな目的があった。

―――地球と同化して、地球の真の支配者……『大母(マザー)』になること。
風となり、大地となり、草木となり、生物の一部となり……永遠に世界を見守る。
野心家である妲己がたどり着いた究極の世界支配の方法。

そのためには妲己の力では足りない。
女カの体を乗っ取り、世界と同化する必要があった。
それを女カに知られれば、妲己など一瞬で魂魄ごと消されるだろう。

「(とはいっても、わらわに何の指令もないってことは女カ様が主催だとしても見捨てられたのよねん)」
たとえば、自分に殺し合いを活発化させるためのジョーカーの役割を指令することも可能だ。
そもそも、ムルムルか申公豹のポジションってわらわじゃないのん? と不思議に思う。

「(申公豹はどうして従ってるのかしらね。絶対に誰かの言いなりになるタイプじゃないのに)」
申公豹は最強クラスの仙人であり、けして誰にも組しない男だ。
彼の美学に反することを許さない彼は、この殺し合いを美しいと思っているのだろうか。
「わらわなら、もっと残虐で美しい殺し合いを考えるのにん☆」
この人、やはり真性の外道である。

「(しょうがない。どう考えてもわらわの計画はオジャン。一から練り直すしかないわん)」
なんとしてでも神の元にたどり着き、その力を手に入れる。
それが女カ以上ならば更に彼女の力を取り込み地球と同化する。
女カに劣る力の持ち主ならば、それを足がかりに女カに取り入り、やはり地球と同化するのだ。
女カが主催ならば……隙を突いて体を奪ってみせる。

神がいるという場所は妄想世界の可能性があるというみねねの言葉を思い出す。
魂魄が飛ばされた可能性、良く似せた現実の世界である可能性。
「(いくらでも可能性はあるけど、まずは下品な首輪を外さないとねぇん♪)」
自らの首輪を指でなぞる妲己。
395創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:21:14 ID:V1e6BJNw
 
396創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:21:54 ID:V1e6BJNw
 
「(そのために、わらわも頑張って太公望ちゃん方式で頑張ってみるわん♪)」
妲己の言う、太公望方式とはつまり、彼が妲己を倒すためにとった手段である。
スーパー宝貝「傾世元禳」が無い以上、テンプーテーションによる誘惑は難しい。
そのためにとった策は、敵の良作を模倣することであった。

「(強い仲間を囲って、楽して主催者撃破戦法よん☆)」
少し曲解されているが、意外と間違いでもない。
旗印に人は集まる。
誰かが反抗しているという事実は、それだけで他の主催打倒を目指す者を集わせる。
戦っているのは自分だけではないという、連帯感は力を強くする。

「でも、わらわ……実力の無い者は嫌いなのん♪」
戦闘力だけではなく、運も実力のうちという。
無差別に情報をばら撒かれれば、対主催である妲己を気に入らない者も妲己を目指すだろう。
そして、それは妲己の仲間になろうと近づく者との争いを多くするだろう。
誰かに出会ったにしろ出会わなかったにしろ、妲己の前までたどり着けなかった運の悪い者に、妲己は用は無かった。

「これは、役に立つのかしらん?」
荷物から取り出した木札。
それが、妲己の二つ目の支給品だった。
札の表面には、マジックで書いたような4文字があるだけのそれからは、不思議な力を感じる。

「『再会の才』ねぇ……お守りくらいにはなるかしら?」
会えるのならば、会いたい人物はいた。
妲己が呼ばれたのは、太公望チームとのトーナメント戦の最中だった。
敗北し、元の琵琶状態を晒した義妹、王貴人。そして自分以上に破天荒な義妹、胡喜媚。
そしてカワイイカワイイ太公望ちゃんに、カワイイカワイイ王天ちゃん。

太公望ちゃんに会えれば御の字だろう。
札をしまい、獣の槍を片手に妲己は歩き出した。
398創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:22:50 ID:0KCEIK7K
支援します
「……この槍は、何なのかしらねぇん。あれっきり襲ってはこないみたいだけど」
まるで熱が冷めたかのように、槍はただの槍のように動かなくなってしまった。
この槍はスーパー宝貝級の力を秘めていると妲己は感じ取った。
しかし、それを自分には使いこなすことは出来ない。
それでも、並みの宝貝程度に妖怪でも倒す力はありそうだった。

「妖怪を殺すための槍みたいねぇん。わらわを殺すつもりなのん?」
獣の槍は答えない。
「まぁいいわん。持ち主が見つかるまでは役に立ってもらうわよん♪」
幸いというか、槍には銘が彫られていた。

我屬在蒼月胸中到誅白面者――我ら白面の者を倒すまで蒼月の心の内に在る、という意味の銘が。

おそらくは、蒼月という人物が槍の持ち主なのだろう。
「白面の者……ねぇん?」
その名に感じるものがあったのか、妲己は何か考え込んでいた。
しかし、すぐに歩を進めデパートへと向かっていったのだった。

獣の槍……それは、妲己を滅ぼすために作られた槍であり、そうではない。
殷を滅ぼし、周すらも滅ぼした恐るべき大妖。
それから先、3000年近く世界中に恐怖と滅びを与え続けた存在。
白面の者――それは間違いなく、妲己と等しい存在であり、未来の存在とも言えた。
しかし、白面の者と妲己は、同じでありながら、何もかもが違いすぎた。
獣の槍は、見定めるために動きを止める。
目の前の妖は、憎き宿敵と変わらぬ存在であるのか。
自らの持ち手となりうる存在を待ちつつ、獣の槍は一時、妖怪の得物となった。
400創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:23:43 ID:V1e6BJNw
 
【I-3/道路/一日目深夜】
【妲己@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら
[道具]:支給品一式、再会の才@うえきの法則
[思考]
基本方針:神の力を取り込む。
1: デパートに向かう。
2: 対主催思考の仲間を集める。
3: 太公望ちゃんたちと会いたい。
4: この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る。
5: 獣の槍と、その関係者らしい白面の者と蒼月が気になる。
※胡喜媚と同時期からの参戦です。
※みねねと情報交換をしました。未来日記の所持者(12th以外)、デウス、ムルムルについて知りました。

【獣の槍@うしおととら】
春秋・戦国時代に中国で作られた、白面の者を殺すための槍。
両親を白面の者に殺されたギリョウ、ジエメイの兄妹が命を込めて作成した。
(妹、ジエメイが溶鉱炉に身を投げ、それを材料に剣を打った兄の体が融合し槍となった)
獣の槍に選ばれた者が使うことで、使用者の魂と引き換えに身体能力、治癒能力が向上する。
ただし、魂を与えすぎると使用者は、とらや紅煉同様の字伏という妖怪に変化する。
選ばれていない者以外が使用した時、選ばれた者でも妖以外と戦う時はその変化は起きない。
妖怪のみを殺す槍であり、人間を刺してもダメージは普通の槍より少ない。
(正確には斬れないため人間を強打や無機物を切り裂くことはしていた。)
ただし、上記の性能がロワ中でなんらかの変更が加えられているかは不明。
獣の槍を封印する布は巻きついている。

【再会の才@うえきの法則】
植木耕助が神の座を争う戦いに勝利した際に、優勝者に与えられる空白の才に書き込んだ才。
文字通り、再会する才能を得ることが出来るが、あくまで才能であって絶対ではない。
402創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:24:51 ID:V1e6BJNw
 
403 ◆1ZVBRFqxEM :2009/04/19(日) 16:27:24 ID:a4xt832Z
これで投下終了です。
支援ありがとうございました。

>>387は常用外漢字を使用してしまったため、>>391を正しいものとします。

何かありましたら指摘お願いします。
404創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:34:05 ID:V1e6BJNw
投下乙です!
405創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 16:35:52 ID:UBtzGs3D
投下乙です
みねねはやっぱり神殺しを目指すか
一応対主催だが荒れてるな。ボムボムの実なんて何てみねね向きの支給品なんだw
そしてダッキはダッキらしい思考と理由で対主催か。考えてみればマーダーなんてダッキらしくない
でもこれは危険対主催だよな。デパートに向かうのかよw
そして獣の槍が彼女の手にわたるとは何たる偶然

ただ少し疑問に思ったのはあの槍は白面の者に対して猪突猛進な所があるからこんなあっさり大人しくなったのが違和感ある
違いを見分ける前に殺そうとするような気が
406 ◆1ZVBRFqxEM :2009/04/19(日) 16:53:49 ID:a4xt832Z
>>405
獣の槍がちょっと丸い理由ですか。
実はあそこで戦わせても良かったんですが、あることに気づきました。

それだと意思持ち支給品どころか追加参加者じゃね? と。
ということで制限+封印の布を巻いて大人しくなってもらいました。
それでも狐のタマ取りに自発行動したのはギリョウさんの怨念の賜物だと思っていただければ。
407創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 20:49:49 ID:aBFVp0j1
画像誰か頼む。手伝って
408 ◆T0ldTcn6/s :2009/04/19(日) 22:02:18 ID:jWgesmm0
高町亮子。ひとまず完成。
繋ぎですがいきまーす。
409Overture 〜序曲〜 ◆T0ldTcn6/s :2009/04/19(日) 22:04:11 ID:jWgesmm0
さて、当然の話ではあるが。
 彼女は拡声器を使って参加者を募った。
 おそらく周囲にもとどろいているだろう。向かう人間もいるだろう。
 だが、いやだからこそ。即座に結果は出力されない。
 これは、そのタイムラグ……空白の時間に起きたほんのちいさな出来事である。

 かつん、かつん、かつん。
 人気もなければ生活感のない病院の廊下を少女が歩く。
 しかし、その冷たさに似つかわしくない機械的な光が床を照らしている。
 さすがに暗がりで探索すると見落としが多くなる。だが、こんな夜分に照明を点けるということは自分の位置を教えているようなもの。
 しかし、大声で病院で待つと触れ回ったのだ。気にする必要なんてあるものか。構うことなくスイッチを入れた。
 もっとも。あまり期待はしていなかったのだが、良い意味で予想を裏切ってくれた。さしもの亮子も電気が本当に供給されてるとは思っていなかったのだ。
 この分だと水道やガスといったライフラインはおそらく十全のはずだ。
 かくして彼女は手早く、そして慎重に歩を進めていく。

 やがて、亮子はある部屋の前で足を止めた。
 静かに扉を開ける。修羅場をくぐり抜けた彼女の嗅覚が誰もいないと告げている。
 だが、最大限の警戒を払った。仮に境界の先で敵が待ち伏せしていたとしても彼女を殺すことは叶わなかっただろう。
 生半可な人間なら逆に拘束、無力化されることは自明だし、彼女にもその自信はあった――もっとも、生半可でない人間も存在するのだが。
 誰もでてこないことを確認し、部屋のスイッチを入れた。そして再度、中を確認するが誰もいない。
 ここに来た目的は――医療品だ。痛み止めや消毒薬、包帯などはこれから必ず必要になってくる。
 モノはすぐに見つかった。そして同時に『痕跡』も。

 (誰だか知らないけど、先客がいたのか)

 既に物色された後のようだ。幸い、全て回収されたわけではない――いや、物理的に考えて全てを回収するのは無理だ。
 おそらく必要なものを必要なだけ持ち去ったのだろう。
 予定通り自分も『先客と同じ行動』をとる。これである程度の負傷には対処できるはずだ。
 人を殺したことこそないものの修羅場の1つや2つ、くぐりぬけている。当然、応急処置の知識もある。

 (これで、よし)

 部屋の灯りを消し、廊下へ。ここまでの経過は10分。拡声器を使ってまだ10分。結果が出るにはまだ早い。
 そこで彼女はこの病院をもう少し探索してみることにする。
 それ故の必然。データは電子化する世の中だ。あるべき所にはきちんと存在するもの。
410創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:04:40 ID:hwoqo6XX
 
411Overture 〜序曲〜 ◆T0ldTcn6/s :2009/04/19(日) 22:05:11 ID:jWgesmm0
 (パソコンか……悔しいけどあたしは詳しくない)

 この会場は主催者の用意したもののはず。あくまで可能性でしかないのだが――PCに何らかの手がかりが残っているかも知れない。
 だが、亮子にはこのような電子機器の知識は――オルゴール殺人事件では知人に頼ったことからも分かるが――薄い。
 さらには拡声器を使ったため時間的余裕もないのだ。調べるだけ無駄と判断する。
 そのときだった。いつも弟の隣にいるおさげの少女を思い浮かべたのは。
 カノンとの戦いもそうだ。彼女は弟の拉致されている場所を発信器で――本人は恋する乙女の直感と誤魔化していたが――把握していた。彼女は死ぬかも知れない無茶をやってまでカノンを足止めして、時間も稼いだ。カノンを無力化する切り札にもなった。
 そう――あの戦いは彼女なしにはあり得ない勝利だった。
 そして亮子は彼女の武器を知っている。

 (あいつなら何か分かったのかも……)

 学園でも有名な『情報通』。本来なら部活として成立しない『新聞部』を強引に認めさせている彼女。
 人捜しを有料で行っている、警察を脅迫してる、学長すら逆らえないなど黒い噂が絶えない。
 弟と関わるようになって、彼女とも関わったあたしはその噂が本当でもおかしくないと思っている。彼女の情報収集能力、行動力は常人の域を超えているのだ。
 さらに今里先生が刺されたあの事件、彼女は3日で犯人を絞ってみせると宣言したという。あたしはこの件には関わってないが、噂は学園全体に広がっていた。人づてで耳に入っている。
 そして、宣言するにたり得る能力があったのだろう。でなければあの理緒が自爆して胸部を破壊するなんて行動に出ない。
 大勢いる学園の生徒から容疑者を数人に限定する――知の部分で弟の助けがあったのだろうが、それをさっ引いても並の人間には不可能だ。

 (いるかどうかは分からないけど、いるならば合流したいね)

 あれが殺し合いに乗るとは思えないし、とここまで考えてふと時計を見やる。
 どうやらいつの間にか5分たったらしい。拡声器を使ってからおおよそ15分。
 少し早いが病院の近くにいる参加者がやってきてもおかしくない頃だ。それにもう病院での用は済んだ。
 そろそろ入り口に向かうこととする。

 (それにしてもあのメッセージ……)

 病院に入ってすぐの掲示板で見つけたものだ。曰く『――放送の度、僕は4thの所へ向かう。秋瀬 或』
 メモに記されている名前には偽りはないだろう。ここで偽名を使う意味はない。秋瀬 或という参加者を心に刻み込む。おそらく先ほど述べた先客こそこの秋瀬だろう。
 そしてメモの内容を吟味する。ここでポイントとなるのは4thの一点のみだ。「の所」に続くことから場所を示していることは間違いない。だが施設は17個。
 まず4thの意味――4番目という観点から施設を特定しようと考えた。しかし、どう視点を変えても該当する施設があるとは思えない。
 この4th、おそらく秋瀬の関係者にしか分からない一種の暗号と推測する。部外者がこのメモを見ても有益な情報にならない。
 単純ではあるが身内だけに伝えたいというなら有効な手段だ。

 (ま、考え事はここまでだね)

 現在地――病院の入り口。パニッシャー――いつでも使える、問題なし。周囲警戒――まだ誰も来ていないようだ。
 さあ、鬼が出るか蛇が出るか、それとも希望を掴めるか。
 少女が一人、立っていた。
412Overture 〜序曲〜 ◆T0ldTcn6/s :2009/04/19(日) 22:05:54 ID:jWgesmm0
【D-2/病院入り口/1日目 深夜】
【高町亮子@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:健康
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:パニッシャー@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式、拡声器、各種医療品
[思考]
基本:この殺し合いを止め、主催者達をぶっ飛ばす
1:とにかく仲間を集める。
  現在地で、放送を聞いて集まってきた、殺し合いに乗っていない人間を待つ。
2:殺し合いに乗った連中が来たら、パニッシャーで威嚇し追い払う。
3:ヒズミ(=火澄)って誰だ? 鳴海の弟とカノンは、あたし達に何を隠しているんだ?
4:できれば香介は巻き込まれていないといいんだけど……
5:あのおさげの娘(結崎ひよの)なら、パソコンから情報を引き出せるかも。
6:そういや、傷が治ってる……?
[備考]
※第57話から第64話の間のどこかからの参戦です。身体の傷は完治しています。
※火澄のことは、ブレード・チルドレンの1人だと思っています。
 また、火澄が死んだ時の状況から、歩とカノンが参加していることに気付いています。
※秋瀬 或の残したメモを見つけました。4thとは秋瀬とその関係者にしか分からない暗号と推測しています。
413 ◆T0ldTcn6/s :2009/04/19(日) 22:06:59 ID:jWgesmm0
いじょ。
病院のメモを彼女に見つけてもらいました。
問題あればご指摘願います。
414創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:07:12 ID:vQcVGMXw
両者とも乙です
415創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:17:20 ID:UBtzGs3D
投下乙です
問題はないと思います。ナイス繋ぎです
しかし入口で待機のままとは不安だ
416創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:35:54 ID:B8AK9QQl
投下乙
或のメッセージに気づいたか。
しかし亮子逃げてー!周囲にマーダー何人もいるからー!
417創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:42:28 ID:1Xy7x15S
今上のほうのスレタイくっつけて

週間オリジナルニコニコ料理を引越しして先読み(たぶん)
418創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:42:45 ID:1Xy7x15S
誤爆><
419 ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:43:25 ID:St8nUh6B
問題点もないようなので投下します。
420序章の始まり ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:45:41 ID:St8nUh6B
「何故あやつらはこのようなことをする?」

太公望は、何故申公豹が殺し合いを開催したのか理解できなかった。
彼は道化師のような格好を悪く言う者を嫌う、一風変わった美学の持ち主である。
だが、彼の美学が無力な女子供に殺し合いをさせることになるのは、彼の性格上考えられない話である。
仮に殺し合いをさせることを美学としても、自分でわざわざ大掛かりなことをすることも考えられないのである。
封神計画のときもそうであった。彼は殷や周の双方に助言や忠告をする程度で、仙界大戦や牧野の戦いのような大規模の戦いのときも傍観者という立場にいた。
そのため、突然殺し合いを開催すること自体何か裏がない限り信じられないことである。
しかし、彼は常に傍観者の位置にいたため、彼との深い関わりが分からない。結局、結論が出ないままである。

「……とりあえず移動するかのう」

申公豹に対する考察を終了して移動しようと立ち上がった。だが、すぐに動こうとはせず、近くにある木のほうを振り向いた。

「おぬしがそこにいるのは最初から分かっておる。姿を現したらどうじゃ?」

421序章の始まり ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:47:22 ID:St8nUh6B
太公望は、自分の後ろにいる人物に語りかけた。
すると、木の陰から一人の少年がでてきた。少年は自分と同じくらいの背丈で、顔つきはどことなく女の子ともとれるような顔であった。

「よく分かりましたね、音は立てないようにしたんですけど」
「姿が見えずとも気配だけで感じていたぞ」
「そうですか。ところでその声、もしかして……」
「いかにも、わしの名は太公望。このようなふざけたことには乗っていないから安心していいぞ」
「僕の名前は綾崎ハヤテです。僕もこの殺し合いには乗っていません。よろしくお願いします」



情報交換を済ませた二人は、近くにある博物館を目指して歩いていた。
二人とも他の人に会うのが目的で、建物に人が集まると考えていたからである。
そのうえ、博物館はいろいろなものが展示されているため、有力な情報が手に入れやすいのである。

422序章の始まり ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:48:11 ID:St8nUh6B
(あの人、何か胡散臭いんだよな、そもそも二千年以上も前の人なんて……。でもこの状況だし、信じるしかないのかな。)
ハヤテは、中国の周という時代から来た道士である太公望の話が信じられなかった。
彼を疑っているわけではないが、古代の中国にも関わらず、現代技術を超越する技術のようなものが存在しているなどという話を信じることは出来なかった。
もしこのような状況でなかったら、彼は太公望のことを「頭のかわいそうな人」と思っていただろう。

(それにしても、最初に会った人があのピエロみたいな人の知り合いだなんて……。)
ハヤテは運命と戦う決意をした後、とりあえず他の人に会うため、一番近い建物である博物館を目指して歩いていた。その途中で太公望を見つけたのだ。
だが、その男が殺し合いに乗っていて襲い掛かってくる可能性も否定できなかった。そのため、近くにある木の陰に隠れていたのだ。すぐに見つかってしまったが。
まさか主催との関係者とは思ってもいなかった。情報交換の際にそのことも聞いてみたが、特に有力な情報はなかった。

(……とはいえ、武器が手に入ったのは良かったな。あのままじゃ、戦うこともできないし。)
ハヤテの手には一つの木刀が握られており、柄の部分に『洞爺湖』と書かれている。
その木刀は太公望に支給されたものであるが、武器を持っていないというと、その木刀を渡してくれたのだ。
その代わりに自分に支給された手配書の一枚を太公望に渡した。一人で捕まえるのは難しいので、協力してもらうためである。
また、600億という大金なので、半分に分けても問題ないだろうと判断したからでもある。

(でも大丈夫かな、あんな丸腰で。)
武器である木刀をハヤテに渡してしまったので、太公望の手にはボールのようなものしかない。それでも、太公望は「問題ないぞ」といって渡してくれた。
……気にする必要はないか。ハヤテはそう結論付けた。
423序章の始まり ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:49:13 ID:St8nUh6B


(……まさかわしにこのようなものが支給されるとは。)
太公望は、両手にあるボールのようなものを見つめながら歩いていた。だが、それは彼がよく知っている人物のものだった。
このボールのようなものは『太極符印』という元素を操る宝貝である。状態変化や化学反応、挙句の果てには核融合も可能とする、ある意味危険な宝貝でもある。
この宝貝の持ち主は崑崙十二仙の一人、普賢真人であり、太公望のことを「望ちゃん」と呼ぶほどの仲である。
だが、普賢真人はすでに死んでおり、『太極符印』もそのときに自爆したはずである。
最も多くの仙道が死亡した仙界大戦によって。

(そういえばあやつは話し合いで解決しようとしておったな。)
彼は戦いというものを嫌っており、話し合いによって解決策を出そうとしていた。
もし彼がこの状況に巻き込まれたら、同じようなことをしているのだろうか。そう考えると少し笑みがこみ上げてくる。

(だが、わしにはそのようなことは出来ぬ。わしはわしのやり方でやらせてもらうぞ、普賢。)
太公望は大した才能を持ち合わせていないありきたりの道士である。そんな彼が主な武器としているのが策略である。
これによりこれまでの妖怪仙人との戦いや殷郊との戦いを制してきたのだ。そして、この殺し合いでも策略で乗り越えるつもりでいる。
だが、彼は多くの仙道とは戦ってきたが、申公豹とは本格的に戦ったことはない。当然、勝つ確証などない。
そして、そこに至るまでに多くの犠牲があるのかもしれない。

(それでもわしがやらねばならぬ。覚悟しておれ、申公豹!)
これまで多くの犠牲を目の当たりにした道士、太公望。
彼の戦いが今、ここから始まった。

424序章の始まり ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:50:20 ID:St8nUh6B

【B-8/西部/1日目 深夜】

【太公望@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:太極符印@封神演義
[道具]:支給品一式、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×1@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:殺し合いを潰し、申公豹を倒す。
1:ハヤテと行動する。
 2:博物館へ向かい、有力な情報を探す。
[備考]
 ※殷王朝滅亡後からの参戦です。
 ※手配書は渡されただけで詳しく読んでいません。
※ハヤテと情報交換をしました。

【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[服装]:トレーナーとジーンズ(第1話終了時の服装です)
[装備]:銀時の木刀@銀魂
[道具]:支給品一式、若の成長記録@銀魂、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:運命と戦う、当面は殺し合いには乗らない
1:とりあえず太公望と行動する
 2:博物館へ向かい何か使えそうな道具を手に入れる
 3:西沢さんを含めた友人達が心配
 4:出来ればヴァッシュを捕まえて賞金を手に入れたい
 5:少年(火澄)の言っていた『歩』は西沢さんなのか、東城歩って人のことなのか、それとも他の歩という名前の人なのか……?
 6:金髪でツインテールの少女(ナギ)が心配
[備考]
 ※第1話直後からの参戦、つまりまだナギの執事となる前です。
 ※参戦時期からわかる通り、西沢・ナギ以外のハヤテキャラとの面識はありません。また、ナギも誘拐しようとした少女としか認識していません。
 ※太公望と情報交換をしました。また、その際に封神演義の世界についておおまかなことを聞きました。ただし、そのことについては半信半疑です。

【銀時の木刀@銀魂】
銀時がいつも通販で購入する愛用の木刀。柄の部分に『洞爺湖』と書かれている。

【太極符印@封神演義】
崑崙十二仙の一人、普賢真人の宝貝。元素を操ることが出来る。
425創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:52:05 ID:B8AK9QQl
支援
426 ◆03vL3Sy93w :2009/04/19(日) 22:52:06 ID:St8nUh6B
以上で投下終了です。
何か問題点があれば指摘お願いします。
427創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 22:55:16 ID:a4xt832Z
投下乙ー
ハヤテはどこで換金するつもりなんだろうなwww


ところで現在位置地図が工事中になってるんだが壊れた?
428創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:05:04 ID:a4xt832Z
ごめん、直ってた。
誰か編集中はああなるのかな?
429創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:11:14 ID:UBtzGs3D
投下乙です
胡散臭いのは同意するがギャグ漫画でチートなお前が言うなと思ったw
太公望は普通に対主催だけどヴァッシュの手配書貰ったのか
まだ登場もしてないのに悪評が出回ってるぞw
GJです
430創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:13:30 ID:w8jfstNV
>>428
管理人権限で停止してました。またバグったので再停止。
>>428氏が何をやったのか説明してくれると直せるかも知れないが、私が作ったプログラムじゃないので無理かも知れぬ
431428:2009/04/19(日) 23:16:13 ID:a4xt832Z
>>430
とりあえずチマチマとキャラ追加と位置の保存していたのですが
どうも消えたり名前がバグったりで。
とりあえず今日はやめておきます
432創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:24:25 ID:w8jfstNV
>>431
どんな手順かをkwsk
433創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:28:50 ID:a4xt832Z
手順といわれますと
キャラの追加押下→画像と名前選択して作成→現在位置に置いて保存
これを繰り返してたんですが、名前をドラッグしても動かせなくなったので閉じました。
で、元の画面に戻ったらバグっていたり保存されていなかったりしてましたね。
434創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:38:09 ID:w8jfstNV
そうですか。これの製作者に連絡取れる方がいたら、言っといた方がいいかも。
435創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 23:55:59 ID:DTiB45R4
投下乙です!
ヴァッシュの悪評がどんどんと……w
ハヤテにはあまり悪気がないだろうけども可哀そうw
頼りになりそうな太公望に期待!


すいません、それで今更で申し訳ないのですけど>>247の趙公明とカノンのSSで疑問が……。
趙公明は確か自分の美学に反するので、仙人以外には宝具を使わなかったと思うのですが。
使うのであれば何か説明の文を、もしくは支給品を差し替える修正が必要になると思います。
436創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:07:58 ID:TeoHarQW
しかしまだ予約とか残ってるがそろそろ尽きるな
過疎にはすぐにはならないと思うが不安
437創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:11:05 ID:O+ca59sj
もうそろそろ一日間空ける制限を取り払ったらどうだろう?
今予約されてる分で初登場も全部はけるし。
438創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:24:19 ID:3+0lbuyl
俺はいいと思うけどこういうことはキリのいい時間から解禁するのがいいと思う
もう今日だけど21:00に解禁でどう?
439創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:24:58 ID:8aI5sviU
人間台風を忘れないであげてください
440創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:32:23 ID:O+ca59sj
ごめんヴァッシュw素で忘れてたw
441創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:56:00 ID:qN9/BwmP
しかし地図見てみると危険人物二人に挟まれてる西沢さんが不憫でならないw
442創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 01:12:26 ID:3+0lbuyl
でも一人だけだし他の人と混ぜて予約する手もあるから解禁でもいいような
443創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 01:20:36 ID:70+c85Pa
>>442
そこまで焦らんでもいいと思うがね
今回に関しては、拙速よりも巧遅を重んじるべきだと思う
それでなくとも『一人だけ』なんだからそれが投下されるくらいまで待っても大差なかろうさ
444創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 01:39:13 ID:XY+1lWDO
予約が来すぎで動かせるキャラがすぐ取られて書けないから解禁ならわかるけど
あいてるキャラ多いし大して変わらなくないか?
445創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 01:57:12 ID:c9jLfTxP
自分が投下した直後にしろ、投下された作品の続きを書きたいからにしろ
即予約は前の作品に矛盾点出たりしたら修正待ちになるから
修正があったらそれに集中したい、投下したらクールダウンもしたい
そんな理由で焦って進めようとしてない俺

「俺は修正と同時進行でも問題ないぜ、すぐ書きたいから解禁してくれ」ってのを反対する理由は無いけど大丈夫?
446創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 02:00:06 ID:XY+1lWDO
>.445
書くペースとかは人それぞれだろうけど
447創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 02:09:19 ID:9Y0eB3iW
wikiの現在位置で画像が出ないんだけど俺だけ?
なにかやる必要があるのかな?
448創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 02:41:11 ID:8aI5sviU
>>447
今地図見たけど普通に画像見れるよ。

ナイブズもナギも聞仲も………………聞仲?



聞……仲……だと……ッ!?
449創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 02:42:26 ID:oDbt/JWF
キャラ名をダブルクリック
450創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 02:58:57 ID:GKUdgG0t
台風に紛れて発見すらされないとは聞太子哀れ
451創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 12:56:33 ID:VmirsNLr
遅くなりましたが乙。
賞金首はこう言う所が痛いですねww
ハヤテやヴァッシュの性格なら遭遇した後はあっさり和解出来そうな予感しますが、
その後トラブルに巻き込まれそうな予感もしてます。
452創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 21:54:24 ID:9Y0eB3iW
前の人のまとめ流用して再びスタンスまとめてみた。
主観なのでちげーよって思ったら言ってくり。

無差別マーダー(他人なんて知るか、ただ殺すだけだ派)
紅煉、キンブリー、流、スズメバチ、ゾッド、ミッドバレイ(やや不安定) マシン番長 趙公明

奉仕マーダー(あの人を死なせたくないから自分がやらなきゃ派)
ロビン、レガート

マーダーより危険人物(邪魔者は殺すorとりあえず情報を得たい、得たら知らん派)
潤也、由乃 ナイブズ みねね 

対主催より危険人物(ひとまず乗りはしないがもしかしたら……派)
ハヤテ、或、理緒、ロイ 妲己

限定マーダー(憎いあん畜生だけはひねり殺したい派)
ひょう カノン

積極的対主催(殺し合いなんて絶対するか!全力で抵抗する!派)
ガッツ、ブラックジャック、ウィンリィ、ルフィ、鳴海歩、リヴィオ、亮子、エド  アル 新八 金剛番長 うしお 九ちゃん 太公望

反抗型対主催(人殺しに抵抗はないが主催が気に入らねえ派)
ゴルゴ13、グリード  キリコ

中立(今の段階じゃ動けない、ぼちぼち考えよう派)
パック、安藤兄、とら

合流優先(とりあえずあいつに会おう、話はそれからだ派)
サンジ、沖田、ハム、ボンクレー、グリフィス、雪輝、サク、妙、ナギ、ゆの 銀時 冴英 ウルフウッド 浅月 鈴子 森

特殊
黄泉(正義!正義!)、剛力番長(皆を生き返らせるためマーダー化)、雪路(このよいどれが!)、ロリッ☆(不明)、ひよの(歩を支える)
蝉(雇われツンデレボディガード) 宮子(zzz…) ギリョウさん(はくめェェェェん!!)

残念ながらお亡くなりッ☆
ヒロ(キンブロー+剛力番長) 伊澄(ゾッド)

あとは人間台風と過保護な仙人、卑怯番長に天界人か。
意外とバランスが良い気がするけどね。どうですか?
453創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 22:00:46 ID:GKAFO+U0
参加者のほとんどが逸般人のおかげか、マーダーも対主催も充実してる。
上手くばらけたと思うぞ。
……逆に言えば一般人はこれからどうなることやら。
まあ、それ以上に立ち位置が不安定or特殊な奴が多く見えるのだが気のせいか?
454創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 22:31:22 ID:Qxm6k9kX
能力自体は普通の人間(といっていいかわからんが)のスパイラルも、
精神面は異常に発達してるよな〜。

あれ? 真の一般人ってひだまりだけ?
455創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 22:43:36 ID:GKAFO+U0
>>454
身体能力は普通だよな。スパイラル勢は頭と道具で勝負するタイプだ。
知略に情報に爆弾にetc......

精神面はそりゃ強いわ。何度も死にかけたり殺されかける経験をすればなぁ。
まあ、精神面についてはブレチル勢は強い割に一点だけ隙がある。
諦めてるってか、自分自身で運命を切り開くのを放棄してるというか。
カノンは特に如実に表れてると思う。
真に強いのは結崎ひよのだと思うぞ……あれはもう化け物。
456創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 22:52:05 ID:QF43apG0
前向きな同年輩とコンビ組んでいい意味で影響受ければ道は開けるんだが<ブレチル勢
ひよのは歩の行動次第なのがプラスになるかマイナスになるかまだわからない
未来日記勢が気になるが詳しくないので詳しい人に語って欲しい
ひだまりは保護者がどう動くかが問題。或いは足を引っぱって保護者が死ぬかも
457創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 22:52:17 ID:qN9/BwmP
身体能力は未来日記勢も普通のはずなんだよな。
由乃なんかはリミッターカットした異常性が目立つ割に作中での身体能力は実はそれほどでもなかったりする。

まあ、他の面子はチート臭い命中率のダーツ投げスキル持ってたり、何十人を同時操作可能な催眠術使えたりするんだが……w
458創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:07:26 ID:qe+RVc/4
画像だけで判断するとナギがバトル漫画出身みたい
459創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:08:27 ID:9Y0eB3iW
ついでにこんなのも作ってみた。キャラ把握のお役に立てれば…
ハヤテと番長と未来日記は把握が甘いので見逃してほしい。

戦闘能力特化(バトルどんと来い!)
特殊能力or人外型
ヴァッシュ ナイブズ ウルフウッド リヴィオ  マスタング キンブリー グリード 伊澄 とら ひょう
流 紅煉 聞仲 妲己 趙公明 ゾッド マシン番長 ルフィ ボンちゃん ロビン 植木 鈴子

身体能力or技能型
浅月 亮子 カノン レガート ミッドバレイ ハヤテ 雪路 潮 由乃 みねね 黄泉 銀さん 九ちゃん 沖田 蝉 スズメバチ ガッツ グリフィス 金剛 剛力 サンジ ゴルゴ

特殊能力or技能有(戦いだけじゃない、何かは出来るさ!)
理緒 エド アル ウィンリィ 安藤(兄) 潤也 喜媚 パック 森 ブラックジャック キリコ 

頭脳労働(考察と頭脳戦が、俺の分野だ!)
鳴海歩 ひよの 雪輝 或 太公望 卑怯

能力無し(一般人がいてこそのロワでしょ!)
ナギ 咲夜 西沢さん 新八 妙 ゆの 宮子 ヒロ 冴英

そいつの最大の武器というか、ウリで分けたつもりのでもちろん戦えるのに頭脳労働のキャラとかもいる。
460創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:12:03 ID:QF43apG0
ナギはあれで工学関係と経済関係が強いよ
金銭感覚が無くて体力は0だが
461創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:15:16 ID:GKAFO+U0
他のメンツは知らんがハヤテの身体能力は高いぞ。wikiで調べたところ、
時速80kmの自動車に正面からぶつかっても無事とのこと。走ってる電車からの飛び降りもOK。
技術もチートで、機関銃(なんと11.6kg!!)を平気で扱える、爆発音から使用された爆薬の種類や数を把握できる…って理緒涙目w
というかガチで完璧超人なんだよな。
料理、洗濯、掃除、裁縫に喫茶店店長経験やバリスタ技術、ヴァイオリンもおkで遠洋漁業の経験あり。
462創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:28:15 ID:WAC8RXI8
新八が一般人には異議を唱えたいが……銀さんや九ちゃんと並べるのも微妙だし、頭脳派ではないし、特殊能力持ちではないし……やっぱ一般人しかないのかw
463創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:29:45 ID:QF43apG0
ギャグ漫画キャラはチートだからな
シリアスキャラと混ぜてカオス化はクロスの醍醐味w
464創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:29:55 ID:HORMLlUX
新八は不良5人分相当の戦闘力を持ってるらしい
465創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:30:08 ID:Eet1QjJW
>>461
しかし幸運:Eが全てを台無しにするw>ハヤテ
466創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 23:35:24 ID:qe+RVc/4
>>461
>爆発音から使用された爆薬の種類や数を把握できる
これ何巻だ?
467創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:08:18 ID:t8OOocul
仲聞と卑怯、植木の人はどうなったんだ?
延長なら連絡が欲しい。
468創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:26:25 ID:PilqvN5u
雑談はあれど書き手が一気に減ったなあ
消息不明の予約2件を除くと実質今は一件か…
469創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:29:39 ID:mXKR9s2l
だがもうすぐGW!!
470創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:51:20 ID:lTVmoQD6
桃ヲタ以外の封神キャラが厄介
人外形態の華麗なる貴族様は天使腕連射か孤城じゃなきゃまず墜とせないし

>>461
完璧超人…だと……?
ゴルゴのことか
471創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:52:36 ID:t8OOocul
他ロワの作品投下が終わったら予約する……つもり。
書きたいパートはかなりある。
472創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 00:54:16 ID:/jQf/OvA
書きたいネタはあるんだけど、それをするには自己リレーしなきゃいけない……。
流石にこの序盤でそれはなあ。
誰か繋ぎでもいい、あのキャラを動かして一話挟んでくれw
473創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 01:04:46 ID:STf35UmH
>>466
多分五巻で咲夜の豪華客船がテロリストに占拠されたとき


その話では一月末の冷えきった海水に入って死にかけてたし、ハヤテは完璧超人とまではいかないさ
474創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 01:14:51 ID:PilqvN5u
貴族の原型化は殺す時に制限対象だったで良い気がする
やるとしても後半のインフレ時か
さすがにありゃラスボスクラスだw
475創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 01:20:46 ID:l0iixqEk
しかし自分以外が金鰲三強とその関係者とは、太公望もツイてないなw
476創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 07:40:49 ID:PSfEPf/0
ロワ初参加のジャンプ1stでも、味方側のキャラは公主だけだったからな<太公望
確かあっちでは原形貴族と戦って死亡したんだっけか。
封神でロワにも参加して大丈夫なキャラなんて限られてるけど。
477創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 07:53:48 ID:lTVmoQD6
狐(憑依)とロリ(時間退行)と貴族(花)は道具に依存しないから、収集がつかなくなる前に規制を強化すべきだと思うんだが
478創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 10:21:28 ID:42ua3JIH
収拾がつくもなにも、暗黙の了解で制限かかってるだろ、空気読めば。
479 ◆LQx8BgACjE :2009/04/21(火) 18:44:18 ID:tw4MXfS/
確認したところ、宝貝をもたない者を宝貝で殺すのは信条に反するみたいですね
というわけで、支給品を変えて修正させてもらってよろしいですか?
480創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 18:50:28 ID:t8OOocul
こんなまとめ作ってみた。

同名(誤解フラグが発生する……か?赤の他人)
鳴海歩、西沢歩
吾妻由乃、ゆの

同姓(まあ兄弟だし)
エド、アル
新八、妙
安藤兄、潤也

本名不明(本名教えろよ!)
結崎ひよの、ひょう、紅煉、ひだまり勢、安藤兄、蝉、スズメバチ、ベルセルク勢、マシン番長、サンジ、ブラックジャック二人、ゴルゴ13
481創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 19:20:10 ID:WGL7DPz2
6人中3人が通り名で名簿に記載されてるトライガンの事もたまには思い出してあげて下さい
482創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 19:27:24 ID:m31EdGUb
紅煉は紅蓮が本名
人間時代の名前って意味だとしても、促影って名前が作中で出てる

サンジも本名
というか、何故偽名だと思ったのか分からない

ブラックジャックの本名は間黒男
別に本名不明とかじゃない
483創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 19:51:31 ID:l0iixqEk
ベルセルク勢も一応本名だな。ゾッドとか微妙だけど…
あと、アルと或も微妙に同名というか、誤解フラグw
484創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 20:01:36 ID:r7sBpNp3
>>483
誤解フラグよりも強烈なフラグがあるぞ。
詳細名簿系統の支給品があると立場が一気に拙くなる参加者が何人かいるんだ。
結崎ひよのなんてブレチル勢に一気に恨まれそうだ。
485創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 20:28:24 ID:VaS/mpa0
何故恨まれるの?
486 ◆LQx8BgACjE :2009/04/21(火) 20:39:00 ID:tw4MXfS/
修正版投下します
>>239以後を以下に差し替えます
487 ◆LQx8BgACjE :2009/04/21(火) 20:40:41 ID:tw4MXfS/

男は趙公明といい、本人曰く仙人だそうだ。
その趙公明に誘われるがままカノンは彼と一緒にささやかなティータイムを送っていた。
そして、二人のカップの中が空になると趙公明の口が開く。
「さて、ティータイムが済んだところで本題に入ろうか」

一瞬の出来事であった。
趙公明がバッグから刀を取り出すと、カノン目がけてそれを振り下ろす。
カノンも趙公明の殺気を感じ取るや否や、バックステップすることでその攻撃を回避。
それと同時に袖の内に隠しておいた麻酔銃の引き金を引く。
必ず当たる距離であった。
だが、趙公明が振り下ろした刀が姿を変え、盾となり麻酔弾を防ぐ。
そのため麻酔弾は趙公明に届くことはなかった。

「趙公明さん、これはどういうことですか?」
カノンは普段の様な涼しい笑顔で趙公明に尋ねる。
「簡単なことだよ。君を試したのさ。
僕と戦うだけの実力が君に有るのかをね」
「結果は?」
趙公明は舞台役者の様な大げさなポーズをとりながら答える。
「合格だよ、カノンくん。君となら楽しい闘いができそうだ。
 さあ、トレビアーンな闘いを始めようじゃないか!」
「せっかくの申し出だけどパスって訳にはいかないかな?
 僕にはやらなくちゃいけないことがあるんだ」
「ノンノン、悪いけどその提案は却下だ。
 今の僕は君と闘いたくてウズウズしてるんでね!」
趙公明が再び刀を振い、カノンに襲いかかる。
カノンも自身の支給品の一つであった盾を使い何とかこれをやり過ごす。

「やるじゃないか!やはり闘いはこうじゃなくちゃ!」
攻撃が不発に終わったにも関わらず趙公明はとても楽しそうであった。
それはカノンが予想以上の実力を持っていたからだろう。
488 ◆LQx8BgACjE :2009/04/21(火) 20:43:03 ID:tw4MXfS/

当のカノンとはいうと、趙公明とは真逆に冷静に事態の打開に勤めていた。
(……まいったね。想像以上に強いや、彼。その上、銃はあの剣で防がれちゃうし。
ちょっと厳しいかなぁ。となると逃げるしかないか)
カノンは辺りを見回す。
屋上からの唯一の脱出口であるエレベーターは趙公明の背後にある。
つまり、エレベーターを使うには趙公明の脇を走り抜けなければならないのだが、
(無理だな。
 よしんば趙公明を抜けられたとしてもエレベーターの扉が閉まり切る前に再び攻撃されるだろうし。
 ……やっぱり、あれしかないか)

「どうしたんだい、カノンくん。反撃のひとつでもしてごらんよ」
趙公明は相変わらず楽しそうに笑っている。
「それじゃ、お言葉に甘えて反撃の一つでもしてみようかな」
カノンは再び麻酔銃の引き金を引く。
「またそれかい。それ!」
先ほどと同じように趙公明の前方に雲の壁が現れ、弾もまた同じ様に趙公明に届くことはなかった。
一瞬の後、雲が元に戻る。

だが、その壁が消えた先にカノンの姿はなかった。
「!?」
これには趙公明も驚きを隠せなかった。
屋上と下の階を繋ぐ唯一の手段であるエレベーターが動いた気色はない。
それにこの屋上には吹きさらしになっており、隠れる所などないのだ。
「……まさか!」
慌てて趙公明は屋上の端まで移動し、下界を眺める。
そして捉えた。何事もなかったかの様に地面に着地したカノンの姿を。
あの時、カノンは趙公明を倒すために銃を撃ったのではない。雲の壁を発生させるために銃を撃ったのだ。
雲の壁を出現させ一瞬でもいいから趙公明の視界から姿を消し、その隙に屋上から飛び降りる。
それがカノンの作戦であった。
幸い、デパートがそんなに高い建物ではなかったため、飛び降りたところで体に支障をきたす可能性が低かったのも作戦を実行するのに後押しをした。

不意にカノンがこちらを見上げ、趙公明と目が合う。
彼は趙公明に向って微笑むと、その姿を闇に消した。
「ハハ、やるじゃないかカノンくん!
 まさか、仙人骨も持たないただの人間がここから飛び降りるなんて思ってもみなかったよ。
 それにしても、一人目からこんな楽しい闘いができるなんて申公豹に感謝しなくては」
待っていたまえ、太公望くん。今度は僕が勝たせてもらうよ!」

【I-7/デパート屋上/深夜】
【趙公明@封神演技】
[状態]:健康
[装備]:オームの剣@ワンピース
[道具]:支給品一式、ティーセット
[思考]
基本:闘いを楽しむ
 1:闘う相手を捜す
 2:太公望と闘いたい
 3:カノンと再戦する
489 ◆LQx8BgACjE :2009/04/21(火) 20:44:59 ID:tw4MXfS/
以上が修正版です
支給品を打神鞭からオームの剣に代えさました
490創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 21:05:25 ID:s9hE7g6v
あれ、そっちを変えるのか
491創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 22:30:41 ID:euvreEEL
492創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 00:59:26 ID:m/XFlafK
修正乙です。

ところでwiki管理人様、もしご覧になっていましたら編集時の画像認証チェックを外していただけないでしょうか。
また本文がメニュー下に回りこまないよう、CSSを適切に設定していただけますと大変ありがたいのですが。
お手数ですがよろしくお願いいたします。
493創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 13:40:01 ID:qs297VNS
修正乙です。
ただ、ここより仮投下スレにするべきだったかと。
494創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 16:04:32 ID:nH4AcrVW
ちとOPに疑問があるのだが、申公豹は太公望を師叔とは呼ばないのでは?
wikiで直ってたらゴメン
495創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 16:16:47 ID:2uZYa7CV
疑問何だが現在位置の画像を用意する時
ネットで拾う以外どうやってきれいな画像(エドや銀さんやルフィなど)を取ってるんだ?
デジカメかキャプチャで取ってるの?
496創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 19:03:27 ID:MOVNkLbt
>>494
wikiで直ってるよん。

面白い共通点を見つけたんだが、ブラックジャックってダーツ得意なんだな。
497創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 19:05:18 ID:n4M3oUY/
ブラックジャックのあれは得意ってレベルじゃない気がするぞ……
498創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 19:15:08 ID:XRTXJ9nJ
ところで植木を予約した人は連絡位入れて欲しい
さすがに長すぎない?
499創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 19:39:22 ID:4CGzIInC
>>495
漫画をスキャナーで取り込み。
デジカメは画像が歪む
500創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 19:56:55 ID:2uZYa7CV
>>499
スキャナか、トンクス
501創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:01:32 ID:bXijF1BK
銀とルフィはネットで拾ったんだけどな
502創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:12:05 ID:4CGzIInC
ニコ兄の画像が死亡後だなあ

あとマシン番長グロいし把握できる顔じゃねえww
503創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:26:20 ID:bSYxI9C2
ハヤテキャラもちょっとネタに走り気味だな
もう少しまともな絵の方がよかった
504創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:41:49 ID:qs297VNS
12thだけが異常に気合い入ってるwww
なんだあれw

そして予約キター!
505創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 22:09:49 ID:XRTXJ9nJ
予約キター!
しかも一癖二癖ある面々だな
506創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 22:54:55 ID:dckvyHFD
ニーサン涙目……あのメンバーに挟まれて生き延びれんのかw
507創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 23:30:22 ID:XRTXJ9nJ
俺は人間台風が気になる
巻き込むのか巻き込まれるのか……
508創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 23:57:53 ID:utQE83/Z
予約中のキャラに限らず、今後の展開が楽しみだったり注目してるキャラやチームっている?
話のネタに聞いてみたい。
509創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 00:06:58 ID:d6Z5udgO
作品が好きだからだけど、鋼勢が気になるな。
アニ2がスカー以外散々だったのもあるし。
510創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 00:17:41 ID:B9BU69H4
・安藤(兄)と鳴海歩、ブラックジャックとガッツ
どちらも似たもの同士タッグ。
前者のタッグは最初こそ簡単に諦め決して立ち向かうことなどしなかったのに、後半は覚醒してほとんど捨て身になった人同士。
後者のタッグはイメージカラー黒、体ボロボロ、復讐者。
どうなるかきになるところ。

・スズメバチさんとサンジ
蜂がさん付けなのは仕様。
女には色々とあれなサンジと逆セクハラな蜂さんの組み合わせは楽しみである。

・ヴァッシュとエド
身長以外は似ているけどこっちはタッグを組んでない。
だからこそ気になる。情報を入手したとき果たしてどう思うか。

こんぐらいかな?
511創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 01:36:34 ID:FA5B/4cM
自分も鋼が気になる
しかも理由が>>509さんと同じw
特に気になるのが死亡フラグ立った豆と、ある意味死亡フラグの大佐w

あとワンピースも気になるかな
サンジも心配だけど、ロビンも危険マーダーと同じ位置にいるせいで死亡フラグが見えるのは気のせい‥?
512創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 08:50:05 ID:u6Htp8Z+
潮と蝉かな
潮は主人公的な意味で期待できる
蝉は唯一のツンデレ的な意味で期待できる
513創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 12:23:22 ID:gKNVFfA/
まったく同じ理由でハガレン気にしてる奴が2人もいて吹いたw
アニ2発足当初はバトル、考察、首輪解除と大活躍するだろうなと思ったニーサンが、
まさかのズガンだったときはアンチでもいるのかとおもった。
アルと中佐は地味だし大佐はオリキャラ化するし……

俺、未把握の作品把握したらここで書き手になるんだ……
514創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 12:33:19 ID:k5nDMCc4
アニ2のあれはアンチだったって話も聞いたが、まあここですべき話じゃないな。

>>513
楽しみにしてる!
515創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 14:46:59 ID:Fmrqyv/8
根拠もなくアンチ認定
しかもスレ違い
最悪だな
516創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 15:31:04 ID:d4zPz9bY
ハイハイワロスワロス
517創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 17:55:57 ID:cqijaa+v
てか、活躍すると思ってたのに一話死亡だったからアンチとか、本気で言ってんのか
518創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 18:22:58 ID:BmhRkTgM
あれはまさかの兄さんが一番最初に死亡かよwwとネタにしてた。
519創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 18:58:31 ID:/1EjyQax
>>517
人が何言ってるのかはちゃんと理解してるか? 横から見ただけだが
「活躍すると思ってたのに一話死亡だったからアンチ」とか言ってるやつは一人もいないんだが……
520創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 19:05:17 ID:/1EjyQax
とおもったら514に書いてあるか。スマソでも、これは514本人がアンチ認定したってわけじゃないな…
521創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 19:07:32 ID:cqijaa+v
>>519
>>513に「アンチでもいるのかとおもった」って書いてあるじゃん
522創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 19:26:19 ID:/1EjyQax
>>513の書き方だと、一瞬そう思った程度で、「アンチがいるに違いねぇ!!」って確定させたかどうかが不明。
というか、俺は>>513を読んだとき、「一瞬アンチがいると思った、ヒヤっとしたぜ」ぐらいの意味にしか取れなかった。
523創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 19:35:55 ID:SRxNYIGb
くだらない言葉遊びして何の意味があるわけ?
余所は余所、うちはうち
524創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 20:20:37 ID:qS9mUA/c
ここで話す事じゃないな
525創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 22:05:48 ID:0e9Sy3wm
どうもここってすぐ荒れるね
隙を見せたらすぐ噛みついてやる!って愉快犯が潜んでるっぽいけど…
526創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 22:21:53 ID:FzYHa3ZK
画像貼ろう
思ったときに
BJがない
527創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 22:44:19 ID:FzYHa3ZK
見つからない
ブラックジャックが
見つかった
528創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 22:49:13 ID:d4zPz9bY
YATTA!!YATTA!!
529創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 00:53:43 ID:2jtHMt21
ブラックジャック   によろしくが見つかった

よく考えたら中学の頃学校で読破しただけで持ってなかった。
530創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 14:08:46 ID:P/Rdfdjq
だから何?
スレ違いだ
531創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 18:41:50 ID:+Syb7SoO
文庫版でならどの本屋にもあると思うぜ>ブラックジャック
532創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 19:10:28 ID:eazQ0rZP
ここは良いマケボノスレですね


                       _
                   , -‐‐ク´   ̄` ヽ、
                __/::::::::::{{   ,   。`丶、,、_
     _ __  _,. -‐―/´MAKE:::::::!l  ,'   ィ:.  `(! ' d、 __ /⌒l
rーr--‐'¬'"   ̄     {:::::::BONO::::ヽ   :'゛  ミ ヽ`h '彡)__||_|_ノ
ヽ/__,、- ┴ ‐-- -‐ '⌒丶L::::::::::::::::::::::::::ヽ、:    j(   ヽ、,=(`ー´、
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ~  ̄ ̄`` ‐- 、 」_{l_::ノ
533創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 20:46:39 ID:YPFEKgjq
投下はまだかしら
534創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 02:48:38 ID:yvt9CAhG
クレクレuzeeeeeeeeeee
535創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 08:46:47 ID:mOhBvoPf
延長がなければ今日は投下ラッシュだな。
楽しみだ
536 ◆JvezCBil8U :2009/04/25(土) 13:23:14 ID:DdddgeU6
PCの方が規制に巻き込まれたので携帯電話から。
ヴァッシュ、趙公明、キンブリーを仮投下スレに投下しました。
お暇な方がいらしたら代理投下お願いします。
537代理:2009/04/25(土) 13:37:56 ID:afv1O20k
代理投下します
538代理:2009/04/25(土) 13:39:09 ID:afv1O20k
みんな! 元気にしてるかい?
大変なことになってるけど、それでもオレは相変わらず元気だぜ!

「うっわあ、参ったぞ! まさか転校早々にバトルロワイアルに巻き込まれるなんて!」

オレの名前は夢小路サトル、ハプスブルグ家の血を引く生粋の江戸っ子(元仏貴族)さ!
ワールドカップを目指すどこにでもいる男子高校生だけど、たくさんのライバルに囲まれて非日常な毎日を送ってる!
やれやれ、アンニュイ学園は地獄だぜ、フゥハハ〜!

「目指せ甲子園のスローガンでようやく不良のバドミントン部の人たちと応援団になれたってのに、すぐにこんな事になるなんて困った事だなぁ!
 はやく帰らないとユミコが家の前で素振りを続けているはずだ!
 北海道名産の『パンチラ』がタダで鑑賞し放題になってしまったら、相馬くんが『パンチ』ド『ラ』ンカーになってしまうに違いないぞ!
 ん? あれはなんだ!?」

「ゾッフィー! ゾフィ、ゾフィ、ゾッフィー!(ゲボッ)」

鳥のようなひょろ長い生命体が口から謎の汁を吐いている!

「とても気持ちの悪い生物! そうだ、ボールは友達、何でも試してみるのさ」

くらえ、シングルスカイラブハリケーンッ!
ッ、がポイントのスーパードリブルさ!

「ゾッフィ〜〜〜〜〜〜!」

直撃!
ん!? 何故かこっちに向かってキリモミ回転んをぉおぉおおお!

「ゾッフィ〜〜〜〜〜〜!」

ごっちーん!

「いててててて、失敗したなあ」
「ゾッフィー?(ゲボッ)ゾフィゾフィゾフィ!!」
「やあごめんごめん! 君も参加者だったのか! よし、お詫びにチームを組もう!」
「ゾフィ!」

そうしてオレたちはチームを組んだのさ!

「ゾフィ? ゾフィ……、ゾフィゾッフィ!」
「やはりスープーくんもそう思うのかい!?」
「ゾフィ〜〜〜、ゾフィ」
「その通り! ピンクの象は青い鳥だってオレは信じてる!」
「ゾフィ!(ゲボッ)」

出会ってすぐに百年来の親友より深い絆を築くオレ達!
自分の出会い運が恐ろしいぜ!
539代理投下:2009/04/25(土) 13:39:46 ID:ymWuPHhO
アン学アニメ化決定記念巻頭フルカラー大増200P号! ◆JvezCBil8U

みんな! 元気にしてるかい?
大変なことになってるけど、それでもオレは相変わらず元気だぜ!

「うっわあ、参ったぞ! まさか転校早々にバトルロワイアルに巻き込まれるなんて!」

オレの名前は夢小路サトル、ハプスブルグ家の血を引く生粋の江戸っ子(元仏貴族)さ!
ワールドカップを目指すどこにでもいる男子高校生だけど、たくさんのライバルに囲まれて非日常な毎日を送ってる!
やれやれ、アンニュイ学園は地獄だぜ、フゥハハ〜!

「目指せ甲子園のスローガンでようやく不良のバドミントン部の人たちと応援団になれたってのに、すぐにこんな事になるなんて困った事だなぁ!
 はやく帰らないとユミコが家の前で素振りを続けているはずだ!
 北海道名産の『パンチラ』がタダで鑑賞し放題になってしまったら、相馬くんが『パンチ』ド『ラ』ンカーになってしまうに違いないぞ!
 ん? あれはなんだ!?」

「ゾッフィー! ゾフィ、ゾフィ、ゾッフィー!(ゲボッ)」

鳥のようなひょろ長い生命体が口から謎の汁を吐いている!

「とても気持ちの悪い生物! そうだ、ボールは友達、何でも試してみるのさ」

くらえ、シングルスカイラブハリケーンッ!
ッ、がポイントのスーパードリブルさ!

「ゾッフィ〜〜〜〜〜〜!」

直撃!
ん!? 何故かこっちに向かってキリモミ回転んをぉおぉおおお!

「ゾッフィ〜〜〜〜〜〜!」

ごっちーん!

「いててててて、失敗したなあ」
「ゾッフィー?(ゲボッ)ゾフィゾフィゾフィ!!」
「やあごめんごめん! 君も参加者だったのか! よし、お詫びにチームを組もう!」
「ゾフィ!」

そうしてオレたちはチームを組んだのさ!

「ゾフィ? ゾフィ……、ゾフィゾッフィ!」
「やはりスープーくんもそう思うのかい!?」
「ゾフィ〜〜〜、ゾフィ」
「その通り! ピンクの象は青い鳥だってオレは信じてる!」
「ゾフィ!(ゲボッ)」

出会ってすぐに百年来の親友より深い絆を築くオレ達!
自分の出会い運が恐ろしいぜ!
540代理:2009/04/25(土) 13:40:02 ID:afv1O20k
「ゾ……ッフィ〜! ゾフィ!」
「ミックスベジタブルの豆がマズくて嫌いなのは分かった、だがオレは鯨カツの方が好きなんだ!」
「ゾフィ〜……!(ゲボッ)」 
「S県の煎餅の町も嫌い? オレは生協に組み込まれたくない!」
「うはー、もれには何言ってるかわかんねっす」
「ゾッフィー……」
「ドンマイさ!」

いつの間にか一人増えてるぞ、だがそれがいい!
友達たくさんで今日もハッピー×2ダンス!

「よし、みんなでオフサイドの練習だ!」
「ゾフィ!」
「よく分かんないけど、もれ神さまの為にがんばるっす!」
「結城くん結城くん結城くん結城くん結城くん……」

おっと、可愛い女の子もいつの間にか増えてるぞ!

「結城夏野くんはドコッ!? 教えてくれなきゃ血をひでぶっ!」

ぎゃあ! 女の子の頭が弾けたぞ!
驚いている間に声がしたのでそっちを向くと、銃を構えた優しそうなお兄さんが立っていた!

「危なかった、そいつは起き上がりなんだうわらば!」

ぎゃあ! お兄さんの頭が弾けたぞ!
驚いている間に声がしたのでそっちを向くと、銃を構えた不気味なお兄さんが立っていた!

「あ、危なかったね、そいつは起き上がちにゃ!」

ぎゃあ! お兄さんの頭が弾けたぞ!
驚いている間に声がしたのでそっちを向くと、銃を構えたダンディなお医者さんが立っていた!

「……危なかったな、そいつは起きばわ!」

ぎゃあ! お医者さんの頭が弾けたぞ!
驚いている間に声がしたのでそっちを向くと、銃を構えたお坊さんが立っていた!

「間違えました、そいつは起き上がりではない」


そして世界は核の炎につつまれた!!!!!


【夢小路サトル@国立アンニュイ学園 死亡】
【四不象@異説・封神演義 死亡】
【シオ@W?qw?q 死亡】
【清水恵@屍鬼 最初から死亡済】
【武藤徹@屍鬼 最初から死亡済】
【村迫正雄@屍鬼 最初から死亡済】
【尾崎敏夫@屍鬼 死亡】
【室井静信@屍鬼 死亡】
541代理投下:2009/04/25(土) 13:40:34 ID:ymWuPHhO
いけね、被った。
すみません、こちらは無視して続けてください
542代理:2009/04/25(土) 13:41:15 ID:afv1O20k
だが……人類は死滅していなかった!!

「NOォ――――――――ッ!」
「あぁ……っ、素晴らしい地獄絵図だわ大統領! さあテツ、貴方の灯火が輝く様を見せて頂戴……!」


【NO-13/上空・プラグマティズム艦橋/1日目 深夜】

【NO!と言える日本国大統領デューイ@サクラテツ対話篇】
[状態]:健康
[服装]:スーツ
[装備]:旗艦プラグマティズム@サクラテツ対話篇、大統領専用?ボタン
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:NO!
1:NO!
2:NO!
3:NO!
4:NO!
5:NO!
6:NO!
[備考]:
※会場全域に核爆撃が敢行されました。放射能汚染が深刻です。

【出井富良兎@サクラテツ対話篇】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服にスカーフと帽子
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品×2
[思考]
基本:桜テツを観察する
1:大統領をけしかけてテツをいぢめる
[備考]:
※特になし
543創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 13:41:59 ID:+qH2fK02
何がなんだかわからない。
544代理:2009/04/25(土) 13:42:07 ID:afv1O20k
***************



「うわぁぁぁ―――――――――ッ!?」


叫び声とともに、一人の男ががばりと身体を起こす。
男の髪の色は、黒。
鴉の様な、宵闇の様な黒の束の中に、金の流星が幾筋も光を放っている。

残滓とも呼べる黄金の髪の煌きは、人工の真白い光源に照らされて確かにその存在を主張していた。

「はぁッ、はぁ、はぁ、はぁッ、はぁ、はぁッ……」

話を始めよう。
一人の男(ガンマン)の話を。
そして思い出せ、その男の名を。その男の伝説を。

「はぁ〜〜〜〜〜〜……っ」

ヴァッシュ。
ヴァッシュ・ザ・スタンピード!

「な、なな、なんちゅう夢を見てるんだ僕は……」

――その首にかかった賞金額は『元』600億$$!
人類初の極地災害指定を受けて賞金こそ取り消されたものの、関わった事件は200を越え被害総額は20兆$$オーバー!
しかし、その正体を知る者はごく少ない。

彼は、彼こそは歴史の生き証人。
150年にも渡る長きにおいて、ただひたすらに愛と平和を謳い続けたヒトならざるヒト!

「……で、」

彼の人生は波乱に満ちている。
だが彼は決して信じる事を止めたりなどはしないのだ!
たった一人の兄と道を分かち、友を失い、それでもなお不殺を貫く柔らかな笑顔の青年は――――、」

「サッキカラドウシテ横デ人ノ事ペラペラ喋リマクッテルンデスカ、ソコノ人?」

「ハァーッ、ハハハハハハッ! ようやく目覚めたようだねヴァッシュくん!」

……ヴァッシュ・ザ・スタンピードは確信する。
倒れている自分のすぐ横で、こんな調子でずっと喚かれていたからこそあんな酷い夢見だったのだと。
よくよく見てみれば、自分の叫び声のすぐ直前からつい今しがたまでカギカッコで閉じられているではないか。
ラー、ラー、ラーと何処からともなく聞こえてくる豪華な音楽が嫌でも耳に入り込んでくるのは、もはや洗脳と言っても過言ではあるまい。

かつての自分の様な金の髪を持つ青年は、くどい顔を尚更くどく微笑ませて名乗りを上げる。

「僕の名は趙公明。麗しい名だろう? さあ、楽しく華やかに一時を過ごそうじゃあないかっ!」
545代理:2009/04/25(土) 13:43:45 ID:afv1O20k
***************


――デパート2階、地上を臨むカッフェー。
ヴァッシュと趙公明はコーヒーを啜りながら、それぞれの現状を確認していく。
……いや、していきたいとヴァッシュが思っているだけという方が正しい。

「……で、趙公明。君はどうして僕の名前を知っていたのかな?」
「ノンノンノン、急ぐのは良くないな、ヴァッシュくん!
 もっとエレガントに、優美に話を進めていこうじゃないか」

こんな調子でかわされてばかりで、ずっと話が軌道に乗らないのだ。
はぐらかされているのだな、とヴァッシュは思うも敢えて口にはしない。
向こうから接触してきた以上何らかの目的があるはずだ。
少なくとも寝ている間に攻撃されなかったのは確かであり、敵意は無い、と信じたい。
警戒して相手のペースに呑まれない様にすることは怠らなかったが。

食えない男だ、とヴァッシュはひしひしと感じる。
今まで出会ったどんな人間とも異質な存在だ。
自身の兄やその狂信者レガート・ブルーサマーズと手足たるGUNG-HO-GUNS。
……命を散らしていった掛け替えのない戦友や、彼の遺した新たな仲間。
メリル・ストライフやミリィ・トンプソン、ブラドといったノーマンズランドのタフな住人達。
形こそ様々だが、彼らに感じていた何か――、敢えて近い言葉を捜すなら、必死さの様なものを何一つ感じない。

だからこそ、恐ろしい。

たくさんの出会いを思い出すに当たって、ヴァッシュの身体がほんの少しだけ震える。
本当なら今ここでこんな事をしている場合ではないのだ。
方舟――、いや、かつて方舟と呼ばれていたモノすら飲み込んだ、ミリオンズ・ナイブズがもうすぐ砂漠の星に残された最後の街にやってくるのだ。
自分の兄であり、自立種プラントであるナイブズが。
地球からの救いの船を人の目の前で滅ぼし、全てのプラントを吸い上げ去っていく為に。

止める、と、そう誓った。
だがその一方で、譲れない決意がある。

――今そこで人が死のうとしてる。僕にはその方が重い。

あの砂漠の星も、この殺し合いに巻き込まれた人々も。
そのどちらをも見捨てる事なんて出来はしない。
それが、ヴァッシュ・ザ・スタンピードなのだ。

だからこそ、彼はこの無惨な殺し合いを止めようと心に刻む。
刻み、その為に真剣という言葉すら陳腐に思わせる瞳で趙公明をじぃ、と見つめた。

「僕は――、」
「OK、OKヴァッシュくん! 皆まで言わずとも君のハートフルな想いはよぅく伝わってくるよ!
 非常に心残りだけど、二人きりのお茶会はここまでにして本題に入ろうか」

告げると、趙公明は懐に手を伸ばし、一つのものを取り出す。
鈍く光る黒金の塊、それは――、
546代理:2009/04/25(土) 13:44:56 ID:afv1O20k
「……ッ、俺の、銃……ッ!」

「フフ……、君と出会う前に話した男から譲り受けたのさ」

手に慣れた銃とその弾丸が、趙公明の手の上で踊っている。

「……交換条件か? 何が望みなんだ」

ごくり、とヴァッシュは唾を飲み込む。
あれがあるなら、確かに非常に心強い。
……だが、果たしてそれを聞いていいものか。
真意も何も読めない男の言動に迷わされはしないのか。
どうする、の四文字が何度も何度も浮かんでは消え――――、

「はーッはははは! 心配はご無用さ、ヴァッシュくん!」
「……はい?」

ずっこけた。
何と、あろうことかあまりにも無造作に趙公明は銃と弾丸を机の上に放り出したのだ。

「……えーと」

引きつった顔でヴァッシュは趙孔明を見るも、胡散臭い笑いとともに彼は自分の方を見るのみだ。

「何か仕掛けてあるんじゃないかという顔だねヴァッシュくん!
 よろしい、煮るなり焼くなり好きにいじって確認してみたまえ!」
「は、はぁ……」

訳の分からない展開に頭がついていけないまま、それでもこそこそと店の奥にブツを運んで色々と確かめてみる。
――まったく問題ない、愛用の銃そのままだ。
暴発しかねない危険性も感じられない。

うん、と頷き、距離を保ったまま改めてヴァッシュは趙公明を見定める。

「……あらためて言おうか。何が目的だ」

確認の間のわずかな時間。
ほんのそれだけで、趙公明の身を包む空気が一変している。
ヴァッシュの直感が告げている。
今からここは、戦場となる。

「……フフ」

笑う。陰惨さも卑近さも何もなく、ただ華麗に壮麗に、変わらぬ口調で。
それ故に――、何より傲慢に。

「フフ、ハハハハ、ハハハハッ! ハァーッハハハハハハハハッ!」

趙公明は高笑う。
それが、彼なのだから。
547代理:2009/04/25(土) 13:46:03 ID:afv1O20k
「トレビアーン……、素晴らしいよヴァッシュくん!
 カノンくんの時と同じ様式美で君を彩ろうと思ったのに、それすらさせてもらえないなんてね!
 いいだろう、最初からクライマックスでお相手しよう!
 君相手に手加減は――――、」

趙公明の周囲に、無数の黒球が浮かび上がる。

「失礼というものだ!」

ボコリボコリと泡立つような音を立てて、粘つくように黒球が互いに繋がりあっては離れていく。

「……それは!」

――ヴァッシュはその道具に覚えがある。何を隠そう、それがヴァッシュをしばらく眠らせた原因なのだ。
ヴァッシュが倒れていたのは此処に連れてこられた時の事が原因ではない。
支給されたこの黒い球に触れていたら、いつの間にか意識がトんでいたのが実情だった。
この道具の名前は、そう。

「――――盤古幡。僕の宿敵、元始天尊くんの持つスーパー宝貝さ!」

ビリビリと空間そのものが震える印象すら受ける。
掛け値無しに、ヤバいとヴァッシュは直感した。せざるを得ないほどに、危険な代物なのだ。

「ひ、卑怯だぞ……! 俺が眠ってる間に勝手に持ち出すなんて、それこそ優美とは程遠いんじゃないか!?」

虚勢を張り、言葉で相手の弱い所を突こうとするも、趙公明にそれは通じない。
最初から話を聞くつもりなどないといった方が正確だろう。

「フフフ、残念だったね! 僕は実は悪の貴公子、ブラック趙公明だったのさ!」
「な、なんだって――!」

バサリ、とマントを翻し、その一瞬で趙公明が黒に染まる。染まっただけではあるのだが。
いかんいかんと相手にペースを握られている事を自覚したヴァッシュは敢えてそれ以上ツッコまない。
少しだけ寂しそうな趙孔明を無視し、事態を見据える為に、ぎゅう、と愛銃を握る手に力を込める。
対する趙公明もまた、即座に笑みを取り戻し講釈を垂れ流す。

「本来僕は宝貝を持たない相手に宝貝を使う信条を持ち合わせてはいないのだけどね。
 今回みたいな催しにおいてはまた事情が別さ!
 ……何故ならヴァッシュくん、君のような、宝貝を使わずとも宝貝以上のチカラを持ち合わせる存在が闊歩しているのだから!
 そうした優れた存在に僕は敬意を払う! 敬意を払って、僕の全力をお見せしてあげよう。それが今の僕の役割でもある。
 もちろん特殊なチカラを持っていない存在に対しては話が別だけどね」
「……やだなあ、僕は普通の人間だよ?」
「嘘はいけないよ、ヴァッシュくん。さあ、美しい闘争をしようじゃないか!」

……やはり、と言うべきか。
この趙孔明は、『何故か』こちらの事についてよく知っている。知りすぎている。
もしや……、と何か嫌な予感が頭を掠めたが、今はそれどころではない。

趙公明は既に動き出している。
あまりにも重過ぎる絶望が振り被られた。

「出し惜しみ無しで行こう! 重力百倍、アン・ドゥー・トロワ!」

趙公明の覇の声が、周囲に響き渡る。
548代理:2009/04/25(土) 13:47:12 ID:afv1O20k
だが、それだけだ。

張り詰めに張り詰めた威圧が、その瞬間消滅した。
沈黙が満ち満ちる。
何一つ、何一つとして変化はない。

「……何だって?」

――否。
たった一つ、たった一人だけ、動きを終えた者がいた。
真紅のコートに金と黒の髪。

いつの間にかヴァッシュ・ザ・スタンピードが銃を抜いていた。
趙公明にすらその瞬間が理解できない、神速を更に超えた速度。
銃口から既に立ち昇っている煙が示すのは知覚外の抜き撃ち。

ようやく、銃声が趙公明の耳に届く。

成程、数多の仙人、十天君さえ下す金鰲最強の一角であろうとも出し抜く銃の腕は認めよう。
慣れない武器の扱いに手間取った事も確かだ。

……だが。
ただの銃の一発で、スーパー宝貝が何故無力化される?

「……ハハ、ヴァッシュくん。一体……、キミは何をしたのかな?」

焦りとともにある問いに対し、ヴァッシュ・ザ・スタンピードは不敵に笑う。
チッチッチ、と指を振り、銃口の煙に息を吹きかける。

「ひみつ。暴れるのやめたら教えてやるよ」

ゆらりと落ち着いた佇まいで、くるくると銃を廻しホルスターに収めた。
いつでもそれを抜ける体勢のまま、趙公明を睨みつける。

対する趙公明は苦笑を隠す事無く、それ以上の表情で顔を塗り潰した。
即ち――、歓喜。

「ハ、ハハッ! ハハハハハハハハッ!
 アーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」

両腕を天に掲げ、静かに窓際へと歩いていく。
身体に盤古幡を纏わせたまま遠ざかる趙公明に、ヴァッシュは最早警戒を隠さない。

「……何をしたのかはわからないけど、どうやら僕が不利そうだってのは何となく分かる。
 だからとりあえず一旦撤退させてもらうとしよう!」
「……逃げられると思ってるのかい?」

じり、とヴァッシュは摺り足で間合いを詰める。
頭の中に警報が鳴っているのだ、この男を取り逃がしてはいけないと。
殺しはしないが、縄で縛るなり何なりしておかねば甚大な被害が出る、確実に。
それを許す事など出来はしない。
549創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 13:53:38 ID:SrM8doUS
しえん
歩と安藤兄と由乃の奴も仮投下にあったな。
550代理投下:2009/04/25(土) 13:59:04 ID:ymWuPHhO
聞いているのかいないのか。
趙公明は芝居がかった動きで頭を押さえ、もう片方の手でヴァッシュに向けて五指を突き出す。

「ストーップ、勘違いはよしてくれたまえヴァッシュくん。
 僕は逃げる訳じゃあないさ、キミの様な素晴らしき好敵手と巡り合えたのにそんな事をする筈がないだろう?
 ……キミは、期待を超えすぎていたんだよ。
 やはりメインディッシュは最後にとっておくべきだ!
 今ここでキミを殺してしまっては、せっかくの殺し合いなのに今後満足を得られなくなってしまうに違いない!
 キミと殺り合うのは――、そう! エクセレントなシチュエーション、物語のフィナーレこそが相応しい……!」

ああ、とヴァッシュは嘆息する。
話し合いの余地は、どうやら全く無さそうだ。

「オー・ルヴォワール、ヴァッシュくん! それでは僕は麗しく脱出させてもらおう!」

言葉と同時。
デパートの階下から爆発音が轟いた。
地面が揺れ、ほんの一瞬だけヴァッシュの姿勢が崩れる。

「!?」

焦げ臭さを認識すると同時、ヴァッシュはすぐに新たに趙公明のいた場所に注意を傾ける。
だが、それは既に意味がない。
一瞬、ほんの一瞬で十分だったのだ。

「ハーッ、ハハハハハハッ!」

何処からともなく、高笑いが響き渡る。
趙公明の姿は最早何処にもない。

ただ、漫画のように人の形に穴の開けた硝子窓がその痕跡を語るのみだ。

「…………」

ふう、と一息をつき、ヴァッシュはその場に座り込む。

「参ったな」

――どうにか、助かった。
もちろん趙公明を逃したくなどなかったが、何の準備もしていない状況ではどうにか一発を凌いでハッタリに頼るのが精一杯だった。
もしかしたら趙公明もそれを分かっていて、だからこそ今は退却したのかもしれない。
生粋の戦闘狂であるなら十分あり得る選択肢だ。
551代理投下:2009/04/25(土) 14:00:25 ID:ymWuPHhO
「本当に、参ったな」

趙公明に渡された己の銃を確認するその時間。
その時に1発だけ、銃弾にエンジェル・アームの力を込めておかなければどうなっていた事か。
重力場の発生する出掛かりに対し、その領域が拡大する前にプラントの力で相殺する。
本来は対ナイブズの為に考えていた戦法だが、ぶっつけ本番で成功したのは何よりだ。

今すぐにでも趙公明を追いたい所だが、無闇に追っても何処に行ったか検討もつかない。
あの口調からして、後々自分を狙ってくるというのが分かっているのだけでも行幸だろう。

「……どうか、誰も死なないでくれよ……!」


――――応える声は、何処にもない。


【I-07/デパート2Fバルコニー/1日目 黎明】

【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康、黒髪化3/4進行
[服装]:真紅のコートにサングラス
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(5/6うちAA弾0/5(予備弾24うちAA弾0/24))@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本:誰一人死なせない。
1:趙公明を追いたいが、手がかりがない。
2:参加者と出会ったならばできる限り平和裏に対応、保護したい。
3:先刻のデパート階下の爆発音が気になる。
[備考]:
※参戦時期はウルフウッド死亡後、エンジェル・アーム弾初使用前です。
※エンジェル・アームの制限は不明です。
 少なくともエンジェル・アーム弾は使用できますが、大出力の砲撃に関しては制限されている可能性があります。


***************


デパートからは東に当たる街道上。
丁度、地図上ではIの07〜08の境目に当たるその場所で。

趙公明は、ワクワクしていた。
ワクワクしながら夜空を見つめ、悦に浸っていた。

この歓びを誰かと分かち合いたい――その感情のままにゆっくりと振り向き、虚空の如き暗闇に向かって呼びかける。

「コングラチュレイション――、ヴァッシュくんは実にコングラチュレイションだ。
 そう思わないかな? キンブリーくん!」

その声に応え、まるで黒い水が染み出るようにゆらりと漆黒が形を持った。
……紅蓮の錬金術師、キンブリー。

「やれやれ、全く以って度し難い酔漢ですねぇ、貴方も」

まあ、私も人の事は言えませんがね、と続けてキンブリーは趙公明に並ぶ。
この男の趣味に付き合って、華麗な脱出とやらを演出してやったのだから。


552創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 14:00:54 ID:SrM8doUS
支援
553代理投下:2009/04/25(土) 14:01:12 ID:ymWuPHhO
「……彼、私の存在に気付いてましたね。いやあ、素晴らしい人材(じっけんざいりょう)です。
 そして貴方のその道具を完全に相殺した謎の力――、あのまま殺さなくてよかったですよ。
 何より素晴らしいのが、決して人を殺そうとしないあの態度。
 この戦場の中、どんな風に動いてくれるのか実に楽しみです」

――盤古幡を手にして気を失ったヴァッシュ。
それを最初に見つけたのは、他でもないこのキンブリーだった。
デパートの探索を始めてまもなく、満ちに倒れ伏しているヴァッシュを発見したのだ。
どう扱うか逡巡する間にこの趙公明が声をかけてきたため、ひとまず彼にヴァッシュの処遇を一任する事にしたのだが。
……いずれにせよ拾った銃一つを失っただけの取引としては非常に上々だったろう。
何せ――、

「さて。これから貴方はどう動くおつもりですか?
 『この殺し合いを開いた“神”の手の一人』としては」

趙公明はただ朗らかに微笑を返す。

「ノンノンノン、もっと洒落た呼び名で呼んで欲しいのだけどね。
 そうだな。カードの鬼札にちなんで、ジョーカー、なんてどうだろう!」

このゲームを開いた者たちが、殺し合いを促進する為に仕込んだ触媒。
艶やかに咲き誇る食虫花こそがこの催しにおける趙公明の役割。

彼はそれを隠すつもりもなく、出会って早々にキンブリーはこの男に協力する事を心に決めた。

「やる事はシンプルさ、僕が楽しみながらこの殺し合いを掻き回す。
 いや、掻き回しながら僕が楽しむ、の方が正しいかな?
 別に僕は彼らの走狗になったつもりはないのだからね!」

――情報を聞き出そうとしたものの、趙公明はそれについては答えはしない。
何でも今話したら殺し合いが面白くなくなる、との事で、キンブリーもそれには同意せざるを得なかった。
まあ特に急ぐ事もないので今追及するのは止めておこう。
キンブリーは確信している。
この男は、必要になれば自ずからベラベラと“神”の陣営について話し出す事だろう。
その『必要』が趙公明の価値観に則ってのものであるのが多少厄介だが、この男は性質上自己顕示せざるを得ないに違いないのだから。
そう、情報を得るならただ待ってさえいればいいのだ。

「ハハハハハハッ、ハァーッハハハハハ!」

――おそらくはこの男のそんな悪癖を知っていて、それでも敢えて自らの手駒として使う。
姿も見えぬ『神』に僅かに身体を震わせて、それでもキンブリーの表情に陰りはない。
さて、色々楽しくなりそうだ。

ニィィ……、と、紅蓮の錬金術師の片頬が静かに歪む。
趙公明とは似ても似つかない笑みの形。
両者に共通するのは、月の光に禍々しく映える事だけ――――。


554代理投下:2009/04/25(土) 14:03:08 ID:ymWuPHhO
【I-07〜08境目/街道/1日目 黎明】

【趙公明@封神演技】
[状態]:健康
[装備]:オームの剣@ワンピース
[道具]:支給品一式、ティーセット、盤古幡@封神演技
[思考]
基本:闘いを楽しむ、ジョーカーとしての役割を果たす。
1:闘う相手を捜す。
2:太公望と闘いたい。
3:カノンと再戦する。
4:ヴァッシュに非常に強い興味。
5:特殊な力のない人間には宝貝を使わない。
6:宝貝持ちの仙人や、特殊な能力を持った存在には全力で相手をする。
7:自分の映像宝貝が欲しい。手に入れたらそれで人を集めて楽しく闘争する。
[備考]
※今ロワにはジョーカーとして参戦しています。主催について口を開くつもりはしばらくはありません。
※参加者などについてある程度の事前知識を持っているようです。

【ゾルフ・J・キンブリー@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2、ヒロの首輪、不明支給品0〜2
[思考]
基本:優勝する。
1:趙公明に協力。
2:首輪を調べたい。
3:剛力番長を利用して参加者を減らす。
[備考]
※剛力番長に伝えた蘇生の情報はすべてデマカセです。
※剛力番長に伝えた人がバケモノに変えられる情報もデマカセです。
※制限により錬金術の性能が落ちています。


【盤古幡@封神演技】
元始天尊、竜吉公主、燃橙道人と次々に持ち主を変えたスーパー宝貝の一つ。
重力を操る機能を持ち、(封神台も起動させた状態の)元始天尊で1000倍、燃橙道人で1万倍まで重力を操作可能。
最大出力ならばブラックホールまで作り出すことを可能とするが、本ロワではその機能がどの程度まで制限されているかは不明。


555代理投下:2009/04/25(土) 14:09:10 ID:ymWuPHhO
95 : ◆JvezCBil8U:2009/04/25(土) 13:15:24 ID:kbP/GsaA0
以上、投下終了。やり過ぎた気もするけれど後悔はしていない。
富良兎はマジメにジャンプ漫画最高のヒロインだと思います。


代理投下終わり。書き手氏も先に代理してた方も乙です。
タイトルは>>542までが「アン学アニメ化決定記念巻頭フルカラー大増200P号!」その先は「カタハネ -シロハネ-」

最初訳わかんなくすぎて吹いたw アン学のセンスについていけるのがすごいw
趙公明ジョーカーかぁ。おまけにキンブリーまで合流しちゃって、ますますデパート周辺が危険だな。
「力」が残り少ないヴァッシュには頑張ってほしい。
556 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/25(土) 14:11:41 ID:ymWuPHhO
ところで仮投下スレの由乃達のヤツ、0時まで特に問題が指摘されなければこっちに移してもいいですか?
557創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 15:41:37 ID:afv1O20k
俺はいいと思うよ
558創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 16:31:57 ID:CJ6JKq25
>>542までのやつ
無くても話になるし
あっても見ての通り得る物ないし
何の為にあるパート?
不愉快になる蛇足って評価しか出来んわ

あと、暴発は不注意等で誤って発砲してしまうことで、銃身内で火薬が爆発しするって意味なんてないからな
銃に細工→射手が自爆は腔発って言うんだが
559創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 16:43:40 ID:KohQgp96
まぁ、あれは原作で太公望が死亡確認された時に唐突に始まった漫画みたいな
ものだし、文章化すると再現しにくいのは事実。
まぁとりあえず趙公明がでてくるあたりの封神読めばちょっとは分かるかもね
560創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 16:45:19 ID:Kt6BRUvZ
>>558
為になるご高説、ありがとうございます。
お帰りはあちらです。


いきなりアンニュイ学園とかwww
更に屍鬼とかサクラテツまで盛り込む芸の細かさに吹いたwww
561創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 16:46:40 ID:SrM8doUS
別に少しのネタくらいいいだろ。
俺は封神知らんかったから初めは意味分からんかったが、ネタの一種かって普通に読んだし。
意味あることしか書いちゃいけないってことはないだろ。
562 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/25(土) 17:48:37 ID:/6iO7n0C
お二方投下乙です

>電波は電波に乗って
0時待たなくても投下して良いと思います
他の日記出てる以上、使い方は難しいけど無差別や逃亡は出ない方が違和感覚えますし出すことに問題ないかなと
しかし、放送後名簿見た後の由乃の行動が怖いなあ

>アン学ry
タイトルだけで懐かしくて思い出し笑いが・・・
しかしあんだけの面子そろえてサイコ+が入ってないのは何故だ!と一言だけ言いたいかもw

では、自分も書きあがったので投下します
563 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/25(土) 17:49:30 ID:/6iO7n0C

『……逃げろ。こんな薄情者は身捨ててさっさとな』
別れ際の彼の言葉を反芻しながら新八は走り続けていた。
ぶっきらぼうな言葉の端々に自分の良く知る人物の顔が思い浮かぶ。
銀さんの生き方に憧れ、そして銀さんのようになるために僕は万事屋に入ったはずだった。
少しでも姉さんに胸を張れるような立派な人間になるために。
一緒に働くようになってほんの少しでも近づけた気がしていた。
でも実際の自分はどうだ。
震えて、守られて、逃げ出して、根本的な部分は何も変わっちゃ居なかった。
無力な自分が悔しくて嫌気が差す。
心臓が飛び出しそうなぐらい激しく脈打っている。
わき腹も激痛に襲われている。
それでも、今自分に出来る事はこんな事だけだと悔し涙を流しながら足を動かし続けた。

(人!?)

幾ら走ったのだろうか。
距離にしても時間にしてもウルフウッドと別れてから大して離れたわけでもない。
だが新八には何時間もの時間に感じられていた。
そしてようやく初めて人間らしき影を見つける事が出来た。

「す、すいませーん!!」
「!?」

新八の声に警戒心むき出しで身構える目の前の影。
片目に眼帯をした女性、雨流みねねは残ったもう一つの目を吊り上げ、疑念に満ちた表情で新八を睨み付けている。
その態度に新八は自分が何故何から逃げていたのかを失念していた事に気づく。

「それ以上近づくんじゃないよ!」

警戒心をあらわにし、みねねは叫ぶ。
手には先程作ったばかりの手榴弾がしっかりと握られていた。
だが新八にも悠長にしている時間があるわけでもなかった。

「ま、待って下さい、僕に人を殺そうなんて意思はないです!」

両手を上げ、自分に敵意が無いことを伝える。
もっとも、向こうにそのつもりがあるのならば愚行でしかなかった訳だが、
すぐさま襲って来なかった事を考えても、さっきの無条件で襲って来た男よりは話が通じるだろうと新八は会話を続けた。

「お願いです、僕の話を」
「話は聞いてやる。だがとりあえずそこから動くな」

みねねは顎に手をかけ、新八の姿を上から下へと眺めながら少し考えるようなそぶりを見せる。

(武器も何も持っていない。けどさっき聞こえてきた銃声の事もある。隠し持っているか……?
 いや、雰囲気的にもそう言う事が出来そうな人間に見えない。あいつに近いタイプの人間だな)

みねねには目の前に立つ少年の第一印象が自分の良く知る人間の姿と重なった。
最もそれだけでは判断するには不確定な状況ではあったのだが……状況は自分が有利と判断したみねねは新八に続きを言うことを許していた。
564 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/25(土) 17:50:37 ID:/6iO7n0C

胸をなでおろしながら新八は今しがた起こったことを説明する。
いきなり襲われた事。
自分を逃がすために囮になってくれたウルフウッドの事。
そして助けてくれそうな人を探していた事。
信じてもらえなければ意味が無い、そう考えて誇張する事なく真実を包み隠さず話した。

「断る」

だが、全てを告げ終わり懇願する新八の耳に届いたのは、きっぱりとした拒否を示す言葉だった。

「っつーか私に、お前やニコラスなんとかってやつを助ける義理なんかないだろ」
「た、確かにそうです……けど……」
「やらせたい奴にはやらせとけば良いし、お前も命を拾えたんだ。それで満足しとけば良いじゃないか」
「見捨てろって言うんですか!?」
「ああ? 知らないねそんな事」

みねねは苛立ちを隠そうともせずに新八のそばへと歩み寄ると胸倉を掴み上げ

「こうしてりゃ誰かがなんとかしてくれるとかって思ってんのか?
 悪いけど私はお前みたいな甘ちゃんな考え方する奴が大嫌いなんだよ!」

そう言って掴んでいた手を離すと、新八の胸をグッと押しつけた。
咳き込みながら反動で地面へと転がる新八を見下ろしながらみねねは不快そうに顔をゆがませていた。

――唐突に新八のやって来た方向からけたたましい音が鳴り響き始めた。
おそらくは、いや間違いなく銃声だろう。
二人とも戦いが始まった事をはっきりと予感した。

「自分のことは自分で守るしかない。困っても誰も助けてくれない。
 未来は自分の力で掴み取るしかないんだ。私は今までずっとそうやって生きてきたんだからね。
 誰かが何とかしてくれる、神様が助けてくれる。そんなのは幻想でしかないんだよ。
 お前みたいな奴、のたれ死んでも誰も困らんさ。
 あたしに殺されなかっただけラッキーだったと思うんだね」

侮蔑するように吐き捨てたみねねの姿は、振り返る事もなく遠ざかりそして消えていった。

取り残された新八の耳には絶え間なく銃声が聞こえていた。
耳が痛かった。
音に対しての……ではない。
みねねの言葉が胸に突き刺さり、それが的を得すぎていたためだ。
知らず知らずのうちに目から再び涙が溢れていた。



☆    ☆    ☆    ☆    ☆


新八とみねねが出会った頃に時間と場所は変わる――

565 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/25(土) 17:51:34 ID:/6iO7n0C
距離を保ったまま対峙するウルフウッドとマシン番長。
二人で円を描くように歩を進め、再び無言の時が流れ始めた。
先程まで余裕綽々で襲ってきていたマシン番長だったが、ウルフウッドがバニッシャーを取り出すと共にそれは一転する。
形状から予測するに銃器のような物であることは推測できた。
だが自分のデータベースに一切引っかからない謎の武器の出現。
その存在が最演算を余儀なくし、マシン番長の動きを封じていた。

「ドウシタ、攻メテ来ナイノカ?」

とは言え、いつまで立っても攻めて来ないウルフウッドの行動に疑念も覚える。

「はっ、そう言うならおたくから攻めてきたらどうや?」

様子を探るように距離を取りじっと動きを観察している。

(さっきみたいに突っ込んで来てくれりゃまだ楽なんやけどな)

ウルフウッドは思う。
目の前の相手は強い……と。
不確定なものが出てきた途端に攻撃を休め冷静に状況を分析する。
一瞬の気の緩みが致命的になるであろうことがわかっていた。
楽をして勝てる相手ではない。
だがこうしていても埒が明かないのもわかっている。
向こうが機械ならば計算し終わる前に――とウルフウッドが動いた。

「ほならこっちから行くで!」

指先に力をこめ、パニッシャーから弾丸が雨のようにはじき出される。
それが開戦の合図となった。

弾丸がマシン番長の胸元へと降り注ぐ。
だが、弾丸がその空間を通過する頃にはマシン番長の姿はそこには無かった。
その動きを追うようにウルフウッドはバニッシャーをスライドさせる……が、

(おかしい……なんやこりゃ)

バニッシャーを動かすスピードがマシン番長を追いきれない。
目では追いきれている。
どう動かせばいいのかも身体が覚えている。
だがバニッシャーの重さがそれを実行することを許してくれない。

(けっ、これも例の細工っちゅうわけか)

それは彼からすればほんのコンマ数秒の動きのずれだったが、普段とは違う身体の動きに違和感を覚える。

「だったらそれはそれで動けばいいんじゃ!」

怪我をすれば動きは鈍くなるし、睡眠が足りなければ同様だ。
戦闘の場において本調子である事の方が少ない。
今現在の自分が思っていた調子以下の体調だった事など数え切れないほどの戦闘を経験してきた。
566創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 18:02:09 ID:rcXxjlGE
si
567代理:2009/04/25(土) 18:47:23 ID:afv1O20k
みるみるうちに弾丸の軌道がマシン番長へと近づいていた。

「……0.002秒」

マシン番長の足元を追うように土が瞬く間にえぐられていく。

「……0.17秒」

舞い上がる砂埃を気にも留めずにブツブツと呟きながら走り続けるマシン番長。

「さっきから何ブツブツ抜かしとるんじゃ!」
「体温……ヤヤ高メ、呼吸……大キク乱レアリ、カナリノ興奮状態ト推測」
「ああ? そりゃそうや! お前をぶっ壊したろうとアドレナリン出まくっとるからのう!」
「速度収集完了。視因可能ナ全データノ収集終了。現状ノ勝率100%……問題ナシ」

突如、横へと走る一方だったマシン番長が縦へ……すなわちウルフウッドへと急転換する。

「100%とは舐めた事言ってくれるやないけ!」

ウルフウッドも迎え撃つようにバニッシャーを構えなおす。
弾丸の雨を止ませると同時に大きく左へ地を蹴り、空中で再び引き金を絞った。
だがマシン番長も負けてはいない。
蛇行しながら一瞬で間合いをつめ、着地寸前のウルフウッドの背後へと回りこむ。
不快な異音と共にマシン番長の右腕が回転し始めた。

(あかん!)

本能的にウルフウッドは身体を捻っていた。
今までウルフウッドの身体が存在した空間をマシン番長の手刀が通り抜ける。
手に持ったバニッシャーをマシン番長へと叩き付けると、同時にマシン番長の左腕が空間を薙ぎ払う様にウルフウッド目掛けて回され激しくぶつかり合った。
両者の間に激しく火花が散り、反動でお互いの身体が大きくはじかれる。

ウルフウッドは宙を舞いながらもバニッシャーの引き金を絞り
マシン番長も飛ばされながら左腕で地面を掴み、大きく跳ねながら右腕を構える。
学ランを少し吹き飛ばされながらもウルフウッドへとめがけ再び放たれる右腕――ライトニング・フィスト。

「ちいっ!」

眼前に迫り来る拳。
バニッシャーを盾に防ごうと今度は金属音が響くことは無かった。
予想と反し寸前で拳が開かれバニッシャーの銃身を掴むマシン番長の右腕。

「奪い取りにきおったか!」

反射的にウルフウッドがバニッシャーを強く握り締めたその瞬間――ウルフウッドの全身に猛烈な痺れと痛みが襲いかかっていた。
マシン番長の掌から流れ出る200万Vの高圧電流がウルフウッドの全身を覆い尽くす。
間髪入れずに伸ばした腕を巻き取りながら加速するマシン番長。

「『クライシス・キャノン』」
568代理:2009/04/25(土) 18:48:45 ID:afv1O20k

抗うことも出来ずに絶叫を吐き出すウルフウッドの鳩尾に、マシン番長の両膝がめり込んでいた。
身体をくの字に曲げ、ウルフウッドの身体が宙を舞った。

「ゴフッ……」

後ろに聳え立っていた一本の木へと一直線に叩き付けられその衝撃に大きく咳き込む。
意識が飛びそうになるのをかろうじて堪えたものの、戦況は圧倒的にウルフウッドに不利だった。

(ドリルに電気にブースターかい……やりたい放題やなほんま……)

全身がバラバラになりそうな痛みに襲われる。
ゆっくりと立ち上がろうとするも膝が笑って思うように立つことが出来ない。
それでも一切表情を変えることなく近づいてくるマシン番長に対して必死に銃口を向ける。

「諦メロ。ソノ損傷率デハモウ逃ゲルコトモ不可能ダ」

最終通告とも言えるマシン番長の言葉。
だが当のウルフウッドは意にも返さずと言わんばかりに不適に笑っていた。

「何故笑ッテイル。ヤハリ俺ニハオ前ノ行動ガ理解不可能ダ」
「さっきも言ったやろ……機械風情に理解ってもらおうなんて思っとらんわ!」
「……コレ以上オ前トノ会話ニ得ラレル情報ハ無シト判断。コレデ終ワリニスル」
「上等じゃ! ワイもオンドレの顔なんかこれ以上見とう無いわい!」

震える膝を殴りながら自身を奮い立たせるように雄叫びを上げながらウルフウッドが立ち上がる。
そしてバニッシャーを構え、合わせる様に突き出されるマシン番長の拳。
時が止まったかのように静まり返る。
時間にしてみればほんの一瞬しか存在しなかった空間が、一陣の風が吹き、木々が小さくざわめくのを合図に消滅した。

ウルフウッドの指先に力が入るのを見るや否や、マシン番長の姿が掻き消える。
木々を盾にするように移動するマシン番長。
彼の通った後の木々が銃弾に煽られ、木の葉を舞い散らせながら次々と倒れていく。
打って変わって鳴り響く轟音。
降り注ぐ銃弾の嵐。
それをバックミュージックにウルフウッドの拳が、蹴りが。そしてマシン番長の拳が、蹴りがダンスのように交錯し合う。

近づいては離れ、そしてまた離れては近づく。
その都度繰り出される攻撃にお互いが決定打を与えれない。
だが痛みも疲れも感じないマシン番長とは裏腹に、ウルフウッドの身体には確実に疲労とダメージが蓄積されていた。

そしていつの世も終わりが来るのは突然で――決着の時は訪れる。

距離を取ろうとウルフウッドが地を蹴り、空中に飛び上がりながらパニッシャーの狙いを定める。
……だが。

「ちいっ……玉切れかいっ」

今まで絶え間なく降り注ぎ続けた銃弾の雨がピタリとやみ、その言葉に瞬時にして反応して伸ばされた『ライトニング・フィスト』
ウルフウッドはその反応に小さく口元を歪ませ――あろう事かバニッシャーを手放した。
569代理:2009/04/25(土) 18:50:03 ID:afv1O20k


☆    ☆    ☆    ☆    ☆


自分の武器を手放したウルフウッドに疑問を感じるマシン番長。
だが、それについて計算し終わる頃には決着はついている。
何故なら自分の計算ではこの右腕が伸ばしきられれば全てが終わるのだから。
先程防御された分の誤差も含めたスピードで繰り出したライトニング・フィストだ。
計測したデータに間違いは無い。
ウルフウッドが指先に力を込めてから引き金を絞るまでの時間。
弾丸が発射されてから自分へ到達するまでの時間。
咄嗟での切り返しの速度。
その他視てきた全てのデータを総合しても絶対に交わすことは不可能だ。
さらには相手の武器は弾切れ。
この状態からの反撃の要素が無い。
だから彼は計算するのを止め、目の前の障害を排除する点のみに切り替えた。

「なんてな」

……それが誤算。
人間の言う所の油断と言う奴だ。
彼自身は油断などしたつもりは無いだろう。
ただ自分が勝つために何をするのが効率が良いのかを考えた結果だ。
彼がコンピュータであるが故の、経験と言うものを知らなかったため起きた結果だ。
もし計算をし続けていればウルフウッドの狙いが何かわかったのかもしれない。
だが止めた。

ウルフウッドの経験はコンピュータの計算を上回ったのだ。

バニッシャーでガードしようとすれば掴まれてまた電撃が来る。
かと言って防がなければ致命傷になりかねない。
ならば方法は一つ。
バニッシャーで防ぎつつ電流を流されないように仕向ければいい。
全身を縮めると、足の裏がこれから拳が来るであろうコースへと置かれる。
そして彼の両足と右拳が重なる瞬間、その空間に投げ捨てたはずのバニッシャーが現れていた。

「ナニ?」

マシン番長が気づいた時にはすでに彼の右腕はバニッシャーへと当たり、挟み込むようにウルフウッドの足が反対側から蹴りつけられる。
響き渡る重厚な金属音。
同時にウルフウッドの両足に激痛が走る。

(こりゃイっちまったようやな……しゃーない……かっ!)

反動を利用し宙を回りながら浮かんだままのバニッシャーを掴む。
マスター・Cのバニッシャーにつけられた切り札とも言っては過言ではないだろう。
普通の人間が振り回すには余りにも重いパニッシャー。
殴りつけただけでもただではすまない凶器となりうるそれの銃身を覆った部分そのものが弾となり一直線に射出された。
570代理:2009/04/25(土) 18:51:29 ID:afv1O20k

「ナンダトッ」

マシン番長は咄嗟に残った左腕を前に出しガードの構えを出すものの、銃身は左腕ごと彼の身体を大きく吹き飛ばして行った。

「おまけや!」

残された細身の銃身から再び放たれる銃弾。
ウルフウッド渾身のブラフが、マシン番長の身体へと吸い込まれていった。



☆    ☆    ☆    ☆    ☆



激痛に受身を取ることも出来ず、マシンウッドの身体は地面へと叩き付けられた。

「ごっ……」

衝撃に思わず噎せ返る。

「ったくポンコツのクセに調子に乗りくさりおって、ほんだらぁ」

粉塵で周囲がよく見えないが何かが動く様子は無い。
さすがにこれで終わらなければ今の身体の状況では手詰まりだった。
だが一向に変化が無いことに安堵し、脱力感に襲われ大きく息を吐く。
口元からこぼれる血を乱暴にぬぐいながら先程逃がした少年の姿が思い出されていた。

「あいつ無事やろうなあ」

逃がすためとは言え少々強引な手段をとったことは否めない。
今みたいな奴が他にも居ないとも限らないのだから。
丸腰の身体で同じようなことになったらひとたまりも無いだろう。
それにあの性格だ。一人逃げたことを悔やんでいるかもしれない。

「さっさと追いついて安心させてやるかいな」

新八の逃げた方角に目を見やる。
今から全力で追いかければ自分の脚力ながら追いつけるはずだ。
そう考え立ち上がろうと力を込めるが、足に激痛が走り力が入らない。

「やっぱイっとったかいな……」

軽く触ってみる……が、やはり激痛が走る。
両足の骨が折れているのは間違いなかった。

「あっちゃ……こりゃしばらくは動けへんか」
571代理:2009/04/25(土) 18:53:16 ID:afv1O20k

再生速度がどのくらい落ちているかはわからないがここでしばらく足止めを食らうのは間違いないようだ。
こうなると名も知らぬ少年の事はもう神様にでも祈るしかしょうがなかった。

「けったクソ悪い神なんやろうけどな」

自分達をこんな場所に呼んだ者に祈るのもおかしな話か、とウルフウッドは苦笑する。
強く風が吹き始め、無事だった木々が大きく揺れる。
覆っていた粉塵がようやく晴れ、視界がようやく見渡せるようになって来た。

(……んなアホな)

パニッシャーは直撃した。
終わったはずだ。
ウルフウッドの目が驚愕に見開かれる。
粉塵が完全に晴れた地には、辺りかまわず抉られた地面と、そして左腕を無くしたマシン番長が立ち竦んでいたのだから。

「損害状況32%確認。損害ニオケル影響微々。対象排除ヘノ影響――問題ナシ」

言うや否やマシン番長がウルフウッドへと間合いをつめる。
パニッシャーを探す――が先程の激突でどこに飛ばされたのか、見当たらない。

(ちいっ!)

足を引きずりながらも交わそうとするが、一歩遅かった。
残った右手でウルフウッドの頭を持ち上げるとギリギリと握り締める。

「ぅが……」

締め付けられる痛みに襲われながらも、ウルフウッドは右拳をマシン番長へと叩き付ける。
不十分な体勢からの拳に、何の力も入らなかったのは別っていた。
それでも何度も、何度も、何度も繰り返す。

「無駄ダ、モウ終ワル」

締め付けられる力が強まり、全身から力が抜ける。
嗚咽すら出せないし、意識も遠くなってきた。

(終わる時はこんなあっさりなんなんか……)

白みがかる視界にゆっくりと目を閉じようとした。
刹那、ドンっと自分の頭に広がる振動。
潰されたものではない。
そうだとすれば最早こんなことを考えていられるはずも無いだろう。
そして頭から圧迫感が無くなりそのまま地面へと落とされた。

揺れる頭を抑えながらウルフウッドは思わず目を開け……そして叫んだ。

「なんで戻って来たんやっ!!」
572代理:2009/04/25(土) 18:54:47 ID:afv1O20k

今まで自分を掴んでいたマシン番長の右腕。
それは大空へと向けて仰ぐようにまっすぐと伸ばされていた。
だが、その伸ばされた腕に掴まれ抱えられていた一人の少年の姿。
見覚えのあるその姿は今しがた別れた少年、新八の身体。
両手で抱えた大きな石がドサリと地面へと落ちる。
先程の衝撃はこれでマシン番長を殴りつけでもしたためか……ウルフウッドはそう推測しながらも理解出来ない新八の行動に毒づいていた。

「クソガキが……逃げろ言うたやないか……あんなんでわいを助けに来たつもりか? 大馬鹿やでホンマ」
「マッタクダ、オ前ノ行動モ全ク理解出来ナイ」

問われた新八はと言うと、罰が悪そうにウルフウッドから視線をそらし

「逃げましたよ、全力で……。
 怖くて……助けてもらって……逃げて……」

ボソッと呟くと一転、抱えながら不思議そうに呟いたマシン番長を鋭く睨み付ける。

「でもそんなんじゃ姉さんに怒られるって事に気づいたんです。
 こんな情けない姿を見せるために僕は万事屋に入ったんじゃない。
 あの人に少しでも追いつきたかった! 彼のような侍になりたかった!」
「……オ前ノ回答ハ理由ニナッテイナイ。理解不能」

新八の言葉にメモリー内で何かが暴れだす感覚を受けた。

「うるさい! ここで逃げたら命は助かっても僕の魂は死ぬって事に気づいたんだよ!」
「命……魂……同意義。死……生命活動ノ停止。統合性……0。理解不能理解不能」

そのままガタガタとマシン番長の身体が痙攣する。
いきなりの挙動に暴れていた身体を休め、マシン番長の姿を覗き込んだ……瞬間。

「……大量ノ不安因子発生……可能性ヲ排除スル」

ギロリと新八を睨み付け、同時に新八の身体が開放される。
重力のままに地面へと落ちる新八の身体。
だが彼の身体は地面に付く事も無く、回転されたマシン番長の右腕が新八の腹を突き破っていた。

「ガキイイイィィィッ!!」

スローモーション再生のように真っ赤な鮮血が周囲に飛び散る。
目の前の光景にウルフウッドの絶叫が響き渡った。
同時にマシン番長は腕を振り払い、新八の身体をウルフウッドへと叩き付ける。
衝撃に二人の呻き声が重なり、開いた目に飛び込んだ新八の姿。
一目で致命傷なのがわかった。

咽返り、口から血反吐を吐きながらも新八の目は強く光っていた。
ウルフウッドの胸倉を強く強く掴みながら、新八は謝罪の言葉を告げる。

「僕が最初っから逃げずに戦っていればこんなことにはならなかったかもしれないですよね……」
 本当に……ごめんなさい……」
573代理:2009/04/25(土) 18:56:28 ID:afv1O20k
耳に届いた新八の言葉に二の句も出ない。
自分に対して恨み言を言うわけでもなく、紛れもなく訪れている死の恐怖に怯えるわけでもなく、
出てきたのは自分の不甲斐無さを恥じる言葉。

そこでようやく自分が新八を助けようと取った行動が、結果彼の信念を殺す道だった事に気づいた。
恐怖と戦い、自分の弱さに絶望しながらも新八はそれに抗い、戦う道を選び戻ってきた。
それを否定することは彼への侮辱だとウルフウッドは悟った。

「……おいガキ、そういやお前の名前聞いとらへんかったな。……聞かしいや」
「……え?」
「名前や、名前」
「……志村……新八です」
「そうか……なあ新八。すまんがわいには侍ちゅうのがなんなのかようわからん。けどやな、少なくともお前が目指してるもんにはなれてると思うで」

その言葉に新八は目を見開きながら驚いた表情を見せ、薄く微笑む。
同時に彼の身体から力が抜けていったのがわかった。

そして――

一切の表情の変化を見せず二人を観察していたマシン番長が歩を進め、ウルフウッドを見下ろすように立ち止まった。

「オ前ニハ今ノ言葉ノ意味ガ理解ッタノカ?」
「当然やろ」
「何故ダ。私ノデータベースニ一切該当シナイ」
「説明したところで機械風情に理解るわけあらへんわ。もっとも説明する気もさらさら無いけどな」
「……ソウカ。ヤハリオ前トノ会話ハ時間ノロスト判断スル」
「ああそうしとき。せやかてワイももう動けそうにない。好きにしたらええわ」

新八を貫いた手刀が同じようにウルフウッドの身体へと迫る。
逃げようにも自分の意思ではピクリとも動かない身体。

(トンガリ……お前ならどうしたんやろな、ああ言う場合)

鈍い衝撃と共にマシン番長の手刀がウルフウッドの胸を貫いていた。
胸を貫かれた衝撃に全身を震わせながら彼は思う。
自分と正反対だった青年のことを。

(まあ今更考えてもしゃああらへんか……先に行っとる。お前はしばらく来るんやないで……)

その思考を最後にウルフウッドの意識は闇に落ちていった……。


☆    ☆    ☆    ☆    ☆
574代理:2009/04/25(土) 18:57:43 ID:afv1O20k

「対象沈黙生体反応0――任務継続……可能」
このまま続けるのに支障は無いものの、左腕の損傷がやはり気になる。
どこか修理出来そうなところがあれば良いのだが、そう判断した彼は地図を取り出し開く。
「データベース照合……研究所……該当」

二人に背を向けると彼は歩き出した。
任務を遂行するために、目的はただそれだけ。
一刻も早くこのノイズを取り除かなくては。

「死トハ何だ? 生体反応ガ停止スル以外ニ何カ意味ガアルノカ?」

夜空を見上げボソリと呟きながら闇に消えるマシン番長。
彼はまだ気づいていない。
死の間際の二人のやり取りを見てノイズが以前より強くなっていることを……。




【I-4/中心部/黎明】
 【マシン番長@金剛番長】
 [状態]:左腕損失 メモリー内にノイズ
 [装備]:
 [道具]:不明支給品1〜2(未確認)基本支給品一式
 [思考]
  1:殺し合いに勝ち残り脱出。Dr.鍵宮の指令を遂行する
  2:研究所へと向かう
 [備考]
  ※参戦時期は四番長(居合、卑怯、剛力、念仏)殺害後、Dr.鍵宮の指示で月美の部屋に行くまでの途中。


☆    ☆    ☆    ☆    ☆
575代理:2009/04/25(土) 18:59:57 ID:afv1O20k

マシン番長が立ち去ってから数分後――

「これは酷い事になってるわぁん」

凄惨な戦場と化した森の中に響き渡る暢気な声と共に現れた妲己。
言葉とは裏腹に荒廃した惨状を見回しすその目は凛々と輝いており、愉快気にスキップさえ踏んでいる。

「あらあらん?」

一際被害の大きな一角に横たわる二人の人間の姿が目に留まった。
何の躊躇も無く近づくと、まずは小さな身体の方からつんつんとつついてみる。
まったく反応がない。

「ご愁傷様かしらん」

けして死者に向けるべきものではない笑みをうっすらと浮かべながら続けてもう一人の身体をも試してみる。
やはり反応はない。
小さくため息を吐くと興味を失ったように二人の身体から離れようとした直後。

「……ぅ……」

微かに響いた声に思わず振り返っていた。

「驚いた……そんなのでまだ生きてるのん?」

呼吸は荒く、息も絶え絶え。
胸には大きな風穴を開け、全身は細かい傷と火傷で無事な部分など残ってもいない状態でありながらも
ウルフウッドの身体はまだ彼が休むことを許さなかったようだ。
開かれる瞳がうつろに翳りながらも彼は口を開く。

「……奴は?」

その問いにどう反応すべきか少し考え込み……悲しげに表情を一転させた。
怪我をした人間を不安に思い気遣う仕草も忘れない。

「うぅん? 誰のことかは知らないけど、ここにはわらわしかいないわよん?」
「……そうなんか」
「あなたも殺し合いをしてたのん?」
「するつもりなんかさらさら無かったわい。けど向こうさんに殺る気満々で襲ってこられたらしゃあないやろ」

ともすると少なくとも自分の敵ではないと言う事か。
でもこの様子では負けたんだろう。
生き残ったのは良いが弱いんじゃどうしようもないと妲己は溜息を漏らす。

「ふぅん、で負けちゃったのん?」
「うっさい」

苦々しげに呟くウルフウッドを見て悲しそうな演技を続けながら妲己は言う。
576代理:2009/04/25(土) 19:02:14 ID:afv1O20k
「やっぱり殺し合おうなんて考える人もいるのねん」
「あんたはちゃうんか?」
「まさかぁん? こんなか弱いわらわがそんなこと出来るわけないわん」
「嘘やろ」

一瞬眉をひそめかけるが、そ知らぬ顔で妲己はとぼけ続ける。

「嘘? なんのことかしらぁん?」
「隠しとったって空気でわかる。弱いようには感じられへん」
「買い被り過ぎよん。わらわは弱いから誰か強そうな人を探してるのん。心当たりとかないかしらん?」

平静を装う妲己にたいし、呆れ返りながらウルフウッドは答えた。

「……まあええ、強い奴だったら赤いコート着たつんつんした金髪の頭の目立つ奴探せばええ。勿論いたらの話になるけどな」
「あらぁん意外ねえ。そんな素直に教えてくれるなんてえ。その人の事嫌いなの?」
「大っっっっっ嫌いやな!」
「あらぁん可哀想」
「んま……そうじゃなくても隠す必要も無いと思ったからや。ワイの知る限り人間であいつに勝てる奴はまずおらんやろ。
 殺し合うつもりならあいつがあんたを止めるやろうし、そうで無いなら教えても問題ない、それだけのこっちゃ」
「ふうん、そのお友達のお名前は?」
「友達ちゃう、ただの腐れ縁や。……まあええわ。有名人やから名前ぐらい知っとるはずやろうけどな。ヴァッシュや。ヴァッシュ・ザ・スタンピート」
「知らないわねん……でも、ありがとぉん」

ウルフウッドの首筋をなでるような感覚が伝わる。
遅れて襲い掛かった鋭い痛みと同時に噴出す鮮血。

「やっぱりかい……」

反射的にそれを抑えようと両手で首を押さえるが、隙間から流れる血は留まる事を知らない。
自身の手についた血を舐め取りながら妖艶な笑みをこぼす妲己の顔。
一瞬美しいとさえ思ってしまった自分を卑下しながら。
それがウルフウッドの見た最後の光景となった――。

動かなくなったウルフウッドを見ながら妲己は微笑む。

「そう言う訳じゃないけどねぇん。ただ、わらわって壊れた玩具にも使えない兵士にも興味ないのよん」

その言葉を聞くものは最早誰も居ない。
返ってこない返事に少し不満げな表情を見せながら妲己はその場を後にした。


【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム)】死亡
【志村新八@銀魂】死亡
577代理:2009/04/25(土) 19:03:45 ID:afv1O20k

※以下のものは二人の死体のそばに、妲己が回収したか放置のままかはお任せします
 マスター・Cのパニッシャー(残弾数0%・銃身発射済)@トライガン・マキシマム、デザートイーグル(残弾数8/12)@現実
 支給品セットx2(ウルフウッドと新八の分)
 上記の中にパニッシャー(マスター・C)の予備弾丸4セット 不明支給品0〜2



【I-4/中心部/黎明】
【妲己@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら
[道具]:支給品一式、再会の才@うえきの法則
[思考]
基本方針:神の力を取り込む。
1:デパートに向かう。
2:対主催思考の仲間を集める。
3:太公望ちゃんたちと会いたい。
4:この殺し合いの主催が何者かを確かめ、力を奪う対策を練る。
5:獣の槍と、その関係者らしい白面の者と蒼月が気になる。
※胡喜媚と同時期からの参戦です。
※みねねと情報交換をしました。未来日記の所持者(12th以外)、デウス、ムルムルについて知りました。

【獣の槍@うしおととら】
春秋・戦国時代に中国で作られた、白面の者を殺すための槍。
両親を白面の者に殺されたギリョウ、ジエメイの兄妹が命を込めて作成した。
(妹、ジエメイが溶鉱炉に身を投げ、それを材料に剣を打った兄の体が融合し槍となった)
獣の槍に選ばれた者が使うことで、使用者の魂と引き換えに身体能力、治癒能力が向上する。
ただし、魂を与えすぎると使用者は、とらや紅煉同様の字伏という妖怪に変化する。
選ばれていない者以外が使用した時、選ばれた者でも妖以外と戦う時はその変化は起きない。
妖怪のみを殺す槍であり、人間を刺してもダメージは普通の槍より少ない。
(正確には斬れないため人間を強打や無機物を切り裂くことはしていた。)
ただし、上記の性能がロワ中でなんらかの変更が加えられているかは不明。
獣の槍を封印する布は巻きついている。

【再会の才@うえきの法則】
植木耕助が神の座を争う戦いに勝利した際に、優勝者に与えられる空白の才に書き込んだ才。
文字通り、再会する才能を得ることが出来るが、あくまで才能であって絶対ではない。
578代理:2009/04/25(土) 19:12:37 ID:afv1O20k
111 : ◆Fy3pQ9dH66:2009/04/25(土) 18:04:59 ID:uz5PWvZk0
以上です
タイトルは「イノチ/タマシイ/ココロ」で
長めで申し訳ありませんが、お手すきな方代理お願いします

ご指摘ご意見ありましたらお願いします

代理投下終わりです
みねねの言うことは間違いではないし行ってたら死亡者が増えただけかもしれないが
自分が不幸な目に遭ったから他者を助けない人間のテンプレみたいだな
そしてニコ兄と新八が!!!
せめて逃走して助かるとか甘いこと考えてましたが二人とも死ぬなんて……
そして妲己はやっぱり妲己としか言えないな
ヴァッシュの名前を知った妲己は、そして放送でニコ兄の死をヴァッシュが知ったらどうなるか?
GJです!
579創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 19:21:40 ID:Kt6BRUvZ
投下&代理投下乙です。

なんと見事な悪……。
マシン番長無双はある程度予想してたけど、まさかこう転ぶとは。
いい意味で完全に予想を裏切られました。GJ。
580創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 19:24:47 ID:L0OdHyfE
投下&代理乙でございます

ウルフウッドー!!新八ー!!
何となく誰か退場しそうな感じでしたが……
ウルフウッドにしても新八にしても影響大きそうだなぁ……

ところで1点指摘ありますが、みねねの状態表は???
581 ◆Fy3pQ9dH66 :2009/04/25(土) 20:04:39 ID:/6iO7n0C
代理投下ありがとうございました

あと指摘にもあるとおりみねねの状態表抜けてました・・・本当に申し訳ありません
以下を564に差し込む形に修正します

【H-4/南/黎明】
【雨流みねね@未来日記】
[状態]:健康、爆弾人間
[装備]:手製閃光弾、手製煙幕弾
[道具]:支給品一式、不明支給品(0〜1(日記ではない))
[思考]
基本方針:神を殺す
1:研究所方面、もしくは工場方面に向かう。
2:出会った人物に、妲己が主催に反抗する仲間を集めていると伝える。
3:首輪を外すため、神を殺すためならなんでも利用する。
※ボムボムの実を食べて全身爆弾人間になりました。
※単行本5巻以降からの参戦です。
※未来日記所持者は全員参加していると思っています。死んだ12thが参戦しているとは思っていません。
※妲己と情報交換をしました。封神演義の知識と申公豹、太公望について知りました。

【ボムボムの実@ONE PIECE】
バロックワークスのMr.5が食べた悪魔の実。
食べた人間は全身起爆の爆弾人間となる。
体液などの分泌物も爆弾に変えられ、銃に吐息を吹き込めば、見えない爆弾を射撃できる。
爆撃でのダメージがなくなるが、能力が制限対象のため、高威力の爆撃を完全無効とは出来ない。
582創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 20:21:35 ID:Cis7yrBw

なんとなく新八は生き残ると思ってたが
やはりそう甘くは無いか・・・
583創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 20:58:08 ID:CJ6JKq25
マシンウッド
って誰?

あと、的をget(得る)してどうする
的は射るもんだ
584 ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:01:18 ID:lPb5vwh5
乙です
まさか二人とも退場とは
予想外でした

それでは自分も投下させていただきます
585創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 21:02:22 ID:afv1O20k
支援
586秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:03:43 ID:lPb5vwh5
殺し合いに乗った者と、殺し合いに抗う者が出会った場合。
大抵は戦うことになるだろう。

殺し合いに抗う者と、この殺し合いに怯える者が出会った場合。
大抵は抗う者が怯える者を助けることになるだろう。

殺し合いに乗った者同士が出会った場合。
大抵は殺しあうか、頭が働く者は手を組んだりするだろう。

では、ここで質問がある。
殺し合いに抗う者と、そもそも今の状況を理解していない者が出会った場合。
一体どうなるのだろう。


     ◇


「さてと……一体誰がこのゲームに参加してるんだかな……」

その青年は、他人から見たら確実に怪しまれるような格好をしていた。
頭には赤いハンチング帽を被り、体には腹が剥き出しになった短ランを着ていて。
そして顔には怪盗が着けているような黒い覆面を着けているのだ。
そんな格好の人物、怪しまない方がおかしいだろう。

ただ当の本人はそんなこと露ほども気にしていないのか、平然と市街地を歩いていた。
まぁ本来居た世界でもこの格好で平然と授業を受けていたりするので、彼を知っている者はそれ程気にしないかもしれないが。
しかし知らない者にとっては、ただの怪しい人物以外の何者でもない。
彼はそのことをわかっているのだろうか。
それともわかっていながら外さないのか。
いずれにしても、今この場で怪しい格好をしていることには変わらない。
587秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:04:39 ID:lPb5vwh5

彼の名前は秋山優。またの名を……卑怯番長。
「23区計画」と呼ばれるバトルロワイアルの参加者である。


     ◇


「23区計画」。
それは彼――卑怯番長がいた世界で行なわれている東京23区を舞台としたバトルロワイアルの呼称である。
これはある組織が教育・法・社会・国民に問題を抱える日本を建て直すため、「絶対的な支配者」の誕生を目的に計画したプロジェクトである。
そして些細な違いはあるものの、今この瞬間に起こっているバトルロワイアルと何ら変わらないものである。
ただ、確実に人を殺さなければいけないという訳ではないが。

卑怯番長もそのプロジェクトに参加した“番長”の一人である。
戦闘スタイルはその名の通り、卑怯なことを正々堂々とすることである。

だが基本的に彼は好んで人殺しをするような人間ではない。
彼はここに来る前でも(理由があったとはいえ)窃盗や詐欺といった犯罪行為を繰り返していた。
だがそれでも相手を殺傷するといった行動は基本的にしない。
また先の金剛番長――金剛晄との戦い中で彼は罪を犯さないで「23区計画」を勝ち残る事を誓っている。
なので、よっぽどの事が無い限り彼が殺し合いをすることはない。
よっぽどの事、つまり彼にとって大事な弟妹や仲間(特に金剛番長)達が危険に晒された場合は何のためらいもなくなることはあるが。
とにかくそういったことがない限り、彼は殺し合いに乗ったりはしない。
積極的に他人の殺し合いを止めるかどうかは微妙なところだが。

そんな彼だが、実はこの時点で少なくとも金剛番長がいるかというのはわかっていた。
というのも彼は先の少女――ムルムルの説明の最中、自分の知り合いがいないかどうか捜したのだ。
無論あの場にいた全員影なので、そんなことはできないと思うのが普通だろう。
だがあの状態で隠されていたのは表情や人相だけだ。
体格までは隠されてはいなかった。
なので背丈が常人の倍近くあり、なおかつ針のようにとがった3本角の髪型の人間――金剛番長はすぐ見つけることができた。
ただそれと一緒に明らかに人間の姿ではない影も見かけたが、今は気にしないで置こう。
588秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:05:56 ID:lPb5vwh5

「まぁ、とりあえず金剛番長がこのゲームに参加してるってことがわかったから良しとするかな……」

卑怯番長はそう言いながら、これからどうするかを考えていた。
まず金剛番長と合流すること。これが最優先だろう。
と言っても、別に金剛番長が心配だから探すのではない。
金剛番長といる方が安全だと思ったからだ。
確かに、ムルムルが言っていた“制限”が気にならない訳ではない。
だがよほど強力な“制限”でもない限り彼が弱くなったりすることはないだろう。
無論弱い彼など想像できようがないのだが。

(最悪なのは金剛番長が殺されることだけど……これは当面心配する必要はないかな)

といっても殺される可能性がゼロという訳ではない。
前にマシン番長という番長と戦った時……文字通り彼は殺された。
比喩でもなんでもなく、殺された。
だが彼の持つ脅威的な生命力ゆえかそれとも彼を慕う人々の思いが届いたのか、とにかくそれらの思いが届き、金剛番長は復活することが出来たのだ。

(まぁマシン番長はもういないし、他の番長がいたとしてもたぶん負けることはないだろうけど……)

そう言って、彼は自身の手に持っている武器……と思われる物を手に取ってみた。
もちろん取るのにも理由はある。
先程金剛番長と合流することが最優先と言ったが、そのためには自身も殺されないようにしなければならない。
だが、そこには一つ問題がある。
それは彼の本来の武器――拷問鞭やワイヤーといった物が全部取り上げられていることにある。
これでは金剛番長を探すどころの話ではない。下手をすれば自身が殺されてしまう。
だから今彼が持っている武器は言わば彼にとっての命綱という訳なのだが……。

「どう見てもただの変わった形の貝だよね……」

そう言って卑怯番長は自分の手にある貝に目を向けてみた。
589秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:07:10 ID:lPb5vwh5
そこにあるのは……本当に奇妙な形をした貝であった。
表側は何かを出すためなのか穴が開いており、裏側は殻長の部分がボタンのように押せるようになっている。
試しにその殻長を押してみたが、何も起こらなかった。
卑怯番長は最初この貝をハズレかと思ったがのだが、その直後に見つけた貝についての説明書(のような紙)によると……。

「どうやら何らかの衝撃を与えないと、何にも起きないらしいね……」

そう。その貝――衝撃貝(インパクトダイアル)は貝に与えた衝撃を吸収し、それを自在に放出することができる貝だったのだ。
つまり、衝撃を与えなければ何も起こらないのは当然という訳で。
おまけに試そうにも、説明ではどうやら使用後に体を痛める可能性があると書かれていた。

(こんな何が起こるかわからない状況で体を痛めるのは御免だからね……)

かと言ってこれ以外に武器らしい物はなかった。
もう一つ明らかに他の支給品とは違う物があったが、それはただの食い物であった。
しかも何を考えているのか、「激辛せんべい」なんて名前だ。
……とりあえず食いたくはないなと、卑怯番長は思っていた。

(食料を支給するにしても、もうちょっとまともなものはなかったのか……)

呆れながらも、卑怯番長は市街地を歩き出そうとしていた。
金剛番長を見つけるために。
ついでに自分の武器を見つけるために。
そして最終的には……このゲームから脱出し、弟妹と再会するために。


590秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:09:14 ID:lPb5vwh5
丁度そのときだっただろうか。


卑怯番長が通り過ぎようとしたコンビニのドアが開き、中から――

「さーてと、男を捜すわよ!」
「…………まー、わしはどうでもいいけどよ……具体的にどこ行く気なんだ……」
「さぁ?どっかその辺にいるんじゃない?」
「ったく、そんな簡単に見つかるわけ……」

まったく同じ顔をした女性が出てきたのは。

互いに最初は沈黙だったが、片方の女性――明らかに年寄り臭い口調の方――が口を開いた。

「…………本当にいやがった……」
「うーん……覆面なきゃ絶対いいんだけどな……」
「不満なのか?」
「不満よ!誰が好き好んで覆面に酒たからなきゃいけないのよ!!」
「……まー、あの覆面怪しいけどよ……そこまで言うか?」

などと、好き勝手に話こんでいる。
と言うか若干卑怯番長の覆面に対して何やら非難があるようだが、気にしないで置こう。

卑怯番長――秋山優。
自称世界史教師――桂雪路。
2000年以上生きた大妖怪――とら。
この三人は本来会うはずはなかった。
だが結果的にこうして出会ってしまった。
これから先どうなるかはわからない。
ただ、分かることがあるとしたらそれはたった一つ――

(…………何なんだこの人達は…………?)

と、卑怯番長が思っていることだけである。


591秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:12:44 ID:lPb5vwh5
【J-9/コンビニ前/1日目 黎明】
【秋山優(卑怯番長)@金剛番長】
[状態]:健康
[装備]:衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE
[道具]:支給品一式、激辛せんべい@銀魂
[思考・備考]
基本:どのような状態でも、自分のスタンスを変えない。
 1:何なんだこの人達は?
 2:金剛晄(金剛番長)と合流する。
 3:できれば自分の武器も回収したい。
 4:とりあえず、今は脱出することを考える。
 5:もし、金剛番長が死んだ場合は……。
 ※登場時期は、マシン番長が倒される〜23区計画が凍結されるまでの間のどれかです。
 ※金剛番長がいることに気づきました。
 ※桂雪路ととらを双子の姉妹だと思っています。

【とら@うしおととら】
[状態]:健康、雪路に変身中
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)
[思考]
基本:自由気ままに楽しむ。
 1:とりあえず飽きるまで雪路に付いていく。

【桂雪路@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)、大量の酒(現地調達)
[思考]
基本:酒を飲む。
 1:とら(名前は知らない)のルックスを利用して男に酒をたかる。
2:でも覆面はなぁ……。
[備考]
 1:殺し合いを本気にしてません。酒に酔ったせいだと思っています。

592秋山優――卑怯番長の女難  ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:16:46 ID:lPb5vwh5
【衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE】
空島に存在している貝(ダイアル)の一つ。
衝撃を蓄え、それを自在に放出することができる。
ただし、使用後は体を痛める可能性があります。

【激辛せんべい@銀魂】
沖田の姉・ミツバが真選組に送ってくる、とても辛いせんべい。
しかし隊士曰く「辛すぎて食えない」らしく、評判は良くない。
593 ◆oUQ5ioqUes :2009/04/25(土) 21:19:05 ID:lPb5vwh5
投下終了です。
というわけで、彼らを鉢合わせてみました。
ご意見やご指摘があれば、お願いします。
594創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 21:28:10 ID:afv1O20k
投下乙
とりあえず乗る気ではないから安心かもしれないが
マシン番長がいると気がついた時にスタンスを変えるかな?
そしてお気楽コンビと合流してトリオ化した彼らはギャグに走るのか?
GJ
595創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 00:56:17 ID:GlgXptj/
お気楽コンビは戦闘力だけで言えば最強クラスだからなぁ……
卑怯が加わったら、誰にも負けないっぽいぞwww
596 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:12:42 ID:hNRLGHd2
>>イノチ/タマシイ/ココロ
ニコ兄…新八もか…
マシン番長も恐ろしいが、なにより妲己の「危険人物」っぷりがよく出てるな。
ヴァッシュもだけど、リヴィオの反応も気になる。あとお妙さんも。

>>秋山優――卑怯番長の女難
戦闘力は高いんだけど、スタンスのバランス的にすごく不安定なトリオw
卑怯番長はやや白い時期からだけど、剛力番長とかと出会っても驚くだろうな。


あと、仮投下してあった由乃、鳴海歩、安藤兄を投下します。
ちょっとだけ内容を修正しました。
597電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:13:50 ID:hNRLGHd2
ユッキー
ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキー
ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキー
ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキー…




実に52回。B-6の道路を走る我妻由乃が一分間に頭の中で彼の名前を呼んだ回数である。
これは彼女が特別優れている訳ではなく、誰もが1人の人間を頭の中でひたすら呼び続ければこうなるだろう。
とはいえ、普通は1人の人間にここまで執着することが難しいのだが…
彼女の、ユッキーこと天野雪輝への愛はそんなことはものともしない。

そんな彼女が、今一生懸命に走っているのは、他でもないユッキーを見つけるためだ。
こんな殺し合いの場で、彼がいつまでも生きていられる保証は無い。
早く自分が見つけて、守ってあげなければ。そうだ、自分が守るんだ。
だってユッキーと私は恋人同士、うぅん、それ以上。家族、そう家族だもの。
守るんだ、ユッキーを、大好きなユッキー、いつでも優しいユッキー、側にいたい、ずっとずっといつまでも…
ユッキーを守れるのは私だけ、私が守るんだ、ユッキーを、大好きユッキー…
ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキー…

ふと、そこで足を止める。一刻も早く彼を見つけたいが、この広い会場で闇雲に走っても非効率的だ。
なんとしても彼を守る、その一心で彼女は脳内を冷やし、解決策を練る。
そうだ、私の手元には「日記」がある。
ユッキーの行動を逐一記録し続けた「雪輝日記」。彼への愛の結晶。二人を繋ぐ絆の証。
それも、ただの日記ではない。記している内容の未来が読める「未来日記」だ。これがあれば、ユッキーを探すのも容易い。
言ってしまえば、彼の未来はすべて自分の手の中にあるといっても過言ではないのである。
しかし、忌々しいことにこの日記も今はまだ読むことが出来ない。彼と再会するまで使用できないという制限が課されたのだ。
だが、制限されたのは「日記」の能力のみ。
そして、彼女や天野雪輝が持つ未来日記は、俗に言う「ケータイ」に記録されていた。

598電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:14:35 ID:hNRLGHd2

    ◇     ◇     ◇

場所は変わってD-9教会の中。主催者との対決を決意した二本の剣が、支給品の確認を済ませていた。

「さて、まず最優先で考察すべきは、これだろうな。」

もみあげが特徴的な少年、鳴海歩がそう言って掲げたのは、携帯電話だった。

「だろうな。」

向かいに座る安藤も異論は無いとうなずく。
勘違いしないで欲しい。彼らとて少々変わってはいるが現代を生きる男子高校生。携帯電話くらい知っているし、特に珍しくもない。
今は没収されているようだが、自分用の携帯電話だって持っている。
考察すべきは、そこに添えられていた説明書だった。


【無差別日記】
1st天野雪輝の未来日記。
彼が見たもの、聞いたこと、あらゆる周囲の出来事の未来が書き込まれる。
あくまで傍観者である為、天野雪輝自身の未来は記録されない。
使用するためには、一度本人の手元に渡る必要がある。


これがその全文だった。

「ほんと…かなぁ」
「一応それらしい機能があるんだが、ロックがかかってる。そこの注意書きと同じ文章が出てくるよ。」

そういって歩は『日記』を安藤に投げ渡した。

「…ほんとだ。となるとやっぱり本当だと判断すべきか…けどもし…」
「ストップ。現状でそれ以上考えても無駄だ。今は両方の可能性を踏まえて考察しよう。まず、本当だった場合だ。」

安藤の考察を遮り、歩が議論の方向性を戻す。安藤も一端そちらの考察を打ち切った。

「その場合、これは『天野雪輝』に渡すべきか否か。答えは『彼次第』、だな。」
「あぁ、もしこの殺し合いに乗っているんなら、絶対に渡しちゃいけない。逆に反撃するつもりなら、これを届ければ戦力になってもらえる。」

『天野雪輝』がどんな人物かわからない以上、この使い方次第では最強ともいえるアイテムの処遇は決められない。それが二人の結論だった。
情報、特に未来の情報というのは最強の武器であると主張する人間もいる。
それだけの価値が、この支給品にはある。

「この1stってのも気になるな。確か最初の説明の時に…」
「あぁ、呼ばれていた。かなり今回の殺し合いに深く絡んでいるのかも知れないな。コイツは。
 さて、次はこれが偽者の場合だが…」

ブルルッ

そこで『ケータイ』が着信を知らせる振動を起こす。
さすがに二人とも驚いて目を合わせる。どちらともなく頷きあうと、手に持っていた安藤が『ケータイ』に出る。

「も、もしもし…?」

599電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:17:40 ID:hNRLGHd2
    ◇     ◇     ◇

『も、もしもし…?』

ユッキーじゃ、無い。
もちろんこの可能性を考えていなかった訳じゃない。
自分の「日記」とて最初から自分に支給されていたかはわからないのだ。
彼の日記が本人に支給されている保証なんて無かったし、本人支給だったとしても、
危険人物に拘束され奪われていることも考えられる。
だから、電話の向こうの声が愛しい彼の声でなくても冷静に対処する…つもりだった。
だが無理だった。大好きな彼の大事な大事な「未来日記」を、見知らぬ人間が使っているというだけで耐え難い怒りが湧いてきた。

「だれ…あんた。どこにいるの?」
『え、あ、ここは、教会だけど…俺は安…』

そこで相手が電話をひったくられたらしく、会話の相手が変わった。

『失礼、俺はミズシロ・ヤイバ。さっきのヤツは安西。あんたは?』
「どうでもいいでしょ。あんたたちが何でユッキーのケータイを持ってるの?」

相手が変わったのでもしや、と思ってしまったことが、彼女の怒りに拍車をかける。

『すまない、これは俺たちのバッグの中に支給されていた。持ち主は今近くにいないと思う。信じてくれ。』

信じるもなにも、と由乃は思った。
電話の向こうから、彼の声は聞こえない。捕まっているとしても、なんらかの動きを示すだろう。
ユッキーの出す声や音を、自分が聞き逃すことはありえない。
実は、彼が電話の向こうですでに殺されている場合がありえるのだが、彼女にとってそのような未来は絶対にあってはならないこと。
そんな思考になることこそありえない。

『俺たちはこれを持ち主に届けたいと思っている。「とても大事なもの」だろうからな。
 少し情報交換をしないか?その感じだとあんたもまだ持ち主の「ユッキー」ってヤツとは会えてないんだろ?』
「…ユッキーはすぐ私が見つける。あんたらが探す必要なんてないから。」

痛いところをつかれ、更に苛立ちが増す。だが、今はそんなことで冷静さを欠いてる場合ではない。
必死で頭を冷やし、今時分がするべき行動を考える。だが、先手を打ってきたのは相手のほうだった。
600創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 01:18:14 ID:elwOJBpy
しえん
601電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:19:36 ID:hNRLGHd2

『そうか。なら、提案がある。こいつは俺たちが責任もって預かる。
 変わりにあんたが「ユッキー」とやらを見つけたらこいつに連絡してくれ。そこで合流場所を決めて渡す。
 下手に合流優先で動き回ると手遅れになりかねない。あんたもそれは御免だろう?』

相手の提案に先をいかれたのはまずかったが、内容は悪くなかった。
話の感じからして、このミズシロという男は殺し合いにのっていないらしい。
少し考え、返答する。

「いいよ、それで。そのケータイ、失くさないでよ?」
『あぁ、わかってる。じゃあ電池ももったいないし、切るぞ。』

話しもまとまり、相手が電話をきろうとする。

「待って。そっちも誰か探してる人間がいるなら、聞いておいてあげる。」
『…それはありがたいな。なら、竹内理緒ってヤツに会ったら、俺が参加していること伝えてくれ。
 ついでに「落ち着いて、冷静に考えろ」と。』
「…そいつになら会った。競技場にいるから会いに行けば?」

嫌な名前を聞いた。こいつ、あの女の関係者なのか。

『…そうか。ありがとう。また会うようなことがあれば伝えてくれ。
それと、実は俺の名前、偽名なんだ。ちょっとした事情でいくつも名前を持っててね。どの名前が名簿に現れるかわからない。』
「どういうことよ、それ?なんでそんな必要があるのよ。」
『それは企業秘密ってやつさ。園部隆司や今里、カノン・ヒルベルトなんて名前も俺だ。
他にもあるが、きりがないからな。他の名前が載っていたら、悪いが次の連絡の時に教えるよ。
 「安西」、お前は誰かに伝言はあるか?」

電話口の相手が黙る。同行者の伝言を聞いているのだろう。程なくして、答えが返ってきた。

『…それでいいんだな?じゃあ潤也、って名前の男に会ったら、伝えてくれ。
 「流されるな、考えろ」とな。』

その時、電話の向こうから何かの爆発音が聞こえた。

「なに、今の?」
『わからない。近くで爆発が起こったようだが…危険人物が近づいてるのかもしれない。
 移動するから切らせてもらうぞ。』
「わかった。じゃあね。」
『あぁ、そっちも…』

プツン
602電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:20:29 ID:hNRLGHd2

通話終了を継げている画面を見つめて、由乃は考察を開始する。
今の電話でわかったことは、ユッキーの未来日記が他人の手にあること。
そしてその機能を相手が一部理解しているらしいことだ。
ミズシロはユッキーのケータイを「とても大事なもの」と表現した。この命のかかった状況で、ただの電話ならこんな言い回しはしない。
自分の未来日記同様、制限や機能に関しての何らかの注意書きが添えられているのかもしれない。あるいは制限が無く既に使えるのか…
だが、相手は多分未来日記のもう1つの重要な秘密には気づいていない。

未来日記が壊されると、その持ち主も死んでしまうということ。

これが由乃にとって最大の心配事だった。
いくら自分がユッキーを守ろうと、未来日記が壊されたら彼は死んでしまう。それだけは絶対にダメだ。
すぐに奴らのいるという教会に向かうことも考えたが、場所が少し遠い。間に合わないだろう。合流を持ちかけても、時間がかかるのは間違いない。
なにより、最優先はユッキーとの合流だ。
幸いなのは、おそらく奴らはこの事実には気がついていないことだ。
相手の話しぶりや、ケータイの受け渡しではなくユッキーの捜索を優先したこと。
それらを総合的に考えて未来日記の能力はまだ使えないし、破壊=死の法則も気がついていない。
だから、大事に扱うように誘導すればユッキーの身に危険が及ぶ可能性は少ない。彼らの探し人を聞いたのは、その為だ。
彼らが少しでもこちらとの連絡手段を失いたくないと思うことで、ユッキーの未来日記の、つまりは彼自身の命の安全に繋がる。
それでも彼ら自身の安否などの不安は尽きないが、やはりユッキーとの直接の合流が優先だ。
由乃自身の未来日記が使えるようになれば、ユッキーの未来日記に迫る危険も自然と察知できる。そうすれば対処もしやすい。
603電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:22:09 ID:hNRLGHd2

とにかく、今はユッキーを探すんだ。そう思い、再び走り出そうとする。
そこでふと、何かにひきつけられるように向く方向を変えた。
その方向をじっと見つめて、呟く。

「ユッキー…」

理由なんて、考える必要すらない。ただ、その言葉で十分だった。
この方角に、彼はいる。
なんの確証も無かったが、彼女は迷わず方向転換し、走り出した。
どこかの『少女』が見たら言うだろう。

『恋する乙女の直感ですね☆』


【B-4/道路/一日目 深夜】

【我妻由乃@未来日記】
 [状態]:健康
 [服装]:やまぶき高校女子制服@ひだまりスケッチ
 [装備]:雪輝日記@未来日記、降魔杵@封神演義
 [道具]:デイパック、基本支給品
 [思考]
  基本方針:天野雪輝をこの殺し合いの勝者にする。
  1:ユッキーを探す。強力な武器の入手。
  2:ユッキーを見つけたらユッキーの未来日記に連絡し、現在の持ち主と接触。なんとしても取り返す。
  3:ユッキーの生存だけを考える。役に立たない人間と馴れ合うつもりはない。
  4:邪魔な人間は機会を見て排除。『ユッキーを守れるのは自分だけ』という意識が根底にある。
  5:『まだ』積極的に他人と殺し合うつもりはないが、当然殺人に抵抗はない。
  6:ミズシロと安西の伝言相手に会ったら、状況によっては伝えてやってもよい。
 [備考]
  ※原作6巻26話「増殖倶楽部」終了後より参戦。
  ※制限により、由乃の「雪輝日記」が使用可能になるのは彼女が次に天野雪輝と再会して以降。
   また能力自体に他の制限が掛かっている可能性も有り。
※ 電話の相手として鳴海歩の声を「ミズシロ・ヤイバ」、安藤兄の声を「安西」として認識しています。
※ 彼女がどの方角に走り出したかはお任せします。

604電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:23:19 ID:hNRLGHd2

    ◇     ◇     ◇

「とまぁ、こんな感じだろう。」

謎の爆発音を警戒して教会から離れる道中で聞いた鳴海歩の考察に、安藤は感心していた。
よくもまぁ、あれだけの電話でそこまで考えられるものだ。
歩が話した内容はざっとこんな感じである。

・言動などから考えて、相手は殺し合いも辞さないような考えを持っている。
少なくともユッキーという人物(おそらく天野雪輝)に対して執着とも言える強い感情を抱いている。

・こちらでした爆発音が、電話の向こうでは聞こえなかったし、相手も聞いていない。電話相手の現在地はそれなりに遠い。

・ただの電話に使った「とても大事なもの」という表現に何の反応も示さなかった。おそらく電話相手は未来日記について何らかの情報を持っている。

・「1st」や天野雪輝「の」未来日記という表現から、未来日記という道具が複数ある可能性がある。
上記のことと合わせて、電話相手が別の未来日記の所持者である可能性もある。

・相手がこちらの探し人を訪ねてきたのは、おそらくこちらとの繋がりを絶たないようにするため。
この未来日記はメリット以上にどうしても失うわけにはいかない理由があるらしい。

加えて、携帯電話の登録情報から相手の名前が「ユノ」というらしいことだけわかった。
名簿が無い以上確認しようが無いが、女性であることも間違いなさそうなので、多少は判断の材料になるだろう。

「彼女が危険人物であることは間違いないだろうが、天野雪輝までそうと判断するにはまだ早い。
 彼との接触の為にも、この携帯は手放すわけにはいかないな。多少のリスクは背負うが、それくらいしないと戦えそうにない。」

安藤もそこに異論は無かった。今の話からするとこの未来日記の信憑性はかなり高まる。
だとすれば、味方にできればとてつもなく頼れる力だ。

「しかし、鳴海。本当によくそれだけのことがわかるな。」

安藤の感心の言葉に、歩は照れもせずに返した。

「わかったわけじゃない。穴だらけの推論さ。それにアンタも十分頭は回ってるじゃないか。
 探し人の情報を聞いたとき、フルネームでなく名前だけ伝えた。遠まわしに危険も伝えてある。」

歩自身も理緒に混乱を与えない為に死人の名前を語り、落ち着いて考えろというメッセージを添えた。
安藤もそれにすぐ気がついて彼女に自分や知り合いが危険になるような情報は洩らさなかった。

「あぁ、苗字を伏せたのはそうだけど、メッセージはその、本当に伝えたかったんだ。
 いるかはわからないし、いないでほしいけど、もし潤也がいるなら…状況や周りに流されておかしな行動をとって欲しくない。」

安藤が伝言を託したのは唯一の肉親である弟、安藤潤也だった。
彼は自分と違って楽観的で、前向きな男だ。とてもこんな殺し合いに乗るとは思えない。
だが、人間心理の恐ろしさなどは、自分もよく知っている。
一人の人間の言葉が、別の人間の生き方を180度変えてしまうこともある。
そんなことになっていないことを祈るばかりだ。
605電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 01:24:07 ID:hNRLGHd2

「さて、これからどうするかな。理緒を探しに競技場に行ってもいいが、アイツも一箇所に長々と留まっているとは思えない。
移動中にユノと遭遇する危険性もある。できるだけ別の場所がいいだろう。
となると、人の集まりそうな病院がデパート…あるいは警察署か。近いところだと工場かな。なにか案はあるか?」

歩の質問に、安藤は少し考え込むと、1つの提案をしてきた。

「神社…はどうかな。最初の説明の時、ヤツら神がどうこう言ってたろ?かなり核心に近そうな所で。しかも「もういない」とか、「別の神」とか…。
 表現からすると一神教の神だ。そこへもってきて、会場の中央に神社がある。何か妙だと思う…」

やや自信なさげな安藤だったが、歩は真剣に考察する。

「面白い考えだな。その発想は無かった。やっぱりアンタも十分すごいよ。」

歩が顔を上げ、夜空を見上げながら続ける。

「このゲーム、殺し合いに乗っている強者なら人の多い場所に行くのが当然。あるいは武器の入手が優先だろう。
生き残りを求める弱者も同じ。道具の確保と人との接触が最優先。
それをしないでなんの関係も無い施設に行くやつは、よほどの馬鹿か殺し合いからの脱出を考えている奴の可能性が高い。そういう意味でも、神社は悪くないな。」

本来なら、弱者を救う為にそういった危険地帯に飛び込むべきなのかも知れない。一瞬そう考える。
歩も同じ事を考えたのだろう。

「生憎俺たちの手元には戦える武器も情報も無い。
本物なら唯一使えそうなこの『バラバラの実』ってのも、川や湖が点在して周囲を海に囲まれたこの会場で脱出を目指すなら、リスクが高すぎる。
なら、今は俺たちに出来ることをするのが一番だ。」

その言葉に安藤も頷き、方針が固まる。
今自分に出来ること…ちっぽけな自分になにが出来るかはわからないが、今はこの鳴海について行こう。
魔を断つ剣は、まだその役割に気がつくことなく刃を磨く。

また、神殺しの剣も気がついていない。
彼が優秀であるが故に犯した、たった一つの小さなミスを。

606創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 02:01:03 ID:elwOJBpy
携帯だから代理投下できない……まとめて感想

ニコ兄いいいいいい!新八いいいいいい!
なんて結末……さすがマシン番長、金剛を殺した実力はすごすぎる。
しかしみねねの説教が新八の生死の分かれ目か……切ないなあ。


確かに覆面ベストはただの変態です卑怯さんwww
一応白くて安心だが、マシン番長いるぜー。
そして雪路は相変わらずフリーダムだなw


由乃怖いよー怖いよー
偽名使ったことばれたら……安藤と歩逃げてええええええ
ミスが命とりにならなきゃいいが……
607電波は電波にのって ◆lDtTkFh3nc :2009/04/26(日) 13:21:13 ID:hNRLGHd2
【E-9/北部/1日目 深夜】

【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:健康
[服装]:猫田東高校の制服(カッターシャツの上にベスト着用)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、バラバラの実@ONEPIECE 不明支給品×1(確認済み)
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦うかはまだ保留
1:神社を目指す。そこで主催に関する情報と脱出を目指す人間を探す。
2:ユノから連絡があれば天野雪輝と接触し、危険人物でなければ日記を渡して協力する。
3:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい
 4:殺し合いに乗っていない仲間を集める
 5:殺し合いには乗りたくない。とにかく生き残りたい
 6:潤也が巻き込まれていないか心配。
[備考]
※ 第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です
※ 我妻由乃の声と下の名前を認識しました。警戒しています。
※ 無差別日記の効力を知りました。

【鳴海歩@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:健康
[服装]:月臣学園の制服
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、無差別日記@未来日記 不明支給品×1 (確認済み)
[思考]
基本:主催者と戦い、殺し合いを止める
 1:神社を目指す。そこで主催に関する情報と脱出を目指す人間を探す。
 2:ユノから連絡があれば天野雪輝と接触し、危険人物でなければ日記を渡して協力する。
 3:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい
 4:殺し合いに乗っていない仲間を集める
 5:何故主催者達は火澄を殺せたのか? 兄貴は何を企んでいるのか?
 6:「爆弾を解除できるかもしれない人間である竹内理緒が呼ばれている」という事実が、どうにも引っかかる
[備考]
 ※第66話終了後からの参戦です。自分が清隆のクローンであるという仮説に至っています
 ※オープニングで、理緒がここにいることには気付いていますが、カノンが生きていることには気付いていません
 ※主催者側に鳴海清隆がいるかもしれない、と思っていますが、可能性はそう高くないとも思っています
 ※我妻由乃の声と下の名前を認識しました。警戒しています
 ※無差別日記の効力を知りました。

【無差別日記@未来日記】
1st天野雪輝の未来日記。
彼が見たもの、聞いたこと、あらゆる周囲の出来事の未来が書き込まれる。
あくまで傍観者である為、天野雪輝自身の未来は記録されない。
制限の為、使用するためには、一度本人の手元に渡る必要がある。
また、開放された後も本来の機能を有しているか、破壊されると持ち主が死亡するかもまだ不明。
他の連絡先などが記録されているかも不明。

【バラバラの実@ONEPIECE】
食べると体をバラバラにし、足を中心とした一定範囲内で操ることができる悪魔の実。その為斬撃は無効。また、食べると一生カナヅチとなる。
ただし、移動範囲やどの程度バラバラになれるかなどは制限されている可能性がある。
本来ならぶつ切り程度までバラバラになれる。作中では道化のバギーがその能力者。

規制解けたので、これにて投下終了。
ちなみにいじったのは偽名のところです。
指摘を受けてそう考えると鳴海らしからぬミスだな、と自分で思ったので鳴海らしいミスに変えてみました。
608創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 18:13:28 ID:8ay1OPD4
あ、投下来てる
投下乙です
このコンビは今の所は順調だけど何か爆弾を抱えたような気がするw
そして神社とかの考察は興味深い
そして由乃は怖いわw
もし再会したらと思うとガクブルするよ
609創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 21:13:45 ID:KKipBf39
現在位置のデパート周辺がwww
人間台風がまさしく台風の目になってる、なんだアレwww
610創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 21:49:06 ID:hNRLGHd2
実はゾッドも近くにいるからね。
611創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 23:11:58 ID:1p6Kg1Pa
スパイラル勢じゃルフィは殺せないだろうけどがんばってほしい
612創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 23:39:01 ID:ZTcQq6CD
そら超人相手じゃ分が悪い。
スパイラル勢やゴルゴ、銀魂勢はいくら強いといえ結局は常識の範疇に収まるからな。
常識はずれなハガレン勢やらワンピ勢と正面衝突すれば不利になるのは自明。
613創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 23:47:03 ID:1p6Kg1Pa
それでも…ゴルゴならきっと……
614創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 23:59:18 ID:e1R134nb
暗殺、毒殺の搦め手なら殺せるが。
上手いことそういう流れになる話書かないとズガンと同じだしなあ。
615創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 00:27:53 ID:icqr92zC
遠距離からの狙撃や毒殺に代表されるいわゆる『奇襲』は決着が一瞬でつくからねえ。
描写もあっさりしたものにならざるを得ないんだよな。
616創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 10:04:47 ID:tQflXRyi
銀魂も十分超人の部類に入ると思うけど
まあワンピースやハガレンなんかに比べたら、確かに劣るけど
617創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 16:59:35 ID:OxA2f0K/
眼鏡ですら艦隊ぶった切る兵器を不意打ちとはいえちょんぎってんだから
下手すりゃハガレンレベルじゃねえかと思わないでもない
618創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 18:05:39 ID:1ItXo3JV
ベルセルク勢も常識の範疇に収まるから厳しいかな。
619扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:26:53 ID:/bNTP+q4
ようやく完成しましたのでエド、レガート、聞仲を投下します
620扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:29:48 ID:/bNTP+q4
おぼろげな月光が降り注ぐ市街地の中、男達は闘争を始めていた。
金髪の少年は鋭い刃と化した鋼の義手と長年の修練で手に入れた格闘術を武器に、青髪の青年は規格外の身体能力を武器に、闘いを続ける。

(おいおいおい! 何なんだよこいつは! 動きが有り得なさすぎだろ!!)

その勝負は端から見る限りでは余りに一方的なものであった。
追い詰められているのは真紅のコートを身に纏った少年―――エドワード・エルリック。
息つく暇も与えられる事なく、烈風のような敵の攻撃を避けて避けて避けまくる。
距離を開け、起死回生の錬金術を発動させようとするも、圧倒的すぎるスピード差に両手を合わせる事すら叶わない。
スピードもパワーも何もかもがデタラメな敵であった。
判断力や格闘術が劣ってる訳ではない、身体能力の差が余りに大きすぎるのだ。
両手を合わせ、対象物を触る……たった二つの動作で発動する錬金術さえ行使できない程に。
青髪の男―――レガート・ブルーサマーズとエドワード・エルリックの身体能力には差があった。

「ちっく……しょ!」

悪態と共に刃付きの機械鎧(オートメイル)を、レガートの胴体目掛け横薙ぎに振るう。
だが、そんな破れかぶれの一撃が届く訳もなく、半歩後ろに退がっただけでレガートはそれを回避。
続いて放った顔面への左ストレートも首を傾け避けられる。
守ったら負けるとばかりに尚も攻撃を続けようとするも、重い衝撃が腹部を襲いその小柄な身体が重力に逆らって吹き飛んだ。
数メートルの距離を滑空し、地面に墜落。
本能的に受け身を取るも、内臓を揺らす程の衝撃が身体中を襲った。

「拍子抜けだな」

地面に手をつき、脳内と内臓を襲う鈍痛にえずくエドを見下ろしながら、レガートは口を開く。
見下ろす視線は氷のように冷たく、そして失望の色が見て取れる。

「体捌きはなかなかのものだが、身体能力は超人の域には程遠い。
それをその不思議な術でカバーすると思いきやそれもしない……つまらないな、君は」

レガートは思う、所詮こんなものかと。
自分はあの世界で死を待つだけであった。
プラントの救済と人類への贖罪……ナイブズ様の目的達成に力を尽くし、ナイブズ様の手で殺される。
それが自分の終焉であった。
願わくば自分の忠誠心の強さをナイブズ様に知って欲しかったが、それはある男を殺す事でしか伝えられない。
自信はある。
金属糸による束縛を使用せずとも勝利できる自信が、正面からの戦闘であの人間台風を殺害できる自信が―――。
だが所詮は叶わぬ夢。
ナイブズ様の目的を達成する為、自分は能力を使う。
この忠誠はナイブズ様に知られる事なく、我が命と共に散る。
今まで感じた事のない感情―――後悔という名の感情が心中に渦巻いていた。

―――そしてそうした中、自分は殺し合いに呼ばれた。

621扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:32:22 ID:/bNTP+q4
当初は欠片の興味すら湧かなかった。
ナイブズ様がいる限り、未来は決定付けられているようなもの。
未来―――つまりは一方的な虐殺だ。
それは人間如きが抗えるものではない。
言うなれば天災。
あのお方からすれば、狭い箱庭に閉じ込められた数十人を狩るなど、呼吸をすると同意気の行動だ。
そして、あの主催者達を含めた全てを殺した後、ノーマンズランドへ戻り全てに終止符を打つ。
変わらない、何も変わらないのだ。
ほんの数分、もしくは数時間、人類の生存時間が伸びただけ。
この箱庭に集められた人々は死に、ノーマンズランドに住む人々もまた死ぬ。
全ては必然。
決して変わることのない事項。
運命と言い換えても良い。

だから、この殺し合いには興味がなかった―――眼前の少年を見るまでは―――

そう、眼前の少年は不思議な術を使った。
青白いスパークと共に義手を変形させる、見た事も聞いた事もない不思議な術。
もしかしたら、と考えが浮かんだ。
―――もしかしたら、この少年を通して自分の忠誠を示せるのではないか?
―――もしかしたら、この少年はそれだけの実力を持っているのではないか?
―――あの人間台風にも値する実力を。
それは心底から喜ばしい事であった。
叶わない夢に僅かな光が射し込んだ気がした。
見た目は小さな少年なれど未知なる術―――ナイブズ様にも似た術を使う少年。
自分の忠誠を示す試練に、値するかもしれない少年。
心が高ぶった。あのお方へ自分の忠誠を示せるかもしれないと感じた。
そして、歓喜に心を染め戦いを挑み―――その結果、待っていたのは失望。
格闘術はそれなりのレベルに達していたが、総合的な実力は自分には程遠い。
使わないのか、使えないのか、謎の術を見せたのも最初の一度のみ。
自分の忠誠と比較するには余りにちっぽけ過ぎる存在。
つまらない。
とことんつまらない相手であった。

「もっと楽しめると思っていたが……本当に拍子抜けだ。しかし、君はほんの僅かな時間だが僕に希望をくれた。
その礼と言っては何だが君は僕の手で殺して上げよう。ナイブズ様の手ではなく、僕の手で」

一歩、レガートがエドへと近付く。
エドは腹を抑えたままうずくまり、動かない。顔を上げる事すらしない。
人体すら貫通するレガートの豪腕が、満月を背に振り上げられる。
二人の間に存在する距離は約五メートル程。レガートの移動速度からすれば、あって無いようなもの。
刹那の希望を見せてくれた少年を殺害すべくレガートは両の脚に力を込め―――







―――そして、見た。

「とったぜ」

―――満面の笑顔を張り付かせ顔を上げるエドの姿を。
―――腹を抑えていた両手が拝むように合わせられ、そのまま流れるような動作で地面へ向かうところを。

622扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:34:20 ID:/bNTP+q4
「ッ!?」

瞬間、青白い閃光が闇夜を消し飛ばし視界を埋めた。
同時にレガートが感じたものは腹部への衝撃。それも一度ではなく二度、三度連続で。
余りの衝撃にレガートの痩躯が宙に浮き、後方へと流れる。
浮遊感に身体を支配される中、レガートが見た物は不思議な光景であった。
数秒前は平坦だった筈の地面から突き出した何本もの柱。
その数は現在進行形で増やており、まるで意志を持つかのようにレガートへと迫ってきている。

(これは―――)

何の変哲もない地面からスパークと共に増殖する土色の柱。
何本などと生易しい数ではない。数十本単位で地面が続々と柱に変化し、迫ってくる。
空中に身を置くレガートにそれらを回避する術はない。
ついには柱の津波はレガートへと到達、防御の構えを取っていた彼に柱達が突き刺さる。
先程とは比にならない程の衝撃がレガートを襲った。
その身体は、まるで蹴鞠のように軽々と森林の中に消えていった。







幸運は唐突に舞い降りた。
男のカウンターの蹴りにより偶然ながら開いた間合い。
アホみたいな威力の蹴りだったが、こっちだってアホみたいにハードな旅で心身共に鍛えられているのだ。
ようやく見つけた勝機をみすみすと見逃す訳にはいかなかった。
腹部から湧き上がる吐き気を抑え、両腕を合わせ地面に触れる。
普段のようにハイセンスな装飾を付ける余裕も、手加減をする余裕もなかった。
幸いにも錬成は上手くいき、地面から飛び出した柱達が白コートの全身にめり込み、吹き飛ばした。
手加減をする余裕などなく、目の前一帯は様々な角度から突き出た柱が占領していた。

「やべ、やりすぎたかも……」

化け物のような強さを持っていた上に殺し合いにも乗っていた敵。
この殺戮ゲームを止める為には絶対に倒さなくてはならない相手であったが、流石にコレはやり過ぎた感がある。

「まあ、死んじゃいねぇとは思うけど……ってか、奴が目ぇ覚ます前に拘束しとかねぇとな。次戦っても、勝てる気全くしねぇし……」

先程までの戦いを思い出し、ぶるりと身体を震わすエド。
一人の敵にここまで圧倒されたのはスカーやグリードとの戦い以来であった。
いや、今の自分はあの二人とだってそこそこ戦えるようには成長している。
なのに、あの男には手も足も出なかった。
錬金術は使えないようだったが、それでも異常な強さを誇っていた。
錬成する暇さえ見つけられないスピード、ブリッグズに現れたホムンクルスすら越えているかもしれないパワー。
運が味方しなければ一太刀と与える事なく敗北していたかもしれない。

「ここには、あんな奴がウジャウジャいんのか? ……あ゛ー気が重くなってきた。ホムンクルスの奴等も止めなくちゃならないってのになあ」

国家錬金術師ですら常勝は有り得ないゲーム。
そしてそんな強者揃いの参加者達を集め、爆弾付きの首輪を装着させた主催者達。
これからの事を考えれば考えるほど気が滅入っていく。

623扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:37:40 ID:/bNTP+q4
「とはいえ立ち止まる訳にもいかねえだよな、これがまた。……よっしゃ、こんな腐れゲームちゃっちゃっと終わらせるぞ! まずはさっきの男をふんじばって、次にタカマチって女を助けに行く!
でもって首輪の解除法を考えて、主催者達をぶっ飛ばす!速攻でカタつけてやるから、ガン首揃えて待ってろよ!」

だが、彼はそんな事で諦めを見せる男ではない。
力強い視線で前を向き、両の脚で強く地面を進む。
どんな状況だろうと諦めず打開への道を模索する―――それが鋼の錬金術師、エドワード・エルリックの生き方であった。




「君に一つ謝らなくてはな」




―――だが、そんな彼に試練は容赦なく立ち塞がる。
エドの瞳が唐突に掛けられた声の方へと動き、そして捉えた。
錬成により作られた柱の森に浮き上がる白と蒼。
氷のような冷たさが宿る金色の瞳。
闇夜をバックに男は悠然と立っていた。


「嘘だろ、おい……あんだけの攻撃くらって何で立って……」
「さっきはつまらないなんて言って悪かった。撤回しよう、君はなかなかに面白い男だ。僕の興味を引く位には―――」

見ただけで寒気が込み上げてくる程の歪んだ笑顔を浮かべ―――白色の死神、レガート・ブルーサマーズがそこに立っていた。
その姿を確認したエドはほぼ反射的に動作を始めていた。
幸いにも距離は開いてる。
両手を合わせ地面を叩く。先程同様、手加減なしの錬成。
足元から数本の柱が飛び出し、以前に錬成した柱を粉砕しながらレガートへ向かっていく。
不意を付かれたのか、対するレガートは回避する気配すら見せない。

(―――当たる!)

エドがそう確信するのも無理はない話であった。
こちらの攻撃は敵の目と鼻の先にまで到達している。
今まで戦ったどんな敵であろうと回避など出来る訳のない距離。
男の異常な身体能力でさえも回避は不可能な距離。
だが――

「え?」

―――男は易々とそれを回避した。
消えたと錯覚するほどスピードで、右方向に数メートルほど移動し、迫る柱の群集を避けた。

「マジかよ……」

有り得ない。
あまりに有り得ない動きだった。
先程までの異常なスピードを更に上回るスピード。
鍛錬で身に付くレベルのものではない。人間の限界点を超越している。

624扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:38:53 ID:/bNTP+q4
「君の技は、物体の形状を変化させる能力だね。必要な動作は両手を合わせ、対象に触れることかな?
タネは分からないが使い勝手の良い強力な技だ。面白い。実に面白いよ」

地面から生えた柱に手を掛け、レガートが淡々と言葉を紡ぐ。
だが、エドの耳にその言葉は届いていなかった。
どうやってこの窮地を脱するか―――ただそれだけをエドは考え続けていた。
もはや目の前の男を倒そうなどとは思ってもいない。
あまりに大きすぎる実力差に、エドの心は本人も気付かぬ内に折れかかっていた。

「どうした、来ないのか?」

しかし、白き死神は考える暇を与えてくれない。
エドが気付いた時には、レガートは吐息が掛かる程の距離にまで接近していた。
エドの視点からでは、レガートが瞬間移動したようにしか見えなかった。
瞬間、エドの視界が漆黒に染まり、身体はこの日二回目の滑空を始めていた。
視界は漆黒に染まったまま、二度三度と身体が地面にバウンドし、後方の木に背中から叩き付けられる。

「がっ……!」

肺の中の空気が苦悶になって外へ押し出される。
同時に視界を覆う漆黒も消え去るが、ダメージの所為か霧が掛かったかのように全てがぼやけて見えた。

「殺すつもりの一撃だったが……流石だね、無意識の内に防御行動をとっていた。相当な修練を積まないと出来ない動きだ」
「そう、かい……お褒めに預かり光栄だね……」

何とか顔を上げるとそこには見下ろす形でレガートが立っていた。
虚勢の籠もった瞳でそれを睨み上げながら、エドは震える両手を必死に動かす。
まだ諦める訳にはいかなかった。
勝つ事を諦めても、生き延びる事は諦められない。
身体を取り戻すと約束した弟のため、支えてくれた仲間のため、帰りを待つ幼なじみのため、諦める訳にはいかない。
そして両手が合わせられ―――それと同時に視界が闇に染まる。
三度目の浮遊感。身体が地面に墜落した。

「その技はもう使わせないよ」

サッカーボールを蹴るかのようにエドを吹き飛ばしたレガートが、淡々と紡いだ。
顔に狂気を張り付かせたまま、圧倒的な高みからエドを見下ろし、レガートは語る。

「君には感謝しているよ。君は僕に希望を与えてくれた。このゲームには君みたいな強者が参加している。
その強者達との戦いを通して僕はあの方に忠誠を知ってもらう」
「……長々とうっせぇんだよ……感謝してんなら見逃せっつーの……」

フラリ、と身体を揺らしながらもエドはゆっくりと立ち上がる。
その様子からも相当なダメージが伺えるが、眼光はまだ力強い。
それをみてレガートの笑みがより一層深く歪む。

「良い眼だ……これだけの力の差を見せられても、まだ諦めていない」
「諦めの悪さなら……誰にも負けない自信があるんでね……」
「そうか、でもね、意志だけじゃあどうにもならない事もあるんだよ。君はこれから首を折られてこの世から消える。
せめてもの礼だ。出来るだけ苦しまないよう、一瞬で逝かせてあげよう。それじゃあ―――さよならだ」

その言葉を告げると共にレガートが動き出す。
レガートとエドとの間合いが一瞬で0となり、レガートの拳がエドの首元へと迫る。
周囲にゴキリと骨の折れる音が響いた―――。


625扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:40:19 ID:/bNTP+q4




何故、私はこのような場にいるのだろうか?
私は全てを失った。
唯一の友を失い、長年付き添ってくれていた霊獣も失った。
自分を支えていた目標も失った。
私が取り欲しかった殷は―――親友と共に尽くした殷は一生手に入らない。
どれだけの敵を滅ぼしても、どれだけの戦乱に勝利しようと手に入らない。
どう足掻いた所で時間は巻き戻らない。
あれだけ強固だった意志にはポッカリと穴が開いていた。
本来ならばこの場の全てを滅ぼし、すぐさま陛下の元へ帰還すべき。
だが心を支配する虚無感に身体が動かない。
どうすべきか。
どうすれば良いか。
分からない、分からない。
なぁ教えてくれないか、飛虎。
俺は、勘違いをしたままここまで来てしまった俺はどうすれば良いんだ―――。





数分か数十分か、気付けば相当な距離を歩いていた。
殺し合いはどうなっているのか。
もう誰か殺されているのか。
あの場には太公望もいた。
奴もまたどう動くのか。
いや、その問いに対する答えは容易に思い浮かぶ。
奴は誰もが死なずにすむよう尽力する筈だ。
仲間を集め、首輪を外し、主催者達を討ち滅ぼす―――即ち最も困難であろう道。
ゴールがあるのかすら分からない道を奴は進むのだろう。
太公望は殺し合いを止める為に戦う、ならば私は―――?

結局の所、思考はそこへ回帰していく。

人は誰しもが目標を持って行動をする。
生き残りたい、死にたくない、殺したくない、富や名声が欲しい、楽に生きたい、死にたい……思考せずとも脳裏の奥深くには必ず欲求がある。
私は何をしたいのか。
生きていたいのか、死にたいのか……私の深層は何を求めているのか。
分からない、いくら考えれど分からない。
遂には足が止まる。
そしてまた考える。
自問に答える術を持たず時間ばかりを消費していく。

そして、また数分の時間が無意味に流れていき―――広がる闇の中から足音が聞こえてきた。

何も映していなかった視界が、この場に来て初めて働き出した。
足音は徐々に大きくなっており、段々と近付いてきているのが分かる。
数秒ほど待った後に現れたのは全身を包む長々とした派手な服を纏った男。
何か嬉しい事があったのだろうか、こんな殺し合いの場だというのに男は満面の笑顔を浮かべていた。
男も私に気付いたのか、笑顔を引っ込め観察するような眼でコチラを見詰め始めた。



626扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:42:16 ID:/bNTP+q4
「いきなりで悪りぃんだけどよ……おっさんは殺し合いに乗ってんのか?」



そして、口を開いた。
鮮血のような赤色のコートを纏った金髪の男―――まだ年端もいかない少年が、ぶっきらぼうな口調でそう問い掛けてくる。
先程まで自問していたその問いを、男は投げかけてきた。







その邂逅とほぼ同時刻、エドと激闘を繰り広げていたレガートは、その闘技場と化した場所に一人立ち尽くしていた。
彼は無表情に自分の左手を―――数分前、エドに止めを指すべく振るった左手を見つめている。
その左手は見るも無惨な姿となっていた。
手の甲からは鮮血と共に白い骨が飛び出しており、親指を除く四本の指もそれぞれが別々に曲がってはいけない方向に曲がっている。
常人だったら痛みに泣き喚くか失神している怪我であろうが、レガートはただ無表情だった。
痛みを感じていない訳ではない。
彼にも一応痛覚は残っている。
ただ彼の精神の何処かが、その痛覚を押さえ込むほどに歪んでいるだけだ。

「……ハ……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

唐突に、何の前触れも見せずにレガートは笑い始めた。
彼の脳裏に思い浮かべていたのは、ほんの数分前、自分の目の前で行われたある光景であった。





―――渾身の力で振った左拳。
少年の首筋に真っ直ぐと吸い込まれていく左拳。
だが、少年は自分の見込みした通りの好敵手だった。
少年は鋼の義手を盾のように掲げ、不完全な形であるが防御姿勢を取った。
しかし、所詮はその程度。あの人間台風や異能殺人集団には遠く及ばない。
その義手ごと首をへし折ってやろうと拳を加速させた。
そして左拳と義手が激突する。
最初に感じたのはある違和感だった。
鋼だとしても余りに堅すぎる感触、それと激痛。
思わず左拳に目を移した。
そこには物の見事に砕けた左拳、そしてその左拳と重なり合う少年の義手。
銀色であった筈の義手は何故か漆黒に変色しており、凹み一つ傷一つとしていなかった。
思いもよらない事態に思わず動きを止めていた。
少年はそのほんの一瞬の隙を見逃さなかった。
地面から輪を形成し、先ず最初に両脚を拘束、次いで鎖付きの輪を作り両手、胴体を拘束し、止めとばかりに四方を4メートル程の壁で囲んだ。
同時に聞こえた歓喜の叫びと走り去る足音。
―――あの窮地から少年はまんまと逃げ仰せたのだ。




627扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:48:39 ID:/bNTP+q4
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

レガートは確信していた。
この殺し合いを通して自分の忠誠を示せると。
この殺し合いを突破した時、ナイブズ様は自分の忠誠の強さに気付いてくれると。
同時にレガートは主催者達に感謝をしていた。
ただ死を待つだけだった自分へこのようなチャンスを与えてくれた主催者達に。
拘束の全てを振りほどいたレガートは、砕けた左拳を携えたまま笑い続ける。
狂ったように、何時までも―――。


【C-2/1日目 深夜】
【レガート・ブルーサマーズ@トライガン・マキシマム】
[状態]:全身にダメージ(中)、左拳骨折、エドワードへの興味
[服装]:
[装備]:金属糸×1
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
基本:ナイブズの敵を皆殺しにし、ナイブズに自分の忠誠の強さを知ってもらう。
1:手始めに放送に誘われた連中を殺す。
2:自分の忠誠に見合うような強者を探し、殺す。
3:1、2をこなしつつナイブズを探し、合流する
3:あるのなら自分の金属糸を探す
[備考]
※11巻2話頃からの参戦です
※ナイブズが参加させられていることに気付いています
※金属糸は没収対象外のもので、レガートの身体を動かすために使用されています。これが外れると、身動き一つできなくなります
※最初から装備していた金属糸の、相手へ使用する際の最大射程は、後続の書き手さんにお任せします






聞仲との邂逅から遡るほど五分前。
それは、ちょうどレガートから逃亡を果たし、ようやく安堵を覚え始めていた時。
エドの頬は自分も意識しない間にニンマリと緩んでいた。
心の中は安堵と達成感と自画自賛の気持ちが占めており、警戒の「け」の字も無い。
だが、それも仕方のない事だろう。
何せ彼は、あの化け物のような強さを誇るレガートからの逃亡に成功したのだから。
文字通り九死に一生を得たのだ。浮かれるなと言う方が酷だ。

策はとっさに思い付いた物であった。
炭素繊維がたっぷりと使われている北国用機械鎧だからこそ出来る芸当―――『炭素硬化』。
それで相手の攻撃を防ぎ、隙を見せたところで逃げ出す。
あれだけの威力の攻撃を炭素硬化で防げば、どんな鍛えた拳であろうと砕ける筈。
あるホムンクルスの技を丸々パクり利用した苦肉の策であった。
実戦では初御披露目の錬金が成功するかも問題であったが、一番の不安材料は相手の一撃を防御できるかどうか。
敵の初撃を防御する―――普通ならば容易な事であったが、相手の身体能力はぶっ飛んでいる。
反応できるかどうかすら怪しい所であった。
全神経を集中させ、敵の一挙一動を見た。
完全な形でなくても良い。掠めるだけでも、奴の剛力なら自滅してくれる筈。
そして生と死を分ける刹那は近付き―――苦肉の策はものの見事に成功した。

628創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 19:50:46 ID:e9OEFjAC
支援
629扉を開いたらまた次の扉 ◆xkf1s1CVio :2009/04/27(月) 19:51:44 ID:/bNTP+q4
あの男から逃げられた、その事実にエドは心の底から安堵を覚えていた。
そして、その気が緩みまくっていた所にエドはその男と遭遇した。
エドが出会った参加者はこれで二人目。
一人はある砂の惑星の中で最強の実力を持つ人間――レガート・ブルーサマーズ。
二人目はある仙人界の中で最強の実力を持つ仙人――聞仲。
彼が出会った二人目の最強はいまだ進むべき道を決めてはいない。
彼を待つ未来は今はまだ分からない。



【D-2/1日目 深夜】
【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ
[服装]:
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
基本:この殺し合いを止める。誰も殺させはしない
1:目の前の男(=聞仲)と話した後、放送の女(=亮子)の元へと向かう
2:放送に誘われたマーダーから、殺し合いに乗っていない連中を守る
3:首輪を外すためにも工具が欲しい
4:白コートの男(=レガート)を警戒。メッチャ警戒。
[備考]
※遅くとも第67話以降からの参戦です
※首輪に錬金術を使うことができないことに気付きました

【聞仲@封神演義】
[状態]:健康、喪失感
[服装]:
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
基本:???????
1:???????
[備考]
※黒麒麟死亡と太公望戦との間からの参戦です




以上で投下終了です。
投下途中で気付いたのですが、聞仲の一人称に間違っている箇所があるのでwiki編集後に修正したいと思います
630創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 19:54:19 ID:e9OEFjAC

レガートってキャラ知らないけど相当ヤバイな・・・
631創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 19:57:06 ID:zQpa2e3/

聞仲がちょうど出てほしかった時期から出ていて驚いたw
632創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 20:50:01 ID:C9bWqxzw
投下乙
予約の段階ではエドオワタかと思ったがそんな事は無かったぜ!
強キャラなだけに聞仲がどう動くかが気になるな
633創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 21:41:00 ID:CGysmVPZ
投下乙です!
さすがレガート、トライガンで最もイカれた男だと思ったらエドも主人公の底力を見せたか……、先の読めない攻防が面白かったです。

しかし自分を見てもらえない事に絶望しているレガートが今のナイブズ見たら本当どうなるんだかw
逃げてー、西沢さん逃げてー!

そして大師の動きは、さて。
金ゴウ三強の内一人は危険対主催、一人はジョーカーだから、この人の動向次第でパワーバランスが動くのは間違いなし、と。
634創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 23:25:54 ID:7U3abhFZ
投下乙。
二転三転するバトルの後は聞仲と遭遇か……ニーサンに安息の時は来るのかw
てか、これで一応全キャラ出揃ったんだっけ?
635創る名無しに見る名無し:2009/04/27(月) 23:34:34 ID:CjcS2/KP
まだ植木が残ってる。
636創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 00:04:50 ID:DJc3pP/c
ベルセルクの画像が一つもない県について
637創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 00:08:39 ID:GFKpFzu+
そういや植木も他の人間に比べると超人クラスだな
天界人の耐久力あるし神器に合わせて能力持ちと、結構上位に入るんじゃない?
638創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 08:04:35 ID:69OM2mAj
制限なしの植木勢は光速攻撃をかるく回避できるレベルだったと思う。
639創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 14:58:31 ID:jTbxnMyA
少なくとも終盤の植木はトライガン、ワンピース、鋼錬、金剛番長勢にも引けを取らないと思う
640創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 15:47:05 ID:/0T1YyFR
とりあえず、トップクラスに物騒なのはトライガンのプラント兄弟と妖怪仙人3人だと思うw
こいつらその気になれば会場の一つや二つごと参加者殲滅出来るからなあw
特に宝貝とかの道具なくても能力発動可能なヴァッシュとナイブズ
641創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 15:59:16 ID:GFKpFzu+
植木勢って言っても他の作品のキャラと比較すると森や鈴子はやはりきついな
群を抜いてるのは植木・アノン・ロベルトあたりの天界人クラスだから
今回の参加者だと張り合えるのは植木だけか

制限無しの植木の「魔王」だったら花になった貴族倒せそうな気はするw
トライガンの兄弟は…希望が見えないw
642創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 16:54:01 ID:/QMWLPiq
だが、植木には+の方から参加してくる可能性がある。
643創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 17:03:52 ID:ZmQT2hpl
でもプラント兄弟どっちも黒髪進行してるし下手したら能力の使いすぎで死ぬぞ。
644創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 19:09:23 ID:8EECj7ik
遅くなったけど投下乙です。
レガート出し抜いて嬉々として走り去るエドが目に浮かんで笑ったw
いい具合にレガートが暴れてくれそうなので、楽しみです。

プラント兄弟には効くかわからんけど、妖怪仙人三強には天敵といえる獣の槍と、ドラゴンころしがあるから、
意外とパワーバランス崩れないのではないかと思ってる。道具と能力の使い方次第という、実に楽しみな展開。
645創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 19:50:33 ID:/0T1YyFR
どこから出しても変わらないヴァッシュはともかく、他の時期から出すとナイブズはヤバすぎるからなあw
黒髪化前なら開始五秒でロワが終わるし、融合後なら例え他の参加者全員でかかっても冗談抜きに皆殺しだろうし。
まあ流石に融合体で出そうと思うトンチキはいないだろうけどw

かといって制限掛けすぎてエンジェルアームが鋼鉄一枚や人間一人の胴体もぶった切れないほど弱いのは何だかなあと思うし、ロワに出すなら案外黒髪化の限界ギリギリってこの時期しかなかったのかもしれない。
646創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 20:30:06 ID:/rgzld2O
森や鈴子はたしかに純粋なスペックは上位陣に劣るが、そこまで心配するほどでもないだろう。
森の能力は限定条こそ厳しいが発動しさえすれば一気に形勢が傾く。
鈴子の能力は奇襲向き。
ビーズ=爆弾なんて初見で見抜けるものか。
知略で何とかなる範囲。
本当に心配すべきはひだまり勢とかその辺。
戦場慣れしててシビアな思考をする奴がゴロゴロいるから下手すると切られかねない。
647創る名無しに見る名無し:2009/04/28(火) 21:49:47 ID:v7TKHXgg
>>638
あれは最強スレの基準だろ
レーザー避けたから光速以上って判断だけど、明らかにあのレーザーは光速なんて出てないし
うえきも結構ゆで理論的なとこ多いから、マジメに考察するととんでもないことになる
648創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 05:38:30 ID:tnAaZ1e1
>>633
コンペイトウ
コンゴウは番長
649創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 05:55:38 ID:tnAaZ1e1
秒速30万m(マッハ882)で移動可能とな
→動いた瞬間に摩擦熱で蒸発する
→その直後にソニックブームで全員死ぬ
650創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 06:25:34 ID:tnAaZ1e1
30万kmだったか
マッハ882000
651創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 12:27:43 ID:YK5E5MGU
>>647
光速レーザーはしっかり描写よけしてるじゃねぇか
それでなくても中期の鉄で山4つぐらい木っ端微塵にしてたから
攻防的に見て植木異常に変わりない
652創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 12:44:47 ID:TQbHEAHB
>>651
だから、作者はレーザー=光速なんて考えずに、
普通のビームくらいのつもりで出してたんだろう
最強スレは、いかにしてこじつけるかってコンセプトなんだから、あんまりよそで引き合いにだしたりするなよ

てか、別に植木が強いってことは否定してないし
653創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 17:21:25 ID:BEwQmh19
まだ画像きてないのあるっけ?
654創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 20:10:47 ID:QrIldJEH
植木
655創る名無しに見る名無し:2009/04/29(水) 21:31:17 ID:o+Udn8kK
植木の画像
ぱねぇw
656創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 00:16:29 ID:qxSdh+i2
図)
A←光←C→光→B
■→→→■→→→■

条件)
@Cから同時にAとBに光を投射します
A光を投射した際のAC間とBC間の距離は同じです
BAはCにマッハ100で近づいていきます
CBはCからマッハ100で遠ざかっていきます
問)Cから投射された光はAとBのどちらに早く到達するでしょうか?
答)光はAとBに同時(同じ時刻)に到達する

投射された時点での距離が同じならば、全く動かなくても、どの方向にどんな速度で動いても同じ時間で光が到達する
これが相対理論です

よってレーザーを避けるのは不可能
Q.E.D.
657 ◆xmpao6V6sI :2009/04/30(木) 06:29:41 ID:Ol+HpKuR
寝落ちしてしまった……
遅れてすみません、太公望とハヤテ投下します
「おおう、扉が勝手に開いた! 自動ドアとは人間界も進歩したものだのう!」
「はあ……」

エリアBー10、博物館。
その入り口付近で騒いでいる、二人組がいた。

稼働する自動ドアを見て驚きの声を上げているのは、道士・太公望。

そして、その横にいるのは借金執事――もとい、今はただの借金野郎・綾崎ハヤテである。
太公望に向ける視線が、若干どころではなく冷めているように見えるのは、おそらく気のせいでは無いだろう。

太公望が、申公豹の知り合いであること。
太公望が、自分にとっての過去の人間であること。
太公望が、仙界――崑崙山脈に属する、道士であること。
それらについては道中、太公望の口から説明を受けたものの――そのすべてを、ハヤテは信じたわけではなかった。
半信半疑どころではない。
疑が九割九分を占めている。

(というか、そんな話をいきなり信じろって言う方が無茶なんだよな……漫画じゃあるまいし)

現代日本に住む高校生としては、極々普通の反応である。
しかし、話を信じたわけではないとは言っても、武器まで受け取ってしまった手前別れるわけにもいかず。
とりあえず害意は無さそうなので、博物館までの同行を受け入れたのだが。

(やっぱり、別れた方がよかったかなあ……)

自動ドアを見てはしゃぐ自称仙人の姿に、ハヤテは不安を募らせる。
と、そんなハヤテの心を見透かしたかのように、一転して落ち着いた様子で、太公望は言う。

「信じられぬか? わしが――おぬしにとっての過去の時代の人間だということを?」
「い、いえ、別に……」

見事に図星をつかれ、言い淀む。
そんなハヤテの様子を見て、実に愉快そうに笑う太公望。

「別に構わんよ――奇異の視線を向けられることなら、馴れておる」

それにしても随分と大きな建物じゃのう、とそんな言葉を続けて。
何も言えずに立ち尽くすハヤテを残して、ほいほいと太公望は館内に足を進めていく。

(……まあ、とりあえず当分はついていこうかな)

数瞬だけ考えて――ハヤテは、結局その後を追った。







「ふむ……どうしたもんかのう」

十五分後。
とある展示室の長椅子に腰掛けて、考えを巡らせる太公望。
その近くに、ハヤテの姿はない。

「建物が大きいから、別れて探索すると決めたまではよかったが……」

入り口付近を見る限り、自分達より先に誰かが侵入した形跡はない。
鍛えているし、武器もあるから心配はいらないというハヤテの弁を信じて、太公望は別行動を選択したのだが。

「……すっかり迷ってしまったようじゃ」

博物館のあまりの入り組みように、完全に現在位置がわからなくなっていた。

「困ったのう……せめて地図でもあれば話は別なんじゃが」

デイバッグに入っていた地図には、無論こんな細かい所まで表記されてはいないし。
館内の案内板を見ようにも、そもそも案内板の場所がわからない。
他に客がいれば客の流れにそって進めば出られるのだろうが、太公望とハヤテしかいない今、その方法は取りようがない。

「だいたい、展示物に規則性が無いから迷うんじゃ……」

そう呟くと、太公望は展示室を見回す。
そこには奇妙なオブジェが、所狭しと並んでいた。

「帆船模型ゴーイング・メリー号…29期生卒業制作マーライオンホース…新型介護ロボット『8』…巨大鹿ナダレの剥製…少しは統一せいっちゅーに。
 そうは思わんか、スープー?」

言ってから、この場に四不象がいないことに気付き、溜め息をつく。

「むむむ……あんなやつでもおらんと調子が狂うのう」

そういえばスープーは無事かのう、と今更ながらに太公望は考え始める。
自分があの場所に連れてこられてくる前、スープーは自分のそばにいた。
どうやってかは知らないが、自分が連れてこられた以上、スープーが無事である保証はないのだ。

「……いや、それはスープーに限った話ではないか」

ナタク、ヨウゼン、武吉に天花。
こうして自分が拉致されている以上、彼らもまた、この場に来ている可能性はある。

「まあ、その時はわしが働かずに済むからオールオッケーじゃがのう!」

そう言って、太公望はニョホホと笑う。
ニョホホと笑って――ふと真剣な顔に戻り、呟く。

「申公豹よ……わしのような道士や、ハヤテのような未来の人間を集めて、何を考えておる?」

ここにいない首謀者の一人に、尋ねるように。

「おぬしが享楽でこのようなことをする奴では無いのは理解しておる……おぬし、何を企んでおるのだ?」

しかし、その問に答えが返ってくることは無く。
部屋には太公望と、静寂のみが残された――







一方、太公望のいるのとは別の展示室。

その部屋に展示されていたものを見て――綾崎ハヤテは絶句した。
そこにあったのは、豪華な装飾で周囲を彩られた、巨大な水鏡。
それは、ハヤテにとってはただの豪華な水鏡というだけではなかった。

「なんで……なんでこれがこんな場所に!?」

手に持った荷物を投げ捨てて水鏡に駆け寄り、
そこにあるものが自分の知るそれと同一のものであることを認識して。
ハヤテは困惑し、ただ水鏡の名を叫ぶ。

「――天球の鏡!」

天球の鏡。
王族の庭城を訪れた幼き日のハヤテに、天王洲アテネが見せた、
使用者の知る人間の姿をその水面に映す、魔法の鏡。
この世の全てを見下ろす、神の瞳。

本来、このような場所にあるはずの無いものだった。
このような場所にあってはならないものだった。

しかしハヤテはそれがここにあるという事実の意味を考えるよりも早く――

「本当に天球の鏡なら――アテネを、アーたんを、映して!」

天王洲アテネの姿を――探し求めてきた彼女の姿を、鏡に求めた。
自分の失敗から、永遠に別れることとなってしまった彼女の姿を。
何度もう一度会いたいと、謝りたいと願ったかもわからない、彼女の姿を。

しかし――鏡は一向に、ハヤテ以外の誰の姿も映そうとはしない。

やがて、ハヤテの瞳が壁に貼られた説明書きのパネルを認識する。

「天球の鏡……自分の知る人の姿をその水面に映す、魔法の鏡……。見れるのは姿のみで、声は聞けない……」

震える声で、ハヤテはそこに書かれた文字を読み進めていく。

「……ただし、これは複製ですのであしからず……。そんな……」

ようやく見つけた、アーたんの手掛りだったのに。と、ハヤテの膝が、冷たい床に触れる。
探し続けてきた青い鳥は、また、自分の手の中から飛び去ってしまったのかもしれない。
自分はこれから先、青い鳥の居場所もわからないままに、ここで殺されてしまうのかもしれない。
そんな絶望感に支配されかけて――ハヤテは思い出す。

『そんな運命、ぶっ壊してやる!』

ほんの数十分前に、自らが立てた誓いを。
絶対にこんな殺し合いなんかで死ぬものかと、運命と闘おうと決意した宣言を。

「そうだ……こんなところで絶望してるようじゃ、運命なんて壊せない。
 天球の鏡だって……元はと言えば、アーたんの手掛りなんてゼロだったんだ。でも、今は違う!」

ハヤテの瞳に光が戻る。

「あいつらなら――この博物館を用意した、天球の鏡を知っているあいつらなら、アーたんについて何か知ってるはずだ!
 それなら僕は――」

「あいつらを倒して、アーたんのことを聞き出してやる!」

(だって僕は――アーたんの、天王洲アテネの執事だから!)

少年は、決意を新たにする。
必ず己に課せられた運命を打開するという、決意を。

今再び少年は――執事へと戻った。



――執事 それは仕える者。

――執事 それはかしずく者。

――執事 それは主の生活すべてをサポートするフォーマルな守護者。

――そう、これは一人の少女のため、命をかけて闘う少年の、超コンバットバトルロワイアルストーリーなのである。



Hayate the combat butler  START!
【B-8/博物館/1日目 深夜】

【太公望@封神演義】
[状態]:健康
[装備]:太極符印@封神演義
[道具]:支給品一式、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×1@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:殺し合いを潰し、申公豹を倒す。
 1:ハヤテと博物館を探索する。
 2:申公豹の目的は……?
[備考]
 ※殷王朝滅亡後からの参戦です。
 ※手配書は渡されただけで詳しく読んでいません。
※ハヤテと情報交換をしました。

【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[服装]:トレーナーとジーンズ(第1話終了時の服装です)
[装備]:銀時の木刀@銀魂
[道具]:支給品一式、若の成長記録@銀魂、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:運命と戦う、主催を倒す
 1:太公望と博物館を探索する
 2:西沢さんを含めた友人達が心配
 3:出来ればヴァッシュを捕まえて賞金を手に入れたい
 4:少年(火澄)の言っていた『歩』は西沢さんなのか、東城歩って人のことなのか、それとも他の歩という名前の人なのか……?
 5:金髪でツインテールの少女(ナギ)が心配
[備考]
 ※第1話直後からの参戦、つまりまだナギの執事となる前です。
 ※参戦時期からわかる通り、西沢・ナギ以外のハヤテキャラとの面識はありません。また、ナギも誘拐しようとした少女としか認識していません。
 ※太公望と情報交換をしました。また、その際に封神演義の世界についておおまかなことを聞きました。ただし、そのことについては半信半疑です。
 ※博物館の展示品から、主催が天王洲アテネについて何か知っていると考えています。
 ※博物館には、各作品出展の物品が展示されているようです
664 ◆xmpao6V6sI :2009/04/30(木) 06:39:12 ID:Ol+HpKuR
投下終了ー
指摘などありましたらお願いします
665創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 09:41:26 ID:1o01jj1i
乙です。博物館ってどれくらいの広さなんだろ・・・。
指摘ですが、太公望の参戦時期から考えて、天化は既に封神されているので、
心配するのはちょっとおかしいです。一応目の前(というか腕の中)で封神されたのは目撃してますし。
666創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 14:27:44 ID:Ol+HpKuR
>>665
すみません、見直しが不足してました


Wiki収録の際には
> ナタク、ヨウゼン、武吉に天花。
を、
> ナタク、ヨウゼン、武吉に天祥。
に修正お願いします
667創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 15:19:44 ID:vDEaEIgd
投下乙!
ハヤテが不審者を見る目だwwwまあ無理もないけどさ。
太公望さん、仲間はほとんどここにはいないぞw
で鏡きたか。ハヤテにとってアテネはよりも大切だからなあ。
668創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 19:41:43 ID:s2KoR9n4
投下乙です
とりあえず分裂は避けられたか。ロワじゃあ仲間がいた方が有利だからな
そして太公望さんは名簿を見た時はどうなるだろうなw
ハヤテは皮肉にもここで執事の精神に目覚めたか
ナギとの対面が楽しみだw
669創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 02:08:55 ID:12/QWlH0
植木はいったいいつになったら登場話書かれるんだろうw
670創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 08:56:50 ID:AHuYFwny
把握が難しいって訳じゃなさそうなんだが…。
何故だろうw
671創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 11:07:19 ID:Q/Cjq3cr
キャラの性格はともかく時期次第で思いっきり戦闘能力が変わりすぎるからじゃないか?
個人的には+時期から参戦して欲しい気もするが把握等の面から色々面倒な気もするし能力も無印期と比べるとややこしいし……

案外、才をどうするかで頭を悩ませていたりとか(もしも原作通りだったらちょっと戦っただけですぐに才0になるからなぁ……)
672創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 14:47:48 ID:OWnq64W2
>>647
あのレーザー作中でさりげに光速といわれていたはずだぞ
673創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 15:08:55 ID:pUeActzp
光速で走るパシリのことですねわかります
674創る名無しに見る名無し:2009/05/01(金) 19:32:49 ID:aeeAcG21
ところでパロロワWIKIで新漫画ロワの宣伝文句の本文募集とかしてるがもう少し話が進んで
ネタになるような出来事がないと書けないな
675創る名無しに見る名無し:2009/05/02(土) 03:00:14 ID:Z9SSUzP1
日本語で(ry
676 ◆xkf1s1CVio :2009/05/03(日) 20:29:19 ID:uNuU5iH9
銀時、沙英を投下します
677 ◆xkf1s1CVio :2009/05/03(日) 20:31:54 ID:uNuU5iH9
街灯に照らされた夜の市街地を一人の男と一人の少女が歩いていた。
周囲に人の気配はなく、不気味なほどの静寂が二人を包み込んでいる。
動いている者は二人だけ、音をあげている者も二人だけ。
二人は勘を頼りに、無人の市街地をただひたすらに進み続けている。

「そういえば、銀さんは武器の確認しました?」

声を掛けたのは少女・沙英の方であった。
早々に信頼できそうな人に出会えたからか、その表情や口調は殺し合いの場に似つかわしくない程落ち着いていた。

「そういやしてねーな。何? 核兵器とか入ってんの?」

対する男―――坂田銀時はやる気の欠片も感じられない瞳を前に送ったまま口を開く。
口調もその内容も軽々しく沙英は苦笑いを浮かべてしまう。

「さすがにバズーカは入ってないと思いますけど……」
「あ、あれも良いな。キモい格好したピエロが持ってた奴。あのバリバリ雷だす。あれあったら銀さん無双見せちゃうんだけどなー」

銀時としては何気ない、場を和ます為のジョークを含んだ一言。
だが口にして直ぐに銀時は自分の発言の誤りに気付いた。
やっちまった、という表情を浮かべ前方に向けられていた視線を沙英の方へと移す。
そこには銀時の予想通り青ざめた表情で俯く沙英の姿があった。

「……あー、その、悪かった。さっきの発言は考え無しすぎた。全面的に俺が悪ぃ、マジですまん」

確かに沙英は、一般人とは思えない程に落ち着いていた。
シチュエーションがシチュエーションだったからかもしれないが銀時と遭遇した
時も、驚愕はしていたが恐怖を覚えている様子はなかった。
彼の周りにいる騒がしく落ち着きのない仲間達とは全く違う、冷静で大人しい少女。
目の前の少女をそう認識していたからこそ、銀時も口を滑らせてしまった。

銀時だって気付いている。
沙英はただの一般人なのだ。
争い事や殺し合いなどからかけ離れた生活を送っていた、平凡な一般人。
銀時と出会ってなければ、恐慌状態に陥っていても何らおかしくない少女だ。
ただ開始早々、こんな状況にも関わらずエロ本を読んでいるバカな男に会えたから、落ち着きを取り戻す事ができた。
だが、それで恐怖が消えた訳ではない。
表に出さないだけで、彼女だって恐怖心を抱えている。

そう、沙英は覚えているのだ―――目の前で男が黒こげになって死んだ事を、爆発した首輪により絶命した少女の姿を、黒こげの死体から流れてきたあの臭いを、
あの強烈な閃光を、吹き飛ばされた首から真紅が噴き出す瞬間を……。
銀時に―――信頼できる人に出会えた幸運が、沙英の心を平穏に押し留めていたのだ。

だが銀時の一言は少女に先の光景を思い出させてしまった。
一度思い出してしまったらもう止まらない。
必死に抑えていた恐怖心が急速に拡大し、平常心と虚栄心を呑み込んでいく。

「おい、大丈夫か? おい!」
678 ◆xkf1s1CVio :2009/05/03(日) 20:33:37 ID:uNuU5iH9
気付けば沙英の体は震えていた。
両腕で自身の体を抱き締めるが、一向に止まる気配はない。
ガチガチという歯のぶつかり合う音が、頭蓋を通して鼓膜を揺らす。
黒こげになった男の死体と血を噴出させる首無し死体のビジョンが、脳内を埋め尽くす。
異常なまでに呼吸が早くなり、体中から冷や汗が噴き出す。
止まらない。
止められない。
身体が言う事を聞いてくれない。
怖い。
怖い。
怖い。
自分も死んでしまうのか。
あの男の人のように身体を焼かれて、あの女の人のように首輪を爆発させられて、自分も―――死ぬ?

「おい! こっち見ろ、コラ! てか見て下さい! そんなに無視しちゃうと銀さん泣いちゃうよ! 二十半ばの男が大声あげて泣いちゃうよ!? お願いだからこっち見てぇぇえええええええ!」

頭上から響く銀時の怒鳴り声に沙英もようやく反応を見せた。
青ざめ冷や汗に染まった顔をノロノロと挙げ、銀時に向ける。
そこに、数分前までの活発げな様子は何処にもない。
恐怖に心を支配された少女が、ただ一人震えている。
その恐怖に染まりきった表情に銀時も顔を歪めてしまう。

「ぎ、銀さん……私、怖いんです……みんなと……ヒロと……もう会えないんじゃないかって……死んじゃうんじゃないかって……そう考えると……怖くて……怖くて……震えが……止まら……ない……」

銀時は自身の軽はずみな発言に後悔と怒りを覚えていた。
この発言をした相手が新八や神楽であれば、冴えないツッコミや殺人級のドツキが返ってきてそれで終わりだった筈。
だが、この少女はそこまで図太い人間ではない。
それはしっかりと理解していた筈なのに……銀時はハチャメチャな日常で身に付けてしまったボケ癖を初めて恨めしく思った。

「死にたくないんです……みんなとまた楽しくお喋りしたい……みんなとまたプールに行ったり、動物園に行ったりしたい……死にたくない……死にたく、ない……!」

そう言葉を絞り出すと少女はそのまま泣き崩れてしまった。
銀時は、少女を元気づける方法を必死に考える。
殆ど……というか完璧に自分のせいで追い込んでしまった少女。
この状況には、流石の銀時にも罪悪感が芽生える。
だからこそ、必死に考える。
少女を元気づける方法を。
これまでの人生に無かった程に頭を働かせて、必死に言葉を探し、そして文章を組み立てる。

(…………出てくる訳ねぇだろうがぁぁぁああああああ! こちとら二十数年彼女無しなんだぞぉぉおおおお! ここですんなり言葉が出たら彼女の一人や二人できてるわぁぁぁああああああああああああ!!)

だが現実は非情である。
ここで気の良い台詞が出て来ない辺りがやはり銀時と言うべきか。
兎にも角にも言葉が詰まり、少女のすすり泣く音だけが場を占めてしまう。
銀時は所在なさげに頭を掻き、落ち着きなく周囲をキョロキョロと見渡す。
自分の一言が一人の少女を此処まで追い込んでしまった……その事実が普段の彼からは考えられない程の焦りを産み出す。
焦燥感と罪悪感……普段のダメ人間まっしぐらの彼からは程遠い二つの感情がせめぎ合う。
679 ◆xkf1s1CVio :2009/05/03(日) 20:35:02 ID:uNuU5iH9
「な、泣くんじゃねえ! ま、守ってやっから! お前を、いやお前だけじゃねぇ、ヒロって友達も、お前も、全員!
俺が、命を賭けて! な? だ、だから泣かないで、な、お願いだからぁぁああああああ!」

結果、生じるパニック現象。
真っ白な脳内で、ただ少女を元気付けようと吐いた言葉。
だが、その真摯な叫びは―――いや真摯な叫びだからこそか、絶望に怯える少女へ届いた。

「……ほ、本当ですか……?」
「へ? な、何が?」
「……守ってくれるって……」

その時、少女の表情に久方振りの光が射した。
チャンス。これは銀時にしてみれば渇望の瞬間であった。

「お、おうよ、この銀時さんに任せときなさい! あんな悪趣味変態ピエロやガングロ幼女なんて俺がチョチョイのちょいと、片手でぶっ飛ばしてやるから!
だから、泣かないでぇぇぇぇええええええ!」

返答の暇を与えぬ言葉のマシンガン。
ただひたすらに少女に元気が戻る事を願っての言葉の数珠。
逆に涙目になりつつある銀時の必死の形相。
その数々は――

「……ありがとう、ございます……」

――遂に少女を恐怖の支配から解放する。
少女は笑っていた。
両の瞳から涙をこぼしながら、それでも満面の笑みを浮かべ銀時を見つめていた。
それは銀時が待ち望んでいた笑顔。
自分のせいで失わせてしまった笑顔が再び少女の顔に浮かんでいた。







「……いや、ホント悪かったな。俺も不用心すぎたわ」
「良いですよ、別に。もう気にしてませんから」

それから数分後、銀時と沙英の二人は再び市街地を歩き始めていた。
銀時は何時も通りのやる気の感じられない表情で、沙英もまた何時も通りの活発な表情で、市街地を進んでいく。

「まぁ、あんま気張んねーで、七面倒な事は全部俺みてぇな大人に押し付けちまえば良いんだよ。
んでガキはガキらしく、帰った後に友達と何して遊ぶか考えてゃあ良い。お前みたいなガキが泣いてまで悩む事なんてねーんだ」

だが一つだけ変わっているものもある。
それは銀時の瞳。
先程までの死んだ魚のような濁った目はもうそこにはない。
その昔、国を守る為に戦った侍の―――全てを守り通す男の目がそこにはあった。


680 ◆xkf1s1CVio :2009/05/03(日) 20:35:58 ID:uNuU5iH9
【I-8/市街地/1日目 黎明】
【沙英@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、不明支給品(0〜2)
[思考・備考]
1:銀さんと協力して、ヒロを見つけたい。

【坂田銀時@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 、大量のエロ本、不明支給品(0〜2)
[思考・備考]
1:沙英を守りながら、ヒロを探すのを手伝う
2:ヒロを見つけたら、二人を守る


これにて投下終了です。
タイトルは「そばにいる たとえどんなに哀しい夢だとしても」です
681創る名無しに見る名無し:2009/05/03(日) 21:58:10 ID:zuhTtiom
投下乙です。
良いよー良いよーなんかスッゴい和むよー
……ってもヒロさんはもう死んでんだよな……沙英がそれ知ったらどうなんだろうな。
682創る名無しに見る名無し:2009/05/03(日) 23:13:08 ID:/M525KrK
投下乙です。
銀さんパニクリすぎw でもやっぱ冴英とかひだまり勢にはこの状況はきついよねぇ…
その温度差が今後どう働くのか楽しみです。冴英さん頑張れー!

あ、細かいですが黒焦げになったのは麻子=少女で、首輪爆破は火澄=少年だと思われます。
683創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 00:28:01 ID:SkUIVKuP
投下乙ですー
銀さんがいい保護者してるw
前回に続きまた核兵器を望んでるしww
でもヒロさんもう死んじゃってるんだよな……
684創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 14:00:24 ID:ejuXGqnA
核なんて支給されたら、赤い3倍速の人みたいにネタキャラまっしぐらだぞw
685創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 14:01:18 ID:YwngPHHh
ハヤテ、太公望人気あるね
686代理投下:2009/05/04(月) 14:51:32 ID:Gj5Xn5KA
Destiny/Justice ◆H4jd5a/JUc

正義。
正義とは、どのようなものなのだろうか?
辞書で引けば、望む答えは出てくるだろう。
しかし、彼女が求めているのは、そんな文学的な定義ではない。
もっと明白な、精神的な―――正義という存在を求めていた。
「………………」
その正義を掲げて―――ひたすらに歩く少女。
名は、白雪宮拳―――剛力番長。その手には、可憐な外見には似合わぬ、巨大な武器が握られている。
「……正義……正義……正義のために……」
何かにうなされたように、ぶつぶつと呟きながら剛力番長は進む。
その顔は晴れやかとはほど遠く、今にも泣き出しそうにも見えた。しかし、彼女の中の『決意』と『罪悪感』が、ひたすた彼女の足を動かす。
「……私は……キンブリーさんを優勝させなければなりません」
それだけ、呟き前を向く。
ただずっと、道が永遠に繋がっているように思えた。
『本当にそうか?』
問う。誰かが、彼女に囁きかける。
『本当に、お前のそれは正義なのか!?』
知らない、知らない、知らない。誰なのかも分からない。
人間とは思えぬ巨体の、奇妙な髪型の男が、自分の頭の中で叫んでいた。
それは、彼女の『未来』で彼女に真の正義を教えてくれる男。
しかし、今の剛力番長にはそれが誰か、分からない。

―――知らない人が、私の正義の邪魔をしているようですわね。
―――私は、人を殺してしまったことを償うためにも、彼を優勝させなければいけないのです。

幻聴、あるいは、人を殺したことからくる罪悪感故の妄想だろう。
もう、剛力番長は立ち止れない。
正義を成すために進む、彼女にできるのはそれだけだ。
そうでもしないと―――彼女は、今にも壊れてしまいそうだったから。

はた、と足を止める。
視界の片隅、わずかに見知らぬ人間の姿が映った。
首輪をしていたかどうかまでは見えなかったが、この場にいる以上、自分と同じような参加者に違いない。

―――優勝、しなければ。
―――優勝して、あの子を生き返らせないと―――
―――それが、……私の、そしてキンブリーさんの……正義!

唾を呑みこみ―――彼女は、その人影に向かってそっと歩み寄る。
できるだけ、苦しめたくはない。相手に気づかれないように近寄り、心臓か脳を貫いて一発で殺してあげたい。
甚振り痛めつけるなど、剛力番長の『正義』が許さない。
だから、慎重に。
剛力番長は、そっと足を一歩踏み出し―――

「……僕をつけるなんて……何のようかな?お嬢さん」

その男に、声をかけられた。


687代理投下:2009/05/04(月) 14:53:16 ID:Gj5Xn5KA


運命。
運命とは、どのようなものだろうか?
辞書で引けば、望む答えは出てくるだろう。
しかし、彼が求めているのは、そんな文学的な定義ではない。
運命とはいかに『確実』なのか―――それが知りたいだけなのだ。
「………………」
目の前であっさりと変わった『運命』に翻弄されるがまま、森の中を進む少年。
名は、カノン・ヒルベルト―――ブレード・チルドレンの一人。その手には、麻酔銃が握られている。
「……火澄……」
思わず口から、一人の少年の名前が漏れた。
死なない運命だったはずの少年。ここに来る前に、謎の少女と男に『殺された』少年。
―――どうすればいい?
カノンは思考する。なまじ賢く、天才的故に、カノンは今のありえない状況に対して冷静な判断ができずにいた。

―――運命は変えられる?そういうことなのか、清隆?
―――しかし、それなら、それならアイズを殺した僕はどうなる!?何のために今まで戦ってきた!何のために仲間を手にかけたと言うんだ!
―――そんなの、分からない、……理解できるはずがない!

不意に、何者かの視線を感じた。
カノンはそっと麻酔銃の引き金に手をかけ、振り向こうともしない。
振り向けば、自分がその人間の気配に気づいたことがばれてしまう。
あくまで平静に、何も知らないふりを装う。
一歩進む。相手も、それに呼応するかのように一歩、出る。
……明確な殺意、狂気は感じ取れない。
ほんのわずかな足音などから考えて、相手はおそらく女性。敵意があるとは限らない。
しかし、カノンの本能は告げていた。
この相手は、きっと殺し合いに『乗っている』。
このまま背を向けていたら、相手に隙を見せることになる。
こうなれば仕方ない。……先にこちらから手を打とう。
カノンは警戒を怠ることなく背後に向きなおり、自らをつけていた相手をしっかりと確認した。
慌てて木の陰に隠れようとしていた彼女は、しかし少し遅かった。

「……僕をつけるなんて……何の用かな?お嬢さん」

それは、小柄な少女だった。
柔らかな金髪ショートヘアーに花型のリボンという女性らしい容貌とは裏腹に、その身には男子用の学ランを羽織っており、更に手には巨大な得物を握っている。
普通に考えれば、目の前の少女に到底振り回せる代物ではない。
しかし、カノンは知っている。人の見た目は強さと比例するはずがないということを。
そう例えば、あの竹内理緒のように―――

「……用事……というほどでもありませんが……」

少女は、すっと何の労もなく巨大な武器を構えて、言った。
あまりにも、当然のように。
「……私の『正義』のために―――死んでいただきたいのです」

刹那。
少女は、――-動いた。
そもそも武器など存在していないかのように、跳躍し。
質量が存在するのかすら疑ってしまいたくなるほどの速度で。

『それ』を―――カノンの脳天に向けて振り落とした。

688代理投下:2009/05/04(月) 14:56:16 ID:Gj5Xn5KA


命。
命とは、どのようなものだろう?
辞書で引けば、望む答えは出てくるだろう。
しかし、彼が求めているのは、そんな文学的な定義ではない。
自分は、『命』に関してはすでに定義に当てはまらないイレギュラーな存在なのだから。

「……ニーサン、大丈夫かなあ……ここにいないといいけど……」
アルフォンス・エルリックは、いるかどうかも分からない兄の姿を探していた。
そして、幼馴染のウィンリイも。
アルが向かう先は、東。
特に理由があった訳ではない。強いて言うなら、図書館になら今の状況を判断するための情報があるかもしれない、と思った程度だ。
とにかく自分が今すべきことは、知り合いを探すこと。
地図を見る限りかなりの広さがありそうではあるが、だからと言って待っているわけにはいかない。
……自分が能天気にしている間に、知り合いの命が奪われてしまうかもしれないのだから。
もう一時間ほど歩いているのだが、今のところはだれにも
「……ん?」
そして、アルは、視界の先に見た。
それは本当に、偶然だった。
しかし、その偶然も、ある男にかかれば『運命』なのかもしれないが。

それは。
「……え―――!?」
少女が、青年に切りかかるその光景だった。



「……っ!」
それは、カノンの長い経験が生きた形となった。
人間の限界ぎりぎりの反応速度で繰り出されたドラゴンごろしは、カノンによって寸でのところでかわされ、カノンの脇を滑り抜けた。
「……いきなり攻撃してくるなんて……穏やかじゃないよ」
やはり、自分の勘は正しかった。
カノンはそう思う。やはり彼女は、殺し合いに乗っていた。
一瞬たりとも目を離さず、用心し続けて正解だったか。
「殺し合いに乗るのが、君の正義なのかい?」
少女の攻撃を回避しながら、カノンは問う。
その顔は涼しげに―――内心焦りながら。

―――これは、まずいな。


689代理投下:2009/05/04(月) 15:00:41 ID:Gj5Xn5KA

少女の実力は、先ほど対面した相手―――趙公明に匹敵するかもしれない。
そう簡単に抜ける相手ではない。
そしてまず、彼女は自分を逃がしてくれない。
公明は殺人鬼というよりは戦闘狂だった。だからこそ、自分のことを再び追おうとはせずに、後に再戦するということに喜びを見出していた。
おそらく―――初めに会った時も、全力ではなかったのだろう。それは、殺意よりも戦意が上回っていたから、と考えるのが自然。
しかし、彼女は違う。
彼女は、殺し合いに『乗って』いるのだ。
彼女の目的は戦いを楽しむことではなく、カノンを殺すこと。自分が一旦引いても、追ってくる可能性も高い。
そして何より、彼女は『全力』だ。

もちろん、相手が殺し合いに乗っているというのなら、反撃もやむを得ない。
もっとも―――相手を殺すつもりはない。
カノンは鋼よりも硬い意志で決めている。……ブレードチルドレン以外の人間は、何があっても殺さない。
だから、目の前の少女が自分を殺すつもりであったとしても、カノンは彼女を殺すわけにはいかない。
うまく彼女を捲いて逃げたいが、実力的にそれも難しい。
この麻酔銃で眠らせるのが得策だろう。
しかし、カノンはそれを躊躇っていた。
より正確に言うならば。

―――こんな化け物が、ここにはごろごろいるのか……!

―――カノンは、『現実』に戦慄していた。
決して、自分は弱い存在ではない。
それどころか、ブレード・チルドレン最強と常に謳われ、それだけの戦績も上げてきた。
負ける要素など、ないと思ってきた。
なのに、今の自分はどうだ?
いくら武器が心もとないとはいえ、

―――公明に、この少女に、防戦一方ではないか。

「……そうですわ……」
少女は、剣を振るう。
物理法則を軽く無視した高速攻撃が、細腕の少女の手から繰り出される。
「……これが……私の『正義』です!」

だから、方法は一つだ。
―――隙を作り、その一瞬を見計らって麻酔銃を打ち込む。
それ以外に、彼女を殺さずに止める方法が見つからない。

―――彼女に、精神的な揺さぶりをかけることだった。

690代理投下:2009/05/04(月) 15:06:35 ID:Gj5Xn5KA

「……正義?人を殺すのが正義だなんて―――立派な正義だね」
「何とでもおっしゃってください。……私は既に人を殺した―――殺してしまった彼女のために、私は優勝させなければならない人がいるのです!」
ドラゴンごろしが、宙を切る。
それをひたすらかわし、カノンはとん、と両足を地につけた。
もしカノンが普通の人間であったならば―――きっと、既に10度は殺されているだろう。
知らず、呼吸が上がる。今まで攻撃を受けずにいられたことが奇跡なのだ。
対して少女は―――息一つ乱していない。
体力?この違いはそんなものではないだろう。
根本的に、彼女にあって自分にない何か、努力や才能では埋められない何かがある。

(そう言えば―――何かの本で見たことがあるな)
通常の人間の数十倍筋肉を使うことのできる人間。
もしかして―――彼女もその類なのだろうか?

「……優勝させなければ、ならない……人……?」
その言葉が、引っかかった。
彼女は、『自分が優勝したいのではないのか?』
少女が続いて口にしたのは、衝撃的な一言だった。
「……ええ、そうですわ。……私はあの方を優勝させ、『彼に全ての参加者を生き返らせてもらう!』そのために私は人を殺すのです!」

―――全ての参加者を、
―――生き返らせる、だって―――?

「……そんなこと……できるはずがないよ。君は騙されているんだ」
きわめて冷静に、言葉を紡ぐ。
カノンからすれば、それは当然の回答だった。
しかし、剛力番長はそれを否定する。
「いいえ、彼は言いました。できる、と。その証拠に、彼は何もない場所から、人型を作り出したのですよ!彼は、不思議な力を持っている!」
本当は、土を対価として、なのだが、等価交換を知らない剛力番長からすれば無から作り上げたように見えても仕方あるまい。
「……手品の類じゃないのかい?君は気付いていないだけで、そこには何かトリックがあるかもしれな……」
ドラゴンごろしが―――カノンの肩を貫いた。
「……っ!?」
走る激痛。人の首さえ切り落とせそうな大剣に切り裂かれ、肩から赤い鮮血が吹き出す。
しかしこの程度、まだカノンの行動を止めるには至らない。
そう重大な怪我でもない。止血さえすれば数時間で回復できるだろう。
「……貴方が私の言葉を信じないのは構いませんが……どちらにせよ死ぬのならば、納得して死んでいただきたいのです。……貴方は私の正義のために死ぬのだと」
691代理投下:2009/05/04(月) 15:09:34 ID:Gj5Xn5KA

―――何が、正義だ。
少女の言葉に、カノンは言葉にならない苛立ちを覚えていた。
人を殺すことが正義?
この少女は、いつまでそんな戯言をほざくのか。

「……それが、正義?……笑わせるないでくれ」
気づけば。
そんな言葉が、カノンの口から零れ出ていた。
ずきりと肩に痛みが走るが、構っていられない。
「……な、貴方……これ以上私の正義を愚弄すると……」
「何が正義だ……君は知らないからそんなことが言えるんだ。
全ての人間を生き返らせるだって?本当にそれが幸せだと思うのか?
『死んでいた方がいい人間もいる』、それくらい君だって分かるだろう!?」
思わず、語気が荒くなる。

―――そう、例えば。
―――生きていても、人を殺す道しか進めない人間ならどうなる?
―――そんな人間に、生きている価値があるというのか?

「……!?」
少女の顔が、歪んだ。
心当たりがあるとでも、言いたげに。
「君は『悪』もろとも蘇らせるつもりなのか?それで正義と言えるのかい?」
「……そ、そんなこと……死んだ方がいい人間なんて……」
「いない?そう思うかい?じゃあもし、存在するとしたら?このまま生きていても、大量の人間を殺めると確約されている人間がいるとして、それでも君は彼を、彼女を生かすのか?そして、その行為を『正義』と呼ぶつもりなのか?」

「……君の行為は、『正義』じゃない―――ただの『エゴ』だ」
それは、まるで自分に呟くように。
そっと、カノンは麻酔銃を抜き取り―――
「……ち、ちが、違います……私は……私は『正義』を……!」
じり、と自分から一歩後ずさる少女に向け、光の速度で引き金を引いた。
それは少女の右胸を貫き―――少女は、そのまま声もあげずに倒れ込んだ。

692代理投下:2009/05/04(月) 15:13:00 ID:Gj5Xn5KA


「……っ……はあ……」
カノンは、草叢に倒れ伏した少女を見、大きく息を吐いた。
何とか、なったのか?
とりあえず、殺さずに済んだ。
さすがに少女が並外れた力を持っているとはいえ、麻酔は効くようだ。
すぐにでも立ち去っても良かったが、しかしカノンはそうしなかった。
その理由は―――

―――くそ……思ったより怪我の状態がよくないな……。

それは、少女に負わされた傷のため。
右肩に受けた斬撃は、一般人なら悲鳴をあげて泣き叫んでもおかしくない程度に深かった。
重要な血管は無事らしいことには安堵したが、それでも少しでも早く治療をした方がいいことには変わりない。
その瞬間は大したことはないだろうと高をくくっていたのだが、思った以上に事態は深刻だ。
……恐らくは、疲労もあるのだろう。常なら、ここまで吐き気と似た気分の悪さを催しはしない。
止血をしようにも、ふさわしい道具が何一つない。武器は麻酔銃と盾、基本支給品は食べ物とランタン、地図と何も書かれていない白紙の紙。
このままの状態でも今はまだ、いい。しかし再び彼女のような強者と出会ってしまった時に、これでは逃げることも難しくなる。
ましてや―――ブレードチルドレンを殺すのも。
彼らの実力をかい被るつもりはない。もっとも、自分の方が彼らより強い自覚も自負もあるが、100%などとは思えない。体調が万全でないなら尚更だ。
であるから。

―――彼女は、何か道具を持っているかもしれないな。

わずかな可能性かもしれないが、見てみる価値はある。
そして可能なら、少女の武器・ドラゴンころしも奪っておきたい。
銃が一番使い慣れているものの、カノンに使えない武器など存在しない。
見た目通りの重量がネックだが、少なくとも麻酔銃よりは役に立つだろう。
仕組みはよく分からないが、このディパックは入れたものの重さを感じない作りになっているようだ。この中に入れておいて非常時にいつでも取り出せるようにすればいい。
……この武器では、ブレードチルドレンを殺すこともできやしない。

「……」
彼女が起きないことを確認して、カノンはそっと彼女に近づいた。
そして、その支給品を確認しようとし―――

ここで、たった一つ、イレギュラーが存在していた。
彼の銃撃の腕は完璧だった。
外してなどいない。支給品の説明に嘘が書いてあった訳でもない。麻酔銃の威力は理解しているし躊躇いも手抜きもしていない。
問題など、何一つなかった。―――カノンの方には。
完璧で、本人もそれを理解していたが故に、気付かなかった。
問題だったのは―――

「…………な、」

―――針の莚に落下しても死なない剛力番長に、『銃弾など効くはずがない』という、その事実だった。

本能が、一瞬にして全身を駆け巡る。
コンマ0.000数秒の間に、カノンの脳に警告を鳴らした。

―――殺される、と。
693代理投下:2009/05/04(月) 15:16:19 ID:Gj5Xn5KA
「……っあああああああああああああああああああああああ!」

それは、幸運だったのか。
不幸だったのか。
少女は、叫び声を上げ、ただがむしゃらにドラゴンころしを振るい。
カノンは、それに研ぎ澄まされた『経験』で気づき。

そして。
攻撃行動と退避行動が同時に行われた結果。
残ったのは―――



轟音が、鳴り響く。
それを知覚したのは、誰か。

少女の剣が、男の首を切り飛ばそうと刃物を振るい。
男は、それを並外れた直感で回避しようとした。

その瞬間。
それと―――全く同じタイミングで。

『土』が―――隆起した。
それは人間の握りこぶしの形に変わり、そして。

武器を握る少女の体を―――その大剣ごと弾き飛ばした。
694代理投下:2009/05/04(月) 15:19:57 ID:Gj5Xn5KA


「……っ……く…………」
数十分後。
森の中を、一人の人物が歩いている。
「……!」
がくり、と。
その影は、膝を折って草むらに崩れ落ちた。
「……なんだ……これは……どういうことなんだ……」
影―――カノン・ヒルベルトは、常の冷静さを欠いた、青ざめた顔で呟いた。
確かに、怪我は負っている。しかし、そんなことではない。
それが、彼に暗い影を落としている理由になどなりえるはずがない。
このくらいの怪我で追い詰められるほど、彼は柔ではない。
カノンが絶望しているのは、『傷を負った』その事実ではなく。

「…………本当に……本当に彼女の言っていたように……人間を蘇らせる術があるなら……それなら……」
「それなら……僕は何のためにこんなことを……」
自分の前に突きつけられた、『前提』を根本から覆す現実だった。

もはや、否定などできない。
この場には、人間の領域を超えた連中がいるのだということを。
少女は銃をもろともせず―――明らかに人間とは思えない戦いをしてきた。
そしてこの目でしかと見た―――鎧の男が、数秒にも満たない時間で土の物体を作りだしたその瞬間を。
イギリス人と日本人のクオーターであるカノンは、当然というべきか、イギリスの書物はほとんどと言っていいほど読みこなしている。
(錬金術……か……?)
そしてその中には、先ほどの現象を思い起こさせる知識も存在していた。
しかし、それにしても、『あれ』は錬金術と呼ぶには化け物的すぎる。
錬金術、賢者の石、ホムンクルス―――あんなのは書籍上、伝説上の産物にすぎない。証拠とするには弱いだろう。
確かなのは、『自分の目の前で、人間には到底できると思えぬ光景が繰り広げられたこと』、それだけだ。
今思えば―――公明もそうでなかったのか、とすら思える。彼の纏うオーラは、明らかにただの戦闘狂とは一線を画していた。

これも、清隆の仕業だというのか?
これが、『運命』だというのか?
例え清隆であっても、死者を蘇らせることなど、できるはずがない。そう思っていた。
しかし、実際はどうだろう。
火澄は死んだ。清隆が言っていた運命は、たやすく覆された。
あの男は―――化け物なのか?
まさか、そんなことはない。いくら清隆でも、そこまでは―――

695代理投下:2009/05/04(月) 15:23:11 ID:Gj5Xn5KA
『本当に、そうか?』
本当にそうなのか?
清隆でもそこまでは不可能だと―――言えるのか?
あの、現実的に起こりえない光景を目の当たりにしてからも?
ブレード・チルドレンだとか、ミズシロ・ヤイバだとか、そんな次元でない、何かだと言う可能性は?

そして、もし本当に人が生き返るのだとしたら。
清隆が本当に、そんなことができるなら?
いや、本人がする必要はない。そのようなことのできる『何か』を、清隆が手中に入れていたとすれば。
ここで自分がブレードチルドレンを殺して―――『何になる?』
ここで、だけではない。自分が殺したアイズも、全て。
全て、何の意味もないのだとしたら。
この『殺し合い』のゲーム自体に、初めから『勝利』などないのだとすれば。

―――自らの『覚悟』は、はじめから無意味なものだったとしたら。

運命は、覆される。

「……そんな……馬鹿なことが……!」
ただの、少女の虚言?
動揺の仕方からして、とてもそうは思えなかった。
それにあの少女は、自分の目的のためには手段を選ばないタイプだった。真っ直ぐで、頑固な―――どこか自分とも通じる信念の持ち主だ。
彼女はきっと、その『正義』を曲げることを許さないだろう。
自分が、病的だと言われようと『ブレードチルドレン以外の不殺』を心がけているように。

かつて、とある国家錬金術師は、とある女にこう説いた。
『翼』を持った人間は、太陽にその翼を焼かれて死んでしまうのだ、と。

それでは。
「……あって、……あってたまるか……っ!」
『片翼』になってしまった『呪われた子供』は、太陽から身を焼かれてしまうのだろうか?

【H-6/道路/1日目 黎明】
【カノン・ヒルベルト@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:健康、混乱(大)、右肩裂傷(中)
[装備]:理緒手製麻酔銃@スパイラル〜推理の絆〜、麻酔弾×17、パールの盾@ワンピース
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ブレード・チルドレンは殺すが、それ以外の人は決して殺さない?
1:僕は―――
2:歩を捜す
3:ブレード・チルドレンが参加しているなら殺す?
4:本当に死んだ人間が生き返るなんてあるのか―――?

※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。


696代理投下:2009/05/04(月) 15:25:43 ID:Gj5Xn5KA


……油断、しましたわ―――
剛力番長は、強烈な眠気に襲われながら、先ほどの行動を反省する。
自分は動揺して―――あの男に隙を見せてしまった。
その結果がこれだ。……確かに剛力番長の体は丈夫だし、銃弾ごときで倒れはしない。
しかし、―――それは麻酔銃が効かないこととは別問題だ。もしかすると、これも制限によるものなのかもしれないが。
今眠ってしまったら殺されるかもしれない―――その精神力で、剛力番長はインドゾウさえ三秒で眠りに落ちる麻酔に耐え、少年に完全復活は困難だと言える怪我を負わせることに成功した。
殺すことはできなかったが、あれなら止血しなければ近いうちに死ぬだろう。
あの少年が天才的ともいえる銃の腕前の持ち主なのはすぐに分かった。だから剛力番長は、銃弾が当たって眠ったふりをしたのだ。

―――私の正義は……私の我儘だと……?

ずきり、と頭痛がする。
意識が、呑まれる。

―――違います、私は、私の正義は―――

(このまま生きていても、大量の人間を殺めると確約されている人間がいるとして、それでも君は彼を、彼女を生かすのか?そして、その行為を『正義』と呼ぶつもりなのか?)

剛力番長は、確かに『正義』のためなら何でも行ってきた。
諸悪の根源はすべて叩きつぶし、笑顔と共にその『正義』を行使してきた。
しかし、彼女は、人を殺したいと思ったことなどなかった。
たとえ悪人であっても、人を殺すことは正義ではない。
邪魔をする人間には、自分の『正義』を分からせてやればいいだけだ。そう思ってきた。

だから、考えたこともなかった。
生きているだけで、『悪』である人間がいるなんて。

本当に、彼の言った通りだとしたらどうだろう。
人を殺して回るような人間は、『悪』だ。
それは今更問わずとも分かっている。正義の名のもとに粛清しなければならない。
そして、その人間に加担するものも悪。当然だ。
……だとすれば。
自分が、その『悪』を生き返らせてしまったら。
それは、自分が『悪』だと言えるのではないだろうか?

悪と善を判別して生き返らせてもらえばいい?
そんなことができるのか?
人のよさそうな外見でも、『悪』を振るうものは数多くいる。
分かるはずがない。

―――そんな、私は―――
ただ、正義のために。
正義のために、人を殺して、生き返らせようとして―――

彼女の思考は、そこまでで。
剛力番長は、糸の切れた人形のように―――意識を失った。


697代理投下:2009/05/04(月) 15:29:42 ID:Gj5Xn5KA


「……どうしよう……この子……」
アルフォンス・エルリックは、こんこんと眠る少女の前で途方に暮れていた。
自分が先ほど、錬金術で吹っ飛ばしてしまった少女―――剛力番長である。

「……困ったなあ……あの人はどこかに行っちゃったし……」
少女が、男に武器を振るう。
それを見て見ぬふりをできるほど、アルは冷血ではなかった。
少女は殺し合いに乗り、男は乗っていないのか。
二人とも乗っており、少女の方が有利であっただけか。
二人とも殺し合いにのっておらず、ただ誤解が生じただけなのか。
アルにはそこまでは分からない、だが、少なくとも身に危険が及んでいる方を助けよう。
そう判断したアルは―――地面にその両手を押し付け、土の拳を錬成し、少女の体を吹き飛ばした。
もちろん、殺さない程度に多少の加減はして。

「……」
今見た状況からして。
この子は、少なからず危険人物であることは確かだろう。
先に考えたように誤解が誤解を呼んであんなことになってしまったとも考えられるが―――そうだとしても、彼女は刃物を人に向けて平然と振るえることには間違いない。
「……だからと言って、放っておくのもなあ……」
ウィンリイや兄と言った知り合いがいるなら、一刻も早く見つけたい。
その気持ちはある。正直、今すぐにでも走り出したい。
しかし、この子を置き去りにしていいのか。

この子を置いて、あとで死なれてしまったら名前も知らないとはいえさすがに心が痛む。殺し合いに乗っているかも定かではないのだから。
……それに、この子が危険人物であるなら、尚更この場に残してはおけない。
目覚めた後再び別の人間を襲い、殺そうとするかもしれない。
そしてそれが―――ウィンリイかもしれないのだ。
兄や自分なら少女に対処できるだろうが、彼女のような一般人には無理だろう。
「……うーん……」
そして、アルの出した結論は。

ちょい、と少女に触る。
つんつんとつついてみる。
……完全に眠っているようだ。いつになったら目覚めるのかも分からない。
「……よいしょ、と」
そしてそれを確認し、アルは―――自らの鎧の頭部を外し、その少女を中に『入れた』。
大人でも入るサイズだ、小柄な少女など造作もない。
そして少女から少し離れた所にあるドラゴンころし(その名前をアルは知らないが)を回収する。
「…………うーん……僕には必要ないかもしれないけど……預かっておいた方がいいよね」
鎧のアルにとって、その剣の重量など全く関係ない。
ただ、ここに残しておくと悪人に利用されるかもしれない、そう思ったが故に、それを拾って自らのバックに詰めた。
「……よし、と。……早く皆を探さないと」
不安要素は、ある。
鎧の中の少女が、暴れ出す可能性だ。
アルの生命は、鎧の中にある兄の地で書かれた錬成陣によって保たれている。もし彼女がそのことに気づき、刻印を破壊したりすれば、アルは死んでしまう。

―――まあ、錬金術師じゃなさそうだし、そこまでの心配はないかな。

いくら彼女が強者とはいえ、武器がなく身動きも取れなければそう危険はないはずだ。
そう信じて、アルフォンスは再び歩き出す。
―――いるかもしれない仲間を探すために。
自分が抱えているものが、爆弾なのか宝箱なのかまだ分からずに。


698代理投下:2009/05/04(月) 15:32:23 ID:Gj5Xn5KA
【I-6/道路/1日目 黎明】
【アルフォンス・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:健康 焦り(中)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み、武器ではない)
[思考・備考]
基本:兄や知り合いを探し、このゲームに立ち向かう。
0:仲間を探しながらひとまずこの子を保護する
1:ウィンリィを探す。
2:できれば「1st」も探してみる。
※ウィンリィを探しているが、いない可能性も考えています。


【白雪宮拳(剛力番長)@金剛番長】
[状態]:精神的疲労(中) 、睡眠中、アルの鎧の中
[装備]:ドラゴンころし@ベルセルク
[道具]:支給品一式、不明支給品0〜1
[思考・備考]
0:(睡眠中)
1:全員を救うため、キンブリー以外を殺す。
2:強者を優先して殺す。
3:ヒロ(名前は知らない)に対して罪悪感
4:私は……悪……?でも……
※キンブリーがここから脱出すれば全員を蘇生できると信じています。
※錬金術について知識を得ました。
※身体能力の低下に気がついています。
※主催者に逆らえば、バケモノに姿を変えられると信じています。
※参戦時期は金剛番長と出会う直前です
699創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 15:50:20 ID:3zQ/aEI7

ところでカノンは日独ハーフじゃなかったっけ
700 ◆H4jd5a/JUc :2009/05/04(月) 16:24:56 ID:AvffmMH+
>>699
うわ、そうだ。
根本的に勘違いしてました。
周囲含めて直しときます。
701創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 16:48:14 ID:SkUIVKuP
投下乙ですー
カノンも剛力も、揺れてるなあ……
アルフォンスも爆弾を抱えたようなものだし、不穏だー
702創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 19:08:31 ID:Gj5Xn5KA
自分の覚悟を揺さぶられて、各々揺れてますな。
剛力番長はまだアルと合流したからマシかもだけど、1人で悶々とするカノンがヤバそうだ…
乙でした!
703創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 19:20:27 ID:05E7ubhr
投下乙です
正義や悪という言葉に翻弄されるカノンと剛力
そして爆弾になるかもしれない剛力を拾うアル
カノンも剛力も周りを巻き込みそうだw
704創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 20:27:42 ID:PXsDTzll
投下乙
ドラゴンころしで人の肩貫くのは無理じゃね?
705 ◆H4jd5a/JUc :2009/05/04(月) 21:57:10 ID:AvffmMH+
>>704
ベルセルク未把握でどの程度のものか分からなかったのです……
斬撃より打撃に近いのですかね?
706創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 22:24:40 ID:6fwuBSer
200kgは越えてそうな鉄塊だからなぁ
腕が千切れそう
707創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 22:28:23 ID:Gj5Xn5KA
ドラゴンころしはサイズがなんというか…
全長約2メートル、刀身170センチ、厚さ約5センチ、幅は最大部分で約20センチ、重量に至っては120キロ以上で
イメージとしては

斬艦刀(スパロボ・グルンガスト)
バルディッシュ・ザンバーフォーム(リリカルなのは・フェイト)
斬馬刀(るろうに剣心・佐之助)

この辺が近いかな。他にいい例があれば教えて。
肩を貫く=腕から先が落ちることになりかねないかも。
ついでに剣としては確かに切れ味が鈍いのかも。
裸の女が跨ったり、素手で刃の部分に捕まってぶら下がったりしてるから…
そういう意味では打撃に近い。
708 ◆H4jd5a/JUc :2009/05/04(月) 22:32:56 ID:AvffmMH+
なん……だと……?
フェイトのセイバーさんの剣くらいかと勝手に思ってました。リアルに剛力番長しか使えないじゃないかそれ……
該当箇所修正してきます。
709創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 22:44:24 ID:Gy21LB4T
あと本来の持ち主ガッツが使徒(化物)斬りまくったため退魔の力も後天的に付与された。
710創る名無しに見る名無し:2009/05/04(月) 23:53:55 ID:RKGmV239
だよな〜、ドラゴン殺しまともに使えるの元の持ち主のガッツを除けば、剛力番長位だもんな。

参加してない人物を入れれば、ゾロ@ワンピース・神楽@銀魂・ハイジ@うえきの法則+辺りがいけそうな気もするが。
711創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 03:02:12 ID:2v953NB5
一応金剛番長も、持てそうだがあの人はステゴロがよく似合う。
712創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 03:07:55 ID:/JffuAiX
とらや紅煉、ゾッドとかの人外も持てそうかな。アルも一応持ったわけだし。
しかし、なぜか由乃とレガートも持てそうなイメージが浮かんでしまう…w
713創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 03:14:49 ID:TmPC66TO
とら・紅煉……持てるだけで、絶対に使わない連中だな
714創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 11:49:08 ID:BC0pgub9
バトル漫画の人外連中とかは大体持てそうな気はするけどな
まあでも、持てるってだけで、素手とか他の武器で戦った方が強そうな奴ばっかだけどw
715 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/05(火) 22:37:39 ID:NOF3gh2l
仮投下しました。

少々話の展開が強引かなと思いましたので、判断の方をお願いします。
また、そのた指摘や意見の方がありましたらお願いします。
716創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 00:14:53 ID:1XynJdqx
仮投下乙です
他のかたの判断はどうなるかわかりませんが、私はOKかと。
できればプラスじゃない植木がよかったけど、
まああくまで個人的な感情なので。
あと、植木の名前が間違っていると思うので、確認お願いします。
717創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 00:24:24 ID:CeqNfOGD
読んで来ました…が
特に話の流れは強引とかは感じませんでした

ただこの設定のために植木をプラスからにしたのかなあって思うと残念だったなとは思うぐらいですね
718 ◆hqLsjDR84w :2009/05/06(水) 00:25:53 ID:YdMW/Qxq
関東書き手ですよー
719創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 00:27:39 ID:YdMW/Qxq
ごめん、誤爆です。見なかったことにorz
720創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 00:42:25 ID:UtO06ZbT
俺も読んだけど特に問題はないと思うよ
プラスなのが残念だと思う人もいるけどそれはそれで悪くないと思うよ

さて、仮投下のが本スレ投下されたら全員一回りするけどみなさんの注目株は?
俺はスパイラル勢と由乃とゴルゴだが?
721創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 00:51:23 ID:bt7Pfbcb
>>715
問題ないと思います。プラスでも、彼の本質は変わらないし
感想はスレに投下の時に

>>719
ラジオ聞いてなきゃ意味わからん誤爆乙……w
722創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 01:42:52 ID:unhMnpQB
植木のためだけにプラスも読まなくちゃいけなくなったわけだな
しかもご丁寧に最終回後からか
巻数少ないとは言え、空気読めよな
723創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 01:47:46 ID:ZrZMxci5
空気

くうき

読みました
724 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:05:08 ID:Rn6RcAJV
725 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:05:55 ID:Rn6RcAJV
深夜の市街地を一人の少女がただ只管に駆ける。
自分が頼れる仲間達を求め、当ても無く……。

「…って、私は何処に向かうつもりなのよ!!」

少女の突っ込みが虚しく木霊する。
自分がどこに向かうのかも決めてなかった事、そしてこの舞台がどんな所であるか確認してなかった事に気付き、デイパックから地図を取り出そうとする。
ガサゴソとディパックを漁ると、まず出て来たのは白紙の名簿。
今は別に気にする必要も無いと思い、地図を探す為に脇にどけようとして思いとどまる。
これが神様を決める戦いの延長だとしたら、そもそも名簿を何故白紙にする必要があるのか?
三次選考でバロウチームとの戦いが終わった今、自分のチーム以外の20人の顔と名前と能力は既に把握済み。

(…あれ、そういや李崩の能力ってなんだっけ?)

訂正、一名の能力以外把握済み。
そんな現状で、名簿を白紙にする意味は?
まず考えられるのは、チーム全員が参加している訳じゃ無い。
……これはどうなんだろうか、確かにあり得るが特に意味のないような。
そうなると、もともと一人しかいないアノンと李崩は強制参加になる上、最悪…

(下手すると、植木チームからの参加って私一人だけ可能性もあり?)

最悪の展開を予想して、森の顔は真っ青になった。
孤立無援で死亡、そんな未来がありありと想像できてしまう。

「い、いいい、いくらなんでもそんな事はありえないよね」

ブルブルと首を横に振り虚勢を張るが、明らかにその声は震えていた。
その予想を覆すべく、何か他の理由が無いか必死で知恵を巡らせる。

(―っ、そうだ、名前)

この殺し合いの説明の時に殺されてしまった人の名前、麻子とミズシロの二つ。
三次選考の中にこの二つの名前と、同じ名前の人物はいなかった。
つまりそれは、一次選考での脱落者もしくはこの殺し合いで新たに参加する事になった能力者がいる、それを気付かせない為に名簿が白紙になっている。
それだ! とばかりに森の顔が綻ぶ。
始めの考察が最悪過ぎた為に、十分に納得できる次の考察を確定事項にしてしまう森。
最も両方とも正しくないのだが、そんな事森が知る由も無かった。

名簿の考察が一段落つくと、ディパックの中を漁り地図を見つけ出す
まずは自分の現在位置を確認する。
自分が居るのはI−6とI−7の境目辺りだろうか、近くにはデパートがある。
726 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:07:03 ID:Rn6RcAJV
「佐野や鈴子ちゃんなら、ここに向かってくるかもしれないよね」

神様を決める戦いに選ばれた中学生、彼らに与えられた異能『変える能力』。
何かを何かに変えるであるのなら、元になる物が必要になるのは当然の事。
最も、中にはヒデヨシの声を似顔絵に変える能力の様に、自前で直に用意できる物もあるが。
だが鈴子のビーズを爆弾に変える能力も、佐野の手ぬぐいを鉄に変える能力もそうはいかない。
後者の場合は民家を何件か漁れば、それなりの量の手ぬぐいを確保できるだろう。
しかし前者であるビーズは、流石に民家にあるとは限らない。
だがデパートならば確実にある。
ビーズや手ぬぐいがそれぞれに支給されているどうか分からない。
なら、デパートの近くに居る自分がある程度確保しておけば、合流した時に皆の戦力もぐっと上がるはず。
そう考えて森は気がついた、そういや自分には何が支給されたんだろう? と。
そう考えてディパックを漁った所、出て来たのは棒状の物体。
武器には見えなくもない……、それなりにリーチがある事から剣の代わりに出来そうだ。
元々殺し合いに乗るつもりのない森にすれば、日本刀が出てくるよりはましであった。
これならばよほど当たり所が悪くないかぎり、相手を殺してしまう事は無いから。

「よしっ、これなら一応私でも戦え……ないよねやっぱり」

相手がただの一般人なら、当たりではないものの外れでもない支給品だろう。
だが、相手が天界人や能力者などの常識を逸した存在では、ただの棒では話にならない。
そこで森は、自分の握っている棒状のものに張り付けてある、一枚の紙に気がついた。
何だろうと思い、手を伸ばそうとして……

「もしかして、そこにいるのは森か?」

声をかけられ振り向くと、そこには自分の探していた人物の一人、植木耕介が立っていた。



「―にしてもまずいなこの果物」

もしゃもしゃと果物らしきものを食べながら歩く少年の名は、植木耕介。
神様を決めるバトルの際、最も成長した人物として空白の才を貰い。
そこに『再会』をかき込み、再会の才を手に入れた少年。

それから約二年後、人間界において繁華街の人間により、人間界の人々の大切な人の記憶が入った、『キューブ』と呼ばれる物が盗まれると言う事件が発生した。
キューブ自体は、自称『犬』である羊のウールの中に封印され、元に戻すには繁華街の唯一絶対の聖地メガサイトと呼ばれる場所へ行く必要があった。
繁華街と言っても、パッと頭に思い浮かぶような繁華街の事ではない。

植木の住む世界、それは人間界・天界・地獄界からなる三界。
それとは元々は一つであったが、遥か昔に三界とは別の道を辿る事になってしまった、『パラレルワールド』である―繁華街。
この二つの世界で構成されていた。
そのパラレルワールドの繁華街に向かう必要があったのだ。

自分の親友達が次々と自分の記憶を忘れて行く中、ただ一人記憶を奪われなかったのが植木であった。
彼の持つ『再会の才』、それは別れた物を再び繋ぐ強力な“出会いの才能”。
それ故記憶を奪われなかった植木は、植木を新たな主人と定めたウールの導きにより仲間達のキューブを取り返すべく繁華街へ向かう。
727 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:08:38 ID:Rn6RcAJV
繁華街の人口の約3/4は能力者である。
繁華街に着いて直に、ミリーという見も知らずの少女を助ける為に能力者と相対した植木だが、手も足も出なかった。
その場はウールのアシストも有り、何とか逃げる事に成功した。
だが変える能力はおろか、天界力を失い神器を使えなくなった植木は、その能力者の前にあまりにも無力だった。
ある特定の道具に特定の効果を付与する『加える能力』である職能力。
植木は職能力の必要性を痛感し、苦難の末に見事職能力を手にする事が出来た。
その後ハイジやソラ、ナガラといった新しい仲間。
彼らの協力もあり決選の場・メガサイトにおいて、人間界で記憶を奪うように指示した人物・プラスからキューブを奪い返す事が出来た。

だがそこで問題が発生した。
プラスはキューブを初期化してそこに『自分のイメージ』を入れる事で、人間界の人間とって唯一自分自身が『大事な人間』となろうとした。
その為にメガサイトでキューブを解放したのだが、それがいけなった。
キューブは人間界で開放しなければならなかった、メガサイトで開放してしまって人間界に持っていけない。

そんな中、ウールから一つの打開案が出される、それは三界と繁華街を再び一つにする事。
その為には、強力な出会いの才能を持つ植木が、100年間メガサイトで二つの世界を繋ぎ留めなくてはならなかった。
植木の性格を知っている者ならば、その後の結末は簡単に想像できるだろう。
植木はメガサイトに残り、100年の時を過ごし二つの世界を一つにしたのだった。

メガサイトで100年の時を過ごした植木、その姿は年老いて見る影も無い……等と言う事は全くなかった。
メガサイト内では全然老けない、お腹もすかない、だからボーとしていたら100年経ったと言うのは本人の談だ。
さらに言えば、繁華街と人間界では100倍の時間差がある、つまりメガサイトでの100年は繁華街と融合した人間界において、一年の時しか経っていなかったのだ。

人間界の時間で一年後、植木は仲間達と再会する――筈だった。
だが植木が人間界に戻った直後、彼はこの殺し合いに連れてこられてしまう。

ならばこの植木と言う少年、元の場所に戻る為殺し合いに乗るような人物であろうか?
それはありえない。
道路に飛び出した子供を助けて車に轢かれ、悪質な借金とりに絡まれた少女を身を呈して助ける。
自分の身を呈して人を助ける。
幼い頃ビルの屋上のヘリから足を滑らせた時、墜落死しかけた自分を救ってくれた恩師がいた。
その恩師の様に、他人の為に身を投げだせる人でありたいと。
そう志して行動してきた、そんな彼が殺し合いに乗る筈も無い。
ましてや自分の仲間達がいるかもしれない現状でだ。
この殺し合いを止め為まずは自分の仲間達を探すべく、人の集まりそうな市街地を進んでいた。

(いくらハイジやソラ達に職能力があるからって、道具を取られてたらやばいだろうし。
 ミリーや今の佐野達は能力自体がねぇし、早く合流しないとあいつらがあぶねぇ。
上手い事、俺みたいに変な力を持ったアイテムが支給されてればいいんだが)

植木の職能力、モップに『掴』を加える能力。
その職能力で使う道具は、普段右手の道具紋の中に納められているのだが、その道具紋の中にモップは無かった。
そんこで植木が初めに目指したのはデパート、自分の職能力に必要なモップ。
他に仲間が必要とするであろう、洗濯機、砂時計、ハンバーガー等を手に入れるためだ。
偶然にも、森と同じ様に仲間が必要とする物を求め、デパートにむかっていた。
728 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:12:54 ID:Rn6RcAJV
支給品の一つである果物を食べながらデパートに向かう途中、前方にどこか見た事ある様な後姿を見つけた。
植木は即座に声をかけた。

「もしかして、そこにいるのは森か?」
「植…木?」

その声に反応する様に目の前の人物が振り返る。
どこか戸惑った様な声で返事をした少女、それは植木が予想したとおり森あいであった。
だが、

(…あれ?)

その森の姿に植木は微妙な違和感を感じた、何というかこう何か微妙に小さいと言うか幼いと言うか。
実際に森は、植木がメガサイトで別れた時から約二年前の時間軸から連れてこられている、少々幼く見えるのは当たり前だ。
だが植木にとっては100年ぶりの再会、森の姿が最後に見たものより少々若返っている事に気がつかなくても、誰も責められはしまい。
しかもそんな些細な違和感など、森と無事に会えた安心感と嬉しさにあっと言う間に押し流されていった。

「よかった、無事だった…」
「そんな始まって早々、訳も分からないまま死ねるか!!」

どこか懐かしいやり取りに、植木の表情が綻ぶ。
だが、直に真剣な顔つきに戻る。

「…それは兎も角、大変な事になっちゃったね。やっぱ神様を決める戦いと何か関係があるのかな?」
「ああ三年前のアレか、……けどな、犬丸がこんな事をするとは思えんが」
「え、三年…前? 犬丸?」
「ん? 三年前だろ、俺達今高一であん時は中一だったから、うん三年前だ。それに新しい神様決める時は、全員一致で犬丸だったじゃねえか」

植木からすれば正確には百二年前なのだが、それはこの際置いておく。
植木は話を続ける、すぐ傍にいる森の表情がどんどん険しくなっていくのに気付かずに。

「いくら佐野や鈴子でももう能力がねぇからかなり危険な筈だ。早く合流しねぇと」
「あんたは…神器があるか」
「神器? 神器はアノンとの決戦で天界力を殆ど使いきっちまったから、使えねぇぞ?」
「じゃあ、あんたも能力なしなんじゃ……」
「いや俺には職能力がある、森もメガサイトで見たろ」

植木と森の間には、連れてこられた時間軸の違いによる時間差がある。
故に森が知らない事を、植木は森も知っている様に語る。
だがそれは仕方のない事、植木の認識ではその事も森は知っているのだから。
そして今その認識の違いから、隣にいる森に自分がどれ程不信感を増大させているか植木は気が付いていない。

「佐野や鈴子、ヒデヨシ以外にも、ハイジやソラ、ナガラが居ればきっと力を貸してくれる。……プラスは微妙だな」
「誰よ……それ……」
「おいおいどうしたんだよ森、ハイジやソラ達ならお前もメガサイトであって……森?」

そこでようやく植木は気がついた、森がどんな顔で自分を見ているのか。
恐怖に怯えながらも明確に敵意の混じった、そんな表情で自分を見ている事に。
その森の口から、震える口調で紡がれる

「あんた……誰よ?」
729 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:16:43 ID:Rn6RcAJV


「もしかして、そこにいるのは森か?」

聞き覚えのあるその声に反応して、森はとっさに振り返る。
そこに居るのは自分の探していた仲間の一人・植木耕介……だと思うのだが何か違和感がある。
微妙に背が伸びているような、逞しくなっているような、些細だけど見逃せない違和感。

「植…木?」

だから自然と言葉が疑問形になる。
はっきり植木だとは断定できない。
それが森には何となくもどかしい。
しかし

「よかった、無事だった…」
「そんな始まって早々、訳も分からないまま死ねるか!!」

そう言った植木と思われる人物の本当に安心した顔に、とりあえず森は警戒心を和らげる。

「…それは兎も角、大変な事になっちゃったね。やっぱ神様を決める戦いと何か関係があるのかな?」
「ああ三年前のアレか、……けどな、犬丸がこんな事をするとは思えんが」

とりあえず目の前の人物を植木と仮定して、森は自分の考えを聞いて見た。
植木があまり考察に向いてないのは分かっているが、植木自身がどう考えているのかも確かめるついでに尋ねてみた。
だが帰ってきた答えは、完全に森の予想外の物だった。

「え、三年…前? 犬丸?」
「ん? 三年前だろ、俺達今高一であん時は中一だったから、うん三年前だ。それに新しい神様決める時は、全員一致で犬丸だったじゃねえか」

神様を決める戦いが、三年前に終わっている?
そんな馬鹿な……あり得ないわ、私はついさっきまでバロウチームと戦っていたのよ。
いつの間にか終わっていたとしても、三年前だと言う事はあり得ない。
それに私は中一だ、高一じゃ無い。
とりあえず三年前の事は置いておくとしても、新しい神様が犬丸? 全員一致で決まった? 嘘だそんなはずは無い。
確かにコバセンより犬丸の方が神様になった方が良いけど、私はそんなの投票した覚えが無い。

「いくら佐野や鈴子でももう能力がねぇからかなり危険な筈だ。早く合流しねぇと」

三年前かどうかはおいとくとしても、バトルが終わっただから能力はもう使えない。
盲点だ、あの戦いに関係ないのならそれもありなのだろうか。
だがそうすると目の前の植木も……

「あんたは…神器があるか」
「神器? 神器はアノンとの決戦で天界力を殆ど使いきっちまったから、使えねぇぞ?」

そういや、植木には能力とは関係なしに神器が……って、えええぇぇぇぇ!!
なによ神器が使えないって、天界力を使い切った? 何時・どこで?
そもそもいつの間にアノンと戦ってんのよ、バロウチームとの戦いの後から今までの間に、そんな時間なんてなかったはずよ。
あれ? でもだとしたら……
730創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 07:17:51 ID:0EPevEsB

731創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 07:19:43 ID:0EPevEsB

732 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:20:36 ID:Rn6RcAJV
「じゃあ、あんたも能力なしなんじゃ……」
「いや俺には職能力がある、森もメガサイトで見たろ」

職能力・メガサイト…私の知らない単語。
こいつはいったい何の事を言っているの。
わからない、そもそもこいつは本当に植木?
たまたま同じ名字の、そっくりさんとか言うオチじゃないよね?

「佐野や鈴子、ヒデヨシ以外にも、ハイジやソラ、ナガラが居ればきっと力を貸してくれる。……プラスは微妙だな」
「誰よ……それ……」

また私の知らない単語、ううん名前よね。
ハイジやソラ、ナガラって誰よ? あとプラス。
知らない、私そんな人達見た事も会った事も無いよ。
ねぇ、貴方は誰?
貴方は私の知っている植木?
それとも貴方がモリって私のそっくりさんと、勘違いしているだけなの?

小さな疑念が積み重なり、目の前の人物を森は植木と認められなくなっていく。
目の前の人物は間違いなく、植木耕介であり目の前人物が言う森は彼女自身である。
だが時間軸の差による、情報の違いから相手の事が他人に思えてしまうのだ。

「おいおいどうしたんだよ森、ハイジやソラ達ならお前もメガサイトであって……森?」

分からない、けど少なくともこいつは植木ではない事は確かだ。
あまりにも言ってる事がめちゃくちゃだし、話がかみ合わない。
もしかして、こいつ能力で姿だけ植木に変えているとか?
さしずめ、自分の姿を他人に変える能力かしら。
前の戦いでは全く役に立ちそうにないけど、今みたいな戦いならある意味かなり脅威よね。
チームを内部崩壊させたり、悪評ばら撒いたりと、色々やりようがあるわ。
そっか、じゃあ神器が使えないと言う話は、自分が植木ではない事をばれない様にする作り話。
天界人じゃ無かったら神器が使えないから、戦闘で神器を使わなかったら凄く怪しくなる。
けど、前もって使えないと理由を添えて離しておけば、それほど怪しまれなくなる。
つまり、こいつは植木になり済まして、何かする気でいるんだ。
戦闘力自体は無いんだろうけど、仲間と思って油断している所を後ろからナイフとかで刺せば、弱くても佐野や鈴子ちゃん達を十分に殺せる。

……させない、そんな事絶対に。

もし森がもっと落ち着いていたなら、いや殺し合いと言う状況でなければ、もっとしっかり話し合う事で、目の前の植木の疑惑を晴らす事が出来ただろう。

だが、下手に特殊な状況下に離れしてしまっていた事が。
互いの持つ情報に齟齬があった事が。
そこから目の前の人物に不信感を抱いてしまった事が。
間違った考察をしていた事が。
森に仲間を守る為に体を張る勇気があった事が。

幾つもの要因が重なり、二人の道は違えてしまった。

「あんた……誰よ?」
733 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 07:22:17 ID:Rn6RcAJV


「何言ってんだよ森、俺は植木だ」
「嘘だ!! あんたは植木じゃない、能力か何かで植木に化けてるだけでしょ、私は騙されないわ」

そう言い放ち、森は手に持っていた棒状の物を構える。
植木の方はただただ困惑した様に

「俺が植木じゃ無いってどういう事だよ、訳がわからんぞ」
「とぼけないでっ!!」

森は声を張り上げて指摘していく、目の前の植木が矛盾点を。
自分がまだ中一な事。
神様に犬丸を選んだ覚えが無い事。
アノンと植木の決戦なんて無かった。
メガサイトや職能力なんて知らない。
ソラやハイジ、ナガラにプラス何て人物は会った事すらないと。

その指摘には今度は植木の方が困惑する。
今指摘された事全部、森も知っている事である。
メガサイトは時間の流れが違うから、森がまだ中三だと言うのなら納得は出来る。
だが、幾らなんでも学年が下がる何て自体はあり得ない。
他の事にしたって、その場に森も居たのだから知らない筈は無いのだ。
森は実は物忘れがひどい……と言う訳ではないのは、森の鬼気迫る表情から分かる。
本当に森は知らないのだ。
だから植木はどう返答したらいいのか分からなかった。

果たして返答に困った植木を、森はどうとらえたのか。
少なくとも、今弁解出来なかった事によって、和解の道が閉ざされたのは確かだった。

「とにかく、あんたが植木の格好で悪さする前に、あたしが倒してやるから覚悟しなさい」

森が目の前の偽物に向かって棒状の物で殴りかかる。
狙いは頭。
頭は打ち所が悪ければ相手を殺してしまいかねない。
だが剣の心得のない森からすれば下手に頭以外の所を狙うよりも、気絶させやすい事は確かだ。
幸い近くにはデパートもある、簡単な治療用の薬や道具はすぐに手に入るだろう。
とりあえず、まずは相手を気絶させて身動きをとれなくする。
そしてデパートに連れて行って、治療した後にどこかに目立たない所に閉じ込める。
そうすれば、偽物が悪さをする事も殺される事も無い。
そう思い、森はそれをふるった。

一方植木は、先程に森の指摘に答えが出せぬままだった。
だが、理由は分からないが森と自分の間には、何か致命的な齟齬があるのを感じ取っていた。
そのせいで、自分は誤解されているのだと。
とりあえず森を何とか落ち着かせて、誤解を解こう。
そう思いながら、迫りくる棒状の物をよけようとした。
森を抑え込むために、ギリギリで。

ここで二人にとって共通の誤算が発生した。
森の振るう棒は、ただの棒では無かった事。
青雲剣、かつて魔家四将の一人、魔礼青が使用していた宝貝。
その能力は複数の斬撃を発生させる事。

ギリギリでかわすつもりであった植木は、斬撃が分裂した事に虚を突かれ一瞬回避が遅れた。
そして剣を途中で止める等と言う芸当ができるはずも無く、悲鳴を上げ何とか棒を植木から逸らせようとする森。
だが植木はその斬撃をかわし切れずに――

次の瞬間、宙に大量の紅が舞った。
734創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 07:25:16 ID:0EPevEsB

735 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 08:50:23 ID:Rn6RcAJV


寒い。
植木が感じたのは、まるで体中の熱が奪われていくような、そんな寒さだった。
傷口からはとめどなく血が噴き出し、目の前の森を赤く染める。
目が霞み、体中の力が抜けていく。

(やべぇな)

森は顔を真っ青にしながら、カチカチと歯を鳴らしながら震える。
何で? ただの棒じゃ無かったの? 等、聞き逃してしてしまいそうな小さな声で、ブツブツと呟いている。
きっと、支給品の効果を確認してなかったのだろうと、植木はひどく落ち着いて考えていた。
森が人を殺して平然としていられる性格でない事を、植木は知っている。
もしこのままにしておけば、ショックで混乱したまま、この殺し合いの舞台を彷徨いかねない。

「森……俺の…事は気…にするな。……大丈…夫……死には……しな……い」

だから植木は森に微笑みかける、残っている力を振り絞って。
落ち着く様に、安心する様に、自分は大丈夫だと言う確信持ちながら。
次に目を開けた時にも森はまだそこにいて、今度こそ誤解を解こうと。
そう願いながら、植木の意識は深い深い闇の中に落ち、心臓はその鼓動を止めた。
植木は死ぬその瞬間まで、自分より他人の事を優先した。

【植木耕介@うえきの法則 死亡確認】


熱い。
熱くて赤い何かが私の身を濡らしている。
この赤い液体は何? って、そんなの考えるまでも無い。
現実をしっかり見ろ、私の身に降りかかっているのは――血だ。
誰の? 目の前の植木の偽物のだ。
何で? 私の振るった棒から出た斬撃の一部が、相手の動脈を切り裂いたから。
治療は? って無駄かぁ、こんなにドバドバ血が溢れたんじゃねぇ、医療器具も無いんじゃお手上げだぁ。
つまりあなたは――そう、私は……人殺しだ。

ガチガチガチガチ
森には自分の歯が鳴る音がやけに大きく聞こえていた。
殺すつもりは無かった、そんな言葉はもはや言い訳にしかならないだろう。
手から滑り落ちた棒―青雲剣に目を向ける。

「何で? ただの棒じゃ無かったの?」

そんな事を問いかけても、返事は返ってくる事は無い。

「森……」

名前が呼ばれる、今にも消えてしまいそうな声で。
植木の偽物が自分を見つめている、血の気の失せた真っ青な顔で。
これから彼が発するであろう言葉に、森は恐怖する。
彼が断末魔に残すのは、恨みの言葉か憎しみの言葉か。
だが聞こえて来たのはどちらでも無かった。

「俺の…事は気…にするな。……大丈…夫……死には……しな……い」

そして微笑む、いつも自分を安心させる植木の笑顔で。


だからこそ、森の心を深く深く抉る。

736 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 08:51:42 ID:Rn6RcAJV
何時も何時も自分の事より他人を優先する、そんな植木の笑顔がそこにはあった。
森は戦慄と共に気が付く、もしかしたら自分は取り返しのつかない事をしてしまったのではないか。
確かにこの男の話す事は信じられない事が多すぎる、だがもっと落ち着いてしっかり話し合えば納得した答えが出たのかもしれない。
そしたらこいつは本当に植木なのかもしれない。
だって、

自分が死ぬかもしれないのに、他人を優先して笑える大馬鹿なんて……植木以外居ないじゃ無いか。


「いやあああぁぁぁぁぁ!?」

森はディパックをひったくる様に掴むと、脇目を振らずその場から駆け出した。
植木を殺したかもしれないと言う恐怖に駆られ、今はただ一秒でも早くこの場から立ち去りたくて。
自分がどこに向かっているかもわからないまま、ただただ我武者羅に。

【I-7 北西/市街地/1日目 深夜】
【森あい@うえきの法則】
[状態]:健康 混乱 血まみれ
[装備]:血濡れの眼鏡(頭に乗っています)
[道具]:支給品一式、不明支給品0~1
[思考・備考]
基本:植木チームのみんなを探し、この戦いを止める。
0:私……植木を殺しちゃった!?
1:とにかくこの場から去りたい。
2:とりあえずみんなを探す。
3:できれば「1st」も探してみる。
4:能力を使わない(というより使えない)。
5:なんで戦い終わってるんだろ……?
※第15巻、バロウチームに勝利した直後からの参戦です。その為、他の植木チームのみんなも一緒に来ていると思っています。
※この殺し合い=自分達の戦いと考えています。
※デウス=自分達の世界にいた神様の名前と思っています。
※植木から聞いた話を、もしかしたら本当かもしれないと思いました。
737創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 08:52:15 ID:0EPevEsB
支援。
738 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 08:53:50 ID:Rn6RcAJV


森が立ち去ってから数分後。

血溜まりの中に倒れ伏す少年。
彼の体は確実に生命活動を停止していた。
だがいかな奇跡か、その心臓は再び生命活動を開始した。

【植木耕介@うえきの法則 蘇生確認】

「すげぇな、本当に生き返った……」

植木が蘇生した理由、それは彼が食べた支給品・ヨミヨミの実の効果によるものである。
ヨミヨミの実、それは死後に一度だけ復活を約束された悪魔の実である。
そのヨミヨミの実の力で、植木は蘇生したのだ。
最も、その実の能力も制限により首輪が爆発した場合と、首を切断された場合には効果を発揮しない様にされていたが。
だからあの時、植木の首が切断されていたなら、植木はそのまま死んでいただろう。
幸い、青雲剣の斬撃は首を切断するまでには至らなかった。

そもそもヨミヨミの実は、残機が一つ増えるだけで何か特殊な力を得る事もなく、カナヅチになると言う変わった実だ。
普通ならあまり食べたくは無いが、植木は迷わずに食した。

植木は自分の性格をよく分かっている。

『何が他人の為だ、お前の身勝手な考え、他人に押し付けるな!!』
『死ぬな!! あんたの考えてるコトくらい……見え見えなんだから…!!』
『いつもいつも…自分一人で何とかしようとするな!!』
『みんなが助かればそれでいいとかそんなの…いい加減にしろバカヤローーー!!』
『一人で駄目なら私だっている!! みんなだっている!! あんたはひとりじゃない!!』


『だから…だから消えないでよ…』

かつて植木が森に言われた台詞、それらが植木の性格を物語っている。
自分が仲間の命を守る為なら、どんな無茶だって平気な事を。
どんなに止められても、それを聞かない事を。
そして、それが直せと言われても直らない事を。

その結果仲間を悲しませる事になる事も。

だが、それでも植木は無茶をする事を止めはしないだろう。
何よりも仲間を守りたいから。
それ故、無茶をして死んだとしても一度だけ生き返れるこの実は、植木にとって当たりだった。
例え代償に一生カナヅチになっても、そんな事は些細な事なのだ。

首の傷はとりあえず塞がってはいた、蘇生した時に一緒に塞がったのだろうか?
だが、傷のあった辺りが激しく痛む事から、完全に治った訳ではない事を物語る。
739 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 08:54:47 ID:Rn6RcAJV
辺りを見回すが森はいない。
おそらくこの場を立ち去ってしまったのだろう。
森が持っていた支給品が落ちている。
自分の身を守れる武器を放り出しているから、おそらく酷く混乱しているのだろう。
すぐに追いかけねば。
幸い方向だけは、血で出来た足跡のおかげで分かる。
もっとも、途中で方向転嫁されればおしまいだが。

植木は青雲剣を拾いながら立ち上がり、そのまま駆け出そうとする。
だが体はふらつき力は入らず、思うように歩く事さえままならない。
それもその筈、首の傷は塞がりはしたが、失われた血は戻っていないのだ。
悪魔の実の力故か、意識はあるものの本来なら絶対安静なのだ。
走る何てもってのほかだ。

「……くそっ、血が足りねぇ」

それでも植木は、青雲剣を杖の代わりにして進む。
今にも倒れそうな足取りで、ゆっくりとだが一歩ずつ。
だがその足取りは、確実に森が去った方向に向かっていた。

【I-6 北東/市街地/1日目 深夜】
【植木耕介@うえきの法則】
[状態]:極めて重度の貧血、カナズチ化 、首に大ダメージ
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品0~1、青雲剣
[思考・備考]
基本:佐野やハイジ達の仲間と共にこの戦いを止める。
1:森を追いかける。
2:血が足りねぇ。
3:森と話が合わない、何でだ?
4:モップが欲しい。
※+第5巻、メガサイトから戻って来た直後から参戦です。

【青雲剣@封神演義】
魔家四将の一人、魔礼青が使用する宝貝。
複数の斬撃を発生させる魔剣。

【ヨミヨミの実@ワンピース】
悪魔の実の一つ、一度死んだ後に生き返る事が約束されている。ただし制限の為、首輪の爆発で死んだ場合と、首を切断した場合は効果が無い。原作ではブルックがその能力者。

740 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 08:56:33 ID:Rn6RcAJV
投下終了。
思ったよりさるさんが早く解除されたので良かったです。

感想や指摘の方があればお願いします。
741 ◆Nfn0xgOvQ2 :2009/05/06(水) 10:15:40 ID:Rn6RcAJV
タイトル入れるのと、名前の誤字の修正忘れてた。
タイトルは「出会って別れて」です。
あと、名前の誤字はWikiに収録されたあと修正します。
742創る名無しに見る名無し:2009/05/06(水) 11:07:43 ID:ZrZMxci5
kakiko
743創る名無しに見る名無し:2009/05/07(木) 07:11:42 ID:+GqKVuDl
>>712
数百キロある兵器を扱うミカエルの眼2名は問題ないな
レガートは十トン近い巨大鉄球持ってるから全く問題ならん
台風もレガートと五分だしパニッシャー片腕持ったから大丈夫
兄貴の方は言うまでもないか
・・・ホーン・フリークお前はダメかもしれん・・・
744創る名無しに見る名無し
もう一度次スレを張っておく

ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241560946/


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\                           / ̄ ̄
 お  届  オ   'l                          . |  そ
 い  .く  .レ   .'|     ヽ,,.;, ...ii;;..,,.ヽ|ヽ|∨ノl∧ ,, ,,,/;     |  .れ
 て  .と  の    .|   ;;; ;,.,. ヾヾ||:::i;;ヽiyリlll;;ii.;ヽli;,,/;;/ハ /;,   .|  な
 お  こ  剣    ヽ_,,ヽlllゞ"l;,,,ll〆ヾl;lll"::: ii;i;;i::/ハ:llハ;ii;;/ハ    .|  ら
 き  ろ  が   _ミミヽllミ"';;;''lll i;;,ミ》lll l l>;;ゝl;,,ii,,ll;iii.ヽl/;;;;,/l /l/\  _
 て  に     .ヽーヽllミミミミii;;; i;;;巛l lヽ∨lllllll/ハll;iii;ハ:ii; ヾl/ii;i|||li  //
 .ぇ       >=ll"ll;;,,,l,,ソミミll》》iiii::ii:llll/"l/l lll;;,ヽハヾlll":::ヽl//llllレ'';"
____  / .-;;ヽミllll;;ミミミll《<ミiiiii iii l;ヽii:::::iiii:::lllllllllll::i ii/ii::iii iiii lllll彡i/
     \l  ._,,:ll;,,;;,ミiiミミlll;;; ヽlllll>》ll》llll::lll"i iii"lllハ,;iii;;;iii;iii,,i,ii;;iii"lll;;iレ;
         \ii\;;;,,,,,ヾヽllll; "### ;;iii;;ll; ヾ;;;;; ; ii lllll i lll/ノl 'ii/l;ii/ノ"/
         ∠lllミミllミ"ヽi;;..;.ヽlヽlllll;, ;;llllll ii 'illl;.;lll ;llll i lll ノl;;ノ /l/i..ノr/''"
         <;;;...ゝlミミミ,,;;;lll;;;...ミlllillillillゝ:ヾll;;lヽliili ll.,.ilill; ;ll ;lllll";;ii"//;iノ7
         巛ミ;;ヾllミミミiiミミミ;:"''"'''"/ll/iiiiiiiiヽll::iiヽiiiレ"llll'';;llll::ノii彡ミ
         」ミミミ巛ミiii;;;;::,::    //i////;::;::i/iiiii:ii:::::lllll;;;iii::ヽ"'ミ彡
         丶ミ,;、ミミミミミミiiiミ>   / ||/ ./ii///iiハ,ヽii|ヽiiYiiii|,ヽゞ ヘ
         <ミ|'トヽ:::,,,ミミi:i:i;     |レ l/l |//|  | |iil liil i .iiii  l|iYヽ
ヽ         .>.Kニヽヽミiiiミ      i|  ll リl .l : | ll/ |リ  |i| . |ll
:::::ヽ       く l : rー).lミ   <巛ミミ=::,l,,,,l i  ;j ii リ  / レ,;;l|li>
::彡ヽ       'liiヽヽ-;.ノミ    <  ””'''##ミミミ;;;; .リ /彡彡》ゞ'';"
 ::彡ヽ      jiiiiii::. く :::    "'::::.,,,,,,,,;;-- ヽ ミ  /r'''::6::'';i"i
::::   ヽ    /;/ハ/'l, l::::          :: /  :  l' "''''''-''"l
  //iiillllliii:..:iiil/   : ''"|:: ::...            :  |      i
::/llii::iiiilliiiiiiii::ill/   ::  ::              .::  .|    .:'
lllllliiii:::iiiiiillliiii::iil(      :            ::: ::  l    /
llliiiii:::iiillllliiii::iiiillヽ:::     :           ヽ-、  ,;.   .;''ヽ、,.;;-::,,、
lliiii:::iiiiiiillllll::iiiiiiiiillヽ::  :::    :..,            ."''''"  ./'lli::::iiiiiヾiillii:::iiiiilliiii
lliii::::iiiiilllllllll::iiiiiiiiiill'l,   ::   :::\     ー-r―--ーr' /lllliii::iiiillllliii::iiilllliii:::il
llliii::::iiiiiiilllllll:::iiiiiiiiill:l::  ::   ::::::ヽ.      ""''''''''"" /lllllliii::iiiillllliii::iilllliiiii:::ii
:::lllliii:::::iiiiiiillll::::iiiiiiiiil::\::::::::   .::::..::\    "'----'''" ノ::lllii::::iiilliilliiii::::iiilllllliii:::i:
:::::llll:::iiiiiiiiiiiiiill::iiiiiiiiiiiiiiill\::::  :::::: :::丶:...,,,_________,,...;' lllii:::iiiiiiiilllliiiii:::iiillliiiii:::::
:::illlll::iiiiiiiiiiiilllllll::iiiiiiiiiiiiiillll:\   :::::: :.:.:.:::::::;;;;;;;;;;::.:.:.:' llliiiii::::iiiiillllllliiiii::llllliiiiiiiiii::::