昔書いた小説のリライト
どれほど成長したかと書き直し、ついでにどこかのスレに投下しようと思いました
ところが、かなり長くなったので、新たにスレを立て投下する次第
皆様が読み、何かを感じてくれればコレ幸い
それでは投下いたします
まずはプロローグに当たる零話から一話
零を含め、全十四話構成でございます
「そろそろだね…」
四月の下旬。
親戚に借りてるためにでかい声では言えないが、ボロくて安いアパート。
その一室で、彼女──卯月 桜子は言った。
少女は言って、返事を聞く前に古く隙間風の吹き込みそうな窓に目を向ける。
前の住人が煙草を吸っていたのだろう、ヤニで茶色く染まった壁。
そして、その壁には似合わない、真新しい時計の規則正しい音が、俺たちの限られた時間を急かす。
「そうだな……」
俺は気のない返事をし、つられて窓を眺めた。
窓には裏庭に植えられた遅咲きの柳桜が風に吹かれはらはらと散っているのが映っていた。
部屋から漏れる蛍光灯の明かりと、月光を受けた色濃い花びらが、風に煽られて流れる向きを変える。
その様子をなにを言うでもなく見届けながら、彼女は口を開いた。
「ごめんね…私達が居るせいで彼女と一緒に居られる時間が少なくて…」
俺は、少しムッとして彼女のまだ流れる桜の花びらから目を離していない横顔を睨んだ。
その瞳には、濃いピンクの桜が映っていて、思わず息を呑むほどには綺麗だった。
╋第零話━━ 『カレンダー』
「あはは、また君はそんなことないって言うよね?」
「当たり前だろ?」
急に振り返りこっちを見つめる顔が眩しくて。
痛くて。
俺は思わず目を逸らし、苦いものを吐き出すように続けた。
「俺は、アイツが好きだ。けど、お前たちだって――」
「じゃあ、私とキスが……できる?」
彼女は、俺を試すように笑いながら尋ねる。
その笑顔はすでに答えを知り、それでも敢えて聞く顔だった。
薄く見える瞳はどこまでも続く深い穴に見えて、その穴に吸い込まれ自分の心まで読み取られてしまうような、不思議な倒錯に包まれる。
俺は返事ができず、日焼けた畳と向かい合った。
「ふふっ、出来ないよね? わかってるよ、君が好きなのはあの子だけだもん」
「……すまん」
彼女の想いを知る故に、なにも答えられない俺は、ただ一言謝った。
「えへへ、それにあの子は全部受け止めて欲しいって言ったけど、その意味もわかってる?」
「お前は、全部わかって言っているんだろう?」
彼女が一瞬悲しそうな顔をする。
けれど、以前、別れる時は笑顔と決めていると語った彼女は、すぐに笑顔に戻った。
「教えてあげませんっ! 来年会うときまでに理解しといてね? ほら、もう時間……」
時計は無情に12時1分前を示していた。
彼女と共に居られる時間はもう秒読み段階となっている。
悲しくないわけなんかないのに、彼女は健気に満面の笑みを浮かべ、精一杯の元気を振り絞るように別れの言葉を紡ぎ始めた。
その様子は、まるで引きすぎた弓のように、キリキリと痛々しさがにじみ出している。
「じゃねっ! この一ヶ月、楽しかったよ? ……さようなら」
「さよ――」
最後の言葉を聴く前に彼女は目を瞑る。
もう、声が届かないことを俺は知っていた。
一瞬の沈黙。
一秒にも満たないその時間は、無限大に引き延ばされたように、俺を焦らす。
炎の舌のように、少しずつ楽しむように残酷に心を焦がす。
「……サヨナラは、出来たの?」
そっと目を開けた彼女は、先ほどとは打って変わった口調で尋ねてきた。
いや、口調だけではない。声質そのものが、言葉が持つ意味がそのものが、変わっていた。
まるでわざと演じているかのように声のトーンは低く、一挙一足は倦怠感溢れ、そのことを隠そうともしない。
先ほどの彼女の影は微塵に消えていた。そう、跡形もなく。
「自分の目見りゃわかるだろ?」
まだあっけない別れの衝撃に立ち直ってないからだろうか?
俺は少しぞんざいに返事を返して、少女から顔を逸らす。
意地悪をするつもりではなく、ただ衝動に駆られてのことだ。
「……そうね。君にそんな甲斐性は期待しない」
あまり詮索しない性質の”今の彼女”は涙をぬぐってから答え、大きなあくびと伸びをした。
数秒前の彼女からは想像に難い仕草だ。
それが別れを明確に伝えているようで、いつものことだと理解しながらも少し悲しかった。
今の彼女は先ほどまで、俺の隣で柳桜を眺めていた彼女ではないのだ。
彼女は──
「……疲れた」
悲しみとは別の涙を目に溜めた彼女は、一言で俺の思考を遮るとさっきまで漂っていた雰囲気と余韻を打ち壊す。
そのまま、怠惰を振りまきながら周囲を睥睨し、やがて視線は部屋の隅にある布団にターゲットを絞った。
しばらくは、何を考えているのか図りかねる表情でしばし標的を見つめる。
まるで虚空になにかを見出すような視線のまま、唐突に俺へと告げた。
「……眠い」
「ハァ!? あっちょっまった! 俺の布団で寝るな! 俺が寝れないだろっ? だぁーもうっ皐月っ! 部屋に帰れッ! カ〜エ〜レ〜!」
ぎゃーぎゃー帰れと騒ぐ俺の制止を振り切り、万年寝ぼけ娘は勝手気ままに俺の煎餅布団を占領完了。
グルグルと布団を体に巻きつけていく。
なんだってこの女は、こうも睡眠に対して貪欲であることか。
「──ぐぅ」
「はやいっ!」
体が布団に収容されてからわずか2秒で規則正しい可愛い寝息が聞こえ始めた。
まずい。
残念ながら住み始めてひと月も経たない俺の部屋には、毛布や布団の類など気の利くアイテムはたったの一枚きりだ。
ただ、悲しいかな、あまりに薄いその一枚は、布団と共に皐月の体を包んでいた。
「……ちっくしょ。どうしたもんか」
今は深夜の12時。
こんな時間に毛布を借りに行くのは、いささか非常識というものだ。
かといって何もなしに寝るには、ついさっき5月になったとはいえ、まだまだ厳しいものがある。
「……廊下で寝よう」
孔明でもない俺の脳みそは、全てを解決する名案をひらめくこともなく、言葉だけがポツリと溢れる。
その一言に、まだ寝てなかったのか皐月が焦点のぼんやりとして瞳でこちらを見やり
……ポンポンっと自分の脇の空間を叩いて誇示した。
「出来るかっ!」
間髪居れずにNOと突き返す。
きっと俺の顔は、恐らく熟れ過ぎたイチゴのように、そりゃあ真っ赤に染まっているだろう。
それが皐月にはおかしいのか、小さく笑みを零すと申し訳程度に脇にずれて空間を広げて、視線を合わせる。
そして、そのまま無言でじっと見つめてきた。やばいな、可愛い……。
10 :
.:2009/04/07(火) 00:23:22 ID:v75ouSvp
「……ダメ?」
トドメの追撃。いや、折れるな俺。
凶暴な獣のような本能を、鋼鉄の意思と抗いようのない約束が鎖のように巻きつき、そのまま圧殺する。
彼女の揺れる瞳を見つめ、その様子がいとおしく、だからこそ、心の揺らぎは消えていく。
「私は、君がなんと言おうと退かないよ? ……ねぇ、他に寝るところあるの? あのコは――」
無口な彼女としては限界だろう、無理に明るく言っているような調子で語る皐月。
その言葉を遮るように俺は頭を抱えつつも、手を翳し
「……無駄だ。止めてくれ」
彼女が込める精一杯な言葉を受け取り、それでも、小さな声で返した。
その声は傍から見ればか細くしか聞こえなかっただろう。
だが、彼女は答えに柔らかい笑みを見せて、小さくため息のような動作を取った。
「……強情だね」
「ああ、お前ほどじゃねえけどな」
二人は笑って、互いにあきれ返る。
その暗い空気を吹き飛ばすように、ニコリと笑って返す彼女の姿は、奇妙なほどに卑怯なほどに可愛かった。
12 :
.:2009/04/07(火) 00:25:13 ID:v75ouSvp
これは、不甲斐ない俺と毎月人格の入れ替わる少女との
別れと再会をただ繰り返す
カッコいいアクションも、魔法のような奇跡もない小さな物語
14 :
.:2009/04/07(火) 00:26:34 ID:v75ouSvp
╋第零話━━ 『カレンダー』
- 終 -
――九月某日。
長いようで短かった酒乱と波乱の夏休みは、思う以上にあっけなく幕を閉じた。
金髪を元の色に染め直した彼女と別れを告げて、今は九月。
夏休みが終わったからといって、茹だるような暑さは消えずに残り、まさに呼んで字の如く残暑が包む。
陽炎の揺れるグラウンドには、夏が未だ居座っている様子そのものに思えた。
「四葉よ、どうした?」
そして、今は九月初頭、運動会シーズン真っ盛りな時期と言える。
言い換えれば、我が校の運動会当日だ。
足の速い瞬と、何より今月は長月が居る俺達のクラスは紅組で、つまり紅組は完全な圧勝ムードだった。
「いや、人格が代わると身体能力も変わるんだなぁって……」
ポニーテールが、秋を感じさせない熱風になびく。
脱色を繰り返し、やや痛んだ髪が陽光の照り返しを受け赤く、炎のように広がった。
少女の瞳は真摯に、戦いの結末を追い続ける。
ポニーテールに結んだ長髪と、凛々しい光を宿した真っ直ぐな瞳を持つ少女。
彼女は、運動音痴の皐月や水無月と比べるまでもなく、抜群の運動神経の持ち主だった。
17 :
.:2009/04/07(火) 00:30:42 ID:v75ouSvp
╋第一話━━
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ヽ"ヽ, / .| _,,_;;=,--,"´/
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〃;; 『長月 紅葉』
19 :
.:2009/04/07(火) 00:31:43 ID:v75ouSvp
「それは、確かに不思議に思うかもしれんな」
「だろ?」
言葉と自らの感覚を確かめるように、彼女がしばし虚空を眺める。
人格による身体能力の変異というのは、今までも例があるというから、彼女にも当てはまるのだろう。
当てはまるとすれば、恐らくは彼女の体は限界を超えた、体を壊しながらの運動をしているはずだ。
なぜなら、本来出せない速さで走る分、それは筋肉が無理をしていると言う事になる。
通常、筋肉は身体が壊れない程度の自制をしている。
だが、彼女の無意識はそれを打ち破り、人格設定に忠実なスペックを再現しようとしているのだ。
「だが、私達にとっては当たり前のことなので、説明のしようがないな。すまない」
そういうが、彼女は頭でそれを理解し、滅多なことでは全力を出さないようにしているはずだ。
通常の多重人格との違い、彼女たちの人格は個々が一ヶ月という期間を与えられている。
もし、その長期に渡り、設定通りの身体能力を維持すれば、筋肉は壊死し骨が折れているはずなのだから。
「いや、謝られても仕方ないけどさ」
それだけ会話を交わすと、また二人は眼前で繰り広げられる徒競走に視線を戻した。
結局、体育祭は圧倒的な戦力差で紅組の勝利に終わった。
俺は出場種目の内、1つを除いた全てに置いて敢闘賞。
運動神経の悪さを見せ付けられる、非常に不名誉な結果に終わったが、それなりに楽しむことが出来た。
何より、女子応援団長を務めた長月の学ラン姿を拝むことができたのは、眼福だった。
だが、事件は体育祭ではなくその直後に起きた。
21 :
.:2009/04/07(火) 00:34:34 ID:v75ouSvp
我が校の体育祭は、終了間際にキャンプファイヤーを囲んで、フォークダンスをするのが慣例だった。
校長の長い式辞が終わり、まだ仄かに茜色の残る空の下、キャンプファイヤーに炎が灯る。
カップル達は楽しげに、独り身はここぞと相手を探し、或いは妬みといった様々な思いを乗せつつ、炎は躍る。
「瞬……はどこだ?」
しばしキョロキョロと見渡し、すぐに親友の姿を見つける。
だが、会場の端の方で、火に照らされながら体操座りしている姿を見ると、少々近寄りがたい。
少なくとも、その隣に同じように座る勇気は、俺にはない。
ではもう片方の相方はどうだろうかと、周囲を見渡す。
「おーい、長月やーい」
生徒は視界を覆うように、だが、それでも見つけられないわけじゃない。
人に溢れようと、小さな高校のグランド。
探せばすぐに見つかるはずだ。
「……あれ、長月?」
気が付くと長月はいつの間にか、姿を消していた。
23 :
.:2009/04/07(火) 00:35:47 ID:v75ouSvp
長月の姿を探し、人の多い場所を進む。
フォークダンスといっても自由参加の競技だ。
参加しない生徒は各自応援席に戻っているか、体育館裏で遊んでいるかのどちらかだった。
「ここ、じゃないか」
応援席は、ずいぶんと閑散としていた。
数名の先生と、仲良しグループらしき数名の集団が二つ、それから一人が好きな奴が二、三。
そもそも高校生という生き物は、自由にしろと言われ、一つの場所に留まろうとはしない。
それが天敵ともいえるの教師の監視下であれば、なおの事だろう。
「となると、ここかと思ったんだがな」
続いて向かった体育館裏にも、少女の姿は見つからない。
グラウンドでは手狭であると理解しているためか、ここの生徒は教師の半ば公認の休憩所である。
名目では禁止されている勝手な休憩や、おしゃべりに最適の場であり、結構な数の人がいる。
だが、そこにも少女は居ないのだ。
25 :
.:2009/04/07(火) 00:36:47 ID:v75ouSvp
26 :
.:2009/04/07(火) 00:37:47 ID:v75ouSvp
「四葉。なにしてんだ?」
隅での体育座りを止めたらしい親友から、不意に声を掛けられる。
キョロキョロと人探しをしている姿を不審に思ったためだろう。
「瞬、か、いやな。長月の姿が見えないから、居そうな場所を適当に見て回ったんだが」
しかし、どちらに寄ったところで、彼女の姿を見かけることは叶わなかった。
となると、どこかで行き違えたか? ともすれば、彼女も俺を探しているのか?
そもそも探すという行為自体、その心配自体が杞憂だったのか?
「ああ、長月さんなら、校舎の方で見たよ」
「校舎? 今、入れないんじゃないのか?」
「規則ではな。でも、まあ、開いているんだから入る奴も少なくないみたいだぜ?」
いや、そういう奴は、教室に先回りしているか、あるいは忘れ物などを取りにロッカーを利用している奴だ。
だが、彼女にそういう様子はなかったし、教室に先回りするような性格でもないはずだ。
「おい、どこいくんだ?」
「用事だよ。先生は適当に言いくるめてくれ!」
いや、ふとある場所を思いつく。
考えれば考えるほどに、そこに何かを感じて、俺はきっと彼女の元へと駆けて行った。
予想は的中し、その姿を認めた俺は彼女の脇に立つ、そこからは踊る人々と躍る炎を一望出来た。
人が小さな点とは言わない、けれども人形よりも小さく見える場所。
そして、この校内で、もっとも夜空に近い場所に、彼女はいた。
「四葉か、どうしてここが?」
やはり、屋上は風が強い。
パタパタと長月の長いポニーテールを揺らす風に、髪を手で支えて対抗しつつ彼女は尋ねてきた。
星空の天幕を背景に彼女の姿は、美しく淡く輝いて見える。
「お前、こういうとこ好きだろ? 人気のないとことかもさ。そう考えたらピンときたよ」
答えを聞いて、納得したのか頷き、こちらから目を逸らしてまた巨大な焚き火に魅入った
手すりに肩肘を乗せ、少女は何かを思って下界を見下ろす。
「驚いたな。四葉は本当に私達を……いや、アノ子を愛しているのだな」
俺は唐突に愛しているだの言われて面食らい、照れだとかを忘れて言葉を返した。
「なんでそうなるんだよ?」
「いやなに、よく見ているということだよ。だが、お前は私達の向こう側に見惚れている。……悲しいことだ」
え? それはまるで……
29 :
.:2009/04/07(火) 00:39:11 ID:v75ouSvp
「だが、今日みたいに特別な日くらい、大目に見てくれはしないだろうか……」
そういって、彼女は少し頭を腕に預けてきた。
「頼む……いや、私だけが特別な日を与えられるのは、少々卑怯かもしれないがな」
とても、とても小さく儚い声が、ちょっと乱暴に扱ったら壊れそうで、俺はそっと長月の頭を撫でた。
沈黙が、心地のいい沈黙が僕と彼女の間に下りて、世界を隔絶する。
先ほどまで共にあったはずの、生徒達が奏でる嬌声も、どこか遠くへと膜を張る。
「……四葉」
ふと、彼女の顔が、まるで外していた仮面を被ったかのように変わる。
しばらく、ジッと腕に体を預けていた彼女は、顔を上げ一歩離れてもう儚くない、はっきりとした笑みで俺を呼んだ。
そして、その仮面の裏に無理が分かる声でこう告げたのだ。
「無理を言ってすまなかったな、忘れてくれ」
「嫌だね」
悲痛な表情を浮かべ、謝る彼女はちっとも忘れて欲しくない顔をしていて、だから即答してやる。
きっと、そう応えるのが、正しい判断であるはずなのだ。
「共に居て欲しいというのは、お前の――いや、お前たちの本音じゃないのか?」
31 :
.:2009/04/07(火) 00:40:56 ID:v75ouSvp
長月はその意味を咀嚼するように、しばらく、言葉に詰まる。
「それは……」
「だったら尚更ダメなんだ。お前に言われたら、特にな」
そう、与えられた才能が、自らを、自分の分身を巻き込むという責任がある彼女には、特に。
腕を軽く組んで乗せると、手すりに体重を預ける。
キャンプファイヤーは佳境に差し掛かり、炎は一層大きく周囲を照らし出していた。
「今の俺には、まだ荷が重いかもしれないけど、努力はしてみる。もう涙は流させないから」
「では四葉。そのために、その譲歩のために、お願いがあるんだ」
俺と同じように体重を手すりに預け、踊る級友たちを眺めながら、彼女は言葉を紡ぐ。
まるで、神に祈るように、切実な願いを吐き出すように、ただ願望を紡ぐ。
彼女の中にある茫漠とした願望が、声という手段を得て、明確な形を持つ。
「私達を名前で呼んでくれないか? それが、努力の証。その第一歩だ。どうだ?」
「ああ、解った。紅葉」
「っ! …っ!! ………」
少々唐突で面を食らったのか、紅葉は言葉に詰まり、視線を逸らす。
だけれど、少しずつ落ち着いたのか、俺へとまんざらでもない顔で微笑み返してくれた。
33 :
.:2009/04/07(火) 00:41:45 ID:v75ouSvp
彼女は、はにかんだ笑みのままこちらを見ると、気恥ずかしいのか話題を変える。
気恥ずかしいのは俺も一緒で、だから、その話題へと移る。
「なあ、いつだったか、四葉をガキ大将から守った時のことを覚えているか?」
「あぁ、確か小3の時だったよな? お前が竹刀振り回して全滅したんだ」
俺も紅葉も少し赤らんだ顔を紛らわすように軽く振り、ちょっと遠くを眺めながら、応対を繰り返した。
よくよく思い出せば、コイツは俺というハンデがなければ、きっと素手でも勝っていただろう。
「それはないぞ四葉。私はあれで精一杯だったし、それに、お前とのコンビネーションは最高だった」
「それでさ、お前、お腹を盛大に鳴らしてさ、クレープ奢ってやったんだよな」
そうだ。そうだった。
だから、もっと欲望に忠実に生きろって教えたんだ。
皐月ほどは困るが、正義を貫くヒーローの他人しか考えない謙虚な生き方も、堅苦しい。
「受け取りを拒絶した覚えもあるな」
「ああそうだな。けどよ、あの時の紅葉、格好良かったぜ?」
「そうか?」
また風が吹いて、ポニーテールの毛先を揺らす。
彼女が見つめる視線のを追って空を見上げれば、そこには満点の星空。
だが、それ以上に、ちょっと顔を上げて星を眺める姿は、絵になっていた。
35 :
.:2009/04/07(火) 00:43:32 ID:v75ouSvp
「さて、帰ろうか。あまり遅れるのも悪い」
「あーあ、お前と踊ろうと思ったのにな」
「無茶をいうなよ。音楽もなしに、何を踊ると言うんだ?」
グランドでは既にキャンプファイヤーは消され、終わりを告げる式辞が始まっているようだった。
紅葉は不満なのか悲しいのか、多分両方だろう複雑な表情で尋ねてくる。
なんだ。こいつもフォークダンスを踊りたかったんじゃないか。
「なあ、なら、これでどうだ?」
「なんだそれは? オルゴールか?」
それは、古びた木目調の簡素なオルゴールだった。
その蓋を開けると、美しく物悲しい旋律が辺りを包み込む。
金属の鳴らす、スピーカーに比べて随分と単調な音楽が、僕らの世界を色づける。
「これだって、立派な音楽だろ? なあ、紅葉。踊ってくれるか?」
「ああ」
手を取り合い。踊りを教わりながら、不器用なステップを踏む。
その姿は、滑稽だったろうが、俺にとって最高のキャンプファイヤーだった。
そのまま式辞をすっぽかし、俺達はオルゴールのゼンマイが切れるまで踊り続けていた。
37 :
.:2009/04/07(火) 00:44:32 ID:v75ouSvp
星空の舞台で、ひたすら踊り狂うと、それからしばらく笑い続けた。
アドレナリンの過剰分泌が、あらゆる悩みを巻き込んで消し飛ばす。
世界が唐突に広がったように、心が全能感を味わい包み、満喫する。
屋上からの去り際、紅葉が一声漏らした。
「むっ流れ星」
「おー。なあ、願いごとしたか?」
流星、最後の最後に駄目押しのように渡されたプレゼントだった。
脳内麻薬の残り香がまだ残っているのか、微笑んだままに、けれど、どこか哀愁が残る。
俺の質問に、彼女は首を振って答えた。
「いや、これ以上は、贅沢というものだ」
「そっか……」
帰ろうと思っていたのに、そのまま二人で、少しの間夜空に魅入ってしまった。
瞬く星のうち、その一つでもいいから落ちてこないかと、俺はそのとき、切実に願っていた。
――この幸せが続きますように
彼女の願いは、届いただろうか?
しっかりと聞こえていた彼女の願いを、口に出すことなく胸の中へと隠す。
並ぶ敢闘賞の中、唯一1位を取れた二人三脚の相方の肩を叩くと、長い校長の式辞終わらぬグランドへと急いだ。
きっと叱られるだろうが、後悔が残ることはない。
39 :
.:2009/04/07(火) 00:46:08 ID:v75ouSvp
今日はここまで
ID:v75ouSvp
支援本当にありがとう
投下乙です
……これは、いいな。続き物の感想は、いつだって難しいんだけど。
某所でこの作品のコンセプトを知ってるだけに、とても言葉という形にしにくいものが心に残る。
ともかく、長月さんに幸あれ。再開を祈る。
今後も楽しみにしてます。
再開じゃねえ再会だw大事な所で締まらない俺
あの子、っていうのが本人格なのかな
さてさて、二話の投下いきまする
「おはよ……四葉」
目を開け、思考がもやを破っていく。
ああ、これは幻覚か? 目の前にアイツが居るように見える……
未だ現実を直視しない眼を擦り、続いて頬ををつねる。眼球異常なし、痛さから夢でないことを確認。
「………ほうあっ!」
異常事態発生。何で俺がこんなとこになっているんだ? いつ何を俺は間違えた?
寝ぼけた頭を軽く振り、脳みその中身を整理していく。
大丈夫だ、間違いは犯してなどいない。
では何故だ? 俺はどのタイミングを間違えて、こいつと共に布団に包まっているのだろう?
「おはよ……」
皐月はいかにも睡魔に襲われて居ますという顔で、もう一度挨拶を繰り返す。
眠気で開ききっていない眼を擦り、そのままご就寝。
「ちょっとまてぃ! 寝るな寝るなっ! 今日学校あるぞ!」
「ぐぅ……」
皐月は基本的に怠け者かつ、低血圧で朝に弱い。いや、常時睡魔に弱い。
俺が無理やり起こすと、まだ起きているのか寝ているのかわからない顔で、しばらく周囲を眺める。
そのまま、俺の顔へと焦点を合わせ、しかし、何を思ったのか、また布団にもぐりこみ眠りだした。
╋第二話━━
/! ,. -‐--,
r'^! 」_i _ / ノi
/::;::;Y::;`´::`ヽ、/ / |
,. -'-_‐-- 、_::;::;::;::`ヽ / !
/:;:;::/::;::r-_‐-、:`ヽ::;::;::;::ヽ/ i
/::;::;::;::!::;:/i:/rミ、:;:i、::;:〉::;::;::;::;:i:`ー、ノ
_」::;::;::;::;::!:::{i;!i、ン:;ノi;;!:;!::;::;::;::;:/::;::;::;|
,r'´ (::;::;::;:!::;:i::;::ト-=-‐イノ:i、::;::;ノ::;::;::;::;!
〈 !::;::;::l::;::ヽ:;:Yt、:;_/::;/,. ='、::;::;::;::;〈
ヽ、.__ヽ::;::;::!::;::;:ヽ、!ィ'_ノ,r'´::;::;::;::;〉::;::;:_ノ
`!::;::ヽ、:;__ノ-イ::;::;::;::;::;::;ノ::;::;::;}
/`ー‐ァ、__ノ `ヽ.,_,. -':;r-、,.ノ
ノ ,.r'´ ノ`ヽ、`>' 『皐月 薔薇』
ノr_´__ _,.r'´ `´
 ̄
寝ぼけた皐月を説得すること数分。
このままでは埒が明かないと判断し、自室――隣の部屋へと押し込んだ。
その事からわかるように、彼女もこのアパートに住んでいる。
いや、彼女は大家の子供であり、使わない部屋を占拠していると言うほうが合っているだろう。
親戚にアパートを借りているという事情からわかるように、俺と彼女は従姉妹という関係にあった。
小さい頃に遊びに来た俺は、彼女を12人姉妹だと思い込んでいたらしい。
今思えば流石に無茶があるだろう。六つ子2連発という、天文学的な奇跡を起こしてもまだ再現は難しい。
「あら、四葉君…おはよう」
「あっ、大家さん! おはようございます」
皐月を部屋に押し込み、共通廊下を歩いていると40代前半くらいの女性に出会った。
彼女は、このアパートの大家であり、皐月達の母親にあたる。
俺の叔母さんということになり、なんと気前よくもタダ同然の値段でこの部屋を貸し出してくれた。
高校生としては破格の一人暮らしという待遇は、彼女によって支えられているといっても過言ではない。
自然と腰も低くなるというものだ。
「ひと月も前から言ってるけど、叔母さんでいいわよ? それで、桜子はどうだった?」
やはり、昨日のことを気にしてるのか。
人格が変わるという事は、親にとっても重大な懸案事項なのだろう。
「皐月になりましたよ。それにしても、俺なんかが最後に立ち会って良いんですか?」
「ええ、あの子はきっとそっちの方が喜ぶわ」
「はぁ……」
彼女はしたり顔でそういうと、娘達のどの笑顔とも似ていない笑みを浮かべる。
その表情は、まるで楽しむように、全てを見透かすように、悪意とも善意とも判別はつかない。
俺は目の前の女性に感謝をしている事は事実だが、同時に苦手であることもまた事実であった。
「それより、あの子、部屋でまた寝てるんじゃない? あの娘と一緒だと、遅刻しちゃうわよ?」
「うげっ……急いで支度します」
もう、こんな時間になるのか。感傷に浸る余裕すらない。
皐月は何もしないから早く仕度しなければならないだろう。
あいつのペースに合わせれば、最悪ホームルームどころか学校が終わってしまう。
俺は、大家さんにもう一度頭を下げ、駆け足で自室に引っ込んだ。
「ふふ、あの子のおかげで学校に行ってくれるから助かるわね。まあ……」
なにか、大家さんが呟いた気がしたが、聞き取る余裕も聞き返す時間も、今はない。
慌しく走る俺の横を、桜の花びらが舞っていた。
天気は良好。本日ハ快晴ナリだ。
「うっす、四葉! 今日もいい天気だな」
通学路を急ぐ俺たちの後ろから、唐突に声を掛けてきたのは、親友の瞬だった。
小さな頃、あのアパートへと遊びに行った時に、出会った近所の子供。
出会ったその場で意気投合し、それ以来、俺と彼女と瞬との三人でよく遊んだものだ。
そして、利便性からアパートへと引越し、高校へ入学してみれば、同じ学校だった。
まさに親友と呼ぶべき友である。
「うっす、卯月さ──ッ痛って! 何で殴るんだよ?」
「ばっか、今日が何日か考えろ」
華麗に日付を忘れていた親友を小突き、皐月に聞こえないように肩を組んで囁く。
もう、彼女はあの四月の少女ではない。
「ん、すまん」
俺に謝るなと声に出さず返して、俺は皐月の方へと振り返った。
「ほら、皐月! 急ぐぞ、遅刻する」
あやつの失言が、聞こえる事はなかったらしい。
欠伸をしながら、こちらをあの脱力しきった眠そうな目で見つめる。
瞳に溜めた涙をこすり、それからやっと言葉を返す。
「めんどくさい……」
「ほら行くぞ」
昨日の積極性もどこへやら、彼女はこちら見つめたままに欠伸をまたひとつ。
それからゾンビのような足取りで、だらだらと歩き始めた。
服の襟を掴んで引っ張り、彼女の足を加速させる。
フラッシュバックするのは、昨日の問答と、俺が出した拒絶と言う名の答え。
彼女の機嫌が若干悪く感じる原因は、それだろうか、それともただの睡魔への抵抗か。
きっと、何か餌与えて大人しくさせれば、済むだろう。
今は、昼休み、
購買へ繰り出す生徒の声と、他クラスから勝手に上がりこんで、騒いでる連中の喧騒の中、自作の弁当を広げた。
皐月の眠気とそこからくる機嫌の悪さから、足取り重たい彼女の手を引いて。
いや、引きずり、無駄に体力を消費した。
その後、どうにか遅刻寸前でたどり着いて、待ちうけるは体育という名の苦行。
人格による環境の変化がコンボのトドメとなり、長い休憩と昼食は、正直に嬉しい。
しかし、弁当を広げた直後から、なにやら視線を感じた。
「どうした?」
ふと、気配へ見上げればそこには、皐月の顔。……近い。
「お弁当……」
「これはやらんぞ! 少ない仕送りを何とかやり繰りする為に、苦労の末に作ったんだ」
ああ、彼女の机を見て察するに、どうやらこいつは弁当を忘れたらしい。
この怠惰と惰性に生きる女に、自活能力などあるわけがない。
大家さんも卯月が自力で作っていたものだから、今日に限って作り忘れてしまったのだろう。
つぶらな小動物的視線が、俺を射抜く。
そのまま、心も魂も巻き込んで砕こうとする。
今なら、野良達への餌付けは迷惑になると知りつつ、禁を破る人の心情がわかった。
「……おなか空いた」
「……」
可哀想だが、この弁当がなくなった俺はもっと可哀想だ。
仕送りの再要求などしてしまえば、夢の一人暮らしを奪われ、実家への強制送還となるだろう。
そしてそれは、彼女の隣という居場所を奪われる事を指す。
「……お腹空いた」
「……無理」
弁当を守るように、両の腕で庇う。
空虚なそれでいてなにか期待と不安の入り混じったように見える瞳が、寂寞の光を湛える。
「…お腹s」
「ハラ減ったぞっ」
とりあえず、どさくさに紛れた瞬の頭を適当に叩き、皐月を追い払うジェスチャーをして。
俺は――
――不意打ちに受ける、いいようのない既視感。
あれ?これ昔どこかで見たよう…な……。
一瞬頭を過ぎったデジャブを振り払って俺は彼女に弁当を押し付けた。
「しゃーない、ほら瞬、急げ購買行くぞ」
「え? ああ、行こう」
「早くいかねえとな、味気ないコッペパンしか、ん?」
走り出そうとした袖をか弱く引かれ、見れば皐月が俺の袖を掴んでいた。
こうして袖を引くのは、伝えたい事がある時に行う皐月の癖だ。
「どうした?」
「……違うの。購買……行ってくる」
皐月は俺に弁当を押し返すと、何も言わず駆けていった。
違う?……なんだ? 意味がわからない。
「皐月さんて、あんなによく動く子だったけか?」
そうだ。いつもなら、確実に俺の弁当を奪い貪っていたはずだ。
朝の不機嫌に重ねて、あいつの苦手な体育もあった。元気があるとは思えない。
「さあ、生理じゃね?」
何かを訴える本能を押し殺し、俺は冗談で応えた。
帰り道、陸上部へと向かう瞬に別れを告げ、皐月を連れて帰る。
思考をしているのか、していないのか。
それさえも判別のつかない彼女の横顔は、なぜか、いつも以上に大人しい気がしてならなかった。
帰宅途中の通った商店街は、皐月とは対照的にゴールデンウィークに向け活性化している。
そういえば、去年知ったけど、彼女はクレープが好きだっけ?
クレープ屋の前を通りつつ思い出すが、予想に反して袖を引くことはなかった。
「どうした? 元気ないのか?」
沈黙のカーテンが肌を刺す空気に耐えられず、並んで歩く少女に尋ねた。
「……なんでもない。眠いだけ」
こちらを見上げる、他の人格よりもどことなく呆然とした、意図のないように見える瞳。
だけど、俺にはそれが、嘘をついてるように見えた。
「体育あったし、疲れてるだろ? なぁ、どっか遊びにいかねーか?」
「……いいの?」
尋ねる表情には一切変化が見えない。
だが、瞳に小さな好奇心と興奮が浮かぶのが、俺には見えた。
「今からいけるところなら、なら何なりと」
「じゃあ、公園がいいな」
告げる彼女の言葉は、小さくも明確な意思が汲み取れる。
漠然とした、だけれど、俺だけは明確に理解できるそれは、期待。
そしてそこに混ざり、彼女を水面に写った月のように揺さぶるのは、不安。
「公園で良いのか?」
「だめ? お昼寝できるよ?」
ふんわりと言った彼女が可愛くて、俺はちょっと顔を逸らして了解の旨を伝えた。
57 :
.:2009/04/07(火) 23:00:17 ID:v75ouSvp
58 :
.:2009/04/07(火) 23:01:13 ID:v75ouSvp
彼女の言っていた公園とは、多分、アパートから程近い比較的大きな公園だろう。
陽が傾き、公園の森が紅葉したように見えるくらい、世界は赤く染まっていた。
「ねえ、四葉。"もみじ"ってこんな感じなのかな?」
思索を読み当てられて、思わず答えに詰まる。
彼女は、雪も、紅葉も、入道雲も見たことがない、見れるわけがない。
この少女に与えられた時間は、五月という余りにも短い期間だけだ。
「そうだな。こんな感じだけど、でも、もっと紅くて、綺麗だ」
「ふぅうん、そう……でもね。私は仮初でも紅葉が見れたんだよ」
淡々と語る言葉は、語調の割りに意外と重かった。
少なくとも、俺の精神にヒビを入れ、必死にそれを取り繕わなければ、壊れてしまいかねないほどには。
俺の返すべき言葉を、根こそぎ奪い取り、沈黙を返答としなければならない程度には。
「……覚えてる? 最初に会った時のこと。きっと、忘れてるよね? 君は、いろんな私にあってるから」
「いや、覚えてるぞ。たしか、小4の時だったな。ゴールデンウィークで遊びに来てて、お前はそこの楓の下で昼寝をしていた」
そう、よく覚えてる。彼女達として初めて出会ってから数ヶ月のこと。
親に連れられてきたそこで、子供の頃から、皐月はやっぱり皐月だった。
「その時ね。私、あの楓を見ながら、同じこと思ってたんだ……あの時も同じもの見て、そう。これが紅葉なんだって」
あの時皐月は、俺見て確か――
アレ? 何だった? 俺は、こいつは何をした?
子供の頃、俺はこいつになにをしたんだ?
「……なあ、あの時お前」
「ありがと、四葉。行こ」
「おい。待てよ!」
いつもは怠惰しか感じさせない彼女は、今日はやけに活発に見える。
その理由は、俺にはわからない。
もしかしたら、記憶のどこかにあるのかもしれないと、自覚しながらも、わからない。
「あぅっ……」
「ほら、急ぎすぎなんだよっ」
普段の運動不足が祟ったのだろう。
走り出した皐月は、つまづきようのないところで盛大に転けた。
はしゃぎすぎたことを意識したからだろうか?
転んだままに、彼女はなにか悪い事をした子犬のように、見上げてくる。
61 :
.:2009/04/07(火) 23:02:16 ID:v75ouSvp
62 :
.:2009/04/07(火) 23:03:02 ID:v75ouSvp
「なあ、どうした? やっぱりなんか変だぞ?」
しばらく黙った彼女は、やがて意を決したように顔を上げて尋ねてきた。
「……ねえ、始めて会った時のことを、もっと覚えてる?」
その顔は、今までよりもずっと明確に、不安と期待が入り交じって揺れる。
言葉は、理性や思考を介入するまでもなく口から溢れた。
「当たり前だろっ? あの時お前は──」
「ねえ、昔話しよ?」
「ん? ……ああ、ほらよ」
少女の急な切り替えしに付いていけてない。
彼女は何かを、俺に期待しているのだろうが、それを思い出すことが出来ない。
未だ座り込んで居る彼女の為に、とりあえず手を差し伸べて、強く握り締めた。
俺は立たせる為だけに手を繋いだのだけれど、彼女は離してくれなくて、あの時の楓の下へと歩き、そのまま座り込んだ。
彼女の顔が赤く染まって見えたのは、夕日の為だけなのか判別がつかない。
「あの時さ、四葉は瞬くんと一緒でさ──」
「そう、瞬と駄菓子屋行った帰りで、そこのブランコで食おうとしてたんだ」
当時から残るブランコは、錆びて今にも崩れそうだったけれど、それでも頑健に上を向いて立っていた。
64 :
.:2009/04/07(火) 23:04:08 ID:v75ouSvp
「そしたら、お前が居てさ。じっとこっち見てきたんだよな?」
「……そうそれでも、アレは別にお菓子が欲しかった訳じゃないんだよ?」
皐月が小さく笑いながらこっちを見つめてくる。
「でも、うまい棒あげたらガッついてた癖に、よく言うぜ」
笑い飛ばす、俺の反論になにも言えなくなったのか、彼女は拗ねるように顔を逸らした。
「そしたらさ、お前俺の分全部食っちまったのな」
「……悪かったと思ってるし、思ってたよ? 反省して謝ろうとしたくらいに」
「それでさ、お前に気を使わせないために、瞬を引っ張って駄菓子屋まで買いに戻ったんだよな?」
「…………本当に覚えててくれたんだね」
ああっ……。
その瞬間、思考回路がスパークした。
はじけるように、胸の支えが外れて、全ての感情が記憶が、思うが侭に動き出す。
そうだった。俺は瞬を引きずって駄菓子屋までいって、それで……。
66 :
.:2009/04/07(火) 23:04:55 ID:v75ouSvp
「えっ?」
「ううん……ほら、暗くなってきたよっ帰ろ?」
言われて、空を見上げれば、先ほどまで覆っていた茜色は鳴りを潜め、代わって群青が支配を進めていた。
そろそろ、帰らないと、五月とはいえ、流石に夜風は冷たいだろう。
俺は軽く服をはたくと立ち上がって彼女を見る。
「どうした?」
彼女は何故か立ち上がらずに、いつもの眠たげな視線をこちらへと向ける
頼りなくなった明かりが、またあの空虚なだけれど期待と不安が見え隠れする瞳を、照らし出していた。
そのままなにも言わず、両の腕を伸ばして
「抱っこ」
「……はぁ…おんぶな」
伸ばした腕を首に絡められ、そのまま背負う。
背中に感じる温もりと、適度な重たさの自己主張が心地よかった。
そういえば、皐月と初めて会った時も、彼女の我侭に付き合って、こうして背負ってアパートまで帰ったっけ?
「なあ、今日は結局、なんだったんだ?」
「………ちょっとだけ昔を思い出しただけ…」
「はぁ? まあ、今日みたいに積極的な方がいいけどよ。やっぱり……ん? 寝てんのか?」
結局、いつもよりちょっとだけ元気で饒舌な皐月は、今日だけの幻で終わった。
68 :
.:2009/04/07(火) 23:05:51 ID:v75ouSvp
目が覚めると、私は四葉の背中ではなく、自室に寝かしつけられていた。
そっと横を見れば、四葉がすぅすぅと寝息を立てている。
その脇には、潰れてしまった駄菓子屋代わりに、コンビニで買ってきたのだろう。
ビニール袋に駄菓子とジュースが、当時と同じように、包まれて置かれている。
「なんだ…本当に全部覚えててくれたんだ……」
あの後、彼は結局買ってきた駄菓子を、私に全部くれたのだ。
私は、忘れてなかったご褒美にと、寝ている彼の頬に軽い口づけをした。
窓の外では、昨日の突風で柳桜が花びらをほとんど散らせていた。
70 :
.:2009/04/07(火) 23:06:37 ID:v75ouSvp
╋第二話━━ 『皐月 薔薇』
- 完 -
今日はここまで
ご清聴ありがとうございました
>>44 実は複数のルートがあって、それによってあの子の正体を変える予定でした
途中で諦めました
乙です
74 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 19:20:27 ID:5qF0S8rj
七月某日。
まだ梅雨の気配覚めやらぬ七月。
彼女はツインテールに纏め上げる衣替えを果たして、七月のあいつになっていた。
あの、いつもツンケンして可愛くないアイツに……
「ほら、四葉! やる気あるわけっ?」
「あるよ! ほら、手伝え! てめーの部屋だ」
五月、六月と掃除のできない人格が続いたため、部屋は凄惨なことになっていた。
文月はそれを憂い、大掃除の宣言をだしたのだ。
……そんなことどうでもいいが、それに俺を巻き込まないで頂きたい。
「ぐだぐだうっさいわね! あんたの監督不行届きよ! ほら手を動かすっ」
この暴虐不尽なるお嬢様は、命令だけする癖して結局何もしていない。
いや、動いてもらったほうが迷惑なだけであることはわかっている。
だが、心の中の本音の部分が納得しない。してくれない。
釈然としない思いを抱え、ボロい安アパートの狭い部屋の掃除をすることになったのだ。
75 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 19:21:11 ID:5qF0S8rj
╋第三話━━ ,......,,、
li:.`i ´ /´`i
i ヽ. / `ヽ.
) . `i: i :::. !、
| .l .,ノヽ:::-‐‐''´i
.入/ ヾ'´.::: /
,/ `ヽ `¨゙ヽ、 (
.==、 、 . ノノ ノi / `¨゙ヽ、__ ヽr''´
ヾ 、 /// ノ´  ̄
ヾ 、__,/__ノ_/
`ーr'´、 ̄
l:::ヾ\
/ヽ.:::ヾl 『文月 朝顔』
/:::/:::l `ヽl
/:::/:::::l
l:::/.:/
. l./
76 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 19:22:55 ID:5qF0S8rj
彼女特有のイライラとした怒りを内に隠した瞳が、全方位警戒態勢で俺の掃除を監視し続ける。
目での牽制を続けながら、少女は腕組みを止めることはない。
苛立ちをどこかから引きずりだして、それを発散せねばやっていられないかのように。
「ほら、そこ、まだ汚れてるわよ?」
「へいへい」
時折、彼女は思い出したかのように、指示を飛ばす。
そのまま、ふと彼女は言った。
「ねえ、あんたさ。アノ子の気持ち受け取って上げたわけ?」
「アノ子って……お前の場合、卯月か?」
文月は質問には答えず、答えを促すようにこちらを睨み続ける。
これは無言の肯定を示していた。
「出来なかった。あいつは、あいつは! 本当に真剣だ。だから軽い気持ちでハイとはいえない」
「………ねぇ、あんた。それ、本気で言ってるわけ?」
空気が、凍る。
彼女のものとは思えない静かで、強い強い声は、ずしんと俺の心まで響いた。
「あいつだけじゃないよ!他の子だって、ずっとずーっと真剣なのよ? わかっていってるわけ? 信じらんない……」
なに言ってんだこいつ?
「あんたはそうやって他の子を傷つけ続けるわけ?」
「俺はそうは言ってないだろ!?」
「じゃあ、なんで皐月ちゃんの時、あんなによくしてあげたのよ」
「っ!………」
言葉に、詰まった。
俺はいつもと違う彼女を見て、ちょっと混乱したのだ……違う、そんな理由じゃない。
「違うだろっ! なんで皐月を甘やかしちゃいけねえんだよっ!」
じゃあ、なんだ? 俺はあの時確かに、皐月に対してちょっと甘かった気がする。
でもそれは咎められるような事か?
「本気で言ってるわけ? もういい、知らないッ! 出ていってっ! 出てってよ!!」
「なっ…おい! ああ、クソ出てってやるよ!」
何で俺が悪くなるんだよ、クソッ。
掃除もそぞろに、悪態をつきながら出た共通廊下は雨が差し込む。
庭には大家さんが手入れをしているのだろう紫陽花が咲いていた。
彼女と喧嘩をしたまま、一週間が過ぎた。
昼休み、期末試験も近くなりごった返す食堂の中、四葉は遠くに見えるのに文月はここには居なかった。
本来ならば、彼らにとっては珍しいことといえるが、7月だけは例外的だった
「四葉、どうした?喧嘩か?」
「七月なら、珍しいもんでもねえよ」
瞬がため息をつきながら、机をいくつか寄せた即席の食卓にならぶ。
彼の質問に、何も伝える気はなかったが、やがて、諦めたように文月との喧嘩について触れていった。
説明を受け、呆れ顔の瞬は最後にきっぱりと言い放った。
「それはお前が悪い」
「はぁ? どこがだよ?」
俺の最大の疑問に対して、帰ってきたのは更なるため息。
「あのなあ、文月ちゃんはお前が皐月に優しくしたことじゃなくて、卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ」
「いや、だってあいつは」
「お前な。まあ、いいや頭冷やして考えてろ、悩め悩め青少年……」
こんなときほど頼りになるはずの親友は、俺を置いて去っていく。
冷たい弁当の唐揚げが、妙に味気なく感じた。
部屋に帰るまでの沈黙が、隣にあいつが居ないことを痛感させる。
傘を持って歩く蛙のなく声に、意味のないイライラと哀愁を感じる。
今更にも、あいつの存在を強く感じ、心を蝕んだが認める気にはなれなかった。
そんな時、携帯が胸で振るえる。
件名:傘忘れた
ごめん、持ってたよね?持ってきて…
思わず、ため息。
無視だ無視。アイツからのSOSに救済を与える義理もない。
一歩二歩と進んで、苛立ちに頭をかきむしる。
「ああ、もう。くそったれっ!」
まだ学校からはそんなに離れてない。
5分待ってろと打ち込むと、きた道を全速力で駆け戻る。
心の中に、嬉しさに近い感情を抱きながら、それを自覚しながら――
きた道を戻れば、校門にたどり着く彼女の姿を見つけることが出来た。
強く降りしきる雨の中、鞄を傘代わりにこちらへ駆けて来たのだ。
「え? なんであんたが……」
「は? いや、お前が連絡してきたんだろ?」
「なにそれ? あっもしかして……」
急に言い淀む彼女をはびしょ濡れで、なんかドブネズミみたいになってる癖して妙に色っぽい。
状況が理解できないが、とりあえずはと、手招きした。
「入れよ。濡れるだろ?」
「どうしたの? なんかアンタらしくない…」
男物の黒くて大きな傘に潜るように入り込み、彼女は疑問をぶつける。
俺は答えず、帰り道を歩き始めた。
「頼られてるのよ、私」
「誰に?」
彼女は、歩きながら訥々と語り始めた。
いつもと少しだけ違う雰囲気を感じて俺は神妙に返す。
蛙はいっそう五月蝿く鳴き始め、彼女の小さな声など飲み込んでしまいそうになる。
だけど、決して聞き漏らさないように俺は耳をそばだてた。
「桜……卯月 桜にね」
初耳だった。だけど、どことなく理解していたことだ。
そういえば、俺と一緒に居ないときの彼女たちは、いったいどのように生きているのだろう?
いまさらかもしれない疑問が、ふつふつと浮かぶ。
だけど、今は彼女の言葉を受け止めるので精一杯だった。
「桜は、何でも背負い込んじゃうから……私が見ていないとね?」
「うん」
──卯月につらくあたったことに怒りを示してんだよ。
友人たちの声が聞こえた気がした。
なんだ、一番理解していたようで、大事なところで理解できていなかったのは俺じゃないか。
「……あの後、色々と考えたんだ。俺が悪かった。すまん」
「ばか、今謝ってもしょうがないじゃない」
目を伏せて彼女らしくもない、しおらしい態度で彼女は続ける。
「本当に悪いと思うなら、来年、卯月にあって態度で示しなさい」
今は、本心を伝えなければならない気がして、俺はこいつに隠していたことを伝える。
「なぁ、だけどよ。やっぱり、俺はあいつに惚れたんだ。あいつが忘れられないんだ」
「うん。そうなんだ。……そうだよね」
「それで、俺はあいつから、プレゼントを貰った」
「……え?」
"やっぱり"、文月は知らないようだった
「だけどな、お返しくれるって言って、その気持ちを聞く前にアイツはアイツじゃなくなっていた」
辛い沈黙が俺たちを包む。
「だから、お前たちを初めて知った時、俺は好きになれなかった。納得できなかった」
「それが、桜?」
「間が悪いよな。だから、素直に気持ちをぶつけて来る彼女に対して、素直になれなかったのかもしれない」
「だけど、多分違う……今はわからないけど、俺の多分ひどく利己的な内容だったと思うんだ」
「……なにそれ?」
彼女は理解できないという風にこちらを見上げた。
濡れた髪が肌に張り付き艶かしく、彼女の瞳には痛烈な怒りが湧きあがる。
雨はいっそう強くなったようだった。
「俺は、なにかの答えを見つけなきゃいけない。俺は自分で知らなきゃ行けないことがある」
「それで?」
瞳に純粋な怒りを灯した炎が大きくなり、ぐらぐらと揺れる。
「だから、卯月に会うまでにそれを理解しておく……それでいいか?」
「……わかった。だけど、桜を傷つけたら許さないから、覚悟なさいっ」
暫し勘案の後、やがて納得したように俺を見上げると彼女は、明るく言って走り出す。
そのまま、傘の恩恵を離れ、蛙たちの合唱する雨の世界へと飛び出した。
「おいっ! ズブ濡れになるぞ!!」
「もうなってるっつの! ……桜を泣かすアンタなんか大っ嫌いだっ!」
それだけ叫ぶと、彼女は速い足を生かし、俺をグングンと引き離す。
傘を握る俺はその俊足に追いつくことは出来なかった。
あーぁ……アイツ、最近”正解”に近づいてるなぁ。
そしたら私たちは……ううん、違うよね?
桜を泣かすアイツなんか大っ嫌いなのに、鈍感で気の利かないあいつなんか大っ嫌いなのに。
なんで、何で涙が出てくるんだろ?
「はぁ、なにやってるんだろ。私」
もっと素直になっていい、のかな? でも、怖いよ。怖いよぉ。
見せたくないから、走って逃げちゃったけど、ずぶ濡れだ。
思い、鏡を見ると夏服の薄いセーラー服の間からちょっとだけブラが透けて見えていた。
瞬間顔が沸騰したように熱くなる。
あいつなんか、大っ嫌いっ!
╋第三話━━ 『文月 朝顔』
- 終 -
「よつばくん。私はね? 幸せになっちゃダメなんだよ」
それがアノ子の僕に対する返事……
「そんなこと知るかよっ! ぼくは、お前のことが好きだ! 」
そうだ。あの頃俺は、自分のことをぼくと呼んでいた。
「……ありがと、でも」
「デモも何もない! お前の気持ちを聞かせてくれ」
──そうだ、でも、じゃない俺が知りたいのは本心だ
「……じゃあ、返事は今度会ったときしたあげる」
わかった、今度だな…絶対だぞっ!
「……だから今はコレ」
……コレって?
「 理 ョ っ、今 だ 、 事は必 っ、 倍 ぞ」
おい、なんていったんだよ? 聞こえねーよ! もう一度だけ言ってくれ!
消えないでくれ、必ず会いに行くから!
待ってろよぉ! 絶対に絶対に返事を聞きにくるからな!
╋第四話━━
,ィ、 _,、 _
,ヘjゞ^v{`;'`;ソ{,ィ }' ノ'7、 ,ィ'
,rー-ぐ_i;jヘームヾ〃j{、j;N/´iト、 //
_ _/{:.`ーゝ_ンk:_;:{_'`Yトy'´ン!i .:. i:. ヽ、/ レ-‐- 、
_,、_,}:.:;rヘ;:{,:;{j∧,.f`j`ヾr'ム、t;_;」 !.;:.:;j;:_ノ´ ィ´`ヽ'⌒`
j.:.::.`y{_ト:;::::Y´(_}jゞ;kVr'`Yヾ;〃! ;!.:;/!´ __
`>,;:;ヘ::}__.::;}h`;}f莪´;;j;::人::_!.:,!/.://ー''´:._.:.``ヽ
,{_..:::弋:'ヽ_k`^`^;y'”ー,√;r' ノ^イ//;;:..::..``_;ィ''´ ,
,ム_:..::ヽ;_:::`ヽ,:-'レ{`. .:.:::,. '´;:_ノfー'´_`ン'´:::.`ヽ ノ!
/::ヽ_ヽ`'´:::`´/!.:.::.:;;j. .:.::/.::.:};r'.:j厂;´;::.. .:.. .. .;/ / ,レイ
}.:.::.:.`ー、`:‐-{::ヾ.:.:;_}:_;_(_;:_,.-'´.:;/”:.ヾ、`::.. r'^´j`, ' / ノ!
`` ー‐ - `-ィこーごゝ=ニ;r'.:::〉`'´`ャ'ー- ―‐'´ ノ` ノ_,. ' ノ
/,ヘ,ノ /´:;´";'..::.:::::_>{`ヽ) `y' ヘ`ヽ'くー-< ´ー- 、
/,. ' ヽ:;_;/ヽ_;、-´:::く:`;t / ,' | ヽ レ `:`ヽ{`ヽノ⌒'
'´ _,. -ー 'y`ヽャヘ{ / ,/ 人 |`' : 、ヽ
,. '´ _,. イ' ト、 `ヽ -'-‐'7´ / ヽ !,イ ; /ヽ|
-'-‐ '' ´ / i `' 、 \ ノ,.ィヘ! )ノ | ,イ^
,' ,! `'' ー`- '´ |/
i /
| / 『睦月 牡丹』
!/
視界がクリアになる。
目を擦るとどうやら俺は泣いていたらしい。
「ああ……ああっ! 畜生っ!」
幾度も見て見慣れただけど、こんなときに見なくてもいいだろう、そんな初夢だった。
だけど、今月は夢のアノ子に会うことは出来ない。
着替えて外へ出てみれば、一面の白銀。
吐く息は白く、凍てつく空気はピリピリと俺の頬を刺激する。
俺は冬休みだというのに実家には帰らず、先月の騒動でボロに磨きのかかったアパートに残っていた。
「おはようございます、四葉様」
後ろから声を掛けられ、ドキリと振り返る。
そこには、髪を脇から留め後ろに大きく纏めた牡丹が、着物姿で立っていた。
「おまえ、着替えてねー……あっいや、違う着物か」
どうやら彼女とって、この人格とって、着物は普段着のように感じるらしい。
「はい、流石に学校には着物で行くことは出来ませんが……冬休みくらいならよいでしょう?」
くすりと笑う姿は、見慣れぬ着物姿のためか儚げで可愛く危うく、とても可憐に見えた。
「はい、ではちょっとお上がりしてもよろしいでしょうか?」
珍しい進言だった。
あまり積極といえる性格をしていない彼女が、自分から俺の部屋に上がると言い出すとは少し考えにくい。
何もやましいところはないが、この手の質問に動揺してしまうのは男の性だろう。
「いや、特に問題ないけど、なんでさ?」
「いつも、皐月や葉月さんがお世話になっているでしょう? そのお礼がしたいのです」
そういって、彼女は俺の部屋へと入っていった。
いつも平然と入ってくる彼女たちを見ている俺には、妙に気恥ずかしい。
「あら、ずいぶんとお綺麗になさっているのですね?」
「ん? まあな」
きょろきょろと、部屋を眺める彼女は、しばらくして掃除の必要がないと判断したらしい。
ぽんと手を打ち、満面の笑みを浮かべながら、振り返る。
「それでは、朝食の準備をさせていただきますね?」
そう問われ、起きてから何も口にしていないことを思い出す。
まな板と包丁が奏でる規則正しい音と味噌汁のいい匂いが、俺の腹の虫を鳴かせた。
いつもなら、食べないか菓子パンをかぶりつく朝食だ。
そんな生活である俺にとって、和食の朝食なんて覚えてないくらい久方ぶりだった。
「もうすぐ出来ますからね」
彼女は割烹着がなかったのだろう。
和服の上から無理やりエプロンという、ちぐはぐな格好の後姿を見せてこちらに語りかけてくる
皐月の時にはぼさぼさだった髪の毛が、輝かしい艶を見せ、なかなかにいい眺めだった。
「…なんつーか奥さんみたいだな」
一応、作り始めた時は俺も手伝うと進言したのだ。
だが生憎、狭すぎるボロアパートの台所は人が二人も作業できるほど広くはなかった。
「……」
返ってこない返事を疑問に思う間に、彼女は無理やり話題を変えてきた。
「あ、あのっ……結局、クリスマスはどうなったのですか? 私、まだ聞いてないんです」
「まあまあかな? いつもと比べれば、だけど」
まあ、そこの天井にぽっかりと口を開いた大穴が、全てを物語っているといっても過言ではない。
「ふふっあなた達は、いつもそうですね」
はぁ、笑ってばかりいられることでもない。
まず、敷金は全部はねとんだ。
ただでさえ薄い壁はクソ寒いというのに、それにも増して寒くなったのだ。
「まったく、お前ほどとは言わないけど、せめて物を壊さない程度には、おしとやかもらいたいもんだ」
「……」
また、彼女が言葉を詰まらせる。
饒舌とは言いにくい少女だが、声を掛ければ返事はしてくれる子だった。
続く言葉を失って、一瞬の沈黙が降りる。
「はい、できましたよ」
「お、おお、運ぶのは手伝うよ」
だけれど、それを追求する前に誤魔化され、問い詰める事は出来なかった。
彼女が作ってくれた味噌汁も、鯖の煮付けも、ご飯も、どれもが絶品だった。
普段食ってない和食だからとか、そんなことでは断じてない。
牡丹はガッつく俺と対面になる位置のちゃぶ台着き、何がうれしいのかニコニコと微笑み俺を眺めている。
やがて、俺の御代わりを受けて言葉を漏らし始めた。
「本当によく食べるのですね」
「成長期の高校男児なめんなよ」
「ふふっ…わかりました、御代わりは幾らでもありますから、あまり急ぐと喉に詰まらせますよ?」
そういって、ご飯が盛られた茶碗を返してくる。
ついでにおかずが少なくなったためだろうか、納豆も添えてくれるあたり、気が利いている。
その折、何かを見つけたらしく、木目調の箱を持ってきた。
「コレは……懐かしいですね」
それは、古びた簡素なオルゴールだった。
「本当にいつも持っていてくれたんですか?」
「んぐんぐっ……まぁな」
口に入ったものを飲み込むため、熱いお茶を飲み干して俺は答えた。
牡丹はそれを聞くと、手のひらに乗るような小さなオルゴールを抱きしめ、そっと呟く。
大事な宝石を抱きしめるように、優しく、そっと目を瞑りながら。
「……うれしいです」
それは、小3くらいの頃、正月にこのアパートまで遊びにきた時のことだった。
牡丹と俺は、二人っきりで初詣に行ったのだ。
「そこで私は、四葉様がまるで白馬の王子様に見えました」
そんなくさい台詞に思わず顔をしかめる。
初詣の帰り道、裏手にある森に探検に出かけたところ野犬に襲われたのだ。
俺はそこら辺の棒切れで応戦し、結局逃げ走ってここの近くの公園まで逃げてきた。
「あの時はお前が泣いちゃってさ、大変だったよな…」
「はい、お恥ずかしいことですが…」
それで俺は、泣き止まない彼女におまじないをしてやったのだ。
たしか、泣く子には……
「泣く子には聞こえない魔法をこのオルゴールにかけたぞ、ですよね?」
「今思うとただの手品だけどな」
そうだった。彼女の家にあったオルゴールとまったく同じオルゴールが、俺の家にもあったのだ。
ただし彼女の持つオルゴールは壊れていて、音を奏でる事が出来なかった。
それを以前聞いていて、俺は壊れていない音を聞かせてやろうと、そのとき家から持ち出していた。
だから、泣き止んだのを見届けて、こっそりとオルゴールを交換したのだった。
94 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 20:20:41 ID:8gQaq8T4
「どうしても別れたくないと泣く私を慰めるために、四葉様は私に指輪を下さって…」
「コレを持ってれば、俺を忘れないで、また会える魔法をかけた。だっけ?」
それじゃあ、白馬の王子様というより、通りすがりの魔法使いだ。
だが、子供心に女の子を泣かしてはいけないと、必死になっていたのことは覚えている。
それに、その指輪は――
「ええ、そして私は持っていたオルゴールを渡して、コレにも同じ魔法をかけてと頼んだんですよね?」
「そんで俺に押し付けて、私を忘れないで、って言ったんだ」
泣きながら押し付けてきた彼女の頭をくしゃくしゃと撫でて、約束だって言ったんだ。
その泣き虫な女の子は、立派になって俺と向き合っている。
「はい、そして、私たちは今こうして向かい合っています。四葉様は本当に魔法をかけてくれたんですね…」
「ばーか、魔法がなくても、俺は約束くらい守るよ」
「……本当に優しい人」
オルゴールを見つめる彼女。
俺はその雪のように白い指に、当時の玩具の指輪を見つけた。
95 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 20:22:31 ID:8gQaq8T4
俺はちょっとづつでも変われているのだろうか?
牡丹の笑みを見ていると、俺はそれを少し実感できたような気がして、ちょっとだけ嬉しかった。
「あっ見てください。雪ですよ」
「おおー、道理で寒いと思った」
少女が、まるで噛み締めるように笑う。
どこか儚く、どこか寂しげに。
その姿は美しく、憂いを帯びて更に磨きがかかる。
外は純白の雪がしんしんと降り始めていた。
あと、少し……。
彼女に出会えるまで、あと一歩。
96 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 20:25:48 ID:8gQaq8T4
╋第四話━━ 『睦月 牡丹』
- 終 -
前はVIPでやってたよね。
応援してるよー
何年か前にVIPで投下した初めての小説でした
書きなおして見ると色々と、成長や悪くなった部分が見えてきますです
99 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:38:45 ID:1+kt8v5U
12月23日深夜
「ふははははっ! 今日はクリスマス・イブだ! 四葉っ! こい、デートするぞ!」
高らかに宣言するのは、髪を横に集めて束ね、ミニスカートの真っ赤な衣装に身を包む少女。
束ねた髪を避けるように三角帽子をかぶった蜜柑から発せられた。
彼女は、寝ている俺の真横に仁王立ちし、片手に大きな白い袋を担ぎながら高らかに笑う。
……鍵のかかった部屋にどうやって入ったんだよ?
いや、俺の部屋への進入経路が判明するのはすぐだった。
何しろ、俺の頭上には、ぽっかりと大穴があいているのだ。
「どうした? 硬直して! さてはクリスマス・イブに可愛いプレゼントが降ってきて驚いたか!?」
どうやら自分の部屋の天井板を外し、俺の真上に来たらしい。
だが、ボロい安アパートの天井は彼女の自重に耐え切れず決壊した模様。
運動神経のいい彼女は天井にぶら下がり難を逃れ、そのまま俺に向かって宣言。
という流れだろう、でなければ、天井にぶら下がる意味がわからない。
うんまあ、とりあえず…
「帰れ」
100 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:39:28 ID:1+kt8v5U
╋第五話━━
,. ― .,
, . ´ lヽヘュ : . ` .
/ . /ゞ:;'ゝ. : : . . ヽ
, '. . : . . ` . . : : . . . '、
/ . . . : . . . ',
. ; : . . . :::i
. i . . : . . . ..::::::!
', . : : . ......:::::::/
' 、. :. . : . . . ....::::::; '
ヽ. . . ...:.:.::::/
` .、 . ....:::;:''''´
` ー
『師走 蜜柑』
101 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:41:38 ID:1+kt8v5U
「まあまあ、そこは怒らずに冷静になって話し合おうではないか!」
……彼女の辞書に反省の二文字は存在しないようだ。
「だいたいなぁ、イブって次の夜を指すだろ。常識的に考えて…」
カチカチと時を刻む時計を見れば、なるほどあと1・2分で夜の12時。
つまり、イブになるわけだ。
わかった。こいつの頭はおかしい。
「せっかく年に一度しかないクリスマス&クリスマス・イブだ!
全力で楽しむために、この師走蜜柑様がわざわざこんな格好までして夜這いをかけてやったのだぞ?
感動の末号泣しながらひれ伏すのが、常識というものだろうがっ!」
「んな常識は生憎持ち合わせてねぇんだよ、明日相手してやるから、帰れ」
そういうと、暗闇の中の彼女は少しだけ悲しそうな顔をしてこちらを見つめる。
「……夜這いの部分には反応してくれないのか?」
「うるせぇ! 襲うぞ?」
窓を見れば、外には、今やしんしんと雪が降り始めてるというのに、この女……雪ぃ!?
道理で寒いわけだ。
そんな日に勝手に「天井←→天井裏」間を突貫工事しがって……
102 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:43:18 ID:1+kt8v5U
襲うと言われ、彼女はやや顔を赤く染める。
「お、襲う? よ、よし、ドンとこい」
「冗談だって! 胸元はだけんなっ!」
そのまま、ごそごそと服の裾をたくし上げた。
ナニヲシテイルノデスカ?
慌てて止めれば、彼女は萎れたような表情で、小さく呟く。
「うぅ、いつ襲われてもいいと思って、下は穿かないで来たのに……」
「はうぁ! な、な、なっ!」
思わず、言葉が出てこない。
少女は、確実に真っ赤に染まった俺の顔を覗きこみ、それからぺロリと舌を出して笑う。
「冗談だ。ほら、目が醒めたろう? 行くぞ」
そうだ。こいつはそういう奴だ。
いつも俺をからかって、それから舌を出して笑うのは癖。
ため息一つで諦めて、俺は降参とばかりに諸手を上げる。
そうして、八月と並びえる暴虐無人な女王様は、俺の手を引き夜の町へと飛び出した。
103 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:45:09 ID:1+kt8v5U
「結局。おまえなんだったんだ?」
「いやぁ。雪が綺麗だったから、つい」
東京の十二月に雪が降るのは珍しい。
どうにも、俺の記憶が正しければ、彼女はこれで二度目の雪なのだろう。
今や雪はかなり弱々しくなり、最早ところどころ星が見えるほどに雲の薄くなっているところもあった。
だが、あいも変わらず、空気は凍てつくように寒い。
「浮かれて、とりあえず適当なこと言って俺を引きずり出したと……お前は子供か?」
俺たちは、何とか歩いてきた大きな楓のある公園まで歩いてきた。
公園の奥にある小さな森は、今や葉を落とし、裸で寒気に耐えている。
俺たちは、錆びてボロボロなブランコの周りの手すりへ並んで腰掛けた。
「たはは、私はまだまだ子供だぞっ……へくちっ」
「まったく、風邪引いたらどうすんだ?」
俺はさっとコートを脱ぐと、蜜柑の肩へかけてやる。
ミニスカートに肩が大きく露出した衣装の彼女は、凍ってしまうのではないかと思えた。
彼女はコートの端をぎゅっと掴んで引き寄せた。
104 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:47:20 ID:1+kt8v5U
雪が真夜中の公園へと降り積もる。
雲が敷き詰められた夜空は、真に暗く、まるで光が吸い込まれているかのような錯覚を覚える。
そこから零れた落ちた白色の結晶は、眠らぬ町の電光を不気味なまでに照り返す。
「覚えてるか? 君はいろんな私たちを見てるけど、私はね。小さい頃一度しか会ってないんだ」
……また昔話か。
彼女たちは、あまり長い時間を生きていない。
人生を12等分してるんだ、当たり前だ。
だからなのか、俺といると必ず1度は昔の話をしたがった。
「ああ、覚えてる。俺が除夜の鐘が聞きたいって言い出して、いつもより早くこっちに着たんだよな?」
彼女は、やはり寒いのか、少し震えながら雪を眺めている。
あの時はこいつも、俺と同じ小さな子供だった。
105 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:48:51 ID:1+kt8v5U
「そうそう、君と私は寝ないで聞こうと言い合って…」
だというのに、彼女は小学生にしてはありえないほど、真剣だったのを覚えている。
それは今思うと自分がいなくなる、最後の日だったからだろう。
除夜の鐘は、彼女にとってちょっとしたカウントダウンに聞こえたのかもしれない。
「俺が寝るなと言われ続けてるうちに、歩いていれば寝ないって考えて……」
「そうそれで、二人で手をつないで、駄菓子屋行ったんだな。君の奢りで行くことになってた」
……それ以上は言えなかった。
その駄菓子屋にたどり着く前に、彼女は牡丹になっていたからだ。
「すまん。あの時は奢るって約束。守れなかったな」
「覚えててくれたのか……じゃあ、今奢ってくれ」
ニコリとこちらを見て、彼女が笑う。
満面の笑みが、まばゆく輝いた気がした。
106 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:51:21 ID:1+kt8v5U
その格好で行くのかと小一時間問い詰めたいところだが、どうにも本人は問題を感じないらしい。
二人だけでカラオケに行って朝まで、追い出されかねない勢いで散々騒いで、その夜は過ぎた。
結局目覚めは、午後一時を回っていた。
徹夜で騒いだんだ、当然か……
目覚めと同時、酒飲んだ記憶もないが、痛む頭をさする。
それから、そうだ、騒いでるとき唐突に肩組まれてそのまま引き倒されたのだと、思い出す。
けど、なんだかんだで楽しかった。
笑いながら歌ったので、音程もクソもなかったが、最後にバラードを熱唱する蜜柑は、本当に歌がうまかった。
自分しか知らない、彼女の一面を見れた気がしてちょっと笑みがこみ上げる。
だけどまあ、よく考えればこの時すでに気がつくべきだった。
クリスマス・イブは、本来今日だったのだ。
107 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:53:21 ID:1+kt8v5U
「うひゃぁ!」
夜の十時頃だっただろうか?
何かがさごそと音が聞こえていたのは、わかっていたのだ。
だが、それがまさか懲りずに天井裏へと登った蜜柑だとは、気が回らなかった。
「重い……」
哀れにも俺は下敷きにされ、落下地点の真下。
間抜けにも、昨晩突貫工事された穴の下で待機していたわけではない。
この馬鹿が、新しい穴を増殖しただけである。
「失敬なっ! 私はコレでも、女性の平均体重以下だ! 流石にこれ以上痩せると胸が……」
「違えよ! どけって言うことだ!」
人の上に圧し掛かり、ぎゃーぎゃー喚く彼女は、幾度かの説得の後
「せっかくの天国をフイにするのか?」
などとブツブツ言い続けたが、彼女にしては物分りよく俺の上から退いてくれた。
108 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 20:58:36 ID:1+kt8v5U
「で?なんだ今度は?」
「うむ、ちょっと窓を見ろ!」
窓を見れば、また粉雪が裏庭へとちらちらと落ちて行くのが見えた。
だが、その雪は昨日のそれよりも、ずっと弱い。
丸裸の柳桜に、控えめの雪がゆっくりと降り積もる。
「こんな冬は、初めてだな」
「そうかい」
並んでしばらく、白い奇跡を眺める。
それから、彼女は思い出したように振り返り、小さく笑みを浮かべた。
雪が窓から差す人工の光に輝いて、彼女の肌を白く染める。
「また公園へ行かないか? なあに、今夜はミニスカサンタなんて奇妙な格好ではないぞ」
「みりゃわかるよ」
クリスマスに着ないでいつ着るんだ。家で着てればいいじゃないか。
そんな俺の思いも空しく、彼女に引き摺られる形で、雪の降る聖夜へと俺たちは再度繰り出した。
109 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 21:00:07 ID:1+kt8v5U
「やっぱ寒くないか?」
出来る限り厚着をしてきたつもりだったが、少々風も出ていて、やはり肌寒い。
サンタのコスプレではないにしろ、ミニスカートの彼女には辛いはずだ。
「いや大丈夫だ、子供は風の子というじゃあないかっ」
本当に子供らしい表情で笑う。
どうにも俺は、この満面の笑みに弱いらしい。
「まあ、そう言うだろうと思ってな」
俺は昨日と同じ手すりに腰掛け、コートを彼女の膝に掛けてやる。
彼女は、ちょっとだけ顔を赤くして、でも拒否はせずに飽きもせず雪を眺め始めた。
小さな沈黙。口を開いたのは、彼女。
「ホワイト・クリスマス……昨日まで雪を見た事のなかった私への、最高のクリスマスプレゼントだなっ」
「そうだな、だけどそれなら、もっといっぱい降ってくれてもよかったのに」
俺の言った不満に対し、彼女は「そうだな」と返して、微笑んだ。
錆びた鉄の手すりは、ひんやりと冷えて冷たい。
ちょっとでも暖かくなるように、手を握ってやる。
その温もりが、雪振る聖夜には心地よかった
「あのさっクリスマスプレゼントがあるのだよ……目つぶって」
110 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 21:01:22 ID:1+kt8v5U
「いーから早く」
「……」
おい、このシチュエーションは……
駄目だ、俺にはアイツが……だけどっ、だけどっ!
「大丈夫だよ。桜も拒否されたのに、私なんかが出来るわけないじゃないか」
そう言うなら、俺はこいつを信用するしかない。
彼女が、手すりから降りて目の前へと立った。
真新しい白いマフラーに同色のコートでまるで雪の妖精みたいでいとおしく思える。
「ほら、早く……」
視界が暗転すると、急に心臓の音がでかくなった気がする。
しばらくすると、首もとにやわらかく暖かい感触が包む。
目をあけると俺の首元には、彼女がつけていたはずの真っ白なマフラーが掛けてあった。
「……暖かいか?」
目を開けたって心拍数は上がる一方だった。
111 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 21:02:13 ID:1+kt8v5U
「ふふふ、この師走蜜柑様からのありがたい手作りマフラーだ。
さあ、泣いて喜べ! 目の前に跪いて喜びを表すがいい!!
ついでだから狂喜乱舞して、この雪の中を犬のように駆けずり回れ。
そして、どこぞの危ない新興宗教の信者並に思う存分崇めて、抱きしめて
ついでだから今晩のオカズにでもするがいいだろう!!」
照れ隠しか、急に饒舌になった彼女に対し軽くため息をつくと、目の前に本当に跪いてやる。
「うわぁ、ちょっとっ!」
あまりの唐突な出来事に硬直する彼女に対し頭を垂れ、称えてる感全開の勇ましい声で宣言してやった。
「姫! ありがたきお言葉!! この四葉感激の極みでありますっ!
姫のものと比べるといささか不安がありますが、姫のために一つ贈り物を用意いたしました」
「え?…ええ!?」
俺はポケットからプレゼントを取り出すと、跪いたまま顔を上げる。
いつもと違うノリに困惑し、真っ赤に染まった蜜柑の顔がそこにあった。
「失礼。お手を……」
にやける顔をどうにか堪え、慌てる彼女手を恭しくとると、その指に銀の指輪を挿してやった。
112 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 21:03:12 ID:1+kt8v5U
いつも振り回す彼女は、どうにも振り回されることには慣れてないらしい。
熟れた果実のように、顔を真っ赤にしながら、俺と目を合わせない。
「……無理…恥ずかしい」
「いつもの俺の苦行だ。人目がないからマシだろ?」
「人目あったらしんじゃう……」
珍しくうろたえる彼女を思う存分眺めてから、俺は口を開く。
「ほんとはな、あの大晦日の時、玩具の指輪買ってやろうと思ってたんだよ」
だけど、渡す機会は今の今までずっとなかった。
なにしろ、彼女と再開するのは、今月になってからだった。
けれど、小さな頃の約束とはいえ、それを果たさないのは男が廃る。
「だから、遅れた何年分もまとめて、ちょっとリッチにな」
「ありがとう。これで四葉と逢えない一年も我慢できそうだ……あっ」
急に明るくなった気がして、空を見上げる。
雲が月光の冷たさを嫌いかわずかに裂けて、そこから漏れる明かりが粉雪を照らしだした。
輝き落ちる様は、それは、それはとても綺麗だったが
「うわあぁぁ……」
隣で歓声を上げる月光に照らされた横顔は、比べるのも可笑しいほどに綺麗だった。
113 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 21:04:02 ID:1+kt8v5U
ある大晦日の日、除夜の鐘が鳴り終えた後……
「よつば様? 如何しましたか?」
「いや、なんでもないよ。ちょっと、おみやげを買っておきたくてさ」
参拝客でごった返す寺を出店が賑わっていた。
その中を、つい先ほど日付と共に名前の変わった少女が、少年と並んで突き進む。
「そうですか。ではお守りなどは如何でしょう?」
「いやでも……あっおっちゃん、これちょーだい」
その並ぶ出店の中、少年は一つに目をつけ、手に取る。
「何を買ったんですか?」
「内緒だよ、それよりさ……」
少年の手に握られたのは玩具の指輪。ガラスの指輪。
これはとある泣き虫のせいで、直接彼女の手に渡ることはなかった。
けれど少年は、大人になり違う形でプレゼントすることになる。
╋第五話━━ 『師走 蜜柑』
- 終 -
乙ー
この前のVIPのノリのときよりもさらにクオリティがアップしてていい感じ。
そういえば
>>40の画風に見覚えがあるんだけど擬人化スレの人?
クォリティーが上がったなら、多分2年で成長したんだろう
成長しない方がおかしいかw
擬人化スレで煙草擬人化連発してた奴なら俺
ほほう
絵も文もいけるとはすばらしい
紅葉も散り始めた11月某日。
俺は椿と並んで、通学路の銀杏並木を歩いてた。
11月は、多分俺の知りえる中で、最も優しい時間を過ごせる月だ。
「なあ、今日の一時限目って何の授業だっけ?」
「…………」
彼女は、俺の質問に対し首を傾げる事で答えた。
「そうだ体育あるよ。お前、体操服忘れてないよな?」
「…………」
次は、ただコクンと頷くだけだ。
会話が続かない。これはこれで他の人格とは別に疲れる。
だが、他の人格と比べ、存分に心休まる時が送れた。
「なあ、俺煩いか? それなら黙るけど」
「…………」
椿は俺をじっと見つめる。一瞬の沈黙が、二人の間を駆け抜けた。
「…………貴方との話は…好き」
とだけ言って、スタスタと先を急いでしまう。
そうこいつは、彼女たちの中で一番わかりやすく、素直なのだ。
若干の羞恥に耐えれば、問題はなにも起きない。
╋第六話━━ ,. -ーr
/` {
ヘ / / } ,. ーァ
/ ヽ, { / }/ i
/ i ヽ_{_... 、 / . }
{ i / ヽ. Y / }
{ ,r{ ;',',','; -┴; / /
{ / ヽ. )ー7 / ,.イ
} i `ヽ-'__/\ /. |
ヽ `ヽ__,イ、` 、._/"/ l
\ / ||  ̄/ /
`"~ヾ|| / /
|l { / / 『霜月 椿』
|レ^ヽー'´
銀杏並木は黄色い葉を落とし、夕日に染められ、通学路に黄金色の絨毯を作っていた。
たまに吹く風が、金色を閉じ込め舞わせる。
「……」
「…………」
隣りにいる彼女は、何を考えているのかいまいち伝わらない無表情。
そのちょこんと数本だけ、まとめて伸びた髪を風に煽られつつ突き進む。
俺はニコリともしない彼女を眺めながら、会話がなくても心地よい雰囲気を楽しんだ
「……どう……したの?」
「どうしたって? なにが?」
椿は立ち止まらずに、ゆったりとこちらを見上げる。
ガラスのように済んだ瞳が、歩みに合わせてゆらゆらと揺れ、水面のように俺の顔を映し出す。
その眼には、わかりにくいが、悲しみが映っている気がした。
「……だって、ちっとも話しを、してくれないもの」
「そうか、ごめんな。偶には静かなのも良いと思ってさ」
すると、彼女はキョトンと俺を見上げ、ちょっと微笑む。
黄金色に染まった風が遠くを走り過ぎた。
銀杏の葉が空から溶けることない雪のように落ちて、カーペットに参加する。
「……」
「…………」
沈黙したまま、二人はゆっくりと進む。
聞き取れないほどの小さな音を立てて、黄葉がまた一つ、また一つ落下する。
しばし歩いて、彼女は不意に言葉を紡いだ。
「よかった。同じ……」
「え?……」
聞き返す俺にもう一度微笑むと、ちょっと足を早めた。
彼女なりの照れ隠しだろうか? まるでもう言わないとでも言うように、早足になる。
そして、少しだけ先行し、振り返って破顔しながら、俺の袖をちょこんと摘む
「急ご? ……お腹空いた」
薔薇みたいことを言い出して、引っ張る彼女は、抱き締めたいくらい可愛かった。
アパートに戻って食事の作れない彼女の分もまとめて食事を用意する。
二人で並んで食事を済ますと、二人でTVを観て過ごす。
会話は少なくとも、とても優しい心地のよい時間を過ごせた。
「旨かったか?」
「うん」
「そっか」
そんな時間を過ごしているうちに、気が付けば既に夜は深い。
ゆっくりとした時間は、終わりが近づいていた。
「そろそろ、夜も遅いぞ。明日学校だし、帰る準備……どうした?」
彼女は何も言わなければ、いつまでも帰ろうとしない。
だから、ある程度夜遅くなると、俺が声を掛けるのが慣習だった。
「…………」
彼女は、いつもは一言だけ、こちらにサヨナラを告げて帰るはずだが、今日は、いつもと違った。
何故か立ち上がると蛍光灯を切り、窓に近づく。
そして、ちょんちょんと手招きをして俺を呼んだ。
「……綺麗」
彼女の行動の真意は、すぐに解った。
窓を見上げ、ぼそりと言った声を頼りに俺も釣られて見上げる。
そこには大きな満月が浮かんでいたのだ。
「……」
流石に十五夜と比べるとやや見劣りするが、それでも十二分に大きい満月。
十一月の澄んだ夜空を飾る様はとても美しく、無言で見上げる彼女にとても似合う。
「……本当だ」
なんとか返した返事はひどく頼りないものだったけれど、彼女は満足したように、僅かに微笑む。
満月の刺すような月明かりは青白く、でも、とても暖かく、僕らを照らしていた。
俺は立ち上がって、隣へと移るとその輝きは幾倍にも増した。
「…………」
しばし二人で月を眺めていると、ふと思い出した事があった。
「そういえば、昔俺、お前を一度だけ驚かせたことあるよな?」
いつもは彼女達が昔話してくるが、今日は珍しく俺から言葉を紡ぐ。
思いながら、当時を邂逅する。
だが偶には良いだろうし、こちらから話さなければ、彼女が昔話をする事もない。
それは、今みたいに二人で会話なく紅葉を眺めていた時だった。
今はもう慣れたが、当時俺はまだ幼く、会話がない空気にに耐えきれなかった。
「あの時お前、なにやっても驚かなくてさ、近所の猫が近づいてきたから俺が追いかけたんだ。それで──」
「……戻った貴方に、どうだったのって聞いた」
彼女も覚えているのか、ちょっとだけ懐かしそうな顔をして言葉を次いだ。
蛍光灯の明かりがなくても、十分にその表情は伺い知れた。
「俺はお前を驚かせたくて、ちょっと嘘付いたんだよな。食べちゃった……って」
「……あれは驚いた」
月明かりが照らす裏庭と、それを見る俺達だけの世界で二人はクスリと笑いあう。
眩い満月に、俺たちの顔が照らされている。
「そしたらお前本当に涙ぐんでさ! 後で嘘だって言ったら、カンカンに怒ったんだよな」
「だって……」
明るく、優しく、照らし出す。
「あの時お前、可愛かったぜ?」
「っ!……」
少し、月明かりの世界が変わった。
椿の雰囲気が変わったように感じて、月から目を離し、彼女に向ける。
「え?」
けれど、その顔は伺い知ることは出来ない。
彼女の顔を見る前に、雲が帳を落としてしまったのだ。
刺すような月明かりが戻ってきたとき、彼女はいつもの平常心の鉄面皮を取り戻していた。
「お前今……」
俺はちょっとだけ驚いて、彼女を見つめる。
見つめ返す彼女は、まるで何事もなかったかのように、澄んだ目を返す。
そのまま、やや首をかしげて告げる。
「……帰る」
それだけを言って、蛍光灯を付け直し部屋を出て玄関へ向かった。
なんだ、十分動揺してるじゃないか。
今まで一度も自分から帰るなんて言ったことないし、帰る時は必ず言うサヨナラが、今日は聞こえない。
(コイツも、一人前に動揺するのか)
そう思うと、先ほど刹那だけ見えた表情をひどく可愛く感じることが出来た。
帰り際、私は彼に聞こえないように小さく零す。
「……私も、イタズラしたかったのに――」
「え?」
何でもないと言う意思を手で表し、私は彼の部屋を去った。
╋第六話━━ 『霜月 椿』
- 終 -
本日はここまで
129 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:27:48 ID:KQzM6+w2
秋も深まるこの時節。
ススキが目立ち始めた公園の脇を通り過ぎ、アパートの前まで歩いて帰路を急ぐ。
そこには瞳を目一杯の好奇心で溜めた彼女が、先回りして迎えてくれた。
「あっ!四葉!!おかえりー」
元気一杯だが舌ったらずという器用な可愛い声は、今日と言う日を受けていつも以上に元気が増していた。
竜胆という大仰な名に似合わず、彼女は他の誰よりも子供じみていた。
「おう、ただいま」
もみあげの脇だけをちょんと結んだ特徴的な髪型が、ぴょこぴょこと動きまわる。
元気に跳ね周る彼女に合わせ、健気に、力強く。
俺は階段を登り彼女の隣りまで行くと、彼女の頭をくしゃくしゃと撫でてやった。
少し乱暴な動きに身を任せ、ちょっとくすぐったそうに体をよじる彼女の姿は、まるで子供のようだ。
10月の31日。
俺達にとって悲しい別れが十数時間と近づいていたが、今月はまだ救いがあった。
今日はあの子にとって、お祭りなのだ。
精一杯、騒ごうじゃないか!
130 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:32:40 ID:KQzM6+w2
╋第七話━━ j\ _/'|
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ヽ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__;;;;-" | .|i:::" ヽ l 『神無月 竜胆』
.| .| ヽt,;;;_i
131 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:34:32 ID:KQzM6+w2
「えへへ〜竜胆ねぇ、いい子にしてたよ? だから、もっと撫でてー」
「はいはい…」
10月ともなると陽の落ちる速さは早くなり、すでに空が茜と群青によって、真っ二つに分けられている。
今に群青が天を覆い、空に星が目立つであろう。
「ほら、早く部屋に帰んねぇと、夕飯抜きにするぞ? 二度に分けて皿洗いなんかやってられん」
竜胆は元気には〜いと返事をすると、ちょっと期待の眼で俺を見てくる。
料理の出来ない月の月末は、決まって豪華にするというのは、俺が勝手に作った習慣だ。
今では入学直後、料理を教えてくれた桜に本当に感謝していた。
「早くー! 今日は豪勢なんでしょー?」
「おう、腕によりを掛けて作ってやるぜ」
竜胆がニコニコと笑いながら、俺の後ろにつく。
期待に満ちた瞳を見て、俺はそれに応えるべく、そそくさと自分の部屋のドアを開けた。
──っが、俺は別の意味で彼女の期待に応えることとなる。
132 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:36:39 ID:KQzM6+w2
まず、部屋に入ろうとして静電気にやられた。
ちょっとどころか、かなりビビった。
竜胆が後ろからくすくすと笑う。
少々苛立つが、この時期は良くあることだ。いや……本当はここで気がつくべきだった。
「あれ?」
次に鍵が掛かっていない事に、若干疑問を覚える。
朝掛け忘れたのだろうか?
まあ、そんなことなど対して気にせず、ドアを開け玄関へ踏み出す。
「うわっぷっ!」
次の瞬間、全身びしょ濡れになるほどの水が俺に襲い掛かる。
後ろから、ドンと突き飛ばされると、目の前には墨汁をたっぷりと含んだ雑巾が俺の顔面を迎えてくれた。
わけもわからず、目を白黒させれば、玄関口で笑い転げる竜胆を発見した。
すぐにこれらの主犯が彼女なのだと理解する。
133 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:37:31 ID:KQzM6+w2
「何がいい子にしてただ!」
けらけら笑いやがって、そんなにおかしいか? いや、こんなことをする意図が掴めん。
「あははははっ! あっはっはっはっはっはは!! ……四葉! とりっく おあ とりーと!」
「………」
……竜胆、それは悪戯する前に言う言葉だ。
まあ、本人はお菓子より悪戯のほうが楽しいから強制的に悪戯を選ばせたのだろう。
悪戯というより巧妙な罠なのが、かなり悪質である。
「およ? 四葉? 怒ってる?」
「いや、お前の思考に驚いてる」
とりあえず、もう10月も終わり、秋から冬になるという時節である。
ずぶ濡れという状況を何とかするため、上着を脱いで絞ると、黒い液体が滴り落ちた。
「脱ぐな変態!」
「黙れおバカ!」
夕飯は遅くなりそうだ。
134 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:39:42 ID:KQzM6+w2
顔面から漂う墨汁特有のあの匂いをやっとの思いで消し、竜胆と自分のための料理を用意する。
竜胆はいつのまにかちゃぶ台へ着席を済ましていた。
流石に豪勢にするとはいえ、仕送り生活に外食は厳しい。
だから精一杯の努力の末、今日はギリギリがんばってステーキハンバーグ。
やはり、男子高校の料理スキルで豪華なものはこれが限界だった。
「よつば〜! お腹すいたよぉ!! 早く食べよぅ」
「誰のせいで遅れたと思ってんだ…」
往復が面倒で、二人分の食事を一度に全て、器用に運びながら言い返してやる。
竜胆は、一言「てへ☆」などと誤魔化そうとしたが、今に見よ。
「いやーそれにしても、見事に引っかかってくれたよね〜
まさかあそこまで綺麗に決まるとは、流石の天才竜胆ちゃんもよそーがいだったぁ!」
腕を組み、うんうんと頷きしみじみと自画自賛。
その姿は竜胆がとるとどうにも子供臭い。
そもそも、途中突き飛ばして無理を通してただろ、絶対。
135 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:40:51 ID:KQzM6+w2
「なにおう! あれも計画だぞぉ! 竜胆と会うたびに必ず悪戯されているんだから、四葉はいいかげん学習してよ」
「……今月はずっと無かったから油断してたんだよ」
彼女には過去にも、沼に落とされたり、落とし穴に埋められたりと経験している。
悲惨なものだとその落とし穴には、冬眠中の蛇(アオダイショウ・無毒)が入ってたりとかなり悪質な悪戯にあっていた。
いや、悪戯よりもいじめと呼ぶほうがより近い。
こんな悪戯によく遭っていたのから、田舎の子供は恐ろしいものだ。
「そういえば、そうだったねー!なつかしー」
微笑ましく思い出すな。
過去には死にかけたこともあったろう。
子供っぽい仕草の彼女を見ていると、どうでもよくなってくる自分が怖い。
そのまま二人で、竜胆の懐かしき武勇伝に花を咲かせる。
あれは酷かった、あれは失敗しただのといっているうちに夕食を平らげてしまった。
それでも後片付けを始めようとはせず、二人は最後の夜を楽しい思い出で飾るため、昔話を続けた。
136 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:41:48 ID:KQzM6+w2
外はすでに暗く星たちが瞬いていて、完全に姿の見えない新月がその暗さをいっそう引き立てていた。
「あっそういえばさ…」
彼女が片手で顔を支えながらまた語り出す、その顔は子供っぽい笑みで染まっている。
「次はいつの話だ? あー石が詰まった黒板消し落としとかきびしかったな、二度とやってくれるなよ?」
「あれは見事に決まったよね? 瞬の方が……って、その話じゃなくてねっ」
また竜胆はニヤニヤと何か企むように笑い出す。
経験から若干身構えるが、どうも新しい悪戯を思いついたとか言う事ではないらしい。
「いつだっけ? 私達とデパート行ってさ。気がついたらおかーさん達居なくて……」
「あれは……確かにお前の中でトップ・テンに入る悪戯だな。お前が愚図り出してさ」
確か小学校低学年か幼稚園の時の話だ。
愚図り始めた竜胆の手を引き、俺は母親を探して彷徨っていた。
幼い俺たちに迷子センターに行くという思考回路は出来ていなく、かなりの時間を浪費したのを覚えている。
「愚図るというか……まあ、演技だったんだよー」
「あれがか? はっ、あれはどう見ても本気に見えたけど?」
幾度か知らない人に声を掛けられたが、俺たちはどうにも迷子ではないと断言したらしい。
最後に一声掛けられた見知らぬおばさんに迷子認定を受けた俺たちは、ついに迷子センターにたどり着いた。
137 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:42:55 ID:KQzM6+w2
「そこで出てきた受付のねーちゃんに向かって、お前は俺を後ろから突き飛ばして……」
「「ままー!」って後ろから声まねしたんだよねー」
重なって口から出たままー!の声を聞いたらなんだかおかしくなって、二人は大きな声で笑いあった。
「あはーっはははは!」
「ばか野郎! 大声だし過ぎだ、近所迷惑だぞ! はっはっはっはっ!」
俺は注意しながらも他人のこと言えないくらい大声で笑うと、話を次いだ。
「お前さっその後、散々からかってくれたのな?」
「あたりまえでしょっ? それをからかわないでいつからかうのよっ」
そのおねーさんに笑いながら「お母さんだと思っていいのよ?」といわれたのは、後日トラウマになった。
そう丁度その日もハロウィンの日で、とりっくおあとりーとと誤魔化されたのだ。
そこでハタと気がつく。
もしかして、彼女が今日突き飛ばしたのは、それを思い出してなのかもしれない。
ただの勘だが、なんとなく当たっている気がした。
138 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 22:43:51 ID:KQzM6+w2
「さてっちょっと待ってろ」
夏から部屋の時計は壊れているので当てにはならない。
反射的に携帯を出して時間を確認すると、食器をまとめて台所へと運んだ。
別に洗うわけでもなく、水にだけ浸すと冷蔵庫からあるものをとりだす。
「ハロウィンだしなっこんなのを用意しておいたぜ」
そう言って冷蔵庫から出した籠の中には、手作りのマフィンがいくつか入っていた。
「おおぉ! 用意いい!! よつば、でかした!!」
急にテンションを上げ、喚きだす竜胆。
子供っぽく跳び回る姿を見ていると、ちょっとだけ意地悪したくなって、でもなーと付け足す。
「Trick or treat? とか訊いて来たけど、俺に悪戯したよな? ってことは、お菓子はいらないんじゃないのか?」
言われて、跳ね回るのをやめた彼女は、まるでこの世の絶望が来たかのような表情で俺を睨む。
その上、睨んでるくせに死んだ鯖みたいな目をしていた。
「うそだよ冗談、食おうぜ?」
その反応を楽しんだ俺は、籠をちゃぶ台に置く。
目を輝かせる竜胆は子供のようで可愛かった。
139 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:00:07 ID:KQzM6+w2
マフィンは常温保存が基本だが、俺が冷蔵庫に入れてあったのにはわけがあった。
「おおぉ! 中にチョコレートが入ってる! よつば、ぐっじょぶ!!」
時間もなく、冷蔵庫に叩き込んでおいたため、実はちょっと不安だったりしたのだ
だが、どうにもうまく事が運んだらしい。
喜ぶ彼女へ最大の笑みを向けてやる。
「うまうまっ」
さらに俺は数個取り出して電子レンジで暖めておいたものを彼女に渡す。
中のチョコが解けていてそれも成功したみたいだった。
そして多分、最後の仕掛けもきっと。
「もう時間少ないからなー。急げ急げ」
時計はあと少しで、12時を示す。彼女との別れが、刻一刻と迫るのを肌で感じた。
窓から見える月の無い夜空はどこまでも暗く。
だけれど、いつも以上に星が瞬いて見えて、それはそれで綺麗だった。
140 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:00:41 ID:KQzM6+w2
口の周りをチョコで汚す彼女は、時間が近づくと髪を結ったゴムを外して、交代に備える。
それでも、気に入ったらしいマフィンは手から離さなかった。
それを見ていると俺も我慢できなくなって、一緒に自信作のマフィンを頬張った。
俺の一緒になってもぐもぐと動かす口が止まるを待ち、彼女が切り出す。
「なぁ、よつば……もうお別れだ」
「ああ」
「だが……ぐずっ……サヨナラは、言わないぞっ……うぐっ…また会おうな」
よく見れば、彼女は食べながら嗚咽を漏らしていた。
「いい子だ…」
俺は、ちょっと笑いながら、頭をなでてやった。
いつものように、撫でてくれとは言ってこないが、それでも、彼女は俺に身を預けてくれた。
最後の一つのマフィンを手渡すと彼女は泣きながらも精一杯笑ってみせる。
俺も、思いっきり笑って応えてやった。
「もう…ぐすんっ……最後の一個だ……よつばっ! 来年もずっず…お願いっまた用意してね……ぐずっ」
「おうっ待ってろ、もっと料理上手くなって、今度はパワーアップしたの作ってやるからなっ」
それを聞くと、彼女は顔をくしゃくしゃにして、笑ってるのか泣いてるのかわからない顔で笑い。
141 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:01:45 ID:KQzM6+w2
最後の一口を齧り、目を見開いた。
「ん? うはわ……辛らあああぁ! ……みず、みずぅ! !……ちょっろ、よすはっ! たわすこいれたらぁ!!」
「タバスコじゃなくて、ラー油だよ」
竜胆は別れの空気をぶち壊す叫びをあげ、そこに炎の幻視をみる。
チョコの代わりにタバスコを詰めたマフィンを片手に、泣くのも忘れて、俺に詰め寄り猛抗議してきた。
ただ、辛さのためか呂律がかなり怪しい。
それに対して、俺は腹を抱えて笑ってやる。
まるで先の玄関での騒動のときのように、その仕返しとばかりに。
やはり、こいつとの別れに湿っぽいのは似合わない。
「ぶははははははっ! ほら、もうすぐ12時になるぞっ」
「んー!んーー!もうっ!!もうもう…よつばぁ……っぐず…ばかぁ…でも、ありがとうなー!!」
その言葉を最後に、竜胆はゆっくりと目を瞑る。
手元の携帯の時計機能が12時を示すと同時、頭にぴょこんと跳びはねたアホ毛が、彼女の呼び名が代わったことを告げていた。
142 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:02:26 ID:KQzM6+w2
「……………」
椿は何も言わず、こちらを見つめ、俺の頭を撫でてくれた。
突如視界が歪む。
「あ? あれ? あれれ? あークッソッ、泣かないって……決めてたのにな。かっこわりぃ……」
椿は俺が泣き止むまで、ずっと頭を撫でてくれた。
俺が、どうにか立ち直って彼女に礼を告げる。
ありがとう、もう大丈夫だから
「……はむ…」
「あっー!」
思わず叫ぶ俺を尻目に、手に持ったマフィンを口へと運び、しばらく咀嚼し、
「……辛い……けど、おいしい」
とだけ感想を残すと、彼女は自分の部屋へと戻った。
これで騒がしい10月は、終わった。
しばらくは、とてもゆったりとした時間が流れてくれるはずだ。
「あーあ、来年は、ラー油の謝罪も兼ねて美味いものでも作ってやるか!」
月の無い窓の外は暗闇に包まれ、それでも微かに、でも確実に、星の明かりが瞬いていた。
143 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:03:16 ID:KQzM6+w2
迷子センターに、少年ともみ上げだけを結った少女が訪れる。
「へ〜、よつば、おねーさんが好きだったんだぁ!」
「ちげーよ。お前がママーって叫んだから、俺が足に抱きついて誤魔化したんだろ?」
「うそー竜胆、しゃべってないもんっ」
「ああ、はいはい、わかったよ。僕はきれーなおねーさんが好きです」
「ううっもうっ……ばかぁ!」
「うわっ……ったく、なんだよアイツ……」
少女が駆け出し、部屋の隅へと逃げ出す。
「あーぁ、大人のおねーさん…かぁ……」
幼い竜胆は、誰にも聞こえない場所で聞こえない声で、そうぼやいた。
144 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:07:49 ID:KQzM6+w2
╋第七話━━ 『神無月 竜胆』
- 終 -
145 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 23:14:56 ID:KQzM6+w2
本日はここまで
ご清聴ありがとうございました
やっと追いついた……
だがゆっくり読んで正解だったよ
続きも期待しております
さてさて、忙しさゆえに滞ってはや5日
すでに全てが終わっているので、本日は0時にて投下開始
残り約50kb
そのまま最終話まで突撃する所存でございます
皆様、今しばらくお待ちあれ
な、何ィ!?
149 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 23:59:06 ID:37uNJGsd
さーて! 投下始めるよー!
髪を梳かしてやる日々から開放され数日、現在梅雨の真っ只中。
濡れた蛙が盛大な合唱を繰り広げる中、俺は迂闊にも傘を忘れた水無月と共に相傘で帰っていた。
蛙の感謝祭に応えるためか、いつも以上に強く振る雨は、何もこんなときにも、とは思うが仕方がない。
折り畳み傘は二人で使うにはあまりに狭く、濡れた自分の肩を眺めながら、もっと大きなものを買おうと決意する。
だけど、水無月と並んで歩くという状況は、悪くはない。
「ぁぅ……」
「あれ? 雨掛かった」
問ながら、傘をより彼女に寄せる。
「あ……あたま…に」
髪についた水滴を払えば、彼女は大人しく俯く。
╋第八話━━
_,.r::ー.、 _
,.:´:::::::ヽ;:::::l,.r'::::;;;ヽ
!:'´_二ヾ:!::l〃F-::..、
.i´:〃:;ヘl、_/ヾ;:ヽ::::l
l::::::::/ .l_/l:::::ll::::i:/
ヽ::::l // .l:::::::::::l
` // ヽ::::::ノ
// .`" 『水無月 菖蒲』
さらに活性化する蛙の声に、意味もなく怒りをぶつけて、少し急ぎ足になる。
アパートに着く頃には、相合傘ではなかろうとも濡れるほどの豪雨となっていた。
そそくさと共用廊下の屋根の下へと潜り込んで、共に軽く雨粒を払う。
「大丈夫か?」
「え? あ、ぅ……ぁぅだ、だいじょぶ…ぅう」
なぜか、恐ろしいものと相対するように彼女は答えた。
見方によっては裁判に負けそうな構図ではあるが、これが彼女のデフォルトなので仕方が無い。
大家さんが用意してくれたであろうバスタオルを見つけ、わたわたする彼女の頭にバスタオルを被せる。
風邪をひかないように、目に掛かった前髪ごとゴシゴシと拭いてやった。
「あうあうあうあう………」
「手に合わせて声を出すなよ」
彼女はキョトンとこちらを見上げ、すぐに真っ赤になって答えた。
「う……ぁ…ご、ごめんなさ…ぃ……」
声は、尻切れトンボとなって消えていくが、どうやら、伝わったようだ。
彼女は万年この調子なので、ずいぶんと慣れた。
「謝ることはないぞ、半分冗談なんだから…」
「ふへ? ……あっ…ぁ、あっ…あ……ごめんなさい」
謝らなくてもいいという言葉に対し謝罪を返すという、本末転倒な事をされ、思わず苦笑する。
彼女の髪もう一度拭き始め、なんとなしに外を眺めた。
雨はますます勢いを増し、紫陽花の花がぬれて輝く。
「…ぅ……っあ…ぅん……ぅ………あっ…」
「ごめん、声出していいや」
声を出すのを我慢しているんだろうか?
そのうめき声に色っぽさが宿り始め、とりあえず、諦めた。
その後、各々の部屋で風呂に入って体を温めると、オニオンスープを作って水無月を待つ。
外の雨は、ついに豪雨から雷雨へと変ろうとしていた。
「雨、止まないな」
待つこと数十分。
まるでスープの完成を狙ったかのように、水無月は俺の部屋に顔を出した。
玄関からは台所が直結しているので、彼女はすぐに視界に入った俺を見るととても安心したように表情を変えた。
「あぅ…あのぅ……あっありがとう……ござま…す……」
瞳を不安に揺らし、俺をじっと見つめてくる様子が、まるで小動物のように見える。
思わずくすりと笑みを漏らして、彼女にオニオンスープを入れた小皿を渡した
熱いぞという警告も忘れず付け足して、味見してもらう。
「あう…っんぐ! ……あっあつっ!」
その警告を聞かず、慌てて口を押さえる彼女に、小さくため息。
事前に用意しておいた冷水を渡すとすぐさま飲み込み、顔を赤く染めながら、お礼を言ってきた。
「ぁっ……ぅぅ…ありがとうございます…」
敬語を使い、恐れるように挙動不審な動きをする水無月。
いつまでたっても他人行儀なのが、なんとも歯がゆい。
彼女にとって、俺はいつまでも他人であるということだろうか?
155 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 00:09:17 ID:V3mLScQ1
水無月とは、小さい頃あまり遊んでいない。
梅雨の季節と重なって、あまりこのアパートに遊びに行かなかった為だろう。
どうにかして打ち解けることができないだろうか?
しばしの黙考。彼女がちびちびとオニオンスープを口に運ぶ様子を眺める。
「なあ、いいルール思いついた。今日は敬語使うな」
「ぇ…えっと……なんでですk──」
「だ・か・ら・使うなっ!」
ルールを破る彼女の声を、言葉を被せて遮断する。
髪に潜んだ瞳がびくりと動き、俺を戦々恐々な様で見上げた。
「あう………」
意図を測るためか、期待を秘めた瞳が揺れ動く。
だが、しばらくして、そのまましゅんとうな垂れた。
俺はその頭をぐしゃぐしゃと撫でてやると、しっかりと目線を合わせて伝える。
「意地悪で言ってるんじゃないぞ。お前と仲良くなりたくて言ってるんだ。
いつまでも敬語で線引かれてたら、いつまでも仲良くなれないだろ?」
俺が破顔すると、彼女もつられて笑う。
その笑顔が心の中にある良心の部分を刺激して、少しばかり本音を漏らす。
さらに、気恥ずかしさも一握り。
「ま、ちょっとは意地悪なんだけどな!」
「うぁ…ひどぉい……」
「ほら、敬語使わないで喋れるだろう」
言われ、彼女は驚いた顔から、恥ずかしさで赤面し、そして、やっと微笑んでくれた。
珍しいその姿は、とてもとても愛らしかった。
水無月とルールを決めて数日。
彼女は徐々に俺と打ち解けて、自然と敬語を使わなくなった。
会話すらままならない瞬たちへの反応と比べると、随分打ち解けてくれたのだと実感する。
そして、本日、午後から急に振り出した雨。
今日は俺が傘を忘れ、彼女の隣を歩くこととなった。
「……ツいてねーな」
憂鬱な雨と湿気に愚痴を零す。
その声に反応して、彼女は俺を見上げてきた。
雨と土の独特の匂いと蛙の競い合う声が、二人の間を漂い包み込む。
「私は…ツいてるよ……よつば君と…いっ一緒に……かっ帰りたかったから…あぅあぅ」
思わぬ積極的発言に、ちょっと目を丸くして彼女を見つめた。
頬を僅かに赤く染め、少女は少しそっぽを向く。
雨で湿り気を帯びた空気が重くも、艶やかに彼女を彩っていた。
機関銃のように絶え間なく、鼓膜を叩く落下音。
水滴が散って、気化した水が火照った空気を冷やす。
「雨嫌じゃないのか?」
「? ……だって、雨ばかり見てるから………雨上がりも好き…だけど」
雨が好きか、変わっている。
そういえば、始めて出会った幼稚園くらいのときも、雨が降ってた気がした。
そう、それも今日と同じ、滝のように。
「あのね? ……覚えてるかなぁ……君と初めて会った時…ぅあっ!」
最後の悲鳴は、轟き落ちた落雷に対するものだ。
閃光の後、僅かな空白を挟み、耳朶を砕くような音を轟かせる。
結構近く、落ちてはいない。
「そうそう、こういう雷が落ちたんだよな」
神様がくれた奇跡とまでは行かない幸運にちょっと便乗させてもらう。
「それで、俺に抱きついたんだ」
そう、ちょうど今のように──
抱きついた腕をそっと離し、震えながら周囲を見渡して、それから抱きついた事にようやく気づく。
彼女は居心地が悪くなったのか、やっと近すぎた距離を元に戻した。
「あうぅ…ごめんね……怖かったん…だもん」
彼女は涙ぐんで、いつものようにあうあうと言い訳する。
蒸すような空気を雷鳴の余韻が、震わせていた。
「だけど、あのときと今と決定的に違う事がある…お前あの時、風邪引いてたろ?」
「えぅ……あっ……引いてた」
「それで――」
「それで……」
珍しく、彼女から言葉を被せ、俺の口は言葉を失う。
その様子を気にすることなく、、彼女は続けた。
「君は……ぅぁ…言ってくれたんだ。我慢するなって、ワガママ言ってもいいって……忘れてたよね?」
「大丈夫。覚えてたよ」
言うと、彼女は俺を見つめて心の底から笑顔を見せてくれた。
俺は彼女の満面の笑顔を始めて見た気がした。
数年前の記録的豪雨だった6月のある日。
だんだんと強くなる雨を見上げ、相傘をする幼い二人の姿が、そこにはあった
「♪かえるのうたが〜きこえてくるよ〜」
「音程外し過ぎ」
「あぅあぅ……そう…ですかぁ?」
「なんか調子が狂ってるっつうか…」
「あぅあぅ……ハァ……ひどいですぅ……うひゃあ!」
二人の間を、空気を切り裂くような雷が割り込む。
破けた空気を接合する、低い唸るような余韻が続く。
「なあ、おい、大丈夫か? おい、熱あるじゃねーか!」
「ぅう…でもぉ……」
「馬鹿っ!…体調の悪い時くらい頼れ! 少しくらいワガママいわねーと、もっと迷惑掛けることにもなるんだぞっ」
豪雨と雷鳴が微笑ましい彼らを見守っていた。
「………ほら、肩貸してやるよ…」
╋第八話━━ 『水無月 菖蒲』
- 終 -
「こぉら、四葉ちゃぁん……逃げてないでぇ。出てきなさぁい!」
しどけない姿と言えばまだ聞こえがいいが、暑さから半裸になっただけの、だらしない姿で彼女は闊歩する。
酔った勢いで俺に女装を強要する少女は、ただの酔っ払いとしか言いようがなかった。
悪質な絡み酒の彼女は、絶賛泥酔中。
「はやくぅ、出てきてぇ、このメイド服きてよぉ!」
昼間から様々な意味で全開の彼女は、きっと自重という言葉を知らない。
餓えた狼のように、部屋ドアを打ち鳴らす。
俺は覗き窓から目を離すと、頭を抱えてどう扱うかを悩み始めた。
「葉月さん。あんた未成年だろ? なにやってんだ」
夏休み。
この季節は”休み”という名称を無視して、俺の悩みは尽きることはない。
╋第九話━━ ,,、
./^l、.,r''^゙.i′
l゙:r i:i′ .|
:i^¨''iノー-i (_.vv,、
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_,ノ i::::::::::::::::::::.('`,.ヽ
( 、:|:::::.i;i;i:::::::::::i:.'^゙'<
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i '^'''‐、..゙'hノ| .|厂 . ̄′
.ヽ_ ゙メリ| .|
 ̄ ̄ |. | 『葉月 向日葵』
結局、ドア一枚を隔てた酔っ払いと男の意地の張り合いは、男のほうが折れる形で決着がついた。
敗因は、極めて単純。
共通廊下という公共の場で、半裸で大騒ぎする女性、という存在に耐えきれなくなったからだった。
同時に、辛抱強く拒絶を続けたところで、なにを仕出かすか解らないという恐怖も働いていた。
そうして俺は、彼女を部屋に招き入れてしまったのだ。
夏休みの真っ青な空には遠くに入道雲がみえて、蝉の鳴き声が鼓膜をつんざくような大音声をあげていた。
「葉月さーん、もう呑むのやめましょーよー」
こちらまで酔いそうな酒臭い息を吐き掛けるように、肩にもたれ掛かる。
機嫌がいいのか、へらへらと笑って肩をバシバシと叩くのは、いつものことだ。
「やーよー、まだ飲み足りないもーん、えへへ〜」
「だめだこの酔っ払い」
酔ってなければいい人なのだが、酔っていない彼女との遭遇率は、はぐれメタルと同列である。
彼女は続いて肩に頭を預け、脱色した髪を俺に絡ませ、笑いながら寝始めてしまった。
「ふぁ? …………あー、あたしやっちゃった?」
真夏の遅い日暮れの中、窓から差し込む茜は、ビール缶と瓶と日本酒にウォッカの空き瓶を、赤く、紅く染めていく
その他諸々、アルコール類の転がるちゃぶ台を、丸ごと照らして輝き続けた。
葉月は未だ酔い醒めやらぬ頭を軽く振り、そのまま鈍痛に襲われて、ゴロゴロとボロい畳の上を身悶える。
「あ〜う〜、こうなったらむか…」
「はい、お冷や。迎え酒なんて煽っちゃダメだよ?」
空の酒瓶を片付けながら、コップ一杯の水をちゃぶ台の上に置く。
ガラスと水が、夕焼けに侵されて、黄色く赤く満ちていた。
「あ〜ん、ありがとー、ん……ぷはっ」
水を飲み干した彼女は、顔に生気を取り戻し、多少元気を取り戻す。
目をこちらに向けて、次に周囲を見渡す。
「あはは、今回はまた派手に……」
「人の服剥ごうとしたり、拒絶したら自分がストリップ始めたり、どんな酔い方してるわけ?」
「あはっはっやっぱり、今回は派手だねー」
笑って誤魔化す葉月を、後片づけをしながら一睨み。
反省を促そうと企むが、そんな気配を微塵も感じさせずに彼女は笑い続けた。
支援
外では喧しかったアブラゼミに代わり、ひぐらしが鳴き始めている。
俺は片付けを続けながら、彼女の話相手に勤めた。
彼女を放置すれば、きっとどこかでアルコールの摂取に勤しむことだろう。
他愛ない世間話は、夕日が傾き沈み、やがてヒグラシからガマガエルへと世代交代するまで続いた。
「それで、蜜柑ってばさ、お淑やかに生きるのもいいなぁって、私に……聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。そうだ、葉月さん、夕飯なに食べたい?」
流石に酔いも醒めただろう。
きっと、このまま居座る彼女に手料理を振舞おうと希望をたずねる。
交わした視線に間髪入れず、彼女は元気に答えた。
「なら、お酒と合う物!」
「この女、まだ呑む気か」
ガマと名も知らぬ昆虫達の合唱に耳を傾けながら、腕まくり。
凝ったものは作れないが、酒のつまみくらいは作れる自活能力はあるつもりだ。
172 :
.:2009/04/18(土) 01:22:19 ID:iENZbgzb
「ふぁ? …………あー、あたしやっちゃった?」
真夏の遅い日暮れの中、窓から差し込む茜は、ビール缶と瓶と日本酒にウォッカの空き瓶を、赤く、紅く染めていく
その他諸々、アルコール類の転がるちゃぶ台を、丸ごと照らして輝き続けた。
葉月は未だ酔い醒めやらぬ頭を軽く振り、そのまま鈍痛に襲われて、ゴロゴロとボロい畳の上を身悶える。
「あ〜う〜、こうなったらむか…」
「はい、お冷や。迎え酒なんて煽っちゃダメだよ?」
空の酒瓶を片付けながら、コップ一杯の水をちゃぶ台の上に置く。
ガラスと水が、夕焼けに侵されて、黄色く赤く満ちていた。
「あ〜ん、ありがとー、ん……ぷはっ」
水を飲み干した彼女は、顔に生気を取り戻し、多少元気を取り戻す。
目をこちらに向けて、次に周囲を見渡す。
「あはは、今回はまた派手に……」
「人の服剥ごうとしたり、拒絶したら自分がストリップ始めたり、どんな酔い方してるわけ?」
「あはっはっやっぱり、今回は派手だねー」
笑って誤魔化す葉月を、後片づけをしながら一睨み。
反省を促そうと企むが、そんな気配を微塵も感じさせずに彼女は笑い続けた。
174 :
.:2009/04/18(土) 01:23:04 ID:iENZbgzb
175 :
.:2009/04/18(土) 01:23:52 ID:iENZbgzb
176 :
.:2009/04/18(土) 01:24:33 ID:iENZbgzb
.
177 :
.:2009/04/18(土) 01:25:18 ID:iENZbgzb
葉月さんからのリクエストに応え、唐揚げにピザ、サラダ、チーズの盛り合わせ.etc.etc。
唐揚げとサラダ以外は冷凍食品を駆使して簡単に作ると、珍しく彼女は料理の完成を待っていた。
できる頃には、出来上がっていると思っていたので、ちょっとだけ肩すかしを食らう。
「どうした? 手伝おっか?」
「いや、大丈夫」
彼女のなんとなく様子のおかしい理由を、昼間の酒の飲み過ぎと判断。
夕飯をちゃぶ台へと運ぶと、向かい合う彼女は、頂きますと宣伝して、唐揚げを口に運んだ。
いつものようにガツガツとではなく、おしとやかに食べ始めた。
「どうしたぁ〜?ふふ、戸惑ってるなぁ。ま、意地悪は、これくらいにしてあげよう」
葉月さんは遠くを見るような顔になって、思い出話を披露してくれた。
開け放した窓の外からは蛙と名前も知らない虫の声が鳴り響く。
「私が君と公園で遊んでたとき、私と喧嘩したの覚えてる? ほら、ブランコで…」
「えっと、ごめん。もうちょっと詳しく頼む…」
俺が彼女たちとの思い出を覚えていないのは珍しいことだ。
だから、素直に聞き返す。
179 :
.:2009/04/18(土) 01:26:00 ID:iENZbgzb
180 :
.:2009/04/18(土) 01:26:57 ID:iENZbgzb
窓から風が吹き込んで、部屋に小さな音の余韻を作る。
「ブランコに乗ってた君を後ろから押してあげたら、女の子なんだから乱暴すんなよっ! って怒り出して…」
「………? 思い出せない…」
窓から風が吹き込み、葉月の染められた髪を揺らした。
なぜだ? 何かが引っかかる……
「ふん…他の子達の想い出はすぐに思い出す癖に……私のは覚えてないんだぁ……ふうん」
敵愾心むき出しに、冷ややかな目線が俺を射抜く。
その瞳はまさしく、鼠を見つめる獅子か虎か。
冷たく、悲しそうな目で俺を見つめると、小さな声で馬鹿みたいといって続きをつないだ。
「その後君は、もっとおしとやかになれって私に怒るし、ちょっとは反省してみたのになぁ」
まあ、いいけどねっ
そう言って、彼女はビールを注いで一気に煽ると、昼間あれほど散々だったのに、またもや宴会を始めた。
名の知らぬ虫の声はいっそう強くなった気がした。
「ねぇ〜よつばぁ〜! ほらほらほら、脱いじゃいなさいよぉ」
「だぁー! 飲み過ぎないって約束だったでしょう!?」
彼女は、ふざけた調子で俺の服を脱がしに掛かる。
腕力ではこちらに分があるものの、彼女は老獪で強かだった。
脱がされることはなかったが、ズボンの防衛は危うかった。
「いーやっしっかり飲まないとぉー、気持ちよくなれないものー」
そう言うと彼女は赤ら顔のまま、きゃっきゃと笑い俺を見つめる。
どこか切望と諦観とを混ぜ合わせたような、微妙な空白、彼女は金色の髪を揺らし、意地悪な顔を俺に向けた。
そして、何の前触れも無く、唐突に宣言する。
「葉月 向日葵! 脱ぎまーっす」
「だああ! この人は酔うといつもいつも」
宣言どおり服に手をかけ、そのまま一息にたくし上げる。
俺は脊髄反射のように、押さえつけて説得を試みた。
そのまま、まるで俺が押し倒し、彼女の力が抜けて――
「あっ……」
どちらの声かは、わからない。
二人の距離が縮む。
彼女は一瞬だけ、酔いを醒ます。
瞳が直前に、迫る。
手と手が交差し、俺の腕が肩を掴む。
噛み合わない記憶と記憶が、衝撃に歯車を合わせる。
引きずられるように、押し倒すように
二人が、倒れこむ。
何かが落ちて壊れる音がする。
視界が彼女で染まる。
音が世界が止まる。
「葉月さん、違いますよ。あの時、俺を乱暴に押しすぎて盛大にこけて、俺に向かって」
「ふへ? そうそう、パンツ丸見えにしちゃったのぉ。ああ、だからもっと大人しくなれって言ったのかぁ……」
納得したのか、急に機嫌がよくして、俺を抱きしめた。
腕が胴を捉えて、柔らかい感触が胸に当たる。
彼女の体はどこも柔らかく、暖かい。
わたわたと暴れる俺の耳元へ
「いや〜ん。四葉くんのけ・だ・も・の」
と囁いてから、開放してくれた。
頬が火照り、きっと顔も赤いだろうと自分でもわかった。
「さ、飲むわよ!」
今日くらいは一緒に晩酌くらい、共にしてやろう。
外から聞こえてきた名も知れぬ虫の声は、今やピークに達していた。
彼は未だに私を見つけてはくれない。
彼はまだ私を探してはくれない。
彼はずっとあの子を見てる。
神様は未だに私に慈悲を向けてはくれない。
神様はまだ私に試練しか下さらない。
神様はずっとあの子に贔屓をしている。
私が見るべき世界はどこ?
私に幸福を与えてくれる家族はどこ?
私の立つべき居場所はどこ?
不幸だ。
不遇だ。
不公平だ。
世界は廻り、私を潰す。
虫のように落ち葉のように、神様は気にも止めずに踏み潰す。
それはきっと、神様がニンゲンを嫌いだからだろう。
わざわざ試練などというくどい事をせずに、不平等をなくせば済むのだから。
188 :
.:2009/04/18(土) 01:40:03 ID:iENZbgzb
.
╋第九話━━ 『葉月 向日葵』
- 終 -
――暗い闇の中で私は恐怖に怯えていた彼女を見た。
――彼女はかつて幸せを否定され、そして、眼前の幸せを享受出来なかった。
――だけど、どうしても触れてみたい彼女は、自分ではなく私に触れて欲しいと頼んできた。
――私は暗い世界しか知らず、初めてみた明かりに感動し、そして彼に恋をした。
――私が触れたのは、何者にも変えがたい一つの境地だった。
――しかし、彼が見ていたのは、幸せを享受出来なかった彼女だった。
191 :
.:2009/04/18(土) 01:41:20 ID:iENZbgzb
╋第十話━━
_,,; -、
ヽ-''-`ヽ、 /)
,-、 \(
( (ヽc==( )`)i iヽ
(::彡`(  ̄`ヽ ヽ)
ヽ( ヽ \|i
 ̄ ,,--、`ヽ、
`ー' ̄`\ ,、 /_)
, -、,、 ( ) 〉ノ
/⌒'i _)-、\ /
> ::))),' ) iヽ|)/
(___、ノ;' '-'"ヽ '\Vヽl)
,-、,-、ノ ( ,ノ===;;ヘヽ*))
,-'~`ヽ.... )"~) ヽ~ /``\\
ヽ, )))/⌒`,ー'ヽ)⌒,,,^-, ,ー` ヽ,,__
ニ= ''''iヽ_ノ!!!ヽ_)ー;;;;;ヽ__)``ー-、,, "'--
( ノ ) "''ー
'-''' `ー' 『卯月 桜』
193 :
.:2009/04/18(土) 01:42:02 ID:iENZbgzb
今は春休みの半ば、3月は後数分で終わる。
暖かくなってきたとは言え、夜はまだまだ肌寒く、その空気は肌を刺す。
俺達は自らを包む冷たい空気に身を預け、ただひたすらに、その時を待った。
やがて、なのはは時間が近くとニヤリと笑い、俺を試すような目つきで見つめた。
「中途半端な御託はいらない。欲しいのは、運命を砕く決意と覚悟だけだ」
冷たい空気が更に張り詰める。
彼女は初めてあった時のように、俺を値踏みするような目つきでじろじろと眺める
そして、ゆっくりと頷くとまた口を開いた。
「なんだ? 存外、覚悟が決まって居るじゃないか。安心にはほど遠いがな」
「それは、自信を持てって事か?」
「ふふん、ほら無駄口叩いてないで行ってこい」
彼女は軽く微笑んで、俺の肩を叩いた。
その瞬間。
彼女の自信以外を写して居ない瞳は、とても優しく変わった。
「ただいま」
「ん」
しかし、彼女が築いてくれた自信は、いざ少女が目の前に立つと、脆くも崩れた。
俺はきっと、彼女を殺せない。
195 :
.:2009/04/18(土) 01:43:27 ID:iENZbgzb
「ねぇ……どうしたの?」
「なんでもねーよ」
交代し出て来てみるなり、途端に黙りこんでしまった俺に、桜は恐る恐ると尋ねてくる。
なお黙り込む俺に、彼女は当惑の表情を浮かべ、対応に困っているのか、たははと笑った。
そして、俺は唐突に思いついたことを口に出した。
「なあ、明日…デートしよう!」
まだ寒さの残る春の夜、桜が満開に咲き誇っていた。
「だめか?」
彼女は赤面し、しばし、慌てていたが、もう一度念を押せば、彼女は二つ返事で了承してくれた。
俺はなんで、デートなど申し込んだのだろうか?
……後から思うときっとそれは、逃げの類いだったのだろう。
だけれど、なんだかとても嬉しそうにしている彼女を見つめる内に、それは、とても良いことの様に思えた。
197 :
.:2009/04/18(土) 01:44:23 ID:iENZbgzb
198 :
.:2009/04/18(土) 01:45:28 ID:iENZbgzb
.
199 :
.:2009/04/18(土) 01:46:09 ID:iENZbgzb
200 :
.:2009/04/18(土) 01:46:49 ID:iENZbgzb
「ねぇ四葉。次は、クレープ食べたいな」
彼女は商店街のアーケードを舞台に、躍るように振り返り、可憐な花のように笑いかけてきた。
解いていた髪を三つ編みに結い、商店街を桜の花びら舞うと、共に躍る彼女の姿。
誰もが見とれるほど可愛かった。
――誰かなんと言おうと、俺にはそう感じた! それ以外に何を望む!?
「ああ、クレープな」
いつの日か、紅葉に買ってあげたクレープ屋へと赴く、ここのクレープは葵も好きだった。
クリスマス・イブの日、蜜柑と熱唱したカラオケも行き、学校の屋上にも忍び込んだ。
「はふっ、美味しいね?」
「ああ」
神社や銀杏並木、アジサイの並ぶ通学路も二人で並んで歩いた。
どれもを目に焼き付けた。懐かしむように、世界を惜しむように。
時間が過ぎる。矢のように、光のように。
「なあ、次はどこ行こうか?」
「……あのさ、次は――」
202 :
.:2009/04/18(土) 02:01:01 ID:iENZbgzb
「――次は、公園に行こう」
日が傾き沈む直前、俺達は、いつもの公園のブランコに座っていた。
陽が赤く、彼女を照らし出す。
紅蓮が、陽炎が、俺たち二人を赤く赤く、照らし上げる。
「ねぇ、今日は…楽しかったね。なんだかね、初めて行った場所だってあったのに、なんか懐かしかったよ」
彼女とブランコではなく、その手すりに並んで座りながら、語り合う。
桜が夕日に照らされ、オレンジ色に輝いていた。
「そっか、楽しんで貰えたんなら、せっかく、誘った意味があるからな」
公園の遊具はどれも錆びて哀愁が漂っていた。
けれど、今の時間だけは黄金の照り返しを受けて、どことなく誇らしく並んで居るように見える。
「あはは、うん、今日はありがとう。でも一つ残念なお話があります」
公園に隣接した森と楓が茜色の陽の光を受けて、いつの日か彼女と見た。
いや、皐月と共に見た仮初めの紅葉になっていた。
終結が、近づく。
世界が、終わる。
「残念?」
訝しむ俺は、隣りの彼女を見やる。
205 :
.:2009/04/18(土) 02:02:01 ID:iENZbgzb
「せっかく、誘ってくれたところ悪いけど、私はあなたと一緒なら、例え地獄でも楽しかったし、嬉しいの」
彼女も例外なく茜の世界に呑まれ、髪を炎のように染め上げていた。
その髪が風を受けて揺れる様は、まさに火炎のようだった。
その炎は、暖かく包み照らすように、不思議と穏やかになれる色合いだった。
「だから、誘ってくれなくても、十分だったよ?」
直後に、流石に地獄は辛いかな? と後から笑って付け足す。
その笑顔は、俺の決意を堅く揺るがぬ物へと変えていった。
風が吹いて、サクラの花びらが舞い、オレンジ色の風になって消えていく。
「でも、俺は今日のデートをしてよかったと思ってる」
俺は、ポケットに入っている弥生から受け取った紙を握りつぶし、彼女の前に立った。
覚悟を決めよう。
俺と、彼女の、二人の関係に結末を与えよう。
「なあ、桜!」
一陣の風が、花びらを包んで、舞い上げた。
207 :
.:2009/04/18(土) 02:03:46 ID:iENZbgzb
――終わりが、始まる。
209 :
.:2009/04/18(土) 02:04:41 ID:iENZbgzb
私は彼をこんなに好きなのに、なんで?
暗闇からやっと出れたのに、私、辛いよ……
このキモチは、彼女から押し付けられたモノでも。
いや、私自身が! 彼女から作られた偽りのモノでも!
誰か聞いて、誰か助けて!
私は彼を諦められない、諦めないよ!
──大丈夫
でも、彼は、アノ子を見てる。
──大丈夫、だって、アナタもアノ子なんだから
それは、やっぱり辛いの。
──じゃあ、私が仲間になってあげるから
ホント?
──アナタを泣かす敵から守ってあげる
本当に? ねぇ、アナタは誰?
「私は、文月。文月朝顔」
211 :
.:2009/04/18(土) 02:05:24 ID:iENZbgzb
212 :
.:2009/04/18(土) 02:06:08 ID:iENZbgzb
╋第十話━━ 『卯月 桜』
- 終 -
やっと、やっと! 2月になる!
会いたかった。夢に見て涙を流したこともあった。
やっと、アイツに会える。
アイツはあの口調で、また俺に叫ぶのだろうか?
彼女の行為であるならば、甘んじて受けよう。
牡丹と別れるのも辛い。
だが、それでも、胸の高鳴りを抑えることが出来なかった。
けど、アイツに涙を見せたら駄目だ。
──いや、最後まで泣いちゃダメだ。
╋第十一話━━
。|
| |。 |゚ y
゚| | |io i|
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i|゚ ||゚ /ii 。 ゚|i_/゚
`ヽoー|i;|y-ノ
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ノii;;;|
/ii;;;::;;ii| 『如月 梅乃』
216 :
.:2009/04/18(土) 02:08:15 ID:iENZbgzb
暖房器具が弱い上、隙間風の吹きつけるボロアパートは、部屋の中でも肌寒い。
比喩ではなく、部屋の中でも水が凍る寒さの中、俺たちは二人で炬燵に感謝していた。
その寒さは、きっと天井に開いた二つの大穴が原因だろう。
「はぁ、如月様は良いですねぇ……」
別れまで後数分に控えた彼女は、お茶をすすって一息つく。
交代のために下ろした髪をいじりつつ、こちらを見つめてきた。
「私だって、嫉妬しちゃいます」
冗談ぽく告げて、またお茶をすすると次は無言で見つめてくる。
大きな目と整った顔を見つめていると何か引き込まれそうで、少し目を逸らし、言い返す。
「俺だってお前と別れるのは辛いんだぜ?」
その言葉に少し意外そうに眉を上げ、でもすぐに不満そうに言い返してきた。
「うそ。だって、四葉様は、こんなにも落ち着きが無いじゃないですか?」
白魚のような手が俺の手を、否、脈を採り、そのまま手を握られる。
ドキリと心臓が跳ねて暴れ、いつものように顔を染めたことを自覚する。
彼女は手を握ったまま、会話を続けた。
218 :
.:2009/04/18(土) 02:08:56 ID:iENZbgzb
219 :
.:2009/04/18(土) 02:09:37 ID:iENZbgzb
222 :
.:2009/04/18(土) 02:10:19 ID:iENZbgzb
「四葉様。あなた様は如月様だけでなく、皆に優しいです」
澄んだ瞳が、俺の中をえぐる。
自虐と罪悪の魔物が、心の檻を食い破り、蹂躙する。
「ですが、お忘れなきよう。私たちは複数ですが一人なのですから」
「それって?」
その真意を正そうと口を開くが、人差し指を当てられ、続きを止めた。
微笑み、けれど、無言。
空白が短く、雰囲気に区切りを付ける。
直後に彼女が告げた言葉が、全てを頭から吹き飛ばした。
「あと、少しでお別れです。来年があれば、よろしくお願いしますね」
奇妙なもの言いだったが、気にする前にあいつの事が頭から離れなくなっていた。
「では、お体をお大事に……」
目を瞑り、次に開く瞬間。俺は彼女を抱きしめていた。
「ちょっとぉ、苦しいよぉ…」
225 :
.:2009/04/18(土) 02:11:20 ID:iENZbgzb
227 :
.:2009/04/18(土) 02:12:03 ID:iENZbgzb
「ただいま、おやおや〜もしかして泣いてるぅ?」
抱きしめる胸元から、声が零れる。
その声は懐かしく、幾度も夢を見た声と重なった。
彼女が見開く瞳は、他の誰にも無い不思議な輝きがあって、思わず魅入ってしまう。
「あのなぁ……1年ぶりの再会、ぐずっ……なんっだから! 泣いたって……すんっ良いだろうがっ!」
答え、ギリギリの涙目で堪えながら、絞るように伝える。
体を離すと、頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
その動きに身を任せてくれた彼女は、ゆっくりと俺を見上げた。
「改めまして、ただいま」
少女の笑みは、炸裂するように、心を穿つ。
世界が虹色に染まり、俺の初恋が舞い戻る。
「おかえり、ウメノ」
抱き合う至近距離の中そっと口付けをした。
229 :
.:2009/04/18(土) 02:14:12 ID:iENZbgzb
次の日から、俺たちはいつも以上に一緒に居た。
12ヶ月の中でも最も短い一月を、少しでも多く一緒に居られるように努力した。
それが、彼女のためだから、自分のためだから。
だけど、バレンタインの日に事件は起きた。
231 :
.:2009/04/18(土) 02:15:08 ID:iENZbgzb
232 :
.:2009/04/18(土) 02:16:11 ID:iENZbgzb
233 :
.:2009/04/18(土) 02:16:55 ID:iENZbgzb
外は昨日の夜からついに降り出した大雪で白銀に覆われ、窓から見える柳桜も真っ白に雪化粧を施されていた。
学校から帰ると、なぜか休んだスミレのために、俺は一人部屋で夕食を作り、持っていってやる。
休んだということは、具合が悪いのだろうと、おかゆを作ると土鍋に入れたまま共通廊下へと出る。
「……雪か」
何かイベントのたびに見ている気がする雪は、今シーズンで最も強く、世界を白く染めるために奮闘していた。
吐く息も白く、雪を眺めていたが、おかゆが冷えてはいけない。
寒さに震えながら、ウメノの部屋のインターホンを鳴らした。
しばし無音。
その後、どたどたと音が響き、ウメノが顔を覗かせる。
俺を認めるとすぐさま笑みになり、部屋の中へと招き入れてくれた。
俺の部屋とほぼ同じ間取りの部屋に上がると、彼女は俺と対面になるようにちゃぶ台に着いた。
「なあ、こっち来いよ…」
相も変わらず隙間風吹き付ける風は、外が雪だと思うとより一層冷たく感じる。
それはウメノも一緒なのか、座る彼女は、少し震えてるように見えた。
「え?」
疑問形で返す彼女に、仕方なく俺は横に座ってやった。
二人で寄り添いながら暖をとるのは、多少恥ずかしく、でも、とても心地よかった。
至近距離にある彼女の顔に見惚れ、少し呆然となる。
そのまま食べたおかゆは、恥ずかしさのせいかあまり味を覚えていなかった。
「御馳走様」
「ごちそうさま」
食べ終わった食器を片すため立ち上がろうとすると、彼女が袖を引いてこちらを見つめてくる。
思わず、硬直すると彼女は俺の目をじっと見ながら聞いてきた。
「もうちょっと、一緒に居てよ……」
「ああ、これ片付けたらな」
「嫌」
珍しく我侭を言うウメノに、一瞬思案し仕方なく隣に座って頭を撫でてやった。外はさらに雪が強くなる。
「あのさぁ、私ね。雪が怖いの……おかしいよね? 何でだか、よく思い出せないんだけど」
頭を撫でてやると彼女は少し震えていた。この震えは隙間風が寒いせいではないのかもしれない。
恐怖か、風邪か。
浮かんだ疑念を掻き消すように、彼女を抱きしめてやる。
「これで怖くないか?」
返事はない。
ただ、強く絞め返された。
俺は小さい子をあやしてやる様に背中をぽんぽんと叩いてやると、少しは抱きしめが緩くなる。
けれど、彼女の震えはいつまでも止むことが無かった。
「ねぇ、キスして」
しばらく背中を叩いてやると、彼女は急に体を離してはにかむ様に言った。
外の雪は激しさを増し、視界も危うくなるほどに強くなっていた。
唐突な願いに少し戸惑うが、震えている彼女があまりにも儚げで愛しく
抱くようにキスをしてあげた。
彼女は、しばらく硬直した後、俺にゆっくりと身を委ね。
「私、いいよ……」
顔が急に熱くなるのを感じる。
慌てる俺を見て、少しの笑みと震えが収まり、覚悟を決めようと――
その時、外でぼたぼたっと音がした。
音の先に目を向けると同時。
彼女は硬直して、どこかを見るように中空に視点を合わせ、動かなくなる。
視線の先に、俺は居ない。
「おいっ! どうした? ウメノ!! さっきのは、ただ屋根の雪が落ちただけだ!」
肩を揺さぶれども、反応が無い彼女は、しばらくして、ゆっくりと俺に視線を合わす。
瞬間──
「いやぁ! ……やめてぇ!!! もう、私の大切なものを奪わないで!」
「おい、どうした!? 大丈夫だ! 俺はどこにもいかないっ!」
「おとーさんっおかーさんっ!! いやいやいやああぁ……だめ! 四葉を連れて行かないで! お願い……」
肩を揺さぶり声を掛けるが、彼女は聞こえていないかのように、泣きながら顔をくしゃくしゃにして誰かに懇願する。
願う相手は、神か、それとも、恐怖か。
「お願い。おとーさんっ……神さま! 私は幸せになっちゃいけない子なの?」
「大丈夫だ…幸せになっちゃいけない人間なんか、居ないっ!」
彼女はしばらく泣き叫んだ。
何もできない。
俺は、俺は、無力だ!
やがて落ち着き、彼と目線が合うと急に気まずくなったように笑って誤魔化した。
「あはっごめん……取り乱しちゃった」
「大丈夫か? 俺はどこにも行かないからな」
そう言って抱きしめてやると、彼女は成されるがままになって一言いう。
「大切なものがなければ、怖くないのかな?」
この言葉を、聞いたのは、二度目だ
「ばか、大切なものがあるから、がんばれるんじゃねーか」
言われ、目を赤くした彼女は俺をしばらく眺めると、微笑みを返す。
弱く儚く、今にも消えそうな微笑みを。
「うん。そうだね……でも、私を一人にしないでね?」
「俺が一人にしたことあったか?」
当然の如く返すと一瞬キョトンとした彼女は、俺にぎゅっと抱きついて答えてくれる。
もう彼女は震えていなかった。
結局、彼女が寝るまで一緒に居てやり、今年のバレンタインチョコは貰い損ねた。
雪はいつのまにか止み、白銀に染まる世界だけが取り残されていた。
今から10年程前のこと、僕は、なんとなくTVを眺めていた。
「こちら、○○です…今日の昼頃、雪崩がスキー場を襲い、約19人が巻き込まれた模様
その場に居合わせた19人の内、重軽傷者11名死者1名行方不明が7名とされ、行方不明者は現在捜索中。
あっ現在入った情報によりますと、生存者がいました!
行方不明となっていた永月ぽぷらちゃんを発見! その母親が現在重態、父親は………」
俺たちは別れの地に、いつもの俺の部屋ではなく、公園を選んだ。
冷たい空気と月光が俺たちを照らし包む。
厳しくも、優しく。
「じゃあ、元気でねぇ! また来年必ず逢おう! どこにも行かないって約束してくれたんだ、嘘じゃないよね?」
「ああ、絶対に…」
必ずくる。
そう分かってはいた。
だが、いざ別れるとなるとやはりこの猛烈な悲しみは、胸を引き裂くんじゃないかってほど体の中を暴れてくれた。
その心をギリギリで自制し、行くなと言いたい自分を戒める。
「泣くなよぉ……今生の別れじゃないんだからぁ…」
そんなギリギリの心で、涙まで抑えられるほど俺は器用じゃなかった。
第一、こいつだって泣いてるだろうが。
「それじゃ、最後に言わせてね? はあーーー」
彼女は思いっきり冷たい空気吸い込み、勢いのままに威勢良く!
「すきだすきだすきだぁだあぁいすきだぁ!!」
思いっきり叫び、公園を選んだ理由を理解すると同時に俺も叫び返していた。
「なめんなぁ! この程度、恥ずかしくなんかないね! 物足りないくらいだ!」
「あははっじゃあ、他の私たちもちゃんと優しくしてやるんだぞぉ? じゃね」
あっけカランといって、後ろを向く。たぶん、ちょっとだけ見えていた涙が恥ずかしかったのだろう。
そして、振り返ろうとする彼女を見て思い出す。
……俺は、弥生に会ったことが無かった。
養子縁組届け
平成**年**月**日 届出
養子:永月 ぽぷら
養親:*****
╋第十一話━━ 『如月 梅乃』
- 終 -
月明かりの中、振りかえろうとする彼女の背中に若干の緊張を覚える。
三月に遊びに行くと、上手く避けられてきた気がするのは、ただの気のせいだろうか?
振り返った彼女は、何か絶対の自信を瞳に宿し、すべてを理解しているかのように俺を眺めた。
「はじめまして、四葉君……最後の人格へようこそ」
「おう、名前はなんていうんだ?」
頼れる明かりが月光のみの世界で、彼女は妖艶に微笑む。
「"なのは"だ。長月に言われて名前で呼ぶようにしてるみたいだが、私のことは"先生"でいい」
ブランコが風に揺られ、キイィキィイと音を鳴らす。
その風は冷たく、俺たちにぶち当たり、余韻を与えて四散する。
「皆がそう呼ぶのでな。今日は君に力を借りにきた」
「どういうことだ?」
ブランコの鳴らす音は、しばらく公園に響き続けたが、やがて止まった。
╋第十二話━━ _ ,.r‐'´ ̄\
_/ ` -‐、 / ヽ_
_ / /`ヽ、ノ !
_,< ̄ ` ヽ : :l r'´ !
厶7-‐`ヽ : : : ヽ__ : : l /: : `丶、
/ l r'"´ :(`Y´--`ヽ_,!} : , ─ 、',
l { ヽ、: : : ̄ ヽ。/。〃。: : : : :_ノ 冫、
l  ̄ヽr-、: : _ミj川彡ィr='r───':::::::::ヽ
/ r'´}: : : ヽ_, ゚=ミミ兆彡ヾ::::}:::\:::::::::::::::::::::::::}
ゝ _厶/──ォ‐ヽ,彡チミミヾヾ‐l-、::::ヽ::::::::::::::::/
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`ー-‐' 『弥生 桃』
「いままで、私が君を避けていた事は理解しているだろう? 流石に共同生活を始め、何れかは会うと思ってはいたが……」
「何で避けて来たんだ?」
直感的に思う。
コイツは、何かが違う。
言いようがないが、他の彼女たちとは決定的な”なにか”が、違った。
「君に協力して欲しい、協力してくれるのなら、私は知っていることを伝えよう」
「……協力の内容にもよるぜ?」
その言葉に、自分の生徒が模範解答を持ってきたように彼女はうなずいた。
月明かりはどこまでも青白く世界を染める。
小さな虫たちの声が微かに聞こえ、風で森の木々が揺れる。
彼女はそれらに耳を傾けながら、俺を見てまるで心を読んだように釘をさす。
「私が誰だかは自分で考えろ。それを考えないように私たちは暮らしているのだから……」
心理学の本によると多重人格の各人格は、己が生まれた理由を一応は知っているのだが、考えずに生きているらしい。
考えれば、それだけ自分の存在が危うくなるからだ。
「私からの要請は一つ、頼む。私たちを、ぽぷらを救ってくれ。それが君の贖罪だ」
「それが、俺に出来るならやっている」
何の贖罪だか、ぽぷらが誰だかは、知らないし、覚えもない。
ただ、彼女たちの救いになることは全てやってきたつもりだ。
「私が教えよう」
自信満々に言うと彼女は一歩だけ俺に歩み寄った。
風がざわざわと鳴り、どこからか梅の匂いを運んできた。
「まず、お前が俺を避けた理由を教えてくれ」
「簡単だ。君に惚れて、計画をフイにはしたくなかった」
俺に……惚れる?
「私たちが生まれたのも、すべては事故と君によって生まれた」
「事故ってなんだ? それに、俺に惚れたから? 意味がわからん」
「だからそれを全て教えよう。その代わり、君には贖罪として私たちを救って手伝いをしてもらう」
木が揺れる。
まるで、その揺らぎに巻き込まれたかのように、俺の足元も揺れ出す。
世界が崩壊してしまうような錯覚を覚える。
何の贖罪だか、ぽぷらが誰だかは、知らないし、覚えもない。
ただ、彼女たちの救いになることは全てやってきたつもりだ。
「私が教えよう」
自信満々に言うと彼女は一歩だけ俺に歩み寄った。
風がざわざわと鳴り、どこからか梅の匂いを運んできた。
「まず、お前が俺を避けた理由を教えてくれ」
「簡単だ。君に惚れて、計画をフイにはしたくなかった」
俺に……惚れる?
「私たちが生まれたのも、すべては事故と君によって生まれた」
「事故ってなんだ? それに、俺に惚れたから? 意味がわからん」
「だからそれを全て教えよう。その代わり、君には贖罪として私たちを救って手伝いをしてもらう」
木が揺れる。
まるで、その揺らぎに巻き込まれたかのように、俺の足元も揺れ出す。
世界が崩壊してしまうような錯覚を覚える。
月はまだ出ていた。
この痛切な空気を、雲が隠してしまうことはなかった。
ただただ、世界は風に揺れ動いていた。
「私たちは、まるでコップの水に浮かぶ氷のようなものだ。物質的に一緒でも浮いている」
いや、風はいつのまにか止んでいた。
梅の匂いも消えている。
揺れているのは、俺の心のせいだ。
「じゃあ、誰が"水"なのかを教えてくれ」
俺の言葉に緩く首を振る。
静かな光は、月の物か、それとも人工の光なのかは、判別がつかない。
「君はもう知っているはずだ。自分で考えろ」
それだけ言うと彼女はどこから取り出したのかうまい棒を齧った。
その顔はちょっとだけ幸せそうな顔に変わる。
月光が冷たく俺たちを照らしていた。
俺は家に帰り、頭を抱える。
明かりをつける気はせず、窓から漏れる月明かりだけが支えだった。
先生の計画は全てを全人格に教えることだった。
それによって人格が崩壊しようとも主人格だけは生き残るはずだ。
全てを記した紙をすでに渡されている。
そうすれば、病気は治るのかもしれない。
それくらいに彼女の勘違いは大きい。
だが――
他の人格はどうなる?
粉々になってしまうんじゃないのか?
彼女を想うなら私の計画を実行しろだと?
彼女を想うからこそ悩むんじゃないか!
部屋を見渡す。
目に留まったのは、他の子に渡したくないといって俺に預けた蜜柑の指輪。
その隣にはあの時マフィンを入れた籠。
二人で帰るには、大きさに問題があった傘。
一緒に包まった布団。
電灯の消えた部屋から見える満月。
魔法を掛けたオルゴール。
他にもこの部屋には思い出が詰まりすぎていた。
見上げれば、天井の穴が俺の視界に映る。
なんとなくちゃぶ台を使って中を見てみると、何かがあった。
「箱?」
中には手紙とチョコレートが11個入っていた。
なんだ、屋根裏上がる奇人は蜜柑だけじゃないのか。
思わず、くすりと笑うと同時、涙がぽたりと落ちて手紙を濡らした。
「なんとなくバレンタインチョコを渡し損ねちゃったから、ここに置いとくね。
皆の分まで作っておいたよ、ちゃんと食べないとパンチなんだから」
涙は止め処なく流れ、枯れ果てるまで続いた。
彼女たちの幸せのためにも……覚悟は出来ていた。
全てを見ていた月だけが、明るく街を照らす。
なのはから受け取った紙を広げる。
そこには、全ての事実が記してあった。
いわく、彼女が精神科医に作られた統合を目的とする人格であること。
いわく、幼い彼女を襲った雪崩という悲劇のこと。
そして、先生の計画、二月の彼女を肯定し、全てを否定することで、彼女のバランスを崩す方法。
俺は彼女の一部を肯定し、他を否定することができるであろうか?
いや違う、俺が始めなくちゃいけない。
そう、終わりを始めよう。
彼女のために、俺たちのために。
彼女の夢を終わらせよう。
最後を彩ろう。
いやだいやだいやだ。
うそだ。
おとーさんおかーさんっ。
かみさまおねがいです。
悪いことは全部ぽぷらがもって閉じこもるから、大切なものを返して下さい。
お願いです。
もう、大切なものを持っていかないでください。
いい子にするから!
他の大切なものを皆に分けてあげるから!
だから……お願い! 終わらせないでっ!
╋第十二話━━ 『弥生 なのは』
- 終 -
そして、俺は全ての覚悟を決めて卯月の前に立った。
ヒントは、瞬と文月がくれた。
必要なものは、覚悟だけだ。
言うぞ。
なのはよ! 俺は、俺なりに考えた真実を見つけた!
俺は幼い頃、あいつに惚れて告白した。
だけど、あいつは、心を病んで自らの心をズタズタに裂いている最中だった。
俺の告白を受けて、彼女は己の心を引き裂くのをやめた。
けれど、あいつは、神様に誓っていた。
――大切なものは誰かに上げるのだと
╋最終話━━
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『永月 ぽぷら』
少女は、ある日、両親を亡くした。
遠い親戚で子供の居ない大家さん夫妻が引き取ったというのは、以前聞いた覚えがある。
しかし、彼女の心は堅く閉ざされて、あの雪山に取り残されていた。
その不安定な状態で、俺と出会った。
告白した俺に、きっと彼女は、また取り上げられてしまうという恐怖を抱いたのだろう。
だから、自分の名前を変え、「永月」から「如月」という別人になった。
けれど、それは恐怖を取り除く、根本的な解決には至らなかった。
そのために、もう一つの人格を作り出し、もう一人の自分である「卯月 桜」に想いを託した。
悲劇であるのは、俺は二つに分かれたはずの人格を前に、別人だと思い込んだのだ。
そして、「桜」はそれに苦しみ、人格をもう一つ作って相談相手とした。
その相談相手である「文月 朝顔」は、深層心理がつながっているゆえに俺に惚れた。
あとは惚れた相手の好みに合わせるために、後悔を糧に連鎖的に生まれた。
ただ、「弥生 なのは」だけは違った。
彼女は精神科医か誰かが、統合を目的とするために作った人格だと、自ら打ち明けた。
故に生まれるはずだった「弥生」を飲み込み、一つの人格を作り上げた。
俺が感じた違和感はそれだった。
そして、俺の出した答えは――
「桜……俺は、確かに如月に惚れてる」
「うん、わかってる」
「だけど」
風が桜の花びらを乗せて。オレンジの風を俺たちにぶつける。
「俺は、薔薇も好きだし、紅葉も好きだし、桜! お前も好きだ!
俺は、お前たち一人一人じゃなくて、永月ぽぷらとして、お前を好きになった!
お前たちはコップの中の氷かもしれない……けれど! 俺は、お前が好きだ」
桜は、呆然自失で答えを聞くと、ふっと目を瞑った。
何かを失い、何かに感銘を受けたような表情を最後に作った。
目をあけた桜。いや、ぽぷらは、全てを理解するような自信の瞳で俺を睨んだ。
俺はこの瞳の彼女を、三月の先生を知っている。
「最後に聞く、お前は、私達12人に惚れたというのだな?」
「もちろんだ」
俺の迷いのない返答に、少し表情が陰る。
答えは、彼女の用意したものではない。
出した答えは、彼女の全肯定。
そして、二月だけではない、全ての彼女を愛すること。
「そうか。そうか……」
「何が言いたい?」
何かを惜しむように、小さく頷く様子は、どこか哀愁を感じさせた。
「君はいずれ後悔する。君が進んでその道を選んだとしても、それは揺るがない」
「それはない」
「いい事を教えよう。君が肯定したのは、結局たった一人だ」
「どういうことだ?」
「中途半端はよした方がいい。ぽぷらが望んだ答えは、たった一人を愛することさ」
途端、オレンジの桜吹雪が吹き、俺の視界を奪った。
彼女は詳しいことを告げることなく、ただ目を閉じていた。
なぜか、もう二度と弥生に会えない気がした。
その直後声を掛けてきた彼女は、トロンとした瞳に怠惰の感情を浮かべ俺を見つめる。
薔薇?
「……四葉。お別れを言いにきたよ? あの時のお菓子、美味しかった以上に、うれしかった」
惰性の瞳に喜色の色が映える。
この少女の笑みは、常にこうであった。
「本当の紅葉を見たかったな。最後くらいは、いいよね」
彼女はゆっくりと顔を近づけ、目を瞑る。
俺がキスをすると、ちょっとだけ微笑んでまたすぐに目を瞑った。
「なあ、待ってくれよ?」
多重人格は消滅か、統合によって解決する。
そんな文章をなんとなく思い出した。
なあ、これは……どちらだ!?
目を開けた彼女は、凛々しく力強い瞳で俺を見つめる。
彼女は邪魔そうに髪の毛を払うと、僅かに笑って俺に語りかける。
「あのオルゴール、綺麗な音色だったぞ。お前にはもっと気楽に生きろといわれたが、少々私には無理があるな」
「そんなことねえよ」
視界がにじむ。
「さらばだ、四葉」
言って、無理やり俺の肩を掴むとほっぺたに唇を当てた。
顔を離し、満足そうに笑うと、また目を瞑る。
「紅葉、さようなら……」
泣いちゃ、だめだ。
この子達の前で、涙は見せられない。
見せるわけにはいかない。
次に出てきたのは、暖かい瞳にやわらかい表情を浮かべる彼女。
こいつには、厄介になったな。
「四葉様? やはり、来年はありませんでしたねぇ」
「お前は知っていたのか?」
「なんとなく、女の直感でございます」
微笑は常のように柔らかい。
だが、彫像めいた硬さは一切感じない。
それがこの少女だ。
「おもちゃの指輪ですが、お返しいたします。もう、魔法は意味をなしません」
「ああ、なあ? お前とは逢えるのか? 逢えないのか?」
問いには答えず、微笑みも崩す事はない。
「オルゴールに入れておきました。大切にしてください」
言い残した牡丹は、手をとって甲に口付けると、いつもの柔らかい笑みを深くして、目を瞑る。
「……そんなこといわれずとも、大切にするよ」
桜吹雪は止まず、舞い僕らを包む 。
目を開けた彼女は、眩しいほど輝く瞳でハイテンションな叫びを上げる。
「四葉あぁぁぁ! カラオケ楽しかったし、公園での指輪、ありがとうな!! ちょっと恥ずかしかったぞ!」
「そりゃお互い様だっつの」
遠く、何かの鳴き声が響く。
動物か、昆虫かの区別がつくほどに、俺は冷静ではない。
ただ、その声は物悲しい空気だけを彩った。
「マフラー大切にしてくれよな? 最後だ、この蜜柑様からの口付け、ありがたく頂け!」
嵐のようにそれだけいうと、ほとんど衝突するように口付け、離れてすぐに目を瞑った。
「マフラー、あったかかったぜ」
桜と夕日の舞う公園にまた風が吹く。
続いて目を開け、不安に揺れる瞳で、精一杯俺を見つめてくる。
六月の彼女は、いつもの調子でだけれど、いつもよりも勇気を振り絞って立っていた。
「あうあうあう……四葉君……ぅぁ…私に一つルールをくれたよね?」
ルール。
敬語を使わないこと。
それがきっと彼女にとって必要な事だと思ったからだ。
「ぅぅぁ、だから……私からのルール……一つだけ聞いて?」
「うん」
空気は冷たく肌をなぶる。
「ぁぅぁうぁう……ぜったい、何があっても、私達を忘れないこと」
「当たり前だ」
俺はその手をとって、抱きかかえるように、淡く唇を奪った。
彼女は、顔を真っ赤に染めて、恥ずかしいのかすぐに俺を突き飛ばすと、クルリと背を向ける。
「頑張ったな…」
その背中に声を掛けてやった。
クルリと振り返った彼女は、凶暴で凄惨な笑みを向ける。
レアな素面で俺の顔を見つめ、それから笑って抱き締めてきた。
「よーつばっ! もうアンタとは、酒が飲めないのかぁ」
金髪でない彼女は久しぶりだった。
彼女の特権である夏休みは、彼女のハメを外していたのだ。
長月の文句も、もう聞くことはないのかもしれない。
「酔って絡んで悪かったな、お前も大変だったろう? ……大人しくはなれなかったが、まあ、これで許してくれよ?」
珍しく反省し、背伸びしながら俺のおでこに唇を当てた。
それから、惜しむように俺の両手を握る。
「向日葵さん。俺も結構楽しかったですよ………」
いつまでも顔を見つめる彼女に言ってあげると、決心したのか、目を瞑る。
目を開けた彼女は、瞳いっぱいに好奇心を集め、光り輝く。
突風は竜巻のように、旋風をつくり落ち葉と花びらとを巻き上げた。
「あーあ、最後の最後でよつばにやらっぱなしじゃないかぁ。マフィン楽しみだったのにな」
意地悪に笑う十月の彼女は、いつものように子供らしい。
ステップを踏むように、小さく踊り、俺の顔を覗きこむ。
「そうだ。最後なんだからいい子いい子してよ」
ぐしゃぐしゃと撫でた手を掴み、彼女はそのまま顔を近づる。
「ふふっありがとっ……ッチュ」
礼と共に、頬にキス。
「来年のマフィン。ごめんな……」
言葉を聞いて微笑み、別れる時のように片手を上げ、瞳を閉じる。
次に開けると、怖いくらいに澄んだ瞳で俺をじっと見据えられた。
沈黙は、いつもと違い、心苦しい。
だが、これが最後であると思えば、これ以上に渇望する沈黙ではない。
「貴方は一つ、間違いを犯した」
しかし、破った声は、彼女らしくなく饒舌に言葉を紡ぐ。
「結論だけを告げる。如月梅乃は、コップの水ではない」
体を、絶望が包む。
Yシャツのボタンを掛け違えたように、歯車のどこかがずれている。
俺はなにかを間違えたというのか? どこでなにを間違えたというのだ?
「思い出して、貴方は一度ぽぷらと出会っている。私達が消えずに済む手段はそれだけ」
「最後かもしれないなら、俺は伝える。俺はお前との時間が、今でも大切だ」
「……ありがとう。好きだよ」
そのまま、なにもせず、交代をするためか、目を瞑りそうになる。
「ああ、俺もだ」
それを引きとめ、強引に抱きつきキスをした。
風は、俺達を包むように吹きすさぶ。
続いて開けられた瞳は、すぐさま怒りで歪んだ。
「キスしていいなんて、言ってないよ!」
手を離すと、彼女は一瞬、悲しそうな顔をする。
結局、相談役も無意識には抗えないらしい。
「結局、桜を泣かしたね? ビンタ一発で許したぁげる」
覚悟を決めて、俺は目を瞑った。
衝撃はいつまでも、頬を叩く事はない。
「ほんとはね。私、あんたのことが……」
最後の一言を言う前に、胸に頭を乗せられた。
彼女の顔は見えない。
ただ、泣いているのか、生まれたての子犬のように、肩が震えていた。
「…………スマン」
声は、届いたかどうかは解らなかった。
ゆっくりと開けた瞳は、どこまでも柔らかく、優しさに満ちていた。
「四葉。大切で幸せな思い出をありがとう」
先ほどの彼女に、最後の彼女へと姿を変えていた。
想いを託された彼女に、けれど、それを果たせなかった彼女に。
俺が彼女を好きになっていれば、どうなっていただろうか?
「デート楽しかったよ? うめっち……ううん。ぽぷらちゃんと仲良くね?」
想いは切なく、時は無常に過ぎる。
彼女にとって念願口付けを果たし、最後ににっこりと笑う。
「でも、警告。四葉、あんたは真実を間違えている」
「え?」
「ありがとう。さようなら」
問う。その前に彼女は瞳を閉じてしまう。
一陣の風が周囲を、桜色で染める。
いつの間にか、茜色は群青に入れ替わっていた。
「四葉。お別れだね?」
「え? 如月? そんな!」
悲しく、緩やかに彼女が頷く。
「もう、最期だよ」
「そんな、そんなはず……嫌だ! 嫌だああ!」
混乱する。俺は何かを決定的な何かを、間違えたとでも言うのか?
彼女が、水ではないとして、一体誰が水であったというのか?
主人格とは出会っているとして、いつ、どこで俺は間違いを犯したというのか?
「ある人が聞きました。「汝の名は何か」 彼は答えて、「レギオン。われら大勢なるがゆえに」 」
彼女の言葉は、聖書の一節。彼女が伝えたいことはなんだ?
理解しなくてはならない。そうでなくては、きっと俺は先生のいうように、後悔するに違いない。
意味を理解する前に、彼女は泣きながら俺の体にぶつかるように抱きついた。
「はやく、早く。私を止めて! お願いだから! すぐにでも!」
なにが、何があるというのだ? 真実は何だ? 俺が知らない、思い出せないことはなんだ?
「違うんだ。私から始まったんじゃない。私で終わったんだ!」
そういって、後頭部を掴み、甘く甘く、キスをした。
キスを楽しむ余裕もなく、俺の体は突き飛ばされる。
それが最後に見た彼女の姿だった。
次に開いた瞳は、どこか頼りない灯りを帯びている。
俺は、この瞳の主を知らなかった。
「ずっと待っていました」
誰だ?
「貴方が、私の闇を切り裂いて、埋もれた私を拾い上げてくれることを、ずっと待ち望んでいました」
お前は誰だ?
「けれど、貴方は私ではなく、彼女を選んだ」
違う。そうじゃない。
「13人ではなく! 結局、貴方の中にいたのは、最後まで彼女だった!」
諦めたように、彼女は首を振るう。
そうだ。この少女に俺は逢ったことがある。
いつだ! 俺は何を忘れている?
「さようなら」
それだけ言ってすぐに目を閉じられる。
俺は何も言えず、立ち尽くしていると彼女が目を開いた。
――TO 四葉様
義母には申し訳ないが、本日、私は死亡する。願いは届かなかったのだ。
理性と願望は、あの雪山できっと死んでいた。
ちいさな私が見つけた絶望の中の光は、ただのまがい物に過ぎなかった。
「おかえり、私の体。さようなら、世界」
ようやく、神様が与えてくれたギフトだと思ったのだ。
これが最後だと思ったあの瞬間に、あの言葉を言わせるとは、どれだけ残酷なのだろう?
はぜるような願いは届かず、彼の言葉は私をえぐった。
「12人じゃ、ないんだよ。私達は13人いるんだ。きっと貴方は覚えていると信じていたのに……」
おお、神よ。何故貴方はこうも私が憎いのだ!
いつの日か、ありとあらゆるこの世の全てが、無価値で無意味で滑稽な劇のように思えていた。
しかし、その中にきっと希望があると、私は信じていたのだろう。
「さようなら、四葉くん」
かつては、そう感じていた。今となってはそんなものが何の価値もない事を知っている。
ついに、私達に幕が下りる。終末が視界を覆い尽くす。
ただ一人の言葉で崩れるほどに、ほら、こんなにも私達の心は脆く、弱い。
でも、最期に伝えたい言葉がある。
すぎるほどに、名残惜しい幸福だったこの一年は、貴方に何を残しましたか?
かすかに残る私達の残滓が、貴方にとって不幸ではない事を私は祈ります。
FORM 貴方が愛してくれなかった女より――
╋最終話━━ 『永月 ぽぷら』
- 完 -
こうして、一つの命が尽き果て、真実は闇に葬られた。
決定的な間違いは、取り返すことはできない。
願わくば、この闇の中から、たった一つの真実を照らしてくれる人があらんことを。
- BAD END -
この物語を読んだ貴方も気を付けて欲しい。
それは常に、あらゆるところで俺たちを罠に嵌めるべく、じっと待ち続けている。
ほら、貴方の目の前に――
さてさて、答え合わせは必要ないでしょう
皆様の中には、答えができていますでしょうか?
この物語に置いて、見つけるべき真実は幾つかあります
一つ、「少女の目的と願望」――ぽぷらと先生は、それぞれなにを願ったのか?
一つ、「欠けているはずのエピソード」――思い出の物品がない子がなぜいる? 他にも幾つかあるはず
一つ、「四葉が間違えた分岐点」――それらを集めるには、きっとどこかで彼が間違えた
答えは言いませぬ
皆様が想定した答えが正解であります
欠けたエピソードは、この板の名前を見ればわかる通り、貴方が書いてくださって結構
皆様が思うように、皆様の解釈で、如何様にもこの物語は変異します
最後に、さると共に戦ってくれた皆様に多大なる感謝を
乙
と思ったらあれ? 縦読み?
>>299 なんか思ったより細かくできてそう
304 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/02(火) 12:33:05 ID:6bUR57od
305 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/18(火) 07:20:58 ID:9YM6judw
保守
307 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 11:33:55 ID:Rm08m0NU
良作
あげ
そろそろ晒され続けるのも苦痛になってきたので、埋めてしまいたいと思います
というわけで、ここは今から
創発喫煙所
とします
一服がてら、スレを埋めてしまいましょう
埋められると聞いて今慌てて読んでる
( ・∀・)y━・~~ VIP喫煙所とかあるし、そんな感じで
適当に1、2行書いて雑談しつつ埋めればいいかな
( ・∀・)y━・~~ と、開催したはいいものの、今から自宅の室内LAN工事してきます
無線LAN? 速度落ちるし、安定しねえからヤダ
( ・∀・)y━・~~ あ、雑談の内容は適当で
チャットばりに適当な会話で流してしまおうという魂胆です
( ・∀・)y━・~~ 皆読んでるのかね?
正直なところ、投下した勢いがなくなった後に、改めて読まれると恥ずかしいよね
( ・∀・)y━・~~ 工事しながら書き込んでるけど、さるさん食らう前に00分またいでしまおう、そうしよう
( ・∀・)y━・~~ ちなみに、一行AAを使ってるのは、気分です
二次創作じゃないけど、キャラがあるって喋りやすいじゃない?
真似するのもしないのもご自由にどうぞ
( ・∀・)y━・~~ 本日の一服は、手巻きでオーリックゴールデンスライスド
集中力の維持等、創作活動に煙草が必須なんだけど、増税で執筆ペースの乱れが気になります
( ・∀・)y━・~~ やっべ、リズラの銀切れた
( ・∀・)y━・~~ 雑談しようにも、人がいないと独り言じゃねえか
話題をふろうそうしよう
( ・∀・)y━・~~ 話題ねー
おっぱいの話とかなら延々と出来るんだけどねー
( ・∀・)y━・~~ お前ら、はぢめての創作とかってなによ?
授業だとかで強制されずに、初めて自主的に作ったもの
同時に、時として争いの火種でもあるけどなw
小2の頃書いたまんが。
「ポキチンとピクジョン」
もうこんなネーミングセンスはでてこない。
小学生の時にやってたゲームごっこ遊びかねぇ
小2設定満載のカオスな攻略本的ノートとか作ってたぜ
( ・∀・)y━・~~ 俺はいわゆる黒歴史ノート
設定書き綴るんじゃなくて、ちゃんと物語になってただけマシかも
いや、物語の質は別として
ツレが転校する時に
最後に余っていた数ページにメッセージ的物を書いて渡したのも良い思い出
その後、ツレが地元に帰ってきた時に、一緒にノートも俺の手元に返ってきた
俺たぶん創発に来るまで自主的に創作とかしたことねえわw
少なくとも作ったものを人に発表したりはしてない
( ・∀・)y━・~~ ああ、あと、薬品適当に混ぜて、雑草やら毒のある虫やら入れて毒薬!って言い張ってたのが創作に入るなら、そっちの方が早いや
農家の子に農薬とか適当に分けてもらって、ついでに化学肥料も入れたりね
たしかに飲んだら死ぬ
なんかそういう黒歴史みたいのはふと見返してみたくなるのに
残ってないんだよねえ
( ・∀・)y━・~~
>>326 なんという黒歴史返却、俺なら自殺を決意するレベル
色水や油粘土こねくり回すのはめっさ小さい頃からやってたな
それこそ幼稚園とか
>>毒薬
俺もある、けど創作ではないような気もするww
>>329 いやぁ、見返すと、身悶えするのと同時に、案外微笑ましく思えたりもするぜ
自分んちがダンジョンマップ風に描いてあって
おもちゃ箱入れが宝箱になってたりとかなw
( ・∀・)y━・~~
>>326 発表してなくても、作ったものはあると思うんだ
八割が黒歴史になるんだけどさ
>>330 幼稚園の頃なら、泥団子磨いて光らせてたなあ
( ・∀・)y━・~~
>>332 秘密基地と周辺の森のダンジョンマップなら書いたわw
板切れを小刀で剣の形に削ったて、刃の部分に銀スプレー吹いて、取っ手に紙テープ巻いて剣にしたりとかw
んで、それを攻略本的ブツに書き込んだり、振り回して遊んだりw
まさに自作自演
そういえば、ミニ四駆の改造は創作の範囲に入るのだろうか
思い出した!
光る泥団子なら俺も作ったことがあるぞ!
光らなかったけど
( ・∀・)y━・~~
>>335 小さい頃からマイナー好きだったから、武器作る時も一人メイス振るってたなぁ
各々自作した武器でチャンバラした時とか、皆枝を削って木刀風に作るんだけど
俺だけ雑木を引っこ抜いて、根っこをハンマー部に加工したロングメイスだった
>>333,337
ウチの地元には、光る泥ダンゴの製法が伝えられてなかったわ
周囲でも、一度も見たことがなかった
( ・∀・)y━・~~ ウチの幼稚園では、光る泥団子の製法が園長先生直伝だったw
>>338 俺の面子は金属製の武器がちらほら紛れこんでたw
更地の工事現場から掘り出したパチモンの刀(脇差しのみ)とか、足場を組み立てる用の楔とか
あとはデカいスーパーボールに枝を突き刺して杖にしたり
( ・∀・)y━・~~ ふむ、しかし皆似たり寄ったりか
じゃあ、本格的に創作にのめりこんだ理由とかってあるかしら?
遅れたおっぱい
AA面倒になってきた
>>341 金属製の武器は、一度俺が廃車からハルバート作り出して、あまりに危険だったから禁止になったなぁ
なんだか幼稚園が羨ましいという素敵な話をしてるでおk?
とりあえず赤くしよう
元々、自分であれこれ想像するのと、それを形にするのが好きだったんだよなぁ
のめり込んだ決定的な瞬間というのが、パッと思いだせないんだが
今もそれを続けてるだけだからかもしれん
>>346 おk
>>346 友人と歩くと必ず幼稚園で目を合わせます
先生がちょっと嫉ましいです
そんな話をしてました
ここ一週間規制で人減ってるみたいだから何かしようぜ!
なにか、か
TRPGは人が集まったらするつもり
おー、そんなら人が集まらないようだったら俺やるよー
スパロボ全クリして世界が広がったw
>>353 募集の直後に規制かかっちゃってね
人が集まらないのか、規制で動けないのか、判別が付かないんだよね
多分だけど、募集かけたスレがちょっと地味なんだと思うよw
俺もレス代行で久々に開いたくらいだもの
雑かどっかで宣伝してみりゃ良いんじゃね?
携帯厨の俺涙目
今後もまたやることがあるなら、いずれ環境整い次第参加したいんだけど
TRPGかぁ
サプリよりメンツ次第っていう俺には、ちと敷居が高いぜ
やるのダブクロ3だっけ?
>スレがちょっと地味
それはあるかもなー
いずれTRPGでやりたいのは、キャラクターに創発キャラ縛り
そして、そのキャラを再現するためなら、経験点無制限開放ってのやりたい
例えば、ハルトシュラー様やりたいならら、LV・能力値∞だって許可する
逆にウラトさんをやりたいのでLv0だっておk
もちろん、それを生かしたシナリオにする予定
>>359 ダブクロ3rdかなぁ
文庫本だし、ルルブ揃えるの楽だからって理由
俺、持ってないし、やったこともないんだけど、2nd経験は豊富だからやりやすいってのもある
ウラトさんw
TRPGってわからない人にはほんとわかんないもんだしねぇ
ラジオとかはさみさんの宣伝とか? 創発でに出るのって
>>360 個人的には島京の世界観でシナリオやりたいんだぜ
だって、あれなら皆好きなPC作れそうだしw
>>364 ダブルクロスは、スキルに使用する技能とタイミングが指定されていて
技能とタイミング両方が同一のスキルは組み合うというゲーム
なので、上手く組み合わせると、漫画キャラの技を再現できるのよ
時間をとめる技と車で体当たりする技で、ロードローラーだっ!とかね
これを上手く使えば、創発キャラを全部再現できるから、楽しいかなと
なるほど、そういう使い方か
世界観はダブクロのものになるのだろうか
それともルールだけ抜き出して
>>363みたいな創発の世界観に当て嵌めてみるとか
創発の野望をみて思いついたから、世界観はダブルクロスかな?
といっても、現代異能物だから、現実世界と大差ない感じ
ちなみに、コンボの演出はスキルの効果から逸脱しなければ自由にしてよいというルールもある
武器に炎をまとわせるスキルとか、雷撃で攻撃するスキルみたいに、演出の指定が曖昧なのもいい
そういう「遊び」のある世界観とルールは良いな
創発の野望は面白かったわw
ちょうど手元に駿府城の写真があるんだが、これをどうにかしてハルトシュラーと組み合わせてみたいw
まあ、ここで宣伝はしたから、皆参加してくれると嬉しいよ!
さて、そろそろ話題を変えませう
でも浮かばないってか、やっぱりおっぱいの話が楽なんだよなぁ
というか、初めてSSで出た武器も日本刀だし、ハルト様ってなんか和風のアイテムに合うよね
名前はドイツ人なのにw
袴とか、ポン刀とか、茶の間とか意外と合うなw
ドイツと日本は、なぜか不思議な相性の良さがあるw
いや、もしかすると、洋風ロリババァ全般が和風アイテム似合うのかも
銀髪との相性もいいしね
ただし、服はゴシック系のイメージ
国民性に似てるところがあるしね
そういや「hartschler」でググると
妙に古めかしい本の画像らしきものが2,3個ヒットするんだが
アレはなんて書いてあるんだろう……
>>373 閣下を描く時、金髪でイメージしている俺に隙はなかった
服は、胸の春の字の意匠を考えている時が楽しいw
>>375 俺は、その春の字が始めは存在するんだけど、色々デザイン考える内に消えてしまう派w
入れたいんだけどねwww
俺も閣下は金髪派だな
金髪と銀髪どっちでイメージしてる人が多いんだろう
文も絵も、初出は金髪だったはずなんだが
AAイラスト化計画の影響がでかいのか、銀髪派も結構いるね
まぁ、どちらでも良いとは思うがw
実はあんまり色つきの絵って多くないんだよな、閣下
始めはモノクロラフが多かったからねー閣下
俺の銀髪イメージは、AAイラスト化計画の影響だなぁ
俺は絵は描かないけど、ssに出す時に銀髪だと某伝説のロリババァと絵的にかぶっちゃうっていう計算はある
むしろウラトさんの髪の色が想像つかねぇw
ハルトシュラーと同じ色が妥当なのかも知れんが
金髪や銀髪ってキャラじゃねぇしなぁw
自分的に一番あり得そうなのは、ブリーチした茶髪(頭頂部は黒くなり始めてる)w
頭頂部が黒くなってる茶髪wwww
すげえしっくりくるんだがwww
ウラトさんw
あと倉刀はヴィジュアル面のイメージが閣下以上に個人差激しい気がする
>>382 あの人名前の割りに、完全に日本人だよなw
>>380 俺も、カブりは気にするなぁ
銀髪ストレート+釣り目+頭飾り+ゴスロリだと、某OSロリババァとバチ被りなのがなんともw
違うところといえば、向こうは性的スキルに特化してることぐらいだw
倉刀はかなり差があるなw
初期に投下された絵のイメージがデカいかな
黒髪、細い釣り目がちの目、シャツ+ベストorジャケット、ハンチング帽だ
>>385 俺はAAの見た目的に大きいパッチリした目のイメージで、あとはだいたい一緒だな
ていうか倉刀に侍要素が全然ないなw
閣下の方が日本刀似合うw
AAといえば、裏刀はさらに目がぱっちりしてるなw
実はかなり女顔なのかもしれんw
女顔ときいて、ウラトさんに女装を強要される裏刀の姿を幻視した
>>386 しかし倉刀、武士要素ホントにないなw
創発トーナメントでも打撃系肉弾キャラで、刀には乗っ取られてただけだったしw
>>388 流石ウラトさん、腐女子オーラが出てやがるぜ
そういや倉刀・裏刀コンビ、夏コミは創作(男性向)だったが
この冬は受かったんだろうかw
楽しそうな話をしているではござらんか
( ・∀・)y━・~~ 創発喫煙所へようこそ
なん…だと…?
ここは喫煙所です
ほら、喫煙所ってなんか、休憩中に色々話すじゃない、そんな感じ
よくわかんないけどとりあえず閣下は銀髪派!金髪幼女は巷にありふれてると思うの!
上のほうでTRPGの話題が。やるなら是非見てみたいものですなぁ
初心者でよくわかんないけど、世界観に創発風アレンジがあった方が見てて理解しやすいと思ふ
裏刀の女装なんてアタシ認めない!
赤くなったぜオッケェイ!
煙草は吸えないけど男は度胸なんでもやってみるのさ!
>銀髪ストレート+釣り目+頭飾り+ゴスロリだと、某OSロリババァとバチ被りなのがなんともw
ちょっと興味ある件
>服は、胸の春の字の意匠を考えている時が楽しいw
前髪のハルトも忘れないであげて下さい!
>多分だけど、募集かけたスレがちょっと地味なんだと思うよw
これは同意
TRPGのハルト姉弟SSの完結を待つよりは、さっさとスレ立ててやっても良いと思う
うおぉぉぉぉぉ!!!!
読み終わったぜ!!!!!!
めちゃくちゃ俺好みじゃねえか!!!!
これまでこんな良作をスルーしていたとは
埋めてしまうなんてもったいない!
ちょっと席外してた
>>396 一見平和にみえるけど、実は世界は超能力を与えるウィルスに犯されていた!
ウィルスの存在を隠し、平和を守るために、主人公達はウィルスの力を使う
というゲームなので、世界観が現実世界そのものなのですよ
だから、ハルト様の異常な戦闘能力と芸術能力は、実はウィルスの恩恵だった
とかの方がやり易いんですよね
閣下のイメージって、人によって三つあると思う
凛然とした少女
食えない飄々とした少女
四こまさんの壊れた閣下
うん、三つ目はウラトさんに近いわ
>>395 金髪はありふれてるとは言うが、ロリババァは銀髪多いぞ
白髪のイメージもあるのかもな
大婆様とか、イングリッドとか、鷺ノ宮銀華とか、マイナーなのを含めるともっとある
>>408 俺もこのイメージだw
世紀末なのかw
有情破顔拳だなw
世紀末wwwww
そのスレの魔王状態は四コマさんの閣下に近かったな
となるとやはり4パターンかww
あのスレの大きな影響といえば、世紀末とマッ缶だからなw
ねぇねぇ、お師匠様どんな気持ち?
世紀末キャラにされてどんな気持ち?
∩___∩ ∩___∩
♪ | ノ ⌒ ⌒ヽハッ __ _,, -ー ,, ハッ / ⌒ ⌒ 丶|
/ (●) (●) ハッ (/ "つ`..,: ハッ (●) (●) 丶 今、どんな気持ち?
| ( _●_) ミ :/ :::::i:. ミ (_●_ ) | ねぇ、どんな気持ち?
___ 彡 |∪| ミ :i ─::!,, ミ、 |∪| 、彡____
ヽ___ ヽノ、`\ ヽ.....::::::::: ::::ij(_::● / ヽノ ___/
/ 倉 /ヽ < r " .r ミノ~. 〉 /\ 美 丶
/ 刀 /  ̄ :|::| 春 ::::| :::i ゚。  ̄♪ \ 作 丶
/ / ♪ :|::| 斗 ::::| :::|: \ 丶
ちょwwwww
だがたしかにハルト閣下はバトルキャラのイメージ強いわww
なぜ刀を振り回す創発屈指の戦闘力を持つロリババァになったんだろうw
トーナメント以前からだよなwww
ルパンスレ初代で五右衛門と戦ったあたりからじゃないかな
ハルトスレでも岩を斬ってたしな
あの雪の問答をする二人が好き
どうしてこうなった!どうしてこうなった!
岩を斬る
これだ!
古代の刀匠は、試し斬り達人でもあるのよ、あくまで戦闘じゃなくて斬るだけ
昔は、実際に使って知り尽くした人ほど良い物を作れるって常識があったためね
だから、刀作りの達人=試し斬りの達人でもあるってネタだったんだと推測するんだが
それをルパンスレの
>>1が知らないため、五右衛門と対等に渡り合うことになったのかと
いや、そんな狭いというか、(岩切断はともかく、試し切りとかそういう)普通の人間の枠に収まる話じゃなかったと思うが
刀の話の時点で、他の武道にも精通してたぞ
つうか、超常的なまでの能力の持ち主なので
元から人間の枠を超えてるイメージはあったわ、パラメータ的に
俺は、刀のエピソードのあれは
「創作のために心身を鍛える(健全な肉体に健全な精神は宿る)」
「観念で己を縛らない(限界を突破する)」
「自己を研鑽する(己を作り上げる)」
といった言葉を、魔王らしく極限まで体現した結果、スキルも手広く凄いことになった、という感じに受け取っていたわ
申し訳ない
ハルトさんが五ェ門と互角だった(書いたけど覚えてねえ)のは、
なんか強キャラっぽい
ってだけの理由だったんだ!
俺が書くもんには、特にこれといった理由なんて隠されちゃいないんだぜ!
ルパンって、Gで「何しようか」って聞いてからやったやつだった気がする
んで、テキトーにスレ立てて即興で進めてったやつだった
最初の安価がスカで、再安価で黄金のハルトシュラー像出たんだよね
そっからは安価のたびにずっとテキトーにやってたなぁ
ま、ぶっちゃけ内容なんて大して覚えて無いんですけどね!
色んなスレ使った、黄金のハルトシュラー像創作、ラストはデンライナー
こんくらいしか覚えてねぇw
ハルトシュラーで便利なのが、特にこれといった設定が無いこと
あるっちゃあるんだけど、ネタの範疇を大いに逸脱してるような突き抜けてるようなマジみたいな
だから、人の数だけハルトシュラーは居るのさ!
まー、印象に強いハルトシュラーを創れた奴の勝ちじゃね?
そういう意味じゃ、看板になったハルトさんの絵はタイミングとクオリティが最高だった
実は、倉刀関連はあんまりよーわからんのですw
一つのキャラでまだ遊べるから、他に手を出しちゃうと俺は止まってしまうのですわ
なんだろ、倉刀関係に手を出したら、ハルトさん単品のネタが浮かばなくなる、みたいなね
ロリ騎士スレも同様なのですな
まだまだロリ騎士と兵士だけで遊べるから、他キャラは書くのはいいやみたいなね
話の中で王様があがっても、まだ登場させちゃいねぇしw
あー、携帯絵師の人と避難所で企んだやつで王と王子あたりをやったかも
っていうかあの人の絵が好きなんだよなぁ
スカートべらべらしながらの「嫌なら見るな!」とか、
なんか妙に艶っぽいババァの上裸とかww
ああいった絵を見ると、どんどんネタが沸いてきたりするから困るらない
さて、ロリコンだらけの創作発表板でいかがおすごしでしょうか
僕は綺麗なお姉さんが好きです
なので、ある人を
お料理上手で下ネタにも呆れつつも理解があり、巨乳美人でたまに眼鏡をかける
という風に脳内変換してレスを見ることにしています
まあ、リアルにそうだと思うのですが良いものですね、これ
思わず「おちんちん」とレスをしたくなっちゃいますよウフフ
それでねそれでね!
ちょっと男っぽい口調を使うときもあるけど、
それじゃあいけないなと思う故に丁寧口調で喋ったりするの!
でねでね!
創作物もすっげぇクオリティが高いし、感想とか雑談のレスもすんの!
萌えるよな!? 萌えるよなぁ、おいよぉ!?
すみません、取り乱してはいないです正気です
なんといいますか、妹派よりも姉派なんですよ
きっちりした姉でも駄目姉でもどっちでも可、欠陥住宅万歳
おかしな話をしているなと思った画面の前の貴方
貴方は正常です
そんな時はアレ、スルーってやつをしてみましょう
方法はいくつかありますよね
あぼーんしたりとか、システム的なものでも出来ます
けれど、ここではそれに頼らない方法をいくつか紹介したりしなかったり
方法その1
女キャラ(男キャラ)がレスをしてると思え!
これ、結構いけますよ
ちなみに、女(男)では駄目です
あくまでも、女キャラ(男キャラ)じゃないといけません
あれっすよ、「妹と妹キャラをごっちゃにするな!」みたいなね
例えば、ものっそい口調の荒いネガいレスがあったとしましょう
それは、美少女や美女、美男子や男の娘がしているレスなんですよ
するとあら不思議!
ちょっとだけ許せる範囲が広がったりします
人によっては劇的な効果を発揮したりするので、暇つぶしにやってみてください
おすすめは別にしません
方法その2
無双系ゲームと思え!
ネガいレスは特筆すべきもんじゃないと全部斬って捨てる、ってやつです
むしろ、そこでスルーしつつ自分のレスで空気を変えていく世紀末だと思いやがりなさい
北斗の拳無双楽しみなんですよ、えぇ
個人的には、レイが移動系の技が強力で楽に進められそうな気がしてます
あとはジャギなんか、ガソリンまいて広範囲とかありそう
楽しみ
方法その3
落ち着け!
冷静になってみると、所詮2ちゃんのレスなのです
だから、貴方が顔真っ赤にする必要はありません
気にせずマイペースでいきましょう
これが一番ポピュラーですかね? わかんね
個人的にはやめとけと思うのが、煽り返すってやつです
一回どこかの誰かさんと一緒に誰かを凄い勢いで煽りました
圧倒的なレス量と汚い言葉! はじけるレモンの香り!
結論から言うと、大して面白くありませんでした
まー、相手のレスが遅いってのもあったし、煽られなれてなかったぽいので
後で怒られましたが、別にどうという事も無い思い出です
スレの状態を気にしなければ色々と出来るもんなんですよ、えぇ
そういう意味じゃ個人スレって楽なんですよな
スレがどうなろうと、自分でなんとかしても良いわけですし
方法も自分で選べるのが魅力
個人スレが荒らされた? だったら自分で何とかすれば良いと思うよ
みたいなね
しかしただし、ばいばいさるさんと孤独な闘いが強いられます
人が少ない創発だと、なおさら意識せにゃならんのではないでしょーか?
っていうか、冷静に考えると無理ですわ
支援をしてくれる人間には限りがあるし、何人かが欠けてたら回らなくなるスレ多発です
実際、そういったレスを大量にする人間がゲームの世界に旅立ったことで、
今までとは違って上手く回らなかったスレも存在したりするのです
その名は雑談マン!
今も居るのか、実は別の名無しコテだったりすのかはわかりません
でも、彼はマジでやばかった
荒れてるスレでもなんのそので雑談振ってスレの空気変えるし、
何よりも見てるスレの範囲が桁違いでもないけどとにかく広かった
彼が回ってたら、創発のレス最低記録更新とかは絶対になかったと思うですよ
個人的には、雑談レスや勢いのつけかたを学ばせてもらった人です
っていうか、レスの仕方は色々と勉強になるもんがあったです
今頃どこで何をしてるんだろう
二次元の世界に旅立つスキルでもゲットしちゃったんだろうか裏山
看板の管理してるのって雑談マンだっけ?
お、人来た!
んー、確かそうだったような?
なんかどっかでハルトさんの絵を看板に、って話が出て、
とりあえずよーわからんけど序盤の勢いだけつけたのしか覚えてないw
看板の管理を複数にして欲しいなって言ってたようなそうじゃないような
色々と曖昧ですw
あ、避難所の副管理人の一人が雑談マーン
雑談マンと同じ時期にはGにいたはずなんだが、どのレスが雑談マンのか全く分からなかったな
後から入っても特定余裕だったコテなきコテなんて名前欄が串だった串子くらいだ
あー、あれはねー
実はGのレスだけで特定してたんじゃないんだw
他に100スレくらい見てたら、色んなとこで見かけるIDがあっからそれ込みで特定すんの
雑談マンはどんなスレでもいたりすっから一番特定楽だったんだww
IDとかみんな見てるもんなの?
一つのスレで連レスするタイプとかレスの内容に特徴があるタイプは分かるんだけど、色んなスレに出没するタイプは俺は見分けられないなあ
名前欄に串ついてるとか、あからさまに分かりやすければ色んなスレにいるの分かるけど
荒れ気味、というかそういう可能性のあるスレだったら見るかなぁ
平和系なスレはあんまり意識しないんだけど、
雑談マンはあんまりにもレスの量が多くてすぐにわかったんだわ
色んなスレで平行して話をひっぱってる時とか焦ったw
雑談で盛り上げる才能はうらやましいなあ
俺なんかID真っ赤にしてもさっぱり盛り上がらないぜ
俺も雑談は無理だわ
ID赤くして必死こいてレスしてても、いない時の方が人増えて盛り上がったりするw
だから人増えたらスパロボ二週目やっちゃうんだぜ!
っつーわけで現れろー!
なんか盛り上げようとして話してても、いつの間にかID赤くしたG臭のする面子だけになってるんだよねw
そうなんだよなぁ
ぶっちゃけ堪え性が無いというか、レスがつくまで待てないんだw
レスがついた時には既にさるってるのをよく見るのはそのせいかw
いや、これでも調節してるんだよ?w
本当だったら短文で行きたいところを産業にしたりww
人が来るまでの1レスが長目なのは、暇つぶしに長文レスしてるだけなのさ!
やっぱ速攻さる→解除待ちとかダルいしねー
産業は十分短文だと思いますw
逆に人がいないと思ったらさっさとさるって、別のスレにレスつけたりします
あんま長いレスって読むの面倒にならない?
俺がそうだから、ギリギリ話に噛めるか噛めないかのラインが産業なんだw
でも、やっぱ人が増えるまでは長文傾向があるかなー
上の方なんかそれが顕著だしね
まぁ、人が増えたら速度優先してるかな
レスがついたら、大体5分以内にはレスすると良いかも?
その方が、相手がスレにはりつく時間が短くなる、
というか、短時間に集中してスレが動いたりすっからねー
と、この位の分量でのレスだと読みにくくね?
途中で改行はしてるものの、やっぱ2ちゃんの表示だと詰まって見えるし
だから産業くらいが丁度良いのさ!
またまた人増えた!
これで勝つる!
やっぱり短い方がいいか
返すのも早くなるし
あと、かなりの短文以外はもしもしからだともう一回ポチらないとレス見られないんだよね
短すぎると即さるさんなんだけどねw
秒間規制最速でレスすると速攻でさるって、解除までが暇で困っちゃうもの
だから複数スレにレスすると総レス数の底上げになるよ!
ま、今は創作賢者モードだからここだけで良いですw
三人以上になるかどうかが超重要
二人だといくら頑張ってもさるって即終わる
んだね
こればっかりは、●持ちがいかに頑張ろうと無駄だってわかっちゃったもの
●持ちは11レス目↑にも普通にレス出来るんだけど、
もって無い方は自分以外のレスの方が多いのにさるっちゃうしねぇ
●は便利だけど、もしもしだとべっかんこからしか使えないから、スレ立てる時くらいしか使わないな
普段は讃岐から見てるし
スレ立てとか最近してねぇw
新しく創発にスレ立ったりしてる?
人知れず容量落ちしたミリタリースレの次スレ、シェアード、メガネくん
最近だとこんなもんかな?
星スレ、わしスレ、モブ少女の新スレ立ったのも最近だったな
ほむほむ
あとは移転スレとかか
雑で話に挙がってたドラクエ4コマとかもそうか
なんだ、順調に増えてきてんじゃん!
あ、あっちで俺加速するからさるったら後は任せた
しかし圧縮は遠い
700だっけ?800だっけ?
間を取って750にしようか
圧縮近くなったら新スレ立てまくって自浄作用を狙う予定
あわよくばその中から良スレが出ればよし
何年後の話か分からないけど
いやー、串抜き差ししながら2レスはやっぱ無理だったw
雑談ならいけっけど支援と平行は厳しいなぁ
とりあえずこの時間台さるっとこうそうしよう
喫煙所ひとりじめ
おっと寝そうになった
これさるれないんじゃね?
と思ったけど40秒だったからさるれるわ
しかし、連投規制が怖かったりする
合計100レスになったら寝よう
どこでレスしたか忘れた
あと15レスで良いや
レス
随分早いお休みですね
串の抜き差ししつつたくさんレスしてなんか疲れたんだw
ちょっと上の方で話題になってたスレ立て話
本当はちょっと立てたいスレがあるんだよなー
スレタイは 赤ちゃんを拾いましたin創作発表板
みたいな感じで。
ガイドライン板にもある古いスレなんだけど、
創発板でやったらどんな感じで育つか興味ある
ただ、自分があんまり動けないから
立てても過疎るだけだよな、と思うと立てれないのでしたw
まあそれだけなんだけどねー
女の子だったら途中で成長が止まるに一票
一旦解除されたのにまた規制か!
今度はいったい何が起こったんだろう……
赤くしたし寝よう
はええw
おやすみなー
やっぱり止まっちゃうかなあ。 そんな気はするなw
寝ると言いつつ反応あったから最後に一言
ってか反応はえぇw 呟いて逃げようと思ってたのに逃げ切れんかったw
おきてる間は基本的にリロードとの闘いなんだぜw
ってか、これでもちょっと反応は遅い方だー
元スレはどういう趣旨なんだろう
ちょっと大きくなって「彼氏が出来た」って言い出したら俺は泣く、さめざめと泣く
板中にG臭がすると思ったぜ……
ちょっと今からこのスレは焼鳥創発……なんでもない
俺は煙草の吸えない焼き鳥屋や絶対に行きたくないな
Gって何だろう
そんなゴキブリみたいなものは知らないな
ksks
ksks
まー、という訳だから煙草幼女よ
勝手に話を大きくするから覚悟しなさいよ!!!!!!!!!!1
>>496 煙草じゃないんだ
心に火がついてるんだ
ksks
火ぃ〜をつ〜ぅけろぉ〜〜♪
俺はリアルでは尻に火がついているが気にしない
奇遇だな!
お尻が熱いのかい? ん〜?
待て、引くな
| ゜-゜) ……
おいやめろよ、おちんちんカッター的な流れって地味にクるんだよ!
ゼンゼン引イテナイヨ
あ、なんか即興でやる機会かもしれないから一旦
おちんちんカッター!
|( ゜Д゜ ) …
あ、うん
おちんちんカッターね
すごく面白いよ
※切り刻まれるのは俺の心である
あれ、もうだれもいない?
ん?ご注文をどうぞ
じゃあねぎ焼きひとつ!
俺は皮を
ネギ焼きね……
ハイネギ焼き! ポン酢をこちらへ置きますよ
たれもいいけどこっちが今はお勧めだな
大将、ねぎまを頼むぜ
>>517 さっきカッターで切ってきた奴しかないが気にしないかね?
>>519 ねぎまは開店当初から人気メニューだねぇ
はいよ、ねぎまひとつ!
暇な人はラジオへ凸よろしくなんだぜ
内田春菊の短編にそんなネタあったw
てぃむぽの皮?
あれ? ラジオの再生ウラルはいずこに?
ウラルないでござるね
多分まだ開始してないでござるよ
開始しても聞けない拙者涙目でござる
なるほど、わかったでござるよニンニン
しっかしアレだね
元から住民が居るスレってレスしてたら動くねぇw
これがどのスレでも俺は来ましたけどね^^
ござる
sageたけど、埋めるならageた方がいいのか?
埋め立て中のスレageてもしょうがないからsageでよくね?
sageで良いような
1がsageてるし、それを尊重したい
>>1が下げてるのは、デフォルト設定のまま書き込んでるから
さて、今日もレスしまくってたら最低レス数の記録更新は防げるかしらね
フフフ、どうかしらね
なによ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ふふっ、だったらレスしてみれば良いんじゃなくて?
なんなのよ!!!!!!!!!!!!
それにしても、貴方達の反応が早くて驚いたわ
全く、暇だったらレスでもしていなさいな
挟まれたじゃないのよ!!!!!!!!!!!!!!
ざまぁないわね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なによ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
>>539が、ちょうど新着レスチェックが終わったタイミングに来たんだぜわよ
それはナイスすぎるタイミングにきたなのだわ
もうネカマやめなさいよ…
挟まれる期待を抱いちゃったじゃないのよ!!!!!!!!!!!!!!
そんなのしらないわよ!!!!!!!!!!!!
で、今日は創発喫煙所(♀)の流れなのかしわ(素)
語尾に「かしら」をつけるのはカマっぽいのかしら
尾なのに頭(かしら)とはこれいかに
尾頭かしら
昨日カッタ―されたからカマじゃないのよ!!!!!!!!!!
ここはネカマの多いインターネットですね
実はこの場に居る男は俺だけ
ヒーハー!
そう思った時期もありましたが、世紀末が開幕しそうです
うっ、生まれる!!
どっちかといえば
ニューカマーランドのつもりでした
ここは新参の少ないスレですね
創発歴一年ちょっとだから新参です
ニューカマーなのに新参が少ないとはこれ(ry
俺は創発に来て一年も経ってない新参さ!
みんなピッチピチだわよん
俺漏れも!
むしろ板がニューカマー
ニューカマーなのに意外と盛ってる
ヒーハー!
ヒャッハー!
盛りヘアー
昇天MIX……
ここはとーさねーぜ!
それにしても驚異的な速度である
ほら飴ちゃんだ・・・やるよ・・
やはり三人以上いると違うな
急に勢いが出るのは稀によくある
こいつぁうめーあめちゃんだぁ!
40秒間隔でレスできるのがうめぇ
おいおい、誰だと思ってるんだ?
貴様! ススス団だな!
A:タルタルソースです
あめちゃんはわしが作った
一秒で間違いを正されてしまった
なんか触ろうとするスレが多すぎて身動きがとれません><
見てるスレが俺には多すぎてやる気が分散してしまいがち
>>589 とりあえず全部のスレに投下してくればいいんじゃね?
S→S→S完成でハイパースススタイム !!!!!
G
G
K
S
S スーパー
G 頑張り屋
G ゴール
K キーパー
完成! スーパー森崎くんタイム発動!
―――――――――― _,-'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`-,―――――ト、―‐
―――――――――‐_,-':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',―‐、__人_ノ `ー′
―――――――――‐ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::_;:-r、::.r-、::i―ノ
――――――――― ´{::::i、ト(ヽ( !、r'ソ-'フ_,..- l::!r、l::}―> そう何度も
――――――――――l、!¨フp、._ _.. イヾハ !ノノ l:::}ー>
―――.--、_―――――! .l l.._`′ ー ′ .ノ:,'..:..:> 抜かれて
―‐ 「`ヽ.、__ノ――‐.. -‐'' ^'.l. ,.ニ-‐‐ 、 r'.:/..:..:..>
―r┴、、_ノ { ―‐r''´..:..:..:..:..:..:.} ト、._.. -} `K..:..:..::> たまるか〜!!
‐⊥‐r┘ `ー-┴'⌒ソ..:..:..:...-ト.、 レ' ̄ `V . 〉..:..<
(、__`ヽ、 /..:..:.:/ /:..:.:`r、`ー‐ ′,.イ /..:..:..:..´⌒ヽ
案の定キャプ翼ネタが来たが
森崎君は予想外w
さすが森崎君、ボールだけじゃなくスレも止めたぜ!
>>591 実はROMってるだけのスレもある
いつかやろういつかやろうと思いつつ何もしないのが俺のジャスティス
※ここから創発板内の他人のレスをコピペして会話すること
何かが始まったww
んー、いいんじゃないかな?
ウサギの性欲はヤバいって聞くね
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でボケて!!! |
|________|
∧∧ ||
(゚д゚) ||
/ づΦ
フェアリーテール二世がとてつもない巨乳なのかアンさんの胸が縮んだのか
そこが重要だ
何言ってんですか。もうおっぱいはどっか行っちまいましたよ。
素晴らしいホラだ
きっと詳しく言ったら原稿用紙10枚分くらいになるんだろう
なにそれえろい
変態だーーーー!
この変態には鏡を見ろと言ってやりたいw
ジ ジ /
ジ ャ ャ Z 変 げ
ャ | / / 態 え
| ン ン フ っ
ン_____  ̄ ̄)/
∠‖‖ニ‖三ヾィろ__
‖‖‖/‖二二||、三/
‖‖‡_‡__||」‖‖
‖‡iヽ (ノ⌒<|||‖‖
‡ ハo/ ヾoフ ||ハ‖‖
iヽ  ̄ ||ノ‡‡
∧ハ ̄ヾ、U||ヽ
|∧  ̄~リ/|| ∧
||∧川///||/ \
`/||| ツ // || /
/ ||| | // ||ヽ/
ヽ/||| |// /|| L/
イケメンが居るだけなんだけど
でももっと私を見て!
〈●〉 〈●〉
乳輪でけぇ、そして黒ぇ
これが、既視感って奴か……
ええい! コピペ会話やめだやめww
フェアリーテールさんに全裸で突撃して冷たい視線を浴びたい
うお、スレ伸びてるって期待してあけたらしょーもない雑談……
怒られそうだw
終わってたw
ここまでのレスがどのスレからのコピペか全部分かったあなたは創発マスター!
だってこれ完全に雑の流れループだもんよww
とりあえず今日も目標100レスでいこう
板全体でそれくらいでいいんじゃね
100レスとかよくできるなあ
俺はゆうべの創ざらえで力尽きたから、今は賢者タイムだぜ
実は特定のスレに集中してレスしてるからそうでも無いのだ!
スレ範囲が広がると疲れるけどねw
創ざらえは頭使う割にレス数伸びないからね
うんうん
へへ、俺はあくまでも総レス数しか見て無いんだぜ
つっても片端から書いていきゃ100レスくらいは余裕なんだけども
なんとなくレスしにくいスレもあったりしない?
創ざらえ初めてやったけど、もしもしからなせいかもしれんがめちゃくちゃ時間かかるな
あっ
>>632 スレによっては投下がないと話題のふりようもないようなところは割とあると思う
書き込み数カウントの最初が日曜だった
書き込み数最低記録を更新していた
なんか凹んだお風呂
レスがないのはマズいよなあ
過疎のままでいいって人もいるみたいだけど、作品を見てもらって感想を貰う板なんだから絶対に人は多い方がいいっていうのが俺の意見だな
俺様登場!!! あれっ?
(゚Д゚≡゚д゚)(゚Д゚≡゚д゚)(゚Д゚≡゚д゚)……
さすがにあっことの平行はきちぃんだw
(゚Д゚≡゚д゚)(゚Д゚≡゚д゚)(゚Д゚≡゚д゚)……ソ、ソンナバナナ!!!
レススピード1回/3分の俺に出番は無かったw
あのスレはねぇ、ホントよく出来てるよ
言っちゃなんだけど、俺が言うんだからそうなのだ
すまん、たまたま支援しただけで
内容はわからねーw
おうふ
まー、とにかく台詞系クロスじゃかーなり出来が良いんだわ
俺も何度かやったり見たりしてるけど、そん中でも良い出来
雑談で必ず言っちゃうけど二次モノついていけないんざます。
努力もしてないがw
支援がんばってちょー
はいおー
三つ目のIDが出てるから安定してるしd
ということで俺様タイムw
レスありがとー!!!!!
気づいた時にはもう投下が終わっていたでござる
レス返し面倒だからやめたー!!!!!
お前様タイムかと思ったけど投下終了したでござる
なんかもっと伸ばしだい気分だから雑談ネタふってみよう
何か面白そうな新スレ案を考えよう
新しいスレ案かぁ
ちょっとやってみっかw
ミステリースレはいずれ絶対立てる
書き手少なそうだったら俺が無理やり伸ばす
ジャギ「この中に宇宙人(中略)がいたら俺様の所へ来やがれ〜!」
軽くさるってきたぜ!
さる乙!
新スレ:生きていく上で必要な三つのもの
無人島に三つ持っていくとしたら?のノリ
テーマを決めそれに沿ったモノを三つあげる。それに伴う雑談
例題「調味料」
俺の場合、醤油、とんかつソース、マヨネーズ。でなんとかなるかな。
マヨネーズはガチだなぁ
あと、醤油も欠かせないかも
俺だったらケチャップかな?
利己ピンなだけに
ガソリンは欲しいかな
後はエンジンオイル
>657
ミステリーは俺には無理だな。あまり読まないし……
雑では無人島に持って行く本の話で盛り上がったことがあった気がする
あー、なんかそんな話をした、ような気が……
正直Gでした話か雑でした話かわかんなくなってるwww
本3冊、CD3枚、雑誌3冊、嗜好品3つ、とかで
ころころ替えていけばそれなりに続いて行くんじゃないかなと。
雑談にも突入しやすいべし。
まー、俺はシュバルツ・ブルーダー総合はいけるんじゃないかとコッソリ思ってるんだけどな!
無人島かと思いきや実は野生の綺麗なお姉さんが住んでいた!
とか、そういう展開ばかりが思い浮かんで、持って行く物を考えるのに集中できない俺
>699しらんがな。見当つかず、しゅば(ry
うっ!……ふぅ
>>670 貴方は何を考えているんですか?
何かその手の、やたら狭い範囲の総合スレは立てたくなる時があるな
一回実際に立てたけど
うなじですね、わかりますん
それにしても、二日で400程度は進むんだねぇ
なんだかんだで規制解除されてる人増えてるんだな
ぶっちゃけロボスレが避難所から帰ってくるだけで板全体のレス数も回復する気がする
それにしても、当の1はどうしたんだろうか
まさかとは思うけど最近リア充してて放っておいても埋まると思いやがってるんだろうか
それにしても、「それにしても」って言葉は使い勝手が良いなぁ
>>676 だね
ある程度までだったらレスの数がグンと増えるっぺぇ
んー、でも、それでも一時期にくらべたら少ねぇんだよなぁ
リア充いいなー
あと20レスしたら寝よう
それで100前後になるし
ススス
あー、そういやどっかで出た話だけどまとめてここでレスしちゃうわ
どうせ見てるだろうしな!
スカイプを使ったらラジオ放送だけど、俺はホストになれないっぽい
調べてみたんだけど、どうも俺のPCじゃ出来ないくさいんだよね
だから、もしも多人数やるとしたら俺が凸るしかねーのです
次に、股間にあたる部分がデンジャーな人に「日本語でおk」といわれたので、
日本語でやったろーじゃねーかバーロー! 可愛い!
実は、日本語で説明されるよりも、
他の人が実際にやってるのを見たり聞いたりしちゃうのが一番手っ取り早いw
そこで、「自分ならどうすっかなー」って思ったりしたらプレイしちゃえば良いのさ
ぶっちゃけてしまうと、たかがゲームなんだからw
おじさん興味があるなぁ
股間とかプレイとか、えっちです///
さるって寝よう
一度さるさんを迎えてしまうともう駄目だ
よくわからんが激萎えしたのでしばらくスパロボ周回プレイしてます
その頃には規制解けて人が増えてると良いな!
なんでなんだろ、さるさんなんて食らいまくってんのになぁ?
ま、このスレ見てる人間の傾向的に埋まるっしょ
後半になったら、ちょっとageとくのが無難かも?
範囲安価でどっからどこまでが作品だって指定しとけば困ることも少ない、はず
せっかくリライトしてスレ立てて投下したんだからさ!
そこらへんの「見ろよ」的なアピールってしても良い、というかするべき!
さるさん寝るおやすみ
ちょっと、秋葉原行ったり、色々問題があったりしたんだけど、やっと帰還
>>695 正直、自分の中での技術力上昇の確認の面があったから、他人に見ろよ! ってつもりはそこまでないんだよね
でもスレ立てでもしないと、俺は途中で止めちゃう可能性高かったから、スレ立てしたのです
リライト前と比較してみると、この数年で得たものは
・比喩表現の幅
・読みやすいよう、一行の文字数を少なくする工夫
・縦読みを仕込むなど、曲芸的な文体の習得
この三つかな?
と、確認できたので、よしとします
この三つの中では、曲芸的な文体が一番大きいかも
1レスが作中時間換算1分のお話、とか挑戦してたし、その影響かと
使い道がないんだけどな
問題は、リライトっていう時点で文章力は確認できても、構成力の面が測れなかった
リライトするなら、構成面もいじって良かったんだけど、この話の都合上、変えるのが難しかった
というのも、当時のプロットがないから作り直すのが面倒だったw
一応、展開が急だと思ったら1レス挟んだり、くらいはしてるんだがね
やっぱり、一度完成してるお話って手をつけにくいな
と、裏話ここまで
リライトしてから随分たってるし、読み返すといじりたくなるわwww
また後で昔書いた話のリライトしてみるかなぁ
ここは喫煙所だし、煙草吸い終わったから寝よう
_、_
( ,_ノ` )y━・~~
今日は板全体で全然動きがないな
ホントに全体見てるのかな?
なん……だと……
どっかで大きい動きとかあった?
大きな動きはないけどまぁいつもどおりだなー
いつも通りか
なんか勢いがなく感じるのは昨日このスレでずっと遊べてた分そう感じるだけかも
俺様タイム発動!
引くに引けない大見得切って
過疎ってる場所で意地を張る
ここで張らなきゃ何処ではる
残り300俺に任せろw
まかせた!
すんません。読んでませんw
>714
任せろw
>1がこのまま沈むのを望むなら
俺が突っ切ってやるぜ!
別に自治厨と呼ばれる人でも無いんだけど
ちょっとだけでも書き手に役に立てたらと
あ、すいません。見て見ての自己満足だすw
さるったがID代えて続けるぜ!
>719
意見を聞こうか。
バリバリ
>722
インドネシアに行きたいのか?
しーん……。
気にせず続けるw
どうやら新スレが盛り上がっているようだが
俺も投下しよう。
過疎ッたらなw
来いやぁ!
せっかくだから人がいるうちに投下しちゃえばいいのに
>729過疎ったらなw
>730
過疎ってるところで投下して絶賛を浴びる。
アメリカンドリームw
俺が特殊なだけだと思うけど
盛り上がってるところに便乗しても面白くねーよ!
でも俺も過疎スレに投下するの好きだから人のこと言えないなw
かそってるところで投下したが絶賛は浴びなかった
まあそんなもんだ
でも過疎スレに投下して反応があると
人がいるスレに投下したよりなんかこう、ニヤニヤしたくならないか?
バザールでござーる!
ぶっちゃけると過疎ったらROMるスレが増えるだけだわ
俺のやる気なんてそんなもん
結局埋めていいのか?
>719
>>739 多分マジックテープ財布ネタ
「任せろ」に対しての反射で「やめて」だから問題無し
>738
それは人それぞれだからそれでいい。
ROMでさえ思わずレスをつけたくなるような投下を目指す!
願いが叶ったことは1度も無いがw
>740
そうか。時流に乗れてないな、さすが俺様(自爆)
青い奴と思われてかまわない。読み手の記憶に残るものを作りたい。
きゃー!恥ずかしいw
次の投下を様子見してからだな←嫌なやつw
響け魂の叫び!
あれだ、みんな楽しかった過去引きずりすぎ。
新参者には敷居が高いぜw
それだけ楽しかったんだよ!w
いいんだよ今からその楽しさを復活させれば!
これはもう煽ってるでFAだな
>747
そう来るかーw
まぁ、そう思われてもしょうがないか。
正直いうと新参者はいりずれーような気がする。
俺は厚かましいから気にしないがw
他板に比べれば優しいと思うけどな
何ずれた事言ってんだ
馴れ合いも楽しいし、雑談も楽しい。
それが投下あっての話なら最高だ
まぁ、無くてもいいw
>751
ずれてるか、すまん。
今風呂から戻った産業
新参者が調子に乗っているだけだ。
気分を害したなら素直に謝る。
謝るくらいなら尻を出せ
えっ!
他板で投下したのあと一つしかないが、それで近いうち凸って見るか
なんで減速してんだよ
ksk
別にもう俺のことなら気にすんな
あのスレ閉じたから関係ねー
良かったな!
これでお前の望む過疎スレに一歩前進だ!
閉じた……それは好機!
では創発板で以前投下した物を晒してくるかな
支援に関しては、さるさんと闘うスレにレスくれればちゃんとするよ!
>761
タイミングいいな。いまあっちに書き込んだぜ。
やべー、緊張してきたw
おー、頑張れー
>764
いや、投下めんどくさいのもあるが
流れのままに読んでみてもらいたい。
書き手の主張w
流れのままってことはVIPからか
いや、VIPは見ないからわからん。
単に途切れなく読んでもらいたいだけ。
文芸サロンで感想貰いたいから晒したやつ。
だったら、投下時に名前欄にコテなり酉なりつけると良いよ
そうすれば、抽出してまとめて読めるようになるし
>>769 文芸サロンって作品晒すスレもあったのか
あり。
しかーし、おれのわがままであpろーだで投下する。
そのせいで見てもらえなくても俺は後悔はしないw
あんまり長いとスレ圧迫しちゃうし、ろだでも良いかもね
俺は絶対にろだはおすすめできないが、本人にこだわりがあるならしょうがないな
あっさり読めると自負してるし、感想ももらってるので
ろだで行く。
先人達よ。俺も続くぜ明日だけどw
つーことで見直しのため落ちる。おやすみん。
他板の奴を創発に釣ってこようと思うんだが、なかなかいい釣りネタが思いつかんぜ
実際にはどれくらい売れてるの?
釣りじゃなくて本当じゃねーかwww
うん、売れたのは本当
しかしリンク先は釣りスレというわけなのさ!
知ってる人
「そうそう、売れてるんだよなーw」ポチ→「あれ?ココドコー?」
知らない人
「へえ、そうなんだ」ポチ→「ここどこー?」
リアルタイムでどうのこうのっていうことはアレだな
たまごっちの生物がおにゃのこになったみたいなもんか
ちょいと違うな
俺達が、二次元に片足を突っ込んで、彼女と過ごすんだ
二次元に……そいつは魅力的だ
でも、自分でたまごっちとか書いてて、リアルタイムでおにゃのこの排泄の世話するゲームとかあったら、それはそれで神ゲーな気がしてきた
なにその始まりすぎて終わってるゲーム
そういや、「どこでもいっしょ」に一時期はまっていたな
携帯ゲームも進歩したもんだ
ああ、そっちの方がクリックしたくなるなw
\ ___
\'´,,==ヽ=
|\ノハルト〉==
j l| ゚ー゚∩ <そんな餌にこの私が釣られシュラー!
⊂リ;春jリ)、===
llノ爻xOヽ== (´⌒;;
`~ヽO~ (´;;⌒ (´⌒;; ズザザザ
さて、3つのうちどれで釣りにいこうか
彼氏がクリスマスプレゼントにラブプラスを要求してきた・・・ 死にたい・・・
俺はこれを推す
あ、どれも捨てがたい味わいがある
じゃあちょっとそれで行ってくるか
戦果を期待します
全然釣れんなw
ネタが悪かったのか、張るスレが悪かったのか
どこの板に張って来たんダイ?
見かけたのも縁だし、何箇所かに貼ってくるぞ。
今少しだけ貼って来た
貼ってきたぞ。
毒男板をチョイスした所にドス黒い意図を感じるなw
まあ良さげなスレ探すのが面倒くさくて、各板1スレくらいずつにしか貼ってないんだけどね
いつも戦果が少ないのは弾不足か
単純に規制で書き込めないというのもあるかも?
釣られてレスしない人も多そうだけど
ネタ自体は秀逸だから、ほとぼりがさめた頃に再利用できそうだね
まあ、板名である程度はバレるからな。
ニュース的なのだと、「mitemiteでニュース?」と訝しがられて
しまうところもあるんじゃないだろうか。
創発にありそうな、それでいて話題になりそうな・・・難しいな。
>>802 それネトウヨの捏造だと思ってスレ開いたらガチだったから吹いたわw
あの兄弟は政治家にしておくにはもったいないほど面白いキャラクターだと思う
現実の方が突飛だったりするから釣りは難しいぜw
>>803 そもそもmitemiteが創発っていうのが知られてないんじゃね?
>>806 まあ、普通のブラウザ使ってる人はそうだろうが、
専用ブラウザだとポイントした時点で板名は表示されてしまうからね。
俺も専ブラ導入したら使いやすくなったけど、
つられなくなったのが嬉しくもあり寂しくもあり
逆に創作っぽい題名だったら釣れるんじゃ?と考えて気付いた
釣りに使用できるような面白いスレ名なら、立てて普通に創作した方が楽しい
あの手の釣りって専ブラじゃない奴を狙ってやるもんなんじゃないの?
そういうもんかもしれないね。
専ブラ使うような人って、大なり小なり2ちゃんに
慣れてる人が多いから、釣りスレというものが
存在している事を知ってる場合多いし。
最近、創発を見てる時間は増えてるのに自分は全然創作してない
感想つけるやる気と創作するやる気って完全に別物なんだな
かんそうつけるやる気も創作するやる気もありませんが何か
だったらリアルを充実させればいいじゃない
何を言う
俺のリアルはここだ
この板だ
あの時、最高のリアルが向こうから会いに来たのは
しかし最初に誰でやるか迷うな
やっぱ幸村かウサ江でやる奴が多いんかね
うお、まだ埋まってなかったのか
こういう埋め立てはするんなら時間をかけずにやっちゃった方が良いぽ
なんでかっつーと、伸びてると思って開いたら、
後半を見てガッカリする人が出てくるかもしれないからです
何より、雑談で埋めてるわけだから色々と勿体無かったり
やるんなら一気に、ってのが俺のジャスティス
まー、ここ三日まともにレスしてなかったんですけどね!
この三日を誰か産業でお願いしますですエクスデス
実際、俺もなんかアホみたいに伸びてるから来てみた
中身はまだ読んでない
実は俺も読んでない
ログを残して暇なときにザーッと読もうかなと思ったりしてるのよね
読む読む詐欺の可能性大だよ!
そういえばペプシあずきを飲んだ
なんつーか、飲み終わった後のあずき感が尋常じゃなかった
もうね、「豆!」って自己主張が物凄い
創発を見てる時間が長いようなら、避難所のレス代行スレも見てあげて
ああいうのって、極力代行を頼んでから間が空かない方が良いと思うのよ
なんだろうな、その方がレスをしてる感じがするじゃない?
個人的にだけど、役に立つスレにしたいスレがいくつかあるます
・さるさんと闘うスレ
・避難所のレス代行
このへんはガチ
一人じゃどうしようも無いけれど、どうにかなる部分はどうにかしたいのです
>>825 よし、諦めた
代行に関しても、11レス↑ならあっちで投下支援の相談とか出来ると楽なんだよねぇ
そういう意味では、いくら人が居ても困らないのが上の二つのスレなんだわ
>>824 俺もつい昨日に規制解かれたばっかでさ
今の内に投下したいから人のに構ってる余裕あんま無いわ
すまん
>>827 投下したいもんがあんなら自分優先しろ!w
まー、暇になったらで良いから覗いておいておくれやす
そういう部分がしっかりしてると、規制が多くても幾分マシになるしねー
支援は任せろ!
それにしても、やっぱり人はかーなり増えてると思うわ
雑談一つとったって、レスの傾向がこれまでと違ったりしてるもの
だから、過疎だなんだと焦る必要は無いのかもしれない
3年後には立派な板になってるんじゃねーかしら
さるさん
ロボスレが何であんなに伸びてるのかいつも気になっている
が、直接見に行く気はあまり起きない
ロボスレは気がついたらにぎわってた
今ではロボスレの動向が板全体の勢いに影響するレベルだもんな
GGGも傍から見りゃあんな感じだったのかも?
勢いってのは麻薬だわ
レスをしたら、それに対してレスがつく
これだけでスレって盛り上がるんだよねぇ
これって、投下、感想、雑談の基本みたいなもんだしね
レス速度で勢いがついたりつかなかったりするんじゃないかな
勢いあるとそれだけで楽しいからね
ところで最近、パロロワと似たような仕組みを用意してやれば、殺し合い以外でもパロロワみたいなリレーができるんじゃないかっていうことを考えてる
ウルトラクイズパロディとかパロディガンダムファイトみたいな感じで
板発足当初からループしてる話題だけど、いまだにいい案が出ないね
俺が思うに、レスが噛みあうのが二人居れば速度は自然に上がる
他に人が居なきゃさるさんでどうしようもないけど、創発は結構ROMいるし平気くさい
>>834 多分、やってみよーって人間が2、3人居ればなんとかなるよw
なんだろうな、はじまってないから「良い案」が出ないって思っちゃうのかも?
人がいないならとりあえずさるってみるのが流儀の自分です
そうすると大抵黒いIDのレスが来たりするんだよねw
やっぱり、レスがついてるとレスしやすくなるよねぇ
止まってるスレを動かすのって面倒だものw
それだけやる気があったら好きなことやっちゃうww
>>835 試しにスレ立ててみてもいいんだけど、「色んな作品のキャラを集めてガンダムファイトさせてみるリレーssスレ」とか案の時点でクソスレ臭が漂いすぎてるw
ただでさえ俺が立てたスレ過疎ってるのばっかりなのにw
>>838 だったらためしにやってみりゃ良いんじゃね?
今暇だからやるぜー
色んなキャラ集めて何かしたいってのはわかる
バトロワ以外で何か盛り上る、お祭り騒ぎみたいなイベントなw
じゃあ企画について考えるだけは考えてみるか
立ってるシェアードスレの数を考えても、パロロワ住民以外の創発民もこの手の企画って好きそうだし
アレなんだよね、考えんのがかったりぃwww
だったら、こういう場所で試しにやってみて、
面白かったり出来そうだったらスレ立てれば良いんじゃねーかと
試しにやってみるのは賛成
こういう埋めスレでも避難所でも、実験場所はあると思う
うむんそうだな
見切り発車よりある程度ネタを溜めた方が食いつきも良かろうて
面白くて続きそうだったらスレ立て
面白いけど続かなさそうだったら「あー、楽しかったね!」で糸冬
つまらなかったら忘れる
ほら、完璧じゃあないかッ!
鮭の人工授精をしていたので鮭の卵に放精した。
こうして鮭男がうまれるのかな?
とりあえずバトルロワイアルに変わる新しいモデルを考えるようだな
バトルロワイアルのリレー企画のモデルとしての利点はこの辺
・物語の方向性が明確
・キャラがどんどん減っていく
・ある程度限定された空間で話が進行する
・タイムリミットがある
・物語の終わりまでの距離が明確につかめる
・必ずしも一度に全部のキャラを動かす必要がなく、好きなキャラ同士だけを絡ませることができる
これを出来るだけ損なわないようないいネタは何だろう
なかなか難しいな
SAWみたいに閉鎖空間から脱出するとか?
ごめん、CUBEだ
一年以上前に俺が思いついたこの企画の出番が来たようだ
『ガチンコ!パロキャラファイトクラブ』
色んなお話のキャラクターをクロスオーバさせて、ファイトクラブを結成し、プロテスト(何のだよ?)合格を目指す。
物語が進むにつれて、練習についていけないメンバーや喧嘩して脱退するメンバーが出てくる。
時々竹原さんが、大根演技で無茶な特訓を要求してきたり、「どう思った?」とか聞いてくる国分がウザイ。
最終的に残ったキャラの練習や模擬戦の成績で、プロテストの結果が決まる!!
この後!練習生達にとんでもない出来事が!!?
ちなみに上の条件で考えて俺が出した案がウルトラクイズとガンダムファイトだったりする
明鏡止水の曲を聞いてテンションが上がっていたのは関係ないと主張しておく
そういや脱出物創作のスレあったよね
ぶっちゃけトイレからの脱出話の印象が強すぎてww
終わりが見えて、なおかつ時間制限があるってのでパッと思いつくのはスポーツとか?
あとは創発M−1グランプリとか
パロキャラプロレス
でもわかる人じゃないとわからないという諸刃の剣
>>851 SAWでも別に違和感はないなw
難点は結局グロ耐性が必要なことか
創発の野望 武将風雲録
>>852 お、それいけそうじゃね?
色んな作品の、方向性が似てるキャラを集めてどーにかする、みたいなさ
やってみれば案外出来そうな気がしてきた
>>853 それはBGMにひっぱられすぎwwwww
個人的には、燃え上がれ闘志(ry
あとはカイジに出てくるようなギャンブルとかもよさそう
限定ジャンケンとか
福本作品でやってることは大抵出来そうかなぁ
一箇所にまとめるとか、一つの目標にむかって頑張るとか
そういうのが必要だな
カイジみたいな展開で次々と挑戦者が脱落というのは面白いかも
>>858 コラム随筆スレのアレは面白かったな。
あれは実際にプレイした上での日記形式だったが。
>>862 だね
ある程度人数が絞れるのも良いかもだ
とりあえずお風呂いてくま
キャラの絞り込みだけならトーナメント形式でなんかやらせればいいんだけど、好きなキャラ同士だけを絡ませられるっていうのは割と重要な要素だと思うんだよね
チェックポイント式の長距離レースは?
Dr.スランプで度々やってたネタ
しかし、こういうの考えるたびに思うけど、パロロワって本当によくできた企画だな
なんというスレスト
こういうふうに唐突にスレが止まると、なんか悪いことをした気分になるぜ
とかなんとか良いつつ、もうすぐ900なんだよねww
今は規制されてる人も多い? みたいだし?
これは避難所かなんかにもってった方がレスがサクサクつくかもしれない
唐突にスレが止まったらレスしまくってると良いよ!
そうすりゃ人が増える可能性がちょっとだけ上がる、かもしれないw
思えば創発で俺のレスを最後に止まっているスレは一桁じゃきかないな
多分それは、他の場所で盛り上がってるからさ!
盛り上がる場所が転々としたりするよね
>>873 でもGがあった頃に比べればだいぶマシになった感じはするな
あの頃はもしもしからじゃ全く追いきれなかった
ま、嘆く暇があったら何かしてた方が精神的に楽だよ!
止まったら、
「ははっ、俺をさるらせるなんてコイツらのレス力も大したことねーな!」
って思いながら涙を拭けば良いと思う
>>874 変に盛り上げようとしなくなったからじゃないかしら
多分、PCでも終えてるGなんて少なかったと思うよ
俺なんかがそうw
Gで思い出したけど、最近旧避難所埋めに参加しなかったことを悔やんでいる
速度早すぎて諦めたんだよなあ
もう旧避難所見られないし、何やってたかすごく気になる
あの頃に比べると今は追うのが楽すぎて困る…
とか油断してるとあっというまに追いきれなくなるあたり今でもあなどれんww
俺もあんま覚えて無いw
良作紹介の前身になることとか、合作の相談して創発に投下したりとか?
あー、結構作品投下があったな
描き手の人の文とか、結構創作的なことをいろいろやってた気がするよ
>>879 雑談とかなら諦められるんだけど、後から見られない作品があったりするのはめちゃくちゃ悔しい
同じことは流れちゃった絵とかにも言える
アジョ中の絵が見たいぜ
>>878 基本的にノリなんだよねぇ
ま、ここが埋まったらしばらくは良いかなって感じだわ
>>880 ロリ騎士の王子が最初に登場したのは旧避難所なんだぜw
個人的に収穫だったのは、料理人さんの創発未発表作が見られたとこだな
軽く信者入ってるぜw
>>882 俺の悔しさが有頂天になった
作品が見られたことへの羨ましさはしばらく収まることを知らない
>>884 ありがとう!
保存した!
やったぜ!もれなく串子まで付いて来た!
ちぇき
アジョで印象が強いのはアジョ丼だなwwww
,. -く-、-''_,,並r- .、
,ィにニ久ノ'" / ヽ、
,.' >ー/ , ;. i`.ヽ へいおまち!
,.' / ,' / /./ M ノ ! ._,,_, ,,,..,
/ / { トト,r='' ヽイレレ |_,,_, ,,,.., \ヾス/ ._,,_, ,,,..,
! ,' ヽト! ',ィ:Cヽ ィy;ソ// \ヾス/_,,_, ,,,.. ヾ,ケ _,,_,_, ,.\ヾス/
i !|l | ` じ'_ .{'j/'イ ヾ,ケ \ヾス/ ,ハ \ヾス/ ヾ,ケ
! | ヽ!| ! 丶 ! l| ,ハ ヾ,ケ γ.;iil,. ヾ,ケ ,ハ
丶ヽト| l 、 t_ァ ノ ! ! γ.;iil,. ,ハ. λ,;iiキi ,ハ γ.;iil,
_ヽヽ. ト、` ー--イ ノノ λ.,iiキi. γ.;iil,. ,{ .,,iiilヨ|,γ.;iil, λ,;iiキi
,_-''" 丶、f'@}|_ / / ..,,;;iiill.{ .,,iiilヨ|λ,;iiキi'" ,''" ''λ,;iiキi.,{ .,,iiilヨ|lliii;;,,..
/...二丶、 .入_ト ".,;i ' ",.."' "' ''"' { .,,iiilヨ| 、 { .,,iiilヨ|"''"' "' ":;';;,i;,.
f,r''''''''ーァ`ヽ、 /__ ,il| ii;;;,,.. 、 "';" '"''' '" ", "' " "' '" '' " "、..,,,;;;ii |li,
ト二二.-''"~ヽ fー=-r‐(丼""'''''!!!lllllllliiiiiii;;;;;.....,,,,,,,.....,;;;;;;iiiiiiillllllll!!!''''"" 丼)''-_、
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.ト、'〜-i| `'''ー=================一''''" |
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:Y:.ヽ l ! ,rーケ___ ,' il
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:\_!>''"〔  ̄ =-う ,.' /〉
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:i_;; -''":.:.:.:.:.:.:.ヽ 二不 ____________. ,'/'
創発フォルダを開闢以来全く整理してないのが災いして出遅れたぜww
創発フォルダ…だと…?
スケキヨ丼w
何故か
>>890をみてタイトル思い出した
スケキヨ丼だっけかw
創発の画像とエロ画像をごっちゃにしてるからカオスだよ!
整理するのが面倒なんだよ!
画像はロリフォルダとその他に分けている俺に隙は無かった
その他の量多すぎだろww
エロ、エロ、風景、ピタの人、エロ、風景、ヌコ、黄金ハルト像、エロ、VIPでの、エロ、風景
並びがカオスwwwww
そもそも半年前まで画像を保存する習慣がなかった俺もいますよ
ちくせう!ちょっと分けてくれよ!
>>899 入ってますん
今見たら、その他フォルダ2.GBあったわ
真面目に細分化考えなきゃ駄目だな
んじゃあ手持ちの画像公開しちゃおうぜ!
それが創発民の後悔画像でもきにしなーい
ロダ使うのはじめてかもw
ちょwwwマジでかw
>>902 実は創作発表板の画像はそれほどでもないw
弾数がないっすw
>>905 すげえええwwwwでも覚えてねえええwwww
>>907 これってめちゃくちゃ不気味な人形がお題じゃなかったっけ?www
すげえ一杯wそして大体覚えてるんだけど持ってねえww
Gウィキに収録されてない奴も多いなぁ…
こうやって見ると、俺が創発で画風で見分けられる人ってほとんどいないな
メガネ君くらいか
やべえテンション上がってきた
なんというフォルダ開放…これは創発開設依頼の祭りの予感!!!
>>927 だがそれは俺の嫁だ!
>>929 どうやらお前とは戦う運命にあるようだ
だが運が良かったな、睡魔が限界だ
俺はここで脱落する
>>930 今となってはルパンスレの基地外のイメージしかないなwww
(●)(●)
キュムキュムやめれwww
なんでこんなに古参が多いんだww
>>937 はさみさん何やってんすかwwww
>>938 よーわからんw
動かしたいんなら動かしてみれば動く動くとき動けばウゴウゴルーガ
>>939 それだあああああああああありがとおおおおおおおおおおおお!!!!!!
>>938 最近いまさらになって吉里吉里スクリプトtxtのサルベージに成功した
本当に今更だ
>>939 うおおお懐かしいよ!!!!
>>940 元々、使い終わったスレの埋め立てに参加するようなのは古参が多いんだろう
お、俺は古参じゃないぜ?
>>944 お、俺だってそうだぜ
現にフォルダ漁っても何も出て来ないんだぜorz
もうね、GGGの軌跡とかブログで纏めちゃおうかと思ってたところさ。だってウィキ編集わかんないし!
でもファイル足りなくて挫折したという。誰か保存して持ってる人いないかなぁ
>>948 ブラウザで閲覧できる別のゲームエンジンで途中まで作って凍結…だったかな?
自分もよくわかんないんだよね。素材は結構あるみたいだから、あとは演出が主?
>>949 俺は最近、10分で分かる創発の歴史を書こうとして、G結成あたりで面倒くさくなって止まってる
>>950 そうなのか
是非とも完成させて欲しいな
実は俺も裏でノベルゲーをチマチマ作っているんだ
いつ完成するのか分からんが、その時はおまいらテストプレイよろしくな!
ヤバイなんでこんなに未収録作品が多いんだ
datなら全部のこっとるが
うpされた画像とかのファイルはさすがに><
ノベルゲーって今まで完成した形で創発にうpされたのバンディッド霧崎様の以外にある?
Wiki未収録作品いっこしかなかったorz
>>960 この作者さんが和尚だったのかw
ラジオmp3が出てきたw
>>961 ロリ騎士もイラスト投下多いからまとめが欲しいねえ
>>962 釣りかと思えばマジにおっぱいじゃないか!?
まー、探せばもっとあるw
専用wikiがある所は画像保存してなかったりするなー
絵スレ関係はあんま見て無いんですけどね!
見ても保存しなかったりしてっからなぁ
ぶっちゃけ、あとどんだけあるか見当つかねぇww
あまりにも画像を保存してないことに絶望した!
ピタの人はすぐ流れちゃうから即保存した方が良いんだよねw
でも、なんだかんだでレスしながらの絵は覚えてたりすっからなぁ
ちょっとログたどってみたけどG絡みの画像だけ保存してないのはなぜーーーー
>>967 そんなに持ってるならもうWiki全部おまえが纏めちゃえよ!
>>971 間違ってエロ画像貼っちゃいそうなんだよ!w
>>977 ロリババスレだよw
125 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2008/12/26(金) 13:50:04 ID:P5SkfBNu
クリスマスプレゼントにロリババァをもらったよ!
サンタ「すまねえ、ふんじばるのに手間取ってな。遅刻しちまったよ」
俺 「ありがとうサンタさん!」
ロリバ「ムー! ムー!」
>>980 ロリババァスレだったか!
あのスレ常に見てるんだけど、動きがまったりで記憶が風化してくんだよなぁw
漫画が投下されたり、実は超クオリティのスレだったりするよね
しまった
983の差分でオヤジ王様のがあったのにどっかいっちゃった
>>986 懐かしい
ちょうど俺がGに入り浸り始めた頃だ
>>989 メリーwwwww
うん、中々の加速っぷりでしたなw
メリー関係は結構絵があったようななかったような?
っつうか、この量ならzipでうpした方が絶対に良かったよねぇww
とりあえずまとめ
ZIP!ZIP!(AAry
誰かスレの画像特にロリ騎士まとめろ
古参乙
SSまだ読んでないんだけど・・・
まぁいっか
>>993 ログとってっから、後日創発wikiに収録するつもり
俺が埋めるってなぁそういう事ですだよ
勿論、喫煙所からは省くけどな!w
創発wikiなんてあるんだ?
へー、探してみよう
>>997 ありがとう
たまには外出てみるもんだなー、色んな発見があるわ
1000 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/16(月) 02:17:48 ID:qJz8nr5E
1000なら今年中に彼女と結婚
1001 :
1001:
/■\
(_´∀`)_ 創る阿呆に見る阿呆!
/,/-_-_-_-_-_\ 同じ阿呆なら
( ( /,, /― ((神輿))―\ 創らにゃソンソン!! //
(。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@ ) )
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†人=†††¶┌┐¶†††† このスレッドは1000を超えた!
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