新漫画バトルロワイアル 第1巻

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682創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 11:37:28 ID:SWTa/OfU
ああ、確かに同じ九尾の狐で男を堕落させる傾国の美女なんだよな
古代中国の所も同じのようだけどお互い異時空の存在なんだよな
関連あるのかないのか書き手のアイデアに期待してます

こうなってくると潮の参戦時期も重要になってくるな
まさか白面の者打倒後かもしれない
683創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 12:09:28 ID:SWTa/OfU

2/6【トライガン・マキシマム】
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ミリオンズ・ナイブズ
1/4【うしおととら】
○蒼月潮
1/4【鋼の錬金術師】
○ロイ・マスタング
1/3【金剛番長】
○秋山優(卑怯番長)
2/3【封神演義】
○太公望/○聞仲
1/3【魔王 JUVENILE REMIX】
○蝉
1/2【うえきの法則】
○植木耕助
1/2【ブラック・ジャック】
○ドクター・キリコ

破棄と新しい予約入れてもまだ空いてるキャラです
審議中ですが◆2/z7o.Vlls氏の作品と連絡が来ないけど破棄になる場合はロイ・マスタングが空きます
684創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 12:23:30 ID:OOHX3Qn7
意外に主役級が多く残ってるな
685創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 12:43:22 ID:fo4LSBgb
マスタング大佐とお妙さんの予約は…一応、今夜中まで待ってみたら?

そして新たに入った予約にgkbrが止まらない
逃げてー二人とも逃げてー
686創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 12:48:12 ID:OOHX3Qn7
予約見た。
こwwwれwwwはwww
二人とも逃げてえええええ
687 ◆lDtTkFh3nc :2009/04/15(水) 12:52:58 ID:/YSwOI7G
正義の味方頑張れwww

さて、投下をさせて頂きます。ちょっと長いかな?

闇に底があるなら、きっとこんな所なんだろう。

そんな言葉を思い出しながら、1人の男が歩く。

「…人類を抹殺する化け物の次は、殺し合いを求める神か。アンコールのナンバーとしてこれ以上の物はないな。」

呟きながらも、耳を澄ます。もはやこれは反射に等しい行動となっていた。
男の名はミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク。
魔人集団GUNG-HO-GUNSの7番手にして、あらゆる「音」を支配する「音界の覇者」。
彼がこの殺し合いに巻き込まれて抱いた感情は、『絶望』の二文字だった。

彼は、死んだはずだった。
人類全てを滅ぼす災厄、ミリオンズ・ナイブズから逃げ出す為に、その弟ヴァッシュ・ザ・スタンピードと戦うも、仕留め損ねた。
そればかりか、そのナイブズに異常なまでの忠誠を誓うレガート・ブルーサマーズの介入を許し、逃げ場を失う。
その果てに彼は反逆の牙を剥いたものの、それは突き立てられることなく終わってしまった…ハズだった。
なのに、なぜ自分はこんな場所にいる?

GUNG-HO-GUNSに所属していた時、常に恐怖を感じていた。
いずれ人類全てを抹殺しようというナイブズと、その狂信者レガート。
そんな連中の下で戦うということは、その力を振るうたびに自分の死が近づいてくる事になる。
だが逆らえば殺される。
バカバカしい話だった。往くも死、退くも死…どこにも逃げ場などなかったのだから。
死によって、少なくともその悪夢のような日々だけは終わったと思ったのに…
神は、それすらも許してくれなかった。

まさしくここは、闇の底だ。

この殺し合い、おそらく勝利したところで何も得られはしまい。
本当に生きて帰してくれるかも怪しいものだ。これは、直感的な感想だった。

しかしその上でミッドバレイが選んだ選択は、この下らないゲームに乗ることだった。
無駄な抵抗をしても虚しいだけだ。あの時説明をしていた連中が人間ではないのは明白。
次元の異なる化け物に抗っても無駄なことは、自分が誰より知っている。
しょせん人間は、盤上で自分の定められたパートを忠実に演じるしかないのだ。

どの道、出口の無い死であるのなら…

だから、彼の人並みはずれた聴力が『女』の微かな足音を捉えた時、彼は迷わずそちらに向かっていた。
その手に銃を握り締めて。
689創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 12:55:48 ID:F3Ian+rg
【ゴールデンレス】
  ∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩  このレスを見た人はコピペでもいいので
   〉     _ノ 〉     _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
  ノ ノ  ノ  ノ ノ  ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
  し´(_)   し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です

その『女』は大きなおさげで、やや幼く見える外見をしていた。
まぁ、相手の特徴など関係ない。暗闇に身を潜め、機を窺う。
そして、一気に飛び出し、銃を突きつけた。

「動くな。」

後頭部に突きつけるつもりだったが、思いのほか速く相手が反応し、顔を向けられてしまった。
まぁ、どうせ殺すのだ。顔を見られたところで問題は無い。

「…参りましたね。やめてもらえませんか?」
「脅しだと思うなよ。すぐ撃たないのは情報が欲しいからだ。何も役に立たないようならすぐに殺す。」

思ったより冷静に対処する。心音にも大した乱れがない。見た目からただの一般人だと思っていたが…
もしかすると修羅場慣れしているのかもしれない。

「殺し合いに、乗るつもりですか?」
「質問するのは俺だ、お嬢さん。お前、ここで俺の他に誰かと会ったか?」
「いいえ、あなたが初めてです。」

やはり、か。自分自身、目を覚ましてからさほど時間は経っていない。
自分がよほど寝坊をしたのでなければ、大半の人間がまだ、誰とも会っていないか、ファーストコンタクトがせいぜいだろう。
それならこの『女』にもう用は無いな、と考えていると…

「…そうです、“初めて”なんです。女性の“初めて”をこんな乱暴なやり方で奪うなんて、男として最低ですよ?」
「…くだらん事を喋るな。そういう気分じゃない。」

なんなんだ、この『女』は。殺し合いの場に放り込まれて、見知らぬ男に銃を突きつけられ、なぜこんな態度を取れる?
態度だけじゃない。強がりじゃなく、心底冷静なのが心音や呼吸音からわかってしまう。

「…嫌な目をしてますね。絶望に囚われた目です。」
「余計なお世話だ。生憎と絶望とは付き合いが長くてな。お前以上に理解している。」

『女』の目つきが変わる。射抜くような視線だが、こちらも伊達に修羅場をくぐっちゃいない。こんなことで怯みはしない。

「…死ぬのが怖いんですか?」

言葉の1つ1つが気に障る『女』だ。今こんな話をしてどうなるというのか。

「…それはそうだが、それだけじゃない。こんなゲーム、勝っても負けてもどうせ死ぬんだ。抵抗するだけ無駄だろう?」

なぜ、まともに相手にしてしまったのだろうか。我ながらそう思う。
付け入る隙を与えてしまったと思った時には、もう遅かった。
「わかってるんじゃないですか。殺し合いに乗ったって、助かる見込みは薄いって事に。
立ち向かうことは、無駄なんかじゃありませんよ。少なくとも私はそう思います。」

『女』が怒涛のように言葉を被せてくる。

「諦めてしまえばそこでおしまいですよ?なぜ自分の力を信じないんですか?
 見たところ戦い慣れしているみたいですし、その力、別の方向に活かそうとどうして思えないんですか!」

耳障りだった。今さら何を言う。

ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークはリアリストだ。
現実的な考え方をして、それに従って生きてきたし、その為に他人の命を奪う事など星の数ほど経験していた。
今さら夢や希望を語るなど、唇を火傷するだけだ。

「自分で経験し、知っているからさ。あの手の連中には、人間は決して歯が立たない。
 夢や希望じゃ、運命ってヤツは覆らん。」
「でも、私はそれを覆そうとしている人を知っています。」

そこで『少女』の表情が変わった。浮かんでいるのは満面の笑み。

「その人は、自分を信じているわけでもなく、ただ負けてたまるかと意地を張ってるだけです。
 でも、決して諦めることなく、人の手ではどうしようも無い運命に立ち向かっています。」
「素敵な話だ。俺には眩しいほどな。だがここは殺し合いの場、闇のどん底だぞ?
例えそんな場所でも、そいつは諦めないと言えるのか?」
「言えますよ。」

『少女』の笑みは消えなかった。それがますます、気に障る。

「その人はあらゆる絶望を与えられて、なおうつむかない覚悟をしているんです。
 これは怖いですよ。そんな人、いったいどうすれば倒せるんですかね。」

その話を聞いて、思い起こされる二つの顔。
1つは圧倒的な苦しみを与えられ続けてなお、信念を決して曲げないアホ面の笑顔。
だがこいつは人間じゃない。自分の理解を超えた化け物だ。
しかし、その傍らに立つもう1つの顔が、ミッドバレイの心を揺さぶる。
人の身でありながら、化け物の戦いに挑む1人の牧師。
化け物と共に歩む、リアリストのはずの人間。
全てに牙を突き立てんとする、狼。

ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークはリアリストだ。
夢や幻想では動かないし、分の悪い賭けにはBETしない。
だがそこに、確かな経験と実績、論理があればどうか。
勝てる、あるいは逃げ出せるでもいい。信じるに足る理由が存在したら?
その時は、誰よりも確固たる意思を持って動く事だろう。


「私はその人を信じています。彼が自分を信じなくても。
だって実際にその人はあと一歩で運命を打ち破れるところまで来たんですから。
だから私は戻らなきゃいけないんです。その結果を見届ける為に。」

ようやく『女』の顔から笑顔が消えた。
だがその視線は先ほどまでと違う。不動の決意を含んだ、力強い視線。
やはり浮かぶ、二つの顔。
目障りだった。人の決意を揺さぶるこの『女』の言葉も、勝手に目に浮かぶ思い出したくも無い二つの『顔』も。

「『歯』が立たなくたって、『牙』なら突き立てられるかもしれませんよ?」

目障りで、耳障りで…もういい、やめにしよう。

「それでも、あなたは運命に従って私を殺しますか?」
「…言いたいことは言い終えたか?そろそろ、お祈りの時間だ。」

パァン!

乾いた銃声が響く。
弾丸が、『命』を貫いた。

693創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:01:23 ID:fo4LSBgb
 
694創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:01:52 ID:OOHX3Qn7
しえん
     ◇     ◇     ◇

うつむきながら、歩く。
『女』から奪ったバッグの中身は確認した。入っていたのは不気味なデザインの卵みたいなアクセサリーと、楽譜だけだった。
楽譜のほうはいい曲ではあったが、特に役に立ちそうには無い。
だが、どうせ自分のバッグの中身も役に立ちそうに無かったのだ。かまうまい。

結局あの『女』が放った言葉は、ミッドバレイの心に深い跡を残していた。

   『その人はあらゆる絶望を与えられて、なおうつむかない覚悟をしているんです。
    これは怖いですよ。そんな人、いったいどうすれば倒せるんですかね。』

もしも、もしも本当にこんな人間がいて、

    『だって実際にその人はあと一歩で運命を打ち破れるところまで来たんですから。』

もしも本当にこんな結果になっているとしたら…
それは、BETするに十分な要素なのかもしれない。
  

リアリストはどん底でうつむいたままだ。決して顔を上げることは出来ないだろう。
しかし、もしもそんな状況を克服するメロディーが奏でられたとしたら…
そんな微かな希望に囚われ、彼は耳だけ澄まし続ける。
彼はまだ知らない。

   「勝てなくても、負けてやらねぇ」
    強大な妖に立ち向かい負の連鎖を断ち切った少年を。

   「それでも私は人をなおすんだっ!自分が生きるために!!」
    自分が生きるために、人の死という最強の運命に挑み続ける闇医者を。

   「運命(さだめ)、運命、運命…うるせぇってんだよオォ!!」
    人間として因果律の水面を揺らす、復讐の黒い剣士を。

他にもこの会場に数多存在する、魔王に、道標に、神に、真理に…運命に人の力で挑み、覆さんとする者たちを。


だが、彼はまだ知らない。
それと同時にこの会場に存在する、彼にとって最大最悪、掛け値なしの、厄ネタを…


【C-9/大通り/1日目 深夜】
 【ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク@トライガン・マキシマム】
 [状態]: 健康 イライラ
 [服装]:
 [装備]: エンフィールドNO.2(5/6)@現実
 [道具]:支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク 鳴海歩のピアノ曲の楽譜@スパイラル 〜推理の絆〜
 [思考]
 基本:ゲームには乗るし、無駄な抵抗はしない。しかし、人の身で運命を覆すようなヤツと出会ったら…?
 1: 人と会って情報と武器を得る。役に立たないと判断したら殺す。
 2: 強者と思しき相手には出来るだけ関わらない。特に人外の存在に軽い恐怖と嫌悪。
 3: 愛用のサックスが欲しい。
 [備考]
 ※ 死亡前後からの参戦。トライガン関係者の存在にはまだ気がついていません。

    ◇     ◇     ◇

「う…うぅ…」

闇の中で微かに聞こえる「女」の呻き声。

「うぅ…ひどいです。髪は女の『命』なのに。それを奪うなんて、ドグサレ外道です!」

そこには、先ほどまでミッドバレイと対峙していた『女』が居た。
彼女の髪は、特徴的だった2つの大きなおさげが片方だけ落とされている。
結局『女』は殺されなかった。気まぐれか、言葉が効いたのか…とにかく今は助かったようだ。

「さて、一体どうしたもんですかね。」

近くにあった灯台に身を隠し、ひとまず安全を確保した彼女は思案していた。自分がするべき行動は何か。

(名簿が読めるようになるまで、私が『誰』として呼ばれたかわかりませんね。これが一番の問題です。)

今手元にある名簿は、6時間経たないと読めないという。これでは他の参加者もわからない。
しかし、説明が行われた広場で、隣にいた人物。顔こそ見えなかったが、動きやかすかに聞こえた声など、判断するに十分な情報はあった。
なにせずっと傍らで見続けてきたのだ、間違いない。

鳴海歩だ。

これがもし、彼女の仕事の依頼人、鳴海清隆氏の謀の一環だとすれば、それで自分の行動は決ってくる。
1人の『少女』のキャラクターを演じ、1人の少年を信じ支える。それだけだ。

だが、今回のこれはかなりイレギュラーな状態であり、彼の予測の範疇を超えている可能性は高い。
なにより自分はもう、役目を終えたのだ。少年を裏切る形で。
なんとはなしに、失ったおさげのあたりを触る。

(今さら、『彼女』を演じる必要はないんですかね…)


だが、引っかかるのは最初の説明の時の出来事。
ミズシロ火澄の死。
死ぬ事さえ運命によって許されなかった少年が、あっさりと殺された。
これは自分が鳴海清隆氏に知らされた展開とあまりに違いすぎる。
これは、再び運命というものが大きく動いている事を示しているのではないか。

(これを打ち破るには、もう少し協力しないといけないかもしれませんね。
何せ『私』がいないと、『鳴海さん』はダメダメですから。)

『女』はこの場での行動方針を決意した。
1人の『少女』として、少年を信じ、支える。
それが『女』の意思なのか、仕事だからなのか、今は本人にもわからない。この先どうなっていくかすら。
ただ、ゆれる片方だけのおさげが、妙に嬉しそうに見えた。

そうと決まれば行動開始だ。
先ほどの危機は口先だけで何とかなったが、この場はかなり危険な場所である。
それは自分にとっても、信じるべき少年、鳴海歩にとっても同じ事だ。
早いところ合流し、共に立ち向かいたい。
さらにこの状況を打破する為には情報が必要だ。それこそが自分の最大の武器である事も自覚している。

「とにかく、人と会うことですね。できれば危険人物以外の人と。」

同情なのか、動揺の為か、先ほどの男が残していったバッグを拾う。これは男が持っていた方のバッグだ。
中からメモ用紙を取り出し、男の特徴をメモする。
迷ったが、○の中に『危』の字を入れた『危険人物マーク』をつけておいた。

「――さて、行きますか。お祈りの時間は終わりです。」

こうして謎の少女、『結崎ひよの』は動き出した。

698創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:05:06 ID:SWTa/OfU
支援

【C-10/灯台/1日目 深夜】
 【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜】
 [状態]: 健康 おさげ片方喪失
 [服装]:
 [装備]:
 [道具]:支給品一式 不明支給品1 手作りの人物表
 [思考]
 基本: 『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。
 1: 鳴海歩がいるか確かめ、いるなら合流したい。
 2: あらゆる情報を得る。
 3: 2の為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
 [備考]
 ※ 清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
 ※ 不明支給品1は、少なくともミッドバレイには役に立たないと判断されたアイテムです。
 ※ 手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリークの外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。


【真紅のベヘリット】
眼や鼻や口が一種のアートのように不規則に配置された人間の顔が刻まれた卵型の物体。
ただの道具ではなく生きており、時々瞼や口を開いたりする。
真紅のベヘリットはグリフィスのもので、彼がゴッドハンドに転生するのに必要なもの。
この会場で転生が可能かは不明。
しかし、誰が持っていようと本来の持ち主の下に戻るという特性は生きている…のではないかと思われる。

【鳴海歩のピアノ曲の楽譜】
最終話で歩が編曲していたオリジナル曲。片手でも弾けるようにアレンジされている。
隻腕のキャラが多い今回のロワにぴったり?

※ C-10のどこかに「結崎ひよののおさげ(片方)」が落ちています。
以上、投下終了です。
参戦時期は、二人ともどちらのスタンスをとっても大丈夫な時期を選んでみたつもりです。
支援ありがとうございました。
701創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:10:12 ID:fo4LSBgb
投下乙です
ひよの死んだかと思った…ハラハラしたぜ
対主催に転がりそうなマーダーと、マーダーに転がりそうな対主催か…どっちも怖いなぁ
702創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:14:11 ID:SWTa/OfU
投下乙です
リアリストの彼と運命は打破出来ると信じてる少女の邂逅
彼はゲームに乗るつもりですが名簿が見れるようになった時に彼は何を思うか?
そしてひよのは肝が太すぎw 鳴海歩は今のところ対主催だからひよのも対主催だがもしもの時は?
お疲れ様です
703創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 13:38:16 ID:HH5nlD7y
ttp://newmangabr.hp.infoseek.co.jp/
前回も報告しましたが、地図です。
704創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:08:15 ID:8w5FQVs8
カノンの足止めのために手首切った娘だからな。
鳴海歩曰く「不死身」だの「殺しても死にそうにない」だの酷い言われようw
しかし、参戦時期が危ういな。
こいつらに限らずなんかスタンスがグレーな奴らが多いぞ。
705創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:33:45 ID:OOHX3Qn7
というか無差別がいないよな……
マーダーや危険人物も参加者によっては対主催化しそうな奴も多いし。
706創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:44:57 ID:L3GBTM1P
文字どおり化け物が二人ほど無差別ですが何か。

マーダーが不足したからって悪魔軍人とか作成するくらいなら無理にマーダーいらないし。
707創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:45:00 ID:rfMKF1FW
とりあえず流兄ちゃんは無差別っぽい
708創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:45:13 ID:SWTa/OfU
紅煉は無差別だろ
キンブリーと秋葉流はステルスぽいが限りなく黒い
剛力番長は頭を使うか不明だが無差別ぽい
それとまだ登場してないあの人やこの人が無差別の可能性あり
709創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:45:46 ID:8w5FQVs8
>>705
紅煉、ゾッド、キンブリーがいる。
思想的に対主催と組むとは考えにくい。
全員ネジ吹っ飛んでるしな。
710創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:49:44 ID:DkXY6A5M
様子見に回る奴が多いのは仕方ない。そういうメンツだし
無差別なんて2〜3いれば十分だろう
711創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:55:07 ID:SWTa/OfU
グレーが他と比べると多いような気もする
それに限りなく黒に近いのもいる
この状況なら無差別は数人で十分だと思う
712創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 14:59:25 ID:HhOzhnga
名簿ないのが結構効いてる
OPで見た……ともしにくいしな
713創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:02:15 ID:OOHX3Qn7
一応由乃もマーダーじゃなくてグレーだよな。……一応。うん、一応。

キンブリーや流さんはステルスっぽいイメージがあったんで……。そういや紅煉がいたな、未把握だったから忘れてた。
714創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:04:27 ID:OOHX3Qn7
そういや今の予約の中で気になるカードはある?

俺は亮子とエドとレガートが読めなくて気になる。
715創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:11:09 ID:SWTa/OfU
予約のある中ではあの男と自称正義の味方とレッドかな
後、予約にはないけど潮がどうなるか気になる
716創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:14:33 ID:HhOzhnga
そういえば、書き手枠で登場したキャラを入れた暫定名簿ってどういう感じになってる?
717 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:24:47 ID:Kd3PEgti
>>678
指摘及び修正ありがとうございます。

高町亮子、エドワード・エルリック、レガート・ブルーサマーズ分を投下します
718その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:26:02 ID:Kd3PEgti
 白い棺桶があった。
 灰色の町の真っ只中に、ぽつんと白い棺桶があった。
 暗き漆黒の宵闇の中に、ぼんやりと浮かぶ白い棺桶があった。
 通常棺桶というものは、この世に生きていない死体が入れられる器である。
 であれば、生きながらにして棺桶に引きこもらざるを得なかった、レガート青年の心境は、一体いかなるものだったのだろうか。
 レガート・ブルーサマーズ。
 それが今ここで、棺桶のような容れ物に入っている男の名前である。
 出身地、ノーマンズランド。仕える主はミリオンズ・ナイブズ。
 彼が主人に出会う前の、その生い立ちを記した文献は少ない。
 ただ確かなことは、理由や経緯はともかくとして、物心ついた時には、どこかの地方の有力者に飼われていたということ。
 籠の中に閉じ込められ、下界を見下ろすだけの生活を余儀なくされ、ある時にはめちゃくちゃに犯された。
 それを偶然救った男。
 気まぐれについて来ることを許した男。
 名も無き虜囚に名前を与えた男。
 それがミリオンズ・ナイブズだった。
 故にレガートという男にとって、ナイブズとは絶対の主であり、同時に生きる理由そのものであった。
 人類抹殺を目論む魔神に、影のように付き従う魔人。
 そして今、そのナイブズの腹心は、主もなくたった1人でそこにいる。
 足元(?)に無造作に置き捨てられた、自分のデイパックを見下ろしながら。
「……武器は全て奪われたか」
 ぽつり。
 何でもないことのように、呟く。
 棺桶の中へと封じられた、己の五体に身に着けた装備を確認。
 右肩部三連構造切断アーム――なし。
 単分子鎖ナノ鋼糸――なし。
 二連銃剣内蔵型拳銃――なし。
 人体強制操作用金属糸――僅か1本。
 超高速鉄球型奴隷ゲルニカ――当然なし。
 なるほど、あのムルムルとかいう連中が言ったとおり、武器の類は全て没収されているらしい。
 もっとも、自分の武器があったとして、普段通りに戦えるかどうかは、定かではないのだが。
 レガート・ブルーサマーズ。
 彼の身に着けた技は、対人戦においては圧倒的すぎる。
 微細な金属糸を対象の延髄へと差し込み、電気信号を送り込むことで、強制的に身体を操る――それがレガートの持つ技能。
 何人が相手であろうとも、その拘束から逃れることはかなわない。
 かの人間台風ヴァッシュ・ザ・スタンピードすら、完全に封じ込めることのできる魔技。
 洗練された技術の精巧さは、四肢を砕かれた己の身体すら、生身と遜色なく操るほど。
 加えてそこに、そのヴァッシュと互角の身体能力が備わっているというのだ。
 ノーマンズランドの150年の歴史を紐解いても、人類史上最強と称しても過言ではないだろう。
 だが、だからこそ、その力が普段通り使える保障はない。
 主催者の言葉を真実とするなら、真っ先に制限されるべきは自分の力なのだから。
 断言してもいい。
 対人戦という一点において、無敵を誇るレガートを野放しにしていては、大半の参加者達など一方的に虐殺できてしまう。
 どうにも連中からすれば、それでは面白くないらしい。
 人の命を何だと思っているんだ。
 あの真紅のコートの男の声が、今にも耳に響いてきそうだ。
 その程度のことなど、レガートにとっては知ったことではないのだが。
 実を言うとこの男、あの主催者連中にはさほど興味がない。
 連中がどれだけ力を誇示しようと、そんなものは彼の胸を打つには至らない。
719創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:26:38 ID:DkXY6A5M
支援
720創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:27:51 ID:7AsoLZf+
しえん
スレ容量大丈夫かい?
721その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:28:07 ID:Kd3PEgti
「……ナイブズ様のお傍へ戻らなければ」
 それ以上の存在を、既にこの地に感じているから。
 ここに飛ばされる前に自分達がいた、あの奇妙極まりない光景を思い出す。
 姿など見ただけでは分からない。声など一言も発していない。
 されど、気配で分かる。
 かの者の放つ圧倒的存在感。何者であろうとも侵すことなどかなわない、絶対の力の威圧感。
 間違いない。
 ミリオンズ・ナイブズはそこにいた。
 理屈も常識すらも突破し、その存在を確かに感じ取っていた。
 それも、狂的なまでの信奉者たるレガートなればこそ。
 であれば、彼のなすべき役目は1つ。
 速やかにナイブズと合流し、邪魔者共を鏖殺すること。
 殺せ。殺せ。皆殺しだ。
 あのお方に楯突く不届き者共を、一切合切の容赦なく叩き潰せ。
 それがレガート・ブルーサマーズが、自らに課した至上の使命。
 そのためにも、まずはナイブズを捜さなければならない。それもできうる限り迅速にだ。
 純白の棺桶が邪魔になる。
 一本足で引きずるようにして動くこれを身につけたままでは、移動スピードがまるで足りない。
(出ることにしよう)
 棺桶の外へ出ることにしよう。
 この無骨な外郭を破り、今こそその身を再び外気に晒すことにしよう。
 かつてこの鋼鉄の箱は、言わば骨折箇所を保護するギプスだった。
 両手両足を砕き折られたその身体を、保護するための容器だった。
 だが、今となっては最早不要。
 何千何万もの研鑽の果て、今や己の身体さえ、傀儡とすることを可能とした。
 であれば新たな五体を得たレガートが、この拘束にこだわる必要などない。
 がちゃり。
 扉の開く音。
 白き器はその役目を終え。
 死を呼ぶ蒼き風を今、再び野へと解き放つ。
 その、瞬間だ。
「……?」
 彼がそれを耳にしたのは。



「やってくれるじゃないか……」
 短い茶髪が夜風に舞う。
 さながら男のそれのように、ボーイッシュなスタイルに纏められた髪。
 それを風に揺らしながら、怒りも露わに呟くのは1人の少女。
 名を、高町亮子という。
 かつて世界に君臨した、呪われしミズシロ・ヤイバの子供達――ブレード・チルドレンの1人だ。
 優良種たるヤイバの血族の繁栄のため。劣種たる現人類達を駆逐するため。
 殺戮を求めるプログラムを、その遺伝子に組み込まれた忌むべき血統。それがブレード・チルドレンだ。
「お前らの思惑通りになんてさせてたまるか……!」
 その高町亮子が、今静かに怒っている。
 殺人者ブレード・チルドレンであるはずの彼女が、この理不尽な殺し合いへと、確かな憤りを感じている。
 彼女ら80人の子供達の中でも、亮子は特殊な存在だった。
 自らの宿命を知り、命を狙われ続けるブレード・チルドレンの中でも、彼女は一際正義感が強いのだ。
 人殺しという行為。それを彼女は嫌っている。
 他の個体が必要に迫られ、その手を血の色に染める中、頑なに殺人を拒んでいる。
722創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:29:36 ID:7AsoLZf+
 
723その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:29:59 ID:Kd3PEgti
 殺るくらいなら殺られた方がまし。
 かつて亮子自身が口にした言葉だ。
 それは決して、救いも未来もない境遇のみを要因とした主張ではない。
 人が人を殺すなんて間違っている。誰も殺さないし、殺させだってするものか。
 亮子は本気でそう思い、その意志を貫き続けているのだ。
 通常ブレード・チルドレンとは、3種類のパターンに分類される。
 既にヤイバの血に目覚め、見境なく殺戮を求めるに至った者。
 自らないし仲間の命を守るために、その手を汚す覚悟を決めた者。
 呪われし宿命に怯えながら、がたがたと恐怖に震える者。
 そのいずれにも未だ属さぬ特異な個体――それが高町亮子だった。
「見てろ……こんな殺し合い、絶対にあたしが止めてやる」
 故に、彼女の選ぶ道は決まっている。
 この馬鹿げた殺し合いを催した、あの主催者連中を叩き潰すこと。
 そしてこれ以上の犠牲を出すことなく、皆でここから脱出することだ。
 困難な道ではあるかもしれない。主催をも敵に回すということを考えると、圧倒的に不利な勝負。
 それでも、引き下がるわけにはいかないのだ。
 己の信条を曲げ、殺戮の道を歩むわけにはいかないのだ。
 それに不利な戦いというのなら、あの鳴海歩の方が何倍もきつい戦いに臨んでいる。
 あのもやしっ子が挑んでいるのは人ですらなく、実体の見えない運命なのだ。
 殴りかかるための形もなく、パズルのような解法もない。
 そのくせその存在は絶大で、容赦なくブレード・チルドレンを縛りつけている。
 ようやく前を向くことを決めたばかりの歩ですら、そんな途方もない相手と戦っているのだ。
 であれば、彼に比べれば戦闘能力の高い自分が、高々人の2人くらい倒せずにどうする。
 そんな情けない醜態を晒すのは真っ平御免だ。
(弟といえば……何だったんだ? あいつ……)
 と、そこで。
 ふと、1人の男の姿を思い出す。
 挑戦的な笑みを主催者に向けていた、ミントグリーンの髪の少年だ。
 今にして考えてもみれば、奴の容姿は写真で見たヤイバによく似ている。
 外見年齢も自分とそう変わらない。ということは、彼もブレード・チルドレンの1人だろうか。
(でも、弟にしか殺せないブレード・チルドレンって何なんだ……?)
 だが、それがどうにも引っ掛かる。
 救いの神として生まれたはずの歩だけが、殺すことができるというブレード・チルドレン。
 運命の盤面を見渡してみても、そんな駒はどこにも存在しない。
 そもそも最強のブレード・チルドレン――カノン・ヒルベルトの試練を乗り越えた歩に、今さら人殺しが要求されるとも思えない。
(そしてその弟もカノンも、ここに呼ばれてる)
 これは事実だ。
 あの緑の髪の少年が命を落とした時、彼ら2人の声が上がっていた。確かヒズミと名を呼んでいたか。
 亮子が殺し合いに乗らないというスタンスを取る以上、歩は確実に自分の仲間となってくれるだろう。
 カノンの方も、歩と合流することができれば、共に戦ってくれるかもしれない。
 もっとも、長く苦しい戦いを終え、今はほぼ隠居のような軟禁生活を送っているという彼に、再び戦いを要求するのは気が引けるのだが。
 しかし、この2人に対しても気がかりはある。
 彼らはヒズミの存在を知っていた。
 恐らく歩を取り巻く運命において、それなりに重要な存在であろう彼を認知していたのだ。
 であれば名前だけでなく、その性質も知っているということだろうか。
 2人は何を知っていた。
 何を自分達に隠していたのか。
「……こういう時こそ、香介がいてくれれば……」
 ぽつり。
 どこか寂しげな声音で漏らす。
 思い返すのは、あの小生意気な幼馴染み――浅月香介の存在だ。
724創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:31:41 ID:7AsoLZf+
 
725その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:32:01 ID:Kd3PEgti
 ひねくれ者で口だけは達者で、そのくせ「亮子だけは巻き込みたくない」と、生意気極まりないことを考えて、何度も姿を消した奴。
 けれども共にいることで、この殺伐とした運命の中でも、不思議と心安らぐ時間を与えてくれた。
 同じ父を持つ兄妹でありながら、不覚にも想いを寄せてしまい、先日告白まがいの発言に及んでしまった相手。
 それでも彼女の想いを受け止めてくれた、亮子の精神的支柱とでも言うべき存在だ。
 戦いにおいても、彼女らは2人で1つだった。
 亮子が素手での格闘能力に秀でているならば、口先と細かな技術が浅月の武器だ。
 彼がここにいてくれたならば、今の疑問にも答えを出してくれただろうか。
 孤独に戦う決意をした自分を、傍で支えてくれただろうか。
(……駄目だな。何考えてんだ、あたしは)
 ぱんぱん、と頬を叩く。
 いるかどうかも分からない人間を当てにしてどうするんだ。
 そもそもいないに越したことはない。こんな殺し合いに浅月が巻き込まれる必要はない。
 自分や竹内理緒を守るために、ボロボロになるまで戦ったのだ。
 もう浅月は十分に戦った。今さらまた命の危険に晒されるなんて、そんなことがあってたまるか。
 亮子1人で何とかするしかない。
 2年前のオルゴール連続殺人事件の時だって、ほとんど1人で戦っていたではないか。
 そりゃあ確かにあの時は、ろくに結果も出せなかったかもしれない。
 浅月を見返すことばかり考えていた当時は、彼のような成果を上げることはできなかった。
 だが、自分は今やあの時の自分ではない。
 2年のうちに培った経験は、確実に自分を強くしているはずだ。
 何より今は戦う目的が違う。
 あの時の浅月と同じように、誰かを守るために戦うのだ。
 そうと決まれば話は早い。
 デイパックの中から取り出した、支給品へと手を伸ばす。
 これを使うには相応のリスクが伴うだろう。殺し合いに乗った連中に、居場所を特定されるかもしれない。
 だが、この勝負から逃げるわけにはいかなかった。
 それに幸いにも亮子には、もう1つとびきり強力な支給品が用意されている。
 最初はただの十字架にしか見えなかった。
 だが微かに漂う火薬の臭いから、それがロケット砲か何かだと気が付いた。
 更に詳しく調べてみれば、ガトリング砲までも内蔵されているという凶悪ぶり。
 ひとつ使い方を間違えば、人間など一瞬にして肉塊に変わってしまうだろう。
 だが、威嚇用として考えれば、これ以上ないほどに優れた破壊力。
 いざというときは、この十字架で追い払うしかない。
 手にした支給品のスイッチを、入れる。
 右手に構えたそれは――電気式の拡声器。

「――この声が聞こえる奴。どうか、今からあたしが話すことを聞いてくれ。
 あたしの名前は高町亮子。この殺し合いには乗ってない。
 これからあたしは、こんなふざけたことをしでかした連中を、ぶっ飛ばすために行動する。
 こんな殺し合いなんか、乗っちゃいけないんだ! 誰一人として、死んでいい命なんかないんだ!
 ……いいか? よく聞いてくれ。
 あたしはD-2の病院の入り口で待ってる。殺し合いに乗ってない奴は、あたしのとこまで来てほしい。
 あの根性腐った連中を叩きのめすために、あたしに力を貸してほしいんだ――」
726創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:33:27 ID:7AsoLZf+
 
727その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:34:51 ID:Kd3PEgti
【D-2/病院前/1日目 深夜】

【高町亮子@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:健康
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:拡声器
[道具]:支給品一式、パニッシャー@トライガン・マキシマム
[思考]
 基本:この殺し合いを止め、主催者達をぶっ飛ばす
 1:とにかく仲間を集める。
   現在地で、放送を聞いて集まってきた、殺し合いに乗っていない人間を待つ。
 2:殺し合いに乗った連中が来たら、パニッシャーで威嚇し追い払う。
 3:ヒズミ(=火澄)って誰だ? 鳴海の弟とカノンは、あたし達に何を隠しているんだ?
 4:できれば香介は巻き込まれていないといいんだけど……
 5:そういや、傷が治ってる……?
[備考]
 ※第57話から第64話の間のどこかからの参戦です。身体の傷は完治しています。
 ※火澄のことは、ブレード・チルドレンの1人だと思っています。
  また、火澄が死んだ時の状況から、歩とカノンが参加していることに気付いています。


 鋼の錬金術師エドワード・エルリック。
 弱冠12歳にして国家錬金術師資格を取得し、史上最年少記録を打ち立てた天才である。
 錬金術を行使するための最重要要素・錬成陣を必要としないスタイルは、俊敏にして変幻自在。
 リオールの町の似非宗教家を成敗した。ユースウェル炭鉱の役人の不正を暴いた。ダブリスとブリッグズでは人造人間捕獲に協力した。
 イシュヴァール戦こそ経験していないものの、その武勇伝は数知れず。
 ここまでの説明を聞く限りでは、さぞや聡明で立派な錬金術師であると、誤解する者も多いであろう。
 だがそんな鋼の錬金術師にも、ある欠点が存在する。
「だーもう、畜生……どうなってやがんだ、全く……」
 口と態度がものすごく悪い。
 鋼の錬金術師エドワード・エルリック。現在の年齢、15歳。
 いかに優れた知識と実力を持とうと、まだまだやんちゃ盛りの子供なのだ。
 故に多分に生意気な所があるのも、仕方がないと言えば仕方がない。
「構成物質はともかく、錬成エネルギーが通らないんじゃ話にならねーな……」
 ぶつぶつとぼやきながら、灰色の町を進んでいく。
 そもそも錬金術というものは、物質を理解/分解/再構成し、形状・形質を自在に操る技術である。
 戦闘目的に使うならば、周囲の石壁を削って武器を作ったり、空気中の酸素濃度を調節して炎の火力を上げたり、といった具合だ。
 もちろんこれを応用すれば、現在首にかけられている爆弾も、分解ないし変形させて外すことができるはずである。
 ところが、ここで少々困った問題が起きた。
 錬金術と他の技術の最大の相違点は、化学変化を起こす際のエネルギーである。
 通常の実験ならば火力や圧力を用いるものだが、錬金術の行使の際に必要となるのは、地殻変動のエネルギー。
 これを錬成陣を介して用いることで、その他複雑な器具を使うことなく、迅速な錬成を可能とするのである。
 ところがこの首輪、一体いかなる原理が働いているのかは知らないが、そのエネルギーを通さない素材でできているようなのだ。
「ふざけた真似しやがって……」
 悪態をつきながら、かつんと小石を蹴る。
 こうなった以上はお手上げだ。
 たとえこの先材質が理解できたとしても、変化させるためのエネルギーがないのでは話にならない。
「他の方法を探すしかねーな」
 それがたどり着いた結論だ。
 専門外のやり方ではあるが、幼馴染みのウィンリィ・ロックベルのように、機械工学的な手段を使うしかない。
 何らかの手段でこの首輪の構造を把握し、工場で工具を調達し解体する。それが無難なやり方であろう。
「でなけりゃ、あいつらに一発もかませずにドカンだからな」
 彼自身、こんな殺し合いに乗るつもりはない。
 そもそもそうでなければ、首輪を外す理由などないだろう。
 人の命を奪う行為。彼と弟アルフォンスは、ことさらそれに敏感だった。
 理由もなく人殺しを嫌うわけではない。
 彼らエルリック兄弟は、多くの命のあり方に立ち会ってきた。
 今日を生きる命。明日のために生まれてきた命。昨日に失われた命。
 何よりも、4年前に経験した――
728創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 15:36:03 ID:7AsoLZf+
 
729その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:36:51 ID:Kd3PEgti
 
『――この声が聞こえる奴。どうか、今からあたしが話すことを聞いてくれ』

「ん?」
 その時だ。
 マイクか何かを介したような、少女の声が聞こえたのは。
『あたしの名前は高町亮子。この殺し合いには乗ってない。
 これからあたしは、こんなふざけたことをしでかした連中を、ぶっ飛ばすために行動する。
 こんな殺し合いなんか、乗っちゃいけないんだ! 誰一人として、死んでいい命なんかないんだ!』
「おーおー、俺以外にも肝っ玉の据わった奴がいたもんだ」
 感心しているのかいないのか、よく分からない声音と表情で呟く。
 どうやらこの亮子とやら、自分と同じく主催者を倒すために、このメッセージを発信しているらしい。
 声は南から聞こえてくる。ここからそう遠くはないだろう。
「ま、人集めにゃ持ってこいだな。自分で探さなくとも向こうから勝手に……」
 そこまで呟いた。
 その時。
 途端に。
 エドワードの顔が、凍りつく。
 ちょっと待て。自分は今何と言いかけた。
 この放送を聞いた奴は、向こうから送り主の元へとやってくる。
 誰にでも分かる結論だ。
 もちろんエドワード自身のような、殺し合いを止めようとする人間も来るだろう。
『あたしはD-2の病院の入り口で待ってる。殺し合いに乗ってない奴は、あたしのとこまで来てほしい』
 だが待ってほしい。
 そもそもこの放送を聞く可能性があるのは。
 殺し合いに乗っていない連中ばかりでは、ない。
「……待て待て待て待て待てェェェェェェェェ!」
 刹那、加速。
 ばびゅん、という漫画的擬音がそのまま当てはまるかのような。
 鬼のような形相を浮かべ、苛立ち全開の叫びと共に。
 短い手足をフルスピードで動かし「チビって言うな!」、疾風のごとく大爆走。
 放送の聞こえてきた方へと、脇目もふらさず全速力で駆け出した。
「おいおい分かってんのかよあの姉ちゃん! こんな風に居場所バラしたら、格好の餌食になっちまうぞ!?」
 そうだ。
 この放送を聞く可能性があるのは、殺し合いに乗っている連中も同じなのだ。
 生き残るために殺人者となった連中が、こんな放送を耳にしたらどうなるか。
 決まっている。送り主を殺すために、一直線にそちらへ向かうだろう。
 おまけに彼女が下手に仲間を集めていたならば、そいつらも残らず殺られてしまう。
 更にそのポイントへと、また別の殺し屋がやって来たとしたら。
 最終的に起こりうる事象は――虐殺だ。
「冗談じゃねぇぞ! んなことさせてたまるかってんだ!」
 走る。走る。駆け抜ける。
 今は一分一秒が惜しい。
 ここから南のエリアにあるらしい、病院目掛けて一直線。
 頼む。誰も死なないでくれ。
 最悪の事態よ、起きないでくれ。
 ろくに祈ることすらやめた、神の姿すら思い浮かべながら。
 そして。
 その時。
「!」
 その行く先に。
 現れた、影。
 1人の男の人影が、エドワードの行く手に立ちふさがっていた。
 蒼い紙に白いコート。
 虚ろとすら思える無感動な目が、じっとこちらを見据えている。
 ぞわり。
 全身の肌が粟立つ感触。殺気を当てられているのだ。
730その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI :2009/04/15(水) 15:38:33 ID:Kd3PEgti
(おいおいおい……こいつはちとヤバそうだな)
 直感的に理解する。
 頬を一筋の冷や汗が伝う。
 何なのだこの男の気配は。
 これほどまでの絶大な殺意、彼は数えるほどしか知らない。
 こいつは今までに戦ってきた、どんな相手ともまるで違う。
 まるで国家錬金術師殺しの傷の男(スカー)と、初めて相対した瞬間のような感覚だ。
 いいや、あの時と同じではない。自分はあの時より強くなっている。
 であればこの蒼い髪の男は、奴よりも遥かに危険な相手ということか。
 掛け値なしの危険な気配に宿るのは、掛け値なしに危険な力。
 あの人造人間達ですら、こいつ相手では役不足ではないか。
 そう思えるほどの底無しの気配。実力の程など、まるで伺えたものではない。
「……やはりあの声に従ったのは正解だったようだ」
 ふ、と。
 薄い笑みを浮かべながら、眼前の得体の知れない男が呟く。
 どうやらこの男、あの放送を聞いていたらしい。
 何ということだ。既に極上の餌が釣れてしまっていたではないか。
「へっ……目が笑ってねーぞ、この野郎」
 ぱん、と。
 両の手を合わせながら。
 精一杯の虚勢を捻り出し、引きつった笑顔でエドワードが答えた。



 最初に出会ったのは少年だった。
 大体15くらいの子供だろうか。その割には背が低めにも思えたが。
 目にも鮮やかな金髪を三つ編みにし、ド派手な赤いコートを羽織っている。
 随分と急いでいた様子からして、こいつもあの放送を聞いていたのだろうか。
 いずれにせよ、見つけた人間は殺すだけのこと。
 あの声に呼び寄せられた人間を抹殺すれば、ナイブズへの手土産にでもなると思ってはいたが、
 どうやらうまいこと読みが当たったようだ。
 眼前の少年へと、殺意を向ける。
 瞬間、奇妙な光景を目の当たりにした。
 ぱん、と。
 合わせられる少年の両手。
 次の瞬間、ばちっと音を立てるものがあった。
 電流のごとく迸る光があった。
 閃光の中、右の手袋が引き裂かれる。
 目を見張る光景だった。
 剥き出しになった右手の甲が、突如としてその姿を変えたのだ。
 白き手袋の下にあったのは、黒光りする鋼の義肢。
 それはいい。そんなものはとっくに見慣れている。そこらのサイボーグと変わらない。
 だが、問題はそこからだ。
 瞬時にその右手の甲が、鋭き刃へと姿を変えた。
 装甲が勢いよく伸びたかと思うと、剣の切っ先を思わせる形状へと変形したのだ。
「驚いたな……君もプラントなのか?」
 ヴァッシュ・ザ・スタンピード。
 自然と、その男の姿を思い出していた。
 眩い金髪に真紅のコート。その特徴は共通している。だが、あくまでそれだけだった少年。
 しかしその少年が一瞬にして、自らの内より刃を生み出したのだ。
 プラントの性質――物質を持ってくる力。
 いかなるものであろうとも、異次元の彼方より生産することができる能力だ。
 その力を彷彿とさせる、目の前で起きた奇妙な事象。
 いずれにせよ、ただの人間にできる技では、ない。
731その口はあまたの灯 ◆9L.gxDzakI
「んだよそれ……知らねーぞ、そんなもん」
 しかもこの小生意気な少年は、そのプラントですらないというのだ。
 ――面白い。
 好奇心が鎌首をもたげる。
 あの人間台風に出会うまで、永らく知ることのなかった感情。
 その男に似ているがために。
 その男を思い出させるが故に。
 目の前の少年へと向けられる好奇の視線。
 ただ蹴散らすだけだった子供へと、微かな興味が芽生えた瞬間だった。
 さて、彼はどう戦うのだろう。
 ヴァッシュ・ザ・スタンピードと同じ特徴を持ったこの少年は、いかなる姿を見せてくれるのだろう。
 やはりあいつと同じように、ラブアンドピースを叫ぶのか。
 はたまたあいつとは全く異なる、残忍な戦闘狂の顔を見せるのか。
 これから見せるであろう一挙一動が、今から楽しみでたまらない。
 そう。
 本当に。

「……面白い」


【C-2/1日目 深夜】

【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[服装]:
[装備]:機械鎧の甲剣
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
 基本:この殺し合いを止める。誰も殺させはしない
 1:何とかして目の前の男(=レガート)を撒き、放送の女(=亮子)の元へと向かう
 2:放送に誘われたマーダーから、殺し合いに乗っていない連中を守る
 3:首輪を外すためにも工具が欲しい
[備考]
 ※遅くとも第67話以降からの参戦です
 ※首輪に錬金術を使うことができないことに気付きました

【レガート・ブルーサマーズ@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康、エドワードへの興味
[服装]:
[装備]:金属糸×1
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]
 基本:ナイブズの敵を皆殺しにする
 1:手始めに放送に誘われた連中を殺す。まずは目の前の少年(=エドワード)から
 2:1を終えた後はナイブズを探し、合流する
 3:あるのなら自分の金属糸を探す
[備考]
 ※11巻2話頃からの参戦です
 ※ナイブズが参加させられていることに気付いています
 ※金属糸は没収対象外のもので、レガートの身体を動かすために使用されています。これが外れると、身動き一つできなくなります
 ※最初から装備していた金属糸の、相手へ使用する際の最大射程は、後続の書き手さんにお任せします

【全体の備考】
 ※D-2の病院を中心に、拡声器を通した亮子の声が響き渡りました
 ※C-2のどこかに、レガートの匣@トライガン・マキシマムが放置されています