588 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 12:41:07 ID:OyN0dhRx
「トウカ!」
イツキが崩れ落ちたトウカの体を抱きとめると、同時に女性の声がして、その声
の主はすぐさまイツキとトウカの元へと駆け寄って来た。
「トウカ、しっかり」
何処からか現れた、ローズレッドの長髪を後頭部で束ねたスレンダーな体躯の
女は、イツキに目もくれずトウカに呼びかけると、トウカの手を握り、目を閉じ集中
して何か≠行った。イツキには女が何をしたのかまったく分からないが、確か
に、女はトウカに何か≠した。イツキはそれを場の空気、肌で、漠然と感じ取る。
「――んん……レッカ……私……ごめんなさい」
「もぉ。だから一緒に行こうって言ったのに……」
トウカが意識を取り戻すと、女はイツキから奪うようにしてトウカの体を支えた。イ
ツキは一連の出来事を他人事の様に見守っていた。その視線は、握られたトウカ
と、レッカと呼ばれた女の手に固定されて。
「てか、あんたがさっさと出れば、トウカが寒い中外で待たずに済んだし『負担』も減
ったの。何をのさのさしてたの! 夜なのよ? 雪降ってんのよ!?」
レッカの怒りが突如、蚊帳の外に居るはずのイツキに向けられる。のさのさ≠オ
てた理由を正直に伝えるなら「ベルが何の音だか分からなかった」なのだが、気性
の激しそうな――否、激しい――レッカにそれを言うと、余計うるさくなりそうだとイツ
キは考え、黙り込んだ。
「ちょっと、聞いてんの」
「落ち着いて、レッカ。イツキさんの事情を考えれば仕方ないですわ」
「ばか兄貴の話が本当ならね。私はまだ信じてないけど。……どうせ、またクスリで
幻覚でも見たんでしょ」
「レッカ。お兄さんの事をそんな風に――」
「とにかく、もたもたしてられない。上がるわよ!」
レッカは乱暴に言い捨てて、イツキの家へとズカズカ入って行く。靴はちゃんと脱
いだ模様。
「おい――」
一体こいつらは何なのだろう。イツキは混乱を飛ばして、既に呆れの境地にいた。
二人の会話から推測すると、二人は自分の父の生死を確認に来たらしい。トウカは
クラスメイト。レッカも、歳はかなり近そう――それ以外はさっぱりだ。
「ごめんなさいイツキさん。レッカは、私の事を想って……」
「……それより、これは探偵遊びか何かか?」
本心でそんな事など思ってはいないが、流石に好き勝手話を進められれば、何か
言いたくなる。おそらくだが、自分ではなく他の人間だったら、もっと怒ったり取り乱し
たりするだろうとイツキは思った。互いに関心の無かった親子といえ、肉親が殺害さ
れ、第一発見者としてその事実を知ったばかりなのだから。
「――だったらいいんだけどね」
イツキの批難めいた質問に、イツキの父の死体を確認して戻ってきたレッカが答える。
「急いで帰って、兄貴から詳しく事情聴取ね。アレの話が全部真実なら、サイアクの
仮説が出来ちゃうけど――」
レッカは静かにそう言い、唇を噛んだ。
「トウカ、もう少し頑張れる?」
「うん。レッカと一緒なら」
トウカとレッカは視線を合わせ、互いに頷き合う。トウカのツインテールと、レッカの
ポニーテールが可愛く揺れる。
「――良い感じの所すまないが、俺は最後まで置いてけぼりか?」
「あんたも来るのよ……拾った命を大切にしたいならね」
「――拾った命? 俺も父を殺した奴に狙われてるという事か?」
聞き捨てられない言葉を聞いた。イツキがその事を追求すると、レッカはめんどくさ
そうにため息を吐く。
「イツキさん、後で全部お話しますので、とにかく今は私達を信じて一緒に来てください」
トウカが真剣な顔でイツキを説得する。イツキは、トウカがただの育ちの良いお嬢様
でなく、芯のある娘なんだなと感心した。そして、もし彼女が誰かを騙す様な人間だっ
たとしても、それはそれで興味があるな――と思い、その言葉に従う事にした。
「……わかった。此処は危険――というワケか」
「やけに素直ね」
レッカは不満気な表情で、トウカの説得に応じたイツキを睨みこう付け足した。
「私の仮説の通りだとしたら、もうこの街に安全な場所なんて無いけどね――」
続き投下。既に矛盾は無くとも、なんか綻びてる
気がしてならない。タイトルも考えんといけんなー。
主人公のイメージは“氷”なんだけど、今ん所“空気”だw
さて、なかなかに不穏な空気が漂ってまいりましたぞよ
続き期待待機
クール系主人公か……
クッ……鎮まれ!俺の邪気!
ずぶずぶと雪を踏む音を立てて、イツキ、トウカ、レッカを乗せた車が発進する。
一日中降り続けた雪は、夜の気温も手助けして、今になって積もりだしたようだ。
「不満そうね」
助手席に座るイツキの表情をミラー越しに覗いたのか、レッカが言った。
「なんで部外者の俺が助手席なんだ」
車はレッカの家の物で、四人乗りの普通自動車。イツキの自宅前からギリギ
リ視界に入らない道路脇に停めてあった。トウカが倒れるまで、レッカはこの中
で待機していたのだろう。
イツキには車の知識などまったく無いが、威圧感を醸し出す黒いボディと落ち
着きのある上品な内装からして、庶民がおいそれと所有できる車ではないと判
断していた。
車を運転しているのはイブキ・ハヤトという人物で、歳は二十前後、整った顔
立ちのやや中性的な雰囲気の青年。無駄なお喋りはしない性格のようで、レッ
カから紹介されると「よろしく」とだけ言って、黙って運転に集中している。それ
は雪が積もった山路を走行しているからか、レッカの言うとおり、この街一帯が
何やら危険な状態で、緊張感を保持しているためなのか、イツキには分からな
かった。
「なによ。そんなに私の隣に座りたかったの?」
レッカの的外れな発言に、イツキは閉口した。
助手席に座る事に不満があるのは、持てる情報量が少ないというだけでも相
当に不利な自分が、いわばアウェイ状態の車内で、無防備に背後をさらす事
への抵抗があったからである。
「お前は、ふざけているのか?」
そういえばこいつは、トウカと違って父が死んだ事に一切哀悼の意を示してい
ない。別にそうして欲しいという気持ちはイツキには無いが、口先だけでも言うべ
きなのではないか、普通。と、イツキは自分のレッカへ対する不信感を再度確認
した。そもそも、死体を見て何のショックも受けない少女というのがイツキにはお
かしく映るのだ。破かれた窓ガラスの欠片、巻き散らかされた流血、モノ言わぬ
肉塊――その惨状は、漫画やテレビとは違い、圧倒的にリアルなのだ。自分が
特別とも言わないが、父に似て喜怒哀楽が薄く感情の起伏が平坦な男の自分
でさえ、帰宅してそれを見た時には軽い放心状態に陥り、トウカがベルを鳴らす
まで時間の流れの外に居た。おそらくトウカがセットでなければ、イツキはレッカ
をただの異常者と識別していただろう。
「それって、どういう意味かしら」
レッカの言葉には怒気が込めらている。だがイツキは相手にせず、そういえば、
車に乗り込んでからトウカが一言も喋っていない。こういう時仲裁に入る性格だ
し、少し気になるな――と、イツキは顔を動かさずに、ミラーから後部座席の様
子を窺う。
トウカは、レッカと右手を繋ぎ、目を閉じて大人しくしていた。それは、気を失っ
ていた時とはまた全然別の表情で、何処か神聖な雰囲気を携えている。そんな
トウカの姿は、レッカの大事にしてるお人形さんのようにも見えた。
平均はあるレッカの身長よりもトウカは低く、二人並ぶと、バランスの良い絵に
なる。性格的にも――。
「ちょっとあんた。今、失礼な事考えてたでしょ!?」
感の鋭いレッカの言葉が車内に響くと、それまで一定のスピードを守って走っ
ていた車の速度が、驚いて反応する様にして落ちた。
「どうしたの?」
「対向車です。二台」
イブキの言う通り、前方から車のヘッドライトの光が二つ、こちらに接近してくる。
妙だなとイツキは思った。イツキの住む家は街外れの氷室山の中に在る。氷室
山には十と幾つか他の住宅が集合して建っているが、イツキの家は氷室山に在る
住宅の最高所にぽつんと位置し、それより上には舗装された道も無く、完全な野
山。つまり、イツキの家に用がある者以外にこの道を通る者など、道に迷った地元
外の人間くらいなのだ。それも、年に一回あるか無いかのケース。果たして、偶然
今日そんなケースが訪れるか――。
「嫌な予感しかしないわね」
レッカもイツキと同じ事を思ったのか、鋭い眼光で迫り来る光を見つめ、トウカの
手を握る力を強めた。
乙です。
久しぶりに見に来たら投下があって嬉しいです。
セリフばかりでない、地の文章の上手さが目を引きます。
続き期待
595 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 18:56:34 ID:U0ptTjv1
確かに地の文がしっかりとしてるわ
このスレで一番の面白いかも
次は戦闘なのか?ざわ…ざわわ…
期待してますよっと
596 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 00:00:22 ID:fRsyf9vh
逢紀は張?の言った意味が分からなかった。
「逆だと?」
逢紀が聞き返すと、張?は気まずそうに答えた。
「これは我々武将の考えだが・・・いくら自分の大切な剣でも、命の瀬戸際で切れない剣を優先するのかって話だ。」
張?はそれ以上言わなかったが、逢紀には何となく分かってしまった。
そして、ひどく気分を害した。
張?の言葉から導き出される仮定は、逢紀にとって相当都合が悪いものだったのだから。
「殿が捨てたかったのが、私・・・ですと?
聞き捨てならぬ!!」
「いや、私はただ仮定を述べただけで・・・。」
張?は慌ててなだめようとしたが、逢紀はすっかり頭に血が上ってしまった。
逢紀はつかつかと歩き出して部屋の出口まで行くと、くるりと振り返って言った。
「今から、私が実際に殿に聞いてきます!!
張?殿、もし違っていたらただじゃあおきませんからね!!」
張?が止めるのも聞かず、逢紀は袁紹の部屋の方へ歩き去ってしまった。これが最悪の事態を招く事になるなど、張?の頭では考えが及ばなかった。
逢紀が袁紹の部屋に入ろうとした時、袁紹は曹操と仲良くおしゃべりの最中だった。
ちょうど脱出の話が終わり、逢紀の事を話し始めたところだった。
扉に手をかけた逢紀の耳に、袁紹の声が飛び込んできた。
「・・・逢紀は連れて行きたくない。
あやつは一瞬とはいえ、わしを裏切ったのだ。」
「!?」
逢紀ははたと手を止めた。
部屋の中から、憎しみと嫌悪に満ちた袁紹の声が流れてくる。雲行きが怪しいのは感じた、しかし聞かずにはいられなかった。
逢紀は扉を開けるのを止め、耳をそば立てた。
??
誤爆?
誤爆だね
車一台分の距離を置いて、二台の対向車はイツキ達の車の進路を塞ぐ様にし
て停車する。
「ハヤト。お願い」
「了解した」
レッカの意を受けて、イブキが運転席から外へ出る。イツキは、レッカとイブキ
の関係についての謎が頭を過ぎるが、その答えを求める事にどれほどの意味が
あるだろうかと考え、映画館の客の様に、ただ目の前で起きる出来事を傍観し、
流れに全てを任せる。
イブキが車から降りたのと同じタイミングで、反対側の車のドアが開き、中から
漆黒のコートを纏った長身の男と、フードを被った少女が現れる。
「ハヅキ・ライウン――ッ、嫌な時に、嫌な奴と遭うわね。これが偶然なら、笑える
けど――」
苦々しく顔をしかめ、レッカは舌打ちをする。その言い草から、レッカ達にとって
あまり好ましい相手では無いのだな、とイツキは理解した。
「ハヤト、熱くならなければいいんだけど」
――親しい人間に対しては違うのかもしれないが、気性に難があるレッカに
熱くならなければいいんだけど≠ニ心配されるとは、イブキは見かけによらず
激情家なのか。イツキはそんな事を疑問に思いながら、黙って事態を見守った。
「道を開けてくれないか。ライウン」
「やれやれ。こんな寒い中わざわざ出張って来たってのに、味気ないご挨拶だなぁ」
「余計な話をする気は無い。こちらは急いでいるのだ」
強弁にして強固――相変わらずめんどくさい男だと、ライウンは、挑発も含めて
苦笑いを見せた。
「こっちだって、暇じゃないの」
フードを被った少女が、ライウンの横からイブキに鋭い目を向ける。
「そう、彼女の言う通り――確かこの道の先にはヒムロの家しか無かったと記憶し
ている。こちらの事情で、この道を下って来た者を黙って通す事は出来ないのよ」
ライウンはひらひらと手を動作させ、気さくな姿勢で口調も穏やかだが、その眼
は鋭く、獲物を見つけた蛇の如くイブキをねめる。
ライウンの台詞に、イブキは体を包む緊迫した空気の濃度を一気に深め、硬い
面持ちになる。その背中は、雪が降り続ける十二月の夜の寒さの中、うっすらと汗
を浮かべていた。
「……そちらの事情とは?」
「――ククッ。ハハハッ! 止めようぜ、くだらない問答はよ。エンジョウの人間が、
ヒムロをやっちまったんだろ?」
突如、堪えきれないといった風にライウンは腹を押さえ、人が変わった様にけら
けらと笑い出す。その言動を目の当たりにしたイブキは、心臓を急につかまれた
様に呼吸が浅くなり、同時に決断を迫られた。
経緯は一切不明だが、ライウンは自分たちしか知らないはずである、イツキの父
ヒムロ・ソウマが殺害されたという事実と、その犯人の情報を掴んでいる。話し合い
に持ち込もうにも相手と、こちらの材料が悪すぎる。どう運んでも悪い結果にしかな
らないだろう。ならば――。
「……反論しない。どうやら、本当みたいだな。ライウン、早くこいつらを捕らえて帰
ろう。……寒い」
フードの少女はそう言うと、胸の前で腕を交差させ自分の凍えた体を抱き、この
場に相応しくない可愛らしい動きで、ぷるぷると震えた。
「というわけだ。どうする。抵抗するか?」
ライウンが状況を愉しむようにイブキに問いかける。フードの少女が車で待機す
る仲間に手で合図を送ると、場には一触即発の気配が漂い始め、不穏な様態に移
り変わる。
――ここから先は何か変な動きをすれば、目の前の二人は容赦なく襲ってくるだ
ろう。まともに戦ったところで戦力的に無理なものがある。イブキは一瞬のうちに、
最善と思われる判断を自分の中で下し、後ろを振り返り、車内のレッカに目でサイ
ンを送ると、迷いの無い力強い声で叫んだ。
「――ああ。抵抗させてもらうッ!」
読者の方ありがとうございます。
破綻する可能性のある駄文にお付き合い
いただいて、恐縮すると共に、嬉しいです。
タイトル無いと不便ですかね。早く考えます。
あとなんか面白そうな能力無いかなぁ〜。
楽しんで読ませてもらっているのですよ〜
文章うめえ、ごちそうさまでした
能力:スヤルドカダンエ
効果:経済に影響する、自国と米国はしむ
能力募集なら雑談スレなんかで相談してもいいと思うよ〜
乙です。
次回からイブキの能力お披露目に加え、本格的に戦闘開始するようですね。
凄く楽しみですよ。
やはり異能力バトルを語らずして邪気眼は語れないしな・・・
っふ、この《物語》の成り行き、見届けさせてもらおうか・・・
しんしんと降る雪は勢いを増し、一瞬の後に、吹雪とも言える程に吹き荒ぶ。
「くっ――きゃっ!」
フードの少女の体が宙に浮き、後方へと飛ばされる。それを後ろの車から出て
きた仲間が、ぽすんとキャッチする。
「へぇ。天候を操るのかい?」
白い息を吐き出しつつ、ライウンはイブキへ不敵に言葉を投げかける。その表
情には憎らしいまでの余裕と愉悦があった。
その態度がはったりでは無いことを、イブキは承知していた。封印戦争終結後、
抑止力として残されたハヅキ家――その力≠ヘ、数多の異能力者が存在した
過去の時代において、誰しもが最強であると認め、畏れたという伝説を知ってい
たからだ。
イブキは足元に積もった雪を蹴り上げた。イブキの周囲の積雪が、まるで意思
を持ち、突如息を吹き返した生物かの様に波となってライウンに襲い掛かる。
「――そういうワケでも無いみたいだな!」
「今よ!」
イブキの起こした雪波によってライウン達の視界が遮られると、レッカは勢いよ
くドアを開け、車から跳ね降りた。トウカも無駄の無い動きでそれに続く。
「まったく。どうなってるんだ」
イツキはかろうじで、どうやらなにか良くない状況になり、イブキが起こした原因
不明の雪波と吹雪で目くらましをしている隙に逃走するのだなとだけは推察した
が、どうしてそうなったかについて少しでも思いをめぐらすと、頭が痛くなった。意
味不明、日常から逸脱した展開の連続に、イツキの脳はとうとう拒否反応を示し
たのだ。
「説明してる暇ないの。急いで逃げるわよ」
「やれやれ……」
この悪天候の中何も持たず夜の山に突っ込むのは、自殺行為と変わらない。
そのリスクと比べても勝るほど、ライウンという男は危険なのか。イツキはそんな
事を考えつつ体を動かし車から降りた。
「行くよ、トウカ。ごめん……我慢してね」
「ううん。ちょっとわくわくするね」
レッカとトウカはこんな時にも手を繋いだまま、道路の横から氷室山の茂みへ
と走って入って行く。イツキはトウカの器の大きさを見習うべきなのか、こんな時
に……と呆れるのが正常なのか悩みながら、二人の背中を追った。レッカに何か
考えがある事を祈って――。
今更だが
イツキ イブキ ハヅキ
トウカ レッカ
なぜ……俺はこんなややこしい名前を……。
特に拘りとかないのにw
一度の投下量が少ない気がしてきたんで、
更新頻度を上げてこう思います。
ほう、逃げ出したか
しかしライウンはどれほど強いんだろうね?
それも明らかになるのかな
良作期待
――夢なら覚めてほしいものだ。
父が何者かに殺害された事も、何の因果かそれに学園のクラスメイトの女子が
関係してる事も、有り得ない事ではないとイツキは受け入れられた。
それはとても稀有な出来事なのだろうが、頭の隅に常に在るモノ=\―どん
なに希薄で実体が見難くとも――現実として認識する事が出来る。今は謎のまま
だがこの事件も、事情を知るであろうレッカとトウカから理に適う情報を与えられ
れば、それをパーツとして謎を事実――或いは真実へと即組み立てられる。物事
への関心が薄い故に強い先入観や偏見といった固定観念を持たない性質のイツ
キには、それは数式を解くより簡単な事。そして己が納得出来る事実さえあれば、
それより多くは求めない。父殺害の犯人にも、それらの背景にも、さほど興味は無
い。
だが、半信半疑を過ぎ一信九疑≠ナレッカの後を追って茂みに飛び込み、夜
闇と降雪。落葉に埋もれ不確かで角度のある斜面。突如目前に現れる木枝――
といった、まさに一寸先は闇。視界も足元もこれでもかと劣悪な氷室山の山中を
進むイツキは、生まれて初めて心の深い場所から、今目の前で起きている現象を
夢幻かと疑った。
レッカはともかく、箱入りのお嬢様というイメージそのままのトウカを連れては、こ
の決死の逃亡劇が成功するはずがない。流石のイツキもそこはステレオタイプの
思考に染まっていたが、自分だってこの状況下、逃げおおせるどころか、生き残る
事すら現実味が無い――どちらにせよ、破綻は火を見るより明らかだった。
しかし――イツキが常識という汎用素材を使って組み上げた未来予想図は、驚き
と共に崩れ、違う形へと鮮やかに再構築された。
レッカとトウカは、その右手を結んだまま、氷室山の斜面を軽快に駆け下りて行く。
その光景は、夜目が利くとか、身のこなしが軽やかで運動神経が高いとかで説明出
来るものでは無かった。地勘や経験云々までを引っ張り出したとしても、納得するに
は弱すぎる。後ろから追いかけるイツキが安心感を覚えるほど二人の進行は迷いも
危なげもなく、まるで『全て視えている』かのよう――。
二人のなびく長髪がいつ木枝に引っ掛るか、二人が転倒して、自分がそれを踏み
つけはしないかと心配していたイツキは、そんな余裕が消え失せ、次第に自分の中
で焦りが生まれた事を自覚していた。二人に付いて行くだけで精一杯――というより
必死――で、もし自分が先行していたらどうなっていたかと想像するとぞっとするよ
り、何処か可笑しくなった。――どうやら、足手まといなのは自分らしい。
四百メートルは駆けただろうか。現に、既にイツキの呼吸は乱れ始め、足取りも前
を行く二人とは対象的に危うい。徒競走にすれば大した走行距離でも無いが、人が
走る為に作られたグラウンドをただ走るのと、死を傍に意識して雪の降り積もる夜の
山を走るのでは、疲労の具合も天と地の差がある。
二人との距離が開きだす。音を上げるまで、もうあとそんなに無い。イツキの頭に
「少し待ってくれ」と情けない声で哀願する自分の姿が勝手に思い浮かび、さらに笑
いが込み上げた。冗談じゃない――それでも、自分自身と闘いながら、スピードを緩
めずに前を行く二人を追走してると、声を出す力も使い切った。体力の限界に到達
し、視界が霞む。そこでイツキは新たに妙な事に気付くが、その両足は次のアクショ
ンを起こせず崩れ、体が宙に浮く感覚を味わった後、イツキの意識は大地の冷たさ
に抱かれて眠って行った。
イツキw 頼むぜ主人公
流れ的にあまり“覚醒”フラグには見えないな・・・
無能力で、知性だけで戦う邪気眼もそれはそれで魅力的だが
そういうタイプだったりするんだろうか
「あーらら、酷いねこりゃ」
骸と化したソウマを見てライウンは言った。その言葉は、道端で虫の死体でも
見つけたかの様に適当で感情は籠っていない。
「役割を放棄し、ヒトの中に埋没した一族の結末がこれか……同情も、理解も出
来んな」
蒼い瞳を据わらせ、フードの少女が侮蔑の念を込め冷淡に言い放つ。
「そういえば、彼には息子が一人いたっけな。さて、どうしたか……」
「――ライウン様。逃走したイブキを捜索中に、山中で行き倒れていたヒムロ・ソ
ウマの息子を発見、これを保護しました」
殺人現場であるヒムロ家のリビングに、ライウンの部下が土足で上がりこみ捜
索状況を報告する。
「どういう事?」
「――は。ソウマの息子は未だ意識が覚醒せず、詳しい事情は不明です。が、
おそらくエンジョウの人間が関係しているのではないかと」
「ま、そらそうだろう。おおかた、生き延びた、或いは生かしたヒムロの息子をエン
ジョウが回収しようとしたが失敗――可哀想に、息子クンは見捨てられた――と。
ははッ。こうもイイ目が出ると、恐ろしくなる≠チてもんだな」
額を押さえ、くくくと笑いを噛み殺すライウン。
「エンジョウが遂に尻尾を出したのはともかく、ヒムロの息子に、何か利点がある
の?」
ライウンがそんなポーズをとるのは、飾りや偽りで無く喜んでいる証だと知って
いるフードの少女は、引っ掛る部分をライウンに質問した。
「意外な質問だな――勉強不足はいけないぞ、ラピス」
ラピスと呼ばれたフードの少女はライウンの言葉に、初めて歳相応のムッとした
愛嬌のある顔を覗かせる。
「とはいえ俺も、ハヅキとエンジョウのいがみ合いの確かな理由なんて知らない。
俺の親父も、祖父も知らない――。質問の答えだが、力≠ヘ唯力≠ニして在
る事は出来ない。人間ってのはそういう生きモンだ」
「ヒムロは使える駒になる――そういう訳ね」
「賢いな、ラピスは」
馬鹿にされた気分だが、ライウンという人間はいつもこうだしと、ラピスは意識を
切り替えた。
「それで、どうするの。ライウン」
「――たまたま今回は、両者の利害が一致し、結果俺にとって最高の目に転んだ。
だが今後、望まない目が出る可能性も大いに有る。それを防ぐにはどうする?」
ソウマの死体に視線を落として喋っていたライウンは、最後にラピスに振り向け
て問いかけた。
「祈る――もしくは、賽を振る者を――殺す」
ラピスの答えに、ライウンは満足気に頷く。
「一天地六の主――神にでもなったつもりか――気に入らねぇ。エンジョウをつぶ
す前に、そいつを消す」
この後どう展開するのか、
続きが気になりますのう。
期待
シークレットナンバー、通称SN-006ウェルダーは俺に刀を向けて言った。
「意外と早かったな。この仕事もこれで終わりだ」
ただの刀、それだけだが、この戦場であり得ない光景だからこそ俺は警戒した。
黒いスーツを着ておりまるで葬式に参加するような陰気さだが、感じる圧力は今までの追手とはまるで違う殺気を感じる。
「いくぞ」
黒い刀の一振り。
それだけで俺の背後の壁が塵と化した。
高速知覚を発揮していなければ、一瞬で死んでいただろう。
冷や汗が、俺の背中を流れる。
シークレットナンバーとは人の力など超越した、世界の枠の外の化物だ。
関わりあいになってはならない。見かけたら即時退却を優先。
駆け出そうとした先に悪寒を感じた。
それが現実となる前にとっさに左に跳躍する。
破砕音。俺が駆け出そうとしていた広場の半径5メートル程が崩壊していた。
「シークレットナンバーeight、ベルガモット。標的、ジンを発見」
シークレットナンバーが二人だと。
ベルガモットと名乗った男の手には、大型の銃身。
それが煙を吐き出しており、先程の広場への攻撃が、その銃によるものだと悟って戦慄する。
「これで積みだ」
SN-008、ベルガモットが俺の目の前にそれを突き付ける。
「コード94897をこれで終了させる」
刀を居合いで構えるウェルダー
「……」
「なにか言い残す事はあるか、ジン」
ベルガモットが俺に問うた。
俺は空を見上げた。
見ろよお前ら、この空を見上げて何も感じないのか。
ベルガモットが銃弾を放ち、ウェルダーが黒刀を放つ。
そこで、俺の薬の効果が切れた。
常人になるための薬が。
「……くくっ……ひゃはははははははっ!」
意識が戻った時には、俺は何とか薬を口にし、ただの人間に戻っていた。
その間の意識は黒い空白。
ただ、シークレットナンバーの二人が赤と黒の塊へと変貌していた。
「おい、お前ら、満足か?心を無くして、強さだけ求めて……」
返事は無い。
俺を憎みもしてくれはしないだろう。
それが俺たちが望んで、そして俺が取り返したモノだから。
だから――
************************************************************************
終わり。
613 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 07:39:40 ID:eVirKsO5
書き逃げなんて、許さない`д´
しばらく続きが投下されていないようだが・・・機関は常にこのスレを監視しているぞ。
我らは君たち《黒の歴史を紡ぐ者》に期待している・・・
ラ・ヨダソウ・スティアーナ
昔作ったノベルゲームから文章を拝借して書き込みます
多少グロ要素があるので注意して下さい
題名:厨二病達のレクイエム
概要
あなたは主人公「粉鎖生気」を操作してこの物語をHAPPY ENDに導いてください。
(選択肢はありません)
−繰り返す物語−
ストーリー
その日も俺は学校に行った。そして教室に入ったはずだったんだが…
気が付くと見知らぬ部屋にいた。目の前にはあくどそうな教頭が立っている。
やれやれ、面倒なことになりそうだ。。
登場人物
・1−ε組 粉鎖生気(こさなまき) 両親がいなく孤児院で育った
・1−μ組 朗波子流(ろうなみしる) 外見中身共に幼い
・1−β組 菜夏山沙流香(ななつやまさるか)怒りっぽい
・1−ω組 中山悟(なかやまさとる) 行動力はあるがいつも空回り
・1ーλ組 ヤー・トルッツエ とある事情で日本に亡命してきた
・教頭 学校の教頭先生
「この仕事をやれば…これをやれば全てを許してくれると言うんですね」
「ああそうだ。出切るよな」
「もちろん」そう言い放った言葉は今考えると重く沈んでいたような気がした。
俺にそんなことが出切るのだろうか…心は果てしなくブルーで空に溶けてしまいたい気分だった。
ガーンコーン。。どこからかそんな音が聞こえてくる。どこだろう。辺りを見回すとそれは教会からだった。
行ってみることにした。
「こんにちは」
「ああ、こんにちは。今はミサをやっている途中でね。あなたも知っているだろ、自治会長さんの所のおじいさんが死んだの」
「あの家はキリスト教徒だったのか…。ところで今流してる曲はなんていう曲なんですか?」
「ああ、これはレクイエムだよ」
「レクイエムと言えば…鎮魂歌だっけ」
「いやいや、日本ではそう良く誤解されるんだけどね。本当の意味は葬送曲なんだよ」
「葬送曲?」
「そう、死者の死を悼むんだ」
「そうか、葬送曲。葬送曲ね…」
俺は歩いている途中で少年を見つけた。時計を見る。まだ時間はある。予行演習をやっておくか。
「おーい、そこの少年」
「なんだよ、おっさん」
「いやちょっとね、おじさんの家で子どものパーティをやったんだけどね、お菓子があまっちゃったんだよ。来て食べてくれないかい?」
「お菓子、うわ、欲しーい」
「じゃあ決まりだね。さあ、行こうか」
知らないおじさんに付いて行ったらダメなのに。俺はそう考えながらポケットの銃をカチカチと鳴らした。
第零章 聖者の生まれし場所
「一体、ここは何処なんですか!!」
1−βの菜夏山沙流香(ななつやまさるか)が怒鳴り声で叫ぶ。
ふと辺りを見回す。俺とあいつの他にも数名、此処に連れてこられた奴がいるようだ。
教頭は言う、「貴方達みたいな不「優秀」人間は此処で処分されることになっているのだ」
「処分て何だよ」1−ωの中山悟(なかやまさとる)が突っ込みを入れる。
「処分というのは、すなわち「死」です。あなたたちはこれから殺されることになるのです」教頭。
「それはおかしいは。にほんこくけんぽうだいにじゅうごじょうのせいぞんけんというものがそんざいするはずなのでは」
1ーλのヤー・トルッツエが厳しく指摘するが当然、教頭は
「今、決まったことなのです。これは政府という最上位機関による決定なのです。米大統領さえも覆すことはできないのです」
1−μ組の朗波子流(ろうなみしる)が泣き出す
「鳴いても無駄だ。最近ゆとりベビーが問題になっているだろ。そのせいだ。恨むならゆとりを作った当時の政府を恨め!」教頭
しかしまだ鳴いている子流。彼女を見て、俺たちはまだ厨二なんだ、ということを俺は実感せざるを得なかった。
第壱章 有益、有害の違い
俺の名は粉鎖生気(こさなまき)、1−ε組に所属。父母はいなく、孤児院暮らし。そこを出るためのバイトをしていた。
俺の経歴はこんなとこだろう。今となっては昔のことだが。これで登幕人物全てがそろったか?OK、続きを始めよう。
「まあまあ、朗波さん。まだ必ず死ぬと決まったわけじゃないのです」
教頭の方を向く子流。
「いいですか、この中で一番有害でない者、その人は死刑を免れることが出来ます。それは誰か?それをこれから決めるのです。言わば、サバイバルゲーム。頑張りがいがあるってものですよねー」
愕然とする俺以外の4人。俺は死は怖くない。だから別にどうでもいい。
沙流香、「有害、有害ってそんな基準誰に分かるのよ!!」
教頭、「この世にあって邪魔な物です。分かるでしょう、貴方には。この言葉の意味が」
ヤー「自分の国では人類淘汰連盟がテロを起こして白人純血以外の物は全員殺されてしまいました。私には白色、黄色、黒色の血が流れています。私はそのため逃げてきたのです」
教頭「日本もそうなろうというのです。日本はいつでもイヌだったからな。ひゃーたまらねえ。有害な奴は全員処刑だ。ひゃっひゃっひゃひゃh」
第弐章 軽快なプラン
悟が耳打ちしてくる
「おい、あの教頭殺そうぜ。何も武器持ってないみたいだし。あいつを倒さないと俺達に明日はないぜ」
俺は言った
3a。「おい、教頭。この悟って奴がお前を殺そうとしてるぜ」
教頭「何、粉鎖クン、情報ありがとうです。おい、中山、ちょっとこっちこいや」
「はい?誰がそっちなんか行くか!!」中山は叫ぶ。
「ふ、よかったな。他の候補者さんよ。1人減るぜ」教頭はそういったのと同時に胸ポケから錫癌銃を取り出して、あいつの胸を狙った。そして打った。
あいつの胸に弾はあたり、あいつの血が噴出し、あいつの心臓は床に落ちて、硝子のようにペシャっと割れた。
俺はあいつの死体の元に近寄った。こいつキレイだな。本当に死んでいるんだろうか?
俺が教頭に血喰ったのは教頭がどんな武器を出すのかみ見たかったから。そしてこのプランは成功したようだ。
第参章 神は降臨なさる
おい、生気。これっぽっちしか手にはいんなかったのかよ!?そういってアイツはいつも俺を飽きるまで殴り蹴る。
俺は抵抗をしない。別にそれは記憶のあるうちからのことであり、日常茶飯事的なノリだったからである。しかし、当時の俺にもそれが虐待であるということは認識できていた。
ある時、俺には好きな女の子ができた。それは至極当たり前のことだった。2人は毎日遊んだ。向こうがどう思ってたのかは知らないが。
−−−省略−−−
俺はあいつらを台所にあった包丁5で刺しまくっていた。あいつは心臓からのうめき声をあげて助けを予ぼうとしたが無駄だ。暢気なご近所の奴らは全員殺したのだから。
目の玉がころりと落ちる。それはよく輝いていてキレイだった。なので、ラムネ瓶に入れて飲んだら良いだろうなーと思ったが金がなかった。ふといまごろになって気付く。臓器は高く売れたんだなーと。
俺はあいつがうごかなくなってもその部品が完璧に液体状になるまで刺しまくった。やがて、それはどろどろになった。俺は電話をした。
第四章 厨ニ病達のレクイエム
5a。次へ進む
俺の目の前で沙流香、ヤーが殺された。あと残っているのは子流だけだ。
子流、あいつは不成長心身症らしい。心も体も幼いまま成長しないのだ。だから詳しくは、冒頭に言ったことはうそになる。
あいつは俺に訴えるような目でみてくる。俺にどうしろというんだ。敵は銃持ちだぞ。
教頭は2人を見ている。俺は人生に飽きた。だから教頭の元へ行った。
1a。「俺を殺せ。」
「お前に命令される筋合いはない。だから朗波を殺す」教頭はそう言って銃を朗波に向けた。
子流は震えていた。おびえていた。だから教頭は撃った。教頭はあいつに5発弾を打ち込んだのだが…
その内の1発が俺をかすった。なので俺はアイツの頭を、隠していたトンカチで何万回も打った。あいつは鼓動を止めた。
子流が死にかけながらも俺に話してくる
「生気君、お願いがあるの。この桜の木の種を明日ガ丘に埋めて」
「分かった」
それを言うと彼女は動かなくなった
明日ガ丘か?あそこから飛び降りて自殺するのは気持ちがいいと聞いた。自殺ついでに埋めてきてやるか
ふと教頭を見ると血で文字を書いていた。推理小説のAREだ。
−厨二病達のレクイエム−
1b。「何をやっている。早く子流を殺せ」
「お前に命令される筋合いはない。だからお前、生気を殺す」
教頭は銃をこっちに向けて乱射してきた。
だが幾つもの経験を積んでいる俺には全く当たらなかった。
「あー畜生、この銃の役立たずめ!」教頭
「お前の銃の扱い方が悪いからだぞ。日頃ちゃんと練習しないからこういうことになる」俺
「きゃーーーー」子流
俺は教頭の顔、いや全身が赤くなるのを感じた。ほう。人間ってここまで熱くなれるものなのか。
「うるさい、死ねええええええええええええええええ」教頭は子流に銃を向けて打った。
子流は避けようとしたが当然当たった。そして噴出す血。長くは無かった。
「ふはああっっはー。もうヤケだ。お前ら全員殺して殺る!!」
教頭は明らかに興奮していた。興奮というのは人を滅ぼす重大な要素を占めている。
教頭の命がそう長くないのを悟った。
「次はお前だ、生気。さっきのようには生かさないぞ」
俺は生きる気がなかった。なので、教頭が一発だけ撃ってきた威嚇弾に打たれて死んだ。
「これで、俺は、俺はー!!…… …… …… ……」
「俺はなんてことをしてしまったんだ。だれか、誰か、許してくれー」
2a。俺「分かった、許すから黙れ。うるさくて楽に死ねない」
教頭「あ、ありがとう、粉鎖クン!!僕はこの罪を償うために精一杯生きるよ!!」
俺「はいはい、頑張れ」と言おうとしたが僕は既に死んでいたので其の言葉は教頭に届くことはなかった。
「キミの言葉で僕は救われた、本当にアリガトー!!」
その後、教頭は精神病院に送られた。そこで死んだという噂だ。
教頭は死の間際にこんなことを呟いていたという。
−5つの魂よ、安らかに眠れ−
2b。俺「お前の罪は一生許されない。その十字架を一生背負うことになる」
「いやだああああ、そんなのいやだああああああ」
「じゃあ、自殺しろ。自殺は逃げだとか言う奴もいるが、立派な方法だ」
「粉鎖クン。アリガトー。僕は自殺することにするよー」教頭はそう言うと自分の喉仏に銃を向け、撃った。
残念なのは、それよりも前に俺が死んで教頭の死を見れなかったことだ
3b。「OK。その話し乗った」俺はそんなに乗り気でもなかったのだが
悟「まずはどうする。武器を隠してたらやバインダよな」
4a。俺「特攻あるのみだ」
悟「お前正気か?」
俺「良く考えてみろ。敵が銃を持っていたとしても全員を殺すことなんて出来ない。むしろ目標が拡散するので誰に当てるか迷う」
俺「そのすきに攻撃すれば無傷だ。俺達が向かっていった時、教頭には無限心理錯乱の効果が発動する」
俺「奴は全不乱心における正的状況把握能力の力をそれほど持っていない。勝利は確実だ」
悟「良く分からないがそれほど言うのなら大丈夫だろう。あいつらにも言ってくる」
悟の能力があいつらを悟らせたのかは知らないが、教頭にはバレズに伝わった。
そして、
悟る「うおおおおおおおおお」
沙流香「おりゃややあやややややや」
ヤー「やあああああああああああああああ」
子流「ううう」
俺「(無言)」
傍らから見るとそれは見世物小屋だった。4人もの奴が叫んでいる。
教頭はジーパンのポケットから五口乱銃を取り出して使った。
1回引き金を引くと、5個の弾が相手を狙うというアレだ。
奴の銃から引き放たれた弾は軌道線を描き5人の急所へと飛んでいった。
そこで世界は暗転した。
多分他の奴らも死んだのだろう。
俺の耳には教頭の乾いた笑い声だけが響いていた。
台詞多いんだなー
625 :
610:2009/12/22(火) 05:12:46 ID:yat1EgKY
ゴ チ ャ ゴ チ ャ と 詰 め 込 み す ぎ た
一つの物語で色んな事をやろうとして失敗するパターン……。
猛省。己の力量を見定め、リベンジする機会を窺い話を再構成中。
今度は完成させてから持ち込んで来ます。真申し訳ない。
おおっ、生存報告乙です。
全く投下が無いのでどうしたのかと気にかかっていた所。
詰め込み超過、自分は大いにOKだと思いますよ。
投下が無いと寂しいお……
グダグダになって収集がつかなくなり廃棄されるというパターンは
黒歴史ノートそのものであるとも言える
狙ってやっているのなら・・・ククク・・・
なんか中二病に目覚めたから来た
今は妄想格闘ゲームを考えている
反省はしない
痛いことをあえて楽しむマイジャスティス
黒歴史ノートに描かれし必殺技コマンド……!
普段は素手だがコマンド入力によって氷の剣を装備、剣装備時専用の必殺技が使えるようになる
敵の攻撃をガードすると壊れて消える(ガードせずに攻撃をくらった場合は消えない)
【霧氷剣】
剣を鎌に変形、高速回転させて投げつける剣装備専用技
もちろん投げた鎌はブーメランのように戻ってくる
【アイシクルツイスター】
FF4の暗黒騎士セシルの【あんこく】のモーションで氷の剣から輝く冷気を放出
ダメージを与えないがガード無視で必殺技ゲージを削る剣装備専用技。使用後に剣は消滅する
【コールドスナップ】
KOF96のゲーニッツの「そこですか?」と同じモーションで地面から氷のナイフを大量に真上に吹きあげる
出が速くて当たりも強い対空技
【フェンリルの牙】
目の前に氷の盾が出現、攻撃を受けるとそれが砕けて無数の氷のナイフになって反撃する当て身技
下段と中段でコマンドが違い、上段には対応できない
【反射氷鏡】
最初の一撃が入ると、氷の分身を生み出して一斉に襲いかかるロック型の乱舞系超必殺技
【コキュートス】
氷属性は割と基本だよな
全てを凍らせる。
そのイメージは、何もかもなくなってしまえばいいという破滅衝動に
等しく、故にそんな気分になりがちな中2くらいには、とかく氷を
用いた妄想が活発になるのだ・・・。
それの発展型がエターナルフォースブリザード
スレの流れを凍らせちまった時にも使われるのぜ
634 :
無なさん:2010/05/04(火) 10:43:35 ID:7AL5C1wp
中二病設定は今でこそからかいの対象にしかならないが、
そういう設定が初めて世に出た時はどんな風に受け止められたのだろうか。
斬新な設定として喝采を浴びたのか、それとも最初の頃からちょっと馬鹿にされていたのか。
635 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/06(日) 18:29:31 ID:FuMnvARa
あの頃の熱気はもうないのか
初めて来た。どういうことをすれば良いのか産業で