ニコニコ動画バトルロワイアルβ sm9

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1創る名無しに見る名無し
(ラウンジクラシックから移転)
鬱です。

本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。

ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。

またの御アクセスをお待ちしております。

前スレ:http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1236499396/

Wiki:http://www19.atwiki.jp/niconico2nd/
したらば:http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12373/
2創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 04:39:11 ID:FkVMRwQZ
【基本ルール】

全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
生き残った一人だけが、元の世界に帰ること及び望んだ願いを叶えることができる。

ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる

【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
但し義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
支給品として地図、コンパス、筆記用具、水、食料、時計、懐中電灯、
及び各作品や現実からランダムに選ばれたもの1〜3個が渡される。
3創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 04:39:53 ID:FkVMRwQZ
【主催者】
・進行役
右上@ニコニコ動画
左上@ニコニコ動画
・黒幕
運営長@ニコニコ動画

【ステータス】
投下の最後に、その話に登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)
4創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 04:40:59 ID:FkVMRwQZ
【予約について】
キャラの予約は基本的には3日。申請があれば2日くらいは延長するかも?
(ただし最初はなし)

【作中での時間表記】
深夜:0〜2  
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24

【地図】ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0144.png
    ttp://www11.atpages.jp/nico2nd/(現在位置表)
5創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 06:06:41 ID:tNMaGTFx
おや、朝起きて創発みたらもうスレ立ってた
スレたておっつー
そして創作発表板にいらっしゃい
6 ◆EW4oRdL66A :2009/03/10(火) 10:02:02 ID:FkVMRwQZ
小ネタ(本編とはまったく関係ないけどやってみたかったネタ)
右上「ロワ始める前に図書館点検しとこうか」
左上「なんで図書館だけ点検するんだ?」
右上「すぐにわかるよ」

…図書館に入った後…
右上「じゃぁ点検してくるから適当に漫画でも読んで待っていて」
左上「了解」
…5分後…
左上「ふふふふふ…」
♪デデ〜ン!左上〜アウトー!
左上「お前らは誰だ!…イダー!!」
右上「笑ってはいけない図書館の機能は正常だな!」
左上「そんな機能つけるな!」

今現在この機能は左上たっての願いで停止していますあしからず
7創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 10:03:35 ID:FkVMRwQZ
本当にやってみたかっただけだスマン
8創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 10:55:11 ID:tNMaGTFx
ちょww
9 ◆jVERyrq1dU :2009/03/10(火) 11:01:03 ID:xG5Wgrhq
ロードローラーの説明を投下ー

【ロードローラー@ぶっちぎりにしてやんよ♪】
リンが峠を攻める際に使った愛車。動画によると少なくとも時速100`超は出るらしい。
ニコニコでは初音ミクのネギと同じく、リンとレンの象徴的なアイテム。
元ネタ動画→http://www.nicovideo.jp/watch/sm1924663
10創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 11:29:23 ID:tNMaGTFx
おつー

したらばに投下したのって本スレ投下はもうしないのかな
11創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 12:47:05 ID:/RNrkGqy
>>1
まったくクラウンのあれはなんだったんだ
荒らしのレスであっという間に埋め立てられるとは
12創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 12:53:19 ID:tNMaGTFx
あれはひろゆきしかなんともできんもんだから
正義とか幼女あたりでも不満爆発してるが今の運営には権限ないんだから無理なもんは無理なのさ
13創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 18:18:36 ID:7bxE7Tr1
スレ立て乙
せっかくの第一放送後の予約の投下が荒らしのせいで途切れてしまったな
板移転してやっと逃れられたことだし仕切りなおして盛り上がろうぜ
14創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 18:54:32 ID:Ha1pAMwR
仮住まいか新居かはわかりませんが
ガンガン殺っていきましょー
15創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 19:45:50 ID:EYOsUIIh
またニコ厨がわけの分からないスレ立てたな
16 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:47:00 ID:Tno0oC5x
遅くなってすいません。
投下します。
17 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:48:31 ID:Tno0oC5x
松岡から離れて一時間弱、美希は池みたいな場所に着いた。
そして、彼女はその場所を知るため、デイパックから地図を取り出した。

「オアシス…なの。」

綺麗な水が流れているそのオアシスの目の前で美希は食事を取ることにした。
さっきまともに食事を取ることができなかったからである。

美希は自分のデイパックから水とおにぎりを数個出す。

「しゅーぞーさん…」
彼女はおにぎりを見て、松岡のことを思い出す。

ミキ、最初は変な人が来たと思ったよ?
無駄に厚くて、わけわからないこと言ってて…

でもだんだんとしゅーぞーさんが言ってる事がわかってきたの。
だからミキね、がんばることにしたの。
がんばってしゅーぞーさんの意思を受け継いでいくことにしたの。

美希の瞳から流れてくるものが持っているおにぎりにポタポタと落ちていく。

でもね…やっぱり悲しいよ。
一人じゃあ本当に心細いよ。

ちょうどその時、美希の目の前にモニターが現れた。
そこにはゲームの最初のときに出た「右上」と名乗る男の人が映っていた。

「これが最初に言ってた放送とか言うやつなの…。」
18創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 19:49:23 ID:L3BfdSOY
支援
19 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:50:01 ID:Tno0oC5x
美希は泣きながらも放送の内容を紙に書く。

しゅーぞーさん言ったよね?
「過去の事を思っちゃ駄目、未来の事も思っちゃ駄目。」って。
でもミキには無理なの。
そんなこと言われても…無理なの。

んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。
脱落者は、

美希は覚悟して聞く。


北条鉄平
はっぱ隊員
木吉カズヤ
囲炉裏
秋月律子

え…律子…さん?

ローゼン閣下
やる夫
ドアラ
カミーユ・ビダン
ルイージ
赤さん
だ。

美希は驚いた。
20 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:51:13 ID:Tno0oC5x
まさか律子さんが参加していた事に。
そしてすでに死んでしまっていた事に。

律子さん…ゴメンね。
ミキ、律子さんに何もしてあげれなかった…。

961プロのアイドルとはいえ、元は彼女も律子と同じ765プロのアイドルだったのだ。
大切な仲間を失った痛みはきつい。

「何でも言い合える関係が最良の関係だと思う。 私は美希と先輩・後輩の関係であり、最高の友達でもありたいと思うの。」

以前律子さんは千早さんと喧嘩をしたよね。
そのときに律子さんこう言ってたの。

ミキ、律子さんがそんな風に思っているなんて思ってなかったからびっくりしたの。
いつも怒鳴ってばかりでミキの事嫌いなのかなって思ったけど、実はミキのために考えててくれたんだよね。

また美希の瞳から涙が流れる。

律子さん…ミキ、がんばるから…。
がんばってこのゲームを平和に終わらすから…。
だから律子さん…ミキを見ててなの!
ミキがどれだけ成長したか見てほしいの!

新たな決意を胸に抱き、彼女は放送で言っていた「名簿」を見る。
名簿には自分の名前が書いてあり、その隣には秋月律子、その隣には萩原雪歩の名前があった。
その後、どんだけ探しても美希が知っている名前は見つからなかった。

雪歩…今どこにいるかわからないけど、会うときまで死なないでほしいの!
21 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:52:19 ID:Tno0oC5x
でもきっと雪歩の事だから泣いてるよね。
今のミキと同じように、もしかしたら一人でいて、心細いかもしれないよね。
でも安心するの!
いつだって仲間はそばにいるの!
雪歩だってきっと今頃いい仲間を作っているかもしれないの。
そうだったらミキ、うれしいの。

あと、美希が探していたプロデューサーさんの名前がどこにも書いていなかった。
美希は必死にそれを探していたが、見つけることはできなかった。

「ここにいないのは残念だけど、ある意味よかったの。」

美希はプロデューサーの事が大好きだ。
だが、もしここにプロデューサーが呼ばれていたらどうなっていただろうか?
自分のアイドルを守るために片っ端から殺していったかもしれない。
もしくは、あの少年のような人に優勝を目指している人に殺されてたかもしれない。
どちらにせよ、美希はそんな彼を見たくなかったのだ。

「美希はみんなと協力してここから脱出する。 だからプロデューサーさん、美希が帰ってくるまで待っててほしいの!」

そして大事な事がもう一つ。
それは松岡の名前が出なかった事だ。

美希は自分の頬をつねる。
その頬はゴムのように伸びる。

「夢じゃないの…という事はしゅーぞーさんはまだ生きてるってことなの!」

笑顔になる美希。
22 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:53:41 ID:Tno0oC5x
彼女にとって松岡はすでになくてはならない存在となっていた。

「でもしゅーぞーさん、すごく血出してたの。 今から戻って病院に連れて行ったほうがいいかな?」

美希は迷った。
そして彼女は答えを出した。

「きっとしゅーぞーさんなら大丈夫なの! だから先に行ってミキが待ってるの!」
これが美希の出した答えだった。

最後のおにぎりを口に入れ、水でそれを洗い流すと、美希は空のペットボトルをしまった。

「しゅーぞーさんもがんばってるんだから! ミキもがんばらないといけないの!」
彼女は手を上にあげた。
「ファイト〜〜〜〜オー! なの。」
そして美希は手を上に突き出した。
だが、ここで彼女も驚くある事が起こった。

「え…なんで! なんでなの!?」
なんと美希の右手がすごい勢いで伸びたのだ。
慌てて手をヨーヨーのように元に戻す美希。
元には戻ったが、彼女はすごく混乱していた。

「さっきまで普通だったよね? なのにどうして!?」
美希は落ち着いてこれまでのことを思い出す。

最初にミキはしゅーぞーさんとであったの。
そして少年と戦う事になって…しゅーぞーさんのおかげでなんとか逃げる事ができたの。
その後、レッドさんとかいうヒーローに出会ったの。
でもここで車が来て、ミキをかばうためにしゅーぞーさんは…
23創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 19:54:57 ID:gnPKbFKx
ニコニコどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど
24 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:55:29 ID:Tno0oC5x
そして、ミキはレッドさんからもらった支給品を見たの。
中には萌えるチップと果実が入ってたの。
それを食べたけど、味はあんまり…で…

美希は急いでデイパックの中にあるその実の支給品を見た。

「『食べると体をゴムのように伸ばすことができる。
銃弾、打撃、電撃をほぼ無効化するが、斬撃や刺突、爆発などには効果が無い。
だが、これを食べてしまうと例外なくカナヅチとなり、海、川などに落ちると力を使えず溺れてしまう。
なお、シャワーや雨は対象外。 』…こんなものを食べてしまったの…。」

美希は最初は言葉が出なかった。
でもそんな事はすぐにどうでもよくなった。

「まあ、いいの。 ようは水に入らなければ無敵になれるってことなの!」
そう言うと、美希はまた歩き始めた。

「しゅーぞーさん! ミキ先行って待ってるから早く来てなの!」

【E-3 オアシス/一日目・早朝】
【星井美希@THE IDOLM@STER】
[状態]:ゴムゆとり・熱くなるの!
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、モンスターボール(おにぽん)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況、新型萌えもんパッチ@ポケットモンスターで擬人化してみた、ねるねるね3種セット@ねるねるね
[思考・状況]
1.人は殺したくないの。
2.雪歩を探すの。
3.でぃおとレッドさんを探しながら山(E-1)に向かうの。
4.ゲームに乗らず、人を殺さずゲームを終わらせるために、首輪を外すの。
5.レッドさんの言うこともわかるの。悪い人とあったら説得できるの?
6.しゅーぞーさんが絶対に来てくれる事を信じるの。
7.でぃおさんに謝ってもらうの。もし襲ってきたら……
8.律子さん…
9.水に入らないようにするの。
※ゴムゴムの実@ワンピースを食べました。能力者になったことに少し気がつきました。
※サンレッドをヒーロー役の俳優だと思っています
25創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 19:56:13 ID:L3BfdSOY
 
26 ◆/mnV9HOTlc :2009/03/10(火) 19:59:39 ID:Tno0oC5x
投下終了です。
タイトルは「H.M.は本当にゴムゆとりなのか?最終鬼畜アイドル星井・M」です。

27創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 20:01:17 ID:j2pNwZiX
28創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 20:03:34 ID:L3BfdSOY
投下乙
美希はSP時代の美希か
ゆとりはこの先生きのこれるのか気になる
29創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 20:38:12 ID:A80tfS7m
>>28
そんな事言っちゃったから生残れないに100ガバス
30創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 21:43:15 ID:LNokO0m6
代理投下するぜ
31代理:2009/03/10(火) 21:46:00 ID:LNokO0m6
327 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:01:12 ID:uXJ6.xoE0
朝日差し込む平原の中。
一組の男(?)女が互いのデイパックから地図と名簿を取り出し、それを見て苦々しげな顔を浮かべている。
男(?)の名前はメタナイト、女の名前は紅美鈴。
この殺し合いの舞台に連れてこられて最初に出会い行動を共にしていた二人は、
映画館の屋上から見えた南の人影を追う途中早朝の放送を聞いて今後の方針を決めようとしていた。
放送で聞かされた死亡者情報の中に、自分達の知り合いはいなかったし。
禁止エリアも今自分達がいるエリアとは離れた場所を指定されていたのだが……。

「あぁぁぁ、どうしよう」

頭を抱えながら名簿を見つめ、嘆く美鈴。
先ほどの放送が流れた時よりこの殺し合いに参加している参加者の名が浮かんだそれには、
自身の想像通り、自身の知り合いの名が記されている。
ある程度は予想のしていた事である為、知り合いがいる事に関しては美鈴もそれほど驚いてはいない。
ならば何故嘆いているのかというと、この参加者を見てより一層自身がどう行動をすべきかわからなくなったからである。
名簿に記されている知り合いは五人、その中で美鈴がよく知っている人物は三人いる。

一人目はチルノ……紅魔館の近くにある湖に生息する氷の妖精である。
紅魔館の外で門番をしている美鈴は、チルノが友人達と遊んでいる光景を目にする機会が多い。
何回か話をした事もあるし、仕事の合間に少しだけ遊んであげた事もある為、友人と言っていいのかもしれない。

二人目は十六夜咲夜……美鈴と同じく紅魔館で働くメイド長である。
門番とメイドという役職の違う二人ではあるが、それでも関わりあう機会は多い。
当然話だって何度もした事があり、彼女の人となりはレミリア程ではないかもしれないが美鈴もよく知っていた。

三人目はフランドール・スカーレット……美鈴が仕えるレミリア・スカーレットの実妹である。
少々気が触れている彼女はいつもは紅魔館の地下室に閉じ込められており、顔を合わせる事は少ない。
しかし、時折地下室を抜け出し紅魔館を飛び出そうとする時はレミリアや咲夜と混じって美鈴もフランドールを止めようとする為。
彼女の危険性や不気味さを美鈴はよく知っていた。

自分がよく知る人物はこの三人……この三人だからこそ、美鈴は悩んでいる。
仮にこの場にレミリアがいたとするならば、美鈴は真っ先に彼女の指示を仰いでいただろう。
そして、彼女の身を守る為に他の参加者を殺害し――レミリアを優勝させようと動いていたに違いない。
レミリアは美鈴の主人なのだから、彼女の為に動こうとするのは当然である。
だが、ここにはその主人がいない――ここにいるのは、主人の片腕と主人の妹の二人だ。

十六夜咲夜は人間でありながらもレミリアの従者として紅魔館を切り盛りし、妖精メイド達を纏めている。
当然ながら紅魔館内での権限も相応にあるのだが……かといって、美鈴が彼女より立場が下なのかと言えばそれは違う。
美鈴は門番であり、咲夜はメイド長――役職がまるで違うのだ。
咲夜が指揮を執るのはあくまで妖精メイド達であり、美鈴はその中に入ってはいない。
レミリアからの命令を咲夜から伝えられたならばそれも聞くが、咲夜自身の命令を聞く道理は無いのだ。

では、当主レミリアの実妹であるフランドールはどうだろうか。
当主の身内である彼女の命令ならば、ただの門番である美鈴は立場的に無碍には出来ない。
しかし、だからといってフランドールの命令を馬鹿正直に聞くという事も、美鈴には出来ないのだ。
紅魔館にいた時も、フランドールの我侭などは大抵レミリアに伺いを立ててから叶えるという形式を取っていた。
気が触れている少女の頼みなど、そうホイホイ聞いていいはずがないのだから当然といえば当然。
故に、この場においてもフランドールの命令を素直に聞くという選択肢は美鈴の中には無かった。

「何で私や咲夜さんや妹様がいて、肝心のお嬢様がいないんですかぁ〜」

この場に連れて来られている自身の知り合いは全部で五人、その内二人は紅魔館に関係する者。
自身を含めて考えるなら、六人中三人が紅魔館の者なのだ。
ならばレミリアがいてもおかしくないというのに、名簿にはその名は記されていない。
レミリアがいれば、美鈴が取るべき選択も容易に決まったというのに……。
32代理:2009/03/10(火) 21:46:47 ID:LNokO0m6
329 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:04:19 ID:uXJ6.xoE0
「……主君が連れてこられなかった方がよかったのではないか?
 少なくとも、この場で主君が殺されるという心配の種は取り除けた」
「それはそうですけどね……」

それまで黙っていたメタナイトが口を開くと、美鈴は小さく頷き肯定する。
レミリアの安全を思えば、確かに連れてこられなかった方が遥かにいい。
そして、美鈴が誰かを優勝させる為に他の参加者を排除する――。
つまり、殺し合いに乗るという選択肢もレミリアがこの場にいない事により取り除かれた。

「本来ならばそれは喜ぶべき事のはずだ。
 それとも、お前は主君にこの殺し合いに参加して欲しかったのか?
 主君の為に、他の者達を殺して回りたかったのか?」
「それは無いですけど……」
「ならば何も悩む事は無いはずだ。
 私たちの取る方針も、変わる事は無い」

レミリアがいない為、紅美鈴が方針を変える必要も無い。
誰かの為に参加者を殺して回る必要が無いのだから当然だ。
今後も今まで通り己の身内を襲いそうな、この殺し合いに乗っている危険な人物を倒して回る。
それが現在、彼女に出来る最善の一手だとは思うのだが……。

「……身内自体が、殺し合いに乗ってしまっていそうなんですよね」

メタナイトに聴こえぬ程、小さな声でそう呟く美鈴。

330 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:05:23 ID:uXJ6.xoE0
十六夜咲夜は好戦的という訳ではないが、己の障害になりそうな者がいれば排除をするだろう。
レミリアが飲む人間の血を確保する仕事も受け持つ彼女だ、人殺しに抵抗は無い。

チルノは殺し合いをするような性格をしていないが、喧嘩っ早くて好戦的である。
本人にその気はなくとも、実質的に誰かを襲い困らせている可能性は高い。
……というか、彼女はこの状況を正確に認識しているのだろうか?
……殺し合いに乗る乗らないよりもむしろそっちの方が心配だ。

射命丸文と因幡てゐについてはよくわからないが、彼女達についてはあまりいい噂を聞かない。
ある事ない事を書き連ねる幻想郷最速の新聞屋に、三度の飯より嘘が好きという詐欺兎。
殺し合いの舞台に放り込まれた彼女達が、自分と同じように誰か身内の為に戦う姿を美鈴は想像が出来なかった。
それに美鈴の知る限りでは、二人が親しいような人物は連れてこられていない。
仮に二人の性格が噂に聞くほど酷くなかったとしても、彼女達が守るような身内の存在がいないのだ。
十中八九、殺し合いに乗っているだろう――少なくとも、素直に主催者達に喧嘩を売るとは思えない。

そして、何よりフランドールの存在である。
何かを壊す事しか出来ない彼女は、どう考えても殺し合いに乗ってしまっているはずだ。
いや、正確に言えばそれは殺し合いというよりも"壊し合い"なのだろうが……ともかく。
彼女がこんな場所に連れてこられて、じっとしている姿を考えられない。

美鈴にとってこの場における身内とは、十六夜咲夜とフランドール・スカーレットの二人である。
先ほどは彼女達の命令は聞かないと言ったが、それでも彼女達が美鈴にとって大切な存在である事は変わらない。
命令を聞かないというのは、あくまでも彼女達が美鈴の主君ではないという理由から。
レミリアがいない現状、美鈴にとっては咲夜とフランドールがこの場における一番の守るべき存在だ。
33代理:2009/03/10(火) 21:47:33 ID:LNokO0m6
331 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:06:07 ID:uXJ6.xoE0
だからこそ、美鈴は悩む。
咲夜とフランドールは、両方大切な存在――しかし、この殺し合いで生き残れるのはルール上たった一人だけ。
メタナイトと美鈴はこのルールに反逆する為に同志を集めてはいるが、その目処は全く立っていない。
このまま行けば参加者は減り続け、殺し合いを止めるという事も出来なくなってしまうだろう。
その時、美鈴はどう動けばいいのだろうか。 誰の為に動けばいいのだろうか。

生き残れるのは、たった一人。

咲夜を勝ち残らせるべきなのか――フランドールを勝ち残らせるべきなのか……。
それとも、自分自身が優勝をして紅魔館に戻るべきなのか。
このまま美鈴とメタナイトが殺し合いに乗っている参加者を排除して回った際、必ず相対するであろう咲夜達。
彼女達と出会った時、美鈴は戦うべきなのだろうか。
誰を守る為に?

「行くぞ、美鈴」

俯き、うんうん唸っていた美鈴にメタナイトはただ一言静かに告げる。
このまま延々と考えに浸らせる訳にはいかない。

「下手な考え休むに似たり。 考えても結論の出ないのなら、一旦中断しろ。
 それよりも先に、私たちにはすべき事があるはずだ」
「……はい」

二人は今、南西に見えた人影に接触する為に移動していた最中だった。
放送が流れた為に一時的にそれを止め、名簿の確認と禁止区域の確認を行ったのだが、
これ以上ここで時間を無駄にしていてはその人影がメタナイト達が接触する前に移動してしまう可能性が高い。

332 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:07:19 ID:uXJ6.xoE0
メタナイトの言いたい事がわかったのか、美鈴は渋々といった様子で返事をすると立ち上がり、
メタナイトと共に再び南西へ向けて歩みを進める。
その最中、美鈴は折角だからとメタナイトに自身の知り合いの情報を事細かに説明した。
立ち止まって名簿と睨めっこをしていた時も簡単に説明していたのだが、それはあくまでも簡単にというレベルであって、詳しくは話していない。
情報はあるに越した事は無いし、メタナイトにも知人の事を知っておいて貰えば今後役立つ機会があるかもしれないだろう。

「……なるほど、しかし美鈴。 お前の知人にまともな者はいないのか?」
「……幻想郷では常識に捕らわれてはいけないんですよ、メタさん」

完全で瀟洒なメイド長、頭が少し可哀想な氷精、気が触れてる悪魔の妹、竹林に潜む詐欺兎、ゴシップ好きな烏天狗。
彼女達の事細かな説明を聞きそう発言したメタナイトに対し、美鈴はどこぞのフルーツ(笑)が言ってた言葉で返す。
思えば美鈴の知る限り、幻想郷にいる者の中でまともな人物などそうそういない。
辛うじて思い浮かぶのは人里を守る半人半獣くらいだが、それ以外は全員ネジの一本や二本抜けてそうな者達ばかりだ。

「ともかく、てゐちゃんと文さんには十分注意しておいて下さいね。
 二人とも嘘や騙し討ちは得意なようですから」
「心得た」

一頭身の身体を揺らし、器用に頷くメタナイトを見て微笑む美鈴。
呂布と戦った後、不意に見えた普段は仮面に隠されて見えなくなっている彼の素顔。
それを思い出しながらその仕草を見てみると思わず頬が緩み、抱きしめてしまいたくなる。
もっとも、そんな事をすれば怒ってネギでしこたま叩かれるかもしれないので我慢をしたが……。

「む?」

不意にメタナイトが立ち止まり前方に視線を投げかけた。
慌て、美鈴もそちらへと目を向ける。
一体何事だろうか――緊張した面持ちで美鈴が目を向けた先にあったものは……。
34代理:2009/03/10(火) 21:48:19 ID:LNokO0m6
333 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:08:33 ID:uXJ6.xoE0
「……何だ、あれは」
「……何でしょうねぇ」

美鈴達の視線の先では、黒い布が歩いていた。
いや、正しくは黒い衣服を着た者が歩いていたというべきなのだろうが……。
ともかく、その姿は色々と突っ込みどころが満載なものである。
太陽が燦々と照りつける中、遮蔽物も何も無い平原でえっちらおっちらと進んでいく黒い布。
余りにも怪しすぎる……美鈴はもとより、メタナイトさえもその光景を見て唖然としていた。

「……どうします、メタさん?」
「どうするも何も、声をかけるより他あるまい」

黒い衣服を着た変質者はまだ美鈴達には気付いていない様子。
このままやり過ごす事も出来そうだが、もしもその変質者が殺し合いに乗っている者だとすれば見過ごす訳にはいかないし。
殺し合いに乗っていなかったとしても、同志として手を組めるかもしれない。
何より、この変質者がメタナイトが見た人影だったかもしれないのだ、接触しない訳にはいかなかった。

そう結論付けると、何故か立ち止まり空を見上げている変質者に美鈴とメタナイトは静かに近づいていく。
近づき注意してよく見ると、その者がえらく小さいという事がわかった。
といっても、メタナイトのようなサッカーボールサイズという程小さい訳ではない。
恐らくは美鈴の腰あたり……丁度、人間の子供程の大きさだ。
だとするとこの黒い布を着ているのも、単に子供が遊び半分な気持ちで着ているだけなのだろうか?

「あの〜……」

驚かせないよう、小さな声でなるべく腰を低くしてその小さな変質者に声をかける。
すると、その小さな変質者は慌てるでもなく、どこか気だるげに美鈴達の方へと顔を向けた。

334 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:09:43 ID:uXJ6.xoE0
……否、正確に言うならば向けたのは顔ではなく、仮面。
その変質者は、何故か今メタナイトが被っているものと全く同じ仮面をつけていた。
衣装と相まってその姿からは小さいながらもどこか不気味な印象を受けるものの、一度声をかけた以上後には引けない。

「あ、えーっと、安心して下さい。 別に怪しいものじゃありません。
 通りすがりのただの木っ端妖怪と、ただのメタさんです。
 この殺し合いにも乗ってはいません、ですからどうか落ち着いて……」
「美鈴じゃない。 どうしてこんな所にいるの?」
「は?」

極力相手を刺激しないようにと低姿勢で話していた最中、突然自分の名前を言われた美鈴は思わず素っ頓狂な声を上げ目を丸くする。
当然だろう、まだ名乗ってもいないというのにこんな変質者から名前を呼ばれては誰でも驚く。
―― 一体どうして自分の名前を知っているのだろうか?
少なくとも、美鈴にはこんな変質者のような知り合いはいない。
これだけインパクトのある風貌をしている者に会った事があるなら、まず間違いなく覚えているはずだ。

「あ、あの……どうして私の名前を……」
「あれ? もしかしてわからないの? 酷いなぁ、美鈴。 幾らこんな格好してるからって、声を聞けばわからない?」
「え、えーっと……」

腕を組み、挑発的な言い方で美鈴を詰る変質者。
一方の美鈴は冷や汗を掻きながら、必死にこの者が誰だったか思い出そうと頭を捻る。
確かに言われてみればその声色は聞き覚えのあるもの。
この口調、この背丈にも覚えはある――だが、一体誰だったかまでは思い出せない。
……そういえば、この変質者は一体どうしてこんな衣服を纏っているのだろうか?
こんなぶかぶかの衣服など、どう考えてもこの場では不利にしかならない。
姿を隠せるという利点はあるかもしれないが、それより何より動きにくくて仕方が無いだろう。
殺し合いという舞台において、動きが制限されるのは大きな痛手だ……なら、態々こんな衣服を着ているという事は何らかの理由があるのだろう……。
35代理:2009/03/10(火) 21:49:05 ID:LNokO0m6
335 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:10:41 ID:uXJ6.xoE0
と、そこまで美鈴は考え――ようやく気付いた。

「……もしかして、フランドール様……ですか?」

青くなりながらそう問いかける美鈴にその変質者――否、黒い衣服を纏ったフランドール・スカーレットは頷く。
それを見て美鈴は更に青褪めながら、この世の終わりとでもいうような絶望した表情で弁明を始める。

「あ、ああああああああああ! もももも、申し訳ありませんフランドール様!!
 今のはちょっとその、アレがソレのナニでして、フランドール様のお声を忘れていたという訳では……」

幾ら仮面をつけて変な衣服を着けているからといはいえ、当主の妹の声を忘れるとは一体何事だろう。
しかも心の中では変質者扱いまでしていたし、こんな事到底許されるようなものではない。
涙目になりながら何度も頭を下げて謝罪を繰り返す美鈴。
このままではスターボウブレイクやらを食らってピチュらされてしまうかもしれないのだからとにかく必死である。
だが、フランドールはそんな美鈴にはまるで興味が無いのか、美鈴の背後にちょこんと立っていたメタナイトを見つめている。

「ねぇ美鈴」
「へひゃっ!? ははは、はい、何でしょうかフランドール様!」
「そこの丸っこいのは何? 玩具?」
「丸ッ……!?」

フランドールの言い方に、メタナイトは少しばかりカチンときたらしくその身を震わせていた。
その光景を見て美鈴は更に慌てふためきながら、二人の間に割って入りこの場をどうにか穏便に流そうと言葉を取り繕う。
メタナイトの怒りをなんとか収め、フランドールにメタナイトの事を簡単に説明する。
気を使う程度の能力を持つ紅美鈴は、二人の間を取り持つ為に愛想笑いを振りまきながら気を使った。

336 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:11:42 ID:uXJ6.xoE0
それから数分後、美鈴達は近くにあった木陰へと場所を移していた。
メタナイトとフランドールの関係も、それなりには修復出来たようで気を使った美鈴も一安心である。
木陰に場所を移した三人は、ひとまず情報交換をする事にした。
まずは美鈴達が今までやってきた事を説明し、出会った人物についても説明する。
その説明の中で喋る剣――ディムロスが出てきた事にメタナイトと美鈴は驚き説明を求め。
また、フランドールが放送をちゃんと聞いていなかったという事実が発覚した為、慌てて美鈴が放送内容を伝えたのだが……。

「ふーん……それじゃあ、美鈴の他に咲夜もいるんだ?」
「は、はい、そのようです」
「それにしても、他の奴らは会った事も無いような奴ばっかりね。
 どうせならお姉さまやパチュリーや魔理沙や霊夢もいればよかったのに」
「……それにしてもフランドール様、今度からはあの放送をちゃんと聞いた方がいいですよ?
 禁止エリアや死亡者の名前など、色々と重要な情報はあれでしか手に入りませんし……」
『その通りだぞ、フラン。 だからあれほど我も早く名簿を見てみろと……』
「うるさいなぁ、二人とも。 こうしてわかったんだから結果オーライでしょ」
「……そういう問題でもないと思うが」

周りにいる三人に一斉に突っ込まれ、
フランドールはその顔――日が当たらない場所に移動した為、仮面は取り外した――に不満の色を浮かべた。
それに気付いた美鈴が、これまた気を使ってすぐさま話題の転換を行おうとする。

「ま、まぁとにかく、私とメタさんはここに連れてこられてからこれまでそうしていた訳で……。
 そ、そういえばフランドール様は心当たりありませんか? メタさんが見た人影について」
「んー、メタナイトがその人影を見たのは美鈴達がいた場所から見てホテルより手前の場所なんでしょ?
 その時間私はホテルの奥側にいたから、わかんないな」
「そそそ、そうですか……」
36代理:2009/03/10(火) 21:50:00 ID:LNokO0m6
337 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:12:42 ID:uXJ6.xoE0
情報交換をしている最中もフランドールの一語一句が気になる美鈴。
それも当然といえば当然、何せ相手はあの悪魔の妹様なのだ。
先ほどから美鈴の説明を聞きつつ、要所要所で自身にも起こった事を話すフランドール。
誰それに会ったとか、戦ったとか、そういう話を聞くたびに美鈴の胃はきりきりと痛む。
まさかもう既に人間を殺して――いや、壊してしまったのではないだろうか?
ホテルにいたとも言っている辺り、あのホテルを倒壊させたのもフランドールなのかもしれない。
誰かを壊す拍子にホテルを倒壊させてしまうなど、フランドールにとっては朝飯前だろう。

「……? どうしたの、美鈴」
「いいいいいいえいえいえいえ、なななな何でもないですよ」

殺し合いに乗っている者は殺す――それが美鈴とメタナイトの行動方針である。
もしもフランドールが既に誰かを殺していたりすれば、美鈴はフランドールと戦わなければならない。
だが、美鈴はそれを望んではいない。
フランドールは美鈴にとって大切な者である、守りたいと思っている。
しかし、それはレミリア・スカーレットに対する忠誠心に比べれば格段に下のものであった。
何にも変えて守り抜きたいと思える程の忠誠を、美鈴はフランドールに対して持ってはいない。
だからこそ、美鈴はこうして一人焦っている。
思わずこのままフランドールから逃げ出してしまいたくなるような感情を抱いてしまうが……。

「ところで、フランドール様は一体どうされていたのでしょうか? 差し支えなければお聞かせ下さい」
「ん? えーっとねぇ」

そういう訳にもいかない……微妙に生真面目な紅魔の門番は、自身の思いとは裏腹にフランドールに対して問いかける。
心の中でどうか誰も殺していませんように、と祈りながら美鈴はフランドールの言葉を固唾を飲んで聞く。

338 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:13:46 ID:uXJ6.xoE0
「まずはね、テトと赤さん――ラガナーに会ったの。
 えーっと、地図でいうと大体この辺だったかなぁ」

フランドールは開いていた地図のD-4エリアを指差しながら、そう説明する。
それを聞きながら美鈴は内心、初っ端からとんでもない情報が来てしまったと嘆く。
先ほどの放送により赤さんという人物が死んでいるという事はわかっている。
その人物と出会ったという事は……否が応にも、思考はそちらの方へと傾いていく。

「で、その二人と弾幕ごっこをして遊ぼうと思ったんだけど……」
「おおおおお、思ったけど……? どどどどどうしたんですか、フランドール様」
「うん、だけどラガナーが弾幕ごっこよりも面白い遊びを教えてくれるって言ってね。
 だから一旦弾幕ごっこは止めて、ラガナー達と一緒に右上と左上って奴を倒そうって事になったの。
 ラガナーが言うには、その遊びって右上と左上を壊さないと教えられない事になってたんだって」
「な、なるほど……」

どうやらその赤さんがフランドールに殺されたという事ではないらしい。
面白い遊びを教えてくれると言ってフランドールの遊びから逃れた赤さんに、
心の中で賞賛を送りながら美鈴は更に先を話すよう促す。

「それで、その後私たちはホテルに行ったの。 日の出の時間になりそうで、危なかったからね。
 そしたらそこで金髪で上半身裸なムキムキの男……えっと、ブロリーって名前だったかな? そいつに弾幕ごっこ仕掛けられて……」
「だ、弾幕ごっこですか!?」
「うん、そう。 それで頭きちゃったから、壊してあげようと思ったんだけど……。
 そいつ、結構強くってね。 なんか上手く目も見つけられないし、壊せなかったんだよねぇ」
「フ、フランドール様が……ですか?」
37代理:2009/03/10(火) 21:50:49 ID:LNokO0m6
339 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:14:55 ID:uXJ6.xoE0
幾ら制限を受けているとはいえ、フランドールの力は強大なものだ。
あらゆる物を壊す程度の能力が使えなかったとしても、単なる腕力などは常人の比ではない。
何せ妖怪としてそれなりの実力を持つ美鈴さえ軽くねじ伏せる事の出来る力を持っているのだから、単純な力ならば幻想郷でも指折りのものである。
そんなフランドールの実力を持ってして壊せなかった男とは、一体どのような者なのだろう。

「それで……それで、フランドール様はどうされたのです?」
「ん、まあ、ちょっと危なかったんだけど、テトがこの首輪を爆発させる偽の装置を持ってたから、その場は助かったの」
「偽の?」
「うん、スイッチ押すとこの首輪が鳴って爆発までのカウントダウンをするの。
 本物じゃなくて偽だから、カウントするだけで本当に爆発はしないんだけどね。
 まあそれで、その男が逃げたって訳」
「な、なるほど……それでフランドール様、その男に襲われてお怪我などは無いのですか?」
「ん? もう殆ど治っちゃってるし大丈夫よ」

治っている……という事は、怪我をしたという事だ。
悪魔の妹に傷をつけたという男・ブロリー ――間違いなく、強敵である。

「で、その戦いでラガナーは死んじゃって、テトも恩人に会いに行くんだ〜ってどっか行っちゃったのよね。
 だから私はこうやって一人と一振りだけでこれを着ながら歩いてたって訳」
「なるほど……よくわかりました」

話を聞く限り、赤さんとやらを殺したのはフランドールでは無いようだ。
その事実に美鈴は安堵し、大きな溜息を吐く。
よかった……フランドールと戦う事にならなくて済んだ。
心の底からそう思いつつ……しかし、美鈴は気付いてしまう。

340 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:16:47 ID:uXJ6.xoE0
フランドールが赤さん達を壊さなかったのは、赤さんが弾幕ごっこよりも面白い遊びを教えると言っていたからだ。
その言葉の真偽はともかく、赤さんとやらは死んでしまった。
ならば、フランドールがその赤さんに遊びを教えて貰う事は無くなってしまい……。
必然的に、フランドールが誰も壊さないという保障もまた無くなってしまう。

「……ところでフランドール様」
「ん、何? もう知ってる事は全部話したんだけど?」
「いえ、その事に関してはわかったんですが……そのですね。
 ……フランドール様はこれから一体、どのように行動されるおつもりなのかな、と思いまして」
「これから? テトを探すつもりだよ、だからそのテトがいそうな酒場に向かってたの」
「探し出して……どうされるおつもりで?」

もしも弾幕ごっこをする、壊して遊ぶ――などと言われれば、一巻の終わり。
美鈴の横で静かにフランドールの言葉を聞いているメタナイトも黙ってはいないだろう。
そうなってしまえば、流石の美鈴も再び二人の仲を取り持つ事は出来ない。
どうか普通に遊ぶだとかそういった類のほのぼのとした行動方針であって下さい……と祈りつつ。
美鈴は静かにフランドールへと目を向け――驚いた。

表情はいつもと変わりない、非常に愛くるしいいつものフランドールの顔がそこにはあった。
だが、何かが違う。

紅美鈴の能力は、気を使う程度の能力。
気とは気功――その人物の精神の具現である。
人の波長を操る新参ホイホイや空気の読めるナイトフィーバーな竜宮の使いのそれとは若干異なるものの。
美鈴には人の気を感覚的に把握が出来る。
38代理:2009/03/10(火) 21:51:52 ID:LNokO0m6
341 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:18:27 ID:uXJ6.xoE0
今、美鈴がフランドールから感じている気はいつものフランドールのそれとは似て非なる物。
人間ならば見ただけで失禁してしまうかのような狂気の中に、今のフランドールにはそれとは違う別のものが隠されていた。
無論、それは本当に些細なものであり――美鈴がそれに気付けたのは気を使う能力を持っていたからこそ。
外見を見ただけならば、恐らくはレミリアでさえその違いに気付かないだろう。

「あの……フランドール様?」
「ねぇ美鈴」

思わず出た言葉を遮り、フランドールは美鈴に目を向ける。
いつもとは違うフランドールの姿に、何故か怖気ながらも美鈴は彼女の言葉を待った。
……否、怖気ながら、というのは正しくないかもしれない。
美鈴は恐れているのではない。 怖い訳ではない。
怖いというのなら普段のフランドールの方が、何倍も恐ろしい。
――畏敬、言葉で表すのならば美鈴の心中に渦巻く感情はそう表現した方がいいだろう。
そんな心中を知ってか知らずか、フランドールは美鈴に問いかける。

「美鈴は、"歪みねぇ"って、どういう事だかわかる?」
「……歪みねぇ、ですか?」
「そう。 ラガナーがね、死ぬ前に言ってたの。 "歪みある生き方"と"歪みねぇ生き方"。
 どっちが楽しいか、よ〜く考えてみな、ってね」
「……その赤さんという方が、ですか」
「うん。 でも、私には"歪みねぇ"っていう事がわからないからさ。
 それを知ってる人に教えてもらおうと思って、それでとりあえずテトを探そうとしてたって訳」

虚空を見つめながら、晴れ晴れとした表情でそう言い切るフランドール。
その顔を、美鈴は信じられない物を見るような表情で見つめる。

342 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:19:17 ID:uXJ6.xoE0
紅魔館に仕えて長くなるが、フランドールのこのような表情を美鈴は今の今まで見たことが無い。
フランドールの今の表情は、例えるならばスポーツで試合に勝利した時のような爽快な笑顔。
人間を壊し、玩具を壊し、その感触に悦び見せる笑顔とは根本からして違う。
恐らくは"歪みねぇ生き方"が本当に面白いのかどうなのか、期待をしているからこそ見せている笑顔なのだろう。
"歪みねぇ生き方"とやらが、もしもフランドールにとって楽しくないものであればこの笑顔もまた狂気に満ちたものへと豹変する。
だが、例えそうだとしても、今この場にいるフランドールの笑顔がかつてのものと微細ながらも違う事は事実である。

先ほど感じた、フランドールから発せられる気がいつもと微妙に違うというのもこれが原因なのだろう。
赤さんという人物はたった数時間程の付き合いの中で、
何百年と不変を続けたフランドールの精神さえも僅かとはいえ変えてしまったのだ。
無論、今少しでもその"歪みねぇ生き方"というものよりも楽しそうなものが見つかればフランドールはそちらを優先するだろう。
しかし、それでもフランドールは紅魔館に居た時と比べて変わっている――否、変わり続けている。


◆◆◆◆◆ここまで前編◆◆◆◆◆
39代理:2009/03/10(火) 21:52:43 ID:LNokO0m6
◆◆◆◆◆ここから後編◆◆◆◆◆

  「……美鈴?」

不意に、座り込んでいた美鈴は立ち上がりフランドールの前へと進むと片膝をついて頭を垂れる。
片腕を地につけ、もう片腕を胸に押し当て目を閉じる美鈴。
その様子を見て、メタナイトとフランドールは思わず眉を顰める。
一体何事か――思わずそう聞こうとした瞬間、美鈴はその固く閉じていた口を静かに開いた。

「申し訳ありません、フランドール様。
 この紅美鈴、そのお話を聞くまではフランドール様の事をお疑いしておりました」
「疑い?」
「はい。 フランドール様がこの殺し合いに乗っているものかと……そう」
「あー……なるほどね」

343 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:20:13 ID:uXJ6.xoE0
美鈴の言葉を聞いて、フランドールは頷く。
別におかしな事ではない、というより美鈴がそう思ってしまうのも仕方の無い話だ。

「別にいいよ、気にしてないし。 っていうか、今もそんなに変わらないしね。
 テトに"歪みねぇ生き方"を聞くつもりだけど、もし強そうな奴に襲われたら壊しちゃうだろうし」
「ですが、弱い者などは壊さないおつもりなのでしょう?」
「ん……まあ、そうね」

あくまでも最優先事項は"歪みねぇ生き方"とやらを知る事。
弱い者と遊ぶのはあまり興味が引かれないし、無駄な殺生をするつもりは今のところは無い。
もっとも、弱い者でも突っかかってきたりすれば問答無用で壊してしまうだろうが……。

「それに、あまつさえ私は、もしもフランドール様が殺し合いに乗られているならばフランドール様に手をかけようとまでしていました」
「美鈴が? 私を?」
「はい」
「ふーん。 まあ、炒った豆とか持ってたら、美鈴でも私を倒せるかもね。
 でもいいよ、別に。 だって美鈴はお姉様の従者なんだし、私はただのおまけだもん。
 出来るかどうかはともかく、やろうと思っても仕方ないよ」

咲夜も美鈴も、そして紅魔館で働く妖精メイド達も全てはフランドールの姉、レミリア・スカーレットのものである。
フランドールはそのレミリアの妹だからという理由で世話をされているだけ。
本音を言えば、誰だって無駄に力を持つ気の触れた吸血鬼の世話なんてしたいと思っている訳が無い。
紅魔館にいる誰もが、フランドールに忠誠を誓っていないだろうという事はフランドール自身がよくわかっていた。
40代理:2009/03/10(火) 21:53:32 ID:LNokO0m6
344 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:21:40 ID:uXJ6.xoE0
「それで? 話は終わり? 私は別に……まあちょっとイラッとはきたけど、そんなに気にしてないし。
 美鈴もそんなに気にする事ないよ、っていうかどうでもいい」

手をひらひらと振り、姿勢を崩せと指示するが美鈴はその指示には従わない。
ただ、垂れていた頭を上げ真っ直ぐな視線をフランドールへと向けた。
その瞳には先ほどまでへらへらと愛想笑いを浮かべていた面影は微塵も残っていない。
そこにあるのは紅魔の門として長い年月を過ごし、重ねる毎に増していた主への忠誠心と同じもの。
敬服と羨望、そして畏敬を込めた視線で――美鈴はフランドールを見つめる。

「もしもその無礼が許されるならば、フランドール様に仕える事をお許し願いたく思います」
「……本気で言ってるの?」
「勿論です」

美鈴のその瞳に、嘘は無い。

「……私に仕えたとして、お姉様はどうするのよ?」
「フランドール様への忠誠が、レミリア様への忠誠の妨げになるものでは無いかと存じます。
 私は……レミリア様とフランドール様、お二方に仕えたい」
「ふーん……」

本来ならば、美鈴の発言は言わなくてもいい事である。
自分からわざわざ、今まではフランドールに忠誠を誓っていなかったと言っているのと同義なのだから。
もしもフランドールがその事に怒り、美鈴を壊していれば一大事である。
しかし、それでも美鈴はその言葉をフランドールに伝えた――いや、伝えなければならなかった。

言葉にし、忠誠を誓う事を明言し、その者に認められなければその者の従者足り得ない。
心の中で思うだけでは意味が無いのだ。
主従とは、主人が従者を信頼し、従者が主人の言葉を忠実に守らなければならない関係。
ただ誰かの為に勝手な思いを抱いて勝手な行動をしているだけならば、それは従者でも何でもなくただの思い込みの激しい馬鹿である。
だからこそ、美鈴はフランドールに従者として認めて貰わねばならなかった。

345 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:22:34 ID:uXJ6.xoE0
「……わかったわ」

小さく溜息をつき、しかし出来るだけ真剣な顔を作ってフランドールは衣服を正し姿勢を伸ばす。
頭の中で完全で瀟洒な従者に何かを命じる時の姉の姿を思い起こしながら、
威厳を見せ付けるかのようにその小さな手を美鈴の方へと伸ばして口を開いた。

「紅魔の門・紅美鈴、貴方は今この時より、この私――フランドール・スカーレットの従者よ。
 貴方の血も、肉も、全ては私とお姉様――レミリア・スカーレットの物。
 私達の言葉には歯向かわず、ただ全てを私達に捧げ、私達の為に行動なさい」
「かしこまりました、フランドール"お嬢様"」

再び頭を垂れ、伸ばされたフランドールの手にそっと触れる美鈴。
その瞬間、ここに新たな主従が誕生した。

姉の持つ従者に比べれば、とてつもなく頼りないかもしれない目の前のお人好しな妖怪。
しかし、この妖怪は――フランドールの為に、全てを捧げると今ここで誓ったのだ。
その事実にどこか不思議な気持ちになり、思わず笑みを浮かべてしまいそうになる顔の筋肉を必死で押さえながら。
フランドールは美鈴から離れて、言葉を紡ぐ。

「それじゃあ儀式はこれでお終いね。
 あー、気持ち悪い。 あんな台詞もう二度と言いたくないわ。
 美鈴の血も肉も、捧げられたって美味しく無さそうだし」
「申し訳ありません、私の為に……」
「美鈴もその言葉遣いやめてよ、咲夜のパチもんみたいで何か気持ち悪い」
41代理:2009/03/10(火) 21:54:21 ID:LNokO0m6
346 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:23:18 ID:uXJ6.xoE0
べー、と舌を出しながらうんざりとした表情でそう言うフランドール。
その言葉を受けて、美鈴はようやく固めていた表情を柔和なものへと変え、笑顔で返答する。

「そうですか? なら、お言葉に甘えて……。
 いやぁ、やっぱり堅い台詞って疲れますね。 こんな台詞を毎日レミリアお嬢様に言ってる咲夜さんは凄いです」
「ま、気楽にやりましょ気楽に。 堅苦しいのは嫌いだし、楽しくないもの」
「同感です、フランドールお嬢様」

へらへら笑いながら頭を掻きつつ姿勢を崩し、リラックスしきる美鈴。
心底疲れた顔をしながら、溜息をつき気だるげに視線を明後日の方向に向けるフランドール。
先ほどまでの雰囲気はどこへやら、辺りが一気にだらけた空気になる。

「……話し合いは終わったか?」
「あら、いたの? どっか行っちゃってたと思ったわ」
「第三者が介入出来るような場面では無かったからな……」

不意に声をかけてきたのは、仮面の騎士メタナイト。
美鈴とフランドールが問答をしている間、ずっと近くにいたのだが……。
どうにも、二人だけの空間になってしまったが為に口を挟めない状況にいたらしい。

「どうもすみません、メタさん」
「む……何、構わん。 それよりも、今後の事だがな……」
「ああ、そういえば美鈴とメタナイトは壊し合いしようとしてる奴を壊そうとしてるんだっけ」
「……お嬢様、壊し合いではなく殺し合いです」
「いいじゃない、どっちだって似たようなもんでしょ」

347 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:24:02 ID:uXJ6.xoE0
美鈴の突っ込みにまるで動じず、フランドールは言葉を続ける。

「なら、今まで通り二人で一緒に行動なさいよ。
 二人は南に向かってたんでしょ? 私は北の酒場に行くんだし、方向は別々。
 それに、二組に別れた方がテトを探すのが楽になっていいわ」
「ちょ、ちょっと待って下さいお嬢様! 私はお嬢様のお傍に……」
「いいからテトを探してきなさいって言ってるのよ。 それとも命令に歯向かうつもり?」
「む……うぅぅ……」

そう言われてしまっては、美鈴も反論は出来ない。
小さく頷き、肯定の意を表す。

「この服を着てても夜みたいに完全に自由に動きまわれる訳じゃないしね。
 美鈴はバーッと駆け回ってテトを探して頂戴」
「かしこまりました……」

従者として、そして紅魔の門としての本意は、やはり主人の身の安全を守る事である。
しかし、主命は絶対のものであるしその主命も理に適ったものであった。
正直言って例え肌を隠せる衣服を纏っているとはいえ、昼にフランドールを一人で歩かせる事に不安はある。
だが、主人がそれを望んでいる以上言う通りにするより他に無い。

「では、お嬢様……こちらをどうぞ」
「ん? 何これ?」

不意に美鈴がデイパックから取り出したのは、薄い冊子。
手に取り見てみると、表紙には『上演時刻表』と書かれてある。
42創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 21:54:48 ID:eTs1/Vbi
支援
43代理:2009/03/10(火) 21:55:08 ID:LNokO0m6
348 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:24:57 ID:uXJ6.xoE0
「この近くにある映画館という施設に置いてあったものです。
 酒場に行ってから寄るとするならば……12:00の開演には間に合うんじゃないでしょうか?」
「映画館? 何それ?」
「私もよくわかんないんですけど、何か白幕に映像を映し出して見世物にする施設らしいです。
 まあ、紙芝居の延長みたいなもんじゃないですかね」
「ふーん、それって面白いのかしら?」
「どうでしょう? 私は見てないので、内容までは確認出来てないんですが」
「ま、いいわ。 見てみればわかる事だしね」

受け取った冊子をデイパックに入れながら、フランドールはそう呟く。
この冊子を美鈴がフランドールに手渡した理由は簡単なもの。
もしも酒場にテトがいなかった場合は、美鈴達が探して連れてくるまでこの映画館で待っていろと言っているのだ。

「無理はなさらないで下さいねお嬢様、昼の間は極力施設の中で過ごすようにして下さい」
「わかってるってば。 まぁ、とりあえず日が沈むまではこの映画館ってとこにいるつもりだから」
「はい。 私達も、テトさんが見つかる見つからないに関わらず日が沈むまでには映画館に向かいますので。
 もしも映画館が禁止エリアに指定されたら、酒場に集合という事で」
「見つかる見つからないじゃないわ、見つけるのよ美鈴」
「あうっ……し、失礼しました」

ぺちん、と額にデコピンを食らって涙を浮かべる美鈴。
ただのデコピンとはいえ、それがフランドールのものならば下手な者だとあべし!な事になってしまう威力があるのだ。
赤くなった額を擦りながら、美鈴は立ち上がってデイパックを肩に下げ、南の方向へと顔を向ける。

349 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:26:10 ID:uXJ6.xoE0
「では、一旦お別れですねお嬢様」
「ん、まあそっちも頑張ってね。 あ、それと美鈴」
「はい?」
「テトの他に、兄貴って奴も探してくれない? ラガナーがそいつの事も言ってたから」
「兄貴……さんですか?」

別に探し人が一人や二人増える事に問題は無い。
だが、気になったのはその探し人の名前だ。
赤さん、という人物は先ほどの放送で呼ばれたし名簿の中にも確かにあった。
しかし、兄貴という名前は名簿には載っていないはずである。

「あの、その方のお名前はわからないんですか?」
「それがわかんないのよね。 話によれば、凄いムキムキのマッチョマンだっていう事だから。
 手がかりはそれだけかな」
「なるほど……わかりました」

名前がわからないというのは少しばかり厳しいが、体型がわかっているというのはいい情報だ。
というよりも、こういった状況において人物を探す場合。
名前がわかるよりも体型や服装がわかっている方が、むしろ探しやすいかもしれない。

「では、これで! 行きましょうメタさん」
「うむ」

そう言い、南の方角へと駆け出す美鈴とメタナイト。
流石に身体能力の高い二人だけあって、数十秒経てば二人はあっという間に見えなくなってしまった。
44創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 21:55:27 ID:eTs1/Vbi
支援
45代理:2009/03/10(火) 21:55:54 ID:LNokO0m6
350 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:27:16 ID:uXJ6.xoE0
「ふぅ……」

二人が向かった方角を見ながら、フランドールは一人静かに溜息を吐いた。
と同時に、何故か自然に浮かんでくる笑み。
何がそんなに嬉しいのか……未だ己の心中に芽生えた気持ちに納得のいかないまま、しかしそれをどうする事も出来ず。
フランドールはにまにまと引きつる頬を懸命に手で抑える。

『……よかったではないか、フランドール』
「ん、何が?」

不意に、今までそれほど喋っていなかったディムロスがフランドールへと声をかけた。
まだにやつく顔に四苦八苦しながら、フランドールはディムロスの言葉を適当に聞き流す。

『何が? じゃない。 お前の元の世界の仲間に出会えたのだ、これがよかったと言わずに何と言える』
「美鈴は仲間じゃないわ、従者よ従者」
『細かい事だ、気にするな。
 それに、彼女はお前の為に全てを捧げると言ったのだろう?
 生半可な覚悟で、このような場所でそんな事を言えるはずもない。 それだけお前が慕われているという事だ』
「……慕われている?」

適当に聞き流すつもりだったディムロスの言葉に、思わず反応する。
慕われる? ――この、フランドール・スカーレットが?

『違うのか?』
「……よくわかんないや」

351 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:28:18 ID:uXJ6.xoE0
少なくとも、今まで生きてきた人生――もとい、吸血鬼生の中でそんな言葉はフランドールには無縁だった。
大抵の者がフランドールに向ける感情といえば、恐怖と絶望くらいなもの。
紅魔館によく遊びに来る白黒の魔法使いや、自身の姉であるレミリアがフランドールに向ける感情にしても。
親愛や情愛であって、慕うというものとは微妙に違う。

「…………」

美鈴がフランドールに向けた感情は畏敬、畏れ敬うものである。
それは恐らく、フランドールが今までに受けた事の無い感情。

「そっか……」

或いは、フランドールはその感情を美鈴から向けられて……狼狽していたのかもしれない。
数百年と生きてきた中で、生まれて初めて誰かに敬われたのだ。
ただ形だけのものではなく、心の底からの忠誠と共に。
レミリアがいつもは独り占めしていた、その敬い慕われるという立ち位置に。
今、フランドールは初めて立った。

『ところで、まだ移動はしなくていいのか?』
「……あんたって、本当に余計な茶々を入れてくるわね。
 メタナイトに無理矢理押し付ければよかったかしら」
『本音を言えば我もあの者に使われたい、少なくともお前よりは大事にしてくれそうだからな。
 だが、その本人がそれを否定した以上、それは無理というものだ』

メタナイトが剣を探していると言った時、フランドールはすぐさまディムロスをメタナイトに譲ろうとした。
別に親切心からそうしようとした訳ではない、単に口煩いディムロスから離れたかっただけである。
46代理:2009/03/10(火) 21:56:40 ID:LNokO0m6
352 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:29:25 ID:uXJ6.xoE0
だが、メタナイトはそれを拒んだ。
彼曰く、既にフランドールとディムロスは相応の信頼関係を築いており。
その関係を断ち切ってまで剣を手に入れようとまでは思わない、という事だった。
フランドールにとって、ディムロスはただの口煩い剣でしかないのだが。
そう言われてしまっては無理に渡す事も出来ない。

「……ま、いいわ。 それじゃ行きましょうか」

外していた仮面を付け、ちゃんと全身の肌が隠れている事を確認してから、フランドールはデイパックを手に取り歩き出す。
先ほど美鈴達が向かった方向とは真逆の方向、北へ向けて。

「まずは予定通り酒場に行きましょう」
『その後は映画館で映画を鑑賞し、彼女達が戻ってくるまでの時間を潰すのだったな。
 まあ、幾らその服があるとはいえ昼に動き回るのは流石に危険過ぎる。
 どこかの施設の中で無難に過ごすのは正しい判断だ』
「あら? 私はバリバリ動き回るつもりだけど?」
『……はぁ!?』

珍しくフランドールが慎重な案を取ったという事で、関心したかのように呟いていたディムロスにフランドールは無情にも告げる。

「映画っていうのは確かに見るつもりだけど、その後映画館にいるだけじゃやっぱりつまらないだろうしね。
 美鈴が帰ってくる前に映画館にいれば、美鈴にはバレやしないわ」
『……お前という奴は』

353 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:30:25 ID:uXJ6.xoE0
剣の癖に「頭が痛い」……などと言っているディムロスは放っておいて、フランドールは歩き出す。
ひとまずの目的地は酒場。
そういえば……と、不意にフランドールは思った。
美鈴はつい先ほどまで、フランドールを畏敬の念ではなく懐疑の念を込めて見ていたはずだ。
それがどこをどう間違ったか主従の関係を結ぶような結果になってしまったのだが……。
だとすれば、一体何が美鈴の心境をそのように変化させたのだろうか?

「……ま、どうでもいっか」

きっと考えてもわからない事だ、なら考える必要は無いし正直面倒臭い。
すっぱりとその事に関する考えを止め。
フランドールは、テトがいるかもしれない酒場とまだ見ぬ映画という娯楽に胸を膨らませながら歩いた。

【D-2 中央部/一日目・朝】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:全身に怪我 (再生中。少し良くなった)、疲労(小)、美鈴を信頼
【装備】:ディムロス@テイルズオブデスティニー、ゼロの衣装セット@コードギアス
【持物】:基本支給品×2、映画館パンフレット
【思考】
1、テト達と再び合流して『歪みねぇ生き方』が楽しいか確かめる。テト達はお酒のあるところ(C-1の酒場)にいると思っている。
2、酒場にテトがいない場合、映画館で映画を見た後移動し、日暮れまでに映画館に戻る
3、パンツレスラーになりたい!
4、右上・左上を殺す。
5、もっと色々なことを知りたい。
※ディムロスの声は、誰にでも聞こえるようです。
※ディムロスの使用により、術が使えるようになりました。
※「ゼロの衣装セット」を着ているため、朝でも活動できます。翼は服の中なので飛べない。
※服が破れると太陽に晒される危険があります。
※美鈴達と情報交換をしました。
47創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 21:56:43 ID:eTs1/Vbi
支援
48代理:2009/03/10(火) 21:57:35 ID:LNokO0m6
354 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:31:10 ID:uXJ6.xoE0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

その光景を、離れた木の陰から見つめる者が一人。
銃を片手に持ち、憎悪に歪んだ顔でフランドールを睨みつけるその男は、フランドールが移動した事に安堵しつつ唾を吐きながら立ち上がる。

「畜生……なんでこの俺がこんな乞食みたいな真似しなきゃならないんだ」

這い蹲っていた為に、服についた草や土を払いながら苦々しげな口調で呟く。
彼は元々、南に見えた影を追う為に移動をしていた。
比較的急いで移動した為か、案外あっさりとその影は見つかったのだが……。

「何なんだ、あの丸っこいチビは……!」

近くにあった石ころを蹴飛ばし、吐き捨てるように呟く男。
そう、彼は見てしまったのだ――赤い髪をした女性の隣でひた走るマントを羽織った一頭身を。
その一頭身が恐らくはあの時こちらを見ていた丸い何かなのだろうが……。
学校に纏わる怪談をかなりの数知っている新堂とは言え、マントを羽織った一頭身の話など聞いた事も無い。
みさおと別れる原因になった豹人間といい、もしかしたらこの場所にはもっと多くの妖怪が潜んでいるのかもしれない。

平原で立ち尽くし、その男――新堂誠は考える。
丸い一頭身を見てから、新堂は彼らには気付かれないように極力注意を払って備考しここまでやってきた。
そうして、あの全身黒尽くめの奇妙な衣装をつけたコスプレ少女と一頭身達が合流した場面を見。
その後の展開を隠れながら見守っていたのだが……。

「一体あいつらは、何の相談をしてたんだ?
 それに、あいつらはこれから一体何をするつもりだ?」

あの様子からして、コスプレ少女と赤い髪の女性は知り合いと考えて間違いない。
肝心の相談内容までは聴こえなかったが……ともかく、そこはまず確定的な事実だろう。

355 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:32:20 ID:uXJ6.xoE0
だとすれば、一見無害かと思っていたあの赤い髪の女性も怪しくなってくる。
よくよく考えてみれば、あの一頭身と親しげにしていたし奇妙なコスプレ少女とも親交があったようだ。
少なくとも、まともな人間だとは思えない。

「って事は、どう考えても相談してた内容はよからぬ事だろうな……どうせどうやって人間を皆殺しにするかとか考えてたに違いない。
 放ってなんて、おけないよな……」

それに、"復しゅう"もしてやらなければならない。
あの一頭身達のせいで服は汚れてしまったし、何よりあいつらに集中し過ぎていて途中で流れた放送は殆ど耳に入ってこなかった。
辛うじて禁止エリアについては聞き取れたものの、死亡した者の情報などは全部聞き流してしまったのだ。
それもこれも、全てはあの一頭身達のせい……"復しゅう"をしなければならない。

「あの一頭身は大した事無さそうだが……何せ二人組だし、女の方もタッパが結構あった。
 なら……やるならやっぱり、あのコスプレ女の方だな」

そう結論づけると、新堂はデス・クリムゾンを握る手に力を込めて周囲の様子を伺いつつ駆け出す。
向かう先はコスプレ少女――フランドール・スカーレットが向かった方向、北。
わざわざ今まで歩いてきた道程を逆走する事に更に苛々を募らせながら。
新堂誠は、"復しゅう"を決意しフランドールの後を追った。
49代理:2009/03/10(火) 21:58:32 ID:LNokO0m6
【D-2 中央部/一日目・朝】
【新堂誠@学校であった怖い話】
[状態]:殺人クラブ新堂、悪霊、精神的イラつき
[装備]:クリムゾン(弾数6/6、予備弾24/36)@デスクリムゾン
[道具]:共通支給品、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:主催者に“復しゅう”する
1:デパートに行く前にコスプレ少女(フランドール)に"復しゅう"する
2:川沿いにデパートに行って人を探すぜ
3:豹人間…?怖くなんか…ない…ぜ?・・・怖い
4:他人とは協力したいけど邪魔なようなら“復しゅう”する
5:ストレスを無くしたいな……
※放送を聞き逃した為、みさおが死んだと思っています。
※アポロを参加者ではなく、豹の化け物と認識しています。
※クリムゾンに最初から装填してあった弾6発は湿って撃てなかったため、使えなくなったと思い廃棄しました。

356 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:33:14 ID:uXJ6.xoE0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

メタナイトと美鈴が南に駆け出してからしばらく、二人の間には奇妙な沈黙があった。
今の今までならば、美鈴が何かしらメタナイトに話しかけメタナイトが言葉少なくそれに返答するという形で会話があったのだが。
何故か、今の美鈴はきゅっと固く口を閉ざしてメタナイトに話しかけようとはしない。
矢張り心配しているのだろうか……と、メタナイトは内心、今まで美鈴が見せた事の無いその真剣な表情を見て思う。
それも無理からぬ話――何せ、日が暮れるまでは映画館にいると約束したとはいえ。
フランドールは好奇心旺盛な子供のようなものだ……大人しくしているとは到底思えない。
内心溜息を吐きつつ、しかし、メタナイトは何も言わず美鈴と併走する。

一方の美鈴は、やはりメタナイトの大方の予想通りフランドールの身の心配をしていた。
例えば、今が夜だとするならばこの心配も幾らか減るものだろう。
だが、今は朝――これからまだまだ10時間近くは、ずっと太陽が顔を出しているのである。
もしもあの衣服が破れたり、脱がされた状態で日の光に晒されてはフランドールはただでは済まない。
その事を考えると、今こうしてメタナイトと共に参加者を探し回るという行為は主君の為にならないのでは無いか――と思ってしまうが。
しかし、これはその主君が望んだ事なのだ……反故には出来ない。
それに、今更メタナイトの事を一人放っておいて行動するというのも気が引けるし……。
或いは、自身が彼女の傍にいない方が何かしらいい方向に動く可能性もある。

美鈴がフランドールに忠誠を誓ったのは、彼女が紅魔館にいた時と変わったからである。
紅魔館にいた時には狂気しか感じられなかった彼女から――ほんの少しの違う気質。
彼女風に言うならば……"歪みねぇ"気質が、感じ取られたのだ。
もしかしたらそれは、単に狂気の歪みがなくなっただけなのかもしれないが……ともかく、彼女は変わったのである。

美鈴はその事実に対し、驚きと共に喜びを覚えた。
50代理:2009/03/10(火) 21:59:26 ID:LNokO0m6
357 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:34:01 ID:uXJ6.xoE0
元々、美鈴はフランドールに忠誠こそ誓ってはいなかったものの、決して嫌っていた訳ではない。
レミリアよりは下だが、それでも相応に好意を抱いていた。
あくまでもそれは相応に、というレベルのものであって何に変えても守りたいというものではなかったのだが……。
変わった彼女を見て、美鈴のその考えはあっさりと吹き飛んだのだった。

今のフランドールに、レミリアのような威厳などがあるかといえばそれは嘘になる。
だが、それでも、フランドールにはレミリアには無い何かがあった。
いや、この場に連れてこられて……その何かが、生まれた。
それを見つけた時、美鈴は悟ったのだ。
――この方にも仕えたい、と。 心の底から。

一見して門番の職務を放棄していつも昼寝ばかりしており、黒白に吹き飛ばされるだけの少女という認識がされがちで、
どうも過小評価を受ける事の多い美鈴であるが、それは間違いである。
彼女は紅魔館の門を守る番人――つまり、紅魔の武力の象徴といっても過言ではない役職を務めているのだ。
その戦闘力はちょっとやそっとの妖怪程度なら軽くあしらう事の出来るもの。
加えて、そのような重大な職を任されているという事は、当然主への忠誠は高い。
幾ら実力があろうと、忠誠が無いものを門番などという重大な役割に指名しないだろう。

紅美鈴が主へ向ける忠誠の心は、その側近である十六夜咲夜のものに勝るとも劣らないもの。
だからこそ、今回、美鈴がフランドールにもまた仕える事を明言したという事実は驚くべき事である。
己の当主――レミリアに向ける忠誠の心がそれほど絶大なものである、という事は。
つまり、それだけ美鈴の意思は堅いものであるという事。
忠誠の心とは何を言われても、そしてその者がどれだけ変わってしまおうとも。
その者を信頼し全身全霊を尽くす事なのだから、忠誠心が大きければ大きい程、その者の意思は堅い。

つまり、フランドールはそれだけ堅い美鈴の心を掴み取り。
己の従者にするほどの魅力を持ち合わせていたのだ。

358 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:34:48 ID:uXJ6.xoE0
今の美鈴に迷いは無い、その肢体も精神も、全てはフランドールとレミリアのもの。
そして、この場にいるのはフランドールだけ。
ならば全身全霊を持ってして、己はただフランドールに尽くすのみである。

走りながら、美鈴は冷静に考える。
当面の目的が参加者を探し回る事であるが――それとは別に、警戒をしておくべき事があった。
まずはフランドールが見たというブロリーという男の事。
フランドールが怪我を負うという事態にまでなった男なのだ、美鈴ならば相手にするのは絶望的だろう。
だが……もしも見つけたならば、美鈴は問答無用でその男に戦いを挑むつもりである。
己が主人に傷をつけ、また、生かしておいては必ずや主人の害悪ともなろう人物を見過ごす訳にはいかない。
従者としては、戦いを挑み排除するという選択肢以外に取るべき行動は見当たらない。

次に動向が気になるのは……己の知り合い達。
その中で最も気にかかるのは、十六夜咲夜の事である。
彼女もまた、自分達と同じ紅魔に籍を置くもの……ならば共闘が出来るのではないか、と思うかもしれないが……それは違う。
むしろ、この場において最も注意すべきはその十六夜咲夜だ。
美鈴と同じく、彼女もフランドールには絶対的な忠誠を誓ってはいなかったはず。
だとすれば、彼女がフランドールを殺しにかかるという選択を取ってもおかしくはない。
何より、彼女は美鈴よりも格段に冷淡であり、話し合いの通じるような相手でも無いのだ。
今のフランドールの姿を見せ、心変わりを誘発しようとしても、それは徒労に終わる可能性が高い。

「…………」

小さく息を吸い、呼吸を整えて前を向く。
51創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:00:07 ID:eTs1/Vbi
誠死にそうw支援
52代理:2009/03/10(火) 22:00:12 ID:LNokO0m6
359 :色鮮やかに虹色な従者 ◆0RbUzIT0To:2009/03/10(火) 21:35:40 ID:uXJ6.xoE0
フランドールに忠誠を誓ったその時より、美鈴にとってのこの場で一番大切な存在はフランドールである。
故に、彼女の害となる人物は全て従者であるこの紅美鈴が排除しなければならない。
――否、殺し合いをして彼女を優勝させるという意味ではない。
それは(少なくとも今のところは)フランドールも望んでいない事である。
彼女の害となる人物とはつまり、殺し合いに乗ってる者――彼女を排除しようと向かってくる者全て。

例え、親しいものだったとしても……美鈴に迷う事は許されない。
完全で瀟洒な従者がフランドールに牙を剥こうとすれば、紅魔の門はそれを排除せねばならない。
勝てる勝てないなど、そういう話では無く。
"従者"として、紅美鈴はそのように行動をしなければならないのだ。

己の心中でそう決心し。
フランドールへの忠誠を胸に秘め、"色鮮やかに虹色な従者"――紅美鈴は高らかに咆哮した。

「JAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!」

全ては、主の為に。

【D-3 北部/一日目・朝】
【メタナイト@星のカービィ(メタナイトの逆襲)】
[状態]小疲労、顔面打撲、決意、ゼロマスクメタナイト
[装備] ネギ@初音ミク(お前ら全員みっくみくにしてやるよ)、ゼロの仮面(顔が入るサイズに改造)@コードギアス
[道具]支給品一式、バトルドーム@バトルドーム 、割れた仮面@星のカービィSDX
[思考・状況]
基本思考:殺し合いを止め、終わらせる
1:もう人影も追えないだろうし、仕方ないから南に向かい参加者を探す
2:美鈴と同行し参加者を見つける
3:美鈴の知り合いの情報集め
4:殺し合いに反対するものを集める
5:殺し合いに乗るものの排除、触覚の男との決着
※呂布との戦いでネギが2cmほど短くなりました。
※北に目撃した参加者は誠、南に目撃した参加者はキョン子とアカギです。
※E−2付近の川底で何か見たようです(気のせいという可能性もあります)
※フランドールと情報交換をしました。また、東方project出展のキャラについてそれなりの情報を得ました

【紅 美鈴@東方project】
[状態]小疲労、フランドールへの絶対的な忠誠
[装備]無し
[道具]支給品一式、スタンドマイク@VOCALOID
[[思考・状況]
1:南に向かいテトさん、兄貴(名前は知らない)さんを探し日没までに映画館へ戻る。フランドールの意思を最優先
2:十六夜咲夜を警戒
3:メタさんと同行し参加者を見つける
4:知り合いの情報集め
5:殺し合いに反対するものを集める
6:ちゃんとした剣をメタさんに持たせたい
7:殺し合いに乗るものの排除(ブロリー優先)
※主催が簡単に約束を守ってくれる、とは考えていないようです。
※フランドールと情報交換をしました。
53代理:2009/03/10(火) 22:01:00 ID:LNokO0m6
以上代理投下でした
54創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:04:03 ID:eTs1/Vbi
投下&代理乙です
何だこの主従かっけぇ…と思ってたら最後のJAOOOで盛大にふいたw
メタはちゃんとした剣GETならなかったか、これが裏目に出なきゃいいが
そして誠、その子にちょっかい出したら危ないぞー
55代理:2009/03/10(火) 22:04:39 ID:LNokO0m6
96 名前: ◆SHdRN8Jh8U :2009/03/10(火) 21:01:12 ID:vn3Tf8QM0
向こうで規制されているので、こちらで予約しても良いでしょうか?良ければ
ブロリー、藤崎瑞希、トキ、糸色望、桂言葉、夜神月、獏良了を予約します。

現在の予約まとめ?

◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト (半分終了)
◆sh/9YAh26Qサンレッド、ベジータ、剣崎、賀斉
◆CqqH18E08c 十六夜咲夜
◆SHdRN8Jh8U  ブロリー、藤崎瑞希、トキ、糸色望、桂言葉、夜神月、獏良了
56創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:12:41 ID:eTs1/Vbi
>>55
アレックス、ハクの予約が入ってたはず
57創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:16:39 ID:WSqpArqA
こんなに格好いいめーりんを見たのは久しぶりだw
フランにも徐々にカリスマが備わっているようにも見えるし、いい繋ぎだ
問題は誠だが……このままじゃ鮮血の結末に……いやでもクリムゾン持ってるしな
58創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:17:12 ID:LNokO0m6
避難所の奴を見落としてたか……orz

現在の予約まとめ

◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト (半分終了)
◆sh/9YAh26Qサンレッド、ベジータ、剣崎、賀斉
◆CqqH18E08c 十六夜咲夜
◆SHdRN8Jh8U  ブロリー、藤崎瑞希、トキ、糸色望、桂言葉、夜神月、獏良了
◆w2G/OW/em6 アレックス、弱音ハク
59創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:17:37 ID:QAJZ6opu
乙です。
めーりん、ネタ的な目でしか見てなかったけど、この話で見直したよ。
本名をあまり言ってなくてすまなかった。

誠は厄介な行動に出やがって……。あまり無茶すると、死ね死ね言われてる誠の二の舞になるぞ?
60創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:20:06 ID:4gvfFbal
予約されてなくて放送後書かれてないキャラまとめてみた
区切ってるのは一緒に行動してる人。

○七夜志貴
○相楽左之助
○ブロントさん/○野々原渚
○DIO/○コンバット越前
○赤木しげる
61創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:25:39 ID:6wBjM26N
投下と代理乙
美鈴はこれで死亡フラグ一つ回避
それにしてもかっこいい主従
そして恵まれないディムロス
少し時間を置いたところで投下

短いです
63創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:31:10 ID:eTs1/Vbi
支援ですとも!

――まず禁止エリアは、八時からA-4、十時からB-6だ。

 まずったわね。挟まれたわ。
 さっさとこの場所から離れないとこの雪原から移動できなくなってしまう。
 私のように体力を温存する思考の参加者を燻り出し殺し合いを円滑に遂行させるのが目的なのでしょうけどこれはピンポイントすぎない?
 B-6の禁止エリアが発動する前にこの雪原地帯から抜けないと。
 駅を使うのは論外。ある程度時間がたっているとはいえまだスネークがあの付近に残っているかもしれない。
 だとするのならば危険すぎる。

――脱落者は、北条鉄平、はっぱ隊員、木吉カズヤ、囲炉裏、秋月律子、ローゼン閣下、”やる夫”、”ドアラ”、カミーユ・ビダン、ルイージ、赤さん

 ドアラも首尾よく始末できていた。つまり後はあの変態としか思えない格好をしているスネークのみ
 あの格好で人の信頼を得るのは相当難しいはず。こう考えるならやる夫も少しは役に立ったのね。

――あれはこの放送が終わった後、お前等以外の参加者の名前が載るようになってるんだ。驚いたろ?

 参加者……お嬢様がいないことを願うわ。白い紙……これね。
 氷精に天狗に永夜騒動の時の兎に美鈴に妹様……よかった。お嬢様はいない。

 えぇと…氷精はいつも通りあたいってば最強ね!とか言いながら馬鹿やってるんでしょうから上手く利用するのが理想。
 知りあい……?という意味では一般人以上の戦闘力があるから役に立つかもしれない。優先度は低。

 天狗の戦闘力はかなり高い。考えはおそらく私同じようにで体力を温存したのち殺し合いに乗り優勝狙いといった感じかしら?
 いくら戦闘ができ協力する余地があろうとも最終的思考や目的が同じならば逆に厄介。誰かと共倒れをするのが理想。

 兎は狡賢いとよく聞くからそれにだけ注意。
 頭が回る分氷精よりも扱いにくいでしょうし見つけたら変な策を立てられる前に殺すほうがいいでしょう。
 理想的なのは出会って有無を言わさずに抹殺。

 美鈴は単純な肉弾戦なら相当上位にはいるでしょうし優しい子だから殺し合いに乗るということはないはず。
 恐らくすでに誰かと組んで殺し合いに乗る相手を排除していると言ったところかしら?余裕があれば共闘が理想だけど私はすでに殺し合いに乗っている。
 多分実際に出会った場合私と美鈴は闘うことになるでしょう。でもあの子が私を殺す気で攻撃できるとは思えない。だからあの子を私なら私が負ける道理はない。
 例え体術で劣っていようともね。できることなら出会いたくない。

 妹様は……多分所構わず”ギュッとしてドカーン”をやってるでしょうから極悪でしょうね。
 おそらく今回この場にいる者の中では最強クラス。放っておいても生き残って強力な参加者をなぎ倒して行くでしょう。
 なら最終的に出会ったとして私は妹様の帰還と私自身の帰還。どちらを優先するべきだろうか?

 はっきり言って私が忠誠を尽くすのは”レミリア・スカーレット”というカリスマある吸血鬼で、レミリア・スカーレットの妹である”フランドール・スカーレット”ではない。
 お嬢様の紅魔館という意味ではそこに住む妹様やメイド妖精、美鈴も含めそれらの安全の確保優先すべき対象ではあっても最優先の対象とは違う。 
 あくまで最優先はお嬢様へ私が忠誠を誓い続けること。すなわち私、十六夜咲夜の帰還。
 しかしそれは美鈴や妹様の安全の確保をないがしろにして良いというわけではない。
 私がこの環境ですべきことを優先度順にあげると

 1、十六夜咲夜の紅魔館への帰還
 2、フランドール・スカーレットの紅魔館への帰還
 3、紅美鈴の紅魔館への帰還
 私は完全で瀟洒。ならばやるべきこと全てを完全にこなさなければならない。
 正直な話、妖精や妖怪は幻想の理の中でならば死ぬことはない。放っておけば復活する。不死のようなものだ。だからこそ妖怪退治の職が成り立つ。
 つまり私が優勝した上で主催者に全ての参加者をもといた所にもどすことを望めば氷精や天狗を含め全てが元通りとなるはず。
 他の参加者なんてしったこっちゃない、むしろ遺体がここで朽ち果てることなく元の所に戻るのだから感謝されてもいい。
 この幻想の理から外れている可能性のある場所で死んだとしても、もう一度幻想の理の中に戻せば妖怪は蘇るはず。絶対とは言い切れないけれどその可能性は高い。
 でも例え美鈴が優勝して私と同じこと望んだとしても元には戻らない。絶対に。
 私はあくまで人間。いかに幻想の理といえども人には死がある。妖怪とは違うのだ。
 美鈴が私を蘇らせることを望めばその時点で望みは終わり。他の望みをかなえることはできない。
 叶えられる望みは一つなのだから。つまり完全で瀟洒に元の状態に戻すのは私の優勝が”絶対条件”なのだ。
 主催が望みをかなえない場合でも最優先課題である私の帰還だけは達成できる。

 ここにいるのが一般人だけであるのならば私が優勝することは容易い。
 しかしこの場には妹様もおりスネークのような強者もいる。そのような強者と何度も単独で戦ったとして勝機はあるだろうか?
 私と互角以上に戦える者が多くいるとは思えない。だが全くいないとは到底思えない。
 むしろほぼ確実に私よりも強いものが複数いると考えるべきだろう。
 そういった者と真っ向勝負して勝つことができるか?勝つことができないとは思わないが勝ったとしても大きなダメージを受ける。
 可能な限り受けるダメージは軽減しなくてはならない。
 ならどうするべきか?誰かとグループを組むのが一番手っ取り早い。

 グループを組めばよい支給品が手に入る可能性もあり強者と戦う時のダメージも少なくて済む。
 しかし私はこのゲームに乗っている上に連合を組む上で相手に出せるカードがない。
 まともな武器は果物ナイフしか無く、麻酔銃は射程が短く弾も少ない。
 フジキはファンキーな軌道しか描かないしサーセンwは小さいためあまり頼りにはなりそうもない。
 こんな役に立ちにくい支給品しか持っていない私と誰が組むというのだろうか?

 それこそ組もうとするのはやる夫のような性的目的か女は守ってやらないといけないとかいう変な思考の持ち主だけだろう。
 しかも私はすでに殺し合いに乗りスネークと交戦している。スネークから私が殺し合いに乗っているという情報がすでに流れていることを考えれば組める相手などほとんど残っているまい。
 連合を組むという手段を取るのならば寝首をかかれることを覚悟の上で同じように殺し合いに乗っているものと一時的に共闘するしかない。
 それは共闘するものとの利用関係が切れれば即座にそいつと交戦するということの裏返し。
 そんな危険な連合なんてしない方がマシ。

 ならどうするか、結局私は今まで通り温存策にでるしかないのだ
 今までの考察の意義はなんだったのか考えると多少鬱になる。

 目指すのならばどこを目指すのか、この位置ならば多少遠いが温泉を目指すのがよいだろう。
 この付近だとスネークから私に関する情報が回っていて動きにくい。
 戦闘をするつもりがあるのならば情報が出回っていても大した問題はないが戦闘をするつもりがない今私に関する情報が回っているのは非常にやりにくい。
 この付近で参加者と出会ってもなにか理由を付けて強引に単独行動をとりマップ反対側の温泉まで駆け抜けそこでもう一度考えをまとめて動く。
 ともかくスネークが南下してきた場合に逃げ場のない雪原地帯から離れるを最優先にしなければ……
◆◆◆◆◆

「私と入れ替わりになったのかしら?遭遇戦にならなくて幸運だと思うべきなの?」 

 駅に降りた私の目に見えたのは首と胴が切断された男の死体だった。
 すでに血は止まっており戦闘があったのは数時間ぐらい前……いえ、1時間ほど前だと推察できる
 首輪が取られていることから考えると首輪を解除しようと考える人がいるようね
 別に首輪があろうとなかろうと優勝をして”望みをかなえる”ことが私の目的だからあまり関係はないけれど
 とにかく今はここが禁止エリアに指定される前に駆け抜けることが大事
 幸い1エリアごとの大きさは小さくもないけれどそれほど大きくないから早めに走ればかなりの距離を移動できるはず
 スネークが私を徒歩で追って南下してきた場合のことも考えると禁止エリアが集中する4〜6-A〜Cは不利、体力を温存することよりも駆け抜けてしまうことを優先するべき
 目指す目的地は温泉、余裕があれば入ろうかしら?

【C-5草原/一日目・朝】
【十六夜咲夜@東方project】
 [状態]:疲労度(中)
 [装備]:果物ナイフ×2、時計型麻酔銃@名探偵コナン、フジキ@ゆっくり村×5
 [道具]:基本支給品、 石礫×6@現実(会場内)、時計型麻酔銃の予備針(残り2発)@名探偵コナン、
 サーセンw@自作の改造ポケモンを友人にやってもらった、フジキ@ゆっくり村×15
 [思考・状況]基本思考:優勝し、死亡者含め全ての参加者を元の所に戻すと主催に望む 
 1:なるべく戦闘しない。
 2:どうしようもない場合は即座に暗殺。
 3:参加者が減ってきたら慎重に本格的に行動する。
 4:まともな投擲武器が欲しい
 5:連合は組まない。単独行動。
 6:温泉に入ろうかしら?
 7:首輪解除の技術はわりとどうでもいい
【備考】
 ※七夜志貴の名前を知りました。
 ※ときちくは姿しか知りません。
 ※時間操作は2秒が限度です。
 ※飛行が可能かどうかはわかりません。
 ※主催者側が参加者を施設を中心として割り振ったと推理しました。
 ※高い能力を持つ参加者は多くが妖怪と思い、あえて昼間挑む方が得策と判断しました。
 ※僧侶のネガキャンを聞きましたが、その情報を完全には信用はしていません。
 ※やる夫のデイパックは列車内に放置してあります。
 ※サムネホイホイ(出だしはパンツレスリングだが、その後別の映像は不明)は、A-5の平原に投げ捨てられました
 ※カミーユ・ビダンの死体を確認。首輪を解除しようとしてる人がいると推測しました
 ※一度幻想の法則から外れた者ももう一度幻想の法則の中にもどせば幻想の法則が適用されると推理しました。
 ※この状態票はB-6.B-5を駆け抜けた後の物です。
67 ◆CqqH18E08c :2009/03/10(火) 22:36:23 ID:LNokO0m6
以上です

SSの中にも備考にも入れられなかったので
てゐだけは妖怪じゃなくて妖獣なので幻想郷の法則の中に再び戻しても絶対に復活出来ないんですよね
他の妖怪も復活出来るとは限りませんが
68創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:39:24 ID:6wBjM26N
投下乙です
美鈴と咲夜は早速決裂しちゃったな
そしてフランもかなわなかったブロリーがいると知ったらどう思うだろう?
69創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:45:49 ID:eTs1/Vbi
投下乙です
あいかわらず完全で瀟洒だな、咲夜さん…
しかし温泉か。これはサービスシーンに期待せざ(ピチュン
70創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:54:31 ID:QAJZ6opu
投下乙です。
さすがパーフェクトメイド長!
温泉での活躍期待してま(ピチュン

>>60は、3組目と4組目が避難所の避難所で投下があった気がする。
71創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 22:59:48 ID:BG6797/S
4組目はまだじゃなかったっけ?
7270:2009/03/10(火) 23:03:39 ID:QAJZ6opu
ごめん。サンレッド達と間違えた。
後、ブロント渚組はどこかで見たんだけど……。
73創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 23:05:43 ID:LNokO0m6
ブロント組は荒らされてたスレで投下されてたと思います
7460:2009/03/10(火) 23:11:56 ID:4gvfFbal
あーそうでした
訂正します。

○七夜志貴
○相楽左之助
○DIO/○コンバット越前
○赤木しげる

これでおkかな
75 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/10(火) 23:18:16 ID:+Q9DGv9j
七夜、ミク、テトを予約します
76創る名無しに見る名無し:2009/03/10(火) 23:22:17 ID:6wBjM26N
次の投下はまだかな?
それより皆はしたらばのアンケートやったか?
やっぱ朝霧人気だよな
77創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 01:41:12 ID:JGStMznr
メタナイトとめーりんはこのまま行けば兄貴とチルノに会えそうだな。危険人物も近くにいるけど。

あと、デスクリムゾンの威力ってどれくらいなんだろう。銀の銃弾でも有ればフランとも十分戦えそうだけど。
あと、素人が撃って当たるような銃なのだろうか…?
78 ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:34:45 ID:rJoKpit3
朝っぱらから投下…大丈夫かな
79放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:35:59 ID:rJoKpit3
『それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…』


そのセリフと共に、空に浮かんだ右上の姿はふっつりと消え去った。

「……Shit!」

澄み渡った明け方の空に向かい、アレックスは激し苛立ちの声を上げる。
強い怒声を含んだその声に、隣に座って放送を聴いていたハクがビクッと震えた。

「……すまないハク、驚かせるつもりは無かったんだが」
「い、いえ気にしないで下さい……それにしても」

普段から俯きがちの顔を更に暗い表情にして、ハクは呟く。

「もう11人も……人が」
「ああ……クソッ!」

再び怒りが湧き上がり、声を荒げるアレックス。
放送で呼ばれた、殺された人々の名前。二人とは関係のない人物ではあったが、それでも確かな『人が死んでいる』という事実。
そして、その事に何の感情も抱かないほど、彼らは冷血な人間ではなかった。

(たった6時間で11人……殺し合いに乗った人間はそれなりの人数がいるに違いない。
 そしてその中には、バルバトスの様な強者もいくらかは含まれているはず……)

果たして、手負いの自分にそいつら全てを打ち倒すことができるだろうか。
しかもハクやKAITOの様な戦う力の無い者達を守りながら。
答えは、どう考えても否だ。全快の時でさえバルバトスと互角、いやこちらの不利だったというのに……
80放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:36:46 ID:rJoKpit3
「あの……アレクさん?アレクさーん?」

ふと気が付くと、ハクが目の前で手をひらひらと振っていた。
考え込みすぎて彼女の声が聞こえていなかったらしい……普段頭を使わない弊害か。

「ん……ああ、すまんハク。どうしたんだ?」
「えっと、さっき放送でも言われてたんですけど……名簿に、名前が浮かび上がってるんです」

そう言って彼女が差し出した冊子には、ずらりと人名が連なっている。

「アレクさんも知り合いがいるかどうか、確認した方がいいんじゃないか……と、思って」
「ああ、そうだな……ハクの知り合いは、いたのか?」
「はい……KAITOさんの他にも、何人か」

ミク、リン、レン、そしてアレックスが会ったというKAITO。
ハクとは比べ物にならないくらいの人気者のVOCALOIDでありながら、亜種の彼女にも優しく接してくれる彼女達。
死んで欲しくない、無事でいてほしい……弱虫の彼女にも、そう願う事だけは出来た。

「……それで、アレクさんの知り合いは」
「何人かいるな。頼りになりそうな奴も、そうじゃないのも」

強者と戦う為に各地を回り、大勢の人々と出会い、戦ってきたアレックス。その内の何人かの名前が名簿に乗っていた。
ルガール・バーンシュタイン。『ルガール運送(株)』というそれなりに有名な運送業者の社長で、強面だが根は立派な紳士である事は知っている。
七夜志貴。基本的に怖い物無しで空気を読まなくてクワガタの話しようぜな性格なのだが、異質な体術と殺人嗜好を持つ油断できない青年。
トキ。有情であり非情、冷静沈着な北斗神拳の拳法家。『命は投げ捨てる物』などと言ってはいるが、本来は悪人ではなかったはずだ。
DIO。知り合いの中では、危険度はトップクラス……時を止めるという不思議な能力を使う吸血鬼。普段は穏やかな性格に見えるが、本性は紛れもない極悪人だ。
十六夜咲夜。瀟洒で落ち着いた物腰の性格の謎めいたメイド。彼女もまた、時を止める能力を持っている……DIOの娘、という噂は信憑性が高い。
81放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:37:54 ID:rJoKpit3
「ルガールとトキは味方になってくれるはず。七夜の奴はどっちに転ぶか分からないが……アテにはしない方がいいだろう。
 DIOと十六夜咲夜。この親子は要注意だな……DIOは殺し合いに乗る可能性が高いだろうし、咲夜も何をするか分からない性格だ」
「何ていうか、凄い知り合いが多いみたいですね……」
「ハハ……まぁ、顔はそれなりに広いからな」

ハクの言う『凄い』に含まれたニュアンスが何となく想像できて、苦笑いする。
釣られてハクも薄く微笑みを浮かべたが……ふと、また暗い表情に戻ってしまう。

「でも……強い人が味方に大勢いて、殺し合いを止めれたとしても……あの右上や左上って人達から、逃げれるでしょうか……」
「あんまり悲観するなよハク、きっと大丈……」

大丈夫と言おうとして、アレックスは言葉を止めた。
ハクの言わんとしていることが分かったのだ……彼女が無意識に手をやっている、首輪によって。

「確かに、腕っ節の強い奴は知ってるが、機械となるとさっぱりだな……ハクはどうだ?機械の知識とかは」
「VOCALOIDは歌う為に出来たロボットみたいな存在だけど……機械に詳しいかと聞かれると、ちょっと」

全ての人間が、人体に完璧な知識を持っているわけではないのと同じような物らしい。
また1つ、主催者打倒の為に必要な事が出来てしまった訳だ。

「ごめんなさい、役に立てなくて」
「いや、別にハクが謝る必要はないさ。こんな物騒なもんを作っちまうあいつらが問題なんだ。
 こんな小さいのに頭1つを吹っ飛ばせる爆弾、勝手に文字が浮かび上がってくる紙……どう考えても普通じゃないぜ」
「確かに、すっごい技術ですけど……」

そうフォローにならないフォローをしてみるも、ハクの表情は依然曇ったままだ。
元来ネガティブな性格なのだろうが、場所が場所だ。気を強く持たないとこの先無事でいられない。
さて、どうやって励ましたものか……
82放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:38:47 ID:rJoKpit3
「……どうして、あの人たちはこんな名簿を作ったんでしょう?」

ぽつり、とハクが呟いた。
突然の突拍子もない疑問に、アレックスは聞き返す。

「どうして、って……俺達に、知り合いがいるかどうか確認させるためじゃないのか?」
「でも……だったら、最初から普通の名簿を入れておけばいいんじゃないのかな、って……
 なんで、最初の放送の時に名前が出てくるような……面倒な物を作ったんでしょうか?」


―――――その発想は無かった。


確かにこんな不思議な技術の名簿よりは、普通の名簿の方が作るのに楽なはず。
それをわざわざ、技術と手間暇をかけて特殊な名簿を作ったという事は―――

「確かにその通りだぞ、ハク……きっと、普通の名簿じゃいけないに違いない。
 何か、最初に白紙にしておかなければいけない理由があったんだ」
「え?ええっと……白紙にしないといけない理由、ですか?」

名簿の有無。即ち、知人及び大切な人に関しての情報の有無。
この殺し合い―――バトルロワイアルでは、それはかなり重要なものになる。
そう、例えば。

「例えば最初に殺し合いに乗る気がない人間も、大事な人がこの場所にいれば、その人を生き残らせようと殺し合いにのるかもしれない。
 加えて、放送で死人が出たって事を聞けば危機感も大きくなるだろうし……そうして、殺し合いに乗る奴を増やす為、とか」
「で、でも……もし最初に殺し合いに乗ってた人が、放送で大事な人がここにいるって分かって……
 その人と一緒に帰りたい、って思って乗るのを止めちゃうって事が、あるかも……しれないです……けど」
「む……そうか……」
83放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:39:49 ID:rJoKpit3
口調は弱々しく自信がないものの、ハクの意見は筋の通った納得できる物だ。
参加者の人間の同行に関しては、どちらの可能性もありえると言ったところ……なら、殺し合い促進の為ではないのか?

「他の理由か……うーん」
「他の……何でしょうか……」

普段頭を使わない、脳筋と言っても過言ではないアレックス。それが精一杯頭を使うとなると……どうにもこうにも、苦労する。
ハクも考えて込んでいるようだが、彼女もそんなに頭脳派ではないらしい。


―――――数分後。


「駄目だ……さっぱりわからん」
「……私もです」


知恵熱でオーバーヒート余裕でしたと言わんばかりの様子で、お互い根を上げる。
はぁ、と二人同時に溜め息……慣れない事は、する物ではないようだ。

「まぁ、ゆっくり考えていくしかないだろう……こんな所で考え込んで襲われたりしても困る。
 デパートに行けばKAITOがいるはずだ。後で、三人でじっくり考えよう」
「そうですね……三人寄れば文殊の知恵、って言いますし」
「モンジュ……なんだそれ?日本の食べ物にそういうのがあった気がするが……」
「それ……たぶん『もんじゃ』です。さっきのは日本の諺で……」

他愛無い会話をしながら歩きだす二人。
現状は決して希望を持てるものではなかったが……彼等は少なくとも、絶望はしていなかった。
84放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:40:33 ID:rJoKpit3
「そういえばハク、さっきはお手柄だったじゃないか」
「え?お手柄って……何がですか?」
「名簿が、何で白紙なのかって事さ……ハクがそう言わなかったら、きっとその事に気付かずにいた。
 ハクのお陰で、右上や左上の思惑にちょっと近づけたんだぜ?」
「そ、そんな……さっきのは、絶対にまぐれです。
 それに、そういう風に考えたのだってアレクさんだし……私は特に何も……」
「ハクが言ったから、そういう風に考える事ができたんじゃないか……もっと、自分を誇っていいと思うがな」
「……そう、でしょうか?」
「ああ……きっと、そうさ」



【F-3 南部 草原/1日目・早朝】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:疲労(中) 全身に打撲。左腕に刺し傷。
[装備]:無し
[道具]:共通支給品
[思考・状況]
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:ハクと一緒に行動。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:バルバトスと会ったら倒す。
5:KAITOは人を見捨てられるような奴なのかと疑っている。
6:あのピエロに出あったらどうしよう……
7:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
 また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。


【弱音ハク@VOCALOID(亜種)】
[状態]疲労(中)
[装備]無し
[所持品]基本支給品、九条ネギ@現実、ハーゲンダッツ(ミニカップ)@現実、伯方の塩(瓶)@現実
    魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
【思考・状況】
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:アレックスと一緒に行動する。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:財布どうしよう……?デパートに着いたら探してみよう。
5:酒場がちょっと気になる
6:橋に置き去りにした、振り付けマスターのおじさんもちょっと気になる。
7:自分だけの歌を歌いたい。
【備考】
※設定はマスターでなく、ボーカロイドとしての彼女です。
※衣装にあるスピーカー等の装備は飾りに変えられています。
※2525円が入った財布(ニコニコ印)はデパートB1階レジに放置されています。
※バルバトスを危険人物と認識しました。
※振付マスター@完全振り付けマスターは顔を破壊されました。まだ機能はしている可能性があります。E-2の橋の下で踊っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
85放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:41:43 ID:rJoKpit3


◇   ◇   ◇


「そういえばハク、さっきはお手柄だったじゃないか」
「え?お手柄って……何がですか?」
「名簿が、何で白紙なのかって事さ……ハクがそう言わなかったら、きっとその事に気付かずにいた。
 ハクのお陰で、右上や左上の思惑にちょっと近づけたんだぜ?」
「そ、そんな……さっきのは、絶対にまぐれです。
 それに、そういう風に考えたのだってアレクさんだし……私は特に何も……」
「ハクが言ったから、そういう風に考える事ができたんじゃないか……もっと、自分を誇っていいと思うがな」
「……そう、でしょうか?」
「ああ……きっと、そうさ」



【F-3 南部 草原/1日目・早朝】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:疲労(中) 全身に打撲。左腕に刺し傷。
[装備]:無し
[道具]:共通支給品
[思考・状況]
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:ハクと一緒に行動。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:バルバトスと会ったら倒す。
5:KAITOは人を見捨てられるような奴なのかと疑っている。
6:あのピエロに出あったらどうしよう……
7:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
 また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。


【弱音ハク@VOCALOID(亜種)】
[状態]疲労(中)
[装備]無し
[所持品]基本支給品、九条ネギ@現実、ハーゲンダッツ(ミニカップ)@現実、伯方の塩(瓶)@現実
    魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
【思考・状況】
1:デパートに向かい、KAITOと合流する。
2:アレックスと一緒に行動する。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:財布どうしよう……?デパートに着いたら探してみよう。
5:酒場がちょっと気になる
6:橋に置き去りにした、振り付けマスターのおじさんもちょっと気になる。
7:自分だけの歌を歌いたい。
【備考】
※設定はマスターでなく、ボーカロイドとしての彼女です。
※衣装にあるスピーカー等の装備は飾りに変えられています。
※2525円が入った財布(ニコニコ印)はデパートB1階レジに放置されています。
※バルバトスを危険人物と認識しました。
※振付マスター@完全振り付けマスターは顔を破壊されました。まだ機能はしている可能性があります。E-2の橋の下で踊っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。
86放送聴いてから弱音余裕でした  ◆w2G/OW/em6 :2009/03/11(水) 06:43:21 ID:rJoKpit3
投下終了です
>>84>>85がミスで被ってしまいましたが、wiki収録は>>85の方でお願いします
87創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 09:41:08 ID:lbwX5nkq
おお!いっぱい投下されてる!

東方組はいろいろとおもしろくなってきたな
めーりんと咲夜で方針たがえちゃったみたいだけど果たしてどうなるだろうか
てかめーりんかっこいいよめーりん
中国(笑)とか馬鹿にしててごめんよ、あんたは立派な従者だわ

アレックスは流石の顔の広さだな
MUGENって全然知らないんだけどいろんなキャラがつくられてるもんだ
DIO咲夜親子説には吹いたwまぁ確かに能力似てるなw
88創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 10:20:57 ID:aHGXON+N
お二人とも投下乙でした。

かっこいい美鈴が見れるのはニコロワβだけ! と言わんばかりの美鈴フィーバーっぷり。 いいぞもっとやれw
だが、この後道を違えることになった咲夜さん周りを筆頭に、なんか色々急落しそうでちと怖い…禍福は糾える縄の如しなんて言葉もあるし。
そしてディムロスは移動せずか…戦力強化だけ考えたらメタ様に渡った方が上手く使われたんだろうけど、はてさて。
…フランの手元にあった方が抑止力になっていいのかな?

アレックスも、なんのかんのでMUGENではよく見かける顔だもんな…流石に顔が広い。
しかも当面の目標であるデパートにはルガール一行も向かってる…これは運が向いてきてるか?
…いやいや、メタな目線で見ると序盤での大規模対主催グループ結成は崩壊フラグ…うう、合流してほしいようなしてほしくないような。
しかし、ブロリーや美鈴も結構MUGENで有名だと思ったんだが…あれか、美鈴に関しては"中国"としてしか認識できてないとかいうオチか?w
ハクに関しては…無事デパートに辿り着いたとして、KAITOとの接触がどうなるかだよなあ。
良くも悪くも現状似たような状態の二人だし、影響を及ぼしあうこともあるんだろう…悪影響じゃなけりゃいいんだけど。
89創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 11:10:06 ID:i3gndU3Y
投下乙でした

DIO様と咲夜さん親子説wwwMUGEN的には間違いといえないから困るw
今までと違った切り口の考察、今後どうなるかな…?

>>88でも言われてるけど、MUGENはキャラが多いから誤解フラグの元になりそう
名簿ではわからなくとも、顔見たら思い出すとかありそうだな
めーりんとかベジータ様とかチルノとか…争いの種になりそうな奴だらけw
90創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 12:47:48 ID:dIHtWCa5
MUGENから得た知識だと文は綺麗な性格だと勘違いを起こしそうだ
91創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 13:14:07 ID:lbwX5nkq
そういう誤解フラグのネタはいくらあっても困らんなw
ブロントさんもMUGENキャラがいるとか聞いたけど
アレックス顔みたらわかるだろうか
92創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 13:52:52 ID:ZQCpkCqs
あれ、したらばにつながらない……俺だけか?
93創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 14:13:14 ID:xepFlOq2
いや、したらば全体がすごく重いか落ちてるみたい
94創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 14:18:19 ID:lbwX5nkq
したらば全体が落ちてるっぽいよ
他のしたらばもつながらないもん
95創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 14:32:15 ID:lbwX5nkq
復帰したみたいだ
96創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 14:56:09 ID:a4fqh3zQ
一方的に知られている幻想郷勢と帝王
時止め親子なんかはザ・ワールドこんなに知られてるとは思ってないだろうな。
97創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 15:19:24 ID:joyaXrTw
>>91
ブロントさんは意外と多くのトナメに出てるからな…
98創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 15:25:52 ID:ZJ5Rv7o5
>>90
あややは性格があまりよろしくないからな。
でも、素の性格を前面に出さず、取材中はきれいなあややを演じる……勘違いがあってもおかしくないな。
99創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 17:54:05 ID:NYF+2Xb4
というか東方キャラで性格がよろしい奴なんて……
100創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 18:01:10 ID:joyaXrTw
おっと、ひゃなえひゃんを侮辱するのはそこまでだ
101創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 18:01:38 ID:a4fqh3zQ
いるはずもない。
比較的一般人なAQNだって、本読んだ限りだと少し変な人だし。
102創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 18:11:57 ID:0DX1bAfu
ぶっちゃけ東方キャラでまともな人なんて少し硬いけーねと美鈴ぐらいしか(ry
紅魔館なんていう一番危険な所に腕試しの相手が来たり一般人に紅魔館に親近感がわいたと言わせるほど
人間臭く性格がいい(?)妖怪だぜ?美鈴は
103創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 18:37:34 ID:lbwX5nkq
気をつかう程度の能力の持ち主だもんなw
104創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 21:38:58 ID:U3URjK0L
したらばといいここといい毒吐きといいなんか美鈴がこのロワのアイドルに見えてきた
対抗馬はハク
105創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 23:19:29 ID:9cN2NLau
現在の予約まとめ

◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布  (したらばに投下済み)
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト (半分終了)
◆SHdRN8Jh8U ブロリー、藤崎瑞希、トキ、糸色望、桂言葉、夜神月、獏良了
◆/4zBz3jiVQ 七夜、ミク、テト
106創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 00:02:02 ID:i8/FZWik
したらばでSS投下されたよ
107創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 18:37:35 ID:G8JcxJRS
支援動画きた!
108創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 19:04:59 ID:pzjlboSw
120 名前:アカウントナンバー774 :2009/03/12(木) 18:23:48 ID:q98.uQ220
私ですが、勿論左下Pです。
規制をされていて本スレに書けないのでこちらに投下させてもらいます。
ニコロワβの益々の発展を願い、支援動画を作ってみましたで候。
使用曲はもっと評価されてもいいなと個人的に思ってるニコニコメドレーです。
楽しんでいただければ幸いに候。これからも頑張っていきましょう。

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm6410902

したらばより転載
109 ◆BRxsUzTn5A :2009/03/12(木) 19:28:10 ID:8GKtI8Nk
支援動画投下乙です
そして、遅ればせながら自分もSSを投下します。
110ヘタレのススメ ◆BRxsUzTn5A :2009/03/12(木) 19:29:13 ID:8GKtI8Nk
「ここか……」

地図を片手にKAITOは目の前にあるデパートを見上げる。
アレックスとの遭遇後、KAITOはF-3のデパートの方へと脇道にそれず、まっすぐに足を進めていた。
彼がデパートに着くまでの時間はそう長いものではなかった。

「入ってみるかな……誰か人がいるかもしれないけど」

KAITOは吸い込まれるようにデパートの中へと入っていった。

「…………」

KAITOがデパートに入ると、まず最初に目に飛び込んできたのは
上のフロアの床が盛大に壊れ、瓦礫の山となっているホールだった。


「何でこんなにデパートが壊れてるのさ……」

外観とは予想外なごらんの有り様に動揺しつつも、KAITOはデパートの奥へと足を進める。
ついさっきその原因を作った人物の一人と出くわしていることをKAITOは知る由もなかった。

「まぁ、こんなに壊れてるならさすがに人も来ないだろうし、ここでしばらく隠れさせてもらうかな」

KAITOは辺りを見回し、身を潜めそうな所を探そうとしたその時―――

『―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?

最初に目覚めた部屋で聞いたあの声が外の方から聞こえてきた。

「そういえば、6時間ごとに放送があるって言っていたな……」

『んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。
脱落者は、北条鉄平、はっぱ隊員……』

「…………!」

KAITOは呼ばれたやはりと思いつつも、心の中では
動揺を抑えきることはできなかった。

「……クッ、どうしてそんな気持ちになるんだ、俺は……」

KATIOは胸に手をあてる。
はっぱ隊員の名前が呼ばれた瞬間、KAITOは自責の念が
自分の心の中で暗い感情として渦巻いていた。

「あれは仕方ないことだったんだ……あのまま逃げなきゃ俺だって……」

湧き上がっていく感情を必死に抑えるため、KAITOは
自分は悪くない。という言葉を心の中で呪詛のように繰り返す。
数分後心を落ち着かせたKAITOは、先ほどの放送の内容を思い出す。


「……そういえば、放送が終わったら名前が載る紙があるって言っていたな」

KAITOはデイバッグの中から白い紙を取り出す。
先ほどまで真っ白だった紙は名前が連なっている名簿となっていた。
KAITOは名簿に目を通し、驚愕した。
111創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 19:29:44 ID:G8JcxJRS
ニコロワβを1mmも知らない俺が支援してみた
112ヘタレのススメ ◆BRxsUzTn5A :2009/03/12(木) 19:30:15 ID:8GKtI8Nk

「ミク、リン、レン……!テトやハクもいるのか……」

名簿の一番最初の方に、はっきりと自分を含むボーカロイドの名前が載っていた。
自分はもちろん、自分の弟や妹、そして自分と同じ世界でともに歌の仕事をしていた
ボーカロイドの2人の名前が。まだ放送で呼ばれていなかったことにKAITOは安堵する。

「助けないと……!」

KAITOは身を翻し、妹たちに会うため、デパートの出口へと向かった。
しかし、地面を駆けようと彼が蹴った足は、すぐにぴたりとその動きを止めた。


コ コ カ ラ デ テ イ ッ テ ド ウ ス ル ノ ダ ?



(この十二ヶ所もあるエリアの中を手がかりも何もないのにどう捜すんだ?そもそもミクたちだって
一つのエリア内をずっと留まってるとは限らない。すれ違う可能性だってあるじゃないか……
それにあの少年のような殺し合いにのってる奴らに出くわしたらどうする?
今の俺には銃があるけど……もし、弾が無くなったら……)

立ち止まっていたKAITOは踵を返し
デパートの出口に背を向けながらとぼとぼと奥の方へと戻っていった。


『見て見ぬふりをするつもりか』

KAITOの中にアレックスの言葉が再びよぎる。
その言葉は心の中で今までよりも重く、重くのしかかってきた。

「……そうじゃない……そういうことじゃないんだ……!」

KAITOは頭を抱え、その場に座り込む。
KAITOは踏み出せなかった。妹たちを助ける一歩。
デパートから抜け出す一歩という勇気が。
自分の命と妹たちの命を天秤にかけてしまっている自分が、情けなく思えた。

「ミク……リン……レン……」

自分は妹たちを見殺しにしている。
そんな思いがKAITOの自責の念をさらに大きなものにしていく。

「すまない……本当にすまない……俺には無理なんだ」


東から朝の光が上り、デパート内に差し込む。誰をも優しく包み込む優しい光はKAITOを包み込むことはなかった。
光がKAITOを避けているのか。それともKAITOが光を避けているからなのだろうか。


代わりに響くたった一人の男の嗚咽。その声はデパートの中をむなしくこだますだけだった。
113ヘタレのススメ ◆BRxsUzTn5A :2009/03/12(木) 19:31:19 ID:8GKtI8Nk
【F-3 デパート内/朝】
【KAITO@VOCALOID】
[状態]:健康、苦悩
[装備]:ベレッタM96(残弾数11/11)@現実
[道具]:支給品一式 ハンバーガー4個@マクドナルド、クレイモア地雷×5@メタルギアソリッド
    必須アモト酸@必須アモト酸
[思考・状況]
1:死 に た く な い
2:ミク、リン、レン……許してくれ……
3:生きるためなら例え卑怯な事をしても許されるはずだ
4:アレックスは気になるが、とても追える勇気なんてない
5:当面はデパートに隠れ、他の参加者が来るのを待つ
[備考]
1:基本支給品は一つにまとめました。
114 ◆BRxsUzTn5A :2009/03/12(木) 19:32:38 ID:8GKtI8Nk
投下終了です。
問題点・疑問点がありましたらレスください
115創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 20:46:08 ID:qN/tPUnM
投下乙です

KAITOがヘタレと言うより他の参加者がアグレッシブ過ぎるだけだと思うんだ……
116創る名無しに見る名無し:2009/03/12(木) 22:49:09 ID:Uu6hDzD8
投下乙でした。

なんか、数あるパロロワ登場キャラクターの中で最も共感できる人物の一人がKAITOな気がしてきた。
実際バトロワに巻き込まれたらどうなるか…って考えると、恐らく自分もこんな感じになってしまうんだろうと思う。
こういうのを、身につまされると言うんかな…生き延びてほしいけど、今後どうなるだろう。
運よく運送組とアレクハクがデパートに向かってくれてるから、即死ってことはないだろうけど…
逆に『非マーダーが大量に』『大きな施設に』集まるっていうシチュエーションが大量虐殺・建物崩壊フラグっぽくて嫌だw
117 ◆CqqH18E08c :2009/03/13(金) 00:05:03 ID:b79z8pQk
修造 ベジータ サンレッド

予約します
118創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 00:06:46 ID:GRJ1TfpY
共感も同情は出来るけど、応援は出来ないタイプだな。
ほとんどのロワにおいて、ヘタレの最期は哀れを通り越して無惨なことが多いので……一皮剥けないと拙いぞ、KAITOよ。
対主催の集団の大型化は内部崩壊の危険が比例して大きくなるので怖い。
ちょっとした誤解や疑心暗鬼がロワの特殊な環境と合わさるとシャレにならない。
『ひぐらしのなく頃に』もびっくりな惨劇に発展すること多々。
119創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 00:24:54 ID:kG3KeP+S
>>117
あれ?追うって言ってた賀斉と剣崎は?
120創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 00:26:54 ID:lbMlZg15
まぁ、そう細かいこと言ってやさんな
書き手氏なりに考えての予約だろう
121創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 01:18:32 ID:QBQIH5TU
ほんと一番リアルな一般人してるよな
俺もこんな感じになる気がする
122創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 02:19:01 ID:6j/RuhfB
それでもKAITOはヒーローソング歌ってるくらいだし
きっと覚醒してくれるって信じて…る……?
123創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 02:47:28 ID:/uKMHW9Q
誰か、KAITOを励ましてくれるようなアツい人物がいれば良いのだが…
124創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 02:49:56 ID:QBQIH5TU
熱い…ハッ!修造か!
125創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 02:50:25 ID:+YR853nu
DIO「私ならKAITOに恐怖の無い永遠の安心感を与えてやれるぞ」
126創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 03:17:56 ID:qC/fTP45
DIO様肉の芽植えちゃらめえぇぇぇぇ!!
127創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 10:35:47 ID:H4X38aTG
DIO様自重ーーーーー!!
というか肉の芽ってアンドロイド(?)にも効果あるのか?
128創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 11:41:20 ID:QMCEvfYd
機械は人間よりも「説得」が楽だって蔵馬がいってた
129創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 14:07:35 ID:z4fwjYBh
◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布  (したらばに投下済み)
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト (したらばに投下済み)
◆SHdRN8Jh8U ブロリー、藤崎瑞希、トキ、糸色望、桂言葉、夜神月、獏良了 (修正中)

◆/4zBz3jiVQ 七夜、ミク、テト
◆CqqH18E08c 修造 ベジータ サンレッド
◆F.EmGSxYug アカギ、フラン、新堂誠

こんな感じですかね
130創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 14:28:48 ID:QBQIH5TU
うんたぶんそんな感じ
131 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/13(金) 16:52:58 ID:0VlGmuO1
明日まで延長させてください
132創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 18:36:11 ID:QBQIH5TU
りょーかい
頑張って〜
133 ◆CqqH18E08c :2009/03/14(土) 01:34:52 ID:pHxlZWxS
とりあえずしたらばに仮投下終了
でももしかしたら延長するかもです
134創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 10:49:51 ID:3hvJXPLd
りょーかいでーす
135創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:46:27 ID:Cp99nWu1
代理投下行きます
136創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:47:25 ID:Cp99nWu1
305 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/09(月) 23:48:20 ID:EUN3j9hsC
朝日の差し込む平原を、鉄の塊が北上していく。
この会場において、平原に敷かれた二本の線の上をひたすら往復するだけのその存在――B-4駅へ向けて走る列車の中で、タケモトはドナルド、レンと議論を交わしていた。
各々熱くなり、真剣な表情でそれぞれの持論をぶつけ合う様子を見れば、何故短時間でこのような意見の食い違いを見せたのかと疑問に思う所だが、あに図らんや、議論の中身は彼らの当面の目的をどうこうしようという物ではなかった。
どこか駆け足で議論の結を急ぐタケモト達。まるで議決に制限時間を切られたかの様な――いや、実際この議論に制限時間は存在した。
期限を切られたその議題、それは今現在最も差し迫った事柄、即ち『どの駅で列車を降りるか』である。


306 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/09(月) 23:50:49 ID:WJQ1hDXEC
遅くともこの列車がB-4駅を発つまでに、降りるかどうかを決めねばならない。
その焦りによって若干早口になりながら、タケモトはレンに向かって自説を語る。
「レンの言ってる事は分かる。
 ネガキャンをした人物がB-4駅付近へ消えたからそこで降りて周囲を捜索するというのは一つの案だ」
「だったら!」
「だが相手の立場にたって考えると、この案は蓋然性に欠ける。
 いいか、まず相手の目的は、拡声器を使って他の参加者にネガキャンを広める事にほぼ間違い無い。そこに至るまでの動機までは分からないが、それはこの際関係ない。
 さて、そうすると、普通相手は一ヶ所に留まる様な非効率的な真似はしない。各所を回ってネガキャンを続けるだろう。この事は男のその後の行動からも裏付けられる。
 ここで言いたいのは、ネガキャンを聞いたのが数時間前だとしたら、相手はもうとっくにB-4駅を過ぎて、どこか離れた場所に居るだろうって事だ」
「そっ、そんな事くらい俺だって……」
尚も言い募るレンを遮るかのように、タケモトは説明を続ける。
「そして、数時間で移動出来る範囲での行き先の候補として、最も有力な場所はどこか。


307 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/09(月) 23:54:02 ID:HVntFhgoC
 相手が極力多くの者にネガキャンを広めたいと思っているなら、当然人の多く集まる場所を目指すだろう。
 この場で最も人が集まる場所。それは言うまでもなく中央、市街地の辺りだ。
 隅で隠れていようとする者の選択肢は四ヶ所だが、中央に向かう者は必然的に一ヶ所に集まる。ましてそこには病院という他とは意味合いの異なる建造物がある。集まり具合は他とは一線を画すだろう。
加えて、相手の“武器”は効果の及ぶ範囲が広い。市街地の外周を回るだけで、多くの者にその“攻撃”が届く。
 そして厄介なのは、会場内の施設の悪用。即ち放送機材の転用だ。
 例えば駅のアナウンス。あれをネガキャンに使ったら、少ない労力で姿を隠して広範囲に情報を広められる。拡声器を巧く組み合わせればなおのことだ。
 今言った事が現実の物となれば、悪評を打ち消すには大変な時間と労力がかかる。それを未然に防ぐ為にも、C-3のホテルまで足を伸ばしてはどうかと俺は考えたんだが」
137創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:48:42 ID:9uZ6mDRc
支援
138創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:48:57 ID:Cp99nWu1
308 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/09(月) 23:57:55 ID:n2JIyjugC
その光景を想像したのか、口をつぐみ、青ざめた顔をタケモトに向けるレン。
理路整然と考察を述べ、最後にちょっぴり揺さぶりを掛ける。タケモトの計画は、見事に的を射た。
(決まったか。
 要所要所にブロックやブラックパックンを配置して、後ろからキラーを撃ち込んでやれば大抵は思った方向に誘導出来る。生身の人間相手でも、それは変わらないようだな。
 これでなんとか口実をでっち上げれた訳か)
前言を翻すような思考を抱くタケモト。
彼の目的はネガキャンをした人物を追う事ではなく、その義務もない。
彼がC-3を目指す理由、それは誰しも考える発想。施設の探索である。
だが、タケモトは施設に脱出に使えそうな物があるとは端から期待していない。
このゲームの作者側に立って見れば、そんなアイテムは真っ先に消し去る事は明白だ。
苦労して作ったステージにショートカット可能な区間があったのでは、作者側としてはたまったものではない。めぼしい物は粗方チェックする筈だ。
だがここで発想を転換すると何が見えるか。
脱出に役立ちそうな物はこの場から消えている。
即ちこの場から不自然になくなっている物こそが脱出に必要なアイテムだ。


309 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:00:20 ID:3p2qtlNkC
例えばパソコンとネット環境が手付かずのまま残っていたら、作者はどれだけネットの海を探ろうとも脱出されないだけの自信があると思っていい。
逆に厨房から食材が丸ごと消えていたら、その意図は食料を巡っての争いを誘発させる事にある。
消えた物と残った物。それらをしっかり見極めれば、作者の思惑、脱出の糸口が見つかる筈だ。
また、作者がしっかりチェックしたつもりでも、思わぬ抜け道があるかもしれない。
この事は、タケモト自身も経験した事がある。設計ミスによるショートカットコースにも増して、TASさんの取った想定外の動きと画面外という突拍子もないルート。それらを見た時の驚愕は、並大抵の物ではなかった。
だからこそ、作者の見逃しや第三者による介入の可能性を、タケモトは否定しない。
そして、作者の気まぐれ、余興、或いは孔明の罠。それらの可能性も、否定しない。
ステージに散らばる真と偽。これらを見分ける事こそが、鬼畜ゲームの作者たるタケモトの脱出プラン第一歩だ。


310 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:02:33 ID:0VQaEjSYC
その為に、C-3のホテルへ向かうもっともらしい理由をレンに披露した。
あの説明を聞けばホテルに向かうのが最も合理的だと思うだろうが、人間は必ずしも合理的に動く訳ではない。
マップの端からしらみ潰しに回ろうという考えもあれば、行き当たりばったりに行動しようという思いで彷徨く事もある。
地図を見ても現在地が分からなかったという事があれば、そもそも地図を見ていなかったという事もある。
言い出せば切りの無い話だが、それでもタケモトの言った通り、ホテルに向かう事には一定の意義がある。
だからこそ、レンは先程から押し黙っているのだ。
――そのレンが、不意に口を開いた。
「なあ、ドナルド。ドナルドはどう思う?」
この列車の3人目の乗客、ドナルドに話を振られて、タケモトの表情が僅かに引き締まった。
ドナルドは先程から議論に積極的に参加せず、何事かを考えている様子だ。
その思考がタケモトには読めず、ドナルドが何と発言するのかを若干身構えつつ待った。
「んー。こっちに向かって来てるのかな?」


139創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:50:51 ID:Cp99nWu1
311 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:04:31 ID:0VQaEjSYC
その発言に肩透かしを食ったタケモトは、発言に抜けている主語をドナルドに尋ねる。
「何が来てるって?」
「こっちの方かな? ドナルドは、向こうの方から誰かが来てる気がするんだ☆」
そちらを見やると、列車の進行方向からもう一両の列車が、こちらに向かって走って来ている。
何という事のないその光景に気を緩め、その一瞬後には前以上の緊張が走った。
列車が正面衝突するなどというふざけた事態を心配した訳ではない。タケモトの頭の片隅に引っかかったのは、ある単語――
『向こうの方から誰かが来てる気が――』
“誰か”
ドナルドは列車を指したのではない。列車に乗っているであろう誰かの事を指して言ったというのだろうか?
ここで真に驚くべき事は、誰かが近づいて来たその事よりも、それをこの位置でドナルドが気付いたという事だ。
タケモトには、ドナルドがどんな手品を使ったのかは分からない。だが、過程や手段などどうでも良い。それが関わって来るのはゲーム終盤、首輪を解除してからだ。
それまでは、この事はゲームを進める上で有利な事項として覚えておけばいい。……ドナルドが裏切らなければの話だが。
タケモトの思考を余所に、二両の列車はどんどん接近していく。

レンは窓を開け、隣の線路上を見つめている。タケモトも、これが罠であるという可能性に注意を払いつつ、ドナルドと列車とを交互に見やる。
タケモトの視線に反応して、ドナルドが語る。
「なんとなく、そんな気がしたんだ☆」
つい言ってしまった秘密を誤魔化そうとしている。タケモトの目には、そう映った。
視線を反らして列車を見やる。列車は依然接近を続け、もう少しですれ違う程に――

312 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:06:21 ID:nWKztOy6C
突如、上空にスクリーンが現れた。
放送が、始まった。
右上の、本筋とは関係ない話を聞きながら、タケモトは考える。
放送が流れた瞬間、B-4駅から来た列車に人影が見えたのは気のせいだったのだろうかと。中にいた人物が、放送に反応して姿を見せたのではなかろうかと。
140創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:52:30 ID:Cp99nWu1
314 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:13:11 ID:.CgFebLYC
放送を聞き終え、名簿に浮き出た名前を一通り確認する。幸いタケモトの知人はこのゲームに参加していないようだったが、しかし――
(ルイージ? まさかあの永遠の二番手の事か?
 いや、名前が同じだけで、実は全く関係ない2Pキャラっぽいどこかの巫女さんだったりするかもしれないが、ともかくこの名簿に載っている名前は統一感が全く無い。中には人名とは思えないものまで混じっている。
 名簿から何かを探るのは難しいか?)
当座の結論が出た所で、タケモトは顔を上げた。
列車は間もなくB-4駅に着こうとしており、駅の様子も朧気ながら判別出来るようになっている。
そちらを眺めたタケモトは、この駅でも何かが起こった事を、目にした物によって悟った。
線路上に広がる赤黒いシミ。いや、最初はシミに見えたそれは、近づくにつれてその正体が明らかになった。
赤黒いソレの、原形を留めた箇所がどの部位なのか分かるようになる前に、タケモトはソレから目を反らした。
その先にあったのは、進路の右手に見えた人影と、駅から細く立ち上る黒煙。それがホームの奥から流れて来ているのを認めたタケモトは、一つの仮説を建てた。


315 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:15:08 ID:zZpiwvaMC
この駅での戦闘の結果、列車に乗っていた者が平原に見えた人影を避けるように逃げた。そしておそらく犯人は、列車で逃げた者。
そちらが犯人だと考えたのには理由がある。
線路上のソレは、ホームのかなり手前側にある。位置的に、列車がここを発った時に轢かれたのだろう。
だとすると、列車に乗った者は、列車が動けば前にいる人が轢かれると承知の上で乗り込んだ事にならないだろうか。
あの位置だったら、列車が動き出してから落ちたとしても、速度が出ていないから横に逃げる事は可能だ。だとすれば、動けない状態で落ちたと考えるのが妥当だ。
人が落ちてから列車が出るまで、乗っていた者が何も手出しできなかったとは考えにくい。列車の出口は一つだけではないのだから、外に恐れている者がいたとしても、出ようと思えば出れた筈だ。
だが、何もせず列車に留まっていたという事は、少なくともそれを見殺しにしたという事だ。
あくまで可能性の話だが、一番疑わしいのには間違い無い。そして、このゲームでは疑わしきは罰せずといった甘い事は言ってられない。その人物が犯人だと思っていいだろう。
そうすると、あの駅はそれほど危険はないと、言えるだろうか。


316 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:17:08 ID:zZpiwvaMC
――列車は駅に着き、その扉を開いた。
(たとえ孔明の罠が待ち受けていたとしても、リフトはその場で止まってくれはしない、か)
すぐに戻ると言い残し、タケモトは駅に降り立った。


317 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:19:20 ID:juBhUn2sC
ホーム周辺の安全を再度確認した後、タケモトはまず煙の出どころを確かめた。
ホームから続く、階段の下から煙が立ち上っていて、その先は階段を下りないと確認出来ない。
階段を下りるか反対側の線路に向かうか、どちらを優先すべきかと考えながらふと視線を足元にやると、血痕が点々と階段に向けて続いていた。
血痕のつき方から見て、線路から階段に向かっている。それを追うように、タケモトは階段を下りていった。
煙の大元、爆破されたトイレを目にし、タケモトは先程の推理に確信を深めた。
爆発の規模と煙の薄れ具合から見て、爆発はここ一時間足らずの内に起こったと思われる。当然、列車に乗った者もなんらかの形で関わっていたと見るべきだろう。たまたま前の駅から乗っていて、この駅では降りずにいたというには偶然が過ぎる。
そして、ここで使われたのは爆弾だ。爆発物を持った者が近くにいるかもしれない時に、狭い空間に逃げ込むのは、下策中の下策だ。
だとしたら、列車に乗った者は、列車ごと爆破されるという事態を想定しなかったのだろうか。
その人物は、爆破される事はないと確信していたのだ。
弾切れ? もう爆弾はない?
そんな事簡単に分かる筈はない。
確信出来るのは――犯人だけだ。


141創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:53:24 ID:Cp99nWu1
318 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:21:11 ID:3p2qtlNkC
考察を一旦打ち切り、思考をトイレの捜索に切り替える。
ここに留まれる時間は僅かしかない。発車ベルが鳴るまでに捜索を終わらせなければ……
B-4駅に、ベルが鳴り響いた。
タケモトの帰りを不安な表情で待っていたレンは、ベルが鳴り止んでも一向に姿を見せないタケモトに焦りと同時に疑念を募らせていた。
一人で逃げ出したのではないかと本気で疑いそうになる程の時間が経ち、思わず列車を降りようとして――
ようやくタケモトが列車に滑り込んだ。
列車が駅を発って数分。
突然列車を降りた事に対する怒りをぶつけていたレンだが、反応の薄いタケモトに業を煮やしたのか、先程から気になっていた事を詰問した。
「だいたいあの駅では降りないと言ったのはタケモトだろ! なんで勝手に降りたんだよ!」
一応断った筈だが。などという火に油を注ぐ発言を腹の中に収め、タケモトは簡潔に説明した。
「駅の状態を見ておきたかったというのもあるが、一番の目的はこれだな」
言って、手に持った戦利品を掲げるタケモト。
「こういうのは、持っておくに越した事は無い。そうだろ?」
驚愕の表情でそれを見つめるレン。参加者を襲って手に入れたとでも思ったのだろうか。


319 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:23:30 ID:LB8PYuK2C
当然、そんな時間はタケモトには無かった。タケモトが行なったのは、瓦礫の中からそれを見つけ出しただけだった。
――爆発によって多くの傷が付いた、ドアラの首輪を。


320 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:30:43 ID:0VQaEjSYC
列車の中で先程までの行動を語るタケモト。
駅の異変について話すと、名簿の名前に気を取られ――レンの話では、知人が一人二人どころかほぼオールキャスト勢揃いといった状況らしい――駅の様子は全く目に入らなかったらしく、素直に驚いてみせた。
続けてその状況に対するタケモトの推理を披露した所、一頻り感心した後、何故B-4駅で降りて犯人を追わなかったのかと詰問しだした。
その事も予測していたタケモトは、表情を崩さず反論する。
「確かにその事も考えた。相手の位置が判明している内に接触しようというのは悪くない。
 だが、先程の放送を思い出してくれ。8時からB-5、10時からA-4が禁止エリアになる。つまり、駅のあるA-6は禁止エリアに囲まれて行動がかなり制限される事になるんだ。
 こんなエリアに籠城したら、いずれどこかでそのツケが回って来る。何と言ってもあの島は、じきに脱出経路が線路一本になってしまう。待ち伏せされたら圧倒的に不利だ。
 A-5、B-5のどちらかに蓋をされても、やはりアウトだ。そうなったら、緩やかな死を待つのみ。そこに留まる事は、自殺と同義だ。
 だから、そうなる前にあの島を出るのが普通の行動だろう。ましてあの駅には死体が転がっている。
 折り返してA-6駅に向かった所で、中に誰もいやせんよ。
 それに、先程の推理はあくまで可能性の話だ。状況証拠だけで、まだ犯人だと決まったわけではない。
 ネガキャンをした者を追う方がいいと、思うんだがね」


321 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:32:52 ID:B7tdQm4MC
何も言い返せず押し黙るレンを見て、タケモトは心の中でほくそ笑む。
タケモトの目的は首輪の解除。犯人の事が気にならない訳ではないが、今は優先すべきではないと考えていたので、レンが早々に意見を引っ込めてくれたのには助かった。
尤も、事前の説得で予め行き先をしっかり定めておいた事、列車に乗るのをギリギリまで遅らせた事があればこその話だったが。
ただ、乗車が遅くなったのはそれだけが理由ではない。反対側の線路の上を確認しに行ったせいでもある。
血痕から察するに、すでに誰かがその場を調べ、立ち去った後と思われたが、予想に違わずそこに首輪は無かった。
それを確かめ、急ぎ列車に飛び乗ったというのが事の真相である。
(一個とは言え、首輪を手に入れたのは上出来だ。
 ドナルドの沈黙が不安だったが、なんとか誘導にも成功した。これで何も言う事はない――)
安堵と共に、列車の行き先を見据えたタケモトは、早くも前言を翻さざるを得なくなった事を実感した。
徐々に速度を落とす列車の先には、駅と一体化したホテルが、半壊したその姿を現していた。
タケモトと、遅れて気付いたレンが驚きを顔に現して見つめる中、列車はホテルの手前で完全に動きを止め――

142創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:55:35 ID:Cp99nWu1
322 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:35:12 ID:juBhUn2sC
メンテナンスのお知らせ

いつも、ニコニコ鉄道をご利用頂きありがとうございます。 ニコニコ鉄道ではメンテナンスの為、2:00〜19:00の間サービスを一時制限致します。
尚、作業内容によって終了時間が前後する事がございます。
皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
それでは線路の安全を確認して再発車するまでの間、私、股尾前科運転士の歌声を聞きながらお待ちください。


323 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/10(火) 00:42:05 ID:LB8PYuK2C
車内アナウンスが途切れた頃には、タケモトは行動に移っていた。
見晴らしのいいこの場所で、長時間じっとしているのはリスクが高い。あのままでは重火器のいい的だ。
なにせ爆弾どころではなく、ホテルをあんな風にした者までいるのだから――
その考えを伝えるまではいかなかったが、レン達に退去の意向を発し、素早く窓を開き列車を飛び出て周囲の警戒を行うタケモト。
列車内から崖の上の○ニョらしき歌が漏れ聞こえる中、一応の確認を取った後、状況が上手く飲み込めていないレンを強い口調でホテルに向かわせると、自らもその後を追ってホテル二?三階にある駅構内へと高架を駆けた。
ホテルの探索を一時棚上げにし、何処をどう通ったかも分からぬまま、一旦ホテルの外に出たタケモト達。
当面はネガキャンをした者を探すのに付き合い、強力な力を持つ者を仲間に引き入れてからホテルの捜索を行う――
今後の行動を修正したタケモトは、それでも尚この状況を不利とは感じていなかった。
青い髪の少女に、突如襲撃を受けるまでは。


143創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:56:45 ID:Cp99nWu1
380 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:21:57 ID:IaLpSgzMC
ホテルの損壊状況を認めたタケモトは、外に出るリスクと中に留まるリスクを考慮し、結果一旦ホテルの外に出る道を選択した。
ホテルに留まるリスク。それは、ホテルが倒壊し、タケモト達がそれに巻き込まれることだ。
上方が吹き飛び、外壁にも破損が認められる現状、再び同規模の戦闘があった場合、巻き添えを食って崩壊を始める可能性が否めない。
そうなった時に、通路の崩落によって迷路状になったホテル内部から即座に脱出するというのは、困難を極める。
内部に留まるなら、少なくとも脱出経路を把握しておく必要がある。だからこそ、一旦外に向かわなければならない。
そこかしこに瓦礫が点在するホームを抜け、寸断され複雑な構造になった廊下を方角が分からなくなるほど行き来した果てに、ようやく出口にたどり着いたタケモト達。
道中で途切れ途切れながらも説明を行なった為、レン達も事情は把握しているが、それでも尚レンの表情に不満は絶えない。独断専行が過ぎた故か、勝手な行動は許さないと言いたげな表情でタケモトを睨む。
口を開いたレンが言及したのは、しかしその事ではなかった。


381 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:24:57 ID:vwDZ.olsC
「いくらなんでも、心配のしすぎだろ。注意するのはこういう先の見えない所だけで構わないって!」
そう言って、出口脇からの襲撃を警戒しつつホテルの外に足を踏み出すレン。その姿はどこか急いているように見受けられる。
レンを支配する焦りの感情、それは放送後に浮き出た名簿に起因する物であった。
名簿に載っていた、5つのレンと同じVOCALOIDの名。それはミクだけに傾注していたレンにとって青天の霹靂だった。
その5つの名は、いずれもレンにとって大切な名前。ミクだけではなく、5人全員に生き残って欲しい。その為にはどうすればいいのか。
答えはドナルドが、名簿を見て動揺するレンに教えてくれた。
今回の放送で名前を読み上げられる事がなかったのは行幸だが、このままではいつ放送に登場するか分からない。
だからそうなる前に、この場から殺し合いに乗る者を取り除けばいい――
言われてみれば、何故この事に気付かなかったのかと目から鱗が落ちる程の、単純な――それでいて悪魔的な――解決策。
兄弟達を守る為、“正義”の為に、レンは一刻も早く強くなって、悪党をすべて取り除かねばならない。
慎重に行動していては間に合わないのだ。


382 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:27:41 ID:mMnGoJfUC
いささか無謀とも言える行動方針を定め、ホテルを離れるレン。進行方向の平原に視線をやる彼の目に、他とは異なる色彩が飛び込んできた。
周囲から浮いている青い点。それが人の頭だと理解した時、レンは思わず走り出した。
――KAITO兄さん!
レンがそう判断したのは、KAITOが青い髪の持ち主だからというただそれだけではない。
彼らがいた世界、そこはVOCALOIDという歌唱アンドロイドがいる事を除くとごくごくまともな世界。レンの黄や姉のMEIKOの赤といった髪を持つ者はそれなりにいたが、レンの兄――KAITOのような青い髪を持つ者は、目にした事は無かった。
だからこの地で見つけた青髪の人物をKAITOだと早合点したとしても、あながちレンばかりに非がある訳ではない。何故なら相手もまた特異な存在、幻想郷の住人なのだから……。
144創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 14:58:09 ID:Cp99nWu1
383 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:30:37 ID:aZzq8..oC
知人を見つけたと誤解して駆け寄るレンだが、その誤解を解ける距離まで近付くより先に、相手が不可思議な現象を起こすのを目の当たりにした。
透明な塊――それが氷だと、レンは即座に気付けなかった――が、次々と相手の左右に撃ち出される様を怪訝な思いで見ていたレンは、それが90度向きを変え、自分を挟み込むかのように襲い来るのを目にし、慌てて来た道を引き返す。
距離が離れていた為、氷弾の多くはレンの元にたどり着く前に地面に激突し、僅かに残った氷弾はレンに当たる事なく飛び去った。
何が行われたのか、今のレンには理解出来ないが、一連の流れが起きる直前、青髪の人物が何事か言葉を発したように思った。
レンには知る由も無いが、青髪の少女――チルノは手元にあったら掲げていたであろうカードの名前を高らかに宣言したのだった。
幻想郷の弾幕ごっこならいざ知らず、この場でそれを宣言する必要はなく、またそれによって不意を突く事が不可能になる以上、その行為は不利を招くだけなのだが、いつもの調子でそれをやってしまうあたりがチルノがHと呼ばれる由縁なのだろう。


384 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:34:17 ID:8AWdEl6MC
制限下の現状において、このスペルは氷弾の速度、サイズ共に弱まっていたが、同時に弱体化したコントロールによって、通常なら規則的な軌跡を見せる筈のそれは、時折混じる不規則弾によって軌道の予測が困難になり、結果その実用性を高めていた。
最大の制限と言えば、氷弾を撃つ際は他の弾幕――相手を狙った5発弾が撃てなくなった事だろうか。
チルノの持つ他のスペルに比べ、何故か明白に主催者からの制限の度合いが低かったそのスペル、氷符 「アイシクルフォール」が、この会場で初めてその威力を見せつけた。


385 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:37:48 ID:7KpEYPsoC
「畜生、ふざけやがって」
射程距離の外にいた為被害を免れたレンは、その攻撃に対し恐怖に先立って怒りを覚えた。
当たらない攻撃に恐怖は覚えない。なまじ知識のある攻撃――銃撃等であったらその怖さを想像できるのだが、おおよそ幻想郷内でしか目に掛かれない弾幕という存在は、元々闘志の高かったレンにとって興奮剤にしかなり得なかった。
だがさしものレンも、弾幕の中を掻い潜って攻撃を仕掛ける程の猪突猛進は実行に移せず、結果攻撃の機会を伺うに留まっていた。
「どうやったらあの悪党を倒せるんだ……」
様子を伺いながら、相手との距離を少しずつ詰めて行くレン。再度攻撃があれば後退するしか選択肢がないが、それでもじっとしているのに耐えられずジリジリ前進していく。
――突然、レンの横を、誰かが駆け抜けた。
あっけに取られてその背中を見つめていたが、ふと我に帰り現状を再認識する。
その背中はここ最近で見慣れた、タケモトの物。彼の武器が自分の持つナイフと大して変わらない刃物だった事を思い出したレンは、同じ状況に置かれながら悪党に突撃していったタケモトに畏怖の念を抱き、自らもタケモトに続き地を駆けた。

386 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:42:31 ID:vwDZ.olsC
「二人、来る!」
タケモトとレンの姿を認めたチルノは、再度アイシクルフォールを放つ。
氷弾が両サイドから撃ち出され、正面に向かってその軌道を修正。先程と変わらぬ光景が展開される。
異なる点は二人の位置。氷弾が方向を変える頃には、二人はその角度より内側、チルノの真正面に来ていた。
「近い!」
そこは、数多のスペルの中で一番有名な安地。
悔しそうな表情のチルノを見据え、前後左右どこに動かれようと攻撃を当てられるように注意を払いながら、ナイフを構え急接近するレン。
――直後、思いも依らぬ事態がレンを襲った。
最初に放たれたアイシクルフォール。命中せずに終わったかと思われたそれは、後方にいたタケモト達にもその一部が届き、結果ドナルドが吹き飛ばされるという事態が起こっていた。
「アラー!?」と声をあげ、後ろに倒れるドナルド。
暫くして身を起こした時には、隣にいた筈のタケモトは、遠くを走る小さな影となっていた。
「う〜ん。簡単に洗脳できるとは思ってなかったけど、こうも綺麗に無視されるとドナルド悲しいなぁ☆」
そうつぶやき、上体を後ろに反らし、反動を付けて一気に起きあがるドナルド。

145創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:00:13 ID:Cp99nWu1
387 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:46:21 ID:IaLpSgzMC
その動きからは、氷弾の直撃を受けた影響は見受けられない。
それも当然だ。ドナルドは直撃を回避していたのだから。
氷弾が自分に向かって飛んで来る事を察知したドナルドは、激突する瞬間後方に飛び退き、同時に溜めていた足の力を氷弾に向けて蹴り抜いた。
この一連の動作を流れるように行い、且つ氷弾に吹き飛ばされたかのように見せる。
ドナルドの持つ道化師としてのテクニックを駆使した、見事な道化役であった。
この演技がタケモトに通用したのかはドナルドには分からない。だが、演技を見破らずとも、攻撃を受けた者を眼中に置かず、相手に向かう姿勢は評価に値する。首輪解除の為の戦力として、タケモトは申し分なかった。
「それにしても、レンは本当に素直だなぁ。早速悪党を取り除こうとしてるよ。
 でも、あれでは分が悪いなぁ。殺される事はないと思うけど、勝てそうにもない。思いが強すぎるのも考え物かな?」
そうつぶやいたドナルドの視線の先では、この闘いに終止符が打たれようとしていた。


388 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:51:56 ID:gSVxjkygC
レンが畏怖し、ドナルドが賞賛したタケモトの行動。そこに至るまでの思考は、闘志や勇気といった単語とは凡そかけ離れた理由だった。
アイシクルフォールを見た時、タケモトは強い驚きに包まれた。
(何だ、あの濃密な弾幕は。
 あんな物、中心に狙われたら、開幕で5連キラーが真っ正面に配置されたようなものじゃないか。
 初見で食らったら、まず間違いなくtktkだ。回避ルートを見つけないと、一環の終わりだ――
 まてよ。あの撃ち方……。あそこまで辿り着ければ、安全に居られるのでは――)
思考をそこまで巡らせたタケモトは、すぐさま前方へ駆け出した。
途中警戒しながら前進するレンを追い越し、少女――チルノの目前へと足を進めるタケモト。
彼の想像通りなら、そこが安全地帯となる。再び弾幕が襲い来る前に、何としてもそこまで辿り着く――その一念で、必死に足を走らせる。
タケモトがそこを安地だと判断した理由。それは、弾幕の軌跡にある。
チルノの両脇から弾が撃ち出されてから弾が曲がるまでには若干のタイムラグがある。その区間は弾は直進しか出来ない。


389 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/12(木) 23:58:31 ID:aZzq8..oC
5連キラーを避けるには、砲台のない高さまで跳ばなければならない。だとしたら、弾幕を避けるには、弾が飛んで来れない所に行けばいい。
この弾幕では、それは撃ち始めの直進区間。そこまで行けば、弾幕を避けられる――
両脇からしか氷弾を出せないという先入観に基づいた推測だが、結論は的を射ていた。
その推測を元に走るタケモトは、推測をさらに発展させて考える。
作者の立場で考えれば、この穴を埋めるなんらかの策が欲しい。そして、苦労してゴール手前まで辿り着き、気が緩んだ瞬間こそ、孔明の罠が威力を発揮する。
目の前の安地は、実は巧妙な罠かもしれない――
その推測によって、チルノまであと僅かという所で速度を落とす。その横を駆け抜けるレン。
戦果にこだわりのないタケモトは、レンの行為をただ見守る。
あと少しでレンの持つナイフが届きそうな距離で――チルノは空中に浮いた。
タケモトもレンも、人が宙に浮くという事態は全く想定しておらず、ただその様子を見つめる。
幻想郷では相手も空を飛ぶ為、さして重要ではなかった回避方法。だが、この場においては2Dゲーで3Dの動きをするかの如く、反則的な程有益な方法だった。

146創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:01:04 ID:Cp99nWu1
390 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 00:09:00 ID:hPx.dS7wC
眼前の光景に唖然としながらも、惰性で足を進めるレン。異様な気を察知して視線を正面に向けた彼は、先の比ではない程の驚愕に包まれた。
遅れてその様子に気付いたタケモトは、自身が夢でも見ているのではないかという錯覚に陥る。
タケモトが目にした光景、それは――
「なあ、俺達は殺し合いに乗っている訳じゃない。
 出来れば、そいつを離してやってくれないか。
 絵面的にも、その、何だ。困る」
その光景を詳しく描写する事は、中々困難だ。
なにせ、セーラー服にズボンという服装の、華奢で整った顔立ちの者が、破れかけた半袖ジーパンのパンツレスラーと組んず解れつしているのだから。
タケモトの説得に応じて矛先を収めたチルノ達。レンも説得と、先程の精神的ショックによって大人しくなっている。
後からレン達が投げ置いたデイパックを持って合流したドナルドも加わって、双方の話し合いが始まった。
その席でまず最初に話題に上がったのが先程の戦闘だった。
聞けばチルノ達は、戦闘は望むが殺し合い自体は否定していた。
ならば何故いきなり弾幕を張ったのかと尋ねたが、チルノは慌てず返した。


391 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 00:30:42 ID:a2eLSSfYC
この弾幕を見て、弱者ならば怯えて逃げ去る筈。それを追撃するつもりはないし、こちらに挑んで来るようであれば気概のある者として迎え撃つ――
その説明にうまく言い返せず、レンは黙らざるを得なかった。
続いてチルノは自分の力が制限されていると語り、因幡の兎がいたらイージーモードがどうたらと話した後漸く、低下した力を補う為に遠距離攻撃に優れたチルノと近距離攻撃に優れたビリーのコンビを組む事にしたと言った。
さも自分が考えたと言いたげであったが、どちらの発案だったかにはあえて触れないでおく。
レンとしては、役に立たない者は無視するという方針が気に入り、合流してもいいのではないかとも思えて来た。
そしてタケモトは、半壊したホテルを始め、見聞きした情報から人外の存在が混ざっている事に気付き、戦力に不安を覚えた為、合流について悩み始めた。
ドナルドは、チルノというHっぽい者との邂逅で、チルノを育成(或いは洗脳)出来ないかと考慮を始めた。

危険思想が集うこの地を離れる一人の少女。
彼女、或いは手に持ったその剣が背後に注意を払っていれば、弾幕を目にし、引き返していたかもしれない。だが、彼女達はそれに気付かず、危険思想が6人になる事はなかった。
ここに集う5人がどう動き、どんなチームを組むのかは分からない。だが……
「アタイのチームに入るって事は、アタイが5人のリーダーって事ね!
 アタイってさいきょーね!」
「「「「…………」」」」
先行きは、穏やかではないようだ。
147創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:02:51 ID:Cp99nWu1
395 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 01:27:12 ID:tfqAvSuYC
状況表を忘れてました……。モウジブンハダメダ……。
【D-3 平原/1日目 朝】
【チルノ@東方project】
[状態]全身強打、右肩甲骨、左肋骨に若干のヒビ(怪我はそこそこ回復)
[装備]なし
[道具]支給品一式、毒蛾のナイフ@ドラゴンクエストシリーズ、DMカードセット(翻弄するエルフの剣士、鉄の騎士ギア?フリード、ガーゴイル?パワード)@遊☆戯☆王
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らないが手当たり次第倒して部下にして回る、主催を倒す
1:一気に部下が増えたわ。あたいってさいきょーね。
2:さいきょーを証明する。
3:さいきょーのあたいがさいきょーのチルノ軍団を結成して主催者を倒す。
4:リョホーセン(呂布)を倒して部下にする。
【備考】
※漢字が読めません。
※空は飛べますが体力を余計に消費します
※ビリー・レン・タケモト・ドナルドを勝手に部下にしました。
※スプーを妖怪だと思っています。
※氷符 アイシクルフォールは制限対象に入っていないようです。
弱体化してはいますが、支障なく使えます。
但しイージーモード限定です。自機狙い5way弾は出せません

396 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 01:28:49 ID:a2eLSSfYC
【ビリー・ヘリントン@ガチムチパンツレスリング】
[状態]:小ダメージ、股間が少し痛む。 
[装備]:敗れかけの半袖ジーパン(二試合目の最初の姿)
[道具]:支給品一式,万葉丸(26/30)@零シリーズ、強姦パウダー@ニコニコRPG(8/9)、不明支給品0〜1個
[思考・状況]
基本思考:強者を求める。
1:体はだいたい回復したので目の前の相手(レンを除く)が強ければ戦いたい。
2:強者と戦う。
3:トキともう一度戦いたい。
4:リョホーセンやあの怪物(スプー)戦いたい。
【備考】
※チルノから呂布の簡単な姿と行き先を教えてもらいました。


148創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:05:34 ID:Cp99nWu1


397 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 01:30:29 ID:Cn.VXk8oC
【鏡音レン@VOCALOID】
[状態]:肉体的・精神的に疲れ ドナルド信者状態
[装備]:朝倉さんのナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱
[道具]:支給品一式×2 不明支給品0〜1 ダイヤの結婚指輪のネックレス@ネ実板(ブロントさん) シルバーウルフ(12/12)(予備弾188本)@フルメタル輪ゴム鉄砲
[思考?状況]
基本思考:弱い悪党から殺していき、出来る限り早く強くなる。(悪気はないが足を引っ張る参加者=悪党)
1:拡声器でミクの悪口を言っていた悪党(僧侶)を殺しに行く
2:強くなって、いつか志々雄にリベンジする
3:兄弟たちに会いたい
4:ドナルドを尊敬、信頼 5:不安だったがタケモトも見直した
※僧侶のネガキャンを聞きました。


398 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 01:32:27 ID:Cn.VXk8oC
【タケモト@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:アイスソード@ちっこい咲夜さん
[道具]:支給品一式、精密ドライバー@現実 野菜ジュース@ぽっぴっぽー カミーユの首輪 ドアラの首輪
[思考?状況]
1:生き残り脱出する,そのためには……な……
2:大連合は組まない、最低限の人数で行動
3:施設を回って情報を集め、その真偽を見抜く
4:首輪を外せはしないと判断。無力化するための協力者を少人数集める
5:規格外の者に対抗出来るように、ある程度の戦力が欲しい
6:人の首って切りにくいんだな。落ち着けて設備のある場所で実験するか
7:誰が創造者なのか教えてやんよ
※僧侶のネガキャンを間接的に聞きました
※ドナルドが強力な支給品を持っていると判断。持っているとは限りません。


399 : ◆xHiHmARgxY:2009/03/13(金) 01:34:17 ID:CaCQKK26C
【ドナルド・マクドナルド@ドナルド動画】
[状態]:健康 興奮
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 不明支給品0〜1 1outキノコ@奴が来る
[思考?状況]
基本思考:教祖として信者を沢山作りつつ、バトルロワイアルを盛り上げ主催者になりかわる
1:レンを殺し合い向きな人材に育てていく
2:タケモトの首輪解除及び無力化のための手伝いをする。利用した後は…… 3:チルノも洗脳出来ないだろうか
※僧侶のネガキャンを聞きました。


149創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:09:11 ID:Cp99nWu1
代理投下は以上です
所々修正し忘れがあって申し訳ない…
150創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 15:16:21 ID:Cp99nWu1
タイトルは分割しないと入らないなら
>>136から>>142までを
タケモト達は大変な途中下車をしていきました
>>143から>>148までを
COOL&CREATER ビリーと××を M.C.ドナルドの洗脳なのか? 最終鬼畜弟カガミネ・Lで
分割せずに入るのなら後半のタイトルでお願いします
151 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:20:43 ID:5MbA9KzF
投下します
152嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:21:59 ID:5MbA9KzF
 鬱蒼とした森。
 死体のそばですすり泣く少女。
 寄り添う植物。
 珍しいものが見えたな。
 人が集まりやすいと思い、病院に向かっていた俺は獲物を見つけ足を止めた。


 憔悴しきった様子で死体に向かって泣いている。
 その姿はまるで死体に懺悔しているかのよう。
 いや、救いを求めているのかもしれないな。


「死人に口無し。意味ないことをしてると、俺みたいな殺人鬼に斬られることになるぞ」
 このまま後ろから首を落とすのは、なんかつまらないなと思い声をかけてみる。
 少女がこちらに顔を向ける。
 虚ろな目。


「何か御用ですか? 嘘吐きさん」


 まともじゃないな、まったく。


153嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:23:41 ID:5MbA9KzF
◆ ◆



「ゆっくりしていってね!!!」
「うるさい、急いでるんだから!」
 後ろでゆっくりが魔導アーマーを動かして付いてくる。
 もしミクちゃんに会ったときに驚かせちゃいけないと思って私は魔導アーマーからは降りていた。
 特にいまミクちゃんはひどい目にあったばかりだから、きっと神経質になってしまってるんじゃないかと思ったのだ。


 静かな森の中、ふと聞こえた小さな話し声。
 誰かいるの?


 ゆっくりに待っているように合図をし、恐る恐る忍び寄り覗き見る。
 そこにいたのは――


154創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 18:24:43 ID:SkQ3t8dq
支援
155嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:25:18 ID:5MbA9KzF
◆ ◆



 目の前にいる人影。
 学生服を着た冷たい目をした男の子。


「おかしいな、俺は嘘なんてついた覚えはないんだけど」
 ナイフを持っている。
 この男の子がルイージさんに怪我をさせたのかな?


「だってこの場に死人なんていないじゃないですか」
 ね、ルイージさん。


「じゃあ、そこで倒れている憐れな犠牲者は何なんだ?」
 この人も嘘吐きなのかな。


「ルイージさんが死んだなんて嘘だよ」


 嘘、すべてが嘘、真っ赤な嘘。


「壊れた人間か、現実を受け止めることもできないとは惨めだな」
 嘘吐きさんがこちらに歩み寄ってくる。


 嘘吐きさんが何を言っても信じるわけないじゃないですか。
 手に持つナイフも嘘。
 嘘吐きさんはすべてが嘘。
 嘘、嘘、嘘。
 すべてが嘘なんですよね。
 嘘吐きさん?


156嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:26:39 ID:5MbA9KzF
◆ ◆



 木の陰からのぞいて見えた3人の人影。
 一人はよく知る人物であり恩人、ミクちゃんであることはすぐ分かった。
 そばに生えている植物が動いてるけどあれも支給品かな。
 そして倒れている男の人。
 あまり見たいものではないが、緑の服は血にまみれて黒く染まっている。
 死んでるように見えるがが、ミクちゃんは生きていると言った。
 生きているのかもしれないが、どちらにしろ助かるようにはとても思えない。
 そしてもう一人の男、手に持っているのはナイフ。
 ナイフには何かこびりついているがあれは血だろうか。


 男がミクちゃんに歩み寄る。
 あのまま手に持つナイフでぐさり、とかないよね……


 私は怖くなって懐から拳銃を取り出し、震える手で銃を構え少年に狙いをつける。
 構えてから分かったんだけど、重い。
 人に銃を向けているという緊張も手伝ってまともに狙いをつけられない。
 このままじゃミクちゃんに当たりかねない。


 だめだ、落ち着け私!
 目を閉じて息を大きく吸い込んで三秒数える。
 1、2、3、よし!


 私を覗き込む冷たい目。
 目を開くとナイフを持った男と目があっていた。
「拳銃を持ち出されるとさすがにね、とりあえず黙ってもらおうか」


 凍った。
 蛇に睨まれた蛙、まさにそんな感じ。
 私はただ男の動作を見ているしかなかった。
 引き金を引く余裕なんてない。
157嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:27:43 ID:5MbA9KzF


 男が取り出した葉っぱ。
 葉っぱ?
 それはあまりにも大きいかった。
 男がそれを私に向けて一振り。


 え?


 襲い掛かる衝撃。
 そして少しの浮遊感の後に来る痛み。


「な! 痛っ」
 今何をしたのかも分からないまま私は吹っ飛ばされていた。
 気がついたら手に持っていた拳銃はない。


「え? あ!」
 気がついたらミクちゃんも視界から消えていた。
 男は舌打ちをしてミクちゃんを探す。


 私は落ちていた拳銃を探す。
 私の唯一の対抗手段。
 あれがないと……よかった、あった。


 その瞬間鳴り響く甲高い金属音。
 私ははっとして顔を上げた。

158創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 18:27:59 ID:SkQ3t8dq
中二ノ支援
159嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:28:17 ID:5MbA9KzF
 見えたのは男とその攻撃を防いだゆっくりの乗った魔導アーマーの姿だった。
 魔導アーマーから見え隠れする緑の髪はミクちゃんだろうか。
 おそらく、守ってくれたんだろう。


「ナイス、ゆっくり!」
 そう叫びながら、咄嗟に男に向けて拳銃を引く。
 あいつは間違いなく殺人鬼だという確信ができたためかさっきよりは引き金を引く抵抗心が和らいでいたのか。


 まあ、もちろん銃弾は大きく外れたが、牽制になったのか男は飛びずさる。
 鳴り響く銃声と想像以上に大きい反動にびびりながらも咄嗟にミクちゃんに声をかける。


「ミクちゃん大丈夫?」
 銃はもう落とさないようにきっちり握った。
 銃で牽制しつつミクちゃんの方に『凡骨にもわかる!魔導アーマー完全大喝采マニュアル』を投げる。


「大丈夫だったら、そのアーマーで援護して!」
 そう声をかけつつ男のほうに向かって走り出す。
 銃が当たらないなら外しようのない距離まで近寄ればいい。


 逃げるっていう選択肢は使えない。
 さっきの男の動きは相当素早かった。
 女の子二人の足じゃとても逃げ切れない。
 詐欺してバーボンして切り抜けるっていう手もあったけど、なんにしても材料がない。
 偽の首輪起爆装置はまだ使えないし。


「面白くなってきた」
 男はそういいながら、私に向かってナイフを突き出す。
 私は予想していたその攻撃を左手で受け止める。


 左手に鋭い痛みが走るけどできるだけ残った右手に全神経を集中する。
 そして、銃を男に押し当てて引き金を――

160嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 18:29:25 ID:5MbA9KzF
「うぐっ」
 鈍い痛み。
 私は蹴り飛ばされていた。
 地面の上を転がされて、また銃を取り落とす。


「その程度の犠牲じゃ俺は殺せないよ」
 私は腹の痛みと、何かを吐きそうになる衝動をこらえた。


「悪くない発想だけどね。普通の人間にしては上出来だよ。まあ残念だったな」
 男は冷たくそう言い放ち、冷たい微笑を浮かべる。
 なんか言い返そうかな、と思ったんだけどなんか重い感触がして私の意識は途切れた。



◆ ◆



 テトちゃん、なんで私に銃を向けるの?


「拳銃を持ち出されるとさすがにね、とりあえず黙ってもらおうか」
 嘘吐きさんが目を向けた先、そこには銃を構えたテトちゃん。
 その銃口は私のほうを向いているように見えた。
161創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 18:32:56 ID:SkQ3t8dq
支援
162創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 20:36:02 ID:3hvJXPLd
支援
163創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 20:36:13 ID:3hvJXPLd
  
164創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 21:49:29 ID:mZKYKLl7
あおばシゲルが空気すぎる
まあ、ただでさえメジャーと言えないのに
登場回からして印象0だからしょうがない
165嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 21:59:04 ID:WmRDqiGU


 テトちゃんも?
 テトちゃんも私を殺そうとするの?
 みんな、みんな、そうなの?
 嘘、嘘、嘘。
 何も信じられない。


 私は走り出していた。
 疲れていたはずの体も気にならない。


 逃げ出したかった。
 残酷な現実から目をそらしたかった。
 救いが欲しかった。


「どこに行くつもりだ?」
 でも現実からは逃げられない。


 そばにいたあおばしげるが私をかばってくれたんだけど。
 よく分からない扇で吹き飛ばされる。


 男がナイフを持ち飛び掛ってくる。
 死ぬのかな、なんて考えてるうちに男は迫ってきて――


 痛みはなかった。


 目を開くと眼前に巨大な機械。
 よく分からないけど助かったのかな。
 そうだよね、機械なら私を裏切らない。
 私を助けてくれる。


166嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 21:59:47 ID:WmRDqiGU


 足元に落ちている本。
 表紙からしてこの機械の説明書かな。


 目の前の機械を見上げる。
 きっとこれは私を守ってくれるんだ。
 私を助けてくれる救世主。


 私は機械に乗り込んで説明書を読みながら機械を動かし、





 見たくない現実を踏み潰した。



◆ ◆



 予想外だった。
 緑髪の少女が赤髪の少女をよく分からない機械に乗って踏み潰した。
 あの少女がこんなことをするとは思えなかったが、まあ正気じゃないんだろう。


 機械の足の下の少女は目を見開いたまま気を失っていた。
 下半身は潰されている。
 まあ、助からないだろうなと思いつつとりあえず目の前の敵に目を向ける。
 緑髪の少女は俺を見つめている。
 俺を助けたってわけではないだろうし。


167創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 21:59:53 ID:3hvJXPLd
 
168創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:00:25 ID:3hvJXPLd
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
169嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 22:01:26 ID:WmRDqiGU


「意外なことをするんだな、知り合いだろ」
 機械の上の少女の目、気を失っている少女に負けず劣らず生気がなかった。


「ねえ、消えて」
 ぼそりと少女がつぶやく。
 機械が足を動かす。


「嫌だね、俺の獲物を一人奪ったんだ。代わりになってもらわないと」
 機械に乗ったところで負ける気はなかった。
 よく分からない植物はこちらの様子を伺っているが、あっちは後回しだ。


 極死・七夜で一気に片をつける。


 いくら機械に乗っているからといって運転席は守られていない。
 この技、ナイフを投げ自分は上から襲い掛かる。
 つまり、ナイフに貫かれるか首を捻じ切られるかの二択を問う技。
 一瞬で勝負はつくだろう。


「極彩と散れ」

170創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:03:17 ID:3hvJXPLd
  
171創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:03:37 ID:3hvJXPLd
 
172嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 22:04:44 ID:WmRDqiGU
◆ ◆



 あれ、私は……
 目を覚ますと体の感覚はあんまりなかった。
 痛いってのは分かるんだけど実感が伴わない。
 たぶん限界を超えてるんだろう。
 それに、腕しかまともに動かない。
 死ぬんだろうな。
 でも、死ぬのは怖くない。
 もともと一日限りで消える存在だったんだから。


 かすれる視界で見えたのは魔導アーマーに乗ったミクちゃんと向かい合う男。
 助けなきゃとは思うんだけど銃はどこに言ったのか分からない。


 手に届く範囲にあった支給品はひとつ。
 とりあえず胸ポケットにいれていたのが幸いだった。
 まあ、カメラなんだけど。


 撮った弾幕をかき消すことができる魔法のカメラ。
 正直弾幕ってものの定義がよく分からないんだけどね。


 まあ、ナイフで切りかかったら意味がないんだけど、と思いつつもファインダーをのぞく。


 ファインダーからのぞいた世界。
 それは不思議とゆっくりに見えた。


 男がナイフを投げる。
 ゆっくりと流れるナイフを写真に写す。

 ナイフは消え、上から飛び掛る男は魔導アーマーの腕に吹き飛ばされていた。
173創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:05:32 ID:3hvJXPLd
174嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 22:06:29 ID:WmRDqiGU
「何で私を殺そうとしたの?」
 男は頭を木に打ち付けて気を失っていた。


 ミクちゃんは私のそばにしゃがみこみそう尋ねる。
 ミクちゃんの言ってることはよく分からなかった。
 でも、それを問いただす気力はもうない。


「信じてたのに、嘘吐き」
 ミクちゃんが涙を流す。


 何か疑心暗鬼になっているのかな。
 薄れる意識で考えてみる。
 だから最後に一言。


「君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから」


【重音テト@VOCALOID(亜種) 死亡】
175嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 22:07:46 ID:WmRDqiGU
【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:気絶
[装備]:サバイバルナイフ@現実、果物ナイフ
[道具]:基本支給品(食料・水-1)、三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、葉団扇@東方project、包丁
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする 
1:障害物がある場所を優先的に探索。
2:『殺し合い』をする。
3:死んでも構わない。
4:白いの(ときちく)が気になるが後回し。
5:あの女(渚)はどうでもいいが鎧の男(ブロントさん)とは殺し合ってみたい。



【A-3 森/一日目・朝】
【初音ミク@VOCALOID2】
[状態]:混乱、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
[装備]:ルイージの帽子
[道具]:基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
[思考・状況]
0.混乱



【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
思考・状況]
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……

※指定された命令以上のことはできない。しかし殺傷力の高い技も存在する。
※ルイージの死体(帽子無)が放置されています
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。
※テトのデイバッグは魔導アーマーのそばにあります。
176創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:09:44 ID:3hvJXPLd
  
177創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:15:56 ID:3hvJXPLd
終わり?
感想書いていいの?
178嘘の歌姫 ◇/4zBz3jiVQ (代理):2009/03/14(土) 22:18:39 ID:WmRDqiGU
以上で代理投下終了です
報告遅れて済みません


テト・・・・・・何だかんだとはいえ恩人の命は助けられたが
この後ミクが正気に戻っても戻ったで罪の意識をずっと持っていかなくちゃならないんだよなぁ
179創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:22:20 ID:3hvJXPLd
あ、終わりだったのか
投下&代理投下乙!!
テ、テト大オオ大おお大おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
ま、まさか恩人のミクに殺されるとは…
この展開は予想してなかったぜ
ミクはもう完全に壊れてるなぁ、最後の最後までミクを守ったテトが悲しいぜ
180創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:25:22 ID:tQJ0lXx4
投下乙です。1stのロールちゃんといいミクといい、なんとなく機械娘は不幸になりやすいね
181創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:27:02 ID:k9myw+I3
OPで主人公っぽい立ち位置の人はロクな目に遭わないというジンクスがあってな
まぁそうでなくてもニコニコの有名キャラだって悲惨な目に遭う。
バトルロワイアルは甘くはないのだよ
182創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:35:42 ID:CaHVtfun
テトはミクを守る事ができたけどそれが吉と出るか凶と出るか…
前回のつかさみたいなパターンもあるから分からんな
183創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:37:47 ID:gtl7g6Wc
最期の一言ってどういう意味??テトの発言なの??
184創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:38:14 ID:mZKYKLl7
なんで中二生きてるんだ?
185創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:47:44 ID:CaHVtfun
後回しにしてるか混乱してるかじゃね?
186創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:56:05 ID:9uZ6mDRc
気絶してるのを死んだと勘違いしたとか
187創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 22:59:07 ID:mZKYKLl7
ぶっちゃけ「マーダーだから」って気がしてならんけど
殺してもおかしくはないし

アーマーで乗りつけた後のゆっくりの描写が何もない事とか
ゆっくりに動かせるならわざわざミクに動かさせる意味なくね?とか
この後のゆっくりの扱いはどうなるのかとか他にも気になることはあるが
188創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 23:14:30 ID:mZKYKLl7
別に中二に死ねって言ってるんじゃなくて
「少なからぬダメージを負い、不利を悟って退却」とかなら生きていてしかるべき状況だけど
「気絶してうやむやに見逃される」じゃなんというか釈然としないというか
189創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 23:19:54 ID:NgCICLMO
実際、貴重なマーダーを減らしたくないってのはあると思うが
190 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/14(土) 23:37:09 ID:ZzyM6Bil
とりあえずまずいところの修正をして明日投下します。
191創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 23:42:07 ID:gtl7g6Wc
誰か最期の一言の説明頼む…
192創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 23:47:25 ID:k9myw+I3
テトは嘘の歌姫の要素が入っているから、エイプリルフールネタでお払い箱に
なりそうだったところを助けてくれたって言う設定があるんじゃねえの?
193創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:46:23 ID:ttKDuVgL
テトはVIPから生まれた嘘の存在。
釣りでバーボンで、ある意味兄貴と同じ。
歌声もなく、ただ4月2日になった瞬間に消えるはずだった。
しかし、それを止めたのがミク(ということになってる)
テトは歌声を手に入れ、下手でも本当に歌を歌えるようになった。

「君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから」
ミクちゃんしっかりしなよ。嘘の存在の私を本物にしてくれた君なら、どんな嘘にも負けないでしょ、という意味だと思う。

分かり辛いのと、ちょっと長いのがネック。
分かり辛いのはワザとかも知れんけど。
194創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:49:39 ID:VRIg67xR
代理投下行きまーす
195創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:50:11 ID:VRIg67xR
437 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:50:44 ID:8teef8Fo0
悪夢のような放送が終わってから少し時間が経った後…

B-3の森の中にある一本の木。
そこには一人の悪魔がさっきまで寝ていたが、今は既に彼は起きてしまった後だった。

「カカロットォォォォォオオオオオオ……!」
「雑魚めめめめめ!!!!!!!!」
「コウモリめ!!!!!!!!」


彼は腹が立っていた。
この殺し合いに来てまだ全然殺していなかった。
それどころか唯の人間達に足を折られたり、首輪を爆発させかけられたりと散々な結果であった。


だが今の彼にはその怒りをぶつける相手も死体も無かった。
彼は腹ただしさに土を蹴ると物凄い量の土が舞い上がるが、不満そうな彼。

他にも周りの木を何本か折ってみたりするがそれでも苛立ちが収まらない彼。
放送前には疲労がかなり在ったはずだが、サイヤ人ゆえか寝たおかげで殆ど疲労は無くなっていた。


彼にとっての問題は破壊尽くす相手が居ないことだけだった。
それゆえに土や木などに当り散らしていたのだ。


だがそれすらも既に彼にとって問題では無くなっていた、そう相手を見つけたのだ。
恐らくスーパーサイヤ人である彼でなければ見つけられなかった距離だった。
彼は何人いるか少しそちらの方を見る、男女を交えた六人そのうち二人は見知った顔だった。

「クズめが…」

そう言いながらも興奮するブロリー、先ほどの苛立ちは何処へやら。
彼の心の中は既にあの六人を破壊しつくす事だけだった。


「無駄なことを…今、楽にしてやる」
そう言いながらブロリーはキュピキュピと音を立てながらゆっくりと彼らに近づいていった。


438 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:52:00 ID:8teef8Fo0
そのころ草原では男子5人女子1人がお互いに情報を公開し合っていた。
和気藹々と進む会話…だがそれぞれが自分の心の中で違うことを考えていた。


(すまんカズヤ俺はお前の受け継がれた意思を絶対…)
(カズヤこの殺し合いを打破しようとした一人の男を私は忘れないだろう)
藤崎瑞希とトキは、お互いに一人の男の意思を受け継ごうとしていた。


(名前は知りませんが貴方の恩は絶対忘れません)
糸色望は、絶望しながらも名も知らない自分が見捨ててしまった少女へ心の中で謝る。


(今のところ計画通り!)
桂言葉、夜神月、バクラの三人は顔にこそ出さないが、十一人も死んだ事を喜んでいた。
196創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:51:26 ID:VRIg67xR


どうしてこんなにもあくどい三人が対主催である物達と一緒に居るのだろうか?
それは放送直後に遡る。


439 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:53:54 ID:8teef8Fo0
「私は居ませんね…」
「僕は一人いるが死んだ」
「俺は一人居るぜ」


放送を聞いた後の名簿を見た三人の反応である。

放送で死んでしまった奴を聞いたが、三人とも知らない誰も知らなかったが、純粋に優勝に一歩近づいた事は良かったと思っていた。
禁止エリアもちゃんと聞きながら地図に三人は赤線を引く。


そして三人はその後名簿を見たのだ。

桂言葉は誰も知り合いが居なかった。
夜神月は死んでしまった北条鉄平一人。
バクラは城之内克也一人だった。


「それでどんな人なんですか?」
と言葉が聞く。

「言葉よー、慌てんじゃねーよ!」
バクラはそう言いながらも、なかなか教えようとしない。
彼からすれば言葉と月はあくまでも優勝するために、一時的に組んでいるだけだから情報をそう簡単に言うわけが無かった。

そんなバクラから、月はちゃんとした情報を聞くために近づいていった時だった…

三人組がいたのだ。
一旦月は、バクラへの追求を諦め小声で言う。

「まずは接触しよう」
「チャンスがあればタイミングを合わせて奇襲するんだ」
他の二人はしたり顔でうなずきながら、その三人組へと接触するのだった…


440 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:54:58 ID:8teef8Fo0
最初こそ三人組は警戒していたが…

「粉バナナ!」
「プーさん蹴るな!」
「カカオをビターで済まして良いのか!バクラ!!!」

などと月が言ったせいか、なんだか和やかな雰囲気になってお互いに情報の交換からし始めた。
197創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:53:02 ID:3YwY89Xe
しえん
198創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:53:48 ID:VRIg67xR



六人は情報公開するが言葉と月とバクラの三人は隠すとこはしっかりと隠していた。
三人だけが知っている情報や優勝を目指しているといったことである。
そのため当たり障りのない事や自分達に有利に働く事しか言わなかった。


その結果六人がそれぞれに出し合い共有した情報は…
・因幡てゐ、ブロリー、黄色い怪物は殺し合いに乗っている。
・ベジータ、ビリー・ヘリントンの存在
の二つぐらいな物だった。

バクラは城之内克也の情報は隠した。
なぜならもし仮に殺し合いに乗っていると言って、本人に会ってしまったとき自分達が不利になるの防ぐためだった。


他の者達が色々と話し込んでいる。
そんな中、月は悩んでいた――トキに関してである。


彼は素人の月から見ても隙が無かった。
他の二人は隙を付けば自分達でも簡単に殺せそうだが、トキだけは違った。

なぜなら彼の話の中にブロリーが出てきたからであった。
あのべジータがみんな殺されるんだ…と言っていた、強いブロリーと闘い尚且つさほど怪我をしていなかったからだった。

さらに月がこう聞いたときの事。
「どれぐらい強いんですか?」

彼は木を一本を簡単に倒してしまったのだ。
少なくともこの中では誰よりも強い彼の目を掻い潜って、他の二人を殺害できそうになかった。
もし出来たとしてもトキによって、自分達が死という結果に終わりそうだった。

とにかくトキを何とかして二人から分離させなければ、月達にチャンスは無かった…


441 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:56:00 ID:8teef8Fo0
月は心の中で考える。
(どうすれば…)
キュピキュピキュピ
(どうやったら…)
キュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピ
(方法は?)
キュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピキュピ

足音がもうすぐ側まで来ているのに、気づかない月。

「危ない!みんな伏せろ!」
そうしたトキの声で、土に伏せる月達。
その瞬間頭の上に何かが横切って土にぶつかる。


デデーン!そんな音がしたように聞こえる。
恐る恐るみんながそっちの方を見ると、土が半端なく吹き飛んでいた。

「またお前か…」
「ブロリーです」
199創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:53:58 ID:3YwY89Xe
200創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:54:44 ID:VRIg67xR

トキとブロリーの会話を聞いて周りがざわざわし始める。
さきほどの何かはブロリーが出したようだった。
彼はニヤニヤしながら言う。

「いくら雑魚が集まったところで、この俺を越えることはで「天翔百裂拳!」
「へぇあ!?」

トキが物凄いスピードで空中でトキ流の北斗百裂拳を相手の腹を中心に放つ。
吹っ飛ばされ腹を抱え転げまわるブロリー。


カズヤが見せた弱点を覚えていたのだ。
ブロリーの腹に、あのラオウを両手を地につかせるほどのダメージを与え、彼をを無様にも地に転ばせていた。


442 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:57:26 ID:8teef8Fo0
「みんな今すぐここを離れろ」
トキが真剣な顔で言う。
みんながざわつく中、藤崎瑞希は聞く。


「トキ…死ぬ気か?」
「何を弱気になっている?カズヤの意思を継げるのはお前しかいないだろう?」
「どうした躊躇うな!私ごときが居なくなっても変わらない」


そう言いながらも目に涙を少し溜めているトキは少し可笑しかった。
こうも早くカズヤとの約束を破ってしまう事は、後悔しているトキだがこれしか方法が無かった。


「…………………」
「早く行け!ブロリーが起き上がるぞ!」
少し怒声が混じるトキ。


すこし迷っていたがやがて藤崎は他の人達の所へ行きながら叫ぶ。

「絶対死んだらあかんぞ!」
トキはその彼らしい声を聞いてフッと笑う。

そして他の者達が見えなくなるのを確かめてから、ブロリーの方へ向く。
どうやらブロリーは今起き上がったらしくかなりキレているようだった。

「なんなんだぁ?今のは……!?」


勝てる気はしない。
もし無想転生を使えれば勝てるかもしれないが…トキには使えなかった。
そう思いながらも、トキは刹活孔と言う秘孔を付く。

後にラオウと戦ったときに使った秘孔である。
そこをつけば、一時的に強力な力を得る事が出来るが寿命が縮まる危険な秘孔だった。
201創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:56:14 ID:VRIg67xR

さあこれが持つまでに彼はブロリーを倒せるかだろうか?


「さあ闘いを始めようブロリー」
「まずお前から血祭りにあげてやる」
そして今二人の激闘が始まった……


443 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:59:01 ID:8teef8Fo0
【B-3/西部 草原/一日目・朝】
【トキ@北斗の拳】
[状態]肉体疲労(小)、パワーアップ中
[装備]なし
[道具]支給品一式×2、ショートカッター(残り一枚)@ドラえもん、不明支給品0〜2
[思考・状況]
[基本思考]
死ぬまでの間に多くの人を救う。
1:ブロリーを倒す死んでも構わない。
2:強者と戦うが殺害はしない。
3:ビリーともう一度戦う。
※刹活孔をついたため一時的に強力な力を得ています。


【ブロリー@ドラゴンボールZ】
[状態]疲労(小)、全身に軽い怪我、右足首骨折 、腹に結構深刻なダメージ
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1:まずトキから血祭りにあげてやる。
2:全てを破壊しつくすだけだ!
3:腹を庇う必要があるか……


444 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 09:59:59 ID:8teef8Fo0
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて逃亡組みの五人は二手に分かれていた。
なぜかというと月がこう言ったためであった。

「ブロリーが追ってきた時、固まってたらみんな死ぬかもしれない」
「だから二手に分かれて逃げた方が良い」

と言ったので他のものも納得して、すぐさま東と南の二手に分かれたのだ。
集合場所も次の放送までに図書館と決め逃げたのだった。


「ハアハア…ようやく逃げられましたね月くん」
「そうですね」

一方は糸色望と夜神月であった。
お互い全速で走ったためハアハア言ってる。
糸色望が安心して歩みのスピードを緩めた瞬間であった。


ドスッ!そんな奇妙な音が糸色望に聞こえる。

望は自分の首から何か矢のようなものが、自分の首を突き破っているのを理解する。
思わず武器のナイフを落としてしまう。
誰かは分からないが、自分を狙っているのか?
202創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:57:16 ID:3YwY89Xe
キュピキュピw
203創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:57:31 ID:VRIg67xR

思わず、いつもの通り絶望した!と叫ぼうとするが声が出ない。
声帯がやられてしまったのか、声を出そうとしても出てくるのは血ばかり。
望は月の方を向いて、何が起きたのか確かめようとした瞬間。

今度は脛の辺りにも、腹の辺りにも先ほどと同じ様な痛みを感じる。
自分を逃げようとするのを防ぐためか、それともよっぽどへたくそなのか。

今度こそ月の方を向いて、何が起きたのか確かめようと顔を向けた瞬間。
自分の顔に大きな石がぶつかって来た――いや月が自分の顔に向かって振り下ろしてきたものだった。

グキ!とこれまで一番ひどい音が聞こえてくる、おそらく首の辺りだろうか?
意識が飛んでいく中、最後に彼が見たのは楽しそうに笑ってる月だった…


445 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 10:01:11 ID:8teef8Fo0
『月お前ずいぶんと汚いじゃないか』
もうピクリとも動かない望から荷物を奪う月に、 死神がいきなり言ってくる。

少し気分を害したのか、死神に上半身を見せながら言う。

「僕の名前を言ってみろ!!!リューク!!」
『新世界の神だろjk』
「いや違う、僕はおっぱい帝国の神だ!!」

傍目には一人で喚ている痛い子に見えてしまうので、月は声のトーンを下げて更に言う。

「今更何を言うんだリューク?最初からこういう積もりだったから、ブロリーには本当感謝しないといけないな」

ブロリーに感謝しながらも、月はクロスボウを触る。
クロスボウは初めて使ったので至近距離からやったが、それでも初心者には難しい。
事実先ほども声を奪ってから彼を殺そうとしたが、月にはきついのか狙い通りに当たらなかった。
だから止めに大きな石を彼にぶつけて首の骨を折って殺害したのだ。


糸色望の荷物を自分のバッグに入れながら月は思う。

こうも早くチャンスが来るとはな…トキをどうにかするのを方法を勝手にブロリーのおかげで解決したのだ。
まずトキがはずれ、次に二人だったらもしもの事があると思い、あえてチームを分け分断して一人ずつにしたのだった。


今頃向こうでも、藤崎瑞希を殺しているに違いなかった。
これで二人は確実に殺害したのだ。
さらにトキとブロリーも相打ちになると一石で四鳥にもなることだった。
一気に参加者を減らし、月は少し微笑んだ。

そしてようやく荷物の整理が終わった。
これ以上長居は無用と南に向かって歩き出す月

『所でこれからどうするんだ月?』
「まあ次の放送までに図書館に行くとして」
「兎に角服を洗うか変えないと駄目だ返り血が付いてるし…」
そう言いながら服を払う月。


月はこうしてまたおっぱい帝国への階段を上り始めたのだった。
204創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:59:07 ID:3YwY89Xe
205創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 00:59:09 ID:VRIg67xR


【B-4/北部 道路/一日目・朝】
【夜神月@ひぐらしがなくですの】
[状態]:疲労(小)、返り血浴びてる。
[装備]:アポロのクロスボウと矢筒(16/20)@チーターマン、ハイポーション@ハイポーションを作ってみた
[道具]:支給品一式×2、咲夜のナイフ@東方Project(18/18)、さのすけ@さよなら絶望先生
[思考・状況]
基本思考:優勝しておっぱい帝国の神となる
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:次の放送までに図書館へ行く。
3:服を洗うか変えるかしたい。
4:初音ミク、因幡てゐ、ブロリーを警戒
※リュークが憑いています。デスノートは持っていません。
※人外の存在に、リュークの姿が見える可能性があります。


446 :伝説のスーパーサイヤ人の殺し合い訓練学校 [強制参加] ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/14(土) 10:02:17 ID:8teef8Fo0
さてもう一方の藤崎瑞希、桂言葉、バクラの三人組、だがこちらは夜神月の期待通りにはなっていなかった。

原因は桂言葉とバクラの意思の疎通であった。

(チッ!何で早くやらないんだよ。こっちは武器がないから殺すとしたらそっちだろうが。)
(バクラさんからの合図は無いんでしょうか?二人でタイミングを合わせないといけないのに…)
こんな感じでずっといているのだった。
所詮は利用しあってるのだから仕方ないことだろうか?

藤崎瑞希がこっちを見ながら歩いているためそういう会話も武器の交換も出来ず悶々とする二人だった。


「トキすまんな…」
「だけどこの殺し合いを…」
「受け継がれた意思で撃破して、参加者達を救いあの主催達を倒すからな…」

かつてのカズヤとの別れのように泣きはしなかった。
二人分の意思を受け継いだ藤崎瑞希はもう泣かなかった。
彼は男として二つの別れを乗り越えながらも成長していく。

新たに決意を改め成長していく男と、意思の疎通が出来ていない二人のマーダーこれらの行く末は一体何処へ…


【C-3/西部 草原/一日目・朝】
【藤崎瑞希@現実】
[状態]決意、疲労(小)
[装備]なし
[道具]支給品一式、金属バット@現実
[思考・状況]
基本思考:主催者の目論見を粉砕し跪かせる
1:すまんトキ…
2:参加者を救う 。
3:受け継がれた意思を持って、戦う。
4:次の放送までに図書館へ行く。
206創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 01:00:18 ID:VRIg67xR

【桂言葉@SchoolDays】
[状態]:疲労(小)、病み具合沈静中
[装備]:ランサーアサルトライフル(350/350)@Gears of War2
[道具]:支給品一式、ののワさん@ののワさん、魔法の石(ののワさん使用中)@Heart Of Darkness
[思考・状況]
0:月、バクラと協力し、3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
1:どうしてバクラさんは合図をしてくれないのでしょうか?
2:どんな方法でも誠くんを生き返らせる。生き返るなら自分は死んでもいい。
3:ベジータやブロリーのように圧倒的に強い相手には無理を避けたい。
※アニメ最終話後からの参戦です。
※希望を見出したため、ヤンデレ分は沈静化し、目のハイライトも戻っています。

【バクラ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 】
[状態]:服に軽い汚れ、疲労(小)
[装備]:千年リング@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:共通支給品、 光学迷彩スーツ@東方project、コメント一覧@ニコニコ動画
[思考・状況]
1:言葉、バクラと協力し3人で優勝を目指す。(所謂ステルスマーダーとして行動)
2:チッ!何やってんだよ言葉。
3:誤情報を流し争いを促進する。てゐの情報など
4:できるだけ参加者を苦しめ、心の闇を肥大化させる
※原作終了後(アテムが冥界に帰った後)から登場

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
月が去った後のB-4の北部の道路。



まだ望は生きていた、あれだけの攻撃を受けたのにも関わらずまだ息があったのだ。
死ぬまで、そう時間はない彼は残り少ない時間の中である事をし出した。

それは血で文字を書くことだった。
血はダラダラ流れ今にも息絶えそうな彼はある事を書き上げる。

ライト

そうカタカナで自分を殺そうとした人の名前を書きあげた。
そのスピードはとても遅く、普通の10倍以上の時間を掛けて書きあげた。
だけども、もう彼には何の力も残されていなかった。

(すいませんね…どうやら私はここまでのようですね…)
男は心の中で誰かに謝りそのまま安らかに息絶えた。



【糸色望@さよなら絶望先生 死亡】


※糸色望の血だらけの矢が四本刺さった死体がB-4の北部の道路に放置されています。
※糸色望の死体のすぐ近くに血で、ライトとカタカナで書いてあります。
※藤崎瑞希、トキ、桂言葉、夜神月、獏良了は
因幡てゐ、ブロリー、黄色い怪物(スプー)は殺し合いに乗っている事とビリーとべジータの存在を知りました。
207創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 01:00:18 ID:3YwY89Xe
208創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 01:01:40 ID:/h4aJ7iF
一応支援
209創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 01:02:08 ID:VRIg67xR
代理投下終了
先生は律子に助けられたのにすぐ死んでしまうとは
210創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 01:15:02 ID:NP8pdAfC
誰かが助けてくれたのにすぐ死んじゃう奴多いなw
211 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/15(日) 01:23:42 ID:VRIg67xR
ブロリー、トキ予約します
早いけど書きたくなっちゃったんで
212 ◆1SKekTLbsk :2009/03/15(日) 02:47:24 ID:Pzt/6BLf
てゐ、スネーク予約します。
……、大丈夫ですよね?
213創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 06:04:59 ID:mLiXS5Ks
なぜこんなにも淡々とした印象を受けるんだろう
トキに死亡フラグ立てつつステルストリオ逃がしたようだが
この調子じゃそのうち西側にマーダーしか居なくなるぞマジで
214創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 06:31:22 ID:87WCp1gj
たとえブロリーが相手でも☆さえ光れば…
215創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:38:58 ID:VRIg67xR
朝っぱらですが代理投下いきます
216創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:40:39 ID:VRIg67xR


100 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:11:13 ID:SUydv7Y.0
『―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?――――……』

そうか、もう6時間経ったのか。
唐突に声がすると思えば、自分達をこのゲームに参加させた男が陽気に嗤っていた。
空にはデカデカとそいつの顔が映し出されている。6時間ごとに『放送』が流されると聞いていたが
わざわざ顔まで出してくるとはご苦労なことだ。だが、その技術に関して思考を及ばせる気はない。
もっと重要なことが、これから知らされるからだ。

「おい、メモの用意をしろ」

「はっ、はい」

少女……萩原雪歩はデイパックからいそいそとメモ帳とボールペンを取り出し、準備をした。
一応内容は全て記憶するつもりだがメモを取らせるのは確認のためである。

『……まず禁止エリアは、八時からA-4、十時からB-6だ。
 もし時間内に居たら首輪がボーン…だから気を付けろよ……』

一つは思い切り近くのエリアだが問題ない。ここからマップの下側に行かなければいいだけのことだ。

『んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。』

周りは誰彼かわからない奴なのに名前を言う必要があるのだろうか?
少女は続けてメモするようだ。止める必要はないから書かせていいだろう。
もしかしたら残り人数を発表して逆算させるのかもしれないし。

『脱落者は、北条鉄平。…はっぱ隊員。……』

死んだ者の名前を呼ばれるたびにズキリ、ズキリとリズム良く頭痛がする。無視だ。


101 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:12:00 ID:SUydv7Y.0
『……木吉カズヤ 。 …囲炉裏。』


え?


『……秋月律子 …ローゼン閣下 …やる夫、 ドアラ ……』

ぴしり、と、何かが割れた感覚がした。
勿論何も割れてはいない。
ただ一点、稲妻のように頭に斬り込まれた言葉。

「そ、そんな……」
217創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:41:22 ID:VRIg67xR
少女は何か言ってる様だがそんなことはどうでもいい。
ふと、目が合った。こちらからは『書き続けろ』と目で促しておく。

いろり、イロリ、囲炉裏。
日本の古い家屋のアレだろうか。
馬鹿云え、そんなのがこの殺し合いに参加するわけがない。生き物じゃないし。
だけど気になる。変な名前ではあるがそれ以上に……

俺は、そいつを知っている?


102 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:12:43 ID:SUydv7Y.0
―――ズキン

「いや、そんな奴は知らない」

違う、それは嘘だ。知っている。何故かは解らないけど。俺はその人を知っている。

―――ズキン、ズキン。

「ああ……痛いな」

わけのわからない痛みに苛立ってしまう。
それでも少女には悟られないように、必死に痛みを耐える。
しかしその人を知っているのだとしたら、何故俺は忘れていた?
わからない。自分では答えが出せない。
顔も声も思い出せない。だけど、解ることは一つ。

僕は、彼を知っている――――――





『……それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…』


いつの間にか放送は終わっていた。空は元の色を取り戻している。
結局殆んど聞けていないじゃないか。メモを取らせといてよかった。

「見せてくれ」

「……」


218創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:41:58 ID:VRIg67xR
103 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:13:33 ID:SUydv7Y.0
少女はうな垂れたまま無言でメモ帳を手渡した。
どうやらしっかりと書けているようだ。死者は総勢で11人。
彼女が一人殺した男を抜けば10人。だからどうなんだという話だが……。
予想以上に殺し合いに乗る人間は多いらしい。
死亡者の名前を注視すると、『囲炉裏』も含めてわけのわからない名前が多い。
名前を知って起こる頭痛は小さくなっていた。
俺は、この人たちのことも知っているのかもしれない。
だけど、この人の場合は何か特別な感じがした。……彼らと何が違うんだろうか。

「ん」

その下に、『何も書けない白い紙は名簿』と走り書きされている。
俺の聞き逃した事か。
自分のデイパックから白い紙を取り出す。そこに書いてあるのは、支給品を確認したときには
なかった名前が一覧となってずらりとならべられているものだった。
そこには自分の名前は見当たらない。まあこの場にいる人間は誰も俺の名前は知らない。
傍にいる彼女にも「ときちく」としか名乗ってないしな……

……待て。
自分の名前が……なんで思い出せない?
いや、もうわけがわからない。俺の頭は一体どうなってるんだ?
考えたくもない。頭痛はしないけど気分的なものか、疲労感がする。
この件はしばらく置いておこう。時間が経てば何かわかるかもしれない。
僕は少女に話しかけることにした。

「誰か、知ってる奴がいたのか」

「……はい」

少女は力なく俯いている。


104 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:14:07 ID:SUydv7Y.0
「そうか」

俺からは何も言えない。余計な詮索はする必要がないからだ。
けど少女は、聞いてもいないことを語りだす。

「もしかして……律子さんが死んだのはわたしのせい?わたしが人を殺したから?」

……困るな、勝手に暴走しないでくれ。
219創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:45:06 ID:VRIg67xR
「それは違うな。そいつの死とお前の殺人に因果関係は無い。現在、そいつは死に、お前は
 生きている。その事実があるだけだ。何も余計なことを考える必要はないんだ」

「そうなんですか?」

「ああ、そうだとも。むしろよかったじゃないか。生き返らせるとはいえ、お前がそいつを
 殺さなければならないなんて状況になってたかもしれないだろ?自ら手を下すよりは、よっぽど楽だ」

「そう、ですよね……」

納得してくれたようでなによりだ。今からやることがあるのに、ウジウジされても面倒だから。
ついさっき手に入れた探知機を起動させ、この屋敷の周りには自分達以外に誰もいないのを確認すると
すぐに探知機のスイッチを切った。バッテリーが一時間しかもたないのにそれ以上観察する意味はない。
今はまだほかの参加者も遠くにいるようだから屋敷を出るときにもう一度確認したらいいだろう。

「さあ、中に入るぞ。やることがあるからな」

          ※          ※          ※

相変わらず中は静かで何人の気配も感じられない。
今ここにいるのは、彼と、その横にいる少女のみだ。
ゆっくりと辺りを見回し、本当に自分達以外には誰もいないのだと感じ取ると
そのまま奥の廊下へと向かって行った。少女も遅れてついて来る。


105 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:14:59 ID:SUydv7Y.0
「あの……何をするつもりなんですか?」

「なに、たいしたことじゃない」

おずおずと少女は気になっていたことを聞いてみたが、まともな答えはかえらない。
しかしすぐ後に男はこう言い放った。

「この屋敷を改造する」


220創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:45:55 ID:VRIg67xR
10分ほど経った。
雪歩はときちくに言われたとおりのものを集め、玄関の前に置いた。
そしてそれの端を結び、綱のようにする。こんなもので何をするのかはわからなかったが
とりあえず雪歩はときちくの言うことに従っていた。

「シーツなんかで何するんだろ……」

雪歩がそれらを集めている間にもときちくは縦横無尽に館を駆け巡っていたが、今は厨房に
篭っている。意図が読めない。
ようやくシーツを全て結び終えた時、ときちくがいきなり現れた。
別に瞬間移動を使ったわけではない。ただ、雪歩が傍に寄られるまで『気がつかなかった』だけなのだ。
彼は鍋を持っていた。よく家庭でも使われる両手鍋で、それには蓋がしており隙間からは湯気がもれている。
ときちくは鍋を床に置くとそのまま蓋を開けた。

「……なんですか、それ」

悪臭というか、形容しがたい匂いが充満する。
雪歩は鍋を覗き込むと、これまたわけのわからない赤黒いヘドロのような液体が中にあった。


106 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:15:36 ID:SUydv7Y.0
「わからないほうがいい」

そう言いながら彼は背もたれのない椅子を積み上げ、鍋を持ちながら器用に上に乗った。
この玄関のドアの上には子供がギリギリ座れるようなでっぱりがある。その上にときちくは鍋を置いた。

「シーツを」

彼女はときちくに長いひも状になったシーツをときちくに手渡す。
と、ここで彼女にも彼のしたいことが判った。

「……悪辣ですね」

「鬼畜と言え」


          ※          ※          ※

呂布は館の前に来ていた。
一旦市街地に行きかけたのだが途中で館を調べ忘れていることに気づき、そちらに向かうことにした。

「少し時間を無駄にしたな……まあ仕方あるまい」

目の前には巨大な館。
威圧感はあるものの恐れはない。
彼は慎重にかつ勢い良く館の扉を開き、中に踏み込んだ。


「む!?」
221創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:46:23 ID:nDnsfB9I
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222創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:49:00 ID:VRIg67xR


107 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:17:04 ID:SUydv7Y.0
ぐらりと、自分の体が傾く。
思わずその場でたたらを踏み、体勢を立て直す。
そのとき足元に見えたのは、自分の太腿に絡んだ布。

(なんだこれは……)

そこに考えを及ばせるのも束の間、呂布は頭上に何らかの気配を感じた。

鍋。
なぜか扉の上にある鍋が、ぐらりと傾き呂布の頭に落ちようとしている。
鍋には布が結び付けられており、彼の足が布に引っかかったときに落ちるようになっていたのだろう。

(笑止。その程度の姑息な罠など、盾を使うまでもなく弾き飛ばしてくれる!)

鍋が口を傾けて落ちる。
呂布は折れた斬馬刀を振りかぶる。
だがしかし、鍋が刀に当たる前に、大量の液体が呂布に降り注いだ。



「ぐほおぉあっ!?目がぁっ!目があああぁぁぁあああ!!!」

呂布は苦しみに悶え、転げまわった。
だがそれも少しの時間。彼は急いでデイパックから水の入ったペットボトルを取り出し、それを
自分の目に浴びせた。2?の水を半分使い切ったところでようやく痛みが小さくなった。

「はぁ〜、はぁ〜っ、……い、今のは……」

彼の目に映るのは、目の前に転がっている鍋と、石畳を汚している赤黒の液体。
そのナニカからは今もなお湯気と汚臭が立ち昇っている。


108 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:17:36 ID:SUydv7Y.0
剣で物体を破壊することは出来る。
だが、液体までは破壊できない。たかが鍋と侮ってしまい、結果的にその中味が彼に降り注ぐ
事となった。唯一マシだった点は、中味が強酸の類でなかったことか。

呂布の表情はまるで能面のように無表情となっている。
彼はゆっくりと立ち上がり、ロビーにへと目を向けた。
その奥へと続くドアに、ナイフではりつけられている一枚の紙。
彼はそれを手に取り静かに剥がした。
そこにはたった一行の文字が書かれている。
223創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:51:20 ID:VRIg67xR


            『(^д^)m9プギャー 俺を見つけてみろ』


何が書かれているのか理解した瞬間、呂布はその紙を握りつぶした。
この罠を仕掛けたものに対しての憎しみはない。掛かる方が悪いのだ。
故に彼は罠にかかったのはあくまでも自分の所為だと思っている。
しかし、挑戦状を突きつけられたとあっては黙ってはいられない。

「いいだろう。何処に潜んでいるかは知らんが、必ず引きずり出してやる」

呂布は刀と盾を掲げ、ドアを蹴破った。
目の前に広がるのは、多くのドアや二階へと続く階段。
彼はまだ見ぬ相手を探し出すため、そのまま歩を進めた。

「ううっ……臭っ」

鎧に染み付いた得体の知れない液体の匂いがして、彼は思わず顔を顰めた。


109 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:18:09 ID:SUydv7Y.0
【A−3 館/1日目・朝】
【呂布@iM@S演義】
[状態]腹部に打撲 、全身謎の液体まみれ、目が充血、少しの怒り
[装備]折れた斬馬刀@るろうに剣心、イージス@FF11
[道具]支給品一式
[思考・状況] 基本思考:強そうな奴には片っ端から喧嘩を売る。優勝狙い
1:臭い。
2:罠を張った奴を見つけ出し、闘う。
3:術師にも負けない。
4:チルノとはまた会ったら決着を着ける。
5:メタナイトと全力の決闘をしたい。
6:ブロリーとも決着をつけたい。
7:主催者も殺す。
※イージスは意思を持っていますが、封印されているのか本来の持ち主でないためか言葉を発しません。
※盾の性能を全て引き出すことはできませんが、使用することに問題はありません。
※罠を張った人間が館内部にいると思っています。

※鍋とシーツは玄関に置きっぱなしです。
※玄関には謎の液体が広がっています。臭いです。
※ナイフは奥の部屋に繋がっているドアに刺さったままです。
224創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 09:53:20 ID:VRIg67xR


110 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:18:41 ID:SUydv7Y.0
          ※          ※          ※

「ほお、もう館に入った奴がいるようだな。ということは俺の特製スープをご馳走になったか」

私とときちくさんは、今住宅地にいます。
結局あれからもまだ色々あって館に入ってから40分以上もたってしまいました。
ときちくさんは探知機を取り出して館を伺っているようですが……

「しばらくあそこには戻ってくることはないだろう。もしかしたら永遠に、かもしれないな」

さらっととんでもないことを言ってくれました。
それって目的を達成できずに死ぬってことじゃないんですか?
ふと、ちらりと中に醤油とは別の液体が入った瓶がときちくさんのデイパックから覗いてるのが見えた。

「それにしてもなんであんな事を……」

「趣味だ」

「へ?」

「嘘。単に中に人がいると思わせるためのものだよ。篭城していると相手に思い込ませれば良し。
 ダメでも少なからず怒りで正常な判断を欠くだろう。希望的観測だがな」

いまいち理由が正当じゃない気がします。
もしかして本当に趣味なんじゃないでしょうか?

「おっと、一人近づいてきたようだ」

そういうとときちくさんは通りから路地に入った。

「お前はそこで待って、相手をひきつけろ。適当に話でもして気を惹かせればいい。
 危険な奴と思ったら深入りはするな。相手が武器を向けたらすぐにこの路地に入れ」


111 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:19:13 ID:SUydv7Y.0
ときちくさんは家の塀を乗り越えて、姿が見えなくなってしまいました。
道路に残っているのは私一人になった。
でもそれもすぐに終わった。向こうの方から変な服でメガネをかけた男の人が向かってくる。
男の人はこっちに気づいたのか、そのまま走って向かってくる。
怖いけど、私は逃げない。ときちくさんの指示どおりにするために。

「お前……この殺し合いの参加者なのか?」

第一声はそれだった。
男の人の顔には若干の困惑が見られる。
私が参加者に見えないのだろうか?
225創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:05:59 ID:VRIg67xR

「え、ええ……そうですけど」

「そうか…………ううむ……」

何か考え込んでいる様子だ。
でも、こちらからとりあえず聞いてみることにする。

「あなたは、この殺し合いに乗っているんですか?ええと、つまり人殺しをするのかってことですけど……」

「ああ、そのつもりだったんだが……」

男の人は何か迷っているみたいだけど……どうしよう。
わたしじゃあこの人は殺せそうにない。
…いや、別に殺す必要はないんだ。ときちくさんはこの人をひきつけろって言ったんだから。

数十秒ほど経っただろうか。
ようやく男の人がこっちに何か話しかけようとした。
でもそれは、唐突な一撃によって断ち切られた。


112 : ◆hmPkMQW2u6:2009/03/11(水) 17:19:44 ID:SUydv7Y.0
          ※          ※          ※

馬岱は少女しか見えていなかった。
いや、少女の存在以外わからなかったというべきか。
そもそもこの場には自分と少女の2人しかいないと思っていた。
しかしそれでも周りへの警戒は緩めていない。
   . . . . . . . . . . . . . . . . .
ただ、彼の視界が少女しか収めていなかったということが問題だったのだ。

頭に強烈な一撃。
防具があったからまだ少しの間意識は保てたが、それもそこまで。
何が起こったのか後ろを確認し、薄れゆく意識の中でぼんやりと彼の眼が映したのは
フライパンを持った白い外套の男だった。

「この人も殺すんですか?」

「いや、今回はその必要はない」

ときちくはそう言うと、男のデイパックを漁り始めた。

「ふうん、あらかたの武器は自分で持ってるか。それもそうだろうな……ん、これは」

手のひらに納まる程度の紅白のボール。
ときちくはしげしげとそれを見つめ、自分のデイパックに入れた。
雪歩には見えなかったが、彼の顔は不快感でわずかに歪んでいた。

(おかしい……こんなものは僕の世界に存在しないはずなのに、なんで知ってるんだ?
 糞…俺の頭は一体どうなってるんだ!)

ときちくの怒りは誰にも届くことはない。
言ったところで理解してもらえるはずもない。元より、その気がない。

彼は用意が終わったのか、自身のデイパックと馬岱のデイパックを担ぎ上げるとそのまま歩き出した。

「ど、どこいくんですか?この人は放って置いていいんですか!?」

「用を済ませたから去るんだ。ほら、ついて来い。そうだな……このオフィスビルにでも向かうか」
226創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:11:06 ID:VRIg67xR
461 :三国武将達は大変な鬼畜野郎にハメられていきました ◆hmPkMQW2u6:2009/03/14(土) 22:52:56 ID:a/TWyWeQ0
気絶している馬岱を余所に、二人はオフィスビルへと歩を進めた。
彼らは無言で歩き続ける。お互いに違う思考を巡らせて、相手への干渉をしない。
雪歩は少しの迷いとこれからへの決意を、ときちくは苛立ちと目的の遂行を目指して。

ただ、彼の心境にあったのは一つの事実。
「囲炉裏」の名前を聞いたとき、彼はただ、無性に悲しかった。

【A-2 住宅街上部/一日目・朝】
【ときちく@時々鬼畜なゲームプレイシリーズ】
[状態]:健康、精神疲労(中)記憶の混乱?(思考は正常) 少しの苛立ち
[装備]: ナイフ×3、包丁×3、ブレード@サイべリア フライパン
[道具]:基本支給品*3、フライパン、フォーク、張遼の書@ニコニコ歴史戦略ゲー 、
首輪探知機(残り52分) 銃(14/15)@現実、モンスターボール(中身は不明)@ポケットモンスター
【思考・状況】
1:オフィスビルに向かう
2:囲炉裏……?
3:雪歩を利用する。
4:自分からは殺さない。
5:絶対に生き残る。
6:自衛のための殺害は已む無し。
【備考】
※七夜志貴と十六夜咲夜の姿を確認しました。名前は知りません。
※元世界の知識はかなり封印されていましたが、少し解けたようです。
※囲炉裏に関しては今は『知っている』という程度だけです。
※元々の能力などのせいで他の参加者に比べ疲労が激しいようです。
※自分の記憶がおかしいと自覚しています。

【謎の液体】
醤油瓶(一リットル)に入った、ときちくが作った赤黒いスープ。
何が入っているのかはさっぱりわからない。
ただ、館の厨房にある調味料はほぼ全てなくなっていた。
飲めば間違いなく肉体と精神に悪影響を及ぼすに違いない。
もちろんときちく自身が飲む気はない。


462 :三国武将達は大変な鬼畜野郎にハメられていきました ◆hmPkMQW2u6:2009/03/14(土) 22:54:14 ID:a/TWyWeQ0
【萩原雪歩@THE IDOLM@STER】
【状態】:健康、精神疲労(小) 、決意
【装備】: コアドリル@天元突破グレンラガン
【道具】:ナイフ(血で濡れている)、支給品一式×2(水少量消費)ジャージ@へんたい東方 
     デスノート(鉛筆付き)@デスノート

【思考・状況】 基本思考:優勝して全てを元通りにする。
1:優勝して全てを元通りにする。
2:ときちくについていく。
3:死にたくない。
4:殺すのは辛いけど、頑張らなきゃ……。
5:あの瓶…
※ルイージのデイパックは雪歩が持っています。
227創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:11:14 ID:7G2rjzrV
>>213
マーダーは多くても困らないって誰か言ってたしそれでもいいんじゃね?
対主催脱出ENDに拘らないのならマーダーや危険派ばっかでも問題無いと思うけど。
228創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:14:26 ID:VRIg67xR
          ※          ※          ※

ふらふらとする意識でなんとか持ち直しながら、馬岱は立ち上がった。

(殴られるまで全く気づけなかっただと…?あいつ……何者だ)

行動に支障はないようだ。
彼は鎧についた埃を掃うと――――デイパックが、無い。
何処にも無い。辺りを見回しても、落ちているのは竹箒だけ。

(……賊の類か。ならばあの少女は囮に使われたのか。まあどちらにせよ……)

ふと、竹箒に紙が挟み込まれているのが見えた。
彼はそれを手に取り、額に青筋を浮かべながら不敵な笑みを浮かべる。

「『館で待つ』だと?いいだろう、罠かもしれんが乗ってやろうではないか」

それはときちくが書いたメモだった。
A−3の館に馬岱を誘導するために書いたものなのだろう。
しかし、場岱もすぐさま乗るほど軽率ではない。

「この武装のみでは心もとない……というより、食料も奪われては敵わないから
 ここらで調達してからだな。すぐに来いとは書いてないのだからな」

いずれにせよ、多難な道程が始まった。
229創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:21:10 ID:VRIg67xR
代理投下終了
時々鬼畜どころかロワでは常時鬼畜なときちくさん
そして誰もいない館を目指す馬岱w
230創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:27:32 ID:g4bNmMPz
馬岱の状態表が抜けてるぞー

【A-2/住宅街/1日目・朝】
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:頭にたんこぶ、くらくらする
[装備]:竹箒@東方project、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
1:とりあえずは武器と食料の調達だな
2:館には……ゆっくり行こう
3:殺し合いに乗って、自分の力を試す
4:弱い奴は…どうすっか

※雪歩の名前は知りません
※ときちくの姿をぼんやりと確認しました。名前は知りません。

ときちくさん絶好調だなww
馬岱と呂布は会ったら面白いことになりそうだ
231創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 10:46:01 ID:VRIg67xR
>>230
あ、ミスった
ありがとうございます
232創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 13:06:03 ID:3YwY89Xe
ちょww
ときちくマジ鬼畜だww
謎の液体ってほんと何が入ってるんだよw
233創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 16:17:56 ID:MPo8DJuJ
馬岱ww呂布に挑むかww
まともな装備がないとちょとsYレならんしょこれは・・?
234創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 16:45:27 ID:MPo8DJuJ
◆CqqH18E08c 修造 ベジータ サンレッド
◆F.EmGSxYug アカギ、フラン、新堂誠

予約状況、こんな感じぃ?
今日はラジオもありますね

個人的意見ですがテトのSSにあややの弾消しカメラの解説入れたほうが良くありませんか…?
235創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 17:14:27 ID:3YwY89Xe
ああそういえば今日ラジオだっけ
やばい忘れるとこだったよ
教えてくれてありがとさん
236 ◆F.EmGSxYug :2009/03/15(日) 18:14:04 ID:gOs1Me6d
予約延長お願いします。
237創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 18:26:14 ID:g4bNmMPz
現在の予約

◆/4zBz3jiVQ 七夜、ミク、テト (修正中)
◆CqqH18E08c 修造 ベジータ サンレッド
◆F.EmGSxYug アカギ、フラン、新堂誠
◆sh/9YAh26Q ブロリー、トキ
◆1SKekTLbsk てゐ、スネーク
238 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/15(日) 18:39:03 ID:jimSUU5h
嘘の歌姫の修正版を仮投下スレに投下しました。
問題点がありましたら言ってください。
239創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 18:51:19 ID:6PEpWddK
240創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 19:22:40 ID:7PC1xP70
削除されてるが
241創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 19:39:22 ID:6PEpWddK
ほんとだ、なんか
「叩かれて当然のようなことしたんだ俺は・・・!
しばらくwiki編集自重するお!」
って感じのことが書いてあったんだけど、ここ数日スレ覗いてなかったから何かあったのかなと思ってw
242創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 19:52:21 ID:3YwY89Xe
何が書いてあったにしろ個人のブログを晒すなんてことはしてはいけない
243創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 19:54:49 ID:7PC1xP70
でもなんかブログ読んだ感じ・・・痛いな
244創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 21:07:28 ID:6PEpWddK
それは俺も思ったw
245創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 21:25:04 ID:3YwY89Xe
お、ラジオ始まるみたい
楽しみだ〜
246創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 21:56:40 ID:jkPCoUTd
人少ないな…。
みんなラジオ聞きに行ってんのかな?
247創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 21:58:39 ID:3YwY89Xe
そうじゃないかなー
でも俺もラジオ聞きつつここも見てるから
おなじようなやつが話題振れば沸いてくると思うぞ
248 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:00:55 ID:K0Mk7PB0
他の作業が全部できなくなるからラジオ聴けない俺涙目

投下します
249創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:03:13 ID:jkPCoUTd
お、なら支援するぜ!
250 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:04:35 ID:K0Mk7PB0
 ベジータに引きずられるようにしながら俺は修造達といた場所の近くまで戻ってきた。
 美希は既に移動してしまったのかこの場にはいない。

「修造、無事だったのか!!」
「サンレッド!!」

 俺が修造に声をかけるや否や修造は言葉を返す。
 普通ならここで熱い抱擁を交わし再会を祝うのだろうが今はそういうわけにはいかない。
 ベジータがグイグイと俺を引っ張り猛スピードで進み続けているからだ。
 まだあの二人の姿は見えてはいるが既に大分小さくなっている。

「サンレッド!立ち止っている暇はないぞ!!
 そこのお前もサンレッドの知り合いならこっちにこい!戦力は一人でも多い方がいい!!」

 そういうとベジータは修造の首根っこも捕まえてぐんぐんと進む。
 俺と修造、体格の良い二人を引きずっているのにもかかわらずベジータの進む速度はまったく落ちない。
 それどころか追ってきているあいつらをどんどんと引き離し続けている。
 実はこいつ口先だけの奴じゃなくて本当の本当に強いんじゃないだろうか?
 ならばこいつが恐れるブロリーの実力はいったい……?

「ちょっとちょっと待ってよ!落ち着いて落ち着いて……一休み一休み」
「休んでいる暇などない!!」

 しかしこいつ相当自分勝手な奴だな。
 あの修造がペースにのまれかけるとは……

『なにか悟ったようですね』
「こいつとまともに関わろうとするのがそもそもの間違いだった。余計に面倒なことになる」
『なるほど』

 そんなことを言っているうちに早くも橋を越えた。
 ベジータと修造はなにやら熱く意味の分からないことを走りながら語り合っているがもうそんなのは聞いてられない。
 ベジータとはまともに関わろうとするのがそもそもの間違い。まともに関わることができる修造は尊敬に値する。
 しかし何やら相当実力があるらしいベジータとヒーローである俺の走りこれにつる修造もただ熱い奴ではないらしい。
 頭を服で抑え上半身裸で走りながらベジータと語り合い走り続ける。これは並の人間にできることではない……が徐々にスピードは落ちてきている。
 やはり普通の人間の限界という奴なのだろう。

「どうした修造!!お前の熱さとはその程度のものなのか!!」
「Never Give Up!! 」

 あ、スピードが戻った。

『馬鹿ですね』
「あぁ、馬鹿だな」

 そんなことをやっているうちに俺達一行は寒村にたどり着いた。
 既に追ってきてたあいつらの姿はもう森に隠れ見えない。相当な距離を離したのかもしれないし実はあまり離せていないのかもしれない。
 ベジータのせいとは言え誤解は解けていないまま。でもまぁなんとかなるだろ。
 誤解を解くの面倒くさそうだし
251創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:06:29 ID:jkPCoUTd
支援がトゥルル
252 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:06:54 ID:K0Mk7PB0
◆◆◆

「ところでいきなりなんだが放送の内容を教えて貰えないか?」
『放送を聞き逃したんですか?』
「あぁ、起きたのが放送が終わってからだったんだ」
「ふぅん。放送を聞き逃すとは修造もなかなか抜けているようだな。このサイヤ人の王子ベジータ様が教えてやるから感謝するがいい」
「ありがたい 、ちょっとメモ用紙を用意するから……」

 こいつらなんでこんなに仲良くなってるんだ?
 というかヘタレはどうしたベジータ。ことあるごとにブロリーのことを出して一人でビビっているお前はどこに行った。
 そんなに自信満々な態度が続くのはお前らしくない。

『どうせまたなにかあったらビビりだしますよ』
「お前はなんで俺の心がさっきから読めてるんだ」
『顔に全部書いてあります』

 そんなに顔に考えることが出てるのか?俺……。

『あと質問なのですが』
「なんだ?」
『あれは死体ではないのでしょうか?』

 タコルカが指(足)を向けた先には確かになにか盛り上がっているようなものがあった。
 俺はそちらへ歩み寄り見るとそこには確かに死体があった。

「あれだけ距離があったのによく気が付いたな」
『嗅覚には自信がありますので』

 タコに嗅覚なんてあるのか……?まぁそれは置いて置いて。
 血の出血の止まり具合とか考えて死後数時間の経過は明らか……
 俺は医者じゃないから詳しいことは分からないがこのゲームが始まってすぐ襲われたとみていいだろう。
 殺し合いに乗った以上同じ場所、しかもマップの端に留まり続ける意義は薄い。ならば犯人はここからもう離れた場所にいるだろう。
 被害者が服を着ておらず葉っぱ一枚でここに放置されているということから考えると犯人は殺害後この青年から服を奪った。
 違うな。殺害後奪ったのなら血がこんな広がり方をするはずがない。奪ったのは殺害する前。
 刃物で脅し裸になるように要求し服と支給品を奪う……そしてから殺す。卑劣な手口だ。
253創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:07:31 ID:jkPCoUTd
ヴァンプ将軍のさっと支援
254 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:08:52 ID:K0Mk7PB0
『人が殺されたのに怒らないんですね。ヒーローの癖に』
「ヒーローって言っても自分の目の届かないところで起こったことに怒れるほどできたヒーローじゃねぇよ俺は
 地球の裏側でどんなに悲惨なことがあってても「あぁ可哀想だな」としか思わないのと同じようにな
 ヒーローとしては失格の思考なんだろうけどこればかりはどうしようもない、面倒事にも関わりたがらないしな」
『確かに失格でしょうね、でも誰も守れないのではないか……と恐れを抱くよりはマシでしょう』

 ヒーローとして戦うのは本当に面倒くさいな。
 卑劣な手口だと思ってもその程度。この犯人を今から追いかけてどうにかしようとは思わない。
 俺が理解していた以上にヒーローというものは難しいらしい。

『で、修造さんの無事も確認できましたことですしここからどうするのでしょうか?
 この惨劇の犯人を追うのですか?それともこのままベジータと行動しブロリーとか言う危ない奴を倒します?はたまた誤解を解くためにあの二人のところに戻りDIOを倒しますか?』
「ヒーローは誤解より被害なんだろ?ここの犯人かベジータの言うブロリーを優先するか、DIOを優先するか。
 ベジータの話を聞く限りブロリーはここにいる相手を皆殺しにしかねない猛者。一方DIOは強いとはいえ俺との戦いで重傷を負っている。
 放置しておいた場合被害が大きくなるのはほぼ間違いなくブロリー。俺はこのままベジタータと行動する。
 その過程でDIOと会ったりここの犯人とあったらそいつらの排除をヒーローとしてこなすがな」

 ”ヒーロー”というこの短い言葉をここまで意識するのは相当久しぶりだな。
 さて、せめてこの被害者を埋葬してやるとすか……ってをい……

「ブロリーだ……ブロリーの仕業だ……奴はすでに動いていた……」

『予想通りビビり出しましたね』

 ハァ……こいつ放っておいて1人でブロリーを倒しに行こうかな?
 実際に戦うことになったとして敵の目前でこんなにヘタレられたらたまったもんじゃない

『それは勝算が低いと思われるのでやめておいた方が無難でしょう』

 また顔に出てたかな……?ん……?あれ……?
 そういえば俺マスク付けてるのにどうしてルカには顔でわかるんだ……?

『……秘密です。』

 ……??
 なんで考えが全部読まれるんだ……?

「もう駄目だ……みんな死ぬ……みんなブロリーに殺されてしまうんだ……」

 こっちはこっちでまだヘタレてるしなんかもう嫌になってきた。
 その欝タイムやめてくれよ。俺まで鬱になるじゃないか。

「諦めんなよ…諦めんなよ、お前!!どうしてそこでやめるんだ、そこで!!
 もう少し頑張ってみろよ!ダメダメダメダメ、諦めたら周りのこと思えよ、応援してる人たちのこと思ってみろって。
 あともうちょっとのところなんだから。」 
「そうだ……俺様はサイヤ人の王子ベジータ……」
255創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:09:19 ID:3YwY89Xe
おおっと出遅れた支援
256創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:09:52 ID:3YwY89Xe
VIP先生支援
257 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:10:52 ID:K0Mk7PB0
 俺はヘタレたベジータを熱く励ます修造を横目に見ながら呟く。

「こいつら気楽で楽しそうでいいよな」

『別に楽しんでやっているわけではないと思いますよ』

 ルカが多少呆れたように返してくる。
 こいつらの行動はなにか楽しんでるようにしか見えない俺がおかしいのか?

「俺だって車に跳ねられて怪我のところ、服で止血したりとかして頑張ってんだよ!
 ずっとやってみろ!必ず目標を達成できる!だからこそNever Give Up!!」
「そうだ!!俺様はにできないことなんてない!!ブロリーだってこれがあれば殺すことができる!!」
「がんばれがんばれできるできる絶対できるがんばれもっとやれるって!!やれる気持ちの問題だがんばれがんばれそこだ!
 そこで諦めんな絶対にがんばる積極的にポジティブにがんばるがんばる!!サンレッドだって頑張ってるんだから! 」

 俺は頑張ってるのか?
 頑張ってるという自覚はないのだが

『頑張ってるじゃないですか。ヘタレのお守りをしたりヒーローとはなにか考えたり』
「まぁ確かにいつもよりは頑張ってるか、スコップとかはないがせめてこのくらいはしておこう」
『手伝いはできませんけど応援はしますので頑張ってください』

 お前が死んだ周りでギャーギャーワーワー騒いでるけど辛気臭いよりはいいよな?
 まともな墓も作ってやれないし供え物もないがこれで勘弁してくれ
 そんなことを思いながら俺は穴を掘り始める。
 途中からはヘタレから立ち直ったベジータと修造もワーワー騒ぎながら穴を掘りに参加した。
 そんな作業の途中で俺は一つの事実に気が付く。修造とベジータの騒ぎはどこか違和感があるのだ。
 俺はその違和感の原因にしばらく考えて気が付いた。2人の掛け合いはわざとだったのだ。
 決して2人は他人の死をどうも思わず騒いでいたわけではない。人の死によって暗くなる場を強引に盛り上げるために騒いでいたのだ。
 いかに修造が熱い奴だとはいえこんな場に置かれて少しは気分が暗くならないはずがないだろう
 もっとも恐らくそう考えていたのは修造だけでベジータはいつもの通り自分の好きなようにやっていたのだろうが。
 などと考えているうちに穴も掘り終わり死体を入れ埋めなおす。その作業が半分程度終わったところでルカが俺に囁いた。

『なんですか、悲しめないとか言っておきながらちゃんとヒーローらしく悲しんでるじゃないですか』
「ん?」
『サンレッド、泣いてますよ、あなた。』

 ルカからはまちがいなく見えないはずなのだが確かに知らず知らずのうちに俺はマスクの中で死んでしまった青年のために涙を流していた。
258創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:11:16 ID:jkPCoUTd
今年の僕のテーマは支援!
259創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:11:21 ID:3YwY89Xe
ルカントファンタジー
260 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:11:40 ID:K0Mk7PB0
【F-5 寒村/一日目・午前】
【ベジータ@ドラゴンボールZ】
[状態]:健康、軽い疲労感
[装備]:爆破ヅラ@テニミュ
[道具]:支給品一式、不明支給品0〜2
[思考・状況]
1:俺はサイヤ人の王子ベジータ様だ!俺様にできないことなどない!!
2:ブロリーにヅラを被せて殺す!
3:見つけたらDIOとかいう奴も殺す!
4:ブロリーを倒すために人を集める。
5:頭が爆発するようなら殺せる!きっと殺せるはずだ!多分な……
6:もし優勝したなら、言葉に借りを返すため、伊藤誠を生き返らせる 。
7:くだらんゲームなどどうでもいいが、邪魔な奴はぶっ飛ばす 。
※参戦時期は「燃え尽きろ!!熱戦・烈戦・超激戦」でブロリーの強さに戦意喪失している頃です。
※力が大きく制限されていることに気がつきました。
※1マス以上離れた相手の気を探れません。
※ニコニコ動画の影響で、テンションの高低が激しくなるときがあります。


【サンレッド@天体戦士サンレッド】
[状態]:脇腹に怪我(応急処置済み)、上半身に打撲、やや失血 軽い疲労感
[装備]:DIOの上着、たこルカ@VOCALOID
[道具]:なし
[思考・状況]
1:俺が泣いている……だと……?
2:ブロリーを見つけ出して殺す。
3:見つけたらDIOとかいう奴も殺す。
4:ブロリーを倒す為に人を集める。
5:ヒーローとして行動する 。
6:でも面倒臭いのは嫌だ 。
7:たこルカを信頼 。
8:誤解されてるけどどうしよ?

※制限について気がつきました。
【松岡修造@現実】
[状態]:頭部に怪我(止血は終了)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(おにぎり1個(食料)消費)、鏡@ドナルド
[思考・状況]
0.ベジータをヘタレから脱却させる
1.ゲームに乗らず、人を殺さずゲームを終わらせるために、首輪を外す。
2.クラッシャーと一度腰を据えて話し合いたい。もしかして説得できるんじゃないか?
3.目指すのは富士ッ山だ!
※修造は、クラッシャーはリンに対して好意を抱いていると思い込んでいます
※はっぱ隊の遺体は埋葬されました
261創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:11:44 ID:3YwY89Xe
真紅の支援燃え立つように
262創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:12:34 ID:jkPCoUTd
とてつもない日本の支援
263 ◆CqqH18E08c :2009/03/15(日) 22:13:12 ID:K0Mk7PB0
以上です
備考にも本文にもありませんが修造とサンレッド&ベジータの情報交換はまだやっていません
264創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:15:22 ID:jkPCoUTd
投下乙!
このトリオ何かいいなw
しっかしレッドさんが涙を流すとは…。
265創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:17:25 ID:3YwY89Xe
葉っぱ隊は最初から葉っぱだけなんだけどなw
服を脱がして装備ごと奪った卑劣な殺人者がいると誤解するとは
まぁ葉っぱ一枚でロワ会場に現れた参加者がいるなんて普通思わんわなw
266創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:21:07 ID:jkPCoUTd
葉っぱ1枚どころか全裸のヤツもいるからなw
267創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:45:02 ID:jkPCoUTd
ラジオに◆0RbUzIT0To氏ktkr
268創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 22:47:56 ID:xT0v22pC
>>254
ベジータがベジタータに進化している気がする
269 ◆1SKekTLbsk :2009/03/15(日) 23:28:44 ID:Pzt/6BLf
すみません、昨日、今日と連続で用事が入り、明日も用事が入ってしまいました。
明日、できるかぎりの事はしますが、おそらく延長、悪ければ予約取り消しをお願いしたいです。
自分の管理が甘くてごめんなさい。
270創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 23:31:01 ID:3YwY89Xe
りょうかーい
ゆっくりしていってね!
271創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 23:36:03 ID:jkPCoUTd
ゆっくりかいていってね!!
272 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/15(日) 23:44:29 ID:1beCq0Wi
ミク予約入ってないよね?
良かったら予約
273創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 23:54:43 ID:3YwY89Xe
一応修正版が投下されてからのほうがよくないかな
274 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/16(月) 00:01:05 ID:Li/onSRA
>>273
おk。把握しました。
275創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 01:46:16 ID:82eqhSX0
ksk
276創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 01:47:01 ID:82eqhSX0
うん…誤爆なんだ…
スマン
277創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 01:59:33 ID:PtHJoRVy
ksk
278創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:00:10 ID:PtHJoRVy
やべ、俺も誤爆w
ごめんよー。
279創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:08:10 ID:PtHJoRVy
ラジオから戻って来たぜ!
最後のあの流れ…まさにニコロワって感じだったな。
とりあえずみんな乙でした。
280創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:11:43 ID:bMZZ6YVa
皆さん乙でしたー
いやはや疲れた
281創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:14:16 ID:PtHJoRVy
もうksk打ち過ぎて指が痛ぇよwww

チャットに行ってる人達もいるみたいですね。
1stについて語り合うとか。俺は参加出来ないけど…。
282創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:43:47 ID:3VzDfnm1
チャットってどこにあんの?
283 ◆BRxsUzTn5A :2009/03/16(月) 02:46:28 ID:td04jino
サノスケ予約しようかと思います。
284創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 02:49:02 ID:PtHJoRVy
URL貼ってもいいのかな?
大丈夫そうなら貼るけど。
285創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:01:32 ID:td04jino
ここじゃマズそうだし、貼るとしたら
したらばかね。まぁそれでも変わらないかもしれないけど
でも、人がいっぱい来るとチャットは楽しいのよね
286創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:04:03 ID:PtHJoRVy
じゃあしたらばのなんでもありに貼ってくるわ。
それでいいかな?
287創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:19:55 ID:3VzDfnm1
>>286
サンクス
288創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:22:18 ID:/KN8JPYw
仮投下見たが結局七夜は気絶だけで無傷?
プロボクサーの右ストレートでも人間が何メートルも吹っ飛んだりはしないんだが
289創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:29:05 ID:PtHJoRVy
魔導アーマーの腕で吹き飛ばされたんだったら、
確かに打撲くらいしててもいいような気はするね。

あとゆっくりがやっぱり空気なのが気になるかな。
290創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:50:16 ID:/KN8JPYw
ちなみに手元の「空想科学漫画読本」によると
体重51kgの人間が最大衝撃力390kgのパンチを受けた時水平に移動する距離は26センチ、だそうだが
291創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:55:50 ID:PtHJoRVy
まぁ小説だし、そこまで厳密じゃなくてもいいと思うけどね。
それを言い出したら、この企画自体成り立たなくなるし。
292創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 04:06:13 ID:/KN8JPYw
ロワの趣旨からすれば参加者がダメージ受けるのは当然むしろ歓迎じゃないか?
マーダーはまだまだ20人以上もいるし不自然な補正が働く時期じゃない
293創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 04:21:26 ID:PtHJoRVy
まぁ確かに補正と言えなくも無いかもしれないけど…不自然ってほどでも無いと思うがなぁ。
てかマーダー20人もいたっけ?
294創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 04:34:45 ID:/KN8JPYw
咲夜さん、DIO、CCO、てゐ、アカギ
月、言葉、バクラ、クラッシャー、リン
呂布、馬岱、渚、雪歩、ときちく
タケモト、ドナルド、レン、バルバトス、ブロリー
それに七夜で21人
この話が通ったらミクもマーダーコースだし
新堂は微妙だがロワ的にはマーダーフラグ
295創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 04:42:51 ID:PtHJoRVy
なるほどね。危険人物扱いになってるヤツを抜いて考えてたわ。

まぁでもマーダーが多い分には問題無いんじゃないかね。
296創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 04:51:23 ID:bMZZ6YVa
マーダー優勝エンドもありだしそして誰もいなくなったエンドでもいいじゃないパロロワだもの みつを
297創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 08:27:34 ID:G+EJCD4g
今のところマーダー同士の戦いがあまり起きてないがロワでは避けられているシチュなの?
298創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 08:44:36 ID:Vpm9E40X
指摘されてた、ゆっくりどこ行った?てのとミクは何で七夜にとどめを刺さなかったのかの描写
これがなかったのが気になるな

>>297
戦ったマーダーのスタンスにもよる
優勝狙いだったら互いの利益のために一時休戦
ブロリーや七夜みたいな奴は、互いの利益?知るか!で戦いに発展って感じが多いかと



とりあえず、DIOvs咲夜は期待してるw
299 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/16(月) 14:39:16 ID:N1SRllGG
再修正版を仮投下スレに投下しました。
まだ問題がありましたら言って下さい。
300創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 15:36:07 ID:4qe7pAhp
混乱しているんだから死んでるかどうかを確認するのを忘れていたとかじゃだめなのか?
301創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 17:21:17 ID:KwQhyJFq
確かに怪我してないのは気になるが、そのくらいだと思う。
展開的な無理は感じなかった。

ミクは別に七夜を殺したい訳じゃないし、むしろ今はテトの裏切りで頭がいっぱいって感じだしな。
混乱してるから、目の前から消えたならおkって考えたんだな〜と読んでて思った。
302 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/16(月) 19:44:44 ID:Li/onSRA
賀斉、剣崎、リン、キークラ
予約します
303創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 22:30:45 ID:bMZZ6YVa
133 名前: ◆/mnV9HOTlc :2009/03/15(日) 21:30:52 ID:Dk3Iyx9s0
規制中なのでここで。

海原雄山を予約します。

134 名前: ◆SHdRN8Jh8U :2009/03/16(月) 13:38:19 ID:BK1CyaA20
規制中なのでここでします。
馬岱を予約します。

135 名前: ◆uv1Jg5Qw7Q :2009/03/16(月) 21:42:16 ID:Hctu3Bd20
規制中なのでここで。
DIO、コンバット越前予約します

302 名前: ◆KX.Hw4puWg [sage] 投稿日:2009/03/16(月) 19:44:44 ID:Li/onSRA
賀斉、剣崎、リン、キークラ
予約します

283 名前: ◆BRxsUzTn5A [sage] 投稿日:2009/03/16(月) 02:46:28 ID:td04jino
サノスケ予約しようかと思います。


現在の予約一覧表

◆/4zBz3jiVQ 七夜、ミク、テト (修正中)
◆F.EmGSxYug アカギ、フラン、新堂誠
◆sh/9YAh26Q ブロリー、トキ
◆1SKekTLbsk てゐ、スネーク
◆/mnV9HOTlc海原雄山
◆SHdRN8Jh8U馬岱
◆uv1Jg5Qw7QDIO、コンバット越前
◆KX.Hw4puWg 賀斉、剣崎、リン、キークラ
◆BRxsUzTn5A  サノスケ
304創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 22:33:12 ID:BP+CUwnA
おっつー
305 ◆1SKekTLbsk :2009/03/16(月) 23:19:31 ID:6SETCyDH
用事「何勘違いしてるんだ、まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!」

明日にまで用事からの追加攻撃を受けました。
すみませんが、予約を破棄させてくださいorz。
かきたかった人にいたずらに迷惑かけてすみませんでした。
306創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 23:28:41 ID:BP+CUwnA
あらら残念
307創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 01:08:07 ID:Waem9ECk
いまだにハブられ続けるYOU斬カワイソス
308創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 01:51:20 ID:PiNglfw7
こんな展開希望

雄山「やっと参加者に会えたぞ!……何?もう主催者を倒しただと……?」
309創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 02:43:35 ID:R+km0pM8
どう見てもてゐの餌フラグだけどな
310 ◆F.EmGSxYug :2009/03/17(火) 17:25:23 ID:JqCu9eCm
投下します。
隠れながら進んでいる新堂に、それが見えたのはすぐのことだった。
追っていた相手が既に通り過ぎている、映画館の前。
そこで新堂を待っていたかのように、バイクに乗った男がこちらを見ていた。右手にカードを持って。
とっさに銃を構える新堂。だが、相手は怯まない。

「ククク……お前、あの黒仮面を倒そうと思っているな……?」
「……誰だ、お前は。
 人に話しかけるなら、自分から名乗るのが礼儀だろ」

一応同じ人間、それも同世代の日本人らしいことに少しだけほっとした新堂だったが……
銃を突きつけられているその男は、依然ニヤニヤと笑みを浮かべている。その顔に新堂は慌てて警戒を引き戻した。
それでも、その男――アカギは笑みが張り付いた表情を変えない。

「そいつは失礼……俺は赤木しげる」
「新堂誠だ。で、何の用だ?
 わざわざ話しかけてくるってことは、俺を殺そうとしてるんじゃないってことか?」

そう言いながらも、新堂はアカギに銃を向けている。いつでも射殺できるように。
だが、アカギは臆さない。相変わらず笑みを浮かべたまま、言葉を続ける。

「ああ……俺もお前同様、あの黒仮面に興味を持っているところだ。
 だがあいにく、俺に今ある道具のほとんどは『防御』に関わるものだけ……
 ここで手に入る道具の中で強力なものは、やはり支給品……
 つまりそれらを配られている参加者に接触するのがベスト……
 同じギャンブルに挑む者同士、お前に話を持ちかけることにしたというわけさ……」

微かにこの場に吹いた風のように、アカギはさらりと世間話かのように言ってのける。
アカギの言い分は新堂に理解しづらいものだったが、それでもなんとか理解できた。
もっとも、まだ銃を下ろしてはいないが。

「要するに、あいつを殺すために協力し合おうってことか?」
「そうだ。もっとも、命を懸けるのは俺だけでいい……
 お前は俺の指示通り、一つのことをやるだけでいい。
 ただ、この同盟はもしお前に何かしらの武器があるならば、という条件だが……」
「……言っておくけどな、この銃は渡さないぞ」
「クク……銃になど興味はない。
 必要なのは常識を超えたもの……そうだな、例えばカードが最上だ……!」
「カード? なんだよそれ?」

新堂の言葉に、アカギは軽く舌打ちする。
この反応を見る限り、こいつの支給品にその系統のものはない。
アカギはそう踏んだし、実際それは間違いではない。

「俺が今持ってるこいつのこと……後で説明するさ。その銃以外に何かないか……?
 ないならこの話は打ち切りだ……」
「あるけどな……その前にまず聞きたいことが二つある。
 俺にやれって言ってることが何かが、まず一つ。
 そして、お前はなんであいつに挑もうとしてるんだ?」

新堂が聞いたのは、極めて全うな疑問だ。
だが、それにアカギが返したのはとても全うとは言えない言葉だった。

「やることはなに、大したことじゃあない……! 引き金を引く覚悟と体力さえあれば十分……
 そして俺があの黒仮面に挑むのは簡単な理由だ……
 もともと損得で勝負事などしていない……
 ただ勝った負けたをしてその結果無意味に人が死んだり不具になったりする……
 その方がバクチの本質であるところの理不尽な死――その淵に近づける……!」

まるで常識でも説くかのように、常識外れな観念をアカギは説く。
それを見て新堂は――悪霊の影響下にある状態にも関わらず、苛立ちより先に恐怖を、感じていた。
身体的にはただの人間でしかない、アカギに。



新堂から譲り受けたもう一つの銃を右手に持ち、バイクを走らせる。
今、俺の手元にある銃――レイガンは、いわゆる光線銃と言う奴だ。
もっとも威力は実弾銃に劣るどころか、スタンガン程度のものでしかないらしいが。
確かにその程度の威力では主武装としては使えないし、新堂の技量では二挺拳銃などという真似はできまい。
ならば、持ち歩く銃を一つだけにして残りを仕舞うのはおかしなことではない。だが。

(予測通り、まるで白痴だな……!)

思わず心中で漏らす。ヤツ――黒仮面のことではない。新堂のことだ。
相手を殺そうとしている癖に、自分が命を懸けずに済むならと武器を渡す。
皆殺しにしようと思っているわけでもない割に、不審人物は殺そうとする。
命の線引きに、理があるわけでなければ狂気に染まりきっているわけでもない。
新堂は半端だ。半端な狂気に身を浸し半端な理に身を委ねている。それこそが真の愚昧。
チキンランでブレーキもアクセルも踏み切れずに死ぬ、そのようなタイプ。
自分の命を掛け金とする覚悟が、新堂には出来ていない。

(ま、おかげで俺は予定通り、それなりに有力な武器を手に入れられたわけだ……)

俺はあの場をぽつんと置かれた店――地図上では壷のシンボル――に隠れて観察していた。
幸いと言うべきか、売り物か私物かは分からないがそこには双眼鏡が置いてあったのだ。
だからこそ三人が二人と一人に別れたのも、新堂が付きまとっていたのも把握できている。
こそこそ追いかけている時点で、新堂がそういう男だということは知れていた。
だからあんな話を持ちかけた、それだけだ。今考えるべきはそれよりも黒仮面。
わざわざ合流の機会を逸して一人で歩き出すような相手。
実力か逃げ足に相当の自信があるか、あるいは相当な狂人かだが……

(それは、撃てば分かる……!)

構える。森の手前、川の脇にヤツがいる。ヤツは俺の存在に気付き、こちらを振り向いている。
新堂と別れた後は、派手にバイクの音を立てながら追跡したのだから当然だが。
引き金を引く――僅かな反動と共に、奔る光線。
光速には遠く及ばぬとは言え、銃弾同様音速は超えるそれに対し。

「……いったいなー。なんかビリっと来た」
「…………」

ヤツは回避行動も取らずに、あっさりと当たった。
まるで子供のように――いや、背丈を見る限り実際に子供なのか――文句を言う黒仮面。
あまり効いていないようだが、レイガンの威力が無いのかヤツがタフなのかは判断できない。
銃を構えながら俺が観察していると、ヤツは妙なことを言い出した。

「ブロリーもそうだけど、いきなり弾撃ってきたら駄目だよ。ルール違反だし。
 符がなくても名前くらい宣言しなくちゃ」 
「は?」
『フラン……何の話だ?』

ただでさえヤツの言うことは理解しがたいものだが、更に剣が喋っているのも常識外だ。
あれも支給品か。ユベルの例を考えれば、ただ喋るだけというわけではないだろう。
考えを巡らしながらも、ヤツの動きを注視する。
この戦いにおいてまず重要となる事項は「距離」。
ヤツがどの距離で戦闘を仕掛けてくるか、見極めなくては戦法すら定められやしない……!

「何って、弾幕ごっこの話で……
 あれ? 不意打ちで蹴り入れてもいいんだっけ?」
『……詳しくは知らないが。
 この殺し合いの場で、そのルールが適用されるかどうかは微妙だろう』
「あ、そっか。幻想郷に住んでるのしか知らないのかな。じゃ、いいや」

話は終わったらしい。
この会話から読み取れたのは、ヤツは背丈どおりの精神年齢……かなりのガキであること。
それも。

(銃を向けられていた時から、ヤツは反応を見せていない……
 先ほどの反応を見る限り、銃で傷つかない相手でもないようだ。
 スタンガン程度の出力で痛がるなら、銃が痛くないということはないはず……
 つまり銃が危険なものだということそのものを知らないということ……)

かなりの子供。あるいは無知。
少なくとも頭を巡らすタイプではあるまい――演技という可能性もないわけではないが。
外れか?そう思いかけた矢先、ヤツが右手を上げた。

「さて、と。
 あなたが誰かは知らないけど――遊んでくれるんでしょ?」

光った。そうとしか俺には形容しようが無い。
それに反応できたのは、ヤツの声から殺気を感じ取ったため。とっさに伏せる。
同時にヤツの手から放たれた光る何かがオレの頬を掠め、地面に激突していた。
それがお遊戯でないのは、穴が開いていることからしてもよく分かる。
俺には予想も付かぬ魔法、あるいは超能力。
支給品の力か、それとも個人の力かは知らないが、ヤツはそれを持っている。
そして。

仮面で表情は読み取れないが。
あの声は間違いなく、喜色に満ちたそれだった。

(なるほど、実力がある狂人というワケか……!)

普通の子供ではない――ヤツは殺しを楽しむ人種だった。
一人なのも、自分の身体を使った撒き餌か。ならば、命を賭けるかいがあるというものだ。
ただの人間でしかない俺の手札と、ヤツの切った手札……
この世ならざる力と釣り合わせるならその方法はただ一つ。

――それは、自分の命を賭け金にするしかない……!

「……遊ぶ、か。
 クク、確かにこれほど楽しい遊戯はないな。狂気の沙汰ほど面白い……!」

俺もまた笑みを浮かべ、レイガンを構える。
それが、開始の合図になった。
再び弾が浮かぶ。今度は複数。まるで、子供がかき集めた光る玩具。
違うのは、その玩具は触れたものを破壊するということだ。
とっさにペダルを踏むと同時にバイクが走り出し……弾の着弾地点から俺の体をずらした。

(予想以上の弾速……
 だが基本はレイガンと同じ、曲がったり追いかけてきたりはしない、か……!)

弾が撃ち出されるのを見てからでは、恐らく間に合わなかっただろう。
そう現状を把握して……流石に息を呑んだ。
さっき撃ったのと似たようなそれが、今度は大量に浮かんでいる。
まるで夜のイルミネーション。太陽の下には似つかわしくない、文字通りの色々。
間断なく撃ち出されるであろうそれを想像して辟易しながらも、レイガンを撃つ。
それに対し、ヤツが剣を振るった。それだけで相殺。
火力が違う。不公平にも程がある。もっとも、そんなことは承知の上……!

(飛び道具主体で接近戦を仕掛けてくる様子は無い……
 ならば今のところ、新堂の出番は無いか……)

日光の中、草原の上で思考し、速度を維持したままハンドルを傾ける。
こういった場合、障害物の多い森へ逃げ込むのが常道。
だが、俺は敢えて映画館の裏へ向けてバイクを走らせた。
ヤツにはただ逃げているように見えるように、演出しながら。
今のところ出番が無さそうとはいえ、新堂に話した作戦上川から離れる訳にはいかないのだ。
それに……森に逃げ込んで、上手く逃げ切ってしまえば作戦は成り立たない――!
レイガンと指でカードを挟むことで、命中コースに入った場合の準備も出来ている。
ヤツは走って追ってくる。人間とは思えない速度だが……それでもバイクの全速力よりは遅い。
故に、速度を緩め、距離を保てる程度の速度に調節する。
当然、その間も間断なく弾が撃ち込まれてくるが……俺は奴の弾を理解しだした。

(……弾速は速いが、その全てが『撃ち出された時に俺がいた場所』を狙っている。
 軌道も変化しない。ならば……!)

バイクの速度を緩め、少しずつ進路をずらしながら退がる。
映画館の裏と川の間、幅が100mもない細長い空間。そこを弾を掠らせつつ走りぬける。
俺は絶体絶命だ。
俺は絶対絶命だとヤツに思わせつつ、実際は五体満足でなければならない。
苦し紛れのようにレイガンを撃つ。狙いをつける必要は無い。
俺に余裕はないということを演出するためにも、当てる余裕を見せてはならない。
目的となる場所が見えてきた、その刹那。
突如、バイクに衝撃が走った。まるで、爆発がすぐ近くで起こったかのように。

(パターンを変えたか……!?)

映画館の裏は既に抜けた。
広くなった空間の中、勘でバイクを滑らす……しかしツキに見放されたか、再び衝撃。
バイクのどこかを掠めたか、あるいは命中したか。
明らかに異常な震え方をバイクはしている。ハンドルの効きも、ベタルの反応も鈍い。
更に右肩に灼熱。思わずカードを落としかけるのを、歯を食いしばって耐える。
これが無ければ、作戦は根底から破壊される――!

「ねー、撃ち返して来ないのー?」
(ケチな点棒拾う気無し……!)

ヤツの言葉に、俺は心中で吐き捨てる。
レイガンで与えられるダメージは微小。そして、既にヤツを引き付けることには成功した。
相手の命を奪える目算がいる以上、ちょっとした傷をつけようと必死になる必要はないし……
今の俺では、レイガンを撃ちながらカードを落とさないように保持できる保証はない。
・・・・
狙い通り、俺は追い詰められた。
後ろに川が来たところでバイクからわざと転がり落ちる。
速度は緩めていたから怪我は軽い擦り傷程度だし、バイクやカードが川に落ちることもない。
もっとも、もう既にこれはポンコツ寸前だ。
しばらく走っていたらいきなり急停止、なんてこともありえる。
だが……逆に言えばしばらくは持ち堪えるはずだ。
既に映画館は通り過ぎた。場所はD-2の北東端、正真正銘の行き止まり。
つまり……ヤツは俺を逃がさないように気を遣う必要が無い。「動かずに」攻撃に専念できる。

「……ふぅ」

息を吐く。身体と精神を落ち着かせる。
ここからが本番。ヤツの攻撃に対し切り札を切る、最後にして最高のチャンス。
ここでしくじれば後は無い。そのことに、俺の心臓は奮い立つ。

――だが。

「やーめた」

奮い立った心臓を竈から冷蔵庫にブチこむかのように。
ヤツはまったく、予想外の言葉を言い放った。

「……は?」

生まれてこの方、ここまで予想外だったことはない。まさか、新手のブラフか?
だがヤツの体勢を見る限り、明らかに力が抜けている。
ヤツは本気でやめた、と言っているのか……?

「帰っていいよ。これだけ川がいっぱいだとやだし、ラガナーや美鈴が色々言ってたし。
 だいだい、どうせあなたなんかに私は壊されないし。
 私は歪みねぇ生き方が何か聞いて回らないと……」
「ククク……ははははははははっ!!!」

思わず、笑う。
あまりに予想外すぎて、萎えるより、呆れるより先に笑ってしまった。

「……なによ?」
「いやなに、あまりにバカらしいことを言うからな。
 歪みがない生活など、楽しいワケがない……!」

相手は本当に思っていることを言っているらしい。ならば、俺も本音を漏らす。
どう見ても、俺は追い詰められているように見えるだろう。
バイクは不調を訴えるかのようにガタガタ音を立てているし、背後には川。
体中には擦り傷だらけで、文字通りの背水の陣。

「失望させるな……
 興奮しているこの俺を……!」

それでもなお。
俺はその表情に笑みを絶やさない。



見逃してあげる、って言ったのに、相手――白髪の人間は帰らない。
それどころか、笑っている。笑って、よく分からないことを言っている。
少しイライラしたけど、とりあえず聞くことにした。

「……何を言いたいわけ?」
「聞きたいのはこっちだ。お前は、俺に攻撃することを楽しんでいた……
 それなのになぜ、歪みない生き方とやらを追い求める……?」

え、と喉から言葉が出た。無意識のうちに。

「あなたは、歪みねぇ生き方が何か知ってるの?」
「さぁな……考えたことなんてないし考える気にもなりゃしねぇよ……
 だが少なくとも分かるのは、俺やお前が望んでいるのは間違いなく『歪み』であること……!
 俺が命を容易く賭け、ゴミのごとく奪われるような状況に生きがいを感じるように……
 お前が相手の血を見ようとし、命を軽く扱っていることは疑うまでもなく『歪み』……!
 お前は歪みある生活こそを望んでいるのさ……俺と同じように……
 にも関わらず帰れだの……歪みない生活だの……三流芸人にも劣る……!」

むかっと来た。
ろくな実力もない癖に、口だけはえらそうに語るこいつを。
別にこいつは、どうでもよかった。弱いし、そのくせ避けて逃げ回るし。
壊そうとしないし壊せもしないなら、私に壊される前にさっさと帰れって言ったんだ。
それなのに、私に逃がしてもらう立場なのに、それどころか戦えって言うこいつを。
……ここで初めて、腹立たしい存在だと、思った。

「……あなたには関係ないわ。
 こんな感じでいくって言ったら、美鈴は私を……えっと……そう、したってくれたもの。
 だから――」
「違うな……そいつは本当のお前を気に入っているんじゃない……
 騙され、本性を隠し偽ったお前を気に入ってるに過ぎない。
 もしお前が参加者を殺して回れば、そいつはお前を見捨てるだろう……」

何言ってるんだこいつ、と思った。
思ったのに、なぜか。

――もしもフランドール様が殺し合いに乗られているならば。
――フランドール様に手をかけようとまでしていました。

そんな言葉が、蘇ってきた。

「目を覚ませよ。そいつらにとって、今のお前の行動はただの口実だ。
 そいつらが生き残る行動を取るため、そいつらがあらかじめ決めていた行動を取るための、な。
 常識に、『まとも』に、騙されるな……誑かされるな……!
 本当のお前を理解してやれてるワケじゃない……」
「……うるさい」

思わずつぶやいた。
自分そのものを否定されているようでいて、同時に本当に自分のことを言い当てられているようで。
これ以上なく不快なのに――なぜか、耳を塞げない。

ブロリーと戦ったのを、楽しいといったのは。
アカギに挑まれて、どんな戦いができるかわくわくしてたのは、間違いなく、わたし。

『気にするな、フラン、ただの出まかせだ』
「分かっている……お前と美鈴とやらは愛し合ってはいない……
 いや、本当の意味で愛してはいなかった。いや、愛そうにもできない。
 お前は自分の本性を見せていない……自分が与える傷を……苦しみを。
 ……痛みを見せていない……!」
「うるさい!」
「素直になれ。自分の歪みをさらけ出せ……!
 ヤツが本当にお前を好いているのなら、どんなお前だろうと受け入れる……本当に、ならな。
 だがそれをしない……心のうちで分かっている、自分の歪みは愛されないと……!
 漕ぎ出せよ……『まとも』から放たれた人生に……!!!」
「うるさい――ディムロスッ!!!」

思わず叫んで、剣を持った腕を振り上げる。
つまらない。こいつはつまらない。
いや、つまらないなんてものじゃない。

この男は。閉じ込めていた自分の心が無理やり開かれて壊されるような感じは。
ものすごく、不快だった。


319創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 17:46:27 ID:8STdPBOG
倍支援だ
320代理投下:2009/03/17(火) 18:03:05 ID:8STdPBOG
157 名前:悪魔の遊戯 -赤木しげるのユベリズム心理フェイズ-[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:40:17 ID:duj71Oko0

フランの腕が奔る。一瞬にして巨大な炎が剣に点り、数十メートル近くに肥大化したそれを振る。
何の手加減もせず、ただ魔力を注ぎ込んだそれは、雪や氷であろうと容易く消す。
ましてやただの人間でしかないアカギなど、燃やすどころか容易く炭と変えるだろう。

――その苛立ち。
そこから来る大振りな攻撃を、アカギはずっと待っていた。

マジックシリンダー
「魔法の筒――」
「……な……!?」

草原を燃やし、アカギまでも燃やそうとした攻撃は、現れた筒を全く傷つけられずに飲み込まれる。
筒に炎が入ると共に、炎が文字通り逆巻いた。
そのままの勢いで――炎の剣は、持ち主へと迫る!
驚く間も与えず、フランの周囲が燃え上がった。いや、それは燃焼と言うより爆発に近い。
被害箇所から逃れられたアカギですら、思わず顔を腕で覆うほどに。
それに加えて周囲を嘗め尽くした長大な炎は、大幅にその視界を奪っている。
それでも、数秒後……覆われた僅かな視界の端に、
煙を引きつつ燃え盛る炎の横から抜け出すフランの姿が見えていた。

「……チッ」

腕を下ろしながら舌打ちするアカギ。
ジリジリと熱の残滓が顔を襲ってきたが、耐えられる範囲だ。
フランの左手首から先は、なくなっていた。いたが……それだけ。とっさに避けたのか。

絶対絶命を装い、追い詰めている自分の力に優越感を持たせて慢心させる。
あるいはいつまで経ってもしぶとく生き延びる相手にイラつかせる。
つまらない癖に死なない獲物を演出することで大振りな攻撃を誘い、
それを反射することで、相手の攻撃力を逆用し回避の隙も無くす。
これがアカギの『遠距離戦用の』作戦だった。
言葉で挑発したのは、ちょうど後者が誘えそうだったために付け加えたアドリブに過ぎない。
そういった意味ではフランがアカギをつまらないと思ったのは狙い通りだったが、
追い詰めたにも関わらず見逃すなどと言い出したことはアカギにとって真実予想外だった。

(近距離戦を誘いそちらの作戦に移行するにも、どちらの作戦でも『魔法の筒』は不可欠……
 新堂は……追いついたらしいな。だが『くず鉄のかかし』はあくまで予備……退くか……?)

やはり燃焼より爆発のそれに近かったのか、炎は着火した時同様に一瞬で消えている。
残ったのは熱と、黒焦げの草原と煙、そしてそれに隠れてにじり寄っている人影だけ。
再び開けた視界の中、アカギは脳よりも目が動かしていた。
アカギの視線を縫い止めたのは、服が燃えてしまっている手首のない左腕。
外気に晒されている部分の肌が灰となっている様子は……

「まるで吸血鬼だな……」
「……まるでじゃなくて、本当の吸血鬼よ、人間」
「……へえ。
 だが残念だったな、吸血鬼。
 さっき見せた通り、もうお前の飛び道具や武器は俺には通じない……!」

もはやアカギを壊すべき相手としてしか見ていない冷たい目。それを見ても、アカギは怯まない。
フランは今、アカギしか見ていない。それに今までの発言が、アカギに電流を奔らせていた。
今言ったのはブラフだ。実際はあと12時間は使えない。
もしフランがカードを持っていればすぐにバレる、薄っぺらいブラフ。
しかし持っていなければ、そのブラフに更に説得力を持たせる手段はある――くず鉄のかかし。
フランドールが再び遠距離攻撃を仕掛けてくるなら……残念ながらアカギに勝てる手段はない。
くず鉄のかかしで防ぎその隙にバイクを奮い立たせて逃亡し、分けに持ち込むしかないだろう。
だが、もし近距離攻撃を仕掛けてくるならば……
321代理投下:2009/03/17(火) 18:04:03 ID:8STdPBOG
158 名前:アカウントナンバー774[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:40:57 ID:duj71Oko0

(『魔法の筒』なしでも、可能性がある……! ヤツの性格上、言ったことに嘘はない……
 ならばその発言は、オレにとって紛れもない本人からのヒント……!
 例えヤツが銃弾を受けても死なない身であろうと、伝承通りの吸血鬼であるなら……)

吸血鬼。その言葉を聞いて、アカギの頭にはあるアイディアが浮かんでいた。
いや、アイディアというにはおこがましい、伝承を元にした薄っぺらい勘。
だが、アカギはそれを保険とすることに決めた。

(一度でいい……!
 一度でも先手を取れば俺が勝てる……新堂がしくじっても、尻尾を巻いて逃げずに済む……)

アカギが思考する向こうでは、フランが剣を仕舞って走り出した。
挑発に乗って、素手での格闘戦を挑むことにしたようだ。
……言うまでもなく、戦闘能力はフランドールの方が遥かに上。
そして、フランドールは技巧よりも本能で戦うタイプ。それはアカギにも分かる。
更に、彼女はイラついている。一刻も早くアカギの姿を消し去りたいと言わんばかりだ。
明快な実力差があり、嬲る気はない。ならば一撃で決着を付けようとするのが常道。
故に狙うとすれば、頭か心臓のどちらか。そして、今彼女は走って接近している。
その勢いを利用するためにも……攻撃は薙ぎ払いではなく、突きの可能性が高い。
またアカギの方が背は高く、更に今アカギはバイクに乗っている。
よって、背の低いフランドールが狙うのは。

(間違いなく一点……俺の心臓ッ……!)

間近に迫ったフランドールを前に、微かにアカギの身が震えた。
だがこれは頼りにするにはあまりにも薄っぺらい論理。
勘が多分に入った、論理とも呼べない思考。

――だからこそ、それに身を委ねるのが面白い!

だからこそ、アカギはそれに賭ける。
そんな薄っぺらい論理に賭けるしかないアカギ自身もまた、この場では薄っぺらい存在なのだろう。
それでいい、と彼は自嘲する。薄く、ただひたすらに薄くなり……切り裂けるほど尖ればいい。

「くず鉄のかかし――!」

あっという間に接近してきたフランへ、右腕でカードを翳しながら左腕を伸ばす。
果たして予測通り心臓を狙ったフランの腕が、アカギの胸の前でかかしに遮られ止まる。
それを素早く掴み取った。どこを狙うかあらかじめ分かっていた以上、その反応は恐ろしく速い。
速いが、吸血鬼には及ばない。当然フランはそれを振りほどこうとして……止まる。いや、止められる。
右脇腹を掠めた、衝撃によって。
新堂誠。アカギがあらかじめ依頼した男。
フランが完全にアカギだけに注意を移した隙に接近し、引き金を引いたクリムゾンの銃弾。
それが衝撃の正体だが……そんなことはフランには分からない。
そもそも、そこに当たったことのは失敗に過ぎない。頭を狙ったものが逸れただけだ。

『俺とヤツの戦いを脇から見ていろ……お前の存在に気付かれないよう、注意は俺が引く。
 俺が川から離れたら作戦は失敗だ、お前も大人しく退け。だが、どんな形でもいい……
 奴が接近して攻撃したとき、俺がカードを使ってヤツを止めたら発砲しろ。
 一撃で仕留められるようよく狙ってな……』
322代理投下:2009/03/17(火) 18:06:36 ID:8STdPBOG
159 名前:悪魔の遊戯 -赤木しげるのユベリズム心理フェイズ-[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:41:40 ID:duj71Oko0

アカギがあらかじめ新堂に依頼したのが、この内容だった。
下手をすれば自分が誤射で死にかねない状況。
だがそれ位の賭けを容易く行うのが、アカギという男だ。
とはいえ、フランの命を奪うどころかカスリ傷で済んだというのは、
アカギにとっては十分「しくじった」と言える範疇。
そもそも本来の近距離用作戦は、魔法の筒で攻撃を返したところを新堂が銃弾を撃ち込む、
という二段構えの作戦。これでは片手落ちどころか両手落ちだ。
だが……それでも、フランは予期せぬ痛みに、とっさに後ろを振り返ろうとした。気が逸れた。
それが、アカギが即興で立てた作戦の狙いだった。

「飛べ――!」

事態を把握して行動に移った、アカギが先手を取る。
行動はすぐに終わった。フランの掌を引き寄せて抱きかかえ、後ろに跳ぶだけだ。
普通なら自殺行為。逆にフランに握りつぶされて終わるだけ。だが、そうはならない。

――吸血鬼は、流水の上を渡れない。

それが狙い。アカギが賭けたのは、吸血鬼に伝わる一つの伝承。
後ろにある、川へと。

「え……!?」

怖気が走る。
フランがとっさに振りほどこうとした瞬間には、もう遅い。
水の上まで運ばれた彼女は力が抜ける。何の変哲もない人間を砕けないくらいに。
そのまま、アカギとフランはともに川へと突っ込んでいった。


323代理投下:2009/03/17(火) 18:07:23 ID:8STdPBOG
160 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:43:01 ID:duj71Oko0

「お、おい!?」

アカギが川へ飛び込んでいくのを見て、さすがに新堂は仰天した。
新堂がアカギから言われていたのは『銃で撃つ』ことに関連したことだけだ。
そんなことをするとは聞いていない……もっとも、聞きようがなかっただろう。
何せ、アカギはこれを途中から思いついたのだから。
慌てて新堂は自転車を漕ぎ、川岸まで寄せた。

――バイクに乗っているアカギを走って追う、というのはいくらなんでも無茶があった。
故にアカギは映画館の駐輪場に置いてあった自転車に乗るよう、新堂に指示していた。
掛かっていた鍵はクリムゾンで撃って破壊してある。こんな場だ、窃盗罪を気にする必要はない。

川の様子を見る。
アカギは……なんとか泳いでいる。対岸目指して腕と足を動かしている。
新堂が足元を見ると、カードが一枚落ちている。アカギが落としていった『くず鉄のかかし』だ。

「これがあいつの言ってたカードだな。よし、試してみるか……
 くず鉄のかかし! ……おい、出てこないぞ。どうやって使うんだ?」

使用制限を知らない新堂はしばらくそれをいじっていたが、
結局気付かずにぶつくさと文句をいいながらしまいこみ、視点を川へと戻した。
一応アカギには「協力関係はこの戦いのみであり、終わったら別れる」ということを言われている。
とはいえ、新堂にとってはやっと出会えた二人目の人間だ。
見捨てていいのかどうか迷っている間に、ふとあるものが目に止まる。

「……あいつ!」

それを見て――新堂は思わず、自転車に飛び乗った。

324代理投下:2009/03/17(火) 18:08:23 ID:8STdPBOG
161 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:43:36 ID:duj71Oko0

「は……っ」

息を吐きながらも、左腕に力を入れて体を引っ張り上げる。
俺はなんとか川岸に上がっていた。バイク以外に喪失した道具はない……
いや、くず鉄のかかしを回収し損ねたか。仕舞う余裕が無かったのだから当然だが。
ちなみに川を泳ぐのは別に手品を使ったわけじゃない、普通に体と運を使っただけだ。
この手の脱出は以前にも経験済み。俺にとって、不安に思う必要はない事象。
……とはいえ。

「少しばかり、疲れたな……」

服を着て、体に傷がある状態での水泳は相当な負担となる。
飛び込んだ後、自分の姿勢を整えることで精一杯だった。
ましてや必死に浮き上がろうともがき流されているヤツを、
水中に押し込んでいる余裕などなかった。
そんなことをしていれば、俺も沈んでいただろう。

「洞窟があるな……対岸へ渡れた……
 いや、流された、という方が正しいか……」

なんとか無事だった地図を見る。
俺が飛び込んだのは川が蛇行し、流れが変化する辺りに当たる。
流れが緩やかになりながらも残り、代わりに川底が深くなっている場所。
中流域、川の曲がっているところによく見られる、いわゆる「淵」というやつだ。
とはいえ山が近いからか、淵とはいえあの周辺の流れは予想以上に速かった。
その状況下で流れに逆らえば無駄に体力を消耗するだけ。
ましてや誤って淵を出てしまえば、すぐに流れの速い「瀬」が待ち受けている。
近い岸――飛び込んだ場所――に無理に上がろうとせず、
流れに乗って「淵」に留まりつつ対岸へ向かうのがあの状況では最上。
ふぅ、と息を吐く。飛び込んだ場所を選んだとはいえそれなりに疲労したし、心地よい疲労ではない。
結局ヤツは、その狂気を隠したまま水中へ消えた。

「……無理に狂気を隠すくらいなら、死ねばいい」

思わず、嘯く。俺はヤツから感じた狂気に期待していた。
もともと、俺が新堂に話を持ちかけたのは大した理由じゃない。
二人組と一人に別れた参加者。殺すために追うなら当然、いわゆる「理」の上でも一人のほうだ。
だが俺が一人のほうを追ったのは、それだけの自信がある参加者だと判断したため。
敢えて二人組に同行せず一人で歩く以上は、腕に相当な自信があるはずと予測した。
だからこそヤツを身を隠しながら追っていたら、同じようにヤツを追う者に気付いただけの話。
新堂からも狂気に近いものを感じたが、おそらくアレは借り物。狂気を自分のものと出来ていない。
故に新堂に戦いは挑まず予定通りの相手に挑んだところ……それは予想以上の相手だと感じた。
ヤツは俺と同じ、本当の狂気を持つものだと感じた。
だからこそ興奮したのだが――それは誤りだったらしい。結局、それを露呈させずに死んだのだから。
325代理投下:2009/03/17(火) 18:09:34 ID:8STdPBOG
162 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:44:09 ID:duj71Oko0

(死ねっ……! 溺れ死ねっ……! 狂気を堪えて生きようとするくらいなら死ねっ……!
 死ぬことが幸福だっ……! 死ね、異端者っ……!
 深海魚が川や陸で暮らそうとしても、生きる術はない……!
 大人しく狂気と言う名の深海で生きる……それしか手はないっ……!!!)

そう思考しながら、レイガンを川に撃ち込む。目に見えない何かを、溺れさせるかのように。
そこにはもう、誰もいない。疑いようもなく、ヤツは興醒めだった。
普段はアクセル全開だったのに、最近踏み慣れないブレーキを使い始めたかのような無様。
俺と同じ奴はそういないということか。まぁいい。終わった賭けより、次のことだ。
対岸に新堂の姿はない。当然だろう。お互い同じ認識だ。
もともと新堂とのコンビは今回限り、これからどうなるかを気にする必要はない。
残っていたドリンクを飲む。擦り傷と胸の痛みは消え、右肩の痛みは和らいだ。
そのまま、俺は歩き出す。傷が癒えても疲労は回復していない。
カードの使用制限を考えてもここはどこか物陰に隠れ、休んだほうがいいだろう。


俺はたとえ勝つにしろ、負けるにしろ、
赤木しげるとして勝ち、負けたい。
俺に宿る歪みもまた、俺自身。俺は偏っている……それもまた、俺の誇り。
それを切り捨てるなど、存在意義の放棄も同じなのだ。


【E-2 洞窟前/一日目・午前】
【赤木しげる@闘牌伝説アカギ 闇に舞い下りた天才】
[状態]:右肩にダメージ(小)、ユベルに興味、ずぶ濡れ、疲労大
[装備]:レイガン(12/16)@スマブラX
[道具]:支給品一式、DMカードセット(スピード・ウォーリアー、魔法の筒)@遊戯王シリーズ
   写真の束@心霊写真にドナルドらしきものが
   ヤンデレ妹の包丁@ヤンデレの妹に愛されて夜も眠れないCDシリーズ
[思考・状況]
1:ともかく今は休憩する。
2:愛……そういう賭けも悪くない。
3:キョン子(名前は知らない)ハク(名前は知らない)アレックス(名前は知らない)も
  いずれ…
4:殺し合いに乗り、狂気の沙汰を楽しむ
5:もし優勝したら主催者と命を賭けた勝負をする
[備考]
スピード・ウォーリアーが再使用出来るのは8時間後、
魔法の筒が使用できるのは12時間後。

【レイガン@スマブラX】
登場するアイテムの一つ。弾数16発。
子供だろうと電気ネズミだろうと剣と魔法の世界の住人だろうと誰でも使える扱いやすい銃。
ただしダメージは弱攻撃よりちょっと強い程度。

326代理投下:2009/03/17(火) 18:10:35 ID:8STdPBOG
163 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:45:15 ID:duj71Oko0

それは容易く見つかった。
先回りして監視していたかいがあったというものだろう。

「……しぶとい奴だな」

自転車を橋の側まで全速力で漕いだ新堂は、思わず呟いていた。
その視界にあるのは、デイパックも剣も捨て去ったフランが、
橋の近くの河原に打ち上げられているところ。
必死に体を軽くしようと、衣服以外の全てを捨てたのだろう。

新堂が数十分ほど前に目にしたものは、流されながら必死に浮かび上がろうとするフランの姿だった。
山の中より川幅が広くなっている分、この一帯の流れはやや緩やかになっている。
それでもアカギが振り返らずに泳がなくてはならない程度の勢いはあるが……
まさかと思い橋まで移動して待ち伏せして川を見張っていた結果、
新堂はかろうじて陸に上がるフランを発見したのだ。

「……沈まずに浮かんで流されているから、助かるかもなとは思ってたけどな」

銃を構え、警戒しながら橋から河原へと下りる新堂。
打ち上げられずに流されるままだったら、橋の上からクリムゾンを撃つつもりだったが……
今のフランに動く様子はない。「死んでいるのか?」そう呟きながら、距離を僅かに詰める。
体は灰になっていない。フランが吸血鬼だというのは、新堂にも聞こえていた。
どうやら橋が影になって、日光を遮っているらしい。

「なんとか浮かべただけで、結局溺れたらしいな。
 それでも陸に上がれるなんて、運のいい奴だ」

銃を構えながら、ジリジリと近づいていく。流れる冷や汗。
今のところ、新堂はまともに銃を当てられていない。素人なのだから当然だが。
その彼が当てるには、接近するしかない。子供でも分かる当然の理屈だ。
慎重に接近する。距離は20mを切った。
ガン、という音。
新堂がクリムゾンの弾丸をフランに撃ち込んだのだ。
当たったのは左肩。心臓を狙ったが、外れてしまった。
ビクン、とフランの体が揺れる。激しく咳き込んで、水を身体から吐き出し始める。
だが、それだけ。立ちもしなければ喋りもせず、こちらを向くことさえできていない。
それを見て、新堂は笑った。

「……まだ生きてやがったのか」

明らかに無防備。どう見ても弱者。起き上がることしか出来ていない。
そんな相手に怯えるほど、新堂は臆病者では無かった。
フランの体格は子供だから、余計そう感じたのだろう。

(これで俺は吸血鬼を退治できる。クリムゾンがあれば、あの豹男だってなんとかなるかもな。
 放送を聞く限りみさおもまだ無事らしい)

狂気と言う名のアクセルが踏み始められる。
ジリジリとした日光を背に、その腕がクリムゾンを再び構えた。

――結論から言えば。
――新堂は、アクセルを掛けるのが致命的に遅すぎた。

「あばよ、吸血鬼」

呟きながら、残忍な笑みを浮かべて新堂はクリムゾンの引き金を引こうとして……
フランが撃った弾によって、その頭をトマトのように弾き飛ばされていた。
327代理投下:2009/03/17(火) 18:11:28 ID:8STdPBOG


164 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:45:48 ID:duj71Oko0

頭のなくなった人間のカラダを引きずって、橋の影へ入り込む。
死ぬかと思った。本当に苦しかった。
必死に水から上がっても、大人しく飲み込んだ水を吐いてる余裕なんてなかった。
日光が私の身体を焼いて。自分だけが痛いのは、苦しいのは、本当にイヤだった。

それでも、なんとか光の届かないところへ逃げ込んで、こいつを返り討ちにしてやったとき。
痛みを、苦しみを、こいつに与えてやったとき。それは本当に、楽しかった。
ああ――なんで気付かなかったのか。
・・
これ以上に楽しいことなんて、ない。

「ハァ、ハァ、ハァ……ハ、アハ、ハ」

びしょびしょになった体で洞窟に倒れこみながら、笑い出す。水を吐きながら。
そう。歪みある生き方。これが私にとって、一番楽しいこと。
ラガナーがどんな遊びを知ってたのかは知らないし、分からない。だってラガナーはもういない。
だけど、アイツが言っていた『歪みある生き方』。
それが私の今までやってきたことで、それを私は今まで楽しいと思ってた。
だから、もういい。
手に入るかどうか分からない遊びのたびに我慢して知ってる遊びをしないだなんて、バカげてる。
だいたい、ラガナー自身が言っていたじゃないか。

――『歪みある生き方』と『歪みねぇ生き方』……どっちが楽しいかが、さ。

そう言ってたとおり……よくわかったよラガナー。
やっぱり、歪みある生き方の方が楽しい。
今までずっと楽しいと思っていたことを否定することなんて、やっぱりできはしない。
だってそれは、間違いなく私の一部なんだから。

――フランドール様がこの殺し合いに乗っているものかと……そう。

そう。私はそういうやつで、他のみんなからもそう思われていた。
それが私の本性で、私はそういう吸血鬼。
だからそれが当たり前で、それが私と言う存在。
そういう存在だと分かった上で、魔理沙は遊びに来てくれる。だから。

美鈴も、本当に私のことを愛しているなら。
そんな私だって、愛してくれるよね?

仮面を外して、殺した相手の血を吸う。あっさり終わった。これ以上なくおいしく感じた。
まだ残ってる水でむせて少し吐いたのは、もったいなかったけど。
もったいないと言えば……殺した人間のデイパックと持ち物を引き寄せる。
ディムロスは落としちゃったけど、いいや。どうせ碌なこと言わないんだし。
私は私の好きにやる。死ぬのはイヤ。自分だけ痛いのはイヤ。一人だけ苦しいのはイヤ。
楽しいほうが、絶対にいい。

「あ   は  は   は   は   は  は
  は  は     は   は  は      は」

だから、もう。
我慢しない。
328代理投下:2009/03/17(火) 18:12:25 ID:8STdPBOG
165 名前:歪んだ狂気 -DistortedPain- ◆F.EmGSxYug[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:46:18 ID:duj71Oko0

【E-2 橋の下の河原・東側/一日目・午前】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:全身に怪我 (再生中。少し良くなった)、疲労(大)、びしょぬれ、
   左肩に銃痕、左手喪失、左腕が一部灰化、溺れたことによる酸素欠乏(すぐ直ります)
【装備】:ゼロの衣装セット@コードギアス
【持物】:基本支給品一式、クリムゾン(弾数3/6、予備弾24/36)@デスクリムゾン、
 くず鉄のかかし@遊戯王シリーズ
【思考】歪みある生き方=今まで通りの自分の生き方をする。
1、とりあえず休む
2、見敵必殺
※「ゼロの衣装セット」を着ているため、朝でも活動できます。翼は服の中なので飛べない。
 但し袖が焼けてしまっている左腕は日光に晒されています。
※美鈴達と情報交換をしました。
※くず鉄のかかしが使用できるのは12時間後ですが、フランはそれを知りません。

【新堂誠@学校であった怖い話 死亡】

※ゼロの服以外のフランの所持品、及びジャギ様のバイクは全て川に沈みました。

166 名前:アカウントナンバー774[sage] 投稿日:2009/03/17(火) 17:46:50 ID:duj71Oko0
投下終了。
wiki収録の際は題名が変わっているところで前後編に区切ってください。
329代理投下:2009/03/17(火) 18:13:21 ID:8STdPBOG
代理投下終了です。
さすがはアカギ、支援伝説はここでも健在だ!
330創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 18:15:42 ID:UBA9Enxe
おいおい次々と鬱展開のバーゲンセールじゃないか……どういうことなの
331創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 18:39:45 ID:LzVkrItv
投下乙!流石テイルズに続いての欝ロワの代表格w
しかし…美鈴格好良いって思った話の一言に注目するなんて…上手いなあ。
332 ◆CqqH18E08c :2009/03/17(火) 18:39:57 ID:WcLE3NH0
ミクと七夜予約します
333創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 18:41:19 ID:WcLE3NH0
送信ミスった……

投下乙です
欝展開のバーゲンセール……だがそれがいい
美鈴はこの後どうしていくんだろうか?
334代理:2009/03/17(火) 18:50:05 ID:WcLE3NH0
140 :雄山よ大志を抱け!! ◆/mnV9HOTlc:2009/03/17(火) 11:52:42 ID:hG4xxk/E0
ここはA-4の草原。
ゲーム開始から7時間が経とうとしていた今、ここに入るものや向かうものは誰もいなくなった。
それはもちろんA-4が1時間後に禁止エリアに指定されるからである。

そんなA-4から脱出しようとしている男が1人いた。
その人の名は海原雄山。
至高の思考を働かせる人である。

「まずいぞ! 残り1時間くらいしかない! そうだろ!?」
雄山は急いでいた。
誰とも会わず、何もしないで死ぬなんて話にならないからである。

「しかしこっちに言ってよかったのだろうか・・・?」
東には人が多いし、情報も多く得られると思い、彼は東へ行く事にした。
だが、人が多いだけ、このゲームに乗ってるやつと会う可能性も高くなる。
この6時間だけで、11人もの人が亡くなっているのだから、その可能性は十分にある。

雄山はさっき見た地図を思い出す。

A-4には草原と道路があるだけで施設が一つもない。
だから自分がいる場所をなかなか特定することができない。
そんな中で方向転換をすると、このエリアから出られなくなるかもしれないのだ。

彼が出した答え、それは「駅へ向かう」だ。
駅はB-4の端にある。
だから彼が駅に着くときにはA-4から脱出していると分かる事ができるのだ。
無理に北や南に行くよりはこっちのほうが安全だと思ったからである。

「ここが駅というものだな…。」

こうして雄山は無事に駅にたどり着く事ができた。

階段は降り、改札口を通ると、駅長室の前にダイヤ表が入った台を見かけたので、念のために一つ取っておいた。

「すでに列車は出てしまっただと!?」
ホームのベンチに座り、ダイヤ表を見る雄山。
ダイヤ表によるとF-4行きの列車は何十分も前にここを出ていた。

「ええい、この雄山を試そうというのか…!」

名簿を確認すると、参加者は70人いる事が分かっている。
放送で亡くなった11人を抜いても59人、彼を抜いても58人だ。
58人いるのにもかかわらず、雄山はゲーム開始から誰とも会ってないのだ。
それは運が良いのか、悪いのか分からないが。

本当に誰もいないかとホームを探してみたが、結局見つける事はできなかった。
ただ、一つ気になった事があった。
それはトイレであった。
見事に爆破されていたそのトイレを見て、雄山はこういう事をしたゲームに乗っているやつがF-4行きの列車を使い逃げていったのだろうと予想した。
10時から禁止エリアになるB-6方向であるA-6の駅に向かう人はいないと思ったからである。
そしてところどころに散乱している青い布やDと書かれた青い帽子がある事から、一人ここで殺されたのだと分かった。

駅の外に出た雄山は次の目的地を塚モールにして、歩き始める事にした。
ちなみに彼が塚モールを目指すことにした理由は他の参加者と会うというのもあるが、一番は主催者に真の至高のメニューを味合わせてやるための材料を集めるためでもある。
そして、彼はまだ朝食を取っていなかったので、それもかねて行く事に決意した。

すでに太陽は山から顔を出していて、時間的にA-4がすでに禁止エリアにされている頃であった。
雄山は塚モールへと足を運んでいる最中に、信じられないものを発見したのだった。
それは人である。
335代理:2009/03/17(火) 18:50:59 ID:WcLE3NH0
142 :雄山よ大志を抱け!! ◆/mnV9HOTlc:2009/03/17(火) 11:56:24 ID:hG4xxk/E0
彼がこのゲーム開始以降、始めてみた参加者である。

声をかけようとしたが、それはできなかった。
なぜならその人は死んでいたからである。

「こいつを殺したのは誰だ!」
その人は血だらけで矢が4本刺さっていた。
雄山が遠くから見ても死んでいると分かるくらいであった。

「何だ、これは!?」
彼が気になっていたもの、それはこの人のダイイングメッセージである。

「ライト…どう意味だ、これは!?」
殺人事件でも、こういうダイイングメッセージを書く人がいる。
大抵のダイングメッセージというのは犯人の名前や手がかりなどを書くものが多いが、今回の場合はどうなのか?

一、名前に「ライト」というのが含まれているのか?
雄山は名簿を見る。
だが、見た感じライトというのが含まれている人はいない。
しかも名簿には振り仮名が振ってないので、結局誰か分からなかった。

二、ニックネームや愛称が「ライト」なのか?
ライトというのは光。
だから「光」という字が入っている人が「ライト」だと彼は予想する。
だが、それでも見つからなかった。

三、「ライト」を持ってる人なのか?
フラッシュライトなどを持っている人だと雄山は予想する。

143 :雄山よ大志を抱け!! ◆/mnV9HOTlc:2009/03/17(火) 11:57:46 ID:hG4xxk/E0
それならこれから会う人の持っているものを見れば、誰が殺したか1発でわかる。
死に際に書くくらいだから、きっとすごいライトに違いないと彼は思った。

「うん、我ながら完璧な推理だな。」
至高の思考を働かせて、出た結果がこれだった。

「見ていろ主催者…! 貴様らに真の至高のメニューを味合わせてやる!」

そして雄山はこの人の御冥福を祈り、塚モールへと進んでいった。

【A-4 草地/1日目・午前】
【海原雄山@美味しんぼ】
[状態]:主催者に対しさらに激しい怒り、激しい焦り
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、桑の実(10/10)@現実、至高のコッペパン×10@ニコニコRPG、A-10のマニュアル(英語)@現実?(おじいちゃんのエースコンバット6)、ニコニコ列車のダイヤ表
[思考・行動]
基本思考:主催者に文句を付け、真の至高のメニューを味あわせてやる。
1:塚モールへ向かう
2:人を探しに東へと向かう
3:初音ミクという少女の事を言っていた男に対しての疑い
4:…人に会いたい
5:「ライト」を持っている人に注意する。
※糸色のダイングメッセージである「ライト」を確認しました。

144 :雄山よ大志を抱け!! ◆/mnV9HOTlc:2009/03/17(火) 12:00:40 ID:hG4xxk/E0
投下終了です。
雄山書くの難しかったです。
336代理 その2:2009/03/17(火) 18:51:40 ID:WcLE3NH0
146 : ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/17(火) 16:39:35 ID:hJKgaybI0
投下します。

147 :馬岱館さいくだ ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/17(火) 16:40:50 ID:hJKgaybI0
「食料…無いな」

眼鏡に儀礼服の男、馬岱はパリンパリンと家の窓ガラスを壊して中を調べていた。
これで彼が壊した窓の数は一体何個になるのだろうか?

窓を壊して黙々と食料を探すが、食料は何一つ見つからない。
有るのは床に広がるガラスの破片ばかり。

「見つからないな…庶民の家なら有ると思っていたが…」

彼は食料を探すために住宅街の家を次々と窓を壊しながら見ていった。
しかし何処の家にも食料など置いてはいなかった。

そう思っていると、机の上にご飯が置いてあるのだ。
その外見は、なにやらアンコをのせた混ぜ物のご飯を食べてみた…

148 :馬岱館さいくだ ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/17(火) 16:42:03 ID:hJKgaybI0
それを一口食べた彼は顔色を変える。


「うますぎる!!」
「見ろ!最高のご飯だと思わんかね?」
美味しいご飯を食べて興奮する彼、さらにこれは一体どんな料理なのかと考える。

「寿司ではない…ビーフンでもない…雑炊でもない…茶漬けでもない………そうだあんかけチャーハンだ!!そうだろ!?」


あんかけチャーハン(紙に書いてあった)があまりにも美味しいのか半分ぐらい一気に食べる彼。
あんかけチャーハンにご満悦した彼はそれの残りををバッグの中に入れる。
しかしそれだけでは勿論量が足りないので、探し回って行く彼だが…


結局アンコをのせた混ぜ物のご飯しか見つからず、少しがっかりする彼。
それでもこんな美味しいものがあればいいかと思い、彼は家を出て今度は武器を見つけるために外へ出る。

しばらく歩いているとなにやら太陽の光を浴びて光る物が見える。

「ムッ?なにやら光るものがあるな」

そう言う彼の目線には住宅街の外れの家の庭の畑。
早速彼はその光る物を追って、庭の畑へと走っていった。
337代理 その2:2009/03/17(火) 18:52:26 ID:WcLE3NH0
「ねんがんのまともな武器ををてにいれたぞ!」
どこぞの剣を見つけたかのようなセリフを言いいながら、喜ぶ彼だがその手にしてる物は…鍬だった。


一時の興奮から覚めて、改めてその鍬を見る彼。
本来の彼であれば、武器として扱うことも無かった物。
いや彼にとっては鍬ですらここではまともな武器だった。

「農民の武器か…まあいいだろう、少なくとも竹箒よりはましだ」


少し残念な顔をしながら、館へと足を運ぶ彼。
彼は周りの景色を見てみる。

周りの景色は悪くは無い。

住宅街は誰も居なかったが、町並みは揃っていた。
オフィスビルは彼が見たことも無いような、大きさで雄大だった。
目の前の森だって自然の豊かさがある――殺し合いさえなければだが。


そんな感傷に浸っていると、何かを思いきっり踏みつけたような感触が足にくる。
慌てて足を退け、足元を見てみると…それは僧の死体だった。

彼はその死体を見てみる。
舌を噛み千切ったのか、口の中が血だらけになっている。
体を見渡すと四肢に踏みつけられた痕がある、誰かドSな奴が踏みつけまくったのだろうか?
それにまだ体が暖かく、硬くも無く、死んでからそんなに経ってないことが分かる。

「うーん…拷問されてる最中に自殺でもしたのか?」
「という事は…強い奴がここに居るかもしれないな」

そう結論づけた彼は近くまでに迫ってきた館へ行こうとした時。
その僧侶の横に何か鈍器のような物が転がっているのを見つけた。


「なぁにこれぇ?、まあ鈍器にはなるかもしれんな…」
そう言いながらそれをバッグに放り込み館へと向かっていく。

すぐ館に着いた。
彼の目の前には館がある。

「賊め…覚悟しろよ」
彼は闘争心を心に秘めながら、今館のドアに手をかけた…


【A-2/館の前/1日目・午前】
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:頭にたんこぶ
[装備]:鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦
[道具]:基本支給品 、竹箒@東方project、あんかけチャーハン@ガチムチパンツレスリング(残り半分)、拡声器@現実
[思考・状況]
1:館に居る賊(ときちく)を殺す。
2:殺し合いに乗って、自分の力を試す
3:弱い奴は…どうすっか


※雪歩の名前は知りません
※ときちくの姿をぼんやりと確認しました。名前は知りません。
※住宅街の窓ガラスをかなり破壊しました。周囲に音が聞こえたかもしれません
338創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 18:53:47 ID:WcLE3NH0
>>334
変更見落としてた

以上代理投下

145 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/17(火) 12:07:47 ID:hG4xxk/E0
【A-4 草地/1日目・午前】

【B-4 道路/1日目・午前】
に変更します。
339創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 18:55:30 ID:WcLE3NH0
>>336の147
修正来てました

170 : ◆SHdRN8Jh8U:2009/03/17(火) 18:43:36 ID:hJKgaybI0
すいませんアンコと餡を勘違いしていましたので147を変更します。

「食料…無いな」

眼鏡に儀礼服の男、馬岱はパリンパリンと家の窓ガラスを壊して中を調べていた。
これで彼が壊した窓の数は一体何個になるのだろうか?

窓を壊して黙々と食料を探すが、食料は何一つ見つからない。
有るのは床に広がるガラスの破片ばかり。

「見つからないな…庶民の家なら有ると思っていたが…」

彼は食料を探すために住宅街の家を次々と窓を壊しながら見ていった。
しかし何処の家にも食料など置いてはいなかった。

そう思っていると、机の上にご飯が置いてあるのだ。
外見がなにやら餡をのせた混ぜ物のご飯を食べてみた。
340創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 19:57:28 ID:JqCu9eCm
>>332
投下&代理投下乙です。
ただミクと七夜のSSの修正がまだ本投下されていないため、予約には少し早いかと思われます。
私はあの内容で問題ないと思いますが。

また違う話ですが、15日にCq氏が投下したSSの題名が見当たらないため、付けてくださると助かります。
341創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:03:32 ID:WcLE3NH0
本当かまだだったか勘違いしてた/(^o^)\
ミクと七夜の予約撤回します

題名……また忘れてた/(^o^)\
「熱血の松岡に死ぬほど励まされてもヘタレなベジータ」です
342創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:19:09 ID:vFnPRqK3
ラガナー、テトの死に引きずられるように、歪みねぇ生き方も沈んだか……。
哀しいけど、さすがに3度目は無いよなぁ。
というか、あったらその書き手を尊敬するぞ。

そして、そこはかとなくヘルシング臭が。吸血鬼だからかねぇ。
343創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:19:14 ID:R+km0pM8
しっかし一般人ばかりがゴミのように死んでいくなぁ
ただの人間が化物相手に奮闘する様こそ面白いんだが バイツァダスト編のように
344創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:33:07 ID:xv+yu+o2
新堂もいいとこなく逝ったなぁ
1stのときからマコトはロクな目に合わないなww

CCOさんに期待
345 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:35:42 ID:WyijHPAn
予約したい人もいるようですし
本投下したいと思います。
346 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:37:45 ID:WyijHPAn
 鬱蒼とした森。
 死体のそばですすり泣く少女。
 寄り添う植物。
 珍しいものが見れたな。
 人が集まりやすいと思い、病院に向かっていた俺は獲物を見つけ足を止めた。


 憔悴しきった様子で死体に向かって泣いている。
 その姿はまるで死体に懺悔しているかのよう。
 いや、救いを求めているのかもしれないな。


「死人に口無し。意味ないことをしてると、俺みたいな殺人鬼に斬られることになるぞ」
 このまま後ろから首を落とすのは、なんかつまらないなと思い声をかけてみる。
 少女がこちらに顔を向ける。
 虚ろな目。


「何か御用ですか? 嘘吐きさん」


 まともじゃないな、まったく。
347 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:39:14 ID:WyijHPAn
◆ ◆



「ゆっくりしていってね!!!」
「うるさい、急いでるんだから!」
 後ろでゆっくりが魔導アーマーを動かして付いてくる。
 もしミクちゃんに会ったときに驚かせちゃいけないと思って私は魔導アーマーからは降りていた。
 特にいまミクちゃんはひどい目にあったばかりだから、きっと神経質になってしまってるんじゃないかと思ったのだ。


 静かな森の中、ふと聞こえた小さな話し声。
 誰かいるの?


 ゆっくりに待っているように合図をし、恐る恐る忍び寄り覗き見る。
 そこにいたのは――
348嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:40:14 ID:WyijHPAn
◆ ◆



 目の前にいる人影。
 学生服を着た冷たい目をした男の子。


「おかしいな、俺は嘘なんてついた覚えはないんだけど」
 ナイフを持っている。
 この男の子がルイージさんに怪我をさせたのかな?


「だってこの場に死人なんていないじゃないですか」
 ね、ルイージさん。


「じゃあ、そこで倒れている憐れな犠牲者は何なんだ?」
 この人も嘘吐きなのかな。


「ルイージさんが死んだなんて嘘だよ」


 嘘、すべてが嘘、真っ赤な嘘。


「壊れた人間か、現実を受け止めることもできないとは惨めだな」
 嘘吐きさんがこちらに歩み寄ってくる。


 嘘吐きさんが何を言っても信じるわけないじゃないですか。
 手に持つナイフも嘘。
 嘘吐きさんはすべてが嘘。
 嘘、嘘、嘘。
 すべてが嘘なんですよね。
 嘘吐きさん?
349嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:41:48 ID:WyijHPAn
 男が取り出した葉っぱ。
 葉っぱ?
 それはあまりにも大きいかった。
 男がそれを私に向けて一振り。


 え?


 襲い掛かる衝撃。
 そして少しの浮遊感の後に来る痛み。


「な! 痛っ」
 今何をしたのかも分からないまま私は吹っ飛ばされていた。
 気がついたら手に持っていた拳銃はない。


「え? あ!」
 気がついたらミクちゃんも視界から消えていた。
 男は舌打ちをしてミクちゃんを探す。


 私は落ちていた拳銃を探す。
 私の唯一の対抗手段。
 あれがないと……よかった、あった。


 その瞬間鳴り響く甲高い金属音。
 私ははっとして顔を上げた。


 見えたのは男とその攻撃を防いだゆっくりの乗った魔導アーマーの姿だった。
 魔導アーマーから見え隠れする緑の髪はミクちゃんだろうか。
 おそらく、守ってくれたんだろう。
350嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:43:15 ID:WyijHPAn
「ナイス、ゆっくり!」
 そう叫びながら、咄嗟に男に向けて拳銃を引く。
 あいつは間違いなく殺人鬼だという確信ができたためかさっきよりは引き金を引く抵抗心が和らいでいたのか。


 まあ、もちろん銃弾は大きく外れたが、牽制になったのか男は飛びずさる。
 鳴り響く銃声と想像以上に大きい反動にびびりながらも咄嗟にミクちゃんに声をかける。


「ミクちゃん大丈夫?」
 銃はもう落とさないようにきっちり握った。
 銃で牽制しつつミクちゃんの方に『凡骨にもわかる!魔導アーマー完全大喝采マニュアル』を投げる。
 ゆっくりに任せてもよかったんだけど、あいつらがどこまで操縦できるか分からなかったし、魔道アーマーに乗っていれば生身でいるよりは安全だろう。


「大丈夫だったら、そのアーマーで援護して!」
 そう声をかけつつ男のほうに向かって走り出す。
 銃が当たらないなら外しようのない距離まで近寄ればいい。


 逃げるっていう選択肢は使えない。
 さっきの男の動きは相当素早かった。
 女の子二人の足じゃとても逃げ切れない。
 詐欺してバーボンして切り抜けるっていう手もあったけど、なんにしても材料がない。
 偽の首輪起爆装置はまだ使えないし。


「面白くなってきた」
 男はそういいながら、私に向かってナイフを突き出す。
 私は予想していたその攻撃を左手で受け止める。
351嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:44:59 ID:WyijHPAn
 左手に鋭い痛みが走るけどできるだけ残った右手に全神経を集中する。
 そして、銃を男に押し当てて引き金を――


「うぐっ」
 鈍い痛み。
 私は蹴り飛ばされていた。
 地面の上を転がされて、また銃を取り落とす。


「その程度の犠牲じゃ俺は殺せないよ」
 私は腹の痛みと、何かを吐きそうになる衝動をこらえた。


「悪くない発想だけどね。普通の人間にしては上出来だよ。まあ残念だったな」
 男は冷たくそう言い放ち、冷たい微笑を浮かべる。
 なんか言い返そうかな、と思ったんだけどなんか重い感触がして私の意識は途切れた。
352創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:46:08 ID:WcLE3NH0
支援の歌姫
353嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:47:07 ID:WyijHPAn
◆ ◆



 テトちゃん、なんで私に銃を向けるの?


「拳銃を持ち出されるとさすがにね、とりあえず黙ってもらおうか」
 嘘吐きさんが目を向けた先、そこには銃を構えたテトちゃん。
 その銃口は私のほうを向いているように見えた。


 テトちゃんも?
 テトちゃんも私を殺そうとするの?
 みんな、みんな、そうなの?
 嘘、嘘、嘘。
 何も信じられない。


 私は走り出していた。
 疲れていたはずの体も気にならない。


 逃げ出したかった。
 残酷な現実から目をそらしたかった。
 見たくない現実は消えてほしかった。


「どこに行くつもりだ?」
 でも現実からは逃げられない。


 そばにいたあおばしげるが私をかばってくれたんだけど。
 よく分からない扇で吹き飛ばされる。
354創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 20:47:47 ID:WcLE3NH0
支援の扇
355嘘の歌姫 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/17(火) 20:49:12 ID:WyijHPAn
 男がナイフを持ち飛び掛ってくる。
 死ぬのかな、なんて考えてるうちに男は迫ってきて――


 痛みはなかった。


 目を開くと眼前に巨大な機械。
 よく分からないけど助かったのかな。
 そうだよね、機械なら私を裏切らない。
 私を助けてくれる。


 足元に落ちている本。
 表紙からしてこの機械の説明書かな。


 目の前の機械を見上げる。
 きっとこれは私を守ってくれるんだ。
 私を助けてくれる救世主。


 私は機械に乗り込んでみるとそこには生首が二つ。
 テトちゃん、2人も殺しちゃったんだ。
 私は絶望した。
 見つめ返してくる瞳が怖くて運転席の外に放り投げる。
 そして、説明書を見ながら機械を動かし、





 見たくない現実を踏み潰した。
356代理投下:2009/03/17(火) 21:04:08 ID:nWhKcUfT
◆ ◆



 予想外だった。
 緑髪の少女が赤髪の少女をよく分からない機械に乗って踏み潰した。
 あの少女がこんなことをするとは思えなかったが、まあ正気じゃないんだろう。


 機械の足の下の少女は目を見開いたまま気を失っていた。
 下半身は潰されている。
 まあ、助からないだろうなと思いつつとりあえず目の前の敵に目を向ける。
 緑髪の少女は俺を見つめている。
 俺を助けたってわけではないだろうし。


「意外なことをするんだな、知り合いだろ」
 機械の上の少女の目、気を失っている少女に負けず劣らず生気がなかった。


「ねえ、消えて」
 ぼそりと少女がつぶやく。
 機械が足を動かす。


「嫌だね、俺の獲物を一人奪ったんだ。代わりになってもらわないと」
 機械に乗ったところで負ける気はなかった。
 よく分からない植物はこちらの様子を伺っているが、あっちは後回しだ。


 極死・七夜で一気に片をつける。


 いくら機械に乗っているからといって運転席は守られていない。
 この技、ナイフを投げ自分は上から襲い掛かる。
 つまり、ナイフに貫かれるか首を捻じ切られるかの二択を問う技。
 一瞬で勝負はつくだろう。


「極彩と散れ」


357代理投下:2009/03/17(火) 21:05:08 ID:nWhKcUfT
◆ ◆



 あれ、私は……
 目を覚ますと体の感覚はあんまりなかった。
 痛いってのは分かるんだけど実感が伴わない。
 たぶん限界を超えてるんだろう。
 それに、腕しかまともに動かない。


 死ぬんだろうな。
 それは避けることはできないんだろうと思う。
 でも、死ぬのは怖くない。
 もともと一日限りで消える存在だったんだから。
 ミクちゃんが救い出してくれなければ私は嘘のまま終わる歌姫だったんだし。
 これ以上を望むのは傲慢なのかもしれない。


 かすれる視界で見えたのは魔導アーマーに乗ったミクちゃんと向かい合う男。
 助けなきゃとは思うんだけど銃はどこに言ったのか分からない。


 手に届く範囲にあった支給品はひとつ。
 とりあえず胸ポケットにいれていたのが幸いだった。
 まあ、カメラなんだけど。


 撮った弾幕をかき消すことができる魔法のカメラ。
 正直弾幕ってものの定義がよく分からないんだけどね。


 まあ、ナイフで切りかかったら意味がないんだけど、と思いつつもファインダーをのぞく。


 ファインダーからのぞいた世界。
 それは不思議とゆっくりに見えた。


 男がナイフを投げる。
 ゆっくりと流れるナイフを写真に写す。

 ナイフは消え、上から飛び掛る男は魔導アーマーの腕に吹き飛ばされていた。


358代理投下:2009/03/17(火) 21:06:06 ID:nWhKcUfT
◆ ◆


 油断した。
 まさかナイフが消えるとはな。
 ロボットの腕はこちらに矛先を向ける。


 こちらは空中にいる以上かわすことはできない。
 とりあえず、衝撃に備える。
 受身さえ取れれば戦闘に支障は出ないだろう。


「ぐっ」
 思ったより大きい衝撃。
 耐えられないほどではない。
 体勢を立て直そうとしたときに二回目の衝撃が襲い掛かった。


 やれやれ、一般人といってもなめるんじゃなかったな。
 太い木の枝に頭をぶつけてしまったらしい。


 俺の意識が消失する。


359代理投下:2009/03/17(火) 21:06:57 ID:nWhKcUfT
◆ ◆



 男の姿は見えない。
 気を失っているだけなのか、もしくは死んだのか。
 再び姿を現さないということは当面の危険は避けられたのだろう。


 ゆっくりの姿が見える。
 涙を流しているのか。
 こいつらって泣くんだな。


「信じてたのに、嘘吐き」
 ミクちゃんが小さくこぼす。
 魔導アーマーの上に乗ったままだった。
 とても悲しんでいるような気がする、私はそう感じた。


 なんかよく分からないけど、ミクちゃんを救いたくて薄れる意識でかける言葉を捜す。
 あんまり時間がなくて取り止めのない言葉になってしまったけど。


「君は実に馬鹿だな、私の嘘を乗り越えさせてくれたミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから」


【重音テト@VOCALOID(亜種) 死亡】


360代理投下:2009/03/17(火) 21:07:57 ID:nWhKcUfT
【A-3 森/一日目・午前】

【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:脳震盪 打撲
[装備]:サバイバルナイフ@現実、果物ナイフ
[道具]:基本支給品(食料・水-1)、三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、葉団扇@東方project、包丁
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする 
1:障害物がある場所を優先的に探索。
2:『殺し合い』をする。
3:死んでも構わない。
4:白いの(ときちく)が気になるが後回し。
5:あの女(渚)はどうでもいいが鎧の男(ブロントさん)とは殺し合ってみたい。




【初音ミク@VOCALOID2】
[状態]:混乱、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
[装備]:ルイージの帽子
[道具]:基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
[思考・状況]
0.混乱



【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
思考・状況]
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……

※指定された命令以上のことはできない。しかし殺傷力の高い技も存在する。
※ルイージの死体(帽子無)が放置されています
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。
※テトの支給品(基本支給品、ランダム支給品(0〜2)ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ゆっくりしていってね!、偽起爆リモコン(4-5時間使用不可)、拳銃(0/6 予備弾24)@デスノート)は魔導アーマーのそばにあります。
※射命丸文のカメラ@東方projectはテトの死体のそばにあります。
※ミクは七夜を見失っています


【射命丸文のカメラ@東方project】
東方文花帖(ゲーム)で射命丸文が使うカメラ。
弾幕を消すことが可能、普通のカメラとしても使用可。
連写はできず、撮った後フィルムを巻かないといけない。


361創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 21:09:04 ID:nWhKcUfT
代理投下は以上です。
362 ◆CqqH18E08c :2009/03/17(火) 21:19:17 ID:WcLE3NH0
投下&代理投下乙です
テトが可哀想なんだよなぁ……しかしこれがバトロワ

改めてミクと七夜予約します
363創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 21:24:54 ID:u9z+Cnml
おつおつ

クリムゾンの能力は負の感情を振り撒くだけじゃないぜ!フランならきっと…なんでもない
ディムロスを誰かに拾わせたいが結構深く沈んじゃったみたいだしなぁ…

そしてテト…
364創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 21:53:07 ID:R+km0pM8
マーダーにあらずんば人にあらず(キリッ
365創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 22:37:37 ID:k1tiBkf2
ディムロス…
ロクな目にあってないな
366 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/17(火) 22:42:06 ID:xvbsCA7J
予約延長させてもらいます
367創る名無しに見る名無し:2009/03/17(火) 23:09:28 ID:nWhKcUfT
現在の予約一覧

◆sh/9YAh26Q ブロリー、トキ
◆uv1Jg5Qw7QDIO、コンバット越前
◆KX.Hw4puWg 賀斉、剣崎、リン、キークラ
◆BRxsUzTn5A  サノスケ
◆0RbUzIT0To 因幡てゐ、スネーク、夜神月
◆CqqH18E08c ミク、七夜
◆/mnV9HOTlc アレックス、ハク、KAITO
368創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 03:08:36 ID:8jybzmvS
>>343
アカギならともかく新堂はどんな絶望的な状況でも諦めない精神力が無いからなあ
369 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/18(水) 09:59:05 ID:rZII4txo
色々考えたのですが
墓場組、チーター組、フラン、ゆとり予約します。
370創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 14:56:40 ID:bpJL7Q+Q
今更ながら
幾三の鍬ツボったw
中国には鍬の武術があるらしいから戦えない事はないだろうけど
371創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 15:08:02 ID:VuYUhavt
アカギってマーダーとして能動的に動いてるのにまだ誰にもトドメさせてないのな。
372創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 15:15:00 ID:yNmfi4w3
アカギは身体的にはそこまで強いわけじゃないからな
373創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 15:57:20 ID:/Aq3z9pQ
話術も精神力も超人的だから、扇動の方が向いてるよな

無差別強マーダーって何人位居た?
374創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 16:07:04 ID:yNmfi4w3
呂布
バルバドス
フラン
七夜
ブロリー
DIO
志々雄

この7人かな
馬岱はなんか無差別じゃなさそうだし、ドナルドは扇動っぽい
キークラもそこまで強くはなさそうだし
375創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 20:29:20 ID:aD0uiukM
んじゃ墓場組+αが何人死ぬか予想でもすっかー
傾向から言って秋山はまず死ぬな
あとマップ左側はもう対主催はブロントしか残らないな(それもバルバトスに会わなきゃだが)
トキはブロリーに、スネークはCCOに、越前はDIOに殺されるのが既に見えてる
雄山?藤崎?ありゃあ対主催じゃねぇ、ただの餌だろjk
376創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 20:45:37 ID:gnt3vh6q
さんをつけろよデコ助野郎
377創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 20:49:03 ID:N8mNaJWt
>>374
2人KILLした完全で瀟洒なメイドを忘れちゃ困るぜ
378創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 20:57:44 ID:Lw0n9rzA
>>375
そういうのは避難所でやろうぜ。予想されたら書きづらくて仕方ないんだよ
379創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 21:01:38 ID:aD0uiukM
大体あってるだろ
まーここまで来るとマーダーだけが大量に残ったらどうなるのか、どうするつもりなのか
っていうのも興味あるし、自信あるならむしろどんどん殺してくれ
対主催が残り少なくなってから逆セイバー現象になったら笑うが
380創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 21:10:03 ID:/Aq3z9pQ
>>377
無差別じゃなくてステルスだと思う
実力は確かにあるけどな

>>379
合ってると思うならなおの事避難所行け
381創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 21:10:36 ID:/Aq3z9pQ
sage忘れスマン
382創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 21:18:15 ID:9buksnrY
>>375
さっそく一つ外してるぞ
383創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 22:55:28 ID:btCbo34O
文章がわざとらしいから死亡回避の策にも見えるけどな
384創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 23:00:05 ID:LR+HAN/h
よっぽどぶっ飛んだもんでなきゃ、展開予想は自重してほしい
書く側の迷惑以外の何物でもないからな
385創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 23:52:25 ID:8jybzmvS
>>379は読み手専門のお客様(笑)だから書き手の事なんて何も考えてないだろうな
386創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 00:32:05 ID:rkdpOmQG
>>385
いちいち煽るなって
387創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 00:47:32 ID:qq/joMQ+
そんな事よりチームと参加者のあだ名付けようぜ!

例えばメタ様・美鈴でめたーりんなんかどうだ?
後は今のミクに歌姫(笑)みたいな
388創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 01:02:54 ID:27OGqf8Q
雪歩・ときちくは、ゆきちく
これはもう使い慣れた
389創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 01:07:56 ID:27OGqf8Q
そういえば至高のボッチってのもよく使われてるな
390 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/19(木) 02:17:25 ID:YH7tAVal
すみません…もう一日延期させてください
明日ダメだったら破棄します
391創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 04:29:18 ID:opk192WG
ゆっくりしていってね!
392 ◆BRxsUzTn5A :2009/03/19(木) 13:53:17 ID:5MpW+hT/
延長します。明日明後日には書きあがります。
393創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 14:50:40 ID:opk192WG
ゆっくり書いていってね!
394創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 15:39:26 ID:D9M36t5d
>>375 >>379
        ./ ニYニヽ
 r、r.rヽ  / (0)(―)ヽ
r |_,|_,|_,|/  ⌒`´⌒ \   ふむふむ・・・なるほどなるほど・・・
|_,|_,|_,|_,| , -)    (-、.|
|_,|_,|_人 (^ i ヽ__ ノ l |
| )   ヽノ |  ` ⌒´   /
|  `".`´  ノ
   入_ノ
 \_/
   /
  /



        ./ニYニヽ
 r、r.rヽ.  / (0)(0)ヽ
r |_,|_,|_,|/  ⌒`´⌒ \   で?っていう
|_,|_,|_,|_,| , -)    (-、.|
|_,|_,|_人 (^ iヽ__ ノ l |
| )   ヽノ |  `ー'´   /
|  `".`´  ノ
   入_ノ
 \_/
   /
  /
395創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 15:42:33 ID:1kI2JFuF
ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ゆっくりなんぞしてんじゃねぇ!
396創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 19:03:05 ID:1kI2JFuF
↑ゆっくりが居たからついやってしまった・・・スマン
397創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 21:20:47 ID:1kI2JFuF
◆uv1Jg5Qw7Qさんの作品代理投下します。
398◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:23:09 ID:1kI2JFuF
『…北条鉄平 はっぱ隊員 木吉カズヤ…』

病院に残ったDIO、越前は静かに放送を聞いていた。
特に取り乱すこともなく、ただ右上の声だけを聞く。
一言も聞き逃すことなく放送が終わると、最初に口を開いたのはDIOだった。

「ふむ、名簿とはこれのことか」
DIOはデイパックに手を入れ、一枚の紙を取り出した。
続けて越前も取り出すと、一通り確認して、呟く。
「どうやら俺の知り合いはいないようだなぁ。DIO、お前はいるか?」
「いや、私もいないみたいだよ…まあ安心、というところかな」
適当にそう答えると、DIOは名簿を半分に折りたたんだ。
「確かに知り合いがいるとそいつと戦う可能性があるからなぁ」
「ああ。…本当によかった」
「…? そいつと何かあったのか?」
DIOは一つ溜め息をつくと、暗い顔を見せた。

「最初にも言ったが…私は生まれつきの吸血鬼だ。その所為でね、子供の頃から他人に嫌われていたんだ」
「………」
越前はDIOの話を同情しながら聞く。
「その時、僕を特に嫌っていた男がいた。
名前は"ジョジョ"って言うんだが、その男からは拷問のようにいじめられたよ…」
DIOはそれだけ言って口を閉ざした。
「そうか…悪いことを聞いたなぁ、すまない」
「いや、話を聞いてくれて嬉しいよ。こんなに真面目に聞いてくれた人はいなかったからね」

越前は、完全にDIOの話を信じ込んでいた。
全部嘘だと言うことを顔にも出さず、DIOは演技をさらに続ける。
「それに、あの剣崎君や賀斉殿も私の為に戦おうとしてくれている…本当にこっちが申し訳ないよ」
「そうだなぁ…あの2人は確かに頑張っているぞぉ。俺も剣崎には勇気をもらったからなぁ」
「ちょっと待つですぅ」
その会話に、翠星石が割り込んできた。
「越前、ちょっと良いですか?話があるですぅ」

不自然すぎるな、とDIOは呆れた。
どうやら彼女は勘という勘は優れているが、頭脳や演技力は自分には遙かに及ばない。
いやそもそも、演技をしているのかも分からなかった。
どうせ越前に話すことは分かっているので、DIOは焦らなかった。

(先手は打たせてもらったぞ翠星石とやら…)
「何?DIOは良いのかぁ?」
「そ、そうですぅ。越前に話があるんですぅ!」
「そうか、なら私はお手洗いを借りさせてもらうよ」
翠星石の驚いた顔を尻目に、DIOはその場を後にした。
399◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:24:24 ID:1kI2JFuF


DIOがトイレへと入る姿を確認すると、翠星石は越前を連れて別の部屋へ移った。
「なぁ翠星石。これは一体どういう事なんだ?」
「越前。これから私の話すことは、本当に大切な話ですから、心して聞いてくださいね?」
翠星石の真剣な顔に、越前は真面目に話を聞くことにした。
「じゃあ簡潔に言いますよ?DIOは、悪者です」

「…………はぁ?」
「う、嘘じゃないですぅ!あれは絶対に殺人鬼の顔ですぅ」
越前は翠星石の話を信じていなかった。
顔が真剣だとはいえ、話が良く読めない。
「翠星石…それは多分間違ってるし、人を悪く言うのは良くないぞぉ?」
「で、でも!こんなゲームの中じゃ疑うのが普通ですぅ!」
翠星石が必死に反論するが、むしろ逆効果となっていた。
「あのなぁ…確かにここじゃ疑うのが普通だぁ。でもDIOが俺たちを狙っているなら、さっさと殺せばいいだろう?
俺たちは武器がないんだからな。それとも、証拠があるのかぁ?」
「うっ…それは…ない…ですけど…」
「だろう?だったらちゃんと信用して、三人でゲームを崩壊させることを話し合うべきだと思うぞぉ」
説得するどころか、逆に説き伏せられてしまった。
もうこれは無理だと諦め、翠星石は話すのを止めた。



翠星石、越前の2人は五分くらい経ったあとに帰ってきた。
「ん、話は終わっていたようだね」
「ああ。悪いなぁ待たせてしまって」
どうやら越前の様子は変わらず、警戒をしていないようである。

「ところで、越前君。ここの見回りはしたかね?私も一応見て回りたいんだ」
「ん?俺たちは一応少し見回ったが。そうだな、DIOは来てから俺たちと離れていないしな」
「悪いが、案内してくれるかな。迷うと言っているわけではないが、ちょっと不安なんでね」
そりゃあ便座カバーをマフラーと間違うような人である。
幾ら力が強くとも何かあったら大変なので、越前はついていくことにした。
「ちょ、ちょっと待つですぅ!!」
翠星石が半ば叫び声のような大声を出して越前を制した。
「おいおい…翠星石、いくらなんでも考えすぎだぞぉ?DIOはそんな奴じゃない」
「む…?どういうことだ…私に関係があるのか?」
DIOは、越前に見えないように勝ち誇った表情を浮かべた。
「いや、たいした話じゃないんだ。DIO、とりあえず案内するよ」
「そうなのか?なら良いんだが」
2人は翠星石を残して歩き出した。

フフフ、計画通り…という奴だ。
翠星石が越前に私のことを悪く言うのも計算済みだった。
しかし私は越前を完全に洗脳した。どうせ根拠もないただの推測。
そう越前は捉えたはず。
そして念には念を。わざとらしく、越前だけを誘い不自然さを出す。
越前と私が2人きりになるのはまずいと気づき、お前は止めるだろう。
だがそれでお前の信用度は完全に消えたはずだ。
現に越前は、妙なことを言い出すお前よりも私と行動している。

「…残念だったな翠星石、貴様の負けだ…」
「え?何か言ったか―――」

「時よ止まれ!『ザ・ワールド!!』」

400◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:26:29 ID:1kI2JFuF
翠星石と分かれてから2つめの部屋に入ったとき、DIOは能力を発動した。
「今度は発動しているようだな…まぁいい」
DIOはあらかじめポケットに忍ばせておいたコンパスをナイフのように構える。
針の先で狙ったのは越前の首。
こんな物で殺せるかどうか分からないが、動きは止められるだろう。
勢いよく投げるとコンパスは真っ直ぐ飛んでいき、

「そして時は動き出す…」
「ぐあああああ!!?」
越前が悲痛な声を上げた。
当たったのは左肩だったが、まぁいい。

部屋の外で誰かが走る足音が聞こえる。
どうせ翠星石が越前の声に気付いたのだろう。
「越前!!大丈夫ですか!?」
「フン、人の心配などしてる場合か!?」
DIOはすぐさま翠星石に近づくと、小さい頭を掴み壁へと放り投げた。
翠星石は悲鳴も上げずにコンクリートに叩きつけられる。

「DIO、お前何してやがるぅ!!」
「無駄ァッ!」
越前の蹴りを軽くあしらうと、その空いた腹に拳をたたき込んだ。
「があぁッ!!…くそぉ、やりやがったなぁ!!」
「フハハハ、貧弱ッ、貧弱ゥッ!!」
反撃してくる越前の攻撃を受け止める。
そして、自らの拳をもう一度たたき込もうと、右手を振り上げる。

「やめるですぅ!!」
「ちぃッ!!」
DIOの腕を緑色をした何かが遮る。
どうやら唯の人形ではないらしい。
後ろを向くと如雨露を構えた翠星石が立っていた。
絡みついた蔓を勢いよく引きちぎると、後ろを向き、攻撃を仕掛けた翠星石を睨みつける。
気付いた翠星石が距離を取るが、無駄。

「ザ・ワールド!!」
「ッぁあ!!」
DIOのスタンド、ザ・ワールドの攻撃で翠星石は窓に向かって大きく吹っ飛んだ。
それを追うようにDIOは地面を蹴り前方へ跳ぶ。
「貴様から殺されたいらしいな」

「なんてね…かかったなアホがッですぅ!!」
すぐに立ち上がった翠星石を殴ろうとするが、その拳は当たることはなかった。
「なにィ!?クソッ、窓の光か!!」
その理由は、DIOの手首から先が消えていたからであった。
さらにDIOには不幸が襲うッ!
「上から来るぞ!気をつけろぉ!」
401◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:30:39 ID:1kI2JFuF
DIOがその声に振り向くと、越前が素早く小さな箱を投げていた。
不意をつかれたDIOはそれを避ける事が出来ず、手で弾こうとする。
「むぐっ!?…なんだこの粉はッ!?」
しかし弾く前に箱から飛び出る白い粉末。DIOはそれを顔で受けることになった。
「ソフランに興味があるのかぁ?しかし、安心駿河in!それはただの洗剤だぁ」
実は洗剤ではなく柔軟剤だが、そんなことは誰も気にしていなかった。
DIOがソフランに気を取られているうちに、越前はその横を走り抜け、翠星石を掴み上げる。
「な!?貴様、この帝王の顔によくも…ッ!!」
DIOは顔を大きく横に振り、ソフランをふるい落とす。
そして怒号のこもった大きな声で言った。
「ザ・ワールド!あの男を殴り殺せ!!!」

その命令に従いディオのスタンドが越前を追った。
「そう来ると思っていたぞぉ…!」
越前は後ろを向かずに高くジャンプする。
それにザ・ワールドが追いつき、越前の背中に連打を加える。
それは、強い攻撃であった。が、強い攻撃であったために…
「せっかくだから俺はこの窓を壊すぜ!!」

―――パリィィィン…

「なッ!!なんだとッ!?」
一瞬、DIOは理解が出来なかった。
越前は窓に向かって跳び。
ザ・ワールドが越前に攻撃を仕掛け。
その勢いで、窓を割って逃げた……?

何という奇跡。そして何という命知らず。
あの男の肩にはまだコンパスが刺さったままのはずなのに。
そう思っていると、もう2人は走り出していた。
「ザ・ワールド!!奴らを…クソ、もう間に合わん!!」
自分で走って追いたいところだが、それは出来なかった。
目の前には、日光による境界線が出来ていたのである。
402◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:32:02 ID:1kI2JFuF
DIOはひとまず諦め、支給品のあるはずのところへ戻った。
「………どういうことだ?」
だが、そこには何一つ残っておらず。
残っていたのは、マスクと便座カバーという必要のない物、そして一枚の紙。
そこには。『ぷぷぷーっ、残念でした!お前の武器は頂いたですぅ!』とだけ書かれていた。
流石にひたすら冷静になっていたDIOも、怒りを爆発させる。

「…逃げられると思うなよモンキー!…この帝王をコケにしたことをッ!!必ず後悔させてやるからなァ―――ッ!!!」


【C−4 病院1F入り口/1日目 朝】
【DIO@MUGEN、ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]軽傷、右手首から先損失
[装備]阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック
[道具]便座カバー@現実、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの参加者はもちろん、あの主催者どもも全て殺す。
1:どうにかして翠星石と越前を追う。
2:どうしようもない怒り。
3:サンレッドを殺す、そのためなら手段は問わない。

※備考

・自身の能力が制限されている可能性を理解しました。
・剣崎達にはザ・ワールドの存在を教えていません。
・頭から服にかけてがソフランだらけです。

403◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:34:59 ID:1kI2JFuF


「はぁ…どうやら追ってきていないみたいだなぁ」
2人分のデイパックを担いだ越前と、翠星石は草むらに座り込んだ。
実際病院からほとんど離れていないのだが、傷の関係もありここで休むことにした。
「そりゃそうですぅ。あいつは日光が苦手ですから、追って来れないですぅ」
だからといって安心することは出来ないが、仮に追いかけてきたとしても戦闘力は相当落ちるだろう。

それに病院から離れるわけにはいかなかった。
それは、翠星石が
「病院から離れると、賀斉達が戻ってきたときに困るですぅ、あとで助けを求められるのは嫌ですぅ」
と言ったからであった。
多分本心では心配しているんだろうが、それは言わないでおく。

「しかし、作戦が成功して良かったですぅ」

実は勘だけではなく、翠星石はしっかりと予測をたてておいたのだ。
それは、DIOが取る行動。
必ずあの男は、どちらか片方ずつしか狙わないことを翠星石は分かっていた。
だから、わざとついて行きにくい空気を作り、DIOと離れる。
その間に支給品を病院の外へと運び出した。
まぁその所為で越前を助けるのが遅れたが、傷が軽かったのでまぁいいだろう。

「随分とアバウトな作戦じゃないか…下手すると俺は死んでたわけかぁ?」
「それは!…お前が私の話に耳を傾けておけば良かった話ですぅ」
「…まぁいいか。とりあえずは怪我の手当てだぁ…」
「そうですぅ、もともと気味悪い顔がどんどん怖くなってきてるですから、早く血を止めるんですぅ」
「…身体の傷より心が傷ついたぞぉ」
そう言うと、越前は早速医療器具を取り出し、手当てを始めた。

404創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 21:35:46 ID:/wapeJlt
支援のバーストストリーム
405◇uv1Jg5Qw7Qさんの代理投下:2009/03/19(木) 21:36:07 ID:1kI2JFuF

【C−5 病院近く/1日目 朝】
【コンバット越前(越前康介)@デスクリムゾン】
[状態]:軽傷(全身に切り傷、肩に刺し傷)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、翠星石@ローゼンメイデン、医療品一式(包帯、消毒液など)
ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、DIOの支給品一式(コンパス除く)
[思考・状況]
1:このゲームを破滅へとミチ☆ビクッ!
2:剣崎ブレイドと協力する。
3:民間人の保護。
4:病院付近で剣崎達を待つ。
5:クリムゾンを回収する。
6:主催者及び統制者に関係するものに注意。
7:この茶番にデスゾルトスは関わっているのかぁ?

※備考

あくまで原作準拠です。
コンパスは逃げる途中で投げ捨てました。


【翠星石@ローゼンメイデン】
[状態]軽傷
[思考・状況]
1:主催を倒しゲームから脱出するですぅ。
2:仲間を増やすですぅ。
3:DIOには最大限警戒ですぅ。
4:夕方まで公苗達を待つですぅ。



※備考

賀斉と翠星石は短時間でとても仲良くなったので今後翠星石は賀斉を公苗と呼ぶことがあるかもです。
翠星石にはあまり制限がかかっていないようです。

※共通備考

病院の玄関ドアは完全に破壊されました。
病院に入ってすぐの柱に大破したタクシーがあります
ラジオではニコニコ縁の曲が一定数ループしながら流されているようです。
病院内のある部屋に白い粉が散らばっています。


【ソフラン@現実(魂のルフラン)】
何の変哲もない柔軟剤。
飲んだら腹をこわすかもしれないが、人を殺すことは多分不可能。
406創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 21:37:12 ID:/wapeJlt
一人で支援とかセッションしてみた
407創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 21:39:06 ID:1kI2JFuF
代理投下終了。
タイトルは「せっかくだから私は赤いコンパスを選ぶぜ!」です。
408創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 21:53:46 ID:1kI2JFuF
乙。
細かいところを言うと。
>信用度→信用だけでいいと思う。
>しかし私は越前を完全に洗脳した。
なんか違和感が。
俺に指摘できるのはこれくらいです。
409創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:04:19 ID:k0ucMtN9
投下乙です
DIO様やっぱどこか抜けてるんだよな……

投下行きます
410狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:05:26 ID:k0ucMtN9
――君は実に馬鹿だな、


 私が馬鹿……?

 やっぱり……嘘をついてたんだ。嘘付き。

 私は……私はテトちゃんのことを友達だと思っていたのに……

 テトちゃん……テトは私のことを馬鹿だと思っていた……

 私は勝手に信じて、勝手に友達だと思って、勝手に嘘に騙されて……


――私の嘘を乗り越えさせてくれた


 私は……助けてあげたのに……友達だと思っていたのに……

 なんで……なんで……最初っから……最初っから私を嘘から乗り越えるためだけに利用するつもりだったの……?

 やっぱり酷いよ……嘘付き……


――ミクちゃんは嘘をきっと乗り越えてくれるんだから


 嘘を乗り越えるなんて……今まで友達だと思っていたのに……

 嘘を勝手について置いて乗り越えてくれるなんて勝手に思ってた……?

 なによそれ……嘘をついて置いて……いつかその嘘に気付くって思ってた……?

 あはははは、私本当にただの馬鹿じゃない。

 私はずっとテト……嘘付きに騙されていて。その嘘付きを信じていて。

 その嘘付きはいつ嘘に気が付くのか心の中で笑ってたってこと……

 友達だと思ってたのに……私が勝手に思い込んで騙されていただけ……

 嘘付き……嘘付き……
411狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:06:16 ID:k0ucMtN9
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
 はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」



 本当に馬鹿じゃん私、嘘嘘嘘。嘘に騙されっぱなし。

 はははははは。嘘吐きさん。あなたもたまには正しいことは言うんだね。

 確かに私は馬鹿だよ騙されてることにも気が付かない馬鹿だよ。


「でもミクちゃんは騙されてることに気が付いたじゃないか
 命令した通り動く機械は絶対にミクちゃんを裏切らないし僕もミクちゃんを裏切らないよ
 シゲルだってそうさ、僕は見たことがないけれどミクちゃんのご主人さまも裏切らないさ、絶対に」

「ありがと、ルイージさん。気が付けたならまだなんとかなるよね」

「なんとかなるさ、だってミクちゃんは騙されていることに気が付いたんだもの」


 そうよねルイージさん。機械は私を裏切らない。

 ルイージさんも私を裏切らない。ご主人さまも私を裏切らない。シゲルも私を裏切らない。

 裏切らない仲間が今の私に入る。テトなんていう上辺だけの友達じゃない裏切らない仲間が今の私の周りに入る。

 この仲間がいるなら嘘吐きにも騙されることなんてないはず。

 嘘吐きさんにはもう二度と騙されない……

 そうだ、もう一人の嘘吐きさんはどこに行ったんだろう?

 嘘吐きさんはコロシテシマワナイト

 もう、騙されるのは嫌だから。見たくない現実を見るのは嫌だから。
412狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:07:03 ID:k0ucMtN9
――ミクちゃん大丈夫?


 え……どうして……どうしてあなたが生きてるの!!私は嘘付きの……嘘付きの重音テトを殺したはず!!

 死んでまで私を騙そうとするの!!私はあなたを信じてたのに!!友達だと思っていたのに!!

 どうして……どうして嘘をつくの!!嘘吐きさんは死んでまで嘘をつき続けるの!?

 嘘吐きはみんなみんな消えてしまえばいい!!私にはルイージさんがいる、ご主人さまがいる、シゲルがいる!!

 仲間がいる!!私を騙そうとする嘘吐きはもうみんな死んでしまえ!!

 死んでしまえばいいんだ!!

 そう、死ね!!

 死んでも生き返るようなら私がまた殺してあげるから!!



―― ……もう、騙しは効きませんよ


 えぇ、騙しはもう私には効かない。私は仲間を信じるから。

 嘘吐きを信じたりしないから。

 ルイージさんは私をちょっと疑ったけれど話したら信じてくれた。

 嘘吐きさんには信じて貰えなくても、仲間になれる人なら信じて貰えるんだ。

 仲間じゃない人なんていらない。


「そういえばまだあの嘘吐きさんは生きてるかな?
 シゲル、あの嘘吐きさんが生きてるなら探して殺してきて。
 ははははははははははははははははははははははああっはっはっはっはっはっは!!」
413創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:11:01 ID:4u//0dGI
ミクが、ミクが怖すぎる支援
414狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:11:22 ID:k0ucMtN9
◆◆◆

 機械の少女の、悲鳴とも歓喜とも怒りともとれる声が響く。
 動く植物は少女の命令に従い嘘吐き――七夜志貴を探す。
 もともと七夜はそこまで遠くまで吹き飛ばされたわけではないのですぐに見つかった。
 気絶はしているようだが呼吸ははっきりとしている。
 それを確認するとシゲルは少女の命令を実行するために自らの種を弾丸として射出した。

「ッ!?」

 射出された種が胸に直撃したことで七夜は意識を取り戻す。
 意識を取り戻すと同時に危険を察知しシゲルから距離を取るがそこにいつものような動きのキレはない。
 シゲルの種ガンは彼の肋骨を打ち砕いていたのだ。
 
――咄嗟に飛んだが骨がいかれている……?
   気絶している間に何が起こったのか良くわからんがとにかく長期戦は不利のようだな。

 七夜はそう判断するとシゲルの元へ駆け出す。
 シゲルも彼の方を向き迎撃の態勢を整える。
 一人と一匹の間の距離はみるみる内に縮まりそして接触する。

「動く植物か……面白い!!」

 彼はシゲルが葉をビンタのように打ちつけてくるのを軽くいなしナイフを胴体に突き刺す。  
 手ごたえは十分……なのだがシゲルに大きなダメージを与えた様子はない。
 七夜はそれに気が付くと即座に反転し距離を取る。
 植物であるシゲルには遠距離攻撃の手段がないと判断してのことである。
 しかしそれは大きな間違い。先ほどの種ガンのようにかしこさ技を主軸にしているあおばシゲルはむしろ遠距離戦の方が得意なのだ。
 ビンタやつっつきなどといった近接技もあることにはあるが当たったとしても屁のような威力しかない。
 もっともそれをこの一瞬で見分けろと言うのは酷な話だが。

『せーのっ!!』

 シゲルの顔(?)である花から連続して種が高速で飛ぶ。
 七夜が種をかわしシゲルの攻撃範囲から離脱すると種は先ほど七夜がぶつかった木に激しい音を立て次々と着弾する。
 それは轟音というほどではないが大きな音を聞いただけでその種一つ一つに洒落にならないレベルの威力があることがわかる。
 彼をそれ聞き多少毒を吐く。

「今後のことを考えると一発でも貰ったらまずいか……」

 七夜が間合いを詰めようと走る。
 それに対しシゲルが種マシンガンを放ち再び間合いを維持しようとする。
 それが何度続いただろうか?長期戦の様相を呈し始め七夜が焦り始めたころ突如として今まで間断なく放たれていた種の弾幕が止んだ。
 七夜を狙い種を放っていたシゲルは花を下に垂らしたまま硬直し動く様子はない。

「罠か……?」

 実際は罠でもなんでもなくただ所謂意味不明状態にシゲルが陥っただけの話である。
 だがこれもまた初見で意味不明状態なんていうものを理解しろというもの酷な話。
 今までの状況を考えると延々と続く攻防に痺れを切らした変な植物が一撃必殺のための罠を貼っていると考えても仕方がないのだ。

 七夜が思考する短時間膠着状態が続く。
 用心しながら七夜がじりじりと距離を詰める。だg先ほど種の弾幕が突然止まったのと同様にシゲルが意味不明状態から復帰し活動を再開した。
 先ほどまで種を放っていたのとは明らかに違うモーションを取る。
 種の弾丸ばかりを用心していた七夜は肉体的疲労もありその明らかに先ほどまでとは違う何かを吐きだすような技に対応が遅れる。
415創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:11:32 ID:4u//0dGI
狂気の歌姫
416創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:12:23 ID:4u//0dGI
しえんしえんにしてやんよ〜
417狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:13:30 ID:k0ucMtN9
「ぶわっ!!」

 彼はシゲルから放たれた花粉とミツをもろに喰らってしまう。
 目は咄嗟に閉じたため目をやられ視界を奪われることだけは避けたものの、花粉とミツが服がべたべたと体にひっつき動きにくい状態に陥ってしまう。
 今現在七夜が着ているのはごく一般的な学生服。
 普通の服でも水にぬれれば体に張り付き動きを阻害する。学生服ならば、かかったのがミツであるならなおさらである。
 この状況ではさきほどまでのように種を交わし間合いを取るといった行動をとり続けるのは不可能。
 先ほどと同じことを繰り返せばやがて種ガンに当たってしまうのは明白である。

「シゲル?まだ終わらないの?」

 先ほど七夜を機械で吹き飛ばした少女の声。
 距離はそう遠くないように七夜は思えたが今の状態でシゲルの弾幕を交わしそこまでたどり着くことはほぼ不可能。
 だがシゲルのもとまでたどり着きシゲルを殺すことは現状ではまだなんとか可能だと七夜は判断する。 
 彼は殺人鬼。相手が人でなくとも殺すのが仕事。
 だからこそ彼は現状で動ける最大のスピードで動く。

 シゲルと七夜の距離は負傷した状況でも七夜が安全に種をかわすために大きく開いている。
 本来ならばこの程度は問題にもならないが負傷しミツのせいで動きを制限された状態では遠いな距離。
 この距離を埋めシゲルの息の根を止めるために七夜は走る。
 本来よりは遅いが一般人では反応することもできないだろう速さで一気に接近する。


――あと10歩


 シゲルが放った種マシンガンがいくつか七夜に直撃し彼にダメージを与えるが止まらない。
 反応を許さぬままに命を奪うべく一歩ごとに高速で駆ける。


――あと6歩


 呟き距離を確認しながら七夜は駆ける。
 シゲルは七夜の接近に反応し花粉を放とうとするが彼は同じ技を二度喰らうような人間ではない
 葉団扇を振りシゲルの体勢を崩し花粉を無力化する。


――あと3歩

  
 呟き七夜は攻撃の態勢に入る。
 シゲルにこの状況で放つことのできるまともな技はない。
 せいぜい突っつきぐらいだ。


――極死・七夜


 七夜はシゲルに肉薄する。
 ここまで近づいた以上負傷していようとシゲルに攻撃をかわされることはありえない。
 後は全力で放つのみ、勝負はついた。 そう彼は確信し言葉を発する。


「極彩と散れ」


 シゲルの胴体を一気にナイフで切りぬき流れるようにして片方の葉を切り落とす。
 種をなんども体に受けた七夜にはそれが限界だったがそれはシゲルに対して致命傷を与えるのにはそれで十分。
 彼は近づいてきているであろうロボットに乗った少女に向き直ろうとし――
418創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:13:56 ID:4u//0dGI
 
419狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:14:45 ID:k0ucMtN9
◆◆◆


 手ごたえは十分だった。

 植物の胴体を大きく切り抜き、腕のような役割を果たしていた葉の一方も切り落とした。
 相手が人間であれば確実に致命傷。たとえ相手が植物でも大きな傷を付ければそこから枯れてゆく。
 即座に致命傷というわけにはならなくとも俺は勝負に勝ったはずだ。
 体も弾が当たったところ以外に痛みはない。
 あの近距離でなにか攻撃を喰らったということはないはず。


 だが……ならなぜ……なぜ俺は倒れている。
 なぜこんなにも体が重いんだ。


 仰向けに倒れた俺の眼に映るのは胴体に小さな傷をつけた片方の葉を失った植物の姿だった。
 なぜ胴体の傷があんなに小さい……俺は間違いなく大きく切ったはず。
 あれは記憶違いで俺が妄想の中だけで切ったというわけじゃない。手ごたえも確かだった。
 だから葉が片方切り落とされている。ならばなぜ……なぜあんなに傷が小さいんだ。

 俺がそんな思考をしている間にロボットが近づく。
 体が動くならば無防備な乗り手を殺しに行けるが今の俺では到底無理な話。
 今までで感じたことがないほど距離を遠く感じる。

「嘘吐きさん、お気分はいかが?」

 ロボットの上から俺を見下ろす少女。
 その少女の瞳は狂気に満たされておりなにか俺と同じようなものを感じた。
 狂ってるという言い方は適切ではないのだろうが狂ってるとしか言いよう無い何か
 それが何かを理解するための時間はもう俺には残されていないようだった。

「あはははははは、嘘を吐くからこういうことになるんだよ
 なにか言い残したいことある?私はとってもやさしいから嘘吐きさんの言葉でもちゃんと聞いてあげるんだ」

 まったく狂ってるな。
 これで優しいなんて殺人鬼の俺よりも狂ってるじゃないか。
 少女はクスクスと笑いながら好奇の眼で俺を見ながら答えを待っている。
 どうやら今の俺に選択権は無いらしい。

「言い残したいこと……そうだな、俺とお前は同類ってことかな」

「私は嘘吐きなんかじゃないよ、うふふ。
 嘘吐きさんは最後まで嘘吐きなんだね。私があなたと同類なんてはずがないじゃない
 それじゃ、バイバイ」

 そんな言葉とともにロボットの足が静かに迫る。
 別に死ぬのは怖くないが俺が思うことは一つ。
 もっとこの殺し合いを愉しみたかった。

「あははははははははははははははははははは。
 嘘吐きさん、さようなら。
 はははははは、あっはっはっはっはっはっはっは!!」

 俺は狂った笑い声を聞きながら、冷たいロボットの足を見ながら――




【七夜志貴@MUGEN 死亡】
420創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:15:21 ID:4u//0dGI
 
421創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:16:17 ID:4u//0dGI
私怨は戦争
422狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:16:42 ID:k0ucMtN9
◆◆◆

「ははははははははははははははは」


 肉を踏みつぶす嫌な音と共に少女の狂気の笑いが森に響く。
 少女はクスクスと笑いながら一人呟く。


「これで嘘吐きさんはとりあえずいなくなったね」

「でも、ミクちゃん?友達が嘘吐きだったんだよ?
 もしかしたら皆で寄ってたかってミクちゃんを騙してたのかもね」

「ルイージさん……そんなことは……
 いや、テトちゃんが裏切ってたんだ。皆嘘吐きで私を騙してたってこともありえる……どうしよう……」

「そうそうミクちゃん、もっと疑わないと」

「そうだね……知ってる人だからって信用できるわけじゃないんだ。ありがとルイージさん」

「いやぁ、ミクちゃんのためだもの。このくらいどうってこと無いって」


 クスクスと笑い続けその後も歌姫は一人呟き、独り芝居を続ける。
 すでにその話す相手がこの世にないことを受け入れらぬまま。
 この場にいるものが狂気に乱され理性を失った歌姫だと認められぬまま。


「それはそうと……シゲル、痛かったよね。あんなに切られてて
 でも大分治ってるようで良かった。」


 シゲルの胴体に付けられた大きな傷は既に再生を始めている。
 確かに七夜がつけた傷は時間は致命傷だった。それは間違いない。
 ならばなぜこうしてシゲルが生きているのか?
 決してシゲルの生命力が異常だったとかそういうわけではない。シゲルが七夜に向け最後に使った技が原因なのだ。
 シゲルが使った技はドレイン。相手の体力を吸収し自らの体力とする強力無比な技である。
 戦闘の最終局面でこれを打ち放てばHPが逆転し勝利になることも少なくない多技である……が
 元々この技は命中率が低く素早い相手には効果を発揮しにくい。
 しかし七夜はミツと花粉を受け、スピードが低下した状態であり、さらに勝利を確信しシゲルの最後の反撃のことを考慮に入れていなかったため成功したのだ。
 この中の要素がどれか一つでも欠けていれば七夜はシゲルに致命傷を与え、疲弊しながらも初音ミクへとどめを刺していただろう。
 もっともこれが初音ミクにとって運が良かったといえるかどうかは微妙であるが。
423狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:18:38 ID:k0ucMtN9
 七夜とテトの死体を見ることもなく……いや、見ようとせずに歌姫は歌う。

「さぁ早く遊びましょう、人形はどうしても喋らない」 

 
 その歌声は透き通り透明だった。
 しかしその透明さは狂喜を隠すことなく全てを透かす。


「血をかけてあげるほら、真っ赤な色のドレスになったわ」

 
 歌姫の悲しみ、喜び、怒り、憎しみ、その全ての感情を伝える狂喜の声。
 その歌を聴くものがいればその物がどんな猛者であろうと恐怖に震えるほどの感情がそれには籠っている。


「髑髏で作った牢屋にまた1人閉じ込める」


 ある意味では歌姫としての境地。
 伝えたい思いを全てを歌として伝えること。それを完全に達成しているとも言えるこの歌。
 短いフレーズではあるが過去ミクがうたったどんな歌よりも完成度が高いともとれる
 歌姫の感情全てが籠り、全てを伝える狂喜。


「ねぇ悲鳴を聞かせてほしいの悲鳴を聞かせてよ」


 歌の1フレーズを歌い終えると少女は植物へ語りかける。
 狂気に囚われた美しい微笑みを浮かべながら。


「シゲル、葉っぱを切られちゃって痛かったよね……ごめんね……
 これからも嘘吐きを倒すために無理させるかもしれないけどごめんね……」


 動く植物は何も語らず少女の乗るロボットにつき従う。
 彼女らはこれからどこへ向かうのか、どこへ狂喜を振りまくのかそれは彼女らしか知る者はいない



「   うふふふふ……ふ   ふ   ふ   ふ   

               は  は  は   は  は  は 
  
       あ    は    は   は   は   は   は   は   」



――そして

                                       だれも――



        ――いなく

 

                          なった――
424狂喜「サウンドプリンセス」 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 07:21:17 ID:k0ucMtN9
◆◆◆

 確かにそこには誰もいなくなった。
 いなくなったのは生きる”人間”であるが。
 皆さんお忘れではないだろうか?あの生首生物たちを 

「ゆ……ゆっ!!」

 戦闘の間どこかに隠れていたゆっくりはミク達がいなくなると現れ物言わぬ壊れた人形となったテトに語りかける。
 しかし人形は喋らないからこそ人形なのだ。壊れた人形は二度と動くこともなく喋ることはない。

「ゆ……ゆ?……ゆ……」

 ゆっくり霊夢は涙を流しテトに声をかけ続ける。
 声をかけ続ければテトが生き返るかのように、テトがバーボンに引っかけただけで実は死んだふりをしているだけだと願うように。
 一方ゆっくり魔理沙 は涙を流しながらもテトと七夜の支給品を四苦八苦しながら集める。
 テトが死んでしまったという現実に苦しみながらすべきことはしなければならないという決意を秘め。

「ゆ……ゆっ!!ゆっ!!」
「ゆ……」
「ゆっ!!ゆっ!!」
「ゆぅ……」

 ゆっくり魔理沙 はゆっくり霊夢をしかりつける。
 今自分たちがやらないといけないことは何なのか諭すために。
 だが別にゆっくり達が今しなくてはならないことなど存在しない。
 ここにいきなり連れてこられ殺し合いの道具として支給された、ただそれだけでゆっくり達には闘う理由はないのだ。
 この場ではあくまでゆっくり達は道具、テトのような参加者とはちう。
 それこそ優勝者が決まるまで禁止エリアに隠れて震えておくという選択肢もあった。
 しかしその選択肢を蹴ってまでゆっくり魔理沙 はしなければならないことがあるという。

「ゆっ!!ゆっ!!ゆ!!」
「……ゆ……ゆ」

 テトが恩人だと言っていやミクの様子は明らかにおかしかった。
 ミクは赤さんの言い方を借りるならば今、初音ミクは歪みある生き方をしているといえるだろう。
 それを何とかするのが僅かな時間とはいえテトのそばにいたゆっくり達であり、赤さんの言葉を聞いたゆっくり達ではないか、そうゆっくり魔理沙 は言っているのだ。
 赤さんが歪みねぇ生き方を伝えたのはゆっくり達とフラン、そしてすでにこの世にはいないテト。
 赤さんが残した歪みねぇ生き方の道しるべはゆっくり魔理沙 の中には生き残っている。吹けば消える小さな火としてではあるが。
 この吹けば消える小さな火も油の中に投げ込めば業火となり歪みすべてを焼き尽くし歪みを取り除くだろう。
 だがこの場にその油となる人物はいない。

「ゆ……ゆ!!」

 ゆっくり魔理沙は強引にではあるがテトのそばで泣き続けようとするゆっくり霊夢を連れどこかへ移動を始めた。
 ゆっくり達がなにを望むのかは分からない、フランとの再会なのかテトの恩人であるミクの救出なのか
 それともまったく別なことなのか。
 ただ一つ分かることはゆっくり達がこれから進む道が果てしなく困難で遠い道のりだということだけだ


「ゆっくりしている暇なんてないよ!!しっかり急いで行ってね!!」
425創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:36:54 ID:4u//0dGI
 
426創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:37:07 ID:4u//0dGI
  
427代理投下:2009/03/20(金) 07:56:09 ID:x4fVQJ9B

【A-3 森/一日目・午前】
【初音ミク@VOCALOID2】
[状態]:混乱、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
[装備]:ルイージの帽子 魔導アーマー(左腕欠損、武装チャージ中1/2)@FF6
[道具]:基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
[思考・状況]
0.重度の疑心暗鬼

【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
[状態]大ダメージ(移動と戦闘に支障はない。ドレインの効果で再生中)
[思考・状況]
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……

【ゆっくり@ゆっくりしていってね】
[道具]ランダム支給品(0〜2)基本支給品×2(食料・水-1) 三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、 葉団扇@東方project 包丁@現実 射命丸文のカメラ@東方project
    サバイバルナイフ@現実 果物ナイフ@現実 偽起爆リモコン(4-5時間使用不可)@オリジナル 拳銃(0/6 予備弾24)@デスノート
[思考]0.不明


※指定された命令以上のことはできない。しかし殺傷力の高い技も存在する。
※ルイージの死体(帽子無)が放置されています
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。
※ゆっくり達がテトと七夜の支給品を回収しました。行く先、思考ともに次の作者様に任せます。
428創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 07:58:17 ID:4u//0dGI
おわり?

シゲルが扇動しまくり状態になってる…
ミクやばいよこれやばすぎるでしょ
もはや戻れないのかな…

そしてゆっくりかわいよゆっくり
429 ◆CqqH18E08c :2009/03/20(金) 08:01:45 ID:k0ucMtN9
代理投下ありがとうございました
ある意味最悪のタイミングで猿さん喰らってしまった……orz

修正
多技×
大技○
430代理投下:2009/03/20(金) 08:02:01 ID:x4fVQJ9B
以上です
タイトルが歌姫じゃなくて音姫なのは仕様
朝だから規制喰らわない様に注意してたのに喰らってしまった……orz

途中の歌のネタ元
sweets time 裏歌詞を初音ミクに歌わせてみた
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3097321

もしかすると3分あたりの絵はこのロワ的に必見なのかもしれない?


代理投下終了。
乙です。

GUOOOOOOO!!
ミクの精神が崩壊してしまった・・・歪みねぇのはもうゆっくりだけか。
431創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 08:03:09 ID:d1TlCR0F
投下&代理乙です
ミクこええってレベルじゃねーぞ……!エアルイージやシゲルとの会話が壊れまくっているw
七夜はお疲れ様ー。最後までいい意味で厨二全開だったぜ
そしてゆっくりかわいいよゆっくり。赤さんが歪みねぇ生き方を託した奴、まだ残ってたな…
432創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 09:20:58 ID:oJB60RNl
七夜ェ……結局サラマンダーのまま逝っちゃったか
スコア稼いでくれるのこっそり期待してたんだがなぁor乙
433創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 09:26:03 ID:DNAEl+9D
七夜…(;ω;)
ときちくさんや咲夜との再戦期待してただけに残念だぜ。
とりあえずお疲れ様。
これからは頑張って死者スレを盛り上げてくれw
434代理:2009/03/20(金) 14:52:37 ID:k0ucMtN9
511 : ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:06:15 ID:rOMgb5nw0
てゐ、スネーク、月の分のSSが出来ました。
まだ規制をされているので、こちらに投下したいと思います。

512 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:06:49 ID:rOMgb5nw0
太陽が昇り始めて既に数時間、見通しのいい平原の中。
この場に連れてこられて三度目の気絶をしていた因幡てゐは、ようやくその目蓋を開け意識を取り戻した。

「ぐぅっ……?」

呻き声を上げながら身体を起こし、ふらつく頭に渇を入れながらてゐは左右を見回す。
既に辺りは明るくなっており、視界はここに連れてこられていた当時よりも格段に良くなっている。
続けて上空を見上げ、現在の時間を大まかながら確認しようとすると、
その太陽の位置から推察するに時刻は午前八時前後であるという事が把握できた。

「……っ!?」

慌て、てゐは首下に手をやりながらそこに取り付けられているそれを確認をする。
金属的な感触が二つ、手の触覚を冷たく刺激した。
小さく舌打ちをしてから、今度は身体を曲げて無理矢理首輪を目で確認。
すると先ほどまでは青色だった首輪が、白色へと変色していた。

「……どういう事なの!?」

白色へと変色したプレミアム首輪に手をあて、彼女には珍しく激昂する。
この首輪は放送が流れる前までに誰か一人を殺さなければ爆発してしまう有料首輪。
既に一度目の放送は流れている時間なのだから、とっくに爆発しているはずだというのに……。
しかし、自分の首はちゃんと繋がっているし首輪はそこにしっかりと存在している。
もしや何らかのアクシデントがあって放送はまだ流れていないのだろうか?
それとも、この首輪自体が故障をしている?
……いや、どちらも可能性は限りなく低いだろう。
自分達をこんな場所に連れてきた者達が、こんなに早々予想外のアクシデントを起こしてしまうとも思えない。
同じようにその者達が用意したこの首輪が故障をしたというのも、まず考えにくい。
ならば考えられる可能性は……。

「ハッタリ……?」

この首輪を取り付けたバクラ達が、嘘をついたとでも言うのだろうか?
……それも考えにくい。
プレミアム首輪を取り付けたのは確かにバクラ達であるが、これを用意したのはまず間違いなく主催者だ。
まさか河童でもあるまいし、月や言葉やバクラがこの首輪を短時間で作成したとは到底思えない。
それに、この首輪の効力を知ったのは説明書を読んだからだ。
説明書が用意されていたという事は、支給品として彼らの内一人のデイパックに紛れていたという事。
つまり、この首輪とその説明書を用意したのは主催者だと考えて間違いは無いはずだ。

歯噛みをしながら、てゐは考える。
首輪を用意したのは主催者だ……だとするなら、疑うべきはやはりバクラ達。
バクラ達が何らかの嘘をつき、てゐを騙したと考えるのが妥当な線だ。

バクラに裏切られ気絶し、意識を取り戻して言葉と月に対面し、再び気絶をした時の事を思い出す。
あの時、意識を取り戻して言葉達と会話をした時間はたった数分――あの中に、嘘は無いはずだ。
彼らの口ぶりからしてそういう雰囲気は見て取れなかったし、そもそもその時まだプレミアム首輪は取り付けられていなかったのだから。
だとするなら、彼らが嘘を仕掛けたのはその後……てゐが気絶をしてからと考えるべきだ。

「でも……でも……どういう事?」
435代理:2009/03/20(金) 14:55:04 ID:k0ucMtN9
513 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:07:46 ID:rOMgb5nw0
あの後、バクラ達はてゐにプレミアム首輪を取り付けてそのまま去った。
つまり、その間にてゐに対して口先で騙すというアプローチは取れなかったのだ。
……考えが行き詰ってしまう。
バクラ達がてゐを騙した事はまず間違いない。
その方法と狙いがわかれば、この首輪が放送を超えた所でどうして爆発しなかったのかがわかるのだろうが……。
首を振り、てゐは別の観点から彼らの意図を察する事にする。

"どうやってバクラ達が首輪を取り付け、自分を騙したか"ではなく、"何故バクラ達が首輪を取り付けたのか"という事を。

てゐは今まで、それについては彼らが第一放送までにてゐが死ぬものと確信していたからだと考えていた。
だが、ここに来てその考えは間違っていたものだと判断する。
何故なら、この首輪は第一放送を過ぎても未だ爆発をしていないのだ。
バクラ達がこの首輪を"第一放送までに爆発しない"のだと知らなかった、という可能性は低い。
この首輪の元々の持ち主は彼らなのだから、思慮に長ける彼らがその事実を知らない訳が無い。
だとすれば、彼らの狙いはおぼろげながら読めてくる。
彼らは因幡てゐに、殺人鬼になって欲しかったのだ。

バクラ達の狙いがあくまで優勝ならば、当分彼らが殺し合いを積極的にする事は無いだろう。
むしろ、てゐとバクラの当初の予定通りに強く与しやすいグループに紛れ込んで参加者が減るまで行動しないものと考えた方がいい。
しかし、それだと参加者の減るペースはどうしても落ちてしまい……故に、バクラ達はてゐを使おうとした。
この首輪をつけられれば、てゐは積極的に殺し合いをしなければならなくなる。
生き残りたければ、放送毎に最低一人は殺さなければならないのだから……この殺し合いが二日続くとして、単純計算で八人。
仮にてゐが弱ければすぐに死ぬだけ、強ければ八人……とは言わずとも、それなりの数は減らしてくれる。
バクラ達は、そう考えてゐにこの首輪を取り付けたのだ。
無論、この計画にもデメリットはある――てゐが彼らに牙を剥く、という可能性だ。
その可能性を考慮すれば、これはハイリスクハイリターンな賭け……しかし、あえて彼らはその賭けを打って出たのだろう。

……だとすれば、この首輪の効果も、そしてバクラ達がどのようにしててゐを騙したかも凡そながら読めてきた。
てゐは、己の懐にしまっていた首輪の説明書を取り出しそれを読む。
そこに書かれている文字を熟読し……やがて、不適な笑みを浮かべててゐは呟いた。

「なーるほど……そういう事ね」

説明書にはこう書かれている。
申し込み前は赤い首輪、それが申し込みを確認すれば青い首輪になり、殺害をすれば黒い首輪になると。
だが、"白い"首輪の事は何一つ触れられてはいない。
これは一体どういう事なのか。
この首輪は故障などしない、ならばこの白くなった状態も決して首輪のバグなどではないはずだ。
ならば、説明書で説明をしていなければおかしい。
436代理:2009/03/20(金) 14:56:04 ID:k0ucMtN9
514 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:08:45 ID:rOMgb5nw0
考えられる可能性は一つ……バクラ達が、その部分を改ざんしたのだ。
説明書を作り直したか、或いは別の手段を使ったのか……。
ともかく、白い首輪について書かれている部分を無かった事にした。
それは、恐らく彼らにとって都合の悪い事が書かれていたからだ。
その都合の悪い事とは一体何なのか――?

この首輪は、本当は何の効力も無い玩具でしか無いという事実が書かれていた?
そうであるなら喜ばしい事だが……恐らく、それは無いだろう。
そんな嘘、放送が来ても爆発しないという事にてゐが気付けばすぐにバレる。
そうなった場合、しっぺ返しを食らうのはバクラ達なのだ。
仮にてゐが何人か殺して放送を迎え続ける可能性があったとしても、それと同じくらい嘘がバレる可能性がある。
いや……彼らはてゐが弾幕を撃てるなどと知らないはずなのだから、むしろ嘘がバレる可能性の方が高いと思っているだろう。
幾らハイリスクハイリターンを狙っていたとはいえ、これではあまりにも無謀過ぎる。
故に、この首輪が何の効力も無い――というのは在り得ない。
この首輪は放送が来れば爆発する、というのはまず確定事項だ。
それを踏まえた上で考えるならば……答えは自ずと出てくる。

プレミアム首輪の利点とは、禁止エリアに進入が出来るという点だ。
てゐはそれを放送の前に強引にバクラ達に装着されてしまったのだが……ここでふと疑問が沸く。
第一回放送までに、禁止エリアは存在しないのだ。
ならば、この首輪の利点は第一回放送の前までには存在しないという事になる。

「利点が無いのなら……当然、欠点も無いはずよ……」

そう考えれば、全ては納得のいく話である。
バクラ達の狙いは、てゐに殺人をさせ自分達以外の参加者を減らす事。
なら、てゐにはそんなに簡単に死んでもらいたくは無いはずである。
第一回放送直前に首輪を取り付け、野に放った所で彼らにメリットなど一つも無い。
そんな事をするくらいならばてゐをさっさと殺し、プレミアム首輪は他の者に使えばよかっただけなのだ。

バクラ達がプレミアム首輪をつけたのは、てゐが一回目の放送で死ぬ事は無いと確信していたから。
そして、その一回目の放送が終わった直後――てゐが事の真相に気付いても、誰かを殺さない限りは生き残れないという事実に変わりは無いと思ったからだ。
437代理:2009/03/20(金) 14:57:07 ID:k0ucMtN9
515 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:09:24 ID:rOMgb5nw0
「完全に嵌められた……!!」

てゐが彼らの真の狙いに気付けなかったのも、何も対策をしないまま第一放送を迎えてしまった事も。
全ては、バクラ達の思惑通り。
てゐは彼らの手の平の上でただ無様に踊らされていただけだ。
悔しそうに歯噛みをしながら、てゐはただ拳を地面に叩きつける。
あの状況では致し方なかったのかもしれないが……安易に騙されるとはとんだ屈辱だ。

「絶対に、絶対に……! あいつらだけは許さない……ッ!!」

今度は必ずこちらが騙し返す。
騙して、嵌めて、罠にかけて、陥れて……バクラ達の命を奪ってみせる。
この借りは、倍返しにして返してやらねば気が済まない。
てゐはそう心の中で強くバクラ達への復讐を誓い――そして。

「あいつらってのは……誰の事だ?」
「っ!?」

背後から、唐突に声をかけられた。
反射的にてゐはそちらの方へと向き直り、視線をやる。
そこにいたのは――銃を構えた、屈強な傭兵。

「下手な真似はするんじゃあない……手を上げるんだ」

その傭兵に気付かれないよう小さく舌打ちをし、しかし逆らう事も出来ずてゐは言われた通りに手を上げる。
目の前にいるのは首輪が爆発すると思い込んでいた時に決死の覚悟で襲い掛かった男。
あの時はただ無我夢中で、あまり記憶も無いのだが……その声と体つきには覚えがある。

首輪が爆発しなかった事について考えるあまり、周囲の人間への警戒が疎かになりすぎていた。
自分を気絶させた彼が自分を殺さなかった以上、彼も自分を放っておいてどこかに行ったものだと考えていたのだが……。
とにかく……あまりにも無警戒過ぎた。
起きた瞬間左右を見た為に誰も周りにいないものと思っていのだが、考えが甘かったと言わざるを得ない。
相手との距離は約3メートル……不意をついて飛び掛かる事も弾幕を撃つ事も出来ないだろう。
口先で上手く丸め込む? ……駄目だ、それも出来ない。
彼は先ほどまでのてゐの独り言を聞いているようだしし、何よりてゐに襲われている。
自分の狡猾な面すべてを出すつもりは無いが……あからさまなぶりっ子をしてみたところで逆効果にしかならない。

「よし、そのままだ。 そのままの姿勢で俺の質問に答えろ」
「……わかった」

ここは素直に彼の言う事を聞いておくしかない。
438代理:2009/03/20(金) 14:58:07 ID:k0ucMtN9
516 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:10:23 ID:rOMgb5nw0
「まず、名前だ」
「因幡てゐ」
「……イナバ、テイ。 なるほど……確かに、嘘では無いようだな」
「それは……?」

てゐが名前を告げるや否や、男は片方の手に持っていた紙を見て頷く。
それを見て疑問に思ったのはてゐだ。
名前を告げた瞬間に見たのだから、そこには自身が嘘をついたかついていないかを確認出来るような何かが書いてあるのだろうが……。

「これは名簿だ……予めデイパックに入っていた白紙の紙があっただろう。
 先ほどの放送から、その白紙の紙に文字が浮かび上がってこの殺し合いに参加させられている者の名前が書かれている」
「……ふぅん」

当然ながら、てゐはその名簿を確認出来ていない。
支給品は全てバクラ達によって奪われたのだから、その白紙の紙も当然バクラ達が持ち去っており。
また、放送を聴いていないのだからそもそもその紙が名簿になったという事実も知らなかったのだ。
これでは確認が出来る訳が無い。

「丁度いい、お前も確認しておけ。 知り合いが参加させられているかもしれない」
「……ん」

男に促され、てゐは男が持っていた名簿を受け取り読んでいく……と。
尚も向けられる銃口に冷や汗を流しながら、てゐはその名簿に書かれてある名前の幾つかを見て内心焦った。
――チルノ、射命丸文、十六夜咲夜、紅美鈴、フランドール・スカーレット……。
そこに書かれているのは、正しく自身の知り合いの名前。
もしかしたら、自分の知り合いもいるかもしれない――確かにそう思ってはいたが。
まさか五人も連れてこられているとは予想もしていなかったのである。

氷精だけならまだどうとでもなる……口先でどうとでも言い包められるし、手駒にする事だって十分可能だ。
しかし、それ以外の面子に口先だけで太刀打ちをするのはどう考えたって難しい。
あまり口が上手そうではない門番と悪魔の妹なら、或いは上手く騙せるかもしれないが……。
彼女達も当然てゐの風評は聞いているのだろうから、確実に騙せるなどと言い切れない。
新聞屋とメイドに関しては論外だ。
前者は実に利己的で頭がよく回るし、後者はこちらの話を聞いてくれるような寛容な心を持ち合わせていない。

幸いにも、十六夜咲夜やフランドール・スカーレット、チルノなどは徒党を組むような性格をしていないだろうから自分の情報が他者に漏れる心配が無いだろうが……。
後の二人に関しては仲間を作っている可能性もある、そこからてゐが嘘吐きであるとばらされていれば相当やり難くなってしまうだろう。
知り合いがいるにしても、せめてもう少し馬鹿そうな夜雀やら虫っ子やらなら何倍も楽になっただろうに……。
眉間に皺を寄せながらそんな事を考えるてゐに対し、そこから何かを感じ取った男は更に口を開く。

「その様子だと知り合いがいたようだな」
439代理:2009/03/20(金) 14:58:55 ID:k0ucMtN9
517 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:11:16 ID:rOMgb5nw0
「うん……この名簿が嘘のものじゃないんだとしたら。
 ここに連れてこられている私の知り合いは、全部で五人ね」

ここで嘘をついてもてゐ自身に何らメリットは無い、むしろ正直に話した方が有利に動く。
名簿に書かれている五人は、何れもてゐにとって邪魔な存在だ。
ここは彼女達に関する情報をリークしておくのがベストである。

「よし、ならばその五人の名前をまず聞こう」
「射命丸文、チルノ、フランドール・スカーレット、紅美鈴……それと、十六夜咲夜よ」
「十六夜咲夜だと!?」
「っ……どうかし――ッ!?」

知り合いの名を呟いた途端、男はまるで鬼のような形相でてゐを睨みつけた。
一瞬、てゐはその視線に獰猛な蛇の姿を思い浮かべ思わず怖気づき――。
しかし、すぐさま気を取り直して男の態度について考えだす。

男があからさまな怒りの形相をその顔に浮かべたのは、十六夜咲夜の名を呟いた瞬間からだ。
彼自身がその名を知っている様子だという事も考え、彼は既に彼女と出会ったものと見て違いない。
彼女の性格やここでどういった行動を取るかという予想。
そして、彼を襲ったてゐを気絶させるだけに留め、殺す事は無かったという彼の方針から鑑みるに……。
彼と彼女の間で起こった事象はある程度予測がつく。
――十六夜咲夜に殺されかけたか、或いは他の誰かを彼女が殺す現場を目撃した。
完全に当たっているとは言い切れないが、さりとて見当違いな考えでもないだろう。
目の前の男は十六夜咲夜に向けて確実に敵意を見せている。
ならば……これは利用が出来る。

「言え……! お前と奴は、どういった関係だ!?
 いや、それよりも奴は一体……!!」
「ひっ……!」
「っ! ……すまん、怖がらせた。 だが、答えてくれ。
 奴はお前とどういう関係なんだ? ……奴の性格や戦法は? 弱点はあるのか?」

まずは男の剣幕に怖がるフリをして男を落ち着かせ、てゐが実際には"弱い"者だと錯覚させる。
襲い掛かった以上ぶりっ子をするつもりは無いが、だからといって強気な面を見せてばかりではいられない。
てゐがこの場で取るべき対応――演技は、"強がる子供"。
外見だけを見れば、てゐはどこからどう見てもただの幼女である。
弾幕を張れたりといった力はあるものの、見た目はいたいけなうさぎさんなのだ。
この外見を利用しない手は無い。
独り言を言っていた時もそれほど危険な事は言ってないはずなのだから、この演技も十分通用するはずだ。

「別に、怖がってないウサ」
「……そうか」

少しだけそっぽを向きながら、それでも若干うろたえたフリをしてそう返す。
男は小さく頷きながらも、どうやらてゐを驚かせた事を反省したらしく表面上は怒りを納めた。
440代理:2009/03/20(金) 15:00:14 ID:k0ucMtN9
518 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:12:31 ID:rOMgb5nw0
「で、奴っていうのは……十六夜咲夜の事、でいいの?
 なら答えるけど……あいつは別に、私とそれほど仲がいいって訳じゃないのウサ。
 顔と名前は知ってるけど、それほど会話もした事ないしね。
 それでも、あいつの性格とか考えそうな事は大体予想がつくけど」
「……話せ」

男に促され、てゐは尚も少しだけビクついたようなフリをしてみせながら……十六夜咲夜に関する情報を男に教える。
紅魔館の事。紅魔館の当主が吸血鬼であるという事。彼女はそこのメイド長であるという事。
当主の為ならば人殺しも容易にやってのける事。如何なる時も冷静であり、無情であり、しかしどこか天然であるという事。
時を止める能力を持っている事。一時期、年甲斐にもなくまるで魔法少女のような星を模した装備をつけて異変解決を行おうとした事。
それが一部でマジカル☆咲夜ちゃんスターと呼ばれているという事。あと、PAD疑惑があるという事。
思いつく限り、十六夜咲夜について知っている事をただ喋り続けた。

「……なるほど」
「ウサウサ。 とにかく、あいつは危険人物よ。
 同じ紅魔館在住のフランドールや美鈴もそうだけど、あいつはある意味そいつらより怖い」

最後にそう締めくくったてゐの言葉を聞き、男は静かに頷いて十六夜咲夜の危険さを再確認する。
てゐが齎した情報は……マジカル☆咲夜ちゃんスターやPADの事を除けば男にとって有益なものだった。
特に、時を止める能力を持っているという情報を得られたのは大きい。
本来ならばそんな非科学的な話信頼など出来ないのだが――それが事実ならばあの時目の前から突如消え列車に乗り込んだ事象について説明がつく。
だとすれば、矢張り彼女はそういった類の能力を持っていると考えて間違いないだろう。

「それでは、次に他の者達についてだ」
「ん……わかった」

男に言われるまま、てゐは更に言葉を続ける。
曰く、射命丸文とは幻想郷に住む新聞記者であり食えない性格をした者である――人畜無害そうな顔をして、裏で何をやっているかわからないので信頼するに値しない者だ。
曰く、チルノとは紅魔館の近くに住む妖精であり力は相当持っているもののただの馬鹿である――負けん気だけは人一倍強いので、誰かに勝負を仕掛けられたらまずその喧嘩を買うような危なっかしい者だ。
曰く、フランドール・スカーレットとは紅魔館に閉じ込められた悪魔の妹である――戦闘能力だけなら幻想郷でもトップクラスであり、気が触れている為に十六夜咲夜の次に注意すべき人物だ。
曰く、紅美鈴とは紅魔館を警備する門番である――格闘技術は高いものを有しており、人柄もいいものであるが……彼の主人はフランドール達である、警戒すべき者だ。
――などなど、ほぼ全て真実の事を伝え……その中に少量の嘘を混ぜて危機感を煽っていく。

「ウサウサ。 特に後の二人は危険ウサ。
 十六夜咲夜の仲間なんだから、手を組まれたりしたら手がつけられなくなっちゃうわ」
「……確かに、そうだな」

顎に手を当て、考え込む男……その様子を見ながら、てゐは内心ほくそえむ。
男はこの情報を信じるしか道は無い、信じざるを得ない。
彼は既に十六夜咲夜に出会い彼女に煮え湯を飲まされており、その十六夜咲夜の情報を既に因幡てゐから聞き出した。
そして、その情報の殆どは彼の危機感を煽り立てる事に成功しているのである。

てゐが齎した十六夜咲夜の情報は、全て彼が感じた十六夜咲夜に対する感情を盛り上げるものだった。
冷血で冷淡で冷酷無比。時を止める能力。完全で瀟洒。一分の隙も無いパーフェクトメイド。
それらは全てあの時、男が感じた十六夜咲夜に対するイメージと寸分違わぬもの。
故に、男はその情報を齎したてゐの他の情報まで信用し始めている。
全てはてゐの緻密な作戦と、高度な話術があるからこそ為せる技……決して男が騙されやすい性質だからではない。
441代理:2009/03/20(金) 15:01:01 ID:k0ucMtN9
519 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:13:56 ID:rOMgb5nw0
「五人もの参加者の詳細な情報が把握出来たのはありがたい……では、最後の質問だ」
「ウサウサ。 何でも答えるウサ〜」
「……お前は、やはりこの殺し合いに乗っているのか?
 俺はお前の事を混乱していたが為に俺に襲い掛かってきたものと思っていたが……様子を見る限りそうではないらしい」

ならばやはり……と言いたげに、強くてゐを睨みつける男。
てゐはその視線に一瞬たじろきつつ――小さく口元に笑みを浮かべて、答える。

「ウサ……。 そう、ウサ。 殺し合いに乗ってるかいないかといえば……。
 私は殺し合いに乗ってるウサ……」
「やはり……!!」
「で、でも違うウサ! 本当はこんな事したくないウサッ!!
 でも、でも……殺し合いをしないと首輪が爆発しちゃうウサ!! 私はまだ死にたくないの!!」

懸命に、哀れな兎を装い叫ぶてゐ。
その様子と剣幕に何かただならぬものを感じ取った男は、どういう事か話してみろとてゐに弁明の機会を与える。
心の中でガッツポーズを取りながら、てゐはなるべく狼狽したように……しかし、それでいて落ち込んだかのようにぽつりぽつりと話し始めた。
この首に巻かれた首輪――そして、自分を騙した忌々しい参加者達の事を。

まず、てゐはバクラと出会いチームを組んだ事を話す。
あくまでもこの時は殺し合いに乗っていなかった、と説明した上で。
バクラは表面上人畜無害な少年を装い、自分と一緒にいようと嘯いて近づいてきたと説明する。
そして、その後すぐにバクラによって気絶させられ桂言葉と夜神月、バクラの三人に羽交い絞めにされたまま意識を取り戻し。
首輪を取り付けられ、再び気絶をさせられたと言う。

「あいつらは……私を最初っから騙してたのよ。
 桂言葉や夜神月については詳しく知らないけど、あのバクラって奴だけは間違いなく私を嵌める為に私に声をかけてきたウサ」
「……その首輪とやらの効力は、どういったものなんだ?」
「これを読むウサ……」

懐にしまい込んでいた首輪に関する説明書を男に渡すてゐ。
その説明書を読みながら、その眉間に更に皺を寄せていき徐々に怒りの形相を露にしていく男。
それを見つめながら、てゐは畳み掛けるかのように言葉を放つ。

「この首輪は放送が来る前に誰かを殺さなきゃ爆発しちゃう首輪ウサ。
 こんなの取り付けられたら、もう殺し合いをしないなんて言ってられない。
 だから……私はあなたを襲ってしまったウサ」
「……なるほど。
 だが、お前は俺以外の誰も殺してはいないのだろう? ならば何故一回目の放送が来た時点で首輪は爆発しなかった」
「それは……多分こうウサ」
442代理:2009/03/20(金) 15:02:01 ID:k0ucMtN9
520 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:14:56 ID:rOMgb5nw0
三度目の気絶から目覚めた後、男に気付かないまま行った推理を披露するてゐ。
青い首輪の説明が抜けている説明書の指摘や、バクラ達が改ざんを行った可能性。
それらは確かな説得力を持つものであり、男も関心したかのようにてゐの推理をただ静かに聞く。

「確かに……お前のその推理は正しいかもしれないな。
 ……ヤガミ・ライト、カツラ・コトノハ、そしてバクラか。 厄介な連中ばかりだな……」
「信じてくれるウサ……?」
「こんな説明書を、お前が用意出来たとは思えない。 そして、お前が自分からその首輪を付けたとも考えにくい。
 だとすれば、その首輪の効力はこの説明書の通りのものであり、首輪は誰かが取り付けたと考えるのが自然だ。
 ……お前を完全に信じた訳じゃない、が……かといって完全に疑っている訳でもない」
「……そうウサか。 ……なら、どうやったら信用してくれるウサ?」
「そのバクラ達が完全にこの殺し合いに乗っているのだという確固たる証拠が出てくれば……。
 ……少なくとも、お前に対する疑いは小さくなる」
「……わかったウサ」

少しだけ落ち込んだ様子を見せながら、てゐはしかし本心では当面の危機を脱した事に安堵していた。
だが、あくまでもまだ当面の危機を脱したというだけであって完全に安心は出来ない。
未だ誰も殺せていない状況である為に次の放送までに急いで誰かを殺さなければならないし、
支給品を失くしてしまっている為に素手で戦いを挑まなければならない。
後者はともかく、前者の問題は早急に片付けてしまわなければ折角危機を脱したというのに死んでしまう。

「……ともかく、移動するぞ、てゐ。
 このままここに居ては誰かに狙い撃ちにされるだろうし、お前も早急に誰かを見つけて殺してしまいたいだろう」
「!? ……どういうつもりウサ?」
「お前からは確かにバクラ達に関する情報を貰った……だが、それが完全に信用出来る情報か否かはまだ確定していない。
 情報は正確なものでなければ意味がない、ならばその情報が正確なものか否か判断出来る材料が必要だ」
「……つまり、私とバクラ達とを会わせて、どっちが正しいかを見極めようって訳?」
「そうだ。 それまでにお前に死なれては困る。
 だから、殺し合いに乗っている者がいればお前がトドメを刺せ。
 ……手を組もう、と言っているんだ」
「……ウサウサウサ♪」

男の提案に、てゐは呆気に取られながらも笑顔で頷く。
彼はてゐをも倒した屈強な傭兵だ、戦力として申し分ない。
殺し合いに乗っている者限定ではあるものの、てゐが殺害をする事に対しても寛容である。
自身の知り合いと遭遇する可能性を考慮すれば、彼女達に対して警戒心を抱いている彼は役に立ってくれるだろう。
思いがけない幸運だ……これなら、バクラ達にも十分対抗が出来る。
443代理:2009/03/20(金) 15:02:52 ID:k0ucMtN9
521 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:15:54 ID:rOMgb5nw0
「自己紹介がまだだったな……俺はソリッド・スネーク」
「ウサウサ、よろしくウサ! スネーク。 私も殺し合いに乗ってない奴なんて本当は殺したくないウサ!
 私一人だとそれでも仕方なかったかもしれないけど……でも、あなたがいれば安心ね!
 スネークの提案は望むところウサ!!」
「あまり過大な期待はしないでくれ。
 ……ところで、てゐ。 一つ聞いていいか?」
「ウサウサ、お安い御用ウサ。 あ、でも私もスネークに聞きたい事があるウサ」

お互い、警戒心が少しだけ薄れた事により今まで散々聞きたかった事が急に気になり始めた。
二人は何の躊躇いもなく、その疑問を口にする。

「そのウサミミは一体何だ? コスプレか?」
「スネークのその格好は何? 趣味?」
「…………」
「…………」

しばし、無言。
それから数十秒程の沈黙が辺りに漂い……しかし、すぐに気を取り直したかのようにスネークが呟く。

「……そういえばてゐ、お前は何も武器を持っていないんだったな。
 あの"ダンマク"というものも強力ではあったが……それでも武器は持っておいた方がいい」

そう言いながら、スネークはデイパックからドアラの支給品であった武器を取り出す。
それを見て驚いたのはてゐである。
スネークが取り出したのは、見紛う事はない自身の持っていた大きな木槌。
まさか、ここまで幸運が続いていて、更に自身が扱い慣れたそれが武器として手元に戻ってくるとは思いもよらなかった。
二度、三度それを振り回して感触を確かめ、頷きつつスネークに礼を言うてゐ。
その礼を受け流しながら、更にスネークはもう一つのドアラの支給品をてゐに渡す。

「……これは?」
「俺がそれを着ていれば、より一層外見が怪しくなるからな……。
 お前に渡しておく」

説明書を受け取り、スネークの言葉を聞きながらその支給品の使用方法を熟読するてゐ。
ここに来て、憎きバクラ達ばかりを幸運にしてきたてゐの身に。
今、ようやくそれを取り戻すかのように強烈な追い風が吹き始めていた。
444代理:2009/03/20(金) 15:03:47 ID:k0ucMtN9
522 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:17:07 ID:rOMgb5nw0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

糸色望を殺した月は、図書館へと向かう為にB−4から南へと向かっていた。
歩調は慌ててはおらず、かといって慎重過ぎるという程でもないもの。
一歩一歩確実に大地を踏みしめて歩き、駅を通過した月は既にB−4エリアとB−5エリアの境界辺りまでやってきていた。

『おい月、急がなくていいのか? それに、図書館に行くっていうんならこのまま東へ直進した方が速いだろ』
「慌てるなリューク……東に行けば確かに図書館には速く着くが、市街地を通る分危険も付き纏う。
 ここは一旦南下し、B−5の南端の海で返り血を洗い流した後東に向かい図書館を目指した方が安全だ」
『でもよ、それだとB−6から逃げてくる奴と鉢合わせになるんじゃないのか?』

リュークの疑問は尤もなものだ。
先ほどの放送でB−6は禁止エリアに指定されてしまった為、南西に位置する孤島は袋小路となってしまっている。
そのエリアから逃れてくる者がB−5エリアの南部を通る可能性も高いというのは十分に考えられる話だ。
だが、月はその事に関してはそれほど問題が無いと考えている。

「B−6は十時から禁止エリアになる……後一時間弱といった所だろうな」
『ああ』
「だからこそ、だ。 残り時間がギリギリになった段階で孤島から脱出しようとする者がいる訳がない。
 大抵の者は、ある程度時間の猶予を持って孤島から離れるはずさ……何が起こるかわからないからな。
 放送があった時から孤島から逃げるまでに残された時間は四時間もあったんだ、その間に殆どの参加者は脱出しているはず。
 仮にギリギリで出てこようとも、僕がB−6の最南端に到着するのは十時を過ぎてからになるだろうから接触は無いさ」
『だけどよ、その孤島から逃げてきた奴が北上しないって可能性は無いのか?』
「それは僕も考えた……だが、その可能性は低いだろうな。
 B−5から北上したところで、重要そうな拠点はB−4の駅かA−3の館くらいしか無い。
 だが、東の方へ向かえば病院や市街地、図書館なんていったものがある。
 特に病院はこんな状況だと一番確保しておきたい場所だからな……少しでも頭が回る奴ならば、北上せず東へ向かうだろう」

問題は頭が弱い奴だが、そんな奴の行動原理は幾ら僕でも予想できない……と言いながら、月は足をただ進める。
本音を言えば、途中にあった駅に立ち寄り化粧室で血を洗い流したかったが、あの駅からは黒煙が薄っすらと立ち上っていた。
人が集まる可能性がある以上安易に立ち寄る事は避けたかったので素通りをしたのだが……。

『おい月……』
「ああ、わかってるさ……二人組のようだな」
445代理:2009/03/20(金) 15:04:49 ID:k0ucMtN9
523 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:17:50 ID:rOMgb5nw0
舌打ちをし、月は前方に見えた人影を観察するように見守る。
月の予想は外れた……B−6から逃げてきた者かどうかは知らないが、その人影はどんどんこちらに近づいてきている――つまり、北上している。
横で含み笑いをしていたリュークを睨みつけ、月はどう対処すべきか考え出す。
二人でチームを組んでいるという事は、人影たちが殺し合いに乗っているという可能性は少ない。
だが、それはあくまでも可能性が少ないというだけで確実に殺し合いの乗っているという訳ではないのだ。
事実、月は言葉やバクラと三人で同盟を組んでおり、優勝する為に力を合わせようとしている。
人影たちが月たちと同じ考えを持っている可能性は、低いものの存在する。

「どうするかな……」

月が人影に気付いている以上、あちらも月の事を認識していると見て間違いは無い。
その証拠に、その人影たちは月に向かってどんどん近づいてくる。
逃げるか……いや、それは危険だ。
身体能力に自信はあるが、それはあくまで一般人としての身体能力。
人影のどちらかがトキやブロリー、ベジータのような規格外な人物である可能性もある以上下手な手は打ちたくない。
ここは、分が悪いかもしれないが話し合いをするより他に無いだろう。
こんな事ならば矢張り駅で血を洗い流しておいた方がよかったかと思ったが……時既に遅し、後の祭りである。
覚悟を決め、クロスボウを構えながら人影達に歩み寄る月。

と……近づくにつれ、月はその選択が間違いであった事に気付いた。
距離が縮むにつれて次第にはっきりとする人影の正体。
ピンクのワンピースに人参型のペンダント、黒い髪に特徴的な兎の耳。
隣に屈強そうな男を引き連れ、溢れんばかりの憎悪を剥き出しにした表情でこちらを見ているその少女は――。

「案外、アッサリ会えたわねぇ……月」

つい数時間前、自分達が罠に嵌めた少女――因幡てゐだった。
446代理:2009/03/20(金) 15:19:28 ID:k0ucMtN9
524 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:18:43 ID:rOMgb5nw0
いつの間に手に入れたのか……武器と思しき木槌を振り回し風を切る音を鳴らしながら、月を睨みつけるてゐ。
その視線に一瞬気後れをしながらも、月は冷静に考える。
これはマズい事になってしまった。
思いがけず、別れてからたった数時間でてゐと出会ってしまったが為に月は横にいる男性よりも先にてゐの方へと視線を集中させ、反応してしまったのだ。
これでは、月とてゐが互いに見知った仲であると言っているようなものである。

ただ反応を示しただけだというのなら、まだ言い逃れは出来る。
てゐは木槌を振り回しており、こちらに敵意をむき出しにしているのだからそちらに注意が向いてしまったと言えば事は済む。
だが、それはこの場合説得力に欠ける苦しい言い訳にしかならない。
何故なら……てゐの隣にいる男性は、明らかに人目を引く衣装を着ているのだ。
幾らてゐが敵意を剥き出しにした視線をこちらに向けているとはいえ、てゐの隣にいる男性に反応をしなかったのは不自然に過ぎる。
故に言い訳など今更出来るはずも無く……月はてゐに言葉を返すしかない。

「ああ、久しぶりだね、てゐ……相変わらず、誰かを騙そうとしているようだね」
「ふん……そういうあんたは一人でどうしたのかしら?
 バクラと言葉は? もしかして、見捨てられたりしたの?」
「…………」
「…………」

二人の間を風が通り過ぎ、沈黙が辺りを支配する。
あちらが積極的にこちらを殺しに来ない所を見ると、どうやら隣にいる男は完全にてゐを信頼した訳でも無いらしい。
男はあくまでも傍観者……。
この場は月とてゐの言葉だけが二人の勝敗を左右する。

てゐを観察しながら、月はてゐの狙いを分析する。
首輪の色は白……つまり、まだ誰も殺してはいない状態だ。
だとするならば、あの木槌は誰かを殺して奪ったものではなく拾ったものか隣にいる男から譲ってもらったものと考えていいだろう。
男とてゐが出会ったのは放送が終わってからと考えるのが妥当。
てゐの様子からして、既に首輪の秘密―― 一回放送までは爆発しない、という設定は既に知っていると見た方がいい。
ならば、その後すぐに冷静となり男と手を組んだと考えるのが自然だ。

問題は男がてゐにどこまで自分達の事を聞いたか、である。
男の月を見る疑惑の眼差しから考えて、まず話していないという可能性は消える。
だが、一体どこまでの事を話しているのだろうか?
まさか全てというはずもない、てゐは当初はバクラと手を組んでいたのだ。
自分から態々殺し合いに乗る者と手を組んでいたと説明するとは考えにくい。
447代理:2009/03/20(金) 15:20:13 ID:k0ucMtN9
525 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:19:32 ID:rOMgb5nw0
だとすれば、全てを話しはしたが……そこに嘘を混ぜたと見るべきか。
あくまでも自分は殺し合いには乗っておらず、しかし首輪を嵌められてしまったが為に殺し合いをせざるを得なくなった。
全てはバクラ、月、言葉のせいであり、そいつらを殺す為に力を貸して欲しい……。
なるほど……妥当な線だ。
なら、ここはその全てを否定する事を前提に話を進めるべきであろう。
自分達はてゐに"襲われた"側である、と主張すべきだ。

「夜神月……で、合っているな?」
「ええ……あなたは?」
「俺はソリッド・スネーク……こんな姿で申し訳ないな、何分他に着る物が無かったんだ」
「いえ、それは構いません。 ただ……それとは別に、警告をしておきますスネークさん。
 そこにいる彼女――因幡てゐからは、即刻離れた方がいい。
 そいつは天使の顔をした悪魔だ……僕達はそいつに襲われたんですよ」
「ふんっ……よく言うわ」

復讐の炎を瞳に湛えたてゐを横目で見ながら、月は考える。
襲われた側であるとこちらが主張すれば、首輪を嵌められた側であるとあちらは主張するだろう。
これでは平行線……男――スネークを説得する事は出来そうも無い。
ならば、平行線にならぬよう……自身の言葉の説得力を、信憑性を上げるしか無い。

「襲われた、という割に意外に冷静そうだが?」
「冷静? まさか。 ……内心、腸は煮えくり返ってますよ。
 今すぐここでそいつを撃ち抜いてやりたいくらいにね。
 ですが、それだとあなたが納得出来そうも無い……違いますか?」
「ああ、その通りだ。 それで? お前はそれを証明する事は出来るか?」
「……証拠を出せ、というのなら無理です。 そんな証拠などあるはずも無い。
 ただ、証人なら……その時僕と一緒に襲われた仲間がいます」
「バクラと言葉という奴か」

月の言葉に対し、渋い顔をしながら返答するスネーク。
それも当然といえば当然だろう、仲間の証言で月の言葉が証明される訳も無い。
448代理:2009/03/20(金) 15:21:04 ID:k0ucMtN9
526 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:20:26 ID:rOMgb5nw0
「すまないが詳しく話を聞かせてくれ……。
 こいつと出会った時、お前はどこで誰と一緒に居たんだ。
 そして、その後どこに向かい何をしていた? 何故、今お前は一人でここにいる?」
「……わかりました」

スネークに問われ、月は思い出したくも無い……いった表情で話し始める。

まず、月は言葉と合流し共に殺し合いに乗っていないという事を確認しあい行動を共にする事になった。
それからしばらくして、バクラとてゐに出会い四人組を結成する。
そして四人で今後の事を話し合おうとしたその時、突如てゐが牙を剥き月達に襲い掛かった。
命からがら、どうにかてゐを気絶させ逃げ出した月達は一旦北上し、放送を聞いた。
その後、他の殺し合いに乗っていない者達に出会ったのだが、再び殺し合いに乗った者に襲撃を受けて撤退。
しかし、その途中で仲間が殺されてしまい月は一人で南下していた……という事だった。

「……その殺された仲間というのは?」
「糸色望さんです……」
「なるほど……確かに、名簿には載っている。 では、そいつが殺された場所は?」

その言葉を受け、月は心の中で待ってましたと小さく呟き笑みを浮かべる。
ブロリーに襲われたという事実はもう一度彼に出会わなければ証明は出来ない。
その他の事象も全て、嘘を交えているものである為明らかにする事が出来ないがこの糸色望の死に関する事だけは違う。
彼は本当に殺されており、その事実は揺るぎ無いものなのだ。
加えて言うならば、糸色望の死に関してはてゐは関わっていない部分での出来事。
つまり、この件に関してはてゐが口出しをする事は出来ず月の口先一つで説明が可能である。
月の言葉に信憑を伴わせる機会はここしかない。
……とはいえ、今更糸色望の死体を彼らに見せるというのは不可能だ。
彼の身体には月が持つクロスボウの矢が多量に突き刺さっている。
そんなものを見せては月が殺した、と言っているようなものだ……それだけは避けなくてはならない。
ならば……月が取れる手段はたった一つ。

「あそこに見える駅ですよ。 ほら、まだ黒煙が上っているでしょう。
 僕は本当は寄りたくは無かったのですが……彼がどうしても、あそこの手洗いに寄りたいと言いまして」
「駅……?」
「そうです。 そこで、列車から降りてきた者と鉢合わせしてしまい……彼は、そいつに殺されてしまいました。
 この返り血は、糸色さんが殺された時に浴びたものです」
「なるほどな……すると、あの黒煙もその列車から降りてきた者によって引き起こされたものなのか?」
「ええ。 奴は手榴弾か何か……僕も駅の中で糸色さんと別行動をしていた為、よくわかってはいないんですが。
 とにかく爆弾の類をあの駅で使って僕達を混乱に陥れようとしていたんです」
「そして、その策にまんまと嵌り糸色望は死に……お前は命からがら逃げ延びた、という訳か」
449創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 15:34:34 ID:CW7fpW2H
支援支援
450代理:2009/03/20(金) 16:00:40 ID:k0ucMtN9
527 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:21:25 ID:rOMgb5nw0
月の言葉を聞きながら、駅の方を見つめるスネーク。
そのスネークの横顔を見つめながら、月は内心安堵しつつ……しかし糸色望の死を悲しむかのように頭を垂れて憂鬱な表情を繕った。
スネークとてゐはB−5の南部から北上をしてきた。
そこから考えるに、スネークは……少なくとも、B−4にはいなかったのだと月は読んでいる。
そうでないのだとしたら、スネークは一々B−4を離れて再び戻ってきたという事になるのだから当然の推察だ。
そして、その推察があったからこそ月は駅での惨劇をでっち上げてスネークに語った。
目に見える黒煙という事実は、それだけで月の言葉に信頼性を与える。
少なくとも、あの駅で何かがあったという事実は疑う事無い現実なのだから。

「ただ……確かめると言っても、あの場に戻るのは今はやめておいた方がいいでしょう。
 まだ殺人鬼がいる可能性が高い」
「同感だな……」
「ッ! スネーク! 騙されちゃ駄目ウサッ!! どうせその糸色望って奴もそいつが殺したんだウサ!!」

唐突に横槍を入れてきたてゐに、しかし月は余裕の表情を浮かべる。
てゐの言っている事が真実である事には違いない……が、それを証明する手段をてゐは持ってなどいないのだ。
月が先手を打ち、駅に戻るのはまだ危険であると警告した時点で駅に行ってその事実を確認するという事も不可能。
つまり、てゐの吐く言葉は全てが後だしの負け惜しみでしかなく。
その言葉が月の言葉をやや信じるに値するものへと昇華させる。
情報戦は先手必勝である。
先に出された情報がそれなりに信じられるものならば、後から出された情報はそれを根底から覆すような決定的な何かが無い限り信じられる事は無い。
それがわかっているのか、スネークもただ困った顔をてゐに向けるのみだ。

「スネーク、思い出して! そいつらは私にこの首輪を取り付けたのよ!?
 そんな奴が殺し合いに乗ってないなんて嘘、信じる方がどうかしてるウサ!」
「……何の事だい?」
「ウサッ!?」

案の定、焦ったてゐは首輪の事を持ち出して月の事を責めてくる。
だが、それはあらかじめ予想がついていた事。
月は極めて冷静にそれについて知らぬ存ぜぬで通していく。

てゐがその事に指摘をするのは、圧倒的なまでにタイミングが悪かった。
月が理路整然と自分の身に起こった事を説明する最中、負け惜しみに言ったと取られてもおかしくないタイミング。
そんな時に叫ばれても、スネークは到底てゐの事を信じる事は出来ないだろう。
ただの負け犬の遠吠え……苦し紛れに月に罪を擦り付けるようにしか見えない。

事実、スネークは溜息をつきながら尚もマシンガントークを続けるてゐを哀れな目で見ていた。
喋れば喋るほど、てゐの信頼は地に落ちていく。
だが、かといってそれを止めてしまえばてゐに反撃をする機会はもう二度と来ない。
反撃をするが為に絶えず喋り続け……しかし、それが仇となり自分の首を絞める結果となる。
正に泥沼……ここから起死回生の手など、打てるはずも無い。

『ククク……月、どうやらお前の勝ちらしいな』
「当然さ……僕があんな小娘に負けるはずが無い」
『でもよ、少し様子がおかしくないか? あいつ、もう少し頭は切れる方だと思っていたんだがな』
「それは過大評価だリューク。 見ろよ、あの無様な姿を。 ……だ、駄目だ、まだ笑うな……堪えるんだ……!」

二人に聞こえない程度の声量でそう呟き、思わずニヤける口元に手を当てわざとらしく咳をして誤魔化す。
てゐの姿は月から見てとてつもなく滑稽なものだった。
どう足掻いても助かるはずが無いのに、尚も必死にスネークに語りかけているてゐ。
既にスネークがてゐに向けている視線の中に、疑いのそれが混じっている事に気付いていないのだろうか?
……いや、気付いていても語りかけているのかもしれない。
彼女が頼るべき存在はスネークしかいない、ならばここでスネークが月の言う事を信じ、てゐを裏切ればてゐの身は破滅なのだ。

「し、信じてスネークッ! 本当にアイツが首輪を私に付けたのっ! 本当なのに――!!」
「煩い、少し黙っていろ」
『ウホッ!』
451代理:2009/03/20(金) 16:01:26 ID:k0ucMtN9

とうとう、と言うべきか……てゐの苦し紛れの戯言を断ち切り、スネークは右手に持った銃を少女に向け冷たい視線を送る。
一方のてゐは絶望したかの様子で、信じられないものを見るかのようにびくびくと震えている。
その光景を見ながら、月はてゐに向け哀れみと侮蔑、そして歓喜の入り混じった複雑な視線を向け――。

瞬間、銃声が辺り一面に静かに鳴り響いた。

528 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:22:18 ID:rOMgb5nw0
「…………」
『あーあ……結局月の勝ちか、つまらねぇな』

スネークの放った銃弾は、迷う事なく突き進みてゐの胸へと吸い込まれていった。
てゐはもんどりうち、尚も足掻こうと無様な醜態を晒していたが……すぐにそれも止め、地に倒れ伏し動かなくなる。
スネークが銃弾を撃ち込んだ場所は心臓、生きているはずも無い。
正直言って、ここでてゐを殺してしまったのは当初の予定とは異なるが……それも仕方が無い。
まさか予定を優先させるあまりに自分が死ぬ訳にはいかなかったのだから、この場ではこれがベストな結果だ。

銃口から立ち上る硝煙を見つめたまま、無言でその場で佇んでいるスネーク。
そのスネークに近寄りながら、月は少しだけ緊張した面持ちを浮かべながら問いかける。

「……僕の言葉を信用してくれた、と思っていいんですね?」
「でなければ、あいつを撃つと思うか?」
「いえ……そうですね」

万物を射抜くようなスネークの鋭い視線に、一瞬本気でたじろきながらも……。
月はすぐに気を取り直して、取り繕いスネークに話しかける。

「改めて自己紹介を……僕は夜神月、月―つき―と書いて、ライトと読みます。
 よければ、後の為にスネークさんが今までこの場に連れてこられて起こした行動や、見たものなどを話してはくれませんか?」
「いいだろう……だが、その前にこちらからも一つだけ質問をさせてくれ」
「……僕に答えられる範囲ならば」
「お前はバクラ、桂言葉という者達と二手に別れたと言っていたが……。
 そいつらと合流する手立てはあるのか?」
「それは……」

さて、どう話したものだろうか……バクラ達とは図書館で合流をする事になってはいるが……。
スネークに話し、もしも彼が月についていくと言えば月はそれを無碍に断る事は出来ない。
スネークは見た目こそ変態ではあるが、銃の腕前、そして体つきから考えて軍隊出身の者か何かであろうと予想がつく。
月も人並み以上の身体能力は有しているという自負はあるが、だからといって拳銃を持った軍人相手に勝てるとは到底思っていない。
バクラ達と合流した後、三人がかりでも殺せるかどうか自信は無いが……。
しかし、もしも彼を従える事が出来たのなら、使える手駒として自分達の戦力になってくれる事は間違いない。
トキがブロリーと戦う為に離れ、実力者に守られるという事が出来なくなった以上は利用出来るなら利用したい所だ。
そう結論付けた月は、スネークにバクラ達と合流は出来るという事を話す。
452代理:2009/03/20(金) 16:02:14 ID:k0ucMtN9

529 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:23:17 ID:rOMgb5nw0
「なるほど……図書館か。 確かにあそこは周りのホテル、病院と比べてあまり役に立ちそうにない拠点。
 他の場所と比べて目立たない分、合流場所としては申し分ないだろう……いいセンスだ」
「それで……スネークさんはその合流場所を聞いてどうするんです?
 僕と共に、来てくれるんですか?」
「そうだな……それもいい」

そう呟きながら、スネークは倒れ伏したままのてゐを見守っている。
その視線に、月は何か不自然なものを感じたが……。
あえて何も言わず、スネークの次の言葉を待った。

「ところで月……お前は駅で誰かに襲撃を受け、それが原因であの黒煙が上がっていると言っていたな」
「? ええ……」
「それは奇遇だな……。 俺も、お前と同じだ」

スネークのその言葉に、何かとてつもなく嫌な予感を覚える。
第六感……とでも言うべきだろうか、脳内の何かがこのままでは危険だという事を知らせ――。
しかし、月はそれを察知しても動かない――否、動けない。
スネークの背中から発せられる異常なまでの殺意の波動が月に纏わりつき、身動きが取れないのだ。
何かがおかしい――全ては、計画通りだったはずである。
てゐを再び陥れ、スネークの信頼を勝ち取り、てゐをスネークに殺害させる事が出来た。
そう、全ては計画通りのはずだが――。

「俺も、あの駅で女に襲われたんだ。
 そのせいで二人が死に……一人は、"手洗い"で"爆弾"の爆発を受けて死んだんだ」

その言葉を呟くと同時、スネークは月へと向き直り……。
パン、と乾いた音が鳴ると同時に月の身体に激痛が走り、月はただ……静かに倒れこんだ。
453代理:2009/03/20(金) 16:02:59 ID:k0ucMtN9
530 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:24:15 ID:rOMgb5nw0
「……なんだ、これは?」

焦点の定まらない目を動かし、地に倒れ伏した月は腹部に触れるとそれを翳して見やる。
ぬるりと少しだけ粘着性を伴ったそれは、太陽の光に照らされて赤く光っている。
ぼんやりとそれを見つめながら……それが血であるという事に、月は三十秒もの時間を要してようやく気付いた。
血……血……? 何故、血が自分の腹部から出ているのだろう。
再び視線を動かすと、既に右手に持っていた拳銃を下ろし、侮蔑するかのような目をこちらに向けているスネークと目が合った。
そこからまた数秒……何故血が出たのか、それを理解した月は呆けていた表情を憎悪に染まったそれへと一変させて力の限り叫ぶ。

「ぶァッッッッッか野郎ゥゥゥゥ!! ふざけるなァァァァァァァァァアアアアア!!
 スネークゥゥ! 誰を撃ってるゥゥゥゥ!!?」

唾を吐き散らしながら、先ほどまでの人畜無害を装っていた形相とはまるで違う表情で叫ぶ月。
しかし、スネークはまるで怖気づいた様子を見せず、ただ淡々と語る。

「お前のミスは二つだ、夜神月。
 まず一つは駅で糸色望が殺されたと嘘をついた事。
 糸色望は手洗いを借りたいが為にあの駅に行ったとお前は言っていたが……。
 たった一つしかない手洗いが既に爆破されている為にそもそも手洗いを借りる事は出来ない。
 それに全く触れなかったお前の発言、並びにあの黒煙がお前達が行ってから爆破されたが為に出来たものと言った事がお前のミスだ。
 もう一つのミスは、てゐの首輪を知らないと言った事。
 お前の話を信じるとするならば、てゐがお前達を襲ってそれからすぐに放送があったという事になる。
 だが、それだと話は矛盾する……何故なら、お前とてゐが別れた後、放送の前に俺とてゐは会っているからだ。
 その短時間の間に、てゐがそのプレミアム首輪をつけるというのは不可能。
 てゐがメリットも無い内から首輪を取り付けるとは考えにくいし、また、その僅かな時間の間にてゐが誰かに襲撃されて無理矢理首輪をつけられたというのもありえない話だ。
 そもそも、後者ならばてゐがお前達を恨む理由が存在しなくなる。
 お前はどうせ俺とてゐが放送後に出会い、てゐが放送後に自分から首輪を取り付けたのだと言い逃れするつもりだったのだろうが……。
 そこを読み違えた事が、二つ目のお前のミスだ」
「……あ、ぁ?」

スネークの言葉を聞き、月は何も言い返せずただ白痴のように呆けた声を出すのみ。
自分がミスをした? 違う、おかしい、そんなはずは無い、何故だ。
全ては計画通りだったはずだ……全ては順調に行っていたはず。
てゐは死んだ、だからスネークは自分を信頼していた……そのはずだというのに。

「何故だ……何故……!?」
「あーあー、情けない。 涎足らして手足バタつかせて……やっぱ、人間なんてこんなもんよね」
「!?」

ありえない……その声は二度と聞こえるはずは無い。
だが、確かに聞こえた――幻聴では無く、確かに聞こえた。
目だけを動かし、その声がした方向へと視線を向ける。
そこには、自分と同じようにスネークに撃たれ、地に倒れ伏していたはずの少女――因幡てゐが満面の笑みを浮かべて立っていた。
454代理:2009/03/20(金) 16:03:46 ID:k0ucMtN9
531 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:25:17 ID:rOMgb5nw0
「ふん、どうして私が生きてるのか不思議でならない、って顔してるわね。
 いいわ、冥土の土産に教えてあげる」

そう言いながら、てゐは手に持っていた木槌を下ろし、着ているワンピースを脱ぎ始める。
その光景を呆然と見ながら、月はそのワンピースの下に着込まれていたそれを見つけその目を大きく見開いた。

「防弾チョッキ……って言うらしいわね、これ。
 ダサいけど、性能は上々らしいわ。 スネークの撃った弾も、これこの通りちゃんと食い止めてくれてるウサ」

心臓部に食い込んだ銃弾を指差しながら、月に向けて言い放つてゐ。
その言葉を聞き、月は自分が因幡てゐの手の平で踊らされていただけであった事を悟る。
てゐが取り乱した様子を見せていたのも、スネークがてゐを撃った事も、全てはてゐの思惑通り。
取り返しのつかないミスを犯し、失態を見せてしまった事も全ては彼女の計算通りだ。

「ぅ……ぁ……わ、罠、だ……!!
 こ、これは罠だ!! てゐが僕を陥れる為に仕組んだ罠だ!!!」
「往生際が悪いわね、月」

月の発言は、ただの妄言でしかない。それは月自身もよくわかっている。
わかっているが……それでも叫ばずにはいられない。 まだ、死にたくは無いのだから。
だが、当然ながらスネークはそんな妄言を真に受けて動いたりはしない。
彼はただてゐが再びワンピースを着、木槌を手に月に近づくのを黙って見守るのみである。
月はもう助からないと思いながらも、今度は手足を動かしてその場を逃れようと移動を試みる。
しかし、既に腹部から大量の血が噴出し、出血多量によって手足の自由が利かなくなっている月に逃げ切れるはずなど無い。
傍から見ればその光景は、血の海を懸命にクロールで泳ぎ渡ろうとするように見えてある種滑稽なものである。

「さて……それじゃ、あんたが取り付けてくれたこの首輪の料金。
 あんたの命で、支払ってもらいましょうか」

背後からそんな言葉を掛けられ……何か巨大で重たいものが自分の頭部を打ち付けたと感じた直後。
鈍く、重い音が脳内を一瞬にして駆け巡り――。

『……こんなもんか』

いつも隣にいた、死神の声を聞いた後。
すぐさま意識を失った。
455代理:2009/03/20(金) 16:04:33 ID:k0ucMtN9
532 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:26:25 ID:rOMgb5nw0
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ふぅ……黒くなった黒くなった。 これで一安心ね」

血に濡れた木槌を肩から下げながら、てゐは自身の首に巻きつけられた二つ目の首輪を見下ろしそう呟く。
もしも二人がかりで殺した場合は無効になります、とでも言われたらどうしようかと思っていたが。
どうやら、最終的にトドメを刺したのが自分であるならいいらしい。
黒くなった首輪に触れながら、てゐは月の支給品を回収していたスネークに声をかける。

「ありがとうウサ、スネーク。 スネークが協力してくれたお陰で月を殺せたウサ」
「礼を言われる謂れは無い。 俺はただ……あいつよりもお前の方がまだ信じられる、と思ったまでだ」

てゐが上手く月を誘導し、殺す事が出来たのは偏にスネークの力が大きかった。
如何なてゐといえど、クロスボウを持っている月に単身で挑むのはやはりリスクが多少伴う。
だが、スネークがいてくれたお陰で月はてゐをすぐさま攻撃の標的とする事なく弁論で勝負を挑んできたのだ。
そして、この弁論でもスネークの力――この殺し合いに連れてこられてから今までの経験が役立った。
彼がもし駅で十六夜咲夜に襲われていなければ、月の一つ目のミスには気付いていなかった。
彼がもしてゐに襲われても殺す事なく話を聞こうとしていなければ、月の二つ目のミスには気付いていなかった。
やはり、この男は力はもとより人柄も利用する事が出来る――。
内心そう思いながら、てゐはスネークの腕に自らの腕を絡ませて甘えた声を出し問いかける。

「ねぇスネーク、これからどうするつもりウサ?
 当初のスネークの予定通り、月達に会ってどっちが本当の事を言っているかは結構アッサリわかったウサけど……。
 ここで……お別れウサ?」
「…………」

スネークは、さりげなくてゐの腕を払いのけながら、顔をそっぽへ向け……ぶっきらぼうに呟く。
456創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:04:44 ID:CW7fpW2H
支援支援
457代理:2009/03/20(金) 16:05:18 ID:k0ucMtN9
533 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:27:19 ID:rOMgb5nw0
「お前はどうせ、バクラや言葉という奴に復讐をするつもりなのだろう。
 俺も、そういった輩は放っておくべきではないと見ている……何も離れる事は無い。
 それに、次に十六夜咲夜らお前の知り合いに会った時……奴らの事を知るお前が居てくれた方が遥かに戦いやすい」
「ウサ……一緒に、いてくれるウサ?」
「女だろうが子供だろうが、足手まといになるようなら放っておくぞ。
 ここは戦場だ。 そんなものの保護を一々出来る程、俺は自分の力を過信してはいない。
 それでいいなら、勝手にするんだな」

てゐの言葉にそう答え、スネークは振り返らずに歩み進める。
向かう先は東……月の言っていたバクラ達との合流地点、図書館のある方角。
その後姿を見ながら、てゐは静かに笑みを浮かべ……。
やがて軽やかな足取りで、その後を追う。

と、不意に立ち止まり、その視線を月の死体の近くに向け――こちらを見つめている死神の姿を確認した。
死神は一体何だろうかと、戸惑うというよりはむしろワクワクした様子でこちらを見ている。
その様子に、てゐは少しだけ呆れながら……しかし、すぐさま右手を突き出し中指だけを立てて死神にそれを向けた。
口元には不適な笑み、目には復讐に燃える炎……勝ち誇った笑顔で、死神を見つめ返す。
それを見て死神はいいものを見せてもらったかと言うかのように笑みを浮かべ、すぐにその場を立ち去った。

因幡てゐの復讐劇は、夜神月の死を皮切りにここに始まった。
満身創痍の身でありながら、屈強な傭兵を口先で上手く騙し利用し。
籠に詰められたシンデレラは、十二時の鐘が鳴る前に魔法が解けないよう復讐を果たしたのだ。
そうして、シンデレラの籠―ケージ―は、見事に破壊された。
しかし、再び鐘が鳴ればシンデレラはまた魔法をかけられ強制的に復讐鬼にならざるを得なくなる。
だが……それでいい、それでもいい。
魔法をかけられたシンデレラは、意地悪な姉二人と継母に復讐を果たして最終的にはハッピーエンドを迎えるのだ。

扱いなれた武器を片手に、兎は平原を跳ね回る。
跳ねて跳ねて、月まで届いたその兎――月の果てに、何を見つけるのだろうか。
458代理:2009/03/20(金) 16:06:04 ID:k0ucMtN9

【夜神月@ひぐらしがなくですの 死亡】

【B-5 平原・東/1日目・午前】
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
[状態]:疲労度中
[装備]:コルトパイソン(弾数2/6、予備弾36/36)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング
[道具]:支給品一式、馬鹿の世界地図@【バカ世界地図】〜全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ〜
愛犬ロボ「てつ」@日本直販テレフォンショッピング、やる夫の首輪
[思考・状況]
0:情報集めを優先
1:オフィスビルに行く前に図書館に向かい、バクラ・言葉を本当に危険人物か否かを確認した上で危険人物なら排除する。
2:自分からは攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃はしたくないが
明らかに十六夜咲夜のような奴居れば、仲間になろうと呼びかけ、情報を手に入れたら倒す。
3:てつを使って、偵察、囮を通じて情報を手に入れる。
4:まともな服が欲しい。
5:因幡てゐは、邪魔にならないのならば連れて行く。 てゐの首輪が白くなったら、殺し合いに乗っている者を殺させ延命させる。
6:十六夜咲夜、紅美鈴、フランドール・スカーレットを強く警戒。
7:専門の奴に首輪を見てもらう必要があるな。
※参戦時期はオセロットに拷問された直後からです。
※馬鹿の世界地図の裏に何か書いてあります。
※初音ミクが危険人物であるという情報を得ましたが、その情報を完全には信用はしていません。
※盗聴されてる可能性に気づきました。また首輪に電波が送られてるか、意思が有ると考えています
※チャフグレネードを作るか、電波塔のようなものを破壊すれば首輪を安全に外せると思っています。

【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:頭にたんこぶ(出血は止まりました)
[装備]:プレミアム会員専用首輪(黒色)、てゐの木槌@東方Project、防弾チョッキ
[道具]:なし
[思考・状況]
0:スネークを利用し、首輪が白になれば誰かを殺す。スネークに疑われたくないので、出来れば弱いマーダーを優先。
1:図書館へ向かい、バクラ・言葉を殺害する
2:バクラ、言葉を強く憎悪。特にバクラは絶対に許さない
3:何をしてでも生き残る
4:ベジータを警戒
※桂言葉に伊藤誠を蘇生させてと頼まれました。
※弾幕に制限を掛けられているのを知りません。

534 :シンデレラ・ケージ ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:30:07 ID:rOMgb5nw0
失礼、記入漏れがあったので>>533

【夜神月@ひぐらしがなくですの 死亡】

の下にこの一文を追加

【残り 52名】

535 : ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 14:31:28 ID:rOMgb5nw0
以上で投下終了です。
案の定長文になってしまい、大変だと思いますがどなたか代理投下お願いします。

また、wiki編集時には>>522からを後編としてください。
459創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:09:02 ID:k0ucMtN9
以上代理投下でした

頭脳派マーダーの戦いは読んでいて面白いぜ
460創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:15:44 ID:4u//0dGI
うおおおお!?
なんかスネークがめちゃかっこいいぞ?
てゐもまさに本領発揮してるし
月も頭脳派として見事な動きをしたのになぁ
月が月であるかぎりいつかはくる満身による破滅が今来てしまったんだなぁ
461創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:29:28 ID:Zyls578I
投下乙
スネークは冷酷な面もあるあたり流石傭兵だな
てゐに半分騙されてる気がするがw
そして月はここで死亡か…元動画でも情報不足から致命的なミスを犯してたし、まぁ仕方ないね
462代理:2009/03/20(金) 16:30:54 ID:k0ucMtN9

190 : ◆0RbUzIT0To:2009/03/20(金) 16:29:01 ID:rOMgb5nw0
っとと、これは申し訳ないです。
月の所持品一式回収はSS内で描写していながら状態表に書いてませんでしたね。
スネークの状態表を以下のように修正します。

【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
[状態]:疲労度中
[装備]:コルトパイソン(弾数2/6、予備弾36/36)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング
[道具]:支給品一式、馬鹿の世界地図@【バカ世界地図】〜全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ〜
愛犬ロボ「てつ」@日本直販テレフォンショッピング、やる夫の首輪、アポロのクロスボウと矢筒(16/20)@チーターマン、ハイポーション@ハイポーションを作ってみた
咲夜のナイフ@東方Project(18/18)、さのすけ@さよなら絶望先生
[思考・状況]
0:情報集めを優先
1:オフィスビルに行く前に図書館に向かい、バクラ・言葉を本当に危険人物か否かを確認した上で危険人物なら排除する。
2:自分からは攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃はしたくないが
明らかに十六夜咲夜のような奴居れば、仲間になろうと呼びかけ、情報を手に入れたら倒す。
3:てつを使って、偵察、囮を通じて情報を手に入れる。
4:まともな服が欲しい。
5:因幡てゐは、邪魔にならないのならば連れて行く。 てゐの首輪が白くなったら、殺し合いに乗っている者を殺させ延命させる。
6:十六夜咲夜、紅美鈴、フランドール・スカーレットを強く警戒。
7:専門の奴に首輪を見てもらう必要があるな。
※参戦時期はオセロットに拷問された直後からです。
※馬鹿の世界地図の裏に何か書いてあります。
※初音ミクが危険人物であるという情報を得ましたが、その情報を完全には信用はしていません。
※盗聴されてる可能性に気づきました。また首輪に電波が送られてるか、意思が有ると考えています
※チャフグレネードを作るか、電波塔のようなものを破壊すれば首輪を安全に外せると思っています。


また、月の衣服に関してですが、スネークが大柄で筋肉質なのに対し月は細身なので着れないのではないかな、と思っています。
それに月の服には絶望先生の返り血がついているでしょうし、TDNスーツよりも危ない危ない危ないとスネークが判断したとさせて下さい。
463創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:55:27 ID:abMVOLz6
投下乙
リュークは死神界に帰ったのか?
464創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 16:57:47 ID:4u//0dGI
たぶんそうだろうな
465創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 17:13:42 ID:LOYFE1T7
ということはリュークは初のニコロワβ脱出者!?
466創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 18:19:18 ID:4u//0dGI
そういえばそうだw
467創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 19:34:39 ID:yTCc9nf0
リュークエピ書かなきゃならなくなったな…
前回も勿が何気に脱出してるし、こういう脱出者、出るかもね
468創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 19:38:39 ID:RmjT8QkY
無理に書かなくても大丈夫じゃない?
469創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 20:05:49 ID:LOYFE1T7
本編に書かんでも大丈夫だろう
あれだ、某ロワで言う多元宇宙の可能性の一つみたいな扱いさ
470創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 20:57:37 ID:f5Cne2Ep
ま、あとは書き手に任せようぜ
471創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 21:56:58 ID:5UPLGuVK
シドウの例を見るにデスノートを取り戻すために人間界に居るのは許されるんじゃ?
まあ、リュークにフリーダムに活躍されてもロワ的に困るが
472創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 23:37:18 ID:k0ucMtN9
現在の予約一覧はこれであってますかね?

◆uv1Jg5Qw7QDIO、コンバット越前(議論スレに指摘有)
◆KX.Hw4puWg 賀斉、剣崎、リン、キークラ
◆BRxsUzTn5A  サノスケ
◆/mnV9HOTlc アレックス、ハク、KAITO
◆CMd1jz6iP2 墓場組、チーター組、フラン、ゆとり
473創る名無しに見る名無し:2009/03/20(金) 23:56:24 ID:4u//0dGI
たぶん〜
474 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/21(土) 12:26:25 ID:rIW+8jR/
ビリー、チルノ、ドナルド、タケモト、レン、美鈴、メタナイト、バクラ、言葉、藤崎を予約します
475 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/21(土) 12:27:38 ID:Wp0TLroo
すみません、リアルの都合で日曜日まで延長いたします。
476 ◆CqqH18E08c :2009/03/21(土) 12:47:25 ID:gN7j5y4x
呂布と馬岱を予約します
477 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:37:00 ID:IDnpftjJ
投下致します。
478 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:37:56 ID:IDnpftjJ

「…駄目ディス…早くて…追いつけそうに…ありま…シェン…」

剣崎殿が息をきらしながらそれがしに言う。
流石に全力であやつらを追いに行くのは、体力的にも速さ的にも無理な話。
あながちそれはそれがしも同じであり、既に兜や鎧の下は汗で濡れている程で、来ている薄い着物も、まるで川に入れたような湿っぽさと変な嫌悪感が襲っていた。
戦ではこの程度では疲れなかったというのに、劉禅殿と共に戦う様になってから、久しく得物を振るっていなかったからだろう。
毎日鍛練は欠かさないで居たが、やはり体力は落ちていたのだろうか。

「…剣崎殿…流石に貴殿もこのまま追うのは得策とは言えませぬ…ここらで小休止といきませぬか?」
「…そう…した方が良いですね…」

剣崎殿がそう返事すると、地面に倒れこむ。
それがしも同じように、倒れこむ様にその場に座る。

「…そういえば、先程のサンレッドという男についてですが…」

一息ついた後、それがしは剣崎殿に問う。
剣崎殿は顔を向けていた方の清々しい程の蒼天からそれがしの方に顔を移す。
479 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:38:47 ID:IDnpftjJ
…DIO殿の事を疑っている気は無いのですが…あれはもしや―――」
「危険人物じゃ無いって訳ディショゥ?賀斉さん」
「貴殿も同じ事を考えていたのか…剣崎殿」
「だってさっきのを見たら…誰だってそうニャリマシュよ…
大体危険人物があんなに人を集めるハズも無いディスし…」
「…むむむ…早急にあやつらと会わなければな…だが、今は休むついでに色々と確認をしておきましょうか」
「ウェイ」

剣崎殿の相変わらずの聞き辛い返事の後、それがしは近くに置いてあった袋を取り寄せ、目の前に置く。
相変わらず開けずらかったが、別に気には止めていない。

「…包丁、それと剣、食糧に…」

それがしが一つずつあえて出していく。
手に持っていた不思議な剣もその中に混じらせる様に置いた。
そしてその中にふと、あの主催が言っていた名簿に目が行く。

「…スゥいえば、他のシャァンカシャ達の名前が浮かび上がると言っていましたね…見てみましょうか」

剣崎殿が名簿に手を取り、目を下にやっていく。
…しかし、変な名前多いな…
なになに…む?馬岱?馬岱というとあの西涼の錦と言われる馬超の従弟か。そして次は…

480 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:39:25 ID:IDnpftjJ

「…呂…布?」

…見間違いだ。そうだ。
それがしは目をこすり、もう一度名簿を見直す。
だがそこにはきっちりと呂、布、と書いてあった。
そしてその次にそれがし。大分行った所に、越前殿、剣崎殿が書いてあった。

「…不味いな…不味すぎる…」

この目で見た事は無くとも間違いなく呂布は強い。それがし程度、一閃されてしまうかもしれない。
…この殺し合いにおいてそれがしの戦況は不利かもしれない。
五虎大将を始めとする劉禅軍の将が一人でも…いや、せめて孫呉の将が居れば少しは希望があったかもしれない。
だが一人も居ないとなるとそれがしはこの地に取り残されてしまった、という訳だろう。
逆に取れば劉禅軍の皆が呼ばれなくて良かった、と思うべきなのだがな…

「賀斉シャン!」
「うおっ!」

考え事をしていたそれがしに剣崎殿が叱咤の様な感じでそれがしに言う。
いや、剣崎殿本当にすいませぬ。素で忘れておりました。

「剣崎殿は知り合いは居ましたか?」
「いや、誰も俺以外には来ていないディス。賀斉さんは…居たんディスか?」
「いや、居た事は居たのだが…この―――」

◇◇◇
481 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:40:09 ID:IDnpftjJ

平原を走る巨大な黄色の車―――いや、ロードローラー。
それに乗り込んでいるのは”広い心”を持つ若き女王。鏡音リン。
そしてその鏡音リンの横に座っているのが、片手に剣を持ちながらも、その風貌からはあまりにも不釣り合いすぎる少年、キーボードクラッシャー。
運転をしているリンを尻目に(クラッシャーが最初は運転しようとしたが、我が儘を言ってリンが運転している。運転出来ているのは、彼女に天性の才能があるからだろう)、クラッシャーは相変わらずずっと喋り続ける。
リンも流石に飽きたのだろうか、既に五回程怒鳴ったが、これでは言っても無駄、と諦め、仕方なく聞き流していた。
しかも最初の方よりも凄みは増し、クラッシャーに対して、何も言わなくなっていた。
クラッシャーはそんなリンに対し、一切喋りかけるのを止めようとはしない。

(―――あぁ…愛しの王子様…私のレン…どちらでもいいから、出来たら早く私を助けに来て…)
「ウホホホホホホ!誰か居るぜ!リン!」
「…そうね」

折角愛しの人のマフラーでその人の暖かみを感じていたというのに、クラッシャーの言葉で再び現実に戻されてしまう。
だがクラッシャーの言う通り、確かに二人の男が地面に座り込んでいた。

(―――これだから庶民は困る…あんな汚れた姿を見るだけで、もう気分が悪くなる…)

”心の広い”リンは男二人に対して嫌悪感を表すが、あまり表情には出さないように演じた。

「…このままひき殺すのが良いと思うんだが?」
「却下。私の気に入った物を、下劣の血で汚すなんて出来ない。だから、行ってきて」

クラッシャーの提案を直ぐに却下するとクラッシャーに行く様に命じる。
するとクラッシャーはやけに自信満々で刀を持ち、男の二人に向かって行った。

(…まぁ、あの男の事、適当にあしらってくれるでしょう…)

リンはクラッシャーが離れると、直ぐに横になり、眠りについたのだった。

◇◇◇
482 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:40:53 ID:IDnpftjJ

「オホホホホホホ!!!天皇陛下バンザアアイ!」

ふとそれがし達の前に、刀を持った少年が斬り掛かってきた。
その動きは鈍足な見た目からは考えられない程、中々早い。

「ダブダァイ!ガシェイシャン!」

剣崎殿に言われて、咄嗟に少年の剣先をかわすと、少々散らばっていた支給品の中から剣を掴み、少年に対して構え直す。
剣崎殿も仮面ライダーになるための準備の為、腰に巻いていた物に手をかける。

「テェンジィビートル…あった…!」

剣崎殿がポケットからカードを取り出し、巻いている物に入れる。そこから声がしたが、確認のような物なのだろう。
すると、剣崎殿の体が光に包まれ、彼の姿が変わっていく。

「オホホホホ!!!!!そんなの見かけ倒しじゃああああ!死ねええええええ!!!!!」

少年が今度は真っ直ぐ剣崎殿へとその刃を向ける。
それも先程よりも早い速度で。

「剣崎殿!危な―――」

ドカッ!
それがしの言葉が言われる前に、少年が巨体な腕に殴られ、倒れこんでいた。
そしてそこには―――

「仮面ライダー剣…参上…!」

剣崎殿の変わりに、かなり怪しい風貌の者がその巨大な腕を発動させていた。
…これが仮面ライダーという物か。
何か虫をイメージさせるが、デザインに一々口出ししたら駄目ですしな…うん…
「このカードの名前はビートライオン。己の腕を巨大にし、相手をニャグル…
APをあまり消費しない為にも、コニョ一枚だけにしておいた」

剣崎殿、いくら格好良くても、貴殿の滑舌悪かったら意味無いでしょうに。
一方少年は再び剣を持ち構え、剣崎殿へとまたしても突っ込む様子だった。

「…俺は…俺は日本国籍を手に入れるんじゃああああああ!」

そして少年が何とかして立ち上がったその瞬間。
ドドド…というあまり聞聞き覚えが無い音が響く。
そしてその音は徐々にそれがし達に近づいてきて―
――

「…ロ、ロードローラー…」

剣崎殿が呟くのにも無理は無い。
だってそこには、あまりにも大きすぎる姿を顕にした、黄色の摩訶不思議な物がこちらに向かって来ていたのだから。

◇◇◇
483 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:41:53 ID:IDnpftjJ
↑ここまで前編です。

ここで少し時を遡る。
リンがクラッシャーの奮闘を気にせず、一人寝ていた時の事。

(…寝にくい…いつものベッドなんかよりも寝にくすぎて…嫌だわ…)

ロードローラー自体、奥行きが無い為、仕方なく百歩譲って座って寝たのだが、恵まれた環境で過ごしてきた彼女には、余りにも酷すぎた。

そこで彼女、少しでも寝やすくしようと、助手席に方に倒れこもうとしたのだが。
その時運悪く、ロードローラーのアクセルのペダルを押してしまった。
エンジンはかけっぱだったので、勿論走る。
だが当のリンはというと、ぐっすりと寝ていた。
無論、アクセルが踏まれた為、ロードローラーは走り始めるのだった。

◇◇◇
484 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:42:40 ID:IDnpftjJ

「ちょおおおおおお!!!あれなんでございまするかああああああ!!!」

突然の侵入者にそれがし達は一時的に戦闘を止め、そのロードローラーという物体から逃げる。
剣崎殿も戦っていた少年も戦うのを止め、それがしと同じように、同じ方向に走る。

「剣崎…殿…あれ、何…!?」
「リョオウドリョオリャァアッテいう未来の…ニョリモニョディス…」

あれも未来の…うーん、未来は何があるか、まったく分からんな…
剣崎殿も更に滑舌が悪くなってるし…
一方少年はどうやらロードローラーに向かって叫んでいるが、何て言ってるかまったく理解出来ない。
駄目だこの二人、早く落ち着かせないと…

「け、剣崎殿!」

少年は何言っても聞きそうに無かった為、剣崎殿の方へ喋る。
剣崎殿は相変わらずの滑舌の悪さで「ウェイ!」と返事する。

「貴殿の支給品に何かありませんでしたかああ!?」
「シ、シキュウヒィン!?ショウ言われても…特に役にたつのは無かったです…あるとしチャらこのカードだけディスけど…」

そう言って剣崎殿はそれがしに向かい一枚の光るカードを見せようとする。

「…もう何でも良いから!早く、使ってくだされ!」

それがしは半ば強引に剣崎殿にカードを使わせる。
すると剣崎殿はカードを空に向かいあげ、叫ぶ。

「れ、レェアホゥトゥレンキャンノケイ!」


必死になって叫んだ剣崎殿達の前に現れたのは――――

「そのまま倒れるがいい…」


それがしがよく見慣れていた、それでこそ文官が着てそうな着物を着た、やけに長い白髪の男が、ロードローラーに向かって何かを発動させた姿。
すると先程までのロードローラーが―――

「ちょwwwwwwおせぇwwwwww」

少年の言葉その通りに、それがし達の速さには追い付かない程、物凄く遅くなっていたのだった…。

◇◇◇
485 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:51:25 ID:IDnpftjJ
今コピーしてたのが消えたー/(^O^)\
すいませんが、仮投下スレの>>545をどなたか投下して下さい…
486>>545だけでいいんだよな?:2009/03/21(土) 13:56:09 ID:gN7j5y4x
「…それで、私がこれを暴走させた、と」

目の前の少女、リン殿(口調、気風、雰囲気から明らかに上の身分だったのでこう呼んでいる)が口を開く。
先程の剣崎殿のカードで、なんとか助かったものの、おかげでそれがしの支給品が医療品と包丁と食糧以外全滅するわ、少年はリン殿に脅されるわで、色々と大変な目にあってしまったが、犠牲者が居なくて良かったと言うべきだろう。
少年はロードローラーに座ったまんま、黙り込んでしまっているが。

「ところで貴方…」
「そ、それがしですかな?」
「そう。貴方」

リン殿がふとそれがしに口を開く。
それがしは一応出来るだけ丁寧に答える。

「…ここなベッドがある施設はあるかしら?」
「ベ、ベッド?剣崎殿、何ですかそれ?」
「未来の寝る場所ディスよ…病院にもあったじゃないディスか」

…む。把握した。
確か、やけに柔らかかったあれか。
布団もあそこまで柔らかくなるなんて…あ、そうだ。

「リン殿、貴殿は誰かを探したりしていますかな?」
「まぁ一応…」
「ならば夕方までに探すついでにもしベッドなるものが無かった場合、D-5にある病院に来てはいかがでしょうか?
 そこには小さい少女とやけに甲高い声の男と青い服を着た男が居ます故、それがし達が居なかった場合、彼等に言えば大丈夫ですぞ。それに今それがし達が持ってきている分よりも更に上の医療品があるし、甲高い声の男は医者でもありまする。
どうでしょう?それがし達も見つけ次第連絡致しますので」
「検討しておくわ」
「そうですか。それは良かった…
それではそれがし達はこれで。剣崎殿!」
「ウェイ!」
「貴殿は彼等に付いて行ってくだされ。あの少年も強いですが、彼一人では不安ですからな。あとそれと…」

それがしは剣崎殿に被っていた兜を渡す。
剣崎殿は頭に「?」を作るが、それがしは剣崎殿に伝える。

「もし仮にそれがしが夕方まで帰って来ない場合、それを病院に置いて、目印にして下され。
遅れた時、もし居なかったら心配するので」
「ウェイ!」

剣崎殿の変わらない歯切れの悪い返事を聞くと、それがしは取った兜の汗のおかげで朝の涼しい風を肌に感じつつ、あまり慣れない姿のまま、平原を走りだす。
(…あぁ、あやつらは本当に悪者なのか?
何はともあれ、これでDIO殿の言葉が合っているか否かが分かる。
だから、そこで待っておれ…!)

直ぐにでも「悪」が虚の悪なのか、真の悪かを知るために。

【E-5/一日目・朝】
【賀斉@101匹阿斗ちゃん】
【状態】肉体疲労(小)
【装備】MEIKOの剣@人柱アリス
【持物】基本医療品、基本食糧、包丁@現実
【思考・行動】
基本思考:仲間を増やして、ゲームを倒し、脱出する。
1、あの二人が悪者かを知る為、直ぐにでも追う。
2、剣崎に二人を任す。少年は信用ならないが、リン殿が居る限りは大丈夫だろう。多分。
3、翡翠石のような娘が欲しい。
4、DIO殿…貴殿を信じて良いのですな?
※剣の花びらは視界を遮る恐れがあるようです
※賀斉はどこかの明治時代の人と違って普通に日本語が読めます。でも最近の物(携帯電話等)は分からないと思います。
487 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 13:57:48 ID:IDnpftjJ
>>485を修正します。
仮投下スレの>>545の「あ、そうだ。」までをどなたか投下して下さい…
488 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 14:03:43 ID:IDnpftjJ
おお…ありがとうございます。助かりました!
では投下続けます。

◇◇◇

一方賀斉が去った後の三人はというと。
ロードローラーを変わらぬ景色の平原で走らせ続けていた。
リンが運転を続け、クラッシャーが歩き、剣崎が助手席に乗り、平原を走る。
リン曰く、「クラッシャーよりも頼りになるから」らしい。
だがそれを聞いて黙るクラッシャーでは無い。
むしろ彼には対抗心が燃えていた。

(…畜生!あの野郎…変身なんかしやがって…チートじゃねぇか…)

と、まぁ勿論それは先程の仮面ライダーとなった状態の剣崎に直ぐやられてしまったのを聞いたのならば、誰だって剣崎を助手席に乗せる。
だが、クラッシャーはこの時ある事を閃く。

(…お、そうだ。仮にこの後強い奴が来たとしてだ、そんで、あの男を散々に戦わせて…疲れてる時に殺す!
オホホホホッ!ナイスなアイデアじゃねぇか!)

人任せのアイデアだが悪いアイデアでは無い。
確かに剣崎程の強さの持ち主でも、疲労の後に不意討ちされたら避ける事は出来ないだろう。
だが、だからといって自分と同じ様に殺し合いに乗っている人物が剣崎を倒してしまった場合、これはどうしようも無い。
しかし剣崎はクラッシャー自身の手で倒したい。

(…仕方ねぇ…傍観するよりも、出てきた相手を迎え撃てば良いよな。
そうすれば相手は俺の事を信頼する。
そして後は不意討ちで殺す。これにしよう。
あぁ、何で俺こんなに色々思いつくんだよwww
オーホッホッホッホッホッホッ!!!あー!おかし!)

「クラッシャー君…どうした?」
「い、いや。何でも無いぜ」
「…そうか…」

その瞬間が来るまでクラッシャーは思い馳せながら、歩き続けた。
だが、彼は覚えていない。
先程剣崎達を襲った時、「日本国籍を手に入れる」と言っていた事を。
勿論剣崎も、クラッシャーの事は信用していないし、行動していたリンも同様に信用していない。
だがそれでも彼は守らなければならなかった。
彼が「仮面ライダー」である限り。

◇◇◇
489 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 14:04:25 ID:IDnpftjJ
◇◇◇

(…しかし、厄介な事になったわね)

運転を続けるリンは、一人親指の爪を噛みながら考える。
先程の提案は非常に嬉しい事だ。薄汚れた病人達が居る病院でも、この場ではそれはまず無い。ならば直ぐにでも行きたいが、探している人が居る為、彼を見つけしだい合流し、そこに向かうというのがリンの考えだ。

(…ところでこの剣崎と賀斉という男ですが…)

そして次に考えるのは二人の男について。
剣崎は間違いなくクラッシャーよりも強い。
自身の配下には申し分が無い為、クラッシャーは必要無いのだが、肉壁にはなるだろうし、”心の広い王女”のリンは、仕方なくクラッシャーを同行させてやった。
勿論扱いは先程よりも下だが。
賀斉という男は見た目同様、礼節をわきまえていた。
自分の国の大臣も確かあのような口調だった気がする。
この殺し合いで初めて自分に対して目上の言葉を使った人物だったので、一人行ってしまったのには惜しいが、別に構いはしない。

(ふぅ…考えるのだけでも疲れるわね…こういうのはレンにやらせれば良いのに…)

普段あまり細かい考えをしないリンにとってはこの程度でも疲労に当たる。
だがリンはその疲労をも、会いたい人の為、バネにしてロードローラーを走らせる。

(…待っていて下さい…王子様…!)

例え来た世界が違っていても。
彼女はただ純粋な感情をロードローラーに託し、走り続けるのであった。

【E-5/一日目・午前/平原】
【鏡音リン@VOCALOID2(悪ノ娘仕様)】
【状態】健康、精神疲労(小)、苛立ち
【装備】レナの鉈@ひぐらしの鳴く頃に、KAITOのマフラー@VOCALOID、ロードローラー@ぶっちぎりにしてあげる♪
【持物】基本支給品、不明支給品0〜2
【思考・行動】
基本思考:愚民共は殺し、主催を思うがままに処刑する。
1、クラッシャーがうざったい。でも寛大な心で我慢する。
2、クラッシャーと剣崎に愚民共を皆殺しにしてもらう。
3、クラッシャーと出来ればあまり関わりたくない。
4、レンとKAITOに会いたい(KAITOを殺した者は許さない)
5、ロードローラーに一目惚れ
※剣崎の方がクラッシャーよりも使えると判断しました。
490 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 14:05:14 ID:IDnpftjJ
【キーボードクラッシャー@キーボードクラッシャー】
【状態】腹部打撲、顔の痛み
【装備】無限刃@るろうに剣心
【持物】支給品一式
【思考・行動】
基本思考:優勝して日本国籍を手に入れる。
1、リンと協力する。仲良くなってチームワークを良くしたい
2、殺し合い打倒しようとか現実から逃げてんじゃねえええええええ!
3、リンの事をつい意識
4、剣崎はいつか殺す。
※リンに仲間では無く家来と思われていますが、クラッシャーは強く考えていません。
【剣崎一真@仮面ライダー剣】
【状態】健康
【装備】ブレイドバックル@仮面ライダー剣、Rホウ統(使用済)
【持物】ブレイドバックルの説明書、基本支給品、医療品一式(簡易な物のみ)、不明支給品0〜1(ただし銃器は無い)
【思考・行動】
基本思考:このゲームを破滅へとミチ☆ビクッ!
1、この二人を最低限守るが二人ともあまり信用したくない。
2、夕方になったら賀斉や越前達と合流する為、病院へ行く。
3、民間人を保護し、守り通す。
4、ブレイドバックルのお礼にクリムゾンを取り返してあげたい。
5、主催の関係者が居たら注意。
6、ラウズオブゾーバーを出来れば手に入れたい。
7、ブレイバックルを出来れば元に戻したい。
※ブレイバックルの制限を理解しています。
※感情が高ぶれば高ぶる程、オンデゥル語が激しくなっていきます。
※先輩(橘さん)は死んだと思っています。
491 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 14:06:38 ID:IDnpftjJ
投下終了。タイトルは「onemoretime(前半)onemorechance(後半)」で。修正があればどぞ。
492 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 14:10:44 ID:IDnpftjJ
修正。
状態表の時間帯を両方とも【午前】にして下さい。
493創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 15:22:54 ID:c70mCXPv
投下乙
クラッシャー地味にやばそうだな
494創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 15:26:26 ID:0A4CF4/H
投下乙
剣崎は好きなキャラのはずなんだが、オンドゥル語が鬱陶しすぎるw
495 ◆BRxsUzTn5A :2009/03/21(土) 15:59:16 ID:yde+OUS7
報告遅れて申し訳ありません。左之助SSを仮投下しました。
496 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/21(土) 16:21:32 ID:IDnpftjJ
遅くなりましたので、支給品説明をば。
【三国志大戦カード(Rホウ統)@三国志大戦】
三国志大戦をやった事がある方なら必ずお世話Orトラウマになった武将カードだろう。
計略「連環(れんかん)の計」は範囲内の相手の移動力を一定時間下げる。
どのくらいかはこれを見たら分かると思うつhttp://m.nicovideo.jp/watch/sm2214124
因みに動画のサムネは馬岱なので、把握していない方も是非是非。
497 ◆CqqH18E08c :2009/03/21(土) 16:53:51 ID:gN7j5y4x
指摘把握しました

避難所>>203
果物ナイフの方をゆっくりが回収した支給品から削除します

【ゆっくり@ゆっくりしていってね】
[道具]ランダム支給品(0〜2)基本支給品×2(食料・水-1) 三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、 葉団扇@東方project 包丁@現実 射命丸文のカメラ@東方project
    サバイバルナイフ@現実  偽起爆リモコン(4-5時間使用不可)@オリジナル 拳銃(0/6 予備弾24)@デスノート
[思考]0.不明


避難所>>204

『七夜……奇襲技であり高速突撃技。高速連続技としての性能が高い。一直線に突き進み、敵をすれ違いざまに斬り付ける』
『極死・七夜……”武器を相手に投擲し、上空より襲い掛かり首の骨を粉砕、時には首をもぎ取る』

……/(^o^)\
すみません。七夜の把握をして極死・七夜の把握をしたつもりになってました。
七夜は大きなダメージを受けていたので両断するまでには至らなかったと思ってください
下は修正版です正直技の名前が変わっただけです

〜〜〜修正版〜〜〜

――あと3歩


 呟き七夜は攻撃の態勢に入る。
 シゲルにこの状況で放つことのできるまともな技はない。
 せいぜい突っつきぐらいだ。
 だが七夜も体力を大きく消耗し七夜死奥義を放つことはできない。
 それどころか閃の七技ですら完全に放つことができるかは危うい。


―― 七夜


 七夜はシゲルに肉薄する。
 ここまで近づいた以上負傷していようとシゲルに攻撃をかわされることはありえない。
 後は今できる限り全力で放つのみ、勝負はついた。 そう彼は確信し言葉を発する。


「斬る……!」


 シゲルの胴体を一気にナイフで切りぬき流れるようにして片方の葉を切り落とす。
 種をなんども体に受けた七夜にはそれが限界だったがそれはシゲルに対して致命傷を与えるのにはそれで十分。
 彼は近づいてきているであろうロボットに乗った少女に向き直ろうとし――
498創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 20:23:48 ID:Vz4InHjh
現在の予約一覧

◆uv1Jg5Qw7Q DIO、コンバット越前(議論スレに指摘有)
◆BRxsUzTn5A  サノスケ (したらばに仮投下済み)
◆/mnV9HOTlc アレックス、ハク、KAITO
◆CMd1jz6iP2 墓場組、チーター組、フラン、ゆとり
◆/4zBz3jiVQ ビリー、チルノ、ドナルド、タケモト、レン、美鈴、メタナイト、バクラ、言葉、藤崎
◆CqqH18E08c 呂布、馬岱
◆aeG9btpil. スネーク、てゐ、CCO
499創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 20:30:03 ID:nGNhP2ep
ところでニコロワに出れそうな仮面ライダーって他にいるの?定義は
あやふやだけど
500創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 22:12:11 ID:yde+OUS7
ニコニコは仮面ライダーってそんなメジャーなジャンルじゃないと思うんだよね
強いて出さなければいけないとしたらあとは

キバの名護啓介
電王のモモタロスとか野上
それくらいじゃないっすかね
501創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 22:55:38 ID:AhJZYqqf
しかしすさまじい予約率だな。
マジで隙間がねぇ。
502創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 01:13:50 ID:6yLmPgZq
申し訳ない。今気が付いたので指摘します
馬岱はデイパックをときちくに奪われているので
「あんかけチャーハン」をバックに入れることは不可能だと思います
またバックがない状態で鍬、竹箒、拡声器を三つ持つことも不可能ではないかと思います
503創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 07:37:19 ID:2jvnuv8o
というか初めてここ見たが一時期すごい再生数獲得した
バーローwwwやら勇者王やら創価団体の方やらが出てないのが以外すぎる
まあ創価団体の方出しちゃいけないってのは何となくわからん気もしないが
504創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 08:18:50 ID:BHgqJqsd
そういうこと言い出したらキリないから
505創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 10:18:03 ID:IeygvwWu
このロワだと勇者王じゃなくて、中の人が出てたような気がしなくもない
しかし、初登場話の時にも言われてたが、カミーユ出すくらいなら別の奴をと今でも思う
506創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 10:23:20 ID:Gfivu/ov
>>505
仕方ないね…
507創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 12:18:14 ID:wncejKYA
作者が出したいキャラを出せるそれがニコロワというものだ
508創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 12:50:49 ID:Gfivu/ov
>>507
だが少しは空気読む
それがニコ(ry
509創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 14:02:20 ID:h0Tbb2WZ
カミーユ「空気を読んだ結果がこれだよ!」
510創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 14:53:08 ID:32rJuzQo
知名度が低いカミーユ、特に個性的な能力の無い実況系、初っぱなから無双しまくりで大活躍のブロリー
それらは分かりやすい死亡フラグを立てていたから仕方ないね
あと前回生還者がいる東方キャラに数々のロワで惨劇を生み出したDIOやら
探せばきりがない位に死亡フラグの多いキャラが参加しているな
511創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 14:59:12 ID:iXssQslZ
フラグとはへし折る為にあるのだよ
全部折られても困るが
512創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 15:47:39 ID:9NNXd37e
なんだか殺伐としているな。
わけのわからんのが参加者としてぶち込まれた件は今後の課題として温めるに留め、いまは目の前のロワに集中しようぜ。
予約の密度なんて喜ばしい限りじゃないか。
513 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:23:39 ID:Gfivu/ov
出来たので投下します。
514賊を倒しに館へ行く事になった ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:25:27 ID:Gfivu/ov

「失礼しまーす…誰も居ないよな…」

馬岱は、先程の襲撃の後、館へ行く前に所謂腹ごしらえをするため、住宅街の一角にある民家に入っていた。
馬岱は早速といわんばかりに民家の中を手当たり次第探すが、何処にもそれらしき物は無い。

(主催が意図的にしているのか…?と、すれば、ここに食べる物は無い、という事か…)

「畜生ッ!」

馬岱がふと怒りのあまり、訳が分からない方向に箒を突き出す。
すると、パリン、とふと軽い音が鳴る。
音がした方を振り返ると、透明な鋭い刃物らしき物が散らばっていた。

「…これは一体…?」

馬岱は鋭い先に当たらない様に刃物らしき物に触る。
ひんやりとした感覚。そしてそれには朝の太陽の光が当たり、まるで見たことも無い、例えるのならば、神の装飾品の様な、そんな印象。

「…皆に持って帰ってやりたいが、この状況じゃあ仕方ないよな」

馬岱はそれを地面に置き直すと、急いで民家を後にした。

◇◇◇
515創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 19:26:06 ID:ID/KXy+c
フラグ折れば意外ってもんでもないけどな
フラグ折りに走るも予想の範疇
516賊を倒しに館へ行く事になった ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:26:24 ID:Gfivu/ov

「…それにしても…」

民家を後にした馬岱がふと呟く。
だがそれには誰にも反応せず、ただ冷たい風が吹くだけだ。

「この殺し合いを開いた理由って何だろうか…
娯楽目的?それとも俺達に憎悪があってか?
…あぁ、頭痛くなってきた。そろそろ止めとこ」

ふぅ、と一回溜め息をつくと、再び前を向く。するとそこには―――

「…マジか」

頭を坊主にした中年の男が、地べたに倒れこんでいた。
馬岱がかけよってみると、その中年男は、口から唾液のように血を流し、死んでいた。

血が流れている口を無理矢理こじ開け中を見る。
中を見る限り、舌を噛み切ったらしい。
体の傷もかなり激しく、両腕はあり得ない方向に曲がっている。
と、なればだ。拷問の果てに自ら舌を噛み切ったとするのが一番か。

「…とんでもない野郎だな…
殺すんだったらすぐに殺れば良いのに…」

死体を見下しながら馬岱は言う。
と、ここで死体の傍にそれは黒光る物が落ちていた。
それは紛れもなく、正真正銘銃そのものであった。

「…武器が手に入ったのには有り難い。だが、自分の力を試すのにこれはいらないな…」

馬岱はまだぎこちない仕草で銃を握り直す。
片手には箒、片手には銃。
どっからどう見ても変質者です。本当にありがとうございました。

517賊を倒しに館へ行く事になった ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:27:34 ID:Gfivu/ov

「…接近して戦える武器を探すか。」

また先程と同じような溜め息をつくと、馬岱は館への道をまた歩き始めた。

◇◇◇

「…お?」

馬岱が歩き続けてすぐの頃。
丁度目の前に大きすぎる建物、所謂館が目に入った。

「…不安だが、仕方ないな。よし、行くか」

そうして馬岱が扉の前に立ったその時。

「ん?…あれは?」

少し離れた庭らしき場所で、棒が立っていた。
つまり、馬岱が得意とする、近距離武器がある、という訳だった。

「武器らしき物発見!来た!来た!これで勝てる!」

まるで子供の様に、武器らしき物がある場所へ馬岱は走りだす。
そしてその武器らしき物に手をかけた瞬間―――

「げ…」

518創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 19:28:25 ID:FpcUo3iM
支援

銃じゃなくてメガホンじゃね?僧侶の近くにおちてるの?
519賊を倒しに館へ行く事になった ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:28:46 ID:Gfivu/ov
その棒の先端は鋭くなく、曲がっていて鈍器のような物。
そう。つまりそれは田畑を耕す「鍬」その物であった。


「…これは駄目かも分からんな…欲しかった武器らしい武器があったから別に良いが…あ、箒は捨てておくか」

箒を投げ捨てた所で馬岱は、「環境次第で鍬でも頼れる武器になる」と、戦場とはまるで違う殺し合いで学んだ所で、館の前に行き、扉の取っ手に手をかける。
「…さぁ、賊め、待ってろよ…」

自分の偉大なる兄のカードを握りつつ、馬岱は扉を開いた。


【A-2/館の前/1日目・午前】
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:健康、頭にたんこぶ、空腹
[装備]:鍬@IKZO、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦
[道具]:基本支給品、コルトパイソン(6/6)@現実
[思考・状況]
1:館に居る賊(ときちく)を殺す。
2:殺し合いに乗って、自分の力を試す
3:弱い奴は…どうすっか
※竹箒@東方projectは館のすぐ傍に放置されています。
※雪歩の名前は知りません
※ときちくの姿をぼんやりと確認しました。名前は知りません。
※住宅街の窓ガラスをすごい強さで割りました。周囲に音が聞こえたかもしれません。
※コルトパイソンは緊急時以外使わないと決めています。

【鍬@IKZO】
東京へやってきたある田舎生まれのラッパー、IKZOのデビューシングル、「おら東京さいくだ」のジャケットにてIKZOが持っていた、彼愛用の鍬。
本来は田畑を耕す物だが、その威力は侮れない。

【コルトパイソン@現実】
357マグナムを6弾まで装填出来る、回転式小型拳銃。
その性能や見た目から「拳銃界のロールスロイス」と呼ばれている。
現在は様々な事情で入手は困難である。
俺の嫁。
520 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:30:02 ID:Gfivu/ov
投下終了。
遅くなってすいません&次の方申し訳ありませんでした。
最後にコルトパイソンは俺の嫁。大事な事なので二回i(ry
521創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 19:31:09 ID:FpcUo3iM
投下乙です
修正の速さに嫉妬


さっき指摘したけど僧侶の近くに堕ちていたのはメガホンじゃないですかね
522 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:42:28 ID:Gfivu/ov
指摘ありがとうございます。
現在修正していますので、先に状態表の修正を。
支給品からコルトパイソンと、拳銃に関わる備考、説明を削除をまずお願いします。
523 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:44:18 ID:Gfivu/ov
>>516の途中から
と、ここで死体の傍に白色の初目では用途が分からない物が落ちてあった。

「…武器にはなりそうにないな。仕方ない。置いておくか」

イマイチ用途が分からない為、馬岱仕方なく置いた場所その所に慎重に置く。
下手して触って爆発などしたら、それはたまったもんじゃない。
に修正をば。
524 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 19:47:31 ID:Gfivu/ov
と、次の予約行くか
ミク、トキ、ブロリー
予約。
525創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 19:56:36 ID:GT7m636C
投下乙です。
早えーっ!
遅筆の自分にもその早さを少しでいいから分けてもらいたい……。

そして、貴方の嫁は既に蛇の手元にあったりします。
しかもキルスコア1。
526創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 20:07:40 ID:Gfivu/ov
>>525
なん…だと…?う、嘘だッ!
(本当助かった…ありがとうございます)
527 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/22(日) 20:30:03 ID:C3a9Fjk2
越前、DIO予約します
528創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 21:17:21 ID:HKKKdUX+
ところで、バクラってゾークの分身なんだよな?

この場合、ゾークが制限受けてることになるのか?

いきなりでスマン。誰か教えてくれ。
529創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 21:52:42 ID:lUytYp8c
>バクラってゾークの分身
実はバクラの正体って連載終了放送終了から
こんなに時間経ってんのに明らかになって無かったりする
一応、ゾークの分身+盗賊王の魂というのが有力な説だが・・・
ぶっちゃけ実際どうなんだろうな。上の説で合ってたとしても比率が不明だし
だから原作に矛盾しない範囲内でSSの作者の自由にしておkかと
530創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 21:57:39 ID:UvuZ7Hp4
まあ、少なくともロワにおけるバクラの能力は一般人と大差ない事は確定してる。
531創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:00:38 ID:n6AITHZw
話を切って悪いが一応確認

sm110: 狂喜「サウンドプリンセス」(ミク、七夜)
sm111: シンデレラ・ケージ(てゐ、月)
sm112: onemoretime(剣崎、クラッシャー)

でいいんだよな?
532創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:04:34 ID:Gfivu/ov
>>531


sm110: 狂喜「サウンドプリンセス」(ミク、七夜)
sm111: シンデレラ・ケージ(スネーク、てゐ、月)
sm112: onemoretime(前半←→後半)onemorechance(剣崎、クラッシャー)
じゃないの?
533創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:11:36 ID:n6AITHZw
>>532
うわっ、忘れてたw
どうもありがとです。
534創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:18:29 ID:qqys937y
オネモレタイム……?
いや、これ半角で間あける方がよくないか?
作者の自由だけど
535創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:27:40 ID:qqys937y
もちろん読み方はわかってるけどさ
536創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 22:28:20 ID:JiyKWiBu
わんもあたいむ、わんもあちゃんす

でいいんだよな?
537 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/22(日) 22:34:55 ID:Gfivu/ov
あー、ご免なさい。読み方合ってます。
しかしタイトル元ネタの知名度の低さに泣いた
538 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/23(月) 00:04:11 ID:EssyWIBF
日付が変わってしまいましたが、現在推敲中です。
もうしばらくで投下しますので。
539創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 00:30:28 ID:9rFtEJSt
ゆっくり書いていってね!!!
540 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/23(月) 00:51:55 ID:iK24UrFl
すみません。
矛盾点が見つかったので修正中です。
できるだけ早く直しますが、寝る人は寝た方がいいです。
541創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 00:57:37 ID:rwB5IdTX
了解しました
ゆっくり直していってね!
542 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/23(月) 02:26:07 ID:iK24UrFl
色々直したので念のため仮投下スレに投下します。
543創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 03:48:27 ID:x9r3s4lg
次のSSの展開によっては、参加者現在地一覧にゆっくりも加えた方が良いかな?
活躍フラグっぽいものは立っているけれど。
544代理:2009/03/23(月) 06:34:04 ID:y/W9YCoV
551 :天まで届け、斬左の拳 ◆BRxsUzTn5A:2009/03/21(土) 02:57:24 ID:st54M3ws0

『―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?』


「――――――!」

左之助は唐突に響いた声を察知し、空を見上げた。
天空には忘れもしない、あの会場で狂った殺し合いを宣言した
張本人の顔があった。

「てめぇは……右上!何であんなとこに」
『サノスケ、あれはモニター映像です』
「もにたー……何だって?」
『貴方のいた世界でいうと……そうですね、動く写真みたいなものでしょうか?』
「動く写真……結構ヤバそうなもんだな」
『………う〜ん、やはり時代が離れたものを説明するのは難しいようですね』


『…うるさい左上が言ってるから、そろそろ内容に移るぞ。
まず禁止エリアは、八時からA-4、十時からB-6だ。』


「こいつは確か左上ってやつが言ってた……禁止エリアってやつか」
『どうやら、定期的に流れる放送のようですね。サノスケ、ここは悔しいですがあいつからの放送を聞きましょう』
「ああ、分かってる」

左之助とマッハキャリバーはそのまま右上の流す放送に静かに耳を傾ける。


『脱落者は、 北条鉄平、はっぱ隊員、木吉カズヤ……』


「クソッ!もう犠牲者が出ちまってるのかよ……」

左之助は思わず地団太を踏みながら悔しがる。

『私たちと所とは別のところですでに始まっているようですね……』
「ああ、一刻も早く奴のもとへ辿りつかねぇとな……」


『あぁあとなんか真っ白で何も書けない紙、あったろ?
あれはこの放送が終わった後、お前等以外の参加者の名前が載るようになってるんだ。』


『サノスケ、それを見せてくれませんか?』

「これのことか?」

左之助がデイバックから取り出した白い紙に、黒い文字がぼんやりと浮かび上がってきた。
左之助はそれをマッハキャリバーにかざす。

『スバル・ナカジマの名前が載ってない……どうやら相棒は無事なようですね。
安心しました。サノスケは誰か知り合いはいましたか?』

マッハキャリバーの問いに左之助は気難しそうに
名簿とにらめっこしている顔をむける。

「………分からねぇ」
545代理:2009/03/23(月) 06:35:11 ID:y/W9YCoV
552 :天まで届け、斬左の拳 ◆BRxsUzTn5A:2009/03/21(土) 03:03:08 ID:st54M3ws0
『え……?』

「トテ音重……ンレ音鏡…?またさっきみてぇな暗号か?」

左之助はう〜んと唸りながら、名簿を凝視する。

『サノスケ、文字を反対側から読んでませんか?』

「ん?文字ってのはそうじゃないのか?」

左之助はきょとんとした顔でマッハキャリバーを見る。

『現代では、左側から読む必要があります。』

「そうなのか、メンドくせぇことしやがるぜ。」

『私が読み上げます。これならば問題ないでしょう。』

「ああ、頼む。」

マッハキャリバーは名簿に載っている一人一人の名前を読み上げ始めた。
左之助は黙ってそれを一時漏らさずに聴く。

『……桂言葉、海原雄山、以上です。誰か知り合いはいましたか』

「知り合い……か。いるにはいたが……何つうか倒さなきゃならねぇ相手なんだがな。志々雄真実ってんだ。」

左之助は眉をひそめ、神妙そうな顔をする。

『危険人物なのですか?』

「ああ、明治政府を転覆するために大規模な軍団を率いてた。
それに、京都を火の海にしようと企てた奴だ。用心することに越したこたぁねぇ」

『分かりました。ところで、サノスケ』

「ん?何だ」

『これからどこに行くつもりですか?このまま誰とも会わないわけにはいきませんし』

マッハキャリバーは今後の方針を左之助に尋ねる。

「まずは施設を回って、そこにいる奴らから手がかりを探すつもりだ。ここで一番近いとこだと……」

左之助は地図を取り出し、一番右下にある建物の名前を指しながら、う〜んとうなる。

『温泉、ですか』 

マッハキャリバーはすかさず、文字を通訳する。

「ああ、そうか温泉か。俺たちがいる地点はそこに近いところなんだ。
そろそろ見えてくるころじゃないか……お?」

左之助の目の前に和風の旅館のような建物が現れた。

『入って見ましょう』

左之助はマッハキャリバーにうなづき、
旅館の前まで近づくと戸をガラリと開け、中に首を突っ込む。
546代理:2009/03/23(月) 06:35:57 ID:y/W9YCoV
553 :天まで届け、斬左の拳 ◆BRxsUzTn5A:2009/03/21(土) 03:05:01 ID:st54M3ws0
「おい、誰かいるか?」

左之助が旅館の中に声をかけるも、旅館の中からは
返事があるどころか、物音一つさえも返ってくることはなかった。

「………誰もいねぇのか?」

『いえ、ついさっきまでここに人がいたようです』

「分かるのか?」

『ええ、玄関の所にわずかながら熱の反応がありました。すでにここから経ってしまったようですが』

「ちぃ、一足遅かったか……!」

左之助は苦虫を潰したように顔をする。

『サノスケ、わずかながら道にも反応があります。今追いかければ間に合うかもしれません』

「なら話ははええ。いますぐに追いかけるぞ」

左之助は温泉旅館をすぐさま出ると、森の中を駆け抜ける。

(右上……お前はお空の上でお上の立場になってるようだが、そんなモンは長くは続くと思うなよ。
俺たちのようにこの世の中を変える力を持つ奴らがお前の天から引きずり降ろすぜ。
俺たちの拳を受けるその時まで、首を洗って待ってやがれ)


左之助は走りながら、空の上を見上げながらあの忘れもしないにやついた顔を思い出し、
自分の冷たい拳を固く握りしめていた。決意を、揺るぎない物とするために。



【F-6/温泉付近/一日目・朝】
【相楽左之助@るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚〜】
[状態]:健康
[装備]:マッハキャリバー(ローラースケート状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS リボルバーナックル@魔法少女リリカルなのはStrikerS 
[道具]:支給品一式、スタープラチナのディスク@ジョジョの奇妙な冒険Part6ストーンオーシャン、携帯電話@現実
[思考・状況]
1:これが俺だ。全部守って闘う。
2:温泉から出ていった人物を追う
3:志々雄を倒す。
4:二重の極みが打てない……だと……?
5:主催者相手に『喧嘩』する。
6:弱い奴は放って置けねぇ。
7:主催者になんとかたどり着く方法を模索する。
8:最悪の場合は殺す。でもそんな最悪の場合には絶対持ち込ませねぇ


【マッハキャリバー(ローラースケート状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 】
[思考・状況]
1:サノスケに同行する。
2:まずは情報収集ですね
3:志々雄真実に警戒
4:相棒が無事で何よりです
547代理:2009/03/23(月) 06:37:11 ID:y/W9YCoV

554 :天まで届け、斬左の拳 ◆BRxsUzTn5A:2009/03/21(土) 03:05:31 ID:st54M3ws0

※黎明の間はずっと練習してずっと修行してました。
※マッハキャリバーの不調もサノスケの不調も制限によるものです。
※佐之助はマッハキャリバーを結構使いこなせていますが”完全”には使いこなせていません。
※佐之助の機動力はかなり強化されています。
 しかし本人はその機動力を生かして遠くまで移動しようという気は現在ありません
※ある程度の信頼関係を築いています。
※佐之助は色んな意味で覚悟しました。

555 : ◆BRxsUzTn5A:2009/03/21(土) 03:06:05 ID:st54M3ws0
投下終了です。疑問点・問題点などありましたらレスお願いします。
548代理:2009/03/23(月) 06:40:21 ID:y/W9YCoV
以上代理でした
549 ◆xHiHmARgxY :2009/03/23(月) 07:00:51 ID:3vIS4PD3
代理投下乙です。
見た感じ問題はないように思いますね。

そして浅ましい話ですが、良い。ディモールト良い!
自分の思いついたネタに繋げられる!
というわけで、この話が問題無く通りましたら左之助、咲夜を予約します。
550代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:47:57 ID:y/W9YCoV
211 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:13:21 ID:P4R0eDXU0
KAITOは放送が終わっても、結局仲間を助けに行くことはなかった。
本当は彼は今すぐにでも助けに行きたいのだが、助けれる自信がないのだ。
幸いこのデパートがあるこのエリアは禁止エリアじゃないので、彼はずっとここにいるつもりなのだ。
だからKAITOは今、身を潜める場所に適した場所を探しているのだ。

「ここは食料品売り場か…」
デパートB1階、確かにここは食料品売り場であった。
だが、ここにはまともな物は置いていない。

「第一、金がないじゃないか! それじゃあ買い物とか無理だろ…。」
このデパートだってもちろん無料で売っている場所ではない。
買うためにはやはり金がいるのだ。

「どうせ誰も見てないだろうし盗んでみようかな…。」
KAITOはボソッと言う。
見た感じレジには誰もいなかった。
他の階もさっき見たときには、誰もいなかった。
という事は…盗んでもOKなんではないかと彼は思った。

「だけどもし見られていたらどうするんだ…?」
注意されるだけならまだ良い。
だが、これを主催者が見ていたらどうなるのか?
勝手に人のものを盗んだ罰として、首輪が爆破されるかもしれない。
KAITOもそれだけは絶対にいやなのだ。

「なら金を探そう! これなら誰も文句は言わないだろう。」
こうして彼は金を探す事になった。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「本当にKAITOさんはデパートにいるんでしょうか?」
「あいつの事だ。 きっとそこで隠れているに違いない。」

アレックスと弱音ハクはデパートへ向かっていた。
551代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:48:43 ID:y/W9YCoV
212 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:13:53 ID:P4R0eDXU0
アレックスは彼の性格上、どこかに隠れていると思ったからだ。
それになによりも、向かった先にはデパートがあったのだ。
だからKAITOはそこにいるのではないかと予想した。

「ハク・・・」
「なんですか?」
「…KAITOいるといいな。」
「はい!」

川に沿って歩くと、二人はデパートを発見した。
約八時間前にいたのだから、彼らはすぐにそれがデパートだと分かった。

「しかしひどい荒れようだな、これは。」
「私がいた頃はここまで荒れてなかったんですけどね…。」

二人はデパートの荒れ具合を見て言った。
そしてアレックスたちは本来の目的であるKAITOを捜す事にした。

「KAITO! いたら出てきてくれ〜! お前の仲間を連れてきたぞ〜。」
「私です! 弱音ハクです! いたら出てきてください! お願いします。」

彼らは必死に叫んでいた。 ハクの仲間であるKAITOを捜す事ために。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「この声はアレクじゃないか!? そしてハクもいるだと!?」
もちろんKAITOに二人の声は聞こえていた。
誰もいないデパートなのだから、遠い声でも普通にKAITOの耳に届いていた。

「アレク達は信用できるから合流してもいいだろう…。」
KAITOはそう言うと、声がするほうへと向かった。
が、彼はすぐに動くのをやめた。

「俺には二人に会う資格なんてない…」
552代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:49:28 ID:y/W9YCoV
213 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:14:28 ID:P4R0eDXU0
アレクは俺と一緒に悲鳴が聞こえた方へ行こうと誘ってくれた。
だけど俺は断って逃げたんだ。

死ぬのが怖くて・・・
あの葉っぱの男のようになるのがいやで…

でもそれはしょうがない事なんだ。
わざわざ自分を危険な状態にしてまで人を助けるなんて絶対にしたくない。
どうせ助けても得するほうが少ないんだから…。

そしてハクはこんな俺を本当に仲間として迎えてくれるのか?
だって俺はあきらめたのだったから。
仲間より自分のことを先に考えたのだったから。

正直ハクがここに来てくれた事はうれしい。
わざわざ自分が捜しに行く手間が省けたのだったから。

でも俺は行けない。
俺はまたあの葉っぱの男を見捨てるような事をしたくはないんだ…!」

KAITOはもしアレックスとハクのチームに入り、誰かに襲われたときも、彼は一人で逃げる事にしていた。
たとえ、頼れる仲間がいたとしても…
彼はそういう事をしてまで、生きたいと思っているのだ。

「だから悪いが…会うのは俺が一人前になったときにしてくれ…。」

そしてKAITOはメモを一枚取り出し、メッセージを書いて、レジのところに置いた。

「きっとアレク達はこれを信じるだろう…。」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「1階はいなかったな。」
「はい、そうみたいですね。」
どうやら二人は1階を探していたようだ。
553代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:50:21 ID:y/W9YCoV
214 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:16:03 ID:P4R0eDXU0
「次はどこを捜すつもりなんだ?」
「そうですね…B1階というのはどうでしょうか? KAITOさんの大好きなアイスクリームが売っていますし…」
「じゃあ、そこへ行こうか。」
二人がB1階へ着くと、真っ先にハクはレジのところへ行った。
ゲームの最初の頃に置いた財布を探すために。

「財布は見つかったのか?」
「いや…それは見つからなかったんです。」
「そうか…それは残念だったな。」
「でもその代わりにすごいものを発見したんです。」
「そのすごいものってなんだ?」
「これです。」

ハクはアレックスに紙を渡す。
その紙にはこう書いてあった。

「私、KAITOはミク、リン、レン、テト、ハクを捜すために駅に向かいました。
もし、このメモを見た上記の5人は自分を追うため、駅に向かってくれると幸いです。
                                             KAITO」

「これは本当にKAITOが書いたものなのか?」
「多分そうだと思います。 KAITOさんはこんな字を書くので。」

二人はKAITOからのメモをよく見る。

「さて、どうするか…」
アレックスは考えていた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「2525円あれば結構な物が買えるぞ。」
その頃、KAITOは買い物をしていた。
彼はどうしてもほしいものがあったのだ。
554代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:51:41 ID:y/W9YCoV
215 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:16:35 ID:P4R0eDXU0
それはもちろん…
「アイスだ!」
ハーゲンダッツのアイスクリームが一つ250円で売られていたのだ。
残り二つしかなかったが、KAITOはそれを全部買う事にした。
ちなみに、アイスは最初からこれだけしか売っていなかった。
ここはまともなものは置いてない食料品売り場だから仕方がないことである。

アイスの他にほしい物がなかったので、KAITOはすぐレジにへと向かった。
「500円でいいんだよな…。」
財布から500円を取り出し、レジに置くと、アイスをデイパックの中に入れた。
「どうせこの財布を落とした人がいけないんだ。 だから使ってもいいんだ。」
KAITOがエスカレーターで1階に上がろうとしたその時、彼が聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「KAITO! 俺だ! アレックスだ!」
「KAITOさん! 待って下さい!」

駅に行ったはずの二人がそこにいた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

アレックスはあのKAITOのメモに一つ疑問点があると思っていたのだ。

「ハク・・・」
「なんですか?」
「KAITOはどうしてこんなものを書いたと思う?」
「それは…入れ違いを防ぐためですか?」
「それもあるとは思うが、俺は違うと思うんだ。」
「じゃあ他に何があるんですか、アレクさん?」
ハクがアレックスに聞く。

「多分だが、KAITOはまだここにいる。」
「それは本当ですか!? でもなんで…?」
「あんなものをレジに残すというのはすごい勇気がいる行動だと思うんだ。 だってそれをもし、ゲームに乗ってる人が見たらどうなる?」
「それは危険ですよね。 KAITOさんにとって。」
「でも彼は分かっていたんだ。 俺とハクがここにいる事を。」
「叫んでましたもんね。 私達。」
「そうだ。 それを聞いて、これを出したんじゃないかな?」
アレックスはそう推理した。
555代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:52:27 ID:y/W9YCoV
216 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:18:00 ID:P4R0eDXU0
「ハク! 急いで捜すぞ!」
「はい!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「何であんなメモを残したんだ?」
アレックスがKAITOに問いかける。

「俺はアレク達と会いたくなかったんだ。」
「それはどうしてだ?」
「アレクは何があっても人を助けに行く。 でも俺は違う。 だから俺は一緒に行きたくなかったんだ。 アレックスみたいに正義感がある人とは…!」

そしてKAITOは自分が思っていることを話した。
その話をアレックスとハクは真剣に聞いた。

「だから行ってくれるか? 俺みたいにダメな兄の代わりにミク達を助けてくれないか?」
彼は二人に土下座した。
どうやら気持ちは本当のようだった。

「KAITOさん! 顔を上げてください!」
ハクが困った様子をしながら言う。

「いや…俺は上げない! 頼みを聞いてくれるまで顔を上げない!」
必死に頼むKAITO。
いくら仲間であるハクの頼みであっても聞いてはくれなかった。

「KAITO、顔を上げろ。」
ついに、我慢ができなくなったアレックスが言った。

「だから、俺は上げ『顔を上げるんだ!!!!!』…!!」
アレックスは怒鳴った。
それにビックリしたKAITOは顔を上げた。

「お前はいつまでここにいるつもりなんだ!? せっかく仲間が来てくれてるんだぞ!? お前、もうちょっとハクのこと考えてみたらどうなんだ!」
「考えているさ! 考えて出た結果がこれなんだ!」
556代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:53:45 ID:y/W9YCoV

217 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:18:41 ID:P4R0eDXU0
「本当にそれが一番いい答えだと思うか!? ハクはな、ゲーム開始からずっと一人だったんだ! 自分のせいでKAITOを追うことができなくってごめんなさいって謝ってくれたんだぞ! そんなにもお前の事を思っている仲間を見捨てるのか!?」
「それは…本当の話なのか!?」

KAITOがハクの方を振り向く。
ハクはKAITOの方をただじっと見つめていた。

ハクはアレックスからKAITOの話を聞いた時に、言っていたのだ。
自分なんかよりKAITOの方を助けたほうがよかったですと。

「別にお前が逃げたいならいつでも逃げていい。 隠れたいなら隠れてもいい。 だが、俺はハクを死ぬまで守り続ける。 だって俺をハクのマスターだからな。」
「…」
KAITOはなんて言っていいか分からなかった。
ハクがそこまで自分のことを思ってくれるなんて思わなかったからだ。

「俺とハクはこれから駅に向かう。 もし一緒にいきたいと思ったら、電車が来るまでに来てくれ。」
「わかった。」
KAITOがうなずいたのが分かると、アレックスはハクをつれてデパートの出口と向かった。

「アレクさん、ちょっとKAITOさんのところに一回戻ってもいいですか?」
ハクがアレックスに言う。
「いいけど…なんでだ?」
「渡し忘れたものがあるんです。」
「そうか。 すぐ戻ってきてくれよ。」
「はい!」

ハクはKAITOのところへと戻った。
彼女が渡したいもの。 それは最初に彼のためにと買っておいた物であった。

「KAITOさん。 これを受け取って下さい。」
「これは…アイス!? しかもハーゲンダッツの…。」
KAITOは驚いていた。
だってそのアイスは自分が買った物と同じ物だったのだから。
「KAITOさん。 本当は来てほしいですけど、無理に来なくてもいいですよ。 自分が行きたかったら行く。 行きたくないのなら行かない。 それを最終的に決めるのはあなたですから。」
それを言うと、ハクは立ち上がり、待っているアレックスの元へと戻った。
557代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:54:31 ID:y/W9YCoV
218 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:20:48 ID:P4R0eDXU0
「これで充分か?」
「はい。 充分です。」
「…KAITO来てくれるといいな。」
「はい!」

二人はデパートを出て、駅へ向かう事にした。
その後ろからKAITOが来てくれることを信じて…。

【F-4 草原/1日目・午前】
【アレックス@MUGEN】
[状態]:疲労(中) 全身に打撲。左腕に刺し傷。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:駅に向かう。 KAITOが来たら、合流させる。
2:ハクと一緒に行動。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:バルバトスと会ったら倒す。
5:あのピエロに出あったらどうしよう……
6:温泉にはいつか行きたい……
※F-3のデパート内に、床に大きく穴が空き、壁が一部粉々になっている部屋が一つあります。
※トキ、DIO、十六夜咲夜をMUGEN出展の彼等と誤解しています。
 また、MUGEN内の扱われ方からDIOと咲夜が親子だと思っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。

【弱音ハク@VOCALOID(亜種)】
[状態]:疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、九条ネギ@現実、伯方の塩(瓶)@現実、魔王(芋焼酎)@現実、福沢玲子のシャーペン@学校であった怖い話
【思考・状況】
1:駅に向かう。 KAITOは来てくれるかな…?
2:アレックスと一緒に行動する。
3:殺し合いを止める為、仲間を集める。知人や、首輪が解除できそうな人物を優先。
4:酒場がちょっと気になる
5:橋に置き去りにした、振り付けマスターのおじさんもちょっと気になる。
6:自分だけの歌を歌いたい。
【備考】
※設定はマスターでなく、ボーカロイドとしての彼女です。
※衣装にあるスピーカー等の装備は飾りに変えられています。
※バルバトスを危険人物と認識しました。
※振付マスター@完全振り付けマスターは顔を破壊されました。まだ機能はしている可能性があります。E-2の橋の下で踊っています。
※名簿が最初白紙だったのには、何か理由があると考えています。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
558代理2 出来たら支援お願いします:2009/03/23(月) 11:55:26 ID:y/W9YCoV
219 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:22:08 ID:P4R0eDXU0
二人が去った後、KAITOは考えていた。
絶対に行かないと決めたのに、こんだけ考えさせるような事を言ってくれるとは思わなかったからだ。

「俺は一体どうすればいいんだ…?」

【F-3 デパート内/1日目・午前】
【KAITO@VOCALOID】
[状態]:健康、苦悩
[装備]:ベレッタM96(残弾数11/11)@現実
[道具]:支給品一式、ハンバーガー4個@マクドナルド、クレイモア地雷×5@メタルギアソリッド、必須アモト酸@必須アモト酸、2025円が入った財布(ニコニコ印)@???、ハーゲンダッツ(ミニカップ)×3@現実
[思考・状況]
1:死 に た く な い
2:ミク、リン、レン……許してくれ……
3:生きるためなら例え卑怯な事をしても許されるはずだ
4:二人を追いかけるか、それとも…
[備考]
※500円がデパートB1階レジに置いてあります。

220 : ◆/mnV9HOTlc:2009/03/22(日) 09:23:58 ID:P4R0eDXU0
送れて本当にすいませんでした。

タイトルは「ゆっくり考えるでいいさ」でお願いします。
559創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 11:56:13 ID:y/W9YCoV
以上代理でした
この時間は規制怖い……
560創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 13:45:33 ID:UEkwDHFx
代理乙でした
ハクの想いにKAITOが動かされてくれといいなぁ
561創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 19:08:40 ID:BVMOWL5D
wiki内に私自身の不注意により「おまけ」と言うページを作ったので
削除ができる方、削除をお願いします
余計な事をしてすいません
562創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 19:24:45 ID:y/W9YCoV
一部巻き添え食らった人が全板規制からVIP単独規制へ移行したみたいなんで書けるようになった人がいるかもです
一度テストしてみると規制喰らった人でも欠けるかもしれないのでおためしあれ

本投下行きます
「……」
「……」


 馬岱が館の中に入りまず目にしたのはよく見知っている人間だった。
 館の中にいる人物、即ち――呂布。しかもとんでもなく不機嫌そうな顔をした。
 目は赤く爛々と輝き殺気を隠そうともしていない。
 しかも足もとのシーツやその周囲から放たれている異臭、何が起こったのか想像することは難しいが
 とにかく危険を感じた馬岱は咄嗟に回れ右をして――

「36計逃げるに如かず」
「待てぇい!!」

 呟き逃げ出そうとする、が呂布は馬岱の襟首を掴み引き寄せる。
 馬岱と呂布の距離は多くあったが怒りに身を震わせる呂布はその距離を一瞬で詰めたのだ。
 そして距離を詰めた呂布は馬岱へ問いかける。

「一つだけ聞こう。お前はこの館に罠をしかけたか?」
「いや、俺がここに来たのは初めてだが」

 馬岱の答えを明らかに怪しむ呂布。
 そんな怪しみ怒る呂布に対して馬岱も同じように質問をする。
 たとえ相手が主君と雖も言っておかねばならないこともあるのだ。

「お前こそさっき俺を殴り倒しただろ」
「俺はそんなことやってもいない。大体俺とお前とは初対面のはずだ」

 呂布は憮然とした表情でそう答える。
 しかし馬岱は”初対面”という言葉が入った時点で呂布の言葉を嘘だと断定する。
 馬岱からすれば呂布は主君。つまり呂布が自分のことを知らないはずはないのだ。
 この呂布は呂布でもテラふりーだむな方とは違うので知らなくて当然なのだが馬岱はそんなことは知らない。
 そして彼もまたいきなり逃げた馬岱は怪しいと判断し――


『うそつけ』


 二人の声がはもった。
 そして空気がさらに緊迫したものへと移行する。
 呂布がよく考えれば罠を仕掛けた奴が再びこの館に戻ってくる可能性は低いと気が付いたはずだった。
 馬岱も良く考えれば自分を殴り倒した相手と呂布は特徴が一致しないと気が付けたはずだった。
 しかし二人ともその事実には気が付けなかった。
 それは二人が光栄査定で脳筋と呼ばれる評価を与えられるのが理由なのか
 それともときちくの行動が鮮やかだったのかは定かではない。
564創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 19:29:06 ID:jozv9q7I
>>561
むしろ有効活用すればいいと思う。
俺もちょっと考えてみるよ。
「見たところお前は変人のようだが腕は立つのか?」

 呂布は怒りで馬岱を切り殺すという誘惑に駆られるが必死に自制しつつ問いかける。
 途中に”変人”という挑発する言葉があったり足元のシーツを蹴とばしているところからは呂布の怒りが漏れているのは明らかだ。
 そんな中でも怒りに身を任せなかったのは呂布の武人として相手が実力者ならば正々堂々と戦いたいという思いからであった。

「変人言うな。呂布――あんたには及ばないが腕は立つ方だと自負している」

 そんな呂布の挑発する言葉を軽く流しながら言葉を返す。
 もっとも腕は立つとか言っていても武器が鍬なのでどこか気が抜けてしまう光景ではあるのだが。
 そんな彼の何気ない一言に呂布は反応する。

「なぜ俺の名前を知っている!!」
「いや……何を言っている……?俺のことF1してる間に忘れたのか……?しかしヘルメットじゃなくて綸子なんて珍しい」

 自分の名前を見ず知らずの相手が知っていたことに驚く呂布。
 一方馬岱は名前を知っているだけで驚く呂布に驚く。
 それは両者からして当然のことなのだった。
 馬岱から見れば多少珍しい格好をしているとはいえ自分の主君。
 呂布からすれば明らかに珍妙な恰好をしている眼鏡の男。
 こんな状態でまともな反応をしろというのは酷である。

「F1?ヘルメット?なんだそれは?」
「……? 皇帝とか銀河戦士と一緒のチームに入って大暴れする時の防具に決まってるじゃないか
 F1はお前がハマっているスポーツだろ?本当に何かあったのか?」

 ヘルメットはどんなものなのか聞く呂布に馬岱は呆れながら答える。
 でもここの呂布と馬岱がいた世界は似て非なる物……いや、似てるなんて言ったら失礼。
 まったく別個な世界なのでここにいる呂布が銀河戦士や皇帝のこともヘルメットと同じように覚えているはずもないのであった。
 
「皇帝?銀河戦士?なんだそれは?」
「ついにテラふりーだむになり過ぎて記憶障害を……同情する」

 銀河戦士や皇帝、F1のこと、さらには自分のことを忘れてしまっている呂布を馬岱はかわしそうな人を見る目で見ながら言う。
 呂布は当然怒る。というか呂布でなくとも誰だって怒る。
 このロワに参加している呂布は馬岱とは別人なわけで銀河戦士や皇帝を知っているわけがない。
 さらに言えば自重しない方の呂布やたかじゅんがこの場にいて彼を見たとしても奇妙な恰好をした眼鏡男と馬岱が同一人物だと見破るのは難しいだろう。
 それほどまでに今の馬岱の格好は奇妙なのだ。少なくとも眼鏡さえ外していれば呂布でも馬家の奴だということぐらいは分かったのかもしれないが。
 つまり呂布のこの怒りは至極まっとうな物で勝手に知り合いだと勘違いして初対面の相手に記憶障害だとか言った馬岱が全面的に悪いのだ。
 いきなり初対面の相手に記憶障害だとか言われて怒らないほどできた人間なんて滅多にいない。

「俺が記憶障害だと!愚弄するか!」
「うをぉぉい!!」

 堪忍袋の緒がついに切れた呂布は折れた斬馬刀を怒りとともに馬岱へふるう。
 馬岱は侮辱され当然のように怒った呂布を心の中でこの脳筋め……などと勝手に思いながら
 斬馬刀をはじくべく鍬を必死で振るう。
 そして鉄と鉄のぶつかり合う甲高い音
 折れた斬馬刀と農具が互いに弾き合い離れる。

「鍬で俺の一撃を止めるとはやるようだな、楽しませてもらうぞ!!」
「ちょっと待った!!折れているとはそっちは武器、こちらは農具。明らかに俺が不利じゃないか」

 馬岱は間合いを取りながら呂布の叫びに答える。
 呂布はその答えを聞き少し考えた様子をすると近くの木の枝を切り落とし馬岱へ向け放り投げる
 呂布も同じような木の枝を切り落とすとそれを握る。

「これで条件は同じだな、殺ろうか」

 呂布の目は非常に生き生きとしている。
 馬岱は自分では呂布に敵わないことを悟ってはいたがこれも自分の腕試しと割り切り棒を構える。

「あんたには敵わないと思うが腕試しには丁度いい、やらせてもらうぜ」

 棒と言ってもそこらの木刀よりは重量がある。
 こんなもので頭を打ち付けられたら死とまではいかなくともしばらく戦闘不能となるのは確実である。
 むしろ呂布並の力があれば骨などは容易に砕けてしまうだろう。
 馬岱は戦闘の邪魔にならないところまで鍬を放り投げ、呂布もまた戦闘の邪魔にならない様にデイパックを下におろし構える。
 空気が凍る。先ほどまでのコントのような空気ではない、命を掛けた闘争の空気となる。


『行くぞ!!』


 呂布が2度、3度と棒を振るう。
 馬岱はそれを真っ向から受けようとせずに受け流すようにして軌道を変え凌ぐ。
 そのたびに鈍い木と木がぶつかるの音が鳴る。
 横山三国志では張飛に槍を一発で吹き飛ばされていた男が人中の呂布と呼ばれるほど男の攻撃を凌ぐ。凌ぎ続ける。

(防ぐだけならできる……だけどそれだけか……)

 馬岱は呂布の攻撃をひたすら凌ぐ。
 化け物級の奴ら相手に駄目もとで一騎打ちを受けた経験が生かされた防戦。
 それは呂布の攻撃を紙一重で凌ぐ。
 しかしそれはあくまで”凌ぐ”だけの戦いでそこから反撃に転換するのは難しい状況。

「凌ぐだけでは俺には勝てんぞ!!」

 呂布がさらに攻勢を強める。
 しかしその攻勢すらも馬岱なんとか凌ぎ続ける。
 少しづつ馬岱の息が乱れ始めるが呂布は息は全く乱れていない。

(やっぱ俺はこれくらいの実力か……)

 凌ぎ体力を温存しようとする馬岱の息が切れるのが猛攻を続ける呂布より早い。
 このまま長期化すれば馬岱が凌ぎ切れなくなりやがて呂布の一撃が馬岱の骨を砕くのは明白である。
 力を温存しようとする相手に全力で打ち込み続け体力で勝る呂布の力恐るべし。
 だからこそ馬岱はこんな自分よりも実力が上の相手と戦う時の奥儀を使用することを決めた。
 三国武将がテラふりーだむの世界で開発したどうしようもない書く上と戦う上で開発された究極の戦術。

「貰った!!」
「ちっ!!」

 ついに呂布が馬岱の棒を弾き飛ばす。
 馬岱は弾き飛ばされると同時に一気に間合いを取る。
 間合いを取り声をあげる。
「喰らえ!奥儀!」


 大きく腕を振り上げる馬岱。
 奥儀と聞き興味をそそられたのか呂布は間合いを詰めることなくその場で身構える。

 そして緊迫の一瞬――

 直後、馬岱はその場にパタりと倒れた。


「は……?」


 硬直する呂布。
 倒れたまま動かない馬岱。
 そこを吹き抜ける風。
 冷やした温度で固まる空気。
 闘争の緊迫した空気とは違う、親父ギャグを言ったら場が白けた。そんな空気。
 そんな空気にもめげず呂布は倒れる馬岱に問いかける。


「なにをしている?」
「死んだふりだが」


 ……そう、そうこれがテラふりーだむな世界最高の保身術『死んだふり』。
 この『死んだふり』さえすれば無茶苦茶な相手との一騎打ちで死ぬ可能性は限りなく低くなる。
 いっこうにに倒れたまま立ち上がろうとしない馬岱を見ながら呂布は困った顔をする。
 流石にこの状況でがこれ以外の反応は仕様がない。
 呂布は斬馬刀を拾いあげしばらく迷った顔をしたのちそれを馬岱へ突き立てる。

 テラふりーだむな世界最高の保身術はテラふりーだむな世界だからこそ通用していた保身術の奥儀。
 だがテラふりーだむではない普通の世界において敵を目の前にして無防備になるという行為は致命的で……


「……」


 その瞬間あるのは呂布の困った沈黙だけだった。
 館の前で斬馬刀に背を貫かれた男を風が優しくなでた。
◆◆◆


「むぅ……死体が消えるとは不思議な……」

 呂布は折れた斬馬刀を地に突き立てうなった。
 死んだふりをした馬岱に当惑しながらも刀を突き付けたまでは良かった。
 しかし手ごたえはなく彼が疑問に思ったと同時に吹き抜けた風と共に男の死体が消え去ったのだ。

「俺のことを知っていたようだったがあいつは誰だ?あんな変な恰好をするような奴は俺は知らん」

 呂布は頭をひねる。
 あんな変な恰好をした男は呂布の知り合いには存在しない。
 せめて眼鏡だけでも外していれば馬家の子供だと分かったのかもしれないが。

「あんな格好で死体が消えたことから考えるとあやつもなんらか術者だったと考えるべきなのか?」

 死んだふりをした馬岱に刀を突き立てたのは確かな事実。
 だがその刀に手ごたえが全くなかったのもまた事実。 
 その2つの事実のせいで呂布は断定することができない。
 チルノのような術を使う少女もいればメタナイトのような明らかに人外の生物もいる
 ブロリーのように凶悪な力を持つ奴もいる。
 ならば死亡した瞬間に死体が消える奴がいてもおかしくないのではないだろうか?
 そんな思いが呂布の中からは消えない

「奴はまだ生きているのか、それとも死んだのか……?
 だが生きているのならば面白い。こちらの武器も折れた斬馬刀だったとはいえ
 農具で俺の攻撃を防いで見せた。そして同じ条件でこの俺の攻撃を凌いで見せた」

 呂布は不敵に笑った。
 自らには及ばぬまでも強力な武芸者の存在。そしてその存在が生きている可能性がある。
 それが呂布の闘争本能を駆り立てるのだ。
 だがその呂布の笑みは一瞬にして凍りつき困った表情に変わる。

「む……むむむ……謀られたか……」

 デイパックが無くなっていた。
 呂布の支給品一式を入れたデイパックがである。
 この状況下でデイパックを奪えたのは一人しか存在しない。

「奴も術者だったのか……良く考えればあの状況で死んだふりなぞを意味無くするはずがないではないか……」

 呂布は自分のうかつさを呪い、呆れる。
 だが悪いのは呂布である。あんな状況で何の策もなしに死んだふりをするような馬鹿はどこにもいない。
 そんなことにも気が付けずに動揺してしまった呂布が悪いのだ。

「あやつめ、許さんぞ」

 呂布は馬岱からデイパックを取り戻すことを誓うともうこの館に先ほど罠を仕掛けたものはいないと判断し移動を始めた。
 異臭を放つ館にいるものは誰もいない。




【A−3 館の前/1日目・午前】
【呂布@iM@S演義】
[状態]腹部に打撲 、全身謎の液体まみれ、目が充血、疲労(小)
[装備]折れた斬馬刀@るろうに剣心、イージス@FF11
[道具]
[思考・状況] 基本思考:強そうな奴には片っ端から喧嘩を売る。優勝狙い
1:デイパック……
2:罠を張った奴はここには既にいないようだな……
3:術師にも負けない。
4:チルノとはまた会ったら決着を着ける。
5:メタナイトと全力の決闘をしたい。
6:ブロリーとも決着をつけたい。
7:主催者も殺す。
8:術者(馬岱)との決着もつける
※イージスは意思を持っていますが、封印されているのか本来の持ち主でないためか言葉を発しません。
※盾の性能を全て引き出すことはできませんが、使用することに問題はありません。
※鍋とシーツは玄関に置きっぱなしです。
※玄関には謎の液体が広がっています。臭いです。
※ナイフは奥の部屋に繋がっているドアに刺さったままです。
※デイパックは馬岱に奪われました
◆◆◆

「流石にまともな武器が無いと辛いか」

 呂布の戦闘から幻術で離脱し馬岱はA-2の街道にいた。
 流石にテラふりーだむを合言葉にする呂布軍の一員だとはいえあんな状況で馬鹿正直に死んだふりをするほど馬岱は愚かではない。
 相手が自分のことを忘れているとは相手は呂布。
 低知力だから看破されることはないだろうと真正面から幻術を使ったのはいいがテラふりーだむの一言で看破されてしまいましたというのはあまりにも悲しすぎる。
 だからこそ馬岱一度死んだふりという意味の分からない行動に出て相手を動揺させることで不意を打ち幻術の成功率を上げたのだ。

「しかし呂布が自重していたとはいえをあれだけの攻撃を防ぐだけとはいえ出来るとはおもわなかった」

 呂布と馬岱、本来であれば相当の実力差がある二人。それこそ一瞬の吹き飛ばされかねないほどの実力差。
 だが今回馬岱は一定の時間呂布の猛攻をしのぎ切って見せた。
 彼本人の実力は人外級の親方様やら宇宙戦艦と戦闘を繰り広げているうちに知らず知らずのうちに上がっていたのだ。
 そりゃ自重しない呂布やら皇帝、銀河戦士と比べれば馬岱は一歩どころか十歩は見劣りする。
 しかしそんな化け物と戦わざるを得ない状況にあった故に彼は凌ぐ程度の力は手に入れていたのだ。
 それでも種族:呂布相手に防戦レベルであれば演じることが出来る程度というレベルである。

「まともな武器さえあれば呂布相手でも幻術や妖術でスキを造り打ち倒すことも可能かもしれないな」

 だが防戦を演じることさえできればそれだけできることは増える。
 防戦の最中にもしかすると邪魔が入り呂布が命を落とすかもしえない。
 防戦の最中に幻術を放ち呂布を倒すことが可能かもしれない。
 防戦の最中にもしかすると彼の秘められた力が解放し覚醒するかもしれない。
 最後のものは十中八九ありえなくとも前のものは可能性としては十分にあり得るのだ。

「しかしあの野郎は一体どこに行きやがった?よくよく考えれば呂布があんなにまどろっこしいことをするとは思えない……」

 思いだすのは彼に気が付かれることなく彼を打ち倒した相手。
 呂布があんなにまどろっこしいことをするとは到底思えない。呂布は正面からの戦いを好む。
 一度倒しておいて支給品を奪った上にわざわざ館に呼び寄せる。
 よくよく考えると不自然なところが多い。
 というよりも彼のおぼろげな記憶と呂布の特徴は全く持って一致しない。

「というか禁止エリアとやらを避けて館から離れたらまた同じところに戻ってきちまったな
 どうしようかね」

 馬岱は苦笑する。
 だが先ほどとは一部状況が違う。
 今は呂布から幻術で騙している間に奪ったデイパックがあるのだ。
 本来は武器も奪いたいところだったが呂布が斬馬刀を拾いに行ったため武器を奪うことはできなかった。
 しかしデイパックがあり食料があるというだけで先ほどとは状況が全く違う。

「さて、そういえばさっきはどうせ全員と戦うと思ってちゃんと見ていなかったが呂布みたいな奴がいるなら話は別だ
 一応参加者を確認しておくか」

 そう呟くと馬岱は呂布から奪ったデイパックからあの白い紙を取り出す。
 そしてそこに書いてある名簿を見て驚く。
「ブロリー……だと……?」

 ブロリー、それは陳倉大決戦の時からの因縁の相手。
 最強の息子をマリサと共に育てた鬼神。
 あの暗愚と呼ばれた男を最強と呼ばれるまでに育て上げた男。
 通常の呂布が一瞬で吹き飛ばされるほどの実力者。
 そんな奴が来ていることを馬岱は知ったのだ。

「流石に他のハイパーチートは来ていないか……他にもいたら腕試しどころじゃなかったな……」

 彼はブロリーの存在に身を震わせながらほかの名前を確認する。
 そしてブロリーを含めチルノや呂布など自分の知っている相手に印を付けようとし――

「あれ……?こいつらの名前結構見おぼえがあるぞ?姿までは覚えてないが見たら思いだしそうな……
 どこで見たんだっけ?あ――そうだ戦艦の中で見たどっかのサイトで――えーなんだっけ……」

 妙な心境にとらわれる。
 だがどの見た覚えのあるサイトの名前まで思い出すことはできない。
 それは頭に妙な靄がかかっているようなそんな感覚で――

「駄目だ、思いだせない。まぁそのうち思い出すだろ」
 
 馬岱はそう決めつけると呂布から離れるため、ブロリーと合わないように祈りながら歩き始めた。
 空腹を満たすため奪ったデイパックの食料を食べながら。
 今この街道周辺には誰もいない。



【A-2/街道/1日目・午前】
【馬岱@呂布の復讐】
[状態]:頭にたんこぶ 幻術と戦闘による疲労(中)
[装備]:鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
1:とりあえず呂布から離れる
2:殺し合いに乗って、自分の力を試す
3:弱い奴は……どうすっか
4:呂布……記憶障害とは大変だな……
5:もうちょいまともな武器が欲しい
6:さっきの館臭かったな
7:ブロリーとは遭遇したくない
※参加者の多くの名前を見た覚えがあることに気が付きました。ニコ動関連の知識の制限は実況者達等に比べて緩いようです
以上です
馬岱はそこまで脳筋ではないと言い残してみる
内政を普通にできるぐらいの知力と政治力はあります
573創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 21:04:52 ID:gelFSJP5
投下乙
ツンデレ神と呂布が案外まともだから忘れてたが
そういや馬岱はフリーダム動画出典だったんだよなw
574創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 21:22:00 ID:qvfZ/YMO
投下乙!
動画知らない人が馬岱の台詞だけ見ると明らかにおかしいって思うよなwww
だってあの世界は東方もドラゴンボールが居るし、ましてやあの業界自体、あんまり武将でまともな奴等居ないもんなwww例えば関 羽とか…ん?誰か来たようだ…
575創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 22:53:19 ID:pIfVN+bx
投下乙!
なんというテラふりーだむwww
まああそこの呂布は馬で移動に五日かかる距離から狙撃したり、宇宙戦艦撃墜したりしてるしなあw
最強の戦術が空城の計ならぬ崩城の計だしwww
576創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 23:01:12 ID:sjYgeeQR
投下乙
思ったよりもキャラ同士の関わりはあるのか
それと基本支給品の奪い合いってのも珍しいなw
577 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/23(月) 23:03:55 ID:sjYgeeQR
追加で志々雄予約します
578 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/24(火) 12:31:25 ID:N/I566WG
延長します
579 ◆jU59Fli6bM :2009/03/24(火) 16:36:18 ID:xQPIs8v0
日本WBC連覇記念!CMさんのSSが通るそうなのでKAITO予約します

それとしたらばについて少し。
予約が把握しにくいとあったので予約スレを立てようと思うのですが、
その場合本スレで予約は入れないようにして、一本化するってことでいいんですかね?
あと規制で本投下できない方は、仮投下スレではなく避難所へよろしくお願いします
580創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 16:55:47 ID:+9T3ndiQ
そういう方向でいいと思います

避難所の方へ本投下してもらえれば代理投下していきますのでよろしくです
581創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 16:58:26 ID:+9T3ndiQ
忘れてた
現在の予約一覧

◆CMd1jz6iP2 墓場組、チーター組、フラン、ゆとり(仮投下済)
◆/4zBz3jiVQ ビリー、チルノ、ドナルド、タケモト、レン、美鈴、メタナイト、バクラ、言葉、藤崎(延長)
◆KX.Hw4puWg ミク、トキ、ブロリー
◆sh/9YAh26Q 越前、DIO  志々雄(追加)
◆jU59Fli6bM KAITO
◆SHdRN8Jh8U 雄山
582 ◆jU59Fli6bM :2009/03/24(火) 17:16:22 ID:xQPIs8v0
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12373/1237882178/l50
立ててきましたぞ!
以降予約や予約まとめはこちらのスレでお願いします

>>581
まとめ乙です。
>>549の予約が抜けてるかも
583創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 19:43:07 ID:5VH5KOHv
>>582
お疲れ
584創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 04:13:49 ID:fdtBMPbO
WBC見てて頑張ってテンション上がったまま書いたらこんな時間になってた。
俺の休日\(^O^)/
と、いう訳で投下します。
585トキが危険を修正するようです ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:15:05 ID:fdtBMPbO
藤崎達が立ち去って既にかなり経っただろうか。
相変わらず、二人の膠着はピークに達していた中、トキは、焦りを感じつつ、一人考えていた。

「(相手の出方を見る、にしても、確実に奴は強い。刹活孔も突いてる故、時間も無い…!)」

先程覚悟の上で突いた刹活孔もこれでは意味が無い。今はトキもブロリーも、双方に動く気配は無い。
ならば、早めにこちらから決めるしか無い。

「…行くぞ」

出来る限り、今の自分が出せる最大限の速さでブロリーに攻撃を仕掛ける。
得意である秘孔は、見る限りは全く効かない様に見える為、自らの手を手刀の形にし、攻撃をする。

「…そんな攻撃は効かぬぅ!」

ブロリーは素早く反応し、トキの攻撃を片手で受け止める。
だが、トキは最初からブロリーに攻撃を当てる気は無い。むしろ受け止められて正解だ。
今ブロリーの片手は、自らの右手の攻撃によって塞がっている。
だからその時に出来る、あのカズヤが残してくれた、ブロリー唯一の弱点を、自らの手刀突く!

「そこだッ!」

586トキが危険を修正するようです ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:17:24 ID:fdtBMPbO
左手に気を纏い、上半身のバネを最大限に使い、弱点である腹ただ一点を狙う。
だが―――

「遅い!遅すぎるぅ!」
「何だと…」

彼が突いた場所にはブロリーはおらず、トキから少しほど離れていた。所謂、避けられたという訳だ。
ブロリーとて馬鹿じゃ無い。学習はする。
既に何度も戦闘し、何回も突かれた弱点を、おいそれと攻撃されるのを見るだけじゃ無い。
―――ここでは大きすぎた、トキのミスである。

「一気に決めてやる!ハァッ!」

距離を取った場所からひたすら撃たれる気弾。
トキはそれを全てまるで清流の様に、避け続ける。

「(…この隙を突ければ良いのだが…この状況では無理に近いか…?)」

カズヤが命を懸けて残してくれた弱点さえも攻略された今、トキの勝機は0に近い。
ましてやこのまま避け続けるのにも限界がある。
着々と自らの病魔が、体を蝕んでいく。
それでも彼は自らの体に何度も無理をさせる。いや、せざるを得なかった。
受け継がれた意思を―――ここで途絶えさせる訳にはいかないと。

「…どうしたぁ?避けるばかりでは、俺は倒せんぞ!」

ブロリーが、遂に自らこちらに接近してくる。
気弾を放ちながら目にも止まらぬ速さでこちらに迫るブロリー。
トキが勝つ勝機は、今しかない!

「…ぐぅッ!」

トキもブロリーと同じ様に、あえて気弾に当たりながら、ブロリーに接近する。
この一撃で、勝負は決まる。

「はああああ!」
「ぬうううう!」

ぶつかり合う両者。互いに繰り出される拳。
その拳を受け止め、そしてその隙をつき、また受け止め…の繰り返し。
だがここで、トキに限界が来る。

「…ぐッ!」

ただでさえ病弱な体である。
それを酷使しているのだから、既に限界は越えていた。
ただ、そのツケが来るのが、最悪のタイミングで訪れてしまった。
587 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:18:41 ID:fdtBMPbO

「ハハハ!その程度かぁっ!」
「…しまっ…!」

その隙を突かれ、その瞬間、自らの体に衝撃が起こる。
あり得ない様な音を出し、トキはまるで紙の様に、ブロリーの拳によりその体をふき飛ばされた。

「(流石に酷使しすぎたか…)」

かなりの勢いで、トキは地面に叩きつけられる。
受け身も取れる力も無く、ただ自らの意識のみが残っていた。
着々と近付いてくるブロリー。薄れて行く意識。

「…ここまでか」

そう呟いた後トキは、自らの目を閉じた。




588トキが危険を修正するようです ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:19:49 ID:fdtBMPbO
…筈だった。

「あははははは!大の大人二人で、馬鹿臭い事やってる!」

とてつもなく巨大な声で笑う、やけに長い髪の少女。
だが、突然現れた彼女の笑いは「喜び」や「笑い」では無く、「狂気」のものだった。

「なんだぁ…?俺の邪魔をす「うるさい!」「へあっ!?」

突然の乱入者に怒っていたブロリーの言葉を、少女は自らの言葉で遮り、ブロリーは思わず怯む。
少女はその狂気で歪んだ顔のまま、単調な声で喋り始める。

「あなた達って、嘘吐きさんなの?
それとも、私を殺そうとしてるの?
それとも、私を憎んでるの?
ねぇ、どれなの?」

歪んだ顔や声は、戻る兆しは無い。
そんな中、トキには気付いていた。
目の前のブロリーが、少女に対して、気弾を放とうとするのを。

「(…このままでは、あの少女は…!)」

間違いなくあの華奢な体型では、少女は簡単にふき飛ばされてしまうかも分からない。
後ろに居る生きている植物も、無意味に近いだろう。
だからといって自らが行きたいのだが、既に体が動かない。

589トキが危険を修正するようです:2009/03/25(水) 04:20:49 ID:fdtBMPbO
「(一体、どうすれば…!)」

ふと、トキは背負ったままだったディバックの支給品を思い出す。
少し前の時、中身を見た時にあった、「指定した人物を他のエリアに飛ばす」という支給品。

「(確か、あった筈だ…!)」

気付かれぬ様、素早くディバックを目の前に置き、袋を開け、中を探る。そして、遂に見つけた。

「これか…『エリアジャンプスプリクト機能』…!」

白い小さい機械だが、これで少女を救える。
自らの命はどうでもいい。
目の前の命を救う、藤崎達を含めた命を救う。
それが出来たのなら、トキには誇りだった。

「エリアジャンプスプリクト、発動」

説明書にあった使う時に言う言葉を言った後、少女が跡形もなく消えた。
…それだけならば良かった。
次に、目の前のブロリーが消えた。

「…!?しまった!?」

トキはここで何か重大なミスを犯してしまった事に気付くが、時既に遅し。
遂に自分さえも消え、そこには何も残らず、ただひゅおうと風が草をなびかせるだけであった。

◇◇◇
590トキが危険を修正するようです ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:21:51 ID:fdtBMPbO

トキの重大なミス。それは支給品の使用によるミスだった。
急いでいたのか、彼は忘れていた。
「指定した人物を他のエリアに飛ばす」と書いてあるのだが、彼はただ発動させただけ。
すると、支給品は「使用者周辺の参加者全員」と解釈してしまった。
その結果がこれである。
…果たして、彼等が行く先は何処なのだろうか。
それを分かるのは、誰も居ない。

【B-3/西部 草原/一日目・午前】
【トキ@北斗の拳】
【状態】肉体疲労(大)、罪悪感
【装備】なし
【持物】支給品一式×2、ショートカッター(残り一枚)@ドラえもん、エリアジャンプスプリクト機能(現在使用不可能)@ニコニコ動画、不明支給品0〜1
【思考・状況】
[基本思考]
死ぬまでの間に多くの人を救う。
1:ブロリーを倒し、少女を救う…筈だったのだが…
2:強者と戦うが殺害はしない。
3:ビリーともう一度戦う。
4:これからどうなるのだろうか…
※刹活孔の効果時間は切れました。

591トキが危険を修正するようです ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 04:25:09 ID:fdtBMPbO
【ブロリー@ドラゴンボールZ】
【状態】疲労(小)、全身に軽い怪我、右足首骨折 、腹に深刻なダメージ、少しの焦り
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考・状況】
[基本思考]
全てを破壊しつくすだけだぁ!
1:まずトキから血祭りにあげてやる…と、思ったのだがこれは一体なんだぁ…?
2:腹の攻撃を極力避ける。
※腹への攻撃に対して対処出来る様になりました。
【初音ミク@VOCALOID2】
【状態】混乱(大)、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
【装備】ルイージの帽子@スーパーマリオシリーズ、魔導アーマー(左腕欠損、武装チャージ中1/2)@FF6
【道具】基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
【思考・状況】
[基本思考]
重度の疑心暗鬼により、不明
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。

【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
【状態】大ダメージ(移動と戦闘に支障はない。ドレインの効果で再生中)
【思考・状況】
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……
3:一体どういう事なんだろ…?

※三人の行く場所は別々です。
【エリアジャンプスプリクト機能@ニコニコ動画、オリジナル】
指定した人物を、発動した人物が居るエリアの、横ラインに向かってのエリアに飛ばす。(D-3で発動した場合、A-3、B-3、C-3…の様な感じで)
勿論自分が居た場所に戻る事もある為、ギャンブル制が高い。
人物を指定しなければ、発動した人物の周辺全員を飛ばす。
592創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 05:06:15 ID:6yRD0hPL
投下乙
まぁこんな感じかな
あとエリアジャンプスクリプトって何度でも使用できるの?
もしそうだったら結構強い支給品かもしれないね
593創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 05:12:13 ID:MQKeZWom
とりあえず「禁止エリアに飛ばせない」と、「使用間隔の制限」は必要だと思う。
594 ◆KX.Hw4puWg :2009/03/25(水) 05:18:37 ID:fdtBMPbO
支給品説明の追加。
一度使用すると24時間は使用出来ない
と、
禁止エリアには飛ばせない、
を追加で。
595創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 06:00:15 ID:MQKeZWom
指摘がないようなので避難所に投下されたSSを代理投下します。
596創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 06:01:07 ID:MQKeZWom
名前:おめぇの探し物ねえから! ◆SHdRN8Jh8U[sage] 投稿日:2009/03/24(火) 18:18:44 ID:srZMv0hM0
塚モール――それは雲之間信三(初代)によって940年に創設された大型総合百貨店である。
グローバルな出店を基に世界各地の卸売業と良好な関係を築いているために、世界の最新ブランドをいち早く取り揃えることができる。
従業員は29092人、売り上げは14兆8,921億43百万円と言った世界でも最高峰の百貨店なのだ。

そんな塚モールの前に一人の男がやって来る。

「ふむ…ここが塚モールか?」

ようこそいらっしゃいませ!ご主人様と書いてある看板を横目に、歩いていくる男の名は海原雄山。
それほど高さは高くないが、見るからに高級感溢れるモール。
彼がこの塚モールに来たのは、他の参加者に会うためと真の至高のメニューと朝食の材料を取りに来たのだ。
支給された食料は彼曰く――こんな不味い物食えたもんじゃない。


それ故に自らの朝食は勿論、真の至高のメニューもこの会場から集め作る気でいたのだ。
桑の実はあるが、それだけでは足りない上に調理道具も無い。

昼前になっても誰にも会えない雄山だが、それでも一番の目的を達成できる感じがし少し落ち着く雄山。
彼はいろんな意味で意気込みながらも塚モールへと入っていった。

「何だ、これは!?」
入るなり大声を上げる雄山、彼の目前に広がっていたのは想像とは余りにも違う光景だった。
まず一番最初に、目に入ってきたのは朝鮮車と書かれているポンコツの車。

雄山は一応それを見てみるが…どう見ても動きません本当に有難うございました。

そのポンコツの車から目をそらし、いろんなところを見てみる。
しかし彼が望む物は何一つ無くそれどころか…世界で一等いかしたバー、世界で一等愉快な木と書いてあるやたらに長い木達。
ご丁寧な事に、値札まで張られてあった。

「ふざけるな!食品は何処にある!?」

余りにも彼にとっておふざけが過ぎる数々の商品。
彼は1Fをあちこちを探し回るが、何処もかしこも世界で一等いかしたバーと世界で一等愉快な木で埋め尽くされていた。


「おのれ!!これだけふざけた商品ばっかり集めているのは初めてだ!!」

こんな建物を用意した主催者に更に怒りを覚えつつ、まだ探し回る雄山。
結局まだましだったのは、佐賀⇔ソウル間の往復航空チケットだけ。
これも役に立たないが何か手にいれないと彼の気がすまないからだった。


そんな雄山の目の前になんとエレベーターと何か書いてある看板。
看板には各階の売っている商品と入ってるテナント名が書かれてある。


「ふむ?屋上が道明寺、なんだこれは?食料は…」


看板を見てみると地下も含めて10階。
一番地下には格納庫と書かれており、それを押したがブーと音が鳴って行けず、結局すぐ下の食品フロアを押して来るのエレベーターを待つ。
597創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 06:02:27 ID:MQKeZWom

少し待ちながらふと前を見ると紙が張っているので、見てみると…

                

塚☆モール求人案内
あなたも塚☆モールで働いてみませんか?
                    
募集職種
・弾幕職人、歌詞職人:時給1000ぺリカ〜2000ぺリカ
・その他各職人:時給500ぺリカ〜700ぺリカ
・一日一時間週一から応相談 8時〜24時
・未経験者大歓迎!丁寧な研修がないので心配
・制服貸与、社会保険不完備、有給休暇・昇進なし。
お気軽にご応募ください。




「…………………」
もはや何も言えない雄山。
一体どうして主催者はこんなふざけた建物を用意したのか?

それよりも主催者に怒りの咆哮をぶつけたい雄山は思いっきり叫ぶ。


「こんなモールは邪道級の邪道だ!!!!!!!!」
【【C-4 塚モール内部エレベーターの前/1日目・昼】
【海原雄山@美味しんぼ】
[状態]:主催者に対しとてつもない激しい怒り、激しい焦り
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、桑の実(10/10)@現実、至高のコッペパン×10@ニコニコRPG、A-10のマニュアル(英語)@現実?(おじいちゃんのエースコンバット6)
ニコニコ列車のダイヤ表、佐賀⇔ソウル間の往復航空チケット@塚☆モール
[思考・行動]
基本思考:主催者に文句を付け、真の至高のメニューを味あわせてやる。
1:こんなモールは邪道級の邪道だ!!
2:エレベーターに乗って、食料品フロアに向かう。
3:人を探しに東へと向かう
4:初音ミクという少女の事を言っていた男に対しての疑い
5:…人に会いたい
6:「ライト」を持っている人に注意する。

※糸色のダイングメッセージである「ライト」を確認しました。
※入り口に置いてある朝鮮車は何らかの方法を使わなければ動かせません。


※【佐賀⇔ソウル間の往復航空チケット@塚モール】
株式会社塚☆モール百貨店の代表的な取扱品。
なんと佐賀⇔ソウル間のチケットが塚モールで!?
598創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 06:03:12 ID:MQKeZWom
代理投下終了。
599創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 11:50:37 ID:0r5gAZzz
投下乙。雄山はいつになったら他の参加者に会えるのか…
あと1つだけ、
>それほど高さは高くないが、
ここは「それほど高くはないが」にした方が良いのでは?
600創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 13:49:43 ID:nDnn4ff/
そろそろ次スレの時期かな
601 ◆/4zBz3jiVQ :2009/03/25(水) 14:00:44 ID:SrAKXUyT
首輪の考察が入っているので一応仮投下しました。
問題があったら言ってください。
602創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 16:04:29 ID:M6xOQUu8
雄山がいつ他の参加者と接触するか賭けでもするか?w
603創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 16:41:05 ID:vATaY51v
トキはとんでもない二人を飛ばしてしまいましたw
604創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 17:02:01 ID:1PKVpOSD
あれ?
三人とも別々のエリアに飛ばされたの?
それとも同じエリア?
605創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 17:02:51 ID:1PKVpOSD
ごめんsage忘れた
606創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 17:08:30 ID:/CdMo8fx
別々って書いてあるよ
607創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 19:21:04 ID:1PKVpOSD
ごめんちゃんと読んでなかった
608創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 21:31:26 ID:7T4UrUOS
次スレの時間だよ
609 ◆sh/9YAh26Q :2009/03/26(木) 01:18:39 ID:XlOM++v5
延長します
610 ◆CqqH18E08c :2009/03/26(木) 02:05:38 ID:fC0LvRzS
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12373/1233851882/635-639
新しい施設(?)というか場所を出したので仮投下しました

書いてて面白いと思ったキャラは過去たくさんいたけど書いてて怖いと思ったキャラはアカギが初めて
俺が書いてるはずなのにアカギから「俺の思考がお前ご時に読めるのか……?ククク……」とずっと言われてるような感覚がしてならない
611 ◆xHiHmARgxY :2009/03/26(木) 06:14:48 ID:6DtqpLCA
すみません。予約延長します。
612 ◆CMd1jz6iP2 :2009/03/26(木) 09:21:18 ID:XOgQ+Amf
仮投下スレに修正投下しました。
あれで大丈夫なようなら代理投下お願いします。
前後半別れるなら仮投下の662から後半で。
このスレの容量足りるでしょうかね?
613創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 09:27:38 ID:fC0LvRzS
足りないと思います

次スレもこの板でいいんですかね?
614創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 10:20:00 ID:5s9zNSJn
それはまだ分からないね
議論する必要があるんじゃないかな
615創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 10:23:06 ID:fC0LvRzS
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12373/1234172049/
それじゃ残り容量もまずいですしこちらの方で話し合いましょうか
616 ◆xXYSQ1AN6E :2009/03/26(木) 17:58:21 ID:sXYvIEMJ
蛇兎タッグの投下、行きます。
容量が割とギリなので入りきらなかった場合は避難所を使わせてください。
スネークは施設の位置関係を大まかにとはいえ頭に叩き込んでいる。
地図を確認するその瞬間は隙だらけになるからだ。もちろんまったく確認せず行動するわけにはいかないが……
被害妄想といえばそれまで。だが、そんな言葉では済まされないのがスネークの生きてきた世界だった。
さて、記憶が正しければ病院は図書館から見て南西方向にあったはず。
さらに自分の行動を振り返る。駅から南下し、かつ橋を渡っていないのなら現在地はおおよそB-5といったところか。
ならば病院へ寄り道するのも悪くない。図書館に行く片手間ですむ。
医薬品や消毒薬、包帯といった救急道具が手に入ればこの先大いに役に立つことだろう。
それに因幡てゐの怪我も処置しておきたい。……むしろこっちが本音だったりする。

(しかし、このようないたいけな子供まで参加させられているとはな……)

誤解もはなはだしいが、てゐ自身が千年生きた身であることを明かしていないのだ。
スネークの思考も無理からぬこと。見た目幼女ゆえ致し方なし。
殺し合いというからには参加者は少なくとも殺し合いに耐えうる肉体、精神、そして実力を有していると考えていた。
ふと、後ろを振り返る。跳ねながらついて来るこの少女、確かに実力はある。だが、その心は未発達のはずだ。
少女は純真であってほしいと思っている。復讐に生きるその姿はやはり胸が痛む。

(と、何を感情移入しているんだか……)

まだ、信頼できると決まったわけでもないのに。
そもそも戦場に感情を持ってくると生死に関わる。
だが、それでも願わずに居られない。
人の言うことを良く聞く素直で、どこにでも居る普通の少女であってほしいと。
彼女には花のような笑顔が一番似合うと思った。
因幡てゐは幻想郷でも人を、妖怪を騙してきた。
鈴仙なんていいカモである。
だからこそ、だ。振り向いた瞬間、真っ先にスネークの顔色を観察した。

(うんうん。割と心は傾いているわね)

短時間の成果としては上々といったところか。
堅物な印象があったので、もっと苦戦すると思っていたが……
どうやら強面の顔つきや隙のない立ち振る舞いとは裏腹に中身は人間味あふれているようだ。

(この分なら『特等席』は十分狙えるわ)

かぐや姫の話は有名だろう。
哀れな5人は蓬莱山輝夜の愛を得るために身を捧げ、敗れていった。
このとき輝夜が図らずも座っていた場所こそ……『特等席』というべきなのだ。
そう、『特等席』を得ることができたならば、座りし者は最大の恩恵に与れる。下僕ができるようなものだ。
本来なら恋人や家族が座るのだろうが……スネークの『特等席』は私が座る。
彼には『全力』ではなく『死力』をもって、見返りなき奉公を捧げてもらおう。
(で……その障害になるのが)

知り合いである。彼女らは自分の本性を知っている。
その彼女たちと遭遇する可能性は会場の広さを鑑みるに低いといえる。が、ゼロではない。
因幡てゐの正体をスネークにリークされてしまえばそれまでだ。
今までの努力は全て水の泡となり、スネークの警戒心は強くなる。
さすがに銃弾が飛んでくことはまずないだろうが……
いずれにせよ『特等席』に座る機会は永遠に失われるであろう。

(スネークが問答無用で撃ってくれれば話は早いんだけどね……)

残念ながら彼が殺害に踏み切るならば『自分が』危険人物と判定したときである。
他者からの情報のみを根拠に殺人へと踏み切ることはありえない。
たとえ自分の情報が漏れても殺されることはないと考えた根拠でもある。
だが、それでもせっかく手に入れたチャンスだ。
同じ機会が2度あるとは思えない。
ここは最大限の利益を上げたい。
(でも具体的にどうする? 私は曲がりなりにも『強がる子供』だから打てる手は限られるわ)

実力行使――論外だ。
相手は何れも幻想郷の住人であり、一筋縄ではいかない。
返り討ちにあう可能性は高いし、それ以前に努力が水泡と帰す点が変わらない。
本末転倒である。

スネークの危機感を更に煽る――これも駄目だ。
今になって情報を後出しする……どう考えても不自然だ。
それに私はあの5人と深い付き合いがあるわけじゃない。
鈴仙のように素性を詳しく知っているわけではないのだ。
よって、大きな嘘が必要となる。
当然、そんな嘘は失敗しやすく実用性など皆無。しっぺ返しも怖い。
無用なリスクは背負うべきではない、却下。

こうなれば手詰まりに見えるが――ここで経験が生きる。
夜神月との舌戦は記憶に新しい。
もし彼が『地雷』を踏まなければ、死んでいたのは果たしてどちらだったか。

(憎いけど認めるわ、夜神月。あなたは"人間の割に"賢かった)

話し合いのイニアシチブを握り、先手を打つ。
相手の暗部を強調し、信用を落としてしまう。
美鈴やフランドールは"あの"十六夜咲夜の仲間なのだ。ことさら有効なはず。
新聞屋だって自らの活動に誠実とは言いがたい。不正確な情報を売る情報屋、といったところか。
信用されぬ者がいかに私の悪評を叫ぼうが痛くもかゆくもない。受け流せるはず。
騙すのとは趣が異なるが――何もしないよりはマシだ。
殺人については今まで以上に慎重になるべき……というよりスネークに覚られないよう念入りに下準備すべきだ。
知られたときは「相手がゲームに乗っていた」と言い訳するつもりではあるが、どうにも苦しい。
それに事実ならともかくとして自分から襲った場合はどこに穴があるか分かったもんじゃない。
利用していたはずのスネークに撃たれる、なんて最期はあまりにも間抜けすぎる。
スネークの了解があればこの限りではないが――確実に殺せ、かつ事実の隠蔽が可能……これが殺しの最低ライン。

まあ、今後の身の振りはこんなところか。
そうだ、『少女』の演技に平行して彼自身の情報を引き出す努力も行おう。
付け入る隙さえ見つければ『特等席』に座るのも難しくな――

――妖精の悪戯とは異なり

ふと、いつか聞いた言葉が頭をよぎる。
いったいどこで耳にしたのか。

――貴方の場合は程度の低い詐欺なのです。

だが、深く考える必要はないし、そんな余裕なんてない。
過去を顧みている状況ではないのだ。生き延びるため、未来を見据えなければならない。
目指すべき図書館のある東の空は澄んでいた。
さて、ここでひとつばかりてゐが最も失念している事項を示そう。
あらゆる場面において古今東西、他者を騙し続けることができた者は存在しないのだ。
いかに巧妙に仕組んだとて、それが虚像ならば破綻は必然。

――貴方は私が裁く前に

幸運の素兎とは思えぬ悪評が幻想郷に広く浸透していることからもそれは伺えるだろう。
閻魔とて花の異変に際し、てゐに対し警告ともとれる説教を行っている。

――誰かに皮を引ん剥かれるでしょう

人間は……彼女が思うほど愚かでは、ない。
なまじ幸運が重なってために錯覚したのだろう。世界は自分の思うとおりに回っていると。
だが世界は全ての存在に対し残酷だ。彼女の企てはまさに薄氷というべきもので。
因幡てゐは己が策の危うさに気づいていない――
【B-5 平原・東/1日目・午前】
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
[状態]:疲労度中
[装備]:コルトパイソン(弾数2/6、予備弾36/36)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング
[道具]:支給品一式、馬鹿の世界地図@【バカ世界地図】〜全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ〜
愛犬ロボ「てつ」@日本直販テレフォンショッピング、やる夫の首輪、アポロのクロスボウと矢筒(16/20)@チーターマン、ハイポーション@ハイポーションを作ってみた
咲夜のナイフ@東方Project(18/18)、さのすけ@さよなら絶望先生
[思考・状況]
0:情報集めを優先
1:図書館に向かう途中で病院に寄って、てゐの頭の傷を処置したい。包帯や医薬品、消毒薬なども確保する。
2:オフィスビルに行く前に図書館に向かい、バクラ・言葉を本当に危険人物か否かを確認した上で危険人物なら排除する。
3:自分からは攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃はしたくないが
明らかに十六夜咲夜のような奴居れば、仲間になろうと呼びかけ、情報を手に入れたら倒す。
4:てつを使って、偵察、囮を通じて情報を手に入れる。
5:まともな服が欲しい。
6:因幡てゐは、邪魔にならないのならば連れて行く。 てゐの首輪が白くなったら、殺し合いに乗っている者を殺させ延命させる。
7:十六夜咲夜、紅美鈴、フランドール・スカーレットを強く警戒。
8:専門の奴に首輪を見てもらう必要があるな。
※参戦時期はオセロットに拷問された直後からです。
※馬鹿の世界地図の裏に何か書いてあります。
※初音ミクが危険人物であるという情報を得ましたが、その情報を完全には信用はしていません。
※盗聴されてる可能性に気づきました。また首輪に電波が送られてるか、意思が有ると考えています
※チャフグレネードを作るか、電波塔のようなものを破壊すれば首輪を安全に外せると思っています。
※因幡てゐの素性をどこまで知っているかは後の書き手に任せます。少なくとも千年以上生きていることは知りません。



【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:頭にたんこぶ(出血は止まりました)
[装備]:プレミアム会員専用首輪(黒色)、てゐの木槌@東方Project、防弾チョッキ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
0:スネークを利用し、首輪が白になれば誰かを殺す。スネークに疑われたくないので、出来れば弱いマーダーを優先。
1:図書館へ向かい、バクラ・言葉を殺害する
2:バクラ、言葉を強く憎悪。特にバクラは絶対に許さない
3:何をしてでも生き残る。そのためにスネークの『特等席』を確保する
4:ベジータを警戒
5:スネークに隠れての殺人は『確実に殺せて、かつ事実を隠蔽できる場合』に限定する
※桂言葉に伊藤誠を蘇生させてと頼まれました。
※弾幕に制限を掛けられているのを知りません。
※スネークに自らの素性をどこまで明かしたかは後の書き手に任せます。少なくとも千年以上生きていることは伏せています。