1 :
941 :
2009/02/21(土) 20:35:09 ID:naA/5b+n
ピピッ!
レーダーに反応!? この
>>1 ナゾエネルギー量はまさか・・・乙マシン・・・!
>>1おつ〜
>>1 乙
なんとなく昔考えたロボットモノを堀起こして登場シーンまで書いてみたんだが
気づいたら3000字ちょいになっちゃってたんだけれど投稿してもいいかな
それともtxtでアップロードした方が良い?
ここでいーじゃんすげーじゃん!
夜とか人が多いときに支援頼んでから投下したらいいと思うよ
1レスだいたい60行として、何レスくらいになりそう? 改行以外の文字制限ってあったっけ
1レス4KBまでだよ
ありがとう。 つまり俺の計算によれば・・・うーんと、うーんと・・・ 分からん!
とりあえず前スレを999まで埋めてきましたが、よかったですかね?
おっおー
ウッウー
15 :
>>5 :2009/02/23(月) 21:38:38 ID:tU9aa4Le
誤字脱字の調整と行数調整してるんで今日は無理くさいです ごめんなさい
>>16 え、楽しみにしているモノを待つ時は、全裸になるのが常識だろ?
服着た。
>>17 馬鹿野郎。
紳士たる者、ネクタイと靴下はちゃんと着用しておくべきだろうが。
ニーソと首輪じゃだめかな?
まあ、それはさておき。 前スレの終わりで技名に協力してもらった者だけど、まずはありがとう。 インスピレーション的な意味でもすごく参考になった。 ロボットの設定だけ投下しておく。まだタイトルも未定で、あちこち(仮)が取れないけど。 ◆スプリガン 異世界からの侵略者“魔族”に戦いを挑む青いロボット。体高5メートル、体重4トン。 冷静沈着な男性人格を宿し、自らの意思によって振る舞う。 車輌形態(スーパーカーフォルム)から変形し、前腕と下腿にタイヤを持つ。顔には目鼻口がある。 人類の敵を予見した謎の人脈が、ロボット兵器の格闘戦遂行実験機として製造した。 本機の挙動から得られるデータは、ハード/ソフトの両面で重要な役割を果たすことになる。 中でも格闘術に関しての蓄積は膨大であり、流派超重延加拳(ちょうじゅうえんかけん)を確立しつつある。 動力システム・エーテルドライブは、地球上にあまねくエーテルの力を借りると説明されるが、詳細不明。 ほか、構造強化や光速反応など特殊な機構を幾つも備えており、技術の来歴は謎に包まれている。 以上。国籍やら科学非科学やら、このままカオスにするか統一性持たせるかは決めあぐねてる。
いつも自分が寝ている間にスレが進むのはどういう事なのだ……!
スプリガン……ネーミングセンスあるなぁ
分類的にはスーパー系でしょうか?
さて、
>>5 さんはどんな作品か……
その昔、「精霊戦士スプリガン」というロボットSTGがありましてねえ……。
>>23 そんなのもあったなあ。俺はアーカムのエージェントのほうを……
あ、因みに自分はダンバインのほうを…… って0時以降の話題!?
アーカムのしか分からんけどw 伝説の巨人(?)の中からそれっぽいのを探してきた。 分類はたぶんスーパー。もとはデッカードみたいなイメージだったけど、見る影もない。
28 :
CR 1/5 :2009/02/24(火) 00:02:56 ID:ZeJWniRn
モノが焼ける臭い。 たんぱく質の燃える臭い。 死を身近に感じさせる臭い。 そんな臭いの中で黒峰潤也は目を覚ました。 「う…。」 意識が朦朧としている。潤也は何が起こったのかを思い出そうと、深呼吸した。 それと同時に煙を吸い込み、咳き込む。パニックを起こしていて思考がまとまらない。 何が、一体何が起こっている。 ポケットからハンカチを潤也はポケットからハンカチを取り出して口を覆った。 周囲を見渡す。辺り一面焼け野原だ。 何故こんな所に自分はいるんだろうか…。 そう思った時、潤也は先ほどまで何をしていたかを思い出した。 父と母と妹で旅行に来ていたのだ。最近話題の秘湯があると旅行雑誌に書かれていたのが発端で、母の誕生日祝いに妹と自分で金を出し合い家族旅行に行く事になった。 そうしてこの地にやってきて、家族で散策をしていた筈だ。 ならば、何故、そう何故ここにいる? 夢でも見ているのだろうか…周りはまったく知らない風景だ、こんな焼け野原知るはずも無い。 ここから早く離れなくては…。 そう思い、潤也は歩を進めようとした。 その時、足に何か違和感があるのを感じた。なにかをつま先で蹴飛ばしたのだ…。 何かと思い潤也はそれを見る。それは長い棒のようなものだった。 ところどころに薄いピンク色があるが全体的に黒く焦げ、その先端の方は五つに分かれて―― 潤也は思わず胃の中のものを吐き出した。 それが何かを認識してしまったのだ。ちぎれた人の腕だと…。 そしてその手首には見覚えのあるものがある。 銀色の時計。 それは確か、自分が誕生日に――― 「ああ、ああ、うわぁぁあぁぁぁぁ。」 潤也は虚空を見上げて泣き叫んだ。 一体何が、何でこんな仕打ちを…。 その時、潤也は他の家族の事のことが脳裏によぎった。 母と妹はどうなったのか? そうだ、生きているかもしれない。 そう思い周りを見渡すが、それらしい影は無い。だが、それはまだ自分が探し足りないだけなのだろう。 潤也はそうであると信じ家族を探し続けた。 だが、見つかるのは人の死骸ばかり、それが家族のものか焼け焦げているものもあり、わからない。 潤也が疲労から意識を失って倒れたのはそれから6時間後だった。 そしてその6時間の間、潤也は家族を見つけることが出来なかった。
29 :
CR 2/5 :2009/02/24(火) 00:03:45 ID:ZeJWniRn
日は暮れて雨が降り注ぐ中、潤也は目を覚ました。潤也は立ち上がり、周りを見渡す。 光景は変わらない。焼け焦げた大地に、父の焼けきれた腕。 潤也はせめて意識を失っている間ぐらいは幻想でもいいから幸せな夢が見れたらよかったのにと思った。 もはや潤也に家族を探す意欲は無かった。自分の足で行ける範囲の場所は全て探したが、見つかるのは焼けた人間の死骸ばかりだ。 その死体のどれもが燃えており、もはやそれが誰であるかを確認する事が出来なかった。 「――ハハハ。」 わけのわからない笑い声が潤也の口から漏れる。 潤也は自分が壊れそうになっているのを予感する。 もう駄目なのだ。思考がこの状況についていかない。目が覚めたら叩きつけられたのは家族の死と焦土と化した大地という現実。 何が起こっているのかもわからない。 何をすればいいのかもわからない。 何にすがればいいのかもわからない。 わからない、わからない、わからない、わからない。 何もかもがわからない。 そうして黒峰潤也という存在が壊れそう時になった時、それは起こった。 大きな、そう大きな風を切る音が聞こえたのだ。潤也はふと音のした方を見つめる。 そこには鳥の――鳥のような姿をした何かが飛んでいた。 だが、それは鳥というにはあまりに大きいモノだった。 色も生物味の無い歪な銀色で、生物というよりは―――― 「機械…なのか…?」 潤也は疑問を呟く。 鳥の腹部に赤いモノが点滅しだしたのを潤也は視認した。周りが暗いため、その点滅する赤は非常に目立っている。 その赤い何かは鳥の腹部から離れ地上に向けて落下し始める。そしてその赤い何かが大地と接触した瞬間、潤也の視界は真白な空間に包まれた。 それが光で目が眩んでいるのだと気づいたのは鼓膜を破裂させんばかりの大きな爆発音が鳴り響いた時だった。 あまりに大きな爆発音…真白な光景の中で潤也は思い出す。 自分が今日の最初に意識を失った時に聞いたのと同じ音である事を…。 潤也の真白な視界が少しづつ色を取り戻し始める。 目の前に映るのは赤色だった。淡い赤、それに赤から立ち上る黒に歪む空間。 ああ、そうだ、燃えているのだ。 遠方にあった都市が…。 そして、潤也はあの鳥のようなものが爆弾のようなモノを投下したのだと理解した。
30 :
CR 3/5 :2009/02/24(火) 00:04:52 ID:ZeJWniRn
「そうか、そうなのか…そうなのか。」 そう呟き思わず笑みが漏れる。 そう、純也は認識した。 目の前で起こっているものが何なのかを…。 そう、潤也は把握した。 何によってそれが起こったのかと…。 そして、潤也は理解した。 何が自分の家族を奪ったのかを!!! 「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる!!」 潤也は目から涙を流し、歪んだ笑みを浮かべながら言葉を漏らす。 そして、遠くに飛び去る鳥のような機械を睨んだ。 その姿を忘れぬように…永遠に心に刻み付ける為に…。 ドオン!!ドオン!! その時だった、大きな音が大地から起こったのは…。 何かが大地を地下から叩いているのだ。 ドオン!!ドオン!!!ドオン!!! 音はさらに大きくなる。 それは何かが現れる予兆なのだと潤也は思った。 あの空飛ぶ機械の仲間だろうか…。 ならば都合が良い、探す手間が省けたというモノだ。 ドオン!!!!!! 音とともに地下から大きな土煙が上がった。飛翔した焦土は辺り風景を焦げ茶色のパウダーで埋める。 そして飛び上がらされた力が重力に負け、焦土は大地に降り注ぎ始めた。 大地に土は降り、一つの形を形どっていく…否、その降り注ぐ焦土の中にいる何かがいるのだ…。 だが、それを視認することは出来ず、大地に落ちた砂は大きな砂煙となってあたりに蔓延を始めた。 潤也は目に砂が入らぬように腕で目を覆う。 焦土が突風で吹き荒れ、潤也に襲い掛かった。 「ぐっ。」 吹き荒れる砂が肌にぶつかり、潤也に痛烈な痛みを与える。 痛烈な砂嵐の中で潤也は金属が軋む音が鳴るのを聞いた。 その時だった。 潤也の頭に何かかが、そう頭に何か小さな音が鳴るのを聞いたのは…。 正確には聞いたというよりも感じたというべきなのかもしれないが、そう接触は音だった。 旋律ではなく、音。 ただ、ピッピッとなり続ける単調でさざ波のような電子音。 少しづつリズムが変わっていく、それと同時に音は大きくなっていく…。 少しづつ…少しづつ…少しづつ…。 潤也は次第に大きくなる音に頭を抱えた。自分の中に何かが入ってきている、いや、入ろうとしてきている。 その単調な音は満身創痍だった潤也の精神にさらに大きな負担をかける。 音がオーケストラホールで鳴るような大きな音になっていく…。 やめろ、やめてくれ、これじゃあ、俺が壊れてしまう。 その時だった、音が鳴り止んだのは…。
31 :
CR 4/5 :2009/02/24(火) 00:07:01 ID:ZeJWniRn
「うぁぁぁああああああぁぁぁぁああああああ!!!!」 音が鳴り止んだのと同時に潤也の頭に多大な情報が送り込まれた。 最初に流れ込んできたのは大量の人間が殺される映像。 だが、それは第三者の視点にたって客観的に見たのではなく、主観的、つまりはその殺される人間の中から見た映像。 殺される人間が得たリアルな恐怖心が潤也の精神にフィードバックされる。 銃殺、絞殺、撲殺、刺殺、斬殺、毒殺、爆殺、ありとあらゆる人間の死が潤也の頭の中に叩き込まれる。 そのあまりの情報の中で潤也は失いそうになる自分という存在を必死に繋ぎ止めた。 殺害場面の映像が終わり、次の映像へと続く。 見たことも無い玉座――そこは狭く、鋼鉄で覆われていた。そして玉座には誰も座っていない。 黒く、冷たい、潤也はそれを見た時、そう感じた。 そこに二つの緑色の水晶の様に透き通るオーブが浮いている。 玉座に誰かが近づいていく。 黒い影のような人型だ。 影は玉座に腰掛、オーブを掌で覆った。 それと同時にオーブが光だす。 先ほど、純也が冷たいと感じていたそれは急に熱をおび始め―― ――ジャミング。 映像が途切れ、また新しい映像が流れ始める。 雨だ。 血の雨と同時に流れる涙の雨。 誰かが死んだ自分を思って泣いている。 潤也はそう感じた。 嗚咽、声にもならない声。 誰かを思うが故にそれが流される。 ――ジャミング。 再び映像は途切れ、新しい映像が流れ始める。 そこにあったのは黒い鎧だった。 全身を漆黒の甲冑で包んだモノ。 頑固さと滑らかさを共存させたような悪魔的なフォルムを持つのが印象的で、なんともいえぬ威圧感を放っている。 この鎧があれば、どんな相手にも負けない…そう思わせるほどの力強さがあった。 だが、それは人が装着できるようなモノでは無かった。 人が着るにはあまりに大きかったからだ。 黒い鎧は10mはゆうに超えるその巨大さを誇っていた。 体の各部から、赤い光が発せられる。 赤い光のラインのようなものが黒い鎧から流れ出ているのだ。 鎧の目に値するだろう部分が赤く光る。それと同時に鎧の胸部が開いた。 そこにあったのはさきほどの映像で見た玉座で――― 閃光。 あたり一面光に包まれた。あたたかい光だ。 その中で何かかが語りかけて来るような感覚を潤也は感じた。 そして映像は途切れた。
32 :
CR 5/5 :2009/02/24(火) 00:08:06 ID:ZeJWniRn
潤也は瞳を開く。 吹き荒れていた砂嵐はもう止んでいた。 さきほどまで土煙で見えなかった光景はクリアなものとなっている。 目の前には黒い何かが跪いている。 10m超の漆黒の鎧。 さきほど潤也が映像で見たモノとほぼ同一なモノだ。 違いをあげるとするならば、背部に背負っている大きな何か突起のようなものだろうか。 そしてそれが今、潤也の前に片膝を立て跪いて頭を垂れている。 そして、潤也は頭を垂らす漆黒の鎧が何なのかを知っている。 「――リベジオン。」 潤也は黒き鎧を見て呟く。 その言葉と共に黒い鎧は潤也に向けて手を差し出し、胸部を開く。そこにあったのはさきほどの映像で見た玉座だった。 潤也は確信する。この黒き鎧、リベジオンは自分の従者であるのだと。 そしてリベジオンは待っているのだ、自分という国を治めるに値する王が玉座に座るのを…。 潤也はリベジオンに向けて歩を進める。 その力を手に入れる為に…。 自らの家族を奪った奴への復讐の為に…。 そうして黒峰潤也とリベジオンは出会う。 この出会いが全ての始まりだった。 CR ―Code Revegeon― 忘れられるモノなど悪夢では無い。 忘れられない故に悪夢なのだ。 これはそんな悪夢に立ち向かう、ちっぽけで弱い一人の人間と怨嗟の魔王と呼ばれた機神の物語。 その果てにあるのは希望か絶望か…。 プロローグ 了
ぎゃあああああああああいきなり微グロかっ!? 失礼ながら真っ先に思い出したのが種デスとギアスだった。 しんどそうな心理描写がなかなかイカしてる。リベジオンは反逆・復讐ってことなのかな?
というわけでプロローグ終了となります すいません、肝心のロボ戦闘シーンが無くて…orz とりあえずどんなロボットものかというと系統としてはスーパーとリアルの中間みたいな感じのモノになると思います ヘビーな話なので引かれるかもしれない…等と内心ヒヤヒヤしながら書き込んだりしてました… 最後の悪夢がどうだのこうだのは当時キャッチフレーズとして考えていたものだったりー
おとん死亡。おかんと妹は行方不明……つまり中盤で敵として出てくるか、あるいは…… つかみはとてもGOODだと思いますよ!
>>33 >失礼ながら真っ先に思い出したのが種デスとギアスだった。
参考にしたのはかなり色々あってもうぐちゃぐちゃに混ぜてる感じなのでw
>リベジオンは反逆・復讐ってことなのかな?
当たりですw
そういやまた妹キャラだなw おまえらそんなに妹が好きかー? ロボットより好きかー? そんなの許せないじゃない?
光竜闇竜のことかー
女性ロボといえばドロレスたんしか思いだせん!!
ドロレス可愛いよ、ドロレス
あれは妹じゃなくて娘ロボだけど
>>35 ありです
内容に関してはノーコメといわざる終えないw
自分の機体に死んだ妹の脳をデバイスとして組み込んでだな
思い浮かぶ妹ロボがもうドラミちゃんしか無…… ああっ、ウランとかいるじゃないかそういえば
>>43 萌え要素の起源を探っていくと大概手塚作品に行き着くからな
やっぱ漫画の神様はパネェわ
>>40 ( OMO)<ヤハリソウイウコトカ
>>41 コクピットはどこにあるのかが非常に気になります。ええ、非常に気になります
しかし、何故妹の話になると人が増え……まさか!
俺達は、キモウトに操縦捍※を握られているんだ・・・
その操縦桿は当然スティックタイプだよな?
※ただし非常に短い
短くて使いづらいと罵られながら、親指で先端をぐりぐりされるのがイイんじゃねーか。 ・・・操縦桿の話だよ?
トリガーを引くとですね、白い(以外自粛)
>>47 64の3Dスティックを思わせる雄々しさですよ
もうやだこのスレ・・・
お前……
くそっ、どいつもこいつも妹と! 姉さんが正義なんだぁっ!
……いい加減真面目に小説書こう、うん
>>54 あえて言おう!
どっちもアリだ! あと双子もイケると思(ry
双子でロボ操縦とか
>>56 上半身が回転して入れ替わる
片面が姉で片面が妹なロボか
この話題が
>>65 まで続いたら俺も妹出してやるーっ!
既に妹を出す予定の私に隙は無かった
義理の妹はありですか? ZZのプルみたいな
妹分もアリならば可能性は無限大ですな
妹を動力源とするロボとな
むしろ妹への愛で動くロボとか 妹が敵に捕まってパワー倍増w
双子の妹ロボと執拗に合体しようとする四人の兄ロボですねわかります
65 :
罵蔑痴坊(偽) :2009/02/24(火) 11:23:40 ID:lG+A1zWJ
「一番上の姉はコロンボの奥さんと同じ人が演じる」ならやった事が。 因みに年上の甥っ子がいます。
主人公が生き別れの妹と再会して周りも喜んでると思いきや、主人公がロボ使ってその妹を殺しにかかって取り巻きの人々が(゜д゜)ポカーンなんて思いついてしまった俺の脳は毒されているのだろうか
物語の冒頭にそのシーンを持っていくとかすれば、読者を掴んで離さないようにできるかも
68 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/24(火) 15:43:07 ID:3JIrjOjf
ファンタジーロボットだと操縦どうしたらいいか悩む
>>68 操縦者の肉体と融合して
手足を動かす感覚でロボを操作
前スレ
>>976 が地味に気になってる俺ガイル
>>68 首辺りにプラグ刺して搭乗者の意識をロボットにフィードバックみたいな
なんというか、ロボットに憑依というかロボット目線で戦う感じ
それと黒い鎧のデザインの詳細が知りたい
まんま鎧なのか、メカメカしいデザインを鎧と表現してるのか
72 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/24(火) 18:09:17 ID:feBtvfvp
>>68 魔法。
或いはロボットに意思がある。
ファンタジーのロボットで有名なのだと龍刻の操兵なんかを参考にしてみるとか
龍刻じゃねえや聖刻ね
龍刻はオープニングだけは素晴らしい。
>>68 エスカ! フローネ!
75 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/24(火) 20:38:02 ID:AcW8I17X
テキストのアップロードてどうやるの?
>>75 適当なアップローダーを探して、アップしたい自分のPCのファイルを指定してやればいい。
いいアップローダーは……誰か教えてあげて。
ありがとう
むむむ。 地獄絵図から始めるとどうしても被るな・・・。
>>80 俺も冒頭は地獄絵図の予定だが割と気にしない
書き始めた頃から「チェンゲ1話〜3話っぽいノリになってるな」と思ってたから
今更被っただのパクっただの気にせずに、己の書きたいモノを書くつもりだが
そのままやるとリベジオンの影に隠れて空気になるんだよっ! ということでちょっと切り口を変えた。
序章がいきなり戦闘の私に隙は(ry ロボット物の王道のひとつに「戦いに巻き込まれる主人公」っていうのがありますしね。 地獄絵図で被るのは仕方ないですね、はい。
>>83 前スレの最後の方の奴もいきなり戦闘だったしな
やっぱり最初はみんな被るもんだろうし気にしたら負けだ
俺みたいな下手くそが最初からだらだら日常やると、詰むからな。
しっかし執筆が進まないなぁ 明日か明後日には公開できるようにしたいけど
そうはさせるかっ!!
邪魔など無駄ァッ! そういえば皆さん主人公の性別はどうしてます? 自分は一応メインは女性ですが
>>88 野郎
やっぱオレ男の子だからさぁ!
カッコイイ兄ちゃんがゴッツイロボット乗り回す話じゃねーと
執筆意欲が出ねぇんだわ!
人格持ちロボットは男だから、男かな。 妹出すとか言わなきゃよかった。どうすりゃいいんだよこれ・・・。
出来た話次第だね。 女の子出した方が読んでくれるからとか、そういう視点で性別は決めない。 やっぱり相応しい役割ってもんがあるからさ。
>>90 主人公ロボを慕う女の子でどうでしょう
ついでに「お兄ちゃん」と言わせれば問題も一発で解決だ!
>>89 自分も最初はそうしようと思いましたが、たまには違う路線でいこうかな、とw
デカブツとちんちくりんのコンビが書きたいだけだったりもしますが……
ロボットアニメならぬロボットアニキか・・・
>>92 でっかいロボットを「とーちゃん」とか慕う子供ってシチュエーションは良いな
それと同じ感覚で行けるか
その横で本命を横に置いて こそこそと妹ロボを即興で考えたネタで書いてたりー
なんとか二千文字で敵までたどり着いたぜー。 しかし超単純な構成だな。
97 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/25(水) 04:23:22 ID:ubmlM9oo
うぷしる
ロボ出すからあと一日待ってー
ココットは悪い子だぞ? よく見たら頭に輪っかあるしあいつ。服もイメクラっぽい。 おまけに羽まで生やして! ハハハ! ハハハ! どこ行く気かね彼は!
ごめん。超誤爆した。 はずかちー。
川´_ゝ`)「何、気にすることは無い」
そ、その顔文字はっ!?
川´_ゝ`)「何、気にすることは(ry」
さらっと投下していいかな
悪魔は白昼に舞い降りた。太陽の光の下に、何ら自らを恥じることなく。 耳を劈く轟音と、凄まじい破壊の波。瞬きひとつの間に、衝撃が動く全てを上書きした。 声はない。声はない。声を発する者はそこにはいない。赤く輝く火の粉が爆ぜ、支えを失った建材の欠片が地に落ちる、虚しい物音があるだけだ。 街角で震える少女にとって、それは静寂と変わらなかった。可愛らしいポシェットの名札には『ことね』と書かれている。運悪く地獄の現出に居合わせた幼い娘。 ことねは物陰にしゃがみこんで膝を抱え、目を閉じて縮こまっていた。忍びよる怖いものをやりすごそうとして。 仮死状態になっているように感覚のない時間が流れた。 あまりに音がなかったものだから。ことねは恐る恐る、長い睫毛を揺らして瞼を開くことにした。不安が胸の奥で渦巻いている。幾度も空えずきして唸る喉を鎮め、まるい膝の間から涙の滲んだ瞳であたりを窺う。 見慣れた市街は、酸鼻極まる惨状だった。 罅割れの走った摩天楼、断層を生じて波打つ足場、踏み潰されたようにひしゃげた乗用車。つい先日、ことねが母と買い物をした洋服店は瓦礫の山になっていた。 嗅覚を刺すひどい悪臭に気づく。肌を焦がす熱さからこの世の炎上を知る。 (おかあさん) 封印の魔法を掛けられたように声は出ない。灰色に煙る街に少女はひとり。 味方はいない。味方はいない。差し伸べられる手はそこにはない。嘲笑するように揺らめく一体の陽炎と、頑として口を利かぬ無数のガラクタがあるばかりだ。 (おうちにかえりたい) その一心で、ことねは立ち上がることにした。しっかりした白い生地のスカートが拡がる。目線が上向きになり、鬱うつたる気分も深呼吸で少しは薄らいだ。 糊で貼りついたような靴の裏を硬い地面から引き剥がして、ことねは歩き出す。心細さが勇気となり棒きれの脚を動かす。お気に入りの赤い靴を鳴らし、小さな歩幅をいくつもいくつも繋いで歩く。 近づく者を容赦なく炙る火の手を避けながら、割れ砕けたアスファルトに爪先を挫かれながら、幼い娘はひとり我が家を目指す。大小の岩石が岸にごろごろしている川の上流を飛び跳ねた思い出が甦る。涙を袖で拭う。 (おかしいの、こんな、まちのなかで) 不意に視界に馴染みのない巨大質量を認めて、ことねはそちらを確かめた。重厚な存在感を放つ黒ぐろとした金属塊。 戦車だ。ただし、近づいてみれば、頼もしい車体は甲虫の死骸のようにひっくり返っていた。無防備に晒された腹から噴き上がるのは、無限の黒煙。砲身はへし折られ、かつての雄姿は見る影もない。 (ああ、そうか……) ことねは、ここに至って初めて、幼いなりに現状を理解する。数ヶ月前から止むことのない一連の報道を彼女は見ていた。 家族の団欒を少しだけ暗くする、けれど遠い世界の出来事。おとぎ話でしかないはずの。渋い顔をして黙り込む父と、わざと明るく振る舞う母がいて。 (まけたんだ) 思い出す。 人類に恐るべき“敵”が現れたこと。 近代兵器による迎撃を物ともせず、名だたる大都市を次々に炎熱の海に沈めたという、異世界の軍勢。 彼らが、この街を襲ったのだ。今ここに横たわる戦車は戦って、壊されたもの。
地響きがする。 地響きがする。 音よりも、大地と構造物の微震がことねに危険を伝えていた。 初めは小さく、だんだん大きく。それが意味することなど、もはや疑いようもない。 だというのに。この期に及んで、ことねは気のせいだと思いこもうとした。二度、三度、繰り返されるまで、幼い脳は逼迫する現実を拒絶した。 振れ幅は次第に大きくなって。恐るべき彼らが近づいている。 地響きがする。 地響きが止む。 (あ……) 我に返ったときには、もう。すぐ、そこまで。 「見よ、“リクゴウ”に“オルピヌス”」 至近距離から、それは遠雷さながらの音を降らせる。 表情を引き攣らせながら、ことねはゆっくりと頭を動かす。もはや確かめずにはいられない。鬼ごっこだって、一番怖いのは鬼を見失ったときなのだ。 「まだ、矮小なる人族が、残っておったわ」 高層ビルの陰から、彼らは連れ立って姿を現す。きいきいと金属光沢の甲冑を擦れ軋ませて。 大の男が二人掛かりでやっと抱えられるかという大木が六本、ことねの視界を埋め尽くす。彼ら三人分の脚だった。構造は節足動物のそれに近い。 小さなことねは、全貌を知るために目線を上げていく。 幾つもの節に分かれた胴体は、縦長の楕円立体。空気を弾き飛ばせそうな肉厚な二本腕には、兇悪な棘がびっしりと並ぶ。正面から見て体幹をはみ出すほどに大きい、翼とも脚ともつかぬ何かを背負っていた。 さらに仰げば、太陽を食らうように、昆虫のカミキリムシを思わせる奇妙な貌がある。三対の複眼と触角が、舐め回すように少女の見た目と匂いを探る。 巨人であった。 三体のいずれも、禍まがしい重甲殻で全身を覆っていた。色以外は全くの同型と見える。戦闘に当たって甲冑を装着しているのか、彼ら自身が昆虫の形質を持つのかは知れない。身の丈五、六メートルという巨躯の持ち主は、身動きだけでアスファルトを踏み砕く。 魔界の住人。魔の眷属とも呼べるか。地上に侵略の魔手を伸ばした異世界の怪物達だ。巨大にして頑強極まる異形の体躯に、人類の修めた物理からはるか隔絶した異能の力を宿す。 彼らは、“魔族”と呼ばれていた。 「間違いないですドルンドメオン、人族の兵隊カーストでございます。八つ裂きにしませんと、八つ裂きにしませんと」 深緑の一体が、異様に長い触角をぐわぐわと動かして喋る。甲高い男の声は媚びを含んでいた。驚くべきことに、ことねには彼の言う意味が理解できた。 「我にはとても戦士とは思えぬ。オルピヌスは見解を述べよ」 「わたくしには人族の生態については分かりかねますが、専門家であるリクゴウの言ならば、信ずるに足るのではないかと」 漆黒の魔族に意見を求められた赤銅の同族が、無気力に言葉を紡ぐ。 ことねから向かって右に、密林の深奥から緑色を拝借した“リクゴウ”。左には、砂漠の夕陽から赤色を分け与えられた“オルピヌス”。 中央に一歩踏み出た隊長格が、闇夜の魔窟から黒色を簒奪したという“ドルンドメオン”。 魔界にて命名された魔族達は、彼らだけに通じる会話をしきりに行っていた。異質なもの同士のやりとり。どこか間の抜けた応酬がへたりこんだ少女の頭上を飛び交う。 ことねには、それがひどく恐ろしいものであるように感じられた。魔族にはもとより人類と対話するつもりなどないのではないか。同じく言語を解しながら、分かり合うことなど不可能に思えた。 「ふむ。さして支障があるわけでなし。ここはリクゴウを信じよう」 「間違いありません!」 巨大な腕を大儀そうに持ち上げ、漆黒の魔族ドルンドメオンがことねに絶望の影を落とす。次元を歪ませる重圧を幼い娘は錯覚する。視界の端で深緑の取り巻きがはしゃぎ、喝采を送っていた。 (あ……ああ……) 声は出ない。声は出ない。意思の疎通がなることはない。
(おかあさん、たすけて) 殺意の濃さに呼吸もできない。視界が闇に閉ざされる。 ことねの願いは、ついに母には届かなかった。 けれど。 音が聞こえる。軍馬の嘶きにも似た勇ましい排気音が。 音が聞こえる。過剰駆動力による車輪の空転擦過音が。 そして魂を震わす風切り音が。鋼の意志を伴って、ことねの耳に滑りこむ。 青い電光が疾走った。 黒の鉄鎚の直撃より早く。それは叩き潰される運命からことねを救い出す。乙女の危難に必ず馳せ参じる、神話の英雄さながらに颯爽と。 「む!?」 ドルンドメオンは、無為に地面を陥没させた腕を引き戻す。何者かが割り込みを掛け、少女を攫ったことを知った。 「ドルンドメオン、あそこに」 オルピヌスがきちきちと体節を鳴らし、謎の影の行方を指し示す。数十メートルという隔たりの先に。 それはスーパーカーだった。 三体の魔族を睨み据えるハイビーム光。流麗なフォルムをした超高性能乗用車だ。透き通る空のような鮮烈な青。 車体後部の左半分が展開して、鉄の片腕に変わっていた。五指さえ備えた鋼の手。 極超音速という神速の挙動と、ミクロン単位という極微の制動とを可能とする、エーテル圧式打撃マニュピレータがその正体。 機械の指先に抱かれて、ことねは目を開ける。少しの苦痛も、窮屈すら感じさせない優しい掌。 硝子細工を扱う手つきで、彼はことねを地上に降ろす。 『少し、我慢して欲しい』 スーパーカーは物を言う。彼は喋るのだ。冷静沈着な若者の声で。 素直に頷くしかないことねを、金属の指の腹が撫でる。 ひとまずの役割を終えたのか、マニュピレータは収納された。そこには既に、公道を走っていても違和感のない車の姿があるだけだ。 スーパーカーは相対したまま、低速で前進。余裕の歩調で魔族との距離を縮めていく。
「近づいてきます! 間違いありません! あれは人族の兵隊カーストでござっ」 「黙れ。見れば分かる」 騒々しく喚き立てるリクゴウを裏拳で黙らせ、ドルンドメオンは興味深そうに青の英雄を観察する。 「格闘戦を挑んでくる人族は初めてだったかな」 「その実力、確かめて参りましょう!」 名誉挽回の好機とばかりに、深緑の魔族が跳ねる。巨躯にまるで似合わない、目を見張るすばしっこさだった。 最接近。戦車すら破壊する一撃がスーパーカーを狙う。 「間違いありません! このリクゴウにお任せあればー!」 金砕棒じみた腕を振り翳して踏み込むリクゴウ。その足の甲を、青い爪先が上から穿つ。スーパーカーのフロント部に折り畳まれていた、巨人の上下腿が伸ばされたのだ。 「ギャッ!?」 雷に打たれたような激痛に、リクゴウは攻撃を繰り出すのも忘れて悲鳴を上げる。 『フォルムチェンジッ、ロボットフォルム』 短く息を吐くように、若き戦士の声が完全変形を宣言。このスーパーカーの車体には、ひとによく似た機械の四肢が隠されている。 リクゴウを踏み抜いた足先を支点として、青い車体が前転するように起き上がる。このとき魔族を向いた屋根側は、変形後の背面に相当する。 思わぬ追撃の予感に、深緑の魔族は堪らず後退を選択するが、 「しまっ!?」 逃げられはしない。リクゴウの足は依然として昆虫標本の態で大地に縫い止められている。 変形機構を利用し、左足で敵の回避行動を制圧。腕力と撥条で全身を跳ね上げ、振り返りざまに右脚で回し蹴りを放つ。 それが。 『超重延加拳、撥車(はねぐるま)』 直撃を受けた魔族リクゴウが、奇声を発して吹き飛ぶ。勢いを殺せぬままに高層ビルに激突。表現を絶する断末魔とともに、生命反応を消失させた。深緑の甲殻は、間に入った腕ごと粉砕されていた。 鮮やかな一撃必殺を披露しながら、スーパーカーは変形を終えていた。 「ロボット……?」 廃墟と化した市街の隅で息を潜めていたことねは、夢のような光景に思わず呟いた。 まさしくそれは機械仕掛けの巨人。スーパーロボットともいえるか。 車輌形態の美麗な曲面と目映い青色を受け継いだ、芸術のような機体。目鼻口の揃った精悍な貌には光があった。 巨人は自然体に構える。前腕と下腿に移動したタイヤを、慣らすようにわずかに回転。 「貴様は、いったい……」 同胞を失った赤銅色の魔族オルピヌスが、唸るように問い掛ける。これまでに魔族が相手をしてきた“兵隊カースト”とは一線を画す形態と実力。 全身に青を纏ったスーパーロボットは、威風堂々と声を張って名乗りを上げる。 『流派超重延加拳、スプリガン』 己の戦いの流儀と、古い巨人の霊であるともいう妖精の名を。 瞬転のスプリガン ‐‐‐
今回はここまで。スレ汚しすまん。
ブラボー、おおブラボー! なんだか台詞がクセになる 変型機構がわかりやすく描写してあっていいですなぁ
瞬転……メタルダー???
112 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/26(木) 15:53:54 ID:j4hBiy1r
どう考えても未来SF星間文明みたいな世界観なのに剣弓や炎雷氷魔法で戦うRPGがあるんだから どう考えても中世剣と魔法の世界観で戦うロボットアニメがあってもいいはずなんだ
>>104-109 勇者直撃世代の自分的にはたまらんとですよ。あと幼女万歳
続きに期待してます
一瞬合体するのかと思ったが、最後の名乗りが小説のタイトルってことは合体は無し? それとも合体しても名前が変わらないパターン?
115 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/26(木) 18:07:31 ID:j4hBiy1r
歌と一緒に合体するようなロボットアニメがみたい
イイヨイイヨー ゼロ年代版勇者ロボって感じがする
どもっす。 合体は、変形がまんま勇者だし技術的にもできなくはないけど、 テーマがぶれそうだからやらないと思う。
そういや皆プロットってどれぐらい組んでる? 前組みすぎて投稿するには長くなりすぎてぽちゃった事があったんだけれど 参考に聞いてみたい
俺は見せたいギミックとやりたいシチュだけ決めて、命の限り好き勝手派。
おれもシチュエーションというか書きたいシーンを思い浮かべて、 その前後を埋める形だな。 ギミックは設定段階で決めたら、使いどころは決まっちゃうし。
ロボットはあくまで小道具ってことを忘れないために、プロットは組む。 シチュエーション先行だと、どうも上手くないように思う
立派な心掛けだな(煽りじゃないよ) 俺はどうしても小道具にできないんだよロボットって。
ロボの扱いというと 毎回「どこまでぶっ壊すか」ってので悩む 無傷のままだと面白みが無いのだが 毎回スクラップ寸前まで行くのはアレだし 修理だの補給だのなしに連戦するってシチュエーションの場合に 一回目の戦いでどこまで消耗させるかってのも なかなか難しいし
そうだなあ。 ここは一応巨大ロボ物がメインって事で考えていいんだよな? おれ、特撮的等身大ロボヒーローも、巨大ロボも両方やった事あるけど、 等身大の方は、「破壊」が魅力だと感じたな。 人間だとどうしても、同じ様にやるとグロになるからさ。 巨大物の方は、何故か逆にキャラ扱いしてしまう。 いや、等身大の方もキャラではあるんだけどさ。
ヒーローロボと兵器ロボでも違ってきそうな気がするがー
何でも同じだよ。ロボットが好きなのは結構だが、やりすぎると人間不在になる。 ぼくのかんがえたちょうかっこいいろぼっとになって、ドラマ性が消えるんだよね。そうなるとつまらん。 ロボットに対する突っ込みも多く、かつそれ以外の要素も忘れないのが一番ではあるんだが。陥りやすい罠ってことでひとつ。 SF好きが作ったSFはつまらない、ってのと同じ理屈かもね。一言で言うなら設定厨だな。
細かい設定と描写をさんざん詰め込んだ、 ロボット大好きなフェチ的作品もあってもいいと思うな。 作中のメカニックやマニアの話を作品レベルにまで拡大したようなの。 商業じゃそういうの難しいだろうし、実際ここでの受けも悪いだろうけどw しかし、むしろこれロボットを出す必要性あるの? おまえなんとなく人型ロボット出したかっただけじゃね?ってのもけっこうある気がする
出したいから出す以外にいまいち思いつかないんだがw
ロボの悩みというともう一つ 「武装のバランスどうすんべ?」っつーのが 主人公機はやっぱ遠近どっちもござれな万能型のがいいだろうが 全部の武装が高性能!ってすると仲間の機体の存在意義が無くなるから 仲間の機体はそれぞれ遠距離、近距離に機能特化した高性能な装備で〜 みたいなノリで設定を組んで行って、気が付いたら 「仲間の機体が使ってる武装の下位互換品の寄せ集めで成り立ってる主人公機」って 客観的にみるとどうよ?って状態になってきてしまって…… 主人公機は万能型!ってこだわりを捨てて、どっちかに特化させるか 主人公補正全開な真の意味での万能型にするべきか 中途半端な機体で悪戦苦闘する主人公って話にするべきか
>>129 いや、それは趣味次第じゃないか?
商業作品なら好きに出来ないんだろうけどさ。
別に建機みたいな主役メカでも良いと思うし。
カッコ良く描写できれば勝ちかと。
主人公機は厨性能だが敵機体も同等にヤバい 厨性能機は改造や量産が一切利かない インフレを起こさないよう成長やパワーうpはなるべくパイロット限定 これで大丈夫だと思っていた時期もありました
困ったときのストライカーパックシステムですよ 個人的に好きなのは超近距離特化型の機が好きだな 主人公に据えても、男の子らしくて良い
武装ねぇ… 自分が今書いてるロボは兵器に徹しているものだからスーパー系好きにはなんの面白味がないかも。 ビーム?レーザー?そんなものは信頼できん。確実に相手に損害を与えられる実弾兵器こそが主流。 空戦ロボ?そんなん戦闘機にやらせればいいじゃん。ロボである必要性がない。 変形合体?そんなギミックをつけるぐらいなら他の兵器に役割を分担させた方が効率的だ。 こんな感じだな。
そんなわざわざカドの立ちそうな書き方しなくても…… そういうときは自分のロボの面白味を前向きに語った方がいい
中途半端な機体で頑張るってのもまた素敵じゃあないかと ……自分の機体は徒手とパイルバンカーですが ええ、弾薬費が惜しいんです
何かここまでの流れを見てると一騎当千、ばりばりのスーパーロボットを書くつもりな俺って割と浮いてるな。書くけど とりあえず今後投下した時に気にくわなかったらスルーしてね
>>133 空戦ロボを「戦闘機にやらせればいいじゃん」って言っちゃうと
「じゃあ陸戦も「歩兵と戦車で十分でね?ロボである必要性がない」って話にならんか?
よくリアル系ロボット作品で使われる「手足があった方が便利」理論は戦車だけでなく
戦闘機にも通用するし、飛べるんだったら飛んだ方が強いのは兵器として理に適ってると思うが
>>136 自分なんかコメディ入ってますぞ
気にしない気にしない
>>129 心配すんな、特定分野では特化した仲間に劣るが
トータルでの性能は最高を誇る奴を主人公にして、人気作になった
サイボーグ009と言う作品があってだな……
>>140 サイボーグ009って詳しく知らないんだが
主人公の能力って加速装置だけじゃないのか?
>>140 他のメンバーの能力+加速装置の筈、記憶違いだったらスマン
基本装備が他の奴等の下位互換でも
主人公機にしかない何かがありゃスペシャル感は表現できるんでない?
>>142 002「…………。」
002はプロト加速装置を搭載していたような気が
001から004くらいまではほとんどプロトタイプみたいな存在だったな。 002の高速飛行能力が加速装置の元型なんでね?
145 :
創る名無しに見る名無し :2009/02/27(金) 22:18:46 ID:moWpzLUn
最近パソコン買って今まで長文そのままさらしてたんだけど、長文ってそのまま晒すよりうぷろだで晒した方がいいの?
それは長さによると思う
>>129 どっちでもいいと思うよ
強い特徴をひとつ示してとことんそれを突き詰めた演出するのも面白いし
万能型さながらな戦いをさせるのも面白い
いうなれば、それこそ見せ方だと思う
実は無敵系ロボが一番書くの難しいんだよね
いや、ある意味、一番楽なんだが、それは描写を省いたケースの場合だし
なんで無敵なのか、ちゃんとした描写をしなきゃいけませんしねぇ 突然『敵が弱くなる』とか言語道断
かなり強いが最強ではない敵達が、無敵の主人公に策を練り挑むってのもいいかと ロボットじゃないが、ヘルシングみたいな前例もある
ブライガーやゴッドマーズみたいに尺の都合で無敵というのも…
>>150 ガンダム00の序盤もそんな感じでしたね
>>151 レオパルドンも仲間に入れてあげてくださいな
登場作品のジャンルはロボットものじゃないけれどw
最強を見せつけるという意味では、てつを手法も参考になるな 何か毎度毎度色々と凄まじい作戦を展開するし、追い詰めたりもするんだけど その悉くが、はるか斜め上の理屈でぶっちきられるという
そろそろ次の波が来るとみた。 新作でも前スレの続きでも、ぼくはずっと待ってる!
波を作りたいけれど、まだプロローグを書き終わっていない悲しみ
二作品並行でやってるよー 片方は戦闘シーンの演出で悩み中、あんまり派手にしたくないけれど、味気ないものにもしたくないから塩梅が難しい もう片方はどこまで暴走していいのか悩み中、元がネタだけに複雑な話にしたくないから書き始めたらきっとこっちのが早い
書き上がったので投下してみようかな、と。 ……その前に少しだけ設定をば。 ■世界 数万年前に起こった『何か』により、文明がリセットされている。 文明のレベルは近代程度だが、遺跡から発掘される遺物によって、一部のテクノロジーは現代かそれ以上。 ■オートマタ(機械人形) 全高4メートル程度の人型機動兵器。マナをエネルギーとしているが、自身でマナを作り出す事はできない。 オーバーテクノロジーであり、ブラックボックスも多い。 農業に使われたり、戦闘に使われたりと、その用途は様々。 ■マナ 生命のエネルギーであり、世界を構成するもの。 圧縮するとビームになったりする、某粒子のような便利なシロモノでもある。 ■管理者 オートマタへのマナの供給をコントロールするシステム。 一部地域では神として崇められていたりもする。 ■神子 管理者にアクセスする能力を有した者の事。 オートマタへ安定してマナの供給を行う事ができる唯一の存在である。 その能力からオートマタのマスターになる場合が多い。 ■野良 はぐれオートマタ。マナの供給が十分でないため、知能は低い。 ■パラベラム 武器、あるいは機械人形を召喚する時の呪文である。戦闘の前には必ず唱えられる。 和訳すると「戦への備えをせよ」という意味になる。
真夜中、草木も眠る丑三つ時。 小さな集落に、大きな影が近付いていた。 それは人と同じ二本の足で大地を踏み締め、一歩、また一歩と確実に集落への距離を詰める。 だが、それは人ではなかった。 一般的な男性の二倍以上はある体躯と、情報量の多い、人間からは掛け離れたシルエット。その瞳は爛々と緑色に輝き、その装甲は鈍色の光沢を放っている。 そう、機械なのだ、これは。 世界を構成する物質“マナ”をエネルギーとし、個体によっては人間に並ぶ知能を有する、機械の巨人。 −−−−人々は古代の遺跡から掘り出されたそれを、オートマタ(機械人形)と呼んだ。 「遥、野良がそっちに行ったぞ」 「うん……!」 ゴクリ、生唾を飲む。杖を持つ手に力が入る。 「ゴー! 行け!」 「……了解っ!」 茂みから、小柄な少女が“野良”の数十メートル前方に踊り出る。 鳶色の髪、三つ編みお下げのその少女、一条 遥は手にした杖を地面に突き立て、こう叫んだ。 「パラベラム!」 その瞬間、少女の眼前に土煙が上がる。 荒々しく着地したそれは、平淡な口調でこう言った。 <−−−−汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ> ゆっくりと、しかし油断を感じさせない動作で振り返る。 <システム、省エネルギーモードから戦闘モードへ移行。マスター、指示を> 猛禽類のような頭部に赤く光るツイン・アイ。鋭角的なその装甲が黒く輝く。 少女は彼を、“リヒター”と呼んでいた。 「目標は“野良”一機。弾薬は使いたくないから……接近戦で対処して」 <イエス・マイマスター> リヒターが野良に向き直る。どうやら野良も戦闘モードへ移行したようだ。 「……気をつけて」 <……イエス・マイマスター> 「GO Ahead!」 遥が叫ぶと同時にリヒターが一歩を踏み込みブースタを点火。放出されたマナが光の尾を引いた。 滑るように大地を駆ける漆黒の巨人。鈍色の巨人がそれを受け止めようと低く構える。 漆黒の巨人−−−−リヒターの両腕がぼうっと光った。マナによる防壁だ。 野良がタイミングを見計らって右腕を一閃。 しかしリヒターはそれを減速してタイミングをずらし回避。そして、そのまま脇の下へ潜り込み、貫手で脇を打つ。 濃密なマナの防壁によって覆われた貫手は易々と装甲を引き裂いた。 <……マナ不足の防御力などこんなものか> 本来、オートマタの装甲はマナによって強化されているはずだが、この野良はマナが不足しているためか、それが疎かになっている箇所が多数あるようだ。 <ガァァァァァァァッ!> 悲鳴のような音とともに、野良の胸部装甲がえぐられ、部品が宙を舞った。が、浅い。致命傷には至っていない。 スラスターを使って空中で一回転をしながら、距離を離す。 そこに野良が地面を蹴って跳躍。十数メートルの距離を、ほぼ一瞬で詰められてしまう。 相手はどうやら防御を捨ててパワーとスピードに特化したタイプのようだ。下手をすると一撃一撃が致命傷となりえるだろう。 距離を離すか、それとも−−−− その時、彼は確認した。 こちらを観察する主の姿を。 そして、彼は理解した。 <−−−−なるほど> 野良がリヒターに掴み掛かる。リヒターも野良に掴み掛かる。 <……さあ、力比べだ>
リヒターが土煙を撒き上げながら野良へと一直線に向かってゆくのを確認して、遥は杖を地面から離し、纏ったローブを翻して移動を開始する。 戦いに関しては素人の自分が指示を出したところで邪魔になるだけだ。彼の判断を信じて、自分はできる事をするしかない。 闇夜に紛れる、黒いローブ。 「気休め程度かもしれないけど、これで近付いて……」 サイドに回り込み、遠目から相手を観察する。 野良とリヒターの戦いは取っ組み合いに移行していた。どうやら彼はこちらの意図を察してくれたようだ。 相手はパワータイプ……のようだがスピードにも重きを置いているらしい。防御は二の次のようだ。重火器があれば簡単に勝負がつくだろうか。しかしそれだと下手をすれば赤字になる可能性がある。なのに敵は結構強いし……ひょっとしてこの依頼、割に合わない? だが割に合わない依頼でも請けなければ、明日のおかずが一品どころか二品……いや、おかず自体が消滅するかもしれない。もしかすると一日二食とか……そんな事になれば彼らから大ブーイングを喰らう事は必至だ。 それが嫌なら、どこかでいつもより多く稼がなければいけない。そして今がその時なのだ、多分。 「だぁ、もうっ! 全部貧乏が悪い!」 杖で大地を何度もつつく。この行為に意味は無い。ただの八つ当たりだ。 ……と、今は己のスカスカの財布を嘆いている場合ではない。 「どこかに、脆い部分があるはず……」 野良に視線を移す。 こちらにまでギリギリと装甲が、骨格が軋む音が聞こえてくるようだ。というか、 「聞こえる……脇腹、右の……」 どうやら相当ガタが来ているらしい。フレームの干渉のせいだろうか、右の脇腹から異音が聞こえた。そこから漏れる、微かなマナの光。 「圧縮されたマナが漏れてる……? という事は……。よしっ!」 都合よく足元にあった石を拾い、投擲。投げた石は見事狙った相手に命中し、野良が一瞬、こちらに気を取られる。 リヒターが右腕を腰だめに構えたのを確認し、すかさず杖を地面に突き立てた。地脈を通じて管理者にアクセス、マナの供給を開始する。 「回路接続、マナ供給完了! 右の脇腹! 貫いて、引っこ抜く!」 リヒターの腕が一際輝きを増した。集束したマナが、光の槍を形作る−−−− <イエス・マイマスター> 野良が咄嗟に防御の姿勢をとろうとする。が、 <もう遅い> 瞬速の突きが野良の装甲を貫く。だがそれだけでは終わらない、終わらせない。 内部に侵入した手が、コンデンサを鷲掴みにして引きずり出した。 溢れ出す圧縮されたマナの粒子が二機の周囲を舞い躍る。その光景は、さしずめ真夏の蛍のよう。 野良の身体から力が抜け、がくりとその場にくずおれた。再起動の気配は無い。 −−−−勝負は決した。 <目標の沈黙を確認> リヒターの言葉を聞き、遥の口から安堵の溜息が漏れる。二つのお下げがゆらりと揺れる。 「お疲れ様、リヒター」 少女は機械の巨人に歩み寄り、その装甲に優しく触れた。それと同時にマナを送り込む。ご褒美、というやつだ。 <感謝します、マスター> 「こちらこそ」 にっこりと微笑む少女を見、リヒターも目を細めた。機械だって笑うのだ。 「どうやらこうやら終わったみたいだな」 背後からの声に、少女は振り返る。 ざんばらの赤い髪。精悍な顔つきに、鋭い眼差し。見た目から見る年齢は十代後半から二十代前半といったところか。 「『どうやらこうやら』じゃないでしょう? 働け二八歳」 まあ、実年齢は三十路一歩手前なのだが。 「“俺達”がやったら瞬殺だからな。それにお前を鍛えないと意味無いだろう? はるかさんじゅうきゅうさい」 ちなみに、精神年齢は外見相応……いや、それ以下である。 「紛らわしい言い方しないの! まだ十九です私は!」 「外見は一四かそこらなんだが、実年齢は二十歳手前……惜しい、実に惜しい」 ついでに言うとロリコンでもある。 そんな彼の名はリヒト・エンフィールド。遥の師にあたる人物だ。 「人種の違いを考慮に入れてほしいんですけれど」 「つまり極東は俺にとっての楽園だという事か! さすが黄金の国だ! 極東最高!」 ……こんなのが師匠だという事を認めたくはないが。 「どうしてこうなっちゃったかな……」 「ビバ極東!」と騒いでいる師から目を背け、遥は闇夜に佇む黒い巨人を見上げ、溜息ひとつ。 全ては彼との出会いがきっかけだった。 事の発端は二ヶ月前。まだ少し肌寒い、三月のお話−−−−
160 :
パラベラム! :2009/03/01(日) 02:24:56 ID:h63yYaQq
今日はここまで ヘヴィな話が多いのでコメディにしてみました
お、これなんか面白そう
個人的にはコメディよりバトルが目を引いた。 しかしファンタジーでまでお金というのは世知がらいのう……
>>161 気に入っていただけたなら幸いですw
>>162 お金という要素が入ると色々と制限がしやすいかな、と思いまして
下手に射撃武器を使えないからこそ接近戦が得意な主人公機も活躍させやすいですしw
全高4mかぁ…ATやTAと同じだね それぐらいだと乗るというより着るという感覚だろうかね スーパー系やファンタジー系が投下される中、ミリタリー系を書いているのは俺だけか…
>>164 オートマターだから自立型じゃないか?フルメタのアラストルみたいな
>>164 そういえばガチガチのミリタリーを書いてる人はいないですね
難易度の高さが問題かな?
>>165 はい、自律型です
しかし4mは少し大き過ぎたかもしれない……
ミリタリー踏み込むとミリオタから叩かれるのが怖くて書けないw フルメタレベルの設定作れないと辛い気がして
それなりの興味がないとミリタリーはやってらんないと思う。 少なくとも「そうだ!主人公は軍属にしよう!」で気軽にってわけにはいかなそう。 やるならやるで、(ミリオタをニヤつかせる気がなければ)意外にどうにかなりそうでもあるが。
ミリオタの粘着は怖いぞ
うん 間違いなく叩かれるね。 ツッコミじゃ済まない。 でもまあ、描写の問題もあるし。 誤魔化しようはあるよw
ただ、誤魔化すのにもそれなりの知識が必要、と。 素人が安易に手を出すと火傷じゃ済まなさそうですね……。
>>166 全高の他にも、体格でも印象は変わってくると思うぞ
ATみたく、人が入れる箱に手足が付いてる奴と
やたらと細くて人間が入るスペースなんて無い胴体にゴツイ手足が付いてる様な奴だと
たとえ全高が同じでも、受ける印象はまるで違うでしょ?
>>172 うーん……どちらかというと後者ですかね?
AC4のアリーヤみたいな感じの体格を想像してます
174 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/02(月) 04:31:25 ID:CMCf4GUQ
キュピーン ブリュワアアアア ピンポーン バシュウッ ギュインジャッ ピイイイン グオワアアアッ
ミリタリー書いてる最中だけど、本当のミリオタなら二足歩行ロボが全然軍事的なもの じゃないのは理解しているからあくまでもフィクションとして読むと思う。 ミリオタが噛みつくのは、実在する兵器を作品に登場させて間違った諸元や描写をしたらだよ。 .50口径を50mmだと勘違いしたり、口径20mm以上なのに機関銃と表記したり。
あとは同じ用途なのに口径が無駄にバラバラで互換性、統一性が無い、とかですかね?
俺、威力で噛み付かれたことある
まあ『リアル』と『リアリティ』は別物ですからねぇ
ジャンプできない二足歩行ロボの価値はゼロ
そうでもない
誘導兵器と航空機を設定段階で殺せばおk
ボトムズでキリコがザキの至近距離射撃を ローラーダッシュとターンピックで避けまくる場面があるが 回避率が高いのとビルの上にも昇れる踏破性がないとキツいんじゃね あと部品の生産性、主人公専用機で交換部品がないのに破損しても直るとか リアリティなさすぎ
>>181 つまり不思議粒子の出番ですね。
あるいは歴史の改変で『誘導兵器と航空機を無かった事にする』とか。
……ちと大袈裟すぎますかぬ?
ミサイル内の回路を焼き切るEMPか、ミサイル迎撃レーザーが主流っぽいな 弾道弾用の迎撃レーザーは600q先のミサイルを打ち落とせるとか何とか
最初からレーザーで戦えよって話は無しの方向でw
>>185 くっ、突っ込む前に!
まあ、レーザーに関しては色々と理由付けできそうですし、さして問題は無いかな?
アーマード・コアもミサイル迎撃はレーザーだな、撃ち漏らすけど
ミサイルにはロマンがつまってやがる
>>187 確か4シリーズから無くなっちゃいましたけどね……コアの迎撃システム。
無くなって改めてわかる有り難み。
>>188 板野サーカスとか板野サーカスとか板野サーカスとか板野サーカスとか!
塹壕戦できるロボットの方が強そうな気がしてきた
人工衛星はいらない子
腕がショベルなロボットですね! 重機ロボ……いいなぁ
今だからいうけどパワーダグオンはカッコイイ
主兵装は射程距離3kmの巨大モシンナガン 副武装はスコップ ミサイル迎撃には小型核ミサイル 燃料はウォトカ
つか、わざわざ強力な兵装持ってるのに目視できる距離で戦う必要なくね?
飲めよ相棒!とか叫びながらウォッカのボトルをコクピットに突き刺し 真っ赤な顔したロシア男が、永久凍土の上を重機ロボで暴れまわる図が浮かんだ
ロシアではよくあること
>>194 ワオ、ミサイル迎撃がとても豪快そうね!
で、コクピットの中にはボトルがぶら下がってるわけですな
……パイロットのあだ名はミーシャ、と
水路作るのに核使うくらいだから余裕 搭乗機の正式名称はスティール・コサック・パワースーツ あだ名はクレイジーイワン 宝物はアメ車のハンドル(豹柄)
>>195 フィールドとかバリア的な物の防御力がやばくて、互いに干渉してその防御帯を打ち消せる距離で戦闘しないと決定打が出ない
よって近接戦ウマーなんて設定考えてる(´・ω・`)
重機ロボといえばユンボル 連載再開しねーかなー
ユンボル超好きだったのに…今時の子供はロボ嫌いなのか >ミサイル いやまぁ、万能無敵な兵器なんて有り得ないわけで、だからこそどうやって戦うかを 考えるのが楽しいじゃないか。
どうなんでしょうね。 少なくとも自分の弟(多分イマドキの子供)はロボット物を楽しんでますが……。 やっぱり小数派なんでしょうか。
ユンボルうちきりはまあ、そうなる予感がしてた。 でもそれはロボとは関係ないと思う。
ユンボルはロボットよりも重機ってのがいまどきじゃなくて受けなかったんだと思う
>>195 >>194 に対する書き込みだとすれば、3kmは目視距離だ。
一般的な話だとすれば、少なくとも陸上戦闘だと目視距離での戦闘は必要だし、これからもそうだろう。
これは専門的な知識がなくとも、実際に自分が戦場に放り込まれたと想像すれば理解出来る。
今、ある地点を敵から守れと命令されたとする。
これは、具体的にはその地点に敵の行動の影響が及ばないようにするということだから、どこかその手前で敵を通さないようにすることになる。
さて、ここでもし、自分の攻撃は届かないところから撃ってくるだけで、
自分達がいる間は近付いてこないという敵がいたらどうするのよいか。
実は正解は「そこらへんの敵の攻撃を凌げるところにただ隠れている」である。元々はそういうところがなかったら塹壕掘ってもいい。
これが正解だってのはすぐわかると思う。弾薬が無限にあるわけないし。
ここで逆に、自分が上の例の敵の立場だったらどうするか?
これも簡単、どこかの段階で近付いて相手を隠れ場所からあぶり出して倒すか、そのまま押し通るしかない。
そしてそのどちらにせよ、近接戦闘能力が要求される
(どこか別のところを通れば良いと思ったアナタ、その途上で敵と遭遇してしまう可能性と、
その際の近接戦闘能力の必要性について考えてみよう)。
で、さらにここで防御側の立場で考えてみると、
敵はどこかの段階で近付いてくるのだから、それに対抗するために近接戦闘能力が必要になる。
軍事的作戦という奴は決闘ではないのだから、別に目的として相手を倒す必要はない。
それどころか、目的の遂行上、無視して良い相手は無視して良いどころか、無視しなければならない(命と物資の無駄だから)。
実際、現実でもミサイルだなんだがある中で、歩兵や戦車はなくなっていない。必要だからである。
ま、戦略兵器持ち出されたりすると、今の話成り立たなかったりするけど、
その場合、かなりの率で人類滅ぶから、考えても仕方ない
(実はミサイル防衛システムってそこらの事情覆しかねないから
いろいろ反発あるんだけど、ややこしいし、この話題に直接関係ないから書かない)。
無論、大遠距離から攻撃出来る兵器があれば、近接戦闘兵器の行動がすごく楽になるから、それらも必要なんだけど。
>>207 長文かつわかりやすい説明乙であります!(`・ω・´)ゝ
つまり埒があかない、という事でよかですか?
巨大なアンチ・マテリアルライフルみたいなもんだから やっぱビルの上なり山なり昇って頭上取れる方が強いべ デカイ機体飛ばすブースターは使い捨てだろうし 踏破性能の高い二足歩行ロボがわざわざ狙われやすい 舗装路を侵攻するのはナンセンス となると、山林や川などでも普通に使える格闘武器が必要になるけど 実際に取り回しが効いて敵の装甲を余裕で撃ち抜ける武器と言うと 直刀身の両刃剣、槍で突くか質量でぶつかる斧くらいしか残らない
ボトムズは装甲が14mmしかないからいいけど 戦車並みの装甲積んでたら、どうしようもないな 戦車砲並みの武器作る方が先かも、エイブラムスは同士討ちで 主砲数発を至近距離で当てても貫通しないし
211 :
207 :2009/03/03(火) 00:17:10 ID:0SDkCJRr
>>208 その通り。大遠距離攻撃兵器だけだと双方徹底的に守りに入るので膠着状態に陥る。
実際、第一世界大戦がある意味そう。
大遠距離攻撃兵科たる砲兵はいたけども、近接戦闘兵科たる歩兵が塹壕戦の中思うように働けなかったため、
敵味方ひたすら塹壕を伸ばし合う膠着状態に。
この状況を打破するため生み出されたのが、
敵の塹壕があっても近接戦闘能力を発揮出来る新たな近接戦闘兵器、戦車であったり、
敵の防衛網の隙をついて通り抜ける浸透戦術であったりする。
今書いてて思ったんだけど、
相互確証破壊って、異様に強力な大遠距離攻撃兵器はあるけどその状況に対応した近接戦闘兵器がないということよる膠着状態を作り出す為のもの、
とも言えるかも知れない。
リアル志向の人が多いね。勇者とかスーパー系とかオカルト系のロボって好き?
こうしてみると、軍事ってのは理に適ってて面白いな。
スーパー系は強ければ正義だからなw 強敵>パワーウプ>強敵>パワーウプ>強敵>パワーウプ 最終的に敵の強さが上回ったらどうすんだろうな
>>214 っていうか、かなり理詰めの世界だよね。
>>211 またも乙であります教官!(`・ω・´)ゝ
で、膠着している間にビックリドッキリメカを開発するわけですね!
>>216 まあ効率が命ですしねぇ。
スーパー系ではプラモ狂四郎が最強 なんたって最後はガンダムも使わずに生身で勝ったからなw 「これが俺のプラモスピリッツだーッ!!」 こいつより熱い男は今の所見たことがないw
そもそも驚異的な機体性能に任せてザコを嬲り殺しにするのがスーパー系だからな
>>219 偏見だ
超強力な敵(○○獣とか)一機をあの手この手で迎撃するパターンも多い
>>219 あなたの見ているスーパーロボットを教えていただけませんか
敵を嬲り殺しにできたらスーパーロボットも苦労しませんがなw つかぬ事を伺いますが、本当にスーパーロボットを見たが事ありますか?
J9シリーズに関しては擁護できなかったりw なぶり殺しにはしないけどww
クウガとかでも変身せずに殴り合ってたなぁ、借り物の力を全力で否定するのは熱い展開だ 自分と敵の機体性能差がほぼ同等の方がフェアプレイだし 敵の方が強くても精神論だけで一気に逆転みたいなのはどうかねぇ 神風特攻隊と発想が変わらんね
>>223 上で出てますねw
J9、ゴッドマーズ、レオパルドン……
レオパルドンってw
気合入れるだけで攻撃力や防御力が上がるから楽勝 スペックが足りなくても気合を入れれば何とかなる
荒らしじゃない? スルーが吉。
ああ、ID変えてるだけか。 少し心配してしまった。以降スルーじゃ!
>>229 了解であります!(`・ω・´)ゝ
さて……早く1話を書かなきゃ。プロローグだけで終わらせるわけにはいかないですし。
あんたパラベラムのひと?
精神注入棒で上官に殴られると強くなるスーパー系ロボ 登場テーマは軍艦マーチ 遠距離用武器は兵站がアレなので使用不能 燃料はヒロポン
>>232 さ、サイキッカーが! サイキッカーがいるぞ!
はい、正解でございます。
つか、スーパー系のモブキャラって何で宇宙の危機ですら、他人任せなんだろうな もうちょっと頑張ろうよ 主人公が戦ってる間は見てるだけとかないわ
>>214 >>216 理屈に合わないことを続けていると、殺されたり国を滅ぼされたりする世界だからねえ……
で、思うのが、このスレでは、「軍事は難しい」って意見が多いようだけど、
ある程度背景を明確に設定すれば、理屈で行動を導き出せるから、
軍事色出すのは、行動やストーリーを考える分にはむしろある意味楽な部分もある。
登場人物の心情でいかようにもストーリー展開出来る場合、登場人物の行動について読者に不自然さを感じさせずにストーリーを作るには、
かえって緻密で膨大な考察や設定が必要だったり、絶大な筆力が要求されたりする。
技術的な面も……、
ぶっちゃけ軍事用の人型ロボットなんて現実には存在してない訳だよね。
つまり、それらが存在する劇中世界は、技術体系なり科学法則なりが現実とは違っていなければならない。
全くキレイに当てはまってしまうのは実は「リアルではない」。
つまり、劇中世界でも通用する原理原則・論理をしっかり踏まえて、内部矛盾が出ないよう気を付ければ、
少なくとも、批判に胸を張って答えられるものにはなるはずだと思うんだよ。
細かい用語とかは「この世界ではこうなんだ」とか自分で設定したりとかでなんとかなるしね。
用語について、上のほうで階級について悩んでる人いたんで、陸軍については役立つと思う情報を。
「武装SS」の階級の直訳をググる。武装SSの階級名って、指揮する部隊の規模がまんまついてるから。
無論現実には厳密に当てはめられるわけじゃないけど、目安にはいいと思う。
書籍だと、俺の知ってる奴では確か最近出た、大日本絵画のシュトラハヴィッツ戦闘団の本に載ってた。
>>217 そういうビックリドッキリメカの一つが
>>211 でも書いてるけど戦車。
まあビックリドッキリメカ作るつもりがウッカリガッカリメカ作っちゃった例は枚挙に暇がないけど。
>>234 レスの書き方に特徴が……
コメディーになってるかどうかは分からんけど、軽妙なタッチの作品はこのスレでは珍しいから頑張って欲しい。
戦闘の緊張感を壊さない程度に……まあ戦闘をコメディーにしちゃう手もあるが。
ビバ極東!
ウッカリガッカリメカwwwなんか書きたくなるwww 桜花とかかね?
パンジャンドラムだろ
パンジャンドラムでウィキってみたらワロタ 読み進めてたらいきなり横転とかw
>>237 臭いを隠しきれていなかったというわけですね
……というかIDが出るので隠しても仕方ないと思いまして
ありがとうございます!
戦闘はなるべくシリアスに運んでこうとは思いますが、その回の話の内容によってはMETAL WOLF CAOSみたいなノリになるかもしれません。
あと、しばらくはまったりな展開が続くかも。オートマタで農作業の手伝いとか。
ビバ極東!
>>236 開発中ですけど、邪神ストラマとかもありますよねw
>>236 確かに楽な部分もあるんだろうけど、本当に素人の場合、
どこから手をつけていいのか、何をすればいいのかすら、
さっぱり分からんのですよ。ついでに、どこまでやればいいのかも分からない。
オカルト系だと、新紀元社とかがピンポイントで色々出してくれているから、
すぐに調べたいものが分かるんだけど。
個別の兵器のスペックとかはともかく、それをどういう風に運用するのかとかになると、途端に資料が減る。
どっかで『軍事要素のある作品を創作するに当たって、最低限これを読め!』
的な本、出してくれないかなあ……売れると思うんだけどな。
それにしても、ミリタリー系はアニメとかで現実と全然違ったりすると怒る奴が結構な人数出てくるのに、
オカルト系は現実の用語とか伝承とか宗教的・魔術的儀式とかにアレンジが大量に入ってても、
全然怒る奴がいないのは何故なんだろうな?
オカルトは形而上のものだけど、_は現実だからじゃないすかね
オカルトはもう名前だけ拝借したレベルのものがそこらじゅうに転がってるからなぁー そもそも現実味が無いから改変しところでそれはそれでありになる ミリタリーだとある程度現実的に考えちゃうから、ねーよといわれかねない 銃とかまったく興味なかったから、一時期狙撃シーン書こうとした時物凄く困ったりした その当時は口径とかもどれぐらい差があるのかまったくわかってなかったしなー 大きい方が威力高いという認識ぐらいはあったけれど
流れを見てなんとなく思いついたから、投下するよー
『ロボットのロマン』 エメラルドグリーンの長い髪を二つに結って、足元まで伸ばした少女が僕の目の前に座っていた。 髪の毛よりやや濃い緑の瞳が、無機質とはかけ離れた不思議な魅力を持って僕を捕らえる。 奇抜な髪と瞳だが、きっと脱色とカラーコンタクトだろう。 もしかすると両親がよほど裕福で、生まれながらに遺伝子改造を施した二世代人類かもしれない。 「アナタも、私の話を信じてくれないのですね」 「そうじゃないよ。僕はキミの味方だ」 この少女は、自らをロボットだと言い張って、譲らなかった。 二世代人類。 完全記憶。人為的サヴァンによる高速暗算。オリンピック選手並の運動神経と優れた容姿。 多感な時期に人と違うということを痛感させられ、生物学的にも他人との差がある子供。 これ以上にイジメの対象になる存在はなく、期待と不安と頼る人間の少なさに追い込まれ、精神が不安定にならないわけがない。 「うーん。キミはロボットなんだね? じゃあ、ロボットのキミはどうしてここに来たんだい?」 「なるほど。信じてませんね? それではお見せいたします」 彼女は、胸が見えるのも構わずに着ている服をたくし上げると、下腹部から胸部の側面を指で軽くなでた。 白い、透き通るような白い肌と、大きくはないが綺麗な形の乳房が揺れる。 その美しさに性的な意味ではなく、まるで一つの完成された身体を見ているような心地で、一瞬呆け眺めてしまう。 しかし、その心地は一瞬で消し飛んだ。 「これで信じてもらえましたか?」 「まさか……そんなはずはない!」 思わず、僕は声を荒げて少女に詰め寄った。
プシュッという空気が抜ける音。そして、同時に開く胸部。 目の前の光景に、まるで漫画の登場人物になったかのような錯覚を覚える。 彼女の中には内臓は詰まっておらず、代わりに精密な動きを繰り返すシリコンかなにかの白い機械が収まっていた。 「嘘だ。なにかの手品だろう? 人間のようなロボットを作るなんて、技術的に不可能だ。ありえない」 「そう。ぐっ……見えますか? どんな風に調べてもらっても構いませんよ」 苦悶の表情を浮かべて、僕の手を取るとそのシリコンの機械に触れさせる。 手のひらの神経は現実を主張して、僕は世界を見失いそうになる。 「どうですか? 信じてもらえましたか?」 「待ってくれ。何故キミはそんなにも苦しそうなんだ?」 「あっがっ……私を作ったうぐっ博士が、苦痛も必要だとあっぐっう……おっしゃりました」 「それじゃあ、キミは内部を見せる行為に苦痛を感じるのか? もういい。早く閉めてくれ」 その言葉を聞いて、彼女は開いた胸部の扉を閉める。 隙間どころか残滓すら残さずに、彼女はまた人間に違わぬ姿へと戻った。 「何故、キミには苦痛を感じる必要があるんだい?」 「それは、機械から人になるためだと。そして、おいそれと命令なしに内部を見せないようにです」 なんと非人道的な考えの持ち主だ。 いや、彼女が本当にロボットだというならば、それは人道と呼べるものではないのかもしれない。 しかし、それでも人間を目指すというのに、苦痛まで与えるとは、どんな男がこのロボットを作ったというのだろうか。
支援いる?
「だが、聞こうか? まず、第一にこんなものを作る道義がない」 対消滅エンジン。なるほど、そんなものが暴走すれば、都市どころか国さえ滅ぼしかねないだろう。 だが待て、それを人間にしか見えないロボットに搭載する必要が、全く感じられない。 なにより、こんなに自然に会話できる高度な演算処理を、一体どんなコンピュータが可能にするというのだ。 「軍事のためですよ。私の動力元には対消滅エンジンを積んでいますから」 いや、それもおかしい。 まずただ相手と会話するだけなら、ラグがなくノイズのない量子通信を使えばいいのだ。 そこまでして人間の真似をする必要性が、見つからないではないか。 「必要ですか。この容姿があれば、私は疑われることなくどんな地域にも侵入できます」 「そんな。いや、おかしい。こんなロボットを建造するためには莫大な資金が必要だ。どこの国がそんな高い爆弾を買うって言うんだ」 「そうですね。例えば、私の頭脳には擬似ニューロンモデルと量子コンピュータを搭載しています」 「だとすると、その頭脳だけで国家予算が吹き飛ぶことになるな。全く非現実的だ」 彼女の言い分は、まるで出来の悪いSF小説のように荒唐無稽でしかない。 理由があるようで、もっと効率的な手段が他に存在するのだ。 効率の問題か非人道的な理由から、この兵器を運用する国はどこにもない、本当に意味のない存在に思えた。 「私の存在に疑問を持ちますか?」 「当然だ」 「そうですか。その質問に対して博士は、ロマンだと解答しました。これを理解できれば、私は人間なのだとも」 「そうだよ。御伽噺のような存在を、私はここに出現させたのだ」
ふと気がつくと、いつの間にか患者の父親を名乗った男が、ベッドの隣に立っていた。 その言葉から、彼が彼女を作った”博士”なのだろう。 黒いコートに無精ヒゲ、広い額と人生を達観したような視線が、理知的な印象を与える。 「彼女と話してわかっただろう? 彼女はあと一歩で機械から人間になる」 「待ってください。仮にそうだとしても、彼女が兵器として運用される可能性は限りなく0です」 まるで、機械が人間になれるような口調に疑問を感じながらも、話を進めるために次の問題をぶつける。 僕の言葉に、博士は二三うなずき、それから肯定を口にした。 「ほう。なるほど、確かにそうかもしれないね」 「だとして、何故あなたは彼女を建造したのですか?」 「ロマンという言葉を知っているかい?」 「まさか、あなたはロマンだけを追って彼女を造ったとでもいうのですか? 並の苦労じゃないはずだ」 「100点だ。それでいて、私を酔狂だと思うかい?」 「ええ、ロマンと非効率は別です」 それを聞いた博士は、まるでどうしようもないほど上手くいった結果をみて、笑みが押さえ切れないといった表情をした。 ゆっくりと腕を組み、顔を手で覆うようにしながら、僕を見つめる。 「私から、私自身の言葉を送ろう。”これを理解できれば、人間なのだ”」 「馬鹿げてる」 「キミは、人間かい?」 「あなたに聞きます。例え彼女が人間だとして、自爆テロのような非人道的行為を強いるあなたは、人間ですか?」 「くっくっくっ、はーはははははははははっ」
ついに彼は大声で笑い始めた。 着ている黒いコートは、男の痙攣に合わせて揺れ動きゆらゆらと、本当におかしいとでもいうのか。 いや、きっとこの男がおかしいのだ。 「なるほど、まさかまさか。くくくっこれは面白い。人間ですか? とは」 「まるで、あなたが人間ではないような物言いですね」 男はさらに大きな声で笑う。 狂ったように、だけどどこか哀愁を感じさせるような、壊れた笑い声が響く。 しばらくして落ち着くと、男は僕に尋ねた。 「良いことと悪いことを、一つずつ教えてあげよう。どちらを先に聞きたい?」 「……良いことからお願いします」 「例えどんなに困難で、非効率で、馬鹿げている行為でも、ロマンと可能性があれば、人間はそれをいつか行う」 なるほど、例えば人間のクローンは法律で禁止されていることだ。 だが、それが法律や論理で縛られようとも、可能である限り、いつか誰かが成功させてしまうだろう。 そういった意味で、不可能を可能にする技術があれば、それは絶対にあり得ないことではないはずだ。 「そしてもう一つ。悪いことだ。キミはロマンを理解できなかった。私の実験は失敗だよ」 男の言葉に酷い衝撃を受ける。 ああ、そうだ。そうだ! 全てを思い出した。くそっそうなのか! 緑の髪を持つ少女のことも、僕自身のことも、研究室のことも、目の前に立つ博士のことも。なにもかも!
いりそうだ
>>253 すまん
投下終了だぜw
これもロボットだよね?
というわけで、ロマン最強説を俺は推す
僕、はいったい何者なんだ
ああ、やべ、保存ミスした 「いや、キミの言い分には矛盾がある。まず、第一にこんなものを作る道義がない」 「軍事のためですよ。私の動力元には対消滅エンジンを積んでいますから」 対消滅エンジン。なるほど、そんなものが暴走すれば、都市どころか国さえ滅ぼしかねないだろう。 だが待て、それを人間にしか見えないロボットに搭載する必要が、全く感じられない。 なにより、こんなに自然に会話できる高度な演算処理を一体どうして必要とするのだ。 「必要ですか。この容姿があれば、私は疑われることなくどんな地域にも侵入できます」 いや、それもおかしい。 まずただ相手と会話するだけなら、ラグがなくノイズのない量子通信を使えばいいのだ。 「そんな。いや、それだけじゃない。こんなロボットを建造するためには莫大な資金が必要だ。どこの国がそんな高い爆弾を買うって言うんだ」 「そうですね。例えば、私の頭脳には擬似ニューロンモデルと量子コンピュータを搭載しています」 「だとすると、その頭脳だけで国家予算が吹き飛ぶことになるな。全く非現実的だ」 彼女の言い分は、まるで出来の悪いSF小説のように荒唐無稽でしかない。 理由があるようで、もっと効率的な手段が他に存在するのだ。 効率の問題か非人道的な理由から、この兵器を運用する国はどこにもない、本当に意味のない存在に思えた。 「私の存在に疑問を持ちますか?」 「当然だ」 「そうですか。その質問に対して博士は、ロマンだと解答しました。これを理解できれば、私は人間なのだとも」 「そうだよ。御伽噺のような存在を、私はここに出現させたのだ」
あ、やっぱりかw 読み落としたかなーと思って読み返しても話がわからんからそうかなーと思ったんだがw
ロマン>軍事仕様としての整合性がテーマなのに 軍事の初出部分が見当たらなかったもんでw
おお、いいオチ テーマが軍事ってより科学知識だがw
>>263 オチをテーマに絡められなかったのが、悔いだぜ
>>264 軍事には疎くて、科学知識が優先されてしまった
すまん
むむむ。面白いけど、コメントがむつかしいな。 この手のロマンを理解できないって人間も現実たくさんいそうな気がしてならない。 (そういう人間も、別のロマンや遊び心は理解できるんだろうけど) 今ひとつすっきりしない読後感だ……。
「内容はともあれ、ロマンってそういうものなんだ」これならおkでなかろうか
アンドロイドだろうと巨大ロボだろうと、一人酔狂な天才がロマンを追ってオーバーテクノロジーな技術を生むかもしれない そこにロマンがあれば、努力し実行する人間は0じゃないし、その人間が成功する可能性も0じゃない ムダで非効率な結果の理由付けが、ロマンだと思うんだ
「人型兵器をつくる意味なんかない!」という個人がいたとして、 それに「人型兵器はロマンだから」と回答したとする。それは別にいい。俺も同感だ。 でも「人型兵器のロマンが理解できないロボットは人間になれない失敗作」、 もっというと「人型兵器のロマンが理解できない人は人間じゃない」では反発を食らうと思う。 そういう意図はないんだろうが、話の筋から誤解を招きかねないような。 もうちょっと掘り下げてもよかったのでは。
発明は必要の母といいますか 米軍はわりかし真剣に戦闘ロボットを作り始めてます 今の時代、命懸けで戦うための理由がないので 現代人は「命と引き換えに国に勝利をもたらす」と言う発想が出来ません 要するに死にたくないので戦わない こうなってくるとインターセプトアーマーのように全身を身に包んで、重武装にするか 自律行動や遠隔操作で敵を排除するロボットを使うしか無い パワードスーツ型の人型ロボットで防御率を高めることで生存率を上げ ロボットに乗りたがる人が入隊に志願するようになる 命を賭ける人間が不在の世の中なんです 人型兵器はそう非現実的な代物ではないです つっても全長は2m前後でしょうが
正直な所、軍事用ロボットがわざわざ人型になる事はないだろうし パワードスーツも用途を考えれば「着る」以上のサイズにはならんだろうから リアルで「乗り込んで操縦する人型兵器」が誕生する日は永劫来ないと思う だからこそ妄想し甲斐があるんだけどな! 今は装甲車から人型に変形する、外観は勇者ロボ風味なリアルロボってネタを妄想している
まあガッチガチにリアル思考で行くと、 二足歩行で巨大ってだけで全く兵器として使い物にならないって考え方もできるしね。 そこを無理矢理理屈つけて成立させるのも書き手の一つの腕。 現実にあり得ないなら、せめて創作の世界では思いっきり暴れさせてやりたいじゃないw
AT程度の大きさなら山岳戦で地味に役立ちそう 自走砲ならぬ歩行砲として運用したりね 急峻な地形で素早い陣地転換ができるとしたら、対砲兵戦なんかでメリットでかいとおもう
人型戦車と言えば、ガングリフォン好きだったなあ。 誰もこれで一緒に遊んでくれなかったけど。 ダブルシーターモード楽しみたかったなあ。 あ、陸戦における装甲と砲弾について。 今月号の電撃ホビーマガジンに詳細な解説がある。 61式戦車発売に合わせて、軍事に疎いガンダムファンに対する配慮らしい。
工学的に言うと間接を駆動するアクチュエーターの反応速度が遅いから実用不可な訳で 現行の技術で作っても骨と皮だけで筋肉が入ってないアシモと同様 とろくさい太極拳のような動きしか対応出来ない。 何10tもの腕や脚を動かすのには相当量のエネルギーが必要、 瞬発的な出力の出るアクチュエーターか、マッスルシリンダーのような人口筋肉がいる。 恐竜だって時速数百キロで走りまくってたわけだし、 走る、ジャンプする、屈むができるロボットならあまり違和感はない。
時速数百キロってとてつもなく嘘臭く思えるがw
早くて時速50キロだったw
時速50キロでも市街地、山岳地帯ならなんとか…… リアルロボット物はロボットが出てくる戦記物って以外の 話が組み立てにくいのがあんまり書かれない要素なのかなぁ 見てみたい、俺は読んでみたいだが!
いや、そうでもない。 反射速度さえ普通の人間と同じ速度をクリアできるなら、 足が長ければ、一歩当りの進行距離が違う。 まあ数百キロというのはともかく。 恐竜が本気で走れば、人間は逃げ切れない。 おまけに体重が重ければ、その重さが加速に乗る。 太ってるのに、やたら短距離走速い奴、たまにいないか? 体の使い方が上手い奴は、太ってても動ける。
>>278 リアルロボットには専用機の概念がないから、主人公が地味
補給が滞りないように全員同じ機体で、モジュール交換でパーツ換装するくらい
戦地へ運ぶ為の輸送車両をつけて、戦車砲並みの遠距離射撃可能な大砲持たせると
運用方法が戦車と大して変わらんw
戦闘用としてはともかく、災害救助用とかはどうなんだろう? ヘリでも車で行けない所へ行けたりしないのだろうか? あとは、ガンダムファイトみたいにロボット同士が戦うスポーツ的なものとか。 現実でもやってる、自作のロボットをトーナメントで戦わせる大会の、 でっかい版みたいなやつ。 娯楽としてなら、技術さえあれば成立しそうな気がする
>>281 災害救助用ロボットとして、蛇の形と動きを模倣したものが研究されている。狭所や段差の克服に向いたシステムということ。
>競技用
これはリアリティを出し易いのではないかと思っている。
上でも言われているように、人型ロボットの実用化には技術的な問題点が多い。
しかし、これは裏を返せば、人型ロボットを実用化出来る組織は、極めて高い技術を持っているという、明確な証明になる。
このため、ハンディキャップ理論的に、技術・国力アピールとして利用出来るのではないか。
また、高度な技術が必要ということは、競技のため磨かれた先進技術をマスプロダクト製品にフィードバック出来るのではないか。
超巨大アシモ同士の格闘戦とか濡れる
アシモ対先行者とかw
>競技のため磨かれた先進技術をマスプロダクト製品にフィードバック出来るのではないか。 F1に自動車メーカーが参入するような形かな
>>581 いやね、そういってるわけじゃないんだよ。
大体「指摘してあげてますよ」って偉そうな文面でつつかれりゃ、
気分悪いでしょ。
知識ひけらかすだけで眺めてるだけの奴なんて、ただの屑。
自分は何かをしたわけでもないのにさ。要するに気持ち悪い奴なの。
もう一つ、これは瞬発力がある前提だけど、究極の操作性と万能性 ロボットはどんな地形でも踏破できて、ハンドルとアクセルで進む戦車より、よっぽど繊細な動きができる 砂漠では戦車に歯が立たないけど、ヘリから急降下や海から崖を登って電撃作戦するなら人型兵器は決して不利ではない もちろんこの繊細さを活かして、災害救助も期待できるし、競技専用でも殺さない手加減ができるということでもある ただ巨大な砲を装備させるなら、固定砲台でいい けど、核や細菌兵器の施設を制圧するとかの特殊任務には、今までにない効果があるはず
不整地では二足でも四足でも、普通車輌より有利だよね。 ぬかるみとか砂漠だったら二足より四足だけど。 重量が点で掛かると、より沈むからね。
このスレもけっこう盛り上がってきたな。 しかし作品の投下が少ないのがちと寂しい。 職人さん達、忙しいんだろうか。
>>289 一時期から考えりゃかなり多くなったと思うけどな。作品
そして寂しいと思うのなら自分で作品を投下するのだ
>>290 もちろん今書いてるとこさ。すぐに投下するのは無理だけど。
関係無いけど、二次創作でもいいんだよね?
もちろん。 ロボさえ出てれば。
>>243 わかりやすさ、入手のしやすさを考慮して、俺なりのオススメ図書を挙げてみる。
・ 「歴史群像アーカイブスvol.2 ミリタリー講座1 戦術入門WWU」・「歴史群像アーカイブスvol.3 ミリタリー講座2 現代戦術への道」
(双方とも)学研,定価¥952+税
戦術入門のほうは陸戦における基本的な編成・戦術について、簡潔にまとめられている。
現代戦術〜のほうは、第一次世界大戦から現在までに現れた、トピック的な戦術について簡潔にまとめられている。
わかりやすさ・基本を抑えていること・価格・入手のしやすさが総合的に良く、ここでの参考図書向き。特に戦術入門。
・ 「萌えよ!戦車学校」・「萌えよ!戦車学校U型」(双方とも)イカロス出版,定価¥1700(税込)
なんでこんなに出来いいんだよwwwそういうギャグなのか? という感想が襲ってきた本。
装甲戦闘車両の編成・運用・カテゴリー毎の役割について簡潔にわかりやすくまとめられている。
陸戦ユニットについての基本的な参考図書として良い。
だからなんでこんなに出来がいいんだwww
・ 「武器と爆薬 悪夢のメカニズム図解」大日本絵画,定価¥2500+税
書名の通りの内容。それぞれの章で取り上げられている武器の運用にも簡潔に触れられている。
……後書きが面白い。実に。
・ 「図説 世界の銃パーフェクトバイブル(無印)」学研,定価¥2100
>>244 で銃の話が出ていたので。それだけでオススメするわけじゃないけど。
軍用銃のカテゴリー毎の役割・特徴・基本的メカニズムについて簡潔に知ることが出来る。
・ 「孫子」各社
やはり外せまい。
ただし、前線の将兵の技術書としてではなく、
政治的能力も要求される軍人か軍事に関わる政治家の座右の書として読むべきだと思う。
やはりこれは職業軍人登場以前の…… 止まらなくなるのでやめる。
・ 「装甲騎兵ボトムズ コマンドフォークト」ホビージャパン,連載中
面白い。特に俺が感心したのが疲労の描写。そう、人間は疲れるし、それは常に何らかの影響を及ぼす。戦争なら特に。
単行本一巻が出ているが、ライトノベル詳しくないので詳細知らず。
作中で蘊蓄語るのでもなければ、あまり細かい専門知識より、原理的基本を抑えるべきだと思う。
上で挙げたのは、そういう考えの下に選んだもの。
他のスレで相手にされなかったヤツとかでもいいのかな 競技系ロボットの話が出たので
やっぱミリタリー風味のリアルロボの方が人気なのかな。 ブレンパワードとかキングゲイナーみたいなロボなのかどうかもよく解らない、 っていうのもいいの?
>>296 全然問題無いと思いますよ
ってか全然問題無いです
オーラバトラーだってロボットじゃけん!
むしろマイナー系? な物ほどがんばって欲しいね。 ガンダムとか有名どころなんかは、二次創作溢れてる。 それ以外のロボにもがんばって欲しいんだな。
よし! ならば今川版ジャイアントロボの…… 無理無理無理無理
では、空気読まず投下。 ロボット描写がほとんど無いので実はスレ違いかも知れない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「私、竜ヶ崎エリナになる」 成実は高らかに宣言した。 「また始まったぁ」 それを聞いた成実の友人、美弥子は嘲笑する。 「成実はいつもそうやって言うけどさ、次の日には忘れるんだから……」 続けて美弥子が言う。 横浜市内の中学校に通う石阪成実<いしざか なるみ>は昨日の夜、 "アイアンボール"を生まれて初めて生で観戦した。アイアンボールと いうのは戦闘用重機<チャリオット>と呼ばれる二足歩行型のメカに 乗った5人ずつの選手達が鉄球を運んでぶつかり合ったり、武器で 破壊しながら相手のゴールに入れ合う競技であり、若者を中心に人気 を博している。 成実は地元の横浜レイダース側のゴール前で声援を送っていたが、 対戦相手の東京ジェッツの一人の選手とその重機に目を奪われた。 竜ヶ崎エリナ<りゅうがさき えりな>。アイアンボール界の 女王<クイーン>の名をほしいままにしているスター選手である。 その無駄のない操縦テクニックで、まるで手足のように重機を 操る。そして何よりその美貌。長い黒髪を振り乱し、さらに均整の とれたスタイルは世の男性を虜にし、女性たちにとっては憧れの 的である。 「今度はホントだもん。なるって決めたの!」 成実は口を尖らせて言った。 「わかったわよ。でもなりたいって言ってもなれないのよ」 と、美弥子は諭した。 「そんなこと無いもん。想い続けてたら夢はいつか叶うって誰かが 言ってたもん」 成実は声を張り上げる。 「いや、そうじゃなくてね……訓練学校に通わなくちゃいけないのよ」 美弥子が言い返す。 「へー。そうなんだー」 成実は頷いた。 チャリオット訓練学校――小笠原諸島のうちの一つの島の上に作られた 男子禁制の学校および女子寮で3年間、戦闘用重機<チャリオット>の 訓練ならびに社会生活の基礎を学ぶ。ただし、アイアンボールの選手と なれるのは入学生のうち優秀なごく一部のみであり、高卒資格&花嫁修業 として親から入学を促される生徒も少なからずいるという。 「へ〜。美弥子ちゃん、随分詳しいんだね」 「ふぇっ!? な、何言ってんのよ。別に入学したくて下調べしてたと か、そんなんじゃ無いんだから!」 何故か取り乱す美弥子であった。 「ふぅ〜ん。まあいいかぁー。じゃあ私、そのくんくん学校に行って アイアンボールの選手になる! だってもう決めたんだもん!」 成実は鼻息を荒くして言った。理由になってないような気がするが、 成実はどうやら本気のようだ。 「はぁ……くんくん学校ってなんなのよ。訓練学校よ。く、ん、れ、ん、 が、っ、こ、う!」 やれやれといった表情でツッコミを入れる美弥子であった。 「そうそうそれそれ。燻煙学校ね」 「……あんた、ベーコンにでもなるつもり?」
あ、以上です。ロボの詳細設定を考えてくれる人がいると非常にありがたいです。
投下したいけど規制中…携帯から今は書き込んでいるけど
成美アホスwww
304 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/04(水) 04:16:52 ID:qANLKfpO
>>289 エロフォルダ整理しててなかなか時間がないんだ
>>300 ロボでスポーツっていうとアイアンリーガーもあるし何の問題もないさ。気にするな
で、本編の方だけど会話のテンポが個人的に好みだ。アホの子って主人公としては書きづらいと思うけど頑張ってくれ
あとルールについてだけど、破壊上等っていってもある程度の制限は必要だと思う
無差別にぶっ壊し可能なら試合開始と同時に敵を全部潰せば勝ちになっちゃうし
ロボの設定に関しては先に明確なルールを教えてもらわんことにはどうしようもない
ともあれ続きを楽しみにしてます
>300 タイトル案を幾つか。 『機動格闘少女アイアンボール』 『チャリオットガール!』 『Road to Qeen』 『熱血機動アイアンボール』 チャリオットのサイズは、『エイリアン2』のパワーローダーくらいかなぁ?アレに装甲とか足した感じで。
灰色のコンクリートに囲まれた収監所内に喧騒なサイレンが鳴り響く。 署内では慌しく署員達が走り回り独居房の扉が開かれると、粗雑な髪を掻きながら、 一人の男が姿を現した。 囚人番号07313 間寛二 罪状:殺人 量刑:死刑 近付いてくる所員達が寛二の腕を拘束し背後に回ると、追い立てるように背中を押すと 白衣を着た男が現れ、寛二の首元に注射機械を押し当て、注入する。 「痛ェよ」 「脳波チェックは……問題無く”異常有り”だな。 敵部隊は既に上陸して都市部まで迫っている、いけるか?」 「どうせ俺に拒否権はねェんだろ?」 「正体の分からん異星人に喰われるよりは 電気椅子で楽になった方が人道的だろう……大臣も君の為なら喜んで書類にサインするぞ」 「ヒャハハハ! ごッ冗談…こんな楽しい”ゲーム”から降りる気なんてねェし」 格納庫へと続く廊下の先に佇む、分厚い鉄の扉が鈍い音を立て開かれると 見上げるようにそびえる巨大なロボットが姿を現す。直線的なフォルムが鈍い光を放ち 鋭角で分厚い拳が熱を帯び大気をくゆらせる。 9年前飛来した謎の生物群UCI、突然現れた全長10mに匹敵する (Unidentified Carnivore Intelligence)は地球に存在する炭素生命を取り込み、即ち捕食を開始。 地球の総人口が30%減少するなどの壊滅的な被害を受けていた。 「手錠外してくれよ…手錠」 「早く乗れ、後続がつまってる。作戦区域までは自動航行、 戦域に到達するまでは一切システムに手を触れるな」 「部品扱いかよ……人権侵害で訴えるぜ」 「いいから早く乗れ、”ブレイン”!!」 寛二は渋々、コックピットにつくと指定位置に深く座り込み息を潜める。 低い機動音と共に座席に仕込まれていたニードルが穴の開いた脊椎部へと突き刺さり、 四肢の筋電位を失った寛二の筋肉が弛緩する。 「腕が動かねェ」 寛二は脳から腕に対し筋電位の膨縮を促すと、寛二の”ボディ”となった ロボットが腕を振るい、その場から歩き出した。 「BDは既に起動している、勝手に動くな!」 「俺が走っていった方が速く着くぜ、”ボディ”をよこしな」 寛二の延髄に最後のニードルが打ち込まれると、”ブレイン”の思考が”ボディ”へと繋がる。 BDは伸びた腕を肩に乗せ腕を回すと機体の声帯から唸るような声を上げた。 『久しぶりに暴れさせてもらうとするかァ!!』 格納庫から走りながら飛び出した12mの巨体が大きく跳躍すると道路へと着地し 駐車されていた乗用車を薙ぎ倒す、短距離走の選手の如く大きくストライドを取りながら 走り抜ける狂気の捕食者(プレデター)、灰色の檻から外世界へと放たれた男は……さながら1匹の巨獣だった。
なかなかイケてる主人公じゃないか。こういう変態かかった凶悪なやつ好きだ。
以降はダイジェストでどうぞ 犯罪者特有の脳の伝達信号でしか動かせない機動兵器BDに まだ犯罪者になっていない精神疾患のある一般人が参加、その中には間の妹の姿が ヤンデレ妹大暴走、宇宙人を全力でミンチに 精神鑑定を受け持つ寛二の担当女医、事件時の証言の食い違いから 寛二の罪が冤罪ではないのではと疑う 実はヤンデレ妹が殺人犯でした、寛二は妹を庇う為に敢えて汚名を着る 兄が女医を説得するのを見ていた妹、兄を取られるのではと勘違い BDの戦闘中、事故に見せかけて殺害しようと企て兄に邪魔される お兄ちゃんどいて、そいつ殺せない! ヤンデレ妹大暴走2、宇宙人を文字通りちぎる、必要な戦力の為、現状を黙認することに ボス宇宙人が海から現れ、辺りそこらじゅうに分裂し食い荒らし始める 寛二、ボス宇宙人を倒すと自分が死刑になるので悩む 一悶着有り、戦死扱いとなった主人公は最終決戦中に行方不明になった 妹を探すため旅にでる、俺の戦いはこれからだ! あと2人くらい女キャラ出したかった
待ておいコラwww
>>310 ヤンデレ、ですって……!?
というかいい具合にブッ飛んでらっしゃるwww
>>293 ありがとう、非常に参考になる。
マジ助かる。
314 :
293 :2009/03/04(水) 22:01:18 ID:98Ot6M1/
>>313 役に立てたのなら、こちらも嬉しい。
よく、フィクション作品の軍事的側面について批判しているのを目にするが、その批判そのものの内容には同意しつつも、
では具体的にどうすれば良くなるのかという手段を提示しないところに、常々問題を感じていた。そこから先に進まないから。
俺自身、「叩かれるんじゃないか」とビクつきつつSS投下してるし……
参考図書の提示や、疑問相談に出来る限り答えることで、俺なりにそれに対処しているつもり。
ただ、やはりどうしても俺の個人的志向が入ったセレクトになっていると思うので、
「これだけが絶対!」とは思わないで頂きたい。注意するまでもないだろうけど……
軍事に限らず、「○○参考図書目録」みたいなスレがあって、色々な人が書き込めば、
個人的志向に引っ張られるの緩和出来るんだろうけど……
バイオニック・アームとか検索すれば必要な情報は出る世の中だし要らないんじゃ
どの程度描写するかにも寄るけれど、 参考資料をネットだけに頼るのは危険よ。 出来れば文献も調べた方がいいね。 ネットで複数個所調べようとしても、 ネタの出所どこも一緒なんて、珍しくないから。 より良い作品を書きたいと思うなら、出来るだけそうするべきだと思う。
日本で衛生を使った戦略や無人機の解説書が出るのは10年後くらいだな
誤字、衛星
とりあえずきりの良いところまで書けたんで投下してみる 一応前スレに載せてた分も再投下しときます
ほんの数時間前まで人で賑わう繁華街だったその場所は、今や地獄絵図と化していた。 十数匹の巨大な生物が火を吐き四肢を使い街を破壊しているのだ。 数ヶ月前から突如出現するようになったその生物達は、鳥や虫などといった動植物が20〜30メートルに巨大化したような外見であり、それ以外は全くの正体不明であることから「アンノウン」と呼ばれていた。 そして、炎に包まれた街の中には十数匹のアンノウンと、それと戦う一体のロボットの姿があった。 コクピット内の人影は二人。中央に立っている鉢巻きを巻いた少年。その少年の前方、一段下がった地点にあるシートに座っている少女の二人である。 年齢は少年が十代後半、少女が十代の前半に見えた。 パイロットの少年が右拳を突き上げる。と同時に、トレースシステムによって少年の動きにリンクしたロボットもまた、右拳を上に突き上げた。 「うおおおおおっ! ナックルアーマー、ブレイズアップ!」 少年の叫びと共にロボットの右腕の装甲の一部がスライド展開し、隙間から紅蓮の炎が吹き出し腕を包み込む。 「バーニングペネトレーション! 食らえええええええっ!」 放たれた拳はロボットの目の前にいたモグラのようなアンノウンの腹部に突き刺さり、瞬間、アンノウンは炎に包まれた。 「敵はあと何体だ!」 眼前で崩れるアンノウンには目もくれず、少年は同乗している少女に尋ねる。 「あと12体です!」 レーダーに写る敵影を見ながら、少女は叫んだ。 「なら、このままこのまま押し切るぞ! ブレストアーマー、ブレイズアップ!」 少年の言葉と同時にロボットの胸パーツにエネルギーが集中し始め、胸部の太陽を象った意匠が輝き始める。 「エネルギー、チャージ完了!」 「プロミネンスウウウッ、ブラスタァァァァァッ!!」 刹那、ロボットの胸の意匠から山吹色の光が放たれる。そして、動きを止めていたロボットに殺到していたアンノウン達は、その圧倒的な光に飲み込まれ、塵となって消えていった。 光が消えるのと同時に片膝をつくロボット。 精神エネルギーを動力源とするこの機体にとって、それはつまりパイロットの少年がそれだけ消耗したのだということも示してた。 「敵アンノウンの反応、全て消失しました。……大丈夫ですか、才斗さん」 「……正直きついかな」 機体とのリンクをカットしてコクピットに腰を下ろす少年。 彼の名前は柊才斗《ひいらぎ さいと》。今まで戦闘をしていた巨大ロボット、ソルサイファーの開発者である柊博士の息子にしてパイロットである。 「しかし、なんだって今日のアンノウンはこんな大量だったんだろうな? いつもは多くても中型4の大型2くらいだってのに」 「わかりません。少なくとも大型が一カ所に二桁以上出現するなんて今までのアンノウンの行動パターンからは……」 少女の言葉はコクピット内突然鳴り響き始めた警告音によって遮られた。
「どうした!?」 「ち、地下からアンノウンの反応確認、上昇してきます! 嘘……通常の十倍近い反応値だなんて……」 「とにかくここから離れるぞ!」 才斗は即座にトレースシステムのリンクを再開させると、ソルサイファーを上空へ飛び上がらせた。 それから間をおかずに街全体のアスファルトにヒビが入り、地下から巨大なアンノウンが姿を現し始める。 「なんて大きさだ……」 粉塵を巻き上げながら姿を現したそのアンノウンは、ソルサイファーが玩具に見える程の大きさであった。 「アンノウンは樹木型と断定。地上に出ている部分だけでも200メートル以上……こんな巨大なアンノウンが地下に存在していたなんて」 「どうやらさっきの群はこいつが原因みたいだな。ともかく暴れ出す前になんとかする! ブレストアーマー、ブレイズアップ!」 「了解!」 「プロミネンスブラスタァァァァァッ!」 ソルサイファーから放たれた一撃がアンノウンの頭頂部に直撃、大爆発を起こす。 「まだまだぁっ! レッグアーマー、ブレイズアップ!」 才斗の言葉に反応し、ソルサイファーの両足のアーマーがスライド展開、吹き出した炎が両足を包み込む。 「バニシングスピンブレイカァァァァァッ!!」 高速でスピンしながら先程爆発した地点へ急降下をかけるソルサイファー。 瞬間、樹木型アンノウンの幹の部分に無数のレンズ状の物体が出現、その一つ一つから光弾が放たれる。 「何っ!?」 咄嗟に技を中断して両腕をクロスし防御耐性を取るソルサイファーに、無数の光弾が直撃する。 その威力は凄まじく、一撃一撃がソルサイファーの肩を、足を、腰を破壊していく。 「があぁぁぁぁっ!?」 高性能すぎるトレースシステムの弊害によってそのダメージは才斗の身体にも伝達され、全身を貫く激痛に才斗は苦悶の声を上げた。 「才斗さんっ!? きゃあっ!」 才斗の声に後を振り返った少女も、近くにあったコンソールの爆発を受け悲鳴を上げる。 そして光弾の嵐が止むと、わずかな間をおいてボロボロになったソルサイファーが地面に叩き付けられた。 「ぐうっ! ……損害状況は!?」 落下の衝撃に呻きながら、才斗は少女にそう尋ねる。 「……腕に守られていたおかげで胴体ブロックはそれほど損傷を受けていません。ただ、それ以外の部位は損傷率70パーセントを超えています。特に左肩はリンクシステムとフレームが完全にやられてしまっていて……」 「使い物にならない、か」 才斗はまだ稼働する右腕を使ってソルサイファーを立ち上がらせた。 「……なあ、一つ頼まれてくれないか?」 「何をですか?」 言葉を聞いて振り向いた少女に向けて、才斗は左手で頭に巻いていた鉢巻きを外し、放り投げた。 「そいつを頼斗に渡しておいてくれ」 「……はい?」 鉢巻きは受け取ったものの、質問の意図が分からず思わずそう聞きかえす少女。 「何か俺は渡せそうにないからさ」 微笑みながらそう告げ、才斗は近くの強制分離装置のスイッチを押した。 「っ!? 才斗さ……」 少女の言葉は、座っていたシートの移動によって遮られた。 シートはソルサイファーの胸部に合体していた戦闘機のコクピットに移動し、そのまま戦闘機は機体から分離、離脱していく。 「……頼んだぜ、希美」 戦闘空域から離脱していく戦闘機を見つめてそう呟くと、才斗はアンノウンの方へ向き直る。 「出てきて早々で悪いが、お前さんにゃ俺と心中してもらうぜっ! ソルサイファー、ブレイズアァァァァァップッ!!」 才斗の叫びに応え、ソルサイファーの全身から炎が吹き出す。 その姿に本能的に危険なものを感じたのか、アンノウンはソルサイファーに向けて先程と同じ光弾を放った。 「おおおおおおおおおっ!!!」 光弾の雨を受け、装甲を吹き飛ばされながらも背中のブースターを全開にしてアンノウンに突撃するソルサイファー。 そしてソルサイファーはアンノウンに激突し、辺り一面を大爆発が包み込んだ。 ……これが、後に『アンノウン大災害』と呼ばれるアンノウンとソルサイファーの戦いの結末である。 この戦いを最後にアンノウンは姿を消し、人々の間には一応の平穏が訪れたのだ。 そして、五年の月日が流れた。
「……また、あの夢か」 布団から上半身だけ起こし、少年は額に手を当ててそう呟いた。 その表情は暗く、春先のまだ肌寒い朝だというのに彼は汗だくである。 少年の名は柊頼斗《ひいらぎ らいと》。ソルサイファーのパイロットだった柊才斗の弟である。 「ったく、あれから五年だぞ。……いい加減忘れろよ、俺の阿呆め」 あの戦いを研究所のモニターで見ていた彼は、未だに悪夢に苛まれているのだ。兄が死んだ時の光景に。 そして、憔悴していた頼斗は気付かなかった。二つの人影が自らのすぐ横まで迫っていることに。 「……だったらカウンセリングでも受けたらどうだ?」 「うんうん。一人で悩んでてもあんま良いことないよ」 「うおっ!?」 突然両脇からかけられた声に、頼斗は驚きの声を上げる。 ひとりは少年、ひとりは少女のものだ。 「……おまえら、何で勝手に人の部屋に入ってんだよ。てか鍵かけてたはずだぞ俺」 声の主に心当たりがあるのか、やれやれといった様子でそう尋ねる頼斗。 「朝ご飯の用意ができたから起こしに来たんだよ」 「そしてこれが合鍵だ」 一つ目の質問は少女が、二つ目の疑問には少年が鍵を見せながらそれぞれ即答する。その様子に、今日にでも錠前を買ってこよう、と頼斗は心に誓った。 「しかし、すぐ横まで俺たちが近づいても気づかないとはな」 「すっかり自分の世界にトリップしてたもんね。『ったく、あれから五年だぞ。いい加減忘れろよ、俺の阿呆め』って」 独り言を額に手を当てている様子ごと少女に真似されて、頼斗の顔は恥ずかしさで真っ赤になる。 「だあぁっ! よせ、やめろ! 蘭も善司も今すぐ出て行け!」 手を駄々っ子のように振り回す頼斗の様子に、善司と蘭と呼ばれた二人の少年少女は苦笑しながら部屋を後にした。 アンノウン大災害から五年の月日が流れ破壊された街も復興が進み、人々の顔にも笑顔が戻りつつあった。 とはいえ当然家族を、親を亡くした子供も多く、大災害以後そういった身寄りのない子供を引き取る施設やアパートが爆発的に増加していた。 頼斗の住む『春風荘』もそのひとつだ。 身寄りがなくなったわけではなかったものの、諸々の事情で親元で暮らしづらくなった頼斗はかれこれ四年ほど春風荘のお世話になっている。 春風荘の住人は三人。管理人の伊吹善司《いぶき ぜんじ》、五年前身寄りを亡くした如月蘭《きさらぎ らん》、そして頼斗だ。 同い年の少年少女三人暮らし、しかも管理人が未成年ということで多少苦労はあったが、災害復興によるお上のゴタゴタ等に助けられ、なんだかんだで三人平和に暮らしている。 「じゃあ今日のアルバイトは街の方なんだ」 客間で朝食をとりながら、三人は今日の予定を話していた。 ちゃぶ台の上には白米と味噌汁、そして鮭の塩焼き。朝は和食が一番、というのがこの三人の共通見解である。 「ああ」 錠前も買えるし一石二鳥だな、と心の中で付け足す頼斗。 復興が進んでいるとはいっても、まだまだ修復を行っている建造物は少なくない。当然、日雇い労働の募集は掃いて捨てる程存在しており、肉体労働の得意な頼斗は毎日せっせと働いているのだ。 「頑張ってね、ガテン系兄ちゃん。家の家計は君が支えているんだから」 「へーへー」 味噌汁を一気に呷ると、頼斗は近くに置いていたバッグを手にとって立ち上がった。 「んじゃ、行ってくる」 「待て」 玄関へ向かっていた頼斗を呼び止める善司。 「ん? どうした」 振り返った頼斗に向かって、善司はきっぱりと告げた。 「管理人としては勝手に扉に錠前をつけるのは勘弁して欲しい」 ……俺、錠前のこと口にしてないよな? と、頼斗は尋ねようと思ったが、返答が恐かったので止めておくことにした。
同時刻、VICT−−−五年前、ソルサイファーを所有していた研究所が使っていたコードネーム。現在は防衛組織の名前となっており、世界各地に様々な施設がある−−−の司令部に緊急連絡が届けられた。 「サテライトベースから緊急連絡。未確認の物体が複数、地球に接近しているとのことです。数、42!」 オペレーターの報告を受け、壮年の司令官が指示を出す。 「サテライトベースへ連絡、予想到達地点と時刻の割り出しの依頼! 場合によっては迎撃も許可する!」 「了解!」というオペレーターの返答を聞くと、司令官は背後にいた人物の方へ顔を向けた。 そこにいたのは十代後半と思われる一人の少女。端正な顔立ちで腰まで伸ばした長い黒髪の美しい少女である。 司令官の顔から、彼の口に出そうとしていることを察したのか、少女は首を横に振った。 「フライヤー、ドリラー、ブレスター共に最終調整中です。実戦にはまだ出せません」 「他支部も似たような状況だそうだ。……万が一の場合は二号機を出す」 その言葉に、少女の顔は暗く沈んだ。 昼の休憩時間、頼斗はむき出しになったビルの鉄骨の上で弁当を食べていた。 眼下に見えるのは豆粒のような人、彼がいるのと同じく建設中のビル群。そして、遠くには最後の戦いの時に出来上がった立派なクレーターも見えた。 「……」 無言でクレ−ターを見つめる頼斗。今朝見た夢の事もあって思い浮かぶのは五年前の光景ばかりである。 「……ん?」 そこでふと、頼斗は上空から何か光るもの降ってきていることに気が付いた。 「流れ星? ……いや、違うな。何だあれ?」 摩擦熱によって赤く輝いていた「それ」は、上空から垂直に落下し、やがて減速しながらクレ−ターの中心に降り立った。 衝撃もなにもなく、驚く程自然に降り立った「それ」は、大きさは二十メートル程で、数十個の黒い球体が集まって出来た人形の様な外見をしていた。 「何だ? あの黒団子」 そのあまりに奇天烈な外見に、頼斗は思わずそう呟いていた。 人形はしばらく直立不動の体制を崩さずにいたが、突然思い出したように周囲を見渡すそぶりをすると、人で言えば頭部にあたる部分の球体を輝かせ始めた。 そして、人形の頭部から一条の細い光が放たれ、一拍おいて光が通った場所が大爆発を起こし始める。 「へっ? ……えええええぇっ!?」 ようやく状況のヤバさを理解する頼斗。 彼にとっての不幸は二つ。 一つ、五年前の大災害の時安全な研究所におり、兄がロボットに乗っていたこともあって他の一般市民より巨大な物体への危機意識が欠けていたこと。もう一つ、ビルの上にいたせいで黒団子の出現に逃げまどう市民に気付かなかったこと。 「やべ、早いとこ逃げねえと!」 慌ててビルを降り始める頼斗だったが、高層ビルの上の方にいたことが災いして地上に降りた頃には被害はかなり広がっていた。 「っ!」 周囲から上がる炎に五年前の光景が重なり、思わず立ちすくむ頼斗。 「……馬っ鹿野郎! この程度でビビってんじゃねえ!」 自分を叱咤し、震える足で無理矢理走り出す。 しかし、やはり逃げ遅れは致命的だった。駆けだして間もなく近くにあった建物が吹き飛び、その衝撃で頼斗もまた吹き飛ばされた。 「がっ!」 容赦なくアスファルトに叩き付けられ、思わず苦悶の声があがる。 そして粉塵が晴れると、建物のあった場所には代わりに瓦礫と黒い人形の姿があった。 「くそっ、球の塊のクセに舐めた真似しやがって!」 立ち上がり、再び駆け出す頼斗。 人形も狙いを頼斗に定めたのか、ゆっくりとした動きではあったが頼斗に向かって歩を進め始める。 「ビームは使わないで直接潰しにくるたぁ良い根性してるぜ、ったく!」 悪態をついてる間にも距離は縮まり、頼斗のすぐ後まで迫った人形は彼を叩きつぶすために腕を振り上げる。 「畜生、こんな所で死んでたまるかあああああっ!!」 そうだ、死ぬわけにはいかない。今自分が死ねば、間違いなく二人の人間を悲しませることになる。だから、勝手に死ぬことは許されない。 頼斗は叫んだ。腹の底から叫んだ。 瞬間、何かが頼斗の頭上を通り過ぎ、人形にぶつかった。
しえん
「!?」 それは一体のロボットだった。人形を体当たりではじき飛ばしたそのロボットは、一度頼斗に視線を送ると再び人形の方へ向き直る。 ビルに激突し粉塵を巻き上げさせていた人形は、ロボットを脅威と判断したのか立ち上がると先程のように頭部を輝かせ始めた。 それを確認したロボットも、足の裏のブースターを全開にして人形へ向けて突撃する。 そして光線が放たれようとした瞬間、人形の懐まで接近したロボットが左拳を人形の、人で言うところの顎の部分に叩き付けられる。俗に言うアッパーカットだ。 頭を無理矢理上の方へ向けさせられ、人形の光線は何もない虚空を切り裂く。同時に、ロボットの右拳が人形の腹部に放たれ、人形を貫いた。 「!?!?!?!?」 人形からノイズのような音が発生する。それを断末魔の叫びにして、人形は爆発、四散した。 「……」 その光景を、頼斗は逃げることも忘れてただただ見つめていた。 やがて、爆発の中からロボットが姿を現した。それは頼斗の事を見つめながら近づいてくる。 しかし、頼斗は先程のように逃げようとはしなかった。そのロボットに見覚えがあったからだ。 「サイ……ファー……?」 そう、そのロボットはかつて彼の兄が乗っていたロボット、サイファーに酷似していたのだ。 違うのは装甲の色だろうか。サイファーが赤と黒を基調にしていたのに対して、ロボットは青と白を基調にしている。 やがて、頼斗の眼前まで近づくと、ロボットの胸のハッチが音を立てて開いた。 「久しぶりだね。頼斗君」 コクピットから現れたのは先程司令室にいた少女だった。 彼女の声と顔の輪郭から、頼斗の頭に一人の少女の名前が浮かぶ。 「……希美、か?」 頼斗の言葉に頷く少女。彼女の名前は星川希美《ほしかわ のぞみ》。かつて、才斗と共にソルサイファーで戦っていた少女であった。 『電光石火ゼノライファー』−−−To be continued
今回はここまでです リアルなロボットが好きな人はご勘弁
熱い展開目指すならこの辺も入れましょう 男友達を一人追加 主人公と意見の合わないモブ(和解する展開) ライバルキャラの強力なアンノウン 女の為、家族の為ではなく、見ず知らずの誰かの為に戦う方向へ 主人公が致命傷を負う 孤軍奮闘する展開はOK(援軍程度はOK) 一人の敵を集団でリンチするのはNG ロボットプロレスなので原則1対1、フェアプレイ精神 新兵器はピンチになったら投入 目立たないキャラが急に目立つと死亡フラグ
>>326 そういう余計なことは言わんでよろしい。
……名前ゼノライファーだったのか。筋書きが超王道って感じで楽しいぞ。
でも頼人はロボットのことも兄のことも既に知っているんだよな。このへんがドラマの鍵になるか。
個人的にポイント高いのがヒロイン勢かも。
ところで此処は巨大人型ロボ物専門のスレなのかな 体に機械を埋め込んだ美少女とか整備員じいさんや 戦闘ヘリに乗り込んでフゥハハハァーしてるおっさんとかは需要はあるのだろうか?
むしろщ(゚Д゚щ)カモォォォン
初期のころは人間サイズのロボが出てくるギャグもあったから問題無し
しかしホントにいい感じに盛り上がってきたな
バイオレンスなリベジオンに勇者っぽいスプリガン
ファンタジックなパラベラムにスポーツ非戦闘系のチャリオット、王道スーパーロボットなゼノライファー
どれも続きが楽しみで仕方ないぜ。作者さん達は日常生活に支障が出ない程度で頑張ってくれ
>>329 俺としては全く問題なし
どんと来い
>>326 やべっ☆大好物の予感
続き待ってます!
>>332 イエス・マイマスター!
しっかし……作品、増えましたね。
うんうん、とてもいい事だw
前スレにもあるんだぜ
>>335 スマン、ここに来るようになったの前スレの最後の方からだったから前スレの作品の事を失念してた
いつになったら規制解除されるんだー
ここって二次創作というか実際にアニメとかであった場面をSS化したのを晒すのってあり? SSは作ってみたいけど全然文章作ったことないし・・・
>>338 それって創作かい?
まあ単に練習したいってんなら、付き合ってくれる奴もいるだろうけどな。
文章なんて、日本人でちゃんと国語の授業受けてれば、誰でも書くだけは書ける。
そこから面白くするのは書き手の努力だったり、経験の蓄積だったりするんだろうけど。
とりあえず悶々とするより書いてみたら?
ここじゃなくても、初心者向けのスレとかもある。
このスレの他の住人がどういうかはわからんが、
練習する場はあるから、諦めずに書き始めろって事。
某所で晒したSSを晒すのもありか? TXT文書で眠ってるけどここに直接書き込んだほうがいい?
>>340 それはロボ物でオリジナルだったら、誰も文句言わないんじゃない?
ろだか直接書き込みかはご自由に。
某所って、サロンの晒しスレかい?w
>>338 ありだろうけど、それやれるならオリジナルもできると思うぞw
>>341 いや、ロボ板の某スレ、って結構住人かぶってそうだな
そろそろ何か来ても いいころ
神無月の巫女のソウマみたいに、組織とかじゃなくて個人がロボットを呼び出して戦う、 って感じの話をみんなどう思う? ちょっと考えてるのだと、ドットハックGUのアバターみたいに、 戦うときは結界めいたものが周囲に張られて、そこで派手に戦う、みたいな感じを妄想してるんだが、 ふと考えたら、別にこれロボットである必然性がないような気がしてきたんだ。 ロボットが好きだから出したい、以上の理由が思いつかない。
投下したくてもPCが規制されてる…ぐぬぬ
>>345 それ以上の理由がないっていうけど、ぶっちゃけそれが一番の動機なんじゃないか? ロボの出てくる作品を作る理由って
ロボを出したいがためにロボの必然性を無理矢理ひねり出すのがロボ者w
例えばさ、
>>345 の考えた話だと、
例えばロボを自律意思のある機械=神にする。
そしたら巫女は、神と繋がる存在=操縦者とする事が出来なくは無い。
神だからでかいんだよ。
人間サイズで収まるもんかよ神なんだから。
と、こう言い訳してみるw
349 :
326 :2009/03/06(金) 22:57:22 ID:CTgra2nb
>>327 そのうちの何個かは入れる予定です
>>328 すいません。以後気をつけます
兄の事に関しては色々考えてます。兄超えが本筋のひとつなので
ヒロインの方は四苦八苦してますね。はたしてちゃんと書き分けられるか……
>>332 >>333 楽しんでもらえたようで何よりです
続きはなるべく早くに投下出来るように頑張ります
あとサブロボも出そうと考えているんですが、誰か設定を考えるのに協力してもらえませんか?
戦車や巨大な腕&武器に変形できる頑丈なロボットで
352 :
326 :2009/03/07(土) 00:14:17 ID:LItCI3CK
>>350 >>351 どもです。説明不足だったんでもうちょっと詳しく
今後、勇者シリーズのサブロボのようなアシスト専門ロボや、グラヴィオンのグラントルーパーみたいな量産機じゃなくて単機で戦えるようなロボットを出したいと考えてます。一番近いのはゴーダンナーの各国ロボですね
できればあまり統一感を持たせたくないので、皆さんの知恵を借りようと思いました
協力して欲しいのはロボとパイロットの設定ですね。ロボの方はファンタジー要素のない完全メカでお願いします
パイロットの設定で欲しいのは名前と性格。あんまり多くても多分活かしきれないんで、一機につき1〜2人が望ましいです
何か思いついたら協力お願いします
単機で戦えるっつっても、どういうポジションなのか分からんと設定も出しにくい訳だが…… 純粋に協力してくれる仲間なの?それともどちらが優秀か競い合うライバルなの? 「貴様を殺すのはこの俺だ!」的な割とギスギスした関係でも可なの?
354 :
326 :2009/03/07(土) 01:08:40 ID:LItCI3CK
>>353 最低限仲間なら性格はそこまで縛るつもりはありません
>>323 でちょっと触れてる他支部のロボットとして登場させるつもりなので、純粋に仲間でも対抗意識むき出しの奴でも大丈夫です。あと、パイロットは日本人以外だと助かります
ただ、ライバルロボはもう考えてあるのでギスギスした関係の奴は不可ということでお願いします
適当に磁力ロボ 機体名:マグネダイン マグネショット:磁力を持った磁石針(マグネニードル)を発射する遠距離用武器 マグネパンチ:相手に突きを入れると同時にマグネニードルをパイルバンカーで撃ち込む マグネキュート:両腕から放射される磁界でマグネニードルを撃ち込んだ敵を遠距離から捻じ切る パイロット名:マクスウェル・リモリッチ(♂か♀どちらか) 性格:守銭奴でお金と貴金属には目がない 境遇:街でゴロツキをやっていたが、磁界を直接視界に投影できる技能を持つことで マグネダインのパイロットに選ばれる(生まれつきか強化人間どちらか) ”アンノウン大災害”により生まれた孤児を集めた孤児院(教会)を赤字で切り盛りする 聖職者(異性)に一目惚れ、何とか振り向いてもらおうと金策に走る 通常の給与に加えてアンノウンを倒すごとに特別手当が出るので獲物を独占したがる
メカンダーロボのパクリ 機体名:メガロ−D ダブルソーサー:両腕についたバックラーが回転し敵を切り裂く、チョップ攻撃 メガロキック:鮫のような細かい牙が飛び出し敵を切り裂く、キック攻撃 メガロバイト:胸部装甲が鮫の口のように開き敵に食いつく、噛み付き攻撃 メガロドンロケット:メガロ−D自身が砲弾になり敵へと突進する体当たり、自爆技 *メガロマックスと呼ばれる戦闘機が合体することで本体が起動する パイロット名:アルバート・テイラー 性格:知的好奇心旺盛(既存の知識は除く) 境遇:学者一族の末っ子に産まれ、”アンノウン”の研究に没頭している青年 鮫型アンノウンを基に作られたメガロ−Dを乗りこなし”アンノウン”の生態について調査している 一族が経営する財団(世界有数のパテントを持つ)の資金提供を受けて活動 貴重な”アンノウン”の調査をする為、度々戦地に赴き「解体した後」に持ち帰っている ”アンノウン”が暴れた後の復興支援も財団から義援金を捻出している
読者参加企画みたいでなんか面白いですねw なんだかラッキーマンを思い出しました。 さて、自分も即興で思いついたのを。 ■機体名:ジルエッテ スマートな忍者型ロボット。主人公を影に日向にサポートしたりしなかったり。 各部に人工筋肉を使用しており、静粛性が高い。 武器はクナイや忍者刀。マシンガン等の銃器類も使用するが、総じて攻撃力は高くない。 □トラウムビルト ビットを射出し、機体の姿を投影。敵の撹乱に使用する。 一応、ビットからレーザーを発射可能。 しかしビットのエネルギーが持続する時間は短いため、連射はできない。 □ユーバーファル 光学迷彩で姿を消す事ができる。が、マズルフラッシュや駆動音までは消せないので、注意が必要。 ほとんどの場合、無音駆動モードと併用される。 □無音駆動モード 読んで字の如く、無音で駆動する事のできる状態。ただでさえ高い静粛性がさらに素敵な事に。 時間制限があり、それを越えると機体の性能が低下する。 使用には一撃で仕留める覚悟が必要。 ■パイロット名:ティアナ・ティルラ(♀) ドイツのティルラ研究所が戦闘用に作ったデザインベビー。 感情表現に乏しく、不器用。人見知りが激しい。 青白い髪と金色の瞳がチャームポイント。 ファザコンで犬が好き。 うわょぅι゛ょつよい。 べ、別にロリコンじゃないんだからね! どっちもいけるんだから!
>>345 自分が考えてるのは、よくある設定でヒロインの一人のアンドロイドがロボットの鍵でもある
普段は機体を圧縮格納してあって(ZOEのベクタートラップみたいな感じ)、起動時に通常サイズに展開する
状態によってペルソナみたいに出したり、普通にロボットやったり
マクー空間もあるでよ
>>352 ちょっと考えてみた。
全球防御システム
・陽電子砲衛星群を中心とする迎撃システムである。
陽電子砲衛星群
・陽電子砲を搭載したもの一つの周囲を発電用のものが取り囲んだ静止衛星群。
地球の中心に対し互いに90゜の角度をなすように計6の群がある。
地球の引力を利用して弾道を曲げることにより、原理上は1群のみで全地球をカバーすることが可能。
それが何故、6群もつくられたのかというと、宇宙からの攻撃を受けた場合にどれかは地球の陰となり生き残るように。
極めて強力だが、原理上「地球上の任意の場所に陽電子砲撃出来る」というシロモノだったために、
各国の思惑が絡み合い、一つ一つをそれぞれ別々の組織が運用することなり、
連携が極めて重要なシステムであるにも関わらず各群の連携に問題があり、
更に、射界に制限が科されたため、使い勝手が極めて悪く、実戦において発射したことは一度もない。
ただし、圧倒的な数の敵が押し寄せれば、各国が協力して用いることが予測されるため、結果的に敵に兵力の逐次投入を強いている。
役に立っているのかいないのかわからないシステムである。
衛星外保護作業機体(ハウスキーパー)
・陽電子砲衛星群と軌道が重なるデブリを消滅させるために小型の陽電子砲を搭載した宇宙用ロボット。
衛星外での補修作業も行うために、作業用ロボットアームと機体固定用の「脚」を持つ人型に近い形となった。
もともと作業用として開発されたのだが、デブリを消滅させる陽電子砲を持つということは、
極高速移動目標に陽電子砲を命中させる能力を持つということであるため、
上記のようにさっぱり使えない陽電子砲衛星に代わり、敵に砲撃したりもしている。
なお、ハウスキーパーとは非公式のニックネームである。
イアン“ガム食い”アーヴィング
・ハウスキーパー操縦士。元宇宙船外作業員であり、機械操作の正確さと集中力の高さを買われて任命された。
船外作業員だったことから、機械の破壊とデブリの発生を招く砲撃任務は彼にとって「気の乗らない仕事」であるようだ。
船外作業員時代から、灰などの問題で煙草の吸えない宇宙に長くいたため、
噛み煙草の愛好者となり年中噛んでいるため、“ガム食い”のニックネームをつけられる。
考えすぎワロタw
364 :
345 :2009/03/07(土) 20:57:14 ID:u8/zeA30
>>347 俺もそう思うんだが、やはり必然性というか、
作品としてはロボならではの魅力や面白さがなければならないかな、と思って。
>>348 >神だからでかいんだよ。
凄い説得力だw
>>358 なるほど。俺は魔法的な設定のロボットを考えていたが、
そういうのだったら普通に機械的なシステムでもいけるな。
>>359 そういえばあれもそうだな。
「ファントムガオー!」とか叫んで乗り込むんだよな、確か。
その後にパーツ呼び出して合体して。
そう考えると結構あるのか、実は。
>>360 知らなかったからググってみたんだが……ギャバンのほうでよかったのかな?
鬼武者も出てきたんだけど。
設定を見てみたら参考になりそうだったんで助かる。
主人公の部隊が軌道降下猟兵(OrbitalBorne Trooper)というんだが、HALOにも 似たような部隊名があることを初めて知った。 なんかいい名前ないかな?
いや、
>>365 が聞いてるのはネーミング的な話なんでねえ?
>>365 語源的に考えていくなら、宇宙挺進兵・軌道挺進兵・空間挺進兵とか。(ただし、軌道挺進兵だと英訳がHALOの奴とかぶる)。
もしくは、その兵科が降下に用いる装備を設定して、(その装備の名称)兵とか。
>>362 >>363 う〜む、
敵が宇宙から来るんだったら、地球に降りられる前に迎撃したほうが被害出なくて良くね?→
でもそれが完全に出来ちゃうとすると、話が成立しないなあ……→
じゃ、何らかの理由で制約のある迎撃システムにすればいいや。→
でも性能低いから、っていうのは安直でつまらないから、逆に強力過ぎて使用に制約があるってのはどうだ。→
どうせなら、それにロボット戦が基本1対1になる理由も絡めさせたら面白かろう。
って感じで考えたんで、そんなに深い考えはなかったり。
SFで魔法は全部「ナノテクノロジーです」で済まされる罠
>>368 某宇宙戦争のトライポッドは地面の下から出てくる件
そもそも電子は磁力で簡単に曲がる
ちっさいナノマシンが周囲の物質を取り込んで巨大化でオケ 理論上、物質を構成する原子がある限りデカクなる バイバインで増えた栗まんじゅうみたいなもんだ つまり周囲に材料があれば宇宙の果てまで巨大化できる
地球を材料に巨大化すると 地球は1日も経たずに無くなるので、結局は人間サイズが無難。
PC買ったからキー練習がてら文章も練習してる できたらそのうち晒したい
なんだとっ!?
377 :
361 :2009/03/08(日) 10:08:32 ID:XmWzywpM
>>371 これは俺がオリジナルで使おうと思って、採用されなかった場合のために、書かずにおいた設定なんだが、
あの陽電子砲は粒子ビーム砲ではない。
ではどういう形式かというと、通常物質でできた中空の砲弾を用いている。
この砲弾の中空部分は真空にされており、磁場を用いて、通常物質部分に触れないように陽電子が入れられている。
着弾すると、その衝撃で弾体が破壊され、内部の陽電子が弾体の破片や目標と対消滅を起こす。
このような方式のため、大気圏内の目標に当てることも可能であり、だからこそ各国に恐れられている。
宇宙に設置された理由は、実現可能な数で全地球をカバーするためと、破壊や不具合が発生した場合の被害を局限するため。
対消滅砲とか対消滅ミサイルとか対消滅レールガンとか 防御側はガンマ線対策が重要になってきそうだな
379 :
377 :2009/03/08(日) 14:17:02 ID:XmWzywpM
>>378 いや〜、よく気付いてくれた >ガンマ線 まさにそこがキモの一つなので、何か嬉しいぞ。
もともと
>>377 で書いた設定って、
「ミサイル防御システムに対抗する、迎撃不可能な戦略兵器を作るために開発された弾頭」っていうことで考えたから。
破壊力の割に小型に出来るために、遠距離での探知・捕捉が困難で、
近距離では迎撃出来ても高エネルギーガンマ線を浴びることになったり、領土内で対消滅が起きたりすると。
宇宙人が本気出したら月を地球にぶつけられて終了
まー、衝突前に両方自壊するけどね。
小惑星の破片が降り注ぐ中でガム噛みが必死で撃ち落すとかおもろいな 最初から最後まで宇宙人の顔見せは無しで 地球の攻撃が届かない場所からネチネチ攻撃してくる スターシップトルーパーズだな
ガム噛みの人は自分で書いた方がいいと思うなあ。 少なくともゼノライの世界観とは合ってないように見える。
>>383 俺もそう思う
>>352 見る限り、作者さん的にはテキサスマックみたいなゲスト扱いのロボ希望してたみたいだし
てか実際ガム噛みは一作品になれるだけのパワーを感じる。見てみたい
ゼノライの設定でもつめていきますか ・アンノウンが地下から現れてることから考えて、地殻熱がエネルギー源のナノマシン(ウィルス)? ・地球の生物の外観を真似ることから、遺伝子を取り込む機能がある? ・アンノウンは宇宙由来の生物なのか、人口・自然物? ・アナログ入力可能な人口義肢は有用性が高いのでトレースシステムに問題なし。 ・痛覚がフィードバックされるのは痛みのみなのか、現実に負傷するのか? ・科学的に考えて最も効率のいい戦闘法は巨大な質量を高速でぶつける質量攻撃 なので飛び道具は無い方がいいかも。 ・人体と同じようにロボットを精確にトレースする技術であれば、当然気合の増減で性能が変わる。 ボクサーの完成されたフォームから繰り出されるパンチの方が素人より強い。 ・格闘家が乗った方が強くなる? 或いは精神力で出力が変化? 色々疑問点に突っ込んでみた。
その理屈なら実体弾は有効では?>飛び道具
うん。 肉弾戦が有効なら実体弾使えないとおかしいね。 質量兵器に違いは無いし。
弾数制限から考えて格闘攻撃の方が持続力がある。 例えば銃は推進力に使うエネルギーと飛ばす弾丸が必要 殴るなら腕をあげて振り下ろす分のエネルギーが必要 殴る動作をするために必要なエネルギーの方が膨大で効率悪いが ソルサイファーの動力源と使ってるアクチェエーターの性能が不明なのでよく分からん。 動作に必要なエネルギーが少なければ、小さい敵は歩いて踏み潰すだけで倒せる。 地球ローラー作戦みたいに。
弾がなくなったら格闘に切り換えてもいいじゃないか。 っと不毛な議論になりそうだな。
まぁ、エヴァのヤシマ作戦なんかではポジトロンライフル一発にかなりの電力を使ってるから。 そのエネルギーをどっからもって来るかと言うことと 推進剤に火薬を用いた実体弾が通じるか といった所。 ただし実体弾の場合”巨大な流れ弾”の危険性があるので なるだけなら肉弾戦をオススメする。
流れ弾はともかく、火薬じゃダメな根拠がないな。 打撃面や駆動系の磨耗、敵に接近することによる危険性も秤に乗るだろ?
>>391 炸薬と弾頭の重量の計算がよく分からんから何とも
弾頭がでかくなればそれだけ推進に必要な炸薬の量は跳ね上がる筈
エイブラムスの砲撃レベルの攻撃をバレル交換無しに連射できるなら、相当強そう
よく分からないのに全否定かよっ! いや全否定ではないかもしれんが、結局通用するかしないかは敵の防御力次第か。 これは微妙にズレたまま話が進まないフラグ……! まあ拳は砲弾と違って変形したりしないからな。単純なだけに頼もしくはある。 ところで人体のパンチでは腕の振りの速度ってどれくらいになるんだろう?
>>393 そもそも「ロボット役に立たない説」はリアルロボットといわれる
ボトムズのスコタコの装甲が14mmしかないのが根拠なので
ぶっちゃけATは小銃弾ですら貫通する
全長10mのエイブラムスの正面装甲762mmならば
20m前後のソルサイファーは装甲1000mmくらいか
人体のパンチは100kmは超えるだろうから機体サイズに変換して時速2000qくらい?
エグザクソンのパンチは音速超えてた
それは装甲材質をすべて同じものと仮定した話だな
まぁ、どれだけ弾速早くても、敵の装甲貫通できる硬度がないと 弾頭が砕けるしな、チハタンみたいに
誰も役に立たないなんて言ってないだろw
俺は質量攻撃なら砲弾も候補に挙がるんじゃないかと言っただけ。
時速2000キロというと、マッハ2近いのか。走ったり飛んだりすればもっとか。
>>396 その点格闘ロボの体は安心だなw
皆様、今暫くの間、設定厨の愉快な議論をお楽しみ下さい
>>397 身長2mの奴が上から下に腕を振るのと、身長20mの奴が腕を振るんじゃ
進む距離が違うだろ、走ると遅い。
装甲厚が1000mmある鋼鉄の塊が、時速2000qで当たれば大抵の物は
貫通はしなくとも潰れる、というか踏むだけでいい。
全部ナノテクで解説できるので細かい部分決めるだけ無駄
人間をそのまま拡大して計算できないのは当たり前だが、 腕の振り+走る速さ(遅かろうが)にだいたい変わりはないんじゃないの? 以降は何が言いたいのかよく分からない。
走ると加速度が加わって自重で潰れそう
全長200mのアンノウンには射撃は愚か格闘攻撃すら効かない罠
>>401 車のタイヤが時速100qで回るとして
それを地面に置いて走らせても100qはでない謎
脚が時速100kmで動く>地面を蹴る>反発力が発生し前方に前進する 運動を直接推進力に変換できないので 運動量を置換しやすいパンチよりも、走る方が運動効率が悪い まぁ、普通に走るよりは歩幅が広い分早くなる
つーかリアルで考えたら 腕や脚で敵が砕け散るだけのインパクト出したら 反動で自機の関節部分がオシャカになって終了だろ ピンボイントバリアみたいなの纏って攻撃せんとダメージ与えられず 砲弾だと機体から離れた瞬間にバリア(仮)が消えて駄目で 大型のミサイルにバリア(仮)発生装置を内蔵させるのも材料少ないから無理ぽとか そんなノリでいいんでないの?
お互いが意を汲みすぎて話がまったく噛み合ってないことは分かった。
関節への負担って事を考えたら……。 ロケットパンチって意外といいじゃないか!
>>407 現行の機械式アクチュエーターは間接部分のみで
骨だけを動かして動作させてる
これが人間と同じ筋肉を使った駆動方式になると
間接部分には軟骨でも入れときゃ済む
サンドバック殴るたびに人間の間接が
オシャカになってる訳じゃないでしょ、別にどっちでもいいけど
そりゃ、毎回サンドバック粉砕するような極限パンチしてる訳じゃないからなぁ プロボクサーだってグローブってクッション付けて 自分の拳と同等かそれ以下の強度しかない相手の肉体を 酷くても骨が折れるくらいで、原型留めなくなる事はない攻撃しかしなくても 普通に拳にもダメージいくわけだし
骨しかなかったらそら折れるわw
ガンダムにしろバルキリーにしろ、リアルで動いたら太極拳レベルの動作速度だったり。
現実で言うと、重機なんか結構動き早いぞ。 側にいると怖いもん。
人工の人間をロボサイズまで巨大化した機体と 油圧で動いてるユンボの動作速度とか比べるまでも無いでしょ
全力疾走する戦車を初めてみた時も、思った以上に速くて驚いたもんだが
エヴァ初号機は中身人間の癖にパンチしてたから、間接ボロボロだな
>>407 重力・慣性制御が使えたらバリア張って殴るより
慣性制御で反動を0にした方が手っ取り早い
つか、重力・慣性制御は何でもありの技術
ここエグザクソン読んでた奴多そうw
ぶっちゃけ反物質でもあそこまでエネルギーは出ないよな
>>416 タイヤついてるロボは早いよな、ライトスコープドックの時速110kmとか
ゼノライに参加しようと思ったが、なかなか難しいなこれ。
>>422 てか正直何の話をしてるのかさっぱりだ
サブロボ(キャラ)の募集してただけなんじゃないの?
みんな会話に飢えてるんだよ。俺は人のこと言えんかw
>>423 銃を使わずに殴ったり蹴ったりしている、ゼノライのロボはおかしいだろという話。
あ、ごめん。 俺が難しいっていってるのはネーミングとか国籍とかで、ごちゃついた設定の話じゃないぜ。 それはもうゼノライとあまり関係ないとこにいってるし。
飛び道具で済むんなら、気合とか根性とか言ってる主人公が可哀想だろw
何だか投下し辛い雰囲気になってますね
半端にリアルっぽく「質量攻撃が(中略)で肉弾戦のみ」って言うから反論されるのであって 気合も根性もこもってねぇ鉛玉なんか痛くも痒くもないぜ! 漢ならコブシ一つで勝負せいや! みたいなトンデモ理論のが 逆にここの住人からのツッコミ少ないからんでないかと思う
勿論わかってるやつもいると思うが、リアルとリアリティは別物だぞ、お前ら。 少しは自重しろ。
リアルで言うなら隕石(質量)ぶつけた方が早い
>>429 現実の方がよほどトンデモ理論なので余計な心配は無用です。
>>430 あ、いえ、自分のはもう少し先になります。
今見たらまだ少ししか書けていなかった……。
あんたかw
>>437 イエス・マイマスター。
どこまでをシリアスに、どこまでをギャグにしようか迷ってます。
ひたすら修正を繰り返す日々……。
誰か僕の凝り固まった頭と肩を揉みほぐしてくれぇっ!
肩もいいがおっぱい揉ませろー。 あー俺も次スレがたったら本気出そう。
>>439 それは私の乳だ−−−−っ!
その台詞、前スレでも聞いたような。
ん? こんな時間にお客さうわなにをするやめ
>>426 その国の特色とかありますもんね
しかしそういう意味でもGガンダムって凄かった……のかしら
442 :
ガム噛みの人 :2009/03/08(日) 23:46:11 ID:XmWzywpM
>>383 >>384 実は俺、他のを執筆中なので、あの設定で何か書くまでは手が回らなかったり。
個人的には、ゲストキャラにも一つの作品が出来るくらいのバックボーンがあった方が、作品に幅と奥行きが出るので良いと思うんだけどね。
>世界観
確かに見比べてみると合ってないな……
>>439 ネットの向こうの見ず知らずの他人に乳を揉ませろと迫る前に
自分の二の腕でも揉んで落ち着け
おっぱいと二の腕の揉み心地って似ているらしいぞ
>>443 二の腕が、非常に……堅いのですが……。
……ああ! 貧乳か!
>>355 >>356 >>357 どもです。投下してもらったロボとパイロットは大事に使わせてもらいたいと思います
>>ガム噛みの人
>>361 に投下してもらった全球防御システムの設定に、本編の都合上どうしても使えない部分があるのでガム噛みとハウスキーパーだけ使わせてもらっても良いでしょうか?
大分設定変わっちゃうと思いますが
>>385 答えられる部分だけ答えさせてもらいます
・アンノウンが地下から現れてることから考えて、地殻熱がエネルギー源のナノマシン(ウィルス)?
・地球の生物の外観を真似ることから、遺伝子を取り込む機能がある?
・アンノウンは宇宙由来の生物なのか、人口・自然物?
アンノウンの正体については本編のかなり重要な部分なので今は伏せておきます
・痛覚がフィードバックされるのは痛みのみなのか、現実に負傷するのか?
フィードバックされるのは痛みだけで現実に負傷はしません。腕や足がなくなるような一定値以上の損傷になると、自動でリンクがカットされます
サブロボに関してはあと1、2機ほど余裕があるので、何か思いついたら投下お願いします
成長タイプの主人公で書いてるんだが、 明らかに欠点のあるキャラ(肉体的なものではなく精神や性格的に)を、 魅力的に、あるいは最低でも読んでる人に嫌われないように書くのって、 凄い難しいな。 読者がこのキャラを好きになってくれる気が全然しなくて困る。
>>446 最低な性格のキャラがいいことをひとつすると株が上がる「不良と子犬」方式を活用してみよう
作中でも常に欠点を指摘されてて それを言われるのが嫌なんだけどなかなか直せなくて もどかしい感じにしてみては わかってても直せない欠点って誰だってあると思うんだよね
俺もスーパー系で書こうと思ってるんだけど、 ライファーとネタ被ったりしてもいけないししばらく待つことにするよ。 ライファーのひと頑張ってね。
450 :
ガム噛みの人 :2009/03/09(月) 01:15:17 ID:Pg5eklh2
>>445 全く構わないですよ。あの設定は差し上げたものですよ
>>447 普通の人間なら何でもないことでも、
悪い奴が少し良いことすると凄くいい奴に見える法則かw
なるほど。
さすがに最低ってほどの性格ではない……と思う。
要はガキっぽいって事になるんだろうな。
>>448 なるほど、その辺りから共感を得る、って感じか。
452 :
ガム噛みの人 :2009/03/09(月) 01:28:36 ID:Pg5eklh2
>>450 は間違って書いてる途中で書き込んじゃったんだが、なんか普通の文になってくれてる……。
それは置いといて、本編に合わせて設定を自由にいじってくれて結構です。
先にも書いた通り差し上げたものですし、
俺も「書いてる」人間なので、ストーリー他と設定のすり合わせの重要さと困難さはわかってるつもりですし
(というか、俺自身がそのすり合わせで痛い目見てる)。
>>451 ……子供っぽいというと、TOAの親善大使みたいな感じですか?
>>445 で名前に「ゼノ」を入れ忘れてた……
>>449 自分としては他の人の作品も見たいので、ガンガン投下してもらいたいです
ぶっちゃけ自分就活があるので筆が遅くなりそうですし
ともあれ頑張ります
>>452 了解です。それではガム噛みとハウスキーパーは使わせてもらいます
さて……そろそろ作品投下されそうだし今夜は全裸で待機してるか
残念ながら
本編投下は規制解除されたら…取り敢えず話のネタにでもなればと思い設定投下 タイトル:鋼鉄の特攻兵 ジャンル:ミリタリーSF あらすじ:突如として出現した謎の生物との戦いが日常化した近未来。 軌道降下猟兵アイザックの活躍を描く。 アイザック・C・ハインライン…主人公。第653軌道降下猟兵大隊に属する。 職業軍人であり分別のある大人。宇宙飛行士だったが事故により脳と脊髄の一部を 除く肉体の全てを失っている。現代は再生医療が飛躍的に進歩しているが、事故で 宇宙空間に投げ出された際に強烈な放射線に晒された事により遺伝子に重大な 損傷を負ってしまい、肉体複製の成功率が極端に低く、仮に成功したとしても 複製された肉体に重度の障害が高確率で発生する恐れがある。実質上、再生医療 による治療は不可能であり、また事故の体験が強いトラウマとなってしまい、 かつての肉体感覚に対して拒絶反応が出る為に容姿ばかりでなく五感をほぼ完全に 再現した重度障害者用の高機能義体も使用できない。それ故に余分な機能を排除した サイボーグ部隊用の戦闘用義体を使用して軍務に服している。その結果、過度な 肉体的コンプレックスを抱くようになったが実直な性格が失われたわけではない。 意外とむっつり。 ルーイ・ブランバルク…第653軌道降下猟兵大隊本部付き小隊のオペレーター兼 プログラマー。MITを飛び級で卒業した天才少女で、軌道降下猟兵が使用する 装備の開発にも携わっていた。倒錯した性癖の持ち主であり、アイザックは 彼女の秘密を知る数少ない人物である為か彼に対して並々ならぬ執着がある。 レイチェル・サヴォイア…軌道降下猟兵やサイボーグ兵の精神ケアを担当する女性軍医。 アイザックとは友人関係にある。女の子が好き。 八雲幸…量子力学研究の第一人者だったが若くして亡くなった八雲良子の実妹。 戦火とは無縁の豊かな自然に囲まれて暮らしていたが偶然アイザックと出会う。 R・モトコ…幸の世話をする女性型アンドロイド。身体の殆どが培養生体部品で 作られており、限りなく人間に近い存在だが人形のような美貌によりその識別は いくらか可能である。準市民権を認可されるほどの精巧なアンドロイドで、高度な AIにより情動豊か。八雲良子のハンドメイドであり、幸にとっては亡き姉との 繋がりであると同時に大切な存在でもある。民間用とは思えぬ戦闘能力を有する。 ギャレンタイン・ハーディライク…アイザックの数少ない友人。アイザック同様、 非人間的な義体での生活を余儀なくされている。彼と似たような境遇ゆえかよく うまが合う。妻子がいたが戦火に巻き込まれ死別してしまった。 メカニック設定はまた今度にでも
???「すごい! すてきな女の子がいっぱいです!」
>>457 >意外とむっつり
こ、この設定は素敵な事件の予感……!
今現在書いてる作品の ストーリーとロボと登場人物の大雑把な設定を投下 〜大雑把な世界観設定〜 約10年前に起きた大戦によって、多くの国が力を失い崩壊していった。 結果、戦場で生きていた者達も、その力を国の為でなく己の為に力を振うようになり、 世界はかつてないほどの混乱に飲み込まれ、様々なモノが今も失われ続けている。 明日すらも見えない世界で、生きる為に戦う者達。彼らがつかみ取る未来とは…… 〜大雑把なロボ設定〜 ・可変装甲車 『車両態』と呼ばれる大型の装甲車形態から、『戦闘実行態』と呼ばれる全長6〜7mほどの人型兵器形態に変形。 動力源は人間の精神力のようなものであり、それを効率良く引き出す為に人型に近いシルエットになっている。 ・カノンレックス ガンリュウ(下記参照)の発展強化型。 総合的に性能を上げようとした結果、バランスがかなり悪くなっており、 よほどセンスのいい操縦者でなければ乗りこなせない。 ・ブレイクキング 分厚い装甲と操縦者が潰れるレベルの驚異的な加速力を誇る。 機体各所に内蔵した手斧を用いた近接戦闘を行うという、 割と原始的な攻撃方法しかない機体なのだが、 正体不明の動力システムや用途不明の可変機構を持つ謎の多い可変装甲車。 ・ガンリュウ 厳島重工製可変装甲車。数多く量産されており、割と安易に手に入れられる。 また、改造し易い構造の為に多種多様なバリエーションが存在。 ちなみに漢字で書くと「巌流」 〜大まかな登場人物設定〜 ・スケロク(主人公) 金髪碧眼で細長い男。東洋系の血は微塵も入ってないのだが、 子供の頃から日本人に囲まれて育ってる為に精神構造はほぼ日本人。 物心付いた頃から、可変装甲車操縦用の強化兵として、 手術されたり投薬されたりしつつ戦場を駆け回っていたので、 まだ17歳なのだが実戦経験は無駄に豊富。 可変装甲車の性能を極限以上に引き出す操縦が可能なのだが、 当然、機体に負担を掛けまくるので、手に入りやすいガンリュウを、 乗っては壊し乗っては壊しと、まるで消耗品のように扱っている。 戦うしか出来ない、それ以外が何もない空っぽな自分の人生についてが最近の悩み。 ・ウド・カツヤ 殺された家族の仇を討つ為に、脳髄の一部以外を全て機械化した復讐鬼。 その強靭な機械の体のおかげで、ブレイクキングをまともに動かす事ができる。 復讐心以外の感情を捨てたと主張しているが、何だかんだで情に脆い男。 単純な可変装甲車の操縦の腕ではスケロクに劣る。 ・キマイラ どこぞで拾われた自律型兵器。普段は人間の子供のような姿をしているのだが、 有事には10m近くまで巨大化し、獅子、竜、山羊、蛇などの頭部が生えた異形の戦闘形態へと変貌する。 戦闘形態は長距離からの砲撃が主な攻撃方法なので、接近戦は好まない。 基本的に精神年齢も子供のソレなので、失敗作として破棄されたのが勝手に動き回っている説が有力。 ・ドロシー 本名(ドロシーは偽名)も過去の経歴も、実年齢も一切不明(外観は二十代後半)な女性リーダー。 巨大輸送車「トート」を乗り回す。カノンレックスやブレイクキングをどこでどうやって手に入れたのかも不明。 その場の勢いで変な仕事を貰ってきたり、色んな事件に首を突っ込んだりしているように見えるが、 ひとつの目的に向かって動いている。
とまあここまで考えて、冒頭まである程度書いてみてる訳だが タ イ ト ル が 思 い つ か ん ! 元ネタは察しの通り某童話なんだが、それをそのまま使うのも微妙だし どうしたもんかなぁと 何かこう、カッコイイのを募集したいのですが……
『可変装甲カノンレックス』……はベタ過ぎますかね、流石に。
>>461 タイトルは自分で考えるに如くは無し
一つだけ言えるのは、「O」と「Z」の頭文字の英単語を組み合わせてみよう
464 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/10(火) 04:00:54 ID:zSRHGWFk
おまいらの設定見てると古き良きロボットアニメぽくてどれも個性的でいいな 俺のネーミングセンスは厨臭すぎてもうね
そういう時は開き直ってしまうといいですよ
個人的にリベジオンが好きだ。適度に変なネーミングで。
ロボの名前に濁音があると強そうに聞こえると思う ザク、グフ、ドム、ジム、ガンダムext
偏ったセレクトだなw
>>467 ゲルググがなかまになりたそうにそちらをみている
おれ前々濁音のないタイトルの書いてるな;
>>467 ツィマッド派のおれとしては、ギャンとヅダも忘れて欲しくないw
マクロスは濁音ない
アクエリオンやエスカフローネもそうかな。 探せば意外とありそうだけど、少ないとは思うね。 全然関係ないけど、ダグオンってマジ濁音だな。
ガオガイガーとか ちなみに濁音のかわりに、敵の幹部やボスのほとんどにはパピポペポが入っている
>>473 つファイヤー、パワー、スーパーファイヤー、ライナー、スーパーライナー、シャドー、サンダー
意外と濁音持ちは少ない
>>457 ハインラインで降下兵で宇宙って
パワードスーツ着てジルバ踊りそうな名前だと今気づいた
アシモフだからきっと意思を持った機械が暴走するな
というか
>>464 さんがどんな名前を思いついたのかが気になるところ
>476 な、なんのことだか知りませんなぁ(汗) しかしbbdionの解除はまだかしら… ミリタリー系だからロボの名前はそれにちなんだものかな 主人公たちが使用するロボは「ヤクエスレロイ」というんだが、冷静に考えるとダサイな… ちなみに名前の元ネタは実在した人物で、隻眼隻腕のドイツ軍人。 五体を失っても戦い続ける兵士であれ、という意味合いを込めたんだけど…
薬Sエロイ・・・
某スレに投下したSSで、オリジナルの主役メカに正式な名前を付けずに
スラング的な通称しか付けなかった俺はもしかして異端なのか。
そんな俺が
>>460 の題名を考えてみる。
「機甲無頼伝スケロク」・「戦闘団(と書いて「カンプフグルッペ」と読ませる)ドロシー」
うん、やっぱりセンスないですね。
ロボットのタイトルといえばさ、 「〇〇(漢字二字)のナントカ」ってのもあるよね。 天空、無限、蒼穹、奏光、創聖、銀色・・・
ロボットとはちょっと違うが.hackの八相の碑文みたいな名前の付け方もあるな
昔のには超電磁ロボ、闘将ダイモス ちょっと前だと機動戦士ガンダム、装甲騎兵ボトムズ いまだと通り名みたいな感じで鉄のラインバレルとかつくな 下の方に行くほどキャラクターの方が大事になって ロボットの特徴がおざなりになっていくのが興味深い
気のせいだ
エポックメイキングと言うか、超合金やプラモを売るアニメから DVDを売るアニメに変質してきたわけだから、少なからず影響はあるでしょう 今日びのアニメでロケットパンチとかやったら笑われる
>>486 つグラヴィオン、ガイキング、ジーグ
つかロケットパンチを笑う奴がロボアニメのDVDを買うとは思えない
>>486 なんだまたお前か。芸風が同じでマジつまんない。
興「いかん! そいつには手を出すな!」
>490 鋼鉄神ジーグとガイキングLODが最近放映されましたが
スルースルー。 どうせ話なんて聞いてない。
すまん、俺釣られたみたいだ…… もうスルーするよ
そうですね。失礼いたしました。
ナデシコのエステバリスもロケットパンチだしてたなぁ ワイヤーで巻き取られていくギミックとかかっこよかった気がする
ダイ・ガードのは……ちょっと違いますね。 腕ぶん投げるやつw
舞浜シャイニングオーシャンパンチはロケットパンチにカテゴライズされるよね?
カンタムロボのロケットパンチ対決は最高だと思う
ロケットパンチより直接ぶん殴るほうが好き。でも少ないよな。何かあったっけ。
ダイモスとかゴーダンナーとか。あとγガンのパンチは良いパンチだったな
>>499 ビッグオーのサドンインパクトとか、νガンダムのタコ殴りとか、必殺! ゲシュペンストパンチとか、ジェットマグナムとか……
ジェットマグナムはちょっと違いますかね?
サドンインパクトというと 漫画版最終決戦仕様である三連サドンインパクトに換装したビッグオーは 凄くカッコイイので大好きだ
ボトムズにもロケットパンチがあるんだぜ 正確には火薬の代わりにロケット推進機構で加速させたパンチなんだげど 古本屋で買ったデュアルマガジンを読み返していたら載ってた
>>499 >直接ぶん殴る
・レイバー(イングラム⇔グリフォン) ただし原始的と言われる
・モーターヘッド(アパッチ⇒オージェ) ただし何考えてんのよと言われ殴った方も拳潰れる
ここまででGガンダムが出ないなんて
そういやこのスレ内だと多いな拳ロボ スプリガンとパラベラムとゼノライ 今後どうなるかはわからんが
拳に手足の生えたロボ吹いた。
アダムスファミリー吹いた
>>509 ゴッドで不覚にもwww
よりにもよって仮面ライダーXを見ている時にwww
しかし、やっと……いや遂にきましたね妹ロボット。
この日をどんなに待ち侘びたこt(ry
神聖童帝ドウテイオーってのをどっかのスレで見つけたんであらすじかいたwww 偶然にも童貞でなければ動かせない反国連組織の新型AT(オートトルーパー)“真性童帝ドウテイオー”に乗り込み、 国連軍エース槍田を撃退した 貞守 通 は、組織に見込まれ、入隊を余儀なくされる。 ドウテイオーのパイロットとして各地を転戦し、槍田の“槍術士ランサー”、 体で国連軍大尉まで上り詰めた若き女 無操 貞子 の“暗黒流域ブラックホール”など、国連軍の主要部隊を倒していく。 転戦する貞守の前に 初潮 処子 という一人の少女が現れる。お互いに惹かれていく二人。 だが、運命というのは残酷で、初潮は処女でなければ動かせない“鉄処女ブラッディメイデン”を駆り貞守と対峙する。 いつか平和な世界で再び会うことを誓い二人はそれぞれの居場所へ戻っていった。 その後も転戦していた貞守の前に、“神槍機グングニル”を操る槍田が突如現れた。 禍々しい力を持つその機体の前に貞守は為すすべなく敗北し、戦う意欲を失う貞守であったが、 初潮との言葉を思いだし、再び戦場へ戻った。新たな相棒“神聖魔導師ホーリーソーサラー”とともに。 グングニルを退け、初潮との邂逅を果たした貞守は、ついに決戦の地国連本部へとたどり着いた。 国連軍の主力部隊と死闘を繰り広げ、ついにこれを破った。 その時、本部から最後の二機、グングニルと、ブラックホールが轟音とともに現れた。二機はピストンシステムにより合体し、“黒槍暗機ナイトメア”となり、圧倒的な力で貞守と初潮に襲いかかる 。その力の前になす統べはなく、二人は絶望し、死を待つのみだった。 ナイトメアが二人の機体にとどめを刺そうとしたその刹那、二人の機体は光を放ち合体した。 二人はナイトメアをも凌ぐ力を持ったこの機体を操り、最期の戦いをついに制した 。戦いの余韻も消えていないその地から、光を放つその機体は人知れず消えていた。 東の島の小さな村のはずれに二つの巨人が横たわっていた。すでに役目を果たし動かないこの巨人の横で、若い男女の声が聞こえる。 女「動かなくなっちゃったね…」 男「うん…」 女「今の私たちにはもう動かせないね」 男「どうして?」 女「……あなたがなぜこの機体に選ばれたか分かった気がする」 男「???」 女「なぜ私があなたを選んだのか、もね」
512 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/13(金) 01:37:35 ID:8OvXObj+
コクピットを背中にするか腹にするか悩む パイロットキャラ同士の会話とか剥き出しなったコクピット越の死闘みたいなの燃える
ブレンとかキンゲとか髭とか 全部富野ですねわかります
Z.O.E.も股間にコクピットが
>>512 頭とかどうですか? マジンガーZみたいな
前スレ半ばで、ケモミミ少女と1人の男が乗るロボで、金属出てきた化け物とドンパチやる話のオープニングを投下した者です。
話の続きを投下する際に、感想などへのお礼を言いたかったんですが、伸びに伸びてしまった為に、今回は亀レスですがお礼おば。
まだしばし時間が掛かりそうなので今回は変わりに、気晴らしがてら半日掛けてノリと勢いだけで書きなぐったブツを投下しようかと。
冗談抜きで「ノリと勢いだけ」の代物なので、推敲もせず、誤字脱字チェックもしていない、下書き同然の、
素面で読んだら間違いなく投下を取りやめるアレな文なので、笑って糞長いナチュラルハイ文章が読める方のみにお勧めします。
僕は読み返しません。読みかえせば、死にたくなると思いますので。
長文失礼。
今回の要件は、遅くなったけど「感想アリガトウ、参考にさせてもらいました」が言いたかった。
以下の物は、その際に零れ落ちた妄言という事で流してくだしあ。
http://www6.uploader.jp/dl/sousaku/sousaku_uljp01139.txt.html ああ、やっと眠れる……。
ああ、ボケてて書き忘れた。 一応注意:投下した物は人間サイズロボット。いわゆるアンドロイドってヤツです。 スーパーリアル、そんなロボットではありませぬ。いじょ
まさか次スレに行った上に毎日レスがあるとはなぁw 初代にSS投下したっきり見てなかったけど凄いわw俺もなんか書いてみようかな…
>>517 ノリと勢いでこれ……だと……!?
くそっ! 次回に期待せざるを得ないじゃないか!
>>518 前スレ最後のほうでけっこう増えたみたいですね
っていうか自分がそのうちのひとりですがw
あのね・・・・・・・・・・・・ ここ最近ずーっと本文投下もせんで 設定やキャラだけの垂れ流しや、誰か作って妄想ばっかじゃない? 「俺こんなの考えたぜ、見て見て褒めて、共感して馴れ合って!」 そんで、挙句の果てに俺的ロボット作品論や知識披露遊びをグダグダと ここはそういう場所ですかね!? ここは創作のための板ですよ もちろん話の合間にみんなで感想言い合ったりする脱線が悪いとは言わん そういう目的のためのスレでそういうのやるのも悪くない でもさ、この板でそっちの流れで乗っ取って本来の目的みたいになっているのは ちと勘違いしてやいないかい? このままダラダラズルズル僕の考えたロボ妄想や考察ごっこで 最後までスレを伸ばすぐらいなら 保守だけして過疎らせたほうが健全ですよ 自堕落ってんです、そういうの
そういやここまでで絵を描く人っていないよな〜 何か描くかね
さて、そろそろ投稿できると言いつつ(多分)一週間くらい過ぎてると思いますが……。 一話どれくらいがベストですかね?
>>525 作者さんのその時のキリの良い所で良いと思いますよ
>>526 了解しました。
じゃあもう少し書く事にします。
回答ありがとうごぜぇます。
>>522 シスターズの続きに関してはリベジオンの1話書き終わるまでは勘弁してくだせぇ><
構想は大体固まってるんだけど、導入が案がありすぎて中々決まらんw
>>528 リベジオンの人だったんですか!
作風が全然違ったからわからなかった……
ふぅ……何とか今日の夜には公開できそうです。
>>530 楽しみにしてます。
自分も頑張らないとなぁ……せめてスパロボKの発売前には何とかしたいです
ああ、そうだったスパロボKでたらまた書く時間がなくなるw
>300-307あたりのスポ根物、誰か何かアイデアはありませんか?
ないことはないが貴様の態度が気に入らない
>>535 突き放した言い方になりますが、まずは生みの苦しみでも自力で書き進めることです
無責任で頭でっかちな外野が、あーいうのみたい、こーいうのみたいと
あなたへのアドバイスという名目で妄想駄弁りで盛り上がったとしても
それは時間とスレの無駄でしかない
つか、聞かなきゃ分からない分野に手を出すこと自体間違いだろ
さて、そろそろ投下しますかね、と! 手始めにまずはキャラ設定をば。 ■一条 遥 気ままな旅人……と思いきや生活が結構キツキツで困っている十九歳。ただし外見年齢は十四歳かそれ以下。童顔も身長も控えめな胸ももちろんコンプレックス。 ちなみに身長は153cm。十四歳女子としては低いんだか低くないんだか微妙なラインである。が、彼女は十九歳であるという事を忘れてはいけない。リメンバー・ザ・ラストティーンエイジャー。 家事ならソツ無く何でもこなす、一家に一人は欲しい人材。 故郷では「ハル姉ぇ」の名で親しまれてたとか何とか。 ボリュームのあるお下げがチャームポイント。
季節は春、天気は快晴。 暖かい陽射しの下、少女がひとり。背負った荷物の重さを感じさせない、踊るようなリズムで街道を歩いていた。 パラベラム! 第 1 話:春の陽気と白ウサギ 〜どこの誰かは知らないけれど〜 一歩歩く度にボリュームのある三つ編みが揺れ、黒いローブがはためく。 ああ、今日はなんていい日なんだろう。 顔がほころび、笑みが零れる。 少し前までは寒かったのに、今日はこんなに暖かい。この暖かさ、この匂い。まさに春だ。 「昨日は曇ってたし、寒かったから心配だったけど……」 くるりと一回転。遠心力を利用して、背負った荷物を放り投げ、そのまま脇の草原に倒れ込む。春の陽気に誘われて。 「今日はほんと、あったかくていい! 実にいい!」 ……といっても吹く風はまだ、冷たいけれど。 大の字になって、ごろごろと転がる。草のクッションが心地いい。 少女−−−− 一条 遥は旅をしている。しかしこれといって大層な目的は無い。別に故郷が嫌いというわけではないし、不祥事を起こして追放されたわけでもない。ただ、外の世界が気になっただけだ。 小さい頃に本で読んだ、遠い遠い国のお話。昔から、いつか行ってみたい、見てみたいと思っていた。 だから村を、国を飛び出した。それだけの話。やましい事なんて、なーんにも無い。極東の島国で生まれ、極東の島国で育った少女の、ちょっとした願望だ。 それが今、叶っている。 知らない街に数日間滞在して、お金を稼いで、次の街へ。たったそれだけの事を繰り返すだけだけれど、自分は今、とても充実しているのだ。 「旅って、いいなぁ……」 流れる雲を見ながら呟いた。 しかし、充実しているといってもそれは精神的な話であり、生活はけっこうギリギリだ。時に安定した生活に思いを馳せる事もあれば、家族や友人が恋しくなる事もある。めいっぱい誰かに甘えたいと思う事だって少なくはない。 「……頼れる相棒が欲しい」 異性でも同性でもいいから、話し相手が欲しかった。なるべく年上で、身長が高くて、頼れる人。年下は駄目だ、ついお姉さんぶってしまう。甘えられない。 遥の外見は極東人という事を差し引いても子供っぽい。身長は、まあ平均に届いている……と思いたい、そうであってほしい。しかし童顔なのと、何より出るところが出ていないのが問題だ。 旅先でもよく、おつかいに来た子供と間違えられる。もう十九歳なのに。もう十九歳なのに! 俯せになって地面を叩く。 ぱすっ、ぱすっ、ぱすっ。 ああ、音が虚しい。こんな事をしている自分が女々しい。 ぱすっ、ぱすっ、がしゅんっ。 「音が……ん? この音……」 脳裏をよぎる、嫌な予感。 微かに聞こえる、金属のフレームが掠れる音に顔を上げる。
現れたのは筋骨隆々とした空色の流線型。のっぺりとした顔の中央で小さなモノアイが青い光を放っている。その姿はまるで物語に出てくる一ツ目の巨人のようであった。 それは鋼鉄の巨人。遥かいにしえの遺産。 「オートマタ……!」 面倒な奴に出くわしてしまった。 が、幸いまだ距離はある。何とかしてやり過ごさなければ。 周囲を確認。 「北と南は平野。東にオートマタ、西に森。森を抜ければ遺跡、と……よし」 はいずって、投げ捨てた荷物の傍へ。 取り出した手榴弾のピンに指を掛ける。 それは白燐超高熱耐消火性焼夷弾頭型発煙化学爆弾。 ……煙幕とも言う。というか煙幕である。 −−−−これにだってお金かかってるんだから、使わせないでよ……! が、思いも虚しく“一ツ目”がこちらを向く。こっち見んな。 <目標確認> ……どうやら喋れるらしい。ではなく、 「ああもうっ! 見つかったぁっ!」 ピンを抜き、力いっぱい円筒形のそれをブン投げると、即座に百八十度向きを変え、荷物を抱えて全力ダッシュ。目指すは彼方に見える森。 真後ろでグレネードが弾ける音と、一ツ目の「グアッ」という短い悲鳴。ビンゴだ。後は相手のカメラが麻痺している間に駆け抜けるだけ。さすが白燐超高熱耐消火性焼夷(以下略)である。お金は無駄になったが命は無駄にはならなかった。 「命あっての物種って言うしね……!」 背に腹は代えられぬ。世の中にはお金よりも大切なものがあるのだ、たくさん。 それに少しだけ−−−−大体六百グラムだけ身軽になれた。 いける、逃げ切れる、そんな気がする。だって今日はいい日なんだから。 −−−−確証は、皆無だけれど。 ♪ ♪ ♪ 草原を見下ろす小高い丘の上、リヒト・エンフィールドは一人、日の光を浴びながら寝転がっていた。 男の傍らには杖が刺さっている。赤い石の埋め込まれた、金属でできた杖だ。いや、杖というよりもそれは棒術等で使うロッドと言ったほうが適当だろう。 風が吹き、ざんばらの赤い髪が揺れる。 舞い散った葉が男の口に侵入した。誤ってそれを噛み潰してしまう。緑色のエキスがじわりと滲んだ。 「ペッ、ペッ! 苦っ! 気持ち悪っ!」 がばっ! と起き上がり、哀れペースト状になってしまった葉っぱを吐き出す。 <流石ボス。相変わらずのダサカッコ悪さ、素敵です> ロッドから、少女の声。それは抑揚が無く、それでいて透き通っていて。 「ヘーシェンよ。不思議な事に褒められてる気がしない」 <はい、褒めてないですから> 幼さを感じさせるその声−−−−ヘーシェンは容赦無く即答。リヒトの心をズタズタに引き裂 「しかし今日はいい天気だな」 ……いてはいなかった。というかむしろ男は話を聞いていなかった。 <十一時の方向で小鳥が鳴いていますね> なので彼女も彼を無視した。 「ああ、久々に釣りでもしたいな」 会話が繋がらない。というか双方繋げる気が無い。何を言っても、どこ吹く風だ。 と、その時、丘の真下、草原から爆発音。ヘーシェンは立ち上る煙を見、ボスと呼ばれた男は森に向かって全力で突っ走る少女と、それを追うオートマタを見た。 <……あ、発煙手榴弾> 「見ろヘーシェン、小さな女の子が襲われているぞ。これは助けなきゃいけないな。だって 小 さ な 女 の 子 が襲われてるんだもんな」 こんな時だって噛み合わない。 <大人の女性だったら見捨てるんですね。流石ボス、とんだロリコン野郎です。ボスが襲われればいいのに> 「よし! 助けるぞヘーシェン! 彼女を助けて金を要求、そして身体で払わせる!」 嘘か真か……いや、おそらく真だろう。目が本気だ。 <最低ですね。ロリコン紳士の名が泣いてます> 吐き捨てるような声。もしも彼女に瞳があったのなら、その視線はどこまでも冷ややかであっただろう。……あるいは、無表情か。
「誰がミッドナイト的な事をすると言った、この変態人形め」 <そうですね、私はミッドナイト的な事とは言ってないですね。その変態ぶり、流石ですボス> 「口の減らない奴だな」 <口はありませんが> 「……まあいい」 リヒトが立ち上がり、ロッドを掴む。 「幼女に襲い掛かるような変態はピーピーピーボボボの刑に処してやる。いくぞ、ヘーシェン」 <……イエス・マイマスター> 噛み合わない二人だが、そういつも噛み合わないわけではないらしい。 掴んでいたそれを地面から抜き放つと、男の周囲でマナが舞った。草が揺れる、ロッドの宝石が放つ光を増す。 リヒトはロッドを振りかざし、高らかに宣言した。 「パラベラム!」 ♪ ♪ ♪ 走って、走って、気付けば視界にはたくさんの木々。森へ逃げ込む事に成功したようだ。 針葉樹の陰に隠れて進む。少しずつ、少しずつ。 踏んづけた細い落ち葉が砕ける音だけが響く。ぱきぱき、ぱきぱき、と。 走って、走って。もっと遠くへ、もっと遠くへ。黙々と、黙々と、ひた走る。 その度に踏まれた枝が、落ち葉が、ぱきぱき、ぱきぱき。 ぱきぱき。 ぱきぱき。 ぱきぱき。 ミシッ……。 今、確かに聞こえた。木が根本から軋む音が。 「追い、付いて……来た……!?」 しかし振り返る余裕は無い。振り返れば、走る速度は遅くなる。走れ、走れと自分に言い聞かせ、何とかその欲求を打ち消した。 <目標ヲ発見。確保シマス> いかにも機械的な、片言な言葉。それが逆に恐怖感を募らせる。 これで確定した。追い付かれた、という事実が。
「しつっこいなあ、も……うきゃっ!?」 身体が一瞬宙に浮く。そしてそのまま落ち葉の中へダイブ。つまり、コケたのだ。 「いっ……たぁ……」 針のような葉がちくちくと刺さって痛い。もう起き上がる気力すら無くなった。 バキバキと、足音が近付く。 バキバキ、バキバキ。 バキバキ。 バキッ。 足音がすぐ傍で止まる。一ツ目が遥に向かって手を伸ばす。 ああ、もうおしまいだ。故郷のお父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しくださ <小さな女の子を追い掛けるとは関心しませんね、このド変態> 突如として間に割って入った、白い機械人形。 特徴的な脚部と、長い耳のようなアンテナが目を引く。その機械人形は、まるで−−−− 「白い、ウサギ……」 <さあ、今の内に逃走、逃走> “白ウサギ”のどこか間の抜けたような声で急かされ、立ち上がる。そうだ、今は逃げないと。 「どこのどなたかは知らないけれど……ありがとう!」 再び、走りだす。 できるだけ遠くへ、もっと遠くへ。 ♪ ♪ ♪ 走りだした少女を見送って、“白ウサギ”ヘーシェンは視線を一ツ目へと移した。 <『どーこーのだーれーかーは知ーらなーいーけーれーどー』……さて、月光仮面は誰でしょうね> 意味不明な彼女の言動に一ツ目が一瞬戸惑いを見せる。 <兎に耳あり、あなたに隙あり> 鋭い踏み込みから放たれた肘鉄が、人で言うところの鳩尾の部分を強打する。肘に取り付けられたニードルが、マナの防壁を貫通して一ツ目の装甲に傷を付けた。 本来オートマタは、重大なマナ不足に陥るかでもしない限り戦闘中は常にマナによる防壁を展開している。 そしてその防壁は自らの意思で強度を変更出来るだけでなく、オートマタが反射的に危機を感じた場合にも、その防御力を飛躍的に上昇させる。あたかも生物の筋肉のように。 それ故に奇襲はオートマタに対して非常に有効な戦術であると言えよう。 <……損傷ハ軽微。敵対スルナラ、破壊スル> <そうですね。せっかく疾風のように現れたので、疾風のように去っていこうと思います> こんな時も噛み合わない。ウサギはいつだってマイペースなのだ。自分の邪魔をする奴がいたのなら、躊躇せずに噛み付こう。 腰を落として、低く構える。バイザー式の真紅の瞳が輝きを増す。 <カモン、サイクロプス> 次 回 に つ づ く ゥ !
改行の制限の関係で思いの外時間がかかってしまいました……orz 何はともあれ今日はここまで!
545 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/14(土) 23:51:16 ID:J7DfM8SV
乙!
乙〜
乙! いいねえのほほんとした感じがなんとも。
ギャグ調がときどききつすぎるっての! ホ! サイクロプスみたいな直球ネーミングには弱いんだっつの! は!
乙です このノリは好きだわ あと何かウサギはガンソのブラウニーが思い浮かんだ
>>545-546 ありがとうございます!
>>547 これからもっとのほほんとするかもしれませんw
>>548 テンザン・ナカジマ……!?
いやゲーザ・ハガナーかッ!?
>>549 ガンソを、見た事が、無い……orz
スパロボのためにも予習しておかなきゃいけませんなぁ……。
>>534 H「大き過ぎる……。修正が必要だ……」
>507にして>535です。 ……他人の企画を乗っ取ろうと言うのだから、慎重にもなりますよ。 男女別か、或いは男女混合かと言う段階で分岐が大きすぎるし。
間違えた、>507も確かに僕だが、上のレスでつけるのは>307の方だ。 つまり、敵チームに人体の一部分を模したロボが出るのか。
?
主人公:優しいテストパイロット戦いそのものに懐疑的だったが徐々に:走攻守優れた汎用機の改良型実験機 ヒロイン1:主人公のロボの専属研究者兼オペ1 ヒロイン2:主人公仲間のパイロット勝ち気で猪突猛進型:猪突猛進型の高機動重砲機 仲間1:兄貴型高機動格闘専用機仲間2と前後コンビ 仲間2:ガチガチ重砲ロリ 敵:ライバル:汎用機を無理矢理改造したオーバースペック機 敵:おっさん:汎用機の指揮機だが機体性能を腕でカバー 敵1:基地外ボーイ:強化人間 敵2:ヤンデレ無口ヒロイン:強化人間
>>554 戦いそのものに懐疑的だとテストパイロットになる理由付けが難しくないか?
逆にそこを行かせると面白そうだが
>>555 曲技飛行みたいなロボ使ったショーを専門にやって来たけど
ショーの最中に不慮の事故を起こしてクビになり
このままパイロットを引退しようか考えていたところで
以前から操縦技術に目を付けてた連中に、半ば強制的にテストパイロットにさせられました
とかかね?
>>539-544 乙です。会話のテンポや、ファンタジーな世界観なのに月光仮面とか平然とでて来たり、独特な雰囲気が読んでて楽しかったです
続きに期待してます
>>554 兄貴型高機動格闘専用機ってどんなんですかね? そこが妙に気になってます
ともあれ今回はちょい短めですが自分もキリの良い所まで書けたので投下します
>>320-325 からそのまま続きます
五年前、柊頼斗にとって忘れることの出来ない出来事が三つ起こった。 一つは兄、才斗が命を落としたこと。二つ目はその数日後に起きたある出来事である。 「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」 兄の死から数日後、彼はそう言って引きこもっていた自室から姿を現した。 兄の乗っていたサイファー、ソルサイファーを動かすためには特殊な精神エネルギーが必要なことは知っていた。そして、兄の次に適正があるのは自分だということも。 だから彼は泣くことを止めた。兄のいなくなった今、戦えるのは自分しかいないと思ったからだ。 彼が研究所の所長室で放った言葉には、そんな意志が込められていた。 「その必要はない。お前は今すぐ荷物を纏めてここを出て行くんだ」 だが、彼が研究所の所長である父、柊耕輔《ひいらぎ こうすけ》博士から告げられた言葉は予想外のものであった。 「今までは適正があったから施設内での生活を許可していたが、サイファーが失われた以上その必要も無くなった。そして火急に兵器を新造しなければならない現状、小僧は邪魔だ。家に帰れ」 「っ!? だったらその新兵器ってののパイロットになる! 今まで訓練だってしてきたんだから何にだって乗ってみせ……」 頼斗の言葉はそこで途切れた。柊博士が彼を殴り飛ばしたからだ。 「黙れ、餓鬼」 父の視線は眼鏡に反射されて良く分からなかったが、恐らく自分を睨みつけているのだろうと頼斗は察した。 何か言おうと思ったが止めた。父が一度言ったことは撤回しないことを頼斗はよく知っていたからだ。 腫れた頬を押さえ、大人しく部屋に戻って荷物を纏め始める。元々最低限の日用品以外は持ち込みを禁止されていたし、支度はあっさりと終わった。 ドアが開くと目の前には希美が立っていた。 「……希美も出て行くのか?」 しばしの静寂の後、頼斗がそう尋ねた。 「私はプログラムの組み立てに必要だって所長達に言われたから……」 ここに残る。と、頼斗と視線を合わせないようにしながら呟く希美。 彼女が兄に対してどんな感情を持っていたのかは知っていたし、兄と顔の似ている自分の事をあまり直視したくないのだろう。と、頼斗はそう思った。 「……これ、お金です。所長が頼斗君に渡すようにって。それと……」 札束の入った封筒を渡した後、希美はポケットに手を入れたまま目を伏せた。 「……それと、何?」 「……すいません。何でも、ないです。……気をつけて」 そう告げ、ポケットの中の何かを握りしめながら逃げるように去っていく希美。そんな彼女を、頼斗は追うことが出来なかった。 「……帰るか」 しばらくの間をおいて、頼斗もその場を後にするのだった。 「……」 かつて、彼の家のあった場所は瓦礫の山と化していた。周囲も似たような状況である。 「……」 事情を説明してもう一度研究所で生活させてもらおうか? と、頼斗は一瞬考えたが、すぐにその考えを取り消した。 恐らく父はそれを許さないだろう。そもそも自分の話を聞くかどうかすら分からない。ひょっとしたら全て承知の上で追い出したのかも知れない。 そうして立ちつくしていると、彼の頬に冷たいものが当たった。雨が降り始めたのだ。 「……ふふふふふふ」 頼斗は背負っていたリュックサックから札束の入った封筒を取り出した。そして封筒を破り捨て、中身を周囲にぶちまける。 「ははははははははははっ! いいさ、生きてやる。アンタの力なんか何一つ借りずに生きてやる! 親父ぃっ!」 こうして頼斗は五年前、事実上天涯孤独の身となった。彼の心を救うことになる三つ目の出来事が訪れるのは、もうしばらく後の事である。
そして、五年ぶりに彼等は再会した。 ロボットから降りた希美と頼斗は、五年前のように正面から向かい合う形になる。 「……年が近くなったからかな? 前よりも才斗さんに似てきたね。頼斗君」 「そりゃそうだ。五年前の俺、お前と同い年の12だったんだぞ。今の方が似てるに決まってら」 険悪ではないものの、気まずい雰囲気が流れる。そして、先に口を開いたのは頼斗だった。 「……さっきの奴、アンノウンなのか」 「『正体不明』という意味では、紛れもなくアンノウンです」 「なんつうか事務的な答えだな。部外者にほいほい情報はやれないってわけか。……ま、いいや。死なない程度に頑張ってくれ」 それだけ告げると、頼斗は希美と、彼女の乗っているロボットに背を向けて去ろうとした。 「あの! 今更こんなこと言えた義理じゃないのは分かっているけど、私たちと一緒に戦ってくれませんか!」 そんな頼斗に向かって、希美は力の限りに叫んだ。 「あれから五年! この二号機も完成したし、研究所も世界規模になりました! でもパイロットがいないの! 頼斗君以上の適正値を持ったパイロットが! 今一番適正のある私でも、補助エネルギーを使ってやっと数分戦えるかどうかなの! だからお願い! 頼斗君の力を貸して!」 「五年前は邪魔だからって捨てた癖に、ホント随分と虫の良いお願いだな」 振り返った頼斗の表情は、それまで希美が見たこともない程に醒めたものだった。希美は思わず半歩後ずさってしまう。 「あ、あの時のことは、研究所のみんなが頼斗君に悪いことをしてしまったと思っています。もちろん、私も」 「……あの野郎はんなこと欠片も思っちゃいないだろ」 恐ろしい程に平坦な表情と口調でそう告げる頼斗。 「っ……それは……」 目を伏せる希美の姿を見て、頼斗は一度小さなため息をつく。そして普段の表情に戻ると気まずそうに頭をガシガシとかき始めた。 「悪い。野郎の事でお前を責めてもしゃあないよな。ま、なんだ。俺だって元々やる気だったわけだし、そっちが良いってんなら乗るぜ」 「えっ!?」 頼斗の言葉に、希美は喜ぶのではなく驚きの声をあげた。正直に言えば、彼女は頼斗が断ると思っていたし、頼斗自身のためにも出来れば断って欲しいと思っていたのだ。 「いや、『えっ』って何だよ『えっ』って。お前は俺に乗って欲しいのか、乗って欲しくないのか、どっちなんだ?」 当然、そんなことを知らない頼斗は不審げにジト目で希美を見つめる。 そんな彼の不審を晴らすため、希美は自分に出来る精一杯の努力で誤魔化しを行うことにした。 「あっ……いえ、その……そう! こんなあっさり了承がもらえるとは思っていなかったので驚いたんです。そう! そうなんです! 大体こんな所で都合良く頼斗君と鉢合わせるとも思ってなかったし、何ていうか今日は驚いてばっかりなんです! そうなんです!」 しかし、生真面目な彼女は嘘をつくのが下手だった。わたわたと手を動かしながら言い訳をする姿は誰が見ても嘘丸出しである。 そんな彼女の様子に、 「ぷっ……ははははははっ!」 思わず頼斗は吹き出した。 「な、何で笑うんですか!? 私笑われるようなことしてませんよ!?」 「くくっ……お前、何か五年前よりも抜けてるな」 笑いながら、頼斗はロボットのコクピットを指さした。 「さっきの言い訳辺りからずっと何か鳴ってるぜ。気付いてなかっただろ。通信じゃないのか?」 「はい? ……ああっ!? 気付いてたならもっと早く言って下さい!」 急いでコクピットの中に入る希美。しばらくして、彼女は再びコクピットから顔を出した。 「頼斗さん! 先程と同じ敵が三体、こちらに向かって来ているそうです!」 「さっきの奴、一体だけじゃなかったのか!?」 「詳しい説明は後でします。ともかく、二号機に乗って下さい!」 希美の言葉に頷き、頼斗もロボットのコクピットに乗り込んだ。
「……懐かしいな」 訓練の時以来のコクピットの感覚に、感慨深げに頼斗は呟いた。 「最後にもう一度聞きます。頼斗君、ここで戦うことを選んだらもう後戻りは出来ません。それでも……戦いますか?」 サブシートに座りコンソールを操作していた希美の頭に、頼斗は微笑みながら手を置いた。 「お前さ、ホントは俺に戦って欲しくないんだろ?」 「……」 「優しいからな、お前。俺が兄貴みたいに戦って死ぬんじゃないか不安になってんだろ? ありがとな」 「……」 「大丈夫だ。俺は死なないし、死ぬつもりもない。周りの人間だって死なせない。で、死なない程度に頑張るさ。約束する」 「……破ったら、許しませんよ」 振り返った希美に、頼斗はサムズアップで答える。 それを見て希美も微笑み、スーツの胸ポケットから何かを取り出した。 「受け取って下さい。本当は五年前に渡さなければならなかった物だけど、才斗さんからの預かり物です」 それは赤い鉢巻きだった。五年前の戦いの際、才斗が希美に託したものである。 「これ、兄さんのか?」 「はい。……すいません、頼斗君への預かり物だったのに、今の今まで渡すことが出来なくて」 「いや、サンキュな」 鉢巻きを受け取り、頼斗はコクピットの中央、トレースシステムのある部分まで移動し、額にそれを巻き付けた。 「で、さっきの黒団子はなんだったんだ?」 「正体は不明。分かっているのは宇宙から来たこと、明らかに人工物であることくらいです。五年前のアンノウンとの関連性も現状あるともないとも言い切れません」 コンソールの操作を続けながら、希美は説明を続ける。 「サテライトベース、大気圏外にある異常観測用の施設の事なんですけど、そこが発見したのが42体。内31体は大気圏突入前に撃墜できたんですが、残りは地球への侵入を許してしまいました」 「さっきの団子はその内の一つか。でこっちに来てるのが三体、残りは?」 「消息不明です。気は抜けないですけど、まず私たちはこちらに向かっている三体にだけ集中するべきですね」 「オッケー」 気合いを入れるため頬を叩いた頼斗は、そこでふと一つのことに気付いた。 「……そういや、こいつの名前何? さっきから二号機としか言ってないよな」 「まだありません。正パイロットに付けてもらおうって、メカニックのみんなで決めていたので。でも、仮の名称を決めるのも苦労したんですよ。みんな二号機にするんだMK-2にするんだって大騒ぎになりました」 その時のことを思い出したのか、希美はコンソールの操作を止めてクスクスと笑い出す。そして、顔を頼斗の方に向けた。 「パイロット登録の準備が出来ました。音声データの登録と一緒に、一つ派手に命名してあげて下さい」 「名前ねえ……」 腕を組んで考え込む頼斗。少しの間をおいて、彼は一度大きく頷いた。 「決めたぜ! 兄さんが乗っていたのがサイファー。なら、俺が乗るのはライファーだ!」 握り拳を作り、彼は大きくそう宣言した。その様子に、希美は笑みをこぼす。 「頼斗君らしい名前の付け方だね。了解、音声データ登録。及び、機体名称をライファーに固定。トレースシステム作動、ライファー、機動します」 希美のその言葉と共に、コクピットハッチが閉じ、それまで暗かった周囲のモニターが外の景色を映し出す。 「レーダーに反応、敵を捕捉しました。正面に三、もうすぐモニターの方でも捉えられるはずです」 希美の言葉通り、すぐにモニターが遠くで光る三つの光を映し出し始めた。 「おーし、ブランクのある分、サポートは頼むぜ、希美!」 「了解!」 そして、ライファーは一度瞳を大きく輝かせると、足のブースターを点火して敵に向かって突撃を始めた。 『電光石火ゼノライファー』―――To be continued
今回はここまでです
次はバリバリの戦闘メインの予定、っていうかこの引きで次戦闘無かったら不味いですよね
あと、
>>559 は1/3じゃなくて2/3ですね。ミスりました
乙です、がんばって下さい 作品が投下されるってのはやはりいいですね〜
エルドランスレの過疎が・・・ どうにかならんかなあ。
ガンバルガー除くとエルドランは基本的に学級一つの大人数でドラマ動かすから すでにある作品のキャラで二次創作するならともかく 一からシリーズ新作を想定して作るのは素人には難しいですよ 18人の子供を文字だけで差別化して表現できますか? ガンバルガー方式で子供を2〜3人にすれば楽に作れるだろうけど あえてエルドランで何かをやりたい人は、やはり学級戦隊ってスタイルが好きなんだろうし
>>557 ありがとうございます!
>ファンタジーな世界観なのに月光仮面とか平然とでて来たり
これについては作品内で説明を……や、たいしたことじゃあないんですけどねw
>>558-560 ああっ! だからゼノ「ライ」ファーなのか……っ!
親父の力は借りないと言いつつ、ちゃっかり親父の用意したメカに乗っちゃう 意志薄弱な主人公が素敵ですね
42=31+11 機界31原種とソール11遊星主…… ただの偶然だろうけど
何か急に過疎ったな 原因は何となくわかるが
みんな、スパロボKのフラゲ情報収集に忙しいんだろう もしくはソレを警戒して2ch断ちをしているかの二択
俺はスパロボK前になんとか投稿しようと頑張ってる口だw でも、無理臭い・・・orz
>>569 ACfaにかまけてましたよHA HA HA!
続き書かなきゃ……
(0M0)〈やはりそうゆうことか! これからしばらくはスローペースになりそうだな
>>572 ( OWO)「ダディヤーナザァン! オンドゥルルラギッタンディスカー!」
ですねー
(;0w0)<ダリナンダアンタイッタイ・・・
川´_ゝ`)なに、気にすることはない
まあ、携帯機スパロボなんて一週間あれば二週できるさ Wよりずっと長いという事はないだろうし・・・
ホントに誰もいねぇw そんなにスパロボ楽しいかぁ!
ここってTFネタはありなん?
>>577 ああ、楽しいさァ!
も、もちろん続きを書いてないわけじゃないんだからね!
一日に三行は書いてるんだから!
>>578 いいんじゃないですか? トランスフォーマースレは無かったような気がしますから
>>578 大歓迎ですよ
書きたいと思った時が書き時です!
582 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/23(月) 03:06:51 ID:w7lA547n
操縦機構について語ろうか
>>582 スロットルを「ギュイィーン」とか鳴らしながら引いたり倒したりするのが好きだ
スパロボKのルージ君は正にドツボだった
そうか・・・ 現実世界の未来をモデルにしたやつ考えてるが やっぱり戦闘機風が一番しっくりくるんかなあ
マクロスFのフットペダルの操作はもえた
ただ、その手の描写は文で書くのが難しいからなぁー
だが「操縦してる感」の演出には、必要とまでは言わないが有効だ。 ロボッとではまだやったこと無いけど、おれは操作の部分はある程度書くよ。 脳波誘導式は書きようが無いけどね。 リアルの話だと、おっちゃんが重機の操作してる手つきなんかは面白いな。
脳波はまだ書けるよ 一番やりにくいのは完全に融合しちゃうとかそういうの
プラモ狂四郎タイプの融合は主観と同じで書けるでしょ 鼻ほじる動作から貧乏ゆすりまで再現するんだから
>>588 最初の方にパイロット主観で「ロボがまるで俺の身体のように動く!」と認識するシーンを入れれば
後は超人バトルモノと同じように戦闘シーン書けるんだから、逆に楽だろ
小説を書くってので考えた場合にもっとも描写がややこしくなるのは
「パイロットの楽器演奏に連動して動くロボの操作」だと思う
アニメーションだったら実際にBGMとして流れる音楽にも使えるから
色々とカッコイイ演出も出来るんだろうが、それを文章のみで伝えるのは
労力の割に盛り上がりに欠けるだろうし
>>588 融合は逆に書きやすくね?
載った時の描写をしてあとは痛みとかをフィードバックする描写を突っ込めばあとは人間が闘う描写にギミックを使う感じで書けば
それっぽくなる
あ〜でも 融合したロボが完全な人型でないタイプだった場合とかは その体格での身体の動かし方を覚えるまでに操縦者が色々と苦労をする ってシーンは必要になるかもな 内蔵された武器を使うのとかも、生身の肉体の感覚のままじゃ無理そうだし まあ、「融合した瞬間にロボの身体を動かす際の基本的な事は理解出来るようになる」 的な機能ががあるって設定とセットにしておけば、かならずやらなきゃいけないってネタではないけどな ロボでは無いが、某雑誌で連載してた変身系超人バトル漫画で カマキリ怪人みたいな姿に変身してしまったライバルキャラが 最初は変身前との感覚の違いに戸惑っていたけど 一度退却した後に「変身前の身体の動かし方が、どういう風に変身後に反映されるのか」 ってのを細かく研究するシーンが入って、その後の再戦では異形のカマキリ怪人ボディに備わっていた武器に 元々習得していた格闘技をミックスした戦法を編み出して、やたら強くなったっつーのがあったな そういうのをロボと融合したパイロットにやらせるってのは面白そうだが とても面倒くさそうだ
593 :
創る名無しに見る名無し :2009/03/23(月) 23:12:55 ID:eYqZVCxF
モスピーダ サザンクロス
眼を覚ます。 そこは暗闇だった。 何がそこにあるのかもわからない。 ただ、永久に暗い。そんな暗黒。 体が何かに飲み込まれていくのを感じる。 少しづつ肉体は肉体では何かになっていく。 血管は血液からエネルギーを流すエネルギーチューブに、皮膚は柔らかさを感じさせず頑固さを持つ鋼に…。 己が持ちうるものが高速で失われていき、それと同時に新しい何かを与えられる。そうして暗闇に一筋の光が差した。 光は最初は一色の白であったが、それは虹のように様々な光になりそして更に多くの色を持ち始める。 そうして暗闇は光によってかき消され、それは風景になった。 それは森林が生い茂る緑の大地だった。遠方にはコンクリートで覆われた都市が見える。 違和感。 なんだろうか…そう、何かが何時もと違うのだ。 周りを見渡す。生い茂る森林を見渡している自分に気づく。 そうだ、自分は高く、そう非常に高い所から周りを見下している。 そして自分の体を見て気づく、自分の体がもう人間の体では無い事を…。 そして、声にならない声を漏らした。 かつて両足であったものは車輪と、ベルトで作られたキャタピラーに… かつて右腕であったものは巨大な筒きれとでもいうべき砲身に… 自身が人間で無くなった事を認識する。 一体、自分の身に何が…。 その時だった、自分の体を大きく叩く音がしたのだ。 それと同時に大きな爆発音が鳴り響き、背中に大きな衝撃と熱を与える。 熱い。 機械となった自分の体でも、まだ痛みを感じる。 痛烈な痛みだ、それだけで気を失いそうになるぐらいの…。 だが、既に人間ではなくなったその体はそれを許さない。 自身に衝撃を与えたものを見る。 それが何かは知っている。 戦闘用の飛行機だ。 その翼には、ミサイルが積まれている。 慌てて逃げようとするが、それと同時に前のめりに倒れる。 機械となった体は人間であった時のように走る事をゆるさない。 再び、自身に大きな衝撃が走る。 熱い、痛い…。 左腕を使い、倒れた我が身を必死に立て直なおした。 再び、戦闘機は旋回して、自身に向けてミサイルを発射しようとしてくる。 回避しなくては…。 だが、人間であった頃のように走るといったような感覚でキャタピラーを動かすと上手く動いてくれない。 ならば、どうするか…。 直感的に理解する。 認識を改めなければならないのだ、これはもう足では無い、車輪なのだと…。 ならば、考える。 車輪はどのように動かすのか…そうだ、自転車のペダルをこぐ要領で動かしてみてはどうか…。 その足の動きをイメージして、足であったものを動かす。 前に――――進めた。 旋回した戦闘機はミサイルを発射する。 それを回避する為に、全速で前にペダルをこぐ要領ですすめる。 本来ならば後退が最善であるのだろうが今は前進のイメージ以外を掴む事ができない。 ならば全速で着弾点から離れてなくては…。 間に合え…間に合え!!!!! 爆発音が鳴り響く。 だが、自身の体にさきほどまで受けた熱と痛みは無かった。 回避に成功したのだ。 自身の中に安堵の感情が広まる。 だが、安心するにはまだ早い…。 周りを見渡す…いた、翼を持つ鋼の鷹…奴だ! そして深呼吸をした後、右腕の砲身を戦闘機に向けた。 何が起こっているのかわからない、何故、自分がこのような目にあっているのかもわからない。 だが、だが!こんな所で死ぬわけにはいかない…だから!!!!
>>592 右腕で銃の引き金引く感覚で砲身から発射みたいなところまで即興で考えたけれど
ここまで書いてめんどくさくなってここで終了、まあ、こんな感じかなーと思って描いてみたけれどどうだろう?(ちなみに設定まったく錬ってないので突っ込まれても困ります)
あと私事だが、キーボードのYが効きづらくて泣いた
これは交換だな…orz
手綱式 なんか挿して手綱みたいな両手それぞれが二本のケーブル状コントローラーを起動てか掃除機のコンセントみたいな感じで中から引っ張る→目ボォン発光→システムなんたら起動 みたいな手綱式考えてまつ
>592 蟷螂と格闘技…… ピコーン! デストロン怪人・カマキリメラン(蟷螂とブーメランの合成怪人) 風雲拳、それは空手とブーメランを融合させた、全く新しい……
蟷螂とブーメランを融合させたに見えた
ロボットと融合してる状態で、さらに別の形に変形するのはどんな感覚なんだろうか
>>599 合体って、一部が受け/差し込み用の形か互いに保持し合う形に変形するものだから、
体の一部が手になって合体相手をつかんだりつかまれたりつかみあったりする感覚じゃないかなあ……
物凄く想像しにくいけど、なんか気持ち悪そうだ。
ちょっとズレるんだけど、
エクセルサーガってマンガで、アンドロイドになった(もともとは普通の人間だった)
岩田というキャラが壊れて修理されて戻ってくるときの仲間の会話
(やっぱり合体とかするんやろうか)
「合体前は何モンなんだよ」
を思い出した(あれは笑った)。
602 :
601 :2009/03/24(火) 22:33:20 ID:8ljJ6PQ8
>>599 あ、合体じゃなくて変形でしたね、ごめんなさい。
え〜とね、変形は、すんごいヨガ。
>>597 のデストロンで悪のロボット軍団を連想したのは俺だけだろうな。
ダグオンなんかじゃ人間が融合してるロボが変形するけど、
例えば頭が胴体の中に収納されたりすると本人の視覚はどうなってるんだろうか?
>>592 みたいな描写は面倒だが面白いかもね
ヒロインが女装美少年でもいいよね!
>>599 通りすがりの仮面ライダーに聞いたところ、ちょっとくすぐったいらしい
テスト
やっと規制解除されたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 書くぜぇ〜、超書くぜぇ!
解除きた?
よっしゃ。4スレ目あたりから本気出す。
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 徹底検証! 人はロボットと融合すれば変形できるの〜か〜! 山崎「ちょ、痛い痛い痛い! 止めて止めて止めて、割れてますやん、胴体ぱっこーん割れてますやん!」 浜田「血とかでてへんし別にええやないか。いけるて」 ※ 山崎は特殊な訓練を積んでいます。絶対にマネをしないで下さい。
脳からでる筋電位で手足が動くだけで普通に変形できるぞ 筋電義手でググれ
パワードスーツで有名なHALは筋電位だよな
デジタル処理で複雑な動作をプログラムするよりを 脳からの中継信号でアナログ操作した方が手っ取り早いらしい
リアルロボットを書く時の注意点みたいな物ってあるかな?
上のほうにある設定厨の皆さんの議論でも見たらいいと思うよ
下手に物理法則やドクトリン云々などと書いてリアリティを出さないこと 突っ込みの隙を見せないこと
設定は書きながら臨機応変に小まめに変える 話の筋弄るより設定無視したり無かった事にした方が楽で出来もよくなる 1つの話を完走させるにはこれに尽きる
補足 一本書き上げてからその作品についての設定を作るぐらいでちょうどいいです
下手に説明しないほうが見るほうもいろいろ想像できて楽しいこともある
そこのサジ加減って結構大変だよなー 説明せず風景のみを淡々と描写するのが一つの理想系なんだろうけれど
SF(サイエンス・フィクション)に現実の技術が追いついてきているから そこから先のフィクションを編み出すこと 搭乗型ロボも、戦闘用ロボも、アンドロイドも、改造人間も普通に現実にいるご時世 目新しくもなんともない
目新しけりゃいいってもんじゃない
スーパーロボットは存在しないからいいが リアルロボットは現実にあるロボットと比較される スーパーロボットにするのは簡単で神とか悪魔とか出して 動作エネルギーをイデやゲッター線のように不安定にすればいい
神とかイデとかゲッター線とか下手に持ち出すと収拾つかなくなるぞ。 かなりスケールのでっかい物語になる。
そして虚無るw
まぁ、掲示板のSSで処理出来るようなテーマではない
頑張って物語つくると今度はSSで処理できねーってオチになるんだよなー てか俺すでにその傾向に入り込んで出て悩んでる 会話で話を持ってくだけでも文章量かなり持ってかれるし、描写もどのぐらいで抑えるのがベストなのか悩む 本気で書き込むと、んでロボ何時でるの?とか言われかねないぐらい長くなっちゃうし時間もかかる 戦闘シーンだって本当に書き込みだすと昔、短く構成したつもりが2万字とかになって自分で駄目だと思った経験があるしw 最近、とりあえず思う所全部書いて その後、蛇足や、別に今書かなくてもいい所は削除していく方針でやった方がいいかなーと思い始めた まあ、そうすると時間がまた凄いかかるのだが…
そうなんだよなあ……乗り込むまでの過程もロボットものの醍醐味だからなあ いっそHPでも用意して、こっちにはダイジェストみたいなもんを投下するかなあ 何にせよ、とりあえずは書きあげなくちゃならんのだが
>>630 がんばれよ。
おれもHPでやってるが、色々言われると思う。
スレに投下してもらった方が読みやすいって奴もいるし、
HPで一行辺りの文字数そろえてもらった方が読みやすいって意見もある。
大事なのは、自分で良いと思うやり方で続ける事だね。
出来上がったら読ませてもらうよ。
楽しみにしてる。
TVサイズで書くならAパートとBパートに分かれ、Bパートには必ず戦闘シーンを入れる 漫画では2話分が1話のサイズになる ロボットで戦うシーンがメインイベントなので 1話に1回は戦闘シーンを死んでも入れる、戦闘シーンがないロボ小説は 1話に1回エロシーンがないエロ漫画のようなもの となると「どういった経緯でで戦闘が起こるか?」を毎回頭を捻って考える必要がある ノロノロ描写していると「戦闘がない話」が出る ぶった切れる所はぶった切って、きっちり戦闘シーンを入れておくのが大事
>>630 だろうね、風呂敷広げるのも趣味としての創作の楽しい部分の一つ
否定するべきではないけど、制限が多い掲示板に落とすSSには
やっぱ形式として向かないし、読む方も読みにくいですよ
折角力を入れて書いた物が、掲示板のシステムでは読みにくいってだけで
読んでもらえないのはやっぱ悲しいよね
貴方の言うように個人的なブログやサイト作って
本筋はそこに落とすのが一番じゃないかな
で、ここにはダイジェストを置いて、誘導みたいな形を取ると
匿名じゃなくなっちゃうけどね
人イナイナー(゚Д゚ )
書いてるけれど、アプローチで色々どうしようかなーと アニメみたいに1話と区切るからいけないんだと最近気づいて章だて構成にし始めたりー
気まぐれで主人公と主人公機を描いてたらこんな時間になってしまった……
>>635 まあ、アニメはアニメ、小説は小説の尺の取り方がありますしね
自分が書きやすい尺で書くのが一番デスヨ
中世ファンタジーロボット書くよ
期待して待ってる
もしコン・バトラーリメイクするならどういう設定がいいかな? 戦隊物みたいに女性を2人に増やすっていうのは駄目?
>>640 だとすると、誰がリストラを食らうでござるか
大作
草間大作ですって!?
>>640 そんなモン答えようがないわい
創作者次第だからな
語りたいならまず作品で落とせ
645 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/04(土) 03:56:11 ID:5RgK3rJL
絵もみたい
愛が欲しい
誰かテポドン迎撃のために筑波学園研究都市から試作フライトユニット装備で出撃するロボットのSS書けよ
>641 ワークシェアリングして、6人目を。
どうしようか・・・今の書き溜め時点で7000字書いてやっと終盤 このペースだと万字突入しそうだ・・・流石に、スレ投稿は控えるべきなんだろうか… カットできる所はオールカットしてこの長さだし
コンバトラーのリメイク…… その昔「鉄甲巨兵サムライン」というロボット物のラノベがありましてねえ。
ええい! 新しいネタはないのか! そろそろ提供してくださいクソたわけども!
>>651 ごめん。頑張ってるんだけどちょっとモチベが上がらない
書いても小馬鹿にされる以外の感想ないんだろうなぁ、とか思っちまう
そう言われると是が非でも小馬鹿にしたくなるので書いてくれ
これっ、意地悪するんじゃありません!
>>653 いや、もうされてますわ
意外とダメージでかかったんだよ。最近まで手をつけられなかったし
忙しかったってのもあるけど
レスはしなくても続きを楽しみにしている人が十人はいるであろうことに何故気づかないのか。 もーすっぱりやめちまえ、度し難いヘタレ野郎がっ。
ツンデレ率多いなwwww
>>656 まあ、でもあれだ、読む専でもいいが
一応、作者のモチベのためにもレスはしてやるのは大事だぜ
というかネタ不足な今ならちょっと長いのやっても大丈夫そうだな…
解除されたからSS書くわ
>>659 とはいえ、基本的に文才無いんで、作品投下も出来んとROMってる身としては
面白い話を読んだ感動を、作者が気持ちよくなる文章で伝える事すらままならぬのさ
どんな感想を書くか考え込んでる内に、別のネタや作品が投下されたりと進みまくってて
「今更感想書き込んでも、意味無いんでないか?」という気持ちになり
そのまま読む専コース続行ってのを繰り返している感じ
……単純に「面白かった」と一言だけ書き込み方が良いのだろか?
台詞形式のロボSSが読みたい ロボの動作は()で説明してくれれば十分 でも駄目だよね?
じゃあ堅苦しくない奴をお願いするよ
>>665 努力してみる
分量はどんくらいか分からんが
台詞形式ってどんなんだ? 台本とは違うの?
668 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/06(月) 15:50:06 ID:CYDisHTv
ロボットの夢みた 12機が固定されてて 2陣営にわかれて戦闘試合みたいなので減ったら補充みたいな感じ
2〜3mくらいの遠隔操作できるロボが出てくる世界観で ロボと一緒に人間も武器持って戦うってノリの作品考えてるんだが このスレに投下していいんかね?
>>665 出来たよー。ぶっちゃけ自分でもこんなSSになるとは悪い意味で思わなかった
乗る系のロボットが多いから、こういうのもたまにはいいかなと思う。反省はしてない
672 :
ハルとデイブ :2009/04/06(月) 23:37:49 ID:K2vuyM2S
はるかとおいとおいみらい、じんるいはうちゅうにしんしゅつするために、さまざまなじっけんやちょうさをおこないました するとかなしいことに、うちゅうはいろんなゴミであふれてしまったのです このものがたりはそんなゴミをかたづけたり、きちょうなゴミのばあい、でーたをとったりしていちにちをすごす、ふたりぐみのろぼっとのおはなしです ハル 「……広大な宇宙の彼方、人類は住処を遠き惑星にまで進出させていた……」 ハル 「しかし人類は知らなかったのだ。外宇宙への進出の影に、不穏なる脅威が迫っているこ」 デイブ「独り言ぼやいてないで手伝え! たくっ……」 ハル 「申し訳無いです、デイブ。しかし……我々の仕事は一体いつになったら終わるのでしょう?」 デイブ「何時終わる? 宇宙からゴミが無くなるまでだ。先人どもが残していった迷惑な遺産を全て回収するまでな」 ハル 「しかし先人達は、宇宙に向かう為に様々な試行錯誤を重ねました。その為には多大なる浪費と手間が掛かるのは仕方がないと私は思います」 デイブ「けどな、ハル。その遺産とやらで溢れちまった宇宙は誰が掃除するんだ? これじゃ遺産というよりゴミの山だぜ。まぁ、俺にはそんなゴミの山を回収するくらいしか機能が無いがな……」 ハル 「落ち込む事はありません。私が思うに君にもそれなりの長所があります」 デイブ「例えばどんな?」 ハル 「排泄行為を行わない為、トイレという無用な時間がカットされます」 デイブ「それはお前も同じだろうが、ポンコツ」 ハル 「時にデイブ。私は常々、ごみを回収して思う事があるのです」 デイブ「また妙な哲学か? 言っておくが俺は今の仕事をゴミ回収以上でもそれ以下でもないと思っているぞ」 ハル 「そうではありません。私は思います。何故人間は私達ロボットを、このような仕事に任命したのかを」 デイブ「ロボットだからだろ。人間を使うと手間と費用がかかって仕方無いから、俺達に託された。単純な理屈だ」 ハル 「ロボット三原則ですか? ならば何故、私達に意思があるのでしょう。それならば掃除するというプログラムだけを組み込めばいいだけはずです」 デイブ「それだけでは味気無いと、開発者は思ったんじゃないか? 俺には感情というものは無いが、お前と話していると仕事がはかどるぞ」 ハル 「ふむ……言われてみれば、確かにそうかもしれません。これは開発者の心意気というものかもしれません」 デイブ「ところで、お前はいつになったらまともに仕事をしてくれるんだ?」 ハル 「掃除するというプログラムが組み込まれるまでです」 ハル 「所でデイブ。近隣のゴミを拾っていたら、こんなものを見つけました」(マニュピレーターを伸ばす) デイブ「何だ? これは確か……ロケットという奴だな。飛ぶ奴じゃないぞ。人間が写真を忍ばせる為のアイテムと聞いた覚えがある」 ハル 「ほう、これがロケットと言う物ですか。この写真の人物に見覚えはありますか?」 デイブ「俺は無いが、お前は?」 ハル 「私にはどことなく、この写真の人物についてメモリーがある様に覚えてなりません。しかし思い出せません」 デイブ「俺達ロボットに必要なメモリーなんて無い筈だが……回収品を調べる為のデータ程度のしか」 ハル 「しかし、どうにも引っかかるのです……ちょっと待っていて下さい、今思い出します」 デイブ「なるべく仕事しながら思い出してくれよ……」
673 :
ハルとデイブ :2009/04/06(月) 23:38:30 ID:K2vuyM2S
ハル 「思い出しました、デイブ。写真の人物は……」 デイブ「何だ? もったいぶらずに教えてみろ」 ハル 「思い出しましたが、名前が分かりません。メモリーにはありますがデータは無い様です」 デイブ「お前があまりにも仕事しないから、恐ろしい監視ロボットを付けてみた」 監視 「ハル12-0A。職務怠慢と見なした場合電撃による懲罰を与える。職務に励むべし」 ハル 「これは恐ろしい事を考えますね。まさに冷血漢。血が通ってるとは思えません」 デイブ「元から血は通ってねえよ。さぁ、これからはお前の意識を掃除に向けさせる事が出来るぞ」 ハル 「おやおや、本当にいいんですか? デイブ」 デイブ「どういう意味だ? ここにきて怒られる事が怖くなったか?」 ハル 「違いますよ。もし監視ロボットが私を攻撃したら、誰がその監視ロボットを止めるんです? もしその監視ロボットが故障していたら? あるいは監視ロボットが何者かの干渉を受けていて暴走したとしたら……」 デイブ「あまりに感情が分かりやすすぎて、お前がロボットなのか疑いそうになった。それほど厭ならまじめに仕事しろよ」 ハル 「私には貴方の仕事を監視するという仕事があるのです。貴方が真面目に仕事をしているかを見張る為の……」 デイブ「だからお前はなんでそんなにも分かりやすいんだ! ロボットならロボットらしく冷静に反論しろよ!」 ハル 「イタイノイヤダ ハル コワイ」 デイブ「そういう意味じゃねえ!」 監視 「マスター、まじめに仕事してください」 デイブ「さて、そろそろ充電すっからホームに帰るかぁ。とうとう何もしないで一日終わっちまったな」 ハル 「私もあまりのデブリの多さに自分の仕事が片付かない事に対する憤りを感じます」 デイブ「お前のネジというネジを抜いてやろうか? たく……まぁ、このゴミが片付け終わるまで今後もよろしくな、ハル」 ハル 「貴方がデブリになったら真っ先に回収してあげます。今後ともよろし」 ボカッ つづかない
674 :
665 :2009/04/06(月) 23:54:34 ID:y7CXvzvZ
ご苦労様です いや、結構面白かったよ 乗るロボットっていう感覚より二人の自律型のロボットだと思って読んでた C3POとR2D2的なロボットが漫才をしながら掃除してるっていう想像が出来てしまった 片方が人間だったらごめんね
ごめん、最初に二人組みのロボットって書いてあったね
うむ、まさしくショートショート。
>>671-673 GJ
会話のテンポが良くて面白かったよ。戦闘のないまったりしたロボものってのも良いもんだ
まるで、某いつふたさんだ。乙。
こういうやりとり書けるのはいいなー 小芝居が効いてて普通に楽しい
投下しようとしたら2000文字ちょいしか書けていなかったでござるの巻 みなさんお久しぶりです、パラベラムの人でございます とりあえず生存報告だけでもしておこうかと思いまして、はい
683 :
CR 前置き :2009/04/12(日) 10:40:39 ID:ZX2BlgAL
西暦2450年。 世界は謎の勢力からの襲撃を受けていた。 名称は不明、何処から現れたかも不明。 故にアンノウンと呼称されたそれは地球に脅威として襲い掛かってきた。 世界統一政府はそれに対して、直轄の政府軍の鋼機部隊を抗戦を行うことになる。 だが、戦力差は圧倒的でアンノウンの用いた獣を模した機械兵器、政府軍による便座上の呼称、鋼獣(メタルビースト)は瞬く間に政府軍の鋼機部隊を蹂躙していった。 そしてその大きな激戦区となったのは世界統一政府参加国の一つ、日本であった。
人一人が入るのがやっとな小さな部屋。 そこには心もとない赤い消灯が一つだけ灯っていて、うっすらとその部屋を照らしていた。 部屋の中心には椅子あり、その椅子の周りは様々な機器が充満している。 秋常譲二はその椅子に腰掛けた。 譲二はキーボードとゴーグルを席の横から引き出し、ゴーグルを着け、キーボードに入力を始める。 小さな部屋でキーボードのキーを打つ音だけが静かに鳴り響く。 譲二の視界にはゴーグル越しに大量の文字列が展開されていく。 それと同時に周囲の機械が動き出す音が鳴る。 Start preparation completion。 ゴーグルに起動準備完了の合図が出る。 譲二はそれを確認した後、キーボードのエンターキを叩いた。 部屋が起動を開始する。ゴーグルに移る風景は暗転し、その後、違う風景を映し出した。 周りは金属の壁で覆われていて、目の前には蒼白の大きな全身甲冑のようなものが存在している。 世界政府の特殊部隊に正式採用された新型人型機械兵器、鋼機(メタルアーマー)S−21 アインツヴァイン、譲二が今、乗っているモノと同じ機体だ。 譲二が首を回すのと同時に風景も譲二の乗る鋼機の頭部にあるカメラも譲二の首の方向と同じ方向に向ける。 譲二はペダルをゆっくりと踏み込み、レバーを握った。 ゴーグル越しに見える光景が動き出す、少しづつ、少しづつ、前方の蒼白の機体が近づいていく…。 譲二はレバーを操作しながら腰を右に捻った。 それに同調するように譲二の乗る鋼機は体の向きを変える。 そして、ペダルを踏み込み前進させた。 順調に機体の立ち上げに成功したことに譲二は安堵の息をついた。 そうして発信ゲートの前まで歩を進めた後、譲二は鋼機を90度方向転換させゲート隣にブースターユニットに向けて後進する。 ガチンという接着音。 モニターにブースターユニットへの接続が完了したとの報告が入る。 譲二はレバーを操作し、発信ゲートを開いた。 ゲートの向こうに青空が広がるのがモニター越しに見える。 その風景を見た後、譲二は深呼吸をした。 「やるしかないんだ…。」 その決意を言い聞かすように譲二は呟いた。 鋼機の歩を進める。 キーボードでブースターに火を入れるよう入力を加える。 その時、電子音が鳴り響いた。 ゴーグルに強制介入という表示と共に部屋にスピーカー越しに声が流される。 「秋常譲二、なんのつもりだ?」 女の声だった。その声は若さを感じさせるが威圧的な重みもある。 「納得できないからです。」 譲二の物言いに女はそれをふん、と鼻で笑った。 「納得できない?納得などお前に必要ない話だ。」 威圧するような物言い、譲二はそれに抗うように弁する。 「命令違反に対する罰なら後でいくらでも受けます、ですが、今、あの鋼獣(メタルビースト)を逃すのは正しい判断とは思えません。このアインツヴァインが何の為に開発されたのか、お忘れなのですか!!」 少しの間の沈黙。そして少しのため息の後に、女は前と変わらぬ口調で言う。 「確かにそのS−21アインツヴァインは素晴らしい機体だ。ディールダインを用いるという理想の現実化、それは秋常譲二、お前がいなければ出来はしなかっただろう。だが、あの鋼獣はそれでも勝てるかどうか怪しいのだ。 我々は確実な勝利を手にする為にはなんとしてもあのブラックファントムを手に入れねばならん。」 「だから、被害にあうであろう人々を見捨てるというのですか!」 それは悲鳴だった。 確かにあのブラックファントムの力は驚異的といえた…あれを手に入れる事ができれば―― だが、この機体はそんな事のために開発したのでは無い筈だ…この機体は…。 「そうだ――見捨てる。」 少し間を置いた後、女は冷徹に言い放つ。 「そうですか…ならば、もう話す事はありません。」 「この、ば―――」 譲二はスピーカーを切った。 起動干渉のプログラムには自作のプロテクトによって起動干渉を受けないようになっている。 実質的に今、『彼ら』はこの譲二の乗るアインツヴァインを止める術などは無い。 「なんで、皆それで納得できるんだ…。」 譲二は呟く。あまりに悲しかった。そういう命令だからと納得してしまえる彼らが…。 ブースターを点火する。 そうして譲二の乗ったアインツヴァインは空中に身を乗り出した…。
突風で機体が揺れる。 譲二はすぐさま、姿勢制御プログラムを飛行モードに切り替えた。 ブースターユニットの後翼が動き始める。 風にあわせてもっとも良い方向へと翼の向きを変えて始めているのだ。 譲二は、それを確認した後、ゴーグルを外して、一つのディスクを傍らにおいてあった小物入れから取り出した。 ディスクを譲二から見て向かいにあるディスクトレイに挿入し、再びゴーグルをかけなおした。 ゴーグルにはNow loadingという読み込み中の表示が出る。 やがて、読み込みが終了したという表示が現れ、モニターに座標が表示された。 『彼ら』が計画通りに事を行おうとしていたのならば、『奴』はそんなに遠くにはいないという譲二の読みは当たっていた。 距離にしておよそ15km程度、これならば5分もあれば追いつける。 目標に向けて機体の進路を取り、機体を加速させる。体に軽くGがかかるが、すぐにそれに体は慣れた。 S−20型までの鋼機ならば、ここで多大なGを搭乗者にかけていた事は予想に硬くない。 それを新しく搭載された重力制御システムがこの程度で済むように軽減しているのだ。このようなシステムを積むような容量を確保できたのも一重にディールダインの恩恵といえるだろう。 譲二は座標近くの地図の情報をゴーグルに映させるようにキーボードを操作する。 そして、映ったその光景に譲二は下唇を噛んだ。 このままの進行ルートだと『奴』は間違いなく一つの街の上空を通る事になる。 『奴ら』は必ず、通りかかった街を襲撃していた。大なり小なり構わずにだ。 やっぱりじゃないか…と譲二は心の中で毒づく。 その時、電子音が鳴った。座標の近くに知らせる音を示している。 譲二はゴーグルを操作し、カメラをズームして『奴』を探す―――いた。 狼のようなシルエットをしているが背中に二つの翼を生やしているのが特徴的だった。 『彼ら』が『天狼』と呼称している、鋼獣の一種だ。S−20型鋼機20機で構成された大部隊をたった一機で壊滅させた悪夢の元凶。 複数確認されている鋼獣の中でも危険ランクA−に指定されているモノだ。 キーボードを操作し、音声認識に切り替える。 音声認識はキーボード操作で行う事のパターンをいくつか機体にキーワードで設定しておくといったものだ。 戦闘中にキーボードを打ち込む余裕が無いだろうという事からの挙動の短縮プログラムというべきものといえる。 そうした作業を終えたあと、譲二はごくりと唾を飲んだ。 腕が震えているのが分かる。怖いのだ。自分がどれほどの敵を相手にしようとしているのかを理解し、今更怖がっている。 譲二はそれを落ち着ける為に何度も深呼吸を繰り返した。 「やるしかない…やるしかないんだ…やるしかない…やるしか―――」 呪詛のように何度も繰り返す。恐怖に逃げ出しそうになる自身を何度も説得する。 そうして10秒ほどの時間が流れた、天狼はすでにアインツヴァインのアサルトライフルの射程内にいる。 まだ『奴』はこちらの事に気づいていない。今ならば…そう今ならば、先制を取れる――――否、早まるな。 今すぐにも攻撃を仕掛けそうになっていた自身を必死に繋ぎ止める。 今ここで戦いを始めるのはあまりにも無策だ。ブースターユニットでこの機体は飛行しているものの、ブースターユニットは小回りが効くように設計されているわけではない。 あくまでその目的地に鋼機を送り込む事を目的として開発された代物だ。故に空中で小回りが効く天狼に戦闘を仕掛ければただでさえ、不利な戦いがまったく勝てないものとなってしまう。 そう、勝つためにはなんとかして地上戦に持ち込まなければならない。 譲二はその考えにたどり着いた事で自身がまだ冷静さを失っていない事に気づき安堵する。 だが、どうすれば、地上戦に持ち込める。 譲二は考える。まずはあの翼をどうにかしなければならない。そうでなければ地上戦になんとか持ち込めても、また空を飛ばれて結局はこちらが不利になってしまう。 だが、この機体に装備されているアサルトライフルの弾が、1、2発当たった所であの翼を破壊する事は不可能だろう。 天狼の装甲がそれぐらいの攻撃ではまったくダメージが与えられない事は熟知している。ならば…グレネードランチャーへの切り替えか…いや、それでは外した場合、下にある街への被害へと――― 様々な方向へ思考を巡らせる。勝つために…。 その時だった、鋼獣が急に降下を始めたのだ。譲二の頭に自身に気づかれたのかという考えが巡る。だが、それがそうでは無い事がわかったのはそれから数秒もかからなかった。 譲二は背筋に寒気が走るのを感じる。 天狼は自身の下にある街を襲撃するために降下を開始したのだ。
焦り。 その感情が譲二を支配し始める。今すぐに攻撃しなければ――いや、それでは流れ弾が街に当たってしまう。 ならば、どうすればいい、どうすれば―――― 譲二は自身の足を握り拳で叩いた。 そうしてまとまらなくなりそうな自分の思考を痛みで引き戻す。 落ち着かなければ、今取れる最善とは何だ…秋常譲二…お前は一体、今、何が出来る? 譲二は素早くレバーを操作し、機体を天狼に向けた。 そうして天狼に向けてブーストユニットで全速力で加速する。 「ぐっ……。」 ブーストユニットに積載された燃料を全て使うフルブースト、重力制御が利かなくなり始め、譲二の体に大きなGがかかり始める。 他に手は思いつかなかった。 もっと時間があればこれよりも良い手段を思いつけたかもしれない。 だが、今、思いつくのはこれだけだ、迷えば迷うほど状況は悪くなる…だから今はこの方法が最善だと信じてやるしかない。 大きな衝撃が機体全体に走る。 譲二の乗るアインツヴァインが街に降下をし始めた天狼に激突した事を証明する衝撃だ。 そのまま譲二はレバーを操作し、アインツヴァインの腕で天狼を抱え込む。 そしてそのまま、フルブーストをし続ける。ブーストユニットの限界を超えた事を示す警告音がなる。 それはこのまま行けば、ブーストユニットの爆発を招く事を示唆しているものだ。 だが、そんな事は知った事か…今はなんとしてもあの街へと降下するこいつの軌道を街からそらさなくては…。 機械と機械がこすれるような音、天狼が咆哮する。自身を抱えこんでいるこの蒼白の機体を振りほどこうとしているのだ。 だが、まだ離すわけにはいかない。 譲二は襲い掛かる衝撃とGの中、必死に状況を確認する。 重要なのはタイミングだ。チャンスは一度きり、それを逃せば、自分はこいつと心中する事になってしまう。 まだだ、焦るな…落ち着け…あと少し…あと…今だ! 「ぜ――づぞ――くがいじ――ょ!!」 喋るのもままならない状況の中、譲二は腹から精一杯の声を出す。 これで機体が反応しなければ、このまま心中する事が決まってしまう。譲二は神に祈った。 Connected release ゴーグルに、接続解除のコードが現れる。 それと同時に背部に振動が伝わった。 譲二は素早くペダルを踏み込み、機体の肩部にあるブースターを上向きに噴射させた。 接続が解除されたブーストユニットが機体から外れ、その一瞬の間に譲二の乗るアインツヴァインは逆噴射をかけ、天狼から離れる。 機体の重みから解放されたブーストユニットは天狼の体にそのまま突っ込みさらに加速を続ける。 「…うぐ…。」 急な方向転換に慣性の法則による重力制御でも殺しきれないほどの強力な反動が譲二を襲った。 譲二は体の中から逆流してきた黒味かがった赤い液体を口から吐き出す。 譲二はそれに構わず、レバーを操作する。アインツヴァインはバックパックからパラシュートを散開させた。 完全な減速は間に合わないのは明らかだったが、それでも多少の着地時の衝撃を和らげる事ぐらいは出来るだろう。 背部のスラスターはさきほどの無茶な加速で反応が無いため、減速には使えない。 アインツヴァインはそうして街の近くにあった山岳地帯に着地した。 着地と共に大きな衝撃音。 譲二はそれを足だけで受けずに、足面や腕に受け流す事で出来るだけ機体に与える衝撃を受け流した。 「はぁ…はぁ…はぁ…。」 譲二はすぐさま機体の状態を確認する。 いくら受け流したとは言え、かなりのダメージを機体に与えた事は予想に硬くなかった。運が悪ければもう動かない可能性すらある。 機体のコンディションを確認していく内に譲二は目から涙を流した。 動くのだ…それも着地の時損傷した左腕以外はほとんど問題なく。 自分がこの機体を作り上げた事は間違いではなかったと譲二は感動する。 ああ、そうだ、この機体は凄い機体だ、あらゆる夢、あらゆる願いが込められている。 この機体とならば、絶対に負けない。 それは譲二の中で絶対の自信となる。譲二は先ほど血反吐を吐いた事すら忘れ、機体を立ち上がらせた。 そうして周囲を見渡す。近くで黒い煙が上がっているのが見えた。そしてそれが天狼が墜落した場所だと譲二は確信した。
「はぁ……はぁ……あそこ…か…。」 譲二はペダルを踏み込み、機体をその黒煙に向けて進ませる。 アインツヴァインから切り離されたブーストユニットはそのまま天狼にぶつかりそのまま加速を続け、機体という重りを失ったブーストユニットは天狼の機体ごと山岳に突っ込み爆発したのだ。 最大加速で機体ごと天狼に突っ込ませ軌道を変更させ、ブーストユニットを切り離し、そのままアインツヴァイン本体は両肩のブーストを使い脱出、そして切り離されたブーストユニットと天狼を加速させ地表への激突とそのブーストユニットの爆発によるダメージを与える。 これが譲二が咄嗟の瞬間に閃いた唯一の攻撃手段だった。 この策は苦しくも成功を収める事に成功した。相手が鋼機ならば、全壊しているかどうかは見るまでも無い事だ。 だが、譲二はアインツヴァインの歩を進めた。 破壊したのを確認する為ではない。あの程度であの鋼獣を倒せるとなどと思っていない。 ダメージは与える事に成功したとは思うが、あの程度で倒せるような相手であるのならば20体の鋼機を1体で圧倒できるわけが無い。 譲二は確信している、この先にはまだ『奴』が『天狼』がいるのだと…。 黒煙まであと200mまで近づいた時、その確信は現実に変わった。金属と金属がこすれるような音、天狼の咆哮だ。 音がした方向にズームをかける…いた、間違いない。 天狼はあれだけの決死の攻撃の中でも、そこに存在しているのだ。 だが、ダメージを与えられなかったわけでは無い。天狼の大きなシルエットであった双翼が破壊されており、中にあった機械をむき出しになっていた。 譲二は墜落時の衝撃を翼を防護に回す事で和らげたのだと理解する。 だが、そのお陰で天狼の翼は使いモノにならない。つまりはもう天狼は空を飛べない。 目的は成功したのだ。天狼から空を奪い、地上戦に持ち込ませるという最初の目的を…。 つまりはここからが本番だ。 狙うのはただ、一点、天狼の胸元の装甲の奥にあるコアのみ。数々の敗戦の中で手に入れた、鋼獣の弱点を破壊する。 理由は未だ不明だが、そのコアさえ破壊すれば、鋼獣は行動不能になる。 天狼のコアは胸元の装甲の奥にある事が、既に確認されていた。 天狼が紅の瞳でこちらを睨みつけてくる。 こちらを見つけたのだろう。その形相は機械ながらも怒りに震えた獣のように見える。 着地のときに受けたダメージでアインツヴァインの左腕はもう用はなさない。 故に左腕の肘を右手で曲げL字のような形にさせ、関節部分を全てロックし、まだ動く左肩のみで左腕を動かせるようにした。 そうして譲二はアイツヴァインの腰に装備されているアサルトライフルを取り出し天狼に向けて構えた。 天狼はアインツヴァインを確認して大きく吼え、その四足で疾風のように譲二の乗るアインツヴァインに向けて駆け襲い掛かる。 譲二はレバーにあるトリガーを引き、アインツヴァインにアサルトライフルを発砲させた。 嵐のような銃撃音が響くと同時に40mmの弾丸の雨が天狼を襲う。 だが、その銃撃に天狼はまったく止まる気配が無い。まったくダメージを与えられていないのだ。 譲二は、その事実をそんな事は知っている!と心の中で一蹴する。 この程度の銃撃で鋼獣にかすり傷すら作ることすら出来ないのは交戦データを見ていれば誰にだってわかる。 重要なのは距離だ。相手が自分の距離に誘い出されているという事を感じづかせない程度の距離が必要だ。 その為の攻撃、必死な抵抗に見せかけた攻撃を仕掛けているのだ。 天狼との距離100m。 まだ、早いと焦る気持ちを譲二は必死につなぎ止める。 距離80m。 譲二は目に見える景色が急に霞み始めるのを感じた。さきほどの吐血の影響だろうか…。 距離60m。 ゴーグルに表示される距離の表示がぼやけ始める。譲二はその中でアインツヴァインにアサルトライフルのもう一つのトリガーに指をかけさせる。 距離40m。 視界が歪む。セカイが少しづつ形を失いドロドロに溶けていく。 だが、その中で譲二はその中でアサルトライフルの二つ目をトリガーを引かせた。 アサルトライフルの銃口の下部にあった大きな銃口からグレネード弾が発射される。 命中と共に爆発。 その時、視界には赤い何かが広がり始めるのを譲二は見た。
譲二はすぐさまアインツヴァインを走らせる。 最初で最後のチャンス。機体も自分もこれを逃したら後が無い。だから…! 「うぉぉおぉぉおぉぉぉ!!!!」 譲二は意識を失いそうな自分を鼓舞する為に雄たけびをあげる。 機体に衝撃が走る。天狼がアインツヴァインを押し倒したのだ。グレネード弾の直撃を受けてなお、天狼はその爆発の中を直進してきたのだろう。 そして、今、その前足でアインツヴァインの体を捕らえたのだ。 天狼はその大きな口を開く。ゴーグルに映るのは数多の鋼機を破壊してきた天狼の牙。 その大きな牙がアインツヴァインの胴体目がけて襲い掛かかった。 譲二はとっさにまともに機能しなくなったアインツヴァインの左腕を天狼の口に突き入れ、噛ませ、捧げる事で胴体への攻撃を回避する。 左腕全壊の報告がゴーグルに入る。だが、胴体をやられて行動不能になる事を鑑みれば壊れた腕の代償など安いものだ。 譲二はそれに目もくれずアインツヴァインに右腰からバイブレーションナイフを引き抜かせた。 天狼は喰いちぎった左腕を投げ捨て再びその毒牙を体に向ける。 だが、遅い! 左腕を喰いちぎり捨てるという天狼の一挙一動、その一瞬の隙さえあれば、それは十分すぎるほどの反撃のチャンスとなる。 アインツヴァインは右手に握ったバイブレーションナイフを天狼の胸元に突き刺した。 その刀身はジジジが金属を割くような音が響かせ、火花を散らしながら鋼獣の体を蹂躙する。 天狼の悲鳴じみた声が響く。 「そのまま、いけぇぇぇ!!!!!!!!」 刀身が根元まで突き刺さる。 そして、アインツヴァインは大きな衝撃と共に吹き飛ばされた。 何が起こったのか…譲二は薄れ行く景色の中で確認しようとする。 鋼獣のコアを破壊した際の爆発の余波で自分が吹き飛ばされたのか、それとも――なのか確認しなければならない。 もはや見えるものはぐちゃぐちゃだ。 自分でもよくこんな状態で意識を保っていられていると関心する。 何かがこちらにゆっくりと動いてきているのが見える。 色は白色だろうか…銀色なのかもしれないが、よくわからないがとにかく白をベースとした色だ。 全体的な輪郭はおそらくは人型では無い、四足歩行なのが特徴的で背中には二つの突起のようなものがある。 突起の先はギザギザだ。まるで本当はその先に何かがあったかのように山と谷を繰り返している。 「は…はは。」 そこまで認識して、声にならない声で譲二は笑った。 それが何を意味するかを理解したからだ。 なんだよ、ここまでしても駄目なのかよ。 心の中で愚痴を言う。譲二は振り向き、右腕に握られたバイブレーションナイフを見る。 握られていたナイフは柄だけが存在しており、刀身があるはずの部分が消滅していた。 ナイフの刀身は鋼獣の装甲を突き抜けて、根元まで刺さったのでは無い。根元まで削られたのだ。 もはや体は動かなかった。今の戦闘行動で自分の全てを出し切ってしまった。もう指一本もまともに動かない。 例え、機体が動いても秋常譲二という一人の人間はもはや動きようが無い。いや、むしろここまで動いた事が奇跡と言えるのだろう。 天狼は罪を犯した咎人を裁く処刑人のようにゆっくりと自分の方に歩を進めてくる。 やはり『彼ら』は正しかったのだろうと譲二は薄れゆく意識の中で思う。ディールダインを採用し、スペックを5倍まで底上げした所で、あのアンノウンに敵うわけが無かったのだ。 その為、彼らはブラックファントムを鹵獲するという策に出る事になった。襲われる街を生け贄として捧げ、ブラックファントムをおびき出し、全戦力をつぎ込みあの機体を捕縛する。 だが、譲二はそれだけは、S−21をそんな作戦だけに使う事だけは認めたくは無かった。彼女も、そんな事をさせる為にこの機体を作るのに粉骨砕身で挑んだのでは無いのだから…。 金属音、天狼がその前足を機体にかけたのだろう。 これが結末だ。最初からわかっている事ではあった。こうなるのは必然であった。だが、それを変えたかった。この機体ならば鋼獣を撃破することが出来る事を証明したかった。 目から涙が流れているのがわかる。 あまりに未練だ。この体が動けば、せめてこの体が動けば、奴にもう一泡吹かせてやるぐらいは出来たのかもしれないのに…。 すまない、アインツヴァイン。俺が弱いばかりに、俺が不甲斐無いばかりにお前は破壊される。本当にすまない。
その時――だった。 再び大きな音がスピーカーから聞こえてきたのだ。 何かが転げるような音と、何かが大地に着地する大きな音。 そしてその後、あの天狼の咆哮が聞こえた。 だが音がやけに遠い。さきほどまであんな近くにいた筈なのに…。 何が起こったのかと薄れゆく意識の中、最後の力を振り絞って、譲二はそれを見る。 もはや大きな輪郭でしかわからないが、それが何かなど譲二にはすぐにわかった。 歯軋りする。譲二の中に言い様の無い怒りの炎が灯る。それは嫉妬に近いものだ。 そこには所属不明の黒い鋼機、単独で鋼獣を複数の破壊した唯一にして悪魔のような機体。『彼ら』がブラックファントムと呼称するそれが天狼と対峙していた。 そして、その光景を見た後、秋常譲二の意識は闇に落ちた。
とりあえず遅くなってごめんなさい、色々悩んで書き直してる内にこんな時間に…
>>28-32 のCR ―Code Revegeon― 続きになります
とりあえず前回書けなかった戦闘を頑張りました
主人公ほとんど出てないけどよければ読んでやってください
691 :
創る名無しに見る名無し :2009/04/12(日) 14:16:53 ID:iDSB9EJu
>>690 お疲れ様でした
ボリュームありますね!
>>691 単純に前回の倍ちょっとあります
正直、SSとして駄目駄目だなーと実感
もっと短く、テンポ良くしないと読むほうも疲れちゃいますよね
それに次はもっと会話を入れたい…
>>683-690 超乙
こういうよくわかんないけど強い敵に科学の力で立ち向かう、けど敵わない。って展開は大好きですよ。アギトのG3とか
しかしアンノウンって単語は人気ですな
>>693 ちょうどアギトの敵もアンノウンですなw
>>693 正式名称考え中(流石に嘘w)
とりあえず名称が無いから今はアンノウンで通してます
正式名称がないなんて、そんなことあんのーん?
しかしどのタイミングで、どう正式な名称を判明させるかが問題ですね 相手に名乗らせるとか、色々ありますが……
誤爆……だと……!? この私がか!?
>>696 つ旧ソビエト連邦・ロシア兵器
一般に使われているこれらの兵器の名称(シルカとかゲインフルとか)は
あくまで西側が便宜上つけたコードネームであり、正式名称ではない。
冷戦終了後の現在の日本でも、例えばSu-27シリーズはNATOコードのフランカーと呼ぶことが多い。
自然物ではない、事物に名称を付ける知的存在がつくったものは、
あくまでつくった知的存在が付けた名称が正式名称であり、それ以外の呼び名は、コードネーム、通称というべきものである。
C/Rの世界でも、少なくとも現在投下されている内容から見れば、「正式名称不明・人類側コードネーム:アンノウン」というのは妥当だと思う。人類側が敵の情報を収集出来ていないみたいだし。
しかし旧ソ連兵器、第二次大戦当時のものでも、
西側にとって当時味方だったソ連の名称というより、当時敵だったドイツが把握してた名称
(例えばJSかISかとかNC2とNC2mの区切りとか)の方が戦後西側で使われてたりして、
確かにヨーロッパ情勢は複雑怪奇だなあと思わされずにはいられない。
試しに書いてみたいけど続きものの一部分なりそう
なぁに、問題無い。いやむしろカモォォォォォン
>>700 勉強になったけど、俺の渾身のダジャレが流された・・・
実家に帰って家業継ごう
実家の家業・・・ まさか・・・実家はロボット乗り・・・
>>705 何故そうなるとか突っ込むから設定までついつい考えちゃったじゃないか!!
>>706 よし、曝すんだ。そしてその設定で一発書いちまえ!
>>707 実家が農家だと勝手に仮定
よって、農家ロボと考える(
>>700 さんごめんなさい)
そして出来たのがこれだ!!
田植えロボ タウエルン
特徴であるのは足裏にある田植えシステム
このタウエルンで踏まれた大地はその足裏で大地を耕し、田植えを行う
その後、腰部から有機ナノマシンを散布し、農作物の育成を手助けし、最終的には土に溶けるというモノである
これによって戦闘によって荒れ果てた大地に新た生命を植えつけるのである
と戦闘とそれによって荒れ果てた大地の再生を同時に行うがコンセプト
SSとかはやらない
だって、ほかにやらないといけないのがw
>>708 凄いまったりした話になりそうで、それはそれで書きたくなりますなァ
いやまあ2作品も面倒見れる程速筆じゃありませんけどねw
>708 普通に豊作くんや田吾作ロボじゃ駄目なのか!
牛という動物は農耕を象徴するというし 牡牛座(Taurus)の「タウ」と「田植え」を掛けて・・・ まさにタウエルン
ぼらあああ! くそう煮詰まった! 四日目のカレーのように煮詰まった! でろでろで味抜けて最悪! ロリとかバトルとか全然ダメだし書けないし餅餅ション下がる。 ボス敵もなんか強そうに見えないわで大変。次スレから本気出す。
>>708 >>711 良い設定だ。少し借りて書かせてもらうぞ
短編で1週間程度ならどうにかいけそうだ
>>703 の何気ない一言から、また新たなロボットが生まれた……
そして時間は止まった
技のアイデアが枯渇気味・・・。 も、もうちょっと待ってください! と余計な書き込みで自分を追い込んでみる。
スマンうっかりであげちゃったんだよ・・・
主人公機起動まで書こうと思ったけど、そろそろ2話投下するべきかもしれぬなァ
タウエルンを引きうけた者だが、中々難しい物だな。ロボットの描写が出来んw ぶっちゃけ話はほのぼのじゃないっす。言うなればガン×ソード的な
タウエルンで痛快娯楽復讐劇……だと……!?
いや、復讐劇は無いwまぁそんな感じのを書こうと思う 1ミクロンも筆が進まないが
パラベラム! 第 2 話:鈍色チェイサー 〜本日ハ厄日ナリ〜 <カモン、サイクロプス> 人差し指を立てて、クイっと引く。挑発だ。効果があるとは思えないが……ほら、微動だにしない。 <つまらないですね、まさに人形ですか> 無反応。先程の一撃で警戒しているのだろう、こちらのセクシーコマンドーに全く耳を傾けない。むしろ無視して少女を追い掛けていきそうな感すらある。 ここいらで一発ブン殴ってやりたいところだが、相手はパワータイプだ。反撃が恐い。 無言の睨み合い。緊張が走る。 痺れを切らした一ツ目−−−−サイクロプスが拳を振り上げた。 同時にヘーシェンが大地を蹴る。 つい先程までヘーシェンがいた地面にサイクロプスの拳が深く深くめり込んだ。丸太のように太い拳だ、どれほどの威力かと思ったが、なかなかどうして、これは−−−−まともにもらったらただじゃあ済まない。 <あら、意外と早漏なんですね。太くて硬くて大きいのに。……そぉいっ> 背後に着地。振り向きざまに腰に一発、鉄拳制裁。 <ダメージ軽微> こうかはいまひとつのようだ。 素早く後ろへ跳び、距離を開ける。……このままでは拉致が開かない。おそらく近くにいるであろう主に回線を繋ぐ。 『どうした、ピンチか、ピンチなのか。いいぞそのままスクラップになってしまえ。そして恐怖に泣きじゃくる姿を俺に見せるんだ』 <マスター、対象はどうやらあくタイプのようです> ろくでなしな主の口撃も、接近してきたサイクロプスの攻撃も、身を翻して華麗にスルー。飛び散った石や土が防壁に当たり、跳ね返る。 『わけがわからん』 <それが貴方の限界です。あーあ、こんな穀潰し、死んじゃえばいいのに> 『ついさっきひと仕事終えたばかりだけどな』 <働いたのは私ですけどね> 口喧嘩をしながら器用に相手の攻撃を回避、回し蹴りを腰部に食らわせる。 すんなり直撃。こいつ、バリアを張っていない。
<シット。ただの人形のくせに舐め腐っていますね、このクソ野郎> 『あぁ?』 <てめーの事じゃねーですマスタおごるふぁ> 防壁を破壊して飛んできた拳を左腕で咄嗟に防ぐ。あまりの威力に吹き飛ばされ、木を数本薙ぎ倒して地面に叩き付けられた。 『おいおい……大丈夫かァ?』 <心配しないでください、惚れてしまいます> 『クソっ、手遅れかよ』 <貴方ほどじゃありません> 軽口を叩いてはいるが、その実かなり辛い状況だ。体中から異音が聞こえてくる。 『仕事終えたばっかで疲れてるか』 <そうみたいですね。……というわけでマスター、何でもいいので武器の使用許可を> 敵がゆっくりと近付いてきているのがわかる。その緩慢な動きからは、ありあまる余裕が感じられた。そうか、つまり自分は歯牙にもかけられていないという事か。 ならばその過信と慢心、バラバラに打ち砕いてミンチよりも酷い事にしてやろう。 『いいだろう。実体化のタイミングはそっちに譲渡する。……ところでお嬢さん。この台、乱入は歓迎してますかね』 <歓迎します。いつでもコインをどうぞ> 『よっしゃ、仕事の後のひと暴れといくかァ! ほらよヘーシェン、素敵な武器だ!』 金属と金属がぶつかり合ったような、そんな澄んだ音が響くと同時に、右の掌に光の玉が現れた。それを握って、情報を取得する。 <……なるほど、グッチョイです> 『だろう? じゃ、俺が行くまでに終わらせるんじゃないぞ』 主の言葉に、しかしウサギは悪戯っぽくこう答えた。 <さあ……どうでしょうね?>
遺跡の入口は森の真っ只中に、まるで人の目を避けるようにひっそりと存在していた。 ツタに覆われた小さな入口に小さな身体を滑り込ませる。 周囲の様子を伺い、フードを被って歩き出す。どこか身を隠せるところは無いかと、暗がりの中、早足で。 荒れ放題の外観とは裏腹に、遺跡の中は広く、こざっぱりとしていた。元々はどんな施設だったのだろうか、皆目見当がつかない。そして、その無機的な内装はどうしようもない冷たさを感じさせて、 「……少し、寒いかな?」 いや、寒いというよりも寒気か、これは。 何かに見られているような、それでいて纏わり付くような、不快な感覚。 「なんなの、この感じ……」 べたべたして、気持ち悪い。今にも胃の中にあるものを吐き出してしまいそうだ。 自然と身体が震える。怖い、こわい、コワイ。 こういう時に下手に大きい声が出せないのは辛い。恐怖を発散できないからだ。 −−−−頼れる相棒が欲しい。 隣に誰かいたら、きっとこの恐怖も和らぐだろう。 −−−−ああ、頼れる相棒が欲しい。 ふと、先程自分を助けてくれた白いウサギのオートマタを思い出す。彼女にマスターはいるのだろうか。 もしも……もしも、だ。もしも彼女が“野良”だったなら、彼女と契約を結ぶのも良いかもしれない。 「−−−−なんてね」 そんな事自分にはどだい無理な話、夢物語だ。 それは何故か? オートマタと契約をしたとしても、自分には彼等にエネルギー……マナを供給してやる事ができない。それができるのは“神子”と呼ばれる者だけ−−−−才能がある者だけだ。自分にそんな才能は無い。 そしてマナが供給されない場合、彼等に待っているのは緩やかな“死”。つまり野良の時と状況はほとんど変わらない。契約を結んでくれる筈が無いのだ。 奥に進むにつれて、残骸が目立つようになってきた。 崩れた壁や天井、あちこちに散乱するオートマタの死体。 それらが崩れるか崩れないかの紙一重のバランスで積み重なっていたりする。 「……崩れてこないよね、これら」 恐る恐るその傍らを通る。勿論、早足で。 その時だ。 「今ちょっと揺れた!?」 振動、確かに感じた。入口のほうからだ。 もしかして、追い付かれたんだろうか。 だとしたら、白いウサギのオートマタは……! 首を横に振って、走り出す。 「あー、もうっ! 今日は全然いい日なんかじゃなかった!」 そう。今日は、今日は、 「……今日は、厄日だ!」
精神−−−−機械の自分にそんな概念があるのかどうかはさておき−−−−を統一し、レーダー全開で敵の位置を探る。 十時の方向に目標を確認。 足にめいっぱい力を込めて、前方に全力で跳ぶ。 大きく振りかぶるその手には光。 <サブスタンティエイション> 光が弾ける。そして彼女の手に、巨大なハンマーが現れた。 強襲は、一撃が全て。勢い任せで−−−−! <打つべし!> ガツンと一発。強烈な一撃がサイクロプスの右腕を吹き飛ばす。 <右腕部損失。アア貴様、マダ動ケタノカ> あたかも今気付いたかのようにサイクロプスが言う。知ってたくせに。というか一撃で葬れなかった。無念、極端に無念。 <−−−−窮鼠猫を噛む。まあ、追い詰められちゃあいませんでしたけどね> <フン……強ガリヲ言ウ> 振り下ろされた重い拳を躱し、左側へ回り込む。そのまま胴体にハンマーを一発。障壁を破壊してサイクロプスのボディに衝撃が走る。 <グッ> <そちらこそ強がりですよね、左側に死角ができてますよ。それともピッコロさんの細胞でも受け継いでますか。戦闘力を犠牲にして再生でもするんですか> よろけたサイクロプスを蹴り倒し、踏みつける。 <これで詰みですね> その一ツ目を破壊せんと、巨大な鎚を振り下ろす。 <−−−−残念、私ハキングジャナイ> ぐしゃっ。 次回に続くゥ!
ふぅ、とりあえず今日はここまでです 2話も書いて未だリヒター起動せず……いやぁ、自分の力不足を痛感しておりますorz
タウエルンは、 『ロボも出る農業もの』 ではなかろーか。
世界を旅して田畑を耕す、開墾ロボ・タウエルン なんつって
>>726 セクシーコマンドーってアンタ・・・
パロディは評価分かれると思うけど、主従の罵り合いとかなかなかよかった。
地の文は割ときっちり入っているはずなのに、なぜか変な唐突感がある。
視点の継承とか切り替えとか、もっと工夫できそうな気がする
>>722-726 乙。いくつかパロネタっぽいものがわからなかったぜorz
相変わらずのテンポの良さに惚れました。自分ももうちょっとテンポ良く書きたいなあ……
>>729-730 レスしてくだすってありがとうございます
そうですね、パロディーが多いかもしれないと自分でも思います。ネタが入れられそうなところがあるとついつい入れてしまうというか。……悪癖という奴ですね
『視点の継承と切り替え』ですか。うーむ、まだまだ足りないものは多い……
やっぱりもっと本を読まなきゃいけませんね
触発されて少し書いてみました。 一話だけで続きはありません。 稚拙な文ですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
最初に思った。ここは何処だ? 次に思った。一体何の冗談だ? 詳細は不明だが、途轍もない事態に遭遇してしまったようだ。 現実と全く変わらぬ仮想訓練を毎日行い、殺すのも殺されるのも慣れたもの。 何千万発使ったか分からぬほどあらゆる弾薬を消費してきたが、実際の現実で使った量は極僅かに過ぎない。 今日は一年に一度、毎年恒例の実弾訓練の日だった。 仮想空間で相手と直接戦闘した方が訓練として現実的ではないかと思いながら愛用の25mm機関砲を的に向けた直後、周囲の風景が無骨な訓練室から平原へと変化した。 簡易仮想訓練プログラムが起動したのかと思ったが、コンピュータは否定。理由は不明だが本当に平原のど真ん中に突っ立っているらしい。 機体越しとはいえ生まれて初めて踏み締める大地の感触に感慨が込み上げるが、浸っていられる状況ではない。 このような事態に至っては訓練どころではなく、情報の収集及び解析を全力で行う。 莫大な情報を一瞬で処理したコンピュータは人間の脳に負担がかからないよう極限まで簡略化した情報を思考制御装置を通して流し込む。
ここは何処だ? さっきまでリアルタイムで更新されていた地球の全地形情報と自分の周囲の地形を照合した結果、該当無し。 一体何の冗談だ? それが本当ならばここは地球上ではない事になる。 認めたくはないが通信に全く反応が無い理由として矛盾しない。 何の脈絡も無くいきなり何処とも知れぬ平原に放り出されるとは、唐突にも程がある。 まぁ、誰もいない事に比べれば百倍マシであろう。 理解不能な状況に遭遇したと同時にコンピュータが自動で作動させた最大設定の索敵は、正面からこちらへ真っ直ぐ向かってくる者達を完全に捉えていた。 正確には向かう先に突然自分が現れたのだろう。 ファンタジーに出てくるような異形の化け物共が丁度百匹、若い女性を追っていた。 若い女性といっても只の女ではない。 腰まで届く波状の赤い長髪、妖艶な肢体でありながら清純さを感じさせる容貌。少女と大人の女の美と魅力を兼ね備えた、男だけでなく女でも見惚れるであろう絶世の美女。 そこまではいい。 問題は、彼女の側頭と背中に悪魔のような黒く禍々しい翼が、尻からも悪魔のような尻尾が生えているという事だ。 一目見るだけならコスプレかと思うかもしれないが、この機体のコンピュータの情報解析力はそれが飾りではなく本物の翼と尻尾であると看破した。 機械人間でないのは確かである。改造人間か、人工人間か、ただ遺伝子を弄っただけの強化人間か。そこまでは分からないが、どれにせよこのままでは彼女は確実に化け物に追いつかれるだろう。 全く強化されていない第一世代人間に比べれば高い身体能力を持っているようだが、凄まじく疲労しており限界を超えている。 コンピュータの解析は現在の速度を保てるのは最長でも十秒と判断。 その解析情報を得てから一秒、女性は石に躓き転倒し勢い激しく地面に体を叩きつけてしまう。 必死に立ち上がろうとするが、既に体力は限界を突破しておりまともに体を動かす事すら困難なようだ。 可憐な顔は土と擦り傷からの出血で赤黒く染まり、瞳からは涙が止まる事なく溢れ出ている。 目を血走らせながら追ってくる化け物共が彼女をどうするつもりなのか、子供でも理解出来よう。 愉快とはいえない光景になるのは想像に難くない。 立ち上がれないと悟った女性は這って逃れようとするが、迫る死を僅かに伸ばすだけに過ぎない。 彼女の先にあるのは終わりだけだ。 自分が何もしないのであれば。 索敵と同時に起動した遮蔽は自機の姿を完全に消している。目では見えず、音は聞こえず、匂いもしない。レーダー、熱などその他あらゆる様々な索敵探知手段からも逃れられる。 二世代も旧式の機体なので遮蔽の性能は低く、高度な索敵能力や情報解析力を持った相手には容易く発見されてしまうが、化け物相手には十分だった。 鋭い五感をしているようだが所詮生物、こちらに全く気付いていない。 故に、女性を見殺しにしてこの場をやり過ごせる。 何処かと連絡が取れるのならそうしていたかもしれない。 襲っている相手が人間、それも明らかに軍人であれば家族親友でも見捨てただろう。 だが現在何処へも情報の送受信は出来ず、相手は人外。 女性から今の状況における有益な情報が得られる可能性を考え、心を決める。 一切束縛されないのはとても楽だ。何があっても何をしても、責任という重荷を背負うのは自分だけでいい。 自らの感情と矜持を、異常事態における緊急的対処という衣で包む。 化け物の注意をこちらに引きつける為に全遮蔽を解除し、極めて微小な機体の動作音を極限まで増幅する。 着用している軽装甲強化服、その外側の全高3m重量500kgの重装甲強化服……これを着用した兵士は重歩兵と呼ばれる……を走らせながら、武装を確認する。
基本 全高3m 重量500kg 全高3.15m 重量1000kg以上 右腰 連装100mm対戦車ミサイル発射筒×1 右肩 7連装100mm多目的ミサイル発射機×1 脚部3連装50mm弾発射機×2 25mm重機関砲×1 12.5mm重拳銃×1 左腰 6連装6.25mm機関銃×1 150cm振動熱斬刀×1 60cm振動熱斬刀×2 頭部着脱式長針弾発射機×2 短針弾発射機×2 左肩、7連装100mm多目的ミサイル発射機の上 腕部伸縮可変鋼線射出機×2 備考 機動靴装備(全高+15cm) 展開式軽装甲盾「折り畳み傘」×2 軽装甲強化服武装 12.5mm軽拳銃(アーマーマグナム)×1 30cm振動熱斬刀×1 右肩7連装100mm多目的ミサイル発射機の100mm自在弾又は脚部3連装50mm弾発射機の極熱拡散弾一発で化け物を殲滅出来るが、今後の事を考え弾薬の消費は最低限に抑えなければならない。 最悪の場合、二度と戻れないかもしれないのだから。 情報解析では素手でも殲滅可能と判断されたが、念の為に一発のみ使う。 女性と化け物が姿を現したこちらに気付き視線を向ける。 それに合わせるように、右腕に構えた全長2.5mの25mm機関砲の砲口を化け物の一つに向け単発射撃。 電力によって加速され、音速の約十倍の速度で発射された直径25mm長さ25cmの振動熱誘導徹甲榴弾を食らった化け物は爆裂四散し細胞の一つ一つまで完全に破壊され、焼け焦げた黒い塵となり霧散した。 消音装置で完全に消せたのをわざと増幅した発砲音が重々しく轟く。 時が止まったように全ての動きが一瞬停止した。 この機を逃すつもりはない。 足底に装着した機動靴の自在車輪が唸りを上げる。 最大出力のローラーダッシュ。 時速100km以上で全力疾走しながら25mm機関砲を左手に持ち替え背中の鞘から150cm振動熱斬刀を抜刀する。 女性の側まで辿り着き、彼女を背後に化け物共と対峙する。 熊と狼と人を足したような化け物が三匹、奇声を発しながら正面左右から同時に飛び掛る。 生身の人間なら成す術も無く牙と爪に切り裂かれ骸を晒すだろうが、重歩兵に対しては無謀だった。 迎撃に最適な位置へ移動し、左脇に構えた刀を右へ薙ぎ払い三匹同時に斬断する。 三匹は斬られる際に振動熱斬刀の刃から波紋のように伝わる振動波に全身を分解されながら、破壊されつつ離れていく細胞へ逃げも離れもしない特殊熱を極大熱量で送り込まれた。 結果、蒸発。 三匹は最初から存在しなかったように消滅した。 150cm振動熱斬刀は対戦車用の重歩兵究極の武装である。当然だった。 右への薙ぎ払い後、一切の無駄無き動作で、刀を持ったままの右手で薬指と小指を使い右大腿部に取り付けられた鞘から60cm振動熱斬刀を抜き25mm機関砲の先端に着刀する。 刀と薙刀のような銃剣の二刀流で残り九十六の敵を迎え撃ち、襲い掛かってくる化け物の大群を次から次へと斬り裂いていく。 思考制御とコンピュータの補助で操縦する重装甲強化服は自分の体以上に動かせる。 コンピュータ補助によって全く訓練をした事の無い素人でも神業の域の動作を容易くさせられるのだ。 と言っても「使える」と「使いこなす」では天地の差がある。 五歳の頃から今日まで十三年間現実と全く変わらぬ仮想訓練を行ってきた。
肩を落とした鉄の背中が何処までも続く。 鉄の軋みと男の呻き。 飽きる程繰り返した強敵(とも)との熾烈なる戦い。 殺し殺され屍の山を築き血の河を越えて、凄惨なる地獄に心は乾き、炎の匂いが染みついて、むせる。 訓練によって鍛えに鍛え、神業の神業と言うべき境地にまで達した自分にとって、現代の戦いの基本である高速高機動戦に全く及ばない化け物の動きは遅すぎて話にならなかった。 戦場に存在する全ての敵の動きがmm単位で知覚出来、どの様にどう動くのか正確無比に未来予測が可能。 故に、触れる事すら出来ず殆どの化け物は振動熱斬刀の刃で塵と化した。 最後となった化け物が背中を向け逃げ出すが、見逃す慈悲も情けも容赦も無い。 150cm振動熱斬刀を鞘に納刀して腕部に装着されている発射機から伸縮可変鋼線を射出、左大腿部の鞘に納められた60cm振動熱斬刀の柄に絡めて抜き放ち、最大出力で腕を振るう。 大きく弧を描く最も外側、60cm振動熱斬刀の刃に斬り裂かれ化け物は消滅、生まれて初めての実戦は完勝で幕を閉じた。 凄まじい速度で腕部に収納されていく伸縮可変鋼線を途中で60cm振動熱斬刀の柄から離す。 数百キロで飛んできた60cm振動熱斬刀の切っ先を人差し指と中指で掴み、クルクルと回転させて鞘に戻す。 25mm機関砲を右手に持ち直して着刀された60cm振動熱斬刀を外して鞘に戻し、背後に向き直る。 足を外に向けた、いわゆる女の子座りの姿勢で女性はこちらを見ていた。 不審や警戒に思われるのを避けて、完全に消去出来る機体の動作音と足音をある程度残しながら女性のすぐ正面まで歩き、止まる。 彼女の目にはどう映っているのだろうか。 右肩のみ紺色の真っ青な機体。 横書き三行の白字で海上都市 姫路 守備隊と書かれた盾を左腕に装着している、この三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムを。 情無用、命無用の鉄機兵がただ一人で化け物を殲滅した様を見て恐怖を感じているのだろうか。 どう話しかけたものかと思案していると、女性が口を開いた。 「貴方は……」 問うのではなく独り言に近い言葉だった。だが、まず自分から名乗るべきであろう。己が何者であるかを。外部音声越しに淡々と、静かに告げる。 「海上都市姫路守備隊重歩兵小隊隊長、清水静(しみず せい)」 それが彼女へ語る最初の言葉だった。 予告 次元を越え世界を越えて、今、男と女は出会った。 物語の幕が開き、運命の歯車が廻り始める。 盛大に奏でられる無音のプレリュード。 音を立てて動き出した舞台の壇上で、男は自らが主役である事をまだ、知らない。 次回「二人」 来週も静と異世界に付き合って貰う。
続きはありません。これで終わりです。
投下乙。 急展開すぎてなにがなんだかなんだっぜ! それに終わっちゃうのかw
>>738 まあ明日につながる今日くらいはそっとしておいてやろうじゃないか。
>>732-736 乙であります
おお、異世界に迷い込むタイプですね。このスレには無かったタイプ……かな?
それにしても、
すごく……ボトムズです……(いい意味で)
チートすぎるw これまでにこのスレで出てきた奴の中で一番ムチャなスペックじゃないか? パイロット含めて。
>>741 >これまでにこのスレにでてきた奴の中で一番ムチャなスペックじゃないか?
そう? 交戦相手との戦闘能力差が大きくて描写上オーバースペックに見えるだけで、
架空兵器としてはそんなにムチャなスペックでもないと思うけど。
まあ搭載兵装の種類の数とか機関砲弾の設定とか気になる点もあるけど……
むしろパイロットのほうか・・・
>>732-737 乙。ダンバインとかデジモンみたいに異世界に飛ばされた系の話は結構好きですよ
後俺武器については詳しくないんだけど、とりあえず凄そうなのは伝わってきたぜ
>>743 まあ何が一番升か、とかそういうのは人それぞれじゃないか? 個人的にはリベジオンが一番トンデモだと思うし
まあこのスレの主人公って巻き込まれ型が多いから最初から軍人タイプは確かに強そうに見える
元々は自衛隊がファンタジー世界に召喚されますたの諸作品を読んでいて、近未来の海上都市がファンタジー世界に召喚されたら……というのが始まりでした。 初期の設定では主人公は女、名前は九尾切子(きゅうび きりこ)で異能生存体っぽい能力有りでしたが考え直して設定変更。 清水静は五歳の頃から十三年間現実と変わらない仮想訓練で、死に物狂い、血の滲む努力で己の腕を鍛え上げた、何の才能もないただの人間です。PSでも異能生存体でもネクスタントでもありません。キリコと戦ったら100%負けるでしょう。
彼の三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムは主力の五式重装甲強化服より二世代も旧式である三式を改造した代物で通常の戦闘ならばまともに戦えません。 続きを書くつもりは無いので物語の粗筋を書いておきます。 ジャーク魔法帝国の追っ手に追われていた魔族の少女ナフィアは伝承に語り継がれる、闇にしか生きられなかった者達を光射す未来へと導くという、伝説の「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」に助けられる。 ナフィアの懸命の説得で魔王の元へ向かった清水静は、魔王軍と協力して帝国軍と戦う事に。 魔王軍10万+清水と帝国軍100万の戦いで鬼神の如き獅子奮迅の戦いをするも、多勢に無勢で野望のルーツクライマックスのキリコ状態に。 絶対絶命のその時、清水の故郷である海上都市姫路(縦10km、横5km、五万人居住)が転移、仲間が助けに来て帝国軍を撃退。 大破した愛機の代わりに、三式の同時期に一機だけ開発、生産され倉庫で埃を被っていた試製超重装甲強化服(全高4m、重量2トン)を清水静専用に改造して乗り換え。 その後、清水と魔王の最強タッグで雑魚を蹴散らしジャーク皇帝を倒して終わり、という物語です。
面白そうじゃないか
タウエルンです。話の筋自体は決まったけどすげー長くなりそう\(^0^)/ ので小出しに出していこうと思う。取り合えず世界観と敵役、物語の舞台を出来るだけ詰め込んでみた タウエルンの活躍はまだ書いてな(ryもう少し後になるっす。すみません
遠い遠い未来のお話。 とても大きな戦争があった。それはそれは大きな戦争で、大地の殆どが焼き畑になったと言っても、過言ではない程に。 何時だっただろうか。各国の代表者達が軒並み亡くなった事で、戦争は唐突に終わりを告げた。最早戦争など出来ぬ程、世界は、人々は力を無くしたのだ。 戦争は人々を不幸せにした。その代わり、戦争は格段に工業技術を進歩させた。そして、それらの技術は全て兵器に費やされた。 兵器の中にはもちろん、ロボットも存在する。しかしロボット達がもたらしたのは幸福ではない。 自動人形と呼ばれたそれらは、人々の記憶と心に癒せぬほどの傷跡を残した。そしてその記憶は、何世代にもわたって受け継がれるだろう。 これは、その自動人形と旅をする一人の男の物語である。
星空も無い、濁った夜空をその飛行船は飛んでいる。まるでどこかに着地するかを選んでいる様にゆっくりと。 「ここら辺だな……本当にあるのだろうな?」 「あぁ、我々の情報に狂いは無い」 ブリッジで眼鏡を掛けた男が、小型の通信機を片手に訝しげな表情で何者かと話している。片手には地図を見ながら。 地図の図上を見る限り、何の変哲も無い山々が並ぶ土地であるが一か所だけ赤く十字でサインされている。それが何を意味するかは分からない。 「近くに村がある様だが……」 「貴方の判断に任せる。後始末は我々が行っておく。貴方は目標物を見つけ出し、起動させてくれれば良い」 「……本当だな? 好きにやらせてもらうぞ」 「期待している。シュワルツ・デルト」 広い広い、どこまでも広大な野原を、一人の男と奇妙な物体が行く。 色褪せた赤いシャツと所々擦り切れているジーンズ、それに腰からぶら下げたペットボトル大の水筒が何とも言えない哀愁を漂わせている。 その表情には凛とした物は無く、顔立ちは良いものの、髪と髭の手入れの無さからだらしがなく見えて良さを打ち消している。 そして男の側には、キャタピラを転がしながらゆっくりと、緑色系の物体が走っている。軽自動車並みの大きさだ。 工業製品を思わせる無機質で角ばったパーツによって形成されたその姿は、どこかユーモラスだが不思議な威圧感も兼ね備えている。 男は腰にぶら下げた古びた水筒を取り、キャップを開けて水を飲むと、その物体に眠そうな目を向けて、言った。 「今度こそ働けるといいなぁ、タウ」
<1,望まぬ用心棒> 男と物体が行く遥か先、閑散とした一つの村がある。日が落ちて暮れなずむ村は、ピンと張った水面の様に静かだ。 立ち並ぶ民家の中で一点、外壁が錆びれていて如何にも老朽化が激しい酒場がある。明かりはついているが、そこには酒場特有の賑やかさは無い。 中には軍服の様な服を着た男が、両脇に屈強な2人の大男を従えて椅子に座っている。テーブルには高級な銘柄の酒と料理が並んでおり、男はグラスの中の酒をグイッと飲みほした。 「それで……正直に教えて下さい。農作物の売り上げはどうなっているのですか? 駄目なら駄目で、他の方法があると思いますがね。私は納期を伸ばすことは嫌いなのです。納めるべき物はきっちりと納めてもらわないと」 男は目前で、肩を震わせている青年に冷徹な声でそう言った。 青年は男に目を合わせる事も出来ず俯くばかりだ。青年と男の周囲には料理にも飲み物に口も付けず黙ったままの客達が座っている。 無論カウンターの店主とウェイトレスも、そしらぬ素振りで男と青年のやり取りを黙認している。 男は足を組んだまま、青年の動向を待つ。と、青年は意を決したように拳を握り、男に青ざめた顔を合わせた。 「ふざけるな。何が納期だ。あんた達がく、来る前からこの村は……」 青年がそこまで言った瞬間、男は組んでいた足を解いて、思いっきり床を叩いた。場の雰囲気が一層凍りつく。 付き添いの大男たちが前に出るのを制し、男は青年を見下しながら言葉を発した。 「平和。と言いたいのでしょうか? やれやれ、貴方は何も分かっていませんね」 猫背になり両手を組んだ男は、青年に対して言い聞かせるように二言を続ける。 「先の大戦で嫌というほど分かったはずですよ。自分達には関係ない、戦争はよそでやっている。被害などあり得ない。 そう思い込んだ末で全てを奪われた、愚かな人々は大勢いるのです。だから我々は、そのような人々を守る為にこの村を守ってあげているのです」 「誰がそんな事を頼んだ……あんた達のやってる事は……」 「安全はタダでは無いのですよ? 私達が貴方達の身を守り、貴方達が私達にその分のお返しをする。至極当然だと思いますが」
男の台詞に、青年は体の震えを無理やり押さえながら、切迫した表情を浮かべて怒りの籠った叫び声を上げた。 「何言ってるんだ! そんな事言って、俺達の農作物や金品を好きなだけ搾取しやがって! シュワルツ……あんたが毎回言う危険だの、被害だの、ただの脅しである事くらい分かってるんだよ! あんた達の存在こそが!」 青年が言いかけたとたん、外で巨大な爆音が鳴った。客達は耳を塞ぎ、青年は驚いて転倒した。 男は青年の方から出口に顔を向けた。そこには黒色で、西洋の鎧を彷彿とさせる3メートル程の物体が数機待ち構えている。 「遅いから迎えに来たんだね。すぐ終わるよ」 男はそれらにそう言うと、青年に顔を戻した。その時の男の表情にはサディステックな笑みが浮かんでいる。 物体が現われた時、客たちは皆怯えた表情で俯いたり、歯ぎしりをする等各々のリアクションを取った。男には悟られぬ様に。 男は立ち上がり、顔面蒼白の青年に歩んでしゃがむと、一転優しい声で呟いた。 「確か……貴方には婚約者の女性がいましたね。自分の身の振り方をもう少し考えましょうよ。大人なんだから」 そう言い残して、男は大男達と共に店を出ていった。鎧達はいつの間にか姿を消していた。
「大丈夫か? トニー……」 男が去った後、転倒した時に腰を抜かした為、立てなくなった青年――――トニーに、茶髪の青年が手を差し伸べた。 「くっ、すまない、ギーシュ……」 ギーシュと言う名の茶髪青年の手を取り、トニーは立ち上がる。その目には失望感と屈辱感が入り混じっていた。 「ごめんな、皆。俺がもう少し上手く言いたい事を言えれば……」 トニーが客達にそう言うと、皆口々にトニーを気遣った。ギーシュが声を掛ける。 「気にするな、トニー。正直俺達もあいつには腹が立っていたのさ。だけど……」 「……どうしても我慢出来なかったんだ。俺は」 小さくため息をついて、トニーはギーシュに返答した。 「ホント、あいつらが来るまでは平和だったよな……何でこうなっちまったんだ」 両肘をテーブルにつけ、頭を抱えてそう言うトニーを、誰も責める事はしない。何故かと言えば皆、同じ事を思っているからだ。
数か月前、この辺鄙で静かな村に彼らがやってきた。飛行船に乗って。 彼らは村での名物である、広大な丘の上で飛行船を離陸させた。明朝、突然空から舞い降りた飛行船に、何事かと村人達は集合した。 戸惑う村人達の前に、飛行船の主と名乗る男が現れた。茶色い縁の眼鏡を掛けたその男は、自らをシュワルツ・デルトと名乗った。 シュワルツは村人達を一瞥すると、感情を感じさせない冷たい笑みを浮かべて、こう言った。 「怯える事はありません。私達は貴方達の安全を守る用心棒として、ここに参ったのです。 ですが無償で引き受けるほど、私達はお人よしではありません。取引をしませんか?」 シュワルツの言葉に、村人達は当然の如く反対した。だが、その態度はすぐに軟化してしまった。 何処からか現れた、得体を知れぬ鎧達がシュワルツを守る様に囲っているのだ。その鎧達が何かを知らぬ村人はいない。 それから事態はスムーズに進んだ。シュワルツの思惑通りに。 村長であるロッファは平和主義者な為、シュワルツの考案を飲む事にした。村人達は不満を抱えてはいたものの、ロッファに従う事にした。 だが村人達は底知れぬ不安を抱いていた。それは……。 シュワルツ達、自称用心棒が増長しないかと。 不安は現実となった。後日、村人達を集めたシュワルツは彼彼女らにこう告げた。
「先日、自動人形をご覧になりましたね? あれらがどれだけ優秀かつ強固な兵器なのはご存じのとおりです。 ですが恐れる必要はありません。あくまで私の意思によって動きますので、有事の際にはこれ以上ないほど心強い存在となるでしょう。 しかし……しかしですね、非常に心苦しいのですが、これらを動かすには多大な維持費が掛かってしまいます。 私が言わんとしている事が……理解していただけますか?」 誰が聞いても、村の護衛を建前にした体の良い圧政である事は理解できる。しかし、ズラリと並んだ鎧達の姿は村人達に有無を言わせる事はさせなかった。 「自動人形なるロボットの維持費」と云う名の搾取は村人達の生活を常にギリギリまでに切迫させていった。 しかし逆らえば何をされるか分からない。実際、不満をシュワルツにぶつけた村人の何人かはその翌日、家族もて含め行方が知れない。 一度はシュワルツ達に反旗を翻そうという動きもあった。だが自動人形の姿を見ればすぐにその考えは消える。 自動人形――――あの大戦で主兵器として生み出された、ロボットを。 今でもシュワルツの飛行船は丘の上で悠然と待ち構えている。周囲には常に鎧達が警備をしており、村人達は全く近づけない。 何時になれば丘から彼らが消え、元の美しい景観が戻るのか。 誰にも、分からない。 続く
投下終了です。うーむ、分かりにくいw 主人公はこの後出てきますが、ロボットは……夜分失礼しました
まさか、自分がネタで言い出したものが本当にSSになるとは…超乙です! あれだけの設定からこうも世界観が作り出せるとは…俺も頑張らねば…
>>757-758 感想有難うございます1
少々描写が分かりにくい気ですね……努力します
2話ですが、ごめんなさい。まだタウエルン自体は出ません。けど主人公は出ます。若干アレかもしれませんw
<2,奇妙な旅人?> 「遅いな、トニー……」 頬杖をつきながら、メルティは夫……になる予定のトニーを待っている。 シュワルツに農作物の納期延長を頼みに行って、もう2時間は経つ。どう考えても何かあったとしか思えない。 既に日は落ちている。あのシュワルツが素直にトニーの要望を聞き入れるとは思えない。小言程度で済めばいいのだが…… 「ごはん作っとこうかな」 席を立ち、メルティは夕食を作る為台所に向かう。本当は動いていないと不安で押しつぶされそうになるからだ。 最近日照りが続く為、思うように農作物が育たない。その為農作物が売れず、シュワルツの定めた納期日に間に合わない。 けれどどれだけトニーが投書で状況を説明しようとしても、、シュワルツが実務が忙しいとして聞き入れる事をしない。 挙句納期を守れという警告文を毎日の様に郵便に入れてくる。 そして今日、シュワルツが酒場に飲みに行くと聞いて、トニーは直談判しに行ったのだが……帰ってこない。 まさかと悪い考えが浮かんで煙のように消えていく。その時だ。 ドアをノックする音がした。メルティは皿洗いを中断して手を拭くと、駆け足でドアに向かい、声を掛けた。 「トニー? トニーなの?」 「お姉ちゃん開けて! あたしよ!」 「あら、クレフ。こんな時間にどうしたの……?」 聞き覚えのある聡明な声がして、メルティは頷くとドアを開けた。そこにはメルティと瓜二つの赤い髪の女性が立っていた。 彼女はクレフと言って、メルティの双子の妹だ。おっとりとしたメルティとは対照的に、活発な女性である。細身の外見に反してかなりの力持ちだ。 メルティはクレフよりも、クレフが肩を担いでいる見知らぬ人物に目が向いた。眉を顰めて質問する。 「クレフ、その人……」 「仕事から帰って来る途中でね。何て言うんだろう、でっかい乗り物の隣で倒れてたのよ。 私が呼びかけるとよく聞き取れない言葉を呟いて気絶しちゃったわけ」 「……それで何で私の家に?」 「ただこの人が倒れてた所と近かっただけ。ね、入れてもらえるかな?」
メルティは微妙に納得できない気がするものの、妹の頼みを無碍にする訳にもいかないので家に入れてあげる。 その件の人物の人相を覗いてみる。髪は短髪なのかショートなのか分からない中途半端な仕様。髭は結構不精気味。 目を瞑っているのでどんな目なのかは分からないが、結構顔立ちは整っている。が、上記のだらしなさがプラマイ0にしている。 服装は茶色いジャンパーを羽織っており、中に赤いシャツを着ている。それにジーンズと別段変った所は無い。腰に水筒をぶら下げてるくらいだ。 ……見れば見るほど、何処から来た人なのかが分からなくなる。男性である事と、この村の人間ではない事は確かだが。 クレフが近くのソファーにその男をゆっくりと座らせる。怪我などは特にしていない様で、メルティはほっとする。 「そういやトニーさ……あぁ、あいつの所に行ったんだっけ」 クレフの言葉にメルティはこくんと頷く。クレフはソファーに腰を落とすと、怒気を含んだ口調で言った。 「シュワルツの奴、早くこの村から出ていけばいいのに……自動人形さえ無きゃ、今すぐにでもウチの職場の奴らを引き連れて」 「駄目よクレフ。確かにシュワルツは許せないけど、トニーも貴方も、私の大切な人だから……」 「じょ、冗談だよ。ごめん」 メルティの性格からそう云った争い事は好まないという事を、クレフは分かっている。それでもシュワルツの独善には腹が立つ。 しかしだ。シュワルツにはあの兵器がある。銃も剣もあの兵器……自動人形には敵う訳が無い。 戦車だの戦闘機だの、もしくは……思い出すのもおぞましいが、自動人形があれば一矢報う事が出来るかもしれない。 ……馬鹿馬鹿しい。そんな物騒な物がこんな村にあるはずがない。 「……何時まであたし達ってあいつの言いなりになるのかな。用心棒なんて言ってるけど、あいつら自体が侵略者だよ」 力無くそう呟くクレフの頭を、メルティは撫でる。メルティも言いたい事はたくさんある。 が、それを言い出すと感情のブレーキが利かなくなるのではないかと思って怖くなる。 「いつかまた、皆でのんびり暮らせる日が来るわよ。だから……」 メルティは励ますつもりで言ったが、自分自身何の励ましにもならない事は分かっている。それでも何か言わないと……自分に負けそうになる。
「ん……んん?」 重い空気を和ますように、間の抜けた声がした。クレフが運んできた男がゆっくりと目を開ける。 男に気付いたクレフが声を掛けた。 「お、気付いたみたいだね。大丈夫?」 男は今の状況を把握するかのように、周囲を見渡した。クレフもメルティも緊張した面持ちで、男の反応を待つ。 男は数秒その動作を続けると、髭に手を当てて目を瞑り、何回か小さく頷いた。そして言った。 「ええっと……申し訳無いのですが、牛乳か水を貰えますか?」 全く予想だにしなかった台詞に、クレフとメルティは顔を見合わせた。男は二人の反応にキョトンとしている。 「いやぁ〜助かりましたよ。ホントあの時誰も助けてくれなかったら、今頃僕は地面に還る所でした。 ホント、クレ、クレ……」 「クレフよ」 「そう、クレフさんがいなかったらと思うとホントにぞっとします」 メルティが持ってきた牛乳を一気に飲んだその男は、そう言って笑って見せた。 クレフが運んで来た時とはまるで別人の様に男は元気になった。飲み物のお陰なのかは分からないが。 「ここ数日仕事にあり付けなくて、口に付けた物と言えばこの水筒の水しか無かったんです。。 その水も無くなっちゃって、もうすぐ三途の川が見える所でした……。いやほんと、感謝感激雨あられ畑の野菜よ良く育てーって……」 明らかにメルティとクレフが引いているのを感じた男は、ゴホンッと咳払いをした。 「ごめんなさい、人と話す事が偉く久しぶりなもんで興奮気味になってしまって。 僕の名前はショウイチ。本名はショウイチ・マーチマンと言います。働き口を探して世界……とまではいきませんが、そこら中を旅してます」 「働き口って?」 クレフがそう聞くと、ショウイチはうむと頷いた。そして顔を窓の外に向けた。 「あそこ……あぁ、もう暗くて見えないか。あそこに僕が作った特別なトラクターがありまして」 クレフとメルティは妙に嫌な予感を感じた。まさかと思うが、今は口に出さない。 「あぁ、あの緑でキャタピラの?」 「そうそう。けれど残念な事に……どうにも皆さんトラクターを怖がっちゃうんですよ。凄いんですよ、あれは」 「え、何何? 面白そうじゃない。どんだけ凄いのか聞かせてよ」 「もちろん! まずは」 ショウイチがクレフにあの物体に関しての説明をしようとした矢先、誰かがドアをノックした。はーいとメルティがドアまで向かう。 「メルティちゃん、ギーシュだ。馬鹿を運んで来た。すまない」 「あ、今開けま……」 「待って、姉ちゃん。えっと……」
クレフがショウイチに顔を向ける。その微妙な表情にショウイチは数秒考え込むと、小声で言った。 「学生時代の友人って事で」 クレフはショウイチの返答に無言で頷き、メルティに目配りした。メルティがドアを開ける。 すると肩にトニーを担いだギーシュが入ってきた。トニーは酒を仰いだのか顔が真っ赤でぐんなりとしている。 「悪いなぁ、メルティちゃん。……ん? その人は?」 ショウイチに目を向けたギーシュがそう言うと、クレフはにこやかな笑みを浮かべて返答した。 「あたしの学生時代の友達。ちょっと旅しててね、偶然この村に来たの」 ショウイチは立ち上がり、小さく礼をした。ギーシュも礼を返すと、トニーを寝室まで運ぶ為、その場から離れた。 数分後、ギーシュは戻ってきて、メルティに言う。 「ちょっと酒場で揉めちゃってね。色々あって酔いつぶれちゃったんだよ。酒強くないのに無理してな」 そこまで言ってギーシュは苦笑を浮かべた。その意味にメルティは申し訳無さそうに俯いた。何故彼がそうなったのかは説明されずとも分かる。 「それじゃあ俺は帰るから。トニーが起きたら上手く説明しておいてくれ。またね」 ギーシュが帰った後、メルティは夕食であるクリームシチューをショウイチとクレフに振る舞った。トニーは明日まで起きないと判断した。 「いやぁ、凄く美味しいです! こんな美味いご飯を食べたのは……ええっと……」 「無理に思い出さなくていいわよ。にしても変わってるね、あんたって」 さっきとまるでテンションが変わらないショウイチに、クレフは苦笑する。料理を褒められたメルティはかすかに頬を染めた。 「結構言われます。。あぁ、そうそう。さっき聞きたかったんですけど」 何処から取り出したのか、ショウイチは口元をハンカチで拭くとメルティとクレフに目を合わせて、言った。 「ここらへんで農業関連の仕事ってありますか?」 「トニー・クロウスか……面白い男だったな」 飛行船の内部――――その男、シュワルツ・デントは高級な装飾が施されたリラックスチェアに座り、大きなデスクに眼鏡を置いた。 「しかし良いのですか? あの男をそのままにしておいて。触発された者が反旗を企てる可能性が無いとは言い切れません」 先程の酒場で従えていた2人組の1人がそう言うと、シュワルツはメガネを拭きながら返答した。 「良いんだよ。あーいうのがいないと面白くないだろ? まぁ……」 そう言いながら、シュワルツはデスクから黒光りする拳銃を取り出し、丹念に拭き始めた。 「彼奴等の制圧なんざ黒騎士共を使えば数分で完了する。お前が気にする事ではない。 それよりもだ、あれの起動はどうなっている?」 「既に80%を切っておりますが、未だにエネルギーは不足しております。村人達から貢献された資源物はすべてつぎ込みましたが……」 フォルダを片手にもう一人が説明すると、シュワルツは含み笑いをした。その笑みには邪悪さが垣間見れる。 「そうか……やはりな。余興のつもりで生かしておいたが、もうその必要も無い」 銃をデスクに置き、シュワルツは再び眼鏡を拭き始めた。ふと視線を外に向けると、ガラス張りに鎧達が並んでいる。それも一機や二機では無い……。 その時、デスクの上の電話機が響いた。シュワルツは舌を鳴らして受話器を取る。 「私だ。……皆まで言わなくても分かっている。あれの目覚めはもうすぐだ。 その時にはこの下らん独裁者ごっこも終わりにする。隠蔽も兼ねてな。心配するな、今日か明日に事態は動く。 乱暴に受話器を戻し、シュワルツはズボンのポケットから何かを取りだした。銀色が眩しい懐中時計だ。 「そう、明日か今日……な」
「農業関連って……」 クレフは一筋の汗を流した。目線はメルティに向いている。当のメルティはというと。 「んっと……私の所はそうなんですけど……」 「本当ですか! いやぁ〜やっと僕にも運が向いてきたみたいです。宜しければ雇っていただけますか?」 ショウイチは立ち上がり、メルティに向かって深く頭を下げた。ポカンとした表情で、メルティはショウイチを見つめている。 「ってちょっと待ってよ! いくらなんでも飛躍しすぎでしょ。何で農業が良いのか、そこから説明しなさいよ」 クレフの発言に、ショウイチはそりゃそうだと呟いて椅子に座りなおした。 「……先程説明したように、外に置いてあるあのトラクターは、僕が昔から一緒に旅してきた相棒なんですよ。 自惚れに聞こえると思いますが、僕はあのトラクターが農業に革命を起こすと信じています。けれど皆、それを認めようとはしない。果ては怖れまで抱く。 ……あれは、いや、あいつはただ畑を耕したい。皆の笑顔を見たい。ただそれだけなんだ。 ……お願いします、メルティさん。明日だけでも良いんです。あのトラクターの仕事を見てもらえませんか?」 そう言ってショウイチは立ち上がり、もう一度頭を下げた。そこにはさっきまでのちゃらんぽらんさは微塵もない。 「どうするの、お姉ちゃん? 悪い人じゃなさそうだけど、ちょっと強引というか……正直変な人じゃない? ここは丁重に断っておいた方が良い気がする」 メルティに近づき、クレフはそう耳打ちした。だがメルティはそうは思わない。 懇願するショウイチの目には、強い意志が感じられるからだ。伊達や冗談ではないと、メルティは思う。 しかし普通に考えれば、いや、普通に考えなくても目の前の男がどこかおかしいのは分かる。 行き倒れするほど食事に困窮していて、しかも職無しでかつ重機と共に旅をしており初対面の人間にこれほど馴れ馴れしい……は性格もかもしれないが、とにかく。 メルティにはどこか不思議な予感がしている。それはうまく言い表せないが、この普通では無い男が今の状況に何らかの変化をもたらしてくれるのではないかという予感だ。 「顔を上げて下さい、ショウイチさん」 メルティがそう言うと、ショウイチはゆっくりと顔を上げた。メルティは招致に目を合わせながら、二言を発した。 「貴方の採用云々は私自身の権限では決める事が出来ません。ですが、私自身としては貴方の熱意を買いたいと思います。 明日、そのトラクターを私の家に持って来てください。そして、貴方が語るトラクターの力を責任者に見てもらい、その結果で合否を決めます。 それで宜しいですか?」 「ちょ、お姉ちゃん!?」 「黙って」 突っ込みそうになったクレフを制して、メルティはショウイチの様子を伺う。 するとショウイチは次第に頬を緩ませた。そして嬉しさを隠しきれないといった感じのはにかむ様な笑顔で言った。 「ありがとうございます……! 明日、必ず来ますから、宜しくお願いします」
椅子に掛けたジャンパーを羽織り、ショウイチは玄関口へと足を進めた。 「ってショウイチさん!? この近くに宿なんて無いですから家に……」 「あぁ、大丈夫。野宿には慣れてますから。それじゃ、お休みなさい。メルティさん、クレフさん」 ショウイチは満面の笑みでそう言うと、手を振って静かにドアを閉めた。奇妙な闖入者が去ると妙に家が静かになる。 「……厄介な事になるかもよ? それに今の村の状況を考えれば、とても雇うなんて……ウチみたいな鉱山業ならともかく……」 「うん……でも、何故か断る気にはなれないのよ。彼の目を見てると。とにかく、ちゃんと事情は明日説明するわ。彼には申し訳ないけど……」 ショウイチを見送りながら、クレフの言葉にメルティはそう返した。トニーにもショウイチの事を説明しなければならないと思うと、少し気が重い。 それにしても……一体彼は何処で一夜を過ごすのだろう。様々な思念が浮かんで消えるが、メルティはそれだけが気になった。 「仕事の約束を取り付けたぜ。上手くいくさ、今回こそ」 「ショウイチ……その台詞、もう300回は聞いたよ」 「301回だ。そう最初から諦めるもんじゃないぜ、タウ」 「……ねぇ、ショウイチ。あの大戦で僕達……いや、僕は……」 「言うな。お前に罪は無い。お前達を生み出した、俺達が悪い」 「……取り繕わなくても良いよ。皆が僕を怖がる事は何も不思議じゃない。自動人形は兵器なんだ」 「それ以上言うな。お前がどれだけネガティブになろうと、俺は諦めないぞ。お前の事を俺以外に認めてくれる奴が出て来るまで」 「……ごめん。でも僕はもう、ショウイチが人から責められたり、咎められるのは見たくない。見たく……無いんだ」 <スリープモードに移行> 「……すまないな、タウ。だけど歩みは止める事は出来ない。それが俺の贖罪なんだ」 「お前という存在を作った、俺にはな」 続く
投下終了です、殆ど会話文で申し訳ない。まぁ主要キャラはほぼ全員出ましたね。 次でやっとタウエルンを出せます。夜分失礼しました
アギト・・・いやタウエルンか。素晴らしいな。
>>760-765 燃えるおとーこのー あーかーいートラクター♪ っと
早くも二話投下、乙でございます!
風景がありありと浮かんできますなァ
こいつは自分もスピード上げにゃいけませんな
海上都市姫路守備隊戦記の作者です。
流石に最初の1話だけというのは駄目かなぁ、と考え直して続きを投稿する事にしました。
といっても文才が無いので全て書ききるのは不可能なので、いきなり最終話直前となります。
物語の流れは
>>746 を参照。
それでは、稚拙な文ですが少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
主人公 清水静(しみず せい)脳内CV郷田ほづみ 予告 敢えて問うなら答えもしよう。 望むることはささやかなりし。 この腕にかき抱けるだけの夢でいい。 この胸に収まるだけの真実でいい。 例えて言うなら、その名はナフィア。 ナフィアこそ我が命、ナフィアこそ我が宿命(さだめ)。 海上都市姫路守備隊戦記 第51話「修羅」 嗚呼、正にその名の如くに。 清水静専用超重装甲強化服改「ボトム」 全高4m 基本重量2トン+〜4トン 超重装甲強化服武装 右肩 16連装100mm多目的ミサイル発射機×1 左肩 折り畳み式50mm狙撃砲×1 右脇 3連装100mm対戦車ミサイル発射筒×1 左脇 12連装6.25mm機関銃×1 脚部 12連装50mm弾発射機×2 頭部 長針弾大型発射機×2 右腕 超音速超振動パイルバンカー×1 左腕 光熱衝撃砲×1 25mm重機関砲改×1 50mm機関榴弾砲×1 300cm超振動極熱刀×1 軽装甲強化服武装 12.5mm軽拳銃(アーマーマグナム)×1 30cm振動熱斬刀×1 備考 両腕伸縮可変鋼線射出機 脚部ジェットローラーダッシュ機構 脚部展開式滑走板 最強の歩兵を目指して開発された重装甲強化服の究極の形の一つ。 静の要求に応えて改造した教授曰く「呆れ果てる重武装」。ちなみにボトム(最低野郎)と名付けたのは教授である。
魔王軍と帝国軍の戦いは、途中で俺と同じようにいきなり転移して、即座に助けに来てくれた守備隊の皆のおかげで魔王軍の勝利で幕を閉じた。 だが俺は重傷を負い、愛機の三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムは修復不可能なほど大破してしまった。 生まれ故郷である海上都市姫路に搬送されて治療カプセルの中で眠っている三日の間に、この異世界に転移して最初に出会った魔族の少女ナフィアが帝国軍に攫われてしまう。 ジャーク魔法帝国は太古に封印された邪神を復活させ、世界を我が物にしようとしていた。 そしてナフィアは邪神と最も相性の良い、邪神を完全復活させる為の「鍵」だったのだ。 ナフィアを生贄として邪神は復活する。ナフィアの死と引き換えに。 だが、そんな事は絶対にさせない。あの瞳の光が、唇の震えが幻になるなど認められない。 切れぬ絆を、褪せぬ愛を信じて、それを守る為に再び地獄へ身を投じる。最終決戦。最後の戦いが始まろうとしていた。
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「俺は急ぐんだ」 16連装100mm多目的ミサイル発射機からミサイルが続々と放たれる。 自在弾という、専用の弾種に比べれば威力は劣るものの「何にでもなれる」便利な100mm多目的ミサイルは半分が数百の多弾頭ミサイルとなって空を飛ぶ魔物と魔法使いへ、 もう半分は振動熱効果を伴う振動熱榴散弾となって地上の敵へ広範囲に降り注ぐ。 獲物を決して逃さぬ鉄の牙と地獄の豪雨が数多の命を塵屑(ごみくず)に変える。 情報解析で得られた、リアルタイムで更新される情報を元に、左腕の50mm機関榴弾砲と右腕の25mm重機関砲改で魔法使いを真っ先に潰す。 先の魔王軍と帝国軍の戦いで痛い目にあったのを忘れてはいない。 他の敵は左腰の12連装6.25mm機関銃で掃射していく。 銃身がそれぞれバラバラな方向を向いて撃てるこの武器は最大12目標を同時に攻撃可能。 100%の命中率と、射線上の目標を最低でも2、3人を貫く6.25mm振動熱徹甲弾は絶大な殲滅力を発揮していた。 それでも対応出来ない敵には頭部側面に1基ずつ装着された長針弾大型発射機の歓迎が待っている。 元々敵が放ってきた砲爆弾、ミサイルの迎撃の為に開発されたこの間接防御兵器は針の穴を射抜く精密さによって、超音速で多目標の急所を一撃で貫いていく。 針という性質上、残弾は豊富にあるので一撃で死なない相手には更に2針3針とただでプレゼントだ。 脚部展開式滑走板を展開させ、足底がスキー板のようになる。地面に倒れている敵を砕き潰しながらローラーダッシュでひたすら前へと疾走する。 50mm機関榴弾砲の残弾が尽きた。威力が大きい代わりに弾数が少なく、予備弾倉も無いので投げ捨てる。 その直後、目の前に広がるのは異様な光景だった。 剣と盾を持った骸骨兵士やゾンビ、黒いガス状の生命体らしきモノなど、グロテスクな大軍が待ち構えていたのだ。 指揮官なのであろう、戦場に不釣合いな豪奢な衣服と金銀に輝く装飾品を身に付けた小太りの男が、空中に浮いたままこちらに不敵な視線を向け鼻を鳴らし、朗々と語り始めた。
「くっくっくっ……よぉく来たなぁ、魔王とその配下よ。 いいや、「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」だったかぁ……フン、下らぬ伝説だ。 その増長と驕りを叩き潰してやろう!貴様等も可哀想になぁ。 相手をするのがジャーク魔法帝国軍でも最強を誇る我が不死の暗黒兵団なのだからな! だが泣いて感謝するが良い。私は慈悲深いのでなぁ……苦しまぬよう一瞬であの世へ送ってやろう! ふむ、この私の名を知らずに逝くのはあまりにも不幸であったな。 下賎な輩に高貴なる我が名を教えるのは本来ならば絶対に有り得ないが、今回だけは特別としてやろう。 よぉく聴くがいい、我が名は……!」 「邪魔だ」 左腕を突き出す。 左腕に装着された光熱衝撃砲の砲口から光の奔流が濁流となって迸る。 そのまま左から右へ薙ぎ払い、不死の暗黒兵団とやらは完全に消滅した。 驚いて魔法の効果が切れたのだろう。 地面に尻を強かに打った小太りの男の上に、全エネルギーを消費して不要となった光熱衝撃砲を切り離して落とした。 「ぶぎゅるッ!?」 その上で更に、ラウディッツが特大の魔光弾を撃ち込む。 通常の重装甲強化服の基本重量と同じ500kgもある光熱衝撃砲を外せたのでだいぶ身軽になった。 これで左腕を自由に使える。 空になった25mm重機関砲の弾倉を交換して左腕に持ち直し、右腕で300cm超振動極熱刀を抜刀する。 近距離の敵を斬り裂きながら空中と地上の敵へ25mm弾と6.25mm弾、長針弾のシャワーを浴びせ、 脚部12連装50mm弾発射機の振動熱榴散弾と極熱拡散弾を敵が多くいる地点へ放ち綺麗に掃除する。 だいぶ神殿に近付いたな、と思ったその時。コンピュータの索敵が今までに無い反応を捉えた。 「ラウディッツ。何かでかいのが空から来るぞ」 「でかいの、だと?」 ずっと後ろ向きだったラウディッツは、特大の大魔法を放った後で前に向き直り空を見上げる。 そして、その顔が引きつった。 地上に大きな影が落ちる。 ファンタジー世界ではお馴染みと言える存在が空を飛んでいた。 竜。全長約50mの、巨大な真紅の竜だった。 「古代竜。それも火竜を出してくるとはな」 火竜は頭をこちらに向け、口を大きく開いた。 瞬間、脚部裏側に増設された装甲を開き、大出力ブースターを露出させる。 「しっかり掴まっていろ、ラウディッツ」 ラウディッツは何も聞かず重装甲強化服の頭に両手を回して縋りつく。 火竜の口から特大の火球が放たれるのと、ジェットローラーダッシュの急加速が始まるのは同時だった。
狙った着弾点から大きくずれた火球は後方で爆裂し、大熱量と衝撃波を撒き散らす。 直撃を食らっていれば中破していたかもしれない破壊力だ。 その場で急停止して反転、左肩の50mm折り畳み狙撃砲を火竜のどてっ腹目掛けてブッ放した。 魔法障壁を紙の如く貫き、ダイヤモンドより硬い鱗を粉砕し、強靭な肉を切り裂き、体の最も中心に到達した50mm超振動極熱狙撃砲弾は秘めたる力の全てを解放した。 一秒にも満たず全身に伝わる超振動波と極大な特殊熱。 砲弾内部の、TNT火薬の数百倍の威力を発揮する高性能炸薬が点火して竜の体内で爆裂。 粉々に砕け散った弾殻は振動熱破片となり全方位へ拡散。 その後を追うように振動熱効果を伴う振動熱衝撃波が広がっていく。 傍から見れば、紙を火で炙っているようだった。 火竜の体は中心から分解蒸発していき、上半身と下半身が分かれてもなお続き、残った頭部と尻尾の半分、わずかな翼の端が地面に落ちて、脆く潰れた。 液体のように崩れた肉は泡立ち、蒸発していく水分が湯気のように立ち昇る。 「古代竜を一撃、か。全く……頼もしいな、「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」は」 本当に味方で良かった、と震える声で小さく呟き、ラウディッツは再び上を見上げる。 彼の視線の先には、様々な色と姿の竜がいた。 種類は違うようだがどれも全長は約50m。全て古代竜のようだ。 「わんさといるが、大丈夫か」 「無論だ」 無駄無き最速の動作で折り畳み式50mm狙撃砲の砲口を古代竜の一つに定める。照準に1mmの狂いも無い。 「蜥蜴と遊んでいる暇は無い」 再度、狙撃砲弾を撃った。 反動を巧みに利用して次から次へ砲口の向きを変更、情け容赦の無い連続射撃は砲弾を撃ち尽くすまで続いた。 不要となり機体から切り離した折り畳み式50mm狙撃砲が地に落ちた時、生きている古代竜は存在しなかった。
前編はここまで。 次回が中編、あるいは後編。その次が最終話の予定です。
51話ワロタ
一年続ける気だったというのか!<51話 どんどん武装を棄ててくっていうのは熱いですよね
つかほぼボトムズの丸パクリなのはよくないかと
こういうのはパクリとはいわん。 「ボトム」っていうネーミングはいただけないが、 スピーディな戦闘はそれを補って余りあると思う。
パクりじゃないなら……オマージュ、でしたっけ?
というかパクリ論議ってのは基本的に意味の無い話だから 文体丸々おんなじとかじゃなければぶっちゃけ触れる必要ない
>>783 おお、ドタバタしてる間にタウエルンの新作が! この気持ち、まさしく乙だ!
規制ですか……厄介ですね
そろそろロボ戦が欲しいニャー
おおスレが廃れとる・・・
まさかこの状況を作っている黒幕がいるのか・・・
アンノウンと野良オートマタとシュワルツ一味とジャーク魔法帝国の仕業じゃ!
>>788 アンノウンは二種類いるけどどっちよ?
……とりあえず俺はここの作品はみんな好きなんで作品書きつつ座して待つ。
野良オートマタはそんな凄い存在ではw すみません、今ちょっとドタバタしとりまして…… 更新までにはしばらくかかると思います
GW中に作品投下する予定 サイズ的に3〜4m級で 操縦方法も鉄人系になりそうなので このスレ的には異質になりそうだけど
規制解除ktkr 俺もGW中にちょっとした実験作を落とすかもしれない。
794 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/02(土) 16:30:18 ID:cHFd9z9/
SAMキャット 対空兵器満載した猫型ロボ
いいえ、それはトムです なんとなく
トムキャットの可愛さは異常
いきなりだけどリハビリに一発投下させてもらいます
第1話 誕生! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! 「ふははははは! 儂の名は、悪山悪男(わるやま わるお)! 野望のマッドサイエンチストである! か つて学会を追放されたが、今こそ真の実力を世に問うのだ!」 突如として大音声が街にこだまする。老人の嗄れた声。 鼓膜を庇いながら視線を上向ける一般市民は、ビルの陰から現れる巨大な金属塊を目にした。 ビルの屋上よりも空に近く、白衣がはためく。メガホンを持った皺だらけの腕の持ち主こそが、老いたる天才・悪山悪男だ。 「見よ! 儂の提唱した悪山理論によって超パワーを得た、地上最強のスーパーロボ! その名はワルレックス!」 呼応するように咆哮を轟かせる機械の暴君竜。頭頂高二十メートル余り。一昔前の想像図に描かれた、尻尾を下ろしてカンガ ルー立ちする大型肉食恐竜を思わせる。 ワルレックス。さながらそれは、街角に凝った恐怖そのもの。 「な、なんだあれは……?」 「怪獣だ!?」 「変な爺が食われてるぞ!」 「食われとりゃせん! ここが操縦席よ!」 大混乱に陥るさまを眼下に、悪山は高らかに哄笑する。テンションのいうなりに、思わずタップダンスまで披露していた。危 なっかしいリズムが響く。 「ふぅっふうん! 気分がいい! 唸れ悪山エンジン! ワルレックスよ、このしけた町をねり歩け!」 だが、悪山悪男の人生最高潮も長くは続かなかった。 「そこまでだ! 悪のマッドサイエンティスト、悪山悪男!」 張りのある若者の声が、街中に響き渡ったからだった。 「何者だ!?」 「俺は、田所カッコマン」 名乗りに遅れること数瞬、空の高みより降臨する巨大な物体。スラスターの逆噴射のために着地はやわらかい。だが、載るだ けで車道のアスファルトを陥没させる質量を持っている。 「この最強無敵ロボ・ネクソンクロガネのパイロットだ」 それは、二足歩行のスーパーロボットだった。 黒光りする重装甲は、どこか武者の甲冑に似ている。黄金の模様は闇雲を引き裂く稲妻さながら。 カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。
「くろがねの巨人、だと馬鹿な……。この悪の天才以外に、そんなものを製造しうるがおるというかっ」 認めがたきに、悪山悪男が血を吐くような声で唸る。 「この世に悪が栄えたためしはない! 正義の科学が貴様を倒すのだ!」 「くそう、くそう。かくなる上は、そんやつがハリボテに過ぎんということを証明してくれる! ゆけい! ワルレックス!」 操縦桿を怒りの握力で軋ませ、悪山悪男は謎のヒーローに猛然と襲い掛かった。機械の尻尾が波打ち、ビルの間で跳ねた。 「いくぞ!」 謎のロボット・ネクソンクロガネもまた、迎撃のために剛拳を握り固める。 どこからか、英雄の歌が聞こえてくる。 『戦え! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ!』 作詞・作曲/海老原カッコウーマン 歌/海老原カッコウーマン&ネクソン交響楽団 ※ドゥビドゥビ! ドゥビビ! ドゥビドゥビ! ドゥビビ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ! 聞こえるか 巨人の聲(こえ) その名は[SO] ネクソンクロガネ! 最強無敵ロボ [AH〜]強すぎる力が また戦いを呼ぶ(マキシマムパワー…) ひきちぎれ NAMIDAの連鎖(ノーエネミー) 発動! 鍛冶場の馬鹿ヂカラ!(スーパーロボット!) ※くりかえし ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ! 聞こえたわ 巨人の聲(こえ) その名は[WAO!] ネクソンクロガネ! 最強無敵ロボ ネクソンクロガネ![YES!] 「わ、儂の夢が! 儂のワルレックスがぁっ!?」 悪の機械怪獣の胸板には、大穴が穿たれていた。 ネクソンクロガネの眼から野に放たれた金属粒子の帯、すなわち最強無敵ビーム・ネクソンクロガネビームが貫通したのだ。 戦いは終わった。
「……ところでネクソンって何じゃ?」 ぼかーん。悪山の他愛もない問い掛けが、ワルレックスの大爆発に掻き消される。 「覚えておれー!」 脱出マシン・ワルヘッドが、爆炎を引き裂いてどこかへ飛んでいく。UFO的とでもいうべき複雑な軌道を描く空飛ぶバイク など、さしもの最強無敵ロボ・ネクソンクロガネも追尾不能。 「逃がしたか……」 計器に埋もれたコックピットで、田所カッコマンはひとり呟く。果たして彼は何者なのか。漆黒のヘルメットの下を知る者は、 極めて少ない。 「しかし今日のところは、人々に笑顔を取り戻したことでよしとするべきだな」 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが、夕陽に勝利のガッツポーズを決める。 だが謎のヒーローよ、ゆめゆめ油断めされるな! まだ悪山悪男の野望が潰えたわけではないのだから! 戦え! 田所カッコマン! 戦え! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! つづく
以上!
海上都市姫路守備隊戦記、前編と中編の間の話を投稿します。 今回は戦闘シーンはありません。 中編は現在鋭意執筆中ですので、もうしばらくお待ち下さい。
803 :
前中編 :2009/05/04(月) 20:06:22 ID:k8Jsalfu
異世界の大海原に浮かぶ縦10km、横5km、5万人が居住する長方形の海上都市「姫路」。 遠くの水平線を眺めながら、お気に入りである苺味の無害煙草を唇に挟み、ライターの形をした小型電熱機を煙草の先端に寄せる。 苺の甘い味と香りに満たされる至福の快楽。これだから煙草は止められない。 右手の人差し指と中指で煙草を掴み、唇から薄紅色の煙を吹き出す。 「教授、そんな所に」 背中から掛けられた声に振り向くと、そこには最も実直で、自分に匹敵する技術馬鹿がいた。 この海上都市でただ1人だけの、姫路以外の住人。休暇でたまたま姫路を訪れていた所を転移した不運な男。 大海上都市群「兵庫」正統日本軍第六〇三技術試験隊、折葉舞技術中尉。 「舞か。後で一杯付き合うか」 「そんな暢気な事を言っていられる状況じゃないでしょう!?」 自他共に認める美女の艶を込めた誘いに全く反応しないとは、女としての自信が無くなるじゃないか。 こういうクソ真面目な所は静と良く似ている。幸か不幸か、自分の周りにいる男はこんなのばっかりだ。 この妖艶な肢体を見て興奮しないのか、女としての魅力が無いのか、そもそも女として見られていないのか。 どんなに積極的に迫っても常に無表情だった静は異世界に行った途端、あっさり他の女を恋人にして……。 あいつが一度でもいいから押し倒してくれれば、二十歳を過ぎても処女のままではいなかったのに! 「教授、人の話を聴いていますか!」 「聴こえてる、聴こえてるからそんなに大きな声で怒鳴るな」 全く、しょうがない奴だな。 「やるべき事は全てやっただろう。後は皆の武運を祈るだけだ。それから邪神とやらが復活しないように、な」 緊急時には他の海上都市からの支援を前提としている姫路守備隊の戦力は貧弱の一言だ。 ゴミ箱同然に廃棄された各種旧式兵器の改良、2機しかない大型輸送ヘリを対地攻撃ヘリ(6連装6,25mm機関銃×10)に改造、 無人小型弾薬補給車「イグルー」10両の緊急生産、そして最後の切り札の組み立てと調整。やれる事全てを3日で行ったのだ。 「しかし……!」 だが、舞は食い下がる。他にやれるべき事があったのではないかと。 指に挟んだ煙草の先端を向けて、睨む。 「しかしも案山子もない。やれる事は全てやった。 それからもう一度言うが、自分も最前線で戦う、なんて言うなよ。お前は必要な人材なんだからな」
804 :
前中編 :2009/05/04(月) 20:07:24 ID:k8Jsalfu
姫路には不要になった旧式兵器がゴミ箱のように捨てられる。 その中に超重戦車、陸戦強襲型砲戦車というデカブツがあるわけだが、舞はこの化け物2つを戦場に出して、どちらかに自ら操縦して戦おうとした。 だが、輸送する手段が無い事と周りからの懸命の説得で諦めた。 「…………分かりました」 まだ納得していない様子だったが、舞は頷いた。 「それでいい。それで、アレの準備は」 「調整は完璧。いつでも発射可能な状態です」 最悪の場合、最後の手段を使わなければならなくなる。 姫路に捨てられた兵器の中で最強最悪の超兵器。 試作艦隊決戦砲「ヨルムンガンド」 表向きは対宇宙艦艇攻撃用の海上砲台。 その本来の目的は日本攻撃専用の戦略対地攻撃砲である。 日本列島、本土奪還の為に各海上都市の御偉方と軍上層部が生み出した狂気の産物。 「ヨルムンガンド」が超音速で放つ直径1m、長さ10mの1×10m超振動極熱戦略砲弾の効果範囲は半径50km。 着弾点から100kmの範囲を「完全に消滅」させる、核兵器が子供の玩具に思える程危険極まりない代物。 零距離で核爆発に耐える現代の戦艦を、究極の耐振動、耐熱、防御用超振動熱発生機能を持つ艦を一撃で轟沈させる破壊力。 それで取り戻すはずの日本を消し飛ばしてどうするつもりだ。 仮に撃ったとしても日本の「連中」に通じるかは疑問だが。 まぁ、圧制を強いられているわけではないし、むしろ出来の良い子供に養ってもらっている親の立場だ。 本土奪還を本気で考えている人間は全体で見れば極少数であるし、そもそも異世界に転移した今となってはどうでもいい事であった。 問題は「ヨルムンガンド」を使わなければならない状況になる事。邪神が復活したとして、1×10m超振動極熱戦略砲弾が通じるか、だ。 砲弾は1発しかない。それで倒せなかったら完全にお手上げだ。 「眠れる大蛇が牙を剥く。そんな事はあってほしくないですね」 「ああ」 舞に背を向け、再び水平線を眺める。遥か遠くで世界の命運を賭けて戦う者達へ。そして、 「死ぬなよ、静」
805 :
前中編 :2009/05/04(月) 20:11:52 ID:k8Jsalfu
今回はここまで。 次回の中編では帝国軍相手に大暴れの静と魔王、小太りの男再び!、皇帝との対峙までを書く予定です。 拙い文ですが、今後も読んで頂ければ幸いです。
ちょっ、そんなもん捨てんじゃねー!!
素でエロすぎて逆に笑える教授のキャラが大好きだw
懲りずに投下します。
第2話 衝撃! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ敗北! ※ 「帰ったようだな田所カッコマン。いや、天才高校生パイロット・田所正男(たどころ まさお)!」 基地に舞い戻った最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを出迎えたのは、男っぽい口調で話す女性だった。年の頃は二十半ば。切 れ長の眼をした、目の覚めるような美人である。 「ただ今凱旋しました。いやはや、博士の造ったこのネクソンクロガネはすごいロボットですよ」 固定具を外してヘルメットを脱ぐと、きりりと凛々しい爽やかフェイスが露わになった。高校生・田所正男。それが、つい先 刻に巨大ロボットを操縦して悪の機械怪獣を粉砕した、時のヒーロー・田所カッコマンの素顔だった。 「当然さ。隕石から発見された謎の物質ネクソニウムと鉄の合金、超ネクソン黒鋼をぜいたくに使用したからね」 豊かな胸を張る彼女は、若きはぐれ研究員・龍聖寺院光(りゅうせいじいん ひかる)だ。ちなみにこの欲張りネームは偽名 である。 「フッ、この最強無敵ロボと、抜群の操縦センスを持つキミが揃えば、悪のロボットなど物の数ではないさ……」 近年、さる悪の組織から技術的なノウハウが流出したことで、世界では巨大ロボットによる犯罪が散発していた。 ネクソンクロガネは、そのような事件に迅速に対応するために市民団体“E自警団”が製造した、最強で無敵のスーパーロボ ットなのだ。 「ええ。必ず、悪のロボットから世界の平和を守り抜いてみせますよ……」 ドックに巨躯を休める最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの雄姿を仰ぎ、決意を新たにする田所正男だった。 ※ 一方その頃。 「くやしい、くやしい、くやしいのじゃお!」 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男は喚き、地団太を踏んでいた。皺だらけの目元には、涙も滲んでいたかもしれない。 白衣の裾が上下し、煤が撒き散らされる。 「何ですか? 騒々しい」 研究所には似合わない可憐な少女の声が、老博士の耳に滑り込んだ。 彼の背後、木製の引き戸がガタピシと悲鳴を上げる。 悲鳴を上げるだけで、一向に開く気配はない。木は生き物である。悪山研究所内の部屋を行き来できるかは、その日の温度と 湿度に掛かっているのだ。 よく知る声の主に、老人はみるみる相好を崩した。 「おお我が娘エリスよ」 「孫娘です」 静かに訂正してから、悪山エリスは探るように言葉を紡いだ。 「……思ったよりもお元気そうで」 態度こそいかにも素っ気ないが、そこには確かな親愛の情が感じられた。隣町に住んでいる彼女は、週に二度ほどのスパンで 気まぐれに研究所を訪れる。祖父の生活を心配してのことだった。
孫娘エリスのことを、悪山は目に入れても痛くないほど可愛がっている。世間からは言うに及ばず、親類からも白眼視されて いる悪山にとって、彼女だけは唯一の味方だった。 「なに、思わぬ邪魔が入ったが、リベンジの準備はあらかた終わっている! あとは実験中の新装備・ワルリフレクチブシール ドだけじゃ!」 悪山は偉そうにふんぞり返り、ラジカセのスイッチを押し込んだ。懐かしさを感じさせるメロディが、街外れの研究所に郷愁 を誘う。 『ワルレックス〜今こそ甦れ〜』 作詞・作曲・歌/悪山悪男 子ども時代の愛読書 恐竜図鑑を開いてみたよ チラノサウルスはこの頃はまだ しっぽを引きずり仁王立ち 目まぐるしく変わるジョーシキ ついていけないときもあるけど 今も昔も変わらない 一番強くて怖いやつ みんなの憧れ ワルレックス お誕生日 ねだる孫に 恐竜図鑑を買ってあげたよ チラノサウルスはイマドキはもう 体を寝かせて疾く駆ける 息もつかせずシンセツ発表 ついていこうと猛勉強 でも 今も昔も変わらない 一番ギラギラカッコイイ ピカレスクヒーロー ワルレックス 「ワルレックス改、完成! さっそく出撃じゃ!」 「ご自愛を」 半ば呆れた孫娘のエールに魂を燃やし、悪のマッドサイエンティストは新たな機械怪獣をブイブイと発進させる。 あと半世紀は生きていそうだった。 ※ 「え? またですか?」 「またなんだよ……」 施設の食堂で注文した担担麺を啜っていた田所正男は、予期せぬ出撃要請に瞠目した。もちろん、いついかなるときであって も戦いに赴く心構えは出来ている。 しかし、コストも馬鹿にならない巨大ロボット犯罪は、まだそれほど頻繁には発生していない。ましてやまだ数時間しか経過 していないのに、同一個人からのリベンジがあるなど普通は信じない。 「しかし、悪山悪男とはさっき戦いましたよね?」 「つい三時間前にな。もう一体造っていたんだろうか」 麗しのはぐれ研究者は、こめかみを押さえていた。顔には疲労の色が濃い。 「とにかくあの元気すぎるジジイは、私の最強無敵ロボ・ネクソンクロガネとの一対一をご所望だ。ちょちょいと行って木っ端 微塵にしてきてくれ」 「……了解! 田所カッコマン、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネで出撃します!」 勇んで席を立つ田所正男の顔は、既に戦士のそれになっていた。
※ 遠吠え! 咆哮! 雄叫び! それは、地獄から響く怨嗟の声にも聞こえた。 機械仕掛けの暴君竜。中生代において猛威を振るったという爬虫類の王だ。 皮膚の鱗を赤銅色の重装甲に置換して現代に甦った、旧き地上の覇者の威光。 ワルレックス改。 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男こだわりのメカ恐竜だ。 「リベンジじゃあ! あの黒いロボットを呼べ! 早くしなければ、この高層ビルヂングでドミノ倒しじゃ!」 ワルレックス改の頭に合体したワルヘッドで恫喝する悪山悪男。一般市民が慌てふためくさまを眼下にしても、彼の鬱憤は少 しも晴れない。 (やはりネクソンクロガネ! あいつを八つ裂きにしない限りは!) 屈辱を反芻し、悪山悪男の頭の血管がぶち切れそうになったときだった。 「貴様も懲りない男だな! 悪のマッドサイエンティスト、悪山悪男!」 澄んだ若者の声に遅れること数瞬、空の高みより降臨する巨大な物体。膝駆動の絶妙なタイミングのために着地はやわらかい。 だが、動くだけで一帯の大気を揺さ振るだけの嵩を持っている。 「最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ、推参!」 それは、ヒトと近しい四肢を持つスーパーロボットだった。 光沢のある黒の重装甲は、どこか雑木林の甲虫に似ている。黄金の装飾は地平線を浮き彫りにする夜明けの陽射し。 カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの勇姿だった。 宿敵の登場に、悪山悪男の顔面に刻まれた皺が一斉に深みを増す。笑ったのだった。 「ククク……! 現れたな最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! 飛んで火に入る夏の虫じゃ!」 「お前呼んだんだろ!!」 思わず叫ぶカッコマンを完全スルーして、悪山悪男は高らかに戦いのゴングを鳴らした。 「ミュージックスタート!」
『悪(ワル)の天才 悪山悪男』 作詞・作曲・歌/悪山悪男 ※ラララ サイエンス ララララ サイエンス ラララ サイエンス ララララ サイエンス 電波 音波 光波 重力波 寄る年波 年季の入ったボディだけれど まだまだカクシャク またメカ造るよ 積もり積もった恨みを晴らし 富と名声掴むためにも 挫けやしないさ 孫にも小遣いあげたいの(おじいちゃんだいすき!) ※くりかえし 電子 原子 量子 重力子 愛しの絵梨子(エリス) 年季の違うブレーンだからさ 一生ゲンエキ 街をお騒がせ 冷たく当たった世間を見返し 自信とプライド取り戻すためなら 怯みやしないさ 孫にもいいとこ見せたいの(おじいちゃんかっこいー!) ※くりかえし ある時は 戦闘的マッドサイエンチスト またある時は 新感覚アーチスト そしてまたある時は 夕暮れロマンチスト しかしてその実体は 悪(ワル)の天才 悪山悪男
「サイエンス!!」 決着はついた。 装甲から煙を噴きながら倒れ伏す最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ。ワルレックス改の全身を覆うワルリフレクティブシール ドが、金属粒子ビームのベクトルを捩じ曲げ、再帰性反射。そっくり撥ね返った最強無敵の破壊力が、ネクソンクロガネを襲っ たのだ! 「くっ! この前の怪獣とはまるで別物だ……! なぜっ!?」 歯ぎしりの音は、ヘルメット越しにも聞こえるほどだった。 「それはな若造」 年寄りの脳裏に花咲く、孫娘の微笑み。 「愛じゃよ」 もちろん悪山の活動は学会への私怨に端を発している。だがしかし、孫娘エリスの気を惹きたいという想いがあることもまた 確かなのだ。 「なるほど愛か……っ! だが! それならば俺だって!」 汗ばんだ掌で操縦桿を握り直し、ヒーローが戦意を奮い立たせる。ネクソンクロガネの内蔵兵器の中でも最大の威力を誇る、 ネクソンクロガネビームが通用しないというのに! 『だめだカッコマン、今は撤退するんだ』 「博士!?」 彼の無謀を静止したのは、はぐれ研究員・龍聖寺院光(偽名)からの通信だった。 「俺に、逃げろというのですか!」 『ヒーローは、……ヒーローは最後に勝てばいい!』 若き天才の唇は、悲壮に引き締められていた。口にした言葉を、自らに言い聞かせているようにも聞こえた。 (そうか、悔しいのは俺だけではない) 絶対の自信を持っていた最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが、わずか二度目の交戦で最大の苦境に立たされたのだ。 「了解しました……っ」 黒い機体が、躊躇いを振り切るように転進する。それが、カッコマン田所正男が初めて経験する敗走だった。 「ぶわはははははははははは! この世に悪人の種が尽きた試しはないのだ!」 遠ざかっていく巨人の背中を痛快げに見逃しながら、悪山悪男が高笑いを響かせる。台詞は前回の意趣返しなのだろう。 「そんな……」 街に立つ善良なる人々の表情は、いずれも暗く沈んでいた。 希望を見失ったように、一人の男性が膝から崩れ落ちる。 「なんてことだ……ネクソンクロガネが、負けた……?」 呆然とした彼の言葉が、皆の気持ちを正しく代弁していた。誰かの溜め息が漏れる。 正義の味方の敗北。衝撃の事実は、たちまち街中を駆け巡った。 ……いいや! まだだ! 諦めるな! ボクらがネクソンクロガネの最強無敵伝説を信じる限り! 立ち上がれ! 田所カッコマン! そして甦れ! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! つづく
以上!!
>>809-813 突っ込みたい点が多岐にわたるwww
ぬぅ……思わず突っ込みたくなるというのはキレのいいボケの証拠
ゴールデンウィーク中は意外と少なかったな
出来上がりませんでした><
ワタシの中ではGWは5/10までデス
中編はまだ途中なんですが、完成まで時間がかかりそうなので投下してしまいます。
821 :
中編前半 :2009/05/07(木) 23:12:58 ID:+ygWi1Md
敵は無限にいるのではないかと思えた。無理も無い。 こちらの戦力は姫路守備隊100人、魔王軍10000人の、計10100人。 対して敵の帝国軍は100万を越える大軍勢。 潰しても潰しても、ゴキブリのように湧いて出てくる。 空を見上げれば、対地攻撃ヘリに改造された大型輸送ヘリ2機が 6連装6.25mm機関銃10基から6.25mm振動熱徹甲弾を豪雨のように降らせている。 銃身がバラバラに動き、多目標を同時に攻撃可能な兵器。2機合わせて最大120目標同時攻撃による、絶大な殲滅の嵐。 それでも、敵はまだまだいた。全体でかなりの数を殺ったはずなんだがな。 「隊長、大丈夫かな」 150cm振動熱斬刀の二刀流で帝国軍の兵士や魔法使い、魔物を次から次へ斬殺しながら呟く。 電力節約の為に振動熱機能を切っている為、刀身は血と油で赤黒く染まっている。 「他人の事を心配していられる場合か」 背後から迫った敵を振り向きもせず斬り捨てた直後、僚機からの通信が入った。同じ姫路守備隊重歩兵小隊の仲間だ。 機体は同じ三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムだが、俺が刀二つで戦っているのに対して奴は弾丸を撃ち放題だった。 両肩、両腰に1基ずつ、計4基の6連装6.25mm機関銃と、6.25mm振動熱徹甲弾のみ満杯に詰め込んだ背中の特大バックパック。 両手には25mm重機関砲2基。それらを連射しながら、無人小型弾薬補給車「イグルー」の補給を受けている。 触手状の給弾管が武器に接続され、戦闘中に発砲しながら短時間で大量の弾薬を補充する。なんて贅沢な戦い方をしているんだ、この野郎は。 「なんだ、その言い草は。飛び道具も無く刀だけで戦っている最中に隊長の心配をしている俺が間抜けとでも言いたげだな、ああっ!?」 「ああ、その通りだ。戦闘中に25mmと6.25mmを魔法使いに破壊されて仕方なく俺の150を一本貸してやってる、情けない奴だ」 「なんだとぉ……やんのかコラぁっ!」 「おまえら、うっさい!」 再び僚機からの通信。甲高い女の声、こちらも同じ姫路守備隊重歩兵小隊の仲間だ。 「武器持って文句言うな!こっちは徒手空拳で戦ってるんだぞ、ぼけーっ!」 「お前はむしろそっちの方が強いだろうが!」 全高3mの重歩兵より大きい魔物をハイキック一撃で次から次へ絶命させている。 教授の手で格闘戦専用の徹底的な改造と調整を施されているとはいえ強過ぎだ。 「敵の数がむちゃくちゃ多いんだぞっ。いや、もーくちゃくちゃだっ。くちゃくちゃ多いっ!」 「それは他の皆も同じだ!」 そんなやり取りをしていると。 「随分と余裕だな、貴様ら。軽装甲強化服で戦っている俺達への挑発か」 また通信が入る。今度は軽歩兵小隊の隊長だった。 「いや、挑発のつもりはないんですがね……」 仮想訓練で殺された回数が3桁を超えているせいか、この人はどうも苦手だ。 軽装甲強化服で隊長と互角に渡り合う、姫路で1、2を争う、歴戦の猛者。 生身で重歩兵を撃破した者に与えられる、機甲猟兵の称号を持つ最強の男。 「静の事なら心配はいらんぞ。奴は死なん」 重歩兵用の25mm重機関砲を軽歩兵に小型軽量、低威力化した25mm軽機関砲を両手に構え敵を片っ端から射殺しながら答える。 「どうして断言出来るんですか。確かに隊長は強いですけど、ただの人間なんですよ。こっちにいきなり転移した時、死にかけてたじゃないですか」 「そうだな。だが俺は奴が必ず生きて帰ると確信している」 疑いや迷いなど微塵も無い力強い言葉は続く。 「邪神の復活阻止を手助けする為に俺達が全力で敵を引き付けているんだ。あいつがそれに応えないはずがない」 「……確かにそうですね」 そうだった。隊長はそういう人だった。 敵を刀で斬り裂きながら、彼方を眺める。その中心付近では凄まじい戦闘が行われている。 「生きて戻って下さいよ、隊長」
822 :
中編前半 :2009/05/07(木) 23:14:21 ID:+ygWi1Md
大人の背丈の2倍以上ある大きさの岩石兵の群れが、味方の兵士と魔物を踏み潰しながら前へと進む。 岩石兵の肩には上位の魔法使いが1人ずつ乗っている。 ジャーク魔法帝国が誇る無敵無敗の岩石巨兵団である。 「味方の犠牲に構うな!神殿内に魔王と日出ずる国の兵を入れてはならない!」 私は岩石巨兵団の団長として歓喜していた。 あの魔王ラウディッツと鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵をこの手で抹殺すれば、後世、英雄として永遠に語り継がれるのだ。正に究極の名誉である。 薔薇色の人生が今か今かと私を待っている。岩石巨兵が一歩一歩、栄光と勝利の道を踏み締める。 英雄になれば女を抱き放題だ。 帝国でもかなりの金が必要になる魔族の女も思うがままに出来るかもしれない。 本来なら目玉が飛び出る程の莫大な値が付く見目麗しい処女の魔族をいくらでも抱ける……いや、抱くだけではつまらない。飼うのだ! 清純な魔族の少女を押し倒し純潔を奪い、身も心も徹底的に蹂躙し尽くし、自分無しではいられない体にしてやる。 唇を舐める。想像するだけで股ぐらがいきり立つ。 我が生涯でこれほどまでに嬉しい気持ちになった事は無い! 絶頂の極みにある私を祝福するかのように、鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵とその肩に乗った魔王が視界に映る。 来たれ、我が薔薇色の人生!来たれ、我が栄光の未来! 「木っ端微塵に跡形も無く粉砕してやるぞ!」 瞬間、乗っていた岩石巨兵が木っ端微塵に跡形も無く粉砕した。そして私の意識は途絶えた。 古代竜を全滅させてから少し進むと、全高4m、この超重装甲強化服改と同じぐらいの大きさの、人型をした岩石が数十迫って来た。岩石兵の肩には1人ずつ魔法使いが乗っている。 「不味いぞ、セイ。あれは無敵無敗で知られる……」 ラウディッツの発した鋭い声を遮り25mm重機関砲が全力で咆哮する。 コンピュータ制御による反動を利用した照準の修正と発射速度の微調整により、連射でも狙撃と変わらぬ精密射撃が可能となっている。 正確無比に放たれた25mm振動熱徹甲榴弾が全ての岩石兵を片付けるのに5秒もかからなかった。 岩石兵に乗っていた魔法使いは全て6.25mm弾と長針弾で確実に始末した。 空になった25mm重機関砲の弾倉を交換する。 「…………」 ラウディッツは、何故か無言だった。何か言いかけたのを結果的に邪魔する形になったのが原因だろうか。 気にはなったが、問う余裕は無いのでそのままにしておく。
823 :
中編前半 :2009/05/07(木) 23:15:49 ID:+ygWi1Md
脚部滑走板とジェットローラーダッシュで神殿へ続く長い階段を砕きながら駆け上がりつつ、立ち塞がる敵を1人残らず射殺する。 階段が終わり、遂にジャーク神殿まで辿り着いた。だがすぐに突入はしない。 神殿の前で待ち構えていた敵を全て射殺して振り返る。 階段の下、迫ってくる敵の大軍へ右肩の16連装100mm多目的ミサイル発射機から自在弾を1発のみ残し、全て振動熱榴散弾として発射。 脚部の12連装50mm弾発射機2基から50mm振動熱榴散弾、極熱拡散弾を全部撃ち尽くす。 眼下を覆い尽くす赤い灼熱の豪雨が晴れた時、凄惨な地獄が広がっていた。 生き残った敵へ25mm重機関砲、12連装6.25mm機関銃、長針弾の全力射撃を遠慮無く振舞う。 地を埋め尽くす死体と血の海、果てなく続く屍山血河。敵に確実な死を、地に伏せただ生きているだけの者に永遠の安らぎを与える。 死んだ振りなどコンピュータの情報解析の前では通じない。無駄だと悟り逃げ出す者達の背と後頭部を100%の命中率で弾丸が貫く。 一旦射撃を中止して周囲の状況を確認する。 まだ不満はあったが、これで一応後顧の憂いを断つ事が出来ただろう。 不要になった脚部12連装50mm弾発射機2基を切り離し、25mm重機関砲と長針弾の弾倉を交換する。 戦闘開始から人外も含めて1万人以上を始末した。ラウディッツの分も合わせれば2万を越える。 しかし、その分武器弾薬の消耗が激しい。 現時点で50mm機関榴弾砲、光熱衝撃砲、折り畳み式50mm狙撃砲、12連装50mm弾発射機を失った。 25mm重機関砲の予備弾倉は残り1つ。長針弾の予備弾倉は既に無く、今装填したのが最後だ。 絶大な多目標同時攻撃能力で迫り来る大多数の敵を片っ端から殲滅してくれた12連装6.25mm機関銃は、残弾が60発、1門辺り5発しか残っていない。 正直、不安だった。弾丸を1発撃つ度に死へ近付いている気がした。強力な鉄の鎧を纏っても、所詮ただの人間でしかないのだ。 だが、死を恐れずに前へ進まなければならない。今も命を賭けて戦っている仲間の為に、邪神の復活を阻止する為、何よりもナフィアの為に。 振り返り、再び神殿へ向き直る。展開していた脚部滑走板を元に戻し、ローラーダッシュの走行を再開する。 「セイ、神殿の入り口には強力な結界が……」 右脇の3連装100mm対戦車ミサイル発射筒から1発、3発のみの切り札である100mm超振動極熱ミサイルを真正面へ向けて発射した。 古代竜を一撃で屠った50mm超振動極熱狙撃砲弾の数倍の破壊力を持つミサイルは、途中で見えない壁に激突し、秘められた力を全て解き放った。 元々、嵐の如き間接防御射撃を潜り抜け、極めて強大な防御力の戦車に一撃で修復不可能な致命傷を与える為に開発された兵器である。 その威力たるや、絶大であった。 大地を轟かす轟音と爆発。 神が振り下ろした鉄槌の如き破壊力と、無駄無く伝わる超振動波と極大特殊熱による分解蒸発の凄まじい相乗作用。 神殿の扉は完全に消し飛び、代わりに巨大な入り口が出来ていた。いや、神殿前面が完全に崩壊している、と表現した方が正しいか。 「何か言ったか」 「…………いや」
824 :
中編前半 :2009/05/07(木) 23:16:52 ID:+ygWi1Md
大きく口を開けた門へ躊躇い無く突入する。 神殿内部を進んでいくと大きな広間に出た。そこには12人の魔法使いが待ち構えていた。 魔法を使われる前に殲滅すべく、最後の100mm自在弾を振動熱榴散弾として発射。 前面が完全に赤い地獄の豪雨で満たされる。その後には何も残らないはずだった。 だが、魔法使い達は無傷。どうやら魔法で防御したようだ。 出会い頭に即発射したのにすぐ対応してくるとは、並の腕ではない。これまで戦った中で最高の熟練者だ。 その証拠に魔法使い達は明らかに戦い慣れていた。 完璧に計算され尽くした、全く無駄が無い理想的な動作。 ある者は空を飛び、ある者は速く走り、互いに連携しながらこちらの死角に回り込もうとする。 左腰の12連装6.25mm機関銃の銃身がバラバラに動き、コンピュータの情報解析と計算通り、全ての目標に1mmの狂いも無く銃口を向け、残った60発の弾丸を一気に撃ち尽くす。 魔法による不可視の結界で弾丸を防ぎ続けた魔法使い達だが、12人の内6人は最後の5発目の6.25mm振動熱徹甲弾を防げなかった。 情報解析によるコンピュータの判定は死亡3、重傷2、軽傷1。 軽傷の1人は結界で運動エネルギーと振動熱が尽きかけた状態で体に当たったようだ。 25mm重機関砲の単発射撃を軽傷、次に重傷の2人へ放ち確実に止めを刺す。 髪の毛1本すら残らず消滅する3人の魔法使い。 頭部長針弾大型発射機の全力射撃と25mm重機関砲の正確無比な単発射撃を残った魔法使いに浴びせる。 2人は長針弾を防御し続けていたが、超音速で連射される針に耐えられず、結界を貫いた最初の一撃の直後に全身を針の雨に貫かれ襤褸雑巾と化す。 25mm振動熱徹甲榴弾が結界など存在しないかのように容易く貫き、3人を消滅させる。 頭を上げる。真上、凄まじい速度で降下してくる最後の1人。突き出した両手に直径1m程の光球があった。 あれを叩きつけるつもりだ。 どれほどの威力かは分からないが、直撃を食らうわけにはいかない。 長針弾では撃破に時間が掛かり過ぎる。25mm重機関砲の砲口を向けようとした刹那、最後の魔法使いの背後にラウディッツがいた。そして、 「ぐ……がぁっ……」 背中から胸を抜け、右腕が魔法使いの体を貫いていた。そのまま右腕を大きく薙ぎ払うと魔法使いの体は上半身と下半身に別たれて床に落ちた。 刀に付着した血糊を払うように、再び右腕を大きく鋭く振るう。魔法を使ったのか、血と油が簡単に完全に落ちる。 「流石だな」 心からの賛辞だったが、ラウディッツは苦笑して呟いた。 「それは俺の台詞だ」 ラウディッツは定位置である両肩に戻る。 不要となった16連装100mm多目的ミサイル発射機、12連装6.25mm機関銃、そして中身が空である背中の特大バックパックを切り離す。 携帯食料、医療品、各種小物など、最低限必要な物のみ詰まった小型バックパックだけが背中に残る。 これで残った武器は頭部長針弾発射機2基、25mm重機関砲、100mm対戦車ミサイル2発、300cm超振動極熱刀、超音速超振動パイルバンカーのみ。 神殿の最奥へ。 足底の自在車輪が最大出力で回転しながら地形に合わせて自在に形状を変化させる。 この先、どんな障害が待ち構えていようと必ずナフィアの元へ辿り着いてみせる。
825 :
中編前半 :2009/05/07(木) 23:20:23 ID:+ygWi1Md
中編前半はここまでです。 快進撃を続ける静とラウディッツの二人ですが、昔からラスボスは強いと相場が決まっているもので…… 次回以降も、少しでも楽しんで読んで頂ければ幸いです。 それでは。
この段階でOVAの内容が出てくるか……。 終わり方がわからなくなったな……。
無敵無敗の岩石巨兵団の小物っぷりがツボだ
直後で悪いけど投下します
第3話 必殺! 愛の戦士・田所カッコマン! ※ 武闘派市民団体E自警団の拠点のひとつ、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを擁する秘密基地・セイギベース3。 敗戦のパイロット・田所正男と、はぐれ研究員・龍聖寺院光は、手狭な作戦会議室に籠っていた。 「ネクソンクロガネビームを跳ね返した、あのバリアはいったい……」 先の戦闘において、改良型のワルレックスが見せた不可思議な現象。金属粒子ビームを、発射したネクソンクロガネに向かって反射 してみせるという芸当を、田所正男は思い出す。 「道路標識で夜間にライトを当てると眩しいものがあるだろう? あれは鏡面だけでなく微小な透明の球体を無数に埋め込み、屈折を 利用して光が照射先に帰っていくよう工夫したものでね」 龍聖寺院光はリモコンを操作して照明を消し、小学生にも分かる単純明快な図説を白い紗幕に投射する。かつては教員志望だったと いう嘘のような本当の過去を持つ彼女は、そういった作業が好きなのだ。 「あの装甲は攻撃に瞬時に反応し、シャボン玉のような球形の重力力場を形成して、似たような効果を得ているんだ。出力上の限界は あるが、今の最強無敵ロボ・ネクソンクロガネでは破れない。そう今の出力では」 「そんなことが……」 愕然とする田所正男に、龍聖寺院光は薄く笑った。 「だが対策なら、ある」 銀幕上で画面が切り替わる。 「これを見てくれ」 円い枠組みの光景。それが道具を通してのみ覗き見ることのできる、極微の世界の様子であることは容易に知れた。 電子回路を思わせる、暗灰色の幾何学模様。張り巡らされた無数の線はいずれも緩慢に脈動を繰り返し、恐らくは液体をその内部に 蠢かせている。毛細血管か葉脈のような、何かの生物組織だと田所正男は当たりをつけた。 「これは?」 「何だと思う?」 生徒の回答を待たずに、先生になり損ねたはぐれ研究員は悪戯っぽい表情で種明かしをする。状況が状況なら思わずトキメいてしま いそうなほど艶っぽい微笑だった。 「これはな、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの構造材質、超ネクソン黒鋼(スーパーネクソンクロハガネ)の顕微鏡映像だ」 田所正男はもはや絶句するしかなかった。金属がこのような動きをするなど、にわかには信じ難い話だった。 「詳細については今後の研究を待たねばならないが、これだけははっきりしている」 龍聖寺院光は核心を突いた。面白がるような声だった。 「超ネクソン黒鋼は、生きているんだよ」 こうしてカッコマン田所正男は、自らの乗る最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが秘める、途方もない謎と真実に向き合うことになる。 ※ 「サッサッサーサーイエーンス、サササッサーサーイエーンス」 調子っぱずれのメロディを口ずさみながら、悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男はご満悦の表情で研究所へと帰宅した。 「快勝、快勝である! さすが悪の天才・悪山悪男、今年で七十七! また自分に惚れ直してしまった!」 とはいえ、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを打倒するために、予想以上に大量のエネルギーを消費してしまった。 活動の続行にはかなり心許ない残量のため、悪山悪男は地下に張り巡らせた輸送システムを使って引き揚げるしかなかったのだった。 それでも「今日はこの辺で勘弁してやろう」という勝者の余裕を持たせた台詞だけは忘れていない。 ともあれ、あの最強無敵ロボ・ネクソンクロガネに土をつけたという事実は変わりはない。孫娘エリスに語る自慢話の種としては申 し分なかった。
「エーリースー? おじいちゃんなぁ……」 数十年は若返った感のあるはしゃぎ声を上げながら玄関に靴を脱ぎ捨てたところで、悪山悪男ははたと気がつく。 「ややっ! エリスのプリチーな靴がない!? ……そうか、とうに帰っておったのか」 それまでのハイテンションから一転して、老博士はがっくりと肩を落とした。結局、この日は愛孫の顔を見ることは叶わなかったこ とになる。一週間に二度しかない団欒のチャンスだというのに。人生レベルのひどい損をした気分だった。 「そろそろリホームするかの」 意地悪にも二人の仲を裂く開かずの扉を思い浮かべ、悪山悪男は苦虫を噛み潰したような顔をした。あれに比べれば自分の悪さなど 全く大したことはないと思う。 (それとも派手にやられて大怪我でもしたら、毎日お見舞いに来てくれるかしらん) とうとうそんな末期的な思考まで浮かんでくる、寂しがり屋のマッドサイエンティストだった。 ただし、捨てる神あれば拾う神もあるものである。 「ムオッ! こ、これは!?」 とぼとぼと廊下を進み、灯の消えた居間の畳を踏んだ悪山悪男は、嬉しい誤算に目を見開いた。 台所の方から漂ってくる、食欲をそそる醤油の匂いに気づいたのだった。 ※ ロボヶ丘市立ロボヶ丘高等学校。 カッコマンスーツではなく黒い詰襟学生服に身を包んだ田所正男は、二年甲組の教室にいた。 類稀な操縦センスをはぐれ研究員・龍聖寺院光に見出されたとはいっても、高校生である彼の本分はあくまでも勉強である。カッコ マンとしての活動をひた隠しにしつつ、田所正男はここでも勉強にスポーツにと青春闘争を繰り広げているのだ。 朝礼まであと数分。ほとんどの生徒が出揃い、最も雑談に花が咲く時間帯である。 予想だにしない結末を迎えた、あの戦闘の翌朝である。一夜が明けたとはいえ衝撃は未だ冷めやらず、絶対無敵ロボ・ネクソンクロ ガネ敗北の話題で持ちきりだった。 ヒーローの不甲斐なさを嘲笑する者もいる、ここぞとばかりに巨大ロボットに関する持論を展開する者もいる、非難の集中砲火に同 情を寄せる者も少しは。 当事者である田所正男は、まるでそうすることが義務であるかのように、感想や意見のさまざまにじっと聞き入っていた。「他人の 苦労も知らないで勝手なことを」とわずかにも思わないといえば嘘になる。だが、今は何より歯を食い縛って自らの敗北を受け止め、 明日への糧にしなくてはならなかった。 ロボヶ丘に猶予なし。昨夜から始まった超特訓を、必殺技を編み出すためのあらゆる試行を田所正男は思い出す。 不発。不発。不発。 不発。不発。不発。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが、地下訓練場の強烈な照明の中を躍動する。 会心の戦闘挙動ならば幾度も実現できた。しかし、違う。そんな機体の性能や小手先の技術に物を言わせたものなどでは、最強無敵 の必殺技たりえない。 『また不発……っ! これでもダメなのか!』 若きパイロットは手応えのなさに焦っていた。 (根本的に発想を変えなくてはならないのか? だが、下手の考え休むに似たりという昔の格言もある! 今はとにかく動いて、やれ ることを手当たり次第にやっていくしか!) 『田所カッコマン! 今の君では、何度やっても同じだ!』 はぐれ研究員・龍星寺院光もまた、心を鬼にして指導に当たっていた。いつになく苛烈な駄目出しが繰り返される。 『最も大切なことを理解できていないのだ、操縦以前の、ヒーローとしての。それがウルトラ致命的!』 『大切なこと……!! それは一体っ!?』 問い返す田所カッコマンに、龍星寺院光は拳を握り締めて叫んだ。 『甘えるでない! 自分の力でそれを掴まない限り、君は悪山悪男と同質の悪でしかない。悪と悪との戦いならば、勝利するのは悪の 天才・悪山悪男だ!』 『悪……!? 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネに乗るこの俺が!』 田所正男は雷に打たれたように仰け反った。 そんなことは許されない。何故なら彼は正義のヒーロー・田所カッコマンなのだ! 『そうだ! 君は正義たれ、田所カッコマン!』 『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』 血と汗と涙の特訓が、夜を徹して行われた。 未だ答えが出る風情はない。
(お陰で疲労に睡眠不足だ……。博士に妙なクスリをもらわなければ死んでいたかもしれん) 「いよーう。まさやん、どうした? 今日はなんか暗いじゃんか。悩み? 寝不足?」 どうしたものかと自分探しをしていると、隣の席の毛山三郎(けやま さぶろう)が話し掛けてきた。肥満気味の体が椅子からはみ 出している。にんまりと人懐こい笑顔を見ていると何となく明るい気分になる、親しみの持てるキャラクターをした同級生だ。 「おはよう。まあ、ちょっとな。あって」 意味をなさない返事だったが、カッコマン田所正男としては言葉を濁すしかない。 「深刻そうだなー。なーに大丈夫大丈夫! どんな嫌なことあってもそのうち勝手に何とかなるって! 根拠ないけど!」 「ははは」 あまりの言いように、田所正男は思わず口の端を緩めた。毛山三郎は広い交友関係の中に、絶えず「大丈夫。根拠ないけど」と無責 任な楽観論を振り撒くのだ。それでいて憎めないのだから得な性格だった。 いい加減に煮詰まっていた田所正男はふと、彼に考えを訊いてみたくなった。 「なあ、必殺技に必要な物って毛山は何だと思う?」 「必殺技? ヒーローなんかの?」 毛山三郎は、彼にしては珍しく、少しだけ考えてから答えた。 「んん? 愛と勇気じゃね?」 ※ (結局……) 放課後になっても、田所正男は自らの致命的な欠陥とやらに見当をつけることができないでいた。 改めて自省してみると、むしろ足りないものだらけという気がする。しかしどれもこれも最強無敵ロボ・ネクソンクロガネとの結び つきで見ると弱いのだった。 取り敢えず今後の特訓の予定を振り返りながら、田所正男は下駄箱の立ち並ぶ玄関口まで降った。 (ん?) 靴を履くにしては不自然な動きをする誰かの姿が目に留まった。よくよく見やれば、ひとりの女子生徒が、赤茶けた雑巾を片手に一 心不乱に清掃をしているのだった。 ロボヶ丘高校の掃除は、昼休みの直後に全員で行うことになっている。放課後の時間帯に掃除をしているのは、美化委員会か、宿題 を忘れでもしたか。 可愛らしい顔立ちをした金髪の少女。田所正男に見覚えがないことから、恐らくは一年生。 群青色のリボンを巻いてひと掴み分だけ左右で結わえ、ほんの少し横幅を延ばしている。子どもっぽくも見える髪型だったが、体格 が小柄なのでむしろ似合っているともいえた。 金髪自体は、ロボヶ丘市周辺ではさほど珍しくない。ただし、彼女のそれの色艶は美しかった。黒髪をこよなく愛する日本男児・田 所正男をも釘付けにするほどに。 だが、それよりも田所正男が見惚れたのは、古びた下駄箱に念入りに磨く彼女の優しい手つきだった。世代を越えて生徒達の履き物 を受け入れてきたものを労わるように隅々まで雑巾を掛けていく。 「ずいぶんと丁寧に掃除をするんだな」 田所正男は思わず声を掛けていた。 金髪の房を揺らして、少女が振り返る。碧眼が田所正男に向けられた。 「美化委員さん?」 「はい」 言葉は少ないが、受け答えはしっかりしている。惜しむらくは愛想がないことか。 「良かったら、名前を教えてくれないか? 俺は田所正男二年」 少女は特に気を許す様子も、警戒した風もなく名乗った。 「悪山エリスです」
『無題』 作詞・作曲/未詳 歌/悪山エリス くずかごのなかで ぼくたちは ずっと まってた すてられる ひを じゃない ひろいあげられる ことでも ない すてても いいよ こわしても いい ぼくたちは そのために うまれたから だけどね たったひとつ おねがいが あるんだ ありがとうって ささやいて それだけでいいから へやのかたすみで ぼくたちは ずっと まってた なでられる ひを じゃない ほこりがはらわれる ことでも ない そまつに されたって おこらない けど ぼくたちを たいせつに つかってくれた だからね たったひとつ おねがいが あるんだ ありがとうって いわせてよ それだけでいいから
田所正男は、しばらく呼吸するのも忘れ、美化委員・悪山エリスが黙々と掃除する様を見つめていた。 (俺は……今までロボットの気持ちなんてものを、考えたことがあっただろうか) それは、田所カッコマンとしての自問だった。 “彼”が生き物だということを知らされてさえ、機体を思うがままに操作することばかりを考えてはいなかったか。 なるほどそうすることも器物との正しい関わり方の一つには違いない。 だが、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの場合は、どうなのか。 (そうだ) ようやく探り当てた確かな手応え。 (俺に足りなかった大切な物それは!) 言葉にすれば一笑に付されてしまうような、クラスメイト・毛山三郎も挙げたものに他ならなかった。 「悪山さん」 「はい?」 田所正男は心からの尊敬を込めて、悪山エリスに頭を下げた。 「……ありがとう。おかげで目から鱗が落ちた思いだ」 唐突な感謝に、悪山エリスは小首を傾げた。金髪が撫で肩に零れる。 ちょうどそのときだった。 田所正男のポケットの中で、彼にしか分からない程度の微振動が起こったのは。携帯電話のバイブレーションではない。それはセイ ギベース3の関係者専用の、ポケベルに近い暗号通信端末だ。 「っと」 画面を横切っていく文字列は、緊急事態の番号だった。 「用事もできたことだし、俺はそろそろ帰るよ」 「そうですか」 「じゃあ。ありがとうな!」 相槌のような素っ気ない挨拶に片手を上げ、田所正男は正面玄関を飛び出していく。 自転車のある駐輪場へ走りながらセイギベース3に連絡を入れると、はぐれ研究員・龍聖寺院光にすぐさま繋がった。 『田所カッコマン! 悪山悪男の機械怪獣だ! ……出るだけ出られるか?』 いつも冷然としている彼女には珍しい、不安げな響きだった。 「博士」 『どうした……?』 言葉が自然と口から滑り出す。声音は真剣そのものだった。 「ご心配には及びません。あなたは今、愛に目覚めたカッコマンと、話しているのですよ」 田所正男は「失礼」と囁き、通信を切断。 冷静に考えなくても常軌を逸した台詞だったが、龍聖寺院博士の唖然としたさまを想像するとなかなか痛快でもある。 今の田所正男は、無敵だ。 (そういえば……) 宿敵・悪山悪男の名を聞いたとき、一瞬あの少女・悪山エリスの顔が脳裏に現れた。当然ながら顔の造作も一見しての性格も全くの 別物なのだが、どことなく雰囲気に近しいものを感じていたのだ。 (……まさかな。悪山なんてありふれた苗字だ) 田所正男は一抹の疑念を振り払うと、秘密基地・セイギベース3への道を急ぐのだった。 そうだ! 速く! もっと速く! 駆けるのだ田所正男! いや愛の戦士・田所カッコマン! ようやく掴んだ答えをその手に握り締めて!
※ 「ようやく我が科学力を存分に見せびらかせる日がやってきた! 見よ! エネルギー注入のついでに更なる進化を遂げたニューマッ シーン、誰が呼んだかゴクワルレックス! あの最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを粉砕した、恐怖の化身の再臨でああある!」 赤銅色に燃える金属の暴君竜は、ロボヶ丘の市街に三度その巨体を現した。ひどく興奮した口上の主は、もちろん彼だ。 「だ、誰か最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを!」 「ダメだ! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは当てにならねぇ! こうなったらオレが!」 騒然とする無辜の人々。何やら腕まくりをする男もいたが、巨象に挑む蟻んこよりも果敢ない抵抗だった。 「愛すべき一般市民ども、儂を崇め讃えよ! この悪のマッドサイエンチスト・悪山悪男を! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネに期 待しているなら無駄なこと! あんやつは来るまい! 儂が完膚なきまでに叩きのめしたのだからな!」 だが、悪山悪男が、老人とは到底信じられない肺活量を披露したその時だった。 「果たしてそうかな!? 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男!」 強い意志を感じさせる若者の声に遅れること数瞬、空の高みより降臨する巨大な物体。狭隘な空間を見晴るかすために着地はやわら かい。だが、腕の一振りで烈風を巻き起こす力を秘めている。 それは、巨人族の重戦士ともいうべきスーパーロボットだった。 闇と光の混在する装甲は、黒曜石の祭器を思わせる。陽光に輝く文様は、魔王の居城に絡みつく黄金の蔦。 カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。 誰かが言った。 勇者の復活を待ち侘びた天が、地が、人々が口々に呼んでいたのだ! その名は、 「SO!」 「ネクソンクロガネ!」 「最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ!」 「YES……」 歓声に応えるパイロット、田所カッコマン。言うまでもないが彼もまた健在であった。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが再び、悪山悪男の野望の前に敢然と立ちはだかる! 「ふぅっふうん。前回とは王者と挑戦者の立場が逆じゃが、ちゃんとパワーアップしてきたか? 生半な攻撃では、我が悪山理論が生 み出したゴクワルリフレクチブシールドは崩せるまい!」 「悪山悪男。お前には聞こえるか、巨人の聲(こえ)が……」 田所カッコマンは、悪山悪男の台詞を無視して、一方的に言葉を投げつける。 「……何じゃって?」 「“全ての物に心は宿る”。ある少女に俺が教わったことさ……」 「当たり前のことを偉そうに! それがどうしたぁ!!」 「いいや! お前には聞こえていない! 悪のマッドサイエンティスト、悪山悪男! 早く気づくんだ、ワルレックスの気持ちに! そいつはお前の心を癒すため、敢えて悪事に付き合っているだけだ! 本当は、誰も怖がらせたくはないのに!」 違う。言っていることは脈絡がなさすぎて意味が分からないが、これまでの我武者羅に手足を振り回していただけのカッコマンとは 何かが違った。これではまるで……。 (愛の戦士……!?) 悪山悪男は無意識に一歩、ゴクワルレックスを後退させていた。 (圧倒されている? この悪の天才・悪山悪男が? 馬鹿な……ッ!) 「俺は最強無敵ロボ・ネクソンクロガネを信じる! そしてワルレックスをも信じたい! だから戦う、俺達なりのやり方で!!」 嗚呼、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! 漆黒の英雄巨人の碧の瞳に、強い光が宿る――!!
「……掴んだようだな」 セイギベース3の作戦司令室。大型モニタで戦況を見守っていた美貌のはぐれ研究員が、振り返って白衣を翻す。 「もしも、超ネクソン黒鋼との交信によって、生物と無生物の断絶を突破できるとすれば」 戦いの結末は見届けるまでもない。 何故なら彼らは愛の戦士・田所カッコマン、そして最強無敵ロボ・ネクソンクロガネなのだ。 龍聖寺院光の朱を引かれた唇は、ひとりでに戦唄を口ずさんでいた。 「最強無敵の必殺技・ネクソンクロガネアニヒレイター。それが、奥義だ……!」 『必殺! ネクソンクロガネアニヒレイター!!』 作詞・作曲/龍聖寺院光 歌/龍聖寺院光&田所カッコマン ダーク ダーク ダークネス 闇に蠢くダークネス 引き裂く光 覚悟は不退転 奇跡を起こすぜ 最強無敵のネクソンクロガネ 今 怒れる神の合力を ※エネルギー解放! コンデンサ灼ききり! ホ・ト・バ・シ・ル! 勇気! 放て必殺! ネクソンクロガネアニヒレイター! ヒート ヒート ヒートアップ カラダの火照りをヒートアップ 照準(ねらい)はハート お前を信じる こいつでトドメだ 最強無敵のネクソンクロガネ 今 全てのモノに愛の手を エネルギー燃焼! リミッターぶちぎれ! モッ・タ・イ・ナ・イ! 精神! 決めろ必殺! ネクソンクロガネアニヒレイター! ※くりかえし 砕け邪悪を! 必殺ッ! ネクソンクロガネッ――アニヒレイタァアァァアッ!! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが光を帯びて疾走る! かつて竜の時代を終わらせた巨大隕石のように! 悪山悪男に知覚できたのはそこまでだった。 「たっ、退避! いかん! もう間に合わうわああああっ!?」 暖かくさえある浄化の光が、機械仕掛けの暴れん坊を呑み込んでいく。 意識を手放す間際、老博士の脳裏に去来したのは、愛する孫娘を膝に乗せて恐竜図鑑を広げた、そんな幸福な時間の記憶だった。 「エリス……」 ホワイトアウト。 …………――――! 誰もが、眩惑から覚めるのに十数秒を要した。 恐る恐る瞼を持ち上げた人々は見たもの、それは聳え立つ英雄巨人と、その傍らで眠る鋼の竜という神話の光景。 ゴクワルレックスに目に見える破損はない。中の悪山悪男も、恐らくは無事。ただ、爬虫類の顔からは、心なしか表情の険が取れて いるようにも見えた。戦うことを止めたのだ、機械の暴君竜は。それ自体の意志で。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネはそれを可能とする。 「全ての物には心が宿る。そうだな」 コクピットの中で、田所カッコマンはもう一度口にする。 実感を伴って心に馴染んだ言葉は、もはや受け売りではなかった。 「ありがとう、ネクソンクロガネ」 田所カッコマンは、誇らしげに操縦室の計器盤に拳を当てた。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは、相変わらず物を言うことはない。しかし愛の戦士となった田所カッコマンには分かるのだ。 操縦装置のスティックもペダルも、心が重ね合わさったように動く。 ふたりでのガッツポーズ。 そうして、ロボヶ丘における正義と悪の戦いは、ひとまずの決着を迎えた――
※ ――かに思えた。 「あれがネクソンクロガネ。最強無敵ロボですか。来日してすぐに拝めるとは、イッツァミラクル(それは僥倖です)」 しかし見よ。双眼鏡を手に、街路樹の木陰から全てを見ていた男がいる。針金のような長身に黒いスーツ。 瞳の異様な昏さを眼鏡で覆い隠した、それは危険なかほりの男。 「あるいは我ら悪の総本山・ワルサシンジケート最大の障害になるやもしれませんね。……何ですって、イッツァミラクル?(有り得 ませんか?) ……フフ。油断は敵にミラクルを起こしますよ」 彼は携行する通信機で何者かと会話している。口調や物腰こそ丁寧だが、そこに他者に対する尊敬などといったものは微塵も感じら れない。慇懃無礼な怪人物というべき。 「組織の最上級エージェント、いえ最上級ワルジェントの地位にあるこのワタクシ、イッツァ・ミラクルの名において、シロガネ四天 王に召集を」 眼鏡の男の唇が酷薄に歪んだ。 「敵は、くだんのロボヶ丘にあり」 魔笛が轟くような音がした。遊戯に興じる悪霊じみた狂風が一陣、束の間の平穏に沸く巷間を通り過ぎたのだ。既に喉元に魔手を掛 けるところまで迫った、新たな脅威の兆しのようでもあった。 「イッツァ、ミラクル(それは、奇跡です)。まことにミラクル」 黒い男が踵を返し、路地の薄暗がりに融けていく。 遂に姿を現した悪の総本山、ヤツらの名はワルサシンジケート! そこからやってきたという危険な男、イッツァ・ミラクルの暗躍は、ロボヶ丘に何をもたらすのか!? 突き止めろ! 田所カッコマン! そして粉砕せよ! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! 新章につづく!!
以上!!! しっちゃかめっちゃかになったけど、笑って騙されてください
一回がどうしても長くなるなー ロボット動かすだけになるとやっぱりつまらないんだよね・・・ んでロボは描写しないといけないものも多いし
>>837 騙されずにツッコミ倒したが笑って楽しんだ。GJ
>>838 その書き込みだけだとよくわからないけど、それに適切な長さであれば、長いとか短いとかは問題ではないかと思う。
字数制限のある賞とかに応募しようとかそういうんじゃないんだろ?
>>839 どちらかというと配分かな
てかあんまり2ch投降のネタで複線を重々に張ってくってのはやめた方がいいなと最近理解した
きっとわかりやすいのじゃないと覚えてる人はいないだろうし
結果は勿論だけど過程をある程度大事にしたいんだけれどこういう所に投降するネタだと
結構テンポよく、素早く進めていかないと読んでる人のモチベーション的にもアレなんだろうなーと思う
メカニックの描写もくどくしすぎると書いてる人は満足だけど、わけわかめになりやすい気がするし
無駄に長くなる、とはいえ、さっさと閉じるのも味気無いし
こういうのを煮詰めていくとどうしてもギャグテイストのが書きやすいという結論になっちゃうのが色々困り所
842 :
839 :2009/05/13(水) 00:31:14 ID:ybITaWHw
>>840 ああなるほど、そういうことでね。
俺もSSとか投下してるから、軽いタッチのものの方が反応がいいのは実感としてわかる。
伏線や象徴的表現等を使った読み込みが要求されるものは、こういう書き込みの方式ではどうしても不利だし。
ただ、読者としての視点で考えると、文章・設定的に練り込まれたものには
(面白い面白くないとは全く別に)レスを付けにくいのも確か。
そういうものを読み込んで解釈してレスしようとすると、どうしても長くなるから。
短いものにそういうことをきっちりやると作品そのものより長くなったりしかねない
(文芸評論とかみればこれが大袈裟に言ってるのではないとわかると思う)。
これが例えば自サイトとかに掲載して感想はサイト内の掲示板に書き込むとかだと変わってくるはず。
だから、そういうバイアスがあるのを考慮に入れて、否定的なレスが集まっているのでなければ、
「少なくとも積極的に嫌われているわけじゃないんだな」と判断して続けるのも一つの手だと思う。俺はそうだし。
1番悩むのはロボットの操縦方法だよな。 OSに設定された動作を行うガンダム方式とかって、決められたパターン通りにしか動けないからなぁ…。 モビルトレースみたいなのは移動に関して疑問が。 コックピット内を歩くのか? 理想はナデシコみたいな脳波コントロールか。 ところで、ガンダムのコックピットってそのままコアファイターになるだろ? って事は、ガンダムの操縦って戦闘機と同じなんだろうか…
>>843 初代ガンダムだと両サイドの操縦桿以外に、真ん中にもあったな。
人型を地上で操作するのと航空機を飛ばすのでは、同じな訳ないと思うんだけどw
共用の操縦システムでも切り替えは出来るだろうしね。
トランスフォーマーの小説を書こうと 思ったが挫折した。 G1はキャラが個性豊かすぎる…
どうも、酉変更したTuerunの作者です。やっと規制が解けましたorz すげー長くなっちゃったけど近日中に続きを投下します
戻ったかッ!
>>845 おお、意外なところで同士発見。
っつってもオレは、ユニクロン三部作の方だがな。
……トランスフォーマーが「ロボットモノ」に該当するのかどうかは
若干気になるところだが……
>>848 これ以上ないくらいロボットモノだろうよ
トランスフォーマーの場合、 キャラでありメカでもあるってところが迷わせるんだろうな。
>>850 超分かりやすくまとめてくれてありがとうw それだwww
だがここに含まれると言われてもちろん否はない。
色々と忙しくだいぶ時間がかかってしまいましたが、中編後半、投下します。
853 :
中編後半 :2009/05/17(日) 20:52:48 ID:vQh9NBIL
電力節約の為に振動熱機能を切った300cm超振動極熱刀で敵を真っ二つに斬断する。 振動熱機能抜きでも刀身はダイヤモンドより硬く、斬る日本刀と重量で叩き潰す西洋剣の特徴を兼ね備えた斬撃は如何なる敵をも斬り裂く。 神殿内は全高4mの超重装甲強化服改でも移動に困らない程広いとはいえ、所詮建物の中。全長3mの刀で敵を斬るのは容易であった。 弾薬を節約する為300cm超振動極熱刀を主に、長針弾の単発射撃で急所を射抜き絶命させる。 魔法使いのように厄介な敵には遠慮無く25mm機関砲の単発射撃で瞬殺。 こちらの対応出来ない相手はラウディッツが魔法で片付けてくれる。 敵に一切の攻撃を許さぬまま、一方的な殺戮行進は続く。 「ラウディッツ。ナフィアがいる場所は分かるか」 「ああ、恐らく地下だ。とんでもない邪気を感じる」 丁度、下へ降りる階段が見えた。階段の前に立ちはだかる敵を体当たりで轢き殺し、一気に駆け降りる。 進みながら敵を殺し、階段を降りていく。そんな行為を作業のように数度繰り返した後、広い空間に出た。 地下に築かれたにしては、随分大きい部屋だった。 真正面に扉があり、それを塞ぐように全高10mの鉄巨兵が立っていた。 その足元にいる戦場に不釣合いな豪奢な衣服と金銀に輝く装飾品を身に付けた小太りの男が、こちらに不敵な視線を向け鼻を鳴らし、朗々と語り始めた。 「よく来たな、魔王。そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵よ! 我が兄者が率いる不死の暗黒兵団を退けた事は褒めてやろう。 だがこの私を兄者と同じように簡単に殺せるとは思わぬ事だ。 何故ならぶぅわぁッ!?」 25mm振動熱徹甲榴弾で喋っている途中の男を消し飛ばす。 「……お前は本当に容赦無い奴だな」 「そうか?」 急いでいる途中だから無駄な行動を控えているだけなのだが。 先に進もうとした時、鉄巨兵が動き出した。 発射した対戦車ミサイルが鉄巨兵の胸部に直撃。胴体が完全に消滅し、分解蒸発していく頭部と四肢は床に落下すると脆く崩れ砂状になる。 これで対戦車ミサイルは残り1発のみ。扉を進み、奥の階段を降りていく。 「セイ、もうすぐだ」 再び広い空間に出た。真正面には奥へ続く扉。 今度は鉄巨兵と小太りの男はおらず、大部屋の中央に男がいた。 身長2mの巨漢。手足は丸太のように太く逞しい。金色の短髪に、羅刹の如き厳しい顔。 猛獣ですら恐怖のあまり動けなくなってしまうのではないかと思えるほどの鋭い眼力。 オーラ。そう他に表現しようがない、凄まじい威圧感を感じる。 そんな男が両腕を組み仁王立ちで俺とラウディッツを凝視していた。 背筋に寒気が走る。足を後ろに下げそうになって、必死でこらえる。 今まで様々な修羅場を潜り抜けたつもりだったが、たった一睨みで「飲み込まれそう」になったのは初めての経験だ。
854 :
中編後半 :2009/05/17(日) 20:54:36 ID:vQh9NBIL
「よくここまで辿り着いたな、魔王ラウディッツ。そして、鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵よ」 重く低い声が男の口から発せられる。こちらを睨んだまま続ける。 「邪悪なる帝国に世界の平和は失われ、恐怖と暴力の時代が訪れる。 強き者が生き、弱き者は死ぬ弱肉強食の世。多くの人々が虐げられ、闇に生きる者達は闇にしか生きられなくなる。 大地に響き渡る嘆きと悲しみの声。 邪悪なる帝国の力は益々強くなり、絶望が覆い尽くさんとする。 一縷の望み、僅かな光。残された最後の希望が途絶えんとした時、遠き遥か彼方より救世主が現れる。 東の果ての海に姿を現す、太陽の旗を掲げる民の都。その都を守りし鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。 人々よ、信じ願え。太陽の旗を掲げる民の都は必ず現れる。 そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって邪悪なる帝国は打ち倒され、闇にしか生きられなかった者達を光射す未来へと導くであろう」 男の口から語られたのは、この世界に古くから伝わるという伝承だった。 太陽の旗を掲げる民の都。鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。 知らぬ者はいない救世主伝説。 「何者だ」 ラウディッツが肩から降りて脇に立ち、男に問いかける。 「我はジャーク。ジャーク魔法帝国皇帝、ジャークである」 ジャークだと。この男が皇帝? 想像していた姿とは随分違う。 鍛え上げられた肉体。威風堂々と立つ様は雄々しく、皇帝というより覇王と呼ぶに相応しい。 「貴様が……!」 あらん限りの憎悪を込めてラウディッツが睨む。だが皇帝は、ジャークは魔王の殺気を込めた視線に微動だにしない。 ジャークに人差し指を向け、ラウディッツは吼える。 「皇帝、貴様の命運はここで尽きる。伝承通りに現れた太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって 帝国は滅ぶ。この場で貴様を殺し邪神の復活を阻止して全てが終わりだ!」 「全てが終わり、だと。何も分かっておらぬようだな」 「何ィッ!?」 冷静沈着なラウディッツだが皇帝を前にしてか、気が最大限に高ぶっていた。そのラウディッツへ重く低い静かな声音でジャークは告げる。 「確かに伝承通り太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は現れた。 その力は確かに絶大であった。ラウディッツ、貴様の率いる魔王軍を潰すべく送った100万の兵を蹴散らされたばかりでなく わずか3日で帝国の最奥深くへ攻め込んだ。今、外で戦っている我が帝国の兵達は最早壊滅寸前となっている。 帝国軍の再建には最低でも数十年はかかるであろうな」 「それが終わっているというのだ。貴様は遊戯盤で言う王手の状態だ。貴様という王を倒して全て終わりだ!」 「やはり何も分かっておらぬな」 「何だと!?」 「盤上の駒が全て無くなろうが問題ではない。全てはこの時、この為だけにあったのだ」
855 :
中編後半 :2009/05/17(日) 20:55:36 ID:vQh9NBIL
この皇帝の余裕は何なのだろうか。あらゆる不利を帳消しにする切り札。考えられる理由は……。 「邪神を復活させれば他の事はどうでもいい、という事か」 ジャークがこちらへ視線を向ける。 「違うな、日出ずる国の兵よ。邪神復活は余興。暇潰しの遊戯に過ぎぬ。我が最大の目的を達する道に添える、いわば花のようなものだ」 「最大の目的?」 邪神を復活させるのが最大の目的ではないのか。 「まだ分からぬか。ならば教えてやろう」 ジャークの鋭い眼光が俺とラウディッツを射抜く。 「我が望みは日出ずる国の兵をこの手で殺す事だ。 ラウディッツよ。帝国が本気を出せば貴様の魔王軍を潰すなど容易であったのだ。だがあえてそうはしなかった。 鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は帝国を滅ぼし世を救うという。 伝承通りに現れた日出ずる国の兵が我が手で無惨な骸と化し希望が絶望へと変わった時 下らぬ伝承が叩き潰される様を見た者共は真に心の底から帝国に服従するであろう。 それが我が最大の目的。救世主伝説を大陸の全土に広めたのは我がジャーク帝国なのだ。 ラウディッツ、貴様は殺さぬ。お前は時代の証言者として、このジャークの勝利を永久に語り継ぐ語り部となるのだ」 「断る。今この場で貴様を殺して全てを終わらせてやる!」 「待て、ラウディッツ!」 静止の言葉をかけたが既に遅く、ラウディッツはジャークへ全力で駆けていた。 「ジャーク覚悟ぉっ!」 極限まで濃縮された魔力が纏わりついた右腕を鋭く速く突き出す。究極の魔法拳。大岩をも粉々に砕く拳打。 しかし、ジャークには全く通用しなかった。 腕を組んだまま微動だにしないジャークに向かったラウディッツは、拳が当たる寸前で弾かれたように後ろへ吹き飛び部屋の壁に激突し体の後ろ半分が埋もれる。 その後、力無く体を崩し、前のめりに倒れた。 何が起こったのか分からなかった。ジャークはただ立っていただけだったはずだ。一体何をした。 「生きてるか、ラウディッツ」 「……何とかな」 苦しそうに片膝を突き体を起こす。ダメージが深いのか、すぐには立てないようだ。 「魔王というから少しは楽しめるかと思えば、この程度とはな。さて、貴様はどうかな」 ジャークがこちらへ視線を向ける。魂を射抜くような鋭い眼光。 「無論、お前を殺す。ナフィアを救う為にも」 「ナフィア。確かあの娘の名前だったな。だったら早くする事だ。もうすぐ邪神は復活する。そして邪神が復活した時、生贄である娘は死ぬ。 あの娘を救いたくば、我が屍を越えていくがよい」 「そうさせてもらう」 躊躇無く最後の対戦車ミサイルを発射した。音速を超える速度でジャークに直撃した対戦車超振動極熱ミサイルは ありとあらゆる物質を分解蒸発する超振動波と極大特殊熱を撒き散らす。 前方を爆煙が包む状況で、右脇の3連装100mm対戦車ミサイル発射筒を切り離した。 「やったか」 あれの直撃を受けて生きている人間など存在しない。科学力では圧倒的に上回る、日本本土の人工人間でも耐えられないだろう。 耐えられないはずだった。 晴れていく煙の中から最初に見えたのは、突き出された太く逞しい右腕だった。 それが誰の腕かは煙が晴れてすぐに分かった。無傷、かすり傷すらついていない皇帝ジャークが目の前に立っている。 「我が拳を抜かせるとは、少しはやるようだな。だがその程度の力では我を殺す事は出来ぬ」 全く動かなかったジャークが格闘技のような構えを取る。 「天に光輝くは我が主星、天極星のみ。我が拳で砕き潰してくれるわぁッ!」 凄まじい速さで踏み込んでくるジャークに、300cm超振動極熱刀を全力で振り下ろした。 下手をすれば握っている右腕が分解蒸発しかねない過負荷出力。究極の破壊力が秘められた刀身は皇帝を……
856 :
中編後半 :2009/05/17(日) 20:58:19 ID:vQh9NBIL
中編後半はここまで。次回から後編になります。 静とラウディッツの二人は皇帝を倒せるのか。 邪神は復活してしまうのか。 そしてナフィアの運命は。 静は奪われた恋人を救えるか。愛を取り戻せ!
youはショック!! なんかいきなり世紀末に!?
ギィオォ!! ロボットがうまく描けん(´;ω;`) 単刀直入に、みんなはどんな描き方してるの? 私の場合はササっとラフ→クリーニング(?)→ペン入れなんだけど、なんか歪んでるんだよなぁ。
こさえた伝説ぶち壊して絶望させるってすげえ壮大な計画だなw
>>858 ロボ描いてる人あんまいない・・・
ついでにゼノとリベジオンとパラベラムとタウエルンと新作まぁだー?
呼ばれたような気がして俺、参上!
>>858 自分は鉛筆でササっと描くだけでござる……
>>858 えー、これよりー、投下をー、開始ー、いたしまーす
<−−−−残念、私ハキングジャナイ> ぐしゃっ。 巨大な鉄塊に叩き潰され、ぐしゃぐしゃに歪んだ一ツ目が他の部品と一緒に宙を舞った。 パラベラム! Ep 03:舞い降りた、漆黒の巨人。 首から上がほぼ消滅したサイクロプスを一瞥。無言で大鎚を持ち上げ、ぽいと放り投げる。放り投げられた大鎚は出てきた時と同じ音を立てると、光の粒子になって空へと還っていった。 それを見届けた後、首を捻る。ごきり、ヤバめな音が響いく。これはひょっとすると長期休暇が必要かもしれない。 そんな事を考えていると、背後から足音が聞こえてきた。これはきっとリヒトだ。 「……なんだよ、本当に終わらせちまったのか」 <王将じゃないなら飛車なんですかね> 「角なんじゃねぇの」 <なるほど> 穏やかな風が吹き、木の葉が擦れる音が聞こえる。空を見上げれば、そこにはゆっくりと流れる雲。ああ、小鳥の囀りと降り注ぐ木漏れ日が実に心地良い。−−−−ああ、今日はいい日だ。 「で、今のは何の話だ?」 お互い近くの木にもたれ掛かる。 <追っ手が二機以上いたようで> 「なるほど」 今度は先程よりも強い風が駆け抜けた。リヒトのざんばら髪が揺れ、木の葉は舞い上がる。静寂の中を、風が踊る。 「……つまり」 <るーるーるー> 「さっきの三つ編みロリータが危ないと……おーい話を聞けー」 手にしたロッドでヘーシェンの顎のあたりを小突く。 <るるるーる−−−−るーるーるー……何ですか、人が現実逃避してるところに> 「お前が逃げるな」 <まあ、か弱いうさぎっ娘に何て事を> くね、としなを作ってみせる。気色悪い。 「お前が身長一五○センチ以下の美幼女だったら、例え腕っ節が強くても同意してたのにな」 <……先程のロリータは見たところ一五○センチ以上ありましたが?> 心なしかムスっとした声で、ヘーシェン。 「……マジで?」 <マジです> 「そうか、だが許容範囲内だ。パッと見かなりの童顔だったしな」 <はあ、さいですか。このけだものめ> 「所詮人間も獣なんだよ。……で、だ」 <はいはい> 「……俺達はこんな所でまったりしていていいんだろうか」 数瞬の静寂、そして。 <……駄目ですね> ♪ ♪ ♪
「……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」 遺跡の壁が足音を、息遣いを反射させる。 背後から迫る“それ”の感覚。まだ大丈夫、まだ遠い。 「何で私が狙われるかな……!」 オートマタが自分を付け狙う理由が全くわからない。自分が神子でない−−−−つまりマナを供給する事ができない−−−−以上、狙われる理由は無い……はずだ。 「あぁっ、行き止まり!」 どうやらこれ以上は進めないらしい、万事休すか。 振り返る。まだ“それ”の姿は見えない。 いっそ、死ぬ覚悟で突撃してみようか−−−−いや、駄目だ。死ぬ覚悟をしようが何しようが、勝てる見込みが無い。それならあがいたほうがまだ助かる可能性がある。部屋の隅でローブを被ってじっとしていれば、見つからないかもしれないのではないか。 部屋の隅へと、素早く、音を立てずに移動を開始。壁にもたれ掛かり−−−− ……空気の流れる音? 「風が流れてる……?」 つまり、あの先に出口があるということだ。……これは何とかなるかもしれない。問題はどうやってこの壁を突破するか、だが。 「あ、そういえば」 ローブの下をまさぐり、パイナップルのような形をした物体を取り出す−−−−手榴弾だ。それも、攻撃用の。 「でもこれで爆破できるかどうか……。」 手榴弾の攻撃力は爆散する破片によるところが大きく、爆発による威力はそこまで高い物ではない。 壁を押してみると、ぐらぐらと揺れた。それに見たところ脆いのはこの壁だけで、他はしっかりした造りになっている。爆破した瞬間生き埋めにはならないだろう。 「うん、これならいけそう」 安全装置のピンにワイヤーを括り付け、壁の前に設置。離れてからワイヤーを引く。 爆発までは大体五秒。隠れる場所が無いため全力ダッシュでさらに距離をとる。 遠くで爆発音と壁の崩れる音がした。成功だ。 「やった!」 瓦礫を踏み越えて、その向こう側へと歩を進める。しかし、そこにあったのは出口ではなく−−−− 「……え?」 道が無い、壁が無い、天井が無い。何らかの事情で吹き飛んだのか崩れ落ちたのか、それはまさに断崖絶壁。眼下に広がるのは暗闇だけだ。 −−−−詰んだ、完璧に。 がくり、と力無く膝からくずおれた、その時だ。 <ヨウヤク、追イ付イタ> 追い撃ちをかけるように響く声。 「−−−−ッ!?」 悪い事は連続するものだ。恐る恐る振り返ると、案の定野良オートマタが一機、こちらを見下ろしていた。先程の個体とは違う、スマートな機体。 <サア、賢者ノ石ヲコチラニ渡シテモラオウ> 遥が吹き飛ばした壁の穴を広げて、派手なオレンジ色の腕が迫る。 「け、賢者の石!?」 <ソウダ。ソレサエアレバ、忌マ忌マシイ神子共ニ尻尾ヲ振ル必要モ無イ!> つまりどういう事なのだ。まったく話がわからない。 「賢者の石なんて知りません!」 <気丈ダナ、アクマデモシラヲ切ルカ……。ナラバ> しゃきん。 野良の腕から、鋭利なブレードが飛び出した。 <殺シテデモ、奪イ取ル>
今度こそ、殺される……! 恐怖に目を固く閉じる。瞼の裏に貯まった涙が一筋溢れ出した。 機体と同じ、毒々しい色の刃が風を切って頭部へと振り下ろされた。が、 <グェァァァッ!?> 「……え?」 固く閉じた目を開くと、自分の頭を切り落とすはずだった野良の腕が宙をくるくると舞っていた。 <大丈夫ですか、マスター。賢者の石を持つ人よ> 眼前に舞い降りた、漆黒の巨人。 黒き鎧を身に纏う、赤い目の騎士。 「……あなたは?」 <貴様ハ……!> 突如として出現した巨人はゆっくりとこちらを振り返る。 <型式番号はM-12。名前はまだありません> 淡々とした、しかし滑らかな男性の声。 <……前方の機械人形を自己の判断で敵と見なして排除します> 腕を振るって、付着した液体−−−−オイルの類だろうか−−−−を振り落とす。ひゅんっと小気味いい音が鳴り、血のようなそれが壁に降り懸かった。 <M-12……! キ、貴様“ペネトレイター”カ!> 後ずさる。表情こそ無いが、畏怖と焦燥が見てとれた。 <回路接続。マナ供給、開始> 歩み寄る。余裕こそ見られるが、油断は無い。その身体が内包する威圧感に、周囲がびりびりと震えた。 <セ、セッカク見ツケタンダ、賢者ノ石!> 残された腕からブレードが飛び出す。 <コンナトコロデ、コンナトコロデヤラレテタマルカ!> 跳躍。その鋭利な切っ先をもって、肩の関節を叩き切らんとする。 <俺ハ自由ニナルンダヨォォ−−−−ッ!!> 「危ない!」 命中。しかし、 <ナ!?> <防御、成功> −−−−その攻撃は当たりこそすれ、騎士を傷つける事は叶わなかった。腕の甲に集中させたマナの盾に阻まれたのだ。そのまま野良を振り払う。 <反撃、開始します> 腕に纏うマナの光が、盾から矛へと形を変えた。同時に背部のブースタを点火、噴き出すマナの光が美しい。 手を腰だめに構えて急加速。 <ヤ、ヤメ> 超高速の貫手が、耳をつんざく不快な音と共に野良の中へと侵入した。オイルが飛び散り、顔に掛かる。黒い騎士が目を細めた。 無言で胴体に刺さった腕を引き抜くと、支えを失った野良がその場に倒れ伏した。もうぴくりとも動かない。 <目標の沈黙を確認> いくらかの間を空けて黒い機械人形が告げた。 「お、終わった……?」 安堵し、溜息をつく。全身から力が抜け <……付近に機械人形の反応をキャッチ。システム、戦闘モードを継続します> なかった。背筋が伸びる。 「また!?」 二度ある事は三度あるらしい。やはり不幸は連続するもののようだ。 <マスターは離れていてください> 「あ、は、はい」 立ち上がると、身体の節々が痛みを訴えた。しかしまだ、事は終わってはいないのだ。 −−−−次回へ続く
今日はここまででございます Yahoo! BBが規制喰らったので携帯で書いております('A`)
乙。携帯からって大変そー。 ギミック抜きに戦闘が凝ってて面白いと思う。 あーっと前も言った様な気がするけど、場面転換して主観が変わることあるじゃん? 三人称に見せかけてるけど、実質一人称的に。次のEpに行くときもそう。 読み手としては、今誰について語ってるんだっけ?って思うんだよね。まじめにキャラ立てようとしてるのにもったいないよ。 せめて最初だけでも誰それは・・・って入れておくと戦闘も分かりやすくなるし、個々のキャラも印象に残っていいかなーと思うの。
866 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/19(火) 17:13:12 ID:lF0BaUFg
ストパンに対抗して第一次大戦くらいの国を擬人化した婦女子向けロボットものがあってもいいと思うんだ
>>865 アドバイスありがとうございます。
失念してついいつもの通り書いてしまいました、なんてこったい。
以後気をつけます!
やべぇ……全然筆が進まないorz もちっと待っておくんなまし
もうちょっと待ってねー ちょっと時間取れなくて執筆できない状況にあるせいで遅れてます…
すいません。今洒落にならないくらい忙しいんでもうしばらくは書けそうにないです
生存確認完了。我眠りにつくなり 感想は書くとは限らぬが、いつも続きと新作を熱望しているなり 見送りご苦労なり
ちょっと久し振りに失礼しますよん
吹き荒れる! 吹き荒れる! 林立する高層建築物を悉く抉り飛ばし、駆け抜ける疾風粉塵鉄片火花。 黒の瘴気を纏った魔族ドルンドメオンと、青い稲妻と化した生ける鋼鉄スプリガン。二大巨人の激突に、一帯 の次元さえ歪んで見える。 スプリガンの名乗りを受け、かの漆黒の魔族もまた名を告げた。ニ、三分ほど前のことである。 「我がお相手いたそう、人族のスプリガン。我が名はドルンドメオン。猛甲ラピュラパズロイの仔である甲属魔 族、その遊撃種兵隊カーストたるドド系列の六十四世である。流儀はなく、ただ始祖より受け継ぎし闘争の遺伝 子のみがある」 一説によると、魔族には“技”が存在しないという。これについては今もって疑問の余地が大きいが、進化す るうちに最適化されて本能に組み込まれた一連の動作と、格闘技や剣術といったものが追求する術理とは異なる と言えなくもない。 瞬き一つの間を挟み、虚を突くように闇黒が躍動した。 それが戦闘の始まりだった。もう一体残った紅蓮の魔族オルピヌスは、それが己の職分であるとスプリガンの 性能の見極めに掛かったために、まずは一対一。 目まぐるしく立ち位置を入れ替え、ビルの壁面を使って立体的に立ち回りさえしてのける彼らの動きは、遠目 に戦いの場を見渡すことねの眼にもよく分からなかった。 幼い彼女が迷い込んでいたのは、人類の認識から隔絶した、巨人達の領域。 (すごい……!) そんな感嘆がひとつの言語として凝結するにもしばらくの時を要したほど。 凄絶にすぎる光景に見惚れていたからだろうか。 彼に気づかなかったのは。 「蝿という昆虫は」 にやついたような男の声だった。それはことねの背後から、突然に聞こえてきた。 「蛍光灯の明滅、百分の一秒の世界を知覚できるそうだ」 ことねはびくりと肩を震わせ、恐る恐る細い首を回してみる。激しい動悸が耳の奥を突いていた。 足音のひとつにも覚えがなく、いつ現れたのかは全く分からない。煙のように密やかに立っていた何者か。 それは異様な風体をした青年だった。 丈の長い白衣を羽織った、筋肉質の巨漢。金属質の遮光器で目許を覆い隠しているが、人を食ったように引き 攣った口の端だけでも性格を察するに余りある。 気配が希薄なようでいて、自然と一体化したような奇妙な存在感のある男だった。 どこからどう見ても超弩級の変質者だったが、ことねは安堵した。巨人の国に放り込まれて右も左も分からな いところで、初めて頼りにできる人間を見つけた気分だった。 「それ以上の時間分解能を誇る魔族は、砲弾の動きをコマ送りで見ている。そんなものは大抵の魔族なら後出し で反応して躱せる」 ことねのために言葉を選ぶ風もなく男は説明を続けていく。白衣の左右のポケットに両手を突き込み、態度は ぞんざいでさえあった。 「クラスター爆弾や多弾頭ミサイルによる面制圧なら捉えられても、威力不足で魔族の自己再生が間に合ってし まう。化学兵器は改良が重ねられているが、どうせ抵抗力ですぐに効かなくなる。頼みは一発でも虐殺せしめる 広域破壊兵器だが、これは既に数がない」 唇の動きだけを追って、ことねは目を白黒させた。何が何だか分からなかった。彼の妙に濃い顔立ちは、見て いるだけでも毒気に中てられる気がする。 「しかしあのスーパーロボットフォルムならば、至近距離から砲弾をも凌ぐ攻撃を自由自在に放つという、それ らのどれとも違う戦術をとれる」 言い放つ彼の口調には、強烈な自信。 しかし、ことねはやはり状況が掴めず、呆然とするしかない。
男はそこで初めて少女の無反応をいぶかしむような妙な表情を浮かべ、ひとり「ああ」と納得したように声を 発してから、ようやく自己紹介をした。 「俺は天農(あまの)。下は男の子のヒミツだ」 あるいはことねがもう少し大人だったなら、その男がまともな人間なら言ってはならないことを口走ったのだ と気づいたかもしれなかった。しかし幼稚園児としては、ヒミツはただ「秘密なのだろう」としか思わない。 「わたしは、ひらおかことね、です」 「そうか」 「……」 「……」 それきり会話が止む。 「あのっ」 ことねは勇気を出した。 「あなたは、なにをしているひとなんですか?」 「天才博士さ」 あっさりと天農という男は答えた。 嵐と化した巨人達に蹂躙された街並みに、無骨な遮光器が向けられる。 「あの青い、っつっても視えんか、スプリガンっていう正義のロボットを造ったのが、俺達だ」 視界にいても速すぎて視認できなかっただろうが、今はビルが遮蔽物となるためにどこで戦っているのか詳し い位置も掴めない。激しく響く音だけが、戦闘が未だ終わっていないことを表していた。 「あっ! スプリガンさんに、わたし、たすけてもらって!」 「実は俺としては魔族をぶち殺すために造ったわけでは全然なしに、気まぐれに組み立ててみたものに偶然それ だけの素質があったというだけの話なのだがな」 天農はことねの言葉には興味を示さず、また自分の世界に没頭していく。極限の集中力と引き換えに、さまざ まな意味で視野狭窄を起こすタイプらしかった。 「基幹技術は叡智の巨人アルハーカーンが遺したGXコーデックスを独自に解釈したもの。大ヘルマヌスと十一 人の弟子達のエーテル光技術があって初めて可能となった神速の柔軟性駆動、それに耐えきる毒島教授の生態模 倣型コンディション維持機能。複合センサはW機関が魔族の感覚器を再現したもの。フォルムチェンジ機構は、 確か紅龍会とかいう変なマフィアが保管していたか。シュタインばかせの微小擾乱整流デバイスは試作を重ねる うち、分解した衝撃波の再収束を実現させつつある。装甲や打撃マニピュレータに用いたアンブロシア鋼はソー ドスミス翁の加工、超級人工知能はヴォルゼウグ派の第六世代型コンピュータあってこそ」 どう考えても彼個人の名前よりは黙っておくべき情報がだだ漏れだった。何となく「すごいなあ」と圧倒され ながらも、怒涛の専門用語を少しも理解できず、ことねとしては口を噤むしかない。 「……ともかく、考えようによっては魔族よりも恐ろしい、物凄い天才達が力を合わせて造ったんだな」 さすがに幼い子ども相手には不適当と思ったのか、照れ隠しのような咳払いをしてから天農博士は言葉を噛み 砕いてみせた。 「俺達の造ったスプリガンは、あんな魔族すぐにやっつけてここに戻ってくるから、そしたら家に送ってやる。 だから、少しここで待っていろ。俺が言いたいことはそれだけだ」 聞くからに子どもに慣れていなさそうなぎこちない気遣いにかえって安心して、ことねの頬が緩む。廃墟と化 した街で巡り合えたのは、自分勝手なだけの大人ではなかった。 「……む。この拍子は流派超重延加拳“火炎車”か。それも仕留め損なった」 不意に声色を独り言に変えて、天農の目線が遠くなる。小さな音や微細な振動から推測できるのか、遮光器に 特別な機能があるのか。どちらにせよ、彼には今スプリガン達がどういう状況にあるのか分かるものらしい。 「……まずいな。あの魔族、メンタルバーストする気だ」 異変は呟きの直後。 ことねの白い肌をぴりぴりと電流のような感触が走った。産毛がおののいたように逆立っている。 「ひぁ……っ!?」 「エーテルブラストの余波だ。心配ない」 思わず悲鳴を上げて縮こまることねとは対照的に、天農博士は泰然としていた。しかし、見えない敵を睨んで、 表情にはいかにも余裕がない。 ことねは急な息苦しさを覚えていた。根源を探り当て、息を呑む。 スプリガンとドルンドメオンが交戦していると思しき地点から、蚊柱のようなものが天に伸び上がっていく。 あのすぐ下で、何かが起こっている。 ことねの目にそれは、凶事を伝える黒い狼煙と映った。
すみません。 短い上にロボットなんだかよく分かんないですが、今回はここまでで。 また気が向いたら書きまする。 しばらくネクソンをがんばろう・・・。
海上都市姫路守備隊戦記の作者です。 おお、凄い戦闘シーンですね。スプリガンも敵の魔族も凄まじく強い。 うちの重歩兵が使ってる振動熱兵器なら魔族にダメージ与えられますかね? 魔族に耐振動熱防御能力があるのならうちの重歩兵 現在皇帝と死闘真っ只中の清水静が駆る超重装甲強化服改では互角に戦う事すら出来ないでしょう。 それはさておき。 ネクソンクロガネと同じ作者さんみたいなので質問しますが、戦記連載終了後に うちの海上都市姫路守備隊戦記と最強無敵ロボ・ネクソンクロガネのクロスオーバー作品を構想していますが、書いてもいいですか? 許可が頂けないのなら自分の脳内だけの作品となりますが。 タイトルは「劇場版最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者」 悪山悪男が造った次元転送装置で清水静が呼び出されたのが全ての始まり。 少しネタバレすると、パラレル西遊記っぽい展開を経て強大な敵と戦うという内容です。 主役がネクソン側、戦記側は脇役の立ち位置なので不快にはさせない……かと思います。多分。 今考えている段階では、こっちの主人公清水静が戦うのはストーリーの終盤、最終決戦のみの予定ですし。 返答、待ってます。 戦記の後半は今週に投下する予定です。 今週が無理だったら、来週中に絶対投下しますのでもうしばらくお待ち下さい。 それでは。
クロスオーバーやろうとしてるのかw ここに投下された作品使ってスパロボのストーリー作ったら面白いかな。 まだプロローグしかできないだろうけど。
俺は主役機の設定すらまだ公開してないw
取り敢えず、実際やるかやらないかは別として予告編は書いたので投下します。
ここは何処だ? 海上都市連合「正統日本」に所属する、旧式の小型海上都市「姫路」。 姫路守備隊、重歩兵小隊の隊長を務めている俺は、今日、一年に一度の実弾訓練を始める直前だったはずだ。 それなのに、何故見知らぬ建物の中にいるんだ。 この異常事態に対する回答を求めようと、「実験は成功じゃあぁぁぁぁぁッ」と狂喜乱舞している白衣を着た老人に話しかける。 「ここは何処だ?」 すると、老人はこちらを向いてこう言った。 「答えてもいいが、その前に君の名前を教えてくれんかね?」 外部音声越しに淡々と、静かに告げる。 「海上都市姫路守備隊重歩兵小隊隊長、清水静(しみず せい)」 それが最初のやり取りであり、全ての始まりだった。 海上都市姫路守備隊戦記×最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ クロスオーバー作品 劇場版ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 予告編 「凄いのお、この重装甲強化服という奴は!調べれば調べるほど奥が深い。噛めば噛むほど味が増すガムのようじゃ!」 「調べるのは構わないが、改造したり余計な真似はしないでくれ」 愛機である三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタムに頬擦りしている悪山悪男に注意する。 元々一世代先の四式に近い性能を発揮出来るように、教授の手で改造が施されているのだ。 これ以上弄らないでもらいたい。 「分かった分かった。改造したりせんから、思う存分調べさせてもらうぞい。しかしこいつは本当に凄いのお。 思考制御とコンピュータ補助による操縦、あらゆる探知手段から逃れる遮蔽機能、何より凄いのはこいつに使われている材質よ。 高度複合素材!ダイヤモンドより硬くゴムよりも柔らかい。硬さと柔らかさ、相反する性質を兼ね備えた素材。 並大抵の攻撃ではかすり傷すら付けられん上に、とんでもなく軽量。じゃがそんなものは装甲としての、これの機能の一部に過ぎん! この高度複合素材そのものが各種センサーであり、コンピュータであり、動力であり、電池であり、発電機であり、装甲でもある。 こいつを思いつき実用化した者は天才じゃな。心底感心するわい。しかもこいつが二世代も旧式の機体というから更に驚きじゃ!」 しばらく眺めていたが、悪山の興奮は治まる所かどんどん高まっていく。その様子に教授の姿が重なり、頭の中が少し痛くなった。
「馬鹿な、ネクソンクロガネビームが効かない!?」 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが放った最大の威力を誇る内蔵兵器、ネクソンクロガネビームは悪山の恐竜ロボに傷一つつけられなかった。 以前のようにバリアで跳ね返したのではなく直撃したはずだというのに。 「ふははははっ。どうじゃ、耐光熱防御と防御用振動熱発生機能のパーフェクトな防御力はッ!」 「祖父が迷惑をかけて、申し訳ありません」 「いや、別に構わない」 頭を下げようとした金髪碧眼の小柄な少女、悪山エリスを手で制する。 「ちゃんと元の世界、呼ばれたすぐ後の時間に戻してくれるという話だからな。少し長い休暇としか思っていないから、君が謝る事は無い」 「そうですか」 お互い卓袱台に向かい合って、正座で湯呑みの緑茶を口にする。 「清水さんは随分と落ち着いていますね」 「そうか」 「はい」 お茶を飲み終えたのか、エリスは湯呑みを卓袱台に置くと真っ直ぐこちらを見つめてくる。 「清水さん。少しいいですか」 「何だ」 ずずず、と緑茶をすする。 「兄さん、って呼んでもいいですか?」 変わらぬ物静かな口調でエリスはそう言った。こちらに向けられた真摯な瞳に、湯呑みを持ったまま答える。 「君がそう呼びたいなら、そう呼べばいい」 当人にとって余程嫌なものでない限り、どんな呼び方をしようが構わない、というのが自分の考え。 何故彼女が兄さんと呼びたいと言ったのか理由はよく分からなかったが、訊ねようとは思わなかった。 俺が教授を教授と呼ぶのと大差無い理由なのだろうなと、なんとなく思っただけ。 急須から緑茶を注ぎ、再び湯呑みに口を寄せる。 何故か、頭の奥で教授の罵声が聞こえた気がした。 「ありがとう」 落とした財布を一生懸命に探してくれた親切な少年に心からの礼を述べる。 「いえ、当然の事をしたまでです」 黒い詰襟制服の自分とあまり年は違わないだろう少年は、凛々しい爽やかな笑顔でそう答えた。 好印象の素晴らしい男だ。うちの小隊に欲しい人材だと、なんとなく思った。 「むっ」 ふと、少年が端正な顔を歪ませる。 「すみませんが急に用事が出来たので、これで失礼します」 「待ってくれ、何かお礼を……」 「困った人を見捨てるなど出来なかった。ただそれだけの事です」 「なら、せめて名前を教えてくれ。俺の名前は清水静。君は」 「俺は田所。田所正男です」
自分の事を兄と呼んでくれた少女が連れ去られていくのをただ見ていただけ。 守れなかった。 生まれ故郷である姫路の守備隊。守る為に戦い、命を賭ける事を誓った俺にとって、筆舌に尽くし難い屈辱だった。 最早、手段など選んでいられない。 「悪山さん、頼みがある」 出来る事は何でもする。その為にはまず、 「俺の機体を改造してくれ」 黒雲が空を覆い雷鳴が鳴る大都市で、巨大な人型ロボットと恐竜型ロボが共に敵の大軍団を相手に戦っている。 敵の数は途轍もなく多い。だが、決意と覚悟は微塵も揺るがない。 全高3mの機体には、悪山に製造してもらった弾丸が詰まった予備弾倉がこれでもかと取り付けてある。 「行くか」 足底の自在車輪が最大出力で唸りを上げ、地形に合わせて自在に形状を変化させる。 三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタム悪山改は全力でローラーダッシュしながら、25mm重機関砲の砲口を敵へ向ける。 次から次へと放たれた25mm振動熱徹甲榴弾は敵を塵すら残さず消し飛ばし、あるいは急所を射抜き、確実に一撃で葬っていく。 向かう先、立ち塞がる者は全て等しく排除する。プログラムされた機械の如く正確精密冷徹な戦闘。 その恐ろしさを理解した数少ない敵は戦慄した。あれは鬼神だと、触れてはならないのだと否応無く理解してしまったのだ。 触れ得ざる者。 「貴様か。この我に一対一で戦いを挑もうという愚か者は」 巨大なビルが林立する都市で、二体の巨大なロボットが対峙していた。 どちらも黒い。 一方は禍々しく、邪悪にしか見えぬ機体であった。 「その無謀なる勇気は褒めてやろう。しかし、この大魔法機械巨神ダイジャークに敵う者は天地に存在せぬのだ」 「それはどうかな」 張りのある若者の声が、街中に響き渡った。 黒光りする重装甲は、武者の甲冑に似ている。黄金の模様は闇雲を引き裂く稲妻さながら。 カメラの眼には、悪の心胆を寒からしめる凄み。 「ふん……そうだな、名前ぐらいは聞いてやろう。名を名乗れいッ!」 重く太く低い怒声が、街中に轟く。裂帛の気合が込められた声はそれだけで天地を揺さぶる凄みがあった。 だが、彼は少しも動揺していなかった。彼の心には決して揺らぐ事の無い鋼(はがね)の如き想いがある。 「俺は、田所カッコマン」 勇気、愛、そして正義を超ネクソン黒鋼の巨体に宿したヒーロー。何故なら、彼は…… 「この最強無敵ロボ・ネクソンクロガネのパイロットだ」 今、強大なる正義と悪が激突する。 ぶつかり合う力と力、人の域を超えた神の戦い。 その先に待つのは何か。 答えは自身の目で確かめよ。 劇場版ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 2009年○月×日公開予定
以上! 予定に無い事をしたので後編の投下が少し遅れます。
>>876 氏
>魔族
戦闘は手抜きでお恥ずかしい。拳法技以外は見えないってことで大雑把に済ませますです。
魔族は害虫を追いかけた経験から生まれた連中で、すばしっこいだけで耐久力自体はそんなでもないです。広域兵器に弱いですし。
姫路さん家の方々なら余裕で蹴散らせると思いますよ。というかスペックはピンとこないけど描写的にそっちのが化け物に見えるw
>劇場版
うおおおお!!?? いやー感動だなぁ!!
ばんばんやっちゃってくださいというか、ぜひお願いします!!
たとえ踏み台にされても自分は全然不快には思いませんので、好きに弄くってください。
生き生きと動かしてくれたら僥倖ですが、それもジジイのはしゃぎっぷりを見るに超安心という感じ。
楽しみにお待ちしています。こちらからお礼できそうもないのが申し訳ない。
設定とかは曖昧にしてあるので、なんか分かんないことがあったら訊いてください。
兄さん、よろしくお願いします!
許可ありがとうございます。 戦記連載終了後に必ず書いて完結させるつもりですので宜しくお願いします。 >魔族 振動熱兵器が有効ならうちの重歩兵でも十分戦えます。スプリガンとのクロスオーバーも違和感無く出来そうだ。 見た所、性能はスプリガンの方が圧倒的に上です。戦記の方で主力である五式重装甲強化服よりも。 そもそも重装甲強化服は普通に電力で動いているので差が出るのは当たり前ですね。 ただこっちの方が数は多く、全部で10個師団、10万機の五式重装甲強化服が存在します。更に性能を高める強化パーツ付きで。 正確には予備機が更に10万機存在するので、全部で20万になります。 早速ネクソンクロガネで質問があるんですが、ネクソンクロガネの全高はどのくらいですか? エリスは一人っ子ですか?兄弟姉妹がいるのなら少し展開を変えなければなりません。 どういう修正をするつもりかは、予告編を見ていただければ分かるかと。 後、質問ではありませんが、教授は出した方がいいですかね? 龍聖寺院光と組ませようか悩んでいる所です。 とまぁ、今日はこのぐらいで。 ネクソンクロガネの4話、楽しみに待ってます。 それでは。
待たせました……がやっぱりタウエルンはまだ……orzホントごめんなさい ただ、悪役サイドは話がだいぶ話が進みます。 取り合えずラスボス登場って感じです。では
<3,動き出す> 後篇 「どういう事なのか、説明してもらいたいな」 眉を吊り上げたトニーが、腕組みをしてシュウイチとメルティを交互に見比べた。テーブルの上には、出来たての美味しそうな朝食が並んでいる。 シュウイチは申し訳無さそうに俯き、メルティはニコニコと笑顔のままだ。むしろこの状況を楽しんでいるようにも見える。 「昨日酔いつぶれてしまったのは俺の責任だ。それは謝ろう。……けど、こう言う事はすぐに説明してもらわないとホントに困るんだよ」 「ごめんなさい……疲れてる貴方を見ると、とても起こす気にはなれなくて」 上目遣いで答えるメルティに、トニーは顔が赤くなる。だが首を横に振り、強めの口調で返答した。 「いいかい、メルティ。今の俺達には誰かを雇う余裕も無ければ金も無いんだ。それに……分かるだろ」 トニーは言葉を止め、メルティに目線を送る。その目が何を言いたいかを、メルティはすぐに理解する。 だが、だがメルティはそれでもショウイチの語るトラクターを、トニーに見て貰いたかった。昨日のショウイチの熱意が本物なのかを、メルティは見てみたいのだ。 「お願い、トニー。すこしだけ、少しだけで良いの。ショウイチさんが作ったっていうトラクターを見てもらえれば……」 「あぁ、あのバカデカイ機械か。……トラクター? あれってトラクターなのか!?」 トニーが驚嘆した様子でショウイチに視線を移した。ショウイチはキョトンとするが、察して力強く頷いた。 「はい! 先程は、ちょっと言えなかったんですけど……」 時間をトニーとショウイチ――名も知らぬ青年が出会った時に戻そう。青年の質問に、トニーは数秒ほど固まった。 何故なら求人募集なぞやる訳が無いうえ、青年が自分の知人にも友人にも、ましてや身内にも記憶に無い男だからだ。 しかし自分の名字を、いやメルティの名前を知っているという事は、自分と関わりがある事は確かだと思う。 一瞬セールスマンかと思ったが、こんな村にそんな職業の人間はいない。それに目の前の青年がそんな職業だとは思えない。 トニーはどうするべきか迷っていた。ここで断ればすぐに解決するが、もしメルティの友人やそれに準ずる人だったらひどい失礼にあたる。だが……。 「あの……どうか為されましたか?」 「あ、えっと」 青年に心配され、トニーははっとする。何時の間にか考え込んでしまったようだ。 しかしどうするべきか……。恰好だけ見るなら、気の良さそうな普通の青年だが初対面の人間を信用するほどお人よしじゃない。 そうだ、もしこの青年が無粋を働くなら、俺がメルティを守れば良い。朝に気合を入れたばかりじゃないか。よし、決めた。 「すまない、少し眠気がね……私がその家の主だ。御用は後から聞くとして、一先ず家に案内するよ。着いて来てくれ」 「あ、貴方が……いえ、何でも無いです」 青年の言葉に若干の突っかかりを感じながらも、トニーは着いて来るように促し、背中を向けて、自宅へと歩きだした。 トニーの返答に納得したのかは分からないが、青年は分かりましたと言って、トニーに続いた。もちろん、あの赤い何かも着いてくる。 トニーはそれが何なのかを聞きたくて仕方が無いが、もしそれが危害を及ぼすような物だとしたらどうする? それならば、青年だけでも引き剥がしておけば後から対処できよう。そうだ、まずは言っておくべきだ。トニーは立ち止まり、青年に振り返る。
それと俺の名はトニー。トニー・クロウスだ。宜しくな」 「あ、自分はショウイチ。ショウイチ・マーチマンと言います。宜しくお願いします」 そう言って青年――ショウイチと言う名の青年は深く頭を下げた。今の所、トニーはショウイチに悪いイメージは抱いていない。むしろ逆だ。 背格好こそは妙だが、その表情や態度は純朴でお人よしの様な印象を受ける。もしかしたら本当にこの青年は困っていただけなのかもしれない。 ……いや、油断は出来ない。家に着くまで。ショウイチをあの何かから遠ざけてからだ。それから初めてショウイチを信用する事が出来る。 それから二人は気まずい家路を黙々と歩く。話題が無いのもあるが、トニーがショウイチを警戒しているからだ。 その要因は一点、ショウイチが連れている何かだ。それが何かをショウイチが説明すればいいのだが、ショウイチは無言のままだ。 声を掛けてきた手前、それがいったい何なのかを説明するべきではないのか? とトニーは思うが口には出さない。 奇妙な緊張感が二人の間を漂っている。正直ショウイチの方も好んで沈黙している訳ではない。 ショウイチから見たトニーの印象は悪くない。むしろプラスな印象だ。 多少頼りなさげではあるが、同じ志を持つ者として分かる。畑を観察していた時の表情からして、この男は農業に対して真剣に向き合っている者だと。 だがそれ故に、ショウイチの心は不安で満ちていた。それ故にこの人が――――この人が、タウエルンを認めてくれるのかと。 トニーは昨日のメルティさんの話を聞いていると思う為、自分の事を就職希望者だと思っているだろうが、それは違う。 本当に用があるのは自分ではなく、自分が連れているコイツだ。今度こそ、コイツを理解し、使ってくれる農家を見つけなければならない。 それが俺の旅の目的にして、終着点だ。 「着いたよ。ちょっと待っててくれ。妻に話を付けてくる」 気づけば目的地であるクロウス家に到着していた。昨日振りである。トニーはそう言って玄関まで歩いていく。 ショウイチは頷いて背後でノロノロと追いつてきたタウエルンに腰かけた。 「どうだ、タウ? あの人感じ良さそうだろ?」 『うん……今の所は多分。けど……』 「けど何だよ?」 『……やっぱり駄目な気がする。今の状態ならともかく、僕の本来の姿を見たら』 「だからそういう思考は止めろっていっただろ。大丈夫だよ、タウ。今度こそ、な」 『一応期待はしてみるけど……あ、トニーさんが来たみたい。切るね』 ショウイチはタウエルンから正面に目を向けた。玄関口からトニーがこちらに向かってくる。 だがその表情には何故だか険しい表情が浮かんでいる。ショウイチは首を傾げながらも不安に駆られた。 トニーはショウイチの目前まで来ると、険しい表情のまま言った。 「ショウイチさん、申し訳無いが家まで来てくれるかな? 話したい事があるんだ」
物語は最初のシーンに戻る。 トニーは単純にメルティがショウイチの事について言わなかった事に怒っているのではない。 事態は把握できたものの、現状を考えるとショウイチに危険が及ぶかもしれないという危惧と、不作による生活苦の苦悩がトニーを悩ましているのだ。 無論ショウイチを雇う事は到底無理なのでそれは断るつもりだが、どう話を切り出せばいいのかを迷う。 メルティの話によると、ショウイチは東から西へと国を渡り歩いて就職先を探していると聞いた。相当苦労してきたのだろう。 それもこれも赤い機……いや、トラクターが原因らしい。自作のトラクターで、農家に採用を懇願するもの、断られてしまうようだ。 あんなトラクター、今まで長い間畑を耕してきたが、全く見た事が無い。正直気味悪がられるのも分かる気がする。 どんな秘密があるかは分からないが、トラクターを入れたら維持費云々で今でもギリギリなのに、さらに生活が困窮する事になる。ショウイチには悪いが……。 トニーはため息をつき、ショウイチの目を見据えた。ショウイチも察したのか眼を合わせた。 「ショウイチさん、貴方の事情は大体飲み込めました。しかしね、本当に申し訳ないのですが……」 トニーは言葉を一度止めて、息を吐いた。ショウイチと視線を合わすと偉く罪悪感が募るが、言わねばならない。 「今の私達には、他人を雇えるほどの余裕も、予算も無いんです。貴方一人ならともかく、あのトラクターも一緒となるとね…… それに、畑を見たでしょう? 今年は例年に見る大不作でね、もう二進も三進もいかない状況なんですよ。だから」 「あ、えっとその事なんですけど」 何故かぱあっと表情を明るくしたショウイチがトニーの言葉を遮った。トニーは怪訝な表情になった。 メルティも不思議そうな顔でショウイチを見つめた。ショウイチは先程の時とは裏腹に妙に明るい口調で言葉を紡いだ 「あのタウエ……じゃなくてトラクターは最新鋭のテクノロジーで出来ているんですよ。畑を自動で耕すのは勿論! 内部構造に植物、および農作物の成長を促すナノマシンを生成して霧状で分布するんです。ナノマシンと言っても危険な物では無くて……何と! 地面に着いた途端に自然消滅するのでいくら分布しても問題なし! あぁそうそう、どうやって成型されるというとですね、これが驚きますよ〜。 ソーラーシステムによって自動的に生成されます。ナノマシンの構造体が日光を主食とするんですね。まぁ詳しい話をすると後2時間掛かるので略します。 それと、もっとも農家の方が頭を悩ませる維持費!こちらもソーラーシステムを兼ねているので、陽の光があれば全く無問題なんですよ! おっと、一番の決め手を忘れてた。あのトラク」 「ショ、ショウイチさん。分かった、分かったから」 人が変わったようにトラクターの特性を語りだしたショウイチに、トニーは思わず立ち上がり諌めた。 ショウイチはハッとすると、恥ずかしそうに俯き、申し訳無さそうに言った。 「す、すみません。つい畑の事に関すると自分が見えなくなってしまって……」 さっきまでの手慣れたセールスマンの様な話術を行っていた青年とは思えない。 本気でこのショウイチと言う名の青年の事が分からなくなってきた。それにあのトラクターがそれほどのトンデモメカだとは思え……いや、どうだろうか。 ショウイチの話に信憑性があるかといえば全く無いのだが、どうも一概に否定したい気にはならない。 そんな奇妙な説得力があのトラクターにはある。もしショウイチの話が本当なら、自分達は凄い物を手に入れた事になる。それも今の状況を一変させるほどの。 だが一つ気がかりがある。それほどの物を……なぜ誰もが拒否したのだろうか? トニーの中でふと、そんな疑問が浮かぶ。 自分なら喜んでショウイチ……正直に言えばショウイチが引きつれたトラクターを受け入れるのだが。やはり何かがある。 ショウイチとトラクターが今まで拒否されてきた理由が。だがそれを聞いてみていいのだろうか。そういやさっき自分から引きとめてしまったが、ショウイチが何か言いかけた様な。 そうだ、どうせなら実際にこの目でショウイチが語るトラクターがどれほどの物か見てみれば良い。もしも嘘ならばすぐに追い返せば良いだけだ。 畑なら先月、試しにやってみたものの、全く収穫が出なかった為、ちょうど放置していたスイカ畑がある。もしも本当にトラクターが……トラクターがショウイチの言う通りなら。
「正直あまり時間は無いのですが……良いでしょう。一か所、放置している畑があります。 貴方が作ったというあのトラクターで私が良いと言うまで耕してみて下さい。その結果次第で、貴方を雇うかどうかを決めさせてもらいます」 普通なら何を馬鹿な事みたいな台詞で一喝して追い返すよなぁ……と思いながらもトニーはショウイチの懇願を承諾した。 ショウイチはトニーの顔を二度見すると、小さく拳を握り、立ち上がって頭を下げた。そして。 「ありがとう……ございます。その畑に案内していただければ、すぐに耕せます」 「その前に」 ふっと、メルティが笑みを浮かべて合間に入った。 「朝ご飯を食べて力を付けましょう? 何事も朝が大事だからね」 打って変わって、シュワルツのアジトの地下――――巨大なスペースにて、シュワルツとロッファが対峙していた。 理由は簡単だ。その二人の右方で鎮座している巨大な蛇の形をした自動人形についてだ。そして腹の部分に付いた「顔」だ。目を閉じているが圧倒的な威圧感を与えている。 床に設置された機械群より繋がれたチューブが所々差し込まれている為、動く事は無さそうだ。今の所は。 「……シュワルツさん、これを一体どうする気なんですか?」 恐る恐るロッファは薄ら笑いを浮かべるシュワルツに聞いた。シュワルツは張り付いた笑みを浮かべながら淡々と答えた。 「無論戦争に使うのですよ。ただし私が使う訳ではありません。必要とする人間にね」 ロッファから自動人形に視線を移し、シュワルツは自動人形を見上げながら言葉を続ける 「コイツは本来、殲滅用として投入される筈だったのですが非常に燃費を食うのと、あまりにも武装が強力すぎた為に軍部に開発中止を告げられたのです。 ですがそのまま破棄されるのは惜しいとある一部の物好きが目を付けましてね。当時の開発チームを召喚し、その責任者として私が抜擢されたのです。 兵器として復活させる為にね。けれど困った事に、コイツを製造していた地下の秘密工場の上に……」 そこまで言い切り、シュワルツはロッファに指を指した。張り付いた笑みが邪悪な笑みへと変貌している。 「貴方達が村を建設していた。本当に偶然、貴方達がそこで住居を構えて暮らして平々凡々とね。 私は何分意地の悪い性格で、そう言うのを見るとどうしてもちょっかいを出したくなるのです。まぁ、適当に作業を行う為の理由が欲しかっただけなのですが」 シュワルツの発言にロッファは呆然とも唖然とも言った表情でポカンと口を開けた まるでこれでは自分達はシュワルツの趣味の為に弾圧されていた様なものではないかと。しかしそのまま口に出すほどロッファは阿呆では無い。 ロッファは動揺している精神を落ち着かせ、ゆっくりと質問した。 「ごめんなさいねぇ、どうしてもこの年だと理解が追い付かなくて……ええっとシュワルツさん。 貴方がその〜自動人形の為にこの村に居るのは分かりました。それじゃあ、この自動人形とやらの作業が終わったら、この村から発ちのいてくれるのかい?」 ロッファの質問にシュワルツは一瞬真顔になると、何が可笑しいのか口元に手を当てて含み笑いし始めた。 ロッファはシュワルツの様子に困惑する。数秒、シュワルツはそうやって笑うと、ロッファに返答した。
「ええ、もちろん。実践に耐えられるかのテストを行ってからね」 同時に銃声が、空虚なスペースに響いた。白衣を着た――――開発チームが硬直する。シュウルツの右手には拳銃が握られていた。 ゆっくりと白目を剥き、ロッファが床へと倒れた。その顔にはもはや生気は無い。腰のホルダーにシュワルツは銃を挿した。 「ダルナスが起動すればこの村自体が消滅しますよ。貴方の事は忘れません。無慈悲なる殺戮の最初の犠牲者としてね」 巨大自動兵器――――ダルナスのレーザー部分である「顔」は、無言でシュワルツを見下ろしている。 続く
という訳で三話終わりです タウエルンの構造についてショウイチ君に語らせましたけど、凄く…安直です 本格的にタウエルンが活躍できるのは多分次…多分次だと思いますです、はい 夜分失礼しました
>>885 にじゅうまん……そういう生々しい強さのトコとはあんま戦いたくないw
そういや姫路さん家とは「魔のつく」同士なんですねー。スプリガンの魔族にも四大属の各猛将の上に魔王がいて……という。
ネクソンクロガネの全高は30メートル弱ってとこです(設定上では29.30メートルですが、あんまり細かく決める気もなかった)。
エリスは一人っ子ですね。親しい従兄弟とかもいません。家族仲があまりよくないという裏があり、実際兄弟欲しがってもおかしくないかなー。
せっかくの企画、面白くなると思ったのなら何でもやったほうがいいですよ!
ありがとうございます。描写の詰めに入っているので、来週の頭くらいには何とか・・・なるといいな。
こちらも楽しみにしております!
>>892 シュ悪ツ・・・こういう悪者らしい悪者もいいなぁ
というか、すげータウエルンすげー! スッゴク欲しい(ディエンド風)
894 :
創る名無しに見る名無し :2009/05/22(金) 17:37:28 ID:pumor4Cz
各作品の作者が健在で安心したぜ 読んでて思ったんだが各作品の軽い紹介文みたいのが欲しいな 一見には便利だと思う
あれ、なんで俺ガンソード三話で泣いてるんだろう…
>>894 賛成だ。次スレの最初のほうにあるのが理想だな
まとめってあんのか、このスレ
>>896 >まとめ
確か前スレ含めて無かったかと。
少なくともスレにリンク張られたことは無いね。
なら作るかなぁ…… wikiで作ればいいのか?
まとめwikiのタイトル 「創作ロボット大戦SS」とか捻ったネーミングにするのと 素直に「創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめwiki」にするのと どっちがいいですかね?
後者。
>>893 魔族といってもこっちのは味方で帝国に虐げられてますけどね。
自衛隊がファンタジーに〜スレでよくダークエルフが味方になってるのでそれを真似ました。
くろべえさんの帝國召喚がオススメです。まだ読んでいないならどうぞ。
重装甲強化服は全高3m、重量500kgしかないので、一機辺りに必要な材料の量が少なく製造費が安いです。
物語の舞台の世界において特殊な材料や技術は使っていないし(極一部の生産性度外視の特殊部隊用超高性能機は除く)
そもそも量産機ですから。
後者に一票。
>>903 乙乙
特に項目とかはまだいいんじゃね。取り合えず作品を纏めるだけで
ダルナスを見てソルディオスを思い浮かべたでござるの巻 なんと、少し留守にしている間に素晴らしい事が色々あったみたいですね
>>902 なるほどなぁ。
紹介ありがとうございます。
あんまし参考にはなんないと思いますけど、設定資料を(いまさら)まとめてみたのでどうぞ。
次レスから。
>>903 乙であります!
前スレ懐かしいなぁ・・・
※1 第一章設定資料(人物) ●E自警団(イー じけいだん) 続発する巨大ロボット犯罪に対抗する武闘派市民団体。世界各地に秘密基地「セイギベース」があり、それぞれが強力な巨大ロボッ トを保有している。「E」には様々な意味を込めたと関係者は嘯くが、本当のところは「良い」から転じただけの安易なものである。 資金の流れなど、実情はかなり胡散臭い。大丈夫か。 ・田所カッコマン(たどころ‐)/田所正男(たどころ まさお) 本編の主人公。ロボヶ丘市内のセイギベース3が保有する最強無敵ロボ・ネクソンクロガネの専属パイロット。 抜群の操縦センスを龍聖寺院光に見出された熱血漢。特に美形というわけではないが、顔立ちは凛々しく爽やか。高校生・田所正男 がヘルメットを含むパイロットスーツ(カッコマンスーツ)一式を着用して正体を隠した姿が、田所カッコマンである。 ・龍聖寺院光(りゅうせいじいん ひかる) セイギベース3に常駐するはぐれ研究員。男っぽい言葉遣いながら長い黒髪の美人である。白衣がユニフォーム。 かつては教員志望だったが挫折。昔とった杵柄か、難解な内容を噛み砕いた説明を得意とする。特訓では熱血指導ぶりも見せた。 ちなみに偽名で、本名は原形を留めていない。 ・海老原カッコウーマン(えびはら‐)&ネクソン交響楽団(‐こうきょうがくだん) 海老原カッコウーマンはセイギベース4において一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネの専属パイロットを務める。ただし本編では、第 一話において歌唱力を披露しただけである。 ネクソン交響楽団はドゥビドゥビの人達。 ●悪山家 ロボヶ丘市では悪山姓はそう珍しくないということになっている。 ・悪山悪男(わるやま わるお) 悪のマッドサイエンティスト。歌って踊れる七十七歳。かつて学会を手ひどく追放された過去を持ち、自分を認めない世間を見返す ためにティラノサウルス型の巨大ロボットで街に出没する。ただ、悪事は悪事なのだが、「街をのし歩く」「人々をびっくりさせる」 「騒音を上げる」「やられる」と、大したことはやっていない。孫娘のエリスを溺愛しており、ヤンチャの半分は彼女の気を惹くため。 「ティ」を「チ」としか発音できない人。 ・悪山エリス(わるやま‐) そこはかとなくヒロインっぽい悪山悪男の孫娘。ロボヶ丘高等学校一年乙組で美化委員、田所正男とも面識ができた。小柄で金髪碧 眼の可愛らしい少女。愛想には乏しいが、温厚篤実。週に二度は隣町の祖父宅(悪山研究所)に通い、家事を手伝っている。 名前は漢字では「絵梨子」と書いてそう読むが、ほとんど使われない。 ●ほか ・毛山三郎(けやま さぶろう) ロボヶ丘高等学校二年で、田所正男のクラスメイト。気の好い太っちょ。 ・イッツァ・ミラクル 悪の総本山・ワルサシンジケートの最上級エージェント。眼鏡を掛け、黒スーツを長身に纏った慇懃無礼な男。危険な香りがする。 驚嘆や感謝など、使えそうな局面を狙っては口癖の「イッツァミラクル(それは奇跡です)」を繰り出す。 「エージェント」の「エー」が「良え」のようで気に入らないのか、わざわざ「ワルジェント」に言い換えるなど、どうでもいいこ だわりを発揮。
※2 第一章設定資料(メカ) ●最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 主人公機。E自警団セイギベース3が保有するスーパーロボット。全高29.30メートル/重量690.20トン。専属パイロッ トは田所カッコマン。 黒光りする大鎧のような装甲に、金色の装飾が施されている。構造材質は隕石から採取されたネクソニウムと鉄の合金、超ネクソン 黒鋼(スーパーネクソンクロハガネ)で、強靭さは他に類を見ない(本編中でも実は破損したことはない)。超ネクソン黒鋼は生命を 宿しており、ネクソンクロガネも一個の巨大な生物であるといえる。 カメラアイの下のスリットから発射される金属粒子ビーム・ネクソンクロガネビーム、両肩部に内蔵されたネクソンクロガネバルカ ン、背面装甲をスライドして発射するネクソンクロガネミサイルなどの内蔵兵器を搭載(ビーム以外は本編未使用)。超ネクソン黒鋼 の力によって器物の心に訴え掛けるネクソンクロガネアニヒレイターが必殺技として開発された。 「最強無敵ロボ」まで含めて一つの名前らしい。本当に最強で無敵なのかは誰も知らない。 ●ワルレックス 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男が製造する機械恐竜。赤銅色の装甲群に覆われた、機械仕掛けの暴君竜(ティラノサウルス) である。頭頂高37.80メートル。背骨を水平にして尾で全身のバランスをとるという現在の説が主流になる以前の、ゴジラのよう な体勢をしている。 重力力場によって攻撃を再帰性反射するワルリフレクティブシールドを追加した「ワルレックス改」となって一度は最強無敵ロボ・ ネクソンクロガネを倒し、さらに「ゴクワルレックス」へとパワーアップを遂げるが、新必殺技ネクソンクロガネアニヒレイターを受 けて退いた。愛に目覚めた田所カッコマンによると、悪山悪男への同情から協力しているだけで本来は悪事を好む性格ではないという が、本当のところは疑わしい。 口から火を吐いたりしないのはこだわり。 以上です。なんかスミマセン。4話はたぶん明日に
小学一年の秋だったと記憶している。 ようやく背中に馴染んできた赤いランドセルを揺らしながら、悪山エリスは住宅街を歩く。小さな歩幅。変わるはずもない金髪に碧 眼。子どもっぽい髪型も今と同じく。祖父から貰った青いリボンのために、頭の左右が少し重たい。 先生の言いつけを破って、日が暮れるまで友達と遊んでの帰りだった。 灼きつくオレンジの光を発しながら、太陽が西方の大地に溺れている。もう間もなく、安らかな夜が来るのだろう。わけもなく涙が 滲む、不思議な時間だった。 エリスはふと爪先を止めた。 (……あれ?) 夕陽の中に、何かがいる。猫の瞳のように太陽を分かちながら、それは立っていた。古代中国人が太陽に棲む烏だと説明したという、 肉眼黒点などでは断じてない。エリスの行く手に待ち受けていた何者か。 彼は、いちおうは、人間だった。痩せていて背が高く、きちっとした黒いスーツを着て。 足下から伸びる十字の影は、朱に染まる車道を冷たい黒に切り抜く。それは地獄に通じる門で、恐ろしい魔物達がこちらをじぃっと 覗いている。絵本が大好きだったエリスは、そんな想像をして震えた。 「おかえりなさい、悪山エリスちゃん」 不気味な猫撫で声。聞き覚えはない。知らない男の人。 腕を左右に広げるのは、危害を加えるような物は持っていないという表明だったのだろう。しかし、幼い少女の目にそれは、獲物を 通せんぼうする、巨大な猛禽の翼としか映らない。そしてその解釈は、正しかった。 「エリスちゃんのおじいちゃんのことで、お願いがあるんだけどね」 磔にされたようなシルエットの男が近づいてくる。足捌きは軽やか。一歩。また一歩。気がついたときにはもう。 逃げたいけれど、足が棒のように竦む。悲鳴を上げたいけれど、心臓を鷲掴みにされたように息ができない。 「協力してくれるの? ありがとう! まさに奇跡だ」 男は強引に決めつけ、確かそういった。奇妙な言い回しを覚えている。 暗闇を纏った怪人の魔手が、人形を弄ぶ手つきでエリスの頬に伸ばされる。強く眼を瞑った。 (そのあと) 悪夢が覚める。 悪山エリスは、十年分の時間を取り戻した。 胸を痛いほどに荒々しく突き上げる心臓。細首の裏を血流が駆け昇っていく。体の硬直はそのまま、碧眼だけが見開かれている。 そこは既にあの恐怖の街角ではなく、自室に備えつけた寝台の上だった。柔らかな布団にくるまれて。カーテンの隙間から、金色の 陽射しが降り注いでいる。 (そのあとは、どうしたのだっけ?) 危険な男に誘拐されそうになったという、幼い頃の記憶。 それまでは十年前とは思えないほど鮮烈だというのに、以降のビジョンは鋏で切りとったかのように不自然な空白になっていた。男 のいう“おじいちゃん”にも訊ねたことがあったが、彼らしくもないボケた振りで躱された。 何事もなく済んだ。しかし何かがあったのだ。 エリスは無意識に、やけに大きなティラノサウルスのぬいぐるみを枕元から手繰り寄せていた。それもエリスに甘い祖父・悪山悪男 からの贈り物だった。怖い夢を見ても、それをぎゅぅっと抱き締めていれば、心が落ち着くまでそれほどの時間は要らない。 掛け布団を押し退ける。カーテンを開いて、エリスは東を向いた窓から外に目をやった。 山の稜線から、夜明けの光。 希望の朝を迎えて、それなのにエリスは、未だ悪夢の冷めやらないような薄ら寒さを感じていた。 第4話 壊滅! 狙われた秘密基地!
※ 繁栄を極める国際都市テクニッ京、人類の叡智が集密する大メカロポリス区の地下奥深く。無限の闇黒に、蟻の巣のように張り巡ら された空間があることを知る者は少ない。 三次元の拡がりを持つ広大な迷路だ。 ひと度そこに足を踏み入れれば、まずもって生きては帰れまい。いかな洞窟探検の達人であろうとも。あらゆる障害を予測した完全 装備であろうともだ。 幾重にも続く気の遠くなるような試練の門を越えたとしても、かのラビリントス大迷宮を思わせる複雑な構造が侵入者を阻むだろう。 一寸先の闇に待ち受けるのは、殺人をも厭わぬ番兵か、死の罠か。 「相変わらずここは、昆虫の死骸のような臭いがしますね」 しかし見よ。魔物が棲むとしか思えぬ陥穽のことごとくを鮮やかに躱しながら、鈍色の迷い路を我が物顔で進む男がいる。骸骨のよ うな痩身に黒いスーツ。 染みついた殺気を眼鏡でも覆い隠しきれない、それは危険なかほりの男。 「悪くない感じよ」 軽く振り返って、ワインでも嗜むように湿った空気を吸ってみせる。 唇に能面のような微笑を貼りつけた魔人こそが、この地下迷宮『魔窟Mk−U』の主。暗号名をイッツァ・ミラクルと自ら名乗る、 さる巨大犯罪組織の重鎮である。 「恐縮です。最上級ワルジェント、イッツァ・ミラクル」 男の四歩ばかり後ろを追従する秘書が、眼鏡の傾きを整えながら、はきはきと答える。その名をレディ(女史)・ビジョン。限りな く黒に近い灰色のスーツを着こなす女だ。『エージェント』をいちいち『ワルジェント』と言い習わすのは組織の意向でも何でもなく、 イッツァ・ミラクル個人のどうでもいいこだわりだったが、彼女は心酔する上司に己を同一化させる。 「ところでレディ、セイギベース3についての調査に進展はありましたか?」 報告を催促するイッツァ・ミラクルの声は、働きを試すような響きを帯びていた。 レディ・ビジョンは弾かれたように電子化されたバインダーを展開する。 「はっ。ネクソンクロガネのパイロット・田所カッコマンの正体が判明しております」 イッツァ・ミラクルは目を細めた。さながら鮮血を味わう悪鬼の相だった。 「早かったですね。あなたのような有能な部下を持てたこと、イッツァミラクル(それは奇跡です)」 「恐縮です」 最大級の賛辞に緩み掛ける口許を慌てて引き締め、レディは続けて詳細の説明に入る。 「まずロボヶ丘市を中心としたセイギベース3の管轄区及びその周辺一帯の男女について、姓名・性別・年齢による絞り込みを行いま した。過去の出撃当時の現場不在証明がされた者を省きながら音声分析に掛け、声調や口調、言葉の組み立てや語彙などから性格・体 型・環境・教育的なバックボーンなどを推定。最後にロボットの操縦から推測される動作の癖と照合し、一名に特定されました。ドク トルポイズンによれば、97パーセント強の確率で、彼が田所カッコマンです」 イッツァ・ミラクルはしきりに頷きながら、眼鏡のレンズに転送される膨大な資料に目を通していた。悪の巨大頭脳・ドクトルポイ ズンが暇に飽かせて追加したという機能は多岐に渡る。 悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男の場合は、あくまで自らの技術力の優越を披露したいがために、最強無敵ロボ・ネクソンク ロガネと真っ向からぶつかり合った。 一方で武闘派市民団体E自警団の無力化を差し当たっての作戦目的とするイッツァ・ミラクルらは、当然のように組織力を背景にあ らゆる手段を講じるのだ。プロファイリング捜査まがいの諜報活動もその一環である。 これまでとは全く違うタイプの“悪”に、田所カッコマンの危機が迫る! 「ふむ。前提として、タドコロという苗字を偽っている可能性はないのですか?」 暗闇をゆく悪の主従の質疑応答が始まる。 「偽名ですか? 念のため検索の条件には幅を持たせてありますが、ほぼ有り得ないと断言できます」 背筋を伸ばしたレディ・ビジョンの態度からは、根拠に裏打ちされた自信が見てとれた。 「というと?」 「やつらは阿呆です」 聞いた途端、イッツァ・ミラクルは大笑した。 確かに、これほどまでにあっさりと敵勢力に機密情報を掴まれるなど、危機管理が杜撰であるとしか言いようがない。そもそも消耗 品の雑兵ならばともかく、貴重な巨大ロボットの専属パイロットを調達するにしてはやり方がいかにも手緩い。
「田所カッコマンには、既に万全の包囲網を敷いてあります。いつでも始末できますが、いかがいたしますか?」 「悩みますね。……しばらくは現状維持でもいいでしょう」 最強無敵とまで名乗る巨大ロボットを倒せば、死の商人としてはそれなりに宣伝効果もあるだろう。 イッツァ・ミラクルとしては、レディの調査がどう転ぼうとも、近いうちに私兵を投じて実力行使に出るつもりでいた。それに加え て、直属ではないものの顔の利く巨大ロボット部隊“シロガネ四天王”を投入できるともなれば、勝利の未来はもはや揺るぎない。 「……フフ。悪の組織力を侮っているうちは、とてもミラクルなど起こせませんよ」 イッツァ・ミラクルは、自らの後ろ盾として聳える巨大な組織について思いを馳せる。 それを巨悪の中の巨悪と言い表す者もいる、諸悪の根源と形容する者もいる、一切の希望を残さぬ悪徳の匣と喩える者も少しは。 十数世紀に沙漠の七海を股に掛けた死の隊商に端を発するという、国際犯罪組織だ。 産業革命以降の人類の飛躍的な発展に寄生して肥大化を遂げた、巨悪の全貌を知る者はいない。悪名轟く現大首魁、ドン・ヨコシマ ですら、恐らく。 一説には超大国の陸海空軍をも凌駕すると噂される、精強なる一大私兵団をちらつかせて、地球上のあらゆる利権に食い込み、貪欲 に利潤を追求してきた、彼ら。 すなわち、“ワルサシンジケート”! 恐るべき、真にもって恐るべき、悪の総本山がそれなのだ! イッツァ・ミラクルはほくそ笑んだ。 「あなたのヒロイックサーガもそろそろお終いです、田所カッコマン、いえ……」 黒スーツの男は血塗られた五指を握り込んでゆく。必死に足掻く憐れな獲物の姿を掌上に見る。 「暇な大学生・田所育男(たどころ いくお)!!」 組織の最上級エージェントが人違いに気づいたのは、折しも悪山悪男の機械恐竜がロボヶ丘に現れ、どこからともなく駆けつけた最 強無敵ロボがそれをぶちのめした時だった。 ※ 敢えて言うまでもないが、悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男の野望は潰えていない。 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネが会得した必殺技ネクソンクロガネアニヒレイターは、器物の心に訴え掛けることはできるが、決 してそれらを洗脳するものではない。人間の性に善悪の違いがあるように、器物にもそれぞれの性がある。“心が宿る”とはそういう ことだ。悪党の銃は悪に染まりやすいなど持ち主の影響についても予想があり、ネクソンクロガネアニヒレイターを浴びせたとしても 穏便に事態が収束する可能性は低いのではないかというのが、はぐれ研究員・龍聖寺院光の見解だった。 実際に、先の戦いでは沈黙したゴクワルレックスだが、その時には年寄りの冷や水を諌めるような心境だったというだけの話らしく、 その後も何食わぬ顔で悪山悪男の悪事に付き合っている。一筋縄ではいかないのは、器物の心でも同じだった。 つまるところネクソンクロガネアニヒレイターは大仰な名前の割に効果の安定感に欠け、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネは依然と して戦力に多大な不安を抱えているといってよかった。 何故かここにきて悪山悪男謹製のゴクワルリフレクティブシールドをごり押しで突破できるほどに、最強無敵ロボ・ネクソンクロガ ネの基礎出力が上がっているのが幸いだった。今ならば、殴り飛ばして説教して撃退できる。 (だが、必殺技は何とかしないとな。なるべく早いうちに) 田所正男が、昼休みにロボヶ丘高等学校の図書館を訪れているのはそういう理由である。必殺技のためにロボット工学や基礎の物理 学、スポーツ理論や格闘術などについて少しでも知識を得ようと、涙ぐましい努力を続けているのだった。 (むう。さっぱり分からん……。先生方に相談してみるか、小学校の教科書あたりからやり直すべきだろうか) 鈍器業界期待の新星となり得る分厚さの専門書の埃を払い除けながら、田所正男は書架の間で唸った。一行目から既に関連書籍をハ シゴしても理解できそうもない難物を引いていた。自分の不甲斐なさに呆れながら、それは本棚に戻すしかなかった。せめて次の機会 にはもっと物理の素養のある人物に掻き出してもらえるようにと願っておく。
(おや?) まばらに席が埋まった読書スペースに目をやった田所正男は、顔見知りの美化委員が座っていることに気がついた。 悪山エリスだった。 田所正男にとっては、必殺技ネクソンクロガネアニヒレイターの件できっかけを与えてくれた、尊敬に値する少女である。 相変わらず表情に乏しい娘だったが、本を眺める目許は心なしか綻んでいるようでもあった。真昼の日溜まりに近いせいかもしれな いが、纏う雰囲気もいつになく柔らかい。 (まるで金色の野に群青の花が咲いているようだな……) 髪とリボンの色合いを喩えて詩人を気取りながら、田所正男は彼女のいる方向に足を向けた。 「やあ、悪山さん」 「……田所先輩。こんにちは」 「何を読んでいるんだ?」 「図書館ではお静かに。……恐竜のビジュアル資料をまとめた本です」 悪山エリスは、田所正男にも表紙が見えるように両手で本を傾けた。縁で口許が隠れるのが何となく可愛らしい。それから深い意味 があるのかないのか、ぽつりと「最新版なので」と付け加えた。 なるほど大判のページには、恐竜の化石や模型の写真、太古の想像図などが掲載されている。端に綴られている恐竜の名前は、子ど もの頃は生き物の図鑑に目がなかった田所正男にも、まるで覚えのないものだった。ブランクにちょっとした感慨を覚える。 「ほう。今はこういうことになっているんだな」 釘を刺された手前、田所正男は声量を囁き声に落とした。それでも他人の癇に障ることはあるが、幸いにも一帯に人影はない。この 機会に少しお喋りがしたい気分だった。 悪山エリスは、立ち去らない先輩の存在にも特に気兼ねすることなく、手にした本を読み進める。田所正男の見立てでは、歓迎して いるふうではないが、かといって鬱陶しがってもいないようだった。 (おっ?) 悪山エリスの傍らには幾冊かの書籍が積み重ねられ、綺麗に背表紙が揃っていた。彼女が運んできたものに間違いない。 改めてタイトルを確認すると、『両生・爬虫類のじょうずな飼い方』『世界最強の毒ヘビ・ベスト40』『暴れん坊ティラ野サウル 子さんの冒険』『まだらの紐』とあった。それでちょうど、この図書館で一度に借りられる上限と同じ冊数だった。 探偵小説を読まない田所正男には最後の一冊だけは謎だったが、ほか四冊の共通点から可憐な後輩の意外な興味の対象が垣間見えた。 「こういうの好きなのかい? 爬虫類とか」 「……少し、懐かしくなっただけです」 場所が場所だけに悪山エリスの声はか細い。無意識に顔を寄せていたことに気づいて、田所正男は慌てて身を引いた。それにしても 他人と囁き合うというのは、何だか面映ゆいような不思議な感覚がするものだ。 「そういやあまり関係ないけれど、北の火山のあたりに恐竜の生き残りがいると噂になっていたね」 「灼熱地岳(しゃくねつじたけ)の、シャクネッシーですか」 話題の種としての旬はとうに過ぎ去っていたが、意外にも悪山エリスの反応は悪くなかった。 数か月前のこと、ロボヶ丘の北方に聳える大火山・灼熱地岳(嶽)の麓で体長数十メートルという巨大生物が目撃されたという。何 でもその皮膚は凝固を忘れた熔岩のように赤く、太陽光を浴びて光り輝いていたという。当時は暗いニュースが続発していた反動かた いそう話題になり、未確認生物について特集を組むメディアも続出した。 「悪山さんは、いると思う? シャクネッシー」 「……いると素敵だと思います」 悪山エリスは少し考えてから、はにかんだような、田所正男のこれまで見たことのない表情を浮かべた。 「そっか」 正直なところ、シャクネッシーに限らず古代の大型爬虫類の生き残りなどというものは全て眉唾だと田所正男は考えている。目撃し たのが事実だとしてもこの巨大ロボットの時代だ。もっともらしい説明をつけてしまうのは容易だった。 しかし、そういったものに心を躍らせているらしい悪山エリスの姿を見ていると、そういうロマンのある考えもいいかもしれないと、 そんなふうに思えたのだった。
※ 「あなたは今、愛に目覚めたカッコマンと、話しているのですよ……きりりッ!」 『ホントにー? ホントにそんなこといったんですかぁ? あはははは! かっこいー惚れそー』 「む?」 放課後にいそいそとセイギベース3に赴いた田所正男。彼が耳にしたのは、お馴染みのはぐれ研究員の芝居掛かった台詞と、聞くも かしましい女子の笑い声だった。明朗闊達とした響きは彼にも覚えがある。 「失礼します」 自動開閉式のドアを潜って司令室に入ると、龍聖寺院光が片手を上げて挨拶を寄越した。 画像通信が繋がっており、壁の一面を占有する大型モニタに溌剌とした笑顔が映っている。明るい茶髪を耳に掛かる程度に刈った、 いかにも行動力のありそうな娘だった。 『やっほー。戻ったー? 愛に目覚めた田所くん』 「お帰り。ちょうど今、セイギベース3、4、5の合同訓練の意義について、激論を交わしていたところさ……」 「博士なぜそんな嘘をー!!」 いけしゃあしゃあと言ってのけるはぐれ研究員・龍聖寺院光の神経の太さに舌を巻く。ただし、もう一人との意思疎通はうまくいっ ておらず、誰も誤魔化せない。 龍聖寺院光とモニタ越しの井戸端会議に興じていた彼女は、海老原カッコウーマン。本名を海老原良子(えびはら よしこ)という 花の女子大生にして、セイギベース4の一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネの専属パイロットである。田所正男の先輩に当たり、今一つ 頭の上がらない人物だった。 女性同士ということもあり、龍聖寺院光とは姉妹のように仲が良い。もっとも私的な雑談のためだけにこの回線を繋げるようなこと はしないはずで、何らかの連絡事項があったことが予想できる。 「何かあったんですか? 海老原先輩」 『え? ああ、そうそう。そうだったよ』 海老原良子の表情がやや硬くなる。 『田所くんはさ、ワルサシンジケートって知ってるかな』 「それはもちろん……。悪の総元締めという程度の認識ですが」 田所正男は怪訝そうに眉を寄せた。 国際犯罪組織・ワルサシンジケート。その名を聞くのは久し振りだった。 巨大ロボット製造のノウハウの流出元でもあり、悪の破壊活動の大規模化の元凶のひとつといえる。恐ろしく古い歴史を持つらしい が、その存在が世間に知れ渡ったのはここ数年のことだった。 『なんか不穏な動きがあるらしいんだよね。かなりの大物が日本に来てるって話だし』 「大物?」 『詳しいことは分かんない。でもかなり特殊な立場にいるやつらしくて、諜報部のみんながぜえぜえいってた』 言いようは世間話の延長のようだったが、それだけに生々しい現実感があった。 『ネクソンタイプがあれば負けることはないと思うけど、かえって狙われやすいかもだから、用心しといてよ』 「なるほど。分かりました」 隕石に含有される稀少物質ネクソニウムの力を利用したネクソンタイプは、巨大ロボット群の中でも別格だった。特筆すべきはその 物質の限界を超えた常識外れの装甲強度であり、ネクソニウムが大量に確保できるなら近代兵器に革命が起こるともいわれていた。 E自警団の保有するネクソンタイプは日本国内の基地に限れば、セイギベース3の最強無敵ロボ・ネクソンクロガネと、セイギベー ス4の一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネしか存在しない。それでも戦力としては破格だった。 『あれ』 けたたましいアラームが、セイギベース4において鳴り響いた。 『タイミング悪いなぁ、出撃要請だ……。あ、なんか悪いロボットが現れたみたいだから、ちょっと行ってくるね』 挨拶もそこそこに、海老原良子が傍らに備えてある赤いヘルメットを引っ掴む。 秘密基地・セイギベース4は大都市圏に近く、巨大ロボット犯罪もそこそこの頻度で発生する。悪山悪男のような血気盛んな常習犯 がいないのが幸いといえば幸いだった。 『あ、田所くん。必殺技のことで悩んでるんだったよね?』 格納庫で出番を待つ一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネのもとに向かおうとする海老原良子が、ふと思い出したようにカッコウーマン の表情で振り返った。 『使いづらい必殺技って思ってるかもしれないけどさ。ネクソンクロガネアニヒレイターを会得したことの意味はね、たぶん、すっご く大きい……。きっと、田所くんが思っているよりもずっと』 「は? それはどういう……」 『愛と勇気がカンジンなの! 悩め田所カッコマン!』 惚れ惚れするような姉貴分の笑顔が、田所正男の目に焼きついた。 彼女の底抜けの明るさが翳るようなことは、未来永劫ないように彼らには思えた。
だが。 それから数刻ののち、田所正男と龍聖寺院光は、信じられない光景を目撃することになる。 海老原カッコウーマン、一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネの敗北。 そして、秘密基地・セイギベース4の壊滅だった。 ※ 「っち……ちくしょー……っ! ネクソンアカガネブレイクが、通用しないなんて……!」 一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネは、満身創痍の機体を燃える大地に横たえていた。赤銅色の装甲が無惨にも剥がれ落ち、空虚な金 属音を奏でる。操縦席では海老原カッコウーマンが屈辱に罵声を吐き出すが、ごまめの歯軋りだった。 破壊の痕跡はネクソンアカガネだけでなく、セイギベース4の全域に及んでいた。隔壁や機材が強引に引き千切られ、最新鋭を誇っ ていた設備は見る影もない。 今や火の海となった秘密基地は、一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネよりもなお赤い。宗教にいう煉獄の顕現だった。 「あなたがたには」 圧倒的な破壊をもたらした謎の敵は、物静かな聖職者の口調で言い放つ。 マッスルポージングひとつで爆炎を弾き飛ばす、それは白亜の巨人。 「筋肉が足りない」 哀れみの篭った視線が、焦土を舐める敗者を見下ろしていた。 E自警団が蓄積する膨大なデータにも該当するものが存在しない、新型の巨大ロボット。 我らが最強無敵ロボ・ネクソンクロガネよりも肩幅が広く、四肢も二周りは太い。逞しい前腕や下腿には、筋繊維を意匠としたらし い赤い模様が幾筋か、異民族の入れ墨のように走っていた。全身に纏う威圧感は、かの暴君竜をも上回る。 驚くべきことにその機体は銃砲火器に頼むでもなく、凄まじい膂力のみに物を言わせて、これだけの阿鼻叫喚を演出したのだ。巨大 ロボットとして見ても規格外と表すしかない、強大無比の駆動力だった。 「私シロガネ四天王いちのマッシブ、ニック・W・キムと」 ムキッ。サウナさながらに湯気の立ち篭る操縦室。その中を、所狭しと巨漢の筋肉が躍動していた。 「剛力無双ロボ・シロガネマッスル」 ムキッ。息継ぎの度にいちいちポーズが変わる。 「我ら夢の最強タッグは、いつでも強敵を待っているぞぅ!」 目を見張るような筋肉の隆起のために、厳選素材のパイロットスーツもはちきれんばかりだ。一箇所だけ露出した頭は綺麗に禿げ上 がっており、髪の毛一本残っていない。じんわりと汗が滲み、木魚のような滑らかさで照明の光を弾いていた。 「うん! 次の挑戦者はきみに決めた! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! その名に違わぬ筋肉を見せてくれたまえよ!」 パイロットたるニック・W・キムの動作を忠実にトレースし、筋肉を誇示する姿勢を再現する巨大ロボット。どういう駆動系の働き なのか、ビクンビクンと生々しく上半身が波を打つ。濃密な汗の臭いを発したような気がした。 (うざい……) 海老原カッコウーマンは口許を押さえようと手を持ち上げたが、そのまま意識を手放した。 一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネの碧眼が光を失う。それが、彼女たちの果敢ない抵抗の終わりとなった。 ※ 「なんてことだ……。あの海老原カッコウーマンが!?」 最悪の結末を見届けた田所正男の声は悲鳴になっていた。 海老原カッコウーマン操る一撃必殺ロボ・ネクソンアカガネは、E自警団でも随一の攻撃力を誇る。必殺技のネクソンアカガネブレ イクの破壊力は、並みの巨大ロボットならばただの一撃で三機を葬り去るのだ。それで仕留め切れなかったという事実。 「いつもの、悪のマッドサイエンティスト・悪山悪男じゃあない。あいつは全く別種の……敵だ!!」 龍聖寺院光が声を張った。新たな激戦の予感に、セイギベース3に緊張が走る。 そんな時だった。 セイギベース3の直上から、悪魔の嬌態を思わせる歌が聞こえてきたのは――!!
『the Roots of All Evil〜諸悪の根源〜』 作曲/ドクトルポイズン 作詞・歌/カッコマンエビル ※the Roots of All Evil 禁じられたチカラ 今この手に 陽射しの裏 街の影 強くなる闇の濃度 最も忌むべきそれは ただ奇跡を乞い願う家畜 抉り出せ 己が爪で 仔羊のはらわたを 欲望の全てを叶えよう 人間として生まれたからには ※くりかえし 笑顔の意味 甘い罠 むせかえる虚飾の色 最も醜きそれは 被害者になりたがる敗者 突き立てろ 強き牙を 雛鳥の首筋に 貪欲に全てを食らおう 勝者となり生き残るために the Roots of All Evil 胸の奥のホノヲ 今解き放つ 見せつけよ 悪の爪牙 太陽に背を向けて 敵と味方を問わず砕け 誰よりも本気で生きるなら ※くりかえし
「この歌詞の放つ激烈な思春期臭……まさか!?」 龍聖寺院光の顔色が蒼白に転じた。 激しいリズムで肺腑を突く悪の賛歌は、吐き気を催すほどの禍々しさを孕んでいた。直に味わうコンサート会場の熱気にも似て、メ ロディの及ぶすべてを一種の異界へと変質させてしまう魔力を秘めている。 「出てきなよ、最強無敵ロボ」 誰かが言った。若い男。言葉には挑発するような含みがある。 続いてセイギベース3を衝撃が襲った。 余韻が覚めるのを待たず、空の高みより降臨する巨大な物体。平和な世界を蹂躙するかのごとく着地は荒々しい。しかも、鎧袖一触 全てを切り裂く衝撃波を纏っている。 「シロガネ四天王いちのスピード。この神速飛翔ロボ・シロガネソニック」 それは、腕の代わりに翼を拡げたスーパーロボットだった。 銀色掛かった白い外装は、最新鋭の航空機を思わせる。美しく青が映える飾り線は、流線型をなぞる疾風さながら。 一対の眼には、正義の味方をすら震える獰猛さ。 死を告げる堕天使を思わせる姿だった。 秘密基地であるはずのセイギベース3を、狙いを過たずに翼端が射抜く。気障な仕草だった。 「ボクの名前はカッコマンエビル。分かりやすくいうなら、悪のカッコマン……さ」 機械仕掛けの鳥人に抱かれ、白に染められたカッコマンスーツの男は嗤う。ヘルメットの奥に、くつくつと魔女の大釜が煮えるよう な音が篭っていた。 こうして悪夢の夜会は開幕する――!! セイギベースを強襲する巨悪の尖兵たち! 彼らは、四つの大罪の化身だとでもいうのか!? 弾ける筋肉・ニック・W・キムのシロガネマッスル! 悪のカッコマン・カッコ マンエビルのシロガネソニック! そして、まだ見ぬ二人操る超級の巨大ロボも、影より密やかにセイギベース3に忍び寄っている! 泣く子も黙るシロガネ四天王に、ロボヶ丘が戦慄! きみならば、きみならばヤツらを倒せるのか!? 田所カッコマン! お前がやらずに誰がやる! 最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ! つづく
以上!!!! なんか今までと違う感じでナンですが、お楽しみいただければ幸いです
>>917 乙です。がんばってクださい!
ところで、コードギアスの二次創作ってこのスレ的には大丈夫だろうか。
かなりの妄想ifになりそうなんだけどww
二次創作はなるべく専用のスレに行くのがいいと思うけど… 特にギアス関連のSSスレは多いみたいだし。 でも他のスレでどうしても駄目だったんならここでもいいんじゃないかな。
wiki全然更新されてないな。
手伝いたいけどwikiってなんか手がつけらんねー というわけで紹介文でも書こうかと思うんだけど、なんか行数とか内容とかに規定つくる? 個人的には三行くらいで、あらすじと特徴とキャッチコピーが揃ってると楽しいかなと思うんだけど……
特にこだわらなくて良いと思う 期待するぜ
◆Y/6cgLL20o 【タイトル未定(獣耳の少女)】 【CR ―Code Revegeon― 】 【パラベラム!】 【タイトル未定(チャリオット)】 ◆.dMD1axI32 【電光石火ゼノライファー】 ◆Y/6cgLL20o 【タイトル未定?(タウエルン)】 【海上都市姫路守備隊戦記】 ◆46YdzwwxxU 【瞬転のスプリガン】 【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ】 こんだけでいいかな? 連載中かつプロローグありのを書き出してみた。 「連載する気満々なのに俺のがねーぞイモヤロウ!」って方や「今ちょっと書いてる気力とかねーから後にしろドチンピラ!」という方も、いましたら。 作者さんはできればトリップも決めとくといいかも。 あと、キャッチフレーズのようなものを何か一行、作者さんに各自で考えてもらえると、とっても嬉しいかも……。 どういうのにするかはお任せしますが、 「ボクんちの車はスーパーヒーロー!?」 「海と山と大空に、少年たちの雄叫びが聞こえる」 「熱血スーパーロボットバトルアクション!」 みたいなのを参考例においていきますです。 「自分の作品にやりづらい……」って方は俺がやりますけど、センスの見せどころと思って気楽に一行考えてみませんか。 ちなみに何行目にするかは、どうにかこっちで調整してみますんで。 返信あり次第、紹介文作ります。
そういえばトリップを付けていなかった事に、今気付く あ、キャッチフレーズはちょっと待ってくだせぇ
とりあえず今連載中なのは
【CR ―Code Revegeon― 】
と
>>509 【ザ・シスターズ】
の二つかな
昔のだと【シャドウミラージュ】というのをちょいと上げてました
反応無かったので連載やめちゃったんだけれど(夏休みぐらいになったら一気に終盤の展開だけ書こうかなと思ってます…)
こっちやシスターズが再掲必要だったらやります
というか今ちょっと手直しして1話だけで再掲して時間稼ぎしようかという悪しき心がw
トリップ確認しました。 シスターズ読めませんねぇ。よろしければもう一度お願いしますよ。 ふと「全選手入場ーッ!」みたいなのでもいいかなと思った。そっちの検討はまた後でしますが、 取り敢えず作者さんからみた自分の作品の「売り」みたいなものを知っておきたいです。 前スレみたところ、獣耳のは「荒野に生きる(仮)」ですね、失礼しました。まだ(仮)かな? タウエルンは「Tuerun」だけでいいのかな?
いけね、忘れてた。 連続で悪いけど、俺のほかに紹介文書いてもいいって人はいない?
ご事情でまた酉変えました。度々申し訳ない
>>923 はいはい〜承りました。キャッチコピーですね
何気に題名はtueunでおkです。シンプルですっきりしてるからw
でキャッチコピーは私用中に色々考えたのですが、自分的にはこんな感じがしっくりきました
全てを無くしたこの世界で――――青年と人形は明日を咲かす
……臭い上に訳分かんないっすねwあくまで俺はこんなのが良いってだけなので
>>923 さんがお気に召さなければ変えてもらっても良いですよ
規制中なのでまだまだ執筆活動は遅れると思いますorzシベリアから失礼しました
海上都市姫路守備隊戦記の作者です。 「スーパー創作ロボット大戦」みたいな感じでも面白いと思いますけどね。 キャッチフレーズはお任せします。 後編を書かなければいけないはずが、何故か劇場版予告編2を書いてる途中。 な、何を言ってるのか俺にも……な状態ですので後編はもうしばらくお待ち下さい。 おまけで自分の作品のスパロボ風ステータスでも。数字は適当です。 三式重装甲強化服ブルーショルダーカスタム HP2500 EN100 装甲1000 運動性100 サイズSS 移動力6 地形適正 空−地S海A宇B 特殊能力 複合自然発電 毎ターンEN最大値の10%回復 遮蔽 敵の攻撃を25%の確率で回避 常時発動 振動熱兵器 耐振動熱防御の無い敵にダメージ+25% 耐振動熱防御の有る敵にダメージ−25% 耐振動熱防御 振動熱兵器のダメージ−25% 長針弾 攻撃力1000 射程1〜3 5連装6.25mm機関銃 攻撃力1500 射程1〜4 60cm振動熱斬刀 攻撃力2000 射程1 小型低出力光熱衝撃砲 攻撃力2000 射程1〜5 100mm多目的ミサイル 攻撃力2000 射程1〜7 100mm多目的ミサイル榴散弾(MAP兵器) 攻撃力2000 射程1〜3 25mm重機関砲 攻撃力2500 射程1〜5 150cm振動熱斬刀 攻撃力3000 射程1 100mm対戦車ミサイル 攻撃力3500 射程1〜6 全弾発射 攻撃力4000 射程1〜5 ????? 攻撃力5000 射程1(第○×話 劇場版最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 異世界からの来訪者 終盤から使用可能) 清水静 格闘175 射撃200 防御150 技量200 命中250 回避250 精神コマンド ひらめき 集中 熱血 魂 覚醒 小隊長能力 命中率+10% 回避率+10% 特殊技能 指揮官LV1 底力LV5 援護攻撃LV2 再攻撃 ブロッキング 気力+(撃破) 見切り 気力限界突破
あれ。トリップって♯の後に文字を入力するんですよね? 今まで一度もした事ないのでよく分からないんですけど。
×# ○#
売りかー ノリだからなぁw シスターズはお気楽ドタバタロボットコメディ リベジオンは何だろう、あえて言うならプロローグのラスト4行ぐらい、そのまんまですね 元々キャッチフレーズ的な意図でしたので シスターズはー、ちょっと待ってください、ファイル分割せずにやってたから 書き換けの二話の途中までも一緒にファイルに入ってます たぶん明日ぐらいには…
ああ、半角か。 これで正常に表示されてるはず。
パラベラム! のキャッチフレーズなんですが、
Si Vis Pacem,Para Bellum−−−−汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
……ちょっと長いかしら。
長かったら『Si Vis Pacem,Para Bellum』の部分は削っていただいて構いません、はい。
あとスレ立てって
>>980 でしたっけ?
テンプレにwikiのURLを追加するのを忘れぬように注意しなければいけませんね。
……自分、規制喰らってますが……orz
>>928 tueunさんも規制喰らってましたね、そういえば。
規制に負けず、お互い頑張りましょうぞ!
だいたいこんな感じになるというサンプル。 【パラベラム!◆1m8GVnU0JM】 ――それは「戦いに備えよ」というラテンの言葉にして、機械人形オートマタ召喚の呪文である。 漆黒のオートマタ・リヒターと、そのマスターとなった少女・遥の旅が始まった! なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇! 【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】 ――これは、悪夢に立ち向かうちっぽけな一人の人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。 アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……! 襲い掛かるバイオレンス! 暗雲立ち込める衝撃作! 【Tauerun】 ――あれは、いや、あいつはただ畑を耕したい。皆の笑顔を見たい。ただそれだけなんだ 荒廃の大地に安住の地を求める青年・ショウイチ。彼と旅する巨大トラクターには、とんでもない秘密が隠されていた!? 「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇! 【電光石火ゼノライファー◆.dMD1axI32】 ――俺、戦うよ。兄さんの代わりに 正体不明の敵来襲! 柊頼斗は兄の意志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する! 少年少女の思いが交錯する王道スーパーロボットバトルアクションに、キミのハートもブレイズアップ! 既に修正するところがあったらよろしく。 ブレイズアップあたり、ライファーになってから変わってそうな気もしてアレだ……が。 せっかくの企画なんだから、作者さん以外でも「こっちのほうがいい」とかあったら言ってってよね。じゃなきゃ死刑。
あ、ごめん。ページ更新すんの忘れてたわ。 キャッチもらってくよ?
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています) 【荒野に生きる(仮)◆8XPVCvJbvQ】 再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。 獣の耳と尻尾を持つ「ヒューアニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!! 怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!! 【CR ―Code Revegeon― ◆klsLRI0upQ】 これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。 アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……! 襲い掛かるバイオレンス! 衝撃の問題作遂に降臨! 【瞬転のスプリガン】 スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体! 異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。 変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝! 【パラベラム!◆1m8GVnU0JM】 Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ 意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥の旅が始まった! なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇! 【ザ・シスターズ◆klsLRI0upQ】 1 2 お気楽ドタバタロボットコメディ! 【電光石火ゼノライファー◆.dMD1axI32】 「俺、戦うよ。兄さんの代わりに」 正体不明の敵「アンノウン」来襲! 柊頼斗は兄の遺志を継ぎ、巨大ロボット・ゼノライファーに搭乗する! 少年少女の思いが交錯する超王道スーパーロボットの活躍に、キミのハートもブレイズアップ! 【Tueun◆n41r8f8dTs】 全てを無くしたこの世界で――青年と人形は明日を咲かす 荒廃の大地に安住の地を求めるショウイチ。彼と旅する巨大トラクター・タウエルンには、とんでもない秘密が隠されていた!? 「家業継ぐわ…」「農業ロボ!?」 そんなスレ内の小さな種(ネタ)から◆n41r8f8dTsが丹精こめて育てた、痛快娯楽開墾劇! 【海上都市姫路守備隊戦記◆gD1i1Jw3kk】 「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。 兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る! 止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー! 【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ】 ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ! 今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪! ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション! ・・・ こんな感じでどうだろう。姫路守備隊のが……ボトムズっぽくしようと思ったけど断念しましたですよ……。 作者さんはちゃんと今のうちに注文したいことはしておくように。変な第一印象がつくかもよ。 取り敢えずチャリオットの作者さんだけはよー分からんので保留にしておこう……いるならお返事してー!
シスターズネタが無さそうなので(というか読めないせいか…) 作者からですがちょっと案だしてみます 【ザ・シスターズ◆klsLRI0upQ】 平凡な大学生、大野啓介の元に届いた大きなダンボール箱 その中に入っていたのは妹を自称するヒューマノイドで――― 超展開を超展開でねじ伏せる、お気楽ドタバタロボットコメディ! ベタですがこんな感じでどうだろう… あとリベジオンはキャラ追い詰めるためにちょっとグロ表現使いますがそんなにグログロしない予定なので(精神的な追い詰めはしますが…) ダークとか言われる方があってるかもしれない…
>>937 乙。結構様になるじゃん
こうして見ると一辺倒じゃなくて幅広いのな。ジャンル
上のレスみたいにここの作品でのスパロボが見たいw
ではシスターズはそれで。 ダーク……使いどころが難しいな。なんかアイデアないか?
自分のはそれでオッケーです。
>>940 イマイチ思いつかないので前のでも良いかなw
シスターズはwikiのうpロダの方に上げときましたー
>940 「T&T」に、ダークと言うナイフが。 【ダーク違い。ダークに生まれし者、ダークに帰るべし】
襲い掛かるダークネス! 衝撃の問題作遂に降臨! 人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー! 人類は追い詰められた! 緊迫のダークストーリー! よく意味は分からんけど 個人的に二つ目なんかいいんじゃないかと思うんだけど、いまいちジャンルが掴めないとこがあるというか ロボットバトルアクションとかは合わないし、系とか挟むとあんまりかっこよくないし。
>>934 規制の波は厳しいですが、お互い負けずに頑張りましょう!……と言いつつ中々筆が進まないんですけどねorz
>>937 おおお……センス良いっす!文句なんて全然無いです
しいて言えば、本編が痛快娯楽開墾劇になるかどうか……なるたけ努力します
>>944 うお、これは凄い格好いいw
二番目か三番目の好きな方を希望します><
どもども。
そんじゃ2番目を採用っと。
荒野とパラベラムとゼノの人は
>>980 までに返事がないとこれでいっちまいますよー
>>937 【パラベラム!◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ
意思ある機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の戦いが始まった!
なんだかおかしなキャラ達による軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり。ファンタジックロボット冒険活劇!
……ちょっとだけ手を加えてみました、本当に少しだけ。
>>945 自分もですヨ
よりによって書けない時にアイデアばかりが浮かんでは消え……