>>54 『扉の向こうにいる誰か』
1982年。当時大学生だった小村祐介は不安に怯えていた。
下宿先の自分の部屋に戻り、しばらくすると決まってドアの向こうに人の
気配を感じるのだ。
しかし、ドアを開けてもそこには誰もいない。
さらに彼の部屋の中に誰かが入っていたような痕跡もしばしば発見された。
そんなことがもう3ヶ月も続いていた。
彼の精神は限界寸前だった。
そんな彼を心配した友人は名探偵を自称する女を紹介する。
美人だが風変わりな彼女は迷推理を繰り返しながら次第に真相に近づいて
いくが・・・。
どんでん返しを繰り返す多重推理ミステリーの傑作。
コミカルな中盤から恐怖のどん底に落とすラストへの
急転直下な展開が白眉。
86 :
創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 12:42:05 ID:3jEMES1/
>>81 「ときめけ☆スターガールズ」
創発文庫1999年初版
時は未来
物理的に触れている範囲の全ての事象について最適な未来を選択できる、
シュレディンガーシステムという超技術が開発された世界が舞台
その世界でシステムが通用しない謎の異星人と戦う航空宇宙学校生が主人公のラブコメ
天体物理学や(発売当時の)未来技術を多く盛り込んだ読みごたえのある作品だよ
キッチンに搭載されたシュレディンガーシステムが、ヒロインの手料理を処理できなかったのには笑ったが
>>62 『私は犬』
女子高生の大空苺はある日突然、小学5年生の男の子に恋をする。
日々高まる恋心を抑えきれず、苺はついに自分の気持ちを
男の子に打ち明けるが、彼が欲しかったのは年上のガールフレンドではなく、
ペットの犬だった。
苺は勢いで彼のペットになることを宣言する。
そうして彼女の犬としての生活が始まった。
庭先の犬小屋で全裸になって生活する女子高生。
それをわりとすんなり受け入れる男の子の家族や近所の人々。
ヒロインを一貫して犬扱いし続ける小学生。
犬として調教されることに恥じらいながらも悦びを感じるヒロイン。
ついには本物の犬と混じってドックコンテストに参加。
友情!努力!勝利!
読んでいると思わずめまいを起こしそうな不条理官能小説。
>>52 53巻『石化美人が出来るまで』
1. それが王の愛
2. 野晒し美人
3. 最後の手記
4. 石になった修羅姫
5. どじっ娘〜最期の三日間〜
6. 匍匐前進娘
7. 遅延魔法研究史
8. 恐怖!動く石像
9. メデューサ、その愛の形
10.死美人像物語
11.億にひとつの確率
12.冷たいキス
13.罰と重力
14.死のオークション
15.姫様蘇生騒動記
16.まるで道端の花のように
17.壁からの声
18.1万年からの目覚め
19.世界石化計画
20.砕ける希望
89 :
創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 19:03:44 ID:II8XG/dD
>>81 2008年ハードSF私的ベスト10
1位 天国不在証明
2位 島宇宙盛衰記(全52巻。1巻発売は1984年)
3位 SF「密室殺人」
4位 常速時間跳躍法
5位 百万種の性行為カタログ
6位 ブラックホール移住計画
7位 矛盾駆動
8位 キメラのキメラのキメラのキメラ
9位 ナノ魔神戦争
10位 連作小説・物理学の悪魔たち
>>81 >>89でも薦められている SF「密室殺人」
重厚なハードSFでありながら、推理小説でもある作品
マトリクスみたいに、地球が滅亡しかけてコールドスリープ+仮想現実の世界へと逃げた人類の話
仮想現実で、他人を殺すことが出来ないため、殺人がなくなった時代
人間を収めるコールドカプセルの”密室”でどうやって他人を殺すのか? という矛盾に挑む刑事のお話
しかも、ラストはラストで、トリックとは別のオチが待ってる
途中出てくる量子サッカーとか波動計算野球とか、計算のスポーツという発想はグレッグ・イーガンからの影響だと思うけど
かなり描写がSF的な意味で濃いから、人を選ぶかも
>>38 『時代小説アンソロジー 空説名君列伝』
1. 将器と小器
2. 辻斬り大名
3. 炎土復興
4. 異国の地にて故郷を思えば
5. 治水の神様
6. 女家老事始
7. 月見の宴
8. ご無礼仕り候
9. 博識百姓
10.本の虫
11.転生の儀
12.百年の契り
小学生同士の恋愛を扱った小説があれば教えてください
>>51 17巻の「フンドシと美女」について詳細を教えていただけないでしょうか
>>52 じゃあオレは58巻『巫女さんと××』の詳細希望。
>>93 17巻 『フンドシと美女』
1. 隠れ里の赤い死神
2. 三姉妹、只今着替え中
3. 月経帯の女怪盗
4. セールスマンは語る
5. 海牛の午後
6. 早春水練
7. 孤島の祭
8. 春風とふんどし
9. 南国蒼夢譚
10.太郎姫七番勝負
11.校則第26条
12.サムライパンツを愛した女
13.ノーパン主義者の変節
14.異説女侍
15.スーパーモデル羞恥責め
16.写真の中のふんどし娘
17.私と愛しの旦那様
18.女子ふんどし愛好会
19.アマゾネス文明の生誕
20.燃え盛るは職人魂
>>94 58巻『巫女さんと××』
1. 巫女さんとお札飛び交うトランプゲーム
2. 巫女さんとあくまで健全らぶらぶデート
3. 巫女さんと夜更ける受験勉強
4. 巫女さんと甘えん坊犬の散歩
5. 巫女さんと大騒ぎのお買い物
6. 巫女さんとマジで危険な火遊び
7. 巫女さんと疲労困憊ピクニック
8. 巫女さんとちょっとエッチな一夜の同衾
9. 巫女さんと酔い止めなしの初心者ドライブ
10.巫女さんと童心帰りのおままごと
11.道に迷ったのは誰?
12.朝霧の大蛇
13.孕み巫女
14.怪獣の夢を見た
15.除夜の鐘に煩悩の響きあり
16.生贄ダンス
17.黒巫女推参
18.生贄アラカルト
19.量産型に囲まれて
20.こわがり乙女
>>95 『隠れ里の赤い死神』
時は戦国。
恐るべき戦闘術を身に着けた暗殺集団、衣一族は険しい山々に囲まれた
小さな平地を隠れ里としていた。
その里の秘密を探ろうとしたものは死あるのみ。
里の警備にあたる30余人の忍びの内、最強とうたわれるのが若干十六歳
乙女、茜である。
彼女は常に、九尺褌をはるかに超える20尺にもおよぶ赤い布を股間に巻き
つけ、しかも全くその分量を感じさせないように着こなしている。
ひとたび敵と対峙すると彼女の右手のわずかな動きと共に布はまるで
生き物のように獲物へと襲い掛かる。
そして布は相手が身をかわす暇も与えず、その顔へと巻きつき、窒息死へと
追いやるのである。
乙女の股間から敵の顔面へと赤い布が伸びる姿はなんとも不気味で
官能的だった。
その術を知る者は彼女を赤い死神と言って恐れと畏敬の念を抱いた。
冷酷非常でありながら時折、自分の術に対して羞恥心を感じる茜の
キャラクターが萌えポイント。
>>92 とりあえず該当する作品をいくつか列挙
・鈴虫が泣いている
・男の子なんて大嫌い
・夜の学校で笑う鬼
・ハカセと私
・台風が来る
・こちら思春期前
・田舎の男の子
・お遊戯恋歌
・格闘オタクとむっつり
・6歳児には早すぎる
・風邪引き少女
・幼なじみ観察日記
・実際に起こったことと起きなかったこと
・7年後
・ロリコン男児
・寺沢先生は恋の黒幕
・微笑む君に、さようなら
木村日向の鳥獣人物戯画的な世界観が好き。
擬人化された動物たちが不気味かつユーモラスで、時には哀愁を帯びて
いたりして。
荒唐無稽なのに多彩な面を見せる彼らのキャラクターが好きだ。
『朝霧の大蛇』における一糸乱れぬ統率ぶりを見せる体長1メートル
ほどの軍隊カマキリ。
果敢に大蛇に挑む勇猛さに加え、仲間が大蛇に飲み込まれる時は一斉敬礼を
して見送るそのブラックユーモアを含んだ団結心が素敵だ。
『キメラのキメラのキメラのキメラ』における百の頭を持つ合成生命体は
本能に任せて共食いを続けながらも、時に相手の情に訴えかけて危機的
状況を回避しようとする。動物ならでは残酷な行動規範と妙な人間くささの
ギャップがたまらない。
>>10 全裸の葵は浅瀬でお尻を川底へとおろした。
さらさらとした砂の感触が肌に心地よい。
澄んだ水が彼女の股間に向かって緩やかに流れてくる。
ダイちゃんは鼻先を彼女のおへそに軽く当て、それから自身の頭部を
彼女の胸から首筋へと向かって持ち上げていく。
さらに首の後ろに回り込み、彼女の左側頭部へと至る。
ダイちゃんは二股に分かれた細長い舌を出し、葵の耳の穴をなめ始めた。
水音に混じって鳥のさえずりが聞こえる。
時が静かに流れていく。
葵の吐く息がなぜか少し熱を帯びたように感じられた。
『女子高生の走る夜 』 浜砂聡
真夜中を走る全裸の美少女の目撃がこの街では頻発していた。
なぜ彼女は裸なのか?
なぜ街の色々な場所に出現するのか?
ただの変態か?
それともその裏には何かの事件が隠されているのか?
相手の気持ちになりっきって推理を展開する妄想探偵たちがこの謎に挑む。
やがて明らかになっていく真相の輪郭。
そこには複雑に絡み合った様々な人々の思惑が隠されていた。
>>51 『技をかけられ、もがき苦しみ喘ぎて、やがて愛』
1. 昼休みのパンクラチオン
2. 泥酔フィアンセ
3. 婦人警官襲撃
4. 妹と日曜日
5. 小学生集団レイプもどき
6. プロレスマニア、怒りのコブラツイスト
7. 奇妙な体罰教師
8. 魅惑のオクトパス
9. 嫌がる女子にさそり固め
10.激痛
11.母親に技をかける男
12.ネバーギブアップ・ガール
13.密かに待つ
14.スキンシップの名の下に
15.友達の告白
16.高校体育にプロレスを
17.ギブアップなんてしないもん
18.4の字固めはヤンデレを殺す
19.なつかしの街頭テレビ
20.どこでも実況中継
『ナイフではなく』 霧名絵里
読みたいシーン
・涙の別れ、切ない抱擁
・血まみれと絶叫の死闘
・背筋が寒くなる怪異
『線とバツ』
地図には見ているだけでこことは違う何処かへ誘ってくれるような不思議な
魅力がある。それは地図そのものが作り手の思想とイマジネーションが凝縮
されたひとつの小さな世界だからだ。
道路地図、住宅地図、地形図、地質図、植生図。
たとえ同じ場所を描いたものであっても観測者の捕らえ方によってそれは、
まるで万華鏡のようにあり方を変えてくる。
その魅力にとらわれた者は1平方メートルに満たない線と記号の塊に対し、
現実以上に豊饒な世界を感じ取り、陶酔する。
承蝉マップ堂はそんなマニア垂涎の地図専門店だ。
扱っているのは承蝉市の地図のみ。だが、その種類は3万5千にも及び、
小さな店舗の中にところせましとひしめきあっている。すべては店主・殿山
長十郎自身の手による作品である。
御年88歳。誰よりも承蝉市を知り尽くした男が描いた地図は平凡な
田舎町を未知の秘境へと変えていく。
例えば、宝の地図。
例えば、希少動物棲息図。
例えば、幽霊マップ。
逮捕覚悟の超プレミアのぞきマップ。
命がけの殺人鬼隠れ家マップ。
普通の地図には記載されていない道、マンホールの下の地下道、誰も気づか
ない秘密の扉。もしその地図の通りに進むことが出来たならば世界は知られ
ざる新しい顔をみせてくれるのだ。
承蝉マップ堂には今日もロマンが必要な男たちが、時には人生に絶望した
女性が、自分の持つべき地図を求めてやってくる。新たな世界に旅立つために。
不思議な地図を手にした人々の冒険とその顛末を描いた連作短編集。
『読人』
廃墟で少女は小説を書いていた。恐怖で彩られた血と悲鳴の物語だ。
何も起きない平穏な日々の中で彼女は漠然とした怯えを抱いていた。
だからその恐怖を具象化して物語の中に閉じ込めようと彼女は書き続ける。
けれど怯えの心はまるで泉のように次々と涌き出、尽きることはなかった。
正体不明の奇病が世界中で蔓延し始めたのはほんの数年前のことだ。
感染すると意識を失い、仮死状態で眠り続ける。時折思い出したように
立ち上がり、辺りを徘徊することがあるがそれは、決して意識を取り戻した
ということではない。確かに動いてはいるが彼らは外的刺激に対していか
なる反応も示さないのだ。こうして仮死状態による眠りとかりそめの目覚めを
繰り返す内にその体はゆっくりと衰弱し、やがて本当の死を向かえるのだ。
人々は生と死の境界線にいる彼らのことを黄泉人と呼んで恐れた。
わずか3年で世界中のほとんど人が黄泉人なり、死んでいった。今、世界に
残されているのは少女と黄泉人となった彼女の兄だけだ。彼は寝室でもう
何ヶ月も眠り続けていた。最近では起き上がることもなく、寝息すら立てず
にただそこに横たわっている。
少女はひとりで生きることへの恐怖に耐えながら、物語を書き続ける。
血と悲鳴と愛の物語を。それらはどれも素晴らしい傑作だったが、読者の
いない小説ほど無価値なものはない。しかし、少女にとってそれは精神の
平衡を保つための必要な行為だった。生きるために彼女は書き続けた。
夜になると少女は兄のベッドに潜り込み、彼の顔を優しくなでる。
「お話をしてあげようか」そう言って微笑みながら眠りにつくのだ。
せめて兄と同じ天国にいけますようにと祈りながら。
滅びの世界を舞台に書くという行為の本質に迫った問題作。
『超越者の墓場』
ルイスは作家だった。しかしただの物書きではない。その文はどんな音楽や
絵画をも超える美を放ち、その物語は読む者の心臓を直接、鷲掴みするよう
な衝撃と躍動に溢れていた。彼の才能に比肩しうる者はだれひとりとして
存在しなかった。神は彼の才能を愛し、ルイスに不老不死の肉体を与えた。
彼は永遠となった自分の時間すべてを書くことにあてる。
著作数の増加と共に彼の名声はますますあがり、誰もが彼を称えるように
なった。作品の数はますます増え、ついにはひとつの図書館すべてを使って
も彼の全作品が収納できないまでになっていた。人々は彼のために巨大な
図書館建設に着手する。その図書館はバベルと呼ばれ、百年二百年と時が
過ぎて彼の著作が増える度にそれは天に突き上げるように、上へ上へと
増築を繰り返していった。
千年、二千年、三千年と時が過ぎていった。ルイスは今でも執筆を続けて
いた。バベルの地下室に閉じこもり一心不乱にタイプライターを叩いている。
だが、彼の才能の泉はとっくに枯れ、その精神は自分が誰だかわからない
ほどに病んでいた。ただ、抗いがたい衝動に突き動かされてタイプライターを
叩いているのにすぎない。その結果、生み出されたものは単なる文字の羅列だった。
だが、あいかわらず人々は彼の才能を称え、バベルは自身の背を伸ばし続けている。
今ではその最上階は月にも届きそうな遥か高みに位置していた。彼が神にも
等しい存在であることは今や世界の共通認識であり、でたらめな文字の羅列
さえも天才のたどりついた境地として読者の中で脳内変換されるのである。
もはや彼は作家ではなく、実態のないただの偶像にすぎなかった。
誰よりも物語を愛し、物語の創出に情熱を注いだ男の数奇な運命と悲劇を
描いた長編小説。
『終わりなき物語の塔たち』
いくつもの部族が覇権を競い合っていた時代、各集落にはそれぞれ巨大な
塔が建っていた。
塔の中はどれも螺旋状の階段になっており、その壁には石の本棚が設置
され、羊皮紙で出来た書物がびっしりと並べられている。それらは各部族が
つむぎ続けた物語であり、その部族が部族たる象徴であった。
ひとつの塔に収められた本はすべてひとつの物語の分冊だった。たとえば
ある塔に収められた何千万冊という本は、地下迷宮に迷い込んだ男が怪物
たちと戦い続ける物語を4千年にわたって描き続けた結果であるし、ある塔に
収め続けられている本の中では、対立する部族の間で芽生えた王子と姫の恋
が5千年たっても決着をみない。
そう、それらは決して終わらない物語であり、話をつむぎ続け、塔を積み上げ
ることによってその部族の繁栄は約束されるのである。
その約束を実際にかわすのが、黒の読み手といわれる存在である。黒いフードで
顔を隠した人とも亡霊ともつかぬ彼らは、新たに塔に納められた本を読み、
その内容に感銘を受けると祝福の印を残す。もし長きにわたって祝福を得ら
れなければ塔は崩壊し、その部族は滅ぶと言われている。だが、どの部族の塔
にも黒の読み手が現れないという事態が数年にわたって続く。
いくつもの塔が崩壊の兆しをみせていた。数千はいると言われる黒の読み手は
一体、どこに消えたのか。その謎を解くため、若者たちが旅立っていく。
寓話の形を借りて文学の歴史を辿る一大叙事詩。
『幻の玉砕戦』
人生に漠然とした敗北感を抱えた男たちが出会った時、それは共同幻想
という名の怪物に変貌する。
いるはずのない強大な敵に対して団結する18人の男達。彼らはそれが
勝ち目の戦いであるという認識の元、死に場所を求めて一路破滅へと突き
進む。
『鬼ケ島、ラストナイト』
数百年の戦いの末、鬼の一族はわずか数百名となり、小さな孤島へと
逃げ込んでいた。篭城戦は6ヶ月に及んだが、吉備津彦命率いる皇軍の
数は日に日にその数を増し、鬼の、人知を超える身体能力をもってしても
防戦は困難になっていた。
命脈尽きたことを悟った鬼たちは翌朝に決戦を控えた夜、突如共食いを
始める。凄惨を極めるその光景が意味するものとは一体何なのか。
『イエス、第四の誘惑』
新約聖書の中でも特に有名なエピソードとして知られる『荒野の誘惑』を
ベースにイエスと悪魔の魂の闘争を描く。
三つの誘惑を退けられた悪魔は可憐な乙女に姿を変え、旧約聖書のソロモン
の雅歌を唱える。その官能的な内容を巧みに引用し、イエスに淫欲の美徳を
説いていくのだった。三日三晩続く悪魔の淫らな説法。しかし、イエスは
少しも動じず、そのすべてに対し理路整然と切り返し、反駁していく。
イエスの禁欲的な意志に反して本作は淫らな描写に満ち、その内容は極めて
濃厚なポルノ小説といってよい。これを前にすればイエスより前に読者の方
が堕落してしまいそうだ。悪魔の言葉は愛の賛歌であり、愛し合う男女が
快楽を求めるためのあらゆるプレイが列挙されており、愛欲の一大カタログ
になっている。
論理的だが冷淡な印象のイエスより愛を賛美する悪魔の方が人間味に溢れ、
思わず「悪魔がんばれ」と言ってしまいたくなるような異色の宗教小説。
『ぼくはアク禁』 永久咲芭虞(トワサキ・バグ)
>>89 『ブラックホール移住計画』
タイトルだけ見てあなたは、ブラックホールへ移住などという途方もない難題を
いかにして実現するかという点に興味を持つかもしれない。
しかし、少なくとも本書ではあなたのその好奇心を満たすことはできない。
なぜなら移住計画は成功しないからである。
それどころか成功の糸口すら見つからずに物語りは終わる。
22年以内にブラックホールに移住しなければ、人類は滅ぶという
無茶な前提がまずあって、その問題をクリアするために人々は奔走するの
だけど、どだい無理な話だから何の進展もないまま時間は過ぎていく。
それで人々はどうしたのかというと、絶望に耐え切れなくなった彼らは
解決の方法が見つかったふりをして、嘘の理論で塗り固めた移住ロケットで
ブラックホールを目指すのである。
半ば狂った頭でその嘘を信じたふりをして・・・。
安易な奇跡など起こさず、徐々に狂気に犯されていく人類を描く筆致は異様な迫力に満ちている。
爽快感など皆無だけどずっしりと胸にせまる一編だ。
本当に希望の欠片もない話だから、精神状態が万全な時に手に取ることをおすすめする。
『ソビエトはNATOに勝てたか』
著:A・A・シェパード
訳:柊琴音
舞台は冷戦さなかの西ドイツ、主人公は駐独アメリカ軍の参謀とソ連軍戦車師団長。
そして1989年X月、ソ連軍が西ドイツに侵攻、遂に第3次世界大戦が勃発する。
冷戦終結から早20年、時代錯誤も甚だしいと感じる方もおられるであろうが、しかし
この作品は冷戦終結から20年を経たからこそ生れたものなのである。
本書は1980年代に流行した第3次世界大戦ものと一線を画している点は、徹底的な
リアリズムにある。冷戦時に西ドイツの最前線で戦車将校として勤務し湾岸戦争にも
参加した筆者が、ソ連崩壊によって公開されたロシアの各種資料や情報開示された
アメリカ軍の機密資料、さらに筆者自身がロシアに渡って行なったかつてのソ連軍軍人
に対するインタビューなどをまとめて“その時、何が起こりえたか”を緻密にシミュレーション
したのが本書なのである。
本書を読めば、当時の西側諸国が行なった東側への各種分析が良くも悪くも多くの点で
誤っていたことが垣間見える。これは各国の情報分析が抱える問題を示すものであり、
ますます不透明になっていく今の世界情勢を思えば、この作品が多くの教訓を読者の皆さん
に提供してくれることであろう。決して時代錯誤ではないのである。
可愛い猫が出てくる本はありますか?
『オー・マイ・イエス!』
真実のキリストの姿を描く禁断の書。
みなしごのイエスは働くことが何より嫌だった。
天性のペテン師であり筋金入りの男色家であった彼は、何とかその趣味を
仕事にしてハッピーに楽に暮らそうと考えていた。
そんなある日痴呆のある女マリアと運命の出会いを果たす。
自らを神が授けたマリアの子だと触れ回り、神の教えをでっち上げた。
集まる信者と働かずにもたらされる施しと、女との姦淫を戒めたこと
による男色の宴にイエスは満足していた。
だが、事態は彼の思惑を越えて転がりはじめ…
スレ間違えた
『かぐや姫の死』
119 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 13:24:57 ID:4Ys/18GJ
>>118 『かぐや姫の死』寸評
かぐや姫の死とは名ばかりの和尚VS神主の戦闘シーンが八割を占める問題作。
ファンに通称神主ビームと呼ばれる神主の必殺技の原理を坦々と説明するかぐや姫とその他一行の構図は、ほぼドラゴンボールの悟空と観客戦士たちの構図である。
そもそも当初の主人公だったはずの白馬の王子様が第二章以降いなかったことにされているのは何故なのか。
物語としては破綻しているが、それでこそ面白いとも言える典型である。
尚、内容の傾向上ネタバレでさえないと思うので補足すると劇中でかぐや姫は微塵も死ぬ気配がないまま大団円を迎える。
ハードコア・ミステリーの新進気鋭。
120 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/15(土) 14:56:55 ID:4Ys/18GJ
お題
『庶民派セレブのお遍路道中記』
『人喰い扉、最後の7ヶ月』
『犬ころのように』
>>2 「この街にはね、地図なんてないのよ」
物心ついて間もなかった僕は、浮かんだ疑問などすぐに忘れてしまって、
お姉ちゃんを喜ばせたいがために、言葉の意味を理解しないまま頷いた。
あの美しかった街には、なぜ地図がなかったのか?
あの美しかった街で、家族は僕に何を教えようとしていたのか?
20年の時を経て、「僕」はようやくこの街を本当に知ろうとしていた。
地図のない街。
125 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/14(月) 19:06:01 ID:R6Su1e33
「近所のババアを黙らせる100の方法!!」 厳闘社
「シリーズ失踪入門・偽装自殺編」 狡断社
「給料泥棒を自殺に追い込むテクニック」 蹴叡社
「しかし夜に鐘は鳴る」
「言葉遊び戦争」
「疑惑の窓際社員」
「五人の少年少女と二人の大人と一匹の猫」
「鎮魂歌を歌おう!」
「萌える童話集」
創発ハルト文庫(14) シェアードワールドシリーズ3
『チェンジリング・デイ』(上・下)
『シェアードワールドシリーズ』の第三弾は、待望の『チェンジリング・デイ』!
総勢18名の書き手陣、主要キャラはなんと62人!
もちろんイラストもしっかり入ってます。
上巻巻末には、
1,各ストーリーのメインキャラのスペックシート
2,相関図(3枚)
下巻巻末には
3,年譜
4,それぞれの書き手のコメント
を収録。
さらに初回限定版の特典は、書き下ろしイラストのポストカード!
予約はお早めに!
「新版 ベルカの歴史」
創発ハルト文庫(6) アンソロジーシリーズ1
『1レス以内で創るおはなし vol.1』
企画SSスレのひとつ『1レス以内でおはなしを作るスレ』より、厳選された347編を収録。
笑えるもの、シュールなもの、しんみりするもの、そうきたか! と思わせるもの……
よりどりみどりです。
創発板の職人芸を、とくとご覧あれ!
131 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 12:42:30 ID:iI4EF2IZ
『偽証空間』 (絶版)
原作:べショット・メレス・ターレンデルセン
注釈・翻訳:霧奇夢 夜京
132 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 15:02:11 ID:iI4EF2IZ
『概念洪水』
『不可視血球』
『証明学派』
『不在確率』
『霊魂消滅爆弾』
『フィラデルフィア海戦』
133 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 15:12:26 ID:iI4EF2IZ
『妄想密売人』
『感動惑星』
『ドリームスリップ』
『超無我』
『音波迷宮』
絶版SF復刻の会出版
134 :
創る名無しに見る名無し:
『空前の宇宙バブル到来!』
コロニー民は今こそ地球の土地を買い叩け!
西暦4201年 ユートピアコロニー出版刊
『アトランティス沈没計画』
ただのフィクションと侮る事なかれ!著者による
大胆な世界情勢分析と各国が極秘開発を進める新
兵器等の精緻な考察により、もはや20年後に迫っ
たであろう世界滅亡をリアルに描く批評家絶賛の
今世界最高のエンターテイメント作品!私にはこ
の物語がフィクションとは思えない!
紀元前10020年 ポセイドニア書店刊