「……分解は、できないか。ほーしゃせんの危険が危ないし、ね」
もっとも、その為の道具もなかったが玖渚友はそれをいたずらに分解することを諦めた。
通常は少なくとも数トンの重量とそれだけの体積を必要とする水素爆弾がスーツケース大に収まっているのは興味深いが、
しかし如何せんどうしようもない。内容が確認できなければこれはもう信じるか信じないかの問題でしかない。
そして確認する為には実際に爆発させてみるしか方法はない。
だが、もし本物の爆弾ならばこの6キロメートル四方の広さしかない世界の端は、それこそ”跡形も無く木っ端微塵”になるだろう。
「信じない理屈は存在しないけれどもね。うにー……っと」
そう言うと、玖渚友は立ち上がり壁一面を使った窓の方へとてとてとと歩いてゆく。
四次元デイパックという超空間を利用したものが実在する以上、必要な質量なんてものはもう存在しないも同義だからだ。
信じても信じなくてもいいことがあるなら取りあえずは信じておく。それが彼女のスタンスでありパターンでもある。
「こっちは東向きで、あの海の上に見える黒い壁が端っこかな。
だとすればここまでの距離は1333メートル丁度と。ふぅん、鎌倉幕府が滅亡した年と同じだね、うん」
ガラスにぴたりとおでこをつけ、見下ろす夜景から得た情報で二次元の地図を三次元のものへと彼女は更新してゆく。
窓は東側にしかないので情報はそこから見えるだけの分しか得られないが、しかし現在地を割り出すのには問題はなかった。
「ここはE-5の摩天楼。だから消失までには後、53時間と41分26秒か……。
いーちゃんが僕様ちゃんを見つけ出すのは十分の百倍はあるね。安心、安心」
ふふふ――と笑うと、玖渚友は振り返り外界へと繋がる唯一の、これもまた真っ白な扉を見つめる。
彼女の中には自身がその扉を開くなどという考えは毛一本ほども存在しない。面倒だし、不可能。そしてなにより、いーちゃんを信じているから。
扉はもとより、この状況。この異変。この事態が、自分といーちゃんの間を阻めるなどとは、それこそ原子一個分だって思っていない。
「予測の時間です。いーちゃんはあの扉を開いて開口一番なんて言う? 回答者僕様ちゃん」
A 『 ――友! 大丈夫か、助けにきたぞ。一緒にぼくたちの家に帰ろう 』
B 『 ――友! お前だけは生き残れ、ぼくはここで朽ちる。でも、お前の中からは消えない』
C 『 ――友! この世界はもうお終いだ。二人で一緒に死のう。最後の最後に本当に宇宙を破壊してやろう』
D 『 ――友! 結婚しよう! ぼくたちは史上最後のアダムとイブだ。世界の終わりまでえっちぃことばっかしようぜ』
じたばたじたばた。玖渚友は純白のシーツの上でにやにやにまにま、じたばたじたばたと悶えている。純粋な少女の様に――
【3】
…………
……………………
………………………………
まどろみの中で青色の彼女は蒼色に思考する。少女ではなく”暴君”の一面。死線として、ほんの僅かに。
人類最悪――最悪の機械師――砂漠の狐(デザートフォックス)。
三度立ち塞がるか。
一度目は一年前。
いーちゃんの代替品であった《チーム》が解散に追いやられた――が、これはどうでもいいこと。
所詮は戯れ。対決以下の試し合いでしかなかったのだから。暇を潰せる程度としては悪くはなかった。
二度目はその半年後。
いーちゃんと敵対した。その結果は――ざまぁ見ろ。
”本物”と敵対してアレが勝てる道理があるだろう訳がない。いーちゃんの完全勝利に幕は下りた。
三度目は今。
幕は下りたというのに、今またしても――……………………。
それは三度目の正直? 二度あることは三度ある? 仏の顔も三度まで? ――無理は三度?
世界の終わり”ごとき”が、”私”と”彼”とを同時に相手取ろうとは片腹痛い。
歩く逆鱗と呼ばれる彼女。死線の先にいる彼女は待つ。己が寝室――立ち位置にて、何者かの到来を、世界の終わりが始まるのを。
………………………………
……………………
…………
zzz...
今は、ただ眠る。夢見る少女の様に――……
【E-5/摩天楼・頂上階/1日目・深夜】
【玖渚友@戯言シリーズ】
[状態]:健康、睡眠中
[装備]:
[道具]:デイパック、基本支給品、五号@キノの旅
[思考・状況]
基本:いーちゃんらぶ♪ はやくおうちに帰りたいんだよ。
1:いーちゃんが来るまで寝る。ぐーぐー。
[備考]
登場時期は「ネコソギラジカル(下) 第二十三幕――物語の終わり」より後。
【五号@キノの旅】
一見すると紺色のスーツケースにしか見えないが、実際は水素爆弾を内臓した熱核兵器。
バックルの代わりにスイッチがついておりそれで起爆させることができる。
おまけの時限信管を使えば、起爆までの時間を3秒から100日までの間で調整可能。
投下終了しました。
水素爆弾かw
参加者の命運は尽きたなw
投下乙。
地球破壊爆d……でなく会場破壊爆弾www なんてもの仕込みやがるww
青色サヴァンと暴君、二面性が上手いな〜
投下乙ですー
まさかの五号支給w
下手な真似したら参加者全員終わるなww
Eちゃん乙。
バランスどころか天秤ごと吹き飛ばすような厄介なものをw
投下乙!!!
ちょ…水素爆弾とか危険すぎるw
というかやっぱうにーな玖渚は可愛いな…
暴君モードもそれはそれで良いけどw
投下乙です
いやいやいやいやww
水素爆弾とかハンパないw
しかも持ってるのが玖渚だからなー
周りの人も含めて今後が楽しみと言うか…怖いw
質問です。
「女怪」を改稿した結果、
当初と違い鮮花が生存するなど、内容が結構かわってしまったので、
こちらにも投下するべきでしょうか?
それなら此方にも投下したほうが良いと思われます
一応そっちの方がいいんじゃない?
了解、では改めてこちらに投下します
地図上で「E-5」と呼称されるエリアには、
背の高いビルがまるで林の様に乱立している。
このエリアは、エリアの中央部を北から南へ流れる一本の川により
東西に分断されていたが、果たして、
東側のエリアには文字通り天を突く一つの摩天楼が立っていた。
この摩天楼の内部、
地上から遠く離れた、頂上の奇怪な個室の階下の展望室に、
一人の少女が屹立している。
長い髪、引き締まった知性を感じさせる美貌の、
10代後半と思しき少女だ。
修道女を連想させる黒い装束に身を包んでいるが、
これは彼女が通う礼園女学院の制服である。
少女はしばらく思いつめた表情で、
窓から覗く下界の景色を眺めていたが、
不意に天上の月を見上げ、キッとそれを睨みつけると、
パッ、と翻るように踵を返す。
そして、この展望室の中央にあるエレベーターの前に立つと、
鉄の箱がここまで上がって来るまでの合間に、
右手に握っていた茶色の革手袋―火蜥蜴の革手袋―を、
キュッ、キュキュッと左右に着ける。
厚い鉄の扉が開き、鉄の密室の内部が晒される。
そこに確かに誰もいない事を確認するや否や、
彼女は即座に中へと入り込む。
鉄の扉は閉じられ、
彼女の背中はすぐに見えなくなった。
■
下へと移動する密室の中で少女、
黒桐鮮花は考える。
まずは守衛室に向かおう、と。
見たところ、このビルにはあちこちに監視カメラがあるが、
それを管理をしているのは恐らく守衛室だろう。
このビルに誰か他にいるのか、それとも自分一人だけなのか…
先ずそれを確認すればなるまい。
黒桐鮮花は考える。
支給品が火蜥蜴の革手袋だったのは幸運だった、と。
彼女の魔術の行使には、これは必要不可欠なのだ。
これから『戦場』に赴くのだから、
武器は使いなれた物の方がいいに決まってる。
『戦場』…
彼女はこの悪趣味なゲームの会場を戦場と呼んだが、
彼女にとってはここは戦場以外の何物でもない。
自分と『兄』以外、全て『敵』の戦場だ。
彼女は殺し合いに乗っていた。
■
彼女、黒桐鮮花がこの殺し合いに乗ったのは、
非常に意外性を帯びていながら、同時に限りなく必然であった。
彼女は非常に負けず嫌いだ。
何せ、明らかに堅気で無い恋敵に対抗するために、
魔術という闇の世界に自ら飛びん込んでいくぐらいだ。
だから、普段の彼女ならば、毅然と真っ向から立ち向かっただろう。
まだ半年とはいえ、確かに境界の向こう側の世界に足を踏み入れた彼女ですら、
「異常」と断じる事が出来る悪趣味な遊戯、正体不明の「人類最悪」…
だがそんな「異常」も、彼女を止める足枷にはならなかったはずだ。
彼女はそう言う人間なのだ。
故に、本来、彼女はこの殺し合いに乗る筈など無かったのだ。
もし名簿にその名前が無かったなら。
黒桐幹也
ああ、彼が、兄が、幹也が、
自分が殺し合いに乗ってしまったと知れば、
どれほど悲しむか。
それを考えると鮮花は心が潰れそうになる。
(ああ…)
彼女は思うのだ。
(だって、しょうがないじゃない…)
彼のたった一人の、唯一無二の愛しい兄の名前。
自分の全てを投げ打っても、救わねばならない人。
その名前を見た瞬間、彼女は殺し合いに乗る事を決意した。
例え、鬼畜外道と蔑まれようとも、
それは彼女にとっての必然だった。
ふと、彼女の脳裏に過った一つの人影がある。
男みたいな恰好をした、いけすかない泥棒猫の事。
全身に煮えたぎった鉛を流し込まれるような悪寒を、鮮花は確かに感じた。
眼をとじ、頭を振って、無理やりその女の影を脳裏より追放する。
『あの女の事は、会ってから考えればいい』、そう彼女は自分に言い聞かせた。
何故、あの女の事を気にかけるのか、鮮花自身にも判然としなかった。
■
黒桐鮮花がエレベーターに乗り込んだのと、ちょうど同じ頃、
一人の少女が摩天楼の正面玄関から外へと踏み出した。
本来ならば、彼女が奇怪と気にかけるであろう自動ドアにも、
今の彼女は一顧だにしない。
鮮花とそう変わらない年齢だと思しき少女である。
殺気のこもった眼は闇夜にあって燦々と輝き、
右手に閃く白刃が月影を照らす。
伊賀鍔隠れ衆頭領、お幻が孫娘、朧である。
朧は本来、深い影を落とす睫毛、愛くるしい小鼻、やわらかな薔薇の唇、
白くくくれたあごの世にも稀な美少女であり、
幼女の如き天真爛漫さを持った鍔隠れの麗しき姫君であった。
しかし、今の朧にその面影は無い。
髪留めより解けた美しい髪は、風にばさと棚引き、
顔面は蒼白で頬は心なしかこけて見えさえする。
それでいて、目にだけは異様な精気があり、
その恐るべき蒼い光の中に、名状しがたい妄執が渦を巻いている。
(私が…)
朧は心の中で独白する。
(私がちゃんと死んだのに…)
思い起こすは、慶長十九年五月七日の夕暮れ。
(弦之介さま…)
思い浮かべるは、自分の命と引き換えにした愛しの甲賀の主の姿。
(あなたを今度こそ…)
助けなくてはならない。あの愛おしい人の命だけは。
そのためには、わが身を八つ裂きにしてもいい。
他の誰もを犠牲にしてでも、彼だけは助けなければいけない。
(そう、私は愛する伊賀者を手にかけることだって構わない)
天膳、小四郎…
確かに死んだ二人の伊賀者。
今の私は彼らだって殺せる。
朧は、フラフラと夢遊病者の様に、化け物の様なビルの立ち並ぶ、
夜の街へと一人歩きだす。
(あの人に斬られるのだ…)
愛しい人の手にかかる事を夢想するこの堕ちた伊賀の聖女の微笑みは、
ある種の妖艶な淫靡さすら感じさせた。
ああ、哀れなるかな伊賀の姫君。
汝の愛する若君は、既に冷たい躯になっていると言うのに。
彼女は知らず、愛しの男の為に、一人夜を行く。
■
月下の摩天楼に、二人の女殺人鬼が生まれた。
ああ、情深き女の執念よ。
気をつけよ世の男ども。
多殺一生是非も無し。
女は怖いぞ、女は怖いぞ…
【E-5/摩天楼のエレベーター内部/一日目・深夜】
【黒桐鮮花@空の境界】
[状態]:健康
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界
[道具]: デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:黒桐幹也以外皆殺し
1:守衛室に向かう。
2:両儀式については会ってから考える。
[備考]
※「忘却録音」終了後からの参戦
【E-5/摩天楼のすぐ傍の道路/一日目・深夜】
【朧@甲賀忍法帖】
[状態]:健康、精神錯乱?
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]: デイパック、支給品一式
[思考・状況]
基本:弦之介以外皆殺し
1:獲物を探す。
[備考]
※死亡後からの参戦
【破幻の瞳】
見るだけで如何なる忍法、妖術の効果をも破る瞳。
他人に化ける忍者は正体を暴かれ、不死の忍者はその再生力を失う。
妖術、忍法の効果自体を打ち消すのではなく、
その発生源たる術者の体質を、常人と同じ位置に引きずり落とす能力。
如何なる忍法をも修めることが出来なかった朧唯一の武器。
原作においては、弦之介の瞳術を真っ向から打ち破れる唯一の存在であると言われる。
「忍法」ではなく、ある種の特異体質。
完全に無意識に発動しており、敵味方関係なく、見るだけで無差別に忍法を無効化する。
以上です。
投下乙です
改めてこのエリア危険すぎるw
一体どうなるのやらwww
これでマーダー何人目だろw
過半数いったか?
地図のスキルが無いせいで文字でしかお役に立てませんが、再び現在位置表です
A-1 大河、人識
A-3 キノ(危険人物)、天膳
B-3 明久&テッサ
C-2 如月左衛門(マーダー)
C-3 キョン&マオ
C-4 インデックス&ヴィルヘルミナ、シズ
C-5 フリアグネ(マーダー)
D-1 藤乃(危険人物)、弦之助(死体)
D-2 一姫(マーダー)、長門(死体)
D-3 ハルヒ&いーちゃん(マーダー)
D-4 コクトー&吉田、ステイル(マーダー)
D-5 クルツ(マーダー)&土御門(マーダー)
E-1 シャナ&実乃梨&秀吉、トレイズ&亜美
E-2 美波、竜児(マーダー)、古泉(マーダー)
E-3 上条&北村
E-4 白純(マーダー)
E-5 友、鮮花(マーダー)、朧(マーダー)
E-6 黒子&ティー
F-4 小四郎
F-5 朝倉(マーダー)&師匠(マーダー)
危険人物とマーダーは相変わらず完全に主観
ミスがあれば指摘お願いしますー
まとめ乙〜
相変わらず危険人物多いなw
先生! バナナはおやつに入るんですか? あと姫路さんの料理は武器に入るんですか?
>>717 姫路さんの料理は強引に相手の口に流し込めば拷問道具に出来ます。
なお、一食分間食させれば相手の体が強くなければ死ぬ事もありえます。
場合によってはフレイムヘイズやレベル5の超能力者でも殺せる恐ろしい武器です。
灯台の悲劇が素で起こせるという逸材だな
当たってるだけに笑えんな
姫路瑞希はおそらく登場話死亡だろうな。
流れ的にもポジション的にも。
上条さんが生きてるロワでなに言ってんだお前?
上条とか関係なく誰かが死なんとロワにならんでしょーが。
朧が殺し損ねた分、他の忍法帖キャラで即殺せるし
ムッツリが増えたバカテス勢は一人減っても大丈夫!
お前大丈夫か?
書き手は基本ひねくれものだからねー。
こういえば逆に殺しにくいとか思うのだろう。
だが待てよ、ここはその逆を読んで殺せと言うメッセージなのかもしれん。
間を取って皆殺しというのはどうだろうか?
それはない。
好きな作品だが甲賀忍法帖は小説と呼ばれるイメージがあるから
ラノベと呼ばれるのに違和感を感じざるを得ない
忍法帖はいいがイリヤはいらないな。
成田作品がなぜ入らなかったか。
そんなもん人それぞれだっつーの
投票されなかったからだよ。
しかしイリヤ勢未だに予約ゼロは由々しき問題でもある
まあ破棄はされたけど一度予約した人はいるし、まだ慌てるような時間でもないか
イリヤは2回予約されて2回とも破棄されてるからなぁw
5/5のままで他作品のキャラは1〜2か。
予約破棄の影響で自重しあってるのか?
あと、残り3KB切ったからスレ建てんと。
自分はPC規制で建てられん。
イリヤ勢はマジで誰か書かんと洒落にならない
他作品完売でイリヤだけ5人残りとかなるともう動かしようが無くなる
スレ立て乙ー
_ _
_,. -‐-`' ``'‐、,.‐'"´,. =ニ`
,.‐'"´ __`ヽ
/ ``''‐、
. / `''‐、
i , /i 、 ヽ‐-ヽ←無駄に長髪
. ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ
| /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ!
| ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\!
! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,! ←クールな切れ長の目
/ { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' !
. / !( r||. r __ \./| ←日本人離れした高い鼻
/. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│
/_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i
 ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ ←強調された厚めの下唇
| i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、
. | ヽ i ヽ、.イ ←妙に尖ったアゴ
. | |ヽ !. | ! ! .|
| |. ヽ. i、 | W1 │
| ,. ‐'´\|ヽi.ヽ、 ノ|/`‐、 ! ←流血や包帯描写を好む
!.‐'´ | `'ー-‐' .| \!
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・ほとんどが男性キャラ
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うめ
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