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588創る名無しに見る名無し
>>587
長くなりそうだったから途中で簡略化したけどこんなの?

「私、貴方のこと好きです」
夜十時、帰宅ラッシュが終わり、座席の空きもちらほらと出来始めた電車の中で、突然そんな事を言われた。
相手は予備校の帰りであろうセーラー服のお嬢さん。
最近の高校生には珍しく髪を染めておらず長く綺麗な黒髪で、そんな綺麗な黒髪をこれまた最近めったに見ないシンプルな三つ編みにしている。
「……はあ、そうですか」
日頃の疲れで立ちながら半分寝ていたこの俺は、突然の愛の告白にそんな惚けた言葉しか返すことが出来なかった。
「あの、私ずっと、半年前に、この電車ではじめて見た時から、素敵な人だなって、それで毎日、毎日見ているうちに
どんどん、どんどん好きになっていって、昨日も今と同じ場所で同じふうに目をつむりながら腕を組んで何か考え事をしていらっしゃいましたよね、
昨日もいつもと同じようにこの場所で、いつもと同じように何かを考えている貴方を見ていたら、よし、明日貴方と初めて逢ったこの場所で、
貴方に告白しようって思ったんです。だから、だから。もう一度言います。私、貴方のこと好きです。良かったら私と、私とお付き合いして貰えませんか?」
そう言いおわると、彼女は恥ずかしそうに顔を赤くしながら少し俯き上目遣いでこちらを見た。
「……はあ、そうですか」
さっきとまったく同じ答え、正直突然すぎて頭がついていってない。OK少し整理しよう。
今何時、十時四分。今何処、電車の中。誰が誰に何をどうした、目の前の女の子が俺に愛を告白した。
OK理解できた。答え? もちろん決まっている。
「OKだ」
彼女居ない歴=年齢で、魔法使いにリーチがかかっているこの俺にこれ以外の選択肢は存在しなかった。

彼女と付き合い始めて半年が経った。
毎日、彼女が掛けてくる電話には彼女が飽きるまで、毎日明け方まで付き合っているし、
毎日、時間関係なく百通近く送られてくる毎回違う話題の愛のメールには全部、届いてから一分以内に返事を書いて送り返している。
当然、こっちも毎日二百通違う話題のメールを送っているよ、そうしないと彼女だけが一方的に喋ってるみたいで彼女がつまらないだろ?
会社で同僚の女の子と少し話しただけで、突然事務所にやって来て「浮気なんて絶対に許さない……」
と可愛い嫉妬を見せてくれた時には、直ぐに早退して朝までベッドの中で可愛がってやった。
取引先の会社との忘年会で女性営業の方とポッキーゲームをした時には、その場に直ぐに現れて「ここでリストカットしてやる……」と言うので、
「そんな切り方じゃ意味が無い、こうやって動脈にそって縦に切るんだ」
と正しいリストカットの方法を俺が実践して救急車で運ばれたときには、泣いて謝ってくれた。
上司との付き合いではじめてキャバクラに行ったら、俺が店に入って三十分で鉈をもって現れて「おまえら全員ブッ殺してやるッ……!!」
とチャンバラごっこを始めようとしたので、剣道、柔道、合気道、空手、弓道、居合道、おまけに華道、全部で合計三十段の俺が全力で遊びに付き合ってあげたら、
五分で疲れて「もう……、ヤダ」って言いながら床に座り込んだ時には、ああやっぱり女の子なんだなって思ったよ。

周囲の人は止めるけど、そんな彼女と今度結婚します。