(●ω●)< 行圧縮のため一行化してみたお
(●ω●)< このAAじゃ、やる夫と言うのは語弊があるお
(●ω●)< だからやるっちょとか名乗っておくお
"やるっちょ" の検索結果 約 4,150 件中 1 - 10 件目 (0.29 秒)
【やる夫もどきが創発板住民になったようです(エコロジーver)】
(●ω●)< VIPは流れが速くて疲れるお
(●ω●)< その上また規制だお。やってらんないお
(●ω●)< もっとじっくり読めてじっくり書ける板はないのかお……お、お?
「アルファルファモザイク」に紹介された創発板スレ
http://alfalfa.livedoor.biz/tag/%C1%CF%BA%EE (●ω●;;)< こ、濃いお……。これは濃い板だ!今すぐ住民になるお!
(●ω●)< VIPとは違った創作ライフが楽しめそうな板名だお。
(`●ω●´)< これはおれさまの新天地だお!!
--創作発表板
(●ω●)< 初心者系のスレは一通り読んだお
(●ω●)< 流れが良く判らんスレもいくつかあったけど、とりあえず一つ把握したお
(●ω●)< ……過疎だお
☆創作発表板は比較的過疎板です。
これには理由がいくつかあります。
・創作発表がなければ感想が動かない
・ただの雑談は可でも、創作がなければ伸びにくい
(´●ω●`)< ……お隣は創作文芸板か……
(´●ω●`)< ……まあ、たまには見るけど……ねえ……
(´●ω●`)< 本気過ぎて疲れちゃった人達の煽り合いに巻き込まれてから見てないなぁ……
☆創作文芸板は所謂2ch上での創作全般とは少々趣旨が違う空気があります。
文芸賞への応募や真摯な修練を望む人達は、併せて訪ねる価値のある板でしょう。
発表したり感想したり、というよりは、文芸の手段や方法を語る傾向が強いようです。
評価スレの歴史は創作発表板より長いので、あなたの趣旨により使い分けるのが良いでしょう。
続くかも
(●ω●)カタカタ < この板の空気がよくわからん……っと。
(●ω●)カタカタ < Gとか変態とか紳士とかよくわからんので新参な俺に産業
j l| ゚ -゚ノ| < 創発は(改行)初めてか?(改行)力抜けよ
(●ω●)< (やれやれ……Gって何?って聞いた途端にへんなコテに絡まれたお)
(●ω●)< (郷に入れば郷に入れるお)
(●ω●)< あなたは誰ですかお
j l| ゚ -゚ノ| < 人は裏・ハルトシュラーと呼ぶ。
j l| ゚ -゚ノ| < 自称、創発板最強のマスコットキャラ。
(●ω●)< (困ったちゃん臭ばりばりだけど、とりあえずこいつにいろいろ聞いてみるかお)
★創発板発祥キャラクター
予期せず話題に出て来て話が見えなくなる事があるかもしれません。
ex.よし子 ウーパールーパー(何故か食われる) はさみさん
キュムキュム ハルト ハルトシュラー 倉刀 裏刀 変態紳士 etc...
……現在、ぐぐっても把握しにくい状況です。まさに創発ワールド。
判らない時はお気軽に「なにそれ?」と気軽に聞いてください。内輪も内輪認知しかない事を把握していますw
今回出て来た裏ハルト様もそういった内輪キャラの一人ですが、
ここでは「23歳ニートの創作系ヲタの駄目人間(女)」とだけ把握していただければ無問題です。
(●ω●)< SF投下したいんだけど、どこに投下すればいいかお?
j l| ゚ -゚ノ| < 基本は「わしが書いた」スレ、サイバーパンクならサイバーパンクで検索しる
j l| ゚ -゚ノ| < 例外的に、ショートショートで収まった作品は星スレも検討の余地あり。
j l| ゚ -゚ノ| < 本来は「星新一っぽい」作品投下が趣旨なので、星知らないならスルー推奨
★スレ案内
このSF SSはわしが書いた〜自慢スレッド
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219845097/ 板初投下があったとかいう記念スレ
サイバーパンクな世界で創作しようぜ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1222255203/ サイバーパンクの定義に揺れている雰囲気があります
星新一っぽいショートショートを作るスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221401059/ 良作ショートショートのるつぼ。さくっと読みたい読者諸氏にお勧め
いざ書こうと思うと難しいスレでもある
(●ω●)< 参考になるお
(●ω●)< ……む。やるっちょが想定していたSFギャルギャルウハウハラノベは不適切かもしれないお
j l| ゚ -゚ノ| < わかるわかる
(●ω●;)< 我ながらなんだが――突っ込みなしって逆に怖いお
j l| ゚ -゚ノ| < ぶっちゃけスレ立てちゃってもいいと思うんだけどね
(●ω●)< VIP的なノリかお?
j l| ゚ -゚ノ| < いや
j l| ゚ -゚ノ| < この板の定番として「責任もって1000まで埋めろよ」とか言われたりする
(●ω●)< ……他板の荒れてる系の板に比べたら、ずいぶんユルい煽りだお
j l| ゚ -゚ノ| < あとね、あんま放置してると「食われる」
(●ω●;;)< ……く、「食われる」とは??
j l| ゚ -゚ノ| < スレ削除されない上に現時点でスレ数もmax行ってないのよ
j l| ゚ -゚ノ| < だからとんでもない下らんスレも「落ちない」
j l| ゚ -゚ノ| < 板初期に雑談スレ内で下らな過ぎる雑談してた奴らが、そういうスレに移住して埋めたのをきっかけとして
j l| ゚ -゚ノ| <「GGG」、通称『G』と称されている
(●ω●)< どんだけ下らな過ぎたんですかお
j l| ゚ -゚ノ| < 確か初代スレタイは『水銀燈「おしりからヨーグルトが出たわぁ」』
(●ω●)< ……まて。それすごく気になる
(●ω●)< ……ぐぐったらほんとにそういうスレタイが。妙に
>>1が気になるし。datきぼんぬ
j l| ゚ -゚ノ| < モリタポでも買えば?
(●ω●)< ……
j l| ゚ -゚ノ| < 前述の避難所のGスレに現在のGスレが貼られてるので、興味あればそこ参照
j l| ゚ -゚ノ| < 多分に内輪ノリなんで、混ざりにくい時に無理して混ざる必要はないよ
(●ω●)< 詳しい人に出会えて助かるお。裏ハルさんもGに混ざってるんで?
j l| ゚ -゚ノ| < いやあたしはGアンチ
(●ω●)< ……さいですか
★Gとは?
削除人が半年単位で来ない板なので、自分たちで処理しつつ、板貢献の意図で、お題創作なんかに興じて盛り上がる事もあります。
まあ実質、雑談チームですけど。
人畜無害。古参会話や後述「一人遊び」文化があるので良く判らん人には良く判らんと思います。
良く判んなくても別に実害ないんじゃないかな。多分。
★「一人遊び」とは?
他の板で見かけるケースはそんなにないかも?
前述のような「どうしようもないスレ」を、個人的に食う(=埋める)人が居ます。
是非は検討の余地がある文化かもしれないけど、まあ糞スレ埋めって事で。
(●ω●)< そうそう、この板って荒れる方?
j l| ゚ -゚ノ| < うーん
j l| ゚ -゚ノ| < 住民は比較的やさしい
j l| ゚ -゚ノ| < でも、煽られる事が皆無じゃないし、たまには変な人もいる
j l| ゚ -゚ノ| < 「2chだから」って割り切った上でなら、比較的ヌクモリティ
(●ω●)< ふむふむ。そんくらいならいい塩梅だと思うお
j l| ゚ -゚ノ| < 変な人はスルー。これ常識。
(●ω●)< (……そんじゃ、このひとスルーすべきかお?)
(●ω●)< (いやいや、付き合ってくれてるだけ感謝だお)
(●ω●)< 了解だお
j l| ゚ -゚ノ| < んじゃ今日は落ちる
j l| ゚ -゚ノ| < あ
(●ω●)< なんだお?
ー30分後ー
(●ω●)< ……寝たのかお。最後の最後でひどい罠置くなよ。
(●ω●)< まあ、明日はスレを回って色々見てみるかお……
――今日はここまで
GJ!
裏ハルト
ここでもやっぱり
裏ハルト
〜俺様心の俳句〜
でも説明は的確じゃねえかwww
〜翌日〜
(●ω●)< こないだエロパロに上げた作品でも再投下してみるかお
(●ω●)< 創作文芸からの分割板っぽい名前だし、エロパロ住民はいないだろお
> 49 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage
> なんか既視感
> 50 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage
> エロパロだったと思う
> 51 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage
> 過疎だから別にいいけど、マルチって書いて欲しいね
___
/─三─\
/:::::(○三○)\
(::::::::::::::(_人_):: ) _______
/:::::: |r┬| ヽ | | |
|::|::: `ー' | | | | |
★創発板住人は各板からの移住民が普通に多いです。
創作文芸と並んでいますが分板ではないです。スレ要望時にも
「発表系の板の全年齢版が欲しい」というコメントがありました。
板住人の他常駐先は結構ばらけてるようですので、
再掲の際は再掲であることを伝えた方が面倒がないでしょう。
(●ω●)< 素直に「スマソ」とレスしたら済んだようだが感想レスがない
(●ω●)< レスがないけど、この板は正直焦りようがない
(●ω●)< ……三日は待つ事にするかお
★創発板のレスペース
短編であれば数日で数レス、くらいに考えた方がいいかもしれません。
また、投下完了時にageるくらいなら全く問題ないので積極的にageちゃってもいいと思います。
★積極的に感想欲しい場合
そのためのスレもありますので、色々検索してみるといいでしょう。
【mitemiteだし】感想を付けてもらうスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232885881/ 【俺が】お前らの創作批判してやんよwww【ルール】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228978952/ また、初心者向けの指南所もあります。
SS・小説創作の初心者のためのスレ 2筆目
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231413279/
206 :
やる夫もどきが創発板住民になったようです 7:2009/06/20(土) 15:15:16 ID:eGI3Zruf
(●ω●)< なんかこう、他スレ投下者とかとの雑談とかしたいもんだな
(●ω●)< Gスレというものを覗いてみるかお
(●ω●)< 混ざれそうな空気だったら混ざってみるかお
Gスレ前々前スレより
> 360 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:09:14 ID: /ddfntQD
> ハ
> 361 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:10:27 ID: PAJuF1bO
> ブ
> 362 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:12:34 ID: YIANNxgS
> ト
> 363 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:32:49 ID: AP4rueR/
> ケ
> 364 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:43:39 ID: TYCWXVfy
> ラ
> 365 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:43:56 ID: m++I3PR/
> プ
> 366 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:45:45 ID: Q0BXf5RO
> ス
> 367 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:49:50 ID: TYCWXVfy
> ・ハブトケラプス
> ヽ、,ノヽ
> {G' G /¨ ̄ ~¨ ` 、
> レニヽ', 、,__,t' y、\
> ,}_,|,ゝ ,>_゙>_/ `ヽj
> ・寝起きが悪い
> ・食用
> 368 名前: 創る名無しに見る名無し Mail: sage 投稿日: 2009/05/11(月) 22:49:50 ID: TcVkkR2j
> 古代生物っぽいの来たw
(●ω●)< ……
(●ω●)< ……意味判らん
(●ω●)< まあ、無理に混ざる必要もないか……
★Gスレの空気
空気らしい空気はありません
比較的みな思い思いに、思い付きで埋めてます
★雑談したいとき
無理にGスレに混ざろうとせず、まずは下記雑談スレ(通称「雑スレ」)で雑談振るのが無難です。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ15
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1242143254/ (●ω●)< まぁ、雑談スレや既存スレ読みながら、休日を満喫するかお。。
ネタ切れ。続くかどうかわかりません
>>196の暗黙のルールというより創発の歩き方的な内容に終わってるかもw
(`●ω●´)分かりやすくて面白かた
これ独立スレにならんかね?
これおもろいwww
209 :
やる夫もどきが創発板住民になったようです 8:2009/06/20(土) 18:17:17 ID:eGI3Zruf
j l| ゚ -゚ノ| < 支援キボンヌ
(●ω●)< あら裏ハルさん。昨日はどうもだお
j l| ゚ -゚ノ| < 支援キボンヌ
(●ω●)< ……この板、支援いるのかお?
j l|#゚ -゚ノ| < 馬鹿者! だから貴様は三流だというのだッ!!
(●ω●)< ……説明キボンヌ……
j l| ゚ -゚ノ| < 平たく言うと、この板における「支援」は、連投規制予防が目的
j l| ゚ -゚ノ| < VIPみたいに保守しなくても落ちない変わりに、
j l| ゚ -゚ノ| < 過疎気味だから10連投なんてあっさり達する訳よ
(●ω●)< あー、さるさん規制対策かお
(●ω●)< 他の人がレス挟めば投下しやすくなるって訳かお
j l| ゚ -゚ノ| < それだけじゃない。もう一つ、重大な理由がある
(●ω●)< なんだお?
210 :
やる夫もどきが創発板住民になったようです 9:2009/06/20(土) 18:18:58 ID:eGI3Zruf
j l| ゚ -゚ノ| < 寂シス
j l| ゚ -゚ノ| < ついでに感想くれっていう本音
(●ω●)< ……
(●ω●)< 涙ぐましいな……
(●ω●)< ……判ったお。支援するお。どこだお?
j l| ゚ -゚ノ| < 「創発板でガチホモ書こうぜpart3」スレ
(#`●ω●´)< LR違反だーーーっ!!!!
★ガチホモについて
この物語はフィクションです。そんなスレありません。
★支援について
さるさん対策に加えて、他スレ住民との交流度うpもあるかもしれません。
裏ハルさんみたいな下心も、迷惑かからん程度なら板の活性化に繋がる事でしょう。
10レス以上投下したい場合は、どんどん支援キボソしちゃっていいかもですよ。
支援の希望は、前述の雑スレでも構いませんが下記の専用スレもお勧めです。
【支援要請】さるさんと闘うスレ【代理投下】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1239039323/ ★LR(ローカルルール)について再確認
全年齢板ですので、18禁な内容は控えましょう。
でもノリで違反してる人はそこかしこにうわなにをするやめrでrftgyふじこlp;@
裏ハルくぁいいなww
j l| ゚ -゚ノ| < 寂シス
j l| ゚ -゚ノ| < ついでに感想くれっていう本音
かわいいなさすが裏ハルトさんかわいい
213 :
やる夫もどきが創発板住民になったようです 10:2009/06/20(土) 18:26:53 ID:eGI3Zruf
(●ω●)< 質問があるんだお
j l| ゚ -゚ノ| < どどど童貞ちゃうわ
(●ω●)< 聞いとらんわ
j l| ゚ -゚ノ| < はよ言え殴るぞ
(●ω●)< (このひと、VIPノリの駄目な例だお)
(●ω●)< 「代理投下です」っていう投下を見たんだけど、あれってなんだお?
j l| ゚ -゚ノ| < 代理投下じゃねーの?
(●ω●)< ……なんか不機嫌ですか?
j l| ゚ -゚ノ| < VIPほどじゃないにしてもここも2chだから、
j l| ゚ -゚ノ| < まあ規制される時は規制されるのね。全板とか
j l| ゚ -゚ノ| < そゆ時に書き溜めてたの投下できないとか悶えて死ぬじゃん
(●ω●)< ……幸い、まだその境地には至った事がないお
j l| ゚ -゚ノ| < で、悶えて死ぬ前に避難所の「レス代行」スレに投下先と本文を書き込むと
j l| ゚ -゚ノ| < どえらい勢いで代理投下する暇人がいるのよ
(●ω●)< ……なんか代理投下に恨みでもあるのかお?
j l| ゚ -゚ノ| < いや……別に……
j l| ゚ -゚ノ| < ……いっつも先越されてムカつくってのはあるが
(●ω●)< 自己顕示欲を発揮する場所間違ってると思うお。
★規制中に活用したいレス代行
レス代行はここでおk
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1236880541/
フヒヒwサーセンww
ブーン系書き手とみた
216 :
やる夫もどきが創発板住民になったようです 11:2009/06/20(土) 18:43:22 ID:eGI3Zruf
(●ω●)< 教えて君ですまんですが、もう一件いいかお?
j l| ゚ -゚ノ| < 嘘答えるかもしらんけどそれで良ければどうぞ
(●ω●)< (……まあ、それもまた2chの基本ではあるが……)
(●ω●)< ロワってなんだお? この板来る前にも見た事はあったんだけども
j l| ゚ -゚ノ| < (……あれ、普通に聞いて来た)
j l| ゚ -゚ノ| < (おちょくりがいが無いなぁ)
(●ω●)< 結構この板に集まってるようなので改めて知っておきたいお
j l| ゚ -゚ノ| < そうね。他板から誘導とか移動してきたのとかもあるそうだしね
j l| ゚ -゚ノ| < あたしも参加経験ないんだけど、まあリレー小説企画の一つよ
j l| ゚ -゚ノ| < 元ネタは勿論、かの有名な「バトルロワイヤル」
j l| ゚ -゚ノ| < 本棚に入ってるけど読んだ事ない
(●ω●)< いや読めよ
j l| ゚ -゚ノ| < 大別すると「パロディ・ロワイヤル(パロロワ)」「オリジナル・バトルロワイヤル(オリバト)」があるそうです
j l| ゚ -゚ノ| < 登場キャラ決めて、地図決めて、あとは複数の書き手が
j l| ゚ -゚ノ| < キャラを「予約」して執筆、投下後に状況のメモを記す
j l| ゚ -゚ノ| < という繰り返しで、大きなリレー小説を作りあげる企画
(●ω●)< なるほど。面白そうだお
j l| ゚ -゚ノ| < 正直、長丁場な企画だから読むの辛いんだよね
(●ω●)< ……ロワ系住民敵に回す覚悟バリバリですか?
★ロワについて
むしろ教えてください
残念、とりあえず
ロワイ ア ル
だ
j ||| ゚-゚||ノ < すみません
おい、かわいいな
(●ω●)< 狙って誤爆しましたね
j l| ゚ -゚ノ| < うん。なんかウザい初心者に絡まれたウゼーって書いた
(●ω●)< いや直で言えよ
j l| ゚ -゚ノ| < やだよめんどくさい
(●ω●)< ……で、素朴な疑問なんですが質問いいですか
j l| ゚ -゚ノ| < イイワヨー気軽に来いダワヨー
(●ω●)< (こ、こいつ……全く悪びれてねぇ……)
(●ω●)< あのスレはなにかお? 創発のガス抜き場かお?
(●ω●)< いろんなアレな書き込みがあって、つい元スレ探ってしまうお
j l| ゚ -゚ノ| < 確かに「王様の耳はロバの耳」扱いされてるね。困ったもんだ
(●ω●)< お前が言うなお
j l| ゚ -゚ノ| < まあ、気にしないのが一番
j l| ゚ -゚ノ| < ぶっちゃけ他板の誤爆してる人もいるみたいよ
(●ω●)< ついあっちでレスしようとも思ったけど……
j l| ゚ -゚ノ| < 誤爆にマジレスは比較的無粋
(●ω●)< 避難所にも誤爆スレ、チラシの裏スレってのがあるようだお
j l| ゚ -゚ノ| < チラシの裏(通称チラ裏)はここにもあったんだけどね
j l| ゚ -゚ノ| < チラ裏と誤爆をゲリラ叩きに活用してるケースが散見されて、
j l| ゚ -゚ノ| < チラ裏の次スレは一旦避難所統合って流れになった
j l| ゚ -゚ノ| < 陰口スレじゃなく、気軽に下らないレス書き捨てられるスレであって欲しいんだけどね
(●ω●)< だからお前が言うな
j l| ゚ -゚ノ| < 他板にも校舎裏スレとか実質ヲチスレなスレがつきものなので
j l| ゚ -゚ノ| < 個々人のモラルが大切だという事しか言えませんね
(●ω●)< だからお前が言うなというのだ
j l| ゚ -゚ノ| < サーセン。きゃはっ。
(●ω●)< (殴りてぇー………)
★誤爆スレの使い方
・気にし過ぎないこと
初めて誤爆スレを見た時は焦る事もあるかもしれません。
でも、あなたの事かと思いきゃ他板誤爆だったりします。
・誤爆にレスするのは控えましょう
喧嘩は2chの華とも言いますが、不毛な煽り合いになるくらいなら
誤爆せず堂々と議論した方が建設的でもあります。
・直で書きにくいネタレスを敢えて誤爆する流れが元々の用法ですって奥さん。
(●ω●)< うーむ、とりあえず一ヶ月経ったお。普通に創発民化しちまったお
j l| ゚ -゚ノ| < 住めば宮子と申します
(●ω●)< 誰だよ。都じゃないのかよ。
j l| ゚ -゚ノ| < 確からき☆すたのキャラ
(●ω●)< スルーしとくお
j l| ゚ -゚ノ| < サーセン
(●ω●)< 創発板、人が少ないせいか異文化なノリが目立つところもあるけど
(●ω●)< 馴染むとなんでもないお。むしろ板全体を全スレ住民で共有しているかのような
j l| ゚ -゚ノ| < 慣れるとコテついてなくても個人識別ができたりします
(●ω●)< ID追い過ぎるのはよくない事だお
j l| ゚ -゚ノ| < まあのんびり楽しくやればいいのです
j l| ゚ -゚ノ| < 板の手引きとしてはもう十分そうだから
j l| ゚ -゚ノ| < 最後に、この板の盛り上げ方について私見
(●ω●)< ほう。興味あるお
j l| ゚ -゚ノ| < (私の作品に)感想つけろ!
j l| ゚ -゚ノ| < 投下大事! でもね、感想つける人も大事なの!
j l| ゚ -゚ノ| < だからみんな、もっと気軽に色んなスレ(の私の作品)に感想つけるべき!
(●ω●)< おい。本音隠せ。
j l| ゚ -゚ノ| < それでは皆様、エンジョイ創発ライフ!
(●ω●)< つーか宮子はひだまりスケッチでは?
j l| ゚ -゚ノ| ノシ < じゃーねー
-第一部 完
次回予告「裏ハルトシュラーの湯けむり殺人事件」
乙!
最後なげやりになっただろww
Gで専スレ化が検討されてます。
つきましては投下分で気になる点とかあればじゃんじゃんご指摘くださいだお
j l| ゚ -゚ノ| < 湯けむり追補編だよっ!
(●ω●)< なんですか薮から棒に
j l| ゚ -゚ノ| < 「投下の際に注意すべき点」を忘れてた。みんな気になるところだよね
(●ω●)< ふむふむ。興味大だお
j l| ゚ -゚ノ| < まずありがちなのが、「投下かぶり」
(●ω●)< う……。
j l| ゚ -゚ノ| < 誰かが投下した直後に投下ってパターンね
j l| ゚ -゚ノ| < やはり直近の作品が一番レス貰えるので、
j l| ゚ -゚ノ| < 誰かの投下の直後の投下はグっと堪えるべき
(●ω●)< ふうむ。一理あるお
j l| ゚ -゚ノ| < しばらく直前の作品に感想つかなかったからってスルーするのも出来れば避けるべき
j l|#゚ -゚ノ| < スルーもまた感想ではあるが、感想なく次の投下があったらどう思うですかアナタ!
(●ω●;;)< ……こないだは被せてすまんかったお……
(●ω●)< でも裏ハルさんのあの作品、正直感想しにくかったんだお。
j l| ゚ -゚ノ| < と、ここまでは感情論
(●ω●)< あ、流すんだ、そこ。
j l| ゚ -゚ノ| < 感想貰えない事を嘆く前に、あなたは感想つけてますか!
j l| ゚ -゚ノ| < ここもまた、重要なポイントなのです。
(●ω●)< おお。珍しく建設的な事を言ってるお。
j l| ゚ -゚ノ| < 投下かぶり、スルー。この二つに注意するのに加え、それを嘆かないこと!
j l| ゚ -゚ノ| < いっちょ堂々とageてみること! そして、他スレの作品に感想つけること!
j l| ゚ -゚ノ| < 感想につられて感想がつく事もあります。そして、回り回ってあなたの感想に繋がるんです。
(●ω●)< さすがだお。心掛けるお。
j l| ゚ -゚ノ| < 崇めたてまつりれ(かんだ
(●ω●)< ……なんで掲示板で噛む?
225 :
追補編2:2009/06/20(土) 20:04:51 ID:eGI3Zruf
(●ω●)< ……今日は俺が絶賛スルー中だお
j l| ゚ -゚ノ| < ああ……あの作品なぁ。あれは感想しにくい
(●ω●;)< ちょw 前回の発言台無しww
j l| ゚ -゚ノ| < 今回はその辺の難しい領域に踏み込んでみようと思う
j l| ゚ -゚ノ| < 感想があまりにも貰えない場合の確認点
(●ω●)< ふむ……。
j l| ゚ -゚ノ| < 1:あまりにも独りよがりでないかどうか
;)< グサッ
j l| ゚ -゚ノ| < 特に二次創作の前には「メアリー・スー」でぐぐっとくといいよ
j l| ゚ -゚ノ| < もちろん独りよがりな良作ってのはあり得る。私小説とか独りよがりの極致なのに評価されてる品が多々ある
j l| ゚ -゚ノ| < でも、ここは2ch。
j l| ゚ -゚ノ| < 平たく言えば「何をツッコんで欲しいのか」判らん作品は感想しにくい。
(●ω●;;)< シリアス物でもかお?
j l| ゚ -゚ノ| < 語弊を承知でいうと、そう。シリアス物でも「見せ場」=感想待ちなポイントよ。
j l| ゚ -゚ノ| < 適切な物言いかどうかは判らんけど、一種のツッコミ待ちたる要素があると「良い」
j l| ゚ -゚ノ| < なくてもいいけど描写勝負とかの難易度高い世界になるよね
(●ω●)< あ、今しがたやっとレス貰えた……誤字指摘と「こういうの好きだよ」……か……
j l| ゚ -゚ノ| < 十分十分。
j l| ゚ -゚ノ| < ぶっちゃけ、突っ込みどころ満載の下らない小ネタ投下の方が感想つけやすい
j l| ゚ -゚ノ| < 「ワロスw」「これはひどいww」「ちょwww」が書きやすいんだよね
(●ω●)< うーん。でも俺は俺の書きたいものを書きたいんだお
j l| ゚ -゚ノ| < その心意気や良し。
j l| ゚ -゚ノ| < では私がさっそくレスしてやろう
(●ω●)< おい。「ツマンネ」ってなんだよ。
j l| ゚ -゚ノ| < それもまた感想
★「面白さ」「芸術性」よりも明確な突っ込みどころを用意した方がレスは貰えます。
じっくり読んで欲しいからこそ創発の価値がある、とも言えるかもしれません。
そういう作品の投下後は、ゆっくり感想待つのが一番です。
直近から流れたあとでも、こっそり感想をつけてくれるスレがあります故。
【こっそり】言えなかった感想を書くスレ【自演乙】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237848695/
スレを見てる人間が少ないって場合もあるんだぜ!
>>226 要追補でつね
人の増やし方に言及できないのが悩みどころw
続きましてエロ基準編
(●ω●;)< 物語の展開上、性行為があった事を示す描写が必要になってしまったお
(●ω●)< これはちょっと仕切り直すしかないかな……
j l| ゚ -゚ノ| < ちょぉーっとまったぁーーーーっ
(●ω●)< なんだお
j l| ゚ -゚ノ| < 確かにこの板は18禁モノはだめだが、
j l| ゚ -゚ノ| < 別に教育上の配慮が必要な板ではない
(●ω●)< む? 水準がよくわからんお?
j l| ゚ -゚ノ| < 所謂出版系の倫理規定で使われる言葉で
j l| ゚ -゚ノ| < 「みだりに性的感情を刺激する」事が目的になってなければおk
(●ω●)< うーん
(●ω●)< エロ需要のためのエロ供給になってなければおkって事?
j l| ゚ -゚ノ| < そんなところ。あと文字表現なんだから、性行為自体もいくらでもボカせるしね
j l| ゚ -゚ノ| < 「昨夜、oooはxxxと一夜を共にした。彼は未だに胸の高鳴りを感じていた」くらいなら平気
j l| ゚ -゚ノ| <「xxxがぬっぷんぬっぷんとoooに入れると△△△△!」とかはアウト
(●ω●)< 「(ry)と一夜を共にした。彼は未だに勃起していた」はアウトかお?
j l| ゚ -゚ノ| < ギャグならアリじゃね? 勃起くらい許してやれよっていう
j l| ゚ -゚ノ| < 露骨さの婉曲表現さえできない下手な書き手と思われかねんけど
(●ω●)< 難しいのう
j l| ゚ -゚ノ| < 実のところ、2chからのリンクに挟まれるime.nuにはエロ広告があり
j l| ゚ -゚ノ| < 創発エロ禁止! っての自体説得力に欠けるんだよね
j l| ゚ -゚ノ| < まあ怒られるぎりぎりまでtestスレあたりで挑戦してみるのもありじゃね?
(●ω●)< 明確な水準に悩む前に、うまいボかしかた考えろって話な訳だな
j l| ゚ -゚ノ| < そゆこと。多分ね。
★テストに便利な「testスレ」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219851316/
投下乙です、見てて楽しい
ところでツッコミじゃないんだけど創発ウィキや避難所についても説明があったら親切かと
とりあえず、ひだまりスケッチだ、とツッコミw
しかし、これある程度まとまったらwikiでFAQとして
載せて欲しいねw
(●ω●)< ドラはるとさーん
j l| ゚ -゚ノ| < 無理に合わせるななんだよ
(●ω●)< 2chに投稿したSSの著作権は2chに属するって聞いたんだお。どうなんだお
j l| ゚ -゚ノ| < ベルヌ条約的にはありえんよ。権利者は著作者
j l| ゚ -゚ノ| < ただその権利の扱いについては色々議論されてきたよ
j l| ゚ -゚ノ| < 事例としては、下記の「アスキー『毒男』のまとめ(仮設)」がまとまってるかな。
以下:
http://outermirror.client.jp/ より
著作権関係のまとめ
Q.レスの著作権はだれのもの?
Aレスした人
Q.まとめサイトあるいは書籍化でレスを編集した場合は?
A.編集した人に編集著作権が発生する
ただし、レスした人の許諾が必要
>・投稿者は、投稿された内容について、掲示板運営者がコピー、保存、引用、転載等の利用することを許諾します。
また、掲示板運営者に対して、著作者人格権を一切行使しないことを承諾します。
Q.複製権を譲渡しているのか?
A.複製の許諾をしているだけで譲渡はしていない
つまり、複製権の所有者はレスした人
Q.ひろゆきは著作隣接権者になりうるか?
A.ならない
Q.著作権を侵害したら罪になるの?
A.なるけど親告罪だから黙ってたら黙認されちゃう
Q.じゃぁ、どうすればいいの?
A.自分のレスが書籍化されたら訴えるのが一番
訴訟は匿名でも行えます 裁判になればひろゆきはIPを保持していたら提出しなければならないし
プロバイダも情報を提供します つまり、当事者確認が行える。
>2ちゃんねるの書き込みの著作権を巡って
>アスキーVS毒男VSひろゆきというなんだかよくわからない構図ができてしまいました。
(●ω●)< ややこしいお……。。
j l| ゚ -゚ノ| < 怖けりゃ自サイトへのリンクとして投下するのが確実
j l| ゚ -゚ノ| < いざとなったら「第三者に勝手に転載されたんだ」とでも言え。投下責任はいちいち追求されん
(●ω●)< ふむ……。アップローダ使うとどうなるお?
j l| ゚ -゚ノ| < まとめと言い残した点をかねて、その点については次回に続く。
ホットな話題だなww
なんかハルトさんより裏トさんの方が創発板の顔って気がしてきた
ハルトさん、ぜんぜん語んないんだもんなあ
j l| ゚ -゚ノ| < まず、先のまとめを再確認。
j l| ゚ -゚ノ| < 争点は「複製を許すかどうか」であって、著作権自体の移動はありえないわけです。
(●ω●)< 言い方の問題だおね。
j l| ゚ -゚ノ| < で、先のサイトでもひろゆきの発言があるんで引用してみる
>156 名前:ひろゆき ◆3SHRUNYAXA [] 投稿日:05/01/10(月) 22:15:58 ID:QYRR72lh
>153
>「出版されて本にされるのがいやなら書き込むな」
>おいらのスタンスは変わりません。
>おいらは、情報は制限なく発信できて、受け取れるべきだと思ってます。
>だから、そういう制限を加える気はまったくありません。
j l| ゚ -゚ノ| < 2chやってる奴は、普通にこれに同感なんじゃなかろうか
j l| ゚ -゚ノ| < 出版万々歳じゃん。あなたの投下が面白いと認められたって事にすぎない
j l| ゚ -゚ノ| < 所謂「xxが勝手に儲けるのは許せん!」っていう意見があるのも判るんだけど……
j l| ゚ -゚ノ| < その辺については議論を分けた方がいいと思うので「嫌儲」とかでぐぐってみるといいかも
(●ω●)< うーむ……。しかし、著作者権利の一部が勝手に利用される可能性があるのは微妙だお
j l| ゚ -゚ノ| < ネットで匿名で晒してる以上、開き直った方が精神的にラクじゃねえかなぁ。
(●ω●)< で、アップローダー使うとどうなるお?
j l| ゚ -゚ノ| < ああ、その件だけど。
j l| ゚ -゚ノ| < 「アップローダーごとの規約」という厄介ごとが増えるだけかと。
Σ(●ω●;;)< な、ナンダッテー
j l| ゚ -゚ノ| < 悪質なロダがないとは言い切れないからね。まあ、心配し過ぎても仕方ないけど
j l| ゚ -゚ノ| < ロダは大手を使うこと、あと規約系のページがあればローカルコピーとかweb魚拓取っとけ。
j l| ゚ -゚ノ| < ネットに確実はない。気休めで済まして創作に頭使った方がいいとおもうよー
(●ω●)< そっかー……。
j l| ゚ -゚ノ| < 全部私見だからね。反論歓迎ってことで。
j l| ゚ -゚ノ| < まあトラブルに備えて、投下時にはトリップつけてといた方が面倒はないかもだけどねー
(●ω●)< 創発民で法律の専門家な人がいたら突っ込みよろしゅー
j l| ゚ -゚ノ| < よろしゅー
※2009/06現在、2chの運営者はひろゆきではなく「PACKET MONSTER INC. 」ですので、併せてご注意ください。
物語リクエストに邪魔だから別スレでやってほしい。
問題ないと思います。裏ハルト発祥の地ですしw
既存の分については、一旦wikiに移してから雑かGあたりでスレ立て検討しようかなと思いますが予定は未定
取り急ぎ、wiki文法再確認しつつ
>>236のスレに移動しますー。
お邪魔さまでした。改めて着想頂けたリクエスト元
>>196に感謝
239 :
196:2009/06/24(水) 13:57:16 ID:EwGB5AnX
おおwなんか始まってたwwリクエストした俺歓喜
240 :
196:2009/06/24(水) 14:18:24 ID:EwGB5AnX
読んだよ! 面白かったよ!! ありがとおおおおおおお!!!
これはすぐにでもAAつきで見たいwぜひスレ立ててやるべきww
で、スレが落ちないことを逆用して、板初心者への案内として後世まで語り継いじゃったりなんかしちゃったりするのさ!!
リクエスト
アミュレット
242 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/19(日) 14:46:52 ID:UVGGLOIi
あげ
宇宙空間でカジキマグロと戦う話が読みたい。マジで。
奴の名は、宇宙(スペース)☆カジキ!
俺たち無限の海を行く船乗りにとっちゃ、厄介な敵さ。
なんせ奴らは速い。常時亜光速を可能とした船なんざ、今の時代にも数える
程しか存在してねえ。せいぜい、帝国宇宙軍旗艦だったり、共和国側の最新艦
くれえのもんだろうし、実際にその速度を出した事は、どちらもまだねえだろう。
光の速さに等しい速度ってのは、そのくらい扱いづれえ。
なのに奴らは、常に亜光速を維持し、この宇宙(うみ)を我が物顔で行きやがる。
宇宙広しと言えども、亜光速を可能にした“生物”ってのは、恐らく宇宙☆カジキ
くらいのもんだろうな。まったくいまいましいったらありゃしねえ。俺らは道具使って
もカジキ以下かっての!
でまあ、そんなぶっとばしてやがるから、こっちに――俺らの大事な大事な
船にぶち当たってきやがる事もあるわけさ。ま、こんだけだだっ広い宇宙じゃ、
ホントに稀にしか起こらない事故だけどな。
……俺は、一度奴らに腹をぶち抜かれた船を見た事がある。その瞬間を、だ。
最初は、何か穴が開くんだよ。奴ら、鼻っ柱にやけに硬え、のこぎりみたいな
角持ってやがるし、身体自体がべらぼーに硬え。その身体で体当たりされる
わけだから、船の横っ腹なんざ一発なわけさ。余りの速さゆえに、奴ら自体を
肉眼で捉える事はできねえ。だから、いきなりボコッと穴が開いたように見える
……というわけだ。
そして、次の瞬間、ドカーン! ……となる、と。亜光速で、ま、地球の
海を行くのと同じ程度の重さとはいえ、暦とした質量のある物体が突っ込んで、
突き抜けていくわけだ。その衝撃は船なんざ軽くぶっ飛ばして余りある。
まったく、ゾッとしたね。何が起こったのかわかんないうちに、奴らに一発
喰らったらお陀仏って事になっちまうんだからよぉ。
でもまあ、そうやって何隻も沈められるがままだたわけじゃない。俺たちは
あいつらには無い武器って奴がある。わかるか?
脳味噌だよ。ようは、奴らは考えねえ。俺たちは考える。その差があるから、
俺たちは奴らと戦えるってこった。
とはいえ、考えたのは俺じゃねえんだけどな。ガハハハハハッ!
「船長、2距離単位に、反応有ります」
「おおっと、おいでなすったか。丁度いいな」
俺たちの探査計は、奴らの姿を捉える事ができるようになった。ま、言っても
相手は亜光速なわけだし、余裕なんざ二、三分程度しかねえ。でも、つい最近
までは、何が起こったかもいわからずに沈んでた船が、敵影を捉えられるように
なっただけでも随分な進歩、って奴だ。
ましてや……俺たち人間は、その二、三分で奴らをどうにかしてしまう策を
編み出しちまってるんだから、そりゃま、世の中から戦争が絶えねえってのも
わからんではないってもんだ。どんどん新しいもん考えたら、どんどん使い
たくなるのが人のサガって奴だからな。結果、戦争は終わらねえ、と。まったく、
出来の悪い笑い話だぜ。それもブラックジョークだ。
「右舷に展開。ガツンとかましてやれ」
「アイサー」
俺の合図と共に、奴がやってくる、俺の船の右側に、それが展開される。
「生き物だったら……」
そして次の瞬間、遮光器が必要な程の閃光が、シールドされた窓越しに、
艦橋の俺たちを照らし出す。
「……衝撃喰らったら、あわ食って進路変える……全く、よく考えるもんだぜ」
宇宙という空間で生きる、常識外の宇宙☆カジキであっても、でかい音に
よく似た、でかい衝撃はを食らわされれば、泡を食って進路を変える。それは、
奴が、規格外ではあっても生き物であるという証であり、同時に俺たち人間に
しかつけない弱点でもあった――ってところか。
「しかしまあ……厄介な奴だな」
それだけの衝撃を与えられたというのに、宇宙☆カジキはひるんで方向を変えた
だけで、再び亜光速で“泳ぎ”始め、あっという間に探査計でも捉えられなくなる。
「地球の海じゃ、奴らみたいなのを大竿で一本釣りしてたって聞くがな……」
「まさか、都市伝説でしょう」
探査計に映らなくなった奴の、その目にも止まらぬ姿を思い浮かべながら、
俺はいつか釣ってみてえもんだな、とそんな事を思って、遠く向こう、奴が見えなく
なった方向を、じっと見つめていた――
終わり
ここまで投下です。
246 :
◆77r3yrtC9I :2009/07/26(日) 18:19:43 ID:bodtigI5
「宇宙カジキ」
織姫と彦星は浮気をしないのだろうか? とヤキモキして、
宇宙人から通信が来たら英語で対応したほうが良いのだろうか? とドキドキして、
ブラックホールに巻き込まれませんように、いや、いっそのこと巻き込まれたほうが良いかもしれない、そんな事を割と真剣に悩んでみた。
宇宙船の窓から、真っ暗な海みたいな外を眺めながら考えて、でもすぐに飽きて、いつもの様に本読んで飯食って寝た。
意味の無い一日が終わった。
織姫たちの浮気は確認出来ず練習した英語は誰にも届かない、そんなある日、唐突に思った。
カジキと戦いたい。
でも宇宙にカジキはいない。
じゃあ作ろう!
よし! 決めた!
そうしてカジキ型ロボットを作った。何匹も作って何匹も殺した。失敗し続けた末に完成した。
けれど、喜んだのもつかの間に逃げられてしまった。
どうしょう、追いかけようか、でも無理に決まってる。
そもそも、どうしてカジキなんかと戦おうとしたんだっけ?
考えてみた。思い出してみた。
そうだ。意味が欲しかったんだ。
宇宙船の窓の外を見る度に、光なんてほんの少ししかなくて真っ暗が大部分を占めてる世界に恐怖して、
どこに行くこともなく惰性でたゆたうだけが嫌だった。
でも行くあてなんてなくて、どうして宇宙に一人取り残されてるなんてわからなくて、そんな自分に意味なんてないことは理解してて、でも、意味が欲しくて。
だからカジキと戦おうと思った。真っ暗な海を一番早く泳ぐカジキに勝てたら、真っ暗な世界をたゆたうだけの自分にも意味があると思ったんだ。
カジキは真っ暗な世界の彼方へ行ってしまった。
なら、カジキを追いかけよう。
そして追いこそう。
その時には、自分にも意味があるんだって、信じられる。
「喜劇・駅前戦争」
企業が普通に私設軍隊を持ってる時代。州知事の座を巡って
何人もの資本家がしのぎを削り、武力による小競り合いも
日常茶飯事の関東州が舞台。(既に道州制が導入されている)
長い間、営業ひとすじでやってきた主人公の中年男が、ある日
いきなり警備部門の最高責任者に大抜擢される。慌てる主人公。
警備会社=私設軍隊のこの時代。この人事は言わば、ごく平凡な
サラリーマンがいきなり軍隊の総司令官にされた様なものである。
警備部門の上層部が汚職をスッパ抜かれ大量辞職に追い込まれた
結果であった。さあ、どうする主人公!?
誰か僕のために地獄で釜茹でされている叶姉妹助けてあげている優しい雪女の話書いてください
お願いします
リクエスト
盲導〇〇
251 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 11:28:37 ID:j6a7Uqpw
リクエスト
現国=現国王の先生
それは真夏にしては日差しの柔らかな、過ごしやすい日のことだった。
午前中の執務を終えた国王陛下はゆったりとした椅子の背もたれに身を預け、一息ついておられるようだ。
「陛下、冷たい飲み物など用意させましょう」
手元のベルを取ろうと私は書類をのけて手を伸ばす。
「そうだな、頼もうか」
私がベルを鳴らすとすぐに扉が開きいて侍従の少年が入ってくる。冷たい飲み物と軽いデザートを用意するよう命じると、少年は礼儀に則った言葉で──しかし少年らしい元気な声でかしこまりましたと返事をし、退出していった。
窓からは青い空と白い雲が見える。だが徐々に灰色の雲も増えているようだ。
「これは一雨来るかもしれませんな」
陛下は瞑っていた目をお開きになり、窓の方を向かれたようだった。
「すぐには降るまい。直に散って、まだしばらくは晴れているだろう」
だが夕刻までには底の抜けたような激しい雨が降るであろうな。陛下はそのように仰った。
「どうしたのだ?」
私はポカンとしていたらしい。
「いえ、陛下にお仕えして10年になりますが……天候にお詳しいとは存じ上げませなかったもので」
ハハハ、と陛下はお笑いになられた。
「そうであったか? これでも余の見立ては城の天文士よりも外れぬと女たちには好評なのだ」
「陛下はどちらかで気象学をお修めになられたのでございますか?」
先程よりもさらに大きく、愉快そうに陛下はお笑いになられた。
「余はもうじき60にもなろうとする身ぞ。わざわざ学者の世話になるまでもなく空の見立てなら身についておるわ」
なるほど、亀の甲より年の功か。そんな言葉が思い浮かんだ私は、慌ててその不敬な考えを追い払う。
そんな私を陛下はただ愉快そうに見ておられた。
あぁ、私の様子から何を思い浮かべたのかお察しになられたのだな。
「不敬であるな」
「申し訳ございません」
灰色の雲はそんな会話の間に散り散りになっていた。
再び日差しが降り注いでいる。
「陛下のおっしゃる通りになりましてございます」
うむ、と陛下は再び目を瞑り、背もたれに身をお預けになられた。
私はふと思いついたことを口にしてみた。
「大陸に古今東西幾多の名君ありと言えども、陛下の上に立つ名君などありえませぬな」
「なぜそう言えるのだ?」
私は目を瞑ったままの陛下に答える。
「陛下は師をもつことなく治世に外交に、さらに天文にまで専門家を凌ぐお力をお持ちでございます。名君の中の名君である証明であると言えないでしょうか」
ハッハッハと陛下は常になく大きな声でお笑いになった。
陛下は椅子にもたれた姿勢のまま。
「何も生れ落ちてより今日に至るまで、余に師と呼べる者がいなかったわけではないのだ。そうだな、例えばお前もだ」
私が陛下の師? 陛下が何を言わんとするか、私にはとっさに理解することができなかった。
「ハハハ、混乱しておるな?」
意地悪そうに──まるで街の悪戯小僧のように、陛下は愉快そうにおっしゃる。
たまに陛下はこの様に私でお遊びになられる。常の寡黙さが嘘のように饒舌になられるのだ。
「そうだな……お前の良い所は余の一言一句総てを理解しようとし、意に沿うよう全力で努力するところだ。そういうお前の余に接する際の態度──言うなればそれも余にとっての師、であるな」
なるほど、そういうことか……私は陛下の仰りたいことがようやくわかってきた。そんな私の様子を察したのか、陛下がお笑いになる。
「気がついたようであるな。そうだ、余は師についたりはしなかった。が、余は余の国にある万物万人を師と思い研鑽を積んできた」
万物万人が師である、か。ギシっと椅子が音をたてる。より深く陛下がお体を椅子にお預けになったのだ。
「であれば、やはり陛下は名君であらせられます。万物万人を師として国家に仕える。まさしく名君の証明でございます」
ノックと共に扉が開いた。失礼いたします、の声と共に侍従の少年がトレーを両手に入室する。
陛下と共に応接用のテーブルに移り、少年がカップと菓子を載せた皿を配る。
「この香り……アトン産のホンブロウの茶葉だろうか」
仰る通りでございますという少年に、陛下が聞いたことのない銘柄だなとお続けになる。
「では、私がご教授いたしましょう」
陛下がニヤリとなさった。
「なるほど、今日のお前は茶葉の先生になろうというわけなのだな」
何のことやらわからないといった感じで侍従の少年が困惑している。陛下と私はそんな彼の様子を見て朗らかに笑った。
夏。
抜けるような青空の下の出来事だった。
とりあえず国王の先生ってことで書いてみた
なげーよ、自分
254 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 14:50:51 ID:LWJLeYUZ
リクエスト:
皮肉屋な男後輩と、ヘタレな女先輩
「あーもう……どうして私はこうなのかしら」
「先輩だからじゃないですか?」
「な、何よあんた、後輩のくせに偉そうに!」
「ここにいる期間は同じですし、そういうことは僕よりいい成績取ってから言ってください」
「……」
「あ、そろそろ定時ですね。飲みに行きます?」
「行く」
僕と先輩は、K社の営業部に所属している。
元々先輩は財務課、僕は総務担当だった。しかし今年の人事異動で二人ともここ営業課に配属されたのだ。
今年は新入社員が入っていないので、必然的に1番ぺーぺーの僕達二人で仕事をしたり、話す事が多い。
そして僕はそろそろ慣れてきたのだが、先輩はどうも営業が苦手らしく、成績は芳しくない。
居酒屋にビールの生ジョッキをだんっと置く音が響くが、喧争の中では誰も気にも止めない。
「……で、そのオヤジ、全然こっちの言うこと聞いてくれないのよ!何様のつもり!?」
「お客様のつもりだと思いますけど」
「はあ!?あんたまでそんなこと言うの!?大体まだ向こうは金払ってないんだから、客じゃないわ!」
「……前々から思ってましたけど、先輩は容量が悪過ぎです。もうちょっと割り切って考えないと」
「その割り切りができないのよ!本当にあんたはむかつくわね!決めた、私今度からセールスの人にもっと優しくする!」
「何でそうなるんですか」
最終的に毎回喧嘩のようになってしまうが、僕としてはこんな会話をそれなりに楽しんでいる。
毎回先輩が怒るようなことを言ってしまう。
先輩も毎回怒るけど、飲みに誘うと毎回来る。
内心ずっとこのままならいいと思ってしまうが、先輩に言うつもりはない。
「気のせいですよ、酔ってるんじゃないですか?」
「きー!」
僕はそっと微笑みながら、ジョッキをぐいっと傾けた。
こんな感じかな。先輩がヘタレなのか微妙だが。
気に入らなかったらすまん。
「あーもう……どうして私はこうなのかしら」
「先輩だからじゃないですか?」
「な、何よあんた、後輩のくせに偉そうに!」
「ここにいる期間は同じですし、そういうことは僕よりいい成績取ってから言ってください」
「……」
「あ、そろそろ定時ですね。飲みに行きます?」
「行く」
僕と先輩は、K社の営業部に所属している。
元々先輩は財務課、僕は総務担当だった。しかし今年の人事異動で二人ともここ営業課に配属されたのだ。
今年は新入社員が入っていないので、必然的に1番ぺーぺーの僕達二人で仕事をしたり、話す事が多い。
そして僕はそろそろ慣れてきたのだが、先輩はどうも営業が苦手らしく、成績は芳しくない。
居酒屋にビールの生ジョッキをだんっと置く音が響くが、喧争の中では誰も気にも止めない。
「……で、そのオヤジ、全然こっちの言うこと聞いてくれないのよ!何様のつもり!?」
「お客様のつもりだと思いますけど」
「はあ!?あんたまでそんなこと言うの!?大体まだ向こうは金払ってないんだから、客じゃないわ!」
「……前々から思ってましたけど、先輩は容量が悪過ぎです。もうちょっと割り切って考えないと」
「その割り切りができないのよ!本当にあんたはむかつくわね!決めた、私今度からセールスの人にもっと優しくする!」
「何でそうなるんですか」
最終的に毎回喧嘩のようになってしまうが、僕としてはこんな会話をそれなりに楽しんでいる。
毎回先輩が怒るようなことを言ってしまう。
先輩も毎回怒るけど、飲みに誘うと毎回来る。
内心ずっとこのままならいいと思ってしまうが、先輩に言うつもりはない。
「ちょっと、何にやにや笑ってんのよ?」
「気のせいですよ、酔ってるんじゃないですか?」
「きー!」
僕はそっと微笑みながら、ジョッキをぐいっと傾けた。
文が抜けてた。すまん。
リクエスト「猛暑」
お題【猛暑】
「あぢー」
「暑い暑い言うのやめなさいよね、さらに暑くなるだけじゃない。それより宿題の続きを──」
そうは言っても暑いものは暑いのじゃ。
部屋の温度は31度。部屋の中なのに31度だ!
「あぢぃ、あぢぃぜ、あぢくて死ぬぜ」
俺はベッドにごろんと寝転んだ。
「布団に横になればかえって暑いのに」
おまいの言う通りだ。ベッドに寝転んだところで何の解決にもなりゃあしない。
「あぢぃ……」
俺は激怒した! 余りの暑さに激怒した!
スパコーン!
なんて音がしたかどうかはわからない。
丸められた新聞紙が俺の形の良い後頭部を直撃したのだ。
「もぉ! あんたが暑い暑い言うからわたしまで暑いの我慢できなくなってきたじゃないの!!」
「やめとけ」
俺は心の底からの忠告をした。
「怒るとなおさら暑くなる」
「 わ か っ て る わ よ っ ! ! 」
スパパパパーン!
とかいう音がしたかはいざ知らず、丸められた新聞紙は再度俺のビュリホな後頭部を強打した。
「この暴力女メ……」
ベッドから降りようと顔を上げ、顔を上げようとして俺は目を見張った。
「お前、何してんの?」
「上着脱いでんですけど、なにか?」
イヤイヤイヤ、マテマテマテ。
「ちょっ、何でいきなり脱ぎ出すんだよ!」
「なによぉ、わたしの裸なんて飽きる程見てたくせにぃ」
何を言うか、何を言うかッ!!
「そりゃ、幼稚園とか小学生の頃の話だろうがぁッ!! 俺もお前ももう高校生だぞッ!!」
慌てる俺、フフンと笑うおまい。
「いいじゃ〜ん。フフーン、減るもんじゃないし〜」
脱いだ上着をバッグにしまい、バッグを持って立ち上がる。
「わたしさぁ、お風呂入ってくるね。もう汗でベタベタ気持ち悪いし」
そして俺を振り返った。満面の笑顔で。
「一緒に、入る?」
そうして部屋を出て行くおまい。
俺がそれを追える訳がなかった。
勝手知ったる他人の家。わたしは服を手早く脱ぎ捨て、カラっとガラス戸を開けて浴室に入る。
水のシャワーが気持ち良い。うん、これ最高。
あいつが降りてくる気配はなかった。こういうことに関してはホント信用ができる男なのだ、彼は。
とはいえ、
「まったく……このヘ・タ・レ」
それがちょっと、物足りなくもあるのだけど。
壁をコツンと小突くと、ちょっとだけ笑みがこぼれた。
まぁいい。夏はまだまだ始まったばかりなんだから、と。
リクエスト「不気味な童歌になぞらえた殺人事件」
パンプティダンプティー 壁に座ってたら
パンプティダンプティー 勢いよく落っこちた
王様の家来や馬でも
ハンプティーは元に戻せない
「で、そのマザーグースの歌がどうだって言うんだ?」
僕は広間に全員が揃っていることを確認してから警部に答えた。
「わかったんですよ、この事件の真相が」
ざわめく人々に視線は合わせず、僕は例のハンプティ・ダンプティの歌詞が記されたノートの切れ端を掲げた。
「このマザーグースの童謡が犯人を示している。それは確かに事実だったんです」
「本当かね? それは!」
えぇと肯定の返事をして、僕は椅子に座った。
「ハンプティ・ダンプティの歌が謎かけ歌だということはみなさんご存知だと思います」
「ハンプティ・ダンプティは何者か? 彼は卵だってことだね」
ボーンボーンと広間の柱時計が鳴り出す。いつの間にか10分も過ぎていた。
「ハンプティ・ダンプティの原型には諸説があります。ご存知ですか?」
話を向ける。確かあの娘は大学の文学科に籍を持ってたはずだから。
「えぇ、シェイクスピアのリチャード三世がそうであるとか、清教徒革命の際の大砲がそうであるとか」
「アメリカでは落選確実の泡沫立候補者を意味するスラングにもなっとるな」
警部の以外な博識さにびっくりしながら、僕は言葉を続ける。
「狡猾、残忍、豪胆な詭弁家。生まれながらの身体的障害さえもバネにし、王位をものにしようと企む彼は、巧みな話術と策略で政敵を次々と亡き者にし、その女性たちを籠絡して見事王位に就く」
ざわめきが強まる。
そうだ、壁──塀から転がり落ちて“死んでしまった”この屋敷の主そのものではないかと。
まるで、と声があがった。
「そう、まるで被害者本人そのもののような。だけどこれは──」
「お爺様ではなくて、シェイクスピアのリチャード三世のことなのね」
「そう、薔薇戦争の最後を飾る戦死した最後のイングランド王リチャード。彼の栄光は長く続かず、ランカスター家最後の男子として挙兵したヘンリー七世に倒されました」
僕はパンっと歌詞の書かれたノートの切れ端を叩く。
「ハンプティ・ダンプティの原型、自分自身を示すペルソナ。これは自嘲なんです」
ざわめきはいつしか痛いほどの沈黙に変わっていた。
「自分を……壁の上のハンプティ・ダンプティを殺すのはヘンリー七世よろしくの、祭り上げられた正当なる血筋の最後の男子だと」
悲鳴があがる。震える声があがる。ざわめきが波のように揺れる。
「貴方が犯人だっただなんて」
さっと人の波が割れた。まるでモーゼの前の海のように。
「犯人は、あなたですね。没落した本家唯一の、そして最後の男子」
その時、柱時計の鐘の音が鳴り止んだ。
「その通りだよ、名探偵クン」
その言葉は、鐘の音に隠されることなく、僕の耳に届いたのだった。
あいかわらずなげー
オチないけど勘弁ね
262 :
254:2009/07/30(木) 21:29:30 ID:ILpRM9rx
>>256 そうそう、こんな感じのが読みたかったのですよ!
ほのぼのしました。ありがとう。
即興でこれだけ書けるとかすげえw
おもろいねー。
特に最後の探偵物がかもし出すかっこよさは、
俺には出そうとしても出せそうにないw
レスあんがとね
探偵少年と小悪魔な幼馴染は文化の極みだよね
うん
これにあと巨大ロボットとネコが加わったらサイキョーだよね
それにしてもやべぇ、ロボット物の続きが浮かんでこねぇよwww
早く来い電波www
版権物のリクエストってありなんだっけ?
お題「巨大幼なじみと小悪魔なロボット」
「ユ゙ヴぐーん゙!!!!!」
まぁなんだ、非常識なことには慣れているつもりだ。
「だずげでェ゙ェ゙ェ゙ェ゙!!!」
にしても、だ。
「ビエエエェェェェェェェェェ〜ンンンン!!!!」
幼馴染が身長18mになってしまうというのはどうだろう。常識的に考えて。
事の発端はいつものレクリエーションだった。
「なによこのとしまー!」
「なんですって、この四頭身!」
まったくもっていつも通りのレクリエーションだ。
ただ、
「こうなったらけっちゃくをつけるしかないのかしら」
「何だっていいわよ! 今日という今日こそは雌雄を決してやろうじゃないのッ!」
場所が悪かった。
二人が決着をつけるべく決闘の地とした広場に、隕石が落ちたのだ!
「ユ゙ヴぐーん゙!!!!!」
隕石の影響でこいつは身長18mの巨大人間になっちまったし、
「われわれはうちゅーじんなのー」
我が妹ながらこいつはやっぱりどこかずれている。
「お前は宇宙人じゃなくてロボットだろうが」
「われわれはろぼっとかしらー」
我々ってお前だけじゃないか。とにかく妹は隕石に潜んでいた宇宙人に改造されてロボット妹にされてしまったのだった。
「さー、おにーちゃんはあたしがまもってあげるのよー」
だからと言って抱きつくのはよせ。色々と押し付けるのもよせ。というか、お前体重いくつだよ! 潰れるってのー!!
「あぁん☆ れでぃーのたいじゅうをきくだなんて、い・け・な・い・ひ・と(はぁと」
なんか腕に彫ってある。チタン合金ハイセラミックス複合装甲とかガンダニュウム合金とかルナチタニウムとか重たそうな名前が刻んであるのはなんだ! なんなんだ!!
「おにーちゃんへのあいじょうがしつりょうをもつほどにぎょうしゅくされてるのだわー」
意味わかんねーよっ!!
くそう、なんて重さだ。潰れる……潰れてしまう。
「ユ゙ヴぐーん゙だずげでェ゙!!!!!」
「あいしてるのー!!!」
し……ぬ……。
7がつ30にち
きょうはおにーちゃんとおね……えちゃんのさんにんでもんすたーとえいりあんのでてくるえいがをみにいきました。
いえにかえりつくなりおにーちゃんはつかれてねむってしまったから、ふたりでおにーちゃんをおそいました。
うえにのっかると、おにーちゃんは「おもいー」とかしつれーなことをいいます。
わたしはおにーちゃんにのっかったおねーちゃんのうえにとびのりました。
「たすけてー」とかいってます。おにーちゃんのおごりだからってたべすぎたからです。いいきみなのです。
おにーちゃんはうなされていてもかっこいいです。うーんうーんとかいってるけど、もうちょっとだけこのまんま。
だいすきだからもうちょっとだけこのまんまでいます。
われわれもうちゅーじんなのー
一応巨大幼馴染と小悪魔ロボット
ていうか無理やり過ぎだなぁ
モンスターVSエイリアンにはロボット出てないしなー
書いておいてなんだけどちょっと微妙すぐる
ちなみに以前コテハン雑談で書いてた「(妹×幼馴染)+オレ」で書きました
>>266 別にいいんじゃないかしらー
でもわたしは書けないかも
アニメとか最近のはほとんど見てないんだよね
見てないというか、放送されないような田舎暮らしなもんでねー
スパロボαの小説化
ごめん、無かったことにしてくれ
どんだけwwwwww長すぐるwwwwww
>>268 おお、あの時の人だったか
隕石に潜んでた宇宙人に改造されたってwww
リクエスト「プリン対米」
>>273 だが断る
このわたし様の好きなことはっ
なかったことにしてくれと言う相手に
お前のお題受け取った! と言ってやることなのだっ!
【アバンタイトル】
視界の総てを覆い尽くさんとする黒煙。断続的につづく爆発音。立ち上る真紅の炎。
それらはさっきまで“みんな”がいた学校から立ち上がっていた。
「な、何てこった……連邦軍の輸送機が学校に墜落してやがる…。こ、これじゃ、ブリット達は……! ち、ちきしょおッ!」
兜甲児にはわかっていた。戦場に立つ者、戦士としての本能が告げていた。
あの時、あの場所にいた人たちは死んだ、と。
操縦桿を握りしめる。自分のせいかと心が締め付けられる。またなのか、祖父を守れなかった時のように……!
「案ずるな、兜甲児よ。直に貴様も同じ運命をたどらせてやる……」
あしゅら男爵の笑い声はしかし、甲児の闘志に火をつけた。
「くっ、こんなところで、やられてたまるかよぉッ!!」
燃えさかる街の空に、ホバーパイルダーが舞う。
そして、
「い、今の内にクスハを捜さなきゃ…!!」
今、一人の少年の運命の歯車が動き出そうとしていた。
──大丈夫だ。何かあっても俺が守ってやるよ。
そう言ったのに、そう約束したのに。
──あ、危ない! ブリット君!!
守られたのは自分の方だった。守れなかった、約束を、クスハを守れなかった!
『違う!』
吹き飛びそうな心を必死に手繰り寄せる。今はまだ折れるわけにはいかない。クスハは無事だ、彼女を捜して、今度こそ!
「返事を……、クスハァーッ!! 返事をしてくれぇーっ!」
答える声はない。爆発音と、黒煙と、瓦礫だけがブリットの瞳に映る総て。
「お願いだ……、返事をしてくれ……」
『来やがれ、あしゅら男爵! こうなったら相打ち覚悟で勘弁してやらあ!!』
それは突然脳裏に浮かんだ。
「か、兜が……あいつが今、死を覚悟した…!? な、何で俺は……何でそんなことがわかるんだ!?」
言葉ではなかった。それはまるで魂に響いたようなヴィジョンだった。そして、ブリットにはそれが気のせいでも心の迷いでもなく、事実だということだけがわかっていた。
極限状態がブリットにそれを疑わせなかったのか、信じさせたのか? 分からない。ただ、ブリットはそれが事実であると納得した。
だから、
「見たことがない機体……あいつが俺を呼んでいた?」
煙が引き、炎が消え、そこに現れた輸送機の残骸、そこに鎮座する鋼の超人にブリットは躊躇うことなく駆け寄ったのだった。
「俺だ、ブリットだ」
鋼の機体は思うがままに動いた。
その玉座はまるでしつらえたように馴染んだ。
卸したての車のような操縦席の匂いはなぜか郷愁を感じさせた。
「兜! 俺もこのグルンガスト弐式で戦う!」
スーパーロボット大戦α 第一話 『 鋼 の コ ッ ク ピ ッ ト 』
完成度たけえw
あんがとね
ていうかもう一時前じゃんよwww
ごめんもう寝る
おやすむぃ
うーんこんな文章で完成度高いって言われるスレなのか。よしよし
リクエスト
地獄の優しい雪女
刀葉林の女神
お願いします
>>268 シチュエーション?シュチエーション?じゃない?
シュチュエーション???
284 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 11:53:30 ID:rT7603SQ
>>283 国語辞典でもGoogleでも好きな方て調べてみるといいよ!
俺はシュチエーションなんて日本語は聞いたことないけどね!
英語だヴォケw
286 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 12:48:49 ID:rT7603SQ
英語にもシュチエーションなんて言葉はないわ
situation
このスペルのどこら辺りを読めば
シュチエーションだのがシュチュエーションとか
読めるのか不思議でならない
シュチエーションも噴飯物だがそんな日本語聞いたことないと来たか
何から突っ込んでいいのか分からんぞお前ら
レクリエーション?レクレーション?
レクリェーション??
ついシュチュエーションって言っちゃわない?コミニュケーションとか
口が回らねい。
最も適切な例えとしては、この場合シミュレーションが挙げられるだろう。
それはさておき。
>>278 とりあえず、おっぱいプルルンまで続きをわっふる。
まぁまぁ言い合いするより創作しようZE!
>>283 わたしはシチュエーションの方が正しいと思うよ
ていうか、
>>268にシチュエーションって書いてないようなキガス
>>289 お題把握
ブルルンプルルンをお望みか
・
・
・
デカ乳は敵なので気が向いたら書くかも
とりあえず、まずは
>>276
「じゃどーなのだわ、じゃどーなのだわーっ!!」
「いーじゃないのよーッ!!」
俺にとって朝とは爽やかなものじゃあない。
「あさごはんはおこめのごはんとおみそしるなのーっ!」
「私はプリン一個で十分だからいいのっ!」
朝とは戦場だ。朝の食卓は激戦区だ。もっとも朝以外の時間は違うのかと聞かれれば、朝以外も戦場ですと答えざるを得ないが。
「つべこべいわずにたべるのかしらーっ!」
「食べないったら食べないーッ!!」
やれやれ。
俺はちりめんじゃこに醤油をたらし、ご飯に乗せて一気にかきこんだ。
「どうぞ」
ふすまを叩く音に返事をすると、カタっと音を立てて開いた。
振り向かない。ブスっとした顔を見せたくないんだもん。
やれやれって声が今にも聞こえてきそうな雰囲気だ。でもユウくんは何も言わずにコトっと机に何かを置いたようだった。
なんだろう。ちょっとだけ横目で見る。
お皿に乗った、おにぎりが二つ。添えられた玉子焼きはちょっと焦げていた。
「わたし、食べないもん」
ユウくんはベッドに腰掛けてきた。何も言わずにトスっと座る。寝そべる私のすぐ脇に。
「昨日な」
ぶっきらぼうなユウくんの声。
「夕方のニュースでやってたんだ。ダイエットのし過ぎで酷くやせ細った女の人の特集」
言いたいことはわかる。でも、私痩せたいんだもん。
「あんな風になってほしくないんだよな俺も、アイツもさ」」
えっ? と思わず顔を上げてしまった。
ユウくんも、妹ちゃんも?
「お前、最近は朝も昼も晩もプリン一個とか牛乳一杯とかそんなもんだったろ。あいつ、昨日のニュース見てとうとう心配と不安が頂点になっちまったんらしいんだよな」
「妹ちゃんが心配……してくれてたの?」
あったりまえだろ、とユウくんは言った。強くもなく、大きな声でもなく──ただ、当たり前だろと自然に告げてくれた。
「おねえちゃんがほねほねろっくになっちゃうよーってな」
ポンっとユウくんの手の平が私の頭を撫でる。
「だからさ、ちっちゃい子を泣かすんじゃねぇぞ。ほら」
そう言ってユウくんは机の上のお皿を顎でさした。ユウくんが作ったにしてはいびつな形のおにぎりと少し焦げてる玉子焼き。
「あ……」
ユウくんがベッドから立ち上がった。
「じゃあな、食べてみて美味しかったら美味しい、微妙だったら微妙だってはっきり言ってやるんだぞ」
「美味しいよ!」
私は最後まで聞かずに答えていた。
「美味しくないはず、ないよ」
そっか、とユウくんは笑ってくれた。廊下に出るユウくん。閉じたふすまの向こう側でトタトタトタと駆け寄る小さな足音。
私は机の上のおにぎりに手をのばす。
それは、カップのプリンなんかより、ずっとずっと美味しかった。
とりあえず、お題:プリンVS米 終了
またしても「(妹×幼馴染)+オレ」よりでした
やっぱり食べなきゃ健康に悪いよねぇ
昨日、某所でロッテが勝つまで断食すると言っていた彼は今頃どうしているだろうか
まいどー
六連敗中で今日は楽天とだっけ?
さすがに今日は勝つだろーと無責任に言ってみる
295 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/31(金) 20:28:51 ID:rT7603SQ
現在七回で1-0
楽天リードだお
書きあがったよ
次は
>>282 お題:刀葉林の女神で
雪女はまた今度ね
「お前さんよ、刀葉林の女って……知ってるかい?」
警部補はまた僕の知らない言葉を口にした。そちらに向くことはしない。僕はただただ、立ち去って行く黄色いワンピースの後ろ姿を見つめていた。
ハァとため息をつく警部補。
ワンピースの彼女は振り返らなかった。木漏れ日の映える黄色いワンピース。まるでそれ自体が光ってるように輝いている。
「刀葉林の女──女神でもかまわんがな。地獄にそういうのがいるんだよ」
──地獄。警部補のその言葉に僕は少し興味を引かれた。が、やはり彼女の後ろ姿から視線は外せない。
地獄に住まう女か。そんな二つ名は確かに彼女にこそ相応しいのかもしれないとそう思った。
「刀葉林ってのは刀剣の葉が茂る林のことでな、地獄の獄卒はそんな林のド真ん中に罪人を放り出すんだよ。そこでな、罪人がふと目の前の大樹を見上げるとな」
「女がいると?」
そうだ、と警部補は言った。
衆合地獄に刀葉林という林がある。地獄の獄卒は刀剣の葉が生い茂る林の中に罪人どもを放り出すのだ。
途方にくれた罪人が樹上を見やると、そこには見目麗しき端整な姿形をした姫君が鎮座しているのである。
その容貌に見とれた者は、すぐにその木の上に登ろうと試みるのだ。
しかし足場となる枝も葉も幹も刃である。それら刃によってその罪人は体の肉ばかりでなく、筋さえも引き裂かれてしまうのである。
それでも一度燃え上がった情欲の火は尽きることなく、罪人は苦痛を堪え、姫君よ、姫君よ、と木を登りきるのだ。
しかし、かの姫君はいつの間にやら地上に降りていて、欲情のこもった媚びた目で、罪人を見上げているではないか。
それを見た罪人は再び欲情が盛んになってきて、今度こそと地面に降り立とうとする。結局前と同じように、刀の葉が体のすべてを切り裂くのである。
やっと地面に降りてみれば、姫君は再び樹の頂上にいる。
しかし、この罪人はまたもや樹上を目指して登っていくのである。
「まるであの女のようじゃねぇか」
警部補は黄色い後姿を顎で指し示す。
「魅入られた男たちはよ、あの女を手に入れるために刃の葉の大樹を喜んで登っていくんだぜ。何度も登り、何度も降りる。繰り返し繰り返し、何度も何度もな」
だがここは地獄じゃねぇ、見も心も切り刻まれればいつかはくたばる。警部補は吐き捨てるように言い放った。
「それを彼女は見ていた。自分の魅力に惹かれて、近付いて、そしてやがて息絶える様を“ただ”見ていた」
「あの女は黒だよ。真っ黒だ」
だけど、証拠はない。
「あぁそうだ、証拠はない。だがな、諦めないぞ。いつかきっとワッパかけてやる。絶対にだ」
再戦を一人約し、警部補は署に入っていった。
僕も戻るか、そうして身を翻そうとした時だった。
──ブワッ!
一陣の強い風が埃を舞い上げ、僕は思わず目を瞑る。
そして、やんだ風に目を開いた時、目に映ったのは彼女──。
笑顔、それは笑顔! 輝くような大輪の向日葵──笑顔。
『魅入られた男たちはよ、あの女を手に入れるために刃の葉の大樹を登っていくんだぜ。何度も登り、何度も降りる。繰り返し繰り返し、何度も何度もな』
警部補の言葉が思い浮かぶ。
あぁ、そうか。
とっくに魅入られていたのだ。僕も。
立ち止まり、僕を見つめ、笑顔を向ける彼女に、僕はゆっくりと近付き始めた。
いつか僕も彼女によって切り刻まれるのだろうか。刀葉林の刃の葉によって。
そうなのかもしれない。いや、きっとそうに違いない。
だとしても、彼女の笑顔は今、僕に向いている。
魅入られた憐れな罪人に過ぎない僕には、それだけでいいのかもしれなかった。
とりあえず出てるお題は上がったわァ
そういうことでコメヨロ
>>258 いいっすね。こういうの好き。
そして、遅ればせながら。
>>250様、お題頂戴いたします。
↓
300 :
盲導ロボット:2009/07/31(金) 20:51:22 ID:kMUR37t1
人型のロボットが実用化されたのは30年ほど前だ。ロボットが無かったころの
話を、父さんから聞いたことがある。
「ロボットが料理や掃除をやってくれるなんて、夢のまた夢だったよなあ」
父さんが言うと、
「ホントにねぇ。あの頃は、『ロボットたちが暴走したら?』なんて映画も
たくさんあったけど」
母さんはパソコンの前に座って家事ロボットに指示を与えながら、父さんに応じる。
料理や掃除はもちろん、電車やバスの運転、図書館の司書や美術館の学芸員は、
ロボットが行う仕事だ。運転免許なんて、よほど特殊な車両に乗る必要のある人しか
持っていない。たいがいは車自体がロボットで運転する必要が無いからだ。
ある時、学校で人型ロボットが運び出されていた。
「これ、どうしたの」
近くにいた教師に尋ねると、
「運動系統の制御が壊れたらしくてね。簡単に言うと、動けなくなった、ってこと」
それは体育の授業で使っていた、模範演技を見せるための教材ロボットだった。
「体育の模範が動けないんじゃ、商売上がったりだね」
「古い言葉を知ってるな。そう、だから引き取ってもらうことになったよ」
「てことは、これもう要らないの。だったら欲しい」
「だめだめ。ロボットは回収義務があるんだから」
僕は教師にいなされて、おとなしく引き下がることにした。
その場は。
僕は知っていた。学校でロボット回収がされるのは前にも見たことがある。
体育館裏の倉庫に一時保管しておいて、数日後に役所の人たちが来る。
その前に盗んでしまって、別のロボットを宛がっておけばいい。
僕はそれを実行に移し、動けなくなった体育教材ロボットを手に入れた。
301 :
盲導ロボット:2009/07/31(金) 20:55:42 ID:kMUR37t1
「あんた、それどうしたのよ?」
母さんがロボットを指さして言った。
「体育の教材ロボット。僕が逆上がりできないから、貸してくれた。できるようになるまで
借りてていいんだって」
我ながらうまい言い訳だ。実際、僕は逆上がりができない。たぶん、この先も
できないだろう。
「まったく、もぅ…燃料代はあんたの小遣いから引いとくからね!」
母さんは言いながら「タカシの小遣い−500円」などとPDAに打ちつけていた。
そのデータが家計ロボットに飛ばされて、毎月「タカシさん 出費500円 ロボット燃料費」
などと記されたレシートを貰うことになるのだろう。
やれやれ。
しかし、燃料代だけで人型ロボットを丸々ひとつ手に入れることができたのだから、
安いものだ。教師は「動けない」といっていたが、ADL(日常生活動作)は
保たれているようだった。ここら辺については、盗んだときに動作確認済みだ。
逆立ちしたり宙返りしたり、そういうアクロバットみたいなことが出来ないだけなんだろう。
でもそれが仕事だから、仕事が出来なくなったらそれだけで、
こいつはお払い箱になってしまう。
なんだかかわいそうだ。
体育ロボットだからしゃべる必要が無いためか、こいつには発声装置は備わって
いなかった。でもそれでいい、変にしゃべるとうっとうしい。
昼間は部屋にスリープさせておき、学校から帰ったらロボットを連れ出した。でも、友達には見せなかった。羨ましがられて、盗られたり壊されたりしたら大変だ。
僕が走ると、ロボットも同じスピードで走った。僕が転びそうになると、絶妙の
タイミングで僕を支え、時には抱え上げて守った。おかげで僕は怪我ひとつなく
ここ数カ月過ごしている。
「よし、ロボット、今度はあの木に登るぞ!」
そう言うが早いか僕は公園の木の幹に飛びつき、登っていった。
掴んだ枝が折れて落っこちそうになった時、ロボットはしっかりと僕を受け止めた。
「……助かった。ありがとう」
ロボットは答えない。当たり前だ、それが仕事だから。
302 :
盲導ロボット:2009/07/31(金) 21:03:24 ID:kMUR37t1
いつもの公園で、僕はロボットとフリスビーを投げ合っていた。
僕がキャッチし損なってしまって、フリスビーがベンチ近くまで転がった。
ベンチには高校生くらいのお姉さんが座っていた。
「すみませーん! それ、投げ返してもらえますかー?」
僕はベンチのお姉さんに向かって叫んだ。
お姉さんは、一瞬間があってから周りを見渡し、どこか遠くを見ながら手探りで
ベンチの周りを探した。
――そこじゃないよ、足元だってば……
僕は内心イラっとしたが、あきらめてベンチへ歩いて行った。
僕とロボットが近付くとお姉さんは、
「ご、ごめんなさい……」
僕らのほうを見ないまま、そう言った。
「いえ、いいんです。足元のフリスビーを取らせてください」
そう言うと、お姉さんはさっとベンチの端に身を寄せた。
そのとき、はじめて僕らはお互いの顔を見た。
お姉さんは色白で整った貌立ちをしていたが、その目は白く濁っていた。
僕は驚いて声を上げそうになったが、すぐに分かった。
――この人は、目が見えないんだ。
フリスビーを拾って体を起こすと、車いすを押したおばさんが近くに寄ってきた。
「ゆかり、車いす直ったよ。それから、やっぱり駄目だって。盲導犬は高いわ……」
「お母さん」
お姉さんが答えた。
「あら、お友達?」
僕は、自分たちのことを言われていると気づくまでちょっと間があった。
「あ、いえ、すみません。気をつけます!」
ぺこりとお辞儀をすると、ロボットと一緒に駆け出した。
何故だか、早くその場から立ち去りたかった。
「ねぇ父さん、『盲導犬』ってなに?」
夕食の時、何気ないふりを装って聞いてみた。
「盲導犬? そりゃ、目が不自由な人の助けをする犬のことか」
「たぶん。助けって、何をするの?」
「例えば横断歩道渡るとき、信号見えないだろ? 青になったら『渡りましょう』って
引っ張ってくれるとか。反対に赤だったら、渡ろうとするご主人を止めたりもする」
「へぇ。他には?」
「レストランで、テーブルや他の人にぶつからないよう席まで案内したり、とかかなぁ。
父さんもあんまり知らんけど。それがどうした?」
「や、ちょっと学校で聞いたから」
「そういうことは学校の先生に聞きなさいよ。何のために学校行ってるの」
母さんが、明日のお弁当レシピを検索しながら口をはさむ。
だめだ、これ以上父さんに質問したらどんなお小言が始まるか分からない。
盲導犬は高い、とあのお姉さんのおばさんは言っていた。
やっぱりペットショップで買うんだろうか。その値段が、とっても高いのかもしれない。
303 :
盲導ロボット:2009/07/31(金) 21:07:19 ID:kMUR37t1
学校から帰ってくると、ちょうど母さんは買い物に出かけていた。
食材は配達で賄っているし雑貨はだいたい通販だから、きっとまた服でも買いに
行ったのだろう。
だとすると、夕暮れ時にならないと帰ってこない。パソコンを使うチャンス。
居間にあるパソコンで検索サイトを呼び出し、『盲導犬』を検索した。
盲導犬の役割は、この前父さんに聞いたものも入っていたが、もっといろいろな
仕事をしていた。犬でもこんなことが出来るのか、と感心するほどだ。
でも、肝心の値段についてはちっとも出てこない。
ページをめくっているとき、玄関にタクシーが止まる音がした。
――母さんが帰ってきた! やばい、もう閉じないと!
僕は慌ててログアウトして、居間でジュースを飲んでいるところを取り繕った。
「ただいま。あんた、いたの。表で遊びなさい、っていつも言ってるでしょう」
「今から行くとこだよ。ジュースくらい飲んだっていいじゃん」
そう言いながらロボットを連れて外に出た。
「逆上がりの練習、やってんでしょうね?」
「やってるよ、いつも公園で練習してるもん」
玄関に向かって怒鳴り、僕とロボットは公園へ駆け出した。
公園に、あのお姉さんがいた。おばさんの押す車いすに乗って、公園を散歩していた。
僕はいろいろなことを考えながら、お姉さんの姿を見ていた。
そしてふと、傍らのロボットをみて、閃いた。
――こいつを、盲導犬の代わりにできないかな?
少なくとも犬と同じくらいには、人の手を引いたり止めたりできる。
信号も交通ルールも認識している。一緒に遊んで動作確認済みだ。
なにより、主人に危険があった時に守ることが出来る。抱きかかえたり、支えたり。
おんぶして走れるのも確認済みだ。
ロボットを手放すのは惜しいけど、お姉さんの側にいるほうがこいつは役に立てる気がする。
――いいぞ、我ながらグッドアイデアだ。
「いいか、ロボット。これからお前は、目の見えない人を守る役だぞ。
僕を守るんじゃなくて、あのお姉さんを守るんだ。いいな」
僕はロボットに言い聞かせた。どこまで理解できるのか分からないが、
ロボットは僕の話を聞いたのち、ゆっくりとスコープをお姉さんに向け、
じっと見つめていた。
僕は勇気を出して、お姉さんとおばさんの前に出た。
「あら、こないだの……」おばさんは不思議そうに僕らを見た。
「フリスビーの子?」お姉さんは僕とロボットに聞いた。
「はい、そうです。こないだはすみませんでした」
「そんな、いいんですよ」
お姉さんとおばさんは笑った。
――よし、言えそうだ。
「あの、お話しがあるんです」
304 :
盲導ロボット:2009/07/31(金) 21:12:41 ID:kMUR37t1
盲導ロボットが世に出て10年経った。いまだに普及は伸び悩んでいる。
プログラミングが膨大で複雑なのと、目が見えない人をロボットに預けることへの
不安が主な原因だ。
けれど、優秀なロボットは暖かい。大切な人を守り、しかるべき人の元へと導いてくれる。
私はその理念を元に、ずっと設計と改良を繰り返している。
理工学部を卒業し、ロボットメーカーに勤めたのち、私は介護ロボットの研究所に入った。
盲導ロボットの開発に携わるためだ。まだ、どの国も試験的に行うのみで実用化はされていなかった。
私が盲導ロボットにこだわる理由はただ一つ。
非公式ではあるが、最初の盲導ロボットユーザーが、私の妻だからだ。
305 :
299:2009/07/31(金) 21:17:02 ID:kMUR37t1
↑以上っす。
ベタですみません。ってか、なげぇよ
サクッとまとめるって、難しい……
◆c6PZzYalbM さんがマジですげぇわ。
>>305さん乙ですの
まとめるのは難しいですよねぇ
削れるトコと削りたくないトコの綱引きを長くやってると
アバババババババババってなっちゃいますよ。ホントしんどい
というわけで、もっとわたしをアバババババッバってさせてくださいまし
リクエスト「裏ハルトさんが三国志に召喚されたようです」
リクエスト
FATEよAIRノクロス
セイバーの主が観鈴だったら
一途なラブストーリー
よし……とりあえず
お題:「裏ハルトさんが三国志に召喚されたようです」
やりますの
「う〜〜〜〜トイレトイレ」
今 トイレを求めて全力疾走している僕は、洛陽の皇宮に住んでるごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、実は後漢皇帝、献帝なんだってとこかナ――
姓は劉、名は協、字は伯和って言うんだよ。
そんなわけでボクは謁見の間からの帰り道にある城内のトイレにやって来たのだ。
ふと見ると、ベンチに一人の若い女が座っていた。
「うわ、見るからにやる気のなさそうな女の人だ」
ハッ?!
そう思っていると突然その女性は!
僕の見ている目の前で!
帯を解き、足をも隠す城内必須の正礼装を脱ぎ始めたのだ──ッッ!
カサカサッ
衣擦れの音と共に彼女は完全に礼装を脱ぎ捨てるッ!
「やっぱスウェットのが動きやすいね」
胸元には大きく「裏」の文字。礼装の下にスウェットを着込んでいた女性はポカンと口を空けて立ってる僕を一瞥して言ったのダ。
「まあいい私を崇めたてまつるれ──」
「噛んだな」
「噛みましたね」
「噛んでやんの」
「噛んじゃった──イタイ……」
【裏ハルトさんが三国志に召喚されたようです その1】
「そういうことだもんで、皇帝陛下のお世話係に雇うたオナゴだでぇ、好きに相手してつかぁさい」
それだけ言うと董卓はサッサと部屋を出て行った。くそ、あのベロ出し野郎──いつかぶちかましてやる。
で、ボクは改めて紹介された女の人に振り返ったンだ。
「ボクのお世話係なんだそうですね」
「そうなのよね。ホラ、ここの仕事って健康保険完備で福利厚生キチンとしてるってタウンワークスに載ってたもんだから」
「いや、知らないですけど」
「あ、そう」
「……、……」
「……、……」
「城の中から外とか出れないし、休みの日に遊びにも行けないと思いますよ?」
「や、遊びに行くお金もないし、下手に散歩とかしたら足首捻ってダウンするし」
「……、……」
「……、……」
微妙だなぁ、なんて微妙な空気なんだろ。ていうか、お世話係だったらもっとキチンとお世話してほしいもんだよネ。
ボクはため息をつくと机に向かった。そうだ、時間をムダに過ごすだなんてもったいない。
いつか董卓をぶっころぎゃーして国を変えていくためにもホンキをだして、勉強しなきゃ。
「本気出せば宮廷女官長くらいなれると思う」
いきなり何言ってんだこの人。
「じゃあ女官長目指してがんばってくださいよ、お仕事」
彼女はウムっと力強く頷いた。
「だから明日から本気出す」
「今日からじゃないんですか!」
思わずつっこんでしまったボクに彼女は鼻高々と答えたのダ!
「ビール飲んじゃったから無理」
あぁ、とんでもない人がお世話係になっちゃったなぁ……一際大きくため息をつくと、ボクは机に向かい、テキスト──ではなく、貂蝉オネエサマ写真集を開くことにした。
やっぱり貂蝉オネエサンは美人だ、さすが古代中国四大美人の一角だ! 写真集の影に隠れたテキストがチラと見えたけど、ボクは肘で押しやって視界から外した。
うん、明日だ! 明日からホンキだそう! 明日からホンキでがんばれば──
かくして献帝・劉協伯和と裏ハルトはここに合間見えたのでございます。この出会いが陰謀渦巻く中原に何をもたらすのか?! それは次回の講釈で!
「続くの?」
「ダルいから知らない」
マンティス噴いたw
裏ハルトの駄目な感じが伝染しとるw
続くかどうかはともかく、とりあえずお題完了ってことで
>>308 FATEとAIRってのを知らないから書き様がないのだわ
AIRはかろうじて知ってる。鳥の詩って歌だけだけど
なもんだからゴメンネ
他の人が書いてくれるの待っててネ
>>309 お題がずいぶん曖昧なのー
広すぎて把握しにくいのだわー
だめすぎるが故にいいwww
あえて劉備でも曹操でもなく献帝と絡ませるあたりが通だなw
いい感じに献帝のキャラ崩壊してるけどwww
317 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/02(日) 15:39:35 ID:CsMmusu4
リクエスト
《亡国の王子》or《廃嫡されし皇子》
>>317 かたや、亡国の王子。
かたや、廃嫡の皇子。
二人がまみえたのは湖に面して繁栄した街、ギッテルシ―シュタットだった。
アウストーレリッツに程近いそこは、今では成熟が進んだというべきか、
街として老いたというべきか、活気あふれる街とは言い難かった。
変化の少ない日常を過ごすこの街にも人は入り、人は出てゆく。
赤子として、あるいは旅人として、あるいは死人として。
街道筋へふと目をやった靴屋の親父は、そこに見慣れぬ装いの少年を見つけた。
黒い髪、風雨に晒されたか、やつれた衣服。
本職の目を引いたのは、くたびれたながらも高級な拵えのその靴であった。
荷物も少ない。
少年の名はハインリヒ=シュテインバウム。
隣国に祖国を侵略され、故郷を追われた彼は、
ボーハイミア王国の王子であった。
もちろん今ではなんの意味をも持たない事実であり、流浪に身を置いていた。
不安げな視線を辺りへ向け、彼は中央の教会がある広場の方へ姿を消した。
靴屋は仕事に戻った。機械的に木槌を振るう。
だが、木槌の音は再び中断することになった。
石畳の街路の角に、一人の青年の姿を認めたからだった。
金髪碧眼、眼光も鋭い。腰には細身の剣を帯びている。
身なりは整っていたし、その眼には光があったが、やはり寄る辺のなさが滲み出ていた。
青年はアレトルキア帝国の皇太子だった。
それも先年までのことであったが……。
その名をヨハネス=ペリオーデ=フォン=ゴーマイエル。
彼は廃嫡されたのだった。傾城の遊女の子として生を受けた身の悲しさ、政略には勝てぬ。
とはいえ、皇太子が一人である間は、ただ一人の皇子の座に座していられたのだが、
正妻に子が出来、彼は存在の意味を見失うことになる。
辺境の靴屋ですら、彼の出奔は耳にしていた。
もちろん青年がヨハネスその人とは知る由もなかったが。
アレトルキアは半年ほど前、隣の小国――名をボーハイミアといった――を広大な版図に咥えたことが記憶に新しいが、
皇子の廃嫡も大きなニュースではあった。
彼らが身を寄せたこの街の教区牧師のもとで、二人は顔を合わせることになった。
ヨハネスのほうは頭二つ分も背が高い。
「こちらはハインリヒ君。そしてこちらはヨハネス、アレトルキア皇国の元皇子だ」
ハインリヒはその国名にびくりと身を震わせる。
ヨハネスは「元」が気に障ったか、形の良い眉根をすこしひそめた。
だが別のことを口にする。
「ハインリヒ……?」
「ああ、ハインリヒ君はボーハイミアの王子だよ。元王子と元皇子というわけだな」
牧師の目に笑みはなかった。
やがてオイロペ大陸をその手中におさめる皇帝ヨハネスと、右腕ハインリヒの若き日の姿だが、
彼らの邂逅は祝福されたものとはとても言えなかった。
受難の日々はまだ、始まったばかりだった。
彼らはこの地に、千年帝国を築き上げることになるのだが、それはまた別のお話。
お前は「or」の意味を知らないのかというところは突っ込んじゃ駄目w
中世ドイツっぽいふいんき()が素晴らしいぜ
あと論理的には「or」は両方でもおk
論理演算は関係なかろうw
ポーカーで戦う話が読みたい
できればテキサスホールデムかセブンスタッドがいいです
ジョジョロワで夕方見たなwww
イカサマフルな流れだったがw
む、先に書かれてしまったけれど
>>317は琴線に触れるお題なので書いちゃうぞ、と
先に人が書かれたお題でも、改めて書いてもいいよね? よね?
もう書きあげたから、返事を待たずに投下しちゃうけどー
人は、失ってはならないものを失ってしまった時、どうなってしまうのだろうか。
目を背けることすら許されない罪を負ってしまった時、人はどうすればいいのだろう。
「兄さま、寒い。とても……寒いの」
込み上がる自身の熱とは裏腹に、その小さな体はどんどん、どんどんと体温を失っていく。
「兄さま、どこにいるの? 兄さま──どこにもいかないで」
抱きしめる以外に何ができるだろう。その名前を呼び続ける以外に何ができただろう。
息がつまる。鼓動が高鳴る。喉はもうずっとカラカラだ。頭の芯が凍りついたように痺れていた。
寒くて、熱かった。
苦しい、痛い、苦しい、痛い、痛い、痛い──耐え切れない痛みにこうも苛まれているのに、なぜ僕はまだ生きているのだ。
「兄さま……」
言葉はそこで途切れた。
「あぁ……」
兄に何と伝えたかったのだ? 彼女は何も答えない。彼女はもう、何も答えない。
これが報いか。これが僕の犯した罪への罰か、報いなのか!
「あぁ……」
炎の蛇が舌をめぐらし、総てを緋色に染めていく。
崩れ行く尖塔が、押し潰される庭園が、突き崩される城壁が緋色の染められていく。
見ているしかなかった。見ていることしか出来なかった。
僕は!
「うわああああああああああ──────────ッ!!」
宝暦1244年、大陸交易の中心に位置するイスカリオ王国は突如出現した“異界のモノ”によって一夜にして消え去った。
麗しき水の都、女神の祝福を受けた王都アリスの今の姿を語る者はいない。
分かっていることはただ一つ。
尊厳者の月(8月)2日の夜に何かが起きた。
ただそれだけ。
王都に住まう数万人の人々は?
イスカリオの国王は? 王妃は? 王女は? そして、王国200年の歴史において、最も愛され、最も慕われた王子。
彼は、今、どこに。
酒場の隅で銀のブローチをいじる男──フードを目深に被っていても、それはまだ少年らしさを残した若者だということがわかった。
ガタン。
立て付けの悪い扉を蹴飛ばすように飛び込んできた男は一直線に若者の元へと走る。
「わかりました。この街より20里、白龍山脈はテロン山の中腹に庵があると」
壮年の男は他に客がいないにも関わらず、相手以外には誰にも聞き取れない小声でささやくのだ。
「テロンか──天険の地と聞くが、どうか?」
「案内と荷物持ちに強力を幾人か雇わずばなりませぬ。が、しかし……」
何も言わず若者はローブの下から手に握った銀のブローチを差し出した。
「売ればそこそこの金にはなるだろう。よしなにせよ」
「しかし──!」
反論しようとする男を若者は尋常でない威厳で二の句を告げさせない。
「よいのだ、亡くなってしまった国の継承の品。今となっては金以外の価値などはない」
若者は悔し涙を流す彼の忠臣の姿をただ、見ていた。
こうなってしまってもなお忠義を示す。その存在はありがたかった。
だけど、それ以上に辛かった。
「行こう、辺境伯」
席を蹴って若者は立つ。
“あれ”から三ヶ月。目的と手がかり、わずかな指標はその手に出来た。ならば行くのみ。
罪深き亡国の王子。
その旅が始まったのだ。
亡国の王子 でした
>>322 ポーカーかぁカードゲームで戦うのかっこいいよね〜
でも心理戦とか書けなさそうだな、自分……
書く前から負けてる気分……
力強い感じがいいなあ
1リクに何人書こうがリク主の喜びが増えるだけで問題なんぞないんじゃないかしらん
田中芳樹がこういうの書かせたら名手なんだよな…w
じゃあ処刑される少年将軍と女帝になった少女
二人は元恋人っていう設定で
>>327 ありがとね
そういえばアルスラーン戦記って今どうなってるんだろう
ヒルメスがダリューンにやられそうになって驚愕! ってとこまでしか読んでないのだよう
あれから続きは出たのかな?
一応13冊出てるのかな
最後に最新巻で読んでから結構経ってる
まあ田中のことですしいろいろ掛け持ちしてるものねぇ
ザッハークさまああああああ
>>328 お題、把握
ていうか書いてきたよう
いまいち少年と少女じゃないけど、まーそこは勘弁してね
ねぇ、わたしのこと、すき?
わたしのこと、ほんとうにすき?
ぜったいに、すき?
「あぁ、大好きさ」
そこは、約束の地、だった。
湧き上がる歓声は彼らの主を称える歌であり、
曳かれてくる生贄を迎える鎮魂歌であった。
「お時間です」
そう言って扉を開け放った男の顔には見覚えがあった。
「君か」
最敬礼をとろうとする彼を制して、僕は両の手を差し出した。
「さぁ、手枷をしてくれたまえ」
「閣下に手枷など必要ないでしょう」
「必要はあるさ、私は罪人だ」
「そんなこと……ッ」
こらえきれない様子で彼は目を逸らした。その仕草には演技などは感じられなかった。
あぁ、そのように思ってくれる人間もいてくれるのか。
ならば、なおのこと思い残すことはない。
「よいのだ、私は国家に弓引いた国賊である。君も軍人ならば職務を果たしたまえ」
鉄の手枷は思っていたよりも重く、手首に酷く食い込んだ。
牢からの地下道は暗く、狭く、ジメジメとしている。
そこを一歩進むごとに声が大きくなってくる。
不思議なものだ、数多の戦場を駆け巡ってきた自分がその歓声に恐怖している。
この先に、自分の死を歓呼の声で待っている者達がいる。
それを思うと心が折れそうになるのだ。
出口の光が大きくなるたび体がすくむ。
「……だけど」
ついこぼれてしまった言葉に先導する彼が振り返る。
なんでもないさ、そう微笑むと不思議に脚の震えが少し収まった。
この道の先には彼女がいるのだ、もう少しの辛抱だ。
彼女の事を思うといつも力が沸いてきた。
彼女の笑顔は優しかった。
彼女の歌はとても素敵だった。
彼女は勇敢だった、けして涙をみせなかった。
彼女は僕のようには逃げ出さなかった。
僕は彼女に恋をしていた。
地下道を抜け、僕は約束の地に立った。
歓声はまるで棍棒のように僕の身体を叩きのめす。
僕を待つのは真新しい断頭台。
立ち止まらずにあそこまでいけるか? 叫び声をあげずにあそこまでいけるか?
心配はいらない。
コロッセウムの上座の頂点、そこに僕は彼女の姿を見つけていたから。
ねぇ、わたしのこと、すき?
わたしのこと、ほんとうにすき?
ぜったいに、すき?
「あぁ、大好きさ」
視線が絡んだ一瞬、その一瞬僕たちはあの頃に戻っていたようだった。
彼女が手を上げる。
僕は顔に被せようとされた黒布を拒んだ。
見つめていたかったのだ、彼女を。
その手が振り下ろされる、最後の一瞬まで、彼女を。
おっと
これで投下終了
とりあえず、わたしが書けそうなお題はこれでみな完了? みたいな?
そんなわけなんで、次なるお題
カモンカモンカモーーーン
書けなさげなお題はスルーしちゃうけど、それは勘弁ネ☆
お題じゃなくてリクエストなw
というわけで真剣師(賭将棋をする人)の話をお願いしますん
はちわんだいばーみたいなおはなし?
たにかめんみたいなおはなしだったらすぐかくのにぃ
ハチワンはなぜメイドと将棋なのか理解できなかったぜ
ヒカルの碁みたいな一般ウケする漫画があれば将棋も競技人口上がるのに
過去分でまだ書かれてないの結構あるよね
いくつ書いてもいいんだし
僕のために刀葉林の女神の事書いてくださいましてありがとうございますよ
次のリクエスト
僕のために魔女の大釜煮込んでいるヴィーナス様と天女様の話
八大地獄巡りされているヴィーナス様と天女様と優しい雪女様
天上でヴィーナス様と天女様とかぐや姫と乙姫が天上と地獄についてトークしている話
僕が地獄で釜茹でされていて雪女様が助けてくれる話
339 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 14:28:25 ID:o2o8SgZ5
リクエスト「ドキッ乙女だらけの格闘大会、最強戦乙女決定戦!」でひとつ
リクエスト:2ちゃんねる創作発表板のあるアスキーアート使いさんに恋をしてしまった男の話。
お願いします。
>>332 ありがとうございます
ところで女性視点版はまだでしょうか?
ろくに感想コメもつけずにまだですか?はないんじゃねーの
流石にここまでひどいと同一じゃねーだろ
釣られるなー
ム、確かに
こんな餌に俺様が(AA略
>>340 僕はその時コテで、創作発表板に書き込んでいた。彼女のレスは今でも
はっきりと思い出すことができる。彼女はAA使いだった。
「クソスレは立てちゃいけないのよ」
彼女は僕の好きなアニメキャラクターのAAを使ってそう書き込んだ。「どうして?」
「それは正しくないことだからよ、あなたにとっても私にとっても」
「ふむ」と僕は言った。
僕に同じようなことを言った人は少なくなかった。そのどれもが僕の内
面に訴えかけてくるものではなかった。でも僕は彼女のレスには抗いがた
い吸引力のようなものがあるのを感じていた。
その夜、僕はスレを立てた。それは重複スレだった。
「あなたはどうしてクソスレを立てないではいられないの?」と彼女は言った。
「クソスレを立てたい人間なんていないさ。周りのやつらが駄レスしかし
ないだけだよ」
彼女は僕にとても失望して、もうレスをくれなかった。
やれやれ、僕はうんこ小説スレを立てた。
ハゲワロタwwwwwwww
やれやれじゃねえよwwwwwwwwwww
うなじフェチの者です
うなじの素晴らしさをクローズアップしたssをお願いします
性別は指定しないと・・・
1913(大正2)年4月
金銀四枚で守るその陣容は「さあ、攻めて来い!」と言わんばかりの受けの構えである。
下手の坂田は攻めたくてたまらない。5七金が、微妙に不味い形である。だけど攻めたい。何とか攻める形をつくりたい。
坂田はここで、▲6六歩と進めた。△同歩なら、▲同飛で一歩を持ち駒にできる。
攻めの一手、橋頭堡である。
しかし、関根は素直に△同歩としなかった。
なんと△8五歩!
これが狙いの一手だったのだ。
▲同桂か? △8四歩で自分の桂は死ぬ。
坂田は▲同銀と打った。
関根△7三桂。
坂田▲9四銀……。
9四銀!
その時、坂田の銀が、盤上に立ち止まった。
【銀が泣いている】
「おっさん、すまんなァ」
その一手が詰みなのは百人が見て百人が納得するものだった。
参りました──その一言が出る前に投げかけられた一言に、怒り出す大人はいなかった。
「かぁーっ! これがほんまの黒犬のおいどじゃ! もってかんかい!」
少年は満面の笑顔で放り投げられた小銭を両手で受け取る。
背負った赤ん坊がずれるのを器用に腰でひょいと直し、
「おおきに!」
ひーふーみーと数えはじめるのだ。
そんな彼をよそに大人たちは将棋盤の前に顔をそろえて覗き込む。街角の縁台賭け将棋は今日も大繁盛だった。
「おまえなぁ、ここでこの進め方はあかんやろ」
「こっちの歩はこっちの金を誘っとるのやろ? そうやろ?」
「それよりこの振り飛車やな。こんな古い手よう使わんわ」
「だからな、こっちの銀をこっちやのうて……こっち! これでどうや」
喧々囂々あぁだこうだと持論を打ち合わせる大人どもを見ているのは、彼にはとても面白かった。
「そうやのうてな、ここはこうすればよかったんと違うかー」
パシンと小気味良い音が立つ。
少年の言葉が響くや否や盤に駒が走る!駒が盤を打つ音、それはもっともっと好きだった。
おぉ〜と上がる歓声。
「それからここで、こっちはこうや。おっさん、立ち止まったらあかんで。将棋も何もかんも前へ前へ行かんとな」
大人たちが唸る。唸り声しか出てこない。
「丁稚はんはほんま賢いなぁ」
「ちゃいますー、賢いんとちゃうわ、強いんや」
とはいえ、そこは大人だ。子供には負けていられないという思いもある。にじり寄る姿にその意図はようと知れた。
「もう一番やな、言っとくけど高いでぇ?」
その小憎らしい顔を屈辱の色に染めてやりたいという思いに駆られる!
「おっしゃ、もう一番や! 今度は負けへんでぇ!!」
よぉし! と場が一層盛り上がりを見せたその時だった。
──ズルン。
背負った赤ん坊を支える背負い紐が、ズレた。
「ほんまにどうしようもない子だよっ! 将棋に夢中になって奉公先の大事な赤ん坊をおっことしちまうなんてさっ!」
黙って草履表を作る。頬っぺたも頭も尻も手も足も、何もかもどこもかしこも痛かった。
──仕方ないやんか……。
その言葉だけはグっと我慢して飲み込んだ。
口にした途端どうなるのかは、いくらバカちんでもわかっていたからだ。
だけど、
「あんた! しばらくは将棋は禁止やからな!」
それだけは承服できなかった。
「堪忍や! それだけは堪忍!!」
時に明治の御維新よりじき二十年の頃。阪田三吉名人─王将。その街角の賭け将棋に明け暮れた少年時代のことである。
銀が泣いている…
お、坂田だ
昔の将棋指しは人間が濃いよねえ
最近のプロはストイックすぎて盤外だと地道だ
蟹光線というビームが必殺技になってる話が読みたいです
お願いしますん
354 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 14:38:46 ID:T7sbzbHg
エースバイロットの生き様みたいな感じの話が読みたい
赤い彗星みたいな
>>353 それ蟹工船絡めて書けたら相当な猛者だなぁw
プロレタリア蟹味噌爆弾という必殺技名を電波で受信したが俺には無理ぽい
コバヤシ☆タッキーJI じゃね?
蟹光線か!→誰が書いたんだっけ?→井伏鱒二とかだったような→じゃあ呪文名イブセマスジーな
という経緯で名づけられた、某TRPGに実在する技というか魔法というかそのようなもの。
そんなのがあるんだw
知らなかったよ
さて、投下しようかしら
>>339 お題:ドキッ乙女だらけの格闘大会、最強戦乙女決定戦!
おー。ぱちぱちー。
「ほらぁ、早く来ないと置いてくわよっ!!」
まるで子供のようですね──喉まで出かかった言葉を僕は危ういところで飲み込んだ。
こんなこと、口にでもして、もし聞かれでもしたら大事になってしまうに違いない。
それにしても……、
「元気ですねぇ」
「あったりまえでしょ!」
姫様の返事は単純明快だ。
「祭がわたしの優勝を今や遅しと待っているのよ!」
やれやれ。まだ始まってもいない祭に、もう優勝した気になっておられるのか。
とはいえ、そのお言葉は非常に簡潔に──まったくもって的確に──姫様のお人柄を説明しているようなものだ。
「さぁ、今日中に次の次の宿場街までは足を伸ばすんだからね! 若々しくサクサクと駆け足で行くわよっ!」
荷物が満載のバックパックを背負い直し、待ちきれずに駆け出した姫様を追いかける。
そうしながら、僕はあの日のことを思い出していた。ほんの五日前のあのことを。
「お召しと伺い、参上いたしました」
目の前の方はよく来てくれました、と丁寧にお出迎えしてくれた。それだけでなく、自ら手をとって応接間へとお誘いくださったのだ。
誰あろうこのシュベルトラウテ王国、我が祖国の国母様が、だ。
「勉強は進んでいますか? 確か飛び級で王立大学院に進んだと聞きましたが」
「はい、おかげさまをもちまして。毎日修練と勉学に励んでおります」
ティーセットを持ってきた侍女を下がらせると、王妃様はそっとお茶に手をおつけになった。
美しい方だった。側の花瓶に生けられたティベリアの花の瑞々しささえ色あせて見える。
どんな人間であろうと、お力になりたいと思わずにはいられない美しさだ。
そうだ、僕は例えどんな難題であろうとも“お力になろう”と決意して参内したのだ。
「なぜ、私が貴方を呼び出したのか……明晰な貴方なら見当はついているのでしょうね」
はい、と頷いて僕もティーカップを置いた。いい香りだ、アトン産のホンブロウだろうか。
王妃様は少し気が進まないかのように瞳を伏せて憂いの色を浮かべた。
「一ヵ月後に迫ったヴァルキュリウルの聖誕祭に関してでしょうか」
より一層憂いの色を濃くした王妃様の様子に僕は自分の予想が間違っていなかったことを確信した。
「つまり、姫様が」
王妃様の頭が縦に振られた。
それは300年前のイスカリオの受難に端を発する祭だ。
地獄から這い出してきた鬼を追い返した16人の戦乙女たちを称える大きな祭。大陸交易の中心、水の都アリスで4年に一度行われるその祭のクライマックスは戦乙女たちの戦う姿を神殿に奉納することで迎える。
つまり、大陸各地から集まった選りすぐりの力自慢の女性たちが最後の戦乙女「ファルフェルール」の称号を受ける……要するに優勝することで終るというわけだ
参加要件は女性であることのみ。
「少年老いやすく、一瞬の光陰軽んずべからずよ! さっさと走る走る!」
この、元気に人の皮を被せて生まれてきたような姫様が見過ごすようなイベントではないというわけだ。
それにしても、と思う。
「しかし、此度の聖誕祭には暗い影が見え隠れしているのです」
王妃様は仰った。
「東の都市国家連合の大商人たちだけではありません。北のベルゲルミア、南方諸国、西の共和主義者も何かしらの動きを見せています」
それならば聖誕祭はともかくとして、ヴァルキュリウルの奉納試合は中止にするべきでは?
王妃様はかぶりを振られた。
「それはできないのです。なぜなら──」
「はやく来なさーい! あと十秒で追いつかなかったら死刑だからねっ!」
やれやれと言わざるを得ない。とはいえ死刑にされては堪らない、僕は少し駆け足を早めた。
──参加者の側からアリスに入り、聖誕祭の影にうごめく陰謀を未然に阻止すること。そして、できることであるならば……。
その時、僕は最後まで王妃様の言葉を聞かなかった。王族の方の言葉を途中で遮るだなんて不敬もいいことなんだけど。
「ほら三十秒の遅刻。これはもう死刑確定よねっ」
笑う姫様に僕はやれやれと苦笑した。
まったく人の苦労も知らないで、とは言わない。貴女に僕の苦労だなんて気がついてほしくはないのだから。
それが僕の使命だ。王家に仕える騎士でもなく、神に仕える神官戦士としてでもない、僕自身が決めた僕の使命。
『王妃様、自分は誓い申し上げます。姫様を守り、聖誕祭の影にうごめく陰謀を未然に阻止することを』
祭まであと一月。前途に漂う暗い影にとうの姫様は気付いていない、僕は知っている。だから、
「死刑でもなんでも、何があろうと僕は姫様のお側に」
それが、戦乙女ならぬ僕の戦いなのだ。
おしまい
これから「ドキッ乙女だらけの格闘大会、最強戦乙女決定戦!」がはじまるよってお話でした
次は蟹光線・・・かな
って、どう書けばいいのかwww
蟹光線のリクエストをした者です
他にはプロレラリアットとかの技もあったら嬉しいです
蟹の鎧(生きてる)を来た人間だけが使える、
自らの命をも削る必殺技、それが蟹光線なのだ!
使うと大ダメージ的に与えられるんだが、そのダメージを
自分自身も喰らってしまうと言うw メガンテみたいなもんだよなw
>>353 お題:蟹光線というビームが必殺技になってる話 を投下するかしら
先に言っておかねばならないですの
ご 期 待 に そ え な く て ゴ メ ン ネ ☆
働けど働けど我が暮らし楽にならざり……、
「ユウくーん、新しいの頼んでー!」
じっと手をみる……。
「おーにーいーちゃーん、わたしもおかわりかしらー!」
俺は激怒した。
「お前らちょっとは自重しろ」
事は昨日の夜にさかのぼる。
「なんだって? 食べ放題?」
「そうなのー、くろうし・くろぶた──」
「──蟹しゃぶ食べ放題のお店がオープンしたのっ!!」
俺は二人の顔をじっと、まじまじと、なめるように見かえす。
「やだ、そんなにみつめられたらはずかしい☆きゃっ!」
そして手元の雑誌に目を落とした。おっ、期待の新作ゲームForza Motorsport3とFIFA10がいよいよ発売日決定か。これはすぐにでも予約せねば。
「もぉー、ユウくんノリ悪〜い」
「おーにーいーちゃーん」
まったくこういう時だけは仲の良い二人だ。開店の広告が新聞の折込にでも入っていたんだろうな、普段新聞なんか見ないくせにこういうのだけは見逃さない。
まさに動物的な勘というやつなのだろうか。
「やっぱさ、夏はさっぱりしていてパワーのつく物食べたいよねー」
「まっくろくろうしたべたいな〜☆」
「黒豚のしゃぶしゃぶって重たくなくって、いくらでも入るって杏子ちゃんが言ってたんだよね〜」
「かにさんばりばりたべたいな〜☆」
おまえは殻ごとばりばり貪るつもりか。
「ねぇ〜、蟹だよ? 食べ放題なんだよ?」
「けがに、かにかま、わたりがに〜! ずわいがにもたべたいな〜!」
やれやれ。
「普通食べ放題の店の蟹はタラバガニだけだよ。他の種類の蟹は大抵別料金なんだから食べれないし、第一今は夏だから蟹のシーズンじゃ……」
「でもっ! 牛・豚・蟹っ!」
「たべほうだいなのかしらっ!」
どうやら論理的思考さえ失われ、もはや飢えた亡者のようになってしまっているようだ。
ならば、それならば、言ってわからぬ愚か者であれば身体に言って聞かせるしかあるまい。
「はい、ゲーム機」
さっと渡されたゲーム機のパッドを俺は顔を?でいっぱいにしながら受け取った。
「どう言っても納得しないんなら、ゲームで勝負つけて身体で思い知らさせるしかないな、でしょ?」
「くっくっく、ふごうりにみをゆだねてこそぎゃんぶるかしらー」
やれやれ! この俺にゲームで挑み、ゲームで無理を通そうとはな。
「いいだろう、俺をなめた罪……それはこの世で最も重い実刑、情緒酌量の余地無し」
で、俺は大いに負けた訳だ。あっけなく。
「黒牛・黒豚・蟹サイコー☆」
「あぁん☆ これがぷろれたりあーとのらくえんってやつかしらー!」
あぁ、ケガニ頼みやがった。ていうか、超特上黒牛ってなんだよ! どっちも食べ放題プランのメニュー外じゃないかっ!
「だって」
「いっかいしょうぶを」
「負けに負けての」
「さんかいしょうぶ」
「これで負けたら」
「なにたのんでもよしっていったのは」
……そうだよ、俺だよ! 俺は目の前に転がった蟹の脚を取って二人を見つめた。さぞ恨めしげな視線に見えることだろう。食い物に夢中でこっち見てないけど。
蟹の足を銃のように構えて俺は二人に狙いを定める。
「蟹光線発射! ビーっ!」
もちろん光線は出なかったし、二人も「やられたー」などと言って倒れたりはしない。
どうやら、ゲームの予約は止めといた方がよさそうだな、と俺は一人ぼやくのだった。
ごめんね、ほんっとにごめんね
なんか無理矢理つけたした感アリアリだよね、
ホントにごめんね
最初はさ、労働者の自由と権利を守るために戦う孤高の戦士、改造人間コバヤシ・タッキーが
悪の資本主義組織の大幹部YU・A・SAと戦って、
蟹怪人の正体をあらわしたYU・A・SAの必殺蟹光線を食らってカムチャッカの海原に消えるって話を書いたんだけど
壊滅的なまでに面白くなかったから破棄したの
かわりに急いでいつもの妹と幼馴染のやつで書きましたかしら……
ざわ・・・
蟹・・・和牛・・・黒豚・・・
圧倒的高級品っ・・・!
ブルジョワジーっ・・・! 間違いなくっ・・・!
俺も食べたいお
じゅるり
>>367 さあ、破棄したものについては誤爆するんだ(酷
>>2です
「遂に世に認められることなく死ぬ創作者」でリク、どなたかお願いできるでしょうか
>>354 お題:エースパイロットの生き様(赤い彗星みたいなやつ)
かき揚げマスター
投下〜
「おめでとうございます! 撃墜16機目ですね!」
彼が愛機より降り立つとすぐに整備員が駆け寄った。
第一次世界大戦最中の西暦1917年1月当時、プロイセン軍人の最高の栄誉、プール・ル・メリット勲章授与の条件は先年の12機から16機と改定されている。
「さぁ、そうだったかな」
もちろん自分の撃墜数を覚えていないわけがないだろう。が、彼はそう嘯いて歩いていく。
今日も空は荒れていた。
英軍の戦闘機、ソッピース・バップが独軍の戦闘機の上をいく高性能機だと言ったのは彼だ。
独軍の戦闘機アルバトロス D.IIIと比較してみればエンジンの馬力も武装も半分にすぎない機体であったがしかし、その軽量がゆえに4500mクラスの高度では機動性においてバップはアルバトロスに勝っていた。
アルバトロスが一回旋回する間にバップは二回旋回してみせると言わせる機動性と、何よりもその扱いやすさが圧倒していたのだ。
しかし、彼はその性能差をものともせずにバップを撃墜した。それも記念すべき16機目にである!
それなのに、彼にプール・ル・メリット勲章は授与されなかった。
「なぜ彼が授与されないのですか!」
との現場からの突き上げに軍監本部はそうとう参っていたようである。
なぜなら、
「なぜ彼にプール・ル・メリット勲章が授与されないのであるか?」
と時の皇帝ウィルヘルム二世までもがせっついてきていたからであった。
すでにインメルマンやベルケといったエースパイロットを失っていたドイツにおいて、彼という英雄は必要不可欠な存在だった。
「彼に勲章を授与するべきではないか」
皇帝は常になく、強く軍部に主張したと言う。
それはインメルマンやベルケ──愛すべき撃墜王を失ったその喪失感がそうさせたのかもしれなかった。
再三の現場からの、そして皇帝からの要請にもかかわらず、軍部が勲章授与を拒んだには理由がある。
勲章授与の規定には敵航空機の撃墜16機と“繋留気球一個を含む”というものがあったのだ。
繋留気球は特にフランスにおいて、敵味方の飛行機の墜落、不時着の確認、および上空からの偵察行動などに重要な役割を果たしていたと言っていい。
“その目障りな憎い奴”の撃破を果たしてないために彼は勲章授与を認められないでいたのだ。
「気球一個くらい貴方ならばどうということもなく撃破できるでしょうに」
そういう言葉に彼はやれやれと手を振る。
気球なんてちゃんちゃらおかしくって相手にできない。それいうことなのだ。
こうなると、これはもう彼と軍監本部の根競べである。
勲章は授与したい。だが規定を曲げることなど許されるはずもない。
彼はといえば、そんな軍高官のジレンマなどどこ吹く風かと飄々としている。栄誉は大事だが、彼にとって己の騎士道──男の気概はもっと重いものであったのだ。
勝つのはだれか、しかして結果は?
結局16機目撃墜を果たした1月4日より時を経た1月末。敵航空機17機目撃墜をもって、プール・ル・メリット勲章が彼に贈られることとなった。
特旨をもって、
特例として、
特別に
彼を評する言葉として持ち上がるものは大体においてこのようなものである。
騎士道を重んじ、謙虚さを旨とし、紳士である。
同時に、負けず嫌いであり、ケンカ好きで、プライドが高かったとも言われる。
ちょうどこの頃から、彼は愛機を真紅に塗り上げはじめた。
遠い東の国のサムライが緋絨の鎧を着けて出陣するのにも似て、いかにもプロシア貴族らしい自分の存在を顕示する粋な試みだったと言えるかもしれない。
“赤い騎士”“赤鬼”そして──。それら彼を示す呼び名は、呼ぶ人間にとってそれぞれ格別な思いを残すことになる。
その彼の名を“赤い男爵(レッドバロン)”マンフレート・フォン・リヒトホーヘンと言う。
以上です
エースパイロットとか大好物ですの。じゅるり
二つ名に色がつくエースって言ったらやっぱ“レッドバロン”かしら
あとはハルトマンも“黒いチューリップ”とか呼ばれてたみたい
数少ない女性エースパイロット、リーリャ・リトヴァクの白百合のマークなんてのもあるなぁ
日本軍にも赤鼻のエース若松少佐もいますが・・・
いけないかしらー、話が長くなってしまうかしらー
てことで退散かしらー
>>370 お題把握
相変わらずミリタリー関係は気合いの入り方が違うなw
リクエスト
地獄で叶姉妹が釜茹でされていて女神のように優しい雪女小雪と雪女仲間由紀恵さんが助けてあげている話
ティムールがもし長生きしていたら、という設定の歴史小説が読みたいです
舞台は必ずしも中央アジアではなく、東南アジアとか西欧でもいいです
377 :
308:2009/08/06(木) 22:35:25 ID:WdIUBLj8
これの小説化、無理なら良いけど・・・
観鈴のベット近くにて
観鈴「セイバー…来ちゃったんだ…」
セイバー「はい…」
観鈴「ごめんね、私がいなかったらもっと戦えたのに…」
セイバー「いえ、そんな事はありません」
観鈴「……」
セイバー「どうかしましたか?観鈴」
観鈴「セイバー、明日一緒に海へ行ってくれない?」
セイバー「良いですよ、ですが今はお眠りなさい」
観鈴「ううん、今は一緒にいて…」
セイバー「分かりました、マスター」
観鈴「月、綺麗だね…」
セイバー「ええ、今宵は満月のようで」
観鈴「ねえ、セイバーは何か願いがかなうなら何を願うの?」
セイバー「私は…特にありません…」
観鈴「そうなの?」
セイバー「ええ」
観鈴「そっか…私はね、お母さんとセイバーがずっと仲良くしてていつも通り学校へ行ってお友達がいっぱいいて…それでええっと…」
セイバー「素敵な願いですね」
観鈴「にはは」
セイバー「さて、そろそろ寝ましょう、観鈴」
観鈴「うん、そうだね」
セイバー「お休みなさい、観鈴」
観鈴「お休みなさい、セイバー」
投下乙
感想スレのリクエストにお応えして馳せ参じ申した
>>252 なかなか含みのある国王である
解釈素敵ですのう
>>258 ああ暑い暑いw お腹いっぱいじゃ
青春の足踏みとはなんとも甘酸っぱいものですのう
おやじ地味た俺は一緒に入ると即答してしまうのだろうなあ
>>260 くう、上質ミステリのクライマックスのみ切り出された感じだw
これでは消化不能です、罰として前後の梗概の掲載を要求しますw
残りはエナル追いついてから余力があればー
>>379 書いてくれてありがとね
エナル追いついたあとに余力が残ってることを祈ってるw
面白いって言ってもらえるようなものを書けるようにがんばるよ!
とりあえず今日のところ、ホンキは明日出すことにするw
381 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 13:37:40 ID:aO+Y0HJ1
リクエスト
〇〇の亡者
NGワード:金
>>381 辺りを漂う腐臭に、思わず鼻を覆う。明らかに様子がおかしい。この街
では、確実に何かが起きている。
「昼間来た時は異常はなかった。この十時間の間に、いったい何があった
って言うんだ」
「さあな。確かなことは、俺達が今、相当“ヤバい”事態に巻き込まれて
るってことだ」
思わず漏れた俺の呟きに相棒が応える。その声にはいつにない緊張の響
きがあった。
「まずは周辺の建物の中を見てみよう。何か手がかりが掴めるかもしれな
い」
俺は相棒の提案に頷くと、周囲へ細心の注意を払いながら、人っ子一人
いない「ゴーストタウン」の探索を開始した。
「おい、あの部屋を見てみろ」
相棒に促されてそちらを見る。そこには七件目にしてようやく見つけた
手がかりがあった。しかし――
「こんなものは、出来れば見たくなかったもんだな」
思わず目を覆いたくなる惨状だ。そこには数人の死体があった。どんな
殺され方をしたのか知らないが、部屋中に血痕と肉片が散らばってるって
いうのは余程のことだ。
「まったく……なんてこった……」
部屋に入った俺は足元の眼球を眺めながら呟く。遅れて入ってきた相棒
はそれに応えようとしたその一瞬、身を強ばらせたかと思うと、素早く死
体の一つに銃を向けた。
「どうしたん――」
それは確かに「死体」だった。現に今見ても、その胸の傷は明らかな致
命傷だ。しかし、それは確かに動いている。まさに起き上がらんとしてい
るのだ。
「クソッ! どういうことなんだ!」
「分からない。だが気をつけろ」
先程は気づかなかったが、この「死体」には「動く」以外にもおかしな
点がある。というのも、髭や髪の毛はおろか、まつげや眉毛にいたるまで
一切の毛がないのだ。そののっぺらぼうな顔は一層不気味さを際立たせて
いる。ゆっくりとこちらに向かってくる「奴」に銃の照準を定めながら、
俺は思わず呟いていた。
「ハゲなのにもーじゃ……」
以上投下終了
ハゲの亡者のお話でした
これはダジャレーにも投下して来いwwww
オチがなかなか輝いている
感動した
座布団をあげたい
もーじゃwwwなんかすごいwww
おお、久しぶりに来てみたら、なんとも盛り上がってますな!
それでは、1つ
腹黒皇女と苦労症な婿殿
リクエスト「究極のヨーグルトvs至高のヨーグルト」
392 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/14(金) 23:20:05 ID:P7sIKhYm
リクエスト
登場しない恋人
393 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:20:30 ID:OFmZILF9
リクエスト
「私は 焼け死んだ 生菓子」
394 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 13:50:44 ID:EOS36IKK
リクエストって言うか、作家によるオチの違いを比較したい
バトルロワイアルで公民館に複数が集まってる
集まってるメンバーの誰かによって幹也が殺される
容疑者は
衝動的で冷静じゃない典江
おとなしいが計算高い面のある洋子
思考の読めない常に無言な清彦
外部犯や自殺では無いのは確かで3人以外の犯行はあり得ない
パロロワを書いてほしいの?
それともミステリーを書いてほしいの?
396 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/22(土) 13:41:22 ID:m2ga6nyf
パロロワですな
>>392さんのお題で。
なんか、いまいちですが一応投下しときます
↓より開始です
あっ……。
な、なんだよ。こんなところに来るなんて、珍しいじゃん。
なに、どうしたの? 今日は。
あ、そう。ふーん、ま、いろいろ大変だよな。
え? おれ?
おれはさぁ、その……なんだ、待ち合わせってやつ?
いや、友達だよ。
まあ、お前の知らない奴だよ。ガキの頃の。
そうそう、そういう感じ。
え? まぁ……女だよ。だから何だよ。
そういうんじゃねぇって。なにニヤニヤしてんだよ。いや、おれはにやついてねぇよ!
なんだよ、そわそわしてるって。おれ、挙動不審じゃん。
だから、ちげぇって。
早く行けよ。
なに、お前も一緒に待つの?
いいよ、お前自分の用事あるんじゃん。
何言ってんだよ。写メなんてねぇよ。
ん? ああ……。電車でも遅れてんのかもな。
メール?
あいつ、あんまメール返さねぇんだよ。送っても無駄ってやつ?
いや、送るけどさ。お前に言われんでも、送るけどさ。
どんな? どんなってもなぁ……。
誰に似てるか? うーん……、横顔とか、堀北真紀?
いや、ごめん、言い過ぎだった。
どうでもいいけどさ、お前いちいち反応デカ過ぎんだよ。
〜 〜 〜
なんて送ったか? んなもん、見せねぇよ。
はぁ? そんなんじゃねぇったら。
まぁ……付き合ってるっつったら、そうかもしれねぇけど。
だから、声が大きいって!
えぇ? ま、普通に優しいよ。
デート? まぁ、普通にね。
どこって……映画観たりとか買い物行ったりとか。
いーんだよ、おれらはそれで!
もういいから、お前行けよ。
返事? まだ。
あいつ、ホントに返さねぇからな〜。
まぁ、ね。
なに疑ってんだよ。
いや、おれがそういうフリする意味が分かんねぇし。
クラスでおれだけ? あぁ、あいつも最近彼女できたらしいね。
だから、何なんだよ。
まぁ、証拠見せろっつわれても何も出せねぇけど。
そんなの確かめて何になんのよ。
〜 〜 〜
おっ? 電話だ。
もしもし。
え? あ、そう。わかった、すぐそっちに行く。
じゃあ、そういうことで。
まぁ、その、なんだ、とにかく、おれ、もう行くわ。じゃあな。
〜 〜 〜
その後、彼の姿を見た者はいない。
彼の携帯電話が発見されたとき、そこには1件の着信が残っているのみだった。
その番号は、三年前に他界している、彼の同級生だった女の子の持っていた携帯であった。
↑以上です。
なんか、いろいろダメダメですみません……
SS修行中です、厳しいご意見、批評等いただけたら幸いです
403 :
401:2009/08/27(木) 00:11:15 ID:ou4FX3gI
>>402 ありがとうございます!
ですよね……。
オチが弱い気はずっとしていて、
けれど、1人称でどれだけ描写できるか、ってところに躓いてしまって…
って、感じです。精進します。
貴重なアドバイス、ありがとうございます。
自分で、「これはどうだ!」ってSSが書けるようになったら、
ご紹介いただいた件のスレに投下しようと思います。
ありがとうございました。
ブーン系のssが読みたいです
内容には特に希望はないので好きなようにお願いします
この台詞が入ったお話
君だけが私を分かってくれた
君だけが隣にいてくれた
そして……君だけが私を愛してくれた…
それなのに…どうして死んでしまったんだ?
>>404-405 ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン君だけが私を分かってくれた
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン君だけが隣にいてくれた
そして……⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン君だけが私を愛してくれた…
それなのに…どうして死んでしまったんだ?⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン君
よく頑張ってくれた、尊敬する
理解者がいるという事は、とても素晴らしい事だ。
それは、理解されているという事であり、理解されているという事は
間違ってはいないという事に繋がる。間違っていれば、理解はされない。
正しさの証明としての理解者。自分が正しいという事を信じさせてくれる存在。
彼女は、私にとってそんな存在だった。
彼女はいつも微笑んでこう言っていた
――君はそれでいいよ。それでなければ君じゃない。
この言葉さえあれば、私はまい進できた。他の雑多な言葉など耳に入らず、
悪口雑言も意に介さず、ひたすらに前に進む事ができた。
結果、少なからぬ人間が私の理解者になってくれた。だが、やはり彼女
以上に私を理解してくれる、私にとっての真の理解者となってくれる人間は、
彼女以外にはいなかった。
彼女は理解してくれる存在であるのと同時に、私の傍にいてくれる存在でも
あり――私を愛してくれる存在でもあった。他の理解者は、私の傍にいてくれない。
私を愛してくれているかどうかはわからない。
ただ、彼女が傍にいてくれるという事だけは、彼女が私を愛してくれていると
いう事だけは、ただ、それだけは、わかった。
彼女だけが私を分かってくれた。
彼女だけが隣にいてくれた。
そして……彼女だけが私を愛してくれた……。
それなのに……どうして死んでしまったんだ?
そんな自問を何度繰り返しただろうか。最早、それは自問以外の何物でも
なかった。彼女はもういないのだから――彼女に問う事は、出来ない。
だからと言って、自問して答えが出るわけでもない。むしろ、答えを出さない
為に自問しているのかもしれない。
何故彼女は死んだのか。その理由を考えている限りは、彼女が死んだという
結論を受け入れずに済むから。
遺影の中の彼女は、両手を広げて飛行機のようなポーズを取り、笑っていた。
私は、在りし日のそんな彼女の姿を脳裏に思い浮かべながら、彼女がその
時口にしていた言葉を、なぞった。
「⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」
終わり
ここまで投下です。
>>404-405 ブーン系とかわかんないから!
君も彼女に変えちゃったから!
僕犬だから!(性的な意味で
どう見ても酔ってます。本当にありがとうございました。
410 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 22:35:08 ID:lqwuq1oF
台無しwwwww
だがそれが良い
お題に沿ってるけど沿ってねぇええええ!www
なんという台無し感w大好きだw
リクエスト
「ネクラな女の子がホンのちょっと心を開く」
マゾな女帝とサドな聖者のお話
今日も俺の試みは続く。高宮昌子(しょうこ)を笑わせるという、無謀な試みだ。
彼女は、例えれば綾波とか長門とかを地で行くタイプで、笑うどころか、感情を
表に出す事自体が無いと言っていい。
可愛いというよりは綺麗と言った方が適当なその細面は、本当に、まるでという
言葉では全然足りないくらい、人形そのものである。この顔を一年三百六十五日
丸々続ける生活が、彼女に表情を動かす事すら忘れさせてしまったに違いない。
そんな彼女だから、あまり友人はいないようだ。最低限の会話をクラスメイトと
交わす程度で、誰かと話し込んだりする姿を見た事がある奴はいない。
俺はそんな彼女の顔に表情を、笑顔を取り戻すべく戦う、光の戦士なのだ!
……なんてのは全くの嘘でたらめで、仲間内での罰ゲームだったりするんだけどな。
「おーい、高宮?」
「何」
視線だけで横から近づいた俺を捉え、何事もなかったかのように視線を戻す。
戻した視線の先にあるのは、分厚い本だ。全くお似合いだぜ。やっぱり無表情な
少女には本がよく似合う。
仲間内での罰ゲームとは言え、別に俺はこの無謀な試みを行う事自体は
嫌ではなかった。なんせ、無表情だとは言え、高宮は美人だ。髪型も日本人形の
ような感じのおかっぱで――間違ってもサザエさんのわかめちゃんのような
おかっぱではない――とてもよく似合っているし、何よりもその瞳が綺麗だ。
深く、引き込まれるような黒い瞳が、文章をおって上下に動いている様は、
何かからくり人形の動作を見ているような錯覚を俺に覚えさせる。緻密で、
乱れる事の無い美しさ。混じりけのない瞳の色とあいまって、それは俺に
感動さえ覚えさせた。
だが、緻密で乱れの無い物があれば、混じりけの無い純な物があれば、
それを乱し、汚してみたくなるのが人のサガというもの。
「何か、用?」
気づけば、混じりけの無い黒瞳は、俺の姿を再びその中に収めていた。今度は
本へと視線を戻す気配は無い。これまた、機械のように微動だすることなく、
彼女の瞳は俺を捉え続ける。少しだけたじろいだ自分を誤魔化すように、俺は
口を開いた。
「よ、用がなきゃ来ないだろ」
「そうね。で、何?」
「今日こそ俺がお前を笑わせてやるのさ!」
「無理ね」
……にべもないとはこの事だ。だが、今日の俺のネタは一味違うぜ。
24の物真似をして滑ったり、スーパーイリュージョンをして滑ったり、都道府県を
持ってみて滑ったり、やほーで検索して滑ったりしてきた俺とは違う!
なんせ今日のこのネタは、俺のオリジナルだからな!
「……高宮」
「何」
「お前って美人だよな」
「そう?」
「勉強だってできるし、今そうやって分厚いハードカバー読んでるのも凄い様に
なってるし、意外と他人への気配りとかもする方だし、料理とかだって得意だし、
非の打ち所が無いよな、実際」
「褒めても何も出ないわ」
「だが、そんなお前にも唯一の欠点があるって事を、俺は知っている!」
「……何?」
「お前のその根暗な所……そこがお前のネックら!」
その瞬間、俺は思った。
決まった、と。
「生憎、根暗なつもりは無いのだけど」
「……あれ?」
「でも……そうね、そう見えるのかもしれない」
「……あのー?」
「直した方がいいかも」
「……えっと、もしもーし?」
「ありがとう、坂木君。言いにくい事を言ってくれて」
いや、その、えっと、あれ? なんで? なんか感謝されてますよ俺?
そういうつもりじゃなかったんだが……でも、普段と比べて何か多弁だな、
高宮。俺の渾身のネタ効果か、これは?
「お礼に私も言いにくい事を言うけれど、さっきのダジャレは無いと思うわ」
無いですか、そうですか。俺、爆死。
「……これからも、私に話しかけてくれる?」
「そ、そりゃもちろん!」
……なんだか思いもしない展開になったようだけど、これって結果オーライ
って奴なんだろうな、きっと。
「そう……ありがと」
そう言って、彼女は……まあ、笑うわけもなく、いつもの無表情だったわけだけれど。
ほんの僅か、見落としてしまいそうな程僅かに、瞳を細めてくれたのは、
今の彼女にできる精一杯だったのだろうと、そう俺は思った。
終わり
ありゃ。
>>417 これは良いコンビ!何だか、続きが読みたくなってきた。
坂木君の奮闘振りを応援したくなるな。高宮さんかわええ。
リクを叶えてくれてありがとう!
あの前僕がリクエストしました内容まだですか
>>420 僕っておまえだれっていうか具体的にどのリクエストだよ
女神と雪女と天女と地獄の話です
あああの粘着リクか
みんな君のこと荒らしの類いだと思ってるから諦めたほうがいいよ
冒険者ギルドの話が読みたいどす
リクエスト
「泣き虫ドS」
>>427 「三角木馬に座ってくれなきゃ、いや……グスン」
「そう、どうして座ってくれないの……やっぱりあたしのこと嫌いなんじゃ……グスン」
「早く荷物持ってよ……じゃなきゃあたし疲れて……グスン」
女装少年と男装少女のお話
430 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 12:13:57 ID:gh5RfmJ6
100超えたから上げようかな
431 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/06(日) 12:36:44 ID:HuXlNmh7
『家なき青年』
両親を無くし唯一の家族である犬と共に旅をして幸せを掴むお話
432 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 11:57:14 ID:9hjyuLwd
リクエスト
成人してから初めてゾウorキリン(両方でも)の存在を見た・知った人
T
世の中には、数え切れないほどの物が存在しており、動物もまた数え切れないほどに存在していて、発見されたモノや動物などには、大抵の場合、名前がついている。
テレビ、電柱、ガラス、鉛筆。犬、猫、猿、鳥、象。蝶、蜘蛛、毛虫、蟷螂。
情報化が進んだ現代、世界各国のモノや動物の「名前」を知ることが出来る。たとえそれが地球の裏側の存在であれ。
だから、まさか――あの展開は予想できなかった。
「詠子、明日の土曜日に動物園に行かないか?」
「ドウブツエン?」
と、一人の青年がクーラーのよく効いた部屋で提案をすると、ちゃぶ台のような小さな机の上のパソコンで絵を描いている女性は首を傾げつつ、その言葉を呪文であるかのような奇妙な発音で口に出す。
青年は手に持っていたペンタブをパソコンの横に置くと、肩を手で揉みつつ首を回す。ゴキリと間接が鳴る。
女性は長過ぎる黒髪を指先に絡め、腕で顎を支えるようなだらしない体勢で青年を見遣る。
一方が下書き。一方がパソコンで本描き。それで一枚の絵に仕上げる。
一方がストーリーを考える。一方が絵を描く。それで一つの作品を描き上げる。
それぞれの苦手を補うような作業。そう、二人は某夏の聖戦に作者サイドとして参戦しているコンビなのである。
聖戦が終わった今、二人は修羅場を潜り抜けた歴戦の勇者のような晴れ晴れとした雰囲気を纏っている。
夏の暑さを完全に殺すために酷使されるクーラーの音がぐおんぐおんと響く。
「いや……ドウブツエンってなにそれおいしいのみたいなこと言うなよ。知ってるだろ?」
「うん………いいけど、今まで行ったことなくて」
「マジで? ナマで見たことないの?」
「家で本読んで絵を描いてた」
なんとも彼女らしい言葉に、青年は納得したように頷く。
彼女は青年の言葉を物静かに待っている。どことなく小動物を思わせる視線が青年の顔を見つめ続ける。
青年は、パソコンの画面で時間を確認して、更に待機させてあったカレンダーソフトを展開して予定を確認すると、椅子ごと彼女のほうに体を向ける。
「ノルマの方もつまってないし、仕事もないし、どうかな。いや、そのアレだからな? 嫌なら無理にとは言わないからな?」
不自然な声の動揺を気が付かれまいと、青年はパソコン横のペン入れからボールペンを取って指先で弄ぶが、失敗して床に落ちてしまう。あ、と小さく声を上げてペンを拾いなおすが、またまた落としてしまう。今度は落とすまいと指先でしっかりと掴み、拾い上げる。成功。
恥ずかしさからか、顔が赤くなっている青年。
彼女を見てみると、口元を手で押さえてくすくすと可愛らしい笑い声を上げて微笑んでいて。
「素直にデートって言えばいいのに」
「ばっ、誰がお前なんてっ」
「これはいいツンデレ、って言うべきかな?」
嗚呼、やっぱり女には敵わないわ。
世界の真実をまた一つ悟った青年であった。
U
次の日。
燦々とした日光を地面に照射し続ける巨大な太陽の下、黒髪の青年は一人で動物園の前のベンチで座っていた。
落ち着かない様子で携帯電話を確認。家族連れの一団を観察すると、視線を上に向ける。
太陽。青い空。綿のような雲。飛行機雲。蝉が絶叫していてややうるさい。
額を伝う汗を手の甲で拭って、つい先ほど買った缶コーヒーを一気に飲み干す。
顔をしかめながら缶の成分を確認すると、そのままゴミ箱に放り投げる。
「やべ」
入らなかった。ゴミ箱の淵に弾かれてしまって、地面に落下してコーヒーの残りの水滴を振りまく。それを嗅ぎつけた一匹の蟻が二本の触覚を振り回しながら茶色い水溜りに接近してくる。
青年は頭をボリボリと掻くと、缶を再度拾い上げて、ゴミ箱に投じる。これも入らない。
なんてついていないんだ。
周囲に見られているような気がして、情けなくなってきた。
「広君、不幸だね」
突如としてかけられた声に、肩をぴくんと上下させる。青年はゆっくりと後ろを振り返ると、そこにはにんまりとした笑みを浮かべた相手の姿があって。
「ぅわ………ナニ? ひょっとして見てた?」
「実は三分ほど前から」
「趣味悪いなぁ」
つまり最初から全部見ていたということ。今度こそ、と軽く意気込むと、わざわざ両手で缶を持ってゴミ箱の中に入れる。やっと成功した。
青年は伸びをしながら彼女を見る。
白いワンピースに麦わら帽子。
はて、どこかで見たと首を傾げる青年に、彼女は長い髪の毛をポニーテールにして見せる。
青年は驚嘆の声を漏らしつつ小さく頷く。その姿はまるで自分が描いていた絵の登場人物そのものだったのだ。
彼女は得意げに胸を張ると、人差し指を一本出して、麦藁帽子の縁をつついて直す。
ワンピースから覗く白い肌が太陽より眩しいように感じられた。
「それでは行こうか広君。日が暮れてしまうよ」
「…………いつの間に声優スキルを手に入れたんです、詠子さん」
アニメのヒロインのような声で、しかも自分が描いているキャラの外見全てを再現してみせる彼女に呆れたような、それでいてどこか楽しそうな様子を見せる青年。
二人は談笑しつつ動物園に入っていった。
時刻は昼前。天気予報は晴れ。
V
一通り動物園を楽しんだ二人は、飲み物を口にしつつアフリカ動物のコーナーに入った。
そこでちょっとした騒動が起こるとは青年は全く思って居なかった。
だって…………まさかゾウとキリンをそもそも聞いたこともないし見たこともない人間が居ると予想できたのというのか。
彼女の年齢は20過ぎ。
若いと言うと聞こえが良いが、別の表現を使えば「いい大人」。
いい大人がゾウとキリンを知らない。知らない人間が最初に知るとき、どんな反応を見せるかは全くの未知数。
「………………広、アレは……?」
「え?」
ゾウの居るエリアに入った二人。
青年は直に見たことも数回あるし、インターネットでも何度も見ているため、特に不思議とは思わない。
が、彼女は違った。
象、ゾウ、エレファント。その一つすら知らず、どんな生き物かも知らない。
接近遭遇とも言うべきだろうか。
象の居るエリアにある柵のギリギリまで身を寄せると、これでもかとばかりに見つめる。
青年は流石に状況が飲み込めなかったらしく、なんとなく片手をポケットに突っ込んで柵の側に立つ。
「ひょっとして………詠子さん、ゾウを知らなかったとか………ないよな? ないですよね?」
夏の暑さとは別に、変な汗がにじみ出てくるのを感じつつも、青年はそう聞かざるを得なかった。
「あのホースみたいの……まさか鼻? ぇー……進化って凄い」
一方の彼女は宇宙人でも見るような目つきでゾウを観察する。ブツブツと呟く言葉は新種の生物を発見して常識とは違うことに感嘆する学者のよう。
置いてあった餌を長い鼻で丸めるように持つと、口に押し込んでむしゃむしゃと咀嚼する。
トラックのような巨体がのしのしと歩いていく。暑さを軽減するためだろうか、ゾウの耳が団扇のようにパタパタと開閉する。
「じつはね」
ハムスターよりも小さくなれればいいなとばかりに萎縮する彼女は、音量を徹底的に絞った言葉を発し。
「今まで見たことも聞いたこともなかったんだ。本当に」
「そうか―――……つまり初体験という」
「ということ、なんだ」
「でも良かったジャン。見れて知ったんだし。さて、お次はキリンなわけですが」
「きりん?」
「キリン」
「……………」
「……………は、初体験、初体験」
W
キリンのコーナー。
アフリカの肥沃な大地から切り離された平穏な空間、長い首の黄色い動物、キリンは居た。
6mはあろうかという長い首。メロンのような網目の模様。馬のような脚。
特徴的な耳をぶるんぶるんと動かしつつ、美味しそうに餌を舌で絡めるように食べている。
「長い、大きい、黄色い。面白い生き物だね。モンハンに出てきそう」
「怒って蹴りを入れられたら人間なんて簡単にオダブツだってよ」
「装備はやっぱり大剣? 弱点は首?」
「残念だが俺は双剣乱舞派だわ」
「にしても大きいなぁ〜……………あの首、登れるかな〜」
「振り落とされて大怪我しちゃうぞ」
吹いてきた風に眼を細めつつ、麦藁帽子を両手で押さえる。ワンピースの裾が持ち上がって風になびいて揺れる。
動物園独特の臭いも今は余り気にならない。
のっしのっしという効果音がぴったりな歩調でキリンが歩く。一歩が人間よりも遥かに大きいため、緩慢な動きであるというのに、実際の移動速度は速い。
インドア派以上の引きこもり派である彼女が見れる動物は犬か猫。今まで見たことがない大きさの動物を見たその眼は、キラキラとしている。
大人なのに大人っぽく無い。今時珍しい無垢な印象の彼女。
動物見るよりこっち(詠子)見るほうが良いかも知れない。
とは言えず。空気の読める青年は同じようにキリンの巨躯を眺め続けた。
あるぇ〜? おかしいなァ、なんでこんな作品になってんだYO!
………orz
いや、わかる、わかるぞ!
目をキラキラさせてる彼女が一番見てて飽きないんだよな!
絵は想像できるぞ! 可愛いぞ詠子さん! GJ!
>>431 これも貰った 時間掛かりそうだけど。
ファンタジーもアリなのかな。
441 :
家なき青年:2009/09/07(月) 20:36:47 ID:ZhhmGZ/W
T
雨は一人だけに降り注ぐのではない。
そんな言葉が存在しているが、それはどうだろうか。
局所的な豪雨は全員に降り注ぐわけではない。落雷も、特定の箇所に落ちやすい。竜巻などの自然災害は通過する所だけに被害をもたらしていく。
不幸と幸運は表裏一体。それも、真実とは言いがたい。
天国に行ってから幸運では、何の意味も無い。
だがこんな言葉もある。
それ自体の不幸なんてない 自ら不幸を思うから不幸になるのだ――と。
両親が死んだ。
全ての出来事を総合すると、つまりそういうことになる。
東洋にしても、欧米にしても、最初はどこでも小さな村や町から始まる。
ここ山奥に位置するリレ村には、科学が神を否定できない時代のどこにもある村と同じように、奇妙な迷信が存在した。
誰が言ったのか、誰が考えたのか、誰が信じて言い伝えたのか、それは分からない。
曰く、「イーゼ家の者には不思議な力があり、村を守ってくれる。が、イーゼ家の者に何かがあれば、それは神がお怒りの証拠である。直ちに殺して生贄にするべし。また不思議な力が消えても生贄に処するべし」、と。
身勝手にもほどがある。この手の話の大半は、当事者ではない人間がでっち上げたものなのだ。
その規則に縛られつつも、イーゼ家は村が興ってからも平和に暮らしてきた。
……あの日が来るまでは。
ある日突然、村の人間が死に始めた。
次々と村の人間は倒れて高熱を生じ、嘔吐しながら死んで行く。それが伝染病と分かっていたイーゼ家の家長である少年の父親は、村の衛生面を改善し、なんとか特効薬を作ろうと奮闘した。
結果は村人の半分が死んだだけ。
当然である。ワクチンなど知らないし、科学の知識にも乏しい時代に、薬を作ろうとしても上手くいくわけがない。父親の判断は正しかったが、同時に無謀でもあった。
村一番の長寿の老人が死んで、村人の態度が変わり始めた。
村八分状態になって数日後、その悲劇は起こった。
少年が山に薬草を採りに行って帰ってきた時、ふと村を見てみると自分の家から火が出ている。
慌てて家に走り帰ってみれば、そこには無残にも刺し殺されて床に倒れている父親と母親の姿があった。
迫る村人の気配を感じ取ったそのイーゼ家最後の生き残りの少年は、荷物をかき集めて、頼れる犬を一匹引き連れて姿を消した。
その一週間後。
リレ村の住民は更に死んでいき、それを聞きつけた山賊の襲撃を受けて全員が皆殺しにされ、地図から姿を消すこととなった。
442 :
家なき青年:2009/09/07(月) 20:37:58 ID:ZhhmGZ/W
U
「リブロぉ………寒いよ……」
「………」
今現在の出来事を総合すると、少年は迷っていた。
マントともコートともつかない布を着込んで、ぼろぼろになった杖とも棒とも言えそうなそれを雪の地面に突き立てて、体を引きずるように歩く。
空を見てみると、真っ白。どこまでも続く空は雲で覆われ、しかも吹雪がこれでもかと少年に襲い掛かっていた。周辺に生えている木々は銀色の化粧をしており、時折風に揺られて白い雪の塊を落とす。
言うまでも無く気温が低い。
青年にもなっていない小さくて細い体は、絶え間なくガタガタと震えている。
帰る場所の無くなった少年は、宛ても無く旅をしていた。
10歳前後の少年が旅をすることがどんなに過酷か。資金も無ければ知識も無い。体力も無い。働こうにも小さすぎて需要すらない。
それでも、少年は歩く。帰る場所が無いからただ歩く。
鼻水が凍りそうで凍らない気温。しっかりとフードを被って顔を覆っているが、冷たい空気は布の隙間から、生地の網目から、ドンドンと侵入してきてしまう。
影のように傍らに居る犬に体を預けるようにして歩いていくが、一向に終わりが見えてこない。
犬の名前はリブロ。黒く大きく、狼のように鋭利な印象を受ける犬である。
犬に答える能力は無いのだが、少年は言葉を投げかける。
一歩ごとに体力が消えていっているような感覚がする。
ザクザクという音も今は心地よくなんか無い。
溶けた雪が服に染み込んで、結果的に体温を奪い取っていく。
犬のようにはいかないのだ。
どこまでも続く冬の森。
少年の吐く息は片っ端から白く染め上げられて空間に溶けていく。
「これ、………しんじゃうのかな……ねぇ、リブロ、……あのね、今から言うこと聞いて」
「………」
囁きにも似た声。リブロは、雪の中で目立つ黒い体を少年に寄せると、すんすんと鼻を鳴らしながらその顔を見つめる。少年は、疲労の目立つ顔でリブロの頭に顔を寄せると、緩慢な動きで離す。
「ぼくを、のせて、あたたかいところに、つれて………っ」
そこで限界が来たのだろうか。
少年は、ばったりと地面に倒れこんでしまう。
するとリブロは、自分の成すべき事が分かっているかのように、少年の細い体の下に鼻先を潜らせると、背中の上に乗せて雪降る森の中を駆け抜けていく。
いくら体が大きいとはいえ、少年ほどの大きさのものを乗せて運ぶと、体に負担がかかる。
無理を承知でリブロは駆けて行く。
出口は見えない。
443 :
家なき青年:2009/09/07(月) 20:41:00 ID:ZhhmGZ/W
V
「―――……ン………」
意識が覚醒の領域に向かっていく。
低下していた体温は徐々に上昇してきており、冷たい吹雪の音もどこか遠くに感じられる。
少年が瞳を開くと、そこには自分のローブの中に潜り込んで周辺を警戒するように視線を配るリブロの姿があった。
頭を持ち上げて状況を確認する。洞窟のような場所に居るらしい。風が入ってこないし、更に雪も無いため、温かく感じる。否、リブロの体温のお陰で本当に温かい。
大きな体に似合わない、くぅ〜ん、という鳴き声を上げて少年に鼻を寄せると、鼻先をぺろりと舐める。少年は嬉しそうな表情を浮かべると、ローブでリブロを更に包み込んで、体を密着させる。
ここまで運んでくれて、しかも寝ないで温めてくれていた。
そう思うと愛おしくてたまらない。
少年はその毛に顔を埋めると、リブロをきゅっと抱きしめて。
懐から干し肉を取り出すと、半分食いちぎって最初にリブロに渡す。リブロはその干し肉の臭いを嗅ぐと口に入れる。少年も干し肉を口に入れると、二人して食事とも言えない簡素な食事をする。
量が少なかったため、あっという間に食事は終わってしまう。
少年は外がどんどんと暗くなってくるのを見る。そして徐に立ち上がると、服を脱いでいく。濡れた服を着たままでは体力は回復しないし、凍死の危険があるからである。
「あ、ちょっと薪とってくるからまってて」
そういうと、外に駆け出していった。
凍死の危険は去った。後は熱を得ることが重要なのだ。
もちろん、遠くに薪を取りに行くような真似はしない。木なら洞窟の直ぐ前にでも生えているのだから。
次の日。
昨日の雪が嘘のように晴れていた。
雪で森は一面の銀世界。
「いこっ、リブロ!」
「わんっ!」
寡黙なリブロだったが、この時ばかりは楽しげに吼えた。
森の中を一人の少年の黒い犬が追いかけっこをしながら駆けて行く。
旅は、まだ続く。
『すべての不幸は未来への踏み台にすぎない』
―――ソロー
【終?】
幸せは、いつも心が決めるとかなんとか。
特に後先考えずに書き散らした。反省はしていない。
>>429 片方だけなら書けそう。両方は無理。
とりあえず今日は寝る。
445 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 19:19:19 ID:MK6m+Zz5
リクエスト「殺人旅館」
446 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 22:33:10 ID:bnGLATEf
>>445 俺は酔っ払って暴れて警察にぶち込まれた。
これで何度目だろう。
おっと、手がアルコール切れで震えてきた。
俺は震える手でメモを書くと、警官を呼んだ。
警官はメモを見ると、ペンを取り出しサラサラっと書いた。
「サツ GINくりょ」「あかん」
447 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:31:55 ID:5TklMjFA
リクエスト「蜘蛛女」
ギルドは想像以上に賑わっていた。
初めて見る物も多く、彼は、追っ手のことも忘れて屋台を見て回った。
「それは何だい?」
屋台の奥にうずくまっている店の親父に話し掛ける。
「油だよ。これは蝦蟇の油、こっちは水母の油……」
「水母? 海にいる?」
「そうさ。珍しいだろ。今だけだよ! 安くしとくよ……」
「いくらだ?」
「八百でどうだい」
高すぎる。彼は、さっさとその場を立ち去った。
ギルドを行き交う人々は、商人だけではなかった。
賞金稼ぎの旅剣士や、怪しい占い師、もののけを連れて歩いている奴までいる。
この街に来るのは、初めてのことだった。
盗んだお宝をさばいたり、仕事道具(武器など)を仕入れたりするのは、「目利き」たちの仕事だった。
「目利き」は、盗賊の一味のうちでもモノの知識が豊富で鑑定眼のある者たちだ。
奴らがいなければ、せっかくのお宝が二束三文で買い叩かれる、なんてことになりかねない。
盗賊団と取引している商人たちが、妙な企みをしないよう見張る事も出来る。
無我夢中でアジトを脱出し、港まで辿り着いたのは一昨日の夜中だった。
たまたま停泊中だった紅茶貿易の商船に潜り込み、船倉の中に身を隠していた。
自由交易都市に着いた時、そっと降りた。やがてここにも追っ手が来るに違いないが、
それでも彼は、盗賊たちの間でたびたび話題に上る「ギルド」なるものを、この目で見てみたかった。
使い慣れたダガーは、もう無い。
牢に入れられていたのだから武器が無いのは当然で、腰に付けた革袋にも、予備のダガーは入っていなかった。
もっとも、今はダガーを持つ気にはなれなかった。それでも身を護るためには何かしら武器が必要になる。
武器を売っている屋台を見つけたので、覗き込んでみた。
長剣や大きな斧のほかに、鎖のついた鉄球だとか、いかにも痛そうな鞭なんかが乱雑に並べられていた。
武器を手に取り、店主と値段の交渉をしている老人。
周りの人にかまわず武器を振り回す若い女。
「……趣味が悪いな」
彼は呟いた。
――どう見たってカタギの連中だ。あんな奴らに限って、いかにも残酷そうな武器を選びやがる。
護身のためか? 絶対、違うぜ。気に食わないからぶっ殺したい、“身近なだれか”に使うためだ。
そこを立ち去ろうとした時、奇妙な形をしたものが目に留まった。
長さは十センチくらいで、太い鉛筆のような形に矢の羽が取り付けられている。それが、何本も束ねてあった。
おそらく、飛び道具の一種だろう。たしか、追っ手に投げつけるための道具で、こんな形のものもあったはずだ。
「これ、いくらだい?」
店主にたずねた。
「えぇ? どれだい……ああ、ダーツかい。毒付きで、十本入り。これでどうだい、兄さん」
店主は手を開いて五本の指を見せつける。
それが安いのか高いのか分からなかったが、とりあえず値切ってみることにした。
ここじゃ、ふっかけてくるのが当たり前のような気がしたのだ。
「ここにあるダーツ、全部もらう。だからもうちょっと負けてくれよ」
店主の老婆の眼が、きらりと光った。
「いやぁ、兄さんお眼が高いね。こいつはね、カマキリバチを使ってるからね、マワリも早いよ!
分かった、同じ値段で全部持ってっとくれ!」
金を払い、ダーツ3セットを受け取った。
市場を後にし、空を見上げると夜が明けかけていた。
夕暮れから夜明けまでの時間に活動するという、盗賊の頃の習性はなかなか抜けない。
ギルドは夜中しか開かれないようだから都合がいいが、一般人を装うには無理があった。
>>426 ↑お題頂戴いたしました。
たぶん、オンラインRPGみたいなものを期待されてたんでしょうね?
オンラインゲームやったことないので、ギルドってより単なる闇市に
なっちまいました。ごめんなさい。
竹取物語 新婚夫婦ver. お願いします。
>>199-233みたいな感じで、
「創発板住人になったやる夫が、荒れやすい話題や要注意コテについて説明する」
みたいな話が読みたい
……うそです。そんなのやったら荒れるの必至ですもんね。ごめんなさい。
でも、板の空気とか、そういう系のガイドラインがあったらいいなと思ったり。
うっかり振った話題でスレが荒れた、なんて悲しい。
ま、だから「半年ROMれ」って言葉があるんでしょうけど。
自分は、199-233はいつでも参照できるようにしてます。
何か気になったら見るようにしてる。
そのシリーズ移動したんじゃなかったっけ?
続きとか投下されてないのかな?
最近は馬と四コマと天候制御に注意すれば十分だが、トリップ付けてないから厄介。
流れを知らない人は、音楽作曲スレ、荒れてるロワスレ、獣人スレ、ハルトシュラースレあたりはROMに徹したほうがいい。
この板は出来てから日が浅いから、本当に半年ROMった人はほとんどいないと思うよw
この間、一人だけそういう律儀な人がいたけどw
一日もROMらなかった人が通りますよww
リクエスト
【力>スピード、斧やハンマー>剣や魔法、のファンタジー世界】
>>453さん
移動先見つけました。ありがとうございます
>>454さん
言いにくい話題にもかかわらず、ありがとうございます。注意します
ロリババァがリアルタイムで経験した平安時代の歴史を現代人に語る話が読みたい
460 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 12:23:00 ID:nvbuU1Ei
あげ
296さんあなたブログ書いているんですね
雪女様の話と
女神と天界と地獄の話書いてくださいね
リク
何でも良いから音楽を聞きながら書いたもの
1レス限定でよろしく
キーを捻ると、エンジンが面倒くさそうに唸って、アイドリングを開始した。
深夜の駐車場に、僕の車の音だけが響く。
暖房はまだ暖まらない。フロントガラスは霜がびっしり付いている。
夜空が明るい。今日は満月だ。
ゆっくりと車をスタートさせる。静かなピアノソロが流れ始める。
繰り返されるフレーズのバックで、ベースの金属的なハーモニクス音が響く。
深夜の街は冷たく、神秘的だ。車は滑るように街道を抜けていく。街灯が、前方に浮かんでは後方へ流れていく。
車が繁華街に差し掛かる。夜通し点いている街灯のせいで、道が明るくなる。
切れ味鋭いベースが切り込んでくる。それを後押しするように、2ステップのビートがノックする。
女性のボーカルが小気味よいフレーズを吐き出す。
繁華街を抜け、国道を真っ直ぐに走る。
完璧に調律された世界だ、と思う。繰り返しの連続。
何処まで行っても同じ景色なんじゃないかと錯覚する。それが、僕を安心させる。
平静な気持ちにさせてくれる。
意図的に単調に仕立てたビートが、それにシンクロする。そこへ生楽器が複雑に絡み、気分を高める。
つい、アクセルを踏み過ぎる。スピードは80キロ近い。メーターを見なきゃ気付かない、それほどまでに道路には他の車の姿は無い。
自問自答しながら車を走らせる。目的地は、無い。何処へ行くでもなく、ただ走る。
僕は、本当に自分の人生を生きているだろうか? なんとなく、流されているんじゃあないか?
「誰かのため」という言い訳をして、本当の自分を試そうとせず、逃げてばかりいないか?
傷つくのが怖くて、我が身かわいさに、おかしな選択をしているんじゃないか?
たたみかけるような、ラップの応酬。頭の中に浮かんでは消える、自問自答。
今の境遇は、誰かに足を引っ張られて陥れられたものだ――
そんなふうに考えてしまう、自分に嫌気がさす。
女性ボーカルの伸びやかな声が、僕のこんがらがった頭の中にすっと入り込み、それを断ち切る。
荘厳なストリングスと近未来的なテクノサウンドが、複雑に織りなす世界。
僕は、自分で自分を陥れてしまっている。
這い上がるんだ。顔を上げ、前を見るんだ。傷つくことを覚悟して、素の自分で勝負するんだ。
僕は、ぐっとアクセルを踏み込んだ。
↑
『cut to the chase』MJ cole
聴きながら書いたものです
夜の街を走り抜けていく描写がいいね。
音楽も聴いてみた。知らない曲だったけど、
こういうふうに文章と何かが組み合わさっていると
自分の知らない世界に触れることができていい。GJでした。
あ、反応あった!
>>467さん、ありがとう
このスレはリアクション薄いらしいから、感想もらえるとは思わなかった
SS修行中なので、褒められるととっても嬉しい!
昔、持ってるアルバム1枚につき1本書こうと思って、これっきりで挫折した
いいタイミングでリクが来たので、出してみた次第です
は?
ペンギンの出てくる話が読みたい
但し、擬人化は無しで
把握。
ペンギンである。
「は?」
は?と、そう彼は言った。しばしそれを――ペンギンを見つめた後、再び
口を開いた彼は、
「……なんでペンギンがここに?」
無論、それが――ペンギンがそう問われた所で、答えられるわけはない。
何故ならば、ペンギンだからに他ならない。そこにいるのは紛れもなくペンギン
なのだ。言葉など操れるわけもなく、人間とはボディーランゲージも交わせない。
何故ならば、ペンギンだからだ。
当たり前の話である。人間である彼と、ペンギンである彼女は意思疎通が
できない。至極、当然の話だという事は同意していただける事相違ないだろう。
だが、まずはそう疑問に思ってもらわなければ話にならない。
ここは六畳一間のワンルームマンションで、季節は秋なのだから。本来、
ペンギンがいるのはおかしい。これが冬であればあるいは、という向きも
あるかもしれないが、六畳一間のワンルームマンションである時点で、
季節などは瑣末な条件に過ぎないだろう。冬だろうが夏だろうが、そこに
ペンギンがいる事はおかしい。
だから、彼が疑問に思うのは至極当然の事だ。それは、ペンギンと意思
疎通ができないのと同じくらいには当たり前の話である。
しかしながら、疑問に思うという事は、世の中の不思議に対して答えを
出していく為には必要な行為だ。
部屋にペンギンがいました。ああ、ペンギンじゃあ仕方ないな。以降一人
と一匹は、貧しいながらも幸せな生活を送ったとさ――現実に起こった
不思議である『ペンギンがそこにいた』という不思議を、疑問に思う事も無く
受け入れてしまえば、結果はこうなる。それでは不思議は解決しない。
まあ、世の中にはそうやって受け入れられている不思議も数多くある
のではないか、という話も無いではないが……ペンギンがそこにいる
という不思議は、そういった類の話ではないと考えて問題ないだろう。
何せペンギンである。冷静にならずとも、極点近くにしか存在しない
――一部例外はあるが――はずの鳥類が、六畳一間のワンルーム
マンションに突如として存在しているという不思議は、普通の人間の
許容量を遥かに超えている。
「……なんでだろ」
実際、彼も許容はできなかった。これもまた至極当然、当たり前の話
である。そうならない方が異常なのだ。フィクションの世界では無いのだから。
「くわっ!」
だがしかし、無情にも、ペンギンは彼に考える暇を与えるつもりは毛頭
無いようだった。一鳴きすると、ばたばたと手を――翼を、というべきなのだろうか?
――振り回しながら、ぴょんぴょんと部屋の中を飛び回り始めた。
「うわっ、ちょ、やめろよ!」
無論、ペンギンがそんな制止の言葉を解するわけもなく、彼の部屋は
無残な様相を呈していった。彼は何とか物理的に制止しようと飛び掛った
が、ペンギンの俊敏さというのは意外と大したもので、何度飛び掛っても
逃げられてしまう。むしろ、その結果部屋の破壊の度合いが増えていく
有様だった。
「どうすりゃいいんだ……」
彼は頭を抱えた。
「お困りのようですね」
そこで私は姿を現した。
「……は?」
「お困りなのではないのでしょうか? 私にはお困りのように見えますが」
「あ、えっと……いや、その……君、誰?」
「一言で言えば、宇宙人です。名は地球の言語で表現すると、エリシア
となります」
「………………」
彼は、ペンギンがいきなり部屋の中にいた時以上に唖然とし、困惑していた。
これもまた当然である。突如として部屋に美少女――私の事だ――が
現れた上、その美少女が宇宙人だなどと言うのだから。
「……えと、エリシア、ちゃん?」
「はい、そう呼んでいただいて構いません。何か?」
「えっと……何から聞けばいいのか……その、どういう事?」
「現在の状況がどういう事であるか、という問いでしょうか」
「……あー、うん……そうなる、ね」
やはり、彼は疑問に思ってくれた。ペンギンが突然部屋にいた時と
同じように、疑問に思い、問いかけてくれた。そうなれば、私としては
答える以外に無い。私はペンギンとは異なり、会話もできればボディー
ランゲージも解する、知的生命体なのだから。
「まずは、ペンギンの説明から致しましょう。このペンギンをこの部屋に
出現させたのは私です。人間という生命体には慣れという恐るべき機能
が備わっているという知識を元にし、まずはペンギンという日常には
ありえない存在を――」
「ちょっと待って。ちょっと待とう」
「何か?」
「じゃあ、その……このペンギンがいきなりこの部屋にいたのは、君の仕業
だったって事なのかな?」
「その通りです」
「何の為に?」
「ですから、人間というこの星に住む知的生命体が有する慣れという恐るべき
能力を利用し、まずはペンギンという――」
「ごめん、僕頭悪いから簡単によろしく」
「簡易的に、ですか……そうですね、端的に申し上げますと、宇宙人の前に
ペンギンで慣れてもらっておけば、私が出てきてもすんなり受け入れて
もらえるのではないか、という計算による行動です」
突然出て行って、宇宙人ですと自己紹介をした所で、すぐに病院を紹介されるか、
あるいは警察に連絡されるのがオチである。まずは存在は確実に誰も知っている
ペンギンを用いて慣れてもらい、然るべき後に私という宇宙人が出て行き、
存在を信じてもらう、という算段だった。
「……で、結果、部屋はこの有様、という事?」
気のせいか、彼の声のトーンが下がったような気がした。何か問題が
発生したのだろうか。相変わらず背後彼の背後ではペンギンが気ままに
部屋中を跳び回っている。そのたびに何かが壊れる音がしているが、
さして問題ではないはずだ。何故なら、そういったものは私が後に修復
できるのだから。
「ええ、原因と結果という考え方でいけば、そうなりますね。ですが、現在の
部屋の状況については、事後に私が――」
「えっとね……まずは謝ろうよ」
「……謝る? 謝罪をしろ、という事ですか?」
彼は真正面から私を見据えた。その表情は、いわゆる怒りをたたえていた。
まあ、確かにその怒りは正当なものだろう。私がこの部屋に送り込んだ
ペンギンによって、彼の部屋は無残な有様となっているのだから。
「問題ありません。この部屋については、私が修復する事が可能です。
まったく以前と同じ状態に戻せますので、ご心配なさらずとも――」
「そういう事じゃなくてね?」
……何がそういう事ではないのだろう?
「確かに、君が宇宙人だって言うのが本当なら――そして多分それは
突然君やこのペンギンがここに現れた事から本当なんだろうけど――
それなら、この部屋を元に戻せるってのも本当かもしれない。でも、
それは君が宇宙人だから、だろう?」
ふむ。話はかなり理解してもらえているようだ。やはり、習うより慣れろ
というこの星のコトワザという言葉は的確にこの星における人々の性質を
あらわしていたと見える。
「そうですね。現在のこの星における科学技術などでは、この部屋を先刻までの
状況そのままに再現する事は不可能でしょう。ですが、私が所有する
技術であれば――」
「そうじゃなくて!」
……一体彼は何を言いたいのだ。後で元通りにするのに何故謝る必要がある?
謝罪というのは、取り返しのつかない行為に対する代替行為のはずだ。
「壊したのは……壊れる原因を持ち込んだのは事実でしょ? だから、まずは
その事を謝って欲しい。……いや、違うな。そういう時には謝らなきゃ
いけないんだ、って事を知って欲しい」
「……つまり、それがこの星における文化、だと?」
「そう。たとえ元通りに直せたり、代わりになるものを買ったりできる時でも、
誰かに迷惑をかけたなら、ちゃんと謝らなきゃいけないんだよ、ここではね」
「そういうものなのですか」
率直に言って、面倒な話だ。だが、そうすれば彼が満足するのなら、私としては
そうする事にやぶさかではない。ここは一つ、この星における流行の謝罪方法で
謝意を表するとしよう。
「理解しました。それでは謝罪します。――ごめんねごめんねぇ〜♪」
この星のテレビ番組で、最もよく見かけられる謝罪方法だというその言葉に――
「いかがでしょう? 謝意は伝わりましたか?」
――だがしかし、彼は柳眉を逆立てた。……何故?
「……僕をからかってる?」
「そのようなつもりは、まったく」
「おしおきしないと、わかってもらえないのかなぁ……」
「おしおき、とは?」
「君くらいの歳の子なら……おしりぺんぺんとか?」
おしりぺんぺん。その言葉は初めて耳にした。おしおきというのは、躾として
行う折檻の事だとは聞いているが……おしりぺんぺんとは、一体?
相変わらずペンギンが跳び回る部屋の中で、私は自らの中に湧いた疑問を
素直に口に出した。疑問に思わなければ不思議に答えはでず、そして
不思議に答えを出さずに受け入れるという選択を私はしなかった。
「あなたがそれで満足するのでしたら、どうぞ」
「んじゃ、お尻出して」
……臀部を出すのは、おしりぺんぺんという名から想像できたが、一体
この体勢から何を……とさらなる疑問を抱いた、その瞬間だった。
パーン!
「ひゃん!?」
乾いた音と共に私の臀部を衝撃が襲い、思わず口から素っ頓狂な声が
漏れた。お尻をはたかれたのだと理解できたのは、臀部の熱がやや収まって
からだったが――
パーン!
「いたっ!?」
すぐさま、次の平手が私の臀部を襲う。最初は熱いだけに思えた臀部の
感覚も、2度目のそれを受けてようやく痛覚に刺激が届いたのか、痛み始めた。
パーン!
「くうっ!」
パーン!
「いっ!」
パーン!
「んくっ!」
5回か、6回か。ジンジンと臀部が痺れ始めて、ようやく彼は私の臀部を
はたく事をやめてくれた。
「……わかったかい? 駄目な事をしたら、たとえそれが後で取り返しの
つく事でも、ちゃんと謝らないといけないよ?」
振り返ると、何故か彼の顔がぼやけて見えた。それが自分の目に滲んだ
涙によるものだと気づいた時、私の目からそれは零れ落ちた。
「うう……わがりまじたぁ……」
「じゃあ、ちゃんと謝ってごらん? さっきみたいにふざけたやり方じゃなくてね」
「も……もうじわげ……ひっく……ありまぜんでじだぁ……」
客観的に私を見ていた私は、私が涙を流し、しゃくりあげているという事実に
驚きを禁じなかった。
痛みで泣いているのではない。自分が悪い事をしてしまったという事、
そしてその結果としておしおきを受けてしまったという事をに、私は涙を
流していた。自分でもそれと知らぬ内に、だ。
しゃくりあげるように発した言葉は、酷く歪んでいた。これが涙声というものか。
「ん。よろしい。……ごめんね、痛かっただろ?」
何故彼が謝るのかはわからなかったが、私は問われた言葉に首を横に振った。
相変わらず涙は頬を伝っていたが、それは痛みによるものではない。そして、
痛さはさほどでもなかったので、正直に答えた。
「とにかく、まずはこれ、何とかしてよ。その後で、色々あるんだろう話は
聞くからさ」
彼が指差す先には、最早この場を統べるのは自分だとでも言わんばかりに、
我が物顔で跳び回っているペンギンの姿があった。意志の疎通はできないが、
きっと『後は氷風呂でもありゃ文句ねえんだけどな! カッハッハ!』とでも
思っているに違いない。その姿に、私は何故か無性に腹が立った。もちろん、
ここに彼女を連れてきたのは私なのだから、それは逆恨みにも似た感情
なのかもしれないが、とにかく腹が立ったのだ。
私を客観的に見ていた私は、またしても驚きを禁じえなかった。私が
腹を立てる――怒りを抱くなど、今まであっただろうか? いや、無い。一度
たりとて、無かった。
「……わかり……ましたぁ……」
何とか涙を振り払い、私は念じた。
それだけで、一瞬の内にすべては元に戻った――
「あ、あれ?」
――戻った、はずだった。戻る、はずだったのだ。
「……んー!」
念を強くしてみた所で、何も変わらない。
念じればすぐに発動し、全てを元に戻せる私の能力。それが、発揮されない。
「……ねえ」
「ひゃい!?」
彼が、低い声で私に訊ねる。
「もしかして……元に、戻せない、とか?」
「………………」
私は、何とかしてこの場をしのぐ為の、窮余の策を打った。
「てへ♪」
100万ドルの笑顔。
だが、彼はそれを見て、がっくりと肩を落とすだけだった。
そんな彼を見て――なのかはわからないが――
「クケケケケケー!」
ペンギンの笑い声――?――が、夜の帳が折り始めた薄紫色の空に、高く響いた。
これが、彼と私――プラス一羽――の、奇妙な共同生活の、その始まりである。
――続かない――
ここまで投下です。
こんなんでましたけどー。
すばやい創作ありがとう。
ああ……うちにも来てくれないかな、ペンギン
宇宙人は御免だが
じゃあ宇宙人はもらっていきますね
サーカスの話が読みたい。
時代・舞台問わず。ただし客側の視点からの描写は無しで、
通常サーカスに出てくるであろう演目を最低三種類を織り込むこと。
どこまで行っても、不安は残る。
何せ、相手は猫だ。それも巨大な。いや、猫じゃない。
こんなにでっかい猫がいてたまるか。逃避するな私。
虎。そう、この子は――メグは、虎だ。虎を相手どらなけれ
ばならない、それが私のやるべき事。私の仕事なのだ。
そこから逃げてどうする? いくら不安だからと言って、そこ
から逃げ出す事、全てを投げ出してしまう事はできないの
だから……気をしっかり持たないと。
……しかし……相手は虎だ。不安は尽きない。
ふと傍らの檻の中を見れば、つぶらな瞳でメグがこちらを
見つめている。まるで「心配しなくても大丈夫だよ」とでも
言っているかのように見えるが、果たして本当にその通り
の事を思っているのかどうかはわからない。「ぐはは、小娘
が私を手繰ろうなどとは片腹痛い。目にもの見せてくれるわ!」
と思っているかもしれないのだ。いや、流石にそんな事は
思っていないだろうけど、微々たる可能性としてはそれもある。
これが自分自身の力量が相手ならば、あるいは、言葉が
通じる存在が相手ならば、不安は限りなく少なくできる。
練習に練習を重ね、失敗しないという確信を、それが無理
でも確信に近い物を得る事はできるだろう。
例えば、今やっている道化師のショーがそれだ。
華麗なジャグリングでもって客を沸かせたかと思えば、
わざと派手な失敗を見せて笑いを誘う。計算された演技に、
客は拍手を送り、時に大声を挙げて笑う。
あの道化師の田中さんは、うちの団一の古株だ。お客さん
の心理は知り尽くしているし、道化師としての動きも洗練され
ている。自分の腕に不安を感じる事など、きっと無いだろう。
そんな事を考えている内に、道化師のショーは拍手喝采の
もとフィナーレを迎えた。
「……ふぃい、疲れたよー」
田中さんはおどけた口調で呟きながら、袖へと帰ってきた。
「お疲れさま、です」
「はいお疲れー。ありゃりゃ? どうしたの美紗都ちゃん?」
「べ、別に、き、きんちょーしている、わけ、では、ないんだからね?」
何故かツンデレ口調になる私。どう見ても緊張している。
「不安かな? メグちゃんとの舞台、本番は初めてだっけ」
「は、はい……」
別に、メグがどうしても信じられないわけではないのだ。
きっと、私の言う事を聞いてくれるだろうとは思っている。
それだけの練習を、私達二人は積んだのだから。
でも……それでも……
「僕もね、不安になる事はありますから」
田中さんは、私の雰囲気を察したのか、優しい口調で
そんな事をしゃべり始めた。
「田中さんも?」
「メグちゃんと、言葉で意志を交わせない……それが不安
なんですよね?」
「……はい」
客席は沸いていた。今は、道化師のショーが終わり、
空中ブランコが始まっているはずだ。袖からは様子を
伺い知る事はできないが、きっと今日も高島姉妹は
華麗な演技を見せている事だろう。あの空中での上下の
高低差を使った入れ替わりの技は、彼女達にしか見せ
られない美技なのだし。
「でも、僕だって、お客さんとは言葉を交わせないですからね」
「……それは……でも……」
それは確かにその通りだ。でも、それと私の不安とは、
少しばかり違うのではないだろうか?
「まあ、ちょっとばかし美紗都ちゃんの不安とは種類が
違うかもしれませんけどね……でも、今でもそうですから。
さっきも、上手くいくかどうかひやひやしてましたし」
「今でも……ですか」
今でも。さっきまで、お客さんを沸きに沸かせていたあの
演技すらも、田中さんは不安の中でやっていたのか……。
「不安を持たずに本番に望める演者なんて、どこにもいませんよ。
美紗都ちゃんも、不安に思っていていいんです」
「不安に思っていて、いい?」
それは……そう、なのだろうか?
「でも、不安に思うのと同じくらい、信じてなきゃ駄目ですよ?」
「不安に思いながら……信じる?」
「そうです。僕もお客さんを信じてますからね、いつも」
私も、メグを信じればいい……そういう事だろうか。
「そうすれば、絶対に応えてくれますからね。もちろん、
それまでの努力は大前提ですが……大丈夫、美紗都
ちゃんもメグちゃんも、頑張っていましたからね」
「……メグを、信じる……」
「そう。信じてあげなさい。言葉は交わせなくても、信じる事は
できるでしょう? 相手を信じてあげる事。それが相手から
信じてもらう為の第一歩ですよ」
……相手に信じてもらう為に、信じる。
そうか。
私は、大事な事を忘れていたかもしれない。メグと言葉を
交わせないという事に不安ばかり募らせて、メグが不安に思って
いるかもしれないという事を、考えもしなかった。
「……メグも、不安?」
私が檻の中に手を伸ばすと、メグはそっと頬擦りをしてくれた。
「……私と、同じだね」
同じ。同じ不安なら、互いに互いを信じる事で、きっとそれは
零にできる。多分、田中さんの言う事はそういう事なのだろう。
「私、メグを信じるね。だから……メグも私を信じて」
私の言葉に、メグはそのつぶらな瞳で、じっと私を見つめて
くれた。わかった、とでも言うかのように、じいっと。
「その分なら、大丈夫そうですね」
田中さんの声に、私は振り向き――
「はいっ!」
――大きく頷いた。
同時に。
がお。
メグも一声鳴いて、思わず私と田中さんは顔を見合わせて笑った。
――その日、木之本大サーカスのとりを飾った猛獣ショーは、新人
女猛獣使いと新虎(?)の息の合った姿に、その日一番の喝采を浴びた
という――
終わり
ここまで投下です。
一応、ピエロ・空中ブランコ?・猛獣ショー?の
三種類という事で。
リアリティについては問わないでいただけるとありがたいですw
短時間での創作乙!
ほのぼのとする読後感でいい感じ。
関係ないが、目の前に図書館から借りた『空中ブランコ』がある。
が、読まずに返してしまいそうな悪寒w
乙でーす。
個人的には空中ブランコの高島姉妹の活躍も読みたいものだ。
孔雀を飼う女の話が読みたい。
動物園の飼育係とかではなく。
486 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/12(木) 22:47:24 ID:aPcpKgHu
人類の歴史を監視する時空警察の物語書いて頂けませんか?
487 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/13(金) 12:34:59 ID:EKzS6SEc
雪の降り積もる寒村で起こるパニックホラーを読んで見たいです。
昔NHKでやっていた海外ドラマでそんな話があり、すごく面白かったので。
488 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/15(日) 17:09:56 ID:/JeQqm1E
今日誕生日なんだー。なので何かひとつ書いてもらえるとうれしー。
お題は753(七五三でも可)・坂本龍馬・トパーズの三題。
今日中に書いてもらえなかったらリクエスト無効でいいです。
にゅ? その中の一つをお題にして書けばいいのかな?
それとも三題話?
490 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/15(日) 17:46:19 ID:/JeQqm1E
三題話で頼みます。あ、753はただの数字として使っても、
七五三の行事としても使ってもいいです。お願いしますー。
おおう、三題話だったのかw
>>488 「…………」
龍馬は、決して後ろを振り返る事は無かった。
――脱藩。
藩の許可を得る事無く、他の藩へと渡る事を幕府は許してはいない。
もう数歩を踏み出せば、彼は土佐藩からはお尋ね者として扱われることになる。
龍馬をそうさせたのは、江戸の千葉道場への入門でつんだ経験や、
黒船を目の当たりにした時の驚きと、それに伴い感じた国の行く末への不安。
幼少時よりの旧知である、土佐勤王党の武市半平太からの誘い。
それらの大小様々な出来事が、龍馬を土佐藩に縛り付けていた縄を断ち切っていったのだった。
だが、振り返る事の無い龍馬には、歩を進める事を躊躇わせる一本の縄が絡み付いていた。
笑い、泣き、幾多の出来事を共に経験してきた家族という名の縄が。
ここ土佐藩においては、武士という身分の中でも上士、郷士という階級分けがされており、
郷士は上士からは圧倒的に下に見られる身分であった。
幼少時から教え込まされてきた“ソレ”は、
成長していくにつれ、龍馬の中で納得のいかないものの一つとなっていった。
それも龍馬が脱藩を決意する要因の一つになったのではあるが、
脱藩の罪は、その親族までも罰を与えるというとても重いものだと定められていたのだ。
とりわけ、武士ではあるが、郷士である龍馬の家は、脱藩による罰をより厳しく受ける事になる。
「龍馬……考え直すんなら今じゃ」
自分に確認するように、龍馬は闇の中ポツリと呟いた。
返事など、あるはずがない。
藩の意思に逆らう、誰ともすれ違うことのない夜闇に紛れた行軍の最中なのだから。
――だが、
「――待ちなさい」
龍馬の見据える視線の先に、
「“この時代では”、許可なく他の藩に行くことは許されないはず」
一人の男が、
「犯罪が起こるのを……見過ごすわけにはいかない」
立っていた――!
「……さて、何の事やら。ワシはただ、ちくと夜の散歩をしてただけなんじゃがのぉ」
男が脱藩の事を知っているという驚きを微塵も感じさせず、
龍馬は平静を装い、むしろおかしな事を言わないでくれと言わんばかりに頭を掻きながら言い放った。
「とぼけても無駄です」
だが、男はそれに一切動じる事は無かった。
普通の人間だったならば、龍馬の飄々とした自然体で接されたら、
脱藩をするというのは何かの間違いで、本当に夜の散歩としゃれ込んでいると信じてしまう所だ。
しかし、男は“知って”いた。
目の前に居るのが坂本龍馬その人で、夜の闇に紛れて藩の境に居るのは、
脱藩をしようとしている事がこれから歴史に刻まれる、紛れも無い事実だという事を。
「ん〜……こりゃあ参った」
頭をボリボリと掻きながら龍馬は思案した。
ここでモタモタしていては脱藩が失敗してしまう可能性もあるし、
『自分を止める男が現れた』のを自分への言い訳としてしまうかもしれなかったからだ。
「なあ、あんた」
しかし、龍馬は即座にその考えを捨て去った。
家族の事が気がかりとはいえ、脱藩をする決意は本物だ。
龍馬は目の前に居る男が、その決意をより強いものにするための試練と捉える事にした。
「何ですか」
「まさかとは思うが、山内容堂の命令でワシを止めに来たんか」
山内容堂――土佐藩の藩主を龍馬は尊敬していなかった。
郷士も武士であるように表では扱う山内容堂は、
実は口先だけで、上士のみが武士であると心の底では思っていることを見抜いていたからだ。
今は亡き父をはじめとして、山内容堂が郷士にとって敬うべき人物であると思っている者は多い。
だが、郷士を本心では馬鹿にしていると感じた龍馬は、山内容堂に“公”をつけることは無い。
「違います」
「う〜む……それじゃあ、もしかして権平兄さんが?」
当てが外れた龍馬は、もう一つの筋を当たった。
龍馬の兄――権平は、当然のことながら龍馬が脱藩することをよしとしなかった。
龍馬は「脱藩する」と家族に言ったわけではなかったが、
脱藩を決意した後の龍馬の様子がおかしい事に、
兄・権平は「脱藩をするのではないか」という懸念を抱いていたのだ。
だが、正面切って問いただしても、のらりくらりとかわされて埒が明かぬと思った権平は、
路銀を稼ぐために龍馬が質草に入れようと思っていた品を全て隠してしまうという手段をとったのだった。
結局、それ以外の手段で路銀を調達した龍馬は今ここに居て脱藩をしようとしているのだが、
それほどまでに周到な真似をする兄が、他に手を打っていなかったとも限らない。
そう思い問うてみたのだが、
「いいえ、それも違います」
男の返事は、龍馬の考えを否定するものだった。
「だったら……あんた、何者なんじゃ? ワシにゃあサッパリわからんぜよ」
龍馬が問いかけると、男は闇の中から踏み出した。
月明かりに照らされたその格好は、龍馬が普段目にすることはないものだったが、
かつて見たことがある服装にとてもよく似ていた。
「……洋服?」
龍馬の呟きに答えることなく、男は自らを明かした。
「私は名護啓介。――正義の味方です」
人間の姿を借り、人間の生命エネルギー・ライフエナジーを糧として生きるモンスター種族――ファンガイア。
男――名護啓介は、そのファンガイアの脅威から人間を守るために設立された組織、
「素晴らしき青空の会」のメンバーの一人である。
……いや、今は“だった”と言った方が正しい。
「素晴らしき青空の会」は、人間を糧とするファンガイアにとっては非常に邪魔な存在であった。
故に、ファンガイアは「素晴らしき青空の会」の解体を目論見、それを実行に移した。
結果として「素晴らしき青空の会」の主要メンバーは、名護を残して無実の罪で軒並み逮捕され、
解体を余儀なくされてしまったのだった。
だが、名護はある人物を助けによって、過去に戻り、「素晴らしき青空の会」の解体を阻止する機会を得た。
本来ならば、原因となるファンガイアを仕留めるチャンスである1986年に辿りつくはずだった名護だが、
何の手違いがあったのか、幕末の土佐藩に流れ着いてしまったのだ。
勿論、名護は戸惑った。
「素晴らしき青空の会」の解体を阻止するはずが、緑に囲まれた街道に現れてしまったのだから。
はじめは送り出された場所が間違っているだけだと思った名護だったが、
すぐにその考えを改めざるを得ない人物がこちらに向かって歩いて来たのだ。
坂本龍馬。
大抵の人間ならば、その人物の写真を目にしたことがあるだろう。
名護とて例外ではなく、幼少時より幕末に撮影された、坂本龍馬その人の写真を見たことが何度もあった。
だから名護は覚えていた。
坂本龍馬という――国の未来を思いつつも、当時の政府である幕府が定めた法に逆らった男の顔を。
「素晴らしき青空の会」を救うための時間旅行とはいえ、正義の味方を自称する名護にとっては、
目の前で犯罪が犯されようとしているのを見過ごすわけにはいかなかった。
「素晴らしき青空の会」のメンバーでもあり、犯罪者を捕まえて賞金を稼ぐ、
バウンティハンター(そう呼ばれるのを名護は嫌う)でもある彼にとっては、
それがこの先の日本の未来を左右することであったとしても、口を出さずにはいられなかったのだ。
「坂本龍馬。脱藩などやめなさ――」
「なあ、名護さん!」
「っ!?」
脱藩を止めようと口を開いた名護の言葉を遮り、龍馬は目を輝かせて彼に詰め寄った。
その勢いに名護は気圧され、二の句が次げなくなった。
「これは“洋服”じゃろ? なあ、名護さん。どこでこれを? なあ」
遠慮という言葉を家に置き忘れてきてしまったのか、龍馬はベタベタと名護の着ている服を摘み、
引っ張り、撫で、これでもかと言う程に蹂躙した。
夜目がききにくいため、龍馬が名護の洋服を観察するための距離は自然と近くなり、
その距離感にさすがの名護も慌てて龍馬から離れた。
「なっ、何をする! 俺から離れろ!」
「おおっ! それは“ぶーつ”じゃな!」
坂本龍馬と名護啓介。
二つの別の時代に生きる、二人の男達の間に流れていた緊張感は、ものの見事に消え去っていた。
「くっ……!」
このままでは、龍馬にペースを握られて脱藩を阻止することが出来なくなってしまう。
そう思った名護は、バックステップで龍馬から距離を取り、目を閉じて軽く深呼吸をした。
それが終わり見開かれた目には、龍馬と出会った時の、自らの正義を信じる強い意志が再び灯っていた。
「名護さん?」
「黙りなさい、坂本龍馬」
事実は定かではないが、龍馬は相当に腕の立つ剣の達人だと名護は学んだ。
故に名護は、次にチャンスが訪れることは無いだろう絶対に失敗することのできない正義の執行に、
全力を以って対することにした。
「坂本龍馬」
名護は腰にベルトを巻き、
「その身柄――」
右の手に鋼鉄のフィストを持ち、
「土佐藩に返しなさ――」
変身――
『何をしている』
――しようとした直後、重低音の声が名護の耳に響き渡った。
その声は、龍馬のものではない。
その場に居ない、姿の見えない第三者の声。
「っ! 邪魔をするな! 俺は、罪が犯されるのを防ごうと!」
『お前が過去の扉を開いたのは、そんなことのためではないだろう』
「しかしっ!」
『すぐに目的の場所に送りなおす』
「くっ……! このままみすみす逃すとは……!」
名護は己の無力さに歯噛みした。
「……なんだか楽しそうな人じゃのう、名護さんは」
名護に聞こえていた声は、龍馬の耳には届いていなかった。
そのため、龍馬には名護が突然誰かと会話をしているように、大きな独り言を言っているようにしか見えなかった。
(どうすれば……どうすれば、坂本龍馬が罪を犯すのを止められる!?)
足元から徐々に、名護の体が透け初めてきた。
「名護さん!? あんた……幽霊だったがか!?」
龍馬はそれを見て驚きの声をあげた。
だが、この時代に居られる時間があとわずかだと悟った名護はそれに返事をする事無く、
ただ、ひたすらに坂本龍馬の脱藩を阻止するために考えを巡らせていた。
(考えろ、名護啓介! 坂本龍馬について、知っている事を思い出せ!)
「洋服を着た幽霊っちもんも居るんじゃなぁ」
「ええい! 少し黙りなさい!」
「すまんすまん! だから、祟るのだけは勘弁じゃ!」
焦りからか、それとも龍馬に話しかけられてか、名護は上手く考えをまとめられずにいた。
いつもの彼なら、時間的な余裕があれば話は違っていたかもしれない。
しかし、この時はそうではなかった。
(坂本龍馬……北辰一刀流……土佐勤王党……)
「――! そうか! その手があったか!」
「手、って……もう左手は透けて……」
(坂本龍馬といえば――海援隊! 海援隊といえば貿易、つまりは金!)
値打ちのある物をを材料として、龍馬を説得する。
時間の残されていない名護にとっては、それが最も効果的で、かつ唯一の方法に思えた。
その考えに至ってからの名護の行動は早かった。
透けていない右手で、ジャケットのポケットに入っている“ある物”を探り当てると、
それを龍馬に投げ渡した。
「おっととと! 名護さん、ワシは夜目が効かんきに、投げる時は言ってくれんと」
「坂本龍馬!」
名護の真剣な眼差しに、龍馬はそれまでの飄々とした態度を引っ込め、同じように真剣な顔つきで相対した。
「…………」
「それを貴方に差し上げます。私の手持ちで、最も高価なものです。だから――」
龍馬は、投げ渡されたものを摘んでしげしげと見たが、金銀の類ではなかった。
月の光に照らされて美しく光ってはいるが、大きさも親指にも満たない程度だし、
龍馬にはとても価値のあるものには思えなかった。
「……これが? しかし名護さん、どうしてこれをワシに――」
龍馬が視線を戻した時、果たしてそこに名護の姿は無かった。
名護は、「だから脱藩はやめなさい」と龍馬に最後まで伝える事無く、本来行くべき時代に旅立ったのだった。
「なんだか――不思議なこともあるもんじゃなぁ」
龍馬の足取りは、名護に出会う前よりも軽やかなものになっていた。
その手には、トパーズをあしらった見事な衣装ボタンが握られていた。
おわり
やあ。
ようこそ、喫茶753へ。
この千歳飴はサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。
うん、「なごみ」なんだ。済まない。
七五三とは関係ないんだ。謝って許してもらおうとは思っていない。
でも、この店名を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「不思議」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この店名をつけたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
「……それ、来る客全部にやってるの?」
まさか。親しい人にだけやる、ジョークのようなものさ。
「親しい……。……そう」
えっと、注文は坂本龍馬だったかな?
「なんで喫茶店に来て注文が坂本龍馬なのよ! ブレンドちょうだいって
言ったでしょ。……というか、坂本龍馬を注文したら何が出てくるの?」
そりゃあ無論、坂本龍馬が出てくるさ。
「どこに?」
……この世界のどこか、果てない遠くに、さ……。
「ホント、適当言ってわけわかんなくさせるの、昔から得意よね」
いやいや、適当を言っているわけじゃない。俺が出ると言ったら、この
世界のどこかに坂本龍馬は出るんだよ。
「何? 最近は電波も入ってきてるの? ……そりゃ十年会って
なかったんだから、人間変わりもするわよね……」
僕には何故君が遠い目をしているのかわからないな。皆目見当が
つかない。だから笑っておこうと思う。はっはっは。
「……前言撤回。やっぱり変わんないわ、あんた」
さて、注文を繰り返そうか。ブレンドが一つ。以上でよろしいかな?
「うん。そっちの腕は上がってるんでしょうね?」
お陰様でね。まあ、まさか趣味が高じてこういう店を出す事になるとは、
当時の僕は思っていなかったし、今でも半分信じられないけどね。
「高校当時飲みまくっては駄目だししてあげた恩、少しは返して
もらいたいもんね。……なんかサービスとかないの?」
そうだな……サービスか……千歳飴とか?
「それはさっき貰った。私だけへのサービスとか、そういうのは無いの?」
君だけへの、サービスか……。
「……なんてね。別に私はあんたにとってなんでもない、ただ十年来に
会うってだけの友人なだけなんだから、別に何も無いのも当然よね。
ごめん、無理を言って困らせちゃったわね。でも、これからは度々
来れるし、常連になったら何か……」
……君が欲しい物、何かあるかい?
「欲しい物? 今?」
そう。さっきも言っただろう? 僕は注文された物を何でも出す事ができる。
「電波来たわね……」
ま、駄目元でも構わない。何か言ってみたらどうだい?
「駄目元……か……そうね、駄目元なのよね。だったら、一つだけ」
なんだい?
「指輪」
……指輪?
「そう、指輪。欲しいな。駄目?」
駄目なわけないさ。僕は何でも出せるんだから。
「んじゃお願いするわね。あ、ちゃんと今すぐここに出してよ?」
了解。じゃあ、しばらく待ってくれ。今ブレンド入れるから。
「ん。そっちも楽しみにしてるからね」
――――――★――――――
指輪、という言葉に、彼は反応しなかった。やっぱり、あの約束を、
十年経った今でも覚えてるのは……私だけ、なのかな。
――――――★――――――
はい、お待たせ。
「ん。……うーん、いい香りね。豆がいいのかしら」
素直に腕がいい、と言ってもらいたい所だけど……それはまあ、飲んで
みてもらってから、かな。
「じゃあ、いただくわね」
どうぞどうぞ。
「………………」
……どうだい?
「……すごい、美味しい……!」
おっ、そりゃよかった。
「なんでこんな……凄い、私好みの味じゃないの……!」
そりゃあ、君好みの味に入れたんだから。あの日辿り着けなかった、
僕の理想の配合がこれさ。
「……私の為、だったの?」
当然。飲んでくれる人の為に入れる。それがコーヒーってもんじゃないかな?
というわけで、こちらも貰ってくれる人の為に、今出しました。
「え……何? は、こ……え!? これって……まさか……」
開けてみて。
「………………これ、トパーズ」
そう。君の誕生石だ。今月、誕生日だったよね? ……いや、まさか、
それに合わせて君が来るとは、流石に予想してなかったから……合わせた
ってわけじゃないんだけどね。
「え……え? ええっと……え?」
十年前の約束、ちゃんと果たせたかな?
「嘘……覚えてたの?」
君好みのコーヒーと、綺麗な指輪を用意できたら、その時は……ってね。
「………………」
口約束だったから、今君にそんなつもりが無い、もしくは既にいい人がいる、
その他諸々の理由で駄目だっていう事なら……諦める、けど?
「……そんな、諦めたくないって顔して言われても、困るわ」
あれ? そんな顔をしてたかい?
「あんたって、昔からそうよね。飄々としているようで、肝心な所で顔に
出ちゃって……でも、あんたのそういうトコ、私……」
――――――★――――――
「なんつう顔してんのよ」
え? 僕、今どんな顔してた?
「この世の終わりか、っていう顔してたわよ。そんなに私と一緒にいたいんだ?
にひひ」
そ、そういうわけじゃ……あるのかも、しれないけど。
「ホント、いつ日本に帰ってこれるかわかったもんじゃないから、こんな約束
したって意味ないかもしれないけど……あんたと再会した時、あんたは
私好みのコーヒーと、婚約指輪用意しときなさいな。そしたらあんたの
お嫁さんになってあげるからさ」
……絶対、約束だよ?
「また嬉しそうな顔しちゃって……でも、あんたのそういうトコ、私……」
――――――★――――――
「……ずっと、好きなんだと、思う」
あの時は……「嫌いじゃないよ」だったね。
「わ、私も恥ずかしかったのよ! ……こんな告白みたいな事、
あの時、言えるわけが……って今でも恥ずかしいわぁーっ!?
何言ってるのよ私はぁぁあああ!?」
あ、いや、そんな取り乱さなくても。ほら、コーヒー飲んで落ち着いて。
「……ふぅ」
落ち着いた?
「……うん」
しかし……。
「……どうしたの?」
僕もここに店を構えて、十年待ち続けた甲斐があったというものだな、
と思ってね。
「……十年、待ち続けてって……ホントなの!?」
うん。店出してたら君も気づくかな、って。
「じゃあ、この指輪は……?」
もちろん、お金溜めて買っ……いやいや、これはほら、注文受けた
瞬間僕の掌にこう、箱ごとバーッとね?
「……あんた、ホントに馬鹿だったのね……」
今更感心されても、その、何と言うか……照れる。
「いやいや、褒めてないから。むしろ呆れてるから」
とはいえ……その、だね……改めて確認するけど……OK、なのかな?
「何が?」
何がって、約束さ。
「……そ、そりゃ……OKに、決まってるじゃない。そのつもりが無きゃ、
この店にわざわざ来る事だってなかったわけだし……まさか、あんたが
ここまで馬鹿とは思わなかったから、つもりだけで終わると思ってたけど」
酷いなぁ。そこまで褒めなくても。
「褒めてないっつーの。……でも、そんな馬鹿とこういう風になれて嬉しい
んだから、私も相当な馬鹿って事よね」
馬鹿同士お似合いって事で。
「あんたが言うなあんたが」
ま、そういうわけで……今後ともよろしくね、和己(なごみ)さん。
「はいはい。よろしくされてあげるわよ……私の旦那様」
終わり
ここまで投下です。
お誕生日おめでとうございます。
うわーい! ありがとー!!
>>492 人類の敵を相手取っている組織なのに「素晴らしき青空の会」なんて
老人会みたいな名前がツボったwあと、名護と龍馬のジャレ合いw
龍馬が脱藩するくだりはどの読み物でも未来への希望と惜別の念が感じられて好きだなー。
>>499 おおっ! 実は自分も七五三の日に生まれたので「なごみ」と名付けられそうになった。
が、なぜかクラスに二人は必ずいるありふれた名前に。
当然こんなステキ話は身の回りには起きてない。
名前か。名前が悪かったのかー! というわけで和己さんご注文の坂本龍馬は貰っておきますw
そういや母ちゃんの手料理以外で創作物をプレゼントしてもらったのって初めてだなー。
自分のための話ーって感じでものすごうれしい!
ちなみにお二方、「トパーズ」は今月のSー1のお題だから、気が向いたら投下してくるといいぜよ。
リクエストに応えてくれてどうも、ありがとう!!
たったいま書き終わった
15日過ぎちゃったけどごめんね
ってことですまないけど投下させてちょうだい;;
「坂本竜馬の──」
「──財宝ですって?」
生徒会長はその尖ったメガネをくいっと直すと、デスクの上で手を組んでみせた。
「我が学園を創設した一族の系譜には、かの坂本竜馬が海援隊時代に取引を行っていた商人がいたそうでね」
そう言ってデスクの上に広げた古文書らしい年代物の巻物を視線で示す。
「我が学園の敷地内にある寺院にあるらしいという古文書が見つかったのだよ」
ほうほう、どうやら慶応元年の代物であるらしい。と、いうことは海援隊の前身である亀山社中を設立したばかりの頃のもの、だな。
となると……坂本竜馬の商売の助けになった人物といえばグラバーだ。学園の創設者一族ってグラバーと関係が深いのかな?
僕は巻物に釘付けになりながらそんな事を考えていた。
が、
「で、なに? わたしたちにそのお宝を探せってことなのよね?」
まだまだ少女らしさを残したキーの高い声が、僕のドキドキワクワクしている胸をかき乱した。
「身も蓋もない言い方をするのだね、君は」
「だってそんなことに気取ったって意味ないもの。物事はシンプルに、スマートに、よ」
「そこに美学が加わってこそ一流だと、わたしは思うところだが……」
会長と意見が同じ意見だなんて、珍しいこともあるものだ。
「まぁ、それはいい」あぁ、やっぱりいいんだ。
組んだ手をほどき、会長は僕たちに指示を下した。すなわち、
「生徒会第一級指令0018号。坂本竜馬の財宝の保護任務を君たちに命じる!」
「了解です!」やる気に満ちた僕の声。「は〜い」やる気のみられない彼女の声。
とにもかくにも任務はここに下されたのだった。
「で? その財宝ってのはどんなものなの? 宝石? 金の延べ棒? それとも美術品かしら」
まったくなんて身も蓋もない言い方なんだろう。
「もうちょっと真面目に考えてみましょうよ」
真面目よォ〜、真面目も真面目の大真面目よ、と彼女はとても不真面目に応える。
僕が走らせる原付の後ろで携帯を弄ってる様子は“真面目”とは程遠いように見えるはずだ。
「ちゃんと?まっててくださいね」と僕。「しっかり?まえてるわよォ」と彼女。
生徒会長の話と巻物によると、坂本竜馬の財宝がどのようなものであるかははっきりとしていないようだ。
わかっていることは『探し求めるもの』という名前のみ。
「名前だけでどう探せっていうのよねぇ」
「一応財宝の名前と場所だけがヒントってわけじゃないみたいですよ」
「っていうと?」
「巻物には二十八宿の鬼宿がどうとか、十三詣りがどうとかって」
「ふう〜ん」
詳しい部分は解読が出来なかった。謎かけ歌のようであるというのはわかるのだけど。
「とりあえず巻物の写しはもらってきたんですし、現場で探索しながらなんとかしましょう!」
そうねぇ……なんて気のない返事を背中にしつつ、僕は財宝が眠るらしいお寺へと愛車を走らせるのだった。
「あ、七五三ね。ほら見てよ! あの子可愛いじゃない」
「今日は11月の15日ですものね。おまけに日曜日ですから絶好の七五三日和なんじゃないですか?」
自分で言っておいて思う。絶好の七五三日和ってなんのこったい、と。
お寺には七五三のお参りにやってきた家族連れの姿がちらほらと見られる。学校の敷地内ではあるものの、歴史ある由緒正しいお寺だとかで、近隣住民の皆さんに開放されているのだそうだ。
「うっわ、あの子もかわいー! 連れて帰っちゃダメかしらね」
「それ、犯罪ですからね」
わかってるわよと言うその口調がやけに残念そうなのはきっと気のせいだと思う。そう思いたいのだから仕方ない。
「まずは住職さんにお話を聞いてみますか?」そう言う僕に彼女はうぅんと頭を振った。
「どうせあの狸な会長のことだから話は通してあるでしょ。このまんま裏の林に行くわよ」
なんで裏の林なんだろう。
クルリと振り返って僕の顔を見る。
「なんで裏の林なんだろうって思ったでしょ?」
「思いました」
思わず正直に答えてしまう僕。
「勘よ」
そして彼女はさっさと先へ駆け出してしまうのだ。
裏の林の場所、知ってるのかな?
知ってるんだろうから走りだしたんだろうな。そう自分で自分を納得させて、僕は「待ってよ!」と一声あげて、追いかけるべく駆け出すのだった。
巻物に書かれていた謎かけ歌をかいつまんで言うとこんな感じだった。
『探し求めるもの』は満月の────。──二十八宿の鬼宿────十三詣り────。千歳────あめ。
こうして見ると全然歌じゃない──意味不明な単語の羅列じゃないかという優しさのないツッコミはなしの方向で。
「この鬼の宿とかってなんなんですかね? ホラーとかオカルト? そういう系列の意味なんでしょうかね」
返事はない。
「財宝は満月の……なんなんですかね? 満月の下に埋まっているとか?」
唐突に立ち止まる。
「うわっ、ごめんなさい!」
「なに謝ってるのよ」
彼女は振り返りもせずに言う。
「ほら、ついたわよ」
そこは池だった。
「お寺の裏の林にこんな池があったんですね」と僕。「あったのよ。昔からね」と彼女。
静かな場所だ。騒がしい学園の中にこんな場所があっただなんて、僕は全然知らなかった。
「本ばっか読んでて、出歩かないからよ」
……なんでこの人は僕が考えてることがわかるんだろう。そう思って彼女に聞こうとした時だった。
ドン
僕は池の中に突き飛ばされてしまったのだ。
当然のようにあがる水しぶきの音。その後につづく冷たさ。そして──!
「見〜つけたっ!」
彼女の声を、僕は聞いた。
「ようするに坂本竜馬の財宝というのは」
これよ、と彼女は生徒会長にコロンと何かを放り投げた。
「もっと丁寧にあつかってほしいものだね」
「こりゃまた失敬」
それは黄色い石……トパーズをあしらったブローチだ。
「11月15日は満月。そんでもって当の本人、坂本竜馬の誕生日で、七五三でもあるわけよね」
彼女が説明を始める。
旧暦の15日、二十八宿の鬼宿ってのは吉事を意味する言葉よね。鬼が出歩かない日。この日なら何をやっても上手くいくって日のことよ。
そしてこの日は竜馬の誕生日。きっと何かの記念日なのね。それって多分竜馬への誕生日のプレゼントよ。洒落者で新しい物好きな彼に誰かが贈ったものなのね。
もしかしたら取引先の商人かもしれないし、同志の誰かからのものなのかもしれない。
隠してある場所があそこっていうのはすぐわかったわ。だって巻物に出てくる単語は全部七五三の関係のものなんだもの。
「じゃあ最後の千歳の──あめってのは」
千歳飴のことなんじゃないのと彼女は言った。
「あの池にはむかーし御祓い所があったそうなの。千歳飴って作った後に御祓いして清めてから売るものだから」
「で、僕を池に突き落とした理由はなんなんです?」
「だって──」
「だって?」
「あの池、底は浅いけど踏み台がなかったら靴が濡れちゃうじゃない?」
「僕は踏み台ですか……」
返事は聞くまでもないと言いたべな満面の笑みだった。
「木々を縫って満月の光が降りるのは池の中ほどの中洲のところだったわ。なら後はかんたんね」
やれやれ。まぁ役に立ったのならいいかと自分を慰めよう。でもまだ一つわからないことがある。
「なぁに? おねーさんに質問?」
やれやれ。またまた考えていることを読まれてしまったらしい。
「なんでこのトパーズのブローチの名前が『探し求めるもの』だったんですか?」
彼女は心底呆れたような顔をする。
「あんたそんなことも知らないの?」
「ぜひ低脳なこの僕に知性の光を与えてくださいませ」
フムンと鼻をならし、彼女は言った。
「トパーズの名前の語源が『探し求めるもの』なのよ」
じゃあそれともう一つと僕は彼女に向かって一歩前にでる。
「なぜ先輩は、これは坂本竜馬の誕生日のプレゼントだと断言したんですか?」
その時僕はあまりにも傲慢でありながら、あまりにも華やかな、輝く笑顔を目にすることとなった。
彼女曰く。
──覚えておきなさい。トパーズはね、11月の誕生石、なのよ? ちなみにわたしも同じ11月生まれ♪
何にせよ──生徒会第一級指令0018号──任務完了。
この日得た知識は坂本竜馬についての知識。そして二度と忘れることの出来なさそうな、ある女性についての秘密について、であった。
三つのテーマで思いついた情報を整理するのに10分くらい
書き始めてからこれってどうよ? と思って5分
書き終えたのが15分後のちょうど0時
もうちょっと早く書ければよかったと反省・・・
誕生日、おめでとうさん〜♪
>>508 おおー、短い時間でよくぞ書いてくれた!
鬼宿とかトパーズの語源とか初めて知ったよ。「探し求めるもの」か……。いい言葉だ。
ありがとう!!
リクエスト
あの作品のクラスがエルドランに自分の星の未来を託されました
冒頭で良いから書いてください
エルドランってなぁに?
ググレで終わるギャグ小説を書いてください
>>513 これを小説というのなラ世の中小説だらけですね
ググレで終わるギャグ小説を読みたければググって探せ、
という意味のギャグだと思った。
主人公は侍で舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界な小説が読みたいです
余裕ぶっこいてますね、全力で行きましょう
>>516 FF6のカイエン主人公視点とか、クロノトリガーの中世編みたいな感じ?
…ちょっと違うか
その設定、あともう一つ何か要素を足すと
すごく面白くなりそう
>>518 >>516ですが個人的には侍道2のようなのをヨーロッパ風ファンタジー世界を舞台にやってるのが見たいですね。
侍道は奉行所vsヤクザの抗争に巻き込まれる町人という設定でしたが、何かの陰謀を目論んでる教会とそれを阻止しようとする騎士団との対立、そして巻き込まれる民達みたいな。主人公は座頭市ばりの居合の達人で。ちと厨二っぽいかもしれませんが・・
あくまでイメージなので内容は作者に任せます。
侍道2というのがわからない…にわかでごめんなさい
てか、そこまでプロット立ててあるなら
>>418さんが書いちゃったら?
522 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/03(木) 01:10:16 ID:CXeSrO4G
さらにミスった
>>516さんですね
もう、何やってんだか…
元々モンハンのガルルガ討伐依頼を元ネタに似たような小説のプロット作ってたな
モンハン要素抜いてちと書いてみる
ID変わってるがPCから引っ張り出してきただけなのでご容赦を
以下モンハン要素あり版プロット
主人公は砥ぎ師の中でもトップクラスの技術「鏡面砥ぎ」を守り続けてきた一族の末娘。
ある日一族の住む村はイャンガルルガの襲撃により壊滅、数少ない生存者の一人である主人公は技術交換留学生として外国に行った祖父の下を訪ねる。
祖父と再会した主人公は祖父の下に住み着き、留学先である鍛冶屋で祖父の通訳を肉体言語交えつつ過ごす。
そんな中とある事情から日本刀をベースにした新武器の開発に着手する鍛冶屋。
主人公は新武器の広告塔として刀を振るうこととなっていく。
モンハン知らない人のために補足
・モンスターハンター(以下モンハン)ってゲームに出てくる「イャンガルルガというモンスターを殺してください」って依頼の依頼人は「東洋風の少女」
・「東洋風の少女」はイャンガルルガに故郷の村を滅ぼされている
・モンハンのだいたいの生活様式は石器時代〜西暦300年前後+オーバーテクノロジーな生体素材加工技術
・登場する武器は思いっきり西洋風だが、一部に「斬破刀」等の日本刀も登場する。特に斬破刀は説明欄に「東方の資料から解読・復元した」とある
・モンハンでは大きく初代、2、3、PC版があるが、初代は大剣(ガッツのドラゴン殺しみたいなの)扱い、その後太刀という新ジャンル武器として別扱いになっている
・原作主人公の所属するハンターズギルド(ドラゴンを狩る専門組織)は一部に治外法権を持つほど権力があり、また国家から直々に依頼が下ることもある
さて、まずどこからモンハン要素抜いていこうか
525 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/14(月) 12:48:27 ID:iRW9Z38z
その話の何が面白いの……?
526 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/15(火) 03:00:25 ID:sOlIQOLS
伝説の鏡面磨きがどこにも関連してないのはいいのか?
>>526 こりゃいけねぇ、脳内補完したところが多すぎる
だがきっかけとか色々掴めた
感謝する
528 :
代行かも:2010/01/17(日) 21:34:55 ID:N85MUvlD
リクエスト
美しくも凶暴な、宇美と猪木の物語
529 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:48:46 ID:xhEnB38X
下の作品 ss (side story) 小説を書く計画は無いんでしょうか?
下の作品も それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
初恋ばれんたいん スペシャル PS版は あまりのテンポの悪さ,ロードは遅い(パラメーターが上がる度に、いちいち読み込みに行くらしい・・・)
のせいで、悪評が集中しました。ですが 初恋ばれんたいん スペシャル PC版は テンポ,ロード問題が改善して 快適です。
(初恋ばれんたいん スペシャル PC版 プレイをお勧めします!) 初恋ばれんたいん スペシャルはゲームシステム的にはどうしようもない欠陥品だけど。
初恋ばれんたいん スペシャル のキャラ設定とか、イベント、ストーリーに素晴らしいだけに SSがないのが とても惜しいと思います。
2. エーベルージュ
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。 (音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)
同じワーランドシリーズなのに ファンタスティックフォーチュンSSは多いのに似ている 魔法学院物なのに ネギま、ゼロの使い魔 SSは多いのに
エーベルージュのSSがほとんどありませんでした。
530 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:51:20 ID:xhEnB38X
3. センチメンタルグラフティ2
センチメンタルグラフティ1のSSは多いのにセンチメンタルグラフティ2のSSがほとんどありませんでした。
前作『センチメンタルグラフティ1』の主人公が交通事故で死亡したという設定でセンチメンタルグラフティ2の
主人公と前作 センチメンタルグラフティ1の12人のヒロインたちとの感動的な話です
前作(センチメンタルグラフティ1)がなければ センチメンタルグラフティ2は『ONE ?輝く季節へ?』の茜シナリオ
を軽くしのぐ名作なのではないかと思っております。(システムはクソ、シナリオ回想モードプレイをおすすめします。)
センチメンタルグラフティ2 VS ONE 〜輝く季節へ〜の茜シナリオを比べてみました
センチメンタルグラフティ1の主人公 田中 一郎 = 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司 永遠の世界に
センチ1の主人公 田中 一郎は交通事故で死亡 = 城島司は 「えいえんの世界」に旅立つことになる。
センチメンタルグラフティ2の主人公 椎名耕平 =ONE 〜輝く季節へ〜の主人公 折原 浩平
センチメンタルグラフティ1の12人のヒロイン = 里村 茜
4. 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。) SS
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
個人的には 「呪い」 と「花言葉」 を組み合わせた百合奈 シナリオは Canvas 最高と思います。
Canvasの他のヒロイン SSは多いのに Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSSがほとんどありませんでした。
531 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:53:10 ID:xhEnB38X
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
似ている 伝奇バトル吸血鬼作品なのに 月姫、Fate、痕(きずあと) SSは多いのに
MinDeaD BlooDのSSがほとんどありませんでした。
8. Dies irae
9. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒 SS
10. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世 SS
11. TYPE-MOON
(1) 逆行最強化断罪スーパー慎二がペルセウスを召還する SS
(2) 凛がイスカンダルを召還するSS
(3) 逆行最強化慎二 OR 四季が 秋葉,琥珀 OR 凛を断罪する SS
(4) 憑依最強化慎二 OR 四季が 秋葉,琥珀 OR 凛を断罪する SS
12. ゼロの使い魔
(1) 原作知識有 助演 憑依転生最強化SS
(ウェールズ、ワルド、ジョゼフ、ビダーシャル)
(2) 原作知識有 オリキャラ 憑依転生最強化 SS
(タバサ OR イザベラの 双子のお兄さん)
13. とある魔術の禁書目録
(1) 垣根 帝督が活躍する OR 垣根帝督×麦野沈利 SS
(2) 原作知識有 垣根帝督 憑依転生最強化 SS
(3)一方通行が上条当麻に敗北後もし垣根帝督がレベル6実験を受け継いだら IF SS
14. GS美神
(1) 逆行最強化断罪 横島×ダーク小竜姫のSS(非ハーレム 単独カップリング ルシオラ も除外 )
532 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:55:34 ID:xhEnB38X
15. EVA
(1) 「のんびりとてとて」 の 「あなた、何様?」 の 三次創作SS
(2) 逆行断罪スーパーシンジ×2番レイ(貞本版+新劇場版)のSS
(3) 一人目のレイが死なないで生存そのまま成長した一人目のレイが登場する(二人目のレイは登場しない)
P.S
エヴァンゲリオンのLRSファンフィクションで、レイの性格は大体二つに分かれます。
1.白痴幼児タイプのレイ
LRSファンフィクションで大体のレイはこの性格のように思えます。
白痴美を取り越して白痴に近いレイであり、
他人に裸や下着姿を見せてはいけないという基本的な常識も知らず、
キスや性交等、性に関する知識も全然無いか、それともほとんどありません。
このタイプの場合、逆行物では、シンジがレイに常識や人間の感情等を一つ一つ教えていくという「レイ育成計画」になってしまいがちです。
このタイプは、アニメのレイに近いと言えるでしょう。
533 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:56:53 ID:xhEnB38X
2.精神年齢が高く、大人っぽいレイ
1番の白痴幼児タイプとは違って、他人に裸や下着姿を見せてはいけないという
基本的な常識くらいはあり(見られたとしても恥ずかしく思ったりはしないが)、
キスや性交等、性に関する知識は理論的に知っており、自分の自我が確立している、
(命令には絶対服従だが)感情表現がより豊富です。
このタイプの場合、 コミックスのレイに近いと言えるでしょう。
2番レイが登場 LRS小説
「のんびりとてとて」 の 「あなた、何様?」
「ほわいと・がーでん」 の 「Moon Phase 」
「黒い荒地」 の 「荒地エヴァンゲリオン」
「コモレビ。」 らいむ氏の投稿作品 「cherry girl」
一人目のレイが登場 おすすめLRS小説
「EVAってるページ」の 「EVANGELIST」
「from のぼっち」の 「性悪レイちゃん奮戦記?私は多分、一人目だとおもうから?」
「Luster」 の 『2010年のプロメテウス』とそれに続く『2011年のプロメテウス』
「猫の結社」の「きっと沢山の冴えたやり方」
「GreenGables」の「綾波姉妹 イレギュラー」
「HALPAS」の「いつか未来を取り戻した日」
「野狐堂」の 「Evangelion Sword & Grail」
「Bの精神」の 「Burning children!!」
「GreenGables」の「魔人エヴァンゲリオン」
「やっぱ綾波でしょ」の「蒼の贖罪」
「コモレビ」の「Ultra_Violet」
「Studio Amon」の「罪の華」
534 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 14:58:13 ID:xhEnB38X
16. BlackCat
イヴ×リオンのSS
17. 鬼切丸
鬼切丸×鈴鹿のSS
18. MURDER PRINCESS
カイト×ファリスのSS
19. 式神の城
玖珂光太郎×結城小夜 OR 玖珂光太郎×城島月子のSS
20. 大竹たかし DELTACITY 全2巻
21. ヴァンパイア十字界
蓮火 × 花雪 OR 蓮火 × ブリジット
22. 地獄少女
(1) 不合理な 地獄少女の被害者(e× 看護婦,1期の看護婦、2期の 拓真を助けに来てくれた若い刑事,秋恵) 家族・恋人が 地獄通信に 地獄少女と仲間たちの名前を書くSS
(2) 極楽浄土の天使 OR 退魔師が 地獄少女と仲間たちを断罪するSS
(3) 拓真の 地獄少年化SS
二籠の最終回で拓真が地獄少年になるのかと思ってたんですが・・
地獄少年 ジル : 所詮この世は弱肉強食。 強ければ生き弱ければ死ぬ。
拓真 : あの時誰も僕を守ってくれなかった。
守ってくれたのはジルさんが教えてくれた真実とただ一振りの超能力
・・・だから 正しいのはジルさんの方なんだ。
23. 真・女神転生CG戦記ダンテの門
ま た か
536 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/19(火) 01:44:46 ID:LD96r8j4
こんな物語が読みたい!スレのSSを自費出版とかするといいんじゃないかな
お題ある?
一応、直近だと
>>528がまともなリクエスト・・・なのか?
宇美って、勝手に改蔵だったっけ。
叶姉妹が地g…なんでもない
お題が欲しいときはお題創作スレでもいいんじゃないかな
>>537 ちょっと難易度高めで
読んでいてお腹が減る読み物
でどうよ?
さっくり書いてみた。
こんなんどうでしょ?
休日の昼
何時もよりゆっくりと起きた隆司は顔を洗ったりと一連の動作をした後、ふと考えた
昼飯を如何しようかという考えだ。
電子ジャーを見るとご飯は保温されて残っているようだ、冷蔵庫を見ると卵やベーコンとか具材はそこそこ在る。
そこで隆司は考えた。
手間をかけない調理なら―熱々のご飯に卵をのせ醤油をかけてハフハフ言いながらかきこむのも一つの手だなと。
もう少し手間をかけるなら―ご飯と卵と冷蔵庫の具材―特にベーコンをメインとしたチャーハンが作れるなと。
味付けは買っておいといたチャーハンの素に特製ニンニク醤油を隠し味にして塩コショウと炒めれば特製チャーハンの出来上がりだ。
それとも―あえてカップめんにして残り汁にご飯を入れて食べるのも食器を洗わなくてすむといった観点ではありかなと思ってしまう。
結局のところ―
隆司は卵かけご飯を選択した。
湯気のたつ電子ジャーから大き目のどんぶりにご飯を3/2ほど移して小皿に入れてあった卵をご飯の上にかける。
ご飯の白と卵の黄身の黄色が鮮やかな色彩を放っているところに薄口醤油を少し垂らしてご飯をかき混ぜる。
かき混ぜてご飯が程よい黄色になった所で最後に鰹節粉を一つまみかけて出来上がりだ。
左手に丼をもってハフハフと言いながらお箸でがつがつとご飯をかき込む。
卵のおかげでハフハフ言いながらもツルツルとご飯がのどを通っていく。
まるで蕎麦を食べるようにご飯がのどを通っていく。
そうしている内にあれほどあった丼は空になってしまった。
隆司は丼を洗いながら考える
―晩御飯を如何しようかと
543 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/24(日) 18:42:46 ID:bepyM7tc
もうちょい具体的味や匂いについての言及があった方がいいかもね。
特ににんにく醤油の名前を出しておいて、その香ばしさやほのかな味わいに
ついての言及が無いというのは勿体無い。
後半も、味や匂いについての描写が薄いから、美味しそうだとは思っても、
お腹が減る所まではいかないかな。
あと、たまごかけるならご飯は炊きたてやろ!(←どうでもいいこだわりである
>>543 なるほど。
確かに味や匂いに対する表現が描写や表現が希薄ですね。
描写や表現を修行します。
感想ありがとうございます。
545 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/24(日) 19:03:50 ID:oAge+NoN
鰹節粉かけるのうまそうだな
今度卵かけご飯食うとき試してみよう
基本的に文章は経験から連想される
美味しそうって感情を伝えるなら、視覚→聴覚→嗅覚→触覚→味覚って順に伝えないと意味が無い
実際に食べる時、大体その順に再生されるはず
仮に感覚一つ一つの得点が積み重なって高得点を目指すとすると
描写されて無いため、視覚以外がほとんど0点どころか、名前書き忘れで失格
せいぜい熱々や、ツルツルといった触覚くらいだが、それも弱い
なにより一番破壊力のある嗅覚を使用していない
新鮮な卵を選んで割る音や、鰹節を削る音、箸が茶碗をかき込む音
炊きたてご飯の香り、醤油の香ばしい匂い
醤油が濃い場所に当たった塩辛さ、黄身のコクやご飯本来の甘味
少し考えただけで、こんなに連想させるワードを欠かせてる、もったいない
更に言うならば、料理の選定も悪い
なぜなら、調理する描写で事前に興味を向けるってことができないため
あと、一手間の工夫で興味を引くことはしてる
ならそれを試した時と試してない時の違いを、何故書かない?
簡単でいいから書くことで、二つのパターンの味を連想させることが出来るだろ?
書き上げたことは評価できるけど、向上心が感じられない
そもそも、食べ物描写が旨そうに見えるって純粋な文章力勝負でしかない
なのに、その文章力勝負する所が欠け過ぎて問題外
あとは蛇足だが、ストーリー性もない
この手の小説だと世にも奇妙な物語の小説版で「夜汽車の男」なんかが駅弁をひたすら解説するってだけの内容で勝負してる
物語性として使ってたのは、おかずへのこだわりとまつわる思い出話
それくらいの工夫があって初めて満点
難しい題材だと分かってて挑戦したようなので若干辛口
次頑張れ
>>546 アドバイスありがとうございます。
じっくりと煮詰めて書けばよかったと思います。
言われているように表現法や発想や伝え方が貧弱でした。
お二方のアドバイスを読んでいると表現すべきことがたくさんあり
たくさん見逃していました。
読み手の立場にたった文章表現とかも模索したいと思います。
ストーリー性についても短編であるがために却って必要である事を
教えていただきありがとうございます。
次に書くときは少なくとも向上心が見える作品にしたいと思います。
若干辛口なコメントと仰られてますが、土を踏み固めることで強固になるように
辛口なアドバイスを書いていただけるだけでも私にとっては学べる良い機会であり
ありがたいことでもあります。
感謝してもしきれません。
ありがとうございます。
548 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/25(月) 20:15:34 ID:AszBf97L
1~23番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販予定はないでしょうか?
550 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/14(日) 22:14:17 ID:XIzgiKkw
彼女もいない一人暮らしの孤独なリーマンの、
休日の過ごし方を活写したSSが読みたいです
19世紀ロシアの話が読みたいお
リクエスト
亀とセミのカップルの話
マルチポストすんなウザい
規制解除記念と思ったらF5アタック祭とその後の再規制で投下できず、ようやくまた規制解除記念でござるの巻(長い
久しぶりにようやく投下するー
まずはこれ
>>470 ペンギンの出てくる話が読みたい
但し、擬人化は無しで
そのお題、確かに受け取った!
「ペンギンを捜して欲しいんです」と事務所に入ってくるなり、その女は俺に向かって言った。
「ペンギンなら動物園にいくらでもいるんじゃないかな、マダム」
「そのペンギンではありません!」と不満気に女は言葉を続ける。
「いなくなった、私のペンギンを捜していただきたいのです!」
俺は冷静に問い返した。なんで俺にそんなことを頼むのか、と。
「だって貴方、有名な“動物捜し屋”さんなんでしょう?」
違う。断じて違う。俺は私立探偵なのだと、俺はハードボイルドっぽく、呻いた。
話を要約すると一月程前に行方をくらませた番いの温帯ペンギンを捜してほしい、ということだった。
「警察はマトモに相手さえしてくれませんでしたわ」
「でしょうね」
「あの子達は私の家族も同然だというのに!」
「それはそれは」
車の中に彼女の恨み節は続いた。だが、それ以上にペンギン夫婦を心配する言葉が続いていた。
愛車キャロルの中に品のいい香りが満ちる。趣味のいい香水だ。シャネル……アリュールあたりだろうか?
「もう、私にはあの子たちしかいないのです」
「あの子たちしか、とは?」
「私にとって、彼らが暖かい日々の思い出の残滓、遺された最後の家族だということですわ」
なるほどと俺は首をすくめ、俺の失礼な仕草を見咎めた彼女の瞳に険が混じる。
「いえ・・・・・・、要するに──」
右手でハンドルを握り、左手でポケットを探る。あった。一本を人差し指と親指で取り出して咥える。小指と薬指はライターだ。
あぁ、やっぱりタバコはベルメルにかぎる。
「要するに、周りにしつこく反対され、イヤミと文句に満ち溢れた結婚ではあっても貴女達は幸せだった。長くは続かなかった日々だったとしても」
「私の主人のこと、ご存知だったんですか?」
「新聞のお悔やみ欄には必ず毎日目を通すことにしているんでね」
「職業柄、ということかしら」
「いや、単なる趣味さ」
嫌な趣味をお持ちなのですね、と言って彼女はようやく静かになった。
屋敷は想像通りでかかった。こちらですと俺を案内しようという彼女を俺は制止する。
結構と言う俺に彼女は「え?」と短く驚きの言葉を吐いて振り返り、俺を見返した。
「案内するのは俺の仕事さ。そのために俺のところに来たんでしょう?」
「えぇ、でも・・・・・・」
「答えはもう見えている。あんたはそれに気がついてないだけさ」
屋敷の正面玄関に止めた愛車から降りて、俺はスッと歩き始めた。俺は振り返らない。
ヤレヤレ、正に別世界だぜ。思ったとおり東側に林があった。藪が茂りつつあるがいい林だ。
「こんなところに何が?」
俺は答えない。答えを見出すのは彼女自身だ。日の差す場所、木の間隔、落ち葉、地面の傾斜・・・・・・あの辺りか。
俺は手を差し伸べ、彼女の視線を目当ての場所へと誘った。
「ここからでも見えるはずだ。・・・・・・あの大きめな木の根元の部分。洞のようになってる、そこだ」
「あの子たち・・・・・・」
それは大木の洞を守るペンギンの姿だった。
「温帯ペンギンの種類には森の中で産卵と子育てを行うものがいる。1月から3月──ちょうど今の頃に」
俺はしゃがんで土を握った。
「いい土だ。木々もいい。手入れがしばらく滞っていたのが却って彼らには良かったんだろう。巣を作るのにはいい環境だ」
「でも、屋敷の飼育室の方が環境はもっとずっといいはずなのに・・・・・・」
「どうかな」
俺は再びベルメルをポケットから出し、火を点けようとして──やめた。
「それは自分で決めることだ。幸せか不幸せなのか、なんてことを決めるのも自分自身だってことと同じに」
身を翻す。どうやら仕事は終ったようだ。
「彼らは自分達が明日を過ごす居場所を決めたらしい。彼らを家族だと言っていた、あんたはどうなのかな」
「私・・・・・・?」
「さぁて、生きることは辛いことだとか訳知り顔に言う奴は多いが・・・・・・生きていくってのはそう悪いモンでもないはずさ」
なぜなら、と俺は言った。喋りすぎだった。ちくしょう、やはり俺はまだハードボイルドには程遠い。
「あんた自身が言ったことだ。あんたには見守るべき家族がいるじゃないか。まだ、あそこに」
「私の家族・・・・・・」
「家族を見守るってのは、明日の喜びを見出すには十分な理由なんじゃないかね?」
返事はなかった。ないのが返事だった。
ヤレヤレ。心配は必要ないだろう。彼女の目には強い光が灯っている。
俺は私立探偵、人生相談は柄じゃない。ただ、たまに“動物捜し屋”として借り出される──それは意外と板についてるようだった。
556 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 14:27:26 ID:1Xa4iZQD
お次はこれ
>>426 冒険者ギルドの話が読みたいどす
冒険者ギルドねぇ
むっかーしテーブルトークRPGとかやったなー
ソードワールドとかクトゥルフの呼び声とかD&Dとかねー
そういうわけでこちら
「ちょっと待ってくれよ! なんで減額なんだよ!!」
男がカウンターを叩くとミシっとどこかが軋む音がした。
あたしは幾度となくこのカウンターにて繰り返された問答を走馬灯の様に思い起こす。
ちょっとマテ。走馬灯の様にって、あたし死んじゃうのかよ!
「プッ」
「何がおかしい!」
おっといけないいけない。思わず自分でウケちゃった。
「失礼」
そこそこの修羅場は潜り抜けたらしい目の前の男。その威嚇する視線を正面から受け止めつつ、あたしはコホンと一つ咳をした。
「えぇと、貴方のお仕事は・・・・・・ベルンフォレストの害獣退治でしたわね」
「害獣退治だと? 害獣どころか相手はオークの群れだったんだぞ? 元から話が違ってんじゃねーか!」
「フォーリスの妖精学においてはオークは“害獣”として分類されてますのよ? ミーティアやドマなどの主要国家でも採用されてるフォーリスの妖魔魔獣大典で、ですの」
「だからなんだよ」
「ギルドの依頼内容に間違いはなかったってことですわ」
うぐぐ・・・・・・と男が呻く。あーいい気分。やっぱ屈強な男達をやり込めるのは、ほんっとにキモチイー♪
「だ、だけどな」
ちょっと勢いが弱まったけど、彼はまだまだやる気のようだ。ウフフフフ。へこたれない男の人って、ス・キ☆
「けどな、俺達はオークどもを間違いなく駆除したんだぜ? 巣穴まで行って残らずだ! それなのに銀貨3000枚に減額されるってのはどういうことだよ!」
「それは当然、任務がキッチリ完了されなかったからですわ」
「だからどうしてそんなことになっちまうんだよ!」
ドンっとまたカウンターを叩く彼。
「5000枚が3000枚だぞ? 3割の減額ってどういうことだよ!」
「5000枚が3000枚になったんなら4割の減額だろうが」
後ろに立っていた魔術師風の人がすかさずつっこむ。彼、後ろを振り向いた。
「マジ?」
「マジ」
クルリとあたしの方に向きなおる。
「もっとひでェじゃねーかっ!!」
やん、唾飛んでるー! 減点10。そういうのはダメ。ワイルドなのはいいけど、汚いのはダメ、絶対。
「一体全体どういうことだよ、こりゃあよ!?」
あたしは彼の面前に一枚の紙を突き出した。
「これはベルンフォレスト駐在のギルド職員からの報告書ですわ」
彼の顔が“?”で埋まる。けっこう可愛い。15点加算。
「オーク退治の際に依頼主の農場の柵を破壊する。家畜小屋の壁を壊す──減点。オークの襲撃の際に羊を3頭殺される──減点。えーと、待機中に酒を呑んでクダをまく──減点」
「あ・・・・・・、その、それは・・・・・・」
「特に羊を守りきれなかったのは痛かったですわね。これは貴方たちが着任した後での出来事ですので、ギルド憲章3項に抵触するんですの」
「・・・・・・どういうことだよ?」
「ギルドの契約条項の30条にある、依頼主への保証責任が発生するということですわ。この場合はギルド側に不備はありませんので、依頼を受けた冒険者に保証義務が発生するんですの」
「・・・・・・つまり?」
「羊3頭と農場の柵に家畜小屋の壁、散々飲み食いしたお酒や食べ物の始末が銀貨2000枚で済むというのはとっても良心的な金額ではございません?」
うぐぐ、と彼は強く呻いた。
「羊1頭辺りの相場は確か・・・・・・」
「今なら銀貨1500枚ってところかしら?」
後ろの魔術師にあたしは答える。
「よろしくて?」
言外にこれで済ませてやるんだから納得しろと潜ませる。さすがに彼も気がついたようだ。
「それで・・・・・・いいです」
「いいです?」
「それでお願いします・・・・・・」
うん! 打ちひしがれて従順になった男の人ってイイワァ! じゅるりと思わずよだれが出ちゃう。
「当冒険者ギルドでは、登録冒険者の皆様が様々なトラブルに煩わされることなくお仕事や冒険に集中できるよう尽力いたしておりますわ。またのご利用お待ちしていまァす!!」
銀貨3000枚の手形を受け取って帰っていく彼ら。
あぁ、ゾクゾクしちゃう!
やっぱこっちの仕事に転職してよかったなァ。ジメジメしたダンジョンで宝探しも悪くないけど、合法的に屈強な男の子たちをとっちめるこの楽しみには適わないかも。
「はい次の方どうぞ〜。受付番号37番の方〜」
お、次はちょっと頼りなさ気な若い男の子。見た感じ剣士か何かかしら?
じゅるり。おっとよだれが。
さぁて、君はどぉんな冒険の結果をあたしに教えてくれるのかな〜?
いっぱいいっぱい、あたしを楽しませてちょうだいね☆
>>370 「遂に世に認められることなく死ぬ創作者」でリク、どなたかお願いできるでしょうか
その後認められることになった創作者でもあるこの人で書いてみたのー
っちゅうことでよしなに
1937年の3月15日である。
それは奇妙な感覚であった。感覚──少し違うような気もする。しかし他に上手い表現が思いつかない以上、それは感覚であると形容する他ないであろう。
痛みはあるし、身体は相変わらず動かない。指先一つ、主人の意思に従って動こうとはしなかった。
とどのつまり、これが“死”というものなのだ。
案外つまらないものだと思う。
外套にフードを被り、鎌を携えた死神が来るでなし、ラッパを手にした愛らしい御使いが部屋の扉を叩くでもなかった。
もっとも──、
咳をしようとしたが出たのはヒューヒューという隙間風のようなかすれた音だけだった。
そんなものがいるなどと思ったことは一度だってない。
おりしも空は雲が立ち込めている。まさに闇夜。月の明かりも星の輝きも何一つ届かない闇。まるで死んだように静まりかえっている世界。
たまに吹く風だけだ。それだけが、まだこの世界が生きているということをその存在で知らせてくる。
いつしかその隙間風の音と自分の息の音さえ判別がつかなくなってきていた。
オオーン、オオーンとどこからともなく獣の啼く声が聞こえてくる。
はて、あれは犬だろうか。
犬に決まっている。
山奥深くにある田舎であるまいし、この州都プロビデンスにそれ以外のどんな獣があるというのか。
似合いであるかもしれない。
文学者として、創作者として世に認められることなく、あと数時間のうちに骸となる自分には、犬の遠吠えの葬送曲などお似合いであるかもしれない。
あぁそうだとも。
明日の朝になればアパートメントの住人は欠伸をかみ殺しつつ職場へと向かう。婦人は子供を学校へ送り出すとともに隣人と井戸端会議としゃれ込む。
例えば欧州で始まった戦争によって紅茶が手に入り辛くなったとでも愚痴るのだろうか。
それともこの戦争に巻き込まれはしないかという不安の方が先か。何にしても彼ら彼女らは日常に埋没した生活を続けるのだ。
ゴミの収集に来る業者は舌打ちをしながらちらばったクズを集めて帰るのだろう。薄汚い浮浪者は自分が漁る前に持ち去られたゴミに地団駄を踏むのだろう。
何も変わらない。私がこの世界からいなくなるということは世界の──宇宙の運営には何ら支障をきたすものではない。
あれはなんだろう?
ふと感じたのは先ほどから止まない獣の鳴き声の違和感だった。
オオーン、オオーンと聞こえてくる。
なぜだ、なぜ鳴き声が部屋の中から聞こえてくるのだ?!
ソレは次第に近づいてきていた。
なんだ、これはなんなのだ? 不意に恐怖が私の総てを支配した。“死”ですら私に与えることが出来なかった恐怖をその鳴き声が私に与えている!
なんだ、これはなんなのだ!
ありえないことが起きようとしていた。闇の中、いるはずのない存在が発生しようとしていた。
闇の中? 違う、これは闇が──黒々とした暗い色そのものが蠢いているのだ!
それはまるで這い拠る混沌だった。
ありえないことが起きようとしていた。私が創作した、いるはずのない存在が発生しようとしていた。
それは、それは暗黒のフォラオ!
あれは、あれは──!!
それは根源的な恐怖、それは千の時間千の空間に同時に存在する嘲笑する神・・・・・・。
それは────。
私を呼びに来たのだ。
1937年3月15日、アメリカで最も小さな州であるロードアイランド州の最も大きな街──プロビデンスにてハワード・フィリップ・ラブクラフトは死んだ。
腸癌とそれにともなう栄養失調による病死。
後に怪奇小説の大家として多くの作家たちに影響を与える彼の、生前に出版された単行本は「インスマスの影」ただ一冊だったという。
彼がその今際の際に何を思ったのか・・・・・・、それを知るものはいない。
いないはずで、ある。
魔物(大型の獣)使いの少女の話が読みたい
>>555 ずいぶん前にしたリクエストお題だったので
投下があってびっくりした。乙っした!
ペンギンってなんかハードボイルドな感じがする。
吹雪に黙って耐えるあの姿…
ハードボイルドペンギンと聞いてゆっくり歩いて来ました。
中の人などいない!
>>561 楽しんでもらえたらよかったのだけど、どうでしたかしらん?
規制喰らってなかったらもっと早く投下したのですよ、うん
ペンギンかっこいいのよね、かわいくてかっこいいってなにそのチートって感じ
金持ちだったらきっと飼うね、多分
>>562 ハードボイルド“な”ペンギンではなくて申し訳ない
よかったらお題クレクレ
今は特にリクエストはないので。
お題くれくれだったらお題スレでやってくれたら出すぜー。
565 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 04:35:02 ID:xlIXgjih
ファイナルファンタジータクティクスが読みたい
566 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 10:00:32 ID:wXMs7T+7
ファイナルファンタジーZを読みたい
できればセフィロスが主役の小説がいいな。
567 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 00:25:54 ID:eXNBWuUi
こんなSSがどうしても読んでみたい
さて、このスレにお越しのSS読者の皆様方。
あなた方はこんな風に思ったことはございませぬか。
こんなカンジのSSが読みたいなあ……と!!
ということでこのスレは時折皆様が脳内で展開させるSSの
妄想を存分に解き放つスレです。
<<このスレの使い方>>
・こんなカンジのSSが読んでみたい!!! あるいは
こんなアイデアを思いついた、でも自分でSSなんか書けない!!!
という設定・展開を披露する。
・ソレに対して感想などを話す。
・すでにweb上に似たようなSSが存在している場合、
紹介する。
・あとはこのスレを読んだSS作家様が
ネタをとって実際に書いてくださるのを待つ、と(藁
※注意
・ここはネタスレです。キャラ観や設定の考察は他スレで。
気に入らないネタは絡まず、スルーで。
・次スレは
>>980を踏んだものが速やかに立てること。
>>980が立てなかったら有志がスレ宣言してから立てること。
※こちらをご覧のSS作家の皆様へ
当スレに発表されたアイディア・設定の利用に関しては一切の制限はございません。
完全フリーです。
使えそうなものがあったら気兼ねなくガンガン持ってっちゃって下さいな。
569 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/27(土) 01:14:13 ID:nKb9OekG
コミケで最も需要が高く最も売れているSSは何ですか?
葉鍵? ときメモ?
文章に需要なんてありませんw
またageマルチですか
573 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/03(土) 20:47:00 ID:RPdFJ71w
格闘技を使う高校生たちが、凶悪な中度知的障害者5匹ほどから友達を助ける話が読みたいです。
魔法を使った軍事物
577 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 00:32:26 ID:f376FC4/
と思ったが意外と難しい。かなり待ってほしい。ていうか忘れても構わないくらい待ってほしい。やばい。
578 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/12(月) 01:07:19 ID:mfdOmLTg
がんば
579 :
HANA子 ◆c6PZzYalbM :2010/04/14(水) 16:09:49 ID:HiYTefxq
またまた久しぶり
>>574 576の人じゃないけど今書いたー!
576の人もがんばってネ
580 :
HANA子 ◆c6PZzYalbM :2010/04/14(水) 16:17:13 ID:HiYTefxq
月も隠れている闇夜。こういう日には必ずどこかで俺たちのような戦争の犬が血を流すことになる。
それにしたってと俺は憂鬱な気分に浸った。この週末は非番だったっていうのによ。
「非番だからって“イイコト”出来るような相手なんざいねぇんだろ?」
俺はもう一回ミッキーのヤツをぶん殴ってやった。なに、かまうことはない。アイツには10ドルの貸しがあるんだからな。
「くそっ、本気で殴るこたぁねぇだろ!」
無駄口を叩くんじゃないと俺は言ってやった。
覚えておけ。ここは戦場、そしてオレたちゃ愚連隊。泣く子も黙る海兵隊なんだからな、と。
LZから“会場”までの間に障害はなかった。ちょっとした接触発動型の捕縛トラップがあったくらいだ。
「いいな、歩哨を排除した後で突入する。コナーは“切り札”を持って俺についてくる。初陣なんだから付いて来てりゃいい」
「了解」
「目標は人質の確保。第二目標は……適当に暴れてライトのチームを楽にしてやる。いいな? 戦闘開始は15分後だ」
肩にかけた銃を構え、俺たちは茂みに伏せて待つ。
そして──時間になった。
サイトに歩哨をとらえ、俺はトリガーを引く。
ほとんど間を置かずゲリラの歩哨が倒れた。ドサッというそれ以外に音はしない。
当然だ。このM8A1には着込んでいるボディアーマーと同じ《完全消音》の魔法を施してあるのだから。
「アルファ6、クリア」
続いてミッキーの声がイヤホンから届く。
「アルファ7、クリアだ。ライトのチームもクリアだってよ。オールクリア、前進よし」
「楽なもんだ。ミラーチーム突入──アルファ18、ちゃんとついて来いよ」
茂みを飛び出し、俺たちはゲリラの基地へと向かって駆け出した。そうだ、兵隊は基本走るのがお仕事だ。
ドンっと反対側に爆発音がたつ。
西側からまわったヒルトンたちのチームがおっぱじめやがったんだろう。クソ、派手にぶっ放しやがって。
「ヒルトンのたれ目野郎も始めたな。畳み掛けるぞ!!」
ミッキーとコナーの返事を聞いて、俺は作戦開始前に頭に叩き込んだ地図を思い出す。
南から突入した俺たちは人質が捕らえられている小屋まで走った。それはすぐにわかった。竹と蔓で作ったらしい粗末な牢獄だ。
「助けに来たぞ! 頭を下げて伏せていろ! 救援だ!! アルファ6、目標を確保!」
牢屋の中の同胞へ、仲間へ、俺は矢継ぎ早に声をかけながら周囲も確認する。素敵なことにこちらに向かってくる敵はいない。
どうやらヒルトンのチームが上手くやっているようだ。
俺は背後を守らせるためにコナーを呼んだ。ミッキーにライトのチームを誘導するよう命じ、構えた銃を右に左に揺らす。
いくら陽動に引っかかったとはいえ、ゲリラもそろそろ人質の存在を思い出すころだろう。
俺は不意に振り返った。
コナーが牢獄の扉に手をかけようとしていた。
「バカッ! よせっ!!」
ミドルスクールの先公が言っていた。
後悔とは事が起きた後に悔やむから後悔と言うのだと。
そしてそれは正しかった。
バチンと火花が散って、けたたましい音が辺りに響き渡ったのだ。
「シット! 《警告音》のトラップか!」
愚痴る暇なんてものはない。《警告音》の魔法トラップと連動した《召喚魔方陣》が魔物の召喚をはじめていたのだ。
この手の魔方陣は発動してしまったらもう召喚が完了するまで止めることはできない。俺は神とコナーの二人を呪った。
「なんてこった!」
ミッキーが呻く。俺は思わず天を仰いだ。《召喚魔方陣》から現れたのは樹人系上級モンスターの『アルラウネ』だったのだ!
こいつの《狂気の叫び》の前には、生半可の《対抗魔法》の障壁などあってないようなものだ!
くそっ、俺も年貢の納め時か・・・・・・『アルラウネ』が《狂気の叫び》の予備動作に入る様子を見て、俺は覚悟を決めた。
その時、俺の背後から閃光が走った。
「?!」
「おー、さすがに樹人系はよく燃えますね」
コナーの緊張感のない声が後ろから聞こえてくる。『アルラウネ』は《火球爆発》の直撃をくらって炎上していた。
直撃し、炸裂し、炎上しているこの様子では、即死のようなものだろう。俺は体中の毛穴からいっせいに汗が噴出すのを感じている。
ひょっとして、俺たちは助かったのか?
「さすがは“切り札”ですね、《火球爆発》の魔法は一味違う。いやぁ、助かりましたね」
ミッキーが俺に目配せをしてきた。俺は無言で頷く。俺たちは静かにコナーに駆け寄り、その両側に立った。
ガシッ、ボカッ!
「お前が、」
「言うな!」
覚えておいてもらおう。オレたちゃ愚連隊。泣く子も黙る海兵隊。そして、天然気味の新人にはちょっと厳しいミラーチームなのだ。
581 :
HANA子 ◆c6PZzYalbM :2010/04/14(水) 19:05:09 ID:HiYTefxq
ご飯食べ終わったんで、また参上
次は
>>413 のリクエスト
「ネクラな女の子がホンのちょっと心を開く」
で一本
582 :
HANA子 ◆c6PZzYalbM :2010/04/14(水) 19:12:15 ID:HiYTefxq
「……だから、ごめんなさい」
彼女との話はまた振り出しに戻ってしまい、俺は思わず天を仰いだ。
一時間である。
コンビニでバイトすれば800円が稼げる時間だ。ファミレスで働けば900円。そんでもって──まぁそんなことはいいか。
そんな貴重な時間をかけて話を続けた結果、話が一番最初のところに戻ってしまったとしたら、普通どう思う?
俺の一時間を返してくれ、とは思わないか? 誰だってそう言う。俺だってそう言う。だけどさすがにソレをそのまんま彼女に言うことは躊躇われた。
なんでかって? そりゃまぁ、俺のモットーが「女の子には優しく」であるからだ。
どーしたもんかなー。
クラスの女子グループが彼女をイジメているのは間違いない、はずだ。ところがどっこい、彼女はその事実を一切認めようとしない。
話が核心に近付こうとすると「ごめんなさい」でシャットアウトなのだ。
彼女はパイプ椅子に座ったまま、じっと俯いたまま身じろぎもしない。
俺は席を立って窓際に立った。すぐ外の花壇には蝶が戯れている。すっかり荒れ果てているけれど。
フム、と俺は改めて彼女を見た。
長い黒髪ストレート。メガネ。前髪に隠れていて表情は見えないが、頬から顎先にかけてのラインはスッキリしていて整った顔立ちを思い出させる。
そうなのだ。素材はいいのだ。むしろ美人と言ってもいい。
それなのに、これだ。
どーしたもんかなー。
俺は再び天を仰いだ。
「どうして……」
不意に彼女が声をあげた。
「貴方はどうして私のことを気にかけてくれるんですか?」
視線は床を見つめたまま、俯いたままの表情を窺い知ることはできない。
俺は手を胸に当てた。
「なんかさ、ここがスースーするんだよな」
「スースー……ですか?」
「そ。俺の知らないところでさ、イジメとか、そーゆーのがまかり通っているってのがさ、」
「まかり通っているってのが?」
「なんかしっくりこない。パズルのピースがきっちりはまらないっていうかさ、隙間が出来てスースーしてるように思えて気に入らないんだ」
「気に入らない、ですか」
あぁ、と俺は答えた。
「なぁ、教えてくれないか? 君は酷い目にあっている。そうなんだろう?」
その答えは返ってこない。相変わらずの沈黙だ。
やれやれ、まだまだ時間はかかるのかなー。壁にかけられた時計を見ようと俺は振り返ろうとする。その時だ。
「貴方には、関係のない事じゃないですか」
それはさっきまでの「ごめんなさい」よりも少し強い──それでも十分小さなか細い声ではあるが──調子の声だった。
「関係は──あるさ」
「何の関係があるんですか」
「君が元気でいてくれないとさ、ほら花壇が荒れ放題で花が可哀相なんだよな」
俺は顎で外の花壇を差してみせる。
「俺さ、君がキレイに手入れして育てた花壇を見るのが楽しみだったんだよ。だから──」
俺は彼女に背を向けた。窓枠に手をついて外の花壇を見つめる。後ろで衣擦れの音がした。
彼女が席を立ったのだろう。
「気にかけてくれるのは、花壇のため……ですか?」
「そういう理由じゃダメかな」
「そんなの……」
彼女の声に湿り気が混じった。俺は振り返らない。
「君はどうしてほしい?」
俺は待つつもりだ。返事が来るまで待ち続けるつもりだ。なに、一時間がんばったんだから、もう一時間がんばるくらいどうってことはない。
運動部の掛け声がやけに遠くから聞こえてくる。時計の秒針のチッチッチッという音の方がずっと大きく聞こえてくる。
「…………ですか」
その声がどんなに小さい声だったとしても、それらの音より小さくはないだろう。俺は確かに聞いた。聞き逃すことなどありえなかった。
《わたしを助けてくれるんですか》というその言葉を聞き逃すことなどありえなかった!
俺は即座に返答した。それ以外にありえない言葉で返答したんだ。
つまり、
「当たり前だろッ」
ただその一言だけ返したんだ。
彼女は再び椅子に座ったようだ。俺は改めて話を聞くために振り返る。だが、まずはその前にするべきことがあるなと、俺はポケットを探った。
そう、まずは彼女の頬を流れた雫を拭うハンカチを差し出す必要があると、俺は当然わかっていたのだから。
幼女と美獣
ほのぼの系
哺乳類か爬虫類のケモケモしい美形が可愛い幼女拾って育ててる内に絆が芽生えたみたいな感じのものが読みたい
584 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/17(土) 11:00:39 ID:ZQvXKs3B
24. スレイヤーズ
魔竜王ガーヴが慎二に転生 ワカメ魔竜王シンガーヴ無双
25. るろうに剣心
志士雄真実が禁書世界に転生
26. CODE:BREAKERととある魔術の禁書目録のクロスオーバーSS
27. ガンダムWとエヴァのクロスオーバー SS
28. ロードス島戦記 IF
(1) ナシェルのロードス統一
(2) ロードス島戦記の破壊の女神カーディス復活 VS ロードス連合軍
(3) 新ロードス島戦記の終末の巨人復活 VS ロードス連合軍
585 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/23(金) 14:34:12 ID:wcEXmXyW
1〜28番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販予定はないでしょうか?
529-534
他人と満足に会話もできない人間の質問に応える義理も人情も、無い。
抽象的で申し訳ないけど
ヤンデレのキャラクターといえば、
ツッコミされたり拒絶されたり反撃を受けて痛い目に合わせられたり
ばっかりなので
ヤンデレを懐柔する話が見てみたい。
何というか、
相手が異常な行動を素直に受け止めてくれて逆に動揺するヒロインというか…
>>587 長くなりそうだったから途中で簡略化したけどこんなの?
「私、貴方のこと好きです」
夜十時、帰宅ラッシュが終わり、座席の空きもちらほらと出来始めた電車の中で、突然そんな事を言われた。
相手は予備校の帰りであろうセーラー服のお嬢さん。
最近の高校生には珍しく髪を染めておらず長く綺麗な黒髪で、そんな綺麗な黒髪をこれまた最近めったに見ないシンプルな三つ編みにしている。
「……はあ、そうですか」
日頃の疲れで立ちながら半分寝ていたこの俺は、突然の愛の告白にそんな惚けた言葉しか返すことが出来なかった。
「あの、私ずっと、半年前に、この電車ではじめて見た時から、素敵な人だなって、それで毎日、毎日見ているうちに
どんどん、どんどん好きになっていって、昨日も今と同じ場所で同じふうに目をつむりながら腕を組んで何か考え事をしていらっしゃいましたよね、
昨日もいつもと同じようにこの場所で、いつもと同じように何かを考えている貴方を見ていたら、よし、明日貴方と初めて逢ったこの場所で、
貴方に告白しようって思ったんです。だから、だから。もう一度言います。私、貴方のこと好きです。良かったら私と、私とお付き合いして貰えませんか?」
そう言いおわると、彼女は恥ずかしそうに顔を赤くしながら少し俯き上目遣いでこちらを見た。
「……はあ、そうですか」
さっきとまったく同じ答え、正直突然すぎて頭がついていってない。OK少し整理しよう。
今何時、十時四分。今何処、電車の中。誰が誰に何をどうした、目の前の女の子が俺に愛を告白した。
OK理解できた。答え? もちろん決まっている。
「OKだ」
彼女居ない歴=年齢で、魔法使いにリーチがかかっているこの俺にこれ以外の選択肢は存在しなかった。
彼女と付き合い始めて半年が経った。
毎日、彼女が掛けてくる電話には彼女が飽きるまで、毎日明け方まで付き合っているし、
毎日、時間関係なく百通近く送られてくる毎回違う話題の愛のメールには全部、届いてから一分以内に返事を書いて送り返している。
当然、こっちも毎日二百通違う話題のメールを送っているよ、そうしないと彼女だけが一方的に喋ってるみたいで彼女がつまらないだろ?
会社で同僚の女の子と少し話しただけで、突然事務所にやって来て「浮気なんて絶対に許さない……」
と可愛い嫉妬を見せてくれた時には、直ぐに早退して朝までベッドの中で可愛がってやった。
取引先の会社との忘年会で女性営業の方とポッキーゲームをした時には、その場に直ぐに現れて「ここでリストカットしてやる……」と言うので、
「そんな切り方じゃ意味が無い、こうやって動脈にそって縦に切るんだ」
と正しいリストカットの方法を俺が実践して救急車で運ばれたときには、泣いて謝ってくれた。
上司との付き合いではじめてキャバクラに行ったら、俺が店に入って三十分で鉈をもって現れて「おまえら全員ブッ殺してやるッ……!!」
とチャンバラごっこを始めようとしたので、剣道、柔道、合気道、空手、弓道、居合道、おまけに華道、全部で合計三十段の俺が全力で遊びに付き合ってあげたら、
五分で疲れて「もう……、ヤダ」って言いながら床に座り込んだ時には、ああやっぱり女の子なんだなって思ったよ。
周囲の人は止めるけど、そんな彼女と今度結婚します。
>>588 ありがとうございます!
求めていたシチュが全部1レスの中にあって幸せです。
やっぱり片方がぶっ飛んでたら
もう片方もそれを受け入れる度量があるのが良いですね。
改めて文章という形にしてもらうとちょっとだけ「もげろ」と思ったけどw
590 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 14:30:44 ID:1kKnbesq
「ファイナルファンタジー2」の主人公達と「やさいのようせい」のキャラ達のクロスオーバー小説をリクエストします
ジャンルはほのぼの系です
591 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 22:18:01 ID:GZS5Xpfx
平成の必殺仕事人みたいな感じの物語どなたか書いて頂けませんか。
表向きは会社では上司にいびられ家では妻の尻に敷かれる冴えない男だが実はすご腕の暗殺者。
>>588 おもろいw
ヤンデレ娘の心が折れて、普通の娘になるレベルに懐の広い男とか、
見ているだけで面白いなw
593 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 03:15:39 ID:DGzXndlB
>>557 半年以上前に出したリクが書かれてて猪鹿風ミケドリア吹いた
しかもドS受付嬢とか予想斜め上!しかし最高!
ありがとうございました、お腹いっぱいです
やっぱりファンタジーはいいなぁ…(*´ω`*)
>>588 GJすぎるwwwww
電話とメールは無理あるだろ!と思ったが
リストカットワロタwww
ヤンデレがいざ自分の思いに100%答えてもらうと疲れるということに気づいて
悩んじゃったり姿を想像するとニヨニヨしますた
595 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 16:40:25 ID:NK5fRzye
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2のSSを書く計画は無いんでしょうか?
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2も それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。
596 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 17:07:03 ID:NK5fRzye
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2、Canvas3、Pia?キャロットへようこそ!!4のSSを書く計画は無いんでしょうか?
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2、Canvas3、Pia?キャロットへようこそ!!4も それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。
597 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/27(木) 15:28:39 ID:TOB4Zok2
バカとテストと召喚獣の吉井明久が女の子になる話が読みたいです。
>>598 書けるはず無い
それ以上を求めるなら商業のベストセラーでも漁らないと無理
ちと質問ですが、『hyunjun lee』というのは何者ですか?
なんだか自分のリクエストしたお題で
・1〜33番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販予定はないでしょうか?(長すぎるので以下略
何でこれらの作品にまったく触れもしないうちにメールが来るのか、かなり怖いんですけど。
というかこのメールって皆さんのところにも届いていたりします?
>600
うちにも来た
メールにあったアドレスでたどり着いた
このスレも知らなかったから驚きました
こちらもリクエスト作品と活動内容は
かすってもおりません
602 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 16:22:24 ID:eJUzPFpk
リクエスト
読者も片腹痛いシリアス
>600
どちらかと言うと、P.S.にある「マイナーなギャルゲーSS祭り」とやらで
とにかく色んなサイトの管理人メアドに片っ端から送ってる悪い意味で有名人。
数ヶ月で一通程度妙なメールが来るだけなので、気にしなくても大丈夫。
この手のチェンメ対象になるようなサイト運営してると思われてる、
って好意的に解釈してスルーでいいと思いますよ。
604 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 21:45:47 ID:AtYMLn39
〉600
『hyunjun lee』度々、メールで送ってこられる方ですね。
初めが2年くらい前から大体ほぼ同じ作品を書いてリクエストしてくる人です。
中には古すぎて購入出来ない作品もあるので、大抵スルーしていますね。
まあ、私もそのメールでここにたどり着いた訳ですが…
よく分かんないけど、コピペの人が勝手に送りつけてきたメールにこのスレのウラルがあったってこと?
> 605
いえす。同じく、それ見て辿り着きました。
書いてる側からすると、普通にリクエストしてくれればいいのになぁと思う。
押しつけがましくない範囲で。
賞金とか言われると逆に怖い・・・
とりあえず、その人はこことは関係ないよ
まあ、これも何かの縁だろうから、良かったら創発をちょっと見ていってね
自分はメール来たことはないけど、リクエスト内容はもしかして
>>584と同じ?
なんか色んなスレで見かける
609 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 21:00:45 ID:2W58wg64
罪と罰のような哲学要素の入った小説って書けないか?
俺もドストエフスキー目指して書いてみたが三行でドロップアウトした。
ドストエフスキーはいくら何でもハードル高すぎるだろw
>>597 こんな感じ?
「アキちゃん、愛しています」
「姉さん、おはよう」
「姉さんはアキちゃんを愛していると言ったんですよ」
「うんうん、そうだね。やっぱり朝の挨拶は『おはよう』だよね」
「アキちゃん」
「あ痛っ、痛い! 上に乗っかって膝を立てられたら痛いし重うぐおおおあっ!?」
「アキちゃん、愛しています」
「奇遇だね! なんだか僕も姉さんを愛してやまないから早くその足をどけてぇっ!」
「こんな朝から愛しているだなんて、いくらなんでも照れますね」
「……はいはい。お願いがあるんだけど、そろそろどいてくれない?」
「そうですね。あまりラブラブしていると学校に遅刻してしまいます」
「……うん、もうそれで良いや」
「それにしてもアキちゃん。最近は運動不足なのでは?」
「へっ? どうしてさ」
「先ほどのスキンシップでお腹に触った時、筋肉が落ちていましたから」
「僕の腹筋の状態まで知ってるなんて、姉さんは本当に怖くありません凄い人です」
「そんなに褒めても何も出ませんよ」
「なんて言いながらチュウをしようとしないで!……うわぁ、確かに運動不足かもなぁ」
「でしょう? 意識しないとわからないですが、実際に触ってみてわかったと思います」
「うん。太ってはいないんだけど、確かに柔らかくなってる」
「今度の休日はゲームではなく運動にあてるべきです。良いですね、アキちゃん」
「はーい、わかりましたー」
「……ん? 姉さん、どうしてさっきから僕のことをアキ"ちゃん"って呼ぶのさ?」
「何を言ってるんですか。世界中の誰よりも愛している妹を"ちゃん"付けで呼ぶのは当然です」
「あぁ、そっか――」
「…………って、妹……?」
夏休みの終わりみたいな、哀愁のある話が読みたい
セミの鳴く声がする。
ジー、ジーと五月蝿いそれではなく、カナカナと、どこか寂しさすら覚える程にか細い、ヒグラシの声だ。
「……なんだかなー」
呟きが存外に大きく響く。彼はその事実に驚いた。
季節は夏だ。生命が、何もかもが賑やかに動き回る、生の季節。
にも関わらず、か細く鳴くヒグラシの声以外に音は無く、そこにあるのは静だった。
これ程までに、静というのは身近にあったのかと、彼はまた、驚いた。
どうしたもんかね、と今度は声に出さずに呟き、大の字になっていた彼はその身を起こす。
彼が横たわっていたのは草むらだ。それ程丈の無い草は、彼の姿を型どるように倒れている。つい先程まで
彼がそこに横たわっていたという証だ。だが、その証も、早晩草木の回復力によって消え去る。
まるで、昨日まで確かにあったはずの、世界のように。
「ホントにどうしたもんかな」
彼は、今度は声に出して呟いた。それに応える者はいない。
「おーい」
今度は大きめの声で、周囲に呼びかけて見た。やはり、それに応える者はいない。
「どうしたもんかな……本当に」
内心のそれも含めると三度、彼は呟いた。
彼は知っている。否、予測している。その疑問に、その問い掛けに答えを出すのは、最早自分以外にいないのだろう、と。
そして、その問い掛けに、自分はまだしばらく、答えを出せそうに無いという事を。
自体は突然で、彼の戸惑は必然だった。
「歩くか」
言って、彼は歩き出した。
あてはない。だが、止まっていても歩いていても、結局同じ事のようだという予測はついた。
ならば、今まで止まっていたのだから、今度は歩いてみようではないか。そう、彼は考えた。
日が、既に傾きかけていた太陽が、急速にその角度を小さくしていく。
夕暮れだ。
日が昇っている間は暑かった空気も、どこか涼しさを含み始めたように思う。それもまた、彼が歩く事を決めた
所以の一つであった。
夕暮れ。
黄昏とも言うそれは、ヨーロッパの神話では、終末に例えられたという。
神々の黄昏。それは確か、神様が狼に食い殺されて、その狼ごと、世界は丸ごと大きな蛇の腹の中に
収まって、全てが終わってしまうという、そういう話だったように彼は記憶していた。
「……昔の人はとんでもねー事考えるなー」
だがしかし、そんな昔の人の想像力でも、今こうしてやってこようとしている黄昏の原因は、おそらく予想だに
しないのではないかと、そんな事を彼は思っていた。
夕暮れは、日が落ちるからやってくる。それが道理だ。
しかし、黄昏は――終末は、一体どうしてやってきた?
この、世界に満ちる静は――この世界の終末は――昨日まで確かにあったはずの、自分のよく知る世界は――
そこに生きていたはずの人々は――その痕跡は――どうしてやってきて、どうして消えて、どうして、どうして、どうして……
「……僕だけ、残ってるんだろう」
秋の日でも無いのに、太陽の落ちる速度は早い。そう、彼は感じた。
一先ず目指しているのは、かつて彼が住んでいた場所だ。
正確には、かつて彼が住んでいたと、そう彼が予測する場所、だ。
そこに行っても、恐らくは何も無いだろうと、そうも彼は予測していた。
何もかもが消え失せたこの世界で、都合よく自分の住んでいた場所だけ残っているなどという事が、ありえるはずが
無いと、そう彼は考えていた。
何もかも。
道路も家屋もビルも壁も何もかも、人が作ったと考えられる物は、その一切が姿を消していた。
彼が目覚めた時には、既にこうだった。先程寝転んでいた草場とは違う、だがほとんど区別のつかない場所で、彼は
目を覚まし、そしてこの事態に気づいたのだった。
それでも、目指す何かが無ければ、歩く事はできない。
あてども無く歩くよりは、あてとなるかどうかすら微妙とは言え、何らかの目標があった方がずっといい。
「……ホントに、僕は」
どうしたものだろう。
草木は、生きていても静かだ。恐らくは草木の向こうにいるのだろう動物、昆虫達も、その静の中で生きている。
生きていける。
人間だけが、騒音とも言える音の中でなければ生きていけなかったのだと、そして、それこそが人が生きている
証だったのだと、そんな事を思いながら、彼はその生の証が潰えた、自然であるが故に不自然な世界を、歩き始めた。
おわり
ここまで投下です。
し、仕事はえー……
でも嬉しいです ありがとうございました
終わっちゃったのは、夏休みじゃなくて世界の方だったんですね なんてこったい
めちゃくちゃ寂しいなぁ
彼はこれからどうするんだろう 家族もいないっぽいのに
彼自身も呟いてましたが、どうして彼が残ってしまったんでしょうかね
やっぱり彼には特別な何かがあったのか、それとも本当に偶然で、残ってしまったのか
不思議だけど、確かに、哀愁あふれる読後感があって、素敵でした
彼にも、いいことあるといいですよね、って、応援したくなりました
周りに人工物がないと日が落ちるのが早く感じるってのはあるね
617 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/16(水) 10:59:41 ID:MQZ0OrgJ
611さんありがとうございます。こういうのが読みたかったんです。
勝手だとは思うのですが続きも読みたいです。
618 :
創る名無しに見る名無し:
梅雨 少年 決意
こんなテーマの入ったものが読みたいです><