コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 34

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481創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:18:13 ID:DTqW3kXg
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482RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:19:07 ID:kLgFsN86
「なるほど、好奇心が旺盛なのですね」
 さらに続きを促すが、神楽耶は何も言わない。
「え、と。神楽耶様。他には?」
「それだけですわ」
 にっこり微笑んで神楽耶は言う。ライは沈黙し、たっぷり三呼吸ほどの時間が経った後、
「……それ、だけ、ですか?」
「はい!」
 胸を張り、頷く神楽耶。その態度は何も偽っている様子は微塵も見られない。純粋に友を誇っているようだ。
――純真で可愛らしく、外の世界に興味がある……それだけなのか!?
 ライとしては盟主として、一国の王としてどれだけ優れているのかを知りたかったのだ。
 神楽耶も年頃の少女の一面を持っているが、同時に京都六家の皇家の当主たる矜持、一
個の政治家として的確に状況を判断する決断力、物事を見抜く眼力を備えている。
 その神楽耶が友人として認めたのだから、それ相応の能力を持っていると思っていたの
だが――
――つまり天子は……ディートハルトの言うとおり、ただの御輿という訳か?
 だがそう考えると星刻の態度に納得がいかない。彼のような人間は例え自分より立場が
上でも害悪、無能な人間ならば見捨てる男だ。高亥暗殺が何よりの証拠と言える。
 しかし神楽耶が自分に嘘をついているとも思えない。一体天子とはどういう人物なのか――。
思考を集中させ、ライが眉間に皺を作り始めたその時だ。
「司令補佐、東京の仲間達より通信が入ってきています」
 発令場の通信係に呼ばれ、すぐにライは思考を切り替える。
「繋げてくれ」
 言ってすぐ、発令場の大型モニターが切り替わる。ノイズの後に姿を見せたのは黒の騎
士団の幹部の一人だ。
「どうした。わざわざ通信をしてくるとは、何かあったのか」
『いえ、特に問題はありませんが、騎士団が動きましたので一応連絡をと思いまして』
「動いた?」
 はい、と頷く幹部。
『本日ブリタニアの新総督が日本にやって来るという連絡を受けまして、ゼロが紅月隊長、
藤堂将軍達と共に総督を強奪に向かいました』
「何だって!? どういうことだそれは!」
 突然聞かされた予定外の行動にライは思わず声を荒げる。
『そ、そこまでは。とりあえず作戦の概要が入ったファイルをそちらに送ります』
 こちらの剣幕に驚いたのか、狼狽した幹部の一人はぎこちない様子で腕を動かす。送られてきたファイルを開かせ、スクリーンの半分を埋め尽くす。
「航空機に乗せたナイトメアによる奇襲。しかしこれは……!」
 ルルーシュの作戦は決して悪いものではない。むしろブリタニアの油断をついたものだった。
 ブリタニアと違い、現在の黒の騎士団にはフロートユニットのようなものは存在してい
ない。ブリタニア側はそう考えたからこそ、ナナリーの護衛であるラウンズ三人は先にエ
リア11に来ていたのだろう。ゼロが、黒の騎士団がナナリーを狙うのであればエリア1
1に到着した直後であると。航空戦力を持たない黒の騎士団とは陸での戦いになると考えて。
483RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:20:11 ID:kLgFsN86
 しかしルルーシュは航空機にナイトメアを乗せる強襲するという形でその予想を裏切っ
た。さすがの作戦と言える。だがそれはあくまで戦術的に見ればの話だ。
 戦略的に見て、ルルーシュの作戦はかなり危険な部類に入る。なにせこちらにはフロー
トユニットがないのだ。スザク達が異変に気づくのにさほどの時間はかからないだろうし、
もしナナリーを確保する前にラウンズの誰かが救援にやってくれば、いや確保したとして
も逃げる前にスザク達がやってくれば、状況は一気に不利な方へ傾く。
 ライの知る限りラウンズのナイトメアには全機、フロートユニットが搭載されている。
空中で戦うとなれば、最悪ラウンズ一人に黒の騎士団の戦闘部隊が全滅することも考えら
れる。それだけの技量とナイトメアを彼らラウンズは有している。
「進路をT−4301へ変更だ。今より当艦はゼロと黒の騎士団の援護及び支援に向かう!」
 ライは命令を下すと、発令場から出ていく。長い長い通路を早足で歩き、見えてきた扉
を開く。
 そこはだだっ広い空間だ。コンテナが幾つか並んでいるだけの広い部屋。その部屋の奥
には白と蒼に染め上げられている一機のナイトメアが鎮座している。
 ライは近くのコンソールでコクピットを開くと、はしごも使わず機体に手をかけて登り、
中に入る。
 機動キーを差し、機体のチェックを始める。何百回のシミュレートにラクシャータの最
終調整が施され完成した機体だが、実戦は今日が初めてになる。
「ルルーシュ……」
 確認をしながら友の名を呟く。さすがのライも今回のルルーシュのやり方には若干憤り
を覚えていた。
 案じていたナナリーのことがわかり嬉しいのはわかる。だからといってライと話し合っ
ていた策を丸ごと捨てて、しかも何の相談も無しにこのような作戦を実行するなど。
「やはり、君は僕の話を信じていなかったのか……?」
――ナナリーが自ら望んでエリア11の総督に志願したという話を



『黒の騎士団総員に告げる! 作戦目的は新総督を捕虜にすることにある! いかなるこ
とがあろうとも絶対に傷を付けるな。いいな、絶対にだ!』
 輸送機につり上げられた無数のナイトメアが雲海を突き進む。その先に見えるのはブリ
タニアのアヴァロン級戦艦艦隊。
 小型アヴァロン艦が三機、大型アヴァロン艦が一機。どのアヴァロン艦にナナリーがい
るかは一目瞭然だ。
『護衛の小型艦には構うな! 作戦通り大型艦へ取り付きこちらの安全を確保してから片
づけろ!』
 ゼロの声に応える黒の騎士団。艦隊に近付いていた幾つかの輸送機が緑色の煙を吹き出
し、それは一気に膨れあがり、周囲に広がる。刺客攪乱のチャフスモークだ。
 突然視界やレーダーを封じられたことによりアヴァロン艦から発進、スモークを囲んで
いた戦闘機の動きに乱れが生じる。その隙をついて輸送機はアヴァロン艦を上側に大きく
迂回し、近付く。そうして黒の騎士団のナイトメアが一斉に輸送機から話され、次々とア
ヴァロン艦隊へ降り立つ。
484創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:32:27 ID:kOOc+a5p
支援一回で猿ってありえなくね?支援
485RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:35:24 ID:kLgFsN86
『愚かな指揮官め。航空戦力をスモークに集中させることぐらい、すでに読んでいた』
 降り立ったナイトメアは戦闘機と旗艦を囲んでいる小型アヴァロン艦艇の動力部めがけ
て攻撃を開始する。船の特性上シールドは船体下方に展開されている。遠距離ならばやっ
かいなシールドも、こうして懐に入れれば、何の障害にもならない。
 小型アヴァロン艦が動力部から炎を吐き出し、ゆっくり海上へ墜ちていく様を眺めなが
らルルーシュは仮面の下で僅かに目を細め、先日のことを思い出す。
 スザクの電話でナナリーが新総督としてエリア11に来ることを知り、それについてラ
イを話したときだ。ライはその話を聞いていたと、あっさりとした口調で言った。
『どうして言わなかった!』
 ルルーシュはこの時、初めてライを怒鳴った。ルルーシュがどれだけナナリーのことを
案じているか知りつつもそれについて隠していたことが許せなかったからだ。
 しかし次に続いたライの言葉がさらにルルーシュの怒りを増幅させた。
『僕がそれを訊いたのは何ヶ月も前の話。それに確定情報でもなかった。はっきりとした
ことがわかるまでは黙っておこうと思ったんだ。
――それに、新総督になると決めたのは皇帝だけど、立候補したのはナナリーだよ』
 訊いた瞬間にルルーシュは激しい口調で否定していた。そんなことはあり得ない。ある
はずがないからだ。
 ナナリーが、一人では生きていけない自分の妹が、よりにもよって総督などという重責
を負うことを望むなどあるはずがない。その後ライに事細かに状況を訊くと、やはりルル
ーシュは皇帝がナナリーをエリア11の総督に任じたという結論になった。
 そもそもライがその話を聞いたのは皇帝からで、ナナリー本人ではない。その事実だけ
でルルーシュが皇帝がナナリーを無理矢理総督に任命し、エリア11へ派遣したと考える
のは当然だ。そしてそうする理由もある。
――俺を、ゼロを誘うための餌として、ナナリーを利用する……!
 そう思うだけにぐつぐつと胸中にどす黒いものが煮えたぎる。過去に幾度となく感じた
もの。皇帝への怒りと憎しみだ。
『僕は今すぐに神楽耶様やラクシャータさんと合流して僕のナイトメアと紅蓮のパワーア
ップパーツを持ってくる。
 少なくともアレがあればスザク達ラウンズを抑えることができる。だからナナリー奪還
はそれまで待ってくれ』
 ライの懇願にルルーシュは不承不承ながらも頷いた。自分と違い短い時間だがブリタニ
ア本国におり、ラウンズと接触していたライの言葉は無視できるものではなかったからだ。
しかしそのライが戻ってくる前にナナリーがエリア11にやってくることになってしまった。 
――すまない、ライ
 ルルーシュとしても本来このような襲撃をするつもりはなかった。ラウンズやこちらの
戦力が整っていないこともあるからだ。だが相手が万全でなければ――つまり一騎当千の
ラウンズがいないのであれば、現存の戦力でもナナリーを取り返すことは決して不可能ではない。
 そう言う結論に至ったルルーシュはすぐさまナナリー奪還作戦を再考し、今回のプラン
を立てて、作戦を実行した。
 この作戦が万全でないことはわかっている。戦術的な作戦であり、ラウンズという駒が
事をなす前に間に合えば状況は一転して追い込まれることも。
486RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:37:41 ID:kLgFsN86
 だが、そうとわかっていてもルルーシュはやった。それだけの存在なのだ、ナナリーは。
 ゼロ無頼が大型アヴァロン艦へ降り立つ。同じように降り立っている仙波の月下より艦の入り口場所のデータを受けて、無頼をそこに向かわせる。
 無頼のライフルで入り口を破壊し、強風が吹く中ルルーシュは甲板へ降り立ち、中に入
る。血まみれの死体には目もくれず、閉じた眼前の扉をじっと見つめる。
 しばらくして電子音と共に扉が開く。衛生兵らしき二人が姿を見せる。手には侵入者に
対抗するためなのだろう、小型拳銃が握られている。
 だがルルーシュはそれを使わせなかった。仮面の一部が開き、あらわになる左目。深紅
の大鳥のような紋様が浮かぶ魔眼。
『死ね!』
 絶対遵守の命令を受け、二人の男は自分の銃で自分を撃ち、絶命する。それらを一瞥す
ることなくルルーシュは艦内を悠然と進む。
――待っていてくれナナリー。今行く……!



 突き出されるMVSを紅蓮はかわし、すぐに反撃の一撃を相手に放つ。
 しかしその機体はひらりと軽やかな動作でよけ、空中に舞い上がる。
「くっ!」
 悔しげな表情でそれを見上げるカレン。バベルタワー、中華連邦総領事館と含めこれで
その機体を見るのは三度目だ。
 ブリタニアの最新鋭先行試作機ヴィンセント。ただカラーリングが異なり、その動きも
一流の騎士のものだ。そして背部にはランスロットが装備していたフロートユニットが装
着されている。
 朝比奈の月下が最後の戦闘機を墜とした直後だった。艦隊のやってきた方角よりフロー
トユニットを搭載した一個小隊がやってきた。ヴィンセントを除く他の機体は月下に並ぶ
ポテンシャルを持つ第五世代ナイトメア、グロースター。
 それらの出現により騎士団側の一方的な戦況は変化していた。一個小隊とはいえ空が飛
べるグロースターとヴィンセント。パイロットも相当な腕前なのか騎士団の何機かのナイ
トメアは戦闘不能にされ、残っているのはカレンや藤堂達エース級と彼らの支援をしてい
る機体だけだ。
「空が飛べるからって!!」
 無頼がまた一機グロースターに撃破されたのを見て、カレンは怒りのまま向かっていく。
だが甲壱型腕は空しく宙を切る。
『紅月君! 私と千葉で動きを止める。その間に撃破してくれ!』
 藤堂からの通信が届き、そちらへ振り向くと一機のグロースターと千葉の月下が交戦し
ている。千葉の月下は相手の攻撃をかわしつつも、こちらの攻撃が届かないような位置に
回避されないような反撃を繰り出している。
 そのグロースターの背後から藤堂の月下が迫る。それに気がついたグロースターは舞い
上がり距離をこうとするが、
『させるか!』
 藤堂の月下より発射されたハーケンがグロースターの足を捕らえる。
『紅月君!』
「はいっ!」
 叫ぶと同時にハーケンのケーブルの上を紅蓮が滑る。グロースターは苦し紛れに槍を放
ってくるが左腕の短刀でそれを弾き、甲壱型腕を紫の機体へ押しつける。
487創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:38:19 ID:kOOc+a5p
支援
488RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:39:03 ID:kLgFsN86
 深紅の輝きと共に照射される輻射波動。コクピットブロックは分離するが、機体は粉々
に粉砕される。
「よし! まずは一機」
 着地し、次の敵機に視線を向けようとしたときだ。全身を刺すような鋭い殺気を感じ、身構える。
 直後、支援に当たっていた一機の無頼が何かの攻撃を受けてあっさりと爆散してしまう。
「なに?」
 殺気を感じた方へ振り向くと、奇妙な形の戦闘機が見えた。青色の戦闘機は近くにいた
朝比奈の月下の射撃を軽やかにかわすとその眼前に迫る。
 突撃する気か――そう思った瞬間、戦闘機が変形する。瞬きする間に変形したそれは頭
部に角を生やし、ハルバード型の槍を持つ死神のようなナイトメア。
「トリスタン!?」
 ライから嫌というほど訊いていたブリタニアの最高峰ナイトメアの一機。ナイトオブス
リー、ジノ・ヴァインベルクの愛機。
「朝比奈さん、」
 回避してください、と言う前に朝比奈の月下はトリスタンの一閃で二つにされていた。
瞬殺、と言う言葉でしか表せないあっという間の出来事だ。
――なんて速さ……
 ライから話は聞いていたが、これほどのものとは思わなかった。姿を見せてほんの数十
秒だというのに、こうもあっさりと朝比奈を一蹴するとは。
 戦闘中と言うことも忘れ、カレンは青の死神に釘付けになる。するとこちらの視線を感
じ取ったのか、振り向くトリスタン。
「っ!」
 咄嗟にカレンは紅蓮を引かせていた。そしてそれと同時にトリスタンが猛烈な速度でこ
ちらへ迫ってくる。
 トリスタンは不安定な甲板上と言う場所を感じさせない軽やかかつ、速い動きと武器捌
きを見せる。変幻自在に変化するそれにカレンは対応するも、殆ど反撃ができず回避と防
御に専念させられてしまう。
――やりにくいっ……!
 直線的なパワーとスピードで来るスザクのランスロットとは全く逆の戦い方だ。舞闘の
ように激しく優美に舞うその動きは非常に掴みづらいものがある。
 ライが持っていたトリスタンとの模擬戦データを元に作られたシミュレーションをカレ
ンはこなしていたが、実際に感じるものはやはり違う。
「このおっ!」
 トリスタンの舞闘の動きにようやく体、目の両方が慣れてきたカレン。十数回目の斬撃
を回避し、紅蓮は懐に入り込む。
「食らえっ!」
 突き出された必殺の甲壱型腕。しかしトリスタンは後ろに下がらず前進してくる。
――輻射波動を受けるつもりなの!?
 そうではなかった。トリスタンは左腕に装着されているハーケンの切っ先を甲壱型腕の
掌中央部、輻射波動発射口へぶつけてきたのだ。その衝撃に紅蓮が蹌踉めいた瞬間、発射
されるハーケン。
489RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:40:52 ID:kLgFsN86
「――!?」
 発射されたハーケンは強引に紅蓮を後方へ下がらせる。細身なトリスタンからは想像も
できないパワーだ。
「くっ……!?」
 体勢を立て直そうとしたその時だ。大きな影が紅蓮の足下を覆い、コクピット内に鳴り
響くアラーム音。
 見上げれば煙を噴いた小型のアヴァロン艦が旗艦へ向けて落下してきている。
――あんなものが直撃したら中にいるナナリーやルルーシュは……!
 その光景を想像し、ぞっと総身が震えたときだった。突如、晴天を一条の赤光が切り裂
き、それが墜落していた小型アヴァロンに直撃。空中に轟音を響かせ、小型アヴァロンを
巨大な火球へと変える。
「な、なんなの!?」
 爆発の光が収まり、赤光が飛んできた方向へ視線を向ける。するとそこには四つの砲塔
が組み合わさった複合砲塔を構える濃い紫色のナイトメアが一機、存在している。
「モルドレッド……!」
 あの機体も知っている。トリスタン同様ナイトオブラウンズの一人、ナイトオブシック
ス、アーニャ・アールストレイムが駆る重武装ナイトメア。
「ラウンズが二人……!」
 カレンとしてもこちらの奇襲にスザク達が気づくことは想定していた。だがそれは作戦
目標を――ナナリーをルルーシュが確保してからだと思っていた。
 しかし予想以上に速く、こちらの目的が完遂されていないというのにラウンズが駆けつ
ける状況になっていた。それも二名。
『隙有りっ!』
 トリスタンの後ろから二機の月下が躍り出て、左右同時に斬撃を繰り出す。必殺の一撃
と思われたが、トリスタンは振り向くことなく後方回転し、左の月下の背後を取る。
『弱いものいじめは、好きじゃないんだけどさ』
 どこか退屈そうな声が聞こえ、斧槍が横に薙ぎ払われる。神速の赤いMVSの刃はあっ
さりと月下のコクピットを貫通する。
『こ、こんなところで……』
 仙波の無念に満ちた声が聞こえ、しかし直後に起こった月下の爆音にかき消される。
『仙波ぁぁぁっ!』
「仙波さん!」
 あまりにもあっけない仲間の死に怨嗟の声を上げて藤堂の月下が再びトリスタンへ襲い
かかる。
 しかしその前に立ちふさがったのはパープルカラーのヴィンセント。
『藤堂、陸戦兵器での奇襲とは、お前らしからぬ戦だな』
 月下の刀を受け止め、ヴィンセントよりギルフォードの声が響いた。



『枢木卿、状況を確認します――』
 ナイトオブセブン枢木スザク専用ナイトメア開発チーム“キャメロット”副主任、セシ
ル・クルーミー少佐の声を聞きながら、ランスロットのコクピットでスザクは手早く機体
を立ち上げつつ、考える。
――今いるゼロは、ルルーシュなのか。それとも……ライだろうか
490創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:40:54 ID:kOOc+a5p
支援
491RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:42:01 ID:kLgFsN86
 真っ先にかつての親友の名を思い浮かべるのは、黒の騎士団が狙っているのが彼の実妹
であり、生きる理由だからだ。しかし、彼を監視している機情からの報告はない。
 ということは残る選択肢は一つ――ライと言うことになるが、はっきり彼とは断定でき
ない。
 ナナリーがエリア11の新総督になると言うことはスザク達ごく一部の限られた人間し
か知らないことだ。唯一の例外はルルーシュだけ。
 しかしルルーシュが記憶を取り戻していないのであれば、仮にライがゼロだとしてもこ
の奇襲を仕掛ける理由はない。ライがエリア11の新総督が誰であるかなど、知らないか
らだ。誰かもわからない新総督を捕虜にするためだけにこのような作戦を決行するとは考
えられない。
『まぁ、早い話がこのままだとみんなで海水浴って事。アプソン将軍も戦死したって話だし――』
 緊急時にも変わらない、脳天気な口調でキャメロット主任、ロイド・アスプルンドが言う。
 目の前に出現した全体の簡略図を見て、スザクは思考を頭の奥深くに鎮める。
「今は総督の救出を優先します」
 そう、今スザクがやるべき事はゼロの正体が誰かを考えることでも、確かめることでは
ない。ナナリーを救い出すことだ。
――その僕の邪魔をするというなら、黒の騎士団、カレン、ライ。そしてゼロ。誰であろ
うと、容赦はしない――
『ランスロット・コンクエスター、発艦!』
 セシルのかけ声と同時、白騎士は蒼天へと舞い上がった。



「!? ランスロット! スザクまで……!!」
 アヴァロンより飛翔してくる白騎士の姿を捕らえ、カレンの声が強ばる。
――トリスタン、モルドレッドだけでも手に負えないというのにさらにランスロットまで―!
 最悪の状況だ。もし現場にゼロか、ライがいればここまで悲観することはなかっただろう。
 いや、例えどちらか一人、いや二人いたとしてもこの絶望的な戦力を覆すことは――
「せめて紅蓮と同性能のナイトメアがもう一機でもあれば……!」
――それにライが乗っていれば――!
『よそ見をしていていいのかい?』
 トリスタンの疾風の如き斬撃をかわす紅蓮。ギリギリ互角に渡り合っているとはいえ、
しかしその深紅のボディには無数の傷が刻まれている。紙一重で回避しているトリスタン
の攻撃は少しずつではあるが鋭さ、正確さを増し、確実に紅蓮を追いつめている。
――いや、違う……!
 コクピットの中、カレンは屈辱に身を焦がす。先程からトリスタンは甲板上のみの移動
しみせていない。フロートユニットを生かした戦いをしていれば、もう紅蓮は撃破されて
いる。
――弄ぼうってつもりなわけ!?
「なめるなっ!」
 怒号を上げ左手の短刀を振るうが、トリスタンは宙に浮かび上がり、あっさりかわす。
492RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:43:23 ID:kLgFsN86
『さて、そろそろ頃合い。もう終わりに――っと』
 斧槍を構え突進してくるトリスタンだが、左から飛来するミサイルに気がつき、咄嗟に
軌道を変更する。
 その隙をついてカレンはミサイルが飛んできた方向を見る。
『隠れろ紅月! まともにやり合えば全滅する!』
 せっぱ詰まった千葉の声が月下から響き、カレンは大人しく従う。しかしその時紅蓮の
コクピットに高く鳴り響くアラーム音。
「なっ!?」
 見れば紅蓮へランスロットが銃を構えている。その銃口が紅蓮と、背後の大型アヴァロ
ン艦を狙っているのを見て、反射的にカレンは前に出て輻射波動のスイッチに指を置く。
 次の瞬間、ランスロットの銃口から緑色の光弾が飛び出す。それをカレンは輻射波動で
受け止め、何とかかき消す。
「スザク……! 中にはまだ乗組員が。ナナリーだって!!」
 スザクとは思えない非人道的な所行にカレンは憤激の声を上げる。しかしランスロット
はさらに背部に装着されている、折りたたまれていた巨大な砲身とヴァリスを合体させ、
こちらへ向ける。
「スザクっ!!」
――あんた、本気なのっ!?
『紅月! 戦艦の影に隠れろ! 狙い撃ちにされるぞ!』
「隠れられません! みんなもいるし……!」
 輻射波動のエネルギーを全開に設定したその時だ。ランスロットが持つ巨大な砲塔より
赤紫の光状が迸る。
 再び紅蓮の右手より展開される深紅の盾。しかしその高熱の盾は、より巨大な赤紫の光
に押され、急速な勢いで砕かれていく。
「なっ! ま、まさか……!」
 想像は現実となった。ランスロットの放った光状は紅蓮の右腕を粉砕し、空を突き抜け
ていく。
「あああああっ!」
 さらに粉砕された右腕は爆発を上げ、紅蓮の機体が大きく蹌踉めき、大型アヴァロン艦
から墜ちてしまう。
『脱出レバーを! 紅月!』
 千葉の叫びにカレンはすぐさま行動する。だが脱出レバーを動かしてもどういうわけか、
機体は全く動かない
「脱出レバーが……動かない!?」
『なんだと!? こんな時に整備不良……なっ!』
「千葉さん!? どうしたんですか?」
とぎれた戦友の声にカレンは慌ててパネルを見る。すると青いマークである千葉の月下
の側にNo6と記された巨大な赤いマークが見える。
 そしてしばらくすると青のマークは黒に変わり、赤のマークだけが残る。赤のNo6は
モルドレッド、黒のマークは戦闘不能という意味だ。
「そんな……!」
 朝比奈に仙波。撃墜されてしまった自分に続いて千葉まで――カレンはせめて無事に脱
出しようとレバーを何度も動かすが、やはりコクピットはぴくりとも動かない。
493創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:44:24 ID:RvHLvGrg
支援
494RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:45:00 ID:kLgFsN86
――ここまで、なの……?
「ごめんね、紅蓮。……お母さん、お兄ちゃん。……ライ」
――私、もう……
 心の奥深くに住まう家族、友人の名を呟いたその時だ。コクピットが大きく揺れる。
「!? な、なに……」
 閉じかけていた目を開けると、スクリーンにウインドウが映し出されている。
『よかった。間一髪、間に合ったようだね』
 言って、柔らかい微笑を浮かべたのはカレンが待ち望んでいた少年、ライ・ランペルー
ジだった。



『ライ……なのよね。でもその機体は……』
 紅蓮のカメラで見ているのだろう。この機体を見たCCや神楽耶と御同じような反応を
カレンは見せる。
 だが、今はのんびりしていられる状況ではない。
「説明は後。カレン、紅蓮の新パーツが届いたよ。例のアレだ」
『アレって、もしかして紅蓮の』
『その通りよ〜』
『ラクシャータさん!?』
 キセルを手に持った褐色の女性の映るウインドウを見て、カレンが声を上げる。ラクシ
ャータは楽しげに微笑み、
『黒の騎士団特製の飛翔滑走翼。予習はちゃんとやってた〜?』
『あ、はい。大丈夫です!』
『それじゃあ本番、行ってみようか〜』
 陽気な声が合図のように水中に身を潜めていた潜水艦が浮上する。艦の上部装甲が開き
飛び出す紅の大鳥。
 上空で大きく旋回し、飛翔してくるそれを見てライが乗る白と蒼のKMFは半壊した紅
蓮から手を離すと、戦場へ機体を向ける。
「こちらは藤堂さんの月下が一機、無頼が残り三……いや、今二機になったか」
 戦況の把握に努めると同時、モニターに浮かぶもう一つの光景――紅蓮の合体も見逃さ
ない。
 紅蓮は頭部と壊れた右腕を外し、海上に回転しながら落下していくが、そこへ大鳥――
紅蓮二式専用の飛翔滑走翼が迫る。
 新武装の追加など、本来ならこんな戦場でやるべき事ではない。しかも空中換装など無
茶にもほどがあるだろう。
――でもカレン。君なら大丈夫
 シミュレートでライが出来たのだ。同レベルの運動能力を持つ彼女に出来ないはずはない。
「ランスロット、トリスタン、モルドレッド。エリア11配属のラウンズ勢揃いか。
それとヴィンセント、グロースターが二機……」
 海上に深紅の光が輝く。海上を揺るがし、煙の中から出てくる新しき紅蓮の姿。上昇す
るそれに潜水艦より発射されたミサイル。黒い外装が空中でばらけ、赤い腕が姿を見せる。
 新しき紅蓮の右腕。それはかつて紅蓮が装備していた輻射波動のそれよりもさらに強く、
凶悪に見える。特に獣のようだったがかぎ爪は大きく太くなっており、伝説や神話に出て
くる竜のものを連想させる。
495創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:45:20 ID:RvHLvGrg
支援!
496RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:46:25 ID:kLgFsN86
「紅蓮可翔式――」
 見事に空中換装を終え、新しく生まれ変わった紅蓮を見届けると、ライは腰部より銃を
引き抜く。
 コクピットの中、左にある緑のスイッチを押す。すると銃の砲身が伸び、狙撃形態へと
変化する。
 青の銃口より放たれる三つの弾丸。さすがに射程ギリギリなためかラウンズはあっさり
かわす。
 ライはさらに機体を破壊され、コクピットブロックだけとなり離脱する藤堂を追いかけ
ようとしたヴィンセントらにも同じように銃撃をお見舞いする。
 隊長機たるヴィンセントは回避するが、二機のグロースターの右足と左腕を青の光弾が
打ち抜く。
『……!? それは!』
 驚愕したギルフォードの声がヴィンセントから聞こえる。彼と同様に驚いているであろ
う他の者達の前にライは機体を見せつけるように――いや、実際見せつけるために出す。
『おいおい! 何の冗談だよそりゃあ!』
 トリスタンより響く困惑と怒りが入り交じったジノの声。
『その機体……』
 少し驚いた様子のアーニャ。そして隣のランスロットからは二人とは対照的に敵意が篭
もった冷めた声がライに向けて放たれる。
『……ランスロット』
「――その通り」
 マイクをオープンにしてライは肯定の声を出す。
 そう、今ライが乗っている機体はスザクが言ったとおりランスロットにそっくりだった。
 ただ違うのは背部に装着しているのがフロートユニットではなくラクシャータが開発し
た飛翔滑走翼であることと、白と蒼に染め上げられた機体色、各所の細部だ。
「ランスロット・クレッセント。それがこの機体の名前だよ」
『この声……』
『やっぱり、生きてたんだ』
「久しぶりだね、ナイトオブラウンズの諸君。相変わらずの強さで、ずいぶんと僕の仲間
をいじめてくれたみたいだね」
『ライ・ランペルージ……!』
 憎々しげなスザクの声が聞こえる。ライはラウンズのみを見据え、MVSを引き抜くと
右手に持ち、構える。
『ライ・ランペルージ!? ……聞いたことがある。EU戦線においてラウンズに匹敵す
る活躍をみせたと言われている騎士か!
 ブリタニアより突然失踪したと聞いていたが……何故黒の騎士団に!?』
「僕をご存じとは光栄ですねギルフォード卿。――でも、よそ見をしていると危ないですよ?」
『何!?』
 言われて初めて気がついたのだろう。ライのはるか下にいる新しい紅蓮に。
 すぐさまギルフォードの部隊は紅蓮に銃口を向ける。ライはあえて紅蓮に当たるよう機
体を動かし、距離を置く。
 ライがいた場所を通って放たれた銃弾。しかし紅蓮の新しい右手が作る熱壁が機体に届か
せない。
497創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:46:33 ID:kOOc+a5p
支援
498創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:46:35 ID:RvHLvGrg
支援
499RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:48:05 ID:kLgFsN86
『空とシールドを手にしたか。しかし!』
 銃口を下ろし、MVSを構えるヴィンセント。遠距離が駄目ならば近接戦闘で勝負とい
う考えなのだろうが、
『浅はかだな。紅蓮が一年前と同じだと思っているのか』
 ヴィンセントと紅蓮から大きく離れた空域でライは呟く。
 直後、掲げられていた紅蓮の右腕より目映い朱の閃光。先程ランスロットが放った赤紫
の大砲に勝らぬとも劣らぬ巨大な砲撃がヴィンセントとグロースター二機を包み込み、爆
散させる。
――輻射波動砲弾
 紅蓮可翔式に搭載された新機能の一つだ。紅蓮二式とライの専用月下固有の機能で、近
接戦闘しか使えなかったはずの輻射波動を遠距離に届かせることをラクシャータはこの一
年で可能としていた。
 ライはヴィンセントのコクピットブロックが戦場から離脱していくのを見ながら、紅蓮
と合流する。
「さすがはゼロの右腕足る機体だ」
『貴方のそのナイトメアはゼロの左腕にたりえる左腕なのかしら』
 幾分か複雑な表情でカレンは言う。まぁランスロットともっとも交戦経験が多い彼女だ。
無理もないだろう。
「それは今から証明するよ」
『おい、ライ。その機体はどういう事だよ』
 剣呑な声音のジノに、ライは軽い口調で返す。
「どうもこうも、さっきも言っただろう? ――さて、さっそくだけどそこをどいて貰お
うかな」
『どうして?』
「決まってる、ナナリー総督を貰い受けるためさ」
『そんなことを、僕たちが許すと思っているのか。ブリタニアへ刃を向けた反逆者、ライ・
ランペルージ』
 左腕にMVSを握った白騎士が焼けるような殺気を放ち、前に出る。それに続くように
トリスタンとモルドレッドも己が獲物をこちらへ向けてくる。
『悪いけどスザクと答えは同じかな』
『総督を奪おうというのなら、墜とすだけ』
 二人の言葉を聞き、僅かだが心に痛みを覚える。だがすぐにそれを消しライは眼前の敵
を、その奥にあるゆっくりと海上へ向けて墜ちている大型アヴァロン艦を睨む。
「そうか。じゃあ、仕方ないな!」
 ライは叫ぶと同時、蒼白の機体を一気に加速させる。それを迎え撃とうとトリスタンが
フォートレスモードへ変形。神速の勢いで迫りスラッシュハーケンを放ってくる。
 しかしライは目に映らぬ速さで操縦桿を動かし回避する。しかしその先にはシュタルク
ハドロンを構えたモルドレッド。
 だが予測通りの光景にライは微塵も慌てず機体を操作。向かってくる四つの赤紫の光に
対し、クレッセントは身をかがめて回避すると同時、手に持った銃――ヴァリスを撃つ。
 砲撃姿勢のままだったモルドレッドの左足にそれは直撃する。
『アーニャっ!』
 ライの背後より聞こえるジノの叫び。こちらへ向かってこようとしたが、その前に立ち
はだかるカレンの紅蓮可翔式。
500創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:48:31 ID:RvHLvGrg
支援!
501RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/29(月) 23:50:01 ID:kLgFsN86
『先程の借りを今ここで返すわ! ナイトオブスリー!』
『ちぃっ!』
 背後から響く激闘、爆発音を聞きながらよろけたモルドレッドへクレッセントは飛翔する。
『……っ!』
 すぐさま体勢を立て直すモルドレッド。全身からミサイルを放ってくるが機敏な動きで
それらを防いでは回避する。
 さらにスザクのランスロットからも赤紫の砲撃を発射してくる。しかしモルドレッドと
の距離が近付くとアーニャを気遣ってか、砲撃をやめてしまう。
――ヴァリスに切り替えるつもりか? だとしてももう遅い!
『無駄……!』
どこか焦ったようなアーニャの声が聞こえ、クレッセントの振り下ろしたMVSをモル
ドレッドの周囲に展開したブレイズ・ルミナスが受け止める。
「そう来るか。なら――」
 ライはコクピット左の赤いスイッチを押す。するとブレイズ・ルミナスに阻まれていた
MVSの刀身の中央部より緑色の輝きが発生。刃を形作る。
『――!?』
「ブレイズ・ルミナス・ソードって言うんだよ!」
 ブレイズ・ルミナスは強力な力場を発生させてありとあらゆる攻撃を防ぐシールドシス
テム。打ち破るのが容易でないそれだが、同質のエネルギーをぶつければどうなるか――
その考えの元、ラクシャータが作ったのがこれである。
 シミュレート通りモルドレッドの生んだ障壁を突き進む緑の刃。だが途中で障壁の色が
強くなり、刃が停止する。
「ありがとうアーニャ。そう来ると思っていたよ」
 右のMVSより手を離し、モルドレッドの背後に回り込む。全面にパワーを集中したた
めだろう、障壁の色が弱まっている。
 手に持つ緑の輝きを帯びたMVSを突き立てる。直後、障壁は濃さを増すが刃の進みは
止まらない。
 そしてついに貫通した刃はモルドレッドの右頭部を貫通する。小さな爆発の花が頭部に
咲く。
 さらに追撃しようとしたがが、突如鳴り響くアラーム音に機体を動かす。直後、ライの
側を通過する赤紫の光状。
「スザク、君かっ!」
 モルドレッドに背を向けて機体を加速させる。ヴァリスを連射し、猪のような勢いラン
スロットへ迫った。



 フォートレスモードのトリスタンから矢の如く発射されたハーケン。しかし深紅のナイ
トメアは易々と回避しては右碗部より灼熱の砲弾を放ってくる。
「……!」
 変形と同時に朱の砲弾を回避して、斧槍を構えたトリスタンは敵機に突っ込む。両手に
持つ合体していない斧型MVSをあらゆる角度から叩き込む。
 しかし敵機も大型アヴァロン艦の甲板上で戦ったときとは段違いの動きを見せてそれら
を回避し、防ぎ、反撃を放ってくる。
502創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 23:50:31 ID:RvHLvGrg
支援
503RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:00:32 ID:u0JS7Bhf
 確実に急所を狙ってくる猛撃。直撃こそ無いがトリスタンの機体には確実に激闘の跡を
残している。
――強いっ!
 深紅のナイトメアを見ながら、ジノは内心で素直に敵機を賞賛していた。
スザクから聞いていた黒の騎士団のエース機、紅蓮二式というナイトメア。甲板上で戦
ったときは確かに強いのだが、スザクが言うほどのものには感じず、いささかがっかり
していたのだが――
――同じ条件だとこうも拮抗するとは!
 目の前の機体も、そしてパイロットも、間違いなくジノ達ラウンズクラスだ。エリア1
1駐屯軍では紅の悪魔やら炎の鬼やら渾名されているらしいが、その異名に相応しい強さ
と言える。
「けどな! 悪いが今は構っている暇はないんだよ!」
 モニターの遠くにモルドレッドへ迫る蒼白のランスロット――元同僚であり今は敵のラ
イ・ランペルージが乗るナイトメアがある。
 モルドレッドの放つ十数ものミサイルをスザクばりの、いやそれ以上に見える動きで
次々とかわしては防ぎ、迫っている。スザクもハドロンブラスターで迎撃しようとしてい
るが、ミサイル同様かわされるばかりだ。
 振り下ろした斧と敵機のナイフがぶつかり合う。光の欠片を発しつつぶつかり合ってい
た二つの武器。しばし拮抗していたそれは、僅かではあるがナイフが斧を押す。
「ちっ!」
 舌打ちして、ぶつかり合わせていた斧を引く。敵機が前のめりになると同時にジノは
機体を動かし、左の斧を敵の右脇腹めがけて一閃する。
 直撃すると思った一撃だったが、敵機は広げた禍々しい右手で受け止める。それを見て
ジノは反射的にレバーを引く。
 直後、光が瞬いた。スザク専属の部隊“キャメロット”が以前提示した資料にあった輻
射波動というやつだ。先程ギルフォードを倒したのも距離の違いこそあれど、同じ
ものだろう
「あぶねー。まともに食らっていれば一発でおだぶつだった……」
 息をつくジノ。その時大きなアラーム音が鳴り響き、思わず視線を向ける。
すると視界に映ったのは鉄壁のブレイズ・ルミナスに包まれているにもかかわらず頭部
を半壊したモルドレッドと、その背後で緑色に輝くMVSを突き入れる姿勢のランスロッ
ト・クレッセント。
「アーニャッ!」
『無視しないでもらえるかしら!』
 叫びと同時、トリスタンのモニターに赤光を放っている右手を掲げた赤鬼の姿がある。
アーニャに気を取られていたためか、至近と言える距離だ。
「っ!」
 すぐさま機体を動かし、ほんの紙一重で輝く右手をかわす。だが敵機は即座に強引な動
きを見せる。機体を左から右に回転させ、右手をトリスタンの顔面めがけて放ってくる。
 さすがのジノもこれは回避しきれない。ものの見事に食らい、突起物でトリスタンの頭
部に幾つかの深い傷が入る。
「うおっ!」
 左右に一度だけの揺れだったが、久しぶりに感じた衝撃に思わずジノは声を漏らす。追
撃が来るが、全力で回避し、距離を置く。
「くっ、アーニャはどうなった……!?」
504創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:00:58 ID:Vh+MBmzF
支援
505RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:03:02 ID:u0JS7Bhf
 ジノはレーダーに視線を向けると、いつの間にかライはスザクと戦っている。そしてモ
ルドレッドは――
『っ!!』
 トリスタンへ向かってきた紅蓮の眼前を深紅の複合砲撃が通り過ぎる。誰の仕業かは問
うまでもない。
『ジノ、スザクが押されてる』
 いつも通りのアーニャの声を聞き、ジノは小さく安堵の息をつくと、
「よし、スザクの援護に向かうか!」
 言うと同時、ジノはトリスタンをフォートレスモードへ変形させ。紅蓮に突っ込む。
 いきなりの突撃に挙動が乱れる紅蓮。反射的な動きで右手を出し出すが目の前で急旋回
したトリスタンには触れられない。
『えっ!?』
驚きの声が響き、そしてすぐにトリスタンを追うとする。しかしモルドレッドが放った
ミサイルを防ぐため足が止まる。
 それを見てジノはトリスタンのスピードを最大にした。



 次々と放たれる光弾にスザクのランスロットは回避と防御しか選択できない。しかもそ
の動きは以前の元の比べて妙に鈍い。
「そんな重たいものをつけて、ずいぶんと鈍くなったなスザク!」
『くっ!』
 MVSの刃を合わせる二機のランスロット。一瞬の鍔迫り合いからすぐに蒼白のランス
ロットは身を翻し蹴りを放つ。白のランスロットはかろうじて右腕で受け止める。
「ここで君を墜とせばもはや障害はなくなる! 覚悟してもらうぞ!」
『そうはさせないっ!』
 すぐさま反撃をしてくるスザクだが、その動きはライの予測通り遅かった。斬撃をあっ
さり回避するとがら空きになった腹部へ思い切り蹴りを放つ。
『ぐっ!』
 苦悶の声を聞かせつつもランスロットの動きは衰えない。MVSで様々な角度からの剣
戟を放ってくる。しかしライは予測通りのそれらを回避し、次々と白騎士の体へ打撃、剣
戟の痕を刻む。
『このおっ!』
 渾身の一撃であろう鋭い突き。しかし背中の余計なもののせいだろう。以前に比べて遅
い。クレッセントは回避と同時、右側に回り込み、砲塔ごとヴァリスを切り落とす。
『!』
「言っただろう? 鈍いって!」
 胸部――背部のコクピットごと貫こうとMVSを突き出そうとしたその時、鋭い殺気が
脳を貫く。同時、突如聞こえるアラーム音。反射的に機体を動かし、その場から離れる。
「アーニャっ!?」
 視線を向ければモルドレッドの各部より無数の光弾が放たれている。十を超えるその数
はカメラを片方やられているにもかかわらず実に正確だ。エネルギーが少ない今、ライは
否応なく回避を余儀なくされる。
『ライ、そのナイトメアといい、少し調子に乗りすぎじゃないか!!』
 つい先程まで紅蓮と激突していたトリスタンの姿がここにあることにライは驚く。だが
突然青の戦闘機は大きく左へ曲がる。
506RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:04:07 ID:u0JS7Bhf
 ジノが絶好の攻撃チャンスをみすみす見逃したわけは直後に通り過ぎた朱の砲撃が答え
だった。
『ごめんライ。食い止めておけると思ったんだけど』
「いや、いいよ。それよりもカレン、ありがとう。助かったよ」
 合流する紅蓮。モニターの向こうで謝るカレンにライは素直な気持ちで礼を言う。可翔
式にパワーアップしたとはいえ、紅蓮本体の細かい微調整は行っていない。つまりはフル
出力が出せない状態と言えるのだ。
 そんな状態でジノと互角に渡り合ったのだ。怒る理由はない。
『流石はラウンズね。手強いわ。でも……』
「ああ、これ以上彼らだけに時間を費やすわけにはいかない」
 背後に見える大型アヴァロン艦は、さらに高度を落としている。もはや墜落するのは時
間の問題だ。
 ナナリーを手に入れることは今回の作戦の目的であるが、それ以上にゼロ、ルルーシュ
の救出は最優先だ。艦内にいるはずのゼロからの総督確保の連絡は未だにない。
――どうしたんだ、ルルーシュ……!
 友の無事を祈りながら眼前の敵機を見据えていると、ランスロットは背を向けて、大型
アヴァロン艦の方へ飛んでいってしまう。
「まずい! カレン、アヴァロンへ! ここは僕が食い止める!」
『え!?』
「話している時間はない! 急げっ!!」
 戸惑いの声を上げる彼女へそう怒鳴りつけ、ライはクレッセントをトリスタン、モルド
レッド両機の元へ飛翔させる。
 一方の敵機は最初と同じようにトリスタンが突っ込んでくる。しかし今度はナイトメア
形態でだ。
『スザクの邪魔はさせないぜ』
 振り下ろされる赤い刃をクレッセントの剣が受け止める。一瞬の均衡の後、押し返され
る剣。
その横を通過した紅蓮はランスロットを追うとするが、モルドレッドが許さない。
「くっ! どけ、ジノ! アーニャ!」
 刃を引き、すぐさま別方向から突進する蒼白の騎士。しかしさすがトリスタン――ジノ・
ヴァインベルグだけあってか、ライの予測がこもった攻撃を完全ではないにしろ防ぎ、か
わし、また逆にこちらの予想を裏切る反撃で機体へ鋭い傷を付ける。
――このままでは……!
 相手の隙を誘発するべく、ライはわざと隙のあるおおざっぱな攻撃を放つ。予測通りト
リスタンは大上段の斬撃を易々とかわし、
――よし、ここで反撃が
 来る、と思ったライだが、どういう訳かトリスタンはさらに後退するだけだ。代わりに
後方に控えていたモルドレッドより多数のミサイルが発射される。
「!?」
 先程まで紅蓮の相手をしていたはずのモルドレッドの攻撃に、ライは咄嗟に反応が遅れ
る。幾つかは回避するが、かわしきれない弾頭は両腕のブレイズ・ルミナスでようやく防ぐ。
「カレンは……」
507創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:04:54 ID:Vh+MBmzF
支援
508RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:05:24 ID:u0JS7Bhf
 シールドを張りつつモニターに視線を向けると、紅蓮は大型アヴァロン艦へ向かってい
る。どうやらモルドレッドの攻撃をしのいだのだろうが、
「何故後を追わないんだ……!?」
 疑問が口から零れたと同時、ライは気がつく。大型アヴァロン艦がすでに着水寸前であ
ることと、そしてそのアヴァロンから何かを抱えるような姿勢でランスロットが飛び出し
てきたのを。
 ジノ達もそれを知ったのか、身を翻しランスロットの後を追う。ライは追撃はせず紅蓮
の元へ機体を向かわせる。
「……カレン! ゼロは……!?」
『無事よ。でも……』
 紅蓮の掌の下で、ぐったりしているゼロ。見たところ気を失っているようだ。
「ナナリーは奪還できなかったのか……ということはやはりランスロットに。カレン、ゼロと一緒に潜水艦へ戻っておいてくれ」
『え!? あなたはどうするの』
「僕はランスロットを追う。ナナリーを抱えた状態なら余裕で追いつける!」
 機体を翻して、ライは三機が飛び去った方角へ向かう。
 ナナリーの安全を優先して速度を落としていたランスロットには、大して時間もかから
ず追いつき、トリスタン、モルドレッドの控えめな攻撃を回避して前に回り込む。
『ライ!』
「やはり、そこにいたのか。ナナリー……」
 白騎士の両手に見える人影――ナナリー・ヴィ・ブリタニアを確認して、ライは思わず
安堵のため息をつく
「さて、ナナリーを渡してもらおうか?」
『さっきも言ったはずだぜ』
『貴方にナナリー総督は渡さない』
 立ちはだかるシャルルの騎士。ライは小さく嘆息して、二人に言う。
「ならしょうがない。ジノ、アーニャ、君たち二人に連れてきてもらおうとしようか」
『何?』
「! ライ、君は――!」
 ライが何をするか気がついたのだろう、スザクが声を上げる。しかしライは一変の躊躇
いも見せず――心中でルルーシュに短く詫びて――絶対遵守の言葉を紡ぎ始める。
「ライ・ランペルージが命じる。ジノ・ヴァインベルグ、アーニャ・アールストレイム」
『させるかっ』
 ナナリーを抱えたまま攻撃しようとするスザク。しかしもう遅い。
「枢木スザクよりナナリー・ヴィ・ブリタニアを奪い、我が元に――」
――返してもらうぞスザク
「待ってください!」
 命令の声音が飛ぶ直前、突如海上に響き渡る可憐な少女の声。ライは一瞬唖然とし、し
かしすぐ正気に戻ると、声を出した少女にカメラを向ける。
『スザクさん、少しだけ彼と話をさせてください』
『!? ナナリー。それは』
『それと皆さんは口出しをしないでください。二人だけで話をしたいのです』
『ですか総督』
『お願いします』
 きっぱりというナナリーを見てトリスタンは視線をランスロットへ向ける。
509RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:06:29 ID:u0JS7Bhf
 白騎士はしばしの沈黙の後、両腕をライの方向へ突き出す。潮風に煽られ、柔らかな髪
をなびかせながらナナリーはその小さな口を開く。
『それに乗っているのは、ライさんなのですね?』
「ああ、そうだよナナリー」
『生きて……いたのですね』
 目元に浮かぶ涙をそっと拭うナナリー。それを見てライは戦場にも関わらず、頬を緩め
てしまう。
 ライがブリタニアを裏切った話は聞いているだろうに、それでもただ素直にライの無事
を喜んでくれている。別れたときと何も変わっていない、心優しい少女のままだ。
『でもライさん。無事でしたのならどうして戻ってこなかったんですか?
私は、あなたに伝えたいことがあったんです』
「伝えたいこと?」
『あなたに私の選任騎士になってもらいたかったんです』
「!」
 あまりに意外な言葉にライは言葉を失うが、すぐに胸の奥から溢れんばかりの歓喜がわ
き上がる。
「……ありがとうナナリー。身に余る光栄だよ。でもナナリー、僕は君の騎士になるつも
りはあるとしてもブリタニアの皇女である君の選任騎士になるつもりはない」
『ライさん……!?』
「ナナリー、キミは以前兄、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを探していると言っていたね。
彼も自分と同じエリア11にいたと」
『は、はい』
「ナナリー、もし僕と一緒に来ればお兄さんと会わせてあげるよ」
『!? お兄様を……お兄様がどこにいるのか、ご存じなのですか!?』
 車椅子より身を乗り出すナナリー。落ち着かせるためライは穏やかな口調で話を続ける。
「知っているとも。本人にもきちんと確かめた。キミのことも知っていた」
『お兄様……。無事でいらっしゃった……』
 拭った涙が再び溢れ、少女の頬を伝う。
『……ライ!』
 ランスロットより強い非難がこもった声が出る。しかしライはあえて無視する。
「どうするんだい、ナナリー?」
『ライさん、お兄様がどこにいるのかは』
「君が一緒に来ないことには教えられないよ」
 ナナリーの表情が強い迷いに染まるのが見えた。それを見てライは勝ち誇った笑みを浮
かべる。
――決まりだな
 ナナリーはこちらに来る。この世でたった一人で、何よりも大切な兄と再び会えるのだ。
 目の前に自分が望んでいる幸せがある。それを望まないほどナナリーは無欲ではない。
「ナナリー、スザク達のことは気にしなくても――」
 スザク達のことを考えているためか返答が遅い少女へ、ライは安心させるべく声をかけ
たときだ。
『ライさん。ナイトメアのコンピューターロックを外してください』
「? ナナリーどういう事だい?」
 少女の言葉の意味側から問い返すが、返答はない。止む得ずロックを外しそれを伝える
と、モニターに何かも番号が表示される。
510創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:08:15 ID:Vh+MBmzF
支援
511RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:08:53 ID:u0JS7Bhf
「なんだこの番号は……」
『スザクさんの携帯の連絡先です。……ライさん。ごめんなさい。私はいけません』
「な!?」
 完全な予想外の言葉にライは思わず狭いコクピット内で身を乗り出してしまう。
『私はエリア11でやらなければいけないことがあるんです。ですからあなたと一緒には
行けません』
「やらなければいけないこと……!?」
『ごめんなさい。ですからそこを通していただけますか?』
「……!!」
 心底申し訳なさそうな、しかし強い決意を秘めた表情を見せるナナリーに、ライはかつ
てないほどに困惑する。してしまう。
――やらなければいけないこと? それは何なんだ? 君がエリア11に来たのはルルー
シュを探すためじゃないのか? いや、それ以外に何かあったとしてもそれはルルーシュ
より優先するべき事なのか?
『ライ、ナナリーの言うことが聞こえなかったのかい?』
「く……!」
『どかないというのなら、力づくでもどいて貰うよ』
 スザクの言葉に反応するトリスタンとモルドレッド。だが自身の思考に捕らわれている
ライはそれが目に入らない。
――こうなったらギアスを使ってでもナナリーを……! いや、それは駄目だ。ナナリー
の意志をねじ曲げることは出来ない。もしそんなことをしてしまえば僕はシャルルと同じ
になってしまう。ルルーシュへ顔向けが出来ない。
 だがこのまま見逃すのは……!
『仕方がないね。――ジノ、アーニャ』
「っ!?」
 突如甲高く鳴り響くアラーム音。モニターを見れば至近の距離までトリスタンが迫って
きている。
「くっ!」
 咄嗟に機体を操作するが、致命的なまでに遅かった。青き死神の一撃は回避し損ねたク
レッセントの機体の左腕を刈り取ってしまう。さらに姿勢を崩したクレッセントへ蹴りを
見舞うトリスタン。
「ぐうっ……!」
 全身を揺らされながらも必死に姿勢制御を取るとするが、その前にモルドレッドが複合
砲撃を放ち、それがクレッセントの脚部を薙ぐ。
「ぐわああっ!」
 トリスタンの蹴りより倍以上の強い揺れと衝撃に、ライの口から滅多に聞かない苦悶の
声が吹き出る。
 さらなる追撃を受けまいと全力で回避と姿勢制御をとるライ。だが追撃は来ず、ラウン
ズ三機はクレッセントより背を向けて飛び去っていってしまう。
「……ま、待て。待つんだ、ナナリー!」
 マイクを全開にしてライは叫ぶ。後を追おうとするが予想以上のダメージを受けていた
のか、クレッセントは亀のようなのろのろとした速度でしか飛べなくなっている。
「ナナリー!!」
 小さくなっていく三機のナイトメア。それでもライは叫ぶ。何度も、声が枯れんばかり
に張り上げる。
 しかしそれに応えることはなく、ラウンズの機体はどんどん小さくなり、そしてとうと
うレーダーからも消えてしまう。
「ナナリィィィィィィィィッ!」
 誰もいない海上に、ライの絶叫が響き渡った。


つづく
512創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:09:43 ID:ikZbgrRK
支援!
513RC ◆0A6HOlRhmA :2008/12/30(火) 00:10:48 ID:u0JS7Bhf
十三話終了です。
しかし気がつけばこの一月で四話も投下しています。最近どうもいい感じでキーボードが叩けており、まれに見る絶好調です。このペースが維持できるようにしたいです。
さて、今回初めてライの新KMFがでてきましたが、それに関しては下記に詳しい設定が乗っています。
それではこの辺で。皆様よいお年を。そして来年もよろしくお願いします。


ランスロット・クレッセント

ランスロット(ランスロット・エアキャヴァルリー)のデータを元にして作り上げられた
ライ専用機体。
外見上はランスロットとほぼ同じで、カラーリングは白と蒼。
ベースのエアキャヴァルリーに比べ、コクピットブロックと内部コンピューター(ドルイ
ドシステムを一部流用している)を強化されている。また装甲を薄く削っているため機動
力も向上している。
反面防御力、パワーは低下しており第七、八世代の中では下の部類。
武装はベースとなった機体とほぼ変わらず。輻射波動機構も搭載されていない。ヴァリス
はロストカラーズのクラブが使っていたライフルと同じ。
特殊武装は13話でも出てきたブレイズ・ルミナス・ソード。そして現時点で未完成なシ
ステムが一つある。


ブリタニア脱走前は騎士団固有のナイトメアの発展系を作ってもらおうと考えていたライ
だったが、真相を知るまでスザクのルルーシュに対する態度に怒り狂っており、またスザ
クにランスロットの名を冠する機体は相応しくないと思い、自らの手でスザクのランスロ
ットを破壊するためにラクシャータに無理に頼み込んで作らせた。
514創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:21:05 ID:bhbl24i6
>>513
GJ!凄い苦笑いもしくは不機嫌そうに煙管を吹かしてるラクシャータさんが目に浮かびます。
フォローが大変だ……

ライは総督就任の放送を見て何を思うのか?
どん底のルルーシュへの対応、残存メンバーとの脱出案の作成もあるし……
今度こそ胃潰瘍で吐血しそうで怖いな。
515創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:24:02 ID:ikZbgrRK
>>513
RC卿、GJでした!
ナナリーやラウンズ、ブリタニア側の描写に騎士団の描写。
どちらもが読みやすく、また、戦闘描写もワクワクです。
続々と発生する犠牲者、オリジナルKMFであるランスロット・クレッセントが更に気分を高揚させました!
ルルーシュ、ライ、それぞれの思考、叫ぶライ。
ルルーシュもライも絶望のどん底へと落ちてゆくかんじでしょうかね。
あぁ、続きが気になります!
貴公の次の投下も全力を挙げて待たせていただきます!
516創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:27:50 ID:WE3/coqi
乙です
ランスロット・クレッセントの設定ですが513を何らかの形で保管したほうがいいのかな?
517創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:29:04 ID:Vh+MBmzF
乙!あんまり器用じゃないライもいいもんです。
裏切りの騎士がふさわしくないってのはよく解りませんでした。
あと、もう少しジノとアーニャの心理描写が欲しかったかも。最後の方、ただのスザクの言いなりのように思えます。
上記以外、キャラ同士の会話等はしっくりきて、面白かったです。
それでは、よいお年を!
518全力感想人Y ◆7RZOliBygM :2008/12/30(火) 02:02:13 ID:6fJDjypL
画像掲示板投下報告です。

0021−0738 「それ以外でもそれ以上でもそれ以下でもない」より「Justaway」です。

自分のSSの挿絵として書きました。

他の方と雰囲気が全然違いますが……全力で見逃せ!

>>4の画像掲示板よりご覧いただければ幸いです。
5191/2:2008/12/30(火) 16:10:30 ID:zb5GoqM7
400kbも超えてそろそろ次スレも見えてきたのでテンプレ修正してみました。
支援要請についての項目を創発バージョンで復活して2レス目を差し替え
トーマスさんの投稿試験結果などを4レス目に
規制の種類など他に加えること等ありましたら補完頼みます。

テンプレ2レス目
・・・・・・・・・・・・・・・・・


■全般
・支援はあくまで規制を回避するシステムなので必要以上の支援は控えましょう
 (連投などに伴う規制について参考>>4-あたり)
・次スレ建設について
 950レスもしくは460kB近くなったらスレを立てるか訊くこと。立てる人は宣言してから
 重複などを防ぐために、次スレ建設宣言から建設完了まで投稿(SS・レス共に)は控えてください。
  ※SS投稿中に差し掛かった場合は別です。例 940から投稿を始めて950になっても終わらない場合など
・誤字修正依頼など
 保管庫への要望、誤字脱字等の修正依頼は次のアドレス([email protected])に
  ※修正依頼の際には、作品のマスターコード
   (マスターコード:その作品の投稿が始まる、スレ番号-レス番号。保管庫の最優先識別コード)
   を必ず記述して下さい
   例:0003-0342 のタイトルを○○に カップリングを○○に
     (↑この部分が必須!)
   マスターコードを記述されず○スレ目の○番目の……などという指定だと処理ができなくなる場合があります

■SSを投下される方へ
1.投下前後に開始・終了の旨を書いたレスを入れて下さい(または「何レス目/総レス」を名前欄に)
2.前書き・後書き含めて10レス以上の連投になると同一IDからの投稿が規制されます。(←「さる」状態)
  間に他IDからの「支援」が入ることで規制は回避できますので、規制にかかりそうな長文投稿の際は
  投下前に支援を要請して下さい。逆に、必要ない場合は支援の要らない旨を書いてください。
  前レス投稿から30秒ほどで次レスを投稿することができます。(投稿に関する規制については >>4- あたり参考)
3.投下前は、他作品への割り込みを防ぐ為に必ずリロード。尚、直前の投下完了宣言から15分程度の時間を置いてください
4.投下許可を求めないこと。みんな読みたいに決まってます!
5.なるべくタイトル・カップリング・分類の表記をして下さい。(特にタイトルはある意味、後述の作者名よりも重要です)
  ・読む人を選ぶような内容(オリキャラ・残酷描写など)の場合、始めに注意を入れて下さい。
6.作者名(固定ハンドルとトリップ)について
  ・投下時(予告・完了宣言含む)にだけ付けること。その際、第三者の成りすましを防ぐためトリップもあるとベスト。
   (トリップのつけ方:名前欄に「#(好きな文字列)」#は半角で)
  ・トリップがあってもコテハンがないと領地が作れず、??????自治区に格納されます

前書きの中に、以下のテンプレを含むことが推奨されます。(強制ではありません)
【メインタイトル】
【サブタイトル】
【CP・または主な人物】
【ジャンル】
【警告】

【背景色】
【基本フォント色】


・・・・・・・・・・・・・・・・・
5202/2:2008/12/30(火) 16:12:00 ID:zb5GoqM7
テンプレ4レス目
・・・・・・・・・・・・・・・・・


■創作発表板での投稿規制について 参考(暫定)

1レスで投稿可能な容量
 ・X:1行の最大 / 255byte
 ・Y:最大行数 / 60(改行×59)
 ・Byte :最大容量 / 4095Byte
  但し、改行に6Byte使うので注意。例えば60行の文なら59回改行するので
  6Byte×59=354Byte これだけの容量を改行のみで消費する

さるさん( 過剰数の投稿に対する規制 )
 ・1時間に投稿できる数は10レスまで。それを超えると規制対象に
 ・毎時00分ごとにリセット。00分をはさめば最長20レスの連投が可能?

連投規制( 連続の投稿に対する規制。短い間隔で連続の投稿ができない )
 ・30秒以上の間隔をあければ投稿可

おしりくさい虫( 携帯のみ?同一内容の投稿に対するマルチポスト規制 )
 ・「支援」などの同じ言葉を繰り返し投稿することでも受ける規制。
  違う内容を投稿すれば解除される。スペースを挟むだけでも効果あり? 


・・・・・・・・・・・・・・・・・
いじょ
521全力:2008/12/30(火) 17:32:56 ID:ikZbgrRK
今気づいたが、>>4じゃなくて>>3だったorz
522はんたま。:2008/12/30(火) 22:29:23 ID:fDrq+v4A
テンプレ修正乙です。

空いているようなので、投下します。
はじめまして。はんたまと申します。
今まで名無しでしたが、思い切ってコテハンを名乗ります。

一日フライングですが、大晦日SS。1レスのみです。

・ライナナ
・一期の時間軸でギアス編
・まったりです
523Happy New Year 1/1:2008/12/30(火) 22:30:35 ID:fDrq+v4A
   □□ Happy New Year □□

 秒針が進む音が静かな部屋に響く。特別に夜更かしを許された彼女と僕は灯りを絞って暗くした部屋で
その瞬間を息を潜めて待っていた。
 窓から入る防犯灯がすぐそばにあるナナリーのまだ幼さの残るまるい頬を照らしている。柔らかそうな
それに触れてみたいと思う心を抑えるのに随分苦労した。

 本当は触れても構わないのだろう。僕は彼女の恋人なのだから。でもここで二人きりでいることを渋々
許可した彼女の兄に厳命されている。
「いいか、ナナリーにそれ以上近づくな! もし、俺が居ない時に不埒な真似をしてみろ、この世の果て
までお前を追いかけて後悔させてやるぞ!」
 妹を愛し過ぎるあまり、些か格好のつかない台詞を吐きながら彼は会長に耳を引っ張られてパーティー
の準備に向かった。
 僕としては彼女と一緒ならば世界の果てまでの逃避行くらい何でもないと思うのだが、ナナリーは兄を
愛している。はっきりと確かめたことはないが、たぶん、世界で一番。僕は二番目だろう。
 それを悔しいとは思わない。ずっと雛鳥が寄り添うように生きてきた二人の間に割り込んだのは僕だ。

 いや、本当は少し――ほんの少しだけ、嫉妬してしまう。

 例えば、僕はナナリーの瞳の色を知らない。八年間閉ざされたままの瞼の向こうにある美しい色を見た
ことがない。ルルーシュが知り、僕が知らない彼女の姿はまだまだ他にもあるだろう。ランペルージ兄妹
には秘さなければならないことが多すぎる。
 ある日、夕暮れ時の黄金の光の中で見た二人はとても美しかった。僕は声をかけることさえできなかっ
た。でもそれは余りにも完全で、閉じた世界だ。二人だけ、お互いだけがあればいいと一片の異物も許さ
ない完璧な絵画の向こうを眺めているようでもあった。
 だから、彼女の世界に再び光を与えるのは僕の役目であって欲しい。

 時計の針がぴったりと揃い、かちりと音がする。
 続くように外から大きな音が聞こえた。生徒会のメンバーが屋上で花火を上げているのだ。澄んだ空気
を切り裂くように夜空に光の花が次々と舞い踊る。

 吐息が触れる距離でナナリーの小さな声が笑みを含んで空気を震わせた。
「新年おめでとうございます、ライさん」
「うん。おめでとう、ナナリー」
 額をこつんと合わせ、僕も笑みを浮かべる。
「今年もその先もずっと傍に居てくださいね」
「もちろん。約束するよ」
 お互いの小指を絡めて、厳かな誓いのように指切りをした。

 どうか、僕たちのこの願いが叶い続けますように。
524はんたま。:2008/12/30(火) 22:31:43 ID:fDrq+v4A
以上です。

今年は色々と楽しませていただきまして、ありがとうございました。
来年もこのスレが幸せでありますように。
525創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 22:46:01 ID:HZXu/N57
>>524
初投下、乙です。きれいな一編ですね。
ナナリーの頬、触れてしまえば良かったのに。でも、触れそうで触れない方が受け取るイメージは鮮やかなんだなあと。
微妙な距離感が、すこしせつなくて、染みました。
526創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 22:49:57 ID:ikZbgrRK
>>524
はんたま。卿、乙&GJでした!
短く、さっと読めるいいSSですね。
ルルーシュ、微妙にカッコ悪いw
兄妹の間柄に嫉妬するライ、そしてだからこそ思うささやかでありながら大きい願い。
二人の願い、叶い続くといいなぁ……
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
527創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 22:53:55 ID:FLrkco+5
>>524
 ナナリーの可愛らしさが溢れた文面、とくと堪能させていただきましたGJです。
 次回作、期待しています。
528創る名無しに見る名無し:2008/12/31(水) 17:01:38 ID:OIGt6SjL
管理人さんが出発されたようだ
529創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:01:50 ID:RDXsOTDu
静かだがあけおめです
530食卓@あけおめ:2009/01/01(木) 00:09:27 ID:tl7e2bln
お久しぶり&初めまして。
年明け記念ssです。
実質10分程度で書いたんでかなり稚拙です。

1レス
ほのぼの?
531ラーメン屋ライくん:2009/01/01(木) 00:10:59 ID:tl7e2bln
年の瀬の迫った神聖ブリタニア帝国の帝都ペンドラゴン。
ブリタニアに大晦日とか正月があるのか? などとつっこんではいけない。
年越しに向け、大いに湧き上がる中心部から大分外れた帝都郊外をアーニャは足早に歩いていた。
彼女の目的はペンドラゴンの外れにあり、古めかしいと言うよりもボロい外装をしながらもその実多くの
ブリタニア貴族が足しげく通い詰めるとある一件の店。その名は


○ラーメン屋ライくん○


「ラーメンに必要なものとは何だ?麺だ、麺さえあれば他は飾りでしかない」
「味覚(プライド)は無いんですか、ブラッドリー卿?ラーメンの命たるスープ無しに何を語ろうって言うんです?」
「甘いな、家柄だけのお坊ちゃんは。名前に「メン」とある以上麺がメインなのは決まっているだろう!」
「なら貴方はホットミルクやシャンパンに麺を入れてそれを食べられるんですか?」
「君こそ味噌や醤油のスープにうどんや蕎麦の麺を入れるのか?」
ラーメン屋ライくんの店内。10人入るのがやっとの店内の一角で、先程からこんな口論を続ける2人の男、ジノとルキアーノが居た。
足元とテーブルに空のビール瓶を大量に転がし、真っ赤な顔で無価値な口論をかれこれ3時間は続けていた。
「おまたせしました。パーシヴァルラーメンとトリスタン定食です」
そう言って店主のライは常連2人の前に追加注文を置いた。
「おっ、待ってました!」
「来たか、ではいただこう」
途端に2人は口論を止め食事に移る。食べ終えればまた始まるだろうがそれまでは静かになるなとライは思った。
2人が来るようになってから何度と無く繰り返されたこの光景。ライはもう慣れていた。

「これぞブリタニアラーメン、皇帝陛下自ら御忍びで足を運んだ三ツ星ラーメンか…ライ、おかわりを頼む」
「沢山食べてもらえるのは嬉しいですけどもうそれだけで6杯目ですよ、飽きないんですか?」
「優しさ無きおかわりなど、ただの追加注文。ならば、ここで閉店するがいい!」
ちなみに彼は帝国最強の騎士、ナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン。彼も大分酔っている。
「意味は分かりませんが、追加は承りました。程ほどにして下さいね、ヴァルトシュタイン卿」
そう言って7杯目のブリタニアラーメンを作り始めるライ。

「大体、出演時間20秒ちょっとってどうなのよ!?
 仮にも帝国最強の騎士の1人なのに、まだ17秒きっかりで退場した方がネタとしておいしかったわよ!」
「私なんか2回だけ少し出ただけだしな…喋ってないし。
 ロスカラで結構活躍したんだから本編に出してくれてもいいじゃないか!」
「私も出番少なかったから、ロスカラ2で攻略対象の一人で出してくれないかしら。
 アーニャが出るなら私も出してくれていいんじゃない?」
別のテーブルでは夕方から呑み続けている女性3人、ドロテア、ノネット、モニカはすっかり出来上がって愚痴モードになっていた。
さり気なく彼女達の近くに酒を箱ごと追加したライは、関わらないようにその場を離れた。

ビスマルクに7杯目を出し終えたところで店に新たな客、アーニャが来た。
「ライ、まだやってる?」
「いらっしゃい、アーニャ。今年も大晦日は年越し営業になりそうだよ」
「たいへん?」
「まぁね。でも悪くない忙しさだよ」
「じゃ、モルドレッ丼1つ」
「はいはい」
アーニャが席に着き、ライが水を出した時、年が明けた。
「アーニャ、明けましておめでとう。今年もよろしく」
「ライも、よろしく」

そうしてラーメン屋ライ君は例年通りに新しい年を迎えた。
532創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:12:54 ID:7LO9r0w8
あけおめ〜そして今年もロスカラスレが良スレでありますように
533食卓:2009/01/01(木) 00:13:56 ID:tl7e2bln
以上です。
新年一発目が公式のパクリで申し訳ないです。

いつ頃になるかは分かりませんが「教卓」シリーズをなるべく早く投下するのを
今年最初の目標に頑張ります。
534創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:21:29 ID:7LO9r0w8
>>531
各キャラそれぞれがいい味だしてるなぁと思いました
乙です
535創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:41:32 ID:i2CDe6zc
明けましておめでとうございました。
今年もよろしくお願いしますでした。

>>533
食卓の騎士卿、GJでした!
……和やかで賑やかなラーメン屋だ。
キャラの会話が楽しい、特に愚痴る三人w
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
536創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 01:13:06 ID:Wvi6wGXb
>>533
GJです、このラーメン屋は和む。こういうSSもいいなあ。

さて、1:20から1レス分の小ネタを投下します。
537余暇 ◆kkvclxzIds :2009/01/01(木) 01:20:23 ID:Wvi6wGXb
明けましておめでとうございます、食卓さんに続いて年賀SSを。
『虫食い同好会』番外編という形になります。

作者:余暇
タイトル:明けまして、虫!

(注意)
・カオスです。
・キャラが作者自身について、少しコメントします。

本文は1レス分です。
538余暇 ◆kkvclxzIds :2009/01/01(木) 01:26:11 ID:Wvi6wGXb
                     『明けまして、虫!』


「えー。『コードギアス反逆のルルーシュLOSTCOLORS SSスレ』の住人の皆様。明けましておめでとうございます」
紋付袴姿の卜部さんが、新年の口上を述べ始めた。うん、滑り出しは順調。
「今年は、『ムシ』年ということで……」
そこで、隣にいた僕とゼロは盛大にこけた。
「卜部さん!『ムシ』じゃなくて『ウシ』!一文字違うだけで、全然別物です!」
「いや。虫食い同好会としては、今年は虫年として、虫食い文化をさらに……」
「ええい!こんな所でボケなどいらん!新年の挨拶くらい、真面目にやらんか!」
「いや、俺はいたって大真面目だぞ」
「「だから新年の挨拶くらい、虫から離れろー!」」
僕とゼロのツッコミがハモッた。新年早々、この人は飛ばし過ぎだ。作者としても、こんなキャラになるのは予想外だったろうなあ。
「ところで、新年の抱負だが……」
「急に話を変えないで下さい」
いかん、頭が痛くなってきた。完全にペースを握られている。
「俺はやはり、虫食い同好会の会長として、虫文化をもっとメジャーなものにしたいな」
「まあ、卜部さんらしいと言えばらしいですけど」
「あと一回で最終回だぞ、どうやって広めると言うのだ。まあ、これ以上カオスを繰り広げなくて済むのは良いことだ」
そう。ゼロが言うとおり、『虫食いシリーズ』はあと一回と告知されている。作者もそのつもりのはずだ。
「ん?俺は特別編があると聞いたが?」
「「作者ー!!」」
再び、僕とゼロのツッコミがハモッた。また勝手なことを、他のシリーズも進めろよ。どれだけ卜部さんが好きなんだ。
「だが逆に考えれば、特別編だから一回かそこらで終わると言うことか。ゼロ、おそらく気にするようなほどではなさそうだ」
「う、うむ。そうなればいいのだが」
その時、卜部さんが僕を見て言った。
「隊長殿の抱負は何だ?是非聞かせてもらいたい」
「おお、そうだな。流れを正常にするためにも、聞かせて欲しい」
僕の新年の抱負か、僕は……。
「みんなが笑い合える優しい世界を創るために、より一層努力するよ。もちろん、みんなと一緒に。
記憶のない僕を受け入れてくれた、大切な人たちと一緒に歩いて行きたいから」
「隊長殿らしいな。やはりアンタはそうでなくては」
「うむ、これからもより一層、力を尽くして欲しい。期待しているぞ」
ああ、わかっている。これからも周囲の期待に応えて……。
「隊長殿個人としては、それでいいと思う。では、虫食い同好会副会長のライとしての抱負を聞かせて欲しい」
「えっ、それも言わないとダメ?」
「ダメ」
卜部さん、勘弁して下さいよ。別にみんなと楽しくやるのは好きだけど、虫食い文化とか、正直言うとまだ抵抗があるんですけど。
「え、えーと。会長をしっかり補佐して、世界が虫捕りを通じて仲良くできるように頑張ります」
「70点だ。ただ『捕る』だけではなく、『食う』んだ。副会長たる者、もっと意識を高く持たねば」
「す、すみません……」
食べることを強調されてしまった。新年早々、気が重い。
「では、私の抱負を……」
「おっと、もうすぐ新年会が始まってしまう。これ以上の時間はかけられないので、ゼロの新年の抱負は割愛させていただく」
「おい、こら!だったら私は、何のためにここに出てきたんだ!」
文句を言うゼロを傍目に見ながら、卜部さんが再び話し出した。
「というわけで、今年も虫食い同好会はさらなる高みを目指して努力するので、今後ともよろしくお願いします」
「本編一回プラス特別編しか出番ないですけどね、多分」
「私の話を聞けー!」
まあ僕たちはこんな風に、相変わらず賑やかにバカをやるので、見かけたら適当に見守ってくれ。
それでは最後に、新年明けましておめでとう!今年一年、みんなにとって良い一年でありますように。
539余暇 ◆kkvclxzIds :2009/01/01(木) 01:28:48 ID:Wvi6wGXb
以上で終了です。完全に二番煎じっぽい……。
自分としましては、シリーズ物を少しずつ進めながら、短編を中心に書いていきたいなと思います。
それでは今年一年も、よろしくお願いします。
540 【中吉】 【1703円】 :2009/01/01(木) 01:36:08 ID:i2CDe6zc
>>539
余暇卿、GJでした!
いきなりタイトルに吹いたw
そして暴走する卜部w
さらに抱負を割愛されるゼロwww
また、明かされる特別編の存在!
楽しみで仕方がありません!
貴公の次の投下を全力を挙げて待たせていただきます!
541 【吉】 【191円】 :2009/01/01(木) 01:55:23 ID:Wvi6wGXb
少し前の作品に感想を。規制に巻き込まれて投稿できなかったので。

>>513
GJです。またしてもその世界に引き込まれました。
ルルーシュ兄妹のために頑張るライと、クレッセントがカッコよかったです。
でも、最後にショックを受けていたので心配だ、立ち直れるだろうか。
次回をお待ちしています。

>>524
GJです、心温まる作品でした。
ルルーシュが相変わらずのシスコンwそしてナナリーとの距離感が良かったです。
次回の投下をお待ちしています。
542 【凶】 【312円】 :2009/01/01(木) 22:59:14 ID:lTfuYgLE
あけましておめでとうです

>>533
ラーメン食べたくなりました。
色々庶民のロマンをくすぐるメニューが充実してそうですね。
ドロテアさんはじめ、あの三人には愚痴る権利がある!

>>539
これまで、ここまで卜部を魅力的にクローズアップして見せた
ひとがいたでしょうかwゼロとライの苦労人振りにも拍車が。
続編諸々、楽しみにお待ちしています。
543創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 21:18:09 ID:m/8YvUT7
新年明けたのに投稿が少ないな……正月休みかしら?
544創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 21:41:30 ID:aTk1zwtn
正月ぐらいのんびりしたいと思っているのでは?
もっとも仕事の人もいますが・・・
545創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 21:46:29 ID:B3jEZxJn
ネット環境、PCのない実家に帰省しておりました…
546テリー:2009/01/03(土) 22:13:49 ID:Z6N8Lbx4
5分後に投下したいと思います!
新年おめでとうございます!これからも末長くこのスレと保管庫が
続きますことを。

6スレ位かな?
547テリー:2009/01/03(土) 22:20:57 ID:Z6N8Lbx4
「明日の為に」第二章

カップはれいによりまだナシです、ご勘弁を。
548テリー:2009/01/03(土) 22:23:40 ID:Z6N8Lbx4
「明日の為に」

第二章

同日、ナリタ国際空港

「はーーーーるばる来たぜ――」
バキッ!!
「ジノ、はしゃぎ過ぎ」
「ちょっとアーニャ、あんたいくらなんでも」
「ジノはこれ位やらないと言う事聞かない」
「でも・・・・・さあ・・・・」
「モニカだって解るでしょ?いつもの事」
とは言うもののアーニャさん、いくらなんでも持っているトランクで殴ることわ
ないでしょ。
ジノさん頭から血流してますよ・・・・・・。
「・・・・・・・それもそうか。」
「うん。ところで、これからどこに行く?」
「そうねぇ―――」
完全にジノを無視し2人は出口へと向かった。余談だが、ジノは本国ではさらに
酷い扱いだそうだ。
(俺のこの世界での立場って・・・・・・・)


所変わって政庁コーネリア執務室

「あと10日か・・・早いものだな。もうかれこれ8年・・・・・・か」
3人が退室し一人もの思いにふけるコーネリア。そこまで強い思い入れがあるのだろう。

コンコン

「コーネリア殿下はいらっしゃいますでしょうか?」
「ああいるぞ。入れ。」
「失礼します。」
549テリー:2009/01/03(土) 22:26:20 ID:Z6N8Lbx4
「おお、戻っていたのか。いつも御苦労だなカレン」
「いえ、日本を守るためですからどうと言うことはないですよ」
スザクと同じ特区日本防衛軍少佐、紅月カレン。騎士団エースとしての功績が
認められ今ではスザクと共に名だたる特区の大エースとして君臨している。
「確か九州からの帰還だったな。変わりはなかったか?」
「はい、異常はありあせんでした。平和そのものですよ」
「ん、安心だな。10日後に行われる式典は頼んだぞ」
「任せてください!特区の一大イベントですもの」
「そうd―-」

ガッシャーーーーーーン!!!

「な、なに!?」
「な、何事だ!?」
「元気にしてますかな殿下!!おお紅月も居たのか、変わりはないか?」
窓ガラスを盛大に割って入ってきたこの方は――――
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「どうした?黙りこんでしまって?」
「何で相変わらずこんな登場しか出来ないんですか!?エニアグラム卿!!!」
「まあまあいいではありませんか殿下!」
「良くありません!!」
「いつもいつも心臓に悪いんですよ!!びっくりして胸こぼれるかと思いましたよ!!」
「それだけのボリュームだ、簡単にはこぼれんだろう、たぶん」
いつも元気なノネットさん。特区に来る時は必ず皆をドッキリさせているのだ。
この犠牲になった人は数え切れないとか。本人曰く毎回違うリアクションが見れて
面白いから、だそうだ。
「そういう問題じゃありません!!」
「それはそうと近じか祭りがあるそうじゃないか、楽しみでなーー!」
「エニアグラム卿、お仕事は?ナイトオブナインなのでしょ?」
「ああ、同僚に押し付けてきた!!」
「・・・・・かわいそうに」
「固い話もここまでにしようじゃないか、そろそろ昼だ!昼食と行こうじゃないか
アーニャやモニカも誘ってるし、何より大勢だとうまいだろ?」
550テリー:2009/01/03(土) 22:29:45 ID:Z6N8Lbx4
「まったくこの人は・・・」



それから8日後の1月18日

式典が行われる横浜港。11:00晴天
「いい天気ですね、ミレイさん」
「そうね。風も心地いいしこんなにいい天気、ナナちゃんも目が見えるように
なったし、平和っていいわよねーーー」
「はい!今日は無理を言ってごめんなさい、お忙しいのに」
「良いのよ、ちょうど式典の為に休暇取れって言われたから」
学園卒業後、ミレイは“お天気お姉さん”、目の見えるようになったナナリー
は兄のルルーシュやユーフェミアを、何よりこの特区の事を手伝いたいと
政務官になった。


ボーーーーーーーーーーー!!!

「お、帰ってきたねぇ!!」
「6年ぶりでしたよね?」
「ええ、でも外見上少し問題があるんだけどねぇ」
「はい、でもかっこいいと思ってしまうのは変でしょうか?」
「ううん、変じゃないわ。私も同じだから」
日の丸の旗をなびかせて8隻の軍艦が入港してきた。その外見からただならぬ
威圧を放っている。8隻の中でもひときわ巨大な艦がいる。
「あの艦に・・・・」
「ええ・・・・さて、そろそろ行きますか?ナナリー
「はい!」

「はーーーーははははははははははははははは!!!」

突然空をハングライダーではしゃいでる大人?が一人。しかもこのくそ寒い(9℃)
のに夏のかっこうで・・・・・・。この人はいくつになっても子供のようです。
ブリタニア軍大佐、特区防衛軍客将ジェレミアは・・・・。

551テリー:2009/01/03(土) 22:32:41 ID:Z6N8Lbx4

「・・・・・・・・行きましょうミレイさん、全力で」
「・・・・・・・・そうね、全力で」
もう少しで始まる、特区最大の一大イベント


「特区防衛艦隊観艦式」


「はーーーーはははははははははははははははは・・・・は!!!?」
この後、橋に激突したジェレミアは数分海を漂い、4℃の海を全力で泳いで
港のはとばまで言ったとか・・・・・・。
552テリー:2009/01/03(土) 22:34:59 ID:Z6N8Lbx4
以上で終了です。改めて新年も皆様の素晴らしい作品を
自分もお待ちしています!
553創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 22:50:06 ID:AfwDMr+q
>>552
テリー卿、GJでした!
なんか色々言いたいことがあった気がしたけど、すべてぶっ飛んだw
いきなり出てきたノネットさん。
そして、一体何がしたかったのか、意味が不明なジェレミアwww
何やっとんねんw
……防衛艦隊設立、か。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
554創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 12:58:25 ID:KNl26bUZ
さっさと更新しろやクズ管理人が
555創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 13:12:29 ID:KNl26bUZ
おいクズきいてんのかよ
お前何回同じことやりゃ気が済むんだ?
自分の立場自覚しろや
556創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 13:41:13 ID:iIz0bijY
あのさ毎度毎度、更新遅いとか文句いってるけど、更新遅いと何かあるのか?
万人を納得させる理由がなきゃ、只の管理人叩きだよね?
明確で論理的で納得の行く理由を求めます。
557創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 13:53:42 ID:KNl26bUZ
すでに落とされてるSSがいつまでも保管されないってすっげえイラつきますがなにか?
精神的苦痛を負わせたとして損害賠償を起こされないだけでもありがたくおもわんと
558創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 14:00:48 ID:0kYiwfnA
2009年初のスルーの時間がやってまいりました
559創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 14:15:18 ID:v2YEhXd3
本年初のNGIDはKNl26bUZとなりました。
専ブラの皆さま、どうぞよしなに。
560創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 14:37:31 ID:eey0GZ8J
今年もスルー検定には落ちてしまったようだw

>>557
じゃあトーマス卿とは別に保管庫を試しに作ってみてそれを公開しろ。
そしてお前の言うスピードで更新し続けて見せろ。

あと「損害賠償」を起こすんじゃなくて、『損害賠償請求』な?w
561創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 17:56:33 ID:mPO+OWKT
アホの子に燃料与えてどうする
荒らしはスルーしる
562創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 20:50:52 ID:ArkNCXZw
保管庫
563創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 20:53:00 ID:ArkNCXZw
途中で送信してしもた
保管庫のトップでインフルエンザ警報とか言ってるけど何かあったんかいな?
564創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 21:25:34 ID:ArkNCXZw
インフルエンザになったライを誰がお見舞いにいくかで争うSSキボンヌという、トーマス卿の遠まわしなリクエストだと解釈した。
565創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 23:16:48 ID:whzPmZ5M
>>564
皆が押しかけて心身ボロボロになっているライに真のヒロインがそっとお見舞いにくる話なんですね?
566創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 23:41:09 ID:dB38SM70
花束をもったシャルルですね。わかります。
567創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 01:28:44 ID:P9WlXLM+
コードギアスの世界は季節感ないんだけど、冬場に雪が降ってる中での戦闘シーンって本編やドラマCDであったけ?
最近ロシア戦線のことを書かれてる職人さんが多いので、ふと、KMFとかアヴァロンは雪に弱いのではという疑問が浮かんだのですが。
まあ、冬場のウラル山脈でナリタみたいに輻射波動をぶっ放せば、雪崩でほとんどのKMFは潰せると思うのですが…。
568創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 08:17:28 ID:SQkY6g3N
>>566
お粥を作り、それをライに「あーん」と食べさせるシャルルが
脳内に浮かんだじゃないか。どうしてくれる?

569創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 10:47:18 ID:97aszRJL
オォォルハァァァイルブリタァァァァニあーん。

こういうことでしょうか?
570創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 12:16:48 ID:4v37uxKY
むしろ病魔避けに皇帝陛下の肖像画が飛ぶように売れるとか……
571創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 12:17:10 ID:xpmEU2kB
>>568
一口食べるごとにフルで聞かされるわけですねわかります
572創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 12:56:23 ID:oqdiu+fO
コーネリア殿下が『この脆弱者め!』と言いながら慣れない看病する姿が浮かんだ
573創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 17:37:28 ID:TvOUB5Kz
40分頃投下したいのですがよろしいですか?
574テリー:2009/01/05(月) 17:40:46 ID:TvOUB5Kz
時間になりましたので投下します。
「明日の為に 第三章 」

6スレ位でしょうか
ジャンル  ギャグ?かな
575テリー:2009/01/05(月) 17:43:18 ID:TvOUB5Kz
「明日の為に」

第三章

2018年1月20日 横浜港観艦式当日

10:30 本日の天気快晴 祭りには最高の天気となった今日。この日ここに
訪れた人は観光客も含め約5万を超え、出店も数は50を超えるそうだ。
「凄い人の数ですねお兄様」
「ああ、5万人は来ているそうだからな」
「どの人も笑顔、なんだか心が温かくなります」
「・・・・・・・・・」
やさしい笑顔でナナリーを見るルルーシュ。だがその瞳はそれだけを表してはいない。
かつてナナリーが安心してすごせる世界を作ろう、母マリアンヌの死の真相を求め
戦っていた過去、だが今となってはどうでも良くなっていた。ナナリーの目は光を
取り戻し、そしてきずかされたのだ・・・・・・ある人物に


ピピピピピピピピピピピピ
576テリー:2009/01/05(月) 17:46:16 ID:TvOUB5Kz


「あ、お兄様、無線が」
「私だ」
「コーネリアだ、式典を始めようじゃないか!!」
「は!!スザク!カレン!ジェレミア!我が同士達よ!始めよう!!!」
「「「「了解!!!!」」」」
大空に打ち上げられた花火と共に紅蓮、ランスロット、グロースター(ジェレミア専用)
に率いられ80ものKMF達が大空を舞った。
あるKMFは観客スレスレを飛び交い
あるKMFは日本独特の舞を披露し
それぞれが独特のパフォーマンスで人々を魅了したそれは例えるなら


“大空のファンタジー”


「皆さん!本日は特区一大イベントにご参加くださいましてありがとう
ございます!特区日本が立ち上がり8年、こんなにも大きくなれたのは
日本人ブリタニア人がお互いに手を取り合って前に進んだからです!!
その証拠が今日開くことのできた観艦式であり、皆様の笑顔なのです!
本日は心ゆくまでお楽しみください!!」
大きな拍手がユーフェミアを、この会場を包んだ。その姿を頼もしそうに
見ているコーネリアと尊敬のまなざしを送るナナリー。
「・・・・・・・」
「なーーーににこやかにしてるのよスザク」
「そう言うカレンだって笑顔じゃないか」
「ええ、まあね」
実はあの式典から数ヵ月後にユーフェミアとカレンは友達となっていた。
その間に何があったかは二人の秘密だそうだ。
「うおおおおおおおおご立派ですユーフェミア様!!!!!!」
「元気ねーージェレミアさん。10キロも泳いでるのに」
「風邪もひかなかったからね」


さて出店街では
577テリー:2009/01/05(月) 17:49:12 ID:TvOUB5Kz
「へい!!ラーメン3つお待ちどう!!」
「おーーーーうまそーーーー!!」
「いただきまーーーーす!!」
「記録」
パシャ
「お、また更新か?」
「うん、これおいしいから」
「それにしてもさーー、最近のアーニャのブログってグルメばっかよ?」
「うん自分を記録する必要、もうないもん」
「良い事じゃないか?それに表情も豊かになったからな」
その言葉にニッコリとする。アーニャのブログはここ最近グルメの話題が多い。
自分を記録する必要が無くなり替わりに何を書こうか迷っていた時皇帝シャルルが
“最近、美味い料理を味わっとらんなぁ。何か情報はないものか”
とか
“おいしい店の広告って無いのよねーー”
“なんか最近ありきたりなんだよなー、どっか変わったのないかなー?”
とか、と言うより今王宮では密かにグルメが流行だそうだ。その影響かアーニャが
ラウンズの仕事で全国を回るさいに色々調べているのが始まりだ。

しかし

その生活の中でダイエットが欠かせなくなってしまったけど。
「あーーーー食べた食べた!!よし、次行こう次!!」
「ちょっとジノ、まったくお祭りとなるとこう・・・きゃああああああああ
あれは有名なブランド品!!!?さっそくゲットしなきゃ!!!」
「モニカも祭り好き」


昼も過ぎた14:00
大きなファンファーレと共に港に停泊していた観艦艦隊が礼砲を打ち鳴らした。
本日のメインイベント、観艦式の始まりだった。40もの艦艇は一糸乱れぬ艦隊行動
をとる。



(では、ここで艦隊司令より演説をいただきます)
「人は争いあい、傷つけあう。それはもはや性となっている、否定できないことだ。
しかしそのたびに人は手を取り合い共に闇から抜けていった。絶望から立ち上がった!
その後には確かな光がある!争いは破壊しか生まない、だがそこには再生がある!
それには助け合いが必要だ、この特区も同じ。だから―――」
578テリー:2009/01/05(月) 17:52:28 ID:TvOUB5Kz



演説が止まり会場がざわめきだした。
「どうした?」
「故障かしら?」
「何だ何だ?もう終わりか?」
式典本部も騒がしかった。
「おい、通信士!!観艦旗艦通信士返事をしろ!!一体どうした!?」
「・・・・・・・・・・」
「不通ですね・・・・・」
「どうした、なぜ応答が無い?」
「は、それがまったく不明でして」
「どういうことだ?」
「それがm――」

ブィーーーーーーー!!!ブィーーーーーーーーー!!!

突然、けたたましい大音量の警報が鳴り響き、通信が届いた。
「(警報!!大阪方面より正体不明の機影あり!!数は300を超える模様!!
これより我が艦隊は防衛戦に展開する!!)」
「な、なに!?レーダー!接近にきずかなかったのか!?」
「・・・・・・・・・・・」
「おい、どうした!?応答しろ!!」
「・・・・・・・・・・・」
「ま、まさかやられたのか?」
「とにかく今は一般人の保護が最優先だ!第1,2KMF師団は安全な場所に避難させよ!!
残りのKMFは艦隊の援護にむかへ!!」
「了解!!!」



579テリー:2009/01/05(月) 17:55:14 ID:TvOUB5Kz
会場はパニック寸前だった。幾多の黒い影が現れ艦隊が向かっていったのだから。
(場内の皆様!!只今より係の者が安全な場所まで誘導致します!!どうか落ち着いて
指示に従ってください!!)
アナウンスと同時にかかるも5万を超える人の大移動には時間が掛かる。

ドゴオオオオン!!!

艦隊の砲撃やミサイル射撃を合図にKMFも弾幕をはる。だが数が多すぎる、何十機もの
戦闘機はその合間を抜け攻撃をかけた。こうなるともう歯止めは利かない、我先にと
逃げ惑う人々、本部も突然のことに混乱してしまった。四方に散らばりだした人全て
を守ることは不可能に近い、何よりもレーダー室との通信が繋がらない現状でどこから
来るのかが解らないのも手伝い右往左往、収拾がつかなかった。
「ええええいレーダー室はどうなっている!?」
「こちらレーダー室!!」
「一体何をしていた!?こんなになるまで敵の侵攻を許すとは!!」
「も、申し訳ありません!!」
「今はいい!!全軍に情報を送れ!大至急だ!!」
「は、は!!」


それから事態が収まったのは日がくれた18:00頃だったが、どの顔も疲労の色
は隠せなかった。
「被害は敵全滅ではありますが、こちらは艦艇6、KMF39、湾口施設46%が破壊
民間人の被害は256人確認されています。なおレーダー手の体内より睡眠薬が検出
今より20分前に1人、青酸カリの中毒死による人物の死体を発見しました」
政庁中央会議室にルルーシュ、コーネリアなど主な将官が集まっていた。
「完全に計画されたものか」
「背後等の目星はついていないのか?」
「いえ、まったく」
「一体やつらh―――」
「失礼いたします!!正体不明の人物から通信が!!」
「な、なんだと!?」
「モニターに表せ!!」
「は!!」


580テリー:2009/01/05(月) 17:58:17 ID:TvOUB5Kz





特区日本政庁の諸君、我々は旧日本解放戦線!!今の生温いかりそめの平和に日本は
騙されている!!これは忌々しき事態だ!!よって我々はこの特区を決して
認めぬ!!たった今より特区の即時解体と1兆分の金塊を要求する!!!
抵抗するならそれもよし!!倒せるのならばな。なお、先ほどの攻撃は警告だ。
刃向うならこうなるのでよろしく。



「ええいいい気になりおって!!」
「良かろう、そこまでに自信が有るのなら受けて立とう!!やつらの場所は
逆探知出来ているか?」
「は、出来て、おりますが・・・・・」
「何だ、はぎれが悪いぞ!」


「・・・・・・もう一つご報告が」
「?」
「・・・・・・・・九州にあります全基地及び沖縄基地からの連絡が
途絶えておりました」
「「「「!!!!」」」」
「さらに・・・・衛星写真から敵本拠地は沖縄であると予想され、我が方の
守備隊はいまだ抗戦中の模様で一刻も早い救援を求めております。
敵戦力
航空機約1000機
艦船約50隻
KMF約100機
車両約60台
兵力15万人
との・・・・・・報告です」


581テリー:2009/01/05(月) 18:00:59 ID:TvOUB5Kz
以上で終了であります!ようやく、ようやく書ける!!
皆さんの投下を待ち続けてます。
582創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 19:01:51 ID:UQQbc8PY
>>581
テリー卿、乙でした。
ジェレミアは10キロも泳いだのかw
>アーニャが記録する必要が無くなった 何故?
と思いましたが、そんな些細な事は吹っ飛んだw
皇帝シャルルが“おいしい店の広告って無いのよねー”って……
吹くしかないじゃないかwww

そして、何やら急展開。
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!
583創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 20:45:04 ID:n9Tg6uEQ
ライは出てこないの?
584創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 20:47:46 ID:Y+FNgTKd
そのうち出るんじゃない?
585創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 21:53:26 ID:YrYSSwye
>>581
シャルルもユフィも欠けずにたどり着いた幸せ時間?けれど急展開。
何が起こるのやら……初回の「守る」にどうつながるのかまだまだ謎。

一点だけ。
「気付く」は「きづく」ですよ。
いくつか「きずく」が出てきて気になりました。
586テリー:2009/01/05(月) 22:10:29 ID:TvOUB5Kz
どうもこんばんわ、13分にまた投下します。
587テリー:2009/01/05(月) 22:13:13 ID:TvOUB5Kz
時間ですんで投下します!
「明日の為に 第四章 」
5スレ位です
588テリー:2009/01/05(月) 22:16:19 ID:TvOUB5Kz
「明日の為に」


第四章


「ぜ、全滅?」
「九州地区が・・・・」
「は、確かであります」
「そうだとしても我らの戦力は奴らの10倍はゆうに持っております!余裕でしょう!」
「ジェレミア、問題はそこじゃない」
「ゼロ、どういう?」
「簡単な話だ、フロートユニットの航続距離は沖縄までとどかない」
「その様な事、私は知っております!」
「さらに最前線の九州基地が全滅した今、広島基地になる。そうなればKMFは
沖縄まで届く可能性は0」
九州からならまだ可能性はあった。しかしそれが全滅し機能を完全に失ってしまった
ところから元に戻すには最低半年はかかる。
「さらに制空権は敵にある、空輸しようにもこちらの護衛機の数は僅か400
とてもではないが守りきれない」
「そんなダールトン将軍、海上は!?」
「奴らの戦闘機は対艦用兵器も所持している。足の遅い輸送船はすぐに撃沈されるだろう」
「・・・・・・・・」
戦力は確かに敵の10倍はある。しかし問題は“出撃可能戦力”である。北海道や四国など
各方面の戦力を回そうにも出撃には3ヵ月はかかる。しかし沖縄守備隊は2ヵ月しかもたない。すぐ動ける戦力はゼロが率いていた騎士団、コーネリア直属の1師団、そして
観艦艦隊のみ。とてもではないがそのまま突入させては策もありはしない、それほど“差”
が有りすぎるのだ。
「じゃあ何か手は無いの!?このままじゃあ沖縄の人々が――」
「落ちつけカレン!!・・・・・無いわけ、ではない」
「コーネリア殿下、後半力がありませんでしたけど」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「一体どんな策なのですか?」
589テリー:2009/01/05(月) 22:21:19 ID:TvOUB5Kz
「囮・・・・だ」
「ゼロ、何をそんな力無いんですか?」
「わからんのか!?囮を取るしかないこの苦痛を!!」
「何を申しますダールトン将軍!それしかないなら使うしか――」
「黙れ!!貴様ら過去の過ちを繰り返さねばならんのが解らないのか!?」
「ゼ、ゼロ・・・・」
「お、同じ過ちとは?コーネリア殿下?」
「・・・・菊水作戦・・・・聞いた事はないか?」


菊水作戦


現実に起こった作戦で太平洋戦争末期
連合軍の沖縄諸島方面への進攻を阻止する目的で実施された日本軍の特攻作戦である。
作戦は第一号(1945年4月6日-11日)から第十号(6月21日-22日)まで実施され
その後も終戦までの間断続的に特攻が続けられた。沖縄諸島周辺での特攻作戦において
海軍機は940機、陸軍機は887機が特攻を実施し
海軍では2,045名、陸軍では1,022名が特攻により戦死した。
(文章はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の菊水作戦より


「その中で囮目的で艦隊が出撃しほぼ全滅している。護衛の戦闘機も1機も付けず
丸裸の状態で約4000人もの命が無駄に散ってしまった」
「・・・・・・・・」
「今起こせる最善策は囮として艦隊を敵の真正面から突撃させ、時間差で本隊を背後
より強襲させ一気にけりをつける、それしかない」
「・・・・・・・・」
「護衛は・・・」
「無論、付けることは・・・・・・・・出来ない」
その瞬間一斉に猛反対の嵐だった。当然である、なにしろ囮に使用する人員は見捨て
海の藻屑としなければならない。おおよそ作戦と呼べるものではない。

バン!!

「ならば他にどんな策があると言うのですか?」
590テリー:2009/01/05(月) 22:24:38 ID:TvOUB5Kz
「・・・・・・」
全員押し黙り、開いたドアの所の男をみた。
「それしか無いなら引き受けるよ、その作戦」
「な!?馬鹿を言うな!!自分から死に行くというのか!?」
「そ、そんなの認められないわ!!」
「君はあんなに苦しい思いをしたのに!!」
「今でも戦い続け身を削っているというのに、今度は命を!?」

「それでも・・・・・・・逝くと言うのか――――






特区防衛第1艦隊司令及びナイトオブツー、観艦艦隊司令  ライよ」
591テリー:2009/01/05(月) 22:27:22 ID:TvOUB5Kz
これにて終了です!やっとライを出すことができた!!お待たせして
申し訳ありませんです!あと誤字のご指摘感謝いたします。
592創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 00:15:23 ID:GSOc6pb3
テリー卿、乙であります。

勝利のために必要な犠牲。
それが必要なのは分かっていますが、それでもそれをあえて自分が選択する姿には
とてつもない決意と意思を感じました。
なんとなく蒼穹のファフナー right of leftを思い出しました。

絶望しかないなかで、それでも希望を掴みとろうとするライ。
彼がどのように戦い、そしてどうなるのか。

次回の投下も期待しています。
593創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 01:12:11 ID:UBMZI/LT
>>591
テリー卿、乙でした。
シリアスな展開……前回までのギャグが嘘のようです。
平和な日常からの転落、勝つために犠牲となる囮とその必要性、そして自ら囮に志願するライ。
ライの思い、周りの感情、物語の展開等々
続きがなかなか楽しみです。
貴公の次の投下を全力を挙げてで待っております!
594テリー:2009/01/06(火) 22:14:32 ID:Y0u1Iadw
本日3回目の投下を16分にします。よろしいですか?
595テリー:2009/01/06(火) 22:16:22 ID:Y0u1Iadw
時間ですので投下します!

「明日の為に 第五章 」

5スレ位です。
596テリー:2009/01/06(火) 22:19:17 ID:Y0u1Iadw
「明日の為に」

第五章

「はい」
決意を秘めた蒼い目に言葉を発する者はいなかった。6年前、30隻の軍艦と共に
長い遠征に出港し特区の、ブリタニアの、世界の平和を乱そうとする者達と戦い
続けて来た。それによって今日までの平和は保たれていると言っても過言では無い。
その役目も自ら志願してやった事だった、だからこそ全員が反対したのだ。そもそも
この特区もライが起こしたも同然なのだとか。

しかし

この強い瞳の前には誰しもが黙るしかなかった、6年前の様に・・・・・
この特区の基礎は全てライが創り上げた。日本の中でライの名を知らない者は皆無
更にはブリタニアの平和もライが支えているのだ・・・・・。

597テリー:2009/01/06(火) 22:22:24 ID:Y0u1Iadw
「じ、じゃあ、すぐに出港するの?」
「こっちも補給の関係があるから1週間後だよ、カレン」
「そ、そんな」
「ライ・・・・」
「そんな顔するなスザク。こうなるのは必然なんだから」
「ひ、必然だと!?」
「どうしてだ!?こうなる事を知っていたと言うのか!?」
「今から1ヵ月前、シンクー以下の勢力が台湾に避難したと言う情報が
入ったんだ」
ライの話によれば、シンクー達は中華連邦内の他勢力との内部抗争に巻き込まれ
混乱を招きその全責任を押し付けられてしまい、そのために逃走したのだ。
この事を帰還中のライが聞きつけ自身の乗る旗艦以下7隻以外全てを救援に
向かわせたのだ。

ところが

四国を通過したところでブリタニアの諜報部から不審な軍団の存在を確認した
との報告が入り偵察させたところ、KMFの中に中華連邦制のKMFの存在が
発覚し、さらに
「曹将軍だと!?」
「いや、その配下の者だと思う」
「とにかく!真犯人は中華連邦だと言う事が判明したんだ!!政府そのもを
抑えれば――」
「枢木少佐の言うとおりだ!!政府自体が黒幕ならば――」
「だめだ、敵の総司令部も沖縄にあるのが確認されている」
「くそっ!!」
「シンクーに向かわせた艦艇は回せないのか?」
「だめです殿下、今でも救援と合わせてちょうど互角です。背後より突く事は
出来ません」
「そ、そんな事・・・・・・」
「くっ・・・・・・・・・!」
「なんてことだ・・・・・・」
「我々が気付いていれば・・・こんな事には!!」


ピピピピピピピピピピピピピピピ
598テリー:2009/01/06(火) 22:25:23 ID:Y0u1Iadw


「ライ、無線が」
「ああ、私だ・・・・・・・・・何!?確かか?・・・・・・わかった」
「今のは?」
「大型台風が重なり沖縄を5日後に直撃し、その後も波は高く強いらしい。
敵はその間攻撃を掛ける事は出来ない。さらにその間に敵艦艇も破損するから
4月までは伸びる。その間にさっきの戦闘で破損した戦艦4隻が参列出来る」
「多少戦力は多くなるのか・・・・・」
「でも、絶望的な事には変わりない。1000もの敵機に打ち勝つには最低
50隻は必要だからな」


重い空気の中、ゼロが重い口を開いた。
「ライ・・・・それでも・・・・どうしても?」
「ああ」
「ライ・・・・・」
カレンは涙を流し
「う・・・・くっ」
何も出来ないスザクは唇を噛んだ
「・・・・わかった・・・・その任・・・・任せよう・・・・特区の為に
・・・・たの・・む」
コーネリアのこの言葉に全員悔しさをかみ殺した。その中でライは姿勢を正し
全員に報告した




「特区防衛軍大将ライ指揮下第1艦隊
旗艦 戦艦「大和」
   戦闘第1,2戦隊 戦艦4
   護衛第1,2,3,4戦隊 イージス艦16
   乗員合わせ15000
沖縄救援の為、4月10日 08:00に出撃いたします!!」




旅の出発まで・・・・・あと、48日
599テリー:2009/01/06(火) 22:29:16 ID:Y0u1Iadw
以上でございます。他の方の作品の投下がそろそろ恋しいです。
待ってます!
600創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:06:46 ID:dUlChAr6
最初に言っておく!
5スレじゃない、5レスだ!
>>599
テリー卿、乙でした。
……むぅ……なんか色々分かりにくいですね。
展開としては、面白そうですが……
敢えて言うならば、微妙、というかんじがしました。
過去に起こったことなどが読み取りにくいと思いました。
まぁ、過去はこれから明らかになっていくと期待します。
後は……ふむ……何だろうか……
……くっ、よく分からん!

……曖昧な感想で申し訳ありません。
貴方の次の投下をお待ちさせていただきます。
601創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:08:13 ID:mP3AjOHe
さすがにもうちょっとまとめて落としたらどうだろうと思うわけだが
602創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:18:30 ID:yufZZ0oQ
そろそろ次スレを建てるときかな?
603創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:42:26 ID:TpS4ZAqs
たのんだ!

テンプレ519-520でさしかえ?
604ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 00:55:50 ID:9yMAeFHo
初投下をしようとしたらこのタイミング。切ない。
次スレ待ったほうがいいですか?
605創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:58:49 ID:zYvVE94K
どうぞ投下お願いします。
606ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:03:21 ID:9yMAeFHo
それでは10分ぐらいに投下させていただきます。
支援はおそらくいりません。制限の理解ができているのかいま一つ不安ですが。
607ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:11:12 ID:9yMAeFHo
投下します。

題名「書類と君と」
カップリング ライxC.C
608ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:12:35 ID:9yMAeFHo

「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
緑色の長い髪を乱しながら少女が一生懸命に頭を下げる。
「ああ、大丈夫だから、そんなに謝らないで」
僕はできるだけ優しく声をかける。だがそれでも彼女の怯えた表情は消えない。
ああ、どうしたものかと途方に暮れる。
まさかあの厚顔不遜、唯我独尊、自由奔放、三食ピザの魔女がこんな風に変わってしまうとは……

アーカーシャの剣からルルーシュと共に脱出したのはいいが、それ以来彼女は奴隷時代の記憶と人格に戻ってしまっている。
ルルーシュには超合集国の事があるので僕一人で彼女の面倒を見ることになった。
怯えていた彼女に怒鳴ったり、暴力を振るったりはしないと伝えて一応は安心してもらえたと思っていたがやはり根は深い。
奴隷という立場故に理不尽な暴力を受けてきたのだろう。
自分や母や妹も血というものだけで理不尽な扱いを受けた事がある。
それだけに彼女には自由にのんびりと過ごして欲しいという思いがある。まぁ普段の奔放過ぎる態度はどうかと思うが。
しかし奴隷時代の記憶からか、仕事をしなければ捨てられてしまうのではないか、
そういう思いが彼女の中にあるようで何かと仕事はないかと聞いてくる。

負担にならない簡単な仕事はないものかと思い、掃除を頼んでみたのだがこれがいけなかった。
箒を探す彼女にコレを使うんだよと掃除機を使って見せた。驚いた。こけた。
「大丈夫?怪我は無い?」
そう言って手を差し伸べると彼女は金色の目を見開き驚いた表情でこっちを見た。
「は、はい!ぜ、全然平気です、こんなの」
反射的にそう言うと彼女は僕の手を掴んでよいものかとおずおずと手を出したり引っ込めたりしていた。
仕方なく僕は少し強引に彼女の手を掴み引き上げた。
彼女はきゃっと小さく声を上げると驚いた顔でこちらを見上げているとハッとなり
「あ、ありがとうございます、ありがとうございます――」
と僕が慌てて止めるまで何度もお礼を言った。
609ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:14:38 ID:9yMAeFHo

その後、掃除を任せてみたのだが未知の技術との遭遇は彼女には早かったのだろうか。
掃除機で絨毯の端を吸い込んでしまい必死に剥がそうとした。
結果テーブルが大きく揺れ、上に乗っていたコーヒーカップが見事に倒れ、絨毯にコーヒーの染みを作ってしまった。
そして現在彼女はこうして平謝りを続けているのだが…………
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」
謝り続ける彼女にスッと手を差し出す。すると彼女はビクッと震えて座り込んでしまう。
「ごめんなさい、すぐにかたづけますからひどいことしないで……」
怯える彼女の頭の上にポンッと手を置く。
「大丈夫。酷い事なんてしないよ」
できるだけ優しい声で言いながら、しゃがんで彼女の頭をあやす様になでる。
「ほんとう……ですか?」
彼女が不安そうな表情でこちらを見るので
「ああ、もちろん」
と言うと彼女は少し安心した顔をして頭をなでる手に身を任せてくれた。
次第にふや〜となでられている猫のような顔をし、くすぐったそうにしていた。
このままのんびりと時間が過ぎるかと思っていたら『ぐぅ〜』とかわいい音が部屋に響いた。
音のした方を見てみると彼女が耳まで真っ赤にして顔を伏せ体育座りをしていた。
「ごめんなさぃ……」
と彼女が恥ずかしそうに小さくつぶやいた。
それがあまりにかわいらしく可笑しかったので、僕は笑うのを堪えながらお昼にしようかと彼女に言った。

魔女の主食はピザだ。C.C.にはそう言われたが今の彼女もピザが好きなのだろうか?
そういえばカレンに猫は高い餌を与え過ぎると味を覚えて贅沢になり、
栄養のある餌を食べず高い餌ばかり食べるようになってしまうと聞いた覚えがある。
これを機に栄養バランスのいい食事に切り替えるか?と考えていたが、
お腹を空かせままでは可哀そうだと思いとりあえずピザにした。
しかし食堂でC.C.の食事をと言っただけで直ぐにピザが出て来たんだが、大丈夫なのだろうか黒の騎士団は。
ピザは好評のようで彼女はおいしそうに食べていた。ああ、食事の好みまでは変わっていないのか。
ということは彼女もやはり目玉焼きに……目玉焼きを食事に出すことはやめておこう。
610ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:16:12 ID:9yMAeFHo

それからも彼女は驚きの連続だったようで。
テレビを始め、冷蔵庫、電子レンジ等に一通り驚いてはごめんなさいと言っていた。

一日もようやく終わろうかという時に困った事が起こった。
「……シャワーか」
どうしたものか。使い方を説明してみたものの不安は残る。なにせ彼女は現在文明機器に全敗中である。
とはいえ一緒に入るわけにもいかないので、とりあえず何かあったら呼ぶようにとは言い含めておきリビングへと戻る。
なにせチェックすべき書類が山のように残っている。今日はほぼ仕事ができなかったのだ。
今日は徹夜かなと思い書類に目を通し始めると『ひゃぁ』という悲鳴がバスルームから聞こえた来たので慌てて駆けつける。
「どうした、C.C.!?」
ガタッと音がした後、少し間が空いてドアの向こうから震えた声で返事が聞こえる。
「??……あ、へ、へ、へいき……です、ご、ごしゅ……じんさ……ま」
彼女は平気と答えた。何もなかったではなく平気という事は何か耐えるべきことが彼女の身に起こったということだ。
そして脅えをはらまない震えた声と彼女の過ごしてきた時代、境遇を考えると……
ッ、馬鹿か僕はッ!!
ドアを開けできるだけ彼女を見ないように近づく。
「ご、ご、ご、ごひゅじんふぁま!?」
驚きと寒さで呂律が回っていない彼女を無視しお湯の蛇口をひねり熱めのシャワーを出す。
「ひゃう!!」
彼女は短い悲鳴を上げるが構わず彼女にシャワーをかける。
「少し痛いかもしれないけど我慢してくれ」
そう言い彼女の手を取り少し強めに擦る。冷え切って真っ白になっていた手に赤みが戻ってくる。
あうあうと何を言っていいか分からずにいる彼女にゆっくりと説明する。
「ここではお湯は自由に使っていいんだよ」
「でも、あの……」
彼女の生きてきた境遇を考えるとお湯を自由に使い体を洗うということはとても贅沢なことなのだろう。
水では凍えてしまうと言うと、濡れ布巾で体を拭くだけでいい等と言い出す始末だ。
どうしたものかと思い悩み、少々気が引けたが強引な手段に出ることにした。
611ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:20:58 ID:9yMAeFHo
「シャンプーはこうして泡立てるんだよ」
僕は手にシャンプーを取り泡立てて見せる。彼女はほわ〜と不思議そうにしている。
今彼女にはいつもの白のインナーとショートパンツを着てもらっている。僕も濡れてもいいように作業用の服を着ている。
一人の時には服は脱いで入るようにとは言ってあるから大丈夫だろう……多分。
権利云々の話については追々理解してもらうことにした。
作法なのだと言えば彼女もそうしなければと思いお湯や石鹸を使ってくれるだろう。
とりあえずは環境の変化に慣れさせて、これが普通の生活なのだと思い込ませてしまおうと考えた。
騙しているようでいい気分はしなかったが、彼女にはできるだけ幸せに生きて欲しい。

彼女はたどたどしく手を動かし爪をたてて掻くように髪を洗っている。
う〜と唸りながらうまく洗えていない彼女がついつい可笑しく見えてしまう。
「こうするんだよ」
彼女の頭に手を置き指の腹で彼女の髪を洗う。
最初は『ひゃい!?』と驚き、髪を洗ってもらう事に対して申し訳なさそうにしていたが、
これは教えているんだからいいんだよと言うと次第に気持ちよさそうにリラックスしてくれた。
「いたっ」
急に彼女が目を押えて痛がってしまった。どうやらシャンプーが目に入ってしまったようだ。
急いで手にお湯を集めて彼女の目のあたりにあててシャンプーを洗い流す。
「ごめん、言い忘れてたね。目に入るといけないから髪を洗うときは目を閉じて洗うんだ」
「は、はいっ」
よほど痛かったのか『むぅ〜』と一生懸命に目を瞑っている。眉間に深い皺ができてしまっている程だ。
僕はポンポンと指で頭を軽く叩き、そんなに力を入れなくてもいいよと言った。
そうすると眉間の皺が少しだけ浅くなった。これはまだまだ慣れが必要かな。
リンスの時も目を瞑っていたので、リンスの時は目を瞑らなくていいんだよと言うと
「シャンプーは目をつぶる、リンスはつぶらない」
と何度も繰り返し呟いて覚えようとしていた。
その姿が微笑ましくて、僕はトリートメントやコンディショナーも買って来ようか等と少しイジワルをしたくなってしまった。
とりあえず洗顔石鹸は買って来よう。女の子だし。
612ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:22:27 ID:9yMAeFHo
石鹸で体の洗い方を教えると自分で腕を洗えたので、後は服を脱いで自分で洗うようにと言った。
言った瞬間服を脱ごうとしたので僕は慌ててシャワールームから出ることになった。無防備にも程がある。
背中もきちんと洗うようにと言って僕はリビングに戻る。
なにせ書類が山のように残っている。勝手に減っていたりしないかなと思ったがそんなわけはなかった。
まぁ減っていたら問題なんだが。妖精さんが手伝ってくれないかなと思っていたが直ぐに現実に戻り書類に目を通す。

しばらく書類と格闘していたのだがふと気付く。まだシャワーを浴びているのだろうか?あまりにも遅すぎる。
まさか泡で転んで立てなくなったとか。いやいやいくらなんでもそれは無いだろう。
着替えは出しておいたし、バスタオルも置いておいた。洗濯物の籠は教えておいたはずだし。
結局気になって様子を見に行くことにした。

もしかしたらまだ入っている可能性があるのでドアの前から声をかける。
「C.C.、なにかあったのかい?」
また少し間が空き返事が聞こえる。
「ご、ご主人さま?!あ、へ、へいきで、くしゅんっ」
はいダウト。
「服は着てるのかな?」
「は、はい、ちゃんとよごしていません」
…………そう来たか。
ドアを開けて彼女を見ると白のインナーとショートパンツ姿だ。替えの服まで同じである。
C.C.のタンスには同じものがズラッと並んである。大量生産品なのか?ルルーシュの母親的節約術の賜物だろうか。
髪はまだ多少濡れているが体のほうはきちんと乾いているようだ。
問題はない。彼女が震えておらずバスタオルが使われた形跡があればの話だが。
「バスタオルは使わなかったのかい?」
僕はとりあえず震えている彼女にバスタオルを掛ける。彼女は小さくあっと呟いた。
「あの……その……よごれてしまいますから……」
彼女が言うにはこんな綺麗でふかふかした布で自分の体を拭くのは申し訳ない、
だから手で水気を払ったりして乾くまで待っていたという。髪は手で絞って乾かそうとしたとまでしたそうだ。
僕はとりあえずもう一度熱めのシャワーを浴びてくるように言った。
そして出てきたらちゃんとバスタオルで体と髪を拭くこと、でなければ僕が拭くと言い含めた。
これで大丈夫だろう。ぶんぶんと頭を縦に振っていたし。
613ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:25:27 ID:9yMAeFHo
とりあえず僕はリビングへと戻る。書類という名の悪魔が僕を待ち受けている。
ルルーシュに生徒会の時の借りを返してもらおうかとしばし本気で考えた。

書類に物量戦を強いられ苦戦しているところに彼女がおずおずとやって来る。
今度はきちんと拭けた様だ。ただ髪がまだ少し濡れたままになっている。
髪をきれいに拭くのは意外と難しいからなぁと思い、僕は彼女にソファーに座るように言いバスタオルを持ってきた。
不思議そうにする彼女の頭にバスタオルを被せ優しく拭いていく。
「そ、そそ、そんなご主人さまにこんなこと……」
彼女が自分で拭こうとするので僕はクシャクシャと彼女の髪を少し強めに拭く。
頭を揺さぶられ彼女は『あぅ〜』と言いながらおとなしくなる。
髪を丁寧に拭き終わると僕はブラシを持って来て彼女の髪を梳いた。
「綺麗な髪だね」
「!?……そんなこと……ない……です」
語尾に行くほど力がなくなっていく。彼女は首を真っ赤にして俯いてしまった。
やはり女性は髪にこだわりがあるものなのかなと思い髪を梳いていく。
ふと……妹に強請られて髪をこうして梳いていたなと思いだした。
王の責務に追われる日々の中で安息の一時であった。
そんなことを考えてスッスッとリズムよく梳いていると彼女が頭を揺らしていた。
どうやら眠ってしまったようなので僕は彼女をベッドへ運ぶことにした。

眠る彼女の顔はまるで子供のようだった。僕は彼女の頭をそっとなでる。
C.C.としての記憶を失った彼女。最初にC.C.と読んだとき彼女は新しい名前ですかと訪ねてきた。
何度かC.C.と呼んでみたが間が開くと自分の名前だと認識するのに時間がかかっていた。
きっと彼女はいろんな呼び方をされて来たのだろう。蔑称のようなものから、あるいは物のようにまで呼ばれて。
彼女を本来の名前で呼んであげたいと思う。
だが今の彼女から名前を聞いてしまうのは、C.C.に対して卑怯な気がした。
本来の名を捨てて自らC.C.と名乗る彼女に断りもなく聞く気にはなれなかった。
614ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:28:06 ID:9yMAeFHo
あ、全然足りないっぽい。
誰か助けてください!助けてください!!
615創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:29:15 ID:jINOTlZu
支援
616創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:29:16 ID:dUlChAr6
支援
617創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:29:25 ID:U9je0Y4x
よし、任せろ
618創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:29:49 ID:dUlChAr6
ヘルプは支援!
619ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 01:30:06 ID:9yMAeFHo
しばらく寝顔を見てから厳しい現実に戻る。書類を処理しなくては。敵はブリタニア並に強大なのだ。
こちらも僕、ルルーシュ、星刻さんで超合集国をつくって迎え打ちたいぐらいだ。
気分が沈む。眠気が迫る。とりあえず眠気覚ましにシャワーを浴びて心機一転頑張ろう。

シャワールームから出ると物音がした。誰か来たのかと思いつつ、一応用心のため足音を消して近付いていく。
すると緑色の物体が地面にポツンと置いてあった。しゃがんで縮こまっているC.C.だった。
「どうしてそんな所にいるんだい?」
声をかけると彼女は『ひゃあ!!』と軽く悲鳴をあげ、ごめんなさいを連発した。
なんとか宥めて話を聞いてみると、起きたらベッドの中にいたので怒られると思ったそうだ。
運んだのは僕なので少し胸が痛む。
僕は今日は仕事が残ってるからベッドを使って寝ていいと言ったのだが彼女は納得してくれない。
「ご主人さまより早く寝たりできません」
挙句自分は床でいいとまで言いだしてしまう。ああ、普段の彼女に聞かせてあげたい。声に出して聞かせたい。
もう、慣れさせるしかないかと思い書類仕事はあきらめる。明日早起きして頑張ろう。
「じゃぁ、一緒に寝ようか」
そういうと彼女は動かなくなってしまった。

動かなくなった彼女をベッドまで運び自分もベッドに入る。欠伸を噛み殺していると彼女が再起動した。
「ご、ご、ご、ごごごしゅしゅじんささまっ!!」
振り向くと真っ赤な顔で彼女がこっちを見ていた。
「わ、わわわ、わたし……その、こういうことはじめてなので……そのっ!」
「大丈夫だよ。心配いらないから」
彼女の頭をやさしくなでる。こんなベッドで寝るのは初めてなのだろう。緊張するのもわかる。
作法や形式があるのではと思っているのかとも考える。
「普通に横になって眠ればいいんだよ」
彼女は真っ赤になって頷いた。緊張しているのかとても眠れそうにないぐらい固まっている。
ふと昔のこと思いだし試してみることにした。
「C.C.、背中をこっちに向けてくれるかい?」
はいと返事をしてこちらに背中を向ける。C.C.と呼ばれることに慣れて来たのか直ぐに自分の事だとわかったようだ。
それがいいことなのかは僕にはよくわからなかったが。
620創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:30:11 ID:ccUsVDsA
支援
621創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:32:06 ID:ccUsVDsA
支_援
622創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:34:00 ID:TpS4ZAqs
支援
623創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:40:05 ID:aoPVt832
sien
624創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:47:19 ID:mP3AjOHe
つかまっちゃったかな。今のうちに新スレ立ててみる
>>519-520差し替えね
625創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:51:04 ID:mP3AjOHe
ごめん立てられなかった。誰かお願い
626ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 02:01:36 ID:9yMAeFHo
彼女の背中に自分の背中を合わせる。一瞬彼女の体がビクッと跳ねたがそのまま背中を合わせたままでいた。
「暖かいかな?」
「はい、とってもあったかいです」
彼女の嬉しそうな声が聞こえてホッとした。
昔妹と寝ていた時にやっていたこと。寒い日はこうして暖めあった。
自分が王になってからでも妹は度々こうして眠ることを強請ってきた。
仕方ないと思いつつも、その時間は僕にとって安らぐことができる時間であった。

ふと……今になって思う。
髪を梳くことや一緒に寝ることを強請ったのは……妹が僕の為にしてくれていた事だったではないかと。
母や妹と接する時間だけは、僕は王の重責から解放されていた。
何故失ってしまってから自分がどれだけ支えられていたかということに気付くのだろうか。
孤独な王の道を進もうとする僕を引き止めてくれていたのは、母と妹の優しさだったというのに。
守られていたのは僕の方だったというのに――

後悔と悲しみが胸に込み上げてくる。胸の中が冷たく染まる。慟哭しそうになるのを胸に爪を立て必死に堪える。
「あの、ご主人さま?」
ふいに背中から声がした。
「なんだい?」
振り返ると彼女はじっとこちらを見ていた。
「ご主人様は寒いのですか?」
耐えるために震えていたのを寒がっていると思ったのか彼女がそう聞いてくる。
僕はできるだけ気付かれないように笑顔を浮かべながら彼女に答えた。
「少し……ね」
すると彼女は遠慮がちにそっと僕の手を握り、少し恥ずかしそうに笑った。
繋いだ手が暖かくて、その暖かさの分だけ胸の中の冷たさが消えていった気がした。
あぁそうか、僕はまた守っているつもりで……こうして守られているのか。
情けなくも思ったが、今度こそはこの温もりを守りたいと思った。

「ありがとう。とても暖かいよ」
彼女は驚いた顔をして、その後嬉しそうに笑ってくれた。
その笑顔を見ていると彼女は一瞬迷ったように下を向いたが、直ぐこちらを見つめ問いかけてきた。
「あの……どうしてご主人さまはこんなにやさしくしてくれるのですか?」

彼女は何故自分に優しくするのかと聞いてきた。
今の待遇は彼女が生きてきた経緯を考えると異例なことなのだろう。
理解ができない状況に対する不安、現状に対する喜び、今の環境が続いていく事に対する期待、
そしてそれが失われてしまうことに対する怖れ、そんな感情が彼女から感じ取れた。
優しくする理由――

僕が記憶を失っていた時、僕はたくさんの人から優しくしてもらった。
皆はそれを当然のことのようにしてくれた。
だから彼女にも彼女に世界の優しさを知って欲しい。
そんな思いが僕の中にはあった。
不当な扱いを受けていたという事に、記憶を失ってしまったという事に自分を重ねていた所もあった。
それらも理由のひとつなのだろう。
だが一番の理由は彼女に笑っていて欲しいからだと思う。
627ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 02:03:04 ID:9yMAeFHo
我が儘で、人をからかうのが好きで、冷徹に振舞いながらも優しさを隠し切れていなかったC.C.。
一生懸命で、でもすこしドジで、怖がりだけど、だからこそ他人のつらさをわかってあげられる優しいこの子。
正反対のようで根本的には同じなのだと思った。

そんな彼女に笑っていて欲しいと思うのはきっと―――
「君が好きだから」
僕がそう言うと彼女は綺麗な金色の瞳から涙をポロポロと零してしまった。
僕はそっと手を伸ばし涙を拭ったのだが涙は更に溢れてきてしまった。



どうしてご主人さまはこんなに優しくしてくれるのだろう。
わたしはなんの役にも立っていないのに。それどころか迷惑ばかりかけてしまっている。
それでもご主人さまは優しく頭をなでて許してくれる。わたしに笑いかけてくれる。
わたしの心はぐちゃぐちゃになってしまった。
嬉しくて、とても嬉しくて、でも失ってしまうのがとてもコワい。
ご主人さまに聞いてみよう。どうして優しくしてくれるのか。
それがわかれば、頑張ってそれを守っていればずっと優しくしてもらえると思った。
だから聞いてしまうのはとても怖かったけど、それでもわたしはご主人さまに聞いてみた。
『どうしてご主人さまはこんなにやさしくしてくれるんですか?』


『君が――だから』
わたしはなんにも考えられなくなってしまった。
ご主人さまはさっきなんと言ったのだろう。
急に目の前がぼやけてきた。どうしたんだろうと思っているとご主人さまがほっぺたに手を当ててくれた。
わたしはそこでやっと自分が泣いているんだと気付いた。
そうだ、好きだといってくれたのだ。わたしを、わたしのことを。

お父さんとお母さんが死んでしまってから、そんなことを言ってくれる人はいなかった。
友達もいなくてずっとこのままなのだろうかとあきらめかけていた。
泣きやまないと。ベッドを汚してしまう。ご主人様に迷惑をかけたくない。
そう思い泣きやもうとするがどんどん涙があふれてきてしまう。
「ごめ、ごめんなさい……グスッ、わたし……すぐ……に……」
こらえようと頑張っても止めることができない。
すると急に体が暖かいなにかに包まれた。ご主人様の腕だと気づき顔をあげるとご主人さまは
『泣いてもいいんだよ』と言って背中をなでてくれた。
その声が穏やかで、背中の手が優しくて、ご主人さまの腕の中が暖かくて、わたしは声をあげて泣いてしまった。
628ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 02:04:10 ID:9yMAeFHo
わたしはこの暖かさを失いたくなくて、ご主人さまに必死に抱きついた。
決して手放さないように。
迷惑だろうか、手を払われてしまうだろうか。そう思うととてもコワい。
それでも手を放したくない。この温かさはご主人さまがくれたものだから。

ご主人さまはそんなわたしの頭と背中を優しくなでてくれた。
わたしは嬉しくなってもっと強く抱きついた。ご主人様はわたしが眠ってしまうまでずっとそのままでいてくれた。



余談:結局朝早く起きて書類を片付けようと思っていたのだが、腕をどけようとすると眠っているにも関わらず
彼女が泣きそうな顔になるので起きることができず片付かなかった。よって書類整理超合集国を発動させた。
星刻さんありがとうございます。神楽耶様経由で天子様の欲しいものを聞いておきますね。
ルルーシュ、貸しが1つ減って貸し11だね。

629ワンドのナイト ◆o57Uj37RJc :2009/01/07(水) 02:09:11 ID:9yMAeFHo
投下終了です。お目汚し失礼いたしました。
さるが怖いさるが怖い。見切り発車で投下した自分が一番怖い。

連続でなくても10レスで引っかかるんですね。すいません勉強不足で。
あとSSチェッカーの最大容量が2048になってました。
そりゃ計算あわないよね。

支援くださった皆様ありがとうございます。
助けてくださいと書き込んだあとリロードしたら支援がいっぱいあって泣きそうでした。

投下がぐだぐだになって申し訳ありませんでした。
それでは。
630創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 02:35:55 ID:TpS4ZAqs
携帯だけど立ててみます。時間かかるかも

>>629
初投下乙でした。
とても良かったです。
終わりの心情、なんだかちょっと泣けました。
631創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 02:39:07 ID:TpS4ZAqs
ごめんなさい、私も立てられませんでした。
どなたかお願いします
632創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 02:53:12 ID:6kCHAlJA
ちょっと建てられるか、見てくる。
633創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 03:13:35 ID:6kCHAlJA
何とか立ちました。途中でどなたかに手伝っていただきましたけど。

コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ35
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231264769/
634創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 03:18:51 ID:mP3AjOHe
スレ立て乙でした!>>633

>>629
初投下乙です!ごくろうさまでした。CCの様子にあちこちでほのぼのと。
守っているつもりで守られている、温かくてじんとしました。
やわらかくて落ち着いた語り口もとても読みやすかったです。
またの投下、お待ちしています。
635創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 03:51:46 ID:6kCHAlJA
>>629
初投下乙でした。C.C.がかわいくて、ほんわかしました。
守って守られて、こういう雰囲気大好きです。
次回の投下をお待ちしています。
636創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 09:25:32 ID:dUlChAr6
>>629
ワンドのナイト卿、初投下乙、そしてGJでした!
なんと可愛い記憶喪C.C.!
そして暖かい雰囲気がいいですね。
身を守り、心を守られ、互いを大切にして生きていた。
そのことに気づき、そして、今もまた暖かさにより守られる。
……いいなぁ。
ルルーシュへの貸し、一つ減って11……多すぎやろw
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!


>>633
乙でした!
637創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 00:14:43 ID:PXf3wnhA
埋める?
638創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 15:51:30 ID:akjTyLaI
じゃ、雑談でもしつつ。
639創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 20:09:03 ID:/kBrC38U
ライ「なぁ……ギアスの中で一番立ち位置が不幸なのって君だよな…」

リヴァル「うるせーよ!!」

ライ「君のおかげで本編にただ出りゃいいってもんじゃないんだなって気づいたんだ、ありがとう」

リヴァル「…………」

ライ「生徒会はまだ続けるのかい?
もう学校にはルルーシュもいないスザクもいないシャーリーもいない会長もいない
カレンは君のこと嫌いだろうし、ナナリーだっていない………あぁニーナがいたか、良かったねハハハ」

リヴァル「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ぁッ!!殺してやるぅ!!」
640創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 20:31:35 ID:ndifw5Ok
リヴァル…。不憫な子…。
641創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 20:48:36 ID:MU52z953
梅梅
642創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 22:23:58 ID:Yo6PcNfE
埋め
643創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 22:25:08 ID:R+zs7zxR
埋め
644創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 01:01:08 ID:ipZ5xalV
「ふっ、狩りを楽しもうではないか」
「オレンジじゃないんですぅ」
「ゼロはいずこぉぉぉ!」
「オハヨウゴザイマシタ」
「受けよ、忠義の嵐!」


「どうしたんです?
 ジェレミア卿?」
「む、同士ライか。
 いや、昔の戦闘記録を見ていてな。
 私もまだまだ青かったものだ」
「今では完熟、綺麗なオレンジですね」
「……誉め言葉として受け取ろう」
645創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 01:37:31 ID:sPPIIABX
>>644
埋めぇ〜ww
646創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 06:11:29 ID:kfWiOy0l
遅ればせながら、PS2のブルームーン編やったらリヴァルの扱いに泣いた。
あれは盤上に始まったことじゃなかったんだな。

結局、盤上はリヴァル以外のエンド見ないまま放置になっちゃってる。
一度離れるとミニゲームこなす自信がなくなるんだよなあ。
647創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:08:44 ID:Q0aRGoXa
うめ
648創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:09:24 ID:Q0aRGoXa
埋め
649創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:09:48 ID:Q0aRGoXa
ウメ
650創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:10:10 ID:Q0aRGoXa
ume
651創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:10:48 ID:Q0aRGoXa
UME
652創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 22:24:39 ID:Xy1ecGB8
リヴァル 「ぷく、クハハハッ!」

ライ 「独りで笑ってるなんて不気味だよリヴァル?」

リヴァル 「お、ライ!実はちょっと今考えてたんだけどさ」

ライ 「ん?何だい?」

リヴァル 「ライとキスした女の子ってよ、ひょっとしたら進化してライチュ…ぐはぁあっ!!!」








スザク 「おや?ライ、君は一体何を埋めているんだい?」

ライ 「ちょっとこのスレの人柱にしようと思ってね」
653創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 23:32:43 ID:MdfVK5N3
ブリタニア在住のライが、日本を訪れた。
来日(ライニチ)

四聖剣の一人がアメリカに渡った。
渡米(トベイ)

卜部「お、お前ゲームやってないだろ! 俺の名前は、トベじゃなくてウラベって読むんだ
    しかもこの世界に、アメリカって名前の国はないぞ!」

654創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 01:19:30 ID:KbxQu9YB
小ネタ乙!

ブリタニアの漢字の略称ってなんなんだろな。
鰤か。鰤なのか。
655創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 08:18:05 ID:CYnFLpR/
「大不列顛及北部愛耳蘭連合王国」
グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国、詰まりイギリスの正式名称を
漢字で表記するとこうなる、らしい。

で、ブリタニアがブリテン島から来ている以上、不とかになるんじゃなかろうか。
656創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 08:20:04 ID:CYnFLpR/
追伸、あとブリテン島は猊利顛島とも書くらしい。
657創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 11:58:07 ID:5EZ75MGA
ライがネコ耳を着けてノネットさんに会いに行く、まで読んだ
658創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 21:42:01 ID:dAa/IZHT
試合結果:
試合時間 0.02秒
ライ● X ノネット○
決まり手 ブリタニア式乳固め
659創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 08:41:12 ID:KtVxI0HR
なんと言う超速乳固め
660創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 16:01:04 ID:xSgzKfxP
ネタの足しに、誕生日

1/12 シュナイゼル
1/13 コーネリア
1/28 天子
661創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 17:52:08 ID:OIZ/IF4b
明後日はシュナイゼル×ライのSSが溢れるんですね、わかり(ry
662創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 17:55:51 ID:rmoV1H2B
久々にこのスレに帰ってきました・・・
やっぱりいいなここ・・・

663創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 17:56:45 ID:rmoV1H2B
sageわすれた。ごめん
664創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 18:47:56 ID:c9FEPdkA
埋めるからって好きかってに小ネタ投下してるだけだかなw
だが全部秀逸で困るぜ
665創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 19:24:29 ID:AEd7fxib
コネタ乙。ト米でワロタ。
参考までに比較
卜部(うらべ)
ト部(とべ)
666創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 23:18:11 ID:JOhwv2Ms
>>661
ライ「遅刻遅刻〜」
ドンッ!
ライ「わっ」
シュナイゼル「大丈夫かい?いけないよ、廊下を走っては」
ライ「申し訳ありません殿下、とっさにアゴで受け止めて下さったんですね」
シュナイゼル「はは、かまわないよ」
くいっとアゴでライの体を持ち上げるシュナイゼル。

こんな感じですか?わかりません。
667創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:57:25 ID:HjDr/N0Q
アwwwゴwww
668創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 14:06:05 ID:ksEdwzjJ
コードギアス反逆のルルーシュLOST COLORS SSスレ35
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231264769/
669創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 18:46:00 ID:RNlm+iv+
ume
670創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 20:33:12 ID:++Z8mz9T
最近シュナイゼルの元の顔を思い出すのが困難になってきたから困る
671創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 22:05:44 ID:hxl6Dgcb
うめうめ
672創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 01:28:26 ID:An79t9rT
お、500kb
673創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 17:12:46 ID:xCjGsRzp
埋め
674創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 18:33:26 ID:0o63Yvlb
まだ書けるかな。
675創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 18:37:46 ID:hGh7V/cr
これでちょうど
676創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 20:13:59 ID:xCjGsRzp
ume
677創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 20:14:31 ID:xCjGsRzp
埋め
678創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 03:11:01 ID:m1xeag4F
うめ。
679創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 09:13:14 ID:Hu1e/flZ
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680創る名無しに見る名無し
埋め?