【俺が】お前らの創作批判してやんよwww【ルール】
194 :
創る名無しに見る名無し:
◆タイトル: 『対消滅的な彼女』
◆あらすじ:
人類最知哲のテロリスト『エーテル少佐』と
人類最粗暴の殺人鬼『ステータス』が日本に現れた。
その目的はある一人の少女『ハウリング』の強制強奪。
現場に居合わせたのは古来ゆかしき『言葉聞き』の大学生、
『音木ひろし』。果たして音木は地球最悪の殺戮者二人を相手に、
『ハウリング』を守り切れるのか?
■ステータス
人類最粗暴の殺人鬼。
握力2トン、拳破力(パンチストッピングス)10トン。
跳躍力・垂直10メートル平行30メートル。
ピストルでうっすら血が滲む程度。
反応速度は1メートル手前で発射されたマシンガンを全弾回避する腕前。
遺伝子操作で生まれた怪物。
■エーテル少佐
人類最知哲のテロリスト。IQ380超(計測不能)。
ブレインマシンによりハーバード大学普通科相当を2歳で卒業。
数学・物理学・化学・生物学・心理学などあらゆる自然科学をマスター。
某国で核爆弾を爆発させ首都を壊滅した、生きながらに・犯罪者にしながら
既に全世界の世界史教科書に載る『歴史的人物』。
■音木(おとぎ)・ひろし
日本古来ゆかしきなアニミズムの権化『言葉聞き』。
現役大学生でありかつ年少神主であり、周囲にある物質の声を聞くことができる。
■ハウリング・エレメンタルアドレストゥーフィフティーワン
「筑波機関(ツクバオルガノン)」の開発した、45kgの肉体全てが
不活性反物質(マッシブ・リアクタンス)で出来ている人間爆弾。
その肉体全てを特定の手段で反応させれば、日本列島が消し飛ぶ。
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>>194 ………。
ぼくのかんがえたすごいはあどぼいるど小説せっていしゅうはチラシの裏に書いてくれ。
設定ばかりで内容が無いモノは小説じゃなくてゴミだね。
とりあえずSAN値の低下が見受けられるので病院に入院する事をお勧めします。
うにーくを見つけ出すのが批判
ただの批難ならそれこそチラシの裏に書いてればいいと思うよ
入院しろとまで言うか
人格批判もしてくれるのかい?
>>194 えっと、とりあえず、だけど。
現実的ではない数値を書けばいいってものではないと思うよ。
例えば、子供向けの特撮とかだと、それこそ万やtでガンガン誇張を
きかせて「うわーすげー!」って思わせる事に意味があるかもしれないけど、
ある程度歳重ねた人に読んで貰おうと思ってるなら、ある程度そこら辺の
バランスは考えた方がいいと思う。ぶっちゃけ、万やトンをうかつに使っちゃうと、
滑稽になっちゃうんだよね。それが意味のある万やトンならいいんだけどさ。
演出としての設定であるなら、そこまで数字を大きくする事に意味は無い。
っていうか有害ですらあるだろうね。もっと言うと、数字自体設定しない方が
いい場合すらあったりするし。「あらゆる自然科学をマスター」とかにしてもそう。
それを明言してしまうと、それに縛られてしまう事になって、話が
転がらなくなってしまう事がままある。数字と同じで、意味がある設定
だという事ならいいんだけどね。これから本編を書くにあたって、着想としての
設定を書いているという事なら、こういう万能設定はやめておいた方がいい。
あとは、ね・・・。
反応速度は腕前って言わないとか、ピストルでうっすら血が滲む程度って、
ピストルで撃たれても肌にうっすら血がにじむ程度、でいいのかなとか、
IQは最高値があったはずなんだが・・・とか、反物質爆弾使っちゃったら
地球なくなっちゃうんだけどな・・・とか、まあ最後の方は突っ込む方が
野暮かもしれないとは思うけどw、まあ色々気にかかるところはあった。
設定だけ評価してもらおうって事なのかもしれないけど、
できればちゃんと中身が出来てからこういう場には投下した方が
いいと思うよ。でないと、上でも言ったような、その設定に意味があるのか
無いのかの判断とかができないし。
正直設定の内容的評価を端的に述べるとすると、
>>195の言っている
「ぼくのかんがえたすごいはあどぼいるど小説せっていしゅう」にしかなってないと思う。
設定だけで評価してもらおうとするにしても、えーっと、まあ、ざっくり
言ってしまうと、陳腐通り越して子供っぽい、かな。
>>198 ありがとうございます
参考に致します。
>>200 ありがとうございます。
設定などだけの場合はそちらに書くように致します。
リハビリモードですんません。
>128 ◆LNPZY.1xLA「一月のホーム・フロム・ホーム」
一読しての単純な感想は、とにかくスートーリーテリング最高。
分析無粋を承知で言えば、情報が小出しにされてその集積が読者の頭の中でイメージを形作っていく。
それでいて、読み手の頭の中に既に構築された像が後出しの「公式設定」で上書きされることは少なさそうな作り。
渡すべき情報のピラミッドは出来ていて、それを適宜積んでいく構成。ピラミッド以外のところはいくらでも
読み手が想像して可。そんな差配。
で、しかしテーマ不在。ここが不完全燃焼。
そこではじめて前提要素を加味すると、むむむ。これは三題話系、お題スレへの投稿作であったか。
すると、テーマ不在はある意味当然で、創作上の最重要ポイントは「お題消化」ということなわけで、
様々のお題をこれだけ取り入れながら、更に「書きたかった物語」まで語るのは大変であると同時に、
そもそもお題スレへの投稿文章は肩慣らし、「お題に沿って書いた文」であって、特にテーマは
設定せずに習作している可能性もあるわけだからなるほどね、となった。
これは要するに音取り、発声練習であって、そういう意味ではパーペキです。
でも「歌」ではないので、上手だなあと思った後に「本番」が聞きたくなることしきり。
「じゃあ、この人はどんな歌を歌うのか?」という、そっちに興味が行ってしまいます。
あとはまあ無理に「お題対応」としての完成度を上げるなら、それぞれの要素が「単語だけ出てきてる」
面もあるので、これらを貫徹する一つのテーマを持ってお題をまとめていくと作品に深みが、ってなあ。
「そこまで労力をかけて」お題文章をやるんだったら、絶対書きたいものを書いた方が良いと思う僕こと俺。
本スレでテーマが一期一会みたいな感想があったけどヒロインをこれだけ魅力的に書いておいて
そっちがテーマではないだろーと思いたい俺でした。ともあれ投稿多謝。えらく遅れてタイミング外しで済みません。
PS
ヒロインの外見描写をぜってぇやらないで魅力的に書くのはきっとポリシーですねわかりますと書いてみる。
おおう、蓋さんお帰りなさい
204 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:19:28 ID:zlg8LM4T
蓋さん降臨ktkr
>>204 全体を評価してもらいたいなら小出しにしない方がいいよ。
>>204 読ませて頂きました。
恋人未満の男女があることをキッカケに進展していく
そんな感じの日常風景を描写した作品とお見受けしました。
独特の比喩表現が多用されていて作者さんの持ち味がよく出ていると思います。
まだ全然
>>194のあらすじにも到達していないのでとりあえず、ですね。
気になったところですが、大学にはクラス委員のような概念はほぼないので
「委員長」っぽいからあだ名として委員長呼ばわりされている、みたいな感じのほうがいいかと。
あとは、字下げがしてあったりなかったりで適当です。
やるならやる、やらないならやらないでいいと思います。
2009年09月24日
ガタガタ五月蝿えな
「大学にクラスが、そしてクラス委員長がいるなんておかしい」などと一部の酔っ払いがわめいているが、
フィクションと現実の区別がついてない危ない奴だと言わざるを得ない。
例えばアニメの高校生に対して「髪の色がピンクや緑なのはおかしい」とツッコむ奴がいるだろうか?
大学の「委員長」も同様、世界観に必要な設定だから導入されたわけであり、
妄想と現実の区別をつけられぬまま社会に放り出されたキモオタはとても危険だ。
例えば来期は、1つの学校に生徒会が三つあるラノベアニメとか出るじゃん。
それに比べれば「委員長」のいる大学など些細なもんだよ。このまま執筆続行する
posted by 論理卿X at 20:58| 「対消滅的な彼女」 | |
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209 :
198:2009/09/24(木) 22:51:58 ID:M2JEQymp
>>207を受けての話なのかわからないけど、一応。
>>208 上で「設定を大仰にするなら、その意味が無いと駄目」って書いたけど、
その時に言った事をもう一度読み返してもらいたいかな。
対象とする人間の年齢とか考えて、ある程度そこら辺の使い方というのは
考えないと、って書いてるのは、何も数字的設定に限った話じゃない。
委員長という存在が物語りに必要不可欠であり、それが大学に存在する
のにも理由があるというのなら、そこら辺は物語から読み取れないと
駄目なんだよ。年齢的に上の人間に読ませようとしているなら、ね。
髪の毛が緑だとか、そういうもう「アニメや漫画では当たり前の事」という
認識が既に多くの人に存在しているような事項ならともかく、普通委員長は
大学にはいないはずなんだから、そこの意味を説明できていない段階で
「意味のある事なんだから黙ってろ」と言うのは、小出しにしている人間が
言うべき言葉ではない。
意味のある事が後に説明されるという事なら、その事を説明して
理解を求めた方がいいんじゃないかな。
でなければ、最初から小出しにする事自体をやめた方がいいと思う。
そういう点で突っ込まれるのは、小出しにしている以上当然なんだから。
逆に、既に説明はしているのに理解してない人が多いという事なら、
そこは書き方に工夫が必要だと思うよ。
まあ、これも「後々委員長という呼び方がされる意味が明かされる」
という事なら、という前提付きだけどね。それに意味がなく、ただ単に
緑髪なのと同じように、何となくキャラの個性としてそうしているだけ
という事なら、小出しにしても全部出しても同じことだけれど。
追記しておくと、一応「クラス」については、大学でも無いわけじゃない。
とはいえ、小中高におけるそれとはまた違うので、やはり委員長は
ありえないんだけどね。
>130 「優しさと残酷の狭間」シリーズ
たまたまの流れかもしれませんが、こちらもユニークを切り落として行ってみてみると、
「テーマ」が核ではないかと見えてきました。特には「優しさ」とは何ぞや? ですね。
と、最初にユニークを見定めてみた上で寸評的なことを少し。
筆致は淀みなく、やや台詞多めのト書調にも見えますが、台詞だけで発言者が特定できる
書き分けの技術があるのでこれは流れを良くする上で効果的に働いています。
「――と、十津川は言った」が多すぎるタイプの小説とは真逆。
表裏として惜しむらくは、世界の様々の背景設定を「口で説明」している場面が多いこと。
スパロボ系や今のVIP系のスレッド小説などではこれは普通の演出なんですが、
地の文信奉者からするとちょっとライトに感じる向きもあるでしょう。
ライトな印象を強くしているもう一つの要素として、大変に上から目線の発言のようで恐縮ですが、
ある種の語彙の少なさ、ことばの軽さ、ということが言えるかと思われます。
無論のこと、平易な表現であるテーマを掘り下げて書くことは、難度と意義の高いことです。
その点において、「ライトで悪い」ということを言うつもりは神掛けて御座いません。
ただ、「優しさ」という人類普遍のテーマを、それこそ文学作品や戯曲で扱うような骨のあるテーマを、
現代ライトノベル的台詞センス文章で料理するのは、これは非常に手強い行程。
言うなれば針金で自転車を組み上げるような、と申しましょうか。工夫と努力とセンスで出来ないことはない。
しかし非常に大変。という印象を、率直に申し上げると持ちます。
しかし、それでも「うわーやっちゃった」「こりゃ先を読むの辛いなー」という印象にならないのは、
この作品が「優しさ」というテーマで一貫しているからだと考えます。故にここをユニークと見たわけです。
一例を挙げますと、ティアの話、この手の「読者の立場によって見解の異なる、正解のない命題」を扱うのは、
ちょっと前のアニメやラノベの流行りでありまして、るろ剣、トライガン、えばんでげりおんな例のアレ、等々
いろんな場所でわりにメジャーなテーマでした。
こういう作品の多くが「正解のない状況に追い込まれた主人公達の葛藤」を描いているのと同じように、
「ティア」においても、特異な力を持った魔女の立場と、そのような力を持たない一般市民との立場では
正義が異なるのは当然であるし、また一般市民の立場の方が一見正義に見えやすいようなギミックも仕込んであり、
少なくとも「魔女が可愛そうだから正しい」「魔女が主人公だから正しい」「萌えキャラの方が正しい」といったレベルの
安易な結論規定型二元論に陥ることが防がれています。
無論、文章の短さや先ほど述べました語彙の「軽さ」もあって、重厚な描写で説得力のある、読んだ人が鬱になるような
ギリギリの場所での正義論の葛藤が描かれているわけではありませんが、これはこれでいーのです。
何故ならば、キモは「一見、何が正義かわからない状況」に、「優しさ」というテーマが快刀乱麻を断つというこの点だからです。
「何が正義か規定できない状況だしその子が犠牲にならないと大勢が困るんだよ!」
「……優しくない」
「!!!?」
見よこの一刀両断。俺のカタルシスを伝えるためにいくつかの世界をアリスに斬ってもらおう。
・使用前
「姉サンを殺した貴様が何故幸せに生きている!? 絶対に許さんぞ抜刀斎!」
「巴……。薫殿……。ううっ……。拙者は……(鬱)」
・使用後
「姉サンを殺した貴様が何故幸せに生きている!? 絶対に許さんぞ抜刀斎!」」
「不殺で頑張っている人をそんな風に言うのは優しくない」
「そっ、そりゃ優しいか優しくないかで言えば優しくないけど、でも姉サンが……」
「いつまでも過去の責でぐちぐち言って優しくない」
「……。」
・使用後
「こないな時代やと人生は絶え間なく連続した問題集や(中名台詞略)
……選ばなアカンねや!! 一人も殺せん奴に一人も救えるもんかい!」
「その考えは優しくない」
「やっ、優しくはないねんけど、選ばなあかんねんで?」
「凄い実力があるから選ぶとかしないでいい」
「さっ、左様で……」
・使用後
「さあ、僕を消してくれ。 そうしなければ君らが消えることになる。
滅びの時をまぬがれ、未来を与えられる生命体は、一つしか選ばれないんだ」
「一つしか選ばれないとか優しくない」
「……君が何を言っているのかわからないよ」
ダメだ。ちゃんと伝わってない気がする。たぶんダメだ。
まあ、ダメでもいいです。とにかく、魔女という特異な存在を抱えた世界を見る読者にとって、
単純なキャラ萌え等では済まされない、考えさせられる葛藤の状況が「あった上で」、
さらにそれを明確に切り分ける価値「優しさ」が提示されていることで、読者が考える端緒がある。
これはどう考えてもユニーク。今のところ全作品この優しさロンギヌスの槍が貫通してますし。
多少、webで「批判」とか言っていい気になってるキモオタから「語彙が軽い!」とか難癖付けられても、
こんだけテーマを持たせた一連の文章を書けてる人は少ないんだから、全然気にする必要ないッスね。
これは是非完結させるべき。エピソードを書き切ることにきっと意味があると考えます。
という結論を出した上で、批判を越えてコメントを付することとしては、やはり語彙力、
あと演出センスはもう少し鍛えたい。今現在のものに大いに不足があるというよりは、ええと、
『バクマン』とか見てますかね。台詞を磨くことで推理漫画としてもっと洗練される、みたいな描写が
あったと思うんですが、ああいうノリで。
現状でこの作品を手っ取り早く「強くする」のは、語彙と演出の強化であると考えます。
描写がくどくなっちゃうと作品の良さが殺されるので地の文を月姫チックに書き込む方向ではなくて、
たとえば……、ってやめた。添削をやるコーナーじゃなかった批判批判。
まあ、アレです。同じような堅調の、人類普遍のテーマを扱った小説を、出来たらそれこそ明治大正の
文豪達の小説を、教科書に載ってるのでいいからちょっと見直してみると、きっと発見があると思います。
「舞姫」「こころ」あたりが教科書に載ってるんじゃないかな。まあ、そのへんを適当に。
最後に思いつきレベルのことを書くと、全方位的に徹底的に強めることを考えるなら、
この作品はラノベ的に挿絵効果なんかも結構高いんじゃないかと思いました。
少なくとも挿絵があると「悪くなる」作風じゃないし、何より、いくら台詞のセンスに絶大な自信があっても、
女子四人とか今後プラスアルファを描き分けるとなるとだんだん厳しくなる可能性もあり、
ヴィジュアル一つポンと読者の頭に放り込んでおくと理解を助ける上でそれなりに効果はあるかと。
まー挿絵は読者の想像力を停止させる面もあるんで善し悪しではあるんですが。
うーん。今作のユニークを掴んだ自信はあるけど、書いた人の参考になるかは全く微妙な文になってしまった。
お詫びしつつ投稿どうもありがとうございました。
すげー。
蓋さんすげー。
蓋節を久しぶりに見させてもらったぜ
若干グロいかもしれません。一応ホラーです。
批評頂ければ嬉しいです。
【兎】
ランドセルを背負ったまま僕は人気の無い運動場を歩いていた。砂埃が風に煽られて僕の
視界をささやかに茶色く染めている。目前の影は長い。後頭部にじりじりと傾いた夏の太陽
を感じた。
僕は真っ直ぐに運動場を横切った。背中から飛び出したリコーダーが僕の影を歪にしてい
る。歩いて歩いて辿り着いた先には、金網で仕切られた小屋があった。金網は塗装が剥げて
しまって錆びた黒色が覗いている。金網に掛かった腐りかけの木の板には元の色さえわから
ないほど荒んだインキで中にいるはずのイキモノの名前が書いてあった。
「ウ、サ、ギ」
辛うじて読めるその文字を僕は声に出して読み上げた。振動が音になってやがて風が金網
を揺らした。金網の向こうの薄汚い小屋が微かに揺れた気がした。
小屋の中から転がるように出てきたのは白い毛を持った兎だった。だが、その毛皮は美し
い白なんかではなく、どこかくすんでいて、毛が抜けたのかピンク色の地肌が所々見てとれ
る。だが、何よりも僕を不快にさせたのは体の肉という肉が全て削げ落ちてしまったような
骨の浮き出た体だった。愛玩動物らしい丸みのあるフォルムではなく、そこには生気を失っ
た一匹のイキモノがいる。
兎はヨロヨロと僕の立つ金網まで歩み寄って来ると真っ赤な目で僕を見上げた。体から反
り出したような気持ちの悪い血の色に似た双眸が僕を見つめている。絶えず動いている小さ
な口は今にも何かを喋り出しそうな気がした。骨張った白い腹に真っ赤な血管が見えた。
兎は口を動かすのを止めない。
僕はポケットに手を突っ込んで何かないかとまさぐった。出てきたのは昨日食べたチョコ
レートの銀紙とネリケシの欠片だけだった。
銀紙を指で掴んで金網の中に放り込む。銀紙は兎の頭にぶつかって乾いた土の上を転がっ
たが、兎は銀紙に見向きもしなかった。赤い赤い目が僕を見て盛んに口を動かしている。
僕は脅されたようにランドセルを背中から下ろしてつまみをひねって逆さに振った。中か
らは落書きだらけの教科書やノート、校長先生の似顔絵なんかが飛び出してそこらに散乱し
た。
僕は最後の最後に出てきた潰れたパンの一欠片を指先で摘み上げた。兎と目線を合わせる
ようにしゃがみ込んでパンを摘まんだ指を金網の中へ入れる。兎は動かし続けていた口を即
座にパンに近付けた。大きなパンの欠片はすぐに兎の口の中へと消えていく。僕はパンから
指を離そうとした。なのに、パンにまるで接着剤がついているみたいにパンは指から離れな
い。
兎はどんどんパンを視界から消していく。
もう、小指の爪ほどもパンは残っていない。
僕は尻もちをついてパンを持っていない手で金網を押してその場から離れようとしたけれ
ど、体はその場からぴくりとも動かなかった。
カリカリと聞き慣れない音が金網の中から聞こえた。
見てみれば兎が僕の指を齧っている。既に人差し指の先はほとんどどこかに行ってしまっ
ていた。
僕は不思議とその様子を見て心の中から恐怖が消えるのを感じとっていた。指はどんどん
無くなっていって、僕はその度に金網の中に引きつけられていく。兎の前歯が僕を削ってい
く感覚だけが妙にリアルに感じられた。
夕日が地平線に沈むころ、金網の前にはもう誰もいなくなっていた。残ったのは黒いラン
ドセルと散乱したその中身だけだった。
散らばった物の中に茶色い染みのついたプリントがある。プリントには一年間の係の仕事
と担当の名前が書いてあった。
風がプリントを金網の近くへと運んで行く。
金網の向こうには一羽の兎がいた。兎はその赤い目で“ウサギ”の欄に僕の名前があるの
をただじっと見つめていた。
一度たりとも止まることの無く口元を動かしながら、その痩せこけた兎はやがて夜が来る
前に薄汚い小屋の中へと戻って行った。
217 :
ごんべえ:2009/10/13(火) 02:31:52 ID:uttPxoGA
この村は、何かがおかしい。
確かにこの村は、他の村と比べ、潤っているし人口も多い。だが、何かがおかしいのだ。他の村とは違う邪悪で陰湿な「もの」が、この村にはある。
俺がその違和感を感じだしたのが、今から三年前だ。つまり、村の外れに教会ができた年である。この日を境に救いようもないほどに廃れたクリープ村は、不自然なほどに栄えた。
どう考えても普通ではない。はっきり言ってこれはもう超常現象である。教会がたった一箇所できただけで、廃村寸前の貧乏村が、今では大型ショッピングモールが建つほどの潤いぶりを見せる……
こんな馬鹿な話があるか!?
だが、これは現実なのだ。間違いなく今、現在進行で俺の目の前に迫り来るリアルなのだ。
村の連中は皆、神のご加護だとかなんだか訳の分からないことをほざきやがるが、いい加減にしろ!! 神だのキリストだのそんなもんこの二十一世紀の世知辛い世の中に存在する訳ねえだろうが!!
そうだ……これは陰謀なのだ……
ユダヤが俺たちの村を乗っ取るために仕掛けてきた大陰謀なのだ!!
つまり、ユダヤがこの村を拠点にアメリカの経済を独占しようと企んでいる訳だ……
これはまずい。限りなくヤバイ。誰かが戦わなきゃならない。でも誰が! 誰がそんな勝ち目のない無謀な戦いに身を投じるというのだ……
もうだめなのか……俺たちはこのままなす術もなくユダヤやキリストに蹂躙されてしまうのか?
いや!そうじゃない!!
WWUを思い出せ!!かつてジャップ……いや、失礼。誇り高き日本人は負け戦にも拘らず、神風アタックで我々に真の武士道を見せつけたではないか!!
いまこそ俺たちは、その誇り高き精神を見習いこの腐れた村に愛と勇気と革命を___________
「はい、ジョン・ブラーソン君。素晴らしい演説ありがとう」
あの糞ババア!俺の素晴らしい演説を中断させやがって!!
ん?なんだか周りの視線が痛いなぁ……俺の耳を劈くのはまさか、賞賛の言葉ではなくブーイング?
……なんだよ、その哀れみと軽蔑の入り混じったような目は!!
……見るなよ……そんな目で俺を見るなよ!!
こうして、俺の学校革命大作戦!!は、失敗に終わり元々変人扱いされていたのがもっと酷くなってしまった。
だが、見てろよ!俺はいつかこの味気ない毎日にピリオドを打ち、この学校に愛と勇気と革命をもたらしてやる。
そう心に決め俺はトボトボと家路に着いた。
他スレで批評して頂いたのですが、できれば批評して頂けたら幸いです。
>>216 これが批評になるかどうかわかりませんが……
本来恐怖というものは自分の身に迫ってくるものでないと何も感じないのではと私は思うのです。
見知らぬ登場人物がただ無残に殺される。
そこにグロはあっても恐怖はないと思います。
文章がホラーであるためには、読者が物語の登場人物、
もしくは状況に感情移入するだけの準備を整える必要があるのではないでしょうか。
てすと
面白くない却下!
222ゲット!
創作活動頑張ってください。