【ロリ】ロリババァ創作スレ2【幼女】

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535第2章-1ページ ◆iWLZ/Zxp0A
「はぁ、はぁ」
クルエラに導かれ、俺は彼女の家へ行くべく獣道を通っていた。
なぜ人の家へ行くのに道路を使わないのかは分からない。
先を見ても往来らしきものは見あたらず、そもそもクルエラの家へ通じている道路があるのかどうかさえ分からない。
聞いてみればいいのだろうが、あれから俺とクルエラは会話をしていなかったので、話を切り出しづらい雰囲気があった。
ところで、ここは山中という事もあって蚊が大量にいた。
ボロボロの服を着て、肌が露出している俺は蚊にとって格好の食べ物なのだろう。
全身を蚊に食われ、そこかしこに酷いかゆみを感じていた。
フラストレーションの高まりから、今では大声で叫ぶ事さえできそうな気分だ。
掻いても状態が悪化するだけなので、ただ耐えるしかないと決意を持ちながら歩いている。
しかしながら、俺と同じ道を歩くクルエラは蚊に刺された様子がない。
事前に虫除けスプレーでも使っていたのだろうか。
確かに可能性としては一番妥当だと思えた。
思い切って俺はクルエラに気持ちを伝えた。
「あっ、お、おい、かゆいんだが」
声をかけられたクルエラは歩くのを止めると、俺の方へ振り返った。
「まあ、それは大変ですわね。帰ったらお風呂にしないといけませんわ」
そう言うと、クルエラは俺の手を引いて、また歩き出した。
「いや、そうじゃなく、虫除けスプレーとかないのか」
一度きっかけができれば、後は楽に言葉がでた。
前へ進めていた足を止め、また俺の方へクルエラは振り返る。
なにも言わず、クルエラは意味が分からないといった様子で俺の方を見た。
「あ、いや、その、もういい」
面倒になって、俺は話を切り上げた。
……。
……。
……。
いくらか歩いて、俺は限界に来た。
「いつ着くんだ」
今度は歩くのを止めずにクルエラは答える。
「まだですわ」
いくらなんでも遠すぎる気がしてきた。
これは姥捨て山の伝承にちなんで、俺を山へ放置しようという悪戯かも知れない。
彼女と握っていた手に神経を注ぐ。
これでいつクルエラが手を離して去ろうとしても、すぐに捕まえる事ができるだろう。
「あなたに出会えて良かったですわ。ちょうど使用人がいなくなって、困っていましたの」
俺の気持ちを知ってか知らずか、クルエラが話しかけてきた。
「親はどんな人物なんだ」
これからクルエラの親と会わなければいけないという不安から、俺は彼女に質問した。