【ロリ】ロリババァ創作スレ2【幼女】

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231仙女と異能者(5/6)
「うむ、でもまあ結構腕を上げたようじゃの」
 仰向けに倒れた豪を見下ろす武桜の背後に、月の出た夜空が見えた。
「……そりゃどーも」
 ダメージと全身疲労で動けない豪としては、声を出すのが精一杯だ。
 こうしていると、初めての対戦を思い出す。
 ただし、場所は酒精と煙草の臭いが立ち込める地下クラブ。
 持っていた異能の力で増長していた豪(自分)という違いはあるけれど。
 豪の回想に構わず武桜は言葉を続ける。
「とはいえ、我の修行の成果でないのが腹立たしいがの。腕を上げたいなら、
賭博試合などせず道場に日参すればよいものを」
 何だか少し拗ねているようだった。
 しかし、豪にだって退けない理由が存在する。
「そういう訳にはいかないんだよ……」
「む」
「いくら実年齢ん百歳の仙女様っつっても、小さい女の子相手に毎回毎回ボコ
にされるなんて男の沽券に関わる問題なんだって」
「は」
 武桜の口元が緩んだ。。
「なるほどの。よかろ。そういう事ならば師匠は許すのじゃ」
「そりゃよかった」
「ただし、今度からそのクラブへは我も連れて行く事を命ずる」
「何ぃ!?」
 これまでのダメージすら忘れて、豪は衝撃のあまり身体を起こした。
 だが、武桜は平然としたモノだった。
「当たり前じゃ。弟子のゆくところ師匠あり。大体、現場におらねば指導もま
まならんではないか」
「いやあのちょっと待ってくれ、師匠。つまり、その、俺のセコンドにつくと?

「無論じゃ! 我を誰だと思っておる。豪の師匠じゃぞ?」
「うー」
 豪は頭を抱えた。
 今日の教室の比ではない騒動になるのは、目に見えていた。というか、今後
歓楽街を歩けなくなる可能性に大ピンチである。
 そんな豪の苦悩をよそに、武桜は気楽なモノだった。
「心配するでない。我とてお主の懸念ぐらい察しておる。この外見はその気に
なれば自由自在なのじゃ」
「は!? 初耳だぞ、それ!?」
 武桜の身体(ちんちくりん)を上から下へと眺めやり、豪は半信半疑に眉を
しかめた。
「うむ、言ってないからの。この姿はコンパクトで動きやすいし、気の消費も
少なくてすむ。何より電車や映画が子供料金なのじゃ」
「……せこい仙人もいたモノだ」
「という訳で、クラブに行く時には大きければいいのじゃな。ちなみにその為
には気を溜め練らねばならんのじゃが」
 轟、と桜色の気が武桜から発生した。
 しかし、その気は戦意昂ぶる闘気の類ではなく。
「……師匠、なんかすげーやな予感がするんだけど」
 尻餅をついたまま、豪は本能が告げる悪寒に、武桜から距離を取ろうとする。
「ふふふ、豪、房中術という気の移動法を知っておるか。あ、こら待つのじゃ!
 ちょっと接吻するだけじゃというのに!」