【ロリ】ロリババァ創作スレ2【幼女】

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230仙女と異能者(4/6)
「え」
 直後、豪の世界が反転した。
 投げられたのだ、と認識した直後。
「気を抜くでない」
「おぐっ!?」
 脳天に強烈な逆さ蹴り(サマーソルトキック)が食らわされた。
 空中に放り出された豪の身体は、キリモミしながら弧を描いて床へと落下し
ていく。
「円転流仙術の基本は、円環にありじゃ! 攻めの手を休めるでなく、受けも
また然り! ほぅれゆくぞ、円転流仙術突進技・螺旋撃!」
 自身の名を顕すかのような、桜色に輝く気を渦状に練り込んだ武桜の掌底が、
無防備な豪に直撃した。
「ぐほぁっ!」
 畳が派手に舞い上がり、豪の身体が壁に激突する。衝撃を殺しきれなかった
壁が粉砕され、寺の境内が丸見えになる。


 壁の向こうから、豪の反応がなくなった。
「む、ここまでか……」
 武桜がそう呟いた直後。
「トル……ネード……」
 濛々と立ちこめる土埃の向こうから、豪の弱々しい声が響いた。
「ん?」
「サイクラッシュ!」
 土埃の中から、低空飛行で豪が突進してきた。揃えられた両拳、いや全身を
まとうのは青く輝く渦状の気、それはつい先刻、武桜が放った螺旋撃と同質の
モノだ。
「ほ、悪くない」
 しかし武桜はそれを、ひらりと回避した。
 振り返ったそこに――豪はいなかった。
「まだまだっ!」
 頭上!
 天井近くに立っていた豪の周囲を守るように、三つの青光りする念動球が駆
け回る。
「サイコスフィア三連!」
 三つの球が一斉に、武桜目がけて襲いかかってきた。
 それを見て、にぃっと武桜は笑みを浮かべた。
「そいつは悪手じゃな! 一撃に力を込めい! 旋風掌!」
 武桜の放った掌底から、桜色に輝く渦状の気が迸った。
 斜めに奔ったそれに、三つの念動球が巻き込まれる。
「消し飛ばされた!?」
「さて、その体勢からでは逃れられんじゃろ?」
 技を放った直後の隙だらけの豪の真下に、武桜は立っていた。
「――!!」
 頭上の豪が目を見張る。
 しかし逃げる隙は与えない。全身を駆け巡る気を、丹田を機関に限界まで高
める。
 轟、と渦巻く桜色の練気を、武桜は床に叩きつけた。
「――輪廻、転生波!!」
 反作用で発生した螺旋状の気の柱が、頭上にいる豪を天井もろとも吹き飛ば
した。