【ロリ】ロリババァ創作スレ2【幼女】

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152小ネタ ◆91wbDksrrE
「お前は夜更かししてたのか? 俺はいつの間にか眠っちゃってたみたいだけど」
「うむ。わしは大晦日からずっと眠っておらん。まあ、別に平気じゃが」
「大晦日から?」
「うむ」
「……あれ、という事は、今日何日だっけ?」
「正月じゃ。元日。1月1日」
「そうか、正月か……って、正月!?」
「……何を驚いておる。大晦日に眠って、目が覚めたら正月。自然な話
 であろう? 別に驚くことは何もないはずじゃが?」
「あ、いや……そう、か。そうだな。そう言われればそうだ。あっはっは」
「ほっほっほっ、そうであろう」
 心なしか、彼女の笑いは乾いて聞こえたような気がしたが、まあきっと
気のせいだろう。別に乾いた笑いを挙げる場面じゃないし。
「あ、じゃあ、言っとかないと。よいしょっと」
 頭に覚える感触は少し名残惜しかったが、俺は起き上がり、姿勢を正した。
「ふむ……新年の挨拶じゃな」
「そうそう。ちゃんと言っておかないとな」
 彼女と俺は、互いに正座して向き合い、三つ指を立てる。
「あけまして」
「あけまして」
『おめでとうございます』
「……ふぅ、さっぱり目を覚まさんかった時はどうなる事かと泣きそうに
なったが、無事で本当に良かった……」
「ん、何か言ったか?」
「いや、何も言うてはおらんぞ。気にするな」
 彼女が小さな声で何か呟いたような気がしたが、まあ何も言ってない
と本人が言ってるから気のせいなんだろう。
「時にお主、腹は減っておらんか?」
「そういえば、年越し蕎麦も食べずに寝ちゃってたんだっけ」
「お主の分はちゃんととってあるぞ」
「おお、そりゃありが……なんだこれ?」
「……年越し蕎麦のようなものじゃ。わしが作った失敗作じゃがな。とって
 おいた麺を茹でなおしたのじゃ」
「蕎麦……麺っていうより、オブジェだな、こりゃ」
「……もう何も言い返さぬ。とにかく、食してみい」
「まあ、せっかくお前が作ってくれたんだから、失敗作だろうが何だろうが、
 ありがたく食べさせてもらうよ」
「うむ」
「……ぱく。もぐもぐ……」
「ど、どうじゃ!?」
「いや……蕎麦じゃないな、この味と食感は」
「……そ、そうか」
「でも美味いよ。変わった味だけど、美味い」
「そうか! そうであろう! わしが作ったのじゃからな!」
「ありがとな。今年もよろしく頼むよ」
「うむ……わ、わしの方こそ、よ、ろ……う、うぅ……」
「あれ? なんで泣いてるんだ?」
「馬鹿者! 女子の涙を詮索するなぞ、無粋の極みじゃぞ! というか
 そもそもわしは泣いてなぞおらん! 単に目にゴミが入っただけじゃ!」
「……そうなのか?」
「う……嬉しいのは本当じゃが、それで泣く程わしは弱くはない!」
「……そっか。ま、んじゃ改めて、今年もよろしくな」
「うむ。よろしくされてやろう! 今年もわしについてくるがよい!」

 そう言って、少し赤さが増した目で笑った彼女の顔に、俺は自然と微笑を
返していた。鋭い目つきが、糸のように細められ、軽く上記したその顔の
可愛さに、思わず俺の頬も赤くなる。ま、今年もなんだかんだでこんな感じなんだろう。
 そんなこんなで、多少曖昧な所があったりもしたけれど、俺と彼女の
2009年は、こうして幕を開けたのだった。
                                終わり