【アカギ】福本作品SSスレ【カイジ】

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89走れ!カイジ!  1
カイジは圧倒的激怒っ…!

必ず、かの邪智暴虐の会長を除かなければならぬと決意した。

カイジには金の重みがわからぬ。カイジは、巷でいうニートである。
サイコロを投げ、カードで勝負して来た。
けれどもギャンブルに対しては、人一倍に聡明であった。

きょう未明カイジは地下を出発し、船に乗りビルを渡り、十里(現代で言う百里)はなれたこの東京のカジノにやって来た。

カイジには父も、母も無い。女房も無い。
四五組の、借金漬けの男達との集団生活だ。
カイジは、地下の或る律気な仲間を、近々、地上へ連れ出す事になっていた。

タイムリミットも間近かなのである。
まず、パチンコ店や競馬場、それからカジノ通りをぶらぶら歩いた。

カイジにはかつて共闘した仲間があった。
セリヌンサカザキである。今は此の東京の市で、夜間警備員をしている。

その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。

歩いているうちにカイジは、通りの様子を怪しく思った。
ひっそりしている。
もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなカイジも、だんだん不安になって来た。