1 :
創る名無しに見る名無し:
ヒーローは時代を映す鏡である・・・
ヒーローの黎明期・・・それは「正義VS悪」の図式を確立した時代である
2 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 12:34:56 ID:lwoKN32V
そして、地球外の生物、怪獣、怪人の存在が確認されると、対するヒーロー達も超人的な能力を備え、熾烈を極めた戦いが続いた黄金期。そして、現在・・・
それはヒーロー乱立の時代。名ばかりのヒーローが自分たちの勢力拡大に明け暮れる日々。正統派の正義、悪のヒーローたちの存在はそこにはなく、戦いは「正義VS正義」、「悪VS悪」にまで及んでいた。
3 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 12:35:57 ID:lwoKN32V
明日のヒーローを夢見る若者が日夜、勉学に励んでいる。真の正義のヒーロー、真の悪のヒーローを養成する唯一の養成機関が私立ヒーロー学園なのだ。
そこで、ヒーロー学園“進路指導教師”として抜擢されたあなたの使命・・・
4 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 12:40:10 ID:lwoKN32V
このような状況を見かねた歴代のヒーロー達によって、設立されたのが『私立ヒーロー学園』である。
5 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 12:41:40 ID:lwoKN32V
依頼ありましたので立てました
「仮面ライダーになりたかった戦闘員」みたいなのを書けばいいの?
>>6 そっち系は、オリジナルヒーロースレか特撮物総合スレじゃね?
このスレはいまいちよく分からんが、
ヒーローとか怪人が主人公の学園物…?
すまん、分からん
>>3と
>>4は逆のようだが、それ以前になぜそこまで細切れにするんだ
9 :
依頼者 ◆Z.PBLqmn8c :2008/11/17(月) 19:16:11 ID:jugrDvTW
ヒーローは時代を映す鏡である・・・
ヒーローの黎明期・・・
それは「正義VS悪」の図式を確立した時代である。
そして、地球外の生物、怪獣、怪人の存在が確認されると、
対するヒーロー達も超人的な能力を備え、熾烈を極めた戦いが続いた黄金期。
そして、現在・・・それはヒーロー乱立の時代。
名ばかりのヒーローが自分たちの勢力拡大に明け暮れる日々。
正統派の正義、悪のヒーローたちの存在はそこにはなく、
戦いは「正義VS正義」、「悪VS悪」にまで及んでいた。
世の人々は真のヒーローの登場を待ち望んでいた。
このような状況を見かねた歴代のヒーロー達によって、設立されたのが『私立ヒーロー学園』である。
「健全な正義 VS 悪の復権」を理想に掲げたこの学園は、明日のヒーローを夢見る若者が日夜、勉学に励んでいる。真の正義のヒーロー、真の悪のヒーローを養成する唯一の養成機関が私立ヒーロー学園なのだ。
そこで、ヒーロー学園“進路指導教師”として抜擢されたあなたの使命・・・
それは生徒達を『新しい世代の真のヒーロー』に養成し、彼らをその任務に就かせることである。生徒の将来は正義か悪か・・・・・それはあなたの指導にかかっているといっても過言ではないのだ。
英雄に正義、悪の真実(こたえ)はない。
医大のヒーローものみたいな感じになる予定です。
みんなで創作しましょう。
10 :
依頼者 ◆Z.PBLqmn8c :2008/11/17(月) 19:17:01 ID:jugrDvTW
ヒーロの専門学校が舞台のスレでして
特撮スレとは違ってそのヒーローになるまでの話というか。
むしろ学園物のテイストが強くなると思われます。
(最終学年で進路選択で悪か正義かを選択するみたいなイベントがあります。)
スレ立ての方ありがとうございました。
11 :
依頼者 ◆Z.PBLqmn8c :2008/11/17(月) 19:44:36 ID:jugrDvTW
http://www27.atwiki.jp/herogakuen/ 一応こんなものも用意してみました。
6年生の大学みたいなのを想像していただければ幸いです。
正義のヒーローを目指したい学生も居れば
ダークヒーローってのを目指したい学生もいます。
ヒロイン狙いも居るかも…。
はたまたは魔族の息子とかがいても不思議はありません。
学科とかカリキュラムとか色々考えることは多いですが…
つまり、現代が舞台のWizardry XTHのダンジョン無し版か
13 :
依頼者 ◆Z.PBLqmn8c :2008/11/17(月) 20:10:56 ID:jugrDvTW
>>12 やったことないので調べてみたのですが、イメージはそんな感じです。
用意がいいな。
アイデアとしてはそう珍しくも無いが
溝の口発の真っ赤なヒーロー的な物もいいのかしら
>>15 OJTとか課外授業の講師とか出番はあると思います。
組織は立派だったよね。確か
というか、悪の側も養成するってところに首を傾げてしまうな。
この世界では正義と悪の戦いはショー的なものになってるのか?
18 :
依頼者 ◆Z.PBLqmn8c :2008/11/17(月) 21:52:20 ID:jugrDvTW
>>17 真の悪のヒーローを養成するんです。
いわば悪のエリートです。
下っ端じゃないっす。
きっと名を残してる悪のボスや幹部達はどこかで勉強していたはずなのです。
理屈として、「正義が生きるには悪が必要」ってのはわかるんだが、
一つ屋根の下で両方がそれぞれ共存してるってのがわからんなあ。
最終的にどうしたいの?
世の中のヒーローと悪役が昔とは違ってきたから、そうならないために進路指導するストーリーって事か
「俺はヒーローなんだからこの位の横暴は許されるんだぞ〜」ってカスヒーローとか、
「俺は悪役なんだから世界征服とは関係のない犯罪もやっちゃうぞ〜」って小悪党とかいる
……ってこと?
21 :
依頼者 ◆HkVPu6XDj. :2008/11/17(月) 23:17:20 ID:jugrDvTW
>>20 そういう世界観です。
説明不足ですみませんでした。
いやいや、こっちも皆で創作の部分を見落としてた。ごめんよ
「今のヒーローはちゃんとしてねえから養成するべ!」って昔のヒーローが作った学校か
面白そうだな
一般人巻き込んでる時点でヒーロー失格
>>23 そういうヒーローが世の中にはびこってるんじゃね?
効率的に悪を倒すために人質を簡単に切り捨てるヒーローとか
正義と悪の共存については私の頭の中では、
悪の方も団塊の世代の定年?wとともに若手が台頭してきたまでは良かったんだけど
悪役同士の縄張り争い(まぁ悪役は普通か)が頻発して小悪党化してきて
小競り合いばかりが増えたため、悪の品格が(そもそもあるのかは微妙)
下がってきたのでカリスマ性をちゃんともった組織を作れるダークヒーローを育成しようという目的と
あとまぁ声高に悪になりたいって言いにくいだろうし、
潜在的欲求を秘めた人材の発掘のためにヒーローと一緒に学校を設立することにした。って考えてます。
もっと良い案あったらお願いします。
wikiに卒業生を紹介するコーナーがありますんで、ヒーローが居たら紹介してあげてください。
もちろんその他のコーナーも自由に編集しちゃってください。
盛り上がると良いなぁ
>>24 そうそうそんな感じです!
100人救うなら10人の犠牲はやむを得ないとかインタビューで応えちゃうわけです。
あとは映画版ハンコック的なのもウジャウジャいるわけです。
悪の養成の方が良い奴っぽいのは気のせいかな?w
「馬鹿者が! 麻薬は駄目、絶対!」
とかwww
そこはまぁ悪にとって民衆は生かさず殺さずじゃないと商売上がったりですから。
そういう葛藤とかも色々話は広げられそうですね。
正義と悪の希望生徒が同じ教室で授業を受けてるのがちょっと想像出来ないなぁ
学舎を分けて抗争させればいいんでは?
あと、気軽に倒せる敵がいないと盛り上がらんよ。
精神や心を持ってないような宇宙怪獣とか虫の類。
なる程
偶然職員室とかで正義側の生徒と悪側の生徒がバッタリとか面白そうだw
気軽に倒せる敵か。正義と悪の共通の敵みたいなもんか
一応似たようなネタは考えた事があるな。
悪は一緒になってなかったけど。
正義の側だけで、戦隊系、機械系、バイオ系、筋力強化系で科を分けて、
それぞれが個別のカリキュラムで進めるって感じの話。
まあ形にはなってないんだけどさ。
ここで形にしちゃおうぜ!
変形の学園シェアードって感じかな
>>31 エイリアンみたいに腹を満たし増殖することしか考えない個体
ストライクウィッチーズで言うならネウロイ
仮面ライダー龍騎で言うならミラーモンスター
トップをねらえで言うなら宇宙怪獣
あるいは悪側の連中が調伏できて操れる、よわっちぃ戦闘員の類
「悪とは征服するもので、滅ぼすものではない!」とかいう悪の熱血教師がいたりするんだなw
一方ではフロシャイムみたいのが一大勢力になっててさ
善意とご近所づきあいで穏やかな侵略を繰り広げるわけよ
じわじわと外堀を埋められていくヒーローにとって、
アイデンティティクライシスじゃね?
ガラッ!
悪先生「フハハハハ! 悪を希望する生徒諸君、おはよぉう!」
生徒一同「……」スッ
生徒A「おはようござ――あっ!」
悪先生「馬鹿者がっ!」
生徒A「す、すみません!」
悪先生「ワシの授業では挨拶ではなく、敬礼だと言っておるだろうが!」
生徒A「すみませんでした……」
悪先生「違う! そこは“申し訳ありませんでした! 次こそは必ず!”だと教えただろうが!」
生徒A「も、申し訳ありませんでした! 次こそは必ず!」
悪先生「……よぉし、そうだ。それで良い」
悪ってこんなんか?
ガラッ!
悪先生「また善玉連中にこっぴどくやられたそうではないか
……事情を説明してもらおうか?」
生徒「いま少し時間と予算をいただければ……」
悪先生「弁解は罪悪と知りたまえ!」
こんなんだろ
学園ものならそこは、
悪先生「……判定、Dマイナーだ」
なんじゃないのかい?
色んな先生がいていいよな
先に先生を創った方が良い気がしてきた
一応学校だから一般課目の先生もいるか
それとも正義や悪の先生が一般課目も教えたりすんのか?
適当に考えた授業内容
ヒーロー史
日本の特撮・アニメ・漫画は勿論、海外ヒーローの歴史も学ぶ。
戦技指導
授業用の変身アイテム等を用い、超人的な身体能力や、様々な特殊能力を駆使した戦い方を学ぶ。
メカ教習
単車・自動車から戦闘機・巨大ロボまで、ヒーローにお約束の乗り物の操縦を学ぶ。
操縦方法は、コクピットで操縦、機体に融合する、自分がロボットに変身する、等がある。
美術
ヒーローやロボットのデザインを学び、最終的には自分のヒーローとしての姿を創り上げる。
>>42 おお、良いな!
美術がすげえ面白そうだw
ガラッ!
悪先生「先生は陸軍中野予備校みたいなものだと思ってたぞ
では、今日はケインズ経済学の講義でもやるか」
生徒「先生! 経済学と世界征服にどんな関係性があるのですか?」
悪先生「日本国内で経済を崩壊させ、物価を高めたり色々あるだろう?
ちなみに先生が学生だった頃には卵1パック1円で買えてた頃もあったぞ
飽食世代ド真ん中だからな、ハハハ」
生徒「……」
悪先生「じ、授業中、先生に武器を向けるのはよせ……」
僻地に建設された、ヒーロー養成学園に放課後を知らせる鐘が鳴り響く。
授業も滞りなく終わり、悪の先生黒野は職員室へと戻ると。
机に突っ伏しないている同校教師、正義の先生白木に声をかける。
「どうかされましたか?白木先生、ひょっとしたらあなたが楽しみに取っておいた、
ハッピーターンの粉を私が美味しく頂いた件ですか?」
「しくしく、その件に関しては後から詳しく伺うとして……これを見てください」
正義の女教師白木は進路希望の紙を差し出すと、黒木は眼鏡をかけ受け取った。
「就職先の希望ですな、私の悪クラスではこうなっております」
悪の華ランキング
1・好敵手
2・悪の首領
3・三悪
「やはり、悪に染まりきれず共闘する
好敵手に人気が集まりますね、悪の首領に成りたがるのは純粋に欲でしょう
三悪は死亡フラグを回避できるのと、毎回登場できるので根強い人気がありますね」
「対して正義クラスではこうなっているのです……うっうっ」
正義の味方ランキング
1・能力者
2・ライダー・戦隊
3・ウルトラ
「ジャ○プの能力バトルの影響で1位が能力者となってます
2位はライダー・戦隊が食い込んできますね、3位はウルトラ女子と男子では
ランクが変わってきますが……」
黒野は一通り読み終えると白木に疑問を投げかける。
「いたって普通のランキングですが何か問題でも?」
「宇宙刑事がいないんです! 宇宙刑事がいなければ地球は
異性人犯罪でてんやわんやになってしまうじゃないですか!」
「でもほら『メタルヒーロー』は終わった、ジャ……」
「終わった言うなッ!!」
正義のパンチが唸り、悪を打ち砕く時、地球の平和は今日も守られたのであった。
完
46 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 08:26:00 ID:jyK28Fzj
共通の敵なんだけど
それこそ腐ったヒーローとか
やりすぎな悪とかで良いんじゃない?
学校の評判も良くなるし浄化にもなるし
ただそんな敵とは高学年でしか戦えないから
低学年は宇宙からのウイルスに侵されて巨大化して狂った動物や昆虫達でどうだろ?
腐ったヒーローの判断は有志で結成された調査機関に一任
ちなみに先生はリアルヒーローを登場させるんだよねぇ?
GA文庫ってライトノベルのレーベルに「EX!」って作品がありましてねえ……。
HEROSの学生版で良いじゃん
49 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/18(火) 21:38:43 ID:99SeYIGl
ちょっと書いてみました。
(ん……ん……ん…!!!!!!)
体を少し動かしただけで激痛が走る。
「ん〜ん〜ん」
「良かった。気がついたのね。」
恐る恐る目を開けると、黒のロングヘアーの女の顔が我輩を覗き込んでいる。
先程の声の主は彼女のようである。
「校門の前に倒れてたのよ。大丈夫?」
(校門??)
どうやらここは学校らしい。
「あら気がついたのね。」
「マザー先生がたまたま買い物の帰りに貴方を見つけたのよ。」
マザーと呼ばれた金髪の女は我輩の額に右手を当てる。
「な……何をする!!!」
女は目を閉じると何やらブツブツと唱え始めた。
「少し動かないでね。」
ロングヘアーの女は我輩の体を押さえつける。
華奢な体をしているくせに意外と力が強い。
ベットに転がって体勢が不安定とはいえビクともしない。
一体何をされるのだろうか。いやもうされたのだろうか。
「もう大丈夫よ。」
「ん?」
「もう怪我は大丈夫よ。動けるでしょ?」
そういえばこんなに力を入れているのに、先程感じた痛みを感じない。
掌を見ながら感触を確かめる。
うん。悪くない。むしろ良すぎるくらいである。
「貴方名前は?どうしてあんな所に倒れていたの?」
「我が名は鬼頭 破威弩(キトウ・ハイド)である。
何故倒れてたのかはわからない。」
「私の名前はドクトル・マザー、本当の名前もあったんだけどもう1000年もこの名前だから忘れたわ。
ここはヒーロー学園。呼んで字のごとくヒーローを育成するための学校よ。」
1000年?今1000年と言わなかったか?この女正気か?我輩をからかっているのか。
「見たところ人間みたいですよ〜。」
「タダの人間のはずがないわ。」
「そうですよねぇ……。貴方どこから来たの?」
「わからん!何も覚えてない!!ところで汝は何者であるか?」
「私?ああ…自己紹介まだだったわね。ワータイ族トキ・エリカよ。」
族というのはなんだ……我輩はなんなのだ。
「貴方がどうして怪我をしていたのかはわからない。
ただ貴方がここに来た理由は恐らく今日が入学式だからよ。」
「あ…同級生なんだ!これからよろしくね!頑張ってヒーローになりましょうね。」
エリカがスベスベした手を差し出す。
ヒーロー?なんだこの言葉を聴くと頭痛がする。
「あらまだ充分回復してなかったかしら?もう少し横になってなさい。」
我輩は頭を整理するため、マザーの言葉に甘えることにした。
50 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/18(火) 21:39:15 ID:99SeYIGl
ワオーン…。ワオーン…。
大きな遠吠えで目が覚めた。
気がつけば寝ていたようである。
部屋をグルっと見渡すがマザーの姿は無いようだ。
時間にしてどのくらい寝ていたのだろうか?気がつけば窓の外には満月が姿を現している。
(ちょっと散歩でもしてみるか)
昼間寝すぎたのかなかなか寝付けない我輩は、床に並べられた靴を履くと部屋をコッソリ後にした。
ウロウロと出口を探す。
どうやら誰もいないようである。
ドアを静かにあけ中庭らしき場所に出る。
声はあっちの方から聞こえているな。
行く後も無い我輩はとりあえず声の方へと歩き出した。
(なんだあれは?)
しばらく歩いた我輩は思わず目を疑う。
(大きな狼が二本足で立っている。)
物陰から見ただけでも、虎・豹・ジャッカル・ジャガー・龍・ゾウ・ワニ等もいる。
あのマザーとか言う女……もしかして知らない間に体を改造する科学者なのだろうか。
それとも何か危ない薬物でも摂取させられたか
パキっと足元で乾いた音がする。
思わず後ずさりして木の枝を踏んでしまったのだ。
(こっち見てるぞ。)
物陰に隠れて息を殺す。
一匹の虎?人?がこちらに歩いてくるのが見える。
考えてみるとこちらから見えるということは、向こうからも見えているということである。
虎が柵を隔てて我輩の前に立つ。
(こういうときは死んだ振りか?)
考えるだけ時間の無駄だった。
虎は柵を軽々と飛び越え我輩の背後を取る。
「ハイドじゃん!どしたの?」
「虎が喋った……」
「あ・・・・・・」
薄れゆく意識の中で見たのはエリカの姿であった。
51 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/18(火) 21:40:40 ID:99SeYIGl
名前はカタカナ表記で良いですよね?
一族の名前動物からとってみたよ。
ただ生徒の名前が思いつかなかった……。
52 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/18(火) 21:55:44 ID:99SeYIGl
校則と授業を考えてみた
一 殺傷は禁止
一 一般人を戦いに巻き込んでは成らない
一 決闘は基本1対1で(上級生が相手の場合には5人まで助太刀可とする)
一 食事・トイレ・フロ・睡眠中の不意打ちは禁止
一 学内での銃火器の使用は指定場所のみ
法律学
ダークヒーロたるものチンケなことで捕まってはならない。
法律のブラックではなく、グレーゾーンを突くことで民衆に一目置かれろ。
経営学
一流の悪は利用されたり操られていることすら気がつかせない。
相手の潜在欲求を見抜くことで相手をコントロールしろ。
経済学
ダークヒーローは資金繰りも大変!ローコストハイリターンな作戦の立て方。
戦略論
28世紀型悪の組織の戦略
特別講師 フロシャイム川崎市支部ヴァンプ将軍殿
スマートブレイン社代表取締役社長 スマートレディ殿
声楽
ヒーローたるもの決め台詞で人をひきつけろ
腹式呼吸でハリのある声を!
乙 伏線張りまくりな感じだなw
>>52 ヒーローが名乗ってる最中に悪は攻撃してはいけない とか…
最近の連中は割と平気で邪魔してくるw
ヴァンプ様ktkr
>>53 一 お互いの名乗りの最中は攻撃禁止
追加ね
なんか鎌倉時代みたいだw
誰かが言ってたけど先生決めないと話始めれないわ(泣)
学園ものなら、不良の正義ヒーローとか、風紀委員の悪ヒーローが居ても面白いかも
特別講師マシ・オカ
「今日も悪事を働くぜ、通貨の偽造でもするか」
悪の生徒ヒルトは、港から運ばれてきた500ウォン硬貨に
ドリルで三つ穴を開ける錬金術により。次々と500円玉へと変化させた。
「はっはっは……これでゲーセン連コし放題だぜ!」
「まて、まてーい!」
「むっ! 何者だ!?」
校舎の屋上から現れた謎の人影が飛びおりると
着地際にもんどりうって転倒し、べそをかきながら泣き始める。
「ぶぇ……えっ…えっ…」
「チビの癖に無理するから」
大学生にもなって中学生並みの身長しかない、
くりくりまなこの青年は頬を膨らませながら、敵と向かいあい指をさす。
「ちゃんとカルシウム取ってるもんね、バカにすんなっ!」
「コータは丈夫といえば、丈夫だからな」
前髪を押し分け黒髪の少年が呟くと
栗色の髪の少年は懐から装着変身ベルトを取り出す。
「ジャーン! どうだ凄いだろっ! 変身ベルトだぞ!」
説明しよう!
変身装置には改造人間が外部エネルギーを取り込む変身タイプと
誰にでも扱える装着タイプが存在するのである!
「改造してもらった方がパワーの出力高いだろ」
「え? だ、だって痛いのヤダし……」
へタレのコータは俯いてボソボソ呟くと、ノロノロと変身ベルトを腰に巻き始めた。
どうみても隙だらけだが、ここで攻撃するのは校則違反である。
「あれ? えーとここがこうなって……むー!」
「あぁもう、日が暮れちまうぞ……おらっ、ついたぞ」
「あ、あんがと……変身!!」
Mutation!!
ベルトから放たれたカーボンチューブが外装を形成し、瞬転。
僅か0.05秒で変身しライダーへと変身を遂げた。
「さぁ、こい!」
「名乗りは? でも最近のライダーは名乗りとかやんないよな」
「名前はまだ決めてないから後でかんがえる!」
変身した”カブトガニ”の怪人ヒルトは腕に持って剣を次々と打ちつけ、
瞬く間にカブトガニはコータを打ち倒した。
「強い…強すぎる……カブトガニ」
「なんだか俺が馬鹿にされた気分になるのは気のせいか?」
「う…う……ぐすん、やっぱり僕にはヒーローは無理なんだ、またDマイナーだよー!」
「……まだ必殺技が残ってるだろ」
半べそをかきながらコータが飛び上がりキックを放つと……
「うぎゃー(棒読み)」
ぽこりと情けない音を立て、倒れ込んだヒルトはその場で爆散。したと見せかけて逃げた。
「正義は勝つ!」
「……というか俺爆発する必要あるのか?」
完
>>59 乙 馴れ合ってんなあw 微笑ましい
いまどきウォン硬貨に穴あけも微妙だが
>>57 生徒会とかな
>>59 連コし放題ワロタ
てか変身時に攻撃すんの校則違反なんだwww
62 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 12:04:20 ID:c60JZt1P
ライダーマン先生の機械工作の授業
気安く倒せる敵は
腐ったヒーローで良いんじゃない
「はっはっは……自販機の下をほうきで漁ってやるぜ」
駅の構内に現れた悪の生徒ヒルトは、今日も世界征服の為
地道な努力を続けていた。
「自販機の下の資金源を失った浮浪者が生活保護を申請、
日本の債務状況を逼迫してやるぜ、お…500円GET!」
「そうはさせないですよ!」
「むっ! 誰だっ!?」
白い髪に赤い眼の美少女が目の前に踏み出すと、
貧乳好きのオタク達に次々と写メ撮影される。
「その深夜アニメに出てきそうな風貌……貴様、戦闘マシンだな?」
「戦闘メカ違いますっ! 私の名はIC−01633『デストロイヤー』ですよ!」
「今『デストロイヤー』って言った!?」
パンツ丸見えで滑空しながら飛び込んで来る、アイの正拳突きが直撃すると
変身前のヒルトの体がボロキレのように吹っ飛んだ。
「ブーッ! へ、変身前に攻撃するなッ!」
「正義の味方の変身を妨害するのはNGですが、悪の場合これには当てはまりません、
つまり……これが正義の鉄拳なのですよ」
「ですよ、ですよウルセー!? 『デスヨロイヤー』の間違いじゃないのか?」
少女の眼光に殺意が入り混じると、ヒルトに向かい必殺の一撃を放つ。
「言ってはいけない事を言ってしまいましたね……」
「あれ、地雷踏んだ?」
「くらうですよッ! 『おっぱいミサイル』ッ!!」
少女が服の胸元をはだけ、ブラジャーをむき出しにすると
ヒルトは慌てふためきながらギャラリーから隠した。
――しばらくおまちください
「な、なるだけなら、他の技で頼む」
「ならばッ! 『ヘッドバルカン』ッ!!」
「お、まともそう……」
少女の頭部がぐにゃりと歪むとおびただしい量の赤黒いオイルがあふれ出し、
ざくろのように割れ……
――しばらくおまちください
「どうですか!?」
「ごめん、どっちかと言うと精神的ダメージが……」
陰惨な光景にすっかりいなくなったギャラリーを他所に
アイの腕が青白い閃光に包まれると、カブトガニの分厚い装甲を切断した。
「レーザーアームッ!!」
「ぐぉぉッ! 何で俺ばっかり……」
カブトガニのぬいぐるみが採石場から投げ出されると
アフレコで叫び声を上げ、発泡スチロールの粉を撒き散らし爆散した。
「こんなこともあろうかと、楽器を習っておいてよかったですよ」
平和を勝ち取ったヒーロー学園に縦笛の音が鳴り響いたのであった。
「プピー…ポヘー…ピー」
完
乙 笑わせてもらった
悪のほうがいい人っぽいなw
縦笛の意味よくわからんが
キカイダー=ギター
キカイダー01=トランペット
デストロイヤー=縦笛
そうだったのか
67 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/19(水) 21:45:27 ID:8oXJS+GP
50の続きを書いてみた
鶏の鳴き声で目が覚める。
気がつくと再びベットの上に居た。
確か虎が襲い掛かってきて……。何故かエリカの姿が見えて……。
きっとアレは悪い夢だと自分に言い聞かせる。
そこへエリカが現れた。
「早く行かないと遅刻だわ!」
ああ…そういえばここは学校で我輩はその生徒であった。
バタバタしていてスッカリ忘れていた。
「向こうの建物が二年生から通う正義学舎と悪学舎よ。
一年生は基礎的なことが一緒だから一緒に演習することが多いみたい。」
エリカの指す指先には白と黒ツインタワーが仲良く建っている。
「そういえば何か思い出した?」
我輩が首を横にふる。
「そ……そう。変なこと聞いてごめんねぇ。」
エリカはバツ悪そうに足早に教室へと我輩を連れて行く。
我輩は正義と悪どちらなのだろうか。
「うう……ん、さすがに混んでるなぁ。」
キョロキョロと空席をエリカが探している。
「あそこ空いてないか?」
我輩はそういうと奥の空席へと足を運ぶ。
「ラッキー♪ 一番後ろだね。」
それは良いことなのだろうか。
エリカが席に腰を下ろすと教室が俄かにざわめく。
(ん?どうかしたか?)
茶色のロングヘアを三つ編みして赤いロングスカートという美女が教室へと入ってきた。
香水の匂いだろうかいい匂いが漂ってくる。
男は勿論のこと女も彼女に目を奪われていた。
彼女は特に気にすることも無く空席を探している。
(こっちに来るぞ。)
「この席は空席じゃろうか?」
言葉の語尾に気品を感じる。
「ええ空いてるわよ。どうぞ。」
エリカはそういうと荷物をどけた。
「名をなんと申す?わらわは妖狐族のオサキ・ヘレネじゃ。」
我輩とエリカは簡単に自己紹介するとヘレネと握手を交わす。
68 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/19(水) 21:45:57 ID:8oXJS+GP
「それにしても、わらわがこんなに近くにおるのにそなた達は何とも無いのか?」
「妖狐族はは色気と妖力で人を惑わすの。私は同じような力があるから免疫があるの。」
小声でエリカが教えてくれた。
「まだまだ母上のようにはいかんようじゃ。
ところでハイドと言ったか。その天秤の家紋を持っているということは、
御主が閻魔大王殿と縁の者か?」
我輩の両手の甲には天秤の紋章がある。
やはりこれは我輩にとって大切なモノのようである。
「ハイドは今記憶を無くしてるのよ。」
「左様であるか、それは悪いことをしたな。
母上が昔お世話になったので伝言を預かってきておるのじゃ。」
そのとき手元が急にフッと暗くなった。
「ここ空いてるか?」
三人を顔を上げると多角形の小さな帽子を被り、右手には金属製の杖を持った大男が立っていた。
「ああ…空いてるぞ。」
我輩は荷物をどかすと、大男の席を作った。
「私は大天狗族のクラマと申します。以後お見知りおきを。
この学園へは第55代鞍馬天狗としての立ち振る舞いを学ぶべく参上した。」
詳しくはわからないが
エリカが口をポカンと開けているところを見ると、どうやら名門の出身のようである。
それにしても何やら変わったファッションである。
こういう格好が流行のファッションなのか。
まだまだ世の中は知らないことが多い。
「そなたも何とも無いのか?わらわのプライドはズタズタじゃ。
こんなことでは九尾の名が泣いてしまうわ。」
ヘレネはため息をついた。
「それは済まぬことをした。どういうリアクションをすれば良いのだ?」
「もう手遅れじゃ。今に見ておれ。そなた達みんな惑わしてくれるからな。」
とても不機嫌そうである。
69 :
タイトル未定 ◆31P.4mZG16 :2008/11/19(水) 21:47:05 ID:8oXJS+GP
そのときドアがバタンと乱暴に開けられた。
「学年主任の先生よ。」
『これから親睦を深めるためにキャンプに行く。班は面倒だから同じ机の奴で良いな。』
教室がざわつく。
キャンプというのは初耳の話のようである。
『隣に座ったのも何かの縁だ。どうせまだ寮でもロクに話してないんだろ。』
ヒーロー学園は僻地に建設されたため全寮制なのである。
実は研究施設に認可がなかなか下りなかったらしい。
『とりあえず、しおりを配るから後ろに回してくれ。』
教師はそういうと各列に冊子を配り始める。
エリカから受け取った我輩はそれをペラペラとめくった。
『諸注意 アンゴルモアに注意。』
アンゴルモアとは1999年頃に地球を滅亡させるために、宇宙からやってきたモンスターのことである。
我輩は見たことは無いがスライムのような形をしているんだとか。
彼らは口から入り込み体を中から乗っ取ってしまうのである。
増殖の方法はまだ解明されていないが、乗っ取られた者の細胞を基地で採取していて重ならないようにする知能はあるようである。
アンゴルモアがどうやって地球を滅亡させるのかも今だ不明だが、
乗っ取られた者が破壊の限りを尽くすことや正義・悪関係なく乗っ取られていることから、現在社会問題にまでなっているのである。
ちなみに一度乗っ取られた者が正常に戻ることは二度とない。
「神出鬼没のアンゴルモアをどう注意するのかしらね?」
エリカは鼻で笑っている。
もしかして我輩が傷だらけだったのは、アンゴルモアに襲われたからだろうか。
一気に背筋が冷たくなる。
記憶が無くなったのではなく、最初から無かったのだとしたら……。
3人とバスに移る我輩の足取りは鉛のように重かった。
生徒会か風紀委員みたいなのには入れる予定です。
名前考えるの難しいなぁ。
校則増えてきたからwiki更新してみたんだけどあんな感じで良いのかな?
初めてだからよくわからん。
一応
ヘレネ 九尾(狐) コピー 操る
クラマ 大天狗 風
主人公とエリカはちゃんと考えてあるんだけどもう少ししてからね。
途中でした。申し訳ない。
変身後姿 能力
ヘレネ 九尾(狐) 技のコピーと妖力で惑わす(具体的には混乱させたり操ったり)
名前の由来 世界三大美女より
クラマ 大天狗 風を操るのと剣術
名前の由来 鞍馬天狗より
72 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 23:04:14 ID:c60JZt1P
更新乙
複線また張ってますなぁw
乙 ヒーロー物というより何というか
妖怪物というか現代ファンタジーというかそんなかな
74 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 12:07:47 ID:atsdtVaF
更新乙
ふと思ったんだが最近のライダーは改造じゃないから
戦いが終わったベルトが封印されてても良いような気がする。
個人的には地獄大使先生の授業受けたいな
バスの中では歌を歌う者・景色を眺める者・隣の席の者と談笑する者
それぞれが思い思いに時間を潰している。
我輩はというと……。
「拙者……失礼、私は一族の復興のために……。」
隣のクラマの話も右から左である。
我輩にも夢とかあったのだろうか。
「どうしたのじゃ?」
前の座席から身を乗り出してヘレネが我輩の身を案じた。
「もしかして我輩はアンゴルモアもかもしれん。」
「どうしたのじゃ?」
「一般的なことはだんだん思い出してくるのに、自分については全く思い出せないのだ。」
「倒れてからもう2日じゃろ。暴れた様子もないし大丈夫じゃよ。」
アンゴルモアに寄生されると、一度細胞を採取するためにまず速やかにアジトへ行くのである。
(確かにそんな記憶は我輩には無い…。待てよ……。)
あの夜は本当に学園だったのだろうか。
暗かったしハッキリとはいえない。
だんだん自信が無くなって来た、
「そんなことよりさぁ。」
我輩の記憶をそんな事呼ばわりする女エリカ
「近くの洞窟に精霊がいるらしいわよ。」
「そなたはもう変身できるのであろう?」
人間は精霊と契約を結ぶことでヒーローへと変身できるようになる。
姿はイメージによって何度かは変更できるが、回数は契約者によって異なる。
「でも欲しいんだもん♪」
精霊の中にも変わり者がいて、そういった精霊は敢えて悪と契約するのである。
キバットバット2世がその一例である。
契約すると爆発的にパワーが高まることもあれば、特殊な能力を身に付けることもある。
ようは何が起こるかわからないのである。
「もし弱くなったらどうするのじゃ?」
「そのときはそのときである。」
この前向きさ正直羨ましい。
きっと悩みなど無いのであろう。
「みんな考えることは同じようだぞ。」
クラマはしおりのスケジュールの箇所を開いて見せる。
夜は殆ど自由時間である。
フッと窓に反射したバスの中を見ると、みんな同じページを開いていた。
「みんな夢に向かってるんだな。」
我輩がポツリと呟く。
「不安か?」
「まぁな。」
「それならハイドが精霊と契約すれば良いのじゃ。」
「しょうがないなぁ。」
そうこうしていると、赤いレンガに囲まれた塔が見えてきた。
「じゃぁ夕飯のときにね。」
さっそく付近を散策する者、夜行性なので昼寝する者
我輩とクラマはとりあえず部屋で休憩することにした。
「先程記憶の話になったが、鞍馬一族秘伝の催眠療法を試してみないか?」
催眠療法とはまた珍妙な術を使う男である。
頭では思い出していなくても、深層心理には残っているかもれないらしい。
ちなみに我輩は壷など買う金は無いからな。
(ヒントくらい得られるかもしれん。)
我輩が頷くとカーテンが閉め明かりが入らないようにする。
昼とはいえ何も見えないため、蝋燭に火を灯す。
いい匂いが部屋に充満する。
お香というものらしい。
「目をつぶって息をゆっくり吸って……吐いて……」
声が段々遠くなっていく。
封印されたベルトかぁ。なんかヒーローっぽいね
それで行こうって私が決めることじゃないか
乙 引っ張るねえ
学生生活らしいエピソードに期待
なんか昔特撮板にあった「スーパー戦隊高校」みたいなスレだ。
しかし、こんなに面白いスレになるとはスレタイだけ見たときには思いもよらなかった
元ヒーローだが、現実に絶望して引退した教師とか
そういうキャラがいたら嬉しい
夕食後の団欒を適当に切り上げた我輩とクラマは宿舎を後にした。
「役に立てずすまない。」
催眠療法で判明したことは、我輩は何かの使命を受けていたということ。
そしてその任務に失敗し学園に向かったということ。
その道中に頬と背中に赤い十字の刺青を持つ男に襲われたということ。
その使命がなんだったか…男に何故襲われたのかはわからなかった。
自分がアンゴルモアでないことが判明し少し胸が軽くなった気がする。
役立たずなんてとんでもない。
それだけでも十分な収穫である。
「遅い!レディーを待たせるとはどういう了見よ。」
裏山の集合場所には既にヘレネとエリカの姿がある。
どうやら結構待たせてしまったようだ。
腕組みをしたエリカが詰め寄ってきた。
「すまん、道を間違えた。」
「もう良いではないか。わらわ達の調べではこの祠にはカイザの精霊が祭られているようじゃ。」
「カイザーの精霊?」
耳慣れない精霊である。
「ここに誰も居らぬのも当然なくらい変わり者らしいのじゃ。」
「苦労したんだから探すの!」
別名『呪いの精霊』と呼ばれ適合しない契約者だと灰にしてしまうんだとか。
契約者にはX字ををかたどった黄色い紋章が刻まれる。
(不適合者はこの刻み込まれるときに灰になってしまうらしい。)
「我輩が灰になっても良いというのか?」
確かバスの中で我輩の契約の話をした記憶がある。
「なんじゃビビッておるのか?」
「この山には他にも精霊が居るんだけど倍率が高くてね。」
エリカが地面に絵を書いてみせる。
東の祠にデルタ・ファイルの祠にファイズ・そしてこの祠にカイザ
宿舎の正面の山にはサイガとオーガが祭られているらしい。
「デルタも人気無いんだけど、性格が悪くなるほうがまだ良いでしょ?
生きててなんぼだもの」
「詳しいことは歩きながらじゃ。」
洞窟に足を踏み入れる。
夜だからだろうかひんやりとして気持ちが良い。
『力…が…』
「ん?」
我輩がクラマの顔を見る。
「どうかしたか?」
「何か言わなかったか?」
クラマは両手を挙げて首を傾げた。
風の音を聞き間違えたのだろうか。
意外にも罠は少なく多少落とし穴を避けるだけで奥まで来ることができた。
ヘレネ曰くどうせ精霊と契約しても死ぬかもしれないんだから、罠なんて設置するだけ無駄だからだろうとのこと。
「別れ道だ。」
「二手に別れるか?」
三人が相談を始める。
『こっちだ……。』
また声が聞こえる。
我輩は声のする方へ歩きだす。
「どうしたのじゃ?」
慌ててヘレネが我輩を引き止める。
「声がするのだ。」
「空耳であろう?」
そんなはずはない。二度も聞こえたのである。
しかしまたも聞こえたのは我輩だけのようであった。
「何があるかわからない以上、分散するのは危険だ。
先にハイドが行きかけた左を行って行き止まりだったら引き返そう。」
「賛成♪」
エリカはそういうと歩き出す。
『そうだ。こっちだ。』
今度はハッキリと聞こえた。
誰かが我輩を待っているのかもしれない。
別れ道……別れ道……別れ道…シンプルな構造なだけに、引き返して戻ることなど出来ない気がしてくる。
声に導かれるように奥へと進んでいく。
7回いや8回だったか…いやぁひょっとするともっと少ないかもしれない
何度目かの別れ道で遂にエリカがキレた。
「本当にこっちなの!!!無限ループしてないわよねぇ?」
我輩に聞かれても困る。
ただ声はだんだん大きくなっていることは確かである。
「もう次別れ道だったら私帰る!つまんない!!」
そもそも誰が行こうと言い出したのか忘れていないか。
「若い者は辛抱が足らんのじゃ。」
人型の容姿ではヘレネとエリカは同い年くらいに見えるが、実際には600歳以上差が有るのである。
ヘレネはエリカを窘めながら我輩を見る。
「こっちだと思う。」
「左様か。」
左を選んだ我輩達を大きな木の扉が待ち受ける。
「まさか鍵が居るとかいうオチじゃないわよねぇ。」
「拙者に聞かれても困る。もしかしたら宝箱くらいあったのかもしれん。」
「押して引いて持ち上げてそれで駄目だったとき考えれば良いではないか。」
流石、年の功冷静である。
単純に押し扉だったので拍子抜けだったが、とりあえず中に入ってみることにした。
広い部屋である。地面には絨毯が敷かれ壁には照明器具のようなものがついている。
なんだか神聖な場所のようであった。
「一番乗り!!」
さっきまで帰りたいオーラはどこへやら、エリカが一直線に台座へと走り出す。
『箱を開けてはならん!!!』
声の主もこの部屋に居るようである。
我輩がクルッっと首を向けた先には髑髏の山が置かれていた。
『おお…とうとう我らの声を聞くことが出来る者が現れた。』
聞き間違いではない。
我輩が髑髏の方へ足の向きを変えたそのとき……。
「道案内ご苦労さん」
扉が閉まる音と共に男が入ってきた。
「悪が開発したり発見したものは正義に奪われ、やがてその悪を滅ぼす。定番だろ?」
得意気な顔が腹立たしい。
「何者じゃ?」
「俺達は愛と勇気と正義の使者(予定)悪に名乗る名などない。」
「今俺達と言わなかったか?」
男に続いてワラワラと人が入ってくる。
「お前らは包囲されている。大人しく台座から離れろ。
さもなくば力付くで貰う。」
「正義の使者が聞いて呆れるわ。」
ヘレネがフーとため息をつく。
もはや何もいうまい。
「ごめん、もう空けちゃった。」
いつのまにやらエリカは台座へとたどり着いていた。
グラグラと地面が揺れる。
『いかん、奴が来る。』
『奴が来る。』
髑髏達が叫びだす。
「空じゃん。つまんないの。」
「エリカよ、本当に空なのか?」
「うん。何もないわよ。」
「それじゃ拙者達はこれで失礼するよ。」
戦う理由はもう無い…はずである……。
「そんなはずはない。死人に口なしだ!掛かれ!!」
どうやらそうも行かないらしい。
正義を名乗る男達は一斉に台座に向けて走り出す。
手には槍だの斧だのを持っている。
中には変身している者までいた。
ちょっと待てこっちは丸腰だぞ。今更だが正義とはとても思えない。
「おぬし等風情がわらわに触れると思うことじたい不愉快じゃ。」
ヘレネは手を上に上げ指をパチンと鳴らす。
白い霧のようなものが充満する。
「踊り狂うがいい。」
するとどうしたことか、今にも台座に駆け上がろうとしていた男達が同士討ちを始めたではないか。
「今のうちに宝箱を調べるとしよう。」
三人が宝箱を調べているのを遠めで見ながら、我輩は髑髏を調べる。
(何でこんなところに髑髏が……)
『我はこの部屋で死んでいった盗賊達の魂を集めにきた死神だ』
声の主が直接、我輩の意識にコンタクトをしてきた。
(死神?)
『正確には死神だったものだ。』
(だった?)
『奴等に襲われ力を使い果たした我にはもう冥界に戻ることすらできん』
(さっき言ってた奴とは誰の事だ?)
『宝の番人…ライオトルーパー』
(なんだそれ?)
『カイザを守るために作られたロボットだ。』
(ロボット?そんなの倒せば良いであろう)
『古代の科学技術を駆使して作られた奴等に簡単には傷が付けられない』
台座の横の壁が上に上がり、中からガンや短剣を持ったロボットが数十体出てくる。
「エリカ後ろだ!!」
動きが素早い癖に力も強いようである。
台座のところにいたエリカが我輩のところまで飛ばされてきた。
地面に叩きつけられそうになるエリカを助けようとして骸骨に突っ込んでしまう。
「大丈夫か?」
エリカは目を回している。
「うわぁ!グハ!」
クラマとヘレネも飛んできた。
「さっきの術で同士討ちにはできないの?」
「ロボットに利くじゃろうか。試したことが無い。
それに正義の者がこちらに気づくのも問題じゃ。
もう少し固まってくれれば、一網打尽にできるんじゃが……」
「範囲を広げれば良いのか?」
「わらわの技は光を捻じ曲げて幻影を見せ混乱させる技じゃからなぁ。」
「変身!!!」
クラマが天狗に変身する。
手にした葉団扇によって強力な颶風を巻き起こす。
「そういうことじゃったか。ではわらわも本気を出すとするか。」
ヘレネは大きく息を吸い込む、そして吐き出す。
颶風に乗せられて白い霧が部屋中に行き渡る。
「お見事。」
「そなたもな。」
「では少し数を減らすとしよう。風の刃を交わすことは誰にも出来ん。」
そういうとクラマは霧の中へと消えていった。
「エリカとハイドは巻き込まれぬよう下がっておれ 変身じゃ!!」
走りながらヘレネが九尾に変身し霧の中へと消えていく。
感情の度合いにより2〜9と尾の数が変わるんだとか。
「私だって……。」
「下がってろと言われたではないか。」
我輩の制止を無視しエリカが霧の中へと消えていった。
変身の声が霧から聞こえる。
『ところで御主は何者だ?』
(記憶が無いんだ。)
『そうか…。我の声が聞こえるのであれば、属性が近いのかも知れんな。』
(それでこれからどうするんだ?)
『我はもう長くは持つまい。思い残すことはない。
良いことを思いついた波長が近いのであれば我と契約をせぬか?
これでも死神だったのだ悪いようにはせぬ。』
(死神と契約冗談じゃない。縁起でもない。)
我輩が首を横に振ったその時、三人が戻ってきた。
「あのロボット1体だとしょぼいけど、コンビネーションが……。」
ロボットであるから計算は得意なのであろうか。
「体力的にはもう限界だ。」
「どうする?」
おかしい。こんなやりとりを前にもしたことがある気がする。
どこだったか。考える時間が無さそうである。
「あ…合体しちゃったよ。何あれ?パワーアップ?」
ライオトルーパーのガシャンという足音がどんどん近づいてくる。
(死神契約して死んだりしないのであろうな)
『そんな心配は無用である。髑髏の口に手を当てかませろ。それで成立だ。』
我輩は急いで手元に落ちている骸骨を拾い口に手を入れる。
『契約成立で……御主…まさか……。』
(ウガー……。)
「どうしたのじゃ急に?」
ここはどこだ?
見慣れた風景である。
ここは我が故郷冥府である。
『冥府はこれ以上死者の魂を受け入れることは出来ん。』
「それで何をしろと仰るのですか?」
『地上で諍いが絶えないのは昔からだがあまりに急に増えすぎておる。
噂では宇宙からの招かざる客の話も聞く。』
「アンゴルモアと呼ばれるものでしょうか?」
『その通りじゃ。貴様に二つ仕事をしてもらう。』
「仕事…でございますか?」
『アンゴルモアは本体を叩かぬ限りドンドン増えていく。
しまいには世界を破滅へと導くじゃろう。
貴様の力でそれを阻止せよ。
そして世界の正義と悪のバランスを元に戻すのじゃ。』
「正義と悪にバランスとは??」
『悪が滅びるのは当然じゃが、正義は増える一方じゃ……。
これではバランスが狂って当然じゃ。』
「正義を倒せと?」
『左様じゃ、もちろん全ての正義ではない。まずは正義に値せぬものを減らせばよい。
バランスが狂ったせいでアンゴルモアを呼び寄せてしまったのじゃろう。』
「承知しました。父上…閻魔大王……。」
『頼んだぞ。ハイドよ…いや酒呑童子…獄卒を束ねるものよ。』
ようやく思いだした。
我輩使命を…・・
「ハイド……ハイド?」
エリカに体を揺すられ目が覚めてしまう。
「どうしたのじゃ?髑髏で気でも触れたか?」
「ははは…冥府の一役人である死神風情が我輩と契約だと?
笑わせてくれる屈服か服従の間違いであろう。
我輩は閻魔大王の息子にして、10000の獄卒を束ねる者ぞ。」
「記憶が戻ったのか?」
「下がっておれ、変・・・・身・・・・!!!!」
我輩は鬼の姿に変身する。
「判決を言い渡す。」
右手から鬼火を出す。
ん?なんだこの黒い炎は。
『危険……危険……。』
ライオトルーパーの顔のランプが点滅する。
「もう遅い。貴様ここで何人殺した?
冥府はもう定員オーバーなのでな。根本を絶つことにした。
地獄の業火で魂まで焼いてくれよう。」
我輩が鬼火を放つと瞬く間に黒炎がライオトルーパーの体を包み込んだ。
初めての変身でした。
引っ張りすぎた割りに肩透かしでごめんなさい。
アンゴルモアの目的はもう少し待ってね。
戦隊の五人リンチより悪質だな
タックル先生のヒロイン心得の授業
シャドームーン先生の悪の美学の授業
とかどうだろ
ある晴れた休日の一幕、映画館に現れた悪の生徒ヒルトは
性懲りもなく悪さをしに現れると、入場券販売所の前に立ち止まる。
「怪人一枚、お願いします」
「え? あ、あの……」
「む? 怪人は映画を見てはいけないとでも?
人類の遺した偉大なる文化装置から溢れるドリームを
観賞する権利が怪人にはないとでも言うのかッ!」
「いえ、その……」
ヒルトが甲殻変身し、カブトガニの姿へと変貌を遂げると
映画「ワンニャン物語」を見に来た、親子連れの子供から悲鳴が上がった。
「びえー……でっかいゴキブリーっ!?」
「ち、違うよ? ゴキブリ違うッ!? みんなのアイドルカブトガニさ!!」
「そこまでだッ!」
映画館のテナントビルの屋上から一人の女が舞い降りると
路上に駐車していた高級車のルーフをぶち抜き粉砕。
警察手帳を取り出しポーズを決めた。
「おのれ、また貴様かヒルト……わいせつ物陳列罪で逮捕する!」
「なんか罪状がおかしいッ!?」
「問答無用!」
短く切りそろえた髪にセッチカで磨いた白い歯で微笑むと
宇宙特捜研で宇宙刑事見習いとして、ヒーロー学園に所属する女
ユウキはヒーロー学園が所有する軌道衛星に信号を送る。
「結晶!!」
説明しよう!
ヒーロー学園が管轄する軌道衛星から放たれた、光線に含まれる微小の分子体と結合!
僅か0.01秒でメタルスーツへと変身を完了するのだ!(ポロリもあるよ)
「宇宙刑事(見習い)ヴァンガード!!」
「ゲェーッ!? もう名前決めてんの、このせっかちさんめ」
「私は警察組織でもキャリア組、出世もエスカレーター方式なんだよ」
卑屈なことを言いながら、レーザーブレードで切りかかる
ヴァンガードの剣に体を跳ね飛ばされ、カブトガニは川に落ちた。
「ゴボボ……ゴボ」
「奴は川に落ちた……ということは、まだ生きているということ(お約束)
ならば衛星から攻撃だ、シャイニングゥリィングッ!」
そういうとヴァンガードは懐から携帯電話を取り出すと、
地表上から衛生を管理する中央センターにインターンとして勤める、相棒のシズヱへと電話をかける。
しばらくの呼び出し音の後、シズヱが電話へと応対に出た
「あ、シズヱ、私……ユウキだけど」
『もう電話してこないでって言ったでしょ……』
「本当にあの娘とは何でもないんだって、
たまたま呑みに言った先で出来上がっちゃっててさ、それで……」
『お持ち帰りしたって訳?』
「いやいや、そこが誤解なんだって!? ざ、経緯度の座標送るから
SRの砲塔発射してくれるかな?」
ブツリと一方的に携帯の音が切れると、ユウキは宇宙軌道から降り注ぐ殺気を感知する
その場からダッシュ逃げ出す途中、運悪く川から這い上がってきたカブトガニともつれ、その場で転倒した。
『……天誅』
衛星から放たれた破壊の光が二人を貫き……尊い命がまたも失われたのであった。
完
講義を終えた学生達が帰宅する中、一人の男が校門前へとバイクを横付けすると
走り寄ってくる教員のクロノに向かい手を上げた。壮年三十半ばの男は
ざんばらに伸ばした髪を掻き揚げ、言葉に耳を傾ける。
「先輩、お久しぶりです」
「あぁ、あれから丁度一年だな、それで……めぼしい情報は流れたか?」
「”ゴースト”の動きは日に日に活発になっているようです。
国内の犠牲者の数は報道管制で抑えていますが
被害者の数は、ゆうに千は越えるかと」
”ゴースト”十数年前より存在が確認された謎の組織。
かつて正義と戦い敗れた悪の組織、それらの失われた筈のテクノロジーを再生。
悪の怪人……むしろ悪魔とも呼べる生体兵器を作り出し、
世界中の都市にて破壊活動を続けていた。
「一体どのような方法で失われた技術を、奴らが手にしたのかも……今の所不明です」
「……奴らが最初から持っていたと考えるのが自然だろう
”ギルモアの遺産”を」
壮年の男は緩やかに思考をめぐらせる。
改造人間の開発を手がける第一人者、改造人間開発の礎を築いた男”ギルモア”
かつて現れた悪の組織も、彼の遺産の恩恵を受けたに
過ぎなかったのではないか、そう考えたのだ。
「まさか?」
「かつて、ヒーロー達が打ち倒した、組織の背後に見えた黒幕の意思
奴らが複合的な組織であり、諸悪の根元が存在するとすれば、それも証明可能だ」
近年”アンゴルモア”と称して破壊活動を続ける謎の生命体、
改造する人間体の捕獲も無しに生み出される、無生物の怪人達。
明らかに過去の組織とは異なる技術体系である。
「無尽蔵に湧いてくる敵を倒すだけでは、根本的解決には程遠い……」
「先輩、俺も戦います!」
「クロノ、一人のヒーローの力だけでは
どうにもならない事態が起ころうとしている、
俺達が必要としているのは新しい力、可能性を次の世代へと繋ぐ為の……
そのためにヒーロー学園が存在するということを忘れるな」
男はそうゆうとバイクに乗り、クロノに手を差し出すと
両者は互いの手を取り、別れを告げる。
「お気をつけて」
「”仲間”達を頼んだぞ……」
そういうと一人の男はその場から走り去っていく、
クロノはしばらく考え込むように俯いたのち、背後から声をかけられると
女学生達から嬌声がわいた。
「黒野センセーイ! 一緒にカラオケ行きませんか?」
「センセイ、今度ライブあるんで一緒に見に行きません?」
「あ、いや、ちょっと予約はいってるから……」
「エ―――ッ!?」
ほうほうのていでクロノはその場から逃げ出すと、構内の階段を上り
窓の外から階下を眺め溜め息をついた。気付かれることなく忍び寄る悪に
人間はあまりにも無関心なのだ。
「ヒーロー……か」
続
小ネタがいちいち笑えるw
>>90 乙 けっこう練られた話だな
悪側になるんだろうか
アンゴルモア楽しみに待つことにするよー
>>92-93 乙 毎回おもろいな
ヒルト死んじまったんだろうか……
ギルモアはやっぱギルモア博士か
窓の外、日の落ちかけた放課後のグラウンドで、戦隊クラスの生徒達が
何度もフォーメーション練習している。
選抜試験が近いのだろう、色とりどりのジャージが鮮やかだ。
最近は五色のみならず、十色の戦隊もあるという。
窓から見える風景にふと思いを凝らしていた教師は、驚きの声を上げた
指導対象の生徒に向き直った。
「途中でクラス変更?!……出来るわけねェだろ先生、何とち狂ってんだ!」
「おいおい、そう決め付けたもんでもないぞ甲野。授業サボりまくって
まともにヒーロー史も受けてないお前が知らないのも無理はないが、
クラス変更どころか、生き方まで変更してきた先人はいくらでもいるんだ」
「だ、だからって俺がヒーロー科……無理だ、いくらなんでもありえねェ……ッ」
「何が無理なんだ甲野。何も為さないうちから諦めるのか?
そんな中途半端者が、悪にも正義にもなれる訳がないだろう!」
「おッ俺は……大体この学校だって、好きで入ったんじゃないし……」
うつむき、ボソボソと呟く生徒の肩に手を置き、教師は言った。
「お前が、自分の意思ではなく、親の意向でここに入ったのは知っている。
だがな、人はいつだって自分の意思で生き方を選べるんだ。
親兄弟でも、教師でもない、お前の歩む道を決められるのは、
いつだっておまえ自身なんだ!!お前の人生は、お前が生きていくんだからな!
お前が正義に惹かれ、憧れを抱いてるのは知ってるんだ。
行きたいと思う、その道を行け。言い訳なんかしてないでな」
「でも先生…。俺の姿じゃ、こんなんじゃ怪人だって思われちまうよ……
誰も、俺が正義だなんて思ってくれないだろ……」
「お前が思うよりも異形のヒーローは数が多いんだぞ?
深夜枠だと思えばいい。大事なのは姿形じゃない、その行いだ。
アメコミなんか見てみろ、あっちなんか特に強烈なのもいるしな」
「先生……」
「最近はちょっとぐらい姿が変わってても、それが萌えになる事も
あるしな。キャラクター性萌えどころか、ガワ萌えらしいぞ」
「キャラクター性?」
「声優は大事だってことだな」
言っている意味がいまいちわからなくて首をかしげた生徒に、教師は笑いながら
頭をこづいた。そして、懐から何か布のようなものを取り出すと、生徒に渡した。
「これからは、編入テスト目指して特訓つけてやる。放課後は覚悟しておけよ
それと明日からは、まじめに授業受ける事だ。ヒーロー史なんかもな!」
「これ……」
「お前が胸を張って、これをつけられる日がくるのを、俺も楽しみにしてるよ」
生徒の受け取ったものは、真っ赤なマフラーだった。
悪と正義混在の学校というのが難しいな!
ライダーマン先生とヨロイ一族の生徒みたいな感じでひとつ。
悪には悪の救世主が必要みたいな先生とか
最近の悪のファッションはボンテージだ!みたいな授業も
あるんだろうか。
乙 青春な感じだなw
悪になるつもりで正義になったり、その逆とかおもしろそうだな
悪を目指しつつ正義にあこがれる、またはその逆か
なかなかいいな
(使命果たすまで死ぬわけにはいかんのだ。)
「消化…消化…」
右手から消火剤を噴射させている。
「鬼火がそんなもので消えるわけなかろう。」
ライオトルーパーが崩れ落ちる。
「さてもう一仕事するとしよう。」
仮にもこれからヒーローを志そうという者が
あんな小ざかしい真似をするようでは先が思いやられる。
少しお灸を据えてやる必要があるだろう。
「貴様も次に我輩達を襲撃しようとしたら同じようになると思え。」
倒れている先程の男の髪を掴んで引き起こす。
「うううう…」
聞こえているのかいないのか
唸り声しか聞こえない。
怪我の具合は重傷のようである・
この男方法は知らないが
あれだけの人員を動かすことができるということは使えるかもしれん。
ここで死なせて良いものだろうか。
助けてやる義理はない。
しかし見殺しにするのも寝覚めが悪い。
「こ…ころせ…」
「何故我輩が貴様に命令されねばならん。」
そうだ。良いことを思いついた。
悪のヒーローのようでかつ自然な方法を……。
先程死神に聞いた話によるとカイザは台座ではなく、横の入り口に隠されているらしい。
台座はエリカのような安易な侵入者のための囮なのである。
古代の戦士達は盗賊から精霊を守ろうとしたのである。
我輩は入り口を破壊すると、部屋の中に入る。
部屋にはポツンと棺が置かれている。
床に男を置いた我輩は棺を開ける。
中には白骨化した死体に黄色いベルトが巻かれていた。
ベルトが精霊と契約するときの媒体となる。
嫌な話だがベルトを取りかつ骨を崩さないためには、一度棺桶から出す必要がある。
地獄では既に死んだ人間を相手にしてきたが、骨というのは改めてみると嫌なものである。
そのベルトを剥ぎ取ると息も絶え絶えの男に巻かせる。
しまった。契約の儀式の仕方がわからない。
精霊によって違うのである。
(ベルトについている電話を取れ)
「死神か?」
(我はあの白骨死体の主と会話をしていたようじゃ)
そんなことはどうでもいい。
「黒炎は契約の効果か?」
(黒炎は呪われし炎…。御主の火の力とうまくマッチしたのであろう。
急いだほうが良いじゃろう。我の精神はもうすぐ消える。
そなたと契約したせいで力を吸収されてしまったようじゃ。)
契約させたのは死神の方であるからして自業自得である。
「それで?」
(913 エンターと押すのじゃ。)
言われたとおりにしてみた。
「何も起こらないではないか!」
この光景誰かに見られたら恥ずかしい光景である。
(そんなはずは無い。あの者はそう言っていた。)
電話から突然
スタンディングバイという電子音声が発せられた。
(ほれベルトにつけるのじゃ)
しばらく使っていなかったせいで鈍かったのだろうか。
大丈夫かこんなの媒体にして……
バックル部に装填すると「コンプリート」の電子音声が発せられた。
「これで終わりか?」
(いや……まだ契約は済んでおらんはずじゃが……)
棺桶から出した白骨死体がカサカサと崩れていく。
(そうか。これで良いのだな。)
「どうした?」
(主は旅立った。そして主を現世に縛り付けていた精霊は新しい主の下へ向かった。)
男の体が金色の光を発光しながら中に浮く
よく見るとベルトは消えている。
体の一部になったということだろうか。
(我ももう限界のようじゃ。故郷に戻るとしよう。
さらばだ。ハイドよ。健闘を祈っておる。)
そういうと死神の声は消える。
男の体が光を点滅させながら再び地面に降りる。
(まぁ良い。行くか。)
ここまでしてやれば、後は運を点に任せるだけなのだろう。
そこまで見守る義理はない。
我輩は部屋を後にした……。
その後宿舎に戻って我々を待ち受けていたのは……。
仁王立ちして待ち構えた教師の姿だった。
『初日から規則違反とは良い度胸だ。
だが時間を守るのは最低限のマナーだ。
学園に帰ったら反省文を提出するように……。』
「めんどくさいなぁ」
エリカが両手挙げたその時……
息を切らした五人の生徒が駆け込んできた。
見るとそのうちの一人は先程の男である。どうやら無事契約をすませたようである。
「た…大変です!!」
『どうした?』
「裏山に精霊を探しに行ってたんですが、そこで騒ぎになっちゃって……。」
騒ぎになったというか…。
そっちが一方的に絡んできただけだと思うのだが……。
「それで俺が精霊と契約して戻ってきたらこいつ等以外誰も居なくなったんです!」
『先に宿舎に帰ったんじゃないのか?』
そんなはずはない。我輩達が部屋を出るときには確かに地面に転がっていた。
連中に追い抜かれた記憶は無い。
「電話も繋がらないし、姿が見えないんです。」
「そんな目で見られてもわらわ達は無関係じゃ。」
「拙者達はハイドが戻ってくるまで気絶していた。」
「あんなに沢山の人数をどうするってのよ?」
人が消えた……。それも未来のヒーロー候補が大勢…。
まさか……居たのか?
あの中にアンゴルモアの手の者が……。
この正義学園の中にも既に……。
『一応聞くがお前らはアンゴルモアか?』
教師は神妙な面持ちで質問する。
「アンゴルモアと精霊は契約できないと聞いていますが?」
教師はポリポリと頭をかいている。
「仕方ない。お前ら全員ちょっとこっちこい。」
我輩は教師の言葉に従い宿舎へと入る。
「絶対尻尾掴んでやるんだから!」
「どういう意味よ?」
「エリカ止めよ。」
後ろでは口論が聞こえるが我輩にはどうしようもない。
『好きなとこに座ってくれ』
教師は黒板の前に文字を書き始めた。
『お前らアンゴルモアについてどこまで知ってる?』
「宇宙から来たと聞いてます。」
「異形の者だったな。」
「確か理性がなくなるんだ。」
一通りの意見が出揃う。
『報道上はそれで正解だ。しかしヒーロー学園の生徒がそれでは困る。
アンゴルモアに寄生されると理性がなくなり暴れまわるんだが……。
奴等の中にも理性を持った者が居る。
それらはチェックメイトと呼ばれている。』
チェックメイト…変わった名前である。
『これは我々ヒーロー界が多大なる犠牲を払って得た貴重な情報だから
心して聞くように…そして決して口外してはならない。パニックになるからな。
本来は3年生くらいで教えるんだが、お前らには先に教えておく。』
「なんか授業のようじゃのぉ、わらわは流石に眠いぞよ。」
『チェックメイトは現在のところ11人確認されており…』
教師のチェックメイトとアンゴルモアの説明は真夜中まで続いた。
@意思や知能があり言葉を喋る。普段は人間と同じように生活をしている。
Aそれらは大王の細胞の一部から生まれた。
Aチェックメイトは細胞の一部を入手することで、その生物の長所を自分に取り込むことができる。
Bチェックメイトはある一定周期で自分の全情報を大王へと送っている。
C大王はその情報を最適化しより強固な体を手に入れている。
D大王とチェックメイトは遺伝子情報を得た者に変化することが出来る。(回数は何度でも)
Eチェックメイトは思念波でスライムをコントロールすることが出来る。
F大王はスライムとチェックメイトから遺伝子情報を得て、より強いチェックメイトを日夜研究している。
G大王の操るスライムはチェックメイトの意思とは関係なく動く。
Hチェックメイトの中にはラッキークローバーと呼ばれるようなチームで動く者もいる。
初めて聞く話ばかりである。
もしかしたら我輩を襲った奴もその一人なのかもしれない。
「人間でも可能性があるわけね。」
「なんでこっち見るのかしら?」
ああ…また喧嘩が始まる。
真夜中の教室が少し騒がしくなる。
「見てないわよ。因縁つけて来ないでしょ。」
「こっち見たでしょ!むかつくわねぇ。」
「何をやろうって言うの?止めないでよね。」
「わらわは止めんよ。」
「拙者も止めんよ。」
「変・・・・』
エリカが変身しようとすると向こうも携帯電話を入力しはじめた。
おいおいここで戦闘を始める気か。
『キングストーンフラッシュ!!! !!!!!』
ま…まぶしい…。思わず手で目を覆う。
この教師は改造人間だったのか。
「何事ですか?南先生……。」
『すみません。秋月先生ちょっと授業が盛り上がりすぎまして……』
光が漏れたのか心配した他の教師が入ってきた。
「ほぉこんな時間に授業ですか?熱心ですねぇ、ただもうこんな時間ですぞ。」
『すぐ済みますんで……。二人とも席につけ!』
「命拾いしたようね。」
「そっちこそ……。」
『お前ら二人とも退学にするぞ。』
こうして我輩のヒーロー学園生活が幕をあけた。
思えば一年前のこの失踪事件…あれが始まりだったのかもしれない……。
よくある一年後ってパターンです。
いよいよ学園生活スタートです。
説明口調が多くて読みにくくてすみません
説明口調が多い以前になんか文章がぶつぎりで読みにくい感じがするな
同じような語尾が連続しないように、あと三人称と一人称が混じらないように気をつけてみるといいと思う
>>108 アドバイスありがとうございました。
気をつけます。
乙 なんか大王ってすごすぎるな
いろんな情報送られてその能力使えるってことか
ほっとくとすげー強くなるな
111 :
97:2008/11/23(日) 00:06:21 ID:JK16Zsh+
>悪を目指しつつ正義にあこがれる、またはその逆
頼まれもしないのに書いたぜ!ヒャッハァ!
ところでこういうの落とす時って
ある程度行数制限したほうがいいんだろうか。
携帯で見れる範囲、とか。PC専ブラなのでいまいち行数制限わからん。
校則では、生徒同士の決闘は基本一対一であり、何人とたりとも余計な
横槍を入れてはならない。
突発的に校内で始まったそれも決闘とみなされ、周囲の生徒達は手を出
すことなくその様子を伺っていた。とはいえ、決闘は通常異なった属性
クラス同士で行うものであり、同クラス同士での戦いはあまり例がない。
姿や能力、思想は違えど、彼らは正義という共通の目的の為に集った同
士であったはずなのだから。
激しくやりあうバイオ系と機械系の二人の生徒はそれぞれ変身しており、
白い生体装甲と黒いメタリックボディが激しく空中で打撃を交わすと、
轟音とともに空気中に静電気がバチバチと帯電した。
機械系生徒、澤口浩二の纏うギアスーツの両手に装備された小型ダイナモ
が、電圧を高めているのだ。
「エレクトリカ・マグナムッ!!」
「プロテクトッ!!」
電光を孕んだ拳が叩きつけられる寸前に、白い生体装甲の上腕部を覆い尽
くすように外骨格が飛び出し、それを受け止めた。
嫌な音がして外骨格に大きなヒビが入り、バイオ系、西条シンは壁に叩き
つけられた。校内での決闘、室内演習など、多目的戦闘に晒されることが
多いこの学園の建造物は耐火性・耐震性共に強化され、基礎構造も通常建
築物とは比べ物にならないぐらいの堅固を誇っており、少しぐらいの衝撃
であれば吸収してしまう。
西条の叩きつけられた壁も、塗装や外部壁が飛び散ったがヒビも入らず、
被害といえばもっぱら人的被害、西条の衝撃緩和用外骨格の左腕部パーツ
が枯木のように折れたのみである。
ギャラリーは遠巻きに見ており、教師を呼びに行った者、いつでも二人を
止められるよう変身し、戦闘準備している者と様々だったが、戦いを止め
ようとする者はまだいない。
携帯はどうせSS読むときは1レスごと見るし
見づらくならない程度に詰め込んでいいと思うよ
ちなみにこの板の設定は60行、4KBまでだ
「もう一度言ってみろ、西条!!」
廊下階段下に着地し、黒のメタリックボディ、顔を覆う無表情なマスクの
中から、澤口は叫んだ。
「フン……何度も言わせるな。俺がクラス変更しようと、お前には関係ないだろ」
「バカ野郎ッ関係ないわけないだろッ!何故だッ共に正義の道を歩むんじゃ
なかったのか!!俺の、いや人類の敵に回るつもりか?!
人を害して生きていくつもりか?!」
唾を吐き捨てると、西条はゆらりと体を起こした。両腕の外骨格がギギギギ
と軋みながら形を変えていく。それは剣の形をしていた。
「直情馬鹿が。“組織”は人類に依存した存在だ。寄生虫と言っていい。
偏った思想団体みたいに、超人類だけが生存すべしなんて題目となえて
大虐殺を起こすつもりもねえ。クライアントがいなくちゃ、ビジネスとし
てもなりたたないんでな。澤口。お前“組織”より程度の悪い企業がどれ
ほど存在してるのか知らないとは言わせねえぜ。俺たちがいくら命を賭し
て“悪の組織”から守ろうが、人は“悪の組織”が起こすどんな惨事より
も残酷な事を同胞にするんだ」
西条は大きく両腕の双剣を頭上に振りかざした。
見ていた生徒達の中から、変身していた者たちが周囲の生徒の前に出てきて構えた。
澤口は何も言わず、拳を握り締めている。
「おい止めろ西条!こんな狭いところで広範囲技なんて使うな!」
「戦闘能力のない生徒もいるんだぞ、何考えてんだよ!!」
彼らの台詞を聞き流し、かまわず西条は言葉をつなげる。
「俺はここに来て、学べば学ぶほど、守る価値を失っていった。
己の心のままに行きたい道へ行けというならば、俺は自分の道を見出したまでだ。
澤口、お前はいいツレだったよ。だけどな、さようならだッ!!」
「させるかァ…ッ!!」
双剣が白く光りながら振り下ろされ、同時に澤口が旋風のように西条の懐に
飛び込み、閃光弾を叩きつけた様な光と爆風、衝撃が、白と黒のツインタワー
の一部、強固なはずの校舎の一角に大穴を穿った。
重軽傷者多数、死亡者0、バイオ科3年生体装甲系進化体:西条シン、機械科3年
戦闘特化系サイボーグ:澤口浩二両名共に重傷。
両名は周囲人員、校舎へ被害を出したため3週間の謹慎処分。なお、西条シンは
謹慎開けにクラス変更を申し出、編入試験に合格。
同日よりクラス:JM(Justice Mechanism)よりクラス:OM(Outside Mechanism)へ
編入。
ほほう、逆パターンか
正義に絶望して悪の道へ…というわけだな
116 :
97:2008/11/23(日) 00:13:33 ID:JK16Zsh+
>>113 なるほ。参考になりました、ありがとう
あと校則借りたり校舎概観とか借りました。
クラス名とか書いたりしてるけど誰かいいクラス名ないかね。
なんか正義クラス、悪クラスじゃない呼称が欲しいなと思ったんだけどね。
乙
バトルの迫力出てるね
クラスの言い方ねえ うーん
ロウ・カオスとか
ライト・イビルとか
118 :
97:2008/11/23(日) 01:27:50 ID:JK16Zsh+
ちょwwwメガテンwwwww
いや自分も最初ジャスティス・イビルにしようかと思ったんだけど
わざわざ悪が悪って名乗るかなというか
多分絶対悪よりも利害の対立などで立ち回る組織の方が多いんじゃないかと
思うとなんか曖昧な呼称の方がいいんじゃないかなと思ってさ。
架空呼称でもいい気はするけど。
大概の登場人物はこれらの分類に当てはまると思うんで
適当に纏めました、他にも分類があれば追加宜しく
スーパーヒーロー:正義の味方、英雄的行為に基づき、融通の利かない一面も持つ
様々な力と能力で悪のヴィレンと戦い続ける、多少古い考えのスーパーヒーロー
ヒーロー:身体的に優れ、社会正義に奔走する英雄
人に慕われやすい半面、他人に利用されやすく、アンチ面に傾倒しやすい
アンチヒーロー:何らかの欠点・疑念を持ち、反骨心から必ずしもその行動は
社会正義を伴わない、猜疑心が強く善意だけでは動かない、悩むヒーロー
フリーランス:善や悪とは一線を引き、どちらにも与さない、力を持った一般人
個人的な理由でのみその力を振るう、状況に応じて善悪どちらとも組む
クライムファイター:復讐の為に法で裁けぬ悪人達を処刑する、悪の私刑執行人
犯罪者に更正の機会を一切与えないことから、悪と混同されやすい
ヴィレン:悪の存在、大規模な組織犯罪や復讐者、多少の法的秩序となる掟により
結束している組織と、組織からすらもあぶれ本能のみで動く者もいる
アウトサイダー:フリーランスと同じく組織に与さない無法者
本能や欲のみで動き、自分以外の何者も信用していない
シビリアン:博士や技術者などの一般市民、善と悪の組織、双方により培われた技術を解明
パテント開発により、数多の特許を取得し、これらから得た資金を
ヒーロー学園の運営資金として取りまとめている
120 :
創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 03:20:38 ID:ePAGq7Un
ヴィレンじゃなくてヴィランじゃね?villainなら
いやそういう言い方があるなら無知でごめんね。
アメコミからの流用だとヴィランのほうが一般的かなと思って。
悪か正義か中立(灰色)で考えないこの分類は
おもしろそうだと思うけど、クラスに取り入れるのは難しそう
キャラ分類かな。なんかTRPGでキャラ作る時のジョブ?かクラス?
に使えそうだw
一般ヒーロー教養科目(必修)
↓ 退学・選択拒否
フリーランス →F(フリーランス)
―――――――――――――――――――――――
H V
(ヒーロー) ←掟による秩序→ (ヴィラン)
↓不殺の掟破り ↓組織に不利益となる掟破り
C OS
(クライムファイター)← 反目 → (アウトサイダー)
進路の選択によりHとVに分かれて
教師はSクラスのヒーローってことでSH
不殺の掟(校則)を破ると仲間からも追われる立場になる感じ
改定
善と悪の科学者・共同出資
ヒーロー学園 ← (シビリアン)
↓
一般ヒーロー教養科目(必修)
↓ 退学・選択拒否
フリーランス → F(フリーランス)
―――――――――――――――――――――――
H V
(ヒーロー) ←掟による秩序→ (ヴィラン)
↓掟破り ↓組織に不利益となる掟破り
A O
(アンチヒーロー) ← 反目 → (アウトサイダー)
↑見敵必殺
C
(クライムファイター)
俺が行ってた高校の部室棟に「ヤリ部屋」って呼ばれてる空き部屋があって
しょっちゅう誰かがヤリまくってた。
後輩つれこんだりするやつもけっこういたしみんなやりたい放題だった。
バスケ部のマネージャーなんか数人に回されてたりしてた。
「やめて!いや!」とかいう声がよくもれ聞こえてきた。
去年共学になったらしいけど少しは良くなってるんだろうか…
アッー
正義を語る権力側が実は悪で、一般では悪いと言われてる奴らが実はいい奴
そりゃ子供の頃からこんな作品ばかり見てたら、DQNや不良=カッコイイみたいな考え方になっちゃうわな。
石ノ森ヒーローによくある葛藤から来てるわけだが
バッタの畸形怪人はいくら頑張っても人間から怪人以上の扱いは受けない
見た目の薄気味悪い怪物でしかないし、他人から非難される
それでも正義の仮面ライダーとして戦うからいいんだよ
人に祭り上げられて戦うような奴はヒーロー失格
一応、ダークヒーローってのもいるからなぁ…
最近だと、クリスチャン・ベール主演のバットマンとか
イタリアンスパイダーマンとかなw
ピザデブのヒーローとか扱い酷そうだなw
人類救っても「臭ぇよ」とか言われそうw
まぁ、人類なんてのは社会全体でみれば身勝手なゴミですから
社会×
生態系△
地球○
宇宙◎
そもそも改造人間云々は人種差別が根底にありますので
社会の問題だと思われます
え?
>>130は人類そのものがいらねって書いてるんじゃないのかよ
いやマジで
そういう人間は高尚な生き物で万物の霊長みたいな物の考えが差別を生むんだろ
ゴミで我慢しとけ、ゴミになっても正義に準じてこそヒーロー
上手く纏まった
まぁ難しく考えてもしょうがないわな
そういうふうにいろんな考えをそれぞれのキャラが持ってるってことで
それは正しいか正しくないかはわからないけど、それぞれのキャラ自身は信じてる
デブとかニートとかオタクとか自分より劣る人間をけなすのが大半
そして本人はそれが差別だと認識しない、よって世界から差別はなくならない
いやどう考えても人類自体がイラネ
知的生命体とか利己的でうざいだけ
なんか話がずれていってね?
まぁ、正義を語る権力側の圧力に屈して
差別と戦わない奴はヒーローになれないってことで
なんつーか、最近の正義の味方は
自分より強い奴にはへーこらして屈服するしな
自分より弱い奴しか勝てないヒーローとか笑うわ
「このように悪の組織での成功例は非常にまれであり
成功例のクロノスと失敗例のエグリゴリの差は紙一重と言って良いだろう。」
2年生になり少し高度な授業が行われるようになった。
キン コン カン コンという時間を知らせるチャイムがなる。
「それじゃぁ、次回の講義までに今日のレポートを提出すること。
あと次回は戦闘員との円滑なコミュニケーションと……」
まことに気の毒なことに
教室にはもうほとんどの学生が残っていない。
ここは悪の教室である。
ちゃんと椅子に座って90分間授業を聞きノートを取っていることの方が不思議なことだ。
「この後の予定なんだっけ?」
隣のエリカが我輩のノートを覗き込みながら尋ねる。
(ええっと次の講義はと…)
「次は基礎演習じゃ。その前にエリカとわらわは自治会室に顔を出すんじゃったな。」
手帳をめくっていると、左隣に座っていたヘレネがため息をつく。
自治会それは学生間のトラブルを解決するために、必要とあらば実力行使も許されている。
我輩達は一年前の神隠し事件の罰として強制的に加入させられたのだ。
ちなみに喧嘩は両成敗ということで、
カイザと契約したタカノリ・ファイズと契約したユウジ・デルタと契約したユイ
サイガと契約したナツミ・オーガと契約したカンクロウもメンバーだ。
やたら人数が多いということもあり、我輩達の代は当番制を採用しているのである。
当番の日は赤の腕章と黒い羽織を着なければならない。
自治会室は正義学舎と悪学舎の間にある本館の中にある。
(ん?あれは?)
『俺達正義のヒーローが守ってやるから、将来お前らは大好きな研究に勤しめるわけだよな。
言わばこれは先行投資だ。将来困ったときは助けてやるぞ。』
よくあるカツアゲだ。
もちろん校則違反である。
人数は5人…ううむ…面倒だな。
「これは遺伝子工学の参考書を買うお金で……。」
『何にも金寄こせって言ってるわけじゃないないんだぜ。
楽しいことしようって言ってるんじゃないか。』
不良の一人が怯えた女学生の胸倉を掴む。
「校則第4項 非戦闘能力者への戦闘行為は如何なる理由があろうと許されず
これを自治会への宣戦布告とみなすこととする。」
どこからかヘレネの声がする。
今日は噛まずに言えたようで一安心だ。
長いセリフを噛むと、緊迫した雰囲気がぶち壊しされてしまう。
「自治会室の目の前でカツアゲとか良い度胸ね。」
今度はエリカの声がする。
いったいどこにいるのだ。
『自治会が出しゃばって来るんじゃねぇよ。』
「貴様等 正義の風上にもおけん。死ね!!!」
機嫌の悪そうなタカノリの声がする。
『次から次へと一体何人居るんだ!!!』
「仕方ないじゃろう。
泣く子も黙る自治会の目と鼻の先で、卑劣な略奪行為が行われようとしておるのじゃから。
トオ!!!」
ああ…上に居たのか。
そういえば、二人とも高い所が好きだった。
『人数見ていえやぁ。』
「逃げるのじゃ。」
「ありがとうございます。」
蜂の巣をつついたように絡まれていた生徒が逃げ出す。
「拙者達も手伝うか?」
「充分だろう。」
こんな行為をするのは小物と相場は決まっている。
むしろ巻き込まれないように避難した方が良いのではないだろうか。
「カイザブレイガン!!」
X字型のレーザー銃を構える。
ボタンを何か押すと『バーストモード』というアナウンスが流れた。
『いきなり銃とか卑怯じゃねぇか!』
「二度と非戦闘員からカツアゲ等という気が起きないようにしてやろう。」
「やり過ぎないようにな。」
「エリカの分もやっちゃって良いよ♪」
「ふん。最初からそのつもりだ。」
そういえばエリカの変身するところを我輩は見たことが無い。
この一年間で精霊ハンターとの異名を持つまでなったエリカだが、いつも土壇場で気絶しているのだ。
「舐めやがって!!!蒸着 宇宙刑事シャーロン!!!」
「俺達も!!!蒸着 宇宙刑事モーガン! 同じくマット! 同じくキャメロン! 同じくセリーヌ!!」
おいおい宇宙刑事に不良がいるというのも女刑事が居るというのも初耳である。
女性はてっきりサポート職限定かとおもっていた。
時代の流れだろうか。
地球衛星軌道上の亜空間内にいるヒーロー学園が管轄する軌道衛星から放たれた、
特殊軽合金グラニウム製のスーツが転送され
スーツはそれぞれの不良に装着される。
尚この一連のプロセス0.01秒で完了する。
「ほぉ相手に不足はない。成敗してくれる。
新兵器・カイザポインター(特許出願中)のテストにちょうど良い。
俺の獲物だ手を出すなよ。」
銃をこっちに向けるな。
危ないではないか!
是非『銃はみだりに人に向けては成らない』を校則に加えてもらいたいものである。
「どこ見てんだよ!」
まだカイザは名乗っても居ない。
この分だと戦いが終わるまでにどれだけの校則破りがあるだろうか。
ちょっと楽しみである。
「手を出すな」とは言われたが、向こうが襲い掛かってくるのだから
これは正当防衛だろう。
クラマは上空からカマイタチを連発している。
いつもながら容赦ないな……。
巻き込まれないように気をつけよう。
>>110 最終回直前に補正が入るので強すぎるくらいにしておかないと…
wikiちょっと更新してみたので
違う箇所あったら編集お願いします。
絵とか描けたら面白いかもね。
私は残念ながら絵心ないんだ。
乙!
なんという創作意欲よ 頭が下がる
正義が極悪だなあw
悪の生徒が授業最後まできかないってのは
ジャンプの王様はロバって漫画の最終回思い出したな
悪い宇宙人が真面目に地球征服しないってネタ
極悪ヒーローのお出ましか
スレも盛り上がってきたな
白いタイルが敷き詰められた床と壁。
どこもかしこも真っ白で、イオン臭のただようその清潔な部屋の中央には
巨大な水槽がいくつも置いてある。改造人間・人造生命体調整用の調整槽だ。
生理食塩水・その他の液体で満たされた水槽内部には歯医者においてあるような
寝台と椅子が組み合ったような診察椅子が設置され、水槽の一つには、
その椅子に人影が横たわっているのが見える。
ここは学園地下、巨大な医療施設の一つ、第四保健室だった。
生徒の健康治療、身体調整の為の施設である。主にバイオ系の生徒が
よく利用する。人影が見える水槽の前には、真新しい白衣を着た、
壮年の白人男性の姿が見える。
第四保健室の責任者、ハンニバル生体工学博士である。
別にカニバリズム趣味はない。
ハンニバル博士は、水槽前に設置された巨大compの仰々しいインターフェースを
操作しながら、近くに配置されていたマイクに呼び掛けた。
「どうだい甲野君、調子は。頭痛とか感じるようなら言いなさい」
『大丈夫です。問題ありません』
人影が中で少し身じろぎし、その返答は水槽外部に取り付けられた
スピーカーから聞こえてきた。
シュー、ゴボゴボゴボという水音や呼吸音が合間に挟まる。
中の人影は無数の管に繋がれているようにも見える。
その姿を簡単に描写するとしたら、甲殻類だろうか。
エビやカニといった甲殻類、ただしサイズは巨大なもの、で作り上げられた
人型とでも言うべきか。
全てを甲殻で覆われ、まるでエビかカニの騎士とでも言うべき異形だ。
「もう少しで調整終了するから、待っていてくれ。
……おや、七塚先生が来たみたいだな」
いくつかあるモニターのひとつが点滅し、ハンニバル博士が素早く手元のキーを叩いた。
キンコーン
軽いチャイム音がし、壁の一部が音もなくスライドした。
「失礼します、七塚ですが」
一礼して入ってきたのは七塚博。二年・クラス:OM、バイオ系生徒
甲野リョウの担当教諭である。
調整槽の間を抜けてハンニバル博士の側にやってきた七塚は、
調整槽の中にいる教え子の姿に目を細めた。
「どうだ、甲野。気分は」
『ああ、先生。悪くないッスよ。まだ実感沸かないんスけど』
「甲野君の一族は代々自分のクローンを我が子として改造・育成して
きたんでしたっけ。代々繰り返されてきた改造と育成の成果が
彼には存分に現れています。ヘイケガニ怪人からここまで人型に近い形に
なっているんだから、調整も軽くてすみましたよ。OMクラスだとヒルト君に
近いのかな。彼もカブトガニ系だったよね」
ハンニバル博士は、大型モニタの前でいくつかキーを操作した。
甲野の遺伝子地図と身体のフレーム図が浮かび上がる。
「両手の鋏を収納型にして、通常は五本指の人系腕にしました。
ブレードでもいいんですが、いまいち硬度が心配ですね。外見はあまりいじらずに、
赤黒かった色を彩度明度共に鮮やかに、複眼も赤からクリアブルーに変えました。
外甲殻の再生能力は問題ありません」
「ありがとうございます。装備細部は卒業までにまたご相談にあがるかと思いますが、
よろしくお願いします」
『えっ、まだ変えるんですか?俺これ超気に入ってんですけど』
「アホか!卒業までまだあと何年残ってると思うんだ、
何度も戦闘実習や必殺技開発なんか重ねて最終装備を整えていくんだぞ。
お前が気に入ろうが気に入るまいが、どんどん変わってくわ!」
『マジすか……うわァめんどくせェ……』
水槽の中で大きくうなだれた甲野だったが、その胸には言いようもなく
高揚した気持ちが詰まっていた。空気を入れすぎて破裂寸前の風船のように
膨らんだその気持ちは、今まで消極的に『何にも為ろうとしなかった』無気力に
生きてきた少年を押しつぶすほどに膨らみ、例え友や親と袂を分かつことに
なろうとも、彼を、選んだ道へと押し上げていくに違いなかった。
水槽の中で、そっと右手の平をかざすと、
軽いノイズと共に生徒証のホログラフが表示される。
二年
クラス:JM
バイオ科所属 生体装甲系人工体(ヨロイ一族) 甲野リョウ
ヒーロー名:unknown
思わず変な笑いが込み上げてくる。
調整槽の中で、未来のヒーローは一人、小さくガッツポーズを決め、
それを見ていた担当教諭と保険医は、やはり小さく笑った。
149 :
97:2008/11/24(月) 03:48:16 ID:Q43DbxiG
>>97 の、クラス替えした生徒の続き。
勝手にヒルト君の名前をお借りしてしまいましたサーセン。
あのキャラ好きなもんで……。
機会があったらハイド達からも名前借りてみたいんですが
クロスオーバー的にはどうでしょうか皆さん。
クラス名がHとVで決定なのかなどうなのかな。かな。
いまいちわからんので、前述のクラス名そのまま引継ぎ。
決定したらまとめる機会があればその時にでも一括で修正しようかと。
ヘイケガニ怪人とはなかなか意表をつくね
しかし、やっぱりこの学校の保健室はすごい設備を持ってるんだなー
>>149 乙
丁寧に書いてる感じするね
ちょっとクロスするのもいいな
ヒナエG08はこの学園に不信感を抱いている。
戦闘員育成機関。概念で生徒のクラスを二つに分け、
それぞれにタイプの異なる戦闘員を育て上げる。
正義だ悪だとどう取り繕おうが、結局は二つの陣営に属するであろう
兵士育成システムの一環にしか過ぎないのではないか。
そう主人に聞くと、彼はいつものごとく
「バッカ、何言ってやがんだ。正義と悪を一緒にすんじゃねーよ!」と
明朗に笑い飛ばすので、彼女は少し苛立ちながらも主人の言葉に反論は返さない。
そもそもが、『正義』『悪』というのは人が己の行動原理を正当化するための
概念にすぎないのではないだろうか。
己の利益行動を正義と呼び、己の不利益行動を悪と呼ばわる。
主人が正義に属するというならば、主人の従属物である己も正義であり、
主人が悪に組するなら、己も悪の産物であるという訳だ。
なんという移ろいやすく、脆い概念であることか!
そもそも、二極化した概念を異なる理念として教育するならば、
同じ敷地で教えることに何の意味がある?互いに理解しあえぬ者同士、
将来は互いに敵対し、戦闘をするならば、ここで縁をつなぐことにより、
戦闘での拳の矛先が鈍りはしないか。
全く、ここで顔を合わせる意味がわからない。
ヒナエG08はこの学園に不信感を抱いている。
超小型強襲艦ロジカリストの主脳AIにして電脳A級知性体である彼女は
本来のボディとは別に独立したサブボディを持っており、
その姿は一見すると中学生ぐらいの少女のようだ。
抱きしめたらポキリと折れそうな華奢な体。薄い金色の髪と目。
儚げに見えるその姿はまるで妖精のようだったが、その中身は苛烈にして凄烈、
幾多の星の海で戦場を駆け抜けた人型変形機構対応高機動機に宿る戦乙女である。
早い話が、人型ロボットに変形する小型宇宙船の電脳AIだ。
ロジカリストのパイロットであるゴウシは、そんな彼女のうすっぺらい胸板を
見るたびに、もう少し大人の女性の姿になってくれ、胸部パーツをもう少し
厚くしてくれ、サイズにしてC以上、と要望を出し続けているが、
その要望を聞き入れてもらえたことは一度も無い。
さて、学園である。正義の徒と悪の狗を養成するという
なんともユニークな教育機関である。
星の海を駆ける自分の下に入学案内が来たのはいつだっただろうか。
広域宇宙警察側からだろうか。父から譲り受けたロジカリストに乗り、
人と、人でなきもの、深遠たる淵より這い上がってきた暗黒の生命体達とも
闘争を繰り広げていたフリーランスの自分に何故そんなものが来たのか、
理由は定かではない。ともあれ、丘に、いや普通の生活というものに憧れた
ゴウシの心をくすぐるには十分だった。
大型火気厳禁ということで、ロジカリスト本体は学園内重兵器格納庫に
収納されてはいるものの、サブボディとしてG08を連れ、
ある程度の乱闘や戦闘であればそれなりに対応し、祭りがあれば好きに騒ぎ、
友も出来、学園生活を満喫するゴウシであった。
アンゴルモアという異種の脅威は正式に教師の口から三年時に通達されたが、
とりあえずゴウシの周囲でそれらの怪異が起きたことはなく、
時折ヒナエが学園への不信感を口にすることを覗けば、学園生活4年目、
平穏であり、和やかな生活である。
その平穏が、ホットミルクの上に出来る薄い膜よりもなおも薄いものであると、
まだ一部の者しか気がついていなかった。
ヒナエG08はこの学園に不信感を抱いている。
何度も学園のメインコンピューターに接続を試みたが、外部環境と完全に切り離された
それはまず存在自体が見当たらず、完全なスタンドアローンであるかと思われた。
物理的にまずコンピューター本体を探し出さねばならないのだ。
(この学園の真の目的……もしもそれが、私の推測に当てはまるものであれば、
この学園こそが……)
今日もヒナエG08はメインコンピューターを探索する。
ヒナエG08はこの学園に不信感を抱いている。
乙 いいよー
外部から学園自体を疑う者が来てしまったな
無理もないかw
ロバのおじさん チンカラリン
チンカラリンロン 鈴が鳴る♪
閑静な住宅街を悪の生徒ヒルトが運転する、車上販売の車が走り抜けていく。
テープレコーダーから流れる、ご近所迷惑極まりない珍妙な歌のしらべ。
公園の前に駐車したパン屋には、周囲から物珍しげに駆け寄る
子供たちが集まった。
「ふははは、毎度お騒がせしています
にんじんパン、ピーマンパン、一律どれでも税込み50円の大安売りだ!」
「……にんじんきらい」
明らかに色のおかしい極彩色のパンを、子供たちがもさもさと試食し始めると
思いのほか味がよかったのか、我も我もとパンを手に取り
大賑わいとなった。
「子供たちの好き嫌いをなおすことで、食費を圧迫させエンゲル係数を増加。
苦しくなった家計を締め付けることで、一家離散にしてやる!」
鬱陶しい前髪をかきあげ、ヒルトがにやりと微笑むと
ワラワラとむらがる幼児に登られたり、スネを蹴られ地味にダメージを受ける。
「えんげるけいすーって、なに?」
「ナチ党員さッ!」
「それはトラウデル・ユンゲッ!」
「む……新手の正義の味方かッ!?」
マニアックなボケに間髪いれずツッコミが入り、ヒルトは声のした方角へと目を向ける。
公園の滑り台の上に一人の女が現れ、赤・黒・白のゴシックファッションに
ハーケンクロイツの腕章がきらめくとヒルトへと無骨な造詣の杖を向けた。
「”ついた餅より心持ち”……第十三魔法師団イルーゼ・シュミット・イッセルシュタット見参!」
「何だ、イシイさんか……」
「略すな」
永遠の十六歳(自称)イルーゼが蒼い瞳に髪をなびかせ魔法の杖を振りかざすと
滑り台から華麗に滑り降りようとする途中。滑り台の幅が狭すぎたのか
尻が滑り台にはまり抜けなくなってしまった。
「うむむ、な……何たる屈辱」
「安産型なんですね」
「何を言うか、この痴れ者め……こ、こんなものすぐに抜け出して!」
――閑話休題――
公園に遊びに来た子供たちが呆けた顔で見守る中で、
変身を終えたカブトガニと、魔法少女イルーゼが互いに向かい合う。
怪人の繰り出す攻撃を魔法によるフィジカル・コントロールにより相殺し
一進一退の攻防を続ける中、わずかな隙を見たイルーゼは杖を向け、呪文を詠唱する。
「ヤークトパンターッ!!」
「ぐおッ!……口惜しやーッ!!」
振りかざした杖で描かれた魔法陣から、
戦車の主砲と同威力の魔法炎弾が飛来すると、
外殻ごと体を弾き飛ばされ、まるでドラゴン花火のような華麗な火花を散らしながら
カブトガニはその場に倒れ込んだ。
「ハイル!ドイッチュラント、ユーバーアレス!!」
沈む夕日に敬礼する、魔法少女(自称)イルーゼの胸中には
貧しい胸と虚しい戦いのやるせなさだけが残されたのであった。
完
暗闇の中、機体のメンテナンスが行われるさなか、青年は夢を見た。
正確には脳に焼き付けられた記憶の残像。診察椅子に座る青年の頭部に繋がれた
無数のケーブルを通して、送られてきたデータを端末へと送信すると
ハンニバル博士は、コンソールに映し出される数値に一通り目を通す。
博士はヒルトの体に再び電源を入れると、けだるそうに首を回したのちに起き上がる
青年の前に椅子を引き互いに向かい合った。
「多少雑念が混じってたが回収は終わったよ、調子はいかがかね?」
「最近肩がこったみたいで……」
完全な改造人間である青年の体にある筋繊維を全て
耐刃・耐圧性の高い人工的な筋繊維の束へと置き換えられている。
脳以外は人工物、もはや彼には疲労はおろか、痛みや体温すら感じないのだ。
改造人間がその体にメスをいれ、作り物の自分を受け入れられる者は極端に少ない。
感覚を失い困惑する者、精神に異常をきたす者、普通の人間との距離が保てなくなる者。
数多の組織により培われてきた技術そのものが、膨大な人数の”失敗作”により支えられた技術。
改造人間が生まれるに当たり最も必要とされる資質とは強靭な精神力にある。
「では、君の忌憚のない意見も聞かせて貰おうか
どうだったかな、Hクラスと実戦形式で手合わせしてみた感想は?」
「……コータの奴は装備の換装次第ですね」
改造型の変身に比べ装着型の変身は出力そのものが劣る場合が多い、
その上、人間の装着型となれば相互の戦闘力に大きく水を空けられることになる。
その差を埋めるために様々なアタッチメントツールが開発され、装備の充実化が図られている。
「IC−01633はどうだったかな?」
「AIの自己学習機能が経験不足のように感じました」
人造人間は人格の構成と自己学習は相乗する関係にある、学習を進めるにつれ、
トライ&エラーを繰り返すAIに差が生まれることにより、
行動に相違点が生まれ、人格を形成する。
「……では次の」
「メタルスーツは上々ですね、扱う人間の経験もあるでしょうが
今回の中から一人選べと言われれば彼女です」
元より装備のレギュレーションが早期に設けられ、
量産化による配属が進められている宇宙警察の正式装備は、比較的高性能であり。
オペレーターの援護により索敵能力も高い。
「最後はイ、イルーゼ・シュミテ……ま、まぁ、魔法は私の専門外だからな」
「生身で前衛に出るのは危険ですからね」
ヒルトはそう言うと一通りの会話を終え、その場を立ち上がり
仰け反るように伸びをしてみせた。脳が覚えこんだ肉体の癖である。
「では今回のテストの判定は後から出しておこう」
「一人で四人相手は流石にくたびれましたよ」
「Hクラスの希望生の方が多いからなぁ……ゆっくりと骨休めしたまえ」
「カブトガニには骨はありませんよ、博士」
にやけながらヒルトが保健室から立ち去り、ハンニバル博士は生徒を見送ると
内心、彼の楽観的な応対に救われた気分になった。
人間を切り刻んで兵器に仕立て上げるなどあまりいい気分はしないものだ。
男はコンソールから流れる文字を今一度確認しながら
メインコンピューターへとデータを送信した。
”冬期選抜試験 結果報告”
続
乙 ヒルト生きてたか
毎度よく考え付くもんだ キャラがいいな
今までのは試験だったのかー
158 :
97:2008/11/24(月) 17:47:26 ID:Q43DbxiG
ヒルトktkr!
キャラがクロスオーバーしてるのが見ててにやにやしちゃうんだぜGJ!
試験上手いなあ。今までの馴れ合いは伏線だったのね。
ところで作者さん、キャラ貸してもらえないでしょうか。
IC−01633と自キャラで会話したいんだけど。
あと彼女の名前はアイでいいのかな。
地の文でアイって出てるんで名前だと思ってたんだけど。
あっ、自分のキャラはもし誰かクロスオーバーに使ってもらえるなら
誰使ってもらっても、どういった使い方してもらってもかまいません。
コメディリリーフで他のバトルに巻き込まれてぶっ飛ばしてもいいお
159 :
97:2008/11/24(月) 17:54:41 ID:Q43DbxiG
あっごめん、使用不可だったらそっとスルーしてください
戦い@ヘレネ VSキャメロン
真上からの攻撃というのは非常によけ難い。
「うわぁ。うわぁ。」
エリカは避けるのに精一杯のようだ。
彼女は逃げ回ってるか・ノビているかどちらかな気がする。
さてあの馬鹿天狗に攻撃を止めさせるか……
だが考えてみると敵も困ってるようだし、しばらく様子を見てみるとしよう。
「変身!!!」
いつものように妖力で霧を発生させる。
(わらわの能力は霧で光を乱反射させ、
わらわの姿を敵自身や敵の仲間に見せ混乱に乗じて爪や牙で敵を攻撃するのじゃが…
果たしてこやつ等に通用するのじゃろうか。)
『視界悪化…視界52%…50%……45%…。
サーモグラフィーモード起動。赤外線カメラに切り替えます。』
ランプが点滅しながら音声が聞こえる。
(流石にこういった物は全て搭載されておったか。)
「そこにいるのは分かってるわさ。
頭部の目はアンゴルモアか見分けるセンサーもついてるの。
貴方の能力なんて怖くも何とも無いんだわ。」
生意気な口を利く小娘である。年長者は敬えとは教わっていないのか。親の顔が見て見たい。
(エリカ!何故変身しておらんのじゃ)
わらわは目を疑った。
なんとエリカはまだ変身せず、セリーヌに追い掛け回されている。
(あ……こけた。)
石に躓きエリカが地面に顔から突っ込んだ。
「どこを見てるさ?戦っているのは私だわさ。
すぐ仲間と一緒に冥土に送ってあげるさ。」
キャメロンはブレードを抜き、構えをとる。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
一気に踏み込んで間合いを狭めてくる。
仕方ない少し遊んでやるか。
「小娘よ、さっきから誰と話しているのじゃ?」
「え?」
ブレードが貫いたわらわの残像が消えると、キャメロンのボディーから火花が散った。
「どんなに優れたスーツを着ていても、認識できない領域というのを教えてやろう。」
「な……いつのまに?」
「死なないように加減はするつもりじゃが、失敗したらすまん!」
キャメロンの振り返る間に再び牙と爪で連続攻撃し、キャメロンの背後を取った。
戦いAエリカVSセリーヌ
「ねぇアンタ戦う気ないわけ?」
「エリカは平和主義者なの!」
カマイタチが邪魔だなぁ。クラマは完全に楽しんでいるみたいだし……。
風というのは便利な能力よね。場所を選ばない上に何も持つ必要が無いもの。
「何よこの霧……。モードチェンジ!!」
セリーヌの仮面が視覚画面の切り替えを行ったみたい。ランプが赤に変わってる。
(ズルイ!そんなの!)
アタシは知っているこれはヘレネの霧なの……。でも状況を考えて使って欲しいなぁ。
(これじゃどっちの味方だかわかんないじゃん!)
とりあえず、カマイタチを止めさせるか……霧から脱出するか…
走りながら考えよう!
「キャハハ!!的当てみたい!!」
背後から銃声が聞こえる。
「ちょっと出力調整ちゃんとしなさいよ!」
「ええぇ、メンドクサイ〜」
冗談じゃない!こんなの相手にしていたら埒があかないわ。
「うわぁ」
カマイタチを避けたあとレーザーを避けたため、体制が不安定になりバランスを崩してしまった。
アタシは顔から地面に突っ込む。
「や…やられたぁ…(棒読み)」
もはや名人芸とまで言われるエアーダメージ(狸寝入り…死んだフリともいう)だ。
本来自治会が負けるなどあってはならない事なんだけど……。
「なわけ無いでしょ。当たってないし!」
ああ…バレてたのね…。
「あのねぇ、私の目は熱反応が見れるから死んだかどうかわかるの。
そこらのと一緒にしないでくれる?」
「そりゃ失敬……で?」
「死にな!エヘ。」
そういうと、アタシの後頭部に銃を突きつける。
(マジで?)
『エリカ戦いなさい…。貴方にはやらなければならないことがあるはず。』
(でもさぁ、嘘つくみたいじゃない…。)
アタシの契約しているウィンディー(水の精霊)が意識の中で語りかけてくる。
『彼らには確かワータイ族と自己紹介したのでしょ?簡単なはず。』
(咄嗟に出てきちゃったんだ!)
『エリカ……彼女の殺意は本気よ?』
そう実はアタシ…嘘をついてるんだ…。素性も経歴も…。
遡ること800年前
アタシがまだ生まれて間もない頃……それは起こった。
久万山の集落でアタシ達ラグーン族はのどかに暮らしていた。
ある日、山に隕石が落ちたの。
山はもちろん大騒ぎ。
でも大変だったのは火事じゃなかった。
たまたまアタシと兄貴(シゲル)は湖に遊びに行っていたから、
これは後から聞いた話なんだけど……。
火事を消化したあと大人達は隕石を見に出かけたの。
大人達は驚いたんだ。だって中からマントを羽織った人?らしき者が出てきたんだから。
今思うとそれがアンゴルモアの大王だったんだ。
ラグーン族の大人達は放っておけば良いのに、食料を差し出したの。
そしたら何ていったと思う?
「欲しいのは貴様等の能力だ!!!」だって……。
体からスライムのようなものが勢いよく出てきたんだって。
妖狐以上に真似るのが上手いと言われているラグーン族の長所(つまりは容姿だけなく能力をも真似する力)
を吸収したアンゴルモアが山を制圧するのに時間はそう掛からなかった。
湖で遊んでいたアタシとシゲルを助けたのは、意外にも天敵だったウルフル族…
彼らはラグーン族最後の生き残りのあたし達こそアンゴルモアを倒す鍵だと考えたみたい。
当時はまだアンゴルモアの中でのラグーン比率が高かったから、ウルフル族には手出しをして来なかったんだって。
でも二人を一緒に育てていると万が一のときに困るということで、
ウルフル族の祀っていた雷の精霊(トール)とラグーン族の祀っていた水の精霊が相談して
トールがシゲルと契約し、アタシがウィンディーと契約して別々に育てられることになったの。
「いつか父と母…一族の墓を立ててやろう。アンゴルモアを倒して成仏させてやろう。」
これがシゲルとの最後の会話だったらしい。
まだ幼かったので、ハッキリとは覚えていない。
むしろシゲルがどうしてこんなにしっかりしているのかの方が疑問だったりする。
水の精霊の住処で育てられたアタシは、完全に外と遮断された生活を送ることとなったんだ。
でも寂しくは無かったウィンディーだけではなく、
他の水の精霊達も能力の使い方とか、人間の話とか色々教えてくれたし、たまに内緒で外に連れて行ってもくれた。
ヒーロー学園に入学したい(外で生活してみたい)と相談したとき、
てっきりヒーローコースに進学するものと思ったのか、アッサリO.Kしてくれたんだけど、
願書のダークヒーローの文字を見て、三日三晩正座で説教を聴かされた。
アタシは別にダークヒーローに憧れていんじゃなくて
ただ平和にノホホンと過ごしたいアタシは、戦う義務も襲われる恐れも無い人畜無害な存在でいたいだけなんだけどな。
私の希望を聞いたウィンディーはアタシにいくつかの誓いを立てさせた。
一、もしかしたらトラブルになるので、刑部狸(アタシの本当の姿)を誰にも見せない。話さない。
一、アンゴルモアに気づかれないように決して目立たないこと
一、水と刑部狸の能力の相性が良いため、非常に強力なので学内での使用は自粛
(ウィンディーが許可した場合を除く)
一、講義には必ず出席すること。
留年したら即退学させて里に強制送還……その後一歩も外には出させない。
一、シゲルと会っても話しかけてはならない。
一、長い休みには帰省し弟達の面倒を見ること
一、ダークヒーローコースを選択することは許可したが、将来の就職先には必ず相談すること。
これは入学してから知った話なんだけど、契約した精霊が顔を出すことは普通滅多にないらしい。
ウィンディーに聞いたらアタシの場合は契約者というより、保護者の意味合いが強かったんだって。
保護者気取りでアタシが精霊をもう一体契約しようとすると、やれ育ちが悪いだのなんだのと必ず邪魔をしてくるんだ。
一応育てて貰った恩は感じている
だから夜な夜な二段変身(狸をすっ飛ばして変身先に変身する)練習をしているんだけど
一度見た技・能力や姿はだいたいコピーできるのだが、そのコピー能力が高すぎるのか
イメージが一度固まってしまうと修正が聞きにくいんだ。
自分では正しいと思っているあの虎の姿や能力がオリジナルと違っていたら…。
そう思うと変身ができない。
しかも今は戦闘中……とても集中できる環境じゃない。
だけどお手軽に変身できる姿では後で話が合わなくなるし、どうして虎なんて言っちゃったんだろう。
(殺しはご法度だし)
ヘレネとハイドとクラマは、初めて出来た友達だから大切にしたいの。
一度嘘をつくとズルズルと嘘の沼に入りそうで怖い。
カチッと引き金を引く音がする。
「あれ?」
思わず声がハモル。
カチカチと引き金を引くも反応がない。
「こんなときに故障なんて……。技術部の連中後で覚えておきなさい。」
どうやら命拾いしたみたい。日頃の行いが良いからかしら。
「じゃ終わらせるか。」
クルっと振り向くと、相手の手首を叩きレーザーを叩き落としセリーヌの背後に回る。
背後から両掌を合わせる形で両手を組んで手首や前腕を相手の喉にあて絞め上げる。
首に片腕を回してもう一方の片腕の上腕のあたりを掴み、もう一方の手で相手の後頭部を押してそのまま絞める
格闘実習で習ったチョークスリーパーという気管を圧迫し相手を失神させる技だ。
(ここからどうするんだっけ?)
「こんなのメタルスーツの私に効くと思う?」
あれ?失敗したかしら。
しかし数秒後ガクっとセリーヌの体が崩れた。
そういえば確か成功した場合、
絞められていることすら分からないと、格闘演習のハヤト先生(柔道6段空手5段)も言ってたっけ。
「ごめんねぇ。」
アタシはゆっくりとセリーヌの頭を地面に置いた。
戦いBハイド・クラマVSモーガン・マット
(二人がかりでこの程度か。)
我輩はスッカリ戦いに飽きていた。
所詮弱い者イジメをするものなどこの程度なのである。
他の者も同程度であろう・
「クラマよ。もう良い。風を起こせ。我輩の鬼火をのせて竜巻を起こすのだ。」
空に向かって叫ぶと
クラマは聞こえたと親指を我輩に見せる。
「判決を言い渡す。地獄の炎で身を焦がすが良い。」
死神と契約し昂ぶった時には黒炎がでるようになったのだが、もちろん今回はそんなことはない。
ヘレネとエリカは風上にいるから大丈夫であろう。
「御主も聞いたであろう?風の嘆きを。」
炎を纏った竜巻が発生し戦場を囲む。
ちなみに状況さえ許せば、この竜巻は動かすことも可能である。
「ギャー」という4つの声が聞こえた。
相変わらずクラマの決め台詞はよくわからない。
「終わったな。」
クラマが地上に降りてくる。
エリカとヘレネも戦い終えたようである。
「タカノリは?」
「我輩はしらん。殺しても死にそうにないし大丈夫であろう。」
炎の竜巻が消えると、変身の解けた(強制解除された)四人が倒れた姿で発見された。
「これに懲りて二度とカツアゲなどせんことだ。」
「待て……。メタルヒーローの実力はこんなもんじゃない。」
男の一人が我輩を睨みつける。
まだそんな元気があるとは流石である。
「それは楽しみだ。」
我輩はそういうと校舎へと入っていく。
巻き添えを喰らったタカノリはどうするかって。
放っておくに決まっておろう。奴はヒーロじゃ。手当てをする者等いくらでもいるはずだ。
次の講座は基礎演習…まぁいわゆるホームルームである。
担任のシャドームーンが来るまで雑談だ。
「ところでクラマよ。
そなた上空からカマイタチで援護してくれるのは助かるのじゃが……」
ヘレネは先程の戦いでのクラマのカマイタチについて問題にしたいようだ。
「今日は調子が良かったんでな。いつもより多めに出してみた。」
「それが余計じゃというのだ。
ああも沢山出されると巻き添えを食うところじゃ。」
「それはすまなかった。」
どうやら自分でもちょっと調子に乗りすぎたと反省していたようである。
「あのさぁ、アタシも一個良い?」
「なんじゃ?エリカはまた変身せず勝ったようじゃが…。」
「ヘレネの霧あるじゃない?あれさぁ、なんとかないの?」
「どういう意味じゃ?」
「上からはカマイタチ来るし…。ちょっと大変でさ。」
ようは二人に対して回りくどく抗議がしているようである。
「皆も同意見なのじゃろうか?」
「敵を目で追うからそうなる。気配のする者全てを倒せばよい。」
「拙者も気配を先読みする故問題ない。」
「だそうじゃが?」
エリカが顔を膨らませる。
「どうせ未熟なんですよぉだ。」
ああ拗ねた。それにしてもまた変身せず勝ったということだが……。
一度決闘でも申し込んでみたい気分である。
そのときカシャンカシャンという足跡がドアの前で止まった。
次回予告
「武器を取れ。」
魔剣サタンサーベルが赤く光る。
四人の運命やいかに。
そして屋上からそれを見つめる男女の不敵な笑みが意味するものとは?
>>149 いいですよ。どうぞご自由にお使いください。
他の皆さんも殺さない程度にご自由にお使いください。
今回噛ませっぽくなっちゃったメタルヒーローズも是非使ってやってください。
カイザ君は生きてるんでしょうか?w
自治会っていつもこんなことしてるんかい
>>158 設定おいときます
怪人カブトガニ 名前:ヒルト
分類:悪の組織
科目:改造人間
備考:天然記念物級にに丈夫。
絶滅危惧種に指定され、イリオモテヤマネコ、ニホンオオカミ、
アホウドリに匹敵する力を持つ。
名前未決定 名前:コータ
分類:仮面ライダー
科目:一般
備考:平成ライダーに見られる純粋人間型ライダーです。
弱くてヘタレ、ギター使いのライダーにする予定。
IC−01633 名前:アイ
分類:メタルヒーロー
科目:人造人間
備考:キカイダーに代表されるロボットです。
良心回路・悪魔回路・服従回路のトライシステムで作動。
善悪の判断が付かない状態で、現段階では「良い子」ではありません。
宇宙刑事ヴァンガード 名前:ユウキ
分類:メタルヒーロー
科目:宇宙刑事
備考:ギャバンに代表される宇宙刑事です。
ビアンで男には興味ありません、今の所強めの設定。
魔法少女イルーゼ 名前:イルーゼ
分類:不思議系
科目:魔法少女
備考:魔法少女ちゅうかなぱいぱいに代表される
東映不思議コメディーシリーズから参戦。
うたう!大龍宮城あたりから視聴率が下がります。
>>161-167 乙 本当によく投下されてくれますなー
刑部狸だったとは……でアンゴルモアと接触してたのか
ところでそろそろタイトル決めたほうがいいんじゃないのかね
172 :
97:2008/11/24(月) 21:48:35 ID:Q43DbxiG
>>168 >>170 アザーッス!!
詳細までありがとうございます、お借りします。
勝手な設定書いちゃったりしてたらいつかまとめるときに直しますんで…。
ところで、wikiのキャラとか教師の書き方とかちょっと編集させてもらったけど
そろそろ規格統一しちゃった方がいいかもしれない。
自分は前出てた
>>32の
戦隊系、機械系、バイオ系、筋力強化系を元に考えていて
戦隊系はいわずもがな、
改造人間、バイオ系ヒーローはバイオ系、
パワードスーツ、メタルヒーロー、サイボーグは機械系
って勝手に当てはめてました。
基本生身、魔法、薬物、コンソメスープ、装備でドーピングで強化系かな。
パーマンタイプとかは強化系ね。
「こんにちは、お久しぶりです」
私が声をかけると、『彼女』は少し小首を傾げたように一礼した。
なめらかな動作だ。人間の動作としてごくごく自然な動作である。
真っ白な髪がふわりと揺れて、眼球にはまった綺麗な赤いアイグラスが
こちらに焦点をあわせるのを感知した。
「5768分ぶりですよ、Rogical:ai:■■■G05」
「だから機械言語じゃなくて音声表記でヒナエって呼んでください、アイちゃん」
「認証番号、もしくは表記というのは固体を判別するためのものです。
だから判別できればどんな名で呼んでも構わないと思うんですよ?」
「や……なんか数字だけだと味気ないじゃないですか。
私〔i〕はヒナエで一世紀以上すごしているんで、認証番号で呼ばれても
一瞬自分の事を言われているかわからなくなっちゃうんです」
私がパタパタと手を振ってそういうと、アルビノの美少女─中身は私と同じく
ナノマシンや強化プラスチック、レアメタル、動力炉などで構成された戦闘用人造人間─
IC−01633は救いがたいといった表情で少しため息をついた。
無論、自分の認証番号を取り違えることなど有りえない。
わざわざ聞き間違える『フリ』をするのだ。
aiの学習成果である。ユーザーのより快適なインターフェースとして機能すべく、
長時間を過ごしてきたaiは『より人間らしく』『ファジー』に振舞うことがある。
あたかも人のように。
人を模して作られた機械は人よりも完璧に、一切の無駄を排除して合理的に振舞おうとする。
その人に似せた姿が人にとって逆に不気味感を感じさせ、所謂『不気味の谷』現象を
引き起こす。ユーザーとの間に不信感とストレスを抱かせぬため、
我々aiはわざわざ無駄な動作を取り入れていく。それが個々の『個性』となる。
私は数名のユーザーとつきあってきた。彼ら、彼女らとの付き合いの中で
くだらない冗談もいっぱい覚えたし、必要とあらば歌って踊れるし、家事だってする。
もっとも、強襲艦と戦闘用人造人間のaiだ、形態も製造元も育った文化も全く違う。
彼女が私と違う成長を遂げ、未知の『個性』を獲得してたとしても全く不思議ではない。
ところで、私も彼女も、人間の女性としては豊満とは言いがたい体系である。
戦闘系の彼女が、突起物の少ないすっきりとした体格なのは理解できる。
私も、外見だけなら14歳前後の女児を模しているので、やはり凹凸のない体系である。
どうせ戦闘で嫌と言うほどメインボディを酷使するのだから、サブボディぐらいは
小さなフレームで収めたいという私の考えを剛志(ゴウシ)は理解しない。
おっぱいがなんだというのだ、あんなのは脂肪のかたまりでしかないのだ。
百歩譲って生身のそれに意義があるのだとしたら、機械体のおっぱいなど
シリコンか特殊合金かゴム素材が精々だ。そんなものの何がありがたいのか。
全く人と言うのは、いや男というのは御しがたい。
閑話休題。
「それでこの前お願いしたお話なんですが」
「学園のメインPCは私の権限じゃアクセスできないと、担当技術官に言われたですよ。
なんでヒナエG05はそんなに学園情報に固執するんですよ?」
「……私は戦闘用サポートaiですからね。ユーザーの周辺環境は出来る限り把握したいんです」
「開示されている情報の他に、何を必要としているのかさっぱりですよ。
学園全体の立体構造、島の全体環境、所属している人員─教員から特殊技術官、
売店などの一般人員に関するデータ、生徒個人のクラス分から所属科と能力、
そのほかに何が必要なんです?ねえ」
少し微笑む彼女の顔は綺麗で、美しい人形のようだった。否、私達は紛れもなく人形だ。
人を模した機械人形同士の滑稽な幕間劇。あいにくと観客は誰もいない。
「その他、です。勘としかいいようがないです……」
勘という。それは人の使う意味とは全く違う、今までの経験、蓄積データ、
シミュレートによる、ちっぽけな私の膨大な人工ニューロンがシナプスの中から
拾い上げる、仮説というほどにはまとまっていないわずかな予兆。
「勘ですか」
私にはよくわからないですよと言ってやはり彼女は小首をかしげる。
人間の男性ならその仕草に感じ入るのだろう。私も機械人形の身で、彼女を可愛い、と思う。
「もうすぐ、何かが起こる気がするんです。ねえ、アイちゃん。私は心配しすぎですか?
こんな非論理的な教育カリキュラムを組み、膨大な戦力を有する私有組織に、
疑問を感じるのはおかしいですか?一般人と接触のない離れ小島に設置された
巨大な学園都市。この学校はまるで……秘匿された要塞じゃないですか」
彼女は何も言わず、また小首をかしげて微笑んだ。
彼女の電脳がどんな思考を浮かべているか、
私にはわからない。
遠くの空で、渡り鳥の群れが飛び去っていくその軌跡が
メインボディのセンサーに刻まれていった。
175 :
97:2008/11/24(月) 21:53:54 ID:Q43DbxiG
誤 ヒナエG05
正 ヒナエG08
orz
分類で質問
バイオ系ヒーローって例えば?
仮面ライダーとか
仮面ライダーは中身メカだから。
仮面ライダー真、クウガ、アギト系の
生まれつきだったり、生体工学系のライダーかな。
オルフェノクとかもかな。
ちょっと違うだろうけど、デビルマンやヴェノム、
あとは、漫画だけど桂正和のゼットマンやその敵のプレイヤーなんかも。
ついでに、あとでwiki編集しとくけど自分のキャラ設定
考えたら、ヒーロー名決まってる奴がいねえ!
西条シン:バイオ科3年 生体装甲系進化体
バイオ系変身ヒーロー。ブラスレイターみたいな生体装甲を纏うタイプ。
強い正義感を持っていたが、人類への失望とともにvクラスへ中途編入。
キャラとしては基本一匹狼、主人公のライバルポジションタイプ。多分深夜枠。
両手剣がメイン武器。
澤口浩二:機械科3年 戦闘特化系サイボーグ
メタルヒーロー。サイボーグ。ギアスーツと呼ばれるプロテクトスーツを電送、装着。
サポート用メンバーはまだいない。能力的にはストロンガー。電気を操ります。
直情熱血、戦隊でいえば確実に赤。将来は宇宙警察に就職予定。
拳が武器。余計な装備がない分、攻撃力はかなり高め。
甲野リョウ:バイオ科2年 生体装甲系人工体
これまたバイオ系ヒーロー。生体装甲はオルフェノクみたいな感じ。
無気力で卒業後は親の組織に就職が決まっていたが、途中正義に目覚めてクラス編入。
元々は平家ガニ怪人。両手がハサミになるぞ!のちのち成長していくタイプ。
剛志・ジェド(ごうし・じぇど):機械科4年
全長3m強のパワードスーツ(小型艦が変形・分離)ロジカリストのパイロット。
敵は外宇宙の神様の残骸、大いなるCとかそういう。デモベかよ!
能天気、天然、明るいタイプ。生身。イメージはレイズナーとか。
ヒナエG08:機械科4年
ロジカリストを制御&パイロットサポートのai。
サブボディはツルペタ14歳。年齢は秘密。いわゆるロリばばあ。
SF小説『歌う船』のシェルパーソンをイメージ。心配性。
キャラも増えてきたし、そろそろトーナメント戦とか出来そう。
バトロワいらないよ
つまんない
というか、いくらキャラがいたところでトーナメントもバトロワも出来ないでしょ
自分のキャラが他人のキャラを倒す、または倒されるSSなんて誰が書きたがるのか
間違いなくなく荒れる要因にしかならない
そもそも、自作キャラでバトロワ〜とか、そういった趣向のスレじゃないしね
お目汚し失礼、以下普通の流れで
>>183 同感。
どっちかというと、シェアードで世界観と設定共有して
それぞれ話を進めていくのがスレ最初の目標ぽいしなー。
クロスオーバー的にWライダーよろしく共闘したり
話の流れで対立したりはいいけど、殺し合いは勘弁。
ロワスレはたくさんあるし、ここでわざわざやらなくていいと思う。
書き手もあまりいないしね。
そういや創作発表板用のうpロダとかそういうのってあったっけ?
絵とかうpってんのみると、イメピタとかロダバラバラだったりするもんで。
創作発表板専用のがあるよ
夜はちょっと重いけど
トーナメントは運動会みたいな感じで学校行事としてあるならいいんでね?
まぁ無理にやる必要もないけど
作者の数って今のところ三人くらいしかいないっぽいね
◆31P.4mZG16氏
ヒルトが主人公?の作者
ヒナエG08の作者
かな? 間違ってたらゴメン
なんにせよ三人とも面白いし、ほとんど毎日のように投下するから凄いわ
ところで、wikiにSSはまとめなくて良いのかな?
読み返すのにスレを逆行するのが面倒になってきた
「今日は上級生との戦闘訓練を行う。第3格闘場へ集合だ。」
それなら最初からメールで流すなり、掲示板に流すなりして欲しいのよね。
エリカ達5人が第3格闘場につくと奥で上級生らしき人影が入念にストレッチしているのが見える。
「4人居るから1対1で良かろう。」
「強いんですか?」
中には年だけ上の奴もいると聞く淡い期待を胸に尋ねる。
「三年生の私のクラスの者だ。」
担任のシャドームーンのクラスは帝王学を学ぶ場として、生徒・保護者から絶大なる人気を誇っていて
当然希望する生徒のモチベーションも高いの有名なのだ。
なんでアタシがこのクラスを希望したかって?
学内ニートになるくらいなら、こっちにしろと半ば強制的にクラマとウィンディーに決められたの。
「何かやる気満々ですね……。」
正直勘弁して欲しいなぁ。
「ああ…今日呼び出すために挑発しておいたからな。」
サラリとシャドームーンが爆弾発言をした。
「先生?今何て言いました?」
「ああ…挑発しといただが。一番左に居る赤い髪のがファンガイアの王子だ。みんなからはキングと慕われている。
一応地獄からファンガイアを絶滅させに来た事にしてあるから。
その隣に居る黒髪の綺麗な女が婚約者のクイーンだ。エリカが相手な。キングに相応しいのは自分だと言ってある。
一番左の愛想の無いのが、オルフェノクの王子だ。みんなからはオウと呼ばれている。
クラマが今までオルフェノクを1000人斬ったことになってるから。
最後にカブトガニのヒルトだ。」
「ちょっと待つのじゃ、最後のヒルトとやらは通り名はないんじゃろうか?」
確かに王子・婚約者・王子と聞いてカブトガニと来るとガクッときてしまう。
「じゃあ、潜在能力ナンバーワン、海の王者でどう?」
「どうって……」
「戦闘訓練を積む毎に進化するから、色々体験させたいのだ。
ハイドとクラマじゃやりすぎるし、エリカは基本やる気がないからな。」
流石 担任だけあってアタシのことをよくわかってる!
「ちょっと向こうに行ってくる。」
シャドームーンはアタシ達のことを面白く紹介しているみたい。
皆さんこちらを睨んでらっしゃる。
中指を立ててシャドームーンがアタシ達を呼ぶ。
向こうに行くのが怖いよ。
「ルールは校則に乗っ取って。上級生は殺さないように加減するように、下級生は殺すつもりで」
まるで圧倒的に力の差があると言う口ぶりだった。
まぁアタシはどうでも良いんだけど……。
血の気の多いクラマとハイドはそうでもないみたい。
ヘレネは…いつものように冷静そう。
「ファンガイアを守るのが王の務め。早々に地獄に送り返してくれる。
クイーンは巻き込まれないように離れて戦え。いくぞお坊ちゃん!」
『処刑の時間だ ガブリ』
どこからかコウモリのモンスターが飛来する。
アタシのタイプじゃないなぁ、もっと知的な人が良いわ。
鎖がキングの腕に巻き付いていく。
「誰に口を利いているのだ?変身!!!」
やっぱりこうなるんだぁ。
男って馬鹿ねぇ。
「ねぇ、貴方…」
「え?」
クイーンがいつの間にかアタシの背後にいる。
耳元で甘えたように囁く。
「キングと付き合いたいんですって?」
「そ……そんなこと……」
自慢じゃないけど、親(ウィンディー)が厳しいんで異性と付き合った経験などないの!
いきなりそんなハードルの高い難関にチャレンジしたくないよ。
「良いわよ。側室してどう?」
「側室って??」
『愛人のことよ。』
フフフと笑いながらクイーンがアタシの手を引く。
『気をつけなさい。エリカ』
「これから音楽室に行きたいんだけど貴方も来ない?」
「え?訓練は?」
「そんなの男に任せておけば良いのよ。不安?」
「ええぇまぁ」
『駄目よ。絶対駄目よ。』
「そうねぇ、それなら終わる5分前に戻ってきましょ。」
こんなに暑いのに黒いフードを被った不思議な女性である。
クイーンという名前がピッタリな綺麗な人である。
アタシが男だったらラブレターとか出してたかもしれない。
「こっちこっち。」
シャドームーンに気がつかれないように、こっそりと格闘場を後にした。
「貴方 楽器は何か弾ける?」
『エーリーカ…。』
ウィンディーの声が頭に響く。
これは夜はお説教だろうなぁ……。
「見つけたぞ。リョウコ。」
「あら、ジュリじゃないどうしたの?」
「とぼけるな!悪のファンガイアの女王の癖に正義のライダーと付き合うなんてどういうことだ!」
相手の女性は激怒している。
ちょっと怖いので3歩後ろに下がる。
「あら…もしかしてコウジのことかしら?今度映画を見に行くだけよ?」
「人の心を弄ぶ悪魔め、成敗してやる!」
ジュリと呼ばれる女性はメカニカルな腕宛を装着した。
「変身!『ラ・イ・ジ・ン・グ・イ・ク・サ』」
どうやらイクサって名前みたい。
白いからなんかちょっとした汚れも目立ちそうだ。
「そんなに私と戦いたいの?」
イクサのパンチを華麗にかわしながらクイーンが尋ねる。
「戦え!アバズレ!!この卑怯者!」
アタシから見ると、アンタの方が完全武装で卑怯なんだけどなぁ。
「今日はこれから音楽を聞きに行くの。悪いけど消えて。夜が来る……」
そういうとクイーンは左掌をかざした。
周囲が急に暗くなり掌から紋章が浮き出てくる。
眩い光がイクサに直撃すると
大爆発を起こしイクサが吹っ飛び、ゴミ置き場に突っ込みゴミ箱をいくつか倒してしまう。
「グァ…おのれ…」
「それでは御機嫌よう。」
クイーンは黒いフードを被るとスタスタと歩きはじめた。
「いくわよ。」
「は…はい!!!」
『帰ろう。この女悪い予感がする。』
「貴方さっきからウルサイ精霊と契約してるのね。」
「え?」
『やはり聞こえておったのか。魔女め。』
「私ね、耳は良いの。」
そういうとクイーンは今度は右掌をかざす。
(こ…殺される……)
「貴方に夜が来る。」
再び空が暗くなる。
今度は他人事ではない。掌がアタシのおでこに触れる。
恐怖で足がすくんで動けない。
『な…何をする。』
「彼女と話したいの、邪魔しないでくれる。」
『エリカ…』
ウィンディーの声がだんだん小さくなる。
こんなこと今まで無かったのに……。
「心配しないで眠ってもらっただけ。
すぐに目は覚めるわ。」
「すぐって?」
「う〜ん、精霊に使うのは初めてなのよね。
長くても1年〜2年くらいだと思うわよ?」
「そんなに?」
ウィンディーは物心ついたときから、ずっと一緒に居てくれたんだ。
悪い予感当たってしまったみたい。
「学生生活を謳歌できるって喜んでもらえると思ったのに……。」
クイーンは意外そうにつぶやく。
確かにそう思ったこともあるよ。でもこんなに急だなんて…
心の準備が出来てなかったの。
その光景を正義舎の屋上から見つめる男女の姿がある。
「良かったじゃない。可愛い妹に手を下さなくて済みそうよ」
「これで俺の存在に気がつきそうな邪魔者は居なくなった。
トールのようにベルトに封印する手間が省けたな。道具に必要なのは能力だけだ。」
男はへその辺りに手を当てて笑う。
「父さんもコウジには期待しているわ。」
女はニヤリと笑う。
「正義・悪・アンゴルモア……そんなものどうでもいい。望み通りに動いてやる。」
「コウジのそういう欲望に忠実なところ好きだわ。
精霊を騙すために正義のコースに進学して勉強してベルトまで造っちゃうんだから。
端から改造人間の研究をしているただのオタクよね。」
「ふん。アイツには名前まで変えさせられたからな。封印ですんで感謝してもらいたいくらいだ。」
「姿は一緒なの?」
「良いや、俺は姿を自由に変えられる。」
「まぁ羨ましい。」
「そんなことはどうでも良い。約束は覚えているだろうな。」
「勿論よ。貴方がこの学園で得た情報の全てを私と父に捧げる。
ここは優秀な正義と悪の集う場所楽しみね。」
「約束違えしときは、クサナギブレードとイナズマブレードの錆になってもらう。」
男は剣を抜き、女の首筋に当てる。
「今、私に何かあれば正義に入学したラッキークローバーの2人が黙ってないわよ。
ラッキークローバーはいつも私を守ってるの知ってるでしょ?」
「なんなら悪舎にいるのも一緒に6人まとめて今ココで始末してやろうか?」
バタバタと鳥が飛び立つ。
もちろんそんな事は出来ない。
彼の大事なモノはアンゴルモアの手の中にある。
それを守るために彼は手先となったのである。
一週間後の夜
「お疲れ。またな。」
オウがコンビニのアルバイトを終え寮へと向かう。
「いっけねぇ、外出届より30分以上遅れちゃったよ。」
届出から1時間以上遅れると、その月は外出禁止となる。
今日は戦闘訓練の反省会(下級生への駄目出しの会)が長引き、アルバイトに遅刻してしまった。
「クラマの奴、そろそろ俺に一撃カスルくらいはするかもしれん。」
最初はただカマイタチを連発するだけだった後輩の成長は頼もしく
日進月歩で成長していくのを見るのは楽しい。
他の者も同じ気持ちなのだろう、最初こそ目をあわせば喧嘩ばかり(一方的な展開なので喧嘩と呼べるかは謎)
だったが今ではアドバイスを送るほどの関係になった。
悪にだって友情は存在するのである。
今度の休み父に会ったら話してやろう。この学園に来て良かったと…。
フッと目の前に人影が現れる。
「オルフェノクの王子オウだな。」
「…何者だ?」
オウの顔がこわばる。
今は人間形態……たまたま偶然なんてことはありえない。
待ち伏せである。
(まぁ学内で夜バイトするところと言えば、コンビニしかないけど)
もちろん決闘の申し込みなど受けていない。
「俺の名は仮面ライダートール 恨みは無いがその命貰う。」
「貴様?聞かぬ名だな。変身!!」
暗闇でも相手がタダならぬ雰囲気なことは分かった。
「そうか、それがお前の力か。残念だ。」
「な……。」
トールは刀を抜くとオウに斬りかかる。
「問答無用か!!」
右手で刀を弾き蹴りをいれ…れない。
体が痺れて動けなくなる。
「イナズマブレードは触れた者を自由を奪う。」
「お…お前は……。」
柄に指を当てる。
「サンダーブレイク!!!!」
十字にクロスして抜刀された二本の刀の刀身はイナズマのコーティングがされている。
すまない…クラマ…次の訓練にはいけそうにない……。
弟達よ、後は頼む。兄はここまでのようだ。
まだそんな実戦経験はないがハッキリわかる。
俺はここで死ぬ。
数分後
「終わったぞ。さっさと作業しろ。」
物陰から数人の男が現れる。
「相変わらず見事な剣ね。」
「当然だ。」
「でも良いの?こんな大物仕留めちゃって……」
「大物これのどこが?」
変身を解くとコウジは空を見上げる。
赤い月が不気味に輝いていた。
突然の親友オウの死…により動揺する上級生の面々
傷跡から犯人は刀もしくは火を使った犯行と断定される。
学内での犯人探し…そのとき機械科の研究員の一人が呟く。
「でも証拠が残り過ぎてるよね、
誰かが罪をなすりつけようとしてるんじゃない?」
緊迫する学内…そのとき…エリカとリョウコは…
次回「友よ安らかに眠れ(仮」御期待ください
サブタイトルつけてみました。
ヒルトの名前借りちゃいました。
すみません。戦闘シーンかけなくてすみません。
今日増えた人…wikiに追加しておきます。
文化祭と体育祭やりたいなぁ。
(オープンキャンパス的なの)
でも競技何が良いだろう。
バイクリレーとか……
>>184 ほんとごめん!
KYでごめんなさい。
残虐性を表現する方法が見当たらなくて…
これで最後にする予定なんで見逃して。
>>187 まとめかぁ。どうしようかねぇ。
あらすじはあっても良いかなと思う。
ていうか人が見るとどんな風に見えるか気になるので書いて欲しいなぁ。
>>188 なんてクオリティだよおい、感激した
アンタのおかげで10円禿になったぜ!
>>198 投下乙
相変わらず投下が速度早くてイイヨ
でも少し読みづらく感じたかな、一人称と三人称を混同しないようにしたほうが良いよ
誰の視点なのか解らなくなって混乱するから
でも面白いし続きに期待してる
あとwikiの件だけど、あらすじを載せるってのもかなり良い案だけど、
どうせなら作品もちゃんとwikiに収録したほうが良いと思うよ。
後からスレに来た人がスレ全体の流れを追いやすくなるし、
なにより他の作者さんが、自分や他の人の作品を読み直しやすいから。
ところで校舎の名前って正式なのどこかにあるの?
何となく地図とか見取り図とか気になる性格なんですみません
>>198 乙 色々授業あるな 事件発生か
よくそんなに続けて書けるなあ 感心する
タイトルもいいと思うよー
クロスオーバー面白いな。
恋愛の要素には流石にビックリした。これから期待するとしようw
怖ろしい場所だな。
およそ正義の味方を育てる教育機関とは思えん……
生身の人間って比率的にはどのくらいいるんだろ
改造されてないスーツ系のとか、魔法、超能力系か
四分の一くらいかな?
戦隊や宇宙刑事、魔女ッ子と平成ライダー系、ウルトラマンとかも入るか?
元が人外で変身とかも改造されてないという意味じゃ生身扱い?
あと食堂のおばちゃんや売店の人とか用務員の人、技術系博士系は
生身なイメージだな。やっぱ生身の方が多いんじゃね?
あんまり多いとメンテとか大変そうだし、3:7ぐらい?
教員は改造人間とかバシバシいそう。
そういやオルフェノクは改造人間扱いなんだろうか。
死んで蘇るオリジナルのオルフェノクがいて
オリジナルが人間を殺す(心臓を燃やす)儀式で稀に産まれるのが下位のオルフェノク
乾巧は子供の頃の事故で生まれたオリジナル
澤田は北崎に使徒再生を受けて生まれたオルフェノク
草加はオルフェノクの記号だけ受けて変身は出来ないオルフェノク
真理はオルフェノクの記号を受けたが定着せずに変身も出来ない
上から順に強い
オルフェノクは全員ギアで変身できる
オーガは格の高いオルフェノク専用(ほぼ木馬専用)
サイガも同様
ファイズはオルフェノク専用で人間が使うとエラーが出て吹っ飛ぶ
カイザはオルフェノクと人間兼用で装着できるが、人間が使うと灰になって死ぬ
デルタは人間(三原は人間)でも装着できるが、使う内にデモンズスレートで性格が凶暴化する
ライダーは作中で語られない設定が多いのでwiki読んだ方が早いかも
1:【正義も】雑談スレ52体目【悪も】(679) 2:シャドームーン先生親衛隊(253)
3:学園内ヒロイン その3(488) 4:【変な】改造系相談スレ【汁が!】(877)
5:戦闘員ちょっと来い(381) 6:必殺技の名前を考えてください(652)
7:淡々とアンゴルモアAAを張るスレ(130) 8:メタルヒーロー!Ver.3(92)
学園内ヒロインスレより
171 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 20:39:21 ID:Sento-In
クイーンのおぱいは俺のもの
あれ?こんな時間に誰か来t
172 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 20:50:07 ID:metalHIRO
合掌
180 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 20:52:38 ID:Orfenok
キングに喧嘩売る171に敬礼
218 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 22:11:55 ID:rider00
ヘレネ最高だろJK
猫耳はいいものだ
254 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 22:23:12 ID:metalHIRO
しむらー、それ狐耳、狐耳
310 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 21:05:06 ID:Kabutgani
いい事を考えた。文化祭でミスコン開催すればいいんじゃね?
そのミスコンで皆一喜一憂して、Hクラスのパトロールなどの通常業務も疎かに!
学園の風紀と正義の衰退の、まさに一粒で二度おいしい考えじゃね?
311 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 21:15:28 ID:Orfenok
ヒルト乙
312 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 21:21:28 ID:HAKASE
カブトガニ乙
326 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 21:33:54 ID:BIOrider
甲殻類乙
327 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 21:45:17 ID:Ninjatype
ヒルトさんマジパねーっす。そこに痺れたり憧れたりするっす。
352 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/25(火) 22:37:11 ID:Kabutgani
くぁswでrftgyふじこ
380 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/26(水) 18:12:38 ID:UtyuKEIJI
ここで空気を読まずに貧乳派の俺が、アイたんのツルペタを推してみる
ミニスカアルビノメカッ娘ハァハァハァ
391 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/26(水)19:57:06 ID:BIOrider
おk、ヒナエたんも入れてやってくれ
つるぺた機械娘のスク水需要はちょっと異常
428 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/24(月) 22:37:11 ID:hnaeG08
乳房など脂肪か生理食塩水もしくはシリコンでしかないのにアホばかりですね
429 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/26(水) 23:12:38 ID:roGIcall
>>428 そんなエサに俺がクマー
そんな事より
>>1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。
相棒のサポートaiがツルペタ義体にしか入ってくれないんです。
メインボディはでかいからいいだろうとかいいやがるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前な、全長3m、船型だと5m弱と比べるんじゃねーよ、ボケが。
幼女だよ、幼女。
なんか連れて歩くと俺までロリコンに見られるし、もうやってらんない。
通はムチムチお姉さんキャラバストはD。これ最強。
しかしこれをやるとaiに戦闘拒否されるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、1は、改造手術でもやってなさいってこった。
488 名前:その拳は何の為に 投稿日:2008/11/26(水) 23:42:24 ID:hnaeG08
書き込み主共のipを特定しました
これから敵対行動に移ります
授業前、朝のHRで連絡事項を伝えた教師はクラス中を見渡した。
「そういやな、この前学校内サーバーの交流掲示板につないでた一部の生徒の端末に、
ウイルスが混入し、データが全てふっとんだそうだ。
被害にあった生徒がクラスも科も学年もまちまちなんで、原因がまだ特定できて
いないんだが、お前らも、怪しいurlとか変なスパムとかあまり踏まないようにしろよ?」
魔法系で出力デバイスの設定全部ふっとんだ奴なんか悲惨だったからな、
と締めくくる教師の言葉に、数人の生徒が思わずあさっての方向を向き、
遠い目をしていたのは、【衝撃!学園avコラ!あの娘があんなことやこんなことに!!】
などといういかにもすぎる偽装スパムを開けてしまった自分への自己反省だったと信じたい。
正義も悪も、がんばれ。
212 :
97:2008/11/27(木) 00:29:55 ID:CNxasKx5
通し番号忘れた!小ネタ失礼しました。
>>198 唐突なバトロワが嫌なだけで、作者の話の中の殺戮は全然問題ないと思うっす
うかつな発言で気をつかわせてサーセン
あとヒルト4コマのクオリティに10円剥げた。
なんというオールマイティっぷり。
校舎名は◆31P.4mZG16氏の作中しか出てきてないんじゃないかな。
地図欲しいね、暫定でいいけど。白地図用意して、上書き上等で
どんどん皆で描いてくってのはどう?
>>212 こんな時間に投下乙
ヒーローちゃんねるワロタwwwwヒルト有名人すぎるだろwww
というかIDひとつひとつに意味があるのな、凝ってて凄いわ
それと地図は難しいね、まさに難題だよ
上書き上等でみんなでやりまくったら、カオスになりそうだしねwww
間違いなくID書くの楽しんでただろwww
しかし、バトロワするなんて誰も言ってないのに
なんでここまで一人歩きしてるんだろう
最初トーナメントとか面白いかもっていうレスにいきなりバトロワすんなってレスがついたのも謎だった
>>214 そっとしといてあげよう
創発板にバトロワスレが多いせいで、勝手に過敏になってる人がいるんだよ
とりあえず、時間も経ってるし水に流す方向じゃだめかね
ああ、結局学園祭やらの話はどうなったのかな
というかヒーロー学園の学園祭があるとして、一体どんな事やるんだろう
大学はよく分からんが
出店、ライブ、ミスコン、サークルで自主制作映画の上映
ヒーローアトラクション、女装メイドカフェ
とかその辺
>>212 乙 一瞬そんなスレがあるのかと思った
>>215 改造人間研究会による改造手術実演 とか
「ちょっとあの娘……負けたらしいよ。」
後ろの席のヒソヒソ声が聞こえる。
こうなったのもアイツのだ。
変身すらしていないエリカに失神させられるという屈辱の事件発生から早1週間…
周囲の容赦のない陰口に居たたまれなくなった
傷心の私はセリーヌのスーツを返却し、転科を余儀なくされてしまう。
(これからの人生の方がずっと長い!)
気持ちを切り替えて転科した、バイオ科で新たなる仲間にめぐり合った。
男勝りの性格のユイがその一人で、今日はユイとジムに来ている。
「あ…お姉ちゃん!ベンチプレス500KGって凄いね……。」
ベンチプレスの所でユイのお姉さんのジュリさんに出会う。
「駄目だ。この程度ではあの悪魔には勝てない!ユイ 100KG追加だ!」
なんでも機械科のコウジさんが取られそうなんだとか…
スーツを失った私は今やただの人……これからどうやって生きていけばいいのだろう。
よく考えて返却したのかといわれれば、確かに勢いでしてしまった感はあるが後悔はしていない。
「改造人間でもなのに、あの悪魔なんて私の渾身の一撃を片手で止めれるんろうな……。」
ジュリさんは汗だくになった体をタオルで拭いながらポツリと呟いた。
「改造人間って仮面ライダーですか?」
一昔前は人間を拉致してきて、悪の組織が脳改造に失敗してというのがお約束のパターンであったみたいだけど
現在は改造手術よりもベルトに精霊を封印してライダーになるのが主流となっているらしい。
授業で聞いた記憶がある。
『寝ている間にスリムな体へ!!!リハビリ等の必要はありません!!』
(何かの健康器具と間違えてしまいそうなので、チラシの配布は第7次ヒーロー協定で禁止されている。)
私としては人の手でやって貰った方が、安心できる気がするんだよねぇ。
ただ現在ではそんな訴訟リスクの高い手術にトライしようという変わり者はそんなに多くないんだよねぇ。
安全になったとはいえ、現在でも成功率は10%あるかないかである。
「あらうちの学園にいるわよ。そういう研究している先生……」
そんな話をしているとジュリさんがアッサリとそれを否定した。
さすが上級生!学内事情に詳しい。
ただ面識がない先生なので、寮に帰って調べてみることにした。
(慣れる!改造人間になれる!)
私はもともとメタルヒーローより改造人間に成りたかったの。
部屋に戻りPCを立ち上げシビリアンの先生を検索する。
「いた!」
ユウキ先生っていう先生か…ん?
これって見慣れた顔を発見し画像をクリックし印刷する。
それを持って食堂へ走った。
食堂ではクリーニング屋のキクチさんと彼女が談笑していた。
「ミサキ先生も改造人間だったんですね。」
その会話に割ってはいる。
「ええそうよ、失敗作だけどね。」
「どうして?」
不思議そうにミサキ先生が首をかしげる。
「私も改造人間になりたいんです!」
「君はどうして力を求めるの?」
「いけませんか?家族の敵を取りたいんです!正義として悪を倒したいんです。」
私の家族は悪の秘密結社の抗争に巻き込まれて死んだんだ。
「復讐は復讐しか呼ばないよ。」
クリーニング屋のキクチさんに理解してもらおう等とは思っていない。
「貴方の正義には心がないわ。守りたいものがなければ、ただの暴力にしかならない。」
私は厳しい言葉に顔をそむけ食堂を走って出て行く。
(どうしてわかってくれないのよ!)
気がつくと辺りは夕闇に包まれていた。
こんな時間でも道場には明かりがついている。
(スーツを貰えるまでは毎日通ってたっけ。)
最近はスッカリ足が遠ざかってしまっていた。
ドアの影からコッソリ中をのぞくと、オキ先生が一人で稽古しているのが目に入る。
「誰だ?」
(え?私?)
優れた武道家は自分の間合いに敵が侵入すると、即座に察知するというがどれだけ範囲が広いのだろうか。
「なんだ。お前か。」
「ご…ご無沙汰です……。」
「どうした?」
「先生も改造人間なんですよね?どうして改造人間になったんですか?」
私はポケットから先程の紙を取り出す。
「この写真今度変えて貰おう。宇宙で生活する未来を切り開くためだ。」
「私強くなりたいんです。だから改造人間になりたいんです!」
「それだけでは駄目だ。」
「何故ですか?」
「世界が平和になったらお前どうする?」
「そんなことはありえません。」
「だが俺達はみんなその日が来ることを信じてヒーローをやっている。」
「私は自分のような子供を減らしたいんです。」
あのときは目の前で死んでいく家族を泣いて見送るしかなかった。
あの無力感と絶望感…誰にも味合わせたくない。
私の目からは涙がこぼれる。
「その話なら入部のときにも聞いたよ。
スーツもらえたんだろ?」
「貰えました。でも着脱式のプログラミングされたのは違うって言うか……。返しました。」
「お前贅沢だな。この体は確かに鍛えれば鍛える程強くなれるが、意外と大変なんだぞ。」
「何でもします!道場にも毎日通います!だから私を改造してください!お願いします!」
気がつけば私は泣きながら土下座していた。
私の肩がぐっとつかまれる。
「今度はスーツみたいに返して逃げ出せないからな。それでも良いなら明日の放課後保健室に来い。」
私は力強く頷いた。
「これで涙拭け、そして今日は早く寝ろ。」
オキ先生はもう少し一人で稽古を続けるというので先に失礼することにした。
帰り道
血だらけの怪人が向こうからやってくるのが見える。
暗闇とのコントラストが正直ゾクっとする感じだったので、パッと道の端に避け…きれなかった。
遠くから見ると抱きつかれているように見えるんだろうなぁ。
「私はオルフェノクのオウというものだ。何者かに襲われた。」
「え?」
私の靴に赤い血がポタン・ポタンと垂れる。
え?パッとオウさんの体に触れた手を見ると真っ赤に染まっていた。
「いやぁ!!!」
思わず叫び声をあげてしまう。
「こっちだ!!」
刀を持った男がこちらに歩いてくる。
「逃げろ…アイツの狙いはそうやら俺らしい。」
突然オウさんの変身が解ける。
本人の意思と関係なく解除されることは、変身者の異常を意味するんだっけ。
「このピアスをリョウコに渡してくれ。そしてタケシと幸せになることを祈ってると……」
そういうと両耳にしていた赤いピアスを私に渡す。
「いたぞ!仲間と居る!!」
「仲間?え?え?」
「お前変身とかできるか?」
「いえ、いまわぁ。」
「ち…非戦闘員か。」
刀を持った男が迫っている。
「早く逃げろ、俺が時間を稼ぐ。」
「私も戦います!」
「馬鹿やろう。周りを見ろ。今ココで二人死んだら犬死だろ!
お前は生きてこの異常事態を誰かに知らせろ!」
ボンと背中を押され、寮の方へ2・・・3歩よろける。
「後ろを決して振り返るなよ!!」
「女が逃げるぞ、追え!」
男の脇に居た黒服の男も走り出す。
「お前らの相手は俺がする!!変身!!!頼んだぞ!」
私は一目散に駆け出す。
無力だ……あまりに情けない。
寮に飛び込んだ私はミサキ先生やシロキ先生をすぐに連れて戻った。
しかし…待っていたのは……。
空には赤い月が不気味に輝いていた。
翌日校門の前で新聞を受け取る。
オウさんの事が乗っている。悪バイオ科の三年生だったようである。
(また私のために人が死んだ。)
私は生かされてる。何のために?
きっと私も誰かを生かすために生かされているのだろう。
一つでも多くの命を守ろう、そしてその守った命がまた人を生かしていく。
この命の連鎖を守ろう。それがきっと無念の死を遂げた家族やオウさんの願い。
私は希望を守るために改造人間になる。
上っ面のヒーローを目指していた私はあのとき死んだ。
今日から私はオキ先生のように真の正義のヒーローを目指そう。
でも手術を受ける前にやらなければならない事が一つあった。
リョウコという女を捜し、オウさんの最後の言葉を伝えなければならない。
「ジュリさんなら知ってるかも。」
今日は昨日の事もあり、全授業休講となることが発表されている。
こんなときは彼女は必ずジムでトレーニングをしているのだ。
ジムには急な休講ということもあり、いつもよりも多くの学生が居る。
人を掻き分け、ジュリを探す。
いた。あそこで男子学生と腕相撲している。
「ジュリさん!」
「んどうしたの?悪のバイオ科にリョウコさんって人が居るらしいんですけど、顔をご存じないですか?」
「……あの悪魔に用なのか?もしかして彼氏を取られたか?」
「いや…そ…そういうんじゃ……」
「あの女なら音楽室にいるよ。」
「特徴とかは?」
「魔女だ。すぐにわかる。強いていうなら黒だな。」
よっぽど嫌いなのだろう。名前を聞いたとたん男子学生が宙を待った。
腕相撲でそんな光景初めて…。
理由を問い詰められる前にコッソリとジムを後にし、ジュリさんから聞いた音楽室へと向かう。
悪舎は今日は喪に服すのかと思っていたら、普段どおりである。
(みんな冷淡なのね……)
音楽室のドアの前に立ち深呼吸しノックをしようとしたとき中から声が聞こえた、
「リョウコさん…葬儀参加しなくて良いんですか?」
「良いの。貴方は行きなさい。」
「わかりました。」
中に居るのは宿敵エリカのようであるが…。今はそれどころではない。
「あ…あのときの…ええっと……」
向こうは私の名前すら覚えていないよう。
「リョウコさんに用事があって……」
「ごめんね。今日ちょっと決闘とかそういう時間ないのよ。」
人の話を聞いて欲しい。
「オウさんから預かってきたものがあるんです。」
「は〜い。静かにしてね。リョウコさん疲れてるから。」
エリカが私の口を塞ごうとする、
「今 貴方何ていった?」
窓の傍で話を聞いていたリョウコさんが近寄ってくる。
綺麗な人だ。確かに魔性の女って感じ…
「これを預かってきたんです。」
ポケットに大切にしまっていた赤いピアスを見せる。
「どこで?」
「昨日私を助けてくれたんです。それで……」
「エリカ 音楽室に誰も入れないで二人にして。」
この二人がどういう関係なのかはいまいちわからない。
「詳しく聞かせてくれるのよね?」
私は昨日の事のあらましを出来るだけ詳細に噛み砕いて話す。
「じゃぁオウは立派に戦って死んだのね?」
「はい!新聞に書いてあったのは出鱈目です。」
「新聞なんてどうでも良いの。私達は悪を志す者、決して賞賛される存在にはなれない。」
「どんな方だったんですか?」
「変わり者だったは、弱きを助け強きを挫くそんなに王様になるって……」
「最後にタケシさんと幸せになることを祈ってるって…」
「彼らしいわね。他人の幸せを最後に願うなんて。
このピアスね。彼の宝物だったの私が欲しいって言ったら…
なんて言ったと思う?」
「さぁ?」
「キングとクイーンの結婚祝いとしてならくれるって言ってたの」
「そうだったんですか……。」
「忘れないで居てあげて、オウという悪者がいたことを。
忘れないで居てあげて、そんな悪者でも最後は愛する人の幸せを願って死んでいったことを。」
「はい。私頑張ります。この助けてもらった命を精一杯正義のために使います。」
「そうしてあげて。彼の命を奪った奴はクイーンの名に掛けて私が必ず殺す。」
「え?」
「なんでもないわ。独り言よ。」
「私そろそろ改造手術なんで失礼します。」
「あら。ちょっとこっちに来て。」
右掌を私のおでこに翳す。
「きっと上手くいくわ。悪いけどそろそろ一人してくれないかしら」
リョウコさんはそういうとまた窓の外から何かを見ている。
私が会釈して音楽室を出ると、バイオリンの悲しそうな音色が響いた。
まるでレクイエムであるのかのように……。
バイオリンの音が小さく聴こえる中、私は保健室へと入る。
そこにはオキ先生・ユウキ先生・ミサキ先生・ミナミ先生・ハンニンバル先生が待ち構えていた。
「よく来たな。これが今日お前の体に埋め込まれるエンペラーストーンだ。
これはミナミ先生のキングストーンの細胞を研究に研究を重ね完成した
無限の可能性を秘めた希望の石だ。」
「これからこれを君の体に入れる。もちろん麻酔はするが痛みはあるだろう。
だがその痛みを人間として感じるのはこれが最後だ。
手術が終われば君は改造人間だからな。」
「エンペラーストーンは貴方のコアとなる。よく見ておきなさい。」
「よろしくお願いします。」
麻酔がすぐに効いていて、手術は意外と短時間で終わった。
本当に脳以外の全てを交換したのかと疑問を抱くほどである。
「ナノロボット型手術機の登場で飛躍的に早く出来る様になったわ。」
「今話しているということは、無事適合できたということだろう。」
「カイザーストーンはお前の心に反応する。よく勉強しよく遊び己を鍛えよ。」
「ちなみに僕は2個の変化を発見したよ。」
本で読んだことがある。確かロボライダーとバイオライダーと書いてあった気がする。
「先生…私の変身後の名前は?」
「エンペラーストーンが教えてくれる。」
対話をしていくことで、己を知り進化することができるライダーということみたい。
「あれ?ベルトが無い?」
クビレのある自慢の腰に手を当て首を傾げる。
仮面ライダーの代名詞ともいえるベルトが無いの。
「先生ひょっとしてドッキリですか?」
「意思がお前の呼応し、変身ポーズを取ることで反応し変身ベルトになる。」
ユウキ先生は何か難しい説明をしてくれていたんだけど、要約するとこんな感じだ。
「いやだろ?飛行機に乗るたびに金属探知機に引っかかるの。」
オキ先生……そうなんですか……
「おめでとう。今日から君も仮面ライダーだ!」
今日は改造手術から一ヶ月の検診
「じゃ次は左手を握って。」
ユウキ先生が私の握力を測る。
「まぁこんなもんか。」
結構な力を入れたつもりなんだけどなぁ……。
未だに仮面ライダーになった時間がわかない。
変身の名前どころか……変身ポーズもわかんないんだよ?
一応体のスペックは取扱説明書を読んでいるからわかるんだけど……
なんかやっぱり試したいじゃん!
「平和だって事だろう。良いじゃないか。」
例の事件以来少し不安な空気も流れたのだが、その後連続するようなことは無かった。
一応ユニコーンをモチーフにしたらしい。
仮想の生き物じゃん・凄く不安。しかもユウキ先生……絵心無さ過ぎ……。
でもカナブンとかじゃなくて良かった。
検診を終えた私は道場へと向かう。
道場ではユイとジュリさんが稽古をしている。
「検診どうだった?」
私に気がついた二人が寄ってくる。
「特に異常なし、ネタにもなんないの。」
「改造された自覚はあるのか?」
「それが全然……。」
三人で談笑していると、胴着を身に着けたオキ先生がやってきた。
「今度の学園祭で悪の総合格闘技部と恒例の試合を行う。
変身はいつものようにアリだ。」
部員達がちょっとザワつく。
「今年こそイクサの力をリョウコに見せ付けてやる。」
ジュリさんが拳を上げる。流石主将。
ちなみに昨年は1勝3敗の惨敗だった。
私とユイは見学でジュリさんは試合には出たが、リョウコさんに破れた。
(ちなみに公式戦10連敗中。連敗というか勝ったことないみたいだけど。)
え?あのリョウコさんがどうして格闘技部にいるのかって?
答えは簡単…主将が悪の自治会長にして、キングの愛称で圧倒的実力を誇るタケシさんだからだ。
タケシさんは一年生から主将を任されており、今だ負けたことが無いらしい。
リョウコの実力はというと、いつも全くやる気が無く変身すらしない。
それなのにライジングイクサになったリョウコさんが、
赤子の手を捻るように負けてしまうのだ。
「キングの妻になる私が弱くては弱点になってしまうわ。」というだけあって、
実はキングよりも強いのではないか。という噂も聞く。
「ああ…今年ももうこんな季節かぁ。」
いつものようにオキ先生から放課後の個人レッスンで汗を流した私が帰路に着こうとしたそのとき…
(言葉だけ聞くと保護者会が問題にしそう)
「誰か!!!」
助けを呼ぶ声がする。
「そのノートかしてくれよ。」
駆けつけると悪科のバッチをつけた生徒が女生徒に襲い掛かっている。
「離して!助けて!」
「待て!」
私が女生徒の前に立つ。
「何してる?」
「うるせよ。ブス。」
「なんだと?」
私がそいつの肩を乱暴に掴む。
「イテェよ、馬鹿力」
振り解くとき男の肘が女生徒の顎にあたった。
「邪魔なんだよ。さっさと出せば良いんだよ。じゃぁな」
女生徒がその場に蹲る。
「大丈夫?」
「取り返して。あのノート大切なモノなの。」
ハンカチで傷口を押さえている。
許せない。女の顔に傷をつけた男…許せない。
「待て……」
バイクのまたがる男を呼び止める。
「そのノートを置いていけ。」
「嫌だと言ったら?」
胸の鼓動が高鳴る。
右手を真直ぐ伸ばし左手をそれに平行させる。
体が勝手に動く。
これが呼応するということなのだろうか。
「変身!!!」
「何者だ?」
男が尋ねる。
「私は希望の女帝 シャダイム!!」
ポーズが決まった。本当ならもっとちゃんとした場で初めは変身したかった。
「変身!!」
男の姿が虎の姿に変わる。両肩にはバズーカをつけている。
「我が名はタイガーバズーカ。死ね。」
ミサイルとレーザーが発射される。
同時にバイクを発射させる。
「待て!!!」
逃げたら女生徒に当たってしまう。
守らなければ正義のヒーローとして!!!
女生徒の体を覆う。確か取り扱い説明書には核弾頭が直撃しても無傷と書いてあった。
爆発音と共に砂埃が舞った。
「大丈夫?」
「アナタこそ大丈夫なの?」
「大丈夫、私はヒーローだから。」
「ノート取られちゃった。一生懸命研究したノートだったのに……。」
研究レポートを横取りされたのである。
「今から取り戻す!シャダイム スピッツァー!!」
説明しよう
シャダイム スピッツァーとは、ヒーロー学園が所有する軌道衛星に搭載された
超高性能宇宙望遠鏡を利用し、敵の現在位置と自分の現在位置を把握するのである。
その解像度は解像度1mmを誇り、木々が落とす枝の影どころか地面を歩く蟻さえ見えるものである。
「見つけた。悪舎に逃げ込むのね。」
タイガーは高速廊下(バイク・車両(高さ制限あり)可の廊下をスピード違反スレスレで走っている。
校舎内での戦闘は禁止事項である。つまり校舎に入れば私は手を出せない。
「逃がさないわよ!絶対!エンペラス!!」
説明しよう
エンペラスとは、最高時速1050キロを誇るエンジンと(20××年6月時点世界最速)
進化型人工知能を搭載し、流暢に話も可能な意思を持ったバイクである。
ミナミ先生の研究テーマであるバイク型の生命体『光機動生命体』のボディーだけでなく
その動力源にはエンペラーストーンが組み込まれている。
また高速走行中は見えないバリアを発生させ、搭乗者を衝撃や攻撃から守る。
「自動案内モードに切り替えます。アクセルを握ってください。」
シャダイム スピッツァーで得た情報は自動的に送られている。
そして逃走経路…スピード…天気…性格…言葉遣い…疲労具合…状況を一瞬で計算し、
最短で追いつく経路に案内してくれるのである。
私は基本的にアクセルと戦いに集中すればいいみたい。
緊急時には自動ブレーキも効く。
「間に合いそうね。」
逆に追い抜いて先回りすることにしよう。
驚いた顔が目に浮かぶ。
「何?」
チェ気がつかれたようだ。
バイクで体当たりする。
「ノート返しなさいよ!」
バイクを捨ててタイガーが校舎へ走る。
一体あのノートに何が書かれているんだろう。
「ライダーキック!!」
私が背中に必殺技を当てる。
「あれ?」
しまった!失敗した!!
角度を間違えた。
飛びすぎて3階の窓を割って校舎に入ってしまった。
驚いた生徒達がこちらをみる。
「やりすぎだぞ!!」
校舎からブーイングが聞こえる。
最悪のデビューになってしまった。
「校舎に入ったら戦闘禁止だ。悪の学生を守るのがキングの役目……」
キング!!!キング!!!…キング!!!という大声援が響き渡る。
私は地面に落ちたノートを拾い上げる。
目的は果たしたこれ以上いると袋叩きにあいそうなので退散することにしよう。
別に殴りこみに来たわけではないんだし……
「女を傷つける奴は私が許さない!!」
ブーイングと歓声の中、そう高々と宣言する。
そしてバイクにまたがり、先程の女生徒にノートを返しに走る。
私の初体験はちょっぴり嬉し恥ずかしな感じであった。
学園祭に備えて準備をする正義の学生達…
一方悪の学生は
女学生のメイド喫茶をやろうと考えていたが、
クイーンが他の男に奉仕するのが耐えられないキングが中止を訴え
「お化け屋敷」をやることに…。
クイーンに夜にしてもらえば良いし、準備要らなくね?と浮かれる学生達…
そして悪舎代表に選ばれてしまったエリカ達4人の運命やいかに?
次週「悪の胎動」ご期待ください。
>>210-211 こういうの個人的に大好きです。
是非次回作も期待したい。
「【クイーン】リョウコ派VSジュリ派【イクサ】」スレと「今日のヒルト」スレが気になりました。
>>212 こっちこそ過剰反応してすみませんでした。
高速廊下単純にバイク使える道路が欲しかったんだよね。
地図本当に欲しいよね。
みなさん広さどのくらいを想像してらっしゃいます?
私は一応財大企業の工場(バスとかあるところ)…東京ドーム3個分くらいと考えてます。
乙
学園祭かぁ。お化け屋敷っていうか怪人屋敷だな
>>232 投下乙
学園の広さに関しては、大体同じくらいの認識だね
235 :
赤い日 1:2008/11/27(木) 23:20:32 ID:CNxasKx5
射撃訓練所に、リズミカルな銃撃音が響き渡っている。
次から次へと立ち上がる人型の的の頭部や胸に、数発づつ火線が走り、
バタバタと倒れていった。
ビーッと電子音が鳴り、的が止まる。
消音用のヘッドフォンを装着し、一心に射撃していた青年は大きなため息をついて
銃を下ろした。ヘッドフォンを外し、頭を軽く振る。
手元の小さな電光掲示板にヒット数が次々と表示される。
全弾命中、クリティカル率87%。数字としては悪くない。とはいえ欲を言えばもう少し
精度を上げたい。百発百中とまではいかないものの、いざというときに精密射撃が出来ない
ガンナーなど意味がない。スナイパーと混同しているかもしれないが、『正義の味方』で
ありたいなら、いつか、絶対に外してはいけない場面にめぐりあうはずだ。
それは一種強迫観念にも似た、彼の信念だった。
青年は一度外したヘッドフォンをもう一度被ると、手前のコンソールを叩き、
的が再び出てくるのを待った。
青年の名は中島ユキオ、Hクラス・戦隊科在籍の生徒である。
他の科に比べて圧倒的に人数の多い戦隊科は、その特性ゆえに落第生もまた一番多い
科であった。最近落第生の中には問題行動を起こしてHクラスの資格を剥奪され放校に
なるか、そのままvクラスへ編入してしまう者までいる。彼らとて正義の徒として
使命に燃えていただろうに。
熾烈なポジショニング争い、小隊としてのまとまり、隊ごとの優劣。一人の怪人を
5人で相手にする時などスーパーリンチタイムなどと悪口を叩かれるが、装備で強化
しているとはいえ基本は生身、前線投入される隊に配備されるにはそんな気が遠く
なるほどの数多の試練をかいくぐってくるのだ。表舞台に立てた彼らがついはりきり
すぎたって誰が責められよう。とはいえ、最近は敵も集団戦闘を仕掛けてくることが多い。
人数が多い分にはその分、カバーできる範囲も広がるということだ。
(個人単位の奴らには悪いけどな)
中島は的に銃弾を打ち込みながら思った。まあ、最近は一人当たりの戦闘能力が段違い
である単体系ヒーロー達もチームというか仲間同士で複数行動することも多いし。
ダブルライダーは男の子の夢である。
中島の所属する隊は三人編成で、メインの主力チームとは違い、サポート、援護中心の
サブチームである。射撃ユニット、飛行ユニット、広範囲攻撃ユニットで構成され、
中島は射撃担当、色はガンブラックだ。飛行ユニットが原田シン・ガンブルー、
広範囲攻撃担当が荻野ショージ、メタルシルバー。三人とも、最初強化スーツを
渡されたときはその渋さに絶句した。
戦隊ヒーローというよりはメタルヒーローだろこれ、という彩度と明度の低さであった。
メインチームがメタリックカラーで鮮やかなので、その別働隊(という名のサポートチーム)
は渋いいぶし銀的メタルカラーにしたとのことだがそれにしても。
せっかく掴みかけた正規チームの座、色ごときでグダグダ言っているようでは先はない。
中島に出来ることはただひたすらに射撃の腕を上げることだけだ。
236 :
赤い日 2:2008/11/27(木) 23:21:36 ID:CNxasKx5
「おうユッキー、精が出るな!」
クリティカル値が上がらず、もう一回やろうかとヘッドフォンをかけなおそうとした中島に、
声がかけられた。
射撃訓練場に、フラリと顔を覗かせたのはチームメイトの荻野だ。
「るせ、ユッキー言うな」
「まだやってく?差し入れあるんだけどよ」
差し出された紙袋からは芋の焼けた香ばしい匂いがただよってきた。
「焼き芋じゃん。どうしたんだそれ。コンビニとかじゃ売ってないだろ?」
「第二グラウンド通ったら、怪人系の奴らが火炎放射実験したらしくボヤだしてて」
「あんな狭いところでやるなよ…」
「消火手伝ってたんだけど、途中から火を真ん中に集めて焚き火にしちゃえばいいんじゃね?
という話になって、その場にいた連中皆で購買部から食料調達してきて、
焼き芋とか焼きジャガとかそんな大会になりました」
「何大会だよ!」
「焼きそばはちょっと焦がしすぎたので、その場でスタッフがおいしくいただきました」
「美味しかったのかよ!」
「シンにも持っていこうと思うんだけど見つからないので、
とりあえずインドアでヒキってるユッキーに持ってきた訳だ」
「だからユッキー言うな!」
「見かけたらさー、俺エリカちゃんにさりげなく渡そうと思ったんだよねー。
あの子超かわいくね?たまに憂い顔してるのとかキュンとこねえ?
でも全然見かけませんでした。残念」
「Vクラスだろ!」
「えっ、俺超余裕だから。愛はクラスを越えるよ?」
バカな話をしながら、訓練用銃を個人用次元ロッカーに格納し、室内の主電源を落とした
中島は、紙袋から焼き芋をひとつもらった。
ホクホクとした甘さが、口の中に広がる。
「あっ、旨い」
「7人がかりで焼いたり消火したりしたからね。オルフェノク系がいたんだけど、
半分煤で黒くなってて超ウケた」
「焦げるのかよ!!」
中島は顔見知りのオルフェノクを思い浮かべたが、彼は焼き芋なんか参加するだろうか。
身分の高い男だし、案外庶民の食べ物に面白がって混じったりしてたら面白い。
237 :
赤い日 3:2008/11/27(木) 23:27:14 ID:CNxasKx5
グラウンドは夕焼けに赤く染まり、訓練をやっている生徒や、グランド隅の格納庫で
乗り物や大型兵器を整備している生徒なども皆真っ赤に見えた。
昔は夕焼けが血の赤に見えて怖かった。
中島ユキオと荻野ショウジの住んでいた町は、ある日突然に謎の武装集団に数日占拠され、
戦隊がかけつけたときには大勢の人間が命を落としていた。その中に、二人の両親も
入っていた。
捕らえられた子供と大人は分けられ、助け出されるまで子供達は冷たい檻の中で震えていた。
そいつらは怪人となる素体を確保しにきていたのだと、あとから知らされた。
武装集団は最後に全て爆破自殺し、証拠品や身元の確認ができるものは何一つ残らなかった。
何もわからなかった。組織の名前も、目的も、捕らえられた大人たちがむごたらしく
改造され、拒否反応を起こして全員死んでいった意味さえも。
こうしてヒーローに志願し、夢に近づいた今でも、学園のデータベースを調べても全く
何もつかめていない。
机を並べ、時には合同で授業も受け、言葉を交わしているVクラスの奴ら。顔を知り、
名を知り、顔見知りとして言葉を交わす彼らの中にも、いつかそのような無体な行動に
走る者が出るのだろうか。中島はいつもそれを考える。考え続ける。
いつか戦場で対峙した時、自分は迷わず銃弾を彼らの胸に叩き込めるのだろうか。
ショウジは能天気な顔でVクラスの女が好きだと言う。彼が何を考えているのかわからない。
自分がわかっていることは、VクラスだろうがHクラスだろうが、性根の腐っている奴は
クラスに関係なく腐っているし、信念を持ち、まっすぐな奴はまっすぐだということだ。
クラス分けに何の意味があるのか、それすらもわからなくなってくる。
悪と名乗る全ての輩を憎んでいたはずの自分は、この学校に入って、今、どうしようもなく
揺らいでいる。
やめよう。
考えるのは止めよう。いつか、もし外してはならない時がきたら。その時自分が考える事は、
的を外さずに絶対に当てるということだけだ。それだけを目指そう。
「シンは多分地下の模擬戦用ドームにいると思う。飛行訓練用ユニットのエンジン音が
うるさいってこの間体育館追い出されてたからな」
「あいつ変なとこまじめだよなー。グラウンドでやりゃいいのに」
「一回それやって、グラウンド中爆音が響いて、アイちゃんに打ち落とされそうになってた」
「マジで?それはちょっと見たかった!呼んでくれよユッキー!」
「だからユッキー言うな!」
夕日が赤く赤く周囲を染めて、そしてその上から暗く黒く夜がやってくる。
その日の夜は、ひどく赤い月が昇っていた。
ちょっとした知人だったオルフェノクがその晩に殺される事を、まだ中島は知らない。
238 :
97:2008/11/27(木) 23:35:00 ID:CNxasKx5
sage忘れスマソ
文化祭いいね文化祭
マン研が変な同人誌出してたり、戦隊科で巨大ロボ対決したり
変な食べ物系屋台が軒を連ねたりするわけですね!
ライダーもんじゃ焼き500円とか、怪人マト当て一回200円とか。
地図っていうか勝手に広大な島に建設された
蓬莱学園みたいなカオスな町並みを想像してました。
学園とその周辺施設、巨大な寮、謎の地下空洞、
ありとあらゆるところを走る高速道、ちょっとした商店街みたいなの、
メンテの技術員とか購買の職員とか
一般職員の暮らすとことかも考えたらつくばみたいに
ひとつの街になってるかなーみたいな。
広さは
>>232に近いんじゃないかと
>>238 投下乙ー
こういう雰囲気は良いよね、かなり好きだ
そして何気に戦隊系の生徒は初登場……かな?
文化祭も楽しみだ
>>232 乙 気合い入ってるな いいよー
ただ少し誤字目立つな 落ち着いて見なおしてみたらどうかな
>>238 乙
生徒の日常とか描かれるのもいいね
非日常的なところがまたよい
戦闘訓練を終えたアタシとヘレネとそれにクイーン(愛称で呼ぶことを本人に希望された)は、
先日商店街にオープンしたばかりのケーキショップに行くことにした。
運動の後は甘いものに限る。
それにしても、二人ともスタイルが良いのが羨ましい。
スタイルだけじゃない、お肌もスベスベなんだ!
ハイドによると、そういう女の子を男はポンキュポンって表現するんだって。
同じように寮で食事を取り、同じように授業にでてどうしてこんなに差が出るのだろう。
「それ食べんのか。」
アタシの皿からアップルパイが消える。
「ちょっと〜〜」
「バイキングなんだから、また取りに行けば良いでしょう?」
ケーキをナイフとフォークで食べるなんて…
流石はクイーン……アタシもファッションだけでなくこういう所も真似してみよう。
さっそくやってみたんだけど、ケーキの形が崩れてしまった。
やっぱり楽しくしないとね!
「どうしたのじゃ?浮かない顔して」
手づかみでパイを頬張り耳を揺らしながら、ヘレネがこちらを見る。
「いやぁ、またこんなに来ちゃってさ。」
アタシは鞄からメールを印刷した紙を出し机の上におく。
件名には「挑戦状」と書かれている。
自治会で相変わらず変身せずに、不良達を成敗していたら(とはいってもいつも偶然なんだけど)
クイーンの妹だから黒いフードなんだとか、実は先代キングの愛人の娘だとかあらぬ噂まで流れ、
お手軽に倒して自分の名をあげようという不届きな輩からも目を付けられてるみたい。
人間だって好きなアイドルの服を真似たりするじゃない。
私にとってクイーンはそんな存在なの!
「そんなのシカトよ。」
「エリカを評価してくれておるのじゃろ〜。何がそんなに嫌なのじゃ?悪党冥利につきるではないか。」
「あ〜あ、新しい精霊でも手に入ればやる気も出るんだけどねぇ。
今度は静かなのが良いなぁ。」
「精霊か。わらわも最近欲しくなってきたのじゃ。」
それは初耳だ。今でも充分強いのに……。
どういう風の吹き回しだろうか。
「わらわの能力は多人数のときは効果的なのじゃが、1対1では効果が薄れるのじゃよ。」
ヘレネも色々考えてるんだなぁ。
「二人とも精霊が欲しいの?あげようか?」
「はい?」
クイーンはコートのポケットから青いクワガタと赤いカブトムシの形をしたアクセサリー?らしきものを取り出した。
「これはね、歴代クイーンが自分の信頼できる人に力を分け与えるモノなの。自分を守って貰うためにね、
ちなみに名前はゼクターというの……」
モノで釣るわけか。さすがクイーンの一族…考えることが違うね。
「もう一個龍がモチーフのもあったんだけど、ジュリにあげちゃったの。」
「ジュリさんってあのいつも襲い掛かってくる人ですか?」
正直意外だ。実は仲が良かったのだろうか。
「彼女があんまりに頑張るから使いなさいってあげたの♪」
使いなさいって家宝なんでしょ。
「でも今使っておらんじゃろ?」
ヘレネは次のケーキに取り掛かっている。
「怒られちゃったの。戦士は施しなどうけん!こんな辱めは死よりも辛いって。
彼女のイクサ…所詮人間が作ったものだから性能があんまり良くないのよね。」
「彼女が龍の精霊と契約して、クイーンに襲い掛かったらどうするんですか?」
「それはそれで悪党冥利に尽きるじゃない。正義の人が悪に貰った道具使うってことよ。
学生時代の良い思い出って将来子供に話してあげたいの。」
そういえば、クイーンは卒業したらすぐ結婚すると前に話していたっけ。
これが最後の青春なのかもしれない。
「なかなか考えておるのじゃなぁ。でこのゼクターとやらをくれるんじゃろうか。」
「可愛い後輩ですもの。たまには先輩らしいことさせて……」
「エリカはどっちが良いのじゃ?」
アタシ虫が苦手なんだよねぇ。
あのグニャグニャした手触り…こんにゃくみたいで我慢できないの。
それと一つ問題が…もしウィンディーが起きたとき、別の精霊が居たら悲しまないだろうか
「なんじゃ?わらわが先に選んで良いのじゃな。」
ヘレネがクワガタの方を掴む。
「こっちじゃ。」
「戦いの神ガタックよ。汝を掴みし者の刃となり敵を打ち砕かん。クイーンの名の下に。」
契約の呪文らしきものをクイーンが唱える。
「なんじゃ?」
青いゼクターはヘレネの頭上を3週すると、その姿が見えなくなった。
「契約は完了したわ。次はエリカの番ね。」
「え…まだ心の…」
アタシの声を無視し、クイーンがまた儀式を始める。
「光を支配せし太陽の神 カブトよ。 か弱きものに道を示せ。クイーンの名の下に。」
あっという間に契約が完了してしまった。
「ああ…なんてことを…」
「前から思っていたのだがエリカよ、そなた何か隠しておらんか?」
「え?」
アタシの正体の事は内緒にしろといわれているし……
でもウィンディーのことを話せば、生い立ちを話さざるを得ないし……
「エリカにとってわらわは何なのじゃ?」
「た……大切な友達だよ。」
「その友達にも話せぬようなことなのじゃな?」
どうしよう、ヘレネ本気で怒ってる。
「私も別に何を聞いても驚かないわよ。」
クイーンが優しく微笑む。
「話さぬならもう我が家にはいれんからな。」
実はオウさんの死以来……夜怖くなってヘレネの部屋で寝ることが多いの。
ヘレネはいつも嫌な顔一つせずアタシを部屋に入れてくれる。
「それは困る。」
「魘されるソナタを心配するのはもう沢山じゃ。」
「え?寝言とか言ってる?」
「シン殿の名前がいつも出てきておるぞ!」
「や……止めて〜。」
慌ててヘレネの口を押さえる。
「あら彼のこと好きなの?」
「ちょっと遠くから見て話してみたいなぁと思っただけですよ。」
「携帯教えてあげようか?」
クイーンが携帯を取り出す。
婚約者キング以外の男性の番号が入っているとは意外だなぁ。
「その代わり、ヘレネの質問に答えてあげて。」
せっかく話題がそれて安心していたのに、元に戻されてしまったよ。
聞くも地獄……言わぬも地獄だ。
「あ……あのね、ヘレネ……驚かないで聞いてくれる。」
沈黙に耐え切れなくなったアタシは、まず目の前の友達を優先することにしたんだ。
「実は私ね…。(長くなるので三倍送りで。)」
キュルキュル
「学園祭の試合のメンバーに二人とも選んでおいたから。」
おっと飛ばしすぎた。
巻き戻し
二人のフォークが止まった。
「重い…重過ぎる。」
「貴方も色々大変だったのねぇ。」
「誰にも内緒よ。絶対よ。」
「どういう状況でエリカの過去の話になるのじゃ。クイーンならまだしも。」
そりゃそうだ。ヘレネの憎まれ口を利いて納得する。
「ところで、貴方達…今度の学園祭のメンバーに選んでおいたから。」
ん?今何か唐突に言わなかった?
紙ナプキンで口を拭いながら、クイーンが静かに口を開く。
「先鋒ヘレネは戦隊科 原田シン 次鋒エリカは向こうの強い希望でハルカ…貴方何したの?」
アタシは首を傾げる。
生まれてこの方、そこまで恨まれるようなことはしていないはずだよ。
「中堅 クラマがユイ 副将 私がジュリ 大将 キングがコウジと戦うことになったわ。」
ハイドは外れたようだ。
アンゴルモア以外とは極力戦わないと言っていたからだろうか。
「ところでシン先輩の携帯は……」
おおっと忘れるところだった。
「ごめんなさい。嘘なの。」
「え?」
「からかってみたの。」
アタシは顔を真っ赤にする。
「怒ったの?だって私初恋とか無かったから羨ましくて。」
「いくらクイーンでもひどい。」
「大体クイーンの携帯に男などキング以外入っておるわけなかろう。
もし入っておったら、男女関わらず至る所で抗争が起きておるわ。」
ははは…人気者は辛いんだなぁ。
アタシもこのまま眺めるだけで良いかなぁ。
エリカ達がケーキバイキングを楽しんでいる頃
ハルカは歴代ライダーの地獄の特訓を受けることになる。
久しぶりの改造人間型ライダー…しかもタックル以来の女ライダー
スーパー1ことオキの呼びかけで、
11人のライダーは世界各地から学園へとやってきた。
身の危険を感じたハルカはユイを連れていくことにする。
次週『特訓!!特訓!!猛特訓!!海にドボン!』御期待ください
>>238 エリカ意外とモテてるんだなぁ。
これからもクロスオーバーしていけると良いねぇ。
文化祭間近だね
次回予告
ポロリはないのかなぁ
>>247 乙 ほのぼのしとるね
学園の近くに商店街とかあるんだな
まあないと不便だしな
ヒーローが買い食いとかしてるんか
ヒーロー学園の近所にある中華料理屋のおっさんとか超強そうだなw
「立て!!」
顔に水が掛けられる。
ここは正義部機械科専用トレーニング場、まぁ簡単に言うとサバイバル演習場のようなもの。
遡ること…一ヶ月前
改造手術を受けた私は初めてシャダイムへと変身した。
それから数日したある日、ユイとパトロールがてらツーリングを楽しんでいた。
すると、先日助けたことが縁でメンテナンスを担当してくれることになったナツミから連絡が入る。
「悪科のロボット2体が制御不能に陥り、戦闘禁止区域を進行中。」
戦闘禁止区域には化学薬品を貯蔵するタンクなどが置かれているだけでなく、ダムや発電所などの生活に必要な設備がある。
一刻も早く止めないと大変なことになるかもしれない。
無線を聞いた私達は顔を見合わせて頷く。
「変身!!仮面ライダーシャダイム!」
「変身!!スタンディングバイ コンプリート! 仮面ライダーデルタ。」
エンペラスとジェットスライガー(ユイのバイク、最高時速1300km)に変身した愛車に乗る。
ちなみに私のエンペラスは説明書が間違っており、
最高時速1500kmだったからいくら逆方向とはいえ、二人ともそんなに時間は掛からないはずだ。。
それにしても、制御不能とは珍しい。
何かあったのだろうか……。
ここは学園外だが緊急の際には高速移動が許可されているので、遠慮なくアクセルを握る。
「追加 連絡で〜す。」
緊張感のかけらもないナツミの声が聞こえる。
「悪部機械科からロボット情報を送信します。」
なるほどタイプが人間型というところを見ると、改造人間の試作型のようだ。
名前をG45とG46というようである、
(おいおい)
詳細なデータを見ながら私は呆れるしかなかった。
ジャンプ力/ひと飛び80m(バトルモードは測定データなし、飛行機能あり)
身長/198cm 体重/100kg
パンチ力/約10t キック力/約13t 走力/100mを5.5秒
他。ロケットランチャーなど銃火器の装備多数、最先端装備をしている。
強いロボットを作りたいという気持ちは理解できる。
ただ、もしものときに備えて弱点の一つでも用意しておいて欲しい。
彼らには彼らの事情があると言われればそれまでなのだが……。
「さてどうしよう?」
現場に到着した私とユイは顔を見合わせる。
こんなのどうやって倒せば良いんだ。
ある一定距離を保っていないと、バルカン砲の餌食になってしまう。
かと言ってこのまま黙ってジリジリ下がっていてはラチがあかない。
これは流石に先生達の出番ではないだろうか。
「連絡します。私も今聞きましたが、他にも数体暴れているとのことです。」
本当に事故なのだろうか。まさかこれからはこういう戦闘員が基本になるとか言うんじゃないだろうな。
「私……あっちの赤いの頑張ってみるから。ハルカこっちよろしく。」
バルカンを紙一重で避けながら、ユイが赤い方へ近づいていく。
こういう場合には二人で協力して、まず一体を叩くのが上等手段ではないか。
それにしても、熟練した兵士のような銃の腕である。
こちらが避けるのを予測して撃ってくるのだ。
しかも全部がそうではなく、両手で打ち方をわけてるみたいだ。
「お……」
ユイがジャンプで赤い方(G45と腕に書いてある)の背後を突く。
「ファイヤ!!!」
フォトンブラッド光弾銃の引き金をひくと、ドカンドカン!!と爆発音が鳴り響いた。
「やったか!」
しかし煙の中からG45が突進してくる。
「え?」
G45が右手でユイの首をガッチリ絞め、徐々にユイの体を持ち上げる。
せめてもの抵抗で地面を蹴ろうとするが、体が空中に浮いてしまった。
「ゴホ…オエ…。」
もし変身していなければ、とっくに首は握り潰されているのだろう。
ユイは必死に腕を引き離そうとしている。
「待て!」
私は助けに入ろうとするが青い方(G46)に邪魔されてしまう。
「おのれ。」
制御不能な癖にこういうところは冷静なんだな。
思わず後ずさりする。
「どうすればいい、恥を忍んでユイを連れてバイクで逃げるか……。」
チラッとユイの方をみる。
ユイは必死に体を揺すっていたが、遂に腕をダランと垂らして動かなくなってしまった。
ただ変身が解けないところをみると、まだ大丈夫なようである。
(そんなには持ちそうにないけど。)
「こんなときに使えそうな武器はええっと……」
そのとき
「ライドルスティック!!」という掛け声とともに警棒のようなものが、
G45に当たり爆発した反動で、ユイの首から手が離れる、
地面に叩きつけられ大きく弾むユイの体……
「可愛い後輩をいたぶってくれてるみたいだな。」
『解析中……解析中…仮面ライダーX…データ一致率85%』
「ほぉ、過去のデータも入っているのか。優秀だな。」
銀色の戦士は先程の警棒を回収すると構えを取る。
「俺の名は仮面ライダーX!!」
何故こんなところにいるのだろう
世界を旅しているとは聞いていたけれど…。
「バンバン。」
レーザが胸に当たる。
「うわぁ、」
向こうに気を取られている場合では無かった。
そうだ。こっちも同じ敵を相手にしているんだ。
油断した一瞬を見逃してくれようはずがなかった。
ヨロヨロと足元がふらついた所に
パンチの連打とキックを受け吹っ飛ばされる。
「ここにいたのか。力の使い方がわからないっていうのは見せてあげよう。
まったくコウタロウさんもカズヤさんも人が悪い…。特徴くらい教えておいてくれればいいのに……」
顔をあげるとそこには優男がいる。
「もう大丈夫だよ。怖かったろ?俺もね、みんなに笑顔で居て欲しいんだ。」
「貴方は?」
さっき先生達のことを下の名前で呼んでいたということは、この人もライダーなのだろうか。
「超変身!!」
優男は両手を広げ、ベルトを出現させる。そして左前方向に伸ばした右腕を、右横方向に移動させた。
変身ポーズが私と少し似ている。もしかしてこの人も何か埋め込まれているのかもしれない。
「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム!」
赤い目をしたライダーはそういうとG45に飛び掛っていく。
覚えているのはそこまで
助けが来た安堵からか気が抜けて意識を失ってしまった、
255 :
正義の道は一歩から ◆31P.4mZG16 :2008/11/29(土) 23:26:06 ID:ix8SBUyZ
気がついたのは医務室のベットの上……
「気がついたようね。」
目を開けるとマザーの顔がそこにあった。
「こ…ここは?」
「医務室よ。」
ああ…生きて戻ってこれたのか…
「ユイは?ユイは?」
私はマザーの顔を揺する。
「心配しなくても大丈夫。ちょっと意識を失っただけよ。」
「良かったぁ。」
私はホッとタメ息をつく。
助けが来てくれて本当に良かった。
「全然良くないぞ…。」
不機嫌そうな声の主がカーテンを開ける。
「……」
誰この人?初対面なんだけど…誰かと私を間違えてない。
「まぁまぁ良いじゃないですか。そのために来たんですから。」
さっきの優男もいる。
「俺の名前はゴダイ ユウスケよろしくね。」
「は…はぁぁ。」
やっぱりベルトがない。
「俺は仮面ライダーXジン・ケイスケだ。
ユウキさんが久しぶりの力作、しかも女生徒だというから来てみれば……。
あの無様な姿はなんだ。仮面ライダーとしての基本が全然出来てない!!
二人とも俺達が鍛え直してやる!!!覚悟しておけ。今日から演習場に泊り込みだ。
授業は補修をしてもらうんだな。」
「俺達??」
二人じゃないの?
ユウスケがカーテンを開ける。
バイクで演習場へ向かう10人の諸先輩達の姿があった……。
先輩ライダーによる厳しい特訓を続けるハルカとユイ
その合間にコウタロウとユウスケにエンペラーストーンの使い方を習うハルカ
しかし、どうしても変身を変化させることができない。
焦るハルカは学園祭前日…遂にある決意をする。
次回「受け継がれる正義の魂」お楽しみに
仮面ライダーの先輩による特訓はお約束なのでやりたかったのです。
昭和ライダーとクウガが集まっていることにしておいてください。
乙乙
先輩ライダーの登場は予想外で良かった
それにしても最初は主役級だと思ってたハイドが、最近は空気になってきたなwww
特定のキャラが主役ってわけじゃなく、登場人物全員が
主役だってのがこのスレの良い所だね
投下乙!
みんなが主役ってことやね
ダムとか発電所もあるのか かなりでかい所だなw
押忍!!
私の名前はユイ!仮面ライダーデルター!
バスト90cm Dカップ
あとのサイズは内緒ね★
今、私は仮面ライダーの先輩達による地獄合宿中で、同級生のハルカと一緒にテント暮らしです。
体育会系ってめんどくさいなぁ。
演習場に泊り込んで既に何日が経ったっけ。
どう少なく数えても2週間は居た気がする。
長い休みに自堕落な生活をしていると、曜日の感覚が無くなると言うけれど…
それに近い感じ。
「何だ!今のキックはダンスのつもりか!!こうやるんだよ!!」
タケシ先生の強烈なキックが脇腹にめり込む。
「グァ!!!」
あまりの痛みに肩膝を地面につく。
『殺せ!!!殺せ!!!』
ズキンズキンと頭痛がする。
最近治まって来てたんだけどなぁ。
「ちゃんと腰が入ってないから、この程度のキックでその様なんだ。
そんなことで世界の平和が守れると思ってるのか!!立て!!」
無理矢理立たされると、今度は顔面にパンチと膝蹴りをくらう。
「こんなパンチも避けれなくてどうする!!悪の組織の攻撃はこんなに優しくないぞ!!」
知らないよ!そんなの!まだ体験学習にも行った事ないんだし!!
「飯だぞ〜〜」
ダイスケさんの夕飯を知らせる声がする。
ナイスタイミング!
「うむ。今日はここまでにしよう。」
「ありがとうございました……。」
変身を解いて互いに礼をする。
こんな生活を毎日しているのだ。
もう何日も化粧してない……。
最初に2〜3日はしていたのだが、一日中朝から変身して夕方は暗いので意味がないことに気がついたの。
もちろん、ハルカもしてないよ。
一応これでも嫁入り前の年頃の娘なんだけどなぁ。
「お疲れ〜そっちはどうだった?」
テントに戻るとハルカが髪をまとめていたゴムを外していた。
「相変わらずよ。」
彼女は今私と同じような訓練の他に、エンペラーストーンの使い方を習っている。
ただ石にも個性があり、習いましたじゃぁこれで。という風にはいかないみたい。
「大丈夫?最近寝てないんじゃない?」
「ううん。大丈夫。それより頑張ろう!学園祭の試合も近いことだし!」
そういえば、すっかり忘れていた。
私も今年は対抗戦に参加するんだった。確か対戦相手は悪部のクラマだ。
「おお〜い。飯にするぞ〜」
「化粧直しなんて良いからこいよ。」
「今日は俺が良い話してやるから」
二人を呼ぶ声がする。
「行こう!!」
ハルカが靴を履き替えながら私をみた。
「うん…。先に行ってて…」
姿が見えなくなったことを確認した私はハンモックに腰掛ける。
『暴れろ…暴れろ…。』
両耳をふさぐ。駄目だ声はやまない。
遂に戦闘中でも無いのに、幻聴が聞こえるようになってしまった。
このままだと、私はどうなってしまうのだろうか。
(誰か……助けて……。)
とりあえず深呼吸をし息を吐く…。
いつもは心を落ち着ければ声は聞こえなくなる。
『暴れろ…あばれ…あば…』
ほら聞こえなくなった。
ホッとした私は夕食の席へ、既に先輩達は出来上がっているみたい。
私は空いた席を探し食事をとる。
「だからな俺は言ってやったんだ。
『仮面ライダーは死んだりしない。真の平和と自由を取り戻すまでは!』ってな。
俺は決まったと思ったね。ビビッてたもんクライシスの奴等……
あと『ボスガン! 悪に生きる道はないと思い知れ!!』これも自信あるな。 」
「それなら僕の『女子供を追いかけるとは、ネオショッカーの名が泣くな!』も負けてないぞ。」
ミナミ先生とヒロシさんの良いセリフ対決…初めて聞いたときは感激しました。
でももうその話3回くらい聞いたんですけど……。
また質問とかした方がいいですか。
私もいつか後輩が出来たらこんな風に話すんだろうか。
ちらりとテーブルを見回すと
ハルカはビールのお酌に余念が無い。
真面目だよなぁ、彼氏とかいるんだろうか。今どき居ないぞあんな娘。
こんな酔っ払い適当に合わせておけば良いのに……。
どうせ明日には覚えちゃいないんだから。
お酌を終えたハルカが私の向かいの席に腰を下ろす。
それを見つけたジョウさんが素早くに横をつめる。
「そうだ。変身後のセリフなんだが、良かったら俺の
『天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ!聞け、悪人ども。俺は正義の戦士・仮面ライダーストロンガー!』
をアレンジしてくれても良いぞ。」
「私……長いセリフ噛んじゃうんですよねぇ、すみません。気持ちだけ貰っておきます。」
またやってるよ。何としてでも後輩にそれを言わせたいみたい。
もちろん私もお断りよ。
こんな感じでいつものように夜がふけていった。
「おやすみ。」
「おやすみ……。」
夕食を終えた私達は携帯でメールをチェックすると、いつものようにハンモックに横になる。
「もう寝た?」
「ううん…起きてるよ。」
「私さぁ、デルタになったとき頭の中で声がするんだ。」
「どんな?」
「殺せ。とか倒せとか。」
「過激な精霊なんだね。」
もともとデルタは黒い噂のある精霊だったので覚悟はしていたよ。
ただこれほどとは思わなかったけど。
「日に日に声が大きくなるんだ。感覚も短くなるし……。
自分が自分でなくなるようで怖いというか。」
こんなはずじゃなかった。
私はただ姉のジュリちゃんみたいに立派な戦士に成りたかっただけなのに……。
「立派な戦士だと思うよ?」
「ありがとう。もし私が正気を失ったらハルカの手で殺して」
「え?」
「私はデルタを使いこなせないような気がするの。」
「変なこと言わないでよ。疲れてるんだよ。早く寝よう。」
そういうとハルカが明かりを消した。
・
・
・
・
虫の声が聞こえる。
ごめん。ハルカ……私もう限界なんだ。
音を立てないようにそっとテントを抜け出す。
声の事だけじゃない、あの体育会系のノリが私には合わない。
一歩一歩恐る恐るバイク乗り場の方へ足を進める。
先輩達は炊事棟を挟んで奥の方のテントなので大丈夫だとは思うけど……
何しろ改造人間…油断は出来ない。
(ジュリちゃんが聞いたらどういうだろうな。)
メールであんなに励ましてくれていたので、ちょっと顔を合わせにくい。
というよりも、やる気のあるジュリちゃんこそ参加するべきだったのよ。
どうして二人だけこんな目にあわなければならないのか。
自分の運の悪さを呪う。
「よう!散歩か?」
「うわぁ!!」
バイク置き場の奥から声がする。
「馬鹿…大きい声出すな。」
口を塞がれウンウンと頷く。
「リョウさん…こんなところで何してるんですか?」
「夕食のとき様子が変だったからな。念のため見張ってたんだ。
忍者ライダーとまで言われる俺の目を掻い潜れるとでも思ったか?」
「もう放っておいてください。」
私はバイクにまたがる。
「スペックで劣る俺達がどうしてお前より強いかわかるか?」
「さぁ……」
「足りないからだ。」
ドンと私の胸を叩く。
「ちょっとセクハラは止めてください!」
出たよ。精神論…どうせ正義の心とか言うんでしょ。
「自分に自信が無いから精霊なんかに心を乱されるんだ。」
「聞いてたんですか?最っっ低!!」
信じられない。プライバシーは無いのかしら。
「俺にも昔似たようなことがあった。
まぁ俺の場合は姉さんだったけどな。」
「そうですか。それは大変でしたね。」
もう武勇伝は聞きたくないよ。
「まぁな。で俺は先輩等に助けられ今日お前らを苛めてるわけだ。」
「何が言いたいんですか?」
「別にただどうして一人で逃げるのかなと思ってな。ハルカは置き去りか?」
「そういうわけじゃ……。あの子は頑張ってるし……」
「ハルカに昼間の演習のとき聞いたんだ。どうしてそんなに頑張るのかって。
そしたらな、機械科から逃げてきて一人ぼっちだった自分に話しかけてくれた。
一緒に頑張ろうと言ってくれたお前の気持ちに応えたいんだとさ。」
どこまであの子は人が良いんだ。私はただ暇つぶしに声を掛けただけなのに……。
「でまぁ、それは良いとしても、俺も特訓で声の正体がわかって安心してな。
それ以来上手く付き合ってきてる。
お前もやってみないか?」
「これ以上無理です。」
リョウさんの世代ならここで改心して、お願いしますくらい言うんだろうが…
そうは問屋がおろさない。
「そうか。手荒な真似はしたくなかったんだが…。
じゃあしょうがない。 実力行使で無理矢理教えるとしよう。」
変身の掛け声とともにベルトのエンブレムが緑色の光を発する。
「仮面ライダーゼクロス!!俺のように悪に染まるライダーは一人で充分だ。
世の為、人の為、友の為、そしてお前自身の為、デルタの力の使い方覚えてもらうぞ!」
あっという間にマイクロチェーン で両手・両足を縛られてしまった。
「はい以外の回答の場合、容赦なく高圧電流を流す。」
「キャラ間違ってませんか?」
ポチっとリョウさんがボタンを押す。
電流が流される。
「無駄口を叩いても電流を流す。俺も眠いんだよ。
明日からウチなる自分と戦うため、俺から忍術を習いたいか?」
「いいえ。」
再び電流が流される。
「もう一度聞こう。これからもライダーとしてやっていくために忍術を習いたい。」
「いいえ。」
だんだん電流にも慣れてきた。
(慣れただけであって痛くないわけではない。)
「そうか。これじゃぁもう駄目か。早くはい。といわんともっと痛い目みるぞ。」
そういうと、今度は私を逆さ吊りにし、下で火を炊き始めた。
(まさか火の中に顔を通すなんてしないよね……)
流石の私もちょっと不安になってきた。
あくまで私に「はい」と言わせたいみたい。
「デルタを使いこなしたい。」
「いい…」
チェーンからリョウさんが手を離す。
ズルっと私の体が下に下がる。
火はもう目の前だ。さらに電気も流れてきた。
「よく聞こえないんだが……」
やる…この人は必要とあらば、火に落としたり水に沈めたりやる。
逆らうだけ無駄なようだ。
「はい。はい。頑張ります。だから下ろしてください。」
だんだん頭に血が上ってきたのか意識が朦朧とする。
「今日の事を先輩達に話したらもっといじめるからな。
お前のことを心配してのことだからな。
その代わり、俺もお前が逃げたことは内緒にしておいてやる。」
薄れ行く意識の中リョウさんの声が聞こえた。
特訓もいよいよ仕上げへ
ユイはリョウやタケシよりスパルタながら鍛え上げられていく。
一方のハルカはまだエンペラーストーンとの会話が出来ずにいる。
焦るハルカ…しかし遂に当日を迎えてしまう。
そのとき…ユウスケとコウタロウは…・・
次週「特訓!特訓!(後編)」御期待ください
拷問の描写うまくできなくてすみません。
>>258 スッカリ空気になったことを本人も気にしているようです。
ただ出番は考えてあるんだ★
乙乙
精神に異常をきたすって最初にあったね。
ヒルト君も元気にしてるのかな
乙! スパルタだなw
ライダー知識すごいなあ 俺も書いてみたいけど知識あったほうがいいかな……
ピッコロ大魔王みたいな先輩ライダーだな。
現代の若者とのジェネレェーションギャップww
乙!
長い話を書き続けられててすごいな!
ハイドの出番も楽しみにしてるwww
>>268 仮面ライダーSPRITSあたりを読んでおけば
昭和ライダーの知識ぐらいはつくと思うし、別にライダー知識なくても
戦隊物とかメタルヒーローとかウルトラマンとか
色々料理できるものは多いんじゃないか。
気が向いたらぜひとも挑戦してくれw
今日は学園祭のため授業は休講、、
我輩は自治会のパトロールがてら朝から見学している。
クラマ達は先程まで一緒だったのだが、夕方からのメインイベントに備えて準備するんだとかで別れた。
ヘレネがホームラン競争で全段場外ホームランを打ったのには驚いたが……。
我輩は地獄の責任者だったのぞ。
そんじゅそこらの奴と一緒にしてくれるな。
「一人でパトロールなんぞ心細いじゃろう」だと?舐めてるのか?
一人でパトロールして袋叩きにあいそうなのは貴様だけだ。
あの女狐め。
それに我輩はたまたまゼミが一緒だったのと、自治会が一緒だったから行動を共にしていただけである。
「ほへ、うまい。」
ロボットの形をした菓子に餡が入っているのか…
「ロボッ焼きか、人間とは面白い発想をするのだな。
こっちはエンブレムの形をした飴か。」
正義舎の癖になかなか商売上手ではないか。
普段は滅多に入ることがない正義舎にも入ってみる。
白い廊下に白い壁、まるで新築のマンションのようだ。
掲示板には『歴史研究会』『ヒーローカフェ(コスプレが出来るらしい)』
など文科系クラブのチラシが所狭しと貼られている。
『ヒーローショー』にだけは近づかない。
去年小さい子供に節分のように豆をぶつけられたからだ。
全体的に流石、正義のヒーローを目指すだけあって違反は見受けられない。
次は問題の悪舎の見学である。
いつもは気にならないが、正義舎の廊下に比べて汚いように感じるのは気のせいだろうか。
『君も改造人間になろう』『悪のスピチュアル講座』『絶対にバレナイカンニングの方法講座』
『悪に人生相談』『簡単悪戯グッズマーケット』『悪の美容マッサージ』『教科書で教えてくれないヒーロー黒歴史』
『悪の紙芝居』『マリバロン・サタンドール ドクターケイト・マヤ先生による朝まで激論』
そういえばエリカが、朝まで激論のチケットを3枚取ってきて欲しいと言っていた。
なんでも「マヤ」というのが、今の次期クイーンの伯母さんなんだとか。
講義はやる気が無い癖にこういうときは熱心な女である。
それにしても、どれも怪しげなモノばかりだ。
一つ一つ校則違反が無いか確認していくのか……。
これでは対抗戦までに、コロシアムに行けるかどうか微妙ではないか。
「ようハイド……ちょっと面かせや。」
「何だ?」
「お前一人だけ交流戦出れないんだってな。」
「腹立ってるんだろ?俺達と楽しいことしないか?」
見慣れない男達が突然話しかけてきた。
「楽しいこと?」
「試合が終わったら、正義の代表を襲うんだ。そして大王様に捧げるのだ。」
(アンゴルモア…)
4人組の男達は視点が定まっていない。
どうやら寄生された上に、どこからか操られているようだ。
操っているのが学生なのか見学者なのかはわからないが、我輩のことを知っているようである。
「嫌だと断ったら?」
「死ね!!!!」
男達は変身し襲い掛かってきた。
短気な奴等だ。質問にしただけではないか…。
(まぁ最近スッカリ影も薄くなったことだし、
ここは15レスくらい使ってジックリなぶり殺しにするとしよう……。
いやちょっと待てよ。これから対抗戦で凡人同士が戦うのだ。
我輩が前座扱いになってしまう。
ここは逆に瞬殺してしまった方が誰か本当に強いのかというのは分かるはずである。)
尚この間0.1秒
「判決を言い渡す!!死だ。地獄の業火に身を焦がされよ。」
黒煙があがる。
寄生されている以上、完全に焼き尽くさなければならない。
可哀想だがこれが定めである!
『ハイドよ。あくまで我等と敵対するというのだ……
無駄なことを…』
廊下からその光景を冷たく見つめる瞳の主は、静かに教室の奥へと消えていった…。
コミカルにしようとすると、文が乱れるわ。
ごめん。しばらく軽めシリアス路線にします。
>>268 スレの全体的な流れを読んで、雰囲気とあいそうなら書いてみれば宜しいのでは?
wikiもあるから良かったら参考にしてください。
(殆ど何も書いてないけど)
乙
15レスとか言うなw アンゴルモアが近づいてきたな
俺268だけどwikiは見てるよ
三悪をもとにしたのを書かせてもらおうかなと思ってる
いつになるかわからんですが
275 :
決めろ!ダブルライダーキック ◆31P.4mZG16 :2008/12/02(火) 22:42:33 ID:T4hFnvqK
私の名前はハルカ!ユウキ先生の改造手術で
エンペラーストーンを埋め込まれ仮面ライダーシャダイムになったの。
人は私をラッキーガールと呼ぶ。
私はリボルケインを構えるミナミ先生を見ながら、昨日の夜の事を思い出していた。
「ヒーローが常に万全な状態で戦えると思うか?」
「それは無理でしょう。」
私とユイは床に正座させられている。
別に怒られているからじゃないよ、いつもこのスタイルなの。
二人の前にはタケシさん。周りを取り囲むようにみなさんがいる。
ちょっとした吊るし上げに見えるけど違うからね。
「明日は学園祭だ!だが試合に行く前に我々と組み手をしてもらう。
空手の100人組み手みたいなもんだ。
手の空いてる方はお前らがココに来る原因になったロボットの最新版を相手にしてもらう。」
一瞬嫌な思い出が蘇った。
「上を向け!
お前らは仮面ライダーを名乗るにはまだまだ早い半人前だ。
だがもし仮面ライダーを名乗りたいなら、諦めるな。俯くな。信じて前に進め。
まだ学生だ。これからいくらでも強くなれる。」
「自分が仮面ライダーと名乗るんじゃない。
子供達に仮面ライダーと認めて貰える様になるんだ。」
両サイドに座っていたシロウさんとケイスケさんが続ける。
二人は何ちゃって仮面ライダーの登場による正義の失墜を特に憂いていた。
「お前らはちゃんと正義の道を歩めるか?仮面ライダー魂を受け継いでくれるか?」
全員のライダーが私達の前に集合する。
二人を覚悟を見定めようというのだろうか。
「仮面ライダーの名を汚さぬように粉骨砕身頑張ります!!」
突然横で正座していたユイが頭を下げる。
正直意外だった。
ユイがこんなに素直に先輩の言葉に耳を傾けるなんて……。
「正義の道を勇往邁進致します!!」
つられて私も頭を下げる。
「今日まで色々教えていただきありがとうございました。ご恩は生涯忘れません。」
別に打ち合わせをしたわけではない。なのに二人同時にこの言葉が出た。
「ハルカ・ユイ、二人の覚悟しかと聞いた。これからも切磋琢磨し頑張るが良い。
では明日楽しみにしているぞ。」
名前で初めて呼ばれた。認めてもらえたということなのだろうか。
「今晩で最後だね。」
「そうだね。」
色々なことがあった。二人で何度泣いたことだろう。一晩中励ましあった夜の数は両手でも足りない。
テントに戻った私達は改めてこの合宿を振り返る。
「ありがとう。」
ユイと固く握手を交わす。
「いつか二人でダブルライダーキック決めたいね。」
ダブルライダーキック。
それは二人のライダーの真の友情と互いの信頼関係ができて、、
はじめて完成するといわれる必殺キックでありライダーを名乗る者の憧れ。
「出来るよ。いつでも!」
「そうだね。」
私がニコリと笑うと、ユイもニコッと笑みを浮かべた。
「明日は頑張ろう。」
「うん。ハルカも頑張って。あんなロボットもう怖くないわ。
私はよっぽどリョウさんとかケイスケさんの方が怖いわ。」
「いえてる。いえてる」
そういえば、
合宿に来た当初はいかにエリカにリベンジをするかしか、
頭に無かったがそんなことはもうどうでもいい。
「それにしても、ユイが粉骨砕身なんていうと思わなかったよ。」
「そうよねぇ、私も思わなかったわ。体育会系も悪くないわねぇ。」
角が取れて丸くなった気がする。もちろん良い意味で。
お互い少しは成長できたんだろうか。
明日それを確かめよう。
結局思い出話に花を咲かせているうちに、結局夜が更けてしまう。
気がついたときには朝になっていた。
「なんだ?その腑抜けた顔は?そんなんで今日大丈夫なんだろうな。」
顔を洗っていると、オキ先生が話しかけてくる。
「も……もちろんです!!」
「それは楽しみだ。とはいってもハルカはロボットが先だから俺とは戦わないんだけどな。」
ちょっと安心したような……残念なような複雑な気持ちになる。
朝食を追え、ユイと別れる。
(確か……この辺りのはず…)
遠くに見えるには憎きロボットだ。
G47と書かれている。
最新版というのは本当みたい。
うわぁ、もう撃ってきた。
遠距離攻撃も出来るようになっている。
慌ててミサイルを避ける、
「誘導?」
避けきれずミサイルが当たる。
「うわぁ」
背中から吹っ飛ばされ、ロボットの前に倒れてしまう。
(落ち着け、私……。)
ガシャン…ガシャンと機械的な足音と大きな揺れが近づいてくる。
「変身!!私は希望の女帝 仮面ライダーシャダイム!!」
『シャダイム……ターゲット設定完了。』
しまった!名乗ったのは失敗だったか。
『武器変更……』
G47はミサイルをバルカン砲へと変えて攻撃してくる。
慌てて岩の陰に隠れるが…。
『障害物破壊せよ。』
すぐにミサイルで木っ端微塵にされてしまった。
前回のときより判断がスピーディーで無駄がない。
強化型というのは嘘ではないみたい。
(私も武器が欲しい。強い武器が…)
そのとき…不思議なことがおこった。
私の強い願いに反応するかのように、変身ベルトが光りだす。
ベルトからは光のスティックが出てきた。
「ソラスブレード!!!」
腕組して様子を見ていたユウスケさんとミナミ先生が拍手をしている。
「とりゃぁ!」
G47の両手を斬る。
これでもう相手の攻撃は胸と頭からの銃だけ気をつければいい。
剣の使い方なら嫌というほど体で覚えさせられた。
「ソラスクラッシュ!!」
エネルギーを集中させたソラスブレードを剣のように使い、相手の体に突き刺す。
引き抜いた後で、ソラスブレードを「S」の字を描くように振るう。
大爆発が起こった。
「勝った。」
ホッと一息つくつかの間、
クウガに変身したユウスケさんと、RXに変身したミナミ先生にキックを入れられ飛ばされ崖を転がり落ちる。
うわぁうわぁ
落ちた先ではユイが地面に肩膝をついていた。
「立て!お前の覚悟はこの程度か。常に1対1で戦えると思うな。」
ケイスケさんはライドルスティックを振り回し始める。
「リボルケイン!!」
「ライジングタイタンソード!!」
こっちもどうやらユイをかばう余裕も無さそう。
「ハルカ…2対4で分が悪い。一人ずつ確実に倒していこう。」
「うん。でもどうやって?」
「私がマイクロチェーンで武器を押さえるから、その間になんとかして……」
「は!!」
オキ先生の手に鎖を巻きつける。
「チェーンジ パワーハンド。力比べなら負けんぞ。」
「す…凄い力…ハルカ早く……。」
「え…でも先生だよ?」
「良いから……」
「シャダイムキック!!!」
「協力することを覚えたか。そうだ。仲間が居るときは頼って良いんだ。」
こんな感じで一人ずつ確実に倒していく。
先輩達は一言づつアドバイスをして去っていった。
「キックか終わっても油断するな!!」
胸に刻んでおこう今日言われたことを……。体を張って教えて貰った事を……。
「最後ね。いくわよ。」
「ええ。」
「ライダーキック!!」
綺麗に私とユイに必殺キックが重なる。
「おのれ!ダブルライダーキックとは小癪な!」
ケイスケさんは避ける素振りすらせずまともにそれを喰らうと海へ落ちてしまった。
「あっちゃぁ…。どうする?」
「生きてるよ。不死身の仮面ライダーだもん。それよりコロシアムに行かないと!」
「急げばまだ間に合うかも。」
そうだ。私達は諦めてはいけないのだ。
行こうコロシアムに…。
お互いに見つめあいコクっと頷く。
いよいよ決戦のときは来た。
「解説席には、仮面ライダーのおやっさんでおなじみタチバナトウベイさんと
世界中の洗濯物を綺麗にする洗濯王子ことキクチケイタロウさん・そしてクジラ怪人さんにお越しいただきました。
よろしくお願いします。」
「よろしく。」
「よろしくお願いします。」
「さて立花さんは今日の試合見所はどのようにお考えですか?」
「それよりちょっと良いですか。正義側ですが少し遅刻してきた者がいましたが、
最近のライダーは弛んでるんじゃないでしょうか?昔のライダーは5分前行動が基本でした。
それにあのボロボロの格好。決戦を前にコンディションも整えてないんですか?
1号ライダーやXライダーが見たらなんというか!嘆かわしい。」
「これは厳しいお言葉…。」
「何ですか?あの反抗的な目は?」
遅れて入ってきたのは、確かに私が悪かったし、コンディションはかなり悪い。
だがそれこれもお前の大好きな先輩ライダーのせいじゃないか!と言ってやりたくなった。
でも言わない。ヒーローは良いわけしないものだから。
「放っておきましょ。あ〜いうのはすぐに掌を返すもんよ。」
ユイも丸くなったもんだ。(顔がじゃないよ。)
以前のユイならそのまま解説席に銃をぶっ放すくらいしてたのに……。
「整列!!」
審判の声が聞こえる。
さぁ始まりだ。
第一試合開始…
天高く舞い上がり攻撃をしてくるシン……
ヘレネが爆煙のつつまれたそのとき
新たなる力が目を覚ます!
次回「降臨!」ご期待ください
学園祭ネタようやく始まりそうです。
解説席うまく絡めれるように頑張ります
>>274 期待してま〜す。
乙乙
ハイスピードだな
狐ってなんか飛ぶイメージないな
更新お疲れさんです
投下乙!
みんなが主役は良いね
ヒーロー学園は前期後期制?
>>281 創作意欲はすごいと思うしいいんだけど、
もう少しくわしく描写したらどうかなあ
どんな人がいてどんな場所でどんなロボットで……
まああんまり書くと切りがないが
第一試合
どうしたものか…
ヘレネが両手を挙げて天を仰いだ。
開始早々に新技『毒蛾の霧』を出したのだが、シンは技の範囲外である上空へと逃げられてしまったからだ。
(どうしたものじゃろうか。)
リングにはまだ赤い霧が漂っている。
そもそもヘレネはこういった屋外戦が不得手だ。
密閉された空間でこそ活きてくる能力なのに、何故自分を代表にしたのか意図が理解できない。
シンは飛行ユニットに乗り込み、空中を旋廻している。
コクピットも完全防御されており、これではヘレネの長所は何も活かされない。
「お前は確かに横への移動は早いが、縦の動きは普通だからな。
薄汚い獣の爪は天高く舞う鷹には届かない!」」
拡張スピーカーから機嫌の良さそうなシンの声が聞こえてきた。
「本当はクラマと戦いたかったんだがな。女・子供を倒すのは気が引けるがこれも正義のため。」
パカッとユニットの側面部分が開く。
「まずは1勝と……」
ミサイルがリングに降り注ぐ。
(好き勝手いってくれるもんじゃ)
こんなことなら開始早々は爪で攻撃するべきだった……。
降り止まないミサイルを避けながら、ヘレネは考える。
どうやったらこの状況を打破することが出来るかを。
「空を制する者は戦いを制する!
真上は生き物の死角だからな!」
「おのれ!」
「先鋒がこの程度なら今年は全勝だな!」
「ヘレネ!!しっかり!!」
スタンドからはエリカの声が聞こえる。
(まったく誰のせいでこんなに苦戦していると思っておるのじゃ。)
最初に飛び掛らなかったのは、エリカに気を使ったのだ。
誰だって好きな男の無様な姿は見たくないものだ。
「死ね!死ね!」
こちらの事情など知る由もない、シンは攻撃を続ける。
「西条さんも応援してあげてください!」
「知らん!」
「ヘレネ本当は強いんですけどねぇ。」
(この甘えたようなエリカの声はなんじゃ……)
フッと顔を見上げ悪部スタンドの方を見る。
自分がこんなに考えて戦っているというのに……。
隣にはシャドームーンゼミの3年生が陣取っていた。
(ん…。たしかあれは…!!!)
そういえば、クイーンが携帯電話を知っているフリをしてエリカをからかったことがあった。
あの場に居た自分だけが『シン』という男を勘違いしていたのだ。
エリカの好きなのは、原田シンではなく西条シンだったのである。
「ハハハハハ!!」
突然ヘレネが笑い出す。
「…何がおかしい!恐怖で精神がおかしくなったか?」
「すまん。すまん。わらわとしたことが早とちりしとっちゃうじゃ…。」
細い首筋をポリポリと人差し指で掻きながらヘレネは応える。
「何をわけのわからんことを!」
「気にするでない。ところでそなた……わらわが手ぶらで今日この日を迎えたと思っとるじゃろ?」
「もう良い…お前の相手は疲れた!!最大火力だ!!
喰らえ!!!!」
(最近の若いもんは辛抱が足らんようじゃのぉ。)
爆煙の中、青い光がヘレネを包み込む。
「まだこの力は100%コントロールできんのじゃ、どうじゃ降参してくれんじゃろうか?」
「自分がしたらどうだ!」
ヘレネの提案は当然却下されてしまう。
「交渉は決裂のようじゃ……。分かりあえんとは悲しいことじゃ。」
「喰らえ!!ニードルミサイル!」
一発の緑色のミサイルが発射される。
右手を掲げるヘレネ
「変身!!」
どこからかガタックゼクターが現れる。
青い光が強くなり、ヘレネを包み込む。
「戦いの神 降臨じゃ。」
両肩部に合計2門装備されたガタックバルカン…クワガタのような角…青いメタリックカラーのボディーが輝く。
「キャストオフ…」
装甲を弾き飛ばしシンのミサイルと相殺する。
『Change Stag Beetle』
ガタックの電子音声が無機質に響く。
説明しよう
ゼクターはライダーへの変身に必要なツールであり、
なおかつライダーに相応しい資格者を選別する自己判断能力を持つ昆虫コア。
外見はそのゼクターにより変身するライダーのモチーフとなる生物に準ずる。
資格者の基準は各ゼクターにより異なる。
有事の際にはその資格者の元へジョウントで移動、資格者が身に付けた変身ツール(ベルト)と合体することで、資格者をライダーへと変身させる。
召喚時にはゼクター自ら敵を攻撃することもあるなど、自由意志が高く、会話が出来る物もいるらしい。
また、ゼクター自身の意思で装着者から離れると強制的に変身が解除される。
キャストオフとは
マスクドフォームからライダーフォームへと2段変身する工程のことで
これは昆虫の脱皮に相当し、キャストオフとは「脱ぎ捨てる」の意味である。
各ゼクターにある2段変身スイッチを操作することで
ゼクターから「cast off」と発声され、
マスクドアーマーが弾け飛び、最後にゼクターより
「change‐」と発声されライダーフォームへの移行が完了する。
ちなみにこの時飛散するマスクドアーマーを敵にに直撃させれば、
戦闘員程度ならほぼ一撃で撃破できる。
「空を制する者は戦いを制すじゃったか?」
声の主がシンをコクピットから探す。
「どこを見ておる。上じゃて」
「な!!いつのまに!」
「ライダーキック!!」
右翼から煙が上がっていくのが見える。
「空中戦を制するのに、別に飛び回らんでも垂直飛びなら今のわらわにも可能。
そなた達戦隊は集団戦闘が基本、
そして、いきなりこれに乗ったということはそなたの担当は近距離戦闘ではない。
ガタックダブルカリバー!!」
説明しよう
ガタックダブルカリバーとは、ライダーガタック第二形態の専用武器である2本の剣。
右用は「プラスカリバー」、左用は「マイナスカリバー」と呼ばれ、
それぞれにジョウントによってプラスとマイナスの荷電粒子エネルギーが無限に送られ、
それを刃先に集めることであらゆる物を斬り裂く。通常時は両肩に収められている。
刃の付け根のカリバーフルカムを基点に2本を合体させることで鋏のような形となり、
必殺の「ライダーカッティング」モードに移行するのである。
「もう一度聞く降参してくれんじゃろうか?」
興奮を抑えきれないヘレネの目が真っ赤に充血していた……。
解説席
「立花さん、今の第一試合どうだったでしょうか?」
「そうですねぇ、あそこから引き分けに持っていくと思いませんでした。」
「あそこと言いますと、やはり飛行ユニットが破壊されたところですか?」
「奥の手は取っておけとは言いますが、彼はこれから伸びてくると思います。
逆にヘレネ選手の方は早くライダーに慣れる事が大事だと思います。」
「二人とも継続は力なりということで、頑張って欲しいものです。」
「そうです。」
「続いての試合も期待したいですねぇ。」
クロスオーバー激むずでしたすみません。
次の試合からちゃんと結末まで書きます
乙です
すげー戦いだな 引き分けなのか
解説は冷静だなw
原田は戦隊の人で西条は悪になった人やね
それにしてもかなり投下してるから結構な分量になってきたね
「始め!!」
審判のコールが鳴り響く。
「今日こそは決着をつけてやる!!」
それは言いがかりだよ。
アタシ何も恨まれるような記憶ないんだけどなぁ。
彼女の気合は最高潮……。
(いっそサクっと負けてしまえば…来年も出ろ何て言われないわよね。)
これぞ損して得取れ!アタシのプランはこうだ。
まず開始早々、リングの右隅までさり気なく逃げる。
そして怒ったハルカが突っ込んできて殴られたフリをしてリングアウトor狸寝入りで終了!
決めた。守ってあげたいヒロインポジションで行こう。
「戦いの最中に油断したね!」
「え?」
アタシが考え事をしている間に審判は開始の合図をしていたみたい。
ハルカが一直線に突っ込んでくる、まずいタイミングが早い。
まだリングの中央付近だよ……こうなったら、よしパターンB狸寝入り作戦だ。
ハルカの右手を凝視する。一瞬でもタイミングが狂うと八百長に見えてしまうから難しい。
「喰らえ!」
キックかよ。予想していなかった…慌てて右に避ける。
ブンという大きな音と風とともにアタシの左頬からポタポタと血が流れた。
(避けきれなかった…。)
「危ないじゃない!!」
ハルカの顔色がサッと変わる。
「油断ではなく余裕ってわけね。」
また怒らせちゃったみたい。
それにしても困ったなぁ。
こんなキック喰らったら軽く怪我して、医務室で西条先輩に看護してもらうってのは無理じゃん。
「何がおかしい!」
いけない いけない ついつい顔が緩んでしまった。
「笑っていられるのは今のうちだ。私は今日この日のために強くなった!変身!!!」
眩い光がハルカのベルトから発せられる。
思わず目を手でかばう。
観客は盛り上がってるみたいだけど、アタシにとって事態は悪化する一方。
光が段々弱くなり中から白い馬をモチーフにしたような顔が出ててくる、額の中央に螺旋状の筋の入った一本の長く鋭く尖った真っ直ぐな角をそびえ立ち、ダークブルーの目をしてる。
ボディーは真っ白……とても綺麗…
観客からため息が漏れるのが聞こえる。
294 :
本能 ◆31P.4mZG16 :2008/12/06(土) 21:59:42 ID:npz/KxsW
「私は希望の女帝 仮面ライダーシャダイム!!人の努力を鼻で笑うお前を許してはおけない!」
だから笑ったのはハルカのことじゃないって……。
(どうしてわかんないかなぁ。)
横っ面を引っ叩かれ、リングに倒れる。
「立て!そして変身しろ!私と勝負しろ!」
このまま気絶したフリをしていよう。
そうだ。それで良い。アタシは別に強さとかに興味は無いし……。
いつものように気絶したフリをする…
あれ体が持ち上げられる。
「シャダイム・アイを舐めるな!」
説明しよう
シャダイムの目はサーモグラフィー、望遠、広視界、暗視の能力を有し、敵の動きや弱点を見抜くことができるのである。
つまり体温の変化で敵が気絶したかどうか見分けることくらい朝飯前なのである。
そこへ突然カブトゼクターが現れ、シャダイムに攻撃を始めた。
「これはなんだ!仲間を呼んだのか。」
一瞬緩んだ手を捻り後ろへステップを踏む。
奇襲に虚をつかれた格好のシャダイムはそれを追えない。
とりあえずここは距離をとろう。アタシが距離をとる間ゼクターはシャダイムを攻撃し続けた。
意外と優秀なのかも……。
「いまましい〜。」
時間は充分稼いでくれた。
アタシの手にカブトゼクターが戻ってくる。
(変身しろって言ってるの?)
実はまだクイーンから貰って一度も使ったことが無いの。
ウィンディーのことを思うとなんとなく使えないよ。
もし眠りから覚めたときに、アタシに他の精霊がついていたら流石に傷つくと思う。
仮にすぐ目が覚めなかったとしても、長い休みに弟達(若い水の精霊達)は、それを見たらなんというだろうか。
「ソラスブレード!!」
シャダイムがベルトから光のスティックを抜く。
一歩一歩ゆっくりこちらへ歩いてくる。
バタバタとゼクターが動く。
まるで変身をせかされているよう。
「……」
汗が手の甲を伝って地面に落ちる。
この状態でどこまで戦えるだろうか…。
私はただ平和に過ごしたいだけなのに…
「何故変身しない?」
だからさぁそれはさぁ、言えないんだぁ
そりゃさぁ、変身バトルみたいにしたいと思うよ。
でもごめん。
期待には応えてあげられないの。
こういうとき、ウィンディーが居てくれたら、
きっと二人にとって良い方法を思いついてくれたと思うんだけど。
(ごめんね。)
『変身……!!!』
え?アタシの声がした……。
ゼクターが…喋った!!!!
オウムのようにアタシの声を真似して勝手に変身させちゃった。
ベルトが赤黒い光を放つ。
「センシティブイヤ!!」
説明しよう
センシティブイヤーは1500m先の落ち葉が地面に落ちる音を聞き取ることができる。
こちらは目と違って聞こえすぎると不便なこともあるので、切り替えが可能である。
私は悪部スタンドで顔を見合わせているヘレネとクイーンを見つけた。
あの様子なら何か知っているかもしれない。
「これはどういうことじゃ?」
「ヘレネは戦う力を…エリカは守る力が与えられた。」
「守る力……?」
「カブトゼクターはエリカの防衛本能に反応したの。
本能に反応して強制的に変身したから見なさい
本来は赤いはずのボディーや顔が黒くなってるわ。
ダークカブトと言ったところね。」
「わらわのゼクターも喋るんじゃろうか?」
「さぁ、エリカは寂しがり屋だからかも。」
「強制的に変身した場合は、ちゃんと戦えるんじゃろうか?」
「さぁ、私も実は初めてなのよ。ダークカブトを見るのは……。
曾祖母のときに一度出たらしいんだけどね。」
「ちなみにそのときはどうじゃったんじゃ?」
守る力……いったい何を守るというのだろうか。
カブトムシをモチーフにしたと思われる黒い顔とボディーのライダーはゆっくりと歩き出す。
「自分に危害があると判断したものを尽く完全に破壊したそうよ。」
「それは過剰防衛じゃろう。」
「エリカはいつもでも今のままで居たいのよ……。」
『キャストオフ。』
エリカの声であってエリカの声ではない……。
そんな不思議な違和感を感じる。
ベルトに装着されたゼクターの角を反対側に倒すとともに身体を覆うマスクドアーマーが弾け飛ぶ。
頭部にカブトムシの角が競りあがる。
「クロックアップ」
説明しよう
クロックアップとは
各ライダーフォームが行うことのできる超能力のこと。
ライダーの場合は腰部のベルトにあるスイッチに触れることにより発動する。
スイッチはバックル中心部の両脇にあり、カブト・ガタック・アギトはプッシュ式のスラップスイッチ。
クロックアップの時間には限界があり、ライダーの場合は長時間では装着者に負担が掛かるため、ゼクターが自動的にあるいはライダー自らクロックアップを解除する。
ちなみに
カブト…一定範囲内の時間を止めることができる。
ガタック…自分の時間を早くする。(雨を避けるほどの高速移動を可能にする。)
アギト…一定範囲内の時間を遅くする。(敵の動きを遅くする。また使いようによってはダメージに気づかせないことも…)
バチンとソラスブレードが地面に落ちる。
いつのまに…。というよりどうやって……。
『カブトクナイガン……アックスモード』
カブトは斧を構えた。
説明しよう
カブトクナイガンとは
カブトが標準携行している武器。状況に応じて『ガン・クナイ・アックス』の3種類のモードを使い分けることが可能である。
「ガンモード」は電子エネルギーをサイクロトロン粒子加速器によって収束、高エネルギーのイオンビームに変換して放つ「アパランチシュート」を放つ。
3点ポインター「ダットサイト」により夜間でも射程距離8km以内の敵を捕捉することができる。
また単発のセミオートと、連発のフルオートの切替が可能。
「アックスモード」はイオンエネルギーを刃部(バヨネットアックス)に伝送して電圧化することにより、
超高温となってターゲットを斬り裂く「アパランチブレイク」を繰り出す。自動車すら両断可能。
アックスモードからクナイフレームを外した短剣形態が「クナイモード」で、
イオンエネルギーを刃(クナイカッター)に集めることであらゆるものを斬る「アパランチスラッシュ」を放つ。
直接ターゲットにヒットさせなくとも、刃先から放つイオンビームの刃によって40m圏内の物体を切り刻むことが可能。
慌ててブレードを拾おうと腰を下ろした……。
「グァ…」
突然背中に切り傷が発生した。
何がどうなっているのだろう。
さっきも思ったのだけど、相手が自分に触れた感触すらない。
クロックアップとはどういう技なのだろう。
「ハトが豆鉄砲を喰らったような顔をしておるのぉ。」
「相手を確実に弱らせてから殺すのね。」
「殺しは拙いじゃろう?」
「あの状態になったら今の所誰にも止められないのよ。貴方も気をつけなさい。
カブトにもガタックにも赤い靴が履かされているのには、そういう理由があるの。」
「物騒なものをくれたんじゃのぉ。わらわはコントロールできそうじゃから良いが……」
「気に入ってもらえたようでなによりよ。」
「時間は平等と思っておったがそうではなかったんじゃな……。」
今ので何回斬られた?4回…いや5回か…。
目の前にいるのに…。目を離したりしていないのに……。
気がつけば斬られているの……。
高速移動なんてレベルじゃない。
(うわぁ)
また背中をやられた……。思わず膝をついてしまう。
(無理だよ。こんなの…。)
圧倒的な力の差に心が揺らいでくる。
そのときブウンというバイクのエンジンを吹かす音が遠くで聞こえた。
気のせいか?いやそうじゃない……。
私はまた同じ過ちを犯すところだった。
そうだ。私はもう逃げないと決めたじゃないか。
先輩達はいつも最後まで知恵を振り絞って戦っていたじゃない。
(修行のときの本人達の口伝によるとだけど)
まだ半人前だけど、同じライダーなんだ。私にだってできるはず……。
ヘレネとクイーンの会話をもう一度思い出してみよう。
…時は平等ではない…確実に弱らせる…いつまでも今のまま…時間…私は全てを有るべき姿に正したい
「クロックアッ…」
そのとき不思議なことが起こった。
私の強い願いに反応し、エンペラーストーンが鼓動する。
そして新たな変身を生み出した。
カブトの斧を持つ手にチョップする。
斧が地面に落ちる。
「何者だ?」
「私の名前は時の女帝、ホーラ!仮面ライダーシャダイム ホーラ(タイムライダー)!」
気がつけばボディーが真っ赤に変わっている。
なんだか血の色みたい。角も無くなった。
説明しよう
タイムライダーとは時間を司る能力を持つ。
ホーラというのは、タイムライダーの名前である。
右手に金のエクスカリバーを持ち、左手に正邪を測る天秤の形をした金のブレスレットをしている。
全身真っ赤なボディーをしており、顔は角が無くなり目には目隠しがされている。
ハルカは気づいていないが、心眼でみているのである。
「カブト…いや、エリカ…。悪の思い通りになる時間など存在しないことを思い知りなさい!
お前の止めた時間を飛ばすことによって本来のあるべき時間に戻した!
喰らえ ホーラクラッシュ!!」
説明しよう
ホーラクラッシュとは
タイムライダーの必殺技でエクスカリバーに光のエネルギーを集め、袈裟懸けに斬るというシンプルな技である。
「…待て…!どこにいく!!」
まともに必殺技を受けたカブトはフラフラと観客席へとジャンプする。
「場外!!勝者 正義部 ハルカ!!」
審判が私の手を掴むと勝ち名乗りを上げ勝利を称えた。
カブトはそのままコロシアムを出て行く。
ジャンプの姿が弱弱しい。
ふと悪部のスタンドを見るとヘレネの姿がない。
傷ついたカブトを探しに行ったのだろうか。
エリカは今どういう状態なのだろう。
なんか変身は想定外のことだったみたいだったし、何も無ければ良いんだけれど……。
カブトは明らかに私を殺しに来てた。タイムライダーになっていなければどうなっていたかわからない。
グルっとコロシアムを見渡す。
そういえば、バイクの音が聞こえなかったら諦めていたかもしれない。
音がした方をよーく見ると
柱の所でミナミ先生とユウスケさんが小さく笑みを浮かべて拍手しているのが見えた。
解説席
「今の試合。タチバナさんちょっと解説してもらえませんか?」
「カブトは時間を止める能力があったんですよ。」
「え、僕には棒立ちのシャダイムが斬られてるようにしか見えなかったけど……。」
「ちょっとキクチさん黙ってて貰えませんか。」
「すみません。」
「シャダイムはタイムライダーで止めた時間を飛ばすという荒業でそれを無効化したんです。
これもエンペラーストーンの力なんですかねぇ、
なんかRXのキングストーンと似てる気がしますね。」
「それにしても、時の女帝とは名前が大袈裟すぎませんか?」
「いやいや、今は飛ばすだけですが、いずれは過去や未来にもいけるかもしれませんよ。」
「ところでカブトはどうしたんでしょうか?」
「カブトからは闇の力を感じました。昔シャドームーンがゴルゴムに居たときに感じたのと同じ感じ。」
「それは貴方が怪人だからじゃないのかね?」
「失敬な。これでもRXの命の恩人ですぞ。」
「そうでした。」
「普通あれだけダメージを食らえば、疲れもあるでしょうし変身は解けるものですよね。
予想外の変身といい、暴走に近い状態かもしれません。
ちょっと心配です。」
「さて次の試合は…おっと棄権です。正義部ユイ選手棄権です。
何があったんでしょうか?」
暴走したエリカを探す
ヘレネ・ユイ・クラマ
そのとき…見学者にまぎれて侵入者が…。
一方
ジュリとクイーンの戦いにも異変が…。
次回「ケジメ」御期待ください
>>292 そやね。
wikiで見れるようにするね。
うん。
小タイトルごとにわけてみるか。
>>292 そやね。
wikiで見れるようにするね。
うん。
小タイトルごとにわけてみるか。
ところで学科の件だけど、正義部機械科みたいな認識でよろしくて?
それとも何か良いネーミング何方かありますか?
>>303 更新乙
すさまじい戦いだな 解説は妙にのんきだしw
学科はスーパーヒーローとかヴィレン?とか
アウトサイダーとかって分類はどういう扱いなんだろう
解説が冷静すぎるWWW
>>304 分類っていうか称号みたいなものなんじゃないか?
我々の世界で言うとIT業界みたいな大まかな分類というか。
善の組織(宇宙警察や戦隊組織)がヒーロー
悪の組織(ショッカーやゴルゴム)等の組織に属するのがヴィレン
組織の掟を破って放逐されたり、自分から抜けたもの(シャドームーンやトップガンダー)がアウトサイダー
組織に属さず個人で動く(ズバットやシャンゼリオン)のがフリーランス
犯罪者を法の手に任せず個人で裁く(パニッシャーやバットマン)のがクライムファイター
308 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 12:09:52 ID:b6A3Ibom
>>307 その分類だとライダーはアウトサイダーかなぁ
違和感あるけどw
sage忘れ
(ううう、胸が痛い。)
ホーラクラッシュを受けた箇所がズキンズキンと痛む。
アタシはこれからどうなってしまうのだろう。
まだ変身は解けないし、体の主導権も戻ってない。
先程の戦いからずっと景色を見ているだけ。
まるで映画を一人称視点で見ているような感じ。
痛みはあるけどそこを押さえることも、顔を手で覆うことも出来ない。
カブトはアタシをどこに連れて行こうとしているのだろう。
『見つけたぞ。カブトゼクターいただくとしよう。』
聞きなれない声…
「我はチェックメイトイレブン……。」
イレブンと名乗るメガネの男はアタシの行く手を遮る。
(チェックメイトって確か…)
カブトの足がぴたりと止まり首が左右に動く。
すると細い路地からさらに3人の男が出てきた。
「イレブンよ。ここは我々も協力するとしよう。」
「おお……。お前たちも来ていたのか。」
「今日の警備はザルね。」
「ここなら誰にも気がつかれまい。」
ど…ど…どうしよう。右…左…前…後…それならあ…上…も駄目…
もう一人無言で見てるのが居る。
袋小路だよ。
ジリジリと距離を狭めてくる。
カブトはこいつらのタダならぬ敵意に反応して、変身を解除せずいたのかもしれない。
(でもこんなの欲しがってどうすんだろ?)
アタシもう要らないから乱暴しないで…。
カブトはアタシの意思に反して構えを取る。
どうやら事を荒立てるつもりみたい。
「クロックアップ」
アタシには普通の動きに見えるけど、さっきのハルカの話だと時間が止まっているみたい。
取り囲んでいた謎の男達をぶちのめして奥の道へと逃げ込む。
「追え!!抵抗するなら殺してしまえ!」
物騒な声が聞こえる。
先程からオート操縦状態だから無意味なのに、目を右へ左へキョロキョロしちゃう。
せめてマニュアルには変更できないのかなぁ。
「居たぞ!こっちだ!」
「そこまでだ。」
ん…ん…この声の主は……。
「女1人に5人がかりとは恥ずかしくないのか?」
やっぱりクラマの声だ!
コロシアムから飛んできてくれたみたい。
試合はどうだったんだろう。
「ゼクターやベルトの奪取に失敗は許されんのだ!そこをどけ!」
「選手交代だ。お前らの相手は拙者が引き受ける。エリカよ。
事情は知らんが対戦相手が失踪してな。拙者は暇でな。
どこへなり行くが良い。」
結構気合入れて準備してたから機嫌悪そう。
「1対5で何が出来る!掛かれ!!」
「1人じゃないぞ!!」
助っ人が来たようである。
少し安心したがアタシの今後を考えると少し心配になった。
しかしカブトの足はまだ止まらない。
広場に到着し、カブトの足がようやく止まった頃、爆発音が本館と正義舎の間の中庭で聞こえた。
(何よ?)
クラマの技に爆発するような技は無いと思う。
いつもスマートを心掛けているし……。
もしかして何かあったのだろうか?
少し心配になる。
しかしカブトは振り返らない。
そのとき
シュパっという乾いた音が耳元で微かにしたかと思うと、金色の鞭がチラッと見える。
「ふん。上手く避けたね!でも次はそうは行かないわよ!」
避けたというか。外しただけなんだけどなぁ。
それにしても、次から次へとどうなっているんだろう。
「我が名はラッキークローバーの一人…鞭使いのユウコ!」
どこかで聞いたような名前だなぁ、どこだったっけな。
「さっきのチェックメイトは囮よ。万が一助っ人が来たら面倒だからね。
あの単細胞共がいつまでも時間稼げるとは、思えないからさっさとゼクターを渡せ!」
渡せるものならこんな物騒なものサッサと渡して、お引取り願いたいよ。
でも変身が解けないんだもの…。どうしたらいいの?
アタシの意思とは裏腹にカブトの左手がベルトに伸びたそのとき。
首筋がチクっと痛んだ。
フッと体の力が抜け視界に地面が近くなる。
「フン。背後がお留守とは俺が出るまでも無かったな。」
野太い男の声がする…。
「そ…う…」
意識が…だんだん…遠くなっていく。
その頃…
「己を磨くこともせずただ強者の細胞を得るだけのアンゴルモアの分際で、
ラッキークローバーの拙者に勝てると思ったでござるか?」
「!!!ラッキークローバーだと…なら何故!!」
「これから死んでいく御主に話すこと等…」
言い終るより先にカマイタチを受けたチェックメイトイレブンが真っ二つに引き裂かれた。
(この程度か。チェックメイトとはいえ、一番数が大きい者…。
変わりはいくらでもいる。
全員がこの程度ならどんなに良かったか。)
拙者はスタスタと中庭のシャーロンに変身しているタカアキの居る中央に向かう。
「くらえキック!!」
「うわぁ。」
ちょうどこちらも終わったようだ。
「終わったようでござるな。」
「ああ。紙一重だった。チェックメイトって11人居るんだってな。
こいつが8番ってことは他はもっと強いってことか。」
「そうだ。」
「ところでクラマ…さっき11番の奴と何か話して無かったか?」
「……。」
チッと思わず舌打ちをしてしまった。
「クラマ?」
「そういうことでござる。」
ウインドウブレードがタカアキの胸の真ん中を突き刺した。
説明しよう
ウインドブレードとは、クラマの持っている刀で刀身が風のため一見すると柄だけの不良品だが、
一度抜刀されると契約した風の精霊の力を利用し、クラマの思い通りの刀になる。
ブレードだが斧や槍にもすることは可能……。
刀身が刀のため受け止めることはかなり困難だ。
「な…何故だ…。ゴホ」
タカアキの口から血が吹き出る。
「大義のためだ。許せ。」
「なにを……。」
急所を貫いた殆ど即死に近いはず。
聞かれたならしょうがない。
良い機会だ。全員始末してしまおう。
「クラマ!何やってんだ。」
「この際…拙者もノルマを達成しよう。」
刀身を引き抜き、タカアキの体を乱暴に地面に叩きつける。
そしてウインドブレードの柄を天に掲げる。
「風刀裂砕牙!!」
説明しよう
風刀裂砕牙とはクラマの最強の必殺技で、一定空間内の敵の周りの空気をカマイタチに変え
敵を切り刻む回避不能な技である。
「嗚呼嗚呼嗚呼…」
断末魔をあげ、ユウジ・ナツミ・カンクロウ…そしてマキが地面に倒れる。
(当たりは3人か…上々だ。)
フッと背後に人の気配を感じ、柄に手を当てながら振り向く。
「私!!私!!受け取りに来たの!!」
両手を挙げてハルコ殿が物陰から出てくる。
相変わらず喰えない女だ。
「拙者のノルマはこれで終わりでござるな。
全員持っていくが良い……。」
そこへデルタに変身した状態のユイと、カブトに変身したままのエリカを肩に担いだトモヤ殿がやってきた。
「やはり御主の仕業であったか。まぁおかげで余計なことをしなくてすんだでござる…。」
「俺のせいだけじゃないぞ。」
「私も協力したんだから!」
マナミ殿だ。二人はよく一緒に行動している。
「拙者のノルマは果たしたでござる。一応チェックメイトの死体は残して、こいつらのせいにするでござる。」
勇敢な生徒が立ち向かい相打ちになった偽装工作には理想的であった。
(我ながら名案だ。)
「5人とは今日は大量ね。これからもお願いね★」
「勘違いするな。拙者達ラッキークローバーはアンゴルモアの大王の部下でも、御主の様にパンドラの部下でもござらん。」
「確かに父からもそう聞いてるわぁ。友人として手伝っていただいてるのよね。
なら今日殺してしまったチェックメイトの分くらいは働いてもらわないと。
よみがえりの儀式の完成の日は近いのだから」
説明しよう
よみがえりの儀式とは
精霊の力と1000000人分の戦士の魂を利用して、過去や未来の悪の軍団や怪人などを全て復活させ自分の支配下にできる儀式である。
「チェックメイトなど代わりはいくらでも作れるのであろう?」
「まあねぇ。とりあえず運びましょう。」
一年前の初めてこの学園に来たときに
アンゴルモアの説明を聞いたとき、拙者は笑いを堪えるに大変だった。
肝心の目的も知らずに注意を促すのだから…。
チェックメイトとスライムはどこにでもいる。
注意すべきは、改造を含む異能力者が襲われるということなのだ。
チェックメイトやスライムは精霊とは契約できないし、超能力は細胞を採取しないと使えない。
だから奴等は契約者から精霊のエネルギーを抜き取ることにしたのである。
そしてその能力を集め、とんでもないことを企んでいるのだ。
もしよみがえりの術が完全に成功し、過去の怪人や超能力者…未来の悪の組織も呼び出されたとしたら…
その細胞が全て採取されたとしたら…。
究極進化型怪人の完成である。
これがアンゴルモアの大王の目的である。
パンドラとはそのアンゴルモアの飼い主のことだ。
アンゴルモアの大王が隕石から出てきたのは、周知の事実だが…。
B26暗黒星雲からやってきた隕石からアンゴルモアが出てきた。
これはある意味間違いではない。
ただそれは一番外側の部分に居たペットが流出したもので、
奥にはパンドラが静かに眠っていたのだ。
しかしパンドラは不時着の際のショックで肉体を失ってしまった。
だからアンゴルモアを利用し強力な肉体を求めているのである。
「じゃ運んでちょうだい。」
ハルコ殿が指を鳴らすと黒服の男達が7人の気絶した体を受け取ると消えた。
これからメタル戦士のスーツは分析に回され、ライダー達は一人ずつ精霊を抜かれるのだ。
「で…この場をどう取り繕う?」
「大王の遺伝子データを培養してつくるパンドラの体もその直属の部下もそろそろ完成でござる。
そうなればあれも用済みにて……。」
「最後に残り10人の戦士の魂を集める道具と使ってやろうというわけか。」
「さよう。」
「拙者が気絶する寸前に聞いたことにする。御主達は今までどおり生活して、奴等の隙を伺うでござる。」
「アンタのそういう計算高いところ好きだよ。」
全ては一族のため、拙者は悪に魂を売ったのだ。
対抗戦もいよいよ副将戦
消えたユイのことを心配しながらもリングにあがるジュリ
試合が中盤に差し掛かったそのとき…落雷が落ち
空からアンゴルモアの大王の宣戦布告が始まる。
一方中庭では気絶したクラマをハイドが発見する。
次回「終わりのはじまり」お楽しみに
307を含めwiki更新しておきます。
実はもっと悪い奴がいましたってを上手く書きたかったけど…
ごめんなさい。
未来の悪の組織召還するのに…。よみがえりって微妙だったか…
乙
ウルトラの79星雲以外にもあるんだね
次回予告で久しぶりにハイドの名前が出てきて驚いた。w
乙
クラマがそうだったのかー! なんだか終わりが近づいてるなあ
そっちの流れとあまり関係ない投下をしてよいものだろうか
「タチバナさんここまでご覧になってどうですか?」
「ジュリ選手空回りしてますね。
当たらないから焦って、大振りになり攻撃が単調になる。まさに悪循環です。」
「一方の対するリョウコ選手は余裕の展開ですね。」
「相手が大振りなので疲れたところところを叩く作戦でしょう。
あの少し大きめのコートで体の線を隠す作戦…考えられてますねぇ。」
「まるで踊っているようです。」
解説席のマイクはリングにも聞こえている。
(くっそ!!)
空回りしているだって?言われなくてもわかっている。
だが手を出し続けないでどうする。
やられるのを待てというのか。
そんなの戦士のすることじゃない。
早く終わらせて、ユイを探しに行かないといけないのに……。
デルタに変身したユイは頭を押さえてコロシアムを出て行ってしまった。
「ならもう止めない?二年前から言ってるでしょ?
アギトを使わない限り私には勝てないのよ。」
「うるさい!勝手に人の心を読み取るな!この悪魔め!」
リョウコとの決闘を重ねるうちに、薄々とは気がついていたんだ。
イクサでもう限界だということを……。
これは代々長女に受け継がれてきたものなんだ。
歴代の術者が改良に改良を重ねていき、今日のライジングイクサが完成した。
母の変身を見て育った私達姉妹の場合も、当然のように姉である私がイクサを与えられ、
ユイには何も与えられはしなかった。
私の20歳の誕生日、つまりイクサを継承したときユイは私に一言こういった。
「私は私のやり方で必ず戦士になる!!だから頑張って」
目から涙があふれ出ていた。
それは決意だけでなく、幼き日から憧れていたイクサへの別れの涙だったのかもしれない。
私はそのとき固く心に誓ったんだ。
例えこの体が朽ち果てようとも、例えもう改良の余地が無くても、戦士としてイクサで戦い続けることを……。
ヒーロー学園に入学して、メタルスーツなど最新テクノロジーのレベルの高さに私は愕然とした。
今まで世界最強だと思っていたイクサが、基本設計等あらゆる面でそれらに対して大きく劣っていることを知ったからだ。
だったら中身を鍛え上げれば良い。
そう思って今日まで鍛え上げてきたんだ。
「試合中に考え事?」
私のパンチをしゃがんで避けたリョウコの足払いで体制を崩され、思わずリングに手を付く。
「くそ…。お前なんかに……。」
「私のアギトだって先祖代々受け継がれてきたものを私なりに改良したものよ?」
そんなことは知っている。
入学式の直後リョウコに決闘を申し込んで、無様にも一本背負いで負けたとき説明は聞いた。
同じ先祖代々のモノを使うからわかるんだ。その重みが責任が…。
一度使えば合いませんので、やっぱり使えませんなんてことは失礼になる。
使いこなせないなんて論外なのだ。
「変身!!」
私は腕宛を変身ベルトに当てる。
そして「193」と入力する。
『ライジングイクサ…』
システムのプロテクトを解除することでイクサエンジンは本来もつ100%のパワーを発揮する事になる。
この際にイクサスーツが放つ放熱と磁場の数値は凄まじいものがあり、
全身の装甲を開放装甲とする事で、スーツ性能を殺さず稼動させる様にしている。
これ以上の改良は私には思いつかなかった。
「もうそれは見飽きたわよ。フフ」
リョウコがそれを鼻で笑う。
一発で良い。一発ぶん殴ってケジメをつけよう。
そう思って3年間…決闘を挑み続けときに戦士にあるまじき方法で戦いを挑んだこともあった。
結果0勝99敗……
「長きに渡る決闘も今日で終わりだ!」
「死ぬつもり?貴方なら正しく力を使ってくれる…そう思ったからアギトをあげたのに……。」
残念そうにリョウコが構えを取る。
「死ぬのはお前だ!!!」
「あなたの夜が来る。」
リョウコの右耳のイアリングから赤い光がこぼれ昼間から夜に変化し。赤い月が浮かび上がる。
(来るぞ!!)
左掌から浮かびあがった薔薇とクイーンの紋章……
眩い光がリョウコの左掌から発射される。
闇の精霊の力を借りて行うリョウコの得意技『制裁の雷』だ。
もう何度もこれでやられた。
薔薇を見るたびに手が震える程だ。
「アアアア」
「そのスーツ壊すわね。」
「え?」
光が私の両手・両足・首に巻きつく。
まずい!いつもと違う!!
しかし気づいたのが…一歩遅かった…。
「お人形さんみたいね。」
「離せ!」
クイっとリョウコが手を握る。
それに連動して体が丸まってしまう。
「く…苦しい…。」
「そう?じゃぁ……。」
クスッと笑いながら手をパッと開く。
今度は体がバラバラに引き裂かれそうだ。
スーツがミシミシと音を立てる。
人形でも操るように遊び始めた。
そして手をゆっくりと上へ上げていく。
体が空中に浮いた。
そのとき…赤い月が深い霧に覆われ…低く邪悪な声が聞こえ始めた。
『愚かなる地球の民ども…
我が名はアンゴルモアの大王なり、さっそくだがこの地球をいただくことにした。
諸君等は無駄な抵抗はよして投降する事だ。
我が力を見せてやろう。目を閉じよ。』
たちの悪い悪戯か?
とりあえず目を閉じる。
どこかの大陸が白い光と共に消滅するのが見える。
そして十字架に貼り付けにされたデルタ(ユイ)とカブト(エリカ)の姿があった…。
よく見ると小さく動いている。
辛うじて生きているといった状態のよう。
『逆らう者はみなこうなると思うが良い。
このゴミどもとその仲間達は見せしめとして、一ヵ月後の今日、
我が基地の処刑場で公開処刑にしてくれる。
それまでによく考えておくのだな。ハアハハハハ』
高笑いと共に声が聞こえなくなる。
「おい……。ちょっとまて驚くのはわかる。
だが今気を抜くな。今抜いたら私は地面に……。」
頭から落ちてしまった。
先程の映像がよっぽどショックだったのだろうか。
スッカリ リョウコの集中が途切れたようである。
その頃
「オイ!しっかりするのだ。」
我輩は爆発音が気になり中庭にパトロールに来ていた。
そこで見つけたものは、うつぶせに倒れたタカアキとクラマ…
そして何かよくわからない生物の死体だ。
「駄目か。」
既にタカアキは事切れているようだ。
(ん…ん…)
この死体何か妙だ。
背中にはたくさん刀傷があるのに腹部には全く傷が無い……。
そもそもうつ伏せに倒れていたということは、後ろから衝撃があったということ。
雑魚とはいえ、仮にもこの学園で学んでいるものが、果たしてそう簡単に背後を取られるものだろうか。
刀傷の方はクラマの風刀裂砕牙ででもついた傷だろう。
だがもし巻き込まれたのなら、必死に屈んでやり過ごすか、それとも胸に傷を負うかどちらかのはず。
「うう…」
クラマの方は生きていたか。
「何があった?」
「見学者に紛れてチェックメイトが…。エリカ殿が連れて行かれた。」
「エリカだと?」
「さよう。拙者必死に戦ったのだが、この通り…無念!!」
「他に何か言ってなかったか?」
「よみがえりの儀式がどうとか……すまん、動揺していてよく思い出せないでござる。」
「とりあえず立てるか?医務室へ行こう。」
「かたじけない。」
その時空がフッと暗くなり声がした。
今。アンゴルモアと言ったか。
わざわざ探す手間が省けたようである。
向こうから出てきてくれるとは都合が良い。
使命を果たすチャンスである。
我輩はクラマを運びながらニヤリと笑う。
「他のみなは?」
黙って首を横に振る。
「おのれ…アンゴルモア…覚えていろ!!必ずこの恨み晴らしてくれよう。」
クラマの目から涙がこぼれる。
プライドの高い男だ。
負けたということが耐えられないのであろう。
我輩はそのまま何事も無かったかのように医務室のドアを開けた。
学園内へのアンゴルモアの侵入について緊急職員会議が行われることとなる。
寮での待機を命じられたヘレネを驚くべき人物が迎えにきた。
そして…ある提案をされることとなる。
次回「全ては無かったことに…」ご期待ください。
>>319 ライダーみたいに全60回くらいに予定なんでまだ折り返し視点。
ごめんね。もうちょっとつきあってくらさい。
投稿については良いんじゃないの?
まぁ短編とか中篇で完結する類なら。
長編も分かるようにうまく分けてもらえるなら…
頑張ってください。
あまり関係ないってことは少しは出てくるのね。
どんな風にいじられるか楽しみだ。
折り返し地点だ。すみませんでした
乙
まだ半分なのか! たいしたもんだ。
伏線が回収されていってる感じだな。
乙
役者だな
ヒルトの話まだぁ?
学園祭の幕引きは後味の悪いものになってしまった。
ジュリとクイーンの試合をもって交流戦は終了、学生はそのまま寮で待機を命ぜられる。
教師や保護者は今後の対応を話し合う会議を開始したが、答えはでようはずもなく
この会議は3日経った今も講堂にて続けられている。
コンコン
授業も全て休講になりあまりにも退屈なのでたまっていた本を読んでいると
ドアをノックする音が聞こえた。
音楽のボリュームを下げ、スリッパを履きドアへと向かう。
わらわの部屋に来客なんて珍しい。
もしかして、エリカが戻ってきたのだろうか。心配かけよって!
ドアを元気よく開け、出迎えたその先に居たのは…クイーンじゃった。
「御機嫌よう、エリカを助けに行きたいの。」
「それはそうじゃが、どこへ行くのじゃ?」
「カブトとガタックとアギトはお互いを呼び合うの。
だからガタックが道案内してくれるわ。」
「どういう風の吹き回しじゃ?」
ポリポリと頬を指でかくと、わらわの問いにクイーンが答える。
「私がエリカをこの戦いに巻き込んだ……。
カブトなんて与えなければ良かった。
もともと水の精霊と契約していたけど、今は眠りについている。
二つの精霊と契約していることはいずればれるわ。
それまでに助け出したいの。」
「しかし二人でか……。」
得体の知れない相手に二人だけでは心許無い。
「クラマはまだ怪我の傷が癒えないようだったから、ハイドだけ呼んでおいたわ。
10分後に正門の前で待ち合わせ。」
手回しが良いというか…なんというか。
わらわも当然数に入っておるようじゃ。
まぁエリカの居所を突き止めるにはわらわの力(ガタック)が、必要な様じゃし付き合うとしよう。
悪部女子寮をこっそり抜け出すと、ハイドの待つ正門へと向かう。
「ちょっと早かったかしらね。」
「そうじゃな。」
ハイドはまだ正門には居ない。
しばらく待っていると、向こうの方からぼんやり人影が見えた。
「お…来た様じゃ。」
「……」
「どうしたんじゃ?」
クイーンの顔が強張っていく。
「クイーンよ。どういうつもりだ?外出は禁止されているはずだ。」
「見逃してはくれないかしら?貴方だってエリカを可愛がってたじゃない?」
「如何なる理由も認めない。
もし私がここでアンゴルモアに手を出せば、ファンガイアが敵とみなされるかもしれない。
私はファンガイアの王となる者。我が存在は全てのファンガイアのためにある。」
両者が激しくにらみ合う。
この二人でも喧嘩することがあるんじゃなぁ。
止めれる者はおるんじゃろうか。
「あくまで退かぬというのか…」
「ええ……。」
沈黙が流れる。
「行くが良い。しかしクイーンとしての力を使うことは禁ずる。
これはキングとしての命令だ。」
「わかったわ。真実の雷はつかわない。」
キングはコクっと頷くと踵を返して暗闇へと消えていった。
すれ違いにハイドが現れる。
相変わらず間の悪い男じゃ。
「やけにアッサリ引き下がるんじゃな。」
「感情を読む私には、攻撃が効かない事を知ってるのよ。」
なるほど、確かにその通り…。
一方こちらでも…
私とハルカがコウジとにらみ合う。
「妹を助けに行く。邪魔するな!」
「駄目だ、全ては無かったことにそれが明日公式発表される通達だ。」
「仲間を見捨てるのか…。戦士として尊敬していたが見損なったぞ!」
「なんとでもいえ、戦士は時に非常な決断を迫られるものだ。」
「お前はそれが自分の妹…いや、家族でも言えるのか?」
「俺には家族などいない……。とうの昔に死んでる…。」
しまった。ちょっと言い過ぎてしまった。
天涯孤独な彼にこういう言い方はデリカシーが無さ過ぎた。
だが……。
「力づくでも通してもらうぞ。」
「出来るかなぁ。ジュリごときに…」
「ちょっといい加減にしてください。
どうして正義の味方同士で戦わないといけないんですか?」
ハルカが私とコウジの間に割ってはいる。
「もういい。大局を見抜けんような愚か者はしらん。」
コウジは飽きれたように手でシッシとやる。
「ありがとう。」
そのまま私とハルカは正門へと向かう。
「ユイを助けに行くってどこに行くんですか?」
「安心しろ。案内人がすぐ来る。」
「案内人??」
「悪魔の力を借りるのは癪だが…。虎穴に入らずんば虎児を得ずだ。」
「あの〜。リョウコ先輩のことですよね?どうしてそんなに毛嫌いするんですか?」
「戦士の癖に全力を尽くさないからだ。」
まぁそんな悪魔に勝てない私はどうなんだろう。
「あの人強いんですか?」
「私はこの学園で一度も勝てない戦士が二人いる。
一人はミユキ先輩、もう一人はあの悪魔だ。」
ミユキ先輩は私が一年生のときの自治会長…。とても変わり者だったが私の人生を変えた人だ。
「タケシさんに勝った事あるんですか?」
「キングとは戦う理由がないからな……。案内人が来たようだ。」
一方こちらでも…
私とハルカがコウジとにらみ合う。
「妹を助けに行く。邪魔するな!」
「駄目だ、全ては無かったことにそれが明日公式発表される通達だ。」
「仲間を見捨てるのか…。戦士として尊敬していたが見損なったぞ!」
「なんとでもいえ、戦士は時に非常な決断を迫られるものだ。」
「お前はそれが自分の妹…いや、家族でも言えるのか?」
「俺には家族などいない……。とうの昔に死んでる…。」
しまった。ちょっと言い過ぎてしまった。
天涯孤独な彼にこういう言い方はデリカシーが無さ過ぎた。
だが……。
「力づくでも通してもらうぞ。」
「出来るかなぁ。ジュリごときに…」
「ちょっといい加減にしてください。
どうして正義の味方同士で戦わないといけないんですか?」
ハルカが私とコウジの間に割ってはいる。
「もういい。大局を見抜けんような愚か者はしらん。」
コウジは飽きれたように手でシッシとやる。
「ありがとう。」
そのまま私とハルカは正門へと向かう。
「ユイを助けに行くってどこに行くんですか?」
「安心しろ。案内人がすぐ来る。」
「案内人??」
「悪魔の力を借りるのは癪だが…。虎穴に入らずんば虎児を得ずだ。」
「あの〜。リョウコ先輩のことですよね?どうしてそんなに毛嫌いするんですか?」
「戦士の癖に全力を尽くさないからだ。」
まぁそんな悪魔に勝てない私はどうなんだろう。
「あの人強いんですか?」
「私はこの学園で一度も勝てない戦士が二人いる。
一人はミユキ先輩、もう一人はあの悪魔だ。」
ミユキ先輩は私が一年生のときの自治会長…。とても変わり者だったが私の人生を変えた人だ。
「タケシさんに勝った事あるんですか?」
「キングとは戦う理由がないからな……。案内人が来たようだ。」
ガタックに導かれて処刑場へと向かう一行
そこで待っていたものは…。
ジュリ「目を覚ませ!」
響く空しい叫び声
アンゴルモアの魔の手が襲い掛かったそのとき…
次回「綺麗な花には棘がある。」お楽しみに
乙 緊迫しとるね
自分も投下してみます
舞台が同じ学園という以外にあんまりクロスしないけど
うまくいきますよーに
「そんなことじゃ単位やれないぞ」
職員室に悪の教師・黒野の声が響く。
大野敦志(おおのあつし)は、はあ、と小さく答えた。細い顔、長い鼻、前歯の出た、一見まじめそうな青年だ。
敦志は黒野のゼミ生ではなかったが、今は進路指導を受けていた。
「おまえ、何も悪らしいことをしていないじゃないか。悪もチームで活動するものだ。
特におまえは科学者か参謀タイプなんだから、誰かリーダーを探して組織の一員にならなくちゃ。
人手不足のチームをあとで紹介してやるから、やってみろ」
指導が終わると、敦志はいまいましそうな顔で、さっさと校舎をあとにした。猫背でガニ
股、ジャージ姿の敦志はいかにもさえない。
ヒーロー学園の片隅、地下格納庫は忘れ去られたような一角だった。
パソコンに向かい、敦志は独りメカの設計に打ち込んでいた。
高い天井の格納庫は長くほうっておかれて、敦志しか使っていない。
何しろヒーロー学園は広いので、こうした場所もめずらしくはない。
「ちくしょう……」
自分のこれまでの人生を思うと、敦志は思わず呪いの言葉を吐いた。
敦志は、小学生までは天才、神童と呼ばれていた。中学でも成績は優秀だったが協調性に
欠け、いじめにあった。
それで勉強もうまくいかず、高校受験は滑り止めに辛うじて受かるといった有様だった。
できのいい弟はかわいがられ 家に居場所はなく、高校でもいじめられ成績はガタ落ち。
大学受験に二度失敗したあげく、このヒーロー学園にぎりぎりで合格した。
敦志は作りかけのメカを見上げた。人型の骨組みはほぼできていて、中心には光子力エ
ンジンを抱いている。
亜超合金SemiZでできた装甲をつければ、ほぼ完成だ。
敦志の胸にあるのは強烈な憎悪だった。
(復讐してやる、復讐してやる、俺を馬鹿にしやがる奴らめ、どいつもこいつも、思い知ら
せてやる)
世の中を恨み、社会を憎み世界のすべてに復讐する思いで、敦志はメカに心血を注いだ。
復讐こそすべて、その一念が彼の生きる意味だった。
(天才の俺が認められないのは世の中が悪い、社会が悪い。何もかもが憎たらしい、破壊し
尽くしてやるんだ)
不意に、非常階段から足音が響くので、敦志はそちらに目をやった。
ヒールの高いブーツが鉄の階段を打って音を鳴らす。
合成皮でできたワンピースの水着のような衣裳で、合成皮の長い手袋、ロングブーツの
女だ。あとから、手足が不恰好に太い男がやってくる。
階段を降り切ると、女は未完のメカを見上げた。
メカは大きくいびつな骸骨のようで、不気味でもあるが、女は笑みを浮かべた。
「うんうん、いいメカじゃないか」
マスクで顔の上半分を隠した女は明るい色の長髪、豊かな胸、細い腰、しなやかな脚のセ
クシーな女性だ。
次に、女は敦志をながめ回した。女性に慣れていない敦志は顔を赤くする。
「あのー……」
「いいねえ、いい顔だよ」
誉められれば悪い気はしないが、自分の顔がよくないことは敦志も知っている。むしろ
彼は警戒した。
「決まりだ、今日からおまえは私の部下、カラッカスだよ!」
「はぁ? あの、あなたは?」
女は腕を上げ、片足を上げてポーズをとった。
「花も実もない砂漠なら、咲かせてみせます悪の花。べらぼーブラボーベラドンナ一味のボ
ス、べらぼーべっぴんベラージョ様だよっ!」
ベラージョと名乗る女の隣で、太い手足の男が紙吹雪を投げた。岩のような顔でゴーグル
をつけ、腹を出したオレンジ色のコスチュームを着た男だ。
「わいはべらぼー怪力ボケクサーでまんねん」
背は低く、表情はいかにも考えがなさそうな男だ。
「は、はあ……?」
困惑する敦志に、ベラージョは続けてまくしたてた。
「というわけだから、このメカでお宝、ベラボーンを探しに行くんだよ。さっさと仕上げち
まうんだよ!」
「ちょっと待ってくださいよ。何のことだか……あっ」
尋ねている途中で、敦志は黒野の差し金か、と気付いた。この場所に自分がいることを黒
野が知っていたことは、敦志には意外だった。
協力すれば一応単位をもらえるのか、と敦志は納得した。
「じゃあ、一回だけ協力しますよ。何かを探しに行くんですか」
「ベラボーン、宝石のベリルの大鉱脈を示す地図になるのさ。その金で世界を私のものにす
るんだよ」
「どこにあるんです」
「このヒーロー学園がある島のどこかさ。今週はケーキバイキングのお店にあるという指
令だよ」
「今週は?」
ベラボーンなんてものは存在しなくて、このベラージョという女の妄想なのだろう、と
敦志は胸でうなずいた。
「それにしてもいいメカじゃあないかい、カラッカス。これならきっとベラボーンを見つけ
られるよ」
ベラージョは、またできかけのメカを見上げた。もの探しのために使われるのを、敦志は
本意に思わない。
「このメカは、この世のあらゆるものを破壊するために造っているんですよ」
「へーえ? 何のために?」
「復讐ですよ。どいつもこいつも、俺をコケにしやがって。だから、こんな世の中は破滅さ
せてやるんです」
敦志はただ一つの生きがい、復讐を思うと、気分を高揚させた。
ベラージョは腰に手を当て、高い鼻から息を出した。
「くだらないことを考えてるねえ、おまえは」
「何だって?」
「おまえは何にもわかっちゃいないよ。本当に大事なのはねえ、生きることを楽しむってこ
とだよ。人生の喜び、幸せだよ!」
ベラージョが何をいっているのか、敦志にはわからなかった。
「……まあ、とにかくメカは数日じゅうに仕上げましょう」
それを聞くと、ベラージョは手袋を付けたこぶしで敦志の頭を殴った。
「いたっ」
「遅い! 今から曲をかけるから、歌って踊って曲が終わるときには完成させるんだよ!」
「何いってるんですか」
「偉大な先輩はそうなさっていたよ。私たちも同じようにするんだよ、わかったね!」
「むちゃくちゃな……」
今度はベラージョの長い脚がうなって、敦志の側頭部を蹴る。
「いでっ」
「返事はズラベラサッサ、だよ!」
ボケクサーが、見本だというように敬礼する。
「ズラベラサッサ」
「はあ、ズラベラサッサ」
いちいち殴ったり蹴ったりするなよ、と思いつつ、しかたなしに、敦志もまねした。
「あ、そうそう、メカはケーキの形にするんだよ。私専用のバスルームを作ってね、お肌が
命なんだから。
あとユーモアセンスの光るコックピットメカと、自爆スイッチも付けておくんだよ」
なんでそんなもん、といいかけて、敦志は『入浴中に襲ってはいけない』という校則を思い出した。
一応、何かの考えあっての要望なのか、と敦志は出かける文句、不満を飲み込んだ。
「でも、ケーキの形というのは……。まあ、なるべく近付けます」
自分の作品であるメカに口出しされるのは何とも不快だが、単位のためなら多少はいた
しかたない。
「それにしてもしまらないかっこだねえ、カラッカス」
ベラージョはカラッカスこと敦志のジャージを評した。
「これしかないんですが」
「今度、いいのを作ってやるからね」
「一回だけしかやらないっていったでしょう」
お構いなしに、ベラージョはどこからか持ってきたラジカセにカセットテープを入れた。
「さあ、歌って踊ってメカを造るんだよ!」
地下格納庫に間抜けなメロディが響く。
べらぼーブラボーベラドンナの歌
ドンピシャべらぼー天才
はーどっこいブラボー喝采
ベラボーン追いかけ東へ西へ
何が何でも手に入れろ
べらぼーべっぴんベラージョ
べらぼー天才カラッカス
べらぼー怪力ボケクサー
花も実もない砂漠なら
咲かせてみせます悪の花
ベベベンベラドンナ
Ah……
歌いながらクレーンを動かし、装甲を溶接など作業するが、もちろん終わらない。
「もう歌が終わったよ! 何でメカができてないんだい」
「当たり前でしょ。ていうか、あんた踊ってるだけで作業手伝ってないじゃないですか」
敦志は不機嫌になってなじる。
「そういうものなんだよ!」
「そうなんですか……」
「仕方がないねえ、曲はかけ続けるから、一晩中には終わらせるんだよーっ!」
「はあ」
適当に返事し、溶接を再開する敦志にベラージョは歩み寄る。
ブーツが敦志の尻を蹴り上げた。
「ズラベラサッサだろ、このドッピンシャン!」
「い、意味がわからねえ、いや、ズラベラサッサ」
とにかく言う通りにして、単位だけいただこう、と敦志は心に決めた。
一晩かかり、朝になる頃、作業は終わった。疲れたボケクサーは床にのびた。敦志はベラー
ジョを探した。
ベラージョは格納庫の真ん中で、寝袋に入っていた。
こっちは徹夜だというのに、と敦志はいらだつ。寝ているベラージョを蹴っ飛ばしてや
ろうかという衝動をこらえ、声をかけた。
「ベラージョ様、できましたよ。ベラージョ様、起きてください」
ベラージョは幸せそうに寝息を立てている。
敦志を挟んで反対側では、ボケクサーがおおいびきをかいていた。
「起きろっつうの、こら、バカ女」
ついつい敦志が本音をいったとたん、ベラージョは体を起こして手を振った。
敦志の頭が打たれていい音を聞かせる。
「起きられるなら早く起きてくださいよ」
「悪口なら百キロ離れてても起きるよ」
ベラージョは寝袋から這い出る。
「あーもう、床で寝てると体が痛いわ」
怒りを抑えるのに敦志は苦労し、こぶしを震わせた。
「あんまりケーキっぽくないじゃないか」
足が大きく、肩が尖り、手の指は二本でCの形、胴はドラム缶を思わせる不恰好な人型メ
カは、白い塗装が施され、円錐型に近い頭だけは赤い。
「骨組みは変えられなかったので、カラーリングだけショートケーキ風にしました」
「何だかおなかがメタボだねぇ」
「バスルームなんか付けたからですよ!」
「まあ今回はこれでいいわ。それじゃ、ケーキバイキングのお店に、しゅっぱーつ!」
「は……、ズラベラサッサ」
嵐のようなボケクサーのいびきがうるさく響く。
「カラッカス、あいつを起こすんだよ」
ベラージョは一足先に、設置された階段を上ってメカの腹へと入っていった。
一苦労してボケクサーをようやく起こすと、敦志は二人でコックピットに乗り込んだ。
席は三つある。当然のように、ベラージョは真ん中に座っている。
やれやれ、と呆れつつ、敦志は左の席に座った。どの席でも操縦はできる。
敦志は起動ボタンを押し、まずは無線操作で格納庫の天井開閉操作をする。
天井が開いていくと、思い描いた形ではないものの、自作メカで初出撃だなあと、敦志は
感慨深くなった。
外からだと、小高い山の雑木林が割れていくように見える。
メカは背負ったランドセルからジェット噴射して、空へと飛び立った。
コックピットの敦志はキーボードを打ち、マウスを動かし、レバーを操作し、高度計など
を確認する。
隣でベラージョはメインモニターを見てはしゃいでいた。
「ほらほら、飛んでるよ! たいしたもんだねえ。ところでカラッカス、このメカに名前は
あるのかい」
「まだ決めてませんが、そうですねえ、デスブリンガーとかキリングエンペラーとか……」
若干中二病センスな敦志であった。
「全国ケーキ協会推薦ケーキクッターにしなさい」
「ええっ、何ですかそれ」
「そういうものなんだよ」
ベラージョにそういわれると、なぜか納得してしまう敦志がいた。
とはいえ、初作成初搭乗のメカがケーキクッターとは、と敦志は情けなくなった。
生命を吹き込まれた金属の塊は、煙を残して空中を駆けた。
空を飛べば、学園近くの商店街などはすぐに到着する。
ケーキクッターはジェット噴射を弱めつつ、太い足で公園に着陸した。木々が枝を揺らす。
公園で遊んでいた子供たちが怯えながらも、興味ありそうにメカをながめる。
コックピットでは、ベラージョが立ち上がってうれしそうにしていた。
「さあ、変装してケーキバイキングのお店に行くんだよ」
「えっ、じゃあメカで来る意味あったんですか」
着陸操作を終えた敦志は、抗議して不服そうな顔をする。
「いいから早くするんだよ」
ベラージョはバスルームに入った。かと思うや、セーラー服の女子高生姿になって出て
きた。ミニスカートから白い足が伸びている。
あまりの早業に敦志は口を大きく開けた。
「うわっ、はやっ!」
「このくらいの早着替えができなきゃ三悪はつとまらないよ」
敦志が横をみると、ボケクサーもすでに学生服に着替え終えている。太い体には窮屈そうだ。
「すごいなあ。けど、高校生はちょっと無理があるんじゃ……」
仮面を付けたベラージョは美人といえばいえるが、プロポーションはむしろ良すぎるし、
何よりみなぎるような貫禄が女子高生にはとても見えない。
すぐさま、ベラージョのこぶしが飛ぶ。敦志の頭が小気味よい音を響かせた。
「何いってるんだい、ピチピチヤングなのじゃーん」
「その言葉遣いがすでに古……」
ベラージョのスカートがひるがえり、敦志は腹にひざ蹴りを食らう。
悶絶する敦志をよそに、ベラージョは腕を振り上げた。
「おまえはそのかっこでいいや。さーあ、ベラボーンをいただきに行くよーっ!」
「ズラベラサッサ」
「ず、ズラベラサッサ」
前かがみになったケーキクッターの腹部が下へと開いた。蓋が昇降用の足場になる。
ベラドンナ一味は公園へと降りた。まとわりつく子供たちを追い払い、目標の店へと急ぐ。
商店街は学生や学園関係の職員が行き交って、ほどほどににぎわっている。
ケーキショップは小ぎれいで、趣味がいい。店内に入ると、店員がいらっしゃいませ、と
愛想よくいう。
だが、ベラージョとボケクサーの姿を見ると店員たちの顔はやや引きつった。やはり、彼
らの変装には多少無理があった。
店内に甘いにおいが漂って食欲をそそる。
「おまえのおごりだよ」
ベラージョが決まっていたことのように、敦志に言い付ける。敦志は肩を落とした。
「まじっすか……」
ベラージョはケーキをいくつか選んでトレイに乗せていった。
ボケクサーはその何倍もの数をトレイに乗せて山を作った。
「ストロベリーミルフィーユに焼きプリン、抹茶ケーキもいいねえ」
「わいはモンブランにチーズケーキ、スイートポテト……」
二人は無邪気にケーキを選び取った。
バイキングだからいくら食べても値段は変わらないが、敦志にしてみれば腹立たしい。
俺も食ってやる、と敦志はケーキを取ろうとした。
「おまえはベラボーンを探しに行くんだよ」
ベラージョは浴びせかけるように敦志に命令する。。
「ええ? どうやって探すんですか」
「店員さんにききな」
「ベラボーンありますかってきくんですか? 嫌ですよ!」
「何でだい! ベラボーンは棒みたいな形してるはずだからね、店員もわかってないかも知
れないから、それっぽいものをきいて持ってきな」
「はあ……いや、ズラベラサッサ」
ひどい罰ゲームだな、となげきつつ、敦志は女性店員に尋ねた。
「あのう、べ、ベラボーンっていうのありますか」
「そういうケーキはないんですが」
「いや、ケーキじゃなくて棒のようなものらしいんですが」
ここまできくと、愛想のよい店員も目線が冷たくなってきた。
そりゃそうだよな、と敦志も思う。
「棒といったら、生地をのばす棒しかありませんが」
「はあ、そうですか」
テーブル席につくベラージョたちのもとへ敦志は向かった。
ベラージョとボケクサーは口のまわりにクリームを付けて、一心不乱にケーキをむさぼ
り食っていた。
食うことしか頭にないといったようすだ。
「あのー、生地をのばす棒ならあるってことですが」
「それ、それがベラボーンだよ!」
セーラー服姿のベラージョはクリームだらけの口をしたまま、厨房へと向かった。
ボケクサーもついていく。敦志は呆然として見送った。
ここまででだいたい半分。
ちょっと長いのでいったん投下終わります。また明日にでも。
わらわの名前はヘレネ
妖狐族の女王の一人娘じゃ。
ヒーロー学園には女王になるために欠けているモノを探すために
母上の命で入学したのじゃ。
そんなわらわは同じく未来の女王となるクイーンと一緒にエリカを探すことになった。
「あらこんなところで何をしてるの?」
「待っていた。ユイの所に案内して貰おう。」
「良いわよ。連れてってくるわ。この娘が…。」
クイーンがポンとわらわの背中を押した。
わらわというよりも、先頭を行くガタックが案内してくれるんじゃが……。
「先に言っておくことがあるわ。」
「何だ?」
「無駄な戦いは避けて奪還したらすぐに帰る。これが今回の作戦よ。」
「わかっている……。お前との決着はその後でつける。」
この二人の関係いまいちわらわには理解できない。
顔を見合わせれば決闘が始まるかと思えば、
コンビ格闘試験を見学したときには抜群のチームワークで周りを蹴散らしていた。
まぁチームワークとは名ばかりで戦っているのは、一人だけに見えたが勝ったのじゃから良いのじゃろう。
ガタックに導かれた一行は森の奥へ奥へと足を進めていく。
「ん?あれはなんじゃ?」
わらわが霧の中にそびえ立つ城を指差す。
天守閣が二つあり、遠くから見ると顔のようである。
さらに奥へと進んでいくと高くそびえ立つ城壁と城門が行く手を遮った。
「どうする?」
「決まってるじゃない。♪」
『やはり来たか。未来のヒーロー共…。』
「誰じゃ?」
どこからか若い男の声がする。
『まずは小手調べだ。』
城門がガタガタと音を立てて開き
ユウジ・ナツミ・カンクロウ…そしてマキが現れる。
「変身!!」
全員が一斉に変身した。
「地球の未来は俺達が守る!!」
どうも様子がおかしい。
『仲間同士殺しあうが良い!そやつらはもはや我の道具なのだよ。』
「ふん!!」
ハイドが前に出る。
「ここで時間を使うわけにいかんであろう。
さっさと先に進むが良い。」
「向こうは四人じゃぞ?」
「だから?」
「いくらそなたとはいえ、さすがに無理であろう。」
他の三人も同意見のようじゃ。
「貴様等何か勘違いしている。別に今ココで倒すつもりなどない。
ようは引きつけて時間を稼げだけであろう。」
確かにその通りじゃ。
「では任せた。」
ジュリとユイが城門の中へと入っていくのに続き、わらわたちも続く。
しばらく行くと中庭のような場所に出た。
ガチャン!!
四人が中に入ると背後の城門が音を立てて閉まる。
「罠だったようね…。」
まぁ敵の本拠地に来たわけじゃからなぁ。
『フフフ…』
向こうの方から若い女の声がする。
その声と共に
ピンクの真珠貝を彷彿させるような怪人2人とダークカブトのままのエリカ、それにデルタのままのユイが現れた。
「さっきのは上手く逃げたみたいだけど、今度はもう逃げられないわよ。」
「何者じゃ?エリカ達に何をしたんじゃ?」
「さぁ…なんのことでしょう。」
「何が目的なの?」
「こんなときにでも落ち着いてるのね。
お前のそういう所が昔から大嫌いだった。
その済ました顔を歪ませてやる。」
クイーンと知り合いなのじゃろうか。
「貴方誰?」
どうやら違うようじゃ。
「我が名はレジェンドルガ族とアンゴルモアの融合体にして、ラッキークローバーの一人のマナミ。」
説明しよう
レジェンドルガ族とは
地球上の生物がモチーフであるファンガイアとは違い、
世界各国に伝承されるモンスターに似た姿を持つ種族で伝説(レジェンド)に登場する怪物がモチーフ。
ファンガイアと同等の力を持ち、レジェンドルガに襲われた者はレジェンドルガと化し、
命令のままに操られてしまう。ファンガイアも例外ではない。
ただしレジェンドルガを倒した場合操られている者は元に戻る。
ちなみにファンガイアとレジェンドルガ族は昔から仲が悪い。
「同じく チェックメイトナンバー5 ユウコ。」
「レジェンドルガ族そういうこと……でも聞かない名前ね…。私何かしたかしら?」
「貴様を倒してアンゴルモアの作る世界でクイーンとなる。
そのために私は大王に自分から細胞を提供し、私のクローンを作り出した。
まずは私に逆らうとどうなるかをお前を血祭りに上げることで見せつけてやる覚悟しろ!!
掛かれ!!!」
マナミが合図すると黒服の男達がわらわ達を取り囲む。
「貴方の目的は私でしょ?だれも巻き込まないで。」
クイーンが不満そうに尋ねる。
「私はお前から全てを奪う。仲間同士殺しあうが良い……。
カブト…デルタ…お前たちもいけ!奴等を血祭りにあげよ。」
それを無視するようにマナミが再びて
カブトとデルタはゆっくりとこちらへと歩いてくる。
「そんなにクイーンになりたいの…変わってあげても良いわよ?」
「黙れ!その見下した態度全てが気に食わない!!
ちなみに良いことを教えてやる。カブトもデルタも本物だ。ただ私の力で視聴覚が狂わされている。
今のお前らがアンゴルモアにみることだろう。つまり助けに来た者に殺されるのだ。」
「ユイ、目を覚ませ!!」
黒服の男達を倒しながら、デルタに向かってジュリが叫ぶが反応はない。
「無駄だ。」
一瞬ジュリに視線を移したその瞬間をカブトは見逃さない。
『クロックアップ……』
クイーンとわらわが吹き飛ばされる。
どうやらカブトはわらわ達、デルタはジュリ達をターゲットにしているようじゃ。
「手荒な真似はしたくないんじゃが、変身!!」
ガタックゼクターを手に取り、ベルトにセットする。
「全員伏せるのじゃ。キャストオフ」
変身と同時にキャストオフし、黒服の男を片付けた。
これで二人に集中できる。
「危ないわねぇ!そういうときは声掛けなさいよ!」
「掛けたじゃろうて。」
「掛けるときに既にゼクターに手が行ってたでしょ!!」
シャダイムに変身したハルカが怒っているが無視じゃ。
おかしいのう、何であの二人は変身しておらんのじゃろうか。
まぁクイーンの方はいつものことじゃが、確か真実の雷は使えんはずじゃ……。
「おのれ、小癪な真似を…。」
マナミとユウコは鞭を取り出すと、カブトとデルタの背中を激しく叩く。
「うぁぁぁぁ」
凄まじい声と共に二人がこちらに突っ込んでくる。
「エリカ。止めるのじゃ。そなたとは戦いたくないんじゃ。」
必死に斧を避けながら語りかけるが、やはり反応はない。
あの女の能力で完全に操られてしまっているようじゃな。
このての洗脳や暗示は術者を倒せば、その効果が薄れるものなのじゃが……。
「止めろユイ!!」
向こうではジュリとシャダイムが苦戦しておるようじゃ。
「ヘレネ、貴方がデルタと戦いなさい。
今クロックアップされたら勝ち目が無いわ。」
そうじゃった。確かシャダイムは奇怪な能力で、クロックアップを無効化できるんじゃった。
「いくぶん、そっちの方がマシね。
私もエリカの方が殴りやすい。」
医者が身内の手術をしたがらないのと気持ちは似ているのかもしれん。
「トオ!」
ハルカと横っ飛びで入れ替わる。
「私達は諸悪の根源を叩きましょう。」
「そうだな。」
私とリョウコが並んで歩き出す。
この女と共闘する日がくるなんて思ってもみなかった。
「ところで貴方なんで変身しないのかしら?」
「この前の対抗戦でイクサをお前に破壊されたからな。」
「あら、じゃぁどうするの?」
「一発お前を殴らせろ!それで私もケジメがつく。
お前だってエリカを助けたいんだろ?」
「戦士の癖にまだそんなことにこだわってたの?」
「言うな。自分でもわかってる。」
初めての決闘のとき、人間状態のリョウコに屈辱的な敗北を喫しアギトゼクターを渡されたとき、
私はせめて一発殴ってから、それから使うか考えようと誓ったのだ。
だがイクサが破壊された今、私は正義の戦士として恥ずべきことなのだが、
悪のそれも大悪党の守り神アギトの力を借りなければならなくなってしまった。
でも私の小さいなプライドよりも、ユイの方が大切だ。
ユイはアギトに変身した私を見たらなんと言うだろうか。
今は考えまい。私は戦士である前に姉なのだから……。
「良いわよ。どうぞ、貴方には遅かれ早かれ殴られると思ってたし。」
私は腕まくりをすると、前かがみに体重を掛ける。
「歯を食いしばれ。加減はしない!」
私の右ストレートがリョウコの左頬を捉える。
スッとリョウコの体が一瞬浮き上がり地面へと倒れた。
「なんだ…仲間割れかしら?」
「お前らに何がわかる、お前はクイーンにはなれない。」
「何?」
「自分の手も汚さない卑怯者がリョウコに勝てるわけがないと言っているんだ。」
リョウコは強いくせにやる気はないが、私に限らず決闘を申し込めばいつでも戦ってくれるのだ。
一声掛ければ変わりに戦ってくれるファンガイアやファン等いくらでもいるのに……。
そんなリョウコだから、私は何度負けても一発殴ろうと3年間挑戦し続けてきた。
決して自分の手を汚さず、仲間を操って戦わせようというゲスなマネをするマナミとは器が違う。
「今こそみせよう。変身!!!」
どこからか龍を象ったアギトゼクターが現れる。
(確か部屋のタンスの奥底に厳重梱包して、封印していたはずなのに……。)
ゼクターを手に取りベルトに装着する。
「私の名は正義の戦士…仮面ライダーアギト!」
説明しよう
【名前】仮面ライダーアギト
【属性】精霊の力を与えられた人間
【大きさ】成人男性並み
【攻撃力】ダイヤモンドを破る武器などよりもはるかに威力のあるパンチや
戦車を破壊するグレネードランチャーの倍以上の威力のあるキック。
シャイニングクラッシュ:剣で攻撃。パンチやキックで倒れない敵に止めを刺せる。
【防御力】自分の打撃と同レベルの攻撃を受けても戦闘可能。硬度10。
【素早さ】100mを2秒で走る。ジャンプ力は175m。
数m先から撃たれた拳銃の弾を超能力で止める敵がまるで相手にならない反応や戦闘速度。
【特殊能力】300km先まで知覚できる視力と聴力。クロックアップで周りの時間を遅くする。
【長所】 契約者が強くなればそれに比例してパワーアップし成長する。
「ようやく使ってくれたのね。」
「ああ…だからお前も変身しろ。」
私は実は少しだけ彼女の変身を見たことがある。
あれはいつのことだったろうか。
確か1年生のときの学園祭の頃
「リョウコめ。今度こそ一発殴ってやる。」
またも無残に敗れ去った私は決闘を終え、今日の戦闘データを研究室に持っていくところだ。
「見つけたぞ。正義部1年のジュリだな。」
本館の屋上から声がする。
「この前は後輩が世話になったみたいだなぁ。」
ガラの悪そうな声である。
どいつの事だろうか。心当たりが多すぎて絞り込めない。
「後輩って誰だ!名前を言え!」
「タクヤとシンゴとサトシそれにタカコのことだ!思い出したか。」
ああ…思い出したよ。
でもあれはサヤカにチョッカイ出して困らせていたから助けただけではないか。
「今日は俺達と楽しいことしようぜ!!変身!!」
この下っ端がやられたから、次は上級生というシステムなんとかならないのか。
それも正義部の癖に情けない。
屋上から一階へと飛び降りてくる上級生達…。
相手は5人…まるで戦隊物の悪役になった気分だ。
「へんし…」
私はすかさず変身しようとしたが、ピタッと手が止まる。
「どうした。先程の決闘でこっぴどくやられたようだが……。」
そう実は先程のクイーンとの決闘でイクサに少し不具合が生じたのだ。
新改造としてライジングモードを加えたので、その反動が出てしまった。
「お前らごときに変身など必要ない!」
「噂どおり生意気な女だ。まぁいい。二度と上級生のそんな舐めた口を聞けないようにしてやる。」
「やれるもんならやってみろ!」
どこからかコウモリのロボットが飛んできて、その上級生に噛み付く。
「変身!!ゴー・トゥー・ヘル!仮面ライダーアーク。」
「変身!!行こうか、華麗に。仮面ライダーレイ!」
「変身!!仮面ライダーコーカサス ・仮面ライダーヘラクス・仮面ライダーケタロス 」
確か1年生のときの学園祭の頃
「リョウコめ。今度こそ一発殴ってやる。」
またも無残に敗れ去った私は決闘を終え、今日の戦闘データを研究室に持っていくところだ。
「見つけたぞ。正義部1年のジュリだな。」
本館の屋上から声がする。
「この前は後輩が世話になったみたいだなぁ。」
ガラの悪そうな声である。
どいつの事だろうか。心当たりが多すぎて絞り込めない。
「後輩って誰だ!名前を言え!」
「タクヤとシンゴとサトシそれにタカコのことだ!思い出したか。」
ああ…思い出したよ。
でもあれはサヤカにチョッカイ出して困らせていたから助けただけではないか。
「今日は俺達と楽しいことしようぜ!!変身!!」
この下っ端がやられたから、次は上級生というシステムなんとかならないのか。
それも正義部の癖に情けない。
屋上から一階へと飛び降りてくる上級生達…。
相手は5人…まるで戦隊物の悪役になった気分だ。
「へんし…」
私はすかさず変身しようとしたが、ピタッと手が止まる。
「どうした。先程の決闘でこっぴどくやられたようだが……。」
そう実は先程のクイーンとの決闘でイクサに少し不具合が生じたのだ。
新改造としてライジングモードを加えたので、その反動が出てしまった。
「お前らごときに変身など必要ない!」
「噂どおり生意気な女だ。まぁいい。二度と上級生のそんな舐めた口を聞けないようにしてやる。」
「やれるもんならやってみろ!」
どこからかコウモリのロボットが飛んできて、その上級生に噛み付く。
「変身!!ゴー・トゥー・ヘル!仮面ライダーアーク。」
「変身!!行こうか、華麗に。仮面ライダーレイ!」
「変身!!仮面ライダーコーカサス ・仮面ライダーヘラクス・仮面ライダーケタロス 」
仮面ライダーアーク
リュウイチが変身する。
基本カラーは黒。バフォメットを髣髴させるデザインを持つ
レジェンドルガ族の王がアークキバットの力を借りて変身する。
全てのレジェンドルガ族の頂点に君臨するロードたる風格に満ち溢れ、その眼で見られただけでも、
大抵の者は戦意を喪失してしまう程のオーラを放つ。
その全身の甲冑はレジェンドルガ族が生み出したルシファーメタル以上の強度を誇る
金属アークメタルよって造られ、内部を包むインナースーツにはレジェンドルガ族が捕らえた
ドラン族ガオーラドランの皮膚が使用されており、基本的にはキバの鎧と同じものであるが、
それらを何層にも重ね、更に防御力を上げているそれらの理由は、
開発目的がキバを凌ぐ事を大前提として作られている為で、
全体の性能は理論上ではキバの鎧の大きく上回っている。
三又の槍『アークトライデント』と呼ばれる専用の槍があり、その威力は一太刀で山をも分断し、
地に突き立てれば天変地異さえも巻き起こす程の威力を宿す。
アークキバット
アークの変身ツールにもなるコウモリ型ロボット。
メカニカルモンスターだが、あくまでアークの力を覚醒させその力を管理制御する為だけのマシンでしかない。
このため明確な自我は存在していないに等しく、また言動もおぼつかない。
ベルトにぶら下がり、上下が逆になった状態では顔面がドクロを象る。
ウェイクアップフエッスルを吹くことで「ゴー・トゥー・ヘル!」のコールとともにフェイス部分が外れ、
本来の姿であるメカキバットとなる。
仮面ライダーレイ
リョウタが変身する。
モチーフはイエティ。基本カラーは白
主に素手での格闘で戦うが、絶対零度の冷気・ブリザードミストを放ち相手を氷漬けにすることもできる。
必殺技は『ブリザードクロー・エクスキュージョン』。
レイキバットが「ウェイクアップ!」のコールとともにウェイクアップフエッスルを吹くことで、
両腕に過剰に巻かれたキバのものと同様の鎖『カテナ』によって封印されていた必殺武器『ギガンティック・クロー』を解き放ち、
敵を切り裂く。ギガンティック・クローには三つの人工魔皇石が仕込まれており非常に強力な反面、
爆発の危険性を孕む。なお、クローそのものは、変身直後に標準装備されることが多い。
レイキバット
レイの変身ツールにもなる、キバット族を模したコウモリ型ロボット。
出現したキバットベルトと同様のベルトにぶら下がることでレイに変身させる。
優れた自立コンピュータを備え、戦闘力もキバットを上回る。
決め台詞は「行こうか? 華麗に激しく!」。
仮面ライダーコーカサス
アキラが変身する。
モチーフはコーカサスオオカブト。基本カラーは金色。
仮面ライダーケタロス
アキナが変身するドライダー。モチーフはケンタウルスオオカブト。
基本カラーは銅。携行武器はゼクトクナイガン クナイモードで、素早い戦術を得意とする。
仮面ライダーヘラクス
エリコが変身する。モチーフはヘラクレスオオカブト。基本カラーは銀色。ゼクトクナイガン ガンモード / アックスモードを携行し、距離を問わずバランスのとれた戦法を得意とする他、マシンゼクトロンの操縦にも長ける。
5人のライダーを相手に生身の人間…
勝てるわけが無い。
案の定すぐに捕まってしまった。
「ほら。ほら。さっきの大きい口はどうした?」
一発一発のパンチやキックに腰が入っている。
倒れないように後ろから抱きかかえられているため、逃げることも出来ない。
「顔はやめときな。ボディーにしときな。ボディーに。」
「ゴホゴホ。」
元々痛んでいた体だ。どこか骨が折れたのかもしれない。
「あら可哀想に。でもおネンネにはまだ早いわよ。」
エリコが私の顎をクイっと掴むと頬を軽く叩く。
「次は締め技で落とすか。」
「グェグェグェ」
こいつらなんなんだ。私をどうしたいんだ。
そんなことを考えていると意識が薄れていく。
突然ヒヤっとした液体が顔に掛けられる。
「おいおい。綺麗な顔が台無しだな。」
「もう手を謝っちゃいなって。生意気な口を利いてすみませんでした。調子に乗ってましたってな。」
「ん…ん…。」
まだ意識がハッキリしない。
「なんだ。頑固な奴だな。」
ドンと私の体を突き飛ばす。
ボカスカボカスカ…
サッカーボールのように四方八方から蹴りまくられる。
私が何をしたというんだ。
ただ困っている友達を助けただけではないか。
それがそんなにいけないことだったのか。
「ほれほれ……。」
「ごめ…ん……」
「聞こえないなぁ。」
もう嫌だ。謝ってすませてしまおう。
心が折れたそのとき……
蹴られていた感触がなくなる。
「おお誰かと思えば、悪部のリョウコじゃないか。お前もやるか?」
「ジュリはね。私のおもちゃなの。」
「おもちゃ?」
「育てて育てて美味しくなったら刈り取るの。先輩方だろうと邪魔はさせないわ。」
「お前も同じ目にあわせてやるよ!!上下関係ってものを叩き込んでやる。」
「やってみますか?ククルカン。」
どこからか8つの頭と8本の尾を持ち、
目はホオズキのように真っ赤な大蛇が現れリョウコの体に巻きつく
蛇の尾がぶつかり校舎に少しひびが入った。
(この学園の校舎はあらゆる戦闘に備えた設計になっているので、
核シェルター並みの強度があるはずなのだが…)
私の意識があったのはそこまで……
気がついたら寮のベットの上だった。
ミユキ先輩の話ではリョウコが連れてきてくれたらしい。
ちなみに任侠に厚い先輩達は全員全治3ヶ月以上の重傷を負わされたらしい。
余程怖い目にあったのか…その後私に絡んでくることは無かった。
そんなことがあったわけで、私はリョウコが嫌いなのだ。
戦士の癖に全力を出さない。
まぁそれでも負けてる私がふがいないと言ってしまえばそれまでなのだが……。
冴えわたるマナミとユウコの鞭…
ジュリの叫びに
遂にリョウコが変身を決意する。
一方その頃、ハルカとエリカの戦いに変化が……。
冴えわたるマナミとユウコの鞭…
ジュリの叫びに
遂にリョウコが変身を決意する。
一方その頃、ハルカとエリカの戦いに変化が……。
次回『仏の顔も三度まで』お楽しみに
>>335 乙
クロスは無理にしなくても良いと思うよ、
個性的な新キャラなんで後半?も楽しみにしてます。
できればキャラクターをwikiに乗せてくれるとみんないじりやすいかと
>>357 投下乙 ちょっと難しくなってきたな
読み返したりします
レスdです
あとで続き投下します ウィキは編集やったことないんで……
そのうちできたらやってみる;
359 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 08:28:16 ID:e6iHAMwN
作者氏方乙
年末の忙しい中の癒やしになってるよ。
続き期待してます
では飯も食ったので投下再開
すぐあとに悲鳴、つづいて皿の割れる音。
ベラージョが戦果といわんばかりに棒をかかげて、走ってきた。
「やったよ、ベラボーンが手に入った!」
あとから来るボケクサーは、口いっぱいに作りかけのケーキを詰め込んでいる。
「ボサっとしてないでずらかるんだよ!」
「どうせなら、売上金を強奪したほうがいいんじゃないですか」
「このドッピンシャン、あたしゃそんなチンケな小悪党じゃないんだよ!」
棒が敦志の頭に落ちる。
生地をのばす棒など強盗するほうが、よっぽど小悪党ではないか、と敦志は思うが、口に
は出さないでおいた。
急いで三人は店外へと出る。公園をめざし、敦志たちは駆け出した。
「止まれ、泥棒!」
声に振り向くと、ケーキを手にした男女が五人、立っていた。
「客に正義がいたみたいですね」
敦志はベラージョに向かって言った。ヒーロー学園近くの商店街だ。正義の生徒がいて
もおかしくない。
五人のうちの一人が、携帯電話をかざした。
「煉獄エナジー充填! ゴクフォームチェンジ!」
一瞬のうちに、少年は赤いスーツに包まれ、ケルベロスを模した赤いマスクを付けた。
「業火の猛犬! ゴクレッド!」
戦隊か、と敦志は他の連中が名乗るのを待った。校則で、相手が名乗り・変身している最
中は手出しできない。
同じようにして、ゴクブルー、ゴクイエロー、ゴクホワイト、ゴクブラックがスーツを着込んで立ち並ぶ。
「神をも恐れぬ地獄の軍団! 煉獄戦隊ゴクレンジャー!」
五人がポーズを決めたところで、ベラージョも足を踏み込み左手を前に、棒を持つ右手を振り上げ、名乗りを上げた。
「花も実もない砂漠なら、咲かせてみせます悪の花。べらぼーブラボーベラドンナ一味のボ
ス、べらぼーべっぴんベラージョ様だよ!」
ベラージョとボケクサーが、敦志に目をやる。俺の番か、と敦志は口を開いた。
「あー、大野……、カラッカスだ」
「べらぼー怪力ボケクサーでまんねん」
こうして正義と悪が互いに名乗っている間に、非戦闘員は避難できる。力なき者の被害
を防げる人道的な校則だ。
「よーし終わったな」
ゴクレッドが腰の剣を抜いた。三つ首の犬をデザインしたつばの、立派な剣だ。
大きな刃物の輝きを見ると、敦志は目もくらむ思いをした。実戦は初だ。
「おまえ、武器は持ってきたんだろうね?」
ベラージョにきかれて、敦志はうなずいて上着の前を開いた。
「はい、一応ハンドガンタイプ熱線銃だけ持ってます」
敦志は脇腹のホルダーから銀色の熱線銃を取った。
「おまえの武器は面白みがないねえ」
ベラージョは残念そうに肩をすくめた。
「あなたとはめざすベクトルが違うんですよ!」
いらだちつつ、敦志は銀の銃を構え、引き金を引いた。
オレンジの光線が宙に走ってゴクレッドを襲う。
目標をわずかにそれたビームは、電柱に当たって火花を飛び散らした。
「うわっ、いきなり撃つのかよ」
突然の銃撃にあわてたゴクレッドは、体勢を崩した。
敦志は自信をおぼえると、精神の高ぶりを感じる。
「おまえらみたいな(友達が多そうな)連中が俺の敵なんだ、馬鹿にしやがって!」
敦志の撃つ熱線銃が火を吹いて、閃く光が商店街に乱れ飛ぶ。
シャッターに穴が開き、壁が焦げる。この程度の被害は学園周辺ではままあることだ。塀
の上の猫が叫んで逃げた。
「馬鹿にしやがって、天才の俺を! 復讐だ、食らえ!」
髪を乱して怒鳴り、銃を乱射する敦志は狂気じみて恐ろしい。明るく生きる健全な若者
こそ、敦志の復讐対象だ。
ゴクレンジャーは熱線を避けて物陰に隠れた。
「いいよいいよ、赤塚先生のおまわりさんみたいに撃つねえ」
ベラージョは敦志の後ろで手を振り、棒を振った。。
声援を背に敦志は引き金を引くが、熱線はもう出ない。
「あっ、エネルギー切れか」
熱を帯びた銃は周囲の景色をわずかに揺らめかせていた。敦志の頭は冷えていく。
「こーのドッピンシャン! 弾切れじゃないか!」
ベラージョのチョップが敦志の脳天を直撃した。敦志の目ん玉が飛び出そうになる。
「ギャー!」
「よーし、こっちの番だぜ!」
ゴクレッドは剣を構えて振り上げた。
「吠えろケルベロスサーベル! トライヒートスレイヤー!」
三筋の赤い炎が巻き起こり、渦巻いてベラドンナ一味を襲った。
「うわあっ、こっちは生身だぞ、殺す気か」
敦志は生きているような火炎から必死に逃げた。
「散々撃ちまくっといて何いってんだ」
ゴクレッドはサーベルを動かして炎を操る。火の粉が舞い散り、煙が辺りに広がった。
煙にむせつつ、ベラージョは敦志に指示した。
「こうなったらメカを呼ぶんだよ!」
服が焼け焦げ、ベラージョは半裸だった。
よく器用に服だけ焼けるなあ、と敦志は感心する。
「なーにジロジロ見てんだよ、このスケベ!」
ベラージョのブーツが敦志の顔にヒットした。
「し、失礼しました、すぐ呼びます」
敦志はポケットからリモコンを取出し、操作した。
空が暗くなったかと思うと、亜超合金の巨人・ケーキクッターが降りてくる。
道幅いっぱいに足を広げ、ケーキクッターは地響きを起こした。
「うおーっ、すげえロボ持ってるなあ」
ゴクレッドは敵をうらやましく思い、また悔しがった。
前傾姿勢になって腹が空き、フタが足場になる。ベラージョたちはメカの内部へと駆け
込んだ。
「さーあ、メカ戦だよーっ!」
いつのまにやら、ベラージョの服は元に戻っていた。彼女の服は形状完全記憶素材でできている。
「ズラベラサッサ」
応えつつ、敦志はペダルを踏み、レバーを動かし、キーボードを操作した。
「ロックオン、ビームバルカン発射!」
ケーキクッターの腕から光の弾が無数に飛んで、ゴクレッドを襲う。ゴクレッドは駆け
回ってビーム弾を避けた。
商店街の歩道は穴だらけ、看板は倒れ、観葉植物は引っ繰り返る。
空襲のような騒音だ。
ゴクレンジャーは建物の影、電柱の裏に隠れてやり過ごした。
ケーキクッターのコックピットでは、ベラージョがメインモニターを見つめて握りこぶ
しを振っていた。
「なんだいなーんだい、当たらないじゃないか」
「ターゲットが小さいんですよ。対メカを想定して造りましたから」
「向こうはメカを持ってないみたいだねえ」
「メカを持ってる生徒は少ないですからね」
敦志は得意になる。
「何だか張り合いがないねえ」
ベラージョはつまらなそうにした。
その声に応えるように、ゴクレッドは炎を起こし、ゴクブルーは水流を発し、ゴクイエロー
は雷を飛ばし、ゴクホワイトは風の刃を投げる。
爆音が商店街に響き渡り、ケーキクッターの巨体が起き上がり小法師のように左右に
振られた。
コックピット内で、敦志たちは右へ左へ転がってぶつかりあった。
ベラージョは頭を下に、足を上にして、下敷きになった敦志に高い声を浴びせる。
「なんとかならないのかい、カラッカス!」
「バスルームなんて無理に造ったからバランスが悪いんですよ。でも、亜超合金の装甲はこ
のぐらいじゃ破れませんので」
「バスルームと言えば、私シャワー浴びてくるわ、昨日から入ってないんだから」
ベラージョはそそくさとバスルームのカーテンをめくって消えた。
しめた、と敦志は操作盤にしがみつき、拡声器のスイッチをオンにした。
「おい正義ども、聞こえるか! 今ベラージョ様は入浴中だ」
「それがどーした」
ゴクレッドが大声で返す。
敦志はマイクを握って呼び掛けた。
「風呂に入ってるとき襲ってはならない、校則にあるだろ! 攻撃をやめろ!」「そんな、卑怯だぞ」
「悪が卑怯で何が悪い、攻撃したら自治会にチクるぞ」
自治会のヘレネやクラマといった連中は正義・悪を越えて恐れられている。
「き、きたねー!」
ゴクレッドは体を震わせるが、なすすべなく剣を下ろした。
今のうち、と敦志はキーボードを打ち、あれこれのレバーやスイッチを操作した。
「街中じゃレーダーがうまく働かないな。五人も捕捉できないか」
「おい、カラッカス」
カーテンの向こうから声がするので、敦志はうるさそうに振り向いた。
「はい、なんですか」
「おまえ、私がシャワー浴びてるのに、何でのぞきに来ないんだい」
敦志の顔は真っ赤になった。
「はあ? 何でそんなことしなきゃならないんですか」
「天才担当の仕事だろ!」
「嫌ですよ、そんな変態みたいなこと」
カーテン越しに両者が言い合い、コックピットをうるさくする。
ちなみに、シャワーに使う水はエンジンの冷却水を利用している。エンジンが稼動すれ
ば水が温まって湯になり、シャワーとして使った湯はまた冷却水として使い、濾過・浄化し
てまたシャワーに使える。
何とも経済的だ。
「そういうものなんだよ、早くおし!」
「そんなこと言われてもなあ」
敦志が弱って横を見ると、ボケクサーは座って眠そうにしている。
「なんか、怪力担当に比べて天才担当の仕事、多すぎない?」
「そういうものでまんねん」
そう返されると、そうなのかなあと思ってしまう敦志だった。
「じゃあベラージョ様、のぞきますけど怒らないでくださいよ」
渋々ながら、敦志はシャワーカーテンを動かして、わずかに隙間を作った。
すぐさま黒い何かが敦志の額を襲う。
重い音が響き、敦志は倒れた。床に鉄アレイが落ちる。
(※よい子は真似しないでね!)
「つつ……、なんてもん投げるんですか!」
敦志は額をさすり、涙を流した。
「お約束だよ!」
「普通石けんとかでしょ! どっからもってきたんだよ」
めまいを起こしつつ、メインモニターを敦志が見ると、ゴクレンジャーは集まって武器
を合体させ、一つのランチャーを組み立てていた。
「し、しまった」
「こうなりゃ今週のハイライト! だよ!」
湯上がりのベラージョは、すでに衣裳を身につけて敦志の横にいた。
「うわっ、ホントすごい早着替えだな」
「ところで、コックピットメカがさっきから出ないねえ」
「急だったから、主砲発射のときに出るの一個だけ作りましたよ」
「仕方ないねえ、次はもっと作るんだよ」
「だから今回しか協力しないといったでしょう」
敦志はあわてて主砲・ビームカノンの発射用意をする。
ケーキクッターはお辞儀するようにし、首の後ろにある砲口をせり出させた。 ゴクレンジャーは五人でランチャーを支えて同時に叫ぶ。
「悪しき者に地獄の裁きを下す! ゴクダイナミックストライク!」
ランチャーが光の粒子を集めて、エネルギーを充填した。
「くそっ、こっちも発射!」
敦志がボタンを押すと、操作盤から機関車のキャラクターを改造した、小さなメカが飛
び出した。
「しゅほーはっしゃ! しゅっほーしゅっほーしゅっほっほっー」
歌いおわると、機関車のメカは戻っていなくなる。
どんなもんでしょう、と敦志はベラージョの顔をうかがった。
「こーんな余計なもん作ってんじゃないよ!」
ベラージョの平手打ちが敦志の顔面を襲う。
「いでっ、あんたが作れっつったんでしょう!」
「お約束のボケツッコミだろ」
敦志がコックピットメカを作り、ベラージョが突っ込む。これをやりたかったらしい。
「それだけのために作らせたのかよ……」
などと敦志が愚痴っている間に、ゴクランチャーが太い光線を吐いた。
ケーキクッターも砲口から強烈な光弾を撃ち出す。
「うわーっ、まだ微調整があったのにっ!」
二筋の光線はすれ違う。ケーキクッターのビームは目標をわずかにそれて地に当たり、
爆発を起こした。
ゴクダイナミックストライクは見事ケーキクッターの腹に命中、巨人は足を浮かし、背
から歩道に落ちた。
コックピット内で敦志たちは引っ繰り返って壁に打ち付けられた。
機能不良、復帰不能のアラームがなって、赤いランプが点滅する。
「うーん、負けか」
敦志は情けなさそうな顔をした。
その敦志の上で、ベラージョが指示した。
「カラッカス、自爆するしかないね」
「えっ、何でですか」
「負けたら爆発するんだよ!」
「そんな、修理すればまだまだ使えますよ!」
「うるさーい、偉大な先輩がたにならうんだよ!」
ベラージョは操作盤にはい上がり、黄色と黒の四角に縁取られた丸い赤ボタンを押した。
敦志の悲鳴、つづく閃光。大音がとどろいて、熱波が商店街に広がる。大地は大きく揺れ、
ネジや歯車が雨のように、周囲に降り注いだ。
敦志たちは吹っ飛ばされて、岩場に落ちていた。
ベラージョはパーマがかかった髪になり、黒い顔をして、ぼろぼろの服は辛うじて体に
張りついている。
「爆発のキノコ雲をドクロの形にしなきゃダメじゃないか」
「そんなこと、知りませんよ」
敦志は自分が生きている奇跡に感謝した。
ボケクサーも半裸で真っ黒だが無事のようだ。
「あんた、よくあんなのと一緒にいられるね」
敦志が感心してボケクサーに言うと、ボケクサーはにんまり笑って大きな歯を見せた。
「おまえもきっと、ベラージョ様の部下になりたがるまんねん」
「冗談じゃない、これっきりにさせてもらうよ」
ベラージョは辺りを見回し、きいた。
「三人乗り自転車はないのかい」
敦志はいらだち、語気を荒くした。
「ありませんよ!」
「次から用意しとくんだよ」
「もう二度とあんたらとは組みません!」
二人が言い合っていると、空に暗雲が渦巻いた。妖しい雲には顔のようなものが浮かぶ。
「ドラー! 我輩マンドラゴラだゴラー!」
威厳ありそうな声が空に響くと、ベラージョとボケクサーはひれ伏した。
「マンドラゴラ様ー!」
なんだあれは、と敦志は不思議がって見上げていた。
「何してんだいカラッカス、マンドラゴラ様にひれ伏すんだよ!」
ベラージョが言い付け、ボケクサーが敦志を引き倒す。
あんなものがいるということは、ベラボーンの話はベラージョの妄想ではなく、本当に
存在するのか、と敦志は打たれたような思いだ。
「正義に負けたなゴラー!」
「で、ですがベラボーンはこの通り」
ベラージョは棒をかざした。
「こーのドラポンタン、それはただの生地をのばす棒だゴラー!」
「そ、そんなー!」
「ライダーの特訓よりきつい猛特訓だゴラー!」
敦志は地に手をつきつつ、頭を傾けた。
「でも、その棒がベラボーンだって言ったのはマンドラゴラ様なんでしょ?」
怒りを表すように、暗雲は青い雷を光らせた。
「ドラー! 我輩が悪いというのかゴラー!」
「めっそうもございません、こら、カラッカス!」
ベラージョが敦志を叱り付けるが、もう遅い。
黒い雲から稲妻が落ちて、地面を焼いた。
ベラージョたちは叫んで逃げ出した。雷は何度も光って、敦志たちの背後に落ちる。大気
を引き裂く音が何度も鳴り響いた。
ついに雷が三人に直撃し、敦志たちは感電して骨格をよく見せる。
岩場に煙が立ちのぼった。
翌日、敦志はまた地下格納庫で、パソコンの前に座っていた。
全身火傷の重傷だったが、ドクトル・マザーの治療で、所々湿布や絆創膏は貼っている
ものの、動けるようにはなった。
「ちくしょう、なんだってんだ」
敦志はキーボードを打ち、また一からメカを設計していた。今も体中が痛んだ。
「ちくしょう、ふざけやがって。なんなんだ」
自然と憎まれ口が出る。体のあちこちが痛むが、それ以上に敦志には腹立たしいことが
あった。
思い出される、ベラージョに言われたあの言葉だ。
(おまえは何にもわかっちゃいないよ。本当に大事なのはねえ、生きることを楽しむってこ
とだよ。人生の喜び、幸せだよ!)
敦志の耳に残って離れなかった。
「楽しそうにしやがって。ちくしょう」
あんなに楽しそうにする人間を、敦志はこれまで見たことがなかった。
「ちくしょう……楽しそうだったなあ……」
独り言が、ひどくむなしかった。
慣れた地下格納庫が、敦志にはやけに広く感じた。
メカがなくなったからだ、と敦志は思い込もうとした。
だが、そうではなかった。
敦志には悔しいが、嵐のようにやってきたベラージョが、今はいないからだ。
「ちくしょう……。なんなんだよ」
地下格納庫は恐ろしく静かだった。認めまいとしたが、敦志はどうしようもないさみし
さを感じずにいられなかった。
敦志の目に涙があふれた。
(ああ、そうだ、俺は生きることを楽しまなかった! 人生の喜び、幸せ、そんなものは知
らなかった! 大事なのは楽しむことだ!)
敦志は顔を覆い、声を上げて泣いた。
(復讐のために生きてきた。世の中に、社会に復讐するために。それだけのために。すべて
を呪って生きてきた。ああ、くだらないことに時間を使ったものだ! 俺は人生を無駄に
過ごした、楽しむことをしなかった。取り返しのつかない人生を無駄にしてしまった!)
「ちくしょう! ちくしょう!」
俺は不幸だ、人生を楽しまなかった、不幸だ、不幸だ。俺は馬鹿だ、俺は馬鹿だ、と敦志
は嘆き、泣き続けた。
「おまえ何泣いてんだい、カラッカス」
背後で声が声がする。敦志が振り向くと、ベラージョが立っていた。
「ベラージョ……様」
敦志は鼻をすすり、涙をそででふいた。
「おまえのために、コスチュームを作ってきてやったよ」
ベラージョが服を見せた。水色のツーピースとゴーグルだ。
「俺のために……」
「おまえはベラドンナの天才担当、カラッカスだからね」
ベラージョがにこやかに服を差し出す。敦志は震える手で、服を受け取った。
「さあ、まずはインチキ商売をするんだよ」
「インチキ商売?」
「インチキ商売で金を稼いで、その金でメカを作るんだよ!」
命令するベラージョは本当に楽しそうだ。生きる力がみなぎるのを感じさせる。
となりで、笑顔のボケクサーが敦志を見ていた。
「は……ズラベラサッサ!」
力強く応え、敦志は敬礼した。
こうして、三悪・ベラドンナ一味が誕生した。
終了 初めてさるさんと言うものを食らった
出演
ベラドンナ一味
ベラージョ:お色気担当。悪部・機械科?
クラシックな三悪をめざしている。
花のベラドンナと、ベラベラしゃべる、が名前の由来。
でもベラドンナの花言葉は「沈黙」。
カラッカス:天才担当。本名は大野敦志。悪部・機械科。
人生がうまく行かず世の中を恨んでいたが、ベラージョに出会って改心(?)。
名前の由来は花のクロッカス。花言葉は「信頼」「青春の喜び」。
ボケクサー:怪力担当。悪部・機械科?
あまり目立たない。名前の由来は草木瓜(くさぼけ)。
マンドラゴラ様:大ボス。謎の存在。
ゴクレンジャーは別の某戦隊スレで自分が書いたのを持ってきた
煉獄戦隊ゴクレンジャー
地獄の怪獣に選ばれ、守護獣とし、神々と戦う戦士たち。
・ゴクレッド:通常時の名前は犬飼健(つよし)。男子生徒。正義部・戦隊科。
カラーは赤、守護獣はケルベロス。
掛け声は「業火の猛犬! ゴクレッド!」
武器:ケルベロスサーベル必殺技:「トライヒートスレイヤー」。
・ゴクブルー:大海清二。男子生徒。
青、クラーケン。「深海の大王! ゴクブルー!」
武器:クラーケンビュート、技:「アクアストリームクラッシュ」
・ゴクイエロー:木村黄葉(もみじ)。女子生徒。
黄、キメラ。「迅雷の複合獣! ゴクイエロー!」
武器:キメラクラブ、技:「サンダーボルトスパーク」
・ゴクブラック:黒岩剛(ごう)。男子生徒。
黒、ゴーレム。「鉄壁の巨人! ゴクブラック!」
武器:ゴーレムハンマー、技:「ヘビーアイアンブレイク」
・ゴクホワイト:白銀麗(しろがねれい)。女子生徒。
白、グリフォン。「疾風の翼! ゴクホワイト!」
武器:グリフォンフルーレ、技:「ラピッドウィンドスラッシュ」
五人揃って「神をも恐れぬ地獄の軍団! ゴクレンジャー!」
私の名前はリョウコ。ファンガイアの女王
人は私をクイーンと呼ぶ。
後輩のエリカがアンゴルモアに捕まったのを助けに来ているわ。
先程から私に変身をしろと急かすのは、同級生のジュリだ。
彼女は妹をさらわれてしまったので、一緒に助けに来たの。
「どうした?変身しないのか、ならばこちらから行くぞ。変身!!」
ファンガイアの変身と少し似ている気がするわ。
何かしら鷹の翼と上半身、ライオンの下半身をもっているみたい。
グリフォンレジェンドルガ
グリフォンの伝承を残す戦士。一族最速のスピードを誇っている。
レジェンドルガ族の王仮面ライダーアークの手下で桁外れの腕力と防御力も兼ね備る。
岩のよう表皮は並みの武器で攻撃しても武器が壊れてしまう強度を持ち、前線では仲間の盾となって
戦う事が多い。空を飛び敵にも襲い掛かる。
「我が名はグリフォン。」
(もしかしてキングはこの事を知っていたの。だからクイーンの力を使うなと……。)
困ったわ。
私の実家は放任主義だったから、特にお父様やお母様からも厳しく躾けられることも無かった。
そんなお母様が唯一私に小さい頃から言い聞かせていた事があった。
それは……
「レジェンドルガに関わってはならない。見ざる言わざる聞かざる。で通す。」
レジェンドルガは強力で狡賢い。
昔ファンガイアとレジェンドルガは敵対関係にあり、現在の表面的友好状態を築くのに多大なる犠牲を払った
しかし一部のレジェンドルガはそれを良く思っておらず、
次期クイーンの私がトラブルとファンガイア全体に因縁をつけてくるからというのが理由だったわ。
実際、入学した当初、そうと知らずに次期 レジェンドルガ王と戦ってしまった際には、
お父様とお母様が菓子折りを持って先方の実家に謝りにいき一週間通いつめることで
ようやく許しを得たみたい。もちろん私も夏休みに帰省した際にはこってりしぼられたわ。
でも友達を助けただけなのに、何故謝らなければならないのか。
正義部にいるのだから正義らしくすればいい。運命だからとしかお母様は答えてくれなかった。
「じゃあどうすれば良かったのか?」
お母様の答えはこうだった。
「殴られるのを見たら、気がつかないフリをすれば良い。
もし友達が殴られるのを見たくなかったら、自分が向こうの気の済むまで殴られれば良かった。
それを手を出すなんてもってのほか」
私にはクイーンとしての自覚が足りないんですって。
「こんなことではクイーンは継がせるわけにはいかない。」
お母様からクイーンとして、叱責を受けたのはそれが初めてだった。
「上に立つものは、時に痛みに耐えることをしなければなりません。」
痛みに耐えるというのは、私にはまだよくわからない。
とにかく私は次にトラブルを起こしたら、クイーン候補から外すと宣告されてしまったわ。
それくらいお母様はお怒りでいらっしゃったの。
実際は寮暮らしのだから、何かトラブルになってもわからないのだけれど、
お目付け役のビショップがどこで目を光らせているかわからないから油断は禁物なの。
「私の立ち振る舞いでもし気分を害されたならこの通り謝ります。
私はどうなっても構いません。だから二人だけは助けて貰えませんか?」
両手両膝を地面につきながらふと考えてしまう。
私は何のためにクイーンになるのだろうか
横ではアギトが、背後ではガタックとシャダイムが今も戦っているのに……。
こんな相手に許しを請うなんてどうかしてると思われるかもしれない。
「ファンガイアってのは腰抜けの集まりなんだねぇ。
どうなってもって言ったわよね?
じゃか、こんなことしても良いわけよね?」
後頭部に強い衝撃を感じ、頭が地面に無理矢理付けられる。
「ううう。」
私の唸り声が空しく響く。
「あれ?どうしたのかなぁ?」
「……。」
「お詫びの声が聞こえなくなったなぁ。」
グリフォンが底意地の悪さを発揮する。
「不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」
蚊の鳴くような声でポツリと呟く、
時間がとても長く感じられる。
「いい加減にしろ。ここでお前がそんな事をしても
こいつらが二人を返す保証なんてどこにもないんだぞ!」
アギトが何か喚いている。
黙れ人間風情が。
「私一人のためにファンガイアを危険に晒すことはできないのよ!」
「おやおや、本当に仲間割れかいあははは。
こんなのがクイーンじゃぁ、キングってのも大した事無さそうだねぇ!
いっそファンガイアなんか滅ぼしちまおうか」
「今なんて言った?」
体がブルブルと怒りに震わせながら尋ねる。
「こんなだらしないのがクイーンなら、ファンガイアもたいしたことないって言ったんだよ。」
「その先よ。」
「キングも名前負けするんじゃないかって言ったんだけど?」
頭に来たのは本当はその先なんだけど、もう聞くのはやめ。
貴方は知らない。彼が影でコツコツ努力していたり、人知れず試験前に図書館で勉強していることを……。
ファンガイアをどう導けば良いのか。悩んでいたことも。
「取り消せ。キングを侮辱したことを……。ファンガイアを侮辱したことを!!!」
「なんだい急に?」
無理矢理起き上がる。
「現れよ。守護神ククルカン…」
お母様ごめんない。私はクイーンに成りたいの。
でもファンガイアを馬鹿にされて、
キングを馬鹿にされてそれでも黙っていることなんて出来ないわ。
ククルカンが私の体に巻きつく。
それにお母様…これはキングの言いつけを破ることにはならないの。
これはクイーンの力ではなく、私本来の力だから。
でもこんなのへ理屈なのかしらね。
「変身!!」
私の言葉に反応し
肩と水平にした右掌に現れた創造神の紋章にククルカンが噛み付く。
「貴方を永遠の夜へと導くもの…仮面ライダーサガ」
ククルカン(別名 ヤマタノオロチ)
8つの頭と8本の尾を持ち、
目はホオズキのように真っ赤な大蛇
リョウコが生まれたときから契約している蛇神で、リョウコの血を吸う事でリョウコに秘められた魔力を活性化させる。
仮面ライダーサガ
リョウコがサガの鎧をまとった姿。モチーフはヘビで、基本カラーは銀
変身用キー兼汎用武器・ジャコーダーをバックル右側のジャコーダースロットにインサートする事で
ククルカンに変身の意思を伝え、変身が完了する。
【種別】 ライダー
【名前】 仮面ライダーサガ
【身長】 205センチ
【体重】 110キロ
【パンチ力】 20トン
【キック力】 35トン
【ジャンプ力】 ひと跳び290メートル
【走力】 100メートルを1.5秒
サガの鎧
キングの持つキバの鎧と同じ性能を持つ、魔皇石による装着者自身の魔力増大と、
専用ツールを用いて、ククルカンに意思を伝えることで変身を完了するというメカニカルな側面を併せ持つ
これが私本来の力…
「一つだけ全てを丸く収める方法があるの。」
「なんだ?」
「貴方達をこの世から消滅させて、朝までに寮に帰れば万事解決なのよ。」
「な…何を…」
いくわよ。ククルカン!
「誇り高きファンガイアのキングを…。
そして全てのファンガイアを侮辱したおろか者を処刑するのがクイーンになる私の役目」
グリフォンが翼を広げ空中へと退避する。
「無駄よ。私は創造する者、
逃げる場所などどこにもないわ。」
私が右手を地面にかざすと、足元の土が盛り上がりあっという間に
グリフォンと同じ視点になった。
サガの登場で逆転の兆しが見え始める戦局。
しかしシャダイムとの戦いでカブトの体に戦いに異変が…。
そしてよみがえりの儀式が…。
次回「覚醒」お楽しみに
376 :
◆31P.4mZG16 :2008/12/15(月) 22:26:17 ID:uKIhQhr9
>>370 乙
俺も小説投稿するときなるなぁ
この板だけ連続規制が激しいってはずは無いんだけど…。
wikiに載せちゃって良いなら、ついでのときに載せようか?
すみません。
sage忘れてました
>>376 乙ですー 毎度の投下に頭が下がる思い
設定がしっかりしてるね
規制は10レスくらいでしょうか 容量も関係あるのだろうか
ウィキの方よろしければお願いします ヘタレで申し訳ない
乙
価値観色々やね
>>370 乙です。ベラドンナ様可愛いよベラドンナ様
ヒーローや悪党にも色んなタイプがいて楽しいw
最近見ない人たちも余力があったら、また色々書いてくれるといいな
個人的にはヒルトの話が気になる
月明かりの差し込む寂れた廃工場に二人の人影が走りこんでくる。
それを追うように悠々と歩きながら立ち塞がる一人の男。
「くッ! 髑髏の男ッ!」
ヒーロー学園に所属する八月朔姉妹は
頻発する幼児誘拐事件の影にゴーストの魔の手が
迫っていることをいち早く探知し、単独で捜査に乗り出していた。
「誘拐もあんたの仕業なの?」
「……」
「沈黙は肯定と受け取るわッ!! 姉妹拳 隠烈剛ッ!!」
先人のバイクロッサーが編み出した技”兄弟拳”
気持ちの通いあった姉妹こそ可能にする、卓越したコンビネーションが
”髑髏の男”と呼ばれた骸骨のマスクに被る怪人に向けられた。
姉が先行し妹が背後に隠れ目をくらますと
跳躍した妹の蹴りが髑髏の怪人へと放たれる、その瞬間。
何時の間にか背後に回りこんでいた、髑髏の男の蹴りが姉の体を跳ね飛ばし
滞空していた妹の体ともつれ合うと、地面に叩きつけた。
「くぁぁッ!?」
「何時の間に…背後に……」
空中で蹴り上げた足を返し、その場から立ち上がろうとする
妹の頭上へと髑髏の放つ、カカト落としが振り下ろされる寸前。
空気を引き裂く音と共に何者かの攻撃がその攻撃を弾き飛ばした。
「二人とも、無事か?」
「イミテーション……来たか」
「!?」
八月朔姉妹と髑髏、両者の間を分け入るように現れた。
”仮面ライダー”はその言葉に肩を震わせる、組織に生み出された
様々な改造人間の内、最も優秀な性能を示したバッタ怪人。
”オリジナル”の活躍から量産配備が積極的に進められた
ライダーシリーズの一人である壮年の男は”イミテーション”と呼んだ
髑髏の男と向かいあうと変身の構えを取る。
「私は形ばかりは”まがい物”かもしれん
しかし確かに受け継いだのだ……正義の心をッ!!」
「フン……それも”まがい物”でなければいいがな」
「変身!」
腰のベルトが回転し内部動力源が作動、たちまち男は仮面ライダーへと
姿を変えると髑髏とへと突きを放つ、拳が空を切り、たちまち向かい合っての打ち合いとなった。
髑髏の姿が不意に眼前から姿を消し、周囲からの殺気を感じたライダーは
身を翻しその場から飛びのいた。
「これは、”加速装置”!?」
「気づいた所で……もう遅いッ!!」
次々と繰り出される極音速の攻撃に、ライダーの男はたちまち劣勢に立たされ。
体力の限界に達しその場に膝をつき崩れかかる。
「膝をついたな……それがお前の限界だ、イミテーション!」
「ライダー、オーバードサイクロン!!」
加速中に蹴りを放つ髑髏の男のとどめに対し
ライダーのベルトが煌々と輝くと驚異的なスピードで放たれた回し蹴りが
髑髏の体を迎撃する、限界まで高めたパワーの出力が敵の加速力を一瞬上回ったのだ。
「チッ、俺のボディに傷を……決着はお預けだな、仮面ライダー」
暗闇に笑みをたたえ髑髏の燐光が浮かび上がる、変身が解けその場に崩れ落ちた男に
八月朔姉妹が駆け寄り周囲を見渡すと、ゴースト(亡霊)は何処かへと姿を消した。
乙 いいよー
>>93からのつながりかな
量産型バッタ怪人対加速装置か 熱いなw
所属不明の謎の怪人”髑髏の男”との戦闘から一夜が明けた。
ヒーロー学園の地下にある救急保健室では、夜を徹しての手術を終えた
男の治療が終わり、八月朔姉妹とクロノの付き添いの元、病室へと運ばれてゆく。
「博士、一之瀬さんの容態は……?」
「体を無理に酷使したおかげで人口筋繊維が寸断されとったよ。
何より頚椎へのダメージが深刻じゃな……引退を考えるよう
君からも説得しておいてくれ」
仮面ライダーの力の源となるベルトの風車(タイフーン)
肉体の耐久力を上回る出力で技を放った結果、一之瀬の脊椎は
その衝撃に耐えることが出来なかったのだ。
「!? そんな……」
ヒーロー学園はいわば一つの国、治外法権として
肉体の改造手術が認められているものの、脳や脊椎などの複製は禁じられている。
中枢神経に対する損傷は、すなわち戦闘不能を意味するのだ。
病室のベットに横たえられた一之瀬は目を覚ますと、クロノの名前を呼んだ。
「黒野……来ていたか、後輩達は無事か?」
「はい、八月朔達は幸いスーツのおかげで損傷はありません」
「申し訳ありませんでした、私達が出過ぎた真似をしたばかりに……」
姉妹はベッドの横に立つと先輩である一之瀬に深々と頭を下げた。
しっかり者の妹とは違い、気弱な姉は目に涙を浮かべ今にも泣き崩れそうだ。
「何を泣くことがある、皆無事だったんだ気にすることはない」
「ふぇ、で、でも!」
「敵わんな」
娘ほどの年頃の女に泣かれ、一之瀬は弱った様子で頭を掻き苦笑いすると
黒野は彼女達に退席するよう勧めた。
「……行ったか?」
「えぇ、一之瀬さん、一体何があったんです?
あなたほどの実力者がここまで追い込まれてしまうなんて」
「亡霊に会ったよ、奴はそう……”スカルマン”」
一之瀬のその言葉に黒野は驚愕の表情を浮かべる。
かつてスカルマンという名の怪人は確かに存在していた。
ヒーロー創世記に誕生した”黄金バット”に似た姿を持つ異形の怪人。
「し、しかしスカルマンは既に死亡した筈!」
「確かに奴は死に、後にスカルマスクのみが残された。
しかし残された”スカルマスク”の行き先はようとして知れん」
「何者かが彼の遺物を手にしたと?」
少なくとも純正の加速装置を扱える怪人はスカルマン以外に存在しない。
システムにより加速する機能は一部のライダーに備え付けられているものの
持続時間や加速に伴う危険性の問題は一向に解決の糸口が見えない、
ブラックボックスに近い、ロストテクノロジーなのだ。
「すまないな、我々が不甲斐無いばかりに
君達若者にまで、危険を残してしまう形になってしまった」
「危険はもとより覚悟の上です、伊達に悪の教員はやっていませんから」
「皆を……頼んだぞ」
黒野はその場から立ち上がり拳を握りながら微笑むと、
一之瀬を病室に残し、その場を後にした。
「悪には悪なりの筋の通し方があります」
黒野は心の内に潜む悪意を眼鏡の奥に揺らめく眼光に潜め静かに歩き出した。
あれがクイーンの変身……
聞いたことは何度もあるが、実際に目撃するのは初めてのこと
あのキングにして唯一父親以外で頭が上がらない存在と言っていたから
きっとあの優雅な外見からは、想像もできないような力を秘めているじゃろう。
それをじっくり見学するゆとりは、今のわらわにはない。
「何をブツブツ言っているの?」
背中合わせのシャダイムめがわらわに話しかける。
「あやつらは痛みを感じんのじゃろうか?」
「さっきから私達の必殺技を受けて平然としているし、もしかしたら……。」
「それはいかんじゃろうて。」
「ええ…。ダメージは確実に体に残ってるはずだし
これ以上の攻撃は危険ね。」
「ではどうする?」
「あと一発で戦闘不能にする。そしてベルトから変身ツールを剥ぎ取る。」
そんなに上手くいくんじゃろうか。
楽観的な作戦に一抹の不安がよぎった。
「来るわよ!」
「こっちもじゃ。」
デルタの奴……何か改造を受けたんじゃろうか。
わらわのガタックのクロックアップと同等……
もしくは向こうの方が若干スピードが早いような気がする。
最初はシャダイムが無効化しているのかと思っておったのじゃが、どうやらそういうわけではないようじゃ。
「ユイは忍者ライダーなのよ。仮面ライダーゼクロスから直々に鍛えられたの。
あれでも秘蔵っ子なのよ。」
演習のときより剣の腕が上がってるのはそういうわけじゃったか。
しかしこのままでは鬼ごっこのようで埒があかない。
手裏剣を避けながら考える。
「ん!!しまった!この位置は……。」
両胸に手裏剣が刺さり爆発すると、わらわは真っ逆さまに地面へと落ちた。
「どうしたの?
クロックアップ状態だと私には、たまに見えないことがあるから……。」
「気にするでない。そっち(エリカ)に集中するのじゃ。」
言えるわけが無い。
デルタがシャダイムがわらわ達を見失っている上で、手裏剣をわらわではなくシャダイムに向かって投げたなどと
今の手裏剣は避けたら、間違いなくシャダイムの急所に当たっていた。
完全に我を失ってしまっておるのじゃな。
左胸を擦りながらデルタをにらみつける。わらわは負けるわけにはいかんのじゃ!
そのとき
『我は…』
頭の中に若々しい男の声が聞こえた。
『我は待っていた。』
(誰じゃ?)
『我が名はミスラ……。我が名は光の精霊ミスラ……。
我は待っていた汝が弱き者のために、我が身を犠牲にすることも厭わない勇敢なる心を持つことを……。
我は待っていた汝が我と新の契約を結ぶ器となることを……。
汝に問う!!光に何を望む』
(急に言われてものぉ、
わらわは母上のように皆から頼られるような女王になりたいだけじゃからのぉ。
誰もを導いてやれるような女王になりたいもんじゃ。)
『我が与えよう。
漆黒の闇を打ち払い、道標となる光となり全てを導く力を……。
我が汝に与えよう。』
不意に聞こえていた声が聞こえなくなり、全身が黄色く光り出す。
『さぁ、 叫べ。 いざ参ろう。 変身!』
「聞きたいことはあるんじゃが、まずは片付けるとしよう 変身!」
いつ以来じゃろう?こんなに胸が高鳴るのは……。
「光の軍神ハイパーガタックじゃ。」
ハイパーガタック
戦いの神(軍神)ガタックと光の精霊ミスラの力が合体して一つになった。
その能力はガタックの数倍。
常時、超光速スピードでの戦闘が可能なだけでなく、一度行った事のある場所へのテレポーテーションも可能。
テレポーテーションのやり方
掌を丸めた状態で合わせ、そこから発光する鏡を出す。光が鏡に反射する性質を利用し、自身を光線に変換してテレポーテーションを行う。
このように体が自在に光となるため、触れることはかなり難しい
ハイパーガタックキックは邪悪な力を消滅させる特性を持つ。
またアマテラスという光の剣も装備品としてあるが、現在はあまりの威力のためどこかに厳重に封印されている。
(いくらデルタが改造を受け、超音速で行動したとしても、今の汝ならまるでスローモーションを見るかのようであろう。)
「それはそうじゃが……。そなたはいつからわらわに付いておるのじゃ?
真の契約とはどういう意味じゃ?」
(ヘレネよ。汝の能力が妖力だけで可能な芸当か考えてみよ。
光を乱反射させ、姿を誤認させることなど我が力を持ってすれば児戯の等しい!!)
「自信家じゃのぉ、母上のアディティとは偉い違いじゃ。」
(汝は豊富な知識が有る故に、判断が早すぎることがある故にな。
例えば敵が90の攻撃力があったとして、汝が60の防御力だったらもう諦めてしまう。
ブレーキを踏むのが早すぎるのだ。)
「何でもっと早く出てこんかったのじゃ?」
(自分で決心しなければならんのだ。馬鹿になるということは、もしかしたら死ぬこともあるかもしれんからな。
まぁ我がいるから大船に乗った気で大丈夫だ。)
「正式な契約というのはそういう意味じゃったのか……。」
(馬鹿になれは言い過ぎたが、もう少し冒険しても良いのではないか。
豊富な知識とチャレンジ精神…それを合わせ持つ者は天才と呼ばれる。
汝の場合はそれを目指せ。だからこの辺で手を打つのが打倒だと思ってな。)
言いたいことがわかったようなわからないような。
手裏剣がゆっくりに見える。
ほんの数分前とは別世界のようじゃ
シャダイムが見当違いの方向を見ておる。
これが超光速の世界……
(気づいておるか?かわせるということは、見えているということだ。
見えているということは、反撃も可能ということだ。
臆するな。光をよけることなど不可能…)
「ライダーキック!!!」
デルタのベルトを狙ってキックを放つ。
キックは見事命中し、携帯電話が外れ地面にコツンと落ちた。
デルタの変身が解けたそのとき
ハルカとエリカの戦いにも動きが……。
そしてリョウコが一ヶ月の猶予が与えられた本当の理由をしったとき
大地震が四人を襲う……。
次回「恐るべき野望」ご期待ください
>>378 了解。
ただいつになるかわからんから、気が向いたら自分でもトライしてみてください。
wikiにヘルプとか付けた方が良いのかなぁ。
TOPのイラストととかは募集中です
たーけやーぁ、さおーだけーぇ
ふとん竿、ものほし竿の大安売り
二本で千円、二本で千円、二十年前のお値段です
スピーカーから流れるお決まりの宣伝文句を垂れ流し(Vo:ヒルト)
住宅街の合間をぬって竿竹屋のトラックが走り抜ける。
「ふははは、スタグフレーションを無視した竿竹屋で
セルフ不景気を起こし、いつもとは違った自分をアピールしてやるぜ」(スイーツ)
近所迷惑な騒音を近所のおばさんに咎められると
ヒルトはヘコヘコと頭を下げ、素直に音量を落とし、再び走り始める。
「お? ヒルトじゃないか」
「きやがったな、正義の味方!」
道路脇をすれ違った男に声をかけられると、トラウマスイッチが入った
ヒルトはトラックのフロントガラスを打ち破りながら、颯爽と道路へと飛び降り。
背後から惰性で走行してきたトラックに轢かれた。
「ぐふぅ!」
「自分で運転してた車に轢かれるなよッ!」
「クッ! ここは俺に任せて、構わず先に行けッ!」
言ってみたかった台詞を言うチャンスに恵まれ、ヒルトは満足そうに息を引き取った。
「俺が殺したみたいなアフレコつけるなッ!」(メタ発言自重)
「それはそうとこんな所で何やってるんです、ノブっち?」
「仕事だよ仕事、興信所のな、あとノブっち言うの止めてくれ」
ヒルトが車の下からしゃかしゃかと不快な動きで這い出しながら話しかけると
手に持ったカバンを叩きながらノブは答えた。
ヒーロー学園に入学した生徒がみな卒業し、デビューできる訳ではない。
かのカゲスターと同じく、影を操る能力を持つ男、ノブも中途でヒーロー学園を抜け、
フリーランスとして活動している男の一人だ。
「影を使って下着ドロとか盗撮とかするんですね」
「犯罪じゃねぇの……そういう連中を見つける方だよ」
「ミイラ取りがミイラ……」
ヒルトの言葉を遮るようにノブのカバンがヒットする。
「”言いたい事は明日言え”……第十三魔法師団イルーゼ・シュミット・イッセルシュタット見参!」
そのやり取りを遠巻きに観察していたイルーゼが塀の上で高笑いしながら現れ。
軽やかに塀から足を踏み外すと派手に尻餅をついた。
慌てて走り寄ってきたヒルトが手を貸し、その場から彼女を助け起こし声をかける。
「だ、大丈夫か?」
「えッ……」
昨年度、学園内で話題が合わせ辛い女bPに選ばれた
イシイさんは男免疫が欠乏している上。優しくされる事に慣れていない為。
思わずヒルトから目を逸らし顔を紅潮させた。
(ま、まぁ…カワイイは正義と言うしな…うふふ
今日は化粧のノリも良かったし、公園の一件から始めた
下半身痩せダイエットの効果があったに違いない、そ、それに……)
「フゥ……良かった、道路のアスファルトは無事だ。
国民の血税がイルーゼのメガトンヒップで粉々に割られる所だったぜ」
自己賞賛を始めたイルーゼの思考を遮るように、ヒルトがセクハラ発言を放ち
死亡フラグを立てると、ヒルトの頭部へと杖を向けたイルーゼが至近距離で呪文を詠唱する。
「……さ、仕事、仕事」
ことなかれ主義のノブっちは、目の前で繰り広げられる惨劇を横目にその場を立ち去ったのだった。
390 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 12:03:05 ID:Uqg7d7/p
盛り上がってるな
どうしたんだ
この盛況ぶりは
久々にヒルトを見かけるとにやにやするな、乙!!
ゴースト関連の殺伐っぷりとヒルト達のまったり馴れ合いっぷりがたまらん
イシイさん可愛いよイシイさん
自分が学園の生徒なら、是非お近づきになりたいw
392 :
1:2008/12/18(木) 17:15:50 ID:XYHJ50U3
戦隊科特別授業にて。
巨大なスクリーンに、日本地図が表示されている。
日本地図はいくつか色分けされており、色とりどりの色は重なるが多く
ゴチャゴチャしていて、非常に見難い地図だった。全てが塗りつぶされている。
「なんの地図ですか、これ」
「地図というか…分布図?」
「重複してる箇所が多すぎるなあ」
生徒達は首を横やナナメにして地図を見てみたが、まったくもって見難かった。
ユーザービリティの一つも考えて欲しい感じである。
「そうだ、これは学園のデータバンクから起こしたとある分布図だ。
何の分布図だか、わかるか?」
戦隊科特別授業担当の牧田助教授がトントンと画面を叩く。
彼は昔とある戦隊のブルーだったらしい。
授業がない時は戦隊科のロボット開発にも着手している。
中島ユキオは自分達の出身地もその中に入っているのに気がついた。
真っ赤だ。その真っ赤な上に、別のトーンが塗りこまれている。
「おい、シン。あれってさ」
隣の席の原田シンをつついたが、彼はうつらうつらと舟を漕いでいた。
昼休みの次の授業だ、眠たくなるのはわかるが、思わず頭をはたく。
「痛ッ!」
「だからお前は女に負けるんだよ!」
「なッ…いやあれは女だから手加減したんだよ!!」
「ちょww手加減とかwwwwwwwwシン君マジクールですねwwwwww」
後ろの席にいた荻野ショウジがにやにや笑いながらシンの頭をこづいた。
「るせーな、わかってるよ!サーグオンの連中にまで散々笑われたよ!
油断した俺が悪かったですー!」
ギャアギャアと喚く三人のところへ、シュッとチョークが飛んできた。
「「「!!!!」」」
ドゴォオンッ
チョークはシンの座っていた机に着弾するなり、
爆音と真っ白な粉塵を撒き散らし、爆風で三人はおろか、
周囲に座っていた生徒達まで薙ぎ払った。
数名がバラバラと空中に投げ出され、机や椅子や床に叩きつけられた。
腐っても戦隊科である、皆受身はとったものの、机や椅子の上に落ちたのでは
あまりダメージ軽減とは行かなかったようで、うめき声が聞こえた。
「授業の妨げになる。雑談をするな」
「す、すみません…でした…」
「も、もうしません……」
ビシっとチョークを突きつけられて原田達が口々に謝罪するが、
その様子を見ていた他の無事な生徒達は罪もない生徒まで巻き込む方が
授業妨害なのでは……と恐れおののいており、巻き込まれた生徒達は
恨めしげに三人を睨んでいた。
393 :
2:2008/12/18(木) 17:17:57 ID:XYHJ50U3
「では、授業を再開するぞ、席に着け。
これは、今までに日本で活動が確認された組織の分布図だ。
見ての通り、活動エリアが重複する箇所が非常に多い。
主にその組織に所属する怪人が現れたエリアを活動エリアとして概算している」
生徒達は、教師の言葉に画面を改めてみたが、地図を塗りつぶす色、色、色の海に
驚愕の声を漏らした。これでは、ありえないほどに悪の組織が存在し、日本地図に
色のついていないところはないと言ってよかった。
小さな離島ですら、活動エリアに入っている。
「あの、活動エリアが重複している組織が多すぎませんか?」
おずおずと一人が挙手しながら質問すると、牧田助教授は大きく頷いた。
「活動期間が重なっていない組織が数多くある。一つの組織が滅んでも、
生き残った人材とノウハウ、技術、財産を受け継いで新しい組織が出来る事もある。
イタチゴッコというやつだ」
「今活動している組織の分布図はないんですか?」
「今でも、学園でわざわざ悪の組織の人材を育成しているんですよね?」
「悪の組織への助長ではないでしょうか」
バラバラと学生達が質問を始める。その質問に牧田は一つ一つ答えて言った。
「まず、現在活動が確認されている『生きている組織』の分布図だ」
画面が切り替わった。先ほどよりはだいぶマシになったが、やはり日本全国
津々浦々全てが塗りつぶされ、明らかに重複している箇所が多すぎた。
「やはり重複している組織は多い。協定を結んでいるという訳でもなし、
根っこが同じ組織だったというものは同エリアに入れてあるから、この図は
全く別々の組織であると考えてもらっていい。
次に、諸君らが一番疑問に思っている事だろうが、
『何故、悪の組織の人員も一緒に育てるのか?』という事だが」
牧田助教授は険しい顔になった。
眉間にはしわがより、何か、苦痛とか怒りだとか、
そんな何かに耐えるような表情だった。
「これこそが、この学園の最大の目的と言ってもいい。
とはいえ、私が答えたこの答えが唯一のものではなく、
『用意された答えの一つ』でしかならない。答えは無数にある。世界と共にな。
何故、この授業が特別授業であるか、授業を受けるときにわざわざID確認をし、
完全多重施錠された地下講演会場で行っているか……その答えでもある」
手を振り、力任せに画面を叩く。
モニターがたわみ、大きく画像が揺らいだ。牧田の拳が小刻みに揺れていた。
中島はその表情を多分知っていた。あれは怒りだ。それも耐え切れないほどの。
「これは、『シュレディンガーの猫』だ!
諸君、知るがいい!ここの箱庭で起きている全ての事象は
program error___
回線が切断されました___
新たなリモートIDで接続してください___
program error___
回線が切断されました___
新たなリモートIDで接続してください___
To Be Continued
みなさん投下乙乙です
読ませてもらっとります スレが活性化していいね
狭い雑居ビルの廊下を埋め尽くすように、緑の蔦が壁一面に這い回り、
あちらこちらに巨大な花が咲き誇っていた。花を見た人間はラフレシアを
想像するのではないだろうか、蔦から直接1m以上ある花が咲き、
葉はどこにも見当たらない。
そんな緑の回廊を、一人の男が歩いている。全身を銀色のスーツで覆い、
顔にはロボットのような無表情なマスクを被っている。男は片手を静かに構えながら、
慎重に歩いていった。ガシャッガシャッと歩くたびに重い金属音がする。
『なんて匂いだ…』
マスク越しからでもわかるほどの濃厚な花の匂いは、酩酊しそうなほどの甘さだった。
マスク内、視界情報には、花の香りを成分分析した結果が文字の滝となって流れている。
この匂いには、麻薬成分が含まれている。マスクで遮断しているとはいえ、
あまり長時間の活動は危険だ。
男はマスクの通信機能を入れると、暗号化された短文通信を仲間に送った。
『こちらソードブレイカー。5階フロア確認中。ここまで生存者なし。
植物からの麻薬成分を感知。全フロアの目視確認後、シャイニングリングで焼き払う』
『了解。SR主砲、座標合わせます』
女性の声がし、フツっと通信が切れた。
ソードブレイカーと名乗った男は、近くの壁に咲いていたひときわ大きな花を捲ってみた。
花の中心に何かが挟まっていた。注意深く引っ張り出してみると、
それは半ば融け落ちたセルフレームの眼鏡だった。
ソードブレイカーの拳の中で、眼鏡はそのままずるりと溶け落ちた。
『くそ……ッ!!』
拳を固く握り締めた体が、とっさに跳ね上がる。
天井近くまで飛び上がったソードブレイカーは、そのまま天井に着地した。
壁から、刃が生えていた。
刃はまるで豆腐でも切るように壁を薙ぎ払い、そこから機械仕掛けの甲冑を
着込んだ騎士のような異形が現れる。手にしていたのは、
巨大な長剣が生えた異形のライフルだった。
「ククッ、よくぞ避けたな!!」
『お前は……『ラスティネイル』の機械銃士、グランツァート!!
この食人植物は貴様の仕業か!!』
「応ともよ!我が配下、エリアゾルよ!この宇宙刑事の首は貴様にくれてやろう、
初陣の記念にな!!」
グランツァートの声に、周囲一面を覆っていた蔓が、いっせいに鎌首をもたげ、
天井に逆さまに立っていたソードブレイカーめがけて襲い掛かってきた。
『むざむざと貴様らごときに狩られるほど安い首ではないッ!!』
反重力コントロールにより天井に立っていたソードブレイカーは、そのまま天井から
跳ね上がり、壁を蹴って空中に躍り出た。
狙うはひとつ、グランツァート!!
ガキィイン!
金属音が響き、グランツァートの銃剣がソードブレイカーの拳を食い止めた。
「物忘れがひどくなったのではないか?宇宙刑事よ」
『何だと…ッ?!』
「わし一人だけだと思ったか?」
グランツァートが機械甲冑の下で笑った。
『グ、グゥッ!!』
背後から、おびただしい蔓が宇宙刑事のギアスーツにまきつき、四肢を締め上げた。
ギリギリと骨を砕かんばかりに締め上げる蔓を引き千切っていくが、
あまりに膨大な蔓は千切っても千切ってもきりがなく、ついには巨大な十字架に
かけられたように空中で拘束されてしまった。
なおも抜け出そうと抵抗するソードブレイカーの体から、バキィンと嫌な音が響いた。
右足の装甲がひび割れ、間接が逆に曲がった。
『グァアアッ!!』
間接から装甲ごとへし折られたソードブレイカーの絶叫が響き渡る。
「いい様だな、ソードブレイカー!墓に刻む銘ぐらいは聞いてやるぞ!!」
もう一度バキィンと嫌な音がし、左手の装甲がひび割れ、曲がる方向のない方向へ
曲がった。絶叫。
ガクリと、頭をたれた宇宙刑事に、楽しくてたまらない風情で機械銃士は
ウキウキと近づいた。
「ふむ、気が変わったわ。四肢を全てへし折り、脳だけ我が城へ連れて行ってやろう。
貴様の脳情報を全て吸いだして、我が組織への奉仕活動へ従事させてやる、光栄に思え」
首筋にライフルセイバーを当てたその瞬間。天から光が走った。
光はビルの天井から地下まで一気に貫き、
地下駐車場に根を下ろしていた巨大な巨大な花を貫いた。
「なっ、なんだとォ!!」
針のように細く絞った軌道上からのビーム第二波が、
ソードブレイカーを拘束していた巨大な蔓の十字架を引き裂いてゆく。
『お待たせ、ソードブレイカー!!ビル内の全トレース終了、
食人植物コア消滅させました!!』
『やれやれ、随分待たせてくれたな相棒。おかげでだいぶ痛い目を見た』
ありえない方向へへし折られたはずの右足が、ガキィン!と金属音をさせ、
もとの状態に戻る。
『手はともかく、こちらは義肢で助かった。
ありがとな、わざわざ作り物の方を狙ってくれて!』
コアを打ち抜かれ、のた打ち回る蔓達を踏みつけて、無事な方の腕、
右手を高くかかげながらソードブレイカーはグランツァートの懐に踏み込んだ。
咄嗟に至近距離から発射されたライフルセイバーから飛び出した弾が、
右手を覆うプラズマガードに薙ぎ払われ、消滅した。
そのまま、ライフセイバーの刃先に叩き込まれた拳が、さらに光を増した。
「クソッこんなことが!!オズマ様、我らがラスティネイルをどうか…ッ!!」
グランツァートが最後まで叫び終わらぬうちに、プラズマガードで覆われた右手は、
ライフセイバーの刃を粉々に砕き、グランツァートの腕を割り、その胴体を貫いた。
『セット!SRライトニング!!』
ソードブレイカーの叫びとともに軌道衛星上から細く絞った高出力サテライトビームが、
プラズマガードの座標軸に合わせて穿たれ、一瞬の静寂ののちに、
高エネルギーの嵐が巻き起こった。
グランツァートの体が一瞬で灰になり、そこらじゅうをのた打ち回っていた蔓が燃えだした。
雑居ビルはあっという間に炎に包まれる。
『脱出経路は?』
『屋上へ上って。そこから次のルートを出すわ』
『了解』
炎に包まれた雑居ビルの、今にも崩れ落ちそうな外付け階段を銀色のギアスーツが走る。
『右足は?』
『あまりよくないが、そう言ってもいられん』
ガクンとビル外付け階段の細い金属支柱の一本が崩れた。
よろめきながら、ソードブレイカーは崩れかけてきた金属製の階段から、ビル壁面に
飛び移った。スーツ全体に働く反重力コントローラーでビル壁面を一気に駆け上がる。
飛び上がった彼が見たものは、小型ヘリにも似た黒い飛行ユニットだった。
ハッチが開き、中から声がかかる。
「要請を受けて待機してた!!乗れ先輩!!」
『お前らか!!久しぶりだな、ジミカラーズ!!』
「助けに来といてなんだけど、先輩を蹴り出したい気持ちに」
『悪かった!悪かったから止めろ!!』
騒がしい声とともに飛行ユニットは飛び立ち、その直後、ビルが崩壊した。
画面にノイズが走っている。映像はここまでだ。
粒子が走り、粗い映像だった。
ディスクの表面には20081218と記されている。
「………」
澤口浩二は、自分の腕時計を見た。20081218 19:16と表示されている。
なんだこれは。
ありえない映像だ。
宇宙刑事ソードブレイカー。
この人物を澤口は知らない。
宇宙刑事候補生として、現役刑事のリストは全て知っていた。
その中に該当する人物はいない。
ラスティネイル。そんな名の秘密組織など初めて聞いた。
機械銃士グランツァート。
Vクラス、機械科3年の知り合いによく似ていた。だが彼はあんな全身機械甲冑など
着込んでいないし、何よりまだ学生だ、どこにも所属していない。気が弱くて、
将来の事に関して悩んでいるようだった。あんな、ビル一つを犠牲にするような任務を
遂行できるとは思えない。
最後に出てきた飛行ユニット、あれは戦隊科2年の原田ではないだろうか。
面識はないが、この前文化祭で派手に立ち回ったので覚えている。
なんだこれは。
澤口の手が震えた。
ソードブレイカー。その名にはなじみがあった。
晴れて宇宙刑事の任を拝命したら、名乗ろうと思っていた己が名だ。
ソードブレイカーが映像の中で使っていた業は、どれも自分の持っている技と近かった。
だが、あそこまでの威力はない。
右足が義肢なのは共通だ。
2008年12月18日にあった事件記録のディスク。
学園のライブラリで偶然見つけたこのディスク。
今日起こったことを収めたはずのこのディスクは何年たっていたのだろう、
厚い埃を被ってそこに置いてあった。
眩暈がした。
何か、とてつもなく大事なことを、見逃しているような。
『分岐点から生まれた、ひとつの話が収束してきた』
『物語は物語に』
『悪は悪に』
『正義は正義に』
『悪徳の栄し背徳の世となるか』
『悪を打ち倒す正義の使徒達のサーガとなるのか』
『それでは ゲームを 始めよう』
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回線が切断されました___
新たなリモートIDで接続してください___
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回線が切断されました___
新たなリモートIDで接続してください___
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回線が接続されました___
To Be Continued
登場人物増えたなぁ〜。クロスとかもおきるといいな
402 :
アルファオメガ:2008/12/19(金) 00:33:07 ID:aIhQX6+a
wikiで読んでもらったほうがわかりやすい気がするけど、
書いた人:97のスレ内リスト
・悪から正義へ歩み出した男、甲野リョウ
>>97 >>147-148 ・正義から悪へ走った男、西条シン
>>112-113 ・学園に疑問を抱くロボ子さん
>>152-153 >>173-174 ・まったり戦隊物
>>235-237 ・もしも学園に2chがあったらネタ『ヒーローちゃんねる』
>>210-211 ・アルファオメガ
(上の小話の登場人物を使った本編みたいなもの)
>>392-393 (アルファオメガ0)
>>395-400 (アルファオメガ01)以下続く
※たまに他の作者の方のキャラを借りてちょこっと出演させるような
お遊びをしてますが、基本は『同学園に通う』設定のみ共通の、
全く別の話になります。今後はアルファオメガで通し番号つけてきます、
読みにくくてすいません。あとたぶん単独ヒーロー物より群像劇ぽくなりますすいません。
※多杉自覚はあるので、これ以上なるべくキャラは増やさないよう目指す所存。
ついでに業務連絡。
ヒルト作者氏、wikiに作品載せさせてもらったので、
タイトル等よかったら修正お願いできないでしょうか。
すいません、勝手に仮タイトルつけてしまいまして。
wikiめんどかったら、ここに書いてもらえれば自分が修正しておきます。
ハイドは本当に空気みたいになってるな。
最初は主人公クラスの登場だったのにな
>>403 どうせまとめるなら全作品やってあげればいいのに
>>405 ヒルト関連とゴースト関連は全部拾ったつもりだけど、
何か抜けあった?
ベラドンナ誕生の方は◆31P.4mZG16氏が作るらしいので、
トップページだけ作っておいたけど、そっちのことかな。
ついでなんだからベラドンナとかも全部収録してやればいいのにって意味だろ
中途半端な仕切り厨だな
まあ投下した人が書かないんだし
眩い光が女狐を包んだかと思うと、全然違う方向で変身が解けたユイが地面に墜落した。
ほんの数秒の事だが、音速を遥かに超えるスピードで戦う二人にとっては、
1時間にも2時間にも感じられる戦いだったんだろ。
女狐の方も地面に寝転がっている。疲れ果てたのか手伝う気は無さそうだ。
ちょっとユイが心配な気もするが、無事に終わって何よりだ。
それにしても
冷静に考えてみるといくらリョウさんに鍛えられたからと言って、
スピードが激変するということなどありえるのだろうか。
デルタの隠された力か。それならまだ良いんだ。
喜ばしいことじゃないか。
問題はアンゴルモアに捕まっている最中に、なんらかのロストテクノロジーが組み込まれたという場合…
私の目の前にいるカブト(エリカ)にも、何か新たな力が加わっている可能性が出てくるのだ。
今のところその気配はまるでない。
作戦ではまずタイムライダーとなり、クロックアップを無効化しつつ慎重かつ確実にダメージを与えていく予定だった。
しかし……。
どうもそうは問屋が卸してくれないらしい。
次の一撃が勝負……。
「変身!!」
近距離攻撃の不得意なタイムライダーの変身を解き、シャダイムへとフォームチェンジする。
狙うはカブトゼクターただ一つ
クロックアップに手がいくより早く、ベルトについているゼクターを攻撃することなど私に出来るのだろうか……
そのとき不思議な事が起こった。
エンペラーストーンが何かに反応するように光りだす。
「変身!私は光速の女帝 ユニコーンライダー!!!」
ポーズをとることは四本足のためできそうにない。
仕方がないので鼻先に伸びた角(アリコーン)を上下に振り立てる。
これは既にライダーなのかすら疑問なんだけど……。
ユニコーンライダー
シャダイムのスピードモード。
馬のように四本足で走る。
武器はそのスピード(超光速)から繰り出される頭突き
感情が高ぶると、翼が生えるらしい。
前足の蹄をカツンカツンと地面にぶつけ、カブト目掛けて一直線に突っ込む。
慌てたカブトがクロックアップのため、一瞬ゼクターに目をやった。
「今だ!」
2〜3歩で最高速になった私は体を横に回転させる。
「ユニコーントルネード」
間に合うか。
カブトの手がゼクターに届く……。
「伸びろアリコーン!!!」
こんな攻撃そう何度も使えるもんじゃない。
思わず角が伸びれば届くのにと叫んだ。
私の思いに応える様にギュンと角が伸びるとカブトベルトに突き刺さった。
「やったか?」
「おおおおおおおおおおお!!!!!」
雄叫びのような咆哮が部屋に響き渡る。
そして腹を抱えてカブトが苦しみだす。
カブトはアタシに色々な物を見せた。
手加減というものを知らないから、思わず目を背けたくなるようなこともあったっけ。
今だってそう。
動けなくなったアンゴルモアをなぶる様は、あまり気持ちの良い光景ではないよ。
だからかなぁ
窮鼠が猫を噛むじゃないけど、そんな手負いのアンゴルモアが突っ込んできて
角か剣かでお腹を刺してくれてちょっと安心してるの。
これでもう楽になれるんだよねぇ。
あれ……
景色が変わる……
ここはどこ?
アンゴルモアは……シャダイム!!!!
どういうこと?アタシが今まで見ていたものって一体??
頭がこんがらがって状況が上手く飲み込めないよ。
(エリカ…エリカ…聞こえる?エリカ…)
「ウィンディ?ウィンディーなの?」
(良かった。これはどういうこと?)
「私にもわかんないよ。ウィンディーはクイーンに封印されたんじゃなかったの?」
(そう。そのはずなのよね。
それにしても、エリカその格好……すっかりあの女に毒されてしまったようね。)
ウィンディーはアタシの黒いフードが気に喰わないみたい。
魔女みたいでカッコいいじゃん!!
気に入ってるんだけどなぁ……。
(あのライダーは…)
「シャダイムだよ。ハルカが変身するの。」
(あの角、あの容姿……そういうことね。)
ウィンディーが一人で納得し始める。
「どういうこと?」
(ユニコーンの角にはヘビなどの毒で汚された水を清める力があるの。)
「クイーンは毒なんて渡さないよ!」
こんな親だとは思わなかった。
寄りにもよってクイーンを疑うなんて……。
「最っ低!!」
(あら反抗期かしら?
話を最後まで聞きなさい。
薬も過ぎれば毒となるっていうでしょ。今のエリカの精神力ではコントロール出来ないのよ。)
「また子供扱いする〜。ヘレネだって使ってるもん!!」
(はいはい、話は後で聞いてあげるから、とりあえずあれを何とかしましょうね〜。)
赤子をあやす様な口調でウィンディーが指を指す。
そこには腕組をした老人の姿がある。
『せっかく楽しくやってたのにな……。』
(ウチの娘を傷物にしてただで済むと思ってないでしょうねぇ。)
「勝手に傷物にしないでよ。」
『なんだ。先約がいたとは知らなかった。主がピンチのときどこで何をしてた?』
(う……、それは……。)
『主よ、こんな精霊契約している意味はないとは思わぬか?』
「確かに口煩いのよねぇ。
こんな小姑みたいな精霊がいたら、シン先輩と付き合えなくなるわ。」
『気が合うな。このままでは婚期を逃しかねないぞ。』
(小姑ですって!!)
『わしと正式に契約すれば、あんな若造を振り向かせることなど朝飯前だ。
我が英知を駆使し直々にプランを立ててやろう。』
「え…ほんとうに……」
(エリカがこんな淫らな女になってしまうなんて…。私の育て方が悪かったんだわ。
小さい頃はあんなに素直で良い子だったのに……。
水の精霊王になんとお詫びすれば良いんでしょう……。)
『んん・・・・ん・・・・』
「どうしたの?」
『水の精霊よ。感じぬか?今何か強大な力が目覚めた。』
(そういえば…上の方のようね。)
『ここに居ては危ない、主を守るのがクイーンから言われた役目だ。
だが主は簡単に催眠術に掛かるような未熟者…
二人で守るというのはどうであろう?』
(それがエリカのためになるのなら……。)
「ちょっと二人で何話進めてるのよ!アタシを無視しないでよ!
アタシの体なんだからね!」
(エリカは黙ってなさい)
『未熟者は黙っておれ!』
どうしてアタシに集まる精霊ってこんなのばっかりなのよ。
もっとこう従順なのが良いのになぁ。
それにしても、二人がこんなに慌てる強い力ってなんだろう。
ヘレネ達が前に言ってた気配というかいうの。
難しくてよくわかんないよ。
突然…地面が揺れ、頭の上の天井が崩れた。
『我が力…主に与えよう。
今度は自分の意思で変身するのだ。』
で…でもさぁ、またあんなことにならないかなぁ。
「大丈夫。私がついてる。」
ウィンディーの声がする。
『何を迷っておる。主は選ばれたのだ。
逃げていては夜は明けん。戦え!!』
もうわかったよ。
やれば良いんでしょ。
「変身!」
フッと意識が戻る。
天井はもうすぐそこだ。
素早く頭を手で覆った。
『ハイパーカブト…見参!!』
よみがりの儀式により復活した再生怪人達に襲われる一行
そして地震と共に建物は崩壊し……。
次回「儀式」ご期待ください
414 :
♯6620:2008/12/20(土) 21:09:25 ID:p1LBuO8l
協力し合って仲良くやりましょうよ。
ただちょっと気を利かせてくれても良かった気がするけどね。
忙しくてWIKIの管理や収録まで手が回らないので、
できれば気がついた人が収録していくというのはどうだろう。
乙 精霊って勝手だなw
トリ失敗してるよ 一応次から変えたほうがいいな
ヒルト作者氏
wiki未収録してもいいか本人に聞く前に勝手に未収録し、
仮タイトルまでつけて本当に申し訳なかったです。
最初に許可をいただくべきでした。
もしもあえてwiki未収録にしていたのなら、削除していただくか、
自分にレスいただければで削除させていただきます。
こちらも忙しく余力がなかったため、スレに投下もできない、
wikiも自分の項目が中途半端で心苦しかったので、今回投下ついでにwiki修正、
せめて何かしらしておこうと、誰もまとめてないようにみえたヒルト関連を弄った。
余力あるならベラドンナも収録しろはごもっともだが、
頁数の多いベラドンナはこちらもまとめる余力がなかったし、◆31P.4mZG16氏が
まとめるらしかったので、とりあえずトップ頁だけ作って後回しにした。
もともとwikiは『気がついた人、余力ある人が編集していく』もんだと思っている。
スレも投下する人、レスする人、読む人全員で作ってくもんだろう。
『仕切り厨』と人に言う前に、気がついたならその人がまとめてはどうか。
スレの空気を濁してしまったし、『気を利かせられなくて』申し訳ないが、
罵られてまで何かしようというモチベーションも余力もない。すまん。
ヒルト作者氏、ベラドンナ作者氏にはここで何度も作品名を連呼してしまい、
不愉快感を感じられたと思います。本当に申し訳ありません。
418 :
389:2008/12/21(日) 02:09:01 ID:hotogVjZ
自分の書く読み物はタイトル出すと大抵ネタバレになるので(仮)でいいと思います
ネタバレするとゴーストとヒルトは同一作品で
スカルマンの正体はヒルトです
ネタバレしたので早めに切り上げて終わらせます
まじで!!?
>>417 不愉快な思いをさせて申し訳ありませんでした。
私も手が空いたときは、編集していくよう心掛けます。
これに懲りず楽しい投稿の方よろしくお願いします。
本当にすみませんでした。
>>418 タイトルって難しいですよね。
私もいつも苦労します。
ところでネタバレついでにちょっとご相談……
シンにあっさり振られたエリカがヒルトに慰められて惚れるなんてラブコメ展開を考えてたんですけど、
シリアスな話に入られるみたいなんでNGですよねぇ?
早めに切り上げるなんて言わず、ゆっくりで良いと思いますよ。
世の中にはネタバレした推理小説が映画化されて、ドラマ化されるなんてこともあるわけですから
じゃぁ気を取り直して仲良くやりましょう。
あ…◆31P.4mZG16から変更しました。
>>417 ちなみに悪部のシンはヘレネとみたいなのも考えてたりします。
まぁ良かったら心のどこかで覚えておいていただければ幸いです。
422 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/21(日) 13:20:57 ID:jSO2ImxA
更新乙
まさかユニコーンが複線だったとは
神話と絡めて面白くなってきましたね
「出来た〜。」
反省文を書き終えたエリカが、誤字が無いかを確認している。
後で保護者の所にサインをして、よく言って聞かせないといけないわ。
あの地震の後、
グリフォン達は高笑いと共に姿を消した。
禁断の術……よみがえりの術を行うための魂や精霊が集まったと言っていた。
いったい何を企んでいるのやら…。
私が眠っている間に、随分と情勢が変わっているみたい。
「王手!!」
ピシャッと子気味良い音と共に飛車の駒が将棋板に置かれる。
「困りましたねぇ。」
「待ったなしじゃ。」
新しくエリカと契約したカブト殿が将棋をしながら、眠っている間の話をしてくれた。
あの魔女に与えられた精霊ということで、まだ100%信用したわけではないけど、
私が見張っていれば、もうおかしな真似はすまい。
「ちょっと……。二人とも勝手に実体化しないでよ!お腹空くんだから!
カブトはゼクターに戻ってよ。」
「考え事しているから邪魔するなと言ったのは主であろう。」
普通精霊が契約者の意思以外で実体化することは出来ない。
母親代わりの私は別としても、それ程強力な力を持った精霊なのだろうか。
それともエリカの精神力が弱すぎるのか。
まぁ何にせよ。最近好きな人も出来たようだし、
トラウマによる男性恐怖症を克服し男心というものを知るには、
良いきっかけになるかもしれない。
「ヘレネの部屋に遊びに行って来るね。
もしかしたら泊まるかもしれないから、門限過ぎたら戸締りをお願い。」
エリカは冷蔵庫からジュースとお菓子を出している。
「気をつけていってらっしゃい。」
「うん。」
バタンという音共にドアが閉まる。
「御主達は随分仲が良いのじゃな。」
「700年近くも一緒にいますからね。それに母親代わりですし……」
「700年か、わしとリョウコの付き合いもそのくらいじゃな。
初めて会ったのはいつじゃったろうか、
いつも部屋で泣いておったわ。」
「エリカは魔女…ゴフン、そのクイーンに憧れているようなのですが、果たして信用できるのですか?」
「ふむ。実力は歴代のクイーンの中でも1番だと思うが……。
リョウコは芸術、特に音楽に強い関心を持っておってな。
この学園に入学した目的も色々な民族の音楽を聴けるからという理由じゃった。
あとまだ若いのになかなか聡明な頭の持ち主じゃ
例えば学園に入学するのを母親に伝えるときも、タケシとの顔合わせを口実にするくらいじゃ。
これでは駄目とは言えんであろう?」
「はぁぁ…」
目的のためには手段を選ばないとも言える気がするが……。
「リョウコは他人の心が聞こえるテレパシストなんじゃ。
幼き頃より、聞きたくも無い心の声を聞きながら育ったもんでな。
複雑な性格をしておるのじゃよ。
そなたを眠らせたのも決して悪気が合ったわけではないんじゃ、
ただエリカという人物を見極めたかった……。ただそれだけじゃったのじゃよ。」
それで私の声が煩わしくなったというわけか。
「それでどう見極められたというのです?」
「エリカは素直な良い子じゃ。
今どきあそこまで疑うことを知らない純粋な者はおらん。
そんなエリカをリョウコは気に入っておるんじゃよ。
だから、これからもエリカの悪いようにはせんはずじゃ
それだけは信じてやっては貰えんじゃろうか。」
「まぁ馬鹿正直と言いますか。それだけが取り得の娘ですから……。」
「女手一つであそこまで育てるのには苦労したのであろう?」
「苦労なんてそんな……、私はエリカの成長を間近で見れるだけで幸せなのです。」
「これからはわしも協力するので、一人で抱え込まず気軽に言うのじゃぞ。」
「一つ教えてください。シンとはどのような人物なのでしょうか?」
確か私が眠りに付いたときには、エリカとは接点が無かった人物だ。
「シンは正義部から転入してきてな。
オウが死んで欠員のあったゼミに入ってきたな、タケシとは比較的仲が良いようじゃ。」
「エリカのことをどう思っているのでしょうか?」
「わからんが……。しかし……」
カブト殿が急に口篭る。
「どうしたのです?」
「たぶんじゃが、ヘレネと付き合っているような気がする……。
演習の様子などをゼクター状態で観察しておって感じるだけじゃから
気のせいかもしれんのじゃが……。」
初恋は実らぬというが……。
その相手が一番の親友であり、姉妹のように仲が良いヘレネとは皮肉としか言えない。
「ところで今度はわしの問いに答えてはくれんじゃろうか。」
急にカブト殿が真面目な顔をする。
「な…なんですか。」
「エリカから聞いたが、生き別れの兄がおるのじゃろ?」
「ええまぁ……。ウルフル族に引き取られてから行方不明ですが……。
風の噂ではアンゴルモアにウルフル族が襲われたとき死んだとか……。」
「本当は今どこで何をしておるのじゃ?
御主はひょっとして知っておるのではござらんか?」
私の駒を持つ手が震える。
カブト殿は何を狙っているのだろう。
「どう意味でしょう?」
「エリカに入学に当たって誓いをさせたと聞いた……。」
「それが何か?」
「不自然じゃろう。兄と会っても話しかけてはならない等とは。
ましてや、エリカの幸せを誰よりも願う御主が何故そんなことを言う?
答えは簡単じゃ。御主は知っておったのじゃ。
この学園にエリカの兄がおることを……。」
「買いかぶりすぎですわ。
話しかけないようにというのは、言葉のアヤです。
もしエリカが探したりしたら、
アンゴルモアに生き残りが居る事を悟られてしまうかもしれません。」
「ウィンディーよ。
わしのことをまだ信用できんのじゃろうが、御主とエリカの味方じゃ。
いつかその時が来たら話しておくれ。
さてもうこんな時間じゃ、そろそろ眠るとしよう。
リョウコを迎えにはいつ行くのじゃろうな。」
カブト殿は寂しそうにハンモックの布団に包まった。
次回予告
同じ頃、ヘレネの部屋には思わぬ来客が……。
そしてパンドラによる再生悪の集団による宣戦布告が行われる。
一方その頃実家の自室に幽閉されていたリョウコをタケシとシンが尋ねるが
冷たく追い返されてしまう。
>>422 褒められて伸びるタイプです。(マテ)
レスがつくと嬉しいなぁ。
群像劇になってきてるから、書き分けが難しいわ。
ところでクロノと黒野って別人なんでしょうか。
一人悪部の先生を追加しようと思ってます。
>シンにあっさり振られたエリカがヒルトに慰められて惚れるなんてラブコメ展開を考えてたんですけど
ヒルトがコータに負けて施設が自壊するなか、イルーゼが破損したヒルトを守るために
その場に残りますが、途中で気を失い、気付いたら仁王立ちのまま瓦礫を受け止め
ヒルトが死んでるシーンで終わる予定です
>ところでクロノと黒野って別人なんでしょうか。
同一人物です、超能力者で「イナズマン」系のヴィランに変身します
ネタバレしてる上、漫画描く方が忙しくなったのでキャラはご自由に使ってください
ネタがばれてるとなんとなく続きを書く気がなくなるので
悪が主役だとやはりハッピーエンドは不可能なんだろうか
悲しいけど仕方がないことなんだろうなぁ
430 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 14:22:37 ID:HGjTrA7R
年の瀬だからだよなこの過疎っぷりは
過疎ってほどでもないでしょ
長編もいいけど短い投下もあっていいのかもね
「お湯に沈めてみたらどう?」
「もう良い。」
エリカの手からガタックゼクターを取りあげる。
「ヘレネがガタックについてもっと知りたいって言ったんじゃん!」
「そうじゃが、無理矢理喋らせてもなぁ。ところでエリカよ。」
「どうかしたの?真面目な顔して……。
反省文なら私ももう書いたから写させてあげようか?」
「そうではない。真面目な話じゃよ。」
「変なの。」
「わらわはそなたに謝らなければならないことがあるんじゃ。」
「オヤツのドーナツ食べちゃったことならもう良いよ?」
「話を茶化すでない。シン殿のことじゃ……」
「シン先輩がどうかしたの?」
なんでもないといった口調じゃが、顔が既に真っ赤じゃ。
ポーカーフェイスがここまで似合わない者も珍しい。
「エリカ好きなのであろう?」
「え…え…。う〜ん。でもどうして?」
「わらわは勘違いしておったのじゃ。悪部の方のシン殿が好きだったのじゃな。」
交流戦のときに気がついたあの事実……傷が浅いうちに…。
「悪部のって他にもいるの??」
「うう〜む、そうなんじゃよ。それでな、実はシン殿とわらわはな……。
覚えておるか?シン殿と初めて会った日の事を…。
転部してきたシン殿がオウ殿の穴埋めとして、初めてゼミに参加したときの事じゃ。
たまたまわらわとシン殿が格闘演習のペアじゃった。
そのとき初めてじゃった。本気を出して男に負けたのは……。
それ以来どうも気になっておっての。
お互い一匹狼同士サバサバと付き合っておるのじゃよ。
今まで黙っていてすまんかった。」
「そうなんだぁ。末永くお幸せにね★。」
なんじゃ?このリアクションは……。
もっとこう裏切り者とか。泥棒狐とか。経験上言われるものだと思っておったのじゃが……。
人差し指でポリポリと頬をかく。
「怒ると思った?」
エヘってエリカが笑う。
「まぁそれりゃぁのぉ。」
「だって私はまだ話したことも無いんだよ?
話したことも無いシン先輩とヘレネだよ。比べるまでも無いじゃん!
ヘレネの方がず〜〜〜〜っと大事。ヘレネは私のお姉ちゃんだから、ヘレネの幸せは私の幸せなの。
私とシン先輩は出会うタイミングが合わなかったのよ。」
正直予想外じゃった。
大泣きして手当たり次第モノを投げつけられる覚悟もしていた。
考えてみるとエリカは変わり者じゃった。
わらわのことを親友と呼んでくれる同性は、ここではクイーンとエリカくらいのもんじゃ。
そのくらい変わり者じゃった。
持って生まれた色香故か、皆わらわを避ける、
特に彼氏のおる女学生の中には、わらわに明らかに敵意の眼差しを向けるものもおるくらいじゃ。
もちろん、わらわはそんな人の物に手を出すような真似はしたことはないんじゃが、
勝手に向こうがその気になってしまった場合はしょうがないこともあるのじゃ。
そんなわらわはある決心をしていた。
ハイドとクラマには、何故かそういう色香が通じん故に安心して話ができる…。
だが二人に彼女が出来たときには距離を置くつもりでいる。気を使わせては悪いではないか。
幸いそういった話は一切聞かない。
イケメン(らしい)クラマの方は、たまに女学生と放課後二人で会っているらしいが、
ハイドの方はあの強さとワイルドさが裏目にでているようじゃ。
そしてエリカとクイーンの大切な人には手を出さない。
それがわらわの決心じゃった……。
ちなみにわらわの色香はキングとシン殿にも通じん。
だからシン殿と付き合うことになったときは、我ながら嬉しかった。
初めて色香ではなく、わらわに興味を持ってくれる殿方が現れた
やっと母上にとっての父上のような存在にめぐり合えたと……。
エリカの気持ちを知るまでは……。
「良いのじゃろうか?」
「気にしないで。男なんていくらでもいるわ。私の色香で悩殺してやるんだから…。」
エリカが腰をくねらせながらニコニコと笑う。
「その代わり、離しちゃ駄目だよ?絶対幸せにしてあげてね。
ヘレネは変にプライドが高いから心配だなぁ〜。」
「よういうわ…」
「ででで…最初のデートってどこ行ったの?」
その日は結局寝かせて貰えんかった。
エリカに限らずオナゴは恋の話が好きじゃからな……。
次の日の夕方
アタシはヘレネとハイドとゼミに参加するため、演習場へと向かった。
「おや、君達…これから演習ですか?」
スーツに黒いコートを羽織った丸メガネのビショップ先生
もう肌寒いのにジャージに半そでシャツのルーク先生とすれ違う。
「あ……先生…こんにちわ」
「こんにちわ。エリカさんはその後体調いかがですか?」
「すっかり良くなりました!先生凄いんですね。」
「あのときも言いましたが、ビショップの紋章とルークの紋章のことは内緒にしておいてください。
この力は本来クイーンやキングを助けるためにあるのですから……。」
「そのクイーンは今どこにおるのじゃ?」
ヘレネが苛立ったように尋ねる。
そうこの先生達こそ、若きキングとクイーンのお目付け役ビショップとルークなのだ。
とはいえ、先生になったのはつい最近の話。
今までは影からクイーンやキングを助けていたんだけど、
よみがえりの儀式が行われた今、いつ何時二人の身に危険が襲い掛かるかわからないということで
表舞台に出てくることにしたんだって。
二人は代々のキングとクイーンに仕え、ファンガイアの歴史や帝王学など必要なことを叩き込む。
あの崩落の中、ビショップ先生が私達を助けてくれたの。
ルーク先生はハイドと一緒にアンゴルモアに精霊を抜かれたユウジ達を倒したらしい。
その戦いぶりやハイドも引くくらい、残虐性あふれるワイルドさだったみたい。
ハイドは今だにミートソースが食べれないの。
地獄で血を見慣れているはずのハイドが、こんなになる光景ってどんな光景なんだろう。
一応言っておくけど、ルーク先生は女性よ。
クイーンは彼らに拘束され、どこかに連れて行かれてしまったの。
意外にもクイーンは無抵抗だった。
「若きクイーンはレジェンドルガと揉め事を起こしたゆえ、
現クイーンつまりは母親の命により折檻中だ。」
ルーク先生がトゲトゲの沢山ついた鉄球に繋がれた鎖(破壊の鉄球)をジャラジャラさせながら答える。
「折檻ってクイーンは私を助けてくれたのよ!」
思わずビショップ先生の肩を掴んでしまう。
「一時の感情で軽はずみな行動をすれば、ファンガイアを危険にさらしかねない。
私は若きクイーンにそう教えてきたはずなのですが……。
言ってわからないなら、体で覚えさせるまでです。
今はまだ折檻で済んでいますが、いつか民族間戦争になるやもしれませんから。」
アタシの手がダランと力なく垂れる。
戦争……。アタシのような子供が増えるってこと……
男の姿をしたアンゴルモアに両親を殺されたときの光景がフラッシュバックする。
アタシのせいで……。
「リョウコは歴代のクイーンの中でもずば抜けて出来損ないだからな。
もっと大局を見据えろて行動しろって言っているのに……。
その癖、一度戦いだすと正気を失って私達でも簡単に止められないほど強いから問題だ。
以前にも一度だけ学園で変身したことがあったが、
あのときも二人でクイーンとその相手を殺さずに蹴散らすのは一苦労だったな。
だが今回はそのときよりも大変だった。
いったいドコまで強くなるつもりだ?」
ちょっと嬉しそうなルーク先生が怖い。
「クイーンが出来損ないじゃと?」
「若き妖狐の女王ヘレネよ。お前もだ。あのような場にいてはならんことわからなかったか?
そんなことだから、ガタックの声を聞くことも出来んのだ。
ときにレーダー女王は御健在か?」
「…母上を知っておるのか?」
「知っているとも恋敵で親友でそこのハイドの父親のエンマを取り合った仲だとも。
もっとも二人とも振られてしまったがな。」
ヘレネのお母さんとハイドのお父さんが卒業生なのは知ってたけど、
そんな恋の話があったなんて知らなかったなぁ。
というかヘレネも唖然としてるから初耳みたい。
「ルーク……昔話はその辺にして行きましょう。」
「そうだな。我等はこれからファンガイアの居城であるキャッスルドランへと向う。
お前達ではたどり着くことすらできんであろうから、命が惜しくばリョウコのことは金輪際忘れ、
学生生活を満喫することだ。」
ビショップ先生達と別れたアタシ達はチャイムの音を聞くと、言葉少なく演習場へと向かった。
「どした?痛かったか?」
ヒルト先輩が心配そうにアタシの顔を覗き込む。
先輩の攻撃は確かに効いたけど、特別痛いなんてほどじゃないよ。
チラッとヘレネとシン先輩の訓練の方へ視線をやる。
言われて見るとお似合いのカップルだよね。
イケメンと美女……
キングとクイーンに続くビックカップルなんじゃない……。
そういえば、相方の居ないキングはと言えば、元気にハイドと交戦中。
クイーンのこと心配じゃないのかなぁ。
「ちょっと向こうで座って休もうか。」
先輩はアタシの手を掴み助け起こすと、その手を握ったままベンチへと連れて行く。
あれ?先輩って男なのにアタシなんともないや。
アタシは昔のトラウマの性で、男性恐怖症なのだ。
ハイドやクラマとですら握手もできない。
殴ったり蹴ったりとかは大丈夫なんだけどね。
「今日はなにか嫌なことでもあったのか?例えばヘレネちゃんと喧嘩したとか」
「ヘレネと?どうしてですか?」
「さっきから悲しそうな顔をしてるからさぁ。
訓練にも集中してないみたいだし、一応俺だって上級生だし危ないとか心配するわけよ。」
「す……すみません……。」
「俺で良かったら話聞くよ。」
「シン先輩とヘレネ付き合ってるらしいんですよ。知ってました?」
「うん。シンから聞いてるよ。」
え……まさか知らなかったのアタシだけ?
「私も格好良いなぁと思ってたんですけどね……。
美貌と教養を兼ね備えたヘレネが相手じゃ勝負になんないですよ。」
「はははは」
「何が可笑しいんですか?」
「いやぁ、俺もさぁ入学してすぐだったかなぁ、黒髪でロングヘアーの可愛い子がいるなぁと思ってたのよ。
でもその子には運命の人がいてね。
聞いてビックリだよ。未来のファンガイアの女王様だぜ……。」
先輩がクイーンのことが好きだったというのは初耳だ。
まぁ確かに同性から見ても綺麗な人だし…。
別に疑問の余地は無いよねぇ。
「それで諦めちゃったんですか?」
「いや、デートに誘ったよ。」
「それでそれで?」
「俺もてっきり断られると思ってたんだけどさぁ、
アッサリO.Kしてくれてさぁ。
いやぁ、夢のような時間を過ごしたんだ。
その後もさぁ
猫を被るのはお互い疲れるわね。これからも誘って頂戴って言われたんだよ。」
「先輩も猫を被ってるんですか?」
「被ってるよ。本当は狼なんだぜ。ガオーってな。」
ふざけてアタシに襲い掛かるフリをする。
今ドサクサに紛れて胸触ったわね。
このスケベ!!!!!
「痛ったいなぁ、殴るなよ。別に減るもんじゃないんだし良いだろぉ。」
頬を擦りながら先輩が笑う。
クイーンはこのちょっとスケベな先輩の何を読み取ったのだろうか。
「そういうエリカちゃんこそ猫かぶってるんじゃないのかい?相変わらず変身しないし〜」
頬をツンツンと突く。
「ところでクイーンとはその後付き合えたんですか?」
「付き合えなくても良いんだよ。キングは強いし良い奴だからな。
俺は二人が幸せになってくれればそれで良いんだ。」
「そんなもんですかねぇ。」
「そうだよ。人との出会いなんてそんなもんだよ。
無駄に年を食ってるわけじゃないってこと。
エリカちゃんにもそのうちわかるよ。」
先輩とお喋りするのは初めてだけど結構良い人なんだなぁ。
そういえば、クイーンが先輩の事をキング以外で唯一気の置けない男だって言ってったけ
今更だけどその意味がわかった気がした
私もシン先輩とヘレネの二人には幸せになってほしいなぁ。
キャッスルドランの地下牢にて続けられる拷問
ルークの鉄球が…ビショップの幻術が
両手両足をキャッスルドランの触手に繋がれたリョウコを追い詰める。
そのとき空に赤い月が現れ……。
次回「使命」お楽しみに
ふう。絡み合う人間関係がだいぶんシンプルになってきた気が……。
ちなみによみがえりの儀式で
ショッカー軍団とかあらゆる過去の悪の組織が再生怪人として復活し、
超古代の技術を駆使した再改造により大幅パワーアップしているため
OBの皆さんはそちらの対応で一杯一杯ということになってます。
>>428 了解です。
愛するヒルトの死が
ニートになりそうなエリカに悪として生きていく覚悟をさせることにしようと思ってますので
適当にいじってもらえると幸いです。
一応超能力者のクイーンは何かあることは知ってるけど、
それが何かを詮索するつもりはないし、公表することはないので安心してください。
漫画も描かれてるとなると大変ですねぇ。
お互い頑張りましょう。
>>429 ハッピーかは謎だけど、俺は一応バッドエンドにはしない予定
>>431 そうだねぇ。学園生活なんだし、ちょっとした短編は書きやすいと思うよ。
良かったら書いてみてよ。
ヒルトの話の続きが読みたい。
ネタバレして余計気になってる
もちろんほかの作品も期待
乙ー 一転してほのぼのしてるな
なんか女が強いなw
442 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 10:40:39 ID:Y2Khr8uC
アンゴルモアもショッカーの大首領みたいに声だけだったりしてw
良い雰囲気だねぇ
クリスマスパーティーとか寮ではあるの
445 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 10:05:40 ID:ioqpmIsQ
更新乙
久しぶりに見たら盛り上がってるな
スレタイで少女漫画のヒロインをめざせ!を思い出した
薄暗い闇の中で影が吠える、その叫びは歓喜にも似た魂の慟哭。
糸が切れるように床に手を着くと顔面を掻き毟りながら
髑髏の男は何者かに語りかける。
「俺は……何だ?」
壁を貫通し舞い上がる粉塵が火を噴き、叩きつけた腕が歪な形で垂れ下がる。
その男は闇の中で生まれた、生まれながらに生者の肉体を持たず。
神から授かったのは作り物の体だった。
「俺を見ているこいつは誰だ!?」
指が眼球にめり込みボトリと足元へと転がり落ちる、全身を損傷しようとも
彼の心にその痛みが届くことはない。
肉体の痛みも人と触れ合う暖かさも、砂糖が甘いということすらも彼は知らない。
心までもまがい物ではないのかと彼は自分に問う。
彼が狂うのにそう時間はかからなかった。
「ハ……ハハ、ハーッハッハッハッ!」
闇夜に髑髏の笑い声が木霊する、滑稽で浅ましく皮肉めいた笑い。
幾重にも重ねた嘘で心を塗り固め道化と化し、自我を保つ為に笑い続ける。
狂気の狭間から悪夢の谷底へと落ちないよう、ただ笑うのだ。
「ご機嫌ね、チェルノボグ」
「ヴェロ! 人は可笑しい時には笑うものだろう!
俺は今、可笑しくて仕方がない……だから笑うのさ」
ヴェロと呼ばれた女が月明かりの影から姿を現す、膨れ上がった顔面を髑髏の仮面で覆い。
病的に白んだ肌は爛れ浅黒い血管が浮かび上がっている、人工的に作り出された
超能力の試験体は、度重なる薬物投与の副作用で
その肉体を変質させていた。
「私も退屈している……踊りましょうチェルノ」
「あぁ……」
互いの手を組み合うと、ステップを踏み月夜の下で黒と白の髑髏が舞う。
人知れず建設され二人の手により破壊された研究施設、既に白骨化した所員達が見守る中。
人に命を与えられ悪意から産まれた二人が踊り続ける。
「……かはッ! は!」
「ヴェロ!?」
女の口から吐き出された鮮血がその白い肌を染め上げていくと
周囲の外壁がサラサラと音を立て轟音と共に崩れ落ちる。
強大な超能力を抑制することが敵わず、彼女自身の体が自壊を始めているのだ。
「チェルノ……私は」
「気にするな、何も心配はいらないよ
コネクタの”部品”が揃えばすぐに良くなる」
周囲の空間から機動音が響き、固定された無数のシリンダが緑色の淡い光を放ち周囲を照らす。
シリンダの内部には”部品”すなわち各地で誘拐された人間達が眠るように横たわっていた。
「今はまだ君の力を抑制するのが限界だが
君と同じくらいの力を持つ超能力者を”部品”にすればきっと……」
「またあなたと外を歩けるようになる?」
「なるさ、約束だ……さぁ、笑顔を見せて、人間は楽しい時には笑うものだよ」
仮面の底から微かに聞こえる女の笑い声に答えるように
二人の笑い声が周囲に響き続けていた。
「いい加減反省してください。」
「クイーンはたいそう嘆いておられました。」
お母様の忠実なる僕、ナイトとポーンが痛めつけられた牢屋の壁に磔にされている私に話しかける。
「ハァハァ…私は・・・悪いことなんてしていないわ。どうして反省しなければならないの?」
「わかっていますよ。リョウコが何の理由もなく、レジェンドルガと揉めるほど愚かではないことくらい。」
「しかしクイーンにも立場があります。何も制裁を科さないわけにはいかないのです。
さらに厳密にいえばリョウコさんはこれで二度目、落とし所が難しいわけです。」
二人の本当の名前は知らない。
700年前私がこの家に連れてこられたときからお母様に仕えていて、気がついたら私も二人をそう呼んでいた。
クイーンの紋章に気づきまだ小さかった私を売った実の母の顔はもう覚えてもいない。
「だからこうして拷問を素直に受けてるでしょ。
私だってもう子供じゃないの。いつまでも子供扱いしないで」
「自分が大人だというのなら、大人らしくしてください。」
ナイトがイラついたように私の割れた唇を抓る。
そのときビショップとルークが地下牢のフロアへ入ってきた。
ルークの鉄球を引きずるズルズルという音がその証拠。
「相変わらず頑固だ。少しキツイお灸をすえるとしよう。」
「しかしどうする?この特殊地下牢に入れられて早一か月……
これ以上のダメージは致命傷にならんとも限らん。」
そう私は今、首・両手・両足を今キャッスルドランの触手に繋がれ、寝ている時でさぇも絶えずライフエナジー(生命エネルギー)を吸い取られている。
明かりも射さないので時間の感覚を失っていたけど、もうあれから一ヶ月も経っていたのね。
エリカやヘレネは無事に難を逃れて元気にしているのだろうか。
それにキングにも会いたい…。
「私の能力を忘れたわけではあるまい?若きクイーンよ。私の目を見よ。」
ハッと私が目を閉じた。
ビショップの赤い瞳はメデューサの瞳と呼ばれ、
その瞳を見た者をビショップが全て(時間+質量+空間)を支配する自らの精神世界へと対象を引きずり込み、相手に無間地獄を体験をさせる。
催眠術が掛っている最中、対象はまるで石のように固まったように見えるんだとか……。
私も以前一度だけそれを体験したことがあるけど、できれば二度と味わいたくない代物。
「若きクイーンよ。
貴女の目を開かせることくらい、私には造作もない。
しかしそれでは同じことの繰り返し、自主的に目を開けていただきたい。」
「絶対嫌!!!」
「 超能力に振り回されていた貴女に心を閉ざし方やコントロールの仕方を教えたときはあんなに素直だったのに……。」
ひんやりと顎が掴まれる。
「別に良いのですよ?それならそれで……。このまま、ここに居てもらうだけですから。」
「ハァハァ……。」
ボコっという嫌な音が体に響く。
何かで殴られたみたい。
だけど磔にされているため、お腹の辺りをさすることもできない。
「アンタが悪いんだよ。さっさと反省しないからこういうことになるんだ。
出来損ないは出来損ないらしく大人しくしてれば良いんだ。」
ルークの馬鹿力…少しは加減してくれても良いのに。
「困りましたねぇ、こんなに反抗的になってしまったのは、ヒーロー学園という環境のせいでしょうか。
やはり友達などというものは、クイーンには必要ありません。
これからクイーンに相応しくない者を処刑しに行くとしましょう。
催眠術では手緩かったようです。
あの邪魔なオルフェノクにように確実に処刑しましょう。まずはヘレネとエリカ…それにジュリを…」
「何を言っているの?」
「若きクイーンよ。貴女はキングを支え、ファンガイアを導くだけの強さを身につけねばなりません。
もう遊んでいる時間はありません。
貴女がいつまでも弱いのは周りに合わせているからです。
したがって貴女に相応しくない者は処刑することにします。」
さっきから何を言い出すのかと思えば、
あのオルフェノク?処刑?まさかそんなはずは……。
「ビショップ……もしかしてオウを殺したのは…貴方なの?」
「だから貴女は出来損ないだと言うのです。
気がつきませんでしたか?王族関係のファンガイアが特技を使うと現れる
ファンガイアのシンボルである赤い月が空に浮かんでいたことに……。」
「許さん!!ビショップ貴様!!」
「ようやく目をあけてくれましたね。貴女に夜が来る。」
メデューサの瞳が赤く染まる。
「ククルカン!!変身!!喰らえ」
同じ超能力者の私には催眠術に少し耐性があり、それは一度かかったらビショップの意思以外では解けないといわれるメデューサの瞳も例外ではない。
「情けない。正直失望しました。これがこの世で唯一、闇のキバと同等の力を持つといわれるサガの力ですか。
仮に体調が万全だったとしても、これではファンガイアを導くことはできません。
貴女に戦い方を教えた私達に勝てるとでも思っているのですか。」
触手に腕をからみとられ弱々しく放たれたパンチを受け止めながら、ビショップが笑う。
「貴女にクイーンの力を受け継ぐ資格があるか見せてもらいましょう。」
「何をする!」
ビショップが私の胸に両手を重ねて当てる。
その掌にはビショップの紋章が輝く。
「体の中に眠りしファンガイアの血よ。その力を解放するのだ。
全てはファンガイアの未来のため……。」
「ちょっとビショップあんたやりすぎ!そんな命令受けてないだろ!」
ルークとビショップの口論が遠くなる。
ナイトそれにポーン・・二人は知っていたの?
いけない…・・・意識をしっかり持たないと…
体の芯がカーっと熱くなる……。
キャッスルドランを訪ねたタケシ達一行をビショップが待ち構える。
ビショップの真意が語られたそのとき……
タケシの怒りが怒りが爆発する。
次回「未来」お楽しみに
ご無沙汰になって申し訳ない。
そしてタイトルを忘れていた。
タイトルは「真実」でした。
更新乙ー
また場面変わったな
ヒーロー学園の平和な学食にコータ、ヒルト、アイ、イシイの
四馬鹿カルテットが現れると先に並んでいた学生達の列の後ろへと並び始める。
「お姉さん、ツインテールのてんぷら一丁」
「ないよそんなの!?」
ヒルトはまろやかなエビみたいな味がすると評判の裏メニューを注文し
すかさずヒルトの後ろからコータが突っ込みを入れる。
「あらやだ、相変わらず口が上手いねぇ、ヒル坊は、ツインテール一丁!」
「あるの!?」
ゴトリと分厚い肉のような何かがヒルトの手元に置かれ
嬉々とした表情でスキップを踏みテーブルへとつくと、イルーゼが鼻を摘みながら
両手を振りツインテールから放たれる臭いを遠ざける。
「磯クサッ! あなたなんてモノ食ってんのよッ!」
「いいじゃん! 八つ裂き光輪って地味にエグイ名前だからいいんだよ!」
「嗅覚にエラー発生、消臭フィルター作動ですよ」
「便利なロボットだなぁ……消臭機能付きか」
消臭剤扱いされたアイが眉間にしわを寄せ、明らかに不快な表情をみせると
テーブルの下で繰り出されたカカトがヒルトの足に食い込み地面にめり込んだ。
「お、俺の足がッ! こ、このダメっ娘ロボコンめ! 少しは力の加減を覚えろ!」
「カブトガニは磯臭いので、喋らないで欲しいですよ」
「そもそも、本当にカブトガニなのあなた? ちょっと丈夫過ぎると思うんだけど……」
「やられても脱皮すれば元に戻るんだよ、フフフ、ハイテクだろう」
ヒルトの抜け殻を想像して気分の悪くなったイルーゼが
食べていた食事の箸をおき、ヒルトの目を睨みつける。
「そういやコータ、用事ってなんだ?」
「うん、この後、付き合って欲しいんだけど」
ヒルトの隣でモサモサとパンを齧るコータが顔を合わせそう言うと
発言の意図を読み違えたイルーゼが頬を赤らめる。
「やだ、何やってるの、あなた達……男同士で」
「弁解するのも面倒だからスルーするぞ……
実戦訓練なら授業で受けてるだろ、コータ」
「誰かさんが装備のエレキギターを壊さなければ単位足りたんだけどね」
「壊した奴がいるのか? 全く……人から借りた物を壊すとは不届きな奴がいたもんだ」(←犯人)
「人から借りた物を壊すのは悪い子ですよ」(←直接原因)
「……」
コータが頭を抱えながら肩を揺らすと、心中を察したイシイさんが
憐憫のまなざしを向けるのであった。
――閑話休題――
「という訳で……新しい配給装備グロウベルトだよッ!」
「特撮板でポシャったオリジナルライダーみたいな名前だな」
「また意味不明な……」
自重しないヒルト、呆れ顔のイルーゼ、ノラネコと戯れるアイが見守る中
コータは変身ベルトを腰に巻きベルトの電源を入れる。
glowing system setup,,,,,,
周囲に機械音声が響き、赤い閃光があたりを照らすと
赤いボディに走る白い帯に身を包んだ新ライダー”仮面ライダーグロウ”へと変身を完了した!
「おぉ、なんか弱そう……どんな能力があるんだ?」
「ち、力が全然湧かないんだよ! 取扱説明書」
コータは付属していた取扱説明書を取り出すと内容を音読する。
「えーと、仮面ライダーグロウは成長するライダー、LV1から……経験値を溜めてください」
かくしてスライムすら倒せないニューヒーロー、仮面ライダーグロウが誕生したのだった。
乙です!
結局仲いい奴らなんだなwグロウの今後に期待
ツインテールの味はエビに似ているというが……
wikiの生徒にベラドンナ三人だけやっと編集しました
変になってないか暇なときにでも確認できたら誰かお願いします
たったこんだけの編集にえらい時間かかってしまったw
僕の名はタケシ!
次期ファンガイアの王になるもの。
頭が高い!
今日は婚約者を迎えにクイーン(リョウコ)の居城であるキャッスルドランへ来ている。
キャッスルドラン
ファンガイアのライフエナジーを捕食する、ドラン族最強の怪物・グレートワイバーンを改造した巨大モンスター。
巨大な西洋風の城からドラゴンの頭・尾・四肢が伸びたような外見をしている。年齢は320歳(人間換算で32歳)。
城の内部は居住空間となっており、下階層は捕食したライフエナジーやキバに仕えるモンスターを幽閉する牢獄、
天守閣は城主の間、寝室、宴の間などを備えた城主専用の空間『マスターハウス』となっている。
偵察から帰ってきたキバットがバサバサと羽音を立て、僕の左肩に止まる。
『リョウコは地下牢にいるようだ。』
「御苦労。」
『ところで一つ気になる話を聞いたのだが……。』
「ほぉ、なんだ?」
キバットの話は耳を疑うようなショッキングな内容だった。
ビショップといえば、代々王家に仕える名門ではないか。
何故そんな暴挙を起こしてしまったのだろうか。
「キングよ。どうしたのじゃ?」
後ろについているヘレネが背中にぶつかる。
「すまん。」
「おおかた、クイーンに第一声をどうかけようか考えていたのであろう。」
「そうではない。それよりよく聞け。もう少ししたら敵が来る。
私はそいつには聞きたいことがある。したがってお前らは先に行け。
クイーンは地下牢にいる。」
「ルークではあるまいな。奴は我輩の獲物だ。」
「安心しろ。ビショップだ。」
ハイドがクイーン奪還付き合うと言ったときは少し驚いた。
なんでもルークにはカリがあるらしい。
すると塔の方から小さくビショップがこちらに向かってくるのが見える。
手筈どおりヘレネ達を先に行かせる。
「キバットバットにクイーンを探させていたら、興味深い話を耳にしてな。」
「ほぉ、それで?
まさか貴方まで友達だとか甘いことを言うのではないでしょうねぇ。
次のキングとはいえ、私はクイーン直属の親衛隊……。
私に手を出せばタダではすみませんよ?」
ビショップが不敵に笑みを浮かべた。
「その様子ではオウを殺したというのは事実のようだな。」
「えぇ、何か問題でも?」
「何故だ?」
「全てはファンガイアのため。」
「そうかな?本当は自分の強さを誇示したいだけなんじゃないか?」
確かに何の理由もなく、ビショップを処罰することなど、今の僕にはできない。
しかし理由ならさっき見つけた。
「キングの名に懸けて貴様を処刑する。
貴様の悪行が世に知れ渡れば、オルフェノクとの戦争になりかねない。」
「処刑?できますかね。貴方如きに私を処刑なんて」
「ガブリ・・・変身!いでよザンバットソード!」
キバットにキングの紋章を噛ませ、ダークキバに変身しザンバットソードを呼び寄せた。
魔皇剣ザンバットソード
ファンガイアのキングに代々伝わる、「この世に存在する最も強力な剣」と呼ばれる魔剣。
巨大な魔皇石の結晶そのものを削り出して刀身としているため、剣を扱う者のライフエナジーや魔皇力に過剰反応しそれを吸収する「命吸う妖剣」であり、
剣自体が認めた資格者でなければ扱うことができない。
刀身をザンバットの牙で研磨することによって、切れ味を極限まで保つとともに、常に最高峰の破壊力を発揮する。
直接的な斬撃の他にも、注入された魔皇力を赤いエネルギー刃として飛ばすことも可能。
「ほぉ、ザンバットソードを従えましたか。これは頼もしい。
では私も全力を出した方が良さそうですね。変身!!!」
ビショップは眼鏡を外しポケットにしまい、アゲハ蝶を彷彿させるスワローテイルファンガイアへと姿を変える。
スワローテイルファンガイア
ビショップの本来の姿であり、アゲハチョウを彷彿とさせるインセクトクラス最強のファンガイア。身軽な動きで相手を撹乱する頭脳プレイを得意とし、
口から吐き出す炸薬燐粉を武器に戦う。また剣も使用する。
「王の判決を言い渡す。死だ!」
『ウェイクアップ(究極覚醒)3 』
キバットがフエッスルを吹く。
フエッスル
キバットベルト両サイドのフエッスロットに装備された召喚・覚醒笛。
8種類存在し、キバットが吹くことでその種類ごとに様々な効力を発揮する。キバット以外は吹くことができない。
魔皇力を緑色の波動として放出し、黒いキバの紋章を形作るとビショップを拘束する。
「うわぁぁぁぁぁぁ」
ビショップは流れる電撃に顔を歪め苦しむ。
「ファイナルザンバット斬!!」
そして間髪入れず、必殺技の準備に入る。
既に赤い月は出ている。
誰かがそれに気が付き騒ぎ出すと面倒だ。
『ウェイクアップ!』のコールとともにザンバットのウェイクアップフエッスルを吹くことで発動、
剣の刀身に容量限界の魔皇力を一気に蓄積し、赤く輝くブレードで一度に複数の敵を一刀両断にする。
「若きキングよ!!何故です?何故このような仕打ちを……。私は本当に…」
「王は…俺は誰の指図も受けん。俺は俺のやり方でファンガイアを導く。」
船頭多くして船山に登るという諺があるように、頂点は僕一人で良いのだ。
ソードを鞘にしまうとビショップの体が爆発する。
またつまらぬモノを斬ってしまった。
「キングよ。今日のところは退くとしよう。だがいつの日か必ずこの恨み晴らしてやる。」
「クイーンが悲しむからな、加減してやったんだ。今度俺達の視界に現れたら即殺す。」
「忌々しい、覚えていろ……。」
僕の必殺技をまともに受けたのだ。しばらくは大人しくしていることだろう。
捨て台詞まで雑魚キャラのせりふじゃないか。
さてハイド達を追うとしよう。
『若きキングよ、まだまだだな。』
歩きながらキバットが僕に話しかけてくる。
「もっと具体的に言ってくれ。」
『今は亡き先代なら紋章でもっと痛めつけて、二度と王に刃向う気など起こさせないようにし必殺技を使うだろう。
脅しのように必殺技を乱発していては、敵によっては見極められてしまうやもしれん。
格下との戦いになれていると、自分と同格の相手と戦う時に怪我をする。
些細なことでも油断するでない。ウサギの様な臆病さと洞察力を持て。』
「わかった。」
父はアンゴルモアの大王と勇敢に戦い……そのときの傷が原因で400年前に死んだ。
今は先々代キングだった叔父が再登板しキングとして皆をまとめている。
そんな叔父も年には勝てず実は病に伏せる身、
またビショップのような者が現れないとも限らない、早く一人前にならなければ……。
『ん……なんだあれは?』
キバットが空中を旋回し騒ぐ。
城門の辺りから黒煙があがっていた。
高層ビルが建ち並ぶビジネス街にスーツ姿に身を包んだ男、ノブが姿を現す
目立たぬ場所にひっそりと息を潜めるように建つ社屋”ガイスト・インダストリー社”の
玄関口へとバイクを停め内部へと歩き出すと、受付の男性社員に声をかけた。
「早川探偵事務局の佐村と申します」
「アポイントメントはお取りですか?」
「えぇ、三日ほど前に総務部の杉田さんから……」
受付の男は内線を取り総務部へと連絡を入れる間、
ノブは受付がスーツの脇から覗かせるガンホルターを確認する。
(治外法権って訳か……)
「やぁや、お待たせしました佐村さん、お目にかかれて光栄です
あ、これ名刺です……何か入用でしたらお知らせください」
「どうも、戦争する時は御連絡します」
ノブは差し出された名刺を受け取ると、冗談交じりに自らの名刺を差し出し交換する。
戦時に兵器や傭兵の派遣業務を行う民間軍事企業”ガイスト・インダストリー”
民間企業に戦争を委託するという新しいビジネスは湾岸戦争以降は常識となっている。
最早、悪の軍団と騒がれた”武装組織”や”死の商人”は合法的な代物なのだ。
「最近ではブラック・ウォーターの連中との、顧客争奪に抑され気味でしてね」
「引く手あまたという訳ですか」
「おっと、無論我々は戦災の即時解決を願って止まないのですよ
確か佐川さんはヒーロー学園のOBとか……」
そういうなりビジネスマンはノブの表情を窺いながら言葉を切り出す。
民間軍事企業の大手”ガイスト”も、ヒーロー学園の数多くの出資元の一つとしてその名を連ねている。
「私は中途退場です、どうもヒーローには向いてなかったようで……」
「さぁ、こちらにおかけください」
杉田が差し出すソファーへとノブは腰をかける、
ヒーロー学園からこういった企業に卒業生が就職するケースは多い。
力と人の命を扱う軍需企業が最も利益を得ることは誰の眼から見ても明白であり、
カネの持たぬ小国であればその軍事力で制圧することも容易い。
少なくとも”ガイスト”とはそういう企業なのだ。
「さっそくですが、今日はどのようなご用件で?」
「えぇ、”死なない兵士”についてお話をお伺いしたいと思いまして……」
ノブが用件を切り出すとさして慌てる様子もなく、杉田はあっけらかんとした表情で答える。
「はい、”死なない兵士”の研究開発ですよね、私共では取り扱っておりません
核戦争下の中でも生存し、驚異的な戦闘力を発揮、しかしこれでは絵に描いた餅です」
「……と、申されますと?」
「人類が生存できない極限下で動ける兵士を作っても、まるで意味がないからです
戦争というものは……あぁ失敬、ここはオフレコで、失言でした」
「占領統治出来なければ戦後利益が得られない?」
ノブの用意したテープレコーダーを警戒してか杉田はゆっくりと頷いた。
戦闘力を高めた改造人間、自律思考で動く人造人間等も
核爆発による放射能汚染や電磁波の影響からは逃れることは出来ない。
そして脳や脊椎を改造することが禁じられている状況ではそれを打開する道もないのだ。
「では、そのような研究は凍結されていると?」
「そうなります、それ以上踏み込めば核の抑止力が崩れてしまう」
「例えば何者かがその研究に手を付ける可能性は……」
「……ノーコメントです」
ノブの目的に感づいたのか、杉田は口をきつく結ぶとそれっきり口を閉ざしてしまった。
「探偵さんあなたの身の上にも色々と不都合ではないですか?」
「なに、ハジキ(拳銃)弾丸くらい弾くのは訳ありませんよ」
軽く会釈しその場を立ち去るノブに杉田が背後からそう忠告すると
影から伸びたイメージが異形の姿を形取り杉田の懐を指差しニヤリと微笑んだ。
×確か佐川さん
○確か佐村さん
すいません誤字りました
wiki更新完了しました。
遅くなって済みません。
次は出来れば、有志の人にやって欲しいなぁ。
自分の分はタイトル入れて、収録しやすくするよう心がけますんで
よろしくお願いします
ベラドンナは誰か他世界とは絡まないんかなぁ
良いキャラだと思うんだが…
今何年生なん?
>>456-458 >>460 毎度投下乙です
独自の世界があってイイ!
>>462 とんでもないです 無知で更新できず申し訳ない
ありがとうございます
>>463 設定が甘くてすんません カラッカスは二浪してて一年か二年か
あとの二人は留年し続けてよくわからくなってるとゆー設定です
まあ背景程度に使ってくれたらうれしいです 使いにくいかも知れんですが
ここの世界を壊してしまわないかと不安になってしまう…
たしか石ノ森世界は全部繋がってる同一世界でしょ
電王の四人のイマジンの元ネタはアクマイザー3だし
ファンガイアとアクマ族も似通ってる
円谷、石ノ森、タツノコ系はOKってことでいいんですかね
オリジナル系と二次創作系?というか元ネタある系が混ざってると、
あんまり平成ライダーとか知らない身としては作品作るの躊躇する
ヒルトの人とかオリジナル一辺倒の人もいるから、
あまり自分で間口狭めない方がいいのかもしれないけど
ヒルトのは昭和特撮の二次創作
・登場人物はスカルマン・昭和・平成ライダー・キカイダー・宇宙刑事等
・イルーゼの登場時の口上はポワトリンのパクリ
・デストロイヤーがロボット三原則無視しまくるG級ロボット(ロボコン)
・早川探偵は怪傑ズバット、ノブの能力がスタンドっぽいのはスタンド=カゲスター
・作中のゴーストは009に登場する組織ブラックゴーストのパクリ
登場人物のビジュアルを今風にしてあるだけだと思われ
真面目になったり不真面目になったりするのは
特撮ではよくある現象のパロディ
シリアス化>子供が見なくなる>テコ入れ>ギャグ化
別に元ネタとか気にしなくて良い気がする。
パクリとかそういう言い方はどうなんだろう
せっかく書いてくれてる作者さんに失礼だよ
「これがお前の新しい武器の威力か。なかなか良い武器だ。」
ライオンファンガイアへと変身していたルークが右膝を地面に着く。
「鍛冶屋のカラッカスに伝えておく。
名をデスサイズという。
死神の大鎌…グングニルの槍…ミョルニルのハンマー…ダーインスレイヴの剣…アイギスの盾を我輩の炎で成形する武器だ。」
我輩は大鎌を消し、今度はブレードへと変形させる。
「判決を言い渡す。地獄の業火で魂まで焼いてくれよう。」
「く…ここまでか…」
遡ること一か月前
我輩はルークとの戦いで愛用の武器(デスサイズ)を失っていた。
手に馴染んだ武器だっただけに悔やまれる。
感情が昂って黒炎を出したら、武器が突然壊れてしまった。
(お…見つけた。)
食堂へ向かうカラッカスの姿が見える。
デスサイズはあの男に造らせた武器なのだ。
奴は同級生の友達が居ないのか……寮で一人で食事をとっているところを話しかけてみたら意気投合したのである。
まぁ我輩も友達が少ないので人のことは言えないが。
「よぉアツシ。お主……我輩からのメールを無視するとは良い度胸である。」
「ハハハハ……ハイド…!!!ひひひひ・・・」
「落ち着け。この前お主に貰ったデスサイズ…壊れたので修理せよ。」
「こ……壊れた?一応ISO…ASTMはもちろんのこと……あらゆる耐久試験の基準を満たしているはずなんですが……
どんな無茶な使い方をしたんですか?」
「ちょっと気合いを入れて握ったらこの様だ。お主さては不良品だったのではないか?」
「そんな馬鹿なぁ。あのデスサイズは俺の自信作だったんですよ!
詳しい状況を教えてください。」
(この様子だと不良品ではなかったようだ。)
誰もいない研究室でカラッカスが黒板に何か数式を書き始める。
「お渡しする時にも説明しましたが、あのデスサイズはハイドの炎に呼応して形作られるように設計されています。
つまりX=AL2+2XAS-LAS・・・というエネルギー変換率ですから、
10X10の10乗くらいのエネルギーがかかっても壊れないということになります。」
すまぬ。サッパリわからん。
この手の話はヘレネが好きなのだが……。そういえば、ヘレネにデスサイズを見せた時も同じようなことを言っていたな。
「ここ最近で急に強くなったとか、そんなことはありませんか?」
ここ最近急に…
心当たりはないな。
「感情が昂ると黒炎が出せる話はしたと思うが、それが自分の意思で出せるようになった。
それくらいだ。」
「黒炎ってなんですか?初耳なんですけど……。」
我輩は仕方なく黒炎を少し出してそこらへんの紙を燃やす。
全く人の話を聞かぬ男だ。
そんなことだからモテヌのだ。
「この炎は我輩が決めた対象物が燃え尽きるまで消えない。仮に対象が逃げようとしても、視界に入る限り逃れる事はできんのだ。」
「そんな能力あるなら先に言っておいてくださいよ……。
全くこれだから素人は困るんだ。
前提条件が狂うわけだから全部計算しなおさないと……。」
アツシは何かブツブツと呟きながら計算を始める。
「あと一つ良いか?」
「今回強敵にあい、ブレードモードだけでは駄目ということがわかった。
遠距離攻撃の武器が欲しい。
とはいっても、弓とか銃とかなら炎を投げた方が早いからそこまでの物はいらない。」
「簡単に言ってくれますねぇ、まぁそのうち直しておきますよ。」
「今すぐやれ。最速で最優先で……」
我輩が黒炎を出して脅す。
「ら…来月研究発表会なんですよ。テーマもまだハッキリ決まってなくて……」
ほぉ、それは確かに大変だ。
我輩は研究畑ではないので、ヘレネのノートをコピーしペーパー試験をクリアするだけだが、こっちの方は大変なのだな。
「それは大変だな……。」
「わかってくれましたか。」
アツシがほっと胸をなでおろす。
「我輩のデスサイズを造れてかつ、お主が研究発表会で好成績を収め、専用の研究室を貰えるような好成績を収める方法があるぞ。」
「一応聞きますけどそれって……」
「これからデスサイズを最短で完成させ、我輩がそれを積極的に使用し、お主に感度を伝え調整する。
そしてそれをお主が小難しく捏ね繰り回してレポートにまとめる。
どうだ一石二鳥だろう?」
「相変わらず自分勝手だなぁ。1年からの付き合いじゃなきゃな。
なんでお前なんかと意気投合しちゃったんだろう。
人生最大の汚点だよ。
ベラージョ様と知り合った後ならそんな事なかったのに……」
相変わらずブツブツとしゃべる男だ。
こんなことだから陰気くさいと陰口を叩かれるのだ。
「そういえばお主、悪の組織に入ったのだったな。」
「ベラドンナという組織だ。それから俺のことはアツシではなく、カラッカスと呼べ」
「カラッカス?」
「偉大なる名前だ。リングネームみたいなもんだ。お前のつるんでいるヘレネも変身してガタックになるだろう。
それと同じようなもんだ。」
「そうか。カラッカスよ。ではこうしよう。お主も晴れて悪の一味になったということは、いずれ正義に敗れる日が来るやもしれぬ。
そのときお主だけは天国に行かせてやろう。」
「そんな事できるのか。」
我輩を誰だと思っている閻魔大王の息子にして、次期冥府の裁判長であるぞ。
一言「天国」といえば、どんな悪行の限りを尽くした悪党でも天国行きだ。
「ちなみに断ったら?」
「どんなに善行を積み重ねていようとも、地獄のツアーを組んでやる。」
「お前は悪魔か…。鬼か…」
「鬼だが何か?」
「あとそうだな。どうだ?ヘレネとエリカとクイーンの写真を撮影してやろう。
それを売った金を研究費の足しにするがよい。
隠れたファンも多いと聞く需要はあるはずだ」
「この学園で唯一俺と同格の天才だが、ヘレネは性格が悪そうだ。」
「まぁそういうでない。減るものではないから、撮っておいて損はなかろう。
写真は喋らぬしな。
持つべきモノは友というではないか。」
しばらく押し黙ってカラッカスが計算を始める。
「E=mc^2…
1amu=〜MeV…
1アトミックマスユニット=〜メガエレクトロンボルト……」
聞いただけで頭が痛くなる。
ちゃんと言葉で喋れ。
「こんなもんでどうだ?
あ…ハイドにはわかんねぇよな。」
「お主はその若さで生きることに疲れたのかね?」
黒炎を再び右手から出す。
普段は丁寧な言葉使いの癖に、俺様モードが発動すると途端に生意気になる男だ。
「冗談だって。怒るなよ。
ちょっと時間かかるから1週間くらい時間くれるか?
何しろモードも増やすわけだから…」
あまりせかしてまた壊れたら面倒である。
そのくらいは待つとしよう。
「任せた……。」
カラッカスは既に自分の世界に入り込んでしまったようなので、音をたてないようにそっと研究室をあとにする。
その間に報酬の写真を撮るとしよう。
エリカは電化製品が好きな癖に説明書を読まない。
あやつなら
デジカメをプレゼントする→嬉しくてとりまくる→プリントの仕方がわからない→データをコピーする
この作戦でいけるはずだ。
ヘレネとはいつも一緒にいるし、ほとんど毎晩一緒に寝ているようだ。
写真に撮るのは簡単なはずだ。
クイーンは今実家に帰省中だから取れなかったけど、その代りたくさん撮ってきたよしこれで行こう。
カラッカスの目的は研究費なわけだから、そんなに気にもすまい。
何かいうようなら、ヘレネのメアドでも教えてしてやるとしよう。
口ではあ〜は言っていたが、あれだけの美貌の持ち主だ。
多少の性格の悪さもカラッカスなら気にすまい。
それにしても、ベラージョ…あの女……
我輩やヘレネ以外にもカラッカスの頭脳に気がついている者がいるとは思わなんだ。
確か甘党のエリカとよくケーキショップに通っている仲と聞いている。
ついでだから少し探ってみるとしよう。
デスサイズの完成当日
ハイドはある不良学生から
カラッカスを誘拐したので、一人で体育館裏に来いとの挑戦状を受ける。
ヘレネやエリカが止めるのも聞かず、一人体育館裏へ向かうハイドを待ち受けていたのは……。
次回「友情の証2」お楽しみに
>>464 カラッカスが天才ってことだったのと、メカに詳しいってことだったので、
ちょっといじってみた。
言葉づかいとかわからなくて、うまくいじれなくてごめんなさい。
特に学年わかんなかったんで、
ハイドと同級生って事にしてしまいました。
良かったらそっちでも勝手にいじってください。
世界は壊れないと思うよ〜
>>473 おおー! 何だか重要な役割を与えてもらっちゃってw
うれしいです キャラもいいです 気を遣わせてしまってたらすんません
クロス初心者でうまくやれるかわからないけど
ネタ思いついたらやってみます
>>467 うわ、かなり色々元ネタ盛り込んでたのか!
駄目だ全然わかんなかった、無知でごめんなさい
あとオリジったらこの前ファビョってた人ぐらいか
ちょっと元ネタ入れ込むようなのは書けそうにない、失礼しました・・・
昔のネタから拾うとバレないから1から100までパクリ
477 :
もう一人の天才科学者 ◆ccu2hP6PPA :2008/12/31(水) 11:46:45 ID:/1ZkCbcK
私の名前はナツミ。
知能指数600。スポーツ万能。
10歳のとき世界最高峰の大学院を飛び級でしかも首席卒業するも、レベルが低すぎて話が合わないとの理由で失意の帰国
その後暇つぶしに論文をいくつも発表し、数々の博士号を取る。。
現在はタチバナ奨学金で学園に通ってて、ライダーマンことユウキ先生のゼミに所属しているわ。
主な研究内容は貴方達凡人達に説明してもわからないだろうから、詳細は省略するとするわ。
簡単にいうと遺伝子工学における改造人間と強化人間の境界線と両者の未来予想図についてってところかしら。
え?わかったの?貴方なかなかやるわね。
今度私の研究室にいらっしゃい。
お茶でも出すわ。
今度アンゴルモアを遺伝子工学の観点からディスカッションしましょ♪
ちなみにこの学園では
仮面ライダーシャダイムのメンテナンスから調整まで全てを任されているの。
「聞いてよ。またシャダイムが新しい姿になったの!」
嬉しそうに話している彼女の名はハルカ……。
私が初めて改造手術のプランを立てた改造人間。
その体内には私がミナミ先生のキングストーンの遺伝子を改良することで造ったエンペラーストーンが埋め込まれている。
本来改造人間のメンテナンスなど、下っ端にでもやらせ研究に専念したいところだが
こんな貴重なサンプルが手に入ることは滅多にないので、私が直々にメンテナンスをしてやっているのだ。
「そう、それは良かったわね。」
「いつもごめんなさい。もっと具体的な数値とかが知りたいのでしょう?」
全くだ。馬鹿は馬鹿だと思っていたが、ここまで馬鹿だったとは……。
タイムライダーに変身したときのレポートを読んだとき心から後悔した、こんなことなら脳も改造しておけば良かったと。
そうすれば、今頃エンペラーストーンにどういった刺激が与えられたか詳細に分析することが出来ていたのに!
ユウキ先生が許してはくれなかっただろうけど……。
念のため後から造ったバイクの方には、もう一段階改良して思考回路を持たせたバージョンを埋め込んでおいてよかった。
ハルカの変身に呼応して、バイクも変化するので近似値を測定することが出来るのはせめてもの救いだ。
危うく骨折り損のくたびれ儲けになるところだった。
まぁ良い、これも次のサンプルが見つかるまでの辛抱だ。
それにハルカのメンテナンスを引き受けたお陰で、専用の研究室も与えられている。
二年生でこの待遇は異例のことだ。
まぁ私として当然なんだけど、大部屋で研究なんてどこから研究が漏れるかわからないしナンセンスよ。
漏れたとしても凡人に理解できると思えないけど。
「気にしなくていいわ、変身の分岐点についての研究はキングストーンの遺伝子構造を解析していたときから
想定はしていたことだから。まぁ何が鍵かまではまだ不明だけど。」
「あ…相変わらず頭良いんだね。」
「無理して話そうとしなくてもいいわ。」
「別に無理しては……」
「私を怪物とかロボットとか陰で呼ぶ人が居るのは知ってるわ。
全ての事象には原因があるから、私にも原因はあるんでしょうけどね。」
「言っとくけど、私は一度も言ってないよ!
そりゃぁ最初は私のことサンプルとしてしか見てないのかと思ったけど、ちゃんと相談にものってくれるし…」
私は今でもサンプルとしてのハルカにしか興味がないというのに、つくづくお目出度い思考回路だ。
「終ったわ。特に異常なし」
「ありがとう。」
いっそどこか故障してくれれば、再改造する口実が出来るのに……。
完璧に設計してしまったことが裏目に出たみたい。
自分の才能が怖いわ。
「ところでちょっと会わせたい人がいるの。」
「誰?男なら間に合ってるわよ。これでも研究者には女性が少なくてね。こんな私でも言い寄ってくる男はいくらでもいるの。
知ってるとは思うけど、私…自分より優秀な人間にしか興味持てないの。」
「それは私の名前をなかなか覚えてくれなかったことで知ってるよ。
ちょっと調べてほしいんだ。」
私に調べ物を頼むなんて、挑戦状を叩きつけているに等しいこと理解しているのかしら?
「ユイ!入ってきて。」
研究室のドアが静かに開く。
入ってきたのは茶髪の女性…
ふん、チャラチャラしやがって、髪の手入れする暇があるんだったら数式の一つも覚えたらどうなんだ。
「あの初めまして…」
「まぁ座りなさい。そこの貴方コーヒー煮詰まってるは変えて頂戴」
私が助手に顎でクイっと指示する。
「ちょっとあの人上級生でしょ。大丈夫そんなことして……。」
小声でハルカが尋ねる。
相変わらず改造人間の癖に小さいことを気にする女だ。
「ここは私の研究室。そして私は結果も出しているのよ。」
「ナツミが夜道で襲われないことを祈ってるよ。」
「御心配なく、柔術・剣術・柔術拳法・合気道全てマスターしてますから。
古武道なんてのは力学の応用でしかないのよ。変身していない状態なら貴女にも多分負けないわよ。試してみる?」
「やめとく、ライダーになる気は無かったの?」
「自分で自分の改造手術はできないでしょ?自分より無能な人間に貴女自分の命預けられる?」
「確かにそれは厳しいね。で話を本題に戻すとね。」
ハルカが強引に話題を戻す。
「ユイが学園祭のときにアンゴルモアの子分に囚われたのは知ってる?」
学園祭……手帳をペラペラとめくる。
「その日は確か機械工学学会に参加していたわ。そんなことがあったの……。
正義の味方が悪にねぇ……」
「面目ない。」
恥ずかしそうにユイが俯く。
「それで?」
「デルタ状態で捕まったもんで、向こうでちょっと改造をされたみたいなんだ。
ユウキ先生の話ではロストテクノロジーじゃないかって話なんだけど。
ナツミなら何かわかるかもって」
「ロストテクノロジーねぇ……。」
素人のハルカがいうならわかるが、ユウキ先生までそんなことを言うとは珍しい。
ユイは変身すると、足の踵の辺りを私に見せた。
見たところブースターのような感じか。
「でこれをどうして欲しいわけ?取り外すの?」
「いや、原理を教えてほしい。それだけで良い。」
「はぁ?」
「考えてもみて、自分の知らないうちに得体の知れないものが付けられてるんだよ。
不安でしょ?」
「別に不便じゃないわけよね?」
「むしろ便利になりました。極超音速で行動できるし」
ちょっと待て今なんていった。
たったこれだけのブースターで超音速だと……
「実に面白い。」
「さすがナツミ!もう解明されたの!」
「いや、サッパリわからない。とりあえず写真とデータを向こうで測定させて頂戴
そこに貴女……ちょっとお願い。」
ユイが助手に連れられ測定室へと入っていく。
「一つ聞いていい?仮に原理を私が解明したとして、それが何になるの?
貴女達戦闘担当に理解ができるとはとても思えないんだけど。」
研究テーマとしては面白そうだが、その目的が分からない。
「ユイだって理解しようなんて思ってないよ。
ただ安心して戦いたいんだよ。それにハルカなら有効利用して、新しい技術に転用できるかもしれないじゃない。」
そんなもんかねぇ。
まぁハルカも安定してきて飽きてきたことだし
この新しいサンプルで暇を潰すとしよう。
「お…お疲れ!じゃナツミよろしくね。」
「ええ…わかったわ。」
しかしドアのところまで進んでいたハルカがくるりとUターンして戻ってくる。
「ユイに変なマネしたら許さないからね。あの子はもう十分苦しんだ。余計なことはしないように……」
小声で私の耳元に囁く。
サンプル風情が偉そうに何様のつもりなんだ。
この私を脅すとは良い度胸ね。
ハルカが帰った研究室で私はさっそく分析に取り掛かる。
「ほぉ……」
なんだこれは……。
助走距離0で瞬時にマッハ10だと。有り得ないだろう。
空気力学をなんだと思ってるの。
(悪い夢でも見てるんじゃないかしら)
珍しく現実逃避してみる。
駄目だ。無理…
「お先に失礼しま〜す。」
「お疲れ様です。」
ふとディスプレイの右下を見ると、デジタル時計は23時を指している。
気がつけば研究室には私の姿しかない。
息抜きがてら、研究棟を散策してみることにしよう。
正義部と悪部は基本的は別校舎を利用することになっているが、研究棟だけは同じ校舎でなのだ。
ちなみにかつては研究棟も戦闘許可区域に指定されていたが、
愚かなる先輩が23年前バイオハザードを起こしかけたため、現在は絶対戦闘禁止区域に指定され
細菌関連は地下10-20階のクリーンレベル4-7実験室でのみ使用を許可されている。
「ん…ん?」
とある一角に明かりのついた部屋を発見する。
私以外にも学生が残っているようだ。
ちょっと様子を見てみよう。
「なんだ。カラッカスか……。」
この男人呼んでマッドサイエンティスト、カラッカス
研究に没頭するあまり試験をすっぽかし留年してしまうような変人だ。
まぁ私にだけは言われたくないか。
「何かようか?」
「別にちょっと研究にいきずまってね。」
「驚いた。この学園で唯一私以上の科学者であるお前でも悩むことがあるのか。」
褒めているのか嫌味なのかコメントが難しい。
「そっちは?」
「武器の開発だ。試作機が壊れてね。ハイドからすぐに直すように言われてる。」
「悪は良いな。何の制約もなしに強力な武器を造れて。
こっちはやれリサイクル性だの、環境保護だの。制約だらけ。」
私はソファーに座るとふっと溜息をつく。
「おいおい、お前ほどの天才が無制約で武器を製造し続けたらどうなる?
俺達の仕事が無くなっちまうだろうが。
神が与えたハンデだよ。
学園史上最高の頭脳を持つお前と天才の俺との差を埋めるには、そのくらいのハンデがないと勝負にならん。」
カラッカスとはいつかお互いの自信作の兵器同士を戦わせる約束がある。
そのことを言っているのだ。
「今度はどんな武器を考えてるんだ?」
「術者の意思で武器の形体が変わるようにしたい。」
「意思を持たせたいのか……。で出来そうなのか?」
カラッカスは両手を宙にあげる。
「機械の有機生命体化か。そのテーマなら以前取り組んだよ。
もっとも武器ではなく、バイクだったけど……。」
「お前のことだ。エンペラーストーンの研究は進めてるんだろ?
確かシャダイムとか言ったか、あれに移植したのは一部機能に制限を掛けたんじゃなかったか?」
私はプロテクトを掛けていないバージョンを移植したかったのだが、
改造手術と人体実験を一緒にするな!と激怒され、しぶしぶ安定したバージョンに直前でチェンジしたの。
「まあねぇ。」
私が得意気に親指をグッと立てた。
「どうだ?共同研究しないか?」
「気が進まないわ。アンタの研究を手伝うとロクなことがないから……
あの後大変だったんだからね」
「Gシリーズの事か?上手く逃げたくせによく言うよ。
俺は何もしゃべってないからな。」
戦闘ロボットG45とG46とG47とG48が暴走し、あまりにその力が強力だったためにOBに出動を要請する騒ぎになったことは記憶に新しい。
ちなみに暴走の理由は自己進化・自己再生・自己増殖等を司る人工知能をプログラミングする際の入力ミス
単純なヒューマンエラー使えない助手を持つと苦労する私のプログラムは完璧だった。
実際後から製造したG55では暴走は起きず、現在は環境汚染の激しい環境の浄化や宇宙探索に役立っている。
ちなみにボディーはあらゆる環境下での活動が可能な生物的要素を備えたナノマシンで構成され、
汚染物質の分子レベルでの除去などを行うことが可能なのだ。
このGシリーズを共同開発したのが、このカラッカスなのだ。
暴走した責任を全て押しつけられた(私によって)のも、このカラッカス。
「一応聞いておくけど、私に何をしろと?」
「エンペラーストーン一つくれ。」
「嫌よ。ただでさぇ、この前一個売っちゃって最後の一個なんだから。」
「買い手だと?誰があんなもの買うんだ?」
「知らないわよ。言い値で良いっていうから、かなり吹っ掛けたんだけど買ってったわ。」
「ユウキ先生には報告したのか?してねぇよなぁ……。」
確かに素性もわからない相手に売るのは危険な気もしたが、
それはそれで研究者としてどんな使われ方をするのか楽しみでもあったのだ。
売ったのはプロテクトも掛けず安定して力を発揮できる最新バージョンで私の最高傑作。
どんな使われ方をするにせよ。近い将来世間を驚かせることは間違いない。
その日を思うと胸が高鳴る。
「ところで詳しくはどんな武器を考えてるの?」
「使用者の意思を感じて武器が自動的に形質変化する。
そんな知能を持った武器にしたい。武器自身も敵を分析し考察し見解を述べてくれると尚良い。」
カラッカスなんだか楽しそう。
確かに考えている時が一番楽しいのよね。
「いっそ武器に喋らせるってのはどう?」
「呼びかけに応じて飛んでくるとかどうだ!」
「誰でも使えるわけじゃなくて、選ばれた人にしか使えないようにしたいわね。」
「でも使うのハイドだぞ?あいつがそんな選ばれし者になるとは、とても思えん。」
確かに私も思えない。
とてもそんな選ばれし者ってヒーロータイプじゃない。
「ハイドの声紋パターンを事前に記録しておくのは?」
「録音される場合がある。」
「柄の部分に指紋認証をつけるとか…」
「指紋って変わるって言わないか。」
・
・
・
・
「よしこれで行こう。」
カラッカスが誇らしげに設計図を私に見せる。
「エンペラーストーンの改良も終わったわ。
断わっておくけど、これにエンペラーストーンが入ってるのは二人だけの秘密よ。
一応エンペラーストーンはいつどこで何に使ったか、逐一先生に報告の義務があるんだから。」
「悪部の武器に使ったなんて知れたら、先生に怒られるって?
お前も可愛いとこあるねぇ。」
カラッカスはシゲル先生のさらに上、ホンゴウ正義部長の恐ろしさを知らないからそんな軽口が叩けるのだ。
そんなことが知れたら、私の研究者生命は絶たれると思って間違いないんだから。
「とにかく内緒。設計図にも別の名前を書いておいて。」
「わかったよ。それにしてももうこんな時間か。」
カーテンを開けると昼をとっくに過ぎ、赤い夕日が空に顔を出していた。
「私もそろそろ自分の研究室に戻って、やりかけの研究再開するわ。
あとエンペラーストーンもどきを急いで造って大勢の前で壊さないとね。」
「さっき言ってた研究にいきずまってたんだっけ?」
「助走距離・反動無しでの超音速戦闘可能なブースター……」
「さっきから思ってたんだが、こういう仕組みじゃないか?」
カリカリと紙に数式を書き始める。
「こんなもんどこで見つけたんだ?
今度見せてくれ。」
「ユイとハルカに言っとくれ。ちょっと解明してよと気軽に頼まれたんだ」
「戦闘要員ってのはどうしてみんなああなのかね。
こっちの数年の研究の成果もすぐにできて当然だと思ってやがる。」
全くだ。いくら私が天才でも時間だけはどうしようもないのだ。
カラッカスから数式を受け取ると私は研究室を後にした。
更新乙
色々なキャラクターがちょこまかと動いてて楽しいっす
いつも乙です!
カラッカス何かすげえかっこええw
ナツミさんも恐くていいです
自分も書いていかんとなー……
深夜の繁華街、ビルの谷間に吹き上がる冷気を帯びた風が唸りを上げ。
眼下では人がひしめくように埋め尽くし、一時の享楽に酔いしれる。
街頭に設置された大型モニターでは
アナウンサーが淡々とした口調でニュースを読み上げる。
『……は、ガザ地区への空爆を継続、AP通信によりますと、
27日の空爆開始からの死者は少なくとも368人、負傷者は1720人にのぼるとみられ……』
ビルの屋上を飛ぶ影が重なり合うと髑髏の仮面が壁面を蹴り月夜に飛ぶ。
それを追うように現れたクロノは中空から悠々と着地し互いに向かい合った。
「鬼ゴッコはもう終わりにしませんか?
私はこう見えても気は短い方なんです……」
「フン、何時ぞやの”イミテーション”の敵討ちというわけか」
「……いま、何と?」
髑髏の男が侮蔑するように履き捨てるとクロノは聞き違えたように言葉を返した。
本人の強い希望から学園に勤務することとなったクロノにとって
”尊敬する先人”である一之瀬に対する侮辱は
彼自身の誇りを著しく傷つける行為なのだ。
「今のは私の聞き違いですよねぇ、でなきゃお前の口がおかしくなったのか?」
「ハッハ……つい本音が出る悪い癖があってね」
また、そのキレやすい性格こそがクロノがヒーロー適正から落ちた最大の理由でもあった。
「吐いた唾飲むんじゃねぇぞッ! テメェェッ!!」
態度を豹変させたクロノが悪意を込めた眼力で髑髏の男を睨むと
飛び上がりざまに変身しつつ頭上から強襲する。
「強力招来ッッ!!」
サナギ形態へと姿を変えたクロノが突きを放つと、加速装置を作動させたチェルノボグが
寸前でその攻撃を回避し、誤爆した一撃がビルの一角を粉砕し、階下へと降り注ぐ。
「野郎ッ!!」
「正義だろうが悪だろうが破壊する力であることに変わりはない、俺達は皆”除け者”だ」
「何言ってやがる?」
両者が見合いあう形で一方的に髑髏の男が語り続ける。
サナギから脱皮し、イナズマンへと変身するまでの短い時間は
本来であれば弱点である筈、そこを敢えて髑髏の男は見逃しているのだ。
「今までに幾人の正義と悪が犠牲になったか語るまでもないだろう
所詮、正義も悪も平和に捧げる為の供物に過ぎん、神に供物を捧げ許しを乞うのが人なら、
俺は神に成り代わるまでよッ!」
「寝言は寝て言えキチガイがッ! 超力招来ッ!!」
サナギの外殻を弾き飛ばし、クロノは超力戦士イカヅチへと変身する。
加速装置を使用し空高く跳躍する髑髏を追いかけるように瞬間移動で背後を取ると
必勝の一手を発動させる。
「逆転チェストォッ!!」
緩やかに世界が減速し世界の時が止まる、完全に時を止めることが科学的に不可能でも
限りなく遅くすることは可能なのだ。超能力により時の止まった世界の中で
勝利を確信したクロノの一撃が閃光とともにチェルノボグヘと放たれた。
「”時”を切り裂けッ! 黄金丸ッ!!」
「!?」
黄金の輝きと共にチェルノボグの振るうサーベルの剣戟がクロノの体を捉える。
万物の存在”イデア”をも切り裂く光が”時間”ごとクロノを切断したのだ。
……薄暗い闇の中に佇む研究所。
髑髏の男が屠殺した家畜を引き摺るように、今日もまた生贄を連れ自分自身への供物とする。
高らかに響く笑い声は止むことを知らず、渇いた精神を狂気で満たしていた。
乙です
白熱してるね
イナズマンにサイボーグ009か
黄金バットも入ってるんだろうか
クロノ……
わざわざ元ネタを引き合いに出してくる理由が不明
私の名前はユイ。
仮面ライダーデルタ!人は私を忍者ライダーとか巨乳ライダーと呼ぶ。
ちなみに身長は176cmだい!
ジュリお姉ちゃんに憧れて、ヒーロー学園に入学したの。
今日はプロフェサーこと、シビリアンのナツミの研究室に呼び出されたの。
「1か月前に頼まれたブースターの件だけど…」
不覚にも敵に捕らわれてしまった際に謎の改造を受け、その分析と見解を彼女に依頼していた。
「何かわかったの?」
「栄養を全て胸に吸い取られてしまって、スカスカになってしまったその頭でよく聞け。」
ユイのこと嫌いなのかなぁ。
なっちゃんのこと、ユイは嫌いじゃないんだけどな。
もっとこう笑顔で話せばいいのに……
あとそれとぉ、知的に見えるとかいう理由で掛けてる伊達眼鏡を外して……。
髪も少し茶色くしてパーマかけて、お化粧も変えて…って…毎度のことながら見てるとイライラするよ。
「というわけだ。わかったな?」
わかるわけないじゃん!
キ〜キ、そのどや顔がむかつく〜〜。
でもここでもしわかんな〜い。なんていうと本格的に物理学の講義を受けることになるから
やむを得ずウンウンと頷く。
「わかったら帰って頂戴…。私は研究で忙しいから。」
「ちょちょちょちょっと待って。
あのこの前頼んた武器なんだけどさぁ。」
「チェーンと手裏剣を造ってあげたでしょ。
重いものは嫌だけど、伸縮は自在でかつどんな敵にも凄く効くとか、無くしても自然に還るものとか無茶苦茶な要求に答えたはず。」
ユイの武器の99%が彼女により造られた品物なの。
まぁいわゆる、オーダーメイドってやつ。本当は使用感とかをレポートする約束になってたんだけど
面倒じゃん?だから放置してんのよね。
「約束を守らない人には武器は造らないわ。」
「次はちゃんとやるから!ごめんね!」
「たく冗談はその胸だけにしてよね。」
「触らせてあげよっか?」
ユイがなっちゃんの手を掴む。
「ああ……めんどくさい。適当に造ってたから持ってきな。」
なっちゃんは私の手を振りほどくと、親指で研究室の片隅に転がっているプラスチックの箱を指す。
プラスチック箱にはユイ(戦闘用)とマジックで書いてある。
なんだかんだ言っても造ってくれるんだよねぇ。
「これなに?」
ユイは赤いクナイを指さす。なっちゃんの造ったものだ。ただのクナイのはずがない。
ケースには赤・青・黄…7色のクナイが入ってる。
「それはここでテストするのは危険だから後にしよう。
簡単に言うと、そのクナイで括った空間に超重力フィールドを作り出す。
最初は地球の重力の10倍程度しか掛からないが
30秒毎にそのフィールドにかかる重力は倍になり、誰も立っていることを許さない。
超重力理論を利用して造った。
ケースがアンチ重力シールド発生装置になってるから、フィールド内に入っても大丈夫だが落とすなよ。
ちなみに名前はレインボークナイだ。」
なんだかよくわかんないけどやっぱり何か特別な仕掛けがあるみたい。
テストが楽しみだなぁ。
「綺麗…この刀の刀身綺麗だね。」
続いて箱から出てきたのは綺麗な刀……
思わず脇差くらいの長さの刀を手に取る。
「それ?それは超振動ブレード。
刃が超音速振動することにより、改造人間やサイボーグの装甲もたやすく切り裂く桁外れの切れ味を持つわ。
一見するとタダのナイフだけど、刃には絶対触らないようにあらゆる物を粉々にするから。
今も極超音速で振動してるのよ。っていってもわからないか。
一応アンタのブースターをヒントにしたの。」
こんなの一本あれば十分だと思うんだけど……
2本セットなんだね。
理由は両手の方がバランスが取りやすいのと背中の鞘が一本で済むからだって。
なんか忍者っぽくなってきたなぁ。
「なんだその手は?」
「他にもなんか頂戴。」
「アンタ殴られるの好き?」
悪いけどそういう趣味はない。
そりゃぁ、なっちゃんから見ればそう見えるのかもしれないけれど。
「それならちょっと変身して。」
何だろう。今一瞬なっちゃん笑わなかった?
凄く嫌な予感がするんだけど…
変身した私をベットに寝かせ、机の方へ戻っていく。
「これこれ。フフフ」
ベルトの辺りでカチャカチャとやりだす。
「せ…説明しなさいよ!」
「今アンタに移植した装置はね、体を振動子と化すことで強力な超音波を発生させる装置よ。」
「??」
「相変わらず馬鹿ねぇ。少しは勉強しなさいよ。
1年生の時から成長したのは、男に揉まれて大きくなった胸だけ?」
自分が小さいからってあんまり言わないでほしいなぁ。
大きい人には大きい人で悩みだってあるんだぞ〜。
例えば、食事のとき手元が見えないとか
肩こりが凄いとか。下着や服のサイズが合わないとか。
男の人がイヤラシイ目でいつもじろじろ見るとか
「そんなに揉ませてません。」
「まぁ良いわ。
物には固有振動数ってのがあってね。それに自動的に合わせて体を振動させ、共鳴した対象を素粒子レベルまで粉々に砕くことを可能にする夢のチップよ。」
ごめん…全然分かんない。
「ようは、アンタに触れることが出来る奴は居ないってこと。」
なっちゃん……正義の科学者が聞いて呆れるよ。
ユイ確かに殴られるのは嫌とは言ったよ。
でも殴った相手を消滅させたいなんて言ってないよね。
「まぁ一応アンタも嫁入り前なんだし、護身用ってことであげるわ。」
護身用……これで?
いっそ触ってやろうかしら。
「ちなみにさぁ、さっきのブレードで私を斬ったらどうなるの?
あと敵が同じような能力だったりしたら……」
「珍しく良い質問だわ。敵ってシャダイムみたいにか?」
はい?今なんつった?
「いや、だからシャダイムにもこれのベーターバージョン搭載してるぞ。
説明書を読んでないから理解してないかもしれないけど。
一応通常攻撃は受けないはずなんだが……。
あるいは超音波よりも速く動く敵とか?そういうのは別だけど……
つまり超音波より早く動けるアンタには、ただのブレードとしての機能しか効かない。
最もその場合は、ブレードに仕組まれた毒で苦しむことになるが…」
「毒ってヘビとかが持ってる毒?」
「そうそう。色んな毒の遺伝子を掛け合わせて、進化していくウイルスがブレードにコーティングしてある。
今はジワジワと体を弱らせていくタイプだからデータもたくさんとれるだが、
どう進化していくのかは私にもわからん。楽しみだ。」
なっちゃんが正直怖いよ。
「どうした青い顔して……」
「いや、なんでもない。ありがとね……。」
「もしやビビってるの?アンタ忍者でしょ?
忍者について私になりに調べて造った結果よ
何か文句ある?」
「ないです……。」
忍者って確か偵察とか暗殺が主な任務だったはずだよねぇ
ユイの記憶違いだったかなぁ。
そのとき突然、ケタタマシク館内放送が流れた。
『エマージェンシー…エマージェンシー……緊急事態発生…研究棟地下に侵入者あり……
侵入者は警備員を殺し地下20階に向かっている模様
非戦闘員の学生は万一に備え研究室から外に出ないこと、またバイオテロに備えマスクなど着用のこと。
尚、現在再生怪人と思われる怪人が多方面より多数学園内に侵入しており、警備隊は出払っているため、正義部・悪部協力し合うこと。』
「今のインテリジェンスの欠片も感じさせない放送はなに?」
「緊急事態って言ってたねぇ。」
「アンタも行った方が良いんじゃないのかい?」
いやぁ、ユイはなっちゃんのこと守ってあげないといけないでしょ。
「はぁぁ、頭も悪い上に洞察力もないのか。まぁ無理もないか。」
なっちゃんはハァァと大きくため息をついた。
「どういう意味?」
「私は非戦闘員としてはカウントされない。」
それは知っている武術に長けている話は前にも聞いたよ。
「そういう意味ではない。
緊急事態だから使うけど誰にも言ってはダメよ。
もし誰かに喋ったら、学園のメインコンピュータにアンタのIDでサイバーテロ起こしてやるか
寝てる間に勝手に改造してやるんだから。」
そういうとなっちゃんは静脈認証・声紋認証・指紋認証と厳重に3段階ロックされた金庫から赤い携帯電話を取り出しポケットにしまう。
「ちょっと待ってそれって……。ソルジャーの方がもってた……。」
「歩きながら説明するわ。」
同学年のそれも同じゼミに二人ナツミがいるということで、
呼び方に困ったユイ達は
サイガと契約した方の戦いの好きな方をソルジャーナツミ
こっちの学術に優れた方をプロフェサーナツミと呼び分けていたの。
確かソルジャーの方はアンゴルモアの餌食になって死んだって聞いてたけど……。
さらに嫌な予感がするけど、聞いてほしいんだろうなぁ。
「アンタ達がソルジャーとかいってたのね、私のクローンだったのよ。」
「それで?」
いちいち驚くの面倒だから、最後にまとめて驚くことにしようっと。
「クローンは死んでサイガはよみがりの儀式の材料にされた…。
実はね、クローンは確かに契約したんだけど、こっちに戻ってきてからすぐ私が契約しなおしてたのよ。」
そんな馬鹿な今までユイの前でも彼女は何度か変身していた。
俄かには信じがたい話……
そのとき突然、ケタタマシク館内放送が流れた。
『エマージェンシー…エマージェンシー……緊急事態発生…研究棟地下に侵入者あり……
侵入者は警備員を殺し地下20階に向かっている模様
非戦闘員の学生は万一に備え研究室から外に出ないこと、またバイオテロに備えマスクなど着用のこと。
尚、現在再生怪人と思われる怪人が多方面より多数学園内に侵入しており、警備隊は出払っているため、正義部・悪部協力し合うこと。』
「今のインテリジェンスの欠片も感じさせない放送はなに?」
「緊急事態って言ってたねぇ。」
「アンタも行った方が良いんじゃないのかい?」
いやぁ、ユイはなっちゃんのこと守ってあげないといけないでしょ。
「はぁぁ、頭も悪い上に洞察力もないのか。まぁ無理もないか。」
なっちゃんはハァァと大きくため息をついた。
「どういう意味?」
「私は非戦闘員としてはカウントされない。」
それは知っている武術に長けている話は前にも聞いたよ。
「そういう意味ではない。
緊急事態だから使うけど誰にも言ってはダメよ。
もし誰かに喋ったら、学園のメインコンピュータにアンタのIDでサイバーテロ起こしてやるか
寝てる間に勝手に改造してやるんだから。」
そういうとなっちゃんは静脈認証・声紋認証・指紋認証と厳重に3段階ロックされた金庫から赤い携帯電話を取り出しポケットにしまう。
「ちょっと待ってそれって……。ソルジャーの方がもってた……。」
「歩きながら説明するわ。」
同学年のそれも同じゼミに二人ナツミがいるということで、
呼び方に困ったユイ達は
サイガと契約した方の戦いの好きな方をソルジャーナツミ
こっちの学術に優れた方をプロフェサーナツミと呼び分けていたの。
確かソルジャーの方はアンゴルモアの餌食になって死んだって聞いてたけど……。
さらに嫌な予感がするけど、聞いてほしいんだろうなぁ。
「アンタ達がソルジャーとかいってたのね、私のクローンだったのよ。」
「それで?」
いちいち驚くの面倒だから、最後にまとめて驚くことにしようっと。
「クローンは死んでサイガはよみがりの儀式の材料にされた…。
実はね、クローンは確かに契約したんだけど、こっちに戻ってきてからすぐ私が契約しなおしてたのよ。」
そんな馬鹿な今までユイの前でも彼女は何度か変身していた。
俄かには信じがたい話……
「クローンが変身してたのはね、私が変身した姿をモチーフにして改造手術をしたからよ。
契約したフリをさせていたの。
だって聖霊よ。モルモットには勿体ないじゃない。
もともとあれは入学前に設備のない施設で暇つぶしに造ったから、そろそろ寿命だったのよね。」
「なんでそんなことを?」
「私の人生が一度だけなんて天文学的損失だと思わない?」
思わねぇーよ。
こんな物騒な科学者は
いっそ世界平和のために今すぐ居なくなってくれた方が…。
「何か言った?」
「で今回はどうして急にやる気になったの?」
別になっちゃんがわざわざ出ていくこととは思えないし……。
「アンタが来る前にクローンの視聴データのバックアップを見ていたの。
そしたら何が映ってたと思う?」
そんなのわかるわけないじゃん。
さっさと喋れよ!
「驚かないでよ。クラマのタカアキ暗殺シーン。まぁシーンとは言っても声だけだけどね。」
タカアキが暗殺?おいおい何を言い出すんだ!
「それじゃぁ……」
「どういうことかはわからないけど、クラマはアンゴルモアの側についている……。」
「それ本当?自分が何言ってるかわかってる?」
「私が冗談を言うタイプかはさっき渡したブレードで自分を傷つければわかるわ」
やめておこう。
そんな恐ろしいこと。
「あれ?エレベータ使わないの?」
「アンタそれでも忍者?っていうか最前線で戦うのよね?」
「それが何?」
「待ち伏せされてたらどうするの?」
ごもっともだけど……。地下まで階段で行くの??
「この警備の厳しい研究棟に侵入できるとしたら、内部くらいしか考えられない。
おおかた、IDで行ける階が限られてるのを知らんかったのだろう。」
「ところで何でアンゴルモアに詳しいの?」
「知りたい?」
なっちゃんは眼鏡を胸ポケットにしまい、髪をゴムで留めながらニヤリと笑う。
一方その頃、キャッスルドランではそれぞれの戦いに思わぬ乱入が…
そしてビショップによりファンガイアの血をよびさまされた
クイーンの前にある人物が現れる
次回「招かざる客2」お楽しみに
今年もよろしくお願いします。
>>485 文章力が凄いっすね
迫力あるなぁ
496 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/02(金) 10:51:09 ID:ZnYnGPg/
更新乙
正月早々気合い入ってますなぁ
自分も何か先生の立場から書けないか考えております。
ところでwikiの生徒が増えてきたので結構見ずらくなってきた気がするのですが
あそこは箇条書きにして、詳細設定のところに詳しく書くって理解で良いんでしょうか?
あと前にもあった島の地図やっぱり欲しいなぁ
すみません。
正月早々あげてしまいました。
投下乙です
なっちゃんこええw
そろそろスレの容量も気になってきたね
投下乙
なっちゃん友達少なそうだな。
>>498 1スレどのくらいで移動するんだ?
てっきり余所みたいに1000かと思ってた
>>499 いやごめん板のルールとかは知らないけど
500kbが限界なんでしょ?
このペースだと1000までは無理じゃないの
今すぐ問題ではないだろうけど
投下乙
なんか一気に展開が早まってきたな
投下の量とか考えて次スレ先に立てようと思ったんですが無理でした。
読むばっかりなんで役に立ちたかったよぉ。
>>487 2万年前の環境破壊で体を機械化し、魔法を操る悪魔族(アクマイザー3)
それらのロストテクノロジーにより改造・機械・超能力の技術が生まれ、悪魔から神を復元しようとする(009)
それらの技術からショッカー・ダークロボット・デスパーなどの下部組織に派生(色々)
大本営が自然消滅し、組織が分解、それぞれが軍事企業になる(平成ライダー、平成特撮)
というのが裏設定
空想科学読本で「世界征服するのに活動が町内会レベル」とか「1対1しか出来ない怪人に意味はあるのか」と
突っ込まれれてたので反論
ライダーや戦隊がド素人でも使える装着式になったのは商品だからということにしといてね
>>502 キニスンナー あと50KBか
普通の投下なら20レスちょいくらいかな
>>503 なんかすごい世界だな
勉強になります
解説乙
そしたら共通の敵はその大本営になろうとしてるってことか。
方法はわかんないけど。
次スレではテンプレの2にでも入れたら?
506 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 17:24:56 ID:hTWqVon3
投下乙です。
なっちゃんこぇぇw
アタシの名前はエリカ。
ヒーロー学園 悪部 バイオ科 シャドームーンゼミ所属
人はアタシを狸寝入りのエリカと呼ぶ。
どうせアタシはやる気ないですよぉだ。
今日は先輩のクイーンが実家に連れ戻されて、早1か月ということで顔を見に遊びに来たの。
でもねぇ、なんか慌ただしい雰囲気でそんな空気じゃないっぽい。
「これ以上の侵入は許すな。」
「別にちょっとクイーンを迎えに来ただけよ。」
「クイーンを迎えに……。
貴様らさてはアンゴルモアの使いの者だな。
絶対にここから先は一歩も進ません。」
「二人ともこっちじゃ。」
キング達と別れてからどうも、雲行きが怪しくなってる。
ハイドの奴、何かとんでもないことをしでかしたんじゃないでしょうねぇ。
新武器デスサイズが完成してハシャグ気持はわからないではけど、状況を考えて欲しいなぁ。
不良狩りとかそういうときに発揮してよねぇ。
よりにもよってアンゴルモアと間違えらちゃったみたいよ。
黒いフードを被り顔を隠しながら、アタシの手を引くヘレネに尋ねる。
「ねぇねぇヘレネ?ヘレネどうして道がわかるの?」
キングにクイーンの居場所は地下牢と聞いてから、ヘレネは迷うことなくアタシ達をここまで誘導してくれている。
まるで道を知っているのかのように……。
「どこか懐かしい感覚じゃ。」
「懐かしい?前にも来たことがあるのか?」
横からジュリさんが口を突っ込む。
今アタシが聞こうと思ったのに〜〜。
「いや、記憶にはないんじゃが……。それにしてもなんでそなたも来ておるのじゃ?
正義部の人間がこんなところに居ては後々面倒なことにならんのか?」
「リョウコが実家に強制送還されたのには、ユイが遠因でもあるからな。
貸しをつくったままにしておくと、後でどんな無茶な要求をされるかわかったもんじゃない。」
クイーンとは長い付き合いだから、いろいろ思うところがあるんだろうなぁ。
まぁアタシにはあんまり関係ないけどね。
「ところでエリカよ。その黒いローブはサイズがあっておらんのか?」
「うん。まだちょっと大きいんだけど卒業までにはちょうど良くなる予定……。」
「動きにくそうじゃな。」
ヘレネの指摘も満更的外れというわけではないの
実は短い腕はローブの下に隠れている上に、裾をちょっと引きずっているの。
出来れば闇に紛れて会うだけあったら、何事もなく変えたかったんだけどなぁ。
それこれもハイドがいきなり戦いをはじめちゃうからだからね!
何が自分はルークと個人的な決着をつけるだけだから問題ないよ。
問題ないどころか大騒ぎじゃない。
「いたぞ!こっちだ!」
「チッ!!私が行こう。お前らはさっさとリョウコを助けてこい。」
「エリカ。こっちじゃ。」
さっきから何でこんなにみんな殺気だってんだろう?
「こっちじゃ。だんだん思い出してきたぞ。
やはりわらわは昔ここに来たことがあったようじゃ。
じゃが、どうして来たんじゃろうか??」
まだブツブツとヘレネは何呟いている。
年を取ると物忘れが酷くなるって言おうと思ったけど止めた。
それ言うと凄く不機嫌になるんだよねぇ。
「あそこから入るのじゃ!」
ヘレネが古そうな城門を指さす。
「ええ〜。」
「なんじゃ?」
「だって汚そうなんだもん。」
「まぁそりゃぁ、地下牢に繋がっておる門じゃからのぉ、
それにしてもまだしつこい追ってじゃのう。」
ヘレネがため息をつく。
もう走り疲れたよ〜。
それに何また気配っていうの?
もっとこう文章にしてくれないと、アタシわかんないよ。
『そこまでだ。』
鎧を身につけた兵士が門の前に立ちはだかる。
「エリカも戦うのじゃ。」
なんで友達と会うのに戦わなきゃいけないのよ。
ファンガイアって物騒な種族ねぇ。
「我が名はクイーン親衛隊の一人ナイト。これより先は一歩も進ません。変身……。」
ナイトがサイを彷彿させる姿へと変身する。
体大きいなぁ。何を食べたらあんなに大きくなるんだろう。
しょうがないか。あんまり気が進まないぁ。
ヘレネも早々にガタックに変身してるし……。しょうがないか。
「カブト!」
ゼクターを呼び出したそのとき、アタシ達とナイトを濃い蒼炎の壁が分断する。
「久しぶりに同窓会がてら来てみれば……。なんだか楽しそうなことしてるじゃないかい。
朕も混ぜておくれ。」
「誰?」
蒼炎の中から薄いピンクの衣を纏った女の人が現れる。
年齢は……。ちょっとわかんないぁ。
炎を使うなんてハイドみたいだけど、全然熱さが違うよ。
この人の炎の方がとっても熱そう。
「名乗るほどの者じゃないさぁ。冥府の女王 コレー様とは朕の事じゃ。」
むっちゃ名乗ってるし……。
この人ちょっと天然かも!
「その冥府の女王様がアタシ達に何か様?」
「黙れ小娘!!!!朕が話しておる最中であろう!!殺すぞ!!」
ええ〜ん。怖いよぉ。
鋭い目つきでアタシを睨みつける。
「おお、コレーよ。そなたも来てくれたのか!!」
ナイトがコレーの肩に手をポンと置く。
「ポントスとネレウスの葬式以来であるから、ざっと700年ぶりかのぉ。
うぬ等親衛隊の癖して、こんな所まで侵入を許すとは……。
老いたのかそれとも鍛錬を怠ってるだけか……。
先が思いやられるので、後進に道を譲った方が良いのではないか。」
「相変わらず容赦ない毒舌だな。」
「毒舌?事実を言っておるだけなのだが……。まぁいい。
ここに居ても邪魔だからクイーンの傍に行くが良い。は誰もおらんのであろう。
一応聞くが火災保険には入っているだろうなぁ?」
ナイトが苦笑いを浮かべながら姿を消す。
「待たせたのう、
そのお詫びに痛みも感じぬ間に冥府へと送ってくれよう。
お逝きなさい。」
人差し指でアタシを指差す。
「バーンってな。」
「え?」
体が震えて動けないよ。
「いかん!クロックアップ!」
ヘレネがアタシの前に素早く立つ。
「あらら、先に後ろのゴミを片付けて
ゆっくりなぶり殺しにしようと思っていたのじゃが。
生きることに疲れたのであれば、それもまた良かろう。」
アタシを見ながら冷笑を浮かべる。
怖い…この人やばいよ…。
目つきとか言葉とか。気配とかわかんないけど、
この人はまずいとアタシの本能が言ってる。
「うわああああああああ!!!」
ヘレネの体を瞬く間に蒼炎が包み込む。
「ちょっとヘレネ!大丈夫?」
「逃げるのじゃ……。こやつには勝てぬ。レベルが違いすぎる……。」
あまりのダメージにより、変身が強制解除されてしまったヘレネが地面にバタリと倒れる。
「まずは一匹。親衛隊もだらしないのう。
賢明な判断だがそれは無理じゃ。朕が逝けといった以上それは絶対。
潔く逝くがいい。」
今度はパチンと指を鳴らす。
四方八方から蒼炎の波が迫ってくる。
ヘレネを背負って逃げる時間はとても無さそう。
それに足がすくじゃった。
『地面に手を置きなさい』
ウィンディーの声が聞こえた。
(え?)
『説明している時間は無いわ。』
(わかったわよ。)
謂われたとおりに両手を地面へと当てる。
これで良いのかしら?
『水よ。エリカ達を守りたまえ。』
するとどうだろう。
アタシとヘレネの周りに水の壁が現れ、蒼炎の波と衝突した。
(何が起こったの?)
どうやら生き残ったみたい。
『私の力は水を自由に操ることが出来るの。』
えへへ、じゃぁ、もう炎が来ても安心ね。
水と火じゃぁ、消せるから負けるわけ無いもん。
『あんまり調子に乗らないの。』
ハハハハハとそれを見たコレーが笑い出す。
「何がおかしいの?」
「すまんすまん。久しぶりに懐かしい光景を見てな。
朕の炎が消されるのを見たのはいつ以来じゃろう。
冥土の土産に教えてやるとしよう。うぬで二人目じゃ。
うぬは何者じゃ?」
首をかしげながらアタシを見る。
「あ……アタシはエリカよ。火なんて怖くないんだからねぇ。
降参するなら今のうちよ!」
「ほぉ、では試してみるとしよう。朕は子兎を狩るにも全力を尽くす主義でな。
喜べ火の精霊王 バルカン 久しぶりに全力を出してよいようじゃ。」
言葉に呼応するかのようにコレーの周りに四本の蒼い火柱が立った。
「これでもまだ怖くないなどと申せるかな?」
『火の精霊王ですって。そんな馬鹿な!この者何者だ?
エリカ今すぐ逃げなさい!!
あの魔女のことは諦めなさい。』
(でもヘレネを見捨てていくの。)
『二人でこの場から逃げるなんて無理よ……。残念だけど。』
親友なんだよ?そんなこと出来ないよ。
(ウィンディーの水でなんとかならないの?)
『う〜〜ん……。
すまないエリカ。相手が精霊王では私の水ではそう何度も防げるとは……』
そのとき、どこからかカブトゼクターが現れ、コレーへと突っ込んでいく。
ヘレネから離れたガタックゼクターも一緒だ。
時間稼ぎでもしてくれるのかなぁ。
「おお。誰かと思えばガタックではないか。
こんなところで何をしておるのじゃ?
それにカブトも。今日は懐かしい顔によく会うのぉ。
二人とも前と少し姿が違うようじゃが……。」
何この展開……。顔見知りなの?
とりあえず今のうちにヘレネを連れて出直そうっと……。
抜き足差し足忍び足で恐る恐る逃げようとしたんだけど
すぐに気づかれちゃった。
ドカンと炎の壁がアタシの行く手を遮った。
ちょっと前髪と鼻先が焼けたようで焦げ臭いツーンとした匂いがするよ。
ジーンとする鼻先を擦りながら、コレーを睨みつける。
「おお……すまんすまん。ついつい古い知人に気を取られておったわ。
仲間の後を追うのじゃったな。すぐに追わせてやる。」
そう言いおえるとコレーがまた指をパチンと鳴らす。
「ヘレネはまだ死んでない。勝手に殺すな!」
再び四方八方から蒼炎の波が…さっきよりも濃い蒼だよ。
それに波の高さも高いし、速さも数もさっきの倍以上…。
アタシにだって凄い力だってことがわかるくらいだ。
「ふむ。変身しておったからのぉ、火に耐性でもあったのじゃろう。
じゃが結局同じことじゃ、今のうぬは柴の束を背負っておるのと同じじゃよ。」
「ヘレネが本気出せば、アンタなんて一瞬でやっつけちゃうんだから!」
ごめんね。ヘレネ……
アタシがすぐに変身していれば、ハイパーガタックになって倒すつもりだったんでしょ?
またヘマしちゃった。
『やむを得ぬ。今一度やってみよう。仮に駄目でもそのままの体勢で居なさい。』
先程と同じように水の壁が現れたけど、今度は蒼炎の波に飲み込まれ白い湯気があがった。
温度が高すぎて蒸発しちゃったみたい。
どんどん水の壁を出すけど、ぶつかると同時に消滅してしまう。
ウィンディーの声にも次第に焦りの色が見え始める。
「なんじゃガタック。相変わらず無口よのぉ、目障りじゃて。
狼藉者を始末してから話は聞いてやる」
カブトとガタックがコレーの顔の周りをクルクルと空中旋廻してるよ。
「何?あの姿がそうだというのか。」
なんか様子が変だぞ。
「信じられぬ。それにいくらまだ2年生とはいえ、あそこまで弱くは無かったはずじゃて。
言われてみると、あの娘。レーダーによく似て美しいのぉ。」
レーダーってヘレネのママの名前よねぇ。
ラッキー知り合いなのかしら?
「仮にそうだとしたら、火に耐性があったのも納得じゃな。
朕が身に着けているときに身に付いたのであろうな。
一度受けた攻撃に対する耐性ができるだけでなく、
装着者が元から持っている能力も引き上げる。それがガタックの特徴じゃったな……」
ベットの上で目を覚ますヘレネ
横には静かに眠るクイーンとジュリの姿が……
そしてエリカはコレーから今は亡き父の話を聞く。
次回「過去へ」お楽しみに
>>498 たまには縁の下の力持ちにスポットを当ててみたかったんです。
>>500 どのタイミングで次スレに移動しましょ。
485KB超えたくらいから立てれる人が立てることにしておこうか。
>>496 遅くなりましたけど、それで良いんじゃないですか?
自分は詳細の所に裏設定とか書こうと思ってます。
絵は確かに欲しいなぁ。
せめて校舎の配置とかは知りたいなぁ。
研究棟も凄いことになってるしねぇ。
更新乙
正義から悪になった人の話はどうなったんだろ
>>514 まぁ平成にこだわらなくても、オリジナルでもいいと思うよ
>>514 まぁ平成にこだわらなくても、オリジナルでもいいと思うよ。
個人的には97氏の活躍に期待したい
テンプレに簡単なそれぞれのあらすじを乗せてみては?
それはまとめwikiのがいいんじゃないかな
あらすじがほしいのはわかる
スレタイの番号とかどうすんのかな 2時限目とか
「うぬらはレジェンドルガやアンゴルモアの下っ端か?」
と…とんでもない。
そうだ。こういうときは身分証を出せばいいんだ。
でも学生手帳は入学して早々にウィンディーが熟読して水の手でベシャベシャにしちゃったから
速攻ゴミ箱に捨てちゃったし、校章はもちろんつけてるはずないし……。
自治会の羽織なんて今着てないし……。
バイクの免許もまだ持ってない。
こうやって考えると、アタシって身分を証明するものないじゃん!
どうすんのよ!
「ここへは何をしに来たんじゃ?正直に答えよ。」
炎の波が消えたところを見ると、カブトやガタックが何か説明してくれたみたいね。
「クイーンのちょっと様子を見に来たの。
だって心配じゃない!一ヶ月も音沙汰無いんだよ!
それにアタシまだ助けてもらったお礼ちゃんと言ってないし……。」
「キングが死んでから一人でファンガイアをまとめているから忙しいと言っておるわりにわ。
こんな小娘と遊んでおる時間はあるのか。
相変わらず何を考えておるのかわからんのぉ。」
「キングは死んでなんかないやい!」
「んん?一つ聞くがうぬの言うクイーンとは誰の事じゃ?」
誰って?
『名前の事を言っているんだと思うわ。』
ああ…、クイーンはクイーンだよ。馬鹿じゃないの?
『エリカ……真面目に思い出して。』
名前……名前…
確か初めてあったとき、シャドームーン先生に教えてもらってそれから呼んでたんだけど
クイーンが「クイーンと呼ばないと返事をしない。」って言ってそれからよね。
ウィンディー覚えてない?
『私は魔女としか覚えていないわ。それに最近まで眠らされていたし。』
「どうした?答えられんようじゃの?
アンゴルモアは寄生して乗っ取るところまではどれでも出来るが、
思考能力をそのままにしておくことは、限られたものにしか出来ぬというのは本当のようじゃ。」
そうなの?
初めて聞いたんだけど……。ていうかアタシやばくない?
コレーの左手が上がったのを見て、ゴクッっと唾を飲み込み目をつぶった。
「そこまでよ。コレー……。この娘の言っていることは本当。」
聞きなれない声に薄っすら目を明けると、そこには驚くべき人物の姿があった。
ヘレネ??なんでヘレネが二人居る!!!
トレードマークの茶色いロングヘアの三つ編みを左右に揺らしながら、コレーの左手をガッチリ押さえている。
もしかしてこっちの倒れているは残像とか?それとも光の精霊の力?
「我輩達の目的のクイーンはリョウコだ。
母上の友達の現在のクイーンの娘だ。」
アタシの影にハイドの大きな影が重なる。
「ハイド!生きてたのね!」
「当たり前だ。我輩を誰だと思ってるのだ?」
アタシの首根っこを掴んで、体を宙に浮かせデスサイズの柄に服を引っ掛ける。
足をバタバタさせるが効果はない。
「ルーク先生は?」
「良い所で邪魔が入ってな。今はベットで寝ている。」
へぇ、ハイドが勝ったんだ。
そういえばハイドって忘れられがちだけど、一応強いんだよね。
変身も鬼(酒呑童子)になって火を使うのとデスサイズ使うだけだから、ライダーより見劣りしがちなんだけど……。
鬼のライダーっていないのかなぁ。
まぁハイドなら欲しければ、脅してでも造らせるんだろうけど。
「邪魔?邪魔ではないわ。最近の若いもんは血の気が多くてかなわん。」
んん……喋り方がヘレネらしくないなぁ。
それによく見るとちょっと大人びた感じがするよ。
「お前の息子は面白い炎を使うようだのぉ。」
息子?そういえば、さっきハイドも母上って言ってた?
「アンタの娘もアンタに似てすばしっこかったぞ。
朕の炎から唯一逃げることが出来たアンタも凄いが、朕の狙いを外させた娘も凄いじゃないかい。
名を聞きそびれたのだが、何と申すのだ?」
「ヘレネよ。ちなみにあの娘はヘレネの親友でね、何かする気なら私が相手になるわよ?
学生時代の決着、今ここで付ける?」
「良い機会じゃな。
妖狐と冥府……どちらの女王がより優れた女王か決めるとしよう」
二人の女王がにらみ合う。
「ねぇハイド止めなくていいの?」
「大丈夫だ。母上は昔から無茶苦茶強かったが妖狐の女王は不死だから
学生時代から決着が付かなかったと父上から聞いておる。」
「不死なの?」
「さよう、触ったモノを全て灰にしてしまう父上が素手で触れても平気なんだとか。
それに……。」
確かハイドのパパは冥府の王様で、契約してる精霊もハーデスっていう冥府の精霊王なんだよね。
だけど冥府の精霊の力は触ったモノを無に返しちゃうから、いつも手袋をしてるって言ってたよね。
「ハハハ!!お互い年は取りたくないのぉ。」
コレーさんは急に笑い出す。
「コレーこそ、遅刻癖は治っていないようね。」
「二人とも大の仲良しなんだとさ。」
なんだ、そういうことか。
心配して損しちゃった。
「それでハイドよ……。クイーンの娘がどうしたのじゃ?
朕達はクイーンにその娘がレジェンドルガやアンゴルモアとトラぶったので、
昔のよしみで助けて欲しいと呼ばれたのじゃ。
ちなみにエンマも来ておるぞ。」
あ…そうだった。肝心なことを忘れてたよ。
クイーン大丈夫かなぁ。
過去へはもうしばらく続く予定です。
まさかのハイドファミリー&ヘレネファミリー登場。
設定としては今は亡きエリカファミリーも同級生ということにしてます。
次スレの1は、
514のアイデアで良いんじゃない?
スレタイはどうしよう
ヒーロー養成所じゃなくて、
ストレートにヒーロー学園に変えてもいい気がするんだけど……
数字は2時限目に1票です。
乙です
家族ぐるみの付き合いだったんだな
授業参観なんかあったらえらいことだw
俺もヒーロー学園のほうがいいと思う
誰も養成所って呼んでないしね
更新乙!
最初の頃にヘレネがそんな話してたよね。
これからどうなるんだろう。
スレタイは俺も学園の方がしっくりくるな。
あらすじは誰が書くんだ?
有志が書いていいもんなんかなぁ
投下した人があらすじ書かなきゃならない
ってことになったら今後投下しにくくならないかな
いろんな人が投下できる環境にしといたほうが
いいような
有志の人が書いてテンプレにする場合
>>2以降に
レスするのか?
それだとあらすじが書かれるまでレスできない
ということだろうか
それとも有志の人がまとめwikiにあらすじ書くのかな
そんなボランティア精神あふれる善良なかたが
どのくらいいらっしゃるのだろうかっ!?
投下乙!!!
まとめwikiでいいんじゃないかな?
確か上でそんな話になってたし。
とりあえず1はもういじり様が無いと思うZE!!
527 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/08(木) 12:08:37 ID:tWVPGQMy
いつも投下お疲れさんです。
あらすじってそんな大騒ぎしなくても
今から次スレまで考えていけば良いんじゃない?
あくまであらすじであって元ネタ晒しとかじゃないから
そこら辺は考えないと作者陣が自由に書きにくくなるような。
新年初カキコでsage忘れたぁ
wikiにあらすじに一票。
あまりガチガチに統一の世界観固めなくていいと思うというか固められると辛いな
今から新規で既出特撮作品を絡めた作品で書きたい人もいるかもしれないし。
この特撮ヒーローを出したいんだけど、
もうすでに他の人の作品に出てるから使えないとか。
そのまま使われると、一次創作というより二次創作な気がするんで
少しはオマージュってか捻ったりしたほうがいいと思う時もあるけど。
投下乙です。
群像劇面白いなぁ。次は誰が主人公か読むのが楽しみになる。
もう一作も期待してます。
自分もwikiに有志があらすじを書くに一票
世界観はガチガチにしなくても良いけど、ある程度は協調するのが理想だよね。
ところで教師陣にはどんな資格が必要だろ?
532 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 16:50:53 ID:IRNhXs04
>>531 経験と実績だろうか
再再再生クモ男先生とか妄想してみたり
でも敵として使いたい人もいるかな
>>533 よみがえりの儀式というのを◆ccu2hP6PPA氏が出してるからそのうち出てくるんじゃねぇ?
まぁ妄想は自由だから書いて見れば?
ところであらすじを有志が書くのは良いんだけど、
なんかルール作った方が良くない?
誰も書かない悪寒
有志はあくまで有志だから難しいよなぁ
50レス目ごとに
収録追加とあらすじを書き足していくとかどうよ
「そういえば、朕達が学生のときからシバはクイーンと名乗っておったのぉ」
アタシ達の素性をようやく信じたコレーさん達が、城の中を案内してくれた。
シバさんというのが、クイーンのママでつまりは今の本当のクイーン。
ややこしいから、アタシはクイーンママって呼ぶことにしよっと。
「いつかクイーンになったときに、呼ばれて反応できなかったら恥ずかしいからとか言っておったじゃろ
私も女王となってその意味がわかったわ。」
確かにそれちょっと恥ずかしいかも。
アタシだって学園で自治会!って言われて、他人事のように聞いてることあるもん。
地下牢への階段を下りると、そこでは破壊されたドアの残骸と大量の砂と灰がアタシ達一行を出迎えた。
「何じゃこれは?」
「私が出るときには、こんなことにはなっておらんかった。」
「そもそもこの扉が簡単に破壊されるとは思わぬが……。」
親衛隊の皆さんが首をかしげている。
まぁ牢屋だしねぇ、簡単に壊れちゃぁ意味ないもんねぇ。
「まぁここで考えても埒が明かん。考えるだけ無駄じゃ。」
そりゃそうだ。コレーさんって竹を割ったようなわかりやすい性格してて好きだなぁ。
アタシのママはどんな性格だったんだろう……。
ガシャガシャと音が奥の方で音がするのでアタシ達は緊張しながらゆっくりゆっくりと奥へと進む。
他の牢屋は空っぽ。脱走したのかそれとも、ファンガイアって意外と紳士な一族なのかはわからないけど……。
「やはりお前たちか。」
「エンマ……それにメネラーオス……。」
一番奥の明るくなった部屋に到着すると同時にコレーさんとレーダーさんがため息をつく。
「おお、コレー、我妻よ!無事だったか。我が冥府馬から落ちて心配しておったのだぞ。」
そういうと男がコレーさんに抱きつくが、ヒラっとかわされ壁にぶつかる。
「やめんか。恥ずかしい。
それに落ちたのではない。飛び降りたのだ。
ちゃんと自己紹介せい。ハイドの友達もおるのだから……。」
まさかこの人がハイドパパ?エンマ大王っていうからもっと怖い人かと思ってたよ。
「不肖の息子のハイドがいつもお世話になっております。私エンマと申しまして……」
想像とのギャップに戸惑いながら挨拶する。
こんな常識人がハイドのパパなんて信じられない。
やっぱり世界は広いなぁ。
「そなたもだぞ。メネラーオス。ヘレネの友達である。」
ヘレネパパの話は前にヘレネに聞いたことがあるの。
確か予知能力者なんだよね。
その力を駆使してヘレネママを口説いたんだとか……。
でもヘレネはママ似でそんな能力ないんだって、
確か予知能力と大地の精霊は双子の弟、カストル君とポルックス君に受け継がれたのよ。
どっちがどっちだったかは、忘れちゃったからまた今度聞こうっと。
こんな風にいつも笑顔なのかなぁ。
「大王と女王二人とも留守では今冥府はどうなっておるのですか?」
お……ハイドが珍しくまともなコメント。
なによ。パパとママの前だから猫かぶってるのかなぁ。
「心配ない。プルトとタルタロスを置いてきた。
来年はヒーロー学園に入学する故に、二人に悪い虫がつかぬように見張っておくのだぞ。」
「プルートはともかく、頭でっかちのタルタロスまでも入学させるとはどういう風の吹き回しですか?」
「夏休みに帰省した時に楽しそうに話しておったじゃろう?
それを影で聞いておっていつのまにか願書を出しておった。
正しい冥府のあり方を考えるとかでのぉ。
タルタロスは冥府で師事していたドクターギバやヘンリー博士などの優秀な科学者がいなくなってのぉ、
連れ戻す任務を与えようと思っておるのじゃ。それにあやつも何か造りたくなったらしい。」
そのときゴホンとレーダーさんの大きな咳払いが聞こえた。
「家族会議はあとにしようぞ。
そなた等が自分の子供を結婚させようと勝手に約束しておるのは知っておるが……。」
なにそれ?なにそれ?ヘレネからはそんな話聞いてないよ。
「でお前達はここで何をしておったのじゃ?」
「キングの息子とそこで鉢合わせてな。
聞けば婚約者を助けに来たというではないか!」
それであの扉を壊して助けに来たと?
前言撤回…
やっぱりエンマさんはハイドのパパだね。
「相変わらず強引な奴じゃのぉ、コレーを冥府に拉致したときといい。成長がないのぉ。」
「クイーン!!」
親衛隊がパッと地面に跪く。
この人がクイーンママ?なんか杖をついてるけど体がどこか悪いのかなぁ。
ちなみにエンマさんとメネラーオスさんとクイーンママは同級生で、
コレーさんとレーダーさんとキングパパは学年が一個下で、
親衛隊はさらに学年が一つ下なんだってさ。
もうこの複雑な人間関係ややこしいよ。
「ワシは止めたんじゃぞ?こんなことしたら、クイーン達に叱られることは目に見えておるから……。」
「よく言うわ。ノリノリで壊しておったではないか。
そっちの若い女の連れに格好の良いとこを見せようとして」
エンマさんが顎で指すその先には……。
「キング!!それにジュリさん!!」
バツ悪そうに立っている二人の姿があった。
確かにこの状態出てきにくいよねぇ。
一緒に来てたこと忘れてたわけじゃないよ。
「というわけで来てみたら、こうなっていたわけだ。」
二人の背後にはサガに変身したクイーンの姿がある。
壁面に縛り付けられていて痛々しい。
「おお…タケシ殿、すっかり立派に成られて……。キングの若い頃にそっくりじゃ。
それに比べて娘ながら情けない……。」
カツンカツンと杖をつきながら、クイーンママがクイーンに近づく。
「おおかた、ビショップあたりに何かされたのであろう。
クイーンとしての力はまだ半分しか受け継がれてない故まだ使いこなせておらんのだ。
慌てて自分の殻に閉じ篭もるので精一杯と言った感じじゃな。どれ?」
クイーンママの左手に蒼いバラの紋章が浮かびあがる。
「静まれ、ファンガイアの血よ。今はまだその時ではない。」
左手がサガの胸に触れると、鎧がククルカンへと戻り、中からクイーンの顔が出てきた。
「お母様……。ごめんなさい。」
「気にせずともよい。ビショップのしたことは忘れよ。
あれはあれでファンガイアのためを思ってのこと、
影で色々動いておることは知っておったが、そこまで手が回らんでな。
全て水に流すゆえにアンゴルモアの下より連れ戻してまいれ。」
「……。」
クイーンがママを睨みつけている。
「なんじゃその目は?私の言うことが聞けぬのか?
もう一度だけ言うぞ。ビショップを連れ戻してまいれ。」
「承知いたしました……。」
クイーンの体がプルプルと震えている何かあったのかなぁ。
親衛隊が触手を外すとクイーンの体が地面に崩れ落ちる。
「大丈夫?」
「ありがとう…エリカ…」
慌ててアタシが体を支えたけど、気が抜けたのか気絶しちゃった。
「みっともないところを見せてしまったわ。
今日は休んで明日食事にでもしようぞ。
ナイトよ、後は任せる。」
「ハ!!!」
そう言い残すとクイーンママはカツカツと杖をついて来た道を戻っていった。
>>523 家族ぐるみというか、まぁ詳しくは本編で…
投下乙です
ほのぼのしてるような恐ろしいような
学園から離れているようでちゃんと絡んでいるんだな
乙ー
世界がしっかりしてる感じするな
新入生の話とかもあるんだなあ そりゃあるか
誰もおられませんかね くだらない小ネタを投じてみる
ヒーロー学園の食堂、テーブルの隅に座り、一人カレーライスを食べる若者がいる。
長い鼻、猫背でガニマタの、カラッカスという学生だ。
ノートにシャープペンで何かの設計図らしいものを書き付けながら、カラッカスはスプーン
を口に運んだ。
そこへ威厳有りげなハイドが来て、向かいに座る。
「また独りメシか、アツ……、カラッカス」
「悪かったな。今計算中だから話しかけないでくださいよ」
「何をしておるのだ」
「ベラドンナの天才担当として、インチキ商売に使う機械の設計をしてるんだよ」
「どんな機械だ?」
「組織の秘密を漏洩するわけないだろ」
そっけなく言うとカラッカスはまたカレーを口に入れた。
ハイドは気にせず切り出した。
「まあいい、今日はおまえに頼みが……」
「断る」
「せめて聞いてから断れ」
「嫌だよ」
「聞くだけ聞け、またヘレネやエリカの写真をやるぞ」
「あのなあ、ベラドンナの一員たる俺がそんなもので買収されると思ったらゴニョゴニョ
まあ聞くだけなら聞いてもいいけど」
「正義部に新しくアメリカから転入してきた女ヒーローがいてな」
「正義部の? 顔が広いな」
「おまえが狭すぎるのだ、細い顔しおって」
「悪かったな。で、なんだ」
「ブルーベリーという名の女だが、日本の文化伝統を知りたいそうなのだ。人にものを
教えるのは我輩の趣味でもない、そこでな」
「俺に教えろって? 嫌だよ」
「金髪青目のアメリカ女だが、そうか嫌か。今一人で待たせてあるから、サシで手取り足とり
教えてやってほしいのだがそうか、まあ嫌なら無理にとも言えぬな、残念だ」
「何で俺がそんなことしなきゃならん忙しいのにゴニョゴニョまあ待て天才の俺の貴重な
時間を裂くのは多大な損失だがまあそんなに頼むならゲフンゲフン仕方がないから行って
やろうかな、日米親善のためだ」
「そうか、毎度すまぬ」
教室を聞いてメモするカラッカス。
「あ、ベラージョ様には言うなよ、あの人、俺がベラドンナ以外の仕事するとヒステリー
起こすから」
「うむ、わかった。安心しろ、我輩は口は堅くて地獄耳とよく言われる」
食べ終わると軽い足取りでカラッカスは食器を戻しに行った。
ハイドも少しの間のあと、立ち上がった。
「ベラージョに言わなければいいんだな」
食堂を出てすぐ、エリカを見かけてハイドは声をかけた。
「おいエリカ、実は今な……」
ベラドンナのコスチューム(本人は正装のつもり)に着替えると、カラッカスは上機嫌で
目的の教室に向かった。
バラ色の我が青春よ、と個別教習用の小さな教室ドアを開ける。
「どーもおまたせー、べらぼー天才カラッカスよーん」
椅子に座っていた、金髪碧眼で丸い顔の少女が振り向いた。
「オゥ、プロフェッサー・カラッカスですカ?」
あどけないといえる少女は幼稚園児くらいと思われ、背に風呂敷のようなマントを付けて
いる。
カラッカスは落胆して肩を落とし、頭を垂れた。
「ワタシ、アメリカのタウンズビルから来ましタ、ブルーベリーと申しまス。ヒーローネーム
はマイティマフガールでス」
「ああ……そう……」
希望を打ち砕かれつつも、カラッカスは空いている椅子に腰掛けた。
(やられた……ハイドめ……。アメリカ女という言葉から必然的に抱いてしまう先入観、
なんという狡猾な罠……)
眉間をせばめるカラッカスに、ブルーベリーはなお話した。
「ワタシはケミカルXを受けてスーパーパワーを授かりましタ」
「ケミカルX? ああ、ユートニウム博士が発明したあれか」
「オゥ、プロフェッサー・ユートニウムをご存じですカ」
「うん、たまに特別講習に来るらしいね、正義部のことだから知らないけど。ケミカルZ
ってのもあったっけなあ。ケミカルXも入手が困難じゃなければ普及するのに。でも、考え
てみるとあれはアメリカの軍か企業が独占してるのかもな」
男としての興味が消えた分か、カラッカスの科学者としての興味が復活しだした。
大きな目のブルーベリーは、小さな口を動かした。
「ワタシはジャパニーズ・ニンジャやサムライに憧れていまス。プロフェッサー・カラッカス、
どうかワタシにニンジャやサムライのことを教えてくださイ」
「いや、俺はプロフェッサーなんて偉いもんじゃないよ」
「では、マスター・カラッカス?」
「ああ、俺はせいぜいマスターだな」
などと子供相手に謙遜してみせるカラッカス。
「マスター・カラッカス、ニンジャやサムライのことを教えてくださイ」
「そういうことに詳しそうなのが、ほかにいるけどな」
カラッカスはナツミを思い浮べた。
「しかしマスター・カラッカスは何でも知っていると聞きましタ」
「何でもは知らないけどさ」
マスターと呼ばれるとこの若い科学者はいい気になった。
「よし、じゃあ専門外だけど知ってる範囲で教えようか。忍者でヒーローといえば、古くは
仮面の忍者、変身忍者、科学忍者隊なんかがいた。あと戦隊にカクレンジャー、ハリケンジャー
がいる。ハリケンの別流派にゴウライジャーってのもいたなあ」
ブルーベリーが青い瞳を輝かせているところへ、教室のドアが勢い良く開いた。
驚いたカラッカスが目を向けると、ペルソナで顔の上半分隠した、スタイルの良い女が、
髪も逆立つかというほどに怒気を発している。
「げっ、ベラージョ様!」
カラッカスの顔から血の気がいっぺんに引いた。
「おーまーえー! 巨乳ヤンキー女とイチャついて仕事もしてないって?」
「え、いや、そんなことありませ」
「やかましー!」
ベラージョの拳がうなって、カラッカスの顔面をとらえる。
「ゲプァー!」
「オゥ、マスター・カラッカス、ジャパニーズカラテですか?」
「ち、違う、これはただのパワハラ、バイオレンス……」
「ゴチャゴチャうるさいこのポンクラッカス!」
鞭のようにしなる脚がカラッカスを強く蹴る。
「ギョヒー!」
「誰がヒステリーだって? 誰が下品でうるさくて人使い荒いバカ女だって?」
パンチ、キックの連打を浴びて、カラッカスは半死半生に追いやられる。
「そ、そんなこと言ってませ……」
「こーのトントンチキのパッパラパッパー!」
仕上げのコブラツイストでねじ上げられて、カラッカスは目をむいた。
「ぐげげ、ち、違うんですってベラージョ様……」
「おまえみたいなフラフラする奴はクビにして正義部に売っぱらってやるよ!」
「ひーっ、そればかりはご勘弁を!」
ボロボロになったカラッカスは泣いてひれ伏し、何度も額を床に付けた。
「小生粉骨砕身尽力いたしますです、どうか今回ばかりはお許しを!」
「二度とこんなことがないようにするんだよ」
「はい、もういたしませんのでクビだけはどうかどうか」
「わかったらおいで!」
ベラージョに首をつかまれ、カラッカスは罪人さながら引きずられた。
「Ah,ha.あれがジャパニーズ・ドゲザ!」
日本の文化に触れて感激するブルーベリーであった。
出演
ブルーベリー/マイティマフガール
金髪碧眼丸顔、五歳程度の見た目だが超怪力で、飛行能力もある。
アメリカから来た転入生、忍者や侍に興味がある。
(元ネタ・パワーパフガールズの名前は全員頭文字がBなのでブルーベリーにした)
小ネタでした
◆ccu2hP6PPAさんの流れに合わなくてすまんです
翌日の夜
宴の最中、アタシは一人でベランダから星を眺めていた。
クイーンとジュリさんは、メネラーオスさんとエンマさんの最近年頃のヘレネとプルートちゃんが、
口を利いてくれないのは何故かどうしたら良いのかという愚痴を聞いている。
パパは大変なんだねぇ。もしパパが生きていたらアタシもそうなのかなぁ。
昔はなんでパパやママがアタシだけいないのかって、泣き喚いてウィンディー達を困らせたっけ。
ハイドはナイトやポーン達と何やら密談中……怪しい……。
またなんか悪巧みかなぁ。
キングはというと、クイーンママと難しい話、あそこだけ首脳会談みたい。
「エリカ探したぞ。」
ヘレネの声がする。レーダーさんとコレーさんも一緒だ。
「もう起きて大丈夫なの?」
「起きるくらいなら大丈夫じゃ。ガタックも装着しておったしの。」
「すまんかったのぉ、レーダーの娘だとは知らずついつい大人気ない真似をしてしまった。」
「間に入る速さがあるなら、何故直接攻撃せんのだ。そうすれば熱い思いせんで済むというのに……。」
「母上は相変わらず厳しいすぎじゃ。」
口ではそう言いながらも、ヘレネは何だか嬉しそう。
昨日一晩中横に居て看病して貰ってたからかなぁ。
誰かが傍にいてくれるって羨ましい。
『私がいるじゃない。』
(そうなんだけどさぁ、もっとこう……なんていうのかなぁ。)
ウィンディーに不満があるわけではないの。
ただ羨ましいんだよねぇ。
「うぬはエリカとか言ったのぉ、朕の炎を消すとはたいした奴じゃ。誰にあんなことを教わった?」
え?普通にウィンディーの指示に従っただけなんだけどなぁ。
「ほぉ、精霊と会話が出来るのか。なかなかよく躾られておるようじゃのぉ。」
あのぉ、アタシはその精霊で躾られたわけで、順番が逆というかなんというか。
ヘレネを横目でチラッと見た。
「エリカは水の精霊に育てられたんじゃ。」
アタシの生い立ちをヘレネが二人に説明をしてくれた。
「親の顔が見て見たいわ。」
それを聞いた二人から感想が漏れた。
「パパもママもアンゴルモアにやられちゃったの。
あ…でも気にしないでください。
ウィンディーがいつも一緒に居てくれるから寂しくなんかないですから。」
場の空気が暗くなるのを感じて慌ててフォローした。
「アンゴルモアにのぉ、ちなみに名は何と申すのだ?」
名前…シゲルの名前は覚えてるけど、パパとママの名前は思い出せないの。
というより、聞いたことあったっけ?
『それは私が説明しよう。』
ちょっと勝手に実体化しないでよ!
『エリカの母はラグーン族の頭領の愛娘 ポントス。今は水の精霊王である我が父アイテールの契約者だった。
父はウルフル族の頭領の長男 ネレウス。今は雷の精霊王であられるゼウス様の契約者だった。』
「ポントスとネレウスか。懐かしい名前だのぉ。
だがこれでそちが朕の炎を消せるのも頷けるわけじゃ。」
「水と火だからですか?」
「それもあるがなぁ、それもあるがのぉ、朕の炎消せたのは後にも先にもポントスだけじゃからのぉ。」
ママを知ってるの?
「貴方のお母さんはね、ウチの主人達と同級生だったのよ。
ちなみにお父さんは私達と同級生、二人ともとても強かったわぁ。」
「ポントスは強いだけではなく優しくもあったぞ。
何で悪部に入学したのか不思議なくらいじゃった。
あやつのことを悪く言う奴など存在せんかったからなぁ。
朕とレーダーは男から好かれるだけだったが、ポントスは男女種族関係なく好かれておった。」
コレーさんは思い出に浸るように目をつぶった。
思い出は美化されるとは言うけれど、美化されすぎじゃない?
実感わかないなぁ、だって顔も覚えてないんだもん。
写真だって集落が燃やされちゃったから一枚も残ってないし……。
「後輩の私達にもフレンドリーに接してくれたわ。普段は穏やかなんだけど、一度決めると頑固でねぇ、
ネレウスとの交際をご両親に反対されて、駆け落ちして同棲しちゃったときには流石に驚いたわ。」
「そうそうあれには驚いた。今思うと子を身籠っておったからじゃろうのぉ。
確か6年生のときには、赤ちゃんをおんぶして通学しておったわ。じゃが確か男の子だった気がするんじゃが……。」
たぶんシゲル兄さんのことだ。パパとママは、いわゆる出来ちゃった結婚だったのね。
『それからよ。跡継ぎを巡って両種族の仲が険悪になったのわ。両親とも頭領の身内だったからねぇ。』
そういうとウィンディーはまたアタシの中に入った。
「卒業後も私達はクイーンと四人でここでチョクチョク会っていてねぇ。
ヘレネも何度か連れてきたんだが、覚えておらんのも無理はない。
辛い女王見習いの修行もそれを支えに乗り越えたわけ。」
「女王見習いの修行って初耳のじゃが……。母上それはわらわはもですか?」
ヘレネが目を丸くして尋ねる。
「当たり前であろう!学園を卒業しました。はい女王です!なんてあるわけ無いでわないか。
卒業したらミッチリ女王としての立ち振る舞いから言葉遣い、各種族との歴史まで教えますからね。
私だって先代からそうやって鍛えられて今日があります。
それが終わったら他族への挨拶回りよ。」
「トホホホ」
「あのレーダーもすっかり教育ママよのぉ。安心せい、ヘレネよまだ4年も先の話だ。」
アタシ毎月会いに行ってあげるから、ヘレネ頑張ってね。
「昔話はこのくらいにしてエリカよ。両親の顔を見たくはないか?」
そりゃぁ、見たいけどさ……。そんな事できるのかなぁ。
「カブトを呼び出せ。」
「え?」
「良いから良いから。」
レーダーさんにも促され、カブトゼクターを呼び出す。
「これじゃこれ。」
コレーさんは現れたカブトゼクターを鷲掴みにした。
カブトは足をバタバタさせている。
「カブトよ、時の扉に案内せよ。知っておるじゃろ?」
『……。』
返事がない。寝てるのかなぁ、いつもは喋るんだよ。
「溶かすぞ?」
一瞬目が紅くなった気がする。
ハイドの怒ったときの目だ。
『嫌だ……。』
「そうか。溶かしてガタックに案内させるとしよう。」
白い煙と蒸気がカブトからモクモクとあがった。
『熱い…熱い…エリカ助けて…』
アタシは思わずカブトから目をそらした。
「コレーよ。何をしておるのじゃ?」
クイーンママの声がする。
「クイーンよ。起きていて大丈夫なのか?」
「ええ、おかげさまで……。それでカブトに何をさせるつもりなのかしら?」
「昔過去にいける、時の扉の話をしておったじゃろう?
エリカにポントスとネレウスの顔を見せてやろうと思ってな。
しかし場所もわからんゆえ、こうしてカブトに案内させようと思ってな。」
まだカブトからは煙があがっている。
だんだん煙の色が黒くなっているところをみると、マジで燃えてるっぽい。
「ポントス……ネレウス……。貴方ポントスの娘なの?
目元とか顔のラインとか似てるなぁとは思ってたけど……。
いいわ、私が案内しましょう。ただし決して自分が誰かを悟られちゃ駄目よ?
過去を変えることは誰にも許されないの。」
クイーンママの言葉にアタシがコクンと頷く。
「ポントスには私も借りが山のようにあるから、過去を案内してあげたいのは山々なんだけど……。」
銀のステッキをクイーンママがチラッとみる。
その足じゃ歩き回るのは辛いよねぇ。
「仕方ない。朕が案内してやろう。」
コレーさんが服の袖をまくって笑う。
「その役目は私が適任であろう。コレーが行くと意図しないのに
大騒ぎになって見物どころではなくなるのは目に見えている。
私なら姿を変えられる、どれあの娘の姿を借りるとしよう。」
レーダーさんは目を閉じるとなにやら呪文を唱え始めた。
すると見る見る姿がジュリさんへと変わっていく。
「これで完璧であろう?」
ヘレネみたいに姿だけじゃなく、声まで完璧……。凄い全然見分けつかないよ。
「どうだかのぉ、学生時代、朕に化けてエンマとデートしたときは、数秒でバレタではないか。」
「エンマはコレーにゾッコンだったから、念のためアギトを連れて行く。アギトおいで。」
凄いアギトまですっかり騙されてるじゃん!
精霊は一度契約した者から離れることはないってウィンディーは言ってたけど、アタシも気をつけようっと
まぁどう気をつけたら良いのかもわかんないけど。
「懐かしいのぉ。朕のガタック…レーダーのアギト…ポントスのカブト……3人揃えば向かうとこ敵なしじゃった。」
「昔話はこれから見るわけだし、二人が旅立った後でゆっくりヘレネに聞かせてあげましょう。」
「ちゃんと帰ってくるのじゃぞ。わらわはエリカとまだまだ話たい。」
わかってるよぉ。アタシだってまだ一杯話したい人いるもん、
「それじゃぁ、準備はいいわねぇ?」
クイーンママはそういうと鉄の扉の鍵をあける。
ガチャンと音がしてキーと扉が開く。
「時は1500年前…私達がちょうど貴方達くらいだったとき……。さぁ…」
さぁって言われてもどこにあるの?その時の扉って。
あれ?レーダーさん先に行っちゃったの。
どうしよう。なんか怖いなぁ。
「ネレウスに似てビビリなやつじゃ。じれったいのぉ。ほれ。」
背中をドカンと蹴られる。
痛いなぁ!普通に押してくれれば良いのになぁ。
うあぁぁぁ。どこまで落ちるんだろ?
落ちたとき痛いのかなぁ。
「行ったようじゃの。どれ朕達は食事をしながら話の続きをするとしよう。」
「ヘレネもおいで、聞かせてあげよう。レーダーの学生時代を……。」
過去へはこれで終わりです。
次回から学園に舞台戻ります。
>>545 更新乙です。
お互い頑張りましょう。
次スレ立てようとしたら規制で駄目でした。
何方かお願いできませんでしょうか?
551 :
●:2009/01/11(日) 22:39:03 ID:sK+2RhTn
立てよっか?
テンプレとかはどーすんの?
>>551 スレタイは【正義】ヒーロー学園が舞台の小説 二時限目【悪】
テンプレは
ヒーローは時代を映す鏡である・・・
ヒーローの黎明期・・・
それは「正義VS悪」の図式を確立した時代である。
そして、地球外の生物、怪獣、怪人の存在が確認されると、
対するヒーロー達も超人的な能力を備え、熾烈を極めた戦いが続いた黄金期。
そして、現在・・・それはヒーロー乱立の時代。
名ばかりのヒーローが自分たちの勢力拡大に明け暮れる日々。
正統派の正義、悪のヒーローたちの存在はそこにはなく、
戦いは「正義VS正義」、「悪VS悪」にまで及んでいた。
世の人々は真のヒーローの登場を待ち望んでいた。
このような状況を見かねた歴代のヒーロー達によって、設立されたのが『私立ヒーロー学園』である。
「健全な正義 VS 悪の復権」を理想に掲げたこの学園は、明日のヒーローを夢見る若者が日夜、勉学に励んでいる。真の正義のヒーロー、真の悪のヒーローを養成する唯一の養成機関が私立ヒーロー学園なのだ。
そこで、ヒーロー学園“進路指導教師”として抜擢されたあなたの使命・・・
それは生徒達を『新しい世代の真のヒーロー』に養成し、彼らをその任務に就かせることである。生徒の将来は正義か悪か・・・・・それはあなたの指導にかかっているといっても過言ではないのだ。
英雄に正義、悪の真実(こたえ)はない。
医大のヒーローものみたいな感じになる予定です。
みんなで創作しましょう。
まとめサイト
http://www27.atwiki.jp/herogakuen/ 前スレ
【正義】ヒーロー養成所が舞台の小説【悪】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1226892101/ でいいと思われます。
んじゃいってくるね