安価漫画キャラロワイアル Part3

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1名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ
安価で参戦するアニメ作品を決めたロワがあるんなら、安価で参戦する漫画作品を決めるロワがあってもいいじゃない!
どうしようも無いネタだらけの選出になるか、意外と堅実なバランスになるか、全ての運を天に任せるノリで


バトロワって何?って人は>>2や以下のリンクを見てみたらいいかも

2chパロロワ事典@Wiki
http://www11.atwiki.jp/row/

安価漫画ロワ@wiki
ttp://www1.atwiki.jp/anka_m/
避難所したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/11987/
参加者現在位置地図
ttp://www8.atpages.jp/ankam/
2名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:20:12 ID:ZIXlvRe5
Q.バトロワって何? ドラゴンボールの天下一武道会的なアレ?

A.「これから皆さんに殺し合いをしてもらいまーす」
聞き覚えのあるセリフだ、と思った人もいるでしょう。
ここに引用したのは、映画化もされた高見広春の著作「バトル・ロワイアル」の冒頭部分にて登場するセリフ。
中学校のクラス丸々一つが孤島へと運び込まれて最後の一人になるまで殺し合いをする、というアレです。
で、「防衛軍第六十八番戦闘プログラム」と呼ばれるその殺し合いのルールを(多少の改変を行いつつ)流用して、
登場キャラを全く関係のない別作品(例えばアニメ・ゲーム・漫画・ラノベ・特撮など)から選んで一からスタートする、というのが
俗にパロディ・バトルロワイアル…通称パロロワと呼ばれるクロスオーバーリレーSSなのです。


Q.クロスオーバー?スパロボ的なアレ?

A.スパロボ的なアレです。でもそんなに王道の展開を想像してたら鬱で死にます。

とりあえず、様々な方法で参戦作品を10〜20程度まで絞り込んでその作品同士をクロスオーバーさせる、という形になります。
しかしクロスオーバーと言っても、参戦する作品のキャラを自由に何人も出せる訳ではありません。
企画自体のコンセプトが『閉鎖された空間内部での殺し合い』と言う事もあり、人数が多すぎるとやってる方が(精神的に)殺されます。
基本的には一つの参戦作品の中から1〜7人程度までの範囲で参加できるキャラを決める事になります。
そうすると大体45〜80人ぐらいのキャラが選ばれ、これらのキャラを使ってバトル・ロワイアルを進めると言う訳です。
もちろんたった一人の作者でこのキャラ全員を書き切れる訳もありませんから、
複数人の作者が何人かのキャラを使って少しずつ少しずつ全体の流れを作っていくという形になります。

例えば、Aさんが参戦キャラのドラえもんとしんのすけが遭遇し、一緒に行動を始める話を書いたとします。
それと同時に別のBさんがアンパンマンと機関車トーマスが戦う話を書いたとします。
これらの話が終わった後で、Cさんがドラえもんとしんのすけが戦いから離脱したアンパンマンと遭遇する話を書いて……と言った感じです。


Q.じゃあ俺の好きなあのキャラやこのキャラが別の作品のそのキャラ相手に大勝利したり活躍するSSが読めるんだ!すげぇ!!

A.嫌だなぁ、そんな美味しい話が転がってる訳無いじゃないですか。

確かに、上手くリレーが繋がった場合は、あるキャラが強敵をボコボコに倒し、戦う術を持たない人々を助け、ついでに殺し合いの主催者も打ち破って、
見事生還ハッピーエンド!という感動のエンディングを迎える可能性ももちろんあります。

が、そんな恵まれたキャラは全体の1%もいればいい方だと思ってください。

この企画のコンセプトは『殺し合い』です。とにかくキャラが死んで頭数が減らなきゃ話が進みません。だからとにかくバタバタ死にます。
国民的に有名なあのキャラも死にます。あなたの好きなあのキャラも死にます。作品のファンに人気なこのキャラも死にます。主人公もヒロインも死にます。俺の嫁も死にます。畜生。
死に方も千差万別です。強敵相手に熱いバトルを繰り広げて死ぬ、なんて物はとにかく運がいい一握りのキャラだけだと思ってください。
最悪のパターンだと大した活躍も出来ずに、登場した話から大したセリフも無く1〜2行程度の描写であっさり殺されるなんて事もあります。
逆に、数レスに渡ってネチネチと酷い拷問を受けて殺される場合もあります。
とにかく「せっかく活躍を期待していたのに!!」とショックでむせび泣く自体が頻発すると思ってください。

生き残ったとしても更に苦難は続きます。
なんてったって殺し合いな訳ですから、キャラ達は極限状態の中でどうにか生き延びようと足掻くわけです。
うかつに散策してたらぶちまけられた臓物にご対面、何てこともザラです。俺だったら吐くね。
そんなこんなでついに精神が耐えきれなくなってプッツンして発狂、うひゃひゃひゃみんな死んじゃえー! という方向に突っ走っちゃうキャラもいます。
特にこういう状況になれてない日常生活系を描いたほのぼの作品のキャラとかヤバいね。天然癒し系萌えキャラが一気にヤンデレ狂キャラになるとかあるね。
でも文句なんて言っちゃダメ。そんな人は今すぐ回れ右してスレから退場してください。

とにかくバトロワと言うのは人を選ぶ企画です。
『どんな鬱展開でもキャラ崩壊でもドンと来い!俺は受け入れる!!』という図太い人だけがこの企画に向いていると言えるでしょう。
3名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:22:18 ID:ZIXlvRe5
【参加者名簿】

5/5【嘘喰い】
○カール/○Q太郎/○斑目貘/○マルコ/○夜行妃古壱
5/5【ジャングルはいつもハレのちグゥ】
○グゥ/○ダマ/○マリィ/○マンイーター/○ラーヤ
5/5【ドラゴンボール】
○孫悟空/○透明人間のスケさん/○ナッパ/○ベジータ/○ヤムチャ
4/4【斬】
○刺々森鋭次/○説明台詞の人(仮)/○月島弥生/○村山斬
4/4【女子高生(大島永遠)】
○小川育恵/○小田桐雄一郎/○鈴木由真/○高橋絵里子
4/4【魔法先生ネギま!】
○エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/○葛葉刀子/○ネギ・スプリングフィールド/○フェイト・アーウェルンクス
4/4【みえるひと】
○桶川姫乃/○ガク/○ホルト/○明神冬悟
3/3【寄生獣】
○泉新一/○浦上/○後藤
3/3【天〜天和通りの快男児〜】
○赤木しげる(老)/○井川ひろゆき○/僧我三威
3/3【特攻天女】
○天野瑞希/○高村大/○ユエ
2/2【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】
○赤木しげる(若)/○鷲巣巌
2/2【今日からヒットマン】
○稲葉十吉/○蜂の巣ジョニー
1/1【X (CLAMP)】
○司狼神威

 45/45
(参加者に配られる名簿には赤木しげるの後の老若表記はないでござる)


【主催者】

お屋形さま@嘘喰い、神龍@ドラゴンボール、賭郎立会人数人
4名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:23:00 ID:ZIXlvRe5

【基本ルール】
書き手はしたらば予約スレでトリップを表示しての予約必須。
予約期間は3日とする。(軌道にのってきたときに適宜修正)
スタートは深夜0時。
支給品は基本支給品(水。食料、地図、コンパス、紙、ペン、時計、懐中電灯、ルールを書いた紙など)一式+ランダム支給品1〜3つ。
食料は基本パンだけど微妙に当たり外れがある(バナナは食料に入ります)。
超人的なキャラクターは能力を著しく制限される。

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24
5名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:23:49 ID:ZJJzisca
おつ
6名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:25:41 ID:YdsiiZZa
    _   _l l_   _l l_              
   //[][]  ̄l lニ、ヾ   ̄l lニ、ヾ _l l_          
   ヽヽ-,   く ノヽ-ゝ   く ノヽ-ゝ  ̄l lニ、ヾ            
      ̄                 く ノヽ-ゝ
     ヽ、       /ニニヽ              /
       ヽ_      / o  o l            /
       \\.   く u_'_ ゝ           ,'
         \\_/ '――‐' |_          l   投票で作品選出は人気キャラが集まる分、あつかいやすいし
           ,k´ \l ̄ ̄ ̄/::::::::l`ヽ、       i     書き手から読み手まで幅広く参加できる古代からの基本選出方法
         /| ↑、 /\_.ノ:::::::::::ヽ  ヽ     |    対して安価選出は投票と同じで読み手も参加できるという点で
.        / | /:::::::::\/ヽ:::::::::::::::::::', ! `、    |   ほとんど変わらねぇが 投票のようにメジャー作品だけが選ばれない分
       / l/:::::::::::::::::::`ヽニ=::::::::::::::V   i   <    何が選ばれるか分からなく書き手を集めるよりも
.      / /::::::::::::::::::::::::::::::\\:::::::::::::ヽ   |   |   他ロワに参加できない作品を集めることを目的とした
      /  i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\\:::::::::::i  !  |  玄人好みのあつかいにくすぎる選出方法 
     /   |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\\:::l´  \ .|    使いこなせねぇと書き手が誰もこない
.    / -、  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ 刃―、-゙ |    ただのクソスレみてぇなもんだってのに
    ´/   Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`メ,   ヽ、|    何でここの住人は?
    /   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|    | ',
.   /  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ   |  ヽ
  /  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  |   \

っというわけで>>1乙!
7名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:27:57 ID:BOFMenRI
>>1
8名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:32:02 ID:g/JsQRT7
乙!
そういえばここの名簿ってキャラの名前が何か変な順になってるよな……
メインキャラ前に持って来てちと整地してみた
あと現状の死者も


【参加者名簿】
5/5【嘘喰い】
○斑目貘/○マルコ/○夜行妃古壱/○カール/○Q太郎
4/5【ジャングルはいつもハレのちグゥ】
○グゥ/○マリィ/○ダマ/○マンイーター/●ラーヤ
5/5【ドラゴンボール】
○孫悟空/○ヤムチャ/○ベジータ/○ナッパ/○透明人間のスケさん
2/4【斬】
●村山斬/○月島弥生/○刺々森鋭次/●説明台詞の人(仮)
3/4【女子高生 GIRL'S-HIGH】
○高橋絵里子/○鈴木由真/○小川育恵/●小田桐雄一郎
4/4【魔法先生ネギま!】
○ネギ・スプリングフィールド/○エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/○フェイト・アーウェルンクス/○葛葉刀子
3/4【みえるひと】
○明神冬悟/○桶川姫乃/○ガク/●ホルト
3/3【寄生獣】
○泉新一/○後藤/○浦上
2/3【天〜天和通りの快男児〜】
○赤木しげる(老)/●井川ひろゆき○/僧我三威
3/3【特攻天女】
○天野瑞希/○高村大/○ユエ
2/2【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】
○赤木しげる(若)/○鷲巣巌
2/2【今日からヒットマン】
○稲葉十吉/○蜂の巣ジョニー
1/1【X (CLAMP)】
○司狼神威

39/45
9名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:32:09 ID:x5tL9elP
>>1おっつー
10名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:32:23 ID:qSt8Sjx2
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        乙なんか?
     ゝ ゚д゚)       >>1に………
    /<▽>         乙なんか……>>1
    |::::::;;;;::/     
    |:と),__」      
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
11名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 21:36:29 ID:YdsiiZZa
>>8訂正乙!
こうしてみると結構死んだなー
12名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:10:54 ID:YdsiiZZa
ちょwww前スレ1000wwww
13名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:11:44 ID:BOFMenRI
前スレ1000が酷いww
14名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:12:13 ID:x5tL9elP
1000がwwwwwww
15名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:14:35 ID:YdsiiZZa
全員幼女マーダーってwww
16名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:16:22 ID:ZIXlvRe5
999を取るつもりだったのだが…
だがしかし俺は後悔していない!!
17名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:33:26 ID:qSt8Sjx2
響きがいいよな、幼女マーダーって
18名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:35:37 ID:YdsiiZZa
果たして幼女なマーダーなのか
それとも幼女を襲うマーダーなのか
19名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 22:55:49 ID:YdsiiZZa
ところで超神水の細かい能力について調べてて思ったんだけど
DBってやっぱ面白い支給品の宝庫だな
PPキャンディーとか忘れてたよ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E9%81%93%E5%85%B7
20名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 23:01:27 ID:BOFMenRI
PPキャンディーってあれかww
ピーピー言われると下痢になるやつw
21名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 23:01:56 ID:qSt8Sjx2
むむむ、興味の沸く支給品が数個あるな
22名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 23:38:16 ID:g/JsQRT7
ホイホイカプセルなんかもアリだし、筋斗雲とかスカウターなんかもオイシイな。
あとはやっぱ仙豆か。骨折直せるってパロロワでは珍しいくらいの強回復アイテムだw
23名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/01(土) 23:44:52 ID:YdsiiZZa
芭蕉扇とかミクロバンドもおいしくね?
あと、変身スーツ&バンドとかw
24名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 00:45:51 ID:gaQ2sGFi
悪くない話題だけど……ぶっちゃけ、書いてる最中で登場予定のアイテムが出てるなw

で、煽り文とか作ってみない? それも一人じゃなくて数人で……
一日一話づつ進めて、その日の煽り文は安価で選出された人が書くとか面白いと思うけど、どう?



25名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 03:36:02 ID:x3OqPkgD
他力本願
26名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 12:02:57 ID:kZMAJ4OU
>>24
いいかもね

wikiにキャラ追跡表作ったよ
あとは必要なのキャラ紹介と支給品リストあたりだろか
27名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 12:35:58 ID:kZMAJ4OU
ところで、前も言ったけどwiki管理人さんいたら
文字設定をもっと小さくしてもらうか、横幅を大きく出来ないかな
変なところで改行ができちゃうんだよね
28名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 13:35:40 ID:pYSGoahy
>>27
了解、ちょいとお待ちを。
一応1024*768のIE系全画面表示で最適化してあるんだけど、文字小さくしてみるかなあ…。
29名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 15:26:19 ID:weDQEQum
文字サイズを選択できるようにしたら?
30名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 17:42:17 ID:pYSGoahy
うーん…試行錯誤の末、とりあえず10.5ptはそのままに右の本文枠を大きくしてみた。
文字を小さくするほうが好み!っていう意見が多ければ9ptにしてみます。

>>29
ジャンプレーベルのアレのことなら、あそこの管理人さんが独自にjava組んでやってるっぽいので
再現は困難かも。
31名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 19:18:42 ID:weDQEQum
>>30
javascriptだからソースが丸々載ってる。
そのままコピーじゃあかんの?
32名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 20:14:58 ID:pYSGoahy
あの苦労はわかるだけに、全コピはちょっと道義的な問題がある気もするんだ…。
33名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 20:36:24 ID:kZMAJ4OU
おお!横幅広くなった
俺は文字が小さいほうが好みだけど、
問題は意図しないところでの改行だったからこれでおkだと思う

あと報告、支給品一覧つくったよ
34名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 20:51:46 ID:lAXTAWsx
>>30
>>33
乙です!wikiもだんだん充実していってるなー
35名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 20:56:23 ID:p0ZfCGh2
俺もキャラ紹介あたり書いてみようかな…
36名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 21:56:53 ID:kZMAJ4OU
登場話・予約がまだないキャラの一覧


4/4【魔法先生ネギま!】
○ネギ・スプリングフィールド/○フェイト・アーウェルンクス
3/3【天〜天和通りの快男児〜】
○僧我三威
1/1【X (CLAMP)】
○司狼神威

完売
5/5【嘘喰い】
3/3【特攻天女】
2/2【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】
5/5【ジャングルはいつもハレのちグゥ】
4/4【女子高生(大島永遠)】
2/2【今日からヒットマン】
3/3【寄生獣】
5/5【ドラゴンボール】
4/4【斬】
4/4【みえるひと】

あと4人、もうこれはどんどん2週目いっちゃっていい流れだね
37名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 10:18:51 ID:f7/Un9KZ
そろそろナッパと後藤が来るかなぁドキドキ
38 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:48:17 ID:E2T9X61F
ナッパ、後藤投下します。
39 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:49:17 ID:E2T9X61F

「よう、お前はドラゴンボールを持っているか?」
「持っていないが」

二つの低い声が、月に照らされた道路に響いている。

「そうか、じゃあベジータって奴を見なかったか?」
「見ていない」

片方の男は坊主頭に巨漢、声の通りの男
パンツ一枚に上は奇抜なファッションをしていた。

「ほう、そうか」
「次はこちらから質問をして構わないか?」
「ああ、いいぜ」

もう一人の男は坊主頭ほどの巨漢ではないが、それなりの長身、そして凛々しく整った顔でスーツを着込んでいる。
しかし、その顔はどこか無機質なもの

「お前は人間ではないな」
「人間? この星の生物のことか?」
「この星の生物? そうだな、そう……この星に住む人間ではないな」
「ああ、その通り、俺はサイヤ人……惑星ベジータの種族だ」
「そうか、だからか……」
「だから?」

スーツを身に纏っている男、後藤はもう一人の男ナッパの答えを受けて一人、納得していた。
後藤は見た目こそ普通の人間であるが、寄生虫、世間ではパラサイトと呼ばれる存在である。
その彼ら、パラサイトは寄生した生物の種族を捕食することが基本
つまり、人間……地球人に寄生しているパラサイトは地球人を主食とする。
地球人に寄生している後藤は、宇宙人であるナッパを捕食するつもりは一切ない
それは後藤のパラサイトとしての本能が告げているものだった。

「気にしなくていい、それでは失礼する」
「オイオイ、待てよ今この島で起こってることが理解できてないのか?」
「……理解? この私は貴様以上に理解しているつもりだが?」
「ほう……じゃあこういう事態も理解しているの……かッッ!!」

声と同時にナッパの掌から凄まじいエネルギーの塊が放出される。
その塊は、当然もう一人の男、後藤の元へと向かう。
周りの空気全てが弾けるように地面が爆ぜる。

「ハッハッハ、跡形もないか」

目の前の巻き起こる砂煙が晴れる前にも確信する勝利
しかし、ナッパの予想は覆る

「跡形もないとは、何のことだ?」
40 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:50:49 ID:E2T9X61F

その声が聞こえる方向はナッパからみて真横
そこには、スーツに焦げ目一つ付いていない後藤が二の足で地面を捉えていた。

「なに!? 普通の人間が避けれるものじゃないぞ!」

ナッパが驚くのも当然、制限が掛かっているとはいえ
彼の攻撃は簡単に避けられるスピードではない。

「この場所が殺し合いを強要しているとしても、私にはお前達のような『人間』でないものを捕食する気はない
 だが、お前がこの私に対して殺意を抱くのならば事情が変わってくるのだが?」
「へっ、お前がどうであろうが俺がお前を逃がす理由はない!」
「そうか……仕方ない、それならば、私も自分の身を守る為にお前を排除させてもらう」

二人の見た目は人間……だが、その実態は宇宙人と寄生虫
今、『人間』ではない二人の戦いが始まる……



  ※   ※   ※    ※   ※   ※  


空はこの島の狂気を示すように闇の中
唯一、この場所を照らすものは月ただ一つ
二人の戦いは誰にも邪魔されることなく、雷鳴のごとく繰り広げられていた。

「おいおい、地球人でこんな奴がいたのか? 体をあそこまで自由自在に伸縮させるなんてナメック星人並みだぞ」

ナッパは何度目かわからない驚きを感じていた、目の前の生物は動きのスピード、精密さからみて異常だが
動きそのものよりも、体の変形を利用した変則的な攻撃と防御がナッパとの基本的身体能力の差を埋めている。
サイヤ人は戦闘民族、本来なら即座に勝敗が分かれる勝負であったかも知れないが
その変則的な動きと能力制限が二人の勝負を均衡とさせていた。
だが、ナッパは気にしない、全力で挑めば、この勝負は直ぐに終わると思っているから
自分の種族、肉体を信じきっている彼には油断と怠慢が充満していた。
41それぞれの本能 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:52:37 ID:E2T9X61F

「仕方ない……フルパワーだッ!!!」

目に見えて、ナッパの気の流れが増大していく
大地は振るえ、草木はざわつく
そのざわつきが収まると今度は周囲の空気が止まる。

そして、次の瞬間、ナッパの拳が後藤の目前と迫っていた。
間一髪で避けるも、二発目、三発目と拳と蹴の連撃が後藤を襲う。
明らかに先ほどとは違う、一拳一足、一撃でも喰らえばその箇所が確実に破壊されると予想される。
後藤は攻撃もできずに回避に専念せざるおえない状況に追い込まれていた。
……しかし、後藤の顔は歪まない。

「ハッハッハー! どうだ、俺が本気を出せばお前なんかこんなもんなんだよぉ!!
 俺を一度殺したベジータ、そしてカカロット……あの二人と島中の生物は全殺しだッ!!!」

そう、ナッパは復讐を果たそうとしていた。力が全く及ばなかった二人、カカロットとベジータ
この二人に復讐するのは簡単でないと、ナッパ自身も分かっている。
だが、復讐を果たさないと気がすまない。ベジータと組んでもいいが、この舞台では一人しか勝利者はいない。
最後の二人になっても、前のように殺されるのは分かっている。
それは許せない! 戦闘民族サイヤ人が実力の差があるとはいえ、簡単に敗北を認めるわけがない。
後藤に勝負を挑んだのも、あの二人に勝つためだ。今の自分では実力不足……なら戦闘を重ねるしかない。
主催者である、桐間は誰でも優勝できるような支給品を配ってあると言っていたが
実際、ナッパに支給されたものは、とてもそれだけではカカロット、ベジータを倒せるものではない。
更にいうと、ナッパにとって、戦略や道具で倒しても気がすまない、それほどまでの屈辱を二人に味合わされている。
戦闘を重ねる……その一点のみに重点を置き、ナッパはこの島を駆け巡っていた。
そこで出会ったのは、後藤であった。
最初はただのゴミかと思ったが、今となっては全力で相手をしないと倒される相手だと理解している。
そして、感謝もしている。ナッパの一番出会いたかった理想像そのもの。
弱すぎず強すぎず、全力を出せなければ倒せないが、全力を出せば倒せる相手……一人目で理想像を引き当てた。
自然と笑みがこぼれながらも、ナッパのラッシュは続く。

「ホラホラッ! お前の本気はそんなもんか!!」
「……仕方ない」

今まで、口を開かずに相手をしていた後藤であったが、その呟きを残し
地上での殴りあいから間を置き、後方の空へと跳躍する。
42それぞれの本能 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:57:41 ID:E2T9X61F

「空も飛べない下等生物がッッ! 空中へ逃げてどうする!」

勝利を確信しているナッパは、そのまま舞空術で追おうとするが……
後藤の様子がおかしい、最初は逃亡の為に飛んだと思ったが、それなら最初から背を向けているはず。
しかし、後藤の目はナッパから一度も逸れていない。……そして、ナッパは自分の目を疑う。
空中へ飛んだ後藤の手元、デイバックから、見たこともない物体が出現したのである。

それは、暗闇の中でさえ、更に黒く輝くボディに究極のパワーが搭載された四輪マシン
GT-R以外の系列としては最後の5ナンバースカイライン

―――――BNR32 スカイラインGT-R V-specII

「な、なんだそりゃ!!!!」

ナッパが驚くのも無理はない、後藤が出したそれはナッパにとって身近でないものであり
得体の知れないもの、そんなものが空中から自分目掛けて突然現れたのである。
闇の中、ライトの光がナッパに肉体に死の宣告を告げる。

「ウォォォォォォ!!!!!! そんなもんぶっ壊してやる!!」

相手が何を所持していようが問題ない、支給品を使ってくることもこの島では当然ある。
それさえも突き破るのがサイヤ人、ナッパは己の体、能力のみでGT-Rを破壊しにかかる。

「こんなもの、アウトオブ眼中ッッッ!!!」

GT-Rを破壊する為に無数のエネルギー波を打ち込む。
しかし、GT-Rの外見は砕けても重量と勢いはたいして変わらない。
その重量全てが地球の引力に引っ張られ、ナッパに向かう。

「まだまだッ!!」

目前にまで迫ったGT-Rを全ての気を使い、体で受け止める……いや、受け止めているとはいえない。
拳の連打で自分自身への落下を遮っていく。

「サイヤ人を舐めるなぁあああ!!」

一秒、二秒とGT-Rの落下が空中で止まる。
普段ならば一撃の元で弾き飛ばせる物体……ナッパはこの島にきて初めて制限の強さに気づく。
気を全開にして、破壊に掛かっているというのに全く歯ごたえがない……このままではヤられる
……だが、プライドが全てを凌駕する。
43それぞれの本能 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 10:59:28 ID:E2T9X61F

「おおおおおおおおおお!!!!!!!」

ナッパの拳一つ一つがGT-Rを破壊していく。
フロントガラス、タイヤ、ナンバープレートなどが次々に吹き飛び、地面に転がっていき
板金八万コースではすまないほどの衝撃を加え続ける、車内ではエアバックも作動している。
そして、ナッパの全てを乗せた攻撃の前にスカイラインという芸術が崩れ落ちる。

「ハッハー、乗り越えたぜ! あとはお前を始末して……や……なん…だと…!?」

全身全霊でBNR32 スカイラインGT-R V-specII を破壊しきったナッパ
そのナッパが目撃したもの……それは、白と黒が渋い味を滲み出しながら
コーナーではなく自分自身にドリフトをかましにくる鉄の塊

――――AE86 スプリンタートレノ GT-APEX(通称 ハチロク)

脅威の車連投、ニ連撃ッッッ!!
こればかりはナッパにも予想が付かなかった。
それも当然、ナッパでなくとも車が二台も自分に向かってドリフトしにくるなんて誰も想像つかないだろう
一台目のスカイライン破壊で気のほとんどを使っているナッパは焦りに焦っていく
GT-Rを破壊している最中に後藤が攻撃してこなかったことから、逃亡したものだと思っていたが違っていた。
後藤は確かにこの場から逃亡をしているが、その理由はナッパを脅威と感じたからではない。
ほぼ確実に始末できたと理解したからである。

「クッソォォォォ!!! こんなところで死んでたまるかァァ!!!」

だが残念、気を消費しきっているナッパではハチロクを抑えることはできなかった。
ハチロクのボディは無情にもナッパの体に突き刺さり、ナッパを下に着地し華麗にドリフトを決めた。
普段ではなんともない衝撃、威力であるが、この島では即死に当たるダメージである。
……復讐を果たせず無念のまま、ナッパの息は静かに事切れようとしていた

44名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:07:38 ID:sdcvryBp
支援
45それぞれの本能 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 11:09:17 ID:E2T9X61F
 
 
そして、そのナッパから遠ざかる後藤はナッパのその後についての興味は一切なかった。
あの場で戦闘行為を引き続いて行っても、勝機は十分にあったと後藤は理解している。
しかし、種族としての本能なのか、『人間』以外のものに対しての殺意自体が薄い。
防衛の為には戦うが、それ以上のことにはさほど興味もない
後藤らパラサイトは生まれたときに一つの本能が刻まれている。
それは「この種を食い殺せ」……この一点
それを元にして、それぞれのパラサイトは環境や生い立ちにより個性を発揮し、自分達の生まれてきた理由を探そうとする
あるものはそれを見つけ死に絶え、あるものは探す気もなく只、本能に生きる。
また、完全に人間社会に溶け込み、人と同じ食事で済ます者もいる
……中には、脳を奪えずに寄生元の生物と共に生きる道を選ぶ者も
そう、彼らパラサイトも精神の進化を遂げるのである。
その中で、後藤は自衛隊の一部隊を単身で壊滅状態に追いやり
その体験によって「戦いこそが自分の存在意義である」と自覚するようになるのだが、今の後藤はその体験をする前の後藤
ナッパとの戦闘では何故か後藤を刺激するものと至らなかった。
それもそのはず、今の彼にとっては戦闘行為よりも優先するものがあったのだ。
……それは空腹、ナッパを食す気はない、そんな獲物に構っている時間も労力ももったいない
空腹を満たす為には『人間』を探すしかない。
支給品として、パンが渡されているが、これでは本能としての食欲を満たせない。
戦闘を自分の存在意義と感じていない以上、より深い本能……食欲を満たすほうが先なのだ。
後藤は探す……自分の本能を満たしてくれる『人間』を……そして、自分の生まれてきた目的を……


【E-5 /一日目 深夜】

【名前】後藤@寄生獣
【状態】健康  空腹
【持ち物】ディパック(基本支給品一式 不明支給品1)
【思考】
 1:『人間』を探す
 2:襲ってくる相手には容赦しない
 3:自分の生まれてきた目的とは

*原作9巻市役所戦以前からの参戦
46それぞれの本能 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 11:10:37 ID:E2T9X61F
 
「うううぅぅぅ」

瀕死のナッパは最後の力を振り絞り、デイバックに手を伸ばしていた。
そして、その中から出てきたものは、小指サイズの小さな豆
その豆を勢いよく自分の口へと放り込む、するとみるみるうちに気が回復し、心臓まで達していた傷も癒えていく。

「クソッ!!」

自分の体に突き刺さっているハチロクを跳ね除けて怒りに震える。
支給品の一部として支給された小さな豆……仙豆
これがなかったら間違いなくナッパは死亡していた。
だが、そのことに大して苛立ちが止まらない。

「クソッ! クソッ! クソッ! こんなんじゃベジータにもカカロットにも勝てやしねえ」

仙豆は一粒しかなかった、当然ナッパはベジータかカカロットと遭遇したときに使う予定であった。
それを一戦目、こんな早期に使わされるとは……しかも相手はサイヤ人以外の種族
傍に崩れ落ちている二台の名車が笑っているように感じる。
だが、その二台を見つめ、自分の甘さにも気づいていく。

「勝利こそが絶対……か……」

先ほど、戦った相手後藤、そして、ベジータとカカロットに勝つ為には自分の肉体強化も大事だが
勝たなければ意味がない、勝つためには何でも……それこそわざわざ用意されている支給品を使わないなどという行為は
プライドの問題ではなく、単純に自分が甘いだけ。

――ベジータとカカロットには必ず勝たないといけないわけだ
――その為には自分自身の肉体を強化する必要と手段を選ばない貪欲さがいるわけだ
――となると次の行動は自ずと決まるわけだ

そう自分に言い聞かせると、ナッパの方針は即座に固まった。
相手がどれだけ弱かろうが、支給品の中に使えるものがあるかも知れない。
ならば、殺戮を繰り返し支給品を集める。
ドラゴンボールは後でいい、どうせ所持している中にはベジータの野郎が紛れているはずだ。
今、奴と会っても勝ち目は一切ない。

「俺こそが……俺こそが最強になるんだ……」

ナッパは自分では気づかない、一度、死に足を伸ばし、復活する……その行為が自分の実力を底上げしていることに
倒すべき相手、ベジータとカカロットとの実力差を縮めたこと、場合によっては超えていることに
戦闘種族としての血が、体中を……島中を今、駆け巡る。


【E-6 /一日目 深夜】

【名前】ナッパ@ドラゴンボール
【状態】健康
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明支給品2)
【思考】
 1:支給品を集めながら、自分の戦闘能力向上を図る
 2:最終的にはベジータ、カカロット、後藤の抹殺

*死亡後からの参戦
47 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 11:13:10 ID:E2T9X61F
投下終了です。結構無茶してるので誤字脱字、修正希望などあったら気軽に言ってください。
48名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:14:15 ID:sdcvryBp
投下乙
ナッパ死んじまったか…。後藤も十分チートだしどうなることやら
しかしまたマーダーが増えたかwナッパ死んだから減ったとみるべきなのかな
49名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:17:07 ID:sdcvryBp
うお。投下終わってたと思ってたorz早とちりしてごめんなさい

ナッパ生きてたwさらにマーダーが増えるw
ナッパはベジータと組むと思ってたから意外だな
50名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:48:28 ID:f7/Un9KZ
目を離した隙に投下来てたー!

後藤強いなwまさかナッパも重量級の車2台に押しつぶされるとは思わなかっただろww
しかしまたマーダー2人増えた!マジでこのロワマーダーだらけw
だがそこがいい!
51名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 13:27:54 ID:nrtLCsDP
投下乙です!
またまたガチバトルキター

しかし後藤の支給品カオスだなw
ナッパの制限がいい感じでよかったです
52名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 13:47:19 ID:f7/Un9KZ
今見たら僧我の予約来てた!
やっぱこのスレの書き手はすごい
53 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 14:51:04 ID:E2T9X61F
僧我投下します。
54真っ白な対主催誕生!その名は… ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 14:51:45 ID:E2T9X61F

(……死ねということか……この体……歩くこともままならないこの体で……)

椅子に座る老人、僧我三威がそう思うのも当然であった。頭には毛というものはほとんどなく、老眼鏡をかけている普通の老人
年を取りすぎて普段の生活は車椅子使用を余儀なくされている。
立って歩けないわけでもないが、五分も連続で歩くとこはできない、恐らく幼児にも負けるスピードでしか歩けないだろう。
だが、そんな一見普通の老人である彼も赤木が現れるまでは裏世界最強と呼ばれた男……十数年もの長期にわたり勝ち続け、無敗を誇った伝説の存在である

(クククッ……しかし、よかったかも知れん……)

よかった、この言葉にはある男が深く関わっている。
その男の名前は……赤木しげる
僧我は十数年もの間、闇の王として君臨していた
しかし、その経歴も後に裏世界に君臨した赤木しげるの華やかな活躍の前では霞んでしまう
決して僧我自体が劣っているわけではない、赤木が神がかっているだけ
それ故、赤木に対しては憎悪にも近いライバル心を抱いており、幾度となく赤木と直接対決にて決着を付けようとした
それこそ、「東」の裏プロ達と「西」裏プロ達が雌雄を決する「東西戦」という全国区の争いの場でさえ
僧我にとっては赤木との対決の場であった。だが、その結果は……僧我の満足できるものではなかった。

(わしの無念……あの男にはわかるまい……例の東西戦……わしは奴よりも、先の戦いに生き残った……)

東と西の両陣営に分かれた「東西戦」は6対6
まず、予選からはじめ合計12人から6人まで減り
次に、決勝……これは6人から4人まで減った
そして、その時に脱落した2人の中の一人は赤木しげるだった。
僧我は当然のごとく、次のステージへあがった。

(わしはあの時、あの男を超えた……そう思った……だが、世間の評価はまるで逆……!
 そんなことはまるで無視し……あいかわらず……奴の方がわしより格上扱い……!)

それが許せない、許せなかった。
これから先も許せないと思っていた。
だが、そんな僧我の元に赤木の葬式という馬鹿げた話が振ってきた。
実際、その葬式にいってみると赤木は生きていて、死ぬ前に知り合いの顔を見たいから葬式をしたという……
僧我は一瞬、安堵に包まれたが、話を聞くうちに事情が変わってきた。
赤木は今死ぬというのだ、今、東西戦での敵味方と最後の会話を果たしたのち、死にたいと……
……駄目ッ!……許さない……勝ち逃げは許さんッ!!
その思いで、赤木との面談を待っていたつもりだったが、気が付いたら、何の因果かこんなわけの分からない舞台にいた。
しかし、僧我にとっては好都合
55真っ白な対主催誕生!その名は… ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 14:52:27 ID:E2T9X61F

(クククッ……赤木……おどれとの最終対決やッ!……勝負せいっ!)

そう、赤木との最終対決。
赤木だけでなく、僧我も年を取りすぎている、間違いなくこの舞台が二人の最終バトル!

(……奴のことだ、死ぬ前に大きな勝負をするつもりだろう……ということは狙いはあの桐間という奴との勝負のはず
 ……させん、させてたまるか……最後の勝負はわしとや!……いや、それだけじゃ気がすまん……完膚なきまでの勝利の為には)

赤木に対する完全勝利、それを達する条件が脳内を駆け巡る

(……奴の性格からして、このギャンブルに乗ることは間違いない……ならわしはそれを阻止する!……このギャンブルを破壊するッ……!
 それや……それこそが赤木に対する完全勝利ッ! ドラゴンボール……殺し合い……そんな奴の好きそうことやらせてたまるかッ!)

僧我の思考は赤木に始まり、赤木に終わる。赤木がギャンブルに乗っているというのは僧我の推論、しかし正解。
どう思考したら、そうなるかは知らないが彼のたどり着いた答えはギャンブル……バトルロワイアルの破壊
赤木が乗るなら、僧我は背く。あくまで赤木に拘る僧我は単純にそれでいいと判断する。

(わしの命を賭けた赤木との勝負……クククッ、待っていろよ)

気合は入るが、身体能力にかなりの不安があるのも確か
そう思いながら、支給品を確認すると中から腕時計のようなものが出てくる。
その謎の物体にはスイッチが付いてあり、僧我は何気なしにスイッチを押してみる。

すると僧我の周りを光が包み込む
……数秒後、僧我がいたところには肩からマントを掲げ、ヘルメットにサンバイザーのついた
一人の正義の味方が生まれていた。

―――その名もグレートソッガマンッ!!!



【C-4 /一日目 深夜】

【名前】僧我三威@天〜天和通りの快男児〜
【状態】健康  正義の味方
【持ち物】ディパック 変身スーツ&バンド@ドラゴンボール(悟飯のグレートサイヤマンのやつ)(基本支給品一式、不明支給品2)
【思考】
 1:赤木に勝つ
 2:バトルロワイアルの破壊
56 ◆.vzz4BKePU :2008/11/03(月) 14:53:41 ID:E2T9X61F
投下終了です。文句は120%受け付けます。
57名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 15:22:46 ID:f7/Un9KZ
ちょwww昨日の支給品話のやつは仙豆で終わりかと思ってたけどこれだすのかww
いや俺も誰か変身させようと狙ってたけどさw
あえてこのじいさんに支給してノリノリで変身させるとはなんという予想外
だが、あえて言おうGJと!
58名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 15:27:29 ID:nrtLCsDP
グレートソッガマンってw
59名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 15:27:53 ID:/2MuFjxO
ナッパもはや別人だな
60名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 20:39:17 ID:03gG0R2Y
すっげえ2連続投下だ!
おぬしなかなかやるな

またもやマーダーを2人生み出して
僧我をアカギへのライバル心で対主催化とはなんという鬼畜
こいつはゲームをぶっ壊すとかいいつついろいろ外道なことをしてくるに決まってる
61名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 20:54:09 ID:f7/Un9KZ
しかしこれで予約も入ってない未登場キャラはあと3人か
改めてなんというマーダー比率だw
62名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 00:15:10 ID:nEgZU4nz
天知らないけどライバルがゲームに乗るからそのゲームを壊すとかw
すっげえジジイだw
63名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 00:15:44 ID:jBLM3Jer
あと残りはネギまの2人と神威か
やっぱり書きにくいんだね
64名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 00:18:14 ID:jBLM3Jer
俺はツンデレの一種と理解した
65名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 00:20:49 ID:pkp6Debv
じじいのツンデレとか嫌だw
66名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 02:41:47 ID:pkp6Debv
ところで、1週目のキャラを含まない2週目のキャラだけの予約をするのは空気読めてない?
やっぱり1週目のキャラが出揃うまで待つべきなんだろうか
67名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 04:11:26 ID:1vVpSUX4
問題ないと思う、未登場のキャラもあと三人だけだし
68 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:43:44 ID:FBT24IIE
高橋絵里子、ダマ、ガク投下します。
69名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:44:20 ID:BbWvotHt
 
70恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:44:26 ID:FBT24IIE
――あなたは「女子高生」という単語を聞いて、どのような想像を巡らせますか。

女子高生、女子高生である。
ここで大切なポイントは決してそれが「女子校生」ではないという事だ。
詳しい意味はここでは記述しないが、その裏側にある大人の事情という奴を読み取って貰いたい。

突如脈絡もなくこの殺し合いに参加させられる事になった高橋絵里子はいたって普通の女子高生だ。
絵里子が通う学校の名前は私立山咲女子学園(通称・咲女)
世間的には「中途半端なお嬢様」という極めて微妙な評価をされているこの中高一貫の女の園に高等部から身を投じた訳だ。


――さて、ではあなたは「女子高」という単語を聞いて、どのような想像を巡らせますか。

それは、男子校や共学といった有り触れた事物とは明らかに別の領域に存在するものだ。
聞く人が聞けば、その瞬間に頬を綻ばせてしまうような禁断の楽園。

そう、きっとこの瞬間、大半の人々の頭の中を過ぎったヴィジョンは↓のような具合かもしれない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ごきげんよう」
「ごきげんよう」

さわやかな朝の挨拶が、澄み切った青空にこだまする。
マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐりぬけていく。

汚れを知らない身を包むのは、深い色の制服。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。

私立リリアン女学園。
明治三十四年創立のこの学園は、もとは家族の令嬢のためにつくられたという、伝統あるカトリック系お嬢様学校である。
東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、神に見守られ、幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる乙女の園。

時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養お嬢様が箱入りで出荷される、という仕組みが未だに残っている貴重な学園である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

もしくは、
71恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:45:17 ID:FBT24IIE
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

静謐な自然の中に、わき上がる透明な清水の如き、乙女が集う、アストラエアの丘。
乙女たちは、清らかなる祈りの声を、深緑に響かせて、牝鹿のごとき肢体を、しなやかに躍動させる。
連綿と受け継がれてきた伝統と、新しき時代を渇望する、熱き乙女の胸のたぎりは、遙かなる蒼穹に昇華し、気高く美しき、新たなる星を産み落とす。

鮮烈な光を放ち、永遠に輝く、二つの星。選ばれし、その名は、エトワール。

アストラエアの丘には、聖ミアトル女学園、聖スピカ女学院、聖ル・リム女学校の三つの学校があった。
三校とも中高一貫教育の、お嬢さま学校――男子禁制の聖域、乙女の園である。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

とか、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

極上生徒会――それは、宮神学園極大権限保有最上級生徒会の俗称である。
宮神学園では、生徒の自主性による生徒のための学園運営を基本としており、学園は極上生徒会のメンバーによって管理、運営されている。
教職者よりも権限を持ち得た彼女たちは、今日も学園のために戦い続ける。

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だったり、
72名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:45:20 ID:BbWvotHt
 
73恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:45:49 ID:FBT24IIE

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

攻めるも乙女、受けるも乙女。

『今日もわたくしのために輝いていますか』

天地学園は輝ける乙女を育てる学び舎。
皆がすべからく高い目標を持ち、頂点を目指し邁進すること。
それこそが輝き。輝きを失わない天地の乙女達に金、権力、名声――わたくしは全てを惜しみなく与えます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

的な、

百合百合でパヤパヤで「きれい・規則正しい・キチンとしてる」の3Kを兼ね揃えた麗しき華麗なる乙女達を思い浮かべてしまうかもしれない。


『女子高に夢見すぎてんじゃね? 女なんて男いなけりゃさー。
 カッコつける相手がいなけりゃオチるとこまでオチるんだよ女は。
 そもそも男よか女の方がぐーたらな生き物なんだよ。
 家でゴロゴロしてるババァとか見りゃわかんだろ?』

――二年松組 鈴木由真・談


が、ぶっちゃけ現実ではそんな事は有り得る訳もなく。

真実は時に残酷なまでにその本性を露にし、心を抉り取る。
乙女とは人知れず努力を重ね、自己の研鑽に励む生き物だ。
外面だけを無作為に移しただけでは、その核心に到達する事など出来る訳もない。

そして、この物語の舞台は某各種私立女学園でも咲女でもなく、名も無き絶海の孤島。
描かれる激闘も、日常を謳歌するバカ軍団のきわめてどうでもいい日々などではない。

バトルロワイアル!

「セレ部」だとか「女を磨く」だとか「脱毛処理」だとか「生理」などと言った単語はこの際スッパリと忘れた方がいいだろう。
いや、もしかしたらちょっとは関係あるかもしれないがソレは大筋には絡まない筈だ。

……多分。


             ▽

74名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:45:55 ID:BbWvotHt
 
75恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:46:25 ID:FBT24IIE
「うふふふふふふふふふふふふふふっふふ」

目の前で、フリルだらけの乙女的ワンピースに身を包んだ老婆が不気味な笑みを浮かべている。

「う゛……」

絵里子は頭がクラッとしてその場で倒れてしまいそうになる衝動を必死にせき止める。
初めて出会った人間がまさかこんなのだとは誰も思うまい。
しかも一度こんな近くで遭遇してしまったからには、見て見ない振りなんて出来る訳がない。
それこそ台所洗剤を買いに行くくらいの重大な用事がなければスルーすることは不可能だろう。


考えよう。そうだ、考えるのよ絵里子!
一度冷静になって頭を冷やせばいいんだ。
ほら、前も似たような事があったじゃない。
熱が出て風邪を引いてしまえば、ぶっちゃけ天才の私だってまるで頭が回らなくなる。
突然の事態に思考がグチャグチャになってしまうのは仕方のない事。
そう、ここで重要なのはあくまでクールに徹する事なのよ!


「……あ、あはははは」

だけど唇から漏れるのは乾いた笑い声だけ。
まるで妙なギミックが仕込まれた趣味の悪い土産人形みたいだ。
油の切れた歯車が気味の悪い音を立てているような感覚である。


私――高橋絵里子は突然、

(以下説明略)

みたいな具合に、訳の分からない島に拉致誘拐され、殺し合いを強要されることになった。

冷静に考えてみれば、おそらくこの出来事の裏側には世界を牛耳るような大組織が付いている筈だ。
それもきっと、休日の早朝にやっているような変身ヒーローチックな悪の軍団に違いない!


いったいどんな人間がこの島(そもそも地図を確認しただけなので、本当に島なのかは分からないケド)に集められているかは不明。
だけど、ホールで頭を吹っ飛ばされた人の動きは漫画や映画のヒーローみたいに現実ではありえない動きをしていた。
もしかして、これは初めからドッキリか何かなんじゃないだろうか……という気もしないではない。

でも、確かに絵里子の手にはどう見ても本物にしか見えない拳銃があって。
そして、確かに絵里子の目の前にはどう見てもモンスターにしか見えない謎のババァがいて。
76名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:46:45 ID:BbWvotHt
 
77名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:47:15 ID:BbWvotHt
 
78恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:47:20 ID:FBT24IIE
「ううっ……」

靴越しに踏み締める砂浜の感覚は確か。
うっすらとした暗闇も、海岸線の先から今にも漏れ出しそうな紅の光も常識の範囲内でキチンと落ち着いている。
夢オチでも木陰から「ドッキリ!」と書かれたプレートを持ったテレビ局の人が現れる訳でもなくて。
自然も環境も、全て絵里子の常識の範囲内で最大限の残酷さを発揮しているのだ。

理解出来るから怖い。想像が追いついてしまうから恐ろしい。
それこそ、不可解なのは獣っぽい目の前のババァぐらい……。


「ああっ、あの人の手から離れ一人海岸で佇む私はきっと一匹の華麗なる女豹なのねっ。
 犯罪組織に浚われた孤高の女スナイパー、それが私の正体だったんだわ……!」

両腕できつく自身の身体を抱き締め、クネクネと腰を振っている目の前のババァをどう評価すればいいだろう。
台詞だけで物事を見極めようとするならば彼女は夜を往くエージェント的存在なのかもしれない。

…………全然、そうは見えないけどっ。

何故ワンピース?
何故乙女チック?
っていうか、アフロ?
肌は小麦色でどう見ても南方の人だし、なのに言葉は分かるし。

ああもう、このボケボケボケボケボケ的なノリは何なのだ。
つっ、ツッコミてー!!


「……あら。どうしたのかしら、仔猫ちゃん? そんな怯えたカオをして」
「ひっ!」

老婆は、絵里子に背中を向けていたはずだった。
が、その彼女の頭が突如グルリと梟のように人としてあるまじき角度まで回転して見えたのはきっと気のせいだ。
目とか光ってた気もするけど、絶対に気のせいだ、気のせいだ、忘れよう……。

「……あ、あのっ」
「ああ、ゴメンなさいね。ちょっとだけ……自分の世界に夢中になっていたみたい。
 ふふっ、私ってダメな女だわ。きっとあの人がいなくて不安なの。だから楽しい空想へと逃避してしまう……」
79名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:48:13 ID:BbWvotHt
 
80恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:48:23 ID:FBT24IIE
口元にフッと笑みを浮かべ、少しだけ悲しい眼をしながら老婆は絵里子の方へと近づいて来た。

とはいえ、ツッコミ所は満載とかいうレベルではない。
もしもこの歯の浮くような台詞を吐き出したのが香田だったら、確実に「スパーン」と乾いた音が海岸に木霊していただろう。

そりゃあ、初対面の相手にいきなりそんな事をするのが失礼にも程がある事は分かっている。
加えて、今は朗らかな態度を示しているが、彼女が何気に危険人物である可能性だって捨て切れない。
奇怪な言動でこちらを惑わし、その隙を突いて攻撃してくるつもりかもしれない。


「大丈夫よ、怖がらないで」
「え……」

身構えていた絵里子の心の内を見透かすような言葉。
……言語コミュニケーションは可能?

「私はダマ。あなたのお名前は?」
「あの……その、」

ダマと名乗った老婆をすぐさま信用することなど出来る訳もなく絵里子は一歩、後ずさった。

スカートに差し込んだ拳銃はズッシリと重い。
こんなに小さな玩具ほどの大きさの物体にどうしてこれほどの重量があるのだろうか。
不思議に思う。そしてそれ以上に不気味に思う。

バカな日常とあまりにも乖離する凶器を今絵里子は持っているのだ。
もし、彼女がこちらに敵意を持っていたとして自分に銃が撃てるのか?

……自分自身に問い掛けてみるまでもない。戦うことなんて出来る訳がない。
銃を撃つのがどれだけ重い意味を持っているのかだって分かってる。
いや、というか運動音痴な自分がそんなモノを持った所で、戦力になる訳がない……という部分も大いにあるが。
自慢ではないが体育祭で小田桐と二人三脚をやって、一歩目ですっ転ぶような絵里子に拳銃は正直「出来すぎた武器」でしかない。

さぁどうする。いや、でも、ひとまずここは友好的に……。

「え、絵里子……高橋、絵里子……です」
81名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:48:34 ID:/Tm1n3mR

82名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:48:47 ID:BbWvotHt
 
83恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:49:06 ID:FBT24IIE

おずおずと、
怖い気持ちもあったけれど、名乗ってみた。
反射的に応えてしまった部分も大きいが、彼女が絵里子の手助けをしてくれる可能性も十分にあった。
相手がいかに異様な外見をしていようとも、人を見た目だけで判断するのはよくない。

「エリコ……いい名前ね」

スッと、ダマと名乗った老婆が右手を差し出す。
絵里子の視線は彼女の右手で一度止まり、そして驚きに満ちた色合いで彼女の顔へと向けられる。

「これって……っ」
「握手よ。うふふ、あなたに危害を加えようなんて思ってないわ。だから、ね。信じて」

ダマは笑っていた。
気が付けばこちらの心まで暖かくなりそうな、そんな優しい温もりに溢れた笑顔だった。
「この人を信じていいんじゃないか」と思わせるには十分過ぎる輝きだ。
少しぐらい妄想癖が強くて、どう見ても危ない人で、加えて強烈な威圧感を覚えるとはいえ……。


『この婆さんを信じてみるべきだろうか?』という命題。与えられた選択肢は、
 @信じる
 A信じない
 B逃げる

の三つぐらいだろうか。

とはいえ、絵里子の運動能力や現状を鑑みるに選べる答えは、

ニア@信じる
 A信じない
 B逃げる

ぐらいしかな――――


「そこのモンスター、オレのスウィートから離れろぉおおッ!!」


……かった筈なんだけど。

84名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:49:16 ID:/Tm1n3mR

85名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:49:18 ID:BbWvotHt
 
86名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:49:47 ID:/Tm1n3mR

87名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:49:50 ID:BbWvotHt
 
88恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:50:19 ID:FBT24IIE
「なんですって――ぶっはぁっああああぁぁぁあああ!」

突如『木槌』を持った男が絵里子とダマの間に割り込んで来た。
目にも止まらぬ速度で振り抜かれるハンマーの一撃。
そして、モンスター(怪物)という言葉に相応しい大地を揺るがすような雄たけびを上げながらダマが吹っ飛ばされる。
男が現れたのは陸側。木槌がヒットしたのはダマの側頭部。

つまり――

「うぼぉあああっあああぁぁっ!!」

飛ばされた婆さんは水切りのように海側へと飛ばされた事になる。
やぁ、いったい何回跳ねたのだろう。
海面と激突する度にこの世の者とは思えない咆哮が響き渡る。っていうか、あれだけ跳ねて何故平気なのだろう。
血すら流さず、顔は笑っているような……。


「愛の障害、排除完了」

男は木槌を肩にもたれ掛け、呟いた。
絵里子は突然の展開に我が目を疑った。
錐揉み回転しながらぶっ飛ばされたダマの安否も心配だが、それ以上に警戒するべきはこの男。
明らかに男の振るった木槌は彼女の頭を直撃したのだ。
そこには当然、容赦や慈悲などという感情は存在せず、というか彼女を人間扱いすらしていなかった嫌いさえある。
つまり、

「え、え、えぇっ!? あ、あなた……もしかしてっ!」

絵里子の脳裏を横切ったのは当然の如く、現れた青年が殺人者である可能性に対する危惧だ。
なにしろ、有無を言わさず他の人間を鈍器で攻撃したのだ。明らかな危険人物。

男はゆったりとした丈の長い厚手のコートを身に纏っている。
背は高く、百八十センチ以上あるかもしれない。
が、目付きは非常に据わっていて、眼光も非常に鋭い。眼の周りには黒々とした微妙なクマが刻まれている。
濡羽根色の髪の毛で片方の眼が完全に隠れており、放たれる雰囲気は非常に陰気だ。
そして何より右手に構えた木槌の存在が、彼の印象を決定付ける。

間違いなく……い、異常者だ!

89名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:50:21 ID:BbWvotHt
 
90名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:50:34 ID:/Tm1n3mR

91名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:51:00 ID:BbWvotHt
 
92恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:51:49 ID:FBT24IIE


「う……」

右手が、思わず腰に差したベレッタM92Fへと向かう。
指先がグリップのヒヤリとした感触が寒気となって皮膚の神経から全身に伝達していく。
ドクンドクンと心臓が悲鳴を上げている。
……どうしよう、どうしよう!

「わ、わわわわ私に触れてみなさいっ! この銃がひひひ火を吹くわよっ!?」

人間、やれば意外と何でも出来るものなのかもしれない。
何とか絵里子は全身の勇気を総動員して拳銃を引き抜き、男にベレッタM92Fの銃口を向ける事に成功したのだ。
が、グリップを握り締める両の掌は無茶苦茶な形だし、安全装置は外してないし、眼は瞑っているし、へっぴり腰だしとどう見ても銃の撃てる体勢ではない辺りが残念ではあるが。

ところが、


「危ない所だった。凄まじいモンスターだ、あいつは。さぁMYスウィート。奴が目覚めないうちに」

現れた男は銃を突き付けている絵里子を華麗にスルーして"一仕事終えた"ような顔付きで事も無げに言い切る。
奇しくもダマが先ほどやったように、右手を彼女へと差し出しながら。
…………何故か絵里子にまるで意味の分からない呼称を付けた上で、だ。

絵里子が事態の急変化に付いて行けず、呆然としていると、


「は……ちょ、スウィートって私!? って……ちょ……!?」
「…………しかも触れる。これって運命か? 運命だろ? そうだな運命だな、うん」

男は何故か突然、ペタペタと絵里子の肩や腕を無遠慮に触り始める。
まるでそこに存在するモノの在り方を確かめるように。
事物と触れ合う事で、自身の境界線を認識し、肉体があるという事の素晴らしさを噛み締めるように。
既に一度命を失い、陽魄として霊魂だけの存在と成り果てた筈の自身が受肉している不思議に迫るために。

男の名前は犬塚我区。
この特殊な空間に居るからこそ肉体を得る事が出来た――幽霊だった。


「っ…………! へ、ヘンタイ……!」
「オレはガク。オレの事は愛を込めてガクリンと呼んでくれていいから。君は絵里子だっけ……オレも愛を込めてえりりんと呼ばせて貰うし」
「ちょ、ちょっと! 人の話聞いてよ!」
「くっ、ひめのんに愛を誓った筈なのに……見える事だけではなく、触れられる事がこれほどまでとは……おぉ」
93名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:51:51 ID:BbWvotHt
 
94名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:52:21 ID:/Tm1n3mR

95恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:52:36 ID:FBT24IIE
一方で、そんなガクの感慨など理解出来る訳もない絵里子はもう訳が分からなかった。
この青年がダマを木槌でぶん殴ったのは勘違いだったからなのだろうか。

というか、この男は本当に大丈夫なのか。
いや、確かに彼女から悪しき気配を感じた、というのは分からなくもない。
どちらかと言うと、こいつと一緒にいると違った意味でこちらの身が危なくなるのではないだろうか。
……まるで会話が成立していないという問題はあるにせよ。


「ええ加減にせんかーい!!」
「おぉ、ツッコまれた……! 俺がボケてえりりんがツッコミ。愛の共同作業……いい」
「ち、違うってーの! 何よ、愛って!?」

ダマ婆さんが勝手に暴走・妄想していた時も何とか自重した絵里子のツッコミがついにここで火を噴いた。
「スパーン」という小気味のよい音と共に、斜め四十五度の角度でガクの頭を叩いてしまったのだ。
しかし、対するガクの表情は何故か微妙に満足げである。
ボケているのではない、これは……素!?

「じゃあ行こうか、えりりん。あのモンスターが帰ってくる前にここを離れないと。
 さっきは不意打ちで何とかなったが、真正面からぶつかり合ったらオレでも無傷で勝てる自信はない……」
「わ、ちょ、や……!」

絵里子の言葉を聞こうともしないガクはひょいっと彼女の身体を片手で担ぎ上げると山側に向けて歩き出す。
というか、あれだけやってあの婆さんは死んでないのか。
ああまぁ、絵里子の中にも多分生きてるだろうなぁ、という確信めいた予感もあるのだが。


「誰か、た、助けてーーー!!」


この島に来てから、妄想癖のある人間とばかり出会っている絵里子の受難は続く。
…………なんで「殺し合い? 何ソレ美味しいの?」的な人間にしか会えないのだろう……。



【A−5 海岸/一日目 黎明】
96名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:52:58 ID:BbWvotHt
 
97名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:53:04 ID:/Tm1n3mR

98恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:53:09 ID:FBT24IIE

【名前】高橋絵里子@女子高生 GIRLS-HIGH
【状態】健康、少し精神が不安定
【装備】防弾ジャンパー@今日からヒットマン、黄布@みえるひと
【持ち物】ベレッタM92F@現実(装弾数15/15)、ディパック(基本支給品一式)
【思考】
1:目の前の変な男をどうにかして欲しい
2:学校の仲間を探す。自分を守ってくれる頼れる大人を見つける。
3:深いことは考えない。怖いから考えない。

※原作九巻、修学旅行編終了後から参戦。

【名前】ガク@みえるひと
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜3)
【思考】
1:絵里子へと愛を注ぐ
2:姫乃にも愛を注ぐ
3:明神はどうでもいい
4:モンスター(ダマ)に警戒

※原作人間願望編終了以降から参戦。


             ▽


「ふしゅるるるるるるるるるるる……」

絵里子とガクが立ち去り(絵里子がガクに強制連行され)、数分後の海岸に一匹の女豹がゆっくりと姿を現した。
海水に濡れた肢体はしなやかな曲線を如実に映し出し、フリフリのワンピースも所々を魚に齧られ歯形が付いている。
ビショビショでもその圧倒的ボリュームを誇示し続ける彼女のトレードマークとも言うべきアフロヘアーには海草や色々なモノが纏わり付き、黒々とした賑わいを見せている。

「絵里子さんがいない……アイツに連れて行かれたのね……!」

鼻息を荒くしたダマが前傾姿勢のまま、野獣のように辺りを見回す。
既に海岸には人の姿は一切見えず、シンとした閑静な空気だけが漂っていた。
ダマは考える。自分が何をするべきか。何をしなければいけないのか、と。

まず彼女の頭に浮かぶのは愛する夫の元に帰りたい、という強い願望だった。
それならばドラゴンボールを集めればいい。
しかし、最後の一人まで生き残るのは美貌のエージェントであるダマであっても至難の業だろう。
優勝するために罪のない人間や少女を手に掛けるのは彼女の美学に反する。

99名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:53:35 ID:/Tm1n3mR

100恋して、ダマして、女子高生 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:53:52 ID:FBT24IIE
「悪い子には……"お仕置き"をしなくちゃねぇ……」

そう呟いたダマはデイパックの中から『金色の雲』を取り出した。

説明書にはこれが『筋斗雲』という名称の道具であると書かれていた。
なんでも清い心を持つ者しか乗る事の出来ないらしい。
"悪い子"が乗ると、すり抜けてしまい、"良い子"だけが使用する事の出来る魔法のアイテムだ。

「昔の私だったら絶対に使う事なんて出来なかったでしょうね……でも、」

フッと表情を和らげたダマが音もなく空を見上げた。
満天の星と輝く月。雲一つない星空が一人の孤独な女を眺めている。
追い込まれた女の心は澄み切った清水のように柔らかな輝きで溢れていた。
海水に濡れた眼鏡の先の瞳は、まさにジャングルで英雄視される女傑に相応しい威厳に満ちた双眸だ。


「今の私なら…………やれるわッッ! 」

両の足でしっかりと、黄金の雲をダマは踏み締める。
筋斗雲はどうやら彼女の心に応えて貰えたようだ。
この疑心と血と硝煙の臭いに満ちた世界でたった一人孤独な戦いを続ける女の手助けとなってくれるという事だ。


「行くわよ……筋ぃぃぃっぃぃい斗うぅぅぅぅぅうううううんっっっ!!!」


宵闇の黎明。世界を貫くような叫び声と共に、筋斗雲は空を駆け抜ける。
彼女の心に刻まれた思いは『愛と平和』だ。
愛のために生きる女は、数奇なる運命を呪う訳でもなく、罪深い乙女として戦い続ける。


【B-6 空/一日目 黎明】
【名前】ダマ@ハレグゥ
【状態】飛行中
【装備】筋斗雲@ドラゴンボール、ぶりぶりレースの乙女チックワンピース(旦那の趣味)
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品1〜2)
【思考】
1:悪い子にはお仕置きをする。ガクを探す。
2:悲劇の乙女の境遇に酔う。

※少なくとも「ジャングルはいつもハレのちグゥ」九巻、結婚後から参戦。
※ダマのアフロヘアーには色々なモノが引っ掛かっています。それが何かは後続にお任せ。
101名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:54:05 ID:BbWvotHt
 
102名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 18:54:21 ID:/Tm1n3mR

103 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 18:55:17 ID:FBT24IIE
投下終了です。支援ありがとうございました。
ダマが筋斗雲に乗れるのか……いや、この時期なら乗れてもいいかなーと思った訳でしてw
104名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 19:00:40 ID:BbWvotHt
投下乙です
これは酷い(良い意味で)wwwww
とんでもキャラ二名に巻き込まれた絵里子が哀れ過ぎるw
読んでる間、笑いまくりました
一方で、それぞれのキャラもしっかりと立っている
良作、GJです
105名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 19:03:16 ID:2FX+FssX
投下乙
訳の分からん二人に巻き込まれたえりりん哀れw
そしてダマ様は確かにモンスターだよなw
106名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 19:21:19 ID:1vVpSUX4
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        >>103様、投下乙でございます。
     ゝ ゚д゚)       男子高出身なんで序盤の女子高話には興味深々でありましたが、これは…
    /<▽>        まあ、それは置いておきダマ様wwww まさか、筋斗雲に乗れるとはw
    |::::::;;;;::/      絵里子様、ガク様コンビからも名コンビの匂いがしますな
    |:と),__」      
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
107名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 19:39:31 ID:n+BteHR3
投下乙
ギャグっぽいのりで面白かったです。

でもガクに違和感が…

いくら惚れっぽくても姫乃という相手がいる時に、見ず知らずの他人にいきなり惚れないと思う。
絵理子と同じくガクを触れ、会話もできる澪にだって、
ガクは揺らぎはしたものの、結局姫乃一筋ですし…

それに人間願望終了後ならホルト戦で姫乃への愛を叫びまくってたし、
もう姫乃への愛は相当なもんだと思う。

絵理子とガクの間に何かあったのならともかく、
姫乃という愛を注ぐ対象がいる中、さすがに会話もしていない会ったばかりの他人には、
惚れないんじゃないでしょうか…
108 ◆tu4bghlMIw :2008/11/04(火) 19:50:11 ID:FBT24IIE
>>107
指摘ありがとうございます。
澪と初めて会った時、見える触れるで一瞬惚れかけた描写があったのでそこを中心に作ってみたのですが、違和感ありましたか……。
ガク視点での描写がないのがやっぱ辛かったですかね。

ただ、なくてもいけるんじゃないかとカットした部分で、
ガクに女子高生に出て来る「自分がモテモテになったと錯覚する薬」を使わせる……というプロットがありまして。
その方向性で修正させて頂きます。
109名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 20:00:07 ID:jBLM3Jer
こwれwはww
みんなキャラがらしすぎて、そしてその組み合わせが過ごすぎる
絵里子は2連続でロワ屈指の変人とあっちゃったのな
110名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 20:21:17 ID:n+BteHR3
>>108
対応有難うございます
111 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:08:52 ID:I5GDEGcx
投下します
かなり長いので支援をお願いしたいです
112ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:11:31 ID:I5GDEGcx
街灯の明かりがぽつぽつと闇を照らす市街地の一角に、小さく、古臭い建物がある。
主催者があらかじめ細工を施しているのだろうか。建物の内装は非常に簡素で、余分なものなど一切ない。
少女、月島弥生は、部屋の隅でデイパックを漁り、静かに決意を固めていた。
支給品の中で、武器になりそうなものはヤリと毒薬。彼女はデイパックの中からヤリを取り出し、手に馴染ませる。

ヤリの先端に、毒を塗っておく。こうすれば掠り傷であろうと相手に致命傷を与える事が出来るだろう。
毒薬の説明書を読んでみると、速攻性の強烈な猛毒らしい。
普通の人間ならば、ヤリの先端についた僅かなの毒が体内に混入するだけで、死亡してしまうらしい。
毒の正体は定かではないが、きっとおぞましいものなのだろう。

月島はしばらくヤリをぼーっと見つめた。

真剣勝負に横槍を入れられる事を何よりも嫌う彼女の支給品がヤリ。はたして何の因果だろうか。
ともあれ、これで生き残るしかないのだ。彼女は胸に手をあて、再度覚悟を決める。
名簿の確認はもう済んでいる。村山斬は強い。恐らくこの殺し合いでも順当に勝ち上がって来る事だろう。
もし彼と出会った時は……絶対に逃げない。正面から真剣勝負を挑み、必ず勝利する。
月島弥生はそう決めていた。

デイパックに入っていた最後の支給品は、超神水という魔法の水だった。
これを飲むと、超人の如き力が手に入るらしい。が、しかし、これを飲んで生き残った者は今までに一人もいない。
鍛え抜かれた精神力と身体能力を持つ者のみ、この水を飲んでも生きていられるらしい。
かなり博打的なアイテムである。なんというか、正直かなり胡散臭い。
いかにも怪しいので、月島はこの水をそのままデイパックの中に戻した。

デイパックに他の荷物もしまい、ヤリを片手に彼女は立ち上がる。
女だからって弱いとは言わせない。この殺し合いは大掛かりな真剣勝負。
この大舞台を制する事が出来れば、例え女の子であろうと、『武士』として認めて貰えるはずだ。
彼女の悲願を実現させるのに、またとないチャンスである。例え村山斬がどれだけ強くても、他にどれだけ強い者がいたとしても、
必ず優勝してみせる。絶対に……絶対にだ────

女武士として世間に認めさせる、それが月島が心に決めた武士道である。

警戒を重ねながら、彼女は古臭い扉をそっと開き、外に出る。
もしかしたらすぐ傍に誰かいるかもしれない。そして背後から簡単に殺されてしまうかもしれない。
この真剣勝負は『そういう事』だって普通にあり得てしまうのだ。
113ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:13:50 ID:I5GDEGcx
彼女の考えは間違ってはいなかった。街灯の明かりにほんのりと照らされた部分に、蠢く何かがいた。
月島はすぐに体を屈め、なるべく見つかりにくいように努めた。

────いた!

アスファルトで固められた道路の上に、無警戒にデイパックの中身を確認している男が一人。
異様なまでに逆立った髪の毛が、夜の街の中でも一際目立っている。
月島はヤリを持つ手に力を込め、男の背後からそっと近づいていく。

一歩、二歩と……二人の隔てている空間が次第次第に狭くなっていく。

(このまま距離を縮めて、後ろからヤリで突けば勝てる!)
月島は勝利のイメージを脳内で描きながら、慎重に接近していく。
男が漸くデイパックの中を漁るのを終えた頃には、月島はヤリが容易に届く所まで接近する事が出来ていた。
月島はそっと口角を吊り上げ、ヤリを男の背中に向けて──

「やぁ!」

──突きだした。月島は勝利したと思った。
ヤリが男の背中に突き刺さり、血が吹き出し、先端に塗った毒薬が男に追い打ちをかける。
完璧な勝利の方程式。しかし、ヤリが突き刺さるかと思った刹那の瞬間、
男の姿がまるで初めからそこにいなかったかのように掻き消えた。渾身の力を込めて突き出したヤリは、空を切って終わった。

「えっ!? あ!!」
月島は混乱する暇もなく、後方から首根っこを掴まれ、持ち上げられる。
あまりの痛さに月島は苦渋の声を上げたが、男はそんな事など全く気にする様子もなく、
さらに力を込め、月島の首を絞め上げる。

「この俺に不意打ちを仕掛けるとは見上げた根性だな」
「はな……せぇ……!」
ジタバタと暴れる月島。しかしどれだけ暴れても、男の余裕の表情は全く崩れない。

「答えろ。お前はドラゴンボールを持っているか?」
「…………!! そんな事を……聞いてどうするのよ……!」
「持っているのか持っていないのか答えろ!返答次第では生かしておいてやる」

首が痛い。息苦しい。苦痛が全身に走り、月島は歯を食いしばって必死に耐える。
苦しい、痛いが、それよりも何よりも、悔しい。こんな男にこうも簡単に拘束されてしまうとは、腹が立つほど悔しい。
月島はヤリを握りしめる。負けたくない。絶対に男には負けられない。
女武士という自身の存在を世間に認めさせるため、こんなところで負けていられるか。

「持ってないわよ……!」
月島は後方にいるであろう男に向けて、起死回生のヤリを突き刺す。
だがしかし、男の反応速度は異常だった。月島の奇襲を瞬時に読み切り、体を捻ってヤリをかわしつつ、月島の体を放り投げる。

視界に移る街が回る。あまりのスピードに、いったい何が起きたのかすらよく分からない。
あの男のスピードは、そしてパワーは、異常だった。しばらく宙を舞った後、月島はアスファルト張りの地面に激突した。
気を失いそうになるほどの衝撃が体を襲う。
114ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:16:20 ID:I5GDEGcx

(駄目よわたし……こんな所で気絶なんかしてたら……)

がくがくと震えながら、月島は地面に手を添え、懸命に立ち上がろうと努める。
何度もバランスを崩しそうになったが、漸く立ち上がる。
男はどこだ……、と月島は辺りを見回したが、どこにもいない。

「あがぁっ!!」

どうやらまたもいつの間にか後方に立っていたらしい。
月島の背中に男の拳が突き刺さる。月島が立ち上がるのをわざわざ待って、そして攻撃を仕掛けたのだろうか。
だとするとかなりの悪趣味である。

「よくもこのベジータ様に傷をつけてくれたな!!」

ベジータと名乗る男は相当に怒っていた。ヤリの攻撃は、月島自身、かわされたかと思っていたが、
ぎりぎり掠っていたようだ。月島は痛みにもがきながら、心の中でそっと笑った。
掠り傷さえついたのなら、もうすぐベジータは毒薬によって死ぬはず……

が、しかし、ベジータは一向に苦しむ気配すらない。
痛みで地面に蹲る月島の腹を思い切り蹴りあげる。

「がはぁ……!!」

吹っ飛ばされ、建物の壁に直撃する月島。
今ので内臓をやられたのだろうか。激しく吐血する。

(どうして、どうして毒が効かないのよ……このままじゃ……このままじゃ私……!

頼みの綱である毒薬の効果が一向に現れないのを見て、月島は絶望する。
そして次第に表情が恐怖に染まっていく。この男に私は勝てるのか?
こんな、初めての戦闘なのにこれだけ苦戦して、私は本当に殺し合いを制す事が出来るのか?

「い、嫌よ……絶対に、負けないんだから……」

ヤリを杖代わりにして月島は立ち上がり、ベジータをきっ、と睨む。
戦力の差は誰がどう見ても明らかである。人外の戦闘力を持つベジータに、
戦い慣れているとはいえ、ただの女子高生の範疇に収まる月島が勝てるわけがない。

しかし月島は戦わなければならない。どれだけ戦力差が絶望的なまでに開いていようとも、ここで諦める訳にはいかない。
生きるため、村山斬に勝利するため、そして何よりも、優勝するために……。
115ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:19:44 ID:I5GDEGcx
「さあ……来なさいベジータ……!!」
「ふん。下らん虫め」

月島の顔に疑問の色が浮かぶ。いったい何が起こっているのかよく分からない。
ベジータの手のひらに、光が集まっていく。あれはいったい、何なんだろうか。

「なんだかよく分からないけど……」
月島はヤリを握りしめ、ベジータの元へ走る。今度こそ突き刺してやる。
全速力で接近してくる月島を見ても、ベジータは顔色一つ変えない。
そもそもベジータにとって、月島は『敵』ですらないのだ。気づいたら踏み潰してしまっていた、アリのような存在。

「えっ……!?」

ベジータの手の平から光弾が放たれた。光弾は月島に向かって疾走し、そして僅かに逸れて、彼女の背後で建物に被弾し爆発した。
凄まじい轟音に、月島は思わずぺたりと座り込み、そっと背後を眺めてみた。
人間よりも遥かに大きい建物が、消失していた。こんな馬鹿な事が人間に出来るのか……

「嘘……でしょ……」
あまりに規格外のベジータの攻撃に、月島は心底恐怖した。こんな化け物がいるなんて、勝てるわけないじゃない……。

「クソッ!!いったいどうなってやがる……!」
ベジータは倒壊した建物を見て言った。今の攻撃は、あの建物だけではなく、このエリア全てを吹き飛ばそうとして放った技である。
それがこんな情けない威力に終わってしまうとは、違和感を感じざるを得ない。
女のヤリ攻撃を避けきれなかったのも違和感の種である。どうして完全に避け切る事が出来なかったのか。
普段のベジータならば、目を閉じていても避けられたはずだ。

そういえば、何故か妙に体がだるい。不自然なほど体が重い。
ベジータは先ほど月島につけられた掠り傷の事を思い出した。

「おい貴様!俺に何かしやがったか!?」
ベジータは月島に向かって歩み寄る。月島は「ヒィィ」などと悲鳴を漏らし、ぺたんと座りこんだまま、
ベジータから逃げる。しかし逃げられるはずもなく──

「何かしたのか答えろ!」
ベジータは高速で移動し、月島の正面に仁王立ちする。
「あ……あぅ………」
恐怖で舌が回らない。こんなはずじゃなかった。
こんなあまりにも強すぎる怪物に襲われるなんて、あんまりだ。
116ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:24:42 ID:I5GDEGcx

(怖い…ああ怖い……体が、動かない……)

ベジータは月島の胸倉を掴み、持ち上げる。

「クソ!妙に体調が悪い……主催者の野郎が何かしやがったのもあるだろうが、貴様もやはり何かしやがったな」
「ヒ……!」
ベジータが拳を振り上げ、月島の顔面を一発殴った。
「うう……ごめん。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ちっ。俺の質問に意地でも答えないつもりか」

ベジータは今度は、月島の腹に拳を叩きこむ。
彼女の顔が青くなっていくのを確認したベジータは、彼女の体を目の前の地面に捨てた。
べちゃりと背中から地面に落ちる月島。腹が痛い。気持ち悪い気持ち悪い……

「う、うおえええええええええ、え、え……」
「ふん。きたねぇ女だ」
仰向けで倒れたまま、月島は盛大に吐いた。咄嗟に口を抑えてしまったので、鼻からも吐瀉物が飛び出してきている。
吐瀉物まみれでクショグショになった彼女に向かって、ベジータは手の平をかざす。

「う……ヒイイイイイイ!!」
咄嗟に先ほどの光弾を思い出した月島は、狂ったように悲鳴を上げる。

あまりにも規格外の存在に対してどう対処していいのやら……
月島が住む世界にはこんな化け物などいない。彼女に大きな衝撃を与えた村山斬ですら、戦闘民族サイヤ人には歯が立たないだろう。
そう思わせるほど、ベジータはあまりに強すぎた。

彼女の脳では許容できない現実にぶち当たり、月島弥生は心の底から恐怖し、絶望した。
彼女の肉体は、彼女が感じた恐怖にいち早く反応して────

ジョ──ジョジョジョ……

ゲロ塗れになったスカートが濡れる。彼女の下半身が妙な液体で濡れていく。
月島弥生はもはや限界だった。恐怖で涙を流し、吐瀉物が詰まった鼻からは鼻水を流して、
そしてパンツからは黄色い液体を垂れ流し、小さな水たまりを作り出して────

────失禁である。
彼女の精神は崩壊寸前であった。


「くくく、反吐が出るぜ。どこまでも醜い女だ」

ベジータの手の平に光が集まり、そして────
117ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:26:54 ID:I5GDEGcx


「助けて……誰か助けて……!」

嫌よ……信じられない……
こんな所でこんな風に死ぬなんて……嫌だ絶対に嫌だ!
お願い……動いて私の体……!この男よりももっと速く……ずっとずっと速く動いてよ私の体……!!





「バッカヤロオオオオオオ!!!」





何者かによる突然の乱入。突如現れた白髪の男の右拳は、ベジータの頬に的確に命中した。
ベジータの体は数メートル吹っ飛び、近くの建物のガラスを突き破った。
それを見届けた白髪男は次に、月島の元へ駆け寄る。

「おい!大丈夫かあんた!」
男は服の袖で彼女の汚れきった顔を拭いてやる。
折角の男の介抱だが、月島は放心状態であるため、何の反応も示さない。
あまりに悲惨な状態の月島を見て、男は表情を歪めた。

「このくそったれめが!!」

建物の中から、ベジータの怒りの声が聞こえてくる。
白髪男はそれを聞くと、すぐに月島を背負い、逃げる。
何度も何度も月島に向かって言葉を投げかけるが、やはり何の反応も示してくれない。

「俺は明神だ!大丈夫!俺が助けてやるって!!」
明神は何度も励ます。

突然バカでかい爆発音がしたので駆けつけてみたが、まさかこんな酷い事が起きていようとは想像すら出来なかった。
高校生ぐらいの女の子が襲われ、一瞬姫乃かと思い、男に向かって無我夢中で走って行ったが、近づいてみるとどうやら姫乃とは違う女の子。
姫乃を探す事を当面の目標として行動していた明神であるが、
ただの女の子が妙なコスプレ男に襲われているのを黙って見過ごすほど、彼は薄情ではない。
むしろ情に関しては厚い方である。月島を助けるのも、彼にとって当然の事と言えた。

月島を背負い、明神は近くの民家のドアを蹴破った。
そこに入り込み、月島をそっと寝かせる。

「ほら、水だ」
自身のデイパックから水が入ったペットボトルを取り出し、蓋を開ける。
月島に差し出してみたが、相変わらず反応してくれない。心ここにあらず、といった状態である。
明神は困ったように頭を掻いた。
118名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 21:29:30 ID:6r/8xSc/
119ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:34:37 ID:I5GDEGcx
隣の部屋にある窓から、ちらりと外を覗く。ベジータが怒り狂った表情で街を闊歩しているのを見た瞬間、明神はさっと頭を引っ込めた。
あの男からは、ハセよりも、いや、コモンよりも遥かに嫌な感じがする。
予感でしかないが、今まで闘ってきた誰よりも強い。

「か……てない……わ」
隣の部屋から月島の小さな声が聞こえてきた。明神は彼女の元へとすぐに戻る。
「勝てないって……あいつはそんなに強いのか?」
明神は質問する。

心の全てを折られた月島はぽろぽろ涙を零しながら喋る。
ただただベジータが恐ろしかった。

「あのベジータって奴……にんげんじゃないもの…………もういや……」

明神は床に情けなく蹲る月島を見て、複雑な表情をする。
この女の子はベジータという男にどれだけ痛めつけられたのだろう。
想像しただけで胸糞悪くなる。


明神の過去は壮絶なものである。霊が見えるという体質のため、
年がら年中得体のしれない気味の悪い怪物が大通りを闊歩するような日常を送って来たのだ。
他の人には見えない。自分にしか見えない怪物達。明神はそれに対して日々恐怖し、本当の意味で安堵出来る日などなかった。
一人を除いて誰も助けてはくれなかった。自分に普通の生活を提供してくれる者など全くいなかった。
先代明神に弟子入りするまで、彼はひたすら狂気の真っただ中を生き抜いてきたのである。

それ故に、明神は誰よりも何よりも『何事もない普通の日常』を愛している。
それを守るためなら何でもやってみせる。命をかけてでも守りたいものだ。
自分にはついに体験する事が出来なかった『普通の日常』。今まさに普通を生きようとしている女子高生の桶川姫乃、そして目の前の女の子。
彼女たちの日常を奪う者は絶対に許さない。

「君さ、名前はなんて言うんだ?」
「つき……つきしま、やよい……」
「オッケーやよい。お前の日常を奪った奴を、俺が懲らしめてくるよ」

明神はニコリと笑い、月島の傍に置いてあるペットボトルの水を一気飲みし、気合を入れる。
相手は霊ではない。案内屋である自分には、専門外である敵だ。
梵術も全く使用する事が出来ない。だが引く事は許されない。明神の魂が許してはくれない。

(なぁに……喧嘩ならガキの頃に沢山やったし、なんとかなるさ……)
120ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:36:47 ID:I5GDEGcx
「これ、借りていくよ」
月島の傍に置かれているヤリを明神は握りしめる。
利用できるものは何でも利用したい。

「かてるわけ、ないでしょ……」
月島は相変わらずの酷い顔でそう言った。明神はベジータの異常な強さを分かってはいない。
だがしかし、明神は軽く笑って月島に言葉を投げかける。

「ははっなんとかなるって。それより弥生、俺が戻ってくる前に顔を洗っときな」

月島に向かって背中越しに手を上げながら、明神は部屋の扉を開く。
ベジータの化け物っぷりには薄々気づいている。正面からぶつかっては恐らく太刀打ちできないだろう。
だからこそ、奇策を用いる。明神の性には合わないが、そんな事を言っている場合ではない。

(まったく……俺は運がいいな)

なんとなく、上手くいくような予感がするのは、やはり支給品があまりに当たりくじだからだろうか。
RPG。映画くらいでしか見た事がないような武器が、明神のデイパックに入っている。
普通の人間相手だと使い難そうだが、相手が化け物ならば話は別である。
これ以上ないくらい頼りになる武器だ。

再び窓から外の様子を窺う明神。ベジータは数ある民家を一つ一つ回り、明神達を探している。
ベジータに気づかれないように、静かに慎重に、明神はRPGを構えた。
RPGをぶち当てる。窓から狙ってぶち当てる。奇策と言うにはあまりに単純な戦法。
しかし成功すれば一撃で決める事が出来る。

「このベジータ様に傷をつけて、楽に死ねると思うなよ貴様ら!!
 俺はサイヤ人のエリートだ!!この俺に気高き血を流させた事を地獄で後悔させてやる!!」

ナルシストめ……!だがまあ、こっちに来てくれて有難う。距離、角度……これならいける。
暗殺ってのはどうにも性に合わないが、お前は普通の女の子を泣かせた……

「罪は償って貰うぜ。消えろベジータ……」

明神はそう呟くのと同時に、ベジータに向けてロケット弾を発射した。一瞬、驚愕に染まるベジータの表情。
さすがのベジータも、神龍に科せられた制限、そして月島に負わされた毒の症状が消えていない今ならば、反応できないか──

ロケット弾がベジータの身体を正面から捉え、炸裂した。
轟音と共に大爆発が起こり、明神は反動で後方へ倒れる。けれども視線だけはベジータから離さない。
明神は目の前の異様の光景を目の当たりにして、本当の意味でベジータの異常な強さを理解した。
ベジータはロケット弾の直撃を受けても、倒れてすらいないのだ。あのロケット弾をもってしても、ベジータを転ばせる事さえできない。
肉体的な負傷を負っているかどうかは、爆煙に遮られてよく見えない。
ただ、街灯に照らされたベジータの立ち姿が、煙越しにぼんやりと光って見えるだけである。
121ヤリと野菜と正義の味方 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 21:38:51 ID:I5GDEGcx
「怪物め……!」
明神は再びRPGを構える。もう一度撃てば、今度こそベジータは倒れるはず。
いくらなんでもロケット弾を二発も喰らって生存していられる生物などいるわけがない。

明神が引き金を引こうとした瞬間、爆煙の中から光弾が明神に向けて飛んで来た。
咄嗟に横へ走り、明神は光弾を避ける。しかし、少しくらい避けたくらいでは何の意味もない。
窓から部屋内に飛び込んできた光弾は、部屋の壁に命中し、炸裂する。
今度の爆発は先ほど見た爆発よりも遥かに規模が小さい。壁を破壊し、明神を吹き飛ばしただけだ。
ベジータもダメージを喰らい、弱っているという事なのだろうか。

「きゃあああああああああああ!!」

光弾の轟音に交じって月島の悲鳴が明神の耳に届いた。
これで間違いなくベジータに明神達の居場所が知れてしまっただろう。
ベジータがどれだけダメージを負っているかは分からないが、とにかく正面から戦うべき相手ではない。

(暗殺……暗殺だ……!このままじゃまずい!)

明神はRPGをデイパックにしまい、月島を寝かせている部屋へと走る。
ベジータがいるであろう所とは逆の方向に取り付けられている窓を蹴破り、がたがた震えて蹲っている月島を背負って、
明神は民家から脱出する。新たな隠れ場所を探して、またRPGを放つ戦法、それこそがベストな戦法であるはずだ。

「もう、もう駄目だわ……逃げて、あんただけでも逃げてよ……!」
月島が涙ながらに叫んだ。
「馬鹿言うな。あんな化け物から逃げられるわけないだろ!!
 戦わなくちゃいけないんだよ!!絶対に勝たないと……!!」
「死ぬ!! このままじゃ私もあんたも死んでしまうわ!!」
月島の脳裏には恐ろしい恐ろしいベジータの姿がこびりついている。
絶対にあんな化け物を倒せるはずがない。人間が相手出来る存在ではないのだ。
明神は、そんな月島の言葉に対して、間髪入れずに即座に返す。

「勝てる!!俺達の魂が真っ赤に燃えれば、俺とお前が必死になって戦えば、必ず勝てるんだ!!
 届く!!俺達の思いは……奴の強さに必ず届く!!」


「この虫けらどもがあぁ!!!このベジータ様に対してよくも!!」
ベジータの怒号が聞こえてくる。明神はそれを聞いて顔をしかめた。
「クソッ!まだまだ元気じゃねぇか!!」


月島は悪態を吐く明神の背中を見つめる。この人はまだ諦めていない。
ベジータと戦ったというのに、片時も震えてはいない。勝つ事を諦めていない。
月島は密かに拳を握りしめた。
122◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:47:27 ID:3OvFE60r
少し離れた所に月島が倒れている。明神と同じく、立つ事も出来ない状態なのだろうか。
頼むから生きていてくれ、明神は懇願する。月島の倒れている位置が、明神よりもベジータから遠い位置なのは僥倖と言わざるを得ない。

明神の手元にはデイパックはなかった。さっきの爆風の時にどこかへ飛んで行ってしまったのだろう。
RPGもない今、勝機はないと思われるが、そんな事はない。
明神には最後の武器が残っていた。デイパックとは違い、ずっと握りしめていたもの。
月島から受け取ったもの。ヤリである。
運良く、ベジータからは見えない角度で、明神はヤリを握りしめている。

(ベジータは……俺達はもう死んでいると思い込んでいるはずだ……
 そこを突く……その一点の隙を……俺と弥生のヤリが突く……)

ベジータはふらふらしながら明神へと歩み寄る。
ギャリック砲と名前を付けているぐらいだから、きっとさっきのはベジータの必殺技なのだろう。

(まさかたかが人間が、サイヤ人様必殺のギャリック砲を喰らって……生きているとは思わないだろ……?
 頼むからこれで死んでくれよ……ベジータ)

近づく、近づく……ベジータが一歩ずつ明神へと歩み寄る。
来い……そのまま来い!明神は強く強くヤリを握りしめる。

勝つ、必ず勝つ。ベジータ、お前だけは許さない。
姫乃や弥生の日常を完膚なきまでに破壊した主催者、そしてベジータ、貴様らは絶対に……!!

明神は絶望した。視界の端に移るベジータが、明神に向かって手の平を掲げたのだ。
予想通り、ベジータの手の平に光が集まっていく。ベジータはただ単純なだけの戦闘狂ではない。
天才的な戦闘センス。実戦で磨かれた直感。その全てがベジータにこのまま近づく事を良しとせず、離れた位置から攻撃させる事を選ばせた。

ベジータと明神の間を隔てる距離は僅か数メートルほど。
しかし相手がベジータという怪物ならば、もっと近づいてくれなければ話にならない。
ヤリによる奇襲を仕掛けるには、もっと近づいてもらわなければどうする事も出来ない。

(ここまでかよ!ここまでかよ畜生!!)

明神は歯を食いしばって怒り、悔しがった。
諦めるな、まだ何か手はあるはずだ。

(諦めるな明神……!最後の最後まで、俺は必ず戦い抜く!)

ぼろぼろの肢体に力を込める。こうなったら一か八か勝負に出るしかない。
数メートルの距離を一気に詰め、ベジータの心臓にヤリを突き刺す。
成功する可能性など知った事か。明神は覚悟を決め、目を見開き、ベジータを睨みつけて……
ずたずたの両足で必死に地面を蹴り、ベジータに向かってヤリを────
123◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:48:12 ID:3OvFE60r

「ふん。やはりか」

ベジータは明神の狙いを読み切っていた。向かってくる明神に向かって手の平を向けて────

ヤリと光弾。速いのは、そして重いのはやはりベジータが放つ光弾。
ただの人間如きがサイヤ人最強の男に喧嘩を売るのはやはり無謀であったらしい。
誰がどう贔屓目に見ても明神程度のスピードではベジータの反応速度を上回る事は出来ない。
明神自身もその事には気づいている。しかしやめるわけにはいかない。逃げるわけにはいかない。
少女の日常を守るため、明神はヤリを振るう。

(届け届け届けええぇぇ!!俺の、俺達の怒りのヤリ!!
 姫乃、ガク、エージ、アズミ、ツキタケ!!俺の右手にパワーを送れ!!)

「くたばれベジータァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」



パリン────



ベジータの光弾が放たれるかと思った直前、ベジータの顔に妙な瓶がぶち当たる。
予めヒビを入れられていたのだろうか、瓶はベジータの顔に当たった瞬間粉々に割れた。
そして中の奇妙な液体が、ロケット弾で負傷したベジータの顔面にかかる。
月島弥生は、疲れ切った目で、自身が投げた瓶がベジータに当たるのを見届けた。
そして微かに笑う。月島のみが瓶の中身を知っている。月島のみが、瓶の中身をかぶったベジータが、この後どうなってしまうか知っているのだ。
故に月島は笑う。涙を流しながら、今度こそ、今度こそベジータは倒れるはずだと確信した。

突然の瓶の介入にも、明神は全く心を揺さぶられなかった。彼の全意識はベジータの心臓しか見ていない。
心臓にヤリを突きたてる事、この時、それ以外の事は明神の頭の中にはなかった。
何が起きても、ただヤリを突きたてるのみ。明神のヤリは、ベジータの心臓に向かって疾走していき────


(これは、いったいなんだ……?体が頭が腕が足が……割れそうなくらい……)

ベジータはかつてない苦しみに襲われていた。本来なら、どんな毒であろうと、強靭なベジータの肉体を蝕む事は出来ない。
主催者が仕掛けた制限が、彼の抵抗力を弱体化させたのである。
ベジータは朦朧とした意識の中、ヤリが目の前にまで迫って来ているのを確認した。
彼の全本能が危険を察知し、必死に回避運動へと移る。

サイヤ人のエリートに対してのこの仕打ち。ベジータは薄れた意識の中でただただ怒り、ヤリの軌道を見極める。
しかし体が思うように動いてくれない。あまりにも遅すぎる動き。本当に情けないくらいのスピードだ。
ヤリが迫る────


ガッ────


ヤリが突き刺さる。ベジータの心臓にではなく、彼の右腕に。
渾身の力を込めて明神が突き出したヤリも、ベジータに止めを刺す事は敵わなかった。
九死に一生を得たベジータは即座にヤリを殴り、叩き折る。

そしてふらふらしながらも、明神に向かって蹴りを放った。
サイヤ人の蹴りをまともに食らった明神は数メートル吹っ飛ぶ。
124◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:50:38 ID:3OvFE60r

「く……そ……おんなめ……俺に…何をしやがったんだ………」
ゆっくり、本当にゆっくりと、ベジータは苦しむ明神の元へ歩み寄る。

「やぁ!」
月島が水の入ったペットボトルをベジータの頭に向けて振り下ろす。
彼女もまたふらふら。全開の時とは格段に鈍いスピードである。
ベジータは体を反転させ、ペットボトルを殴りぬける。ぱしゃぱしゃと水が辺りに飛び散る。

「あ………ああ……」
「おんなあぁ……!俺の体になんつうものを食らわしやがったんだ……いい加減にしてくたばっちまえ……!」
怯える月島の横っ腹に、ベジータは渾身の蹴りを入れる。猛毒によって極端に力の落ちた蹴りだったが、
それでも月島の体は明神と同じように、容易に吹っ飛んで行った。

「うう…………ちくしょお……」
腹を押さえて悔しがる月島。
「ずいぶん……としてやられたが……まだ貴様らを殺すくらいの体力は残っている、さ」
ベジータは再び明神の元へ歩み寄る。

明神は先端の辺りが叩き折られているヤリを握りしめ、倒れたままベジータを睨みつける。
ヤリを杖のように使い、立ち上がり、ベジータの正面に立つ。

「まだ戦えるか……ゴミの癖に本当にしつこい野郎だぜ」
「こっちの台詞だ……ベジータ……もう挑発には乗らねぇよ……」

ヤリを地面から離し、自分の足のみで立つ。ベジータの正面に仁王立ちし、思い切り睨みつける。

「お前は弥生の日常を汚した……汚された日常は俺が取り返す……!!
 クールにサイキョー……史上最強の俺が、『普通の女の子』の日常を守るんだ……」
「……宇宙最強はこの俺だぁ……力を制限され、妙な薬品を使われたとはいえ……
 たった二人の人間にここまでやられて、プライドズタズタだぜ……」

明神は、ただの棒と化したヤリの先端をベジータに向ける。

「……弥生は立ち直ってくれた……弥生は元気を取り戻してくれた。
 お前と言う化け物に臆さず立ち向かうなんて誰でも出来ることじゃない。
 ベジータ、お前は通過点だ────俺が案内屋として……この腐った殺し合いを破壊するための……ッ!!」

ベジータは猛毒によって、明神は疲労と負傷によって、お互い満身創痍。
ふらふらなまま2人は数秒間、睨みあい、そして────最後の戦いが始まる。

明神は雄叫びを上げながら、ヤリを突きだす。
ヤリは間合いに関しては圧倒的有利。ベジータの拳はどうやっても明神には届かない。
ベジータは必死にヤリを凝視し、回避態勢に入る。だがしかし、明神の渾身のヤリは、この期に及んで、とてつもなく速い。
案内屋としての責務。日常に対する愛。その思いが、土壇場で明神の体に魔法をかけた。
火事場の馬鹿力といった風な力で明神はヤリを振るう。
125◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:51:45 ID:3OvFE60r
そして、ベジータの心臓にヤリが────入った。


入った────
来たぞ勝機が!!このまま棒になってしまったヤリを、奴の心臓に突き刺す!!
力で押し切る!!パワーで押し切る!!ありったけだ!ありったけの全開パワーで奴の心臓を殺る!!

────刺され刺され刺され刺され!!!


────刺さってたまるかッ刺さってたまるかッ!

ヤリを掴んでぶち折ってやれ!!奴は所詮非力な猿だ!!
いくら猛毒を喰らおうが、おもちゃの武器で爆撃されようが俺には通用するか!!
どれだけ弱体化されようとも、俺は誇り高きサイヤ人の王子、ベジータ様だァァーーーーーーーーーーーーーーッッ!!



月島はふらふらとしながら二人の戦いを凝視する。
もう少し、もう少しで明神さんは勝利する。まさかここまでこれるとは思っていなかった。
あの規格外のモンスター、ベジータをここまで追い詰める事が出来るなんて……

────頑張れ……

「頑張れぇ!!明神さん!!」



ヤリが────ベジータの胸に傷をつけ、そして心臓にまで届いて────



くそ……!あのおんなの薬品のせいで……思うように力が……!
くそお……畜生……!

「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

ベジータは咄嗟に地面に向かって光弾を放った。大爆発を引き起こし、明神は勿論、ベジータまで彼方へ吹っ飛んだ。
ベジータは次から次へと光弾を放ち、自らの体を飛ばす。あまりの出来事に、月島はぽかんとしてベジータを見つめる。
数十秒後にはもう、ベジータの姿はどこかへ消えていた。

倒れ伏した明神はもうぴくりとも動かない。

月島はただ一人、夜の市街地に立ち尽くしていた。いったい何がどうなったんだろうか。
どうしてベジータは、何故……どうして?

時間が経つにつれ、嫌でも気づいて来る。ベジータは消えたのではなく、逃げた。
明神に恐れをなして、自身の命の危機を悟って逃亡したのだ。
間違いない。しばらく待ってみても、ベジータは一向に現れないのだ。
逃げたとしか考えられない。

つまり、明神は勝ったのだ。月島はその事を理解すると、気が抜けたようにぺたんと座り込んだ。
明神の体はあまりにぼろぼろ。おそらく敗れたベジータよりも遥かに重傷に違いない。
ベジータの最後の光弾は、明神の命の炎を完全に吹き消したのだろうか。
それとも……
126◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:52:42 ID:3OvFE60r
月島はふらふらと歩き、明神の元に歩み寄る。

「明神さん……大丈夫なの?」
明神の体を揺すってみる。反応がない。いや、違う。
微かに動く。月島の声に反応して、ぴくりと動いた。
ほっと胸を撫で下ろす。

「やよい……」
明神は息も絶え絶え静かに言葉を紡ぐ。
「俺はいいから……悪者をやっつけて……みんなの日常を守る事が案内屋の仕事だからな……
 俺の分も生きてくれ…………」
「明神さん!!」

明神はそう言うと、気絶した。

瀕死の重傷、その上気絶。明神の容体はあまりに悲惨だ。月島とは比べ物にならない。
殺し合いはまだ始まったばかり、どう贔屓目に見てもこれから明神が生き残れるとは思えない。
月島は未だに涙が溜まっている瞳で明神の見つめ、そっと手を握った。

「うう……私は……私は…………」


私はなんて馬鹿なんだろう。月島は思った。



女武士として優勝する、と意気込んだのに、蓋を開けてしまえば規格外の怪物に恐れを抱き、
挙句の果てに勇気ある人に助けられてしまう始末。優勝するなどと、あまりに馬鹿な考えだ。
私は本当に愚かだった。私の決意には、私の武士道には、何の覚悟もなかった。
口先だけの戯言に過ぎなかったんだ……

「ううう……」

私の涙が明神さんの体にぽたぽたと落ちる。

この人は私を助けてくれた。私の『日常』を守る、との武士道のもとで果敢にあの怪物に立ち向かってくれた。
この人は私の恩人だ。そして心の先生だ。この人の武士道、この人の覚悟……本当に本当に、カッコ良かった。

「死なせたくない……絶対に死なせたくない……」

私は明神さんの手を固く握りしめる。

このままではどう足掻いてもこの人は死んでしまう。ベジータ並みの化け物がまだいるかも知れない。
それに当のベジータもまだおそらく死んでいないのだ。今度復讐に来られて、私だけで果たして勝てるのだろうか……
今度怪物に襲われて、この人はそれでも生きていられるのか?この人はこのままの状態で生き残れるのか?
127◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:53:38 ID:3OvFE60r
────無理だ。間違いなく無理だ。
このままでは……この人は遅かれ早かれいずれ死ぬ……。
そんなの…………絶対にいや!!!!

私を助けてくれたこの人が、私に絶対にあきらめない事について教えてくれたこの人が死ぬなんて──絶対いや!!!
死んでも嫌だ!この人は優しい。強い。そして勇敢だ。こんな所で死んでいい人なわけがない。
この人の日常が破壊されるなんて絶対に嫌だ。この人が死んでしまうなんて私には耐えられない。
この人は短い間しかまだ付き合っていないけど、私にとってとてつもなく大きな存在になってしまった。

普通の女の子の日常を守る────
なんという美しい生き様だろう。もう、もう私は明神さんに憧れてしまった。
だから嫌だ。死なせたくない。この人を『日常』に返したい。
絶対に絶対に絶対に絶対に……

死なせたくない死なせたくない死なせたくない死なせたくない死なせたくない死なせたくない

「守る……私が守る……明神さんを命を賭けてでも守って、暖かい日常に返す……」

そのためには力がいる。ベジータのような絶対的な力が必要だ。
任せてよ明神さん……『手』はある。私はあなたを守ってみせる。
死んでも守り通して────あなたを優勝させる。


全てが終わり、月島は自身のデイパックの中に手を突っ込む。
超神水。胡散臭いアイテムだが、もしこれを飲んで本当に強くなれたのなら、明神を守り切ることだってできるかも知れない。
月島に覚悟というものを教え、命を救ってくれた明神を守りたい。その思いしかなかった。

────私は今から超人になる!!!



月島はデイパックに手を突っ込み、超神水を取り出した。
気合を入れて一気に飲み干す。すぐに例えようのないくらいの苦痛が月島を襲った。
月島の悲鳴が夜の街に響き渡る。

▼ ▼ ▼

「ちくしお、お、おおお、お!!!俺は宇宙最強だ!!
 史上最強の戦闘民族サイヤ人の王子ベジータだ!!!」
128◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 21:54:58 ID:3OvFE60r
くそったれめが……たかが制限と毒程度で天下無敵のサイヤ人がなんてざまだ……!

息も絶え絶え、ベジータは必死に喘ぐ。いくらサイヤ人の強靭な肉体とはいえ、
瓶丸々一本の猛毒にはかなり苦戦しているようだ。ベジータは地面を這いながら民家の扉を開ける。
死ぬほど悔しいが、このままでは戦う事すら出来ない。天才的な戦闘センスを持つサイヤ人の王子は、この民家に隠れ、
しばらく休む事に決めた。

(あの女……そして白髪野郎……覚えていろ。俺は必ず復活し、貴様らを血祭りにあげてやる)

民家の扉を閉め、ベジータはなるべく見つかりにくい所に、倒れるかのように横になった。
もはや体力は限界。まさかただの地球人2人にここまでしてやられるとは……あり得ない事だ。
月島の支給品、毒薬のおかげとも言えるが、それ以上にやっかいだったのは、主催者による制限。
何をされたのか分からないが、ベジータの肉体は、ありえないくらいにまで弱体化させられていた。

全くもって腹立たしい。

(まあいいさ。ドラゴンボールを全て集めて、優勝。そして俺をこんなにまで弱体化しやがった主催者どもも皆殺し、
 最後にドラゴンボールの力で不老不死になってやる。そうなれば宇宙は俺様のものだ。
 不老不死になった暁には、祝いに地球を粉々にしてやる)

今は都合の悪い事を考えるな。ただ前だけを見つめ、ドラゴンボールを奪い、参加者どもを殺す事だけを考えろ。
主催者どもの科した制限に怒ったところで今は無駄。折角ドラゴンボールが手に入る機会が向こうから転がって来たんだ。
この殺し合いを利用して、俺の野望を実現してやるぜ……!

ベジータは、横になって何度か苦しげに喘いだ後、気絶するかのように眠りについた。

【名前】ベジータ@ドラゴンボール
【状態】右腕に刺し傷、全身に中度の火傷、毒、疲労困憊、睡眠
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明支給品3)
【思考】
1:ひとまず休んで、体力を回復させる
2:解毒したい
3:月島弥生と明神冬悟に復讐したい
4:ナッパと合流したい
5:ドラゴンボールを集めて優勝。永遠の命を手に入れる。
※自分の戦闘力が極端に制限されている事を自覚しました

▼ ▼ ▼

長く苦しい戦いが漸く終わりを告げたのだろうか。
気が狂いそうになるほどの苦しみがやっと掻き消え、私はぼんやりと、自分が賭けに勝利した事を理解した。

明神さんを死んでも守ると言っておいて、このまま死んでいてはお笑いものだった。
だけど私は勝った。神は私の新しい武士道を認めてくれたんだ。
129名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 21:57:59 ID:1vVpSUX4
支援
130名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 21:58:45 ID:1vVpSUX4
支援
131名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 21:59:26 ID:3OvFE60r
うおおおおお……はやくしろー!!
俺がウンコ漏らしても知らんぞー!!
132名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:00:14 ID:1vVpSUX4
支援
133◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 22:00:38 ID:3OvFE60r
女武士の存在を世間に認めさせる。私の以前の武士道は、今はもういい。
いずれ実現させたいけど、今はそんな事より遥かに大切な事がある。明神さんだ。

私は明神さんの所に駆け寄る。彼の顔をしばらく見つめる。
本当に、本当にありがとう明神さん。私を助けてくれて……私を救ってくれて……
あなたの武士道、私も真似させてもらってもいいですよね……。

「私はあなたの日常を守る。あなたを日常に帰す。優勝させてあげる……」

とりあえずこの場所から離れなくてはならない。いつまたベジータが襲撃してくるか分からない。
私は明神さんの体を背負う。軽々と持ち上げる事が出来た。

超神水の効果は本物だったのだ。さすがにベジータ並みとはいかないだろうが、
それに準ずるくらいの身体能力を私は手に入れたのかもしれない。いつかテストしてみたいな……。
これなら、頑張れば明神さんを優勝させる事だって……

いや、頑張れば、じゃないんだ。絶対に、死んでも明神さんを守り切る。

私の新しい武士道────今度ばかりは絶対に、誰にも誰にもベジータにも……折れはしない。


「任せて明神さん、私が守ってあげるわ…………」


────どんな手段を使っても、命を賭けて守ってあげル……


明神は──月島の姿だけを見て、普通の日常を生きるどこにでもいる女子高生だと思い込んだが、
その認識は間違っていた。彼女の世界は、帯刀、そして両者の同意があれば殺人も罪に問われないという、
明神の言う『日常』とは極端に違う世界だった。

極端に異なる世界ゆえに、月島弥生もまた、普通の女子高生とは極端に違う価値観の持ち主である。
明神が彼女を助けたという行いは彼女に、生き残るという決意ではなく、死んでも明神を守り切る、という極端な決意へと月島を案内したようだ。


【名前】月島弥生@斬
【状態】超神水によって身体能力アップ、明神への過剰なまでの好意
【持ち物】ディパック×2、RPG(残り3発)@現実、ヤリ@現実(先端が折れてただの棒になってます)
     不明支給品×2(明神の支給品)
【思考】
 1:ベジータから逃げるため、移動する
 2:命を賭けてでも明神を守り抜き、最終的には優勝させる。手段は選ばない。
   明神の恩に報いるために、彼を日常に帰してあげたい
※参戦時期は斬と戦う前です。

【名前】明神冬悟@みえるひと
【状態】瀕死の重傷(応急手当て済み)、気絶、疲労困憊
【持ち物】なし
【思考】
 1:気絶中
 2:姫乃、ガクと合流したい
 3:殺し合いを破壊する
134名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:00:49 ID:qxMIDnY+
>>131
来たぞッ
135名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:01:36 ID:1vVpSUX4
支援
136◇lDuDHMY9Oc氏代理投下:2008/11/04(火) 22:04:15 ID:3OvFE60r
投下終了だそうです。

ウンコ行ってきます。
137名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:04:21 ID:qxMIDnY+
投下、代理投下乙ですー
ベジータと明神はほぼ相討ちか…むしろ明神・月島組の大健闘かな?
制限もちゃんと効いてたし、逆転続きで面白い戦いでした
ただ、超神水はもうマリィの支給品で出ちゃってるんですよね…
戦闘の結果には直接関係しないし、そこだけ修正お願いするわけにはいかないですかね?
138 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 22:04:23 ID:I5GDEGcx
書き込めるか
139名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:05:16 ID:1vVpSUX4
今から読むけど、>>136ウンコ我慢ナイス!
>>138も投下乙!
140 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 22:06:09 ID:I5GDEGcx
あれ、書きこめた……どうなってるんだ…?
代理投下ありがとう!

あ、超神水出てましたか。すいません
では修正します
141名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:06:47 ID:qxMIDnY+
>>138
あ、時間と場所が抜けてるっぽいのでお願いできますでしょうか…
142 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 22:15:23 ID:I5GDEGcx
>>141
不備が多くてすいません

ベジータの状態表に
【E-8 民家/一日目 深夜】
明神月島さんは
【E-7 市街地/一日目 深夜】
でお願いします

さるさんって1か月くらい書き込めないのかと勘違いしてた…
143名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:23:10 ID:jBLM3Jer
投下&代理投下乙です!
しかしなんでこのスレは俺が目を離したときに限って投下があるんだ
投下時にいたら支援しまくるのにorz

すげーベジータ相手のガチバトルだ!
予約の時点で戦いそうだと思ってたけど、ここまで月島さんと明神があがくとは
超神水がすでにマリィに支給されてるのは残念でしたね
他になにか似たような効果のものあるかな…
144名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:24:29 ID:jBLM3Jer
あ、それとさるさんは毎時0分に解消されるらしい
145名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:33:16 ID:1vVpSUX4
感想を言う前に>>121>>122の間、抜けてないですか? ギャリック砲のシーンがないのですが…… 
仮投下スレの方にも122から始まっているのでさる喰らったときの分だと思うのですが、違ってたらごめん。
146 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/04(火) 22:42:22 ID:I5GDEGcx
ほんとだ…ぐだぐたですまない
以下、>>121>>122の間の部分


私も強くなりたい────誰よりも誰よりも強くなりたい。
ベジータよりももっともっと強く、この人のように強くなりたい。

明神の檄により、月島の精神はほんの少しだけ立ち直った。
明神が月島に勇気を、理不尽に立ち向かう強さを授けてくれたのだ。
勝つんだ、勝ってやる。月島は決意する。


「この俺をよくもコケにしてくれたな!!そんな家に潜んでいるくらいでは俺のギャリック砲からは絶対に逃げられんぞ!!
 地球もろとも宇宙のチリとなれぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!」

(ギャリック砲……?いったい何をする気だ……)

明神は新たな隠れ場所を探し、走る。ギャリック砲というのはどんな技なのか気になったが、
その正体はすぐに分かる事になる。突然、明神と月島の後方の空が、白く輝いた。
この世の終わり……そんな馬鹿な単語まで連想してしまうかのような異常な光景だった。

空が白く輝いた直後、聞いた事がないような凄まじい轟音と共に、今まで隠れていた民家が完全に吹き飛んだ。
被害はそれに留まらない。明神達の元にも、当たり前のように爆風が届き、そして彼らを蹂躙する。
明神は咄嗟に、体を反転させ、自分の体を使って月島を爆風から守る。

「いやあああああああああああああああああああああ!!」

何が起こっているのか分からない。現実の事とも思えない。
明神はギャリック砲の余波を喰らい、月島もろとも吹き飛ばされた。
さっきの光弾の比ではない。凄まじい威力だ。明神の体は爆風の衝撃によって痛めつけられ、燃やされ、意識の限界まで甚振られた。
月島の悲鳴だけが妙に鮮明に聞こえた。

「くそ……どうなってやがる……。どうしてギャリック砲までこんな情けない威力になってやがるんだ」

ベジータが民家の瓦礫を掻き分け、二人の元へやって来る。
彼もまた、身体の負傷はともかく、外見は悲惨なものだった。
ぼんやりとした意識の中、明神はベジータを凝視する。これほどまでの化け物だとは思っていなかった。
全てが桁違い過ぎる。だけど、だけど……

薄れゆく意識の中、明神は手元に残った最後の武器を固く握りしめる。
これが最後の手段、最後の賭け……。勝機は────

(勝機は、ある……!)
147名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:51:38 ID:1vVpSUX4
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        >>146様、投下乙でございます。
     ゝ ゚д゚)       そして>>136様、ウンコ我慢…いや、仮投下乙でございます。
    /<▽>        ガチバトル、面白かったです。しかし、それよりも私、個人としてとても気にいったのがベジータ様です
    |::::::;;;;::/      「くくく、反吐が出るぜ。どこまでも醜い女だ」
    |:と),__」       ……失礼ですが私、このシーン、最高に気に入りました。
    |:::::::::|      このベジータ、どこまでドSなんだよwwww
    | :::::::|      バトルでは重症を負ったベジータ様ですが、ドSベジータとしてこのバトルロワイアルを駆け巡ってほしいですな
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
148名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:57:43 ID:2Kr9Xl6X
DB恐怖症
149名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 22:59:11 ID:2Kr9Xl6X
これじゃベジータを出した意味がない
150名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 23:23:45 ID:pkp6Debv
2つも投下来てる!
ダマにガク、そしてある意味絵里子の変人集団をここまで見事に書けるとはGJです!
そして最初の女子高生の夢描写ワラタw

ガクについてはダマ攻撃の前に一声かけさせて見えて触れること、
あと、絵里子が見た目だけでカッコイイとか好印象なことを言えば一発で惚れそうw
澪を諦めたのはすぐそばにひめのんがいたのと澪が怖かったからだから初対面で印象良かったら絶対惚れるね


ベジータ、明神、月島さんのバトルもお見事!
特に一般学生でありながら、その刀が中心の普通となズレた世界出身の月島さんの脆さと強さの対比が良かったです!


2週目…空気を読まず予約しちゃおうかな
151名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 23:47:38 ID:qxMIDnY+
お、予約入ったね
頑張れー
152名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 23:48:53 ID:2Kr9Xl6X
【腐女子も納得】全漫画イケメン1位はナッパ
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1225709039/l50
153名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 02:28:52 ID:HrjMGSBx
ところで聞きたいんだけど、神威把握のためにX読もうと思ってるんだが
神威だけ把握なら何巻まで読めばいい?
154名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 02:41:56 ID:vha1KtLU
主人公
お嫁さん
155名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 02:44:18 ID:VJk5p7VK
登場話によるけど、10巻まで読めば大丈夫。
156名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 02:51:05 ID:HrjMGSBx
ありがとう!
とりあえず10巻まで古本屋で買うか
157名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 02:56:22 ID:HrjMGSBx
って神威とフェイトの予約キター
これで未登場はネギだけだ!
158名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 03:03:45 ID:VJk5p7VK
ネギが最後に残ったのは意外だなあ
159名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 03:07:07 ID:HrjMGSBx
だな
特に書きにくいキャラでもないのに
160名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 06:49:17 ID:up0NZgV9
ネギが書きにくくない? はあ? 一言も喋らない謎モブキャラじゃねーか
書ける奴なんていんのかよ

…と、ハレグゥ読んだ直後の俺は一瞬思ってしまいましたすいませんすいません
161名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 06:51:41 ID:HrjMGSBx
あのネギかww
ネギとラーヤはセットの謎モブキャラだもんなw
162名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 07:42:41 ID:HrjMGSBx
俺も騙されたがネギじゃなくてサギンじゃなかったっけ
163 ◆lDuDHMY9Oc :2008/11/06(木) 18:48:15 ID:A0jMyYWX
したらばに修正案を投下しました

wikiに収録する際、もし分割する必要があるなら>>121からが後編ということで
164名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/06(木) 19:06:52 ID:5yVerT5/
修正乙ですー
分割で収録しておきましたのでご報告を。
165名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/06(木) 19:07:35 ID:i7ejHZg9
よっしゃ読んでくる
166名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/06(木) 19:34:23 ID:i7ejHZg9
読んできた!
毒はただの毒で超神水による月島さんのパワーアップは削除
かわりに明神への好意が膨れあがって奉仕マーダー化、というわけか

まさかこういう形で奉仕マーダーが生まれるとは予想外w
このロワのマーダー・危険人物コレクションはとどまるところを知らないなw
167黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:36:59 ID:wSJmbyPw
 
強くなりなさい、と母は言った。
それが、司狼神威の原点である。

愛する者を守れるように、強く。
迷わず戦えるように、強く。

それがエゴだと分かってはいた。
愛する者を守るために振るわれる力など結局のところ、それ以外のすべてを踏みにじるための力でしかない。
それでいいと母は言っているのだと思ったし、神威自身もまた、そのことを肯定していた。
何かを愛するという決意は、その他のすべてを殺す覚悟だ。
そのための力を、神威は持っている。
尋常ならざる異能。
戦い、殺すための力。

だと、いうのに。
守りたいものなど、もうほとんど残っていない。

母は地球の影贄となって炎に焼かれ、死んだ。
その妹、叔母の時鼓は神剣を生み出すために五体を四散させ、無残な躯となった。
桃生のおじさんは神剣を守ろうと戦って殺され、紗鵺おばさんは母の代わりにバラバラになって死んだ。
そして、桃生小鳥。
幼い日の大切な時間。
その全部を一緒に過ごした少女。
小鳥もまた、死んだ。
もう一人の大切なもの、小鳥の兄、桃生封真。
封真は小鳥を刺し貫き、そうして何処かへと消えた。
優しかった封真を変えたのは、神威の『選択』であったという。
人間を護り、地球を殺す『天の龍』となるか。
地球を生かすために人間を滅ぼす『地の龍』となるか。
神威の選択がどちらであったにせよ、対となる『龍』の座を埋める、もう一人の神威。
それが封真であり、その存在の意味であり、だから封真のこれまでの時間に意味はなく。
残忍で冷酷な、『地の龍』としての封真に変わったのだという。

誰も彼もが死んでいく。
地球の命運とやらのために、大切なものが死んでいく。
冗談ではない、と思う。

そんなもののために、大切な人たちが死んでいく。
地球の如きと、引き換えに。
赦せるはずも、なかった。

だから戦おうと思った。
大切なもののために。
最後に残った、大切なもの―――封真を取り戻すために。
たとえばそれが、地球を殺し、罪もない人々を死に追いやることであろうとも。
覚悟を決めた、はずだった。
なのに。
168黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:37:35 ID:wSJmbyPw
―――俺は一体、何をやっている。

見上げた空には銀色の月が浮かんでいる。
喪服の如き黒衣の制服に身を包んだ少年、司狼神威はため息をつきながら地図を広げる。
コンパスの針によれば北東の方角、星空を隠すように稜線が広がっていた。
であれば、おそらくは今座り込んでいるこの奇妙な建物が『肉壁』とやらだろう。
月明かりの下、走り過ぎる車の影一つない大通りの脇でぼんやりと白く浮かび上がるそのドーム状の建物は
周囲にひどく異彩を放っている。
天井の高い二階建てほどの全高と、おおよそ四、五十畳といった広さ。
ぐるりと周ってみても扉のようなものは見当たらず、仕方なく神威はその不気味な外壁に
寄りかかるようにして座っている。
制服越しに伝わってくる背中の感触はぶよぶよとしていながら同時にひんやりとして、気味が悪い。
考えをまとめようと腰を落ち着けたというのに、逆に妙な不安感が湧き出してくる。
他の『七つの封印』の面子のように結界を創り出すことができればまた違うのだろうが、と神威は自嘲する。
今はまだいい。だがこの先、休息や緊急避難が必要になる場面はいくらもあるだろう。
そんな場合は―――。
と、そこまでを考えたとき、神威は背筋に冷たいものが走るのを感じていた。
悪寒、というレベルではない。
氷でできた針を脊髄に直接打ち込まれているような、激痛に近い直感。

「……誰だっ!?」

叫びざま振り返る、その手には既に『力』が結晶している。

「ふぅん……よく気がついたね、これでも気配を消すのは得意な方なんだけど」
「子供……!?」

神威が驚いたように目を見開く。
その眼前にいたのは、果たして少年である。
日本人ではなかったが、まずローティーンより上ではない年頃。
白皙の美少年、といえる整った目鼻立ちではあったが、その容姿には一点、異様がある。
頭髪が、白いのだった。
アッシュブロンドや銀髪といった類ではない。
その一本一本、根元から先端に至るまで偏執的に脱色を繰り返したように、色素というものがない。

「……やっぱりこの場に集められた以上、それなりの『意味』を持っていると考えるべきなのかな?」

中性的な美貌を歪めて睨む神威の剣幕を受けて、白髪の少年は物怖じした様子もない。
それどころか口元には微笑みじみた表情すら浮かんでいる。

「お前……、人間じゃないな……?」
「……どうして?」
「式神連中と同じ匂いがするんだよ……!」

肩をすくめた少年に向けて、神威が手に集めた『力』を撃ち放つ。
容赦も躊躇もない、相手を滅するための一撃。
だが。

「な……!?」
「そういう君は何か……そう、大規模な術式のトリガーなのかな」

目を細めてみせた少年が、くすりと笑う。
何気なく上げられたその片手に、神威の放った『力』が苦もなく受け止められていた。
その手が握られると、『力』もまた雲散霧消していく。

「君の生死……いや、存在そのものが鍵、という感じだね。
 『運命』をすら改変する規模の術式……だけどその『対価』、捻じ曲げられた世界の歪みは莫大だ。
 そのすべてが逆凪……『報い』となって君を襲う。辛い生だね、お互いに」
169黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:38:27 ID:wSJmbyPw
夜の闇を背景に紡がれる言葉の意味は、その半分も神威に届かない。
力を防がれた驚愕と唐突な饒舌とが、神威を困惑させていた。

「何を……言っている!?」
「おや、まさか気づいていないのかい? 君をその術式に組み込んだ術者は随分と非道だね。
 そうだな、分かりやすく言うなら……君は存在するだけで周囲の人間を不幸にしてきたはずだ」
「―――!?」

―――存在するだけで周囲の人間を不幸にしてきた。
その言葉は、鋭い刃となって神威の胸を切り裂き、その奥にある心を刺し貫いていた。
何となれば、その指摘は事実であり―――そしてまた、神威自身がそのことに思い至りながら、
その重圧に耐え切れず目を背けてきた、正にその一事に他ならないがゆえである。

自分を愛してくれた母、司狼斗織。
最後に残った血縁者、叔母の真神時鼓。
厳しくも優しかった桃生鏡護、桃生紗鵺。
たいせつなもの。桃生小鳥。
彼らの、彼女らの悉くは凄惨な最期を遂げた。
そしてたった一人、生き残っている人間―――桃生封真は、神威の『添え星』としてかつての自分を忘れ、
その存在自体を塗り替えられた。
そのすべてが『地球の命運』、ひいては神威自身を中心として繰り広げられた悲劇であることは
疑いようもない事実である。

神威―――『神の威を代る者』。
神意の代行者。
運命の歯車の、その中心にある唯一の存在。

だから、存在するだけで。
存在するだけで、周囲の人間を捻じ曲げる。
不幸に陥れ、悲惨な最期を迎えさせる。
望んだわけでもなく。
ただ、選ばれただけで。
存在を罪と、規定される。

「……関係ない」

絞り出すような声は、悲鳴に等しい。

「そんなもの関係ない……! 俺は、そんな……! お前に何が分かる……!
 帰るんだ! 俺は帰って、封真を取り戻す!」
「……僕らを皆殺しにして、かい?」
「仕方ないだろう……っ!」

叫び返して、思う。
そう、仕方がないのだ。
170黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:39:14 ID:wSJmbyPw
身勝手な願いだ。
利己的な望みだ。

だが、それを誰が責められる。
運命の理不尽に抗うことを、誰が責められるというのだ。

否―――誰に責められても構わない。
誰にも理解されなくても構わない。
その全部は、運命に膝を屈しろという声。
抗わず死ねと、光に手を伸ばすこともなく朽ち果てろと、それを命じる声だ。

そんなものに、理解される必要はない。
誰に責められても。
誰にもこの望みを分かってもらえなくても。
俺はただ、『封真』を取り戻す。
世界にはもう、封真しか残されていないのだから。

そのために誰を犠牲にしようとも。
そのために、どれほどの血が流れようと、どれだけの悲嘆が叫ばれようと。
俺の明日は―――俺にしか、選べない。
司狼神威の、それが決意のかたちであった。

「ふぅん、やる気になったみたいだね」
「……ああ、俺はお前を殺す。お前だけじゃない。ここに呼ばれた全員を殺して、東京に帰る。
 それが俺の、たった一つの願いだ」
「やっぱり君は……不幸を撒き散らす存在だね」
「言っていろ……!」

神威の手に集まった『力』が、衝撃波となって放たれる。
つい、と一足で数メートルを飛び退ってそれを躱した少年が、

「バーシリスケ・ガレオーテ・メタ・コークトー……」

不可思議な呟きを漏らす。
が、その奇妙な抑揚の言葉を遮るように神威が地面を蹴り、間合いを詰める。
一瞬でクロスレンジに飛び込むと、振るうのは右の打ち下ろし。
神威とて上背のある方ではないが、さすがに少年には勝っている。
対処しづらい方向から打ち込む拳には、更に『力』が渦巻いていた。
コンクリート壁も容易く砕く威力を乗せた拳が、少年の頭蓋を粉砕すべく迫る。
ガードした腕ごと砕くような一撃に対し、少年は迫る拳の内側に左の腕を添えるような動き。
そのまま、体の外側へと力のベクトルを受け流す。
表情一つ変えぬアウトサイドへのパリィ。
力を逸らされた神威はしかし、体勢を崩さない。
重力を無視するように空中で身を捩ると、流れるような蹴りを少年に向けて放つ。
まるで見えない足場が宙に浮かんでいるかのような、蹴り足に十分な体重の乗った一撃。
事実、神威は空中に立っていた。
のみならず、慣性や作用反作用や、諸々の物理法則の悉くを捻じ曲げて、神威は浮かんでいる。
念動。
不可能を無視し、思念という理不尽をこの世に具現する異能こそが、司狼神威の力であった。
171黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:39:57 ID:wSJmbyPw
「……!」

初めて、少年の表情が僅かに動いた。
予想だにしなかったというような、微かな驚愕がそこに浮かんでいる。

「どうした、俺みたいな相手は初めてか、西洋魔術師?
 ……詠唱なんかさせるかよ!」

神威の脚が吸い込まれるように少年の顔面へと迫り、

「―――だろうね」

その眼前で、ぴたりと止まっていた。
少年は指一本たりとも動かしてはいない。
ただ、その白皙の美貌と神威の脚との間に浮かぶ何かが、恐るべき威力を秘めた一撃を受け止めていた。
夜の闇を薄く照らす、複雑な文字列と幾何学の集合体が描き込まれた円形の紋様。
半透明に光るそれが、幾つも宙に浮いて少年と神威とを隔てている。

「物理障壁さ。……僕みたいな術者は初めてかい、サイキッカー」
「……ッ!」

舌打ちをして飛び退ったのは神威である。
見えない足場を蹴るように、一気に数メートルの距離を開く。

「なら……これで、どうだ!」

言いざま、神威の手に『力』が集まっていく。
物理法則を無視し、あらゆるものを破砕する異能。
雷光にも似た光を纏って、その『力』が集約される。

「受けてみるか、その壁で!」

叫んだ神威の手から、念動の渦が解き放たれた。
真っ直ぐに少年を目掛けて飛ぶ破壊の化身は、その間にあるすべてを呑み込み、粉砕していく。
轟、と音を立てて地割れが起こる。
巻き上げられた砂礫が『力』の渦に巻き込まれ、渦を形成する要素の一つとなって威力を増す。
その様子を目にして、神威には一つの確信が生まれている。

―――やはり『力』は弱まっている。

制限、とあの黒服の男は言っていたか。
空を翔ける力、地を割き敵を打ち砕く力、その悉くが意図した威力を発揮しない。
先ほど少年が使ってみせた『壁』、あれと同じような身を護る力も、おそらくは弱体化しているだろう。
だがそれは相手とて同じことと、神威は考えている。
もしもこの少年と自分が本来の力で戦っていれば、半径数百メートルは簡単に灰燼に帰していた。
それをさせぬための制限。
そしてそれが同時に、殺し合いを加速させるための制限であるとするならば―――おそらくは、
破壊の力よりも大きく、護りの力は弱められている。
何となれば、鎧兜と木刀で戦う姿よりも生身と白刃で相対する姿の方が、高みの見物を決め込む連中にとっては
愉快に決まっているからだ。
だからこその先手。
常に攻め手を維持する側の有利を、神威は考えていた。

大気が、大地が渦となって、少年に迫る。
よほど『壁』に自信があるのか、少年は動こうとしない。
それを愚策と嘲り、神威は己が勝利を確信して笑う。
果たして渦が、破壊の力が少年を呑み込もうとした、その瞬間。

ぱしゃり、と音がして。
白髪の少年が、割れ爆ぜた。
172黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:40:55 ID:wSJmbyPw
ぴ、と返り血の代わりに神威の頬に飛んだのは、透明な飛沫。
からりと軽い音は、ペットボトルの空き瓶が地面に落ちた音。

「―――水!?」

悪寒に振り向いたときには、遅かった。

「……トゥー・イゥー・トン・クロノン・パライルーサン……」

水を使った幻術を囮とした、時間稼ぎ。
振るった拳は、僅かに届かず。
いつの間にか背後に立っていた白皙の少年が、その詠唱を完了していた。

「―――石の息吹(プノエー・ペトラス)」

力持つ言霊が、世界の法則を書き換える。
無限に色を変える世界の可能性の中から少年の呪文が構成したのは、荒涼の大地。
土埃にも似た煙が一瞬にして辺りを満たし、その棚引く手に触れたものを変化させていく。

「く……ああっ……!」

呻きを漏らしたのは神威だった。
少年の召喚した魔の煙が、神威の腕を包みこんでいる。
変化は一瞬。
黒い学生服の袖が、下に着込んだシャツが、日に焼けない白い肌が、暴力の匂いを感じさせない細腕が、
それを構成する神経が、筋肉が、骨格が、司狼神威の左腕を構成する要素のすべてが、書き換えられていく。
刹那にも満たぬ時間の後。
神威の肩口から伸びる、その二の腕から先にあったのは、肘や、手や、指ではない。
そこに存在していたのは、肘や、手や、指や、およそ人間の腕というものを模倣した、石の像であった。

「片腕だけ……か。おかしいな、完全に石化するつもりだったんだけど……」

呟く少年の眼前、神威が己の左腕であったものを押さえ、秀麗な顔立ちを苦痛に歪めている。

「てめぇ……何、を……!」
「やはり魔術の発動自体に極端な制約があるようだね」

睨みつける神威の視線を、少年は意に介さない。

「もう少し色々と実験しておきたいところではあるけど……まあ、僕にも都合というものがあってね。
 そう時間をとるわけにはいかないんだ」

言いながら、傍らに置かれていたデイバックの中に手を入れる。

「魔術の発動は不安定。そしておそらく、君の使う術式の体系にも当然、物理障壁に酷似した力はあるだろう。
 それを素手で破っていくのは骨が折れるし、何より時間がかかる。
 なら……こんなのは、どうかな」

言葉と共に少年がバックから引き出した物体に、

「―――ッ!?」

神威が瞠目する。
デイバックから引きずり出されたのは、優美な刀身を持つ一振りの長剣である。
刃渡りにして一メートルを超える、柄を含めれば百三十センチほどにもなろうかという大剣。
翼を模した握りには精緻な装飾が施され、柄頭を飾る玉には六芒の星が刻まれている。
全長に比して恐ろしく細く、また薄く仕上げられた刀身にも無数の呪術的な文字が刻まれた美しさは、
それ自体が一個の芸術品と表現しても決して過言ではない。
そんな大剣を重さを感じさせずに持っているのは、いかにも子供じみた体格の少年である。
己が背丈よりも僅かに短い程度の大剣を軽々と持つその姿は一種独特の異様を漂わせていた。
173黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:41:57 ID:wSJmbyPw
だが、神威が真に驚愕していたのはそのような些事ではない。

「てめぇ……、それ……は……!」

それは、神威にとっての悪夢。
死と鮮血、炎と破壊に彩られた神威の記憶の、その最悪を体現した、刃である。
『神剣』。
刀隠の社で、女の胎を食い破って生まれ出でる、地球最後の戦いの象徴。
神威の世界に存在していた大切なもの、そのすべてを狂わせ、死に至らしめた、災厄の刃。
想いを超え、決意を秘め、覚悟を孕んで封印したはずの、星の終わりを告げる鐘。
それが、目の前にあった。

「どっち、だ……!」
「……?」
「それは、俺と封真……どっちの、『神剣』だ……!?」

『神威』は一対、二人。
神の威を代る者―――司狼神威。
そしてその添え星、神の威を狩る者―――もう一人の『神威』、桃生封真。
二人の神威の手になるべく生み出された『神剣』もまた一対、二振りが存在していた。

「……さあ。これは僕に支給されたマジックアイテムらしいけど、詳しいことは知らないよ。
 だけど……うん、目の色が変わったね。これは君にとって、よほど大事なものらしい」

何かを反芻するように頷いた白髪の少年が、楽しげに笑う。

「てめぇ……それを、返せ……! 返しやがれ……!」

ゆらりと立ち上がった神威の表情から、苦痛の色は消えていた。
その中世的な顔立ちを満たしているのは、ただ憤怒の一色である。
睨んだ物を炎上させるが如き熱を帯びた視線が、少年を捉える。

「ふぅん……」

少年の涼しげな顔が、神威の怒りを加速させる。

「てめぇ……っ!」

怒りに任せて放たれた念動の力を、少年が小さく跳ねて回避する。
その背後で大木が一本、砕けて折れた。

「……忠告しておくけど、あまり力を無駄遣いしないほうが身のためだと思うよ」
「うるせえっ!」

神威の手から放たれた『力』の渦が、少年を捕らえることなく逸れて辺りを破壊していく。
その様子を目にして、少年がつかの間、思案げな表情を浮かべる。
僅かな間だけ目を閉じ、瞼を開いた瞬間には一つの結論を導き出したようだった。

「……うん、決めた。
 面倒になりそうなら殺しておこうかと思ったけど……君との『縁』も何かの意味を持つのかもしれない。
 だから君は、君の道を塞ぐすべてを打ち砕いて―――」

一つ頷いた少年の言葉が、唐突に小さくなっていく。
同時、夜空に跳ねたその姿もまた闇に溶けるように、消えていく。

「―――どこまでも僕を、追ってくるといい」
「な……っ! 逃がすかっ!」

狙いを定めず放った念動の渦は、ただ夜の闇を切り裂くのみ。
174黒白 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:42:40 ID:wSJmbyPw
「……今、僕はネギ・スプリングフィールドという少年を捜している。
 そうだね、君もまた彼を追っていれば、僕に会えるかもしれない。
 もう一度会えるその時を―――楽しみにしているよ」

声が、消える。
少年が、消えていく。

「待て……! 待てよ、てめぇ……!」

いかに叫んでも、めくら滅法に『力』を振り撒いても、時間が巻き戻ることはない。
どれほど待とうと、それきり少年が姿を現すことはなかった。

「――――――ッ!」

神威の絶叫が、夜空に吸い込まれていく。
何もかも、何もかもが神威を呪い、嘲り、蝕んでいくように感じられていた。
誰もいない。
この島には、神威の守りたい人たちは誰もいない。
だというのに、死と鮮血の記憶だけが追い縋って絡み付いてくる。

強くなりなさい、と母は言った。
誰もいない世界で隻腕の司狼神威を包むのは今、ただ闇ばかりである。



【D-5 肉壁周辺/一日目深夜】

【名前】司狼神威@X
【状態】左腕石化、疲労大(『力』の使いすぎ)
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明支給品1〜3)
【思考】0:優勝し、元の『東京』へ帰る。
 1:『神剣』を奪還するため、白髪の少年(フェイト)を追う。
 2:少年の言葉にあったネギを捜す。
※10巻終了後からの参戦です。

【名前】フェイト・アーウェルンクス@魔法先生ネギま!
【状態】疲労小(魔術による消耗)
【装備】『神剣』@X(どちらの神剣かは後続にお任せ)
【持ち物】ディパック(基本支給品一式・水残量0、不明支給品0〜2)
【思考】0:不明。
 1:ネギを捜す。
※参戦時期は後続にお任せします。
175 ◆/h0sCaow8w :2008/11/08(土) 02:43:35 ID:wSJmbyPw
投下終了です。
176名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 03:07:39 ID:QcTyw+o1
投下乙です
読み応えのある対決でした
フェイトは原作でもまだ謎だらけなのにそれっぽくてすごいなあ…
神威は未把握だったけど何かすごく予想外なキャラだったw
177 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:52:01 ID:L9nAP1Tv
投下乙です!
どっちもまだ未把握のキャラだけど、謎めいていていいなー
ネギも絡めて因縁が出来たようだし、これからどういう風に進んでいくか楽しみ

そして、大作のあとに投下するのはショボイものなのですが、
繋ぎのマリィ、孫悟空投下します。
178 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:53:08 ID:L9nAP1Tv


「もうちょっとで見えるはず・・・・・・」



本来ならたくさんの車が走っているだろうに、今は人っ子一人いない道路。
そこに、ドラゴンレーダーを握り締め、時々その画面を確認しながら走る小さな少女の姿があった。

雄一郎から手に入れたドラゴンレーダー、そのレーダーの確認をしてみると、
本当にすぐ近くにドラゴンボールがあることが示されていた。
しかもそのドラゴンボールは移動している。つまり誰か参加者が持っているということ。
そう判断したマリィはその人物を確認するために先を急いでいたのだ。


(ドラゴンボールを持ってるのはどんな人かな。怖い人じゃないといいな。
 できればユウイチローみたいにあたしを守ってくれて、そして騙されてくれる人だといいんだけど。)


そんなことを考えつつ道路を走るのは若干10歳ほどの少女。
なんとも最近の子供というのは恐ろしいものである。

(見つけた!)

そんな彼女の視界にがむしゃらに走る一人の男の姿が映る。
奇遇なことに、それは数少ない彼女がこのゲームに来てから見知っている相手だった。
確か最初に殺された人の知り合いでゴクウという名前だったはずだ。
一人大声で叫び続けていたので印象に残っている。
あの男なら殺された人のために悲しんでいたようだし、いきなり襲ってきたりはしないだろう、そう判断した。

179 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:54:00 ID:L9nAP1Tv
■ ■ ■


「そこのひとー! ゴクウー! ドラゴンボール持ってないー?」

悟空は後方から聞こえた幼い少女の声に驚いて立ち止まった。
いつもならこんな距離まで近づかれればすぐ気づくはずだが、考えに没頭しすぎてたせいで気づかなかったらしい。


「おめぇ誰だ? なんでオラの名前とドラゴンボールを持ってることを知ってるんだ?」
「あたしマリィ! それはね、これ。ドラゴンボールを捜すレーダーがあたしの支給品だったの。
 あと名前はあのクリリンって人が呼んでたでしょ? あたしもあの場所にいたから聞いてたよ」


悟空に走りよったマリィはドラゴンレーダーを見せ、無邪気な笑顔を浮かべてそう言った。


「ドラゴンレーダーだ! これがあれば簡単にドラゴンボールを集められる。
 なぁマリィ、オラにこのドラゴンレーダーを譲ってくんねぇか? 
 オラ、どうしてもドラゴンボールを集めてクリリンを生き返らせたいんだ。
 おめぇも見てたなら知ってるだろ?あいつ死んじまった。
 でもドラゴンボールを集めてあの男をぶっ倒してやれば生き返るんだよ!」

悟空は熱弁をふるいマリィに頼み込む。
当然だ。ドラゴンレーダーなしでドラゴンボール探しなんて無謀そのもの。
今までのドラゴンボール集めはすべてドラゴンレーダーがあってこそだったのだから。
180 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:56:29 ID:L9nAP1Tv
「なに言ってるの? 悲しいのはわかるけど死んだ人は生き返らないんだよ。
 あたしもパパとママがいなくて寂しくてお兄ちゃんに頼んだことあるから気持ちはわかるけど……」
「いや! そんなことない! オラは実際にドラゴンボールで生き返らせたことがある!」

キョトンとしたマリィの言葉は興奮した言葉によってさえぎられる。

「神龍にあの野郎のせいで死んだ人を生き返らせてくださいって願いを叶えて貰えばいい。
 それでクリリンも、他にこの殺し合いで死人が出ててもみんな生き返るって
「ほ、ほんとに?」
「ああ! 本当さ、オラは嘘なんかついてねぇ。
 オラは今まで何度もドラゴンボールを集めて願いをかなえてもらってきたんだ。
 そんなオラが言うんだから間違いねぇさ」

悟空の自信に満ちた様子に、幼く、素直で思い込みの激しい性格のマリィは、
ドラゴンボールを集めたときのお願いは死んだ人間を蘇らせるなんてものでも大丈夫なのを理解した。
そう、そういえばあのとき言っていた。僕が叶えれる望みなら、全て叶えよう。
叶えられない願いなら、ドラゴンボールを集めれば神龍が何でも叶えてくれるって――。

「本当に……ドラゴンボールって集めたらそんな願い事までかなえてもらえるんだ・・・・・・。
 でも、あたしちゃんとした武器になるものなんにも持ってないの。
 ゴクウにこのドラゴンレーダー渡しちゃったら本当になにもなくなっちゃうよ。それより、ゴクウと一緒にいさせて? 
 そしたらゴクウはドラゴンボールを探せるし、あたしも誰かと一緒にいたい。
 ドラゴンボール探しのお手伝いもできるよ!
 ボールを渡してくれない人とかがいても、あたしみたいな女の子なら油断させられるかも」
「ありがとうマリィ。そうしてくれるとありがてぇ。もちろんマリィのことはオラが守ってやるよ」


こうして、『ドラゴンボールを集めてこのバトルロワイアルをなかったことにする』というスタンスのチームが誕生した。

 

 
181 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:58:33 ID:L9nAP1Tv
■ ■ ■




いい人と出会っちゃった。ゴクウはドラゴンボールについて詳しいし、
強いみたいだから殺し合いに乗ってる人からあたしを守ってくれる。
それに、あたしのためにドラゴンボールを集めてくれるしね♪

最後の一人になって、ハレのところに帰してっていうお願いするつもりだったいけど、
ドラゴンボールならもっと凄いお願いもできるんだ。
6個集めたらあのおじさんと勝負できて、勝ったらなんでも願いをかなえてもらえるんだよね。
勝負方法はなんでもいいって言ってたし、お洋服づくりで勝負とかどうかな。
きっとあのおじさんお洋服なんて作ったことないし、あたしが勝てるはず。
そしたらね! そしたらね! ハレがあたしだけに夢中になってくれるように頼むの!
絶対にハレを離さないほど魅力的になったあたし。
他の女なんかに目もくれず、あたしにだけ甘い言葉をくれるハレ。
ああ――なんて幸せな未来なんだろう。今から凄くうれしすぎて顔が緩んじゃう。



(ゴクウ、悪いけどドラゴンボールを全部集めたら、そしたらこの『お水』を飲んでね♪)





182 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 03:59:11 ID:L9nAP1Tv
【C-4 道路/一日目深夜】



【名前】孫悟空@ドラゴンボール
【状態】健康、クリリンの死に対するショック
【装備】なし
【持ち物】四星球@ドラゴンボール、ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)
【思考】
0:ドラゴンボールを六つ集めて主催者と勝負。
  主催者を倒して殺し合いで死んだ人達を全員生き返らせる。
1:マリィと一緒にドラゴンボール集めをする。

【D-4 カジノ/一日目 黎明】



【名前】マリィ@ジャングルはいつもハレのちグゥ
【状態】健康
【持ち物】ディパック(基本支給品一式・水と食料が二人分)、ドラゴンレーダー、カビ取り洗剤、
       超神水@ドラゴンボール(残量1/3程度)
【思考】
0:ドラゴンボールを六つ集めて主催者と勝負。
  ハレが自分にだけ夢中になるようにしてもらう。
1:ゴクウと一緒にドラゴンボール集めをする。全部集めたらゴクウは用済み。


※参戦時期はベジータとナッパが地球に来た頃です。






183 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 04:00:42 ID:L9nAP1Tv
ごめんなさい>>182のマリィの位置表示はミスです。
2人ともC4にいます。
184名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 04:15:50 ID:wSJmbyPw
投下乙ですー。
最後のパートで思わずゾッとしました。
やっぱりマリィ怖いよー!?
185創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 15:00:38 ID:wSJmbyPw
>>183
あ、wiki収録したいのでタイトルを教えていただけるとありがたいですー
186創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 16:02:38 ID:mhjQ4R03
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        >>175様、>>183様投下乙でございます。
     ゝ ゚д゚)       フェイト様と神威様……息もつかせぬ超人バトル、最高でした
    /<▽>        そして、幼女マーダーの暗躍ぶり、双方ともに……クククッ……失敬
    |::::::;;;;::/      バトルロワイアル、始まりのはじまりが終わろうとしていますね
    |:と),__」      
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
187創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 17:28:42 ID:DOrjdQeY
昨日寝た後に2つも投下来てたのか
2人とも投下乙です!

神威はマーダー化、フェイトも未知数ながらなんだか危険そう
クロスオーバーの面白さを感じられる対決でした!


そして、マリィやっぱり怖いw
スタンス的には綺麗な対主催なのに、この2人マーダーコンビにしか見えないよ
188創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 17:37:53 ID:mhjQ4R03
地図の画像めっちゃ増えてるな、GJ
マリィの画像恐いよw
189創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 17:40:56 ID:DOrjdQeY
え、マジで?
俺も見てこよう
190創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 17:49:10 ID:DOrjdQeY
神威の画像が一人だけキラキラしくてワラタw
あと画像がないのは斬、マンイーター、ラーヤ、ガク、ホルトかな
191創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 17:56:12 ID:mhjQ4R03
地図の真ん中を赤道のようにマーダーが埋め尽くしているというw
192 ◆hNkihqvF/. :2008/11/08(土) 18:42:58 ID:L9nAP1Tv
まさに赤い道だなw

>>185
アッー!またやってしまった
すみません、題名は「ドラゴンボールを探そう!」です
自分でwiki編集しておきました

>>190
アイドル小田桐とかグゥとか
他にもキラキラしてるやつはいるんだぜ
193創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 18:48:35 ID:DOrjdQeY
>>192
乙です!
しかし本当に地図が赤いw
194創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 18:55:21 ID:bVIvawTK
画像がないのは誰?
195創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 18:58:00 ID:DOrjdQeY
斬、マンイーター、ラーヤ、ガク、ホルトだと思う
でも見落としあるかも
196創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 18:59:40 ID:L9nAP1Tv
マンイーターはいれたいベストショットがあるんだけど
よりによってその巻だけがみつからない罠
うーん…・・・どこに置いちゃったんだろうハレグゥ1巻
197創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 19:02:36 ID:bVIvawTK
あり、よりにもよって持ってない漫画ばかり
198創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 19:04:23 ID:DOrjdQeY
>>196
「殺してやる」かw
そこだな?そこなんだな?
199創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 19:37:49 ID:wSJmbyPw
おお、いつの間にか画像が増えてる…!
今見たらガク、ホルト、マンイーターは追加されてるみたい。
しかもちゃんと「殺してやる」だw
200創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 20:11:35 ID:zYyqjWzW
超神水意味NEEEEEEEEEEEE
マリィちゃんそいつその水昔飲んでるから!
201創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 22:39:36 ID:DOrjdQeY
そういえばそうかw
悟空だけは超神水意味ないんだな
202創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 22:42:07 ID:bVIvawTK
さらにパワーアップする可能性はあるがw
203創る名無しに見る名無し:2008/11/08(土) 22:47:03 ID:DOrjdQeY
つまりいい相手どころか最低の相手と会ってしまった可能性があるんだな
まぁ幼女マーダーマリィならなにかやってくれそうだけどww
204創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 01:33:01 ID:c+/GBhp5
地図見てみた
マンイーター怖いw
205創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 04:57:49 ID:c+/GBhp5
GGGでksksしつつのんびりwiki編集〜
参加者詳細ってあんな感じでいいんかな
206創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 13:51:37 ID:jEg7gcB6
>>205
おつー
口調とかも書いてあるのいいね
俺も知ってるキャラのやつ書いていこうかな
207創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 14:09:16 ID:c+/GBhp5
今見たらSSタイトル元ネタのページも増えてた
だんだんwikiが充実していくねー
208創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 14:43:49 ID:c+/GBhp5
お、予約ktkr
209創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 16:42:44 ID:+uUo/Ug3
さり気に、ドラゴンボールが一つ不明ってのはナイスだな、まあネギが持って登場するかも知れんが…
210創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 16:46:24 ID:c+/GBhp5
まだ支給品確認してないやつが多すぎるから誰が持ってても不思議じゃないんだよな
211創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 16:50:49 ID:jEg7gcB6
ドラゴンレーダーももう少し出ていいと思う
いろいろと情報戦ができそうだし
212創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 17:38:25 ID:+uUo/Ug3
ドラゴンレーダーは……ありすぎると扱いに苦労しそうなんだよな
まあ増えすぎたら破壊すればいいだけなんだけど
夜行、幼女、新一と北、南、真ん中とバラけてるから個人的にはちょうどいい数かな
不明支給品が多いから、沢山出てきてもいいとは思うけど
213創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 17:41:43 ID:c+/GBhp5
マリィは完全に幼女で定着かw
そういえば洋服作りで勝負したら勝てるとか考えてたけど、お屋形さまならあっさり勝ってくれそうだ
214創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 17:46:34 ID:+uUo/Ug3
確かにw
でも洋服作り勝負っていうのは思いつかなかったわ
そうだよな、各キャラ得意な勝負の一つや二つあるよな
215創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 17:56:57 ID:c+/GBhp5
ちくちく縫い物やってるお屋形さまもシュールな光景だけどなw
216創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 20:29:09 ID:+uUo/Ug3
そういえば、書き手紹介の欄にコメントがついてるから読んでない人は読むことをオススメする。
自分のとこのコメント読むとニヤつきが止まらない
217創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 03:03:53 ID:K/C8Zjoy
また予約キター
218創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 13:22:27 ID:K/C8Zjoy
そういえばwikiの支給品編集してて思ったんだけど
支給品がでてる作品けっこう片寄ってるな
まだ何もでてない作品のやつ何か考えたいとこだね
219創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 16:49:02 ID:ADcAPF9P
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        月報まとめ様、ようこそ、我が安価漫画キャラバトルロワイアルへ
     ゝ ゚д゚)       私、倶楽部「賭郎」拾陸號立会人、門倉 雄大と申します。以後、お見知りおきを……
    /<▽>        早速でございますが当ロワの今期の成績は以上でございます。
    |::::::;;;;::/        投下22話、生存者(39/45)、生存率86.6%
    |:と),__」        他ロワの集計……応援させて頂きます。
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
220創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 19:58:11 ID:0lfKgL/P
生存率86.6%か
多いのか少ないのかよくわかんね
221創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 20:00:32 ID:K/C8Zjoy
んーまだ第一放送までもまだまだだし
今の死者がどうとかは言えんね
個人的には死にすぎも死ななさすぎもなくいいペースだと思うけど
222創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 20:04:56 ID:0lfKgL/P
まぁそうか
やっと2週目に入ったところだもんな
223創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 20:05:31 ID:K/C8Zjoy
マーダー危険人物てんこ盛りだから
どんどん死者が出そうではあるけどなw
224創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:14:46 ID:ADcAPF9P
パロロワ事典みて気づいたw
月報って15日だな、ある場所みて今日だと勘違いしてた
225創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:16:17 ID:K/C8Zjoy
そうなのか
じゃあまだSS増えるな
とりあえず最低でも2つは
226創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:18:44 ID:0lfKgL/P
このロワって開始日いつだっけ
227創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:20:54 ID:K/C8Zjoy
予約開始は10/17の金曜だね
228創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:22:52 ID:0lfKgL/P
>>227
あり
もうすぐ1ヶ月なのか
229創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:24:25 ID:ADcAPF9P
週一で投下している書き手が複数いる…だと…
230創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:26:40 ID:K/C8Zjoy
まぁ今までの作品は6人の書き手が書きまくった結果であるからして
1人も1作だけの書き手がいないのは凄いよな
231創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:37:38 ID:ADcAPF9P
六人って聞くと少なく感じそうだけど
自分除いて五人も良書き手がいるなら中盤以降も安心できそうだしな
各書き手さんの特徴も見えはじめて面白い
232創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:40:57 ID:K/C8Zjoy
贅沢言えばもうちょっと人を引き込めたら引き込みたいところだけどなー
まぁ将来の不安は感じないね
233創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:46:51 ID:0lfKgL/P
やっぱり何も知らない状態で読んでみるかっていう魅力まではまだ出せてないのかな
マイナーだけどどの作品も面白い名作なのにね
234創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:50:48 ID:ADcAPF9P
そう言われると、まだまだ精進が足りないか
でも面白い作品は多いんだけどな
特に最近のバトル連打は普通に面白かった。
235創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:55:11 ID:K/C8Zjoy
その作品のファンなら垂涎物のSSが多いよね
キャラ的には俺は幼女マーダーと夜行さんに期待
236創る名無しに見る名無し:2008/11/10(月) 23:58:22 ID:ADcAPF9P
ネギまは未だに読んでないけど、魅力あるなあと思ったなSS読んで
キャラはダマに期待かなw
237創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:00:44 ID:0lfKgL/P
俺は僧我に別の意味で期待w
238創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:03:11 ID:XVrNhZ+5
グレートソガッマンかww
239創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:04:31 ID:eUHVnvIP
近くにいるのが、これまたコスプレしている老人なんだよなw
240創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:05:52 ID:XVrNhZ+5
どっちもDB物のコスプレだしなw
しかもそこに幼女マーダーとマーダー対主催が向かっているという
241創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:24:36 ID:x7EzrCDZ
向かってたっけ
242創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 00:27:01 ID:XVrNhZ+5
いやドラゴンレーダーがあるから
思考的に一番近いボール持ちの鷲巣のほうへ向かうかなと
それなら途中でグレートソッガマンにも会いそうだし
243 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:19:46 ID:QbGw37Do
赤木しげる、泉新一、カール投下します
244 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:22:53 ID:QbGw37Do
木々が茂る薄暗い夜道、辺りには地面を臥しこむ二つの足音だけが流れる。
一人は赤木しげる、一人は泉新一、そしてその右手に寄生しているミギー
それが当然のように二人の間には、目に見えて距離があった。

「……そう、怒ることでもない……なに、光点まで連れていってくれたらいいだけだ、簡単なことよ」
「……」
「クククッ……嫌われたな」

新一が怒るのも当然のこと、ドラゴンレーダーを直してやると赤木は言った。
それは置き換えると自分が破壊、故障させたと宣言したようなものだ。
誰が自分の行動を邪魔する男に、心を開くものがいるだろうか
そんな新一の思いを無視して赤木は語りかける。

「……ところで新一、お前は殺し合いをしないと言っていたが、その最終目的はどこにある?」
「……最終目的??」
「……そうだ、最終目的」

(生き残ることだ)

ミギーは心の内で赤木からの質問へ即答する。ミギーの答えには常に生きるという根底がある。
しかし、人間である新一は即答できずにいた
……殺し合いはしたくない……そして、ドラゴンボールも集める気はない
ミギーに聞いてもこの殺し合いに『穴はない』という……だから、この殺し合いを止める為にも壊す為にも人を集めるつもりだった。
だが……最終目的……それは……

「なんだ? 答えられないのか?」
「クッ……一人も死なずにこんな馬鹿げた殺し合いを止めることだ!」
「……そうか……しかし、どうやって止める?」
「そんなこと、人に会ってから考える」
(……無茶だ)
「クククッ……なるほど……だがお前の右手はなんと言っているのだ?」
「!!」(!!)

何度目か分からない緊張がミギーと新一の間に走る。

「……なに、隠すことはない……最初に出会った時からお前は変だった……だが、それ以上に……」
「それ以上に?」
「……お前は人間じゃない」
245 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:27:10 ID:QbGw37Do
「……えっ!?」

人間じゃない……今まで、それとなく言われてきたこともあった新一……
だが、ここまで言い切られたことは初めてだった。

「……人間じゃないというのは言いすぎかも知れないが……少なくとも、『混ざっている』……!
 人間ではないソレが……お前の瞳を見れば分かる」

深い闇と黒が混ざる赤木の瞳が、新一の瞳の奥の奥へと覗き込む

確かに新一の住む世界にも本能で正体を見破ってくるものはいた。
新一は気づいていないが、浦上と呼ばれる殺人鬼は新一の正体を直ぐに見抜いてきた。
それは殺人という生物の本能にのみ従って生きてきた浦上のみに与えられた一種の超能力
本人曰く、自分自身が『人間』……『人間』だからこそ、それ以外の種族を判別できると……
そして、新一の前にいる赤木しげると言う男……この男も浦上とは違う形であるが、『本能』に生きてきた男。
その男が新一の中に混ざるソレを見逃さないことは、最早、当然のことであった。

(…………)

「そ、そんなことありませんよ」
「……クククッ……事情があるのか……だが、此処まで俺が問い詰めている以上、お前が正体を明かそうが明かさまいが
 状況は変わらない……いや、むしろお前への疑惑が強くなってレーダーを直さないかも知れないな……」
「……そんな」
「それにな……もう桐間という男に正体がばれていることは必須……必然……!」

赤木の邪推な横顔が新一の心を沈ませる。
だが、それでも新一は喋るわけにいかなかった。喋ったらミギーが赤木を殺す……それだけは避けたかった。
それはこの殺し合いの舞台でも、日常においても変わらない。

「もういい、シンイチ」
「なっ……ミギー???」
「ほう……これは予想外だ……」

言いたいけど、喋れない……その葛藤で彷徨っていた新一の前に
本来の右手の形ではなく異形の形をした右手の姿……ミギーが赤木へと正体を晒していた。

「赤木の言うとおりだ、ここで私の存在を隠し通しても意味がない……それにこの男に興味が沸いた」
「それは光栄だな……クククッ……」
「いいのか?」
「構わないさ、君が死ぬことやレーダー復帰に比べたら些細なことだ、それに赤木が言うとおり桐間という男にはバレているだろう」

簡単に言ってくれるミギーを他所に、新一は驚いていた。それも無理はない。
246『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:29:47 ID:QbGw37Do
いくら、主催側である桐間に正体がバレている可能性が高いとはいえ、彼が知る限り、ミギーが自分から正体を明かしたのは初めてのこと
常に冷静にしているミギーがその判断を下すほどの人物
……赤木しげる……只の年寄りではないと思っていたが、それほどまでの人物だと新一は改めて認識する。

「……新一……改めて自己紹介してもらおうか?」
「分かった、こいつはミギー」
「……クククッ……そうじゃない、そのミギーの生まれた理由……そして、お前のこれまでの人生を聞かせてくれるか?」
「人生?」
「そうだ、新一、お前の一風変わった人生……それを聞かせてくれ……それによってはお前の殺し合いを止めるということ
 ……そのヒントをやれるかも知れない」
「ヒント? 止める術を知っているのか?」
「……正確には違うが、ヒントにはなるはずだ」
「……わかった、正体を明かした以上、私とシンイチとの関係、そして私に関わる仲間についての情報を話そう」

ミギーと新一……二人は赤木に自分達の馴れ初め
その後の人生、つまり寄生生物との戦いの日々を話していく。
女教師のパラサイト「田宮良子」が紹介してきた男「A」との戦い
新一の人生を変えたミギーの寄生よりも、更に新一の全てを変えた戦い……母親に寄生したパラサイトへの復讐劇
その際、新一は胸に致命的な一打を受けたが、ミギーの働きにより一命を取り留めた。
それと同時に新一の体内にミギーの一部が残留する事態になり新一の身体能力は驚異的に向上した。
他にも、新一に想いを寄せた少女、加奈の死など……とても一人の高校生が耐え切れるものではない出来事の数々
最初から最後まで後味の悪い話……中でも新一の母親が殺されたときの話になると新一の残された左腕が強く軋んでいくのを、赤木とミギーは見逃さなかった。

「……事情はよくわかった……つらい話をさせてすまなかったな、新一」
「……いやいいよ……俺は知り合いの女の子が死んでも泣くこともできない男だから」

ミギーの一部が体内に残留しているせいなのか、新一は周りから冷たい、冷静と言われることが多くなった。
それは新一本人は当初気づかなかったが、加奈の死、いつも傍にいてくれた里美からの一言
どんな事態に陥ろうと落ち着ける体質、これらが気づかせてくれた。
ミギーには褒められるほどの精神力を手に入れたが、それが新一を孤独にさせていく。
―――まるで胸にぽっかりと穴が空いたように

「……新一、話を聞く限りお前は自分が冷たいと思っているようだな」
「ええ、泣くときに泣けない、悲しむこともできない、ただ漠然と空白ができるだけ」
「……フフッ……人間は皆冷たいさ……泣けば悲しんでいる……そんなもの虚像にすぎない……!」
「でも」
「……まあいいさ、お前にもいつか分かるときが来る」

いつか分かるときが来る、その言葉を発する赤木は自分に言い聞かすようであり、独り言であるかのように
どこか影を落とすもの言いであった。
247『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:32:24 ID:QbGw37Do
「……それで話は変わるがお前達は名簿を確認したか?」
「まだ……」
「した、私が確認して全て暗記している」
「ミギー、何時の間に?」

驚きはしたが、声を重ねるミギーをみて、改めて頼もしく思う。
確かに名簿の確認を怠っていた。そんな基本的なことにさえ頭が回らなかった。

「生き残る為には当然だ……そうだろ、赤木」
「……ああ、そうだ ミギーが暗記しているなら話が通じると思うが……さっきお前達が話した中で登場した寄生生物
 後藤が参加者の中にいるな」
「その通りだ」
「……そして、お前達の知り合いは後藤しかいないと」
「その通りだが、不満か?」
「……不満だ、泉新一の横には後藤の文字……そして、その次の名前は浦上……この男の名前を本当に知らないのか?」

ミギーと赤木の会話に今一つなじめない新一であったが、浦上という名前にどこか聞き覚えのある気がしてくる。
だが、それ以上のことは出てこない。

「私もシンイチも知らないな、浦上という苗字は沢山あるが、私達に深く関わる浦上と言う人間はいない」
「……そうか……なら浦上というものは一人かも知れないな」
「一人?」
「……此処までだと、まだ分からない……しかし、俺の知り合いを言えばお前なら気づくはず……
 ……この名簿の中にある、井川ひろゆきと僧我三威は俺の知り合いだ」

ここに来て、ミギーはようやく気づいた。後藤の名前が横にあるだけでは確信できなかったこと
それが赤木と新一の知り合い……その二つから名簿を覗けば自然と見えてくる

「並びか」
「……ああ」

理解している二人を置いて、新一だけ付いていけない。
そんな新一を察したのかミギーが新一へと語りかける。

「いいか、シンイチ、最初ルールの説明をされた部屋で私たちはクリリンという少年、シェンロンと呼ばれる謎の神
 ドラゴンボールと様々な非現実を目の当たりにした」
「ああ」

確かに非現実、幾ら寄生生物の存在を知っている新一でもあのような龍の姿、とても現実とは思えない。

「もし、あれを事実と認めるなら、私達の世界にあのような生物がいたことになる……しかし、断言しよう
 ドラゴンボールも、あのシェンロンも私達の世界には存在しない……存在してはならないものだ」
248『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:36:11 ID:QbGw37Do
「……俺の世界にも存在しない……ついでにいうとお前達の世界のように寄生生物による大量殺人も発生していない
 ……それだけではなく、西暦……つまり時代が違う」

時代が違う……これには新一も驚く、小説などのフィクションでしかそんなことはありえないと思っていた
しかし、現実に目の前に存在する赤木は西暦が違うと告げた。そう言われると信じるしかない。

「それらを全て含めて見えてくるもの、それは私達とは世界そのものが違う生物がこの会場には沢山いるということだ
 名簿を見ずとも分かっていたことなのだが、赤木との話でもう一つわかったことがある、それは……」
「……名簿の順番……同じ世界から複数連れてこられ……その世界ごとに固まった順番でこの名簿に並んでいる」
「でもそれが分かって何か変わるのか?」
「変わらない」
「……まあ、そうだな」
「そんな」

ヒントになると言われ、もっと具体的な答えが返ってくると思っていた新一は軽く落胆する。

「……だが、お前が殺し合いを止めたところで、この場所からどうやって脱出する?どうやって首輪をはずす?
 ……殺し合いを止めるということは……そうだな……言わば脱出と首輪……この二つの楔を解いてようやく達成される」
「そして、その脱出と首輪外しの為に重要なことは複数あるが、今できることは主に二つだ
 一つ、この殺し合いを開催した人物、桐間創一と同一世界の人物を探すこと
 一つ、ドラゴンボールに詳しい人物を探すこと……簡単に言えばこの二つ」

赤木とミギー、二人の声が交互に被さっていく。

「その二つ、それを達成する際に名簿の法則を参考にすれば合理的という話だ、シンイチ」
「……そう……それこそが脱出……この殺し合いを止めることへの第一歩になる……!」
「本当はシンイチに言うつもりはなかった、行動を起こすと死ぬ確率が増えるから」
「……俺も言うつもりはなかったが……まあ、ミギーの件に免じて教えてやったわけだ……」
「……二人とも」

赤木とミギー……この二人は新一から見ると最強のタッグ。
ただ、漠然と殺し合いを止めたいと思っていた新一にこれからの行動方針、最終目的への通り道を教えてくれた。
だが、それだけに新一、赤木、ミギー三人の方針違いが悔やまれるものだった。
249『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:41:31 ID:QbGw37Do

今は、ドラゴンボールの在り処、つまり光点の位置へ向かっているのだが
それまでに何とか二人を説得して、自分とともに殺し合いを止めるようになってもらいたい、そう願わずにはいられなかった。
しかし、何度も赤木を説得するが、当然のように聞く耳を持たず、ミギーにいたっては俺を無視して赤木とずっと話しをしている。

「赤木は私が会ってきた人間にはないものを持っている、単純に好奇心で彼と接しているだけだから気にするな」

だとよ、それは好奇心ではなく、好意なんだよミギー
赤木とミギーの間に若干の嫉妬も入るが、二人の話にはイマイチついていけず、ただ足を進めていく。

「……ミギー、お前はこのギャンブル……殺し合いをどう考える?」
「愚問だな、先ほどはシンイチに助言をしたが、まず優勝以外には手がない、赤木にもシンイチにも悪いが私の目指すものは優勝一点だ」
「……やはりそうか……お前は新一とは違う考え……しかし……甘い!……その考えは甘い……!」
「甘い? この私の思考が甘い?」
「……そうだ、ミギー……お前は甘い」
(ミギーに反論している? これは初めてみるな)

「……お前と新一……二つで一つ……これを忘れるな……それが原点、お前達の強さのはず……!」
「なるほど、一理ある」
(ミギーが素直に聞き入れてる?)

新一が何かあるたびにフォローに周る、サポートする。
言い合いになっても、ミギーの理論は崩れない、折れるとしてもそれは新一自身が本体であるがゆえの納得
第三者からの忠告、それをミギーが素直に受け入れている……新一にとって、それは予想の斜め上をいくものだった。
新一は意識せずに、二人の空気は独特……人間が踏み込める領域ではないと認識をした。
まるで右脳と左脳の喋り場にいるかのような錯覚に陥る。

「……それにな……このギャンブル……殺し合い……抜け道はあるッ……!」
「悪いが赤木、そこには反論させてもらう……首輪に並ぶ数々の仕掛け、これらを解くのは不可能だ」

お互いが自分の意見を完全に言い切る

「……ふふ……ミギー、お前が主催者ならそうだろう……きっと100%脱出不可能な仕掛けにしてくるはずだ
 ……悪いなミギー……人間とはそういうものではないのだ」
「理解できない、あの桐間という男がわざわざ脱出可能な状態にしているとでも言うつもりか?」
「その通りだ……」
「ありえない」
「ふふ……それがありえるのさ……人間は合理性で生きていない……考えてもみろ、保身を考える人間が最後、ドラゴンボールを6つ集めた者と勝負などするか?
 ……奴は勝負したいのさ……奴も自分の命をかけてギャンブルに身を染めている……狂気の沙汰にいる人間……」
「ますます理解できないな」
250『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:45:25 ID:QbGw37Do
「そうさ……理解なんてものはできないところにいる……脱出不可能な場所なんてひとつもない……
 それを、人が作ったものなら尚更な……奴は無意識のうちにスリルを楽しむ……そこに必ずスキがある……!」
「なのに、お前はシンイチと同じように殺し合いを止めて、脱出を図ろうとはしないのか? そうしてくれればシンイチも喜ぶ」
「……駄目だ……俺はドラゴンボールを集めて最後のギャンブルに挑む……そこは譲れない……」
「赤木、お前は全てに偏っているな」
「そうだ、俺は偏っている……それのみに頼って生きてきた……今更変える気もない……」

ミギーと赤木、二人の話は光点の位置にたどり着くまで止まることはなかった。
所々、脱出、首輪に関する考察も話しているようだが、新一がその話に混ざるわけではなく、いや混ざることはできないものだった。
代わりにその卓越した感覚で周りの気配を探りながら歩を進めていくのだった。



 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □




「……着いたか」

赤木がそっと零す。
一番近い光点、それは暗闇の中でも一層の闇が漏れている建物……廃ビル
廃墟に棲む裸の王 カールが待ち受ける廃ビルへと赤木、新一、ミギーはたどり着いていた。

「……この中にドラゴンボールがあるのだな?」
「ああ、間違いない、この中にある」
「……じゃあ行ってくる」
「ああ」
「じゃあな、新一、ミギー」

赤木の背中だけを見届け、新一は廃ビルから遠ざかっていく。

「ミギー、レーダーの件はよかったのか?」
「……それはいい、アレは赤木のブラフだ」
「ブラフ?」
「君は知らなくていいことだ、赤木は私の存在を明かしたことで君への邪魔をやめたんだろう
 それが彼なりの礼儀のつもりらしい」

そう、赤木は新一のレーダーを奪おうと思えば如何なる手段を用いてでも奪うことができる。
当然、単純に腕力の差では奪えないが、知力、騙しあいにおいては赤木に勝てるものなどいない。
それを実行しないということは、ミギーの言うとおり赤木なりの新一とミギーへの配慮だった。
251創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:46:24 ID:xbw9fUfp
お、投下来てる
支援!
252創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:47:28 ID:xbw9fUfp
支援
253創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:47:50 ID:xbw9fUfp
支援
254創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:48:49 ID:xbw9fUfp
支援
255『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:49:21 ID:QbGw37Do
「そうか、また会えるといいな」
「それは難しいかも知れない、あのビルには外から見ただけでも罠が沢山しかけてあった」
「な、それを言わなかったのかミギー?」
「言わなくても赤木は分かっている、だから私達についてこいといわなかった……赤木はそういう男だ、私達にこれ以上できることはない」
「……でも、赤木さんは危険な場所に踏み込んだ、俺達が助けに入らなくていいのか?」
「それには賛成できない」
「賛成できないって! また、俺達の命優先かよ! あんなに仲良くしてたっていうのにッ!」
「関係ない、私と赤木、仲がよかったではない……人間の言葉で言えば我々は似たもの同士……そう、同じ匂いがしただけ……それだけのこと」
「……そんな」

新一には理解ができない。
赤木とミギー、二つの生物に流れる空気は常人からみて異常そのもの
何も、高次元といっているわけではない
お互いがお互いを好いているのに行動に移せない
だが、それは二番……自分達の行動の指針になるものとは雲泥の差がある。
一番に守らねばならぬものを最重要とみる彼らにとって、二つ目以降にある感情は所詮戯言。
ミギーと赤木……この二人が自分達の信念を崩すことは恐らくない
ならば、二人が再び出会うことはほぼないだろう。

―――――泉新一が駆けないかぎり



【E-8 廃ビル付近/一日目早朝】

【名前】泉新一@寄生獣
【状態】健康
【装備】ボウガン(矢8/8)@現実、ドラゴンレーダー2@ドラゴンボール
【持ち物】ディパック(基本支給品一式)トランプ@現実
【思考】
1:赤木を一人で行かせてよかったのか……
2:何としても殺し合いを止めたい
3:桐間に関わりのある人物、ドラゴンボールに詳しい人物を探す

※参戦時期は原作七巻、後藤(三木)から逃げ延びた直後

【ミギーの思考】
1:何としてもシンイチを生き残らせたい。なるべく危険な事には関わりたくない
2:……赤木

※赤木とミギーで脱出、首輪に関する考察をしました新一は聞いてません。
256創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:51:09 ID:xbw9fUfp
支援
257『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 14:51:46 ID:QbGw37Do
一方、赤木は廃ビル一階中央部に足を進めていた。

「寄生虫か……」

赤木しげるは内心喜んでいた。
自分と対等に話せる生物……それは人間ではなかったが確かに存在した。
今までも対等に話せる人物がいたにはいた……その代表は天という男……しかし、天は自分とは違う、赤木が闇なら天は光、匂いが違う
自分と同じ匂いを持つ存在、それを感じたのはミギーが初めてだった。
赤木は思う、死の瞬間の最後の言葉はミギーと自分、恐らく同じ言葉を発するだろうと
短時間でそこまで、お互いを理解した……したからこそ、だからこそ、ミギーは自分の行動を咎めなかった。
赤木もミギーも基本は独りなのだ。
ミギーは赤木と接触し、『死にたがり』と思った。
赤木はミギーと接触し、『生きたがり』と思った。
死と生、この二つをお互いに感じながらも二人は同じ匂いを持つ存在。
それは二人の生と死、二つの考えが類似しているが故……
生と死は表裏一体ではない
闇と光……表と裏……違う……!
生と死は近しい存在、それこそが生物……極端な思考の違いを持つ二人だが……根元にある思想……それは同一のものだった。
同じ匂いを持つもの、このビルからドラゴンボールを奪取したならば、新一の元へ、ミギーの元へ戻るのも悪くはないと赤木は思う。

「それにしても……クククッ……一階には何のトラップもなしか……」

廃ビル一階、トラップはなし
それは侵入者にとって安心させるに十分。
初めて、この廃ビルに侵入するものからすれば、殺し合いの舞台での建造物
警戒しながら侵入することは必然である。
だが、一階に何もなければ侵入者はただの建物であると理解するだろう。
一階にトラップがないというのはそれ自体が心理的トラップなのだ。
しかし、赤木は揺るがない。

「ほう……これは……」

二階への階段の手前、壁に廃ビル内面図が張り出されていた。
258創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:53:14 ID:xbw9fUfp
支援
259創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:53:40 ID:xbw9fUfp
支援
260創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:54:24 ID:xbw9fUfp
支援
261創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:55:13 ID:xbw9fUfp
支援
262創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:57:06 ID:xbw9fUfp
支援
263創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 14:59:46 ID:xbw9fUfp
あれ?さるさん?
264創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 15:03:59 ID:xbw9fUfp
廃ビル攻略wktk支援
265創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 15:06:21 ID:xbw9fUfp
あ、やっぱりさるさんか
支援し始めたのが遅すぎたね……
266代理投下:2008/11/12(水) 15:13:08 ID:xbw9fUfp
28 :『死』と『生』本スレ257の続き ◆.vzz4BKePU :sage :2008/11/12(水) 15:04:25 ID:cSDkELX.0
その内面図によると、このビルは少々特殊な構造になっており、階段が一階から最上階の七階まで連続していない。
一階から二階への階段を登ると次の三階への階段は二階フロアの反対側、つまり必ず各階部屋の中央を通らなければならなかった。
それはまるで、RPGや少年漫画の敵地への侵入と似ている。
一つ、一つクリアして進んでいく、それを地でやらねばならないと思わせるもの

「クククッ……踊ろうじゃないか……このビルで……」

しかし、赤木は止まらない……この死の廃ビルに突撃することが自分の運命であるかのように



【E-8 廃ビル/一日目早朝】

【名前】赤木しげる@天〜天和通りの快男児〜
【状態】健康
【装備】八星球(ダミードラゴンボール)
【持ち物】ディパック(基本支給品一式)不明支給品0〜2個(確認済みかも)
【思考】
1: 廃ビルを制覇し、ドラゴンボールを手に入れる、手段、方法は問わない
2:ドラゴンボールを集めて主催者と勝負する。殺し合いが終了する前に、なんらかの手を使い早めに勝負したい。
  ドラゴンボール争奪戦には乗るが、殺し合いに乗るつもりはない
267創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 15:16:43 ID:xbw9fUfp
あ、ヤバい携帯だとこれ以上コピーできない
本来はこの後にカールパートがあるんだけど
268『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 15:17:41 ID:QbGw37Do

そして、赤木の侵入をカメラ越しに捕らえている男が此処に一人

「ハッハ……最初の犠牲者は彼かな?」

一人の老人の侵入……白髭の男、カールはその程度にしか捉えていない。
最初の準備運動、そう廃ビルの威力、脅威を確かめる最初の実験体
その程度の相手、カールは相手の名前も素性もさほど興味が沸かない。
勝つのは自分のみと信じている、つまりカールにとってはただのゲームなのだ。

「……さあ、ゲームの始まりだッ!!」




【E-8 廃ビル/一日目早朝】



【名前】カール@嘘喰い
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】ディパック(基本支給品一式)
     廃ビルの罠図面、モニタの説明書、ドラゴンボール(五星球)
【思考】0:私は賭郎に選ばれた! エクセレント!
1:ドラゴンボールに誘われて廃ビルにやってきた参加者の死を眺める。
269『死』と『生』 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 15:18:37 ID:QbGw37Do
>>267
仮投下ありがとうございました。
ここまでで投下終了です。
270創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 15:23:36 ID:xbw9fUfp
あ、よかった
いろいろ試行錯誤してたよ
赤木の参戦時期が抜けちゃってるので、wiki編集のときは注意してください

しかしできないのに気楽にやるって言っちゃダメだね俺
271 ◆.vzz4BKePU :2008/11/12(水) 15:26:11 ID:QbGw37Do
いやいや、かなり助かりました。ありがとうございました
272創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 15:32:01 ID:xbw9fUfp
っというわけで感想

投下乙!
なんか赤木とミギーが仲いいよ
もう結婚しちゃえよこいつら
違う作品のキャラで、しかも片方は寄生生物なのにここまでわかりあえるとは

しかしこれからの赤木の廃ビル攻略が楽しみすぎるね
果たして新一はこれからどうするんだろうね
273創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 17:27:36 ID:jATvUEDo
投下来てる!

確かに赤木(老)とミギーは似てるかもしれんな
仲間外れな気分になってる新一が哀れw
274創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 19:21:17 ID:C6g5eyXH
投下乙
アカギかっこいいよアカギ
275創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 22:38:35 ID:Gd/VvHSi
投下きてるきてる!
アカギマジかっこいいな、あとミギーがなぜかかわいい
そこまで仲いいなら一緒に行動すればいいところをあえて離れたのも2人の性格ゆえか…
276創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 23:17:56 ID:7DayUh8O
投下と代理投下乙!
アカギとミギーかっこいいなー
277 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:05:35 ID:IVoiyvcA
ミギーとアカギが似たもの同士だってこの話読んで初めて気が付いたよ
これぞクロスオーバーの面白さだね

っというわけでスケさんと姫乃、投下します
278「隠れて2人で作戦会議!」 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:06:52 ID:xbw9fUfp
「じゃあ改めてこれからどうするか考えようか」



スケさんと姫乃は最初に出会った地点より少し離れた潅木の茂みに移動していた。
あの場所は見晴らしが良すぎて、どこに殺し合いに乗った人間がいるかわからないこの状況では危険だと判断したためである。
近くまで来られればすぐわかるとはいえ、少しでも自分達の身を隠せる場所でゆっくりと話したかったのだ。
隠れるにはあまりにも心もとない場所だが、何もないよりはマシだ。
これでもスケさんの支給品だったロープで周りの枝を縛って集めているので、ある程度の偽装は出来ている。



「まず、最優先することは信頼できる仲間との合流だね。
 そのためにこの拡声器をどう使うのが一番いいか考えなくちゃいけない」
「あ、その前にスケさんに聞いていい? スケさんは名簿に知り合いとか載ってなかったの?」



スケさんの言葉をさえぎるように身を乗り出して姫乃が尋ねる。
少し落ち着いたことで、目の前の透明人間自身のことが気になってきたらしい。



「そうだね。俺も姫乃さんの友達のことは名前しか聞いてないし、まずは情報交換をしようか。
 親しい友人はいなかったけれど、知り合いならいたよ。この孫悟空とヤムチャとは前に闘ったことがある」
「闘った!? この2人危ない人なの!?」



姫乃は声を荒立てる。彼女の常識では闘うのは相手が向こうから襲ってきたか、
もしくはそのままにしておけないほど危険な相手か、そういう場合しかないのである。
ましてやスケさんは少し話しただけでもわかるほどいい人だ。こんな人と闘うなんてその2人はきっと危険人物に違いない。



「違う違う。試合として闘った事があるのさ。残念ながら負けちゃったけどね。
 なかなか信頼できる相手だと思うよ。2人ともこの殺し合いには間違っても乗らないだろう。
 むしろどこかで人助けとかしてそうだね」



透明だからよくわからないがスケさんは肩をすくめたのだろう。浮いてるように見える首輪が上下する。
姫乃は、苦笑してこの同じ殺し合いの場にいる知り合いに思いを馳せるスケさんが見えた気がした。
ただ一度闘った――それだけの相手でほとんど面識もないのだが、スケさんはどこか自信ありげだ。



「そうなんだ・・・・・・よかった。いい人達なんだね。」
「ただ……最初に見せしめで殺された背の低い男を覚えているかい? あいつはクリリンといってこの2人の仲間なんだよ」
「あの人の友達だったんだ……。じゃああのとき叫んでた人が悟空さんかヤムチャさん?」
「あれが悟空だよ。黒いツンツン頭のやつな。ヤムチャも同じように黒い髪で――」

279「隠れて2人で作戦会議!」 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:08:07 ID:IVoiyvcA


◆ ◆ ◆


「うーん。姫乃さんの世界の死人は頭の上の輪がないんだな。そこで幽霊だっていうガクくんを見分けるのは無理か。
 でも聞いた限りじゃかなり個性的なやつみたいだし、見ればわかるだろ」

最初はお互いの知り合いの情報交換だけのはずだったのだが、2人で話しているうちにいろいろと盛り上がってしまった。
姫乃はうたかた荘での生活を語り、スケさんは占いババに共に仕えるドラキュラマンやミイラくん、アックマンなどとの生活を語る。
おかげで、透明人間という見たこともない人種になかなか慣れなかった姫乃もスケさんに馴染んだので結果オーライかもしれない。

そして――、この話でわかった重要なこと。それはスケさんと姫乃がいた世界は違う世界である可能性が高いということだ。
そもそも姫乃の世界に透明人間なんてものはいないし、世界情勢、有名人の話、死んだ人間がどうなるか。なにもかもが一致しない。
そう、ただ違う国からつれてこられたとかそういうレベルではないほどに――。
だから、2人は納得した。主催者は他の世界から人を集めてこられるような力を持っていることを。

「よし! じゃあこれくらいでお互いの話は置いとこう。最初の話に戻ろうか。さて、これからどうするか」

しかし、それでも前向きなままだ。前向きなままで先のことを考えようとしている。
それは芯が強く、ここぞというときは譲らない強情さをもつ姫乃と、慎重で物事をしっかりと考えるスケさんの2人だからなのかもしれない。


「まず、向こうに見える塔と海の位置からして、俺たちがいるのはたぶんこのあたりだね。ちょうどC−8の位置」


真ん中に地図を広げ、周りに光が漏れないようガードしながら懐中電灯で照らして作戦会議をする。
自分が苦労した地図をあっさりと読むスケさんに感心しながらも、姫乃も周囲の地形について考えた。

「近くにあるのは神社と塔かぁ。塔の周りは市街地なのかな。
 でも市街地には他にも建物あるみたいなのに、なんで塔と廃ビルだけ書いてあるんだろう」
「それは確かにそうだね。塔は目印になるものだからわかるとして、廃ビルだけ名前が書いてあるのはなにか意味があるんだろうか?
 この名前が書いてないビルもよくわからないね。しかし、縮尺も書いてないとはなんて地図だ。コンパスを見ると上が北のようだけどそれすら書いてない」
「スケさん凄いね……私そんなのわからなかったよ。田舎じゃ地図なんてそんなに見なかったし」
「ハハハ。俺のほうが年上の男なんだから、これぐらい大人ぶらせてくれよ」

やっぱり先ほどの雑談のおかげだろう。お互いリラックスして話が出来る。
和やかな雰囲気のまま作戦会議は進んでいった。
280創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:08:37 ID:BtemeCR/
支援
281創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:10:25 ID:BtemeCR/
支援
282創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:10:42 ID:pDWc9t5H
支援
283「隠れて2人で作戦会議!」 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:10:54 ID:IVoiyvcA
「俺は拡声器をつかうならこっちからは近づいてくる相手がよく見えて、向こうからは攻撃しにくく、
 しかももしものときの逃げ道が確保されている場所じゃないとダメだと思う」
「そうだね。この近くだったら塔とかかな」

姫乃が地図の塔と書かれた場所を指差しながら、真剣な声で言う。
ここからでも見えるほどの高い塔だ。あの上からならさぞかし見晴らしがいいことだろう。
近くの地形はもちろんのこと、うまくやれば参加者たちも見ることができるかもしれない。

「塔は確かにいいね。当面の第一候補にしよう。周りの市街地には人も集まりそうだし。
 移動は夜のうちに闇にまぎれてしたほうがいいな。逆に拡声器を使うのは相手がよく見えるように日が昇ってからにしておきたい」
「じゃあまだ暗いうちに塔へ移動して安全かどうか確認しないとだね」
「そうだな。特に脱出路の確保は重要だ。塔を拠点にして仲間集めが出来るかどうかはそこにかかってる。
 移動中も殺し合いに乗った人間に襲われないよう細心の注意を払っていこう」
「もちろんだよスケさん! 結構長い間話しちゃったし、暗いうちに塔に移動するなら急がないと」

そうして、他人には見えない透明人間のスケさんと他人には見えない幽霊が見える姫乃のコンビは、市街地への移動を開始した。

284創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:11:43 ID:BtemeCR/
支援
285「隠れて2人で作戦会議!」 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:11:58 ID:IVoiyvcA
【C-8 潅木の茂みの中/一日目・深夜】



【名前】桶川姫乃@みえるひと
【状態】健康
【装備】拡声器@現実
【持ち物】研無刀@斬、ロープ@現実、ディパック(基本支給品一式)、
 スケさんのデイパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)
【思考】
1:暗いうちに塔へ向かい、安全かどうかを確かめる。
2:色んな拡声器の使い方を考える。
3:明るくなったら適した場所で拡声器を使う(今のところ第一候補は塔)
3:明神やガクに会いたい

※孫悟空、ヤムチャについて、DB世界についてかなりの部分を知りました。
※このゲームの参加者が異なる世界から呼ばれていることに気が付いています。

【名前】透明人間のスケさん@ドラゴンボール
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】なし
【思考】
1:暗いうちに塔へ向かい、安全かどうかを確かめる。
2:色んな拡声器の使い方を考える。
3:明るくなったら適した場所で拡声器を使う(今のところ第一候補は塔)
4:どうにかして殺し合いを破綻させたい

※明神、ガクについて、みえるひとの世界についてかなりの部分を知りました。
※このゲームの参加者が異なる世界から呼ばれていることに気が付いています。
※首輪だけは透明ではないです。首輪だけが不自然に浮いてるような感じになってます。
286創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:12:17 ID:BtemeCR/
支援
287創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:12:52 ID:pDWc9t5H
支援
288 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:14:01 ID:IVoiyvcA
支援ありがとうございます
またまた短い繋ぎですが以上投下終了です
最初の1レス目、コピペのときになにかミスがあったようで改行だらけになっててすみません
wikiでなおしておきます
289創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:17:55 ID:BtemeCR/
投下乙!
スケさんと姫乃がだいぶ打ち解けたようでなにより
しかし、「頭の上に出る輪」でひっかかるのかw
そこかよ!とツッコミ入れたくなったじゃないかw

塔か…そこで拡声器使ったら明神に聞こえるかな
290創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:19:23 ID:e1r5MTKs
そういや、スケさんっていくつなんだ?
291創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:20:57 ID:pDWc9t5H
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ       >>288様、投下乙でございます。
     ゝ ゚д゚)       数少ない対主催コンビ、図らずも前話と今話で考察面が進行したわけですが……
    /<▽>        その考察が無駄になる可能性が潜むのも、またバトルロワイアル……クククッ……失敬
    |::::::;;;;::/      拡声器という爆弾を持つ二人の活躍にwktkが止まりませぬ  
    |:と),__」        
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
292創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:24:09 ID:IVoiyvcA
どうなんだろう?
とりあえず高校生の姫乃よりは年上だと思う
293創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 00:28:19 ID:pDWc9t5H
20代後半のイメージだなあ、何故か
294 ◆hNkihqvF/. :2008/11/13(木) 00:36:11 ID:IVoiyvcA
あ、ひとつ訂正です
時間帯を黎明にするのを忘れていました
正しくはこうです

【C-8 潅木の茂みの中/一日目・黎明】
295創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 17:22:03 ID:bjQXDQvI
俺もスケさんは頼れる大人の男のイメージだな
296創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:18:20 ID:8Bzl9u6f
年齢の話で思ったけど
このロワで最年長なのはエヴァ様の600歳ぐらい?
逆に最年少はラーヤとマリィの10歳で確定かな
297創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:21:39 ID:yInroIWe
全作品把握してないからよくわからないが
俺が把握してる限りではたぶんそれであってる

まぁエヴァは別格として置いといて、
普通の人間にも結構年長者が多いよね、このロワ
298創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:24:10 ID:8Bzl9u6f
たしかにエヴァ様抜いても平均年齢高いかも
じいさんキャラも多いしな
299創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:26:08 ID:mdHSkdrR
赤木、鷲頭、グレートソッガマン、ダマ、カール、Q太郎

全員元気良すぎじゃねww
300創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:27:27 ID:yInroIWe
赤木しげる(老)、僧我三威、鷲巣巌、Q太郎

マジでじいさんキャラ多いな…あと平均年齢上げているのはダマとか
301創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:27:45 ID:yInroIWe
かぶったしw
302創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:28:18 ID:mdHSkdrR
被ってもいいじゃないかw
303創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:33:58 ID:yInroIWe
まぁそれだけ人がいるってことだもんな
304創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:46:44 ID:yInroIWe
一度平均年齢でも出してみたいところだな
しかし、こういうのは未成年のキャラばっかあつまりがちなのによくここまで揃ったな
305創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 17:57:17 ID:8Bzl9u6f
まぁ確かにキャラの成人してる率は高いな
幼女からじいさんまでいるし、安価の割には幅広い年齢層が揃ったもんだと思う
306創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:02:58 ID:yInroIWe
逆に安価だからじゃね?
安価じゃなかったら絶対選ばれないキャラいろいろいるし
307創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:06:56 ID:mdHSkdrR
確かにいるなw
安価じゃなかったら選ばれなかったキャラ
寄生獣の浦上はナイス安価と思った記憶がある。
308創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:08:25 ID:yInroIWe
マンイーターはその発想はなかったわと思った
309創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:09:03 ID:K6vXYOtt
同じく最年少10歳のネギの登場はまだだろか
310創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:09:33 ID:8Bzl9u6f
スケさんもありえないな
311創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:11:36 ID:mdHSkdrR
マンイーターは凄いな、当時は全く知らなかったから何も感じなかったけどw
312創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:12:17 ID:yInroIWe
俺はキャラ安価やってたときに今日からヒットマン知ってたら
ちなつを狙いたかったねー
ヒットマンのマネージャー役をやってる悪女…いいよね

>>309
まだ予約はないけどそのうち出ると思うよ
313創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:12:58 ID:mdHSkdrR
ネギ忘れてたww
314創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:13:50 ID:yInroIWe
ハレグゥ読んでた俺ですらマンイーターって誰だっけ?って思ったもん
wiki読んでやっとあれかと思い出したレベルだった
315創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:15:46 ID:8Bzl9u6f
そういえばネギまだ書かれてないんだっけ
普通に2週目行ってるから忘れてた
316創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:16:58 ID:mdHSkdrR
主人公不在の作品も多いからな
天やネギは分かるが、何故ハレがw
317創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:19:24 ID:yInroIWe
ハレは出てたら書きやすかっただろうなーと思う
真性ツッコミキャラだから
でも、ハレがいないことでマリィがいい感じに幼女マーダーと化したから
それはそれでおkじゃね?
318創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:21:28 ID:mdHSkdrR
幼女マーダーいいからなあ
そう考えると確かにおkだなw
319創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:23:23 ID:8Bzl9u6f
幼女マーダーはいいな
俺はあの2人がみんなあとで生き返らせるのを口実に
ドラゴンボール強盗マーダーになるのを期待している
320創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:25:07 ID:yInroIWe
ドラゴンボール強盗マーダーってww
でも実質そうなりそうな気配がプンプンとする
321創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:27:19 ID:mdHSkdrR
幼女と悟空のコンビと聞くと普通、対主催だと思う
しかし、実際は……んー、最高だわw
322創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 18:39:30 ID:yInroIWe
いや一応悟空は対主催なんだぞ?
考えてることが危険すぎるけど
323創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 20:48:27 ID:TDHcDTop
確かに年長者は多いなこのロワ
324創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 22:11:29 ID:yInroIWe
いい感じに年長者が年少者を導いてあげてほしいね
逆に幼女マーダーみたいに年少者にやられたりもするけどw
325創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 22:46:41 ID:mdHSkdrR
年寄りはどいつもこいつも自分のことしか考えてないww
326創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 22:49:58 ID:TDHcDTop
Q太郎はラーヤを導こうとしてたぞ
ただの嘘ですぐに死へ導いたけど
327創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 22:51:08 ID:yInroIWe
あれ?そういえば導くなんてこと考えるようなやつが…
というか全体的に自分のことしか考えてないやつばっかり?
328創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:03:17 ID:EPto8FYz
スケさんも老人かもしれないよ。他人を思いやる好々爺
329創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:11:07 ID:yInroIWe
どうなんだろう?
なんとなく20代〜30代な気がしてたけどもっと年取ってる可能性もあるのか

とりあえず子供ではなさそうだが
330創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:12:57 ID:EPto8FYz
鳥山も考えてなさそう
331創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:13:57 ID:TDHcDTop
いやまて、スケさんは透明人間なんだぞ?
実はエヴァを超えて700歳とかだったりするかもしれん
332創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:36:32 ID:mdHSkdrR
         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ───/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i

333創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:41:48 ID:yInroIWe
それはなんという予想外
あ、でもDB世界って普通に人外いるんだよなぁ
334創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:47:40 ID:EPto8FYz
透明人間はすでに陣貝
335創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:52:27 ID:mdHSkdrR
こうなったら、姫のんには脱出への考察ではなく
スケさんの性別、年齢、趣味に至る全ての考察をしてもらおうか
336創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:52:57 ID:yInroIWe
そういえばそうだった
337創る名無しに見る名無し:2008/11/14(金) 23:55:42 ID:yInroIWe
すでに日常生活は知ったしなw
そこからぜひ考察していってくれ
338創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 04:56:53 ID:mMeWs5zw
というか ナッパも普通に50代なんだが……
339創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 11:56:36 ID:fFXRTIAR
マジかw
340創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 13:27:43 ID:AgxbjT4j
なんとなく参加者を年代別に分類してみた
結構イメージでほうりこんだキャラが多いんで絶対間違ってる


【10代前半】
ラーヤ、マリィ、ネギ・スプリングフィールド、

【10代後半】
刺々森鋭次、説明台詞の人、月島弥生、村山斬、小川育恵、司狼神威
鈴木由真、高橋絵里子、桶川姫乃、泉新一、天野瑞希、高村大、ユエ

【20代】
斑目貘、マルコ、明神冬悟、孫悟空、小田桐雄一郎、葛葉刀子、ガク
井川ひろゆき、赤木しげる(若)

【30代】
稲葉十吉、蜂の巣ジョニー、カール、ヤムチャ、浦上

【50代?】
夜行妃古壱、ナッパ

【60以上?】
Q太郎、ダマ、僧我三威、赤木しげる(老)、鷲巣巌

【ぶっちぎり600歳】
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル

【よくわからん】
マンイーター、グゥ、透明人間のスケさん、フェイト・アーウェルンクス、ホルト、後藤
341創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 13:37:34 ID:kX9/ALtc
後藤はわかるだろwww
342創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 13:41:39 ID:AgxbjT4j
だってww一応あいつ複数じゃんw
343創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 13:44:46 ID:fFXRTIAR
さすがに10代後半は多いな
344創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:06:43 ID:GunJYr/y
>>342
それでも一桁なのは確実
345創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:07:47 ID:AgxbjT4j
は!?まさか最年少って後藤?
346創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:16:43 ID:AgxbjT4j
そうだよな…田村がつくってから10年以上たってるとは思えない
まさか幼女マーダーを抜いてぶっちぎりの最年少だったとは
347創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:16:55 ID:GunJYr/y
5匹全部の年齢合わせても5歳行くか行かないか
348創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:19:52 ID:AgxbjT4j
みんなおいでよ安価漫画ロワ
数歳から600歳まで幅広い年齢層を取り揃えてございます♪
349創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:26:25 ID:fFXRTIAR
しかしこのロワのヤムチャって30超えてたっけ
350創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 14:30:58 ID:AgxbjT4j
わからんけど悟空の年齢差からいって
同じ参戦時期なら超えてる可能性も無きにしもあらずってことで放り込んでみた
351創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:02:20 ID:DXouy1+j
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        月報まとめ様、ようこそ、我が安価漫画キャラバトルロワイアルへ
     ゝ ゚д゚)       私、倶楽部「賭郎」拾陸號立会人、門倉 雄大と申します。以後、お見知りおきを……
    /<▽>        早速でございますが当ロワの今期の成績は以上でございます。
    |::::::;;;;::/        投下24話、生存者(39/45)、生存率86.6%
    |:と),__」        他ロワの集計……応援させて頂きます。
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
352創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:04:00 ID:DXouy1+j
言われてみれば、ヤムチャって確かに年取ってるな
353創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:04:33 ID:AgxbjT4j
告知乙!
門倉さんが来るだろうなと思って待ってたよw
24話か…1ヶ月だし結構がんばったほうだよな
354創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:05:57 ID:mMeWs5zw
DB厨のおれが通ります。
ベジータも初登場は16〜18歳だったらしいが……よくわからん
なんかアニメでは30歳ぐらいにされたとか
355創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:08:59 ID:AgxbjT4j
ベジータって参戦時期いつだっけ
356創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:09:31 ID:DXouy1+j
六人で一ヶ月で24話だからな
よく頑張ってきたわ、今、予約は入ってないけど二週目が把握の関係でもたつくのは仕方ないし
357創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:11:27 ID:DXouy1+j
ベジータは特に参戦時期に対する描写はなかったかな
ギャリック砲を必殺っぽく使ったから地球襲来時かナメック星到着時らへんじゃないかな
358創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:12:09 ID:AgxbjT4j
ここからが本当のリレーだからな
359創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:14:26 ID:AgxbjT4j
じゃあ悟空とほぼぶれなしか
ヤムチャはサイヤ人襲来前だから少しずれがある
360創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:21:49 ID:AgxbjT4j
そういえば参戦時期もキャラ詳細に書くべきことだな
欄追加しておこう
361創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:22:51 ID:DXouy1+j
ヤムチャがずれてても戦闘力的には対して変わらないよなw
362創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:41:07 ID:csTnDhG9
参戦時期は一覧みたいに全員分が一ページにあると確認用に便利かも
個人個人のページよりも
363創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:42:47 ID:AgxbjT4j
じゃあ参戦時期一覧ページつくるか
とりあえず形だけつくってくる
364創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:58:14 ID:DXouy1+j
む、創発板のロワを回ってきたら、どこもOPを話数に入れているな
365創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 17:59:11 ID:DXouy1+j
    ___
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     ゝ ゚д゚)       私、倶楽部「賭郎」拾陸號立会人、門倉 雄大と申します。以後、お見知りおきを……
    /<▽>        早速でございますが当ロワの今期の成績は以上でございます。
    |::::::;;;;::/        投下25話、生存者(39/45)、生存率86.6%
    |:と),__」        他ロワの集計……応援させて頂きます。
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     し'_つ
366創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 18:00:25 ID:DXouy1+j
それと説明してなかったけど
これは沢山あるパロロワ企画二ヶ月間の話数、死亡率などをまとめている人のためのやつね
367創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 18:01:33 ID:AgxbjT4j
368創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 18:02:38 ID:AgxbjT4j
>>365
さらに乙〜
俺もそれは迷ったけど、オールがOPも入れてたんだよね
369創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 18:04:16 ID:DXouy1+j
>>367
おお、GJ!
そういうのは結構助かること多いし、いい感じ
370創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 18:07:46 ID:AgxbjT4j
ほいほい
じゃあどんどん埋めていくよ
371創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 19:28:56 ID:AgxbjT4j
たぶんもう判明してるやつは全部埋めたと思う
372創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 19:50:51 ID:DXouy1+j
乙カレー
きっと門倉さんも失敬な笑顔してるよw
373創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 11:33:49 ID:ANeQqf8J
画像残りは斬だけ。斬だけに残ってしまった
374創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 11:48:19 ID:ANeQqf8J
まさに残念
375創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:31:35 ID:fz+lyVGr
うまいのか、下手なのか分からないww
376創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:35:53 ID:WiVqCwb0
何が?
377創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:46:36 ID:fz+lyVGr
まさに残念
378創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:54:55 ID:K0b9SkD9
まさに“斬”念
379創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:55:40 ID:WiVqCwb0
あ、わかったw
洒落かww
380創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 23:08:51 ID:u6aBqeuW
だれうま
381創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 23:16:02 ID:2PJTa0M7
そういえば俺、斬は「きり」だと思ってたけど「ざん」なのな
斬読んで初めて気が付いた
 
「聞かせてみろよ……続きを……」

ざわ、と。
鳴いたのは森の梢であったか、或いは自身の心に波の立つ音であったか。
その男の眼がじっとこちらを見つめているのに堪えきれず、少女は一歩を退く。
そうして初めて自身が気圧されていることに気づき、退いた分だけ歩を進めようとして、

「成る程……クク……」

男の笑みにぞっとして、踏み出せない。

「あんた……やっぱり、そういう類の人間……」
「な……!?」

その言葉は不可解で、しかし眼前に立つ男はその不可解を纏うように笑う。
笑う男の瞳は夜の闇に浮かぶ黒という不条理。
不可解と不条理とを焚き染めて芳しさを嗜むような、それは男であった。

「近づくんじゃないよ……!」

かつて姫月ゆうこであり、自身を月――ユエ――と規定した少女はその手にした拳銃を男に向けると、
夜目にも鮮やかな金色の髪を振り乱すように、叫ぶ。
武器を持っているわけではない。
何かしらの手練手管をみせたわけではない。
しかし、全身の感覚が告げている。
この男は危険だ。先程の少年とは、違う。
格が違う。世界が違う。纏う闇が、違う。
人ひとりの命を容易く奪った銃を向けておきながら、少女は自身の抱く感情の名を強く意識する。
即ち―――畏怖。

「おいおい……それじゃあ駄目……」

鈍い銀色の銃口を前にしても男は表情一つ変えない。
深い笑みを浮かべたまま、ただ静かに言葉を紡ぐ。

「あんた、それじゃ駄目だ……『さっきの顔』が出ちまってるぜ……?
 そいつじゃあもう、人は殺せない……」
「―――!?」

男が何を口にしているのか、理解できなかったのは一瞬。
その意味に気づいて、金色の髪の少女は真に戦慄する。

「な、何……を……」
「ほら、そいつだ……。その……『あんたじゃない方』……!
 いや……そっちが本物……ハリボテじゃない方……そう言った方がいいか……?」

ぐにゃり、と視界が歪む。
そんなはずがない、と叫びたかった。
どこから見ていた。どこから知っている。
何を、どうして、何故、知っている。
男が口にしているのは、ヒメとユエ。
姫月ゆうこという存在の、誰にも知られてはいけないはずの、本質。

「そん……な……」

ヒメ。不幸で無力な、可哀想な少女。
ユエ。復讐の為には身も売る、悪女。
ヒメとユエ。一つの身体に二つの心。
眼前に立つ男が知るはずもない―――そんな、救いようのない、嘘。
「あんた、そいつを―――」

男の顎が指し示すのは、物言わぬ少年の骸。
哀れな生贄の、抜け殻。
男は見ていた。
少年を貫く弾丸を、その命の奪われる様を、男は見ていたのだ。
その上でなお徒手空拳、銃口に身を曝す男の不条理が、世界を覆っていく。

「そいつを撃った後……変わっただろう?
 蓮っ葉な言葉遣い……肩で風切るみたいな仕草……。
 素人くさい三文芝居……どっちが『本物』か……そんなのは見りゃあ判る……。
 所詮無理があるんだ……どうしようもない偽者……ハリボテの臭いは隠せない……!」

男が紡ぐ。
刃を紡ぐ。
人を殺す、それは言葉という刃。

「自分の中に……もう一人の自分を創っちまう……。
 戦争に行った中にはたまに……そういう奴が出たって聞く……。
 敵を殺すのは『誰か』……、自分じゃない『誰か』……。
 そうやって自分は悪くないと思い込む……そんな理屈に合わない話……」

男は紡ぐ。
ユエという嘘を裂く刃を。
ヒメという虚を穿つ刃を。

「だけどあんたは逆……本物のあんたでそいつを殺して、『もう一人』に代わった……。
 だけどそいつはおかしい……道理で言うならそいつは逆でなけりゃあならない……!
 なら話は簡単……あんたは欲しかったんだ……理由が……」

知るはずのない、姫月ゆうこを。
男は、切り裂いていく。
ただの、言葉で。

「そう、『もう一人』に代わる……代わって、罪を重ねさせるだけの理由……。
 例えば……『本物』が大した意味もなく人を殺す……殺して、罪の意識に堪えかねる……。
 良心の呵責……そんなものに押し潰されてしまえば、壊れてしまえば、『もう一人』に頼るしかない……。
 仕方なく……あくまで仕方なく……『もう一人』に罪を重ねてもらうしかない……。
 そんなところだろう……? あんたの台本は……」

藤生重慶を、山崎鴇彦を、『鎧』を欺いた、月の仮面を。
いとも容易く、男はズタズタに、切り裂いていく。
男に向けていたはず銃は鉛でできているように重く、その手は垂れ下がって、もう持ち上がらない。

「ならあんた……『本物』はもう……出てきちゃいけなかった……。
 後の面倒ごとは全部『もう一人』が引き受けなきゃ、裏に返した道理が通らない……。
 なのに……オレが現れたとき、あんた……足を引いた……一歩を下がった……。
 あれがいけない……そのハリボテの向こうから顔を覗かせる愚行……!
 簡単に馬脚を現しちゃあ話にならない……台本は滅茶苦茶……!
 『本物』と『もう一人』……、そんなのはハナから茶番……!」

崩れていく。
姫月ゆうこと、ヒメと、ユエとを分ける堤防が、一言ごとに、突き崩されていく。
ユエは、姫月ゆうこではない。
姫月ゆうこは、ヒメではない。
ヒメは、ユエではない。
そうでなければ、いけないのに。
ただの一目。ただの一言。ほんの僅かに垣間見せただけの、隙間。
そんなところから影が忍び寄るように。
男は、姫月ゆうこを突き崩していく。
「正気とか狂気なんてのは……スイッチを切ったりつけたりするみたいに、
 パチパチ切り替わるもんじゃない……心のどこかに一本の線があって、
 気軽に行ったり来たりできるような代物とはわけが違う……」

崩れていく。
男の口から漏れ出る闇に侵されて、罪と罰の分担が、崩れていく。
復讐を願うのはヒメ。
復讐を遂げるのはユエ。
罪はユエ。
罰はヒメ。
罪と罰との両方を背負えるほどに、姫月ゆうこは強くないというのに。
弁明の機会すらなく、崩れていく。

「病んで……爛れて……必死で膿を掻き出す内に傷を広げ……気づけば全身腐っちまってる……。
 そういう引き返しようのない泥沼……それが狂気……!
 あんたのそいつは狂ったフリ……狂気の真似事……」

違う、違う、違う。
罪は『瑞希たち』、罰も『瑞希たち』、ヒメは被害者、ユエは断罪者。
そうでなくてはならない。
そうでなくては、赦されない。
ヒメにもユエにも罪はなく。
ならば罰もまた与えられることもなく。
だと、いうのに。

「この世は苦界……いっそ狂ってしまえればどんなに楽か……。
 そんなことを考えて……しかし正気はどこまでもついてまわる生き地獄……!
 そこであんたは思いついた……『誰か』に狂ったフリをさせて……自分は不貞寝を決め込めばいい……。
 だがそれはあんまりムシの良すぎる話……! そいつは通らない……!」

男は、姫月ゆうこを断罪する。
ユエなどいないと。
そんなものは、最初からただの『姫月ゆうこ』でしかないのだと。
罪を犯すユエがなく。ならば、罰を受けるヒメもなく。
そこにいるのは、罪を犯し、罰を受けるべき姫月ゆうこがいるだけなのだと。
男の突きつける、それは判決の主文。

「そもそも絶望なんてもんは……見渡せばその辺に転がってる……。
 一山いくらの世界……それが現実……!
 あんたはその一つに躓いた……それだけのこと……。
 だが躓いて……その小石程度の絶望に負けを認めた瞬間……人間は絶望の奴隷になる……!
 その先の道筋はただ二つ……泥濘の中を這いずって生きるか、あるいは……そこから逃げ出すか……!」

奪われていく。
正義が。断罪の権利が。
想いの結晶が。血を吐くような時間が。

「あんたは明らかに後者……。
 死んで楽になろう……酷な現実からは逃げ出してしまえばいい……そんな風に考えるタイプ……!
 なら、どうして生きてる……? それほどに生きたいか……?
 違う……」

奪われていく。
姫月ゆうこを護る鎧が、姫月ゆうこの掲げる剣が。
姫月ゆうこの、生きる力が。
もうやめてと、懇願する暇すら与えられず。
男の言葉が、姫月ゆうこを切り刻む。
「死にきれないんだ……あんた……!
 未練……執着……思い残し……言い方は色々あるが……要はそいつらが足を引っ張ってる……。
 いま自分が死ねば、ここで消えてなくなれば、どこかで何かが失われる……。
 何も残せず……何も果たせず、何かに負ける……そんな風に考えてる……。
 けどそいつが間違い……最大の考え違い……!」

そう、そんなことはわかっている。
最初からわかっていた。
何度も死のうとして。何度も生き延びた。
それは運が良かったからなどではなく―――ただ、生き汚く未練に縋ったという、それだけのこと。
死んでもいいと思った。
死にたいと思った。
死のうと思った。
何度も思って、だけど。
姫月ゆうこは、姫月ゆうこを殺すことを、赦さなかった。
救われないとわかっていた。
生きたところで救われない。
何一つ取り戻すことなど叶わない。
ただ何かを奪うことしかできなくて。
もう壊れてしまった幸せな時間は、そんなものでは縫い合わせることもできなくて。
その程度のことは、わかっていた。

「報われず……救われぬ……それも当然……!
 あんたは……あんた自身を呪っている……!」

その通りだと、声がする。
切り刻まれて隙間が空いた、心の中の一番奥の、鍵のかかった扉の向こう。
死んでしまえと声がする。
救われぬ女は死んでしまえ。
生きて報われぬ女は死んでしまえと声がする。
同時、死を赦さぬと声がする。
仇を討て、あの女たちを殺せ。
清宮正和の無念を、姫月ゆうこの怨嗟を世にぶち撒けろと声がする。
無明の死へと誘い、同時に過酷な生へと引き戻す声。

「こいつは傑作……! あんたは死んでも助からない……!」
 狂いたくても狂えない……生きて地獄、死んでしまえばなお救われない……!
 こいつは正しく狂気の沙汰……面白いじゃないか……!
 あんた、自分じゃ狂えないほど深いところで……もう歪んじまってるんだ……!
 どうしようもないくらいに……!」

男が笑う。
呵々と、声を上げて、楽しそうに。
笑い声が増えていく。
死へ呼ぶ声が笑う。生を強いる声が笑う。
大合唱となった笑い声が、どこまでもどこまでも、際限なく音量を増していく。

死ね、死ね、死ね、死ねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね。
生きろ生きろ生きろ生きろ生きろいきろいきろいきろいきろいきろいきろいきろいきろいきろいきろ。
死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろお前は、どうやったって、救われない。死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ。
生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね生きろ死ね。
生きて死ね死んで生きて生きて死んで死ね生きて死んで生きて生きて死んで生きて死んで生きろ。

それはずっと、姫月ゆうこを責め苛んできた声。
耳を塞いで、目を閉じて、それでもどこかで響いていた声。
部屋の隅に置かれた箪笥の裏の暗闇から、のどかな昼下がりの公園の茂みの奥から、
ずっと響いていた、声。
罪を償えと。
罪を贖えと。
罪を。
清宮正和を殺した罪を。
自らと引き換えに清宮正和を死へと追いやった罪を贖えと。
生き地獄を這って贖えと。
非業の死を遂げて贖えと。

声が、引き裂く。
引き裂かれて、姫月ゆうこはどこまでも小さく、見えないほどに小さくなっていく。
小さくなって、思考が歪み、視界が揺らぎ、五感が薄らぎ。

 ―――ああ、でも。これでようやく、壊れてしまえるか。

そんな風に考えた、瞬間。

ぴたり、と。
笑い声が、やんだ。

「―――え……?」

音が消えた。
笑い声が、男の漏らす笑い声が、消えていた。
同時に、姫月ゆうこを取り囲んで責め苛み切り刻んでいた声も、消えた。
小さく引き裂かれていた姫月ゆうこが、元の姿に積み重なっていく。
五感が戻る。視界が定まる。思考が、揺らぎを失っていく。
すぐそこに、手を伸ばせば届きそうなところに迫っていた、最後の救済。
狂気という救いが、遠く霞んで、消えていく。

「そん……な……」

ごとり、と重い音は持っていた銃の地面に落ちた音であったか。
そんなものを、既に少女は見ていない。
仮面を剥がされ。
罪を突きつけられ。
死と生との両方から突き放され、最後の救済すら剥奪され。

「どう……、どうしろって……いうの……!」

絞り出すような声は、偽者だらけの少女に残された、本当の言葉だった。

「私、わた……わたし、に……! どうしろって、いうの……!?」

膝から崩れ落ち、顔を覆って突っ伏した少女を見下ろす男の表情は動かない。
その冷厳とも映る表情は動かないがしかし、瞳に宿る光が何某かの瞬きを得て煌く。

「どうするもこうするも……」

長く、深い溜息。

「あんた、ご大層な演説ぶってたじゃねえか……。
 復讐……殺したい奴がいる……って。
 仇なんだろ……? だったら討てばいいだろう、そいつを……」

事も無げに言ってのけた男の声。
顔を上げた少女の顔は涙に濡れ、広がった長い金髪は土に汚れている。
「な、なら……! なら、放って置いてくれればよかった……!
 ユエ、が……ユエが私……私だなんて、そんなことわかってた……!
 わかってやってたんだから……! だけど……しょうがないでしょう!?
 天野瑞希だけならよかった! 高村大なら、鬼面党や夜桜会や、そんな相手なら!
 敵は、和くんの仇は、はっきりしてた! 殺してやろうって! なんだってやって!
 ユエだって! 演じて! 身体だって汚して! だけど!
 だけど、こん、な……!」 

溢れる涙が、偽者の化粧を落としていく。

「こんな……こんな、殺し合いなんて……巻き込まれて……!
 敵も! 味方もなくて! わからないじゃない! 誰もいないの!
 藤生も! トキも! 誠くんも! 誰も私を助けてくれないんだから!
 だから! 『ヒメ』じゃ駄目だ、って! 姫月ゆうこじゃ生き残れないから!
 『ユエ』が! ユエが……本当に、本当の私にならなきゃ、駄目だって!
 最初、最初から……『もう一人の私』なんかじゃない! わかってる! だけど!
 だけど、それじゃ仇……和くんの仇、取ってあげられないでしょう……!
 ヒメじゃ殺せない……生き残れない……だったら! だったらユエが!
 ユエが本当の姫月ゆうこになるしかない、って! そう思ったから!
 こ、殺し……殺し、て……わた、私……は、私じゃ、もう……殺してあげられない……!
 もう……」

後は、言葉にならなかった。
暗い森を満たすのは静かに少女の咽び泣く、その響きだけだった。

「おいおい……」

男が口を開いたのは、少女の涙が枯れ、ただしゃくり上げるだけとなってから、
更に暫くの間を置いた後のことだった。

「あんた何か……勘違いをしてやしないか……?」
「……」

少女は顔を上げない。
じっと、落ち葉に覆われた暗い森の地面を見つめている。

「仇を取る……怨みを晴らすってのは……そんなに安いもんじゃあない……。
 怨みを買う奴……殺しても殺し足りないってほどの怨みを買う奴なんてのは……どの道まともじゃあない……。
 その手合いは偶然で怨みを買ったりはしない……偶然なんかじゃあないんだ……。
 怨まれると分かって……殺される危険を理解して……それでもやっちまう……やれちまう人種……。
 そういう生き方のできる人間がたまにいて……例外なく四方八方……色んな連中から怨まれる……!
 怨まれて、疎まれて、嫉まれて……それでも生きて怨みを拡げていく……そんな手合い……。
 クク……あんた程度の殺意……向けられ慣れてるんだ、そういう連中は……」

笑い声。
先ほどのような大笑ではない。
静かな、澱んだ泥のような、笑いだった。

「ハリボテの狂気は通用しない……そんな奴を相手にするときに、そんなものは……。
 踏み潰される……! 本当の狂気……本物の化け物に……呑み込まれるだけ……!
 子供だって知ってる……強者は簡単に仇を取られないから強者……その程度のこと……!
 勝ちたいなら……そんな連中に勝ちたいと、本当に思うなら……身を委ねるべきは唯一つ……。
 己……! 己の声だけ……!」

闇が、拡がる。
金色の髪の少女を抱きすくめるように、森の闇が、明けぬ夜が、拡がっていく。
「声……! あんたの声……人を呪い、世を呪い……手前まで呪うような……。
 生きるも死ぬも、彼岸も此岸も地獄に変えちまったその声……。
 そいつだけは偽者じゃない……あんた自身の声……それが……それだけが力……!
 捨て身……そいつをぶつけて初めて勝ちの目が出てくる……!
 そうでなきゃ取れない……仇なんてのは……!」

少女は顔を上げない。
ただ。
ただ、土の匂いのする闇の中でじっと、目を見開いている。
その瞳に、もう涙はない。

「で……どうする……?」

その問いを最後に。
それきり、声が途絶えた。

―――ざわ、ざわと。
梢だけが、密やかに音を立てていた。


 ******
 
男の言葉は、闇だ。
闇に包まれて、それを心地いいと、姫月ゆうこは感じる。

生に報われず。死に救われず。狂うことすら、赦されず。
欺瞞も、自己憐憫も、強い誰かを演じることも看破され。

何一つなくなって、何一つ奪われて、ならばもう、闇を恐れる道理もない。
手指が闇に侵される。足先から闇が染み透る。身体が闇に埋もれて。
黒く、黒く染まった姫月ゆうこはだから、男の闇を反芻している。

声、と男は言う。
残された声。怨み。呪い。
それを、少女はこう定義する―――想い、と。

この場所には、姫月ゆうこの力のすべて―――藤生重慶も月下仙女もなく。
ユエという仮面も、そこに刺さった幾つもの棘すら、男の言葉が溶かし去って。
ならば、残された想いだけを、姫月ゆうこは抱いている。

そう考えれば、何のことはない。
戻っただけだ。あの頃に。
自らの命を絶とうとする日々の終わり。
瑞希の名を聞いた日。生き続けさせられた意味を知った日。
生き終われず在り続けた日の、その最後に戻っただけ。

想いは刃だ。
抱きしめた刃は自らを傷つけ、血に染めていく。
想いは刃だ。
振るう相手を見つけた刃は、ならば誰かを殺す。

力はない。想いはある。
あの日から、清宮正和の仇を見つけた日から被った色々な仮面に隠されて、見えなくなっていた想い。
それが重くて、身動きが取れなくなりつつあった想い。
清宮誠も。藤生重慶も。山崎鴇彦も。―――和泉祥も。
想いに刺さって、ひどく、息苦しかった。

今、そういうものの全部は男の闇に溶かされて、消えてしまって。
ただ本当に、本当に叶えたい想いだけが、そこにあった。
剥き出しの、小さな、儚い想い。

―――『あの日』を、殺そう。

清宮正和が死に、姫月ゆうこであったものが引き裂かれたあの日。
二人が生きることをやめたのに、残りの誰かが生きている。
そんなのは、おかしい。
そんなのは、間違っている。

誰かが死んで、誰かが生き終わったのなら―――その日の全部が、死ぬべきだ。
あの日に生きた誰も彼もが死んでしまえば、それは『あの日』が死んだということだ。

なかったことになる―――すべてが。
誰も生きていないのなら―――誰も『あの日』を思い出さないのなら。
『あの日』はもう、この世のどこにも、なくなるのだ。
ああ、だから。
それだけを願って、その想いだけを抱いて、この生を遂げよう。

天野瑞希を殺し、高村大を殺し。
そうして最後に―――姫月ゆうこを、殺そう。

優しさで、叶えられない願いなら。
優しさを捨てて想いを遂げる姫月ゆうこは、『あの日』と一緒に。
消えて、なくなろう。

それが、清宮正和の優しさを裏切る、姫月ゆうこの末路だ。


 ******


長い、長い時間が過ぎた。
その声が静寂を破ったのは、東の空が白み始めた頃である。

「―――やるわ」

銀色の光が失せた、白い月の下で。
それだけを呟いて顔を上げた少女の瞳には、唯一つの決意だけが宿っている。

「……そうかい」

答えが返ってくるまでに、暫くの間があった。
眠っていたのか、見れば男は近くの樹に寄りかかるように座り込んでいる。

「なら俺は……そいつを見届けよう……」

意外な答え。
否。男の答えに、凡の一字は存在しない。
故に驚愕に値せず、少女はただ静かに尋ねる。

「どうして?」
「決まってる……」

言いながら、男が立ち上がろうとする。

「あんたのしようとしていることが……狂気の沙汰……、だから、」

男の言葉が、揺れる。
くらりと、眩暈を起こして倒れる女学生のように。

「……退屈しのぎには……なる……」

すんでのところで近くの枝を掴み、言葉を続ける。
その奇妙に息を継ぐような声音に怪訝な顔を向け、少女はようやくにして、気づく。
白み始めた空の下。
薄明かりの中、男の顔色が蒼白を通り越し、土気色を帯びていることに。

「何でもない……少しばかりイカレた遊びの最中だった……それだけのこと……」

少女の表情に、男が答える。
幽鬼の如き面構えに、しかし死に至る悲愴はなく。
飢餓と、渇望と、決して届かぬ何かに手を伸ばすが如き稚気とを見て取って、少女は踵を返す。

「……そう」
それだけを、返す。
男と交わした会話の、それが最後だった。
確かな足取りで歩き出したその背後にふらりとついてくる名も知らぬ男の気配を感じながら、
少女は、いまやユエでなく、ヒメでない少女、姫月ゆうこは、ただ天野瑞希と高村大への怨嗟を胸に、
悲嘆なく、憐憫なく、燃え滾るような殺意すらなく、ただ黒く粘る沼の如き怨嗟だけを胸に、歩を進めている。




【F-4 鬱蒼と茂った森/一日目 黎明】

【名前】ユエ@特攻天女
【状態】健康
【持ち物】SIG Sauer P232SL(残弾3/8)ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)
【思考】0:姫月ゆうことして天野瑞希・高村大を殺害し、自殺する。
1:天野瑞希・高村大を捜す。

【名前】赤木しげる(若)@アカギ
【状態】出血多量(無傷)
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品1〜3)
【思考】1:姫月ゆうこの復讐を見届ける。
※鷲巣麻雀5回戦終了後、2000ccの血液を失った状態での参戦です。

※村山斬のデイパック及び支給品(内容不明、1〜3)は死体の側に放置されています。
392 ◆/h0sCaow8w :2008/11/18(火) 15:05:19 ID:5yLAvtpL
投下終了です。
393創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 16:45:58 ID:c/M78LjV
投下乙です!
アカギ全開だなあ…ヤン風味なユエが手も足も出ないとは
読んでるこちらがアカギワールドでぐにゃぐにゃになる鷲巣様の気分を味わえるような力作でした、GJ!

それにしても血を抜かれた状態での参戦とは予想外…頑張れアカギ!
楽しみな顔合わせは沢山あるぞ!
394創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 18:20:53 ID:gchBOH+R
投下、大変乙です!
ユエが言葉によって精神を解体され、また再構築されていく様は圧巻です
2000ccは多分、500ccの輸血トリック込みですよね。余計な事かもしれませんが
一応そのことも書き添えてはどうでしょうか
それにしても、初期の状態ハンデは面白い試みです
395創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 18:41:00 ID:Fi/GHKtG
おおー昼のうちに投下来てる!
ユエって姫月が従妹といつわって演じてたキャラなんだよな
しかも高村はユエのほうの人格のみに惚れている、っと
特攻天女はまだ読んでないんだがwikiでそこまでは把握して面白そうなキャラだと思ってたんだ
アカギ若のワールドに取り込まれて不安定になってるようでこの先が楽しみなかぎり
396創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 21:23:15 ID:coOJfGu3
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        >>392様、投下乙でございます
     ゝ ゚д゚)       言葉に出ない面白さ……アカギ様が素晴らしい!
    /<▽>        ユエ様のキャラも存分にたっており、この危険人物二人に注目ですな
    |::::::;;;;::/       それにしても、血液不足とは……クククッ……これまた失敬
    |:と),__」        
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
397創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 21:27:36 ID:dxNGPyKv
アカギがアカギすぎるなw
しかし、血を抜かれてるのはハンデか?ハンデなのか?
398 ◆/h0sCaow8w :2008/11/18(火) 21:51:17 ID:5yLAvtpL
皆様ありがとうございます。
過分なお褒めの言葉をいただいて恐縮です。

>>394
ご指摘ありがとうございます。
>>391のアカギ(若)の状態表を、以下に修正させていただきます。

旧)
※鷲巣麻雀5回戦終了後、2000ccの血液を失った状態での参戦です。

新)
※鷲巣麻雀5回戦終了後、2000ccの血液を失った状態での参戦ですが、
事前に500ccの輸血を受けていたため失血死は免れています。
399創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 21:56:57 ID:Fi/GHKtG
>>398
修正乙です!
そして、3日ぐらいかかったがネギま全巻読んだぞ!
凄く面白かったけど、これマジで実はこんな能力者でしたーで新能力出てくるのな
そして、フェイト確かに謎キャラすぎるw
400創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 22:22:41 ID:coOJfGu3
>>398
修正乙です
自分はまだ読んでないけどフェイトが危険な香りか
実は系って怖いよな
401創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 22:42:50 ID:9U9R+gf6
投下乙!
アカギイイイw
すげえ精神解体だ。読んでて狂気すら感じたよw
しかもこれで血を失った状態ってw
GJ!!
402創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 18:30:01 ID:vQ0Ibbtm
wikiのほうで少しずつ参加者詳細とか書いていってるんで
自分はこのキャラに詳しいとかあったらみんな書いておくれー
403創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 18:38:08 ID:WeyEKFFx
あいよー
女子高生、二巻まで読んだけど面白いな
404創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 18:40:10 ID:vQ0Ibbtm
9巻の最後は感動するぞー
俺はあとXと天を読めばコンプリート
405創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 18:57:49 ID:VbRLfz2k
すげぇ、wikiの参加者詳細画像までついてる
406創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 21:02:22 ID:+hq7x557
最近画像がはやりだな
407創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 21:44:10 ID:+UBWdO7+
俺はあとネギま、寄生獣とアカギで終わりかな…って結構巻数あるのが残ってるw
408創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 23:13:06 ID:yCW+OTNb
wiki参加者詳細のアカギと鷲巣を編集したんだが、いい画像がなかったんで文字だけになってる。
画像を持ってる人とか、あと読みづらい所や間違いがあったら直してくれると助かる。
409創る名無しに見る名無し:2008/11/21(金) 23:20:32 ID:vQ0Ibbtm
あの画像は地図のやつの縮小版だよ
410創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 03:18:33 ID:BebdhQU1
今更だが赤木(老)とアカギ(若)は名簿でお互いの存在に気付いてるんだよな?
411創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 08:08:23 ID:9NKRVwCB
気づいてるだろうね
若の方は誰かに喋ることもなさそうだし
老の方はミギーとの話の中で、その辺りも話してるかも?ぐらいでいいんじゃないかな
412創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 16:24:15 ID:Fz8oktc5
名簿には老若の区別が書いてないから、それをどう思うかはわからないけどね
まさか、同一人物が呼ばれてるとは思うまい
413創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 18:36:32 ID:Fz8oktc5
そういえば今まで名簿みたキャラで赤木しげる×2に反応したやつっていたっけ
414創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 18:59:18 ID:9NKRVwCB
軽い反応したキャラならいた覚えがあるな
415創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 19:06:47 ID:Fz8oktc5
そうなのか、誰だっけ
同姓同名2人はうまくやれば誤解フラグとかいろいろつかえそうだよな
416創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 19:29:11 ID:9NKRVwCB
探してみたら、今は亡きひろゆきだったw
同姓同名は確かに美味しいかな
417創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 19:45:22 ID:Fz8oktc5
ひろゆきかw
まあ他の名簿見たキャラも気づいてはいると思うんだよね
特にリアクションしてないだけで
418創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 20:19:44 ID:LApNXYXh
確か鷲巣も「同姓同名の方には興味ない」とか言ってて笑った記憶がある
そんな珍しい姓名じゃないからなw
しかし若はひろゆきとか知らないけど、老は鷲巣の名前くらい覚えてるだろう。
「参加者は別次元・時空から連れてこられた」
「名簿上で隣り合った名前の人間は同じ世界出身の可能性が高い」
という事を把握出来てるなら、察することもあり得るかも
419創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 20:27:57 ID:Fz8oktc5
老の時間軸じゃ鷲巣とっくに死んでるしな
420創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:04:31 ID:jaF9gGm1
ここだけの話、説明役の人の名前も『赤木しげる』にするかどうかでかなり悩んだ
421創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:05:43 ID:Fz8oktc5
マジかwwwwww
422創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:06:29 ID:375tgZcr
赤木しげる3人ってw
423創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:18:57 ID:Fz8oktc5
実際に3人だったらさらに混乱の元だったかもなw
424創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:45:42 ID:t+BpKn2X
425創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 23:47:37 ID:Fz8oktc5
なんだ?これ
426創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:15:01 ID:a5n7oBnl
なんか福本作品雑談スレでこのスレの話題が出てた
427創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:34:40 ID:kj2Xus1v
覗いてきてしまった。
ちょっと嬉しいなw あまり、他スレで宣伝とかはオススメできないけど
福本SSない?って流れからだから問題ない感じだし
428創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:36:58 ID:a5n7oBnl
俺も昨晩この板の福本作品SSスレで見て初めて知ったんだけどなw
やっぱああいう雑談の中で面白いって言ってもらえると嬉しいよな
429創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:46:59 ID:kj2Xus1v
かなり嬉しいわ
まあ、アカギと赤木で二人いるしなw
430創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 23:42:49 ID:eV+e+YkP
好意的な反応があると凄く嬉しいよなw
しかし、この板に他に福本作品のSSスレがあったということにも驚いた
431創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 21:10:44 ID:fOjUziiH
珍しくここんとこ予約も投下も途切れてるな
432創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 10:30:58 ID:oyNOZRc+
そうだねぇ
433創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 18:02:38 ID:nPl97CG3
プロットはあるんだ
時間を空けられる目処が立てば予約入れたいよー
434創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 18:04:25 ID:oyNOZRc+
>>433
期待してる!
年末だしみんな忙しいのはしかたないよな
435創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 20:46:59 ID:V2CJ1R6v
満喫いっても女子高生ないし、古本屋には二巻までしかない
田舎すぎて満喫と古本屋の数が少ないからなんだが…
新品で買うしかないかなー
436創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 20:53:16 ID:GBMxDW76
ネットで買えばいいじゃない
437創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 20:54:51 ID:DXvuxURM
新装版じゃない方とかならあるんじゃないか?
438創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 20:58:02 ID:VHeA36Xx
今検索してみたらamazonに中古大量にあったぞ
439創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 22:00:07 ID:V2CJ1R6v
ネットか、ネットを使っているのに気がつかなかったわw
これで勝つる
440創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 22:09:32 ID:GBMxDW76
よし、さぁ女子高生を全巻手に入れるんだ
電車など人目がある場所で読むと笑いをこらえるのに苦労するんで気をつけろよ
441創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 22:11:33 ID:DXvuxURM
インパクト勝負ー!
442創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 17:36:08 ID:fVTuxP2J
今日からヒットマン面白すぎだろw
立ち読みで済ますはずだったのに、全巻買ってしまったぞ
443創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 18:41:45 ID:XEebZpZT
いいよなwあれ
平凡な営業サラリーマンが営業で鍛えた話術でヒットマンとしてうまくやっていくなんて話
なかなか思いつくもんじゃないよ
444創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 20:15:25 ID:kloiA9xx
そういえば蜂の巣ジョニーって本名じゃなくていいんだろうか
445創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 20:22:03 ID:jWiZG1mQ
別にいいんじゃないか?
本名じゃない名前で名簿に載ってるキャラいろいろいるし
446創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 20:24:47 ID:XEebZpZT
それはそれで考察のネタになるしなw
ユエとかどうすればいいんだかってキャラもいるし
447創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 21:47:17 ID:8czJeGQr
ユエは名簿に載ってる名前自体がキャラ付けに使われてたな
しかし一番どうすりゃいいのか分からんのはフェイト(偽名)だと思うw
448創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 21:51:35 ID:XEebZpZT
フェイトって偽名だったのか
449創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 22:19:51 ID:8czJeGQr
本名はテルティウムだったかな
心読まれた時には「気に入らないからフェイトって呼んでね」みたいなことを言ってたけどw
450創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 22:47:35 ID:kloiA9xx
まあそれでいろいろ新しい考察ができればそれがいいよな
蜂の巣ジョニーも十吉が賭郎がヒットマンを集めて戦わせてると思うネタになってたし
451創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:23:54 ID:755mHV79
見事に冷え切っていしまったな……

それともこの静けさは爆発の前兆?
452創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:28:59 ID:RKkpwIYu
書き手がかぶってそうな大手が終了したから、宣伝に行ってみたら?
453創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:29:13 ID:EsWvKZz1
まだまだいけるよ!
しかし年賀状の宛名書きやってもやっても終わらね
454創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:30:51 ID:aUSI0Ddm
うーん…誰も書かないようなら書こうかな
自分みたいなものが投下数トップになってしまうのが嫌で自重してたんだが
455創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:36:29 ID:755mHV79
>>454
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ  この門倉雄大……
     |/^_,ヽ,_ノ   貴方の様な参加者を待っております……
     ゝ ゚д゚)
    /<▽>
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    |:と),__」
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     し'_つ
456創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 23:40:10 ID:aUSI0Ddm
じゃあもうちょっと考えてプロットができたら予約するよksks
457創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 00:04:04 ID:T3TUQccq
>>456
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ   この門倉雄大……
     |/^_,ヽ,_ノ    物凄く期待して待っております……
     ゝ ゚д゚)
    /<▽>
    |::::::;;;;::/
    |:と),__」
    |:::::::::|
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     し'_つ
458創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 01:05:58 ID:goB6AKu5
ごめんよ…今の時期めちゃくちゃリアルが忙しいんだ

>>456
期待してる!
459創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 08:18:30 ID:MPq8h1RP
やっとこさ嘘喰い読み終わったが門倉さんがなかなかの新登場キャラで吹いたw
てっきり一巻くらいからいる古参キャラなのかと思ってた

460創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 09:52:10 ID:amMQmWET
嘘喰いは新登場キャラの扱いがうまいんだよな
門倉さんは……先週号も最高だったw

それにしても、かなり把握進んできて改めて読み直すと面白いな
特に他ロワに出てない、これからも出れないであろう作品キャラのSS
これでもかってほど、みんな、熱込めすぎだろww


461創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 13:20:00 ID:zdo9U2Ae
門倉さんが出てくるの9巻だもんなw
462創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 23:22:29 ID:lHSKULsn
続き期待して待っています。
463創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 23:33:20 ID:0DLc6Vr0
今週末は時間が取れる!
把握率も80%ぐらいは達成!
だがしかしネタがないようプロットができないよう
464創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 23:39:49 ID:nBTfHEdc
>>463
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ   ほほう……ネタがありませんか……
     |/^_,ヽ,_ノ    ですがそこを何とかするのが書き手と言うものであると思います……
     ゝ ゚д゚)     この門倉雄大……心してお待ちしております……
    /<▽>
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    |:と),__」
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     し'_つ
465創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 02:54:15 ID:9nx+KKnd
予約来た! これで勝つる!
466創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:38:06 ID:jbvMMUGF
お屋形予約が来たとしたら、首輪の盗聴任務中な不謹慎にニタつくリーゼントも期待していいんだよな?
467創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 21:55:44 ID:9nx+KKnd
むしろ鷹の視点を期待すべき。
468 ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:02:53 ID:haxDK0tF
マルコ、小川ちゃん投下します。
469毛皮と美幼女とマッチョな子供  ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:03:26 ID:haxDK0tF
本来ならたくさんの客が行きかい、活気にあふれているだろうショッピングモール。
各種多用な店がつらなり、色とりどりの様々な商品が目を楽しませる。
ここに人が居さえすれば、いつも通りの日常風景が帰ってくるだろう。
だが、しかし今のこの場は、ただ煌々とライトが灯っているのみであった。


「んー誰もいないネー」


友人といつものように買い物に出かけたのなら1日楽しめるようなショッピングモールを備えた大きな百貨店だ。
じっくり見たいのは山々だったが、そこはぐっとこらえてマルコと郁恵の2人は建物全体を探索していた。
あたりは完全に無音。こういった店につきものの華やかなBGMすら聞こえない。
放課後の誰もいない教室が少し怖く思えるように、人っ子一人いない静まり返った百貨店は不気味でさえあった。


「マーくーん、だれか見つかったー?」

 うんっと背伸びし、隣の店舗にいるマルコへと郁恵は声をはりあげる。
 少し間を置いて、女性服が並べられた棚の向こうから声が帰ってきた。

「オガワちゃん、これ! これすごいふわふわ! キモチイー」
「アハハハハハ。マーくんたらー」

高級そうな女性物の毛皮のコートを羽織ったマルコがその裏から出てくる。
ふと……ゲフンゲフン、恰幅のよいふくよかな方用のもののようで、筋肉ダルマの巨漢でもなんとか着れているが、
それでもやはりぴちぴちで毛皮は丸く膨らみ、まるで人間ではないなにかの生き物のよう。
本来そのコートが持つであろう高級感が薄れて、なんだかどこぞの雪山で発見されたらすぐさまUMAとして
登録されてしまいそうな勢いである。
470毛皮と美幼女とマッチョな子供  ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:04:07 ID:haxDK0tF
「これダメ? オガワちゃん……」
その毛皮だるまがしょげかえるとさらに丸くなってさらに謎の生物っぽさが増してしまっている。
マルコに悪いからこらえようとするのだが、どうしても笑いがこみ上げてくる。


「マ、マーくん。それ、売り物だからあんまり触りすぎちゃダメだヨー? お店の人困っちゃう」
「ご……ごめん……」
「でも凄くにあってるネー」

うん、確かに別の意味でとてもよく似合っているかもしれない。
しっくりきているのは間違いない。
そのコートをデザインした人物の意図にはまったく沿っていないだろうことも確実だが。

「んー。マーくんにはちょっとサイズが合ってないネー。でもその色よく似合ってるヨ。
 そうだ、お家に帰ったらあたしマーくんにお洋服プレゼントしたげるね。
 あたしそういうの得意なんだー」

頭につけた手作りのリボンを揺らし、郁恵は明るく笑って約束する。
普段からそういった小物をつくったり、服を改造したりはよくしている。
さすがにここまでの大物でしかも男物は作ったことがないが、頑張ればなんとかなるだろう。
修学旅行で特になかよくなった不思議ちゃんグループの子達は、
インディーズブランドを立ち上げているような腕前だし助けを求めることもできる。

「ま、マルコうれしい! オガワちゃん大好き! マルコ、スゴクたのしみ」

毛玉だるまが喜色満面で幼子のように喜びを顕わにする。
そんなマルコを郁恵はニコニコと見守っていた。



◆ ◆ ◆
471毛皮と美幼女とマッチョな子供  ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:05:14 ID:haxDK0tF
そんなこんなでマルコがまた面白いものを見つけたり郁恵が可愛い服やアクセサリーに引っかかったりしながらも、
3階建てのショッピングモール・百貨店、一部尖塔のような形で出ている4階のレストラン街まで
丹念に全部見て回ったが、結局誰とも出会えることはなかった。


「どうしよう……」


内心の不安が、そのまま声に出てしまう。
郁恵は、決して今の状況がわかっていないわけではなかった。
実感がわいていないとはいえ、「殺し合い」をしろといわれた異様さと危険さはわかっている。
不自然なまでに明るく朗らかに過ごしているのは、もしかしたら現実逃避の一種だったのかもしれない。

いつも友人達の皆からは妹のように可愛がられており、
特に親友の姫路京子とはまるで母娘のようと言われるような関係だった。
そんな彼女がこの会場で初めて出会ったのは、とても巨大な体躯を持ちながらも幼子のような精神を持つ相手。
自分がしっかりしてマーくんを大好きなバク兄ちゃんに会わせてあげないと……。
でもこれからどう行動するのが正解なのかわからない。


「オガワちゃん、どした?」
「大丈夫! 大丈夫! なんともないヨー」
「でも……」

訝しげに声をかけてくるマルコに、わざと明るく元気に答えた。
しかし郁恵の不安がわかるのだろう。マルコも少し不安そうにしている。


「そ、そうだ。ちょっと疲れちゃったし、ここで少し休もっかー?
 バク兄ちゃんやあたしの友達を探しにいきたいけど、今は外マックラだもん」


もし、深夜に無理に行動して、今の2人じゃどうすることもできないような危険に巻き込まれてしまったら。
それで、もし、ここから帰れなくなってしまったら。――殺されて、しまったら。
(お家に帰れない?)
(もうミンナに会えない?)
――――そんなこと、考えたくもない。
472毛皮と美幼女とマッチョな子供  ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:07:02 ID:haxDK0tF
……絵里子ちゃんも、由真ちゃんも、小田桐先生も、バク兄ちゃんも、ミンナはきっと大丈夫。
今は無理に危険な真似をして自分達の身を危険に晒すほうが悪いことのはず。
郁恵は自分に、誰かに言い聞かせるように内心でつぶやく。
だから、今だけ……、……少し休んで考えてもいい?


ソファやベットが展示してあった家具売り場。
そこが一番休むには適しているだろうということでそこで売り物を少し拝借して休憩することになった。
もうマルコはあっという間に眠りについてしまっている。
なんといっても今の時刻はかなり夜が更けた深夜。いやもう黎明といってもいい時刻。
それに加えてお菓子でお腹もくちた今、眠くなるのは当たり前だろう。

――しかし、郁恵は体だけは横たえて休みながらも眠気とは程遠かった。
ただマルコの寝息だけが響いている静寂に包まれた空間。
そこに不吉な匂いや物音を、かすかに感じ取ってしまうような気がしてしまう。
殺し合いの場に放り込まれている、という緊張のせいで過敏になっているのだろうか。
外に出て行くのは怖い。でもこの会場のどこかにいるはずの仲間を探しにいかないと。
どういう風にするのが正解なんだろう? まったくわからない。
なかなかこれからの移動方針は定まりそうになかった。



その頃、2人が休むすぐ近くの森ではもうすでに郁恵と実年齢的に同じ頃の少年と肉体的に同じ年頃の少女の命が失われている。
そして――彼女の担任教師の命もすでに……。
穏やかで平和な時間が流れているのはこの場所だけ。
そしてまもなくこの場所も同じように巻き込まれていくだろう。
例え今は目に入っていなくとも、彼女が危惧する通りここは殺し合いの舞台なのだから。


473毛皮と美幼女とマッチョな子供  ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:07:50 ID:haxDK0tF
【G-4 百貨店・家具売り場/一日目黎明】



【名前】小川育恵@女子高生
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】ディパック(基本支給品一式)
     お菓子のパーティパック(かなりの量を消費)、
     応急処置セット(簡易外科セット・内服薬一式・注射器&アンプル)
【思考】
1:マルコと同行する。
2:とりあえず夜が明けるまではここで休む。
3:朝になったらどうするのが正解なんだろう……。
※原作九巻、修学旅行編終了後から参戦。




【名前】マルコ@嘘喰い
【状態】健康
【装備】不明
【持ち物】ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品1〜3)
【思考】0:貘兄ちゃんの言うことを聞く。
1:オガワちゃんと同行する。
2:悪いヤツはやられる前に蹴る。だけど殺さない。
※「廃坑のテロリスト」編直前からの参戦です。
474 ◆hNkihqvF/. :2008/12/14(日) 21:08:27 ID:haxDK0tF
以上投下終了です
なにか指摘などありましたらよろしくお願いします。
475創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 21:39:39 ID:SO0pWP14
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ   >>474様、投下乙でございます。
     |/^_,ヽ,_ノ      血が滾るバトルロワイアルにいながらも、未だ安息の地にいる、お二人
     ゝ ゚д゚)       ……ククク、失敬。いいです、いいですよ
    /<▽>         マルコ様と小川様……お二人のこれからのことを思えば
    |::::::;;;;::/      和みがあればあるほど、その時に狂気が映えるものです
    |:と),__」
    |:::::::::|
    | :::::::|
    |_:::::::|
     |::::::|
     し'_つ
476創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 21:49:02 ID:Pim38RRF
投下乙です!
あーうー、二人が無事に帰って洋服作ってあげたりすることはないんだろうなあ、と思うと
ものすごく悲しい場面だー……。
でも今はこれでいいんだマーくん&小川ちゃん!
477創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 01:44:48 ID:otYJ2Q8r
投下乙!
ほのぼの空間が鬱展開の前触れにしか見えなくなっている俺たちは確実にロワ脳だなw
wiki収録したんだけど小川ちゃんが「郁恵」になってたから、そこだけ訂正させてもらった。
勝手なことをして申し訳ない。
478 ◆hNkihqvF/. :2008/12/15(月) 10:12:26 ID:V/aKKuk0
あうあう
小川ちゃんは小川ちゃんとしかいつも見てなかったので
「育恵」を「郁恵」だと思い込んでました
小川ちゃんごめんなさい

しかし、書けるキャラが尽きた今日この頃
把握作品を増やしてもそのキャラを書けるかどうかは別問題というところが難しいもんですね
479創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 16:59:53 ID:qWgD4/jw
書き始めてみたら、以外に書きやすいキャラだったりすることもあるけどなw
逆に書き始めるまでは、把握完璧だし楽勝だと思い込んでいたら
書き始めてみると激ムズのキャラがいたりするが
480創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 02:27:31 ID:deRvFB+u
やっと、ジャングルはハレのちグゥを読んだ。
面白いからハレグゥも読みたいが、此処までの把握でも書けそう?
481創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 02:31:13 ID:eb+xEO56
かけるよー
だいたいみんなハレのちグゥのみでおk
あ、でもダマはハレグゥも読んだほうが深みが増すかな
別にそうじゃなくても書けるけど
482創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:39:21 ID:byWWNdnl
あそこから更に奇行が増すのかよwww
なんて美味しいキャラなんだ
483創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:44:09 ID:eb+xEO56
もうダマはいくところまでいくキャラだからww
ネタバレしない程度に言うと地球を滅ぼします
484創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 23:26:26 ID:fTekUREr
ダマについて把握は必要ないだろ。
グゥと一緒で深く考えたら負けだw
485創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 23:28:35 ID:eb+xEO56
確かにw
だからあくまでちょっと描写が深くなるかもしれないだけだな
まぁ台詞回しやなんかは参考になるかも
486創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 20:46:34 ID:ynT+eLnw
今日嘘喰いの新刊買おうと表紙を見たら衝撃の事実に気付いた
あれuso-guiなのね今までずっとuso-kuiだと思ってた
487創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 20:50:06 ID:v+MOG4ou
うんそうらしいね
俺も最初そう思ってた
あと賭朗もいまだに確認しないと漢字がわからない
488創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 22:50:47 ID:cSmW01oa
賭郎だったような気が、ソースは俺の記憶だから信用はできないが
489創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 23:52:05 ID:2/V+GT1Y
迷ったら門倉らさんに聞けばいい
490創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 09:38:58 ID:6PLtjQdy
前に賭「朗」って書いて門倉さんのリーゼントに吸い込まれた人を見たよ
491創る名無しに見る名無し:2008/12/19(金) 11:20:22 ID:4P3DeKIQ
な、なんだってー
492創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 23:59:02 ID:rcxC48H+
勢い 9.61
493創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 23:59:53 ID:y/01wEcm
俺の専ブラだと9.7だな
494創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 23:03:39 ID:1h/N7Wda
相談なんだけど、他より時間が進んでいる場所を書くのと自己リレーだったらどっちがましかな
495創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 23:17:32 ID:dU0w3Sbj
個人的な意見でいいなら、どっちも全然おk
特に時間の方は気にしないタイプなんだけど、どうなんだろ?
496創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 23:27:54 ID:1h/N7Wda
いやそうじゃないと書けないというわけでもないんだけど
ここを書こうと思ったら近くにいるこのキャラも絡めたいけど自己リレーだとか
まだ1回しか書かれてないキャラがほとんどなのに3回目いくのはどうかなとか
いろいろ迷ってたもんでねー
497創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 23:56:09 ID:dU0w3Sbj
一日ほど待って特に反対意見がないなら問題ないんじゃないかな
自己リレーも明らかに特定キャラ贔屓する人はいないと思うし
498創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 01:24:04 ID:v7x90BeM
自分も特に問題なし派
今ちょっと書けない分、書いてくれる方がいるだけで大助かりですー
499創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 21:58:22 ID:QyBjSWyj
自治スレを一通り読めば分かりますが
パロロワ開始前総合スレのテンプレにおいて、この安価漫画ロワ>>2のテンプレを拝借しても宜しいですか?
500創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 22:00:50 ID:ptsKniBN
>>499
ここのマスコット、門倉雄大さんが言うにはいいそうです
501創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 22:00:55 ID:3laPCXZS
>>499
はいよろしいです

俺がテンプレを書いた本人じゃないからなんだけど、
こういう場合に使われるしっかりとしたテンプレがあるのは誇らしいね
存分に使ってくださいな
502創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 22:04:01 ID:QyBjSWyj
ありがとうございます。

……実は自分も此処の住人だけど
503創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 22:07:23 ID:3laPCXZS
ちょw身内すぎるww
504創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 12:57:09 ID:iRnRVOc4
酷い過疎だ
505創る名無しに見る名無し:2008/12/27(土) 14:32:20 ID:7aMJOqub
じゃなんか雑談しようか
ネタ何かあるかな
506創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 12:23:00 ID:f+GkyYa8
今日からヒットマンの新刊が出てることをさっき知ったけど金がないよう
嘘喰い10巻は買ったから…今日からヒットマンもう少し待っててくれ
507創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 13:41:31 ID:jZ/lAzB5
買って読んだが十吉のキャラにあまり変化はなかったw
まあ面白かったしいいけどねw
508創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 15:32:58 ID:NbB/lJoH
最終投下から2週間が経過
509創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 22:33:05 ID:f+GkyYa8
まぁ十吉は34歳だってわかってるから
35歳の誕生日以前に召還されたことは確定してるんだけどねw
やっぱ面白いから続き読みたいじゃないか
510創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 23:43:36 ID:mpQKFlLg
十吉は本当にいいよな
一人語りの多いキャラは何かと書きやすいし面白い
511創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 23:48:31 ID:f+GkyYa8
あのシリアス面ととスケベな面の2面性、ヒットマンと営業サラリーマンとしての2面性がいいね
営業で鍛えた話術で場当たり的にのりきる殺し屋ってなかなかいい設定だ
512創る名無しに見る名無し:2008/12/28(日) 23:59:44 ID:mpQKFlLg
誰と一緒にいるかと思ったら、グゥ様かよww
なんでもありだからなあ
513創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 00:01:38 ID:9rdCt1UB
グゥとの会話はものすごくやりにくかろうな
514創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 10:06:52 ID:uMhby71Q
お、新刊でてるのか
俺まだ今日からヒットマンは3巻までしか読んでないんだよ
古本屋で間が抜けててそこがなかなか見つからない
もう定価で買ってしまおうか…
515創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 10:12:47 ID:+Z22rVIj
今日からヒットマンは確かに大き目の古本屋じゃないとないかもなー
516創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 00:37:34 ID:XBxynQnF
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     イ==========ミ
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  イ========-ーー-ヽ===ミ
ミ ======/          ヽ==ミ
=ミ ====              ヽ==ミ
==ミ =ノ                 ヽ=ミ
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     > :::::ヾ.ヽ    \:::\ゝ ̄ ̄ ̄   /:::::::!:   
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     ヽヾ--\:::::::::::::::::::`丶 ~"''-::..,,,.,,,,,,,,., 
517 【ぴょん吉】 【447円】 :2009/01/01(木) 00:50:55 ID:H+/HZBgZ
あけましておめでとう!
518創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 01:42:00 ID:klSsRudl
>>516
彼が参加できなかったのは残念だ・・・
519創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 18:12:11 ID:eKB+XN9h
正月真っ盛りだけど把握進んだ?
自分は残りXのみ
520創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 18:17:46 ID:eey12W2h
あとはネギまと女子高生だなあ
521創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 18:21:45 ID:eKB+XN9h
ネギまと女子高生か
最初は両方似たようなジャンルだと思ってたけど
いざ、把握すると似て非なる両作品だったw
522創る名無しに見る名無し:2009/01/03(土) 19:54:20 ID:2+xYl/eF
俺はあとXと特攻天女だな
523創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 08:03:09 ID:Qj3cHdMV
某所で書き手0と言われちゃったので奮起してみる
しかし…地図とにらめっこするにつけ書けるところが…
いいもん、自己リレー行っちゃうもん
524創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 15:17:52 ID:lHBsdvVQ
おー、頑張ってくれ!
525創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 22:55:20 ID:jXtX8Oe2
予約キター
526創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 05:57:25 ID:9XRAb8xQ
最近活性化してきたロワがいくつかあるから、ここも続いて欲しいなー。でもやっぱ見慣れ無いキャラが多くて取っ付きにくいのかな……?何かkskのようなマスコット的キャラが必要なのかな??
……駄目だ、みんな濃過ぎるwwww
527 ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:12:32 ID:6vzLMvv+
それじゃあマリィと孫悟空投下します
528ちょっと待って マリィちゃん  ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:13:53 ID:6vzLMvv+
バトルロワイアルという戦場の中――。
がっちりとした体の青年に守られるように、幼い少女がいた。
悟空とドラゴンレーダーを見ながらなにやら相談しているのはマリィ。
出身はジャングルの小さな村。名字は普段名乗る習慣がないのでわからない。
もしかしたら最初から存在すらしないのかもしれない。
彼女はなんの力も持たないやっと10歳になったぐらいの小さな女の子だ。
殺し合いなどという場では、すぐに死んでしまってもおかしくない。
まだ彼らは知らないことだが、この島には魔法使い、サイヤ人、ヒットマン、殺人中毒者などと危険人物がたくさんいる。
この島の他の場所で彼らの戦いによってもう実際に幾人も死者がでている。
そして、その中には同い年でとても仲が良かった彼女のクラスメイトの少女も含まれていた……。
そう、弱いものは死んでいく。ここは日常とは隔絶したバトルロワイアルなのだ。

しかし彼女はそんなバトルロワイアルにすでに完全に適応しきっていた。
なにせ、もうすでに一人殺しているのだから素晴らしい。
今は他人をできるだけ利用し、騙し、殺しながら、
さらにドラゴンボールでご褒美まで手に入れて帰ろうなどと思っているのだから頭が下がる。
彼女の特徴は適応性の高さとその思い込みの激しさゆえの暴走癖。
529ちょっと待って マリィちゃん  ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:14:43 ID:6vzLMvv+
こんな場でいちいち現状に悩んだりはしない、ただつっぱしるだけだ。
もし、とある男の子がこの場にいたとしたら

『ちょ、マリィ!? 落ち着いて! 
 つーかなんだよバトルロワイアルっていきなり』

とかなんとかツッコミを入れてくれたのだろうが、残念ながら彼はここにいない。


 
――そう、彼がここにいないのだ。



彼女にはどうしてもここで生き残ってもとの世界に戻れなければいけなかった。
それは幼馴染で最近やっと彼氏彼女の関係になることができた男の子のため。
その男の子、ハレがいさえすれば別にこの島に骨をうずめたってよかった。
故郷から離れ、他と隔絶した空間というだけなら今までだってあったし、
その遭難した無人島でも本気でハレと子供をつくって新しい家庭をつくっていこうと思っていたのだから。
でもハレがここにいない。自分がハレから引き離されてしまった。

それは、殺し合いにのりどんな手段をつかってでもここから帰ろうとマリィが決心するのには充分な理由だったのだ。
530ちょっと待って マリィちゃん  ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:15:27 ID:6vzLMvv+


■ ■ ■


ハレと……ハレと離れちゃったら――。
あたしの未来予想図(ハレの両親があたしのパパとママになってー、ハレがダーリンでー、子供は何人かしら、きゃっ☆)はどこにいくの!?

あたしがそばにいなかったらきっとハレはすぐに他の女にねとられちゃう。
ハレのまわりにはあたしよりも可愛い女の子たちがいっぱいあふれてるんだから。
でも、あたしはハレの心変わりを心配してるわけじゃないわ。
あたしが心配してるのはその女の子たちがハレに惚れちゃうこと。
あたしの彼のハレはみんなに優しくてとっても素敵な男の子だから、
ちょっと優しくされた女の子たちは勘違いしてすぐハレを好きになっちゃうの。



――だから、ちゃんとあたしが主張しなきゃいけない……!



ハレにはもう可愛い彼女がいるって事を! ハレの本妻はあたしだってことを!


なのに今あたしがいるのはハレから遠く離れたところ。
都会とジャングルで居場所が別れたこともあったけど、いつだってハレはあたしのもとに帰ってきてくれた。
だから今度はあたしがハレのもとに帰る番。



天国のパパとママ、ごめんなさい。あたしは人を殺してしまいました。
でもね、あたしは諦めたくなかったの。
戦う前から負ける気でいたら勝てるわけない。
そう、これは勝ち戦! あたしはこの殺し合いを乗り切ってハレのもとに帰るんだから!
それだけじゃない、このドラゴンボールの力でハレを夢中にする力を手に入れるの。

でも今のあたしはただの女の子だから……。
でもこれって考えようによっては大きな武器じゃない?
こんな子供が殺し合いにのってるなんてなかなか思わないもの。
だからとっておきの笑顔を見せよう。安心するような優しい言葉をいおう。
そして、その人が油断してるときを狙って殺してあげよう。
531ちょっと待って マリィちゃん  ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:16:25 ID:6vzLMvv+
今は真夜中だったし、全力疾走を繰り返して体力は落ちているはずだったが疲れや眠気も気にならない。感じない。
この殺人ゲームに自ら乗って殺人を犯してしまった事による奇妙な高揚感にまるで酔っているかのようだ。
でも頭は至って冷静。悟空と話ながらも脳の中では様々な考えを次々に巡らせている。


(ちょっと話を聞いただけだけど、ゴクウってやっぱりかなり強いみたい)

ドラゴンレーダーの反応によるとまた1つがそれほど離れていない位置にあり、
そこへ行く前にお互いの情報交換をしていたのだが、いろいろと情報を手に入れることができた。

(気? カメハメハ? さいや人? よくわかんないけど……、でもあれを見ちゃったし)

気というものが何なのかわからなかったマリィに説明するために、
悟空は近くにあった岩にカメハメ波を撃ち込んで見事に砕いてみせたのだ。
一番重要なドラゴンボールの情報や、あの最初の間にいた大きなモンスター、シェンロンについて、
とても強いらしいナッパやベジータといった強敵の話などなど悟空の話は本当に参考になることばかりだ。
雄一郎もそうだったが、無邪気な言葉と容姿をもつマリィにはいろいろと教えたくなるものらしい。
そうしてマリィは学習していく、頭をつかって考える。
戦闘能力を持たないながらもこのゲームでの優勝を目指すために。
532ちょっと待って マリィちゃん  ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:17:18 ID:6vzLMvv+
【C-4 道路/一日目黎明】





【名前】孫悟空@ドラゴンボール
【状態】健康、クリリンの死に対するショック
【装備】なし
【持ち物】四星球@ドラゴンボール、ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)
【思考】
0:ドラゴンボールを六つ集めて主催者と勝負。
  主催者を倒して殺し合いで死んだ人達を全員生き返らせる。
1:マリィと一緒にドラゴンボール集めをする。
※参戦時期はベジータとナッパが地球に来た頃です。





【名前】マリィ@ジャングルはいつもハレのちグゥ
【状態】健康
【持ち物】ディパック(基本支給品一式・水と食料が二人分)、ドラゴンレーダー、カビ取り洗剤、
       超神水@ドラゴンボール(残量1/3程度)
【思考】
0:優勝を目指し、ドラゴンボールを六つ集めて主催者と勝負。
  ハレが自分にだけ夢中になるようにしてもらう。
1:利用できる人は利用しながら、どんどん人を殺していく。
2:ゴクウと一緒にドラゴンボール集めをする。全部集めたらゴクウは用済み。
533 ◆hNkihqvF/. :2009/01/10(土) 09:19:56 ID:6vzLMvv+
以上です

前の話の補足みたいなものですね
それでは誤字脱字、ご指摘、感想等々ありましたらお願いいたします。
534創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 12:56:39 ID:HGFGN96c
投下乙です!
マリィがどんどん怖い子にー!?
…いいぞもっとやれw
535創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 16:41:39 ID:eB1TlK89
投下乙です
マリィこんなこと考えていたのか
しかしこれで10歳なんだよな、末恐ろしい…
536創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 18:27:49 ID:1BCLlbEh
    ___
    |:::::::::::::::::::)  
     |:::::::::::::::::ノ   
     |/^_,ヽ,_ノ        >>533様、投下乙でございます
     ゝ ゚д゚)       マリィ様……わたくし、貴方のような純粋な少女を初めてみました。
    /<▽>        もっとも、その純粋さを愛しの彼が認めてくれるかは……クククッ……
    |::::::;;;;::/      幼女マーダー……相変わらずいい響きです 
    |:と),__」        
    |:::::::::|     
    | :::::::|     
    |_:::::::|      
     |::::::|       
     し'_つ
537創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 01:25:31 ID:gHYpsMHN
マリィの最後の文が不憫でならねぇww
決死の覚悟で優勝狙い、毒もあるから悟空使い捨てできる!と思ってるが、
その毒が意味ないからなw

あと、気になった点が一つ。悟空は時期的にベジナッパの名前は知らんのでは?
538 ◆hNkihqvF/. :2009/01/11(日) 01:32:34 ID:sK+2RhTn
来た頃だから名前ぐらいは知ってるんじゃ…と思い込んでいたけど
よく登場話を読み返してみるとヤムチャにしか反応していない…
これは名前知らないんですねorz

こう修正します

一番重要なドラゴンボールの情報や、あの最初の間にいた大きなモンスター、シェンロンについて、
とても強いらしいナッパやベジータといった強敵の話などなど悟空の話は本当に参考になることばかりだ。

一番重要なドラゴンボールの情報や、あの最初の間にいた大きなモンスター、シェンロンについて、
友人らしい気の力をつかえるヤムチャの話などなど悟空の話は本当に参考になることばかりだ。


539創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 22:06:27 ID:hxl6Dgcb
そういえば、ネギっていったいいつ出てくるんだろう
540創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 22:36:34 ID:ny2/Wpy6
>>539
何それ?美味しいの?
541創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 22:38:03 ID:hxl6Dgcb
あらいやだおじいちゃん
地図の左下で海に沈んでるネギ君のことですよ
542創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 13:19:42 ID:aQvil/2v
うちのネギは昨日の夜から鍋に沈んでるな
543創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 15:21:20 ID:csGm+sY6
うちではみじん切りにされてチャーハンの具になってるな
544創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 22:18:28 ID:/ZsA/0ZY
仕事が長引いてPC使えない
誰か、例のAAを・・・
545創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 14:00:45 ID:/HpzA+W5
マラマラマラマラマラマラマラ・・・・・・

 /⌒ヽ /⌒ヽ
((   三  _))
 ヽ ( /  ミ
  キ メ  /
  乂__ノ
 / ̄〉|| ヽ__/7
( ̄ ̄ |」 r――、_<
  ̄ ̄TT ̄
   ̄ ̄ ̄ ̄
546創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 19:49:50 ID:L+3sRwEH
wktk支援
547創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 19:51:49 ID:YzSPJVlJ
そのAAは正解なのか?w
548創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 13:53:11 ID:SfG+mwWW
なんか雑談したい気分
雑談ネタなにかないかな
549創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 18:42:42 ID:2S/qZRwN
ハレグゥ漫画読み終わったけど、アニメは観なくていいよな?
550創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 20:00:24 ID:E0r6xhCk
いいよ
把握は漫画で完璧
まぁアニメもいいできだからもし見る機会があったらおすすめしたいけど
別にロワのために見る必要はない
551創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 14:21:28 ID:rCihuBHp
>>549
DVDのDX(デラックス)が特に面白い。
ファイナルは少しシリアス。
552創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 14:26:44 ID:rCihuBHp
付け足し
DXの何巻か忘れたけどダマが主役の「好き好きおじいさんバーサーカー」を見たらダマの恐ろしさが分かる。ナッパにすら勝ちそうなくらい化け物。
553創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 18:26:08 ID:XGhbal+3
確かにあれは凄いなw
ハレグゥアニメはうねうねよく動いて作画もいいしいいできだった
どこかにいるラーヤを探すとか遊び心も満載だったしw
554創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 12:00:37 ID:1h/mMwaZ
ダマは白髪を追い求めてた時期じゃなくて結婚して落ち着いた時期かよ、つまらんな
絶対バーサーカー時代の方が目茶苦茶になるのに
555創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 12:16:34 ID:buQPZD93
まあ時期だけ見たら確かにつまらんかも知れないが
SS読むと普通に面白いから、個人的には全然OK
556創る名無しに見る名無し:2009/01/30(金) 18:08:02 ID:3pCGB2U9
ダマはカッコイい正義の味方、でも突っ込みどころ満載という道をたどってるな
557創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 20:14:02 ID:lOl5xvjG
全く投下無いな
もう終わったな、ここ
558創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 20:30:50 ID:6FwIfjO1
そ、そんなことないもん><
559創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 19:51:39 ID:KyiaUvxO
門倉さんの登場だけで十分すぎる伝説になったさ
560創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:24:07 ID:nCDYEKvC
どうやらラジオの候補になっているらしい
561創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:45:09 ID:lBgMNH41
ラジオkwsk
562創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:48:32 ID:nCDYEKvC
563創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 23:53:29 ID:lBgMNH41
>>562
ありがとー!
こんなすごい企画が進行してたとは知らなかった

放送日が決まったらその日は予定入れないようにしよっと
564創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 00:22:58 ID:yZYz5ZjZ
ラジオキター

前回の過疎ロワチャットのときにラジオの話題が出て
それまでにはだいぶ進んでるだろうと思ってたけどあんまり書けなかったな
くそう、書けるターンがないんじゃああああ
565創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 02:26:09 ID:jWwmnRGs
ラジオ、うほ

それにしても、投下なくても気にはしてる住人はまだいるのなw
盛況とはいかなくても、他のロワで疲れた時にでも書きにこれるロワでありたいものです。
566創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 06:31:42 ID:jWwmnRGs
ちょっとまてww
今気づいた、安価漫画第一放送まで……!?
変な区切りがついてる!これは、再び投下速度を上げろということかw
地味にやる気出てきた
567創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 06:33:25 ID:yZYz5ZjZ
第一放送…?
な、なんの話?
568創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 06:37:53 ID:jWwmnRGs
つ ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html

かなり驚いたけど、やるしかないな
569創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 06:39:49 ID:yZYz5ZjZ
マジだw
これは…やるしかないな
570創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 09:06:57 ID:A++oNt4H
ここ復活フラグか!!?ヤッホオオオオオォォ
どんなペースでもいいんだ…続いていてくれば!
応援してる奴はいるぜ

571創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 20:56:57 ID:zXDo1PQ/
ちょっとまってマリィ“ちゃん”じゃなくて、マリィ“たん”じゃなかったっけ?
572創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 20:59:16 ID:Fcq45SQT
マリィたん?誰がマリィを呼ぶときの話?
573創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 21:00:07 ID:Fcq45SQT
って、、したらば見にいったらQ太郎予約来てた!!!!
574 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/22(日) 23:41:39 ID:MDrbGjXU
仮投下スレの方に投下させていただきました。

誤字脱字修正希望アドバイスなどございましたら、
よろしくお願いします。
575創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:53:12 ID:Fcq45SQT
うおおおおお!?早い!!
見に行ってくるー
576創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 23:54:58 ID:Fcq45SQT
読んできた!
なんの問題もないと思いますよー
577 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/23(月) 18:57:19 ID:fUofpRS1
Q太郎投下します
578狂気と凶器と狂喜 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/23(月) 18:58:50 ID:fUofpRS1
「カカカカカッ…ふぅ。さて、これからどうしようかの。」
狂喜の老人は一頻り笑った後、これからの身の振り方を地図を見つつ考え始めた。

まずは、どこへ向かうか……市街地へ行けば"人"つまり獲物が集まっているだろう。
百貨店へ行けば獲物を"じわじわ"と弱らせるのに使える道具も置いてあるだろう。
だがそれらより老人の興味をひいたのは"廃ビル"という何の変哲もないような場所。

「もし"廃ビル"があの"廃ビル"じゃったら……カカッ。 」
老人は"もし"と言った。
だが老人は確信している、地図上の"廃ビル"が老人の快楽を満たすための狂気の遊技場であることを。
何故ならば何の変哲も無い"廃ビル"を地図にのせる必要はまったくないからだ。

「次は、参加者の確認と……カカカカカッ。」
老人は参加者名簿に目を通し、再び狂喜した。
要因は二つ 最も憎い存在である"斑目 獏"、そして最愛の息子"マルコ"いや老人にとっては"ロデム"の存在だ。
「カッカッカッ!最高じゃ!ロデムが!ロデムさえいれば!このゲームは……わしが!確実に!優勝する!
そして"嘘喰い"!今度は貴様が…カカッ!カカカカカッ!!」

「カカッ、いいぞいいぞ、最後は支給品の確認じゃな。」
そう言って、先ほど殺した少女のデイパックを開き……出した物を見て、老人は笑った。
「ッ…………カカカッ、最高じゃ。わしは、カカッ、本当に、カカカッ!ついとるぞぉ!!」
老人の狂喜を助長させた支給品とは何か、"防弾チョッキ"である。
狂気の老人は自らの命に執着する。だからこそ、その命を守る支給品を喜んだのだ。

「カカッ、カカカカカカッ、カッカッカ!」
老人は笑った、自らの幸運を、自らが蹂躙するであろう獲物の命を。
そして、これから手に入れるであろう倶楽部 "賭郎" 22代目お屋形様という輝かしき将来を。
579狂気と凶器と狂喜 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/23(月) 19:00:45 ID:fUofpRS1


だが老人は幸運のあまり楽観的になりすぎてしまっていた。

"廃ビル"が老人の所持していたものであるとは限らないし、再びそこの支配者になれるとは限らない。
最悪の別れ方をした最愛の息子に注射器を簡単に刺せるわけがない。
防弾チョッキでは防ぎきれない程の"暴力"を所持した実力者達がこの殺し合いに参戦している。

だが老人がそれに気づくことは無い、幸運すぎるからだ。
何もかも失い死ぬはずだったという地獄から、自らの快楽を満たすことの出来る天国に来たという幸運。
最初に出会った参加者が簡単に殺せる幼女であったという幸運。地図に自らの居場所が載っていたという幸運。
最愛の息子と、最も憎い敵が参加していたという幸運。自らの命を守る支給品を手に入れたという幸運。

老人に与えられた幸運は、老人に対する油断を生んだ。そして幸運は老人にとっての甘い毒となる。
老人は笑い続ける。幸運の女神もまた、老人を嘲い続ける。
580狂気と凶器と狂喜 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/23(月) 19:02:19 ID:fUofpRS1


【F-6 鬱蒼と茂った森/一日目・深夜】



【名前】Q太郎(九重太郎)@嘘喰い
【状態】健康
【持ち物】ニューナンブ@現実(弾数4/5)、防弾チョッキ@現実、ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)、
 ラーヤのデイパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品0〜2)
【思考】

1:"廃ビル"へ向かう。
2:次の獲物を探しに行く。
3:"マルコ"もしくは"ロデム"を探す。
4:嘘喰い(斑目獏)に復讐する。
5:最後の1人になって屋形超えをする。
581 ◆fRBHCfnGJI :2009/02/23(月) 19:04:09 ID:fUofpRS1
以上で投下終了です
人生で初のSSがQ太郎です
本当にありがとうございました
582創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 21:29:34 ID:nrUaSEz3
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ   >>581様、初めてのSSということでありますが……最高に乙でございます
     |/^_,ヽ,_ノ       ゲボ吐くほど、いびつに歪みきったバランスであるQ太郎様に期待させてもらいましょう
     ゝ ゚д゚)
    /<▽>
    |::::::;;;;::/
    |:と),__」
    |:::::::::|
    | :::::::|
    |_:::::::|
     |::::::|
     し'_つ
583創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 21:37:07 ID:XJi91XJa
これが初SSとは思えない完成度の投下乙!

Q太郎の下衆っぷりと反面の道化っぷりがよく出てるな。
あの時期から参戦してるマルコと出会ったときに、さてどうなるか…楽しみだ。
それ以前に出会えるかどうかも怪しいがw
584創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:43:34 ID:GfmIUWt3
放送入るための絶対条件、
まだ早朝に入っていない参加者達

4/5【嘘喰い】
○斑目貘/○マルコ/○夜行妃古壱/○Q太郎
4/4【ジャングルはいつもハレのちグゥ】
○グゥ/○マリィ/○ダマ/○マンイーター/
5/5【ドラゴンボール】
○孫悟空/○ヤムチャ/○ベジータ/○ナッパ/○透明人間のスケさん
2/2【斬】
○月島弥生/○刺々森鋭次/
3/3【女子高生 GIRL'S-HIGH】
○高橋絵里子/○鈴木由真/○小川育恵/
4/4【魔法先生ネギま!】
○ネギ・スプリングフィールド/○エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル/○フェイト・アーウェルンクス/○葛葉刀子
3/3【みえるひと】
○明神冬悟/○桶川姫乃/○ガク/
2/3【寄生獣】
○後藤/○浦上
1/2【天〜天和通りの快男児〜】
○僧我三威
3/3【特攻天女】
○高村大/○天野瑞希/○ユエ
2/2【アカギ〜闇に降り立った天才〜】
○赤木しげる(若)/○鷲巣巌
2/2【今日からヒットマン】
○稲葉十吉/○蜂の巣ジョニー
1/1【X】
○司狼神威

ラジオ放送の日は来るのか?
585創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 04:14:53 ID:4GY9o4qg
おお!投下きてる!
Q太郎は特徴があるから書きやすいよね
マルコとアカギの廃ビルでの対決にQ太郎も参戦か…これは面白くなってきやがったぜ
586創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 04:56:03 ID:VrL9hhKt
新作来てるー!!超乙です
廃ビルやばすぎる状態だなwwwこの後楽しみすぎるだろJK
しかし元気なおじいちゃん多いなこのロワ
第一放送迎えてくれ〜
587創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 05:13:59 ID:4GY9o4qg
マンイーターとか動かず日が昇るまで待機する予定だし
近くにキャラもいないから放送までジャンプしてもいいんじゃないか?
588創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:03:49 ID:O0kZg9Hs
wiki編集してみました
589創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 07:51:26 ID:d95HqRQ2
おお!乙〜
俺もやろうと思ってたが先越されたか
590創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 13:52:42 ID:srFR+5X8
Q太郎じゃなくてQ大郎では?
福本と嘘喰い、あとはドラゴンボールくらいしか知らないけど、面白そうなロワですね
591創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 21:17:34 ID:DypLgfxP
九重太郎、通称Q太郎じゃね?
あれ?間違ってる?
592創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 21:54:29 ID:kNIhH8A/
手元のコミックによりますと…ふはははははははははははは

九重大郎、通称Q大郎でした!
すまん言われて初めて気付いた…orz
593創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:14:56 ID:DypLgfxP
でえええええええ!?
嘘だろおい今までずっと太郎だと思い込んでたよ
SSも太郎で書いてたしさ
ぶっちゃけ大郎になってるものなんて名簿含めて存在しないんだが
wikiで全置換するべきかな?
594創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:18:44 ID:kNIhH8A/
そうだなあ…んでは、とりあえずSS本編のQ大郎登場話と話数一覧表を置換しますです。
名簿の方、お願いしますー
595創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:27:45 ID:DypLgfxP
ほいほい名簿更新してくる
596創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:28:55 ID:kNIhH8A/
こちら完了ー
名簿もどなたかやっていただけているようですね、感謝ですー!
597創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:29:23 ID:DypLgfxP
ってもう更新してある
出遅れたか…orz

Q大郎のキャラ専用ページまだつくってなくてよかったな
598創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:32:06 ID:DypLgfxP
嘘喰いはこういうの多いね
前賭郎と賭朗ってのもあったし
599創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:59:37 ID:kNIhH8A/
>>597
乙です、やってくれた方もありがとうございましたー
いや、にしても「Q大郎」は完全に盲点だったよ…w
600創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 16:22:44 ID:Je512ie1
アンタら…嘘つき…だね
と言うつもりでコミックスを開くとそこには「Q大郎」の文字が…
更新してくれた人乙ー
601創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 22:25:04 ID:ZHdTHhDN
つうか大郎ってみたな脳内で太郎に変換されるだろJK
だいろうか?だいろうなのか?
602創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 23:42:53 ID:Je512ie1
九重大郎で『ここのえたろう』
嘘喰いには謎が一杯ですw

とりあえず、マルコの二段覚醒フラグに期待
603創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 23:52:52 ID:ZHdTHhDN
大郎でたろう?
謎だ…謎すぎるw
604創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 23:59:18 ID:GEYGJmTe
おお、予約来てる!
ついに最後の参加者が…
605創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 00:19:33 ID:fnGVyiMV
おおおおお!!!
マジでか!

ずっと海に沈んでたネギ君がやっとなぁ
606創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 02:18:39 ID:gBy4SnAE
しかも新人書き手さんだな
よきかなよきかな
607創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 20:43:52 ID:42wgRxzx
とうとうネギ浮上かwwwwww
608創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 00:15:52 ID:7UoIFk/z
やっと引き上げられるのなw
609創る名無しに見る名無し:2009/03/27(金) 16:18:00 ID:IfgVn/Wg
延長…かな?
610創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 08:37:30 ID:ZAbG9Mnk
あらら延長か
今月中ってことはあと3日だなwktk
611創る名無しに見る名無し:2009/03/31(火) 22:37:32 ID:TYYE3IJq
くるのか…?
612 ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:05:03 ID:kBNtfURc
三月中には投下する?

かならず3日で投下します?


あんた……嘘つきだねっ
613エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:10:30 ID:kBNtfURc

「ハッ! ハハハ……面白い。幼女の肉に嗜みがあるのか。変態め」

ニタニタと頬を歪ませる目の男。その本質をエヴァンジェリンは考える。
青白い顔と、まっさらなスーツとズボンから見える肉には、筋力は備わっていない。
華奢な指。拳ダコも無い。日頃から鍛錬を積んでいるような――気の使い手とは考えにくい。

「あっ、あちゃー、違うんだっ。喰うってのはそーゆー意味じゃない。
 あくまで物の例えというか……ごめんねードン引きさせちゃって。
 言っとくけど俺はエッチでもないし、グルメでもないよ」

とってつけたような笑顔と挙動不審でごまかす男。その邂逅をエヴァンジェリンは思い出す。
鳥の死霊と戦闘中、自分はあの男の存在に気づいていたのか。おそらくは、半々だ。
薄々と感じる、己にかかる制約。おそらく神龍がこの世界に魔力の出力を抑える結界を張っている。
魔力を持つものならいざ知れず、魔力も持たぬ者の気配を察知することは容易か――とはいえない。

「まっあんたが普通じゃないの、こっちにはバレちゃってるからさっ。焦る気持ちはわかるけどねぇー」

エヴァンジェリンは表情を変えずに、心の中で笑う。
焦る? この私がお前のような魔力も気もろくに使えないような者に焦るとでもいうのか。
懺悔をするのはそちらのほうではないのか? 殺しをするつもりはないが、少しからかってやろうか。
自分が殺されるはずがない、と恐らくタカをくくっているだろうからな。

「そうだ。私は悪い魔法使いさ。お前達を皆殺しにしてやろうと考えている。ククッ」
614エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:13:14 ID:kBNtfURc
この世界に飛ばされてから、おそらく一時間以上が経っている。
たった一時間。お前はいきなり悪い魔法使いに出会ってしまったんだ。
その不運を一番呪っているのは、お前ではないのか? ああっだめだっもう助からない、とな。

「え?俺は正義の魔法少女に見えたんだけど。絶対そうだよ。悪者だったらさっさと殺しちゃうよ。賭けてもいい」
「ハハハ……時間稼ぎのつもりか。その賭けは100回やろうが貴様の負けだ。私は優しい殺人鬼なのさ」
「絶対にあんたは正義の味方だよ。俺の命を賭けてもいい。あんた俺から色々と聞きたいんでしょ? 」

もちろんエヴァンジェリンには、男に対する殺意はない。
必要な情報を聞き出した後のことは、別段どうでもよかった。彼女は情報だけが知りたいのだ。
それゆえに、男の曖昧な態度に、少々ムキになっているのを彼女は理解していた。

(こいつは安い優越感に浸っているのだろうな。何かを知っているのは十中八九間違いない。
 私が初対面で最初に襲わず“話しかけた”ことで……こいつは自分に用があると考えたか。
 それは認めよう。だが、貴様がもやしっ子であることはわかっているぞ。ホイホイと認めるのは癪だ)

エヴァンジェリンは、事態の早急を優先した。

「ああそうだ。私はお前に聞きたいことがある。“オヤカタサマ”とやらにな」
「じゃあさ、1つ賭けをしようよ。賭郎勝負」
「ふん、いいだろう。私が勝ったら――なに? 」
「門倉さん、聞こえたよね。よろしくたのむよ」
615エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:15:57 ID:kBNtfURc
飄々しながら、目の前の男は右耳につけていたインカムに話しかける。
なんだ? そのインカムは……怪しいとは思っていたが、まさか『支給品』とやらか!?
カケ……ロー、勝負!? この男は一体何を――

『ビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッビーッ』

男のインカムからブザー音が鳴る。

「ほらっ受け取りなよ」

男が左ポケットからもう1つのインカムをエヴァンジェリンに放り投げる。
それは男が右耳につけているのと、まったく同じタイプの物。
魔法も気も使えなさそうな相手からのアプローチに、エヴァンジェリンは警戒を緩めない。
受け取りはすれど、洗脳系の魔具の類と予想をつけて装着には至らなかった。

『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル様、お気持ちはわかりますが。インカムの装着をお願い致します』
「……! お前達は誰だ」
『賭郎です。今回の催しをお屋形様の元、取り仕切らせていただいております』

まさかのフレーズに、エヴァンジェリンはインカムを握り締める。
お屋形様。その一派が、なぜこんなことを!?

『エヴァンジェリン様が“お前達は誰だ”と仰いましたので、お答えさせていただきます。
 我々――正式名称、“倶楽部賭郎”は賭け事勝負の立会いをさせていただく中立組織です。
 賭けの内容及びルールの管理、報酬の確実な回収の調整等を迅速かつ滞りなく行います』

インカムから流れる声は、神龍でもオヤカタサマでもない。
昭和の香りを彷彿とさせるツッパリロックンロールな渋みがあった。

「このふざけた殺し合いも貴様たちが管理をしているというわけだな。名を名乗れ」
『私は一介の構成員――ただの立会人に過ぎません。それに本題はそこではありませんよ。
 我々がこのような形でエヴァンジェリン様とコンタクトをとったのは、ほかでもありません。
 このインカムがそこにいる斑目貘(まだらめ・ばく)様の支給品であるからです』
616エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:17:11 ID:kBNtfURc
エヴァンジェリンはインカムと貘を交互に見ながら思案する。
この男は何を喋った? 勝負をしよう――私はそれに同意した。賭けてもいい――私は“いいだろう”と答えた。
まさか、それだけで? この言質をとっただけで? これがオヤカタサマの言っていたサプライズか?

『斑目獏様が知るオヤカタサマについての情報を、斑目貘から聞く。これがエヴァンジェリン様の報酬ですね?
 エヴァンジェリン様は正義の味方に違いない、という主張を正当化させる。これが斑目貘の願いですね?』
「ちょ、ちょっと待て! 私はともかくアイツはそんなことを言ってないぞ!? 」
『言ったのですよ。あなたと出会う前に』

エヴァンジェリンは目まぐるしく変わる状況に困惑するしかなかった。

■ ■ ■


斑目獏 支給品 データ

・カリ梅×50個 酸っぱさが病みつきになる。カリッといける疲れ知らずの駄菓子。

・インカム×2 賭郎が立ち会う賭け勝負が行える。ただし以下の条件を満たさなければならない。

1.勝負をしたいときは、まず賭郎に対戦カードの希望を報告しなければならない。
2.賭けの報酬と取立てについては賭郎の立会人が判断し、認められれば勝負が開始される。
3.『勝負内容』及び『細かなルール』の取り決めに関する許可も賭郎の立会人が判断する。
  ただし『勝負内容』のみ、優先権は先にインカムで連絡した側にある。

■ ■ ■


「……話はだいだいわかった。大した支給品だな」
「好意的みたいで助かるよエヴァ“ちゃん”。いやエヴァ“さん”かな? その姿も怪しいねー」

獏の嫌味をよそにエヴァンジェリンは考える。
ほぼ強制的に勝負をすることになってしまったこの状況。その恐ろしさに。
恐怖は、自分ではなく、獏に降り注いでいるのだと。
インカムの3つの令。その2と3の脆弱さ。圧倒的な暴力の前に潰されそうなルール。
617エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:19:20 ID:kBNtfURc
(なるほど。こんな支給品をわざわざ出すということは、この男の支給品はこれで全て。
 これほどリスキーに富んだ支給品をこの時点で使うのだ。こいつは望んでいる。自分を守る“剣”を!
 何を企んでいるのかは知らんが、コイツは私が正義の味方であることを報酬に望んでいる。
 つまり私は……こいつを助けてやらねばなくなる。フン、そんな報酬、私が後で破棄するかもしれんのにな。
 第一私をあらかじめ最初に指名しておいて、もし問答無用に殺されでもしたら……ん!? )

エヴァンジェリンは獏に聞こえないよう、こっそりとインカムに連絡を告げる。
賭郎の立会人はその問いにそれとなく答え、無難に進行を促した。

「門倉さん、エヴァさんと話してるとこ悪いけどさ。そろそろ勝負したいなー俺」
『了解しました。エヴァンジェリン様、よろしいでしょうか』

エヴァンジェリンの本音は、獏の情報が知りたいだけ。
獏の挑発に苛立っただけで、彼を殺そうなどとは考えていない。だからこそこの勝負が成り立つ。
彼女は知りたいだけ。この男は一体何者なのか、その切っ先に触れてみたくなったのだ。

「いいだろう。勝負内容は? 」
「今から30分以内に、俺の半径2、3メートル以内に魔法使いが現れる。これでどう? 」
『YES、獏様、ルールの取り決めは?』
「こっちは命を賭けるって言っちゃったからねー。30分間、エヴァさんが俺に触れるのは禁止にしてほしいな」
『エヴァンジェリン様、いかがいたしましょう』
「……構わないさ。つまり私は30分間、お前によりつこうとする虫を払えばいい。このバイトは高くつくぞ」

エヴァンジェリンが魔方陣を召還させながら、高く上昇していく。

『それでは――賭郎・第拾陸(16)号立会人、この門倉雄大がつつがなく勝負を行うことを約束します』



――――『ゲーム名』 変則・陣取り鬼 〜魔法使い召還〜 ――――


――――『嘘喰い』 人間 斑目獏 VS 『闇の福音』 吸血鬼真祖 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル ――――



「あーなんだか今日はスイスイ上手くいっちゃう気がするね〜。なんというか凄く調子がいいんだ。
 一年に一回ぐらいはさ、あるよね? “今日は俺の日だ!”みたいな……まぁ、みんな仲良くやろうよ。“みんな”」


■ ■ ■
618エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:21:53 ID:kBNtfURc
■ ■ ■


(……斑目獏は私と出会う前に、私との勝負を門倉に申請していた)

エヴァンジェリンが門倉にした質問は、インカムルールその1について。
その質問とは『対戦相手の申請にはフルネームでなければならないのか』ということ。
この辺りの決まりが曖昧である場合、起こりえることは何か。
賭郎勝負に勝手に選ばれてしまう可能性が大きくなる、という点。

(あそこに見える女の子と勝負がしたい……なーんてほざいておいて勝負にいきなり持ち込まれる場合もあるからな)

これに対する門倉の答えは非常にクセのあるものだった。
『出来れば本人の了承の元、勝負を行うのが望ましいと言えば望ましいでしょう。
 もっとも、一方にあまりにも不利が働く場合は、我々なりの“中立”の精神で対応すると思いますが』

(やすやすと信頼するのも嫌だが、門倉の性格を考えればその旨に触れるような話をするはず。
 つまり、斑目獏は私の“本名”を知っていた。ではどうして知っていたのか……容易い話だ)

エヴァンジェリンが考える2つの可能性。
1つ、斑目獏はエヴァンジェリンの本名が記された情報を手に入れていた。
1つ、斑目獏はエヴァンジェリンの素性を知る人間……麻帆良関係者と接触していた。

あんな勝負を持ちかけてきたからには、斑目獏のところに魔法使いは絶対くる。
この短時間で計画を練り上げるならば、しっくり来る仮説は何か。
葛葉刀子――いや、信頼はしていないだろう。理性的で男運がないのを自覚している。接触するだろうか。
フェイト・アーウェルンクス――論外。口八丁な男を生かしておくとは思えない。

(おそらくは、ぼーやだろうな)

ネギ・スプリングフィールド――エヴァンジェリンの弟子。10歳の魔法先生である。
魔法使いであり、もちろんエヴァンジェリンのことも知っている。
彼は天才少年であったが、“坊や”と言われてしまうように、垢抜けていない。
斑目獏は口が立ちそうな男だ。純真な青少年はあっさりとやり込められてしまったのかもしれない。

(奴は偶然か知らずか……ぼーやと会い、おそらく待ち合わせをしたんだろう。そして斑目獏は私を見つけた。
 私は情報をダシにされフッかけられた。私の天邪鬼っぷりを、ぼーやから聞いていたんだろう)

空に陣取るエヴァンジェリンは魔力探知に全てを注ぐ。

(さあぼーや、私の魔力の波長に気づけ! そして私を見つけるんだ! 一体何をしている!? )

エヴァンジェリンは心の中で叫び続ける。声を出してしまえば、新たな敵が近寄ってくるからだ。
そいつらを倒すことはわけないが、獏が殺されてしまえば、間接的にルール違反につながり、情報も聞けなくなる。
619エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:22:53 ID:kBNtfURc
『エヴァンジェリン様、残り1分を切りました』

エヴァンジェリンは考える。
この異様なまでの――静寂さは何だというのか。違和感。違和感。違和感。
エヴァは吸血鬼の真祖であり、ネギとの実力差は計り知れないものだ。弟子の魔力探知を師匠ができないはずがない。

(……もしかして、私は重大な見落としをしているのか)

わずかな焦り。ルールを反芻してみる。
“俺の半径2、3メートル以内に魔法使いが現れる”“30分間、エヴァさんが俺に触れるのを禁止”
……少ない。あまりにも少ない。取り決めが少なすぎるのだ。
獏にネギが接近するのならば、エヴァとの衝突は避けられない。その待ち人に対する保護ルールが少ない。
そしてエヴァとの接触不可。これもおかしい。
彼女は氷の魔法をあれだけ獏に見せ付けていたはずなのに。遠距離からの魔法攻撃を禁止にしないのなぜなのか。

「――まさか! 」

エヴァンジェリンは視界を獏に戻す。
そこには――巨大な黒い球体の包まれつつある斑目獏の姿があった。

「させるか!! リク・ラク ラ・ラック ライラッ……!? 」
「やめたほうがいい。いくらそんな無駄な事で誤魔化そうと、あんたは――」

しかし……エヴァンジェリンは呪文の詠唱をそこでやめた。ゆるりと地面に下降し、斑目獏の元に戻った。

『現在、29分58秒経過、斑目獏様の元に新たな首輪の反応を確認。
 反応したのは……あっ。こ、この勝負――――勝者は、斑目獏様です』

にやりと笑う獏と、ぼんやりとしながら立つネギ・スプリングフィールド。
やれやれとため息をつくエヴァンジェリンに、コホンと咳を出す門倉雄大。
4者4様の思いはあれど、勝負は決着。

「嘘つきだっ!」

■ ■ ■


「あ、師匠(マスター)! 無事だったんですね゛ぇっ!? 」

ネギの頭にエヴァンジェリンの拳骨が下る。ネギはそのまま地面に頭をぶつけてしまった。

「フン……まったく、貴様のせいでまんまと赤っ恥をかいてしまったではないか! 」
「いやいやエヴァさん、ネギちゃんは冴えてる。キモくもないし……むしろブラい。ブラ冴えてるね」

地面に突っ伏したままのネギの傍に落ちている弾丸のようなものを拾い上げ、獏が静かに笑う。

「まさか“時空転移弾”を奥の手にしていたとはな」

時空転移弾とは、ネギのクラス3ーAの生徒の、超鈴音(チャオ・リンシェン)と葉加瀬聡美の共同開発品である。
未来の魔法戦士である超と天才学者の葉加瀬は、触れた対象物を数時間後の未来に飛ばす弾丸を作ったのだ。
エヴァンジェリンはこの弾丸の存在を噂でしか聞いていなかった。
超の技術は未来世界の魔法を使ったもので、実際に触ってないエヴァンジェリンが思いつかないのは当然だった。

「斑目獏よ、詳しい種明かしをしてもらおうか」
620エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 12:24:48 ID:kBNtfURc
エヴァンジェリンの敗北宣言を聞いた獏は、門倉に確認を取った後、全てを話した。
最初に獏はネギと遭遇し意気投合(笑)し、お互いの支給品を確認しあった。
そして麻帆良の情報と時空転移弾の話を聞いた獏は、ネギから時空転移弾を1つ受け取り――ネギにヒットさせたのだ。
エヴァンジェリンの戦闘に遭遇した獏は、エヴァンジェリンを発見。
あとは彼女をけしかけて、ネギが飛ばされた場所まで戻って勝負を始め――悠々と勝利する。

「ちょっと待て。何が意気投合だっ!! 大方、お前が美辞麗句を出してぼーやを騙し、情報を引き出したんだろう! 」
「エヴァさん、師匠っていうより姉みたいだね。ネギちゃんかわいいから、肩持ちたくなる気持ちわかるよっ」
「……ハッ。まさか、貴様がさっき言ってた“ブラい”のブラは……ブ、ラ、コ……」
「確かにネギちゃん身体鍛えてるみたいだしねー。俺の北斗神拳でも勝てるかどうか……まっでもさ」

獏は土に汚れたネギの服を両手で払いながら、ネギを立ち上がらせる。
そして、うるうると目に涙をにじませるネギに、落ちていた彼のメガネを渡した。

「師匠、僕も最初は疑っていましたけど、時空転移弾を提案したのは僕なんです。
 超さん達の技術がこの世界でどう影響を受けているのか。そして獏さんに魔法の存在を信じてもらいたかった」
「エヴァさん、そろそろインカム返してね」

ネギの真剣な表情に、エヴァンジェリンはハッと我に返った。
ネギは獏に魔法使いであることをカミングアウトしているのに、ペナルティーであるオコジョ化を受けていない。

(この世界だからこそ……賭けてみたのか。ぼーやの癖に、生意気だ)

そして時空転移弾の効果は、着弾した場所の約二時間後の世界に飛ばされる、ということもわかった。
獏が命のギャンブルをしている間、ネギも命に関わるギャンブルをしていたのだ。
高みの見物をしていた己のように、遊び半分ではなかった。

「私の負けだ。私はたった今から優しい魔法使いになった。少なくとも斑目獏、お前にはな」

エヴァンジェリンはマントを翻すとすたすたと歩き始めた。
ネギも獏にぺこりと頭を下げながら、師匠に連られてその場を去った。

■ ■ ■

「師匠、いいんですか? 獏さんが心配です。あの人は……」
「フン、生まれつき身体が弱くてまともに運動もできないですぅ〜、とでも言うつもりか? 知ったことか」

エヴァンジェリンに見透かされたのか、ネギは目をぱちくりさせる。

(あのギャンブルでもっとも恐るべき問題点は、ぼーやの出現場所が違ったとき。
 斑目獏は、ぼーやに嘘を吹き込んだんだろう。もし出現場所が違っていても自分を真っ直ぐに助けるように。
 外道ではさいようだが、ぼーやの優しさに付け込み熱意を利用するしたたかさは、侮れないな)

「ぼーや、どうしてあの男を信頼したんだ? 」
「だってあの人は嘘喰いなんですよ。悪い奴らの嘘を食べてしまう、正義の味方なんです」
「嘘……喰い……? 」

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは嘘をついた。私は悪い魔法使いだ、と。
賭けに負けたエヴァンジェリンは良い魔法使いになりました? ご冗談を。
ならばエヴァンジェリンが善の塊のようなネギを弟子にとっているのはなぜ?
ネギはエヴァンジェリンの風評を尋ねられたら、こう答えるだろう。“師匠は本当はいい人なんです”。

「それに獏さん、くわしくは教えてくれませんでしたが、ある野望があるんですよ! それは何と――」
「…………嘘喰い。嘘喰い獏か、ク、ププ……」
621エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 16:09:24 ID:kBNtfURc
本人がどう思えど、これで悪人とは……胸を晴れない。
エヴァンジェリンは知らず知らずの内に、もっとずっと前の段階で獏に見破られていたのだ。
そしてその嘘は利用され、まんまと喰べられてしまったのだ。
エヴァンジェリンは腹の底から可笑しな気分がこみ上げてくるのを感じた。

――う〜ん、“世界平和”かな?


「ぶはっ……あーはっはっはっはっ……」




【E-2 崖/一日目 黎明】

【名前】エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル@魔法先生ネギま!
【状態】全身に多少の擦り傷(自然治癒中)、魔力消費20%
【持ち物】三星球@ドラゴンボール、ディパック(基本支給品一式x2、不明ランダム支給品2〜5)
【思考】
 1:現状、殺し合いに乗るつもりはない。邪魔者は排除。 嘘喰いに関わる者は助ける。
 2:ネギとこのまま一緒に行動するかどうかは保留。
 3:刀子との接触。フェイトは警戒。

※参戦時期は麻帆良祭(学園祭)終了後の参戦のようです。


【名前】ネギ・スプリングフィールド@魔法先生ネギま!
【状態】頭にでっかいたんこぶ
【持ち物】時空転移弾×3、ディパック(基本支給品一式、不明ランダム支給品1〜2)
【思考】
 1:現状、殺し合いに乗るつもりはない。 嘘喰いに関わる者は助ける。
 2:エヴァンジェリンとこのまま一緒に行動するかは保留(貘のところに戻る?)。
 3:刀子との接触。フェイトは警戒。

※参戦時期は麻帆良祭(学園祭)終了後の参戦のようです。

『時空転移弾』ネギま18〜20巻 参照
1.着弾した対象物を二時間後の同じ座標に飛ばす。
2.使用するのに、魔力および制限の関係で6時間につき1回しか使えない。
3.二時間後、禁止エリアになる座標で使用可能なのかは不明。

※獏をかなり誤解しています。いい意味で。
※獏の仲間の情報は聞いていません。獏がネギの情報を引き出すのに優先していたため。

■ ■ ■
622エイプリルフール・クライシス ◆hmKVoSzovI :2009/04/01(水) 16:14:24 ID:kBNtfURc
カリっ カリっ カリカリっ……

嘘喰い貘がかじるカリ梅の音を拾いながら、立会人門倉雄大は考えていた。


―ー現在、29分58秒経過、斑目獏様の元に新たな首輪の反応を確認
――新たな首輪の反応を確認
――新たな首輪の反応
――新たな

(私としたことが……余計な一言を。あの一言で嘘喰いは確信したはずだ)

門倉の一言は、あの場にエヴァと獏以外の第三者が現れたこと。
そして確認できる余裕が賭郎にあったことを示している。
つまり賭郎は時空転移弾でネギが現れることも、我々は完全に把握していた。
それはネギ・スプリングフィールドたちが関与している魔法という技術も充分理解しているという事実。

(まあいい。魔法で出し抜くことが難しいという確証が、より強固になっただけの話。
 この失態は失態だが……私の中の中立を裏切るものではない。ここからどうするかは嘘喰い次第なのだから)

「ね〜〜門倉さ〜〜ん。このインカムって常時つなぎっ放しなの? 」

門倉がはまる思考の渦から貘がアリアドネの糸を垂らす。

『……いえ、あくまで私は斑目様が勝負を希望したときのみ対応させていただきます。
 何かありましたら、インカムについているスイッチを押してください。くれぐれも悪戯心で使わぬよう』
「わかってるよ。門倉さん、冗談通じないモンね〜〜ははっ」

貘の屈託のない語りに思わず噴出しながらも、門倉は通信を切った。
嘘喰い貘、次に血湧き踊る勝負を呼ぶのはいつか。




【E-2 崖/一日目 黎明】
【名前】斑目貘@嘘喰い
【状態】健康
【持ち物】かり梅@嘘喰いx48、ディパック(基本支給品一式)
【思考】
 1:さ〜てどうするかねぇ〜〜 エヴァさんとネギちゃんのブラ(ブラコン)冴えに頼るのもいいけどさっ
 2:この場を切り抜ける。 最終的に屋形越えを果たす。
 3:マルコ、夜行との接触。

※最低でも廃鉱編終了後(7巻〜8巻)からの参戦。門倉と元々面識があったのかは不明。
※情報麻帆良の大まかな話と世界観。
 及びネギ、エヴァ、刀子、フェイトの外見と触り程度の情報をネギからもらいました。
※マルコ、夜行の情報をネギに話さなかったのは、彼なりの保険です。

『インカム』

・インカム×2 賭郎が立ち会う賭け勝負が行える。ただし以下の条件を満たさなければならない。

1.勝負をしたいときは、まず賭郎に対戦カードの希望を報告しなければならない。
2.賭けの報酬と取立てについては賭郎の立会人が判断し、認められれば勝負が開始される。その時許可のブザーが鳴る。
3.『勝負内容』及び『細かなルール』の取り決めに関する許可も賭郎の立会人が判断する。
  ただし『勝負内容』のみ、優先権は先にインカムで連絡した側にある。

立会人は賭郎 第拾陸(16)号 門倉雄大(嘘喰い10巻参照)
623創る名無しに見る名無し:2009/04/01(水) 16:43:50 ID:u5kkP+YM
来た!投下来た!これで勝つる!

も、門倉さんキター!ここで海にしずんでたネギとともにでてくるとはさすが門倉さん
エヴァとの賭けに勝っちゃう貘もさすがだぜ
でも読んでる途中でエヴァも魔法つかいなんだからもしネギが現れなくても最初から貘の勝ちってこじつけられるじゃんと思ったのは内緒だw
624創る名無しに見る名無し:2009/04/01(水) 16:50:33 ID:u5kkP+YM
あ、あとエイプリルフールに嘘喰いのSS投下とはなかなかいいね!
625創る名無しに見る名無し:2009/04/01(水) 19:43:36 ID:UUGB4mtb
主催が賭郎というよさがでたな
まさかロワ内で賭郎勝負が見られるとは思わなかったよ
GJ!
626創る名無しに見る名無し:2009/04/01(水) 20:37:04 ID:TN7lNReD
     ___
    |:::::::::::::::::::)
     |:::::::::::::::::ノ   >>622様、最高に投下乙でございます。
     |/^_,ヽ,_ノ      一生海に沈んでいるかと思われたネギ様を用いての高度な賭郎勝負
     ゝ ゚д゚)       まさに四月一日に似合う投下GJでございます
    /<▽>        私が出ていることも……クククッ……失敬!
    |::::::;;;;::/     
    |:と),__」
    |:::::::::|
    | :::::::|
    |_:::::::|
     |::::::|
     し'_つ
627創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 23:21:21 ID:B/bSF1s5
そろそろ何か書きたいのに
何もネタが思い浮かばなくて困る
628創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 03:47:28 ID:PnTQnQRY
お仲間お仲間
629創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 18:53:59 ID:bVx++A5N
GW入ったら予約したい
630創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 14:21:56 ID:Db9jOyEO
つうか 後藤がナッパに勝つ話あったけど
あり得ねえだろ 笑っちまった
631創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 16:08:39 ID:O8vGluBQ
あーん、マーくんが死んだ
632創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 18:41:32 ID:mYvRmZ6N
マー君ってだれ?

GW終わっちゃったよう(´・ω・`)
633創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 19:20:36 ID:q/y02HEw
誰だろ?マルコ?本編というかヤンジャンの
634創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 19:30:37 ID:mYvRmZ6N
マルコ死んでないよ?
635創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 20:13:47 ID:q/y02HEw
じゃあマー君て誰?
636創る名無しに見る名無し:2009/05/08(金) 20:21:44 ID:RZkjDKHw
いや、マルコのことでしょ
ヤンジャンで死に掛けてた
637創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 14:51:15 ID:/JGKb1UR
箕輪スニッカーズ食い過ぎw
638創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 10:23:39 ID:IPylmfSb
>>630
魔法の言葉、「制限」。


>>631
誤爆かと思ったw
639創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 18:07:31 ID:0SM2tAI5
あーん、せーいちさんが死んだ
640創る名無しに見る名無し:2009/05/15(金) 21:41:03 ID:cWr3S/8h
またかいw
641創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 14:20:51 ID:Fsux2Ssd
>>638
制限をアピールする話でもあったしな

>>639
せーいちさんは仕方ないw
642創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 13:08:35 ID:uhd/wW/d
恐ろしく亀だが
>340
赤木(老)の60歳以上はひど過ぎるwwww

東西戦直後でも44歳、享年53歳だぞwww
まあ、爺さんに見えなくもないが
643創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 20:07:09 ID:ST3uH4up
あーん、雄大クンが死んだ
644創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 23:34:49 ID:vszZyoe8
門倉は別にいいやw
645創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 09:14:17 ID:l9noUOhw
門倉雄大 享年20とちょっと
646創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 14:31:06 ID:5fdgMRO0
売っとんのか、単行本派のワシに・・・
647創る名無しに見る名無し:2009/05/26(火) 17:00:59 ID:nnRAsKGc
申し訳ございませんでした。門倉立会人(ドキドキ)
648創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 02:58:08 ID:vHfcxt0o
ええええー門倉さん死んじゃったん?(゚д゚)
649創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 13:16:16 ID:KUfUaeHw
門倉さんは生きてるけどみんなの心の中できっと死んでるさ
650創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 14:36:42 ID:vHfcxt0o
逆じゃないのかww
651創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:42:57 ID:HxOv+RAY
あーん!門倉さんが死んだ!
門倉さんよいしょ本&門倉さんF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…リーゼント薄命だ…

・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「今、時代は門倉雄大だ!」のSSを書いてまだ二日じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんな箕輪ごときに殺られるなんてっ!!
夜行妃古壱さんと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・

私はあのおそろしく中立の彼が(たとえリーゼントでもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
門倉さぁんっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・」
652創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:45:17 ID:1k20WW3P
大丈夫、このロワの門倉さんはまだ生きてるから
653創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:48:24 ID:nTOK4Wbd
リーゼント薄命ってどんな格言だよwwww
654創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 22:59:29 ID:tt0HHvtZ
スト様www
夜行さんとの差は同意だけど…巻末漫画に出番がなかったのがまずかったな!
655創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:01:29 ID:nTOK4Wbd
あと一応箕輪は完全破壊したんだから良いだろw
656創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:19:06 ID:kUk41t3M
まったく車田正美先生にファンレターなんて書いたばっかりに飛んだ赤っ恥をかくことになったもんだな
657創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 23:32:03 ID:tt0HHvtZ
荒木、荒木w
658創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 01:01:40 ID:w9ssValU
死亡確認!
659創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 02:39:26 ID:fq3C4y8V
王大人に言われちゃあ蘇るしかないなw
660創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 12:17:06 ID:jF+wKfbx
どう見ても死亡です
661創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 16:04:02 ID:DHSdxpf1
マーくんが死んでなかったんだから門倉さんも生きているはず。
662創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 22:39:16 ID:PzUTp+vJ
落ち着け、死体の入れ物は二つしかなかった
663創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 09:25:39 ID:GDmDBE90
みつしり
664創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 22:50:59 ID:3O9Z/PCt
保守
665創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 01:12:44 ID:MR47kRFL
増刊の夜行さんスペシャルワラタw
666創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 12:53:37 ID:UN6HhkDw
皆ここの存在忘れてるかな……
667創る名無しに見る名無し:2009/09/03(木) 06:39:00 ID:ntDWKhee
最後の投下からもう5ヶ月経ってるのか…
……うーむ
668創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 03:35:12 ID:Jh6qVRZe
もう、ここもおしまいかね…
リスタートして今度こそ作品選びから安価する、なんて事も考えてみたが、さて
669創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 03:36:40 ID:Jh6qVRZe
それも人が見てなきゃ意味無いわな、と言う訳でageてみる
670創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 12:25:11 ID:iky2jup0
避難所・wiki・地図管理人としてはその案に賛同しかねる、とご承知置き下さい。
671創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 15:50:16 ID:SIwom59z
安価やり直したら、それはもうリスタートじゃなくて別の企画じゃないか?
672創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 19:28:09 ID:EgxGMTBw
もう天とアカギとワシズとHEROでいいんじゃないか(スピンオフ的意味で)

あれだ、スピンオフ(話が続いている続編)されていてる作品をセットで安価するとか
(上記とか北斗シリーズとか)

惜しむらくはスピンオフ作品が少ないと言うこと
673創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:18:09 ID:uqWSoozn
へろは正直微妙臭がプンプンする。二匹目の泥鰌を狙ってる感じだ。
いっそのこと近麻ロワとか?
674創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:21:48 ID:Qg1x3yvo
うん、まあ、開始前スレ行け、な。
675創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 20:05:22 ID:1j9cN3oW
会場は竹島
竹書房だけに
ゴメン

個人的にはカールの話が好き
キャラ的にはマリイとQ
頑張って欲しいのは僧我
676創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 01:00:12 ID:/IfQJu0c
まとめwiki・したらば避難所管理人です。
突然ながら本日、両サイトを閉鎖いたしました。
最後の作品投下から半年以上が経過し、また私事ながら私生活多忙のため
誠に勝手ながら上記結論に至ったものです。
wikiの全ページログ及びしたらば避難所のdatファイルは以下にアップロードしておきます。
解凍パスはこの書き込みのIDとなります。
それでは失礼致します。

ttp://ranobe.com/up/src/up418263.zip
677R-0109 ◆eVB8arcato :2010/01/06(水) 21:51:13 ID:ZQLjkg7r
どうも、こんばんは。
「バトルロワイアルパロディ企画スレ交流雑談所(以下交流所)」の方でラジオをしているR-0109と申します。
現在、交流所のほうで「第二回パロロワ企画巡回ラジオツアー」というのをやっていまして。
そこで来る1/10(日)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。

交流所を知らない人のために交流所のアドレスも張っておきます。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1243687397/ (したらば)
ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html (日程表等)
678創る名無しに見る名無し:2010/01/10(日) 21:39:50 ID:R60+Ojzs
やってない?
679R-0109 ◆eVB8arcato :2010/01/10(日) 21:43:45 ID:0mhT0gNF
申し訳ございません、大幅に遅刻いたしました。
http://r-0109.ddo.jp:8000/ (ラジオアドレス)
http://www.k-razor.com/netradiofaq.html (聞き方)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1263127378/ (実況スレ

です
680創る名無しに見る名無し:2010/01/10(日) 21:50:00 ID:R60+Ojzs
わざわざどうもー
681創る名無しに見る名無し:2010/04/20(火) 23:24:44 ID:OTO7Maso
テスト
682創る名無しに見る名無し
test