「あはは……困った事になっちゃったなぁ……」
薄暗い部屋の中で力ない言葉が呟かれる。
おそらくは集会所か何かなのだろう、広い畳敷きの部屋。
その片隅で倉沢ほのか(女子十三番)は膝を抱えて座り込んでいた。
ほのかは普通の少女である。
確かに人より感受性と想像力が強く趣味で小説を書いたりもしている。
だが、ただそれだけだ。
こんな常軌を逸した状況に置かれた経験はないし、目の前で無残に人が殺されるのを見た経験もありはしない。
現状、彼女が取り乱してないのは、ただ単に『取り乱し遅れた』だけである。
人というものは不思議なもので周囲のパニックが感染してしまう事もあれば、
その逆に周囲の喧騒から取り残されて、不意に落ち着いてしまうという事もある。
倉沢ほのかもまた、周囲に取り残されてしまった人間の一人だった。
もちろん、クラスメイトの死というショックから、精神を守ろうという心の機能もあるのかもしれないが。
(そういうのって、確か防衛機制って言うんだっけ……?)
目前の暗闇を見つめながら、ほのかは心理学関係の本で仕入れた知識をぼんやりと思い出す。
この状況に現実味を感じられないのは、一種の逃避なのだろうか。
(でも仕方ないよね。こんな馬鹿げた事、ありえないよ)
一つのクラスを拉致した挙句に殺し合えなんてプロット、売れないラノベのレーベルでもやらないだろう。
だいたい、こんな殺し合いなんて成立するわけがないのだ。
人はそう簡単に人を殺さない。
好き、嫌いの感情があっても、それを殺意に昇華し、
さらに実行へと持っていくには嫌になるくらいの時間と労力が必要なのだ。
ただ他人に殺せと言われたからといって、従う人間はそうそう居ない。
法治国家の人間ならばなおさらだ。
それに……
「みんなが殺し合うはずないよ……」
そう、1年にも満たない期間とはいえ、ほのか達は机を並べた仲なのだ。
そんなみんなが互いを傷つけ合い、殺し合う事なんてある筈がない。
ほのかはそう考えながら、部屋の反対側の置かれた物体へと目を向ける。
集会所の隅に無造作に放置されていた『それ』は、埃を被った外見とは裏腹にまだ使用できそうだった。
少しの逡巡の後、ほのかは意を決して立ち上り――
(誰も居ないわね)
抜き身の短刀――俗に言うドスである――を片手に長谷川沙羅(女子二十四番)は夜の街を歩いていた。
周囲を無表情にうかがい鋭い目つきを巡らせ、時折、手にした短刀を持ち帰る。
その様はまさに獲物を捜す猛禽類のようだった。
もちろん彼女の目的はまったくの逆だったが。
(ラト、くん。あなたの勇気に誓って、これ以上の犠牲は出させない。
あなたの仇は必ず取るから……だから、力を貸して)
自分に話しかけてくれた時のラトの顔を思い返しながら、沙羅は決意を強くする。
そのためにも、まずはクラスのみんなとなんとかして連絡を……と、不意に沙羅の耳に大きな音が届く。
夜の静寂を切り裂き、響いたそれは――クラスメイトの、少女の声だった。
『みんな聞いてぇー! わたし、ほのかよぉーっ!
いま、集会所にいるのぉーっ! みんな集まってぇー!』
ひんやりとした風の吹く集会所の屋上。
その縁の近くで、ほのかは声を張り上げ叫んでいた。
手にするのは集会所に放置されていた拡声器。
それの音量を最大まであげて、ほのかは周囲の空気を震わせる。
『警察もきっとすぐ来てくれるからーっ!
だから、それまでみんなで一緒に待ってようよーっ!』
倉沢ほのかは普通の少女である。
確かに人より感受性と想像力が強く趣味で小説を書いたりもしている。
だが、ただそれだけだ。
こんな常軌を逸した状況に置かれた経験はないし、目の前で無残に人が殺されるのを見た経験もありはしない。
だから、知り合いが知り合いを殺すという非現実から目を逸らす。
クラスメイトに襲われる可能性もあるという、現実から目を逸らす。
『わたしはいま、集会所にいるわーっ!
港の近くのクリーム色の建物よぉーっ!』
ここまで叫んで、ほのかは乱れた息を整える。
(こんな事なら何か運動とかしておけばよかった……)
そんな風に考えながら、再び声を張り上げる。
『裕也くーん! はやく来てーっ! わたし寂し……』
不意に、屋上に続く扉が凄い勢いで開かれ、ほのかはその方向に目をやった。
そこに居たのは能面のような表情で……しかし、妙に目をぎらつかせた少女。
まるで何かに興奮しているかのように息を荒くし、肩を震わせている。
ちなみに右手には鈍く輝くドスが握られていた。
しばしの沈黙の後。
『いやぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!』
夜のしじまを少女の悲鳴が切り裂く。
そして、それを最後に集会所の周辺は静寂を取り戻した。
「うう、脅かさないでよ長谷川さん」
「……ごめんなさい」
涼しい風の吹く屋上に二人の少女の声がある。
涙目で抗議するほのかに、沙羅はただ固い表情で謝罪の言葉を繰り返していた。
「拡声器も落としちゃったし」
ほのかは愚痴をこぼしながら屋上の縁に視線をやる。
ここからでは見えなかったが、地面に叩きつけられた拡声器はおそらく無残な姿を晒しているだろう。
「でも、倉沢さんが落ちなくてよかった」
「ほんとにね」
その言葉に沙羅は申し訳無さそうにペコペコと頭を下げる。
ほのかはその様子に思わず笑みを浮かべながら……沙羅の右手に握られていた物へと視線を移した。
「それ、沙羅さんの武器?」
「ええ、驚かせてしまってごめんなさい。
それで、倉沢さんの武器は? まさか、拡声器だったの?」
再度の謝罪に気にしてないという風に首を振りながら、ほのかは自分に支給されたものを鞄から取り出す。
「これ。確か、ベレッタっていう名前の拳銃だったと思う。今の米軍が正式採用してるやつ」
「詳しいのね……ちょっと借りていい?」
「うん、まあちょっとね……でも、撃ち方なんてよく知らないし……」
そう言いながら、ほのかは銃を手渡す。
銃を渡された沙羅はしばらくそれをいじった後、ふいに顔を上げて言った。
「……これなら何とかなるかも。ねえ、これとこれ交換しない?」
「え? うんいいけど」
「……ありがとう」
沙羅はそう言いながらほのかにドスを手渡すと、そのまま落ち着いた手つきで銃をいじり始めた。
(何だろう、何かおかしい……)
妙に胸がざわつく感じがして、ほのかは首を傾げる。
そう、何かが頭の隅に引っかかるのだ。
魚の小骨がかかったような、妙な違和感。
「そろそろ、下におりましょうか」
銃をいじり終えたらしい沙羅がそう言い、こちらへと背を向ける。
その背中を見つめながら歩き出し……不意に、ほのかは違和感の正体に気がついた。
目の前の少女、長谷川沙羅は銃の扱いに妙に手馴れてないだろうか?
手先が器用だとかそういう事ではない。
拳銃という非日常に、目の前の少女はすでに適応しているように見えるのだ。
まるでそれを扱うのが当然だという雰囲気と言えばいいのだろうか?
そんな空気にほのかは違和感を感じ取っていたのだ。
階段を降りながらほのかは考える。
自分は彼女の事を良く知らない。
長谷川沙羅がどういう人間なのか、ほのかはまったく知らないのだ。
彼女が転入してきて3ヶ月にも満たないのだから、当然といえば当然なのかも知れないが。
いや、そもそも……彼女の転入はタイミングが良すぎないだろうか?
彼女が転入してきて数ヶ月でこの状況だ。
何か関係があるのではないだろうか?
そこまで考えてふと脳裏にさっきまで考えていた事が浮かぶ。
……確かに知り合い同士で殺し合いなんて起きるはずもない。
じゃあ、知り合って数ヶ月にも満たないような人物もいたら?
クラスメイト同士に不信感をばら撒くために暗躍したり、殺したりするような人物がいたら?
そんな人物を若狭先生が事前に潜り込ませていたとしたら?
(まさか……そんな事あるわけないよ……)
ほのかは脳裏に浮かんだ考えを否定する。
しかし、どんなに取り繕っても、それは頭から離れそうにはなかった。
倉沢ほのかは普通の少女である。
確かに人より感受性と想像力が強く趣味で小説を書いたりもしている。
だが、ただそれだけだ。
こんな常軌を逸した状況に置かれた経験はないし、目の前で無残に人が殺されるのを見た経験もありはしない。
だからこそ、心に揺らぎが起きやすい。脆い心は容易に疑心に囚われる。
【F-8 住宅街/一日目・深夜】
【女子十三番:倉沢ほのか】
【1:わたし(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】
[状態]:良好、軽い不信
[装備]:ドス
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:みんなで集まって救助を待つ
0:長谷川さんって……
1:裕也くんに会いたい
[備考欄]
※沙羅が主催側の人間ではないかと少し不信感を抱いています
【女子二十四番:長谷川沙羅】
【1:私(達) 2:あなた(達) 3:○○さん、○○くん(達)】
[状態]:良好
[装備]:ベレッタM92(15+1/15)
[道具]:支給品一式、予備マガジン×3
[思考・状況]
基本思考:みんなを助ける、ラトの仇をとる
※拡声器が集会所の前に落ちています。まだ壊れていない可能性もあります。
※ほのかの放送がF-8一帯に響きました。隣のエリアくらいにまでは聞こえているかもしれません。
投下終了しました
投下乙。
拡声器来たw
しかも沙羅を疑いかけてるほのかの運命は!?
乙!
誤解フラグキター!
内木聡右で予約します
>>963 期待
そういやそろそろ新スレ立てないとやばいんじゃ
あと一作くらいならギリ入りそうなだな。容量的に
わかりました
追加しておきます
加えなくていいよ
徹底無視だ
追加すべき
リファイン版は問題無し
ま、改稿してくれた人に失礼だわな
載せたらきっとアイツが調子に乗るだろ
現在出てる支給品一覧
・銃火器
レミントンM870
モーゼルC96ミリタリー“レッド9”
S&W M56オート
コルトガバメント
グロック19
レミントン・デリンジャー
M79グレネードランチャー
S&W M10
ベレッタM92
・近接用武器
木刀
サーベル
両口スパナ
金属バット
アウトドアナイフ
折れた文化包丁
片方だけのヌンチャク
ボウイナイフ
・その他
USBメモリ
本(BR)
簡易レーダー
硬式ボール
双眼鏡
催涙スプレー
拡声器
不明支給品×3
倉沢ほのかの支給品は拡声器じゃなくてドスだった
マシンガンやショットガンはまだ出てきてないな
作品を載せなければwikiが見れなくなるけど良いの?
今日か明日投下ラッシュかな?wkwk
すいません。今日中には投下が出来るはずだと思うのですが、
今夜は間に合いそうにないです。本当に申し訳ありません。
ま、間違えました。
ただのグロ。踏むな。
投下します。以下本文↓
古賀葉子(女子十五番)は、夜空に流れる雲のゆるやかな動きに合わせるように、息を吐いた。
……空を向いて、仰向けに地面に倒れ込んだままで。
ぬめる汗に湿った手は、いつの間にか乾いていた。
呻くと、悲鳴を上げた喉が痛みを伝えてくる。
皺になった制服を整えようとする手が、静かに動く。
それ以上の何をするでもなく、古賀葉子は行動することに積極的な価値を見出すことが出来ず、そこにいた。
ここが、どこであるかはわからない。地図上にあるどこかで、海の近く、草原。
葉子にわかったことは、その程度のことだ。
周りを見渡せば、高い建造物が見当たらないこと、山の近くでないことから、B−7辺りと推測出来たかもしれない。
……だが、そんなことに何の意味があるのか。
最初、目的もなく起き上がり、歩こうとした。
すぐに気付く。意味がないことに。自分に出来ることは何一つないことに。
殺し合いをしろと言う。勝ち残れる可能性は皆無だ。ラトの死体を見て、どれだけの恐怖を覚えたか。
首の焼け焦げた臭い、弾けとんだ首の断面から赤黒いものが流れ出す。拍子抜けするほどにあっさりと終わった。
それに、そのあっけなさに、……見てしまった。身の毛もよだつ光景に一切の感情は凍り付かされた。
わけもなく人を求めようにも、お互いを疑い合う視線に、掛け合う声はなく、誰を信じればいいのか。
そもそも自分だって、誰かに信じられているのか。わかったものではない。……思い浮かんだ名前を一人一人消していく。
何人かの友人、かけがえのないと思っていた、その存在は自分にとってどれだけの意味があったのか。
誰とも会いたくはなかった。惨めな現状を再確認するだけにしかならない。
安全を考えるなら、一人一人が別々の場所でいるべきだ。全員が殺人犯となる可能性がある。
お互いに監視し合うことは何の意味もない。
24時間経って、誰も死んでいなければ死ぬという言葉も行動を起こす理由にはならない。
……それなら、それでいい。
それは誰もが殺し合いに乗らなかったという証明だ。
そうやって、積極的ではなくとも、葉子は全員を死へと導こうとしていた。
……最後にたった一つ浮かんだ名前があった。
顔も知らない名前だけの存在。『リン』
……いや、顔はいつも見ている。そのはずだった。共通する話題の多さに、いつしか相手が同じクラスの誰かだということに気付いた。
……特定出来るだけの質問をいくつか考えて、止めた。
一度も会おうとは言わなかった。
尋ねようと思えば、尋ねられたかもしれない。
打ち明けようと思えば、打ち明けられたかもしれない。
けれど、臆病だった。どうしようもなく。関係を壊したくはなかった。
相手もこちらに気付いているかもしれない。
卒業すれば、どうなるだろう。本当に続いていくだろうか。
そんな疑問を抱きながらも、なし崩し的に関係が続いていった。息苦しいような微妙な関係のままで。
……結局、彼のことだって、本当は信じていないのではないのではないか。
「……あは。あたしって」
言葉はそれ以上、続かなかった。
見下ろす目があった。
意識が途絶えそうな衝撃。
「……よう。何してんの?」
……その言葉が無ければ、多分叫んでいただろう。
思考を揺り動かす声は実に平坦で、感情は読めない。
問題児というわけでもない。時々サボり癖がある程度で、クラスではさほど目立つことのない存在。加賀智通(男子七番)。
……だったのだが、いつの間にかバカでエロな森屋英太と仲がよくなって、巻き込まれるように彼もそれなりに目立つようになっていた。
時々、ぶん殴って森屋の暴走を止める役をしている。
もしも彼がいなければ、エヴィアンが森屋を訴えていたであろうことは、想像に難くない。
……と、そこまで考えた途端、葉子は羞恥心のようなものに襲われた。
日常を思い出せば、今の自分の感傷的な様子は馬鹿げたもののようにさえ思える。
そして、起き上がろうとして……、
「あ、え……?」
――恐怖を思い出した。無防備過ぎる自分の有り様を。
「ち、違うの。近寄らないで、こ、殺さ、殺さないで。あたし一人、一人だから、そこんとこ考えて。いや、考えないで忘れて。
あたしのこと忘れて。一人にしてお願い。お願いだから!!」
必死に懇願する。けれど、息が続かない。途中で咳き込み、必死で息を整えようとする。
加賀はその様子を見ると落ち着くまで待ち、一言だけ声を掛けてきた。
「……バカ?」
ため息混じりに。
……
…………
…………………
「……う、うるさい! だ、黙ってよ! 何、何なのそれ!? 意味わかんない。
何が言いたいのよ。おかしいんじゃないの? 早くあっち行ってよ。人を呼ぶわよ!」
返答はどこまでも冷たかった。
「……やっぱ、バカか?」
涙さえこみ上げて来る。
「……うっ、うう。な、何で。……わかってよ。お願いだから、これ以上ここにいたら、あたし何するかわかんない。怖いの、わかってお願いだから」
「……へえ? そうなのか」
「……もう、いいっ! こんな意地悪な人だったなんて思わなかった……。バカみたい」
「ま、そう怒るなって」
「……無理言わないで」
話を切り替えるためか、加賀が軽く手を叩いた。
葉子はそれだけの動作にも、簡単に怯えてしまっている自分を発見する。嫌だった。何もかもが。
「じゃ、落ち着いたところで本題に入ろうか」
「……落ち着いてませんし、……落ち着けません」
「いいから、落ち着け。騒いだんだから人来るかもしれねーだろ。とっとと落ち着け。
……誤解されたらどうすんだよ」
声を潜めて笑いながら、そんなことを言った。
いつもなら照れてもおかしくない言葉にも苛立ちしか感じられない。けれど、これ以上誰かが来てややこしくなることは避けたかった。
何を言っても無駄なようだったので、葉子は黙って先を促す。
「今ここで、はっきりさせてくれよ。引き返すの面倒だしな」
それまでの態度と違う、念押しの言葉に葉子は緊張を意識せずにいられなかった。
「お前さ。……自分が助かるって確信あるか?」
「……え?」
「ここから、生きて帰れると思ってるか?」
「……わかんない。そんなこと考えたってどうしようもないじゃない」
「まだ完璧に諦めたわけでもないんだろ?」
「でも、首輪……あるし。人殺しも無理。……無理よ」
「俺は死にたくないんだよ」
「……あ、あたしだって死にたくない」
「じゃあさ。一緒に行動を共にしないか?」
「……何、のために?」
そこで、初めて口を濁すように言った言葉は単純で意外なものだった。
「俺一人だと説得出来ないかもしれないヤツ、いるだろ? それで。
お前、俺と違って、仲良いヤツ多いだろ? 助かるんだよな。いてくれると」
「えっ。……あたしのこと買い被り過ぎだよ。それに自分と親しくない人なんて、放っとけばいいじゃない。何でそんなこと考えるの?」
……どうしようもないぐらい、人を疑っていた。
けれど葉子は、そんな行動を取ろうとする男を前に、自分がどうすべきかを、迷わずにはいられなかった。
「……何でって、そりゃ。BEST ENDの方が気分いいからな。ラトの奴、死んじまったけど。それでも、やれることはやんないとさ」
「……」
黙っていると顔を真っ赤にして、加賀が声を荒げてくる。
「悪いか。おかしいか。変か!」
「……変じゃないよ。ううん。そうだね。そうかもしれない」
……どうしようもないぐらい、臆病な人間で……平凡。
それが古賀葉子。
訊いてしまえば、全てが崩れるかもしれない。この場に相応しい言葉でもない。
けれど、それをしなければここから先には進めない気がした。
「ねえ? 『キューブ』って知ってる?」
【B-7 草原/一日目・深夜】
【男子七番:加賀智通】
【1:俺(達) 2:お前、あんた(ら) 3:○○(達)】
[状態]:良好
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明
[思考・状況]
基本思考:BESTENDを目指す
0:古賀葉子と協力
1:仲間を集めつつ、話を聞く
2:調べられるものは何でも調べる
【女子十五番:古賀葉子】
【1:あたし(達) 2:あなた(達) 3:○○くん、○○さん(達)】
[状態]:良好
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明
[思考・状況]
基本思考:生き残りたい
0:加賀智通と協力
1:リンが気になる
2:死体は見たくない
以上で、投下終了です。すいませんでした。題名は「キューブ」で。
投下乙です。
そろそろ容量オーバーですね。ところで次スレはここに立てるの?
投下乙。
通常のパロロワと違って普通の学生の話が多くていいね。やっぱ次スレはここかな?
いいえ次はありませぬ
作者死亡で停滞
もしくは作者の腕が無くなるってのも
書き手はそれなりにいるし外部のリンクもあるから読み手にも困るまい
しばらくしたらばでやった方が無難かもな
俺は賛成
したらばってアクセス制限できたっけ?
できるならなおさら賛成
しばらくネットに繋がらない状態だったので投下出来ませんでした。
携帯が規制されててしたらばに書き込めないみたいです。
自分はPCを持っていないので……
>>993 出来る
995 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 11:13:42 ID:MunWJF7T
規制解除しました
携帯の書き手さんに迷惑をかけてしまったことは本当にすまないと思ってます
夢を見ていたんだ…………心地いい夢をな……
―――――――――――
目が覚めると内木聡右(男子二十二番)は、いつものように、和室の、畳の上にしかれた緑色の無地の布団の中にいた。
枕元に置いてあった携帯で時刻を確認する。時刻は午前5時39分。
「よし……」
聡右は、布団から目にも止まらぬ速さで這い出ると、布団の周りに散乱していた丸まった4〜5枚のティッシュペーパーを集め、ゴミ箱に投げ込み、ゴミ箱の中のゴミだらけの、近所のスーパーのビニール袋を固く結び、慎重に、だが素早く襖を開けて廊下に出た。
ゴミ収集所にこっそり置きにいくためである
「よーし。今日も問題なく通過だな」
「何が?」
突然声が響いた。
鬼崎喜佳(女子七番)がパジャマ姿で現れた。
聡右は彼女の家に居候と言う形でもう7年いる。
驚いた聡右は、急いでゴミ袋を後ろに隠そうとするが、時既に遅し。おまけにその急ぎが仇となり、ゴミ袋をブチ撒けてしまう始末だ。
「あーあー零しちゃったねー」
喜佳の態度は極めてわざとらしかった。
大根役者のようなその態度を伴いながら、彼女はティッシュを拾う。
「あれ〜? 何かこのティッシュ臭いねえ〜? 聡右くん聡右くんイカ焼きでも喰ったの?」
明らかに確信犯である。そして愉快犯でもある。
小憎たらしい顔でほくそ笑む喜佳を、顔を真っ赤にしながら無視する聡右が、かえって痛々しい。
「…………まあアンタもアタシも年頃だしね〜 そんな気持ちも分からなくはないよ。昨日せっかくエロ本押収してやったのに頑張ったのは褒めてやんよ」
「でも夜這いとかはしないでよー」
ティッシュを投擲し、一回で不安定に立つゴミ袋に入れた喜佳は、振り返りザマに欠伸をすると、そのまま邸内の奥へと消えた。
聡右は意気消沈した。
その日はちょうど土曜日で、帰宅部所属の喜佳は、朽樹良子(女子十二番)や麻倉美意子(女子一番)らを連れたって、隣町に遊びに行ったのだ。
何でも最近転校してきた長谷川沙羅(女子二十四番)
その日、早朝の惨劇を引き摺ったまま、聡右は結局二度寝をすることもなく、昼を迎え、昼食前に喜佳の父ちゃんに呼び出された。
鬼崎虎之佑(きざき とらのすけ)
この人は元カタギだが、鬼崎組の一人娘・鬼崎芙美江(きざき ふみえ)に一目惚れし、敢えて修羅の道を行く覚悟を決めたマジな強者だ。
旧姓は堀田(ほった)
トラボルタとセガールを足して二で割ったような厳つい外見と、ダンス好きが高じて、昔は“ディスコボーイ”なんて言われてたこともあったらしい。
で?そのディスコボーイが何故聡右を呼んだのかって?
親父さんは、三十畳はあろうかというほどの広い和室の、中央に焦げ茶色の座布団を敷いて溢れんばかりの威圧感を放ちながら座っていた。
傍らには鞘に収められた白鞘と鍋蓋ほどの大きさのある杯が置いてあり、親父さんの頬はすでに若干赤かった。
「おい聡右よぉ。また喜佳にエロ本押収されたらしいな」
聡右が来て早々親父さんは、ドスのきいた渋みのある声で、さらに重圧をかけるようにそう言った。
「……」
聡右は呆然となった。厳つい顔して言うことは中学生以下だからだ。
「オイオイオイ。漸く芙美江の目を盗んで貸してやれたってのに何だよこのザマぁ」
「いやいやいやいや。親父さん。入院してる女房の目を盗んでなんてことやってんですか」
汗をダラダラ垂らしながら聡右は反論する。この人の独特の空気を、彼は畏怖し、嫌った。
「まあ…………エロ本の話はさておきだ。」
「最近この界隈でカタギじゃねえ奴ばかりを狙うふてェ野郎がいやがんだよ」
親父さんの顔つきが変わった。
ヤクザ狩りの話題に関しては、すでに聡右も多少は知っている。
鬼崎組からは被害者は出ていないようだが、周辺の組は組全員が半殺しにされたと言うから周辺はシマ争いだの何だのしてる余裕はないというのだ。
それに驚くべきは加害者が一人だということだ。
一人でありながらそこまで強く、一人でありながらここまでヤクザを出し抜ける。
ヤクザであっても恐怖するような“脅威”を、親父さんが話題に出すということは、
何かよからぬことが起きたということを暗示させる。
頭の悪い聡右であっても、それを想定するのは容易であった。
「実はよぉ……昨日遂にうちの組の若いのもやられちまったらしいんだ。こっちも本腰入れてその餓鬼を探すつもりだ」
「喜佳やお前も気をつけろよ。そして何かあったら喜佳を護れ。だが無理はするな」
「……俺にはもうお前らしかいねえんだから」
このときの親父さんの顔が、すごく悲しそうだった。
この時の聡右には「何故?」と聞き返す勇気はなかった。
もしあの時聞き返していれば……
夢はここで途切れていた。修学旅行にいく数ヶ月前の出来事を、最近になって彼はよく夢として見ていた。
これはこの悲劇の序章を予感させる予知夢だったのか。と今になって思い始める。
冷静に辺りを見渡す。ここはどうやら森の中のようだ。
「平静を保て…………内木聡右……お前はやれば出来る奴だ……」
自らを鼓舞し、枕代わりとなっていたデイパックを開け放つ。
懐中電灯を取り出し、よく中身を見渡すと、その中には妙に見覚えのある銃が一丁。
「コルト・パイソンか……」
喜佳とその親父さんから使い方を最初に指南されたリボルバーの姿がそこにはあった。
彼は、その銃を完全には扱えない。だが、その懐かしさが心の支えとなったのか、聡右は力強く立ち上がり、ゆっくりと歩き出した。
【G-7 森の中/一日目・深夜】
【男子二十二番:内木聡右】
【1:俺(たち) 2:アンタ(たち) 3:あの人、奴(ら)、○○(名前呼び捨て)】
[状態]:健康
[装備]:コルト・パイソン(6/6)
[道具]:支給品一式、予備弾(18/18)
[思考・状況]
基本思考:喜佳と合流したい。仲間を集めてゲームを潰す
0:ゲームに乗る気はない。
1:戦いを極力避ける
2:助けを求める生徒は見捨てない(だからと言って油断もしない)
3:襲ってくる者は退ける(殺しはしない)
[備考欄]
※喜佳がもしもゲームに乗っていたら、どうするかまだ決めていません(死ぬことはないだろうとは思っていますが、それでも心配です)
※喜佳が銃を扱える事実は聡右以外は知りません
投下終了です
1001 :
1001:
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(_´∀`)_ 創る阿呆に見る阿呆!
/,/-_-_-_-_-_\ 同じ阿呆なら
( ( /,, /― ((神輿))―\ 創らにゃソンソン!! //
(。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@ ) )
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i||i ∩i||i:||::::¥_][_¥::::||. i||i
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