ラノベと漫画とアニメとゲームのキャラでバトロワ

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1名無しさん@お腹いっぱい。
多ジャンルとかマルチメディアとかあるけど、実写は受けが微妙なのでそれ以外でしようぜ!
作品数は
ラノベ:7
漫画:7
アニメ:7
ゲーム:4の合計25作品でキャラは110から120ぐらいを目安にする予定
ゲームが少なめなのは他と比べて把握に掛かる費用と時間を考慮して

投票は
【ライトノベル】
【漫画】
【アニメ】
【ゲーム】に投票をしてもらって各ジャンルの上位7(ゲームのみ4)をそのまま当選する予定
複数ジャンルで当選した作品が出た場合は票数が多いほうを優先。少ない方は次点が繰上げとなります。
質問や意見があればお願いします
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:54:48 ID:TuUfsOvM
ロワ系スレ、すげえ量になってるなぁ
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 19:57:49 ID:IxPD1AjE
>>1
お前さんは書き手かい?
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:26:01 ID:ITmGbTPt
ロワスレ乱立し過ぎだぜ! むかむかドッカン! ごーとぅーだっとしたる!
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:41:55 ID:zrd50Np+
ここは何をするスレなんですか?
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:53:43 ID:ZGegUJD6
>>5 >>1を読めばわかるとおり、ここは素数を数えるスレです。
2
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:55:18 ID:ZGegUJD6
3
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 20:57:02 ID:zrd50Np+
5
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:10:18 ID:ZGegUJD6
7
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:28:59 ID:F4l8M41F
11
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:30:01 ID:hi7Uzb3j
13
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:32:57 ID:SXFvQQCf
17
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:35:04 ID:ZGegUJD6
19
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:40:37 ID:ITmGbTPt
23
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:43:13 ID:g4MtpGpm
29
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 21:58:57 ID:EKn9BsmO
31
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 22:28:17 ID:gNGECBQY
>>3
遅れたけど、参戦作品次第だけど書き手をやるには全力で取り組むよ
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 22:36:46 ID:ZGegUJD6
37…?
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:28:53 ID:gNGECBQY
とりあえず投票は一人当たりの持ち票は5で
【ライトノベル】
【漫画】
【アニメ】
【ゲーム】
の各ジャンルに五つずつ投票(知らないジャンルは投票権の放棄可)でいいのかな
それと投票はここでいい?したらばがいいなら用意するけど
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:39:04 ID:TuUfsOvM
ロワ系の流れよく知らんので説明キボンしていいすか
・なんでこのスレが必要なのか
・したらばで投票する意味って何
・各ジャンルに一人当たり五つずつ投票とか集約しにくくなるだけでしょ
 適当投票の余地を残す理由ってロワスレ的になんか意味あんの

ていうか他のロワスレじゃ駄目な理由ってなに?
ネタが面白けりゃ他のスレに合流できるだろと思うんだが
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:47:33 ID:gNGECBQY
>>20
一つ目
新規のロワのスタートにあたり新たなスレは必要不可欠です。
死にスレの活用とかの場合気付かれないことが多いので人材難に陥りやすくなってしまいます

二つ目
したらばは決定ではありません
あくまでも2ちゃんが前提でもしも何らかの理由はしたらば希望者が多い場合のみです
ですので現時点ではこのスレで行う予定です

三つ目
各ジャンルに5票とは現時点での予定です。
もし単純に一人五票(十票?)とかの一斉投票で上位25作品選出の方が良いという意見が多ければその形式で投票します
あくまでも>>19は投票に関しての初期案を提示しただけです
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:50:09 ID:gNGECBQY
書き忘れました。

最後の質問の答え
他のオールジャンル系のロワスレは実写も出していますが、今ロワでは受けの微妙な実写をなくして
それ以外の四ジャンルでのロワ、また少し多めの作品数と人数というのをコンセプトの一つに掲げています
ですので他のロワスレとの合流は難しいと判断しました
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:52:31 ID:ITmGbTPt
ネタ系としてもオルロワの二番煎じになるし、仮に始めたとしても四つ目の多ジャンルロワなんてほとんど人が来るとは考えられないからやめた方が賢明だと思うけどな
もし他所で参加させたい作品が落ちたって言うなら素直に他のロワスレを気長に待った方がいいって


43
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:53:55 ID:oHpA4W/i
スレ立てはかならず何も説明せずにいきなり投票しましょう
スレの流れが自分の気に入るようにならなかったら
また新スレを立てるのを繰り返す

何度繰り返した?2ch中の各板ににあんたが立てたスレもう十や二十じゃきかないだろ
そろそろ3桁の大台にのるんじゃね?
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:56:57 ID:ec/SYoFv
皆川亮二作品バトルロワイヤル


ざっくばらんに言えば、皆川亮二キャラに殺し合いをさせる企画です
親切な言い方ではありませんが、イマイチ把握できてない方はこの板にある他のロワスレを見て大まかな雰囲気を掴んでください
(注※オールジャンル等は特殊なケースなのでその辺はご注意ください
誰も乗ってくれないなら大人しく撤退しますので、少しの間だけでもお付き合いよろしくお願いします


お願い
・お気に入りキャラが死んでも泣かない
・キャラを殺すときは出来る限り愛を込めて
・お互いに興奮しないでね
・どうせ過疎るんだし細かい事をうだうだ議論するんじゃなくて、ある程度問題になってきたら議論しようぜ
・初心者大歓迎、ぶっちゃけ一人も書き手が来ないのは覚悟完了してるからドンと来て大丈夫です



『参加者一覧』


【D-LIVE!!】11/11
○斑鳩悟○百舌鳥創○清水初音○烏丸理香○クレーバー・オウル○ジェームス・波戸○火浦剛斎
○亜取アキラ○ミハイル・セルゲイヴィチ・カラマーゾフ○ロッコ・レイモンド○ユーリィ・カザロフ

【ARMS】22/22
○高槻涼○新宮隼人○巴武士○久留間恵○赤木カツミ○アル・ボーエン○ユーゴー・ギルバート○高槻巌○高槻美沙○キース・ブルー○兜光一
○ヨハン・ホルスト○キース・レッド○キース・シルバー○キース・グリーン○キース・バイオレット○クリフ・ギルバート○スティンガー○コウ・カルナギ○高槻崖
○キース・ホワイト○サミュエル・ティリングハースト


【スプリガン】11/11
○御神苗優○ジャン・ジャックモンド○朧○山菱理恵○染井芳乃○暁巌○金谷昌○ボー・ブランシェ○源双烈○トニー・ベネット○ボーマン教官


44/44


一般人気とのズレがあるのは承知の上ですがメンバーは独断で決めました
人数さえいれば6人程度の増員も考えています
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:57:45 ID:ec/SYoFv
〜〜〜……〜ャマ〜…〜〜〜…


ヤマ……山?
またASEの任務で山に行かなくっちゃいけないんすか?
今回ばかりは本当に勘弁してくださいよ百舌鳥さん……。
俺もそろそろ真剣に進級がかかって来たんすから。


〜〜……〜〜ヤマ…〜〜〜…〜〜…


いや、せめて高卒の資格ぐらいは欲しいっすから。
流石に中卒はキツイです。
出席日数が洒落になんない事態まできてるんすよ本当。


       ヤーマ


「いや、だからやめてくださいってば!」

俺は思いっきり椅子から立ち上がって百舌鳥さんに講義した。
後、と言うよりは今現在が怖くて仕方が無いがしょうがない事なのだ。
一度くらいはキッチリと言っておかなくてはならない。
俺はASEのマルチドライバー兼高校生。
ASE内での身分はまだバイトの域を脱していない。
つまりは本業である学生としての本分を全うしなくてはならないのだ。
そう、立ち上がる際に勢いよく両手を叩き付けた机に教科書と筆記用具を置き、
目の前に立っている髪の毛の薄い教師の説明した事項をノートへと書き写すべきなのだ。
………机? 教師?

「そうか斑鳩。お前もそう思っていたのか。
 奇遇なもんだな。丁度俺もいい加減寝るのを止めて欲しいと思っていたところだよ」

額に青筋を立てて、笑顔のまま小刻みに体を震わす教師の言に俺の意識は完全に引き戻された。
そうだ! 百舌鳥さんは既に引退したし、俺にはしばらくASEの仕事は回ってこない!
俺は卒業するまでの間、平穏な暮らしを約束されたはずなんだ。
銃弾や核爆弾に怯えることなく暮らせる暮らしへと……

しかし、急にこんな夢を見てしまうとは一種の職業病かもしれない。
カウンセラーでも雇ってみるかな……。
いや、金がもったいないから止めておこう。
あぁ悲しき貧乏性よ、俺は大金持ちなのに今更何をケチるのだろうか?
額に右手を当てて大きくため息を吐いた。
が、その行動は教師の逆鱗に触れた上に油を注いでしまったようだ。

「斑鳩あッ! ため息を吐きたいのはコッチだ馬鹿野朗!!」
「すっ、すみません」

先生……ハゲ頭が真っ赤で蛸みたいですよ、などとは小市民の俺に言えるはずが無く素直に謝罪しておいた。
俯いて教師の説教を聴いてるふりをしながら学友共の顔を覗いてみる。

寺西は……思いっきし笑ってやがる畜生。
ふと視線を左へとずらした……そうか…小野……お前もそっち側の人間か。
いや、むしろこいつら二人に期待するのが馬鹿だったよ。
救いを求めて松崎を見た。
苦笑しながら手を合わせやがった……。まぁあの二人よりはましだよな。
と、教師の説教を凌いでいる俺の耳に夢の中で聞こえたいまいましい声が飛び込んできた。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:58:19 ID:ec/SYoFv


我が名はヤーマ、裁定者なり。


「!?」
いや、耳に飛び込んできたのではない。何と表現すればよいのだろうか?
あえて言うならテレパシー。脳に直接情報が流れ込んでくる感じだ。
教師の言葉は既に耳に入らなくなった。
コンピューターの合成音声のような不自然な物にも関わらず妙な威厳を感じさえる声。
その声が続ける。


貴様は選ばれた人間だ


今から他の選ばれた人間達と共に――――


「共に何なんだ!?」

周りの目を気にせずにありったけの声を出して叫ぶ。
教師も異常な様子に気付いて長々と続くであろう説教を一時中断した。
そして、ヤーマと名乗る謎の声はハッキリと告げた。


殺し合いをしてもらう


そう聞こえた次の瞬間、俺は見知らぬ小道にいた。
本当に田舎の道で、舗装されていない土がむき出しの路面の両脇には美しい花が咲き誇っている。
暖かな日差しに、何時もの俺なら睡眠欲を掻き立てられるのだろうが現状はそうも言ってられない。
先ほど聞こえた殺し合いをしろという声。
いきなり見知らぬ土地に飛ばされたこととあの声が無関係なはずが無い。
警戒を絶やさずに辺りを見渡していると、自分の丁度真後ろに一人の少女がいることに気が付く。

「君は?」
「私の名前はアリス。お兄ちゃんも参加者みたいだね」

平然とした様子で語るアリスと言う少女。
金髪に、青と白を基調としたドレス。
彼女は『不思議の国のアリス』の主人公に非常にそっくりだった。
完全な不意打ちに戸惑い、動けない俺を他所に彼女は外見に相応しい幼い声で嬉しそうに話しかけてくれた。

「じゃあ、この殺し合いのルールを説明するね。
 まずは勝利条件。それは他の参加者を皆殺しにして最後の一人になる事」
「おい! ちょっとまってくれ――」
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 23:58:58 ID:ec/SYoFv
俺はそこから先を言う事ができなかった。
アリスの顔が愛らしい表情から一転して歪みきった笑みを浮かべていたからだ。

「ちなみに、お兄ちゃんたちが会場に入ったときに首輪が付けられるからね。
 首輪には爆弾が仕掛けられていて、迂闊に弄ると……ボン!」

アリスは呆然とする俺に構わずに話を続ける。

「爆発の作動条件は大まかに言うと、首輪を外そうとする、禁止エリアに入るの二つかな?
 後、優勝者には素敵なプレゼントがあるから頑張ってね」

話が一通り終わると、アリスはリュックサックを一つ俺に手渡してきた。

「はい、これが支給品。食べ物や地図の他にランダムで道具が入ってるから殺し合いに有効活用してね」

握らされたカバンの重さに我を取り戻す。
戸惑いが一番大きいが、怒りが沸々と湧いてきた。

「アリス! なんで俺たちはそんなことを―――」

俺…の言葉は………最後まで続……く事は無かった。
徐々に…意識が……遠のいて…いった…………から…





29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:01:05 ID:ec/SYoFv
opは一応書いてみました
これから24時間以内にopを書くという宣言が無かったら自動的にこれに決定して始めさせていただきます
では、色々とよろしくお願いします!
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:02:10 ID:IFOUfQmF
おお、いきなり乗っ取りきたか
応援してるぜ
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:08:33 ID:gRN5L098
俺にはちょっと書けそうもないけど応援するぞ、頑張れよ。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:09:59 ID:aryzzmMj
頑張れよー
SS書き溜めてたりするのかい?
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:14:13 ID:6KdX8//G
応援ありがとう! お前らの真意は分かってるぜWW

書き溜めに関しては、いや、全くとしか言いようが無い……
とりあえず三連休使ってある程度まったり書こうかな〜って
いざと言うときは個人ロワスレに間借りさせてもらおうかな〜って感じだからマイペースマイペース
どうせ人いないんだし肩の力抜いて書きたいよね
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 00:59:15 ID:+K1j2gwj
チェン・スワンリェがいてパーカップ・ラムディがいないのに吹いたw
まぁいてもあのジーさん扱いずらそうだがw
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 17:35:06 ID:KcutRC5w
剣豪キャラバトルロワイアル

剣豪(槍とか棒の使い手も含むけど)のみでバトルロワイアルをやってみる。
出典は、時代小説入れるとキリなくななるから、ラノベ、漫画、アニメ、ゲームで。

参加者一覧
【魔界転生(石川版)】3/3
○柳生十兵衛○宮本武蔵○宝蔵院胤瞬

【Y十M〜柳生忍法帖〜】2/2
○柳生十兵衛○漆戸虹七郎

【シグルイ】3/3
○岩本虎眼○藤木源之助○伊良子清玄

【るろうに剣心】6/6
○緋村剣心○鵜堂刃衛○四乃森蒼紫○志々雄真実○斎藤一○瀬田宗次郎

【斬】5/5
○村山斬○月島弥生○貫木刃○刺々森鋭次○絶山剣舞

【闇の土鬼】2/2
○土鬼○無明斎

【バガボンド】2/2
○宮本武蔵○佐々木小次郎

【雪の峠/剣の舞】1/1
○疋田文五郎

【BAMBOO BLADE】1/1
○川添珠姫

【Fate/stay night】1/1
○佐々木小次郎

【サムライスピリッツシリ−ズ】5/5
○覇王丸○牙神幻十郎○橘右京○ナコルル

【月華の剣士】4/4
○高嶺響○刹那○真田小次郎○斬鉄
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 17:36:56 ID:KcutRC5w
以上35名。今日中にOPは投下する。
ところで、今まで一つのスレで二つのロワを同時進行なんてやったこと
あったっけ?
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 17:37:45 ID:IFOUfQmF
非リレーロワスレなんて1つや2つどころじゃないぜ
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 20:47:40 ID:WC7szz7g
ネタロワ

訳の解らないネタロワ。書くかどうかは未定。

【フェイスガード虜】1/1
○虜

【侵略!イカ娘】1/1
○イカ娘

【ロボこみ】1/1
○鈴木ロボ子

【無敵看板娘】4/4
○鬼丸美輝○西山勘九郎○敏行○ヘルズバニー

【アクメツ】2/2
○鶴田議員○迫間生

【ドカベン】1/1
○岩鬼正美

【ねらー】5/5
○ブロントさん○スージー○恋○HG○へげぞ(記憶喪失した男)

【世界は衰退しました】5/5
○ちくわさん○助手さん○孫娘○P子さん○O太郎さん

【冒険者たち】2/2
○ガンバ○ノロイ

【美味しんぼ】5/5
○辰さん○岡星良三○山岡士郎○栗田ゆう子○快楽亭ブラック

【みんなはどぅ?】5/5
○G=ヒコロウ○Ray's君○道満さん○伊藤さん○オカマ君

【先生になれません】3/3
○河田○池田○桃山

【ヒストリエ】2/2
○エウメネス○トラクス

【マイティハート】5/5
○樽島心○天河十市○メラクベータ○シュバルツ○ミグレス○マツリセイシロウ
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 21:42:44 ID:HsjHXGM7
なんじゃこりゃwwwwww
つうか何でこの面子にヒストリエとドカベンが混じるんだwwwww
40皆川ロワの人 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/12(日) 20:22:35 ID:ibwoIb2P
マップ書いてみました、ご意見や批判のある方は遠慮なく言ってください
ttp://www6.uploader.jp/dl/sousaku/sousaku_uljp00163.jpg.html







ぶっちゃけ下手と思ったろ?
いいんだよ!小学生以下の俺の画力じゃこれが限界なんだよ!悪いのかよ!
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 20:28:05 ID:yAv5ZzLX
丸いのは道?
なんか施設の名前や地名に突っ込みどころ多いなw
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 20:30:45 ID:SGeRq9An
オホーツク海とグランドキャニオンってなんぞw
43皆川ロワの人 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/12(日) 20:32:25 ID:ibwoIb2P
紫の丸はモノレールの路線で
その他の丸は……その建物とその周辺だと思ってください
ちなみに地名や建物は全部皆川作品から持ってきた奴です


いや、本当に下手でスミマセン
44皆川ロワの人 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/12(日) 20:35:32 ID:ibwoIb2P
ずっと下げ忘れてた……

どうでもいい決定、しばらく(ずっと?)俺ひとりで書くことになりそうだし
名簿は廃止で〜キャラは書いたもの勝ちって事にするよ〜
今思えばあの名簿も所々に穴があるからね。
上限は未定。ある程度出てきたら適当に決めてく方針で
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 20:36:57 ID:yAv5ZzLX
がんばれー
皆川作品知らんから一緒に書くことはできないけど
SSは読ませてもらうぞ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 21:00:48 ID:CUcTf45I
皆川作品うろ覚えだけど
なんかグランドキャニオン出て来るシーンあったな
登場舞台をまとめて配置した訳だな

だからってオホーツク脇に配置すんなwww
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 21:05:29 ID:XAkFTBcp
>>44
そのあくまで「書く」という行為を第一に置く姿勢、敬意に値する!
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 20:18:00 ID:kLXxOvGH
そして誰もいなくなった
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/15(水) 20:19:52 ID:4uSbDo/9
見てるよカサカサ
50 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/15(水) 23:05:32 ID:J4Blzuqb
現在執筆中なんだが、致命的な遅筆に加えて、平日はあまり書けないんだ……
だから投下まで時間がかかるかもしれない

期待してたりする人には迷惑かけるが、その辺はよろしくお願いします(´・ω・`)
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 13:55:53 ID:UaiFONNq
age
52名無し・1001議論中@自治スレ:2008/10/18(土) 17:18:07 ID:+6LXbosP
皆川ロワの人書いてる〜?
期待してるよー
53セイギノミカタ〜邂逅〜 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:27:12 ID:3ABYhQlH
「おいおい、もう超常現象はこりごりだぜ」

無精髭を右手で弄りながら、周りにある無数の樹木の一つに身体を預ける男。
彼の名は兜光一。藍空署に所属している一介の警部補であった。
そう、あくまでも今の彼は元警察官。
今の彼の職業は幼少からの憧れであった正義の味方。
エグリゴリという国家クラスの戦力を持った相手に一歩も引くこと無く戦い勝利した。
その過程で数々の超常現象を見てきた彼にとってこの事態は驚くべきことではあったものの、
鋼の精神をへし折るほどのインパクトとは成りえなかった。

「だがな」

急に彼の声のトーンが変わった。
強烈な裏拳をもたれかかってる巨木に叩き込み、込み上げる怒りを抑えようとする。
が、そんな行為で晴らせるような安っぽい怒りを抱かせるほど彼の魂は冷えていなかった。

「だがな、お前らみたいなふざけた野郎がいる以上は戦わなきゃいけねーんだよ!」

あのガキ共みたいな運命を背負った奴らがな、心の中でそう付け加える。

「畜生!」

一言毒づいた後にズボンの左ポケットからタバコの箱とライターを取り出す。
慣れた手つきでライターを擦り、タバコの先端を炙った。
暗闇の中で火を出すのは目立ちすぎる行為だとは分かっている。
分かっていたのだが、この昂ぶる気持ちを一旦落ち付けるためには仕方が無い。
当然この場所が木々に覆われて視界が最悪だという前提もある。
多少の煙や光ぐらいはこの森の陰鬱な雰囲気に紛れるだろう。
兜刑事は何故かそう考えていたのだ。

煙を燻らせて考えるはこれからの行動方針。
殺し合いには乗らない。これは今更再確認するような事ではない。
だが、脱出に向けて自分ができることはなんだ?
この首輪の解体をできるほどの知識など当然持ち得ない。
一般人よりは強いがARMSクラスどころかサイボーグに勝ち得る戦力すらない。
では自分は何ができるのだ?

「ん?」

意気消沈する彼の目に飛び込んできたのは、登山客が使いそうな造りのディバッグ。
アリス曰くこのディバッグには支給品とやらが入っているらしい。
兜の心の中に希望が湧きあがる。
バッグにある支給品を確かめるためにバッグを取ろうと巨木から背中を離して、ゆっくりと膝を曲げる。
そのまま左手をまっすぐと伸ばして行き人差し指と中指で持ち手を引っ掛けた時、不意に気配を感じ――――
54セイギノミカタ〜邂逅〜 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:28:54 ID:3ABYhQlH
「ぐおっ!?」

兜の体は何者かの手によって引き倒された。
あまりにも咄嗟な事に、兜は受身を取ることもできずにその体は湿った地面に叩きつけられる。
自分に圧し掛かっている人物に抗議の声を上げようとしたがその声が発せられることはなかった。
怒号を発する前に彼の耳に“襲撃者”からの言葉が届いたからだ。

「お前はこの殺し合いとやらに乗ってる奴なのか?」
「あぁ? 元警察官の俺にそれを聞くのかよ」
「ふん、公僕を簡単に信じられるような人生を送ってねーからな」
「じゃあどうやって証明しろってんだよ!!」
「ん〜そいつはまだ考えてねぇな」
「おい! ふざけんじゃねぇぞこの野郎」

兜が怒鳴り声を上げながら抵抗するしようとするが、ガッチリと間接を極められている。
当然抜け出せるはずも無く、必死の抵抗は彼の体から体力を奪う結果のみとなった。

「おい、もういいぜ」

長き抵抗の末、肩で息をすることとなった兜の体をあっさりと開放する襲撃者。
這い蹲る形で息を整えた後、兜は目の前にいる金髪の男に問うた。

「何故俺を放した?」
「放して欲しくなかったのかよ。変な趣味は持つもんじゃないぜ」
「おい、あんまり大人をなめんな」
「じゃあ正直に言ってやるよ。お前じゃ俺に勝てない」
「なっ!?」

言いたい事は分かる。
完全に不意打ちだったとはいえ、自分は少しの抵抗もできずに負けたのだ。
しかし、だからといって簡単に納得してしまうわけにはいかない。

「でもよ、俺にだって――」

その言葉は目の前に突き出された拳によって遮られた。
いや、兜には突き出されたようには見えない。急に現れたとしか思えないのだ。
55セイギノミカタ〜邂逅〜 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:29:35 ID:3ABYhQlH

「どうしてもそう思うなら俺を殺してから先に進みな。
 市民の為に命を懸ける覚悟ならとっくにできてるんだぜ?」
「ちっ」

心底嫌そうな顔で舌打ちを一回した後、男は兜の手を振り払う。
そして、兜の目を正面から見据えて言った。

「俺の名前はジャン・ジャックモンドだ。もし足手纏いになるなら本気で置いてくからな!」

怒ったかのように声を荒げるジャンをニヤニヤと見ながら兜は片手を差し出す。

「俺は兜光一。まぁしばらくの間よろしく頼むぜ、ジャン」
「・・・」

しばし沈黙が二人の間を流れる。
本当に愛想がねぇ奴だな、兜がそう思い差し出した腕を引っ込めようとした時、掌に温もりを感じた。
兜の顔が締まり無く揺るむ。
ケッ気持ち悪い奴だ。そう毒づきながらジャンはさっさと繋いだ手を離す。



☆  ★  ☆



遠くから近くから頭に声が響き渡るる。
それは遺伝子単位で組み込まれた魂に刻み付けられたプログラム。
生まれたその日から常に彼は飢え乾き続けていたのだ。

『闘争』に

「アリスが溶け落ちてゆく俺を復活させて殺し合いを強いる理由は一向に分からん。
 しかし、わざわざ冥土に片足を突っこんだ所から呼び戻してまで彼女が用意したこの殺し合いのステージ。
 この場で俺がやるべきことはたった一つしかあるまい。より強く、より強い力を!」

緑色の軍用コートを翻し、同色の帽子を両手で整える。
死を覚悟してでも力を求めたあの戦場。
再び大地を踏むことになろうとも彼の本質は変わらない。

こうして狂った帽子屋、キース・シルバーは第一歩を踏み出す。



☆  ★  ☆
56名無し・1001議論中@自治スレ:2008/10/18(土) 22:31:03 ID:+6LXbosP
sienn
57セイギノミカタ〜邂逅〜 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:32:37 ID:3ABYhQlH


先に気が付いたのがどちらであるかと言えば、恐らくジャンのほうであっただろう。
獣人と呼ばれる古代生物兵器の遺児である彼の五感は常人を遥かに凌駕し、目の前にいるであろう相手の存在を脳へと伝達する。

「兜のおっさん、ちょっと止まりな」
「だからまだ俺はおっさんじゃねぇっつーの。まぁいい、一体どうしたんだ?」

急に呼び止められたことを訝しみながらもキッチリと立ち止まる。
慣れない悪路を歩いて少し疲れ気味なのか、兜は傍にあった木に手を着く。

「人の気配がする」
「何っ? それは本当か?」
「こんな状況で冗談なんて言うわけ無いだろうが。
 俺はチョット訳有りでね。色々と普通の奴とは違うのさ」

皮肉がたっぷりときいた嫌味な笑顔を浮べるジャン。
しかし彼の口ぶりに怒ったりする事なく、兜はニヤリと笑って聞き返した。

「サイボーグか? それとも強化人間? まさかARMSとは言わないだろ?」
「なんだそれ? とりあえずコンタクトを取ってみるか」
「コンタクトってお前……」
「なぁに、安心してろ。相手が殺し合いに乗ってたらとっちめてやるからよ」
「おいおい、慎重に――」

兜の主張はあっさりと無視された。

「おい、そこにいる野郎! 大人しく姿をあらわしな!!
 一応言っておくが俺は殺し合いにゃ乗ってねぇ、このパッとしねぇおっさん見たら分かるだろ?」

グッと拳を握り怒りをこらえる兜。
ムカつく言い方ではあるが、ここで言い争ってても何もならない。
そんな二人の様子を他所に、響き渡る声からジャンの存在を把握したキース・シルバーは茂みに隠れて相手の様子を伺う。

(敵は二人……あの口ぶりからして若い方しかマトモに戦えないらしいな。
 しかし、暗い森で偶然の要素がある程度絡むとはいえ先に存在に気が付くとはな……。
 強化人間化何か知らんが中々厄介な相手かもしれんな)

しかし、ここで引く選択肢と言う物は一切存在しない。
自分は勝つために戦ってるのではない、戦うために戦っているのだ。
故に相手が万に一つの勝ち目が無い怪物であろうとも引くつもりはなかった。
圧倒的な存在を前に恐怖するようなことがあってはならなかった。

(あの魔獣と出会うまではな)

敗北と恐怖を植えつけた唯一の存在。奴に勝つために殺し合いで進化し続けよう。
死体の山を築き上げ、そこの頂点に自らのではなくジャバウォックの屍を飾ろう。
そこまで考えて、シルバーは我に返った。

(いかんな、今は目の前の敵に集中せねば)

軍服の両腕を捲り上げて地肌を露にする。
理由は、動きやすくなるとかそんな大層なものではない。
ただ、純粋に衣服の確保が難しいであろう環境で易々と破ったりしたくはないからだ。
ピシピシと枯れ木が砕けるような音を立てて、彼の両腕が変貌した。
掌の先に付くは、全てを切り裂く爪。
先程までは一般的な白人男性の肌の色をしていた皮膚は硬質化して金属特有の鈍い光を反射する。
黒に染まったそれを形容とするとしたら悪魔の両腕。
彼は機を待つ。
異形の右腕にスパークを発生させて、必殺の荷電粒子砲をいつでも発射できるようにチャージして。
58セイギノミカタ〜邂逅〜 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:33:48 ID:3ABYhQlH




――――そして、時は来た。

「もう一度だけ言うぜ! 大人しく出てきな!!
 こそこそ隠れてるつもりなら女子供でも容赦しねぇぞ!!」
「おい、ジャン! もう少し言い方を考えろってんだ!」

返事はせずに茂みから飛び出して左手を支えにして右手を前に突き出すシルバー。
右手に発生した発光する球体は即座に線となり、ジャン達の下へと迸る。
一瞬遅れてやってくる嗅ぎなれたオゾン臭。

「さぁ、闘争の始まりだ」

シルバーは大きく両手を広げて、荷電粒子砲の着弾地点へと飛び出していった。

59名無し・1001議論中@自治スレ:2008/10/18(土) 22:34:23 ID:+6LXbosP
60 ◆xrS1C1q/DM :2008/10/18(土) 22:37:23 ID:3ABYhQlH
投下完了です
あんまし面白みの無い登場のみを書いちまってスイマセン
本当はバトル終了まで書こうと思ったんですけどまぁその辺は御察しください……
一応次回もこれの続きを書いていくので他のキャラの活躍が見たい人はまたしばらくお待ちを
61名無し・1001議論中@自治スレ:2008/10/18(土) 22:38:48 ID:+6LXbosP
投下乙!
すげー気合入ってんな
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 00:50:21 ID:m7cytrkc
そしてまた誰もいなくなった
63名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 15:25:10 ID:qRGmvqy9
期待アゲ(n‘∀‘)η
64名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 17:21:18 ID:eISptBLe
「新約・女神ロワイアル」
デビルサバイバー発表記念。女神転生ロワイアルだとP3・P4等の最新作が出てないし。
シリーズ上限は10人。名無し主人公は今回除外。

【ペルソナ3】10/10
○アイギス○岳羽ゆかり○伊織順平○桐条美鶴○山岸風花
○真田明彦○荒垣真次郎○天田乾○望月綾時○エリザベス

【ペルソナ4】10/10
○里中千枝○花村陽介○天城雪子○久慈川りせ○白鐘直斗
○巽完二○堂島遼太郎○堂島菜々子○足立透○海老原あい

【デビルサマナー葛葉ライドウ】9/9
○葛葉ライドウ○鳴海○朝倉タヱ○大道寺伽耶○ラスプーチン
○凪○葛葉ゲイリン○成田茜○弾

【デビルチルドレン】8/8
○甲斐刹那○要未来○タカジョーゼット○甲斐永久○エレジー
○葛羽将来○王城嵩治○王城翔

【アバタールチューナー】6/6
○サーフ○セラ○アルジラ○ヒート○シエロ○ゲイル

【デビルサバイバー】2/2
○木原篤郎○谷川柚子

合計45人。開始はその内。
65創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 23:09:30 ID:iHZY+wtn
>>64
期待!!!
66創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 08:27:45 ID:TQFjFAUM
>>65
アイギスと岳羽ゆかりと伊織順平と桐条美鶴と山岸風花は流行病で死亡。
真田明彦と荒垣真次郎と天田乾と望月綾時とエリザベスは狂った豚に食い殺される。

里中千枝と花村陽介と天城雪子と久慈川りせと白鐘直斗は、日雇い宿が火事になり焼死。
巽完二と堂島遼太郎と堂島菜々子と足立透と海老原あいは、公園の清掃作業中に日射病で死亡。

葛葉ライドウと鳴海と朝倉タヱと大道寺伽耶とラスプーチンは、下水道工事中に酸欠で死亡。
凪と葛葉ゲイリンと成田茜と弾は、高所電設作業中に感電死。

甲斐刹那と要未来とタカジョーゼットと甲斐永久とエレジーは、精神障害者収容施設で職員に犯されて死亡。
葛羽将来と王城嵩治と王城翔は、汲み取り式便所にはまり、うんこまみれで死亡。

サーフとセラとアルジラとヒートとシエロとゲイルはそれぞれ派遣先から解雇されて路頭に迷って死亡。
木原篤郎と谷川柚子はラブホのベッドの上で浣腸プレイの最中に発狂死。

全員死亡で終了。
これで終わりです。
67創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 16:25:06 ID:3S7a0KwQ
今までのロワに出たキャラの中から何人か選りすぐって少数精鋭型のロワやろうぜ
人数は20人、舞台はディズニーランドくらいの広さ、期間は1日くらいで
68創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 15:04:42 ID:Qj3cHdMV
ここも乗っ取り候補なんだよなー
69創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 00:06:01 ID:5HZ1y2yY
結局、らきロワでここを再利用するの?
1度だけ目立つようにあげ
70創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 00:52:32 ID:T8ZnzpFT
再利用の為に目立つようにあげ
71創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:02:59 ID:RUKnCqMf
             /::.::.::/:// .::.::.::.::.::.:./ ! .::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.::.
      \   ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/  | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
      \ 〃 / _  ヽ:/::.::.::.::.::.:/\  |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
      {{ / / __ ヽ ',.::/::./   `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
.   ──  |  ! /r ) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
.         ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. /    j /  | .::.::.::.::.:: |::.::
.     , -―ヘ  `ー   /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/   テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/   {     /.::.::.| ゞ辷zン //    う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/     ヽ    イ ::.::. |             /ヘ:::::::/  |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃   V    ヽ    ヽ.::.: |              ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
 l    {      ∨  }__.::.|\     <!         ・ /::.l::|::./│/
 ヽ   ヽ     {      ̄ ̄ ̄`ヽ _         イ::.: l::|:/ j/
、 \   \    }           ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /

このスレは我々(らき☆ロワ)が乗っ取った!
72創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:04:18 ID:RUKnCqMf
パロロワを題材にしたパロロワ――つまりは3次創作となるので、よくわからないという人はまず「2chパロロワ辞典」からどうぞ。
また、流血やキャラクターの死亡を扱う題材ですので、あらかじめそれを警告しておきます。


2chパロロワ辞典@wikii
http://www11.atwiki.jp/row/

前スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220112466/146-

らき☆ロワ@wiki
http://www24.atwiki.jp/rakirowa/

らき☆ロワ専用したらば掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12294/


【参加者一覧】

(7/7)【らき☆すた (原作)】
    ○泉こなた/○柊かがみ/○柊つかさ/○高良みゆき/○小早川ゆたか/○岩崎みなみ/○黒井ななこ
(6/6)【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
    ○相羽シンヤ/○アルフォンス・エルリック/○衝撃のアルベルト/○Dボゥイ/○結城奈緒/○ラッド・ルッソ
(7/7)【漫画キャラバトルロワイアル (漫画ロワ)】
    ○赤木しげる(19歳)/○桂ヒナギク/○川田章吾/○ジョセフ・ジョースター/○パピヨン/○三村信史/○村雨良
(9/9)【テラカオスバトルロワイアル (カオスロワ)】
    ○6/氏/○赤木しげる(13歳)/○アナゴ/○朝倉涼子/○笑天のピンク/○真・長門有希/○南千秋/○南春香/○武藤遊戯
(6/6)【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル (なのはロワ)】
    ○シグナム/○スバル・ナカジマ/○セフィロス/○高町なのは(StS)/○フェイト・T・ハラオウン(StS)/○遊城十代
(7/7)【ニコニコ動画バトルロワイアル (ニコロワ)】
    ○阿部高和/○いさじ/○ゴマモン/○涼宮ハルヒ/○園崎魅音/○ピッピ/○前原圭一
(6/6)【書き手ロワイアル2nd (書き手2)】
    ○クールなロリスキー/○静かなる 〜Chain-情〜/○素晴らしきフラグビルド
    ○地球破壊爆弾No.V-7/○熱血王子/○忘却のウッカリデス
(6/6)【オールジャンルバトルロワイアル (オールロワ)】
    ○6/氏(外見がかがみ)/○6/氏(神)/○かえる/○ランキング作成人/○竜/○ロアルド・アムンゼン(その3)
(6/6)【やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです (やる夫ロワ)】
    ○桂言葉/○キョン/○でっていう/○前原圭一/○やる夫/○ルイズ

60/60

名簿 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/0c/15ef21c2f95f2bc2925ae7d1146e7a26.png (あいうえお順)
地図 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/75/9ca773d3ead39a30842fac32728cdf0d.png (上が北/1マスの一辺が1km)
ロゴ. http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/28/0e822f749086ac76353f9bd29084a172.jpg
73創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:04:52 ID:RUKnCqMf
【バトルロワイアルのルール】

 1.バトルロワイアル
 参加者全員で互いに殺し合い、最後まで生き残った者が優勝者となる。

 2.首輪
 参加者には設定されたルールを破った場合に備え、爆薬の詰まった首輪の装着を強要する。
 首輪は以下のルールを破った場合に爆発し、その者の命を奪う。

  A-首輪を外そうとした場合。
  B-バトルロワイアル会場の外へと出ようとした場合。(30秒の猶予あり)
  C-後述される禁止エリアの中へと侵入した場合。(30秒の猶予あり)
  D-24時間連続で死者がでなかった場合、参加者全員の首輪が一度に爆破される。

 3.放送
 バトルロワイアル中、ロワの進捗と禁止エリアを報告する放送が定時毎に会場内へと流される。
 放送が流れるのは、「0時」「6時」「12時」「18時」の6時間毎、1日4回。

 4.禁止エリア
 1回目の放送以後、2時間毎にマス目で区切られた会場のエリアが一つずつ禁止エリアとなる。
 禁止エリアは、「7時」「9時」「11時」……と増えてゆき、これは直前の放送でそれぞれ発表される。

 5.支給品
 参加者にはバトルロワイアルを生き抜くための道具や武器が支給される。

  A-「デイパック」
    他の支給品を入れて持ち運ぶためのもので、容量に制限がなく重さも一定という不思議なもの。
  B-「基本支給品一式」
    会場の地図、参加者名簿、メモ帳と筆記用具、方位磁石、腕時計、懐中電灯、3日分相当の食糧と水がセットになったもの。
  C-「ランダム支給品」
    武器や防具、道具、衣装その他諸々、内容は参加者毎に変わりそれぞれ1〜3個ずつ支給されるもの。

 6.優勝
 バトルロワイアルを生き抜き優勝した者にはそれ以降の命と自由の保障され、その者の願いが報酬として与えられる。

 7.最後に
 以上以外のルールは存在せず、参加者間に禁じ手は存在しない。
 また、生き残りゲームではあるがその途中で手を結んだり、徒党を組むこともルール違反には当たらない。

 ※
 バトルロワイアルのルールは本編中の描写により追加、変更されたりする場合もある。
 また上に記されてない細かい事柄やルールの解釈は書く方の裁量に委ねられる。
74創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:05:21 ID:RUKnCqMf
【書き手向けのルール】

 1.リレーSS企画
 当企画はリレーSS企画です。なのでルールを無視した作品の投下は受け付けていません。ご注意ください。

 2.予約制度
 作品を投下するに当たっては、まず該当スレにてその旨を宣言(書き込み)してください。
 必要なのは書き込んだ人の同一性を保障するトリップと、作品に登場させるキャラクターの名前です。
 予約以後3日間、そのキャラクターの作品を投下する優先権利が有効となります。
 期間を過ぎれば権利は失効しますが投下できなくなるということはありません。あくまで優先されないというだけです。
 また失効後、続けて予約することは期限が無限に続くことと同義なのでそれを禁じます。

 予約スレ
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980608/

 3.修正/破棄要求
 投下された作品内に修正や部分的もしくは全体として破棄する必要な箇所があると感じられた場合、
 それを指摘し改善を求めることができます。
 指摘に当たっては該当スレを使用し、それが正当なものであれば誰でもその権利を行使することが可能です。
 要求が出てから72時間は保留期間とし、該当作品およびそこに関わる部分の進行を凍結。
 話し合いや修正/破棄により解決した場合はその通りに、そうでなかった場合は作品を破棄し投下以前の状態へと戻します。

 修正/破棄要求、議論スレ
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980961/

 4.自己リレー
 リレー企画であることを尊重し、原則として自己リレー(自作の後に自作を続けること)を禁止とします。
 ただし、投下以後2週間経っても続きが書かれなかった場合はそれを解禁するとします。

 5.能力制限
 バトルロワイアルおよびリレーがつつがなく進行するよう、それを害する能力は制限されているとします。
 全体への影響力が強すぎるものだったり、ロワが成り立たなくなる能力(例えば蘇生)などがこれに当たりますが、
 制限の種類や程度はそれを書かれる方の裁量に委ねられます。
 そこに問題があると感じられた場合は、「3.修正/破棄要求」に基づきそれを申告してください。

 6.登場時期
 その参加者が原作(元のロワ)のどの時期/状態からこのらき☆ロワに参加させられるのかは作者の裁量に委ねられます。

 7.支給品の選出
 参加者に配布されるランダム支給品の内容は、それを書かれる方の裁量に委ねられます。
 ただし、その内容の範囲は参加者達が登場する原作内(※1)または現実世界にある物(※2)までと限定します。
 また、参加者と同等に扱われるようなキャラクターや能力制限に引っかかる物の支給はこれを原則禁止とします。

 (※1)らき☆ロワにおいては、「らき☆すた」「各ロワ内に登場した物」「現実にある物」が支給できる物の範囲です。
 (※2)首輪探知機(レーダー)や写真付詳細名簿などのパロロワオリジナルアイテムの類もここに含まれます。


75創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:08:18 ID:RUKnCqMf
【状態表のテンプレおよび時間表記について】

 作品内の情報を共有するため、それをテンプレートにそって記し作品内に付け加えることを義務とします。

 【(エリア名)/(具体的な場所名)/(日数)-(時間帯名)】
 【(キャラクター名)@(登場元となる作品名)】
 [状態]:(肉体的、精神的なキャラクターの状態)
 [装備]:(キャラクターが携帯している物の名前)
 [持物]:(キャラクターがデイパックの中に仕舞っている物の名前)
 [方針/目的]
  基本方針:(基本的な方針、または最終的な目的)
  1:(現在、優先したいと思っている方針/目的)
  2:(1よりも優先順位の低い方針/目的)
  3:(2よりも優先順位の低い方針/目的)

 [備考]
  ※(上記のテンプレには当てはまらない事柄)

 例)
 【3-C/駅構内/1日目-早朝】
 【柊かがみ@らき☆すた(原作)】
 [状態]:疲労(軽)、空腹(強)、全身に打撲、右膝に擦過傷(軽)、左足首骨折(添え木にて手当て済み)
 [装備]:ベレッタ 90Two(9/17発)、風華学園制服@アニ2
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、鷲巣麻雀セット@漫画ロワ、うまい棒@カオスロワ 、6/の右腕
 [方針/目的]
  基本方針:生き残るために行動する。
  1:安全な場所で食事をとる。
  2:つかさを殺した誰かを見つけ出し復讐する。
  3:みゆきとは口をきかない。
  4:6/に複雑な感情。

 [備考]
  ※ツインテールをといています。

 コピペ用)
 【-//-】
 【@】
 [状態]:
 [装備]:
 [持物]:
 [方針/行動]
  基本方針:
  1:
  2:
  3:

 [備考]
  ※

 方針/行動の数は不定です。1つでも10まであっても構いません。
 備考欄は書くことがなければ省略してください。
 時間帯名は、以下のものを参照してそこに当てはめてください。

 [00:00-01:59 >深夜] [02:00-03:59 >黎明] [04:00-05:59 >早朝]
 [06:00-07:59 >朝]   [08:00-09:59 >午前] [10:00-11:59 >昼]
 [12:00-13:59 >日中] [14:00-15:59 >午後] [16:00-17:59 >夕方]
 [18:00-19:59 >夜]   [20:00-21:59 >夜中] [22:00-23:59 >真夜中]
76創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:09:42 ID:RUKnCqMf
以上、テンプレ終了。
ここで確定で良かったっけ?
77変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:31:54 ID:thkMmc1A
さてドタバタも終わり一度仕切りなおそうかと思ったキョンであったが、なにやら目の前の妹の様子がおかしい。
驚愕の色に染まる視線は彼の背後を見ており、一体何がとキョンが振り返るとそこには――


                  _  ,─、
                   / ヽ-,   ヽ、‐、_
                 /,  , ,、 ,ヘ   、 、ヽ
                //  /├ Tヽ !  ! \ヽ
               // ,   LL__ |. Vl、_j_  ヽ|
               / l |   j !  ` !. 「lヽ j  l  l
                  l./| |  l'|.!    !  !| ヽト  ト l  <うちも捨てたもんやないやろ?
              |l |  l  |ヒ≡ミ   モ≡ミ,ヽ |ヽ|
                l  | | '     丶   '' '∧.│ l|/´  ̄`7
                ヽ├N、   ー‐'   ,ノヒl |!:/     /、_
                   〉Lヾ,|ニ>, 、__ ィ1、┤┼、 !′  _/    ̄ ``ヽ、
                       .L 二ニ彡L__」1::|  | ̄ヽ〈         \
                   __>l _ノVVハY´   |::,!  !    〉>ー- 、       〉
               厂     _ノネ之ネ_」     |/|. /   〈         _/
              _ノ__ ∠フ , _/  ``ヽ   l/`ー-_/-──r ''¨´
            , '´      ̄′         ト、  `ヽ_」 「 ̄ ̄
              /        .:;′ .:.:.::::::::::.:. . .::l L _, ん_フ´
           {.::::.:.:. .   .:.:', .:.:.:.::::::::::::::::::::.:.:,'::/ ~^´.-─‐─‐┐
             ',.:::::::.:.:.:.:.:..:.::::_ヽ.:.:::::::::::::::::::::∠:/'"           : :|
            「 ̄\.:.:::::::::,:. イ ̄` ー----‐'´^Y          . : :/
          |    「7∧.:.:::::.:.       _, { _ ___. . . . : : :/
          |    l〃 ヽ.:::::::.:. |\       \__      ̄ `¨¨`ヽ、
             \_/     ト、.::::.:.\|_        / \         \
          / ̄l     / }:ーr孑介ト、    /   \- ─‐─‐- 、_ \
         /   /     /, イ.:.::l.:.:// \\ / /     ̄|`ヽ_ _  \ \
        /   , イ     /_」\l_//   \|/ /       」       ̄ ``V´
       \__/ /   //   ヽ_       /     __|          〉、_
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       厂     /ん、   |_        _|:.:.    ,rん<二子ヽ /  //
       L_/  ̄ ̄|_」イヽ    |_    __|.:.:.:.:.:.:.  _ん     ̄ ̄`X ,. イ/
       _フ⌒⌒⌒7 ⌒ L)_\      ̄ ̄         ./  | `Y - ─-く .::::|「
       ノ 、 ry  / L_ノ``ん>、             /  _」_ノ      ヽ:::|l
     〈〈〈 _Ll/_/   ̄\\ _ ん>、___ ___ _/ _」           Vハ
       ゝ‐'"´         | |  ノソ ノ八__ノ八_」 __ノ             Vハ
      /               | |/ ̄          \              V1
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―― 一人のメイドさんの姿があった。
78変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:32:44 ID:thkMmc1A
 ☆ ☆ ☆


”――力が欲しいか?”


朦朧とする意識の中で黒井ななこはその声を聞いた。


”――力が欲しいか?”


それが何者の声かはわからなかった。だが、彼女は力が欲しいとそう心の中で答えを返した。
いかなる決意があろうとも所詮は自分はただの女であったと、それを痛感していたところである。
そして、もう命の火も消えかかっている。ならば、例え声の主が悪魔だろうとかまわないとななこは思った。
自分の生徒達を救える力が得られるならば、どのような代償を払っても構わないと。


”――ならば力をくれてやろう”


 ☆ ☆ ☆


「なん……だと……?」

キョンは困惑していた。
ボロ雑巾の様になっていたはずのババアが立ち上がったばかりか、逆に先程よりも元気な様子を見せている。
しかもいつの間にかにメイド服を着て、妖しい気配を……そう、噎せ返るような濃密なエロスの気配を漂わせて……。

「さっきは若造がようやってくれたのー。Mっ気に火がついて、思わず逝ってしまうところやったわぁ」

ななこは言いながら足を一歩踏み出す。
ただの一歩なのにキョンにはそれがズンと身体に響いたと感じられ、そして彼は自分の手足が震えていることに気づいた。
理性よりも早く雄の本能が察知していたのだ。どちらが”餌”で、どちらが”捕食者”なのか。

「次はうちのターンや。自分、若いんやから少しはもたせーよ?」

口の中に見えた真っ赤な舌にキョンは総毛立ち、次の瞬間には反射的に落ちていた剣を拾い切りかかっていた。
だが、それは空を切る。キョンはたたらを踏み、そのまま倒れかける――が、顎を掴まれ強引に持ち上げられた。
目の前には妖しく笑う女の顔。

「大人のキスちゅーもんを教えたる――……」

次の瞬間。キョンの脳髄に腐った果実の様などこまでも濃厚で甘く、おぞましい刺激が走った。
合わさった唇の感触はまるで溶けているかの様に曖昧で、唾液が酸なのかと思えるほどに熱く、痛い。
口内を蹂躙する舌の感触だけが鮮明で、まるでそれが脳を書き換えているのか意識は落ちて、堕ちてゆく……。


これがキョンの人生初のキスで、そして最後のキスだった。
79創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 07:33:10 ID:wBdTaCPr
80変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:33:25 ID:thkMmc1A
 ☆ ☆ ☆


「ぷはーっ! ごっそさ〜ん♪」

妖しいメイドさんと化したななこは、そう言うと”吸っていた”キョンの身体を放り捨てベトベトになっていた唇を拭った。
床に転がったキョンの身体はからっからのミイラと化しており、最早一切の生体反応はなく蘇って来る様子もない。

「――最初の仕事としては中々上出来ね。少し感心したわ」

その小さな声に、にんまりとしたままななこは振り返る。
彼女の視線の先、床に置かれたデイパックの上にはまるで人形のような小さなメイドさんの姿があった。
夕焼け色の髪をツインテールにしており、よく見ればそれはティアナ・ランスターとそっくりであるとわかる。

「いやー、おおきになー。死にかけとったところを助けてもろうたばかりか、こないな力まで」
「フフフ。私の方こそ貴重なご主人様が死なれても困る訳だしね。事態は掴めないけどしばらくはあなたに協力するわ」

小さなメイド――彼女こそは大人専用デバイス・エロスの鐘に宿る精霊、ミニ・サスペリア。
そして、彼女の導きにより淫らなメイドと化したななこの今の姿こそが、魔法妖女デザイア・ベルである。
本来、エロスの鐘はその名の通り、エロスの鐘の煩悩寺専用のデバイスなのだが、
黒井ななこの危機に瀕した際の生への執着と、27年間溜め込んでいたなにに反応してその力を貸したのであった。

「んー、肌もつるっつるでなんか5歳……いや、7歳は若返った気分やわ〜♪」
「喜んでいるところ悪いんだけど、そうはいいことばかりではなくってよ」

姿見の前でしなをつくって悦に浸るななこへと、小さなメイドは冷や水のような言葉をぶつける。

「な、なんや? もう、こないな力手に入れたら手放したくあらへんで?」
「だったらなおのこと頑張ってもらわないといけないわね。
 元々、これは私の本来のご主人様用にカスタマイズされたデバイス。
 魅力に欠けた年増のあなたじゃあ、それをリカバリする分だけ余分な精力が必要になっちゃうわけ」
「ということは……?」
「そう。どんどん若い男の精気を吸っていかないとエネルギーが切れてあなたは元のババアに戻っちゃうってわけよ」
「ババア言うな――っ!」
「それどころか、反作用で二目と見れない醜い姿になってしまうかもね」
「それは嫌やなぁ……」

ななこ――いや、魔法妖女デザイア・ベルは再び姿見に映った自分の姿を見る。
肌はつやつやで唇はぷっくり。目じりに皺ひとつなく、ばさばさだった髪の毛も頭に綺麗な天使の輪を浮かべていた。
バストにもつんと張りが戻っていて、変身前と比べればサイズが1カップは上がっているだろう。
短いスカートから覗く太ももに痛々しさは決してなく、お尻は自分のものとは思えないほど扇情的だった。

「これを……これを、なくすんは嫌や……」
「だったら、精々男漁りに精を尽くすことねー」


ヤったるで――っ! と、ななこは鏡の前でキラッ☆とポーズを決め、新たな決意を胸に秘めるのであった。





 【キョン@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです 死亡】



 【D-6/娼館内・『妹の部屋』/1日目-黎明】
81創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 07:34:05 ID:wkCYvEPs
支援
82変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:34:05 ID:thkMmc1A
 【黒井ななこ@らき☆すた(原作)】
 [状態]:魔法妖女デザイア・ベル、精気満々、魔力全快
 [装備]:エクスカリバー@オールロワ、エロスの鐘(ミニ・サスペリア)@書き手2
 [持物]:デイパックx2、支給品一式x2、チェーンソー@やる夫ロワ、不明支給品x0-4(キョン)
 [方針/行動]
  基本方針-1:こなた、つかさ、かがみ、みゆき、ゆたか、みなみのいずれかを優勝させる。
  基本方針-2:このピチピチボディを維持するんや。
  1:ええ男探すでー☆
  2:女とか対象外は普通に殺すわ☆



 【エロスの鐘@書き手2】
 大人用オリジナルデバイスで、使用することで妖艶なメイド姿の魔法妖女デザイア・ベルへと変身できる。
 変身中は直接、間接的に精気を吸うことができ、最後まで吸われた相手はミイラとなってしまう(枯死)。
 オプションとしてミニ・サスペリアが付属。使用方法などをあれこれ口やかましくレクチャーしてくれる。


 ※0号ガイバーユニット@書き手2はキョンの死体の傍らに落ちています。


 ☆ ☆ ☆


「――にしても、寝て目が覚めたら新しいロワが始まってるなんて前代未聞よね」

月明かりの下にそれが映える紫色の長いツインテールを振りながら歩く少女の姿があった。
柊かがみにそっくりな容姿をしたクールなロリスキーと呼ばれる漫画ロワ出身のの書き手である。

「支給品とかが一から配りなおしっていうのは別にかまわないけど……何も衣装までデフォに戻さなくとも」

かがみにそっくりな彼女はそう言いながら自分の肩を抱いた。
今現在の彼女の格好――つまりは、彼女のデフォの衣装は裸に黒タイツのみ、である。
どうしてこういうことになっているのか、それは今更知ることのできない永遠の謎だがしかし紛れもない現実でもある。

「今更だけど、すごく恥ずかしいわ……そ、それ――クシュン! それに、寒いじゃない……」

鞄からポケットティッシュを一つ取り出して鼻をかむと、ロリスキーはそれを丸めて道端のゴミ箱へと捨てた。
それが支給品なのか、デイパックには大量のポケットティッシュが詰め込まれていたので風邪をひいても困りはしなかったが、
しかしひかないことに越したことはないので適当な衣装はないかとロリスキーは夜の街をうろつく。

「こなたはどこにいるんだろう。あいつに聞けば何か知ってそうな気もするけど……――クシュン!
 ああでも、ここには本物のこなたもいるんだっけか、なんか面倒ねー。私はあいつのことなんて呼べばいいんだ?」

と、夜風の冷たさを紛らわせる為かブツブツと独り言を続けていたロリスキーは近づいてくる足音に気づいた。
その小さな足音は音の間隔からすると走っているようで――と、すぐにその姿が彼女の目に入ってくる。

「あ。あれはゆーちゃんじゃない。本物なのかな?」

まぁ、定番としてマーダーにでも追われていたのだろうと、そう当たりをつけるとロリスキーは彼女を保護すべく近づいた。
できれば着るものなどを持っていたらありがたいな、などと思いつつ。

ゆたかの方も気づいたのであろう。
一瞬驚いたが、それが柊かがみの姿であると確認すると半泣きの表情で駆け寄ってくる。

そして――……
83変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:34:46 ID:thkMmc1A
「柊せんぱ……、……………………」



             , :<´ ̄ ̄ ̄ : >^\    _
             /: : : : : : : : : : /: : : : : `ー' : i-、
       f´ ̄ ̄ ̄:}'⌒ : : : : : /: : : : : : : : : : : :│:ヘ__
      |: : : : : : : :| : : : : : : / : : : : : : : : : : /: : : l: : :', ヽ
      |: : : : : : : :| : : : : : /: : : : : : : : : / / : : : :} : : :l: :ヘ
      | i: : : : : : :|ー―: :/: : : :/ : : : : / /{: : : : .′ : | : : :.
      | |: : : : : : :lミヽ、/: : : :/ : : : :./ / }: : : /: : : :.| : : ハ
      | |: : : : |: : | : ∨: : : :/ : : :/j:/  i : : ∧ : : : | : : : i   じー……
      | |: : : : |: : | : .′: : /: : /,x≦{  | : / │ : : :| : : j |
        j: }: : : : l: : |r┤: : :/ : : ,イ{_ノ::}   | /心イ : : :.l : :∧|
.     /:八: : : :h: :| r{: : :/: :/〈{ { : W   j/ん/:} : : : l/ }}
     /: ′ヘ : : |ヘ |ヽ|: :/:W }  ゞ-'    ム/: :|: : /   j′
         \:{ ヾ、W{: : : :|    __   }: : j/ |
          >ー―f^:ヘ : : :| 、  _ ,   イ | : :/}: }
           /⌒\ `  ヽ、:{    l>、 }: /j/ ,j/
         {     \   >く^ヽ }/^∨
         |      ヽ /`ヽ、\Υ/⌒ヽ
        ',       /}ヽ、  \ヽ ,/⌒}
                  / \ \  ヽ}   /ヽ
               {   `ヽ ヽ、/ー '


                        /^\_
               ,ィー‐ '⌒´ : : : : ヽ: `ヽ、
          , :≦7: : : : : : : : : : : : : : :ヘ : : : \
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    rー<⌒\_:_ /: : : : : : :/ : : : :} ',: : : : :}: : :ヽ: : : \
    |: : : : l::..::..:ヽ/: :/ : : : :/ /⌒′│j: : : ト: : : ヘ \: :ヽ、
    |: : : : |:::::::::::' : / : : : :│: : : /   |:ハ : : |ハ: :l : |: : :ヘ
    |: : : : |::::::::::i :│ : : : : { : : : ,イ气 リ ヘ : 心}: }: :|: : : :}     じー……
.   /|: : : : }::::::::::| : | : : : : /l: : :/{::ヘ_∧   j/{rイ: | : h: : :′
   ' :|: : : : l::::::::::{: ∧: : : /:ヘ: 〈{ Y: : :}     Y: |: / }: /
  {.:::|: : : : |::::::::::W::{ : :/ : : :V  ゞzソ     \W ,j/
  └┤: : : ヘ:___/⌒l: /: : : : :|    "   rー┐  }:ヘ
    | i: : : : : ヘ ー {^W{: : : i: |      { .__{  厶/
    | }: : : : : : { : : ヽ、_|: : : l: l           / }
    |八: : : :∧ヽ`゛<ム : : h:{   ____ , く: : :│
    |{ }: : /  ヽ{     }: : :|ヘヽ、 /} : 八 } : : |
.      j/       ∧ : ト、\  ヽ\}  |: /リ
              / ヘ: :l \   } ヽ. j/
           /     ヽ{ ,ィー―ヘ   \
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            {⌒\ ヽ\{\  \}⌒ /   { ,/ /∧
84変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:35:28 ID:thkMmc1A
 ___l___  / //     ../^ヽ./^⌒\
  ノ l Jヽ 〔/ / , -/´ ̄: : : : : :\: : : : : \___
  ノヌ      //: /: : : : : : :{ : : : : : ヘ: : : : : : \ヽ
  / ヽ、_   /  ,ィ. : : : : : : : ヽ: : : : : : ',: : : : : : : \\
 ム ヒ    7_//.: : : : : : : 厶∧: : : : : : ',: : : : : : : : :\\
 月 ヒ      / : : : : : //l: {  \ : : : : :, :ヽ :\: : : : :ヽ/
 ノ l ヽヽノ   /∨ : : : : :.' |: l   \: : : |\| : : :ヽ: :}\ヽ
    ̄ ̄   ./  | : : : : :/  |: |     ヽ、}  ヽ: : : :}: {  ヽ}
 __|_ ヽヽ  {.  } : : : : :l   Y-       ィzx、 }: : :∧:ヽ
  | ー      ̄フ',: : : : :{   ,ィ气       `ヾヽ/: :ヘ: :',
  | ヽー     ./ ∧: : : ∧〃          { : j: : : }\}
   |      > :ハ:ヘ: : :{: :ヽ.     rー、  fY^}j : |ヘ : l
   |      \.. ヽヽ :|: : : :\   、__ノ,ヘ}  ト、:| W
   |     トーゝ  ^Y>、;_;_;≧ー‐ ヘヽ  ,/ :}ノ
   |     |        / . : /´ ̄ヽ ,ィ} ,/: /:j
   |      i     /. :/       } fこ´_:/:∧
 | | | |  .{.   /. : :/         | ヘ:_:_:_://}
 | | | |  l.   /. : : :/       | jー― '  .′
. ・. ・ ・. ・  ヽ| /. : : :/ {        |ー}     ,/


     ヽ.、______ .ノ|: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、           ミ川川川川川川川彡
       ` ー―ァ‐: , : : : : :| : : : : : : :\: : : : : : : : \          三          三
        ,..イ´ : : /: : : :/__l!_:{___ヽ j|: : \:.、ソ^マヽー‐-....、  三 ちょ!     三
       / ,/. - 7  ̄/ .小--ヘ.:\ ̄ ̄ハ: : : :∨:.:-.、:ノ:..:.:.:.:.:.:.:\ 三  おま!?  .三
     / /     ′‐: :「 / |:l!: : :lト : :ト., :イ__厂 : : ∨:.:.:.\:::..:.:.:.:.:.:./ .三          .三
    /  /   / l ,:-―トl、 |ハ: : l! >イ\: : :∨. : : : V:.:.:.:.:.\::.:.:.:/  彡川川川川川川川ミ
   ′ イ /i:ハ :|′: :/| | \!  Yl′>_z三=ァ : : : V:.:.:.:.:.:.:ヽイ
  //  !: : : :|:し.:|: : :/.z土ー|  ヽ.Vイ¨´}z.ミli、}ト、 : : : |:.:.:.:.:.:.:.:/:|
 /     ! : : | : :| :くf¨ 丁ミ.、    \ 「7!:::ハ}| ヾ ヽ: : :L:.:.:.:/|: |
     | : : : l : :.:.! ハ 「7{:::jj}        V迂ソリ   jヘ : | Y:.:.| : | :|
     l: : : /!: : :.:〉ヘ V{爪リ       `ニ´    jヘ:| リ:.:.| : |:|
       i: :/ l: : :.|:{ハ `ー'   、       ' '  ,、__ .ィ.:.:.:.! : |: :!
       ∨   V: :|:.ト._}  ´     _ .. - 、    .イ :}:.:.:/:.:.:.:.l : :!: :|
          V:|/.:八     {7 ̄.. - 一'  /|/:./:.: : : :|: :i|:. :|
           トl:.: : :.:>  .._  ̄    .  ´ 「:`j/:/ : : : : :l: :l:.|:. :!
           |ハ : : :.:.:.:.:.|:|:.:| ̄,.不丁    {_/j:/ : : : : : :!: l:.:|:. :|
            l! : : : :.:.:.:.:l:!|:.:.∨:..:./ノ    /:/′: : : : : :l: /:.:|:.:|..                  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
             | : : : : :.:.:.ハ{:.ノ..:..:/-――-/:./: : : : : : : :/:/|:.:.:!:. :|                    d⌒) ./| _ノ  __ノ
85変種第二号  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:36:10 ID:thkMmc1A
 【D-5/市街/1日目-黎明】

 【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
 [状態]:疲労(大)、精神崩壊気味、大混乱
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品x1-3
 [方針/行動]
  基本方針:みなみちゃんやこなた達を探し出して合流する。
  0:マタヘンタイデスカ……
  1:みなみちゃーんたすけてー;;


 【クールなロリスキー@書き手ロワイアル2nd】
 [状態]:不死者、吸血鬼、健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、支給品一式、大量のポケットティッシュ@カオスロワ、不明支給品x0-2
 [方針/行動]
  基本方針:地球破壊爆弾No.V-7を探し出して合流する。
  0:私は変態じゃ……ない。多分、おそらくは……。
  1:ゆたかを保護。
  2:何か着るものを探す。

 [備考]
  ※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。


 【大量のポケットティッシュ@カオスロワ】
 あの範馬勇次郎お手製という、他の世界では見られない貴重な(?)ティッシュ。
 ノロウィルス撲滅キャンペーンの為に作られたもので、『牡蠣はしっかり加熱しよう』と書かれている。
 その仕事の早さと仕上がりにはあのアーカードの旦那も感嘆した。
86 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/22(木) 07:36:46 ID:thkMmc1A
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
87創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 08:49:47 ID:fQbgG6D8
投下乙!AAバカスwwwwwwww
88 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/22(木) 10:58:35 ID:+sEGREqi
投下乙 先生が別の意味で危険人物にw ところでPCがネットに繋がらないので予約お願いできますか? 南春香とアカギ(19)で
89創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 11:22:34 ID:Bxc3rvM4

もうヤダ変態ばっかw

そして>>88
一応予約しておきましたが、まだ本スレに投下されてません。
ですからもうしばらくお待ちを
90創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 12:20:58 ID:p1rj96Cc
投下乙
キョーン!!
黒井先生はなんか微妙に行動方針ズレはじめてないかw
そしてゆーちゃんは踏んだり蹴ったりだな


しかしこんなキョンでも放送で呼ばれたらハルヒ勢に影響が……あんまり無さそうだな
91創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 12:23:56 ID:QHcbOXR3
投下乙。
変態ばっかだw てか先生ダメ過ぎるw よりにもよってその支給品ww
ゆーちゃん頑張れw ほんと頑張れw
……そしてやる夫キョンは自業自得w

>>88
仮投下しかされてない場合、本投下終了後にはじめて予約を受け付けるのが本来の筋でしょうねー。
まあ単純な確認ミスだと思うので、次から気をつけて下さい。
今回のフライングも単に無効ってだけで、特にペナルティとか必要ないでしょうし。
一応、本投下が成された後、改めて言いなおした方がいいかと。
92 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/22(木) 12:46:52 ID:+sEGREqi
わかりました 今回の宣言は一度無効にしておきます ネット繋がって投下されていたら改めてよくないかしますので 代わりに予約してくださった方はありがとうございました
93 ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:04:32 ID:C9J/3Js4
スバル、アル、シグナム、アナゴ、でっていう
投下します。
94パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:05:41 ID:C9J/3Js4
B-7港付近にて2つの人影が対峙していた。

1人はラスカルと合身した烈火の将シグナム。
もう1人は千年リングの闇の意志にとりつかれた若本の戦士アナゴである。
互いを睨みつけるその目には闘志の炎が燃え盛っていた。


「もう、睨みあいはここまでだぁ…さっさと始めようぜぇぇぇぇ!!!」

「…そうだな。私とてここで何時までも油を売っているわけにはいかんのだ。

 烈火の将シグナム…参る―――」


「ぶるぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




◇       ◇       ◇




「三連殺!!!」


最初にアナゴが必殺技を叫び、踏み込む。


「今死ね!」

「すぐ死ね!」

「骨まで砕けろ!!」


アナゴの怒涛の三連アタックがシグナムを襲う。


「アライガード!」


それに対しシグナムはラスカルとの合身によって得たラスカルの鋭い爪で防御する。
アライガード、やっていることはただ爪で防御しているにしか見えないが…
飛んでくる銃弾を軽く叩き落すほどの防御力を持つ。
だが、アナゴの三連殺は一撃ごとに威力が増していく。
最初の一撃目と二撃目は何の問題もなく防御することが出来たが、
三撃目を受けた時、強烈な衝撃がシグナムの身体を襲い、シグナムの体制を崩させる。

もちろんアナゴがこの隙を見逃すはずもない

「サイコクラッシャァァァァァ!!!」

赤く発色したエネルギー…サイコエネルギーがアナゴの身体を包んでいく。
そして体制を崩しているシグナムに突撃していく。
流石のシグナムも体制を崩している今では回避するなどほとんど不可能。
95創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:06:41 ID:/S5FFyeR
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96パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:07:33 ID:C9J/3Js4

「避けきれない…ならばっ…」

シグナムが使おうとしているのは彼女の最も得意としている必殺技紫電一閃。
もちろん現在シグナムはレヴァンティンを所持していないし、
その必殺技を放つためのカートリッジシステムを搭載した武具もない。
だが、ラスカルさんと合身したことにより自身の魔力だけで必殺技が放てるようになったのだ!!
いや…むしろラスカルさん自身がデバイス、またはそれに準する存在だったのか?

なんだか知らんが、とにかくよし!

シグナムの爪が業火に包まれ、必殺技が放たれた。
その名は紫電一閃いや―――

「紫電一爪!!!」

「ぬぅぅぅ!!?」

シグナムの紫電一爪とアナゴのサイコクラッシャーがぶつかり合う。
ジリジリとエネルギーが火花のように弾ける音が響く。
お互い、押し込まれることもなく持ちこたえている。
97パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:08:09 ID:C9J/3Js4

「ぬぅぅぅぅ…互角かぁ〜」

アナゴは自分の必殺技サイコクラッシャーには自信があった。
千年リングに乗っ取られる前の記憶だが、アナゴがよく使用したのはサイコクラッシャーであり、
主にサイコクラッシャーであらゆる局面を乗り越えてきたのである。
その必殺技を受け止めた。アナゴのテンションを上昇させるにはそれで充分だった。

「ふっはははははははははははぁ…やるじゃないか。」

「その言葉、お前にも返そう。」

シグナムもまた本来の戦闘狂が災いして血沸くような気分になり、
もっと戦いを楽しみたいと思ったが本来の目的を思い出す。


(そうだ、私はセフィロスにあってはやてのことを問い質さないといけない。
 名残惜しいがこの戦いに手間をかけている暇はない。
 さっさと終わらさなければ…)


シグナムは気を取り直して身構える。
するとアナゴが笑っていた。あれは自分の強さに自惚れるものでもなく、
あいてを弱いと嘲笑するものでもない
あれはまさに、相手が強いことに笑っているものだとシグナムは感じた。
そう、アナゴもまた自分と同じ戦闘狂であることを。

「シグナムと言ったかなぁ?」


「そうだが…」


「くっくっくっ…なかなか楽しいものだったぞ。
 貴様をカテゴリーA以上の猛者だと認識してやる…
 よぉし…私は今からちょっち本気を出そうじゃないか。」


(本気…だと…?今までのは本気じゃなかったというのか?
 だが、私はここで死ぬわけにはいかん、決して……!)



98パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:08:51 ID:C9J/3Js4
◇       ◇       ◇




「う〜んどうしよう…」



スバルはもう何度目になるか分からないその言葉を口にした。
さっきまでの出来事で彼女の頭は混乱してどうしたらいいか分からなくなっていた。


「え〜っといきなり殺し合いに巻き込まれて…
 こなたやルルーシュ…レイと出会って…
 デュエルアカデミアってとこの売店に向かっていたら…
 いつも間にどっかの体育館に飛ばされて…
 また殺し合いをしろって…どういうことなんだろう…」


スバルはひたすら悩んだ結果考えるのをやめた。
そう、スバルは何故ここに連れてこられたとか疑問を全て頭から吹っ飛ばす。


そう、こんなことで悩んだって仕方がないのだ。
前の殺し合いの時、いや昔に決めたじゃないか。
災害や戦闘から人々を救える魔導師になるって決めたじゃないか。
自分の憧れの存在である高町なのはのように――


それ以前にこなた、ルルーシュ、レイが危険だ。
戦闘要員である私が抜けてその間に殺し合いに乗ってる危険人物に襲われたらと思うとゆっくりしてはいられない。
さっさとこの殺し合いを終わらせてから彼らのところへ戻らなきゃ。
でも考えてもみよう、もしかしたら彼らも呼び出されている可能性も高いのだ。
スバルはデイバッグの中身を漁り、名簿を取り出す。


「なのはさん、フェイトさん…それとシグナム副隊長まで?」

まずは自分と同じ機動6課に所属している知り合いの名前を見つける。
でも確か…シグナム副隊長は死んだんじゃなかったんだろうか?
前の殺し合いの放送の時に名前を呼ばれたはずなのである。
だが、スバルはすぐに答えを導き出した。

「やっぱこれも、パラレルワールドなのかな…?」

死んでいるはずの人物が出てるとしたらこれしかないだろう。
スバルはさらに名簿を視線を走らすとセフィロス、遊城十代など前の殺し合いの名簿に載ってた人も、今の殺し合いの名簿にのっている。
そしてさらに名簿に目を走らせてスバルは一つの名前を見つける。

「泉……こなた?」

泉こなた。それはスバルのよく知っている人物だった。
前回の時、スバルが一番最初に保護した小さな女子高生。
一瞬、前回の殺し合いの世界に置いてかれないでよかったと思ったが、すぐに考えを改める。

非常に危険である。
99パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:10:24 ID:C9J/3Js4

再び殺し合いに呼ばれたことで離れ離れにされてしまった。
自分は出会ったときからこなたを守ると誓った。
もうこうしちゃいられない…

「はやく探さないと…でもその前に。」

スバルは現状を把握することにした。
中に入っていたのは基本的なものは前の殺し合いの時とほとんど変わらない。
問題は武器だった。
中から出てきたのは紫色でMというマークが書いてあるボールだった。

「何これ…?」

同封してあった紙に書いてある説明を読むと

「マスターボール…『中にポケモンが入っている。ポケモンはトレーナーの指示に従う(東方不敗)』…?ポケモンって…東方不敗って何だよ?」


スバルは何か使えそうな武器はないかとデイバッグを漁っていたが、
どうやら武器になりそうなものはないらしく、肩を落とす。

「でも、こんなところでしょげてらんないよね。
 今いるのはD-7あたりか、とりあえず北上しようか。」

スバルはデイバッグを抱え込み、方角で言う北の方向へ歩き出した。




◇       ◇       ◇



スバルがD-7あたりから北上して数時間が過ぎた。
あれから数時間こうして北の方向へ進んでいるわけなのだが、一向に人と出会わない。

そろそろ誰かと遭遇してもいいころなんだけどな〜とそう思っていたとき

足音のようなものが前方から聞こえてきたと思うと、
前方から異形なものが走ってくるのが見えた。
100創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:11:09 ID:4HNByQyy
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101パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:11:46 ID:C9J/3Js4

「ええっ!?」

スバルは驚いた。まず鎧がこっちに向かって走ってくるという事実。
だが、もっと驚くことがあった。
鎧が走ってくることについてはスバルの世界観が世界観だし、
何より前回ので常識を超えるような奴らがいたからというのもある。例えばアーカードとかアーカードとか…
その走る鎧はこちらの姿を発見したかと思うと、走りながら手を振って
外見に見合わないほどの幼さが残る声で…

「スバル!!」

スバルの名前を言ったのだ。
そしてスバルに近づくとその巨体で抱きついてきたのである。

「うわああっ!ちょ」
「スバル無事だったんだね、よかった〜」

こういう展開どっかであった。とスバルは思った。
私は知らないけど私のことを知っている人に出会ったという出来事。
そう、前の殺し合いで3回くらいそんなことがあった。

とりあえずスバルは鎧の手を何とかどかしてもらい質問する。

「もしかして君も私のこと知ってるの?」
「え…前回の時一緒にいたじゃないか。
 覚えてないの?アルだよアルフォンス=エルリック。」

もちろんスバルはアルのことなど全然覚えていない以前に知らないのだ。
何故なら今ここにいるスバルはアルとは違う世界で殺し合いをしていたのだから。

「えっと……アル君だっけ?信じてもらえないような話なんだけど……」

スバルはアルに対してパラレルワールドの仮説を説明しようとしていた。
まさにその時である。




102創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:12:49 ID:4HNByQyy
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103パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:12:59 ID:C9J/3Js4
「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




想像を絶するような叫び声があたりに響き渡った。

「え?今の何?」

アルは突然響いた叫び声にうろたえている。
そしてスバルはうろたえているアルを尻目に叫び声が聞こえた方向に走っていった。

「え…ちょっと待ってよスバル!」

アルは少し遅れてスバルの後を慌てて追っていく。


スバルはこの殺し合いを止めると誓った。
出来るだけ人を救いたいと思っていた。
だから放っておけなかった。

さっきの叫び声で絶対に何もないってことがあるはずがない。

誰かが助けに行かなきゃ、きっと誰かが死んでしまうと思ったから――




【B-7/1日目-黎明】

 【スバル・ナカジマ@なのはロワ】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:基本支給品一式、マスターボール(東方不敗)@カオスロワ、 不明支給品1〜2(少なくともみためで武器と判断できないもの)
 [方針/行動]
  基本方針:殺し合いを止める。出来るだけ人は殺さない。
  1:叫び声(アナゴ)が聞こえた方向へ向かう。
  2:泉こなたを探し出し保護する。
  3:アルにパラレルワールドを説明するのは後。
  4:前の殺し合いのルルーシュとレイが心配。


 [備考]
  ※なのはロワ 070話「誰かのために生きて、この一瞬が全てでいいでしょう」より参加。

104パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:13:47 ID:C9J/3Js4
 【マスターボール(東方不敗)@カオスロワ】
東方不敗はカオスロワの参加者だったのだが、
とある別の参加者にマスターボールを投げつけられてゲットされ、
そのままその参加者の支給品扱いとなってしまったのである。
最終的にデビルガンダムに向かっていったが生身では歯が立たず死亡する。
恐らくニコロワのモンスターボールやカードみたいに所持者の言うことは聞くと思われる。


 【アルフォンス・エルリック@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
 [状態]:鎧胸部に貫通傷、困惑気味
 [装備]:チョーク(1ダース)
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、対弾・対刃メイド服@やる夫ロワ、こなた×かがみのエロ同人誌@オールロワ
 [方針/行動]
  基本方針:事態の把握に努める。
  1:とりあえずスバルについていく。
  2:スバルの様子がおかしいなぁ
  3:でっていうに警戒。

 [備考]
  ※アニロワ2nd 091話「ひとつ屋根の下」より参加。
105パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:14:18 ID:C9J/3Js4



そして場所は再びB-7港付近―――


アナゴがシグナムに対して本気を出そうとした時のことである。


バッサ、バッサ

バッサ、バッサ



     (ノ(ノ:: `゛''ィ.,_`゛''ィ..,_     /ニYニヽ       _,.ィ''"´_,.ィ''"´ ::ヾ)ヾ)
     ミ,,(ノ(ノ./ /`゛''ィ., (ヽ  /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)ィ´_,.ィ'"´\ \.ヾ)ヾ),,ミ
      ミ,,(ノ(ノ::. /::  (((i ) /::::⌒`´⌒::::\ _,.( i)))\ ::\ .::ヾ)ヾ),,ミ゙
       ゙ミ,,(ノ(ノ./ :: /∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ :: \.ヾ)ヾ),,ミ゙
        ゙ミ,,(ノ(ノ(ノ( ___、  |-┬-|    ,__ )ヾ)ヾ)ヾ),,ミ゙    バッサバッサ
          ミ,,(ノ(ノ(ノ(ノ/.|   `ー'´   /´\ヾ)ヾ)ヾ)ヾ),,ミ" 
           ゛ミ,, (ノ ,.`  |        /    `、ヾ) ,,ミ"



     / ̄⌒⌒ヽ
      | / ̄ ̄ ̄ヽ
      | |   /  \|
    .| |    ´ ` |
     (6    つ /   なんじゃ〜ありゃあ…
    .|   / /⌒⌒ヽ
      |    \  ̄ ノ
     |     / ̄




106創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:14:42 ID:4HNByQyy
支援
107代理投下:2009/01/22(木) 18:22:01 ID:4HNByQyy
23 :パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM:2009/01/22(木) 18:18:32 ID:N5KsduSY0

        /ニYニヽ
   (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ  
  (((i ) /::::⌒`´⌒::::\      
 /∠_| ,-)___(-,|___   鎧を追ってたら丁度獲物が2人っていうwwwwww
( ___、  |-┬-|    ,_  )   俺様ラッキィお前らアンラッキィでっていうwwwwww
    |    `ー'´   /´ //
    |         /  ( i)))
                ヽ)








        __                                       rr‐-、
       l´ li                                       |l、_i
.       lー‐' !                                     i   l
       l   |                                     l   |   だから俺も混ぜろっていうwww
.      |   |                                    |  │ ___ .__   まあどうせ勝つのは俺だっていうwwwww
      l    L_.                                _/ ̄ヽ   !r´   i´ 〉
    /⌒'|  / ̄ヽi ̄ヽ           /ニYニヽ            /  ',   |  ,|Y    | /
  r‐'i   |  |    |   |.          /( ゚ )( ゚ )ヽ          |    |   !   `´   l |
  | !   '   !    !   l、       /::::⌒`´⌒::::\         !    '            | !
  ! ,!               |      | ,-)___(-、|        |                 ' |
  | ヽ             |      | l   |-┬-|  l |        |               /
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.    \          /       _/           ヽ、       ヽ           /
       \           |--‐┬=''´              `Tー‐┬ |         |


108創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:24:36 ID:bLh1Czis
  
109代理投下:2009/01/22(木) 18:25:17 ID:4HNByQyy
24 :パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM:2009/01/22(木) 18:19:23 ID:N5KsduSY0




     / ̄⌒⌒ヽ
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     (6    つ /   上等だぁ…
    .|   / /⌒⌒ヽ
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  ,. - ―- 、
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   ,.フ^''''ー- j
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/   /  _ 、,.;j ヽ|
  |     -'''" =-{_ヽ{
  |   ,r' / ̄''''‐-..,フ!
/   i' i    _   `ヽ
    i' l  r' ,..二''ァ ,ノ    まとめてかかってこいやああああああああ!!!!!
     l  /''"´ 〈/ /
    ;: |  !    i {
l     ;. l |     | !
!.    ; |. | ,. -、,...、| :l
l    ; l i   i  | l
    l   ;: l |  { j {
     ゝ  ;:i' `''''ー‐-' }
  ::.   \ ヽ、__     ノ
   ::.     `ー-`ニ''ブ
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110代理投下:2009/01/22(木) 18:26:06 ID:4HNByQyy


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                  , ' , =ニ二 `丶
             __  ,へ、   ,':/::.::.:: ::.:/^i.::.:.\
     ,.. -=ニ二::_:::::| \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |::.::.::.:\    
         ,. ‐‐`"':`:´.:_::.::.::.::.::.::.::.::.__:.:ヽ、::.::.::.::.:ヽ
       /::.::, -‐,. -::.::.|:::`::.::.::.::..::.:´::.:\:::ヽ、::.::.::.::ヽ
      , '::.::,ィ::.::.:/:.::.::.::.::|::.::.::.::.::..、::、、:、::.:、:、ノトヽ、:.::.:ヽ
      /:://::.::/:|:.::.:|::.:|:i::l::.|::.::ヽ.:::i、::||ヽ::.:\:ア:\i.::.::.::',
      /:/  i::.:://|::|::.{::.:l::l:ヽ:l::.::.::ヽ:.|`リミ:!.ヽ:ヽ:V/::\:.::.:',    
      〃   {::.::l:l:.:l.:.|‐ト-:ト..',_:トト、::.::|斗七弌l:ト:::i:V;,::.::.:\::.::',
      i'    l:.::|::|::.:l:.:lヾ弋'''ぅーヽヽ::代、_,゚// !トi、l;;;;;;;;;,::.::.::ヽ.::',   
        l:::|小::.:Nヽi 辷ニ-   ヾl ー一' /!k'ソヽ;;;;;;;;,::.::.::ヽ::',
        ヽ|l:l ヽ:ト、i:lヾ、    i     /'|:ト、、 \;;;;;;,:.::.::.:ヽ:',
           ヽ', ヽ !ヽ\    一    , ' || ゙i、   \;;;;;;,::.::.:ヽ',
             ヽ ヾ.!i 、_    ,ィ  ,ル  |:|    \;;;;,::.::.:ヾ    チッ……次からぞろぞろと……
        ,  ‐- 、  ,.="弋 ||`ー ´ .|   __   "    \;:.::.::.:ヾ
     /      `' ⊥.._ ||" ̄"''┤  ||`i         ヽ;,.::.::.:.ヽ  
    /        、 |    `\     「 ̄||│ _      ヽ::.::.::.:
  /_,. -- .. _    ',.L_, ./"ヽ、   | /-く,    `ヽ      ヽ::.::.::|
./'"       ` ヽ、 |  ',i     ヽ__j  lニ 、ヽ    ヽ     ヽ::.::.|
{             \!   l:l-‐- 、  ヾヽ    `ヽ、  |     lヽ::.:|
.ヽ          、    ヽ  |:|   \  ⊂⊃     ヽ|     /;;;ヽ:|
  ヽ     __ ヽ:、  ト、 |:|      ヽ、|l|''" ̄ ̄""'''ヾi   /;;;;;;;;リ
   ヽ、r '"     `` .、 //  |:|    ,.   |l|         }i /;;;;;;;;/
    `|  _......_   r'    |:|- ' ´     |l| `ヽ、    ノ レ';;;;;;;;;;;/
     ヽ´;;|  ,. - '`` .」,. ‐ '"│    ⊂⊃    ヽ、_./ |;;;;;;;;;;;/ 
      ヽ|, '       |- ' " ̄    _|l|     /   |;;;;/  
       `|      ,.└--  ._z、─- ヽ `" 丶、 ./ _,._,.<^_ヽ、
           |    ' ‐- .._    \   ヽ      〉/::::∠-


111代理投下:2009/01/22(木) 18:27:24 ID:4HNByQyy
25 :パラレルワールドって怖くね?  ◆OGtDqHizUM:2009/01/22(木) 18:20:16 ID:N5KsduSY0



【B-7/1日目-黎明】



【シグナム@なのはロワ】
[状態]:疲労(小)、ラスカルと合体中、アライグマの耳と爪と尻尾つき
[装備]:ラスカル@やる夫ロワ(合体中)
[持物]:支給品一式(食料少し減)、不明支給品0〜2(確認済み・少なくとも刀剣類はない)
[方針/行動]
 基本方針:はやて(@なのはロワ)についての判断がつくまで態度保留。ただし降りかかる火の粉は払う。
 1:目の前の危険人物(アナゴ、でっていう)に対処する。
 2:セフィロスと接触し、はやて(@なのはロワ)のその後の安否情報を確認する。
 3:柊かがみに激しい警戒。
 4:できればラスカルを主(やる夫)の所に届けてやりたい。


※死亡後からの参戦です。支給品のラスカルもラスカル死亡後からの参戦です。
※なのはロワの柊かがみ・やる夫ロワの柊かがみ・電話の男が話していた柊かがみ(漫画ロワ)、
  この3種の柊かがみを「同一人物」と認識し、実力と知略を兼ね備えた危険人物と見なしています。
※意志あり支給品・ラスカルには、制限がかかっているものと思われます。(書き手向けルール7参照)。
  少なくとも、通常の参加者と同等の単独行動は出来ません。
  詳細については後続の書き手さんに委ねます。


【アナゴ@カオスロワ】
[状態]:健康、闇若本
[装備]:なし
[持物]:千年リング@ニコロワ、基本支給品一式、不明支給品0〜2
[方針/行動]
 基本方針:戦いを楽しむ
 1:目の前の狸女(シグナム)と怪獣(でっていう)と戦う。
 2:強者との戦いを望む。


※カオスロワ5thエピローグ後の参戦です
※現在千年リングの意志と若本がうまくブレンドされた状態で乗っ取られています
※若本の技と特殊能力を使えます。(カオスロワ準拠)


 【でっていう@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです (やる夫ロワ)】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1〜3個
 [方針/行動]
  基本方針:優勝っていうwwwww
  1:目の前の人間(シグナム、アナゴ)を殺して喰うっていうwww
  2:鎧を追いかけて近づいてきた人間を喰うっていうwww ステルスマーダーっていうwwwww
  3:高良みゆきをもう一回喰ったらさらに賢くなる気がするっていうwwwww

  ※オプーナ戦直前からの参加。
112代理投下:2009/01/22(木) 18:29:17 ID:4HNByQyy
代理投下終了です
113創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:29:31 ID:bLh1Czis
 
114創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:34:13 ID:bLh1Czis
>>86
ちょwwななこ先生www
変な方向に進化がとまらないww
そしてキョンは自業自得すぎるだろjk

>>111
投下&代理投下乙です!
あっちこっちで違う世界の同一人物のおかげの誤解フラグがとまらないw
でっていうとアナゴがものすごく強そうすぎるよ

このロワはAAとの混合SSがもうデフォになってきてるなw
115創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:37:07 ID:DbkfBhub
乙です。 東方不敗って俺が投下したネタじゃねえかwwwwwww
それにしてもでっていうがやばすぎる。 戦闘能力じゃなくて捕食能力が。
シグナムさん逃げるなら今のうち。
116 ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:37:07 ID:C9J/3Js4
少しカオスっぽくなっちまったかと反省している。
117 ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:38:27 ID:C9J/3Js4
おっと書き込めるようになったようです。
118創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:40:14 ID:DbkfBhub
そりゃ参戦元にカオスとニコとやる夫が混ざってる時点でカオスにならないほうが難しい
119代理投下:2009/01/22(木) 18:42:11 ID:4HNByQyy
>>116
投下乙です
チート同士の対決になるとは・・・
正直どっちが勝ってもおかしくないな
120 ◆OGtDqHizUM :2009/01/22(木) 18:42:42 ID:C9J/3Js4
>>119
代理投下乙です。
121創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:50:00 ID:1LZk8FGT
投下乙です。
アナゴ、でっていうの半チートに比べると、シグナムが一枚劣るような気がしてならないw

他のと比べたら相当強いはずなのにw
122創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 18:53:30 ID:L84tATN2
投下乙です
ああ、この三つ巴は結果がどうなろうとヤバい結果しか残らなそう
そしてスバルとアル、そっち行くなwww

そういや千年リングって2個あるんだな、今更気付いた
123創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 19:24:35 ID:XpzU69/i
投下乙です
でっていうvsアナゴvsシグナムとかカオスwww
シグナムでも弱く見えるw
とりあえずアルとスバル逃げてーー!
124創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 19:55:12 ID:7DqOfI5t
投下乙
これはいい乱戦フラグだ
この状況でアルとスバルが乱入したらでっていうやアナゴが撃退優先か?
でもこのシグナムは闇の書事件の頃のシグナムだからスバルのことは知らない
共闘できるかがカギだな
125創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 21:09:50 ID:RkGy/1JL
シグナムの前に立つ2体のカオスチート

そして激戦に向かうスバルとアル
次への展開がwktkっす  GJ

なのはコンビの共闘はあるのか続きが楽しみです。
でもこのシグナムたしかティアナ殺してるんだよね。

(そういや別世界ではやて殺した奴も参加してたっけ)
126創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:03:30 ID:Bxc3rvM4
投下乙

なんと言う乱戦前夜……
これから血みどろの戦いが……

それにしてもアナゴとでっていうは見るたびに笑ってしまうww
127創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:09:49 ID:Ek7VSt3u
お二方投下乙!

ななこ先生がすごいことにwwエロいww
ゆーちゃんがんばれちょうがんばれ。
キョンお前はとりあえずざまあw可愛いゆーちゃんに手出そうとするからだ!

そしてこれは血の雨が降るぜ……!
シグナムが一番不安だけどラスカルがきっとなんとかしてくれる……スバルと協力できるのだろうか?
そしてなのはロワ出身のスバルは理解が早いなw
128創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:18:06 ID:YPo1FTq7
スバルは東方先生を従えてるから問題ない
129創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:20:46 ID:RssJALTu
なのはロワのキャラはかなりの数が第一放送前に「パラレルワールドだ!」と考察してるからなw
130創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:24:17 ID:bLh1Czis
確かになw
普通は中盤以降にやっとそうかもしれないと思うやつがでるくらいなのに
131 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:24:36 ID:lbctPsaY
赤木しげる、南春香 投下します。
132創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:25:39 ID:QHcbOXR3
133創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:26:10 ID:L84tATN2
あそこは出典元がクロス作品だからなw
大半の人に共通の知り合いがゴロゴロいるという
134創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:26:18 ID:bLh1Czis
キター支援
135 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:26:25 ID:lbctPsaY
紳士、淑女、そして少年少女の皆様…。
大変長らくお待たせいたしました、これより再び物語の螺子を巻きたいと思います。
今回司会を勤めさせていただくのはこのしがない、哀れな道化師でございます。
血生臭いこの演劇に少しでも笑いを、とのことでありまして…、ククク。

さてさて、前座にそう時間を費やすわけにはいきません。演目をご紹介いたしましょう…。
舞台は豪華客船の一室。極上のスイートルームの中、出てくる役者は二人。
タバコの臭いが部屋を埋め、水上に浮かぶその部屋はあたかも捕らえられた独房かのようでございます。
ミステリーにはうってつけの舞台でございますが、残念ながら今回は名探偵も殺人鬼も登場はしません。
最も…ククク…今回はですが。
だが落胆されることはありません。それ以上のスリル、そして恐怖、そして何より…。
おっと、失敬!これ以上は演劇そのものを見て頂いた方がよろしいでしょう…。

螺旋のように複雑に絡み合った二人の運命。
男は彼を知っている。少女は彼を知っている。男は彼を知らない。少女は彼を知らない。
悪戯のように仕組まれたこの状況…ッ!まるで神が興味をもったかのように、この男と少女に…ッ!

長々と蛇足を述べましたが何はともかくこの演劇をお楽しみください。
それでは幕を開けましょう。
赤木しげる、そして南春香。二人が奏でる物語を…ッ!



          ◇  ◆  ◇



136 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:26:53 ID:lbctPsaY
肺一杯に煙を溜める。その怠惰と強欲を濃縮したかのような味を幾らか楽しんだ後、口からゆっくりと吐き出す。
空気中に溶けるそれを見つめる。
儚いその一瞬の美しさに男は見惚れるわけでもなく、少女へと目線を向ける。
淀みなく話を進める彼女の表情。意識せずとも、もはや彼の中の本能のような部分が彼女の心理を映し出す。
その目に映ったものは何か。

ただ確かなのはそれはとても大きな、彼女の年には相応しくないほど巨大な感情だろうと言うことだけだ。

少女の言葉が途切れる。所々言葉が詰まったのは彼女の年相応の死への苦しみだろう。
だがそれでも彼女は話しきる。そうして沈黙だけが二人を支配した。

混沌。男が思ったことはその二文字に集約された。
例えるならば自分が通った殺し合いはルールと言う制約がある麻雀。あくまでノーマルの。
しかしながら彼女の話したそれはあまりにも無茶苦茶。
例えるなら机に牌がバラ撒いてあり、暴力でも何でもいいから役を揃える麻雀。そんなアブノーマルな。

彼の表情が微かに変わる。少なくとも先ほどの『生』を放棄していた彼とは。
『赤木しげる』がしてきたこと、そしてその混沌の世界の殺し合いを聞き。
そしてやはり思った。おもしろい…、と。
ぶれることなく立っていた彼のその柱に触れたのはやはりもう一人の彼か。
しばらくの後少女が尋ねる。
赤木さんの…殺し合いはどうだったの、と。

しばらくの沈黙。さざなみだけが二人の耳を突く。
母なる海、その真ん中に抱かれ、少女はただただ返事を待った。
タバコを咥えなおした彼はゆっくりと煙を吐き出す。幾らかその動作を繰り返す。

十数分がたった。
137創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:27:13 ID:C9J/3Js4
>>129
某旦那なんか初登場の時点で気付きかけたっていうww
138 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:27:39 ID:lbctPsaY
沈黙に耐えられず、少女が口を開きなおそうとしたのを見計らったように男は言葉を口にした。
少女は耳を立てた。
過剰な形容詞を乗せることなく、あくまで客観的に経緯を語る。
そこには誇らしげな感情を込めることもなく、悲壮感を漂わせるわけでもなく。

淡々とした話が終わった。視線を少女に向ける。
驚愕と感動と呆然。其々が3対1対6でブレンドされてるようかの表情。
僅かに口端を吊り上げると男は机でタバコの火を消す。

窓まで歩いていくと闇に染まる海を眺める。
その瞳にそれ以上の闇を宿しながら。
硝子に映る自分の顔を見つめる。
その脳裏に何処までも広がる漆黒を抱きながら。

背中越しに少女の声を聞く。
やっぱり赤木君…ううん、赤木さんは凄いわ………、との言葉を。
そして。
やはり来たか、と男は誰ともなしに呟く。予想通りの頼みを少女がしてきたから。
彼女は頼む。
そんな『赤木しげる』ならば今回の殺し合いを止めれるだろう、だから手伝ってくれ…との言葉を。

少女は期待していた。一方で諦めもしていた。
男との会話で『赤木しげる』、その人間性がわかった。理解できない、ということがわかった。
そして彼はぶれない。折れない。壊れない。
それがわかった以上、彼女はこの頼みが快諾されることはないだろうと思っていた。

それ故に。
いいだろう、男は呟いた。
その言葉に驚愕する少女を尻目に、だが、と条件を付け加えながら彼は振り向く。
その手にあるものは六発式リボルバーの拳銃とトランプ。

男は。
笑った。
そして口を開く。
139 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:28:22 ID:lbctPsaY
「三つの選択肢をお前に預けよう…。
ひとつは今すぐ扉をくぐって俺のことなんか忘れ、この場を立ち去る。
もうひとつは俺と賭けをする…。そこでの選択肢はふたつある。」

「全てを運に任せるこの拳銃か、己の運命を掴み取るためのこのトランプか。
賭けるものは互いの命…ッ!ただ賭けるだけじゃない、己の手を汚す、その覚悟も賭ける…ッ!

「銃を選ぶならば弾を一発込める。そして銃口を相手の眉間につけ引き金を引く…ッ!
五回終わった後、俺とお前が生き残っていたならお前の要求を呑もう…。」

「トランプを選ぶならば…そうだな、競技はお前が決めればいい。ポーカー、ブラックジャック、神経衰弱…。なんでもありだ…。
お前が勝った時は、一緒だ、要求を呑む。
だが俺が勝ったならば…俺を殺してもらおう、その拳銃で…ッ!」」

「どっちを選ぶのもいい…。沈黙を貫くのもいい…。
だがな…今こうしてる間も、ククク…お前の大事なお仲間が死にかけてるかもしれないぞ?」

「いつかなんていうな…。今言え…ッ!南春香!
そこにお前の…狂気が、あるッ…!」

呆然とする少女が目にしたのは男の目。
そこには一点の曇りもなく、ただ無限に広がる闇が、そこにあった。
140 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:29:09 ID:lbctPsaY
【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-黎明】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1: 決断する。
 2:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
 ※赤木しげる(19歳)と情報交換をしました。

【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康 
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質8個)@現実、六発式リボルバー拳銃+弾(12/12)@現実、
    トランプ@現実、基本支給品一式、
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:少女の返答 を待つ。
[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
 ※いつ死んでもいいと思っています。
 ※南春香と情報交換しました。





          ◇  ◆  ◇

141 ◆75Ilw0PY2s :2009/01/22(木) 22:29:41 ID:lbctPsaY
いかがでしたか?お楽しみ頂けたでしょうか?非常に面白い、これだから殺し合いは、人間はおもしろい…ッ!
『赤木しげる』彼ほど特殊な人間はいないでしょう。
生きるか、死ぬか。殺すか、殺させるか。
生物としての最も根元にあるその欲求…ッ!本能すらBETするこの男から目が放せません…。
そして…少女はどう動く?
その選択一つで彼女自身が抱いた希望の芽を潰しかねない。自らの手を汚す羽目になるかもしれない。
そして…死ぬかもしれない。

ククク…悪魔とはよく言ったものです…!いや、悪魔すらもう少し人間味があるのではないでしょうか?
自分の命を賭ける、それも勝ったほうに!
彼にとって命とはその程度…ッ!
そしてそれが彼、『赤木しげる』が『赤木しげる』あるため…ッ!
おもしろい…ッ!これだから殺し合いは…バトルロワイアルは、やめられないッ!

それでは…ここはひとつ、二人に倣いまして皆様もBETしませんか?一種の余興です、何も硬くなることはありません…。
ひとつ、少女が逃げることにBET。
ひとつ、赤木しげるが死ぬことにBET。
ひとつ、南春香が死ぬことにBET。
ひとつ、赤木しげるが南春香に協力することにBET。
ひとつ、二人とも死ぬにBET。

どうですか?ククク…おもしろいでしょ?狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!

おっと…どうやらお喋りが過ぎたようで…申し訳ありませんが時間のようです…。
続きを、と言いたいところですがこればかりはどうしようもありません。
長い間、この道化の戯言にお付き合い頂感謝します。
それではまた次の演目にてお会いいたしましょう。その時舞台に立っているのは果たして誰でしょうか…?
フフフ…それでは、その時まで…御機嫌よう…。
142創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:31:18 ID:YPo1FTq7
春香姉さまとアカギが来た!これでかつる!
にしてもギャンブルなんてアカギの得意分野じゃねえか。
少しはやる気になったのだろうか  乙。
143創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:34:38 ID:H247ZaeM
アカギの燃え尽き症候群を春香は直せるのか
投下終わりました。
なにかありましたらご連絡ください。

>>86
>>111
お二人とも投下乙です!

ちょっ…キョンwww 最初のAAで吹いたwww
ていうか全体としてAAの使い方が巧すぎるwww
先生もなんだかんだ言って本格的にマーダー化したし…ゆたかの今後が気になる作品でした!

まさかの三つ巴!
三者がどう出るか、アルとスバルに期待
でっていうが勝ってしまったら…ガクガクブルブル
がんがれ、アナゴ、がんがれ!
145創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:40:22 ID:Bxc3rvM4
顎ロワの女性の少なさはある意味伝説
146創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:40:52 ID:Bxc3rvM4
すまん誤爆した
147創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:41:57 ID:QHcbOXR3
投下乙!

>>116
うわ、3大カオスAAキャラ大決戦w シグナムだけ真顔(だけど獣耳)w
しかし、でっていうとラスカルの因縁対決でもあるのか……。
残る2人もどうなることやらw

>>144
命を賭けろ、というだけでなく、相手を殺す覚悟まで決めて勝負に挑め、とは……!
流石アカギ、一筋縄では行かない。凄みが存分に滲み出る良作でした!
さてこれ、どうなるんだろ……
148創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:52:34 ID:Bxc3rvM4

アカギのニート引きこもり生活を春香は脱却させることができるのか?

それと一つ質問
wikiって誰でも本編追加していいの?
149創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 22:58:06 ID:bLh1Czis
アカギがちょっとだけやる気になった?
これは続きがwktkすぎる
150創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:00:14 ID:/S5FFyeR
乙!
銃のロシアンルーレットの方が勝ち目はありそうだなあ。
ゲーム系はアカギ的に考えてまず無理ぽ…

>>148
誰でも編集して良かったはず。
151 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:19:17 ID:2Jdy0Vhy
かなりの冒険作ですが、男は度胸、何でも試してryってわけで投下します。
長いので支援お願いします
152 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:20:39 ID:2Jdy0Vhy
「冗談じゃないわよ!」
ヒナギクは圭一を睨みつけ、怒気を孕んだ声で罵る。

「あ……いやいやそんな悪いものじゃないって!君みたいな綺麗な人ならいいメイドに」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!!」
ヒナギクは耳を押さえて蹲ってしまった。
これにはさすがの圭一も焦る。メイドに偏見があるのか?

ヒナギクの立場としては嫌になるのも当然。
つい数時間前までは、覚悟君やかがみ達と共に精一杯闘っていたというのに、唐突にリスタートとした殺し合いで変態に絡まれる始末。
何かがおかしい。高所から転落してから、確実に何かが狂ってしまった。
前回の殺し合いとはまた別の種類の絶望が私に降りかかる。
もしかすると、まともな人間は自分しかいないのではないか、といった妄想染みた考えまで浮かぶ有様。

「あのよ……俺は前原圭一って言うんだけど、君は?」
蹲るヒナギクの背中越しに男が恐る恐る声をかけてくる。この男は、今までの様子からして殺し合いに乗っていない事は充分分かる。
無傷のうちに同じ志を持つ参加者に会えたのは幸運かもしれない。変態なのが玉に傷だけど……。
「桂、ヒナギクよ……」
「そうか。ああ……もうメイド服着てくれなんて言わないから安心してくれ。
 とりあえず、俺と一緒に行動してくれよ」
圭一は笑顔でヒナギクに手を差し伸べる。少し迷った挙句、その手を掴み、ヒナギクは立ち上がった。
変態でも味方がいるに越した事はない……はずだ。

その後圭一と情報交換する。驚いた事に彼もまた殺し合いを強いられていたらしい。
さらに死んだはずのつかさとはクラスメイトとの事。ヒナギクよりも遥かに付き合いが長いという事になる。
だが、圭一の知っているつかさと、ヒナギクの知っているつかさ、そして今この殺し合いに参加させられているつかさは同じ人物なのだろうか。
ヒナギクが参加していた殺し合いでは、つかさは死んでしまった。
彼女は過去に何度も殺し合いに参加したなんて、川田のような経歴の持ち主ではない。

同姓同名の他人、とも考えたけどどうもそれは違うらしい。
圭一の言うつかさのイメージとヒナギクの言うつかさのイメージがぴったり一致するからだ。
三人のつかさは全員つかさだけど、全員違うつかさ……

並行世界……そう言う言葉でしか片づけられない事が、今回の殺し合いには絡んでいるのかもしれない。

圭一はつかさにもいつかメイド服を着せたいと意気込んでいた。
返す言葉が出てこない。まあ、つかさに着せたらそりゃあ可愛いでしょうけど……。
早く変態以外の人と会いたい……。

圭一と共に暗い森の中を歩く。早くつかさや川田君に会いたい。
153変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:22:11 ID:2Jdy0Vhy

▼ ▼ ▼

さて、賢明な諸君ならもうお気づきの事だろう。他でもない、俺のミスに。

出会った直後いきなり「メイド服着てくれ!」と言われ、はい分かりましたと素直に着る女の子がどこにいる?
ましてやヒナギクさんみたいな気の強い女の子、無理に決まってるよな?
「何故もっと慎重に事を進めなかったんだ!?」と、あちこちから非難の声が聞こえてくるのが分かるぜ。
すまない……あれは完全に俺のミスだ。なんだか分からないけど生き返って、しかもデイパックの中にメイド服が入っていたんだぜ?
そりゃ有頂天になるのも仕方がない。ヒナギクさんみたいな綺麗な娘に出会うなり着てくれ、と叫んだ気持ちも分かるだろ?
あれは完全に俺の判断ミスさ。それは認めるよ。だけど──仕方ないじゃないか!?そう怒るな!!

な?──分かるだろ?仕方なかったんだよ。





ああ、分かったよ。絶対に着せてみせる。
俺のメイドへの情熱は一度断られたくらいで燃え尽きるような甘っちょろいものじゃないんだ!
俺は口が回る。そりゃもうとびっきりに回りまくる。口先の魔術師の異名に賭けて、
桂ヒナギクにメイド服を着せる事をここに誓おうじゃないか!!俺に任せとけ!!




「何ぼーっとしてんの?」
「あ? ああいやいや、こっちの話だよこっちの話」
「こっちの話?」
「あ、前から誰か歩いてくるぜ」

圭一が指差した方向に目を向けると、青いツナギを着た男がぶらぶら歩いて来るのが目にとまった。
念のため日本刀を構え、万が一の事態に備える。ヒナギクとは対照的に、圭一は呑気に青いツナギの男を見ているだけだ。
ヒナギクが注意を促そうとした時、圭一はツナギの男に向けて手を上げ口を開いた。

「よお阿倍さん!あんたも生き返ってたんだな」
「え……知り合い?」
戸惑うヒナギクに、圭一は阿倍を待つついでに事情を話す。

「あの人も俺のクラスメイトだ。いい男でしかも息子もでかいから凄く頼りになるんだよ」
息子もでかい、というフレーズが妙に気になるが、
圭一がそれだけ言うなら殺し合い打倒への仲間として期待していいのかもしれない。
体格もいいし、確かに頼りになりそうではある。私は期待に胸を膨らませながら、阿倍がこちらに来るのを待つ。

阿倍は怪訝そうな顔で圭一とヒナギクを交互に見やる。

「…………残念だが……俺は君みたいないい男とは会った事がないぜ?」
「…………うぇ? 冗談だろ?だって阿倍さんと俺はクラスメイトだったじゃないか。
 一緒にでっていうと戦ったし……俺は前原圭一だよ阿倍さん」
「さて……どういう事かなこれは……」

これもまた並行世界のトリック。阿倍と圭一はそれぞれ異なる世界から来た。
互いを知らなくて当然である。ヒナギクは先の考察で、こういう事もあるかもしれないと予期していた。
考え込む二人に一言助言しようと思い、口を開きかけたのだが……
154変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:23:58 ID:2Jdy0Vhy

「ちょっ……ちょっと……あ、あああんたいったい何を!!何やってんのよいきなり」
阿倍が真剣な顔で、股についてある例のアレをさわさわと弄んでいる。
それを見たヒナギクは赤面し、ついつい興奮した口調で阿倍を咎めるが、咎めなどお構いなし。
阿倍はその行為を止めようとはしない。

「俺がナニを弄ろうがお前には関係ないだろう。こうしていた方が落ち着いて、頭もよく回るんだ。
 なに……お前には一生分からない。女は引っ込んでろよ」
「…………!」
突き放した口調で言い放つ阿倍。そう言っている間も、右手は常に愛息子と共にじゃれ合っている。
ヒナギクの顔が一気に暗くなる。まさか、こいつもそういう感じの男なのだろうか……。

「そういえば俺がさっきまで参加していた殺し合いにも、前原圭一ってのがいたような気がするな。
 こんないい男ならさっさと探して食っておけばよかったぜ」
阿倍のこの一言に、考え込んでいた圭一が何かを閃く。

「まさか……これはパラレルワールド……!!」
どうやら私の助言は必要なかったようだ。力が抜けてがっくりと項垂れる。

「……さすがだな圭一君。確かにその言葉でしか今の状況は説明できない
 さすがはいい男なだけはあるぜ」
「へへ……阿倍さんの方がよっぽどいい男だよ。俺の世界の阿倍さんと全然変わらないから安心したぜ」
「嬉しい事言ってくれるじゃないの」

変態通し気が合うのだろうか。お互い笑顔でなんとも楽しげだ。
取り残されたヒナギクは疲れた目で二人の掛け合いを見守る。
さっさと普通の人に会いたい。圭一も阿倍も変態なんて最悪にも程がある。
阿倍なんて、圭一と楽しそうに話しこんでいる間までアレを弄っているではないか。

「それじゃあ阿倍さん。俺達と一緒にこのバカな殺し合いをぶっ壊そうぜ!」

圭一が、ヒナギクの時と同じように笑顔で手を差し出す。
素直にその手を握ってくれるとヒナギクは思っていたが、彼の返答は予想外のものだった。

「いいや、悪いがそいつは断るぜ」
「…………え?」
「折角こんな何でもありのゲームに放り込まれたんだ。俺は前の殺し合いと同じく、沢山のいい男を掘ろうと思っている。
 お前らに協力している暇なんてないんだ」
「ほ、ほほほほ掘るぅ……!?」
思わず大声を上げる。まさかこの阿倍という男、変態は変態でも一味違う変態のようだ。
殺し合いに参加したのに、掘って回るだなんて、そんなあほな……
もはやドン引きに近い視線でヒナギクは阿部を見つめる。

ありえない……世界が引っ繰り返るような気分だわ……。

ヒナギクとは対照的に圭一はそれほど動揺してはいなかった。
これも変態のなせる技か、と圭一に対してもまた、少々引き気味の視線を送る。

「んな事……阿倍さんには道下の奴がいるじゃないか。男なら誰でも言いなんてそんなド淫乱、道下に申し訳ないだろ」
「道下はこの殺し合いには参加していないしな……まあ、いいさ。
 お前の世界の阿倍高和はノン気だって構わず食っちまうような男じゃなかったのか?」
「……そうじゃなかった。節操があった。ノン気に対しては紳士的に振る舞ういい男だったよ」
155創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:25:00 ID:1LZk8FGT
K1逃げてー 支援
156創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:25:55 ID:Bxc3rvM4
阿部さんは変わらない支援
157変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:26:09 ID:2Jdy0Vhy

ノン気って何なんだろう……気になるけど、知ってはいけない言葉のような気が……

「悪いが俺はそんな大層な男じゃないんだよ圭一君。淫乱と言われようが構わない。
 殺し合いなんて知ったこっちゃないね。俺はいい男とヤって、息子と肛門で一つになりたいだけだ」
「阿倍さん……ヒナギクさん、あんたからも何か言ってやってくれよ!」
「わ、私に話振らないでよ!」
「なんでだよ!仲間だろ!?」

迫る圭一。もう何が何だか分からない。お願いだから私に関わらないで……

「無駄だよ圭一君、女なんてそんなもんだ。そいつはお前の事を仲間とは思っていないだろうぜ。
 簡単に裏切る……それが女だ。所詮女なんてホモセックスが出来ない、どこに価値があるのか意味不明な存在。
 男とは永遠に相容れない存在なんだ。あいつと同じようにな」
「阿倍さん、なんて事言うんだよ」

訳の分からない変態ワールドに混乱していたヒナギクも、阿倍の侮辱の一言にはさすがに反応する。
今の言葉は常識的に考えて酷い。かちんときたヒナギクはいつもの調子を若干ながら取り戻し、阿倍に反論する。

「ホモセックスなんて関係ないわよ!ちゃんと相手を思いやる心があれば、異性どおしだって心と心で繋がれるわ!」
ヒナギクは前の殺し合いで、長きに渡り行動を共にした三人の仲間を思い出す。
覚悟、川田、つかさ、彼らの間には何の隔たりもなかった。しっかりと心と心で結ばれていた。
阿倍の発言は、ヒナギク達四人の絆を全否定するようで、霧消に腹が立つ。

「万が一そうだとしても、体と体では濃密に繋がれないだろ?」
「いいえ!体と体とでも繋がれるわよ!」
「男の肛門に比べたら締まりのない、無価値な穴だろうが」
「そんな事ない!女だって………………!?」

そこまで言ってヒナギクは漸く気づいた。自分がとんでもない発言をしている事に。
思わず赤面し、顔を俯ける。悔しくて、そして恥ずかしくて、阿倍とは目を合わせられない。
阿倍は下らないものを見るようにヒナギクを見下す。

「恥ずかしいのか?男と女の繋がりって奴を俺に思い知らせるんじゃないのかよ」
「……ッ! うるさい!あんたみたいな変態には一生分からないわよ!」
「ま、まあちょっと休んでろって。阿倍さんとは俺が交渉するよ」
思わず飛びかかりそうになるヒナギクを圭一が抑える。

「男と女の絆なんて薄っぺらいもんだぜ。男女の友情なんて、偽善の前には容易く散るのさ」

吐き捨てるように阿倍は言う。女に対して異様に厳しい態度には、
前の殺し合いでソウルフレンドの契りを交わした一人の女性が絡んでいるのだが、ここでは割愛させて貰おう。

「阿倍さん!頼む!俺達と一緒に殺し合いを破壊しよう!」
「圭一君、そんな事より俺と一発────」

頭を下げる圭一の頼みなどお構いなし。阿倍さんはとある一言を圭一に投げかけようと口を動かす。
とっさにメイドレーダーで危険を察知した圭一だが、もはや阿倍の一言を止める術などない。
今目の前に居る阿倍高和は、クラスメイトの阿倍高和とは圧倒的に異なっている。
この一言を言われる前に、阿部の危険性を察知し、逃げ出していれば助かったかもしれないのだが。


「や ら な い か」


「絶対やらない!!」
即答する圭一。
「つれないんだな。レイプ願望があるのか圭一君」
「違う!!」
158創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:27:09 ID:RkGy/1JL
支援ーーーー
159変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:28:28 ID:2Jdy0Vhy


迫る阿倍を目の前にして大いに焦る圭一。しかしこのままではどうしようもない。
圭一の支給品には武器は入っていない。雛見沢症候拳を使えばいくらか戦えるだろうが、あの技は持続性のない諸刃の剣。
地の身体能力で上回る阿倍相手ではジリ貧だ。おまけに女性のヒナギクを守りながらの戦闘になるだろうから、はっきり言って厳しい。

「ま、断るのなら無理やり襲うまでさ。生憎溜まっているんでね」
「そんな……」

逃げようか。圭一はそんな事も考えたが、女性のヒナギクを連れて逃げる事は難しい。
圭一のみならば雛見沢症候拳をフルに使い、阿部をまく事も可能かもしれないが。

えらい事になってしまった。まさかこの世界の阿倍さんがここまで淫乱テディベアだったなんて予想してなかった。
どうする?どうする俺?考えろ、考えるんだ俺!阿倍さんのレイプを回避し、
なおかつメイド服をヒナギクさんに着せる(←ここ重要)作戦を!!

────そうだッ!!!!


「待て阿倍さん。俺にレイプ願望はない。実は俺もゲイなんだ。断ったのには理由がある」
「うほっ!」
「ええええええええええ!!!」
大声をあげて驚愕するのは、脇に座り込んで休んでいるヒナギク。
まるで変態万国博覧会じゃない! と、ヒナギクはよく分からないツッコミを心の中で放つ。

「あ、あんたまでホモだったの……」
「むっ!俺はホモじゃないぞヒナギクさん!!俺はゲイだ!!」
ヒナギクの方に向き直り、前傾姿勢になって熱く語り始める圭一。

「いいか、ホモってのはホモセクシャルの略で、英語で同性愛者を指すんだ。
 これは同性愛者全般を指す言葉だが、同時に侮辱語でもある。そしてホモは男女の区別すらしていない不適当な言葉だ。
 俺達ゲイは辛く苦しい戦いの末に自分達の居場所を分かってないノンケどもから勝ち取ったんだ。
 何せ、本来どうでもいいはずのレズビッチとも手を取り合ってお互いの権利のために戦ったんだからな。
 彼ら偉大な漢たちのお陰でようやく同性愛が広く世間に認められてきたと言うのにお前は……
 いいか、男の同性愛者を呼ぶ時はゲイ! 女の同性愛者はレズもしくはビアン! 分かったかコンチクショウ!」
クラスメイトの道下から教えて貰った知識をヒナギク相手に一息に捲し立てる。

ヒナギクは怯えつつ、そしてドン引きする。もはや言い返す言葉はない。
というより関わりたくない。
「わ、分かりました……」
こう言う他なかった。

「素晴らしい!!!(どこかで聞いた台詞だけど)」
諸手を上げて喜ぶ阿倍。圭一は得意気だ。
「感動したぞ圭一君! で……それならどうして俺とヤりあってくれないんだ!」
「ふふふ……それは阿倍さん。実力が未知数なあんたに、俺の尻を捧げるのは少々不安だからさ。
 俺の世界の阿倍さんなら無条件で肛門を向けたんだがな……」
「実力が未知数……だと!?」
阿倍が戸惑う。圭一は薄く笑みを零しながら、言い放つ。
160変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:30:04 ID:2Jdy0Vhy

「そう!実力とは即ち息子の強さだ!俺は生半可な息子の持ち主に掘られたくない。
 俺の脂ぎった雄っ気たっぷりの尻を頂くのは、ある程度の息子力の持ち主でなければならない。
 半端者に捧げるケツはねえッ!!俺の尻はそんなに安くねえんだ!!」

────もう着いていけない……
一人取り残されているヒナギクに精神的疲労が積み重なっていく。

「俺は半端者じゃねえよ圭一君!!」
「だったら見せてみろ!!阿倍さん自慢の一物を!!」
「よしきた」

ざわっと、何やら恐ろしい予感がヒナギクの脳裏に走る。
阿倍がツナギのチャックを下ろし始めた。



 l 。|.     :,:'
  l |.          .|
.  l |. - ‐‐- ,. ‐''´ .| l
━ 〃         .| l
━ ┃      i'     .| l
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 ━ 〃 ,. - ‐- ‐- | l
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  ━┛ |. し'、,.、j | l
`ー-、_ ', |. |!': .;;| .| l
   ┃ヽ、l.| :  ;;| | l  ,,
   ┃、 ヽ!   ;!l l
   ┃ ヽ  ゙、  .| l/ /
    ・  \ i;;;.| / /
ヽ  、 \  ヾi/ /  /
 `ー-、\ ,ゝ-'! //´
    `´`′  } ,.. j
     ヾ、   ! .:.:ノ
       ,.ゝ.:i:.:.:'.:.
   ,. ' ,. ':,.;;;i;;;;;_:.:..、ヽ
     / ̄     ̄\
   /          \



「きゃあああああああああああああ!!!」


悲鳴を上げるヒナギクを圭一はすまなそうに見つめる。
────すまないヒナギクさん。それにしてもこいつはすげえぜ……!!
なんつーでかさだ……!こんなものでお尻を突かれると思うと……うほっ!

「どうだい圭一君。こいつを見てどう思う?」
「すごく……大きいです……ってそうじゃない!!
 確かにサイズはなかなかのものだが、見た目だけじゃ判断できない奥深さってのが息子にはあるだろう!?」
「うむ。確かに圭一君の言うとおりだ。だが、どうやって俺のデカマラの実力を測定しようって言うんだい?」

圭一はデイパックから巨大な、黒い何かを取り出す。
ついつい笑みが零れそうになる。ここまでは全て圭一が思い描いた筋書き通り。計画通りだ。
このまま順調に進行すれば、ヒナギクさんにメイド服を着せられ、阿倍さんを追い払い、
いや、もしかしたら阿倍さんを仲間に出来るかもしれない。
161変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:32:18 ID:2Jdy0Vhy

「測り方はシンプル。シンプルイズベスト!こいつを使うぜ」
デイパックから取り出した圭一の支給品【棺桶】を阿倍の前に置く。
意図がよく分からない圭一の行動に、阿倍、そしてヒナギクは目を泳がしている。

「圭一君。棺桶の中で俺とヤり合いたいってのか?」
「いや違う。もっと単純だ。俺の世界の阿倍さんは、自分の息子でどんなものでも貫けるんだ。
 どんな屈強な男の尻だろうと軽く貫いて見せた。それだけじゃない。瓦だって息子で貫けるし、木材でも鉄でもダイヤでも……
 それくらいうちの阿倍さんは凄かったんだ。ダイヤモンドを貫いた時はさすがに後悔したけど……」
「勿体ないものね……常識的に考えて」
「疲れている中常識的なツッコミサンクス!」
びしっとヒナギクに向けて親指を立てる。

「この棺桶は特殊な素材で作られ、頑丈だ。だがこれくらい息子で貫けないような奴には、俺のケツは勿体ない」
「なるほど。つまり俺が自分の息子でこの棺桶を貫く、穴を開ける事が出来れば、圭一君は俺を認め掘らせてくれる、
 そう言う事でいいんだな?」
「そう言う事だ。失敗した場合は、俺達の仲間になってくれ。どうしてもそれが嫌って言うなら、このまま俺達の前から消えてほしい。
 仲間にもなってくれない半端者(性的な意味で)に用はないからな」

阿倍はにやりと口角を吊り上げる。
まさか俺のデカマラをこんなエキセントリックな方法で試そうなんてな……
ふふふ……言い度胸だ。そそるじゃないの圭一君。彼の尻が楽しみだ。

「いいテストじゃないか。何より俺を試そうという不遜な態度、気に入った。乗ってやるよ圭一君」
「頑張ってくれよ阿倍さん。俺はあんたに失望したくないからな」


「どうだいヒナギクさん、なかなかナイスなテストだろ?」

うんざりとした様子で圭一を見るヒナギク。
もうお願いだから関わらないで欲しい。こんな奴でも一応仲間だというのが逆に腹が立つ。
それにしてもなんてあほなテストだろう。私には到底思いつかない。いや、変態にしか思いつけないだろう。

「ホアアアアアアアア!!」

阿倍は気合を入れ、自分の息子をびしびし叩き始める。
見る見るうちに巨大化していく彼のデカマラ。ヒナギクはまたも悲鳴を上げる。
圭一もまた、作戦通りとはいえ予想外に巨大な阿倍の息子を見て戦慄する。
あんなものをお尻に突っ込まれたら、本当に死んでしまうのではないだろうか。

「じゃ、じゃあ阿倍さん。頑張ってくれ、健闘を祈る」
そそくさと棺桶から離れ、ヒナギクと共にテストを見守る。

対峙する阿倍と棺桶。一人のいい男と一つの棺桶は、激闘を予感させる異様な空気に包まれ、濃度を増していく。
見ているだけで体温が沸騰してしまいそうな熱い雰囲気。阿倍は動かない。棺桶の隙を狙っているのだろうか。
ただのモノとはいえ、恐るべき秘密を秘めた棺桶。容易い相手のはずがない。油断すればやられる。
棺桶もまた、相手を侮れば容易く貫かれる。

「むぅ……これは名勝負になりそうだ」
「もう嫌……なにこの状況……」
「……ん?」
162変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:34:15 ID:2Jdy0Vhy

なんとここにきて阿倍の息子がさらに成長を始めたではないか。
今にも弾けそうなほどビンビンになったデカマラに、ヒナギクは勿論、圭一も恐れおののく。
彼の息子には限界はないのか?

「くう……ビンッビンだぜ」
「あはははははwwwみんな狂ってるあはははははwwww」

張りつめた空気の濃度が最大となった瞬間、阿倍さんが棺桶に向かって疾走する。

腰を後方に引き、溜めを作り、その溜めが最大となった瞬間、一気に力を放出させる。
これが阿倍の必殺技。恐るべき破壊力を持った必殺技──


 ゲ  イ───ボルグ
「直立する──息子」


ガツンと衝突する阿倍の息子と棺桶。しかし棺桶はびくともしない。
傷一つ付いていない。異常なまでの強度だ。                ゲ イ ボ ル グ
しかし阿倍もまだまだへこたれてはいない。腰を何度も何度も前後運動させ、【直立する息子】を連発する。


「イヤアアアアアもう嫌あああ!!!何なのよこの状況はあああ!!」
「落ち着けってヒナギクさん。実は今のこの状況ってな────」

阿倍が棺桶相手に苦戦する傍ら、圭一はヒナギクの耳元へ口を寄せ、阿倍に聞こえないようにある事を言う。
ご察しの通り圭一は断じてゲイではない。阿倍に話した事も全て出まかせ。
それなら何故こんな状況になってしまったかというと、全ては彼の──


「全部俺の作戦通りってわけ。これで阿倍さんを仲間に出来るぜ。
 運が悪くてもこのまま逃げ切れる。さすがに約束を破ってまで俺をレイプしようとする外道じゃないからな阿倍さんは」


圭一の全てを覆す発言を耳にしたヒナギクは思った。
あの阿倍って男を仲間にする気?勘弁してよもう……


▼ ▼ ▼

ふふふ……俺、前原圭一の作戦はとうとう最終段階に突入した。
え?なんだって?どうしてヒナギクに作戦をばらすんだ、だって?
ふふ、安心したまえ諸君。それもまた、作戦の内だ。このまま順調に行けば、間違いなくヒナギクさんにメイド服を着せられるぜ!
みwwwなwwwwぎwwwwwっwwwwてwwwwきwwwた



「あ、あんたはホモじゃないのよね?」
「ああ、勿論ホモでもないしゲイでもない。あとこれはマジな話なんだけど、
 真正のゲイ相手にホモって言わない方がいいぜ。普通に失礼だからな」
163創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:34:53 ID:Bxc3rvM4
支援し忘れてた支援
164変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:36:14 ID:2Jdy0Vhy

疲れた顔をしているヒナギクを尻目に、デイパックから一枚の紙を取り出し、ヒナギクに見せる。
阿倍が今相手にしている棺桶の説明書だ。これを初めて読んだ時は、さすがの圭一も大いに驚いた。
とある盗賊の持ち物であるあの棺桶は、賢者のメラゾーマにも、魔王のかいしんのいちげきにも、
戦艦の大爆発にも、そして二百メートル級の巨大ロボットの踏みつけにも、全ての攻撃に対して完璧に無傷で耐えたという最強の盾なのである。

「つまり、どうあっても阿倍さんはあの棺桶を貫く事は出来ないのさ!この勝負、初めっから出来レースだったってわけだ。
 これで阿倍さんの恐怖からはとりあえず逃げ切れるぜ」
「この説明書破れたみたいになってるけど……」
得意気に笑う圭一を、尊敬では断じてない、呆れに近い感情を込めた視線でぼんやり見るヒナギク。
「言っとくけど、凄いなんて思ってないから……得意気にしないで」
「お! ヒナギクさんはツンデレだな?」
今回ばかりはツンデレなどではない。ヒナギク心からの本音だ。

「あんなもの突っ込まれたら本気で死んでしまうからな。勝つか負けるか分からない勝負なんてするわけないぜ
 あのでかいアレをヒナギクさんだって見ただろ?あれを肛門に入れようってんだぜ?正気の沙汰じゃない。
 入れられる側にとってはまさに命にかかわる問題だ」
「想像したくないけど……」
と言いつつ、ついつい想像してしまうのは乙女のさがか。
すごく……大きなアレがお尻の中に入っていくのは……

「うう……もはや殺人の域よ……あんなの耐えられるわけないじゃない」
「はは、まあな。挿入されたら普通に死ぬぜあんなの……まあ、いくら阿倍さんのアレとはいえあの棺桶に穴が開く事は絶対にない。
 俺達は安心してここから阿倍さんの必死な姿を見ていればいいんだ」
「見たくないけどね……」



「ふぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ギシ

ギシ


「はははあんなに必死になって頑張ってるよ」
「何があの人をあそこまで必死にさせるんだろう……」





「トエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!」
165創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:37:05 ID:YPo1FTq7
あれ? やる夫圭一がかっこいいだと!?
166創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:37:24 ID:Bxc3rvM4
ああオー支援
167代理投下:2009/01/22(木) 23:41:22 ID:Bxc3rvM4
 ギシ ギシ

ギシ
ギシ


「ね、ねえ何か聞こえない?」
「ん、何が?」
ヒナギクは耳を澄まし、妙な異音に意識を集中させる。
やはり聞こえる。余裕な様子の圭一に、恐る恐る口を開く。

「棺桶が……ギシギシ言ってるわよ……」
策が成功し、興奮で赤みがかっていた圭一の顔が、その一言で一気に青ざめる。
「う……嘘だろ……おい」
耳を傾ける。本当だ。本当に聞こえる。あの棺桶が確かに悲鳴を上げているではないか。

「ど、どうするのよ!棺桶に穴を開けられたらやばいじゃない!
 殺されるわよ……ほんとにどうするのよ!?」
「……………」
圭一は無言で頭を抱える。その頬には冷や汗が流れ、顔はもはや蒼白と言っていい有様。

今までは変態二人のせいで混乱状態だったが、ヒナギクは漸く、今自分達が大変な危機に陥っている事に気づく。
このままでは圭一が殺されてしまう。変態だから殺されていいなんて、そんな訳にはいかない。
彼は阿部と対峙している間、ずっとヒナギクの事を気遣ってくれているし、自らゲイと名乗ったのも全ては作戦のため、
危険を回避するためだ。根はいい奴で間違いない。殺されて、いいわけない。

「どうすれば……どうすれば……クールになれ圭一、クールになれ……」
うわ言の様に繰り返す圭一。ヒナギクは毅然とした態度で提案する。
「こちらから奇襲しましょう。今なら棺桶に夢中よ」
「……それは駄目だ。阿倍さんには何の悪気もないんだぜ?あれで実はいい人なんだ。奇襲なんてそんな事……」
誰彼構わず強姦するような男をいい人と申すか。圭一のクラスはどうなっているんだろう……。

「だったら逃げましょう」
「いや、無理だよ……奇襲っていうのもぶっちゃけ無理だ。阿倍さんは俺なんかよりも遥かに強いからな……
 逃げたところで俺はレイプされる、奇襲しても勝てない……むしろ阿倍さんを怒らせるだけだ」
そんなに強いのか、あの変態は……、ヒナギクはなんとも複雑な気持ちになる。

「じゃあどうするの?このままじゃ、あんた殺される……」
「うう……クールになれ、クールになれ前原圭一……俺ならきっといい打開策を……」
駄目だ。このままでは埒が明かない。もう取るべき選択肢は一つしかない。
圭一がヤられる(性的な意味で)前に、ヤる(性的な意味ではない)しかない……!

ヒナギクが阿倍に向けて、一歩、歩み寄ろうとした時、圭一が顔を上げた。

「思いついた……究極の打開策。萎えさせればいいんだ……阿倍さんの息子を」
萎えさせる……、普段なら馬鹿な事言わないでとツッコミを入れるところだが、今回ばかりは真面目にならざるを得ない。
確かにあの、すごく……大きなアレを萎えさせる事が出来れば、棺桶は耐えきれる。
阿倍との戦いも避ける事が出来るし、全ては圭一の作戦通り平和的に推移してくれるだろう。
168代理投下:2009/01/22(木) 23:42:55 ID:Bxc3rvM4
「でも……どうやって……?」
「俺が阿倍さんの前でパンツ降ろしたら、もしかしたらあまりのスモールオットセイっぷりに萎えてくれるかも……」
「相手はゲイよ。多分、逆効果なんじゃないかしら……」
「だったらとりあえず俺が裸になれば、貧弱な体にきっと萎えてくれるはず……」
「だから逆効果よきっと……」
「だったらどうすればいいんだよ……!」

圭一は明らかに狼狽している。どうすれば萎えてくれるだろうか。
落ち着いて考えろ。相手はゲイ……しかも女性に対してかなりの偏見を持った嫌なゲイ。
女性に対して────

「うっ……!」
「どうした? ヒナギクさん?」

ああ、もう仕方ないわよ……仕方ない事よ……私が、私がやるしか……

「私が阿倍の前で……ふ、ふふふ服を脱いだらきっと……やる気を無くすはずよ……」
「……そうか……!確かにあの阿倍さんは真正のゲイだから、女の子の体にはきっと……」
そこまで言って圭一は言葉を切る。悲壮感に満ちた顔でヒナギクを見る。
「さすがに、女の子にそんな事させるわけにはいかねえよ……全ての原因は俺にあるんだ。
 俺が大人しく掘られればいい。ヒナギクさんを恥ずかしい目に合わせる訳にはいかない」
圭一は伏せ目がちに、言った。返す言葉もない。


もしかして私は大きな勘違いをしていたのかもしれない。圭一の事を変態と決めつけ、蔑視してしまった。
変態な事に間違いはないけど、覚悟君やつかさ、川田君みたいな優しさだって持っている。
趣味や性癖が変っているだけで、圭一を全否定するのは間違いだった。
今なら言える。圭一は殺し合い打倒への仲間。ここで死なせるわけにはいかない。

「圭一君、私やるわよ。何もこんな下らない事で命を捨てるなんて間違ってる。私、阿倍の前で脱いでくる」
未だ棺桶と格闘している阿倍へと、私は歩き始める。
後ろから、圭一が肩を掴んで来た。これでは阿倍の元へ行けない。

「させない……!女の子にそんな真似させて何が前原圭一だ!何が口先の魔術師だ!
 策は失敗に終わった……。俺は変態だが、自分のケツを女の子に拭かせるような真似はしない!」
「でも……」

ここで死なせたくはない。死ぬべきではない。ますますその思いが強くなる。
だけど圭一は私がしようとする行為を良しとしない。何かいい折衷案があればいいんだけど……
そこで私はふと気づく。圭一のデイパックからちらりと見える。あの服……

「私、メイド服着るわ」
「……!確かにメイド服は女の子の魅力を最大限に引き出す服だ。阿倍さんには辛いだろうな……
 だけど……いいのか?」
私は圭一に微笑みかける。
「命がかかってるもの……仕方ないわ。私がメイド服を着る事で命が助かるなら、喜んでメイドになってやろうじゃないの」
「すまない……本当にすまない……」

申し訳なさそうにする圭一の肩を軽く叩き、私は彼のデイパックからメイド服を取り出す。
まさか着る事になろうとは思いもしなかった。だけど人命がかかっているのだから仕方がない。
私は圭一に「覗いたら殺すわよ」と警告し、着替えるため、人目につかない木々の陰へと向かう。

圭一が晴れやかな笑顔をしている。やめてよ。私まで気持ち良くなるじゃない。
そういえば、あいつはメイド服が好きだったんだっけ……こんな形で彼の願いを叶えてあげる事になるなんてね……。
169代理投下:2009/01/22(木) 23:43:31 ID:Bxc3rvM4
▼ ▼ ▼

阿倍さんに絡まれている棺桶は相変わらずギシギシと悲鳴を上げている。
俺、前原圭一は落ち着いた心持で、それを眺める。

俺はポケットからあらかじめ破っておいた説明書の一部分を取り出す。

【ただし、盗賊の棺桶は一度だけ傷ついた事がある。
 さまようよろいの剣が棺桶に突き刺さり、中に居る盗賊が致命傷を負ったのである。
 魔王に比べ、遥かに弱いはずのさまようよろいが何故棺桶を傷つけられたのか。
 未だにこの現象の原因は不明。おそらく『突く』という攻撃に対しては、時たま脆くなってしまうのではないだろうか。
 さまようよろいはおそらく運が良かったのだろう。次の機会には、棺桶の傷は消えさっている事から、
 やはり盗賊の棺桶は最強の盾だと言わざるを得ない。】

俺は信じていた。他でもない阿倍さんの息子なら、棺桶を壊す事は無理でも、悲鳴を上げさせる事は可能だろうと。
案の定その通りだった。さすがは阿倍さんだ。

さて、諸君も気づいている通り、俺の作戦は成功に終わった。
俺が動揺していたのも全て演技さ。まさかヒナギクさんの方からメイド服を着ると言ってくれるとは思いもしてなかった。
さてと、あとは……フヒヒwメイドのヒナちゃんを堪能して阿倍さんが諦めるのを待つだけだぜ!!
あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!
170代理投下 ……うっ…… ふう……:2009/01/22(木) 23:44:23 ID:Bxc3rvM4
…………ヒナギクさんにばれたら冗談抜きで殺されそうだな……



「フヌオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


ははは、阿倍さんそんなに頑張ったって無理なものは無理だぜ。
ま、人を無理やり強姦しようとするから俺に騙されるんだ。

さあ、さあ来い!桂ヒナギク!俺に君の可愛いメイド姿を見せてくれwwwww


「お、お待たせ」

                 _ 
             __ァ ´    ヽ
            l´      |  i
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           彡.     /    l      /   l i   \
          /      ./    j_    /   ヾl     ヽ,
         ./      /ゞ_ == _` 77-/     .|      l
        /      /       `ヽ {     .|      .l
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         `ーァ ´ |:l  l |  |  l:l: |/7ァ/ /_./  ./      '
          /_  :|:l: |: | | | | |  l| l l:|  <.\  \/',       ',
           `l l l: l | {川lリl: : |ソリリ ヽ,| |  7l下、|\      }
            7l l: l ハ卞ヽlヽ:| オテトx| fヾ ヽ\ \\   /
            / l ト,l: ハ辷l    {.:.ヽ/| |/ヽ \\┌ `,ニ´-‐´ ̄ヽミヽ
           /: : :l :j .}l| ハ 、    ` ´u|: l l l |\r-` /´       `ヽ
          ー、__:l_:j/: :|: |`>、 _   ィ/:| l l ' {  .不 _  \      ト\
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          ,.///   ゝl X >´r{ヽ┘リー-!、 / .7/   } } \    l
        , '//r-{    , / ヽ//| i_ヽヽ   / ./:ヽ,   .j ji i ヾ  ト ┌
       ///ィ´  ⌒ }-rムr-、_ヾ└__ ゝィう/ /ゝ-、i  く / l lヽ j j } j
      i/ /r´       :/    不,/ー‐-´-ゞ,    \   | | j A|
      | | ヽ.       l  , ''  ̄ ヽ    rノ      } └
      {   | }ー ィ    | (´         r'       j
         l:>-アマ--,,  '´ ヽ    /ーァ-ィ{        <
          {ヾ-/ ´     ,,ゝ__/ / /_ j:/7ァー_ィ-r__ィーヾ
           /     ィ 三三ニ{HINA}ー' ̄ヽ/   ./
           ゝ、__ / {三三三-ヽ ./}  ./   /
          /     }三三三 二二 └.∠_   /  \
        <      //.l       \\ ヽ、´    /
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171代理投下 :2009/01/22(木) 23:44:54 ID:Bxc3rvM4
「……ふぅ」
「何がふぅなの?」
「いや、何でもないさ……」

たまらんのぅwwwwたまらんのぅwwwwたまりませんのぅwwww
なんという良メイドだ!胸が少々寂しい事を除けば最高の……ふぅ
それにしてもあれってメイド服か?

「じゃあ、阿倍さんに声をかけるぜ……ヒナギクさんなら大丈夫だ。
 可愛いからきっと阿倍さんは萎えてくれる」
「ええ……なんか素直に喜べないわねその言い方」
172創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:45:08 ID:YPo1FTq7
どうでもいいけどニコロワの阿部さんって女嫌いの補正入ってるよな 支援
173代理投下 :2009/01/22(木) 23:46:05 ID:Bxc3rvM4
「おーい阿倍さーん!頑張ってるところ悪いけどこっち見てくれよ!
 ヒナギクさんが応援してるぜ!」
圭一が阿倍に向けて手を振る。何度でも言おう。
なんなんだこの状況は。これで人命が助かるというのだから信じられない。
阿倍は迷惑そうにこちらを向く。真剣そのものな表情。騙している事に罪悪感すら……いや、さすがにそれは感じない。

「ん? もう少しで貫けると思うから邪魔しないで欲しいんだが……」

阿倍とヒナギクの目が合った。阿倍は露骨に嫌な顔になる。

「なんというグロ画像を見せるんだ……トラウマになったぞ。
 早くそこに居る奴を片づけてくれ」
「…………」
阿倍の吐きそうな表情。なんだか泣きたくなってきた。
もう嫌だ。帰りたい。なんで私ばっかりこんな扱いなんだろう。

「ヒ、ヒナギクさん、そんなに気にする事ないぜ?所詮ゲイの戯言だよ」
「うぅ……もういいから話しかけないでよ」
私の肩を持ってくれる圭一の心づかいが逆につらい。もう嫌だ。

とうの阿倍は、私を見てよっぽど落ち込んだのだろう。さっきまでやる気満々だった顔が、冷めてきている。
彼の股についている例のアレも……へなへなへな、という擬音が似合いそうなくらいの勢いで萎れていく。
作戦は成功した。そして私の心は傷ついた。

「き、汚いぞ圭一君。こんな醜い生き物を見せられちゃあたまったもんじゃない」
「どこが醜いんだ!例え阿倍さんにとって醜い存在であったとしても、意識から除外すればいいだけじゃないか!
 そんなに集中力がないのか!俺への執着心はそんなものだったのかよ!見損なったぜ!」
よくそこまで言いたい放題言えるものだ。やはり圭一はただの変態ではない。
一味違う変態のようだ。もうどうでもいいから早く終わって欲しい。

「こんだけ試しても棺桶を貫けなかったって事はやっぱり阿倍さんは大したことないんだな。
 テストは終了!阿倍さんは失格!」
圭一は両手で×の文字を作り、ジェスチャーを交えて得意気に言い放つ。
阿倍は悔しそうに、圭一ではなく私を睨んでいる。どうやら恨みを買ってしまったみたいだ。

「さて、約束通り俺達の仲間になって貰おうか!」
「悪いが、それだけは断る!」
有頂天な圭一に、阿倍は言い返す。仲間になってくれないのか。良かった。
私は心底ほっとする。もし共に行動するような事態になれば私は発狂していたかもしれない。

「だったら約束通り俺達の目の前から消えて貰うぜ!あひゃひゃひゃひゃひゃwwwww」
圭一のテンションはどうやら最高潮のようだ。でも無駄に挑発しないで……私は早く阿倍と離れたいんだから……
阿倍は圭一に散々言われても、一向に私達の前から消えようとはしない。
何か嫌な予感が走る。

「さあ、さっさとどこかへ消えてくれよ。約束は約束だ」
圭一も何か不穏なものを感じ取ったのだろう。真剣な声色で言う。
174代理投下 :2009/01/22(木) 23:46:54 ID:Bxc3rvM4
「圭一君はグロい女を使うという反則行為をしたんだ。という事は、俺にも一度だけなら反則行為をする権利があるよな?」
阿倍はにやりと笑う。それとは対照的に、圭一の顔からは笑顔が掻き消える。

「…………」

阿倍のこの一言によって、圭一の笑顔は掻き消え、代わりに冷たい汗が彼の首筋に流れる。
彼がここまで焦っているのは、見た事がないかもしれない。阿倍相手でも常に口八丁で事態を好転させてきた彼が、まさか……
何か喋って欲しい。まずい状況になったのは分かるけど、それでも圭一なら、それでも圭一ならきっと何とかしてくれるはず……

「いや、俺は何の反則行為もしていないぜ阿倍さん」
ゆっくりと、圭一は言葉を紡ぐ。
「ヒナギクさんはこの勝負には何の関係もない部外者だ。
 ヒナギクさんが勝手に着替えてきたのを阿倍さんが勝手に見てしまっただけの事。
 反則行為でも何でもない。ただ運がなかっただけだ。
 阿倍さんは、ただのピッチャーゴロがグラウンドに落ちている石ころの所為でヒットになってしまった時、
 審判に向かってあれは反則だと文句を言うのか?言えないだろ?言ったところで判定は覆らない。
 断じて反則じゃないからだ。イレギュラーも試合の内だからな」

さすがは圭一だ。ただの変態ではない。出来る変態だ。だが阿倍も黙ってはいない。

「それとこれとは話が別だろう。それにあの時、圭一君は俺を呼んでわざとその女を俺に見せたじゃないか。
 これは明らかに反則だろう。さっきの例で言えば、ピッチャーゴロになるはずのところを、
 バッターが石ころをボールにぶつけてゴロの軌道を変えるのに等しい。完全な反則行為だ」
「残念だが、阿倍さん。その行為は野球においては反則と規定されていない。許容されているのさ。
 もっともゴロに向かって石ころをぶつけるなんて化け物染みた芸当、出来る奴なんているわけないし、やろうとした奴も未だ皆無なんだけどな」

口から出まかせも言ってみるものだ。と圭一は冷や汗を服の袖で拭き取る。
野球のルールなんてそこまで詳しく知っているわけがない。勿論阿倍もまた詳しく知らないはず。
そう見越してのこの発言である。さすがの阿倍も沈黙する。

「頼むよ……このままじゃ納得出来ない」
阿倍が懇願するように言ってきた。まあ、確かに納得出来ないのも当然かもしれない。
「あと一分でいい。一分間でいいからチャレンジさせてくれ。今度はそのメイドは俺の視界から消えて貰うけどな。
 試合前のグラウンド整備と同じだ。文句はないだろ?」

「ど、どうするの?」
ヒナギクは圭一に小声で尋ねる。圭一は悩む。
悩むのも当然だろう、阿倍は先ほどの挑戦で棺桶に悲鳴を上げさせた。
メイド作戦が封じられては、今度こそ貫くかもしれない。と、ヒナギクは考えるが、実は圭一は悩むふりをしているだけで全くの余裕。

これでよし。これで勝ったも同然だ。ヒナギクには作戦のためあえて言っていないが、あの棺桶は本当に無敵だ。
どれだけ時間をかけようと、壊れるわけがない。阿倍の息子であろうと、悲鳴を上げさせるのが限界だ。
圭一は内心でほくそ笑む。この勝負……俺の勝ちだ!

「厳しい条件だが……」
精一杯苦しそうな演技をする。ここの演技が何より重要。
「仕方がない。だけど一分だけだからな。一分以上も性的な意味で半端な奴を相手にしている暇はないんでね」
「言ってくれるじゃないの。最終決戦だ。必ず君のケツを貰う」
175創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:48:00 ID:YPo1FTq7
正直女嫌いのゲイって男に逃げてるだけに見えてくるから困る にしても圭一がなんでこんなにかっこいいんだろう
176創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:53:13 ID:/S5FFyeR
支援
177創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:53:52 ID:zU7jzzd7
すげえ、圭一が変態なまま口先の魔術師やってるw
178創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 23:54:32 ID:YPo1FTq7
なんか代理の人も規制かかったみたいだな
179変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:57:58 ID:2Jdy0Vhy


阿倍の指示通り、ヒナギクは木々の陰に隠れる。
ここなら阿倍の視界からは外れる。本領発揮するための最低限の条件だ。
圭一が反則行為をしないか見守る中、ついに阿倍と棺桶の最終決戦の火ぶたが落とされようとしている。
ま、勝つのは棺桶だと最初っから決まっているんだけどな。圭一は動揺している演技をこなしているが、心の中では大爆笑中だ。

「いいな。阿倍さん。制限時間は一分。ロスタイムはなし。明らかな反則行為をした場合は、無条件であんたの負けだからな」
「ああ……分かってるさ。そっちこそ反則はしないで貰うぜ。俺は真剣だからな」

どんなに真剣になろうと結果はもう決まっているんだよw
俺の勝ちだガチホモ野郎!!!

「テスト開始!!!」


「「ん?」」
圭一とヒナギクは同時に疑問符を浮かべる。開始と同時に棺桶に飛びかかっていくかと予想していた阿倍が、
なんと自分のデイパックを漁っている。何をする気だ。何をする気なんだ……!圭一の心臓の鼓動が一気に早くなる。
阿倍がデイパックから取り出したのは、とある薬品だった。

「あれは……そんな、馬鹿な事が……!」
「お、お終いよ……もう」

「あっちの方が凄く元気になる滋養強壮剤。【マカビンビン】だ。
 まさかこれだけ俺にぴったりな支給品が配られようとは思いもしなかったぜ」
十本セットの内、一本を取り出し、一息に飲み干す。

これはまずい事になった。ノーマルの状態でさえ無敵の棺桶に悲鳴を上げさせた阿倍さんの一物がさらにパワーアップしてしまう。
万が一、万が一棺桶に穴が開いてしまえば俺の貞操が……いや、俺の命が……!

「反則だ!!それはドーピング行為と同じ!!ドーピング禁止法に違反するぞ!」
とっさに切り返す圭一。ここは何としても反則行為にさせなければ……。
「こんな権威も何もない野良試合にトーピング禁止法なんて関係ない。ある程度規模がある公式試合でないとな!」
「規模があるかないかは試合に参加する当人が決める事ではない!第三者が決める事だ!なあヒナギクさん!」
「あれが第三者なのか?あれは石ころみたいなものだと言ったのは圭一君だよな」
「うっ……!」
や、やばいぞ……返す言葉がない。阿倍さんの奴、理論武装してやがるな。

「それに石ころにメイド服を着させ、明らかな凶器にまで昇華させた圭一君の反則行為を俺は忘れていない。
 それなら俺にも自分の武器をパワーアップさせる権利があるはずだ」
「い、いやその理屈はおかしい」

「どこがおかしいかはっきり言ってみろ!!フオオオオオオオ薬が効いてキタアアアアアア!!!」
180変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/22(木) 23:59:08 ID:2Jdy0Vhy

                 __,,,,、 .,、
            /'゙´,_/'″  . `\
          : ./   i./ ,,..、    ヽ
         . /    /. l, ,!     `,
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           (´゛ ,/ llヽ            |
            ヽ -./ ., lliヽ       .|
             /'",i" ゙;、 l'ii,''く     .ヽ
         / ...│  ゙l,  l゙゙t, ''ii_    :.!
        : /.._ /    ヽ \\.`゙~''''''"./
        .|-゙ノ/   : ゝ .、 ` .`''←┬゛
          l゙ /.r   ゛ .゙ヒ, .ヽ,   ゙̄|
       . | ./ l      ”'、 .゙ゝ........ん
       l  /     ヽ .`' `、、  .,i゛
       .l|  !    ''''v,    ゙''ー .l、
       |l゙ .il、  .l  .ヽ  .¬---イ
      .ll゙, ./    !            ,!
      .!!...!!   ,,゙''''ー       .|
      l.",!    .リ         |
      l":|    .〜'''      ,. │
      l; :!    .|'"    ...ノ,゙./ │
      l: l「    !    . ゙゙̄ /  !
      .| .|    !     ,i│  |
      :! .l.    }    ,i'./    |
      :! .|    :|    . /     .|
      :! |    ;!   "      .|
      :! !    │        │
      :!:|               ,! i ,!
      :! ,    .l,      / .l゙ !
      :! |    , l.     | .|  :,
    : v'" .!    |'i .ヽ,    ./ :!  .ヽ
 _, _/  /     .l  ゛ ._/ :l゙



「い、いやあああああああああああああああああああああああああ!!!」
「こ、こいつはやべえ……!!」
ヒナギクは泣き叫び、圭一も恐れおののく凶悪なペニスへと進化した阿倍のデカマラ。

「ふしゅぅぅぅぅぅ……圭一君のケツ……!圭一のケツ……!Kのケツ……!KK……!」
阿倍さんは巨大な息子をぶら下げ、のっしのっしと威圧感たっぷりに棺桶へと歩み寄る。
もはや何の抵抗も出来ない。圭一はただ棺桶を応援するのみだ。

「ヒナギクさん!あと何秒だ!?」
「え!? あ、あと30秒よ!」

30秒か……耐えてくれ、耐えてくれよ棺桶。頼む……!
ああ、まさかこんな事になってしまうなんて、阿倍さんを追い払い、
ヒナギクさんにメイド服を着せる事だけが目的だったのにぃ……!
181変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 00:00:01 ID:2Jdy0Vhy
阿倍が後方へと腰を引き、溜めを作る。

──圭一は神に祈った。棺桶の神様……どうか俺をお守りください……頼む。頼むから!

溜めが最大限に達した時、阿倍の腰は運動の方向を変える。

──ヒナギクはあまりにおかしな状況に頭がどうかしてしまいそうだった。
  お願いだから勘弁して……圭一のお尻にアレが入るなんて想像しただけでもう……

棺桶に向けて序々に加速していく阿倍のペニス。

     ゲ イ ボ ル グ
「────直立する息子ッッ!!!」


棺桶に、阿倍のペニスが突き刺さる。ガツンと痛々しい音が辺りに響いた。
ヒナギクは目を凝らして阿倍と棺桶の様子を見守る。
目を逸らせない。逸らす事の出来ない魔力のようなものがそこにあった。

阿倍VS棺桶、その結果は────

「嘘……でしょ……!」

粉々になった棺桶の上に仁王立ちする、阿倍の姿がそこにあった。

「まさか棺桶を粉々にしたからテストは失格なんてことは言わないよな。さあ、圭一、約束を果たす時が来たぜ」
阿倍はもはや原型の残っていない棺桶の上から辺りを見回し、圭一を探す。
ヒナギクもまた、姿の見えない圭一を探す。ふと、気づく。ヒナギクの隣に、紙きれが落ちている。
拾って見てみる。


        /´ ̄`ヽ丶、
     /`ヽ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ヽ
     /:::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:ハ         悪い。俺、ひとまず逃げる。
.    /::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:......:.:.:.:.ハ      ヒナギクさん。あんたは女だから安全なはずだ。
.   ノ::::::::::::::::.:{!.:.:.:.:}、:.:.:.:.:.:.:.:ハ      もし出来ればいいから、俺が遠くに逃げる時間稼ぎをしてもらえないだろうか。
   i!:::;::::::::::::::.:{:.:.:.:.:! ヽ:.ト:.:.:.:.:i:!   _   いや、もし出来ればでいいんだ。出来ればでいい。ほんとに出来ればでいいんだよ?
   |:::j!::::::::::::{!:i!:.:ハ:|/`}.}!.:.:.:.}!  { .{     時間稼ぎして欲しいけど出来ればでいいんだ。それじゃまた後で。
   {:::!{:::::::::::::E}ミ{! リ./´` j._:.:.:リ /´ ̄ヽ      どこかで阿倍さんをまいた後、俺はまた戻ってくるから、そこで待っていてくれ。
   i!:ハ::::::::::::{!ヒ}   __ ´ 〉::! Y´  .i!      じゃあね。時間稼ぎは出来ればでいいからね?
    ヽ ヽ:ト、:トゝ  {./ .!  !:!j! {' ̄`  }     
      ヽ `ヽヽ、ヽ._ ノ  Yrゥ ( ̄` /              PS ヒナギクさんのメイド姿カワユスなあ〜〜wwww
           i>- ' / ヽ,.ヘ  ト、
           __.∧ {ヘ  / ri  ',ハ
          /、 :_:∧ .} ヽ./  i!:|  ∨}
          /ノ} !__ノィ/     .{! :!   .ヽ
         ノ: : { :!:.:.:./: .   .{! :!    .ハ
.       /: : : :.ヽi:.:./ノ: : .   {!: i!     j!
.      {: : !: : : : :ヾ/´: : : : .  `ヾ、  ./
      i!: : {!: : : : : : : : : : : : .`丶、_ハ j!
182変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 00:00:59 ID:RDcDOiUk
「こいつは……もう、呆れて何も言えない」
ヒナギクはがっくりと項垂れる。
「おい、そこのお穣ちゃん。圭一がどこに消えたか知らないか?」
「ヒ、ヒイイイィィィィィ」
声の方へ振り返ると、未だにフルボッキな阿倍のペニスがあり、ヒナギクは悲鳴を上げる。
阿倍は面倒臭そうにヒナギクの服を掴み、睨む。

「さっさと教えてくれ。俺は女なんかに割いている時間は生憎ないんだ」
「し、知らないわよ。知らない内に消えてたんだから……!」
「本当だろうな。その手に持っている紙は何だ?」
「な、何でもいいでしょ!さっさと手を離してよこの変態!!」

ヒナギクに罵られ、渋々彼女のメイド服から手を離す阿倍。
正直言ってぞっとした。あの大きいアレを触りまくっていた手で体を触られてしまった。
うう……もう変態は嫌。本当に自分しかまともな人間はいないのだろうか。

「圭一君はお前なんか見捨てたみたいだな。女なんて薄情だって事に気づいているらしい。さすがだ」
その言葉には少々イラつく。
「け、圭一は変態だけど悪い人間じゃないわよ!」
「悪い人間かいい人間かなんて関係ない。ようは女がどんな生き物かどうか知っているか知っていないかって事だ」
出会った頃も同じような事を言っていた。阿倍の女性嫌いは異常なほどだ。
ゲイ全員がこんななのか?いや、そんなことはないだろう。紳士的なゲイだっているに決まっている。

「納得出来ないかい?一つ面白い話をしてやるよ」
阿倍はそう前置きし、語り始める。

「俺が参加していた前の殺し合いで、ソウルフレンドの契りを結んだ、伊吹萃香っていう女がいたんだよ。
 いい奴だった。あれほど気の合う奴なんてめったにいない。俺達はお互いの趣味を認め合い、信頼し合っていたんだ。
 ────最初はな……」

こんな最低な奴と意気投合する女ってどんな人なんだろうか……。

「俺達は途中で離れ離れになっちまってな。長い間別々に行動していたんだ。
 そして、俺達は殺し合いの終盤、漸く再会した。俺は宣言通り男を掘り、生き残るために何人か殺していた。
 萃香ちゃんもまた目的達成のために殺人を厭わない奴だ。俺達はお互いに殺人を許容していた。
 その上で俺達はソウルブラザーになった。それがだ。再会した時のあいつは、大きく変わっちまっていた。
 俺に殺人を止めろなんて言ってきやがる。なんだかよく分からないお友達と一緒に、
 俺に向かって反省しろ、反省しないなら殺すなんて言ってきやがった。
 どの口がそうほざいたと思う?あいつの行動方針はつるぺたな女の子を集め、巨乳を皆殺しにする事だったんだぜ?
 どういう事だよ……俺達はお互いの趣味を認め合ったんじゃないのかよ」

阿倍が怒っている。今まで見せていた飄々とした振る舞いからは想像できない、激しい怒りがそこにあった。

「何一人だけ、正義の味方に改心してやがるんだ……!何裏切ってやがるんだ……!
 俺に向かって反省しろなんて言える立場かよお前は……!そしたらあいつなんて言ったと思う?
 殺人はやっぱり駄目だ。私も反省したからお前も罪を償え、お前のやっている行為はやっぱり間違っている、だとよ」
言葉が、出ない。出てこなかった。
「偽善者だ……!俺達は間違いなく心を繋いだソウルフレンドだった。
 それが、俺より後に会った正義の味方に吹き込まれて、偽善に目覚めやがった。
 俺と同じ殺人者のはずなのに。俺と同じ変態の癖に。友情よりも偽善を選びやがったんだ」
阿倍は一息吐く。代わりに私が口を開く。
183変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 00:02:08 ID:2Jdy0Vhy

「その後、どうなったの?」
「反省したふりをして油断を誘い、殺した。せいせいしたさ。
 ふふ……これだから女は信じられない。萃香ちゃんは普通の女とは一味違うと思っていた俺が馬鹿だった。
 
 と、言うわけだ。女は薄情で信用ならない生き物なのさ。だから、お穣ちゃん。
 あまり俺の前でウロウロしない方がいいぜ?なにせ、殺し合いという物騒な状況だ」
阿倍はそう言うと、圭一を探しに、歩き始める。

違う。何かが違うと、私の心の中の何かが叫ぶ。
阿倍はきっと巡り合わせが悪かっただけだ。よりによって殺し合いの中で、気の合う親友に出会ってしまった。
きっと、それだけの事。悪いのは主催者。2人の関係がこじれたのは阿倍にも萃香にも責任は、ない。
2人とも初めから殺し合いには乗らず、潔白なまま友達になっていれば、きっと仲のいいまま……

「阿倍!」
私は阿倍の元に走り寄る。伝えたかった。
私と覚悟君、つかさ、川田君の関係。異性通しでも真の信頼は築ける。
友情に男女の差なんて関係ない。私達の絆を、阿倍に伝えたい。

「阿倍!」
後ろから肩を掴み、押し留める。
「私は前の殺し合いで、ある男の子に出会った。その人はとっても勇敢で、強くて、優しくて、物語に出てくる正義の味方みたいな人だった。
 私はその人と友達になれた。男女の差なんて友情には関係ないわ!阿倍と萃香っていう人はただ、巡り合わせが悪かっただけよ!」
「おい……女の癖に、俺の体に気安く触らないでくれるか……?」
「……ッ! 私の話、真面目に──」



「────かは……ぁっ……!」


え……え、嘘、、なにこれ……
気づいた瞬間にはもう全ては遅かった。激痛走る個所に目をやる。
阿倍の極端に巨大化した一物が、私の心臓に突き刺さっていた。
こんな、こんな死に方あまりに酷い。私は、私はいったい何のために生き返らされて──



阿倍は歩く。圭一はどこへ行った。
そろそろ掘らないと性欲が溜まりすぎて暴発してしまう。

「男は掘る。だが邪魔な女は殺す。結果的に両方とも死ぬかもしれない。ま、いい男ってのは残酷なんだぜ」

女なんて男に比べれば信用出来ない生き物だ。邪魔されるくらいなら、積極的に殺してやるさ。
その方がすっきりする。女なんて死んだ方がましな生き物だからな。
な?友情よりも偽善を選んだ萃香ちゃん……? 俺の行動は間違っていない。

「さぁて圭一。約束は守って貰うからな」


ヒナギクは最後の力を振り絞り、自らの血で地面にあるメッセージを残す。
圭一はこの字を見つけてくれるだろうか。変態には変態。
阿倍のような歪んだ変態を相手にするには、圭一みたいな真っ直ぐな変態が丁度いい。
どうか、このメッセージを役に立てて……

それにしても……こんな死に方冗談でしょ……?

【桂ヒナギク@漫画キャラバトルロワイアル】死亡  残り56人
※ヒナギクの死体の傍に、『アベはスイカのせいで女嫌い』というダイイングメッセージが残されています。
※ヒナギクが着ているメイド服は血塗れになり、その上、阿倍さんの息子サイズの穴が胸に開いています。
184創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:02:16 ID:LyVrL9uq
 
185変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 00:02:49 ID:RDcDOiUk


【C-5/森/一日目-黎明】
【阿部高和@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:健康、ヤル気満々、右手から出血(止血済み)、マカビンビン服用中によりスーパーフルボッキタイム
[装備]:なし
[持物]:基本支給品一式、マカビンビン(残り9本)@ニコロワ 不明支給品(0〜2個)
[方針/行動]
 基本方針:いい男を掘る
 1:圭一を探して掘る
 2:キョンをもう一度掘りたい
 3:6/氏(カオス)はいずれまた掘りたい
 4:邪魔する女は容赦なく殺すよー
備考:マカビンビンの効力は一本につき約2時間です。
※死亡後から参戦


ヒナギクさんにはさすがに悪い事したかもな。騙してメイド服着せたり、阿倍さんの足止め頼んだり、
後で何か埋め合わせをしないと冗談抜きで殺されそうだ……。

さて、阿倍さんをまいてさっさとヒナギクさん、あとメイド服に再開しなければ。
メイド服をどうやって脱がすか考えとかないと……また以前の二の舞になっちまうな。

【前原圭一@やる夫がバトルロワイヤルに参加しているようです】
[状態]:健康、メイド萌え
[装備]: なし
[持物]:基本支給品一式
[方針/行動]
 基本方針:ロワから脱出。女の子にメイド服を着せたい
 1:阿倍さんをまいた後、ヒナギクと合流。メイド服を返して欲しい
 2:ヒナギクに聞いた一物まるだしの変態男(6/氏@カオスロワの事)に気を付ける
備考:ヒナギクは生きていると思い込んでいます。
   圭一の支給品、盗賊の棺桶@ニコロワは粉々に砕けました。
※死亡後から参戦
186 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 00:05:38 ID:RDcDOiUk
投下終了。規制って意外に早くとけるものなんですね
代理投下してくれた人、どうもありがとう。
>>167から後編って事でお願いします
187創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:10:37 ID:LyVrL9uq
投下アンド代理乙!
……突込みどころ(ネタすげえな意味でw)ありまくりな名作きたああああああああ!!
圭一が、圭一が生き生きしている!
あんまり今までロワで口先の魔術師として活躍しなかった分の名誉挽回だよ、すげえええ!
後変態だw
そして見事に鬼隠し時っぽいへたれだw
逃げんなw

そして安部さん、なんてコンボだw
つうかなんちゅうAAをw

ヒナギクううううう!!
うん、色々ご愁傷様としか言いようがないw

おもしろかったあああああああ!
188創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:15:40 ID:Uf5Cxlsn
駄目だこの阿部さん、いい男とは真逆の道をいってやがる・・・・・・
だがそれがいい!(ロワ的な意味で)
189創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:16:30 ID:F1TpsC8H

嘘おおおおおおおおおお
ヒナギクが二度連続へんな死に方!!

ところでいくつか議論が出ているようです
現段階で二つ

1 マラで人を殺せるのか?
2 無修正はいいのか?

上はともかく、下は場所的にまずいのでは? 
190創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:16:31 ID:NusTN/os
投下乙。
こ れ は ひ ど い ってレベルじゃねえええええええwwwww
阿部さん、ニコ仕様で女嫌い半端ないもんなあ……
もうAAがやばすぎるだろww

圭一、かっこいいと思ったのに最後の最後で逃げんじゃねえええええええwwww
ヒナは……うん、まあ……本当にご愁傷様です。
とりあえずロワ史上には残ると思うよ!(死因的な意味で)
191創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:20:23 ID:JYc+4lyp
投下乙
ヒナギク…色々な意味で最悪な死に方したな…
圭一は無事に生き残ったか
それにしても阿部さんは全く自重しねえなwww
192創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:26:04 ID:GiklJiOd
>>144
赤木はこう来たか。
でも奴は狂気で動く男だからな
続きに期待

>>151
投下乙
なんだこりやああああああ!!!!!
二転三転、話が転がって最後で落としやがったwww
圭一、変態だが口先の魔術師モードでメイド服着せやがったw

安部さん、お前なんちゅう変態チートなんだw
掘られたくねぇよw
しかし殺人OKまで女嫌いだったとは
やる夫の安部さんはニコとは違う意味でいい男だったんだが

ヒ、ヒナギク、まさかこんな展開で死亡するなんて・・・・・
変態に悩まされてギャグで終わると思ったのに・・・・・

予想外な展開にGJ!
193創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 00:57:46 ID:9QCibsWw
す、すげぇぇぇぇ
圭一かっこよすぎるだろなんという口先の魔術師
3人ともキャラがすごくいきいきしてて面白かった!GJ!
194創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 02:04:17 ID:If6BVJ5d
史上最低の死に方だwww
ヒナギク哀れってレベルじゃねーぞw
圭一の口先の魔術師モードといい、阿部さんの女への憎しみといい実にG…J?タブンGJ!
195創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 02:20:48 ID:FPSOT9m8
ひぎゃあああ貴重な非変態対主催がぁあwww阿部さん自重しないwww
圭一のヘタレ!しかし口先の魔術師展開はよかったぜGJ!
あぁ…でも酷いなもう…w
196創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 03:06:59 ID:Vzw7hzGU
死亡者リストに載せるとき、凶器はそのままのストレートな表現でいいのか…
それともゲイボルクとするのか…
197 ◆G/G2J7hV9Y :2009/01/23(金) 03:39:34 ID:s3O96fjZ
ゆたか、ロリスキー、いさじ、村雨 投下します。

マジでテキトーに娼館から逃げたらホテルに連れ込まれた。ちょっとご休憩? あはは。

最初にキョンとかいうヘンタイから助けてくれたななこ先生はとは別行動することにした。
てか、ぶっちゃけ見捨ててきた。
見捨てた理由は、やっぱり先生もヘンタイさんだったから。あはは。
コスプレすると、人間ってあんなことも出来るようになるんだねー。
ぶちゅー、って。
ずごごごー、って。
かさかさ、ぺらぺらー、って。知らなかったなー。あはは。

で、逃げてきたところで、こなたお姉ちゃんの友達のツインテールの人と会った。
それも半裸の。タイツだけ穿いた格好の。てかそれ全裸の方がまだマシだよ。またヘンタイさんだ。あはは。
思わずへんたいだー、って叫んだら口を押さえられてそのままホテルに連れ込まれた。
あー、そうだったんだー。
この人、露出狂で、女の子が好きな人だったんだー。
初めて知っちゃったー。ほんとにいるんだー。
口を押さえられながらも私がそう言うと、なんか必死に慌てだして、
「いや私は柊かがみそのものじゃなくて、クールなロリスキーっていう書き手で、別に趣味って訳じゃなくて」
とかなんとか言ってて。
え? KOOLでロリが好き? かきて? 趣味?
やっぱりヘンタイさんなんだねー。ついでにL3くらい?
まあ今更いいけどね。どうせ会う人みんなヘンタイさんだし。あはは。

てか、なんで会う人会う人、ヘンタイさんばかりなんだろう。これ一応殺し合いじゃなかったっけ。
いや最初に会った『ルなんとかさん』(長くて忘れた)は私のこと殺す気だったみたいだけど。
やっぱりあの人もヘンタイさんだったんだろうか。うんきっとそうだ。
なんだかサイトサイトって五月蝿かったし。一体どこの18禁エロサイト見るつもりだったんだろ。
ネット中毒で禁断症状でチェーンソーで暴れるなんて、まあヘンタイさんだったら仕方ないよね。あはは。

なんかホテルに入って、やっと口から手を離してくれた。
でも手首はがっちり掴まれてる。逃げられない。
で、私の手を繋いだまま、服探さないととか言ってキョロキョロしてる。ヘンタイさんなのに。
そしたらなんか、男の人がそこにいた。
いや違った。1人じゃなかった。なんか傷だらけで寝てる様子の男の人を背負った、男の人だった。
男の人同士でホテルに入るなんて、やっぱりヘンタイさんなんだ……。
なんか背負われてる人も服はだけてるし。どうみても乱暴された後ですありがとうございました。
もうやだこの殺し合い。あはは。
その、もう1人を背負っている方の男の人が、私たちの存在に気付いて、口を開いた。

「こんばんわ。いい男です」

最初の一言からしてヘンタイさんな男の人だった。
すごくいい声。あー子宮がきゅんってなるー。まあヘンタイさんの声だから仕方ないか。あはは。
なんか、怪我した男の人の治療がどうとか、ひょっとして君はつかさちゃんのお姉さんの? とか言ってる。
露出狂のヘンタイさんが大げさな手振りで慌てて手を振って、否定しようとしてて……
……あれ? 私もう、手、掴まれてない?
ひょっとして、ヘンタイさんたちから逃げ出すチャンス? ねえ?


はい、逃げ出しましたー。あはは。

なんかいい男なヘンタイさんと、露出狂のヘンタイさんが呼びとめようとしてたけど無視。
ついでになんか気まずい雰囲気になってるけどこれも無視。
だってヘンタイさんの言うことだし。ヘンタイさんのやることだし。体力ないけど頑張ってダッシュ。
でもホテルからどこ行こう。さっき来た方はダメ。だってヘンタイさんな先生がいるから。
まあでも、どこ行っても一緒だよね。どうせここヘンタイさんばっかだし。
どうせここ、ヘンタイさんばっかりだし。

…………。
…………。
…………みなみちゃーん! こなたお姉ちゃ〜ん! どこにいるのー!?

ま、まさか、2人は、ヘンタイさんになってないよ……ね?!





注)
激しい混乱のためにオールロワクォリティが一部混入し、
原作キャラが崩壊していたことを心からお詫び申し上げます。
逃げ出せたことで多少は混乱も収まったようですし、次からはマトモになる……かな?


【D-5/市街/1日目-黎明】

【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:疲労(大)、精神崩壊気味、混乱中、きゅんっ。
[装備]:なし
[持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品x1-3
[方針/行動]
 基本方針:みなみちゃんやこなた達を探し出して合流する。 ヘンタイさんからは逃げる。
 0:ヘンタイさんばっかりだ、あははー☆
 1:みなみちゃーんたすけてー;;
 2:ホテルと娼館からできるだけ遠くに逃げる。
[備考]
 クールなロリスキー@書き手ロワ2 のことを、本物の柊かがみだと思い込んでいます。
 ついでに、柊かがみのことを、KOOLでロリ好きで同性愛者で露出狂、だと思い込んでいます。
 いさじと村雨のことを、男性同性愛者だと思い込んでいます。(どちらも名前は聞いていません)。

 ホテルから飛び出した後、どちらに向かって逃げるかは後続の書き手さんにお任せします。

【D-5/ホテル内/1日目-黎明】

【クールなロリスキー@書き手ロワイアル2nd】
[状態]:不死者、吸血鬼、健康 、赤面、きゅんっ。
[装備]:なし
[持物]:デイパック、支給品一式、大量のポケットティッシュ@カオスロワ、不明支給品x0-2
[方針/行動]
 基本方針:地球破壊爆弾No.V-7を探し出して合流する。
 0:……まさか声だけで妊娠したりしないわよね?!
 1:ゆたかを追う? いい男(いさじ)の誤解を解く? 服が先? その背中に背負われてる男の人は?
 2:何か着るものを探す。こなた(爆弾)相手ならともかく、こんな格好を男(いさじ)に見られて恥ずかしい。
[備考]
 ※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。

【いさじ@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:強い決意、かなりの覚悟
[装備]:手ぶら
[持物]:支給品一式、不明支給品×3、未開封
[方針/目的]
 基本方針:つかさの現在の状態を知り、脱出する
 1、逃げて行った少女を追う? かがみらしき少女(ロリスキー)と話をする? 村雨の治療を優先?
 2.村雨良(名前は知らない)をホテルで治療する
 3、つかさと会う
 4、笑点のピンクが気がかり
[備考]
 ロリスキーの外見が、断片的に聞いたつかさの姉・かがみの容姿と一致していることに気付きました。
 そこからどんな判断をしたかは、後続の書き手さんにお任せします。

【村雨良@漫画ロワ】
[状態]:気絶中、疲労(大)、全身に多大な負傷(特に左腰に裂傷)
[装備]:なし
[持ち物]:支給品一式、不明支給品1〜3個
[方針/目的]
基本方針:この殺し合いを潰し、BADANとの最終決戦に帰還する。
1:一人でも多くの人間を守り、殺し合いに乗った者は無力化、もしくは倒す。
2:かがみ、アカギ、ヒナギク、ジョセフとの合流。
3:パピヨン、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズとの接触。
4:エビル(シンヤ)を止める、もしくは倒す。また、Dボゥイなる人物にエビル(シンヤ)の事について訊く。
[備考]
※参戦時期は漫画ロワ254話、「真・仮面ライダー 〜決着〜」の直後です。
※ジェネラルシャドウ、こなた、つかさ、みゆき、三村、川田、ルイズの生存に疑問を抱いています。
※アカギ、圭一、6/の名前が複数ある事に疑問を抱いています。
※力、自己修復能力等に制限が掛けられています。
※テッカマンエビル(相羽シンヤ)を記憶に刻みました。
※表面の傷は塞がりました。

[備考]
 ロリスキーといさじは、まだほとんど会話もしていません。互いの正確な名前も確認できていません。
 「いさじがその美声で『いい男』と名乗ったこと」
 「いさじが村雨の治療に来たこと」
 「いさじがロリスキーのことをかがみかと思ったこと」
 「ロリスキーがその誤解を否定してみせたこと」
 現時点では、この4点までです。村雨はずっと気絶してました。
201 ◆G/G2J7hV9Y :2009/01/23(金) 03:42:27 ID:s3O96fjZ

投下終了。
まあ近くにセフィロス居ますが、少なくともこの話の間は介入してこなかったということで。
問題等ありましたら指摘お願いします。
202創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 03:48:28 ID:Vzw7hzGU
投下おつかれです!

ゆーちゃーん!一人で大丈夫かぁーっ!?
ここには変態が…(ry
203創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 04:27:53 ID:9QCibsWw
ゆーちゃんがこわれたぁーーー!
まぁここ変態ばっかりだししかたないよね、あはは
204創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 11:29:37 ID:FRzesUpP
遅れながらもヒナギクの死因に吹いたww
そしてゆーちゃんも大変だな。
205創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 13:17:37 ID:7SXlS/II
投下乙
ゆーちゃんが壊れたw
セフィロスが近くに居るのか
今回のロワは変態と非変態が混合してるから急にシリアス空間に迷ったらすぐ死ぬぞw
あれ、かがみんと誤解なんてこれもかがみん包囲網の一つ?
206創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 13:23:48 ID:29oE6KRG
ロリスキーはともかくいさじと村雨まで誤解されるとは・・・・・・
駄目だこのゆーちゃん、早く何とか(ry
207創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 15:48:58 ID:lNkaA6N/
投下乙です
>>変態に縁のある女
阿部さんやべぇwww
あの棺桶砕いたw
そして圭一うまいことやったとおもったら
最後で逃げんなwww
そしてヒナギク前代未聞のカワイソスすぎるwww

ひとつ気になったんですが
ヒナギクの支給品は放置されてるんですか?
そうならそう書いたほうがよいかと

>>まあ、どうせここヘンタイさんばっかだし。
ゆーちゃんが壊れたww
いさじと村雨は変態じゃないぞ
まあ頑張れ、超頑張れ
208創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 17:50:13 ID:XJ3h3Di9
ピンク髪の女の子は皆不憫だなw
みゆきとryは一話死亡、ヒナはあれ、そしてゆーちゃんは壊れるとかw
209創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 18:08:43 ID:Gdr2fWrz
ピンク色のジンクス……他にピンクっていたっけか
笑点のピンクとピッピぐらいか
210創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 18:21:26 ID:MKDrN7dn
シグナム姉さんを忘れるな!!
211 ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:40:34 ID:Hh66SKDP
職人の皆様GJ!
もうどれもこれも何というか、カオスというか、自重しろというかwww

さて、では自分も、かがみ、なのは、セフィロス分を投下します。
少々文量が多いので、よろしければ支援をお願いします
212Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:41:38 ID:Hh66SKDP
 月の煌く空を見ろ。
 夜天の空を見上げる時、かの者の名を思い出せ。

 死を誘いし者。
 破壊の罪に生まれし子。
 狂おしくも美しき、黒き翼を抱く堕天使。
 今こそ終末をもたらさんがため、片翼の天使は夜に舞う。
 愚かな人の子を滅ぼさんがため、片翼の天使は天に舞う。

 心せよ。
 無知なる者よ、矮小なる者よ。
 卑しく浅ましき人の子らよ。
 今こそ死を呼ぶ夜天の使者が、断罪の鉄槌を振り下ろす。

 その名を聞くたび思い出せ。
 そして二度と忘れるな。
 たとえ地獄に堕ちようと、永劫にその名を語り継げ。

 かの者の名を。

 セフィロスの名を。



 飛翔する。
 銀の長髪をたなびかせ、黒き片翼を羽ばたかせ。
 妖艶なまでに美しく、片方しかないが故に歪な翼。
 宵闇の風をその身に受ける、セフィロスの姿がそこにあった。
 眼下に広がるのは灰色の街。
 家屋の明かりも、企業のネオンも、車のライトもない暗黒街。
 生命の気配が感じられない死の街も、慣れてみればどうということもないものだ。
 一切の感情の宿らぬ、妖しく輝く碧眼を下方に向け、内心で呟く。
 そもそもこうした体験は、セフィロスにとっては初めてのことではない。
 この場に連れられたすぐ直前、彼はこれとほぼ同じ殺し合いに参加していたのだから。
 首に仕掛けられた爆弾首輪。その起爆コードとなる禁止エリア。優勝者に与えられる特典。
 全てが万事、狂気の魔女プレシア・テスタロッサの招いた、あのデスゲームと同じもの。
 そしてかの舞台において、セフィロスはこれとほぼ同じ光景を見ている。
 忌まわしき大魔導師の催した殺し合いにおいても、街は灰一色に染まっていたのだ。
 参加者が訪れない限り、永遠に無人のままのゴーストタウン。それはこの場においても変わらないらしい。
(まだこの周辺には、誰も来ていないようだな)
 遥かな高みより、一望。
 人気はなし。少なくとも現在いるエリアには、自分以外の人間は見受けられない。
 こうした殺し合いが発生した場合、人は中央へと集まるものだ。それは過去の経験から学んだこと。
 このバトルロワイアルでは、市街地は川を隔てて東西に分離している。
 そして、自分の現在地から北東に向かえば、東側の街の中心にたどり着くということだ。
(だが恐らく、今そこに向かったとしても、さしたる成果は得られんだろう)
 ちらと腕時計を見れば、未だに開始からほとんど時間が経っていないことが分かる。
 恐らく他の参加者達も、今はその中央目指して移動中のはずだ。
 逆に言うならば、今その中央に行ったとしても、まだ誰も到着していない可能性が高い。
 現在のこの場所のような、もぬけの殻であってもおかしくないのだ。
 ではどうするか。どのように動くのが賢明か。
213創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 19:41:42 ID:VY9KvhbX
支援
214Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:43:10 ID:Hh66SKDP
(……今は網を張るべきか)
 方針はここに定められた。
 そもそも中心部を目指す際、人はどこから現れるのか。
 決まっている。端からだ。
 幸い現在陣取ったエリアからは、この高度を保ち続ければ、南北にその端の部分を見つけることができる。
 具体的に言うならば、C-5とE-5だ。
 しばらくはここで待ち続ければ、外部から街にやってくる人間を、捕捉することもできるだろう。
 先ほどまでいたホテルに戻るか。
 そう思って踵を返し、その先にある湖を視界に捉えた、その瞬間。
「……ん?」
 ふと。
 目に止まるものがあった。
 それは光。
 注意深く見ていなければ、そのまま見失ってしまいそうな小さな光。
 桜色に輝く光が、水面の上に輝いている。
 左右一対の煌きに、セフィロスは見覚えがあった。
「なのはのアクセルフィンか……?」
 時空管理局機動六課所属、高町なのは一等空尉。
 かつての古巣に属していた、魔導師と呼ばれる戦士達の中でも、最強クラスの実力を有していたエース・オブ・エース。
 弱冠19歳の小娘でありながら、その戦闘能力は、クラス1stのソルジャーにも匹敵する。
 名簿に名前があったのは確認したが、思ったよりも近くにいたということか。
 光の翼はこちら側の岸を目掛け、一直線に向かってくる。
「潰しておくに越したことはない、か」
 どの道全て消し去ることに変わりはない。
 であれば、強敵には早いうちに消えてもらった方がいい。
 いかに最強のエースであろうと、自分にとっては勝てない相手ではない。ならば、ここで見逃す理由もない。
 漆黒の翼をはばたかせ、進路を湖の岸へと取る。
 かつての仲間を斬ることには、もはや一切の感慨もなかった。
 それを抱くだけの心は、夜天の主と共に消え去ったのだから。
 既に彼にとってのなのはは、自らの張った網にかかった、獲物の1匹に過ぎなかった。



 飛翔する。
 桜色の光に輝く、天使の翼で風を掴み。
 夜空を映した漆黒の水面が、視界の外へと流れていく。
 白き管理局の制服が、湖面を滑るように飛行していく。
 栗色のサイドポニーをたなびかせ、高町なのはが飛んでいた。
「ホントにすごいのねー、魔法って。空まで飛べるんだ」
「まぁ、デバイスがないから、トップスピードも出せないし、複雑な移動もできないんだけどね」
 紫色のツインテールを揺らしながら、セーラー服の少女が感心したように呟く。
 応えるなのはの腕の中には、柊かがみがしっかりと抱き止められていた。
215Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:45:06 ID:Hh66SKDP
 何故こうした姿勢になったのか。
 理由は簡単。一にも二にも、市街地へと急ぐためだ。
 東の街を目指す場合、自分達のエリアのすぐ横にある川が邪魔になる。
 橋もあるにはあるのだが、そこを通ろうとする場合、かなりの遠回りが必要となる。
 そこで、フィールド中心の湖を、大胆にも一気に横切ろうということになったのだ。
 目印に選んだホテルまでの距離は、迂回ルートよりも遥かに短い。
 南にある西側の街へも、大体同じ距離を歩けば到着するのだが、さすがに徒歩よりも飛行魔法の方が速い。
 もちろん、管制システムたるデバイスの補助なしに、飛行魔法を発動するのは、並の魔導師では困難を極める。
 しかし、そこはエース・オブ・エース。
 魔法を覚えたての10年前なら、できるかどうかは怪しかったが、今は単純移動なら可能とするだけの技量があった。
 さらに、このルートを利用することになったきっかけの1つに、ホテルには高さという魅力的な要素がある。
 これを利用し見晴台とすれば、広い街で行動するのも、圧倒的に楽になるはずだ。
 そうした様々な理由が重なり、このような移動手段を取ることになったのである。
(とはいったものの……やっぱり、どうにも調子が悪いかな)
 かがみに悟られないように、なのはが自身の顔を僅かにしかめる。
 さきほど試しに魔力弾を形成した時もそうだが、どうも魔法を上手く発動できないのだ。
 通常よりも魔力の効率が悪いし、術式構成や結合の精度も落ちている。
 デバイスだけではない。恐らくAMFのような、何らかのジャミングがかけられている。
 そういえば先の殺し合いの時、強力な力を持った参加者には、能力限定のような制限が課せられていた。
 自分はあの場で魔法を使ったことはなかったが、なるほどこういうことだったのか。
 ともかくも、こうして人1人を抱えたまま、そんな不調な状態で飛び続けては、無駄に魔力を消費しかねない。
 少しでも早く向こう岸に着こう。
 逸る気持ちが、アクセルフィンを加速させた。
 間もなくホテルに着く頃だ。近づいてくる対岸には、案の定巨大なビルがそびえ立っている。
 早くあの場所までたどり着いて、行動を起こさなければ。
 時間は無限ではない。こうしている間にも、何人の人間が危険にさらされていることか――
「……え?」
 その時。
 目の前に。
 浮かぶ人影があった。
「なのは、あれ……」
 かがみの方も、どうやらそれを視認したらしい。
 1人の男が、自分達の眼前で浮遊していた。
 全身を覆う漆黒のコートは、夜の帳よりしたてたかのよう。
 淡き月光を受ける銀髪は、さながら天上の銀月のごとく、神々しくも妖しき光に満ちる。
 青き瞳を輝かせるのは、息を呑むほどの美形の男。
 そしてその右肩からは――何故か、巨大なカラスのような、暗黒の翼が生えていた。
「……!」
 ――ぞわり、と。
 背筋が粟立つのを感じる。
 もちろん、視覚的な要素もある。羽の生えている人間など、通常存在するはずもない。
 だがそれ以上に、その男が放つ異様な気配が、なのはの全神経に警告を訴えかけていた。
 何だこの男は。
 何だこの殺気は。
 これほどまでに強烈な殺意を、自分は今まで体験した覚えがない。
 まして、それほどまでに涼やかな顔をしながら、ともなればなおさらだ。
 こいつはまずい。
 ロストロギアより出でし闇の書の闇や、暴走する我が子・聖王ヴィヴィオ、更にはクワガタムシの怪物。
 こうした強者と相対した経験は、決して少なくはなかった。
 だが、この男は違う。
 こいつは危険だ。
 これまで戦ってきたどの相手とも、纏う空気が明らかに違う。
 これほどまでの存在感を持つ相手だ。であればその実力も、それに見合ったものであるのは間違いない。
 頬を伝う嫌な汗。それを拭うこともせず、眼前の男を睨み付けた。
216Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:46:16 ID:Hh66SKDP
「アクセルフィンの光を見て、出迎えに来たつもりだったが……」
 にやり、と。
 男の口元が微かに歪む。
 こいつは一体、何と冷たい笑顔を浮かべるのだ。
 僅かにつりあがった唇以外に、楽しそうな気配などまるで見えない。
 射抜くような眼光からは、実力の程など伺えはしない。
 ほとんど無表情と変わりないような、怜悧な笑みでありながら、そこに渦巻くのは混沌。
 さながら底も見えぬ深淵を、身を乗り出して覗き込むかのような感覚。
「そいつも一緒だったとはな……仮面ライダー」
「えっ?」
 そして次の瞬間、既に男の瞳は、なのはの方を向いてはいなかった。
(仮面ライダー!?)
 男の声を、胸中で反芻する。
 仮面ライダー。
 詳しいことは聞いてはいないが、特殊なアイテムを使用することで変身できる、鎧を纏った戦士の総称だ。
 そしてなのはは間違いなく、その仮面ライダーを目撃している。
 片翼の男の言うとおり、かがみが変身した瞬間を、その目でしかと見届けている。
 仮面ライダーデルタ。
 自身に支給されたケースを強奪し、彼女が使用することで変身した魔人。
 思えばあの瞬間こそが、全ての悲劇の始まりだった。
 鋼の装甲を身に纏った瞬間、かがみの態度は豹変し、襲い来る敵を猛然と迎え撃ったのだ。
 そして彼女はなのはの前から姿を消し、なのはの知らぬ所で、多くの参加者へと牙を剥いた。死亡者さえも出していた。
 だが、問題はここからだ。
 何故目の前の男は、その事実を知っている。
 ここにいるかがみは彼女とは別人だ。先の殺し合いに参加していなければ、彼女が仮面ライダーであると認識するはずがない。
 いいや、ちょっと待て。その前に奴は何と言った。
 奴は遠方より見たはずの魔力の光を、アクセルフィンだと推測した。
 ああ、そうか。
 そういうことか。
 間違いない。
(この人は私と同じ……あの殺し合いに参加させられていた人だ!)
 ――びゅん、と。
 鼻先を掠める、轟音。
 反射的に身をのけぞらせ、回避。
 気付けば男はすぐ目前にまで迫り、その左腕を振り下ろしていた。
 コートの腕に握るのは、烈火の将が頼りとしていたレヴァンティン。
 接近戦のスペシャリスト、シグナムが用いていたデバイスだ。その切れ味は痛いほど理解している。
 加えてそれが、非殺傷設定の枷を外され、明確な殺意と共に振るわれているとしたら。
(このままじゃ勝ち目がない!)
 二撃目が来る。
 さながら雷鳴の一閃か。
 目にも止まらぬ鋭い斬撃。
 恐るべきはその太刀筋。込められたパワーとスピードは、家族が振るう竹刀とは比較にもならない。
 防壁を張る余裕がない。両手がふさがれている以上反撃もできない。これでは回避するのがやっとだ。
 否、この不安定な回避すらも、一体どこまで続くことか。
「くっ!」
 アクセルフィン、スピードアップ。
 現状で出せる飛行速度の、ギリギリ限界最高速まで加速。
 銀髪の剣士へと背を向けて、対岸へ向かい一直線。
 余裕など一切ない。脇目もふらさず全速全身。持てる速力の全てを発揮し、陸地に向かって突っ込んだ。
217Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:47:18 ID:Hh66SKDP
「何よ!? 何だってのよ一体!?」
 腕の中で、かがみがヒステリーな悲鳴を上げる。
 無理もない。今ここにいる彼女は、あそこにいた自分のことなど、まるで知る由もないのだから。
 それこそ仮面ライダーなどという名前にも、まるで覚えがないはずだ。
 おまけになのは自身、あの男を見た覚えが全くない。つまり彼が「向こうのかがみ」に会ったのは、自分の認識の範囲外の時間。
 この状況を説明する材料が、今の彼女にはまるでなかった。
 ようやく広大な湖を越え、眼下の足場がアスファルトへと変わる。
 デバイスもなく、制限つきの飛行魔法を行使していては、戦闘行動に移ることができない。
 加えて、かがみを下ろす必要もある。彼女の安全を確保しようと、着地態勢に入ろうとした瞬間。
「――レヴァンティン、フォルムツヴァイ」
『し……知らんでフォーッ!』
 鼓膜を打つ、声。
 冷酷な響きを持った男の声と、妙にテンションの高い機械音声。
 炎の魔剣、レヴァンティン。その第二形態の発動。
 がしゃん、と鳴り響く重厚な音。
 圧縮魔力の込められた、カートリッジのコッキング音が、なのはのすぐ背後で響き渡る。
 まずい。
 このままではやられる。
 今まさに着地しようとする中で、その形態を使われては。
 ほとんど直感に近い反応だった。
 理性で考えている余裕などない。
 本能のままに、身を翻す。
 ――斬。
 一瞬前の現在地を、鉄色の刃が駆け抜けた。
「っ!」
 回避成功。
 しかし、油断はできない。
 見下ろす顔を持ち上げれば、すぐ眼前に金属光が迫る。
 襲来。回避。
 激しくうねる刃の列。
 さながら神話の大蛇のごとく。
 三撃目。そして四撃目。
 獰猛なる蛇の剣呑な牙が、次から次へと襲い掛かる。
 レヴァンティン・フォルムツヴァイ、シュランゲフォルム。
 その名が指し示すのは龍蛇。
 蛇を象る鱗は刃。
 鋼の鎖によって連結された刀身が、さながら鞭のようにしなり、曲線を描いて襲来する。
 前から。後ろから。右から。左から。上から。下から。その他ありとあらゆる方向から。
 さながら剣の嵐に呑み込まれたかのような感触だ。
 360度全方位からの殺意の刃を、最大限の集中力と共に回避していく。
「きゃーっ!」
 耐えかねず、かがみが悲鳴と共に両手で頭を押さえた。
 集中を途切れさせている暇はない。一瞬でも足を止めれば、幾万幾億の斬撃に身を舐め尽くされる。
 絶え間なく襲い掛かる頭痛。絶え間なく迫り来る嘔吐感。
 デバイスによる慣性制御もないのに、これほどの戦闘機動だ。とっくの昔に脳の処理限界を超えている。
 朦朧とする意識の中、しかしそれでも途切れさせることはなく。
 執念のみでその身を突き動かし、蛇の毒牙を潜り抜ける。
 斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。斬。
 耳元で空気を切り裂き続ける音が、皮肉にも、彼女の命を首の皮一枚で繋いでいた。
218Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:48:40 ID:Hh66SKDP
 ばりん、と。
 鳴り響いたのは、ガラスが砕け散る音だ。
 両手を回し、かがみの身体を自身の五体で覆い、ほとんどやけくその体当たり。
 自動ドアのガラスを盛大にぶち破り、エントランスの中へと転がり込む。
 ごろごろ、ごろごろと。
 そのまま3回転した辺りで、両者の身体はようやく停止した。
 倒れ伏すかがみをその場に残すと、デイパックより拳銃を取り出す。
 マテバ 6 Unica。英国製のリボルバー・ピストル。
 上手く扱える確証はどこにもなかったが、身を守る手段は今のところこれしかない。
 途端、強烈な目眩と吐き気が彼女を襲った。
 あれほど頭脳を酷使したアクロバティック飛行、それにかけられた急激なブレーキ、更に先ほど披露した回転受身。
 それらのショックが三位一体となり、一斉になのはの身体を苛んだのだ。
 比喩でもなんでもなく、まさに死にそうになるほどのショック。
 頭を振ってそれを強引に振り払うと、銃を片手に外へと躍り出る。
 待ち受けるのは銀髪の男。既に刀剣レヴァンティンは、元のシュベルトフォルムへと戻っていた。
 黒き片翼を羽ばたかせ、あざ笑うようになのはを見下ろしている。
「何故その娘を庇う? 犠牲を増やすだけの殺戮者だと言うのに」
「あの子、は……っ……私達と同じ殺し合いの場にいた子じゃ……ないっ!」
「信じろと? そのような虚言を」
 息も絶え絶えな声を遮ったのは、強大な魔力の襲撃だ。
 衝撃波。あるいは刃の弾丸。
 その言葉が一番近いのか。
 炎の魔剣へと込められた力が、そのまま刃の形となり、素振りと共に射出される。
 その破壊力は絶大。自身の砲撃ディバインバスターにも匹敵する、驚異的なまでの出力。
 牽制のつもりだったのか。それとも自分で遊んでいるのか。
 放たれた刃はなのはのすぐ右横をかすめ、深々とアスファルトに傷痕を刻み込んだ。
「フッ……お前らしくもないな。デバイスもなし、制限も課せられているという状況で、湖を飛んで渡るという愚策を取るとは」
 やっぱりだ。間違いない。
 なのはは剣士とのやりとりの最中、もうひとつの確信を抱く。
 この男は自分のことを知っていた。アクセルフィンの存在を言い当て、さも自分と知り合いのように言葉を発した。
 それだけではない。こいつはシグナムのことも知っている。彼女のレヴァンティンの使い方を把握している。
 それが意味する結論は、1つ。
「貴方も知ってるんですか!? 私達を……機動六課のことを!」
 パラレルワールド。
 数多広がる世界の中、幾多の世界で催され、繰り返されたバトルロワイアル。
 彼女らが参加させられたデスゲームは、それら無数の殺し合いの中でも、極めて特異な性質を有していた。
 自分達の世界を中心とし、幾重にも枝分かれた並行世界から、参加者達が集められているのだ。
 故に、目の前のそれと同じ現象を、なのはは一度経験している。
 自分にとっては、全く見覚えのない人間。しかし相手は、その自分を知っている。
 天上で魔剣を振りかざす、この殺戮の天使もまた、他ならぬ「あの柊かがみ」と同じなのではないかと。
 返された答えは。
「そうか……やはりお前も、私のことを知らんようだな」
219Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:50:05 ID:Hh66SKDP


 これで自分を知らない知り合いに会うのは3回目だったか。
 苦しげな表情で銃を構えるなのはを見下ろしながら、銀髪の剣士――セフィロスは、そんな感想を浮かべた。
『ヒドイッス! マジありえねーッス! 何故なのはさんを傷つけるッスか!
 美女ッスよ!? ムチムチボインッスよ!? 人類とデバイスの共有財産なんスよ!?』
「………」
『あっいや、すいませェん……』
 何故か急に騒ぎ出したレヴァンティンを、一睨みで黙らせた。
 思考の邪魔だ。鬱陶しくて仕方がない。
 そもそもこいつのこの性格は何だ。
 デバイスと直接話したことなどほとんどないが、少なくともこんなうざったい奴ではなかっただろうに。
 まぁそれはさておいて、思考をなのは達の方へと戻す。
 これまでに出会った機動六課のメンバーは4人。
 八神はやて、シグナム、高町なのは、そして死体だったが、ティアナ・ランスター。
 そのうち既に死亡したティアナを除く、3人全員が、自分に関する記憶を失っていた。
 はやてに至っては、何故か身体も記憶も10年近くは退行していた。
 恐らくティアナや、ここにいるフェイトやスバルも、自分のことは知らないのだろう。ここまで来るとその可能性が高い。
 もっとも、例外はある。何故アンジール・ヒューレーだけが、自分のことを覚えていたのか。
 だが、当の本人がここにいない以上、それにさしたる意味はない。
 恐らく自分を知る者はここにいない。完全なる孤立無援の状態だ。今はそれが分かればいいだろう。
 それに、だからといって何も困ることはない。どうせ皆殺しにするのだから。
 今一度、殺戮の対象となった、かつての仲間の顔を伺う。
(随分と無様なものだな)
 時空管理局のトップエース、神童と謳われた彼女の姿の、何と痛ましいことよ。
 顔は土気色一色に染まり、息絶え絶えといった弱々しい呼吸。だらだら、だらだらと、絶え間ない汗が頬を伝う。
 誰の目に見ても明らかなオーバーワークだ。デバイスもなく、制限もないのに、あんな無茶な機動を取ったが故の。
 そもそもこいつは何故、あのような愚かしい手段を取ったのだろう。
 現状で人を抱えながら飛べば、まず間違いなく消耗する。湖の上を飛行すれば、岸から姿が丸見えだ。
 なのはらしくない。
 何かと無理をする奴だったが、馬鹿をやらかす奴ではなかったはずなのに。
 一体、何が彼女をこうも急がせた。何が彼女の思考力を奪ったのだ。
「貴方は……どうして、こんな殺し合いに乗るんですか……!?」
 他ならぬなのは自身が、セフィロスの思考を遮った。
 それが正常だろう。正義感に満ちた彼女ならば、そうやって殺人を否定するに決まっている。
 満身創痍といった様相でありながら、その左右の瞳だけは、確かな覇気に燃え盛っていた。
 殺し合いに乗った理由。
 言うまでもなく、侵略者ジェノバの意志のみが理由ではない。そもそもこの場に集まった人間は、自らの星とは関係がない。
 彼の内にたぎる憎悪は、全く別のベクトルに向けられていた。
 だが、それを話せと言うのか。
 あの茶髪の少女の笑顔を、永劫に喪われた笑顔を思い出す度、今でも微かに胸が痛む。
 己が人であるが故か。
 人であるが故の痛みか。
「……そうしない意味がないからだ」
 ならばその痛みは、ここで切って捨てねばならない。
 殺戮の目的こそは違えど、この身がジェノバへと戻ったことに変わりはないからだ。
「この殺し合いを止めるため、力を貸せと……私にそう言った者は、既に死んだ」
「死んだ……?」
 何より、彼女にもまた、それを知る権利がある。
 八神はやてと同じ星に生まれ、八神はやてと肩を並べ戦った、八神はやての生涯の友には。
 静かに。
 厳然と。
 片翼の天使は問いに答える。
 ただ淡々と、その笑みすらも消し去って、揺るがぬ真実のみを突きつける。

「――八神はやてが死んだ。それが、私が殺し合いに乗る理由だ」
220Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:51:32 ID:Hh66SKDP


 真実は時に残酷だろう。
 目を覆いたくもなるだろう。耳を塞ぎたくもなるだろう。
 こんな真実など望んでいなかった。
 知らない方が幸せだった。
 苦しすぎる現実など、わざわざ記憶に刻みたくなかった。
「……うそ……」
 そのことに気付くのは、大抵真実を聞いてしまった後からだ。
 力がごっそりと抜けていく。ふらふらの身体を支えていた、何かがぷつんと断ち切られる。
 正義の眼差しは力を失い、絶望の一色へと染められる。
 へなへなと。
 生きる糧を失った植物が、力なく萎れ地に伏すように。
 愕然とした表情で、なのははその場にへたり込んだ。
「そんな……」
 八神はやて。
 関西弁が印象的な、明るく優しい友人だった。
 守護騎士達との戦いの中、偶然出会った彼女らの主。
 闇の書を巡る闘争の果て、遂にはやては杖を取り、夜天の主として覚醒する。
 自分と彼女と、フェイトの3人。
 そしてヴォルケンリッターを始めとする、多くの人々の力を借りて、悲しき運命の連鎖を断ち切った。
 そして幼馴染みとして、頼れる戦友として、共に奔走してきた10年間。
 仲良し3人組の中でも、最も明るく積極的だった、太陽のごときムードメーカー。
「はやてちゃんが……!」
 しかし、そんなはやてはもういない。
 何故セフィロスが彼女を知っているのか。
 何故彼女はセフィロスと行動を共にしていたのか。
 そんなことは、もはや大した問題ではなかった。
 なのはにとって最も重要なことは、己が親友が既にこの世にいないということ。
 先の殺し合いの最中、はやてが何者かによって殺され、命を奪われたということ。
 もう、彼女は微笑まない。
 一緒に笑い合うことはできない。
 自分のせいだ。
 自分が無力だったから、彼女の力になることができなかった。
 見せしめになったあの子と同じだ。前の戦いで救えなかった、あのもう1人の友達と同じだ。
 自分が不甲斐ないばかりに、皆手の届かぬところで死んでしまった。
 何がエース・オブ・エースだ。大切な人々を守れずに、一体何のための力だ。
 希望の光は失意に呑まれ、深き闇へと沈んでいく。
「絶望を知ったか」
 故に、気付けなかった。
 引き裂けかかった心には、周りを見る余裕などなかった。
 ぽう、と。
 かがり火を灯すは暗黒の炎。
 暗き漆黒を宿した炎球が、なのはの周囲へと現れる。合計4つのシャドウフレア。
 ゆらゆら、ゆらゆらと。
 宵闇の中にあってなお、その存在を霞ませることなく、大気を揺らめかせる黒炎。
 夜の闇よりなお深き、絶望の深淵を宿す熱。
「ならば、先に逝くがいい。奴のもとへ」
 今まさに。
 4つの炎が、セフィロスの号令によって。
 解き放たれようとした。
 その、瞬間。
「――ちょっと、待ちなさいよっ!」
 割って入る声があった。
221Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 19:52:50 ID:Hh66SKDP


 何がなんだか分からなかった。
 いきなり変な銀髪の男が現れたら、明らかにあたしの方を見て、「仮面ライダー」なんて変な名前であたしを呼んだ。
 そこから先は、できることなら、金輪際二度と思い出したくない。
 鞭みたいにしなる剣が、あちこちから物凄い勢いで襲ってくる。
 なのはがそれを必死で避けて、ホテルのロビーへと突っ込む。
 怖いなんてもんじゃないわ。
 いくら殺し合いのゲームだからって、こんな目に遭わされるなんて思ってもみなかった。
 アニメやゲームの世界じゃないんだし、なんでこんなでたらめに強いのよ?
 かと思えば、つらそうな顔で出ていったなのはが、愕然としてその場にへたり込んでた。
 銀髪は、八神はやてが死んだ、とか言ってた気がする。
 要するに、なのはの友達が、知らないうちに前の殺し合いで死んでしまっていたらしい。
 そこになのはを取り囲むように、4つの黒い炎が現れた。
 このままじゃ殺されちゃう。四の五の言ってる暇はなかった。
「ちょっと、待ちなさいよっ!」
 制止の声を張り上げながら、ホテルの外へと駆け出していく。
「かがみ……?」
 弱々しい、蚊の鳴くような声がした。
 声の主を庇うように、あたしは男の前に立つ。
 怖い? 決まってるじゃないの!
 今でもアイツが見下ろす先で、膝がガタガタ震えてるわよ!
「クク……お前か。そういえば、忘れていたな」
 言いながら、銀髪が炎を引っ込める。
 よかったようで、全然よくない。今のあたし達なんて、その剣ですぐにぶった斬れる。
「アンタさっきから何言ってんのよ!? あたしが何かしたっていうの!?」
 目の前のこいつが、何故かあたしを目の敵にしてるのは、何となくだけど理解してた。
 最初に出くわした時も、意識を向けたのはあたしだった。レヴァンティンとかいうのの攻撃だって、明らかにあたしを狙ってる。
 でも、あたしアンタとは初対面よ? 何でそんなことされなきゃなんないのよ?
「よく言う。八神はやてを最初に殺さんとしたのは、他ならぬお前だったろうに」
「あたしそんなの知らないわよっ! はやてって人もアンタも見たことないし、まして殺そうなんてしてない!」
「今さらシラを切ったところで、お前の罪は消えはしないがな」
「知らない知らない知らない! 八神はやてって誰よ! 仮面ライダーって誰よ!
 罪って一体何なのよっ! ホントにあたしは何も知らないんだってば!
 もうほっといてよ! 何であたしやなのはばっかり、こんな目に遭わすのよぉっ!」
 多分、泣いてたと思う。
 それくらいには必死だったわけだし、そうして自分が泣いてるとも、気付かないくらいには必死だった。
 我ながらみっともなかったとは思う。
 それでも、たとえみっともなかったとしても、否定しないわけにはいかなかった。
 少しでも沈黙を見せようものなら、そのまま肯定と受け取って、あたし達を殺しにかかっただろうから。
 嫌だ。死にたくない。
 こんなわけの分からないところで、こんな怖い思いの中で死にたくはない。
 あたしはまだまだ死にたくないのよ!
 だからって逃げたいわけじゃない。そんなの選べるわけがない。なのはを見殺しになんてできない!
 殺さないで! もうあたし達に関わらないで! どっかにでも行っちゃってよ!
222創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 19:53:15 ID:JYc+4lyp
支援
223創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 19:54:19 ID:VY9KvhbX
包囲網その1がかかりました! 支援
224創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 19:55:40 ID:JYc+4lyp
規制されたみたいだね
225創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 19:56:13 ID:VY9KvhbX
じゃあ次は避難所だhttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/12294/
226創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:26:13 ID:VY9KvhbX
42 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 19:56:11 ID:y/nr6E9s0
「……本当に覚えていないのか?」
「!」
 突然だった。
 本当に、突然。
 ほとんどパニック寸前になったあたしの頭が、すっと冷静になっていった。
 冷たい水をぶっかけられたように、頭の熱が下がっていく。
 もう銀髪の男は笑ってなかった。あの妙に怖くて危ない笑顔はなくて、真顔でこっちをじろじろ見ていた。
 殺気が消えてく、ってのは、こういうことを言うのかしら?
 ついさっきまでの、尖ったナイフみたいな空気が、だんだんあたしの周りから遠ざかっていく。
「だから、知らないって言ってるでしょ……」
 空飛ぶ男を睨みながら、あたしは言い返した。
 湿り気を帯びた目もとを拭う。自分が泣いていたと気付いたのは、ちょうどこの頃だった。
 無表情な男の顔に、僅かに難しそうな色が浮かぶ。怪訝そうな顔、とかいうやつ。
 そのまま何を考えているかも分からない、不気味な沈黙がしばらく続いて。
「……興が醒めた」
 返ってきたのは、ため息まじりの言葉だった。
「ろくに戦う意志もない、今のお前を殺したところで、私の気は収まらん」
 頭上の銀髪の男が、心底つまらなさそうに言った。
 呆れた、というか、しらけた、というか、失望したぞ、といったような、大体そんな感じの表情。
 ちょっと待てコラ。アンタ一体何様のつもりよ。
 散々人を怖がらせて、なのはもあんなに苦しめてといて、気が向かないからやめるですって?
 ふざけんのもいい加減にしなさいよ。
 そう怒鳴り散らしたくもなったけど、でも今のあたしにとっては怒りよりも、安心感の方が大きかった。
 これで助かる。自分達が殺されることはなくなる。
 目の前にあいつがいなければ、そのまま息の1つでもつきたかった。
「だが……そうだな」
 ぴくり。
 不意に、何かをひらめいたような顔をした銀髪の男に、思わず身体がぴくんと動く。
「私はお前と同じ服を着た奴を、1人この殺し合いで見ている」
「あの見せしめのこと?」
「その服は何だ? どこかの制服か何かにも見えるが」
「……そうよ、あたし達の学校の制服よ」
 少し棘のある口調だったな、と思う。
 まぁでも、無理もないわ。この期に及んでまだ何か用があるのか、って具合にイライラしてたもの。
「なるほど……」
 男は男で、何か納得がいったとでも言わんばかりの顔と声音をしてる。
 もういいからあっち行ってよ。……あ、ちょっと待った、やっぱり駄目。
 さっき殺し合いを一緒に止めるって、なのはと約束したばかりじゃない。
 そう。殺し合いなんてさせちゃ駄目。みんなで脱出しなきゃいけないんだ。
 だから、今アイツにどこかに行かれるとまずい。
 そのまま人殺しをされてしまっては困る。でも、どうやって説得すればいいのかしら?
 答えの出ない疑問が、頭の中でぐるぐる回る。
 でも、それもほんの一瞬だった。
 あたしの思考は、ものの見事に止められてしまった。

「では……お前に戦う理由を与えてやろう」

 …
 ……
 ………
 ………………
 ………………………
 ………………………………………、はい?
227創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:26:34 ID:VY9KvhbX
43 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 19:56:59 ID:y/nr6E9s0
 今、アイツは何て言ったの?
 戦う理由を与える? それって一体どういうことよ?
 まさか、あたしがアンタみたいな化け物と、戦うなんて本気で思ってるの?
 何がなんだか分からない。言ってる意味が全く分からなかった。
 だから、あたしはそのまま聞き返す。
「戦う理由? アンタ、それってどういう――」





「――これからお前と同じ服を着た奴を、一人ずつ殺していくことにする」





 心臓が止まるかと思った。
 全身の血の気が引いていった。
 瞳がくわっと見開かれて、手足の全てがぶるぶる震えた。
「私を止めるか、友を捨てるか……その裁量はお前に委ねることにしよう」
 コイツはいきなり何言い出すの?
 あたしの制服を着た子達……陵桜学園の友達を、皆殺しにするっていうの!?
 一年の後輩達も、みゆきも、こなたも?
 つかさも……みんな、みんな?
 あたしが戦わないからって理由だけで……みんなコイツに殺されちゃうの!?
「放送を聞くたびに思い出せ」
 黒い背中が遠ざかっていく。
 黒い翼が羽ばたいて、銀の長髪がたなびいて、あたし達から遠ざかる。
「ま……待って!」
「お前の命は、私によって生き永らえることができたのだとな」
 制止なんて無駄だった。まともに話を聞くような奴じゃなかった。
「それが嫌なら追ってこい。選択権はお前にある」
 自分に都合のいいことだけ言って、男はさっさと行ってしまった。
 右の背にしかない翼で、器用に夜空を飛んでいく。
 すぐにアイツの姿は、建ち並ぶビルの陰に隠れて見えなくなった。
「……ぁ……」
 呆然としながら、あたしはその場にへたりこむ。
 どうして。
 どうしてこんなことになっちゃったの。
 あたしは何もしてないのに、勝手に因縁吹っ掛けられて、今度はみんなの命が狙われた。
 あたしのせいでみんなが死ぬ?
 あたしがアイツに会っちゃったせいで、みんながアイツに殺されちゃう?
 ……そんなの嫌よ!
 何で!? どうして!?
 何でみんなが死ななきゃいけないの!? 何であたしのせいで、みんなが殺されなきゃいけないのよ!?
 そんなこと、許せるわけがないじゃない! 駄目に決まってるじゃない!
 何としてでもアイツを止めないと!
 でも、どうやって止めたらいいの? あんな化け物みたいな奴、あたしが勝てるわけがない。
 このまま追いかけて行ったって、返り討ちにあって自分が死んじゃう。
 あたしは、一体どうすれば……
228創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:26:59 ID:VY9KvhbX
44 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 19:58:10 ID:y/nr6E9s0
「ん、く……」
「!」
 視界の端で誰かが動く。
 そっちの方を見ると、よろよろとしながらなのはが立ち上がっていた。
 どう見てもまともに歩ける具合じゃない。それでも男の飛んでいった方に、ふらつきながら歩いていく。
 いけない。このままじゃ危ない。
 反射的にあたしは駆け出し、なのはの右腕を掴んでいた。
「何やってるのよ、なのは!?」
「すぐに……あの人を、止めないと……かがみの友達が、あの人に殺されちゃう……」
「そんな身体でできるわけないじゃない!」
「大丈夫……私は、大丈夫だから……」
 言うと思った。
 こういう人はみんなそうして、自分の無理を通したがるんだ。
 ほとんど土気色の顔色に、顔中をぐっしょりと濡らしてる汗。どこからどう見ても、大丈夫になんて見えない。
「もう……ちょっと、そこに座りなさいっ!」
 苛立ちと共に、あたしは思いっきり大声で命令した。
 そう、命令だ。聞かないなんて許さない。
 なのはは一瞬、きょとんとしたような顔を浮かべたけど、言われるままにその場に座った。
 あたしも向かい合うようにして、アスファルトの上に座る。
「なのは……アンタ、さっきから何焦ってるのよ」
「えっ……いや、私は、別に……」
「それくらい分かるわよ。どうせさっき湖を渡ったのも、正直結構キツかったんでしょ?」
 ふうっ、とため息をつきながら言った。
 当のなのははというと、ばつの悪そうに俯いてる。あたしの言ったのは、やっぱり当たりだったみたいだ。
 そもそも今の不調だって、男の攻撃を避けまくった時からだった。
 なのははこのことを分かってたんじゃないんだろうか。今の状態で空を飛ぶのが、どれだけしんどいことなのかを。
 根拠なんてない。強いて言うなら、この場の気まずい沈黙こそが証拠だ。
「……私ね」
 ややあって、観念したようになのはが語り出した。
「友達を守れなかったんだ。
 今あの人が言ってた、はやてちゃんって人もそうだけど……もう1人、アリサちゃんって友達が、犠牲になっちゃった」
 話すなのはの表情は暗い。
 なのはの話によると、彼女が前に参加させられていた殺し合いで、アリサ・バニングスって人が見せしめにされたんだそうだ。
「友達が目の前で殺されたのに、何もできなかった……私は、もうあんな無力感を、味わいたくないから……」
「なのは……」
 友達が目の前で殺される。
 すぐには実感は沸かないし、あまりすぐ沸くような経験もしたくない。
 ただ、もしもあの体育館で死んだのが、つかさと姿が同じだけの他人じゃなく、
 それこそつかさ本人や、こなた達だったらどうだっただろう――そう考えると、心底身体が凍えた。
 なのははこの何倍も悲しくて、何倍もつらくて、何倍も苦しかったんだと思う。
 だから、焦ったんだろうか。こんな思いをしないためにも、誰にもこんな思いをさせないためにも。
「……とにかく、分かったから、しばらく身体休めなさい。今の体調じゃ、アイツにやられちゃうわ」
 それでも、だからこそ、あたしはなのはにそう言った。
「そんな……かがみの友達の命が危ないんだよ!? もたもたしてるうちに、殺されちゃうかも――」
「――アンタの場合『かも』じゃなくて、ホントに友達死んじゃってるじゃないのっ!」
 分かってるわよそれくらい!
 こうしてる間にも、アイツがこなた達の命に、一歩一歩確実に近づいてるかもしれない。
 友達が殺されるかもしれないなんて不安、抱えてるに決まってるじゃない。
 でも、なのはは違う。あたしよりももっとひどい。
 なのははアリサとはやてって友達を、本当に喪ってるんだから。
 あたしの一喝に、なのはは一瞬びくりと震えた。相当でかい声だったと、自分でも思う。
「だから、あたしが我慢するの。……アンタはここで一度休みなさい。心も身体も、休憩が必要だわ」
229創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:27:19 ID:VY9KvhbX
45 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 19:59:11 ID:y/nr6E9s0
「……かがみは優しいね」
 自分自身を嘲笑うような顔で、なのはが言った。
 確かに、荒事にかけては本職なはずの自分が判断力を欠いて、
 挙げ句一般人に諭されるなんてことがあったら、そんな顔をしてもおかしくない。
 何やってんだろうなぁ、あたしは。あたしでも多分、大体そんな風に思う。
「……優しくなんかないわ」
 でも、違う。そうじゃない。
「アンタが無茶してやられちゃったら、弱いあたしはアイツに勝てない……
 あたし1人だけじゃ、つかさやこなた達を守れない……きっと、それが怖いだけなんだと思う」
 我ながら最低だな、と思った。
 もちろん、なのはが死んでほしくない、と純粋に思う気持ちはある。
 でも、多分それだけじゃない。
 むしろ彼女への心配よりも、きっと打算の方が強いんだと思う。
 自分1人になってしまったら、あんな奴に勝てるはずがない。
 でも、なのはが体調を整えて、どこかでデバイスを手に入れてくれれば、どうにか対抗できるかもしれない。
 どこかでそんな風に考えてる自分がいるのよ。
 なのはを戦うための武器として見なしてる。自分がすべき戦いをなのはに押しつけてる。
 優しくなんてない。ましてや、冷静に判断してるわけでもない。ただの卑怯で最低な計算よ。
 本当に優しいだけなのなら、なのはに戦わせたりなんてしない。
 本当に冷静にいられるのなら、この手がぶるぶると震えるはずがない。
「……でも、かがみが私を気遣ってくれてるのは、本当だから」
 ふっ、となのはの顔に笑みが浮かんだ。
 すごく疲れて見えるけど、すごく優しい穏やかな笑顔。
「ありがとう」
 あぁ、本当に優しいのは、なのはの方なんだ。
 まるで母親みたいな笑顔を浮かべるなのはを見ると、余計に申し訳ない気持ちになって、微かに俯いた。
 「ちょっと待ってて」と言うと、立ち上がった白い制服が、ビルの隙間へ歩いていく。
 何をするつもりなんだろう。
 最初はそう不思議に思ったけど、すぐに理由は分かった。
 おぼつかない足取りで物陰を目指して、結局耐えきれずに崩れ落ちて、膝と両手を道路に突いて、
「うぅ……っ! ……げほ、げほっ……」
 こちらに背中を向けて、思いっきり嘔吐した。
 多分さっきの戦いの時から、ずっと吐き気を堪えていたんだろう。
 咳き込むようにしながら、胃の中のものを盛大にぶちまけていく。多分、さっき食べたチョココロネも。
 さすがにもらいゲロとまではいかなかったけど、この殺し合いの最初に、げえげえ吐いてた自分を思い出した。
「う……ぁ……ああ……」
 吐くもの全部吐き出した後に、なのはの泣き声が聞こえたのも、その原因の1つだったかもしれない。
 そのまま立ち上がろうともせず、軍服の背中を震わせて、人目もはばからず涙を流す。
「はやてちゃん……アリサちゃん……っ!」
 変わらないんだ。あたしも、なのはも。
 強い力を持ってるだけで、それ以外は何も変わらない、同じ1人の女の子。
 身体を酷使すれば傷つくし、苦しみや悲しみを感じれば泣きたくなる。
 なのはだってあたしと同じ、1人の人間なんだ。
 それをたとえ一瞬でも、利用しようと考えた自分が情けなくなる。
 ごめん、なのは。本当にごめん。
 何の償いにもならないかもしれないけど、せめて思いっきり泣かせてあげる。
 泣かずに後から後悔しないように、涙を全部流すまで待っててあげる。
 今は休んで。
 なのはが守りたいと思う人達のために。
230代理投下:2009/01/23(金) 20:27:41 ID:VY9KvhbX
46 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 20:00:13 ID:y/nr6E9s0
(ごめん……みんな)
 つかさ、ごめん。
 こなた、みゆき、みんな本当にごめんなさい。
 今あたしのせいで、みんなの命が危険にさらされようとしてる。
 そのくせあたしはまだ、みんなを助けに行くことができない。
 もうちょっとだけ待ってて。
 もう少しだけ待っててくれたら、あたし達がすぐに行くから。
 無力なあたしだけじゃない。なのはだけに押しつけるわけでもない。
 あたし達2人で、みんなを助けに行くから。


【D-5 ホテル前/一日目 黎明】

【柊かがみ@らき☆すた(原作)】
【状態】:健康、自責
【装備】:モーゼルC96(9/10発)@現実
【所持品】:支給品一式、モーゼルC96のマガジン×4@現実
【思考・行動】
基本方針:知り合いをマーダーの手から守る。
1.高町なのはが落ち着くまで待つ。
2.銀髪の男(=セフィロス)に殺される前に、知り合いを助けに行く。
3.みんな、ごめん……あたしのせいで……
※参戦時期は一年生組と面識がある時期です。

【高町なのは(StS)@なのはロワ】
【状態】:疲労(大)、左肩負傷(止血済) 、眩暈、吐き気、深い悲しみ、焦り
【装備】:マテバ 6 Unica(6/6発)@現実
【所持品】:支給品一式、マテバ 6 Unicaの弾×30@現実、カートリッジ×3@なのはロワ、チョココロネ×8@らき☆すた
【思考・行動】
基本方針:悲劇の連鎖を止め、一人でも多くの人間を救う。
1.はやてちゃんが……!
2.柊かがみと行動を共にする。
3.銀髪の男(=セフィロス)に殺される前に、知り合いを助けに行く。
※参戦時期はなのはロワ26話、『残る命、散った命』の直後です。
※何らかの原因により魔力が減衰しています。
※八神はやて@なのはロワが、前の殺し合いで死亡したと知らされました。
 また、彼女を自分の知るはやて(StS)だと思っています。
※身体に制限がかけられていることに気付きました。

※湖の上を、
※ホテルの自動扉が破られたことで、ガラスの割れた音が鳴り響きました。
 ホテル周辺、またはホテル内の低い階層には、音が伝わったかもしれません。
231代理投下:2009/01/23(金) 20:28:07 ID:VY9KvhbX

47 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 20:01:05 ID:y/nr6E9s0
 

 間もなく日が昇る。
 東方が青く染まり始めた夜空の中、ぽつりと浮かぶ人影が1つ。
「……私を甘いと思うか?」
 ぽつり。
 闇の中へと溶け込むような、小さく呟く言葉ひとひら。
『知ったこっちゃねーッス』
「お前に言ったのではない」
『スイマセンスイマセンマジごめんなさい』
 左手に握った剣にひと睨みくれると、セフィロスは再び空を見上げる。
 視線の先には月明かり。片翼の天使の銀髪のごとく、煌々と輝く銀月だ。
 自らの宿敵たる金髪の男へと、問いかけた先の呟きを、再び胸の内で反芻する。
 ホテル前で紫髪の娘と相対したあの時、轟々と渦巻く自らの殺意が、急速に消え失せていくのを感じた。
 煮えたぎるマグマのごとき憎悪が、瞬く間に熱を失っていったのだ。
 理由はただひとつ。
 確かに今の彼女には、少なくとも前の戦いの記憶はないと認識したからだ。
 自分が戦った時のあの娘は、見ているだけで腹が立つような、どうしようもなくいかれた女だった。
 仮面ライダーになれなければ、大した実力もないくせに、過剰なまでに好戦的。
 しかし、今の彼女の瞳には、その時の狂的殺意が全く感じられなかったのだ。
 セフィロスも馬鹿ではない。雰囲気を見れば、相手が嘘をついているか否かくらいは見抜ける。
 記憶を抹消されたのか、はたまた自ら閉ざしたのか。
 どちらにせよ、今の奴はシグナムを抹殺した殺人者ではなく、ただの矮小な小娘だった。
 あんなクズを斬ったところで、自分の怒りは収まらない。
 はやての心を蝕んだ、あの闘争心を折らぬ限り、自分の憎しみは消えはしない。
 故にあの場は捨て置き、こうして人質を取ることで、自らへと牙を剥くように仕向けたのだ。
(だが、なのはまで生かす道理はないはずだ)
 引っ掛かっているのはそこだった。
 彼女の戦意を揺り起こすのが目的なら、なのははあのまま殺しても、何ら問題はなかったはずである。
 否、逆だ。むしろ目の前で仲間を殺すことで、自分へ憎しみを向けさせることができた。
 しかし、そうはしなかった。
 無意識にとはいえ、自分は殺すべき相手のなのはに、情けをかけてしまったのだ。
(未だ断ち切れていないというのか)
 この期に及んで、まだ未練があるのか、と。
 確かになのはやはやてを始めとした、機動六課の連中は、かつては大切な仲間達として認識していた。
 母の顔も知らず、親代わりの研究員は殺害され、友は自分の元から遠ざかり、挙げ句人間であることさえ否定された。
 ないない尽くしの英雄が、破壊者として目覚めて以来、初めて同胞と見なすことができた者達。
 夜天の主が与えてくれた、孤独な黒翼を休められる場所。
 初めて、故郷と思えた、居場所。
 それを失うのが怖いのか。故郷の仲間を斬るのが怖いのか。
 故に己は刃を引き、なのはを斬ることなく立ち去ったのか。
「……まぁ、いい」
 今はどうだっていいことだ。為すべきことは他にある。
 己が思考をクリアにすると、当面の目的へとシフトする。
232代理投下:2009/01/23(金) 20:28:55 ID:VY9KvhbX
48 :Advent:One-Winged Angel ◆9L.gxDzakI:2009/01/23(金) 20:02:03 ID:y/nr6E9s0
 確かあの紫の髪の娘は、柊かがみという名だったか。なのはの呼んだ名前と、名簿を照らし合わせ分かったことだ。
 そのかがみが発揮した、本来の凶暴性を蘇らせるべく、奴の大切な者を殺していく。
 友の命が失われるとあれば、泣き喚くことしかできなかったかがみも、さすがに黙ってはいないだろう。
 やはりこの殺し合いにも、能力制限は存在するようだ。
 平時に比べて消耗しやすくなっている。だがこの程度なら、まだ戦闘には支障を来たすこともない。
「その幼稚な闘争心を、真っ向から叩き折ってこそ、お前の命に意味を見い出すことができる」
 そして、探すべき獲物は――既に、セフィロスの真下にいた。
 ピンク色の髪をした、セーラー服姿の少女が、遥か下方に立っている。
 緊張感などまるでなく、ただへらへらと笑っている。
 ――小早川ゆたか。
 陵桜学園の一年生。
 かがみの願いも虚しく、すでにこの殺戮の天使は、獲物を射程の範囲内に捉えていたのだ。
「その時こそ……」
 捕食者に睨まれているとも知らず、呑気に振る舞うちっぽけなネズミ。
 今こそ片翼を羽ばたかせ、鷲は天より舞い降りる。
 無知なる者よ、無力なる者よ。
 今ここに、天使の裁きが下される。
 喜ぶがいい。歓喜に打ち震えるがいい。
 汝は天使に選ばれたのだ。
 1人の愚かな殺戮者を、葬るための布石として。
 さぁ、娘よ。
 卑しくも浅ましき人の子よ。
 今こそ私は剣を振ろう。
 お前の身を支える四肢を、お前の身を動かす臓腑を、お前をお前たらしめす精神も、全てこの私が奪い去ってやる。
 そして、その時こそは。
「――跪き、許しを請う姿を見せてくれ」


【D-5 小早川ゆたかの頭上/一日目 黎明】
【セフィロス@なのはロワ】
【状態】疲労(小)、ジェノバ覚醒、片翼で飛行中
【装備】レヴァンティン(カートリッジ2/3)@ニコロワ
【道具】デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
【思考】
 基本:全ての参加者をを皆殺しにする
 1.シグナムにはやての事を伝える
 2.かがみのクラスメート(=原作らき☆すたキャラ)を殺していき、かがみの本来の闘争心を蘇らせ、その上で殺す。
 3.まずはピンク髪の女(=ゆたか)を殺す。
 4.レヴァンティンが鬱陶しい。もっと使いやすい剣が手に入ったら、そのまま捨ててやろうか
※なのはロワ79話「月蝕」はやて死亡直後から参加
※レヴァンティンはニコロワ210話「城・逃・げでリセット!」から参加
※なのは、スバル、かがみが、自分の記憶を失っていると思っています。
 彼女らが自分の知る人間と別人であるとは思っていません。
※身体に制限がかけられていることに気付きました。
233創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:29:15 ID:VY9KvhbX
代理投下終了
234創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:33:15 ID:VY9KvhbX
さて感想を。
かがみ包囲網かららき☆すた勢包囲網だと!?
ゆーちゃん逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
にしても長文うまいなぁ・・・・・・
235創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:49:36 ID:7SXlS/II
投下乙
セフィロスはこう来たか
歪んでると言うかサド全開と言うか
本人が直接狙われるよりヒドスw
236創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:54:34 ID:JYc+4lyp
かがみカワイソス…でも覚醒フラグもたったかな?
敵が多すぎるけど頑張って欲しいなあ

ゆーちゃん逃げて超逃げて
237創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20:58:53 ID:TC3MGZSV
投下乙
やはりピンクの髪は不幸になる定めなのか……
238 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/23(金) 21:03:17 ID:VY9KvhbX
それでは俺も投下する・・・・・・ッ!
239切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:03:47 ID:VY9KvhbX
広大な海。
そこから太陽がいまかいまかと出番を待ち望んでいる。
このような光景を豪華客船の一室のスイートホームで眺められるとは何と優雅なことか。
しかしそれを窓から覗こうとする者は誰にも居らず、この部屋の主とて例外ではない。

部屋に充満するのはこの場に置いて不釣合いな煙草の匂い。
端の方にある椅子に座っているのは眉間から血を流した男だけ。
部屋の主であるこの男だけ。
果たしてここで何があったのだろうか。
さて、ここで少し時を巻き戻してみよう。









240切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:04:50 ID:VY9KvhbX

「いいわ、その賭けに乗る!」

少女の声が室内に響き渡る。
薄茶色のロングヘアーを棚引かせながらもその視線は目の前の男をしっかりと捉えていた。
彼女の視線の先にいる男はその年には不釣合いな白髪の青年。
その白髪も窓から漏れる月の光によって美しい銀色に輝いている。
彼が映した少女の瞳にはこれはまた、その年に不相応な決意を秘めている。
すると青年は両手にそれぞれとある物を持って少女に見せた。

「それはわかった、ならばお前が取る選択は・・・・・・ッ!」

彼女の答えを確認した彼が次に迫る決断は、覚悟の選択。

「これか」

青年の左手に添えられたのは一丁の拳銃。
引き金を引けば命を奪うことができるそれは、この殺し合いという非日常に置いては求められてやまないもの。
これから彼が生み出した狂気はロシアンルーレット。
行うことは至って簡単、お互いのターンに拳銃を撃ち、それを計5回行えばよい。
リボルバー式の銃に込められた弾は1つだけ。
先手をとれば最終的に弾が出る可能性は3分の1、後手ならば2分の1。
最終的に先手を取ったほうが生存率が高くなるのだ。
ここまでは普通のロシアンルーレットである。
言っておくがこれは普通のそれではない。
青年、赤木しげるという狂人によって調理されたゲームなのだ。
単に、"死ぬ"だけを強いて終わらせるはずがない。
拳銃を撃つ対象は自分ではなく相手、優先権を持っているものが他人の命を掌握できる。
よって互いのターンが回るたびに賭ける命は自分のではなく相手。
"生きる"だけではなく"生かす"という覚悟も持たねばならない。

「これだ、さあ選べ・・・・・・ッ!」

対して右手に添えられたのは何の変哲もない紙切れの束。
一説では剣、聖杯、貨幣、棍棒をモチーフにしたと言われる四つのカテゴリーの札がそれぞれ13枚ずつ入っているだけの
極普通の札である。
そこから様々な遊戯が生まれるがそれは日常の中であってこそ意味を成す物であり、
今、この場における存在意義など無いに等しいものである。
だが青年の手にかかればこのようなものでも一枚の招待状へと化す。
ただの紙切れに振った調味料もまた狂気。
これを使った遊技は好きに設定をしてよい。
もしも勝利したのであれば招待状は忠誠の印が押された誓約書へと変わる。
しかし敗北したときのペナルティはもちろんついてくる。
少女、南春香の敗北が確定した瞬間、招待状の中身は狂気に手を出した借用書へと変貌を遂げる。
赤木しげると言う人間を殺すという負債をその場で支払わなければならないのだ。

そして少女はしばしの沈黙の後、彼の持つ物に手を伸ばす。

「私の選択は、こっち・・・・・・ッ!」
241切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:05:15 ID:VY9KvhbX





覚悟を決めた少女は狂気への扉を開いた。
手に持つ物は青年から受け取った招待状。
少女は彼に導かれるまま扉の中に入って行く。

彼女が取ったものは青年の左手に添えられたトランプである。
賭けるものは相手の命のみ、もし負けたとしても彼女自身の命は消えることはない。
"生かせなかった"という枷を背負って生き続けなければならないが、それでも己の死よりはマシであったのだろう。
未来を捨てた男とは違い、彼女にはやるべきことがあった、会うべき人がいた。
故に彼女は手を出すことが出来なかったのだ。
ここで自分の命を賭けるなどということに出られるはずがなかった。


「ククク・・・・・・いいだろう、それもお前の狂気。 では聞こう、南春香。
お前が選んだゲームはなんだ・・・・・・ッ!」


カードから始まる遊戯は多種多様。
よって自分が得意である種目を選択することができる。
手札を選び出し強力な役を作り出すブラックジャックか、
迅速な判断により早さで勝利を導き出すスピードか、
はたまた役を全て天命に任せるインディアンポーカーか・・・・・・
もちろんこれら以外にも彼女に選択権はある。




「ババ抜き・・・・・・ッ!」

少女の口からこれから始められるデスゲームの種目が宣言される。
競技内容に思わず青年は目を見開く。
賭け事に生活とする青年によってこの返答は少し意外であったであろう。
だが彼は先ほどまでの彼女の様子を思いだす。
混沌とした世界を潜り抜けたとて元は普通の世界に生きる一人の少女に過ぎないのだ。
裏の世界の住人である青年にとっては命をチップとした賭け事は極自然である。
よって日常を生き延びるための知識として、古今東西あらゆるカードゲームが頭に入っていて当然のこと。
対して少女は表の世界の一つ家庭に生きる、ただそれだけの人間。
そのような少女はトランプなど家族や友人と嗜む程度の知識でしかないのだ。
彼女の知っている種目など両手で数えるほどもないだろう。

「ババ抜きだと? 面白い・・・・・・ッ!」

だが青年は口元を吊り上げる。
何故なら過程が少し違うというだけだから。
何を選んだとて繋がる結末は二つでしかないのだから。
彼が殺されるか否か、ただそれだけなのだから。
242切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:06:10 ID:VY9KvhbX

「さて始めるぞ・・・・・・シャッフルはお前がしろ・・・・・・ッ!」

「わかったわ・・・・・・ッ!」

青年はやや不慣れな手つきでカードの束を混ぜていく少女の姿を観察する。
やはりそこは普通の少女でしかない、裏の世界では彼女のような少女がいても淘汰されるだけであろう。
よって彼女がイカサマしようとしてもじっと目を凝らせばわかってしまうのだ。
観察しているうちに彼の前に束が渡される。

「あなたが配って・・・・・・ッ!」

好機、これを好機と呼ばずとしてなんと呼ぼうか。
相手にカードを手渡す機会、それこそイカサマを仕込まれるというのにだ。
だが青年はそのような思惑を表に出すこともなく彼女から束を受け取り、
その上から自分側と相手側に1枚ずつ配っていく。

「ククク・・・・・・さあ準備を始めようか・・・・・・ッ!」

お互い手札を確認すると今度はゲームに参加するカードの選定に入る。
同じナンバーが2枚あればそれらのカードはすでに対象外。
ゲームの参加資格を失ったカードが次々とただの紙切れと化して捨て札へ置かれていく。
選定に強者も弱者も関係ない。 埋もれたカードの山にはジャックや、クイーンと言った面々が顔を覗かせている。
無作為に選ばれた僅かなカードだけがこの晴れ舞台に参加しうる権利を得られるのだ。
ただ、例外がたった一つだけ・・・・・・

(いきなりババか・・・・・・面白い・・・・・・ッ!)

青年の手札には10や5、2、とバラバラの数字、そしてその中に不気味に微笑むジョーカーのカード。
それはこのゲームにおいて唯一、参加を約束されているカードなのだ。
死神はどのような状況であっても一つだけであり、
よって彼の手札は彼女の手札よりも一枚多いということになる。
さてゲームの準備は整った。
始めようではないか、死神の擦り付け合いを。



「先攻は譲ってやる・・・・・・来い・・・・・・ッ!」

彼は少女に対して不敵に微笑み、彼女の前に裏向きに束を見せる。
少女は震えた手つきで片手を慎重に差し出してくる。
その様子を青年は何食わぬ顔で見つめる。
もちろん先手を譲ったのは彼の好意からではない。

「私のターン、ドr」

(ニヤリ)

「ッ!」

少女がカードを取ろうとした瞬間アカギは軽く口元を吊り上げる。
すると少女は驚きつつもすかさず取ろうとしたものとは別のカードを掴んで手札に加えた。
彼は笑みを止め、カードを確認するなりほっとした彼女をじっくりと観察していた。
そして彼女から捨てられたカードは5、あらゆるカードゲームに置いてこれと言った取り得もない平凡なカードである。
開幕早々ゲームから退場するには打ってつけである。
243切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:06:43 ID:VY9KvhbX

「さて次は俺の番だ・・・・・・ッ!」

少女の安堵を待つこともなく青年は彼女の手札のカードに手をかける。
だがその動作は至極単純。 ただ取って中身を確認するだけ。
死神はすでに手札にある、だから少女の手札には彼女を脅かすものは存在しない。
だから淡々とただカードを取る。

どうやら先ほどの言葉を訂正しなければならないようだ。
捨てられた手札はキング、王。 いつの世も民衆を支配し、トップへと君臨するものである。
だがこのゲームに置いてはそれも一枚のカードに過ぎない。
王であろうとなんであろうとカードはカード、この場に置いてはそれだけの価値しかない。
このゲームは平民も王も関係なく皆平等に扱われ、降ろされていく舞台なのだから。


「さあ取れ・・・・・・ッ!」

必要以上に睨みかけ、手札を少女の前に差し出す。
圧迫されていても経っても居られなくなった少女は目を見開き、
高らかに宣言した。


「私のターン、ドロー!」

やや大袈裟な叫び声と共に少女の手が青年の手札に勢いよく手を伸ばす。
その仕草はかつて恋した一人の男による影響なのか、悟らせる暇を与えず彼女の手は一枚のカードを取ろうとしていた。
それを瞬時に判断した青年は次の行動に出る。

(かかった・・・・・・ッ!)

彼女がカードを手にしようとする瞬間彼のカードが微かに揺れる。
目を凝らさないと気づかないぐらい細かいものだったが、それ故都合が良かったのだ。
案の定青年の思惑通りのカードを少女は手に取ってしまう。

突然だが皆さんは条件反射をご存知だろうか。
熱い物に触ったらまず手を離す、音が鳴ったらその方向に振り向く、痛みを感じたから傷を抑える、
どれも自分の意思を解さず、咄嗟に出てくる反応だ。
これと同様に青年は少女がカードを手に取る瞬間、一枚のカードをそこだけ左右に広げて取りやすくしただけなのだ。
それを道端で急に差し出されたポケットティッシュを受け取るがごとく掴んでしまう。
この技法を手品ではクラシックフォースというのだが、より専門的な話になるため割愛させてもらおう。


「・・・・・・ッ!」

「ククク・・・・・・どうしたんだ・・・・・・ッ!」

「何でもないわ・・・・・・ッ!」
244切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:07:09 ID:VY9KvhbX

少女の手に死神が施された。
それもただの死神ではない、青年によって細工が施されたもの。
カードの裏側に爪でマーキングされたジョーカーが手札の中へと混じっていった。
少女の顔に曇りが生じる。
彼女に微笑むのは一つの死神の視線。
目が合ってしまったのだろうか思わず視線を逸らして目の前の男に顔を向ける。

「ゲームを続けましょ・・・・・・次はアカギさん、あなたのターン・・・・・・ッ!」

「承知・・・・・・ッ!」

青年の言葉と共にゲームが再開される。
ターンを譲られた彼は再び彼女のカードに手を差し出した。
だが彼が気を配ったところはカードではない。
まずは適当なカードに向かって手を伸ばしてみる。
その表情にやや焦りあり、よってそのカードを引くことを判断。

「次はこれだ・・・・・・ッ!」

引かれたカードは6。何の変哲もない一介の数字。
先ほどの数字と同じように捨て札に無残に放り投げられる。
されどゲームは続いていく。 最後の一枚が残るまで。








「さて南春香、今、ここで敗北を宣言してしまっても構わない・・・・・・ッ!」

あれから続いた二人の応酬は、青年が優勢を保っていた。
既に彼の手札のカードは2枚だけ。 そして少女に残されたものはそれ+ジョーカー。
ジョーカーに付けた印は右半分につけたものなので、カードによって隠されてしまっているが、それは精々保険程度にしかならないものだ。
相手の心情を探り合うことは青年にとっては日常である。
そこから自分の心情を探らせないということは生き抜くための技術でもあった。
よってそのような日常に触れてもない一介の少女が即席で仏頂面を作り上げようが、対した効果は成さない。
顔が駄目なら目、目が駄目なら仕草、動悸、あらゆるもので相手の心境を判断すればよいだけ。
一介の少女相手なら顔だけ見れば勝てるのだ。

「嫌よ・・・・・・ッ!」

「なら引け・・・・・・ッ!」

少女の返答に青年は再び手札を差し出す。
出されたカードは2枚だけ。
どちらを選ぼうが死神を抱えている彼女には何の得もない。
それでも少女は勇気を振り絞り、青年の左側のカードを引き当てる。
そして彼女の手札から引いたカードと同じ数字のものが捨てられる。
ペアとなって捨てられたカードは2。
二者、二分化、二重、分けられるということを示すナンバー。
それは正に今、この場に相応しいと呼べるもの。
245切り札はキミの中:2009/01/23(金) 21:07:59 ID:VY9KvhbX

「これで決まる・・・・・・ッ! 俺が死ぬか・・・・・・ッ!
それとも否か・・・・・・ッ! その二択のみ・・・・・・ッ!」

これまで幾多のカードが散っていったのだろうか。
捨て札にはゲームに参加すらできなかったカードとともに途中退場してしまった札が乱雑に積み重ねられている。
今だ残っているカードは3枚。
青年の手札に残るのは一枚、たった一枚のみ。
対して少女に残るものは死神とそれ以外のカード。
このゲームに敗北した少女が迎えるのは死か?
否、この少女に置ける手札の死神は少女の命を蝕むものではなく少女を死神にするというもの。
赤木しげるという男を殺した死神として生きていかねばならないという未来への片道切符。

「・・・・・・なんのつもりだ・・・・・・ッ!」

「見ての通りよ、さあ引いて・・・・・・ッ!」

目を閉じる。
少女が取った行動はそれだった。
視界から手札を消すことにより、外部の情報を完全に遮断する。
それにより何を取られようがそれに対する反応を示すことがない。 示せるはずがない。
よって青年から心理を読まれることもない。
ではこれで青年が死神を引く確立が2分の1になったのだろうか。
否、思い出してほしい。 彼が死神に仕掛けたであろう小細工を。
最初に死神を手にしたときに爪でカードの裏側、それも右端に近い部分を引っかいた。
それによってできたマーキングは当初は幾多のカードに埋もれて意味がないものだっただろう。
だが今は違う。 マーキング部分は彼女の手札の右側に露出している。
仮に露出してなくてもそれは隣のカードによって隠されているだけ。
もしそうだとしたら左側のカードを取ればよい。
カウントダウンは既に終わった。 後は青年の手札が0になるのを待つのみ。
246創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:08:16 ID:7SXlS/II
支援 カード勝負は不利かも
247創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:14:41 ID:JYc+4lyp
支援
248創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:18:00 ID:JYc+4lyp
したらばに続きが投下されてます
249代理:2009/01/23(金) 21:22:28 ID:7SXlS/II




「な・・・・・・ッ!?」

結果的に言えば青年の手札が0になることはなかった。
抜ける代わりに加えられた手札はジョーカー。
また帰ってきたと言わんばかりに微笑んでいる。

驚愕。
青年が示した反応はそれだった。
ふと顔を上げると不敵に微笑んでいる少女が一人。
そして彼女が持ったカードにも確かに爪の後がついていた。




やられた・・・・・・ッ!
青年はここに来て初めて笑う以外の行動で口元を歪ませる。
胸にあるのはイカサマを見破られたという事実。
イカサマに対しイカサマという罠を張られたという事実だけ。
予想外の出来事に思わず俯いて顎に手を当てる。
彼は油断してしまったのだ。
それが彼に隙を生み、彼女が自分と同じようにカードにマーキングするということを見逃してしまった。
ただの一般人相手に一瞬でも生まれた余裕が引き起こしてしまったのだ。
カードに仕掛けた細工が見破られているとすればもうこのゲームを続ける意味はない。
青年の手札の右側にあるジョーカーにはマーキングがされており、
そうではないほうにはなんの仕掛けも施されていない。
よってどちらのカードをとればよいのかは子供でも容易く理解できる。

「俺の負けだ・・・・・・ッ!」

そして青年は投了を宣言する。
ゲーム終了の合図に少女は歓喜の表情を浮かべた。
そして同時に彼女の手のひらから一枚のカードが零れ落ち、それは空気抵抗を受けながらも
重力に従ってテーブルの中央に着地する。

(ほぅ・・・・・・これは故意か、南春香・・・・・・ッ!)

青年の視線の先には少女から零れ落ちたばかりのカード。
剣を模したものにも見える印がカード中央に大きく描かれていた。
それはスペードのエースただ一枚。
250創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:24:18 ID:JYc+4lyp
支援
251代理:2009/01/23(金) 21:26:25 ID:7SXlS/II

「ごめん待たせちゃって」

声とともに扉が開かれ、薄茶のロングヘアーの少女が入ってくる。
しかしその手に持ったものはこれはまた珍妙なもので、中に何匹かの子猫が入った鍋であった。

「蓋を開けたと思ったらアカギさんを引っかいて逃げちゃうんだもの、探すのに苦労したわ」

「この程度の傷は関係ない・・・・・・それよりも用があるなら早く出発するぞ」

アカギは猫に引っかかれたのであろう眉間から出た血を拭い去り、煙草の火を消す。
そして彼女は支給品であろう鍋を片付けるのを確認すると立ち上がり、出口に向かう。

「わかったわアカギさん」

「だが勘違いするな、俺はあんたに協力はするが生に執着するつもりはない」

ウキウキと部屋を出る春香に対して忠告は忘れない。
自分のバトルロワイアルはここに呼ばれた時点で終わっているのだ。
身の危険が迫ったなら容赦なく切り捨てろ。
その意を了承した上で南春香は赤木しげるとともに旅立つ。

(俺を切り札としたお前の狂気、せいぜい見せてもらおう・・・・・・っ!)

出口まで歩く間、アカギは彼女の背中を見つめながら微笑する。
果たして彼はスペードのエースへと成りえるのだろうか。
運命の切り札はまだ見えてはいない。



【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-黎明】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、ねこ鍋@ニコロワ、不明支給品(0〜1個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1:アカギと共に行動。とりあえず西に向かう
 2:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
 ※赤木しげる(19歳)と情報交換をしました。
 ※ねこ鍋はカービィーに食われるよりは前から参加です。

【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康、額に引っ掻き傷があるけど手当て済み
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質8個)@現実、六発式リボルバー拳銃+弾(12/12)@現実、
    トランプ@現実、基本支給品一式、
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:とりあえず春香とともに行動する
 2:春香の決断の結果を見届ける
[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
 ※いつ死んでもいいと思っています。
 ※南春香と情報交換しました。
252創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:27:56 ID:IBXG0VnS
しえん
253代理:2009/01/23(金) 21:28:18 ID:7SXlS/II
53 : ◆nkOrxPVn9c:2009/01/23(金) 21:11:55 ID:pxPvwvjI0
投下完了。 では本スレいける方お願い致します。
ついでに福本絵の春香姉さま想像したやつにはペルソナを召k(ry
254創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:31:29 ID:JYc+4lyp
投下乙!
いきなり出だしで焦ったが、ねこ鍋かwww
本当にアカギに勝つとは…春香お姉さまSUGEEEE!
アカギのセリフがツンデレの見本にしか思えなかったのは俺だけですか?
255創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:32:31 ID:MKDrN7dn
流石春香姉さま。
また伝説をつくってやがるww
256創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:36:55 ID:XJ3h3Di9
お二方乙!
セフィロスが悪役のカリスマでかっこいいぜ!
しかしかがみ、誤解が悪化するよりひどいことに……

そしてゆーちゃん逃げてー!


春香姉さんすげえ!アカギに勝ったwww
そしてアカギはツンデレですね、分かります。
257 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/23(金) 21:37:22 ID:VY9KvhbX
規制がとけた・・・・・・レスどもです。
ここでいきなり修正を。
アカギの備考から ※いつ死んでもいいと思っています。
の削除をお願い致します。
台詞といえばいちいち語尾に三点リーダーと!マークつけるのが面倒だったような気がする
258 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/23(金) 21:37:54 ID:VY9KvhbX
修正は ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。 の削除でしたorz
259 ◆LcLEW3UbhI :2009/01/23(金) 21:43:53 ID:TC3MGZSV
投下ラッシュだなーと思いつつも竜@オールロワ、ジョセフ・ジョースター@漫画ロワで投下してみる
260創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:44:47 ID:IBXG0VnS
投下乙!
面倒なら三点リーダと!マークはアカギだけでよかったんではw
お陰でやっぱり春香の顔が福本絵柄(ry
261 ◆9L.gxDzakI :2009/01/23(金) 21:45:14 ID:Ntp4mFbK
代理投下、そして感想レスありがとうございますー。

自分も早速ミスった部分の修正依頼を。
>>230の、「※湖の上を」という部分を削除してください。

ゴメンナサイゴメンナサイ、空気読まずにギャグなしのガチシリアスを長々と書いちまってホントゴメンナサイ
262人間賛歌:2009/01/23(金) 21:46:20 ID:TC3MGZSV
竜は自らの体を、心地よいものとして受け入れていた。
大地を踏みしめ、歩く。それだけの、人間としては至極当たり前の動作がこの上なく素晴らしい。

人間て、いいな。



スキップすらしそうだった竜は静かにその動きを止めると、RPG-7を唐突に目の前に現れた男へと向けた。

「っと、待ってくれ。俺はジョセフ・ジョースター。この殺し合いには乗ってない。武器を収めてくれ。俺は今ゴマモンってやつを探してるんだが、知らないか? アザラシのような姿の……」

問答無用。

お前の話など、知ったことかとばかりに竜がRPG-7を放つ。
辺りが森である以上、あまり好ましくない事態になるのは覚悟の上だ。竜の鱗はどんな高熱でも容易く防ぐ。

巨大な爆炎が森を舐める。
その熱量は、普通の人間ならば容易くレアくらいには焼き上げる。

勝利を確信しつつも、竜は新たな弾頭をRPG-7へと収めた。
確かに普通の人間相手ならば既に勝利しているだろうが、彼女?(竜に性別があるのだろうか?)と同じように何らかの熱耐性を持っている場合、生き残っている事も十分に考えられる。

そんな彼女の頭上に、巨大な黒い影がさした。今は夜であるが故に本来なら影など生まれないが、周囲が炎に包まれた今ならば話は別だ。
即座に、竜がRPG-7の銃口を頭上へと向ける。
だがそこにあったのは一つのデイバッグのみ。

「悪いが、しばらく気絶しててもらうぜ」

周囲に揺らめく炎が、そのデイバッグの姿を巨大に見せていたのだと、彼女が気付くよりも早く、彼女の懐に飛び込んだジョセフは、波紋の一撃を喰らわせていた。

「ぐっ」

竜がくぐもった悲鳴を上げる。同時に、その体が波を打つように振動した。
波紋によって竜の体の内側が激しく揺さぶられる。
殴られた衝撃自体は比較的軽めの物で(恐らく彼女の幼い姿を見て手加減したのだろう)、鱗によって無力化出来たが、脳にまで達そうかという波紋はそうは行かない。
263創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:46:26 ID:VY9KvhbX
マーラを召喚・・・・・・じゃなかった支援
264人間賛歌:2009/01/23(金) 21:48:01 ID:TC3MGZSV

竜は波紋を無理矢理耐えることによる厳しい苦痛の中で、ジョセフのことを強引に見据えた。そしてRPG-7を空中向かって放ち、その反動を利用して右腕をジョセフに向けて振り下ろす。

「んなっ!?」

ジョセフが動揺した声を上げると同時に、竜の右腕がジョセフの左肩を激しく打ち据えた。

同時に、上空で爆発音。

竜の放ったRPG-7の一撃は空を漂うデイバッグに直撃していた。デイバッグが瞬時に焼失し、中身が四散して爆風と共に何処かへと吹き飛んでいく。更に、生じた火炎が竜とジョセフに降り注いだ。

その光景に竜はほんの一瞬だけ、気を取られた。その隙を衝き、ジョセフがその場から離脱する。その際いくつかの炎が体に纏わりついたが、それも転がって離脱したことによって全て消えていた。

ガシャン。

竜が新たなRPG-7の弾丸を装填し、その銃口をジョセフへと向ける。だが、その照準は安定しない。先程の波紋によるダメージが未だに残っていた。

だからと言って、一方的に不利というわけでもない。竜は静かな笑みを浮かべ、定まらない照準でジョセフを見た。

ジョセフの左腕は垂れていた。先程の一撃は、確かに効いたという確信を持てる感触があった。本来なら痛みで気絶していても可笑しくない。

「子供だと思って手加減してりゃあ随分とやってくれるじゃないの。お前、ただの人間じゃないな」

ジョセフが左腕をかばいつつ、竜へと語りかける。
竜は波紋による苦痛の中、静かに笑みを浮かべると、その薄い胸を精一杯張った。
265創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:49:23 ID:Ntp4mFbK
支援
266人間賛歌:2009/01/23(金) 21:49:39 ID:TC3MGZSV

「ワタシは人間ヨ。それ以上でも、それ以下でもないネ」
「ただの人間が、俺の波紋をまともに受けて、立ってられるもんか?」
「ちょっと体が丈夫なだけヨ」
「ちょっと体が丈夫なだけの奴が、そんなゴツイ銃をぶん回せるのか?」

この辺りで竜の表情から余裕の笑みが消え、

「ちょ、ちょっと筋肉質なだけヨ」
「筋肉質な奴がそんな細い腕してるもんなのか?」
「それはその……骨が細いだけネ。この腕はほとんど筋肉ヨ。ムキムキヨ」
「その腕で半分以上筋肉だったら、ちょっと腕を動かしただけで骨が折れると思うんだがなあ」
「ま、毎日牛乳飲んでたら、骨がすっごい丈夫になったから大丈夫ヨ」
「さっき火の雨を浴びるように喰らったはずだが、火傷一つしてないように見えるな」

この辺りで竜は混乱し始め、

「あの、それは……そう、日本では、精神を滅却すれば火もまた涼しと言うネ。気持ちの問題ヨ」
「……なんでお前がその日本て国の慣用句を知ってるんだ? 見た目十にも満たないお子様のくせに」
「いや、ええと、それは、その……」
「何より。普通の人間は頭に角なんて生えてないんだよ」

ここで切れた。

竜は波紋の痛みを無理矢理抑えて不敵な笑みを浮かべると、高らかな声で宣言する。

「ふっ。良くぞ見破ったと言っておくネ。そうアル。ワタシの正体は人間を遥かに超越した存在……竜アル。今はこのパッチの力で人間になってるアルが……」

竜は不敵な笑みは変わらぬまま、親指を立てて、自らの胸に輝く萌えモンパッチを指差す。

「ここで最後の一人になることで、ワタシは本物の人間として生きるアル。竜なんかより、人間の方がずっといいネ。人間として生きていく為に、ワタシは戦うネ」

言葉の終わりと同時に、RPG-7の引き金を引く。
267創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:49:47 ID:JYc+4lyp
支援
268創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:50:48 ID:VY9KvhbX
なんか銀魂のチャイナ娘に見えてきた 支援
269人間賛歌:2009/01/23(金) 21:50:57 ID:TC3MGZSV

爆音と共に、ジョセフのいた付近の森が火を噴いた。数本の木がなぎ倒され、更なる火事を併発する。

「お前なんかに邪魔はさせないネ。絶対にワタシは人間になってみせるアルヨ」



ジョセフ・ジョースターは躊躇っていた。

初め、ジョセフは年端もいかない少女が怯えているだけと判断し、気絶させ、落ち着かせてから保護するつもりだった。
少女が見た目通りの存在ではなく、本物の悪質なマーダーだと分かった時点で、倒す覚悟、最悪殺す覚悟もした。

だが、その後の少女の願いは、ジョセフにとってその覚悟を鈍らせるに十分なものであった。
かつてジョセフは『吸血鬼』や『柱の男』果ては『究極生物』まで、人間を超える、多数の者達と戦ってきた。

だが、目の前の少女はその者達と比べて、明らかに異質であった。

(人間になりたいって……くそ、そんな願いを持った化け物がいやがるとは思わなかったぜ。ストレイツォと話をさせたら面白かったかもな)

放たれるRPG-7を、森の中を疾走する事で回避する。後方から激しい爆風が襲い掛かるが、それすらも利用して、ジョセフは走り続ける。

(殺したくねえ。あいつみたいな願いを持った奴を、殺したくねえ。あいつの願いを、叶えてやりてえ。あいつを、人間にしてやりてえ)

ジョセフは心の底からそう思った。だが、殺されてやるわけにもいかない。もし仮に少女が優勝出来、それで人間になったとしても、その時点で既に少女は人間ではなく、殺人鬼という名の別の存在だ。

(逃げるわけにはいかねえ。俺があいつを、説得する)

そのためにはまず、捕縛する必要がある。
ジョセフは判断すると同時に、周囲の状況と持っている支給品を確認した。

(すまねえが、ゴマモン。お前の支給品、使わせてもらうぜ)

ジョセフの物はさっき、RPG-7に吹き飛ばされてしまっていた。流石にそれを探す余裕はない。

ジョセフは支給品を確認し、覚悟を決めると、周囲の状況を確認し、左へと走る方向を転換した。直後に再びRPG-7の爆風が襲い掛かるが、ジョセフは再びそれを利用し、今度は上へと跳んだ。
270創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 21:52:12 ID:MKDrN7dn
だめだ竜が釘宮ボイスで再生されるwww
271人間賛歌:2009/01/23(金) 21:52:19 ID:TC3MGZSV
そのまま木々の枝の上を、走るような速度で跳んで渡る。

「逃がさないアル」

予定通りと言うべきか、少女が同じように右へと追う方向を転換した。だが、少女の動きはそこで止まる。追う対象であったジョセフの姿が見えなくなってしまったのだから、止まらざるを得ない。

「何処に逃げたアルか、腰抜け! 男らしくないとは思わないアルか!?」

大声で叫ぶ少女の声が森の中で響き渡る。
ジョセフはその言葉を落ち着き払ったまま聞いた。

(さっきまでバンバン撃ってた、あのごつい銃を俺の行った方角に撃たないところを見ると、残りの弾数はそう多くないらしいな)

考えつつも着々と準備を整えていく。防御でも攻撃でもなく、捕まえるための準備を。
そしてそれが終了すると同時に、ジョセフは少女の真上の木の枝を蹴り、更に『弾く波紋』によって加速した。

そのジョセフの動きを少女が視認するよりも早く、ジョセフの行動は始まっていた。ジョセフは着地と同時に少女に掴みかかると、その胸に輝くも萌えもんパッチを、強引に剥ぎ取る。

「なっ!?」

声と共に、少女の姿が歪んでいく。全身が膨れ上がるように巨大化し、姿形が人間のそれと離れていく。

「それを返すアル!!」

巨大な一体の竜……伝説にある姿そのままと化した少女が、ジョセフへと襲い掛かった。

「うおおおおお」

気合一閃。
ジョセフは張り上げた声と共に、手にしたヌンチャクを振り上げた。
だが、竜は構わず襲い掛かる。知っているのだ。人間が振り回す程度の武器では、竜の身に戻った自分には、ダメージらしいダメージを与えられない事を。
竜の身に戻った自分に、敗北などあり得ない事を。

(だが、その余裕こそ、お前の弱点だ。相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している!!)

竜が大きく口を開けて、ジョセフを噛み砕きに掛かる。その巨大な牙に噛まれたらひとたまりも無いだろう。その先にあるのは『死』のみだ。

ジョセフはそんな状況で、だが口端に笑みを浮かべた。振り上げたヌンチャクは何時までたっても振り下ろさない……否、下ろす必要が無い。
272人間賛歌:2009/01/23(金) 21:54:13 ID:TC3MGZSV

「くっ、動けないネ。お前、何をしたアルか!?」

竜はジョセフの眼前で口を開き、そこで動きを止めていた。そして、どんなに時間が経とうと、その態勢が変わることは無い。ジョセフが掛けている波紋を解除するまでは。

「『くっつく波紋』をこのヌンチャクから放って、枝葉に通し、そこいらの木、全てに掛けた。ここら一体は、お前専用の即席の檻だ」

周囲の木々の中からまだ燃えてない枝を探し出し、落とさないように積み上げていく。ジョセフの行った作業はそれだけだ。そしてその積み上げた位置は現在の彼の頭上……即ち、ヌンチャクの触れている部分。

巨大な『竜』の身となった竜は、その『巨大』という性質上、どうしたって木々に触れないわけには行かない。
ジョセフはそれを利用して、竜の体を、辺り一体にの木々に縛り付けることを計画し、成功した。

「いいかお前、耳の穴かっぽじって、良ーく聴けよ。お前が人間になりたいってのは分かるが……」

「ぐがあああああああああ」

ジョセフが説得を始めると早々に、竜が耳を劈くような……ジョセフの鼓膜すら破るような悲鳴を上げた。
竜の悲鳴が大地すら揺るがすかのごとく、響き渡っていく。その音の力のみで、焼け残っている森が全て吹き飛んでいきそうだ。

「ッ痛。なんだ、突然……」

ジョセフは思わず耳を手で押さえつつ、その光景を眼にした。

竜の頭が、体が、まるで枯れ木のごとく、朽ちて行っていた。見事だった鱗はボロボロに剥がれ落ち、立派な髭は既に跡形も無く消えていた。
眼は窪み、生きた心地の無いモノと化し、萌えもんパッチによって人間化した時も尚残っていた角も、まるで枯れ木のように頼りないモノと化していた。

「なっ、んな馬鹿な……」
「があああああああああああああああああああああ」

一際大きな叫びが響き渡る。と、同時に竜は体に多数の木をつけたまま、上空へと飛び去っていた。向かう方角は……東。
火事のせいで木そのものが劣化し、軽くなったか。あるいはあれこそが竜の底力か……。

「くそっ」

そう言えば竜ってのは東の方角の神だったな……。
毒づくと同時にそんなことを思いつつ、竜の落とした支給品を拾い上げたジョセフは走り出していた。

【G-3/内陸側/1日目-黎明】
【ジョセフ・ジョースター@漫画キャラバトルロワイアル】
 [状態]:健康、深い怒りと後悔 軽度の疲労、左肩脱臼(波紋の呼吸で治療中です)
 [装備]:ヌンチャク@漫画ロワ
 [持物]:デイパック×2、基本支給品一式×2、不明支給品0〜2、RPG-7@現実、RPG-7予備弾頭×1@現実、萌えもんパッチ@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:殺し合いからの脱出
  1:仲間を探す
  2:ゴマモンを助ける、竜を説得する。どっちもやらなくちゃならないのが波紋使いの辛いところだ
  3:ここのかがみはどの世界から来たかがみだ?
[備考]
誰がニコロワ出身かは全く分かってません
主催には時空を超える能力があると推測しています
参戦時期は死亡後です
E-2エリア付近にジョセフの支給品が四散しましたが、RPG-7の火力によって燃え尽きているかもしれません
E-2付近が焼け野原と化しました。火は広がり続けています。

273人間賛歌:2009/01/23(金) 21:55:18 ID:TC3MGZSV

竜は半狂乱になっていた。

何も考えられない。
何も感じられない。

今はただ、『飛ばなくてはならない』。

竜はその本能のままに飛び続ける。

そんな竜の中で、何処か、ほんの少しだけの理性を保っていた部分が呟いた。

……ハヤクニンゲンニナリタイ……


【G-5/1日目-黎明】
【竜@オールジャンルバトルロワイアル】
 [状態]:半狂乱、全身ボロボロ、波紋によるダメージ、体に木々がくっつきっぱなし
 [装備]:なし
 [持物]:なし
 [方針/行動]
  基本方針:人間として暮らしていくため、優勝を目指す。
  1:飛ばなくては、飛ばなくては『死んでしまう』
  2:見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)
[備考]
飛行中です。半狂乱なため、地上の物はほとんど眼に入りませんが、空中で何かを見つけた場合、それに特攻する可能性があります。
全身ボロボロになったのは、飛行していればそのうち癒えます。
体に付いた木々は波紋の効果が切れると同時に落ちます。
飛び続けなければ死にます。
274人間賛歌:2009/01/23(金) 21:57:08 ID:TC3MGZSV
投下終了です。
支援、ありがとうございました。
275創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:00:30 ID:JYc+4lyp
投下乙
竜の萌えキャラ化があっという間に…
飛び続けなきゃ死ぬってやつで不覚にもワロタ何かの魚みたいだなw
ジョジョかっこいいよジョジョ
276創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:02:01 ID:VY9KvhbX
投下乙。
殺人鬼になろうとした竜は人の姿をも奪われたのか・・・・・・
それにしても変態じゃない対主催やマーダーも割りといるんだよな
277創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:02:33 ID:Ntp4mFbK
GJ!

すげぇ、まさかアカギにカードで勝つとはw
難しいカードゲームの駆け引きも、非常に上手く書けてると思いました。手に汗握る頭脳戦乙っした!

竜相手に躊躇いを見せるジョジョが、何だか新鮮で面白かったです。
あと、アンタどこの夜兎族ですかwww
278創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:02:54 ID:7SXlS/II
投下乙です
人間としての誇りを胸に戦うジョセフと人間になりたいが為に手を血で染める竜
ある意味、皮肉な対決の果てに竜を説得したいジョセフと元に戻ってしまった竜
今後、どうなるか先に期待です
279創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:07:16 ID:XJ3h3Di9
投下乙!
かっこいいぜジョセフ!
竜は一話で戻っちゃったか……動機が動機なだけに何か可哀相だ。

そして竜をくぎゅボイスで変換した奴等自重しろww自分もだけどww
280創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 22:14:04 ID:MLyrnqOn
乙……待てぇぇい!!! 「カービィー」ではない!! 「カービィ」だ!!!
そこんとこ勘違いして貰っては1ピンク玉ファンとして困るな!
281 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/23(金) 22:17:07 ID:VY9KvhbX
>>280
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ最低限のところミスってたorz
作品追加時に修正しておきます。
282創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 23:20:15 ID:JYc+4lyp
予約ですでに誤解フラグが透けて見えるぜ!
283 ◆jVERyrq1dU :2009/01/23(金) 23:20:40 ID:HKeZh0my
皆様投下乙です

無修正の息子に関しては、うっかりしていて…
本当に申し訳ありません。ウィキに収録された際に、なんとか修正を入れようと思っています。
あと、ヒナギクの持ち物の行方も編集でなんとかしときます。
すいませんでした
284 ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:51:09 ID:qN+hcbCN
岩崎みなみ、Dボゥイ、真・長門有希

投下します。
285創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:53:17 ID:zC3HCvZC
これは支援
286創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:53:18 ID:O+uv8Kf8
しえん
287純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:53:19 ID:qN+hcbCN
月明かりが照らす道路の下を私、岩崎みなみは歩いている。

とても大切で、とても大好きで、とても弱くて…
護ってあげたいと思っている私の親友を探して。
今はどこで怯えているのだろうか?
はやく会って安心させてあげたい。
はやく会って話をしたい。
はやく会って抱きしめてあげたい。

ゆたかを――

だから私はひたすら歩いている。

Dボゥイという男の人と一緒に。



ゆたかを探すという共通の目的で
私とDボゥイさんは一緒に歩いている。




◇       ◇       ◇




私とDボゥイさんはF-3あたりにある学園を目差していた。
やはりゆたかは学生だから学園を目差しているのではないかという考えの下だ。
初めにいた古寺から南下していくのが近いのでF−1まで南下してF−3へ向かうはずだった。
だが、南下している途中で向かう先から戦闘音が響いたのでそのまま進むと危険と判断。
すぐさま進路を変更。北上してトンネルの道から行こうと考えたのだ。
そして数時間歩いて初めにいた古寺も過ぎた。
現在位置からしてもう少しでトンネルが見えてくるころだろうか?


「お前は、ゆたかと友達なのか?」
「ええ、そうです。」
「そうか…」

歩いている途中で、Dボゥイさんが私に話しかけてきた。
Dボゥイさんは口数があまり多くはない。
愛想もあまりよくなさそうな人という印象が強かった。
でもなんとなく悪い人ではないと感じていた。
やっぱり私と同じくゆたかを探していたからという理由だろうか。

「Dボゥイさんは……ゆたかとはどういう知り合いなんですか?」
「ゆたかは…」

私がDボゥイさんに彼が私にした質問と似たような質問をぶつけてみた。
でもDボゥイさんは何か回答に詰まっている感じだった。
何か言いたくないような事情でもあるのだろうか?
私はDボゥイさんに言いたくないことがあるなら言わなくてもいいですよ。と言おうとした時、
288創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:53:48 ID:zC3HCvZC
支援
289純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:53:57 ID:qN+hcbCN
「あのDボゥイさん…」
「静かにしろ…誰かが来る。」

Dボゥイさんが私の言葉を遮った。
気付くと私達はトンネルの入り口付近まで歩いてきていた。
耳を澄ますと確かに聞こえてくる。
トンネルの中を歩いてくる足音が。

「みなみ…下がってろ。」

Dボゥイさんが支給品の日本刀を構えて私の前に出る。
私も自分に支給されていたデイバッグの中のスペツナズナイフに手を伸ばす。
しばらくするとトンネルの中から人影が姿を現した。



中から現れたのは私と同じくらいの歳の女子高生だった。
私と同じく髪をショートカットで纏めており、
冷たいというよりはまるでお人形みたいな無表情の女の子。

その少女は私達の存在を確認したらしく私達に向かって近づいてきた。

そして少女は両手を上に上げ――

「大丈夫。

 私は乗ってない。」

と、淡々とした口調で話しかけてきた。




◇       ◇       ◇



290創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:54:05 ID:O+uv8Kf8
しえん
291創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:54:40 ID:zC3HCvZC
支援
292純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:55:10 ID:qN+hcbCN
「長門有希。」


彼女はそう名乗った。
改めて名簿を見ていると確かにその名前がある。
「真・」がついているのが気になった。

「何、気にすることはない。」

目の前の女の子、長門さんは私が考えていたことを見透かしたかのように話しかけてきた。
私とDボゥイさんも長門さんに軽く自己紹介をする。

「貴方達の武器は?」

自己紹介の後私達は互いに支給されている武器を見せ合う。
Dボゥイさんは日本刀のようなもの。
私はスペツナズナイフ。
長門さんにはチェーンソーが支給されているようだ。

「Dボゥイ。」
「何だ?」
「この殺し合いには明らかに人間にはカテゴライズされない存在も参加している。
 その様な武器ではとても心細いと私は思う。」
「まあな…」
「だから。」

長門さんは自分のデイバッグをガサゴソと漁り始める。
そして小さい金属の塊のようなものを取り出した。
それと紙切れを取り出すとそれをDボゥイさんに渡す。
Dボゥイさんは紙に書いてある説明文を読んでいる。
私も説明文を読んだが、呼んでみるとかなり強力なアイテムだと思う。

「武装錬金…ブレイズオブグローリー?」
「あげる。」

そして長門さんは金属の塊をDボゥイさんに差し出した。
293創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:56:06 ID:zC3HCvZC
支援
294純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:56:33 ID:qN+hcbCN

「いらん、お前が持ってろ。」
「いいから。」

Dボゥイさんは長門さんのことを察してかアイテムを受け取るのを断っている。
しばらくの間上みたいな言葉の掛け合いを2人はしていたが、

「長門、俺みたいな奴にこんなもの渡して…自分は大丈夫なのか?」
「何、気にすることはない。」
「そこまで言うなら…」

結局Dボゥイさんが折れてそのブレイズオブグローリーというのを受け取った。

「長門さん。」
「何。」

私は長門さんに話しかける。
長門さんの視線が私に向けられる。
吸い込まれそうなほど底なしの闇色の瞳をしていた。

「殺し合いに乗ってないなら…長門さんも私達と一緒に来る?」

殺し合いに乗ってないなら乗っていないもの同士、組んだほうがいい。
それに長門さんもゆたかほどとは言えないが、か弱そうな雰囲気だったから。
何だか護ってあげたいと思ったというのもある。
Dボゥイさんは特に異論はないらしく、黙っている。

「いや、私はやらなければならないことがある。」
「だったらそれに私達が付き合うというのは…」
「1人のほうが好都合。」
「でも長門さん。貴方1人で大丈夫なの?」

「何、気にすることはない。」

私は1人で行動しようとする長門さんを引き止めるが、
ついに私が折れてしまった。
長門さんは見た目以上に頑固なところがあるようだ。

「それじゃ、私はこれで。」
「待って、長門さん。」
「何。」
「小早川ゆたかを見つけたら、できれば保護してほしい。」
「…特徴を。」

私は長門さんに小早川ゆたかの特徴を話した。
背丈がとても小さいことや、病弱なこととかいろいろ。
295創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:57:02 ID:zC3HCvZC
支援
296純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:57:17 ID:qN+hcbCN

「分かった、見つけたら保護する。」
「…お願いします。」

そして長門さんは暗闇の中へと歩いていった。


「行きましょうか、Dボゥイさん。」
「あぁ…そうだな。」

長門さんを見送った後、私とDボゥイさんはトンネルの中へ入っていく。
トンネル内はライトがついており意外と明るい。
しばらくは懐中電灯の必要もなさそうだ。


ゆたか……待ってて。


今私達が…探しに行くから。

でも、長門さんも1人で大丈夫かな。

【C-2 トンネル入り口/一日目 黎明】
【岩崎みなみ@らき☆すた(原作)】
【状態】:健康
【装備】:スペツナズナイフ@現実
【所持品】:支給品一式、不明支給品(0〜2)
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らずゆたかを見つけ出し護る
0:Dボゥイと行動する。
1:ゆたかを見つける。
2:トンネルを抜けて学園へ向かう。
3:長門有希が少し気がかり。


【Dボゥイ@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
【状態】:健康
【装備】:日本刀@現実、核金「ブレイズオブグローリー」@書き手ロワ2
【所持品】:支給品一式、不明支給品(0〜2)
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らず、ゆたかを保護、シンヤとの決着をつける。
0:みなみと行動する。
1:ゆたかを保護する。
2:トンネルを抜けて学園へ向かう。

【備考】
※アニロワ2nd 173話「REASON」の後より参加。
297創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:57:46 ID:KLuV76lL
支援
298創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:57:55 ID:zC3HCvZC
支援
299創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:58:14 ID:O+uv8Kf8
しえん
300創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:58:34 ID:CfGE4HPu
中の人が同じ来た!支援
301純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:58:36 ID:qN+hcbCN




◇       ◇       ◇




私は先ほど出会った二人の人物について考察する。




まずはDボゥイこと相羽タカヤ。
正直名簿で彼の名前が載っていたときは少し驚いた。
私、『長門有希』の記憶は知っている、Dボゥイという人物を。
前の殺し合いで一時的とはいえ一緒に戦った。


でも、テッカマンオメガとの戦いで私(とその仲間)を逃がし、
オメガを倒したものの廃人となってしまった。
後に渚カヲルという人間に操作され、
殺された。
私自身に。

だから再び会った時、幽霊を見たような感覚を私は感じた。

でも、私のことは知らないらしい
あれは私が知っているDボゥイではないのか。
恐らく別の平行世界のDボゥイだと思われる。

なにがともあれ、
Dボゥイの実力は知っている。

彼もまた優秀。

主催を倒すのには、必要だ。
でも、いくら優秀といってもロクな武器がなければ
打倒主催は難しい。
302創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:59:00 ID:zC3HCvZC
支援
303純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 00:59:16 ID:qN+hcbCN
だから、私はあのアイテムを渡した。


それに私はお礼がしたかった。
私は世界が違うとはいえ彼に迷惑をかけただろう。
そしてその結果が悲惨なことになってしまった。
あの時、私の力がもう少しあれば彼も生還できたかもしれない。


核金『ブレイズオブグローリー』。
Dボゥイに渡したあれは元々私が持っていたものではない。
私がトンネルの中で始末した女、高良みゆきの支給品。
中を見てみたら「当たり」と言えるものがいくつか支給されていた。
他に何が支給されていたのかは後の話。




次にDボゥイと一緒にいた少女、
岩崎みなみについて私は考察する。


さっそく結論付けさせてもらうと
彼女は無能にカテゴライズされると私は判断する。

私が始末した女と違い支給品を確認し、
少なくとも場所の移動はしたようだ。
だが、私と遭遇した時彼女はDボゥイの後に隠れていた。


他にも私が立ち去る時、
一緒に行動しようとしつこく付きまとってきた。

つまり、他人あてにしていると私は判断する。

他人あてにしている奴は間違いなく足を引っ張ること間違いなし。

多分、Dボゥイは戦いになった時必死でみなみのことを護るだろう。
そして何れ彼に破滅の時が来ると思われる。
世界が違うとはいえ、Dボゥイをかつての仲間をそんな目に遭わせたくはない


次は殺す、必ず殺す。

304創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 00:59:47 ID:zC3HCvZC
支援
305純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 01:00:18 ID:qN+hcbCN
そして岩崎みなみが探してほしいと言っていた
小早川ゆたか。

あれは岩崎みなみから特徴を聞いた時無能と判断。

聞いた性格から考えると、彼女もみゆきと同じく
殺し合いも知らず、あたふたしているに違いない。
そして他人をすぐにあてにすると思われる。

極め付けに病弱、まさに決定的。

岩崎みなみには見つけたら保護すると言っておいたが…
発見し次第殺しておくことにする。
彼女がそれまで生きていられるか疑問だが。

そういえばみゆき、みなみは
私の仲間である柊かがみと同じ制服を着ていたが
知り合いなのだろうか。



それはおいといて、

私がみゆきを始末した後に手に入れた支給品。
一つはDボゥイにあげたブレイズオブグローリー。
もう一つは私にとってとても『当たり』と言えるアイテムだった。

私はもう一つの支給品を取り出すためにデイバッグに手を入れる。

私は中から腰に巻くようなベルトを取り出す。

回収して初めてみた時はどんな道具かは分からなかったが、
説明書にはとある単語が書いてあった。

「仮面ライダー」
306創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:00:53 ID:zC3HCvZC
支援
307創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:00:57 ID:CfGE4HPu
あてにするというよりされる、だな。
支援。
308創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:01:18 ID:O+uv8Kf8
ゆたかとみなみ逃げてえええええ
309純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 01:01:21 ID:qN+hcbCN
仮面ライダーと言えば、
殺し合いを生還した後ファンガイアとやらと戦い続けているアナゴさんの姿が思い浮かぶ。
生身の身体の上に鎧をつけ戦う戦士。
それが仮面ライダー。
今、私が手にしているのはそれに変身するための道具、イクサベルト。

さっき言ったと思うが、私にとってこの支給品はとても都合がいいものである。
仮面ライダーの性能というのもあるが…私が目をつけたのはそこではない。

『正体を隠して戦える。』これがいい。
正体を隠せて行動できるというのはいいメリットだと私は判断する。
状況に応じて私の姿と仮面ライダーの姿を使い分ける必要がありそうだ。


そして私は説明どおりにベルト型ツール、イクサベルトを持ち、腰に巻く。
次にジェネレーター発動キー、イクサナックルを装着。

『レ・デ・ィ』

電子音声が鳴る。
そして私は変身するためのあの言葉を口にする。

「…変身。」
『フィ・ス・ト・オ・ン』


◇       ◇       ◇



電子音声が響く。
そこには長門有希の姿はなく、
白いパワードスーツを身に纏った戦士。
仮面ライダーイクサだった。



◇       ◇       ◇

310創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:02:03 ID:CfGE4HPu
まさかの193きたwwwwwww
311創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:02:04 ID:zC3HCvZC
支援
312純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 01:02:12 ID:qN+hcbCN
仮面ライダーに変身した私は
デイバッグの中から黒王号を出し、飛び乗る。
そして深夜の闇の中を駆け抜けるべく
黒王号を走らせる。


殺し合いに乗る者、そして無能なる者――


その命――


神に返しなさい。




◇       ◇       ◇



分かっている


私は許されないことをしていると分かっている。


正体を隠し他人を殺す。なんとも汚れた行為だろう。


だけど、元の生活に戻るには仕方のないこと。


最初から許されようだなんて思っていない。


6/、柊かがみ、アナゴさん、南姉妹、赤木しげる、武藤遊戯、


涼子………


全てが終わったら謝ろう。許されても、許されなかったとしても…


私はそれでいい。

313純白サンクチュアリィ ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 01:03:04 ID:qN+hcbCN
【B-2/1日目 黎明】
 【真・長門有希@カオスロワ】
 [状態]:健康、仮面ライダーイクサに変身中
 [装備]:チェーンソー@現実 黒王号@漫画ロワ
 [持物]:基本支給品一式、イクサベルト@カオスロワ
 [方針/行動]
 基本方針:無能と殺し合いに乗るものを殺害する。主催の打倒。外道対主催。
 1:無能と殺し合いに乗るものを探し出し殺す。
 2:よってしばらくは一人で行動する。
 3:主催を倒し元の世界にみんなで戻る。
 4:岩崎みなみは次会ったら殺す。
 5:小早川ゆたかは見つけたら殺す。勝手にのたれ死ぬとは思うが…


 [備考]
 ※カオスロワ5期エピローグ後からの参戦です。
 ※『皆』とはテラカオスを倒した八人の事を主に指します。
 ※また彼らと一緒にいる人物は殺しません。
 ※イクサの制限は変身時間無制限、変身解除後は1時間変身不能です。(なのはロワのホッパー準拠)
 ※ブレイズオブグローリー@書き手ロワ2、イクサベルト@カオスロワは高良みゆきからルート。
314創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:03:56 ID:CfGE4HPu
そういやイクサって原作でも敵味方構わず5人ぐらいは変身しているんだよな 支援
315 ◆OGtDqHizUM :2009/01/24(土) 01:04:18 ID:qN+hcbCN
以上で投下終了です
316創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:06:33 ID:zC3HCvZC
乙!

最初なんでDボゥイ殺さないのかなあと思ったら、
一緒に行動しているときがあったか!!

そしてゆたかとみなみ逃げてー!!
317創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:07:06 ID:CfGE4HPu
乙。
そういえば平成の仮面ライダー見ていると仮面ライダーの力って使う人に結構振り回されているんだよな。
対主催でマーダーキラーなのにステルスマーダーとはまた珍しい。
318創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:08:05 ID:O+uv8Kf8
投下乙です!
そういやDさんカオス出てたっけw忘れてたw
何にせよゆーちゃんとみなみ逃げてー!

……それにしても二人のどっちかが声に突っ込むと思ったのにw
319創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:12:29 ID:KLuV76lL
投下乙です
これはゆーちゃん逃げてー!と言わざるを得ない
長門から逃げるまでもなく、セフィロスに殺されそうと言うのは置いておいて
そしてゆーちゃんと同じ顔のフラグビルドも逃げてー!
長門そっち行きそうだから!
320創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:14:25 ID:9RBi+T/v
長門、仮面ライダー、黒王号の組み合わせがヤバイwww
321創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:19:48 ID:c7+41tyw
投下乙!!
>仮面ライダーに変身した私は
って、長門冷静すぎるだろwwってなんかワロタ
カオスロワ出身ゆえか

というかこんな人間臭い長門はなかなか見れるもんではない
さすがカオスロワ


蛇足かつテクニカルなことながら一つ
馬から落ちて落馬してる表現はできるだけ推敲されるとより読み良いかと思います
322 ◆KuKioJYHKM :2009/01/24(土) 01:22:16 ID:KLuV76lL
ランキング作成人、投下します
323創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:22:43 ID:D+fcK0qp
乙!
すげえ!まさかの仮面ライダーナガトwww
っていうかライダーはライダーでも乗馬じゃねえか!
ザク、ザク、ザク……。
夜の湖畔に、足音だけが響く。足音の主は、大きく十字架が描かれた服を着た青年だ。
本名は不明。ただこの場所では、彼は「ランキング作成人」という名を与えられている。

「しかし、人がいないねえ……」

静寂を嫌うかのように、作成人はぼそりと呟く。

『まったくだぜ! 美少女の一人もいやしねえ! ああ、パンツめくりてえ! セクハラしてえ!』
「てめえは黙ってろ、エロスミラージュ。沈黙以上に気が滅入る」

自分の言葉に反応する電子音声に、作成人は辛辣な台詞を浴びせる。

『変な名前で呼ぶな! 俺はクロスミラージュだ!』
「エロスがいやなら、変態にしておくか? 俺はな、軽いギャグとしてのエロネタは好きだがヘビーなのは苦手なんだよ。
 だいたい魔力なんてかけらもない俺にデバイスなんか支給されても、無用の長物なんだ。
 せめてレイハか正常なクロミラなら、話し相手ぐらいにはなったものを。湖に沈めずに持ち歩いてるだけでも、ありがたいと思えよ」
『えっと、なんかごめん……』

本気で殺意がこもった台詞に、クロスミラージュはつい謝ってしまう。

『ってーか、正常な俺って何よ? 俺にどっかおかしいところあるわけ?
 そういやレイハ姉さんも、俺のこと違和感があるとか言ってた気がするけど……』
「何だ、わかってないのか? いいさ、説明してやるよ。ちょうど休めそうな場所も見えてきたしな」

作成人が指を指す先。そこには、立派な神社が堂々と建っていた。


◇ ◇ ◇


「鷹宮神社ねえ……。なんか、すごい聞き覚えのある名前……」

神社の名前に苦笑しつつ、作成人は境内へ足を進めていく。周囲に人の気配がないか確認しつつ、彼はそのまま建物の中へ入っていった。

「こういう地図に載ってる建物には、自然と人が集まるもんなんだけど……。
 タイミングが悪かったかな」

人がいないことに愚痴をこぼしつつも、作成人は適当な部屋を選んで腰を下ろす。

『それじゃあ、さっきの話の続きを聞かせてもらおうか。俺が正常じゃないってのはどういうことだ?』
「その前に、一つ訊かせてくれ。お前、ここに来る前はどこに誰といた?」
『ああ? レナと一緒に、幻想郷の宴会に出てたんだよ。それで帰ろうとしてたら、いつの間にかデイパックの中だ』
「そうか、その時間軸なら知ってるだろう。お前たちが参加させられていた殺し合いと、ニコニコ動画との関連を」
『ああ、俺たちの世界が別の世界ではアニメになってて、ニコニコ動画ってところで有名になってたから殺し合いに呼ばれたって話だろ?
 それとこれとどう関係が……って、ちょっと待て』

クロスミラージュの声が、急に真剣味を帯びる。

『なんでお前が、あの殺し合いのことを知ってるんだ……。まさかお前、あの殺し合いの関係者なのか?』
「いや、関係者と言えなくもないが、直接は関わっていない。ただ読んでいただけだ」
『読んでいた? 意味がわからねえ……』

作成人の返答に、クロスミラージュは困惑した様子を見せる。
「俺の世界にも、ニコニコ動画は存在する。そしてお前が参加させられていた殺し合いは、小説という形で存在してるんだ。
 『ニコニコ動画バトルロワイアル』ってタイトルでな」
『何だと!? そんなことあり得るはずが……』
「あり得ないなんてことはあり得ない。ある世界が他の世界でアニメや漫画になってたんだ。
 小説だけを否定するのはおかしいだろう?」

クロスミラージュの言葉を途中で遮り、作成人は彼が言おうとしたことを否定した。

『まあ、確かに……。言われてみればそうか』
「さて、何の話だったか……。ああ、そうだ。お前がいた世界は、俺たちの世界じゃ『魔法少女リリカルなのは』ってタイトルのアニメとして存在している。
 だがそのアニメに登場するクロスミラージュは、お前とは性格がまったく違う。
 寡黙で真面目。それがクロスミラージュ本来の性格なんだ。俺が言った『正常なクロミラ』ってのはそういうことさ」
『なんてこった! このナイスガイの俺様が、お前たちの世界じゃそんな面白味のない性格に改悪されちまってるのか!』
「いや、逆だろ……常識的に考えて……」

クロスミラージュの考え方に、作成人は思わずあきれた声を漏らす。

『まあいいや。よその世界の俺がどうであろうと、俺は俺だからな! これからもセクハラしまくって……』
「それは自重しろ、変態デバイス」

作成人はクロスミラージュを床に叩きつけ、それを踏みつけた。

『やめろ、やめろって! 俺は可愛い女の子ならともかく、男に踏みつけられて興奮する趣味はねえ!』
「いやだなあ、だからこそ罰になるんじゃないか」

黒い笑みを浮かべながら、作成人は更にクロスミラージュを踏み続ける。

『わ、わかった! 自重する! 自重するからやめてくれ!』
「よし、いいだろう」

ようやく足をどけてもらい、クロスミラージュはデバイスだというのに安堵の溜め息を漏らした。

『クソ、こっちが文字通り手も足も出ないからって好き放題やりやがって……。いずれ痛い目見せて……』
「何か言ったか?」
『い、いえ! 何でもありません!』
「そうか」

冷めた声で言うと、作成人はふいに荷物から名簿を取り出す。

「さて、せっかくだからこの流れで参加者についての考察もしておこうか」
『はい? どういうことだ?』
「お前は聞いていなかっただろうが、このバトルロワイアルの主催者はこう言ってたんだ。
 『ここにいる者のほとんどは、すでに殺し合いを経験している』ってな。
 実際、俺も別の殺し合いからここに連れてこられたしな。
 そして俺が読んだことのあるバトルロワイアルの小説は、一つだけじゃない」
『つまり俺たちのいた殺し合いと同じように、お前さんが読んでた小説と同じ殺し合いが行われた世界がどこかにある。
 この殺し合いの参加者は、そこから連れてこられた。そう言いたいのか?』
「Exactly(そのとおりでございます)」
『もしそうなら、お前さんめちゃくちゃ有利じゃねえか。前の殺し合いで誰が殺し合いに乗ってて、誰が乗らなかったか、全部知ってるんだろ?
 それならいくらでも対策を立てられ……』
「いや、そう単純にはいかないんだなあ」

クロスミラージュの言葉を、作成人はあっさりと否定した。
326創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:25:12 ID:zC3HCvZC
支援
「たとえば今回はいないが、お前の主人であるティアナを例に出そう。
 俺が知っているだけでも、ティアナは三つの殺し合いに参加させられている。
 もちろんそれらのティアナは同一人物じゃない。平行世界の、それぞれ違うティアナだ。
 この名簿に載っている人たちも、その多くが複数の殺し合いに参加させられている。
 同一人物だからって、いつも殺し合いに対して同じスタンスをとるわけじゃない。
 この名簿じゃ、誰がどの殺し合いから連れてこられたかまではわからない。
 おまけに主催者は、こんな事も言っていた。『今回初参加の特別ゲストもいる』。
 これも、誰が当てはまるのか判断する材料はない。
 つまり俺の知識で危険か否かある程度判断は出来ても、断定は出来ないってことさ」
『長い説明だったが……。要するになにもわかりませんってことか?』
「いや、そうでもない。少なくても何人かは、俺の知識が十分に役に立つ」

にやりと笑いながら、作成人は言う。

「書き手ロワ2ndと呼ばれる殺し合いがある。
 この殺し合いの参加者は、実在する人物をモデルにしてはいるがこの話の中にしか存在しないキャラクターだ。
 すなわち他の殺し合いには参加しておらず、これが初の参加ということもまずあり得ない。
 つまり、前回の殺し合いの行動がそのまま今回にも適応される可能性が高いってことだ」
『なるほど……』
「書き手ロワからの参加者は6人。その内熱血王子、こいつはほぼ確実に危険人物だ。
 死亡した後ならば改心しているが……。まずない。俺が主催者なら、そんなことはしない。
 改心する前から連れてくる。そうじゃないと面白くないからな」
『面白くないって……。そういうものなのか?』
「そういうものなんだ。次に地球破壊爆弾、ロリスキー、フラグビルドの三人。
 この三人は基本的には信頼できるが……。時期によってはやばい。連れてこられた時期によっては、危険人物になりうる。
 逆にChain-情とウッカリデスの二人。この二人は完全に白。どの時期から連れてこられたとしても、九分九厘無害だ」
『ふむ……』
「他に断定は出来ないが、ゲームに乗っていない可能性が高そうな参加者は……。
 アルフォンス・エルリック、いさじ、桂ヒナギク、ジョセフ・ジョースター、園崎魅音、ピッピ、南春香、やる夫、遊城十代、こんなところか」
『断定できないと言いつつ、ずいぶん挙げてるじゃねえか』
「あくまで可能性が高いだけだ。どんな善人でも、皆殺しの剣とか支給されたら一発発狂だしな。
 それに、今まではゲームに乗らなくても今回は特別、ってことだってありうる。たとえばこいつだ」

作成人は、名簿の一点を指さす。そこには、「真・長門有希」の名前があった。

「長門有希は多くの殺し合いに参加しているが……。『真』がつくとなれば一人しかいない。
 そして他に長門有希の名前はない。ゆえに、俺がさっき目撃した『殺人を犯す長門有希』は彼女以外にあり得ない。
 だが、彼女はゲームに乗るような人間ではなかった。少なくとも、前の殺し合いじゃあな。
 正当防衛にも見えなかった。となれば、気が変わったとしか思えない。
 おそらく彼女の目的は奉仕……。仲間、特に恋人である朝倉涼子を優勝させるための行動だろう」
『ちょっと待て、彼女ってことは、その長門って参加者は女なんだよな?』
「そうだけど?」
『で、お相手の朝倉涼子も、名前からしてたぶん女』
「うん。それがどうした?」
『いや、何でも……』

まあそれはそれで、などと呟くクロスミラージュをよそに、作成人は更に喋り続ける。

「とにかく、俺が持っている情報はあくまで前の殺し合いのものでしかない。参考には出来るが、過信は禁物だ」
『O.K、結論はわかった。それで、なんでそんな曖昧な結論のために長々と喋ってたんだ?』
「なんでと言われてもな……。意味がなかったら喋っていかんのか?」
『いや、そこまでは言ってねえけど』
「単純に自分の考えを整理してただけだよ。それをお前にも聞いてもらってたってことだ。
 非常に不本意ではあるが、今後しばらくは一緒に行動することになりそうだからな。
 情報は共有しておくに越したことはない」
『非常に不本意って……。そんなに俺がいやか』
「いやだね」

作成人は、きっぱりと言い切る。
「まあそれはいいとしてだ」
『いや、よくねえだろ!』
「俺としては死人は最低限に抑えたい。そのために必要なのは殺し合いに乗らない参加者の結集。それによる殺し合いの早期破壊だ」
『ガン無視しやがった、こいつ……』
「じゃあ、仲間を集めるのに必要なものは何かと言えば」
『幼女!!』
「違うわ!」

自信満々に言い放ったクロスミラージュに対し、作成人は体重を乗せたエルボードロップを見舞った。

「だが、あながち遠くもない。要は他人を引きつけるもの、カリスマ性だな」
『遠くないなら攻撃するなよ!』
「間違ってはいないがお前の態度が気に入らない」
『どんだけ横暴なんだよお前!』
「それはさておき……」
『さておくなー!!』

クロスミラージュの悲痛な叫びは、やはりというか当然というかあっさりスルーされる。

「残念ながら、俺にカリスマ性なんてものはない。となれば、カリスマを持った参加者を仲間にする必要がある。
 狙うべきは彼女……。残念ながら100%安全とは言えない人材だが……泉こなた。
 あのパピヨンでさえ虜にしたカリスマと、初対面の相手とも比較的簡単に打ち解けられるコミュニケーション能力。加えて強運。
 集団の中核としては申し分ない存在だ。彼女と合流を果たせれば、大規模な集団の形成も夢じゃない」
『ふむふむ。で、その人がどこにいるかわかるのか?』
「俺にわかるわけがないだろう。そんな能力ない」
『いや、あっさり言うなよ。どうやって探すんだよ』
「歩き回ってに決まってる。それ以外の方法があるか?」
「しらみつぶしかよ! そんなので本当に見つかるのか?」

徐々にヒートアップしていくクロスミラージュに対し、作成人は淡々とした態度を崩さない。

「狙うという言い方はしたが、この場で誰と出会うかなんて本当に運次第だからな。
 見つけられればラッキー、ぐらいの考えだよ。それに彼女以外にも、見つけたい人はたくさんいる。
 遭遇確率を上げるには、とにかく動き回る。これしかない」
『まあ、確かに……。会いたいと思って会えるんだったら、苦労はないよな』
「珍しく、あっさり納得したな」
『最初からそう言ってくれれば、素直に納得したっての。けど、本当にそれでいいのか?
 確実に見つけられる方法はなくとも、確率を上げる方法ぐらいはあるんじゃ……』
「あるかもしれないけど、手持ちのカードじゃどうにもならないな。結局最後にものを言うのは、地道な努力だよ。
 そういうわけだから、そろそろ行こうか。考察やって時間潰してはみたけど、誰も来ないみたいだしね」

そう言うと作成人は腰を上げ、クロスミラージュをポケットにしまう。
そして、神社を発つべく歩き出した。

「早く仲間、見つかるといいなあ……」

青年のつぶやきは、夜の闇に消えていった。
【C-3/神社/1日目-黎明】

 【ランキング作成人@オールジャンルバトルロワイアル】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、未確認支給品1〜2、クロスミラージュ@ニコロワ
 [方針/行動]
  基本方針:誰にも死んでほしくない。自分も死にたくない
  1:ななこ、6/と言った知り合いと合流する
  2:ロワ破壊のための仲間を集める(こなたを仲間にしたいが、「会えればラッキー」程度の優先度)。
  3:クロミラがウザい。


『ところでさっきティアナはいないって言ってたけど、他の機動六課の女の子たちはいないのか?』
「ああ、いるよ? なのはさん、フェイト、スバル、シグナムの四人」
『ちょ、それ早く言えや! 明らかに殺し合いに乗らないだろ、その美少女たち!
 俺が仲介に入れば、信頼を得るのも簡単だろうし……』
「でもなあ……。なのはさんはある殺し合いで『悪魔』と呼ばれるぐらい暴れたし、フェイトはなのはさんのためにゲームに乗ったことあるし、
 スバルは疑心暗鬼になって仲間まで襲ったことあるし、シグナムはバリバリ殺しまくってるし……」
『……こえー。機動六課こえー』
330 ◆KuKioJYHKM :2009/01/24(土) 01:28:44 ID:KLuV76lL
以上で投下終了となります。
誤字脱字、気になる点などありましたら指摘お願いします。
331創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:35:19 ID:HGglSIaq
>>330
投下乙!
ものすごくメタな話過ぎてワロタw
書き手は考察には良いスパイスだなあ…
そしてクロミラは全く自重しねえなwww
332創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:36:30 ID:CfGE4HPu
宴会から参加させられたクロミラ・・・・・・これはまたゆかりんが外部から関わりそうな予感。
乙!
333創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 01:43:10 ID:O+uv8Kf8
投下乙です!
ランキング氏はまじめな考察をしているのに……
クロミラお前は自重しろw
334創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 02:57:39 ID:1bvNRK5c
流石はご本人w
なんて書き手ろわな考察だw
しかし、そうだよなあ。
あいつら当たり前だが基本は書き手2にしか出てないし……
そこをついての考察とは相変わらず穴をつくのが上手いw
335創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 20:09:49 ID:IQ0gYcUr
連絡です
「変態に縁のある女」が容量オーバーでwikiに収録できませんでした
◆jVERyrq1dU氏に分割する場所の指定をお願いします
336 ◆jVERyrq1dU :2009/01/24(土) 21:35:25 ID:+M5sLWw6
>>167から後編って事でお願いします
337 ◆DiyZPZG5M6 :2009/01/24(土) 21:42:20 ID:mjU4VhuV
6/@カオスロワ、泉こなた@原作、地球破壊爆弾No.V-7@書き手2、桂言葉@やる夫ロワを投下します
「誠君……どこにいますか? 私はここにいます。だから返事してください誠君……」

 森の中をひとり彷徨う少女。
 焦点の合わない虚ろな瞳は何を写しているのだろうか?
 彼女――桂言葉は水晶色に輝く大剣を引きずりながらゾンビのような足取りで森を徘徊していた。

 この島に蠢く59体の西園寺世界をこの世から滅殺するために。
 ただの一人も逃さず徹底的に殺しつくす。
 一人でも残せばプラナリアのように増殖する。
 完膚なきまでに鏖殺するのだ。
 そうでもしないと『奴』は何度でも何度でも何度も伊藤誠にまとわりつく。

「誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君誠君……」

 病的に伊藤誠の名を呼びかける言葉。
 目に見える人間全てが西園寺世界と認識される言葉にとって唯一心安らぐ存在なのである。
 アイスソードの副作用による知力低下がもたらしたことによって発症した擬似的な雛見沢症候群の末期症状、
 すなわち理性の崩壊と時にありえないものを知覚する超感覚が、この島に潜む伊藤誠の存在を感じ取っていたのである。
 しかし、知っての通りこの島に招かれた哀れな生贄の中に西園寺世界はおろか伊藤誠の名前は存在しない。
 ならばなぜ彼女は伊藤誠の存在を感じ取っているのだろうか―――?



 ☆



「ハァッ……ハァ……さすがにもう追ってこれないだろ……」
 息を切らし、地べたに座り込む下半身丸出しの男―――6/は走ってきた方角を振り向いて呟いた。
「まあ、予備知識の賜物だよね〜」
「だねー」
 と息を全く切らすことなくお互い顔を見合わせ微笑む小柄な少女二人。泉こなたと地球破壊爆弾No.V-7である。
「つかお前らあんだけ全力ダッシュして何で平気なツラしてんだよッ!」
「だって私オタクだけど運動神経は抜群なんだもん。運動は大嫌いだけどね〜」
「まあ私はこなたちゃんの姿してるからね〜。身体能力はオリジナルに準ずるのさー」
「畜生! 俺だって日本人男子の平均ぐらいの運動能力はあるっつーの!!!」

 何はともあれ突然現れた狂人の襲来から逃げられたことを喜び合う三人。
 狂人の名は桂言葉。
 オタクなら知る人ぞ知るヤンデレガールなのだ。
 だからこそ三人はすぐさま彼女が発狂モードに突入していることを見抜き、彼女の不意を突く形で逃げ出す事に成功したのである。

「ところで……こなたちゃんも彼女の事を知ってたみたいだけど」
「まねー、原作プレイ済みだし サマイズのギガパッチ騒動だって経験済みだよっ☆」
 自慢げに親指をグッと立てるこなた。
 その言葉に爆弾は腕を組み何やら思いを巡らせていた。

(彼女もまたゲームでスクイズを認識している……6/さんの考察が真実味を帯びてきているね)
 6/曰く、泉こなたや涼宮ハルヒは二次元の世界の住人ではなくて、限りなく三次元世界に近いパラレルワールドの存在だという。
(ならば……どこかの異世界に私を登場人物にした物語が存在しているのかもしれないね。いや、もしかしたらこの殺し合い自体が―――ふふん、面白い)
 うんうんと一人頷く爆弾。
(誰かが時空震動弾を発動させたのか、涼宮ハルヒがこうなる事を願ったのか。―――神、空にしろしめす。 なべて世はこともなし。この世に偶然なんて存在しない、全てが必然である、か……)
「おーい、爆弾さーん?」
 自分の名を呼ぶ声に爆弾は思考の海の底から引き上げられる。気がつくとこなたが顔の前で手を振っていた。
「どうしたの? ぼーっとしちゃって?」
「ごめんごめん、ちょっと考え事をしててね」
「考え事?」
「ん、まあまだ取るに足らない、まとまりきってはいない。妄想みたいな物かな。その内話すよ」
「ふぅん……」
 全く同じ容姿をしているのにその身が纏う雰囲気は全く違う爆弾。
 こなたにとって彼女の賢者のような哲学者のような振る舞いは時に、ハルヒの登場人物である古泉一樹を思い起こすものだった。

「ところでよ……切実な悩み事があるんだ……」
 突然深刻そうな表情で話す6/。
 どうしたものかとこなたと爆弾は彼を見やる。
「あ……っ」
 こなたの表情が赤く染まる。
 爆弾は苦笑いをしている。
「そうだ……頼む、何か着る物をくれないか……さすがにこの格好はマズすぎる。こう、刑法的に」



 ☆



「ふっふーん、こなたちゃん可愛いな〜。いつもエロゲで見慣れてるのに『本物』を見て顔を赤らめちゃうんなんて〜☆」
「だ、だって男の人のを見るのはお父さんぐらいなんだもん……」
 いつもかがみに対してセクハラ発言をしてるこなたが珍しく恥じらいを見せている。
(なるほど〜こなたちゃんはいざ攻められると弱い隠れMとみた。かが×こなネタゲットだぜ! ククク……私のドSの血が騒いじゃうねぇ〜)
「時にこなたちゃん、お父さんと6/さん。どっちが『大き』かった」?」
「えっ? あの、それは……」
「ちょっおまっ、それ何というセクハラ発言! お前はオヤジかッ!」
 しばしの沈黙の時間が流れる。
 顔を赤く染めたこなた小さな声でありながら誰にでも聞こえるしっかりした声で言った。

「―――お父さん」
 
 つうこんのいちげき!
 こうかはばつぐんだ!
 6/はしんでしまった!

「あっ6/さんが灰になった。急いでカント寺院で復活を!」

 6/はロストした。
 ざんねん! 6/のぼうけんはこれでおわってしまった!

「って終わってねーよ!! つか勝手に殺すな!!!」
「あっ生き返った」
「頼む……俺に何か着る物を……人間の尊厳を……」
「そういう時にこそ支給品チェックじゃないかな? ほら6/さんはまだ全部の支給品を確認したわけじゃないでしょ……」
「確かに……でも都合よく服が入ってるなんて……」
「いやいや、こういう時だからこそ都合よく服が入っている物なんだよ。―――まあまともな服じゃあないけどね」
 手を口に当てクスリと笑う爆弾。
「クソッ背に腹は変えられん、まともな服を―――俺は支給品を信じる!」

 決意して自らのデイバッグに手を伸ばす。
 すると何かしらの布の感触が手に伝わった。
 そして数分後、着替えを終えた6/が二人の前にその姿を現すのだが―――
「ほら、やっぱりまともじゃなかった」
 にやにやと笑う爆弾。
「中○ktkr!!!」
 目を輝かせるこなた。

 6/が着ているのは額の部分に星をあしらった緑色の帽子と深いスリットの入ったチャイナドレスだった。
 無論男が着るのには程遠い代物である。
「ってなんだよこれッ! 男物じゃねー! それ以前にこのデザイン! 人民服を無理矢理チャイナドレスに改造したデザイン! まんま中○じゃねーかぁぁぁぁ!!!」
「「ですよねー」」
「畜生……」

「資本主義の豚共に鉄槌を! 人民を飢餓と貧困から救え! 大・躍・進!」
「それ微妙に危ないネタだからやめれ」

「と、まあ冗談は置いといて、これで下半身丸出しから逃れられたんじゃない?」
 爆弾の言うことももっともである。
 しかし6/に支給されたのはあくまでチャイナドレスだけであってそれに付属する下着というものは存在していないのである。
 つまり今の彼はノーパン状態であり、激しい動きをすればその深いスリットから大切な部分がチラリズムするという恐れを孕んでいるのだった。
「人間の尊厳を失うよりマシでしょ?」
「ああ……確かにそうだが……何かこの服、胸の部分が結構あまるな……」
「そりゃ○国は巨乳設定だし」
「くやしいのう、くやしいのう……でも貧乳はステータスだ! 誇ってもいいんだよ爆弾さん!」

「ところで……6/さんの支給品ってそれだけ?」
「あー……どうだろ。ちょっと待ってくれ調べてみる」
 そう言って6/は再びデイバッグを調べる。
 すると一丁の拳銃が姿を現した。

「何だ……ただの拳銃か……弾は入ってるようだけど……予備のマガジンが入ってねえ」
「チート能力だらけのロワで銃なんてあまり役立たないかもね〜」
「そういえばジェームス・ボンドが同じ銃持ってたよね。確かワルサー何とかって―――」



 ★



「なあんだ誠君……そんな所にいたんですか」
 突然森の中に広がる匂い、とてもよく知る匂い。
 間違うはずがありません。私の大好きな誠君の匂いです。

 早くしないとまたも世界さんの毒牙に掛かってしまいます。
 誠君だって男の子ですもの、可愛い女の子がいればそちらに誘われてしまうのは理解しています。
 だけど彼女だけは駄目です。
 世界さんは私と誠君を引き合わせました。
 でも彼女は誠君を手放すことが惜しくなって私を裏切りました。
 そんな人が誠君を幸せにできるはずがありません。
 だから、

 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

 私は誠君の匂いを辿りひたすら森の中を歩き続けました。
 うっそうと茂る森の中。どちらが北か南かはわからないけど、確実に誠君の下へ近づいていきました。
 
 だんだんと誠君の気配が近づいていきます。
 すると他の人の―――世界さん達の気配に感じ、私は足を止めました。
 暗い森の中、私は木の陰から誠君を覗き込みました。

「誠君……!?」

 何ということでしょう。
 誠君を取り囲むように世界さん達がいます。
 小さい世界さんが二人と大きな世界さんが一人。
 そうです。私がさっき出会った世界さんです。
 まずいです。大きな世界さんは女性にあるまじきモノで誠君を掘ろうとしています。
 私はいますぐにも飛び出そうとするのを堪え、いかに効率よく世界さんを屠る事を考えました。
 さすがに私も三人同時に相手をするのは難しいと思います。
 ふと目をやると私の手に握られた剣が冷たく煌いていました。



 ☆



「なあ……何か寒くないか?」
「そうかな? 夜だからじゃないかなあ」
 6/は急に気温が下がったように感じ身を震わせる。
 何かが変だ。何かがおかしい―――
 6/は気を落ち着かせるため大きく深呼吸をする。
 すると……

「ちょっと待て! 何で吐く息が白くなってるんだ! つか寒ッ! まるで冬じゃねえかよ!」
 急激な気温の低下に爆弾もこなたも事態の異常さに気がつく。
「何! なにが起こってるの!」
「わからないけど……間違いなく良い事態じゃないのは確かだよ」
 身を縮込ませ震えるこなた。爆弾は冷静に事態を分析する。
(これは自然のものじゃない……そう、人為的な―――)

「やべえ……! こりゃ冬ってレベルじゃねえ! まるで冷凍庫の中だ! このままじゃ凍え死んじまうッ!」
 なおも下がり続ける気温、この寒さだとすでに氷点下近くまで気温が下がっているだろう。
「雪……?」
 こなたは周囲に舞う存在に気がつく。
 月の光を反射してそれはきらきらと青白く輝き、森はとても幻想的な光景に姿を変えていた。
 それは雪よりも遥かに細かい結晶で森の中を舞い続けていた。

「違う……雪じゃない……これはダイヤモンドダスト……」
 爆弾が声を上げる。
 ダイヤモンドダスト、低温下において大気中の水蒸気がそのまま氷結したものである。
 日本では真冬の北国でしか見られない物なのだが―――
 爆弾は思い出す。
 人為的に極低温を発生させる存在。
 ついさっきそれを見たばかりではないか。

 極めて氷に近い分子構造を持つ魔剣――――アイスソードを。



「みんな伏せてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
 爆弾の絶叫が木霊する。
 その瞬間、森を荒れ狂う氷の嵐が吹き込んだ。
 
「なんじゃこりゃあああああああ!」
「死にたくなかったら頭を下げて!」
 それは氷の嵐というレベルを遥かに超えていた。
 言うなれば氷の弾丸。
 鋭く研ぎ澄まされた無数の氷の刃がさながら機銃掃射のような勢いで森を襲う。
 細い枝をなぎ倒し、鋭い刃が大木に突き立てられる。
 ややあって嵐のような氷の銃撃が止むと、森の奥から地獄の底から響いてくるような怨嗟の声が周囲に木霊した。

「誠君……」

 少女の声がした。
 森の奥から小柄な少女の影が現れる。
 それは木々の隙間から篭れ出る月光によってその存在が露になる。



      / : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.::   | :| |: :|::         |: : : : : : : : : : : :l
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   /: :/ │: : : : l : : !: : : :|:,.イ´.: l/.::::::::::  /:/  |: :|:::::::::::::... `メ |: :|!: : :l : : : : : |
  ,' : ,′ | : : : : l : : |: : :.イ:/|: : :/-─<  /:/  |: :| >─‐--、`下y'| : : l: : : : : :|
  │: |  | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ィ≠≦三ミ /'"   |: :l  彡三≧ェx |/ ヽ: : :l : : : : :|!    「そこに、いたんですね」
  │: |  | : : : : | : :│: : :l,イィ'::l|li|l|li|!:|      | /   |::l|il||i|li:ヾ;、 | : : :| : : : : i:!
  │: l  l: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::|        j,′   |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ
  |: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::|             |:::!l!|l|l!!::/ /} : : /: : : :/ : :l
  |: ′  ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_           {::::::::::::::/ // : :/| : : :/ :| : l 
  i,′  / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ>=≦三三       三≧==<. //: : /: | : :/ : :| : |
    /   | \| : ∨ : : ハ : :{三三三三    三:.  三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
         | : |: : : :|\: {\乂三三三    i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
         | : |: : : :| : :ヽ\  ̄        _Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
          | : | : : : |: : : :|` |lヽ、        ´ ̄` 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
          | : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、      三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |



「げぇっ! 言葉!!」
「これはちょとマズいね……」
 狼狽する6/。爆弾は平然としてる様でもその言葉にあまり余裕が見られない。
 言葉は二人の様子など気にも留めず愛する男の連呼していた。

「誠君はどこですか?」
「はぁ!? 何言ってんだ誠がここにいるわけねーだろッ!」
「いますよ、ちゃんと。返してください。あなた達が誠君を隠しているのはわかっていますから」
 もちろん名簿に伊藤誠の文字は無い。
 ましてや自分たちが誠を隠してるなんて冗談じゃない。

「こいつぁ想像以上にプッツン逝ってやがる……! でもこちらは三人だ! 逆にフルボッコにしてやるぜッ!」
「三人……? 何を言ってるんですか世界さん。『二人』の間違いじゃないですか?」
「馬鹿な事言ってんじゃねえ! 俺、爆弾さん、こなたの三人だろーがよー!!」

「それじゃあ……世界さんの後ろで倒れている世界さんは誰ですか? くすくすくす」
 言葉はゆっくりと指を差す。
 6/と爆弾は言葉が指差す方向―――自らの背後に目をやった。
 
 無造作に地面に広がる空色の長い髪。
 平均的な女子高生と比べるとひどく小柄な身体をくの字に折り曲げて、
 セーラー服の腹部を真っ赤に染めたこなたが苦悶の表情で蹲っていた。

「―――こなた!!!」
「こなたちゃんッ!!!」
「ご……めん……避け切れ……なかった……」
 こなたの腹部には言葉が放った氷の刃が深々と突き刺さっており、こなたが息をする度に傷口から血が溢れ出していた。

「お腹……刺される、って、こんなに痛いなんて……思わなかったよ……あはは」
「馬鹿野郎! そんな事言ってる場合かよッ!!!」

「―――これで一人、いえ『一匹』ですね。あはははははははは」
「てめぇぇぇぇぇぇ!!」
 ケタケタと哄笑の声を上げる言葉に今にも飛び掛ろうとする6/を静止させる爆弾。

「6/さんはこなたちゃんを連れて逃げて、ここは私が時間を稼ぐから」
「なッ……あんた一人残してトンズラこける事なんてできるかよ!」
「駄目。あなたまで残ったら誰がこなたちゃんを守るの?」
「それは―――」
「大丈夫、必ず追いつくから」
 爆弾は目をウインクさせて言った。

「解った……絶対に合流しろよ。こんなあからさまな死亡フラグ立てて死んだら末代まで祟ってやるからな!」
「おお、こわいね〜」

「こなた……! 少し痛むけど我慢してくれ」
 6/はこなたを抱え上げると背後に目もくれず走り去って行った。



 ☆



 6/がこなたを連れて逃げた後、森に残された地球破壊爆弾と桂言葉。
 二人は微動だにせず対峙していた。

「追わないんだね」
「ええ、手負いの世界さんとその護衛に忙しい世界さんなんていつでも始末できますから。まずはあなたからですよ、―――世界さん」
「相も変わらず伊藤誠と西園寺世界への妄執には脱帽するよ」
「ええ、誠君は私の彼氏なんですから」

 本来、桂言葉は病弱な女子高生という設定である。
 しかし……どういう訳か公式で居合いの達人という設定が付与されており、
 おまけに発狂状態。いわゆる『言葉様』状態になるとニュータイプ並の直感能力を持っているらしいの事である。
 そしてアイスソードによる知力低下が引き起こした雛見沢症候群の末期症状による超感覚。
 書き手として桂言葉の能力をある程度知っていた爆弾だが、今の言葉の能力は全くの未知数であった。
 
 
 
「――――投影、開始(トレース、オン)」
 
 虚空より現れた二丁の拳銃が爆弾の両手の中に納まる。
 ベレッタM92Fカスタム『ソード・カトラス』―――通常のベレッタM92Fよりも長い銃身とスライドを持つ特別性の拳銃である。
 爆弾は静かにそれを言葉に向けて構える。
 対する言葉もアイスソードを居合いの要領で構えていた。

 お互い一歩も動かない。
 否、動けない。
 先に動いたほうが負ける。

 一体何分間その状態でいただろうか?
 雲間に隠れていた月が再び姿を見せた時―――

「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 言葉の足が大地を蹴った。
 通常よりも遥かに前傾姿勢。それは地に伏せる虎のような動きで一気に間合いを詰める。
 予備動作無しの動きは素人目ではまるで瞬間移動したかのように見えるだろう。
 馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込んできた言葉にほんの僅かにだけ爆弾の引き金を引く動きが鈍る。
 そのコンマ一秒ほどの遅れが言葉に先制攻撃のチャンスを与える。
 二度銃声が森に鳴り響く。
 だが言葉にはかすりもしない。
 いくら無限の弾数を誇る爆弾の銃とて、撃った瞬間。スライドが動き元に戻る僅かな動作の最中には次弾が撃てない。
 つまり、全力で回避行動しなければ言葉の一太刀をまともに食らってしまう。
 言葉の剣閃はまっすぐ爆弾の両の足に向かって伸びてゆく。
 後ろに飛びのくか?
 それとも銃で受け止めるか?

(どれでもない……! これはフェイントッ!)

 その刹那、足に伸びる太刀筋が消失した。
 そして次に爆弾の頭上から剣が振り下ろされる。
 爆弾は銃を盾にして言葉の一撃を防ぐ。森に鳴り響く甲高い金属の音。
 剣と銃で鍔迫り合いをするというありえない光景。
 いくら居合いの達人とはいえ、超感覚を身に着けているとはいえ、言葉の筋力は女子高生の物から大きく逸脱してはいない。
 剣筋こそ速いが一撃の重さは凌ぎ切れない重さではないのだ。

「読み合いは私の勝ちだね……ッ!」
「うふふ……それはどうでしょうか?」

 鍔迫り合いする言葉のアイスソードが蒼く煌く。
 すると、みるみるうちに爆弾の銃が凍りつき、その両の腕にまで氷が広がってゆく。

「くぅ……! だけどッ!」

 爆弾は言葉の腹部に強烈な蹴りを見舞う。
 言葉は吹っ飛ぶものの受身を取って最低限のダメージに押さえ込む。

「……ッ! でもこれで仕切り直しですね。だけど凍りついたあなたの腕で正確な銃の狙いが付けられますか?」
「ふん……」

 再びアイスソードの刀身が輝く。
 またも周囲の気温が急速に低下してゆく。
「さあ……全部撃ち落して下さいね。『冬の嵐』!!」
 
 解放されたアイスソードの凍気が暴風と共に無数の氷の刃になって爆弾に襲い掛かる。
 まともに食らえば蜂の巣どころか冷凍ミンチになりかねない鋭い氷の礫。
 全方位から降り注ぐそれは回避は不可能。

 ならば、

「――――I am the bone of my bullet(体は銃弾で出来ている)」

 爆弾が紡ぐ言霊がさらにソード・カトラスの連射速度を加速させる。
 拳銃にあるまじき速射。
 ハリネズミのような対空砲火が次々と氷塊を撃ち落す。両腕を氷漬けにされ、凍傷を負っているにも関わらず正確無比に射撃を行う。
 ついに降り注ぐ弾幕結界に穴が空いた。それを見逃す爆弾ではない。
 爆弾は跳躍し氷塊の嵐から離脱する。狙うは桂言葉ただ一人。
 アイスソードの力を解放中である言葉に回避運動を行う余裕は、ない。 

 爆弾は射撃体勢に入る。
 言葉は回避を諦め空中の爆弾を迎撃すべく氷塊の射出方向を変える。
 だが僅かに爆弾の方が速い。
「殺った―――ッ!」


「いいえ―――殺られたのはあなたですよ」
 言葉はくすりと笑い、アイスソードを大地に突き立てた。
 瞬間、地面から木の幹ほどの太さのある氷の杭が真下から空中に舞う爆弾刺し貫いた。

「がっ……ぁ……」
 爆弾の小さな身体は百舌鳥の早贄の如く巨大な氷柱に貫かれ大地に縫い止められていた。
 大量の血液が氷柱を伝って地面に広がってゆく。

「お釣りがありますから、これも受け取って下さいね」
 大地に突き立ったアイスソードの刀身が光る。
 今度は二方向から伸びた氷柱が爆弾の両の脇腹を深々と貫く。
 三方向から串刺しにされた爆弾の姿は磔にされた罪人のように無残な姿を晒してした。
「あっはははははは。まるで串刺し公によって串刺しにされたトルコ兵みたいですよ。逃げた世界さん達もこの島にいる他の世界さん達も街という街に、森という森にその屍を晒してあげましょう」
 狂笑する言葉。怨敵をい残酷この上ない方法で始末できた事に歓喜に打ち震える。
 しかし―――


「串刺し公を串刺しにするなんて本当に面白いジョークだよ……愉快だ。愉快極まるね」
「なっ―――!?」
 すでに死体と化したはずの爆弾が口を開き、笑っている。
 心底厭そうに、心底愉しそうに唇を三日月の形に歪めて嗤っている。

「まさかこんな早くに、この姿を晒す事になるなんて思わなかったよ」
 黒い闇が、黒い混沌が爆弾の内より溢れ出す。
 溢れ出した闇が爆弾の―――泉こなたの姿を食い潰す。
 人の姿を失った闇はゆっくりと地面に舞い降りる。
 蠢く闇からは無数の眼が言葉を凝視する。
 牙がびっしりと生えた犬の出来損ないのような物
 出来損ないの人体の一部のような物が闇から溢れ出しては闇に還る。

「あなたは……だれ……世、世界さんなんかじゃない……っ」
 こんなモノが西園寺世界のはずがない。
 こんなモノが人間であっていいはずがない。
 目の前に蠢くおぞましいモノに初めて言葉は恐怖心を露にする。

 混沌は一箇所に集まり人型を形作る。
 闇が晴れたそこに佇むのは、血の様に赤い外套を羽織った黒ずくめの異形だった。
 そう、その姿こそ吸血鬼アーカード、地球破壊爆弾を構成する一面。
 しかし爆弾の首から上は泉こなたの物という異様な姿だった。
「なに、姿形などこの私にとっては至極無意味な物だ」
 爆弾はこなたの顔なのに低く渋い男の声で言った。

「さあ剣を振れ! 氷の弾丸を放て! 再び私をトルコ兵の様に串刺しにしてみせろ! さあ夜はこれからだ! お楽しみはこれからだ! ハリーハリーハリーハリーハリーハリー!!!!」
「ばッ……ば、ばッ化物……!!」
「くっくっく……狂人に化物呼ばわりされるとは心外だ。本来なら今すぐブチ殺してやりたいが……今はこなたちゃんの容態が心配なんでね。私は一足先に帰らさせてもらうよ」
「に、逃がし……ません……!」

「やだぷー。『スーパーキョンタイム』発動!!! ゆっくりしていってね!!!」

 爆弾以外を除く全ての存在がゆっくりとなる。
 夜天を流れる雲も、寄せては返す波の動きも限りなく動きが止まってゆく。
 爆弾は言葉を尻目に一目散に走り去って行った。
 言葉の目からは突然、凄まじい加速度で走って行ったとしか見えない。
 言葉も急いで爆弾を追いかけようとするが……

 ぐりゃりと視界が歪む。
 足に力が入らない、激しい戦闘とアイスソードの力を使いすぎため疲労が限界に達してしまっていた。
「誠君が……誠君が……」
 地面に倒れこむ言葉。
 うわ言のように誠の名前を呼びかけ、そのまま意識を失った。




【B-5/森/一日目-黎明】


【桂言葉@やる夫ロワ】
 [状態]:知力低下、気絶中、疲労(大)、上半身ずぶ濡れ
 [装備]:アイスソード@ニコロワ
 [持物]:支給品一式、不明支給品0〜2
 [方針/行動]
  基本方針:誠君を見つける。
  1:???

※でっていう撃破後、ゴルゴたちと別れた直後からの参戦です。
※アイスソードの効果で知力が低下している間は、元ロワの末期状態(自分以外の人間が全て世界に見える)と同じ状態になります。
※全ての世界がふた(ryだと思い込んでいます。
※アイスソードは言葉の近くの地面に転がっています



 ☆


347創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:01:58 ID:eqdq1YOT
 
348創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:03:59 ID:EbeZqszp
爆弾氏・・・・・・恐ろしい子!
349代理:2009/01/24(土) 22:09:11 ID:EbeZqszp
64 :ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6:2009/01/24(土) 22:01:48 ID:sLWcft3k0
「糞……ッ血が止まらねえよ……ッ!」
 こなたを抱え逃げ出した6/。森は抜け今は街の路上にいた。
 青白い顔で横たわるこなたの小さな身体。
 少しでも遠く言葉から逃れたいのだが、予想以上にこなたの出血が酷く動かせないでいた。
「もう……私の事はいいから、……早く逃げて」
 その声に力は無く、すぐに処置を施さないと確実に命に関わる状態だった。
「馬鹿な事言ってんじゃねえ! 絶対にお前を死なせはしねえ……だから、そんな事言わないでくれ……!」

 繰り返されるバトルロワイヤルに参加させられてきた6/。
 何度も自分の前で見せ付けられてきた光景だった。
「これ以上誰も死なせない……!」
「あは……ちょっとだけ私、6/さんに恋愛フラグ、立っちゃったかな……?」
「ああ、それだけ冗談言えりゃあ大丈夫だ。生きろ!」


「駄目駄目、恋愛フラグは死亡フラグだからね☆」


 聞きなれた声が背後からした。
 目の前の泉こなたと同じ声。
 稜桜学園のセーラー服を着た地球破壊爆弾が笑顔で立っていた」
「爆弾さん! 良かった……約束守れたんだな」
「もちろん、あんなベタな死亡フラグ立てて死ぬつもりなんてさらさら無いからね〜」
 でもその顔色は若干悪い。
「あいつは……言葉はどうした?」
「少しばかり森でおねんねしてるかな? あれだけ暴れて疲れない訳無いからね。まあ私も結構血を流しちゃったけど」
「血って……! 大丈夫なのかよ爆弾さん!」
「私は頑丈だもん、それよりもこなたちゃんの様子は―――?」

 いつになく真剣な表情の爆弾。
 6/は手短にこなたの状態を説明した。

「出血が酷いね……」
「ああ、近くに病院はあるけど……俺達にこの傷を塞ぐ技術なんてねえ……糞ッたれ!! 打つ手は無しかよッ!」
 6/はアスファルトの地面に拳を打ち付ける。
 拳の皮が裂け血が滲んだ。

「打つ手が―――無い訳じゃない」
「本当か!」

「私の知識では『そう』だけど、念の為聞くよこなたちゃん。君は―――『処女』だよね?」
 爆弾の問いかけにこなたは力無く静かに頷いた。
「ってこんな時に冗談言ってる場合かよ!」
「冗談でそんな事は言わないよ。6/さんにもこなたちゃんにもまだ話していないけど……私はアーカードの能力を持っている」
「おい……それってまさか……」

「そう吸血鬼アーカード。冗談とも思える不死性を持つ怪物だよ。それで―――こなたちゃんを吸血鬼にする」
「そん、な……仮に無事に元の世界に戻れたとしても」
「彼女は人ではなく、血を吸う鬼となる。だからお勧めはできない、でも手段は示した。後はこなたちゃんが選んで……」
「それしか方法はないのかよ……」
「無いよ……後は偶然だれかが回復アイテムを持っていた。なんて展開に賭けるかい?」
「くっそぉぉぉぉぉ!!! そんな選択をこなたにさせるのかよ……畜生……畜生ぉぉぉぉぉお!!!」

 怒りとも哀しみともつかぬ声を張り上げて咆える6/。
 このまま運命を受け入れて静かに死を待つか、人を捨ててまで生に噛り付くか。
 そんな究極の選択をこなたにさせると言うのだ。
 何もできない自分が酷く悔しく、恨めしかった。
350代理:2009/01/24(土) 22:09:37 ID:EbeZqszp
65 :ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6:2009/01/24(土) 22:02:49 ID:sLWcft3k0

「私は……生きたい。まだ死ぬなんて…いやだよ……」
 弱弱しい消え入りそうな声で、でも二人の耳にはっきり聞こえるしっかりとした声だった。
「まだ……私、何もしてない……新作エロゲーも限定版のフィギュアも買ってないのに……何より……みんなと家に帰るんだ。だから……まだ死にたくない」
「こなたちゃん……」
「お願い、爆弾さん。私を吸血鬼にして―――」

 生きる意志こそ人が人であり続けるために大切な物。
 そこに姿形など関係は無い。

「素敵だ。やはり人間は素晴らしい」

 爆弾はアーカードの声で静かにそう言った。



「少し痛むけど……ちょっとだけ我慢して」
「あはは……お腹に穴が開いてるんだから……ちょっとやそっとの痛み大丈夫」
 爆弾は仰向けに寝かされたこなたの身体の上にゆっくりとと馬乗りになる。
 できる限りこなたを痛がらせないようにそっと。
「ごめん、私もさっきの戦いでかなり血を失くしてるから先に補給してもいい?」
「うん、いいよ……たくさん流れすぎてちょっとしかないけど……」

 爆弾は静かに血に染まったセーラー服の裾を胸の辺りまでを捲り上げた。
 小さな白い肌を真っ赤に染めたこなた。
 小ぶりで控えめな乳房を包むブラジャーですらも血で赤く染まっていた。
 爆弾は静かに顔をこなたの臍の近くに持っていき舌で傷口周辺を触れた。
「ん……ッ」
 傷口に入り込む舌という異物。
 痛みとこそばゆい感覚がこなたの身を捩じらせる。
 爆弾はこなたの仕草などお構いなく、こなたから流れ出す血を嘗め回す。

 ぴちゃ……ぴちゃ……
 子猫のような小さな舌で血を掬い嚥下する。
 出し入れされる舌が傷口に触れる度にこなたは身を捩じらせ嬌声を発していた。
「…………んッ………ふ……ぁ……」


(ぐあっ……こなた助けるためとは言え、すごくインモラルな光景じゃねえか……)
 小柄な少女が同じ顔の少女の上に跨り、舌を這わせてその血を啜る。
 健全な若い男である6/にとってその光景は妄想を掻き立てるには十分すぎるほどの淫靡さを湛えていた。
 どうみてもレズ物ロリAVです。本当にありがとうございました。
(落ち着け……KOOLになるんだ俺! これは救急医療であってそんな邪な物じゃねえぇぇ! 静まれ我がリビドーッ!)

 一人悶々とする6/をよそに爆弾は口をこなたの腹部から放し、首筋へ持ってきた。
「じゃあ……行くよ」
「お願い……します」
 鋭く伸びた犬歯がそっとこなたの白い首筋に触れる。
 犬歯の先が軽く皮膚を咲きぷつっと血が滲み出る。

(そう、これはこなたちゃんを救うため……ロリスキーは関係ない)

 爆弾の脳裏に柊かがみの姿をした少女が浮かぶ。
 以前に自らの手で吸血鬼にした少女。
 爆弾は彼女に対する罪悪感を感じつつ歯を一気に押し当てた。

「んッ……ひぁ……ぁ……」
351代理:2009/01/24(土) 22:10:10 ID:EbeZqszp
66 :ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6:2009/01/24(土) 22:04:06 ID:sLWcft3k0
 
 するりと牙が首筋の奥深くに滑り込む。
 酸素を十分に含んだ動脈の血液の味が一気に爆弾の口内に広がる。
 甘くて濃厚なこなたの血。
 上質の処女の血。
 甘美な酔いに爆弾はさらに奥深くに牙を突き立てる。

「はぁ……んッ……ン!」

 絡み合い溶け合う赤い糸。
 二人の意識の境界が消え失せる。

 私はこなた。
 私は地球破壊爆弾
 私は誰?
 私はあなた。
 あなたは私―――

 赤い闇にこなたの意識は塗りつぶされてゆく―――



 ☆



「ごちそうさまでした〜。さすが処女の血は格別だね〜」
 満足げに腹をさする爆弾。
 一方こなたは恥ずかしそうに自らの首元をさする。
 穿たれた二つの孔、吸血鬼となった証。
 腹部の傷もすっかり治っている。
 それに人間だった頃よりもずっと夜目が効いている。
352創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:10:24 ID:HGglSIaq
支援
353代理:2009/01/24(土) 22:10:35 ID:EbeZqszp

「私……本当に吸血鬼になっちゃったんだ……」
「まだ駆け出し中の駆け出しだけどね。……後悔してる?」
「ううん、そんな事ない。あっ……そういえば6/さんは?」

 すっかり忘れ去られていた6/の姿を探すこなた。
 6/はこなたに背を向けるようにしゃがみ込み、何やらぶつぶつ呟いていた。
「あの〜6/さん?」
「ふ、ふふ……ロリっ娘の生レズプレイに俺は理性を保てたぞ……ふふ、ふはは―――げぇッ! こなたっ! ぶっ無事だったんだな」
「へえ……『ロリっ娘の生レズプレイ』ね〜。6/さんって私たちをそんな目で見てたんだー。やらしいな〜」
「ち、違う! 俺は断じてそのような目でお前らを……そ、それよりもこれからどうするよ!」

 慌てふためく6/を生暖かい目線で睨むこなた。
 そんな二人を見て爆弾は言った。
「そうだね……まずは夜明け前にこなたちゃんのために日焼け止めクリームを探す事、後は輸血用血液パックを探さないとね。これは病院にあると思うから」
「何で私が日焼け止めクリームが必要なの?」
「だってこなたちゃん吸血鬼だし、太陽の光浴びたら一発で灰になっちゃうよ」
「って日焼け止めクリームで大丈夫なのかよッ!」
「大丈夫大丈夫〜ロリ……じゃなくて映画でも吸血鬼がそれで太陽の下で活動してたからね☆」
「あんたは無くても大丈夫なのか?」
「ま、私はデイウォーカーだからねー。太陽の光が大嫌いなだけなのさ〜」

 そう言って爆弾は歩き出す。
 それに続くこなたと6/。
 夜明けまでにはまだ時間がある。まずは日焼け止めクリームを探す。
 これが当面の目標である。

(しかし……何で俺達の居場所を言葉は解ったんだ? それにあいつは俺達が誠を隠してるなんて言ってたけど……まあ頭がおかしい奴の言う事なんて間に受けてもしょうがねーか)

67 :ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6:2009/01/24(土) 22:05:08 ID:sLWcft3k0




 【B-6/1日目 街-早朝】


 【地球破壊爆弾No.V-7@書き手ロワイアル2nd】
 [状態]:(〓ω〓.)、疲労小
 [装備]:ソード・カトラス(能力)x2
 [持物]:デイパック、支給品一式
 [方針/行動]
  基本方針:『らき☆すた計画』を成功させる。
  1:日焼け止めクリームを探す
  2:泉こなた、6/と行動する。
  3:こなたを吸血鬼にしたことでロリスキーに罪悪感。
  4:こなたや自分の知り合いを見つけ出しパーティに加える。
  5:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪
  6:チート関係に関しては空気読む方向で。また簡単に変身しない。

 [備考]
  ※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。
  ※嫁はロリスキー一筋です。
  ※『らき☆すた計画』が何かは現在全くもって不明です。
    深遠なる野望があるのかもしれませんが、ただらき☆すたキャラと親睦を深めたいだけかもしれません。
  ※投影したソード・カトラスは弾丸無限のコスモガンですが、撃つほどに体力を消耗します。
354代理:2009/01/24(土) 22:10:52 ID:EbeZqszp

【泉こなた@らき☆すた】
 [状態]:吸血鬼、疲労小
 [装備]:エンフィールドNo.2@アニ2(6/6+予備弾24発)、団長腕章@ニコロワ
 [持物]:デイパック、支給品一式、魔法『フレイム・ボール』inエニグマの紙@漫画ロワ
 [方針/行動]
  基本方針:地球破壊爆弾No.V-7と同行して、何とか事態を解決できないか探ってみる。
  1:吸血鬼になっちゃった……
  2:日焼け止めクリームを探す
  3:地球破壊爆弾、6/と共に行動。
  4:自分や爆弾の知り合いを見つけ出して一緒に行動する。
  5:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪

 [備考]
  ※登場時期は3年生になってから卒業するまでのうちのどこかです。
  ※地球破壊爆弾No.V-7の話を聞いて、参加者がフィクションを含む多数の世界から集められたものと知りました。
  ※こなたの備考に『6/の話を聞いて、フィクションが現実に存在する可能性も知りました』を追加で

【6/氏@カオスロワ】
 [状態]:健康、疲労小
 [装備]:サバイバルナイフ@現実、チャイナドレス@書き手ロワイアル2nd、キョンのワルサー7/7発@やる夫ロワ
 [持物]:基本支給品一式、
 [方針/行動]
  基本方針:仲間ともう二人の自分と合流し、主催者を倒す
  1:日焼け止めクリームを探す
  2:こなたと地球破壊爆弾と共に行動。
  3:誤解されなくてうれしい。
  4:こなたが心配

[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。

68 :ぶっちぎりバトルヴァンパイアーズ ◆DiyZPZG5M6:2009/01/24(土) 22:06:16 ID:sLWcft3k0


【スーパーキョンタイム】
地球破壊爆弾のチート技の一つ。使用すると爆弾以外の者はゆっくりとしか動けなくなる。
一度使うとしばらくは使用不可


【チャイナドレス@書き手ロワイアル2nd】
お姉さま@ギャルゲロワに支給された緑色のチャイナドレス。
鍔の無い帽子とセットになっている。某紅魔館の門番の物と同じデザイン。


【キョンのワルサー@やる夫ロワ】
やる夫ロワにてキョンに支給されたワルサー社製の拳銃。
キョンは麻薬漬けにした伊藤誠をこの銃で射殺しため末期状態の言葉はこれを誠と認識するようになってしまった。
なお、やる夫ロワ本編ではワルサー社のどの銃か不明だが作中のAAの形状から推測するにワルサーPPKと思われる。
355創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:12:10 ID:EbeZqszp
代理投下完了。
ヤンデレを退ける爆弾氏すごいよ。
そしてこなたエロいよ。
6/はカオス5期でほとんどウェディングドレスだから別に問題ない
356創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:15:40 ID:SY1amMHw
人外な人達を味方につけやすいこなたが遂に人外に
357創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:17:03 ID:HGglSIaq
言葉様こええと思ってたら爆弾氏がアーカードだった。流石だぜ!
こなたは吸血鬼になっちゃったか…今後どうなるのか期待
6/はハアハア自重しろwww
それにしても言葉の嗅覚すげえ
358創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:27:00 ID:c7+41tyw
投下乙
爆弾氏もすごいけど言葉様こえええ!!
そしてこなた吸血鬼化とは今後が楽しみな展開だ

しかし6/氏は一人は中国、一人は半裸、一人はウエディングドレスかw
359 ◆DiyZPZG5M6 :2009/01/24(土) 22:57:33 ID:mjU4VhuV
代理投下ありがとうございました。
展開の矛盾などのご指摘よろしくおねがいします
360 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/24(土) 23:00:49 ID:EbeZqszp
では避難所での宣言どおり、先日投下した作品の修正版を投下します。
変更点は 後半の加筆修正 それによる展開の微妙な変化 だけです。
一応最初から投下するので途中で規制食らうので、そのときは避難所に投下します。
361切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:01:50 ID:EbeZqszp

広大な海。
そこから太陽がいまかいまかと出番を待ち望んでいる。
このような光景を豪華客船の一室のスイートホームで眺められるとは何と優雅なことか。
しかしそれを窓から覗こうとする者は誰にも居らず、この部屋の主とて例外ではない。

部屋に充満するのはこの場に置いて不釣合いな煙草の匂い。
端の方にある椅子に座っているのは眉間から血を流した男だけ。
部屋の主であるこの男だけ。
果たしてここで何があったのだろうか。
さて、ここで少し時を巻き戻してみよう。










「いいわ、その賭けに乗る!」

少女の声が室内に響き渡る。
薄茶色のロングヘアーを棚引かせながらもその視線は目の前の男をしっかりと捉えていた。
彼女の視線の先にいる男はその年には不釣合いな白髪の青年。
その白髪も窓から漏れる月の光によって美しい銀色に輝いている。
彼が映した少女の瞳にはこれはまた、その年に不相応な決意を秘めている。
すると青年は両手にそれぞれとある物を持って少女に見せた。

「それはわかった、ならばお前が取る選択は・・・・・・ッ!」

彼女の答えを確認した彼が次に迫る決断は、覚悟の選択。

「これか」

青年の左手に添えられたのは一丁の拳銃。
引き金を引けば命を奪うことができるそれは、この殺し合いという非日常に置いては求められてやまないもの。
これから彼が生み出した狂気はロシアンルーレット。
行うことは至って簡単、お互いのターンに拳銃を撃ち、それを計5回行えばよい。
リボルバー式の銃に込められた弾は1つだけ。
先手をとれば最終的に弾が出る可能性は3分の1、後手ならば2分の1。
最終的に先手を取ったほうが生存率が高くなるのだ。
ここまでは普通のロシアンルーレットである。
言っておくがこれは普通のそれではない。
青年、赤木しげるという狂人によって調理されたゲームなのだ。
単に、"死ぬ"だけを強いて終わらせるはずがない。
拳銃を撃つ対象は自分ではなく相手、優先権を持っているものが他人の命を掌握できる。
よって互いのターンが回るたびに賭ける命は自分のではなく相手。
"生きる"だけではなく"生かす"という覚悟も持たねばならない。
362切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:02:17 ID:EbeZqszp

「これだ、さあ選べ・・・・・・ッ!」

対して右手に添えられたのは何の変哲もない紙切れの束。
一説では剣、聖杯、貨幣、棍棒をモチーフにしたと言われる四つのカテゴリーの札がそれぞれ13枚ずつ入っているだけの
極普通の札である。
そこから様々な遊戯が生まれるがそれは日常の中であってこそ意味を成す物であり、
今、この場における存在意義など無いに等しいものである。
だが青年の手にかかればこのようなものでも一枚の招待状へと化す。
ただの紙切れに振った調味料もまた狂気。
これを使った遊技は好きに設定をしてよい。
もしも勝利したのであれば招待状は忠誠の印が押された誓約書へと変わる。
しかし敗北したときのペナルティはもちろんついてくる。
少女、南春香の敗北が確定した瞬間、招待状の中身は狂気に手を出した借用書へと変貌を遂げる。
赤木しげると言う人間を殺すという負債をその場で支払わなければならないのだ。

そして少女はしばしの沈黙の後、彼の持つ物に手を伸ばす。

「私の選択は、こっち・・・・・・ッ!」






覚悟を決めた少女は狂気への扉を開いた。
手に持つ物は青年から受け取った招待状。
少女は彼に導かれるまま扉の中に入って行く。

彼女が取ったものは青年の左手に添えられたトランプである。
賭けるものは相手の命のみ、もし負けたとしても彼女自身の命は消えることはない。
"生かせなかった"という枷を背負って生き続けなければならないが、それでも己の死よりはマシであったのだろう。
未来を捨てた男とは違い、彼女にはやるべきことがあった、会うべき人がいた。
故に彼女は手を出すことが出来なかったのだ。
ここで自分の命を賭けるなどということに出られるはずがなかった。


「ククク・・・・・・いいだろう、それもお前の狂気。 では聞こう、南春香。
お前が選んだゲームはなんだ・・・・・・ッ!」


カードから始まる遊戯は多種多様。
よって自分が得意である種目を選択することができる。
手札を選び出し強力な役を作り出すブラックジャックか、
迅速な判断により早さで勝利を導き出すスピードか、
はたまた役を全て天命に任せるインディアンポーカーか・・・・・・
もちろんこれら以外にも彼女に選択権はある。
363切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:02:55 ID:EbeZqszp



「ババ抜き・・・・・・ッ!」

少女の口からこれから始められるデスゲームの種目が宣言される。
競技内容に思わず青年は目を見開く。
賭け事に生活とする青年によってこの返答は少し意外であったであろう。
だが彼は先ほどまでの彼女の様子を思いだす。
混沌とした世界を潜り抜けたとて元は普通の世界に生きる一人の少女に過ぎないのだ。
裏の世界の住人である青年にとっては命をチップとした賭け事は極自然である。
よって日常を生き延びるための知識として、古今東西あらゆるカードゲームが頭に入っていて当然のこと。
対して少女は表の世界の一つ家庭に生きる、ただそれだけの人間。
そのような少女はトランプなど家族や友人と嗜む程度の知識でしかないのだ。
彼女の知っている種目など両手で数えるほどもないだろう。

「ババ抜きだと? 面白い・・・・・・ッ!」

だが青年は口元を吊り上げる。
何故なら過程が少し違うというだけだから。
何を選んだとて繋がる結末は二つでしかないのだから。
彼が殺されるか否か、ただそれだけなのだから。

「さて始めるぞ・・・・・・シャッフルはお前がしろ・・・・・・ッ!」

「わかったわ・・・・・・ッ!」

青年はやや不慣れな手つきでカードの束を混ぜていく少女の姿を観察する。
やはりそこは普通の少女でしかない、裏の世界では彼女のような少女がいても淘汰されるだけであろう。
よって彼女がイカサマしようとしてもじっと目を凝らせばわかってしまうのだ。
観察しているうちに彼の前に束が渡される。

「あなたが配って・・・・・・ッ!」

好機、これを好機と呼ばずとしてなんと呼ぼうか。
相手にカードを手渡す機会、それこそイカサマを仕込まれるというのにだ。
だが青年はそのような思惑を表に出すこともなく彼女から束を受け取り、
その上から自分側と相手側に1枚ずつ配っていく。

「ククク・・・・・・さあ準備を始めようか・・・・・・ッ!」

お互い手札を確認すると今度はゲームに参加するカードの選定に入る。
同じナンバーが2枚あればそれらのカードはすでに対象外。
ゲームの参加資格を失ったカードが次々とただの紙切れと化して捨て札へ置かれていく。
選定に強者も弱者も関係ない。 埋もれたカードの山にはジャックや、クイーンと言った面々が顔を覗かせている。
無作為に選ばれた僅かなカードだけがこの晴れ舞台に参加しうる権利を得られるのだ。
ただ、例外がたった一つだけ・・・・・・

(いきなりババか・・・・・・面白い・・・・・・ッ!)

青年の手札には10や5、2、とバラバラの数字、そしてその中に不気味に微笑むジョーカーのカード。
それはこのゲームにおいて唯一、参加を約束されているカードなのだ。
死神はどのような状況であっても一つだけであり、
よって彼の手札は彼女の手札よりも一枚多いということになる。
さてゲームの準備は整った。
始めようではないか、死神の擦り付け合いを。
364創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:03:08 ID:HGglSIaq
支援
365切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:04:55 ID:EbeZqszp



「先攻は譲ってやる・・・・・・来い・・・・・・ッ!」

彼は少女に対して不敵に微笑み、彼女の前に裏向きに束を見せる。
少女は震えた手つきで片手を慎重に差し出してくる。
その様子を青年は何食わぬ顔で見つめる。
もちろん先手を譲ったのは彼の好意からではない。

「私のターン、ドr」

(ニヤリ)

「ッ!」

少女がカードを取ろうとした瞬間アカギは軽く口元を吊り上げる。
すると少女は驚きつつもすかさず取ろうとしたものとは別のカードを掴んで手札に加えた。
彼は笑みを止め、カードを確認するなりほっとした彼女をじっくりと観察していた。
そして彼女から捨てられたカードは5、あらゆるカードゲームに置いてこれと言った取り得もない平凡なカードである。
開幕早々ゲームから退場するには打ってつけである。

「さて次は俺の番だ・・・・・・ッ!」

少女の安堵を待つこともなく青年は彼女の手札のカードに手をかける。
だがその動作は至極単純。 ただ取って中身を確認するだけ。
死神はすでに手札にある、だから少女の手札には彼女を脅かすものは存在しない。
だから淡々とただカードを取る。

どうやら先ほどの言葉を訂正しなければならないようだ。
捨てられた手札はキング、王。 いつの世も民衆を支配し、トップへと君臨するものである。
だがこのゲームに置いてはそれも一枚のカードに過ぎない。
王であろうとなんであろうとカードはカード、この場に置いてはそれだけの価値しかない。
このゲームは平民も王も関係なく皆平等に扱われ、降ろされていく舞台なのだから。


「さあ取れ・・・・・・ッ!」

必要以上に睨みかけ、手札を少女の前に差し出す。
圧迫されていても経っても居られなくなった少女は目を見開き、
高らかに宣言した。


「私のターン、ドロー!」

やや大袈裟な叫び声と共に少女の手が青年の手札に勢いよく手を伸ばす。
その仕草はかつて恋した一人の男による影響なのか、悟らせる暇を与えず彼女の手は一枚のカードを取ろうとしていた。
それを瞬時に判断した青年は次の行動に出る。

(かかった・・・・・・ッ!)

彼女がカードを手にしようとする瞬間彼のカードが微かに揺れる。
目を凝らさないと気づかないぐらい細かいものだったが、それ故都合が良かったのだ。
案の定青年の思惑通りのカードを少女は手に取ってしまう。
366切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:06:09 ID:EbeZqszp

突然だが皆さんは条件反射をご存知だろうか。
熱い物に触ったらまず手を離す、音が鳴ったらその方向に振り向く、痛みを感じたから傷を抑える、
どれも自分の意思を解さず、咄嗟に出てくる反応だ。
これと同様に青年は少女がカードを手に取る瞬間、一枚のカードをそこだけ左右に広げて取りやすくしただけなのだ。
それを道端で急に差し出されたポケットティッシュを受け取るがごとく掴んでしまう。
この技法を手品ではクラシックフォースというのだが、より専門的な話になるため割愛させてもらおう。


「・・・・・・ッ!」

「ククク・・・・・・どうしたんだ・・・・・・ッ!」

「何でもないわ・・・・・・ッ!」

少女の手に死神が施された。
それもただの死神ではない、青年によって細工が施されたもの。
カードの裏側に爪でマーキングされたジョーカーが手札の中へと混じっていった。
少女の顔に曇りが生じる。
彼女に微笑むのは一つの死神の視線。
目が合ってしまったのだろうか思わず視線を逸らして目の前の男に顔を向ける。

「ゲームを続けましょ・・・・・・次はアカギさん、あなたのターン・・・・・・ッ!」

「承知・・・・・・ッ!」

青年の言葉と共にゲームが再開される。
ターンを譲られた彼は再び彼女のカードに手を差し出した。
だが彼が気を配ったところはカードではない。
まずは適当なカードに向かって手を伸ばしてみる。
その表情にやや焦りあり、よってそのカードを引くことを判断。

「次はこれだ・・・・・・ッ!」

引かれたカードは6。何の変哲もない一介の数字。
先ほどの数字と同じように捨て札に無残に放り投げられる。
されどゲームは続いていく。 最後の一枚が残るまで。







367創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:07:09 ID:Z5kQ4j6R
支援
368切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:07:22 ID:EbeZqszp


「さて南春香、今、ここで敗北を宣言してしまっても構わない・・・・・・ッ!」

あれから続いた二人の応酬は、青年が優勢を保っていた。
既に彼の手札のカードは2枚だけ。 そして少女に残されたものはそれ+ジョーカー。
ジョーカーに付けた印は右半分につけたものなので、カードによって隠されてしまっているが、それは精々保険程度にしかならないものだ。
相手の心情を探り合うことは青年にとっては日常である。
そこから自分の心情を探らせないということは生き抜くための技術でもあった。
よってそのような日常に触れてもない一介の少女が即席で仏頂面を作り上げようが、対した効果は成さない。
顔が駄目なら目、目が駄目なら仕草、動悸、あらゆるもので相手の心境を判断すればよいだけ。
一介の少女相手なら顔だけ見れば勝てるのだ。

「嫌よ・・・・・・ッ!」

「なら引け・・・・・・ッ!」

少女の返答に青年は再び手札を差し出す。
出されたカードは2枚だけ。
どちらを選ぼうが死神を抱えている彼女には何の得もない。
それでも少女は勇気を振り絞り、青年の左側のカードを引き当てる。
そして彼女の手札から引いたカードと同じ数字のものが捨てられる。
ペアとなって捨てられたカードは2。
二者、二分化、二重、分けられるということを示すナンバー。
それは正に今、この場に相応しいと呼べるもの。

「これで決まる・・・・・・ッ! 俺が死ぬか・・・・・・ッ!
それとも否か・・・・・・ッ! その二択のみ・・・・・・ッ!」

これまで幾多のカードが散っていったのだろうか。
捨て札にはゲームに参加すらできなかったカードとともに途中退場してしまった札が乱雑に積み重ねられている。
今だ残っているカードは3枚。
青年の手札に残るのは一枚、たった一枚のみ。
対して少女に残るものは死神とそれ以外のカード。
このゲームに敗北した少女が迎えるのは死か?
否、この少女に置ける手札の死神は少女の命を蝕むものではなく少女を死神にするというもの。
赤木しげるという男を殺した死神として生きていかねばならないという未来への片道切符。

「・・・・・・なんのつもりだ・・・・・・ッ!」

「見ての通りよ、さあ引いて・・・・・・ッ!」

目を閉じる。
少女が取った行動はそれだった。
視界から手札を消すことにより、外部の情報を完全に遮断する。
それにより何を取られようがそれに対する反応を示すことがない。 示せるはずがない。
よって青年から心理を読まれることもない。
ではこれで青年が死神を引く確立が2分の1になったのだろうか。
否、思い出してほしい。 彼が死神に仕掛けたであろう小細工を。
最初に死神を手にしたときに爪でカードの裏側、それも右端に近い部分を引っかいた。
それによってできたマーキングは当初は幾多のカードに埋もれて意味がないものだっただろう。
だが今は違う。 マーキング部分は彼女の手札の右側に露出している。
仮に露出してなくてもそれは隣のカードによって隠されているだけ。
もしそうだとしたら左側のカードを取ればよい。
カウントダウンは既に終わった。 後は青年の手札が0になるのを待つのみ。
369切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:08:37 ID:EbeZqszp




「な・・・・・・ッ!?」

結果的に言えば青年の手札が0になることはなかった。
抜ける代わりに加えられた手札はジョーカー。
また帰ってきたと言わんばかりに微笑んでいる。

驚愕。
青年が示した反応はそれだった。
ふと顔を上げると不敵に微笑んでいる少女が一人。
そして彼女が持ったカードにも確かに爪の後がついていた。




やられた・・・・・・ッ!
青年はここに来て初めて笑う以外の行動で口元を歪ませる。
胸にあるのはイカサマを見破られたという事実。
イカサマに対しイカサマという罠を張られたという事実だけ。
予想外の出来事に思わず俯いて顎に手を当てる。
彼は慢心してしまったのだ。
赤木しげるの見解通り、南春香は陽の光に照らされた世界の一人の住人に過ぎない。
そして自分の仕掛けたいくつかの罠に思惑通りに乗ってしまった。
だが、ただ一つだけ、計算を怠っていたところがあったのだ。

南春香は混沌としたもう一つの殺し合いの中で数々の仲間とともに生き残った。
ゲーム打倒を志す数々の人々の中心の一つとなり、ゲームそのものを転覆させたのだ。
彼を慕う仲間の中には春香の妹である千秋も存在しているのである。
大切な妹が慕う人間がどのような人物であるかを姉である彼女が気にかかるのも当然であった。
故に彼女は赤木しげると接触していたときに彼を無意識のうちに調べ続けていたのである。
出会った時間が僅かな時間とはいえ今、赤木しげるが南春香にしたそれよりは遥かに長い。
彼女は彼よりもずっと前から対戦相手の分析を続けてきたということになるのだ。

よって彼女は赤木しげるがこの状況に置いてわざわざ負けるという選択は取らないということは予想がついていた。
だから彼が勝利を掴むために行うであろうことをずっと考え続けていたわけである。
故に彼女はカードがある程度操作されようが勝率には変動がないババ抜きを選択したわけだ。
ならばババ抜きでできるイカサマとはどういうものか?
ここまで来れば想像するのは容易であろう。
ババに目印を付ければよい、ただそれだけ。
370切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:10:13 ID:EbeZqszp

後は賭けだ。
赤木しげるがどのようなマーキングを付けるかという賭け。
彼のマーキングがインクやペンと言ったものならば彼女に勝機はなかったであろう。
そのときは例え心理を隠そうとも彼はババ以外を引き当てる、否、ババを引くことは絶対無い。
南春香は赤木しげると言う男はそれだけのツキを秘めている男であると判断したのだ。
だから彼に罠を張ることにした。
どのようなマーキングを付けるかということを。

そしてババを引き当てたとき動揺をするフリをしながら観察し続けたのである。
その時彼女の視界に映っていたジョーカーは表ではなく裏。
傍から見ればババを引き当てて驚いているようにしか見えないだろうが、その先入観を逆手に取ることができた。

ババに付けられた細工が即興の爪で傷をつけただけのネイリングだと見破ってしまえば後は簡単である。
ジョーカーを手札に加えた際に左手で持っているカードの人差し指を突きたて、似たような傷を付ける。
そしてどこにババがいったかわからないように混ぜる。
落胆したままの表情を保ちながら以上の動作を行ったのだ。


赤木しげるの敗因は一つ。
南春香という少女が自分の思っている以上に赤木しげるという人間を考えていたことに気づかなかったこと。
彼女は確かに普通の少女だった。 だが妹絡みとはいえ、それでも赤木しげるという人間を観察し続けていた。
だがこれは大した問題ではない。 実を言うと彼は南春香が張り返した罠に気づくことはできていた。
故に最後のドローに置ける可能性は結局2分の1の確立であったのだ。
本来の彼なら持ち前の強運により、ジョーカーを引くことはなかったであろう。

彼の敗因は燃え尽きてしまったことで赤木しげるという人間が持つ悪運を今も持っていると思い込んでいたこと。
以前の彼は独自の死生観を持ち、赤木しげるが赤木しげるであり続けるため、という一つの信念を軸に生き続けてきた。
だが今の彼は違う。 生きることを放棄した赤木しげるに残されているものは何も無い。
新たに与えられた命を持ってしてもそこに居る人間は以前の赤木しげるではない。
彼は既に、赤木しげるという人間をやめていたのだ。
故に運気からも見放されていたのだろう。

よく思い出して見てほしい。
これは赤木しげると言う男が自ら死ぬために、
いわば命というチップを捨てるための賭けである。
負けても失うものはなにもなく、勝てば望みどおりに死ぬだけ。
つまりこの賭けはアカギにとっては元々リスクなど存在しなかったのである。
そんな温い考えの男に神は微笑むことはなかったのだ。
代わりに手に取った神は死神。
371創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:11:37 ID:zRjelVks
支援
372切り札はキミの中  ※修正版:2009/01/24(土) 23:11:45 ID:EbeZqszp

しかし南春香は違う。
彼女が背負うリスクは一人の人間を殺すということ。
死神の衣を纏い、咎人へとなるリスクを知ってなお、赤木しげるに挑んだのだ。
全ては赤木しげるという男に自分を取り戻してほしいがため、
全ては大切な妹、そして仲間達と会うため、
全てはこのふざけたデスゲームを粉砕するため、
その覚悟の差が勝負を決めたのであろう。
結果、神は彼女に微笑んだ。


カードに仕掛けた細工が見破られているとすればもうこのゲームを続ける意味はない。
青年の手札の右側にあるジョーカーにはマーキングがされており、
そうではないほうにはなんの仕掛けも施されていない。
よってどちらのカードをとればよいのかは子供でも容易く理解できる。

「俺の負けだ・・・・・・ッ!」

そして青年は投了を宣言する。
ゲーム終了の合図に少女は歓喜の表情を浮かべた。
そして同時に彼女の手のひらから一枚のカードが零れ落ち、それは空気抵抗を受けながらも
重力に従ってテーブルの中央に着地する。

(ほぅ・・・・・・これは故意か、南春香・・・・・・ッ!)

青年の視線の先には少女から零れ落ちたばかりのカード。
剣を模したものにも見える印がカード中央に大きく描かれていた。
それはスペードのエースただ一枚。







373創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:14:47 ID:zRjelVks
支援
374代理投下:2009/01/24(土) 23:18:42 ID:zRjelVks
「ごめん待たせちゃって」

声とともに扉が開かれ、薄茶のロングヘアーの少女が入ってくる。
しかしその手に持ったものはこれはまた珍妙なもので、中に何匹かの子猫が入った鍋であった。

「蓋を開けたと思ったらアカギさんを引っかいて逃げちゃうんだもの、探すのに苦労したわ」

「この程度の傷は関係ない・・・・・・それよりも用があるなら早く出発するぞ」

アカギは猫に引っかかれたのであろう眉間から出た血を拭い去り、煙草の火を消す。
そして彼女は支給品であろう鍋を片付けるのを確認すると立ち上がり、出口に向かう。

「わかったわアカギさん」

「だが勘違いするな、俺はあんたに協力はするが生に執着するつもりはない」

ウキウキと部屋を出る春香に対して忠告は忘れない。
自分のバトルロワイアルはここに呼ばれた時点で終わっているのだ。
身の危険が迫ったなら容赦なく切り捨てろ。
その意を了承した上で南春香は赤木しげるとともに旅立つ。

(俺を切り札としたお前の狂気、せいぜい見せてもらおう・・・・・・っ!)

出口まで歩く間、アカギは彼女の背中を見つめながら微笑する。
果たして彼はスペードのエースへと成りえるのだろうか。
運命の切り札はまだ見えてはいない。



【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-黎明】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、ねこ鍋@ニコロワ、不明支給品(0〜1個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1:アカギと共に行動。とりあえず西に向かう
 2:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
 ※赤木しげる(19歳)と情報交換をしました。
 ※ねこ鍋はカービィーに食われるよりは前から参加です。

【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康、額に引っ掻き傷があるけど手当て済み
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質8個)@現実、六発式リボルバー拳銃+弾(12/12)@現実、
    トランプ@現実、基本支給品一式、
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:とりあえず春香とともに行動する
 2:春香の決断の結果を見届ける
[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
 ※いつ死んでもいいと思っています。
 ※南春香と情報交換しました。
375代理投下:2009/01/24(土) 23:23:40 ID:zRjelVks
代理投下終了しました。
修正によって心理描写がより濃いものとなっていて良いと思います。
このアカギじゃあ負けても仕方ないかもしれませんね…
修正お疲れ様でした。
376>>374はミスでした:2009/01/24(土) 23:27:24 ID:zRjelVks

「ごめん待たせちゃって」

声とともに扉が開かれ、薄茶のロングヘアーの少女が入ってくる。
しかしその手に持ったものはこれはまた珍妙なもので、中に何匹かの子猫が入った鍋であった。

「蓋を開けたと思ったらアカギさんを引っかいて逃げちゃうんだもの、探すのに苦労したわ」

「この程度の傷は関係ない・・・・・・それよりも用があるなら早く出発するぞ」

アカギは猫に引っかかれたのであろう眉間から出た血を拭い去り、煙草の火を消す。
そして彼女は支給品であろう鍋を片付けるのを確認すると立ち上がり、出口に向かう。

「わかったわアカギさん」

「だが勘違いするな、俺はあんたに協力はするが生に執着するつもりはない」

ウキウキと部屋を出る春香に対して忠告は忘れない。
自分のバトルロワイアルはここに呼ばれた時点で終わっているのだ。
身の危険が迫ったなら容赦なく切り捨てろ。
その意を了承した上で南春香は赤木しげるとともに旅立つ。

(俺を切り札としたお前の狂気、せいぜい見せてもらおう・・・・・・っ!)

出口まで歩く間、アカギは彼女の背中を見つめながら微笑する。
果たして彼はスペードのエースへと成りえるのだろうか。
運命の切り札はまだ見えてはいない。



【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-黎明】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、ねこ鍋@ニコロワ、不明支給品(0〜1個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1:アカギと共に行動。とりあえず西に向かう
 2:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
 ※赤木しげる(19歳)と情報交換をしました。
 ※ねこ鍋はカービィに食われるよりは前から参加です。

【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康、額に引っ掻き傷があるけど手当て済み
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質8個)@現実、六発式リボルバー拳銃+弾(12/12)@現実、
    トランプ@現実、基本支給品一式、
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:とりあえず春香とともに行動する
 2:春香の決断の結果を見届ける
[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※いつ死んでもいいと思っています。
 ※南春香と情報交換しました。
377 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/24(土) 23:27:58 ID:EbeZqszp
規制が解除されたみたいなので書き込みを。
>>375 代理投下ありがとうございます。
今度からこういう大切なシーンはもっと慎重に読み返して
文章を練り直してから投下するように心がけます。
それでは今回は失礼しました。
378創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:39:12 ID:IQ0gYcUr
投下&代理投下乙です!
前よりも更によくなって、読み応えがありました。GJ!

それとまた容量オーバーのお知らせです。
◆9L.gxDzakI氏の「Advent:One-Winged Angel 」が容量オーバーだったので、分割場所の指定をお願いします。
379 ◆9L.gxDzakI :2009/01/24(土) 23:44:19 ID:rqYnBPL2
GJ!
こなたえろいよこなた。
そして銃の匂いからサーチする言葉様まじぱねぇっすw

分割点ですが、>>219までが前編ということでお願いします
380 ◆0O6axtEvXI :2009/01/25(日) 02:02:53 ID:UQfu5/fz
三村、ロリスキー
投下します
381創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:03:40 ID:fL4gbLhA
 
「やばっ、もういないし……ああもう、どうしてこうなっちゃうかな!」

私はゆーちゃんを追ってホテルから飛び出した……だが、追う前にわずかに迷ってしまったのが痛かった、すでにその姿はどこにも見えない。
いい男と名乗っていた……名乗りか、これ? ま、まあとにかく、何だか異常にいい声の男が背負っていた傷だらけの男性も気にはなったが、それは任せておいて大丈夫であろう。
あれ……? 今考えたらあれってうちのロワの村雨じゃ……まさかまたマーダーになってたりしないでしょうね!?
足が止まりそうになるが、今はゆーちゃんの方が先だ。病弱でしかない女の子が真夜中に一人で……なんてロワじゃなくても危険だ。
しかもあの様子では所謂錯乱状態にあるのだろう、そのまま「発狂マーダー化しました☆」なんてことになったらどっちのこなたにもあわせる顔がない。

「それにしても、どこ行っちゃったのよ……」
「……見つけたぜ」
「へ?」

唐突に声をかけられ、そちらを振り向く。


あ、やべぇ、KOOLだ。


改めて言うまでもないが、私の外見は柊かがみそっくりである。
……どうせなら服装も同じにしてほしかったのだが、それは今現在関係ないため保留。
さて、そして今私に声をかけてきた男、KOOLこと三村信史だが……
これも言うまでもないだろう、柊かがみに相当な誤解フラグを持っている。
この状況でこの次がどうなるかなんて、ロワ書き手や読み手じゃなくとも予想できることだろう。

「ジョジョの仇、取らさせてもらうぜぇ!」

ほら来た!
不死者&吸血鬼となっている今の私ならあんな金属バット、喰らったところで大したダメージにもならないはずだ。
だが、それ故に危険、KOOLの持っているかがみのイメージから考えるに、バット一本で向かってくるとは考えられない。

「待って! 私はかがみじゃない!」
「信じるか、そんな戯言!」

バックステップで横なぎの攻撃を回避する。
次の攻撃の前に呼びかけてはみるが、予想通り聞く耳持たず。

「そこを信じてよ! 私の名前はクールなロリスキー! 名簿にも書いてあるでしょう!?」
「んな名前の人間がいるかよ! 嘘ならもっとマシな名前を選べ!」

うぐ、痛いところを突かれた。
確かにこれを名前と思えと言われても無理だよなぁ……いや、それ言ったら書き手組ほぼ全員がそうなんだけどさ。
しかし、やはり何かを隠し持っているようだ、バットを振るう合間にデイパックの方を意味深そうに見ることがある。
もしもバヨネットとか、対吸血鬼用の武器だったりしたらまずい、不死者の能力とてロワ内じゃ万能ではないだろう、対吸血鬼効果の方が優先されたらその瞬間ゲームオーバーだ。

「ああもう、KOOLの癖に!」
「何意味のわからないことを!」

まったく! あんたなんて順調だったの序盤だけじゃない!
漫画ロワでは空回りばっかしてた癖に!
大体かがみ自体の事だってほとんど誤解じゃない!
みんなからもKOOLだのFOOLだのネタにされて―――
383創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:04:49 ID:fL4gbLhA
 
「あうっ!」
「っ!? な、なんだ……? 急に止まりやがって……」

――ネタにされて……?

違う。

ネタにしてきたのは私たちだ。
KOOL……いや、三村だって好きで誤解したわけじゃない。
とても苦しんで、苦しみ抜いて、その苦しみがかがみへの憎しみに変わっているだけじゃないか。
そう苦しませたのも、誤解させたのも、全部私たち、書き手だ。
そのままネタにされ、読み手に笑われるようなキャラにして……

そりゃ、ロワなんだから誤解するのは仕方ない、それはわかってる。
リレーの結果、こうなってしまったのは決して初めから故意的だったわけじゃない、それもわかってる。
だけど、それでも。

「っ、何を企んでる、柊……!」

こうして目の前で、私たちとまったく変わらない表情で生きて、話している姿を見ると……

「……ごめん」
「なっ……!?」

止める。
書き手として、三村の誤解フラグを、止めて見せる。
柊かがみと同じ姿をした私が、漫画ロワの書き手としてこのロワに参加している私が、絶対に止めてやる!

「もう一度言うわ……私はクールなロリスキー、柊かがみじゃないわ」
「この……! まだ言うか、ひいら」
「聞きなさい!」
「っ……!?」

……私がこれから言おうとしていることは、多分、物凄く酷いことだと思う。
例えかがみへの誤解が解けたところで、私は確実に恨まれる……下手をすれば、かがみ以上に。
だけど、それがどうしたっていうのよ!
私は漫画ロワの書き手よ! 自分が恨まれるかもなんて弱い考えには反逆する!

「あんたが柊かがみに抱いている恐怖は、全部誤解よ! かがみはジョセフ・ジョースターを殺していないし、そもそも二人への攻撃だって放送のせいで感情が爆発してしまったせいなの!」
「語るに落ちてるぜ……お前が柊じゃないとしたら、何故俺とジョジョに攻撃を加えたことを知っている。しかも時間まではっきりと!」
「それは……」

少しだけ、躊躇ってしまう。
ダメだダメだ! 弱気になっている場合じゃない!

「それは、私が……私たちが、あなたやかがみの行動を『書いていた』からよ」

返事はない。
三村はぽかんとした表情でこちらを見ている。
まあ当然だろう、これだけで意味がわかるような人はそれこそ書き手ぐらいのものだ。

「あなたがこの殺し合いの前に参加していた、序盤からジョセフ・ジョースターと長く行動を共にしていた殺し合いは、私や、他にも何人もの書き手で書いていた物語なの。
 リレー小説ってやつで……あなたやジョジョ、かがみは所謂、その……創作上の、キャラクター」
385創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:05:34 ID:fL4gbLhA
 
……長い、沈黙。

「ははっ」

沈黙を破ったのは、三村の笑いだった。

「すると何だ、俺とジョジョが出会ったのも、柊を連れてくことになったのも、突然柊が俺とジョジョを殺そうとしたのも、全部お前や、その知り合いが決めたってことか?」
「……そうよ、正確には、リアルの知り合いってわけじゃないけど」
「ああ、リレー小説だったか、ネット上か何かで順番に書いていくとかか? 面白そうなアイデアだな」

まずい空気だ……
感情が爆発する寸前のような、危険な空気が漂っている。
次の瞬間にはバヨネットが飛んできても驚かない、三村の動きから目を放さないように……

「ふざけるなよ……柊ぃぃぃ!!」
「うわっ!?」

意外! それはクレイモア!
っていくらなんでもそれは過激すぎるでしょうが!?
思わずこっちが悲鳴をあげてしまうほど乱暴にクレイモアを地面に置き、三村はダッシュでその場を離れていく。
落ち着け落ち着け……今の私の足なら向こうが安全距離に行くより早く逃げられ――

「光の護封剣!」
「んなっ!?」

突然私の周りに光の剣が降り注ぎ、進路を妨害されてしまう。
……いや、それどころか身動き一つ取れない!

「終わりだな、柊」
「……っ」

冷たい、まるで刺すかのような三村の声が私の耳に届く。
そういえば、漫画ロワでは「法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)」なんてチート武器支給されてたような……
ま、まずすぎ……! ただの地雷ならかろうじて大丈夫かもしれないけど、よりによって対吸血鬼用の武器なんて!

「園崎の言葉が気になったから、殺さずにいようかとも思っていたが……お前だけは、絶対に許さねぇ!」

まずいまずいまずい!
完全に怒らせてしまった、あまつさえ誤解は解けてないし!
一瞬、ここで私が殺されれば次の放送でかがみへの誤解は解けるかも……なんてことも考えはしたが、
恐らく三村は「クレイモアですら死なない女」という更に強い誤解を生むだけな気がする。
だとするとこのまま死ぬのは無駄死にどころではない、絶対に殺されるわけにはいかない。

……それに、三村を人殺しにはさせたくない。
今更と言われるだろうけど、この三村は私たちが漫画ロワで狂わせてしまった、本来対主催ルートへ行くであろう三村信史なのだ。
贖罪というつもりではない、そもそも私は三村自身は一度も書いてはいない。
だけど、彼の人生を狂わせたのは書き手なのだ。
それがロワ、それがフラグ、それがリレー……全部わかってる!
それでも……それでもっ!
387創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:06:09 ID:fL4gbLhA
 
「お願い! 私たちが書いたということは信じてくれなくていい! だけど、柊かがみのことが誤解だということだけは信じて!」

ここでかがみへの誤解が解けなければ……私はこなたに、かがみんなんて呼ばれる資格はないっ!!

「まだ言うか……いい加減くどいぜ」
「お願い……信じてよ……! 私は、どうなってもいいから……っ!」
「……最後の言葉ぐらい、言わせてやる」

……最後、最後のチャンス……
どうする、どう言えば三村に伝わるの……

…………………これだ!

「一つだけ、お願いがあるわ」
「さっさと言え」
「泉こなたと地球破壊爆弾、この二人と会って話を聞いて!」
「なに……?」

これしかない。
二人のこなた、この二人と会って、それぞれからかがみについての話を聞けば、きっと……

「それと、地球破壊爆弾の方には、こう伝えて。『許してあげて』」
「……それで全部か」
「ええ……」

ごめん、こなた。
結局私だけじゃ、何も変えられなかったよ……
だけど、三村のことを救ってあげて、許してあげて。
彼だって、ロワの、私たちの犠牲者でしかないんだから……

「……じゃあな、柊。ジョジョの恨みを受けやがれ……!」

柊かがみ……あんたにも、悪いことしたわね。
ごめんね、こんなこと言えた立場じゃないけど……生きて……


389創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:07:04 ID:fL4gbLhA
 




―――殺した。

柊かがみを、あの魔女を殺すことができた。
長く……と言っても一日足らずだが……望んでいた瞬間は、なんと言うか、呆気なかった。
復讐なんて何も生みやしない、なんて七原が好きそうな言葉が、何故か浮かんできてしまう。

「なぁ、ジョジョ……俺、間違ってない、よな……?」

柊の言葉は、どれもこれも俺の神経を逆なでするものばかりだった。
特に、俺達の行動を決めたというセリフ……それはつまり、あの殺し合いで死んでいった連中は、全員柊や、その知り合い達の手の内で弄ばれたということだ。
そんなこと、嘘に決まっている……だけど、嘘だろうが許せるわけがない。杉村達の死は、全部お前たちの中では予定調和にすぎなかったとでも言う気かよ!?
そうだ、あんなバグは取り除くべきなんだ……その、はずなのに……

『お願い……信じてよ……!』
『許してあげて』

なんだって、あいつの言葉が、頭から離れないんだよ……!

「……そうだ、園崎……あいつに伝えないと……まだ、柊つかさがいる」

信じられないが、園崎の話じゃかがみ以上の化け物になるという……柊つかさ。
だが……まだ、間に合う。
園崎の話じゃ柊かがみの死を認識するまでは大人しい、無害な人間を装っているとのことだった。
なら、姉の死を知る前に不意を打てば……!

「そうだ、俺はまだ、立ち止まってる場合じゃない……柊つかさ、次は、お前だ……!」

『泉こなたと地球破壊爆弾に話を聞いて』

そうだ……あんな魔女の頼みを、聞いてる場合じゃ……ないんだ……っ!


【E-5/道/一日目 黎明】
【三村信史@漫画ロワ】
【状態】肉体的には健康、KOOL
【装備】金属バット@ニコロワ
【持物】支給品一式、光の護封剣@ニコロワ
【方針/目的】
[基本方針]
柊つかさの犠牲者を出さない。
1、柊つかさの危険性を知らせる
2、放送局に向かい、留守番電話を使うより効率よく情報の伝達を図る。
3、つかさが豹変したなら、責任を持って殺す。
4、柊……だったんだよな?
5、泉こなたと地球破壊爆弾に会う……?
※漫画ロワ185話「誰がために」の直後からです
※柊かがみが、自分と同じ殺し合い(漫画ロワ)から来ていると思い込んでいます。
※柊かがみが死亡したと思っています。
391創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:07:47 ID:fL4gbLhA
 








生き、てる……?
……そっか、あれ、漫画ロワのクレイモアじゃなかったんだ……
そういや、爆発の寸前にあの剣も消えて動けるようになったような……

「私、生きてるんだ……」

生きてる……
生きて……どうすれば、いいんだろう。
三村を止められなかった……ゆーちゃんも見失った……
私は、どうしたらいいのかな……何が、できるのかな……
教えてよ、こなたぁ……

【E-5/橋/1日目-黎明】

【クールなロリスキー@書き手ロワイアル2nd】
[状態]:不死者、吸血鬼、瀕死(再生中)
[装備]:なし
[持物]:デイパック、支給品一式、大量のポケットティッシュ@カオスロワ、不明支給品x0-2
[方針/行動]
 基本方針:地球破壊爆弾No.V-7を探し出して合流する。
 1:私には、何もできないの……?
 2:三村の誤解を何としてでも止めたい
[備考]
 ※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。

【クレイモア地雷@ニコロワ】
元動画は「おじいちゃんの地球防衛軍」
正式名称はY10ワイド・インパルスなのだが、うp主がクレイモアと表記していたので誰がなんと言おうとクレイモアである。
本来地面に設置し、敵が接近すると自動的に散弾を発射する仕様だが、今回はリモコン式に。
威力と攻撃範囲に評定があり、これで航空兵器も落とすことが出来る。

【光の護封剣@ニコロワ】
元動画は「遊戯王シリーズ」
使用することで光の剣が降り注ぎ、相手を3ターンの間動けなくさせる。
1ターン一分という書き手2ndルールを採用。
一度使用すると24時間再使用不可能。
393創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:08:29 ID:fL4gbLhA
 
394 ◆0O6axtEvXI :2009/01/25(日) 02:08:44 ID:UQfu5/fz
投下終了です。
矛盾、疑問、指摘等ありましたらお願いします
395創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 02:14:10 ID:fL4gbLhA
投下乙ー!
いやー、ロリスキーさんは健気で可愛いねぇw
そして三村www 一応は悲願達成したのか?w 放送聴くなり他のそっくりさんに会うなりまだまだ捩れそうだけどがんばれーw
GJでした!w
396 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:38:56 ID:fL4gbLhA
素晴らしきフラグビルド 投下します。
397たった一つの強がり抱いて  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:39:35 ID:fL4gbLhA
夜空に円を描く月が照らす薄蒼色の小さな砂浜に一つの小さな少女の姿があった。
大きな瞳が愛らしい顔も、薄く白い胸も、小さくて丸いお尻も、細くか弱い脚も、その全てを白い光の中に曝している。
月を見上げ遠くの人に思いを馳せる少女の名前は素晴らしきフラグビルド――恋する乙女である。



「――コスプレ衣装かなのはのデバイスでも支給されているといいんだけど」

ずぶ濡れになった衣装を全て脱ぎ捨てたフラグビルドは、その露になった肢体を覆う為の何かがないかと鞄を漁る。
開始早々水の中に落ちて元から着ていた衣装を駄目にする――というのは、パロロワならよくある話であったが、
そうならばその代わりとなる衣装が支給されていることも少なくない話である。
彼女はそれに期待して、未だ不明であった残りの支給品を確かめるが――、

「ありませんか。いたいけな少女を裸のままにしておこうって魂胆ですね……」

――しかし、着るようなものは支給品の中にはなかった。
しかたがないという風で溜息をつくとフラグビルドは水のペットボトルを一本取り出しそれを頭から被る。

「――っ! ……冷たい」

留めていた髪を解くと、彼女はフェイスタオルを一枚取って再び濡れた身体から水気を拭ってゆく。
応急処置ではあったがこれで海に潜ったせいでついたベタつきも少しはましにはなったと、また一息。

「あぁ……温かいお風呂に入りたいな。温泉に向かったら、前みたくChain-情さんに会えるかなぁ……」

再び、溜息。
恋する乙女は溜息が多かった。
398創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 18:40:04 ID:7+Zjcj+v

399たった一つの強がり抱いて  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:40:08 ID:fL4gbLhA
 ☆ ☆ ☆


「これ、コアドリルに似ているけど……なんだろう?」

フラグビルドの手の上には、彼女の小さな掌の中にも収まるぐらいのまん丸な緑色の珠がのっていた。
それは彼女が言うとおりどこかコアドリルに似た不思議な感触がある。

「……えーと、かいふくのマテリア」

それがその珠の名前であった。
付属していた説明書によると、素養のない一般人でも回復魔法が使えるようになるとても便利なものらしい。

「ん。使ってみよう…… ――ケアル♪」

片手にマテリアを握り、もう片手をまだ新しい傷跡に当ててフラグビルドは魔法の名前を口にする。
そのコマンドに呼応したのか、手の中のマテリアがほのかに温かくなり次いでそれがもう片方の手へと伝わってゆく。

「ふぁ……、すごい」

傷口にぬるま湯を当てているような優しくくすぐったい感触が走った後、そこから痛みは綺麗に消え去っていた。
手を当てて確かめてみても、もうそこには傷跡すらもなくさらさらとした肌の感触だけだ。

「あ、でも……この感覚」

言って、フラグビルドは頭にへと手を当てる。
僅かだが眩暈のような、または貧血の時のような感じがそこにはあった。

「……これが、マジックポイントが減るって感覚なのかな?
 テレポートの時と似ているけど、私のテレポートも実はマジックポイント消費だったのかなー……?」

感覚から、便利ではあるけどそう回数は使えないかと判断するとフラグビルドはマテリアを鞄へと仕舞い直す。
服を着ていればポケットに入れておきたかったが、残念ながら唯一の服は水浸しで着れたものではない。
それと、そしてほったらかしであった人間大の桂馬の駒も鞄へと戻すと、彼女は鞄を背に夜の中を歩き始めた――。
400創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 18:40:24 ID:7+Zjcj+v

401たった一つの強がり抱いて  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:40:46 ID:fL4gbLhA
 ☆ ☆ ☆


裸である故に人目を避けて海岸沿いに東へと進んでいた小さな少女は街の影が見えてきたところで足を止めた。
地図の上で言えば、A-6の真ん中あたりの位置である。

「お風呂と着替え。そしてChain-情さん。”どっち”に行けばいいのかな?」

今、フラグビルドの中には2つの選択肢が存在した。
一つは――ここより南に位置する”病院”へと向かうこと。
病院と言えば、パロロワの中でも定番のホットスポットである。そこに向かえば誰かに会えるという公算は高い。
だがしかし、トラブルに見舞われる可能性もかなーり高い。
人が集まればマーダーが寄ってくる――それもパロロワの摂理であった。

「これ……”フラグ”だよね」

言って、彼女は一本の鍵を取り出す。
それは彼女に与えられた3つ目の支給品で、説明書には”豪華客船のメインキー”と書かれていた。

「うーん……」

名前の通り、彼女はフラグをとても重視する。立てられるフラグがあれば見境なく立ててゆくのが彼女の信条だ。
だがしかし今はもう事情が異なる。
以前とは違い、彼女には愛するChain-情と一緒に添い遂げるという明確な目的があるのだ。
故に、危険な……つまり、この”豪華客船のメインキー”というフラグを選ぶのには抵抗があった。
彼女の出身であるアニロワ2ndでの豪華客船上の惨劇を思い出すまでもなく、ここにはあの”言葉”もいるのだ。
nice boatが発生する可能性も決して低くはない。もっとも、ボートというには客船は大きすぎるのだが……。

「あー、やっぱり温泉の方が無難だったかなぁ……」

彼女は西の山を振り返る。
地図を確認すれば今は真っ黒な影としか見えないその頂上らへんに一つの温泉があるのだ。
お色気イベントが確約されている温泉という施設は安全の度合いも高くフラグも立ちやすい。
なのでそこを目指すのも有意であったが、しかし遠すぎるので彼女は諦めたのであった。
せめて靴を履いていれば山道を行くこともできたが、今はそれもずぶ濡れになった衣装と共に鞄の中である。

「どっちに、しようか……な?」

人が集まることはほぼ確定。メリットデメリットがはっきりしている”病院”か?
それとも、何が起こるか予想できないが本筋に対し重要なフラグが立つかも知れない”豪華客船”か?



月明かりの下。海風に緑色の髪をなびかせながら白い肌の小さな少女は頭を悩ませる――……





 【A-6/海岸線/1日目-黎明】
402たった一つの強がり抱いて  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:41:27 ID:fL4gbLhA
 【素晴らしきフラグビルド@書き手ロワ2nd】
 [状態]:疲労(小)、精神疲労(小)、全裸
 [装備]:なし
 [持物]:デイパック、支給品一式(水のペットボトルx2消費)、ずぶ濡れの服と靴
     :かいふくのマテリア@なのはロワ、桂馬@オールロワ、豪華客船のメインキー@アニ2
 [方針/行動]
  基本方針:私はChain-情さんと添い遂げる! (二人で生還する)
  0:病院に向かうか、豪華客船に向かうか……それとも?
  1:↑のどちらかでお風呂に入って、服を調達したい。
  2: Chain-情さんを探し出して同行する。
  3:↑を達成するまでは、徹底的に危険を避ける。

 [備考]
  ※死亡後からの参戦です。



 【かいふくのマテリア@なのはロワ】
 セフィロスが登場するFF7よりの出展。マテリアとは一般人でも魔法が使えるように調整された魔力の結晶珠。
 かいふくのマテリアはその名前の通り、回復魔法であるケアル、ケアルラ、リジュネ、ケアルガを習得できる。

 【豪華客船のメインキー@アニ2】
 アニ2内にある一施設、豪華客船を動かすためのメインキー。
 これがこのロワにある豪華客船も動かせるかは、今のところは謎である――……。
403 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/25(日) 18:42:00 ID:fL4gbLhA
以上、投下終了しました。支援感謝しますー。
404創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 18:50:27 ID:L98m7HbJ
投下乙!
豪華客船、アニ2では惨劇の舞台となったが、ここではどうなるか……
そういや魔法マテリアも淡い緑色だったか、フラグビルドと何となく合ってるなーw
405創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 18:51:25 ID:Mj4RUWo/
投下乙です!

>0O氏
ロリスキー、無茶しやがって……。
頑張ったけど、KOOLはかえって泥沼になりそうな気も……。
頼みのジョジョははるか彼方だしなあ……。

>BOMB氏
フラグビルド可愛いなw
だが、全裸で歩き回るのはいろんな意味で危険だぞ!
あと、愛しの彼はそっちじゃねえ!
406創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 19:29:30 ID:VOIeg3Mg
投下乙です
三村の今後が心配だけど今回も振り回されそうな希ガス。
複数のかがみ見た反応が楽しみ

フラグビルド・・・・・・全裸だと・・・・・・?
西側行ったほうが安全(変態的な意味で)だから洋館行くことを(ry
407 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:27:55 ID:iZnGLg4Z
セフィロス、ゆたか投下します
408小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:29:25 ID:iZnGLg4Z

今日も、卵を割る仕事をしなきゃ。
わたしは、真っ白な世界にたゆたっている。体はなく精神もなく魂もなく存在もない。私には確立している物だけがある。
理解不能なストリーム(あるいはシンドロームかもしれないし、スパイラルなのかもしれない)が支配していた。
一つの卵を割るたびに意味のないもの、意味のあるもの、全てが収束し消失し虚無へと孵っていく。
雛と化した為。雛と化した是。雛と化した卵。全は全。一は一。法則は反転しないが、屈折してやがて楕円となる。
やがてかんらかんらと孵った雛を割って、ろくでもない音響とろくでもない光景が溢れ出した。
狂う。来るって。来るよ来るよ。
ぶつ切りの。あいfまいwffまkwmかおcこあwkf:あ;f;g、r;h、drl;rrxb、・xr。b。

美dじゃおウェか時事jれmンファ;ljckじゃおm皆vkんかんふぁ;lfこsfm殺svz;v、s;あvsvしsヴぁv。

sfksんmfklsz柊kふえkk3んさあいjs??

まpwオタmrかfkvさあw・・・、913……。

「げてrっじぇんz;あ、w;ふぁwwwwwwwwwww??? 」

「ここは君の心の中サ! 」

jknkvaslvk,kんskglせげえねあまあ私は理解し、それから冷静になって周囲を見渡した。
ニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべている男がいた。
男の笑い声はBGMとなって、いつの間にかこの世界を支配している。

「ここは私の? 」

「心の中サ! 」

パクパクと、操り人形のように彼は繰り返した。
そうか、ここは私の心の中なのか。
わたしは安心して、卵を潰す作業に戻った。
卵を割る私の手が掴まれる。
先程の男が、私の仕事の邪魔をしていた。
私は男の頭を叩き割って、黙々と作業に戻る。
卵を割る私の手が掴まれる。
先程の男が、私の仕事の邪魔をしていた。
私は男の頭を叩き割って、黙々と作業に戻る。
卵を割る私の手が掴まれる。


「つれないネ! 」

「釣りはやったことありませんから」

「つれないネ! 」

男は一層高く笑い声をあげると、首を360℃回転させて背骨を露出させた。
私は背骨を露出させた男に興味を持つ。
よくみると、知った顔だった。

「キョンサン」

「お兄ちゃんだよ、さん、はい! 」

「キョンサン」

「つれないね! 」
409小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:30:31 ID:iZnGLg4Z

キョンさんはぎこちない発声をやめると、私の知るキョンさんの態度に戻った。
服に付いた脳みそを袖で拭って、私の横に座り込む。

「ゆたかちゃん……どうだい、体調は? 」

「あまりよくh」

「んほおおおお!!! ゆたかたんのスメルベリベリグッドオォォォォォォォ!!!! 」

「……」


すんすんと鼻をヒクつかせるキョンさん。
私が引いていると、キョンさんは真面目な顔になって重々しく口を開く。

「ゆたかちゃん……今日は君に伝えたいことがあってきたんだ」

「はあ……」

「俺は死んだ。このロワにおいて日の目を見ることはもうないだろう……」

「……」

「なーんつってなwwwwww死んだくらいで出番を失ってたまるかってんだいwwwwww」

「草を生やさずに話を進めてもらえますか」

「俺は死んだ」


キョンさんはきりっと表情を引き締め、淡々と続ける。


「俺は死んだ……だが、君の心の中に君の愛する人として思い出端末……暫定残留思念が残っている。
 だからこうして君に語りかけることができるのさ」

「いえ、トラウマです」

「俺は君に愛されて死んだが、君を残して逝ったのは心残りだった。
 それで、俺が死んでから知ったことを君に伝えようとやってきたんだ」

「トラウマです」

「見てくれ」

キョンさんが手をかざすと、虚無の一部に孔が突き抜けた。
ガラスを張ったような透明な円心部の向こうには、私の姿が見える。
ここが心の中ならば、向こうは体の外。
かがみ先輩達から逃げおおせて、直立状態で笑っている私のからだが見える。
目の色はすっかり消えうせ、「ズガンでも死体役でもなんでもこなすぜ」といった風情だ。
410小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:31:29 ID:iZnGLg4Z


「君の体が置かれているあの世界……おかしいと感じたことはないかい? ないだろうな」

「今のところ、彼女は3時間と34分ほど継続しておかしいと感じているようです」

「ありがとう」

突如声を上げた割れかけの卵に礼をいって、私は卵を割る。
キョンさんは大仰に手を振って、私を蔑んだ目で見つめる(ちなみにそれは私がキョンさんを見るデフォルトの視線だ)。

「違う違う、そういう個人レベルの違和感じゃないんだ」

「えーと……つまり? 」

「おかしいだろ! なんで終わったロワのキャラがまたロワやってんだよ! 」

「はぁ……」


キョンさんは憤慨したように身を捩じらせ、おもむろに服を脱ぎ始めた。
何故脱ぐ。

「見てくれ」

「見ません」

「いや、外の世界をだね」

私がわたしに目を向けると、外の世界のわたしの眼前になにやら奇妙な物体が飛んできていた。
時速180kmくらいで。

「あ、あれはいったい」

「あれはガイバーユニット。俺が変身の為に使っていた道具さ。
 本来なら俺が死んでもユニットが保存している情報から俺を再生するんだが、制限されているようだな。
 だが一度は俺と同期した強殖細胞よ、俺の残留思念を追って、君の前に来たらしい」

「変態アイテムですか……」

「見てくれ」


見ると、ガイバーユニットはわきわきと触手を放出し、私の体にベタベタと擦りついていた。
服をずらし、わたしのからだの穴という穴から侵入していく触手。
マグロみたいにじっとしている私の体は時折ビクンビクンと跳ねながらも、それを受け入れていた。

「うわぁ」

「うにゅうううう!!!!! きょ、今日のおかずぅぅぅぅぅぅうう!!!! 」

「死ねよ……」
411小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:32:35 ID:iZnGLg4Z

激しく○○を○○しはじめたキョンさんに気落ちしながらも、私は○○○を○○○○○した。
と、わたしの脳内に凄まじい量の情報が流れ込んでくる。

「これは……」

「君もこの空間で俺と一緒にいる時点で少しはわかっているだろうが、それはロワの基本情報だよ」

「と、いうと? 」

「俺は死んだ後、ロワの大極に触れた……そして、このロワのおかしさを知ったんだ」

「へえ〜ロワの大極ってなんですか? 」

「このロワには、完結したはずのロワのキャラが参加している……そればかりか、俺たちのようなAAキャラまでも」

「ふむふむ」

「それと、君も接触しただろう。書き手と呼ばれる三次元存在に。もっとも君自身は気付いてはいないだろうが……」

「あなたの股間にぶら下がっている物にも気づきたくはなかったです」

「二次元と三次元の壁……ロワとロワの壁……文字と記号の壁……それら全てを突破する究極の力、
 それがこの世界を構成するエネルギーなのだ。すでに各地でAAが使われるなどして、如何なく使われているようだ」

なにやらブツブツ言い出したキョンさん。
私は何となく姿勢を正してその言葉を聞く。

「次元力……無限力……絶対運命決定力……そんな感じのエネルギーが何故、この空間に存在するのか?
 それは君達のためだったんだよ! 俺たち他ロワのキャラは、君達を引き立てる為に呼ばれたんだ! 」

「な、何を言って……」

「何か巨大な存在が、君達を活躍させる為にこの世界を創ったんだ。完結したロワを利用してね。
 もっとも君達に関係ないところでくたばった間抜けも何人かいるだろうが……」


「   」




412小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:33:28 ID:iZnGLg4Z





フフフ、ゆたかたんは動揺しているようだ。
もっとも俺が語る真実を理解できているかは怪しいがな。
俺は一物を激しく揺らしながら、ゆたかたんの匂いを嗅ぎまくって34回目の絶頂を迎えた。

「つまり俺たちが殺し合いをさせられているのは君達のせいなんだよ!
 終わった劇の役者が舞台に引っ張り上げられるのは屈辱の極みだ! 」

「な、なんだってー……」

「こんなことが許せるか? 許せるはずがない……だが、俺は君を恨んではいないよ。俺は俺らしく逝けたからな」

「早く逝き切って下さい」

「しかし、気がかりなのは君の今後だ。君は間違いなく序盤のうちに死ぬ……他の君達にイベントを起こすためにね」

「私死ぬんですか? 」

「死ぬ。なんせ病弱+精神が壊れ気味だからな。マーダー化しても賞味期限は3話がせいぜいだろう」

「知ったような口を……」

俺も勢いでマーダー化したが、次で死んだからな。
更に追い討ちをかけるように、俺はゆたかたんに言葉をぶつける。

「だから、俺は来たんだ。俺を見ても分かるように、極限状況ではオタクは変態に変わり、変態は殺人鬼に変わる!
 いや他人に迷惑をかけるオタクなんて、一足飛びで殺人鬼以下だよ! 」

「迷惑なオタクは殺人鬼以下……確かに、私もこなたお姉ちゃんの言うとおり自己紹介したりして恥を……」

「君を死なせるわけにはいかない。俺の残留思念も消えてしまい、究極の妹祭りが夢に終わってしまうからね」

「で、でも私なんかが生き残れるわけが……」

「大丈夫だ。俺が君の体を借り、このロワを終わらせる……妹萌力をフル活用できるのは俺しかいない!
 変態は変態でしか倒せないんだ! 」


ニョホホホwwwww上手くいきそうだぜwwwwww
俺は一度死んだ程度でロワから退場するつもりはない。
一応ここは100%カオスロワじゃないから復活はできず、面倒な手順は踏んだがこれでオールオーケイwww
ガイバーユニットに付着した俺の細胞を埋め込むことでゆたかたんの体を乗っ取るのだ。
精神的に疲弊しきっているゆたかたんなら、俺の申し出を簡単に受けるだろう。
言っておくが俺は二重人格だったとかそういう後付けで消えるつもりはないぜ!
さあオーケイと言ってくれゆたかたんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


「だが断る」


なん……だと……?


413小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:34:39 ID:iZnGLg4Z



「どういう意味かな……断ると聞こえたんだが……」

「確かに……私の病弱な体では、生き残るのは難しいかもしれないよ……」

「莫迦な……ロワ出身でもない、ただの小娘がこんな覚悟を……!? 」

「でもだからって、あなたみたいな人に頼るわけにはいかない! 変態が変態にしか倒せないというのなら……」

「小早川ゆたかぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 」

「私も変態になる! 消えろ、へんたいキョン! 」

「BHOOOOOOOO!!! 」

奇声を上げながら、キョンさんの存在が掻き消えていく。
同時にわたしの体の中に潜伏したキョンさんの細胞も消滅。
なるほど……これがキョンさんのいう、妹萌力と言うものなのかもしれない。

「フフフ……それでこそ……それでこそ妹キャラ! 俺は君を愛して逝くよ! ゆたかたん! 」

「ちょっと往生際がいい悪役みたいなこと言ってないで早く消えてください! 」

「あああああ‥

「貴方の居場所は……死者スレにすらありません……」

完全に消滅したキョンさんに背を向け、私は目を閉じる。
もう狂うのはやめだ。私は正気を以って狂機を成そう。
みなみちゃんを……まともな人たちを守るため、変態となって変態を討つ。
変態予備軍であるオタクも皆殺しだ。

「変態・小早川ゆたか、堕臨! 」

――――――あの、静かで穏やかな日常に帰る為に!


   _⊥__             .∧
  ノ      l          _/ \__                 __ツ__
   ニニニ          /     / \__              l   l
   ノ L_        /      /    |\_            目  
              <._     ∧     |ノ  ノ           ノL
         __ ___/_\生_││_七ノ  /             
        ∠,,, ヘ ( _○コ)) _< ..>___  ノl l 
     (X)/    (_ ○コ)   \/ ヾ │/ノノ 
     (    (X )(_ ○コ) ヽ_ノ /ヽ_ノ ク ___   /l
     │      (_ ○コ)ヽ   ∪  /    ‖   \/ │        (AAはイメージです)
      \(X )_/      \_│_/丿ノ   》 ( )八_ノ ___
           (  )        ─      ‖      ((_))
            ( )           ((⌒)) \   ( )    \
             (  )  □=┌┐=□ ___‖____へ \ (X )
              \       _   (_   _      ヽ \  \
  __             □=○ヽ─ ヽヽつ\ (X)     \\  (X)
     フ         (_ __ く/○ヽ─ ヽ  │    __(X)_)___丿
     l          (_ __( く/○ヽ─ │ (_/⌒  
     l          (_ __ ( く/○ _ノ\/           | 五
     J               ( く/_ ノ               ノ|ヽ 
                     ( ノ                   | ロ
414小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:35:53 ID:iZnGLg4Z





「心ない天使」


セフィロスは片翼をはためかせ、急降下する。
眼下の少女に剣を突き立てる為に。
標的が柊かがみと同じ制服を着ている、それだけでセフィロスの殺意は研ぎ澄まされ、充実していく。
5秒とかからず、少女の元までたどり着く速度。

しかし、その速度は少女の目の前で消失する。

「!? 」

『パネエっス! 』


少女が何気なく差し出した二本の指が、レヴァンティンの刃先を挟み、固定していた。
想定外の事態に息を呑むセフィロスの端整な顔に裏拳が打ち込まれ、紫電の如く吹き飛ばされる。

「ガッ……! 」

『何この子www』


指先で不快な声を出すレヴァンティンを放り捨て、少女――柊かがみの後輩、小早川ゆたかはセフィロスを見遣った。
セフィロスは数十m離れたビルディングの壁にめり込み、あらぬ方向にヘシ曲がった首を直そうとしていた。

(何だ……何が起きた!? )

「それ、コスプレってやつですよね」

「ッ!? 」

ビルにめり込んだ自分の真横から声が聞こえた……セフィロスはそう感じ、治りかけた首を無理矢理そちらに向ける。
そこには。
..................................................
先程まで数十m離れた位置にいたはずのゆたかが、ビルの壁に垂直に立っていた。

地球の物理法則を何らかの力で無視したような様子のゆたかは、セフィロスの片翼をまじまじと見ている。

「普通の人には翼なんて生えてませんよね、えへへ」

「キ……サ……マァッァァァァァ!!!! 」

「オタクさんはっけーん!!! 」
415小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:37:54 ID:iZnGLg4Z
雄叫びを上げ、ジェノバの意思を露呈させてセフィロスが片翼を振りかぶり、ゆたかにぶつけようとする。
だが、その翼はゆたかの細い両手に捉えられ、バナナの房からバナナを取るくらいの動作でブッ千切られた。
ゆたかは翼を放り投げ、空中で一回転してセフィロスの脇腹に振り降ろし気味のキックを撃ち込む。
ビルの壁に何度か激突しながら地面に叩きつけられたセフィロスの脇に、ゆたかが降り立ち、首を鳴らす。
ゆたかの四肢はその全てが破壊され、あちこちから骨が飛び出していた。
強力な何らかの力に肉体が耐え切れなかったのだろうか?
ともかくセフィロスは息絶え絶えに立ち上がり、赤く染まった目でゆたかを睨みつける。

「柊……かがみの……仲間……侮ってはいかんと言う事か……」
「あの人に会ったんですかー。私もさっき会いましたよ」
「では……やはりさっきの奴の態度は……演技だっ……ッッッ〜〜〜〜!?」

ジェノバによって修復していくセフィロスの体。
あっという間に戦闘可能なまでに再生したセフィロスをさえ絶句させる現象が、ゆたかに起こっていた。

「何だ……お前は……」
「これで、いいのかな? ……いいみたい♪」

ゆたかの体、病弱なその体が隆起し、強靭な筋肉を得て膨れ上がっていく。
セフィロスが、ゆたかの頭に刺さっている物体を視界に捕らえた。
膨大なエナジーが蓄えられている、球体。
それが、一本の紐を通してゆたかの体と直結していた。

「おぷーなー! 」

「バ……」

                       / ̄\
                       |    '|
                       \_/
                         |
                __ /: : : : : : /: : : : : : : : : : ヽ
              /7::〃: : : :/: :,': : : : : : : : : : : ハ\r-、_
             ///: : : : /: : l: : : : : : /: :|: : : : ハ/::::∧: `}
             | |' : : : : ./⌒'|: : : : : ∧⌒ヽ: : : ハ:::::::::|: :ハ
             レ / : : : : ll: : ハ: : : : / X',: : : |: : :∨ :::!: : :l
             //: : : : /:/l :′ V: : :′   l: : : !: : : |::::::| : : |
             l/.: : : : :l/ !'    V/   __ |: : .|: : : :L:::」 : : |
             | : : : : :∧ ,ィ三x     イニミx..:∧ : : l: : : : : :|
             |: :l! : : l: :∨          }/: :|: : /: : : : ハ{
             l.:/lヽ: :|: : l     r―ヘ     / : : !: /: : : : /
             j' |: :ヘl: : > ._  ゝ_ ノ   //: : ,j/ |: : : :/
           _,.r'´ ̄l: :∧: : : :!   ≧ーr-</イ: : /  .l∧: .′
         _,..r'´,,....  _| '  ヽ、:|   /い_ / j/、   X
        ,'´    _,r'´   ⌒ヽヘ!  _∠、_   〃′ __  `ヽ、
        i    ,r'´ `      `/    ⌒ ⌒ヽ' ̄  `ヽ   `)、
         !_  ⌒/        ,r'´ ̄    _ ,  ;;,,,        ヽ.
       ,r'   ,′      /         ヽ、           i
      /    !        ,′          ′             !
     ,i     !、      i            入. _,、_   ,.    !
     !/     ト、_,.-‐´  `、          ノ / `´  `Y'´    Y
    ,イ  ⌒ヽ、 ,!、       ` ‐ 、.     ′,′          `i
   _ノ、      Y、i、 _,..-―-.、_   ` ヽ 、_,.-l,i .l          !
  ./ .!、 `ト、_   \!'      `ヽ、_ ,;     イ il ,    i   __、 )
 〈   ヽ `ヽ、_.    `ヽ、        、   、_人 Y    〉  '  V
  `、       ヽ、    ヽ、>ー--  !^     ,l、|_,    !    !
    `;、       `      \__,..--..、  ヽ ',r'´    〈.     !
     ヽヽ、         ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-‐'´ ̄      )    !

「バケモノめ……! 」
416創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:40:19 ID:fL4gbLhA
 
417創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:41:33 ID:fL4gbLhA
 
418小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:42:17 ID:iZnGLg4Z




小早川ゆたかがセフィロスを蹴り落とした後に装着したのは、彼女の支給品であるエナジーボンボン。
装着者に人知を超えた力を与えるその物体は、しかしゆたかにとっては真の狙いの前準備に過ぎない。
ゆたかがセフィロスを圧倒する程の力を得られたのは、精神世界におけるキョンとの接触による妹萌力の覚醒に起因。
しかし全世界の妹萌エネルギーに相当するその力は、病弱なゆたかが使うには強烈過ぎた。
そこで、エナジーボンボンによる肉体強化である。ガイバーユニットによる外装強化だけでは心許ないと判断したのだ。
最強の肉体を得たゆたかの表情が凶笑に歪み、展開した強殖装甲に覆い隠されていく。
身の丈3mを超える巨体は、当然ガイバーのサイズにも変化をもたらす。
ゆたかの面影はエナジーボンボンだけとなり、甲殻類染みた怪物が誕生する。
巨大な異形を目の当たりにしたセフィロスには、それがどこか見覚えのある物と映った。


「仮面……ライダー……? 」

「チガウヨー」


ゆたかの巨腕が振り下ろされる。
呆然と立ちすくんでいたセフィロスは、咄嗟に反応して飛びのき、腕をかわす。
腕だけなら、かわせていただろう。
だが、突如腕から伸びた刃はかわせなかった。
左腕を両断され、セフィロスの体が地に伏す。


「があ……ッ! 」

「あいたた……やっぱりオタクさんでも、殺すなんてひどいよね……わたしにはできないよぉ」


怪物じみた姿で、年ごろの少女のような声を出すゆたか。
憎憎しげにそんなゆかたを睨みあげるセフィロスの目に、またも信じられない光景が飛び込んできた。

         エ ク ス キ ュ ー シ ョ ナ ー フ ォ ー ム
「だからぁ……  断  罪  形  態  」
419創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:42:35 ID:fL4gbLhA
 
420創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:43:19 ID:fL4gbLhA
 
421創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:43:53 ID:fL4gbLhA
 
422小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:44:03 ID:W1EP8VLJ

ドリュッ、と鈍い音を立て、ゆたか……ガイバーの腕が、自身の頭部を抉り、脳漿を撒き散らした。
一見すればそれは何をしたいのかわからない、不可思議な行動だっただろう。
だが、百戦錬磨の言葉も生ぬるい修羅場を潜ってきたセフィロスは、その動作が孕む鬼気を正確に把握していた。

「うおおおおおおおおっ!!!! 」

自分にとって不慣れな武器……ゆえに先程は使わなかった支給品の銃火器。
短機関銃、アレスFMGの銃弾を、一切の躊躇無く全弾放出した。
だが、その銃弾がゆたかを捉えることはない。                            ...
無駄のない動きで走り、銃弾をすり抜けるようにセフィロスの眼前に迫るゆたか……否、既にそれはゆたかではない。
ガイバーユニットにプログラムされた闘争本能によって動く怪人、変態ゆたかだ。

「ぎゃああああああああ!!! 」

高周波ブレードによって上半身と下半身を分断されるセフィロス。
そこから一秒の遅れもなくゆたかの胸部装甲が展開し、超高出力のビーム砲、メガスマッシャーが発射された。
市街地のいくつかの建物を巻き込み、強力なビーム砲はセフィロスを飲み込んで吹き飛ばす。

「……」




数分後。メリメリという音と共に、ゆたかの脳が再生した。
きょとんとするゆたか。身の丈3mのガイバーがきょとんとしているのはなんとも奇妙な光景だった。
周囲に飛び散った血と肉片を見渡し、殖装を解き、てへへと照れたように笑うゆたか。
エナジーボンボンに働きかけ、隆起した肉体を元に戻す。
妹萌力の賜物か、凌桜の制服は破けることもなくゆたかの体を覆っていた。

「大体コツは掴めたから、次はムキムキにならなくても大丈夫かも! 」

ゆたかは満面の笑みを浮かべながら、変態を皆殺しにする為に歩き出した。



【D-5/市街/1日目-黎明】
【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:あばばばばばばwwwwww
[装備]:おぷっおぷっwwww
[持物]:ふっひっひっひwwwww
[方針/行動]
 基本方針:あばばばばばばば。
 0:うひょひょwwwうひょひょwww
 1:うっほうっほうっほうっほーい!
 2:ヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハヌッハwwwwww
423創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:44:25 ID:fL4gbLhA
 
424小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:45:16 ID:W1EP8VLJ





先程の戦場から200mほどの地点。


「……不覚、だ」

セフィロスは、崩れた建物の瓦礫の上に寝転がっていた。
下半身はなく、上半身も胸から下はなくなっている。
それでも死なないのは、ジェノバの加護か、柊かがみへの執念か。
とにかく常識の外な生命力を発揮しながら、セフィロスは再生を待つ。

(あの不可思議な場の流れ……カオスの極みだった)

コスモスかカオスかというとカオスなセフィロスは熟考する。
思えばあの不快な剣、レヴァンティンを見た時も似たような感覚を覚えたのではないか。

(だとすれば……奴を倒すにはあの狂気を超える狂気がひつy……)

「みーつけぇたぁ! 」

「な……」

黄色い歓声が上がり、セフィロスの頭が掴まれて持ち上げられる。
持ち上げたのは――――。


「こんなになっても生きてるなんて……やっぱり変態だーーー!! 」

「あり……えん……」


頭部で揺れるエナジーボンボン。
セフィロスが憎悪する制服。
虚弱そのものな要素でありながら、漲り溢れる殺意と狂気と体力。

小早川、ゆたかである。

「さっきはごめんなさい……人殺しが怖いからって、責任から逃げるのは駄目ですよね……」

「そんな……そんな……」

「ちゃんと、この手で殺して弔います! 変態だからって命は命ですから! 尊いですから! 尊いけど殺します! 」

セフィロスが驚愕するのも無理はない。
彼は知る由もないが、一度状態票が出たキャラがそのSSでまた登場することはロワの基本マナーに抵触する。
しかし、既にゆたかはそんな書き手の配慮など突破して勝手に動く領域に達していた。

425創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:46:04 ID:fL4gbLhA
 
426創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:46:44 ID:fL4gbLhA
 
427小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:47:08 ID:W1EP8VLJ

「えなぼんぱーんち! 」

(シグナ……)

ゆたかのエナジーボンボンのエナジーを纏わせた右拳が、セフィロスの顔面を叩き潰す。
それだけでは足りず、正中線上に次々と連撃が打ち込まれていく。
二撃目でセフィロスは絶命した。
六撃目でセフィロスに宿っていたジェノバが超神学的に消滅。
八撃目でセフィロスの僅かに残った肉体も完全に人間のそれだとわからなくなるまで粉砕された。

一仕事終えた、という満足そうな表情を浮かべ、ゆたかは舞台劇のように両手を広げてクルクル回り始める。


「私小早川ゆたかは……宣言する! これから来るのは死と! 恐怖と! 殺戮の時代! ぅ私の時代ィィィ!!!
 超ゆたか新世紀紀元元年どぅえあああるああああああああああああああああああ!!!!! 」

腰を凄い勢いでドンバンドンバンと回転させ、ゆたかの目が正気を失っていく。

「そしてあの忌々しいへんたい共は皆殺しぃ! 殺害勝利殺害勝利殺害勝利オタクも殺して殺害勝利ィ! 」

上体を徐々に反らしながら、ゆたかのテンションがうなぎ上りになっていく。

「『こなたお姉ちゃん』も殺ス! 」

迷いなく言い切り、ゆたかはバック転して着地した。

「変態及び準変態撲滅宣言……完了! そしてこれは今までの私の最後の言葉! 遺言! 」

ゆたかの目が一瞬正気に戻り、友達を案ずる少女のような仕草を取る。

「岩崎さんだけは……守ってみせる! この世界に蔓延る無数の変態の魔の手から! 」

正気と狂気を行ったり来たりしながら、今ゆたかは生まれ変わった。
変態を殺す変態へと。

『俺もお供するッス! 』

「喋る剣なんか持ってたら変態だってばれちゃうよ! 」

ゆたかはとりあえず拾って持ってきたレヴァンティンが喋ったのを確認すると、凄い勢いで投げ飛ばした。
あっという間に見えなくなったレヴァンティンが飛んでいった方向と逆に歩き出すゆたか。

「とりあえず、かがみ先輩からやっつけるぞー! おーっ! 」

変態と認識した者を排除する為、ゆたかは気合を入れて駆け出した。

『ゆたかさんマジパネェっスwwww』ヒューン



【セフィロス@なのはロワ  死亡確認】

428創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:48:05 ID:fL4gbLhA
 
429創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:48:16 ID:VOIeg3Mg
何このカオスwwwww
430小早川ゆたかの遺言 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:48:48 ID:W1EP8VLJ

【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:精神崩壊、妹萌力覚醒、パロロワのメタ情報取得
[装備]:エナジーボンボン@やる夫ロワ、0号ガイバーユニット@書き手2nd
[持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品x0-2
[方針/行動]
 基本方針:変態、及び変態になる可能性のあるオタクを皆殺しにして普通の人を守る
 0:まずは柊かがみを探し出して殺す
 1:知らない人を見かけたら変態かどうかしばらく観察して判断する
 2:岩崎さんだけは守ってみせる
[備考]
※クールなロリスキー@書き手ロワ2 のことを、本物の柊かがみだと思い込んでいます。
※ついでに、柊かがみのことを、KOOLでロリ好きで同性愛者で露出狂、だと思い込んでいます。
※いさじと村雨のことを、男性同性愛者だと思い込んでいます。(どちらも名前は聞いていません)。
※エナジーボンボンは取れません。
※レヴァンティンはエリアAの方向に向かって飛んでいきました。正確な方向は次以降の書き手さんにお任せします。
※パロロワの情報は一般的なルールやあるあるネタなどに限定されています。各参加ロワの詳細な情報はありません。
※セフィロスの持ち物及び支給品、アレスFMG@やる夫ロワは消滅しました。


【支給品解説】
【エナジーボンボン@やる夫ロワ】
やる夫ロワの参加者であるオプーナの頭部に付いていたアイテム。
初期スペックでは全参加者中NO2であったオプーナの力は、この物体から来ているとされる。
装着者がいる状態で破壊されると暴走して装着者を異形の怪物に変身させるが、このロワでは制限されているようだ。

【アレスFMG@やる夫ロワ】
やる実に支給された短機関銃。
やる夫の顔面を撃ち抜いた後は特に活躍することもなく、
主人の死亡と同時にいつの間にか消えていた。
431 ◆vUo//O.X1M :2009/01/25(日) 21:50:00 ID:W1EP8VLJ
投下終了しました
支援感謝ッス!
432創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:51:42 ID:VOIeg3Mg
投下乙。
カオスのゆーちゃんより性質が悪いwwwwwwwwwwww
433創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:52:16 ID:fL4gbLhA
投下乙wwwwwwwwwww
あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばwwwww なwwにwwこwwれwwww
ゆーは天才だね☆ もう、なんだろw なんか色々吹き飛んだ気がするwww
わーいw エナジーボンボン出たーwwww
GJでしたーwwwww
434創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:56:02 ID:Z4b9qrZ4
これはひどい
435創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 21:57:14 ID:2ugLrrVw
投下乙w
るるるのルイズを思い出すぐらいの発狂マーダーだぜwww
セフィロス死んだのに何故かゆたかのインパクトがデカすぎて何が何やら…
てかエナジーボンボンってw
436創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:07:14 ID:GBQHy+Cy
投下乙www
本家よりカオスなSSが読めるのはらきロワだけwww

        ∩___∩                     ∩___∩
    ♪   | ノ ⌒  ⌒ヽハッ    __ _,, -ー ,,    ハッ   / ⌒  ⌒ 丶| ♪     
        /  (●)  (●)  ハッ   (/   " つ`..,:  ハッ (●)  (●) 丶     ねえねえ、全話でかっこつけてたのに
       |     ( _●_) ミ    :/  セフィロス :::::i:.   ミ (_●_ )    |     ゆーちゃんに殺されるなんて
 ___ 彡     |∪| ミ    :i        ─::!,,    ミ、  |∪|    、彡____ どんな気持ち?  
 ヽ___       ヽノ、`\     ヽ.....:::::::::  ::::ij(_::●   /  ヽノ     ___/   ねえ、フラグブチ折られてどんな気持ち?
       /       /ヽ <   r "     .r ミノ~.    〉 /\    丶      
      /      /    ̄   :|::|    ::::| :::i ゚。     ̄♪   \    丶    
     /     /    ♪    :|::|    ::::| :::|:            \   丶     
     (_ ⌒丶...        :` |    ::::| :::|_:           /⌒_)     
      | /ヽ }.          :.,'    ::(  :::}            } ヘ /        
        し  )).         ::i      `.-‐"             J´((
          ソ  トントン                             ソ  トントン
437創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:15:43 ID:JL4hrX0e
セフィロス、お前は運が悪かった……。
ってか悪すぎだwwwww
ゆーちゃんが壊れたー!w
オルロワネタの時からさらに進化しちまったーw
おのれ、変態め!w
ゆーちゃんをよくも!www
後なんちゅうクロスオーバーだw
書き手2、カオスキャラ、お前らが頼りだああ!w
なんとかしろおおおおおおおw
ってかゆーちゃんと同じ姿なフラグビルドかわいそすw
投下乙!w
438創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:16:18 ID:cw+H/ElS
あー、その、なんていうか乙なんだが……このロワはこういうノリで行くべきなの?
正直、方向性がわからなくなってきた
439創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:17:45 ID:GBQHy+Cy
方向性なんて決めるからロワのお約束から抜け出せないのではなくって?
440創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:19:11 ID:ZoyZVPsd
ここまで何でもありにするのか?
まともなロワの道を捨て去ってカオス系で行くっててもあるが……。
せめて、ニコロワくらいのカオスさで行きたいんだがなぁ。
441創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:20:14 ID:VOIeg3Mg
アナゴにでっていうに神(笑)に黒井先生に阿部さん、そしてゆーちゃんまで・・・・・・
まともじゃねえマーダー増量中じゃねえかwwwwwwww
442創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:22:06 ID:dr2YCQ7w
投下乙www
ゆーちゃん、変態は多いぞーっていうか大体変態だよww
そしてセフィロスカワイソスwwwwセフィロソスwwwwww
シリアスモードになっててもいきなりカオス時空に引き込まれるからこのロワは楽しすぎるwww
443創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:22:40 ID:VOIeg3Mg
>>440
カオスロワ5期、ニコロワ、やる夫ロワ、どれもカオスだけど後半は割りとまともだ。
今はこのくらい好きにさせておけばいいと思ってる
444創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:22:46 ID:5J7OyXNW
投下乙
もう何が何だかwwwいろんな意味でメーターぶっちぎりwww
どう感想付けていいのか分からんわwww
この発想がある意味斜め上突き抜けて凄すぎるwww
凄い、あらゆるものを吹き飛ばす何かが見えた!

ここはもう自由でいいんじゃないか>ノリというか方向性?
445創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:22:57 ID:a3Bt/03M
投下乙。
まあ、カオスロワやらオールロワが混じってる時点でまともに行くとは(ry
実際、カオス住人のチートに対抗するにはこれくらい壊さなきゃ駄目かも分からんね
446創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:25:34 ID:ELTAid9b
投下乙。
クオリティ高すぎるカオス展開は読んでて楽しいw
散々変態に悩まされたゆーちゃんが遂にキレたかww

>「『こなたお姉ちゃん』も殺ス! 」

マジキチwwwww
447創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:27:24 ID:Z7cMlUO0
これからゆーちゃん絡みの鬱展開に期待・・・
できるのか?w
448創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:30:46 ID:VOIeg3Mg
>>447
近くにかがみやなのはさんがいるから下手すれば・・・・・・
449創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:33:06 ID:9r63oAqc
パロロワでも最強クラスのマーダーがこんな殺されかたでいいのか?
他のロワと比べるのは気が引けるが実力だけならアーカードやラオウにも
負けないだろうに…セフィロス、無念
450創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:34:54 ID:fp8jadaf
0号ガイバーユニットは相当強いってことなのか
451創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:37:10 ID:GPFM8zNE
投下乙ww
まさか前話のヘラヘラ笑ってるって描写をこう繋ぐとはwwww
その才能をもっとシリアス寄りに使ってくださいwwww
452創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:38:13 ID:vlNPBu5D
投下乙
どうしよう・・・・シリアスがギャグに負けてる・・・・いやカオスやオールが混ざった時点で普通に行くとは思わなかったが・・・
俺自身が戸惑ってるだけ? 
受け入れがたいが破棄したいとは思わない
通しでいいような気もする
これが通ったらセフィロスカワイソスwwwwwwww
何時シリアスからカオスに引き込まれるか良い意味でわからなくなったwwwww
453創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:41:12 ID:YE4JmBhk
投下乙
キョンがさりげなくこのロワの根幹を突くようなこと言ってるな
これはフラグなのか・・・それとも・・・
454創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 22:42:10 ID:fp8jadaf
何気に大乱戦フラグもおっ立ててるなwwww
455創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:04:14 ID:sGHkV/se
つーかホテル周辺がヤバイな
近くにいるマーダーだけで四人、ちょっと離れたらラッドや言葉様もいる


あと何気に地図左下にいる面子がなんか笑える
456創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:05:25 ID:0nqw62qp
つーか、実はこのロワで一番まともに生きてるのはカオスロワのやつらに思えてきた。
457創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:06:19 ID:kokfV0+x
とりあえず感想をまとめて書こうか
>>どこまでも続く罪のという名のフラグ
まったく三村、お前ってやつは…
ロリスキーの言葉が今後にどう影響するかが楽しみです
>>たった一つの強がり抱いて
フラグビルド、そっちへ行くなww
愛しの彼的な意味でも色んな意味でww
変態が多いこのロワでどうなるのか今後に期待です

時間がないので感想はこれぐらいで
458創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:07:17 ID:I2yERAfB
カオスロワの奴らは最後のあたりで真面目に戦ってたからね
459創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:09:48 ID:a3Bt/03M
カオスロワが良心w
凄い世界だなw
460創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:11:50 ID:0AuZnzNg
投下乙です!

>「何か巨大な存在が、君達を活躍させる為にこの世界を創ったんだ。完結したロワを利用してね。
> もっとも君達に関係ないところでくたばった間抜けも何人かいるだろうが……」

>「つまり俺たちが殺し合いをさせられているのは君達のせいなんだよ!
> 終わった劇の役者が舞台に引っ張り上げられるのは屈辱の極みだ! 」

なんという魂の叫び・・・
確かに二度目のロワに呼び込まれたらキャラはこんな気持ちになるだろうなw
っていうかロワの大極って何だよwww
あと妹萌力とは一体www
カオスロワのキャラが真面目にやってるのは、自ロワが6順もしてるからかも知れないな・・・
461創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:13:07 ID:2ugLrrVw
なんというか、カオス過ぎてまともなやつから順当に錯乱or発狂してる感じだな。
結果、カオスに定評(というか耐性?)のあるカオスロワの皆さんが一番まともに動いているという結果になってるのかな
462創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:30:39 ID:aI8r2Yn3
はたから見れば変態だけど
463創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:31:44 ID:aI8r2Yn3
途中送信…
はたから見れば変態だけど彼らにしてみれば真面目だと思うんだよ
だからどうと言うわけではないが
464創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:33:56 ID:VOIeg3Mg
正直まともな対主催は結構いるな。
カオスのやつらがカオスじゃないってだけで。
465創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:36:35 ID:vlNPBu5D
シリアス組はシリアス組でシリアスしてて突然カオスに落ちるみたいなw
連発は勘弁だが時々ならOKかも
後半は自然とシリアスになるしこんなのもいいと思うよ
466創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:41:41 ID:N/OhuU2O
投下乙
カオスロワでも近年トンと見ないクオリティの高いカオスっぷりに惚れて久々に即wiki収録しちまったぜ
しかし展開は酷いのに内容が面白いせいかほとんど荒れてないな・・・
セフィロスはご愁傷様w全部キョンが悪いww
467創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:44:00 ID:VOIeg3Mg
>荒れてない
そんなことない。毒吐きとか毒吐き別館の誤爆とか結構話題になっている。
468創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:45:33 ID:N/OhuU2O
毒吐き別館ってなんぞ
469創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:46:41 ID:VOIeg3Mg
2chパロロワ辞典からリンクされているパロロワ全体に関するところ
470創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:47:42 ID:2ugLrrVw
>>467
それは禁即事項だぜ。
知らなくて良いものもある
471創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:48:07 ID:sGHkV/se
>>466
乙、乙なんだが…
原則SSのwiki収録は投下から24時間程度経ってからのほうがいいぞ
472創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:48:18 ID:5J7OyXNW
毒吐き別館はあまり参考にしないほうがいいだろう
あそこは最近負の面が高くなりつつあるから
あとしたらばの毒吐きも概ねそれほど荒れてはいないように見える
473創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:48:28 ID:VOIeg3Mg
>>468
すいません忘れてください
>>470
それは失礼した。以後発言には気をつけます
474創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:48:49 ID:IeApzoJF
あんなネガキャン達者と荒らしのすくつに話題を持ち込むのは正直パロロワ界全体の悪習だと思ってる
っていうかうちにも毒吐きあるんだからそこでやれっていう
475創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:48:50 ID:vlNPBu5D
毒吐きは愉快犯や向こうで騒いで圧力掛けようとしてる連中もいるから一概に正しいとは言えない
476創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:51:46 ID:PcnvLM4A
そもそもID出ない所の意見をあてにしたってねぇ……
477創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:52:03 ID:g4yfnwOF
とりあえずいったん落ち着こう。
そしておっぱいの話でもして落ち着こう。

俺は春香のおっぱいが好きだ。
478創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:53:06 ID:Ubt5sM3j
このロワ最高過ぎるwwww
インスピレーション沸いてきたぜぇぇぇwww
479創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:53:25 ID:VOIeg3Mg
>>477
よお俺
480創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:54:50 ID:vlNPBu5D
>>477
おっぱいってw
まぁ、おっぱいネタも今後出るかもしれないからおっぱい論議もいいけどね
ところでおっぱいならなのは関係者は大きいが他の人は大きいの? それとも小さいの?
481創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:56:50 ID:2ugLrrVw
( ゚∀゚)おっぱい!おっぱい!
482創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:57:24 ID:I2yERAfB
おっぱいがいっぱい
483創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 23:59:53 ID:sGHkV/se
そんなことよりロワ内で女の子のお尻を叩く方法でも考察しようぜ
484創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:05:28 ID:KY+45rWa
>>483
ロワ内でそんな夢のある…いや、SMまがいの行動をとってくれる勇者って誰だ
485創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:06:47 ID:07BDcFuj
>>484
やる夫とか
486創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:08:51 ID:iQoXALdo
             ____
           /      \
          / ─    ─ \
        /   (●)  (●)  \
        |      (__人__)     |
         \     ` ⌒´    ,/
 r、     r、/          ヘ
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
  \>ヽ/ |` }            | |
   ヘ lノ `'ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |
        |                |  |
487創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:10:31 ID:cZcx9yVX
もはや一般人と化した神(笑)がやる夫にお尻を叩かれるというわけか
最高……じゃねーか
488創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:23:38 ID:oY33GcVY
お尻を叩かれて欲しい参加者ランキング
(もちろんお尻丸出しで)


五位・6/(かがみ)

かがみと間違われて叩かれて欲しい

四位・真・長門有希

普通長門は叩いても表情変わらなくて面白くなさそうだが、感情豊かな
このロワの長門なら…!!

三位・竜(人間形態)

釘宮声のロリとなれば一度は叩いてみたい逸材

二位・柊かがみ&柊つかさ

姉妹、それも双子のお尻を並べて折檻とはまさしく人類の夢である
強気に痛みに耐えるかがみと我慢できずに泣き出すつかさの対比を楽しみたい

一位・小早川ゆたか

悪い子はお仕置きです


うん、疲れてるのかな俺…
489創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:31:44 ID:3Q0SI65s
じゃあ俺は男版をやろう

5位 アナゴ
叫び声が若本ボイス、これは面白い。
4位 武藤遊戯
AIBOと入れ違いにやって騒がしい事になる
3位 三村シンジ
うっかりさんはお尻ぺんぺんされれば目が覚めると思います!!
2位 笑天のピンク
「あらまあ今回はお尻を叩かれながらお送りします」
とか言って、プロ根性を見てみたい。
1位 赤木しげる
春香さんに「あれだけ死なないって約束したのに」
て言われながら叩かれてしまえ。

……俺の勝ちだ>>488
490創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:36:48 ID:d7DeD/Mq
だめだこいつら、早く何とかしないと……
491創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:38:06 ID:JoMNxnWA
いっそwikiに小ネタページ作って
>>488>>489みたいなもの入れようぜ
492創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:44:49 ID:0FV0Zy3y
どこまでカオスなロワにしてぇんだよww
493 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:39:32 ID:GuIdKvGW
Dボゥイ、岩崎みなみ、かえる を投下します。
494リバーワールド  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:40:55 ID:GuIdKvGW
凄惨な殺し合いの舞台となる一つの孤島。
その南西の端に存在する灯台。そこから道は北へと延び、山に入る辺りで東へと分岐している。
道なりに北上すれば島の西岸をなぞりそれは山頂へと続き、東へと向かえば橋を超えたところですぐに街へと着く。

灯台、山頂、街――それらにつながるその丁字路は交通の要所としてそれなりの意味を持つ場所であった。
このバトルロワイアルというゲームにおいてもそれは同様で、実際にすでに何人かがここを通り過ぎている。
そしてそんな重要な場所の傍ら、ちょうど草が高く延びて影になっている部分に一つの生ものが転がっていた。

「――う〜ん。かがみんってば意外と……だ・い・た・ん☆」

人間大の大きさで、滑りのある緑色の表皮を持ったそれは一匹の蛙であった。
名前もそのまま「かえる」と言う。もしかしたら彼固有の名前を持っているのかも知れないが、しかしここでは「かえる」だ。

「そ、そこは駄目〜〜〜……って、夢か。残念無念」

喋る蛙は目覚めるなりすくと立ち上がると、草陰から道路へと二本の足で歩いて出た。
もし何も知らない人がこの光景を見たのならばその不気味さに悲鳴を上げたかもしれない。
それとも作り物だと嘲笑するか――しかし、彼を見て驚くものは誰も存在しなかった。もう、誰もここには残っていない。

「ややや……これはいかん!」

かえるは腕にはめていた時計を見ると丸い眼をさらに剥き出して驚いた。
これもまた不気味でシュールな絵面ではあるが、当人にそのような自覚はなく――というよりもこの蛙の順応力はなんだろうか?
以前のロワではロボットにすら乗っていたのである。どこからどうきたのかも定かではなく、ほとほと謎な存在である。

ともかくとして、かえるは自分のデイパックを背負いなおし脇差を着物の腰紐に差すと、勢いよく走り出した。
よくよく見れば、その全身にはあますとこなく衝撃波による傷が刻まれていたが、様子を見る限りはそれほど堪えてないらしい。
再生能力が高いのか、はたまた痛みを感じないのか、それとも蛙独自の皮膚のぬめぬめがなんらかの効果を及ぼしているのか。
やはり、それも未だ謎であった。

ちなみに、蛙は学名としてはカエルと片仮名で書くのが正しいらしい。
そう考えると彼の”かえる”という名前は立派な固有名なのかもしれない。まぁ、どうでもいいことではあるが――……。
495リバーワールド  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:41:31 ID:GuIdKvGW
 ☆ ☆ ☆


オレンジ色が淡く満ちた狭く長い空間をコツコツと足音を響かせながら進む二人の姿があった。
長門有希と別れ、山を南北に貫くトンネルの中を南へと向かっているDボゥイと岩崎みなみの二人である。

「――少し、雰囲気が似ていたな」

その頬の大傷が目立つ青年――Dボゥイが隣の少女へと声をかける。
互いに口下手な二人。長く続いた沈黙の中で、彼がようやく見つけた会話の糸口がこれだった。

「さっきの、有希という女の子と君の雰囲気が少し似ている……そう思った」

何が? というみなみの短い問いにDボゥイはそう言葉を加えた。
髪型や目つき、話すときの雰囲気なんかがよく似ているなと、彼は先刻の有希との交渉の中でそう思っていたのだ。

「私は……よくわからない」

しかし彼女としては、それを感じることはなかったらしい。
元々、雰囲気という感覚によるものだ。何より、自分と似ているものというのは自分自身で判断できるものでもない。
彼女がそう答えを返してきてもなんらおかしいところも、責めるべきところもないだろう。だがしかし――

「そうか……」
「はい」


――また、会話は途切れて気まずい沈黙の時間が始まってしまう。


 ☆ ☆ ☆


岩崎みなみとDボゥイが同行しているのは、二人に”小早川ゆたか”という共通点があるからだ。
なので、みなみはその点で何か話題がないかと考えてみる。

「(ゆたかはどこでこの人と出合ったんだろう? 二人はどんな関係なのだろう……?)」

それが彼女の一番気になる点で、そして聞きたいことでもあった。
隣に立つDボゥイと言う男性は、どう考えても自分達やゆたかと接点があるようには思えない。
仮にあったとしても、人見知りで怖がりのゆたかが積極的に親しくなろうとするような風貌でもない。

「(でも、言いづらそうにしていたし……)」

そう。一度は尋ねようとしたのだ。しかし、結局は聞けていない。
聞く前に長門有希が現れたというのもあるが、彼から言いづらいというニュアンスを感じたためにみなみは追及できなかったのだ。

「(悪い人ではないと思うし、ゆたかと会えればきっと……)」

結局、保留にしてしまう。ゆたかと再会できれば事情はその時明らかになるだろうとみなみは心の中の疑問を先送りにした。
遠慮がちなのはよくないことだと自分でも解っているが、しかし早々変わるものではないのだ。
とはいえ、そうなると彼女には会話のとっかかりは見えないわけで――

「……………………」
「……………………」


――ただ、気まずい沈黙の時間が続くだけなのであった。
496リバーワールド  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:42:08 ID:GuIdKvGW
 ☆ ☆ ☆


それに最初に気づいたのはDボゥイの方だった。

巨大な刷毛で塗ったかのように太い赤色の線が道路を横切っている。
長いトンネルの中には所謂暴走族や不良と呼ばれるような輩が描いたであろうマーキングがいくつか見られた。
なので、これも一見しただけではその中の一つだろうと思えし、実際みなみは何も違和感を覚えていなかった。
だが、Dボゥイは何かに気づいたらしい。

「――少し、待っていろ」

そう言うと、Dボゥイは片手でみなみを下がらせ、その赤い線をゆっくりと辿り始めた。
そして、その線の先――道路脇の排水溝を覗き込み彼はその顔を僅かに歪める。

「(もう、始まっている――……)」

そこにあったのは、かつては誰かだった残骸であった。
完全に粉々に崩された誰とも知れない人間だった残骸。丁寧なことに指一本すらも形が解る場所が残っていない。
誰がこんなことをしたのかすらも見当がつかなかった。

「(長門有希はこれには気づいていなかった。つまり、殺し合いが始まって間もなくやられてしまったということか……)」

Dボゥイは死体の身元がわかる物が残されていないか、排水溝に溜まったどす黒いものを凝視する。
だがしかし、それが目的だったのだろうか荷物も個人を特定するようなものも――と、彼は何かを発見した。
一瞬、その中に手を入れることを躊躇し、しかし意を決して”それ”をそこから取り出す。

「(ずいぶんと頑丈に作られているんだな)」

それは、首輪だった。
正体も判らぬ何者かの残骸。それが少なくともこの殺し合いの参加者であったということが確定したのだ。
決して喜ばしくない、一つの成果であった。

「(タカラ……ミユキ、か……)」

首輪に刻まれた名前を読み取り、Dボゥイは苦い表情を浮かべる。
死んでしまったミユキという人物が誰かは知らないが、その名前から思い浮かぶのは自分の妹のことだ。
なので、妹が――妹と同じような少女が死んだのではないだろうかと考えてしまう。
殺し合いなどは決して望まない。こんなところにいるべきではなかった少女が犠牲になったのではないかと。


 ☆ ☆ ☆


トンネルを抜けまた夜天の下へと戻ってきた二人は、懐中電灯で道を照らし引き続き南へと向かう。
そんな中で、何があったんだろうと、それを考え聞き出せないままみなみは恐れる様子でDボゥイの後を歩いていた。
少し前に排水溝を覗いていた時から、目の前の彼の様子が変わっている。
それは戦場に生きる人間だけが漂わせる独特の気配というべきものだったが、彼女にはわかるはずもない。
ただ、少し怖いと、そしてどこか自分達からは遠く感じると、それだけだった。

「……………………」

そんな彼とゆたかとの間に何があったのか、みなみは想像してみるが答えは出てこない。
ただ漠然とした不安ばかりが湧き上がるだけだ。止め処なく、眼下を流れる真っ黒な河のように――と?
497リバーワールド  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:42:41 ID:GuIdKvGW
「え?」

みなみが見る前で何かが河を遡って泳いでいた。流れなどを苦にする様子もなくすいすいーっと。
泳いでる――と認識したのは人間だと思ったからだ。だが、よく見てみると何かいびつでそうではない気がする。

「河童?」
「――どうした? 何か見つけたのか?」

Dボゥイに声をかけられ、そして見たものを指差そうとして――しかし、もうそこには影も形もない。
ただ夜の色を落としたような暗い河の静かなせせらぎが聞こえてくるだけだ。

「……いえ、なんでもありません」
「そうか。この橋を渡りきればすぐに街に出る。この調子なら陽が昇るまでには学校につくはずだ。がんばろう」

言われて、みなみは再びDボゥイの後を追って歩き出す。
念のためにもう一度河を覗いてみたがやはりさっきの人影は見当たらない。あれは幻だったのか、それとも何者かだったのか。
困惑を頭から振り落とすためにか、みなみはただただDボゥイの背中を追って歩を刻み続けた。


ほどなくして、彼らは橋を渡りきり街の中へと到達する。





 【E-3/橋の南端/1日目-早朝】

 【Dボゥイ@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd】
 [状態]:健康
 [装備]:日本刀@現実、核金「ブレイズオブグローリー」@書き手ロワ2
 [持物]:デイパック、支給品一式、首輪(高良みゆき)、不明支給品x0-2
 [方針/行動]
  基本方針:殺し合いに乗らず、ゆたかを保護し、シンヤとの決着をつける。
  1:岩崎みなみと同行し、彼女と一緒にゆたかを探す。
  2:まずは学園へと向かう。

 [備考]
  ※アニロワ2nd 173話「REASON」の後より参加。


 【岩崎みなみ@らき☆すた(原作)】
 [状態]:健康
 [装備]:スペツナズナイフ@現実
 [持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品(0〜2)
 [方針/行動]
  基本方針:ゆたかを見つけ出して、彼女を守る。
  1:Dボゥイと同行し、彼と一緒にゆたかを探す。
  2:まずは学園へと向かう。
  3:長門有希のことが気にかかる。
498リバーワールド  ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:43:14 ID:GuIdKvGW
 ☆ ☆ ☆


天上の真ん丸の月をそのままの形で映す、これも真ん丸な湖。その中央で一匹の蛙が水面から顔を出していた。

「我が愛しのスイートハニーであるかがみんは何処ぞにおるのやら……」

運命の相手であるかがみを探すかえるは先程よりか相当に離れた場所である島の中央にまで移動してきていた。
愛のなせる業なのか、彼は島の中を流れる河を遡って地図の上でど真ん中に当たる位置まで泳いできたのである。

「うーむ、勢いまかせにここまで来たのはよいものの、さてここからはどちらに向かえばよいのやら?」

存在そのものがふざけているとも取れる彼ではあるが、内に籠めた思いの真摯さだけは紛うことなき本物である。
先のバトルロワイアルにおいて彼は最初の放送で最愛の人の名前をその耳に聞いた。
それはそれは悲しく、その身が裂けんばかりの思いであったと彼は記憶している。

故に、彼は焦っているのだ。
再び腕時計で確認してみれば定められた放送の時刻もそう遠くはない。東の空は薄っすらと明るみはじめている。


さてさて、この愛に一途な一匹の蛙はこの先どちらへと、どんな運命が待つ先にへと進むのか――……





 【D-4/湖の中央/1日目-早朝】
 【かえる@オールジャンルバトルロワイアル】
 [状態]:全身各所に裂傷
 [装備]:和服、脇差
 [持物]:デイパック、基本支給品一式、不明支給品x1
 [方針/行動]
  基本方針:かがみんと一緒に優勝してかがみんと添い遂げる!
  0:さて、かがみはどこにいるのやら?
  1:かがみん以外の参加者を殺す。
  2:かがみんを発見したらまずは友達からスタートする。

 [備考]
  ※オールロワ140話「B-5周辺顛末記」より参加。
499 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/26(月) 03:43:47 ID:GuIdKvGW
投下終了しました。
500創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 06:44:56 ID:rflhIbHb
今更だけど、セフィロスってどのロワでも、かっこつけなきゃならないの?
501創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 07:38:30 ID:KY+45rWa
>>499
投下乙
みなみとDボゥイは果たして仲良くなれるのか
みゆきの首輪が切ないよ…
ゆーちゃん探してる二人なだけに今後が心配
502創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 09:25:00 ID:oY33GcVY
投下乙!
これはいい繋ぎ話
みゆきさんの首輪を見たときのみなみの反応が気になる
あとカエルが妙に雰囲気出してるなw
503創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 12:49:47 ID:VdfczaVc
ところでそろそろ放送なの?
まだ1回しか登場してないキャラもいるが?
504創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 13:05:27 ID:oY33GcVY
全員が早朝に到達してから、が妥当じゃない?
505創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 16:48:27 ID:aI6lAIaJ
何、まだ放送する時ではない。
慌てるな
506創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 19:05:47 ID:XM7KWwy/
>>500
ラオウでギャグ話書いたら怒る人がいるだろ
それを理解すると答えが分かってくる
507創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 19:29:13 ID:W4H11crZ
カオスロワに書き手2nd入ってるから
カオスになるのは目に見えてたからどうとも思わなかったけどね

Zのラストでクラウドのカウンター食らって死亡したから
あんまいい印象なかったってのはある
508創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 19:30:44 ID:6XaMdPyU
セフィロスはゴキブリみたいな再生力しか取り得がないしな
ロワでは美形補正で強キャラの傾向があるが
509創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 20:49:55 ID:mqtTWe9m
そうか、首輪に名前が書いてあるから念入りに潰されていてもだれかわかるんだな
みゆきさん、少なくとも他のキャラに死だけは伝わったよ…

みなみちゃんとみゆきさんは姉妹みたいなもんだもんな
果たしてその死を知ったらどうなってしまうのやら

そしてかえるwwこいつはいつもぶれないなw
510創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 20:56:05 ID:EuhCv60f
投下乙!
かえるの安定さは異常wwww
Dさんとみなみは……誰か、誰かムードメーカーはいらっしゃいませんかー!
間がもたねぇっすよこの二人ーw
511創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 21:00:53 ID:doZdW7nH
>>507-508
つ「アドベント・チルドレン」

なのはロワのセフィロスの出典SSでは、大体それくらい強く書かれてた
512創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 21:50:21 ID:W4H11crZ
いやアドベントチルドレンは見たんだ
あのセフィロスはすごかった
ただなのはロワだとたしかZ出展だったからそっちの話したんだ
513創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 21:53:14 ID:doZdW7nH
調べてきた。剣術はAC準拠って書いてある。
というか、片翼の天使自体がACの前日談
514 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/26(月) 22:34:07 ID:J8rXptUn
投下乙です。
この二人いつびきびきいくかわからない・・・・・・だがそれでも面白い・・・・・・ッ!
かえるはマーダー思考なんだけど危険って感じはしないんだよなぁ・・・・・・

俺も投下します。
515シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:35:21 ID:J8rXptUn

殺戮の宴が開始されてから初めての光が孤島を覆う。
この草原に置いても日の光は差し始め、草木が本来の色を取り戻していく。
生物の活動が活発になり始める時刻に草むらの中を一つの影が横切っていた。

「大分時間をとっちまったな・・・・・・そろそろ放送だろうか」

声の主は髪を二つに束ねた少女である。
ただ、彼女の口調は女のそれとは違い、また、服装も年頃の少女のものとはかけ離れていた。
少女はもう一人の少女を背負いつつも音を立てながら草の中を進んでいる。
彼女の背負っている少女も彼女と同じような顔立ちをしているが、
こちらは若干おとなしそうだ。 服も年相応の女学生のものを着ている。

「ぅうん・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・」
「お姉ちゃんか・・・・・・」

背にいる少女の寝言に思わず彼女は呟く。
彼女の背で眠っている少女は幸せそのもので、今この現状で繰り広げられているであろう
殺し合いの出来事など全て忘れているみたいであった。

「昨晩は大変だったなぁ」

少女は歩を進め変わり行く景色を眺めながらため息を吐く。
そして彼女、否彼は己がこの少女とこのようになってしまった経緯を思い出してみることにした。
それでは数刻前に遡ってみることにしよう。

「ここからは俺が説明するから休んでいていいぞ」

あ、それでは先にあがります。

「お疲れー」






☆ ☆ ☆

「おねえちゃあああああん!!!」
「ぬおっ!?」

突然の衝撃に思わず左手に持った剣を落としてしまう。
何事かと思って目線を下にやるとおかっぱに特徴的なリボンをつけた少女がいるではないか。
あまり面識はないがこの少女こそ柊かがみの妹、つかさだ。
ガチレズ悪臭変態ツインテール妖怪腐れ外道とは違って可愛い娘だ。
そして彼女が俺を姉と呼んでいるのは、別に性転換してかがみに籍を入れられたとかそんなんじゃない。

「おねえちゃあああああん!!!」

つかさは泣き声を上げながら俺の体を保護している唯一の着物、つーかシャツを濡らしながら抱きついている。
涙がシャツの下の方まで伝わってきて、正直つかさの顔が当たってないところが少し冷たい。
だがそれでも彼女は泣くことを一向に止めようとはしない。
このような殺し合いに突然放り込まれて寂しかったのだろうか。
てかこの様子だとロワ初参加だな。 リピーターロワじゃなかったっけ?

「おねえちゃあああああん!!!」
516シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:35:51 ID:J8rXptUn

ああそうか、そういえば主催のやつらは特別ゲストがいるとか言ってたな。
となるとその一人がつかさか? まさか他のらき☆すたメンバーも・・・・・・

「おねえちゃあああああん!!!」

つかさは定期的に叫びながらも俺をがっちりと拘束している。
おっと話を戻そうか。
俺は上記の通り柊つかさとほとんど面識もないのだ。
いくら身内になったとは言え、ほとんど顔を会わせたこともない相手にこのような反応をすることができるのだろうか。
答えはNOだ。 つまり俺は色々あって柊かがみの体になっちまったというのだ。
つかさは俺を本物のかがみだと思い込んでいるのだろう。

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」

ただの呼びかけだったのかよ。
流石にいつまでも反応しないわけにもいかないので適当に声かけてやることにするか。

「ああ聞いているよ」

一先ず彼女を落ち着けるため、俺はつかさの背中を優しく抱きしめながらもそう答えた。
後は彼女が静かになるまでこうする。

「おねえちゃあああああん!!!」

効果があったのかなかったのかは不明だが、つかさは先ほどよりも俺を強く抱いて叫んだ。

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」
「ああ聞いているよ」
「おねえちゃあああああん!!!」

よしよしと彼女をあやしながらも

「おねえちゃあああああん!!!聞いているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」
「ああ聞いているよ」

無限ループって怖くね?
517創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 22:36:24 ID:7XE8fnmw
支援
518シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:37:02 ID:J8rXptUn


                 _
               / /
             ,  -― (  /
.         /: : : :-=千</ ̄>
         /.:.:.:.: /.:.:.:.:.:/.:∧`ー<
.        ,'::::/::::/::/⌒イ::/ |:l_:::::::ヽ
       /::::,':::: W|/ j:/  j∧`::: ハ
        レl(|::::: |  ○     j::/:/::::|
.        l/|::::: |      ○ん|/:∧|お姉ちゃん聞いてる?
.         lヘ:: ト、  `‐'-'  ノ::::: /
.          _ム:|-f`_r―ァ≠!:::::/
        /=、\「`}ヽ// j/
         (   \{: リ ∧
        ノ  _,}V/ }
        〉彡={レ'=ミ、{






「お姉ちゃん、会えてよかったね」
「ま、まあな・・・・・・」

ようやく無限ループから解放されたのでつかさと話をしよう。
涙が枯れたせいもあるのか、彼女はさっきと違ってとても快活としている。
彼女の口から溢れてくる言葉はこの殺し合いに放り込まれてとても不安だったということや、
自分と瓜二つの少女が殺されて自分もああならないかとか、一般人がロワに放り出されて思う当然のことばかりだ。



「後はこなちゃん達を探せば大丈夫だよね!」
「それはどうだろうか・・・・・・」

意気込む彼女に対してあえてそう答えた。
即答する俺につかさは驚いたような表情で見つめている。
そして反論を許さず更に言葉を続ける。

「いくら仲間と再会したってどうなる? バトルロワイアルが終わるわけじゃない。
だからこのままじゃみんな殺されて終わりだ」
「お姉ちゃん何を言っているの・・・・・・?」
519シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:37:42 ID:J8rXptUn

つかさの表情が曇り、震えた口調でそう言い放つ。
子犬のように身を丸くして小刻みに全身を震わせている。
俺に会う前はこんな感じで草原を彷徨っていたのだろうか。
マーダーに会わなくて運がよかったものだ。

「どうしたのお姉ちゃん?
今日のお姉ちゃんいつものお姉ちゃんじゃないよ・・・・・・
しゃべり方も男の人みたいだし・・・・・・」

そして予想通りつかさは再び混乱し始める。
いつものお姉ちゃんじゃないというのは当たり前だ。
俺は6/という人間であり、柊かがみではない。
だからここではっきりさせておこう。



「落ち着いてくれつかさ、俺は6/でありお前の姉じゃない。
つまりそっくりさんというわけだ」
「ど、どゆこと???」

案の定つかさは首を傾げてクエスチョンマークを浮かべながら問いかけてきた。
この反応は無理もないだろう。 今の俺の体は柊かがみのものなのだから。
だが、彼女を説得できる材料は既に用意は出来ていた。

「どっからどう見てもお姉ちゃんなのに?」
「おいおい、ここに連れて来られた時のことを覚えていないのか?
あそこには確かにお前とそっくりの少女がいたぞ」
「・・・・・・っ!?」

瞬間つかさの体が凍りつく。
俺が彼女にいったそっくりな少女というのはもちろん見せしめの少女のことだ。
刃物が胸を貫く瞬間、生首が吹き飛ぶ瞬間、あの場には良い思い出などあるはずがない。
ましてはつかさは自分自身と瓜二つの少女なのだから思い返したくないだろう。
傷口を抉るようなことをしているが、俺が柊かがみではないと証明するためには仕方がなかった。


「これでわかったかつかさ。 俺は柊かがみじゃないんだ」

説明を終えた俺は唖然とする彼女の肩に手を置く。
ここで言っておかないと後に必ずより深く傷つくことになるであろう。
もし放送で柊かがみの名前が呼ばれたらどうなるか?
彼女は俺に在らぬ疑いを持ち始めるかも知れない。
あるいはパニック状態に陥るかも知れない。
いずれにせよロワにとっては極上のスパイス、ろくでもない結果になることは目に見えている。
疑心は暗鬼を呼び鬼は人に牙を向く。
誤解によって生まれいずる悲劇を俺は何度も経験したのだ。
だから俺は自分が柊かがみになりきってつかさを安心させるような行動に出ることはなかった。
この状況に置いて中途半端な優しさが何になろうか。
520創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 22:37:59 ID:cJomLnLz
支援
521シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:39:02 ID:J8rXptUn



「あなたがお姉ちゃんじゃないことはよくわかりました・・・・・・」

暫く黙り続けていたつかさが口を開き、真剣な眼差しでこちらを見つめ直した。
先ほどまでのこなた達を心配しているようなものではなく、何かを決意したような強い眼差し。
ともかくは俺の説明に納得してくれたのだろうか。
そして彼女から次の言葉が紡がれる。

「お願いがあります。 私と一緒にお姉ちゃん達を探してください」
「いいぜ」

それぐらいならお安い御用だ。
ならば早くこの場を離れて適当な所を散策したほうが良い。
返事をして今度は俺からこれからの行動について話しかけようとするが、
それはつかさによって遮られてしまう。

「どうしたんだ?」
「実はもう一つお願いが・・・・・・」

もう一つとはなんだろうか。
彼女に友人達を探す以外に願いはあるのだろうか。
一緒に脱出を望むのであればそれで一向に構わないのだが。
あれこれ考えているうちにつかさの口から新たな言葉が放たれる。






「私のお姉ちゃんになってくれますか?」



ナンデスト?
522シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:40:17 ID:J8rXptUn








☆ ☆ ☆

とまあこんなわけで俺はつかさの姉をすることになっちまったんだ。
つってもかがみ達と再会するまでだけどな。
少しでも姉に会えない不安を鎮めようとしたかったんだろう、
特に断る理由もない俺は彼女に了承の意を出した。
そして当のつかさは安心しきって俺の背中でぐっすりと眠っている。
かがみ達にはできるだけ早く会わせてやりたい。

「ばるさみこすぅ・・・・・・」

すかさず背中のつかさに目を向ける。
妙な寝言だが結構かわいい顔をしてるじゃねえか。
まあ俺の嫁はみなみだけだけどな。
なんでこんな娘の姉がアレなんだろうか少し不安になるところである。
いやこいつの姉のかがみもカオスじゃないかも知れない。

かがみ、勝手にお前の身体を使わせてもらってまさかお前と同じ立場になるとはな。
だがお前でもこのつかさの幸せを願っているんだろう。
だからもう少し貸してくれよ、お前の身体。

「これでいいんだよな、かがみ」
523シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:41:43 ID:J8rXptUn






    /\___/ヽ 
   /カオスかがみ\ ノヽ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::|  ァ つかさをおんぶ・・・・・・
  | 、_(◯)_,: _(◯)_, :::| ノヽ つかさの勢い感じる!
.   |  /// ::<  /// .::|  ァ  熱い体温伝わってくる!
   \  /( [三] )ヽ::/   :
    `ー‐∪‐‐―´    :
         ジュル



         |   || |
     ,、    ll_┌''仆、ll     _,, _
      l \ く `┴'.ォl ll`ー‐ '''´
     'l  ヽ、く二_,,.:;)  , , ヾぃ,_
   /´r‐、   Y二 );;) ┐; l ┘^'
   .i ′ , ヽ、_`r─='. ∠ ‐T '''ー-
  U ヽ/o :'(こ二 ..≧o/`::U
   U `ー'/`┬-┬、'`‐'' :/
    \  " ` にニ} ′`, く
   /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  .ヽ





「・・・・・・さて、次行くか」



524シスターバルサミコス:2009/01/26(月) 22:43:17 ID:J8rXptUn
【???/早朝】

【6/(外見かがみ)@オールジャンルバトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】コッペパン@らき☆すた、カリバーン@アニロワ2nd
【持ち物】不明支給品×1【思考・方針】
[基本方針]
このロワからの脱出
1、つかさを背負って移動。何か変なもん殴った気がするけどいいや
2、このロワについて考える
3、かがみに会うまではつかさの姉代わりをする
※ランキング作成人に会うらへんからの参戦です。

【柊つかさ@原作】
【状態】健康、熟睡
【装備】手ぶら
【持物】支給品×3
【思考・方針】
[基本方針]
不明
1、(寝ている)
2、かがみ達を探す
3、6/に妹として接する


※二人がどこに移動しているかは次の書き手に任せます
525 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/26(月) 22:44:10 ID:J8rXptUn
投下完了です。
位置とか投げやりなんで指摘されれば修正します。
526創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:06:14 ID:Pf5hDnD5
そういやカオスかがみのからだなんだよな
さすがにしぶとく残留思念みたいなのが残ってる
527創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:07:23 ID:EuhCv60f
投下乙!
あれ、6/が格好よく見えるw
つかさも何とも可愛らしい

現在位置ですが、周囲がそれほど進んでない、放送がもうすぐだから次を書くまで時間が空く
という理由から、どこか決めるだけ決めちゃった方がいいかもしれませんね
528創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:07:57 ID:HHk3cSjN
投下乙です。
いい感じに交流してるなぁ……w 6/氏のくせにw つかさの弱さがいい感じですw

ただ、ちょっとどうだろう、居場所不明ってのは……。
行き先をまだ定めたくないなら、時間の進み方を抑え目にして、出発点を明記した方が後続に優しいのでは?
早朝枠まで誰とも遭遇しなかった、という事実の方を優先したいのかもしれませんが、
その場合でも周囲のキャラの辻褄あわせは、2人が歩んだ道を明記してもらった方がやりやすいかと。
529創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:08:20 ID:qwQEMBDj
投下乙!
6/氏からしたらかがみはソレだわなwwつかさ可愛いよつかさ
530創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:09:02 ID:GuIdKvGW
投下乙です。
テンパって、そのまま寝ちゃうつかさが可愛いw
擬似姉妹によるほのぼのいいな〜、でもどこまで続くやら、ロワだし、危険がいっぱいだしねーw
6/氏のがんばりに期待!w
GJでしたー。
531創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 23:26:30 ID:93XcoZGp
投下乙!
つかさ可愛いよつかさ
6/氏地の文と会話すんなwww
532 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/26(月) 23:34:02 ID:J8rXptUn
居場所不明はまずかったか・・・・・・

それでは現在地をF5にします。
その際の時間の内訳は ループ→1時間、つかさとの話→1時間
そして残り移動ということにして、wiki追加次第そこらへんを加筆しておきます
533 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/26(月) 23:35:40 ID:J8rXptUn
それで駄目なら序文を修正して現在地を、F6、時刻を黎明にします
534 ◆nkOrxPVn9c :2009/01/26(月) 23:37:00 ID:J8rXptUn
連投たびたびすみません。
>>532は目的地に人の集まりやすいであろう百貨店ということで
535創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:07:51 ID:a5r8gQxA
>>532
修正案乙です、そんな感じでいいと思います。
536 ◆BOMB.pP2l. :2009/01/27(火) 00:31:34 ID:WIlKj1ZA
537創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:34:07 ID:5DffDDz2
ちょwwwwww爆弾さん何やってんすかwwwwww
538創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:37:15 ID:r017avBC
>>536
これを見ると少し発狂シリアスに見えるから困る

最近の女の子はやんちゃで困る
539創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:42:39 ID:21Y3GT+J
今気付いたがD・Sネタだったのかwwwww
540創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 00:48:21 ID:LHVoiLxe
>>536
あなたが神か

マジですげええええ!
541創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 01:52:19 ID:XGhbal+3
>>536
なんだこれすっげぇwww
542創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 20:39:05 ID:K/3lkukP
>>536
ゆーちゃん進化しすぎだろww
543創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:07:00 ID:7Q5DWsVz
>>536
携帯だから見れん…
544創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:38:18 ID:r017avBC
急に人が減ったような
気のせいかな?
545創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:41:42 ID:27VuJlkG
じゃあ予約分の投下がくるまで雑談しようぜ
議題は「6/がみなみ萌えだということにいい加減説得力が無くなってきた件について」
あんたらきすたキャラなら誰でもいいんちゃうんかいw
546創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:43:21 ID:r017avBC
う〜んでも実際らきすたキャラが目の前に現れたら誰でもいける!
と思うんじゃないか?例え黒井先生でも抱きたいと思う
547創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:43:25 ID:afeaPBBQ
いやそうでもないんじゃね?
かがみ以外には普通に接しているだけ。
それより今のみなみが誰でもいいから他の6/と会ったらどんな反応するのだろうか
548創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:53:40 ID:k+ivVqNH
取り敢えず服着てないことには突っ込むだろ。戸惑いつつスルーもありうるが
549創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:56:40 ID:r017avBC
同一キャラ三人かぶりは今現在

アカギ@漫画
アカギ@カオス
熱血王子(声は違う)

ロリスキー
かがみ@原作
6/@かがみ

二人かぶりは書き手がわからん
550創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:57:27 ID:e8gutv6K
>>547
6/(神)がどうなるか気になるな。
マーダーだけど、彼もカオスから来てるからみなみに愛情はあるはず。
それでも殺そうとするか、迷うか……
まあ殺すのはDさんがいるから難しそうだけど。
551創る名無しに見る名無し:2009/01/27(火) 23:58:28 ID:LHVoiLxe
>>549
熱血王子の見た目はなのはじゃなかったか?
552創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 00:22:25 ID:YXqSSdXk
熱血王子は声がアカギ
553創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 00:33:45 ID:plPhLqCy
という事はハギーな訳だ

また萩原聖人が増えちまったぜ
554創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 00:37:24 ID:hI6SEhH3
今更だけどニコロワのいさじと神(笑)のキャラ紹介を投下
書いたはいいけど投下するの普通に忘れてたわ…

【名前】いさじ
【所属】ニコロワ
【性別】男
【外見】たぶん漢らしい外見だろう
【詳細】
ニコニコに歌ってみた動画をうpするいい男。
普通の漢らしい一般人だが、その歌声には耳を孕ませる力があるとかないとか

ロワ開始早々、園崎詩音に襲われていたつかさを救出し、熱い信頼関係で結ばれる。
遭遇した福山の熱いソウルに同調し、いさじ、福山、つかさの三人で仲間を引き寄せるため、大声で歌うが、
マーダーである暗黒長門、天海春香を呼んでしまい、アイスソードによって重傷を負う。
対主催に改心させた天海春香、つかさと共に休憩と治療のため洞窟に向かい、そこで谷口達対主催集団と合流。
その後、かがみの死を告げる放送によりつかさが我を失い、洞窟を飛びだす。仲間達がつかさを捜索する中、いさじは重症のため洞窟で待機。
谷口に裏切られ、精神の平衡を失ったつかさがゴマモンを連れ、洞窟に戻って来る。
かがみを殺したゴマモンを苦しませてから容赦なく殺さなければならないと言うつかさを説得しようとするが
逆に彼女の怒りを買ってしまい射殺される。

【参加者との関係】

柊つかさ・・・英雄視されるほど熱い信頼関係を築く。が、いさじを殺したのはつかさ
ゴマモン・・・死亡直前に出会う。彼を助けようと、つかさに対して説得を試みるが…
園崎魅音・・・仲間
阿倍高和・・・遭遇していない
涼宮ハルヒ・・・遭遇していない
ピッピ・・・遭遇していない
前原圭一・・・遭遇していない
555創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 00:38:30 ID:hI6SEhH3
【名前】涼宮ハルヒ
【所属】ニコロワ
【性別】女
【外見】女子高生
【詳細】
典型的なツンデレであり、キョンに好意を抱いている。
無自覚だが神に等しい能力を持っており、世界を自由に構築できる。
身体能力、頭脳共に女子高生としてはトップクラスの天才肌。

HALとして目覚めた後は、自分を絶対的な神だと信じ込み、都合のいい方向にどこまでも前向きで、非常に残忍な性格となる。
世界を自分に都合のいい世界に作り変え、そこで神として君臨する事を企む。
気に入らない者は趣味の悪い方法で殺そうとするが、自らHALに従おうとする者には割と寛容なところもある。
方向性は狂っているが、自分を貫こうとする意思の強さは相当なもの。また、中二病的な言葉や振る舞いを大いに好んでいる。


開始早々、富竹に盗撮され、さらにムスカによって仲間のワドルドゥを殺されるが、その後、ニート達対主催集団と合流。
放送でキョンの名を呼ばれたり、大樹で仲間と共にゆめにっきの中に迷い込んだりして、精神を消耗。
さらに富竹が雛見沢症候群を発症し、ハルヒを悪人だと思いこみ拉致し、ニート達と離れ離れに。
富竹に虐待され精神的に追い詰められ正気を失うが、捨て身の戦いでなんとか富竹から逃れる事に成功。
虐待された恨みを晴らすべく町で武器を探す過程で、マーダーコンビの古泉と永琳に出会う。
古泉に、優勝すればハルヒは神様だから全員生き返らせると言われ、半信半疑ながらもその言葉を受け入れ、
全てを元に戻す正義の味方としてマーダーへ転向。三人は塔組(対主催集団)を早めに殺さなければ優勝が危ういと判断。
古泉、永琳から、ハルヒの身の潔白さを利用し塔組を瓦解させる事を命じられ、これを聞き入れる。
マーダーコンビのTAS、クラモンBの協力で、塔組を間接的に四人殺害。
古泉達と合流しようとするが、マーダーのクラモンAに襲われる。近くにいたつかさ達対主催に助けを求めるが気づいてもらえず、
クラモンAに食べられそうになり自分の不幸な境遇に激しい憎悪を抱きながら、ついに精神的に壊れ、自分は神だから死なないとか言い始める。
土壇場の所で事態は好転し、古泉の話は本当で自分は世界改変の力を持った神だと確信(実際は偶然が重なっただけ)
私は神だと宣言し、偶然持っていたデジヴァイスでクラモンAを進化させ納得させ、2人で世界に君臨しようとコンビを組む。
世界を自分に都合のいい世界に作り変えるため、参加者、主催者、全てを皆殺しにしようと企む。
その後、ロールや遊戯に再開し、あまりの変貌ぶりに驚かれる。足止めのためかかってきた対主催集団とのバトルの最中、
ひょんな事から首輪解除に成功し、神人を召喚出来るようになる。神人を操り、天海春香を殺害。
合流した古泉、永琳、そしてデーモン、ハルヒの四人で首輪の外れたマーダー集団、ファンタスティックフォーを結成。
主催者に宣戦布告する。四人で対主催の拠点である城へ向かい、対主催との混戦の末、双海亜美を殺害。
その後、神人を操り、主催の秘密兵器、ジアースと殴り合いを展開するが、一歩及ばず殺害される。
しかしクラモンAの体質を受け継いでいる永井博之に捕食された事により、内部から彼の体を乗っ取る事に成功。
(博之がよりによってクラモンAを取り込んでしまっていた事により起きた偶然なので、狙って出来るものではない)
ゲームと称して古泉と博之を戦わせ、その結果、二人とも捕食する。絶好調のまま、主催の本拠地であるクッパ城へ向かう。
クッパ城内で暴れ回り、主催者のマルクとピエモンを殺害。生き残った対主催達を相手に、ラスボスを務める。
最終決戦の末、生首だけになり、最後はつかさにポイ捨てされ死亡した。

【参加者との関係】

泉こなた・・・偽の情報を流し、TASの協力で間接的に殺害。
柊つかさ・・・ハルヒにとどめを刺した人。また、つかさの行動は神化する切欠の一つとなっている。
阿倍高和・・・面識なし
いさじ・・・面識なし
ゴマモン・・・面識なし
園崎魅音・・・面識なし
ピッピ・・・偽の情報を流し、TASの協力で間接的に殺害。
前原圭一・・・面識なし
武藤遊戯・・・ニコロワの彼とは色んな意味で深い関係。対主催時代は普通に仲間。
       神(笑)になった後は敵対するが、色々あって何度も行動を共にする。


纏まりのない文章でサーセン
556創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 00:41:54 ID:Hos8zFFj
熱血王子の外見はちゃんと登場話で書かれてるだろうに

身体がウルトラマンレオで頭部がなのは、声がアカギ
んでその全身が真っ黒である

うん、カオスだってのはよくわかる
557創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 02:08:50 ID:I6KhqG1O
神(笑)の紹介、めちゃくちゃ手が込んでるなww
558創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 02:47:45 ID:o+u4PINC
HALの紹介をここまで詳しく書くとは…。
>>554あんたもしかしてjVERさんかい?
559 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:08:16 ID:PJ2VZEAO
遅れましたが今から投下します。
560今、会いに行き…ます? ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:10:40 ID:PJ2VZEAO

市街地を駆け抜ける、傷だらけの男を背負う、スーツ姿の男が1人。
彼の名はいさじ。ニコニコ動画で歌い手として活動する一方、会社で日々、働いている社会人でもある。


さて、そんな彼が何故こうなっているのかというと、先ほどの出来事が理由であった。

いさじは先程、2人の少女と出会った。2人とも、いさじが探している人物と同じような世界から来ているように見えたが、片方はそれを否定した。

だがもう片方は―――その場から走って逃げてしまった。
そしてまた片方も、彼女を追いに走っていった。
つまり、だ。
2人とも…危険に晒される、という事であった。

(畜生…!なんで俺は止めなかった…!)

いさじは歯を食い縛りつつ、更に走る速度を早めていく―――


561 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:11:54 ID:PJ2VZEAO

つもりだった。

「おわっ!?」

いさじの足の感覚は無くなり、地べたに転んでしまった。
それもそうだ。先程からいさじは男を背負って歩き続けていた。
ましてや走るとなると―――体力の消耗は更に激しくなる。
だが、彼の「早く行く」という考えが彼の疲れを閉じ込めていた。
だが、転んだ瞬間、彼の溜まりに溜まった疲労が一気に押し出てきた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

彼は確かに体力はある方だ。
だが、彼は所詮一般人…流石に、無理があった。

「無理、しすぎちまったかな…」

いさじは自身の体の限界というのを知った。
…いや、もしかしたら限界を越えた、と言っても過言では無い。

(…走れない…足が言うことを聞かない…)

必死に足を動かすが彼の足は微塵も動かず、ただ硬直していた。
いさじは自分の非力さにまた、歯を食い縛った。

「…う〜ん…ここは…」

そんな最中、村雨良は長い気絶から目を覚ました。
彼は背負われているいさじの背中からはみ出し、地べたに横たわっていた。

「…えっと、確か…」

村雨が思い出そうとした瞬間、いさじの存在に気付いた。

「おいあんた、大丈夫か!?」

村雨はいさじの背中をさすり、生死の確認をする。すると気付いたいさじが、震えつつも手を動かした。

「おぉ…気付いたのか…良かった…」

いさじは安心した様子で村雨に言う。
いさじは「ただ体力が無くなっただけだ」と言っている。

562 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:13:09 ID:PJ2VZEAO

「気が付いた…って、もしかしてあんた、気絶していた俺を背負ってきて、ここまで…?」

村雨はそう言うと、いさじは首を縦に小さく振った。
「…嘘だろ」

多分村雨の予想でここから自分が気を失った所までかなりの距離がある。それを自分を背負いながら歩くのだ。…体力の消耗は激しい。しかも彼の背中は

「血だらけ…じゃないか…」
いさじの背中は村雨を背負っていたため、村雨の血が付いてしまった。
無論、ピンクの止血で血は止まったが、元々から付いていた血が、彼の背中に付着。下手したら、「攻撃された」というのに見えなくとも無い。つまり村雨は、勘違いをしていた、という事だ。
そんな事を気にもくれず、村雨はいさじを見て少し慌てた。
何故かというと、彼は自分を放っておかず、背負って危険を顧みず、自分を助けてくれた。
だが、その彼は今、ケガしており、無事だと言っていたが、このまま放って置くわけにもいかない。

「くそっ!どうすればいい…」

村雨は考える。だが、良い案が浮かばない。
彼を背負うとなれど、まだ村雨にも疲労がある。確実に途中で倒れるだろう。
「どうすればいいんだ…っ!」

そんな時、彼の目に入ったのは、支給品が入っているディパックだった。

―――これだ!

村雨は自分といさじの2つのディパックを手元に寄せ、ディパックを開く。
無論、運良く回復アイテムが出るとは限らない。
だが、彼は1つの可能性にかけたのだった。

まず、いさじの支給品。
自分が前居た殺し合いで参加者が使っていた、スタンドというのが出るようになるディスクと、チェーンソー。それに、使い古してへこんでいるフライパン。
一応、当たりはある。だが、回復出来るのは出てこない。

(じゃあこっちは…!)

そう思い、村雨は自身のディパックを開け、中身を一気に全て出した。出てきたのは音楽プレーヤーや、やけに糞でかい機械などが出てくるが、その中にある支給品を見つけた。

563 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:14:49 ID:PJ2VZEAO
「回復液…これだ!」

村雨は「ファウードの回復液」と書かれた中の1つを取り出すと、いさじの口を開け、それを飲ませた。

「頼むぜ…あんたをここで死なせる訳にはいかないんだ…」

村雨は目を瞑り、ただ願った。

「…あれ?疲れが取れて…きた?…」

すると今までまるで死人のようになっていたいさじは急に活気を取り戻し、起き上がった。

「よ、良かった!」

村雨はほっ、と息をつくが、それに間髪を入れず、いさじは村雨に問いかけた。
「一応自己紹介だ。俺はいさじ。君が俺を助けてくれたのか?」
「俺は村雨良…俺を助けてくれたお礼さ。でも、お礼にならないかもしれないな」
「いや、助かった。君が居なければ俺はもしかしたら…」
「いやあんたが…」



それから数分、2人はお互いにお礼を言い合うのを止め、いさじが行く所へ走りながら、話す事にした。

「それで…あんたは人を追っている為に今こうしている訳だな?」

いさじは「ああ」とだけ答えると、

「君も誰か探しているつもりかい?」

と村雨に聞いた。

「ああ。…別に探しているつもりは無いが、接触しておきたい、と考えている」
「そうか…ちなみに俺の探している人の名前は―――」

その時だった。その瞬間、2人の目にロリスキーが見えてきたのは…

2人はこれを見ると、直ぐに彼女の下へ走る速度を早めた。
564 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:18:49 ID:PJ2VZEAO
【E-5/橋/1日目-繁明】

【クールなロリスキー@書き手ロワイアル2nd】
> [状態]:不死者、吸血鬼、瀬死(回復中)
> [装備]:なし
> [持物]:デイパック、支給品一式、大量のポケットティッシュ@カオスロワ、不明支給品x0-2
[方針/行動]
基本方針:地球破壊爆弾No.V-7を探し出して合流する。
0:今は少し休もうかな…
1:とりあえず生きているのを確認
2:何か着るものを探す。
> [備考]
※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。

【いさじ@ニコニコ動画バトルロワイアル】
> [状態]:強い決意、かなりの覚悟、村雨を信頼
> [装備]:手ぶら
> [持物]:支給品一式、ザ・ワールドのDISC3@漫画ロワ、日吉のフライパン@ニコロワ、チェーンソー@現実
[方針/目的]
基本方針:つかさの現在の状態を知り、脱出する
1、あれが逃げて行った少女か!?
2.村雨良が回復して安心。
3、笑点のピンクが気がかり
[備考]
突然の出来事で、2を忘れてしまったらしいです


【村雨良@漫画ロワ】
[状態]:疲労(中)、全身に多大な負傷(特に左腰に裂傷)いさじを信頼
> [装備]:なし
> [持ち物]:支給品一式、iPod@ロワ全般、PS3@ニコロワ、ファウードの回復液@書き手ロワ〔3/3〕
[方針/目的]
> 基本方針:この殺し合いを潰し、BADANとの最終決戦に帰還する。
1:一人でも多くの人間を守り、殺し合いに乗った者は無力化、もしくは倒す。
2:かがみ、アカギ、ヒナギク、ジョセフとの合流。
3:パピヨン、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズとの接触。
4:エビル(シンヤ)を止める、もしくは倒す。また、Dボゥイなる人物にエビル(シンヤ)の事について訊く。
5、もう少し会った人から話を聞く
[備考]
※参戦時期は漫画ロワ254話、「真・仮面ライダー 〜決着〜」の直後です。
※ジェネラルシャドウ、こなた、つかさ、みゆき、三村、川田、ルイズの生存に疑問を抱いています。
※アカギ、圭一、6/の名前が複数ある事に疑問を抱いています。
※力、自己修復能力等に制限が掛けられています。
※テッカマンエビル(相羽シンヤ)を記憶に刻みました。
※表面の傷は塞がりました。
※気絶から立ち直り、いさじを信頼しました。
> [備考]
いさじと村雨はまだ会って少しですが、お互い殺し合いに乗ってない事を確認しています。
後少しで早朝となりますので、次の話で放送を3人が聞いても良いと思います。
565今、会いに行き…ます? ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 03:20:10 ID:PJ2VZEAO
投下終了。
遅れてしまった…すいません
566創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 03:31:18 ID:fJiSazln
567創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 03:33:39 ID:I6KhqG1O
村雨が回復したか
よかったな〜
568創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 03:40:02 ID:YXqSSdXk
投下乙!
まともな対主催達の復活かぁ、よかった。
569 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 08:49:14 ID:PJ2VZEAO
遅れましたがアイテム説明をば。
iPod@ロワ全般
様々なロワに顔を出す支給品。
あるロワでは逃げる手段に使われた。
今回は参加者それぞれのキャラソンや参加者のアニメのOP曲など、参加者に関係してある曲が収録されている。
(例を挙げるとすれば、いさじはやらないか、川田は映画版バトロワの主題歌)
ファウードの回復液@書き手ロワ
これを飲めば疲れも傷もふっとぶ回復液。
出典元設定の為、3本ある。
日吉のフライパン@ニコロワ
ニコレンジャーの1人、日吉若が使用していたフライパン。
GENKIDAMAを当て続けた為、へこんでいる箇所がある。
ハルヒに見せたら詳しく分かるかも。
ザ・ワールドのDISC@漫画ロワ
頭に入れればザ・ワールドが使えるようになる。
制限あり。
PS3@ニコロワ
次世代ゲーム機…だが、その耐久性には定評があり、ニコロワでは発狂したレナの一撃を友人から守った。
チェーンソー@現実
そのまんま。
570創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 09:27:00 ID:z53IZ6Us
投下乙です
ようやく村雨が復活したか……
正統派対主催として期待したいところ
ただ、気になる点が一つあります
「ザ・ワールド」は漫画ロワ内でDISC化されていないので、支給品にするには問題があると思うのですが……
571創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 10:09:36 ID:aWM99I+1
ザ・ワールドはアカンて
572 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 10:56:21 ID:PJ2VZEAO
しまったああああ!!!うっかりしてた!漫画ロワ、読み直した後、樹海に行ってくる

DISCだったら何がいいですかね?
573創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 11:08:16 ID:oW/5/ncN
投下乙です
とりあえずDISKという点だけ確定させておけば、スタンドは次以降の書き手さん任せでもいいと思いますよ
その方が展開も広がりますし
574 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/28(水) 11:18:25 ID:PJ2VZEAO
じゃあいさじの支給品を、ザ・ワールドのDISCから、スタンドが不明のDISC@漫画ロワ
に変えます。ご指摘ありがとうございました。
したらばにも書いておきます。
575創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 11:34:08 ID:v1C/KGyM
>>555
面識はないけどハルヒは阿部さんをキョンのことで相当憎んでたはずだぜ

そして便乗してなのは、フェイトを紹介
【名前】高町なのは
【所属】なのはロワ
【性別】 女
【外見】茶髪のサイドポニー 身長は160p前後
【詳細】
魔法少女リリカルなのはStrikerSの主人公。
時空管理局有数の魔導師であり、機動六課のスターズ分隊の隊長。

なのはロワでは見せしめにされたアリサの死に悲しみながらもみんなを守る決意をする。
そうして初めに出会ったのがエリオを殺して精神不安定になったかがみであった。
エリオを殺したということは信じずに落ち着かせようとするも世界の違いで話がかみ合わず、
かがみは感情が高ぶりミラーモンスターを召喚してしまう。
金居(ギラファアンデット)の介入でなのはは助かる。
しかしその後のかがみが暴走する過程を見ていることしかできず、
かがみ撤退後は気にかけながらもかがみを追うことをあきらめる。

【参加者との関係】
フェイト・T・ハラオウン…10年来の親友
シグナム…10年来の仲間
スバル・ナカジマ…大事な教え子で部下
柊かがみ…目の前で暴走していった 気がかり

【名前】フェイト・T・ハラオウン
【所属】なのはロワ
【性別】女
【外見】金髪のロングヘア
【詳細】
クロスSS「仮面ライダーカブト」から参戦のキャラ。
機動六課は存在せず、スバル、ティアナの存在も知らないので注意。

ロワ内ではアリサの死に悲しみつつ母プレシアを止める決意をする。
そして遊城十代がつかさを追う光景をみて十代が殺しに乗っていると勘違い。
十代もまたフェイトに対する先入観から誤解して撤退する。
その後不安定なつかさを落ち着かせ、安全と判断したデパートで待たせて仲間を探しに一人で出発する。
直後に流れた放送に悲しみつつ戦闘の気配がする病院へ到着。
負傷していると感じたヴァッシュに近寄ったところで融合直後の不安定なエンジェルアームの暴走に巻き込まれ死亡した。

【参加者との関係】
高町なのは…10年来の親友
シグナム…10年来の仲間
スバル・ナカジマ…不認知
柊つかさ…守るべき一般人
遊城十代…殺し合いに乗っていると誤解
576創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 11:54:56 ID:EbUUuRTt
漫画ロワのDISCは、マジシャンズレッド、スティッキーフィンガーズ、キングクリムゾン、オー!ロンサムミー、承太郎の記憶DISC、クレイジーダイヤモンドあたりかな?
なかなかトンでもないのが揃ってるぞ。とくにキンクリw
577創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 13:13:08 ID:YXqSSdXk
あとはハイエロファントグリーンとスパイスガールとか。結構種類あったよなDISC
578創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 13:22:29 ID:eqOC7Aol
ザ・ワールドって、書き手に支給されてたような気するな
579創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 13:35:27 ID:LioDpGcW
>>578
黒王号に乗ったDIO付きだぞ
580創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 13:38:24 ID:eqOC7Aol
ああ、そうだ。ミキサーのヤツかw 思い出したw スマンスマン
581創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 14:41:51 ID:P9w3ktFu
カオスで荒木がザ・ワールド装備してなかったっけ
582創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 15:15:59 ID:ZJ5EJ3vz
カオスの荒木先生は「あらゆる吸血鬼の能力が使える」というキャラだから、ザ・ワールドはDISCの力じゃないよ
583創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 17:02:59 ID:P9w3ktFu
装備品に混じってなかったっけ。6/氏のスタプラと同じ感じで。
確かにDiSCではなかったけど
584創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 19:58:27 ID:vi+2pLdD
地図で見てみると右上が凄いことに
中盤戦に期待
585 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:06:19 ID:VKqYrV+f
アカギ@カオスロワ アムンゼン@オールロワ

投下します
586隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:07:21 ID:VKqYrV+f
サク、サク、サクという足音を響かせ、夜の草原を1人の少年が歩いている。
年不相応な白髪、瞳は底ないかというくらいの闇色。
そしてその少年から放たれている威圧感、その少年は普通じゃなかった。
彼の名は赤木しげる。後に裏世界で伝説になるであろうその少年は殺し合いに巻き込まれていた。

この殺し合いはアカギの本来の人生で起こりうるはずのない出来事だったのか…
それとも、後にアカギの伝説の一つとなる出来事だったのか…


それは誰にも分からない。




「ちっ…無駄足だったか……」

アカギは崖の上から月が映る夜の海を眺めながら呟いた。
彼は煙草を吸おうとデイバッグに手を伸ばすが、
煙草は没収されていたことを思い出すと舌打ちをする。

アカギは仲間や首輪解除などの情報を求め、孤島の片っ端から回ろうとしていた。
現在アカギがいるのはは孤島の北西の端A-1地点。
特に誰とも出会うこともなく、何かしらの主催を倒すための手かがりがあったわけでもない。
一つ変わったことといえば砦跡が何者かに壊されたかのか、廃墟と化していた。

(あの地点で何かあったのは間違いないだろう…しかも砦後がほぼ全壊するほどの戦闘があったのだろう。
 そして廃墟の周囲に残っている人間1人が収まるくらいのクレーターがいくつかあった…
 恐らく強力かつ広範囲な攻撃の持ち主がやったのだろう…まぁどうでもいいな…)

「さて、どうするか…」

戦闘の跡があったものの、手がかりもなく人もおらず。
次にアカギはその戦闘の跡、砦を破壊した張本人はどこに行ったのかを考えた。
ここから近い建物は温泉、刑務所、洋館…あたりだろうか?
その何れかに人が集まっているのだろうか?

アカギは自分の行動方針について考えている時、ふと何かを思い出した。
そして自分のデイバッグに手をつっこみ、先ほど出会った遊戯からもらった首飾りを取り出す。
アカギはそれを眺めるとその首飾りに向かって話しかけた。

「ククク…誰だか知らないが…いるんだろ…?出て来いよ…」

アカギは思い出した。この首飾りを手にした時聞こえた謎の声。
思えばその声は不思議な首飾り千年リングを手にした瞬間聞こえてきたのだった。
それを思い出しアカギはその謎の声の持ち主に話しかけていた。
だが、アカギに耳に謎の声が入ってくることはない。
587隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:08:07 ID:VKqYrV+f

「クク…遊戯みたいに首にかけないと意味がないか…?」

そう言ってアカギは千年リングを自分の首へ通す。
このリングはあまりにも似ているのだ。遊戯の持っていた千年パズルに。
アカギはそれに期待して千年リングを、呪いのアイテムを身につけた。

『よぉ』
「……」

あの時と同じく何処からともなくアカギの耳に謎の声が響く。
その声はアカギにとって聞きなれた声ではない。

「さっさと出て来いよ。ククク…俺はお前を待っていたんだぜ…?」
『急かすんじゃねぇよ。今出てきてやるぜ。』

アカギはその声に動じることなく未だ姿を見せぬ声の持ち主へと話しかける。
すると、その声と共に1人の少年がアカギの目の前に姿を現す。
見た目は自分よりいくつか年上といった感じである。
アカギは目の前に現れた少年の異常さを感じ取っていた。

まるで自分が今身につけている千年リングのようにギラギラと野望に満ちたかのような瞳。
そして残忍さを感じさせる凶悪な笑み。
アカギは見抜く、こいつは「悪」であると。

「なるほどね……この首飾りにはアンタがいたって事か…」
『その通りだ。俺様の名はバクラ。
 お前はあの王様のことを知ってるんだ。
 お前になら説明しなくたって大体のことは察しがつくだろう?
 俺がもう1人のお前になってお前の心の中に住まわせてもらうことぐらいはな。』
「まぁね…ところで、いくつか聞いていいか?」
『何でも聞きな。』

「お前は俺の第2の人格になる…それだけか?
 何か力があるんだろ?『千年リング』っていうくらいなんだからな…
 俺の第2の頭脳になるだけってんじゃないよな…」

アカギが質問にバクラは凶悪な笑みを崩すことなく答える。

『いい事を聞いてくれるじゃねぇか。
 お前の想像通りさ。この千年リングはなぁ…
 人やものに、自分や他人の魂を封じ込めることができるのよ。
 ……と言いてえが、どうやら今はその力は使えねえみたいだな。』
「制限ってところか…ところでもう一つ質問があるんだが。」
『どんと来いよ。』
「お前は…何者だ?」

アカギが次にした質問。
それはアカギがバクラと出会ったとき感じた異質な気配からきたものである。
そう、『悪』の気配…プレッシャー…
588隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:09:20 ID:VKqYrV+f
『改めて自己紹介するぜ。
 俺様は千年リングに宿る偉大な盗賊王の魂…バクラ様だぜ。』
「よくいうよ…それにしてもやっぱりね…
 アンタを見たときから感じていたよ、悪の気配を…
 奪いたいだけ奪ってもまだ足りぬ、全くもって度し難いろくでなしってね…」
『好き放題言ってくれるじゃねぇか。
 ちなみに宿主であるお前の記憶は俺様に筒抜けなわけだが、
 お前だって相当の『悪』だろう?』
「ククク…まぁ『いい人間』だなんて思っちゃいないさ…」

『それじゃあ俺様からも質問させてもらうぜ…
 宿主サマ、お前はこの殺し合いをどう思ってる?
 ちなみに俺様は最高のゲームだと思ってる。これ以上ねぇってくらいよ。』
「ククク…最高か。確かに分からないでもないな…
 人と人ととが殺しあう阿鼻叫喚が響き渡るデスゲーム・・・
 いつ殺されるかも分からない死線を越える快感に満ちたゲームだと俺も思うよ…」
『ということは宿主サマよぉ〜お前はこの殺し合いに乗るってことだよな?』
「いいや、正当防衛はすると思うが…自分から殺しにいくつもりはない…」

バクラが面食らったような表情をしている。アカギの言っていることが分からないという顔だ。
アカギはそんなバクラの様子を察してか「ククク…」と笑って口を開く。

「バクラ。こんな狂ったゲームを開催した奴らに興味はないか?」
『は?』
「ククク…俺は殺し合いを開催した奴ら…主催を倒すつもりだぜ…」
『解せねえな。何でルールを破ってまで奴らに逆らうんだ。
 大体奴らに立ち向かうには首輪を外さなきゃなんねぇ…
 行動しだいによっては首輪に電波を送られてドカンだ。そんな危険を知ってでか?』
「おいおいバクラ。だから面白いんだろ…?
 『破滅』が隣にあるからこそ、狂気の沙汰ほど…面白いっ…!
 この殺し合いを仕組んだ奴らとの『破滅』をかけたギャンブルっ…
 アンタの言葉で言う闇のゲーム…またはデスゲームっ…!
 どうだバクラ…面白くなってきたんじゃないか…?」

バクラはアカギの言葉を聞くと残念な笑みを浮かべて高笑いを始めた。

『ク……ク……ヒャーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
 お前みてえな奴が俺様の宿主になったのは生まれて初めてってもんだぜ。
 いいぜぇそのルール破り、俺様も乗ってやろうじゃねぇのよ。」
「ククク…そう来なくちゃな…」
589隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:10:16 ID:VKqYrV+f



◇       ◇       ◇



『ところで宿主サマ…支給品は確認したほうがいいんじゃねぇのかい?』
「何言ってんだ…俺はとっくに確認したよ…」

そう言ってアカギは自分にかけられている千年リングを指差す。

「この千年リング…そしてロードローラー…モンスターボールだ…!
 俺に支給されている武器はこれで全部っ…!」
『おいおい宿主サマよぉ俺が言ってるのはそのモンスターボールの『中身』だぜ?
 紙に書いてあっただろう?『中に何かしらのポケモンが入ってる』ってよぉ。
 それの確認ぐらいはしたほうがいいんじゃねぇのか?』
「クク…そうだな。うっかりしてたよ…」
『やれやれだぜ。大体今はロクな武器がねーんだぞ?
 まさかロードローラーで襲い掛かってきた奴を轢き殺していくのか?』
「ハハ…まさか…」

アカギは苦笑した。
確かにロクな武器がない今、モンスターボールの中身に期待する他ない。
本当は他に参加者がいないとこで中身を確認しようと思ってたのだが、
北西へ向かっているうちにアカギはつい忘れてしまっていた。
「俺としたことが…」と呟きながらアカギはデイバッグからモンスターボールを取り出す。

「投げればいいのか…?」
『ご主人様…つまりてめえの言うことは聞くみたいだぜ…出しちまえよ。』
「そうだな…」

アカギはモンスターボールを投げる。
投げるというよりは放り捨てるようなかんじであろうか。
気の抜けるような軽快な音と共に中から出てきたのは…

「何だ…?これがポケモンなのか…?」

アカギは拍子抜けしたように中から出てきた『ポケモン』を見る。
そう、中から出てきたのは小さな少女だったのだ。
だが、少女のとは思えない禍々しい雰囲気。
そしてその少女の右手に握り締められているノコギリ…
ボールの中から出てきた少女は自分をボールから出した張本人、アカギを見つめていた。
死んだ魚のように…どこまでも虚ろな…
バクラのとはそのまた別の恐怖を抱かせるようなその瞳で。

対してアカギは少女から放たれるマイナスのオーラに動じることなくその少女を睨んだ
590隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:11:00 ID:VKqYrV+f
そしてアカギは自分の足元に紙が落ちているのに気付く。
モンスターボールについての説明書と同じくらいの大きさだ。

「もしかして…この紙にこいつについての説明が書いてあるわけか…」

アカギはその説明書に目を通した。
その紙にはその少女…いやポケモンの名前、
そしてタイプ、使える技とその技についての簡単な説明が書いてあった。
アカギはそれらの説明文を目で読み終えると目の前の少女に話しかけた。

「スクイズポケモン『ことのは』…それがお前の名前なのか?」

『ことのは』と呼ばれた少女はコク…と頷く。

「なるほどね…ことのは、お前は俺の指示通りに動いてくれるんだな…?」

アカギが再び質問するとことのは再び無言で頷く。

「いいかことのは…俺の所持しているやつにお前以外に殺し合いに向いているものはない…
 だから戦闘となった場合はお前が戦うことになる…それでいいか?」
「………。」

ことのはははたまた無言で頷く。アカギはその様子に笑みを浮かべると

「だからその時まではこのボールの中で大人しくしてくれ…
 いざというときに出てきてもらうからな…」

アカギはモンスターボールを拾い上げてことのはにモンスターボールを向ける。
するとことのはは光となってボールへと吸い込まれていく。
それを確認すると、モンスターボールをデイバッグの中へしまう。

(さて…これからどうしたものか…)

アカギは自分の行動方針についてまた考え始める。
バクラが横からいろいろ言ってくるが、どうでもいい内容だったので無視しておいた。

(体育館のステージ上にいたあのピエロともう1人…あそこに集められた奴らの何人かが言っていたが…
「ピエモン」と「ジェネラルシャドウ」と言ったか…?
 やはり…参加者の中に主催組のことを知っている奴らがいるのは明らか…
 特にジェネラルシャドウと呼ばれた奴が口にしてた『村雨良』との接触は果たしたいところ…
 できればそいつらとコンタクトをとってみたいんだがな…
 とりあえず…島を隅々回りつつ近くの建物に寄ってみるしかないな…
 次は南下するか…)

アカギは南の方向へと進路を向ける。
そして東の空にうっすら光が見え始めていることに気付き時計を見る。
第1回目の提示放送の時間まで長くはないと気付き、早足で南へ向かって歩いていく。

(それにしても…
 
 千年リングに宿る残忍な盗賊王バクラ…
 少女にしては禍々しい雰囲気を放つスクイズポケモンことのは…
 やれやれ…

 少し面白くなりそうだな…)

思えば赤木しげる13歳。なんだかんだ言っても彼は中学生…1人の子供なのである。

あたかも玩具を与えられて無邪気に喜ぶ子供のように、1人の少年は笑みを浮かべていた。
591隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:12:32 ID:VKqYrV+f
【A-1/一日目 早朝】
【赤木しげる@カオスロワ】
【状態】神域 強運
【装備】強靭な顎と鼻(たぶんコンクリより硬い)、千年リング@なのはロワ
【持物】支給品一式、ロードローラー@漫画ロワ、モンスターボール(ことのは)@ニコロワ
【方針/思考】
[基本方針:仲間を集め、主催者を倒す
1、南下する。
2、片端から島を回り、情報と仲間を集める。
3、共に戦った6/、アナゴ、朝倉涼子、真・長門有希、南千秋、南春香、遊城十代を重点的に探す。彼が六期の主催だった事を知ってる者には五期の自分を語る。
4、ピエモンとジェネラルシャドウのことを知っていると思われる人物、村雨良を探す。
5、ロワの後は元の世界に返りたくない。

※千年リングを装備したことにより、バクラの人格が目覚めました。
※六期カオスロワの主催者になった後の参戦です。
※もう一つ自分の名前があることについては、カオスロワの世界ではよくあったこと、と流しています。
※千年リングは誰でも身に付ける事が出来ます。

【闇バクラ@なのはロワ】
【状態】健康
【方針/思考】
[基本方針]
今行われているデスゲームを楽しむ
1、宿主であるアカギには基本的に協力はする。
2、面白い奴だな…

※参戦時期は少なくとも自身の能力の制限に気付いた後です。

【支給品解説】
 千年リング@なのはロワについて
  ・装備した人間には、その間リングに宿る人格「バクラ」の声が聞こえるようになります。
  ・バクラは千年リングのパワーによって、強制的に人格を乗っ取ることがあります。
   制限時間は1時間。さらに一度その能力を行使した後にもう一度主人格となるには、6時間の間を空ける必要があります。
  ・準超人クラス以上の特殊な力(魔力等)を持った人間は、主人格が変わった後も意識を保つことができます。
   超人クラス以上の特殊な力を持った人間は、やろうと思えば、バクラの乗っ取りを拒絶することも可能かもしれません。
  ・千年リングの固有能力(他人の心や自分の心の一部を物体に転移させることができる)は使用不可です。
592隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:13:23 ID:VKqYrV+f
ロアルド・アムンゼンです。
殺し合いに反対する仲間を集めてさっき温泉で出会った男を止めようとしていたところでした。
私は仲間を見つけるために北上していた時、1人の男を見かけました。
その男は白髪が特徴的な男で、
どうやらゲームに乗っている様子ではなさそうなので近づいてみました。
すると何でしょう。その男は1人でブツブツと虚空へ向かって話しかけているではありませんか。
破滅やらデスゲームやら狂気の沙汰ほど云々…あぁ気味悪い。
あれは明らかに頭がアレな人のする行動ですね。あまり近づきたくない人物ですな。
私はこの男もまた危険な人物である可能性が高いと思いました。
すると男は球体のようなものを出し、ゴミをすてるかのように投げたかと思うとそこから小さな少女が出てきました。
その少女もまさに不気味で右手に鋸を持ち、その身から放つ凄まじい殺気を放っておりました。
そういえばここの付近にあるはずの砦跡が全壊しておりましたが、あの白髪の男達がやったのだろうと感じました。
前言ったとおり犬を捕まえるため様々な武術を学んだ私ですが…
情けないことにあの男たちの不気味なオーラに気圧されたのか今以上近づくことができませんでした。
不本意ながら、あの男が虚空に向かって話しかけているうちに退きましょう。
他の仲間を集め、改めて温泉で出会った仮面の男と白髪の少年に接触するのです。
東の空から太陽も昇り始めている、彼らが他人に危害を加える前に仲間を集めなくては。
ああ、それはそれとして……。犬が食べたいですねえ……。

【A-1/一日目-早朝】



【ロアルド・アムンゼン(その3)@オールロワ】
 [状態]:健康
 [装備]:なし
 [持物]:支給品一式、不明支給品1〜3
 [方針/行動]
  基本方針:殺し合いには乗らない
  1:仲間を集め、髑髏の仮面の男(Chain-情)と白髪の男(赤木しげる)を止める。
  2:6/、かがみ、竜を探す。
  3:犬を見つけたら食べる。
※オールロワ113話「日本昔話:とりかえばや物語」直後からの参戦です。
※Chain-情と赤木しげるを危険人物と認識しました。
593隠し砦の三狂人 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:18:09 ID:VKqYrV+f
以上で投下終了です。

それと支給品についての説明を。まぁほとんどニコロワwikiからのコピペですが。

【ことのは】
スクイズポケモン。オーキド博士が最初にくれる三体のヤンデレポケモンの一つ。
言うまでもなく、ゲーム「School Days」に登場する伝説のヤンデレヒロイン・言葉様こと桂言葉をデフォルメしたものである。
武器はノコギリ。レベルはニコロワ初参戦の際の27。

タイプ:あく・ゴースト
とくせい:こんじょう(状態異常で攻撃力が上がる)
わざリスト:
 ふくしゅう:あくタイプ。同ターン中に相手からダメージを受けていると攻撃力が上がる。「リベンジ」に相当。
 えいえんに:ひこうタイプ。1ターン目で高いところに上り、2ターン目で落下してダメージを与える。「そらをとぶ」に相当。
 のろい:効果はゴーストタイプ仕様。自身の体力を削り、相手の体力を徐々に奪っていく呪いをかける。
 いあいぎり:効果は本家と同じ。ノコギリでぶった切る。頸動脈とか。
594創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 21:23:42 ID:dW5gRdM5
投下乙です
アカギ、バクラ、コトノハとかw 極悪過ぎるw
595創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 21:24:35 ID:/XZjtt8X
乙!
流石アカギ、バクラも引き込んだ!
そういや千年アイテムの裏人格って思念だけで会話することは可能だっただろうか。
596 ◆OGtDqHizUM :2009/01/28(水) 21:32:20 ID:VKqYrV+f
バクラの備考欄に

※強制憑依したら好き勝手やるかもしれません

を追加しておいてください。
597創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 21:46:26 ID:I6KhqG1O
なんという凶悪さwww
598創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 21:53:41 ID:Zw8mbuaD
超乙です!
アカギとバクラ相性良さそう。これからの展開が楽しみだ
対主催なのに凶悪さパネェwww
ヤンデレポケモンことのはも相まって凶悪さ3乗
やる気ないアカギ(19)とは対照的なのもいいな
599創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:01:50 ID:P9w3ktFu
投下乙。
三人とも、下手したらこのロワ内で凶悪さトップなのに対主催とはw
600創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:16:36 ID:XxTXL/EM
投下乙!
どう見ても対主催に見えません。本当に(ry
何ぞこの凶悪さはw下手したら普通のマーダーよりも凶悪なんじゃないだろうか
真っ黒過ぎて、もう1人の何もしないアカギが白く見えるから困る
てか、さりげなく危険人物認定されてるが大丈夫か?w
601創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:35:47 ID:bbm1cVNe
投下乙。黒すぎるだろこの三人www
しかしそういえばこっちのアカギって中1だったよな・・・
このロワで人間最年少って誰だっけ?
602創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:37:32 ID:/XZjtt8X
南千秋が10歳だから多分彼女だと思う
603創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:38:02 ID:/XZjtt8X
いや11? 小学5年生
604創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:38:38 ID:plPhLqCy
身体的には南千秋じゃない? 次にアカギ
年齢的にはピッピとかその辺のモンスター類

でもどーみても
つかさ<千秋<こなた<アカギ
くらいだけど
605創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:47:03 ID:j4PCVsU5
最年長は……下手すりゃ竜か?
606創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:47:37 ID:nahnAkON
逆に最年長は?
まさかかえるじゃないだろうなw
607創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:53:35 ID:v1C/KGyM
>>604
年齢と関係あるか知らんが一応言っておく
ピッピはチャンピオンに勝ったあとのLv60代で参戦だ
608創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 22:55:50 ID:/XZjtt8X
>>604
ゆーちゃんとルイズを忘れないでくれ。
外見的にはそこに入る
609創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 23:02:06 ID:XxTXL/EM
>>607
Lv=年齢だと申したか
それだとピッピがとっちゃん坊やにwww
610創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 23:05:16 ID:v1C/KGyM
>>609
そうは言ってない
でもポケモンの年齢の基準ってなんだ?
611創る名無しに見る名無し:2009/01/28(水) 23:19:49 ID:dW5gRdM5
普通に考えたらタマゴから生まれての年月だと思うが、違っても違和感は無いな
612 ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:26:32 ID:3VFydJD2
ゆたか、ウッカリデス、十代投下します。
613毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:27:38 ID:3VFydJD2
D-5、雀荘。ここに二人の青年の姿があった。
一人は熱き魂を持つデュエリスト、遊城十代。もう一人はアニロワ2nd十傑衆に名を数えられる書き手、忘却のウッカリデスだ。
彼らは「まあ立ち話も何だから」ということでこの雀荘へ移動し、そこでお互いの意見交換と支給品のチェックを行っていたのだ。

「なるほど、この殺し合いをぶっ潰すには、首輪を外す必要があるってわけか」
「ええ。運良く主催者を発見できたとしても、その直後に首輪爆破であの世行きでは話になりませんから。
 どうにかしてこれを解除しなければ、主催打倒は不可能とは言いませんがかなり厳しいでしょうね」
「しかし頭がいいなあ、ウッカリデスさん。殺し合いが始まったばっかりで、もうそこまで考えてるなんて!」
「ははは……」

単にパロロワのセオリーを言ってるだけなんだけど、とは言えず、ウッカリデスは乾いた笑みを浮かべる。

「しかし言うは易し、行うは難しです。僕には機械工学の知識とかはありません。十代君も多分そうでしょう?」
「うーん、確かに……」
「首輪を解除するには、多くのフラ……もとい、条件を揃えなくてはならないのです。
 単純に機械に強ければ分解できるというものでもありません。
 主催者も馬鹿ではありませんからね。首輪という保険を勝手に解除されないよう何らかの策を練っているはず。
 それを達成するには、並大抵でない苦労が必要でしょう。志半ばで倒れる可能性も高いと思われます。
 十代君、あなたはそれでも『対主催』の道を選びますか?」
「もちろんだ!」

ウッカリデスの問いかけに、十代はすぐさま答えを返した。

「俺は殺し合いなんてごめんだ! 絶対にあのモンスターを倒して、元の世界に帰ってやる!
 死ぬかも知れないって言ったって、それは積極的に殺し合いをやったって同じだろう?
 だったら俺は、自分が正しいと思った方に命を賭ける!」
「……わかりました。このウッカリデス、その強い決意に全力で応えることを誓いましょう。
 改めてよろしくお願いします、十代君」
「こっちこそよろしくな、ウッカリデスさん!」

ウッカリデスと十代が、がっちりと握手を交わす。

「それでウッカリデスさん、まずはどうする?」
「そうですね、とりあえず目指すべきは、月並みですが志を同じくする仲間を集めることでしょうか。
 僕も十代君も、支給品に当たりは多かったとはいえ戦うことが得意な人間ではありません。
 身体能力の高いマー……じゃなくて、殺し合いに乗った参加者に襲われたら非常に危険です。
 戦闘力の高い味方を見つけるのは急務と言えるでしょう。そして、仲間を増やすもう一つのメリットは情報です。
 殺し合いに限らず、いついかなる場合でも情報とは非常に価値のあるものですから。
 人との接触が増えれば、その分手に入る情報も多くなります。もしかしたら、そこから主催者打倒のきっかけがつかめるかもしれません」
「そうか……。そこまで考えてるとは、さすがウッカリデスさん!」
「ははは、まあ経験上というか何というか……」

再び乾いた笑いを響かせるウッカリデス。

「よし、それじゃあ早速仲間を探しに行こうぜ! あー、でも当てもなく歩き回るわけにもいかないか。
 ウッカリデスさん、目指すならどこがいいと思う?」
「そうですね……。どこがいいとは一概には言えませんが……」

荷物から地図を取り出しながら、ウッカリデスは言う。

「ここから近く、なおかつ人の集まりそうな場所……。ホテルなんていいかもしれません」
「ホテルか……。確かに人が集まりそうな感じはするな。それじゃあ、改めて行くか!」
「ああ、ちょっと待ってください!」

勢いよく走り出した十代を、ウッカリデスは慌てて追いかけた。

(やれやれ、決して悪い人じゃないんだけど……。ついて行くのが大変そうだなあ……)

614毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:28:12 ID:3VFydJD2
◇ ◇ ◇


「しかし本当に何なんだろうなあ、このカード……」

ホテルに向かう道中、十代はそう呟いた。彼の手の中には、彼がその青春を現在進行形で捧げているゲーム「デュエルモンスターズ」のカードがある。
元はウッカリデスの支給品だったのだが、餅は餅屋、カードはデュエリストということで十代に譲られたのだ。
なおその見返りとして、ウッカリデスは十代の支給品からプラスチック爆弾を受け取っている。

「これだけ強力なカードならメインで使うデュエリストがいたっておかしくないのに、見たことも聞いたこともない……。
 ウッカリデスさん、何か知ってる?」
「いやあ、僕はデュエルモンスターズは詳しくないんで……」

そう答えたウッカリデスだが、そのカードが奇妙な存在であることは彼も理解していた。
何せ十代に渡した二枚のカードに描かれたキャラは、彼もよく知るものだったのだから。

(なんでセイバーとフェイトが、遊戯王のカードになってるんだ?
 Fateもなのはも、KON○M○関係なかったよなあ、たぶん……)

ウッカリデスが考え込んでいたその時、突如として彼らの感覚器官に大量の光と音が飛び込んできた。

「な、なんだ! 何があったんだ!」
「これは……。どうやら近くで、大規模な戦闘が起きているようですね」

うろたえる十代とは対照的に、ウッカリデスは冷静な口調で呟く。
もっとも、彼も決して動じていないわけではない。近くで戦闘が起きているということは、自分たちも巻き添えを食らう可能性が高いということだからだ。

「十代君、ここはホテルに急いで……」
「戦いなら止めに行かなきゃ! 急ごうぜ、ウッカリデスさん!」
「え?」

ウッカリデスと十代の反応は、まるで正反対。噛み合わない発言に、ウッカリデスは思わず気の抜けた声を漏らす。

「待ってください、十代君! この位置から確認できるような大技の使い手が戦っているんですよ?
 戦闘力が低い僕らが行ったところで、何が出来るんですか!」
「わかってるよ、そんなこと! だけど、俺やウッカリデスさんの知り合いが巻き込まれてるかもしれないんだ!
 見て見ぬふりをしないわけにもいかないだろう! 頼む、行かせてくれウッカリデスさん!
 何も出来そうにない状況だったら、おとなしく引き返す! だから!」
「十代君……。わかりました」

必死に頼み込む十代の姿に、ウッカリデスもやむなく折れる。

「ですが約束してください、決して命を粗末にしないと。君に死んでほしくない存在がいるように、あなたに死んでほしくないと考える人もいるはずですから」
「ああ、わかった……!」

互いに目を合わせてうなずくと、二人は光の方向へと走り出した。

615毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:29:20 ID:3VFydJD2
◇ ◇ ◇


数分後、二人は一人の少女に出会う。セーラー服に身を包む、小柄な少女に。
ウッカリデスは、その少女を知っていた。とは言っても、知り合いではない。
彼が書き手として参加していたアニロワ2nd、その登場人物の中に彼女はいたのだ。

(ゆーちゃん……だよなあ? けど、頭から生えてるあの奇妙な物体はいったい……。
 それに、何だか目つきがやばいような気が……)

自分の知る小早川ゆたかとの違いにとまどうウッカリデスを尻目に、十代はゆたかに話しかける。

「大丈夫か、君! この近くで爆発みたいなのがあったみたいだけど、巻き込まれたりしなかったか?」
「巻き込まれた? いえ、大丈夫です」

ゆたかは淡々とした声で、十代の質問に答える。

「だって……それやったの、たぶん私ですから」
「ええ?」

続けられた言葉に、十代の表情が凍り付く。

「やったって……。君が戦ってたってこと?」
「はい。変態さんがいたんで、私が殺したんです」

「殺した」。その言葉を、ゆたかはさも世間話をしているかのように平然と口にする。

「殺した……って……。なんで、なんで君みたいな小さい子が……」
「だって、変態さんは社会の敵ですもん。人の命を奪うのは心苦しいですけど、死んでもらわないと普通の人の迷惑になりますから」

相変わらず、ゆたかの口調は平然としている。自分の考えに、一切の疑問を持っていないという様子だ。

「おかしい! おかしいよ、そんな考え! 別に変態を擁護するわけじゃないけど、殺していいはずがないだろ!」
「何もおかしくないですよ。変態に生きる資格はありません」

十代とゆたか、その言葉はどこまでも平行線をたどる。

「もう止せ、十代君。残念だが、この子はもう壊れている……。何を言っても届かないよ」
「そんな!」
「壊れてる? ひどいなあ。確かに私はちょっとおかしくなっちゃったかもしれないけど、言ってることは間違いなく正論ですよ?
 ああ、そうか。あなた達も変態なんですね? だから変態をかばうようなこと言うんですね? だったら……」
「まずい、離れ……」

ゆたかが纏う空気が変わったことを感じ取り、十代に撤退を促そうとするウッカリデス。
だが、わずかに遅かった。

「死んで☆」

ゆたかが無造作に繰り出した拳が、十代の肋骨を砕く。そのまま拳は十代の肉を抉り、内臓を貫き、背中側にまで貫通した。

「ゴハ……ッ!」

口から血の塊を吐き出し、十代は力無くその場に崩れ落ちる。

「じゅ、十代君!」
「人の心配より、自分の心配をしたらどうですか? 次はあなたですよ?」

十代を襲った惨劇に動揺するウッカリデスへ、ゆたかは壊れた笑みを浮かべながら近づいていく。

「待てよ」
616毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:30:22 ID:3VFydJD2
だがそのゆたかを、背後からの声が呼び止める。

「俺はまだ……降参(サレンダー)してないぜ……!」
「十代君! 喋るな! じっとしていろ!」

ウッカリデスの言葉も無視し、十代はゆっくりと体を起こす。その手には、一枚のカードが握られていた。

「セイバー……。攻撃表示で……召喚……!」

途切れ途切れの声で十代が宣言すると、カードから光が飛び出す。その光は、十代の眼前で美しい金色の髪を持つ女騎士へと変化した。

            ⌒ヽ
          .ィ_´ ̄`┴ 、
        /ト、 =/ /_lト、 |
        N f/ ∧{:l レノ
    __. 「‐个、/ /l  -/
<二 ―‐ /..へ|/L-ァT:‐:‐:‐:‐ァ‐‐:、    セイバー
  ∠/⌒ /l::::::::::::7:/{ |。|゚|‐|_|_K}‐|‐|    攻 2500
      \ 二Z:::::::ト、_.イ {_L|―〉   守 2500
          T_/ ∧_.、 /ト‐‐|ニ|‐┘
          Y´_l__|./  K>|
.         _「:::::::::。_。:}  |∧|_
         /  ̄ ̄ }c_。r '´ィ‐i_i‐ト、 ヽ
       /     |:::lノY´ |::{ハ}:| ヽ|
      /      |:::|:::::|. |::{ハ}:|

「マスター、命令を」
「あの女の子を……止めてくれ……」

指示を仰ぐセイバーに対し、十代はそう告げた。

「了解しました。手荒な方法になってもかまいませんね?」
「仕方ない……な……」

十代の許しが出るとほぼ同時に、セイバーは地を蹴った。瞬く間にゆたかに肉薄すると、彼女は手にした剣を振り下ろす。
だがゆたかは、見事にそれを白刃取りして見せた。

「ほう、見た目の割にはなかなか……」
「またコスプレのオタクかあ……。かわいそうだけど、ちゃんと殺してあげないとね」

剣を押し返そうとするゆたか。だがその直後、急激に彼女の体にかかる負担が大きくなる。

「え? 向こうのパワーが上がった?」

とまどうゆたかに、十代の声が応える。彼が今握っているのは、ウッカリデスから譲られたものとは別に、彼自身に支給されたカードだ。

「魔法カード……ホーリーエルフの祝福を使用した……。これで俺のライフは回復……!
 更にセイバーは……その特殊能力により、魔法カードを発動するごとに……攻撃力が1500アップする!」

セイバー 攻 2500→4000

(くっ……。支えきれない!)

一気に五割以上上昇したセイバーのパワーに、さしものゆたかも押し負ける。
セイバーの剣はゆたかの両手を押しのけ、彼女の胸を切り裂いた。
617毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:31:36 ID:3VFydJD2
「はっ!」

だがその結果だけで、気を緩めるセイバーではない。すぐさま剣を返し、第二撃を放つ。
ゆたかは後ろへ大きく跳躍し、それを回避した。

「やるじゃないですか……。これは本気出さないといけないかな?」

口元をわずかに緩め、ゆたかは叫ぶ。

「殖装!」

次の瞬間、ゆたかの小さな体を外殻が覆う。わずか数秒で、幼い少女は異形の怪物・ガイバーへ姿を変えた。

「ヘッドビーム!」
「遅い!」

変身が終わるとすぐさま、額から光線を放つゆたか。だがセイバーはそれをあっさりと回避し、今一度距離を詰める。
ゆたかはそれを拳で迎撃。セイバーは肩に被弾しながらも、ゆたかの顔面を斬りつける。

「きゃっ!」

怯むゆたか。対照的に、セイバーは肩を砕かれてなお攻撃の手をゆるめない。
怒濤の勢いで剣を振るい、次の一撃で右腕を断つ。更に次の一撃は、左脚を貫く。

「よくもやってくれましたね、オタクのくせに……。ちょっと怒っちゃったぞー」

わずかに不機嫌さをにじませた声で言うと、ゆたかはガイバーの重力制御能力で宙へと逃れる。
そして、胸の装甲板を開く。それこそが、ガイバー最大最強の必殺技の発射態勢であった。

「みんな消えちゃえ! メガスマッシャー!」

ゆたかの胸から、極大の破壊光線が放たれる。それはセイバーのみならず、十代やウッカリデスまでも飲み込もうとしていた。
それに対し、セイバーは眉一つ動かさず剣を構えた。そして叫ぶ。その剣の、真の名を。

「約束された勝利の剣<エクスカリバー>!」

叫びと共に、剣からはメガスマッシャーにも負けぬ光の奔流が放たれる。
絶大な破壊力を秘めた二つの光が、空中でぶつかり合う。光は一進一退の攻防を続け、やがてお互いを飲み込みあい消えていった。

「相討ち……いや、まだだ!」

すっかり傍観者と化していた十代が叫ぶと同時に、ゆたかは急降下してセイバーに襲いかかる。
迎撃しようとしたセイバーだが、真名解放の衝撃が肩の傷に響きわずかに反応が遅れる。
そしてそのわずかな遅れが、彼女の命取りとなった。

「申し訳ありません、マス……」

最期の言葉を言い終わらぬうちに、ゆたかの腕がセイバーの胸を貫く。セイバーの体は無数の光のかけらとなり、虚空に散らばっていった。

「まず一人♪」
「勝ち誇った瞬間こそが、最大の隙です!」

満足げに呟くゆたかだったが、勝利の余韻に浸る暇もなくウッカリデスが彼女の前に躍り出る。
何もここまで、彼はボーっと戦いを見ていたわけではない。介入するタイミングを伺っていたのだ。
そしてセイバーが倒された瞬間を見計らって、彼はついに動いた。
不意をつかれきょとんとするゆたかに対し、ウッカリデスはある物を投げつける。
それは、大きめの鍋だった。投げられたために風圧でふたが落ち、中に入っていたカレーがこぼれ落ちている。

「これが何だって……」
618毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM :2009/01/28(水) 23:32:44 ID:3VFydJD2
無造作に叩き落とそうとして、ゆたかは鍋の異変に気づく。

(カレーが、光っ――?)

その直後、ゆたかの体を爆炎が包んだ。

「十代君、今のうちです!」

炎に包まれるゆたかを尻目に、ウッカリデスは十代に駆け寄る。そして彼に肩を貸し、立ち上がらせた。

「ウッカリデスさん、今のはいったい……」
「君にもらったプラスチック爆弾を、僕に支給されたカレーの中に隠して投げつけただけですよ。
 そんなことより、早くここから離れましょう」
「待ってくれ、ウッカリデスさん。あの子、それこそモンスターみたいな強さだった……。
 爆弾ぐらいで死ぬかどうか……」
「そうですよー。私はまだ死んでませんよー」

ふいに響く、かわいらしい声。ウッカリデスと十代がそちらに視線をやると、そこにはゆたかが立っていた。
爆発のダメージで半身がぐちゃぐちゃに潰れているが、それもガイバーの再生能力で徐々に回復しつつある。

「ちっ、あんなになっても動けるのかよ……!」
「…………」

顔をしかめる十代。一方、ウッカリデスは無表情でゆたかを見つめている。

「今のはすっごく痛かったですよ? この分はちゃんとお返ししてから殺し……うっ!」

ゆっくりと十代たちに向かって歩いていたゆたかだったが、その膝が突然折れた。

「な……に……? おなかが痛い……。頭も痛い……。来る……。何か来る……。
 来ちゃうよぉ……。いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

半狂乱になり、泣き叫ぶゆたか。彼女の突然の異変に、十代は戸惑いの色を隠せない。
そんな中、ウッカリデスだけは冷静だった。

「とりあえず、賭けの第一段階は成功ですね」
「賭け? どういうことだ、ウッカリデスさん」
「まずはここから離れることが先決です。行きましょう」

十代を引きずるようにしてゆたかから遠ざかりながら、ウッカリデスは話し続ける。

「あのカレーがただのカレーでないことは、雀荘で説明しましたよね? あれはエニグマカレー……。
 説明書によれば、食べた者の精神もしくは肉体を劇的に変化させる、魔のカレーです。
 爆発によって飛び散ったカレーは、大量に彼女の体に付着しました。
 その状態で再生を行えば、カレーもまた彼女の体内に取り込まれることになる」
「カレーの影響がもろに出るってわけだな……」
「そういうことです。セイバーが彼女に付けた傷がふさがっていくのに気づいて即興で考えた作戦でしたが、ここまでは上手くいきました。
 しかし、ここから先は予想のしようがありません。
 人格の変化がいい方に働いて正気に戻ってくれればラッキーなんですが、逆にさらなる狂気に目覚めてしまうかもしれない。
 あるいは、更に超人的な力を手に入れてしまうかもしれない。だから、彼女の変化が終わる前に逃げるんです」
「待ってくれ、それは無責任ってもんじゃないのか……? 彼女が今以上に凶暴になって、他の参加者を襲ったらどうするんだ……」
「その可能性は否定できません。ですがこの場合、僕は自分たちの生存を最優先に考えました。約束したでしょう、命を粗末にしないと」
「確かにそうだけど……。やっぱりこんな形で放り出すのは納得できないよ……! 俺だけでも戻って……!」

支えてくれていたウッカリデスの腕をふりほどき、十代は来た道を戻ろうとする。
だが数歩歩いたところで彼はよろけ始め、そのまま倒れてしまった。

「十代君!」

慌てて駆け寄るウッカリデス。十代のそばにしゃがみ込んだ彼は、十代の体から地面へ血が溢れているのに気づく。
619毒をもって毒を制す ◆KuKioJYHKM

「これは……。傷口、ふさがってないじゃないですか!」
「ばれちゃったか……。ホーリーエルフの祝福だけじゃ……回復量が足りなかったみたいだ……」
「こんな怪我で、何が出来るって言うんですか! とりあえず、病院へ! たしか、そう遠くない位置にあったはずです!」

自分のデイパックを前に回し、ウッカリデスは代わりに十代を背負う。そして、全力で走り出した。

「降ろしてくれ……! 俺は、あの子がどうなったか確かめたいんだ……!」
「駄目です、聞く耳持ちません」

十代の抗議を、ウッカリデスは一蹴する。

「あなたは僕の仲間です。仲間の命は、何よりも重い! 君を死なせるわけにはいかないんです!」

ウッカリデスはここに来る前の殺し合いで、一人の仲間を失った。
その時味わったのは、なぜ彼を止められなかったのかという後悔と、自分に対する無力感。
もうあんな思いをするのは、ごめんだった。だからこそ、ウッカリデスは走る。
病院を目指して、ただただ全力で。


【C-5 道路/一日目 早朝】

【遊城十代@なのはロワ】
【状態】:胸部負傷、内臓にダメージ、出血多量
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、セイバー&黒騎士の魔剣少女@ニコロワ、ホーリーエルフの祝福@ニコロワ、ランダム支給品0〜1
【思考・行動】
基本方針:対主催!
1.仲間を集める
2.少女(ゆたか)がどうなったのか確かめたい。
※なのはロワ92話「Paradise Lost」より参戦。
※セイバー、ホーリーエルフの祝福は次の早朝まで使用不能です。


【忘却のウッカリデス@書き手ロワ2nd】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、ランダム支給品0〜1
【思考・行動】
基本方針:ロリスキーさんと、今度こそ……
1.仲間を集める
2.十代を病院に連れて行き、治療する。
※死亡後より参戦