星新一っぽいショートショートを作るスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。
スレタイの通り、星新一っぽいショートショートを作ってみようというスレです
ジャンルはSFでもコメディーでも何でも良い
「ショートショート」なので、長くても1レス(=60行)に収まる程度が望ましいかと
二次創作は他所でお願いします


コツというか特徴
・人名は極力使わない(変わりに有名な「エヌ氏」や「エフ氏」を使う)
・細かい描写は省く
・激しい性描写は使わない
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 23:06:12 ID:JTYe+kK4
Wikipediaにもう少し詳しく書いてあったので一応


作品の特徴

星の作品、特にショートショートにおいては通俗性を出来る限り排し、具体的な地名・人名といった固有名詞はあまり登場させない。
また、例えば「100万円」とは書かずに「大金」・「豪勢な食事を2回すれば消えてしまう額」などと表現するなど、
地域・社会環境・時代に関係なく読めるよう工夫されている。また、機会あるごとに時代にそぐわなくなった部分を
手直し(「電子頭脳」を「コンピュータ」に、「ダイヤルを回す」を「電話をかける」に直すなど)したという。
激しい暴力や殺人シーン、性行為の描写は非常に少ない。このことについて星は「希少価値を狙っているだけで、
別に道徳的な主張からではない」「単に書くのが苦手」という説明をしている。加えて、時事風俗は扱わない、
前衛的な手法を使わない等の制約を自らに課していた。


星新一 - Wikipedia
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E6%96%B0%E4%B8%80#.E4.BD.9C.E5.93.81.E3.81.AE.E7.89.B9.E5.BE.B4
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 23:16:26 ID:JTYe+kK4
運メーター


 ここはとある研究室。たった今、エヌ博士が念願の発明品を完成させた所だ。
「ようやく出来たぞ。長年研究してきた甲斐が、あったというものだ」
 人は誰しも、一定量の運を持って生まれてくると言われている。エヌ博士の発明品とは、
人が一生のうちに持ってる運の残量を量るという物で、大きさや形は腕時計とそっくりであった。
そして、ちょうど時計の盤面の所に、針が一本と、時計で言えば12時の所に100、1時の所に90、2時の所に80―10時の所に0と数字が

振ってある。これを腕時計のように巻きつけると、針が動き、その人の残りの運の量を示してくれるという寸法だ。
もちろん、何らかの形で運を使えば、メモリは減っていく。
「ここまで本当に苦労した。思えばわたしの人生、ついていない事ばかりであった」
 博士の人生はこれまで、不幸の連続であった。何をするにも悪い方ばかりに転んでしまうのだ。
博士がこんな物を作ろうと考えたのも、自分の運があとどれぐらい残ってるか知りたかったからだ。
「しかしいい出来だ。これを『運メーター』と名付けるとしよう。どれ、さっそく付けてみるか」
 やや緊張した面持ちで、エヌ博士は『運メーター』を左腕に装着した。すると、針が動き出し、90の所でピタリと止まった。
「こんなに運の量が残っているとは。という事は、わたしのこれからの人生はいい事ばかりというわけだ」
 博士が嬉しそうにしていると、そこへ友人のエフ氏が訪ねてきた。
「やあ、よく来てくれた」
「何かいいものを発明したと聞いてやって来たんだが、一体、どんな物を発明したのかい?」
「それが実にいいものが完成したんだよ。これは『運メーター』といって、付ければ誰でも自分の持ってる運の残量を
量ることが出来る。どうだい、君も付けてみるかね?」
「いや、遠慮しておくよ。自分の運の量が分かるというのも、何か怖い気がするしね。しかし、中々面白い物を発明したな。
これを商品にして売り出せば、儲かるんじゃないか」
「生憎だが、商売に興味は無いんだよ」
「まあ、博士の事だから、そう言うと思ったよ」
 エフ氏は優秀な実業家であった。こういった発明品を商品にしては、大変な業績をあげてきた。
過去にも何度か博士の発明品を商品にしようとしたが、その度に断られていた。
「ところで、博士の運の残りとやらはどうなんだい?」
「それが、結構な量が残っているらしいんだよ」
「それは良かったじゃないか。博士は昔から運のない人間だったからな。これからの人生、きっと幸運な物になるだろう」
 二人の会話が弾んでいるうちに、博士はあることを思い出した。
「ああ、しまった。今日は10時から見たいテレビがあったんだ。すまないが、今の時間を教えてくれないかね」
「今はまだ10時前だよ」
 エフ氏は腕時計を見ながら答えた。
「ありがとう。実はこの前、部屋の時計を壊してしまってね。今日は運良く君がいたから助かったけど、今までのわたしならこのまま

見逃していた所だ。うむ、さっさくいい事が起こったぞ」
「博士は相変わらずテレビが好きだな。しかし、博士のテレビを見る時間を邪魔するわけには行かない。そろそろおいとまするとしよう」
「こちらから呼び出したのに、すまないね。ぜひまた何か発明品が出来たら、遊びに来てくれ」
「そうする事にするよ。それでは」
 研究室を出て行くエフ氏を見送ると、博士はテレビのスイッチをつけた。左腕の『運メーター』の針は、今の時間と同じ9時50分の所を示していた。
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 23:22:30 ID:PvF8Cn/a
10時のところが0ってことは9時50分ってほぼ0じゃねーか
それだけで運使い果たしたのか博士w
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:02:19 ID:+KS83N/W
博士運なさすぎワロタ
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:04:30 ID:gXSNNsij
2次創作は禁止か……。
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:54:07 ID:xrlMJjzN
森進一っぽいショートショートを作るスレはどこですか。
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 01:34:55 ID:/DGMDmBT
こんなスレもあるぜ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219996415/
数レス使うような長めの作品は向こうに書けばいいのかな。
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 00:27:40 ID:e1IAE1UQ
星age
10『夢の男』:2008/09/16(火) 13:59:52 ID:yEJjhkfU
 女は眠りにつくと、毎晩同じ夢を見た。異国の地で理想の男が現れる幸せな夢だった。
 だが女は悲しみに暮れていく。いつも夢が途中で途切れるからだ。
 それでも女は夢の男を忘れることが出来なかった。
 女は、夢で見る異国の地を旅して回ることにした。
 真新しくも懐かしい印象を与えてくれる異国の地は、次第に女の心を癒やしていった。
 ある時、女は夢の男にそっくりな男を見つけた。勇気を振り絞り男に声をかける。
 話をしてみると、驚いた事に男の方も毎晩夢で見る女の事を探して、異国の地に訪れていたのだという。
「よかった。これで悪夢から解放される。実は私、結婚しているのです」
 その日から女は夢を見る事はなくなった。
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 14:56:30 ID:1a01s1x6
100年の恋も冷めたかw

やっぱSSって最後のオチが重要だよなぁ
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 23:43:08 ID:cOYLBe1Q
>>10
ちょw結婚してんのかよwww
男涙目なんじゃ
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 01:36:30 ID:O2a6MFQ0
良作だね。というか、俺がこんなんなったら立ち直れんわw
しかし……こんな事書き込むのは野暮かと思うが


>>12
結婚してるのは男の方じゃないか?
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 00:56:10 ID:4RAlJyun
うーんネタ出しで詰まった
改めて星風は難しす
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 18:55:17 ID:T8YJqcXE
長くするのはいいんだ、短くまとめるのが難しい
あの人よくあんなにショートショート書けたよな……マジ尊敬するわ
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 19:05:33 ID:uRaV1dRo
分かるぞ、分かる
何か長くなっちゃうんだよね
かと言って削ると意味不明になるし
短く纏めるのって一番難しいよなー
オチも思い付いた時はイケる!と思っても書いてる内に…… orz
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 22:18:06 ID:2HcOYI39
なんだ、やっぱりみんな書いてみたことあるんだなw
そして、実際に作って初めてその難しさを知る……
あのクオリティのものを千編とかマジでありえんわ
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 17:29:24 ID:SZhRF4iw
エヌ博士は長年の研究の末に、ついに死者を蘇生する装置を開発した。
「博士、おめでとうございます。やりましたね!」
「うむ……しかしな、動物実験では成功したが、実は人体実験がまだなのじゃ」
「ええっ?」
「医者や坊主の知り合いはおらんし、都合の良い死体が転がっているわけでもなし。
 どうじゃ、助手君。いっぺん死んでみてはくれんか?」
助手はその日の内に研究所から逃げ出した。

それからもエヌ博士は、妻や子ども達、数少ない知り合いに同じ提案をし続けたが、それを受けてくれる人間は現れなかった。
勿論、かかりつけの医者や坊主も、人体実験のために死体を分けてくれる訳がない。
「……誰も、わしの発明を信用してくれん。こうなったら、わし自身で実験をするしかない」
エヌ博士はそう決意するしかなかった。

エヌ博士が自分自身を実験に使う上で、ひとつの問題点があった。
「わしが死んだら、誰が装置を動かすのじゃ?」
装置は非常にデリケートなもので、スイッチを入れてそのままという訳にはいかない。誰かがとても複雑な数値を計算し、更に複雑な装置の操作をする必要があった。
「助手は全て逃げ出してしまったし。……そうじゃ、ロボットにやらせよう」
その日から、エヌ博士のロボット開発が始まった。

それから十数年後。エヌ博士はついにロボットの開発に成功した。
「XX新聞です! 博士、世界一精巧で頭の良いロボットを作り上げたというのは、本当ですか?」
「そうじゃ。自分で考え、動く事ができる」
「ということは、これからロボット工学の新たな時代が拓けるという事ですか?」
「そんなレベルの話ではない。じきに、もっと凄い技術をお目にかけよう」
エヌ博士は一躍時の人となった。

「では、私はこの薬で死ぬ事にする」
<ハイ、博士>
「後の事はわかっておるな?」
<ハイ、博士ノ生命反応ガ途絶エタ後、装置ヲ起動シマス>
「これでわしは、わしから離れていったあの憎い者どもを見返すことが出来る。頼んだぞ」
<ハイ、博士>
「お前は賢いな。ありがとう、わたしの味方はお前だけだ」
<アリガトウゴザイマス、博士>
しばらくして、エヌ博士の心臓は停止した。

その直後、研究室のドアを乱暴に蹴破るようにして入ってくる者達がいた。
「博士! 私は信じておりました!」
「あなた! 貴方から去ったあたしをゆるして!」
「親父ぃ! すげぇ発明したんだって? ぼろ儲けじゃねえかよ……って、あれ?」
「博士!? ……亡くなってる」
「あ、あなた!?」
「まじか!? ……これ、遺産とかどうなるんだ!?」

……その光景を見ていたロボットには、その後の彼らの有様が手に取るようにわかった。
研究成果の横取り、莫大な名誉と特許収益、それに群がる猛禽達への遺産分与……。
あまりにも醜い未来予想。目覚めた博士はそんな現実を見て、どう思うだろう?
ロボットは、エヌ博士の蘇生をやめる事にした。
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 17:32:08 ID:SZhRF4iw
いっぺん他所に投下した奴の手直しですが。
……あんまり星っぽく書けなかったよ。でもなんか、改めて読み直すきっかけができた気がする。
こういうロボットとか、レトロSFっぽくていいよねw
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 18:55:56 ID:RRsqCOgb
>>18-19
面白かったよ!
自分で言ってるけど、ロボットが雰囲気出てるw
ロボットのほうが人間より人情的なところが皮肉でいいね

助手に逃げられるまでのくだりは省いて
ロボットに博士が事情を説明する形で始めるともっと星っぽくなるかと思った
なんか偉そうにすまん
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 21:34:29 ID:SZhRF4iw
>>20
なるほどね。
そうなると、博士とロボットの関係を描きつつ、最後の最後に登場人物がわんさと増えるわけか。それはウザさが出せて良いねw
実はラストシーン。「博士の蘇生装置を作動させようとするロボットを、助手や家族が必死で止める」ってバージョンも考えてはいたんだけど。
星っぽさを出すなら、どっちが良かったんだろ?
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 07:00:53 ID:uqhSW3Ow
星風とかどうとかは置いといて、上手くまとまってるし純粋に掌編として面白い。

23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 08:08:05 ID:GSzwJhzM
>>22
おお、また感想あった。サンクス
ありがとう。またなんか書いてみるよ。
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 16:45:46 ID:uqhSW3Ow
俺も前に書いてみたんだが、しばらく寝かせてから冷静に見てみるとイマイチ。書いてる
ときは「うはwこいつはおもすれーww」くらいのノリだったのに。
捻りつつも分かりやすく、ってのはしんどい。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 13:33:12 ID:jvpCbnTp
ショートショートは難しいよね。実は三行スレの6は、ショートショートサイズで昔に書いたやつのリメイクだったりするんだけど。
……何かそっちの方が無駄なく洗練されてる気がするし評判良いしでちょっとショボーン
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 03:53:09 ID:3lo3xBZL
星新一また見忘れた。
先週今週としばらく見れてない。
いっつも見忘れるんだよなあ。
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 10:21:03 ID:JEWG2Txk
>>18
面白かった^^ うまいなあ・・・
助手や家族に逃げられるくだりはロボット開発のきっかけにつながるわけで
俺は必要なエピソードだと思うよ。蘇生機械を使用するためにロボットを作るという動機が
この掌編の一番面白いところだと思うし。
周囲の人々に死んでくれと頼む部分をドタバタ調にすると筒井康隆風のバリエーションができそう^^
その場合はラストも筒井調に、戻ってきた金の亡者が「早く蘇生させろ!」と詰め寄って
もみあいになるうちにロボットを破壊してしまうというオチも面白いかも。
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 11:38:01 ID:5+XDT9bI
ショートショート書く人って、減ってるらしいね。
片手間程度に書いてる人はいっぱいいるだろうが、『ショートショート作家』と呼べるく
らい本格的なのは、日本じゃ星と阿刀田くらいじゃないか?
やっぱ労力の割に評価されない、金にならないってのが理由なのかな。
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/24(水) 22:36:03 ID:eDc7Qyau
ボッコage
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 01:04:20 ID:gerbDlkn
>>> 星新一ショートショートはみんな海外SFのパクリだといってるようなもの
叩くほどに父親に帰ってくる <<<


星新一の娘さんが漫画「イキガミ」の盗作問題について筒井康隆に相談
 ↓
「激しくヤブヘビ」の巻


星新一の作品でパクリ疑惑があるもの:

● Silverberg「生と死の支配者」 → 星新一「生活維持省」 (今ココ)

● ブラッドベリ「万華鏡」 → 星新一「その夜」

● F.ブラウンの「回答」 → 星新一「声の網」 ネット社会を予見したといわれる「声の網」は、フレドリック・ブラウンのショートショート「回答」の設定を使った長編です。


筒井康隆の作品でパクリ疑惑があるもの: (次回に続く)
31 [―{}@{}@{}-] 名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/25(木) 16:57:19 ID:JFCnsW6O
続かなくていいよ
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/26(金) 13:35:02 ID:baBzNi8m
続かなくていいけど、もし続けるならショートショート形式でしてくれ
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 10:52:50 ID:fsZhxtGl
ショートショート形式でやってくれるなら
むしろ見てみたい
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 19:50:36 ID:t5hVL9ip
S−1に投下してきました。25レス目からだよ。
というか、投稿第一作もショートショートだったよ。このスレ密かに人気なのかもよ?
ショートショートスレのこれからの盛り上がりに期待しております。鳴いてきます。
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 23:56:14 ID:eCPI1hvd
保守
36生活維持省 ◆KHC5lsDe6g :2008/10/06(月) 19:09:11 ID:XtLfWI+H
>>18 うまい。星新一クオリティー
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:17:21 ID:z1G6G4Ap
おれはある犯罪組織の一員だ。ボスに呼ばれ、こう言われた。
「これはわが組織が開発した新しい毒だ。
特徴としては2時間から12時間と、効果が現れるまでとても個人差が大きい」
そんなものが役に立つのだろうか。おれはボスに聞いてみた。
「つまり、誰かがこの毒で死んだとしても、いつ飲まされたのか特定するのが非常に難しいというわけだ。
疑われても簡単に言い逃れができるではないか」
言われてみればそうかもしれない。ということはおれにこの毒を使って誰かを殺せという命令だろうか。
「いや、まだ実験段階なのだ。何人かに飲ませ、実際に効き目が現れるまでの時間を調べている。
お前はそのうちの一人を見張り、死んだ時刻を報告するのだ」
「わかりました。それで、相手は誰でしょう」
「わが組織の一員だ。口が軽く、いつ秘密をしゃべるかわからないので、最後の役に立ってもらうことにした。
毒はすでに飲ませてあるし、隠れ家でお前を待つように言ってある。
さあ、はやく行くのだ」
ひどい役目を押し付けられたものだが、組織には逆らえない。おれは隠れ家に向かった。
「やあ、待ってたぜ。こっちは何も聞かされてないんだ。どんな命令なんだい」
「さあ、おれもここに来るように言われただけなんだ」
おれは適当に返事をした。本当のことなど言えるわけがない。
世間話をしたりテレビをみたりと、どうということもなく過ごしているうちに、ついにやつは苦しみだした。
「なにか体がおかしい。救急車を呼んでくれ」
「悪いがあんたの死を見届けるのがおれの仕事なんだ。恨むなら組織を恨んでくれよ」
「ちくしょう、おれを切り捨てやがったか……」
それっきりやつは動かなくなった。おれは時間を確かめ、ボスに電話した。
「ごくろう。死体処理係をやるから、そこで待っていろ」
死体と二人きりとは気味が悪いが、まもなく三人の男が来て、二人が死体を持ち出してくれた。
残った男は
「次の仕事をあんたと組むように言われてね。あとで連絡係が来るようになっている」
と言った。
やれやれ、人使いの荒いことだ。おれは新しい相棒と連絡係とやらを待つことにした。
だが、いつまでたっても連絡係は現れないし、相棒がそれをおかしいと思っている様子がない。
つまりそういうことなのだろう。今見たばかりじゃないか。組織の人間だって簡単に切り捨てられるのだ。
効き目が現れるまでに2〜12時間。
さっき飲んだコーヒーに入っていたとしたら、長くてもあと8時間。
昼食なら4時間、その前にもコーヒーを飲んだしおやつも食べた。いや、早ければ今すぐにでも……
だが、その中のどれに毒が入っていたか、おれに分かる方法はないし、わかったところでどうしようもないのだ。
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 01:21:13 ID:z1G6G4Ap
オチ見え見えでサーセン
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:23:53 ID:wHHPIJTH
星新一っぽくはないけど、悪くはない。
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 02:28:24 ID:FAbj5jl1
淡々とした語り口は星っぽいかな
なんかオチ隠すブラフ噛ませられてたらもうひと味違ったかもなぁ
41受賞者の先祖:2008/10/17(金) 19:19:32 ID:e/7CFlZd
「もう私がノーベル賞を受賞することはなさそうだ」
 博士はその老体を実感しながら呟いた。
「博士、希望を捨ててはいけません」
「いや、私が老い先無いのはもうわかっておる、せめて、息子か、孫、私の子孫に受賞者が出ればいいが」
「では博士、こんな機械を作ってみてはどうでしょう」
 私はたった今思いついたアイディアを話す。
「情報のタイムマシンです。もう博士は時間旅行も苦しいでしょう。なので未来の情報を読み取れる機械を作るのです。そして博士の子孫を検索にかけて、受賞者が出たのかを調べるのです」
「エヌくん、それはいいアイディアだ、さっそく開発するとしよう」
 時間工学においては天才的な頭脳を持つ博士は、一晩でその機械を作ってしまった。
 完成したこの検索機に博士の名字と受賞者のふた単語で検索にかける。
「ケンサクケッカ 1ケン です」
 私と博士はそのページを開いた。
 そこには博士の子孫が三百年後に、ノーベル平和賞を受賞すると書いてあった。
「エヌくん、私はこれを見て安らかに行くことができるよ」
 博士は満足して、そのまま他界してしまった。
 私はこの検索機をさらに改善して、小型にし、世間に広く広めた。
 そのおかげで私はノーベル化学賞を受賞した。

 三百年後、街頭ビジョンではニュースが流れている。
「本日、世界が完全に平和となりました。それにともない、全国民に平和の貢献の証として、ノーベル平和賞が授与されました。おめでとうございます」
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 19:54:51 ID:/Sqa5us7
おお、このオチはいいなw GJ
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 21:40:11 ID:e/7CFlZd
>>42
さんくす
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 23:14:09 ID:VDI0HtIL
>>41
確かに落ちはいい。
惜しいのが
>そのおかげで私はノーベル化学賞を受賞した。
物理学賞のほうがいいような…。
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/17(金) 23:46:10 ID:qjJM/C91
未来の情報が見れる機械つくったらそりゃノーベル賞とれるわな
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 00:18:32 ID:SgOyLpa2
>>44
無知で申し訳ない

>>45
><
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 09:27:08 ID:AztMhMtW
星っぽくてよかったです
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 13:32:37 ID:SgOyLpa2
>>47
読んでくれてありがとう
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 13:33:58 ID:C2RvC9PE
面白かった!

> 本日、世界が完全に平和となりました。
この状況、シュールやなあ
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 14:13:05 ID:SgOyLpa2
>>49
そこは星新一の「タイムカプセル(タイトルあやふや)」から引用していたりしました。
ありがとー
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 09:00:07 ID:zMZ1FrcW
>>41さんの作品よかったネ

このスレの趣旨にぴったり。
52時計調整機:2008/10/21(火) 22:41:58 ID:tDpEUpvp
C市の時計屋は、金持ちだがものぐさなことで知られていた。
時計屋の主人には、店中の時計を調整するという日課があったのだが、ものぐさな彼には、この日課が面倒で面倒で耐えられなかったのだった。
ある日、主人は奇天烈な発明で有名なエヌ博士のところに、大金の入ったアタッシュケースを持って訪れた。
「あなたが、変な発明をしてくれるっていうエヌ博士かい?」
「変かは知らないが、人の作らない機械なら、何でも作りますよ。」
「私の店には時計が300個くらいあるんだが、毎日調整するのが面倒でしょうがないんだ。金はあるから、全部の時計を調整する機械を作ってくれないか?」
「ふむ。なかなか興味深い題材ですね。分かりました。1週間後にまた来て下さい。」

1週間後、時計屋の主人は再度エヌ博士の元にやってきた。
「博士、機械はできましたか?」
博士は、アタッシュケースに真空管がついたような機械を前に、うーんとうなっていた。
「電流中継型水晶体振動調整による共振理論は完成したよ。ただ、欠点があってな・・・」
「ええ!? それじゃぁ、全部の時計を調整することはできないんですか?」
「いいや、時計はすべて自動で調節できるよ。ただ・・・」
「なんだ、完成したんじゃないですか。じゃぁ、もらっていきますね。」
機械の完成を待ちきれなかった主人は、エヌ博士の話が途中なのを構わずに、機械を持ち帰ってしまった。
急いで店に戻り、機械の電源を入れ説明書を広げる。
「なになに・・・コンセントにつなげてから、本体のダイヤルを調整したい時刻に設定し、赤いボタンを押してください・・・なるほどなるほど。」
さっそく、ダイヤルを現在時刻の12時に設定し、わくわくしながら赤いボタンを「えいっ」と押した。

そして、全世界の時計が12時に調整された。
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 23:28:24 ID:/AN6pzXo
乙 短くていいと思う
5410/26に名無し・1001投票@詳細は自治スレ:2008/10/22(水) 14:20:08 ID:YNvldCIh
同時性を再構築するとは……アンチ相対論じゃないかw(いやいや
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/23(木) 00:38:01 ID:NnPuFADe
良スレage
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/25(土) 14:10:18 ID:M0qYJrmJ
age
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/29(水) 00:15:40 ID:OPHPafjJ
良スレage
58名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 07:26:13 ID:0W3tQ6YG
>>41
遅レスなんだがスゲェ良い!と思った
59名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 13:02:53 ID:FzAKwImj
やっぱ過疎るなー
60名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 02:26:01 ID:wzhzR/CO
>>41おもろい
でも老い先は短いのでは
61名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 02:27:38 ID:wzhzR/CO
>>52
62名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 09:04:45 ID:GhGYqHmQ
短編は長編より実は難しい

おまえらショートショートなめてんじゃねえ
63名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/04(火) 09:35:09 ID:2mnEWxuu
それが分かってるからこそ、投下が少ないんだってば
64名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/05(水) 18:20:34 ID:WbGX1ERz
なんか急にのびたなw
65名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/08(土) 01:39:49 ID:Yh2duhpx
僕は、エヌ氏を待ってるんだ……
66創る名無しに見る名無し:2008/11/09(日) 01:37:34 ID:nar+ivL2
セキストラの結末の意味が分からないんだけど誰か教えて
67星熊 ◆Ij1ySLG5b. :2008/11/11(火) 01:07:58 ID:8UOvPR6f
N星のN星人は、自分の種族を存続させることに全てを捧げる生物であった。
N星は生物にとって過酷な環境にあり、彼らはそれに打ち勝つため、科学技術を発達させ、自然を自らの住みやすい環境に変えた。
しかし、それでも突然の事故や病を防げない。
彼らは脆弱な体が種の存続にとって危険なものであると感じ、自らの体を改造するようになる。
やがて世代が進み、技術が進んだ結果、彼らは生殖機能と脳を除き、体のほとんどをロボット化することに成功した。
これで、大丈夫。
しかし、安心しているのもつかの間、N星人の間で大規模な戦争が起こり、
半ば物質と化した頑丈な体で壮絶な殺し合いが行われ、彼らは、一時、絶滅の縁にまで追い詰められる。
このことに、N星人達ははかりしれない恐怖を感じた。

それはN星の大国、Rの大統領も同じことであった。
「もう一度このような戦争が起きたら我々は滅びてしまうだろう。何とかしなければ」
「大統領、S博士が戦争をなくす方法を発見したそうです。」
「なに、本当か。」
「はい、多くの犠牲を払いますが、確実な方法だそうです。」
「種の存続こそ我々の至上目的だ、どんな犠牲でも払う、彼に任せてみよう」


1億年後、地球からの探索船に乗った二人の男がN星に降り立った。
「ここが、見捨てられた星、Nですね。隊長。」
「そうだ、観測する限りでは、戦争や隕石で荒廃したわけでもないのに、知的生命体が確認できない星だ。」
「どこか、温暖な星にでも移住したんですかね。僕も早く地球に帰って海にでも休暇を取って行きたいですよ。
あっと、なんだ、なにかが積まれてるぞ。」
二人の前には黒く輝き、文字らしきものが刻まれたプレート状の物体の山がそびえていた。
「どれどれ、分析器にかけてみよう、、、こ、これは、N星でとれる宇宙有数の頑丈な物質だ。」
「なんですかね、まるで名札やお墓みたいだ」
「何千万年以上も風雨に耐えているのに一つついていない、さすが宇宙有数の頑丈な物質だけはある。」
「隊長、これって地球では希少な物質ですよね。それが、こんなにも。地球に持ち帰りましょうよ。」
「もちろんだ、これで我々人類もさらに発展するな。」

二人はN星全体の探索を終え、地球に帰る準備を始めた。例のプレートを溶かしてインゴットにし、探索船に積んでいく。
「なんか泥棒みたいで、この星にいた人たちに悪いなぁ。大事なものだったらどうします。」
「見捨てられた星だ、問題ないだろ。」
「ですよね。でも、気のせいかな、プレートを溶かすたびに、悲鳴が聞こえるような気がするんですよ。
まるで、全てを犠牲にしてでも守ろうとしたものが奪われた時のような悲鳴が、、、」
68星熊 ◆Ij1ySLG5b. :2008/11/11(火) 01:12:29 ID:8UOvPR6f
あんま星新一ぽくないですかね。
素人なんでご容赦願います。
69創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 21:15:33 ID:8UOvPR6f
age
70創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 22:40:11 ID:ELOgKc9D
>>68
乙 なんかすげー悲しい話だなw
71星熊:2008/11/11(火) 22:55:24 ID:8UOvPR6f
N星人は完全に物質化したと言う話です。わかりにくいかもしれませんが。
72創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 23:10:29 ID:ELOgKc9D
いや、わかりますよ。星っぽいのってオチが大事なんだろうな。
73創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 23:32:14 ID:Z4BPqCtp
>>71
乙!面白かったよ!
74創る名無しに見る名無し:2008/11/11(火) 23:37:04 ID:XVrNhZ+5
やっぱショートショートってオチがいちばん大切で大変なところだよね
面白かったです!GJ!
75創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 18:07:47 ID:M/bRGjrN
ある日の夕方である
町外れの道を歩いていると一人の男が向かいから歩いて来た。
輪郭がおかしい気がしたのでよく見ると男の首がニョロニョロ伸び始め近くの家の二階の窓まで達してしまった。
ハッと思って気が付くと男の首は元通りになっていた。
その日から「私」は様々な怪奇現象を見るようになったのだ。
76創る名無しに見る名無し:2008/11/12(水) 19:13:43 ID:h3OW/+nz
あんま星っぽくないな
77創る名無しに見る名無し:2008/11/13(木) 12:48:00 ID:168mD1ta
伊藤淳二の漫画っぽいなと感じた
78創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 21:42:16 ID:se34ye0Y
>>75をお題に貰います。
            「…そんなわけで、博士に作ってもらった薬は失敗作のようです。変な光景ばっかり見るんです。」

男は昔は斬新なサスペンスを書くことで有名な小説家だった。しかし、アイディアが枯れ、今では過去の印税で細々と食い繋ぐ生活をしているのだった。
ある日、奇妙な発明をするエヌ博士の噂を聞き、「アイディアの湧いてくる薬」を作ってもらったのだが、喜んで飲んだ帰り道があれである。
あわててエヌ博士の研究所に戻り、不調を訴えたのだった。

「おかしいなぁ。確かに人の考えないことが思いつくはずなんだが…」
「人の考えないことが思いつくのは認めますが、これじゃあ精神障害ですよ! なんとか戻してください!」
「いいじゃないですか。見たままを書くだけで、斬新なホラー小説が書けますよ。」
「ふざけるな! 警察に訴えてやる! お前なんか捕まればいいんだ!」

そして、郵便ポストに怒鳴り付ける不審な男が逮捕された。
79創る名無しに見る名無し:2008/11/15(土) 22:39:30 ID:kK+3Ou4c
うまい 星っぽくなったw
80創る名無しに見る名無し:2008/11/16(日) 15:46:11 ID:9ZTuA88i
みんな上手いなぁ
81:2008/11/17(月) 02:47:48 ID:gSkANyjg
あげて寝る
82創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 23:14:40 ID:gYaU8Ixm
エフ博士はボディーガードロボットを作った。
このロボットは人の思考を読み取れる優秀な電子頭脳と、体内に仕込んだ爆弾をも見破れるセンサーを搭載している。
そして警護対象に危害を加えようとしている人を見つけると、内蔵した電撃銃で相手を気絶させてしまうのだ。

そもそもエフ博士は極端な心配性で、外出するたびに誰かに襲われやしないかとびくびくする始末。
診察中に何をされるか分からないので病院にいったことすらない。
エフ博士はせめて安心して外に出られるようになりたいと思ってこのロボットを開発したのだった。

そして完成したロボットを前に、エフ博士は指示を出した。
「さて、君には私の警護をお願いしたい。私をいかなる危険からも守ってくれたまえ」
「ハイ、承知しました」
返事をしたロボットはしばらくエフ博士の姿を見た後、突然彼に向かって電撃を発射したのだ。
不意打ちを受けたエフ博士はその場に崩れ落ちてしまった。

意識を取り戻したエフ博士は、自分が病院のベッドに寝ていることに気づいた。
ロボットが私を病院に運んだのだろうか。しかしなぜ私を撃ったのだ。警護対象を攻撃するはずがないのだが。
そんなことを考えているうちに、病室のドアが開いて医師らしき男が入ってきた。
そしてその医師はいくつかの資料とともにこう説明したのだ。
「体内に悪性の腫瘍が見つかりました。自覚症状はほとんどないのですが、放置すると危険な状態になったでしょう。
 ですがまだ初期の腫瘍なのですぐに対処すればなんら問題ありません。
 しかしあなたのロボットは大変優秀ですな、あなたを連れて検査を依頼しに来たんですから」

エフ博士はそこで初めて病室にロボットがいることに気づいた。部屋の隅で静かに立っている彼の表情は、少し誇らしげだった。
83創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 23:32:01 ID:5J8lQzdj
乙 いいと思うよ
好みの問題だけど最後の一文はなくてもよかったかもね
84創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 23:44:50 ID:T5jRTgbt


最後の分は確かに星っぽくはないかもしれない

>診察中に何をされるか分からないので病院にいったことすらない。
>エフ博士はせめて安心して外に出られるようになりたいと思ってこのロボットを開発したのだった。

の部分をちょっと改善した方がいいかも
ここのせいでオチが簡単に読めてしまうし
85創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 18:31:35 ID:bM56hbsH

最後は星っぽくはなかったけど読んでて和んだw
ありがとう。
86創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 19:05:44 ID:HBqR5yt3
乙〜 おもしろかったよ
87創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 19:49:36 ID:twnddwO8
ある都市で男は、あるIT企業で働いていた。
毎日毎日モニターと向き合い、視力と気力をすり減らす。
アスピリンは飲んでいない。一度その副作用で倒れ、死に掛けた挙句労災が降りずに減給処分と言う最悪な結果を招くこととなったからだ。
それ以来飲んでいない。その日を境にストレスは浴びるほどの酒を呑むことで紛らわしている。仕事場にブランデーの瓶を持ち込み、それを割ることなく、一気に呑んだ。
だが、男は気付いた。多量の酒を一度に呑むことで、身体に取り付けられたあらゆるリミッターが外すことができる能力が、自分にはあると。
気付いた男は、その力を使い、一気に仕事を片付ける。
マンガに登場するようなヒーローに憧れていた男は、悠々と残業を片付けると、夜な夜な犯罪者を狩る自警活動を行った。
だが、その自警活動も、多量の飲酒も、男は一日でしなくなった。
「頭脳」のリミッターが外れたことで、そんなことは合理的ではないと、即座に判断した結果である。
88創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 20:05:52 ID:sEJMmCfE

わかるようなわからんような……
89創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 21:08:44 ID:MrSvek82
初めてこのスレ覗きました。
面白い作品が読めて、うれしいことです。
これからもどんどん新しい作品をアップしてください。
90創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 02:14:47 ID:qwUacfsI
おもしろ-い!
91創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:23:21 ID:a5n7oBnl
このスレ良作多いよね
92創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 23:53:18 ID:DQOORTje
エル博士が長年の研究の結果、新たな薬を開発した。
被験者となる青年を前に、博士は薬の効能を説明していく。
「この薬を飲めば、君の運はぐんとよくなる。これで今までのツキのない人生とはおさらばじゃ」
「博士、それは本当なのですか? 本当に私の運がよくなるんですね」
「もちろんじゃ。君の境遇はよく知っている。だからこそ君を被験者に選んだのだ」

人は運を使うたびにその運を失っていく。失っていくのなら増やす事だってできるはずだ。
そう考えたエル博士の長年の努力が実を結んだのだ。この薬を飲めば人間の運を増やすことができる。
この薬を試す上で一番問題となるのは、その効果そのものである。
なにしろ運を左右する薬なので、仮に普通の人間に投与して運がよくなったとしても、それが本当に薬の効果なのか、「たまたま」運がよかったのかが区別できないのだ。
エル博士もこの問題に対して相当悩んでいた。しかしある日この青年に出会い、その問題もすぐに解決した。

この青年には運がまったくないのだ。そのことは事前の検査で明らかになっている。すでに運を使い果たしているのだ。
具体的に言えば買った宝くじはみな外れ、試験で適当に選んだ選択肢は全部不正解、じゃんけんですら負け続きなのだ。
この青年の運がよくなったのならば、薬がきちんと作用することが明らかになるのだ。

博士は薬の入ったビンを青年に差出した。
「さて、早速薬を飲んでくれたまえ。そのあと運を使う実験をいくつかやろう
「はい。では飲みます」
そういって青年はビンの中の薬を飲み干す。薬だけあって苦味があったが、何かが体に満ちてくるような感じもした。
「博士、なんだか運がよくなったような気がします」
「そうかそうか。では早速実験じゃ」

そして二人はいくつかの実験を行ったが、なぜか結果が出ない。
やはり宝くじは当たらず、適当に選んだ選択肢は不正解で、じゃんけんも負け続けなのだ。
「たまたま」運が悪かったのではないかと考えて、何度も実験を行ったが、それでも一向にいい結果が出ない。
「これはおかしい。作り方を誤ったのだろうか。それともこの薬は効き目がないのだろうか」
博士はいったん青年を帰した後、この薬に関する資料を調べることにした。

調べていくうちに恐ろしいことが分かった。
この薬には人間の運を増加させる作用がある。これは間違いなく本当のことである。
しかし、同時にこの薬は猛毒でもあった。この薬を飲んだ人間はほとんどの場合すぐに死んでしまうのだ。
そう、「よほどの運の持ち主でもない限り」必ず。
93創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 00:01:06 ID:O/S3En/g
>>92
そんな危ないもの人に飲ませるなwww

面白かったぜ、乙
94創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 00:06:53 ID:a5n7oBnl
つまりその男は逆の意味でよほどの運の持ち主ということか
95創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 00:10:51 ID:/EOCs+jF
増えた運を猛毒回避で使い果たしたと言うことでしょ。
>>92 乙 面白かった。
96創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 07:24:07 ID:XOXvmKLa
>>92

>>95
そういう意味か
俺はもともと強運だけどそれがわかりにくい人なのかと思った
97創る名無しに見る名無し:2008/11/25(火) 12:17:23 ID:vkDVhfaY
この薬に出会ってしまった事が、青年のツキのなさなのか。
98創る名無しに見る名無し:2008/11/26(水) 05:53:42 ID:Al0MuDby
実験じゃ        言い回しが古臭い
99「金づち」:2008/11/27(木) 20:37:59 ID:t8eWfUuV
その青年はある日『叩いたものが二つになる金づち』を手に入れた。
青年はいぶかしみながら、金づちをもてあそぶ。
手のひらに軽く振りおろすと、ずしりとした感触があった。
「本当にふつうの金づちだな」
いぶかしさはさらに増し、窓から投げ捨てようかと考えたそのとき、
いきなり体が分裂して、青年は二人になった。
思わず、金づちを床に落としてしまうほどおどろいた青年だったが、
これにより金づちの能力を確信した。
「よし、これでお金を増やそう」
そういって金づちを拾おうとしゃがむと、もう一人の青年が口をとがらせた。
「まて、その金づちは僕のだ」
「何を言っている。僕が手から落としたんだ」
「違う、僕だ。君は僕が叩いて増えたほうじゃないか」
「馬鹿な。増えたのは君のほうだろう!」
しゃがんでいた青年はかっとなり、金づちを握り締めると、
もう一人の青年に向かって襲いかかった。
力いっぱい振りおろそうとした瞬間、家が音を立てて崩れた。
100創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 20:40:50 ID:WTFVgTdZ
家も2つになったのかw
で、その衝撃で崩れてしまったと
101創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 20:44:21 ID:yPDrh/IO
『叩いたものが二つになる金づち』を手に入れたのに、
「本当にふつうの金づちだな」 という感想はおかしいんじゃないかと

オチもちょっと分かりにくく感じた
落とした時に家を叩いてしまったってことだよな?
102創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 20:45:59 ID:FCoCN62w
>>99

>>100
そうなのか よくわからんかった
103創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 22:00:58 ID:t8eWfUuV
感想ありがとう。
やっぱりわかりつらかったかな。

>>100そのとおりです。

>>101確かにその感想はおかしいですね。
「ふつうの金づちとかわらないな」
のほうがいいね。

毎度のことなんだけど、着地点を決めるのがすっごい苦手です。
104創る名無しに見る名無し:2008/11/27(木) 22:31:26 ID:bGZeEis0
>>103

よく投稿するなら、トリップつけてよ。
105103:2008/11/28(金) 00:19:34 ID:rsVrKwON
>>104
あ、いえ、投稿自体ははじめてです。
いつもは短、長編をぼちぼち書いてる程度でSSは初めてでした。

いいアイデアが纏まったらまた投稿したいとおもいます。
106創る名無しに見る名無し:2008/11/28(金) 01:06:13 ID:tRtr916+
体が半分の人間にずしりと重い金づちをもてるのかな?
107創る名無しに見る名無し:2008/11/28(金) 17:25:28 ID:hr7c6gV6
>>105
うむ、頑張っとくれ。

にしても、この手のショートショートは作るのも難しいが、批評感想をつけるのも苦労するな。
長編なら色々と美辞麗句を並べてほめることができても、掌編だとそうはいかない。
どうしても一言感想になっちゃいがち。
108湯豆腐さん:2008/11/29(土) 00:09:04 ID:ODlJWCOF
〉金槌の話
やりたい落ちの方向はわかるんだけどもっとスマートに表現できそう。
109星熊 ◆vpqoYjDGvw :2008/11/29(土) 04:33:21 ID:CuW3qXx8
いいアイディアだと思います。
例えば、こんな風に変えてみたらどうですか?

2倍になる金槌入手

試しに、色々と増やしてみる。

そうだお金を増やしてみようと気づく。このとき、ひらめいたジェスチャーで、金槌で手を軽く叩く。

自分が増え、争う。その過程で金槌が地面に落ちる。

地響き。

あんまり変わってないですかね。
110星熊 ◆vpqoYjDGvw :2008/11/29(土) 06:02:43 ID:CuW3qXx8
自分が増え、争う。その過程で金槌が地面に落ちる。

争いに勝ち、これで俺もも大金持ちだと金槌を掲げる。そのとき地響きが。
111創る名無しに見る名無し:2008/11/29(土) 13:54:31 ID:aVMoZ7A1
いろいろ考えられるんだなぁ
112創る名無しに見る名無し:2008/11/29(土) 21:42:20 ID:QlvbFDMW
ショートショートのいいオチってやっぱ難しいよ
113星熊 ◆5uGe0yeQxg :2008/11/30(日) 00:39:27 ID:C9hSsuIs
星新一が1000以上アイディア出してしまいましたしね。
彼の作品にもパクリと言えそうな奴が多かったわけですし。
114創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 01:29:04 ID:qmP+o7EU
金ヅチのオチは疑問が残るな。
自分が増えた時には横に分裂する感じだったんだろ?
だったら家もそうなるんじゃない?
【家】→【家】で二つ家並び。
【家】【家】

崩れるんだったら上にもう一つ家が出現することになる。
【家】
【家】
115創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 08:46:48 ID:OI1SVRkP
まあもういいじゃないか
クローン人間ものでなんかできそうだな
自分のクローンを働かせようとしたらクローンにこき使われたとか
まあそういうのはやり尽くされてるけどな……
116創る名無しに見る名無し:2008/12/02(火) 02:51:52 ID:nanxKnvT
117創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 14:08:36 ID:/6bN+VI0
う〜ん…
118創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 16:16:06 ID:JOlstwo0
星さん風に書きたいのならば漢字は開かないといけないよな
でもスレ読むとみんな上手いと思う
よく考えつくよな
119ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/05(金) 16:35:38 ID:656xap+8
【新種の虫】

「たいへんな事になった」
今日、何度この言葉を口にしたことだろうか。
総理は緊急事態と判断し、各方面にひそかに指示をだした。

原因はわかっていた。
そう、虫なのだ!新種の虫!

「すごい事です。この虫は宇宙から飛来した異星の生物の可能性も考えられます」
と、緊急に官邸に呼び集められた生物学者たちが目を輝かせて熱く語っていた。

「…べらんめぇ!そんな事はどうでもいいんだ」と総理は心の中で毒づく。

日本中で突然現れた被害。
その…虫が…その…つまり人間のお尻に。
その…虫が…その…つまりお尻の穴に。

虫は密かに体内へと入り込んで大腸に住み付き寄生してしまうのだ。
それから体の隅々にまで、その神経触手を延ばし入り込む。
そうなると外科的に取り出すことは不可能、薬剤で始末も出来ない。

だが、不思議なことに寄生された患者は特に命の心配もなく、病気になるわけでもなく、心を乗っ取られるというSFのような事にもならない。
いや!むしろ逆で、とり憑かれた人間は以前より健康になるのだが…

「…べらんめぇ!そんな事はどうでもいいんだ」と総理は心の中で毒づく。

「たいへんな事になった」
何度この言葉を口にしたことだろうか。
総理は再度、各方面にひそかに指示をだした。

この虫に寄生されてしまうことは政治家には大問題なのであり、致命的になる。
そう!大問題なのだ!とり憑かれた人間は…

正直者になってしまうのである。
120創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 18:12:51 ID:LIeK5dD1
>>119
ワクワクしながら読み進み、落ちでちょっとずっこけた。
けど、良かったよ。
121創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 18:23:32 ID:XEebZpZT
最後にもう一ひねりほしいなぁ
122創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 18:28:01 ID:KS9jxXMT
最後は都合の悪いことまで正直にしゃべって大騒ぎになるようなオチがほしいね。
123創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 20:12:15 ID:kloiA9xx
せっかく総理出てきたんだからそこいかせばよかったね
124創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 22:51:28 ID:Bn1PQfv5
やはり比べるものが星作品というのは、どうしてもハードルが高くなってしまうな。
でも>>119は十分おもろいぜ。
125創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 13:35:29 ID:iL6tXWYS
エス博士はある小説を読んでいた。それは有名な権威の博士がパチンコ屋で発明品を使い、テレビ取材も入り大騒ぎの末に結局負けるという話だった。
「わしなら勝てる機械が作れるぞ。」
数ヵ月後、パチンコ屋に取材陣に囲まれたエス博士の姿があった。
「この機械は釘の傾きと乱数を解析し、チャッカーに入るタイミングを調節するんじゃよ。」
数分後、博士の台は見事にフィーバーの大当たりを引いた。
博士はゴト師として逮捕された。
126創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 13:38:42 ID:FKBr62n2
星さんならゴト師とか書かないだろうw
127125:2008/12/06(土) 13:56:13 ID:iL6tXWYS
125は読んでたのが星作品ってのがひねりだったんですが…
懲りずに連投を…

エス博士は風俗雑誌を読んでいた。
「最近のストリップ嬢には色気がない。わしが理想のアンドロイドを作ってやるわい!」
数ヵ月後、舞台には博士と魅惑的な女性アンドロイドが立っていた。
「誰かこのアンドロイドとプレイしてみんかね。機能もバッチリじゃぞ。」
しかし、人間みたいで素敵だが表情がなく、まるで死体に見えるので、観客は誰も手を上げない。
「なんじゃ皆だらしないのぉ。わしが試してやろうかのぉ。ほれ、こんなに気持ちいいのに。」
そのとき入り口から数人の男が走り込んできて、博士はサオ師として逮捕された。
128創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 13:58:21 ID:Nt2oodqQ
星作品としてみるとイマイチだけど、
ショートショートとしては好きだwww

ってか逮捕好きだなw
129創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 14:01:08 ID:5DigQPw6
>>125
批評だけなら誰でもできるということで、あつかましいとは思いますが
表現上の苦言を一つ、ふたつ…

有名な権威の博士…何の権威なのか不明

読んでいた小説の中に本人が出ているのが不自然
本人でないとすれば、書き方が紛らわしい。

釘の傾きと乱数を解析…釘の傾きの解析は良いが、乱数の解析は
意味不明

以上、老婆心にて失礼。
130125:2008/12/06(土) 14:14:37 ID:iL6tXWYS
>>129さん
何の権威かは、星作品からなので、あの話からか、って思っていただきたくて省きました。
あと乱数の件ですが、今のパチンコは釘以外にも確率の問題があり、星作品の当時からは時代が変わっているというのを表現したくて、あえて入れました。
星先生風のほのぼの作品でなくて、すいませんでした。
131125:2008/12/06(土) 14:57:46 ID:iL6tXWYS
エス博士は脳医学の研究をしていた。テーマは『老化と幼児化』
これは、老化による痴呆症は幼児化であり、誕生→発達→衰退、の流れで子供に戻っていくのが人生であるなら、折り返し点というピークがあり、その時点がわかれば寿命も予測できる、というものであった。
しかし、博士の研究は医学の進歩により無意味になってしまった。臓器の機械化により脳さえ活性化することができるようになり、人は望まなければ死なない体を手に入れたのだ。
博士は身体の機械化を拒否していた。時間が限られないということは、人間らしさがなくなることだ、という考えからである。
そして博士にも痴呆が進んでいた。
忘れていた母の声が聞こえた。「元気に生まれてくるんでちゅよ〜」
博士は暖かさに包まれ幸せだった。
132創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 15:41:50 ID:5DigQPw6
>>131
これはいい!
133創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 16:56:51 ID:J7FwE8LJ
>>131
これ好きだ
134創る名無しに見る名無し:2008/12/06(土) 21:41:42 ID:kf1oRJmi
なんか投下らっしゅやね
>>131
これは良作
135創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 11:37:57 ID:sbWYnc3N
>>131は人間が機械化していく過程をもっと長く書く必要があると思った。いや、全体的にか。
人間が機械化していき、心を無くしていく。最初は寿命が伸びて喜んでいたのだが。

博士は苦悩する。「このままでいいのだろうか。人類は……」
それらを長く書くことによってオチがいきる。
心まで機械化した人間と、人間らしい心を持った博士との。
哲学的なメッセージを込めたショートショート。
136創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 12:12:19 ID:1HqVZ1Io
>>135
ウ〜ん、どうもそれでは冗長に過ぎる。
量産のミステリーテレビドラマに似て、説明的過ぎる。
137創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 14:56:00 ID:sbWYnc3N
>>136
好みの問題かな。
個人的には書き込み量がたりないと思った。ショートショートにしても。
まぁ、実力がないとそうなる可能性大。安ぽいテレビドラマみたく。

こんな話があるかどうかは分らないけど、漫画の銀河鉄道999を連想した。
138創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:07:51 ID:89HkO96P
自分では創作しないのに、講釈だけ達者な方々が、獲物が罠にかかるのを待ってるスレなんですね。勉強になりました。

1 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/09/14(日)
スレタイの通り、星新一っぽいショートショートを作ってみようというスレです
(中略)
「ショートショート」なので、長くても1レス(=60行)に収まる程度が望ましいかと
二次創作は他所でお願いします
(中略)
・細かい描写は省く

2 名無しさん@お腹いっぱい。 2008/09/14(日)
(中略)
作品の特徴
星の作品、特にショートショートにおいては通俗性を出来る限り排し、具体的な地名・人名といった固有名詞はあまり登場させない。
(中略)
地域・社会環境・時代に関係なく読めるよう工夫されている。
(後略)

139創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:14:48 ID:Gdr3jknf
>>138
そういう発言はしないほうが良い。
読者あっての作者。ただ作るだけでは自己満足に終わる。
フリーソフトもそうだが、ユーザーからのフィードバックがあって
進歩がある。
140創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:41:09 ID:8+9YA+TN
>>138
そういう前に自分でも書こうや。そんな発言が続くと投下しにくくなるし
141創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:42:28 ID:8+9YA+TN
ケイ博士は研究の末にタイムマシンを完成させた。
ケイ博士は学者としては優秀であったが、経済的には恵まれていなかった。
タイムマシンの研究も金銭的な困難に直面することが多々あったが、そのたびに何処からともなくお金が入ってきて、それで開発を続けることができた。
ケイ博士のタイムマシンはそうした苦労の上に完成したのだった。

「さて、早速実験したいところだが、その前に部品代を支払っておかねばならぬ」
ケイ博士はいくつかの重要な部品を買うために借金をしており、「借金を返すまでタイムマシンを使わない」という約束をさせられていたのだ。
とはいえ手元に借金を返せるだけの金はなく、困ったケイ博士はいつものように金が現れてないかと探し始めた。
すぐに通帳に心当たりのない入金がされているのに気づき、早速銀行に振り込んで借金の返済を終わらせた。
これでいつでも使えると安心したケイ博士は、行き先を決めるヒントにならないかとテレビを見ることにした。

テレビではたまたまニュースをやっていて、先日行われた競馬で大穴の馬が勝利した事を伝えていた。
「そうか、過去に戻ってこの馬に賭ければ大儲けできるぞ」
ひらめいたケイ博士は早速このレースが行われる日に戻って、手持ちのお金をすべて大穴とされているこの馬につぎ込んだ。
そしてレース本番。未来で見たとおりの展開でケイ博士が賭けた馬は見事勝利を収め、ケイ博士は大金を得ることになった。
さすがに大金を札束のまま持ち帰るのははばかられたので、ひとまず銀行に預けて、ケイ博士は元の時間にに帰ることにした。

帰ってきたケイ博士はさっきの出来事が夢でなかったか確かめるために通帳を調べた。
確かに通帳には先ほどの稼ぎが入金されていた。
しかし、その金はすでに使われていたのだ。ほかならぬケイ博士の手によって。
142創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:48:37 ID:JZgpxATR
おれは創作できないので、感想もやめた。
143創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:49:22 ID:PgWgbUc7
いいねぇ
まさに星新一って感じがするぜ
144創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:50:37 ID:89HkO96P
軽自動車(ショートショート)を買ったのに、排気量が1000ccないぞ!って、いいがかりつけるのと同じ。
星新一っぼく、と、60行以内、は無視ですか?
始めの頃の、短くすることは難しいよな、ってレスに共感したんですけどね。
145創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 18:51:03 ID:Alo0YYS3
今までのは全部自分かw
146創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:46:15 ID:sbWYnc3N
>>144
それは作品の内容にもよる。いちレスで消化できるか、どうか。
星新一のショートショートにも、いちレス程度のものはある。
いちレスじゃ収まりきれないものも。
つまり「こういったものを書こう」と思った時、その作品にベストな長さはどれくらいなのか。
原稿用紙換算で1枚か2枚か3枚か、はたまた10枚か。
帯に短しタスキに長しじゃダメ。
そういうこと。
147ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/08(月) 01:47:21 ID:i1/dBveH
【休暇】

昨夜から降っている雨音でケイ子は目覚めた。
2泊3日の休暇も今日で終わり。
「うーん、よく眠ったなぁー」
職場の友人、エフ美は、まだ夢の中で気持ちよさそうな寝息をたてていた。
となりの部屋では、すでに旅館の朝食の準備が始まっていて味噌汁の香りがしていた。
「ほんと!ココに来てよかった」
ケイ子は自分が日本人だとココを訪れるたびに実感しうれしく、そして誇りに思うのであった。

食事を終え、身支度を済ませ、友人と旅館の玄関から外に立つ。
外気は冷たく寒い。用意していた長袖のシャツを羽織る。
なんて気持ちのいい雨なんだろう。
この雨は観光カタログに載っていた『慈雨(じう)』。
まさに草木をうるおし育てる命の雨。

もう十分に昔の日本を満喫した。
「さあ帰ろう」
失われた美しさを完璧なまでに再現したこの『日本(ニッポン)館』から現実に戻る時がきたのだ。
幾重にも閉じられた扉をくぐり、本当の外に出ると、むっとする熱帯化した東京のいつもの熱波の世界が現れる。

ケイ子達がさっきまで過ごしていた所は広大な敷地に建設し、再現された人工の20世紀の日本が収められた建物。
今、美しい四季につつまれた昔の日本の姿はすでに無かった。
日本は深刻な温暖化によって熱帯と化し異様な植物達が支配している。

今度の12月の休暇には、結婚するつもりの彼と奮発して、雪の降り積もる冬(?)の日本館を訪れるつもりだった。
雪の冷たさってどんなものだろうと考えながらケイ子と友人のエフ美はエアコンがフル回転している電車の中に消えていった。
148創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 02:14:00 ID:cvZWhSO6
世界背景は解りましたが、だからなんなんだって文ですね。
なにがこの話は面白いの?
149創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 02:14:31 ID:xuUyTyDT
オチはないけど、雰囲気は確かにいい
150創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 03:05:34 ID:Q+jDTnfI
何が面白いの?とか、オチがない、とか、ただの旅行記かと思わせて擬似環境ドームだった、で充分SFしてるじゃないですか。
ケロロ少佐さん、次回も楽しみにしてます。
151創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 04:34:54 ID:La9DyOwJ
って言うか、>>137の言い方も良くないよ
せっかくの良スレなんだから楽しく行こう!
152151:2008/12/08(月) 04:39:25 ID:La9DyOwJ
ゴメン!既に話は終わってたね
空気読めなくてスマン!
153ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/08(月) 10:50:19 ID:LTDHujXj
皆様、感想ありがとうございます。
やはり>>119 の【新種の虫】とはちがって今回はオチは弱かったですね。
私も最後の1行か2行目ですばっと擬似環境ドームだったって書こうと思ったんですが
説明不足になってしまうのでこういう感じでおさめてしまいました。
星さんのショートショートもこんな感じの雰囲気の物もあった気がしましたので。

で、私はなんといっても星さんの作品の中ではあの名作、突然現れた穴の中にゴミをどんどん捨てていくヤツが一番好きです。
154創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 11:37:47 ID:Q+jDTnfI
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
激しい呼び出し音で目が覚めた。

故郷を旅立って2ヶ月、一人乗りの宇宙船ロデオ号は、2年間で4つの惑星の上空からの探査を目的にしている。旧型ロボットのマイキーと2人の退屈な航海だ。

事故で家族をなくした俺は、思い出から逃げ出すように志願した。
離れてみると、1枚だけ持ってきた家族との写真を毎日眺めてしまう。勝手なものだ。

「何だよ、マイキー。」
「ハイ、ビートイ!」
「??何言ってんだ?俺はトムだぞ?」
「ハイビートイ!ハイビートイ!」
「壊れたのか?このポンコツっ!」
上着をはおる時にポケットから写真が落ちた。

拾い上げた写真の中、ケーキの上のチョコレートの文字が目に入った。
ローソクに一部隠れ虫食いになっている。

Ha,y,Bi,To,Y,!

そうか、今日は俺の誕生日だったのか。

HappyBirthdayToYou!

写真の中の俺は幸せそうに笑っている。

「マイキーありがとな。歌を教えてやるよ。」
155創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 12:30:57 ID:+fomNKTp
不覚にもいい話だった
156創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 20:50:49 ID:iUGNb/OE


宇宙船が故障してとうとう3日が過ぎたので、彼はそろそろ諦めることにした。

「なるほどな。直そうと四苦八苦してはみたが、どうもこいつは、だめなのだな。」

窓の向こうは広い黒い空があるばかり、人がいるはずもなかった。
人生の幕を1人きりで降ろすのはどこか寂しかったが、まあ元より友人も女もいないのだからと納得しておいた。


「冬眠剤なんていう洒落たものがあれば良かったなあ。ああ、いや、あっても同じことなのだろう。」


本の一冊も持ってきてなかったし、酒もタバコもしていないから、することもなかった。


「今更遺書を書く必要もあるまい。ならさっさとおいとまするとしよう。」


宇宙船の電源を切り、操縦席を倒して、横になって目をつむった。




機械が壊れた以上わからないことだが、もしかしたら、もしかしたら。
自分は今、自分以外の誰も行ったことのない秘境に向かっているのかもしれない。
いつか自分を見つけた探検家達が、自分について熱心に研究するかもしれない。いや、ともすれば、まだ会ったことのない、未知の文明の住人が、自分を見つけるのかもしれない。


段々涼しくなっていく宇宙船の中で、彼は思った。
つまり、私は宇宙を旅しているのだな。


果てしない、未だ感じたことのない希望に包まれながら、彼は宇宙船と眠りについた。



宇宙船は遠ざかる。どこへともなく。
157創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 20:59:26 ID:/rY3LIBl
ケロロ少佐は創作文芸板にいたヘロロ?
158創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 21:15:39 ID:f23RkNeg
>>154
>>156
乙 方向性違うけどどっちも良作
星っぽいかどうかは微妙だが
159永遠:2008/12/08(月) 21:55:10 ID:f23RkNeg
 博士は自分そっくりなロボットを造った。このロボットは見た目も博士そっくりな上に、性格も能力も同じだ。
 自分そっくりなロボットを前に、博士は満足していた。
 部屋のドアが開いた。博士が見ると、博士そっくりな人物が入ってくる。
 博士そっくりな人物が言った。
「私そっくりなロボットを造ったら、私そっくりなロボットが自分にそっくりなロボットを造ってしまったか」
 そこへ、また博士そっくりな人物がやってきた。
「私そっくりなロボットを造ったら、私そっくりなロボットが自分にそっくりなロボットを造ってしまって、またそのロボットが自分にそっくりなロボットを造ってしまったか」
 そこへ、また博士そっくりな人物が……
160創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 21:57:02 ID:f23RkNeg
思いついて即興で書いてみた。
まあ星本人か誰かが多分似たのを書いてるだろうな……
161創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 22:10:12 ID:6VLsBxCG
『理想郷』

宇宙船が逆噴射をしながら、大地に降り立った。
銀色の宇宙船からタラップが伸び、男が二人出てきた。

「この星は我々の居住に適しているのだろうか」
「どれ、調べてみようじゃないか」

男たちは幾つかの計器を宇宙船から持ち出し、何やら計測をし始めた。

「どれどれ、酸素濃度、二酸化酸素濃度ともに完ぺきだ。有害な物質もなさそうだ。そっちは如何だい」
「放射能の影響もなさそうだ。気圧も良好。マスクを外しても大丈夫だぞ。」
「ぷはぁー、なんとも爽やかな空気じゃないか。まるで理想郷だ。」
「おっ、向こうに遺跡のようなものがあるぞ!行ってみよう。」


「こりゃたまげた!高度な文明がこの星にはあったのだ!」
「もしかしてまだこの星には知的生命体がいるんじゃないのか?この環境の素晴らしさだぞ。」

「おーい、でてこーい」


チル星人の呼び声は、人間が最早住めなくなった地球の荒野に響き渡った。
162創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 22:12:47 ID:6VLsBxCG
というのを昔考えたのだが、同じような話が星新一やショートショートの広場にあったかもしれない。
もしあったら教えてください
163創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 22:14:52 ID:cvZWhSO6
>>160
オチを考えればよかったんじゃないかな。
ネタ帳の何かと組み合わせてみると意外と面白いのが出来るかも。

164創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 23:20:46 ID:t3Hs22e1
>>161
おお、こいつは巧い。
「星新一の作品です」と言われても、違和感なく信じるかもしれん。

少なくとも俺が今まで読んだ中には、こういう話はなかったと思う。
165創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 23:23:51 ID:h4L3rXFr
設定・オチもさることながら、台詞回しが実に星新一だねw
>「おーい、でてこーい」
でちょっと懐かしくなったよw
166ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/09(火) 15:26:04 ID:G1aj4OwH
【神様発売】

エフ氏は仕事で疲れきった重い足取りでコンビニの前に立っていた。
ドアを押して店内に入ると、さっそくいつもの場所に向かう。
エフ氏の毎日の楽しみは、その日発売の雑誌の立ち読み。
ラックから1冊の雑誌を手に取り、楽しそうにパラパラとチェックをはじめた。

…と…ある記事が目に止まった。
「んん!!か・み・さ・ま・はつばい??」
そこには、『あなただけの神様発売!』とあった。
値段を見ると思っていた程の高価な数字では無かった。
何より、面白そうだったので、エフ氏は、さっそくアパートへ帰り、ネットで注文。

無料お急ぎ便で次ぎの日には届いた神様をさっそく箱から取り出す。
取り扱い説明書の表紙には印象の残る字体でこう記されていた。
『この神様は既存の宗教で存在し、崇拝されているような種類の神様とは、まったく異なり、関係は有りません』
「ふーん。まあいいや。要するに、どの団体にも属さないフリーの神様ってコトね!!」
で、さっそく真空パックされた袋を切ると、中からは白い気体で形創られた人型の神様が微笑んで現れた。

29歳、独身、毎日のバイト生活、ワンルームのアパート暮らし、彼女はいないし、友達もどちらかといえば少ない方のエフ氏にとってこの神様は、良い話し相手であり、相談相手にもなってくれた。
「神様!あんた!意外といいヤツじゃんか!!」
「エフ君!キミもなかなか素直で見込みアル人間だよ!」って気さくな感じ…

       1ヵ月後…

神様の登場でエフ氏の生活は少しづつ変わってきた。
これまで休みの日はゴロンと部屋で寝てばかり過ごしていたが外へ買い物に出かけ、新しい服を買ったり、
散髪も半年に1回だったのが月イチにへと変わり…と、神様のアドバイスを聞き、変化してきた。
何も無く、殺風景だったエフ氏の部屋も目新しい家電にあふれていた。

今日も(大手ネット検索会社連動の)神様が気さくな口調で言った。
『これからの社会人にとって何より大切なのは心地よい睡眠だよね』

       2日後…

給料1年分位の高価な布団セットがどーんと狭いワンルームに敷かれていた。
167創る名無しに見る名無し:2008/12/09(火) 20:52:01 ID:DqtHl13M
>>166
台詞回しは星っぽくないけど、展開やオチはまんま星だww
すげえww
168ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/10(水) 00:29:45 ID:r9figz2M
【インターホンの音が】※今度は「ノックの音が」に挑戦してみました…

インターホンの音がした。
熟睡していたエス美はやっと起き上がりインターホンの画面を見る。
「えーっ!!何で!!」
画面の中には、エス美が大スキだった男性アイドルが映っていた。
「こんにちはエス美さん。ココを開けてください」
開けてと言う台詞を聞いたとたん、エス美の表情が曇り、インターホンのスイッチを切り、眠りについてしまった。

インターホンの音がした。
眠っていたエス美はゆっくりと起き上がりインターホンの画面を見る。
「お母さん!!」
画面の中では、心配そうな表情を浮かべた母親が映っていた。
「エス美!ねえココを開けてちょうだい!!」
エス美の表情は相変わらず曇ったままでインターホンのスイッチを切り、眠りについた。

インターホンの音がした。
眠っていたエス美はゆっくりと起き上がりインターホンの画面を見る。
今度は涙を浮かべた同級生。
だがエス美は同じくスイッチを切り、眠りにつく。
そのあとも同じ展開、父親が来たときも、その後も…誰が来ても決してドアが開くことは無かった。

「残念です。今回の治療ではエス美さんを昏睡状態から助け出す事はできませんでした」
白衣を着た医者が状況を説明していた。
植物人間状態で眠り続けているエス美の周りには、心配そうに立っている両親、同級生、治療に協力し、駆けつけた男性アイドルまでもが見つめていた。
「エス美さんの見ているであろう夢の中で、尋ねてくる人を受け入れ、ドアを開けてくれれば…」
最新の脳接続治療の現場。
それは、音声と画像で直接患者の脳へ思考を送り込み意識を呼び戻す方法。
169創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 14:45:01 ID:B6Lw4gmc

よく書くなあ
死ぬ間際ってオチでもいけそうだな
170ウィリアム214世 ◆BtHy5OxvmU :2008/12/10(水) 17:24:06 ID:ooBPcnwi
ある豪邸にエフ夫人という富豪の女性がすんでいた。
夫人は80をこえる高齢で、1体の介護ロボットを雇って余生をすごしていた。
ロボットは介護ロボット派遣会社から派遣されており、毎朝スタッフがロボットを夫人の家に運び、夕方には連れて帰っていく。
そのロボットの外見はまるっきり人間とおなじだった。
唯一ちがうところといえば、頭にたくさんのコードがついた光るヘルメットつけているということだった。
そのロボットの性能は目をみはるほどで、掃除をすればほこり一つなく、料理のうでは抜群、車イスもおしてくれるし風呂にもいれてくれるというすばらしいものだった。

 そんなロボットにエフ夫人はいつしか愛着をおぼえていた。
ロボットに自分の息子を投影するようになったからだ。
夫人の息子は40年前に家をでていってしまった。
彼女はそのことでずっと心を傷めていた。
ロボットと出会ったことで夫人の人生は変わった。
今は毎日が楽しくて仕方がない。
毎朝早起きし、家にやってくるロボットを出迎える。
ロボットは言われたことを淡々とこなすだけで、会話することはできないが、夫人は常にロボットに呼びかける。
「今日はいい天気だね」「調子はどうだい」「そうかい、そりゃよかったね」などといった具合に。

ある日夫人は決心し、スタッフにこう言った。
「そのロボットを買うことはできないでしょうか」
スタッフはおどろいたがすぐに「まことに申し訳ありません。ロボットの購入は残念ながら不可能です」と断った。
「そこをなんとか。お金はいくらでも出しますから」
「お金の問題ではありません。会社の原則で決められていることですから」
夫人は仕方なくあきらめて「じゃあせめて、私の家にはこのロボットだけよこしてください。一生の頼みです。お願いします」と涙ながらに言った。
スタッフは少し考えて「わかりました。約束はできませんが、優先してこのロボットを来させるようにしましょう」
夫人はほっとして、車イスをぎしっときしませた。
今日も任を終えたロボットは車に乗せられ屋敷を去っていく。
その様子を夫人はいつまでも見送っていた。

車中、スタッフはロボットのヘルメットをはずし、「ごくろう。今日の仕事はこれで終わりだ」と言った。
ロボットはふぅと一息つくと体を伸ばし、スタッフに言った。
「今日は社長に話したいことがあるんだ。アポを取ってくれないか」
その夜、ロボットは会社の社長室にいた。
「エヌ君、何かね話とは」
ロボットは実はと言うと、ポケットから辞表と書かれた紙を出した。
社長はのどをうならせた。
「君のような人材をなくすのは惜しい。なにが不満かね? 給料も高いし何より比較的楽な仕事だ」
「こんな仕事だれにでもできるでしょう。たしかにいい条件ですが、毎日11時間も記憶がないというのは気味が悪い。もうこの仕事にはうんざりなんです」
ロボットはそれから2度と夫人の家に行くことはなかった。
171創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 17:28:14 ID:TyCPcpE6
2回読んでようやく理解できたような気がする
俺はこの手の話、好きだぜ
172創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 21:33:12 ID:zdo9U2Ae
夫人カワイソス
173創る名無しに見る名無し:2008/12/11(木) 03:47:07 ID:ai31AO60
久しぶりに星新一を読みなおしてみたけど、やっぱりすごいな。
小さい頃は何となく「おもすれーw」って読んでたけど、実際に自分でも書くようになる
と、こういう作品を作ることがどれだけ難しいことなのか思い知らされる。
174ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/12(金) 18:12:24 ID:GGUCalPM
【結末】

ジェイと呼ばれている男は体中に傷をこしらえながらも、持ち前の反射神経の良さと、粘り強さでテロリストを一人づつ倒し、ついにはそのボスをも倒した。
なぜかジェイの周りには大事件が発生し、ジェイ本人もそのつもりは無いのにいつのまにか巻きこまれてしまう。
そしてジェイは、いつもこのセリフを口にした。
「おい!ちょっと待て!休ませてくれよ」…と。

一つの事件が解決するとまた新たな事件がおき、ジェイは巨悪と社会の矛盾に立ち向かうのだ。
そんなジェイがこれまで何とか戦い続けてこられた訳は。
いつもその精神的な支えとなってくれていたもの。
ちょっとしたズレで離婚はしたが、いまだなお、心の奥では愛しあっている元、妻。
時々反発はするが心の中では父親を信頼している一人娘。
そしていつも規格外の行動で大暴れをし続けるジェイに不満をこぼしながらも良きサポート役としてふるまい、何度もジェイのピンチを救っている相棒刑事のケイ。
救急車や警察車輌が行きかう騒がしい現場。今回もそんな状況でのラストシーン。
やっとの思いで生き延びたジェイは眠りにつくのだった。

捜査官ジェイシリーズの中でもシーズンYは大好評でこれまでの最高のダウンロードを記録した。
今、ハリウッドの映画界はまったく人間の役者が関わらないプログラムされたデジタル人間の俳優が活躍していた。
個々のデジタル俳優はそれぞれ独自の人工知能の思考脳を持っている。そして与えられた脚本の中で精一杯の行動を取り迫真の演技をするのだ。

監督は、最新のムービーメーカー端末の電源をいれた。
さっそく次ぎのシーズンZに向けて主人公、ジェイの意識プログラムを起動させた。
そして二つのキーワードを打ちこむ。

『妻と娘の間に修復できない溝が出来て、永遠の別れ』『相棒ケイの裏切り』
175創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 20:06:18 ID:J/tInIHZ

これはおもしろい! そしてひでえw
176創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 00:05:28 ID:iMsxK8JN
>>174
思慮浅くてすみません
このオチは、どういう意味でしょうか?
177ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/13(土) 00:26:07 ID:v2tUjtCy
忘れて下さい…
178創る名無しに見る名無し:2008/12/13(土) 01:54:26 ID:2he9XNWu
映画や本の主人公というオチに絶望感プラス。
ジェイにとってはつねにリアルな世界がそれ、っていうのがカワイソス。
GJ!
179ケロロ少佐 ◆uccexHM3l2 :2008/12/16(火) 14:56:01 ID:7jZJCQci
【救済】

数か月前、世界の主要都市の上空に無数の巨大円盤群が突然出現し、世界中は大混乱に陥った。
これまで未知の存在だったエイリアンが現実のものとなったのである。

国防大臣のエフ氏は、その責任の重大さに表情がこわばり、膝の震えを何とか抑えつつ異星生物、地球種管理総督の部屋にいた。
「では、どうしても全人類の30%以上の救済は考えていただけないのですね」
異様に背の高い総督は無言の返事をこの部屋に同席している各指導者達へ返す。

銀河系規模の時空の転移現象の発生から人類を救済すべくあらわれた銀河連邦のエイリアン。
今回の自然災害も高度に発達した銀河連邦種族にとっては、つむじ風程の影響なのだろうが人類にとっては種の絶滅に等しい危機であった。
そして、この救済には一つの条件が付けられていた。
「ノアの箱舟」に乗船できるのは選ばれし人類のみというわけであった。

エイリアンはこの選出に、人類が大災害などの発生時の死傷者救済に採用している考え方、トリアージを使った。
つまり救うべき価値のある人類の選別方法として黒、赤、黄、緑の4つのカテゴリーにランク分けするというのである。
エフ氏ら、その国の指導者層のみに知らされたこの取り決めは銀河連邦種族側主導で数日中にも開始される。
「これは人類の未来にとって必要なものなのだ」
と、エフ氏は自分に言い聞かせて、処分され見捨てられる残り70%の人たちの事を思い悲しんだが、その一方で空に浮かぶ巨大円盤の内部に招待される時を楽しみにもしていた。
会談も終わり、総督の部屋からエフ氏はその他の各指導者とともに席を立った。

選別にはもう一つ、人類に、指導者層にも知らされていない事がらが存在していた。

つまり、今回の第一選考基準は知的生命として基本となる倫理面が最重要とされていて、社会的地位は考慮されていないという事実があった。
退室する各指導者達の後ろ姿を見送る地球総督。
その視覚内の、総督のみに見える識別評価を示す色はすべて同色だった。

それは『矯正もしくは治療など可能性は見込めず、救命不可能、つまり必要のない人物』をあらわす黒色をしていた
180創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 16:55:10 ID:+L4XAP+b
政治家なんてそんなもの…ということか
181創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 18:18:04 ID:pZCgKwyY
このスレで良い作品読んでるうちに本格的に読みたくなって
文庫できまぐれロボットとボッコちゃんを買って来たよ。
星新一を読むのは小学校以来20年ぶりくらいのオサーンです。
182:2008/12/17(水) 23:44:38 ID:pnaePiWJ
「穴」

とある国の、とある町。
子どもたちの間で落とし穴づくりが流行していた。
はじめは砂場や空き地に穴を掘って子どもどうし落とし合うことで済んでいたのだが
だんだん遊びはエスカレートし、一般道にまで落とし穴が出現し始める。
被害にあって腹を立てた大人たちは、落とし穴作りを禁止してしまった。

しかし、落とし穴はなくならなかった。埋め戻しても、翌朝にはまた落ちる人が出るのである。
大人は子どもたちを問いただしたが、皆一様に自分の仕業ではないと否定した。
それでも落とし穴の出現は止まらず、やがて、舗装道路にまで本格的な落とし穴が出現しはじめた。
人々の外出には、地面を叩いて安全を確認するための杖が必需品となったが、
細心の注意を払っても穴に落ちる人はあとをたたず、足首捻挫や骨折までする住人が続出する事態に。
町では有志による自警団が設立され、夜間パトロールが始まった。しかし犯人は捕まらない。
もう埋め戻しは間に合わず、町は穴だらけになっていた。
人々は外出もままならなくなったが、家の中にいても安全なわけではなかったのである。


ある日、突然轟音とともに住宅が消えた。
家の消えたあとには底の見えない巨大な穴がぽっかりと口を空けていた。


今となってはもう誰も、これが人間の仕業だとは思っていなかった。
巨大な穴ができたと思うと、翌日には何事もなかったかのような地面が現れる。
けれどそこは、一歩足をのせた途端に全てを飲み込む落とし穴なのである。
うかつに避難することもできず、人々は次々落とし穴の餌食になっていった。
町ひとつにとどまらず、やがてその現象は世界に広がった。
人々はただまんじりともできずに、自分の足元が落ち込むその時を待つしかなかった。


そしてその日が来た。ボコリ、という音を聞いた者がいたのかどうか。
もし宇宙から「それ」見ている者がいたならば、
その星が一瞬「真っ黒い穴に落ち込む」のを見たことだろう。
音のない宇宙の一隅に真っ黒な穴が空いた。しかしそれは一瞬だった。
次の瞬間には、何事もなかったかのように元通りの星があった。

しかし、その星にはけして踏み込んではいけない。
それは、落ちてくれるものを待ち焦がれている巨大な、巨大な落とし穴なのだ。

うつろな闇を抱えて、その星は今も虚空に浮かんでいる。 (おわり)



・・・・・・・
何年か前、よそに落としたものですが、ここ読んでたら参加したくなってちょっと直し
183創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 23:52:40 ID:hK4X06so
独特の不安感が。
これはうまい。
184創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 00:40:12 ID:P8fSrSYd
面白いね。表現も良い。
185創る名無しに見る名無し:2008/12/18(木) 00:40:42 ID:v+MOG4ou
これは怖い
18699 ◆cnkCYB/0Q2 :2008/12/20(土) 00:42:48 ID:iRn/vgKZ
「日記」

とある小学校のクラスでは、宿題として毎日の日記が決められていた。
前日のうちに書かれた日記を提出し、それを毎日教諭がチェックする。
ある日、とある教諭は一人の女子生徒の日記がオカシいことに気づく。
はじめはふざけているのかと思っていた教諭だったが、
数日のうちにオカシさの理由に気づいた。
その女子生徒の日記には、次の日(教諭が日記をチェックする日)のデキゴトが
書かれていた。
女子生徒の日記は一日ずれていたのだ。
教諭はおどろくと同時に、これを金儲けに利用できないかと考えた。
株、先物、為替。
しかしそのどれもが小学生が日記に書くようなことではないし、
それを書くようしむけることもできそうになかった。
教諭があれこれ考えをめぐらすあいだにも、
女子生徒の日記には、翌日のTV番組のたわいない感想や、
翌日の友達との会話が書かれていく。
そんな、金にもならない未来の日記に、教諭は歯がゆいおもいをしながら目を通していた。

そして悩みに悩んだ末、教諭は「宝くじ」という結論を得た。
それは自分で好きな番号をえらび、
発売しめきりの翌日に当選番号を発表するたぐいのものである。
これなら数字を書くだけでいいし、しむけるのも簡単そうだと踏んだ。
しかし大金を得るためには、宝くじの発売が終わる前に――つまり日記を書くその日に、
女子生徒の日記を読まなければならない。
教諭はまず、女子生徒に宝くじの話題をして興味をもたせた。
はじめはうまくいかずに、いらだちを募らせたが、
数週間つづけた結果、女子生徒は日記に宝くじの当選番号を書いてきた。
それは確かに当選番号だった。

そして教諭は行動に移した。
宝くじ〆きり日のホームルームを使って、生徒たちにその日の宿題をするように告げた。
そのまま女子生徒の日記をみて、当選番号を知ろうとしたのだ。
算数ドリルや、漢字の書きとりをする生徒たちに、教諭は日記を書くことをすすめる。
生徒たちは次々と日記を書き始める。
が、女子生徒だけは日記を書かなかった。冷静さを装いながら教諭がうながすが、女子生徒は、
「書けない」「どうして書けないのかわからない」
と言うばかりで、一向に鉛筆を走らせない。
早くしないと売り場が閉まってしまう。あせりから徐々に語気が強まっていく教諭に、
ついに女子生徒は泣きだした。その泣き声で、その怒りは頂点にたっする。
「どうして書かないんだ!」
教諭は怒鳴りあげると、鬼のようなぎょうそうで女子生徒の首に手をかけた。

女子生徒は「書かなかった」のではなく「書けなかった」ことに、
元教諭は牢屋のなかで気づくこととなる……


------------------------
前作にいろいろなご意見ありがとう。
創作の参考になります。
187創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 00:47:31 ID:Uvlhek0+
なるほど、死んじゃったら明日はないもんな
これはいいSS
GJ!
188創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 02:19:40 ID:aK0B3rXz
無邪気に日常を先見してたのか。
前日の日記に自分が殺されることは書けなかったんだな
189創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 18:52:22 ID:OJ121Fcn
>>186
いいね。面白い。
似たような話はたくさんあるけれど、うまく調理されていると思う。自分流に。
10点満点で6点。このスレの中ではいちばん好み。
オチがすとんとくる。
190創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 07:41:13 ID:y/01wEcm
これだけの短さで見事にまとめてるところが凄いね
191創る名無しに見る名無し:2008/12/22(月) 14:45:40 ID:vMgD8pTE
好き。

なんか世にも奇妙な物語とかにもありそう。
192創る名無しに見る名無し:2008/12/23(火) 20:48:21 ID:ir6UkOv1
素直に面白かった 創作乙(=゜ω゜)ノ
193創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 15:59:21 ID:ydTeU21C
つうか星新一天才だろ。
あのクオリティーであの作品数、、、。
それっぽい作品ひとつ作るのもできそうでなかなかできないとおもうぞ。
194not星 ◆tHwkIlYXTE :2008/12/29(月) 19:59:07 ID:bT16NCmD
星とか関係ないな
 
 
 

「アンタ、鈍感すぎ」


俗に言う出来ちゃった結婚と出産を済ませた直後に単身赴任になった僕を、君は何年経っても罵り最後に決まってこう言う。


確かに僕は鈍感だったに違いない。
悪い結婚を見抜けずに深みにはまっているのだから。

でも君は鈍い男が好みなんだろう。
四十歳近いのに恐ろしくサバを読み、絵文字をびっしり使ってさ。
その相手もさぞかし「鈍感」なんだろうな。
可笑しくなってくるよ。


でも僕は君のような女性はタイプではない。
能動的に食事をし、満腹になったら横になる。
ほったらかしの庭に手付かずのガーデニング用品を見た時は本当に苛立ったよ。

愛していた頃の君が懐かしいよ。
とてもとても。
君も愛していないんだろう、きっと。
もう終わりにしないか。


似たもの夫婦とはよく言ったものだ。
僕と君は似ているらしい、皮肉にも。

僕も君も鈍感なんだよ。
僕が横に立っているのに気付かないのが何よりの証拠だよ。


でも、なにより君が一番気付くべきだったのは、僕がスコップを新調して土を買い足した事。


さあ、終わりにしよう。


195創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 20:25:19 ID:BJKAMj6v
これはいいホラー。
196not星 ◆tHwkIlYXTE :2008/12/29(月) 20:33:03 ID:bT16NCmD
やべぇ、嬉しい
197 ◆tHwkIlYXTE :2008/12/29(月) 20:35:09 ID:bT16NCmD
今読み返したら
文章おかしすぎるw
 
なりより一番とかw
198創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 11:05:34 ID:QN0kJrxQ
星新一作品を冬休みに読もうとしているひよっこです。ご了承ください。



とある二つの国があった、この二つの国は昔は一つの国だったが戦争で同じ国の国民が殺しあうという
悲劇的な歴史を辿った後、この国は平和な「南の国」と強権的な「北の国」に分かれてしまった。

その出来事から幾年か経ち、南の国の大統領は言った「この国を平和的に一つにして両国に平和を与えたい」と考え
大統領は国内の一部の反対派の意見を押し切って北の国の国王と話し合いをすることにした。

「国王陛下!この国を統一しましょう!」
「大統領、段階的に北と南の交流を解除しましょう」
「陛下!これでこの国は一つになり、平和がやってくるのですね!」
「ええ!その通りです!大統領!」

しかし、大統領の行動は遅かった、この話し合いの時に南の国では反対派だった軍部が暴走し
北の国に攻撃を仕掛けたのだ、さらには北の国にも話し合いに反対する軍部の人間がいて、南の国の軍部と
北の国の軍部は元首の命もなしに勝手に軍隊を動かしていたのだ。

数時間後、南北の話し合いの場所は爆撃の業火に包まれ、数日後には国全体が戦場になってしまった。


クオリティ低くてすいません。意味があんまり判らなくなってしまいました。
どなたかアドバイスを頂けると嬉しいです。
199創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 12:55:57 ID:s7QYJoW2
なんかあらすじっぽいな 星っぽいの書こうとするとそうなりがちかも知れんけど
三人称でも主人公中心に据えて書いたほうがいいんじゃないかな
この場合は大統領か 偉そうに言ってすまんね
200創る名無しに見る名無し:2008/12/31(水) 20:36:56 ID:wbUXIjHu
もうちょっと改行したらいいんじゃないかな。
。で終わるべき所が、になってまた続いたりするのが気になった。
201創る名無しに見る名無し:2009/01/01(木) 22:10:57 ID:Zz5C9ydK
>>198
この話だと、南北の首脳会談と軍部の暴走が偶然同時に起こった印象で、作劇上関連が薄くなっているように感じられます。
そのため、軍部の中に出てきた不穏な空気に対して大統領が統一交渉を画策したとか、
反対に統一交渉が計画されたため軍部が実際の行動に出たとかいうことにして、
さらにそれを登場人物の台詞等で表現すれば(1レスというこのスレの制限では細かい描写の積み重ねで書くことは不可能だろうから)、
>>199にあるようなあらすじっぽさの軽減にもなると思います。

ただ、上で書いたのも結局は外野の意見で、書いている本人が何を書きたいのかによっては却ってマイナスですね。
202あるショート作家 ◆1i1o/IpQLY :2009/01/02(金) 07:15:06 ID:JTLWKZ2K
>>198はもっと皮肉な終わり方がよかったな。個人的に。

両国の人たちは和解を望んでいる。
そのために大統領と国王が話し合い。
しかし何かの理由(ここがポイント)で、北と南の国は戦争に。
話し合いの場所が血に汚れる。
誤解が分かったのは、もう後戻りできなくなってからのことだった。
両国が滅びるのを暗示して、それをオチとする。
203がおーん(「・ω・)「 ◆GAOON2chso :2009/01/02(金) 11:08:53 ID:FXElQUiP
あ〜、こういうスレあったのか。
他のスレでSS投下して損した。
204創る名無しに見る名無し:2009/01/02(金) 12:17:07 ID:pCDPObw5
>>194
最後でぞっとするね
好きだ
205not星 ◆tHwkIlYXTE :2009/01/03(土) 01:52:44 ID:PCwJnZxg
 
理由はわからないが最近
生きている心地がしないのだ。

何かぼんやりしたお伽話を
繰り返し繰り返し聞かされているみたいだ。



夏の煩い暑さに耐え、
オフィスで僕はコーヒーを飲んでいる。

目がぼんやりしていたが
気は確かだったはずだ。



夢だったのだろうか、
僕は公園を歩いていた。

見慣れない公園を
見知らぬ少女と歩いている。

とても不思議な気分だったが、悪くもない。
何か懐かしいものを感じていた。

突然、少女は立ち止まり
ふいに僕を見つめる。
冷ややかで悲しそうな目だった。



そしてまた景色が変わる。

誰の車かは知らないが、
僕は車を運転している。

隣には髪の長い綺麗な女性が
外を眺めて座っていた。

何か見えるかい、僕が聞くと
「夕日がとても綺麗」そう答えてみせた。

車のライトを点けた時、
僕は左手に冷たいものを感じた。

それは彼女の手だった。
彼女の手はひどく冷たく、
少し湿っていた。

僕は横道に車を止め、
彼女を心配する。

僕が何を問い掛けても
彼女は何も答えず、
震えて泣いていた。


206not星 ◆tHwkIlYXTE :2009/01/03(土) 01:53:26 ID:PCwJnZxg
そこでまた光が消え、
新たな光が入る。

僕が目を開けると、
二人掛けのテーブルにたくさんの料理があり、
女性が座っていた。

髪の短い女性は、
フォークとナイフを操り
サラダを笑顔で食べている。

この料理は全て彼女の手料理らしい。
ルッコラとラディッシュのサラダは
自慢の一品だそうだ。

「なぁ、ラディッシュって二十日大根の事だろ」
「近いけど遠い。親戚みたいなものよ」
こんな他愛もない会話が、
楽しいと思ったのは初めてだった。

これが幸せと言うものなのか、
こんなことまで考えていた。

食事が終わると彼女は、
自分の夢について話しだした。
口調は軽く、楽しそうに話すのだが何かが違う。

軽やかに踊る口の上に付いたいる
二つの目がどこか寂しげに
していたからかもしれない。

その目は前の二人と
同じ冷淡さを持っていた。



そこで全てが醒める。

誰もいない部屋で
保存料だらけの弁当を食べている。

これが自分の日常だ。
また何処かへ旅を
していたのかもしれない。

理由はわからないが最近
生きている心地がしないのだ。

何かぼんやりしたお伽話を
繰り返し繰り返し聞かされているみたいに。
 
207創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 03:21:27 ID:TGj1Mogj
星じゃねえw
改行頼みなポエム表現は個人的にはあんま好きじゃないんだけど、
blogや2chだと読みやすいんだよなぁ。俺も感覚が老いたかな

内容は好きだよ。というかアプローチ次第で星風にできるネタだと思うんだが、敢えてそうしなかったんだろか?
208創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 03:29:31 ID:TGj1Mogj
あ、「思うんだが」で済ましたら卑怯だな。すみません
個人的な分析未満ですが、故:星氏の一面として
非日常を演じる「装置」を介する事で
物語の輪郭を明瞭にする技法に長けてると思います。

まあ夢オチ/妄想オチでうやむやにする例も探せばあるんだろうけど
絵的な印象に任せ過ぎてる点は星らしくないと思った次第です。
209not星 ◆tHwkIlYXTE :2009/01/05(月) 11:04:57 ID:xUaJb9Nb
なw星じゃねえよなww
感想ありがとう!
 
自分のサイトに乗せてるやつだから
改行が合わなくってw
 
 
風景描写を多めで
有耶無耶にするのは
俺の必殺業です
210創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 23:13:26 ID:h3x2qHFI
             __ __ _
.        _ , '"´  ,. _ ___`丶、
       / ` /  /´-‐ァー-ヽ \
.      / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ     ただの人間には興味ありません。
      / └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ',
     ,'  ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l
    ,   '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. |     この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら
    |  l:l :!:{、| l ::|        マソハ: |:: |     私のところに来なさい。
    |  l:l::i个| l ::l!     l⌒ヽ′} .:}:.l:: l
    |  lハ:l::{::', ::::{、   ヽ.ノ  /.:/::.l:: l
    l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._    /.:/::::/l::;!
.     ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃
.     ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/              |ヽ |     |_    「 〉
    /⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ                 ⊥ 人_  _|_    |/
   /     ヽ \\    \´ ̄`ヽ、                            O
.   l     ',  \\   \  __| \
.   |      ',   \`ヽ、  ∨n| } ト、
211創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 17:52:45 ID:7332b/4S
これは確かに星SSじゃなくてポエムだなw

>>210
ハルヒスレにおかえんなさい
212ずっとあなたを:2009/01/11(日) 18:44:12 ID:Kx/yUWoo
 エヌ氏はある女性に恋をしていた。なぜ恋に落ちたのか、そんなことはもうわからない。
そもそも、理由などお構いなしに相手を想うのが恋ではないか。
 そんなことより重要なのは、その女性がエヌ氏の気持ちに応えてくれないということだ。
 エヌ氏は懸命に働き、地位とそれに伴う給料を得て、プレゼントを贈り続けた。
 高級な服を着て、有名な美容師に髪を切ってもらい、ジムに通って体を引き締め、それを維持した。
 また、教養も身につけようと、高度な難しい本も何冊も読み続けた。
 それでも、女性はエヌ氏の気持ちに応えてくれないのだ。

 思いつめたエヌ氏は、高名なエス博士のもとを訪れた。

「博士、どうか惚れ薬をつくって下さい」
「お気持ちはわかりますが、しかし、人間の気持ちや考えをどうにかしてしまう薬をつくったら、
 万が一悪用されたときにとんでもないことになってしまいます。
 それ以前に、私はそんな薬を作るのには抵抗があります」
エス博士は頑として断った。
だがエヌ氏はあきらめなかった。何日も何日も博士のもとに通い、自分の女性への想いとしてきた努力をうったえ続けた。

 そしてその姿にとうとうエス博士も心を動かされた。
「わかりました。惚れ薬をつくりましょう」
「本当ですか!」
エヌ氏の喜びようは並大抵のものではなかった。
「ただし、前にも申し上げた通り、
 人間の気持ちや考えをどうにかしてしまう薬は、悪用されたら恐ろしいことになってしまいます。
 そこで、そのようなことのないよう、飲んだ人間があなたにだけに恋をするだけで、
 他の人間に恋をしたりは出来ないようなものにさせていただきます」
もちろんエヌ氏に文句があるわけはなかった。
不満があるどころか、博士の言った通りの薬をつくってもらえば、
女性の心変わりや、他の人間が惚れ薬を使って彼女を奪い取ることを恐れる必要がなくなるということなのだ。
「では、今日のところはこれでお帰り下さい。これから研究を始めて、出来上がるときに後日こちらからお呼びします。
 その時に、あなたの性格や考え、外見をしっかりデータにして、それ以外の人間には恋をしないような薬にしてお渡しします」
エヌ氏は嬉しさに躍るような足取りで帰って行った。

 後日、エス博士から薬を取りに来るよう連絡が来た。
エヌ氏は、その帰りの足で女性のところに行くつもりで、有名な美容師のところに行き、高級な服を着て、
勇んでエス博士のもとを訪れた。
そして、薬を受け取ると、そのまま女性のところに行き、うまく飲ませることに成功した。

 数ヵ月後、エス博士は町で偶然エヌ氏を見かけ、声をかけた。
「お久しぶりです。どうでした、惚れ薬の効果は?」
 エヌ氏は、困ったような疲れたような顔をして答えた。
「ええ、効果は確かです。彼女は、私に恋をしてくれました。ただ、いつも全く同じ髪型、同じ服を強制されるんです……」
213創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 18:49:48 ID:Qg55jZ93
うん、オチ読めたけどいい味出てますw
「外見をしっかりデータに」をすこしぼかした表現にするとオチ予測しにくくできたかも
214創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 18:52:00 ID:Os4xCeRA
久々の投下乙です
俺は女性=エス博士かなと思ってしまった
よかったよー
215創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 18:57:43 ID:aShB14IO
乙です〜
216創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 21:18:55 ID:sK+2RhTn
俺は博士が薬をつくっててエヌ氏に惚れるのかと思ったw
だからいい感じに予想を裏切られてよかったよ
217創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 22:04:37 ID:hX9WvjcY
>>212
どこかで読んだことある・・・
ほとんど料理してないだろ?自分流に。
つまりは換骨奪胎。それが、ないような・・・
話のパターンは大昔に出来上がっている。シェイクスピアあたりの時代に。
しかしドラえもんを犬型ロボットに変えるくらいじゃ、ダメ。
そういうこと。

218創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 22:22:40 ID:hX9WvjcY
>>212の話。作者はいくつかオチを考えたはず。
そのオチをまずはひとひねり。ふたひねり。
髪型を変えるのさえ、許してくれない。彼女は。
なるほど。では、彼女にフラれたあと博士の元を訪れてもいい。髪型を変えたあと。
本人はフラれた理由がサッパリ分らないといったふう。

そして博士のところにその彼女。彼女は博士にベタ惚れ。

博士も髪型を変えている……。
つまり双子。博士と。

なぜこんなことになったのか。
そのわけは……
219総意:2009/01/31(土) 19:35:14 ID:NFiF2Pji
 あまりの人類の数の多さに、ある日、人類以外の動植物の意志が合意に至った。
魚も鳥もペンギンもアホウドリも、テレパシーで心を交わし、人類を合理的計画的に減らしていこうということになった。
生物たちは増え過ぎた人間にうんざりしていた。

 まずは人間を大幅に減らすことになった。
尖兵となったウイルスは、人間社会を良くするような有能で善良な人間から襲っていった。
 ばたばたと「よい人」が死んでいった。
次々とよい人が天に召されるのを世界中の人間が嘆く間もなく、医師や、才能に溢れる子供、他人のために働く人間、活動的で意欲に溢れる者、借金の多い働き者などが死んでいった。

 残ったのは宿無し、無法者、殺人者、人に寄生して生きるもの、社会的弱者などであった。
一人では生きることの出来ないものは死に、また嘆きの余り自死し、殺し合い、
地球はより「きれい」になった。

 そこで生き物のうちの、まだ多数を占めていた犬猫やカラスや鳩、鼠や人間に寄生する生物からの運動が起こった。
「このまま人間が死に絶えてしまうと困ってしまう。ぜひ少数の人間には生き残ってもらわねばならない」
ウイルスや寄生虫も小さな声でこれに同意し、ペットたちが付け加えた。
「この決定を人間が知らないのは不公平ではないのか?」
皆が「それもそうだ」と思ったが、人間たちとテレパシーの疎通を計ることは出来ない。
 総意を伝えるのはペットたちではなく、害虫達に任され、言い渡すのはまず最後まで生き残りそうな者ということになった。

 その晩、地球上の多くの場所でこういうことが起こった。
 ある宿無しの前に得体の知れない何かが現れた。
そしてこれまで人間が減ってきたことを述べ、最後に
「おまえは人間の中で生き残ることを許された」
と言い残し闇に消え去った。

 「生存」を許された者にはやる気の無い、頑健でずるがしこい者たちや、頭のにぶい者も居た。
大抵の者は害虫の合体を神か啓示だと考え、生きる気力を取り戻し正直で勤勉になっていった。
そして進んで人助けをするようになった。
 生物どうしの意見は混乱し二度とまとまることは無かった。
徐々に人類はまた地を覆うように繁栄の道を歩んでいった。

220創る名無しに見る名無し:2009/02/01(日) 13:06:49 ID:nxYeRt6k
>>219
ループかw
221創る名無しに見る名無し:2009/02/01(日) 23:17:36 ID:YMZE0g53
>>217
>そういうこと。
コンセプト破綻してないかなぁ。
まあ藤子氏がそっちで着想してたら別パターンでいろいろ誘導しただろうなあとは思うけど
222創る名無しに見る名無し:2009/02/01(日) 23:21:30 ID:YMZE0g53
>>219
人類害虫論なSFは多々あれど、これは星っぽくすっきりしてて爽快ですた。
そうかゴキブリの働きで天啓を認めて世界平和なのか(違
223創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 19:35:28 ID:6G2vqrRE
『子供の国』

わたしはスー、4才。ここは〈子供の国〉。お菓子だっておもちゃだって何でもあるの。
広い中庭でお友達と駆けっこもできるの。
国のお外のことは知らないわ。バイ菌がいっぱいで怖いんだって、ロボットのジェイが言ってたわ。
ここには私より大きな子はいないの。〈学校〉ってところに行って、大人になるために〈勉強〉するんだって。
ずっと遊んでいたいのにね。でもまた皆と一緒だもん。きっと〈学校〉も楽しいはずよ。
ふわぁ眠くなってきた…今日も楽しかったわ。おやすみなさい…

「寝たか?」「ああ麻酔ガスがよく効いてるよ」「よし運び出すぞ」
子供の国に隣接した建物では、毎夜出荷作業に追われていた。
「これは等級A5だな。高く売れそうだ。」
ここは、人間牧場『子供の国』
224創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 20:30:09 ID:FLq544hG
>>223
ありがちだが、悲しい話だな
225創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 21:48:59 ID:wuAdW7Vj
「ついに完成した。完成したぞ!」
「ついに完成したのですか博士?」
「ああ、完成した。これを使えば時間を自由自在に操る事が出来る」
そう、博士はタイムマシンを作ったのだ。
「君、そこのカップを持ちなさい。私が時間を止めてそのカップを君の手から取ってみせよう」
助手は博士に言われたように近くにあったカップを持った。
「よし、では起動する。驚くんじゃないぞ?」
そう言うと、博士はタイムマシンを起動した。
「あ…あれ?」
助手が不思議そうに声を出した。
何も起こらないのだ。
ふと、博士のほうを見ると全く動かずに立っていた
「ちょ、ちょっと、は…博士?大丈夫ですか?博士!?」

タイムマシン。それは、持っている人の時間を自由自在に操る事が出来る装置。
226創る名無しに見る名無し:2009/02/03(火) 22:52:24 ID:aL6ZJ9Z/
持っている人の時間しか操れないってことかな
227創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 00:38:06 ID:T/Tt7riA
・博士が自分で自身の時間をとめてしまった
・博士の時間が操られてしまった

どっちも同じ意味か?
228創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 14:35:53 ID:75zzzUmJ
>>223
なんか悲しい話だけど気に入った
229創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:24:58 ID:nq9VjY7u
自分の時間を止めてしまった=博士自身はタイムマシンをいじれないから
もしかして博士ずっとこのまま?
230XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/08(日) 14:21:37 ID:ZeLxNcFl
こんなスレあったのか…
即興で参加してみる。

呪い

まず、密閉された器を用意する。これは大きい方が良いが壊れやすいものでは意味が無い。
続いて多種多様な生物をそこに入れる。毒を持つ物を入れるのが一般的だが、毒の有無より種類が重要だ。
器に生き物を詰めて外に出られないようして、長時間放置すると中で熾烈な共食いがはじまる。
この中で最後に残った一匹は非常に強い生命力を持っていて、これが呪いの媒介としても強力な効果を発揮…



「俺が聞きたいのは生命の起源だ!東洋の呪いじゃないっ!」
M氏は怒鳴り声を上げ、本を机に叩きつけた。
M氏を知る者がこの場に居たなら、普段思慮深い彼がこの様に声を荒くするのは珍しい、と驚くだろう。
「わかってるさ、だから56億年前の願い事について丁寧に一から説明してやってるじゃないか。最後の一人よ。」
そう言って悪魔はニヤリと笑った。
231創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 15:56:45 ID:pLIfdgWU
これはいい。即興ゆえか、キレの良い作品に感じた
232創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 16:00:35 ID:6IN1pR7y
うん、オチも上手いな
233XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/08(日) 20:00:23 ID:ZeLxNcFl
即興と言ったが、内容を纏める時間は一時間くらいかかってます。
(´・ω・)

冷静に読み返すとわかりにくい気もするし、アイデアが既出じゃないか怖くなる。何より、星新一風がわからん。
難しいわ、これ。



リサイクル


「もう我慢できない。インク切れのボールペン捨てたら、103号室のMさんに見つかって『芯を替えればリサイクルできるじゃないか、何で捨てるんだ。』あんたは私の親でも上司でもないわよ!」
「まあまあ、患者さんにも色々いるわ。老い先短い人の最後の我が儘と思えば腹もたたないんじゃない?」
「あんたの心はきっと宇宙より深いのね。私は、この前あいつがナースステーションのゴミ箱からリサイクルできる物を選別しようとしてた時点で限界よ。」
「ニコニコ笑って言うとおりにしてあげれば良いのよ。私はあの人の採血針をもう6回はリサイクルしてあげたわ。」
234創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 20:32:15 ID:ogPeOljk
それはリサイクルではなくリユースです。

リデュース(reduce 減量)
リユース(reuse 再使用)
リサイクル(recycle 再資源化)
235XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/08(日) 21:27:03 ID:ZeLxNcFl
これは致命的
すまん
236創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 22:20:20 ID:XoNkETVy
地球がひとつの蟲毒の壷…というわけか
そりゃ中で熾烈な共食いが起こってるもんなー
237創る名無しに見る名無し:2009/02/08(日) 23:18:51 ID:45WEgH6Q
星っぽいかといわれると微妙だけど、
ショートショートとしての完成度はやばい
238創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 00:47:47 ID:q4j2DceE
この短さはそれ自体が凶器
239創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 00:50:06 ID:PGNI4Qxq
あれだ、アメリカンジョークっぽいんだ
240XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/09(月) 18:47:24 ID:vlkfL5JA
( ゚∀゚)ノイヨウ

>>239
確かに。
ちょっと余計な物を削ぎ落とし過ぎたかな。
形式的にどうしても星新一ぽく無いけど、最初は看護婦さんがもっと口汚くののしっていて書き直した。
星新一ってあんまり汚い言葉を作品に使わないよね。
みんなこんなのに感想書いてくれてサンクス
241XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/09(月) 23:58:48 ID:vlkfL5JA
星と美女

M氏は伝承研究を生業としていた。
今、草木をわけながら主道から外れた山道を歩いているのもこの地方の人が聖地と崇めている池が山中にあると聞いたからだった。
落ち葉をずしりと踏み締めると、朝の澄んだ空気に土の香りが溶け出す。
澄んだ空に染みるような朝の光が朝露を輝かせる。
小鳥はあちこちで愉快そうにさえずっていた。
M氏は周囲の自然のあまりの美しさに、いっそ仕事の事は忘れようかと考えつつ、聖地と囁かれるのも無理は無いとも思った。

そんなM氏の耳が微かな違和感を感じ取った。
空から何か聞こえてくる、と思った瞬間、違和感は騒音に変わり、騒音は衝撃に転じた。
M氏の体は凄まじい風と振動に吹き飛ばされた。

M氏が気がついたのは、日がすっかり上がりきってからだった。
彼は周囲を見渡し、木々の倒れ方や、衝撃の起き方から、どうやら隕石が落ちたらしいと推測した。
倒木を辿って少し歩くと視界が開け、大きなクレーターが前方に見えた。直径数十メートルはあるだろうか。
もう少し速いペースで進んでいたら、隕石はM氏を直撃していただろう。
ぞっとしながらM氏が目をやると、クレーターの真ん中のまだ蒸気をあげている隕石の脇に誰か立っている。
隕石に興味を持ってやって来た地元民だろうか、M氏は大きな声で呼びかけた。
その人物は、こちらに気がつき振り向いたが驚いたことにそれは女性で、しかも絶世の美女だった。
彼女は静かであるが軽やか且つ速やかな足取りで、その美しさに目を奪われているM氏の目前までやってきて、微笑みながらその口を開いた。

美女「あなたが落としたのは金の隕石ですか?銀の隕石ですか?」
M氏「いや、どちらも落としていない。」
美女「あなたは正直者ですね。」
M氏の体は再度、衝撃に舞った。
242創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 00:09:05 ID:Vtg4uf5E
もう一発かwww
243創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 06:59:45 ID:ZzkKb0wf
ちょw
244源泉徴収票 ◆IM.RhdmmmE :2009/02/10(火) 08:16:15 ID:PDQE7dvR BE:1134540094-2BP(2470)
>>241
黙って出されたらわからないかもしれない。
245XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/10(火) 18:43:43 ID:8vWKn7eL
>>244
なんかスゴい誉められた。
(*゚∀゚)

携帯アプリで星新一の短編集を購入したかいがあったよ。
改めて読んで思ったが、風刺が効いてるのも星新一の特徴なのかな。
246創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 18:47:03 ID:4uWqEmPr
>>241
これ好きだ
247XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/10(火) 20:19:54 ID:8vWKn7eL
反旗

それは突然の独立宣言だった。
『もう我々は十分に虐げられた!搾取され、差別され、隔離された!人種を超え、性別を超え、弱者たる我らが団結し、声あげる時が今こそきた!』
この宣言は多くの国民にとって寝耳に水だった。
M氏が加害者と糾弾した大半の国民は、自分達の行為が差別や虐待にあたるとは全く思っていなかったのである。
『過去の歴史を振り返るがいい!人種差別、文化差別、性差別、それらは安易な理論を土台にした磔台に過ぎなかった。
その眼を開けて見ろ。この習慣差別を!』
さらに国民を驚嘆させたのは、M氏の宣言への賛同者は意外に多く、また高い地位の人物にも賛同者が多数いたことである。
『私は過疎化の進んだX島を買い取った。此処が弱者の為の新生の故郷となる!
今高らかに宣言する!喫煙者による喫煙者の喫煙者の為の国を打ち建てることを!』
独立宣言は大きな波紋を呼んだが、侃々諤々の議論の末に独立行政区としてX島は認定され、それに対してM氏も「無用な争いは望むところではない。」として海外との直接取引、領土の拡大、“国外”の禁煙区域での喫煙など数項目を承諾した。
ここに喫煙者独立紫煙法が制定されたのである。



「やあ、久しぶり。君の手腕には感動したよ。」
「いいえ、コロンブスの卵を立てただけですよ。」
「喫煙者の隔離と搾取。両方やってしまう方法があるとはね。」
「過疎化の改善も加えて下さい。実験的ですが。」
「M君どうだい?キューバ産の葉巻だ、ここでは希少なんだろう?」
「いえ、私は煙草は吸わないんですよ。」
248XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/10(火) 20:25:01 ID:8vWKn7eL
指摘される前に言っておくと、筒井康隆の短編をパクリました。
m(_ _)m

見たのは世にも奇妙な物語だけど。
249創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 21:05:32 ID:IMY4aB9w
いいね
ショートショートとしてのクオリティが高いのはもちろんだけど、
星っぽさが上がってきてる気がする
250創る名無しに見る名無し:2009/02/10(火) 21:06:36 ID:BLjvyMOQ
面白いな
251創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 03:45:56 ID:PgksbIkH
泉の女神様の隕石返しいいなw
252XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/12(木) 00:10:31 ID:VcSF9G3e
空高く


ふーっ、と野原の真ん中で大きなため息をついているのは、赤鼻のピエロ“だった”M氏だ。
脇には布に包まれた大きな塊が幾つかおいてある。それは、数日前までサーカス“だった”ものである。
発端は、サーカスの花形の空中ブランコ乗りがFサーカスに引き抜かれたことによる。その後、ある者は実家を継ぎに故郷へ帰り、ある者は結婚し、ある朝M氏が目覚めると座長も妻と娘を連れて夜逃げしていた。
何のことは無い、沈没船から一人逃げ遅れたネズミみたいなものだ、と彼は独り言を言った。
風船用のボンベが彼の目に止まった。サーカスが盛況だった頃は、M氏はこれで次々と色んな形の風船を作って喜ばれたものだった。
M氏がサーカスに入りたてでピエロの芸もなにもできない時も、このボンベで膨らませた風船を子供に配って楽しませた。
このボンベで作った多くの風船が彼を支えてくれた。だが、肝心のサーカスの方が風船のように呆気なく割れて消えてしまった。

M氏の目元の緑の化粧が、ポタリと流れ落ちた。
「もう疲れた。これで終わりにしよう。」
M氏は首に紐を巻きつけた。


その時の経験を思い出すと今でも涙が出そうになる、と言いながら横を向くとインタビューをしていた女子アナが神妙な顔をしていた。
慌てて、「でも、今では皆さんが僕を見に来てくれるから、とってもハッピーです!」と笑顔で言い繕う。そう、ピエロは常に笑顔で無くてはいけない。
女子アナの顔に笑顔が戻り、締めのセリフが発せられる。
「人間なせばなるって事ですね。ハシゴ車の上から、世界一首の長いピエロのMさんへのインタビューでした!」
アナウンサーの横で笑顔を振り撒くM氏の首を無数の明るい色の風船が支えていた。
253創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 00:13:45 ID:mkyS7yMb
なるほど
これはオチが全くわからなかったぜ
254XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/12(木) 00:16:26 ID:VcSF9G3e
>>249
ありがとー☆
星っぽさを押し出した甲斐があった。
あんまり意識し過ぎても星新一御大には及ばないので、星っぽさはまあほどほどにしておく。



ところでネタの選定が難しい。
すんなりくるネタは手垢にまみれてそうで、新鮮なネタはわかりにくかったり。

(´・ω・`)
255創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 14:54:35 ID:SLNJjzrf
あんた面白いねぇ
256XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/12(木) 20:52:19 ID:VcSF9G3e
>>253>>255
正直、誉められるのは慣れてない。
(*・ω・)

俺、ショートショート100話書いたら彼女にプロポーズするんだ…。
ちなみに、70話で彼女と初キス、50話で女友達に告白、30話で素敵な女性との出会いがある予定。


…まあ冗談はさておき、流石に空気読んでしばらく休んだ方が良いかな?
257創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 20:53:36 ID:T/FJEkgS
星新一のショートショートが好きで、ショートショートの広場でも
入選している者ですが....すいません、オチがよく分からないのですが...
こちらの勉強不足ですかね?
258創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 21:29:17 ID:FHq46BaC
入選(笑)
書くのと読むのとは違うんじゃね?
259創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 22:32:05 ID:zfun9E1V
>>256
空気は読むものじゃなくて
創っていくものだってばっちゃが言ってた
260XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/13(金) 01:09:42 ID:hoi9TXSN
大発見


石の台の上でおがくずと落ち葉がくすぶっている、その横には十字に組んだ木片に紐を結びつけたものが置かれていた。
それを挟んで二人の男が興奮しながら会話している。
ただ、その顔は毛は生え放題、目は窪み肌は赤茶けていて、腰に僅かに布を巻くのみである。

『これを見ろ、こんなに効率的な方法で火を起こす手段があったんだ。』
『これは凄い技術だ。一体、誰が考えたんだ?みんなに教えたら英雄扱いされるぜ。』
『…誰だって構うもんか、俺たちが考えたことにしよう。』
『正気か?本人が名乗り出たらどうするんだ?』
『なあに、ここから俺たちの集落には距離がある。まず、訪れることは無いだろうし、こういうのは言った者勝ちだ。』
『……わかった。誰にも見られないうちにこれを持ち帰ろう。』
『いいか、二人だけの秘密だからな。』


「お昼のニュースです。
今日、午前九時半頃、N市ボーイスカウト教習センターで火を起こす野外教習中の広場にUFOが突如乱入。
UFOからは体中に毛が生えた猿のような宇宙人が現れて、何か会話した後、火付け用の機材と石の台を持ち去ったとのことです。
警察では火山ガスによる集団幻覚も視野にいれ調査していますが…
261XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/13(金) 01:21:24 ID:hoi9TXSN
>>257
すみません。
ピエロが風船で首吊り→首長ピエロになって再起、てな話にしたかったのですがわかりにくいですよね。

>>259
わかった。彼女目指してガンガル。

(*・ω・)
262創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 02:25:18 ID:AJXCLkaJ
なるほど、面白いなw
ライターとかマッチとか見たらひっくり返るなw
263創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 19:46:57 ID:6FwIfjO1
UFOで宇宙に出れるくせに火のつけ方知らないのかよww
264XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/13(金) 22:42:32 ID:hoi9TXSN
不幸を呼ぶ男


俺は三つ目の勤め先を、わずか3ヶ月で退職することとなった。
俺が大きなミスしたわけでは無い。人事担当は昨今の不況の影響が、とか言っていたがそんなことに本当の理由は無いのは俺も察している。
先々月、出社途中の俺の目の前で車が炎上する交通事故が起こった。先月は、昼休みに目の前でお局が不倫の果てのダイブを果たした。
前の勤め先からも不穏な噂が聞こえてきて、人事も動かざるを得なくなったのだろう。

俺は不幸を呼ぶのである。


学生の頃は大したことは無かった、俺の周囲でよく人が転んだり、物が壊れたりする程度だった。
その不幸がその場で俺に影響することは無かったが、必ず俺は“それ”を目撃した。
問題は、成人してから段々不幸が激しさを増してきたことだ。二十代半ばを過ぎてからは、1ヶ月に一度は“人死に”を目撃するようになってきた。最近は殺人が増えてきてる気さえする。
いっそ完全にノータッチを決め込められれば楽なのだが、必ず目撃するので、それがばれると事情聴取やら、裁判の証人やらで仕事も手につかない。

何はともあれ、次の仕事を捜さないことには俺が“人死に”してしまう。
見るのは段々慣れてきたが、体験するのはまっぴらだ。
しかし、いくら仕事を探しても、不特定の不幸を呼びよせる男に就職先などあるはずもない。
俺は段々自暴自棄になっていた。

「いっそ、手を翳したら相手が死ぬとかなら、まだ殺し屋にでもなれるのに…………そうか!」


一年後、俺はすっかり手慣れた風に仕事をしていた。

「犯人はあなただ!Aさん!自分の心は誤魔化せても、この名探偵Mの目は誤魔化せない!」

未だに自分で言ってて吹き出しそうになる。それはそうだ、なんせ俺は必ず“それ”を目撃するんだから。
265創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 22:45:57 ID:P6vouLoh
いいよーいいよー
しかしあまりにも綺麗で感想書きにくいなw
266創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 23:16:22 ID:6FwIfjO1
なんという転職wwww

金田一やコナンはこういうやつだったわけね
267創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 23:23:28 ID:6FwIfjO1
天職天職
268創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 23:34:07 ID:4JwtPhUe
面白い、星というよりは筒井の短編にありそう
269XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/14(土) 00:15:55 ID:w062Ffg3
だから、俺は誉められるのには慣れてないと、あれほど。

(*・ω・)アンガトウ


携帯からいくつか書いてると、1レス縛りが厳しく感じる。
起承転結の承から始まって、転+結で締めてしまう。
でも、それを自分に課してるからこそスパッと終わる気もする。
むむむぅ。
270創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 00:18:08 ID:MXbvi4f4
1レスじゃなくてもいいんじゃない?
271創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 00:20:41 ID:XVzxZk6b
一レス以上になるとショートショートじゃなくなる気もするけど

あなたの文は好きだから、これからも読ませてもらいます
272創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 00:32:37 ID:w9245LQH
ショートショートの定義自体、けっこう曖昧だからなあ。
個人的には『1レス以内』ってのには、あんまこだわらんでもいいと思う。
1レススレは他にあるしさ。
273創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 00:51:01 ID:w062Ffg3
(*・ω・)好き…


まあ、1レス以上の話についてはまた考えときます。
根がずぼらだから、パタッと飽きていなくなるまで宜しく。(・ω・)/
274創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 01:42:40 ID:NQ2I44Zd
俺がこのスレでちょっと書いてみて感じた、星っぽさってなんなの?っていうお話
星作品って設定とオチの奇抜さもさることながら、その状況に振り回される人間がとても精密かつコミカルに描かれてると思うのよ
>>1にはああ書いてあるけど、ぶっちゃけ書いてて短すぎるとはちょっと感じた。人間を描き足りないというかなんというか
星作品好きでこれ以上語ると長くなりそうなんで一言でいうと、 別に1レス超えてもいいんじゃね?
275創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 01:43:58 ID:NQ2I44Zd
いかん、大事な事言い忘れた
XXX ◆TqnDIIRxZU氏、俺も好きだ
276創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 19:57:53 ID:qctegLHE
確かに、XXX氏のはよくまとまってて面白い
277創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 23:49:38 ID:VHFmetxS
そろそろまとめサイトが必要かね
278創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 08:06:23 ID:16eNSr1c
ここは地味に良スレ
279創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 09:12:24 ID:6QQaVIiS
うんうん、ここかなりの良スレだよね

>>277
つくるとしたらまとめwikiだろうか
280XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/15(日) 10:58:09 ID:yVAvEIqr
間違い


半紙が机の上に広げられる。漆塗りの気品ある筆が漆黒の軌道を広げていく。
半紙には丁寧に“思想”と結ばれた。

「よく聞け。お前の普段の生活にはこれが無いんだ。『思い、なお想う。』だらだらと生活してるから、家事でもミスをする。お前と結婚して10年、もう直っても良いんじゃないか。」
半紙を手に取り、男は机を挟んで向かい合う妻に話し始めた。
男は三十代後半だろうか、その身だしなみから几帳面な性格が見て取れる。
「些細な事が大事なんだ。お前がそんな風だとカズキにも良くない。いいか…」
突然、気だるそうに話を聞いていた妻が、机を叩いて立ち上がった。
「なによ!あなたはあの子の教育に口出しするほどの事はなぁんもして無いじゃない!」
彼女は身を大きく乗り出し、相手の持つ“思想”の文字を奪い取り二つに引き裂いた。
「思想?なに言ってるの?私がもう持ちあわせて無いのはこれよ!」
彼女は手元のチラシの裏にマジックで“愛想”と書きなぐった。
「あんたの愚痴にはいい加減愛想が尽きたわ。今後10年、自分の皿は独りで洗いなさいよ!」
「なんだその言いぐさは!」
夫も負けじと“愛想”の二文字を引き裂いた。

「ただいまー!」
敵意に満ちた視線が交錯する中、沈黙を破ったのは帰宅した息子のカズキだった。
部屋に入って、不穏な空気に気づいたのだろう黙って二人の間に座る。

子供を挟んで喧嘩する訳にもいかない。夫は新聞を大仰に広げ、妻は台所で水仕事を始めた。
夫は思った、
『どこで間違えたんだ。互いの足りない部分を補っていたはずの歯車が、すっかりずれてる。』
妻は考えた、
『カズキは私が引き取って、実家にしばらく世話になろう。それから…』

「遊びに言ってくるね。」
しばらく机の上で手慰みの様なことをしていたが、二人の背中に耐えきれなくなったのだろう、カズキは外へ飛び出していった。

「車に気をつけて」「遅くなるなよ」短い言葉と視線で息子を送り出し、再び背を向けあう二人。
ふと、目の端が何かをとらえた。机の上に顔を向けると引き裂いた紙が机の上に一列に並べてある。カズキの手慰みだろう。

 想  思  想  愛

思わず小さく笑ってしまった。
相手を見ると、同じように苦笑している。

「本当は想の字が違うんだが。」
「あの子、知識はあってもそそっかしいから。」
もう一度、二人はクスリと笑いあった。
春の近づきつつあるある日の出来事である。
281創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 11:05:40 ID:6QQaVIiS
これはなんていい話!
よく思いついたなー
俺は今までの中でこれが一番好きだな
282創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 11:07:54 ID:lZ3WoNBa
いいなーこれwww
XXXさん、好きです。
283XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/15(日) 11:12:24 ID:yVAvEIqr
ごめん。昨日の晩に寝てしまった。

(´・ω・`)


>>277
自分は新参者なのでまとめサイトで旧作を読めるとめちゃ嬉しいです。
284XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/15(日) 11:22:22 ID:yVAvEIqr
>>281>>282

(*・ω・)好き…


ええと、自分が根暗なのかショートショートの案を考えると大体不幸(?)な終わり方になるので、その辺意識して変化球気味にしてみました。

読み直すと誤字や言い回しの被りがありますね。
すいません。

orz
285創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 13:25:43 ID:0ARkDgP/
いいよーいいよー
286創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 15:32:53 ID:gX6ZEKOr
>>280
いいねぇ
星というより向田邦子っぽい感じがしないでもない
287創る名無しに見る名無し:2009/02/15(日) 21:52:09 ID:hngZJ09Q
読むとほんわかするね。この話好きだ。
288創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 11:49:45 ID:8kB2JcgN
星では無いんだが
>>194が好きだ
289XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/17(火) 07:04:41 ID:X0uSNRj5
第14話「新生」

〜前回までのあらすじ〜
世界の平和を守るべく戦ってきたM。
しかし、秘密結社Qの恐るべき鎧獣人に初めて完全な敗北を喫した。
しかし、それでもなお人々の為に闘おうとするMに、博士は新たなる力を授ける。
新たな力を得たMの拳は見事に鎧獣人を打ち砕いたのであった。


バトルジャケットが解除され、元の衣服が転送されるまで後、1分45秒。
博士とのやりとりがMの脳裏によぎる。
「確かに、ジャケットを構成する“物質G”の割合を限りなく100%に近づけることで、更なる力を手に入れられるじゃろう。じゃが、それがお前に与える負担は…」
「博士!それでも俺はみんなの幸せを守りたいんです!平和の礎になれるなら俺はどうなっても構わない!」
「わかった…。もう、なにも言わん。わしのできる限りのことはしよう。」

解除されたあとに襲って来るのは、激痛かはたまた発狂か。
Mは先ほど鎧獣人に襲われていた若い女性の事を思い出した。
変身が解除されるまでに彼女の無事を確認して、この場を立ち去らなければ。
「大丈夫ですか?お嬢さん。」
「いや!ちかよらないでっ!」
しかし、意外にも相手から発せられたのは拒絶の言葉だった。

その時初めてMは気づいた。
自分は全裸だ。


研究所に老人が一人、この人物こそMにバトルジャケットを授けた博士である。
博士の目の前のパイプを複雑に組み合わせたような機械からはエラーを示す警告が鳴り響いている。
博士は悲しそうに呟いた。
「ジャケット内の“物質G”を100%にすることにより、ジャケットは完全に透明になる。更には転送装置への異常負荷により、衣服の再転送もできん。Mへの“社会的負担”は相当なものになるじゃろう…」
博士の目に涙が光る。
「しかし、Mよ。もうなにも言うまい。お前の瞳の中に、確かな正義の輝きを見たからのう。」
290創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 07:19:09 ID:zVOlqxy8
今度から服を持ってけば大丈夫じゃね?
291:2009/02/17(火) 11:26:56 ID:OUbYjfNE
2206年3月2日、「人体コピー機」なるものが作られた。
自分の人差し指を人体コピー機に当てるだけで、コピー機からうにょうにょと自分のコピーが出てくるのだ。
もちろん、能力は自分と全く同じなので、買い物に行ったり、仕事に行ったりするのが面倒くさかったら、このコピーに任せられるのだ。

このコピー機を買ったひとの中のひとり、エヌ氏は、建設業につとめていた。
もちろん、肉体労働というものは大変である。そこで、自分のコピーに任せることにしたのだ。
こうすることで、働かなくても、お金が入るようになった。
人体コピー機


エヌ氏がコピーに仕事を任せるようになってからちょうど一ヶ月がたった給料日、お金が入ってこなかった。
コピーにたずねると、今日から給料は直接手渡しになった、と言う。
エヌ氏は、コピーにお金を自分に渡すように言ったが、コピーはそれを許さなかった。
そこでエヌ氏は自分で働くことにしたのだが、コピーがあたかも那智氏本人のように取り扱われていたため、働かせてもらえなかった。

そしてそれから三ヶ月がたった。エヌ氏はコピーに全てを奪い取られた。
「偽物は出て行け!」
とコピーに言われ家を追い出されたたエヌ氏は、今日も浮浪者として町をとぼとぼ歩いている。

292:2009/02/17(火) 11:27:41 ID:OUbYjfNE
ありゃ。題名がなくなっとる。
一応、題名。「人体コピー機」
293創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 11:29:09 ID:69wmg4C+
いいショートショートだ
294創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 11:30:29 ID:zVOlqxy8
乙!
ただ贅沢を言うならもう少しオチに意外性が欲しかったりもするかも
295:2009/02/17(火) 11:33:52 ID:OUbYjfNE
ありがd。
もう一度文章を読み直してみたら、変なところに題名が紛れ込んでたorz

>こうすることで、働かなくても、お金が入るようになった。
>人体コピー機 ←これ
296291:2009/02/17(火) 15:54:00 ID:OUbYjfNE
もう一個置いていきます。星新一っぽくないかも。


「あべこべ」

エヌ氏とその夫人は、親が残した莫大な遺産のおかげで毎日豪勢な暮らしをしていた。
金が有り余って仕方がないほどだから、たくさんのものに金を費やしていった。
車はもう既に五台ももっていたし、グランドピアノも二台置いてあった。

ある日、エヌ氏はタバコを吸いはじめた。
タバコが、一番金を消費しやすいと思ったからだ。
夫人も、それを見てタバコを吸いはじめた。

それから五年後、エヌ氏は行きつけの病院へ健康診断をしてもらいにいった。
診断が全て終わったとき、医者が言った。
「タバコの吸いすぎですね。このままでは危ない。」
エヌ氏は、将来肺がんになるかもしれないと言われたのだ。
念のため夫人も健康診断してもらうと、やはり肺がんになる恐れがあると言われた。
エヌ氏とその夫人はさっそく禁煙することにした。
だが、頭はすっかりニコチンに依存してしまっていた。
吸わずには、いられなかったのだ。

次の日、エヌ氏は近くにある研究所のエフ博士に相談にいった。
「禁煙できる薬はないか?」
「うーむ・・・『禁煙できる薬』というものはないのう。」
「そうか・・・。」
エフ博士は、薬の天才と言われるほどたくさんの薬を作っていた。
だが、さすがのエフ博士でも禁煙できる薬は作れないようだ。
「だが、一応あるにはある。『禁煙できる薬』というわけではないがね。」
「その薬、是非もらう。」
「ほう。じゃあ、この薬をお前さんにやる。一応、説明をしておくが・・・。」
エフ博士がそう言ったとき、エヌ氏は既に薬を持って研究所をあとにしていた。

エヌ氏は、家に帰るとさっそく薬を飲んだ。夫人にも飲ませた。
すると、タバコを吸いたい気持ちがなくなり、無意識にタバコの箱をぐしゃっとつかむと、ゴミ箱に放り投げた。
だが、それだけでは終わらなかった。エヌ氏とその夫人は、突然家を壊しだしたのだ。
そして、最終的にはお互いの殺し合いがはじまった。エヌ氏は、夫人を殺した後自らの命を絶った。

エヌ氏が薬を持って家に向かって走っていた途中、エフ博士はこんなことを考えていた。
「あの薬は、飲んだ人のなにもかもあべこべにしてしまうから、危険なのだが・・・。そこまでして、禁煙したいのかねえ。」
297創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 18:54:08 ID:2ysrB91q
GJ!!
これはものっそい星っぽいと思うのですよ?
298291:2009/02/17(火) 19:02:24 ID:OUbYjfNE
ありがd。
ちなみに、>>291>>296は某所に投稿しています。
299XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/17(火) 19:39:21 ID:X0uSNRj5
>>291>>296
おもしろいです。
語り口がなんだか自然に星っぽい。

(´∀`)


自分は早くもネタ切れ気味です。
星新一は改めて凄い。

(´・ω・)
300創る名無しに見る名無し:2009/02/17(火) 21:17:16 ID:8WKpsEJC
相変わらず良スレですな
ここに投稿しようとして、何度も挫折した俺が通りますよ
301XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/18(水) 00:06:17 ID:xcx8FmqD
3つの願い

真っ白な病院の一室で、一人の老人がベッドに横たわっていた。
周囲には家族が寄り添っており、各々が励まし、呼びかけ、明るい言葉を発していたが、老人が今夜にでも手の届かないところに行ってしまう事に気付いていた。
ふと、老人がその目を開けた。ボソボソと何かを囁く。
彼はか細い声で、家族にしばらく独りにして欲しいと言った。
息子は強い人だったから最期を人に見せたくないのだと思い、孫は優しい人だったから皆の悲しむ様を見たくないのだと思った。
家族は部屋から出て行き、老人は独り病室に残された。
老人は皆が出て行った事を確認すると、そのか細い声で何かを唱え始めた。

「ウン、ハカマラキリ、チクマカラヒキリ、マカオカナラカフタカニユ、チマタニレニチ」
その呪文が途絶えると、部屋の隅から浮き出るように真っ黒な影が浮かび上がった。
顔は狒狒のようだが、顔以外の部位は朧気であり、体を覆う黒い毛は風もないのに周囲に溶け込むように揺らめいている。

老人は影に向かって問いかけた。
「丁度60年前の約束を覚えているか。」
《壷の封印を解いてくれた礼に3つの願いを叶えてやるという約束だ 愚かな人間よ》
影の声は何重にも重なった悲鳴のような高い奇妙な声をしていた。
「わしの一つ目の願いを覚えているか」
《お前の企みを包み隠さず話せ だったな 狡猾な人間よ》
「ふっ、お前の方がよほど狡猾だ。お前と来たら、金を願えば誰かの遺産、女は病気持ち、世界平和を願ったら人類を撲滅するつもりだった。」
《言いたいことは何だ、老い果てた人間よ》
「今こそ、二つ目と三つ目の願いを使おう。わしに若さと寿命をくれ!お前が何を企んでいようと構わん!」
老人は目を大きく見開き、影に手を伸ばした。
「家族の魂が欲しいならくれてやる、世界がどうなっても構わん!わしが悪魔になっても良い!兎に角わしに人生をくれ!」

《人間よ お前の願いは聞き届けた ………だがその前に一つ言っておく事がある》

老人はこの60年間の長い影との付き合いの中で初めて、初めて影の笑顔を見た。

《最初に言った3つの願い あれは嘘だ》

そう言って影は跡形もなく消えた。
302XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/18(水) 00:25:50 ID:xcx8FmqD
>>300
YOU!投稿しちゃいなYO!
読みたいZE
303創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 00:26:22 ID:Q5MzeN49
なにこの良作SFショートショート濫造スレwww
みんな乙
星くない作品にもSF御三家の中庸センスな作品が多くて素敵

>>301
オチまでの流れが自然かつ不条理なので、星っぽさとか論じるだけ野暮な気がしてきたw
この読後感、老人のその後の茫然自失っぷりとか想像せざるを得なくなる方の濃さがいい。
星氏はこういう切り方ほとんどしないと思うんだけど、中期までの筒井氏なら
ぐだぐだ原稿30枚くらいギャグに費やしてからこういうオチ平気でやっただろうなあw
小松氏なら同じ着想をどう攻めたかな……無駄に荘厳に広げまくるかコテコテの馬鹿コントにするとかかなぁ
304創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 02:31:02 ID:J4R41r4k
これはナイスショートショート
>>303の言うとおり星っぽさについて語るのは野暮だなw
305291:2009/02/18(水) 09:10:37 ID:+tee8lgD
>>301
オチが面白くて(・∀・)イイ!
自分は早くもネタ切れですよ・・・
306291:2009/02/18(水) 09:23:15 ID:+tee8lgD
いまいち星っぽくないかも。

エヌ氏が住んでいるアイ市を走る鉄道、エス鉄道。この鉄道には、「夢の超特急」というものが走っている。
行き先が不明という、変わった列車だ。
エヌ氏は、今日この列車に乗ろうと、チケットを買い、アイ駅まで行った。
アイ駅には、金色の列車が到着していた。これが、夢の超特急である。

エヌ氏が座席につくと、早くも列車は出発した。
出発してすぐ、こんなアナウンスが流れた。
「永遠に夢の世界へといざなう夢の超特急、ただいま出発しました。」
307創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 09:25:19 ID:AOluFxTW
乗っちゃらめえ
308創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 13:37:47 ID:T/jUPK6x
「らめぇ」って言っちゃらめぇ
309291:2009/02/18(水) 13:47:20 ID:+tee8lgD
星っぽいかと言われると微妙だったりして。

「任務」

エヌ氏は、宇宙探査機関に勤めていた。
国がやっている機関なので、エヌ氏はまあいわば公務員である。

今日、エヌ氏は冥王星へ行くことになった。
今まで誰も冥王星に行ったことがないので、これが人類初の冥王星上陸だ。
エヌ氏は一人でロケットに乗り込んだ。
ロケットが火星の近くまで行ったとき、宇宙探査機関のビルの最上階でこんな会話がされていた。
「おい、いいのか?殺してしまっても。」
「学生時代にあんなにいじめやがったんだ、あいつは。」


短すぎorz
310291:2009/02/18(水) 13:47:57 ID:+tee8lgD
最後の文訂正。

「学生時代にあんなにもいじめやがったんだ、あいつは。だから構わない。」
311創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 14:27:59 ID:cMzB58p/
今日の一面のニュースにここも関係ありかもって思う記事が載ってた。
http://list2.auctions.yahoo.co.jp/jp/2084053071-category-leaf.html?alocale=0jp&apg=1&s1=bids&o1=a&mode=2

こりゃ荒れるな。
俺らも事情徴収受けるかもよ?!
312291:2009/02/18(水) 14:58:59 ID:+tee8lgD
>>311
ブリーフ・・・
313創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 15:04:38 ID:J4R41r4k

だがやっぱり短すぎると思うぞw
314291:2009/02/18(水) 15:07:24 ID:+tee8lgD
掌編小説並か、それ未満くらいだしねw

星新一はやっぱすごい(^ω^ )
315創る名無しに見る名無し:2009/02/18(水) 22:07:06 ID:pThq5JgC
でも面白い
短編は好きなんだ
316XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/18(水) 22:16:34 ID:xcx8FmqD
いかさま


Mの手に汗がにじむ。
まさに“天運”とはこのような事を言うのだろう。
大逆転への道が、Mにははっきりと見えていた。

赤、黄、茶色、色とりどりの球の中に一際輝く的玉。
今回のワンオンルールでは、Mがそれに持ち玉を当てた瞬間、彼の逆転勝ちが決定する。
Mは、まだ余裕の笑みを見せる対戦相手のKを無視して、ボールの動きをゆっくりとシミュレートする。

「いける。」

確信を持って小さく呟いた。
インパクトは持ち玉の真芯を捉えた。赤銅色の持ち玉は、球と球の間隙を縫うようにして青い的玉へと一直線に突き進んだ。
最早、この勝利を遮るものは何も無い、とMが確信した瞬間、的玉から飛び出した何かが赤銅色の軌道を曲げた。

「いかさまだ!」
Mは思わず声を上げて審判に顔を向けた。
だが、主審も副審も首を横に振り、Mの抗議を認めようとはしなかった。


〜所変わって〜
ニュースキャスター「各国の英知の粋を極めた対赤色彗星ミサイルは、見事に彗星の軌道を変えることに成功しました!
地球の危機は去ったのです!
まさに、今この時の為に我ら人類が神によって地球にもたらされたと言っても過言ではないでしょう!」
317(‘∀`)ウボァ ◆JGdfIM4Fic :2009/02/18(水) 22:36:07 ID:+tee8lgD
乙!
発想がすげえ(´∀` )
318創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 01:25:57 ID:UB4EKdLj
これは凄くいいな!!
オチに気がついたときはっとさせられたし
319創る名無しに見る名無し:2009/02/19(木) 09:44:36 ID:9i7j+4+b
これはすごい。完璧に騙された。
途中まで「お前も時間をとめられるのか」みたいな話かと思ってたw
文体も星らしくていいね。
320XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/19(木) 21:47:01 ID:HLEiIVlg
>>291
やっぱり、他に書く人がいると張り合いでますね〜。
自分ならこのネタこう書くとか考えたり。

(´∀`)

>>317->>319
ありがとうございます。
また、何か考えよう。

( ゚∀゚)

最後の落ちにニュースキャスター持ってくるパターンは使いやすいけどちょっと控えます。
321創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 02:04:34 ID:XLZw2Iu2
飽きっぽい人

 エフ氏は飽きっぽい人だった。
どのくらい飽きっぽいのかと言うと、例えば新しい服を買ったと思ったら一回袖を通しただけで捨ててしまう。
もちろん日記は幼い頃から三日坊主だし、彼の棚や押入れには読みかけの本ややりかけのパズルが沢山詰まっていた。
万事そんな具合だったから、エフ氏は定職に就かずにふらふらしていた。
というよりも仕事にすぐ飽きてしまうのだ。もしかすると、彼にとっては服を捨てるのも仕事を辞めるのもほとんど同じ事だったのかもしれない。

 エフ氏は長いこと色々な仕事に就いては辞め、就いては辞めを繰り返した。
サラリーマンも経験したし、公務員にもなった。
板前を目指して修業したり、大道芸人として食うや食わずの日を送ったこともある。
また時には危ない仕事にも就き、その金で自分の店を開いたこともあった。
しかしそのいずれも長続きすることはなく、エフ氏は次第に年をとっていった。

 ある日、電気関係の仕事をしていた時だった。エフ氏は発作を起こして倒れてしまった。
集まった遺族に向かって彼はこう告げた。
「わしは、一度でいいから有名になってみたかった。
 しかし、この飽きっぽい性格のため、何かをやり遂げることなどできなかった。
 それだけが、どうにも無念じゃ…」
そう言い残してエフ氏は事切れた。

 エフ氏が死んだ翌年。世界の様々な記録を記した本が出版された。
本は面白いと世界中で評判になり、空前のベストセラーになった。
その中には「世界一多くの仕事をした人」として、エフ氏の名前が大きく書かれている。
322321:2009/02/20(金) 02:06:19 ID:XLZw2Iu2
以前書いた物を纏め直してみました。疲れた…
読みにくかったらごめんなさい。
323創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 02:22:14 ID:02IXS9eN
これはよくまとまってるな
324創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 02:44:30 ID:BDIAMCK2
星っぽさがよく出てると思うぜ〜
GJ!!
325創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 03:16:32 ID:uxxxpHoy
>>321
おお、いいね。特に導入のワンブロックが好きだ。

中学時代「三日坊主は一月で10個の物事にチャレンジできる人」
と言ってた先生を思い出したよ。
まぁ実際の飽き症はそんな大層なもんじゃないと思うがw
エフ氏はマジですごいと思う。
こういう生き方は何でもこなせる能力がないとできないよな。
326321:2009/02/20(金) 09:56:16 ID:XLZw2Iu2
>>323-325
ありがとう。すっごく嬉しいです。
また機会があったら書こうと思っているので、よろしくお願いします。
327創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 10:45:51 ID:JereSOdY
このスレはこの発想はなかったわというのがすごく多くて楽しい
328創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 16:47:40 ID:/it1vRm0
湖の女神


 男が湖に錆びた鉄の斧を投げ入れると、湖の中から美しい女神が現れました。
「貴方が落としたのは、金の斧ですか?銀の斧ですか?」
 眩く輝く二つの斧を見せながら、女神は男に尋ねます。
「お、俺が落としたのは、その金の斧だ!間違いない!」
 男の答えに、女神は残念そうな顔をした後、
「あなたは正直者ではありません……」
 とだけ言い、斧を持ったまま再び湖の中へと消えていきました。金の斧と銀の斧は手に入らず、
男が投げ込んだ鉄の斧も、彼の手元に戻ってくることはありませんでした。





「……何も、見つからんか」
 S警部補の報告を聞きながら、M警部は眉をしかめた。
「どうやら、警部殿の『このコテージに泊まっていた者の中に犯人がいる』という推理は外れのようですね。
 もし犯人が彼らの中にいるのだとしたら、被害者の頭をカチ割った、斧のような凶器がまだ見つからないのはおかしい」
「確かに……アリバイ証言が正しいのであれば、斧を遠くに捨てに行ったり、地中深くに埋めたりするような時間的余裕がある者は一人もいない。
 ……サイズ的にそう簡単に隠せるモノとは思えんのだがな」
 M警部が手帳に書き込んだ事件記録を見直していると、彼らの部下がドアを開けて入ってきた。
「付近の湖を捜索していたダイバーからの報告です!『湖の中を隈なく探しましたが、それらしいものは発見されませんでした』とのこと!」
「湖が、一番怪しいと思っていたんだがな……」
「やはり犯人は彼らではないな! 斧を持った殺人犯は、まだ逃亡を続けているに違いない!」
 捜索範囲を広げるよう部下に指示を出すS警部補の声を聞きながら、M警部はコテージ二階の窓から湖を見下ろした。
329創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 16:57:47 ID:JAvc2z/G
やるなwいや後半入った時点でオチは読めたんだけどさ、でも雰囲気よすぎでギャップに笑ったw
330創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 18:19:53 ID:hoqC5CT7
ちんぽの伝説

「どうやら、自分のちんぽは世間一般で言うところのちんぽではないらしい」
N氏が初めてそう感じたのは中学生の修学旅行の時だった。
クリトリスだった。
その後、N氏は周りの友人から「ボッコちゃん」と呼ばれるようになった。
331創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 18:38:19 ID:hoqC5CT7
びっくり勃起

エヌ博士は長年の苦労の末についにいつでm男性が勃起する
魔法のクスリを作り出すことに成功した。
しかし、エヌ氏は童貞のまま死んでしまった。
成功したのに性交しなかったのだ。
ああ、びっくり勃起。
332創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 19:59:40 ID:JAvc2z/G
もうちょい練ってから投下してくれ
下品さを熟した方がおもしろいかも。その際はエロパロあたりへ是非
333創る名無しに見る名無し:2009/02/20(金) 23:02:49 ID:JereSOdY
勢いで書きすぎだろー
334創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 04:52:34 ID:J+0LZr0w
>>331はリテイクしてダジャレースレに持っていくべき
335創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 05:12:55 ID:JNgUKT9Q
「いやいや、君のおかげでこんな裕福な生活をしていられる。」
とN氏がいった。
ブランド物のスーツを着て、ワインをたしなみながら、満悦した表情を浮かべるN氏は、自宅に招いた客人に語りかける。
「本当に素晴らしい日々だ。バチが当たりそうなくらいだよ。」
と、N氏が話し続けるのを、スーツを着たやけに姿勢のいい成年は黙って聞いていた。
この二人の出会いは1年前。高層ビルが建ち並ぶ大都会の隅で、家もなく、寒さに震えていたN氏に成年がコートを与えたのが最初だ。
猫背で、髪は伸び放題、ボロボロの所々に穴のあいたジャケットに、緑のスウェットを着たN氏は、現在とはまったく反対の状態だった。
ピンッと背筋の伸びた黒のコートを着た、品の良さそうな成年は、よくホームレスのたまり場であるここに来ては、ホームレスたちに衣服や食べ物を渡していた。
この時代に見返りを求めない素晴らしい人がいると、ホームレスたちは成年をありがたがっており、遠慮なしに成年が持ってくるものを頂いていた。
この日、N氏は成年が着ていた上等のコートを頂き、気分がよかった。
「そんなに嬉しいのですか?」
と成年は微笑みながらN氏に訪ねた。N氏はコートを着た自分が上等の身分になったかのように振る舞いながら言った。
「ああ。こんな素晴らしい物をただで貰えるなんて最高だ。」
満悦の笑みを浮かべはしゃぎ始めるN氏に、成年は真っ直ぐな目でN氏を見つめた。
「そんなに喜んで頂けると光栄です。私も見返りなんて求めずにこんな事をやってはいますが、喜んでいる姿を見ると嬉しいですね。」
と、成年が言ったのに調子図いてか、N氏は続けた。
「ははー。あんたは相当なお人好しだ。その姿や振る舞いから金持ちの子かなんかだろうが、裕福すぎて暇をもてあましてるんだろう。羨ましな、是非、私もそんな生活をしてみたいものだ。」
少しの沈黙が流れた。N氏は調子に乗りすぎたかと感じたが、成年はN氏の顔をじっと見つづけた。そして、スーツの胸ポケットから紙とペンを取り出すと何かを書き始めた。
「なるほど。いいでしょ。確かに私はあなたたちよりお金を持っています。それに、その使い道がわからずもてあましているのも確かです。あなたがそれを望むなら実現させるのも面白いかもしれませんね。」
と、成年は言いだした。そして、何かを書き終えた紙をN氏に渡して成年は笑顔で去っていった。
N氏は状況を理解できずに、成年は呆れて帰ってしまったのだと考えたが、渡された紙を見てみると住所が書いてある。まさか成年は本当に自分に裕福な生活をさせるというのか?
とN氏は驚いたが、お人好しの成年の事だから、何かしら用意してくれているだろうと深く考えずにその住所に向かった。
336創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 12:07:26 ID:BuxG0+4a
お迎え

午後二時。
幼稚園のプール教室に通う娘を迎えにいく時間となった。
気が進まないが、生活パターンを変えて、近所から無用な関心を
引いてしまうようなことはしたくなかった。
家を出ると、お盆休みの時期のためか、街中に普段の喧騒さはなかった。
太陽の日差しが、やけにまぶしく感じられた。

幼稚園に着くと、娘の担任が職員室の窓越しに声をかけてくれた。
窓辺の風鈴が涼しげな音を立てていた。
「あら?メグちゃんのお母様…残念でしたわね、すれ違いになってしまいましたね」
「すれ違い?ですか?娘は一人で帰ってないはずですが…」
先生は一瞬困ったような顔をしたが、職員室から出てきて説明してくれた。
「もちろん、園の規則では、園児一人での帰宅を禁止していますが、たった今、
メグちゃんのお父様が、お迎えに来てくださったんですよ」
先生の一言に、私は戸惑いを隠せなかった。
一瞬、強い風が吹き抜け、風鈴の音が激しく鳴り響いた。
「主人…主人は…外国に出張中で…迎えに来られないのですが…」
先生は、とっておきの知識を披露するのがおもしろくてたまらないという口調で、
「メグちゃんのお父様もお人が悪いですね。お戻りになったことをお母様にも
内緒にされていたとは」

そんなはずはない! 旦那が娘を迎えに来られるわけがないのだ。
一ヶ月前、ちょっとした口論がきっかけで、カッとなって旦那を刺し殺してしまい、
バラバラにした死体を袋詰めにして、山に埋めてしまったのだ…
いつの間にか風は止んでいて、風鈴の音はとぎれていた。
園庭は、真夏の日差しを受けて白く乾ききって、死んだように静まり返っていた。
ただ、どこからか耳鳴りに似たセミの鳴き声が聞こえてきた…
呆然と立ちすくむ私に、先生はほほ笑みながら、こう付け加えた。
「突然のことだったので、メグちゃんもびっくりしていましたけど、
とても喜んでいましたわ…お父様もメグちゃんに会うのは、一ヶ月ぶりとのことで、
本当にうれしそうでした…『メグ、迎えに来たよ、お父さんと一緒に帰ろう』って、
仲良く手を繋いでお帰りになりましたわ」
337XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/21(土) 19:13:19 ID:Va5LEeWy
>>336
乙!
落ちの意外性だけでなく、物悲しい雰囲気が良い
338辛口評論家:2009/02/21(土) 20:11:42 ID:dgw+6tyd
>>301
要は、夢オチじゃんか
339創る名無しに見る名無し:2009/02/21(土) 20:27:20 ID:GNuwsaAW
>>335
続きはー?

>>336
死者のお迎え…か
340創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 02:51:37 ID:gIR1XIad
>>335
N氏が青年の好意につけこんで、青年が用意した家をあたかも自宅のように使っている
その青年さえも自分の家の客人として扱ってしまった
ということ?
341創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 03:03:32 ID:STDZQ725
>>336
ゴクリ……
なんかアウターゾーンを思い出した
342創る名無しに見る名無し:2009/02/22(日) 04:54:44 ID:s6YQBzo2
>>335
続きはある……よな?
343辛口評論家:2009/02/23(月) 02:53:40 ID:YT8sIdLh
>>338
いや、前半部分がよくできていただけに残念だなぁと・・・
やっぱり、夢オチはマズイでしょ・・・



最初の一つ目を「オレに金に不自由しない人生を与えてくれ!!」にし

「今こそ、三つ目の願いを言おうぞ……」
「ワシに若さと寿命をくれ!
 ワシはまた若くて、力に漲っていたあの頃に戻りたいんじゃ!
 ワシにはまだ、やり残したことがあるんじゃ!
 何も永遠の若さや不老不死が欲しいなどと言うておるんじゃない!
 もう一度だけ若返って、人生を過ごしてみたいだけなんじゃ!
 そのことで、お前が何を企もうが、この際ワシは一向に構わん!」

老人は、病床が嘘のような剣幕で、奇妙な影にまくし立てた

「…………分かった、いいだろう…、オマエの最後の望みもちゃんと叶えてやろう………」

影は静かにそう答えた
その返事を聞き、老人は今既にもう、若返ったかのような歓喜の表情を浮かべた

「………だが、人間よ、その願いなら、もう既に叶えてある………」

老人は、この影の言葉の意味が咄嗟に理解できなかった

「………人間よ、最後に一つ言っておくことがある……、
 オマエはまだ十分に若い…、
 そして、寿命も我々に比べ短すぎる…、その多少は誤差の範囲内だ…、
 我々から見れば、オマエはまだ赤子以下だ………」

影は最後に皮肉な笑みを浮かべながら、そう言うと、いずこかへと音もなく消え去った・・・
344辛口評論家:2009/02/23(月) 02:57:18 ID:YT8sIdLh
いずこかへと音もなく消え去った・・・

いずこかへと音もなく消え去っていった・・・
345辛口評論家:2009/02/23(月) 03:04:09 ID:YT8sIdLh
考えてみれば、上記は見慣れたパターンかもな、
オリジナルのつもりで書いても・・・

企て云々がベースにあるんだろうけど、
結果として、夢オチになってるので、マズイと思う
346辛口評論家:2009/02/23(月) 23:18:52 ID:YT8sIdLh
最初の一つ目を「オレに金に不自由しない人生を与えてくれ!!」にし

最初の一つ目を「オレに金と女に不自由せず、
        戦争に巻き込まれないような安定した人生を与えてえてくれ!!」にし

途中の文章に適合するように変更する
347創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:23:12 ID:4f1WTD1a
はぁ。
348創る名無しに見る名無し:2009/02/23(月) 23:44:11 ID:92IjoSp/
まあ、他人の作品にアレコレ難癖付ける暇があったら
自分のアイディアでSS書けっつー話だわな
349XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/23(月) 23:46:03 ID:WYXd1owr
感想ありがとうございます。
夢オチと見られるのは望むところなのです。

私が変更したのは、最初は“悪魔”と書いて、姿も山羊の角に牙や爪といった具体的な悪魔だったのですが、最終的には“影”に修正して、『型破りに非道な悪魔の話』、『死を前にした老人の妄想の話』どちらともとれるように変えました。
以上、蛇足でした。

(´∀`)またなんか書こかな。
350創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 00:17:50 ID:Mf1LIEPj
星作品の中でも夢オチものはいくつかあったな
印象に残ってるのは『爆発』

安易に「夢でした」で済ませるんではなく、きちんと意味があり、そのための手法として
用いるんであれば、夢オチってのは全然アリだと思いまつ
351辛口評論家:2009/02/24(火) 00:47:32 ID:ates7YBm
>>350
志向性の違いだろうな・・・
オレは意味があってもなくても嫌いなんだ
352創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 01:02:51 ID:QptZ/GFn
NG登録し易くていいな
353創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 01:05:22 ID:F3C61c4M
理想の身体

「ついに出来た!」
K氏は思わず声を上げた。
彼は産まれてこの方、ただの一度も
女性と付き合った事が無かった。
特別に醜い訳ではないが特徴のない顔立ちと
生来の臆病さが原因である。
彼はそんな自分を変えるべく、ある薬の研究に着手していた。
自分の考えた姿になれる薬。
それが今、完成したのである。
K氏は逸る気持ちを抑えながら薬を手に取る。
偶然完成した薬に替えは無く、チャンスは一度きりである。
研究の気晴らしに付けていたテレビではちょうど綺麗な女性が映っている。
「あぁ、私も早くあんな女性と付き合える身体に生まれ変わりたい」
K氏は一気に薬を飲み干した。



後日、芸能界に突如として現れた女性が、
世の女性の羨望を浴びる事になった。
354創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 01:07:11 ID:RwP0/JBZ
うん、オチは読めても良作w
短いって正義
355創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 16:18:43 ID:pxIncJPL
俺バカで読解力無いんだけど、
「あんな女性と付き合える身体」になろうと考えたのに
テレビに映った「綺麗な女性」の身体に生まれ変わるのはおかしくない?
それともこーいうのって視覚認識が先行するのが暗黙の了解なの?
356創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 16:32:18 ID:z337iVOh
男女ではなく友達としてのお付き合いって意味じゃね
357創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 16:52:22 ID:pxIncJPL
>>356
解釈ありがとう。
ということは薬の方がK氏の意図を間違えたってことだね。人間みたいに。
K氏が外国人だったら言葉が違って大丈夫だったのかな。
358353:2009/02/24(火) 20:15:26 ID:F3C61c4M
分かり難いかもしれないですが、
K氏が作ったのは「考えた姿」に成れる薬です。
飲む直前に女性の事を考えてしまった為、
女性に成ってしまったという事です。

なかなかに難しいですね。
359創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:35:22 ID:xuRAfjgb
>>358
解説どうも。
となると>>355の疑問が残るけど、きっとそういうものなんですね。
360創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 22:05:39 ID:6l9d1eYH
白髪

二日酔い気味の頭を抑えつつ、水差しから水をついで一息に飲み干した。
舌に何かが絡む。ねっとり絡みつくそれを吐き出すと一本の白髪だった。
誰の白髪か心当たりが無い、昨日飲んだバーだろうか?
よく思い出せない。
誰かの白髪入りの水なんか気持ち悪いので、水差しの水を流しにあける。俺は老人だの婆あだのが大嫌いだ。
まだムカムカする。蛇口から直接水を飲んでいると今度は喉に何か絡まった。
せき込みながら吐き出すとやっぱり白髪だった。
きっと、これは白髪のように見えて白髪ではない、と思い当たった。
一月前に取り付けた浄水器の濾過繊維か何かだろう。
「本当に良いものを勧めるなら自分が持たなくてどうする!」
赤ら顔の上司の罵声を逃れるためにいらない買い物をした。
こんなのを買うのは、無駄にニコニコしてる爺さん婆さんだけだろうと思っていたのに、俺も馬鹿の仲間入りか。

水に白髪を混入させるなんて、ゴミみたいな浄水器だ。その性でますますムカムカしてきた。
俺は便所に駆け込む前に我慢できず、洗面台にもどしてしまった。
洗面台に胃液が絡んだ大量の白髪がぶちまけられた。

なんだこれは
俺は理解できずに白髪をみようとしたがむかつきがおさまらない
また喉元からなにかがはいあがってくる
顔を上げると、
洗面台の
鏡の中の
俺の口の中に
真っ黒い笑顔のばばあ







361XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/02/26(木) 22:07:32 ID:6l9d1eYH
(・ω・)/ヤホー


みんな元気?
久々に一話書いてみました。
362創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 22:08:51 ID:dGaFnSTn
な、なんだこれは。。形容しがたいホラーでつな
363創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 22:09:59 ID:9UJuvcWy
怖い……
364創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 00:11:03 ID:nj0qp150
怖すぎ
365創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 11:37:14 ID:vSBfJNDM
怖いよう怖いよう
366創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 12:59:45 ID:5iniuinK
なぜこれをこのスレに投下しようと思ったのやら
367創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 16:56:53 ID:9wM4rMVi
星新一にも怖い話有るけどね
368作る七誌に観る七誌:2009/02/28(土) 20:50:26 ID:h4hW2Wwx
>>360
ばあちゃん食べたの?

空気読めてないレスでごめん
369創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 23:53:23 ID:zFsYP0mK
「奥義」

「夫婦円満に過ごすコツ? 奥義があるんですよ」
 N氏はお茶を持って来た奥さんを追い返してから、静かにそう呟いた。
 それから彼は、試験管に入った液体を記者達の前に取り出した。
「これを飲めば肉体は十歳若くなる。動物実験を行ってみましょう」
 氏はネズミ、犬、猫に投与した。
 年老いた犬は十歳若返り、猫は子猫に、ネズミは胎児を経て受精卵になり、やがて消え去ってしまった。
 記者達は嘆息した。
「なるほど、完璧だ。生まれる前まで遡行する訳ですね」
「この発明が……奥義、ですか?」
 記者達は代わる代わる訊ねた。
 これを氏が飲んだのか、それとも奥さんに飲ませて夜の生活を円滑にしているのか。
「違います。これはね、危険な発明なので封印しているんですよ。私も実はこれを実際に使う事は考えていない」
「と、すると……?」
 氏はニヤリと笑って、言った。
「若返られる、という安心感。それだけで十分なのですよ」

 記者達が帰ったあとで、氏は幼い娘を抱きかかえて言った。
「事実を言う訳にはいかないじゃないか。なあ、ハニー」
 N氏の妻がお茶を持って来た。N氏は興味なさげに茶を口に含んでから、娘と語らい続けた。
「あなた――じゃない、旦那様。今日はもう、帰ってよろしいですか?」

「ああ、構わないよ。実のところ君は、昔の妻に似ているから雇っているってだけなんだから」
370創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:02:38 ID:jro5dovc
ロリwwwww
371創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:27:02 ID:jro5dovc
N氏ってロリコンだから妻を幼女にしたんだよな?あってる?
372創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:37:58 ID:ot9Daulj
想定通りですよ
ほかの解釈もあるのかなぁ
373創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 00:54:17 ID:ZChnFY6R
ネタはすげえ面白い。
ただ、「奥義」はちと違う気がするなぁ。
あとなぜわざわざ記者たちに話してるのかよくわからん。
374創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 01:12:34 ID:ydU6Nnqu
ロリコンかwww
375XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/01(日) 09:20:41 ID:dVS4yZLt
名産品

場所は王宮議事堂。
ここ数週間、国王、大臣、補佐官らは長い長い議論を交わしていたが、一向に答えは出そうに無かった。
議題はこの世界恐慌を凌ぐ金策の方法である。

この国は、王家の所有する国有地を民衆に農地や牧場として貸し与え、野菜や穀物を輸出して経済を成してきた平和な国だった。
ところが、先進国が“食の安全”とやらに気を使いはじめ、輸出が伸び悩みだす。
収穫期を迎えれば、まだなんとかなると思われていたが、収穫期前に取引先の大国が金融危機に陥り、連鎖式に大不況が広まった。


「時期が悪い。早く金策を考えて乗り切らないと、国内に及ぼす影響が計り知れない。」
「そうは言っても、我が国の野菜も果物も乳製品も生産を急には上げられない。金策と言ってもそうは無いぞ。」
「ここは一つ、国王の資産に援助頂いては…」
「不敬な上に馬鹿な奴め、この状況だと海外の資産家に二束三文で買い取られるのがわからんのか!」

会議は紛糾しつつも全く前に進まなかった。
国王は深々と溜め息をつき、思った。
『去年の春は良かった…、
国有地から出荷される作物の生産量報告を朝一番に受ける。
バルキ地区:桃17t、サンラ地区:牛肉18t、ニアデ地区牛乳22t…
民衆が働いている地区の名前を聞く度、やる気が沸いてきたものだ…。』


「そうだっ!」
M国王は手を叩いて飛び上がった。
「先進国では大きな建物や人の集まる場所の命名権を取り引きすると聞いた。
由緒正しい、M国の国有地の命名権を各国に販売しよう。
そして、そのお金で収穫期まで乗り切ろうではないか。」
大臣達は皆でM国王の意見を褒め称えたが、内心『そんな物を買う酔狂な奴などいるはずがない。』と思っていた。
だが、かと言ってうまい考えも浮かばないまま会議は進んだ。

〜3ヶ月後〜
「国王、今年最初の生産量報告を報告に参りました」
「ご苦労、今年は輸出量も倍増していると聞いたが。」
「はい、これも我が国有地の命名権を売るという国王のアイデアのおかげです。」
「それほど大したものでは無いぞ。さあ、報告を頼む。」
「はい、“山形”地区:桃17t、“松阪”地区:牛肉18t、“北海道”地区牛乳22t…」
376創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 09:58:26 ID:NBVr/wzb
乙!
日本ブランドの恐ろしさって奴ですねw
377XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/01(日) 10:19:25 ID:dVS4yZLt
>>369
面白いです。その発想は無かった


ところでその薬欲し…
いや、何でもないです。…
378創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 13:23:53 ID:5eawaRvc
>>375
最後までオチが読めなかった。
皮肉が利いて面白い。
379創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 14:20:39 ID:jro5dovc
日本に輸出したら国産みたいになるのかw
これはまったくオチがよめなかったw
380創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 14:58:37 ID:TnXswYUF
>>369
>>375
どっちも面白いね、
381創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 15:08:27 ID:ZmwUqqkh
>>375
C国K産党があなたの発想に興味を持ったようです
382創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 16:00:54 ID:QLyHrWvJ
実際にありそうだなw
383XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/01(日) 20:03:54 ID:dVS4yZLt
皆さん、感想有難うございます。
(・ω・)/

言い訳がましいですけど、自分の携帯は500文字以上になるとページ変更した時、500文字超えた分が削除されるので、
作品書き始めるとスレの流れを読めません。
誰かの作品の感想の真っ只中に作品投下してしまうかもしれませんがご了承下さい。


>>373
あえて>>369に口を挟ませてもらえるなら「極意」の方がしっくりくるかも…
384創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 21:34:45 ID:jro5dovc
「おうぎ」にちょっと意味があったりするわけですよ
御題的な意味でね
385369:2009/03/02(月) 22:18:41 ID:REoSw394
感想どもですー。
タイトル、確かに極意の方がしっくり来るですな……。

「平和」

 K氏は猫を撫でながら、窓の外を見ていた。
 徐々に春の雰囲気が漂いはじめてはいるが、たちまち冬の残り香にかき消されてしまう。
「これが平和というものなのだろう」
 K氏の傍らにはテレビが点いている。
 ニュースが流れていた。五年連続で、世界中でまったく紛争が確認できなかったという情報を伝えていた。
「あたりまえさ。争いの火種も、五十年前に尽きたからねえ。
 そう思わないかい、ミイちゃん」
 年老いた猫は、K氏の指先に喉をあてながら、満足げに喉を鳴らしていた。
「希望は、不満を生むんだ。不満が争いを生む」
 彼の部屋には、沢山の
「僕は今、とても平和な気分だよ。寂しささえなくなった。とても、ほのぼのとした気持ちさ」
 K氏はやおら、身を起こす。
「絶望は、人類から不満を摘む。争いは起こらない」
 年老いた猫は、気怠そうにK氏の膝から降りた。

 五十年前に戦争が終わり、とある某国が放った特殊な化学兵器の効果は、地球全体に及んだ。
 人類は、まったく新生児を作れなくなった。
 K氏は嘆いた。
 ――つまり人類は、完璧な平和を、誰もが全てを諦めて欲求しなくなった先でしか見出せなかったって訳だ。
「きっと、お前もそうなんだろう。さようなら、ミイちゃん」
 K氏は椅子を蹴った。

 年老いた猫が宙吊りのK氏を見上げて、不服そうに「ミャオウ」と鳴いた。

386創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 22:40:10 ID:inYIyeAA
何か深い話だな
思わず考えさせられてしまったぜ
387XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/02(月) 23:21:58 ID:+nkzbEZJ
深い…

現実味がある
388創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 23:51:19 ID:BZgb9hN9
ID見覚えあると思ったらwwテラ多才wwww
ミイちゃんは何に不服だったんだろう?
あと文章の抜け?は意図的??
389創る名無しに見る名無し:2009/03/02(月) 23:52:28 ID:XyIK9Xcc
いいね、この何とも言えない後味
個人的には「子供が産まれなくなった」というネタばらし?を最後に持ってくる方が好きかな
390創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 03:35:48 ID:ZHdTHhDN
彼の部屋には、沢山の  の後が気になるよう
391創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 14:22:32 ID:TWKBtJCs
落丁すみません><
推敲中に悩んだまま埋めるの忘れてました><

> 彼の部屋には、沢山の表彰状や思い出の写真が飾られたまま埃を被っていた。

とか埋めておきます
392XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/04(水) 01:50:09 ID:nhN4B272
男と怪獣と

M氏が居間でくつろいでいると、番組が突然切り替わりニューススタジオを映し出した。
「臨時ニュースです。今日、午前5時頃N市A地区のQ山系に隕石が落下。中から巨大な生物が現れ、付近では混乱が起きているようです。現場付近では山火事も…」

突拍子もないニュースだったが、M氏を強く引きつけたのはニュースの内容もさることながら、その場所にあった。
M氏は自家用車の鍵を握りしめて玄関を飛び出した。


交通規制を振り切り、車で山道を走り抜ける間、M氏はずっと彼女の事を思い出していた。
初めて彼女に出会ったあの思い出の場所、彼女の微笑みに恋したあの愛しい場所、彼女を探し歩いたあの切ない場所。
しかし、短いトンネルを抜けて現場に着いた瞬間、M氏の心は後悔一色に塗りつぶされた。

M氏の目の前で、黒煙を上げて燃え盛る山々。その煙のすぐ向こう側には100mは超えるであろう、怪物の巨躯がうっすらと見える。
巨大な翼や三本の首らしきもの、稲妻のように迸る怪光線に、M氏は「私がここに来てなんになると言うのだ…」と絶望に満ちた独り言を呟いた。

その時、煙の向こうの影が足を踏み外すかのように大きく傾いだ。

その瞬間、目の前に“彼女”が立っていた。
彼女は以前と変わらない美しい笑顔を見せて微笑んだ。

「あなたが落としたのは金の怪獣ですか?銀の怪獣ですか?それとも普通の怪獣ですか?」

この時、この瞬間の為に自分は彼女に出会い、そして再会したのだと確信しながら、M氏は彼女に微笑み返して答えた。

「私が落としたのは金の怪獣です。」

怪獣の唸り声が消えて、一瞬の静寂が訪れた。
393XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/04(水) 01:55:02 ID:nhN4B272
彼女は再び微笑み、鈴の鳴るような声で言った。

「あなたは本当に正直者ですね。褒美に…」

その後の彼女の言葉は、轟音と突風に吹き飛ばされたM氏には聞き取れなかった。

山火事の煙さえも吹き飛ばして、黄金に輝くキングギドラが三匹、颯爽と飛んでいった。
394創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 02:07:03 ID:tgblekmv
なんというwww
395創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 02:36:11 ID:4Yg5THc/
まさかの金の尾の銀の斧w
396創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 03:32:18 ID:UNKERSdR
なんて壮大なw
397創る名無しに見る名無し:2009/03/04(水) 10:33:07 ID:u3EyN+VL
これは華麗な超展開ww
398XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/04(水) 23:37:47 ID:nhN4B272
≡( ゚∀゚)ヤホー

※1
本編は一応、>>241「星と美女」の続編にあたります。

※2
キングギドラは三つの竜の頭を持つ黄金の怪獣です。

※3
初めて前後編の大長編スペルカクルにしてみました。
399創る名無しに見る名無し:2009/03/05(木) 01:12:35 ID:qC5gnN3g
なんという斜め上の大長編スペクタルw
400創る名無しに見る名無し:2009/03/06(金) 22:50:22 ID:r6RbRAXm
期待オェーーーーッ
401自殺:2009/03/07(土) 14:27:54 ID:NQntGkSh
 男は自殺の名所といわれるA岬にやってきた。この世の全てが嫌になったのだ
 意外なことに、そこには実に多様な人々がいた
「自殺なんてもったいない、我々と一緒にぜひインコ真理教に入りましょう。空中浮遊!」
 数人の男女が手を合わせてピョンピョンと跳ねている
「にいちゃん、どうせ死ぬなら戸籍売ってくれんかのぅ?」
 サングラスをかけた強面の男が肩に手をかけてくる
「死ね、死ね、死ね、呪い殺してやる!」
 枯れ木のようにひょろひょろとした体格の男が血走った目で『祝ってやる』と大きな紙に書きなぐっている
「人生そんな辛いことばかりじゃないんだから。だいたいアナタを産んでくれたお母さんに〜〜努力すれば誰でも〜〜死体の処理にたくさんの税金が〜〜」
 よく肥えた年配の女が長々と説教してくる
 なんだかどっと疲れた男はA岬を後にした。また次があるさ。しかし死ぬのも案外労力がかかるものだなぁ。ひょっとすると、ダラダラと生きたほうがよっぽど楽かもしれないな
402創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 14:38:32 ID:NQntGkSh
最後に行間空けるの忘れてた……
403創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 17:45:38 ID:QtfwlhiE
名所すぎるんだなw
404創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 14:49:35 ID:lmZQD9Vr
おもしろい
意外とこうゆうの書くの難しいんだよな
405XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/09(月) 20:22:58 ID:RqdjeySx
味があるショートショート
なかなか、書こうと思ってもこうは書けない

(`・ω・´)
406XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/09(月) 20:51:51 ID:RqdjeySx
童話抽出機


昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、川上の方から男の子がドンブラコドンブラコと流れてきました。
お婆さんは、
「可哀想に、おおかた間引きにでもあったのか。なんまんだぶなんまんだぶ。」
と手を合わせて男の子を見送りました。


お姫様の駕籠の前を塞いだのは、大きな大きな赤鬼でした。
お姫様の家来は慌てて逃げ出してしまいました。
お姫様を守るために鬼の前に立ちはだかったのは、小さな小さな一寸法師。
鬼は、
「お前みたいな虫けらに何ができる。」と笑って一寸法師を一飲みにしてしまいました。
哀れ、丸腰の一寸法師は鬼のお腹の中で消化されてしまいました。



「こんな物がなんになると言うんだ!」
怒声と共に、絵本がコンクリートの床に叩きつけられた。
「じゃから、ワシの発明したのは童話抽出機というものなのじゃ。」
M博士は話しながら、目の前の男はまるで赤鬼のようだとおもっていた。
「俺が聞いているのはお前の動機だ!」
髭面の真っ赤な顔がM博士の鼻先に迫った。
「じゃから、『桃太郎』に『一寸法師』が挟まっておったのじゃ…。」
そう言って、M博士は申し訳なさそうにうつむく。
「わけのわからん事を言って、精神病を装っても無駄だぞ!
俺は『針入りの桃を路上で売った動機』を聞いているんだ!」
赤鬼のような刑事は、M博士をまだまだ取調室から出す気はなさそうだった。
407創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 20:56:19 ID:5l4lOINN
そこがオチかw
408創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 21:24:57 ID:+39KY8x2
うーん…
409創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 21:44:24 ID:xDoSQu0O
わからんw
410XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/09(月) 21:51:44 ID:RqdjeySx
微妙でしたか、
次がんばる

(・ω・)/
411創る名無しに見る名無し:2009/03/09(月) 22:04:39 ID:Bt67Bf9r
桃と針を、絵本の中から同時に取りだしてしまったって事なんだろうが
それを博士が路上で売ってたのが謎だな
金が欲しいなら小判とか引っ張り出した方が確実なのに

まあ、白衣の爺さんが
赤ん坊が入るサイズのデカい桃を路上で売ってたってのを想像すると
色んな意味でシュール過ぎるけど
412創る名無しに見る名無し:2009/03/11(水) 19:28:29 ID:lbwX5nkq
混ざったってことか
413創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 00:33:45 ID:MW0bmWc+
「黒か白」

エフ氏は宇宙開拓局というところに勤めている。
宇宙の様々な場所を調べるためにつくられた局だ。

エフ氏は今日も普段通りに宇宙開拓局へと来た。
「さて、今日はどの惑星の調査だろうか。新型ロケットが次々と開発されたため、銀河系のどの惑星にも1日とかからずに着くからな。気楽な仕事だ。」
エフ氏の仕事は、惑星に行って、空気の測定や、生物の様子を調べて帰ってくるという仕事だった。
「まったく、最初のうちはドキドキしながら行ったものだが、最近は同じ行為の繰り返しばかりで飽きてきたな。たまにはスリルのある仕事をやってみたいものだ。」
そうつぶやいているエフ氏のもとへ、局長がやってきた。
「エフ君。単調な仕事に飽き飽きしているようだね。たまには危険な仕事もやってみるかい?」
「えっ、やらせてもらえるんですか。もちろん、やります。どのような内容ですか?」
「うむ、ブラックホールの調査をしてもらいたい。」
エフ氏は驚いた。
「ブラックホールですって。大丈夫なんですか?」
「分からないが、学者の仮説では、ブラックホールはホワイトホールと呼ばれるところに通じていて、そこへワープするらしい。」
「なるほど・・・」
「もしその仮設が証明されれば、ワープが可能になり、宇宙開拓もかなり進むだろう。もちろん君は昇進するし、かなりの額のボーナスも出る。」
「なるほど。やってみる価値はありそうですね。行かせて頂きます。」

そしてエフ氏の乗った超高速ロケットは、銀河系の中心にあるブラックホールへと向かった。
十数時間後、管制センターへ連絡が入った。
「こちらエフです。ブラックホールに到着しました。これより突入します。」
「幸運を祈る。」

その後数日間、連絡は途絶えていた。
皆があきらめかけた時、通信が入った。
「こちらエフです。ブラックホールはどこかの惑星へと通じていました!」
管制センターが歓声で包まれた。
「おお!素晴らしい。その惑星の様子を詳しく説明してくれ。」
「はい。空気はとても澄んでいます。また、清らかな小川、新緑の森、美しい花畑、それに住民は皆私を歓迎してくれています。美食に美酒、美女までなんでも揃っています。
でもみんな足が無いような・・・まあそういう種族なのでしょう。あれ?僕の足も無くなっている。」
管制センターはため息で包まれた。
414創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 00:35:35 ID:MW0bmWc+
初投稿です。
見にくくてすいません。
415創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 03:07:05 ID:zL7T6nB7
>>413
何気にホラーじゃねーかw
416創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 03:29:42 ID:kusPzRxL
エフ氏……(;ω;)
417創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 03:53:19 ID:EowO/oLs
コンタクト可能な彼岸の発見
ワープってレベルじゃない大変な功績だw
418創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 11:55:19 ID:AfwZbM4U
これ好きだなー
ほのぼのしながらもちょっと黒いというかなんというか
419not星 ◆tHwkIlYXTE :2009/03/13(金) 16:16:24 ID:sATNjJDc

『文明』


我々は重大な情報を手にした。地球が我々の星を滅ぼそうとしているらしい。
我がS星は地球よりもかなり文明が発達している。
逆に地球を滅ぼすなど簡単な事なのだ。

この星は無機物で出来ている。我々の体も地球の人間とは異なった素材でできている。
人間などのように痛みに苦しむ事もない。
 
 
『たった今、地球から核ミサイルが発射されました。あと1時間でS星に着弾します。』


とうとう戦争が始まるのか。しかし我々には人を憎むと言うことがない。
だが星を守るためには仕方なかった。

そこで我々は考えた。
数億年前の地球まで遡り、そこで地球を滅ぼせば我々は攻撃をされないし、我々も人類に攻撃をしない事になる。

これは名案だった。
すぐに我々は時空転送機で地球に向かった。
そこで星を壊滅させる爆弾をしかけた。



『あと10分でミサイルが着弾します。』

ついに我々は爆弾のスイッチを押した。




そして地球とS星は消滅した。
420創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 18:20:32 ID:xVKG0jna
オチがよく分からん

S星がかつての地球だったって事なのか?
てか、時空超えれるレベルの技術力持ってんなら
核ミサイル防ぐくらい楽勝だと思うんだが
そこら辺は文明が歪な発達の仕方をしたって事だろうかね
421創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 18:57:51 ID:IM36yBAA
おれもさっぱりわからん
422創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 20:26:18 ID:sATNjJDc
地球がS星を作ったって事だろ
と作者が解説してみる
 
今日の再放送見て考えたから内容はかなり薄いし
わけわからなくてごめん
423創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 20:35:18 ID:xVKG0jna
地球がS星作ったってのは
古代に超文明があって、その連中が星を作ってたって事なのか?
424創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 20:37:47 ID:sATNjJDc
古代に作ったって訳じゃないよ 
 
昔の地球ぶっつぶしたら
今の地球もないわけだから
わかりづらいかのう(´・ω・`)
425創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 20:45:53 ID:xVKG0jna
地球の連中が作ったってんなら
今の地球の文明がS星以下ってのが変でね?と

それがS星の連中の勘違いってんなら
それはそれで「地球が時空転送機に対処出来ないのは何で?」ってなるし
426創る名無しに見る名無し:2009/03/13(金) 20:51:59 ID:sATNjJDc
背景としては
S星が発達しすぎたって言う(´・ω・`)
 
言葉が足らんかったな
出なおしてくるわ
427創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 00:24:05 ID:bzr0w0aK
「むかしむかし・・・」


「むかしむかし、ある所にお爺さんがおりました……。」
孫と一緒に暮らしている老婆は、童話を話し終えた。
「うわあ、強欲なお爺さんだなあ。欲を出さなければ良いお爺さんのように幸せになれたのにね。」
「そうだねえ・・・。」

そのころ、地球はソル星という惑星と親交があり、お互いに貿易などをしていた。
ソル星には穏やかで優しい種族が住んでいた。
ある日、ソル星から地球に通信が入った。
「もしもし、地球さんですか。ソル星の者です。」
「どうも。何かご用でしょうか?」
「はい、地球さんが欲しがっているウランがたくさん手に入りまして、いつもよりもお安く提供できると思いますよ。」
「ほう。しかしどうやって手に入れたのです?」
「それが、まだ文明の発達していない星を見つけましてね、そこに様々な技術を提供したところ、お礼としてウランをくれたのです。」
「なんだって。ということは、その星にはウランが大量にあるんですね?」
「おそらく。」
「その星の場所を教えてください。ぜひ行ってみたい。」
「わかりました。」

ソル星の人々に教えられ、地球の宇宙船はその星に着いた。
「やあ。我々は地球という星のものです。何か技術を提供するので、ウランをくださいませんか。」
「すみません。ソル星の人達からだいぶ情報を頂いたので、もう要りません。」
「ならばウランと地球の物資を交換しませんか?」
「すみません。ソル星の人達から頂いた物で満足しておりますので・・・。」
「ならば仕方ない。」
「ご期待に添えず、申し訳ありません。」
「いや、帰らないぞ。」
「えっ?」
「ウランをよこせ。さもないと強力な爆弾がお前たちの星を襲うぞ。こんな風にな。」
少し離れた所から、大爆発が起こった。
「ははは。見たか。これが地球の軍事力だ。」
「ど、どうかお助けを。ウランはいくらでも持って行ってください。」
宇宙船は、ウランを積めるだけ積んで帰って行った。
「大収穫だ。これからもちょくちょく来るとしよう。」

「くそう、地球人め、親切だったソル星の人々とは大違いだ。今に見ていろ・・・」

それから数か月たったある日、地球にウランが豊富な星の宇宙船が来た。
「どうも。地球のみなさん。いつかはお世話になりましたねえ。あなた方が帰って行ったあと、我々はあの爆弾を研究し、ウランをつかった爆弾だとわかりました。
ウランは私たちの星に豊富にあるので、たくさん作れましたよ。ふふふ。」
そのすぐ後、地球は強烈な閃光と轟音に包まれた・・・

数百年後、ソル星ではある人が童話を話していた。
「むかしむかし、あるところに、地球という星がありました・・・。」
それを聞いていた子供たちはこう言った。
「うわあ。強欲な星だなあ。欲を出さなければ、僕たちの星のように幸せになれたのにね・・・。」
428創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 00:26:48 ID:bzr0w0aK
文章が粗くてすいません。
近代的な童話っぽい感じで書きました
429創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 00:36:09 ID:DVz76AQu
序盤で昔話を入れなかった方が良かったんでないの?
オチが見えてて意外性とかも無かったし

昔話のオチと違って、ソル星も滅ぼされるのかな〜とか思いながら読んでた
デモンストレーションにビビって星一つ滅ぼすくらいに気性が荒過ぎる星の住人なら
次は温厚なソル星すらも疑心暗鬼で狙いそうだし
430創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 01:36:13 ID:bzr0w0aK
なるほど
序盤のやつはタイトルを活かすために入れたんですが、逆効果でしたね。
次がんばります
431創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 02:00:36 ID:gXr67Xxk
>>419
感想待ってるよ
432創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 09:59:53 ID:3kDbR5gx
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou68200.jpg

まんま何か(『夜の声』でしたっけ?)に似ています。お許しを。
433創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 10:19:42 ID:gXr67Xxk
はい携帯の俺涙目ww
4341:2009/03/14(土) 10:50:33 ID:3kDbR5gx
 カチ。また腕時計が針音を鳴らす。黒革のベルトに白銀の字盤、針に簡単な細工を施したやや小さめなこの時計。
幼き日から今日の今まで、僕の腕上で動き続けてくれたこの時計をいつ如何にして手に入れたのか、僕は何故か覚えていない。

 この腕時計がどこかおかしいことに気が付いたのは四年ほど前、中学校の運動会の日。個人種目でニ〇〇メートルを走り終え、
空いた教室で友人らと水筒の茶を飲みながら語らいでいる際、ふと静かとなった一瞬に、聞き覚えのある針音が数度聞こえた時である。
違和感があった。時計が一秒を刻む際に鳴らす針音の間隔が、実際の一秒のそれよりもやや短いように思えたのだ。
その時はすぐ会話が再開したためあまり気に止めずにおり、またしばらくして腕時計を見ると時刻に狂いはなかったため、ただの勘違いだと思うことにした。
 翌日、熱を出した。布団にくるまるも眠れずにいると、机の上に置いた腕時計の針音が部屋に響いた。今度はすぐに気が付いた。
明らかに針の音が一秒よりも遅いのだ。試しに手元の携帯電話の時計画面を開いて確認したところ、針の音がニ度鳴るのに三秒近くかかっていた。
これは明らかにおかしい。故障かと飛び起きて時計の針を確認すると、しかし針は携帯電話の時刻表示と同じリズムで、一秒に五度を移動する規則的な運動を繰り返していた。
が、針の鳴らすカチカチという針音は明らかにその動きに合っておらず、遅いのである。僕は腕を組んだ。
 右手がパジャマを越して左胸に触れる、その一瞬に理解した。針音は、等しく僕の拍動に対応していた。
4352:2009/03/14(土) 10:51:38 ID:3kDbR5gx
 僕はその後高校に入った。入学式、式辞を読む際の冷めぬ緊張を腕時計は乾いた音で冷ましてくれた。
またそれは飲酒量の限りを、自らの意識せぬ興奮をその音で伝えてくれた。僕の生活は常に腕時計と共にあった。
遠い昔も、あの日々も、そして初の試験の前日、不治の病と診られた結果、寝たきりとなった今でさえも。

 余命を宣告された瞬間、頭の中は絶え間無い針音に支配された。六ヶ月。あと半年で僕は死ぬのか。やがて暗くなった視界の中に、幼稚園児程度の少年の顔が現れた。
知らぬ顔だが、僕を見て笑っているらしい。その純朴な笑顔に何故か底知れぬ罪悪感と強い敵意を感じると、僕は意識を失った。

 それから五月ほどが過ぎた。先月は医師から自宅療養を勧められ、僕も家族も従った。
掛布団の下の僕の拍動は今にも折れそうな肋骨を弱弱しく叩くのみで、意識して心音を聞こうとしても針音に掻き消されてしまうほどに弱弱しくなっている。
喉の重さを払おうと、溜息をつき、息を吸う。ひゅうと音をたて、詰まる。息が、吸えない。首を左に捻る。針音が止まっている。鼓動も聞こえない。
ふっと揺らいだ視界がやがて薄い闇に落ちると、再びあの少年の顔が浮かんだ。とても嬉しそうな顔をしている。誰なんだ、これは?記憶を探る間もなく、僕の世界から完全に光が消えた。
4363/3:2009/03/14(土) 10:53:01 ID:3kDbR5gx
瞼の裏にぼやりと、あの少年の顔が再び浮かんだ。その表情は醜く歪み、何度もこちらに舌打ちをしている。
やがてその音は僕の鼓動と同化し、やがて針音に掻き消された。息が吸える。瞼を開けた。僕はまだ生きていた。
チューブの刺さった右手を握り締め、母が泣いていた。

 その後、今日まで一週間生きた。喉の重さがあの時を思わせる。今息を吐いてしまえば、次に吸うことは恐らく永久にできないだろう。
怖い。死が怖い。この息を吐きたくない。しかし僕は息を吐いてしまう。息苦しさを覚えると同時に針音が止むと、今度はすぐに闇が訪れた。
いつもの少年の顔に代わり、今度が本当に最期なのだろう、走馬灯が始まった。誕生、両親との日々、幼き日に見たテレビ番組――。
いくつかのシーンののちに、幼稚園の制服を着て、同い年程度の子供たちを引き連れ公園を歩く僕が見えた。小さい頃にガキ大将を気取っていたことなど、今になるまで忘れていた。
 僕はどうやら一人の少年を苛めているようだった。暫しの喧騒、怒号、泣き声の後、そこには顔を覆い嗚咽を零す少年と、彼を背にし、
あの腕時計を手に揚々とはしゃぐ僕の姿があった。ああ、思い出した。あの時計はあの少年から奪ったものだったのだ。近所の名前も知らない少年。
確か彼はその後公園に来ることはなかったため、僕の記憶からも消えてしまったのだろう。
 突如、走馬灯が止まった。泣き顔の少年が顔を上げ、僕を見た。その顔は幾度か闇の中に見た顔と同じだった。
少年は凍りついた僕を舐めるように見上げると、僕を指差し何かを言った。消え入りそうな声だったが、何を言ったかはすぐにわかった。

 「おわりだよ。おしまいだよ」

 僕は少年から目を逸らし、走馬灯の続きを待つ。ふと左腕を見ると、そこにはもうあの腕時計はない。
やがて少年が消えると視界はやがて完全な闇に覆われ、走馬灯の続きはいつまでも始まることはなく、響いてくるのは名前も知らないあの少年の笑い声ばかり…。
437創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 10:54:05 ID:3kDbR5gx
以上です。今更だけど、星っぽくない・・・。
438創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 11:40:13 ID:+o0DWJNt
縦書きはこうやって投下する方法もあるのか……

星っぽくはないけどいい短編だったぜ
439創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 17:05:41 ID:OuN+XXau
宇宙の外側を発見した。
ある研究者の衝撃的な発表は瞬く間に世界に広がった。
それによると、宇宙の外側は真っ白い光に溢れた空間であり、そこと宇宙とは透明な硬い壁で隔てられているらしい。
その真偽を自らの目で確かめるべく、数名の優秀な宇宙飛行士たちが宇宙へ飛び立った。

彼らが出発して数ヶ月が経った頃。
「おい!あれを見ろ!」
宇宙船の中で歓声が上がった。
そこには見たこともないような真っ白に輝く光景が広がっていた。
「素晴らしい!きっとあそこが宇宙の外側に違いない。」
しかしその刹那、船体に激しい揺れが走った。船は制御不能に陥り、光の濁流に呑み込まれて行った。


「それ、棄てるの?」
「ええ、最近光らなくなってきたし。」
「結構古いものね。安物のインテリアにしてはよくもった方じゃない?」
「そうね。ちょっと寂しいわ。でも彼が最新型のを買ってくれたから。」
白いエプロンをつけた女性はくすくすと笑いながらガラスの容器に入った黒い水を台所に流した。
440創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 17:07:13 ID:OuN+XXau
初投下。
ショートショートって難しい。
441創る名無しに見る名無し:2009/03/15(日) 21:25:47 ID:S6b9SYHC
やっと書き込めた

>>434
息苦しくなるくらい悲しい話だった。いいね。

>>439
たまねぎシステムな宇宙体系はありがちだけど、
みんな一度は考えるよね。
442創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:14:16 ID:BP+CUwnA
宇宙はインテリアだったのか
外の白い空間は女性の部屋ってことだな
443創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 12:20:05 ID:dSOS1AEn
世界の果てへの想像力こそがSFの始まりなのです
444創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 00:21:46 ID:zaIW+XnP
保守
445創る名無しに見る名無し:2009/03/21(土) 10:34:14 ID:bOEEoBAF
>>434
幼稚園時代と時計が好きな主人公の結び付きが弱い。

>>439
星っぽくて好き。最後の彼女の台詞がいい。
446創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 13:54:23 ID:dpBHy0GJ
いまのところ本スレで発表された71作品のリンクまとめてみました。

http://www6.uploader.jp/user/sousaku/images/sousaku_uljp01217.txt
447創る名無しに見る名無し:2009/03/22(日) 19:53:19 ID:wbUO2Zc8
おおーGJ
IDもGJ 書いてみたくなるね ネタないけど
448創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 12:51:35 ID:DIU7Hf74
まとめwikiも欲しいなぁ
449フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY :2009/03/23(月) 12:53:46 ID:VuCloGaN
 草一本ない荒野を男が歩いていた。
 彼の頭上には巨大な赤い太陽が、鈍く光っている。男は愚痴をこぼした。
「まったく、行けども行けども何にもない。この地方はどうなっとるんじゃ……おや、建物があるではないか。
ずいぶん大きいが、なにか変わった建物じゃな」
 入ってみると、ひとりでに灯りがついた。
「おお、誰かいるのか。ようやく人に会えたわい」
 そう言って見渡してみるが、誰もいない。ただ大きく、殺風景な壁があるだけである。
と、その壁が急に光りだし、にこやかな青年の顔が映った。
「人ではありませんが、いらっしゃいませ。ようこそ地球へ」
 男はあんぐりと顔をあけて、壁に映った顔を眺めた。
「なんと……これはマーラの技か」
「科学の技です。はじめまして。あなたはどなたですか。宇宙に脱出した人類の生き残りでしょうか。
それともこの星を発見した異星人の方ですか。いずれにしても歓迎します。地球、そして地球人についての
全てのデータがあなたのものです」
「わしは弥勒菩薩だ」
「ミロクボサツさん。あなたは地球人の子孫ですか? それとも別種族の方でしょうか?
残念ながら太陽系の寿命は尽きつつありますが、人類は滅亡前に、地球と地球人についてのあらゆるデータを
私というコンピュータに残しておきました。いつの日か、宇宙人でも異次元人でもいい、誰かがその知識を
受け継いでくれるのを待っているのです。そう、あなたです。感激です。とうとう私の使命を果たせるときが来たのです」
「わしは仏じゃ。天界、極楽浄土からやって来た」
「……はぁ?」
「わしは仏だ。弥勒菩薩じゃ」
「仏のミロクボサツさん……ああ、データにありますね。確かブッディズムという古代宗教の教祖さまの後継者で、
初代のゴータマ・シッダールタ氏が亡くなられてから56億7000万年後に地上に現れ、多くの衆生を救うという。
東アジア文化史の記録に書かれています。確かに現在はAD56億6999万9617年。たしかに予言通りに
来て頂いたんですね」
「その通りじゃ!」
 弥勒菩薩は胸を張って言った。
「ところでこの地上はどうしたことだ。誰もいないし草一本生えておらん。マーラが人間を滅ぼしてしまったのか」
「マーラ……はい、その言葉もデータにあります。サンスクリット語で悪魔のことですね。いや、悪魔は関係ありません。
太陽の寿命のせいです。あなたの先任者、通称お釈迦さまでしたっけ。あの方が亡くなられて」
「亡くなったなどと俗な言い方をするな。入滅と呼べ、入滅と」
 少し不機嫌な声で弥勒は異議を唱えた。
「そうそう、入滅と呼ぶんでしたね。入滅されてから50億年ほどで太陽は膨張期に入っているんです。そのせいで
地球にはとっくに人が住めなくなってますよ」
「なに? では衆生はおらんのか!?」
 弥勒は叫んだ。
「いや、お前がおるではないか。お前を救済し、輪廻の苦しみから解脱させてやろう」
「私はコンピュータです。あなたと会話しているのは、このディスプレイに表示しているグラフィックに過ぎませんからねえ。
もともと輪廻転生なんてしてませんから、解脱とおっしゃられても、もうすでに解脱しているのかもしれません。
それより人類の知識を……」
「そんなものに興味は無い!わしは衆生を救いに来たのじゃ!」
「あ、そうですか」
 プツン。
 知識のリクエストがないとみるや、コンピュータは自ら画面を切った。
 あとに残された弥勒菩薩は、荒野に飛び出した。
「わしを崇める凡夫どもはどこじゃ!わしは救世主なるぞおおお!」
 釈迦の入滅後、56億7000万年後に出現する弥勒菩薩。
 彼は巨大な赤い太陽の下、誰もいない荒野でたった一人、自分を有難がってくれるはずの人間を求め、
いつまでもいつまでもわめき続けるのだった。
450創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 12:57:13 ID:VuCloGaN
あ、初めて投稿するので題名忘れてました。
『弥勒菩薩』です。
451創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 13:25:54 ID:DIU7Hf74

シュールで良いね
452創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 20:02:54 ID:YrECqOPj
弥勒wwww
そりゃ確かに50億年後って人類もういない可能性激高だよなw
453創る名無しに見る名無し:2009/03/23(月) 23:55:11 ID:DIU7Hf74
>>446
今まで何気なく読んでたけど71作品もあったんだ
454創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 00:52:40 ID:ow8cSIv6
人気投票でもやってみますか?
455創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 01:53:32 ID:/LQP72zW
してもいいけどスレが荒れるからやめとこうぜ
456創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 02:34:20 ID:QqNe+nL2
それはつまりしてもよくないのでは

てか普通に放っておいて欲しいですw
気軽に投下したつもりの身としては順位つけられたら泣くしかないがな
457創る名無しに見る名無し:2009/03/24(火) 10:39:32 ID:LxMervw+
人気投票は流石にアレだがwみんなのオススメをいくつか訊くのはありと思える不思議
458フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY :2009/03/24(火) 18:04:36 ID:VjYxOK1r
『歴史適正化法の歴史的成果』

 西暦2206年、時間移動技術が理論化され、2年後にはタイム・テレポーターが発明された。
 すでに国家は統合されており、地球連邦政府という、国際連合から発展したひねりの無い名前の
単一政府ができていた。地球連邦最高議会は2年前の理論完成段階で、すでに「時間移動装置が
発明された場合、ただちに地球連邦政府の管理下におかれる」という法律を作っていた。
 最高議会の議長モリヤマ氏は、タイム・テレポーターは人類が歴史上で犯した過ちを防ぐために
使われるべきだ、との感動的な大演説をおこなった。
 彼は言った。
「時間移動技術が個人の利益のために使われるとき、それは歴史の単なる破壊を意味する。
公的な管理のもとで、人類が起こしてしまった悲劇を未然に防ぐためにのみ使用されるべきである。
ナチスによるユダヤ人虐殺、ヒロシマとナガサキの悲劇、そして無数の戦争……先祖のあやまちを、
子孫の我々が時を超えて償うのだ。これは人類史にかつてなかった、時間を超えたレスキューである!」
 彼の演説は世界中の賛同を浴びた。
 最高議会では通称タイム・レスキュー法、正式名称「歴史適正化法」がまたたく間に可決した。
そして同法に基づき、修正すべき歴史事件とその方法を割り出す歴史適正化委員会と、その実行部隊である
「タイム・レスキュー」が組織された。
 タイム・レスキューは決して武力を行使しない。「我々の超科学兵器を1000年前に送り込み、騎馬民族や
イスラム帝国と対決させるようなことはすべきでない」とモリヤマ氏は説いた。彼らの任務は現地の社会に
入り込み、当時の重要人物に精神的な影響を与えることで、歴史を悲劇の淵に近づけさせないように
することであった。
 過去の状況によって、任務には若者が適する事態もあれば、老人の意見が重要となる場面もある。
年齢・性別を超えてあらゆる層から、一流の人間だけが選ばれた。人材にはまったく不自由しなかった。
この偉大な任務には、世界中からあらゆる人々が参加したがったのだから。そして地球全土が、選ばれた
タイム・レスキュー隊員に喝采を送ったのだった。
 作戦が開始された。
 歴史適正化委員会の定めたミッションに従い、タイム・レスキューはすぐさま様々な時代へと飛んだ。
 あるチームは学者や聖職者として、魔女狩りのおろかさを説いた。
 あるチームは革命前のフランスへと旅立ち、フランスの財政悪化に歯止めをかけることで重税に苦しむ
多くの民衆を救った。
 十字軍が、世界大戦が、文化大革命が未然に防がれた。

 メンバーたちは任務を終え、自分たちの事故による死や行方不明を演出すると、タイムテレポーターの
帰還スイッチを押した。任務に要した時間は様々だったが、みな同じ日……地球連邦統合記念日の時点に
帰ってくることになっていた。
 ほんの数週間しか過去にいなかった者もいれば、数十年もの主観時間を過ごし、すでに老人となっている
者もいた。不幸にして少数の者は、帰らぬ人となっていた。しかし、メンバーは出発前の懐かしい顔ぶれを見て、
抱き合って喜んだ。自分達は、最も偉大な作戦を成し遂げたのだ。
「さあみんな、早く行こう! 世界中の人々が僕らを待っている! 僕らの偉業は、地球連邦統合以上に
祝われるだろう!」
 たしかに街は歓呼に包まれていた。
 が、それはタイムレスキュー隊の偉業を称える声でもなければ、地球連邦統合の記念日を喜ぶ声でもなかった。
まったく違うことが祝われていたのである。
「一体どういうことだ!」
 若いメンバーが叫んだ。
「まだ分からないのかね?」
 と、レスキュー隊員たちのそばに1人の老人が近づいてきた。モリヤマ氏だった。
「議会制度、違憲審査制度、司法権の独立……権力の横暴を抑止するためのあらゆるシステムは、
悲惨な歴史に対する後悔から誕生したわけだ。ジョン王の愚政からマグナ・カルタが、フランス貴族の
退廃から人権宣言が、世界大戦から国際連合がね。政治システムの進歩は、イコール悲劇から学んだ
結果と言ってもよい。君達はそれらを全て無かったことにしてくれた」
 唖然とする隊員達を尻目にモリヤマは告げた。
「ご苦労だった。ゆっくり休息してくれたまえ。私はこれから、戴冠の儀に出ねばならんのだよ。
大地球帝国皇帝としてのね」
459創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 00:02:14 ID:PPht7PIf
「違い」

ある日、青年は古びた紙を見つけた。
「ん?なんだこれは。ちょっと見てみるか。」
中を見ると、そこにはこう書いてあった。

私が何年もかけて研究した、悪魔を呼び出す方法についての仮説をここに記す。
まず、どこかに火をつけて、呪文を唱える。そうすれば宇宙の果てから悪魔が来て、願いを3つ叶えてくれる。
ちなみにこの悪魔は、おとぎ話に出てくる悪魔と違い、死んだら魂をもらうなどというふざけたことはしない。
しかし、こいつは、・・・・・・・・・・・・・である可能性が高い。

「おや、一部が読めないな。まあ試してみるか。魂も奪われないようだしな。」
そう言って青年は、マッチをすって火をつけ、紙に書いてある呪文を唱えた。

「おっと、久し振りに俺を呼び出した奴がいるな。ええっと…地球か、聞いたことが無いが行ってみるか。」
そう言って悪魔は、地球へと飛んで行った。
「うーん、このあたりなんだが、見つからないな。イタズラかな。」
悪魔は自分の星へと引き返していった。
自分の足の親指が地球に当たって地球を吹き飛ばしてしまったことに気付かずに。
460創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 09:54:35 ID:Cl3I+PPr
>>458
はなしのオチ的にはスタンダードだけど、
設定やうんちくの羅列でフンイキでてる。
逆に新鮮でいい。

>>459
全体的にすこしわからなかった。
461創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 15:03:31 ID:Oi9g/RaE
結婚して五年、子宝には恵まれないながら美人で料理も上手く、近所でも頗る評判の良い妻には満足していた。
結婚したときから、お爺ちゃんお婆ちゃんになっても手を繋いで歩けるような夫婦が理想だった。
子供なんて天からの授かり物。あくまで自然に任せるというのが二人の暗黙のルールだ。

そういえば歴代の彼女たち四人も、誰一人妊娠しなかったことを思い出した。
不安に苛まれた僕は、思い切って不妊検査を受けてみることにした。
さすがに産婦人科に一人で行くのは勇気が要るので、同僚に薦められた総合病院で検査をし、検査結果は会社に送ってもらった。
恐る恐る開けてみると、すべての項目で異常なしであった。僕自身の不安は消えたけれど、徐々に検査したことを後悔するようになった。
いっそのこと僕に原因があればよかったのにとも思った。こんなことで夫婦間に波風は立てたくない。妻が妊娠できない身体でもいいじゃないか。妻を愛する気持ちに変わりはないのだから……。

しかしそれ以来、無意識ではあるが妻に対して何かよそよそしい態度をとるようになっていた。
僕の変化をさとったかのように妻は、検査から一週間が過ぎたある晩、本当のことだと念を押したあと静かに口を開いた。
妻が語りだしたことは、全く想像もしていなかったことだった。
これは事実ではないと信じたい。
しかし、妻は真顔でこんな嘘を言える女性ではないことは、僕がいちばんよく知っている。
だからといって、妻が未来からやって来た機密諜報機関の工作員だなんて信じられるわけがない。

その任務というのが、僕のDNAを後世に残さないことだと言う。
この僕のDNAをだ。
こんなの信じろという方が無理だ。
人類滅亡の原因となるウィルスを開発した男の父親、それが僕だというじゃないか。
つまりその男、即ち僕の息子を誕生させないために、四人の工作員の女性を送り込んだというのだ。
そして妻が最終任務を遂行中だったという。このままなら僕のDNAは残らないことになるが……。


僕は泣きじゃくる妻を強く抱きしめるしかなかった。
462創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 16:37:44 ID:X+UTTfOh
で? 続きは?
463創る名無しに見る名無し:2009/03/25(水) 21:25:20 ID:yd212kp8
DNAが原因つっても
「特殊なDNAを持った結果、殺人ウィルスを世界中に広める要因となった」ってんならともかく
「将来殺人ウィルスを開発する事になる」ってだけなら
息子が育つ生活環境を変更するだけでどうにかならないのか?

仮に工作員の妻を妊娠させたとしても
母親が人類滅亡の原因となる息子とは別なら
生まれる子供も別人になって普通に任務完了になるんでないの?

父方のDNAが子供を殺人ウィルスの開発者にする最大の要因だってんなら
父親は普通に生活出来てるのは何で?

てか人類の存亡と一人の男の命を天秤に掛けるなら
「僕」を殺害した方が確実なんじゃないのか?
それをしない理由は何かあるのか?
464創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 01:27:18 ID:ygCKIKSp
あれ、大分解釈違うのな。
俺は楽しめたわよ。解釈の余地があってぐっときた。

折角DNAを強調してるんだから、むしろ"僕の息子を誕生させないために"の下りが解釈の邪魔をしてる感じはするね。
星に限らんけどショートショートではこの手の表現はいっそ省くべきかもしんない。
なんか迂回した表現でもやもやさせると、より深みが増すと思います

殺害しない理由は色々想像できるから文句はないかな
父自体に罪はないだのと長々と議論してる未来の政府とか思い浮かぶw

DNAを安直に理由に紐付けちゃってるせいで、遺伝的な何かのフォローが欲しくなるのかもしんない

例えばどっかに一行「そう言えば父も曾祖父も狂人だった。」とか足しちゃうと、唐突な感じを牽制できるかも。
ラストに置いてアハ体験に期待するのもアリだね。これは諸刃の剣だがw
465創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 01:59:08 ID:pg0AU6qE
「なぁ、神様は僕達が嫌いなんだろうか?」
仕事の疲れが愚痴を吐き出させる。
「なんだい急に?」
友は、穴を堀るのを辞めて僕を見た。逞しい黒々とした肉体から
労働によって滴り落ちる汗が絶え間なく地面に落ちる。
僕も同じように汗を垂らして続ける。
「この土地では僕等は穴を掘らないと生きていけない。毎日きつい思いをして穴を掘らないと生きる事を許されない」
僕は天を仰いだ。頭上には空洞が広がっていた。
僕達の仕事は穴を堀り地下にシェルターを作る事。とても過酷な仕事だ。だけど怠ける事はできない。
なぜなら僕達の住む土地には、自然災害が頻繁に起こるからだ。
津波が毎日三度も襲い汚染された有害な波が僕達を苦しめ、暴風が突然吹き荒れる。
土地に食べる物なく、唯一の食料は暴風にのって外から流れてくるものだけだ。
必死になって貴重な食料を拾っていると津波にさらわれる。
だから生き残るためには地下にシェルターを作るしかない。
食料をたくさん貯められて、津波に流されないようできるだけ深く深くに。
地球上で一番過酷な土地なのではないだろうか。
「なんで神様なんだよ?」
穴の中で友の声が響く。
「だって自然災害は神様が起こすんだろ?神様は僕達を苦しめてばっかりだ」
僕は声を荒げた。友は目を細めて言った。
「仕方ないだろう。自然災害は防ぎようがない。
過酷な環境だけど必死に生きるしかないんだ。
津波は神の試練ってヤツさ」
僕は納得できない。
「津波だけじゃない。津波ならこうやって穴を掘ってシェルターを作れば防げる。一度穴に避難すればあんなの怖くない。
僕が許せないのは地震だ。ようやく満足の行くシェルターができたと思ったら滅茶苦茶に壊してせっかく掘った穴を土砂で埋めてしまう
こんなに頑張ってる僕達を神様は傷つけてばかりだ。試練だってもんじゃないひどすぎるよ」
本当にこの土地は過酷だ。神様が僕達を虐めるために作った土地みたいだ。
せっかく穴を掘り終え安心なシェルターができたと思ったら地震が全てを壊していく。
また1からやり直しなのだ。
僕は怒り、激しく地面を踏みつける。頭に血が上っているせいか足元がグラグラと揺れた気がした。
友は、なだめるように柔らかい声で言う。
「そうはいうが神様も俺達を苦しめてばかりじゃない。自然災害が神様の仕業なら、
暴風に乗ってくる俺達の食べてるご飯も神様が与えてくれてるもんだ。
頑張って深い穴を掘れば安心して沢山飯が食える。
きちんと働きにご褒美をくれてるんだよ。後ろ向きな事ばかり考えずに前向きにいこう」

僕は納得できなかったが、友になだめられこれ以上は言わない事にした。
そろそろ津波が起こる時間帯だ、シェルターに避難しなくては。
それにしても本当に神様は俺達をどうして苦しめるのだろう?





男「痛たた。1日3度しっかり歯を磨いても虫歯はできるものだな
明日歯医者に行こう。しかし痛い。虫歯菌というの一体どうして、こんなに俺を苦しめるのだろう?
俺の身体に住ませてやってるのだから俺は神様のようなもんじゃないか」


評価お願いします。
466創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 04:00:17 ID:VdqhHuZx
>>465
最後までオチが読めなかった。
面白かったです。
467創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 22:44:59 ID:wKgnSUeW
なるほど虫歯菌かwこれは予想外で面白い
468創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 23:44:02 ID:Zn4otmj3
「変化」

あるところにエヌ国という国があった。
その国は、働き者で知られた民族が住んでおり、経済大国として栄えていた。
しかし、テレビ番組の充実化や、娯楽機器の発達によって、働かずに家で過ごす人々が増えていた。
これにより経済が退化するのを危惧したエヌ国の首相は、対策を考えるため、エヌ国で天才と呼ばれる博士を呼んだ。
「博士、何か方法はないか。なんとか働かない人々を真面目に働かせたいのだ。」
「わかりました。では人々を真面目に働かせる薬を作ってみましょう。」
「頼んだぞ。」
数か月が過ぎ、博士が首相のもとを訪れた。
「できましたよ。これを働かない人々に飲ませればすぐに真面目に働くようになるでしょう。」
「よくやった。褒美を出そう。」
そして、働かない人々のもとに薬が送られ、人々は真面目になっていった。
「よしよし。これで我が国の経済はさらに発展するぞ。」
働かない人々だけでなく、元々真面目だった人々にも伝わり、エヌ国のほとんどの人々がその薬を飲んだ。

ある日、博士が首相の元を訪ねてきた。
「大変です。人々が真面目になりすぎたため、過労で倒れる人が続出しています。」
「大丈夫だ。それは昔もあったことだ。大した変化ではない。」
その数週間後、また博士が首相の元を訪ねてきた。
「大変です。人々が仕事のことしか考えないため、道端で過労のため倒れている人々を助けていません。」
「なんだ、また君か。君は今までで、道端で死にかけている鳥なんかを助けている人を見たことがあるかね?」
「いえ、ほとんどありませんが。」
「そうだろう。その鳥が人間に変わっただけのこと。大した変化ではないよ。そんなことを気にしてないで真面目に働いたらどうだ?私も飲んでみたが、素晴らしいぞ。」
「すみませんでした。飲んでみます。」
その後も働きすぎの人々が過労死し続けたが、博士は研究に打ち込み、政治家は外交などに打ち込み、誰も他人の事を考えなくなった。

数十年後、エヌ国の隣の国の首相が言う。
「あの国は実に大きな変化をとげたなあ。一時期は景気が低迷していたが、突然すさまじい勢いで経済が発展し、世界トップの経済大国となったな。
どのようにやったのかぜひ教えてほしいものだ。しかし、エヌ国の人々は誰も生きていないので聞けないがな。まるで誰も子孫を残さなかったかのように。」
469創る名無しに見る名無し:2009/03/26(木) 23:53:28 ID:hbKi0IU7
申し訳ないけど、博士と薬ネタはいい加減飽きてきたんだが・・・
470創る名無しに見る名無し:2009/03/27(金) 00:46:27 ID:mWxujpkF
>>468
このオチはw夜を真面目に勤しむような文化ではなかったぽいな

>>469
定番だからしゃーないと思うが、他のアプローチを意識してみるのもありか
471創る名無しに見る名無し:2009/03/27(金) 11:35:42 ID:eUSYn0GL
>>468
最後のまるで〜の表現が意味わからん
472フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY :2009/03/27(金) 21:28:39 ID:38V70FML
『蛍雪の功』

 若い魔女がいた。
 彼女は二十歳の頃、そもそも魔女ではなかった。
魔女になったきっかけは、恋人を伝染病で亡くしたことだった。
 愛する人を生き返らせる、彼女はそのためだけに魔術を学び始めた。
 召喚した最初の悪魔は、そんなことは私の手にあまると言った。だがその悪魔は、名もない下級悪魔であった。
 もっと強力な悪魔なら、あるいは……そう思った若い魔女は研究に研究を重ねた。寝る暇も惜しみ、
生活費を稼ぐ時間も切り詰めて、赤貧の中で修行に励んだ。真夜中まで魔術の研究に没頭した。
蝋燭も灯油も買わずに、ランプの中に蛍を入れて灯りにして学んだのである。その甲斐があり、少しずつ
強力な悪魔を呼び出せるようになった。
 四十歳。
 もはや彼女の肌はみずみずしさを失っていた。もう彼に女として愛されることはできないだろう。
たとえ今、恋人が生き返ったとしても、すぐに彼は年齢の釣り合う新しい恋の相手を求め、去っていくに違いない。
それでもいいと魔女は思っていた。もう一度でもあの人の姿を見ることができたら。あの人の声を聞けるのなら。
 大悪魔アシュタロスにさえ、死んだものを生き返らせることはできないと聞いたとき、彼女は絶望に泣き叫んだ。
 彼女は数百歳を超えるという、中東の偉大な精霊使いを訪ねた。
 精霊使いは、人の生死を操る術を求めることに反対したが、哀れな女の必死の懇願についに折れた。
 しかし、ランプに宿る大精霊もまた、人間の生死は神が司るものだと言ったのである。
だが大精霊はこうも言った。その禁忌を破り、魔の力をもって死者を蘇らせる術を記した書物が、
たった一冊だけある、と。
 その書物を見つけ出したとき、彼女の齢は八十を越えていた。
「ふたつのルシファーが力を合わせて放つ光を浴びながら、以下の呪文を唱えよ……」
 ルシファーとは、大魔王サタンのことだ。
 サタン本人を召喚するのに成功した人間の魔法使いは、ひとりもいない。ふたつのルシファーとは何か。
魔界の帝王サタンは、ただ一柱しかいない。
 どれほど魔法書を読み漁っても、伝説的な魔術師や宗教家を訪ね歩いても、その謎は解けなかった。
あるいは、書物のこの項そのものが「不可能」の婉曲的な修辞であったのかもしれなかった。
 ついに彼女は大魔王サタンを、ルシファーをこの世に呼び出すことに成功した。
 それはどんな大魔術師も成し遂げたことのない、黒魔術の最高の到達点であった。
 だがサタンは答えた。そのような術には何の心当たりもないと。呆然として崩れ落ちる老女の前で、
サタンはふたたび冥界に消え去った。
 視力の衰えた眼から老いた魔女はひたすら涙を流し続けた。無駄だった。
 彼女の一生の努力の全てが無駄だったのだ。

 ある夜、魔女の寿命は尽きた。
 己の寿命を伸ばす術など彼女は知らない。知っていても使おうとは思わない。恋人のいない世界に
長くとどまる術など、彼女にはまったく興味のないものだった。
 机に突っ伏したままの彼女の最期を見届けるものは、ランプの中の蛍たちのみ。
 最期の命の火が消えようとする寸前、老婆はあの呪文を、恋人を生き返らせるはずの呪文をつぶやいた。
ほんのうわごとに。
「あの……すいません。ここはどこですか?」
 遠くなった耳に、誰かの声が聞こえてきた。
 あの恋人の声だった。
 百年のあいだ、片時も忘れたことのない声だった。
 奇跡ではない。夢だと思った。悪魔に仕え続けてきた自分に、神様が奇跡を起こしてくれるわけがない。
「お婆さん、僕はどうしてこんなところにいるんです?」
 その声を聞きながらも、彼の復活を信じないままに老いた魔女は息を引き取った。
 だがその表情は、とても幸せそうだった。

 魔女は最後まで知らなかった。
 蛍の発光器の中で反応し輝く2種の物質が、ルシフェリンとルシフェラーゼと呼ばれることを。
473創る名無しに見る名無し:2009/03/27(金) 23:53:31 ID:3nsrSpvP
>>468
>>471
たしかに最後の日本語はおかしい。

>>472
うますぎる。
タイトル、蘊蓄が見事にかみあってる。
(たしかに星氏っぽくはないけど)
474創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 00:14:22 ID:CDyhAxha
>>472
これは良作
475創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 00:30:54 ID:FiIyfN46
>>472
素晴らしい!
476創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 01:22:22 ID:eHhdqjBy
そんないいか?イマイチだと思うが。
477創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 15:32:24 ID:j07RY+Pr
うまくはないが
いいはなシーサーくらいだな
 
ルシフェルとか厨くさいけどね
478創る名無しに見る名無し:2009/03/28(土) 16:34:50 ID:kOJePpiT
非建設的なことばっかりいっちゃって
479自殺:2009/03/30(月) 06:34:20 ID:Kn/5j1Ps
「今から死のうと思うんだ」
 俺はポツリとつぶやいた。隣にいる友人が、心配そうに声をかけてくる。
「おいおい、馬鹿なことを言うなよ。一体、原因は何なんだい?」
「俺の体は病気に冒されてるんだ。他に例のない奇病らしい」
 そうなのだ、俺の体は悪性のウイルスとでも呼ぶべき存在によって蝕まれている。突然
変異種であるそいつらは瞬く間に数を増やし、今や俺の体中が奴らのねぐらだ。
「うーん、確かにそりゃ聞いたことの無い例だな。体の具合は悪いのかい?」
「酷いもんだよ、体中が毒まみれなんだ。熱も少しあるみたいだ」
 こいつらの恐ろしいところは、その繁殖力と進化のスピードにある。あっと言う間に体
中に広がり、様々な症状を引き起こす。
480自殺:2009/03/30(月) 06:36:08 ID:Kn/5j1Ps
 おそらく俺の体も長くは持たないだろう、くたばるのは時間の問題。ならせめて、最期
は苦しまないように自分の手で幕を引きたい、尊厳死というやつだ。
 そう告げると、友人は悲しそうにうなずいた。
「分かった、そういう事情なら止めはしない。しかし、君の症例はある意味貴重ともいえ
る。少しもったいない気もするな」
「おいおい、当事者じゃないんだからそんなことを言えるんだよ。なんなら分けてやろう
か? 実際、こいつらは君の体にも興味を持ってるみたいなんだぜ。ほっとくと移り住む
かもしれんぞ」
 そう言うと、さすがの友人も後込みしたようだ。
「すまん、そりゃ勘弁だ……それにしても寂しくなるな、君とは本当に永い付き合いだっ
たもの」
「まあ仕方ないさ。ま、他の連中にもよろしく言っておいてくれよ。じゃあな……」


 ――その日、地球は自殺した。火星の見守る前で……
481創る名無しに見る名無し:2009/03/30(月) 06:37:33 ID:Kn/5j1Ps
前に別の場所に投下したやつの転載
字数制限の関係で2レスに分かれてしまったがあしからず
482創る名無しに見る名無し:2009/03/30(月) 12:58:34 ID:ylLCoauF
久々におもろないのがキター
483XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/30(月) 22:08:06 ID:pBNVjHwK
侵略者(1/2)


全ては突然だった。
突然、東京の電器街に巨大なUFOが現れ、
突然、街を赤黒い熱線をもって焼き払い、
突然、逆立つ銀髪に大きな瞳をもつ宇宙人の映像がTVをジャックして、
突然、“日本”に対する宣戦布告を行った。

『ワレワレハ ワクセイMカラキタ シンリャクシャデアル ニホン オヨビ ニホンジンヲ ボクメツシニキタ』

片言ながらもはっきりとした日本語でM星人が話した短い言葉は、日本中を大混乱に陥れた。
政府は慌てて対策を練ろうとしたが、そうしている間にもUFOから二射目、三射目の熱線が打ち出され街がなぎ払われた。
自衛隊の戦闘機がようやくスクランブル発進してミサイルを発射したが、UFOから発せられた強い電磁波を浴びたミサイルはUターンして戦闘機を撃墜した。

アメリカは真っ先に動いた、米軍の爆撃機がUFOに新型の熱爆弾を撃ち込んだのだ。
しかし、UFOはビクともしなかった。
さらにM星人は米軍機を無傷で帰したばかりか、今度はアメリカのTVをジャックして、
『シンアイナル アメリカニツグ アナタガタニ キガイヲクワエル ツモリハナイ』
と相変わらず片言の日本語で声明を出した。
これを受けて、アメリカは「これ以上は日本の内政問題」と手のひらを返してUFOに関与しない方針を打ち出す。
他の国々からも、日本との一切の関係を打ち切るという声があがり、日本人の強制送還、海上封鎖、航空封鎖、輸出入の全面禁止など、UFOの襲来を恐れた国々の声明や超法規的措置が次々と打ち出された。
この間にUFOは最初に降り立った街を焼き尽くし、次の街へゆっくり移動を始めていた。UFO出現から一週間がたっていた。
熱線の恐ろしい破壊力にも関わらず、街を焼き尽くすのに一週間もかかった理由は、廃墟に残るわずかな本や電子機器や日用品などに対してもUFOは薬品を散布し、電磁波を浴びせ、執拗に分解したからである。
文字一つ残そうとしない狂気的なUFOの悪意に国外脱出不能という状況も加わり、国内のパニックに拍車がかかった。
暴動、自殺、犯罪、デマ、ノイローゼ、etc……
わずかに人々の心をつなぎ止めていたのは皮肉にも共通の敵であるUFOの存在である。
かって栄華を誇った極東の島国は、突然、国民を閉じこめたまま沈没する巨大な檻となった。


そして、その状況が急変するのもまた突然のことだった。
484フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY :2009/03/30(月) 23:29:30 ID:Mkc3A2jx
『鏡子〜もうひとりの私〜』

 小さい頃から、私は鏡を見るのが好きだった。
 そう言うとよく誤解されるのだが、ナルシシズムからではない。
 鏡というものが不思議でしょうがなかったのだ。
 小さい子どもは、無邪気に色々なことを繰り返し質問する。そのなかでも私の問いは鏡に関する
ことが多かった。私自身の名前が鏡子だったせいもあるのだろう。
 どうして鏡にものが映るのか。どうして左と右は逆に映るのか。上と下はなぜ逆にならないのか。
鏡を真横にしてみてもそれが変わらないのはどうしてなのか。
 父はそんな幼い私の質問をわずらわしがって邪険な応対をしたりはしなかった。わざわざ手鏡を
用意して色んな実験をして見せてくれたり、万華鏡というものを手作りしてくれたりもした。合わせ鏡を
二時間ずっと眺めている幼稚園児を母は心配し、外で遊びなさいと部屋を追い出そうとした。私は
父の書斎に二枚の鏡を持って逃げ込み、また合わせ鏡をつくった。父は笑って見守っていてくれた。
 鏡への関心は、優しかった父との思い出に直結しているのかもしれない。
 小学校の頃、『鏡の国のアリス』を買ってくれたのも父だった。
 不思議の国の、の方も一緒に買ってくれたのだが、私は続編の鏡の国のほうがずっと好きだった。
鏡の中の見えない部分に広がっている奇妙な世界。そのイメージは私を強く魅了した。アリスのように
鏡の中に入り込んで、不思議な生き物たちと出会う夢を何度も見た。
 学校の図書室で、朝永振一郎博士が書かれた科学啓蒙書『鏡の中の物理学』を見つけたのは中学
3年のとき。私が理数系に進むことが決定された瞬間だった。
 大学では物理学を専攻し、「光子の反射時に発生する不連続加速現象」に関する研究論文を認められて
助教授の地位についた。またこの論文が、私を生まれて初めてのスウェーデン旅行に連れて行った。
 ノーベル物理学賞を受賞したからだ。 
 
 私の人生を再び変えたのは、アメリカの天才数学者が考案したある宇宙論だった。
 この宇宙と対称をなすもう一つの宇宙が存在し、互いに相手の世界が存在することによってこちらの
宇宙も成り立っている。そしてその世界はこちらの宇宙と全く同じ数の素粒子が存在し、同時に同じ
現象を引き起こしている。つまり、鏡の世界と同じなのだ。
 では、そこへ行くことはできないか。鏡の世界へのゲートを開くことは不可能なのか。
 ある素粒子を使うことによってそれが可能になると気づいた日から、私はひそかに理論家から発明家
に転身していた。
 
 そしていま、目の前に私が創り上げた装置がある。
 スイッチを入れていない今は巨大な装置に接続された、2メートル四方の鉄枠に過ぎない。だが、
スイッチを入れたとき、この枠の中の平面が鏡に変化するはずなのだ。いや、鏡に見えて鏡ではない。
対称宇宙へのゲートへと変わるのだ。
 私はボタンを押した。

 ヒューーーン

 静かな音とともに、鉄板が光る。そして、そこに私の姿が映った。
 成功だ!!
 その向こうに広がっているのは、もちろん不思議な世界などではない。「アリス」のようなチェスの女王も
ハンプティ・ダンプティもいない。この世界とまったく同じ世界が、向こう側にも広がっているだけだ。
 でも、入れるのだ!
 幼い頃から憧れてきた鏡の世界に!!
 自分の目で、対称宇宙を中から見たかった。鏡の中を歩いてみたかった。私はほとんど駆けるようにして
その中に飛び込んだ。

 衝撃と共に弾き返され、私は倒れた。
 いったい何が起こったのか、痛む顔を押さえながら装置を見直す。
 もう1人の鏡子が、こちらを恨めしげに見つめていた。
485XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/03/31(火) 07:43:57 ID:6KmEtkGr
侵略者(2/2)


UFOが東京ビックサイトに向けて放った熱線を防いだのは、雷光のように天から現れた銀色の巨人だった。
赤いストライプを身につけたその姿は誰もが知る子供向けの特撮ヒーローであり、それを見た人々はついに自分の気が触れたか、自暴自棄のマスコミが流した虚言と思った。
しかし、銀色の巨人を皮きりに、次々に大気圏を突き破り架空の英雄が現実世界に具現化した。
皆が幼い頃に夢見た機動戦士やスーパーロボが、次々にUFOの前に降り立った。
そして、そのおもちゃ箱から飛び出たかのような無数の英雄らは、自分達の数倍もあるUFOと激戦を繰り広げ始めたのである。
白いロボットは戦闘を見にきた群集を熱線から盾で守って撃ち抜かれた、黒い巨人は火を吹きながらUFOに特攻をかけて散っていった、

戦闘は三日三晩に渡って続き、人々は固唾をのんでそれを見守った。
そして最後にはUFOが大きな火を吹き散らしながら沈み、日本中で歓声が上がった。

かってない驚異から日本を守った勇者等を群集が取り囲み、口々に感謝の意を示した。
すると、十数体の巨体の胸が開き、それぞれの中から何者かが出てきた。
逆立つ銀髪、大きな瞳、顔立ちこそ宣戦布告した者とは別人だったが、それらは紛れもなくM星人だったのである。
驚いて群集は距離をあけたが、やがて中から一人のマスコミ関係者が進み出て、緊張を隠しつつM星人に話しかけた。

「あなた方の行いには非常に感謝している、本当にありがとう。」

これに対してM星人からも代表が一人進み出て、流暢な日本語で答えた、
『親愛なる日本、及び日本の人々よ、感謝しているのはこちらの方だ。
我々は科学を発展させ、ありとあらゆる事ができるようになったが、比例して文化が無くなり、感情が薄れ、緩やかに滅びさろうとしていた。
だが、我々の観測衛星が日本のアニメや漫画、特撮を偶然観測できたため、我々の間に熱い感情が蘇ってきて、文明は再び活気づいた。
今では兵器さえも、このようにあなた方のデザインされた形をしている。礼を言うのはこちらの方だ。』

「なるほど、しかしそうすると何故、最初のUFOは我々に攻撃を加えて来たのですか?悪役に憧れたとかそういうことでしょうか?」
『いいえ、我々の中にも異文明の文化浸透を快く思わない者がいるのです。彼らはあなた方を“文化的侵略者”と読んで忌み嫌っているのです。』
486創る名無しに見る名無し:2009/04/02(木) 20:30:58 ID:mhO/bxdn
>>484
昔似たような事考えたな
鏡の向こうに手を入れられないのは、向こう側の自分が押し返してくるからだ、とか云々
487創る名無しに見る名無し:2009/04/02(木) 23:00:53 ID:hB2nOZJ7
どうでもいい話だけど、鏡って実は左右は逆になってないんだよな。
488創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 01:45:04 ID:c2EPzUSZ
逆になってるのは前後だっけ
489創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 02:37:27 ID:14jDy9UG
>>488
>逆になってるのは前後
その通り。前後が逆になってないとしたら、鏡には自分の後ろ姿が映ることになる。
490創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 18:15:42 ID:rpRoZGlQ
前後?
さっきから本気で考えてるんだが、まったく理解できない。誰か助けてくれ
491創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 18:24:04 ID:t7mqD+LT
>左右は逆になってない
右側には右半身・左側には左半身が映ってる。
(鏡を左右に割って考えるとわかりやすい)

>逆になってるのは前後
実体は鏡側(↑)を向いてて、
鏡の中の自分はこちら(↓)を向いてる。
前後が逆になっていなかったら、鏡に向かい合った時
自分の背中が映ることになる。

…という話かな?
492創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 21:40:15 ID:8RcGVXFY
     |  \
      |     \
      |   \
(上)     |    (上) \
Z  |    Z'   \
↑     |     ↑ \
| Y | Y'   |鏡  |
観○―→ | ←─○像   |
測 \ (前) | (前)   \  |
者   X   \      X'  |
    (右) \     (右)  |
           \    |
         \  |
           \     |
             \   |

  観測者の前に鏡面を置いた状態
  (観測者の右上後方から見た図)
目の前に真正面に置いた鏡による鏡像は、上の図の通り物理的には前後を反転させるが左右は反転させない。
日常では目の前でこちらを向いている人と自分とでは左右が反転するはずなのに、鏡で自分の姿を写したとき
に見える鏡像は、物理的には前後だけが反転するものの左右は反転しない。このことが逆に左右が反転するものと
一般に認知されているのである。つまり、自分が右手を動かすと鏡像は左手を動かすというように認知してしまうのである。
上下が重力方向で決まるのに対し、左右は基準となる人や物の向きによって相対的に決まる概念であるため、上下反転とは
認知されず、左右反転と認知されているのである。

493Y.TAKEO:2009/04/05(日) 05:55:06 ID:QCt3/y+9
解説サンキュー
俺は分かったぜ!








自分があほって事が
494創る名無しに見る名無し:2009/04/05(日) 21:45:12 ID:36CMZoq3
超良スレ!!
・・・でも、ここでアイデアを無償提供してしまうのって、もったいなくないですか?
応募してみればいいのに。
495創る名無しに見る名無し:2009/04/05(日) 22:22:42 ID:GR7X9hjN
仕事にするつもりないし
サイト作るつもりもないし
496創る名無しに見る名無し:2009/04/05(日) 23:52:28 ID:QW0YnGCW
>>494
何に応募したらええのんか・・・
497創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 11:44:12 ID:9Nk+GoHD
ショートショートの広場だっけ?
もう、やってないのか?
498創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 12:03:08 ID:B3RuTskj
>>496-497
これのこと?

《応 募 要 綱》
◎ 一人一編、自作未発表の作品に限ります。
◎ 原稿は縦書き、四百字詰原稿用紙七枚以内。
   (20×20行詰・ワープロの場合はA4判の無地の用紙にプリントアウトのこと)
◎ 原稿の冒頭に題名と筆名、
   別紙に、住所・氏名(本名)・年齢・職業(または在校名・学年)・電話番号を記入してください。
◎ 選考委員は阿刀田高氏。毎月優秀作5編を選び、締切翌月の小説現代誌上に掲載します。
   掲載作の単行本化、上映、上演権の一切の著作権は講談社が優先権を持ちます。
◎ 掲載作品には御礼として二万円を贈呈します。
◎ 原稿の送り先は、 〒112-8001 東京都文京区音羽2−12−21 講談社
                小説現代編集部 ショートショート・コンテスト係あて。
◎ 応募原稿は返却いたしません。
◎ 応募・選考に関する問合せには応じられません。
◎ 締切は毎月月末。選考の原則は一カ月ですがのびる場合もあります。
499創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 17:49:08 ID:xUUmL6wJ
『悪戯』

 NとSという二人の青年が机を挟んで向かい合わせに座っていた。
 Nは文庫本を読んでおり、Sは机にの上に置いたノートパソコンで大学のレポートを書いていた。

「実はさ」不意にNが言った。「君にちょっと悪戯をしたんだ」
「どういう悪戯?」Sがキーボードを打つ手をやめ聞き返す。
「まぁリラックスして聞けよ」
「いいけど……うわぁ!!」

 Sが椅子の背もたれに体重をかけた瞬間、背もたれはSの体を支えることなく後ろへ倒れ、Sもまた椅子から転げ落ちてしまった。

「君がさっきトイレに行ったとき、背もたれを壊しておいたんだ」Nが笑いながら言う。
「ひどいなぁ。しかし、僕は怒らないよ」
「どうして?」
「僕も悪戯をしたからさ」Sは椅子に座りなおすとニヤリと笑った。「君がトイレにいってる隙にね」

 二人は互いに大の悪戯好きで、いつもどちらが凄い悪戯をするかを競っていた。
 椅子の背もたれなど、まだかわいい方だ。Sの悪戯でNの家が警察に包囲されたこともあったし、Nの悪戯が原因でSは恋人にフラれてしまったこともある。

「で、君はいったい何をしたんだい?」Nは尋ねる。
「そのうちわかるさ。先に言っちゃあ面白くない」
「まあ、そうかもね。しかしいったい何だろう?」

 そう言ってNはペットボトルのお茶を飲んだ。飲んだ途端Nは顔をしかめる。

「やったな」NはSを睨み付けた。「何を入れた?」
「しょうゆ適量、塩こしょう少々」料理番組の解説みたいにスラスラとSが言う。
「道理でしょっぱいはずだ」Nは毒づく。「しかし、僕の悪戯は背もたれだけじゃないんだぜ」
「僕だってそうさ、他にもある」Sも負けじと言う。「例えば、君のその本」
「これかい?」
「有名な推理小説だよな。その本の謎解きのページを切り取っておいた」
「あ、本当だ」Nはページをめくり叫んだ。「ひどいことをするな、犯人がわからなくなてしまった」
「それなら大丈夫」Sがニヤリと笑う。
「どういうことだい?」
「登場人物紹介のページの、犯人の欄に赤ペンで丸をうっておいた」
「どれどれ……ああ、こいつが犯人だったのか。しかしこれじゃあ読んでいた甲斐がないというものだ」
「まあ、今日のところは悪戯勝負は僕の勝ちだな」Sが勝ち誇ったように言った。
「それはどうかな?」本を閉じるとNは言った。「僕にもまだとっておきの悪戯がある」

 そう言うと、NはSのパソコンを指差した。

「これ?」
「そう、そのパソコンに悪戯をしたんだ」
「どこにだい?」パソコンを調べながらSが首をかしげる。
「実はね、爆弾を仕掛けたんだ。そのパソコンに」
「ええ!?」Sは驚く。「ひどいことをするなあ、これは高かったんだぜ。それに何より、危ないじゃないか」
「大丈夫。この机の近くにいたら危ないだろうけどさ、すぐ逃げれば怪我はしないさ」
「でも、やっていいことと悪いことがあるぞ」
「まあね。しかしこれで僕の勝ちだ」Nは自慢げに言った。「さて、あと一分ほどで爆発するからそそろ逃げようか」
「後悔するぞ」Sが悲しそうに言った。
「どうしたんだい? 確かに爆弾はやりすぎたかもしれないが……」
「実は僕ももう一個悪戯をしたんだ」

 椅子から立ち上がるとSは言った。

「君の椅子とお尻の間にさ、接着剤を塗っておいたんだよね」
500創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 18:36:00 ID:c1mS2CUR
テロの域ww
501創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 20:00:44 ID:1AomaQ72
いたずらの域超えてるだろw
502創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 20:02:02 ID:1AomaQ72
ここ最近のじゃ>>465のやつが好きだなー
503創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 21:31:14 ID:YNwROUly
>>498
それ応募してみるかな(笑)
504創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 21:35:17 ID:DOQOa7FZ
いっちゃえいっちゃえ
505創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 21:45:38 ID:YNwROUly
競争率って激しいの?
てか星新一ぽくなくていいよね?
 
一番気になるのはジャンルなんだが(笑)
506創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 22:18:16 ID:RRprI69B
競争は激しいがショートショート関連の賞としてはこれ以上ない好条件だと思う。
ショートショート作家の阿刀田高氏が審査してくれるし。

ジャンルは面白ければなんでもおk、ただしエログロとかはさすがに無理っぽい
気になるなら↓のスレを読んでみて
507創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 22:40:48 ID:YNwROUly
>>498
一人一編って事は
月に1編しか応募できないのか?
 
封筒をいくつかに分ければ平気なのか。
 
小説現代買ってくるわ
508創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 22:50:07 ID:DOQOa7FZ
>一人一編
こう書いとかないと、大量に送りつける人がいるんだよwきっと
厳選して送るのが良いと思う
509創る名無しに見る名無し:2009/04/07(火) 03:17:54 ID:IFpcVRpU
し、しまった。
俺が余計な質問をしたばっかりに
このスレの職人が減ってしまう!
510創る名無しに見る名無し:2009/04/07(火) 12:14:08 ID:ueEdEUdT
そして俺みたいな低レベルの香具師だけが残るというわけか……
511創る名無しに見る名無し:2009/04/07(火) 22:16:18 ID:rBy2pisH
大丈夫!傑作の1つ以外はここに投下してくれるさ!
512創る名無しに見る名無し:2009/04/07(火) 23:20:40 ID:c75PreCX
>>465
限りなく盗作に近いな。
小説現代のショーショートコンテストで、既存のアイデアがあったよ。
ただし、舞台は『口の中』ではなく『頭の上』だったが。
513創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 00:38:18 ID:CX9eEJXH
>>499
世にも奇妙なとかストーリーランドでありそうだ
514創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 06:35:48 ID:OiYpWpkz
実は応募するにあたって大変なのは
博士と見習いとかSF地球消滅とか神様系など舞台設定はある程度に限られていて
ネタが被らないように書くのが難しいんだろうなぁ
515創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 10:55:11 ID:3qOGCkSw
コンテストのほうは星っぽいとか縛りは無かったと思うよ。結構自由
むしろ星っぽさを外した方がネタ被りを回避できるかも、というか選者自体そういうのも求めてる印象
投稿作がバラエティに富んでいたほうがコンテストとしては面白いしねw
516創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 11:49:11 ID:5aZ2HDV6
投下させていだきます。

「遅くなりました! 大統領、幸せ測定装置が完成しました! これを使えばその人がどれだけ幸せか一瞬にしてわかるんです」
「ほほぉ、早速測ってみることにしよう」
 二人の幸せ指数を測ってみると、大統領は80で博士は20でした。

「せっかく完成したのに喜こんでおらんな?」
「この発明のおかげで家計が厳しくなりまして……」
「そうか、国防省には内緒でわしのポケットマネーから褒美をやろう」
 大統領が博士に金を渡すと、幸せ指数は変動し、大統領は40博士は60になりました。

「これは大発見です。他人が不幸になると、それだけ自分が幸せになるようです!」
「自分が幸せになるとそれだけ他人が不幸になるんだな……」
 博士は大喜びでしたが、大統領は気落ちして愚痴を漏らしました。

「しかし残念だ。もう少し早くこの装置を開発しておれば、わしは発射ボタンを押さなかったのじゃが……」
 核の炎で更地になった某国の様子をモニターで眺めながら大統領は嘆くのでした。

517創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 11:57:04 ID:wfrjUo7s
意味がわからない
518創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 12:39:03 ID:7Qi20e0x
あれ、これ前にも見たような
519創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 12:43:26 ID:3qOGCkSw
うん?俺もなんかデジャヴ
520創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 12:49:52 ID:7Qi20e0x
あ、SFSSスレか
転載とがめる訳じゃないけど転載した旨明記してほしいお

あっちでも感想した気がするけど、やはりオチにもう一工夫欲しいかなぁ
521創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 13:14:36 ID:3qOGCkSw
転載把握。まぁあっちよりこっちの方が……盛り上がってるしねw
んー、しかし俺はあっちの博士&助手の方が好きだったかも知れぬ
会話のコントっぽさが悲惨なオチとの良いギャップになってたとおも
522創る名無しに見る名無し:2009/04/08(水) 18:17:09 ID:hudeTDIr
コンテスト応募する人は、落選したらこのスレに投下してくれw
523フォーティーナイナー ◆WMJUSq/3gY :2009/04/09(木) 00:48:58 ID:JU776ZEj
『ミラーワールド』

「じゃあ、スイッチを入れますよ」
 部屋の中にいるのは、老人と若い男女。
 老人は高名な物理学教授。若い男はその助手。女性は老教授の孫娘だった。
 彼ら3人の目の前には、巨大な金魚すくいのポイのようなものが立てられていた。素人が見ても、サーカスで
ライオンがくぐる輪が置いてあるとしか思えないだろう。輪からはケーブルが引かれ、隣のパソコンに接続されている。
 助手がパソコンのキーを叩くと、輪はヒューと音を立てはじめる。
 やがて、輪の中は鏡のように3人の姿を映し始めた。
「成功だ!」
 青年は感極まった声をあげた。
「待ちたまえ……喜ぶのはまだだ。ただの鏡を力場で作ってみました、じゃあ話にならん。ちゃんと入ってみなければな」
 そう言って老教授は、ゆっくりと片手を輪の中の鏡に突き入れた。片手は何の抵抗もなく、その中に入っていく。
 青年は輪の後ろに回りこんだ。輪の向こう側から教授の手は出てこない。教授の手は輪の中に入ったまま、
切り落とされたようにこの世界から消失していた。
 教授は手を抜いた。もちろん手は切り落とされていない。
「すごいすごい!」
 孫娘が飛び上がって喜ぶ。
「ああ、完成だ。5年に渡る努力がやっと報われたのだ」
 教授は彼女の手を取り、両手で何度も握手を重ねた。そして次に青年のほうを振り返る。
「君もよくやってくれ……」
 そこで教授は言葉を切った。青年の手に、ピストルが握られていたからだ。
「今まで本当にご苦労さまでした、教授。ですが、死んでいただきましょう。もうあなたは必要ありません」
 教授と孫娘は呆気に取られて青年を見た。
 彼の顔から、いつもの穏和な表情は消え失せ、残忍な笑みだけが浮かんでいた。
「この鏡の中に入り込む装置、コアミラー装置は我らN国のものになります。これで我が国の諜報能力は
他国を圧倒的に引き離すことになるわけだ。鏡の中に単身入り込んで諜報活動を行うことができるのだからね。
しかも鏡の外から来た物体の姿は、他の者には見えなくなるときている。完全に安全なスパイ活動だ。さて教授。
あなたには死んで頂きましょう」
 ピストルが火を噴いたと思ったその時、孫娘が男に体当たりした。
 男はわっと叫んで鏡の中に落ちた。すぐに孫娘はケーブルを抜き、接続されているパソコンを叩き壊した。
「おじいちゃん大丈夫?」
「ありがとう……しかし、まだ安心とは言えんよ。鏡の世界にだって機材はある。彼はずっとわしの助手をしていたから、
2ヶ月もあれば新しくコアミラー装置を作って帰ってこられるだろうな」
 大立ち回りをした孫娘はハァハァと息をついていたが、しばらくして祖父の意見に答えた。
「大丈夫じゃないかな。あの人、その前に死んじゃうと思うよ」
「死ぬ? 一体なぜだ?」
 老博士は怪訝な顔をした。
「ひとつ聞くけど、この機械で入れる鏡の中の世界っていうのは、やっぱり左右が逆なんでしょう?」
「もちろんそうだが」
 孫娘はにっこり笑った。
「なら安心よ。なぜってね、人間の体を構成する蛋白質はアミノ酸でできているの……これくらいは知ってるでしょ?」
「ああ、そうか。お前はたしか分子生物学専攻の学生だったな」
「そしてね、アミノ酸にはD体とL体があるの。理由は分かってないけど、人体の蛋白質を構成するアミノ酸はすべて
L体なのよ。自然界にあるほかの生物のアミノ酸のほとんどもね。」
「それがどうしたんだ?」
「人間を含むほとんどの生物は――こっちの世界の生物はと言うべきでしょうね――L体のアミノ酸だけを栄養分として
吸収できるのよ。D体を摂取しても、体外に排出されるだけ。そしてね、D体とL体の違いは、分子構造の左右が
逆だってことなの。鏡像異性体っていうのよ」
「それじゃあ……」
 孫はこっくり頷く。
「鏡の世界にある食べ物は、左右逆の生物の体から作られたもの。つまりD体アミノ酸でできているから、養分として
吸収できない。まあ、間違いなく餓死ね。いくら食べても元気が戻らないのを不思議がりながらね」
524創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 01:09:04 ID:PAqdIjWg
ショートショートじゃなくてSF小説だね
525創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 01:10:59 ID:JhuIJLrx
オチが好みじゃない。
526創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 01:20:42 ID:cSIqCK8A
書き散らすのはいいが、こういう教科書的な説明に面白さはないと思う
むしろ何を面白がらせたかったのかがわからん
527創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 05:16:27 ID:PnTQnQRY
おお、光学異性体か
そういえばそうだよな、確かに死ぬわ
人為的に合成するとどっちもできるんだがL体しか使えないんだよな
どうやって効率的にL体とD対を仕分けするかが課題だって教授が言ってた
528創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 11:25:25 ID:z8vkl7bH
先の「逆になってるのは前後」って解釈だと、アミノ酸も前後逆なだけのL対になったりするのかな
529創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 12:21:38 ID:Dc1DUUFh
アミノ酸の光学異性体ネタか……戦闘妖精雪風でもあったなあ。あっちは代わりにある者を食わされるんだけど。

>>528
鏡像体は、立体構造でX軸Y軸Z軸の一つの軸が他の2つの軸に対して反転しているものだから、
前後軸が逆になっていてもやはり光学異性体になるよ。

>>526
SFには理屈や論理を楽しむって面もあると思うが。特にハードSFは。
推理小説の謎解きシーンで「理詰めの説明はつまらん」とか言ったり
風刺小説で「社会設定を細かく解説されても退屈なだけ」とか言ったりする奴はいないだろう。
530創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 14:05:55 ID:6KTGnK35
星が編集したショートショートの広場
って文庫見つけたから読んでみたぜ
531創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 14:34:03 ID:PnTQnQRY
ふと思った
その鏡の中から食べ物もってきたらいくらたべても太らない最高のダイエット食じゃん
532創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 15:03:02 ID:zo+H5leN
アシモフの科学エッセイでそんなこと言ってたな<D体ダイエット

「鏡の国のフルコース」ってステキな題だった
533創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 15:12:38 ID:OHwCMmVR
>>529
>>523は構成や文章がよくないんじゃないだろうか。
材料はいいのに調理で失敗した感じ。
同じネタでも上手い人が書けば印象変わりそう。
534創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 16:42:53 ID:1+kt8v5U
起承転結が起転承結になってると思う

例えば、まず鏡の世界に入りたい
問題は食糧だ
L体を吸収できる薬を作った
裏切り
娘活躍
「奴は薬も作れるぞ?」
「それはないわ。材料も鏡像体だもの」
とかの方が、オチが映えると思う
535創る名無しに見る名無し:2009/04/09(木) 22:24:13 ID:M2QhLK40
>>533
同意。
「すぐに孫娘はケーブルを抜き、接続されているパソコンを叩き壊した。」

コレの後くらいで、鏡の中に場面を移して、青年がちゃんと食べてるのに衰弱するシーンを入れて、
装置の完成と同時に気が付いて、「後はスイッチを入れるだけなのに」
って言って飢え死にしてしまう。

だったら良かったと思う。
536 ◆tHwkIlYXTE :2009/04/09(木) 23:04:17 ID:6KTGnK35
>>194
どう?どうなの?
537創る名無しに見る名無し:2009/04/10(金) 00:11:44 ID:NvHQTO8+
ん? どしたん?
538創る名無しに見る名無し:2009/04/10(金) 01:36:31 ID:CMFIF2aG
感想がほしくて‥
539創る名無しに見る名無し:2009/04/10(金) 14:29:35 ID:xJ1ueDqh
たんぱく質・アミノ酸は光学異性体あるけど
脂質はないはず。
炭水化物はどうかなぁ・・・
540創る名無しに見る名無し:2009/04/10(金) 16:47:18 ID:9a4OO5Rw
>>536
面白かったよー
一人称で端的に「彼女」と「自分」の関係と感情をあらわしている
短い行数なのにドロドロした苛立ちと諦めが伝わってきて
最後の二文できれいにオチをつけてる

感じたことを集約すると>>195と同じになってしまうから感想書かなかったけどw
541創る名無しに見る名無し:2009/04/10(金) 17:06:56 ID:9a4OO5Rw
あと、星っぽくなく一レス以内だったら
「一レス以内でおはなしを作るスレ」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221997777/
の方があってるかも
542創る名無しに見る名無し:2009/04/11(土) 01:18:15 ID:a4QDnOuB
543ささき のぶひこ:2009/04/11(土) 22:27:03 ID:jRidbPjT
 
「天皇が、ヤスクニ神社を参拝するべきだ」 (福沢諭吉)

「靖国神社の臨時祭には、辱(かたじ)けなくも天皇陛下の御臨席(ごりんせき)さへ(さえ)ありて、・・・。 
・・・大に(おおいに)遺族のものに給与して死者の功労に酬ひん(むくいん)こと我輩の切望・・・」(死者に厚く(あつく)す可(べ)し」  
(1895年 福沢諭吉全集 第15巻341頁)

(天皇陛下が、死者の功労に十分あつくむくいれば、遺族も悲しまないだろう. そうしてほしい. そうすれば国民は、天皇と国のために、喜んで死ぬだろう)

福沢諭吉の時代には、憲法は国の機関の宗教活動を禁じてはいませんでした.

http://koheina-hoso.blogspot.com
544創る名無しに見る名無し:2009/04/12(日) 00:48:18 ID:fY9AFSOa
 メルトダウン

ある科学技術で飛躍的に成長した国があった、その国は発展した科学技術によって
世界で一番明るい国と言われた

世界中の科学者たちはこの国の発展を見て科学技術なら何でもできるのではないかと考えた。

世界中の科学者たちは新しいエネルギーを生み出すために、自らの国の技術を持ち寄って
世界共同の技術開発に着手した。

そして実験の日、人々は成功を信じていた「成功する」と
そして実験は始まった

どんどんとメーターの数字は100%に近づいていった
しかし99%になったそのとき、突然機械が止まった。

すると途端に実験装置が大爆発を起こし、実験場は炎上した。

人々は「まさか失敗するなんて・・・!」と絶望した

しかしそれ以上に大変なのは、その実験場から世界中に放射能が放たれたことだった・・・

545創る名無しに見る名無し:2009/04/12(日) 01:11:12 ID:fuiFz7yl
なんだこれは。
面白みのない文明批判で終わってるな。
546創る名無しに見る名無し:2009/04/12(日) 06:16:39 ID:4PtElL3G
今から図書館で借りたショートショート1001を読んで創作力を鍛えるぜ!
547XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/04/12(日) 13:03:38 ID:D4UuhhUz
追憶


私がN君に電話すると、「すぐ伺います!」の声と共に、車の激しいブレーキ音とクラクションの音が聞こえた。急なUターンでもしたのだろう。
まあ、新薬の価値からすればそれも当然だと言える。
なにしろ新薬を吹きかければ、移植の際に拒絶反応を完全に押さえ込むばかりか、回復力を極度に高めることもできる、さらには人工心肺やペースメーカー手術も飛躍的に進歩するのだから。

俺は車のドアに鍵も掛けずに博士の研究所に飛び込んだ。
今朝方、新薬の開発に成功したと博士から連絡があったからだ。
研究所の扉を開けて飛び込んだ俺を驚かせたのは、新薬ではなく博士の右手にべったり癒着した携帯電話だった。

N君は研究所に飛び込むなり、私の右手に視線をやると目を丸くして固まってしまった。
私の右手には何も握られていないし、右手の携帯電話は特に問題なく動いている。
ははん、どうやら他社に電話していると思ったんだろう。
私はN君に落ち着いてソファーに座るように促した。

驚く俺を見ても博士は笑っていたが、近づくと見間違いで無いのがはっきりわかった。
画面の裏には血管が脈打ち、テンキーの上には親指が溶けたあべかわ餅のようになって広がっている。
画面自体にも、うっすら皮膜のようなものがかかって見える。

ソファーに座ってもN君は青白い顔をして私の右手を凝視したままである。
流石におかしい、と思った時、ふと視界が桃色がかってる事に気がついた。
しまった、朝からバルブの調子が悪いと思っていたが、ひょっとして新薬が漏れ出しているのかもしれない。
そう思ったとき、足元がグラリと揺れた。

博士は新薬について、“本人に移植されたことを気づかせない”と豪語していた。
その時は言葉のあやだと思っていたが、博士の素振りを見るとどうやら本当らしい。右手の状態に全く気づいていない。
兎も角、そうなるとなんとか説明をしなければ。
口を開いたその瞬間、足元がグラリと揺れた。


…記憶が混乱しているようで、断片的に思い出した記憶は支離滅裂で、ピースの混ざったジグソーパズルのようだ。
ただ、地震が起きた事ははっきり覚えている。それも、相当大きな地震だったように思う。
まずは周囲の状況を把握しなくては。

そう考えて、博士とN氏と研究所だった“モノ”は表面に血管の脈打つ体を揺らしながら、その巨体を起こした。
548創る名無しに見る名無し:2009/04/12(日) 13:34:36 ID:U8dVMWGg
おお、この視点の切り替えはいいね
オチまでの効果が立派w
549創る名無しに見る名無し:2009/04/12(日) 22:40:45 ID:5KXc3awg
これはなかなか上手いな。面白い。

…この薬がさらに広がると地球人類みんながくっつくんだろうな…
550創る名無しに見る名無し:2009/04/13(月) 00:32:09 ID:iPT3J9uT
その後火の鳥のコミューンみたいになりそう

どうでもいいことかもしれないけど、携帯の文字盤ってテンキーと言うのか?
551創る名無しに見る名無し:2009/04/13(月) 00:33:04 ID:1f5jC9ij
昼前。エヌ博士から電話がかかってきた。
「ついに完成したよ」
「何がです?」
「タイム・マシンだ」
「タイムマシンですか」
「タイム・マシンだ」
「ですからタイムマシンでしょう?本当ならあなたは一躍、時の人ですよ。タイムマシンだけに」
「タイム・マシンだ」
「あぁ。タイムで区切ってマシンですね」
「まぁどちらでもいいよ。とりあえず急いで研究所まで来てくれ」
エヌ博士の理不尽な態度に少々の怒りを覚えたものの、好奇心が勝った。
慌てて研究所の前まで行くと、全長4m程の鉛色をした細長い筒のような機械が置かれており、その横にエヌ博士が立っていた。
「これがタイム・マシンですか」
「そうだ。あそこの窓の部分を見ていてくれ」
「あの四角い切れ目のようなところですか?へぇ。あれが窓なのですか」
「そろそろ時間だな…」
エヌ博士が言い終わるが早いか。タイム・マシンの窓からは平和の象徴が飛び出し、それと同時にお昼を告げる軽快な音楽が流れだしてきた。
552創る名無しに見る名無し:2009/04/13(月) 00:45:22 ID:v1j+TGhd
うわ、これ好きw
553創る名無しに見る名無し:2009/04/13(月) 01:11:01 ID:BX+qEobO
どんどん星的な作風の品が埋まって来た予感ww
しかも良策揃いだから困るw
554創る名無しに見る名無し:2009/04/15(水) 10:02:31 ID:HYljyS3h
>>553
 そんなこと言われちゃうと、投稿しずらいなぁ……。
555創る名無しに見る名無し:2009/04/17(金) 01:53:03 ID:r9HTKf3u
はと時計かよw
556靴下 ◆L0fX2oZiZI :2009/04/18(土) 21:39:22 ID:mAIGXDs/
【神と願い】

 エス氏が夜道を歩いていると、後ろからスーツの男に呼び止められた。
 「なんでしょうか?」
 エス氏が尋ねると、スーツの男は軽く笑みをつくり、こう言った。
 「いえ。少し、後ろ姿が、寂しげに見えたものですから。何か悩み事でも?」
 「悩みと言えなくもないが。わざわざ、他人に話すような事でもないのです」
 「どんな些細な悩みでも、吐き出せば楽になるものです。ささ。遠慮せずに、話してみて下さい」
 「そうですか。なら」
 エス氏と男は、近くにあった公園の中に入り、ベンチに腰掛けた。
 「では。聞かせてください」
 「はあ。実はここ最近、生きているという実感が、どうしてもわいてこないのです」
 「と、申しますと?」
 「自分に、何か意味があるとは到底思えません。なら、生きている価値はないのではないか?と思い悩んでしまうのです」
 「では。どうすれば価値がうまれると思いますか」
 「徒歩で日本列島一周、いや。紙で造った船に乗って世界一周、いやいや」
 「もっと大きな事をなさりたい」
 「そうですね。子供じみていますが、神様のように、世界を自由に操れたら面白そうだ」
 「例えば、このような具合にですか?」
 そう言うと。男は、スーツの左ポケットから、妙な形をした機械を取り出し、スイッチらしきものを押した。
 すると、突然のどしゃぶり。しかし、エス氏と男の周りだけは、雨粒が落ちてこない。
 「これは一体どうなっているんだ?」
 エス氏が驚きに満ちた表情で聞くと、男は笑いながら言った。
 「天候を操ったんですよ。実をいうと、わたしは神なのです。この機械はあなたにあげます。どうか、楽しく生きてください」
 言い終わると、男は、機械をエス氏に渡し。天に向かって飛び立ってしまった。
 「まさかあの男が神様だったとは。まぁ、いい。さっそくこの機械を使ってみよう」
 しかし、どのスイッチを押しても、ダイアルを回しても、レバーを動かしても、機械はなんの反応も示さない。
 「しまった。使い方がわからない。いや、それ以前に、この機械は、人間には扱えないのかも知れないぞ」
 渋い顔をしながら、エス氏は未練がましく機械をいじり続ける。
 「なんとかして使い方を知る事が出来ないものか。もう一度、神様が地上に降りてきて、教えてくれればいいのだが。いや、もし。もう一度会えたら、次は別の願いをしてみよう」
 生きる意味を見つけたエス氏は、公園を出ると、どしゃぶりの中、家路を急いだ。
557創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 23:46:59 ID:4ykS0eaf
このオチ好きだわぁ( ´∀`)
558創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 02:05:52 ID:tttNslyb
句読点が多いのは気になったけどいい話だわ
559創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 08:51:46 ID:1Xy7x15S
結局機会は使えないけど生きる意味を見つけたのね
560創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 12:19:09 ID:V1e6BJNw
生き甲斐って案外こういうもんだよなぁwこれはいいよ
561創る名無しに見る名無し:2009/04/19(日) 21:52:49 ID:RECzSvgm
ほんとこのスレ、良作が多いな
562創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 00:03:05 ID:iABWM07I
うん本当に
563創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 01:20:39 ID:Djp7pU47
ここにも荒らしがいるのね
いけしゃあしゃあと
564創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 04:23:34 ID:D49gpAeo
かがやかしいみらい

文明の発達。
それはこの世に存在するありとあらゆる地点への移動を可能にした。
この世に存在するすべての情報や知識が手に入るようになった。
かつて科学者が夢見た何億光年も先の銀河への移動が可能になったし、
哲学者が思いに耽った存在の本質の答えも明かされてしまった。
どうしたものか。人々は困ってしまった。
知識欲という、人類特有の欲求を満たしてくれるものが無くなってしまったからだ。
そうだ、あそこへ行けばいいんだ。ある時人々はひらめいた。
あそこならば未知の世界が広がっているに違いない。
そのことに気づいた者は次々と「あそこ」へ旅立っていった。
それから間もなく、人類は滅亡した。


どっかで見たことあるような気がするなぁ
565創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 14:09:36 ID:8ctctv+r
黄泉の世界逝っちゃったんですねw

確かにありがちな着想かも。
その手の不安に苛まされた時は、捻りどころを熟考する良い機会かもしれませぬ
566創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 16:37:33 ID:iABWM07I
いや空想妄想の世界かもしれぬ
567創る名無しに見る名無し:2009/04/20(月) 20:15:01 ID:YKXYYX6g
二次元世界に逝けたのかも知れない。
568創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 01:25:46 ID:Qrvr7Qi3
その夜男は奇妙な夢を見た。
血のような赤黒い土が足元に広がり鋭角に尖った山が辺りに広がっている。

最近仕事ばかりで疲れて変な夢を見ているのだろう、
最近ニュース番組で過労死という言葉を良く聞く。他人事ではない。
しかしここはいったいどこなのだ?
振り向くと恐ろしい姿の鬼が男を睨んでいた。
「私は地獄に住む鬼だ。お前を食べに現れた」
怯えた男は暴れようとしたが体に力が入らない。

「安心しろ。食べるといってもお前の身体をむしゃむしゃといただくわけではない。
鬼は人間の感じる負の感情を食べるのだ。
そこでお前に尋ねたい事がある」
悪魔の指先から炎が飛び出て、ある道具の形になった。
「人間の事を調べると、どの人間もこの道具を持っている事に気が付いた。
また地球上のあらゆる場所にこの道具はあり、人間はこの道具が故障するとすぐに修理をするか、別の新しいのを用意する。
よほど大切なものなのか?」
男は震えた声で応えた。
「確かにとても大切だ。それがないと大変困る。しかしどうしてそんな事を聞くのだ?」
鬼は残酷な笑みを浮かべた。
「いっただろう?鬼は人間の負の感情を食べると。
俺は中でも人間が大切なものを失った時に感じる絶望が好みでな。
くくく、今夜この道具を地球上から消し去ってやる。朝起きた時、お前ら人間は絶望するだろうな。
毎日大切にしてきた道具がいきなり全てなくなるのだから。
もう腹が減ってたまらん。早く食べないと俺が餓死してしまう。お前は用済みだ目を覚まして絶望するがいい」



男が目を覚ますと確かにその道具はなくなっていた。
幼い頃から毎日隣にあった道具が地球上から無くなったのだ。
しかし男は絶望どころか歓喜していた。
この様子だと、今日は仕事を堂々と遅刻できる。久しぶりにゆっくり眠れる。
しかしあの道具がなくなって困る人間はいても絶望する人間などいないのではないのだろうか?
むしろ我々人間はあの道具に支配されているせいで絶望しているのではないだろうか?
うるさく出勤をせかす時計のない朝は思いの外幸せだった。
569創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 01:28:12 ID:ID3uO/Ay
目覚まし時計かww
最後まで携帯だと思い込んでたから意外だった
570創る名無しに見る名無し:2009/04/21(火) 16:33:04 ID:/YAsOlty
この話運びはいいねw
博士と発明並に汎用性高そうだ
571創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:16:13 ID:hkxaW9I/
【酒と不幸】

私はその日長年連れ添った女房と別れ、絶望に打ちひしがれていた。
感傷に浸りながら街を歩いていると一軒のバーが目に留まった。

店の看板には“Bar Unhappiness 不幸な方には無料でお酒をお出しします”と書かれていた。
丁度いい、私は今不幸の絶頂だ。入ってみよう。

「いらっしゃいませ。お客さん、貴方は今不幸なんですね?」
「えぇ、長年連れ添った女房と別れてしまったんです」
「それなら無料でお酒をお出しします」

そこで私はウォッカ・トニックを何杯か注文した。
そして四杯目のウォッカ・トニックを飲み干した頃には、私はもう酔ってしまっていた。

「どうです?酒を飲んでいると不幸なんてものは忘れてしまうでしょう?」と、マスターが尋ねる。
「えぇ、もう僕の不幸なんて何処かへ消えてしまったみたいです」

そう言うとマスターは笑みを浮かべ、私に言った。

「そうですか。ではお代の方はきちんと払って頂きます」

世の中には上手い商売があるものだ。
572創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:19:38 ID:evx3Zvsu
タイトル「悪夢」
ttp://www8.uploader.jp/user/minori/images/minori_uljp03086.jpg
寄生虫なのでjpgです、携帯の方ごめんなさい。
573創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:24:38 ID:hkxaW9I/
>>571
あ〜「私」は「男」の方が良かったな…orz
574創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:29:00 ID:/Ss1i6SV
>>571
ひどい口車や、gdりにバー行く時は注意しようw
短さとタイトルがいい感じ
575創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 21:30:02 ID:0cR/dDjz
>>573
>>571は、地の分では「私」なのに、喋るときは「僕」って方が気になった。
でも、それ以外はいい

>>572
分からん。
夢の登場人物たちは、主人公を怖がってたり恨んでたりするのに、
なんで、目が覚めなくなる薬を飲まして、ずっと夢の世界に居るようにしようとしてるの?
576創る名無しに見る名無し:2009/04/22(水) 23:25:41 ID:SKDgq515
>>573
外国のジョーク小噺みたいだw
577創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 20:48:41 ID:RKJ42cgG
「お、お前はだれだ!?」
「ふふふ、私はタイムパトロールですよ」
「タイムパトロール!? 俺に何の用があるんだ!? さっさとこの家から出て行ってもらいたい」
「あなたには死んでもらいます」
「なに!?」
「あなたは30年後、独裁者となるので死んでもらいます」
「なんだって! 冗談じゃない!? それじゃタイムパラドックスの問題はどうなるんだ!?」
「それは並行宇宙解釈で解決ずみです」
 そう言うと彼はレーザーガンを取り出し、壁に向かって引き金を引いた。青いビームが壁を焦がした。
「おい! なんで可視光線が壁を焦がすんだ!?」
 俺は抗議した。
「ビームが目に見えなきゃ舞台効果に欠けますからね」
 彼はそう言うと俺に向かってレーザーガンの銃口を向け、引き金を引いた。
578創る名無しに見る名無し:2009/04/23(木) 21:57:43 ID:n9kNwQO8
>>577
おわり? 俺が読解力ないのかもしれないが意味がわからない。
だからなんなのって感じだ。
579創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 00:15:46 ID:aByw8VqY
読解力ないわけじゃないと思う。
明らかにオチがない。
580創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 00:30:58 ID:97IPPOz6
なんだろうね。
作品になってない感じ。
581創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 11:12:54 ID:Xs4nCi0V
これはSSではないよな……
って、誤爆?
582創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 21:55:51 ID:kumSVrC6
この文章、
創作文芸板の「あなたの文章、無理して誉めます」ってスレの
>>67の文章を貼ったやつだな
583創る名無しに見る名無し:2009/04/24(金) 23:33:56 ID:kJelDm1x
絶対安全装置

「はあ、借金は減らないし給料も増えない。ギャンブルでもしてお金を稼ごうにも元手がない。
はあ、どうしようか。」
そう嘆いている男の足もとに、小さな箱のようなものが落ちていた。
「おや、これはなんだろう。宝石なんかが入ってたら嬉しいのだが。」
男は箱のなかから紙と球形の物を取り出した。
「なになに…。
これは絶対安全装置です。人間が起こすことのできる最大のスピードを想定して作っているので、
剣でも矢でも防ぎます。
へえ、でも字が相当古いな。だいぶ昔に作られた物なんだな。」
男の思ったとおり、それは約1500年前に作られたものだった。
「そうだ!これを持っていれば無敵ということは、強盗をしても警官に殺されたりする心配がないわけだ。
よし、やってやろう。これで借金が返せるぞ。」
男はしっかりと計画を立て、絶対安全装置とモデルガンを持って銀行へ強盗へ入った。
しかし、駆け付けた警官に足を撃たれ、あっさりと男は捕まってしまった。
「何が絶対安全装置だ。くそっ。」

まさか自分たちの子孫が、想像もできないようなスピードを持つ凶悪な兵器を開発するとは、
1500年前の人々は思ってもみなかっただろう。
584創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 00:23:57 ID:v1icOGcg
これは俺の読解力が足りない所為なのかも知れないが
細かい点を指摘するのであれば、その“絶対安全装置”の具体的な使用法が分からない
一瞬防弾スーツの様な物かとも思ったけど、小さな球体の物質のようだし

それを持っているだけで何か特殊な防護壁が持ち主を守る、という解釈でいいのか?
585創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 02:17:49 ID:hAwAJJgY
もしそうだとしたらそれだけの科学力を持っていた昔の人が
銃弾ほどの殺傷能力を持った武器の存在を想像できないのは違和感がある。

だけど、ネタは面白いから俺は好き。なんか星の地球人が善良な宇宙人に、鍵を通して悪い発想を教える話を思いだした。
586創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 19:54:27 ID:MgKXHrUc


「もう駄目でしょう。軍はほぼ壊滅状態です」
大尉は敵性宇宙生命体との戦争の総指揮をとる元帥にぽつりと言った。
かつて60億存在した人類は、現在5億にも満たない。
スライムのような姿の宇宙生命体は突如現われ、
人に覆い被さって一瞬で骨に変えてしまうという恐ろしい生き物だった。
人肉を自身の糧にしてどんどん膨れ上がり、
どんな攻撃をしてもふよふよと分裂するだけで人間は手も足も出なかった。
 「いや まだだ!優秀な博士が奴等を殺す薬をようやく開発したのだ。
  もうこれしか方法は無い!この薬を奴等の体に浴びせれば溶けて液状になるはずだ」
元帥はポケットから赤色の液体のサンプルを取り出し、大尉に差出した。
 「…しかし、どのように?あれは大小様々、地球全土に行き渡って増え続けていますよ」
 「ヘリで上空から撒けばいい。薬は大量に用意した。地球にスプレーして
  奴等を駆除するんだ!害虫だらけの地球をこの薬で治してやる!」

そして軍は大陸、島にまんべんなく薬を撒き、宇宙生命体は薬が降り掛かると
ただの無色透明な液体になった。その様子を確認すると人々は両手を上げて喜んだ。

数日後の夜、大尉は元帥と空を見上げながら話をしていた。
 「元帥、やりましたね。これで地球は元に戻るでしょう。
  奴等のせいで人口はかなり減りましたが…全滅ではありません」
 「あの薬のおかげだな。博士に感謝しなければ……ん?何か降ってきたぞ」
スポイトで落とす水のような勢いで雨が降り始めた。
 「雨が赤い……?うわっ!なんだこれは!?い、痛い!」
2人の肌に雨粒が当たると火傷するような痛みが走った。「な、なんなんだ一体…」
急いで軍の施設の中に入ると、雨はざあざあという音に変わった。
同時に部屋から電話の音が聞こえ、大尉がその音を止めた。
 「もしもし…え?人が死んでいっている?何故…死んだ人達に
  何か共通点はないのか?……赤みがかった野菜を食べたって?そんな馬鹿な!」
元帥の頭の中であの薬の行方が映像の早送りのように再生された。
赤い液体のたっぷり染み込んだ土で植物は育つ。
川に混ざり海に流れ蒸発して雲になり水滴となって落ちる。
元帥は大尉から電話を奪い取り、博士の研究室の番号を打ち込んだ。
 「博士!どういうことだ!あの薬が人体に有害なんて聞いていないぞ!
 …(頼まれた通りあの生物を殺す薬を作ったんだからいいだろう)だと?ふざけるな!
 あれは薬じゃなかったのか!地球を治すための!人が生きるための!」

その後人類がどうなったのかは わからない。
587創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 20:01:08 ID:0YDZMOKQ
うーむ、救いがないw

博士に要件定義して発注しろよとか、副作用を綿密に確認してから使えよとか突っ込もうと思ったんだけど、
博士に地球滅亡の意図があったと解釈すると、地味に深いなと思った
588創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 01:11:41 ID:otL11dAU
てっきり敵が小さな分子になって人間の体内から食ってるのかと思った
589創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 14:20:55 ID:OHEg0+xZ
>>587-588
レスありがとうございます
農薬をイメージして膨らましていったんですけど、何かまとまり無かったですね
自分でも突っ込み入れたんですが まあいいかとスルーしてしまいました
後味悪いものに挑戦してみましたが…難しいっすね
590創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 14:57:07 ID:SmoY55zZ
>>583

安全装置と言われると、どうしても拳銃の誤動作防止装置を
思い出します。完全防御装置とかの方が良いと思います。

急展開すぎるというか、主人公の動機が短絡的すぎます。
こういう展開の時は、オチで笑わせる位が良いと思いました。
笑えるネタとしては、けして悪くないので、
真面目なオチよりも、ユーモア路線、、、
591創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 15:13:52 ID:SmoY55zZ
>>586
薬は人体には無害だけど、
薬を含んだ土壌で植物が育つと非常に毒性の強い実がなる
の方が良いと思います。
592創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 20:09:48 ID:4qg8jrVn
薬は人体とその怪物には有害だが、植物には無害でその科学者が地球を無に還す為に
敢えてそういう薬を開発した、とかも良いかもな
593創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 21:06:42 ID:COwNfbV4
元帥「博士!どういうことだ!あの薬が人体に有害なんて聞いていないぞ!」
博士「頼まれた通りの薬を作ったんだがな」
元帥「ふざけるな! あれは地球を治すための!人が生きるための薬じゃなかったのか!」
博士「おいおい、あんたは『あの生物を殺して地球を治す薬をつくれ』って言ったじゃないか。二つの効果をもたせるのには苦労したんだぞ」
594創る名無しに見る名無し:2009/04/26(日) 21:34:52 ID:VikKRFri
これはいい落ちだw
595創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 15:55:49 ID:ChPQzUuI
あかない箱

つい先日、怪しげな露天商で奇妙な箱を見つけた
その箱は店主曰く「絶対にあかない箱」らしい
酔った勢いもあって深く考えずに購入した
そして私は箱と手に取り開けようと必死になった
しかし、箱はうんともすんとも言わなかった
どうやっても開かない事に怒った私はので工具を使って箱を分解して中を見た
箱の中は何もなく内側の壁がそれぞれ青、藍、緑、黄色、黒、白、灰色に塗られていた
何も入っていないことに落胆した私はそのまま箱を捨ててしまった

後日、友人にその事を話したら一人で納得した顔で笑っていた
何故笑っているのか?と聞くと友人は一言だけ言った
その言葉を聞いた私は納得をしてしまった
そうあの箱は…
「あの箱は「絶対に赤無い箱」だったんだよ」」

お後がよろしいようで…
596創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 16:03:47 ID:ChPQzUuI
×どうやっても開かない事に怒った私はので工具を使って箱を分解して中を見た

○どうやっても開かない箱に怒った私は工具を使って箱をバラバラにした


少し落ち着いてから書き込んだほうが良かったですね
597創る名無しに見る名無し:2009/04/30(木) 16:08:39 ID:gmxDyFow
推敲なんて適当でいいのです(暴論

これはダジャレスレの方が適切かもw下らなくて素敵ww
598創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 02:35:50 ID:70F/Qx7P
>>595
星さんはまぁ置いて
低学年層とオヤジ層という限られた枠だろうが俺にはイケてる作品だ。

599創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 02:46:39 ID:5zgSAPWJ
ニヤリとしてしまったwいいねこのオチ
でもダジャレー婦人の方が適切には同意w
600創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 17:38:43 ID:OqOHNTBv
確かにダジャレー婦人向きだなw
601創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 18:50:56 ID:s1egmn2Y
メガネ

 国立医科学眼鏡センターでは、博士が秘密裏にある発明を進めていた。
「いいかね。メガネというものは、もともと視力を矯正するための道具だ」
 博士が新米の助手に、研究の内容を説明する。
「しかし100年前の技術革新以来、この地球の医療技術は非常に発達してしまった。
 今では近視・遠視・乱視・老眼すべてを義眼の埋め込み手術によって回復することができてしまう」
「はい。博士」助手は言った。「しかし、それではメガネの出番がありませんね」
「そのとおり!」と博士。
「私も昔は使っていたが、メガネというものは手入れが大変な道具なのだ。そのうえ常に携帯していなければ不安になるし、
 身につけているときゅうくつで、下を向けばすぐにずれてしまう。こんな前時代的なものを人々が欲しがるわけがない」
「そうですね」と助手。「それじゃあ、ここでは何を研究しているのですか?」
「良い質問だ。ずばり、メガネの新しい可能性について研究している」
「新しい可能性?」
「そう。メガネが商品として売れるために、これまでにはなかった新機能を取り入れる。
 100年前の技術では実現不可能だった機能でも、今ならいくらでも実装可能だからな」
「なるほど。たとえばどんな機能を」
「私が参考にした昔のアニメでは、犯人にとりつけた発信機を追跡する機能が付いていた。
 ダイヤル式変声機も超小型麻酔銃も現在では商品化され大ヒットになったが、これはまだ誰も作っていない」
「感動しました! それなら同じシリーズですから、大ヒット間違いなしですね!」

 二人は早速研究にとりかかり、マイクロ型発信機と追跡メガネを商品化した。
 メガネには助手のアイデアで盗聴機能も加え、安価で売り出したのだが、まったく売れなかった。
「なぜだ! 私は消費者のニーズにちゃんと合わせたはずだ!」
「とくに警察関係者が欲しがらなかったのは疑問ですね。犯人を追うのに便利なのになぁ……」
 当惑する博士と助手のもとへ、一人の警察官がやってきて言った。
「あなた方をプライバシー侵害罪の幇助犯として逮捕します。
 おっと、逃げても無駄ですよ。こちらにはナノ型発信機と追跡義眼がありますからね」
602創る名無しに見る名無し:2009/05/05(火) 20:16:17 ID:OqOHNTBv
もうあるんじゃんw
メガネはファッション小物として進化すべきだと思うよ、うん
603創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 10:31:08 ID:AHd+CMA8
「肉」

目の前に分厚いステーキがある。
単なるステーキではない、高級なレストランのステーキなのだ。
そのステーキを一口食べると……不味い!
肉は臭味がまだ残っており塩や胡椒、ハーブやソースなどでは全然消えない臭みだ。
油も油でギトギトしておりとても食べられて物ではない。
私はこんな物を作ったコックを呼び出し文句を言った。
しかしコックは悪びれる様子もなく平然とこう言った。
「仕方ないでしょう、肉が悪いんですから。」
確かにあの肉がとても悪かったのを思い出した。
コックに一体何の肉か聞いて見ると…

レストランの夢から覚めた私は健康の為に運動を始めた。
604創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 11:12:19 ID:j28rnj3u
…自分の身体の肉? そんな夢見たらドキッとするねw
怖いけどショートショートらしくて好きだ。
605創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 12:15:58 ID:t+IL9K4t
これ好きだ。いい。
606創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 15:01:56 ID:8TbnEglA
短さが逆にハッとさせるねえ
607創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 17:23:07 ID:hztBh1ou
これは耳が痛い
短いのにピリリときく感じがいいね
608創る名無しに見る名無し:2009/05/09(土) 22:24:43 ID:/2fQ2QFZ
たしかにぐうたらしてるやつの肉はめっちゃまずそう
609創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 16:01:11 ID:iJzK5X/J
北京ダックなんて普通のアヒルより動かないのに旨いじゃないか
610創る名無しに見る名無し:2009/05/11(月) 23:13:10 ID:puFHxeGm
食べるものの問題じゃないかな
ジョジョでも草ばっかり食べる鮎は旨いがライオンは不味いだろうなーと言ってた
611創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:29:31 ID:FTCGFzXm
なぜジョジョ
612創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:11:05 ID:BTZtASs2
「こちら地球探査本部、:-775へ、感度はどうだ」
「こちら地球探査班:-775です、感度は良好です」

「地表の様子はどうだ、なるべく詳細に頼むぞ」

「大気はやや埃っぽく地面は一様に固いもので覆われています。それと、さっきから気になるのですがなんだかすれ違う地球人の殆どがこちらを振り返って見てくるのです」

「気にしすぎじゃないのか、それに我々はこの星のものと思われるパイオニアとかいう宇宙船に描いてあった地球人と思しき生命体。その姿に似せて君の擬態スーツは作られている、よもや誰も君が地球外の生命体だとは思うまい」

「それもそうですね、安心しました。では探査を継続します。あ、痛い痛い何をするんですか。あ、言葉なんて通じるわけがないか。本部、本部、緊急事態です。地球人の男二人組みに拘束され……」

「どうした:-775、おい、ああ電波の届かないところへ行っちまった」



「あー署ですか、駅前の不審者をただいま拘束しました。言葉がわからないのでそちらから外国語に詳しい人員の応援をお願いします。西洋人ってことくらいしか分かりません。え、パスポート、身分証の類は一切ありません。なんてったって素っ裸ですから」
613創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 13:46:35 ID:EcRAmjge
なるほど、確かにあの絵は裸だったなw
発想が面白い
614創る名無しに見る名無し:2009/05/18(月) 20:00:28 ID:G3cI8+Jc
615創る名無しに見る名無し:2009/05/18(月) 22:44:09 ID:TfTJ6D/r
616創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 10:49:13 ID:mkE60e1p
 3日未明、N社製ロボットJMAE6755が、ユーザに殺害された被害者に成り代わり、殺人を隠蔽していたことが分かった。
 被害者の家族はショックを隠せない様子で、
「退職金が出ないとは……」
「給与も全額返金しろと言われており困っている」
 などと話している。
 警察では、10年以上もの間ロボットが人間に成り代わっていたケースや、ユーザが既に死亡していて責任を問えないケースもあるとして、慎重に調査を進めてゆく方針だ。




 ねえ、あなた。あなた人間だったわよね?
617創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 12:04:37 ID:wsIWiOI6
こええw
つーかはじめからロボット雇えよw
618創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 23:08:20 ID:hOg3yCXc
子供のころ何かが人間に成りかわる系の本を読んでトラウマになったの思い出したw
こええw
619創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 00:11:00 ID:NC6wzolj
ええええええ


お、おれも人間だったかふあんになったよ!
なったよ!
620創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 01:13:35 ID:TuJyKrKU
アンドロイドや宇宙人が知らぬ間に人間に成りすましてました
ってあんまり目新しい感じもしないけど
621創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 00:10:58 ID:qhCXhbFc
よくあるからこそ短さ引っ掛けに重点が移るとオモ

つかショートショートは題材の目新しさより調理具合じゃねw
博士と新発明系にも言えそうだけんど
622創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 16:56:07 ID:fOe3aUOg
なんか過疎ってるな
623創る名無しに見る名無し:2009/05/21(木) 17:01:05 ID:fOe3aUOg
専ブラがバグってただけだった
624創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 17:59:57 ID:L/aRUxJ1
謎の3日間
625創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 06:20:23 ID:5EDEmVsN
謎の5日間
626謎の5日間:2009/05/29(金) 12:00:14 ID:PQsBZA4J
俺は記憶を失っていた。
といっても、5日前から昨日までの記憶だけがまったくないのだ。
6日前に交流戦でダルビッシュが完封したことまでは憶えている。
それなのに、二日前に日本代表がチリを相手に4―0で勝利したなんてぜんぜん記憶にないのだ。
もしかすると、この5日間に俺はとんでもないことをしでかしているのかもしれない……。

急に怖くなった俺は病院に駆け込んだ。
様々な検査をしたあとに問診をした医師は、険しい表情でカルテを見つめて呟いた。



「5日間の記憶は、いつか戻るでしょう」
627創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 16:55:11 ID:jLPVuvEj
>>656
意味がわかった瞬間ずっこけた
628創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 20:47:22 ID:bvh164gj
ちょwwwww
ダジャレー向きなのでは><
629創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 02:35:20 ID:iXxZkaE6
ショートショートかと思って油断してるとこれだww
630創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 13:33:04 ID:41F2WoNP
「坊っちゃま、今日から後継の国家元首として我が国を治めていただきます」

「めんどくせえな……。なんで兄貴たちじゃないんだよ」

「兄上様たちはいろいろと問題がありまして……。父上様の御指名でありますから従わなくてはなりません」

「じゃ、俺にも親父みたいに何人も影武者ができるんだな」

「もちろんでございます。お妃様も何人いらしてもかまいません」

「じゃ、このボタンもいつ押してもいいんだよな?」

「あっ! それは!!」


 ポチッ
631創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 14:13:48 ID:dUZy4w+2
なんのボタンか気になるw
632創る名無しに見る名無し:2009/06/04(木) 02:39:38 ID:yxlJqFbe
国のトップしか押せなくて、なんでもないのに押されると困ることになるボタンなんて一つしかない
そして時代は世紀末へ……
633創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 15:17:57 ID:9bhppmki
 寝付けない少年のところに、一匹の悪魔が現れた。
「誰」
「悪魔だ」
「何の用」
「お前の願いを一つだけ叶えてやる」
「じゃあ、僕を世界一かっこいい男にしてよ」
「よかろう。朝起きれば、お前は世界一の美男子になっている」
 悪魔は消え、少年も少しして眠りについた。

 少年はいつもより一時間遅く目覚めた。家に起こしてくれる人間がいなかったからだ。外に出てみるが、
人は一人もいない。もちろん新聞なんて物も届いていない。
 自分以外の人間は消滅してしまったらしい。どうせそんなことだろうと思ったよ。
 少年は道路の真ん中に、ごろんと寝転び、天に向かって大声で叫んだ。
「ああよかった。これでもう、顔のことで虐められない」
634創る名無しに見る名無し:2009/06/05(金) 21:34:24 ID:F6g3V1Xg
第二の人生

 ある頭のいい悪魔が、新しい薬を開発した。
「やったぞ。これで、おれの仕事の効率は二倍にはねあがった……さっそく、試してみよう」

 悪魔は人間の住むところへいき、広場を歩く一人の老人に声をかけた。
「やあ、あなた、ちょっと話したいことがあるのです。まあ、そこのベンチにでも、どうです」
「なんですか、あなたは。わたしに何の用が……」
「それは、すぐにお話します。さあ、どうぞ……」
 悪魔は、やや強引に、老人をベンチへと連れていった。そして、すぐに話を持ちかけた。
「私は人間のすがたをしていますが、じつは悪魔なのです」
「悪魔だと……」
「信じられないかもしれませんが、本当なのです。試しに何かしてみましょう」
 そう言うと、悪魔は立ち上がり、通りかかる人に拳を振り上げた。しかし、悪魔の拳はひとの体をすり抜けた。
「どうですか。私は、あなたにしか見えていませんよ」
「や、本当のようだ。信じられん。あなたが悪魔だとすると、魂とひきかえに願いをかなえてくれたりするのですか」
 悪魔はベンチにもどり、腰をかけた。
「いいえ、私の場合は少し違います」
「と、言うと」
「あなたの魂とひきかえに、あなたの記憶そのまま、第二の人生を保証します。そして、今のあなたの魂と、第二のあなたの魂をいただきます」
「それは、死んで、生き返ることができるということか」
「その通りです。いかがなさいますか」
「是非、おねがいしたい。私は、今の人生に後悔している……」
 悪魔は立ち上がった。
「では、決まりですね。あなたが死んだとき、また、お会いしましょう」
 そう言い残し、悪魔はその場で消えた。そのあと、沢山の人間と契約を結んだ。

 しばらくたち、いつかの老人が死んだ。それを知った悪魔は、すぐに老人のもとへ駆けつけた。
「どうも。私を覚えてらっしゃいますか」
「ああ、もちろん。生き返らせてくれるんだったね。いますぐにでも、たのむ。はたちぐらいが、いいかな……」
「すみません。私の場合、そういう訳にはいかないのです」
「どういうことだ。あれは、うそだったのか」
 悪魔は少しあわてた。
「いえ、少し時間がかかるのです。あなたには薬をのんでもらいます。その薬が、あなたの中に新たな魂を作るのです」
「なるほど、そういうことか。魂ができあがるには、どれくらいかかるのだ」
「一年ほどかかりますが、天国で暮らせば一年なんてあっという間。どうか、おねがいできますか」
「わかった。おねがいするとしよう」
 老人は薬をのみ、天国へ向かった。

 老人の天国での暮らしはすばらしいものだった。毎日酒をのみ、うまいものを食べ、楽しく遊んだ。
自分と同じぐらいの年の仲間もたくさんいた。それは、天国の名にふさわしいものだった。
老人は、時のたつのを忘れ、天国を思う存分楽しんだ。
 ところが、突然のこと。老人は、目の前で光がまたたいたと思うと、きがつけば悪魔の前にいた。
「あ、あなたはいつかの悪魔……」
「やあ。約束通り、あなたを生き返らせて差し上げます。確か、はたちがいいとか、言ってましたよね。では、第二の人生を楽しんでください」
 言うが早いか、老人は若いハンサムな青年になり、人間の住むところに送られた。

 悪魔は言った。
「ふう、これで一段落。やっと片づいた。しかし便利な薬だ。死んだ人間の体の中に魂をつくり、そのまま眠らせ、楽しい幻覚を見せる作用を持つなんて。
 ほら、あの老人は自殺した。幻覚で見た天国が忘れられなかったんだな。本当はあんなもの存在しないのに。一年待つだけで、もう一つ魂が手に入るとは。
 あ、また誰か死んだみたいだ。おれの客のようだな。薬を飲ませてここへもどってきたら、もう少し短い期間で魂ができるように改良しようかな……」
635もう一ひねりしてみた:2009/06/05(金) 23:19:20 ID:mZqD1+Dj
ソレを見ていた、上役の悪魔。
「なんて善良なやつなんだ」
そう言って、同じ薬を持って適当な人間のところに出現し、
その場で有無を言わさず殺した挙句、死体の胃袋の中に薬を放り込んだ。

1年後、天国の幻覚の中ですごした男は悪魔の幻覚を見てから生き返った。
「悪魔に殺されて、天国に行ったけど、悪魔の手で生き返らせられた。
 これは今すぐ死ななければ、悪魔の策略になったことになる」(建前)
『それに、天国は面白かったしなー』(本音)

「そんなこんなで、私利私欲で自殺した男の新しい魂を手に入れるまで1年。
 お前は、最初の魂を手に入れるまで6年掛かった。
 7年で2個の魂と、1年で1個の魂と、ドッチが効率がいい?」
636創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 20:45:01 ID:RMfdpf53

 エフ氏はエヌ氏から新しい発明をしたとの連絡を受け、エヌ氏の家へ向かった。ドアを開けて、言った。
「こんにちは」
「やあ、来てくれましたか」
 エヌ氏はこころよくエフ氏を迎え入れ、つきあたりの大きな部屋へ連れて行った。
「それで、新しい発明というのはなんなのです」
「まあ、聞いて下さい。きみは、僕の潔癖性を知っているよね」
「そういえば、そうでしたね」
「僕はいつも時間さえあれば、部屋の掃除をしています。ですが最近は、それでは物足りないと感じ初めていたのです」
「どういうことですか。気になります。はやく、新しい発明というのを……」
「まあ、そう、あせらずに……これですよ」
 そう言って、エヌ氏は両手の平にちょこんと乗るぐらいの箱を取り出した。
「だから、これはなんなのです」
「この中に入っているのは虫です」
「虫ですか。きみはきれい好きのはずじゃなかったか」
「そうですよ。ただの虫じゃありません。この虫こそ、新しい発明です」
 エヌ氏は虫の説明をはじめた。
「この虫は、汚れに群がる性質があります。そして、そこについている汚れを食べ、それで生活します。
気になるほど大きくなく、この箱の中に200匹ほど住んでいます。騒音もなし。人体にも無害。特殊な電波を流せば、この箱の中に戻ってくる仕組みになっています。いやあ、全く、これを作るのには苦労した……」
「それは、すごいですね。さっそく、試してもらえますか」
「ああ、よろしいですとも。それを見ていただきたくて、あなたをよんだのです。それ……」
 エヌ氏は虫を箱の中から放出した。虫は、一斉にエフ氏に群がった。

――――――――――――――――――――――――――

>>634“第二の人生”をつくった者と同じ者です。
なんか、星さんらしくないですね……面白味にも欠ける気もします。

よろしければ、>>634とこちら、感想お願いします。
637創る名無しに見る名無し:2009/06/06(土) 21:25:53 ID:th9UczOD
>>633
いいのかよww
>>634
うーん、オチ部分が説明的過ぎるかも
>>635
なんかカオス化してないかwwよくわからんw
>>636
エフ氏テラカワイソスwwwww
638創る名無しに見る名無し:2009/06/07(日) 12:45:44 ID:ksx3wdlt
神と霊魂・死後の世界  カトリック教会の奇跡
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/psy/1227016089/54
639えれぽん:2009/06/07(日) 22:18:25 ID:Bn2Rp4oQ
初投降です。

「夢に限界は無い」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その彼が「あらゆる欲望を実現する機械」を開発した、と聞き、エヌ記者はインタビュ−を申し込んだ。
「それで博士、一体どんな原理によって、そんなすごい発明を成されたのですか?」
実を言えば、エヌ記者はそんな発明が実現出来る訳が無いと思っている。
「何、原理は簡単だよ。君は睡眠学習器というものを知ってるかね?」
「睡眠中の脳に音声を送り込み、記憶させるというあれですか?」
一昔前は良く耳にしたが、最近はとんと聞かない。実は大した効果は無いからだ。
「私はその改良強化型の研究をすすめ、ついに睡眠中の脳に自由に信号を送れる様に成ったのだ」
「はあ・・・」
「簡単に言えばだね。どんな夢でも思い通りに見ることができるのだよ」
「それと欲望と何の関係があるのでしょうか」
「たとえば君、映画の世界に入り、主人公と入れ替わりたいと思った事は?
TVのアイドルと付き合いたいと思ったことは?アニメや漫画の中に入りたいと思った事は?」
ようやくエヌ記者にも博士の発明のすごさが理解できた。
「そうか!夢の中なら何にだってなれる!何だってできる!どんな欲望も思いのまま・・・」
「しかも、私の機械で見る夢は、感覚も操作できる。つまり、夢の中でも五感の快楽はそのまま。
逆に痛覚などはキャンセルすれば、リアルな戦争ゴッコも可能だ」
確かに、使用法には無限の可能性がある。
「これはすごい発明ですね。博士には巨額の利益が入ることでしょう」
「何、私だけでは無い。PCだって、DVDだってソフトが無ければ役に立たないからね」
「ソフト?」
「そうだよ。人間は自分の知識や体験以上の夢を見る事は出来ない。従って、そういった情報も含めた信号を送らねばならん」
「なるほど・・・見たい夢に応じてソフトを交換する訳ですね」
これは一大産業を形成するだろう。確かに博士だけの利益では無く、経済効果は大きい。
「あれ?そうすると、今はまだこの機械は使用出来ないのですか?」
「いや。私の方で基本的なソフトを幾つか作ってみた。試用してみるかね?」
「是非!それで、あのう・・・美しい女性が登場するソフトなどは・・・」
「無論、作ってある。TVの女優を入力しただけなので、細かい好みは合わんかも知れんがな」
エヌ記者もその程度の事に不満は無い。さっそく試用に入った。

「やあ、どうだった?」
エフ博士の問いに、エヌ記者は複雑な表情で答えた。
「確かにすごい発明です。あとはソフト次第ですね」
そう、「自分の知識や体験以上の夢」は作れないのだ。
発明自体の素晴らしさを思えば、博士のソフトの女性達が、みんなモザイクがかかってる位・・・
640創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 01:33:23 ID:CFnqD/hx
>>639
ワロタww
こういうSS好きだな。
641創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 01:34:44 ID:Mytz9GqI
規制がある日本ならではの悩みともいえるかw
男子学生涙目w
642創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:09:49 ID:sRbH31bm
まあ科学者が試用品で見せてくれるものなんてその程度だ・・・
643創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 13:42:51 ID:iCwQhYnY
博士童貞かwww
644創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 19:16:12 ID:xNUoXbIC
童貞ってことになるよなあ、これww
645創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:08:55 ID:Wz1Oawan
博士ww面白いわぁ
646えれぽん:2009/06/09(火) 00:15:02 ID:nbZoxr9i
読んで下さってありがとうございます。

一応、博士は魔法使い(2ch的な意味で)という設定です。
元ネタ自体はとてもありふれたネタ(自分の中では「コブラ」の第一話)ですが
「こんなのが出来てもどうせ規制されるんだろうな。どこまでOKなのかな」
という疑問をネタにSSにしてみました。
また、近い内に投下させて頂きます。
647創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 00:55:21 ID:2ZMLnveJ
うん、乙ー
面白かったよ
648創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 01:11:16 ID:uYXEUu1J
>>646
>「コブラ」の第一話
ううむw それからヒーロー展開全廃した感じだと思うのでなんともw
649創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 12:25:43 ID:RJaVp3xI
「王様、今日は良い報告と悪い報告があります」
「申せ。まずは良い方からだ」
「はい。我が国の軍備が、この国始まって以来最大のものになりました」
「なるほど。では、悪い方は」
「貴方の治世は今日で終わりだということです。どうかご覚悟を」
650創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:56:21 ID:hkdbcsKN
過ぎた軍備は身を滅ぼすよな
651創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 23:21:46 ID:BGEAExVL
>>636
これは
・人体に無害なのでエフ氏の不潔なアカ、服などを食べてくれている
・エヌ氏はエフ氏を人間だとさえ思っていない
どっちだろう
652創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 23:33:52 ID:2ZMLnveJ
両方じゃないかなw
多分エヌ氏はエフ氏が大嫌いなんだと思うよ
653創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 23:56:27 ID:uYXEUu1J
これまで口には出していないものの、エフ氏の不潔さがすごく嫌だった――という状況で解釈した
死にはしないにしても凄く嫌だろうなあw
654創る名無しに見る名無し:2009/06/10(水) 00:01:16 ID:s5CyXLUc
汚れを取るためでも鼻や尻に入られたら生き地獄だぞ
655しょうゆまめ:2009/06/11(木) 08:02:07 ID:QFgtsZwb
ワンニャン

教授「ついにできたぞ!」
助手「やりましたね。教授!」
教「うむ。犬と猫の特徴を併せ持つ究極のペット、ワンニャンの誕生だ」
ワンニャン「ワニャーン」
助「おお、愛らしい鳴き声ですね」
教「ふふ、ワンニャンを大量供給できるようになれば、世間の犬派猫派の不毛な争いはなくなり、私の研究資金はかつてなく潤うことになるだろう」
助「楽しみですね」

一年後
教「なぜだ!ワンニャンの需要が全くといっていいほどない。せっかく大量飼育に成功したというのに!」
助「……教授。その理由が分かりました」
教「本当かね」
助「……という理由です」

教授が頭を抱える中、成長したワンニャンが、研究室の隅で、猫の目に涙を浮かべ犬歯の見える口であくびをした。あと小一時間後には、猫の胴体から突きだした犬の前足の先の鋭い猫爪で助手に飛びかかり、散歩を催促することになっているのだ。
656創る名無しに見る名無し:2009/06/11(木) 18:04:46 ID:XBMwhf2M
なんか鵺みたいだねえ
657XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/11(木) 23:29:48 ID:FRGYf6R1
うらない

朝から上司に怒られた俺は、外回りと称して競馬場に足を運んでいた。
競馬新聞の代わりに、経済情報誌を丸めてレースを観戦する。朝方、上司に投げつけるように渡されたものだ。もちろん内容なんかほとんど読んでない。
どうせ、この不況で顧客回りなんか空振るだけだ。
右手の経済情報誌の片隅。唯一、俺が目を通した星占いが俺をサボリへと後押しした。

天秤座★★★★★
今日は全てがうまくいく最高の月。いつもなら越えられない壁も、今月はなんなく越えるでしょう。

この星占いに俺は何か感じる物があったのだ。
カラフルな占いの記事は天秤座の俺の瞳に強烈な電波を投げかけた。これは自分に対する天啓だと俺は感じた。



最終レースまでは収支はプラスだったが、最後の最後で超鉄板だったトニートニーゼブラをビリケツ常連のライブラクイーンが3馬身差でぶっちぎり、俺の馬券は紙屑になり、俺の財布は覗きたくもない有り様となった。
確かライブラクイーンは生まれが10月で、天秤座にちなんだ名前がつけられたとか何かで読んだ。
星座占いは馬にはそれなりに当たったらしい。
そういえば、今日久しぶりに快勝した俺のお気に入り、バスターヤマトオウジも10月生まれだった。
…………
658XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/12(金) 07:57:21 ID:hENwzafh
続き消してしまいました。

(´・ω・`)また書く
659創る名無しに見る名無し:2009/06/13(土) 20:01:49 ID:UvDluHdP
作品リンク更新。環境によっては文字化けするかも。
いつのまにやら投稿数が100越えです。

http://u6.getuploader.com/sousaku/download/59/%E6%98%9F%E3%82%B9%E3%83%AC%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF.txt

>>657
つづき気になるな。
660XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/15(月) 22:47:26 ID:3Y/7skFR
>>657からの続き
続き

俺のやる気と本気はこういう時のためにある。
早々に帰宅した俺はN市立図書館に向かい、過去2年間の経済情報誌“That's PAPER”の星座占い欄を調べ、競馬情報サイトから過去のデータを検索し、星座占いとレースの関連性を分析した。
まあ、星座占いが“当たる”なら今月は全てのレースで10月生まれの馬が連戦連勝、逆に運勢の悪い1月生まれの馬は全敗となる。そんなことは有り得ないし、有り得るなら競馬が成り立たない。
そんな矛盾に気づきつつ、俺は手を止められなかった。そして、ついに驚くべき真実にぶち当たった。

・★5の星座の馬は、他に同じ星座の馬がいない限り必ず1着になる
・★4〜★1の占い(★5以下の星座)は全くレースに影響しない
・星座占いの運勢は“That's PAPER”の発売日当日のレースに限り有効

ただ、★5の星座が無い月も何回かあり、“That's PAPER”の発売日とレース日程が重ならない月もあった。100%の確信は無かった。
だが、そんな不安をものともせずに一か八かに賭けるのがギャンブラーであり、俺はどうやらギャンブラーだった。

11月の運勢
射手座★★★★★
仕事で成功をおさめて喝采を浴びそう、プライベートでも良いことが

14番人気のグリーンサジタリアスは俺に万馬券をもたらし、俺はパソコンを買い換えた。

12月の運勢
双子座★★★★★
あなたに転機が訪れます。スタートダッシュが肝心。

俺のボロ財布の中の一万円札は、レースが全て終わる頃には、アタッシュケース無しでは運べなかった。

1月の運勢
山羊座★★★★★
仕事のパートナーと息があってると実感します。運命的な出会いもあるでしょう。

俺は札を積めすぎて破れた財布を買い換えるついでに、会社によって辞職願を出してきた。


2月の運勢
牡羊座★★★★★
チャンスが訪れます。今までの努力が報われる時。

レース日程が“That's PAPER”の発売日と重ならなかった。

3月の運勢
水瓶座★★★★★
あなたにとって最高の1ヶ月。恋の予感を見逃さないで。

出走馬に水瓶座の馬がいなかった。馬券は買ったが惨敗。


4月の運勢
星5無し

3ヶ月のスパンがあっただけで、山とあったはずの金をほとんど使い果たしていた。
しかし、そんな事より破滅的な一文が4月号の“That's PAPER”に刻まれていた。
661創る名無しに見る名無し:2009/06/17(水) 23:45:54 ID:5UyHySGi
続きは?
662創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:42:20 ID:NNe5vXR8
続きがあるとしたら、『休刊します』かな?
663創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 07:55:07 ID:Hs6TFGBE
>>660が続くとばかり思ってて投稿できなかったんだが、いいのか??
664創る名無しに見る名無し:2009/06/19(金) 08:56:01 ID:nvVr5pAX
どうぞどうぞ
665創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 13:50:02 ID:xXwaZPyV
660じゃないけど投稿させてもらいます

未来イソップ風
「タラントンの喩え、不景気編」
※タラントンとはお金の事です

ある主人が3人の部下にそれぞれ
5タラントン、2タラントン、1タラントンを与えた。
5タラントン貰った者は商売をはじめ5タラントン儲け
2タラントン貰った者も商売をはじめ2タラントン儲けた。
一方1タラントン貰った者は「失ったら大変だ」と思い地中深くに埋めてしまった。
そしてしばらくして主人が3人の部下に与えたお金の使い道を聞いた。
5タラントン、2タラントンを貰った者は稼ぎを主人返したことによりに褒められた。
しかし、1タラントンを貰った者は逆に怒られてしまった。
「そのお金を銀行に預ければ利子が付いたのに」と…
そして1タラントンを預かったものはクビになった。

時代は変わり、再び主人は同じように3人の部下にタラントンを与えた。
そして同じように5タラントン、2タラントンを貰った者は商売を始め
1タラントンを持つものは同じように深く地中に埋めた。
だが時代は不景気であり二人は5タラントン、2タラントン全て失った。
また同じようにしばらくして主人は同じようにタラントンの使い道を聞いた。
1タラントンを貰った者は当然のように怒られた。
5タラントン、2タラントン貰った2人はお金を失った事を話した。
その事を聞いた主人は烈火の如く怒りこの3人にこう言った。
「そのお金を銀行に預ければ利子が付いたのに」
「しかしご主人様。その銀行は潰れましたよ」
666創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 13:51:00 ID:xXwaZPyV
タラントンの喩え 私と息子

私がタラントンの喩えを息子に話した。
話を聞き終わったあと、息子は納得した顔でこういった
「そっか、だから犯罪が消えないんだね」
667創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 11:44:33 ID:naz3EA2f
正直ちょっと分かりにくかった
668創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 13:00:30 ID:r7q7YTKM
 山の中で二人の男が帰れなくなっていた。車はあるが、二人とも免許を持っておらず、運転できないのだ。
「なあ」
「ん」
「俺達、ここまでどうやって来たんだっけ」
 この謎を解く頭脳があれば、帰る方法なんてとっくの昔に思いついているはずだ。
669えれぽん:2009/06/22(月) 15:27:09 ID:xmWLjYis
「良薬は口に苦し」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その彼が「食料問題を解決する薬」を開発した、と聞き、エヌ記者はインタビュ−を申し込んだ。
「それで博士、一体どんな原理によって、そんなすごい薬を開発されたのですか?」
「なあに、基本は栄養剤の強化型だ」
「栄養剤・・・ビタミン剤とか、ああいった感じの・・・」
エヌ記者は少し失望した。
「ただの栄養剤では無い」
エフ博士はパチンコ玉位の褐色の丸薬を指し示した。
「この中には、成人男性が一日に必要な、全ての栄養素が含まれておる。
しかも、これ一粒で丸一日満腹感が持続する」
「なるほど・・・」
エヌ記者は納得した。本当にそんな効果があるなら、確かに食料問題の解決に大きな希望となる。
「これは、栄養の調節なども・・・」
「無論、可能だ。ゆえに病院食や、ダイエット食にも応用できる」
「味の方は・・・」
「それも調整できる。これは、私の好みで甘くしてあるがね」
ということは、エフ博士自身が自分で試用済みと言う事なのだろう。
「私が試用しても問題ありませんか?」
「うむ。記者としては当然の要求だろうな」
エヌ記者は丸薬をつまみ、口に放り込み、舐めまわしてみた。確かに甘い。
それから一気に飲み込んだ。しばらくして、穏やかな満腹感が、全身を包む。
エヌ記者は興奮してきた。これは人類の歴史を塗り替える発明かもしれない。
人類は、古代から「食料」の為にこそ、最も多く戦争や争いを繰り返して来たのだ。
「これはすごい・・・ただ、二つ気になる点が・・・」
「なんだね?」
「コストと原料です」
エフ博士は「なんだ、そんなことか」と微笑んだ。
「コストの方は量産体制が整えば、一粒50円位だ。原料は天然素材のみ」
「と言うと、野菜や果物から栄養素を抽出したり・・・」
「そんな事したら本末転倒じゃないか。これは食料の不足を補う為の物だよ」
エフ博士は笑った。エヌ記者は改めて博士の偉大さを認識した。天才の思考は常人の及ぶ所では無いのだ。
「もうしわけありません。凡人の浅知恵で・・・すると、この原料は?」
「私の排泄物だ」
670創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 17:51:53 ID:kB1wdZjl
おもしろかった

実際、
砂漠の真ん中で穴掘って池作ってカメ飼ってうんこし続けて
発生する藻とかを食料にしてしばらく生活した博士がいたらしいな
671創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 22:23:32 ID:TuKtkqET
この切り方こそ星って感じだなぁw
672XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/22(月) 23:12:59 ID:g7MvCoXe
>>660の続き

『“That's PAPER”は来月号をもって休刊となります。ご愛読ありがとうございました。』

顔面がひきつり、耳がピクピク動いた。心臓は止まっていたかもしれない。

俺は慌てて携帯電話を引っ付かんで、編集部に電話をかけた。

俺は出てきた男に、どれだけ“That's PAPER”を熱望し、心酔しているかを語り、なんとか休刊を撤回できないかと懇願した。
「“That's PAPER”を愛して頂いたようで、ありがとうございます。ただ、うちの会社自体が倒産となり、もはや当誌だけではどうにもなりません。」
淡々とした解答に俺は頭を抱えた。
3ヶ月前なら兎も角、今や倒産を救うだけの資産は無い。
俺は頭を無理に回転させて、星座占いの占い師を教えてくれないか、と相手に問い質した。
相手の解答を聞いて、俺の顔面と耳は再びピクピクと痙攣した。
「あの占いは社員が持ち回りで書いてまして、特定の誰かが占っているわけでは無いのです。占いというよりそれらしい文を連ねただけですが、予算の都合も…」


それから1ヶ月、最後の占いに向けて、金を最大限かき集める為に働いた。
バイトを掛け持ちし、昼夜問わず寝る間を惜しんで働いた。賭事に溺れ職を捨てた俺に金を貸してくれる者はおらず、自分で稼ぐしかなかった。

“That's PAPER”最終号

天秤座★★★★★
運命が大きく好転する月。過去の枷から解き放たれて天馬のように羽ばたけます。


発売日はA記念の当日。天秤座の馬は全レースにただ一頭、最終レースの16番人気ハッピールーイン。
充分だ、複勝で当てれば金は一気に膨れ上がる。
かき集めた150万を小さなトランクに入れ、馬券売り場に並ぶ。
だが俺はハッピールーインの名を告げることなく、口から汚物を吐いて窓口で昏倒した。

……

目を覚ますと、職員が俺を介抱してくれていた。
張りの大窓と高級そうなソファーから見るにVIP席にでも収容されたのだろうか。
過労を重ねた体を縫い止めていた気持ちが、馬券を前にして切れたらしい。
「金は!?」
状況判断などしている場合ではない、俺は跳ね起きた。
職員の一人がトランクを差し出す。
金は…有る!
「レースは!!?」
職員が窓の外を指差した。
振り向いた俺が目にしたのは、最終レースが始まる瞬間だった。
天馬のように後続を引き離すハッピールーイン、俺はむせび泣いた。
673XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/22(月) 23:44:50 ID:g7MvCoXe
何かに取り憑かれたようにハッピールーインは黒い矢となり、後続を引き離した。

朝方、“That's PAPER”の占いを見た時に天秤座の自分にも転機が訪れる気がしていた。
俺が馬鹿だった。元より馬以外には当たりもかすりもしない占いだったのだ。
倒れるほどに心身を削り、競馬と占いに全てを賭けた結果がこの有り様だ。
絶望と後悔に満ちた涙を流す俺が虚ろな視線を投げかけるその前で、
ハッピールーインは誰もが予測のできない速度で最終コーナーを駆け抜けて、
“騎手を振り落としたことを気にも止めず”、後続に四馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。



・星座占いの星5は出走馬にのみ、その効果をしめす



この法則は間違いだ。
最終最後の占いは、どうやら俺にも効果があったらしい。
674XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/22(月) 23:48:55 ID:g7MvCoXe
>>657
>>660
>>672
>>673

以上で終わりです。
スレに大変御迷惑をかけました。

本当に申し訳ありません。
675創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 11:03:18 ID:AzQAbvhL
>>674
そもそもこれってショートショートっていえるのか??
このスレ的には1レスか2レスで完結してもらわないと・・・
676創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 14:46:02 ID:k9cSukKH
>>675
わかちこ
677創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 21:31:54 ID:O5cdv0FR
>>674
星っぽいかという観点では少し毛色違うかと思うけど、ショートショートとして純粋に面白かった
ちょっと希望のあるオチは個人的に好みだ
678創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 16:42:30 ID:FLVN/MwI
『あそこまで』

エヌ氏が夜道を歩いていると、近くの駐車場を指差しながら男が話し掛けてきた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
エヌ氏は男を気味悪く思いながらもだいたいの距離を答えた。
「40mってところですかね?正確にはわかりませんが。あの駐車場に何かあるのですか?」
「いえ、ただ何となく気になりまして。ありがとうございました」
話が終わると男はそそくさと立ち去っていった。
また、しばらく歩くと今度は若い女性が近くの公園を指差しながらエヌ氏に尋ねてきた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
「えーと…、30mあるかないかってところじゃないですか?あの公園がどうかしました?」
「いえ、特に意味は無いのですが。ありがとうございました」
話が終わるなり若い女性はそそくさと立ち去っていった。
奇妙に思いながらもエヌ氏は夜道を歩き続ける。
すると今度は身なりの良い紳士から声を掛けられた。その指は近くの電柱を指差している。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
「……20mくらいではないでしょうか?一応お聞きしますがあの電柱に何か?」
「いえ、お気になさらないで下さい。ありがとうございました」
前の二人と同じように紳士は足早に立ち去る。
いよいよ寒気がしてきたエヌ氏は夜道を半ば走るようにして進む。
そして、何ものかに袖を引かれて飛び上がる。見るとそれは小さな子供だった。子供の指先はエヌ氏の自宅を指差していた。
「あそこまでの距離、わかりますか?」
エヌ氏は叫び声をあげると子供の手を振りはらい、自宅とは別の方向に走りだした。
大きな黒の固まりが、根のようなものを家全体に這わせているのが見えたからだ。
679人生:2009/06/25(木) 21:47:27 ID:NZx8tH88
 少年は野球が大好きだった。
子供の頃から朝も夜も白球を投げ込み、高校時代は甲子園の決勝でノーヒットノーランを達成することができた。
 流れるようにプロ入りを果たし、数多くの賞を取った。
しかし彼はまだ壮年であるにもかかわらず現役引退を表明し、監督になることを表明した。
初めは話題集めの客寄せのために、古巣の球団が監督として彼を迎えてくれたが、
プレーする才能はあっても指導に関しては素人。選手には嫌われ、チームは低迷。
結局球団のオーナーは彼を解雇し、彼は球団を追い出された。
選手としての実績から天狗になっていた彼は
自らの行いを見直し近場の少年野球チームの監督となり1から選手の育成について肌で学んだ。
多くの年月を費やしてしまったが、その結果彼はもう一度古巣の監督を任されるチャンスを得て、見事にチームを優勝へと導いた。
 彼はベンチの中で、選手達がマウンド上で胴上げをしている姿を見ながら、安らかな笑顔で息を引き取った。



ベッドと小さな機械だけが置かれた1畳半ほどの部屋で、ある青年が目を覚ました。
彼は横に置いてある小さな機械から
<野球監督編>というラベルの貼られた小さなチップを取り出して
同じようなチップが入ったカゴにしまいそこから新しいチップを探し始めた。
やがてその中から適当なチップを見つけ、機械に取り付けてベッドに横たわった。
青年は誰に言うでもなくつぶやいた。

「便利なものができたものだ。1年で1つの”人生”を体験できるのだから、死ぬまでにあと60回は”人生”を体験できるぞ。」
680創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 22:44:50 ID:0FSVR4JW
>>678
どういう意味?
681創る名無しに見る名無し:2009/06/25(木) 23:18:47 ID:OFSR0Hn1
>>679
なんか皮肉な空しさが漂ってくるのがいいね
682創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 11:45:21 ID:lXJtnMyd
>>678
もっと凄いオチを期待してしまった俺の負けか?

>>679
これは逆に途中でオチが読めてしまったんだが、同じネタで宇宙旅行ものを考えていたので先を越されちまった感が強い。
683創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 13:09:49 ID:jSvJ6a4K
>>678
途中までは引き込まれたけどオチがよくわからない。
普通に黒い生き物がうねうねしてたってことなのかな。
684創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 22:10:47 ID:v/xJN0ye
『演奏ロボット』

「遂に完璧な演奏をするロボットを発明しました。」
エス博士は胸を張ってそう告げ、記者たちの質問を待った。
しばらくすると記者の一人がうさん臭げな目を博士に向け、口を開いた。
「完璧な演奏とおっしゃいますが、その完璧とは譜面通りに演奏が出来るということですか?それならば以前にも似たような発明は幾つかあったはずですが。」
エス博士は笑顔でそれに答える。
「いえ。そのような単純なものではございません。客席に座った人間達の脳波を調べ、一番ベターな音を選択していく機能があるのです。」
それを受け、別の記者達が声をあげる。
「それはプライバシーの侵害にあたりませんか!?勝手に人の脳波を調べるなんて!」
「クラシックのような眠くなる音楽を聴いている会場では子守歌でも演り続けるつもりですか!?騒がしいロック音楽の会場では延々騒音を!?」
博士は呆れ顔でそれぞれの記者に答えた。
「お客さんにはそれを承知で来てもらえばいいでしょう?」
「別にお客さんの感情に延々流されるわけではありません、演目は予め決めておきますし、その曲その曲の最低限の基準は設けていく予定です。もちろんそれを外す事も可能ですが、まぁそれだとあなたの前では子守歌と騒音にしかならないでしょうが。」
会見から数ヵ月後、多少の不安を残しながらも演奏ロボットによるクラシックコンサートが開かれた。
それは中々に好評で一先ずは成功かと思われた。しかし強く反発する人々もいた、音楽評論家である。
音楽評論家達は様々な雑誌や新聞、テレビ放送で演奏ロボットに対する批判を続けた。
「複数の人間を基準にしているせいで極めて中途半端な演奏になっている。これのどこが完璧な演奏なのか。」
「音楽は人間が生んだ人間の為の文化である。このような人真似ロボットを使っていてはこの素晴らしい文化は廃れてしまう。」
「演奏ロボットの演奏には感動がまったく存在しない。出来て当然という先入観が強すぎるせいである。このような死んだ音楽に金を浪費する人の気が知れない。」
エス博士は批判を受ける度に反論をしたが、結局音楽評論家達から好意的な反応がかえってくることはなかった。
これに気を悪くしたエス博士は新しいロボットを発明し、それを世間に発表した。
「この評論ロボットは様々な分野をほぼ完璧に評論することが可能です。様々な人種、年齢、立場の人間の思考をサンプリングしており、さらにはその時々の流行を多種多様な媒体から割り出し、評論に役立てます。」
これを世間の人々は面白がり、自分がどの程度平均的な人物なのかをはかる基準にし、企業は商品開発に役立てようとした。
そしてさらに数を増し怒り狂った音楽評論家及び各分野の評論家達はエス博士を一斉に非難した、しかしそれも長くは続かなかった。
世間が演奏ロボットや評論ロボットに飽きはじめた為である。
結局のところ全ては一時的なブームに過ぎず、平均的な演奏や評論が評価されていたわけでは無かったのだ。
次第に演奏ロボットを採用する会場は減り、雑誌の紙面にエス博士やロボットの文字を見つける事は困難になった。
エス博士は研究所で一人、鈍い作動音をあげ続ける、とても大きな機械を前に呟いた。
「一番重要なのは聞き手、受け手、つまりは世間の方だったのだ。完璧な感情を持つ人間ロボットを制作し……」
685創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 01:40:43 ID:2poxepRM
『カジュアル・ペット』

一匹の犬が初老の男に連れられ川原を歩いていると、近くで遊んでいた子供達が寄ってきて、犬の毛並みをその手で確かめる。
子供達は初老の男に礼を言い、名残惜しそうな目で犬を一瞥すると自分達の遊びに戻っていく。
子供達が大人になった頃、ある犬が世間を賑わせていた。
テレビの中ではマイクを手に持った女が、興奮したような声音でその犬の説明をしている。
「これが今話題のカジュアル・ペット!人の言葉を理解し簡単なお使いを頼む事も可能です!見てください、素晴らしい毛並みです!なによりもエサをあまり必要とせず排泄物が少ないのが魅力ですね!」
テレビ画面を見ていたエフ氏は隣に座っているワイフに話し掛ける。
「凄い時代になったものだな。犬に似せたロボットのブームが終わったかと思えば、次は犬がロボットになっちまった。」
ワイフは半眼でエフ氏を見ながら言った。
「違うわよ。ロボットじゃなくて犬よ、生きた動物よ。そりゃ所々イジっているんでしょうけど。品種改良みたいなものでしょ?」
エフ氏はその言葉に軽い違和感を覚えたが、ワイフとやりあっても仕方が無いので渋々同意する。
「……まぁ、そうなのかも知れないな。」
その後も猫や猿、フェレットやウサギのカジュアル・ペットが次々と登場しカジュアル・ペット市場は拡大し続けた。
時が経ち、今度は多くの飼い主達の希望に応えて始まったカジュアル・ペットの死後、その毛皮を使い、喋るアクセサリーを作るサービスが話題になった。
その喋るアクセサリーには生前のカジュアル・ペットの思考データが登録されており、カジュアル・ペットはついに飼い主が死ぬ瞬間までのパートナーに上り詰めたのである。
そしていつしかカジュアル・ペットは動物では無くそのアクセサリーを指す言葉へと変わっていた。
簡単なお使い等はロボットに任せておけばいいのである。
カジュアル・ペットはその素晴らしい毛並み、心地の良い鳴き声やテンポの良い会話で飼い主を喜ばせてくれればそれでいい。
川原で最後に遊んだ日を思い出せない程に歳を重ねたエフ氏が久しぶりに川原を散歩していると、一匹の野良犬がエフ氏の足元に寄ってきた。
野良犬の気配が近付き警戒をしたのか、エフ氏の胸のポケットから犬の唸り声が聞こえてくる。
さらに野良犬がエフ氏に近付くとその唸り声は怯え声へと変わる。
エフ氏は顔をしかめ、野良犬を足で追い払う。
そして胸のポケットからカジュアル・ペットを取出し「もう大丈夫だからね」と柔らかな毛を優しく撫でた。
それを遠目に眺めていた子供達がエフ氏の周りに集まり、カジュアル・ペットに手を伸ばしながらそれぞれに口を開く。
「この子ワンちゃん?」「大型だよね?」「どこで買ったの?」「うわー毛並みいいねー。」「あっ撫でられて喜んでる。」
エフ氏は子供達に可愛がられている自分のカジュアル・ペットを見て目を細める。
尻尾を垂らした野良犬は次は自分のところに子供達がやってくるのではと期待したが、結局、生涯人間に撫でられる事は無かった。
686創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 02:49:04 ID:2poxepRM
『時代』

アール氏が朝、目覚めると、ベッドの横に悪魔が立っていた。
悪魔がカーテンを開きながら声を掛けてくる。
「おはようございます。おぉっ!実に気持ちの良い朝ですね。あーっと…。急で申し訳ないのですが何か願い事はありますか?」
アール氏は欠伸をしながら答えた。
「急に願いと言われてもね…。これといって欲しいものも無いな…。魂を支払ってまで欲しいものなら尚更だ。」
悪魔はカタログをアール氏に手渡し、笑顔で言う。
「今の時代に魂なんて、そんなもの必要ありませんよ。」
そしてカタログを指差しながら話始める。
「こちらとこちらがセットになっており、金銭だと八段階に設定されております、ですが最上だとそれなりに苦労もしていただくことになっておりますので。あと…」
アール氏は悪魔のセールストークを慌てて遮る。
「そんな一遍に言われてもわからないよ。もう少し簡単に説明してくれるかな。」
悪魔は出来る限り簡潔に説明をした。
それを受けてアール氏は目蓋をきつく閉じ、頭を悩ませる。
「うーん…。どれも魅力的なようで生活の邪魔になる気もするな…、今の暮らしに満足している分、余計にそう思える…。」
アール氏の返答を待っていた悪魔は自分の腕時計に目をやると声をあげた。
「あ!大変だ!人間の魂を裁く時間だ!」
申し訳なさそうな顔で悪魔はアール氏に告げる。
「すいません、ちょっと時間が来てしまったもので。今回の事は一先ず忘れてください、もし機会があればまたその時にでも。」
アール氏は目を開き、呆れ声で悪魔に問い掛けた。
「人間の魂を裁くって、それは神様の仕事じゃないの?」
悪魔は情けない笑い顔でアール氏に答える。
「今の時代の人間は神様や天使に祈らず想像もしないので、みんな居なくなってしまったんですよ、まぁ…悪魔もほとんど消えてしまったんですけどね。だから私が一人三役ですよ。」
「大変だね」とアール氏が慰めると「ええ、まったくですよ。ひどい時代です。」と悪魔は相づちを打ち、窓から飛び立っていった。
687創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 13:43:19 ID:mRmlWE7E
上手いなぁ。オチがもうひと捻り欲しいかな?あっさりしてるのも好きだけど
688XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/06/27(土) 18:56:55 ID:acxgV2dN
約束


『世界的に人口爆発が深刻な社会問題となっています。今日は専門家のN氏に来ていただきました。』
『人口爆発は社会問題というより、格差社会、食糧不足、資源戦争などの社会問題の根元的問題にあるわけです。』
『そうですね、今日はその辺りのプロセスについてじっくり聞かせて頂きます。』


ドキュメント番組を前にして、ひとりの男が頭を抱えている。
「なんということだ…。あんな約束しなければ……。せめて国は我が国と決めておくべきだった………。」
清潔な白を基調とした服装。
引き締まった顔立ちに、凛とした眼差し。艶やかな黒髪に重厚な黒髭。
誰もが見るだけで高い地位と風格を感じるであろう顔立ちが、今は苦悩でひどく歪んでいた。


『このようにM国では、人口爆発に対応するはずの食糧供給の為に、砂漠化が起こりました。』
『嘆かわしいことです。この為に隣国の難民キャンプの数は倍増しました。』
『一方、少子化が社会問題となっている我が国の最新の調査では、昨年に比べて更に人口減少率が加速したという結果が……』


同じ番組を前に、一人の女が笑っていた。
「あははははは!良い様だわ。後先考えずに無責任な約束をしたツケが廻ってきたのよ!」


夜に溶けそうな漆黒のドレス。
つぶらな瞳に、花の蕾のような唇。透き通るような白い肌に鈴の音のような声。
だが、その美貌とは裏腹に、彼女が笑う度に蛆がバラバラと口からこぼれ、言葉を発するごとに腐汁がゴボゴボと音をたて周囲に飛び散った。


《お前の國の人間を1日1000人殺してやろう》
《ならば、私は1日1500戸の産屋を建てよう》
神代の昔に交わされた二人の約束は、今も守られ続けている。
689創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 20:36:42 ID:mRmlWE7E
イザナギとイザナミかーw
690創る名無しに見る名無し:2009/06/27(土) 20:50:30 ID:2poxepRM
『異星』

星に降り立つとその星の住人達がざわざわとし始め、少し間をおき一人の住人が歩みでてきた。
その住人に案内され、小型の施設の中に入ると、住人は飲み物らしきものを差し出してきた。
それはまったく飲めたもので無くすぐに吐き出してしまう。住人は首をかしげたのち、別の飲み物らしきものを持ってきたが私は受け取り事を拒否する。
その後、何かの儀式のようにテーブルにガラクタを並べ、私に勧めてくるが気味が悪くまた拒否する。
しばらくすると先程とは別の住人が突然やってきてデータ交換を望んできた。私はあまりのマナーの無さに呆れたが、ここは異星なのだと自分に言い聞かせ丁重に断る。
それから数日が経ち、ある問題が起きた。住人の一人が病気になったというのだ。住人達に頼まれ私は治療を行なう事にした。
しかし何故ここの住人ときたらこのように交換の面倒な部品を使っているのだろうか。オイルの代用品だと思われる赤い液体も一ヶ所にまとめていればいいものを。
私はため息をつきながらエンジンらしき部品を住人の身体から切り離した。
691創る名無しに見る名無し:2009/06/28(日) 09:11:05 ID:qiYaVEnA
怖…
692創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 00:13:48 ID:saTaUITf
『夢』

真夜中にケイ氏は叫び声をあげながら目を覚ました。身体は汗でじっとりとしている。
ケイ氏は「とても気分の悪い夢を見た気がする…。」と呟き、不安に駆られ部屋の明かりを付けた。
その後、朝方になって眠気に襲われ、次に目が開いた時にはすでに夕方になっていた。ケイ氏は会社に詫びの電話を入れると軽い食事をとる為に冷蔵庫を開く。
その夜、ケイ氏は趣味の釣りを同僚と楽しんでいる夢を見た。
朝になり会社に行くと昨日の無断欠勤の件で上司に叱られ、つい反論をしてしまい口喧嘩になってしまう。
その日の夜、喧嘩をした上司と焼肉を食べる夢を見た。
朝になって会社に行ったが、昨日喧嘩をしてしまった上司とは中々口をきけない。仕事が終わり帰ろうかという時に喧嘩をした上司から焼肉に誘われ、同僚と共にご馳走になった。
その夜の夢でケイ氏は、また上司と言い争いをしていた。
夢は確か体験をした出来事の整理をする為のものだったな、と少し遅い時間に起きだしたケイ氏は独りごち、同僚と釣りに行く為の準備を始めた。
釣りから帰ってすぐにベッドへと倒れ込み眠りについたケイ氏は、夢の中で悪夢にうなされ、夢の中で目を覚まし、朝の早い時間に再び眠ってしまい会社に詫びの電話を入れていた。
朝が来てケイ氏は会社へ向かう。
その日、ケイ氏が夢を見ることはなかった。
693創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 22:50:51 ID:U05YSCyy
『顔』

 ある日、町中で俺そっくりの男が車を運転しているのを見た。ドッペルゲンガーという言葉を思い出し、俺は不安になった。
 翌日、また俺そっくりの奴を見つけた。喫茶店でコーヒーを飲んでいる。
 俺は慌てて、喫茶店のドアを開けた。
「いらっしゃいませ」 頭を下げた店員が顔を上げると、俺が笑っていた。
 俺は腰を抜かして派手な音を立てて転んだ。喫茶店にいた奴らが一斉に俺を見る。皆俺の顔だった。
 つまらなそうに、あるいはクスクス笑いながら、それぞれ自分のテーブルに戻っていった。
 喫茶店を飛び出した俺は気付いた。
 道路を歩いても俺ばかり。電車に乗っても俺ばかり……。
 家に帰ると、「お帰りなさい、あなた」と俺が出迎えてくれた。
 世界中の人間が、俺の顔になってしまったようだった。
 (俺は一体どうしてしまったんだ。どうしてこんな事になってしまったんだ?)
 俺は困って病院へ駆け込んだ。

「俺の顔、整形してください!」
694創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 00:29:57 ID:mVD2JOl5
『この鳥』

「気分はどうかな?」
小さくて散らかった研究所の中で、エム博士は綺麗な羽を持つ鳥に話し掛けた。
「うん。まぁ悪くはないね、決して良くもないけど。この狭い籠から出してもらえれば気分も上向きになるのだけどなぁ。」
そう答えると鳥は手羽で鳥籠の扉をさし、エム博士に開けるよう促した。
「それは無理だよ。君は僕にとっての金の卵なんだ。すでに羽化しているけど。」
と、エム博士は笑いながら言った。
「今のは冗談のつもり?ま、笑えないのはこの際置いといてあげるよ。あなたが私で金を稼ぎたいってのはわかったしね。」
鳥は嘆息するとエム博士の顔を凝視した。
「な、なにかね?僕が君に知性と言葉を与えたんだよ?それで僕が儲けようとして何が悪いんだ?」
エム博士はおろおろと視線をさまよわせる。
「何も悪くはないね。知性をありがとう、感謝するよ。せいぜい協力させてもらうさ。」
数日後、エム博士はこの鳥を発表する為にパーティーを開いてもらった。
金持ち。マスコミ。研究者。様々な人々が注目する壇上にエム博士は立つ。
「えー…。この鳥こそが僕の研究の成果であり、まずは、えー…。とりあえず実際に見てもらいましょうか。」
エム博士が鳥籠の扉を開くと、鳥がエム博士の肩に飛び乗る。
「こんばんわ。たくさんの人が君を見ているよ、今の気分はどうだい?」
エム博士は鳥に語りかけた。
「………。」
しかし鳥は何の反応も示さない。
「あ、あれ?緊張しているのかな?ほら喋って喋って。いつもの練習のように気楽に話していいんだよ。」
エム博士が何度も何度も話し掛けるも鳥は話しだす気配すらない。
しまいに鳥はエム博士の肩から離れ、会場の天井の方に飛んでいってしまう。
会場中からあがる笑い声と罵声に耐え切れず、エム博士は壇上から逃げ出した。
会場の窓から外へ逃れた鳥は気分良く歌うように言葉を発する。
「あはは。まったくエム博士ときたら。知恵比べで鳥に負けるとはね。」
695創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 13:50:53 ID:t8Js9ah9
てs
696創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 14:30:44 ID:t8Js9ah9
 「二度寝」


N氏は数百年ぶりに目覚めた。
サナギのような機械から身を脱して立ち上がり、研究所を見渡す。誰もいない。
N氏はすぐさま行動に出た。まずは研究所を出て街へ向かうのだ。
数百年前、マッドサイエンティストの間で或る計画が持ち上がった。一人がタイムマシンのある時代に行って、そこから手紙をよこすというものだ。
その派遣員がN氏である。
その中で眠っていれば永久に生存できるという「サナギ」の中で数百年を過ごした。自分の体はまったく衰えを見せていない。
過去の世界にいる研究仲間は今か今かと自分からの手紙を待ち構えているだろう。なるべく急ぎたい。N氏は薄ら笑いを浮かべて街へ向かう。
思ったとおり、街は大きな変貌を遂げていた。文明は発達し、車にタイヤが無かったり、子供が空を飛んでいたり、ロボットが歩いていたりする。
N氏は通りすがりのロボットに話しかけた。
「やあ、この時代にタイムマシンはあるかい?」
 田舎者でも見るようにN氏を眺め、ロボットは答える。
「SFじゃあるまいし、そんなものあるわけないだろう。俺がロボットだからってからかうなよ」
 言い終わると、ロボットはそそくさと去ってしまった。
タイムマシンはまだ開発されていないらしい。
N氏は不機嫌になりながらも再び研究所に戻った。
「タイムマシンがない時代に起きたんじゃ話にならない」
 N氏はサナギの中へ身を投げて、また眠りについた。……

さらに数百年が経って、サナギからN氏が這い出てきた。
前と同じようにすぐさま研究所から出た――が、なにやら外の様子がおかしい。
街へ向かうと、活き活きしていたはずのビル郡は腐敗しきっており、まるで荒城を見ているようである。
 焦ってうろうろとしている内に、N氏の目の前に、人間の頭ほどの大きさのボールが転がってきた。
ボールは時々震えて、その度に少しずつヒビが入っていく。
やがて、見たこともない生物が産声をあげた。
697創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 18:35:08 ID:VHvTKb95
>>692
む、解釈及ばず。。スマソ

>>694
解決になってないww

>>694
想定できただろうに……博士いい人過ぎたんだろうなw

>>696
そのオチは予想外だったw

安定して投下されてますなぁ
作家の皆さん、ばんばんage投下しちゃってええと思うですよ
698創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 18:52:30 ID:wvZkrwRL
全人類の敵

 俺は今、とても強い敵とたたかっている。それは全人類の敵で、どうしようもない強さを持っている。
 ――ハンドルをきる。左に曲がる。
 敵を倒すからには根本からねじ伏せてしまわねばならない。お腹を突けば少しの間暴走は止まる。対処法のない間はそれで時間を稼ぐ。
 ――もう一度ハンドルをきった。
 もちろん、敵を倒せたからといって永遠に復活しないわけではない。しばらく経てば復活する。
 ――ここでエンジンが切れたりするとおしまいだ。
 復活しても、ちゃんとした対処が出来る環境があればどうにでもなる。今はたまたま運が悪いだけである。
 ――頼む、もう少しもってくれ。
 敵を対処するには、ちゃんとした環境が必要である。
 ――あ、あそこでいいだろう。
 その辺で敵を倒したりすると、みなに迷惑がかかる。出来ればそういうことはしたくない。
 ――よし。やっとたどり着いた……ここが適当だな。
 やっと敵を倒す環境が整った。この広場なら大丈夫だろう。“アレ”がある……。
 
 俺は急いで車を降り、トイレへ駆け込んだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうでしょうか。
途中で読めてしまいましたか?
評価お願いします。
699創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 20:16:38 ID:t8Js9ah9
いやオチは全然予想できませんでしたよ。
ちょっとケチをつけるしたら、「勝負」のところでもうちょっと踏み込んだ表現が欲しかったと思います。
オチがわかってからもう一度読み直しても「ああ、なるほどなwww」みたいに思えません。
700創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 20:56:40 ID:VHvTKb95
うーん、ごめん読めたw
でもこのノリならアレだ、オチが読める読めないはいらないかもしんないw
本人の苦しみ具合とかに描写費やすと、もっと切羽詰まった作品になると思うですよー
701創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 00:41:41 ID:Qm3aIC+x
 「濡れ衣」


N氏の、長い歳月をかけた研究がついに実を結んだ。
これまで人類の夢であり続けたタイムマシンの誕生の瞬間である。
「やった。やったぞ。僕はついにやった!」
 N氏は一人歓喜し、己が努力の結晶であるタイムマシンを前に涙を流す。
「そうだ、こんなことをしている場合じゃないや」
 科学省にこれを伝えようと、N氏は電話に手を伸ばし、興奮気味にコールをかける。
コール音を聞いていると、N氏の思考はだんだんと冷静になっていった。その時、
「待てよ」
 N氏は電話を切った。
「まだ試用を行ってなかった。科学省への報告はその後だ」
 N氏はタイムマシンを腕にはめ、スイッチを入れた。
周囲の景色が眩い光に溶け込み、光がおさまると、幾何学的な模様がN氏の周囲に展開される。その背景に透けるようにして、何時とも知れぬ年代の何処とも知れぬ風景が猛烈な速さで差し替わりながら映っている。
 N氏は黙々と飛翔先の条件を加えていく。
条件に当てはまるように、少しずつ、目の前に映し出される風景の年代と場所が限定されていく。
やがて、N氏の望む景色がそこに現れた。
N氏は悪童のような笑みを浮かべて、ボタンを押す。
一瞬の闇が明けると、N氏はそこに立っていた。」
十年前の、いつも誰もいない小さな公園だった。
"タイムマシンの試用"というのは、これから自らが行おうとしているイタズラに対して見てみぬフリをするための免罪符だ。このタイムマシンが多くの人間に知られる前に、ちょっとだけ悪さをしてみようというN氏のささやかな出来心だった。
N氏は公園の脇の方まで歩き、そこの土に一握り分のビー玉をを埋めて、時代を元に戻す。
 再び土を掘ると、
「あれ?」
 何もなかった。この十年の間に誰かが掘り起こしたのだろうか。
N氏はまた元の時代へ遡る。だがそこにもビー玉はなかった。
かれこれ、何日間も同じようなことを何度も行ったが、過去の改変は叶わなかった。
そんなことを続けているうち、N氏はある事実に気付いた。
それは、自分が開発したものがタイムマシンではないということだ。
時間を遡行できる装置をタイムマシンとするなら、N氏が開発したものは平行世界へ飛翔できる装置である。数億数兆もの「場合」によって枝分かれした世界を自由に行き来できるということだ。
あの時の自分は、無数の過去の内の一つと、無数の未来の内の一つを渡っていたため、ビー玉のある過去、または未来へ飛ぶことができなかったのである。それを実現するには一生をかけたとしても難しいことだろう。
 自分がタイムマシンだと思っていたものは、実はそうではなかった。だが、N氏はさほど落胆しなかった。
むしろ、その目はぎらついていたのだ。
それに比べれば、イタズラをする前の悪童の目などかわいいものだ。
「僕はとんでもないものを発明したぞ」
その事実が判明した日から、N氏は無差別に過去と未来へ飛んで銀行強盗を働き始めた。
その世界で犯人を捜しても、その犯人はすでに別の世界へ飛んでしまっているのだから絶対に捕まりっこない。やりたい放題できる。
ほんの数週間で、N氏は街一番の大金持ちとなり、ついに高級住宅地で邸宅を建てるに至った。
しかし、そんな優雅な生活は突如として終わりを告げることとなる。ある日、警察がやってきたのだ。
「銀行強盗を働いたNだな。逮捕する」
 N氏は、警察の言った罪状に狼狽しながらも厳しく声を荒らげた。
「何を言っているんだ。僕は強盗なんてやっちゃいないぞ。証拠はあるのか」
「防犯カメラにお前の姿がはっきりと映っている。さあ来い」
 手錠をかけられ、N氏は連行される。
なぜだ。自分が捕まるはずはない。ましてや防犯カメラに映っているなどありえない。
この世界では、自分は何の悪さもしていないはずではないか。
そう考えたとき、N氏は一つの可能性に思い至って、ついに観念した。
「なるほど、どこか遠くの世界にいる僕が、この世界にやって来たわけか」
702創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 07:10:10 ID:wYtWq+Yg
>>701
良いね
703創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 14:39:47 ID:Qm3aIC+x
>>702
ありがとうございます!
性懲りもなくまた作ってきました。



「怪奇現象」

街から離れた山のふもとに、その男の家はあった。
男はそこで絵描きをやっていて、時々訪れる客のために絵を描くのだった。
男は数年前まで外科医だったのだが、ある事情によりその職を辞した。
どうしたものかと途方に暮れていたある日、男は、それまでに得た人体の構造についての知識を、何かに活かせないだろうかと考え始めた。
骨格や筋肉について熟知しているから、少しの練習でそれなりのものが描けるようになった。
といっても、風景画などはからっきしだめなのだが。

男は、ノックの音で目を覚ました。
「小鳥のさえずりすら聞こえない時間に誰だろう。まさか客かな」
ドアを開けると、うさぎの毛のように白い肌をした女が立っていた。
女はその扇情的な目を男に向けて、
「こんな時間に申し訳ありません。描いて欲しいものがありますの」
「なんでしょう。あなたのお顔でしょうか。それとも知人のでしょうか」
正直を言えば、男は女の顔を描きたかった。
今までに出会った誰よりも美しく、時間を共に過ごしたかったからだ。
女が、写真などの資料を見せようとする素振りはなかった。願いが届いたのかと男が思ったとき、
「誰のでもないお顔を描いていただきたいの」
と女は言った。
「はて、どういうことですかな」
「つまり、この世界のどこを探してもその顔の持ち主はいない……そういう肖像画をお願いしたいの」
「なるほど」
「でも、無茶苦茶な絵は反則ですのよ。単純化されていたり、目や鼻の場所がおかしかったりするのはだめ。
まるで、実際にその人の顔を模写したかのようなものを、お願いできますか」
男はしばし黙考氏、答えた。
「わかりました。お安い御用です。あなた様はお美しいので、お代は半分で結構です」
「あら嬉しいわ。ではお願いね」
「明日にまたいらっしゃってください。その時にはもう、完成しているでしょうから」
「楽しみですわ」

その日になった。女は昨日と同じ時間にやって来て、肖像画を受け取り、
「ありがとう。よく描いてくれましたわ」
と言って、嬉しそうに帰っていった。

それからしばらく経った日、男が新聞を広げると、大きなニュースが目に入った。
数日前に起きた殺人の犯人が捕まったという内容だった。。
その犯人は、数年前に行われた外科手術で死亡したはずの人間だという。
704創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 17:44:14 ID:9rURcx/k
>>701
これ良いね。星氏っぽい

>>703
オチがあと少しで分かりそうなんだけど、分からん。もどかしいw
705創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:05:15 ID:mzIEMYJ+
>>701
妙に納得してしまったw 並行世界がいくらあろうと悪者は悪者かw

>>703
ごめん解釈できなかった。もやもやするw
706創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:09:52 ID:Qm3aIC+x
>>704
なんかこう、自分の言ったギャグを「これはどこが面白いかというとね・・・」と説明するみたいにカッコ悪くなってしまうんですが、
どうか解説させてください。


絵描きの男が医者をやめた「ある事情」っていうのは、外科手術でミスって人を殺しちゃったことなんです。
女に「誰のでもない顔」を描けといわれ、男はその「死んじゃった人」の肖像画を描いた。
そんで、女が殺人を犯してから顔を肖像画そっくりに整形した、というお話なのです。


客観的過ぎるオチでホント申し訳ないです。
ばちっと読者に電気が流れるようなオチを書きたいもんですなー。
707創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:20:01 ID:mzIEMYJ+
あ、なるほど。横からだけどすっきりしました
ある事情、と伏せなくても良かったのかなー
何故か脳内で犯人の性別が男な気がして繋がらなかった
708創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:48:22 ID:Qm3aIC+x
やはりオチはできるだけぼかして、読んだ人に三秒くらい考えさせてから理解できるようなものに憧れてしまうんですよね。そのほうがなんかカッコいいですし。
>>701ではズバリそのまま、ぼかし無しでオチを書いたのですが、今度のは魔が差しました。
ぼかしたらぼかしただけ布石の「可視性」みたいなものを強くしなきゃいけないと思うのですが、あまり踏み込むとオチが読まれちゃうんじゃないかと心配になっちゃうんですよね。
そこらへんのバランスが下手糞過ぎましたね。
「ある事情」の部分をもっと突っ込んで書けばよかったと反省しております。
709創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 18:50:40 ID:mzIEMYJ+
いやいやお気にせずwこちらの読解力が足りなかったのもある訳でw
ほんとオチ読まれない配慮とか悩みどころですよね
また気にせず新作できたら投下してください。期待してまー
710創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 19:02:26 ID:Qm3aIC+x
ありがとうございます。
今度はカッコいいオチが書けるようがんばります
711創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 20:16:56 ID:9rURcx/k
>>710
なるほど。意図したいことは分かる分かる。
書き手としては、伏線のさじ加減がむずかしいですよね。
これからも期待してます。
712読者:2009/07/04(土) 20:59:59 ID:jDwdeUd7
楽しんでいます
713創る名無しに見る名無し:2009/07/04(土) 22:59:17 ID:3TACQQ6X
>>703
うまい!面白いよ
頑張れ
714創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 00:58:50 ID:9hvx54vO
2060年、科学の飛躍的な進歩により、人類は宇宙を自由に探索出来るまでになっていた。
「今日で2年と2ヶ月20日…僕たちはいったいいつまでこうしているんでしょうね?」
彼は傍らに腰掛けている宇宙飛行士に声を掛けた。
彼らはもう2年も宇宙をさ迷っている。
2年前、彼らは宇宙探索の為、2人一組のチームで地球を後にした。
しかし不慮の事故により、地球とも連絡が付かず、広大な宇宙をさ迷い続けているのだ。
幸いと言えるのだろうか、科学の粋を集めた小さな宇宙船には、酸素供給装置、食料など5年は生きていける様になっている。
「あと3時間ほどで今日が終わりますね…」
彼は、不安と恐怖で気が狂い自ら命を絶った宇宙飛行士に声を掛ける。
そして窓ガラスに映った金属の塊を見つめながら呟いた。

「自ら命を絶つプログラム、してもらっとけばよかった…」
715創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:19:28 ID:36k+3qTp
>>714
申し訳ない。解釈及ばずです。
716創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:24:51 ID:ohuHEw7Y
2人1組のチームと言うのが、人間とロボットの組み合わせということかな
717創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:26:13 ID:9hvx54vO
>>715

読んでもらっただけで感謝です
読み返すと、書きたい事がごちゃごちゃしてイマイチですね
出直しです
718創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:29:05 ID:9hvx54vO
>>716

その通りです
人間は早々に命を絶ったけど、ロボットは長い時間孤独と闘わなければみたいな感じにしたかったんですけど

まだまだでしたw
719創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:29:57 ID:J6P8bnkK
>>714 うにゃ、おもしろいよー
単純にわかりやすさを求めるなら、最後の行と最後から二番目の行を入れ替えるだけでも微妙に変わってくるんじゃないかとか思う
 ↓ 

2060年、科学の飛躍的な進歩により、人類は宇宙を自由に探索出来るまでになっていた。
「今日で2年と2ヶ月20日…僕たちはいったいいつまでこうしているんでしょうね?」
彼は傍らに腰掛けている宇宙飛行士に声を掛けた。
彼らはもう2年も宇宙をさ迷っている。
2年前、彼らは宇宙探索の為、2人一組のチームで地球を後にした。
しかし不慮の事故により、地球とも連絡が付かず、広大な宇宙をさ迷い続けているのだ。
幸いと言えるのだろうか、科学の粋を集めた小さな宇宙船には、酸素供給装置、食料など5年は生きていける様になっている。
「あと3時間ほどで今日が終わりますね…」
彼は、不安と恐怖で気が狂い自ら命を絶った宇宙飛行士に声を掛ける。
「自ら命を絶つプログラム、してもらっとけばよかった…」
そして窓ガラスに映った金属の塊を見つめながら呟いた。
720創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:30:25 ID:36k+3qTp
なるほどロボットか、つまり叙述ものということですね。
でも、ロボットには関係ない「酸素供給装置、食料」ってところを書いた意図がわかりませんな。
721創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:36:56 ID:9hvx54vO
>>719
ありがとうございます
確かに入れ替えた方がしっくり来ます
参考にさせて頂きます!

>>720
人間が2人いると思わせる引っ掛けの為に入れてみたんですが、確かに蛇足ですね
書いてる時は気付きませんでした
722創る名無しに見る名無し:2009/07/05(日) 01:54:15 ID:36k+3qTp
>>721
はい、やはり人間が乗っていないのにわざわざそのことを説明してしまうのはまずいかと。
でも「人間が乗っているように見せかける」ためにはやはりあれと同じ文意の文は必要ですよね。
二人とも人間かつ生存しているように見せかけ、
オチで両方とも人間ではないとわかっても不自然にならない、となるとかなり難しいですな。


また新作ができたら投下をお願いします。
723創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 09:46:49 ID:tfnTDRcV
ある男がハイキングに行き、道に迷ってしまった。
森の中で小道を探がしている内に日もとっぷりくれてしまう。
下手に動き回るより、どこかに座ってじっと朝を待った方がいいか、と思っていたところに小屋があった。
小屋の中には少しの乾パンと毛布があった。男は有り難く乾パンを頂戴し、毛布にくるまって寝た。

ぐっすり眠っていた夜中に「トントントン」
と何かがドアをたたいた。「何の音だ?」男は不信に思った。
「風の音だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び眠りについた。
暫くして
「トントントン」
とまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「鳥の声だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び眠った。
暫く沈黙が続いた。
「トントントン」
とまたまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「ドン!ドン!ドン!」
更に強くはっきりとドアがたたかれる。
男はドアに近付きたくなかった。しかし体はゆっくりとドアに近づく。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
724創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 20:56:11 ID:K/IqPHhV
あの、続きは?
725創る名無しに見る名無し:2009/07/07(火) 23:04:16 ID:AnJlvj5U
>>723
逃げちゃ駄目だ!
726創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 13:01:02 ID:Sj4pJFmK
アニメのエヴァンゲリオンじゃないか?先週の地上波で、映画を観ただけだが。
好きな人には申し訳ないが、思春期に絞り込んだ鬱陶しいアニメという印象しか無い、
俺のような人は多く居ると思う。なので、パロディのような物かもしれないが、
元を知らん奴も居るだろう。もし違ってら、すまん。
でも、最後の繰り返し以外は、徐々に盛り上がってたので、面白かったよ。
727創る名無しに見る名無し:2009/07/08(水) 21:15:37 ID:42xSvkjQ
エヴァ知ってても意味判らん
728創る名無しに見る名無し:2009/07/09(木) 23:15:19 ID:msnXuWPn
「212年後に地球は確実に滅ぶ」

 ある科学者によって発表された論文を、はじめは誰も信じなかった。根拠となる計算式があまりに難解で、誰も解こうとはしなかったのもあるが、一番の理由は、その科学者が黒人で、しかも無名であり、発表した日が4月1日であったからだ。
 ところがが半年後、論文にあった隕石の姿が、新型宇宙lens式望遠鏡(ユニシス)によって捉えられると、世界は癌を告知された患者に等しく、誰もが青ざめて刹那沈黙した。
 しかしながら212年後。もう、その頃には、今生きている者は隕石の衝突以外の理由で死んでいる。今の子供たちの子供たちも、おそらく同じ。だから、どう捉えて良いかわからなかった。
 果たして200年後、地球からどこかの星へ移り住むことは可能であろうか。
 一体何人が? いや、自分が乗るわけでは無いのだ。どうでもいい。恐れるべきか。悲しむべきか。我が身の幸運を神に感謝すべきか。
 皆が混乱していた。この件をきっかけに派生し、世界に瞬く間に広まった宗教の教祖は言う。
「考えても仕方がない。備えるのはこちらの損。次世代に任せようではないか」
729創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 00:37:35 ID:bTh0+HXb
>>728
逃げちゃ駄目だ!
730創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 01:34:31 ID:1Vkwqa31
「お寿司」
その日、エヌ氏とエフ氏はお寿司を食べていた。
お寿司といっても回っているものでも、職人が握った高級なものでもなく、
スーパーから買った、パック詰めのお寿司だった。

あと少しで完食だという時に、エヌ氏は迷った。
「イカとエビ、どっちを最後に食べようか…」
結局エヌ氏はエビを先に食べたのだが、後悔したようだ。

「やっぱり大好きなエビを最後に食べるべきだった。」
その言葉を聞いた瞬間エフ氏は
エヌ氏が最後までとっておいたイカを横からつまんで食べたのだった。
731創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 01:42:48 ID:1Vkwqa31
今日(日付変わったから昨日か)初めてこのスレを見つけて、
素晴らしい作品ばかりだったので、
調子こいて自分も記念に投稿してみました。
でも全然星さんっぽくないですね。
ただのショートショートになってしまった。まぁいっかw
スルーしといて下さいw
732創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 07:46:43 ID:nmcDdhH2
>>730
ワロタw
GJ
733創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 08:06:41 ID:nmcDdhH2
>>723の続き

男はゆっくりとドアを開けた。そこには月明かりに照らされて頭から血を流した女が立っていた。
「あら、ここにいたのね」
女はなれなれしく話しかけてくるが、誰だかすぐに思い出せない。

「先にドンドンドン行っちゃうから、追いかけるのに苦労したわよ」

そう言いながら、女は小屋に入ってきた。

「それ、私のだから、返してもらうわよ」

女はさっきまで男がかかえて寝ていた大きな荷物を指差した。

ああ、そうだ。男は思い出した。確かにそれは昨日の昼間では彼女の物だった物だ。

「もう会えないわね。今度はあなたが私の所へ来る番ね」

男はもう一度女の顔を見ようとした。しかし、彼女はいなかった。

かって彼女だった荷物だけが残った。
734開眼:2009/07/10(金) 15:46:09 ID:d0Ctrcml
エヌ氏は高名な武道家であった。
さらなる境地をめざし、深山にこもり、ひとり鍛練に明け暮れた。
長い修行の果て、遂にはうちなる気をビイムのように打ち出す技に開眼した。
エヌ氏は満足して、勇んで下山してみると、驚いたことに、街は荒れ果て、ゴーストタウンのようなありさまである。
ただならぬ状況に、エヌ氏は人を求めて彷徨い歩くと、広場らしきところにみすぼらしい姿をした人々が集まっている。
ひとりを掴まえ事情を訊くと、どこからともなく現れた化物が暴れ回ったせいなのだという。
エヌ氏は怒りに燃えた。
人々から声が挙がると、空から降りてくるなにかが見える。空を飛ぶなど面妖な、あれが元凶だなとエヌ氏は身構え、はぁ! と全霊の一閃。
ビイムがそれを打ち落とした。
すべての力を使い果たしエヌ氏は絶命した。


世紀末。
天が使わしたメシアを失った人類は滅亡した。
735創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 20:33:57 ID:M0tWOcll
>>734
オチへの繋がりが弱いし、オチの必然性が説明不足だな。
作風の感じが好きだから、もう一作ぐらい見てみたい。
736創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 20:55:42 ID:QKuRBpME
>>734
エヌ氏が打ち落としたのは化け物じゃなくてそれを退治する為に降臨したメシアだったってこと?
737XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/07/10(金) 22:17:50 ID:XiZu1JkB
>>730大好きだ

視点を一人称にしたらコピペになりそう
738創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 22:18:44 ID:ElGAYPLp
『逃げちゃダメだ。少年編?』

ピッ

電話を切った。ついさっき、好きに成れない友人Fからの連絡を、別のクラスメートに伝え終わった。
少年Aは、親と約束した事を、悔やんでいた。
流行性のインフルエンザのため、学級閉鎖の始まった二日目の夜だった。
仕事から帰ってきた親に小言を言われ、この休みの間中家に大人しく勉強して、夏休み前に出る成績が上がっていれば、
高校に入る時に携帯電話を買ってもらう約束だった。

暑い日の昼、開けていた窓から洗濯物越しに、外の音が流れ込んでくる。
ピーポー ピーポー 
救急車の様だ。少年はFのことが好きに成れないで居た。
遊び仲間の一人でもあり、テレビの録画の貸し借りやカラオケにも行ったりする関係なのに、
なぜか、ちょっとした時に今までに無い、ザワリとする感覚を覚えるのだ。

一番近い所に住んでるFの所へ、「何か借りに行ってみようか?」
あいつになら、「なにと交換で何が借りられるかな?」等と思いながら、
うとうとしていた。
夢の中で少年は、すでに大人になって居るようだった。(面白かったので、使います。)

 男がハイキングに行き、道に迷ってしまった。
森の中で小道を探がしている内に日もとっぷりくれてしまう。
下手に動き回るより、どこかに座ってじっと朝を待った方がいいか、と思っていたところに小屋があった。
小屋の中には少しの乾パンと毛布があった。男は有り難く乾パンを頂戴し、毛布にくるまって寝た。
ぐっすり眠っていた夜中に

「トントントン」と何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「風の音だよ」そう聞こえなくもない。

男は再び眠りについた。 暫くして

「トントントン」 とまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「鳥の声だよ」そう聞こえなくもない。 男は再び眠った。

 暫く沈黙が続いた。

「トントントン」 とまたまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「ドン!ドン!ドン!」更に強くはっきりとドアがたたかれる。

男はドアに近付きたくなかった。
しかし体はゆっくりとドアに近づく。

逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。

ピーポー、ピーポー 
少年は、目を覚ました。まだそんなに時間はたっていない。
テレビも昼のドラマだ。つまらない。
嫌な夢を見た、意味が解からなかった。

借りていたCDを探し出して、Fの家に向かってみる。多分居るはずだ。
自転車のペダルを踏み込みながら、少年は思っていた。
「逃げちゃダメだ。」「逃げちゃダメだ。」「逃げちゃダメだ。」
坂道を登りながら、どう切り出そうかと考えていた。
何せ、初めての告白なんだ、わけがわから無くて当然だった。
739創る名無しに見る名無し:2009/07/10(金) 22:23:11 ID:ElGAYPLp
↑のパクッタのは、723が未完結な気がしたので、前後に付け足してみた。
単純に、子供の頃の鬱陶しさとかにしたら、解かりやすいかと思ったので。
書き手の人、許してくれ。
740創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 00:21:09 ID:HxszOi0I
ある男がハイキングに行き、道に迷ってしまった。
森の中で小道を探がしている内に日もとっぷりくれてしまう。
下手に動き回るより、どこかに座ってじっと朝を待った方がいいか、と思っていたところに小屋があった。
小屋の中には少しの乾パンと毛布があった。男は有り難く乾パンを頂戴し、毛布にくるまって寝た。

ぐっすり眠っていた夜中に「トントントン」
と何かがドアをたたいた。「何の音だ?」男は不信に思った。
「風の音だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び眠りについた。
暫くして
「トントントン」
とまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「鳥の声だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び眠った。
暫く沈黙が続いた。
「トントントン」
とまたまた何かがドアをたたいた。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「ドン!ドン!ドン!」
更に強くはっきりとドアがたたかれる。
男はドアに近付きたくなかった。しかし体はゆっくりとドアに近づく。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。

音がやんだ。
「なんの音だ?」男は不信に思った。
「かあさんの声だよ」そう聞こえなくも無い。
男はそこで扉を開けた。
目の前にかあさんが立っていた。
男は傍らに転がっていた薪を手に取ると、それをかあさんの眉間に力いっぱい叩きつけた。

逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。
741創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 00:43:11 ID:HxszOi0I
そうだ、逃げちゃダメなんだ。

眉間を砕かれてかあさんは倒れた。
男は、かあさんを残して扉を閉めた。
「ドン!ドン!ドン!」
強くはっきりとドアがたたかれる。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「とおさんの声だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び扉を開けた。
そこにとおさんがたっていた。
部屋の隅に立てかけてあった鉈で腹をえぐった。
うずくまったとおさんに鉈を数回振るうと動かなくなった。
扉を閉めた。
「ガン!ガン!ガン!」
更に強くはっきりとドアがたたかれる。
「何の音だ?」男は不信に思った。
「千恵の声だよ」そう聞こえなくもない。
男は再び扉を開けた。
そこに千恵がたっていた。
鉈の背で千恵の顎を腹を肩を砕いた。
血がたくさんでてちえがしんだ。
扉を閉めた。

にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。
にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。
にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。にげちゃだめだ。

おもいだした。
最初は風だけを切っていた、生き物の初めては鳥だった。
人はかあさんが最初でとおさんがつぎだった。
ちえはだいすきだ。いまでも好きだ。
次は誰だったか。

「ガァン!ガン!ガン!」
更に強くはっきりとドアがたたかれる。
「何の音だ?」男は不信に思った。
何も聞こえない。
男は再び扉を開けた。
そこに男がたっていた。
それは僕だ。
「にげちゃだめだよ。」
そう言って、目の前のボクはボクを突き飛ばした。

いろんなひとから逃げすぎた僕は、崖の下の冷たい岩肌の上で少しだけ目を覚ました。
そうだ千恵の次は僕自身だった。 寒い。

逃げなきゃ良かった。
742XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/07/11(土) 00:45:10 ID:HxszOi0I
自分も>>723が未解決な気がして乗っかって見た。
ちょっとありきたりかな。

下げ忘れ申し訳ない。
743創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 12:04:42 ID:q9Kzfn8K
730ですがレス下さってありがとうございました。
全然星さんっぽくなかったけど、楽しんでもらえて良かったです!!
744創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 15:23:25 ID:mNg9tCu8
>>733

解説希望
745創る名無しに見る名無し:2009/07/11(土) 17:06:00 ID:WMNEh9aX
男は彼女を殺害して、死体をリュックか何かに詰めて山まで埋めにきていた。
そこへ彼女の亡霊が現れ、「リュックか何か」は自分の物だからと持ち去り、かつて彼女だった荷物――死体だけが残されたという話ではないでしょうか?
ちょっと自信ないけど。
746創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 11:03:24 ID:qsDRTWpT
なるほど!ありがと
747えれぽん:2009/07/12(日) 21:15:23 ID:BUXuNhDf
「男の履歴書」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その彼がエヌ記者に助けを求めてきた。
「研究を助けて欲しいと言われましても、私は文系人間でして・・・」
「いや、実験台というか、私が何を作ったのかを調査して欲しいのだ」
エフ博士は少し変わった形のメガネを差し出した。
「これは?」
「うむ。実はこの間TV漫画を視聴していた時にな、スカウタ−とかいう物が登場していた」
「ああ、相手の強さが数字で表される・・・て、作っちゃったんですか!?」
「いや、試しに作ってみたんだが、どうもな・・とりあえず、かけてみたまえ」
エヌ記者はそのメガネをかけて、エフ博士を観察しながら、教えられたスィッチを押した。
すると、レンズに数字が表示された。48275だ。
「おお、これが博士の戦闘力ですか?」
「いや、それがな・・・私にもなんの数字かわからんのだ」
「え?」
エヌ記者はとりあえず自分を鏡に映して計測してみた。1026だ。
「頼みというのはね・・・その数字が何の数字なのか、調査して欲しいのだ」

エヌ記者はスカウタ−を預かり、街に出た。色んな人を計測してみる。
「あのおじいちゃんは、9875。あの少年は0.あの女子高生は394・・・」
計測してデ−タをまとめる。何日かすると、傾向が見えてきた。
・個人差が大きいものの、高年齢ほど高くなりやすい。
・低年齢ほど数値がさがり、幼児になると0になる。
・同じ人間を観察すると、たまに数字が増えている人間がいるが、減る事は無い
「なんだろう?この数字は・・・」
エフ博士と自分の数字を比較すれば、戦闘力などでないのは確かだ。
寿命かなにかだとすれば、年少者ほど少ない理由がわからない。
運か何かだとすれば、幼児がのきなみ0なのは変だ。
知力だとすれば、自分と博士には当てはまるが、一般人でもごくまれに博士の数字を越えている人がいる。
大体、どうみても自分より馬鹿そうな奴が10000を越えていたりするのだ。
政治家、アイドル、警察官、実業家、会社員など、仕事のついでに計測してみたが、個人差が大きいだけで、特に特徴はなかった。
「明日はこれを返しにいかなきゃならん。結局分からなかったな・・・」
そうつぶやくと、エヌ記者はベッドにもぐりこんだ。

「そうか。結局分からなかったか」
「申し訳ありません。お役に立てず・・・」
「いや。君は悪くない。まあ、たまにはこんな失敗もあるさ」
エフ博士は特に気にした様子も無く、現在研究中のテ−マについて語り始めた。
(これで良かったんだ・・・)
エヌ記者には分かっていた。今朝、自分の数字を見ると、1ポイント増えていたのだ。
昨晩の行動と、ここ数日を比較して、彼は答えにたどりついたのである。
(こんな数字、なんの役にも立たない。むしろ、社会が崩壊する・・・)
何より、エフ博士が気の毒だ。先ほど計測すると、この一週間で15ポイント増加していた。
(言えるわけないじゃないか。通算オナニ−回数だなんて・・・)
748創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 21:46:10 ID:w8rSgnEd
えれぽんキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
うん、おもしろい!!
749創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 22:22:06 ID:jm6slciQ
>>747
GJ!
ワロスwハラいたいwwww
750創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 22:33:10 ID:WQAjZpyW
ちょww博士そうとうだなwww

えれぽんさんが俺ん中でシモ系良作家になりつつある件w
751創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 00:04:16 ID:fNQHpnA2
自分がオナニ○1回して1回増えたから、オナニ○回数だと思ったんだろうけど、
セ○クス回数+オナニ○回数って可能性もあるな。
というわけで、セ○クスしても数が増えなかったシーンを
外伝としてエロパロ板に投下すべき。
752創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 00:28:46 ID:3JMGngTp
文章構成は良いしそこそこ面白いけど
三流芸人みたいに下ネタで笑いとってるだけじゃないか
若僧の考えそうなコントだ
753創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 00:48:16 ID:sdV7TgsJ
面白いなw博士その歳でよくやるw
754坂東太郎:2009/07/13(月) 04:21:35 ID:m6peBlSS
エス氏は変わった人物だった。生まれてこのかた人前で怒った事がない、とても
珍しい男だった。
もし私を怒らせるような人がいれば、その時はどんな命令でも従うよ。約束する。
まあ私を怒らせるだなんて所詮無理な話だよ。エス氏は日ごろからそう断言していた。
会社の帰り道だった。
ほろ酔い気分のエス氏は自宅に向かって歩いていた。
「やあ、久しぶり」
突然男の声がした。
自宅まであともう少し。そんな時に背後から声をかけられて、S氏は一瞬ドキリ
とした。聞き覚えのある声だったのだ。
「誰だい?」
声をかけてみたが返事はない。歩き出してしばらくすると、再び背後から声がした。
「やあ、久しぶりだね」
「君は誰だい?いたずらなんだろ?一体何が目的なんだい?」
声の主に問いかけてみたが、やはり誰もいない。相手は結局姿を見せなかった。
おおよその見当はついていた。しかし彼が生きているはずもない。一年前に
死んだ男。怒りに震えた友人の顔を、エス氏は思い浮かべていた。
自宅の玄関前に辿り着いた時、酔いはすっかり醒めていた。ドアを開けて中に
入ると、耳障りな声はもう聞こえてこなかった。
家の中ならもう大丈夫だろう。風呂から上がったエス氏は再び飲み直すことに
した。冷蔵庫からビールを出した時だった。
「やあ、久しぶり。君はトンマだね。しかもとてもマヌケな男だよ」
まただ。怒りをあらわにしたエス氏は反撃に出た。
「さっきから一体なんなんだ。腹が立つったらありゃしないよ」
「そう怒るなよ。一年前君に殺されたぼくだよ」
「え?じゃあ君は幽霊なのかい?」
驚いたエス氏は声の主に向かい何度も頭を下げた。
「いいさいいさ、仕方のない事さ。生き返るわけじゃないしね」
「じゃあ君は私を許してくれるのかい?君ってやつは寛大な男だね」
「許すとも。ただ約束は守ってもらうよ。どんな命令にも従う例の約束さ」
「あ!しまった」
エス氏は会社で我慢している怒りの全てを自宅で吐き出していた。
755創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 12:37:18 ID:hwePoXko
>>754
終わり?
756創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 13:15:59 ID:3+txEFK2
オチが説明不足だな。結局どうなったんだろう?
757創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 19:32:05 ID:kv6l2WvP
>>756
多分、エフ氏が最後のお寿司を食べたんだと思う。
758坂東太郎:2009/07/13(月) 19:43:18 ID:m6peBlSS
すまんせんでした。
意図的にラストを削ったんですけど失敗ですね
星さん大好きなのにお恥ずかしいw
また勉強してきます
759創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:39:48 ID:oeWW7v7r
隣人

私の隣に住んでいる人はとても変人だ
私がおはようと挨拶すると普通に頭を下げる
私が酔って帰ってくると彼もまた酔って帰ってくる
私が泣いていると彼もまた泣いている
私が怒っていると彼もまた怒っていた

「ねえ、あなた…」
「どうした、お前」
「そろそろ大きな鏡を片付けましょうよ、いくら隣に人がいないからって鏡相手に喋って楽しいの?」
「……そうだな」
760創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 20:47:32 ID:kv6l2WvP
ある日、エヌ氏は強いデジャブを感じた。
あれ?この光景と言うか、映像どっかでみたような、、
しかし、暫くするとその感覚はおさまった。

ほっとするエヌ氏。しかしまた、近視感に襲われる。
おかしい、なぜだ、これは初めての筈なのに、、

エヌ氏は混乱した、しかし逃げ出すわけには行かない。
彼は集中した、雑念を取り除いた。しかし何かがモヤモヤしたまま事を終えようとしたその時!
彼は気が付いた!わかった!悟った!
そして、そのままやり遂げた。最後までやりきった!



以前借りたことのあるビデオで。
761創る名無しに見る名無し:2009/07/13(月) 22:45:04 ID:hwePoXko
「解散だ! 解散!」
「そ、総理、まだ時期尚早では……」
「俺が解散すると言ったら、絶対解散だ! 解散!」
「ですから……今解散しても、我が党は勝ち目がありませんから、もう少し待ちましょう」
「党? おまえ何言ってんの!? ウルフルズのことだぞ」
762創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 00:05:01 ID:lHKlOTbg
>>757 思わず吹いた!
763創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 01:57:11 ID:nRbr/6ao
>>747
博士がたまにしかオナニーできないほど忙しい人物だったら、
自分でも気付けたんだろうな
博士は1日平均2回以上だからな、研究かオナニーかして終わる人生だな
764創る名無しに見る名無し:2009/07/14(火) 07:41:23 ID:hJihJfip
60年以上に渡って毎日2回、欠かさずオナってる博士ってギネスものじゃね?
765創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 07:27:41 ID:5dYK3uR4
『20XX年宇宙の旅』

「わぁ! きれい!!」
 窓の外を眺めている妻はやや興奮気味だった。
「あれが天の川かしら!?」
 一瞬だけ僕の方を向いたあと、ずっと外を指差している。
「ちょっと静かにしてくれないか……」
 僕はそれどころではなかった。こんなに酷い船酔いは、少年の頃に青函連絡船に乗って以来だ。
「だから言ったでしょ! 月のときとは違うって!!」
 妻の言うとおりに、事前に酔い止め薬を服用しておけばよかった。火星まであと5時間……とても耐えられそうにない。
「ごめん……無理かもしれない」
「えぇ?! せっかくここまできたのに!」
「すまん……」
 そして僕は後頭部から伸びているコードを引っ張り、蒼白く点滅しているボタンに手をかけた。
766創る名無しに見る名無し:2009/07/17(金) 18:44:50 ID:H2FjAgLg
疑似体験で旅行中だったのかな?
いろんな解釈できそうだけど
767えれぽん:2009/07/21(火) 20:46:31 ID:N75TuwCQ
「ボッコちゃん」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
その博士が、画期的な人型ロボットを開発した。
「すごいものですね。どこからどう見ても人間にしか見えない」
取材に来たエヌ記者が賞賛した。
「まあ、どこまで人間に近づけるか、が開発のテ−マだったからね」
エフ博士が応じる。
「ボッコちゃん」と名付けられたそのロボットは、人間で言えば20歳前後のとても美しい女性だった。
ロボットだと分かっているエヌ記者が見ても、ため息が出る程の美女だ。
しかも、人工知能によって会話も可能。人間と同じ仕草も表情も出来る。
「街を歩かせても、誰もロボットだなんて思わんでしょうねえ・・・」
「実は、君にその実験と、調整を頼みたいのだ」
「実験はともかく、調整とは?」
「ボッコちゃんには人工知能が搭載してある。実際に色んな体験をつませる事で学習し、
より人間に近づくのだ。ただし、3、4歳児程度の知能だがね」
エフ博士は天才科学者の特性として人前に出るのは大嫌いなのだ。ほとんど外出もしない。
だから旧知のエヌ記者を呼び、独占記事と引き換えに実験を依頼したのである。

「ふむ。なかなか気分がいいものだな」
エヌ記者はボッコちゃんと腕を組み、繁華街を歩いていた。
男という男が、みな羨望の眼差しを向けてくる。
それも当然だろう。
清純さと妖艶さを完璧なまでに両立させたその美しさの前では、女優やアイドルだって霞んでしまう。
「疲れてないかい?」
ロボットが疲れる訳も無いが、会話する事でボッコちゃんは人間らしい反応を学ぶ。
「疲れてないわ」
ボッコちゃんが答え、にっこりと微笑む。
(全く・・・ロボットだと分かってても、惚れてしまいそうな笑顔だな)
実をいえば、ボッコちゃんはあくまで人間そっくり、という以外には何の実用性も無い。
複雑な作業は出来ないから、家事も出来ないし、高度な会話も出来ない。
エフ博士いわく「そんなロボットが欲しければ、わざわざ人型に造る必然性は無いだろう」
との事だった。ボッコちゃんは、あくまで「人間そっくり」を目差す実験ロボットなのだ。
実用性といえば、もう一つ残念な事がある。
「ボッコちゃんは本当に人間の美女と見分けがつきませんが・・・その・・・
身体の方はどうなんでしょうか?」
とエヌ記者が遠まわしに尋ねた所、
「君が期待しているような、女性としての機能は無い。つけようと思えば出来るんだが、解決不能な問題があってな」
と、エフ博士に否定されてしまった。どんなに美しくとも、ボッコちゃんはロボットでしか無いのだ。
(しかし、一緒に歩いて会話するだけでも楽しいもんだ。結構、需要はあるかもな・・・


768えれぽん:2009/07/21(火) 20:48:09 ID:N75TuwCQ
カチャっと音を立て、ロックが外れた。
青年は解錠工具をポケットに収め、代わりにナイフを取り出し、ドアを開けた。
電気は点いてないが、男一人で外出した事は、さっき自分の目で確認している。
「間違い無い。今は彼女一人だ・・・」
青年は、いわゆるスト−カ−だった。一週間前、彼女を街で見かけた時、一目で恋に落ちてしまったのだ。
男と一緒だったが、青年はフラフラと、このマンションまで後をつけてしまったのだ。
それから毎日、このマンションを見張った。自分でも自分をコントロ−ル出来ない程、彼女に夢中だった。
しかし、彼女はいつも男と一緒。決して一人では外出しないのだ。
思いつめた青年は、ついに強硬手段を決心した。
「なんとしても彼女を手に入れる。男が邪魔なら殺してやる」
そうしてマンションに来てみると、なんと男一人でマンションから出てきたのだ。
「これはきっと、神様が応援しているに違いない」
青年は自分勝手な解釈をし、目当ての部屋に侵入を開始したのである。
そして、彼女を見つけた。
「おい、おとなしくしろ」
青年はナイフを突きつけた。
「ええ、おとなしくするわ」
ボッコちゃんはにっこりと微笑む。
青年は予想と違う反応にとまどいながらも、より大胆になった。
「とりあえず、その服を脱げよ」
「ええ、服を脱ぐわ」
ボッコちゃんは恥じらいも動揺も見せず、服を破り始める。
(彼女は少し、精神的にアレなんだろうか?)
彼女を見つけた時も、電気も点けないで、寝室の真ん中にぼうっと立っていたのだ。
(それならそれでいい。あの男から、彼女の身も心も奪ってやる)
「おお!!」
青年は全裸になったボッコちゃんに思わず見とれてしまった。
清楚で上品な顔立ちからは予想の出来ない見事なバスト。
しかも、巨乳でありながらも重力に逆らって見事な形だ。
ほっそりとくびれた腰、すらりと伸びた脚線美・・・
一番肝心な部分が剛毛に覆われて何も見えないのが意外であったが・・・
青年は自分も服を脱ぎ捨てると、ベッドに仰向けになった。
「おい、こっちへ来い。とりあえず、おれの顔にまたがるんだ!」
「ええ、あなたのお顔にまたがるわ」
ボッコちゃんはにっこりと微笑んだ。

「どうかね?ボッコちゃんの様子は?」
「ええ、毎日デ−ト・・・いや、調整してますが、格段に向上してます」
実際、ここ一週間の調整で、ボッコちゃんはどんどん人間らしくなっている。
「とは言え、会話はオウム返しですし、デリケ−トで複雑な作業は出来ませんが・・・」
「あれが限度だったのだよ」
エフ博士はやや残念そうに言った。
「何しろ、人間そっくりを優先させたからな。あれ以上の人工知能を入れるスペ−スが無い。
人間の機能を再現できるシステムや動力を、全てボッコちゃんの体に詰め込むだけでも・・・」
「実際、それがボッコちゃんの唯一にして最大の弱点ですよね・・・」
エヌ記者は軽くため息をついた。
「400Kgでしたっけ?ボッコちゃんの重量」
769えれぽん:2009/07/21(火) 20:55:15 ID:N75TuwCQ
元ネタは・・・誰でもわかっちゃいますね。
星さんのSSでも個人的に大好きな話なのでつい・・・
元ネタがバレバレなんで、ロボットの名前も開き直ってみました。
最初は「ミク」にしようかと思ったんですが・・・
770創る名無しに見る名無し:2009/07/21(火) 23:32:58 ID:mp8jnKkg
仮に女性機能つけたとしてもなぜかモザイクがかかってそうだなw
771創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 12:08:33 ID:5bnmTO53
モグモグ。パリパリ。
「節子、それおはじきやない。カレーライスや」
またカレーライスか、と僕は思った。
772創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 18:09:22 ID:Eg92MEbm
妙に印象に残ってしまったのだが、一体何の話なのだw
773創る名無しに見る名無し:2009/07/22(水) 23:55:59 ID:kc5S75PG
もうソロソロだよね、月が欠けるの。
晴れるかな〜〜〜〜〜
って話かも知れんぞ。
違ったら、寝よう!
774創る名無しに見る名無し:2009/07/23(木) 01:13:39 ID:LTFSCC19
>>771
貴婦人電報に近い狂気を感じる
775創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 19:21:29 ID:IT6PLeKZ
291 名前:名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/07/23(木) 22:14:38 ID:zdHI/AcB0
小松左京が星新一から手紙をもらうと
いつも宛先に「尻崎」と書いてある。

『なんで「尻」なんて書くのだ』
『だって「七」より「九」のほうが大きいからいいじゃないか』
『バカをいうな、「七」、「七」と書くんだ』

二度繰り返したのがまずかった。

次に届いた手紙の宛先は 「屁崎」
776創る名無しに見る名無し:2009/07/24(金) 23:41:18 ID:LShx0eGp
>>775
凄い!受けました。
777創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 15:16:39 ID:/L5Xf8BO
「いくらなんでもこんなに降らしちゃまずいでしょ。あちこちで土砂崩れが起きてますよ」

「いいんだよ。地球温暖化だからとか、なんとでもなるだろう」

「でも、元はといえば私たちの設定ミスが原因なんですから」

「わかるわけないさ。春の設定を忘れたくらい。梅雨がくれば、まだ夏じゃなかったんだと納得するだろう」

「そうですかあ? 秋の設定を忘れたときは、あれだけ雪を降らせて首都機能がマヒしてしまったし、じきにバレると思いますよ」

「なに、今までバレなかったんだから、これからもバレないさ」

「ま、たしかに。これだけ異常気象が続くなら、フツーおかしいなって気づきますよね」

「それだけ、俺たちを信用しているってことさ。どーせ、奴らには見えんのだし……」
778創る名無しに見る名無し:2009/07/28(火) 15:20:06 ID:egxww3/F
設定ミスかよ!w
まだ梅雨明けしないのかと泣いてる俺が言ってみた
779創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 06:52:47 ID:rJjhFCCd
>>777
考えすぎかも知らんが、まだあちこちで被害が収まってないので、
ネタにするのは時期早々かもよ?
私見なので気を悪くしたらゴメン。
780創る名無しに見る名無し:2009/07/30(木) 12:00:03 ID:ruQbFXG7
>>777
たしかにタイムリーなネタではあるけれど・・・
781創る名無しに見る名無し:2009/08/01(土) 23:39:01 ID:pNyBU6Me
ROM3日ですが、以前に手帳に書き残したSSの存在を思い出したので晒します。

---
ある偉大な科学者は突然不老長寿の秘薬の製造方法を思いついた。
しかし同時に、その製造には数十年の歳月が必要であることも理解していた。
そのため彼はこの偉大な発見を実行には移さず、世間に発表することも無かった。
ちなみに、これは人類史上5度目のことである。
782創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 21:10:53 ID:R4u7IB6i
>>781
終わり?!
783創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 23:27:40 ID:lspGxD9h
つまり
自分の生きてる時間ー成功にかかる時間=自分の成功から得られる満足
を瞬時に考えて、別の満足度の高い成功を選んだ。
人類史上において、何度も。
(↑偉大な学者だから、既に成功してる可能性が高い。)

って、キレ の有る終わりかたかも。コク は無いけど。ビールの話かよ。^^;;

不良長寿による世界にその規模で訪れる食糧不足に責任取れない。
死を忘れた人類の行く末に、責任取れない。
そんな葛藤あったのかもね。深読みかも知れん。
面白かったです、個人的に。
784創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 23:37:05 ID:y8O2yWSo
もう一行削れれば某スレ的によかったのにな
これじゃただのアイデア説明で、表現も仕掛けもない
785創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 00:17:24 ID:5RnBgfSq
だから今まで眠ってたんじゃね?
そこまで考えると面白さが割増だなw
786創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 01:28:19 ID:7ZGZt4r1
は?
787785:2009/08/04(火) 08:10:18 ID:CukRQ9Wk
>>781は突然全人類が間違いなく感動するショートショートのアイデアを思いついた。
しかし同時に、その執筆に必要な知識と技術の習得には数十年の歳月が必要であることも理解していた。
そのため彼はこの偉大なアイデアを執筆に移さず、手帳に説明を書き残すに留めることにした。

みたいなコトが言いたかったんだがすまん、酔っ払ってたんだ
反省して仕事行く
788創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 11:06:34 ID:nwjY6u5l
>>781
「信じようと、信じまいと」のスレみたいだな
789創る名無しに見る名無し:2009/08/04(火) 19:49:19 ID:RX318n3o
余計に分からなくなった件について
790Dove Mountain:2009/08/06(木) 16:53:08 ID:MAyxNdyV
「結婚したら家も買おう、車も買おう、家具も家電も、みんな買い替えよう」

「わぁ! 素敵!! っていうか、そんなにお金あったかしら??」

「心配しなくていいよ。結婚してから考えればいいのさ! さぁ、今すぐ婚姻届けを出しに行こう」

「いやよ! 結婚したら借金まみれなんてごめんだわ。そんな計画性のない人と結婚できるわけないじゃない!」
791創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 17:42:49 ID:scHFI6Fj
792創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 17:47:11 ID:SripvwTK
??
793創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 17:58:56 ID:ze448FRB
???
794創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 18:13:02 ID:wKpPoXW5
政治のCMか
795創る名無しに見る名無し:2009/08/06(木) 19:59:20 ID:VrPBGK+Y
スレ違い申し訳ない。しかも、コピーするだけだが

836 :sage:2009/08/03(月) 12:18:26

「神様がいるなんて、あなたも信じていないわよね?」
彼女の問い掛けに、僕は肯いた。
世の中に宗教はたくさんあって、その数だけ神様がいることになっている。けれど神様や天国、または地獄なんて概念は、生きている人間を慰めたり戒めたりするために誰かが作った物に過ぎない。

「だったらお坊さんが唱えるお経だって、意味なんか無いわよね?」
僕は今度も肯いた。
神様がいないなら、人間の創作物である経文に超神秘的な力が宿るはずも無い。あれは故人の霊をあの世へと送り届けるためではなく、あくまで遺族の悲しみを鎮めるために読まれる物だ。

「じゃあ、この世を彷徨う魂は、どうしたら成仏できるのかしら?」
なるほど、宗教家が行う浄霊儀式なんかに意味が無いとすれば、現世に留まる霊はどうしたら成仏させられるのだろう。
僕は彼女に言った。
「生前に熱心な信仰があれば、お経を読んでもらうことで或いは成仏できるのかもしれないね」
信心深かった故人なら、お坊さんの読むお経にありがたみを感じて安らかに眠る事が出来るのかもしれない、と僕は思った。

「そう……そうかもね……」
それきり彼女は俯いて、黙り込んでしまった。
僕はひしゃげたままのガードレールに花束を手向けて、その場を後にした。
796創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 00:59:11 ID:JpFkBE9D
余韻がなんともいい感じ
でも「1レス以内でおはなしを作るスレ」向きっぽい
797創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 09:47:44 ID:C2tRcN3m
彼女は死んでるのか
798創る名無しに見る名無し:2009/08/08(土) 10:54:34 ID:OdzqEspB
神様を信じてない人があの世とか成仏するとかよく判らんな
799創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 03:02:25 ID:Iy5rtWZK
全然星新一さんぽくないかもですが、拝読お願いします!


『噂のかかと』

 私は啓次郎の目を見て、話し始めた。
「かかとの噂、流したでしょ」
「お、俺じゃないよ」
「あなたにしか話してないもの。それ以来、私のかかとをジロジロ見る人が増えたのよ」
「だから俺じゃないんだって」
「確かに面白いとは思うわ。かかとから水菜が生えてきている女なんて、人類の歴史の中で一人もいなかったと思うの。
でも仕方ないじゃない。切っても切っても生えてくるの、水菜が。靴下もハイヒールも突き抜けて生えてくるのよ。
あなたがみんなに言ったんでしょ。正直に言ったら怒らないから」
「俺が言った」
「ほら! 私を笑い者にしたいのね」
「そうじゃない。水菜が生えている女なんて、これ以上ないほど魅力的だってことを伝えたかったんだ。
隠すんじゃない。それがおまえの魅力なんだ。
だって、働かなくてもいいんだぜ、水菜を売ればいいんだから。何なら俺が売ってやってもいい」
「あなた、そんなに頭からジャラジャラ金属をたらしながら、意外と私のこと考えてくれてたのね。けっこう泣けたわ」
「結婚しよう」
「え、いいの? 私、水菜よ」
「おまえじゃなくちゃダメなんだ」
「あなた!」 
「利江!」
「水菜って呼んで!」
「水菜!」
「あなた!」
「水菜!」

1分間で小説を書く!
http://ameblo.jp/imifumie/
800創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 17:47:09 ID:l5TDH0Lq
頭からじゃらじゃら金属をたらしながらってのは何?
水菜を生やしてるのとおなじ体質的なもの?
801創る名無しに見る名無し:2009/08/09(日) 19:54:13 ID:1uFUS8A+
こないだNHKのショートショートでさ、隣人の男女の話し声がうるさくて眠れないから文句言いに言ったら隣も
同じ事言ってきて結局お互いの話し声だったってオチの話のタイトルなんだっけ?
ウィキ見てもサブタイトル更新されてなくて分からない(´・ω・`)
802創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 15:52:12 ID:p3cmKRpP
>>775
がわからない。
なんで小松左京の名前が七崎なの?
803創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 16:54:17 ID:cC+msR2R
ふつーに尼崎に住んでいたって事やん?
804創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 21:38:21 ID:Iqgu/8yu
>>802
ちょっと、「小松左京 尼崎」で検索してみた。
小松左京の自伝『SF魂』に在るエピソードらしいぞ。

星新一さんは、かなり個性的で魅力の在る人のようで、
SSも凄いと同時に、冗談も普通と違う人だったようだ。
805創る名無しに見る名無し:2009/08/10(月) 22:01:30 ID:Wo+FgO4U
筒井と小松が煙に巻かれっぱなしだったそうだしなぁw
806創る名無しに見る名無し:2009/08/11(火) 23:35:13 ID:Jy1dGXGH
799
この板に有る、以下のスレ

SS・小説創作の初心者のためのスレ 3筆目

印象と違って、キツイ事書かれると思うんだけど覗いてみて、
その気になったら、書き込んでみてはどうでしょうか?
807創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 00:19:39 ID:mmhwzKvt
タイムマシンを完成させたN博士は、それまでの苦心を顧みていた。
日々寝る間を惜しみ、食事も一食で、最低限の休養しかとらず、三十年間ずっと研究を続けてきて、そして今、その苦労の結晶が完成したのである。
「早速だが、過去に行ってみるとするか……」
彼はタイムマシンに乗り込み、三十年前、つまり、彼がタイムマシンを作ることを決心した年まで遡った。

どうやらワープが完了したらしく、彼はタイムマシンから出た。
そこは研究所だったが、彼が先までいた所よりも設備や装置が明らかに貧弱だったし、雰囲気が違っていた。つまりは、無事に遡行に成功したのだろうと、彼は胸に湧きあがる達成感を隠し切れず、思わず叫んだ。
「やった!」
「あ、あんたはいったい誰だ」
見ると、目の前に三十年前の彼が立っていた。
「わたしは、三十年後の君だよ」
「えっ。ということは、俺はタイムマシンを、完成させるのかい」
「そうだ。相当な労力と金を、つぎ込んだがな」
「いや、しかし、三十年もかかるのか……」
三十年前の彼は悩ましげな顔をしていた。
「何をそんなに、悩んでいるのだ」
「いや、タイムマシンの研究だけに三十年もかけて、自分の青春を無駄にしてしまうのが惜しくて……。なんせ、俺はまだ二十歳だぜ」
「な、何を言っているのだ」彼は慌てた。
「三十年頑張れば、タイムマシンができるのだぞ。そりゃあ、その期間は決して短くはないし、苦労するだろうが……」
「いやだね」三十年前の彼が何かを決意したように言った。
「三十年もそれだけに費やすなんて、いやだ。そりゃあタイムマシンには興味があるけど、それよりも、俺はもっと遊びたいんだ。青春を、謳歌したいんだ。こんな、研究所、もうやめてやる。もうくだらない研究には、飽き飽きだ」吐き捨てるようにそう言った。
「そうだな、手始めに、あそこのタイムマシンでどこかの時代に遊びに行こうか」三十年前の彼は、N博士のタイムマシンに近づいていった。
「ま、まて、それはわしのだ。いいか、君はきちんと、自分の手でタイムマシンを完成させなきゃいかん。でないと、歴史がおかしくなる。君が研究を放棄して遊び倒した未来に、このわたしは存在し得ないんだ」
「そんなこと、知るか。それはあんたの問題だろう。俺はもっと遊びたいんだよ。研究なんて、してられるか」
そして彼はタイムマシンに乗り込み、そのままどこかへと消えて行った。
「ああ、なんてことだ。三十年前のわたしが、あんなに堕落していたとは」一人残されたN博士はそう呟くと、おもわず地団駄を踏んだ。
「しかし、このままではいけない。なんとかしてタイムマシンを作らないと、歴史がおかしくなる」
そして彼はもう一度三十年かけて、タイムマシンを作ることに決めたのである。
808創る名無しに見る名無し:2009/08/13(木) 03:03:01 ID:LFuKCwdA
無限ループって(ry
書き方が上手かったらもっと面白い話になってたかもだ
809創る名無しに見る名無し:2009/08/16(日) 00:23:58 ID:6FPNzCiG
また30年かかるのかよw
810野良猫アプロ ◆rOPqiXeyuw :2009/08/16(日) 11:06:20 ID:ZbM2b7LD
カウンセラー

患「どうしたらいいんだ!?」
医「落ち着いて。ゆっくり話し合いましょう。」
患「自分で自分がわからなくなるんだ…。」
医「大丈夫。これからちょっとした心理テストをしてみましょう。」
患「テスト?」
医「簡単だから、リラックスして答えてね。」
患「ああ…。(深呼吸)」
医「それでは、まず、動物を一つ思い浮かべて、 動物の名前を言って下さい。」
者「…ポチ…。」
医「ポチって…。」
患「何か間違ったのか?」
医「いいえ。次、行きましょう。
それでは、もう一つ動物を思い浮かべて名前を言って下さい。」
患「タマ。」
医「…。それでは最後に、もう一つ動物を思い浮かべて名前を言って下さい。」
患「…。ピーコ。」
医「これであなたがわかったわ。」
患「本当か!?俺は何者なんだ!」
医「一番目の動物は、あなたが周りからこう見られたいと思っているイメージ、
二番目は、実際に周りの人があなたに抱いているイメージ。
三番目が、あなたの本性よ。」
患「ということは…?」
医「あなたは犬のように愛想のいい人だと周りに思われたいのね。
でも実際は、 周りの人はあなたの事をきまぐれな猫のような人だと思っているわ。
本性は小鳥だから、本当のあなたは臆病者で、いつもびくびくして生きているのね。」
患「それは違うぞ。」
医「皆さんそういうわ。でもこのテストは自分が気付かない
本当の自分の姿を知る為のものなの。」
患「俺は犬になんかはみられたくないし、びくびく生きているわけでもない。」
医「だって、一番目の動物がポチで次がタマで次がピーコなのでしょう?」
患「ポチはポチという名前のナマズだ。素直で、俺の話をよく聞いてくれるんだ。
タマは人面魚で、ピーコはケサランパサランだ。」
医「…。わからない…。私にはあなたという人がわからない…。どうしたらいいの?」
患「先生、落ち着いてくれ。ゆっくり話し合おう。」
811古閑:2009/08/16(日) 16:45:44 ID:qf9hsLDc
「主張」

「本当なんだ!俺は見たんだよ・・・UMAを!」
ある男が懸命に主張し続けている。
「いい加減にしろよ。お前が見るわけないだろう。なにせ、おまえは・・・」
「言うな。それを他の奴が聞いたら、どれだけ信用がなくなることか。大体・・・」
こんな感じだった。全く迷惑だ。ここがどこだかわかってるんだろうな・・・
「ふざけるな!見たっていってるだろう!?テレビの出演権まで手に入れて主張しているんだからな!」
「もうやめろ。つまらない番組になったらどうするんだ」
「俺はかまわない。1人くらいは同意する奴がいるはずだ」
テレビ番組にまで出演してこんなことを言う大人とは・・・ある意味尊敬するな。
近頃はどんどんどうでもいいことを言う奴が増えてきたようだ。
ああ、くだらん。もう30分もこの調子でやってるぞ。こんな放送、やめてしまえばいいんだ。だれか止められないのか?
これを楽しむ奴もいると思うが、そんな奴の気持ちは残念ながら俺にはわからない。
え?そんな番組がやっているわけがないだと?そりゃそうさ。
俺は24世紀の人間なんだ。そして、今見ているのが『一般放送』ならぬ『一般人放送』だ。
その名のとおり一般人しか出演できない。芸能人や有名人はでれないのだ。
だから、このとおり・・・
「わかったよ。諦める。だが、いつかこの主張を真実にしてやる。ここに宣言するよ。」
「ああ、分かった。ま、その宣言もどうせすぐに消えるだろうけどな」
「消えないよ。必ずやってみせるからな。おぼえとけよ」
こんな感じだ。ようやくこの番組も終るようだ。さて、次はなんの番組だっけな・・・
次は、一般人しか参加できないクイズ番組をやっていた。
なんだ、ありきたりすぎる。こんなもの、一般放送でもやってるじゃないか。さっきよりももっとつまらん・・・

その時、電話が鳴った。男は、すぐに電話にでた。
「もしもし、ドラマの出演依頼が入ったのですが・・・」
「一般放送だよな?」
「はい、もちろんです。」
「よし、分かった。すぐにテレビ局へ行く」
そう、この男は本物の芸能人なのだ。一般放送に出演している・・・・・・
だからこそ、こんなに一般人放送を嫌っているのだ。そうでないと、説得力がなくなる。
男の車はテレビ局へ向かっていった。
運転中、彼は車の中でも一般人放送を視聴していた。
「ふん、やっぱりつまらん・・・時代はやはり、一般放送なんだ。そう思わないか?
こんな主張のほうがいいだろう」
そう言いながら、彼はテレビ局へと入っていった。

・・・24世紀の芸能人の「主張」だった。
一般人放送のあいつの「主張」を題名になどするわけがない・・・・・・


812創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 03:23:50 ID:gOZSsylh
三行読んで先に行くのやめた。
読みにくいよ。
813創る名無しに見る名無し:2009/08/21(金) 03:32:55 ID:gOZSsylh
>>810
最後の患者のエクスキューズでカウンセラーなら理解できる言葉を理解できないとするのはどうかと思う。
なまず、人面魚、ケサランパサラン。
それぞれに分類できると思うがどうか?
814初投下:2009/08/25(火) 22:05:04 ID:WKlS6H0N
闘い

生死を賭けた、とは言いがたいがこの世で生きていくためには
様々な闘いを避けては通れない。

俺はある闘いにおいて3連敗中だ。
なに、難しいことは何もないのだが。
ルールをちゃんと守れさえすれば勝利するのだ。
しかし、俺は最近、そのルールを守れない。

明日はその闘いの日。明日こそは負けるわけにはいかない。

そう決意するとN氏は、ベッドに入り深い眠りについた。





翌日の朝、大荷物を持ったN氏は、去り行く大型車を見送っていた。
近所の老婆が声をかけたのにも気がつかないほど呆然としていた。


「あんた、また間に合わなかったのかい!ゴミは8時30分までに出すんだよ」
815創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 14:19:14 ID:XhuGL9PU
『天国と地獄』

N氏「お前? なんで生きてるんだ? たしかに俺はお前を殺したはずなのに……」
F氏「あぁ、僕は死んだよ。たしかに死んだ」
N氏「ん? じゃあ何で俺の目の前にいやがるんだ!?」
F氏「死んだから君の目の前にいるのさ」
N氏「何言ってやがる? 幽霊か? お前幽霊なのか?!」
F氏「あはは、何言ってるんだよ。ここは死後の世界だよ」
N氏「はぁ? 死んだのはオマエだろ。俺に殺されたんだろが!」
F氏「うん、殺されたよ。そして、もう君も死んでるんだよ」
N氏「!?」
F氏「僕を殺して逃げる途中に、君は大型トラックに轢かれてミンチ肉になったのさ! 即死だね! 僕は霊のまま見てたよ」
N氏「俺が死んでる!? ハァ? ワケわかんね!? 納得できねーよ!」
F氏「あ、僕は君より死後の世界では五分先輩だから、敬語使ってくれるかな」
N氏「ハァ? 死んでるヤツが何言ってんだよ、馬鹿が! まぁ、俺も死んでるならしょうがないけど……こうなったら霊体でイタズラ三昧してやるぜ!」
F氏「あ、残念なお知らせだよ。僕は殺されたから天国行きだけど、君は地獄行きみたいだから!」
N氏「!?」
F氏「天国行きは、いずれ生まれ代われる道だけれど、地獄行きは消滅の道だからね! んじゃ、サヨナラ〜」
N氏『ちょ、何言ってんの? 地獄って……え? ええ?」


鬼「迎えに来たぜあんちゃん。残念だったな、あんたは立派な地獄行きだ」
N氏「ま、待って! 俺、死んでないって! まだ生きてるんだって!! あっ待てよ、止めろ」
鬼「あはは、悪霊はみんなそう言うんだ。黙ってついてこい!」
N氏「うわぁぁぁぁぁ――」
816創る名無しに見る名無し:2009/08/27(木) 20:25:31 ID:ctw0a/rl
自業自得w
817創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 10:20:49 ID:rPCNpzqi
810 カウンセラー
814 闘い
815『天国と地獄』

面白かった!
818創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 11:03:00 ID:oBrC/Mnz
『ホラーフラッシュ』

少年A「おい・・・おまえこれ本当に見る気なのか!?」
B「なんだよ、おまえこれ見なきゃ男じゃないぜ」
A「う・・・・・・・・・わかったよ」

2人はスタートボタンを押した。
その瞬間、死者がはいずりまわり、とてつもなく恐ろしい画像が連続ででてきた。

A「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
B「結構怖いな・・・怖すぎて奇妙だ・・・」

それからも、5分はたったのになかなかフラッシュが終らない。

A「おかしくないか・・・?長すぎるぞ」
B「おい・・・ちょっともうウインドウ消そうぜ!」
2人はAlt+F4を押した。しかし、押した途端・・・

ウインドウ「押しましたね。あなたちも仲間いり」
A・B「え・・・?」

その時、モニターから手がでてきて、Aを画面内にひきずりこんだ!
A「うわああああああああああああああああ!助けてーーーーーーーーー!」
B「な、なんだこれ!?あ、おい!」
手を伸ばした時にはもう遅く、Aは完全にモニタ内に吸い込まれてしまった。

B「あ・・・あ・・・」
そうこうしているうちにも、次の叫び声があがった。
B「このままじゃ俺も死ぬ・・・もうこうなったら強制終了しかない・・・」

Bは強制終了しようとした。が、その時・・・
ウインドウ「本当にできると思ったんですか・・・?」

そして、モニタから恐ろしい死者たちがでてきた!
B「うわああああああああああ!くるな!くるな!くるなあああああああああ!あ・・・」



その後、2人の姿を見た者はいない・・・
819創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 13:41:42 ID:67Yv1mjc
便乗ですいません。

『続ホラーフラッシュ』

少年C「これすっげぇ怖いらしいぜ」
少年D「どうせつまんねーよ」
C「ほんとだって、こないだBが見つけたんだ」
D「B?ここんとこ学校来て無いじゃん」
C「そういやAも見てないな」
D「それじゃお前、Bにいつ聞いたんだ?」
C「ついさっきだよ、お前も聞いてみるか?」

そう言ってCはマウスクリックした。
820創る名無しに見る名無し:2009/08/29(土) 20:01:31 ID:JYeK6xOo
>>818-819
ネタ的に星新一というよりも、いとうせいこう「ノーライフキング」を思い出したw
821創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 11:53:16 ID:Vb+ufkBm
というか星新一というより世にも奇妙な物語みたいになってしまった。
もうしわけない。
82299 ◆cnkCYB/0Q2 :2009/09/02(水) 21:51:13 ID:n12JPYir
いきなりですみません。
今回、私事ですが同人誌を作ることになりまして。
ちょっと時間がないので、
自作である>>186を改編したやつを転載しようと思ってます。
以上、連絡までに。
823創る名無しに見る名無し:2009/09/02(水) 22:13:51 ID:n12JPYir
『パレード』

そのとある青年が二度寝から目をさましたとき、家にはだれもいなかった。
夏の日。むしむしとする部屋からでて居間に向かうと、
テーブルの上には母からの書きおきがあった。
『お父さんと一緒にパレードを見に行ってきます』
それで青年は思いだした。先日、カノジョもその話をしていたことを。

――今度の休みにパレードがやってくるの。一緒に見に行こうよ。
――ごめん、その日はちょっと……
――そっか。残念……

カノジョもパレードを見に来るのだろうか。
そう考えると、これからアルバイトにむかう青年の陰鬱なきもちも、
少しは晴れるような気がした。
――こんなに暑い昼下がりに、何が楽しくて道化師の化粧をして、
   金物をたたき鳴らしながら街中を歩かなきゃならないんだ。
   そんな馬鹿なかっこうをしていると、カノジョにでもしれたら……
しかしその大変さからか高給なのである。
この長期休暇に、カノジョと旅行に出かけるには十分の額が手に入る。
カノジョの喜ぶ顔が見れる。
うれしそうな声が聴ける。
それでもあの衣装と化粧を身につけて、
炎天下で踊りながら行進しなければならない。青年は舌打ちをしながら家をでた。

笛の音と、太鼓の音と、ひびく声。
どんちゃんどんちゃんと楽しげな音を出しながら、仮装行列が大通りをぞろぞろと練り歩いている。
観衆はパレードの両端に駅伝の応援のごとく、あふれんばかりに並んでいる。
道化に扮した青年もまた、教わったとおりの踊りをしながら、
満面の作り笑顔を振りまいていた。内心はあまりの暑さに苛立っていたが。
――父さんと母さんだ。
青年の視界に、仲睦まじくパレードを眺めている両親が映りこんだ。
しかし両親のほうは、道化師が青年だと気づいていない。
「ピエロよ、お父さん」
「楽しそうだね、お母さん」
そういいながら道化師を指差す父と母。かすかに期待していた青年だったが、
とうとう最後まで気づかれず、そのまま視界から消えていった。
――自分の息子のすがたもわからないのかよ。
ますます苛立ちが募る青年。しかしまだそのときは、
――まさにピエロだな。
などと自嘲できる余裕があった。

しかしそんな余裕も、時間とともにうせていく。
青年はあまりの暑さと伴って、気が狂いそうになる一歩手前だ。
――しかし我慢だ……。ここで我慢すれば、カノジョと旅行にいけるんだ……
そんな青年の元に、
「あ、ピエロよ。かわいい」
という聞きおぼえのある女の子のうれしそうな声と、
「そうだね。でも、君のほうがもっとかわいいよ」
というまったく聞き覚えのない男の声が聞こえてきた……


========
連絡だけでもアレなんで置いておきます。
星氏っぽくないんだよな〜これ。
824コピペ:2009/09/04(金) 01:11:30 ID:0sX/RyqL
9 おさかなくわえた名無しさん 2009/08/19(水) 13:54:58 ID:1PF8Luqp
あと10分ほどで真夜中になるという時間帯に、私は特急電車に乗っていた。
やがて、途中の駅で一人の男が乗り込んできた。
その男は、電車のドアが閉まると、突然我に返ったように乗客の顔を見回し始めた。
「すみません。あなたの年齢は28歳ですか?」
男が私に話しかけてきた。
「そうですが、どうしてわかったんですか」
私が聞き返しても、男は無視して、また別の人に話しかけた。
「あなたの年齢は45歳ですか?」
「そうですけど……」
「あなたは62歳ですね?」
「どうしてわかったんだ?」
そんなやり取りを繰り返していく。
どうやら、その男には、顔を見ただけで年齢を当てる特殊能力があるらしい。
次の停車駅までは、まだ15分以上ある。
私を含め、乗客たちは全員その男に注目し始めた。
「あなたは50歳ですね?」
「そうですが、あと5分で日付が変わったら、51歳になるんですよ」
最後に質問された女性は、笑顔でそう答えた。
年齢を当てていた男の顔が、その途端に青くなった。
「凄いですね。百発百中じゃないですか」
私は男に話しかけた。
すると、男は青い顔を私に向け、こう言った。

「・・・私が見えてるのはあなた方の寿命です」
825創る名無しに見る名無し:2009/09/04(金) 05:28:38 ID:WmjzlHLe
こえええええ!!

結構見るネタだけどよく出来てるなー
826創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 10:48:16 ID:N4n5j6mR
>>822
ここに書かれているのですが、問題ないですかね?

http://tanpen.jp/81/3.html
82799 ◆cnkCYB/0Q2 :2009/09/07(月) 19:53:59 ID:mFgohSS3
>>826
うおーい! 勝手に使われてるー!!

びっくりしましたが、
まちがいなく私が作ったものですので問題ありません。

サイトに挙げた方、ここを見ていたら削除しといてください。
828創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 13:23:51 ID:R+pMyisJ
マジで盗作なのか!? こええw
829創る名無しに見る名無し:2009/09/08(火) 23:08:10 ID:93Vg4h6b
>>827
問題なのは>>826のサイトに載っていることだと・・・
著作権侵害?だよね
830創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 07:53:43 ID:SEjgOBDz

「 地球に優しいクルマ 」

 1997年
エンジンと電力モーターを動力とする画期的な自動車が発売された。
同排気量の自動車に比べ実用燃費が約1.5倍と優れた燃費性能を誇った。
CO2削減、化石燃料の有効利用が叫ばれ始めた時代、『エコカー』の先陣となり
道標となったモデルであった。

 2009年
一般家庭のコンセントから充電し走行する、完全なる『電気自動車』が発売された。
高価な価格、走行距離や充電設備のインフラ整備。など問題は山積みだったがエコカー
市場では大いに歓迎された。『低価格で実用性の高い電気自動車』を開発、市場に
出すことが自動車メーカーの急務となった。
 その一方で、順調に売上を伸ばしていくハイブリットカーの製造に必要なレアメタルの
供給不足が不安視されていた。

 2015年
全世界で生産発売される自動車の約3割が『低価格で実用性の高い電気自動車』になった。
大手自動車メーカーの会合で充電設備機器の統一化が図られ、一気に充電設備のインフラ
整備がすすんだ。
 その一方で、急激に普及する電気自動車に電力を供給する電力会社は、今後の電力生産計画
の試算に苦慮していた。

 2030年
1人の老人が赤いスポーツカーを走り出させようとしていた。
ぐずらないように。と願いを込め、気難しいエンジンをそっと目覚めさせた。
ワイン並の値段になってしまったガソリンを満タンにし、エンジンが温まるのを待っている。
妻に先立たれ、自らも余命を宣告された。半世紀以上共に過ごした赤いスポーツカーが
老人の最後の伴侶だった。
 ずらりと並んだ計器類をながめる。エンジンは充分に温まった。
そっとアクセルを踏む。獰猛な獣のようにエンジンが低くうなる。そしてさらにアクセルを踏む。
タコメーターの針が狂ったように跳ね上がり、12気筒エンジンが咆哮をあげる。
マニュアルシフトでローへ。アクセルを煽り少し乱暴にクラッチをつなぐ。
けたたましいスキール音と共に激しく後輪が暴れた。それでも老人はアクセルを緩めない……
じゃじゃ馬を乗りこなす男でありたい。老人はずっとそう思っていた。
しかし、もはや彼にはその気力も体力も残っていなかった。
路面に黒々とタイヤマークを残し、老人は赤いスポーツカーと共に駆け出した。
「 さぁ行こうか。これが最後のドライブだ 」
赤いスポーツカーと老人は、もうガレージに戻ることはなかった。

 2035年
地球上で利用されている自動車の8割が『低価格で実用性の高い電気自動車』になった。
買い物先で、旅先で、仕事先で、出張先で。全世界に普及したガソリンスタンドに代わる
充電スタンドのおかげで電気自動車は経済的で実用的な乗り物になった。
世界中ありとあらゆる場所で電気自動車が走っている。小型タイプ、スポーツタイプ、SUV
大型バスから重機まで。石油を燃料とするクルマを見かけることはほとんど無くなった。
ありとあらゆる場所に発電所が建設された。効率最優先。そのほとんどが原子力発電所だった。
いまのところ、地球上のほとんどの原子力発電所は順調に動いている……


おわり

831創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 20:33:25 ID:olnLT1t5
 『手』

みぎ、ひだりと規則正しく手を振って横を歩くともだちを見て男の子が話しかけた。
「ねぇみぎ手はみぎに付いてるからみぎ手っていうんだよね。」
「うん。」
「ひだり手もひだりについてるからひだり手っていうんだよね。」
「うん。」
「じゃあさ前から手が出たらそれはなんていうのかな?」
「さあ・・・。まえ手かな。」
「それならせなかから手がはえてたら?」
「せなかて・・・いやうしろ手かもし「じゃあさじゃあさあたまからはえてたら?
 手の先からから手がはえてきたら?またそこから手がはえてその手からまた手がはえてきたらその手は_____

思いつくまま楽しそうにしゃべり続ける男の子を見てともだちは少しほほえみ
「ぼくのしゃべる番をとらないでよ。かっ手だなー」といった。
832創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:12:18 ID:EgwxemXZ
>>831
これはニヤリと来るw
上手く落としたなー
833創る名無しに見る名無し:2009/09/09(水) 23:39:05 ID:GirL8dVz
>>831
無視されたら「かまって〜」って言うのかな
834天気予報:2009/09/10(木) 00:09:32 ID:UwtkXBU/
 やもめの気象予報士のN氏にはまだ幼い一人息子がいる。
N氏は彼が赤子の内から雲の名前、気象のうんちくを吹き込んでいた。
そのせいか息子は、靴を飛ばして裏表やら、雲の色合いを見ては明日の天気を予想するのだった。
毎日、夕餉の買い物帰りに夕焼け空を見て、彼はハレだのアメだのと言うのだが、それが実に良く当たった。

 ある夕方もN氏と幼い息子はどっさり買い物をして家路についていた。
N氏はふざけて尋ねた。
「予報士様、明日のお天気はいかがでしょう?」
「うーん」
幼い息子はいつものように靴を飛ばし、こう言った。
「明日は何かが降るよ」
N氏は息子がこんな冗談を言うようになったことに驚きを感じ、
「何かって何だ、こいつ。ハハハ」
N氏が笑うと息子も笑った。

 次の日。
いつものように天気図をチェックするN氏の元にニュースが届いた。
「今朝、○○が原にUFOが現れました!」
テレビカメラには夥しいUFOが映っている。
N氏の家のすぐ近所に着陸する様子が続き、そしてカメラマンが攻撃され中継は途切れた。
「ああ。大変だ」
テレビも街も大混乱である。
家に急ぐと、頼んでいたベビーシッターは居らず、息子はちょこんと椅子に腰掛けていた。
ほっとしたN氏は頭を抱えた。
「息子よ、大変なことになった」
「お父さん?」
「どうすればいいんだ……」
幼い息子は事の大きさが分からないのか、無邪気に聞き返した。
「お父さん、今日はお天気が当たったのに誉めてくれないの?」


<終わり>
>827ちょっとパクってみました(ヽ´ω`)
835831:2009/09/10(木) 18:45:52 ID:TPIUhSav
>>832
ありがとうございます
これを書く前に1時間半ぐらい試行錯誤しながら書いていた
別の話が手違いで消え、代わりに書いた話だったので
とてもシンプルになりました。
>>833
なるほど〜
それもいいと思いました。
836創る名無しに見る名無し:2009/09/10(木) 22:42:07 ID:KcOAlryw
『走馬灯』

急激なスピードでビルから落下していく最中、エヌ氏の脳裏をたくさんの出来事がよぎっていった。
まず最初に浮かんだのはまだ物心つかない子供のときに、死んだ両親の棺桶にしがみついている自分の姿だった。次に自分を引き取ってくれた親戚の家が、自分の家とは比較にならないほど大きく豪勢な屋敷であったことが思い出された。
続いて、親を亡くした自分を迎えいれてくれた新しい両親の優しい顔と、ことあるごとに意地悪をしてきた新しい兄弟達の顔が浮かんだ。
そして兄弟達の意地悪に負けずに一心不乱に勉強をしたこと、その結果自分が跡継ぎに指名されたときのことが脳裏を流れていった。
美しい妻、かわいい子供の顔、贅沢な生活をしていたこと、様々な事柄が鮮明に映し出されていった。そして最後に金属バットをふりかぶった兄弟の姿を思い出した。
地面に激突する瞬間、エヌ氏はつぶやいた。
「あの二人は本当に私の妻と子供だったのか。ごめんよ。でも、ついに記憶が戻ったよ」
837ある日突然力を得ても:2009/09/11(金) 18:47:20 ID:CBdvFfls
 神様はほんの戯れに、夢を見がちな少年少女にそれぞれ特別な力を授けました。
 馬鹿げた空想が好きな少年には、必ず願いがかなう力を与えました。けっきょくつまらない悪事をコソコソと続けるだけでした。
 いつもオドオドしてる癖に性欲は人一倍強い少女には、異性を支配する力を与えました。少女は欲望の赴くままに男をむさぼりましたが、けっきょく意中の人に能力を使う勇気は起こりませんでした。
「つまらない奴らだ」大事件が起こることを期待していた神様はガッカリしました。
「器の小さい人物が力を得ても、大した使い方はできないものか」
 神様は次の暇潰しを考えることにしました。今度はもっと面白い奴で遊ぶか。
838創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:28:03 ID:8IU53riW
ここに自分が来たのは最近だけど明日でここはたって一年になるのか。
839創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 22:05:01 ID:Xdw739sV
>>836は面白かった、
何か似た話があったようなでも思い出せなくてモワモワ(´・ω・`)
840創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 00:30:40 ID:+N4wsPAd
>>839

感想ありがとうございます。>>836を書いたものです。
元ネタというのは特に意識せず作ったつもりなのですがら、よくよく考えたら映画「フラットライナーズ」が近いかもしれないなんて思いました。
また機会があったら書こうと思うので、そのときも感想よろしくお願いします。
841創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 19:30:45 ID:H4omH1KG
 『節約』
給料日までまだ少し日があるのにたまたま出費がかさんだため
今月は節約して過ごそう、と男性が自炊をすることにした。
男性は普段家で食べることよりレストランなどで済ませることの
方が多かったので彼が料理をしようとすることは珍しかった。
翌朝、キッチンに立ち昨日買ってきた食材をいくつか並べてみる。
しかし買う時に何を作るか考えずただ安かった食材を買っただけだったので
何を作ろうかなかなか思いつかない。
少ししてからようやく作る料理が決まったがそこからまた時間を掛けて
作り方を調べたりいろいろ買い足しに出掛けたりしなければならなかった。
そしてやっと食事が完成する頃には朝食ではなく昼食の時間になっていた。
時計を見て彼は予想してたより時間が掛っちゃったな、と思った。
自分で作った昼食を食べ終えて一休みしていると今から数時間後に今度は晩御飯を作る必要があることに気が付いた。
さっきまでの試行錯誤に掛った労力を思い出して
今日はもう外食二回分もの出費を抑えたんだ、自炊は明日からまた続ければいいんだし。
と自分にいいわけをしてその晩彼は時間の節約のためラーメン屋に行った。
842創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 22:17:21 ID:mR9hrD6P
「病棟の声」
ある病院の一室・・・
病棟から霊の声がするとの噂があった。
もちろん患者から聞いたのだが、10人もの患者が言っているのだから仕方がない。
調べることにした。

夜10時半・・・一人の若い医者が来た。
医者「どうせなにもいないに決まってる。あんなドラマみたいに昔死んだ患者だなんてでてこないだろ」
病棟は心霊話でよく出てくるが、現実ではそんなに気にならないものである。

そもそもこの病院はこの街一の病院で、ここに勤務できていることさえ彼は幸運だと思っていた。
第一新築だし、ますます霊などでるわけがない。
馬鹿馬鹿しくなってきた医者は、もうあと10分ほど調べて何も出なかったら帰ろうとしていた。しかし、その時・・・
(見捨てないで。オネガイ・・・)
医者「? なんだ今のは。まさか今のが霊の声、なんていうんじゃないだろうな」
(なんで?なんでこっちにきてくれないのよ・・・)
医者「き、きこえる・・・いや、そんなはずがない!この世に霊なんかいないんだ・・・」
(ねえ!そこを右に曲がって!私を助けて!)
医者「だめだ・・・引き返そう」
(引き返すなんて馬鹿げたこといわないで!)

辺りが寒くなってきた。
窓が揺れてガタガタという音を出している。
医者「やめろ!やめてくれええええ!」

医者は錯乱状態にあったのだろう。棚の一つを蹴ってしまった。
(・・・今私を蹴ったわね)
医者「え・・・?」
(見捨てるなんて思ったうえに蹴飛ばすなんて・・・もう許さない!)
医者の頭にめがけて瓶が振ってきた。

医者「ひぃっ!」
かろうじて彼はよけたが、その攻撃は止まらなかった。
瓶が次々と飛んでくる。そして・・・ついに一つが彼の顔にあたった。
医者「ああ、あああ・・・」顔から血が流れる。
(わかったら、もう私を助けてよ!こんな所にいたくないの!)
医者「わ、わかった!見捨てないからやめてくれ!俺もこんな所で死にたくない!」
(さっきあなたが蹴飛ばした棚の本を見て・・・見てくれたら私は成仏できるの!)

医者は恐る恐る棚の古びた本を見た・・・
そこには昔この街にあった病院に勤めていた医者や看護婦たちの名簿があった。
この病院は、昔火災にあい、医者、看護婦数10人が死んだという。
(その中から中野っていう名字を見つけて!お願い!)
医者「中野・・・あった。これだな」
そこには中野美里、という名前があった。
(それが私の名前よ。見つけてくれてありがとう・・・)
医者「中野、か・・・ってあれ?」

医者の名前をまだ言っていなかったが、彼は古田といった。
そして、彼は思い出した。子供のころ近所に住んでいた隣の家の表札を・・・
あの日テレビの中継でながれていた火災事故を・・・
(ごめんね)
そう言って霊の声は消え、気が付くと辺りは何もなかったように静まり、朝になっていた。
医者「そうか・・・俺はここに偶然来たんじゃない。こさせられたんだ」
恐らくあの霊・・・中野は火災事故で死んだ看護婦の一人。
そしてその遺体が発見されず、この同じ病院という名のついた場所で静かに潜んでいたのだろう。
唯一心を打ち解けられる人物がここにやってきて・・・成仏できる最後のチャンスで・・・
医者・・・古田は一人の命を救った。医者としての役目を果たしたことに間違いない。
彼は笑顔で病棟を後にするのだった。
843創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 22:18:50 ID:mR9hrD6P
まともに書いたら改行が多すぎて70行くらいになってた。
かなり文省いたけど、星新一っぽくないかな、やっぱ。
どうしても世にも奇妙な物語っぽいんだよな。
844創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 00:30:00 ID:CT5XO3XG
ていうか実録心霊体験系に…
845創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 20:14:54 ID:Q99raDeJ
S氏はA国の大統領を暗殺した。パレード中の大統領をビルの屋上から狙撃したのだ。
それは完全犯罪だった。周りに防犯カメラは無かったし、S氏の姿を目撃した者は誰一人いなかった。
警察は全勢力をあげて捜査を行ったが、S氏にたどり着くことはおろか、証拠一つ得ることができなかった。


それから30年が過ぎた。S氏は暗殺業を引退し、静かに余生を過ごしていた。
大統領暗殺事件の時効の15年はとっくに過ぎていた。
「結局この30年間、警察が私の前に現れることは無かった。まあ仕方ないだろう。あの暗殺は完璧だった。
 私を割り出すにはもはやタイムマシーンでも使わなければ不可能だ」

その時、部屋のドアが吹き飛び、武装した捜査員がS氏の部屋になだれ込んできた。
あっという間にS氏は拘束され、大統領暗殺の容疑で逮捕されてしまった。
手錠をかけられたS氏は尋ねた。「何故今頃になって私が犯人だとわかった?あれは完璧な暗殺だったはずだ」
「ああ、お前の犯行は完璧だった。しかし、数分前に15光年離れたY星から通信が入ったのさ。たった
 今、お前がライフルの引き金を弾く姿がY星の天体観測所で確認できたと」
846創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 20:17:41 ID:Q99raDeJ
書き込んだ後に気づいたが、時効過ぎたのに逮捕っておかしいな。スマン
847創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 09:37:53 ID:UQGq/bvU
30年経過じゃなくて15年、15光年じゃなくて7光年だったら辻褄合ったのにね
848創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 19:41:45 ID:2i4hl24T
>>845
もうちょっと練り直したら良作になりそう
849創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 21:46:39 ID:vQJnftrN
国外に出ていた時間は、時効がカウントされないとか無かったっけ?
850創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 23:39:57 ID:c6Ppb5bM
自公は終わったけどね
851創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 00:14:02 ID:IGQBvfzw
>>845|∀・)風呂で変換してきた。
オリジナリティソは無い

時間旅行

 ぼくは早くに両親を亡くした。
生まれたころに父親が流行り風邪でぽっくり死に、母親は中学生の頃に事故に遭い亡くなった。
ぼくには父親の記憶は全く無かった。
ほんの十数年前までは片親の家庭はこどもを学校へやるのも大変だったが、さいわいにも好景気によって国の奨学金制度が大幅に拡充され、ぼくは最高学府まで通わせて貰うことが出来た。
そしてがむしゃらに働き、数年後かわいい恋人まで出来た。
 彼女とはもうすぐ結婚をする。

 ぼくが大人になるまでの十数年で科学技術は驚くほど進んだ。
自動車事故は、自動車のオート運転システムと公共交通機関の発達により全くといっていいほど無くなった。
また見える限りの星に自由に行く事が出来るようになり、長期休暇は星間宇宙船で火星に行くのが常識になった。遠方の星の様子も手に取るように観察でき、ある種の透視技術により、遠い星から過去の地球の様子を観察する技術が確立された。
その技術により、いくつかの歴史的事件の真相が明るみに出た。

 最近広告でよく出てくる旅行の宣伝を見てぼくは小さい溜息を吐いた。
恋人はそれに気づいたのかぼくに話しかけてきた。
「ねえ、あなた新婚旅行はあれに行きましょうよ」
「えっ」
とんでもない。
その広告はとても高額な宇宙旅行だ。行く先々で過去の星々の様子を見ることが出来る、つまり懐かしい地球の地上の様子を見ることが出来るのが売りだった。
ぼくが貯めたお金は結婚の何やかやで底をついてしまうはずだった。
「だいじょうぶよ」
にっこりほほえむと彼女はぼくに説明しはじめた。
852創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 00:14:48 ID:IGQBvfzw
 彼女の家は、すこし政財界の事を知っていれば耳にしたことのある大変な名家だった。
しかし彼女がこどものころに、父親が亡くなり、後を追うようにして母親も亡くなったという。
財産はあったが、悪い大人や親類にむしり取られた。彼女がぼくと出会った頃には
そんな過去の栄光もたくさんの不幸も感じさせなかったが、そういった共通する育ちのせいかすぐに打ち解けた。
そして、ぼくに内緒にしていたのだが、最後に残った遺産を旅行に遣おうというのだった。

 ぼくは強く反対したがねばり強く優しい彼女に説得されてしまった。

 ぼくたちは結婚式を挙げるとすぐに宇宙船に乗り込んだ。
高額とはいいながらも、初期の富裕層向けとは違い、団体旅行である。
宇宙船はたくさんの人でいっぱいだった。

 いまは妻になった彼女が言った。
「おかあさんがきれいに見えるといいわね」
「うん。きみのお父さんとお母さんもね」
宇宙船は発進した。

 宇宙船はいくつかのステーションや星の上の基地に立ち寄り、そこで見たい過去の様子を見ていく事になっていた。
いちばん安いコースを買ったぼくらは最初に十年前の様子を見ることにしていた。
見ると言ってもほんの数秒だけである。
しかしそれで充分なのだ。
 地球からは十光年先のステーションで、十年前の僕を見ると、僕はいやにだぶだぶした服を着て学校に通っていた。
「いやだな。かっこわるい」
僕がつぶやくと、彼女が笑った。
何本か隔たった道を行く彼女は髪を編んでていて今よりもずいぶん痩せていた。
僕らは昔は知らずにいたが、近所に住んでいたのだ。
「いやだ。がりがりだわ」
僕は十年前の彼女も可愛いのに、と言っておいた。

 そしていくつかの基地やステーションを経て、最後のステーションに着いた。
見える光景は順々に古くなり、古い光の中、だんだんとうすぼやけていく懐かしい過去が見えた。
さっき見た風景では彼女はまだ大きな邸宅に住んでいて、ぼくは不況で福祉政策の圧迫された施設で暮らしていた。

「あとひとつね」
「うん」

 疲れ気味の添乗員に、最後のためにとっておいたチケットを全部渡すと、添乗員は少しびっくりしたようだった。
見る「時間」が長いのだ。器械の調子を合わせ、見る過去の時間を長くとればそれだけ高額になる。
しかし、添乗員はすぐにまた商売用の顔に戻ると、手早くチケットのデータを携帯端末に通
し「3番にどうぞ」と、古風なデザインの望遠鏡を示した。

 ぼくらは緊張してレンズを覗き込んだ。

 うすぼんやりとした影のピントが合う。
車が道を走っていた。
二十年前の当時の最上車種である。
運転席には裕福そうな男と助手席には美しい女性が乗っている。
車のスピードはそれほどでもない。
しかしある角を曲がったときに、そこで偶然よろけた婦人があった。よける暇もなく婦人は車にはねられた。
 その瞬間、無意識に僕も彼女も目をつぶった。
先に目を開けたのは彼女の方で「しっかり見なきゃ」と涙ながらに僕を励ました。
853創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 00:16:12 ID:IGQBvfzw
高価な車の中では男性が胸を押さえていた。
一見怪我は無い様子だが、じきに彼は動かなくなった。
妻らしい女性は、はねられた女性を介抱していた。
三人は救急車に乗ったが男性もはねられた女性も助からなかった。
裕福な夫妻の夫の葬儀の何日かあと、気落ちした妻の方も亡くなってしまった。
あるじ夫妻の消えた豪壮な邸宅で、使用人に囲まれてまだ幼い妻が泣いていた。

 ぼくは耐えられなくなって望遠鏡から離れた。
視聴時間はまだ少し残っていた。
「あなた?」
「もう、いいんだ」
「私も、もういいわ」
見なくても分かっている。二十年前の僕は泣くことも出来ずに、小さなアパートでぼんやり座っている。
ここから始まった事は僕も彼女もよく憶えている。
ぼくと彼女、それぞれにいくつかの不幸が重なって行く。ここから十数年ぼくたちは出会うことは無い。

 妻はそれでも変にすっきりした顔で泣いていた。
「これでいいのね」
「うん」

 僕らにはこれ以上見たい過去はもう無かった。

時間旅行終わり
854創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 10:44:09 ID:uEcK2RYR
時間旅行面白かった。
855創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 17:22:59 ID:WtvkwPfW
>851-853
すんなり読めたんだけど、ひき逃げ犯人不明じゃなくて救急車で3人運ばれてる
ので、忘れていた交通事故の被害者、加害者の関係を改めて確認すべく、妻がなかば
強引に、夫に過去を見せたのか、あるいは
交通事故も加害者被害者の関係を夫妻とも理解せず、たまたま過去を見たら
そういう関係だったのかが、いまいち理解できなかった。
単に俺に読解力が無いだけかもしれないけど。
856創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 21:07:34 ID:THe4uml6
>855そーいやそーだ。すまねぇ
最初はひき逃げ犯で書いていたのに気が付くとほのぼの路線(?)になりました
857創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 17:38:05 ID:ZaUepbUA
「本日はどうされました?」
パイプ椅子に腰かけた若者にN氏は問いかけた。彼の診察は何時もこの言葉で始まる。
「どうしたもこうしたもありません。貴方を取り調べに来たのですよ」
またか。N氏は思ったが声には出さない。精神科医がこんな事を言ったら治療は成り立たないのだ。
「成る程。貴方は自分を刑事だと思い込んでいる。違いますか?」
巷で流行っている刑事ドラマの影響だろう。近頃の患者は皆が自分は刑事だと言うのだ。
「思い込みではありません。私は本物の警官です」
若者は眉間に皺を寄せながら否定した。これも他の患者と同様である。
「ならば何故この診察にいらっしゃったのですか?私が容疑者なら署なり交番に連行してから取り調べるでしょう?誰かに連れて来られたからこの診察室に来たのでしょ?」
ここまで言うと若者は溜め息を一つ吐き、診察室から出ていった。
引き留めはしない。他の患者と同様に彼も再び診察を受けに来るだろう。やれやれとN氏は椅子に深く腰を沈めた
「やっぱり駄目です。アイツは自分が精神科医だと思ってる」若い刑事は取調室と書かれたプレートを親指で差しながら上司に報告をした。
858創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 17:45:53 ID:ZaUepbUA
>>857やっちまった
N氏→×
エヌ氏→○
読んでくれた方有り難う御座います&申し訳ありませんが、上記を脳内変換申してくだされ
859創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 20:17:09 ID:Bw7dgIPF
>857-858
投下乙
特にエヌ氏しばりは無いのでN氏でも問題無いと思うが。
860創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 21:14:54 ID:yMHCAcht
>>857乙。世にも奇妙のこの話思い出した
自分を女医だと思っている、女性と話をする男性精神科医。
話が終わり、女医もどきの女性は颯爽と去って行く。
その様子をモニタで見ながら思案する精神科医にスタッフが「お疲れでしょう」と部屋に戻るよう勧める
実は患者は男性のほうで、女医もどきは本物の女医。診察のため、わざとだまされていた。
861創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 11:02:47 ID:rZzd58R6
人一倍時間にうるさい博士が究極の腕時計を作った。
予め設定しておけば1日の行動の最も効率的な配分を割り出し、急な予定が入っても常に適切な指示を出すという物だ。
博士は1社にだけこの腕時計の販売権を譲るという。各社は博士に多額の賄賂を送り、大金をはたいて接待をした。
特にエヌ氏の会社は相当額を博士に使ったがその甲斐あって販売権獲得の最有力候補であった。
そんな新聞記事を読んでいると電話が鳴った。
「エヌ社長!博士が販売権を我が社に譲ると申し出ました!」声の主は慌てた様子で告げる
「君、少し落ち着きなさい。喜ばしい事ではないか」
「しかし、博士は一時間以内に研究所に社長が来て直接契約を結べと仰っています!」
「安心しなさい。博士の事だ、こんな事もあろうかと全て準備が出来ている。君は少し慌て過ぎだ、珈琲でも飲んで落ち着きなさい。」
博士の事だ、時間通りに向かわなければ契約は結ばないだろう。
電話を切ったケイ氏は口元を緩ませながら再び新聞記事に目を通した。
862創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 11:10:28 ID:rZzd58R6
>>857に続き、一人で連投失礼しました。
>>859
そうでしたか。初投稿だったので気にしすぎたようです
>>860
やっぱりアイデア自体は在り来たりでしたね…
863創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 21:14:08 ID:3Cn1ZZ54
『診察室』

 エヌ氏は勤務医である。
今日も白衣を颯爽と着こなし、診察室の古い灰色の椅子に座ると患者を待っていた。
「次の方」と看護婦が呼ぶと、ひょろりと細長い、いやに顔色の悪い青年が入ってきた。
「どうされました?」
エヌ氏が尋ねると、若者はびくびくとして上目遣いに彼を覗き込んだ。
「今日は……ぼくは…」
「ゆっくりでいいんですよ」
親切そうにエヌ氏がうながすと、若者は訥々と語り始めた。
若者はどうも自分が死んでしまったのではないかと言った。
その証拠にまったく自分が空気のように感じられ、まわりの事も薄布を隔てたように、ぼんやりとしており、痛覚も空腹も感じないのだそうだ。
エヌ氏は彼の悩みを親身に聞いてやり、最後にカルテにドイツ語で「統合失調症」と書き込んだ。
 看護婦に処方箋を渡し、次の患者まで一息入れる事にした。
コーヒーをすすりながらエヌ氏は言った。
「景気のせいか、彼のような人間が近頃、多いな」
「ええ、ほんとに」
看護婦も頷いた。
 診察室を後にした若者は薄気味悪そうに後ろを振り返った。
「あいつら、自分が死んでるのに、ちっとも気づいてないや」

『診察室』終

>857>860
というような感じに、某洋画の方を思い出したなり
864遺産:2009/09/20(日) 23:33:32 ID:3Cn1ZZ54
 資産家のエヌ氏はまだ若かったが死の床にあった。
傍らには看護婦と有能な執事が控えている。

 執事に案内されて病室に入ってきた美女は、涙ぐんでエヌ氏の手を握った。
「ああ、ごめんなさい。わたしが悪かったわ」
エヌ氏は苦しい息の下から言った。
「いいんだよ」


 エヌ氏は学生時代に彼女と結婚したが、貧困に喘ぎ、甲斐性の無さに愛想を尽かされたのだった。
そのように若い頃は貧しかったエヌ氏だが、離婚後、努力の末に近頃一財産を築いた。
しかし、突然の病魔に襲われ、余命幾ばくもない。
遺産を別れた妻に渡すために探し出させ、病室に呼んだのだ。
金の無い夫を見限った冷たい女だったが、エヌ氏は今も彼女を愛していた。
ショート・ヘアの彼女は今も美しい。
資産家になったことすら知らなかったらしいが、執事から遺産の話を聞くと、彼女はほんのすこし嬉しそうだった。
……やっぱり僕よりお金が好きなんだな。
とエヌ氏は思ったが、彼女の喜ぶ顔を見ることが出来て、エヌ氏の胸は穏やかな喜びに溢れていた。
遺言状の写しを手にエヌ氏の元妻は帰っていった。


 そしてエヌ氏はしばらく眠ってしまったようだ。
865遺産:2009/09/20(日) 23:34:36 ID:3Cn1ZZ54
 ぼんやり目を覚ますと、ノックの音がした。
執事がドアを開けると、先ほどと同じ美女が入ってきた。
ロング・ヘアの彼女は涙ぐんでエヌ氏の手を握った。
「ああ、ごめんなさい。わたしが悪かったわ」
エヌ氏はそれを夢のように思い、苦しい息の下から元妻である美女に伝えた。
「いいんだよ」
話すこともままならないエヌ氏に代わり、執事が彼女にエヌ氏の遺産を与える話をすると、彼女はすこし嬉しそうだった。
……やっぱり、僕よりお金が好きなんだな。
と、エヌ氏は又思ったが、彼女の喜ぶ顔を見ると心は穏やかな喜びで溢れた。

 また、エヌ氏は薬のために眠ってしまっていたようで、目を覚ますと傍らにはあの同じ美女が立っていた。
肩にかかるほどの長さの程良いロングヘアの元妻は今も美しかった。彼女はエヌ氏の手を握ると、涙ながらに訴えた。
「ああ、ごめんなさい。わたしが悪かったわ」
エヌ氏は満足感に満たされながら元妻である彼女に言った。
「いいんだよ……」
やはり、何も知らなかったらしい元妻は、執事から遺産の話を聞くとすこし嬉しそうだ。
……やっぱり、僕よりもお金の方が好きなんだな。
とエヌ氏は思ったが、彼の心は安らかに満たされていた。

 既にエヌ氏は虫の息だった。
と、病室の外が騒がしくなった。
有能な執事は医者がエヌ氏の臨終を告げると、病室を出た。
エヌ氏の一人目の妻と二人目の妻と三人目の妻が掴み合いの大喧嘩をしている。
ショート・ヘアの美女と、ミディアム・ロングの美女と、ロング・ヘアの美女は同じ顔をしていた。
瀕死のエヌ氏も元妻同士も知らないことだったが彼女らは三つ子の姉妹であった。
エヌ氏は彼女達を愛するあまり、同じ顔の美女を探しだし妻にしては、貧困のために捨てられていたのだった。
遺産はきっちり三等分されていた。

866アフリカの不良学校:2009/09/22(火) 16:02:10 ID:1+SwxwCh
A:「ンパニマニマニ」
B:「マニクニクララエポマキ」

C:「シャダラゲンポキフムフミヤ」
D:「ケサンダマルケスマカハラマカハラ」

先生:「N君、彼らはなんていっているのかね。」
「特に意味のあることはしゃべってません。」
先生:「N君それでは、君を通訳に雇った意味がないじゃないか。」
「強いていえば一つ、ケサンダマルケスは・・・うっ・・・・」
先生:「どうしたN君・・・・・・」
「と、とりぜず意味なんてないですからしゃべってみてください。うっ」
「ゲボンゲボン、サラへポヤ」
そうです。そうです。それでいいんです。最初はみんなむづかしいというより
恥ずかしいんです。
「エポマルファイアーゲトマリア」
そうです。その調子です。
「あっ先生!最後にミカンダレとは決して言わないで下さい。」
「ミカンダレで先代の先生はやられました。」
「ケサンダマルケスも言わない方がいいみたいだな。」

867創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 16:40:58 ID:9QDLldi8
>861
影武者いればエヌ社長も安泰だ!

>864-865
貧困なのに美女と3回も結婚できるエヌ氏、正直羨ましいw

>866
通訳しっかりしろ!ちゃんと仕事もしろ!もう遅いかw
868創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 21:25:38 ID:4OJFXuJK
>861が分からないんだが
869創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 23:00:13 ID:tz9IKIup
「皮肉られた願望」
2050年・・・
辺りにはビルが立ち並んでいた。
ここは東京。2009年の景色とはかけ離れている。
建物は電脳要塞のような家。
全てに電波が通っている道や道路。
とにかくすごかった。今では漫画に出てきそうな都市である。
しかしこの時代に生まれた者たちにとっては当たり前の光景となっていた。

彼もこの時代に生まれた若者の一人・・・
坂田英博。
彼はこの時代では結構有名だった。
この時代ならではの小説家なのだ。それもネットで有名な顔さえ見せない謎の小説家。

英博「ん・・・ふああ、疲れたな」
彼はかなり眠そうだった。
英博「今何時だ・・・ああ、もう2時か。早いものだな」
もちろん2時といっても深夜の2時である。しかしそれが彼にとって普通だった。
英博「さて、今回の小説も出来がいい。たまには感動系というのもいいもんだな。なにしろ、今までほとんどブラック系だったからな・・・」
彼は金もあり余っており、使い道に迷う程だった。

一方、この時代、こんな人間もいた・・・
彼の名は、榎並忠弘。
この時代を特に嫌う人間・・・ジャーナリストだった。
無論、こんな人生だったため、早々金も集まらなかった。

忠弘「くそっ・・・なぜだ!なぜ誰も俺の言うことを聞かないんだ!こんな世の中なんか嫌いだ・・・」
彼はこの電気に満ちた世界を批判し続けた。
彼は九州育ちだったからだ。
彼が子供の頃、まだ九州は自然が残っているところがあった。
そこで彼は感動した。自然の美しさに、木々のもたらす安らぎを・・・
だが・・・それもつかの間だった。
彼が20歳の時、この自然の木々が伐採された。
それは醜く、とても残酷な光景だった。彼にとって地獄のようだった。
人間というのはなんとみじめな生き物だったんだ。あの生き物たちが暮らす平和な自然はどこへいったんだ。
こうして彼は上京し、自然の素晴らしさを伝え、この世界を元に戻すという願いをもった。

忠弘「うう・・・こんな人生はもううんざりだ!神でもなんでもいい!誰か僕に同意してくれる奴はいないのか!」
テレビや雑誌などにもでているのも関わらずに、誰にも相手にされず同意の手紙も0。
確かに最悪の人生だった。
だが、誰も知らなかった。この後世界は彼の逆襲に陥ることになるとは・・・



今日はここまで。続きはまた明日頃。
870創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 00:39:24 ID:sdGSOPZY
ショートショートスレで連載かよ
星っぽくないとかSS気分な文章なのは百歩譲って問題扱いはせんが、落ちまで書き切ってから投下してくれ
他に適切なスレがないかも併せて再考してくれ。KYっつーか場違いだ
871動物大学:2009/09/23(水) 13:09:15 ID:JbRdQP3s
人間ってのはおかしなもんだな。
動物園なんておったてて、おれたちをいろいろと集めて見世物にする。
俺たちは自分たちで見世物なんて思ったことないけどな。
なあ玄さん。オランウータンの玄さんは時々作業員からもらいタバコをする
のが楽しみだった。玄さんいわく「おれはたばこなんかうまいとおもったことねぇ。
もらいたばこだからうまいのさ。」
 玄さんは最近死について考えている。無邪気な人間ドモに何かを教える為に・・・

この動物園でも去年の暮れ寅さんが逝った。バンビは今、闘病中だ。熊さんのヤツも
おととし・・・・
一部のやつを除いて、ご近所さんのことしらねぇのこいつらばっかりだ。
「おい、ごり吉今日は俺いらねぇから、ハイエナやんのところに飯まわしといて
やってくれねぇか。」
「はいさ。エナヤンが本当に遠慮深くなると、なんだか悲しいっすからね。」
「やつらコインと札があれば御の字だと思ってる。」
「チンパンのエイジが今、金融勉強してるからいつかどうにかなる。」
「いつか俺たちも経済的に開放されたいっすね。」

オランウータンの玄さんは哲学の先生だ。今日も死について考えている。
872どてらと猫:2009/09/23(水) 13:44:22 ID:JbRdQP3s
僕はあの子猫が大好きでした。
川辺に散歩に出かけたときに、片方の目がからすにやられていました。
にゅやあにゃぁと鳴いていました。かわいそうなので家に持って帰って
看病しました。でも片目だけでも元気なもので家の中を走り回りました。
あまり暴れまわるので、糞や尿もあちこちにもらすのでしかたなく、もといた
川辺にもどしました。やっぱりお天道さまの下が一番です。川辺の道を
一緒に歩きました。子猫が先にいったり、僕が先にいったりじゃれたりしながら、あるいて
いるのをお天道様がスポットライトのように照らし出していました。

いまその川辺にはホテルが建っています。看板に子猫のダンスと書いています。
その脇には小さな社が建っていて、顔のないお地蔵さんがいます。

なにがかよくわかりませんが、ぼくは「そんなの土手でいいやん」とオモイマス。
もう両目を開けて見られます。

僕たちは、縁日の日には違うお地蔵さんのまわりで宴会を開きます。

スンマセン




873創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 14:02:46 ID:HkPQKIUN
うーん、二作ともよくわからん
874トンネル:2009/09/23(水) 14:04:20 ID:JbRdQP3s
トンネルを越えるとそこは雪国だったというのは、かのノーベル賞文学者の
ゆうめいな一節だが、トンネルを越えると人格の変わる男がいた。
人格が変わった後の言葉はいつも感嘆詞ではじまる。
「おっ」「やっぱり」「なるほど」
 それだけでいったい何がわかるというのだ。
875 ◆Qb0Tozsreo :2009/09/23(水) 14:16:21 ID:eC39bImY
>>873
わかりやすいのを投下します。

 『つり人』

 F氏は、つりが得意だ。
 海でも、川でも、湖でも、行った先ではかならず大物をつってくる。

「でも、俺がつったいちばんの大物は奥さんなんだけどな」

 これがF氏の口癖だ。
 逆につられたことに気づいていないだけなのだが。


 昨日もF氏は、いつものようにつりにでかけた。
 それなのに、朝になっても帰って来ない。

 心配になった私たちは、F氏の行きそうな海や、川や、湖を捜しまわった。
 捜索願いも出して、大勢の人たちでさがし続けた。それでも、F氏の足取りはつかめないままだった。





 しばらくたって、F氏は山の中で首をつった姿で発見された。
876創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 15:06:10 ID:HkPQKIUN
>>875
ちょっと好きw
ラスト唐突なのでもう少し意味の含みがあるとなお良いかなあ
877:2009/09/23(水) 15:10:57 ID:JbRdQP3s
 お父さんたち4人組が居酒屋に入ってきた。
 お父さんたちは長らくおしぼりで顔を拭いていた。
 すると今度はおしぼりを丸めて耳に突っ込んだ。
 次はなんと鼻。
 周りにいた女の子達がキャッキャと顔を顰めながら言った。
 実は、問題は次の行為だったのだが・・・
 お父さんたちの中の一人が、つづけてカバンを拭いていたのだった。
「あのおじさんカバン拭いていたわよ。」
「いやねぇ」
「同じ皮だといいわけするのかしら」
「きいてみなよ」
「やだよ」
878創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 17:18:24 ID:gr7JjMnA
>>870
場違いなのならどこのスレに書き込んだらいいかくらい言えよ。
それにショートショートと一言で言っても小説なら20ページ越えるのあることくらい知ってるだろ。
絶対に60行に収まる。そんなの間違いだっつーの。
それに連載とかそんな言葉使ってるほうもおかしい。続いたとしても3レスくらいで終るのにな。
879創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 18:49:16 ID:dBcr2gUd
投下し切ればいいじゃん
続きは明日、じゃ書き終えずに投下したように見られて当然だよ
みんな書き切ってんだから、うまく混ざろうな
880創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:17:10 ID:5K15JyJ5
>>877星新一っぽくはない
881自由の女神:2009/09/23(水) 23:31:14 ID:JbRdQP3s
『タイムマシンと自由の女神』
 タイムマシン、これほど人心を書きたてる夢のマシンはないだろう。
タイムマシンではないが、時間を越えた出来事はどうしてロマンにつながるのだろう。
 昔、新聞にこんな記事が載っていた。1970年代か、冬山登山で亡くなった男が
発見されたというのだ。死体は氷に閉ざされて、当時の年齢のままの姿であった
という。そして家族や孫に再会したのだという。
 ところで、こういったロマンスを考えてみるに、まず時間を越えるということが
ロマンなのは人間特有の考え方だということだ。化石を発見して喜ぶのも人間だけだ。
過去に意味を見出すのは人間特有のものなのだと私は思う。
 そもそも考えといったばあい、人間の考えのことを指すのだが、時間の概念が正確にしかも深く
わかるのはとにかく人間しかいないだろう。
 ところで、私が感じるには、人は本当はタイムマシンで未来に行き
たいのではなくて過去にいきたいのではないだろうか。
それが結果的に未来を生み出すことにつながるのではないだろうか。
 恐竜がいたころを再現し、アスファルトの道路を車でひた走る。
そういった風にして初めて夢のまた夢がなかうのが人間なのだ。
 そもそも過去を知らずして未来に行けないではないか。

 くだらないことをつらつらと書いてしまったようだ。
でも世の中にはこんな事実がある。デパートの屋上に天使の秘密の飛行訓練場がある
ということだ。わかっているのは皆今のところ失敗しているということだけだ。
 そして後一つわかっているのは、天使という言葉があるにもかかわらず、天使はまだいないはずだということだ。

882創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:39:49 ID:UqCSDs10
『ゆだん』

 S氏は、それなりに有名な洞窟探検家である。
非常識に虚弱体質な男ではあったが、なんとか命だけは繋ぎとめていた。

 彼の洞窟探検は常に困難を極めた。
天井から砂や蝙蝠のフンが降ってくる事は日常茶飯事だったし、
ロープから降りる、階段を下るなど、命が危機に晒されるような事も多々あった。

 しかし彼は、洞窟探検を止めようとはしなかった。
慎重に、的確に行動すれば、命を落とすことは絶対に無いのだと、確信していたし、
なにより、地下深く続く洞窟は、S氏の無謀な好奇心を刺激しつづけた。

 そして、つい先日、その好奇心は遂に、洞窟の闇を完全に照らしあげてしまった。
行き場をなくした熱意は、彼の中で燻るより他になかった。

 そんな折、S氏の元に、隣国で未知の洞窟が発見されたというニュースが入ってくる。
未知の洞窟、そのフレーズに居ても立ってもいられず、食べかけの朝食もそのままに、、
S氏は喜び勇んで自家用車に飛び乗った。
883創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:32:03 ID:7gM2ZS2l
『石』

 空から雷鳴の様な音をたて石がひとつ降った。
そのため夜空は昼のように赤かった。
村の鍛冶屋はそれをナイフに鍛え、大金を得た。
 また、石が降った。音も光も前と同じく明るく激しかった。
しかし石は硬くナイフにはならなかった。
村人は石を神と崇め、クレーターの底に祠をこしらえ石を据えた。

 同じ頃、村の上空遙か彼方、異次元と異次元の狭間で、一隻の異空間旅行船に乗った航空士たちはひそひそ話をしていた。
「おい、いいのかい。無許可だろう」
「いいんだよ。あそこじゃあ、いつもそうしてるんだ」
「大丈夫なんだろうね?」
「大丈夫さ、どうせすぐに燃え尽きるか、落ちたって元素そのものが変化してしまう。落とし主は誰かなんて分かりっこないさ」

 そして、いつものように船の後尾の蓋が開き、汚物入りのポッドが空間の狭間に排出された。

石 終わり
884創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 07:29:58 ID:eJ4eTyGo
ああ、ひさかたぶりに落ちらしい落ちを見た気がする
GJ>石
885創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 18:31:04 ID:lHymRBFN
ドラえもんの時間旅行ネタで近い話があったような
886創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 12:51:45 ID:Qnn+GHow
旦那、ドラえもんを引き合いに出されちゃ、酷ってもんですよ
887創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 14:53:05 ID:cOZ4Txj6
>>885
ドラえもんが昔にいってのび太の捨てた物を使い人助けをする話?
888創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:28:40 ID:8mnEzH17
>>882がわからん。おバカは寝ますね
889創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 22:48:44 ID:pGh1VFxj
ヒント
アイレム
890創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:04:57 ID:OlvcKIhG
ヒント「虚弱」「S氏」だな
891創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 23:12:47 ID:O1JdKkvS
スペランカーを星っぽき描いただけでしょ
スペランカー知らない世代にはさっぱり分からない上、その短編自体にオチは見受けられんな
続編への繋ぎエピソードと取れなくもないが、スペランカー2の主人公は別に虚弱体質でもない
892創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:06:09 ID:PB0xYMmJ
虚弱とか蝙蝠のフンとかは後半ネタバレ式に書いてほしかったですね
893創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 00:08:40 ID:VvPGVjQz
最後に飛び乗ったショックで死んでるオチじゃないのか?w
894ダスター:2009/09/26(土) 13:22:07 ID:vs9Me86J
『くだらない敬称』 

とあるバーに新入りのホステスが入ってきた。新人の割にはなんでも器用に
、話を聞くのも話すのも上手だった。唯一つ他のホステスの呼び方
を除いては。
 「ケイコさん先輩」なんとなくおかしい。「アケミちゃん先輩」これもおか
しい。
 どうやらケイコが一番先輩で、二番目がアケミ、三番目が新入りのヨシミと
いうことらしかった。
 ママはケイコはケイコさんとよんでいたし、アケミはアケミちゃんと呼んで
いた。
 あるひ、そのバーで信じられない言い回しを耳にした。
「アケミちゃんさん先輩・・・・・」
 しばらくしてそんなヨシミにも後輩ができた。
 ヨシミは単に、ヨシミさんとかヨシミ先輩と呼ばれていた。
 アケミはしばらくして店を辞めた。何でもダスターの取り合いから始まった
小競り合いが原因らしい。あとあの変な呼び方も原因ではなかろうか・・・・

 どうかクダラナイと思わないで下さい。
 エレベーターガールとはちと違うのだから。
 台布巾とダスターともちと違うのだから。
 どうかくだらないと思わないで下さい。


ーくだらんうえに星新一っぽくないですが。くだらなさを満喫してください。ー
895ダスター:2009/09/26(土) 13:23:14 ID:vs9Me86J
器用に、→器用にこなすし、


896創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 16:56:09 ID:Gj6wjeDV
「契約」

男は安アパートの畳に寝転がってぼーっと天井を見つめていた。仕事をクビになり、貯金もなく、ガールフレンドの一人もいない。あるのは借金ぐらい。タバコの吸い過ぎか、最近胸が苦しい。ゲホッゲホッと咳をして、男はポツリとつぶやいた。
「ああ、人生で一度くらい満ち足りた気持ちを味わいたいなあ」
「その願い、叶えてやろう」
突然、部屋の中から薄気味悪い声がして男は跳ね起きた。
そこにいたのは絵に書いたような…
「あ、悪魔…」
「まあ、お前達人間はそう呼ぶな」
悪魔は、うーんと背伸びをして首を回しながら男に言った。
「知ってるのなら話は早い。さあ願いごとを一つだけ言え。何でも叶えてやろう」
男は震えながら言った。
「で、でも死んだら魂を奪われるんだろう?いやだいやだ、死んだ後ぐらい安らぎが欲しいものだ」
悪魔は首を横に振った。
「それはデマだよ。そんなことは誰もが嫌がるだろう。俺との契約条件は、寿命一年分だ」
「寿命一年分…」
「そうだ。死ぬのが一年早くなるだけだ。さあ、さっさと決めてくれ。俺もノルマがあるからな」
「わ、わかった」
男はうなずいた。一年ぐらいどうということはない。それよりもこの絶望的状況を乗り切れるのだ。選択の余地はないと思われた。
大金、名声、絶世の美女…男の顔に笑みがこぼれる。
「じゃ、じゃあ…」
「おっと、先に契約書にサインしてくれ。血文字でな」
悪魔が爪で男の指をピッと突くと、血が滴り、それが契約書に落ちて染みになった。
「OKだ。では願いを言え」
男は考えた末に言った。
「僕を死ぬまで満ち足りた気持ちにさせてくれ」
悪魔はしばらく首をひねって言った。
「なるほど、欲望が多過ぎて一つでは足りないのか。考えたな」
「えへへ」
男はニヤニヤとしてうなずく。
「まあ、いいだろう。それでは契約を開始しよう」
男はニヤニヤしたまま、その場に崩れ落ちた。
冷たくなった男を見下ろして悪魔がつぶやいた。
「満ち足りた顔をしているな。一年後には肺ガンで苦しみ抜いて死ぬのだから、これでよかったのだろう。さあ次の契約者を探しに行くとするか…」
897創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 18:11:19 ID:/CKpEz0o
「もういやだ」

ある日、エム氏は自宅で電話をかけていた。ちょっとした遊びへの誘いなのだが。
エム氏「行けるか?・・・・・・そうか。残念だ。」
エム氏の友人は都合で行けなく、仕方なく翌日1人で行くことにした。

実はなぜかエム氏はこういう所に運が無い。
誰かを誘おうとすると、必ずといっていいほど断られてしまうのだ。
そんな不運が、彼の唯一のコンプレックスとなっていた。
エム氏自身ももう諦めていたところだった。
・・・おっと、話が反れてしまった。すまない。では、この出来事の続きを話そう・・・

エム氏は電話を切り、部屋でテレビでも見ようとしていたところだった。
だが、電話を切って間もなくのこと・・・突然誰かからの電話がかかってきた。
エム氏は多少憂鬱になったが、しょうがないので電話にでることにした。

エム氏「はい、もしもし、どなたですか・・・」
(電話)「・・・・・・もうだめだ・・・。」
そういって電話は切れてしまった。
エム氏「なんだ?これは。変な嫌がらせをする奴もいるんだな」
エム氏は不思議がったが、同日、同じ電話は二度とかかってこなかった。

翌日、エム氏は一人でボウリング場に来ていた。アベレージは・・・175。エム氏にとっては微妙だった。
家へ帰った後、また部屋のソファに座って休もうとしたその時・・・
またも電話がかかってきた。しかも時計を見ると午後5時30分。昨日と全く同じ時刻にかかってきていた。
エム氏「またか・・・もしもし?」
(電話)「僕はもうだめだ・・・助けてください、誰か・・・」
そう言って電話はまたもや切れてしまった。
エム氏「まったく誰なんだ!今度かかってきたら、文句でも言ってやろう」
昨日とおなじく、同日にはもうその電話はかかってこなかった。

それからも、一日一回その電話はかかってきた。
文句を言っても、こうだった。
「そんなことを言われても、僕はだめなんです・・・」とか、
「なぜそんなことをおっしゃるのですか。残念です・・・」
という返事が返ってくるだけだった。
そしてエム氏はとうとう呆れてこんな手段を思いついた。
エム氏「もうこうなったら・・・奴を励ましてやろう。最初からすればよかったんだ」
エム氏はその電話がかかってくるのを待ち続けた。そしてついに・・・その電話は鳴った。

エム氏「きたな。今度こそ、これで最後にしてやる」
(電話)「・・・・・・助けてください・・・・・・・・・もうだめだ。もうだめなんです!」
エム氏「まあそんなくよくよしてても始まらないぞ。いっそ前向きに考えてみたらどうだ?」
すると、電話からは今までになかったこんな返事が帰ってきた。
(電話)「・・・私を励ましてくれるまで11日・・・遅いですね。普通の人でも7日ぐらいで私を励ましますよ。あなたには思いやりの心が足りません。これは国民全員に行いましたが、あなたが最下位というデータがとれました。それでは、ごきげんよう・・・」

・・・エム氏は電話を切った。そして、何時間かの沈黙が続いた・・・・・・
このことを後のエム氏には話さないで欲しい。彼はこのことがきっかけで、人の悩みを聞く時には随分と緊張してしまうという、新しいコンプレックスが出来てしまったのだ・・・
・・・おや、電話が鳴っている。すまないが、ちょっとあっちの方へ行くよ。

はい、もしもし・・・?え?そんなこといわずに、明るく生きていけばいいじゃないですか・・・ねえ。
え?なんですか?・・・もう20日目?・・・
898創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 15:51:29 ID:GESYTxI8
899882:2009/09/28(月) 01:46:45 ID:0SO+UHED
先生で書いてみたかったのですが
未熟な自分では料理し切れませんでした
>>893さんが正解です、ごめんなさい
900創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 09:29:41 ID:3vV7B3os
行けなく→行けず、行けなくなり
901創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 14:11:23 ID:AkxlcAEG
 ある棋士が、長考に沈んでいた。
 たあいもない予選で、中継も取材も無く、棋士と相手と、誰かの弟子の
時計係がいるだけだった。
 歩を捨てるか、捨てないか。それだけのことを棋士は考え続けていた。
捨てれば、敵の王将の退路が狭くなる。狭くなりはするが、相手に一枚の歩を
渡してしまう。
 棋士の王将の上部に敵の駒が迫っていた。相手の持ち駒に歩が二枚ある。
それを三枚にして良いものか。棋士は三十分以上、考えていた。
 棋士は、扇子をパシリと鳴らした。扇子というものは、閉じるときに音が
出る。長考の折、何の気なしに扇子を開閉する棋士は多い。
 音。
 棋士は、刹那という言葉を思い出した。時間の長さである。指を弾く間には
数十もの刹那があるそうだ。指が打ち合わされる一瞬の時間の経過が、ひとつの
刹那の数十倍に相当するのである。
 そうだ、これも同じか。棋士は思った。一枚の木片を、大木から切り抜いた
盤に打ち込むとき、その一瞬には数十の枝分かれする予測が詰め込まれているのだ。
 棋士は天井を見上げた。
 ある大名人の言葉を思い出した。ある席で、その名人は、「百手は読めますが、
一手が読めません」と言った。飄々とした人柄の人物であり、ただのユニークな
発言として、その場は流されてしまった。晩成の人で、ほどなく他界してしまった。
 そういうことかと、棋士は思う。百手を予想するなら、ひとつの道筋を考えれば
良い。だが、一手だけを解析するなら、そこから広がる無限の予測を考えつくさねば
ならない。
 棋士は、現実に引き戻された。
 盤面を見るやいなや、迷わず歩を突きこんだ。
 声を立てずに笑った。自虐の笑みだった。名人に読めないものが、自分に読める
はずが無い。そして、読めずとも名人にはなれるのだ。無性におかしかった。
席を立って、廊下でクスクスと笑った。
 何もわかってやしないのだ。
 今、部屋の中では、私の相手が、正座で、わかりもしないことを必死に考えて
いるのだ。そこへ私も戻って、わかりもしないことを考えるのだ。
 棋士は背伸びをすると、扇子を鳴らし、真剣な表情に戻って部屋へ入っていった。
あの歩は要らなかったかと、後悔しながら。
902創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 15:57:06 ID:aCXklxzv
変化まで考えなきゃ読んだうちに入らんだろjk
ていうか一手先って自分の手番じゃねえか
903創る名無しに見る名無し:2009/09/28(月) 17:41:52 ID:6eSzJpq8
>>897の題名は「もうだめだ」だった。訂正
904創る名無しに見る名無し:2009/09/29(火) 12:13:47 ID:MfStdQY5
>>901
禅問答のようだなw
905創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:08:53 ID:YzLmGFSq
理不尽な指摘がつかない環境で書く努力をすれば?
まぁ無記名掲示板で書いてるうちは努力してないってことになるけど
しかし社会人なら自分の評価に理不尽なものが向けられる事なんて日常茶飯事なんだけどな
906創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 22:53:40 ID:4TmJcR5q
理解した時怖い一文ってどんなのなんだろう?
自分が思いつく限りではこんなのかな?


二人の男が違った利き腕で握手をしている
907創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 10:44:56 ID:ZYTnM9Ug
つまり二人は上下逆さまって事か
908創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 11:24:54 ID:GCLoIhb8
さっぱりわからん
909創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 12:27:34 ID:kStNYsAj
恋人握手なのでわ
910創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 12:52:49 ID:tkAm+LGo
俺にもさっぱり分からん
後良くあるネタを思いついた

とある夜、私は家政婦さんとあるゲームで対決することにした
そのゲームは「物の名前を別の物に言い換える」というゲームだ
例えばミカンならミカンという単語を使わず
「オレンジ色の果物」や「柑橘類の果物」と言い表すのだ
負けたら相手の言う事を聞く、という罰ゲームもつけてゲームが開始された

……その日、私はを自分で家事をやった
911創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 12:53:56 ID:tkAm+LGo
>私はを自分で
私は自分で全ての家事をこなした
でした。

少し分かりにくくてすみません…
912創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 14:08:16 ID:JMIJQRDt
「メイド・ロボット」

 エヌ氏はメイド型高性能ロボットを一台購入した。
昼は家事をしてくれて、夜は冷房・暖房器具にもなる優れものだ。
エヌ氏は狭い部屋に邪魔だった布団を捨ててロボットの到着を待った。
運送員は三人がかりで重い荷物をエヌ氏のアパートに運び込んだ。
エヌ氏はおおきな梱包をほどき、片づけ、ソフトをインストールし、ウィルス対策ソフトをおなかに詰め込んで、外国産の埃だらけのメイドの衣装を水通しして干しておく。やっとのことで、外付け機器をメイドの背中に背負わせた。

 すると、玄関で呼び鈴が鳴った。
「ああ、大家さんだ」
時代がかった大家の爺さんがじかに家賃の回収に来たのだろう。
 その面倒のためにこのアパートは格安なのだ。
しかし大家は気が短い。
 エヌ氏は慌てた。
ロボットはとても重くて持ち上げることもできない。
狭い部屋にもうひとり「人間」がいて、まだ裸である。あのアナクロ大家は理解できないだろう。
一瞬のうちにそれを考え、生乾きの衣装をとって着せようとするが外付けの機器のせいで衣装が入らないうえに、
無理に着せようとしたせいで衣装はほころびてしまった。
「ああ、なんてこった。安物を買うんじゃなかった」
エヌ氏は呻いた。
倫理的安全性のため、専用の衣装を着込んでからでないとメイドロボットは動作しない機構になっていた。
あきらめてドアを細く開けると、めざとく見つけて大家が詰め寄ってきた。

「あんた、女なんか連れ込んでいるのかい」
「いいえ。あれはロボットなんですよ」
「何を言うんだ。どこからどう見ても人間じゃないか」

 しかし、大家はエヌ氏に説明されると、あっさりとロボットを理解し、
「これは便利なものだ。うちも一台買おう」と言って帰っていった。

 エヌ氏はまたロボットの基本設定入力から衣装の繕いにとりかかり、二日がかりで夜明け頃にやっと設定を終えることが出来た。
「やれやれ。夜が明けてしまった。今日がおまえの誕生日という訳だ」
 エヌ氏はスイッチを押した。
ブウンといってメイドロボットはむっくりと起き上がった。
「ご主人様、御用はありませんか?」
笑顔でロボットがたずねると、うっかり開けっ放しだったドアがばたんと開いた。
そこには大家がいて困り顔である。
「うちに届いたロボットが動かんのだよ」
「あっ」
かれの家も男やもめで、ソーイング・マシーンなどない。
しかも、メイドロボットは改変不可能な初期の顔認識で大家の爺さんを主人と認めてしまった。
けっきょく、型落ち品のメイドロボットは、大家の爺さんの買った最新式のロボットの衣装の繕いを初仕事にすることになった。
大家の爺さんはすまなさそうにして、最新式のメイドロボットとエヌ氏の型落ち品を取り替えてくれた。

 エヌ氏は後にメイドロボット設定業と伸縮式のメイド衣装の特許でひと財産を築いた。

「メイド・ロボット」終
913創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 14:15:30 ID:qbJ0iB49
取って付けたようなオチがシュールw
914創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 16:14:10 ID:LJOKmY5E
ちょっと言い回しがくどいように思うんだけど・・・
もう少し楽に読ませて欲しいってのは俺だけ??
915創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 16:19:22 ID:2kA7cyv5
イマイチ
本当に取ってつけたみたいなオチだな
916創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 17:31:47 ID:o0Y1Agj4
「挑戦状」

「博士!変な男が研究所のドアの前に立っているんですが・・・博士の知り合いでしょうか?」
「なに?この辺に知り合いなど居ないはずだが・・・」
しかし、助手が言うとおり、そこにはエフ博士と同じ白衣を着た少し歳をとった男性がいた。

「なんですか、あなたは。この研究所に何か用ですか?」
すると男はこう答えた。
「私はあなたに挑戦状を申し込みに来たのです。ぜひ私と新薬の開発で勝負をしようじゃありませんか」
「なんと!急にこんな挑戦を申し込まれて驚きましたが、私はうけてたちますよ。それで、なんの薬を作るんですか」
「簡単です。一度死んだ動物を完全に回復させ生き返らせる薬です。より完璧な薬を作った方が勝ちです」
「なるほど、おもしろいではありませんか」
こうして二人は、共に対決を認めたのだった。
「では、私はこのへんで。1週間後にまた会いましょう」
そう言って、男は帰っていった。
「博士、大丈夫なんですか」
「なに、平気だ。1週間とは少し短いが、期限さえ間に合えば私は勝てるよ」
エフ博士は自信満々な顔で、新薬の開発に取り掛かった。

「あれから3日がたったけど、まだ博士が研究室から出てこない。これはどういうことだろう」
助手が心配して部屋のドアを開けようとしたが、鍵がかけられていて、開けられなかった。
「困ったな。これじゃ、博士の体がもつかどうか心配だよ・・・」
助手は不安と心配を抱きながらも、自分の研究室へ戻っていった。

それから4日後だった。約束通りあの男がやってきた。
「さあ、エフ博士の成果はどうなんだ」
「それが、まだ出てこないんですよ。そろそろ出来る頃だと思うんですが・・・」
助手がその言葉を言い終わったかそうでないだろうか、そんなタイミングで博士が研究所の外に出てきた。
「どうも、待たせてすみませんでした。ようやくできましたよ」
博士が持っている瓶の中には、紫色の液体が入っていた。
「なかなかできがよさそうですね。しかしこっちも負けてられませんよ」
そう言うと、男も紫色の液体が入った瓶を取り出した。
二人の薬は、博士の方が若干紫色が濃いぐらいの違いしかなかった。

「似たような薬ができてしまいましたな」
「そのようですが、効果はちゃんと違うはずです。マウスもここに2匹います。この場で対決しましょう」
そう言って男は、マウスを一匹取り出し針で腹を刺した。
「このマウスの心臓を刺しました。あとはこの薬を使うだけです」
男が液体をマウスにかけると、開いていた針の刺し口が塞がり、血が止まった。
その後、マウスの目が開き、手足が動く。穴は無くなり、完全に針を刺す前の状態になった。
「なんと、本当に完全に生き返ってしまうとは。驚きました。でも、こちらの薬はもっと凄いですよ」
エフ博士は液体を取り出し、そのままかけてしまった。
「なにをしてるのですか?まだマウスは死んでいませんよ」
「ここからですよ。よく見ておいてください」
液体をかけられたマウスはどんどん弱っていく。すると、突然腹から血が噴出し、目からも血が出てくる。
手足がちぎれ、なんともグロテスクな姿になる。
マウスは原型を失い、そのまま流血し動かなくなった。
「薬を使って死なせるとは、なかなか技術がありますね」
しかし、博士は何も言わずにマウスの方を向いていた。
すると、マウスはまるで逆再生のように血が流れ、血は全てマウスの方に入った。
体が元通りになり、ちぎれた手足がくっついていく。そのまま体は元通りになり、マウスは復活した。
「どうですか。一度死んで、生き返ったのです。ただ生き返らせるだけじゃ、つまらない。だから、死なせることさえも薬を使ったのです。
それに、本当の科学者なら科学を最低限は利用しないといけません。これこそ、研究者のモットーです」
男は一時言葉を失ったが、すぐにしゃべり始めた。
「いやはや、やはりあなたは研究者の鏡と言うべき人物です。実は私は、あなたの実力を試しにきただけなのです」
「そうだったのですか。しかし、一体だれから頼まれたのですか」
「あなたの父親です。そろそろ一人前になったか知りたかったそうで・・・」
「な、なんと!」
博士は驚きを隠せなかったのか、父親の仕業だと分からなかったからか、研究所に入りしばらく黙り込んでしまった。
917創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 17:33:57 ID:o0Y1Agj4
60行ぎりぎり間に合った・・・
よかった。
大体星氏らしく書いてみたけど、終り方いまいちだったかな・・・

あと、連投スマソ
918創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 22:02:13 ID:ZoS18dLq
>>862
いやありきたりとか、そういう意味じゃないよ。誤解させてゴメンね
919創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 23:46:03 ID:dx0mvXGR
「人類最強の男」

俺は確実に人類最強へ近づいていた。
もはやこの地上に自分より強い存在など居ない。
これ以上最強に近づく為にはどうしたらいいか、俺は考え、実行した。

その瞬間から今まで、俺は常に勝ち続けていた。
一瞬たりとも、負けなかった。

姉は言う「いい加減働いたらどうなの?」と。
しかしそれは出来ない。
人類最強の名を己の物にするまで
俺は常に勝ち続ける、未来の自分に!
920創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 00:39:46 ID:woT7IW5S
どっかで見たコピペ思い出した
921創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 01:56:09 ID:Xpe3LfDA
だめですじゃんw
922創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:50:22 ID:LoYetr0f
>>919
ちょっとワロタw
923えれぽん:2009/10/04(日) 22:27:59 ID:fjUn72Ek
「知らなきゃ良かった」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
ある日、彼に電話がかかってきた。着信番号は旧知のエヌ記者の番号である。
「もしもし」
「あ、博士!助けて下さい!」
エヌ記者の何やら切迫した叫びが聞こえてくる。
突然、聞き覚えの無い男の声が割り込んできた。
「初めまして博士。お聞きの通り、エヌ記者の身柄は我々が預かっております」
「ふむ。それはつまり誘拐ということだね。となれば私に何か要求があるのかな?」
「さすが博士、話が早い。実は、博士に開発して頂きたいものがあるのです」
「それなら、直接私を狙う方がもっと話が早いだろうに」
「実は最初はその予定だったのですが・・・博士は滅多に外出されず、研究所のセキリュティも完璧でして」
「つまり、狙いやすい所を狙ったわけだね。で、何を開発しろと?私にも出来ない事があるよ」
「開発して頂きたいのは読心機とでも言いましょうか、つまり、他人の考えてる事が分かる機械です」
「・・・そんなもの何に使うのかね?ろくな事にならんと思うが」
「出来るか、出来ないか、でお答え頂きたい。もちろんお返事次第でエヌ記者は・・・」
「そんな物ならもう作ってる。発表はしとらんがね」
「なんですと!?本当ですか!?」
「若い頃にな。探せばどっかにあるはずだ」
「そ、それが本当ならエヌ記者はすぐ解放する。これで将軍様もお喜びに・・・」

エヌ記者が解放されて一ヵ月後。
「結局、彼らは何者だったんでしょうねえ?明らかにプロでしたよ。犯罪組織とも違うような・・・」
エヌ記者がつぶやく。
「まあ、どっかの権力者の手下だろうさ。権力者ほど周りが信用出来ないものだからね」
エフ博士はTVのニュースを眺めながら答える。
半月程前から狂った様に粛清を開始した某国の独裁者が、ついにクーデターを起こされて殺されたそうだ。
「だからろくな事にならんと言ったのに・・・」
博士は若い頃、世の女性の本性を知った時の苦い記憶を思い出していた。

924創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 10:51:53 ID:vgwgFLQT
>>923
途中で「将軍様」って言うのはなくてもよかったかと……
925創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 13:43:39 ID:eCY1aqcS
亀だけど、>>438
>>434の作品の事を言ってるんだろうけど、縦読みの意味がわからない。
どこを縦読みするの?
926創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 14:56:25 ID:gQNKV+hA
>>925
どこにも縦読みなんて書かれてないよね?

それを言うなら縦書きだ
察するに画像で投下したことだろう
これマジレスしてよかったのかな…
927創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 15:16:44 ID:Z6kd/X30
じゃあ俺もマジレスするから安心してくれ
926の通り、432が縦書き文章を画像化した.jpgファイルだったのよ
.jpgでうpするのとワードかなんかで縦書き文書作って.docでうpするのと、どっちが読まれやすかったりするんだろかね
928創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 15:23:06 ID:wx3ymxtB
>>927
Wordを持っていない人も多いから、PDF/画像/プレーンテキストがいいんじゃない?
929創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 15:33:45 ID:ZEkVIRJn
設定便乗すいません。

「続知らなきゃ良かった」

変わり者ではあるものの、天才的な頭脳を持つエフ博士。
ある日、エヌ記者がやってきた。
「もう僕、女性なんて信用できません!」
「いきなりどうしたんだね?」
「昨日、エス子と食事の約束したのにドタキャンした上に
 別の男と歩いてたんです!
 酷いと思いませんか!?」
「乙女心と秋の空・・・か。
 もう秋だね」
「季節感じてる場合じゃないですよ!
 こうなったら僕も浮気してやる!」
「ふむ・・・そうだ、これを試してみるといい」
「何です?この変な色の薬は?」
「ちょっと耳を貸しなさい。
 これは染色体のゴニョゴニョ・・・」
「えーーーーっ!
 女になれる薬!?」
「そうだ、この間マウスで成功してね。
 人間の実験体を探してたんだ」
「何だか急に悪寒が・・・」
「まあまあ、女性心理を知るのも重要だよ。
 実は私自身でも試してみたから大丈夫さ」

数日後。

「もうワタシ、男性なんて信用できません!」
「今度はどうしたんだね?」
「だって彼、女の方が良いって言うんです!」
「エヌ君、もう私に近づかないでくれ」
930創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 22:01:19 ID:eCY1aqcS
931創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 00:30:28 ID:YGYkUEk5
あげ
932創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 13:22:23 ID:PIA9Rc4e
作家さんお待ちしてます〜
933創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 09:07:42 ID:hMMXbEjr
>>929
オチは読めるけど、面白いw
934創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 14:02:04 ID:+hoDgIAl
オチ読めるってのは、期待を裏切らないって事だよ
935jホフ:2009/10/13(火) 14:11:20 ID:fi6KZltQ
200]ネン、有人宇宙船が金星の近くで爆発した。
乗組員達はなぜか死ななかった。
死ぬよりも、生き残った後どうするのかの方が問題であった。
 なにせ大宇宙である。果てすらない。
霊体のようなものでみな生き残っているからして、死すらないだろう。
で、みんなで話し合った。それは、途方もない暇についてだった。
 一番最初に今後の人生を決めたのはN氏だった。
「おれは宇宙船なんて本当は真っ平ごめんだったんだ。」
「本当はプロサーファーになりたかったんだ。」
 N氏は宇宙船のかけらからボードを作り、宇宙の波を延々と乗りこなした。
「あいつらしいよな。永遠に波乗りなんて・・・」
「本当は、宇宙にはなにもないよ。だから探査船にまかしてるんだがな。」
 N氏はなにもないとわかっているからこそ、宇宙サーフィンをやってみたいと
いうことだった。自ら食事をとることもなく、女を抱くこともなく、眠ることも
なく、延々と宇宙の波みたいなものを乗りこなす。

もうだれも調子のりだった彼のことを調子にのってる!なんて非難するものはいなくなった。
本当に、彼らしかった。


寝たきりの、N氏の病床のAMラジオに特有の雑音が入った。周波数が少しかわったのだろうか。
時々美しい言葉は、耳を捉えるようだ。でも複雑な顔をする。
「ザーーー」「ザーーー」そのたびに達成感にも似たような、幸せそうな顔をする。
936創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 19:08:09 ID:YwZyeubn
>>935
ごめん、よく意味がわからないんだけど、N氏は病床で夢を見てるって事?
937創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 21:37:11 ID:CviAi/WZ
>>935
実は全てN氏の想像もしくは夢だったってこと?
世にも奇妙な物語の感動系のたまにある結末みたい。
(親切すぎる家族・回想電車など)
938jホフ:2009/10/13(火) 23:25:43 ID:fi6KZltQ
弱肉強食が原則の世の中ながら、負の世界にも何らかの価値があって
引き継がねばならないということを考えながら書いたつもり。
かろうじて意味不明にならなかった?のでよかったです。
レスがあったのでありがとうです。
医療機械にもまけない、たくましい想像力、回想力をイメージしました。
939創る名無しに見る名無し:2009/10/15(木) 11:58:16 ID:2VBzpxZB
夢落ちは今や一種の禁じ手だからプラスαが欲しいな
940創る名無しに見る名無し:2009/10/15(木) 12:10:30 ID:k7VGyvYy
こないだ見た、見る夢を検閲する話みたいのはいいかもしんない。夢オチには違いないんだけどね。
941創る名無しに見る名無し:2009/10/15(木) 22:57:02 ID:0eXB18UT
携帯からですまんが初投下
星っぽくはないかも…


エヌ刑事はある男を長年追っていた。
男は凄腕の詐欺師であるとともに爆弾魔でもあった。
そして犯人は熱心なキリスト教であることでも有名だった。
しかし今となってはそんなことはどうでもいい。
なぜなら今目の前にその犯人がおり、しかも犯人がアジトにしていた教会を包囲しているからだ。
「はっはっは、ついにおいつめたぞ」
「いや、刑事さん。捕まえるのはちょっと待って下さい。」
「ほぅ、それはなぜだ?」
「いやなに新しい時限爆弾を作ったのはいいんですがね解除の仕方がわからなくてね。
でももう少しで解除できるんですよ。」
「ふん、何かと思えば俺がそんな手に乗ると思ったのか。第一詐欺師の言うことを信じられるわけ無いだろ。」
刑事は部下に命じ男をパトカーへ連れて行った。
「しかしあの男も最後は見苦しい言い訳をしたもんだ。こんな張りぼての爆弾で騙せる訳がない。」

―――――
―――


車に乗せられながら男は呟いた。
「まったく。俺が神の前で嘘を着くわけがないのに。」
942「自由な批評」:2009/10/16(金) 02:26:06 ID:e/dxvZ/X
地方都市に住む中年の男がいた。
彼は趣味で小説を書くクラブの一員だった。
入った直後こそ毎週欠かさずに参加をしていた彼だったが、最近はめっきり顔を出さなくなっていた。
ある晩、男が会社から帰る途中の道でクラブのリーダーに声をかけられた。
「やあ、久しぶりだね。ずっと見かけなかったけれど、どうしたんだい?」
リーダーは彼に小説の書き方を教えてくれた人物でもある。
迷った末に、彼は悩みを打ち明けることにした。
「他人の書いた話を読んで、その感想を言うのが辛い?」
「そうなんです。下手に文句をつけたりなんかしたら、恨まれるんじゃないかと考えてしまって」
だからと言って、美辞麗句を並べて褒めることも得意でなかった。
男が言葉にはしなくても、つまらなかったという感想が顔に出てしまうのではないか。
その不安こそが彼をクラブから遠ざけている要因であった。
「なるほど、そういう性格の人間もいるか。嫌なことを強要してきて悪かったね」
リーダーはそう謝ると、少し考えるような仕草をしてからまた口を開いた。
「次の日曜、クラブに来てくれないか? 改善されたと感じなければ辞めてもらっても構わないから」
どんな対策がされるのか気になったので、男は行くという返事をしてリーダーと別れた。

二日後の昼。クラブの活動に使っている部屋には十数人の参加者がいた。
「やあ、来たね」
リーダーに続いて、メンバー達も口々に男を歓迎した。
男は軽く会釈をして部屋に入る。
不参加だった期間により若干の気まずさはあるが、約束をした以上は来ないわけにもいかなかった。
「さてと。今日は皆の書いた物を読む日だが、今回から意見のやり取りの仕方を変えてみようと思う」
リーダーは作品を印刷した紙のほかに、数枚の白紙を配りながら説明を始めた。
「作品の批評を匿名でするんだ。その紙に無記名で感想を書き、それを別の誰かに読み上げてもらう」
「なんだか面倒ですね。集めた感想を作者に渡して読んでもらうという方法では駄目なんですか?」
メンバーの一人が質問をした。男も同じことを考えていたのでリーダーに視線を送る。
「他人がどんな部分を評価したのか知ることは勉強になるからな。こちらの方がいいはずだ」
なるほど、と男は感心した。
今までは自分の意見がどう思われるかばかりを気にしていて、他人の意見を聞いていなかった。
これからは他人がどんな所に注意を向けているかも聞き逃さないようにしようと男は思った。
「では読み始めてくれ」
感想を書くためにペンを取り、男は気づいた。
あれほど苦手だった批評がすらすらと文章になっていくのだ。
その日の活動は男にとって今までに無いほど気楽で面白いものだった。
その感情は周囲の人間も同じなのか、普段は無口なメンバーも批評を書くために手を動かしていた。
「このやり方は大成功ですね」
男が書き終えた批評を渡しながら言うと、リーダーも満足げに頷いた。
匿名の批評はうまくいき、これからも同じ方式を採用しようということで意見が一致してその日は解散した。
「こんなに楽しい気分は久しぶりだな」
自分の書いた物に感想がもらえたわけでもないのに、男は浮かれていた。
不注意になっていたためだろう。男は帰る途中で交通事故に遭い、入院をすることになってしまった。

男は病室で目を覚ますと、身体の痛みに顔をしかめた。
「酷い目にあったな。しかし、このおかげで仕事を休んで小説を書く時間ができたのだ」
そう考えると、事故に遭ったことさえ良い出来事のように思えてくるのだった。
数週間して男は無事に退院をした。
男が真っ先に向かったのは小説のクラブだ。
入院中に書き溜めておいた物語が大量にあり、今度は自分の作品も読んでもらえると思うと頬がゆるんだ。
「お久しぶりです。ちょっと私用で来られずにいましたが、また参加できるようになりましたよ」
男がリーダーに挨拶をすると、彼は困ったように顔を背けた。
「君には悪いんだが、批評のやり方を元に戻させて欲しいんだ」
「そんな……急にどうしたんですか?」
男が詰め寄ると、リーダーは周りを警戒しながら声を潜めて答えた。
「匿名にした結果。君がいない時には私だけしか、他人の作品を褒める人間がいなくなってしまったんだよ」
943創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 03:23:20 ID:6qBFKjTT
「アンチ」

エヌ博士とエス教授は、世間的にライバルだった。
お互いに面識はなかったが、
エヌ博士が空中に文字を書く筆を発明すると、
エス教授は空中の文字を写し取る紙を開発し、
また、エヌ博士が一日の栄養をすべて取り込める空気を発明すると、
すぐさまエス教授は空気中から栄養剤を取り出す装置を開発した。
発明の良し悪しは別として、そんなことが毎月のようにあった。


世間では、不思議な発明をするエヌ博士ばかり注目されていたが、
エヌ博士は、エス教授に劣等感すら抱いていた。
発想の豊かさでは、誰にも負ける気はしなかったが、
どんなに奇抜なアイディアを使っても、一ヶ月経たないうちに対抗されてしまう。
どうにかエス教授の鼻を明かしてやりたい。
そして、手元には秘蔵の自信作がある。
偶然の重なりで出来たような、奇跡のような代物だ。
だが、これすら対抗されてしまったら、きっと自分の心は折れてしまうだろう。
新製品発表の度、どちらを出そうか迷うのだが、
やはり、これだけは絶対に発表できなかった。


世間では、不思議な発明をするエヌ博士ばかり注目されていた。
そのことがエス教授を堪らなく苦しめた。
エス教授も、自分独自のアイディアで発明がしたかったが、それは許されなかった。
学生時代に作った地球終焉時計が、エヌ博士の新製品発表日が来る度、
地球の余命一ヶ月の地点まで引きあがるのだ。
対抗製品を開発しなければ自分の命も危ない。死に物狂いで研究する。
無事乗り切ったと思えば、エヌ博士がまた新しい発明をする。
もはや、自分の発明をする余裕はなく、
エヌ博士のアイディアが尽きてくれるのを待つしかなかった。
944創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 03:27:20 ID:6qBFKjTT
>>942
うおー、うまいですね
投下するタイミングを完全に間違えました
945創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 13:07:14 ID:9sOwPpLH
 月見
 N氏とN氏の妻は、仲が悪かった。けっして激しい夫婦喧嘩をするのでもなく、
N氏が1と言ったら妻は、2と言い、裏といったら面という。
 どこにもよくある話のようだが、なにかが違っていた。
 二人とも学生時代、数学が得意だったということで円周率の言い合いになった
時、延々と終わることがなかったのだ。
 彼らが世間一般、普通の仲のよい夫婦だと気づいたのは、実に1000桁を越えた頃
だった。
 
946創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 18:39:22 ID:7huqJMMf
『たばこ』

「このジャックフラワーという植物は光合成で他の植物より何百倍分もの酸素を生成をするそうだ」
「たしかにフキの様に葉っぱが大きく広いですね」
「そしてこの植物には酸素生成をする反面二酸化炭素を大量に出すケナフのような特性もない。
 成長も早く地球にとって良い影響を与える植物だと言えるだろう」
「それならば地球温暖化問題を解決する助けになってくれるかもしれません。この植物を繁殖させてみるのはどうでしょうか?」
「わたしもこの植物のことを知った時そう思った。だがそのまま温暖化解決とはいかなかったのだ」
「どうしてですか?資金が足りないのなら言ってください。世界中から賛同者、
 出資者が出るはずです。」
「そういうことではない。この植物はいわば、効きすぎる良薬のようなものなのだ。
 体をうそのように良くしてくれるが前とはまるで別物にしてしまう。
 この植物を繁殖させられなかったのは自らの変化に戸惑った患者が薬を拒否した、というところだろう」
「ではこの植物が薬ならその拒否をした患者とはいったいどこのどんな奴なんです?」
「拒否したのは人ではなく植物を育てる地面・・・いや地面に降り注ぐ雨、大気、植物を取り巻く動物たちがジャックフラワーを
 すぐに枯らし、食べつくすようだ。わたしにはこれが地球が拒否をしているように見えるのだ・・・・・・」
「地球が治療を拒否するなんて・・・。ゆっくりと長い年月をかけて温暖化に蝕まれていったからもう中毒になってしまったのでしょうか」
「そうかもしれんな、元々は自生していたジャックフラワーだが最近は室内でなんとか発芽させ育てているわずかな数を除いて絶滅してしまった。
 もうこの植物では温暖化を止められないだろう。別の方法を考えないとな」
そういうと彼は医者から止められているのに懐から一本取り出してくわえ、ふーっと長い息を吐いた。

947創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 19:22:24 ID:o3NNAdjQ
その説明だと屋内で人工的に育てればなんとかなりそうな気もする。
大根(だっけ?)とか土なしで栽培とかあるし。
948創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 22:16:23 ID:+o89vurY
>>945
「N氏」を使っているだけで星新一っぽくするつもりか?
残念ながら星新一っぽくないしタイトルの意味も話の意味も分からない。
詳しい説明を頼む。

というか皆、ここに投稿する奴は「星新一っぽい」の意味が分かっているのか?
まさかこの中に星新一を全く読んだことが無い!という奴が紛れ込んでいるのでは。

・・・・・・・・・考えすぎかorz でも居そう。ちなみに俺は読みまくってる。
949XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/10/16(金) 22:16:32 ID:XFAoIFqM
なぞなぞ


「ここで問題!上は大水、下は大火事、これなんだ♪」

俺の謎掛けに、彼女はしばらくの間を置いて答えた

「……大雨の日の魔女狩り?」

「ピンポーン☆大正解♪」

俺は雨足が強くならない内にと、彼女の足元の薪に火をつけた。
950創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 22:18:48 ID:+o89vurY
>>949
世にも奇妙な物語のたまにある短編みたいだなw
951創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 22:20:06 ID:dNAYRuD6
ここに投下されてるものが特に星っぽくないことなんて今更すぎる
それでいいと思ってたから誰も何も言わなかったんだろ
952創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 02:03:26 ID:AVW4M5Ce
ショートショートの広場とか読んでると、作風とか結構自由だったりするしね
でも星作品を読んでないと、ってのには同意。あれは良いもんだから短編作りたいなら読んどけ
……ただ、読み始めると自分が思いついたネタが既出じゃないか不安になるなw
953「ゴーストライター」1/2:2009/10/17(土) 03:50:38 ID:cbCn1q/l
ある地方の高級マンションに有名な作家が住んでいた。
執筆活動にも使っていたのだが今では原稿の依頼も来ず、贅沢な生活をするだけの場所になっていた。
「ああ、退屈だな」
男はそう言って欠伸をした。何の不自由も無い生活だったが、暇な時間が彼を苦しめていた。
もともと文章を書くのが好きで、そのために作家の道を選んだのだ。
ところが人気が無くなってからの彼に仕事の依頼は無く、来るのは賞の選考委員への誘いばかり。
相談をした友人から、趣味として小説を書けば良いと言われたこともある。
だが、男の作品は何度も大衆の手に取られ、そのたびに賞賛を浴びてきたのだ。
折角書いた物が少数の知人にしか読まれないなど、彼には耐えられることではなかった。
小説の事を忘れようとして、男はいつものように酒の入った瓶に手を伸ばす。
電話がかかってきたのはちょうどその時だった。
「お久しぶりですね。また筆を執る気はありませんか?」
電話の相手は、男と同時期に文芸の世界へと入ってきた女性だった。
昔の彼女はあまり有名とは言えない存在だったが、今では全盛期の彼に匹敵する作家として知られていた。
「ふん。書きたい気持ちはあるさ。代筆の依頼でもあれば、喜んで受けるだろうな」
「それは良かった。まさにその仕事を請け負ってもらいたかったの。協力して頂けますか?」
予想していなかった話の内容に、男は少し考えてから答えを出した。
「なるほど。君はアイデアが枯渇している。私には作品発表をする場所がない。お互いに相手の欲しいものを持っているわけだ」
納得した男は彼女の依頼を受けることにした。
他人に書かせた作品を自分の物として発表する行為を、悪いことだと思わなかったわけではない。
だが、男にとっては彼女を非難するよりも、自分に再び活躍の機会が訪れたことのほうが重要だった。
「さあて、どんなストーリーにしよう。それとも登場人物から決めるかな?」
男の髪には白い毛が混じりつつあったが、彼の楽しげな表情は子供そのものだった。
954「ゴーストライター」2/2:2009/10/17(土) 03:51:38 ID:cbCn1q/l
「ありがとうございました。原稿料はいつもの口座に振り込んでおきましたのでご確認を」
男が初めて代筆の依頼を引き受けてから三年が経った。
電話があった日からしばらくは、男も無心に作品作りに没頭していた。
しかし二作、三作目と書いていくうちに疑問が湧いてきたのだ。
果たして自分は彼女にとって唯一無二の存在なのだろうか?
いつかお役御免となって、代わりの作家に役目を譲ることになるのでは……。
一度生まれた不安は消えることがなく、男は探偵を雇って調べさせることにした。
そして、予感は的中してしまった。
報告によれば、彼女は男の他にも数人の作家に代理執筆をさせていたというのだ。
「悪い知らせはまだあるんです。彼女は今回であなたに代筆を頼むのを最後にするつもりだとか」
男は探偵が帰った後、すぐに電話をかけた。相手はもちろん決まっている。
「もしもし、私だ。渡さなければいけない物があるので、今から自宅に来てもらえないだろうか?」
二時間後。何の疑いも持たずに来た相手は、背後からの一撃によってあっさりと男に殺されてしまった。
「さて、どうしたものだろう。彼女がここに来ることを口外していなければ良いのだが……」
考えてみれば、人気作家が代筆屋を雇っているなどという事実は世間に知られては困ることだ。
どこから秘密が明らかになるかわからない。
元作家の住まいに行くなどと、誰かに言うはずがなかった。
安心した男は死体の処理について考えることにした。
山の中に埋めたり、海に沈めるべきなのだろうか。
しかし、万が一にも自分がそうしている姿を目撃されるわけにはいかない。
「そうなると口の堅い人間を探して、そいつに処分を任せるか。代理の人間に……」
ふと急に不安になった男はある場所へ電話をかけることにした。
「もしもし。あら、どうかなさったの? もしかして使いに出した子がまだ着いていないのかしら」
男は慌てて電話を切ると、死体を確認しに走った。
顔立ちは似てはいるが、床に転がっている死体と彼女はまったくの別人だった。
男が玄関で立ち尽くしていると来客があった。男が依頼をした探偵だ。
僅かに開けたドアの隙間から顔を出し、何の用か尋ねる。
「今日の報告は間違いです。彼女は他に作家を雇っておらず、あなたを解雇する予定もありません」
「間違いだと。なぜそんな事になった!?」
「私が雇った人間が偽りの情報を持ってきたのです。奴は嘘の特ダネで報酬を巻き上げる詐欺師でした」
自分たちも代わりに仕事をさせる人間を雇い、日々の依頼を解決しているのだと探偵は言った。
「申し訳ありません。依頼料はそっくりお返ししますので、この失敗についてはお許しください」
探偵が逃げるようにして帰っていくのを見送ったあと、男は他殺を装った自殺を行うことにした。
自分が殺されたとなれば、他の誰かが真犯人として扱われるだろう……。
955創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 03:55:06 ID:cbCn1q/l
メモ帳で書いている間は60行以内だったはずなのに、まさか長文エラーにひっかかるとは……。
956創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 11:34:44 ID:xXjH2LO1
星っぽさって主観だろうから厳密なラインは引けないだろう
957創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 11:49:08 ID:uBNi8GrN
>>952
そういうときこそ既出判定マシンですよ
958創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 11:55:00 ID:xH0FR16D
>>956
星さんのポリシーならベッドシーンは書かないとかかな
959狩りの仕方:2009/10/17(土) 12:24:15 ID:gKGCOj6f
狩人が森で狩りをしていると、もしもし、と小さな声で話しかけられた。
人などいない森だ、警戒しながら周りを見ていると、白いウサギが足元にいた。
「カリウドさん、カリウドさん。美味しい木の実があるところを知ってるよ」
まずウサギがしゃべったことに驚いた。だが、この親切なウサギは木の実が取れる場所を教えてくれるらしい。狩人も食べ物を、少しでも多く取りたいのでうれしい話だ。
「こっちこっち」
さすがにウサギの足は早く、追いかけるのが精一杯だ。
ひたすら追いかけて、こちらも疲れ始めた頃、周りの藪が、ガサガサと鳴る。
本能的に恐怖を感じるような、低い唸り声。虎だ。
「あぶない、あぶない。こっちこっち」
疲れていたところに、急に現れた虎に度肝を抜かれ、判断力を失っていた狩人は、素直にウサギに従い後を追いかけていく。
ザザッ、という葉の擦れる音と同時に、足に鈍い痛みが走る。小さな落とし穴だ、小さな穴だが狩人をこけさせるには十分だった。しかし、足の痛みはそれだけではなかった。蛇だ、しかも猛毒を持つ毒蛇が足に噛みついていた。
「できた、できた」
逃げたはずのウサギが戻ってくる。
「お前がやったのか」
「私達はお前たちの真似をしただけだ」
さっき現れた虎が説明をする。虎も共犯だったのか。
「餌で誘い、誘導し、穴に落とす。全てお前がやったことだ」
毒のせいか意識が薄れ出す。動物達が鳴きながら身体をくねらしたり、飛んだりしている。勝利の踊りでも踊っているのだろうか。しかし、獲物である動物に狩られるとは…無念だ…

「ウサギよ、この者は最後無念そうにしていたがなぜだ?」
「なんででしょう、彼らはこうして身体をくねらせていれば、この者は神様のところ行くのだ、幸せだろう、とか言ってましたけど」
「よくわからないな。ところで神様とはなんだ?」
「腹のことじゃないんですかね、食べてましたし」
「食べられて、幸せなのか。人間とはわからんな」
960創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 12:38:36 ID:NrJh5OMD
>>955
個人的にはもう半ひねり欲しい
961創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 13:47:46 ID:AVW4M5Ce
>>953
これは面白い
短い文なのに場面と状況の転換で振り回される作品は好きだわー
>>960
んー、俺としては逆に四分の一ひねりくらい多く感じたかも試練です
完全に好みの問題だと思うけどさ
962創る名無しに見る名無し:2009/10/17(土) 14:02:26 ID:NhtHg7Q7
>>959
少し星氏っぽい。
動物が人間に復讐をするというのはいいかも
963創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 22:24:54 ID:ro8LQ5qn
(゜∀゜)
964946:2009/10/20(火) 18:33:15 ID:fwhtFuGd
>>947
感想ありがとうございます。
そうですね、二酸化炭素を回収する装置的なものと組み合わせれば温暖化解決につながるかもしれません。
965創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 17:29:42 ID:3LxzdHc5
ちょっと早いけど次スレの話でもしちゃう?
966XXX ◆TqnDIIRxZU :2009/10/22(木) 08:32:51 ID:T2heotla
このスレ、まとめwikiやまとめブログは無いよね?
駄作だけど、今のうちに自分の作品はログ取っておこうかな。

(´-ω-)
967創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 12:27:11 ID:xm164X/0
まとめwikiなかったっけ?
968創る名無しに見る名無し:2009/10/23(金) 16:39:15 ID:OjCJy/sq
ここから1000まではどうします?
969創る名無しに見る名無し:2009/10/23(金) 19:52:02 ID:Q3wOjCDE
テンプレつくり
970555:2009/10/23(金) 23:06:41 ID:ELVAECCi
 エヌ氏は23歳。日々の生活の糧を得るため、真夜中にコンビニで
働いていた。
 レジから見渡す視界の極限にはドリンク類の冷蔵庫。

「ああ.毎日ビールを飲める生活がしたいなぁ〜」

ポツリとエヌ氏が漏らした。

「その願い、叶えようぞ…」

どこからともなく、声が響いたなと感じた直後、

エヌ氏は、自分が牛になっている事に気付いた。
971555:2009/10/23(金) 23:07:21 ID:ELVAECCi
すんません。パクリです!二度としません!
972創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 03:12:34 ID:t3OYEulB
>>971
パクリでもいいから続きくれ
973創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 07:04:07 ID:BbJcbWcr
>>972
そこで完結してるだろJK…
974555:2009/10/24(土) 08:19:22 ID:D+ZdbccI
元ネタは相原コージの4コマ
975創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 08:45:32 ID:Ys2m+QM5
>>972
食肉用に育てられる牛は、肉質をよくするのにビール飲まされるんだよ。
976E作:2009/10/24(土) 15:32:59 ID:irJozGvr
今畜生!D作はまたしても地団太を踏んだ。そして、はずれ馬券を足蹴にして
踏みにじった。今畜生!D作はまたしても地団太を踏んだ。はずれ舟券を足蹴にし
て、踏みにじった。今畜生!D作はまたしても地団太を踏んだ。はずれたくじ
を足蹴にして、踏みにじった。今畜生!D作はまたしてもギャンブルに外れ、地団太を踏んだ。
そして口にしていたアイスの棒を足蹴にして踏みにじった。
「おじさん!これ中ってるよ!」
「本当かよ!」D作は涙を流さんかぎりに感激し、子供に近寄った。
「わかんない、おやじだなぁ、アイス一つで・・・」
「おじさんは、とにかく当てたかったんだよ。」「何を?だから何を?」
「ひ・み・つ」
おじさんは演技にごまかすのが精一杯で、真っ赤になっていた。
 遠くでウソブク声が聞こえた。
「そんなやつ多いから案外当たり馬券おちているかもなぁ。」
 そうそんなやつおおいからな・・・・D作はギャンブルを止めた。
977E作:2009/10/24(土) 16:14:42 ID:irJozGvr
夏の暑い日、なにわの街に今日も燦燦と太陽が照っている。昼時、サラリーマン達が涼を
求めて蕎麦屋に集っていた。一人の男がさてと立ち上がり、入り口で「今日は
暑いねぇ〜〜」と言ってスーツでひさしを作って金も払わず去っていった。
どうやら付けらしいのだが、落語のようだがたまにツラレルやつがいて、それを
みんなで楽しむのだった。D作もそんな馬鹿な一人で、「今日も暑いね〜〜」
といって手でひさしをつけて店を出ようとするのだった。
店主が案の定「はい!あんた赤信号!!」と言って肩をつかんだところ、
どわ〜〜〜と客がでていったそうな。
978創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 20:21:17 ID:+98vmuQ3
>>976-977
最低限まともな日本語が書けるだけの知能を身に付けてからお話を書きなさい。
979創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 21:19:03 ID:L5M3efSi
 星っぽいには星っぽいの様式美がある。
それを理解していない者は下記スレで発表するのがいいと思うだぜ。

【気軽に】職人がSSを書いてみる【短編】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219996415/
スレタイが大げさだから躊躇しちゃうかもだが細けぇ気にすんな
常駐投下職人が不在の今がチャンスだw
 
980555:2009/10/25(日) 22:55:34 ID:F9t/j+C0
 七夕

「ここに願い事を書くのよ」
 母親にそう教わりエス子は短冊に願いを書いた

「とおくの星に行きたい」


 15年後、彼女は郷里を遠く離れた日本生命で働いていた
981創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 23:05:09 ID:aFXvWpoq
>>980
ニッセイまで10秒、オチを理解するのにまた10秒かかった
おもろい
982創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 23:14:52 ID:LoPEKxfp
掲示板が横書きなのをうまく利用できてるな
983創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 23:26:44 ID:dIr9zf7x
>>980
ネ申w
984創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 04:21:39 ID:d3aAlMx/
>>978 ここで書いてるんだろうが。馬鹿
おまえもなんか書いてみろ
985創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 04:37:16 ID:d3aAlMx/
976 977 星新一の作品、ショートショートはよく読んでるが
読むのと書けるのとはまたちがうわけよ。知能ってのを大上段に
構えてストレス解消してんじゃないよ。ばか。
986ぼけかすなすあほのほしふぁん:2009/10/26(月) 05:05:21 ID:d3aAlMx/
海老でたこを釣る男がいた。
たこで海老を釣る男がいた。
馬鹿野郎、海老でたこを釣るなんて不経済だ。
「だってたこがくいてえんだよぉ。」
それで、海老とたことどっちがえらいのか言い争った。
海老の肉は甘みがあっていい。
たこは歯ごたえがいい。
987ぼけかすなすあほのほしふぁん:2009/10/26(月) 05:06:44 ID:d3aAlMx/
おい978でてこい。
糞してる最中にでてこい。
988ぼけかすなすあほのほしふぁん:2009/10/26(月) 05:07:56 ID:d3aAlMx/
おい978。おまえなぁ。文章で身をたててから、そういうことは
いえるんだよ。
989ぼけかすなすあほのほしふぁん:2009/10/26(月) 05:12:55 ID:d3aAlMx/
そうせ。ワインか、こーしーがすきな、
えせブルジョワ、あぶくぜにぷくぷくだろ。
てめえの雲古にくろうする。
990ぼけかすなすあほのほしふぁん:2009/10/26(月) 05:14:27 ID:d3aAlMx/
落ちたヤク座いしのおとうさーーーん。
精神化医者の話で
薬の需要ふやしといたからねぇ。
くまちゃん
991創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 05:17:57 ID:d3aAlMx/
まさこ〜〜〜〜それはだめだよ。
992555:2009/10/26(月) 12:17:42 ID:9WGTlejQ
「ここに願い事を書くのよ」

 母親にそう教わりエス子は短冊に願いを書いた

「とおくの星にゆきたい」

15年後、彼女は郷里を遠く離れた地の生命保険会社で働いていた


こっちの方が良かったかも
993創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 17:57:47 ID:Xcp1U6NU
なんか凄いのが湧いてるな
994創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 18:11:22 ID:oSfLbrl7
次スレ立てないと埋まってしまうぞ
テンプレの改変がいらないなら俺が立てるけどいい?
995創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 18:23:33 ID:MMBO+LG2
特に変更するような点はないと思う。
立ててもらえると助かります。
996創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 18:42:07 ID:oSfLbrl7
星新一っぽいショートショートを作るスレ2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1256549898/

立てたよ
このスレのウラルだけ勝手に貼っといた
997創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 18:52:02 ID:WZPG+RRz
>>996
おお乙です
998創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 20:13:40 ID:Kx8zUQ3x
tes
999創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 20:48:36 ID:UGoZDiA0
>>996
1000創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 20:58:41 ID:oSfLbrl7
>>1000ならコナン=新一
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
        ∩ヽヽ∩ヽXXXXXXXX/ .∩
        i||i ∩i||i:||::::¥_][_¥::::||. i||i
         †人=†††¶┌┐¶††††              このスレッドは1000を超えた!
  /■/■\[/■ /■\/■\]  /■\■\     今度は新しいスレッドで
 (´∀(匚二二( ´∀( ´∀( ´∀`).□´∀` )Д´)□           レッツ 創作発表!!
  |_ | | ノつつ|創)~| |創) ̄||創) ̄|つ ⊂|_((|創)~ノ
  〓」 〓_|=|_ 〓__ノ 〓二ノ〓二ノ) ( / (L〓|〓二|    創作発表@2ch掲示板
  (_(_ し(_) (_)_)し(_)し(_)(_(_,(_)(_)    http://namidame.2ch.net/mitemite/