THE IDOLM@STER アイドルマスター

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442雨のち晴れ(1/3)
毎晩11時の天気予報はその勤めを的確に果たし、70%と示された降水確率がその猛威を振るっている。
窓越しに伝わる耳障りな音が憂鬱な気分を更に募らせ、遠方で鳴る雷の音に驚かされる。
溜め息が吐いて出た。
今日、何度目の溜め息だろうか。数えようとして諦める。
雨は、そんなに嫌いではなかった。嫌いになる要素がなかったからだ。
雨が降っていれば、家の中でお茶を啜りながら詩集を綴っていれば満足だった。学校ならば、少し制服が濡れてしまうくらい。
なのに、今の私はどうしたのだろう。

リビングに設置された丸型のテーブルが頬を受け止め、視界が90度傾く。反射的に目を細めると、雨音が鮮明に聞こえてくる。
この不安定なリズムは、好きじゃない。頭の端の方でそんなことを考えて、意識して目を見開く。時計が見えた。午前10時25分。

どうして?

雨は、そんなに嫌いではなかった。嫌いになる要素がなかったからだ。
お茶を汲みに行く気がしない。詩集を綴る気力もない。
窓越しの雨音が耳障りで、そのリズムは好きじゃない。
好きじゃない。

何考えてるんだろう、私。そんな事を思って苦笑する。
強くなってきた雨脚に視線を向ける。プロデューサーは、今日も仕事だろうか。こんな雨の中、走り回っているのだろうか。
久しぶりのオフの日に振り続ける雨が、恨めしい。
でも、晴れたからと言って何をするのだろう。特に思い浮かばず、また目を伏せる。不安定なリズム。