THE IDOLM@STER アイドルマスター

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172ある歌手とアイドル 1/3
その日、私はある小さなイベントに出演していた。
私のステージは、客の反応も上々で、私はとても気分よく舞台を下りた。
スタッフとお疲れの挨拶も心地いい、そんな中、場内のアナウンスがその上機嫌を一気にぶち壊したのだった。

『続いて、みんなお待ちかねの彼女の登場だ! 音無小鳥! 曲は「イマジネーション・ディスティニー」!』

ああ、駆け出しのアイドルか。
同じレコード会社だから、彼女の名前は知ってる。曲も聞いたことある。
確かに可愛いかもしれない。でも、歌も曲も絶対私の方が上だ。
なのに、このイベントでは、まだデビューしたばかりの彼女が私よりも後の登場。つまり私より上の扱いをされてる。
結局、可愛ければ人気が出て、その人気で全てが決まるってことでしょ?
つまんない。
そんなことで私の歌が売れないなんて。

「あ、次は小鳥ちゃんじゃないか!急がないと見逃しちゃう。」
私のスタッフまでも、彼女が見たくて浮き足立ってる。
「なに?私の歌よりもあんな童顔のチャラチャラしたのがいいわけ?」
「君は歌を聴かせるんだけど、彼女はステージを魅せるんだよ。いい機会だ。君も見よう!」
「あ、ちょ、ちょっと!」
私は手を引かれて、無理矢理ステージの見える位置まで引っ張っていかれた。