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第☆部
この日、NYのアパートで杏彌子はTVを観ていた…ワイドショーは数日前に
日本で起こった東京での化学兵器によるテロ事件の動向をしきりに伝えていた…
「神秘教協会 A∴U∴D(しんひつきょうきょうかい Atlantis∴United∴Dawn)」
通称アウド神秘教…
…この前代未聞のカルト新興宗教の暴走によって一体、何人の人間が死んだのだろうか…
杏彌子はTV消すと深くため息を吐いた。
『杏:世紀末って嫌な事ばっかりね……〜さてと、何やってるのかーな?ユノ??』
同じ部屋に住むルームメイトの「ユノ」に話しかける杏彌子。
目をつむり、ベットの上でヨガ(?)のポーズをしながら何やらブツブツと謎の
呪文を永延と呟き続けるルームメイトのユノ…
『ユ:…ふ………うっさいわねぇ…今唱えてんのよ…今、私「神」と戦ってんのよ…邪魔しないでね?』
そう呟くと、また瞑想を始める、ユノは日頃から自分の趣味は黒魔術だと公言している。
『杏:はあ〜ああ…あんたみたいなのがいるから…』
呆れた杏彌子は部屋出た。階段を降り、柵戸を開けて数m先の売店を目指して少し歩く、
…4分後…
何かに気付いた杏彌子、振り返る! …が、誰もいない…
『杏:チッ いつもの奴か…』
悟られぬ様にゆっくりゆっくり歩く、この界隈は御世辞にも治安がいいとは言えない…
『杏:殺すか?』
静かに呟くと、さりげなくコートのポケットに手を入れてピンク色の「デリンジャー」を
握り締める杏彌子。
『杏:いつでも来い!(心の中で叫ぶ)』
そして、曲がり角…一気に走る杏彌子!と、同時に微かな足音が駆けて来る!
『杏:(決定的…間違い無く賊だ!殺さねば…)』
次の瞬間!!!
《序盤中略》
つづく