田中ロミオ/ 人類は衰退しました / 妖精さんスレ
#1
些細な事で始まったナチュラルとコーディネーターの争いは自然消滅しました。
つまり、お互いに戦う事が出来なくなったのです。
詳しく説明すると、戦う事が出来なくなるほど人類は減ってしまったんですね。
人類が減ったのが戦争を出来なくなるくらいだったら良かったのですが、今まで人類が構築してきた文明社会が維持出来なく程に減ってしまいました。
そうなるとロゴスだとかターミナルだとかの怪しげな組織もなくなってしまいます。経済の維持とかそんな事も出来なくなりましたから。
景気とかの問題で悩む必要がなくなったのは良い事なのかもしれませんけれども。
なんだかんだで戦いがなくなって世界は平和になったと思いたいのですが、そうは問屋が卸しません。
ナチュラル、コーディネーターを併せて人類の数は絶滅危惧種に認定されてもおかしくないくらいに減ってしまったのです。
誰が認定するのかは私には解りませんけれども。
兎に角、長い間地球を支配してきた人類は衰退しました。そうなると、誰か別の生物が台頭してくるのが世の常です。
私ことラクス・クラインは、ついさっき誰かと表現しましたが、それなりに深い意味があるのかもしれません。
人類に成り代わって新しい地球の支配者になったのは妖精さん達なのですから。そういう訳で、便宜上に私達人類の事を旧人類と呼ぶ亊にしましょう。
旧人類は宇宙から撤退しました。やっぱり宇宙空間は人が住むには過酷ですから。そのうち滅んでしまうという現実に帰巣本能が働いたのかもしれません。
それに生活区域を縮小すれば、どうにかそれなりの文明レベルを維持できましたから。
そんな訳で生き残った旧人類は肩身を寄せ合って細々と生きる事を選択しました。
場所はオーブのオノゴロ島です。私にはよく解りませんが地熱発電などの設備が整っているからだそうです。
決して広くないオノゴロ島ですが、生き残った旧人類にとっては少し広すぎる事も選ばれた原因の一つなのかもしれません。
懸念材料だったのは食料や資源なのですが、世界中から集めたらかなりの量になりましたので当分の間は大丈夫だそうです。
まぁ、残存物資が尽きる頃には人類は絶滅してる筈だから心配する事はないかもしれません。