「――やぁ」
暗転した世界に一瞬で光が満ちた。そして同時に発せられる男性の声。
少年なのか、青年なのか、それとも歳を取っているのか、それさえ分からない独特の声質だった。
黒髪カチューシャの少女、涼宮ハルヒは突然照らされたライトの光に、思わず眉を顰めた。
静謐な空気に溢れたホールのような場所にハルヒは立っていた。
自分がこんな場所に居る理由が彼女にはまるで分からなかった。
ソレは一瞬の出来事だった。
瞬き、呼吸、心拍そのどれにも異常はなく、一変した世界にハルヒはただ眼を見開くだけ。
いや、一つだけ、異変がある。それは「首輪」だ。
明らかな差異を見出すとすれば、いつの間にか嵌められているこの首輪に他ならない。
小さく吐き出した息がまるで【溜息】のように世界に染み込んで行く。
夢や幻などではなく、今彼女が立っている舞台は塗眩し過ぎるほど鮮やかな現実なのだ。
「僕は渚カヲル。君達を導くモノ……僕と君達が話していられる時間は、この星の歴史と比べればほんの僅かな間だけどね。
それでも、挨拶だけはさせて貰うよ。時を超え、世界を超え、集められたリリン達」
『渚カヲル』と名乗った壇上の少年が仰々しい仕草で一礼。
ライブハウスのような光景、とでも言えば分かり易いだろうか。
半円形の一メートルほどの高さの舞台と異様に高い天井。床の材質はいまいち分かりにくい。
白い髪と血のように赤い眼でぐるり、と辺りを見まし小さく微笑んだ。
頭髪と同じ色の学生服はピシリとアイロンが掛けられ皺一つない。
十四、五歳程度の外見に似合わない程、彼は異様な雰囲気を放っていた。
その場に集まった人間は誰もが唖然とした顔付きで彼に視線を送る。
そう、この瞬間この場所に集められた「人間」はハルヒだけではなかったのだ。
ハルヒは周囲を見回し、瞬間――自身の眼を疑った。
彼女の脳裏にぼんやりと自身が北高に入学した時、最初の自己紹介の時間にぶち上げた台詞が頭を過ぎった。
『ただの人間には興味ありません! この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい!』
宇宙人……? 二足歩行の緑色のカエルが驚愕のポーズを浮かべている。
未来人……? 黒光りする甲冑のような殻に覆われた非常識なサイズの兜蟲が全身から怒気を漲らせている。
異世界人……? 彼女の前方に灰色の体毛に包まれた巨大獣が佇んでいる。
超能力者……? 集められた人間の一番後ろ、数十センチ浮遊したオカッパの男が凄まじい形相で渚カヲルを睨めつけている。
それだけ、ではない。
一つ目の黄色い物体(妖怪?)や二足歩行するウサギ(獣人?)、
手が一杯付いた人(仏?)、「コーホー」という独特な呼吸音を発する男(ロボット?)などあまりにバリエーションに富んでいた。
端的に言えば、周囲は――訳の分からない生物で溢れていた。
ハルヒは思わず大声を出してしまいそうになった。
無理もない。なぜなら、彼女が心の底から遭遇してみたくてたまらなかった(だが同時に心の底ではそう簡単に見つかる訳がないと思っている)存在が手の届く距離に散見出来るのだ。
その桜色の唇から漏れる叫びがどのような意味合いを帯びていようとも、胸の内から込み上げて来る衝動がある。
ソレがどのような叫びなのか、彼女自身にも計り兼ねてはいたのだが。
とはいえ、その「未知との遭遇」は涼宮ハルヒの心臓を噴火寸前の活火山のように熱く、早く彼女を衝き動かす――
だが、その時、
「さて、君達にはこれから『殺し合い』をして貰いたいんだ」
カヲルは何気ない口調――まるで親しいものに挨拶をするかのように――で言った。そして、にっこりと微笑む。
その笑顔には一切の罪悪の感情は存在せず、『殺し合い』という言葉が本来持つ醜悪ささえ消え失せているようだった。
ハルヒも当然の如く、その笑えない冗談に表情を強張らせる。
今来た
ksk
ksk
ksk
「もちろん、嘘や冗談なんかじゃない。
一番分かり易いのはこの場で僕自身の力を見せる事なんだけど……誰か相手に立候補してくれないかい?」
誰も、声を発さない。
もちろん、力で渚カヲルを捻じ伏せる事が可能かもしれない者がこの空間には数名存在した。
しかし、彼らは力だけでなく、同時に知性を持ち合わせる賢者でもあった。
まる「公開スパーリング」のような行為を、明らかに異様なこの状況で行う決断を下せる思慮の無いモノなど存在しない。
渚カヲルの言葉の裏側に、そして周囲にどのような【陰謀】が渦巻いているのか分かったものではないのだ。
「……まぁ、分かっていた事だけどね。勇気と無謀はまるで別の次元の問題だよ。
この中には少なくとも、一人だって『愚かな』ヒトはいないんだ。
何も分からず、自身の力を過信してソレを振り回すなんてオススメ出来た行為じゃない。ねぇ……君もそう思うだろ、シンジ君?」
「ッ――カ、カヲル君! 君はいったい……!!」
「すまないね、シンジ君。道は示されなければならない。そして、コレはヒトがヒトであるためには決して欠けてはならない因子なんだ」
シンジ、と呼ばれた少年がヒステリックな叫びを上げた。
瞳をカッと見開き、シンジは全身を震わせる。
その表情を満たす感情は、溢れ出さんばかりの――絶望。
「さて、手早くルールを説明させて貰おう。君達をこの場所に拘束する事には何の意味はないんだからね」
kカヲル君
s速攻でて
kきちゃったw
カヲルの口から『殺し合い』のルールが告げられる。
平等に支給される基本的な道具。そしてゲーム性を持たせるための特別な道具。
六時間毎に行われる「放送」によって、発表される死者。
参加者の首に嵌められた「首輪」に仕込まれた爆弾。ソレとリンクし、侵入できない場所を作る禁止エリアのシステム。
最後に残った一人だけが生還する事が出来るというゲームの終着点――参加者の何人かは「バトルロワイヤル」という言葉を思い浮かべた。
そして、優勝者に与えられる「何でも一つだけ願いを叶える」という約束。
「おっと、もう一つ大切な事を忘れていた。君達に紹介しておかなければならない人物がいる」
「……え?」
思わず漏れた呻きは涼宮ハルヒの【驚愕】を示すモノとしては、これ以上ない一言だったのかもしれない。
心に浮上した【動揺】を表すのに、多くの言葉は必要ない。
たった一音の囁きが数百枚にも及ぶ美辞麗句で塗り固められた賛歌以上の衝撃を与える事など、決して珍しくはないのだ。
「そして彼女が僕と共にこの催しの主催≠やって貰う……」
だから、涼宮ハルヒの心を揺るがす「影」が壇上に現れた瞬間――彼女の常識はガラガラと音を立てて崩壊した。
渚カヲルが高級レストランの一流の給仕のように身を屈め、来賓を迎えるような仕草を取った。
そして――常闇、舞台の更に置くから小柄な少女が音もなく歩み出る。
衣擦れの音も、革靴が地面を叩く音もない。世界は静寂で閑静で静穏だ。少女は、蚊の鳴くような声でぼそり、と呟いた。
「長門有希」
他人へ情報を伝える事を初めから度外視していいるかのような小さな声色だった。
少女、長門有希はもう自分の役割は済んだとばかりに踵を返し、闇の中へと消えていこうとする。
この場に集められた人間はそれぞれが思い思いの行動を取っている。
確かに、場の空気としては「様子見」という選択を決断するモノが一番多いが、無理やりこんな場所に集められて不愉快に思わない人間は極少数。
だが事態を訝しみ、すぐさま応戦する準備を整えている者も多くいる。
大半があまりの事態の急性具合に顔を歪ませる中で、精一杯頭を働かせているのだ。
だが、そんな理性と打算に塗り固められた思考は、この瞬間の涼宮ハルヒにはこれっぽっちも存在しなかった。
「有希っ!」
人ごみを掻き分けながらハルヒはその少女の名前を呼んだ。
筋骨隆々の男達、不可思議な格好をした様々な人間が怪訝な顔付きで彼女に視線を送って来たが全てを切り捨てた。
左手の方向からも、誰かの叫び声――あまりにも慣れ親しんだ――が聞こえたような気がしたが、今のハルヒには他の事に意識を振り分ける余裕はなかった。
ただ、ハルヒは真っ直ぐと舞台の方へと向かっていく。それは思慮なき愚行なのかもしれない。
極めて冷静な思考に欠けた【暴走】的行為。だが、それだけに純粋な行為。
ksk
ksk
「おや、彼女は――」
「ちょっと、有希! あんた、そんな所で何やってんの! 危ないわ、早く降りなさい!」
最前列まで躍り出たハルヒが激しい声色で舞台の二人――いや、おそらく彼女の視界に入っているのは長門有希ただ一人だ――に食って掛かる。
「…………」
「有希、何とか言いなさい!」
「神の器――いや、神そのものとも言える存在。そうか、君が涼宮ハルヒか……」
「うるさいわね! カオリだかカヲルだか知らないけど、いいから黙ってなさい!
有希はね、うちの団員なの。あんたなんかにこの子をパートナーだなんて言う資格は一ミリだって無いんだから!」
一瞬、意外そうな表情を浮かべたカヲルがクツクツと笑った。
いったい何がソレほどまでに可笑しいのだろうか。
だが不謹慎なその笑いは不快、と言うよりも底冷えするようなおぞましさに満ち溢れていた。
「おやおや、威勢のいい事だね。しかし、君はもう少し物事をしっかりと考えて行動するべきだよ。
不用意な行動は君だけでなく、周りのモノに害を及ぼす事だって――」
「あぁもう、だからうるさいって言ってんじゃない! 私は有希と話してるの!」
「……やれやれ」
カヲルは啖呵を切る涼宮ハルヒを愉快そうな眼で見ると、小さく眼を伏せた。
一方で長門有希は何度もハルヒに名前を呼ばれているものの、まるで返答する仕草を見せない。彼女の視線は地面に張り付いたかのように固定されたままだ。
当然の如く、ハルヒは二人の柳の葉のような対応に【憤慨】する。
初めて話した渚カヲルの事など彼女はどうでも良かった。問題は長門有希だ。
説明を聞くに、カヲルはハルヒ達に殺し合いをさせたいらしい。
非常識的な生物がうようよ集まっている中で、これまた馬鹿げた事を考えるものだと思った。
だが、それ以上に分からないのは――何故、長門有希が壇上に上がっているのかという事。
有希はSOS団員であり、同じ北高の一年である。普通の、女子高生である筈なのだ。
「渚カヲル、時間」
「ん?」
「この特定異相空間の崩壊を確認。百四十五秒後に固定座標値がロストする」
「……へぇ、さすがに一筋縄じゃいかないって訳か。箱庭≠ヨとリリンを運ぶための箱舟≠フ用意は?」
「問題ない。空間軸、外部障壁、各員の固定情報全ての設定は終了済み。すぐにでも作業へと移項出来る」
「なるほど。となると、後は……」
「あと百二十秒。急いで」
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表情を固くしたカヲルは綺麗に整った顎に手を当て、何かを考えるような仕草を取った。そして、
「それでは早速ゲーム開始、と言いたい所だけど……一つだけ、お願いがある」
「願い……?」
誰かの噛み締めるような呟きが漏れた。
「――君達の中で、この殺し合いの『一人目』として自らの身を奉げてくれるモノはいるかな?」
「なっ――!?」
カヲルのその台詞によって、集められた人間の怒りは最高潮に達した。
彼らが憤慨するのも無理はない。突然呼び集められ、実験動物のような扱いを受けて冷静を保て、という方が無理というモノだ。
だが、いつの間にか身に付けさせられていた「首輪」に爆弾が仕込まれている――という一言が彼らの行動に楔を掛ける。
当然、彼らの中にはこの程度の爆発ではビクともしないモノも複数いた。
しかし、理性的な頭で持って彼らは考える――拘束具にならない枷ならば、初めから存在しないと。
また同時に、自身の力が明らかに――しかし何らかの力によって――普段の数割程度まで抑制されている事もまた自覚していたのだ。
「既に崩壊は始まっている……だから、僕らは君達を舞台である箱庭≠ヨと運ばなければならないんだけど……。
だけどその前に、少なくとも一人、犠牲が必要だ。
血塗られた詩の最初の一節は全員に共通した荘厳なる死≠ノよって奏でられなければならない」
「ふざけた事を……!!」
カヲルの言葉についにただ見ている事が出来なくなったのか、複数の男女が攻撃の意志を固めたようだった。
黒魔術、超人、ミッドチルダ式魔法、古代ベルカ式魔法、ガイバー、ハイパーゾアノイド、ゾアロード……。
複数の異能が渚カヲルと長門有希に向けられるかと思われた――その瞬間、
「私がいるわ」
今までずっと押し黙っていた一人の少女が口を開いた。
「あ、綾波っ!?」
「やあ、ファーストチルドレン。まさか君が立候補してくれるなんて思っても見なかったよ」
青髪、赤眼のセーラー服に身に纏った少女がゆっくりと渚カヲルの方へと歩を進める。
綾波レイ――エヴァンゲリオン零号機のパイロットだ。
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うわ、5番手来ましたか。
では6番手志願……。 しつつ支援。ksk
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「フィフスチルドレン、渚カヲル」
「何かな」
「……初めからそういうつもり≠ナ私を呼んだ事は分かっている」
「まさか、そんな。ただ僕は自由意志≠ノ基づいた呼びかけを行ったに過ぎない」
「……そう」
「綾波っ!! ダメだよ、そんな……! それに、カヲル君もいったい何を言っているんだよ!?」
碇シンジだ。壇上へと向かう綾波レイに考え直すように、必死で言葉を重ねる。
彼はこの少女と少年、両方の知り合いなのかとその場にいた全ての人間が悟る。
「碇くん」
「あ、綾波……」
ピタリ、とレイが足を止めた。
世界はその瞬間、全ての流れを止めて停止する。
流れる時間も、ヒトの息遣いも、空気も、意志も、何もかもが氷付いたように息を止める。
レイは、まるで母親のような笑顔を浮かべて、言った。
「私が死んでも代わりはいるもの」
世界が赤く、染まった。
「あ――――ッ」
ホースで血液をぶちまけたかのような血流の雨が綾波レイの身体を中心にばら撒かれる。
レイの首輪は小さな閃光を放ち、そして音もなく爆発した。
当然、『ヒト』である少女の身体がその衝撃に耐えられる訳もない。
爆散した破片と火薬はレイの動脈に深々と突き刺さり、血管に修復不可能なまでの損傷を与える。
そして砲丸の球のように「綾波レイの頭部」が宙を舞った。
ぼとり、とまるで椰子の実が地面へと落下するかのような鈍い音を立てて固い地面と衝突する。
傾斜など無いはずの床をしばらくゴロゴロと転がったソレは、碇シンジの足元で狙い済ましたかのようにピタリと静止する。
紅の瞳がシンジを見た。虚ろな、がらんどうの、生命を失った輝きとして――
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じゃ俺7で……投下ラッシュすげー
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「うわぁああああああああああああああああああ!!!」
シンジの絶叫が会場を包み込む。
「さぁ、彼女の死から僕達の儀式が始まる――遠慮はいらないよ。思う存分やってくれ。
君達の意志が、生命の輝きが、全てを尊き未来に導くのだから……!」
「座標情報認識。固有データ認識。移送作業及び再構成作業開始」
四十八の怒涛のような衝動を昇華させる暇もなく、参加者達の身体は光に包まれる。
情報を記録し、それぞれの場所にて再構成するという訳だ。
当然その中にはアトランダムに抽出された因子を混入。演算に不規則性を加え、『運命』に全ての流れを委ねる。
「有希――ッ!!」
薄れていく意識の中、涼宮ハルヒが最後に見たモノはなんだったのか。
怒りに顔面を染め、主催者の妥当を決意する戦士の顔だろうか。
全てを自身にとって幸いな状況だと認識し、殺し合いに喜んで参加する狂者の顔だろうか。
恐怖と慟哭に溢れたか弱い少年少女の顔だろうか。
同じクラスで前の席に座る、少年の顔だっただろうか。
それとも――翳りを落とした表情で、自分を見つめる少女の顔だっただろうか。
ハルヒの眼はぼやけ、思考は拡散する。
抱かれる常世の闇は原始の海。
涼宮ハルヒの【憂鬱】はまだ始まったばかり――
▽
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残されたのは壇上の二人の少年少女。そして物言わぬ肉片と化した少女。
エヴァンゲリオン弐号機の新たなパイロットにしてフィフスチルドレン。第拾七使徒タブリスこと、渚カヲル。
そして、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース、長門有希。
エヴァンゲリオン零号機パイロット、ファーストチルドレン。第二使徒リリスの魂の器、綾波レイ。
ヒトならざる彼らだけ。
「終わったね」
「終わりではない。これが、全ての始まり」
「辛くは、ないのかい」
「意味が分からない」
「……まぁいいや。そうだね。これは滅びへの大序曲――その第一楽章に過ぎない。とはいえ、少なくとも【退屈】するような事はなさそうだ」
「情報統合思念体から過度のバックアップは期待出来ない」
「ヒトは生まれた時から死ぬまで、等しく孤独な存在だよ。それは有機アンドロイドである君だって変わらない事さ。
干渉してくる外部勢力も一つじゃあないんだろう?」
「既に複数の組織からアタックがある。でも、この座標域を放棄すればしばらくの間は大丈夫。その内の幾つが箱庭≠ワで辿り着くかは不明」
「なるほど。残り時間は?」
「あと、十秒」
「そうかい。じゃあ、移動しよう――次なるステージへ」
「分かった。座標認識、固定情報記録。移送、再構成へ」
そして――音もなく、全てのヒトがその場から【消失】した。
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終わる世界がある。そして始まる世界がある。
世界の終わり、あるいは世界の始まりとも言い換える事が出来るだろうか。
終わりは始まりであり、始まりはまた終わりでもある。
ワールドエンドはワールズエンドであり、折り重なる事なく続く生命はまた異なった螺旋を描く。
ソレは終わる事なき永遠の冬。
ソレは超新星の如き始まりの輝き。
ソレは「創造」だ。同じ音を持つ「想像」とは似て非なる概念。
ありとあらゆる存在には「始点」が定めらている。
原初の海より生まれし数多の命は来るべき「終点」へ向けて、裸のまま滅びの道を進んでいく。
足を踏み外すモノもいるだろう。
流れに逆らい、行程とは逆の道を往くモノもいるだろう。
【分裂】し、融合を繰り返す生命達は誰もが自由であり、そして誰もが束縛されている。
だが、ソレはハジメから分かっている筈の事象だ。
道を往くモノ達の何人かは「眼」を持っている。
周囲を見渡すための相似性を帯びた感覚器を多くの生物は生まれつき備えているのだ。
だから、前や隣や後ろを見渡す事は造作もない行為だと言えるだろう。
ソレは余りにも有り触れていて、当然で、身近な動作だ。
しかし――だからこそ、彼らは気付かない。
眼に見えるモノこそがすべてではないのだ。
終着を目指す彼らの先に何が待ち受けているのか、その結末を知り得るモノは唯一人。
そう、すべては――God Knows...
【綾波レイ@新世紀エヴァンゲリオン 死亡?】
【kskアニメキャラ・バトルロワイアル 開幕】
【残り48名】