コッパゲ「突然だが今から君たちにKOROSHIAIをしてもらう。」
ルイズ「ちょっとちょっと、何勝手に建ててるのよ!?」
コッパゲ「口を慎みたまえルイズ君!君の使い魔は多すぎてもはや把握すらできんのだよ!
いいかげん一人に決めなさい!」
つまり、「あの作品のキャラがルイズに(ry」のロワか?
企画でやってなかったか?
不評だったようだがw
いや、あの企画のやつは結構面白かった。
やるにしても書き手の了承とらないと駄目だな
いや、いらんだろ
二次創作のキャラで書き手のオリジナルキャラじゃないんだし
投下されているSSの設定を受け継がせるんなら話は別だろうが
全員召喚されてた間の記憶は消えているとかいう設定でいっか
コッパゲ「貴様の目の前にいるツンデレピンクとの間に何があったか知りたければ、闘って生き残るがいい!」
召喚されてた間の記憶消えてたら、その時点でルイズの(ryとは関係なくなるだろww
才人(よく思い出せないが、眼に前に居る女が原因で俺はここに呼ばれて
悟空や藤木源之助や言葉様やベイダー卿やクラウザーさんやプレデターや…
と戦わなきゃならないらしい。…上等だぜ。全員片付けたら最後は
てめぇの番だ、ルイズとやら!)
制空権は、管理局の魔王やらスク水機動兵器に握られてそうだな。
子作りドラゴン最強だろ
バージル、悟空あたりが手ごわいな
VIPネタ有りならイチローの一人勝ちだが
小ネタなら隕石、ガチャピン、コブラ、江頭が強豪
小ネタもありならRXと超人ロックと長編で悟空がいる時点で察してください。
冥王フィブリゾとかもいたな
複数の宇宙創造神も召還されていたな
ある程度実力分けてやらないと無理がある。
絶対的な力を持った神族部門(クトゥグアとか)、超常の力を操る超人部門(悟空とか)、
強いがあくまで人間の域を出ない人間部門(ガッツとか)、相手を滅すに武器は要らねえ頭脳派部門(ヤンとか)、
ガンダとかついてるけど元はただの一般人部門(普通に才人とか)
みたいに、ある程度ジャンル分けてやらなきゃ壁が有りすぎだな。
……なお、例に上げたキャラは今までに読んだなかでてきとーに選んだものなのであしからず。
たとえ一般人でも戦いに戦いを重ねて成長と魔改造を繰り返せば
神をも越える修羅と化すがパロロワというものさ・・・
限度がある。
いくら制限があろうと強い奴と闘ったりその力を吸収したりするだけで
ただのガンダールヴサイトが悟空やロックや神レベルに勝てるとは思えん。
アニロワのマーダー補正爆発したセイバー無双よりむちゃくちゃすぎる
デルフ「ガンダールヴが一杯! こりゃおでれーた!」
ベルセルク好きでガッツ贔屓な俺だが、いくらなんでもガッツが悟空とかに勝てるとか言う想像は出来ない。
そもそも、キャラのスペック差が原作によって有りすぎるんだから、いくら魔改造加えようと(原型留めない場合除く)越えられない壁と言うものはある。
とりあえずどれくらいチートすれば一子が悟空に勝てるかシュミレートするか
光速の数十倍の速さで戦闘可能、かるーく惑星破壊。惑星破壊の数百倍の攻撃力と相応の防御、亜光速飛行、目が使えなくても差し支えなく戦闘可能、
瞬間移動、一対多でも問題なく葬れる技、というかDB的戦闘力1億5千万以上。
最強スレ的にはとりあえず、ここまで出来てやっと戦えるレベルだな、悟空には。
つ【制限】もしくは【出さない】
・ウィルス性心臓病を患ってる時期から参戦
・アックマンを支給品として用意する
仮にやるとしたら超超人や神は出さないのが一番いいな
神クラスと超超人以外つっても、線引き難しいよな。
とりあえず、
・生半可じゃない攻撃をモロに食らっても平気
・あり得ないレベルの再生能力
・そもそも不死
・広すぎる範囲を消滅させる破壊力
・崩す方法が基本的にない絶対的な防御力
・防御不可の超攻撃をローリスクかつ簡単に放てる
とかは絶対に無理だな。
神クラス・超超人同士でやるならまだしも、人間の範疇にいる奴等がそんなんに勝てる訳がない。
逆に非戦闘員もいるわけだし、割とキャラ絞られるんじゃね?
白悪魔「まさか子供時代の自分が相手なんて…」
なの「私自身と戦うなんてちょっと信じられないけど、やるからには全力全開!!
ユーノ君、アシストお願い!」
リリル版デル「(おい相棒、この嬢ちゃんたち知り合いか?)」
リリル版ユ「(…いや知らない。思い当たる事はあるけど、今はルイズが心配だ。隙を見て転移するよ)」
なんとなく提督とフェレットが組んだらある意味最強そう。。。
悟空と未来悟飯の遭遇を妄想したが、よく考えてみれば未来のほうはルイズに召喚されたわけじゃなかった。
プレデターVSターミネーターVSタイラントVSベイダー卿とかあったら
おれは感動で泣き叫ぶざ。
とりあえずこれまでのスレを見ていて感じたこと
皆「どうしようもない位強い者」の基準点がサイヤの使い魔になっているw
やっぱ元が超有名だし、さりげなくサイヤ面白いし。
VIP代表はベイダーとイチローか
てか、マジに悟空と渡り合えるのはDBキャラ以外じゃ神クラスか反則級の特殊能力がいるだろ。
どうしようも無いくらい頑丈でもあるから、生身で強い人間代表のガッツ(注意:超俺の趣味)が不意打ちでドラゴン殺しで斬ろうが義手大砲ぶっぱなそうが痛いで済むだろうし。
とりあえず、悟空と互角以上に戦え無いと勝ち残りは無理だろ。
もっと反則なやつはいるだろうけど。
このスレって最強スレとどう違うんだ?
悟空でも真ん中位かよw
…だがバトロワである以上、首輪が爆発すれば防御力関係なく死ぬらしい
つまり首輪最強と言うことか
首吹っ飛ばしても平気な類いの化物とかはどうなんだろうか?
あと、首がないやつとか、そもそも体がない奴とか何でもありだからな、ゼロ魔クロス作品。
さらにはルイズと一体化というか融合というかそういうのもある
というか悟空より仮面ライダーJのほうが強いのか……仮面ライダーJすげぇ
>>35最強スレはあくまで一つの目安程度にしかならん。
悟空がひとえにあの位置なのも惑星を破壊する数千倍の力で戦闘できるが
自身が宇宙空間で生存できないのと、戦闘速度が計算できずにフリーザの頃から全く変わってないことが大きい。
現にほぼ互角の力を持つが宇宙空間で生存できる魔人ブウは(惑星を砕いても、自分が生き残れるという前提があるから)
敵スレでは悟空よりはるか上にいるし。(再生も要因の一つにあるが、それよりもこっちの理由のほうが大きい)
そんなことより参加させるならもっと強さを下に下げようぜ、神クラスとかは戦闘以外の面でも優秀万能が多すぎて扱いずらい。
やっぱアーカードとかベイダー卿とか東方不敗とかスクライド勢とかその辺の一般人から見たらチートレベルが一番いいだろ。
……なんかアニロワとかぶってるけど、例えだ。例え。
最強考えてもキリがない
プロレスみたいに実力拮抗し、興行として成功し、双方の見せ場が作れるような
好カードの取り合わせを考えてみたい、試合展開や、いい試合演出を予想したり
避難所のGIFTとナイトライダーで、正邪ルイズ&使い魔対決とか
アーカードVSガッツ
プレデターVSターミネーターVSソリッド・スネーク
バレッタVSとら
コンバット越前VS阿部高和
ヴェノムルイズVS石仮面吸血鬼ルイズ
中岡元VSハヤテVS両津勘吉VS横島忠夫
藤木源之助VS石川五ェ門
ご立派さまVSアルティメットキュルケ 〜究極合体!! さらばUFOマン編〜
悟空vsイチローで誰か頼む
主催者「見せしめはお前だ!伊藤誠!」
誠「ちょ、俺、使い魔じゃな……ぎゃー!」
言葉「誠君、また生首ですか?大丈夫です私が優勝して生き返らせてあげますうふふふふ」
他に首が取れて問題ない奴って誰がいたっけ
ウルザ
>>43 読んだ事ある中ではアーカード、とら、石仮面ルイズが強豪過ぎるw
他のはよく知らないけど、こいつらはわりと飛び抜けてるんじゃ無かろうか?
アーカードは再生能力と命のストックに制限をくわえてやればいい。
石仮面吸血鬼ルイズは日に当たると死ぬんじゃないのか?
とらは純粋な強さだから制限以外どうしようもないが
シロ姉も強かったな…
けどハルケギニアの世界設定自体が他と違うから他とからませにくいかな
最弱はギーシュに敗北した一子ちゃんか?
…でも死んでるからもう死なないしな
ベル様は本来
>>48の面子と比べても遜色ない位強いはずなのに全くそんな気がしないのは何故だろう。
>>47 >>46は死んでも良い奴って意味で言ったんであって
首を切断されても鼻息混じりでプールに浸かってる様な神様モドキを言ったんじゃないと思うぞw
で、マジでやるとしたらとりあえずkskみたく安価で70人くらい適当に決めて
制限で全体の戦闘バランス取って開始―とかかな
え?マジでやるの?洒落かと思ってたw
まぁやるにしても一応書き手の許可とった方が良いだろ。
ロワ嫌いな書き手も居るだろうし
君(ソーサリー)「敵の技術点28…俺オワタ」
やるんじゃなくて妄想したのをだらだら書いていこうぜ。
今やったとしても100パー失敗する
ご立派信者になる面々が眼に浮かぶぜ
男も女もマーラ様の虜!
ゴクウみたいな反則級には戯言使いみたいなのをぶつけて、舌戦でギブアップさせれば?
フィブリゾや幽々子みたく『死』そのものを操れるヤツも制限つけた方がいいかな
問題は宇宙戦艦とか巨大ロボットとかが召喚されてたりする事だが…
とりあえず、ゲッターエンペラーに支援を要請するのは反則で。
むしろギャグキャラの補正をどうにかしないとな。
ギャグ補正ついたままのキャラとバリバリシリアスのキャラが闘うとどうなるのか?
シリアスな雰囲気が補正吹っ切ってガチバトルするのか、ギャグに毒されて茶番になるのか。
そこら辺は書き手さんに任せるでいいんじゃ?
あんまりガチガチにしてもやりづらいだろうし
とにかくてきざい適所じゃないが、適当なレベルで適当な戦いになりそうな奴らを
書いていけばいんじゃない?
どっても実力差はあるやつらはあるんだろーし、まぁ自律起動でもない巨大なロボに参加させると考える時点で
もうまともじゃないしなこのロワは
ゼットンやスタースクリームはサイズが縮小してたので人間でも戦えない事はないな
とりあえず悟空は眠りの雲で戦闘不能にはできる。
精神干渉系の魔法に耐性無いし。
とりあえずこいつらが集結すれば宇宙が破壊されることは間違いない
>>52 ベル様はぽんこつ成分がいかんなく発揮されてるからなぁ。ガチでやったら間違いなくチート級なのに。
つーかベル様含めてお前らが主催だろwって言いたくなる奴がちらほら……
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/20(土) 12:54:09 ID:W0k8A6oM
イチローの肉バットの前にはご立派なんて爪楊枝みたいなもんだ
そういえば沙耶も召喚されてたよな、一番最初に組んだやつは地獄を見るが。
イチローの肉バットの前には沙耶なんて油粘土みたいなもんだ
目が覚めると、広場に佇んでいた。
周りにはたくさんの人と人でないものがいる。
下手すれば数万人相当の。
「やあ、目は覚めたかね?始めまして、いや、多分君たちはわたしのことを知ってる筈だよ。
私はコルベール。今日ここに集まってもらったのはほかでもない。今から君たちに―。」
「待ちなさい!」
群衆の中から、一人の少女が立ちあがった。ツインテールに髪をまとめた釣り目の女子高生だ。
「こらこら、危ないよー、かがみん。」
「いや、あんたが変な鏡に飛び込むから止めた私まで一緒に連れてこられちゃったんじゃない。」
「・・・あー、君はたしか柊かがみ君だったかな?この状況になんどか心当たりがあるようだね。
要するにリピーターというやつか。」
「ええ、そりゃイベントあるたびに何度も呼ばれてちゃ覚えるわよ。これで10回目くらいかしら?
で、今度はあなたが主催さん?」
「まあ、そんなところかな。」
「へー、そうなんだ。・・・で、また私達に殺し合いをさせる気ね!
しかもここまで超他人数で節操の無い面子はズバリ!ジャンル・テラカオスバトルロワイヤル!
言っとくけど!今回はさっさと帰ってコタツでぬくぬくしたいから早めに終わらせるわよ!
ねえみんな!いまから一斉にこいつに襲い掛かりましょうよ!首輪爆発させる機械みたいなの
奪えば楽勝よ!どうせ最後は反逆して脱出するんだから今やるのが一番・・・!」
「いや、別に殺し合いなんかしなくていいですよ。ほら、首輪も付けてないだろう?」
「・・・あれ?」
首を触ってみると、確かに何も着けていなかった。
「じゃあ何の用事よ?」
「ああ、実は、君たちみんなの力を合わせて、この男を倒してほしいんだ。」
空中にスクリーンが現れ、一人の少年の顔が映し出された。
何処にでもいそうな、ごく普通の。
「見事彼を倒せた一人…仮に優勝者としようか?には『ルイズ君を使い魔にする権利』を与えよう。
このハルゲキニヤで彼女と生涯共に暮らすもよし、君たちが元いた世界に持って帰るも良しだ。」
―その時、会場がざわめいた。
恐ろしいオーラを感じる。
「な…何?」
「ではゲーム開始だ。ハルケギニヤの各所にランダムに転送するよ。では、健闘を祈る。」
「え?ちょ、待って―」
そしてそこにはだれも居なくなった。
「ミスタ・コルベール、いいんですか?あんな始め方で?」
「なぁに、押してダメなら引いてみろ、というじゃないか。それに今までの記録によると、
どうやら爆発する首輪をつけて無理やり殺し合いをさせると、
大抵は主催に反抗しようとするグループに反乱されて失敗してしまうらしいからね。
―心配しなくても、だれもここまでたどり着けないよ。」
「くそ!どこに居るんだ!ルイズ!」
キョンは焦っていた。どうやらルイズが他の変な奴と結婚させられようとしているらしい。
一刻も早くあの少年を見つけて己の手で倒さねばならない。
「・・・ん?なんだ?」
足もとが濡れている。後ろを振り返るとそこには―
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
この世のものとは思えぬ異形の怪物が。
そいつが伸ばしてきた職種に襲われ気を失った。
「・・・なんだここは?」
目が覚めて、目の前に広がるのは一面の肉肉肉肉肉肉肉肉―
「あら?気がついたかしら?」
「うわ!?なんだお前!?ここはどこだ!?」
「え?私は…沙耶だよ。こうしないとまともに会話できなそうだから
勝手に脳をいじくっちゃった。ごめんね。ねえ、ルイズって娘、知ってる?」
「ああ!知ってるさ!あんな馬の骨とも知らん男におれのルイズを渡すわけにはいかん。」
「・・・ふーん。ま、いいけどね。ねえ、情報収集もままならないようだし、
しばらく一緒に行動しましょうよ。」
「ああ?お前は信用できるのか?」
「ルイズは私の大切な人よ。あんな男には渡せないわ。」
「・・・そうか。」
(うまくいったー♪ま、こいつ弱そうだしいつでも殺せるか。
待っててねールイズ。あなたは誰にも渡さないから!)
【一日目・午前/トリスティン王国】
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]多少の疲労、脳改造処理済
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:奉仕マーダー(ルイズ)
1:ルイズは俺の嫁
【沙耶@沙耶の唄】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:奉仕マーダー(ルイズ)
1:ルイズは渡さない
国語の勉強し直してこい。
台詞ばかりで読みづらい。
こwwれwwwはwww
なんという内輪ネタwwwだがGJ
ハルケギニヤか。
オリジナルなら別の場所に投下したらいいんじゃない?
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:47:20 ID:It4CTfNT
なんか始まったwww
これはOPみたいなもんか?
これは新しいww
(それにしてもなんなんだこの光景はグロイってレヴェルじゃねえぞ!)
空は黒く周りの風景は赤黒い肉塊だらけ
沙耶に脳を改造されたキョンは常人なら発狂しそうな状態になってもなんとか平静を保てている。
(落ち着けオレ!こういう時はたいてい長門がなんとかしてくれる!それに沙耶って子なかなか可愛いじゃないか!
こんなシチュエーションでも可愛い女の子がいるのはせめてもの救いだな)
っと沙耶の元恋人が聞いたら間違いなく斧で殺されそうなことを思うキョン。
すると遠くの方から黒い大きな肉塊がこっちにむかってきた。
それは棒というにはあまりにも大きすぎた。 大きく、ぶ厚く、重く、
そして大雑把すぎた。それはまさに黒い肉棒だった。...
黒の塊はなにかを叫びながら沙耶の方に黒い肉棒で襲おうとした。沙耶はというと陸上選手ビックリのスピードで逃げていた。
「Knoや6Ou荷が差NえZOVAけMONWOOOOOーーー!!!!!」
ひどいノイズを発しながら黒い塊も人間離れした速さで沙耶を追っていった。
(冗談じゃない!こんな化け物がいるなんて聞いてないぞ!それに卑猥な表現のようだがこれはマジで起こってるんだって!!!)
俺は逃げた。この狂った世界から。
(誰でもいい、ここには俺以外の人間はいないのか?)
すると向こうに悪魔のような姿をした人型の者がいた。このさい悪魔でもいいからこの狂った世界から出して欲しい
「助けてくれ!」
「Don`t Touch」
目の前の悪魔はたしかに肉塊よりはましで声にもノイズがないこっちも縋る思いで抱きついたから触るなと言われても仕方がない。
「You shall die!」
(え、何、死にませんかだって!?あれなんかなんで俺の体がコンナトコロニ…)
バージルは足に縋りついてきた少年を閻魔刀の一閃で首を刎ねた。少年は糸のなくなった人形のように倒れた。
「フンッ…」
それから何事もなかったかの様に去っていった。
【一日目・午前/トリスティン王国】
【沙耶@沙耶の唄】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:奉仕マーダー(ルイズ)
1:ルイズは渡さない
2:ガッツから逃げる
3:次に取りつく相手を探す
【ガッツ@ベルセルク】
[状態]殺意
[装備]ドラゴンころし
[道具]支給品一式
[思考]基本的にゲームは乗らないが襲ってくる敵には容赦しない、使徒は殺す
1:使徒?(沙耶)を殺す
【バージル@デビルメイクライ3】
[状態]健康
[装備]閻魔刀
[道具]支給品一式
[思考]基本:邪魔な奴は切り捨てる
1:タバサには借りがあるので彼女と合流して脱出する
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】
[備考]キョンが沙耶に脳を改造された時に見たバージルの姿はデビルトリガーで魔人化したもの
なんか知らんが早速カオスw
ってか、ガッツで遊ぶなw
黒い肉棒って……違うものを連想するじゃねえかw
ガッツにだけはギャグって欲しくないんだ
85 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:11:15 ID:dM2hY8+K
つまんね
これが噂の惨事小説って奴か……
88 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 21:50:12 ID:dM2hY8+K
>>87 始まってもないロワでは何も出来ません><
そういう台詞はロワ開始してから言ってくれ。
てかやる気ないならスレ立てんなよ。ただでさえロワスレ乱立気味なんだから
kskと同時期位には既にあったがなここ。
別に真面目にやるのが全てじゃないしなー。
つーか殺し合いしなくていいとか言われてんのに
さっそく死者が出てやがる
日常が殺しあいの日々の奴にとってはロワがあろうがなかろうが関係ないもんだ。
そりゃ、迂濶にバージルに近付いたら斬られもするさ。
てか、ガッツが沙耶に脳いじられたら、無差別に斬りまくるんだろうな。
周りの風景が肉だらけになってみんな使徒みたいな化け物になるから『触』だと誤解するかも。
む?
我らの故郷が創作板へ移転して参られたぞよ?
ルイズ争奪戦の続きwktk
トリスティン王国のとある喫茶店。
二人の女子高生が観光気分で和んでいた。
「はぁ〜ルイズめ…色を知る歳になったか…!あたしゃ寂しいよ…。」
「はいはい、いい加減割り切りなさいよ。あ、コーヒー来たわよ。
とりあえず、今回は別に最後の一人になるまで殺し合え!とかじゃないんだし、
安全そうなところで一週間くらい大人しくしてれば勝手に終わるんじゃない?」
「えー?私も参加したいんだけどなー。」
「元々非戦闘員でしょうが。あんまり無茶しないほうがいいに決まって―」
ごろん
「・・・え?」
かがみの足もとに首が転がっていた。あたりから悲鳴が聞こえ、見渡すと人々が逃げ惑っている。
その阿鼻叫喚の中心に居るのは・・・。
『…ka…rino…jikan…da…』
非情なる狩人スカープレデターだった。
「ちょwwwwなんであいつ一般市民惨殺してんのよ!!!」
「あーあれじゃない?日常が殺し合いとかいう種類の人?」
「とにかく!逃げるわよ――え?」
突如襲いかかった衝撃とともに、かがみの体が巨大な剣に両断された。
「うぉぉぉ!!!使徒共がぁぁぁぁぁ!!」
脳を改造された黒い剣士に戦士の匂いを嗅ぎ取ったプレデタ―は
標的をこの男に絞ることにした―。
「おーい、かがみん。大丈夫?」
「んなわけないでしょ…く…不死の酒を飲んでなかったら死んでたわ…。」
リピーター、すごい。
【一日目・午前/トリスティン王国】
【ガッツ@ベルセルク】
[状態]殺意 、脳改造処理済
[装備]ドラゴンころし
[道具]支給品一式
[思考]基本的にゲームは乗らないが襲ってくる敵には容赦しない、使徒は殺す
1:使徒?(沙耶)を殺す
2:周りが使徒だらけだ…蝕が始まったのか?
【プレデタ―@プレデター・コンクリートジャングル】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:無差別マーダー
1:狩リノ時間ダ……
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]下半身消失(再生中)
[装備]不明
[道具]支給品一式 、不死の酒
[思考]基本:消極的傍観者
1:早く家に帰りたい…。
2:私は何回ロワに参戦させられるんだろうか?
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]基本:消極的傍観者
1:ルイズがちょっと心配
2:ガッツ、プレデターから逃げる
リピーターかwwww
なんという内輪ネタ
これはおいしいです^^
ガッツwww早速改造されてんじゃねぇwww
100 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 01:11:17 ID:x4TAajc3
かがみん、多ジャンルロワにも出場オメ。
101 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 13:01:52 ID:u3AG0j3l
あのさー
イチローやV3って作品ごとにキャラ違う奴はどうするの?
イチローはキカイダー(本スレ)と現実(VIP)の
V3は3作品(本スレ)あるし
ついでに軍板にはイラク派遣軍もある
範囲を指定して欲しい
なんか全員に書かれるガッツの人気ぶりにワラタw
そしてガッツの脳いじられて阿鼻叫喚w
狂戦士の鎧発動すればバージルとかのチートキャラ以外に負けそうにないな。
あと、脳いじられたらプレデターはどう見えるんだろう?
104 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 12:24:10 ID:ICeoCtZy
>>103 じゃあ、イラク派遣軍も入るんだな
これで
サイト→イラク派遣軍→アメリカ人
薄装甲で急下速なジークであれだけなんだ
米軍強そうだな
ついでに、米軍と一緒にサイト(中東同時多発拉致?)も召喚されてるから
まぁネタスレだしなんでもありだろ
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 23:12:24 ID:pnSbhS10
イチローが素振りをした!
ガッツは粉々になって死んだ。
【ガッツ@ベルセルク】
死亡
まあイチローじゃ仕方がない
セガールさんは召喚されてたかな?
2行とはなかなかやるな
>>106 なん…だと…!
てか、俺がガッツの脳いじられたら〜とか言ったからあの流れにになったんだろうか?
というか、
>>106がありなら、クトゥグアがいきなり全域焼き払って終了って展開もありじゃね?
デフォルメされて焼き尽くせないタイプのキャラもいるだろうけど。
書きたかったらそれ書いたら?
ここルイズに召還されたあのキャラがルイズ取り合えって言われましたスレだろ
本スレでもハルケギニア何度か滅亡してるし
何回でも滅ぼせばいいじゃん。
何度滅ぼしても世界を修復する力持ってる誰かが直して
「RETURN TO 1DAY」
で最初からまた始まるだけだろうし。
まさに無限ループ。
113 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/04(土) 01:54:10 ID:0kcpVKJz
「わーい!イチローさんだー!サイン書いてー!」
「ああ!いいよ!これで君もメジャーの仲間入りだ!」
喜ぶこなたの元へ修復が完了したかがみがやってきた。
「…どうでもいいけどその男は何?」
「ああ、コレかい?」
イチローが片手を持ち上げると、そこには全裸になったガッツがぷらぷらと掴まって揺れていた。
「いや、細胞の欠片すら残さずに消滅させかけてしまってね。服は仕方ないが、とりあえず傷だけは何とか再生させておいたんだ」
「・・・あっそう・・・。」
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]疲労(小)
[装備]不明
[道具]支給品一式 、不死の酒
[思考]基本:消極的傍観者
1:早く家に帰りたい…。
2:私は何回ロワに参戦させられるんだろうか?
3:突っ込む元気もないわね…。
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式 、イチローのサイン色紙
[思考]基本:消極的傍観者
1:ルイズがちょっと心配
2:ちょっとラッキー
【イチロー@現実】
[状態]上機嫌
[装備]不明
[道具]支給品一式 、ガッツ(全裸)
[思考]基本:危険思想対主催:奉仕(メジャーリーグ)
1:貴様はメジャーリーガーを舐めた
ガッツをギャグに巻き込んじゃ、らめぇえぇぇぇ!!
多分目も腕も再生してるんだろうなあ……
「ぴーんぽーんぱーんぽーん。早速死者の発表です。
殺しあわなくてもいいって言ったはずですがね。
まあどうするかは君たち次第でしょう。
肝心の死者は、キョン、トリスティンの一般市民達の計7563名です。
次に禁止エリアの発表ですが、禁止エリアは学院長室です」
コルベールの放送がハルキゲニアに響き渡った。
【オールド・オスマン@ゼロの使い魔 死亡確認】
禁止エリア狭いw
狙い撃ちじゃん
何か恨みでもあるのかw
イチローが素振りをした!
バージルは粉々になって死んだ。
【バージル@デビルメイクライ3】
死亡
悟空!!早く来てくれww
イチローがレーザービームを放った
アルビオンは消滅した。
【アルビオン@ゼロの使い魔】
死亡
ちょwwwイチロー殺しすぎww
殺し合いしなくていいって言われたのにw
『真(チェンジ)!! ゲッターアルビオン』
クトゥグアが気まぐれにトリスティンに現れた!
トリスティン一帯が焼失した。
【トリスティンにいた人@色々】
一部超越者以外焼死。というか灰塵に。
イチローが召喚ゲートにレーザービームを放った。
地球は消滅した。
【地球@現実】
死亡
ベースボールを愛するイチローがファンを害する行動取るわけねえだろうがよ。
クトゥグアが張り合って邪神の底力を見せた!
ハルキゲニアが焼失した!
THE END?
ルイズ「ちょっとちょっと!なんで主役の私より目立ってるのよイチロー!」
「はっ、夢か……恐ろしい夢だった」
キョンが死んだり地球やハリキゲニアが崩壊したのは、全てキョンの見ていた夢だったのだ。
ほっとため息をつくキョン。
まだ時間は早いが、服は寝起きでびっしょりしめっており、当然寝床もぐしょぐしょでもう戻る気にもなれない。
彼は気分転換に水でも飲もうと起き上がる。すると、偶然閉じられた窓に目が行った。その瞬間彼の双眸は限界まで見開かれ、表情は驚愕に染まる。
「そ、そんなバカな、あの影はなんなんだ!?ああ、窓に!窓に!」
THE END.
そしてドズル・ザビとジョニー・ハリスは運命の邂逅を果たす
「 や ら な い か ? 」
132 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 02:09:14 ID:C3m+GeW9
どう考えてもカオスロワです
本当にありがとうございました
のび太はウソ800を使った
イチローさんはハルゲギニアでルイズを忘れず殺しあいをしてた、僕イチローさんと殺しあいして、薬など飲んでないハルゲギニアと地球を往復してないしドラえもんは故障中
のび太は地球に一時的に戻った
イチローもルイズに会う前の時間に戻った
【のび太@ドラえもん】スペアーポケットからドラえもんを探しに行くも既にバットの衝撃波に当たってたが一時的に避難する
【イチロー@ニュー速VIP(yutori)】
ルイズに会う前の時間に戻ってる、ルイズの事は知らないしハルゲギニアにも『関わってない』
イチローさんの被害者は全員復活
コナタのサインがなくなる
のび太は一時的に参加してませんが、いつか再登場します
しかし地球にいるので殺す事はまず不可能です
その翌日。
のび太は通学途中にわき見運転のダンプカーに撥ねられて即死した。
その事実を改編しようとしたドラえもんは即座にタイムパトロールに拘束され、強制送還措置となった。
>>136 犯人は時空間往復みたいな事ができる奴 だな
138 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 14:33:10 ID:UaiFONNq
age
『ピンポーン。放送の時間だよ。
今回の死者は(中略)ゲホッゲホッ…
あ゛ー、言うの忘れてたが勝利条件満たさないと何やっても終わらないですよ〜。
では、健闘を祈る。今回の禁止エリアはマリナーズの更衣室だ。』
【イチロー@現実 頭部破壊(再生中)】
砕けた頭部から触手が飛び出し、周囲の構造物を取り込んで、イチローは復活した。
そしてイチローは邪悪なる監督星野を倒すため世界を超えて去っていった。
【イチロー@現実 星野を討つため旅立つ】
ほしゅ
142 :
名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/07(金) 01:38:05 ID:4spNixHi
言葉「あなたの大切なロワは残念ながら死んでしまいました。だけど悲しむことはありません、何も恐れることもありません
何も悔やむこともありません。死者は再び生き返ります。ゴルゴダの丘で磔にされた救世主のように、この私のように――」
ルイズ「ちょっとちょっと、まだ続ける気?」
ほす
ほしゅ
145 :
創る名無しに見る名無し:2008/12/20(土) 17:27:28 ID:IPF9BUhy
あげ
146 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 00:10:35 ID:5HZ1y2yY
再利用の可能性があるので目立つように1度だけあげ
よく見たらここにも居たのか、かがみんw
ジョセフ・ジョースター、ゴマモン、投下します
「ん……うぅ〜ん」
目が覚めると共に視界に入ったのは爪の生えた大きな手。
白い毛並みは何時も通りで、自分の体に温もりを与えてくれる。
黒い爪は天井に当たる光を反射して鈍い光を放つ。
なんら変わりの無い自身の腕。
何故だろう? 寝惚けた頭に浮かぶのは生温い液体がこびり付いた映像だった。
犬歯を露にしながら大きく欠伸をした後、パートナーである城戸丈に相談しようとして――――
「うっ、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
はっきりしていく頭が今までに起きた事を全て映像として流していく。
柊かがみとの出会い、そして彼女を殺してしまった事、彼女の妹である柊つかさに許しを乞うた事。
そして自分は力尽き頭部を変な道具により砕かれて……死んだ。
鳥肌が全身に立ったことが一瞬で理解できた。
メガシードラモンからゴマモンへと退化してしまったことなど気にもならない。
この場に来る前に無駄に広いスペースで何かがあった気がするが思い出せる気がしない。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
無機質で冷たい床に、伏せながらこの場にいない誰かへとの謝罪を延々と繰り返すゴマモン。
狭い灯台の中で彼の発する懺悔は壁に反射し、幾重にもなって塔内に広がっていく。
自分の声すら聞こえない。
瞳を閉ざし、両腕で耳を塞い全ての感覚を拒絶する。
だが、彼の安息はそんな場所には存在しない。
暗闇の中で現れたのは柊かがみ……いや、右半分が柊かがみで後の半分が柊つかさという異様な存在。
かがみは腹部から血を流しながら恨めしそうな声で、つかさは笑顔を絶やさぬままの表情でゴマモンへと呪詛の言葉を投げかける。
「許してっ! お願いだから許してくれよぉ……」
つかさが笑ったまま、彼を指差して無邪気な声でこう言う。
「ゴマちゃんは人殺しなんだから、一度死んだくらいで許されるわけないよね?」
「いやだ…いやだ………頼むから……」
小さくなった声を掻き消すように、ノックの音が灯台内に鳴り響く。
初めは長めの間隔で、次第に間隔は短くなり叩く強さも勢いを増していった。
軽く息を飲み込みゴマモンはより強い力で自身の耳を塞ぐ。
許されない限り自分は誰とも仲間になってはいけない。心を許してはいけない。
脅迫概念と言っても等しい思考が彼の根底に根付き、ドアについてあるだろう鍵を捻ることを拒否させる。
揺れる扉に度々回されるノブ。
「ノックしてもしも〜し。いい加減出てこないと僕ちゃん泣いちゃうっ!」
このようなふざけた呼びかけが何度も行われたが、ゴマモンは無視を決め込む。
そして、その時はやってきた。
「ムッカ〜流石の俺だってこんな扱いされたら怒るぞチクショー!
後五秒たったら無理矢理押し入っちゃうもんね〜。いくぞ、ご〜、よ〜ん―――」
入ってくるという宣言にますます恐怖心が煽られていく。
どうする、どうするんだ? 先程までとは逆に目は大きく見開かれ、緊張で体が硬直する。
男のカウントは既に後一つ。
どうすることもできなくなったゴマモンの選択肢、それは階段を上って逃げていくことだった。
螺旋の入り口へと到着するのと同時に、轟音を立てて吹き飛ばされたドア。
心臓が口元までせりあがってくる感覚を覚えたゴマモンと、不適な笑みを浮かべながら灯台へ侵入した長身の男、ジョセフ・ジョースター。
ゴマモンは全力で階段を駆け上がろうとしたものの鬼ごっこの決着はあっさりとつくこととなる。
方や人間を遥かに越える身体能力の持ち主。方や陸地で暮らすのにはお世辞にも向いているとは思えない体。
ジョセフがゴマモンの体を抱え込んだのも必然の流れであるだろう。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「Oh my god.喋りやがったこのアザラシ……。いや、今更こんなんで驚くのも馬鹿馬鹿しいな。
おい、そんなに怯えなくても大丈夫だぜ? 俺はエスキモーじゃねぇからな。取って食ったりはしないぜ」
筋肉質な両腕で抱かれるのと同時に、ジョセフに向けての謝罪を発するゴマモン。
彼のこれまでの経緯を知らないジョセフからしたら殺し合いに巻き込まれて怯えてる小動物に見えただろう。
なんとかして落ち着いてもらうために、できるだけ優しい言葉遣いで説得を図る。
「許して許して許して許して許して許して……かがみ、つかさ……。お願いだからもう許してくれよぉ……」
しかし、完全に錯乱しているゴマモンにはどんな言葉も届かない。
自分の知り合いとその妹の名が出てきた事にジョセフは驚くもこんな状態では話にすらならない。
抱きかかえる腕の内、片方を頭へと回し黒髪を軽く掻く。
一段ずつ階段を上がっていき開けたスペースのある場所へと動いた。
「ちょっとだけ大人しくしててくれよ」
柔らかな腹部を包んでいた両腕で頭部をガッチリと固定。
怯えるゴマモンに罪悪感を感じながらも、ジョセフは“呼吸”を始める。
なんとも形容しがたいこの音は彼の呼吸法に関係しているのだろうか? それとも特化して鍛えられた肺活量から来るのだろうか?
灯台の中を彼の呼吸音が満たしていく。
オーバードライブ
「刻むぜ、血液のビートッ! 波紋疾走!」
支援
薄暗い灯台に一瞬だけ黄金の光が迸った。
血液と呼吸が生み出す生命エネルギーがゴマモンの体を満たしていく。
自分の中に巡る心地よい暖かさについつい瞳を閉じてしまう。
心なしか罪悪感が薄まってきたのを彼は感じ取った。
この暖かさに全て委ねてしまいたい、そんな感情が彼の中で芽吹く。
しかし、人殺しという鎖は緩みはするものの外れることは無かった。
「落ち着いたろ? この俺の波紋にかかれば荒れ狂う服部や信二、それに暴走するか・がーみんだって楽勝で止められるからな」
震えの止まったゴマモンを見て、ジョセフは鼻高々に言ってのけた。
組まれた腕と人のよさそうな笑顔がゴマモンに安堵と、もう一つ別の感情を呼び覚ますこととなる。
(か・がーみん……聞いたことがある気がする……。誰だ………?)
訝しげに明らかにニックネームであろう名前から元の名を推測しようとする。
嫌な予感がするものの、何故か考えなくてはいけない気がした。
(か・がーみん……かがーみん……かがみん……!?)
徐々に脳内で変形を果たしたニックネームは一つの名へと収束していく。
再び彼の体に震えがやってきた。
(コイツは知り合いなんだ……誰の? 決まってる……かがみのだ……。
謝らなきゃ……俺が……俺がかがみを殺しちまったって……)
「ごめんなさい……」
俯いた彼から漏れ出したのは謝罪の言葉。
いきなりだった見ず知らずの獣の行動に疑問を感じるものの、砕けた口調でジョセフはゴマモンに問う。
「ごめんって何のことだ? 謝らなきゃいけないことは一杯やったけど、謝られるとなると身に覚えがなくってよぉ〜。
それよりもさっき言ってたかがみってもしかして紫の髪をツインテールにしてた控えめな胸の娘の事か?
もしもそうだったら俺の知り合いだと思うんだよね?]
確定した。
顔がこれ以上になく引きつっていくのを感じる。
悪寒が全身を覆い、それにもかかわらず全身から汗が滲み出てきた。
謝って許してもらわなくては。反射的に湧き上がってきた思考に口を委ねる。
「ごめんなさい……俺が……俺がかがみを殺してしまいました……」
舌が塩辛さを感じて、初めて自分が泣いているということに気が付く。
だが、頭に住み着いたつかさがしきりにこう言ってくる、
『人殺しでも泣けるんだね……。でも、ゴマちゃんにおねいちゃんを殺された私の方がずっと泣きたいんだよ?』と。
「俺ッ……俺ッ………」
しゃくりあげるゴマモンを複雑そうな目で見るジョセフ。
心中に渦巻くのは戸惑いと、やるせなさ。
(かがみを殺した? もしかしたら別の世界でも殺し合いが行われてた可能性があるのか?
いや、多世界を行きかってたBADANの例だってあるんだし、この状況を見ればまず間違いなくあったんだろうな……。
しかし、こいつの様子を見るに明確な殺意を持ってやった訳じゃなさそうだ……。俺からはなんて言ってやればいいんだ?)
胡坐をかいた自分と同じ目線の生き物が柊かがみの姿とダブる。
自分が助けらずに死んでしまえば、かがみもこうなってしまっていたのだろう。
仮定の世界でありながらも、実在する事例を前にジョセフの気分も沈みこむ。
どうすればいいのだろうか?
服部の時は興奮していたのもあり、荒くなりながらも何とか説得に成功した。
だが、改めて直面してみるとこの状況というのは余りにも重過ぎる。
波紋のお陰である程度落ち着いたといっても、依然彼は恐慌状態。
歯を食いしばりながら苦い表情を見せるも一瞬で覆い隠し、先刻とは打って変わって真剣かつ爽やかな声でゴマモンに語りかける。
「なぁ、お前の名前はなんていうんだ? 俺はジョセフ・ジョースター。ジョジョって呼ばれてたからお前もそう呼んでくれよ」
「俺は……ゴマモン」
「で、ゴマモン。ここからが大切な本題なんだがな“お前はかがみを殺したってことに後悔しているのか?”」
引き気味になり、ゴマモンの顔に再び恐怖の色がベッタリと張り付く。
言葉に詰まって床に涙の水溜りを作ったゴマモンをジョセフは厳しい目つきで睨む。
俯いているゴマモンの視界には入らなかったものの、鋭い視線は何となく感じたらしい。
歯を打ち鳴らしながら、ゴマモンは一文字一文字口から押し出していく。
「後悔はしてるさ……。許されるかは分からないけど、かがみの関係者に謝らなきゃいけないのは分かっている」
「そうか……。なら―――――――」
影の動きからジョセフが自分に向けて拳を振り上げているのが見えた。
殴られる。
咄嗟に顔を庇う物の、ガード越しからも響く重い一撃が彼の体を吹き飛ばした。
壁に叩きつけられて肺の中の空気が搾り取られる。
動けない彼の耳に入るのはこちらに近付いてくる足音。
今の一撃が恐怖を刻み、情けない声をあげながら体を庇おうとする。
目の前にやってきて止まった足音。
震えながら、その時がこない事を祈る……。
「おい、お〜い。無視するのは酷くないか? 友好の証なんだから一応受け取ってくれよ」
いきなり耳に入ってきた声に、閉ざされた瞳を開け、指の間から前方を窺う。
見えたのは、しゃがみ込むジョセフの姿。
そして、差し出された大きな右掌。
「これ……は…?」
「反省してないならボッコボコにしたがな、一応悪いと思ってるみたいだし一発でチャラだ。
んでこれは握手に決まってるだろ? ドーユーノウハンドシェイク?」
「ぷっ、くくくくくくくくくくくくくくくくくくくくく」
真剣な話をしていているとおもいきや、いきなり雰囲気までも一変させるジョセフの行動に思わず笑いが漏れてしまった。
一日すら経っていない筈なのに、笑うということが本当に久しく感じられる。
腹の底から湧き上がる感情を声帯を、舌を、腕を使用して精一杯表現する。
その後、差し出された右腕に自身の左腕を重ねてこう言う。
「許されるかは分からない。もしかしたらこんなもんじゃすまないかもしれない」
ここで一旦話を区切って殴られた顔の辺りを右ヒレでなぞる。
腕を使って防いだのにもかかわらず、そこは熱を持ち腫上がっていた。
一瞬、暗い気持ちに全てを持ってかれそうになるも心を切り替える。
(つかさには許してもらえないかもしれないけど……俺はなんとかやってみるよ)
単なる強がりに過ぎないのは分かっている。
今でも気を抜けば恐ろしい何かに心を乗っ取られるという実感だけはあった。
だから、虚勢でもいいから心を強く持っていかなくてはならない。
自分のせいで死んだ人達や、その関係者達へと謝るために――――。
支援
★ ☆ ★
包み隠さずに事実をストレートに書こう。
ゴマモンはジョセフに許されたことで逃げてしまった。
近くに柊つかさがいないこと、乱暴ながらも暖かい対応をしてくれたジョセフ。
この二つの要素が弱った心に入り込み、ゴマモンは蜘蛛の糸よりも細い希望に縋りつくこととなる。
当然、無理に自分を納得させているので本人すら気が付かないところで心が歪んでしまったいた。
これがここからの悲劇の種となってしまう。
☆ ★ ☆
「か、かがみが載ってる!?」
「あぁ、いても全然おかしくないがな。だって、俺もお前も文字通り一度死んだ身だろ?」
互いの知り合いを教えあうための情報交換。
とはいっても殆どジョセフが自身の仲間を面白おかしく紹介するに終始していたが。
ともかく、その最中でかがみの名を見つけたゴマモンは安心した様子で息を吐き出し、胸に手を当てる。
(これなら……つかさも許してくれるかもしれない……)
胸に新たな希望の芽が芽吹き始めた。
ついさっきまで顔に残っていた憂いも急速に消え始めていく。
歌でも歌いそうなほどの喜びをゴマモンは見せた。
傍から見ながら、ジョセフも安堵の表情を浮かべる。
初めに見た憔悴しきった顔とは既に別人の物となっている。
ポロリと彼の口から言葉が漏れ出した。
「でもここにいるかがみは、こっちのかがみなのか? それともゴマモンのいた方のかがみ? もしかしたら別のかがみかもしれないんだよな……」
「こっち? 俺のほう? 別の? なぁジョジョ。それってどういう意味なんだ?」
ジョセフは安心しすぎた。
いや、彼も唐突すぎる復活により判断力が落ちていたのかもしれない。
とにかく、彼は致命的な一言を言ってしまった。
ゴマモンの希望を根本的なところから否定することとなる一言を。
「あぁ。多分ここの主催は色んな空間に行く能力があるはずだ、少なくとも俺たちが戦った相手は持ってたしな。
だからここにいるかがみはお前の世界のかがみか、それともまた別のかがみなのか分かんねぇんだよ」
今、ジョジョはなんて言った?
かがみが俺達とは別の世界からきた?
つまり、かがみは俺を知らない可能性がある?
ってことはつかさも俺のことを知らないつかさなのか?
だったら……だったら俺は誰に許してもらえばいいんだ?
また、俺の目の前につかさが出てきた。
なんて言ってるのかは分からない。
ただ自分が永遠に許されないという事だけは何故かはっきりと理解できた。
俺は……許されない?
かがみにも、つかさにも……さっき俺を許したと言ったジョジョも?
どうすりゃいいんだよ……?
俺はまた謝り続けないといけないのか?
結局、誰も俺のことは許してくれないのか?
また、俺はひとりの世界で死んでいくのか?
丈! 頭がいいお前なら答えてくれるよな?
でも……お前はこの名簿に乗ってなかったな……。
で、俺はどうしなきゃいけないんだ?
ジョジョが何か言ってる。
上手く聞こえないけど多分俺を罵倒してるんだ。
ふと横を見た、窓がある。
ジョジョは相変わらず何かを言っているみたいだけどやっぱり分からない。
右手が伸びてきた。
さっき俺と握手した右手。
今では俺の頭をリンゴの様に握りつぶそうとしているようにしか見えない。
再び窓を見た。
下にあるのはきっと海。
でもこの高さで飛び降りたらきっと痛い。
いや、痛いどころか死んでしまうかもしれない。
謝らずに死んでもいいのだろうか?
許されずに死んでもいいのだろうか?
目も前にいるジョジョはよくよく考えれば俺の殺したかがみの知り合いじゃない。
じゃあ、俺が謝る必要はないんじゃないか?
そうだ、俺には他に謝るべき人がいる。
逃げなきゃ、逃げなくちゃ。
覚悟を決めてガラスの窓を突き破る。
破片が体に引っかかって痛いけどしょうがない。
ジョジョが俺を呼んでいる。
だけどもう手遅れだ。
俺は伸ばされた手を拒んで落ちていく。
下が見えた。
予想通り海があるらしい。
痛いだろうな……。
だけど死ぬわけにはいかない。
俺は謝らなくちゃいけない……。
許されなきゃいけない――――――
★ ☆ ★
★ ☆ ★
「クソッ、迂闊すぎた! すまねぇ……ゴマモン」
唇から血が滲むほどの力でジョセフは歯を食いしばる。
心中にあるのは後悔と自分への激しい怒り。
自分がもう少し頭を働かせていればこのようなことは起こらなかったに違いない。
苛立ち混じりに殴られた壁が大きく陥没する。
窓枠は既に拡張され、本来の2倍近い大きさになっていた。
しかし、下に見えるのは一面の闇。
必死に探そうとするも、ゴマモンの姿を確認する事はできなかった。
この高さから落ちたのだから助からなかったのだろうと判断する。
自身のものとゴマモンのもの。
二つのディバッグを拾い上げて階段へと向かう。
凄絶な表情で灯台の階段を下りて行き、入り口の前に辿り着く。
そして、彼は闇の中へと姿を消した―――――――――。
【G-2/灯台付近/1日目-深夜】
【ジョセフ・ジョースター@漫画キャラバトルロワイアル】
[状態]:健康、深い怒りと後悔
[装備]:なし
[持物]:デイパック×2、基本支給品一式×2、不明支給品2〜6
[方針/行動]
基本方針:殺し合いからの脱出
1:仲間を探す
2:ゴマモンに何があったのか、ニコロワ出身のものから聞きたい
3:ここのかがみはどの世界から来たかがみだ?
[備考]
誰がニコロワ出身かは全く分かってません
主催には時空を超える能力があると推測しています
参戦時期は死亡後です
【G-2/海/1日目-深夜】
【ゴマモン@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:健康、精神的にかなりの負担
[装備]:なし
[持物]:なし
[方針/行動]
基本方針:許されたい
1:?????
2:かがみの知り合いにあって謝る
3:とにかく許されたい
[備考]
漫画ロワ出身の人物達の話をある程度聞きました(ジョセフが面白半分で説明したので正確さは不明です)
主催には時空を超える能力があるという推測を聞きました
参戦時期は死亡後です
投下乙
あー、ゴマモンはやっぱりこんな感じになっちゃうか…
冒頭辺りのジョセフがマジで頼もしく感じたので、それだけに悲しい結果
2人とも頑張れ
投下完了です
他の人もいってたけど何でこんなに緊張するんだろww
矛盾、不明な点、ゴマモンのキャラがぶれてない?って突っ込みは常時うけつけております
空気が微妙に読めてなかった気がするがそんなことはなかったぜ!
うわぁぁぁぁぁぁ
ゴマモン…やっとすくわれたかと思ったのに
投下乙です
途中までこのままコンビ誕生と思ってたのにこうなったか
しかし許しを乞うと言ってもこの状況では・・・・・
混乱の種が増えたな
途中までよかったねゴマモン…と感慨深かったのに
こう落としてくるとはあんた筋金入りのロワ作家や!(褒め言葉)
ゴマモンはいろいろと騒動のネタになって話を動かしてくれそうだなー
投下乙!
まさかこんな展開だとは……普通に騙されたぜ。
ジョセフが握手を求めるシーンが印象的で、良いコンビになると思ったから余計に―w
ゴマモンが敢えて進む道はどうなるか……なんか、幸せになって欲しいと思ってしまうほどに切ない……。
投下乙!
ほのぼのコンビになりそうだと思ったら……ゴマモンー!
かがみに対しての思いに泣きそうになった。
幸せでいてくれたらよかったのに……なんという鬱。本当に乙です!
ヒャッハー投下乙だぜ。
いいコンビと思ったけど、まさかそこで感覚が違っちまうとは。
さて私も投下をさていただきます。
彼は、何もしたくなかった。
あの良い意味で最悪だった勝負を終え、あの世でゆっくりする予定だった。
たぶんあの勝負は俺たちの勝利で終わったであろう。
そう考えながら彼はタバコをふかす。
さて…… 自分はなぜまた殺し合いに呼ばれたのか……
いやそんな事はわかっている。おそらく選ばれたのだろう。
この主催は活躍を知っているからこそ、
自分達を呼んだのであろう。認めたくはないが。
名簿を見た限り、知っている人物は何人もいた。
そして自分と全く同じ名前があることも知った。
彼は決めた。この殺しにあいには一切関わらない。
つまり勝つための行動をしない。
彼は…… 生きる事に興味がなくなっていた。
☆ ★ ☆
「ねえふじおか? どうしてまたこんな事をしなくちゃいけないんだろうね?」
南春香はふじおかを抱き共に──ふじおかとは妹が大切にしているくまの人形である──
豪華客船内を歩いていた。
彼女は一度これと全く同じような展開(と言っても色々と混沌としていたが)
を経験していた。
そのとき彼女は数多くの仲間を失い……
数多くの仲間と共に世界の崩壊から救った。
その後彼女は弟と妹と平穏に、何事も無く生活していた。
がその平穏も長く続かなかった。
支援
「千秋に赤木くん、アナゴさん、6/さん、柊さん、朝倉さん、長門さん、遊戯くんって、
最後一緒に戦った人みーんないたね、やっぱりあいつが言ったとおり、
みんな参加者だったのかな? 」
上記の人物は南春香と共に世界を救った仲間達であり、
同時にこの殺し合いに参加している人物でもある。
ちなみに一番初めに言っている千秋とは、彼女の妹である。
そしてアイツとは…… もちろん主催者のことを表す。
そこで南春香は考える、奴らは前回の主催者の仲間で、
私たちに復讐をするためこの殺し合いを仕組んだのではないかと?
しかしそれではおかしい事が幾つかある。
一つ目はわざわざこんなことをしなくてもいくらでも復習するチャンスはあるということ。
二つ目は参加者が多すぎること。各所で色々なことがあったとしても、
直接手を下したのは9人のみ、だけど名簿を見る限り
この殺し合いにはそれ以外の人が多くを占めている。
しかも志半ばで散ってしまった仲間の名もあった。
これでは復讐ではない。ただのやり直しだ。
南春香はここまで考えたが、如何せん情報不足。
これ以上考えることをしなかった。この後はもっと専門的な知識を持つもの
例えば長門さんや朝倉さんなんかはそうだろう。
また赤木くんやアナゴさんなら鋭い直感で幾つか感じ取ってしまうかもしれない。
今考えをまとめるよりもこれらの人たちと接触してからでも遅くはないだろう。
と言うわけで今現在南春香は豪華客船内を散策している。
武器も持たずに? と思う方もいるかもしれないが、
彼女は──笑わないで聞いてほしい──竜に変身できる。
だから不意打ちされない限りは彼女は死に達する怪我を負う事もないのである。
最も幾つか制限もされていそうだが。
数分歩いたころであろうか、南春香はこの場所が他とは違った臭いをしていることに気がついた。
比喩ではなく、本当に違う臭い──あまり好きではない臭いだが──がしたのだ。
南春香はこの嫌な臭いに覚えがあった、がうまく思い出せない……
考えながら臭いの元のほうに歩き気づく。
「あ、これタバコの臭いだ」
彼女は思い出す。仲間達の中で唯一タバコを吸っていた人物と全く一緒の臭いだと言うことを。
そしてその人物とは。
「赤木くん? 」
赤木しげる。上気されたとおり南春香と一緒に行動した一人であり、
彼はリーダー的存在であった。
年は妹より少し上だけど、冷戦沈着で誰よりも大人っぽく、妹にとってお兄さんみたいな存在であった。
そして、タバコを吸っていた。
「もしかしたら……」
もしかしたらこのタバコを吸っているのは彼かもしれない。
そしたらとても心強い。彼なら主催者を倒す策をたくさん持っている。
だけど、喫煙者なんてものはこの世に何人もいる。
このタバコの臭いの元に彼がいるとは限らない、
むしろこの殺し合いに乗っている悪党かもしれない。
そうこう考えているうちに、春香は臭いの元の部屋──スイートルームだった──の前についた。
この扉に入るべきか…… 彼がいる確率はそう高くはない。
ここでこの扉を開けなくても何の問題もない。
彼女は少し悩んだ結果部屋に入ることにした。
最もドアを少し開けて中の人物を確認してからという方法をとるつもりだ。
これなら中にいる人物が危険人物であったとしても色々対処できるからである。
彼女は扉を開けた。その先にいたのは……
「赤木くん……!」
かつて共に戦った赤木しげるがそこにいた。
「赤木くん! 久しぶり!」
南春香は目の前にいる赤木しげるに近づきながら、
うれしそうに話しかける。
「赤木くん…… 本当にどうしてまたこんな事に…… いやそれより早く……」
南春香は色々と話したいことがあったが頭の中がうまく整理が出来なかった。
そんなことでアタフタしていると、南春香が来てから一言も口を開けていない赤木しげるが
春香の話をさえぎるように口を開く。
「なあ」
そしてもう一言。
「あんたは……? 誰だ?」
「え……?」
南春香の顔が、先ほどまでとは変わって深刻な顔つきになった。
「誰って…… 私は南春香よ?」
「知らないな…… 少なくとも俺の記憶…… 『赤木しげる』の記憶では、
『南春香』と言う名前は聞いたことがない」
南春香の問いに対してアカギは冷たく、そして的確に答える。
「え…… でもあなたは確かに……」
「少し勘違いをしているよ。 名簿をちゃんと見てみろ…… しっかりな」
南春香は取りあえず不思議に思いながらバッグに入っている名簿を取り出し開いた。
「そこに書いてあるとおり…… 『赤木しげる』と言う名前は二つある……
できれば同姓同名の赤の他人であって欲しかったんだが…… でもやっぱり俺だったか……」
確かに赤木しげるの名前は二つあった。もちろん春香も一度見た時に疑問に思った。
同一人物がこの場所にいると言うことも考えていた。
が彼女が以前見た別の同一人物はどれも雰囲気や性格が異なっていた。
しかし目の前にいる赤木しげるは雰囲気は自分の知っているのと一緒だった、
ひとつ違うところがあるとすれば……
「少し、私が知っている赤木くんより背が大きいかな」
「そうか…… と言うことは今の俺より若い俺か」
目の前の赤木しげるは、少し背が伸びていて大人になっていた。
「赤木さん…… でいいのかな?」
「クク、別に何でもかまわないさ」
「じゃあ赤木さん、とりあえず情報交換しましょうか?」
南春香は目の前の赤木しげるが自分の所にいた赤木しげると
違うことを確認した上で彼に話しかける。
「そのあとここを出て、みんなが集まりそうなところに行って、
一緒に戦う人を探しましょう?」
南春香は自分の意見を述べた。いやこれは普通の人間ならば簡単に考え付き、
行動に移したいと思っていることだ。
そう普通の人間ならば。
「悪いが南春香…… だったかな……? 俺はこの部屋から何があろうと一歩も外に出ない。
いや、もっと簡単に言おう、俺はこの殺し合いに参加はしない、生き残る努力をしない」
赤木はタバコを吸いながらハッキリこう言った。
と同時に南春香は混乱する。言っている意味がわからない。
いや、もちろん意味はわかっているが、うまく理解できない。
「え……? それって…… ここが禁止エリアとなったとしても、
誰かが襲撃してきたとしても?」
南春香はとてつもなく動揺している。
「ああそうだ。俺にとっての殺し合いはもう終わったんだ。
だから俺は何もしない、情報収集も、交流を深めることも、もちろん人を殺すこともだ……!」
「どうして……? どうしてそんなことを言うの?」
「前回の殺し合いで全部すんだことだ……
俺は『赤木しげる』として命を賭けて主催の打倒に奔走した……
そこで俺は…… 100%とは言えないが…… うまくやりとげ……
『赤木しげる』としての人生を終えた。だから俺にとっては…… これは無意味な余興にしか感じない
前回の俺を否定するような…… 馬鹿な出来事には付き合うつもりはない……
だから俺は何もしない…… 自分を生かす努力をしない……」
赤木にとってこれは無意味なことであった。
すべてを賭けて戦った一度目の殺し合いより緊張感が劣り、
そして何よりも『赤木しげる』がしてきた事を全て否定するようなことは絶対にしたくはなかった。
「だから俺と情報交換をしても意味がない。悪いがこれは俺の下らない意思さ……
わかったか? だからさっさと俺のバッグを持って出て行ったほうが得だ」
赤木はそういって南春香を追い返そうとする
「いや、ちょっと待って…… 私もここに残るわ」
「え……?」
がしかし南春香自身はここに留まるつもりだ。
「だって…… 私が知っている赤木くんは絶対にこんなことは言わない」
「だったらそいつの方が人間として出来ているってことだろう」
「違うわ…… そんなことを言っているんじゃないの……
私の知っている赤木くんはあまり自分の生き方や価値観を話す人じゃなかった、
興味があるの、赤木さんが歩んできた殺し合いの事はもちろん、
赤木さん自身の事も。私が知っている赤木くんは全く自分のこと教えてくれなかったから、
だから私はあなたを知ってみたいの」
南春香は赤木しげると行動していたが、何も知らなかった。
いや教えてくれなかった。だから気になっていた。
赤木が何を考えいるのか。家族はいるのか。どのような趣味があるのか。
『赤木しげる』と言う不思議な人間の事をただ単純に興味本位で聞きたかった。
赤木は少しキョトンとし、少し間があいたあと口を開いた。
「ククク…… どうやら『赤木くん』はとっても人望があったようだな……
こんな事聞かれるとは思ってもいなかった。 ククク…… 構わないよ、
ただその前にあんたのところの殺し合いと『赤木くん』について語ってもらうのが条件だ」
予想外の事を言われて思わず苦笑いをしながらこう言った。
と同時に南春香も微笑む。そして自分の話をする事に同意した。
違う世界から来た2人の経験者。
男は自分を保つために放棄し、女は皆を守るために行動する。
全く正反対の考えを持つ彼ら。
しかし今2人は同じ人物に対して興味が沸いている。
その人物の名は……
【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-深夜】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[方針/行動]
基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
1:赤木しげるに自分の話しをする。
2:その後彼の話を聞く。
3:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質9個)@現実、基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[方針/行動]
基本方針:何もしない。興味がない。
1:『赤木くん』についての話を聞く。
2:その後自分の話をする。
[備考]
※死亡後からの参戦です。
※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
※いつ死んでもいいと思っています。
投下乙
やっぱし赤木は異端だなあと再確認w
投下終了しました。
普段カオスにいる俺は長文は久々だった……
凄い緊張するな……
何かおかしな所、矛盾、不明な点、などありましたら報告ください。
あ、タイトルはなんとなく語呂が良かっただけで特に意味はありません。
も、燃え尽きたアカギとは意外な
まだ漫画ロワ読みきってないんだけど
赤木にいったいなにがあったんだろおう
投下乙!
おぉ、アカギの行動はこう来たかー……なるほどー確かに死亡後の彼らしいかも。
何もせずに、ひきこもるというのも新鮮で面白そうだ。
そしてカオス仕様の春香姉さまも千秋同様なんだか逞しいw思わずカオスを読破したい気になってきたwww
おふた方ともに投下乙&GJです。
……と、やることやっておかないとスレの体裁を保てないのでテンプレはっときますね。
ゴマモン、フェイントとはひでぇぜorz・・・・・・何気にタイトルがフロンティア。
そして春香姉さまきたぁぁぁぁぁぁ!!!!!
千秋と違って変身は可能なんだなw 等身大だろうか?
にしても春香姉さまとアカギのフラグが立っているように見えたのも私だ
/::.::.::/:// .::.::.::.::.::.:./ ! .::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.::.
\ ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/ | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
\ 〃 / _ ヽ:/::.::.::.::.::.:/\ |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
{{ / / __ ヽ ',.::/::./ `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
. ── | ! /r ) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
. ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. / j / | .::.::.::.::.:: |::.::
. , -―ヘ `ー /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/ テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/ { /.::.::.| ゞ辷zン // う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/ ヽ イ ::.::. | /ヘ:::::::/ |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃 V ヽ ヽ.::.: | ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
l { ∨ }__.::.|\ <! ・ /::.l::|::./│/
ヽ ヽ {  ̄ ̄ ̄`ヽ _ イ::.: l::|:/ j/
、 \ \ } ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
このスレは我々(らき☆ロワ)が乗っ取った!
投下乙!
無気力のくせに何かカッコいいのは反則だぜ赤木シゲル…そうか、あの時真っ白に燃えたのか…。
姉ちゃんも成長してたくましくなったな…
【バトルロワイアルのルール】
1.バトルロワイアル
参加者全員で互いに殺し合い、最後まで生き残った者が優勝者となる。
2.首輪
参加者には設定されたルールを破った場合に備え、爆薬の詰まった首輪の装着を強要する。
首輪は以下のルールを破った場合に爆発し、その者の命を奪う。
A-首輪を外そうとした場合。
B-バトルロワイアル会場の外へと出ようとした場合。(30秒の猶予あり)
C-後述される禁止エリアの中へと侵入した場合。(30秒の猶予あり)
D-24時間連続で死者がでなかった場合、参加者全員の首輪が一度に爆破される。
3.放送
バトルロワイアル中、ロワの進捗と禁止エリアを報告する放送が定時毎に会場内へと流される。
放送が流れるのは、「0時」「6時」「12時」「18時」の6時間毎、1日4回。
4.禁止エリア
1回目の放送以後、2時間毎にマス目で区切られた会場のエリアが一つずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアは、「7時」「9時」「11時」……と増えてゆき、これは直前の放送でそれぞれ発表される。
5.支給品
参加者にはバトルロワイアルを生き抜くための道具や武器が支給される。
A-「デイパック」
他の支給品を入れて持ち運ぶためのもので、容量に制限がなく重さも一定という不思議なもの。
B-「基本支給品一式」
会場の地図、参加者名簿、メモ帳と筆記用具、方位磁石、腕時計、懐中電灯、3日分相当の食糧と水がセットになったもの。
C-「ランダム支給品」
武器や防具、道具、衣装その他諸々、内容は参加者毎に変わりそれぞれ1〜3個ずつ支給されるもの。
6.優勝
バトルロワイアルを生き抜き優勝した者にはそれ以降の命と自由の保障され、その者の願いが報酬として与えられる。
7.最後に
以上以外のルールは存在せず、参加者間に禁じ手は存在しない。
また、生き残りゲームではあるがその途中で手を結んだり、徒党を組むこともルール違反には当たらない。
※
バトルロワイアルのルールは本編中の描写により追加、変更されたりする場合もある。
また上に記されてない細かい事柄やルールの解釈は書く方の裁量に委ねられる。
【書き手向けのルール】
1.リレーSS企画
当企画はリレーSS企画です。なのでルールを無視した作品の投下は受け付けていません。ご注意ください。
2.予約制度
作品を投下するに当たっては、まず該当スレにてその旨を宣言(書き込み)してください。
必要なのは書き込んだ人の同一性を保障するトリップと、作品に登場させるキャラクターの名前です。
予約以後3日間、そのキャラクターの作品を投下する優先権利が有効となります。
期間を過ぎれば権利は失効しますが投下できなくなるということはありません。あくまで優先されないというだけです。
また失効後、続けて予約することは期限が無限に続くことと同義なのでそれを禁じます。
予約スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980608/ 3.修正/破棄要求
投下された作品内に修正や部分的もしくは全体として破棄する必要な箇所があると感じられた場合、
それを指摘し改善を求めることができます。
指摘に当たっては該当スレを使用し、それが正当なものであれば誰でもその権利を行使することが可能です。
要求が出てから72時間は保留期間とし、該当作品およびそこに関わる部分の進行を凍結。
話し合いや修正/破棄により解決した場合はその通りに、そうでなかった場合は作品を破棄し投下以前の状態へと戻します。
修正/破棄要求、議論スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12294/1231980961/ 4.自己リレー
リレー企画であることを尊重し、原則として自己リレー(自作の後に自作を続けること)を禁止とします。
ただし、投下以後2週間経っても続きが書かれなかった場合はそれを解禁するとします。
5.能力制限
バトルロワイアルおよびリレーがつつがなく進行するよう、それを害する能力は制限されているとします。
全体への影響力が強すぎるものだったり、ロワが成り立たなくなる能力(例えば蘇生)などがこれに当たりますが、
制限の種類や程度はそれを書かれる方の裁量に委ねられます。
そこに問題があると感じられた場合は、「3.修正/破棄要求」に基づきそれを申告してください。
6.登場時期
その参加者が原作(元のロワ)のどの時期/状態からこのらき☆ロワに参加させられるのかは作者の裁量に委ねられます。
7.支給品の選出
参加者に配布されるランダム支給品の内容は、それを書かれる方の裁量に委ねられます。
ただし、その内容の範囲は参加者達が登場する原作内(※1)または現実世界にある物(※2)までと限定します。
また、参加者と同等に扱われるようなキャラクターや能力制限に引っかかる物の支給はこれを原則禁止とします。
(※1)らき☆ロワにおいては、「らき☆すた」「各ロワ内に登場した物」「現実にある物」が支給できる物の範囲です。
(※2)首輪探知機(レーダー)や写真付詳細名簿などのパロロワオリジナルアイテムの類もここに含まれます。
【状態表のテンプレおよび時間表記について】
作品内の情報を共有するため、それをテンプレートにそって記し作品内に付け加えることを義務とします。
【(エリア名)/(具体的な場所名)/(日数)-(時間帯名)】
【(キャラクター名)@(登場元となる作品名)】
[状態]:(肉体的、精神的なキャラクターの状態)
[装備]:(キャラクターが携帯している物の名前)
[持物]:(キャラクターがデイパックの中に仕舞っている物の名前)
[方針/目的]
基本方針:(基本的な方針、または最終的な目的)
1:(現在、優先したいと思っている方針/目的)
2:(1よりも優先順位の低い方針/目的)
3:(2よりも優先順位の低い方針/目的)
[備考]
※(上記のテンプレには当てはまらない事柄)
例)
【3-C/駅構内/1日目-早朝】
【柊かがみ@らき☆すた(原作)】
[状態]:疲労(軽)、空腹(強)、右膝に擦過傷(軽)、左足首骨折(添え木にて手当て済み)
[装備]:ベレッタ 90Two(11/17発)、風華学園制服@アニ2
[持物]:デイパック、基本支給品一式、鷲巣麻雀セット@漫画ロワ、うまい棒@カオスロワ
[方針/目的]
基本方針:生き残るために行動する。
1:安全な場所で食事をとる。
2:つかさを殺した誰かを見つけ出し復讐する。
3:みゆきとは口をきかない。
[備考]
※ツインテールをといています。
コピペ用)
【-//-】
【@】
[状態]:
[装備]:
[持物]:
[方針/行動]
基本方針:
1:
2:
3:
[備考]
※
方針/行動の数は不定です。1つでも10まであっても構いません。
備考欄は書くことがなければ省略してください。
時間帯名は、以下のものを参照してそこに当てはめてください。
[00:00-01:59 >深夜] [02:00-03:59 >黎明] [04:00-05:59 >早朝]
[06:00-07:59 >朝] [08:00-09:59 >午前] [10:00-11:59 >昼]
[12:00-13:59 >日中] [14:00-15:59 >午後] [16:00-17:59 >夕方]
[18:00-19:59 >夜] [20:00-21:59 >夜中] [22:00-23:59 >真夜中]
以上、テンプレ終了です。失礼しました〜。
テンプレ貼り乙ですー
こんどからは目をつけた乱立ロワには移行前にテンプレ貼っておかないとだね
って春香姉さまエピローグ後からか・・・・・・何気に数少ない生還者から参戦とか悲惨だな(彼女以外のカオスの連中は6期の可能性もあるから除く)
しかし面白いようにらきすた勢へのフラグが積み重ねられていくな
まあ、当たり前といえば当たり前だけど
テンプレ乙です。
そして投下乙!
アカギ……まあ漫画ロワの最終回で燃え尽きたからなあ、赤木はww
ああなるのも仕方ないw
しかし赤木も二人いるんだよなー。会わせてみたい気がするww
>>168 ああ、赤木のキャラを考えればこの選択もありだな
確かに漫画ロワの彼は命を燃やしてたのに別のロワへ強制参加させられたらこうもなるよな・・・・
しかしカオスは読んでないが春香姉さま見てたら興味湧いてきた
>>190 テンプレ乙です
というかそろそろwiki編集始めてもよいだろうか。
登場時期だけでも編集したい。
そうだね、
前スレのキャラ紹介も収録しないと
投下&テンプレ貼りおつかれさまです。
仮投下スレの「めぐりあう双星」の修正版ですが、特に問題無さそうなので
改めて本スレに投下します。
「殺し合い……なんて冗談でしょ……? そんな事できる訳が……」
暗闇に閉ざされた森の中に一人、柊かがみは木の根元で膝を抱え項垂れていた。
ついさっきまではどこかの体育館の中にいたはずなのに気がつけば森の中に放り出されていた。
だが、そもそもなぜ体育館で目を覚ましたのかわからない。
かがみは自らの記憶の糸を手繰り寄せる。
(そう、いつものようにこなた達と一緒に学校から帰って……)
いつも通りの下校風景。
途中のこなたやみゆきと別れ、後はつかさと家に帰る。
それが当たり前に続く日々。
変わった事と言えば雨が降ったり、電車が人身事故で遅れたりとするぐらい。
(つかさと家に……? それから……あれ?)
かがみの記憶はそこで途切れていた。
つかさと一緒に家に帰る途中から先の記憶がすっぽりと抜け落ちている。
まるで録画中のビデオを途中で切った時のように記憶はその連続性を失っていた。
そして再び録画ボタンを押したように記憶は体育館の中から始まる。
仮面の道化師と白タイツ?の怪人の言葉『最後の一人になるまで殺し合いをせよ』だった。
もちろんそれが本当に殺し合いするものだとはその時点では思うわけがなかった。
しかし―――
二人の怪人の前に現れた一人の少女。
見間違えるはずがない。その姿は双子の妹、柊つかさの姿そのものだった。
どうしてつかさが二人?
もう一つ重要な点、もう一人のつかさは怪人と面識があるように見えたのだ。
そして彼女は彼らに奇妙な攻撃を仕掛けていた。
無数の文字列が怪人達に向かって高速で飛んでいった。そうとしか表現しようのない攻撃。
かがみの理解の範疇から大きく外れている。
でも彼女の攻撃は怪人には通用せず、彼女は殺された。
かがみの脳裏にもう一人のつかさの無残な死体の姿が湧き上がる。
ぼんっと間抜けな音を発し、首が落ちた。
落とされた首はころころとサッカーボールのように転がって、
首を失った胴はそのままどさりと崩れ落ち、切断面から大量の血液が吹き上がってもなお、
脊髄反射によりびくびくと痙攣する身体―――
「うぐっ……うぇぇ……」
忘れようとしていた凄惨な光景を思い出して、強烈な吐き気がこみ上げそのままかがみは木陰で嘔吐してしまう。
空っぽの胃からはただ酸っぱい胃液だけが出てきて、それでも吐き気は治まらず、
まるで胃の内壁をブラシで擦られる様な苦しみだけが続いていた。
「はぁっ……はぁ……こなた……つかさ……みゆき……みんなどこ……」
胃液が通り過ぎヒリヒリする喉で友人の名前を呟くかがみ。
普段は気丈な彼女も、唐突に訪れた日常の崩壊に幾分か精神が参ってしまっていた。
ふと、かがみはこの中に確か飲料水が入っていることを思い出した。
とにかく何か飲み物を――憔悴した表情でかがみはデイパックの中を開ける。
中にはペットボトルに入ったミネラルウォーターが入っていた。
キャップを外し毒が入っていないかと恐る恐る口を付ける。毒は入っていないようだ。
ゆっくりと水を飲む。冷蔵庫に入っていないためぬるい感触が喉を伝う。
でも、胃液がこびり付いた喉を洗い流すのには十分すぎる効果があった。
「ふう……」
水を飲んだことで少しは精神も落ち着きが戻ってきたのか、かがみはデイバックの中をさらに調べてみる事にした。
怪人達が曰く、地図や食料など基本的な道具の他に各人にランダムでアイテムが配られている。
彼らにとって殺し合いを円滑に進めるためのアイテムが―――
よし!支援―
ヒャッハー
支援だ
sienn
デイバックから出てきた物は二種類だった。
映画などでよく目にするカートリッジ式のセミオート拳銃とは若干デザインを異とする拳銃――モーゼルC96なのだが、
こなたはともかく銃の知識を知らないかがみにとっては変わった形の銃としか認識されなかった。
そしてそのマガジンが四つ。殺し合いをするのであればそれなりに『当たり』と言えよう。
もう一つのアイテムは何らかの銃のマガジン三つだった。
ぱっと見では世界一有名なアサルトライフルAK-47のマガジンに見えなくもない。
しかしAK-47の物に比べるとずんぐりとした外見であり色も鮮やかな黄色で、おおよそ銃器の色しては似つかわしくなかった。
「何よ……本気で殺し合いさせるつもりなの……?」
ずっしりとした拳銃の重さが手に伝わる。
おもちゃの銃とは明らかに違う。間違いなく―――本物。
そしてこれらと同様の物が他の参加者に配布されている。
見ず知らずの人間が、物騒な兵器を所持して徘徊している。
つまり、いつでも殺し合いが行われいてもおかしくない状況なのである。
殺られる前に、殺れ。
そんな声がかがみの心の中に響く。
相手は銃を持っている。つまりは自分を殺しにやってくる。
そんな相手を殺した所で自分は正当防衛なのだ―――罪には問われない。
生きるための本能がそう語りかける。
ぱきっ。
ふと、背後で木の枝が折れる音がした。
「ひっ……」
極度の緊張により研ぎ澄まされた聴覚が確かにその音を捉えていた。
この音は誰かが地面に落ちた小枝を踏みしめる音。
誰かが近くに、いる。
悲鳴をあげそうになるのを必死で押し殺し、本能に従って支給された銃を構え、音がした方向へ向ける。
その行為こそ怪人達の目論見通りと分かっていてもそうせざるをえなかった。
「だ……誰……! わ、私銃を持って、るんだからヘンな事……し、したらタダじゃおかないわよッ!」
必死に強気な態度を見せるも恐怖で口がうまく回らない。
心臓が張り裂けそうなぐらいに鼓動しているの。
ごくりと唾を飲み込むかがみの前に、ゆっくりと人影が姿を現した。
「良かった……『また』会えたね……」
☆
月明かりの下、姿を現したのは若い女だった。
いや、若い女と言ってもまだ少女のあどけなさが残る顔。年の頃はかがみとそう変わらないように見えた。
だが着ている服は一風変わったもの。
上半身は肩の部分を青く染め上げ、他の部分は白を基調としたジャケット。その下に見える赤いネクタイ。
下半身は青のタイトなミニスカートと白のオーバーニーソックス。
何とも奇妙な出で立ち。
どことなく軍服のような雰囲気を匂わせる服装と、幼さが残る少女の表情がミスマッチだった。
「私は……あなたが本当にエリオを殺したかどうかはわからない。だけど……決して自分の命を粗末にしないで」
何を言っているんだこの女は?
意味不明な事を口走る少女にかがみの思考はますます混乱する。
自分はこの少女と面識があるようで、さらに自分はエリオという名の人間を殺した可能性がある。
そんな馬鹿な事があるわけない。彼女とは初対面のはずなのだから。
「なに……訳の分からないこと、言ってんのよ……私は学校の帰りにここに連れて来られたんだから……! あんたの顔も知らないし、ましてやエリオとか言う人を殺したなんか知るわけないでしょッ!」
必死に恐怖を押し殺し、銃を狙いを少女に定める。
銃を突きつけられても落ち着いた仕草を変わらせなかった少女だったが、かがみの発した言葉に初めて表情を変化させた。
「……! それってどういう――? まずは落ち着いて……ちゃんとお話しよう、ね?」
少女の反応は明らかにかがみが少女と面識が無いという事実に驚いた物であった。
しかし、かがみはますます不信感を募らせる。
恐怖で震える指がトリガーを添えられる。
少しでも力を入れてしまえば発砲してしまうだろう。
「落ち着く……? こんな状況……でそんな事……!」
「こんな状況だもの……落ち着いてられないのはわかってる。でも信じて、私はあなたの味方だから……」
さらに一歩を進める。
「く、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
限界に達したかがみの恐怖心は本人の意思と無関係に銃の引き金を引いた。
静かな森に銃声が鳴り響き、ぱっと彼女の左肩から血飛沫が舞い上がる。
見る見るうちに肩の周りを血で染め上げてゆく。
「あ……嫌……あぁぁあ……私……人を……」
呆然と立ち尽くすかがみ。
本当に人を撃ってしまった。
少女は肩を撃たれた苦痛を堪えながらもかがみの説得を試みる。
「く……ぅ……私は大丈夫、大丈夫だから……」
茫然自失とするかがみを彼女は優しく抱きしめた。
「あ……」
「ごめんね……とっても怖かったんだよね。わけも分からないままこんな所に連れてこられて……安心して、私はあなたの味方だから……」
手から銃が滑り落ちる。
そして優しい彼女の笑顔を見た彼女は初めて自分が取り返しのつかない事をしてしまったと気がついた。
「ごめん……なさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……うっうあああああああぁぁぁぁぁ!」
彼女の腕の中でひたすら泣き続けるかがみ。
人を撃った事への罪悪感、一人ぼっちになってしまった事への孤独感。
堰を切ったようにありとあらゆる感情の津波が押し寄せる。
少女はかがみが泣き止むまでずっと彼女を抱きしめていた。
☆
支援
支援
「どう? 少しは落ち着いた?」
「うん……」
二人は木の根元で腰を落ち着け向かい合っていた。
かがみの目元にはまだ涙が滲み、まだ目の周りが赤く腫れていた。
「あっそうだ! これ……食べる?」
少女はデイバックからチョココロネを取り出した。
何の変哲のないチョココロネ、こなたが好物だったパン。
「まだたくさんあるから―――ってそんな気分じゃないよね、あはは……」
少し困ったように笑う少女。
それでもかがみは首を振って。
「ううん、食べるわ……泣いたらお腹空いちゃった」
少し恥ずかしそうにはにかむかがみだった。
「あの……ごめん、肩」
かがみは申し訳なさそうに言った。
でも少女は気にすることもなく朗らか表情だった。
「ううん、気にしないで。弾は抜けてるし、簡単な治癒魔法もかけて置いたから心配しないで」
「あ……うん……?」
一瞬、魔法なる単語を聞き怪訝な表情をするかがみ。
頭に浮かんだ疑問をかき消すように少女は口を開いた。
「時空管理局機動六課、スターズ分隊隊長の高町なのは、本当に私の名前を知らない?」
もう一度少女――高町なのははかがみに尋ねる。
しかしかがみは無言で首を振るだけであった。
「なのは、て呼んでいいよ。みんなそう呼んでるから」
「私は……柊かがみ。かがみでいいわよ」
「念のため聞くけど……かがみは陵桜高校という学校に通ってるんだよね?」
「どうして……その事を……」
「前にあなたが言ってたの。私が『陵桜高校3年B組の、高町なのは』って……」
言いようのない気持ちの悪さが二人の間を包み込む。
お互いの記憶の食い違い。
かがみはなのはの事なんて知らない。
だけどなのははかがみの事を知っていて、でもなのは自身はその時に出会ったかがみとは初対面なのに、そのかがみはなのはの事を知っていたのである。
「正直意味が分からないわ……なのはは私と会った事がある。でも、その時のなのはは私の事を知らなかった。でもその時の私はなのはの事を知っていた? ごめん頭痛くなってきた……」
頭を抱えるかがみ、なのはも困ったような仕草で苦笑する。
「でも―――決定的に違うのが一つだけあるよ。私はここに連れて来られる前に同じような出来事に遭遇していた」
「え―――? それって……」
「私は殺し合いに参加させられて―――そこでかがみと出会ったの」
☆
なのははこれまでの事を思い返し、かがみに簡潔に伝えた。
プレシア・テスタロッサによって開催された殺戮遊戯。
目の前で親友を殺されたなのは。二度とこんな悲劇を繰り返さないと決意したその矢先にかがみと出会ったのだ。
自分がエリオを殺したと自暴自棄になっていたかがみ。
半狂乱となったかがみはなのはの説得に応じず突然大蛇を召喚する。
だがそこで乱入した若い男と中年の男。
かがみの召喚する怪物との戦闘の最中、彼女は狂ったかのような哄笑を上げ姿を消した。
後は……そう、金居と名乗る若い男とペンウッドと名乗る中年の男と情報を交換したのだが……
それが覚えている最後の記憶だった。
後は体育館のような場所に連れてこられ、再び殺し合いをせよと告げられた。
プレシア・テスタロッサではなく、仮面の道化師と白い怪人によって―――
「何よそれ……あなたが知ってる私って……」
なのはの話を聞いたかがみはまたもや頭を抱える。
謎のモンスターを使役する自分の姿―――全く想像つかない。
「ごめんなさい……私も今置かれて状況について何もわかっていないの、現状を把握するだけ精一杯……」
なのはは少し疲れたような表情だった。
無理もない。突然殺し合いに参加させられて、親友を失って、それでまた別の殺し合いに参加させられるとういう状況。
これで普通の精神を保っていられるほうがどうかしている。
「まあ、考えても仕方ないわ……チョココロネでも食べて気分を落ち着かせましょ」
かがみはそう言ってなのはのデイバックからビニール袋に包まれたチョココロネを取り出した。
「あ、ごめん勝手に開けちゃった」
「いいよ、気にしないで」
「はい、なのはの分」
チョココロネは残り8個。さっきかがみが食べた分を合わせると計10個入ってた事になる。
「とりあえず……お互いの持ち物を確認してみようか」
チョココロネを食べ終わったなのはは自分の持ち物を調べる事にした。
中から出てきたのは銀色に鈍く光るリボルバー式の拳銃と、その弾丸計30発だった。
「私はこれよ、まあなのはと似たような物ね」
かがみもまた支給された拳銃と正体不明のマガジンを見せる。
「これって……! うん、間違いないよ。レイジングハートのカートリッジだ……」
少し驚いた表情でなのははそれを手に取る。
「えっと……レイジングハートって何? あなたが時空管理局とかいう組織の魔法使いらしいって事はさっきの話で理解してるつもりだけど」
「えっとデバイスと言って……簡単に言うと魔法使いの杖ってことかな、で、それは魔力を一時的に高めるための物なの」
「ふーん……魔法使いが扱うにはえらく現代的な物ね。杖の事をデバイスと呼んだり、どうみても銃の弾倉っぽい部品とかね。もしかして『魔法のロケットランチャー』とかあるわけ?」
「あはは……さすがにそんなことはないよ」
「で、そのレイジングハートとやらは持ってるの?」
かがみの問いになのはは首を振る。
「ごめんなさい……どうも奪われちゃったみたいなの」
「そう……デバイス無しでの魔法は?」
「使えないことはないけど……大幅に発動までの時間がかかるし、威力も出ない」
そう言ってなのはは目を閉じて意識を集中させる。
数秒ほどするとぽうっとピンク色の光球が浮かび上がった。
「うわっほんとに魔法使いなんだ……!」
そしてなのはの手から放たれた光球は高速で近くの幹に突き刺さる。
パラパラと煙と砕けた木屑が舞い上がり、幹には抉られたような穴が開いていた。
ぽかんとするかがみをよそになのはは光球を撃った感触を確かめていた。
(デバイス無しにしても……発動までの時間が遅く、威力が弱い……?)
どういう事だろうか?
確かに肩の傷を治療したときも回復が遅いことが気になっていた。
それは慣れない治癒魔法を使ったためだと思っていたのだが、どうもそのせいではないらしい。
なんらかの力が魔法の力を弱めている……そうとしか考えられない。
「ねえなのは、もしデバイスがあったら今のどれくらいだせるの?」
「え!? あっ、うん……20発程度なら一瞬で出せるかな」
「……戦車とでも戦う気ですか」
「あ、あはは……」
肩をすくめるかがみと苦笑するなのは。
「かがみ……あなたは自分を守るため、誰かを守るために誰かを殺す覚悟はある……?」
「何よそれ、私に対する当て付け?」
かがみはちらりとなのはの左肩を見た。
「あっごめん……そんなつもりはなかったんだけど……」
管理局のエース・オブ・エースとして活躍してきたなのは。
無論危険な任務もこなして来た。だけど彼女はまだ一度も人を殺めてはいない。
扱う魔法には常に非殺傷設定で任務に望んでいた。
いかに大出力の砲撃魔法であるディバインバスターやスターライトブレイカーとて、
非殺傷設定で撃ってしまえば撃たれた相手は昏倒するぐらいで命に別状はない。
だけど今はレイジングハートを奪われ、魔法もうまく働かない。
身を守れるのはこの拳銃のみである。そして銃器には非殺傷設定なんて物は存在しない。
撃てば傷つき、死に至らしめる。
自分は誰かのために誰かを殺すなんて行為ができるのだろうか?
自分のため誰かのため、他の誰かを殺す。
それこそあの怪人達の思う壺なのだ。
「私自身を、そしてかがみを守るためにこの銃を使わないといけない時がやって来るかもしれない。魔法は威力を調節して死人が出ないようにすることができる。だけど銃は―――」
「なら、使わないように努力しましょ。みんな誰しも進んで殺し合いをするわけがない。怖くて、見知らぬ他人が自分を殺しに来ると思って疑心暗鬼なってしまうのよ。私がそうだったように……」
「…………」
「今回は私を救えたんでしょ? 前の私は良心の呵責に耐え切れず壊れてしまったけど……今の私はあなたのおかげでこうしていられる」
「そう……だね。ありがとう」
表情を曇らせるなのはにかがみは少し安心した表情を見せていた。
最初出会った時はその落ち着きぶりに異様な物を覚えたが、いざこうして話してみると内面はかがみと同じ年頃の女の子であるということを再認識できたのである。
「とりあえずここを離れない? じっとしてても意味がないわ」
「そうだね、かがみはどこか行くあてはあるの?」
「ないけどとにかく私の友達と合流する」
「私も同じ、そして……もう悲劇は繰り返させない、今度こそ一人でも多くの人を救ってみせる!」
二つの星は再び巡り合う。
かつて救えなかった少女と再会し不屈のエースは決意を新たにする。
生まれ変わった新しい世界で柊かがみと高町なのはの運命がゆっくりと廻りだすのであった。
【C-3 森/一日目 深夜】
【柊かがみ@らき☆すた(原作)】
【状態】:健康
【装備】:モーゼルC96(9/10発)@現実
【所持品】:支給品一式、モーゼルC96のマガジン×4@現実
【思考・行動】
基本方針:知り合いを探す
1.高町なのはと行動を共にする
※参戦時期は一年生組と面識がある時期です。
【高町なのは(StS)@なのはロワ】
【状態】:疲労(小)、左肩負傷(止血済)
【装備】:マテバ 6 Unica(6/6発)@現実
【所持品】:支給品一式、マテバ 6 Unicaの弾×30@現実、カートリッジ×3@なのはロワ チョココロネ×8@らき☆すた
【思考・行動】
基本方針:悲劇の連鎖を止め、一人でも多くの人間を救う。
1.柊かがみと行動を共にする。
※参戦時期はなのはロワ26話、『残る命、散った命』の直後です。
※何らかの原因により魔力が減衰しています。
投下終了です。
修正の際、後半の展開に変更が加わったこと御了承お願いします。
ご迷惑お掛けしました。
乙です。
とりあえず参加者の参戦時期だけ追加。
こうして見ると生還者がカワイソスに思えてくるから困る。
再投下乙です
これで何故らきすた関係者がロワに呼ばれたかみたいな考察が成り立ちますね
書き直してと投下お疲れ様でした
投下乙です。
この出来事で情報は一歩前進かな?
でもダブルジンクスは変わらずか……
222 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 00:54:12 ID:HamHYq3r
支援
投下乙!
こんな短時間にここまで変えられるとは……先ずはその速筆振りに驚くしかないw
かがみん……そうだよね、只の高校生でしかないのにこんな状況に放り込まれたらそりゃ、パ二ックを起こすよなぁ。
そして、なのはさんかっこいいーーー!!銃弾を受けても、かがみを落ち着かせるその優しさは素晴らしい。
情報交換なども読みやすくて、面白かったです!
俺もwiki更新しようと思うんだが
ブッキングしそうな予感がひしひしとするから先にどこやるか宣言しね?
とりあえずwikiに追加された自分の作品を修正しておきました。
名簿の問題はこれで消えているはず。
この短時間でかがみをしってるなのはさんとの遭遇話を新しく書けるスピードは素直に凄すぎる!
一般人のなにもわからないかがみの混乱がすごくリアルでよかったです!
wiki見て初めて現在位置つきの地図が来てるのに気づいた
結構まんべんなくいるんだな
修正乙でしたー。改めてGJです。
業務連絡しますー。
現在投下されているところまでの現在位置付地図をwikiの方にあげたのでご確認よろしく。
後、参加者名簿のページのキャラ名を全部リンク付きにしたんでそこからページを作ってキャラ紹介をコピペしてくれるといいかと思います。
とりあえずアニ2の相羽シンヤのページを作ってみたので参考に〜。
229 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:09:41 ID:HamHYq3r
素早い修正乙です。
6/(外見かがみ)@オールジャンルバトルロワイアル
柊つかさ@原作
投下します。
投下……しようと思ったらキタ!
支援します
なんというタイミングww
まだ未告知だったのか
234 :
6/「俺三人とか多くね?」 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:12:28 ID:HamHYq3r
「ったく…どういう理屈だよ」
ぶつぶつと呟きながら歩くシャツ一枚のみの少女。
「何度も殺し合いを体験してきたが、今回はリピーターロワってか?」
この人物こそ6/。カオスロワ出典かつ書き手であり、パロロワオールスターの1人である。
「ついてないよなぁ俺も…まさかこの姿でなんて」
6/がいう「この姿」というのは、自分の外見の事である。
6/は実はこのような姿ではなく、何処にでもいるような青年の姿をしていた。
だが、彼が来た世界―――オールロワである事件が起こった。
パンツの山に埋もれていたロアルド・アムンゼン(その3)の支給品であったロープを調べていた時、カオスからの付き合いである柊かがみがそのロープを掴んでしまった。
235 :
6/「俺三人とか多くね?」 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:13:24 ID:HamHYq3r
そのロープの名前は『入れ替えロープ』。掴んだもの同士の中身のみ変えてしまうドラえもんの道具。
勿論、二人の精神は入れ代わってしまった、という訳であったのだ。
「俺の変わりに大変だな、あんたも」
…仕事だからな。さあ、続けよう。
「んじゃ、恒例の名簿確認+支給品確認といくか」
彼、6/は既に8回以上殺し合いを体験している。
なので最初に何をすればいいのかも、分かっていたのだった。
6/が名簿をディパックから取り出すと、まず目に入ってきたのは―――
「泉こなたに柊つかさ、ピンク髪に黒井ななこ…そして柊かがみ」
また典型的なメンバーだな、と6/は思う。それと同時に、喧嘩したまま離ればなれになった6/の世界のかがみが思い浮かんだ。
何だかんだで付き合いは一番長いし、一緒に主催もしたし―――
「…っと、そんな事より確認確認」
6/は歯止めを効かせなくては止まらない思いを押し込め、確認を始めた。
238 :
6/「俺三人とか多くね?」 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:14:20 ID:HamHYq3r
「ま、良くあるリピーターロワだな」
名簿を見終わった後に6/がつけた結論がそれだ。アニロワやニコロワ、漫画ロワなど、様々なロワから来ている、と6/は思った。
ただ、1つだけ疑問があった。
何故らきすたのメンバーが順番でであり、独立していたのだろうか。
普通はそれぞれの出典にあるはずだが、何故だ?
6/が頭を抱え込むとその瞬間、ガサッ、という音がした。
「敵か!?」
6/はディパックを漁って出てきたコッペパンを右手に、剣を左手に持ち、迎え討つ構えを取る。
何故か後一つの支給品は見当たらなかったが、時間的にこれで戦うしかない。
覚悟を決めた6/の目の前に出てきたのは、
「おねえちゃあああああん!!!」
泣きながら飛び込んできた柊つかさだった。
239 :
6/「俺三人とか多くね?」 ◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:15:11 ID:HamHYq3r
【F-7/深夜】
【6/(外見かがみ)@オールジャンルバトルロワイアル】
【状態】僅かな疑問
【装備】コッペパン@らき☆すた、カリバーン@アニロワ2nd
【持ち物】不明支給品×1【思考・方針】
[基本方針]
このロワからの脱出
1、名簿の意味が分からない
2、つかさに少しだけの困惑
※ランキング作成人に会うらへんからの参戦です。
【柊つかさ@原作】
【状態】パニック(大)
【装備】手ぶら
【持物】支給品×3
【思考・方針】
[基本方針]
不明
1、殺し合いの恐怖に怯える
2、姉に会えた事で少し安心
241 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/17(土) 01:15:54 ID:HamHYq3r
投下終了です。
思った程以上に長くなってしまったorz
地の文に話しかけんなww
乙です 早速誤解フラグきたぁぁぁぁぁ!!!
投下乙です
確かにメタ思考で話されても困るw
いや、面白いけど
トリップ外し忘れてたorz
乙!
6/何故コッペパンをもつww
6/ロワに慣れすぎだろwww
とうとう地の文の神視点に話しかけるまでになるとは
そしてかがみの体を持つことはこのロワではめちゃくちゃ大変なことだぞ…覚悟するがいい
投下乙です!
つかさー!それかがみ違うー!
しかし6/氏三人もいるが、さてどうなるか……。
自分も投下します。
支援
支援支援!
ヒャッハー支援
支援
―――怖い。
声にならない声で、叫ぶ。
―――私、死ぬんだ。
皆、死んだ。
ハヤテ君もナギも。小五郎さんも本郷さんも独歩さんも。川田君も―――つかさも。
そして、私は今死のうとしている。
自分の一番大嫌いな―――高いところからの転落、という形で。
―――お父さん、お母さん、お姉ちゃん―――
―――村雨さん、エレオノールさん、赤木さん、服部さん、ジョセフさん、かがみ、覚悟君―――
死にたくない。
私は祈った。
それが、決して叶うことはないと分かっていたけれど。
それでも―――
―――私、死にたく、ないよ……!―――
※
「……何よ、これ」
私は、気付けば見覚えのない
自然と、右手が頬に伸びる。
「……痛い」
赤く腫れたであろう頬からは、夢ではないことを証明する痛みが返ってきた。
―――いき、てる。
私は唇を動かす。右手を持ち上げる。震える指先で髪を撫でてみる。
間違いなかった。
私は、『私』だった。
……え、っと、何が起こったんだっけ?
私の頭の中は、疑問符だらけだった。とりあえず、整理しないと。
そう、まず、私は―――死んだ。
死んだはずだったんだ。
最後に聞いたのは赤木さんの声だった。それは覚えている。
バルキリースカートで……着地しようとしたけど間に合わなくて……それで……
そして、気付いたらここにいて……
かがみを攫っていったジェネラルシャドウと知らないモンスターが、殺し合いをしようって言いだして、そして―――
「……っつかさ!」
思い出した。
私の頭は、まるで冷凍窒素にでもつけられたみたいに急速に冷えた。
そう、だ。
つかさ、だ。
つかさが―――それとも、よく似た誰か?口調も態度もつかさと似ていなかったから―――みんなの前で首輪を爆発されて!
体が震える。
あれは夢?それとも現実?
……夢や幻だと信じたかったけど、違うと思う。
支援
間違いないのは。
私は、一度死んでもう一度バトルロワイアルに連れてこられた、ってことだ。
自分で言って信じられないけど、そうしか考えられない。
思い出すのも怖いけど―――あれで私が死なないなんて、ありえないと思うから。
そこに当たり前のように置いてあったディパックをひっくり返し、すぐに中身をすべて出した。
入っていたのは、3つ。
基本セットと、何故か食料とは別に入っていたきゅうり(ごく普通の、市販のものだと思う)と、袋の中にまとめて入れられた五寸釘、藁人形、金槌(呪いでもするのかしら……うう、夜の学校のこと思い出しちゃったじゃない)、そして二振りの日本刀だった。
バルキリースカートを使いこなしていた今となっては、やや装備に不安はあるけど、でも贅沢はいっていられない。日本刀なら、剣道部の私も鍛錬無しである程度使えるはずだ。
私は一本の日本刀以外のものを全てディパックに戻し、今度は名簿を開く。
確認しなければ。
あれがつかさだったのか、そして、誰か他に知り合いはいないのかどうか。
女の子としてははしたないくらい勢いよく名簿を捲り、私は―――息を呑んだ。
「……つかさ……!」
―――柊つかさ
……ある。
つかさの名前が、名簿にある。
ってことは―――あれは、やっぱりつかさじゃなかったんだ。
でも、喜べない。当たり前だ。
そもそも、つかさが再び殺し合いに巻き込まれているというのはあまりに不憫だし、それに何より。
―――つかさは……どうして名簿に乗っているの?
つかさは、死んだはずだ。
勘違いなんかじゃない。私は確かにつかさを看取ったんだ。
そして、つかさだけじゃない。
川田君や三村君の名前もある。
二人も、死んでいるはずなのに。
……あはは、まあそれを言われたら、私もなんだけどね。
これは死人を集めた、天国なの?それとも、最後まで生き残った私たちへの試練のつもり?
……ううん、多分両方とも違う。
前者なら、村雨君やかがみ、赤木さんがいる説明がつかないし、後者なら覚悟君や服部君、エレオノールさんがいない理由が分からない。
(そう言えば何故か赤木さんの名前が二つあるけど、同姓同名の別人かしら?赤木もしげるも珍しい名前じゃないし……)
……どうしよう。
全然分からないよ。何でこんなことに?
生き返って、また殺し合いなんて、もう、嫌だよ……
…………覚悟君やハヤテ君なら、どうするかな……
こんなことに、なったら―――
………………っ、だめだめ、私が弱気でどうするの。
理由はともあれ私は生きてる。それは間違いない。
それなら、あそこではできなかったことをしなきゃ。
257 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 01:28:00 ID:HamHYq3r
作品に支援を見るのならば、スレの下におれ!
支援
つかさを―――守る。
川田君にも、道を誤らせない。
ずっと仲間だった。一緒に行動していたんだ。
つかさが死んだのは、川田君が堕ちたのは、私の責任でもある。
私が、もっと、もっと、もっと強ければ、って。
幸い、私は一人じゃない。かがみが、村雨君が、赤木さんが、ジョセフさんがいる。
ここにいない覚悟君や服部君やエレオノールさんの分、そしてハヤテ君やナギの分まで、私が頑張らないといけない。
そうじゃないと―――私は生きてる意味なんてないじゃない!
私は決めた。
「つかさ、かがみ、みんな……待ってて」
私はまた、戦うよ。
その、刹那。
ガサリ、という草を掻き分ける音に、私は素早く一歩下がる。
―――誰か、いる。
殺し合いに参加した経験が、私の勘を鋭くしていた。
唾を呑む。
日本刀を構える。太刀打ちできるかは分からない―――でも、何もしないよりはいい。
勝てなそうな相手なら、隙を付いて逃走しよう。今の私は、仲間を見つけてもう一度主催者を倒すことが一番なのだから。
そして、私の視界の先に現われたのは―――
支援
※
ま た か 。
俺は、何度目になるか分からない溜め息を吐いた。
いい加減にしてくれ。もう何回ロワに出たと思ってるんだ。
はっきり言ってもうネタも尽きただろ?な?
しかし、皮肉なことに俺はよく知っている。ここは夢ではない現実で、嘆いたところでどうにもならないってことは。
……仕方ない、支給品の確認をするか。そして誰か知り合いがいないかも、だ。
…………まあ、あいつは確実にいるんだろう、どうせ。
悔しいがあいつと俺は二人で一セットのようだからな。
……べ、別に心配なんてしてないんだからっ!
もうあれだけやれば慣れたもの。俺は真っ先に名簿を取り出し、開く。
やはり、そこには予想を裏切らず、あのガチレズ悪臭ツインテール……かがみの名前があった。
そして、俺の嫁・みなみや朝倉や赤木、長門や南姉妹、俺以外の書き手諸氏など、見知った名前が大量にあった。
……やっぱりか。何となく分かってはいたが、いい気分はしない。当たり前だ。
殺し合いには慣れたが、好きにはなれそうもない。
……そして何故か自分の名前が三つもあることには触れないことにした。
(カオス)……はきっとこの俺だろう。しかし(神)って何だ。神(笑)でもあるまいし。そんな俺は知らないぞ。
(かがみ)……ってなんじゃこりゃ?俺はかがみじゃないぞ。
ややこしすぎる。
……もう何でもありだ。気にしたら負けだ。
―――何、どうするか、って?
この殺し合いで?
そんなの、決まっているだろう。
俺は、『光』になった男だ。
死に行った仲間たちから、戦友から。
俺は力を分けてもらい、テラカオスを打ち破ったんだ。
そんな俺が、殺し合いに乗るわけにゃいかないんだよ。
一度じゃ足りなきゃ二度、二度じゃ足りなきゃ三度。
何回でも皆を救ってみせるさ。
……本音は、もうロワになんて出たくないがな。
しかし、それには気をつけなければいけないことがある。
それは誤解フラグだ。毎回毎回誤解されては、自分で状況を悪くしている。
……今回こそ、誰からも誤解されないようにするんだ。
そのためには笑顔だ、笑顔。人当たり良く、だな。
命を狙われた時は仕方ないが、あまり疑われる行動はしない方がいい。
俺が疑われると、かがみやみなみにも迷惑がかかるからな。
―――そう、俺は迂闊だった。
何度もロワに出続け、余裕が生まれていたからだろうか。
「なあ、兄さん」
俺はその時逃げるべきだったんだ。
その声で、気付くべきだったんだ。
支援
支援
アッー支援
しかし俺は、今回こそは誤解されないようにということに気をとられていた。
だから、
俺は、振り向いちまったんだよ。
そこにいたのは、青のツナギを着た、眉毛の太いいい男だった。
俺は、気付いた。
自分が、失敗したということに。
男はツナギのジッパーを下げながら、こう言った。
「や ら な い か」
冗談じゃない!
俺は前も後ろも散々アレな目にあわされたんだぞ!?
俺を犯すのは、かがみだけで十分だっ!!
最後まで聞くか聞かないかのうちに、俺は踵を返して逃げ出した。
逃げ出した、つもりだった。
「おいおい、目を合わせておいてその反応はないだろう」
男は目に止まらぬ早さで俺の肩をたくましい腕でがっしりと掴んだ。
ゲェッ―――!
「俺は死んだはずだったんだが―――何故か今ここで生きている。俺が掘って死んだはずの奴も生きているようなんだ。理由はよく分からないが―――何にせよ性欲を持て余していてな。道下もいないし、お前に付き合ってもらうぜ」
そして男、いや阿部高和は俺のことを押し倒す。
か、勘弁してくれ!
こんなところでアッー!なことになったら、また誤解される!
それにいい加減犯されるのは嫌だ!
俺が犯し……いやいや、健全な関係を持ちたいのはみなみだけだ!
「俺はノンケでも食っちまう男だからな」
奴が俺のズボンをはぎ取り、下着までも降ろす。
俺のオッ○セイが外気に晒される。
ら、らめええええ!ストップストップ!
だめだ、こんなとこで食われる訳には……
俺は男が自らも服を脱ぎ始めたその時、ディパックに手をかけていた。
そして手を突っ込み、一つの支給品を引っ張り出す。
出ろ、出るんだ、武器!
こんな時に下らない武器だったら承知しないぜ!
俺は掴んだそれを―――俺の尻を掴もうとしていた奴の右手に突き刺した。
それは、わずか一瞬だった。
もし失敗したら、なんて今は考えている場合じゃない!
「ってえ!」
やった、ナイフとは、運がいい!
痛みに悶絶する阿部の隙をつき、俺はディパックだけを引っ掴み逃走した。
今度は成功。
しかし、後ろは振り返らずに走り続けた。
立ち止まってる余裕なんてあるわけがなかった。
ゴッスンゴッスン支援釘!
支援
「……はあ……はあ……はあ……」
…………五分ほど駆けて、俺はその場に崩れ落ちた。
……やばい、始まってすぐでこんなに体力を使うとは。
これは死亡フラグだぞ。
こんな時に新たな襲撃者が来るのがオチだ。
ロワの世界ってのはそういうもんだろう。
何はともあれ、ホモに掘られてショック死というどこぞの語り部みたいな事態は免れたな。ディパックに入っていたこのナイフに感謝してもし足りない。
ありがとうナイフ。お前のこと愛してるぜ。
まあ俺の嫁はみなみだけどな。
深く息を吐く。何度目だ、本当に。
……いつまでも気負っていても仕方ない。
せっかく逃げ切れたことだし、後は残りの支給品をチェックして知り合いを探しに行くか……
そう思っていた時だった。
俺の目の前に、突然少女が現われた。
森の中を歩いていたらしく、髪や制服にところどころ落ち葉がくっついている。
あれ、これ、ヒナじゃね?
間違いない、ハヤテのごとく!のヒナギクじゃないか。悪いがツンデレはさほど好みじゃないんだ。どこぞのガチレズが頭をよぎるからな。
ヒナは俺と視線があった瞬間に険しい顔になり、その手に日本刀を構えた。
……まあ、無理もないか。一応バトルロワイアルだしな。
カオスロワでは初めて見る顔だが、漫画ロワを見る限りだと多分マーダーにはならないだろうし、一緒に仲間を探してみてもいいかもしれない。
よし、俺はとりあえず殺し合いに乗っていない旨を伝えよう。
「あの―――」
俺は一歩進み出る。
「俺は」
そして、もう一歩踏み出して、
「……いっ……いやああああああああああああああああ!!!」
自己紹介をしようとした瞬間、ヒナは凄まじい悲鳴を上げて俺とは逆方向に走り出した。
まさに疾風のごとく、である。
なっ……何だ!?
俺が何をしたって言う………ん?
あれ?
そういや……
何か、何か引っかかるぞ?
支援!
ある意味武器出とるw
しえーん
支援
駄目だこりゃw支援
支援
支援を や ら な い か
6/!したー!したー!
>痛みに悶絶する阿部の隙をつき、俺はディパックだけを引っ掴み逃走した。
あれ、何か……
何だろう、この嫌な汗は。
何かとんでもない―――誤解を招くことをした、気が―――
>ディパックだけを
……ナンテコッタイ
そうだ、俺は今―――
下半身丸出しじゃないか。
………また、誤解された……。
あれやばいだろ絶対。
下手すればマーダーと誤解されるより更に悪い。
死姦の次は露出狂か!
よりにもよってラスボス戦で全裸になったり、犯されて脱がされたり、俺はどうして裸に縁があるんだ!?
……ははははは、またか。またやっちまった。
もう誤解されたくなんてなかったってのに。
俺は自らの露出した部分を隠すように、草むらに座り込む。
下半身が寒い。ちくちくする。
無理もない。
今すぐにでもズボンを穿きたいが、阿部さんのところに戻るのは勘弁だ。
……ああ、みなみに会いたい。
また、みなみに会えるんだ。早く探しに行きたい。
かがみも探してやる。他の仲間たちにも、会いたいんだ。
でも、この状態でどうすればいい?
このまま歩き回れば、俺はただの変質者だ。
……ふと、名簿に書かれたあと二人の俺のことを思い出す。
二人の『俺』は、ここで何をしているのだろう。
奴等も誤解され、今の俺のような状況にあるのだろうか。
……そんなの、嫌だ。
俺は、もう嫌なんだ。
誰かが死ぬのは、もう。
みなみもかがみも皆、生きていて欲しいんだ。
もうロワになんて出たくない―――ただ、書き手として細々と小説を書いていきたいんだ。
だが、それには誤解がつきまとう。それならどうしたらいい?
支援ですとも
―――俺だ。
そうだ、その手があった。
『俺』なら、俺を疑いはしないんじゃないか。
俺は他の誰よりも、俺が誤解フラグを持っていることを知っている。
それなら、もう二人の『俺』も、俺に協力してくれるんじゃないか?
……まあ、あと二人の俺がどうしようもない誤解をばらまいてくれていないことを祈りたい。
何はともかく、『俺』なら俺のことを信じてくれるはずだ。
よし、決めた。
俺は、二人の俺に会う。
そして、かがみやみなみやカオス5期のみんなや書き手氏たちと合流して―――主催を倒そう。
もう嫌になるくらいロワには出た。恐怖も、悲しみも克服した、はずだ。
仲間を救うこと、それが俺のすべきことだから。
「よし、やるぞ!」
俺は、新たな決意を手に、進み始めるのだった。
下半身を露出したままで。
【A-5/森/一日目-深夜】
【6/氏@カオスロワ】
[状態]:健康、下半身裸
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[方針/行動]
基本方針:仲間ともう二人の自分と合流し、主催者を倒す
1:着るものが欲 し い
2:とりあえずもう誤解されたくない
[備考]
※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
※自分以外の6/氏に関してはさほど深く考えていません。
支援
282 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 01:34:38 ID:HamHYq3r
可哀想にwwwwwwwww
※
逃げられちまったか……。惜しいことをした。
せっかくのいい男だったんだがな。
しかし、どういうこった、これは。
萃香ちゃんと殺したはずの高町なのはや、俺が食っちまったキョン君、放送で名前が呼ばれたゴマモンや柊かがみ(イッカクモン君と一緒にいたな、どうでもいいが)なんかがここにはいるらしい。
しかも、俺は確かに死んだと思ったんだが―――不思議だ。
……いや、気にしても仕方がない。きっと俺は運が良かったのだ。
これでまた男を掘れるってもんだ。
逃げられたのは、死んだからかいまいち調子が掴めなかったからだ。
腕は痛む。しかし、今は俺の息子を収めることが先だ。
またキョン君を掘れるなんて、素晴らしいじゃないか。
それにここは俺がさっきまでいた会場とはメンバーの一部を除き全てが違う―――きっと、まだ見ぬいい男がいるに違いない。
ああ、焦るなよ、俺の息子。
ちゃんと俺が収めてやる。
もう前回みたいに、女に反応したりなんかさせるか。
今度こそ俺は―――男を掘って掘って掘りまくるっ!
だから、見ててくれよ道下。
俺と俺の息子の勇姿をな!
【B-5/森/一日目-深夜】
【阿部高和@ニコニコ動画バトルロワイアル】
[状態]:健康、ヤル気満々
[装備]:なし
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(2〜3個)
[方針/行動]
基本方針:いい男を掘る
1:キョンをもう一度掘りたい
2:6/氏(カオス)はいずれまた掘りたい
支援
支援
支援
※
……いる、んだ、本当に。
変質者って……
確かに白鳳でも近くに女子生徒に声をかける不審者がいるとは聞いていたけど……
自分には関係ないって他人ごとみたいに思ってたから……
まさか、本当に下半身丸出しで歩いてる人がいるなんて……
……見ちゃった。
月明かりの下、ばっちり、はっきり、くっきり……
……っていやあああああああ!何思い出してるの私!
忘れてろ、忘れるんだ桂ヒナギク!
乙女の尊厳に関わるわっ!
……でも……私ここに来る前にも一回ばっちりと見てるし……ってだから何思い出してるのよ!
記憶から抹消しないと……!
……よし、忘れる、忘れるんだ。
あれは悪夢。蜂に刺されたようなものだ。そう思わないとやっていけない。
……あ、あいつは女の子の敵!今度会ったら根性叩き直してやるから……!
「……よし、落ち着いた」
言い聞かせるように呟く。
もう変質者には……殺し合いに乗った人にも会いませんように……
そして早く仲間と合流できますように……そう、願う。
そう、次に会うのは、知り合いの―――
「なあそこの君!頼みがあるんだ!」
知り合いの―――って、えっ!?
油断も隙もない。
いつの間にか、私のすぐ目の前に男の子が立っていた。
早い―――気配を全く感じなかった。
「っ―――!?」
まさか私を殺そうと!?
私が振りかざした日本刀を避けるように、少年は私に更に近寄ってきた。
「俺は殺し合いには乗ってない!信じてくれ!皆でこの殺し合いから脱出したいんだ!」
熱い言葉に、私はやや手を緩める。
嘘を吐いている顔ではない。
もう少し用心してもよかったのかもしれないけど、それができない私はお人好しなのかもね。……なんて。
それにしても驚いた。なんて早さなのかしら。
何に燃えているのか知らないけど……
「…………殺し合う気はない、の?」
「ああ、ない。君は俺のクラスメイトじゃないみたいだけど……俺はどっちにせよ、あいつらを倒してここから出るつもりだ。そして―――」
その顔が、似てもいないのにどこかハヤテ君と被った。
あ、そっか、似てるんだな、少し。
無害そうだし、信じてみても―――
「―――お願いです、この服を着てください!」
ぱさり。
―――ん?
「……ちょっと胸位が残念だけど、君みたいな綺麗な子だったら似合うと思うんだ。俺の夢なんだ!頼むよ!」
そう言って、少年は私に露出度の高い服を差し出し、頭を下げる。
これは何の服だ、とか。
ここは殺し合いの場なのよ、とか。
そもそも何者だ、とか。
聞くべきことはたくさんあるけど。
とりあえず―――
殴っておいていいですか?
かくして乙女の尊厳は、ずたずたに切り裂かれていくのであった
支援
しえん
駄目だこいつらwww支援
支援
【C-5/森/一日目-深夜】
【桂ヒナギク@漫画キャラバトルロワイアル】
[状態]:健康、脱力
[装備]:ムラサャーミャ&コチーテ@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd
[持物]:基本支給品一式、五寸釘、藁人形、金槌の呪いセット@オールジャンルバトルロワイアル、きゅうり@やる夫がバトルロワイアルに参加しているようです
[方針/行動]
基本方針:仲間を見つけて、今度こそ皆で生きて脱出する
1:つかさ、川田を助けたい
2:ここ変態ばっかりよー!
※死亡後から参戦
※6/氏(カオス)を変質者と認識しています。
【前原圭一@やる夫がバトルロワイヤルに参加しているようです】
[状態]:健康、メイド萌え
[装備]: なし
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)、メイド服@現実?
[方針/行動]
基本方針:ロワから脱出。女の子にメイド服を着せたい
1:目の前の女の子(ヒナギク)にメイド服を着てほしい。……でもスタイルが残念だな
※参戦時期は次の書き手の方にお任せします。
下半身www
投下終了です。
6/氏ごめんなさい。自分は6/氏が大好きです。
もうだめだこいつらwwwww
投下乙
ヒナギク、親友を救おうと決意した矢先にギャグ空間に堕ちたwww
もう何て言えばいいかわからん
シリアスな空気が全部ふっとんだw
投下乙!!ww
へ…… 変態ばっかりだー!
ガチホモに下半身露出魔にコスプレ萌え……
どー考えても人として終わっています。
ヒナギクサンは頼むからまともでいてくれよ?
なんかあって結局それ着るとかなしよ?
投下乙!
お前俺の腹筋を崩壊させるつもりかwwwwwww
こっちの6/も誤解フラグばら撒きすぎだろw
そしてヒナギクかわいそうに
300 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 01:42:36 ID:HamHYq3r
これはひどいwwwwwwwww
まともにロワしろおまえらwww
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは面白いものが始まってるなと追いつこうとしていたら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ いつのまにかウホッ! イイ男なものが投下されていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも いつオットセイが出たのか わからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 股間がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ ナースだとかセーラー服だとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいロワの 片鱗を味わったぜ…
あと投下がくるかもしれないのはいくつだっけ
投下乙です
まともなやつほとんどいねえwwww
このカオスな世界に飲み込まれていくのかメイド服を着るのか自分の道を進むのかどーなるヒナギクwwwww
すみません、ミスがありました。
位置ですが、
阿部さん→B−4
6/氏→B-5に変更です。
wiki時に修正しておきます。
まだまだくるね
もうwktkが止まらないw
シリアスからギャグからカオスから…
リピーターってのは怖いなwお前ら最強だよww真面目にやってる奴らが可哀想だwww
すげー……予約スレに続々と予約が入ってるよ…
ウホッ! いいカオスなロワ……
木曜予約は今日が締め切り?wktk…何作残ってたかな
黒井ななこ、投下します。
なんでやねん。
何度でも言うたる。なんでやねん。
うちは昨日、スポーツニュース見ながらビールをちびちび飲んで、そのまま寝てしもうたはずや。
なのになんで、起きたら殺し合いとか始まっとんねん!
夢かと思うてほっぺたつねったり、壁に頭突きしてみたりしたけど……。残念ながら、普通に痛かった。
どうやら現実みたいや。とても信じられへん事態やけどな。
だいたい、なんで柊が二人いるんや。あいつは確かに、泉や高良と一緒におった。
見つけて近寄ろうとした瞬間、あの二人組が出てきて……。
そして泉たちがおったところとは全然違うところからもう一人柊が出てきて……殺された。
いったいどういうことや。世の中には似た人間が3人いるとは言うが……。他人のそら似?
それやったら、なんであの子はうちの高校の制服を着てた?
いくらなんでも、同じ高校に血のつながりもないのにそっくりな二人がいたら話題になるはずや。
うちらの動揺を誘うために、あの怪しい二人が前もって着せていた? いやいや、なんでそこまでする必要がある。
うちらになんの恨みがあるっちゅうねん。というか、こんだけうちの知り合いが集められとるっちゅうことは……。
本当にこの中の誰かがあいつらの恨み買っとるんちゃうか?
あー! もうわけわからん!
とにかく、いっぺん落ち着いて考えてみよう。ここに連れてこられとるうちの知り合いは6人。
泉、柊姉妹、高良、それに小早川と岩崎。みんなうちの高校の生徒や。
涼宮ハルヒとかキョンっちゅう名前も、どっかで聞いた気がするんやけど……。まあええ。
この殺し合いは、最後の一人になるまで続く。ピエロはそう言っとった。
つまり、うちも含めた7人のうち、6人は確実に死ぬっちゅうことや。いや、一人も残らず全滅っちゅう可能性が高い。
あいつら全員、ただの女子高生やぞ? 殺し合いなんかやらされて、そんなもんまともに出来るわけないやろ!
最初の体育館には、やたらでかいトカゲやら明らかに目つきがやばい兄ちゃんやらがおった。
あんなのに襲われたら、あいつらなんかひとたまりもないわ!
どうすればええ! どうすればあいつらを死なせずにすむんや!
この島から脱出する? そんなことしたら、首輪がドカンでジ・エンドや。
だいたいここがどこかもわからへんのに脱出したって、海で遭難して野垂れ死んでしまうわ。
誰かが助けに来るのを待つ? 誰や? 警察か? 確かに同じ高校の生徒と教師が7人もまとめて行方不明になったら、警察も動くやろ。
せやけど、ここが見つかるまで何日かかる? ここが日本かどうかもわからへんのやぞ?
ひょっとしたら、地球の裏側かもしれん。警察が見つけた時には全員死んでました、なんてことも十分あり得る。
それじゃあ意味がないんや!
あかん、自分でも何が言いたいのかわからんようになってきたわ……。
ようするに、あのピエロどもの言うとおり殺し合いやって、最後の一人まで生き残るしか生きて帰る方法はないっちゅうことか?
あいつらがそんなこと出来るわけ……いや、出来ないこともない。
あいつらは人を殺せへんやろう。それでええ。代わりに、うちがあいつら以外の連中を殺したる。
そして、あいつらの誰かを最後の一人にしてやるんや。
言うても、うちかてただの世界史教師や。一人や二人はまぐれでどうにかなるかもしれんけど、さすがにあいつら以外全員を一人で殺すのは無理やろ。
それでも、やるしかない。一人でも殺せば、それだけあいつらの生き残る確率は高くなる。
少しでいいんや、少しでもあいつらが生き残る可能性を増やせたら……。
わかっとる。こんな考え、間違っとるっちゅうことは。このやり方じゃ、最高でも一人救えるだけや。
せやけど、これ以上いい方法が思いつかん。全員死ぬくらいやったら、一人だけでも生き残った方がましやろ。
ああ、最低や。本当に最低や、自分。生徒のためとか理由付けて、結局は自分のわがままのために人を殺そうとしてるんやからな。
せやけど、それでも……。それでもうちは、教え子に死んでほしくない!
あいつらが死ぬなんて耐えられへんのや!
うちも死にたくはない。生きて帰りたい。せやけど、それ以上にあいつらに生きて帰ってほしいんや。
たとえそれが、一人だけだったとしても……。
◇ ◇ ◇
一振りの剣を手にして、うちは今までいた建物を出る。
剣なんてネトゲの中ではともかく、リアルで使ったことなんかない。
せやけど、うちに支給された武器で一番まともなのがこれやったんやから仕方ない。
他のは胡散臭くて、とても使う気にはならん。まあ、この剣も十分胡散臭いんやけどな……。
説明書によれば、「アーサー王の愛用した剣、エクスカリバー」らしいけど……。
誰がそんな説明信じるかっちゅうねん! そんなもんの実在が証明されたら、世界史が傾くまではいかなくとも大揺れするわ!
世界史教師舐めんなや、ボケ!
まあ、泉あたりがこれ当てとったら、大はしゃぎしそうやけどなあ……。
それはさておき、使い慣れない武器一つで殺せる相手なんか限られてくる。
慎重にいかなあかん。真っ向勝負を挑むなんて論外や。
不意打ち、だまし討ち、その他諸々。相手が全力を出せない状況で殺す。これが理想やな。
卑怯やなんやと言うとる場合やない。力のないうちが殺し合いでやっていくには、頭に頼るしかないんや。
みんな、頑張って生き残ってくれ。あんたらは、生き残るだけでええ。
汚れ仕事は、うちが引き受けたるから……。
情けないけど……それがこの場でうちが出来る、教え子のための精一杯の行動や……。
【D-6/娼館前/一日目-深夜】
【黒井ななこ@らき☆すた(原作)】
[状態]:若干の混乱
[装備]:エクスカリバー@オールロワ
[持物]:支給品一式、不明支給品1〜2(ななこから見て「胡散臭い」もの)
[方針/行動]
基本方針:こなた、つかさ、かがみ、みゆき、ゆたか、みなみのいずれかを優勝させる。
1:上記6人以外の参加者を殺す。真正面からの戦闘は極力避ける。
短いですが、以上で投下終了です
誤字脱字、気になる点などありましたら指摘お願いします
正直関西弁はあまり自信ないけど、元々ななこ先生はエセ関西弁って設定だし大目に見てください……
黒井先生がまさかの奉仕マーダーとは
これは意外だった
乙です
らきすたキャラから奉仕マーダーが生まれましたか
このまま修羅の道を行くか、それとも・・・・・・
泉こなた、地球破壊爆弾No.V-7 投下します。
暗くて暗くて、そして暗くて冷たい森の中を小さな影が明かりも点けずゆっくりと進んでいた。
サクサクという小さな音を立てながら草を踏み、一見迷い子のようでありながらしかし確かな足取りで。
一切の明かりも見通せぬ深い闇の中に放り込まれてからどれぐらい歩き続けたのだろうか。
それはとても長かったかもしれない。逆にそう感じるだけで本当はとても短かったのかもしれない。
だが、遂には人影は闇を脱する。
それと比べれば遥かに明るく、しかし陽の光と比べればとてもそうとは言えない暗い夜の中へと辿りついた。
闇より抜け出して露になったその姿はやはり小さく、見た目からすれば十に少しの数を足した程度の歳にしか見えない。
それに相応しい幼い顔には静かな表情を湛えており、人目を引く膝裏まで達する長い髪は静かな風に揺られていた。
青い襟の白いセーラー服の少女。誰からか、または誰からよりもこなたと、そう呼ばれる彼女の姿がそこにあった。
歩みを止めた彼女の目の前、深き森を通り抜けたその先にはぽつんと一件の洋館があった。
どこからも道は続いてきておらず、どこにも愛想のよい部分は存在せず、まるでいかにもだと思わせんが為の様な風体。
風に角を削られた赤煉瓦。そこに伝う幾重もの雨だれの後。いつ手入れされたのかも定かではない花壇の成れの果て。
こなたは館より視線を空へと持ち上げてゆき、黒い尖塔の上に突き刺さりそうな位置で輝く月を見上げた。
白くて白くて、そして白くて冷たく心地よい光を振り下ろす丸い月――満月を見る。
それは一瞬だったのか、それとも思いのほか長かったのか、彼女は視線を再び地上へと下ろし瞼をゆっくりと閉じた。
そして、誰にも聞こえない声で何かを呟いた。
止まっていた足が再び歩き始める。
始めからそうだと決まっていたかの様に、運命という糸に手繰り寄せられている様に真っ直ぐと彼女は進み、
館の中と外を隔てる厚く重い扉にその小さな手をかけた。
★ ★ ★
パタンと、後ろ手に薄い扉を閉じると泉こなたはふぅとわかりやすく聞こえる大きな溜息をついた。
時間にすればまだ30分にも満たないその間で起きた色々な事柄。
何時の間にかに誘拐されてて、謎の人物達に殺し合いを強要されたと思ったら、次の瞬間には別の場所にいた。
並べてみればそれはもう荒唐無稽と言う他はなかったが、なまじ冷静だった分にかこれが現実だと彼女は強く実感している。
「あー……、よく考えたら制服着てるのもおかしいじゃん」
今更ながらに自分がセーラー服を着ていることに気付き泉こなたはもうひとつ溜息を漏らす。
寝ている間に攫われたなら寝巻き姿であるのが妥当なのだが、そうでないとするならば着せ替えられたのか?
もしこれがあのピエロの様な男の仕業だとすればそれはゾッとする話だった。
「あの瞬間は、逆にこれはドッキリイベントだって思ったんだけどなぁ……」
必要以上に派手派手でそれっぽくはあっても決して本物には見えないピエロの怪人と、いかにも前時代的なデザインの白い怪人。
あまりにも作り物めいた姿だったので、とてもじゃないが見た目通りの悪役の様なものとは思えなかった。
逆に黒服の外人などが銃を振り回していればリアルさに震え上がっていただろうから、それはある意味ありがたくもあったが。
★ ★ ★
うら寂れた外観とは異なり、経た年月こそ感じさせるものの手入れの行き届いた館の中をこなたはすいすいと進んでゆく。
どの窓にも厚いカーテンが掛かっていたから外からは気付けなかったが館内は所々に明かりが点されておりそれに不自由はない。
短いプリーツスカートの裾から細い足を伸ばし、一歩一歩に心地よい感触を返す真紅の絨毯の上を歩いてゆく。
明るさのおかげか先程よりかは幾分か表情は柔和で、そしてどうしてか少しそわそわしているようにも見られる風に。
支援
いくつかの角を曲がり、代わり映えしない背景の中をこなたは黙々と歩く。
廊下の隅にある飾り棚とその上に並べられた皿や壷。壁に掛かった風景画。どれも高価な物かも知れなかったが見向きもせず。
ただどこかを探して、目指しているようなそんな足取りで、そしてそれは少しずつ早くなり……
歩みが後僅かで走りに変わりそうなところで、こなたはようやく目的地の前に到達した。
彼女の目の前にあるあまり大きくない扉には金のプレートが張られており、そこにはただ”W.C”とだけ部屋名が打たれていた。
小さな息を漏らし、軽いノブへと手をかけると、彼女はゆっくり扉を押し開けてゆく。
★ ★ ★
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………」
突発的なイベントも一通り終えたかと判断すると泉こなたは閉じた便座の上に腰を下ろし改めて大きく息を吐いた。
検め終わった真っ黒なデイパックを膝の上に抱え直し、とりあえずはどうすればいいのかとそんなことを考え始めてみる。
「……殺し合い、か」
殺し合い。
比べれば他のどんな要素よりも重たい言葉である。
それを強制されてるとはいえ実際には本人が能動的である他はなく、受け入れるにしろしないにしろ気は重たかった。
名簿とやらを見てみれば、かがみ達だけでなくゆーちゃんやみなみちゃん、更には黒井先生までと見知った名前が多かった。
第一の前提として死ぬのは嫌だ。勿論、殺すのも真っ平だ。例え相手が知り合いでないとしても。
ましてや友達が自分を殺そうとするなどとは想像したくもなく、みんなともう会えないかも知れないと考えると悲しかった。
「どうしよう……?」
行く当てはない。動き出さなくては何も変わらぬのだとしても、何を目標に何処を目指せばいいのかそれが思いつかない。
こんな寒々しい場所でヒッキーしてても事態は解決しないとそう思っても、理性は冷たく現実を認識してしまう。
それはつまるところ、泉こなたに殺し合いなどはできっこないのだと。
――コツ。と、足音。
ふさぎ込んでいた泉こなたの全身が総毛立ち、緊急事態に心臓が高く高く鳴り始め、恐怖に身体が強張ってゆく。
何時の間にかにレストルームの中に誰かが入ってきていた。
それが誰なのか足音だけでは知る由もない。女性用の場所だから女性かも知れない。もしかしたら自分達の様な子供かもしれない。
けれども、誰かを殺そうとしている者なのかも知れない。
泉こなたは小さな両の掌の中に一丁の回転式拳銃を強く握る。
初めて拳銃を手にした感想はやはり重たいということ。片手で振り回しバンバン当てるなどとはアニメの中だけの話とよく理解できた。
しかし死にたくないのならば撃つしかない。扉の向こう側にいる誰かがこちらを殺そうとしているのならばそれ以外にはない。
せめて開けた場所にいれば、殺されてしまうとしても逃げることに必死になれただろうと、そう考えても最早遅く、
今はただ、狭く冷たい箱の中でその時を、後1分もかからずにやってくるであろうその時までを、ただ息を殺して待つだけ。
何がいけなかったのかそんなことは解らなかったが、こんな時に思い浮かんでくるのはただ後悔ばかりだった。
★ ★ ★
それが薄い扉を潜ると、足音は今までとは違うコツ――というはっきりしたものへと変化した。
靴の裏が床に張られた白いタイルを叩く度にコツと、コツコツと静かなそこに音が鳴り響く。
部屋の中には僅かな湿気と濁った水の臭い。薄く赤錆を浮かべた水道管と洗面台に並んだそいつの姿を映さない鏡。
トイレの中への入ってきたそいつは、ゆっくりと広くはない室内を見渡すと喜色を含んだ息を漏らす。
そして、それまでとは真逆に鈍い歩みでそこへと向かい始めた。
入り口から見て一番奥の、一つだけ扉の閉まった――つまりは中に人がいることを表明してしまっている個室へとゆっくり。
もったいぶっているのか、甚振っているのか、それとも大して意味はないのか……コツ、コツ、コツ、と……。
★ ★ ★
コツ、コツ、コツ……と、カウントダウンの様に音は刻まれ、そして近づいてくる。
一つ音が鳴る度に心の中の一つの感情が絶望へと塗りつぶされてゆく。
こんなシチュエーション。やってくるのは怪物に違いないと泉こなたは思う。それはお約束であって、また正しいと。
自分の役割は哀れな被害者――少女A。
冷たい手に力をこめ重たい拳銃を扉の方へと構える。
本物は知らなくとも知識ぐらいはある。ゲームはほぼオールジャンルを得意としゲーセンの体感ゲームもそれに漏れない。
だから、ガンシューティングも得意だ。
偽物の銃は重くもないし反動もなかったが、例え本物の銃でも最初の一発ぐらいなら同じ様に狙えるだろうと彼女は思い込む。
無駄な抵抗ぐらいはしてやろうと。
――コツと、扉の向こうで足音が止まった。
扉越しに撃ってしまおうかと思ったが、彼女はしかし躊躇った。
もしかしたらそこにいるのは友達かも知れないし、自分を殺そうとしている人でないのかも知れなかったから。
せめて声だけでも聞いてから――もし相手が怪物であったのなら致命的な、そんな判断を泉こなたはしてしまう。
そして次の瞬間、扉はあっけなく開かれた。
掛けられていた錠の物理的な抵抗など無いが如くに、扉は何者かにより容易く押し開けられる。
最初にミシという木が軋む音。続けて力に負けた錠が変形し差し込んでいた捩子ごと扉から離れて床で高い音を鳴らした。
広がってゆく隙間からその向こう側にいた何者かの姿が少しずつ明らかになってゆく。
最初に見えたのは自分と同じぐらいの長さの髪。
そして、自分が今着ているものと全く同じデザインのセーラー服。
小学生と間違われるぐらいの背丈も一緒で――いや、何もかも鏡写しの様に瓜二つで――
「やぁ、はじめまして泉こなたちゃん☆」
――それが、泉こなたの既知との遭遇の始まりだった。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「とりあえずは、バトルロワイアルの世界にようこそ……かな?」
「はぁ」
「分かり易く言えば、こなたインザワンダーランドかな? ここはキルゼムオールな分、物騒だけどねー」
「……それはいいんですけど、どうして」
――お風呂なんですか? と、泉こなた(以下、こなた)。
彼女と、彼女と同じ姿をした地球破壊爆弾No.V-7(以下、爆弾)と名乗った少女(?)は今は浴室で一緒に湯へと浸かっていた。
トイレで一人鬱になっていたこなたを”何故か”手際よく見つけた爆弾は手短に自己紹介を済ませると、
自分のそっくりさんを見て固まっていた彼女の手を引っ張り、再び真赤な絨毯の上を迷いなく進むとここまで連れて来たのであった。
それはこの館の主人かそれとも婦人が使う為のものなのか、その豪華さにこなたも一瞬呆気に取られる。
床には薄桃色を基調としたモザイクタイル。壁には一枚一枚ごとに別種の花が封入されたガラスタイル。
シャワーヘッドやノズルなどにはふんだんに金色が使用されており、そのどこにでも精巧な意匠が施されている。
派手な他とは対照的に白磁のバスタブは小さめで、それが薔薇の香と湯気が充満する広い部屋の中では逆にとても贅沢に見えた。
と、そんな流れで流れに飲まれるままだったこなたを爆弾はその勢いでお風呂に誘い現在に至る――
「まぁ、裸のつきあいって言葉もあるし?
いきなりこんな所に引っ張り出されてイミフってのはこっちも同じな訳で……、
どうせゆっくり今後の身の振り方ってのを考えるなら、鬱々暗いとこでするよりかはこういうのがいいと思ったのだよ」
「まぁ、理には適ってますけど……じゃあ、いっこ質問」
「何かな?」
「どーして見つけられちゃったのかな、と。まぁ、トイレの中ってのがベタなのは認めますけど……後、私を知ってるってことも」
「それは単純に前にも似たようなことがあったからさ。森の中でこの洋館を見つけてねー、ティンときた。
で、同じところに行ってみれば案の定ってわけ。このお風呂にしてもね。それぞれ多少の誤差はあったわけだけど」
「誤差?」
「そうだねー。まず出会ったのが君だったというのが一番の違いかな。後は、動く甲冑がここにはいなかったりね。
後は細々したことだよ。館のディティールとかそういうの」
「じゃあ……」
「どうして君のことを――泉こなたのことを知っているのか、でしょ?
この姿も気になるだろうし……まずはそこらへんから君には認識してもらおうか」
そう言うと、こなたの姿をした爆弾は彼女ならば決して見せないであろう笑みを浮かべた。
同じ幼い顔でありながらどこか年寄りめいた、賢者かそれとも大嘘つきのようなどちらとも取れるような妖しく優しい笑みを。
☆ ☆ ☆
「尋ねるけど、参加者名簿にはもう目を通したかな?」
「一応は」
「その印象は? ズバっと答えてもらいたいなぁ」
「……ぶっちゃけちゃうと、うそ臭いっていうか。……全員が本名って訳じゃないですよね? HNとかそういうのみたいな」
「そうだねぇ〜。普通はそう思うよねぇ〜。それが正常な考え方だよ。
じゃあさ、その考えに至った決定的な部分ってどこかな? ちょっと私に教えてみ?」
「えーと、かえるとか? 確実に人の名前じゃないっていうか、そもそもフルネームでもないし。
後は、涼宮ハルヒとか長門有希とかアニメキャラの名前だし。まぁ、この2人ならギリギリ同姓同名とかでもキョンはさすがに……」
そもそも地球破壊爆弾ってのも人名じゃないですよ。と、こなたは湯の中で爆弾にそう答えた。
同じ湯の中で対する爆弾は、期待していた答えを得られたのか目の前の彼女とは唯一違うところであるその紅い瞳を細める。
「君は私が思っていたよりも冷静だねぇ……なるほど、どうりでそんなに”ソレ”っぽくないわけだ」
「……は?」
「まぁ、これはおいおいとして。
ちなみに私の名前である地球破壊爆弾No,V-7はPNのようなものだよ。正確じゃないけど一言で表すならこれが近い。
それで他の名前も同様だとそう判断するのかな? 涼宮ハルヒなんかも同じだと。例えばネトゲの世界の話のように?」
「まぁ、……ああいうのは競争率高いんで私はスペル違いとかぐらいしかキャラ名は取れたことない――」
「ちょっと、待った!」
「……?」
「あの、もっとフランクに喋ってくんない? ほら、かがみとかと一緒の時みたくさー。なんかかたいんだよ〜」
「いや、そんなこと急に言われても……初対面だし、状況が状況ですし……」
「ネトゲの中では初対面でも、演技とかできんじゃん」
「そんな……ネトゲは対面じゃないし、そもそもロールプレイっていうか……あれ? もしかしてネトゲの中で私と会ってるとか?」
「あぁ、そういうわけじゃない。私はネトゲほとんど知らないし、君との直接的な接触はこれが始めてさ。
でもね〜。君がもちっと普段通りでないと怒られそうな気がするっていうか……。
だから、○○○は日常から外れると途端に書きづらくなるんだ。やっぱ○○○だよなツンデレだし。とか言われるっていうか……」
「おっしゃってる意味がさっぱり掴めませんが……」
だぁ! と、叫ぶと爆弾は湯船の中に勢いよく頭まで浸かってしまう。
突然の奇行に驚くこなたの前に残されたのはたゆたう水面から飛び出たあほ毛だけだ。
「………………――――ぷはーっ!」
「なんなんですいきなり?」
「いや気にしないでくれたまえ。色々厳しいなとここまで来て急にそう思っただけだから。
……そもそも私も相方いないと厳しいのは同じだよね。まぁ、そういう意味では似た者同士なのかな」
「……?」
ともかくとして。と、爆弾は姿勢を正し再び湯船の端へと背を預ける。
二人が一緒に浸かっているバスタブの全長は大体彼女達の身長と同じくらいで、それぞれの端にそれぞれ寄りかかっている。
狭い湯船の中。爆弾は足を伸ばし。逆にこなたは遠慮してか三角座りの姿勢で。
「単刀直入にもう言っちゃうよ。涼宮ハルヒ。これが本物だと言ったらどうする?」
「はい!?」
「わかってる! フィクションの存在に本物も偽者もないっていいたいんでしょ?
けれどこの世の中。実はそんなに単純にはできていない。
これは君自身の存在にも、引いてはこのバトルロワイアルの行く先にもすーっごく関わる(はずの)ことなんだよ」
「…………は、はぁ」
「わかりやすく言っちゃうとだねぇ……つまりは神という存在の肯定かな」
「それはいわゆるゴッドという……?」
ここが不思議の国だとすれば、目の前にいるのはハンプティ・ダンプティだろうかとこなたは思った。
怪しくありながらもなんとも意味深で確信的というか、えもいえぬ存在である。
「例えば、一つの漫画があったとしたらその世界にとっては作者は神様なわけじゃない。
でも、基本的にその世界で生きている人達はそんな存在のことは知らない。ただ彼らは目の前の現実を生きている。
こなたちゃんはちゃんと毎日を生きている?」
「は? ……えぇ。毎日アニメ見たりネトゲしたり」
「その現実が漫画やアニメのように途切れ途切れだとは思わないよね。
昨日の記憶も、一昨日の記憶もまるっと24時間。それ以前のも確かに存在しているはずさ。
けどね――」
――私から見たら、”泉こなた”ってのは二次元世界の住人なんだよね。
「そ、それって……」
「つまるところ、その次元の存在はそれ以上の次元よりから見える欠落には気づかないってことなんだけど、
あんまり深刻に受け止めることはないかな。解ったところで特に現実に影響がある訳じゃないしね。
ただこの先のことも考えると先に説明しておいた方が話は早いと思ったのさ」
「じゃあ、最初に私のことを知ってるって言ってたのも?」
「まぁ、そういうこと。
君の知り合いのことも大体なら把握しているつもりだよ。
それで、神様の話に戻るんだけど――」
お風呂からあがろうか。と、そこで爆弾は湯船の中で立ち上がった。
普段より需要はあるさと嘯く己の姿をこなたは鏡越しを除けば初めて客観的に見ることになるのだが、
これからはそんな強くは言えないかもなと心の中でひっそりと思った。
☆ ☆ ☆
「でさ、一時は私もこなたちゃんの神様だったことがあるんだよ」
適当に身体を流した後、二人は浴室を出て近くにあった寝室の中で髪を乾かしたりしながら話しを続けていた。
とりあえずは今は頭にタオルを巻いて、二人してデイパックの中にあったチョココロネをついばんでいる。
「私達の作者……さん?」
「まさかー。
そんな畏れ多い神様なんかじゃないよ。一時っていったでしょ? まぁ、アンオフィシャルな二次創作ってやつだよ」
同人作家さんですか? と、こなたは2つ目のチョココロネを取りながら問う。
いいや素人の手慰みさ。と、爆弾も同じように2つ目のチョココロネを取りながら答えた。
「こなたちゃん。自分のことオフィシャルの存在だと思ってたりする?」
「んな? 違うんですかっ?」
「考えてもみなよー。涼宮ハルヒが殺し合いに参加します。なんて、角川が率先して企画すると思う?」
「あぁ、言われてみれば当たり前かぁ……」
「とはいえ、直前までオフィシャルであった可能性は大だけどね」
「んぐ?」
いくら食べても腹が満たされないのには変わりないなと気づいて、実は吸血鬼である爆弾はパンを食べるのをやめ
代わりにドライヤーをとって髪の毛を下ろして乾かし始める。
「同人であろうとなんだろうとさ。ある以上はアンオフィシャルであろうが存在としての可能性なんだけど、
ねっこにあるのはどれも元となるオフィシャルな存在でしょう?
差があるとしたらそこから遠いか近いかってだけでね」
なるほどという風に頷くとこなたも爆弾をならってドライヤーで髪の毛を乾かし始める。
ターボドライヤーの風量は長い髪を乾かすにはよかったが、音もそれなりなので二人は暫く無言でそれに集中していた。
☆ ☆ ☆
「もうそろそろ出発できるし、とりあえず今のところ知っててほしい分だけまとめちゃうね。
ほんとはいつまでもダラダラしてていたいんだけど、殺し合いって現実そのものはどうしようもないし」
乾かし終わった二人は、柔らかく足の長い絨毯の上で髪を梳きながら話を再開する。
「まずは、私達がもともと何次元の住人だろうと今現在は全員が等しく同じ次元まで落とされているってこと。
つまりは名簿の中にあったあんな名前やこんな名前はもしかしたらその人本人かもしれないってことになる。
もっともこれがオフィシャルを望めない以上、完全な本物とは言えないんだろうけどね」
「じゃあ、ハルヒに会えたりするかもしれないんだー」
「そうだね〜。そこらへんは神頼みってことになるけど、幸運が導き合わせてくれることを私も望むよ〜」
同じ顔の二人は同じ様に笑みを浮かべて、それぞれに思い入れのある涼宮ハルヒへと思いをはせる。
もし知っている通りのハルヒとここで出会えたのならばそれはそれは嬉しいことだろうと。
「でも笑っている場合でもないからね。
上や下にどれだけ次元があろうとも、”ここ”が私達の現実であることに変わりはないから。
ここで死ねばそれは本当の死以外の何者でもない。最初に感じた恐怖を忘れちゃあ駄目だよ〜」
爆弾の言葉にこなたはこくりと頷く。
あの体育館の様な場所でのこと。そしてそれからのこと。おかしなこと続きだが、しかしそれは現実だとも確かに認識している。
目の前にいるそっくりさんの言うことは輪をかけて不可思議なことであったがその存在こそが証拠だとも思えた。
「さて……ここまで長い前置きを置いたのは私や私の同類。
そしてこのバトルロワイアルってものに対する説明をするためだったんだけど……」
これ以上長くなっても怒られるし、朝食の時間にでも話すよ。と、爆弾はデイパックを片手に立ち上がった。
すでにデイパックを背中に背負っていたこなたも続き、二人は扉を開けて館の出口へと長い廊下を歩き始める。
☆ ☆ ☆
「そういえば、爆弾さんのもらったアイテムって何だったんです?」
そう問うこなたの手には先程トイレの中で握っていた銀色の回転式拳銃があった。
彼女にはこれの他に、件の涼宮ハルヒがつけていた団長腕章と魔法が封じられているらしい紙が与えられていた。
「……あぁ。あるにはあったんだけどね、ゴミばっかだったからすぐに捨てちゃったよ。
まったくよりにもよってって感じのものばっかでさ。あれは嫌がらせだね」
でもまぁ大丈夫。と、言いながら爆弾は両手の中に虚空より一丁ずつ自動拳銃を取り出した。
情報操作を応用した一種の投影能力であり、それはとあるガンキチ愛用のソード・カトラスという改造拳銃である。
「三次元の人って……」
「ああ、いやいや。後でちゃんと話すけど私自身も由来はありはすれど……まぁ、複雑な状態なのだよ。
とりあえず、そこそこ強い方だと思うからさ。特にこういう”ラフファイト”だと。
そこだけ期待して、あんまり三次元の人に変な妄想を抱かないように」
言いながら歩いている内に二人は館のエントランスホールまでたどり着いた。
爆弾からすればすでに通ってきた場所であり、館の中からスタートしたこなたにとっては未知への扉でもある。
「さーて、まずはかがみやつかさちゃん達から探してみようか」
「爆弾さんの同類……っていうか、お仲間さんの方は探さなくていいんですか? さっき、相方って……」
「んー、みんなそれなりに強いからねー。後回しでもいいかなって思ったりしないこともないけど。
そりゃあ、ロリスキーさんに会いたいってのは正直な気持ちなんだけどさ」
「あれ? その言い方だと、そのロリスキーって人は相方っていうかもしかして……?」
「ご、ごめんなさい。ここのところだけは口を閉ざさせて。……その、色んな意味で、マズイ」
「男か〜……♪」
重い扉をそうとは感じさせない勢いで開け放つと、顔を赤く染めた爆弾は脱兎の様に駆け出してゆく。
打ち解けてかそろそろ本来の調子を取り戻してきたこなたはそれをニヤニヤと見送り……はたと気づいて後を追い始めた。
こうして、自前の地図能力でいち早く目標の人物を発見し、誰よりも先に接触することに成功した
地球破壊爆弾No.V-7の『らき☆すた計画』は静かに、ひっそりと始まったのであった――……
ちなみに彼らはこの後すぐに合流した。
【B-4/洋館/1日目-黎明】
【地球破壊爆弾No.V-7@書き手ロワイアル2nd】
[状態]:(〓ω〓.)、健康
[装備]:ソード・カトラス(能力)x2
[持物]:デイパック、支給品一式
[方針/行動]
基本方針:『らき☆すた計画』を成功させる。
1:「これって何ロワ?」 まずはそれをはっきりさせるために情報収集。
2:泉こなたを保護する。
3:こなたや自分の知り合いを見つけ出しパーティに加える。
4:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪
5:チート関係に関しては空気読む方向で。また簡単に変身しない。
[備考]
※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。
※嫁はロリスキー一筋です。
※『らき☆すた計画』が何かは現在全くもって不明です。
深遠なる野望があるのかもしれませんが、ただらき☆すたキャラと親睦を深めたいだけかもしれません。
※投影したソード・カトラスは弾丸無限のコスモガンですが、撃つほどに体力を消耗します。
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:エンフィールドNo.2@アニ2(6/6+予備弾24発)、団長腕章@ニコロワ
[持物]:デイパック、支給品一式、魔法『フレイム・ボール』inエニグマの紙@漫画ロワ
[方針/行動]
基本方針:地球破壊爆弾No.V-7と同行して、何とか事態を解決できないか探ってみる。
1:自分や爆弾の知り合いを見つけ出して一緒に行動する。
2:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪
[備考]
※登場時期は3年生になってから卒業するまでのうちのどこかです。
※地球破壊爆弾No.V-7の話を聞いて、参加者がフィクションを含む多数の世界から集められたものと知りました。
【明智健吾の考察アイテムセット@アニ2】
参加者詳細名簿、参加者詳細名簿+、全支給品リスト、携帯電話(全域レーダー付)など情報系アイテムのセット。
これらに加え、首輪のサンプルや危険人物リスト、考察メモ、等々も付随しており書き手泣かせの最悪のアイテム群である。
地球破壊爆弾No.V-7(参加者)がこれを引き当てた瞬間に、彼?の手により完全に跡形もなく消滅させられたので、
その中にあった情報がアニ2のものなのか、それともこのロワでも有効なものだったかは謎。
【エンフィールドNo.2@アニ2】
[全長]:260mm [重量]:765g [使用弾薬]:.380エンフィールド弾 [装弾数]:6発
一見していかにもな年代物の銀色のリボルバー(回転式拳銃)。
アニ2関連の原作だと、天空の城ラピュタのムスカや、鋼の錬金術師のリザがこれを作中で使用している。
アニ2内では泉こなたに支給され、彼女はこれが本物であることを知って一時は錯乱していた。
【団長腕章@ニコロワ】
涼宮ハルヒの憂鬱よりの出展で、ハルヒがSOS団の団長の証としてつけていた腕章。
これといった効果はなく、こなた(ニコロワ)曰くコレクション用のアイテムらしい。
ニコロワでは泉こなたに支給され、彼女はファンサービスという理由でこれを装備し続けていた。
【魔法『フレイム・ボール』inエニグマの紙@漫画ロワ】
ゼロのルイズよりの出展で、発動した魔法そのものである。
出展元の漫画ロワと同じくエニグマの紙(ジョジョ)の中に封入されており、紙を開くまでは飛び出さない。
中身は名前通りの火球であり高い追尾能力が特徴。威力も普通の人間なら即死してもおかしくないぐらいである。
漫画ロワでは泉こなたに支給されたが、結局これを彼女が使う場面は訪れなかった。
331 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/17(土) 15:54:21 ID:Q5DXilPk
したらばより転載
: ◆BOMB.pP2l. 投稿日: 2009/01/17(土) 15:56:39 ID:x81tPZco0
既知との遭遇 投下終了しました。支援感謝します。
さるさる規制をくらったのでこちらへ。本スレへの転載を誰かよろしくお願いします
投下&代理投下乙!
静かな感じの綺麗な文体だなー
ダブルこなたが裸の付き合いをしてる図を想像してちょっと萌えた
しかし地球破壊爆弾めちゃくちゃメタ視点w
こんな序盤から自分が二次元の存在であることを理解したこなただなんてなかなか見れないね
投下&代理投下乙です!
爆弾さんとこなたのコンビとはなんという夢のコラボ
相変わらず爆弾さんはチートだなあww
ちょ、予防策か!?
自分に何支給してんだ、あんたw
いやまあ普通に助かるんだがw
同次元に落とすって考え方が面白い上に納得でした。
うん、メタメタだw
後ここのハルヒに期待しちゃダめー!
むしろ爆弾のチート考えるとハルヒ逃げてー!!
投下乙!
書き手勢は本当にはっちゃけてるなw
そういえば彼らにはこなたとかはどういうふうに見えているのだろう。
3次元のこなたとか正直想像がつかん
そこはフィギュアもある意味3次元的な感じで
本日深夜予約期限
◆40jGqg6Boc 村雨良@漫画ロワ、相羽シンヤ@アニ2
◆IAfXeP1LXM ルイズ@やる夫ロワ、小早川ゆたか@原作、キョン@やる夫ロワ
◆UcWYlNNFZY 岩崎みなみ@原作、Dボゥイ@アニ2
◆jS4dQplqkA 川田章吾@漫画ロワ、赤木しげる(13歳)@カオスロワ、前原圭一@ニコロワ
◆0O6axtEvXI 遊戯十代@なのはロワ、忘却のウッカリデス@書き手2
つまりwktkってこと
待て、一番下は前スレで投下されてるぞ
>>340 確認したつもりだったんだが……
すいません。
今夜投下予定
◆40jGqg6Boc 村雨良@漫画ロワ、相羽シンヤ@アニ2
◆IAfXeP1LXM ルイズ@やる夫ロワ、小早川ゆたか@原作、キョン@やる夫ロワ
◆UcWYlNNFZY 岩崎みなみ@原作、Dボゥイ@アニ2
◆jS4dQplqkA 川田章吾@漫画ロワ、赤木しげる(13歳)@カオスロワ、前原圭一@ニコロワ
全裸待機して待っております。
日曜勤務で徹夜は無理・・・・・orz
ドキドキワクワク
岩崎みなみ、Dボゥイとうかします。
ヒャッハー支援だ!!
血のシャワー。
それが私――岩崎みなみ――の視界を蔽った。
殺し合い。
よく解らなかった。
説明されたけど実感がまるでわかなかった。
まるで夢物語の様の出来事。
現実とはとても信じきれない。
でも信じるしかなかった。
だって先輩の首が飛んだのを見てしまったから。
赤。
飛び散る赤。
鮮烈な赤。
あの赤は決して夢ではなく現実そのもののような気がして。
そして人が死んだという現実をつけつけられたような気がして。
私は……
怖かった。
何かよく解らなくて。
ただ、怖かった。
でも……
それでも。
頑張ろうと思った。
怖いけど……
怖いけど……
でも。
何処かに飛ばされる瞬間。
あの子の。
あの子の。
……ゆたかの姿が見えたから。
私の大切な友達。
大好きな友達。
何時でも傍にいたい友達。
大切な……本当に大切な親友。
きっと。
きっと私以上に怖がってるはず。
きっと私以上に怯えてるはず。
きっときっと……
だから、私が……
――――頑張らなきゃ。
――――護らなきゃ。
大切な。
大切なゆたかを。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
月あかりの下、頬に大きな傷がある男がただ黙々と走っていた。
男の名はDボゥイ。
復讐に囚われた男の名前。
彼は深い森の中を唯走っている。
螺旋王の『実験』と称された殺し合いから一転して連れてこられた此度の殺し合い。
道化師や怪人が説明していたルールは先ほどまでDボゥイが行っていたものと殆ど変らない。
だが、彼にとってそんな事どうでもよかった。
名簿に書かれていた二人の名前。
小早川ゆたかと相羽シンヤ。
先ほどの殺し合いで出会い心を交わした少女。
自分の為に勇気を振り絞った少女。
そしてその少女は自分のせいで連れ去られてしまった。
護らなければならなかったのに。
自分に力が無かったせいで。
ギリッと握った拳の力が強くなっていくのを感じる。
そしてゆたかを連れ去っていた男、相羽シンヤ。
倒さなければならない男。
自身の全てをかけて殺さなければならない男。
ゆたかを連れ去っていった男。
そして……自身――相羽タカヤ――の双子の弟。
決着をつけなければならない宿縁。
なんとしても……終わらせないといけない宿縁。
それが相羽タカヤの使命なのだから。
だから、この二人がこの殺し合いに居るのならば。
Dボゥイのこの場で行うべき事は、ここに居る理由はもう決まっていた。
ゆたかをここでも救い出す事。
シンヤとの決着を今度こそ終わらせる事。
唯、それだけ。
それしかなかった。
それしか考えれなかった。
後のことなど……どうでもよかった。
支援
支援
例え自身が滅びようとも。
迎える結末が終焉だけだとしても。
今度こそ。
全てに決着をつける。
その一心だった。
そして、ある古寺に辿り着く。
見るからに古ぼけ朽ちた寺。
もしかしたら、ここにゆたかが居るかもしれない。
もしかしたら、ここにシンヤが居るかもしれない。
そう、思ったら入るしかなかった。
Dボゥイが入っていく中は暗く外見と同じように朽ちていた。
仏像の顔は崩れ去り、障子はビリビリに破れて見るも無残な姿だった。
だが、その暗闇にDボゥイは気配を感じた。
そう、人の気配を。
だが、その気配に殺気は無く何処か穏やかなもので。
警戒しながら近づいていく。
向こうの人も気がついて様で近づいてくる。
やがて、姿を見せたのはライトグリーンの髪の少女。
ゆたかと同じ制服を纏いそして凛とした視線を向けている。
何処か冷たい印象の少女だった。
「すいません……」
「おい……」
互いに同時はなしかけてしまい戸惑ってしまう。
元来二人とも話が得意ではない。
何故かお互いドギマギして会話が続くかない。
だが、幾らかの時がたった後少女が言葉を続ける。
「……………………岩崎みなみです。殺し合いに乗ってません」
「……Dボゥイ。同じく乗っていない」
互いに名乗った後も言葉が続かない。
互いにこんなことしてる場合ではないのに会話が続かない。
そんな時、あの赤毛の少女がいてくれば……と二人内心そう思って苦笑いをする。
だが、やがて
「探してる人が居ます」
「探してる人が居る」
本題に入る。
「護らなきゃならないんです、私が」
「護らないとならないんだ、俺が」
見つけなければならない相手。
護らなければならない相手。
「とても、弱い子だから……きっと耐えられない」
「普通の女の子だから……無事かどうか分からない」
大事な相手。
大切な人。
その人の名を告げる。
「「小早川ゆたか、知ってます(る)か?」」
あの優しい少女、小早川ゆたかの名前を。
「「ゆたかは」」
二人はもう誓っている。
大切なゆたかを。
「「私(俺)が護ってみせる」」
護りぬいて見せること。
唯。
それだけを誓っていた。
Dボゥイ。
岩崎みなみ。
ゆたかを探している者達。
ゆたかを護ろうとしている騎士達。
その邂逅が。
今、静かに始まりを告げた。
【D-1 古寺/一日目 深夜】
【岩崎みなみ@らき☆すた(原作)】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品(1〜3)
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らずゆたかを見つけ出し護る
0:ゆたかを知っている?
1:Dボゥイとコンタクトをとる
2:ゆたかを見つける
【Dボゥイ@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
【状態】:健康
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品(1〜3)
【思考・行動】
基本方針:殺し合いに乗らず、ゆたかを保護、シンヤとの決着をつける。
0:ゆたかを知っている?
1:みなみとコンタクトをとる
2:ゆたかを保護する
3:シンヤとの決着を
【備考】
※アニロワ2nd 173話「REASON」の後より参加。
投下終了しました。
支援有難うございます。
, ' "´ ___ ― ̄二ニ=-、
/ >' 二 --―‐-- > ヽ \
/ /./ \ ヽ ヽ
. / // / ヽ ヽ ヽ \ , !
/ // / / / ! |ヽ ヽヽ \ ヽ. ! |
/ / / ./ / イ | |ヽ|、 _|__|_ ! ヽ |
| / / / .// |/ | ! | ! V≠ミ∨| | !| |
| | / | // イ |/ |/ イf フハ.∨! |ヽ. | !
| | | | /r,=ミ {イr::| | | .ハ. Vり
| | | | ! イ |//___.ハ ∨rリつ|V ハ リヽ
| | Wハ ヽ ヽ | { rt_.∧ 、  ̄```} / | |
/ | { \ヽ.\ト Vrくソ ,. -‐ ヘ /! |∨
| ! | ヘ| ヽ ∧(__ノヽ`` { ! /|.| |.:ヽ
| ! | |>| ! ! !> 、 ヽ___ ノ.ィ:.:.:.:.:.:|ハ /!|.:.:.:|
|! | /..:| ! \.:.:`:>ーー‐f ./:.:.:.:.:.:.:| / リ.:.:.:∧
|ハ| /:.:.:.:|! \ \:.:.:.:> 、 __/_:.:.:.:.:.:.:/广 二 ヽ.:.:|
V/:.:.:.:.:.:\.:.:\ \:.:::.:.:.:r‐ |.:`ヽ/.:rV'´ ,.. ∨ヽ、
|.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>ェ―‐'..:/ 〇!:.:.:.:.:.:.:.:} ト‐' __, |\ヘ
|.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:/ >rく.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:しV__ |:.:.:.:|
|.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:/ / } |.:.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ| /:.:.:.:|
乙!
守りたい人物が一緒、
これは吉と出るか凶と出るか……
乙です
お互い決意が固いというか余裕が無いというか・・・・・
期待してます
投下乙です。
/⌒\ // \ `</////// \
/-― ノ7 Y〃 | `く二 ̄∨/}
// ////|/ / | \ヘ |//
. 〈//| /////∨ / / | \ ヾ/∨
\|: ///// // ' ,' / | ヽ ヽ ∨ヘ
|///// // / | /|ノ| 、∧ ', l ヽ∨
〈//////│ ‐七 7'´| |! /\! :| | j ハ
|\/∨ | / | | _| l|: / | ̄| | │ |
| | | |: / /j,斗-z∨| / ニヾ ∧ | │ |
| | | | │ ,ィ介て⌒ヾ | / '⌒沁 │ / l| │ 2人とも……ありがとう……
/│ | | /|. 〃7{::::゚トイ| l/ ハ_ノ: トヾ,| ./ ハ |
. / ,! l∨| / | /{ {∧ ノ}リ |∧ jリ }}| / / }ノ
</j l /│ | |弋辷少////ヒ辷ン / j/! ∧
│ ∨ l ∨ | //////// ,' | 人{
', ∧ | 卜 _ ー ' ノ |イ/
\ | Vヘ {/ {> 、 _ __/⌒`<| / / '/
\ | xヘ. ヽ\ Y 「V⌒ ヽ_/|: /∨
\{ /\ヘ ∨ \_r'` / ̄入 |/
/' \\ \{ Y__/// _マ
ア>、 \\ / // /∧
ゆたかは幸せ者だな、本当に。
さて、Dさんはここでは幸せになれるのだろうか?
そして一般人のみなみの今後も気になる。
とにかく乙でした!
ゆたかを守りたい2人かー
気があいそうで会わなさそうな気配がするよう
とりあえずお前等、どっちも人の話聞けよw
まあそんなつっこみはさておき、とても綺麗なシーンでした
カットインみたいな映像イメージが見えてきて、今までの作品とはまた一味違う雰囲気がとても良かったと思います
投下乙!
みなみ、Dさんの心情が良く伝わってきました!
特にDさんについての文が綺麗に纏まってるなぁと感じました。
ゆたかを軸とした話の構成に、思わずこんなやり方もあるのかとも思ったり〜。
それで村雨とシンヤを予約した者ですが……すみません。
ちょっと30分程投下期限を遅らせて貰えないでしょうか……。
予想以上に長くなってしまい……そのごめんなさい。
30分あれば流石に大丈夫だと思うので、どうかお願いします……。
>>362 問題ないと思いますよー
楽しみにしております。
>>362 わかりました、期待しています。
さて私は真・長門有希 高良みゆきの両名を投下します。
殺し合いを葬る有効な策。
一つ目は同じ決意を持ったもの同士集まること。
二つ目は上記の人物に値するものと共にマーダーを削ること。
三つ目は…………
☆ ★ ☆
私はこの場所に到着した直後、名簿を確認し支給品を点検した。
入っていたものは、チェーンソーと
今私が乗っているこの大きな黒馬、黒王号の二つ。
これは私にとって非常に有効且便利な物であった。
チェーンソーは壁や木々など薙ぎ払う事ができ、
戦闘にも大いに役立つ。と言うよりこの使い方のほうが出番が多いはず。
馬のほうは、最初は予想外の大きさに驚き、
うまく乗せてもらえるか不安であったが、案外気楽に乗せてくれた。
馬の背中は安定していて、チェーンソーを振り回しても何も問題ない。
そしてこの馬自身の大きな脚と硬い蹄は、並の人間なら簡単にあの世に送れる、
それくらい立派な馬。
チェーンソーを手に持ち、黒王号に跨り
私はD-3側からトンネルに入った。
トンネル内はライトが点いていてとても明るい。
もっとも私は多少暗くても問題はない。
数分馬で駈けた頃であろうか、ふと前方を見ると、
ピンク色の髪の女性がいた。
彼女は一度はこの馬に驚いていた取り乱していたが、
すぐに顔を横に振り調子を戻したあと、
私に近づき話しかけてきた。
たしか「私は高良みゆきと言います。 あの!? このよくわからない状況を確認しませんか? 」
と言っていた…… (様な気がする。 何しろ予想以上にこの馬の
乗り心地が良かったからよく思い出せない。)
ああそうか、この女は知らないのか。それにこの場所から動こうとした気配も、
支給品を確認した様子も無い。
だったら問題ない。
支援
ドキドキ……支援
私はこの女……高良みゆきに
「後ろ」
とだけ言い彼女の後ろを指差した。
そうすると高良みゆきは
「えっ?」
と言い後ろを向いた。
その瞬間
私は
手にしているチェーンソーで
彼女の首を一撃で落とせるところを狙い
そして狙い通り一撃で彼女の首を刎ねた。
彼女の首があった所から大量の血が溢れ出していた。
支援
私は彼女が持っていたバッグを回収(黒王号が口で咥えて私に渡してくれた、存外嬉しい)し、
誰だかわからさせないために、彼女の全身を姿形を残さず粉砕、ミンチ状にし、
残った物を壁際に寄せた。(これらも全て黒王号がやってくれた、よって馬から降りずにすんだ)
改めて彼女を苦しませずに一撃で殺せてよかったと思う。
何故彼女を殺したのか。
単純な事。彼女は殺しあいを知らなかった。
そして圧倒的な能力もなかった。支給品をすぐ確認せずにあたふたしていた。
だから殺した。
私は救いたかった。
赤木しげるや南千秋南春香、そして私の愛する涼子を。一緒に戦った皆を。
私は昔皆に迷惑をかけた。
役立たずの時もあった。
だから救いたい。
みんなと一緒にまた元の世界で平和に暮らしたい。
その為にやることは幾つかある。
特に優先する事は二つ。
殺し合いに乗っている、つまりマーダーを殺害する。
そしてもう一つ、
役立たず、無能、足を引っ張るものを殺害する。
これが私がやるべきこと、
特に二つ目のほうが重要。この役割はおそらく私にしか向かない。
何故そんな事をする必要があるのか。
簡単。私を含めたテラカオスを打ち倒した者は八人皆優秀。
ちょっとやそっとのことではまず負けない。
だけどそこに…… 無能が足を引っ張ったらどうなる。
確実に勝てる戦いが五分五分の戦いになる。
勝ったとしても、酷い負傷をする可能性がある。
無能な奴らを守りながら戦うための弊害。
彼らは皆そう戦うだろう。なぜなら一度一緒に戦った仲、
それくらいわかる。
だから私は殺す。
そんな無能な奴らを生かして何の得がある。
そんな足引っ張りに運を奪われて何の得がある。
いいえ、何も無い。
だけども皆それをしない。やはり一応自分と同じ決意を持つもの殺したくないのは当たり前。
だから…… だから私はその汚れ役を買う。
無能を殺す役割を私だけがやる。
このことを涼子たちが聞いたら激情するかもしれない。
だけど私は…… あなた達と一緒に元の世界に戻りたい。
無神経かもしれない。
でも私はあなた達がいないと駄目。
だからこれは私が無能だった時、私を守ってくれたあなた達へのお礼。
支援
でも皆と行動している奴を殺す事はできない。
流石に私でも皆の涙を誘う行動はしない。
一人の時、もしくは無能同士の集まりを狙うつもり。
マーダーと無能を全て殺害したら、
対主催と合流する。
これはやさしい事ではない、もしかすると合流できないかもしれない。
だったらその時はその時で私一人で主催を打ちのめすまで。
私はトンネルの出口に向う。
トンネル内は黒王号の足音だけが響いている。
☆ ★ ☆
殺し合いを葬る有効な策。
一つ目は同じ決意を持ったもの同士集まること。
二つ目は上記の人物に値するものと共にマーダーを削ること。
三つ目は無能な人間を手早く殺すこと。
平穏な生活に戻るためには、心を鬼にしなければならない。
誰かを守るためには、誰かを殺さなければならない。
それが悪だとわかっていても。
【高良みゆき@原作 死亡】
【残り59/60】
【D-2/トンネル内/1日目-深夜】
【真・長門有希@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:チェーンソー@現実 黒王号@漫画ロワ
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜3個、高良みゆきが所持していた物)
[方針/行動]
基本方針:無能とマーダーを殺害する。主催の打倒。外道対主催。
1:無能とマーダーを探し出し殺す。
2:よってしばらくは一人で行動する。
3:主催を倒し元の世界にみんなで戻る。
[備考]
※カオスロワ5期エピローグ後からの参戦です。
※『皆』とはテラカオスを倒した八人の事です。
※また彼らと一緒にいる人物は殺しません。
※高良みゆき@原作の死体は粉々になっており、まず誰だか確認できません。
またトンネルの壁際に丁寧に置いてあるので、気づくのも難しいと思われます。
投下終了しました
えー!? みゆきさん殺していいの?
など、矛盾点、違和感があるところがあればお伝えください。
380 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 00:07:22 ID:Q01TslQL
みゆきさんなら仕方ない
投下乙です
なんて外道な長門だ
みゆきさんロワだといつも不幸でカワイソス
投下乙です。
みゆきさん、合掌。
長門の心理描写が何気にうまい。
みWikiさぁん!ま た か …
長門が…これは奉仕マーダー?なのか…?
みゆきさんがぁぁぁぁ
この長門めちゃくちゃ外道だな
なんという王道の危険対主催
投下乙。
み、みゆきさーん!!w
まさか初の脱落者になるとは
ところで笑点のピンクは放送でみゆきさんの名前を聞いてもひょっとして誰だかわかんないんじゃw
投下乙!
みゆきさん……やっぱり幸せになれないのか……
しかし長門こええええええええ!!
投下乙!
おぉ、カオスの長門はこんな感じなのですね。
未だ未読ですけど、長門の行動指針がしっかりと書かれていて、彼女の行動に納得しました!
仲間のために敢えて険しい道を進むとは……というか黒王号が働き過ぎてちょっと笑ったw
あとみゆきさん……お、お疲れ様です。
延長申請を受け入れてくれて、本当にどうもありがとうございます。
それでは……村雨、シンヤを投下しますね。
「馬鹿な……信じられん、俺は確かにサザンクロスに突入していた筈だ……!」
一人の男が、心底信じられないと言った顔を浮かべながら呟く。
青年の名は村雨良。
記憶を失いはしたが、多くの仲間の助けにより進むべき道を見つけた青年。
村雨は生き残った仲間達と共にBADANとの最終決戦に挑んでいた。
そう、その筈だった。
だが、この状況はどうだ。
今度はBADANではなく、また違った殺し合いに巻き込まれている。
冗談じゃない。
村雨が思った事は一つだ。
BADANと決着をつけるためにも、此処でむざむざと死ぬわけにはいかない。
そしてこれ以上、誰かの死を見過ごす事もしたくはない。
故に新たな殺し合いの破壊を心に決め、村雨は早速行動に出た。
支給されたデイバックを手に取り、目的の品を捜し当てる。
「かがみ、アカギ、ヒナギク、パピヨン、ジョセフ……あいつらも呼ばれたのか」
右手に握られたものは、支給された参加者名簿。
過ごした時間は短いながらも、BADANを潰そうと力を合わせた仲間達がこの場には居る。
柊かがみ、赤木しげる、桂ヒナギク、ジョセフ・ジョ―スターの四人。
誰一人として死なせたくない仲間。
特にかがみとの合流は重要と言える。
彼女が居なければ、今の自分はなかっただろう。
それほどまでにもかがみとの交流は村雨に強い影響を与えた。
故に村雨の中で、かがみが特別な存在である事は言うまでもない。。
もう一人、パピヨンに関しては一概に仲間であると言えないが、それでも会わないわけにはいかない。
彼もまた打倒BADANを、強く思っているだろうから。
そして残りの仲間である葉隠覚悟、才賀エレオノール、服部平次の名前が無い事に確かな安堵を感じるが、手放しでは喜べない。
彼らがまたこんな殺し合いに巻き込まれなかった事は嬉しい事だ。
が、それは今も彼らだけでBADANと戦っている事を意味する。
ならば一刻も早く彼らの元へ戻らねばならない――絶対に。
知り合いである五人との合流を当面の目標と村雨は定める。
しかし、村雨は直ぐには動こうとはしない。
臆病風に吹かれたのか?
そんな事はない、この程度で身がすくむようでは、BADANが開催した殺し合いに生き残っていない。
只、村雨には気になる事があった。
それは名簿に眼を通す事で知り得た情報の中に、思わず首を傾げるような出来事。
「何故、アカギの名前が二つもあるんだ。同姓同名の別人かもしれない……、だが――」
名簿には確かにアカギの名前が二つある。
もう一組、誰かは知らないが、前原圭一という名前が二つ。
6/と、何かのコードネームらしき名称は三つもある。
不思議な事とは思うが、真実はわかる筈もない。
よって、村雨は同一の名前が複数存在する問題は一時捨て置く事にした。
村雨にとってそれ以上に気になる問題の方へ、注意がいっていたのだから。
みゆきさん瞬殺ですか・・・・・・そういえば真・長門の中身は消失長門だったな。
乙!
「泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズ……何故彼らの名前まである? 彼らは……死んだハズだ……」
実際に出会った人物は三村信二の一人しか居ない。
だが、BADANが開催した殺し合いで命を落とした筈の彼らと村雨の仲間達には、一言で話しきれない交流がある。
きっと今も彼らの名前がある事に対して、自分と同じように考えている筈だ。
かがみも、アカギも、ヒナギクも、パピヨンも、ジョセフ達も同じように。
兎に角、この場に留まっているわけにはいかない。
こうしている間にも時間はどんどんと過ぎてゆく。
仲間達、知り合い、死んだ筈の参加者との接触。
そして新たな主催者を倒す――それが今やるべき事。
迷いはしない、立ち止まることなく必ずやり遂げる。
決意を改め、村雨は名簿をデイバックに直し、歩き出そうとする。
そんな時だ。
村雨は一人の男を視界に捉えた。
「お前は……?」
黒の長髪に黒のジャンパー。
年齢は自分より若い。
二十歳を過ぎたか、どうかの辺りだろうか。
だが、それよりも男の眼に村雨は注意がいった。
鋭く研ぎ澄まれた双眸から感じるものは、大きな意思。
一瞬の観察から得た、不確かな感想はやがて確固たるものに変わってゆく。
「相羽シンヤ……名簿ではそう書かれているが、どうでもいいさ。何故なら、お前はもう直ぐ死ぬのだからな」
村雨が感じ取ったものは明確な敵意。
咄嗟に身構える村雨を意に介さない様子で、男は片腕を上方へ突き出す。
突き出された腕に握られしものは、奇妙な青色の結晶。
男の口元が歪む。
訝しげな表情を浮かべた自分の反応が心地よかったのか、それとも別の理由だろうか。
村雨が答えを出す間もなく、やがて男は口にする。
キーワードを――己の力を解放する言葉を紡ぐ。
その動作には一切の躊躇などは感じられなかった。
「テックセッタアアアアアアアアア――!!」
掲げられた結晶――テッククリスタルが輝きを放つ。
瞬間、男の身体に赤い閃光が走り出す。
閃光はやがて、生物の甲殻を連想させるような外殻を造る。
赤黒い、まるで幾多の返り血を浴びた結果生まれたような彩色は、見る者に恐怖を植え付ける。
両肩の外部装甲には三本の爪が平行に伸び、黒々とした胸部には六つのモジュール。
そして三本角を生やした、真紅と漆黒の仮面で表情を隠した異形の者。
言うなれば悪魔というべき存在が其処に顔を見せていた。
「ラダムのテッカマン、テッカマンエビルに出会った事を後悔すればいい……一人ぼっちの、孤独な世界でね」
地球を自分達の第二の故郷にするために、侵略を開始した地球外生命体――ラダム。
ラダム虫という一種の寄生生命体により、強靭な肉体、強い闘争心を持ちし人間を己の尖兵に変えてゆく。
テックシステム――それが全てを奪わせ、テッカマンという存在を造り出す悪魔のシステム。
異形の名はテッカマンエビル――“邪悪”を意味する化け物が其処に居た。
◇ ◇ ◇
(良い気分だ……本当に。今度こそ俺はラッドを必ず殺して、兄さんと決着をつける……!)
ラダムの生体兵器、テッカマンエビルに姿を変えた者は一人の青年。
相羽シンヤは仮面の下で思わず、口元を歪ませる。
自分は確か病院に居た筈だ。
螺旋王とやらが開催した殺し合いに巻き込まれた最中、自分は一人の少女を人質に、兄との戦いを心待ちにしていた。
少女の名は小早川ゆたか、兄の名はDボウイこと相羽タカヤ。
そして、自分はラッドという憎々しい男の手で――殺されかけた。
口に出したくもない。
不意を突かれたとはいえ、下等な存在である人間如きにあそこまでやられた事実。
思い出すだけで、今すぐにでもラッドを惨たらしく殺してやりたいと、ドス黒い感情が疼く。
あの時感じた怒りは消える事無く、今も己の中に残っている。
今度こそあのような失態は晒さない。
そう考え、シンヤはこの場での優勝を決めた。
(そうさ、ラダムに選ばれた俺があんなところで終わるハズがない……この俺が……!)
何故か五体満足に修復された身体。
自分の物ではないが、幸運な事に支給されたテッククリスタル――テッカマンへの変貌には不可欠なもの。
この二つさえあれば、最早自分には敵は居ない。
あとは首輪をどうにかするだけだろう。
そのために、その手の技術に長けた人物は生かしておく。
そう、変わらない方針――この場に呼ばれる前と、特に変わらない方針。
それどころか今回はゆたかという足手まといも居ない。
自分は間違っていない、あの敗北は所詮一時の油断にしか過ぎない。
思いを現実のものにするためにも、エビルは早速獲物を求め、そして捜し当てた。
(この男、兄さんよりは歳上……ケンゴ兄さんぐらいか? まあ、所詮どうでもいいコトだが)
目の前に居る村雨を舐め回すように観察する。
村雨の顔から見て取れる感情は、驚きが色濃く浮き出たもの。
無理もない。
一瞬で行われた、テッカマンへの変身――テックセットをその眼で見たのだ。
驚かない筈がないだろう。
村雨の反応に思わずエビルは、充実した満足感を噛み締める。
村雨が驚けば驚くほど、自分がいかに強大な存在かを感じられるのだから。
ならばせめてもの礼だ、一思いに殺してやろう。
傲慢でしかない意思を秘めながら、エビルは村雨の方へ一歩踏み出す。
対して村雨の方は――
「ほぅ……逃げない、か。ふふっ面白い」
思わず言葉を漏らしたエビル。
少し驚いたような、当り触りのない感想。
彼の言った通り、村雨はエビルの接近に対して動じた様子は見せない。
只、変貌を遂げたエビルとの目線を逸らさず、彼を凝視する。
冷ややかに受け止めるエビルだが、徐々に彼はその視線が気に喰わないと感じ始める。
テッカマンである自分を目の前にして、尚もこのような態度を崩さない。
自分は殺されないとでも思っているのだろうか。
思わずそんな疑問を抱いたエビルだが、彼とて兄との決着がある。
そのために、此処で無駄な時間を浪費するのは好ましくない。
あの優しい兄さんの事だ。
ゆたかのような無力な人間を保護し、この場でも不要な足手まといを連れているかもしれないから――
エビルが更なる一歩を出そうとした瞬間、村雨が口を開いた。
「キサマ……BADANか?」
「BADAN? ラダムと言っただろう。俺は貴様等、人間共を駆逐する存在……ラダムのテッカマンだ。
人間風情が、俺に同じコトを二度も言わせるんじゃない」
何か間が抜けたよう質問。
この男は自分の話を聞いていなかったのか。
もしやあまりの恐怖に、只、何も考えずに立ち尽くしていただけなのか。
そうであるならば、何も面白みもない。
途端にエビルは、己と対峙する村雨への興味を急速に失くし――てはいなかった。
自分の認識が間違っていた事に、エビルは気付いたのだから。
「そうか、ならば――!」
村雨が徐に動く。
軽く両足を開き、両腕を右へ突き出す。
右腕が左腕の下に来るように、両腕が斜め右上を向く様に揃える。
「俺は負けるわけにはいかない!」
左腕を回す。
弧を描く様に、回ってゆく左腕がやがて右腕と一本の線を結ぶ。
唸るような音が響き、村雨の動作が、何かの“溜め”のものある事を示す。
エビルが村雨を獲物と認めたように、彼の方もまたエビルを認識していた。
無力な、罪のない人々を傷つけし者。
人の命を虫けらのように扱うBADANとエビルが同じ存在――倒すべき存在だと断定する。
村雨は一人でも多くの命を守るために、戦い続けると誓ったのだから。
「かがみ達を守り、キサマ達のような悪を一人の残らず倒す……そのために俺の力は、俺の命は――ここにある!!」
そして村雨は左腕を腰の辺りまでに引き、右腕を再び斜め上に突き出す。
雄々しく、猛々しく、力強い動作は、己が秘める強大な意思を具現化するかの如くに。
同時に村雨の腰部分が赤い閃光を迸らせ、一瞬の内に現れたものが一つ。
十字模様が施され、黄色と黒の色彩が印象的な一本のベルト。
ベルトの中心部から、真紅の閃光が周囲へ広がるかのように放たれる。
やがて、それら村雨の全身を包むように渦を巻いてゆき――そして、彼は叫んた。
右腕を突き出すと同時に、エビルにとってのテックセッターと同義である言葉を。
自身にスイッチを入れるキーワードを、村雨は腹の底から絞り出すように声をあげて――
「変んんんんんん――――身ぃんッ!!」
村雨もまた異形の者へとの変貌を遂げる。
否――変身を行った。
支援
「テッカマンではない……何者だ、お前?」
「村雨良。そして俺は、今の俺の名は――」
エメラルドグリーンの複眼、銀色のクラッシャー、二本の触覚。
赤と銀を基調とした強化スーツを全身に纏い、緑色のマフラー風になびく。。
カミキリムシを模したような赤い仮面を被りし一人の戦士が、エビルと相対する。
彼こそがBADAN大首領、JUDOの器として造られた最後の存在、“ZX(ゼクロス)”――いや、違う。
今の彼は器ではない。
何もない、空っぽな存在でしかない器と言うのは無理がある。
記憶を取り戻し、正義に生きし改造人間達の名前を継いだ存在。
それが今の村雨の姿――そう、男の名は仮面ライダー。
「――仮面ライダー……仮面ライダーゼクロスッ!!」
仮面ライダーZXへの変身を完了した村雨が、再び咆哮を上げた瞬間、エビルが前へ跳んだ。
その勢いはまさしく弾丸のように、一直線にZXの元へ。
右腕を振り上げながら、倒れ込むかのような勢いでエビルが駆け寄る。
対するZXもエビルを迎え撃つように、腰を落としながら身構える。
「なら、精々楽しませてもらおうか……仮面ライダーゼクロスッ!!」
「望むところだ! こい、テッカマンエビルッ!!」
響いたものは拳と拳がぶつかり合う音。
そしてそれは自ずと合図となる。
テッカマン、そして仮面ライダー――持つ意味が異なる“仮面”を互いに被りし戦士達。
正義という名の仮面を被った仮面ライダーゼクロス。
対するは狂気という仮面を被ったテッカマンエビル。
二人の仮面戦士の戦いが、静かに幕を開けた。
◇ ◇ ◇
401 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 00:30:36 ID:Q01TslQL
支援
「ZXパンチッ!!」
何度かの拳と蹴りの応酬を経て、ZXが踏み込む。
時を同じくして、紡いだ言葉は彼の得意技とも言うべき打撃を意味するもの。
咄嗟に懐に飛び込まれたため、エビルの反応は鈍い。
エビルは、己の顔面に喰い込むように放たれたZXの右拳を、辛うじて左手で掴む。
間髪入れる間もなく、エビルの左手に衝撃が走る。
テッカマンの肉体ですらも決して無視は出来ない感覚。
直撃を貰ってはまずい。
そう思ったのもつかの間、エビルは両眼を見開きながら行動を起こす。
「いい気になるなよ……!」
エビルは未だに熱のような痛みを感じる左腕を、後方へ思いっきり引く。
ZXが施された改造手術とは、また違った技術体系によって改造されたエビル。
その力は、ZXのそれと勝るとも劣らない程に強大なものだ。
引っ張られる事で、思わず前のめりにZXの体勢が傾く。
対してエビルは少し腰を落とし、右の拳を自然な動作で握り締める。
ラダムとしての洗脳を受ける以前に、嗜んだ武術の経験は忘れていない。
振り上げるように右の拳を放つ。
その勢いは早い。
ZXの方も当然エビルの拳を視界に捉えていたが、体勢を崩されていた事もあって間に合わない。
少し身体を引いたものの、ZXの左脇腹にエビルの拳が叩き込まれる。
同時にZXは苦悶に満ちた呻き声を上げ、口元から赤い血液を吐き出す。
改造人間用の特別な血液――ZXの命の切片が無常にも失われる。
思わず仮面の下の表情を、満足げに歪ませるエビル。
やはり自分達テッカマンが、姿を変えた人間如きに負ける筈はない。
ならば、このまま徹底的にいたぶりながら殺してやろう――そう思った時だ。
不意にエビルは左腕に強烈な痛みを感じ取った。
「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
雄叫びのような声を上げたのは、ZX以外には居ない。
左脇腹のダメージをものともしない様子で、ZXは左腕を振り下ろしていた。
肘を下向きに、エビルの左腕に対し、十分な勢いを乗せた肘打ちを突く様に当てる。
電撃にでも撃たれたかのような衝撃を受け、エビルは止む無く左腕を己の方へ戻す。
結果的に生まれることとなった、その隙はほんの一瞬の時間。
だが、ZXはその空白の時間を見逃さない。
少し宙に浮いたままの体勢から、半ば強引に腰を身体ごと左へ回す。
同じくして力強く振られたものは、伸びきったZXの右足。
やがてZXの蹴りがエビルの左腰辺りをしたたかに打ちつけ、彼の身体を覆う外殻に小さな亀裂が生じる。
ついさっき前のZXと同じように、曇った声を上げたエビルは僅かによろめく。
確かなダメージを受けた証明。
それもまた先程のZXの吐血と同じ動作。
しかし、エビルは完全には倒れはしない。
「……なかなかやる、だがッ!」
エビルは未だに痺れが残る右腕を素早く伸ばす。
数秒にも満たない間に、ZXの首根っこをテッカマンの力を以ってして掴み上げた。
ZXの首部分を確実に圧迫していき、彼はその拘束から逃れようと、空いた左腕を必死に絡ませる。
幾ら強化していようが、自分の力で一瞬の内に首の骨を折ってしまえば難なくZXを殺せる。
己の力に絶大な自信を持っている事による、揺るぎない確信をエビルは密かに抱く。
ZXパンチを始めとし、ZXの戦闘力を幾分かは認めたエビルだが、負けてやるつもりは毛頭ない。
トドメの一押しに、エビルは更に力を強めようとする。
「まだまだぁッ!!」
だが、ZXは諦めようとはしない。
宙に浮いた形となっていた脚を使い、エビルの胸板を軽く蹴り飛ばす。
衝撃は軽いものだが、それはエビルに負傷を与えるためのものではない。
そこまでの余力が残っていたとは思わなかったせいか、エビルは思わず右手の拘束を緩める。
咄嗟にZXは動く。
左腕でエビルの拘束を振り解き、蹴りの衝撃を利用し、反転を行った後に飛び退く。
高く、そしてエビルの元から数十メートル程の距離から離れた位置に、ZXは降り立つ。
強化された異常な跳躍力を以ってすれば、この程度の事は造作もない。
両の足で力強く地面を踏みしめ、再びエビルの方へ構える。
「ガッ……ハァ、ハァ……」
しかし、ZXは急に倒れ込むように前屈みの体勢を取った。
抜け出せたとは言えど、首にはかなりの力が掛っていたのだろう。
懸命に呼吸を整えようとするZXの息は未だに荒い。
それでも倒れまいとしようとする意思は決して失わない。
両眼を見開き、己の倒すべき敵をハッキリと視認する。
右手を伸ばし、こちらの方へ掌を向けるエビルを。
「ふふっ、息が上がっているな……テックランサアアアアーーー!」
対するエビルの挙動には余裕すらも感じられる。
一瞬の内に発現させた、一振りの刃――テックランサーと呼ばれる武器をエビルは握りしめた。
一度二度と、感覚を確かめるようにテックランサーを振り廻し、空を切る。
やがて満足したのか、エビルは腰を落とし、下半身に力を込める。
棘状の刃が両の方向へ付いたそれを翳し、エビルの身体が滑るように地を駆けてゆく。
背部に装着されたバーニア部分が赤い軌跡を零れ落とし、一直線にある地点へ向かう。
当然、漸く完全に体勢を持ち直した村雨への元へ、脇目もくれずに。
「――負けるものかッ!!」
大人しく待ってやる道理もない。
ZXもエビルの動きに合わせるかのように、前方へ飛び掛かる。
持ち合わせた得物は一つもなく、全くの素手の状態。
未だに闘志を失っていない事を思わせるような、疲労を感じさせない気迫でエビルに拳を向けた。
ZXパンチ――今まで、度重なる戦闘で使ってきた拳を再び放とうと、ZXは叫ぶ。
数秒にも満たない時間を経て、大きな音が周囲に響く。
ZXの右拳をエビルのテックランサーの平面部分が受け止め、その衝撃を受け止めた事によって生じたものだ。
咄嗟に逆手に持ち換え、依然としてZXの右拳を押し止めるエビルが嬉しそうに言葉を紡ぐ。
「予想外だ、タカヤ兄さん以外にもお前のようなヤツが居るなんてね」
「兄だと? キサマ、兄弟が居るのか!?」
「……そうさ、俺は兄さんに会うまで死ねない。死のうと思っても死にきれないんだよ……!」
ZXが驚いたように言葉を返す。
返答には、一種の躊躇いのような感情が見受けられる。
ZXはエビルの事について知っている事は少ない。
数分前の言動より、他人を軽視している事ぐらいはわかるが、彼が抱える事情を知る筈はない。
故にZXはエビルに対して僅かな迷いを抱いてしまう。
兄と、もしや自分が姉と引き離された様に、何らかの理由でエビルが兄と引き離されたとしたなら――
確信はない。
「今度こそ、俺はこの場に居る兄さんと会う……相羽タカヤ――Dボゥイと呼ばれているあの兄さんとなぁッ!!」
だが、エビルの次の返答から、ZXは彼の只ならぬ執着心を感じ取る。
兄を想う絆の強さから湧き出たものか、はたまた兄への歪んだ愛憎から生まれた感情か。
打ち出されたエビルの左拳を身を捩り、辛うじて避けながらZXは思考を走らせる。
恐らく後者だろう、エビルの言葉からは愛情というよりも何か一種の怨念といったようなものであると見えた。
しかし、絶対にそうだとは言えないのも事実。
万が一にもエビルが心の奥底で、兄と純粋な再会を望んでいるなら――
その瞬間、ZXは自分の方へ、音を立てながら向かってくるものがある事に気づく。
袈裟に振りかぶられたテックランサーを、バックステップを取る事で避けながらZXは叫ぶ。
完全には避けきれなかった事により、左肩に走った裂傷を右腕で抑えながら、大声で。
「聞け、エビルッ! お前がこれ以上誰も襲わないというのなら……俺が手伝ってやっても良い!
俺がお前と兄を会わせてやる……血を分けた兄弟に!」
ZXが漠然でありながらも抱いた決意。
それは条件次第で、エビルの手助けをする事。
正直、あまりにも甘い考えだと自分でも思う。
蘇ったシャドウは勿論、この場を脱出した後もBADANが控えている。
常識的に考えれば、一刻も早くエビルを倒すべきだろう。
人間を駆逐するという旨を含んだ宣言は、倒すには十分過ぎる理由。
しかし、ZXは気がかりでならない。
兄という言葉は、ZXにとってはたった一人の姉と等しい言葉。
共にBADANに捕えられ、彼らの研究材料にされ、ゴミ屑のように扱われた姉さん。
そして、記憶を失い、殺戮の限りを尽くした自分をいつも見守ってくれた、守ってやりたかった人。
“家族”、“記憶”、“姉”――自分が失くしてしまったものは、もう誰にも失わせたくない。
ZXの中では、BADANを始めとする悪を潰す事と同程度に成し遂げたい目的。
たとえそれが自分に刃を向ける者でもあっても、たとえテッカマンエビルと呼ばれる化け物であっても。
足腰に力を込めて、身体に掛けた勢いを殺し終わり、ZXはエビルの反応を窺う。
戦闘が避けられるなら越した事はない、真に倒すべき存在は別に居るのだから。
だが、エビルは一瞬、表情を固めて口を閉じ――漸く言葉を吐き捨てる。
熱い!支援
「……ふざけるなよ、お前……!」
並みの人間であるならば背筋が凍るような低い声で、エビルは呟く様に言葉を吐き捨てる。
異様とも言えるエビルのその様子に、ZXは思わず口を閉じる。
何か予想以上に不味いことを口走ってしまったか。
ZXがそう考えたのは至極自然な話。
神経を尖らせ、エビルの次の行動、言動に集中する。
そんな時、ZXの表情は驚愕の色に染まる。
気を抜いたわけなどある筈もない。
にも関わらずに、ZXはエビルの動きを一瞬見失い、反応が遅れた。
赤い閃光を燃やすように放つ、背部バーニアを吹かしながら、後方へ跳んだエビル。
一回の後ろ返りを交え、宙に浮く形で再びZXとエビルの視線が交わる。
片や予想以上の動きに対しての、驚きに塗れた瞳と対照的に。
激しい怒りのようなものに塗り潰された瞳が睨んだ。
「貴様如きが、俺とタカヤ兄さんの事に口を出すんじゃない……何も、何も知らない奴がああああああああああ!!」
思わず冷静さを失い、エビルは一眼を気にする事なく大声を張り上げる。
そう、ZXの言葉はエビルにとって、不快感しか湧きあがらせない。
エビルことシンヤにとってタカヤは、尊敬するべき兄でもあったが同時に屈折した思いの対象でもあった。
常に自分の上を行き、いつか乗り越えたいと思った。
その感情はラダムの支配によって、より大きなものとなっている。
まるで栓が開けっ放しの蛇口から流水が止まることなく流れ出るような勢いで。
一種のコンプレックスとも言える、歪んだ思いが爆発しそうになる。
兄と会わせてやるだと?言われるまでもない。
何が待っていようとも会って、今度こそテッカマンの姿同士で決着をつける。
漸くつけられる兄弟の戦いに、口を挟む者など一人も許しはしない。
気がつけばテックランサーの柄を、必要以上に強く握り、エビルは跳んだ。
巡りゆく周囲の景色に眼もくれず、身体にぶつかる大気の厚みなど押し飛ばし、全力の速度で接近する。
タカヤ兄さん、そしてゆたかのような優しさを自分に投げ掛け、何故か一瞬言葉が出なかった。
その原因――空を飛行する自分、叫びに対して、どう対処するか決めかねているような様子を見せる人物。
仮面ライダーZXに向かって、エビルはテックランサーを翳し、勢いに任せて突撃する。
「ぬうううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
テックランサーの刃が漆黒の中、銀色の光を放つ。
ラダム獣と呼ばれる、一種の一般兵共を率いる存在であるテッカマン。
エビルはそのテッカマンの中でも、持ちうる実力は高い。
そんな彼専用のテックランサーが、並の武器である事など最早言う必要はないだろう。
更に絶対に死ねない想いがあれば、エビルがZXを逃す事もまた無理な話だ。
やがて、エビルとZXの身体が交差し、エビルは勢いを殺さずにそのまま突き抜ける。
そして音が響く。
嫌な音が、肉が引き裂かれるような音が確かに周囲に響く。
ある程度の距離を稼いだ後にエビルは立ち止まり、後ろを振り返った。
依然として右手に持ったテックランサーの刃には、べっとりと赤い液体が付着し、同時にZXの身体が崩れるように倒れ込む。
ZXの左腰辺りにはこの戦いで、一際大きな傷跡が覗き、そこから出血が始まっている。
満足げに状況を確認したエビルは、再び天高く跳躍する――腕を広げ、胸部を突き出すような構えを空中で取った。
ZXーーーーー!!
支援
「――これで終わりだッ!!」
かつて参加させられた殺し合い。
そこでエビルは計三人の参加者を殺害した。
一人は既に虫の息ともいえる状況を、首輪のサンプルのために仕留めた。
そして後の二人は――奇妙な出会いであったが、確かな愛を交わし合った二人の男女。
手頃な銃を使用したのだろうか――違う。
テッカマンの異常な筋力を用いてだろうか――それも違う。
ならばテックランサーを振い、文字通り二人を引き裂いたのだろうか――生憎それもまた違う。
ではエビルはどうしたのか。
言ってみれば簡単な答えだ。
硬く覆われた外殻、あまりにも発達した身体能力、外宇宙の技術が用いられた武器。
それら全てをひっくるめ、己の武装とするテッカマンが持つ能力の中でも一際特徴的な能力。
テッカマンの体内に蓄積された、反物質粒子・フェルミオンを加速し、相手にぶつける。
反物質と物質がぶつかり合えば、物質は対消滅を迎える。
そう、その構えこそが、フェルミオンを一種の弾丸として撃ち出すための予備動作。
“ボルテッカ”と呼ばれ、二人の恋人達を虚無の闇に葬った極光。
「PSY(サイ)――――――!!」
唸りのような音が、地響きのような音がエビルを起点に、円心状に響く。
胸に刻まれた六つのモジュールが輝きを放つ。
ボルテッカの発射口となる部分からは、光の収束が止まらない。
発射先は只、一点のみ。
今もうつ伏せに倒れるZXは、十分に射程距離の中に入っている。
動かない標的、外すわけもない。
そしてエビルが周囲に声が聞こえてしまいそう程に、大きな声を伴って叫ぶ。
勝利への喜びと、ZXへの怒りと、そして彼が見せた優しさに対する言いようのない感情。
それら全てをごちゃ混ぜにして、叩き込む。
ボルテッカの中でも、エビルだけに許された特別なボルテッカを――
「ボオオオオオオルッテッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーー!!」
PSYボルテッカをZXに向けて、撃ち放った。
◇ ◇ ◇
ゼクロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!! 支援
『――これで終わりだッ!!』
終わり……エビルがそう言っているのが確かにそう聞こえる。
終わりたくはない、未だ何も出来てはいないのだから。
だが、意思に反して身体は動こうとはしない。
情けない、貰ったダメージは決して多くはない筈だが、一発一発が重かった。
特にたった今横殴りに斬りつけられた裂傷は、確実に己の力を奪ってゆく。
それに再び付けられた首輪のせいか、またもや本来の力は抑えられているような感覚がある。
まあ、それはきっとエビルの方も同じ状況であり、言っても仕方のない事だろうが。
気がついてみれば呟く言葉は、弱音染みた事しか出てこない。
『PSY(サイ)――――――!!』
エビルの叫びすらも段々と遠くなっていくような感覚がこびりつく。
何の言葉だろうか。
わからない、検討はつかないが自分にとって不都合な事ぐらいはわかる。
倒れ込んだ自分に追撃を仕掛けずに、何処かに留まっているには理由がある。
そう、きっと自分にトドメを刺す為の何かだ。
結局、此処で朽ち果てる身でしかない自分を、死後の世界へとやらに連れて行くための――
其処まで考え、ZXはふと自分は結局なんの為に生きていたのかを思い返す。
BADANに攫われ、姉と記憶を奪われ、数千以上の命を礎にして手に入れたものは大首領の器としての存在。
だが、自分は変われた筈だ。
掛け替えのない仲間を守るために、もう二度とあんな想いを誰にもさせないため、BADANの殺し合いを潰すと――そう誓った筈だ。
故にZXは自身に問いかける。
こんな終わり方で満足なのか――ノゥだ。
こんな場所でで終われるのか――ノゥだ。
これで示しがつくのか――ノゥだ。
自分を生かす為に死んでゆき、自分を変えてくれた、受け入れてくれたあの人達に、胸を張って自分を誇れるか――絶対にノゥ。
ならば、自分はどうする。
そんな事は口に出す事が面倒な程に、決まり切っている。
この場に居る仲間達を全員救い、再びあの世界に戻るため、そしてあの少女の力となるために――
もう一度、自分を奮い立たせる!
『ボオオオオオオルッテッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーー!!』
あの時のように、己の存在をこの世界へ曝け出すように――――!
◇ ◇ ◇
むらさめええええええええええ!!
「くっ……やはり、ボルテッカにも制限が掛っているようだな……」
地に降り立ったエビルが少し、苦しそうな様子を浮かべながら、呟く。
この殺し合いに呼ばれた異能者達の中でも、恐らく上位に位置するテッカマン。
主催者側が何らかの制限を加えている事は予想出来ていた。
その事は、既に螺旋王が開催した殺し合いでも経験している。
故にエビルは自分に掛けられた制限を確かめるためにも、PSYボルテッカを撃った。
Dボゥイことテッカマンブレードとの決着の前には、是非とも自分の今の力を知っておきたかったから。
結果は案の定、あまり良いものとは言えない。
威力の低下は勿論の事だが、何より湧き上がる疲労感、空腹感が酷い。
これは必要以上には使わない方が良いだろう。
そしてエビルは視線を動かす。
普通のボルテッカとは違い、威力の調節が行えるPSYボルテッカですらもかなりの疲労がある。
だが、それでもボルテッカである事に変わりはない。
エビルの眼の前には、瞬く間に形成された、中規模程度のクレーターが広がっている。
ZXの姿は其処にない。
きっとボルテッカの餌食になったのだろう。
手こずりはしたが、やはり自分達テッカマンに敵う存在など居ない。
倒せたのならば、もう此処には用はない。
荷物を手に取り、エビルはこの場を後にするために、テックセットを解除しようとする。
「……何処へ行く、テッカマンエビルッ! 俺は……俺は未だ負けていないッ!!」
そんな時、エビルの歩みを阻む声が周囲に響く。
生きていたか――軽く舌うちをし、エビルは急いで振り返るがやはり誰も居ない。
左右へ、そしてふいにある方向へ視線を伸ばした先に映るものは、未だ顕在なZXの姿。
両脚からは赤い火花を散らし、先程のエビルのようにZXは宙へ浮いていた。
咄嗟に空へ跳躍することで難を逃れていたのだろう。
だが、全くの無傷でもない。
所々に、PSYボルテッカの余波により生じた、生々しい傷跡が目につく。
しかし、ZXは最早己の負傷など眼中にないかのように、動きを見せる。
対してエビルも過敏に対応してみせる。
「死に損ないが……さっさと死ねッ!!」
勢いを乗せるための、助走に必要な距離はない。
PSYボルテッカも、時間的にも体力的にも今すぐには撃てそうにない。
テックランサーも手放しているため、それによる投擲も有効ではなさそうだ。
よって、エビルは選択する。
こちらからZXを迎え撃つために、一種の突撃手段であるクラッシュイントルードの構えを取った。
エネルギー粒子を纏い、対象に向かって体当たりを仕掛ける技の、溜めの動作を取る。
一方、エビルに対してZXは――先程、変身を行った時のように両腕を右斜め上へ突き出す。
ムラサメェェエエ!支援
「ゼクロス――――!!」
ZXが己の名前を叫ぶ。
同時にZXの身体が真紅の色に染まってゆく。
赤い、暖かさすらも覚えるような真赤の体躯で、ZXは宙を駆ける。。
交差させた両手を左右斜め上へ開き、エビルに向かって、ZXは弾丸のように身を飛ばす。
慣れ親しんだ、数多くの相手を破った、自分と同じように磨かれていった技。
言わば己の片割れとも言える程の、自慢の技だ。
右脚を勢いよく、貫くように前方へ伸ばす。
しかし、エビルの方が一手早い。
「クラッシュイントルゥゥゥドオオオオオオオオーーー!!」
ZXに劣らない程の気迫と光を纏い、咆哮を上げるエビル。
クラッシュイントルードが巻き起こす閃光に、ZXは真正面から立ち向かう。
伸ばしきった右脚に全力の力を込めて、落下の勢いを利用して一本の軌跡を描く。
それは倒すべき敵、エビルに対しての一撃を生みだすための動作。
必殺の蹴りに己の全てを叩き込む。
そう、仲間達から受け継いだ魂を燃やして――ZXは叫ぶ。
「キイイイイイイイイイイイイイイックーーー!!」
ZXキック――ZXの渾身の跳び蹴りがエビルと激突する。
咄嗟に両腕を前方に翳し、ZXキックを受け止める形でエビルとZXの力が拮抗する。
次々と生まれでていくものは膨大な火花と、互いが発する唸り声、そして耳を劈くような摩擦音。
負けるわけにいかない――取り巻く環境は違えども、二人が抱える思いは根本的には同じものだ。
その想いの強さも互いに負けてはいない。
天秤では測り切れない二人の意思が互いの意味を賭けて、喰い潰すようにぶつかり合う。
そして終わりが見えないと思われた激突に、転機が唐突に訪れ出した。
きたああああああああああああ!!
「本当に、良くやってくれる……だが、俺には及ばないッ!」
エビルのクラッシュイントルードの光が、更なる閃光を放つ。
同時に、徐々にエビルがZXを上方へ押し上げていくのが確かに見て取れる。
PSYボルテッカ一発分の疲労といえども、テッカマンの体力は常人の比ではない。
まだまだ余力は残っており、エビルはクラッシュイントルードに己の力を注ぎ込む。
両腕に響く、ZXキックの衝撃を力任せに押し返す。
手ごたえは十分過ぎる程に、己の感覚に伝わる。
最早、勝利は目前――しかし、エビルははっきりと視覚する。
「まだだ、まだだ、まだだ…………こんなものじゃない! 俺が背負ったものはあああああああ――こんなところで、放り出せない!
放り出せるわけがないッ!!」
エビルの視界に映ったものはZXが被る赤い仮面。
碧色の複眼からは何か大きな意思を感じさせる。
諦めなど微塵にも感じない、まるで岩のように固く打ち立てられた決意。
――最期の足掻きか。
エビルは仮面の下でそんな考えを抱くが、思わず眼を見開く。
今も自分の両腕に突き刺さるように存在しているZXの右脚。
それが起こした変化に――只、驚きを見せながら。
「光れ! ヤツよりも強く! そして貫け! ヤツよりも速く――貫け、俺の、俺のゼクロスキックよおおおおおおおおおおッ!!」
光る。
ZXの右足が光る。
真紅の輝きがより強く光る。
ZXの言葉に対し、更なる閃光を以って光る。
一時的に、大首領の力とシンクロする事で得た力が光る。
そして全てが逆転する。
今までエビルがZXの身体を押し上げていた状況が。
更に輝きを増した、ZXキックにより再び均衡状態に戻され――否。
逆にエビルの方が押し戻され始めた。
「くっ! ゼクロオオオオオオス! キサマアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
ZXキックの勢いにより、エビルの身体にぶつかる風の揺れはまるで暴風のそれにも等しい。
下を見ずとも真っ直ぐ、下へ落ちていっている事がわかる。
このままでは自分を待つものは、何処までも広がる赤黒い大地。
幾らテッカマンといえども、この衝撃で激突すれば只では済まない。
エビルが抱くものは我慢出来ない怒りのみ。
ZXキックから抜け出そうにも、両腕に走る衝撃が邪魔をしてくる。
あまりにも腹立たしい。
思わず叫んだエビルにZXが応える。
「そうだ、俺はゼクロス……だが、覚えておけ! 俺は、俺は――!」
嫌に鼓動が落ち着く。
ZXは不思議と安らぎのような感情を覚える。
漸くエビルを倒せる事に対してだろうか。
きっとそれもあるだろう。
だが、それよりももう一度胸を張れると思ったから。
もう一度、この誇り高き名をその口で叫べる。
そう考えると、言いようのない嬉しさが広がった。
昔の自分ではない、今の自分を示すその名前をZXは叫ぶ。
「俺は仮面ライダーゼクロス!! 仮面ライダーという名を刻みつけろ、永遠にッ!!」
最早、ZXを阻むものはない。
更に勢いを増した速度で、エビルを追い詰める。
一方のエビルは全くの無言。
既に言葉を返す気力もないのか。
いや、そうではない。
ほんの数秒でしかない時間を経て、エビルの身体が動く。
「……そうか、だったら俺は……俺はあああああああああああああああ!!」
エビルが両腕を押し上げる。
ZXキックが生み出す衝撃による、強大な圧力。
それすらもまるで気に留めないかのように、エビルは強引に腕を進める。
思わずZXは驚いたような様子を見せるが、エビルは止まらない。
未だこれ程までにも力が残っているのか。
ZXは一つの疑問を感じたが、それを口に出す事はなかった。
何故なら、一刻も早く対処しなければならない出来事がZXを襲ったのだから。
どこか嬉しそうな笑みを見せながら、言葉を吐き捨てたエビルによって、起こされた事が。
ZXに降りかかる。
熱すぎる……!!!!
支援支援!
いきなり全開すぎんだろコイツラwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「俺はエビル、テッカマンエビルだ!! 忘れるな――あの世とやらに逝った後も、ずっとなあああああああああッ!!」
ZXにとっての“仮面ライダー”という名前が特別な意味を持つように、エビルにも特別な意味がある。
テッカマン――たとえ、ラダムによる洗脳を受けたとしても、自分にチャンスを与えてくれた存在。
自分が越えなければらない存在である、兄との戦いを実現させてくれる。
この機会は絶対に失いたくない。
優しすぎる兄が、自分と本気で戦ってくれるにはこの方法しかない。
故にエビルは、いやシンヤにとってはあまりにも大きな意味を持つ。
テッカマンエビルに変身できる事が今のシンヤにはこの上なく重要な事であり、それが全てだ。
兄、タカヤとの戦いで初めて、シンヤの存在は証明される。
その想いがZXの、村雨の誓いにみすみすと負ける道理もない。
そしてエビルは完全にZXキックを打ち払う。
更に咄嗟に飛びあがったエビルは、ZXの身体を己の身体と絡め、きっちりと固定し――
宙返りの要領で、ZXの身体ごと真っ逆さまに落下する。
「ッ! 放せ!!」
「さらばだ、ゼクロス――いや、仮面ライダーゼクロスッ!!」
ZXの頭部を地面に激突させ、自分は直前で離脱する気なのだろう。
エビルは備えられたバーニアを吹かせ、勢いを増していく。
一方、がむしゃらに抵抗するはZX。
軌道をずらすことぐらいは出来るが、このままでは視界が土色に染まるのは時間の問題だろう。
そう、一秒でも早くエビルの拘束から抜け出ないとならない。
身体を震わせ、ありったけの力でZXは足掻きとも取れる抵抗を行う。
だが、時間は非常にも過ぎてゆき――
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ZXの身体が勢いよく激突した。
◇ ◇ ◇
「……逃がしたか」
エビルへのテックセットを解除したシンヤが一人呟く。
先程、仕留めた矢先に再び赤く発光し、自分を振り払い、湖に飛び込んだZX。
つくづくZXの生命力には驚かされる。
更に此方も相当の疲労と傷を被い、特に両腕には痛みが残っている。
テッカマンの自己治癒力を以ってしても、暫くの休憩は必要かもしれない。
まさか開始早々から、こんな痛手を負うとは思ってもみなかったが、シンヤの表情にはそれほど悔しさはなかった。
今回は運よく初めからテッククリスタルが支給されていたのだから。
自分の物はなく、兄の物だがテックセットが行えるなら問題はない。
そしてエビルはこれからの方針を考える。
勿論、兄との戦いは最優先、次にラッド・ルッソの殺害。
それと兄の分のテッククリスタルの入手も必要だ。
ZXとは再び出会ったら今度こそ必ず倒す。
テッカマン素体としての存在である人間を、この状況で捕獲するのは面倒でしかない。
よって無力な、どうでもいい参加者は殺し尽くすに限るだろう。
そこまで考え、やがてシンヤはふと閃いたように表情を歪ませる。
妖しげな笑みを造り出す。
「ゼクロス……いや、村雨が言っていた、かがみと言う女が死んだらあいつはどうするかな?
ふふっ、楽しそうだな……それは……!」
かがみ達を守る――確かにZXはそう言っていた。
ならば殺してやろう。
ZXの知り合いならば、自分にたてついた事を後悔させてやる。
そして悲しみに暮れたあいつを、今度こそ完膚なきまでに殺してやればいい。
愉快さで思わず表情が綻びそうになる。
そう言えば以前の殺し合いでもそんな名前はあったような気がするが、シンヤの記憶は定かではない。
何せ、80人の名前があったのだ。
割と特徴的な名前であったとしても全員分を覚えるのは骨が折れる。
それに何より、シンヤにとっては兄の名前がある事がわかればあとはどうでもいいのだから。
兎に角、方針は決まった。
もう少し身体を休めてから何処かへ足を運んでみよう。
兄さん、ラッド、ZXの情報を集めるためにも――
そんな時だ。
ふと、シンヤは自分でも理由はわからないが、ふと思い立った。
もう必要はない筈なのに、何故か考えてしまった。
あの少女は今どうしているのかを。
「……ゆたか」
思わず、紡いでしまった名前。
以前の殺し合いで出会い、兄との戦いのために攫った少女。
自分にとっては取るに足らない、無力な存在。
しかし、彼女はいつも自分に対して、何かを期待するような瞳で覗いていた。
自分が兄との戦いを口にする度に見せた、あの何かを言いたそうな表情。
それが何故か、酷く懐かしさのような感情をシンヤに感じさせ――そして、シンヤは左右へ頭を振った。
「ッ……まあ、いいさ。利用価値は未だある。
今度こそ、ゆたかに俺と兄さんの戦いを、テッカマン同士の戦いを見せれば、俺たちが化け物だってコトがわかるだろう。
その時、浮かべる兄さんの顔が……楽しみだな……」
強引に、何かを振り払うかのようにシンヤは結論づける。
確かに道理は叶う。
だが、不思議とシンヤの表情には迷いのようなものが見て取れる。
自分でも漠然と自覚していたのだろう。
今、自分が呟いた言葉が、ゆたかの新たな利用法である事が――
それが自分の真意である事が、シンヤには何故かわからなかった。
【E-5 湖の辺/一日目 深夜】
【相羽シンヤ@アニ2】
【状態】:疲労(大)、空腹感、全身に負傷(特に両腕に痛み有り)
【装備】:ブレードのテッククリスタル@アニ2
【所持品】:支給品一式、不明支給品0〜2
【思考・行動】
基本方針:Dボゥイとの決着をつける
1:少し休んでから何処かへ向かう。
2:ラッド、村雨、かがみの殺害。
3:Dボゥイの分のテッククリスタルを手に入れる
4:ゆたかは手元に置いておく……?
【備考】
※参戦時期はアニ2、211話「The Incarnation of Devil」内でラッドに殺される前。
※テックセットは誰のものでも問題なく行えます(アニ2準拠)
青い水がゆらゆらと揺れる中に浮くものが一つ。
ZXへの変身が解除され、水の流れに身を任せている村雨の姿だ。
但し、蓄積された疲労と負傷で今は気を失っている。
自身が持つ自己修復能力によりは癒されてゆくが、眼を覚めるのには、もう少し時間が必要だろう。
そう、だから今は村雨にとっての僅かな休息の時。
最早、エビルとは相容れない存在である事は痛い程にわかった。
ならば止めなければならない。
村雨が先程の戦闘で新たに誓った決意。
そして村雨が、気を失う以前に決意した事は他にもあった。
それはある参加者に出会う事。
会えば何かわかるかもしれない。
エビルが何故あそこまで執着するのか、そして彼を止める何らかの方法を知っているかもしれない。
そう、エビルが何度も、口走っていたあの名前――
相羽タカヤ、Dボゥイと記載された人物と出会う事が必要だと村雨は感じていた。
【D-4 湖に漂流中/一日目 深夜】
【村雨良@漫画ロワ】
【状態】:気絶中、疲労(大)、全身に多大な負傷(特に左腰に裂傷)
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1〜3個
【思考・行動】
基本方針:この殺し合いを潰し、BADANとの最終決戦に帰還する。
1:一人でも多くの人間を守り、殺し合いに乗った者は無力化、もしくは倒す。
2:かがみ、アカギ、ヒナギク、ジョセフとの合流。
3:パピヨン、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズとの接触。
4:エビルを止める、もしくは倒す。また、Dボゥイなる人物にエビルの事について訊く。
※参戦時期は漫画ロワ254話、「真・仮面ライダー 〜決着〜」の直後です。
※ジェネラルシャドウ、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズが生存している事に疑問を抱いています。
※アカギ、圭一、6/の名前が複数ある事に疑問を抱いています。
※何処へ流れ着くかは不明です。
乙です。
序盤からぶっちぎりすぎだろこいつらwwwwww
他参加者とは違って真面目にぶっちぎってるから困る
どっちもロワでも原作でも歴戦のつわものだからなーw
新たな因縁を記憶に刻み、今後どうなるか……投下乙!
乙です。
ライダーはいつも最初から凄い事をしてくれるやんちゃな存在だから困る。
はっきり言って少しは自重しろとw
とにかく乙です
そういえば村雨はロボロワでも最初から熱いバトルを繰り広げていることを思い出した
投下終了しました!
支援どうもありがとうございます。
タイトルは 激突!仮面ライダーゼクロスVSテッカマンエビル でお願いします。
誤字など何かおかしなところがありましたら言ってください。
ではでは、またの機会にー。
投下乙です
熱い、熱いよwメッチャクチャ燃えまくりましたw
序盤から凄まじいまでの全力全開っぷり……w
面白かった
投下乙!
いきなり全力全開バトルかよwwwお前ら少しは自重しろw
しかしエビルは相変わらずヤンデレってるなー
投下乙です!
初っ端から飛ばしすぎだろ、この二人w
熱くならせていただきました、GJ!
あー面白かった。自重絶無なこいつらがすげー楽しかったー
やっぱ村雨もシンヤもぶつかりあって初めて輝く漢達さー、こーでなくっちゃ♪
しっかし、世界観違いすぎんなホントw こいつらとでっていうのバトルとかどーやって書くんだこれw
投下乙です!熱いバトルに魂が萌えました
遅れてすみませぬ
ゆたか、キョン、ルイズ投下します
ヒャッハー投下ラッシュだー!
支援
投下乙!
初登場からクライマックスレベルに熱い!
やっぱりシンヤと村雨はこうだよなあww
しかしかがみ逃げてー!!
「……???? 」
少女は困惑した表情で、辺りをキョロキョロと見回している。
何が起こったのかわからない、といった様子だ。
「さっきのって……夢じゃない……? 」
無意識に髪を撫でながら、困惑するべきなのか怯えるべきなのか迷っているようにも見える。
挙動不審ともとれるそんな小早川ゆたかの姿を見ていた者は幸運にもいなかった。
ゆたかはやがて震えながらその場……川に掛けられた橋の真ん中に座り込んだ。
「あれ」
へたりこんだ腰に、奇妙な感触を覚えて視線をやる。
そこには、かなり大きめのバッグがあった。
拾って、落し物かなぁと呑気に考えるゆたか。
ふと、先程のピエロの男の言葉を思い出す。
「首輪……本当についてる。じゃあ、これの中に……」
首にやった手をバッグに伸ばし、ジッパーを引いて中身をあらためる。
食料や電灯、地図。話の通りの物が詰め込まれていた。
ゆたかの手が、一枚の紙を掴む。
「名簿」
小さく呟いてから、恐る恐る紙を表向きにする。
そこに書いてある名前を確認しようとして――――。
・6/氏(カオス)
・6/氏(かがみ)
・6/氏(神)
(えぇ……)
いきなり同じ名前の人物が三人見受けられた。
氏と付いているということは、なんだか偉い人達なんだろうなぁと適当に流し、名簿を読み進めるゆたか。
熱い!なんだこれ熱すぎんぞ!!
・赤木しげる(13歳)
・赤木しげる(19歳)
「……」
理解を放棄して、淡々と読み進める。
やや怯えが和らいでいるように見えるのは、幸か不幸か。
最後まで読み終え、バッグのもとあった位置にキチンと名簿をしまい込む。
「岩崎さんや、こなたお姉ちゃん達もいるなんて……」
あのピエロは、これは殺し合いだと言っていた。
彼女達が――――危ない。
友達や親戚の事を心配し、探しにいこうと立ち上がろうとする。
だが、立ち上がれない。
(あの人……本当に死んだのかな)
怪人の投げたカードに心臓を貫かれ、首輪を爆発させられた少女。
なんだか親戚の友達に似ていた気もするが、別人だろう。
ゆたかの知るその人物は、体から文字など出せない。
(体から文字出せる人ってなんだろう……)
疑問で、恐怖を紛らわそうとする。
だが、それもそう長くはもたなかった。
あまりにも日常とかけ離れた状況は少女の精神を蝕み、脆弱な体に牙を剥く。
「こほっ、こほっ……」
咳が止まらない。
ゆたかは、軽い呼吸困難に陥り始めていた。
(このままじゃ……)
がくがくと震える足に喝を入れ、橋の縁に手を置いて立ち上がる。
よろけながら、橋の端に体重を預けて何とか進むゆたか。
そう時間が経たないうちに、その視界に人影を捉えた。
「! ど、どうしよう……」
その人影はまだこちらには気付いていないようで、ゆたかに背を向けるように立っている。
桃色がかったブロンドの長髪に、小柄な体躯。
少女と思しきその姿に、ゆたかは話しかけたいと言う衝動に駆られる。
心細さからくる気持ちであったが、やはりこの状況では、そうそうその衝動に従うことは出来ない。
退くも進むもできずにあたふたするゆたかに、人影が気付いた。
長髪を翻し、ゆたかを睨めつける、鳶色の眼。
支援
支援ー!
支援
ゆたか逃げてえええええええええ
「あなた……もしかして、ゆたかちゃん? 」
「え……」
自分の名前を呼ばれた。
だが、ゆたかは彼女の顔に見覚えはない。
ゆたかが戸惑っているのを見て微笑を浮かべながら、小柄な少女は両手を後に回して近づいてくる。
「泉さんから話は聞いてるわ。あ、泉さんと私……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブ(ryはクラスメートなんだけどね」
「そ、そうなんですか? 」
ゆたかは頭を傾げ、記憶を総ざらいする。
ルイズ・フランソワー(ry……聞いたことがあるような、ないような。
ゆたかの目の前まで歩いてきたルイズの顔をまじまじと見つめる。
こんな可愛い子(しかも、外人だ! )がクラスにいれば、こなたは自分に話しただろう。
しかし、そんな覚えはない……。
(ひょっとして、騙されてるのかな)
しかし、こなたの名前を出すのはともかく、ルイズが自分とこなたが知り合いだと知っているのは事実だ。
迷うゆたかに、ルイズが優しい笑顔を見せる。
(もしいい人だったら、疑ったら悪いよね)
ゆたかは疑念を振り払い、はたはたと両手を振って赤面する。
ルイズはそんなゆたかを見て笑顔を消し、「柊姉とどっちがいい声を出すかしら」と呟いた。
「え? 」
ルイズの呟きの意味が分からずに呆けるゆたかの耳に、ドッドッという重機のエンジン音のような響きが届く。
船でも来たのかな、と川を見渡すゆたかの目に、後にやっていた手を引き上げ、何かを振り下ろすルイズの姿が映った。
「サイトォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!! 」
「ちょ……」
振り下ろされたのは、チェーンソーだった。
歪な音を立てて迫るその凶器は、ゆたかの頭があった場所に向け急激に加速。
驚いてしりもちをついたゆたかは運よくその一撃をかわせたが、その心境はとても文章では表せないほど混乱していた。
∩___∩
| ノ ヽ/⌒) あばばばばばば
/⌒) (゚) (゚) | .|
/ / ( _●_) ミ/ /\___/\
.( ヽ |∪| / / ⌒ ⌒ ::\
\ ヽノ / | (゚) , 、 (゚) ::|
/ / | ,,ノ(、_, )ヽ、, :::| あばばっあびゃばびゃばば
| / | ト‐=‐ァ' .:::|
| /\ \ \ `ニニ´ .::/
| / ) ) /`ー‐--‐‐一''´\
∪ ( \
\_)
↑
大体このくらい
ちょwwww
支援
支援
支援
「チッ……」
「ひぃっ! 」
橋の手すりを凄まじい音を立てて食い破るチェーンソーを一旦止め、ルイズは舌打ちしてゆたかを蹴り飛ばした。
2mほど転がって、声にならない声をあげるゆたかを見て、嗜虐的な笑みを浮かべる。
「ごめんなさいね、ゆたかちゃん。私はサイトのところに帰らないといけないの。よって死ねぇぇぇぇぇ!!! 」
「わわ、わっ! 」
腰が抜けて動けないゆたかに、ルイズが迫る。
ゆたかがぎゅっと目を瞑って、体を転がらせて逃げようとするのを、ルイズは足を掴んで阻む。
「チェーンソーの扱いには慣れてないから、あなたの体で切れ味を楽しま……試させてもらうわね」
「や、やめ……」
「ダーメ」
チェーンソーのスイッチを入れ、ルイズはゆたかの足にその刃を食い込ませ「待ったぁぁぁぁぁぁ!!! 」
▼
まったく、せっかく残り10人近くまで減ったってのに最初っからやり直しとはな。
ハルヒの理不尽につき合わされるのも大概だが、これはちょっといくらなんでも酷いだろう。
大体ルイズは死んだはずじゃなかったのか。何故生き返って、俺の目の前にいるのか、誰か説明してくれ。
ドラゴンボールか? ドラゴンボールなのか? 伏字にしたほうがよかっただろうか。
まあそんな事は谷口のノロケくらいどうでもいい。
問題はこれからどうするかと言うことだろう。それだってもう大体決めてるんだから、今この状況をどうするのかということだが。
うむ……やらない夫に聞いてはいたが、目の前のルイズはここでもゲームに乗るつもりのようだ。
いきなり声を荒げて静止した俺に上目遣い気味に視線を送ってきている姿はなかなかいい。
なかなかいい!
「落ち着けよ、ルイズ。クラスメートの知り合いを殺すなんて、人の道から外れてると思うぞ」
「あんたは……涼宮さんの犬! 邪魔するなら、あなたから殺してあげてもいいのよ? 」
うむ……ちょっとびっくりするくらいキャラ崩壊してるな。
一体どう扱っていいものか……とりあえず、説得を試みよう。
俺は自分のコミュニケーション能力をフル活用し、簡潔にかつ慎重にルイズを説得する。
ルイズはとりあえずゆたかたんを解放し、俺のほうに向き直った。
俺が意図的に目立たせている、腰の後に回した左手を警戒しているのだろう。
そこに銃がある、と思っていそうな表情で、俺の毒にも薬にもならない説得を神妙に聞くルイズ。
「さあ、俺のラマンになるんだ」
「お断りね」
説得は失敗した。
古泉なら言いくるめられたのかも知れんが、俺には無理でした。
しかしゆたかたんを見捨てるわけにもいけないのが辛いところだ。
「じゃあどうしろというんだ。戦う、なんて答えは勘弁だぜ」
「戦え! 」
ルイズは警戒をやめたようで、チェーンソーの刃を回転させて俺に飛び掛ってきた。
チェーンソーなんて持ってないで裸だったらむしろウハウハどんと来いなのだが、チェーンソーで刻まれるのはごめんだ。
俺は隠していた左手を前に突き出す。何も持ってはいない。
ルイズは「ハッタリか」というような悪い笑顔を浮かべるが、俺は気にしない。気にする必要がない。
足を肩幅に開き、両掌を丹田のあたりに翳す。同時に、右腕を左から右に高さを変えずに平行移動。
気合を入れて、叫ぶ。ちょっと恥ずかしいがな。
「殖装……! 」
「!? 」
チェーンソーが俺の体に触れる寸前、不可視の衝撃波が走った。
衝撃波はチェーンソーを吹き飛ばし、ルイズも同じく弾き飛ばす。
背中を強かに打ちつけたルイズは、俺の姿を見て驚愕していた。
特撮ヒーローのようなバイオニック・アーマー。
それを身に付け、俺は背筋を伸ばして立っている。
「悪いな、ルイズ。お前も候補だったんだが」
「く……! 」
チェーンソーを取ろうとするルイズに、俺は重圧砲(プレッシャー・カノン)をぶち込む。
最初の一撃で絶命したとは思うが、念のため三発ほどダメ押しに重圧砲を叩き込んでおいた。
一仕事終えてふうと溜息をつき、ルイズのバッグとチェーンソーを回収し、ルイズの死体を川に放り込んだ。
まったく、もったいないことをしたもんだ。
「ルイズ……お前も道を違えていなければ、立派な妹キャラになれただろうに……」
「……」
「何故逃げる! 顔に傷は付いていないかい? ついていないな! 安心! 」
俺がたそがれている隙にその場を這って離れようとしていたゆたかたんをしかりつけ、殖装を解除する。
スタスタと近寄り、肩をつかんで無理矢理立たせる。ゆたかたんはなんとも怯えた表情で、非常にそそる。
俺はハァハァと息を荒げながら、至近距離からゆたかたんのFloralな匂いを満喫した。
「ひぃ……」
「スンスン! ハッ……怯えないでくれ、小早川ゆたかちゃん。俺は君のお姉さんのクラスメート……友達だ」
(お姉ちゃんは友達を選んだ方がいいと思う……)
確かに支援
支援ー
キョンwwww
支援
何を考えているのか、怯えきった表情で俺から離れようとするゆたかたん。
助けてあげたというのに、こんな態度は酷いだろう。まあ、あんな怪人染みた姿になったのだから仕方ないのかも知れんな。
俺は息を整え、ゆたかたんに害を加えるつもりはない、と紳士的に説明した。
俺の目的を言わせて貰えば、たまたま手に入れたこの力……ガイバー・ユニットの力を使い、究極の妹祭りを齎すことだ。
最終的に生還するのは俺だが、せっかくの機会、日頃の妹欲を解消したいと思うのは当然の事だろう。
しかし、実妹がいないのに究極の妹祭りを齎すことができるだろうか。できる。やってみせるさ。
優勝すれば望みが叶えて貰えるらしいが、そんな事では意味が無い。額に汗し、苦悩してこそ究極の妹祭りなのだ。
その旨を分かりやすくゆたかたんに伝えるが、あまり分かってもらえなかった。
「まあ、俺は君や、柊つかささん達――――妹キャラを守る……そう考えてもらえばいい」
「そ、それは嬉しいですけど……あの女の人を殺したのはやりすぎじゃ……」
「俺が一番辛い! クラスメートで、しかも妹キャラだったルイズをこの手にかけたんだぞ!? 何故分からないんだ! 」
「ご、ごめんなさい……あの、具体的には妹祭りって……」
「安心してくれ。俺に全て任せてくれればいい」
「……わたし、こなたお姉ちゃんの実の妹じゃないんですけど……」
「そんなことは、大した問題では、ない」
(えぇ……)
ゆたかたんは何かを諦めたような、微妙に精神が崩壊しかけているような顔で、クラクラと倒れかけた。
それをはっしと抱きとめ、再び彼女のNiceMintな匂いを嗅ぐ。スプレンディドゥ!
慌てて立ち上がり、ゆたかたんは俺の名前を問う。
「キョン。キョンと呼んで……お兄ちゃんと呼んでくれ! 」
「お、おに……」
「兄様でもいい」
「キョンサン、オリシアイハイラッシャルノデスカ」
お兄ちゃんと呼んでくれと言うのに!
まあ、これから徐々に打ち解けていけばいいだろう。
妙に機械的になってしまったゆたかたんの言葉に、手早く返答する俺。
何と言う変態の多さ支援
変態だ……w
ガイバーユニットー!?
支援
何故ガイバーw 支援
「やる夫、前原、桂さん、ハルヒ、古泉、長門、泉、wiki、朝何とか……この辺は俺のクラスメートだが、必要ない。見つけ次第始末する」
「始末って……」
「柊姉、柊妹は妹キャラの側面を持つ。なんとしても手中に収めたい。でっていうは危険だ。気をつけよう、ゆたかちゃん」
(危険なのはあなたですよー)
「他にも妹キャラがいたら、貪欲に仲間にしていきたいと思う。ゆたかちゃん、この中に他に知り合いはいるかい? 」
「イマセンー」
(こんな人に、岩崎さんや黒崎先生の事は話せないよぉ……っていうかなにー、この展開なにー? )
ゆたかたんは何か隠しているような素振りだったが(隠し事が出来ないゆたかたん萌え! )、まあいいだろう。
そういう年頃なんだろう。俺にもそんな時期がありました。小学生女子とデートした事とかは隠さなかった、むしろ誇っているが。
SOS団の仲間達……朝何とか……やる夫たち……すまない。
今回も、俺の為に踏み台になってもらうぜ。
そして、俺は……究極の妹祭りに到達するのだ。
そうすれば――――。
「妊娠確実ぅ! 」
ガッツポーズを取りながら叫んだ俺の言葉にビクッとしたゆたかたんの手を取り、
俺は橋の向こう――地図でいう娼館の方向へと、走り始めた。
【(ry@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです(やる夫ロワ)死亡】
【残り58人】
変態だー!
駄目だこりゃ変態支援
変態支援
支援
【F-7 橋/一日目 深夜】
【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
【状態】:精神崩壊気味、大混乱
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品(1〜3)
【思考・行動】
基本方針:友達やこなたたちと合流
0:何この人……
1:何この展開……
2:キョンから離れたい
【キョン@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです(やる夫ロワ)】
【状態】:健康、ガイバー化
【装備】:0号ガイバーユニット @書き手ロワ2nd
【所持品】:支給品一式、不明支給品0〜4(自分の分は本人確認済み)、チェーンソー@やる夫ロワ
【思考・行動】
基本方針:究極の妹祭りを齎す。
0:ゆたかたんカワユスなあ
1:妹キャラを集める
2:妹キャラ以外は排除、最終的には優勝する
3:でっていうを警戒
4:何故死んだ奴等が生き返っているんだ……ミステリーだぜ
【備考】
※でっていうに追いかけられ、やらない夫たちとはぐれた時点から参加。
※究極の妹祭りとは具体的に何をするのかは、まだ考えていない。
支給品解説
【0号ガイバーユニット @書き手ロワ2nd】
kskアニメキャラバトルロワイアルもよろしく!
【チェーンソー@やる夫ロワ】
神も殺せる凄い武器。ジェイソンの得意武器。
投下終了です。
支援ありがとうございました!
乙!
何と言う変態カオスギャグ展開wwww
ゆたか逃げてー!!
投下乙!
キwwョwwンww ダメだこいつ…早くなんとかしないと…
投下乙!
ちょwAAがwww
ってキョン変態すぎるwwwwww
投下乙!
キョンのガイバーと言えばkskを思い出すが……
やばい、これはkskよりもずっとやばいキョンだ……間違いない!
ゆたか逃げてえええええええええ
投下乙です
キョンwwwお前というやつはwwww
まさかこっちでもガイバーキョンが誕生するとは思わなかったw
投下乙!
キョンが変態にwwwww
このロワは変態が多いのが特徴かwwwww
やる夫ロワの2人がひどすぎるwwwww
ゆたかが哀れでしかたないよ
さっき投下されたゆたかフリークの2人が今の状況を知ったら凄いことになりそうだ
投下乙
キョンwww変態すぎるwww
こんな変態に殺されたルイズが哀れwww
ところでキョン…このロワのハルヒはHALなんだぜ…w
ちょっと待てw Dさんとみなみがすげぇシリアスに探してる相手これか?wwwwwwwwwwwwwwwwww
あと今夜投下が予約される作品は
◆jS4dQplqkA 川田章吾@漫画ロワ、赤木しげる(13歳)@カオスロワ、前原圭一@ニコロワ
だけだな
>>491 ばっ、ゆーちゃんはまともだぞw
ただ一緒の人がその、物凄くあれなだけで!w
自 重 し ろ(いい意味で)
お二方とも投下乙でした!
>◆40jGqg6Boc氏
素晴らしいクオリティでの仮面ライダーvsテッカマン、とても燃えさせていただきました
なんという最初からクライマックス……
>◆IAfXeP1LXM氏
まさかやる夫キョンがここまで変態とはw
このキョンならマーダーのパシリにはならないな、うん
どうでもいいけど究極の妹祭り……いい響きだ……
駄目だこいつ、早くなんとか(ry
変態が多いというかマーダーにまともなやつがほとんどいないというのがなぁ・・・・・・w
投下乙です
これがカオスギャグなのかwwwww
ゆーちゃんこれで精神崩壊気味ってどんだけwwww
カオスな感じでいいじゃないかww>まともなやつがいない
まだ投下くるかな?wktk
阿部さん×ガイバー、実現するか?
俺、アニロワ2や漫画ロワみたいなシリアスは読むけどカオスは初めてなんだ
何、このギャグ空間?
GJですw
あ、どうでもいいかもしれないが、6/氏の(カオス)(神)(かがみ)は6/氏の話にも出てきたし良いんだが
アカギの年(13歳)(19歳)の記述は外した方が良いんではないだろか?
名簿見たはずの春香の台詞と状況もあるし…
ていうか参加者に渡された名簿の記述は統一した方がいいのだろうか
6/氏だけ書いてあって圭一達は記述無しとかがいいかなと思ったんだがどんなもんなんでしょう
キョンの為に妹キャラをまとめてみた
柊かがみ
柊つかさ
小早川ゆたか
アルフォンス・エルリック
桂ヒナギク
南千秋
スバル・ナカジマ
思ったより少ないな・・・
名簿はwikiに実物の画像がなかった?
> アルフォンス・エルリック
ちょっと待てw
>>502 本当だ。確認不足すまん。ざざっと読んだらちょっと疑問に思ったもんで…
6/氏(神)とアナゴ投下しますね。
ま た 殺し合いか。
俺が今行われている殺し合いに呼ばれた時そう思った。
何しろ俺は6、7回ぐらいこんな馬鹿げた殺し合いに呼ばれているのだ。
そう思うのも無理はないだろう。
全く今度はどういうロワなんだ?
名簿があるからしてかつて俺がいたカオスロワじゃなさそうだがな。
それに俺が出れるロワなんてまともなもんじゃねぇだろ。
まあいい、どんなロワでも俺がやることは
優勝して元の世界に帰る―――それだけだ。
俺の名前だと?
6/とでも名乗っておくよ。
その他詳細は『他の2人』に聞くんだな。
何でウェディングドレスを着ているかって?
言っておくが支給品じゃない、俺がカオスロワ5thの時から着ていた奴だ。
さて名簿の確認をしておくか。
どんな参加者がいるか知っておきたいしな。
――カオス。
名簿を見る限りそれが一番最初に頭に浮かんだ。
恒例?ともいうべきからき☆すたメンバーをはじめ、
あらゆるところから出展されたキャラの名前がその名簿に載っていた。
よく見ると俺の知る書き手の名前も載っている
やはり、お約束ともあっていろんな意味で忌々しい『柊かがみ』の名前もそこにあった。
お前もそこに参加しているのか…俺の知るかがみじゃないかもしれないけど。
『岩崎みなみ』の名前もそこにあった。
どうするか…岩崎みなみも殺すのか?まあいいそんなことは後で決めてやる。
他にアカギや前原圭一の名前が2つあったこと、
ましてや俺の名前が3つあったことには多少は気になったが…
これがバトルロワイヤルというものだ。
次に支給品を確認しよう。
とりあえずガサゴソと自分のバックを漁っていたら銃剣が2つセットで入っていた。
なるほど、これはアンデルセン神父の銃剣か。
接近戦武器にしては丁度いいもんだな。
流石に前の殺し合いで持ってた国常立神はないか…手に入れたばっかなんだがな…。
どの道使う気はあまりなかったからいいか、それに俺には『切り札』もあるしな。
そして銃剣以外の中身を全てバックに戻し、
自分のこれからの行動を考えることとする。
基本的なスタンスは優勝狙いだ、所謂マーダーだ。
一般人や弱ってる奴は普通に殺して、チートっぽい強い奴や集団相手は不意討ちとかだまし討ちとかで殺す。
よし、作戦会議終わり。というわけにはいかない。
…俺には絶対切り離せない運命と言うものがある。
それは誤解王クオリティというもので、
ロワに参加するたびにあらゆる参加者に誤解されるという嫌なクオリティだ。
だが、今回はその誤解フラグをうまく活用できるかもしれないのだ。
俺は自分の名前が3つ載っていることを思い出す。
一見他の2人の自分がやったことが自分に降りかかると思ったんだが、
逆に考えてもみろ。俺のやったことがあいつらに降りかかるかもしれない。
どこの時期の出展なんだか知らないが…どうせ対主催に回るんだろう?
根拠はほとんどないが自分のことだからなんとなく分かった。
俺はマーダーになることにしたんだ。誤解なんて知ったこっちゃないんだよ。
でも他の2人が対主催になってるとしたら…誤解なんてされちゃあ困るよなぁぁ〜?
俺の悪評が広がったりしたら…まぁ何れ何らかの理由で誤解されるだろうがな。
なんにしろそれをうまく利用しない手はないだろう。
よし作戦会議終わり。
じゃあ今すぐ行動に移ろうと言いたいんだが…何度もロワに参加してて少々気疲れしているから次の放送まで寝るとするか。
今は夜だからどこかに隠れられそうなとこを探してそこで寝ればいいだろう。
その間に参加者がうまいこと減ってくれるかもしれない。
とりあえず俺は寝場所を探すことにした。
適当な見つからない場所でいいだろう。
しえん
◇
「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああぁぁああぁぁぁあ!!!」
俺はそう叫ばずにはいられなかった。
「ぶるあぁぁぁぁあぁああぁぁああぁあぁぁああぁあぁぁああぁぁああぁぁぁぁ!!!」
周りに人がいるとかいないとか関係なく。
「ぶるああぁあぁあぁぁあぁあぁぁぁぁあぁああっぁああぁああぁぁぁぁあぁあ!!!」
なんでさっきから何度も叫んでいるかってぇ?
決まっているだろう?これは怒りだ。この馬鹿げた殺し合いを画策した愚か者への怒りの咆哮だ。
どうせ首輪を通してこの声を聞いてるんだろぉう?
何度でも聞きやがれえそして眠れねえ夜を震えながらすごしやがれってんだってヴぁぁ…
それにしてもああいう連中はくだらねえことをよぉ…
いいだろぉう!!貴様らの望んでいる下らん最悪の結末とやらぁ…
何度でも覆してやるんだってヴぁぁぁぁぁぁぁ!!!
さて、少ぉし落ち着いた
最後に一発…
1!2!!3!!!
「ぶるあぁああぁぁぁあぁぁぁあぁぁあああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
アナゴwww支援
アwwwwwwナwwwwwwゴwwwwww
準備運動的なものはこれでよかろう。
私の名はアナゴ、通りすがりのサラリーマンだった男だったんだってヴぁ。
殺し合いとかいろいろあってぇ今は名護さんの代わりになっているんだがなぁ。
そんな俺が殺し合いに乗るわきゃあねえだろう。
まずは名簿を確認している俺の知り合いが乗ってるかもしれぇん。
うむ、少なくとも俺とともに戦った戦友は全員いるみたいだなぁ…
ふははははははぁ…好都合だぁ。
どうせあいつらもこの殺し合いを潰そうとしてるんだろぉう?
よし、この俺も人肌脱ぐとするか。
首輪を解除したいがぁ…生憎俺はそんな知識はないのでね。
首輪の解除は他の人にやってもらうとしよぉう…長門君あたりがやってくれそうだぁ。
じゃあ俺は何をやるか…今の俺に出来ることといったら
戦うことしかなぁい。
弱きもののために戦うことしか俺にはできなぁ〜い。
ふん、結論は一つじゃあないかぁ。
長門君たちが首輪の解除とかに頑張っている間…
俺はこの殺し合いに乗ってるバカやろぉうどもを鎮圧する!!
この殺し合い…必ずと言っていいほど殺し合いに乗る野郎がいるだろぉう。
そいつらはゲームを脱出しようとする奴らにとって最大の障害となってしまぁ〜う。
ならばぁそれを俺が取り除いておくのは当然のことであ〜る。
よぉし決意を固めたところでぇ俺に何が支給されてるか確認しねぇとな。
人を倒すための武器はいらねぇ…
俺にはこの肉体と若本技だけで充分だぁ。
とりあえずまずバッグから出てきたのはぁ…
なんだぁこれはぁ?
なにかぁのアクセサリィーかぁ?
どっかで見たことあるぞぉ…
おぉそうだぁ、確か遊戯君が付けていた千年パズルとやらによく似ているではないか。
少し形状は違うがな。
よぉし何だか興味が沸いてきた。何だか邪魔になりそうだが付けてみるか。
ん?何だ…いきなり輝き始めたぞ?
付けて早々だがこれはヤヴぁい…俺の第6感が叫んでいる
これは危険だと。とりあえず早く外さねばぁ!!
「ぬぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
◇
「…うるせぇな。」
あんなに叫ばれちゃあいい寝場所を見つけても眠れないんだよ。
それに人が集まってくる可能性もあるしな。
せっかくロワの連続参戦が祟って疲れが溜まっていたから朝まで寝とこうと思ったのに…
それにしてもあの特徴的な声は覚えがあるぞ。
若本だ、どう聞いても若本だ。そして名簿にはアナゴという参加者がいた。
そいつか、俺の睡眠を邪魔しようとする奴は。
アナゴみたいなただのサラリーマンなら俺でも殺せる。
「少し静かにさせてくるか。」
俺は2つの銃剣を持って立ち上がる。
そして俺は自分の睡眠を邪魔する奴を始末しに向かおうとした時、
突如何かの気配を感じ俺は振り向いた。
振り向いた先にはサラリーマン姿の男が立っていた。
俺が予想したとおりその男は俺の、いや日本国民がよく知るアニメの登場人物、アナゴだった。
だが、何だ?この禍々しい雰囲気は。首にかけているリングがやたらギラついていた。
「いい月だな、これこそ闘争にふさわしい夜だ…お前は俺の喉の渇きを癒してくれるのか?」
何言ってんだこいつ?アナゴってこういうキャラだったかよ。
それよりも何ださっき言ったけど雰囲気やべーぞ。
とりあえずあれだ、さっさと殺しておこう。
俺は両手の銃剣を構えて臨戦態勢に入った。
その時だった。
「サイコクラッシャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
アナゴは片腕は前へと突き出し赤く発光したエネルギーを纏い、俺に飛び掛ってきた。
俺はすんでのところでアナゴのサイコクラッシャーを回避する。
ていうかサイコクラッシャーだとぉ?アナゴがサイコクラッシャーって…
ということは…まさかこのアナゴ…魔王アナゴ!!?
ニコロワ終盤で対主催の前に立ちはだかったアレか?
まさかあんなのまで参加しているなんてよぉ…
くそったれ、どうやら俺の『切り札』を使わせてもらえる隙もなさそうだ。
そう考えているうちに
暗闇からアナゴが放ったものだと思われる気功波が飛んできた。
俺はこれでもロワに何回も参加している。
とっさに敵の攻撃を避ける事だってできなくもない。
そして俺はその気功波を回避する。
だが、その喜びも束の間、『本命』が俺に向かって飛んできた。
「かぁめはぁめ波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
マジかよ…これはいくらなんでも避けられねえぞ…
これはマジにやばいぜ―――
◇
「まるでお話にならない。」
ふん、所詮はこの程度。
やはりこいつも俺の喉の渇きを癒すことはできなかった。
どうせ跡形もなく吹っ飛んだんだろぉう?
弱すぎだな。
だが、まだ参加者はかなりいる。
せめて俺が優勝するまでの間ぁ楽しませてくれよ、この俺を。
クックックックックッ…
ゲェハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
【B-6/1日目-深夜】
【アナゴ@カオスロワ】
[状態]:健康、闇若本
[装備]:なし
[持物]:千年リング@ニコロワ、基本支給品一式、不明支給品1〜2
[方針/行動]
基本方針:戦いを楽しむ
1:強者との戦いを望む。
[備考]
※カオスロワ5thエピローグ後の参戦です
※現在千年リングの意志と若本がうまくブレンドされた状態で乗っ取られています
※若本の技と特殊能力を使えます。(カオスロワ準拠)
◇
危なかった。
こいつを使っていなかったら間違いなく死んでたよな。
俺の使ったカードはDMカード(強制脱出装置)@ニコロワ。
それであの場から離脱してかめはめ波から逃れることができた。
でもさ、その離脱した先ってのがさ…
海の上ってのはどうかしてると思うんだが。
とりあえず俺はさっさと陸のほうへ泳いで上がることにする。
それにしても、さっきのでデイバッグとカードをなくしちまった。
畜生…最悪のスタートだぜ。
だが俺は負けねえ、絶対に生き延びてやるからな。
あぁ…それにしても…
ま と も な 服 が ほ し い
【6/氏(神)@オールロワ 生存確認】
【G-7/海岸付近/一日目-深夜】
【6/氏(神)@オールロワ】
[状態]:結構な疲労、精神的にも疲労、びしょ濡れのウェディングドレス
[装備]:バヨネット×2@漫画ロワ
[持物]:なし
[方針/行動]
基本方針:何が何でも優勝して元の世界へ帰る
1:現在位置の把握
2:誤解をうまく利用してもいいかもな
3:まともな服がほしい
[備考]
※オールロワ147話[信じるものほど報われず]から参加
※カオスロワ5thでかがみとこなたを道連れにした後オールロワへ参加。
※そのため、参加しているカオスロワ出展のキャラは全員知りません
※バヨネット以外の支給品を全てなくしました
投下終了です。
題名は『隣のアナゴに騒がれて夜も眠れないCD』です。
支援ありがとうございました
いかんアナゴがやヴぁすぎる
この6/も変態フラグだなw 乙
投下乙!
>これがバトルロワイヤルというものだ。
ちげぇwww
今予約されてないキャラって?
>>526 (1/9)【テラカオスバトルロワイアル (カオスロワ)】
○武藤遊戯
(3/6)【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル (なのはロワ)】
○シグナム/○スバル・ナカジマ/○セフィロス
(2/6)【書き手ロワイアル2nd (書き手2)】
○クールなロリスキー
それと◆jS4dQplqkA氏の
川田章吾@漫画ロワ、赤木しげる(13歳)@カオスロワ、前原圭一@ニコロワ が
期限オーバーなのでできれば連絡ください。
投下乙!
アナゴがやばすぎるwwwwwww
3人目の6/はマーダー化とは、さぞかし他の6/の誤解フラグを撒き散らしてくれるんだろうね
投下乙!
6/氏(神)、他の2人と違ってうまくいくか?と思ったらやっぱり誤解フラグかw
マーダーでも対主催でもやっぱり6/氏は6/氏だなあwww
そしてアナゴは自重しろwww
531 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 11:30:22 ID:Q01TslQL
>>530 つかさの事だろ…?予約&投下してるんだぜ?それ…
しかも最近投下されたという罠
>>531 あ、すまない……寝ぼけてたみたいだ……
申し訳ないです
地図の左下、人数集まってる上にその顔ぶれが…w
あれ?
◆jS4dQplqkA氏のキャラって予約していいの?
予約期限切れてるから問題ないはず
連絡の一つもあればまた違うんだが
しかし優先期間切れてすぐ予約とは、みんな書きたい気持ちが溢れてるんだな。
Chain-情、アムンゼン、投下します。
私はロアルド・アムンゼン。冒険家です。
いきなりですがなんなんでしょう、この奇妙な状況は。
私は殺し合いに参加させられていたはずが、途中で別の殺し合いに移動させられ……。そこから、更に別の殺し合いに連れてこられるとは……。
殺し合いをたらい回しなんて、ついているのかいないのかわかりませんね。
何はともあれ、今回も私は殺し合いに乗る気はありません。志を同じくする仲間を集めて、今度こそ殺し合いから脱出してみせましょう。
さて、まずは名簿を見て知り合いがいないか確かめてみましょうかね。さすがに殺し合いも三回目となると、慣れたものです。
ふむ、一度目の殺し合いでの知り合いはいないようですね。
ですが、二度目の殺し合いで知り合った6/、かがみ、竜の三人……いえ、正確には二人と一匹は私と同じように連れてこられているようです。
彼らとはぜひ合流したいところですね。なぜか6/は三人分名前が載っていますが……。
まあ以前の殺し合いでも二人分名前が載っていた人ですし、気にしないでおきましょう。
さて、次は地図です。自分がどこにいるのか確認しませんとね。
えーと、何か目印になるようなものは……。おお、何やら変わった建物がありますね。
きっと地図にも載っている建物でしょうが、何だかよくわかりません。ちょっと近づいていってみましょう。
◇ ◇ ◇
「え?」
静かなる〜Chain-情〜が転送された場所。それは温泉の真上だった。
何かを思考する余裕もなく、彼の体は重力に従って湯船に落下する。
「っはあ!」
慌ててお湯の中から顔を出し、大きく息を吸うChain-情。そのまま数回深呼吸をして息を整えた後、彼はとりあえず湯船を脱出する。
「まいったな、まったく……。僕の出だしは温泉に落ちるものと決まってるのか……?
お断りだっての、そんなジンクス。いくらアニロワで最初に入浴シーンを書いたのが僕だからって……」
そんなことを言っている場合ではないと思いつつも、Chain-情はぼやかずにはいられない。
とりあえず服がずぶ濡れなので、替えの服が支給されていないかデイパックをあさる。
都合のいいことに、一着のライダースーツが支給品の中にあった。
とりあえず更衣室に移動し、濡れた服を脱ぎ捨ててライダースーツに着替える。付属のグローブとブーツも、しっかりと装着。
ただし、ヘルメットだけはここでかぶる必要はないと判断し脇に置いておく。
(さて……。落ち着いたところで、改めて今の状況を整理してみるか)
床へ無造作に腰を下ろし、Chain-情は思考に入る。
まず、なぜ自分は生きている。使えば死を免れない禁断の必殺技、ビッグバンパンチ。それを自分は二発も使った。
加えて、本来は人外にしか使えないオーガドライバーの使用。永遠神剣による大技の連発。
Chain-情は生命力を最後の一滴まで使い果たし、死んだはずなのだ。
(生き返った……? いや、生き返らされたと言うべきか……? だけど、なんで僕なんだ? 僕である必然性はあるのか?)
この殺し合いが、Chain-情が死ぬ前にいた殺し合いと違うものだというのは明白だ。
あの会場にも温泉はあったが、それはもっと大規模なものだった。あの会場とここは、明らかに違う場所だ。
それに、主催者だって異なる。あの二人はなんというか……自分たちとは違う世界の住人という感じがした。
そういえば、あの二人は興味深いことを言っていた。「参加者の一部は生き返らされた身だ」「ここにいる者のほとんどは、すでに殺し合いを経験している」と。
つまりこれは、リピーターロワというやつなのだろう。複数のロワから参加者を集め、改めて殺し合いをさせる。
その「複数のロワ」の中に、自分が参加していたロワも入っていた。おそらくはそういうことだ。
だが、それだけでは「なぜ自分なのか?」という疑問の解決には至らない。
自分が参加させられていたロワの参加者数は、84人。その中から、なぜ自分が選ばれた?
(そうだ、名簿! 他に誰が連れてこられてるか見れば、何かわかるかも!)
Chain-情は急いでデイパックから名簿を取り出し、それに目を通す。
(クールなロリスキー……この名前は前の名簿にもあったな……。他には……。って、ええ!?)
名簿に記されたある名前を目にして、Chain-情は驚愕に顔を凍り付かせる。
「素晴らしきフラグビルド」
それは、絶望の淵にいた自分に手をさしのべてくれた人。
自分が傷つきうちひしがれるたびに、優しく励ましてくれた人。
絶対に失いたくないと、心の底から思えた人。
そして、自分を守るために死んだ人。
(そうだ……。僕が生き返ってるんだ。彼女も生き返っていたっておかしくない)
Chain-情の腕に、無意識のうちに力が入る。
(殺し合いに参加させられて、こんな事を思うのは不謹慎かもしれない……。けど、これはチャンスだ。
僕が弱かったから、あの時は彼女を死なせてしまった……。けど、もう一度やり直せる機会が来たんだ!
今度こそ、今度こそ彼女を守ってみせる!!)
彼女の居場所を知る手がかりは、何もない。自らの相棒と言えるまでになじんだゴールド・エクスペリエンスのDISCも、今はない。
だが、それがどうした。
(手がかりがないから探せない? 武器がないから戦えない? そんな弱い考えに、反逆する!
待っていてくれ、フラグビルドさん。僕は必ず、君のことを見つけ出す。そして、今度こそ最後まで守り抜く!)
真剣そのものの面持ちで、Chain-情は立ち上がる。そして名簿を戻したデイパックを背負い、髑髏が描かれたヘルメットをかぶる。
(そして主催者……。僕にもう一度フラグビルドさんと会えるチャンスをくれたのは感謝しよう。
だが、殺し合いを開催したことについては絶対に許せない。お前たちは……この僕が裁く!)
胸に激情を秘めながら、Chain-情は再び浴場へ戻る。こうしている間にも、フラグビルドに危機が迫っているかもしれないのだ。お行儀よく玄関から出ている場合ではない。
垣根の前まで来ると、Chain-情は大きく右手を振りかぶった。
「うおおおおおおおおお!!」
気合いの雄叫びと共に、Chain-情が垣根を思い切り殴る。その一撃で垣根は吹き飛び、彼の前に開けた景色が広がる。
ちなみにこのとき、彼の体からうっすらと緑色のオーラが放出されたのだが、本人は気づいていない。
「行くぞ……!」
小さな、それでいて力強い声で呟くと、Chain-情は脇目もふらず走り出す。
熱き正義の心が宿ったスーツを身にまとい、一人の反逆者<トリーズナー>がこの殺し合いの中で動き出した。
彼の名は、静かなる〜Chain-情〜。ある書き手から、「反逆の拳士」の称号を贈られた男である。
【B-2/温泉/一日目-深夜】
【静かなる〜Chain-情〜@書き手ロワ2nd】
[状態]:健康、螺旋力覚醒
[装備]:滝のライダースーツ@漫画ロワ
[持物]:支給品一式、不明支給品0〜2
[方針/行動]
基本方針:バトルロワイアルに反逆する
1:フラグビルドを見つけ、今度こそ守り抜く。
※死亡後からの参戦です。
再びロアルド・アムンゼンです。
危ないところでした。私があの建物に近づくと、髑髏の仮面をかぶった黒ずくめの男が壁を突き破って飛び出してきたのです。
直前に聞こえた奇声は、彼のものでしょう。あの禍々しい服装といい、彼が危険人物という可能性は高いと思われます。
本来ならすぐに彼を取り押さえ、無力化したいところですが……。
何やら彼からは、妙な力を感じます。私の知らない何かを……。
犬を捕まえるために様々な武術を学んだ私ですが、それでも勝てるかどうかはわかりません。
不本意ですが、ここはいったん退きましょう。一人で勝てない相手でも、二人なら何とかなるかもしれません。
殺し合いに反対する仲間たちを集め、改めて彼に接触するのです。
そうと決まれば急ぎましょう。彼が他人に危害を加える前に、仲間を集めなくては。
ああ、それはそれとして……。犬が食べたいですねえ……。
【B-2/温泉付近/一日目-深夜】
【ロアルド・アムンゼン(その3)@オールロワ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:支給品一式、不明支給品1〜3
[方針/行動]
基本方針:殺し合いには乗らない
1:仲間を集め、髑髏の仮面の男(Chain-情)を止める。
2:6/、かがみ、竜を探す。
3:犬を見つけたら食べる。
※オールロワ113話「日本昔話:とりかえばや物語」直後からの参戦です。
※Chain-情を危険人物と認識しました。
以上で投下終了となります。
誤字脱字、気になる点などありましたら指摘お願いします。
乙を言わざるを得ない。
見た目で判断されるの対主催って久しぶりだな。
まあまだ彼は誤解フラグぶったぎるチャンスがあるが。
投下乙です
投下乙です!
〜Chain-情〜氏、真面目な対主催なのに誤解されちゃったか……
まあ外見があれだからなあ……
そしてアムンゼンはやっぱり犬なのかww
投下乙です。
Chain情はやっぱり温泉と縁があるのかw てからきすた原作メンツをガン無視w
そしてアムンゼン……誤解を広げそうだけど、犬が出たら全部吹っ飛びそうなのは何故だろう……w
さて、早いですが、シグナム@なのはロワ、アナゴ@カオスロワ の予約分を投下します。
……烈火の将・シグナムが次に目を開いた時、そこは薄暗い建物の中だった。
周囲を見回せば、控えめなライトアップをされた無数の巨大水槽。そして悠々と泳ぐ魚たち。
何を確認するまでもなく、そこが水族館であることは容易に知れた。
「……ふう。しかし、私は一体……?」
激闘の末、敬愛する主・はやてに看取られて命を落としたはずの自分。
一度は剣も交えたセフィロスという男に主の安全を託し、主に自らの想いを伝え、死んだはずの自分。
それが――こうして傷ひとつない姿でここに立っており。
そして、改めての殺し合いを強いられている。
あの、プレシア・テスタロッサに強いられた殺し合いは、いったいどうなったのか。
あの殺し合いの中で後に残して行かざるを得なかった主はやては、その後どうなったのか。
そして、今回のピエロたちによるイベントと、前回のイベントとの関係はどうなっているのか。
シグナムには全く見当もつかない。
見当もつかないのだが……しかし、今すぐにやるべきことは、分かる。
既に1回「経験」があるのが幸いした。
まず今必要なことは、与えられた荷物の確認。
名簿を確認し、はやてやその他の知り合いの有無を確認し。
武器類を確認し、取り上げられた本来の武器・レヴァンティンの欠落を補い。
情報と装備の整理をして、動き出さねばならない。
シグナムはそして、自らのデイパックを、ゆっくりと開けて……
絶句した。
何故なら……。
,へ、 /^i
| \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |
7 , -- 、, --- 、 ヽ
/ / \、i, ,ノ ヽ ヽ
| (-=・=- -=・=- ) | 問おう。貴様が私のマスターか。
/ < / ▼ ヽ > 、
く彡彡 _/\_ ミミミ ヽ
`< ミミ彳ヘ
> ___/ \
/ 7 \
| /
何故なら。
デイパックの中には目つきの悪いアライグマが鎮座しており、唐突に人の言葉を発したのだから。
空気が凍りつく。2人(?)の動きが止まる。
気まずい沈黙に支配された水族館の中、微かな水音だけが断続的に響く。
遥か遠く、建物のどこかで電話が鳴っているような音が聞こえる。
2人はしばし見つめあったまま、身動きすることもできなかった。
◇
―――――――――
武器:ラスカル
パワー:それなり
扱いやすさ:最悪
重量:良
備考:生物
―――――――――
「……刀や剣の類があってくれれば、良かったのだがな」
「……チッ」
武器の「説明書」を一瞥したシグナムの呟きに、ラスカルの舌打ちが重なる。
あれから暫くして。
互いの自己紹介も簡単に済ませ、荷物の確認も終えた2人は、水族館の一角の事務室に居た。
なにぶん広い水族館である。遠くで電話が鳴っていることに気付いても、素早く取りに行けるわけではない。
そこが「客の順路」から離れた「職員用のスペース」だったことも、発見が遅れた理由の1つ。
「それにしても……柊かがみ、か。これはまた相当な難敵が居たものだ」
「俺の知る限りでは、無力な少女だったはずなんだが……な」
だがしかし、多少は遅かったものの……留守番電話のメッセージは、確かに聞くことが出来た。
そして、そのメッセージは、2人に共通した人物像を思い出させることになった。
シグナムたちと交戦し、シグナム自身に致命傷を負わせた、名も知らぬ「仮面ライダー」の少女。
やる夫たちのクラスメイトで、一時的に保護していたこともある、満身創痍だった少女・柊かがみ。
そして……電話の男が警告を発した、隠れ潜んで隙を窺う最悪の魔女・柊かがみ。
シグナムの知る少女とラスカルの知る少女は、詳しく話し合えば外見が完全に一致しており。
ラスカルの知る少女と電話の男が語った少女は、簡単な特徴と名前が完全に一致。
そして、その名前は名簿の上にもしっかりと刻まれている――
どうやら今回も含めて最低4つの「殺し合い」に参加しているらしい、柊かがみという少女について、2人は。
「だがラスカル殿たちが『柊かがみ』を保護した時には、既に酷い怪我を負っていたのだろう?」
「ああ、そうだ」
「そんな怪我を負い、武器もなしに……果たして生き残れるものだろうか?
ラスカル殿ややる夫殿たちの『殺し合い』は、そんなにヌルいものだったのか?」
シグナムは推理する。
守護騎士のリーダーとして作戦立案などもこなしていた戦術眼を駆使し、推理する。
やる夫の「支給品」として殺し合いに加わり、常に傍におり、最後は彼を庇って散ったラスカル。
そのラスカルが知る「柊かがみ」について、彼の持つ情報を元に考える。
武器もなく、戦闘力もなく、ただ殺し合いに乗った者に襲われ、重傷を負ったのなら……
何故、その「柊かがみ」は「やる夫とラスカルが保護するまで」生きていられたのだ?
声帯破壊、呼吸困難、全身打撲、全身裂傷、微細骨折多数。
それほどまでの怪我を負わせておいて、殺し合いに乗った者が彼女を見逃す理由がない!
ラスカルさんwwww
「だが、推理の前提が違っていたとしたらどうだ?
例えばそう、私の知る『柊かがみ』のように変身して戦う能力があり。
電話の男が言う『柊かがみ』のように、狡猾で善良な人間を利用する才に長けていたとすれば……。
誰かに一方的に襲われたのではなく、互角に近い戦いの末にその怪我を負ったとすれば……!」
「むう……!」
そう。
武器がなくとも十分に戦うことができ、変身を解けば一般人に見える、そんな能力があったとすれば。
その『柊かがみ』が負った怪我は、誰かと激しい激闘を繰り広げた結果、と推測することが出来る。
相手にトドメを刺されなかったことも、「重傷は負ったが相手は倒した」と考えれば、辻褄は合う。
そして、無力な少女としてやる夫たちの前に現れたそのことも……
「要は、戦闘で思いもかけずに重傷を負い、回復を図るために『演技』していたのだろうな」
「なるほど、それなら羽入の所から逃げ出したことも説明がつく、か……」
「実力と知性を兼ね備え、卑怯な手を使うことも辞さない実力者。
奴が複数の殺し合いに参加した方法は、見当もつかない。
今の我々のように、死んでは蘇って何度も殺し合いに参加しているのかもしれない。
だとすれば、経験も豊富ということになるし……用心せねばなるまい」
「そうだな。ところで……」
,へ、 /^i
| \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |
7 , -- 、, --- 、 ヽ
/ / \、i, ,ノ ヽ ヽ
| (-=・=- -=・=- ) | 水槽で泳いでた魚、獲ってきていいか?
/ < / ▼ ヽ > 、
く彡彡 _/\_ ミミミ ヽ
`< ミミ彳ヘ
> ___/ \
/ 7 \
| /
/: : ,. - ´ /: : : : :/: : l: : : : : : : : : : : \ : : : : : : _l_ } -. 、: : : : : \\
/ / /: : : : // : : l l、: l: : : :ヽ: : : : : :丶: :,.-く r_〉 __: :ヽ: : : : : \ヽ
l/ /: : :,.ィ : : l: : : :l、:lヽ:斗-‐ l : : \: : :弋 l-' : l-.、丶: :\: : : : :〉 〉
/: :// : : : l: : : l,ォテ7フ 、: : l ヽ: : lヽ : : ヽノ: : : :l、、\ \: :\: / /
/: / /: : : : : l: : :l 迎i l: : l: :lヽ: :l 丶: : :ヽ: : : :l ヽヽ:\ \_ / /
l / l: : : : r' ヽ: l l: :l: : :l ヽ l: : ヽ : ヽ : :/、 : l l: : :\_/_/ : 魚肉ソーセジで我慢しろ
l' l: : : : :〉_ ヽl l:ハ : レ',l: l: : : ヽ : l/ 丶:ヽヽ: : : : : : :
l: : : l: ヽ`ヽ /: : ハ: l ヽl:l : : : : l: :l \:\\ : : :
l: : l l: : l /,. -┴_. ニニニニニニ l: :l __ \:\\:
ヽ l l: 〉_ .. -‐ '゙ ,.l 「 l: l '´ 丶 \: : :
ヽl l: :l``'' ‐- 、l: :l l / l:l ヽ ` ー
ヽ:l l : l'´, l: :l l l ,. ァ'′ リ \
/l: l'´ l: :l l l ,. '´ /
く <l: ! !: l// /
\l:l l < < /
◇
「それで、柊かがみには十分に注意するとして……これからどうする?」
「まずは、セフィロスを探したい。もちろん、ラスカル殿の真の主人たるやる夫殿も、探したい。
どちらも取り立ててアテは無いから、当面は適当に歩き回ることになるだろうか……」
水族館を出て夜道を歩き出したシグナムに、ラスカルは問う。シグナムは完結に応える。
食料の山の中にあった魚肉ソーセージを頬張りながら、ラスカルはさらに疑問を重ねる。
「セフィロスとやらを、探してどうする」
「私は『前の殺し合い』で、我が命よりも大事な主はやてを、かの男に託した。
あの後どうなったのか、主はやては今無事なのかどうか……あの男が居るなら、問い質さねばなるまい」
幸い、と言っていいのかどうか、シグナムの主たる八神はやては、名簿に名を連ねてはいなかった。
だが安心は出来ない。そのはやての安全を守ってくれるはずだったセフィロスが、ここに居るのだ。
無事にプレシア・テスタロッサ主催の殺し合いを脱出でも出来たのなら、文句はない。
しかし、もしもあの殺し合いの真っ最中に、主を守るはずのセフィロス「だけ」連れ去られていたのなら。
あるいは、セフィロスの奮闘も虚しく、はやてが殺されてしまっていたりしたのなら……!
「……シグの字よ。貴様はその時、どうする気だ?」
「……分からない。我ながら、今は、判断が下せない」
ラスカルの問い掛けに、シグナムは嘘偽りのない苦悩の表情で応える。
『前の』戦いにおいて、シグナムは一度は殺し合いに『乗った』。
はやてを生かすため、血も涙もない修羅になる覚悟を決めた。
だが……その当のはやて自身に、その方針を否定され、叱責され、泣いて止められた。
あの時のことを思うと、もう二度とあんな馬鹿な真似はしてはならないとも思う。
しかし、もしもはやてが、既に『取り返しのつかないこと』になっていたとしたら。
もしもはやてが、『優勝者の権利』でしか救えないような状況に陥っていたとしたら。
その時には、もしかしたら……! もしかしたら、再び……!?
「……予め言っておこう。
もしも貴様が道を踏み外したら、その時は貴様は俺の敵だ。
そんな貴様の手助けなどしたら、やる夫に顔立てできんのでな」
「お互い守るものを抱えた武人同士、その時には仕方ない。正々堂々、戦うだけだ。
だが、さし当たっては……」
互いに鋭い視線を交し合った2人は、そして、ゆっくりと背後を振り返る。
いや、振り返るまでもなく、分かっている。
溢れんばかりの存在感。突き刺すような殺気。
そして、耳朶を打つかのような、独特の咆哮。
「……ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! すぐさま次なる獲物を見つけるとは、俺様ラッキィお前らアンラッキィ!
そこ行くタヌキに女人! 尋常に勝負しろぉい!」
そこには、巻き舌で叫ぶタラコ唇の怪人の姿があった。
共に数多の戦場を駆けてきたシグナムとラスカルだ。一瞥しただけで分かる。
この男、強い。
正気の程も疑わしいが……しかし、底が知れない。
とてもではないが、背を向けて無事で済むような相手とは思えず、その戦意は旺盛そのもの。
そして、シグナムもラスカルも、ただ自分の命惜しさに逃げ出すような腰抜けではないわけで――
「ふむ、この私たちに戦いを挑むというのか。
未だ己の行く道を決めかねている私ではあるが……降りかかる火の粉は、容赦なく払わせて貰う!」
「打ち合わせ通り、いくぞ!」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!? なぁぁぁにぃをぉすぅるぅ気ぃだぁぁぁ!?」
「「合体!!」」
,.−- 、
, ' , =ニ二 `丶
__ ,へ、 ,':/::.::.:: ::.:/^i.::.:.\
,.. -=ニ二::_:::::| \〉`ヽ-―ー--< 〈\ |::.::.::.:\ ← ( この辺がちょっとだけラスカル )
,. ‐‐`"':`:´.:_::.::.::.::.::.::.::.::.__:.:ヽ、::.::.::.::.:ヽ
/::.::, -‐,. -::.::.|:::`::.::.::.::..::.:´::.:\:::ヽ、::.::.::.::ヽ
, '::.::,ィ::.::.:/:.::.::.::.::|::.::.::.::.::..、::、、:、::.:、:、ノトヽ、:.::.:ヽ
/:://::.::/:|:.::.:|::.:|:i::l::.|::.::ヽ.:::i、::||ヽ::.:\:ア:\i.::.::.::',
/:/ i::.:://|::|::.{::.:l::l:ヽ:l::.::.::ヽ:.|`リミ:!.ヽ:ヽ:V/::\:.::.:', 烈火の将、シグナム! そして……
〃 {::.::l:l:.:l.:.|‐ト-:ト..',_:トト、::.::|斗七弌l:ト:::i:V;,::.::.:\::.::',
i' l:.::|::|::.:l:.:lヾ弋'''ぅーヽヽ::代、_,゚// !トi、l;;;;;;;;;,::.::.::ヽ.::', ケモノ型ユニゾンデバイス・ラスカル!
l:::|小::.:Nヽi 辷ニ- ヾl ー一' /!k'ソヽ;;;;;;;;,::.::.::ヽ::',
ヽ|l:l ヽ:ト、i:lヾ、 i /'|:ト、、 \;;;;;;,:.::.::.:ヽ:',
ヽ', ヽ !ヽ\ 一 , ' || ゙i、 \;;;;;;,::.::.:ヽ',
ヽ ヾ.!i 、_ ,ィ ,ル |:| \;;;;,::.::.:ヾ 剣は無くとも、この爪の冴え……
, ‐- 、 ,.="弋 ||`ー ´ .| __ " \;:.::.::.:ヾ
/ `' ⊥.._ ||" ̄"''┤ ||`i ヽ;,.::.::.:.ヽ 見せてくれる!
/ 、 | `\ 「 ̄||│ _ ヽ::.::.::.:|
/_,. -- .. _ ',.L_, ./"ヽ、 | /-く, `ヽ ヽ::.::.::|
./'" ` ヽ、 | ',i ヽ__j lニ 、ヽ ヽ ヽ::.::.|
{ \! l:l-‐- 、 ヾヽ `ヽ、 | lヽ::.:|
.ヽ 、 ヽ |:| \ ⊂⊃ ヽ| /;;;ヽ:|
ヽ __ ヽ:、 ト、 |:| ヽ、|l|''" ̄ ̄""'''ヾi /;;;;;;;;リ
ヽ、r '" `` .、 // |:| ,. |l| }i /;;;;;;;;/
`| _......_ r' |:|- ' ´ |l| `ヽ、 ノ レ';;;;;;;;;;;/
ヽ´;;| ,. - '`` .」,. ‐ '"│ ⊂⊃ ヽ、_./ |;;;;;;;;;;;/ ← ( 爪も切れ味鋭いラスカルの )
ヽ|, ' |- ' " ̄ _|l| / |;;;;/
`| ,.└-- ._z、─- ヽ `" 丶、 ./ _,._,.<^_ヽ、
| ' ‐- .._ \ ヽ 〉/::::∠- ←( 安産型のお尻……いや尻尾もラスカル )
これはwwwwww
【B-7/1日目-深夜】
【シグナム@なのはロワ】
[状態]:健康、ラスカルと合体中、アライグマの耳と爪と尻尾つき
[装備]:ラスカル@やる夫ロワ(合体中)
[持物]:支給品一式(食料少し減)、不明支給品0〜2(確認済み・少なくとも刀剣類はない)
[方針/行動]
基本方針:はやて(@なのはロワ)についての判断がつくまで態度保留。ただし降りかかる火の粉は払う。
1:目の前の危険人物(アナゴ)に対処する。
2:セフィロスと接触し、はやて(@なのはロワ)のその後の安否情報を確認する。
3:柊かがみに激しい警戒。
4:できればラスカルを主(やる夫)の所に届けてやりたい。
※死亡後からの参戦です。支給品のラスカルもラスカル死亡後からの参戦です。
※なのはロワの柊かがみ・やる夫ロワの柊かがみ・電話の男が話していた柊かがみ(漫画ロワ)、
この3種の柊かがみを「同一人物」と認識し、実力と知略を兼ね備えた危険人物と見なしています。
※意志あり支給品・ラスカルには、制限がかかっているものと思われます。(書き手向けルール7参照)。
少なくとも、通常の参加者と同等の単独行動は出来ません。
詳細については後続の書き手さんに委ねます。
【アナゴ@カオスロワ】
[状態]:健康、闇若本
[装備]:なし
[持物]:千年リング@ニコロワ、基本支給品一式、不明支給品1〜2
[方針/行動]
基本方針:戦いを楽しむ
1:目の前の狸女(シグナム)と戦う。
2:強者との戦いを望む。
[備考]
※カオスロワ5thエピローグ後の参戦です
※現在千年リングの意志と若本がうまくブレンドされた状態で乗っ取られています
※若本の技と特殊能力を使えます。(カオスロワ準拠)
投下終了。
闇若本なアナゴと、タヌキ耳尻尾のシグナムの戦闘開始で〆です。
ラスカル@やる夫ロワ は、かなりグレーゾーンな支給品かもしれません。
この作中では、「喋る」「移動はシグナムとほぼ一緒」「合体以外の行動なし」に留めています。
距離制限(ラスカルにも首輪があって、参加者から離れると爆破とか)などもあるかもしれません。
まあぶっちゃけ、獣耳尻尾シグナムを出したかっただk(ry
意見、指摘等あればお願いします。
乙です。 まさかのラスカルさんだwww
おっしゃ
|0M0) <俺も投下するしかないようだな!
556 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:34:41 ID:m5qkd7R3
闇の中を歩いている。
己以外の姿を確認できない夜の闇、男はただ手探りで何かを探していた。
求めるのは一人の少女、助けられず狂ってしまったたった一人の弱い少女。
自分の声を伝えるため、そして彼女の声を聞くため、いさじは深夜の公園を一人突き進む。
そんな彼の進行を妨げるものが一つ。
『♪てってて、ててて、てってー さて本日の笑点は私が一人で進行させて貰いますぅ』
誰だろう。 いさじはそうとだけ思った。
公園に響き渡るのは中年の男の声、こんな殺し合いの中で不相応なぐらい明るい口調だ。
正常な感覚を持つ人間なら声の主を怪しんだり気でも狂ったかと哀れんだりしただろう。
だがそれは殺し合いを始めて経験する人間の場合である。
過去に似た出来事を経験した彼になら、声の主が何故このようなことをするのかを直感的に理解できたのだ。
よって彼は男の意図を考えることなく、このようなことをする人間は誰なのかということのみが疑問に浮かんだのである。
『「月々に 月見る月は多けれど 月見る月は この月の月」。
ま、中秋の名月を詠んだ歌ですが、今回はこの「多けれど」を活かしてパロディー狂歌を作って頂きたいのです。
「多けれど」の後に私が『多いね。』と合いの手を入れますので、続けて頂きたいのです』
誰に問いかけるわけでもなく『お題』であろう内容が語られる。
いさじはすでに男の意図が理解できていた。
自分なんかは到底及ばない歌手の歌と同じように、この空間に響き渡る爽快な声は聴いているだけで力が湧いてくる。
『世の中に パロロワ企画 多けれど』
多いねえ。
パロロワというものが何のことだかよくわからないけどつい突っ込んでしまう。
557 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:35:07 ID:m5qkd7R3
『いつも負けるのは大抵主催』
「ぶっ!」
思わず噴出してしまった。
ネタの意味がわかったからではない。
人間というものは笑うとき、考えて笑うことは少ない。
おいしいものを食べて頬が緩む、
面白い漫画を読んだとき、気がついたら笑っている、
好きな人と話をしていると自然と笑顔になってくる、
ほとんどの場合が脳髄を通さず笑っているのだ。
いさじも笑うのはあくまで声の主の話し方に『うけた』だけであり、
彼が言っている内容を完全に把握しているというわけではないのだ。
もっともそのネタがいさじや他参加者にとって愉快なものであるから共感したのかも知れないが。
『殺し合い 他人を捨てる者 多けれど』
多いねえ。
彼はまた声の主に同調する。
『それを拾う手もまた在りし』
今度は先ほどとはネタの趣向が変わり、希望的観測がより強いものとなっている。
確かに殺し合いという状況に放り出された人は、裏切り、殺し、狂ってしまうだろう。
自分は拾う手となることができるのだろうか。
かつての自分は少女の心を拾いきれず、結果狂わせたまま死んでしまった。
だから今度こそは拾う手をなっていきたいのだ。
『と、あたしとしたことがしんみりきちゃいましたね、気を取り直して次のネタいっちゃいましょう』
声が耳にまで響くようになってきた、主まではもうすぐだろう。
草むらを潜った先には大きな湖があり、一人の男が近くの草むらに正座をしている。
『男には 浮気者は 多けれど』
「多いねえ」
「!?」
559 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:35:39 ID:m5qkd7R3
思わず声に出してしまった。
目の前には桃色の着物を着た男が拡声器を持って座布団に座っている。
声の主の男は少し驚いた顔をしてこちらを見開いている。
そして彼の舞台を汚してしまった気がしたのですぐに頭を下げた。
「すまない、邪魔したな、舞台を続けてくれ」
第一声は殺し合いに関する話でもお前は誰だということでもない。
一人の役者の舞台を邪魔してしまったという謝罪の念だった。
その言葉を聴くと着物の男はにっこりと微笑みかける。
「いいんですよ、私も正直心細かったんです。
それよりもせっかくあったんですから少しお話をしませんか?」
「ありがとう、俺はいさじって言うんだ」
いさじ、目の前の青年はそう名乗りました。 少し変わった名前です。
いえ、私が彼の名にあーだこーだ言うのはやめましょう。
「私の名前は三遊・・・・・・」
おっといけません。
私は本名を言いかけたところで止めます。
不思議そうな顔をするいさじさんに適当におどけて見せます。
「名前はみ、み、ラララ〜♪」
私の名前はこの名簿に書いてある名前で良いでしょう。
「なぁんちゃって、失礼しました。 私は笑点のピンクと申します」
「え? でもそれって・・・・・・」
あだ名。 といいたいのでしょうねいさじさん。
でも私は所詮引き立て役、いちいち本名を名乗る必要はないのですよ。
「でも〜名簿にそう書いちゃってるからなぁ」
「そ、そうか」
560 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:36:13 ID:m5qkd7R3
案の定いさじさんは苦笑いを浮かべます。
でもそれも束の間、いさじさんの顔が神妙な物に変わりました。
「あんたはなんでこんなことを?」
おっとそういえばそうでしたね。
今の状況を考えれば確かに私はおかしいでしょう。
ですから彼にちゃんと説明をしてあげることにしました。
「簡単ですよ。 私は悲しんでいる人を落語で元気づけたいだけです」
柄にも無いことを言ってしまいました。
歌丸とかがいれば臭い臭い言って会場が爆笑していたところですね。
すると彼の顔が笑顔に満たされてきます。
そして少し声を荒げて言いました。
「ピンクさん、できれば俺に協力してほしいんだ!」
「それはどういう意味ですか?」
協力?
彼のことだ、殺し合いを止めるだの脱出をしようだの言うのでしょう。
殺し合いに乗ったのなら私はすでに殺されています。
だから私は答えのわかりきっている問いを黙って聞きました。
「探している女の子がいるんだ。
その娘は今も寂しい思いをしていると思う、だから一緒に探してくれないか?」
あらら、大分想像していた問いとは違いますね。
でも答えはすでに決まっています。
「残念ですがそれはできません」
「どうして・・・・・・」
ピンクの答えにいさじは肩を落とす。
それもそのはずだ、この人は殺し合いに乗っていないのではなかったのだろうか。
「私はこの殺し合いを打破しようとも脱出しようとも、ましてや殺し合いに乗ろうとも思わない」
「それなら何故!」
「あなたは一人でも輝き続けることができる。 だから私と一緒にいるよりは一人で女の子を捜しにいったほうが良い」
「意味がわからんねえよ!」
561 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:36:35 ID:m5qkd7R3
本当にわけがわからない。
何故この男はこうまで自分を遠ざけようとするのか。
殺し合いに放り込まれて苦しんでいる人を助けたかったのではないだろうか。
いさじの彼に対する困惑が苛立ちへと変わっていく。
だがやり場のない怒りはピンクの一声、いや正確に言えば彼が指差した先を見ることですぐに消え去った。
「あ、あれはなんでしょうか」
ピンクの指された方向は湖。
先ほどまでは何の変哲もなかったただの湖だ。 そう先ほどまでは。
「! あんた大丈夫か!?」
月に照らされた湖に映っていたのは赤。
沈んでいるのは声に何の反応も示さない男。
それだけで彼がどのような状態であるかを知るには十分だった。
いさじは男を湖の中から引き上げると、彼の状態を確認する。
「酷い傷だ・・・・・・」
「これは手当てをしないと不味いですね、南東のホテルに行ってみたらどうでしょうか」
戦慄するいさじとは対称的に妙に落ち着いていられるのは年の功か、
ピンクはデイパックから何やら葉っぱを取り出して青年の傷口に塗りつけた。
「何をしているんだ?」
「薬草というものです。 どうやら使うと体力が回復するとか」
嘘臭い話だが、ピンクが薬草を塗り終わった時にはすでに男の出血は止まっていたのだ。
とりあえず最低限の応急処置が終わり、男の息も確認したところでほっと胸を撫で下ろす。
「さていさじさん、差し出がましいようですが私のお願いを聞いてくれますか?」
「わかっているさ・・・・・・でも」
ああわかっている。さっきはつかさちゃんのことで頭がいっぱいになったから興奮してしまったのだろう。
だから今度は落ち着いて彼に話しかけてみる。
「でもどうしてあんたは俺と一緒に来ることができないんだ?」
「それは・・・・・・やっぱりいえましぇん」
「そうか」
俺はそうとだけ答える。
理由はわからないけれど彼にもどうしても同行できない理由があるのだろう。
おどけた顔から覗き込んでいる目からなんとも言えない重圧が漂ってくる。
彼もまた、一つの決意を持っているのだろう。
562 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:36:58 ID:m5qkd7R3
「あんたの願いは聞いた。 だから俺の願いも聞いてほしい」
傷ついた男を背中に抱え、ピンクさんに言い放つ。
視線が痛い。
「柊つかさという少女がいるんだ。 彼女に会ったら励ましてやってくれ。
もしかしたら狂ってしまっているかもしれない。 そうだったら逃げてもいい」
「構いませんよ」
その答えを聞いたいさじはそのまま背を向け走り出す。
ピンクを危険に晒してしまうという事実を受け入れ、今はただもう一人の男を助けるためにホテルへと向かう。
『男には 浮気者は 多けれど』
多いねえ。
ピンクの落語が再び始まるのが聴こえる。
自分に会ったときと同じだ。
願わくば、彼の元に集うものに殺戮者がいないことを。
『あの娘さえいれば 私は幸せ』
俺はつかさちゃんかな?
待ってろよ、この男を助けたらすぐに行くからな。
563 :
『笑☆点』:2009/01/18(日) 18:37:20 ID:m5qkd7R3
【D-4、南東/深夜】
【いさじ@ニコニコ動画バトルロワイアル】
【状態】強い決意、かなりの覚悟
【装備】手ぶら
【持物】支給品×3、未開封
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの現在の状態を知り、脱出する
1、村雨良(名前は知らない)を治療するためにホテルに向かう
2、つかさと会う
3、笑点のピンクが気がかり
【村雨良@漫画ロワ】
【状態】:気絶中、疲労(大)、全身に多大な負傷(特に左腰に裂傷)
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1〜3個
【思考・行動】
基本方針:この殺し合いを潰し、BADANとの最終決戦に帰還する。
1:一人でも多くの人間を守り、殺し合いに乗った者は無力化、もしくは倒す。
2:かがみ、アカギ、ヒナギク、ジョセフとの合流。
3:パピヨン、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズとの接触。
4:エビル(シンヤ)を止める、もしくは倒す。また、Dボゥイなる人物にエビル(シンヤ)の事について訊く。
【備考】
※参戦時期は漫画ロワ254話、「真・仮面ライダー 〜決着〜」の直後です。
※ジェネラルシャドウ、泉こなた、柊つかさ、高良みゆき、三村信二、川田章吾、ルイズが生存している事に疑問を抱いています。
※アカギ、圭一、6/の名前が複数ある事に疑問を抱いています。
※力、自己修復能力等に制限が掛けられています。
※テッカマンエビル(相羽シンヤ)を記憶に刻みました。
※表面状の傷は塞がりましたがまだ油断できません。
564 :
代理投下:2009/01/18(日) 18:59:14 ID:7XTm/4Sr
: ◆nkOrxPVn9c:2009/01/18(日) 18:39:15 ID:yOkyAb6I0
すみませんね、いさじさん。 でもどうしてもあなたとは一緒にいられないのですよ。
私が貴方と居られない理由はちゃんとあるのですよ。
しかしそれを言ったらどうしても恥ずかしい気がしましてね。
私は所詮引き立て役だということです。
この殺し合いの舞台には輝きを失った影の薄い人々がいます。
小さくてもいい、一番星でなくても彼らを照らし続ける星となりたいのです。
笑いという光をもたらしたい、ただそれだけなのです。
最初あなたの姿を見たとき、内心震えていました。
もしかしたら殺し合いに乗っているのだろうかってね。
自分で拡声器を使っといて我ながら間抜けなものです。 これが笑点だったら山田君が来るところですね。
しかしそれでも私は同じことをしでかすでしょう。 そうしたら今度はあなたにも危険が及んでしまう。
そんな私のエゴに一番星であるあなたを巻き込むわけにはいかない。
脇役のために主役が死ぬだなんてあってはならないことですからね。
だからあなたはつかささんという人を照らしてあげてください。
『宵っ張りの子供は健康や成長に悪影響があるといいますね。
皆さん夜更かししている子供になって下さい。
私が陛下になって「おまえたちもう寝なさい」と言いますから、皆さん住民の立場でなんか言って下さい』
明るい口調とは裏腹に、切なる願いを込めた演芸が再び幕を上げる。
前に惹かれて訪れたのは数奇なことに歌い手の男。
歌い手は歌で、落語家は語り、形は違えど人々に元気を与えることに違いはない。
『おまえたちもう寝なさい』
彼は男は傷ついた男を連れて行ってしまったが、彼ならまたどこかで人を助けようとするだろう。
だからピンクは続ける。 己の信じるもののために。
『弟の名前がシンヤ(深夜)
そんな名前つけられちゃ寝られっこねーじゃねーか!』
はたしてこれから笑いの星の元に訪れる客はどんな人物か。
それは天の星だけが知っている。
したらばに続き来てるのでどなたか代理投下お願いします
自分携帯なので……
566 :
代理投下:2009/01/18(日) 18:59:54 ID:7XTm/4Sr
: ◆nkOrxPVn9c:2009/01/18(日) 18:40:09 ID:yOkyAb6I0
【D-4/深夜】
【笑点のピンク@カオスロワ】
【状態】強い決意
【装備】拡声器@ロワ全般、座布団@現実
【持物】基本支給品、薬草×9@ニコロワ
【方針/目標】
[基本方針]
地味な人々を笑わせ、元気づける。
1、人を笑わせる。
2、少女と会う。
※聖杯戦争編であっさり死んだ直後からの参戦。それ以前は覚えていません
※名簿未確認+らきすたメンバーが原作参戦なのを知りません
567 :
代理投下:2009/01/18(日) 19:00:28 ID:7XTm/4Sr
代理投下終了しました
投下・代理投下乙。こちらもさるさん喰らってました。
うわ、ピンクがかっこええ……! すげぇかっこええ……!
小ネタに吹いてギャグで終わるかと思いきやw これはいい脇役の矜持。
代理投下乙!
正直ピンクのキャラ付けとか難しすぎて困る。
これからは毎週笑点見ることにします。
570 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 19:14:06 ID:Q01TslQL
ピンク格好良すぎるwwwwww
いさじ兄貴も良い感じだった。乙!
投下&代理投下乙でした!
>◆G/G2J7hV9Y氏
最後のAAで盛大に吹いたw
やる夫のラスカルってこんなキャラなのか、やる夫読みたくなってきたw
>◆nkOrxPVn9c氏
ピンクかっこいいよピンク
所々の小ネタも面白かったw
>>545 乙です
ここでラスカルかよwww
しかし意外といいコンビだ
はやてがいないから今のところはマーダーにはならないが誤解フラグが立ってるな
そして獣耳シグナムwww
>>556 ピンクかっこいいよピンク
でも書き手さん、ネタが続くのか?
マジで続けてください
お二方投下乙です!
ラスカルwww
いつか出ると思ってたが本当に出たよww
シグナムが獣耳にwww
そしてピンクがやばいかっこいいぜ!
ただのネタキャラだと思ってたのに見直した!
そしていさじさんもかっこいい!
>>545 ラスカルさんの登場に思わずテンション上がってしまったw
>>556 ピンクがいいキャラしてるねえ。珍しいスタンスなんで今後が楽しみ
あと、細かい事ですまないけど、いさじの兄貴の口調がちょっとおかしい気がする
年上の人には大抵敬語で、それ以外の人にも乱暴な言葉を使わない紳士的な口調だった気がするんですけど…
レスどもです。
>>568,570-573
調べてみたらあの人、自分から脇役やっているんだよね。それをネタにすることすらある。
>>574 ニコロワ読みたりなかったorz
wiki収録時に加筆修正しておきます
576 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:40:35 ID:Q01TslQL
前原圭一@ニコロワ
武藤遊戯@カオスロワ
投下します
577 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:42:27 ID:Q01TslQL
「嘘だろ…?そんな事が…」
俺、前原圭一は…いわゆる少しの「パニック状態」だった。
自分は確か今さっきまで別の殺し合いに参加していて、こなた、ピッピ、ピカチュウ達と一緒に居て…
そしてスパイダーマッさんやロックマン、エアーマンやTASと会って…
レナを助ける為、レナの変わりに塔から転落したんだっけか。
なのに何で俺は生きているのだろうか?
「…COOLになれ前原圭一!俺らしくないぞ!」
俺は頭を抱える。そういうのは、いくら俺でも分かるハズが無い。
「仕方ねぇ…これは後回しだ」
578 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:43:28 ID:Q01TslQL
そういえば、あのピエロが主催になっていたようだった。
もしかしたら…レナやこなた、ピッピが…
…いや、もし仮に来ていたとしたら…取り返しのつかない事になる。
「待ってろよ…今すぐ行くからな」
俺がそう決めた瞬間、ドン、という音が聞こえてきた。
一体なんだろうと辺りを見回してみるが、視点が動かない。
すると痛みとともに、俺が地べたに倒れていくのが分かった。
俺は撃たれたのだと俺は気付いた。
579 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:44:33 ID:Q01TslQL
「…ちく…しょう」
俺の口から出た言葉。それは俺を撃った奴でもない、俺に対してでもない。
でも、何故かその言葉が出たのだった。
俺に近づいてくる1人の少年。俺と年は近いようだった。
少年が俺にまた銃を向ける。いわゆる「とどめ」のようだ。
「お疲れ」
少年が俺に分かれを告げる言葉を言った後、向けていた銃の引き金を引いた時、俺は遂に死ぬのだと覚悟した。
(クソ…すまねぇ…皆…でもレナ…こなた…ピッピ…皆…生きて…くれ…)
聞こえるハズもない、呟きにもならないような言葉を言った後、俺の意識はそこで途絶えた。
さて、おかしな事になった。
自分はカオスロワの主催をしていて、かがみが死んで、ベジータを殺した後に、テラカスやデデデ、賢者とともに、幕張メッセに飛ぼうとして、目が覚めたらこれだった。
主催が主催に「殺し合え」など、どういう事かと思ったが、別に構わない。
闇のゲームと俺ルール、それに支給品だったこの銃があれば、ある程度生きれる自信がある。
さらに自分は主催だ。腐っても主催だったら「ゲームに乗る」のがセオリー、と思ったからだ。
つまり簡単に言うと――――
このゲームに乗る。という事だった。
例えそれが自分の意志に背いても…それが「殺し合いのトップ」だからだ。だから主催側の人間として、マーダーとして、自分はこのゲームを勝ち抜く。
例えどんな事があっても…
参加時期そこかー支援
582 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:46:41 ID:Q01TslQL
【A-2/公園】
【武藤遊戯@カオスロワ】
【思考】ゲームに乗る決意
【装備】ワルサーPPK改(30/30)@現実
【持物】支給品×5
【方針/思考】
[基本方針]
ゲームに乗る
1、ゲームに乗り、優勝する
※5ndで主催をやっていた時、幕張メッセに飛んだ後からの参戦です。
※闇遊戯のままの参戦で、千年パズルが無いと、AIBOを呼び寄せられません。
※闇ゲームに制限有り無しは次の書き手さんに任せます。
※ワルサーPPK改はただ弾が増えただけです。
【前原圭一@ニコニコ動画バトルロワイアル】死亡
583 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:49:23 ID:Q01TslQL
投下終了。
いろいろとご免なさい。あとタイトルは名前欄ので。
あと、「遊戯がマーダーとかねーよwww」とかの意見があればどうぞ
あの時期なら喜緑によって洗脳っぽいの受けてたから問題はない。
むしろらき☆すたキャラとどの程度の関わりがあるかが問題だな。
カオス生還勢は基本かがみと共闘で関係を持っているから。
585 :
◆KX.Hw4puWg :2009/01/18(日) 20:53:43 ID:Q01TslQL
タイトル出てなかったので…タイトルは「パロロワ大戦3〜主催側の決意〜」でよろしくお願いします。
586 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/18(日) 23:09:31 ID:Q01TslQL
古今東西
パロロワで好きなキャラ
誤爆? ちなみに俺は神(笑)とやる夫の行く末が気になるww
投下乙です。そしてリアル誤爆注意w
あと、できれば常時sageた方がいいかと。皆がそうしてる中で1人sageないのは悪目立ちしますから。
で……うーん、こうくるか……。
遊戯の思考が少し分かりづらく共感しづらい気がしますが……。
自分も主催やってたからジョーカーのつもり、ってわけでもないようですし。
遊戯がマーダー化すること自体はやり方次第でアリでしょうけど、ちょっと掘り下げが惜しい気がします。
投下乙
圭一南無……
それにしても遊戯ってカオスの主催やってたのか
それでは自分も投下しますね
おじさん、さっきまで山で恐ろしくて恐ろしくて仕方ないつかさを説得してたような気がするんだけど……
なんなんだろうここ……
とりあえず周りを見回してみる。周りは真っ暗でよく分からない。
ピエモンの言葉をそのまま鵜呑みにするなら、また新しい殺し合いが始まったという事なんだろう。
何故なのか……何故また新しくやり直す必要があるのだろうか。
「圭ちゃん……これって生き返ったって言う事、なの……?」
名簿に書かれた前原圭一の名を凝視する。
圭一は確かに死んだはずだ。第三回放送で名前を呼ばれたのを、魅音は思い出す。
他にも柊かがみやゴマモンなど、死んだはずの者の名前が名簿に記載されている。
十中八九、ピエモン達主催者の仕業だろう、と魅音は推測する。
方法は皆目見当がつかないが、もう一度殺し合いに参加させるために死んだ圭一達をわざわざ生き返らせたのだのかもしれない。
永遠に殺し合いを強制する。主催者は死後にまで干渉してくる。どこまでも残酷で許せない連中だ。
名簿には見た事がない名前がいくつもある。これはどういう事なんだろう……
他にも様々な疑問が湧き出てくる。そのほとんどの疑問が、現状では解消する事が出来ない難題なので、無視するしかないのだが、
それでも考え込む事を中断させるのは不可能だった。
魅音は後になって後悔する。どうせ考えたところで何も分からない。
危険を減らすために支給品の確認を最優先で行う方が遥かに賢かった。
ああ──せめてもう少し周りに注意を払っていれば……!
「──動くな」
背後からかけられた冷たい声、そして背中に押しつけられている何かに、魅音はびくりと体を震わせた。
今の状況についてぼーっと考え込むんじゃなかった。どうせ何もわからないのに……!
訳の分からない二度目の殺し合い開始によってパニクっていた頭が、後悔の念で序々にクールダウンしていく。
男に言われるまでもなく、魅音は両手を頭上に上げ、反抗の意思がない事を示す。
「質問に答えろ。お前は殺し合いに乗っているのか?」
「……の、乗ってないよ」
少し声が裏返ってしまったが、即答する。
「……オーケィ。次の質問だ──柊かがみ──この女を知っているか?」
男はその名を、吐き捨てるかのように言った。声から男の怒り、そして恨みが伝わってくる。
魅音は彼女を知っている。いや、正確には彼女についての情報を知っている。
「……ひ、人伝いに聞いた情報なら、知ってる。紫の髪をツインテールに結っていて、確か女子高生で……」
「……そうか」
男は嬉しいのか嬉しくないのか、いまいち判別がつかない声色で相槌を打つ。
魅音は必死に、彼女に関する情報を思い出していた。
──柊かがみ。つかさの姉であり、遊戯の仲間だった女の子。
残念ながらもう死亡してしまい、つかさが狂ってしまう大本の原因となってしまった。
背後の男とかがみは、一体どういう間柄なんだろう……。
男の言葉を待ったが、いつまで経っても口を開こうとはしない。考え込んでいるのだろうか。
頭上に掲げている両腕にしびれが走り始めた頃、男は私の背中に押し当てた何かを離し、こちらを向けと命じてきた。
言われるまま、背後に立つ男へと顔を向ける。金属バットを大事そうに抱えている。
男の顔は、どこか疲れていた。殺し合いなのだから、当たり前といえば当たり前だけど……。
「名前は……あんたの名前は何だ?」
「園崎、魅音」
「そうか……園崎さん。落ち着いて聞いてくれ。俺は柊かがみ、あの悪魔の秘密を握っているんだ」
そう前置きし、彼は言葉を選ぶようにゆっくりと、話し始めた。
彼の言葉は、魅音にとってはあまりに衝撃的な話で──
「柊かがみは、人の信頼を弄ぶ悪魔だ。前回の殺し合いで俺の仲間は、奴に殺されてしまった……
奴はおそらく、いや間違いなく、今回の殺し合いにも乗り気なはずだ!
以前のような惨劇を食い止めるためにも、俺に協力して欲しい!」
「…………」
なんというか、言葉が出ない。遊戯も狂う前のつかさも、柊かがみに関しては一貫して安全な仲間との事だった。
悪魔なんて、私の中の柊かがみ像とは最もかけ離れたイメージの単語だ。
信じられない。だけど、彼の言葉を一笑に伏す事が出来ないのも確かだ。
何故なら、例えどれだけ柊かがみに関する情報を持っていたとしても、私は彼女と一度も会った事がないのだから……。
「信じ……られない」
率直に思った事をそのまま述べる。
「無理もないさ。俺も出会った頃は奴に対して何の疑いも持っていなかった。
奴は恐ろしいまでに、演技力と対人スキルに優れている。俺は、奴に完全に騙され、あの女の傀儡と化している三人組にも会ったんだ!
知らず知らずのうちに俺達の輪の中に入り込み、決定的な隙を突いて集団を皆殺しにする。これが奴の常套手段だ!」
男は興奮して捲し立ててきた。当の私は何が何だか分からない。
頭が混乱している。私のかがみ像とこの人の言うかがみ像とのギャップが大きすぎて、受け入れようにも……
「園崎さん」
男が私の手を握り、決意を持った声で言う。
「俺に──協力してくれ!」
「そんな事急に言われても分からないよ!」
手を振り払う。柊かがみは……仲間なはずだ。遊戯君がそう言っていたから……。
こんな怪しい人と遊戯君のどちらを信じるかといえば勿論遊戯君に決まっている。
だがこれからはかがみを警戒した方がいいのは確かだろう。何と言っても私は、彼女とは一度も会った事がない。
男はそのまま諦めるかと思っていた。だけど、私の予想に反してその男は──
「な、何してんの!」
「頼む! 信じてくれ!」
油断なく構えていた金属バットを捨て、デイパックを捨て、彼は土下座していた。
私は慌てて彼に土下座を止めさせようとする。しかし彼は頭を上げようとはしない。
鼻をすすり、涙を滲ませながら、私に訴えてくる。
「俺の話は、全部本当なんだ……仲間を殺されてしまって、漸く出会った三人組も、すでにかがみに洗脳されていた……
俺は、俺は精一杯やっている……すでに水族館に電話し、留守電にかがみが悪魔だというメッセージを残しまくった……
それでも足りないと思い、今放送局に向かっている途中だ……だが、どれだけやっても不安で仕方ない……!
俺は今まで奴を倒すために試行錯誤してきたが、奴を脅かす事さえできた事がないんだ……!
この無力感があんたに分かるか……?」
服の袖で涙と鼻水を拭う。
「あいつは化け物だ……対して俺は素人に毛が生えた程度の中学生だ……
頼む……頼むよ園崎魅音……目を覚まして、俺に協力してくれ……悪魔に制裁を加えてやるんだ……殺されたあいつの分まで」
掠れた声で訴えかける正直言って私は怖くなってきた。この人にこんな事までさせる柊かがみなる人物は、いったいどんな人なのか。
まさか、遊戯もかがみに騙されていたんじゃないかという考えまで浮かんでくる。
男の言うかがみはあまりに超人的だ。同じ志を持つチームの中に難なく入り込み、
隙を突いて皆殺し、それを繰り返しているらしい。恐ろしいにも程がある。
でもまあ、私はもっと恐ろしい人を知ってるんだけどね……。
「分かった、分かったから顔を上げてよ。そこまで言われたら私もさすがに柊かがみが怖くなってきちゃったよ」
ははは、と笑いながら、男の前で頭を掻いてみせる魅音。
「さあ、協力するから頭を上げてよ。お兄さん名前なんて言うのー?」
「三村……三村信史だ……。園崎さん、信用してくれて有難う。心から、礼を言う」
そう言うとまた深々と頭を下げる。魅音はそれを見て慌てっぱなしだ。
かくして、三村は漸くかがみ打倒への仲間に出会う事が出来た。
園崎魅音、そして三村信史。二人の正義が柊かがみという絶対的悪を滅ぼす時は────そう遠くない未来なのかもしれない。
勿論、そう上手くいくはずがない。いくわけがなかったのである。
ここは一つ、先人の名言を引用させて貰う事にしよう。これがバトルロワイアルというものだ。
情報の錯綜による誤解は、バトルロワイアルにおける一つの華である。
「本当にすまない園崎さん。俺は絶対にかがみを止める。この手で殺して、惨劇を防いでやる!」
立ち上がり、服についた埃を払いながら、決意の言葉を述べる三村。
魅音はその言葉を聞いて────顔面蒼白となった。
「こ、殺すの?柊かがみを?」
三村はやれやれと言った風に魅音に言葉を返す。
「殺すしか、ない。勿論殺人が悪という事は分かってる。だが絶対に消さなければならない悪がいる事もまた事実だ。
園崎さんは一度も会った事がないから分からないかもしれない。あいつには、かがみには一切の情を与えてはならないんだ。
殺す事でしか解決しない。説得なんてそんなもの、あの悪魔には通用しない。奴は人の信頼を利用して生き延びているんだからな」
「そ、そういうわけじゃないよ!かがみが悪い奴って言う事は十分伝わった!
でも、殺すのだけは……」
甘い事言うなよ、三村は吐き捨てるように言う。
「お前が迷ってる間に何人の人が奴の所為で死ぬ事になると思う!?
今!たった今にも奴の所為で誰かが死んでいるかもしれないんだ!それを──」
「うるさいッ!!!」
魅音が豹変し、三村に向かって叫び返す。園崎家当主の迫力に気押されたのか、三村は怯む。
「私だって、理解出来るよ。殺す事でしか、解決できない事もある。柊かがみはそんなレベルの巨悪なんだよね?」
三村はその問に頷く。
「だけど殺すのは絶対に駄目だからね……!柊かがみは、私達の手で捕えて、悪事をしないかどうか見張る事にする。
反論は、許さないよ」
断固とした様子の魅音が、三村を睨みつける。
「理解……理解出来ない。捕えてどうするっていうんだよ」
「柊かがみを殺せば、もっと恐ろしい事になるんだよ。貴方が話すかがみより、ずっとずっと恐ろしい存在が──」
────降臨しちゃうってわけ、魅音は両目に力を込めながら、言う。
ただならぬ魅音の様子に、三村はごくりと生唾を飲み込み、尋ねる。
「どんな化け物が……生まれるって言うんだ……」
「化け物ってわけじゃないけど……柊つかさ、かがみの実の妹である彼女が、狂ってしまう。
そして狂ってしまったつかさは、誰よりも恐ろしい」
つかさ、確か自分達の殺し合いにもそんな奴が参加していたような気がする。
かがみが死ぬ事によって、【つかさ】という、さらなる怪物が生まれてしまう……そんなふざけた話があるか。
三村は自問自答する。
「私はあんたを信用してあげたから、今度はおじさんを信用する番だよ。
豹変した柊つかさは誰よりも、かがみよりも恐ろしいよ。私は実際に、笑いながらこちらに向かって拳銃を撃ってくるつかさを見た。
つかさは全部で何人殺したのか知らないけど、私の仲間は……殺された。二人も、知らない内にね」
魅音が顔を反らして、悲しげに言い放つ。
なんてこった……! 三村はこれ以上なく絶望した。
袋小路だ。かがみを殺さなければあの魔女によって犠牲は増え続ける。
魅音によると、かがみを殺してしまえば、新たに生まれ出でる怪物つかさによって、事態は悪化する。
三村は項垂れ、地面に膝をつく。なんて奴らだ。姉妹揃って化け物染みてやがる。
実を言うと、絶望しているのは三村だけではない。
魅音もまた、絶望の程度は三村に比べてずっとずっと軽いが同じような心境。
もしかがみが本当に三村の言うような人物なら、どうする事も出来ない。
かがみを完全に止める手段は殺す以外にないのだが、悪魔を殺す行為自体が状況を更に悪化させるという袋小路。
「なんてこった……園崎の話が本当なら、どうやってあの怪物姉妹を犠牲なしで倒せばいいんだよ……」
『本当なら』三村のこの言葉に魅音はかちんとくる。
「私の話なら本当だよ!おじさんは武藤遊戯っていう子と一緒に、豹変したつかさに襲われたんだ!
それに怪物姉妹なんて言わないで!優しかったつかさがあんなになってしまうなんて、私が一番驚いたよ!」
三村は考える。
本当に真実なのかどうか……嘘であってくれた方が嬉しい。
それにしても妹までそんな怪物染みた力を持っているなんて……いや、待てよ……
かがみではなく、つかさを先に殺してしまえば……いや、駄目だ。
悪いのはかがみなんだ。つかさだってきっと奴に洗脳させられているんだろう。
それに、園崎の話だって真実とは言い切れない。
ただの少女があのかがみよりも恐ろしい化け物なんて話、はいそうですかと信じ込むほど俺のおつむは怠けていないぜ。
「三村さん。かがみを探しに行こうよ。会ってみたら私も確信できる気がするよ。
かがみが悪い奴かどうか」
「……ッ!? だから、だから悪い奴だって言ってるだろう!? 殺すしかないんだ!」
魅音の表情が一変する。昔話に出てくる鬼を連想させる顔つきで、三村を睨んだ。
「殺すのは絶対に許さない……!!あんたはつかさがどれだけ豹変するか全然理解できていない。
豹変したつかさに比べれば、あんたの言うかがみなんて……」
この一言に三村はとうとうかちんとくる。あの強くて気のいいジョセフはかがみに容赦なく殺された。
どれだけかがみの噂を流布しても全く広まらなかった。漸く出会った三人組はかがみに洗脳されていた。
これ以上恐ろしい奴なんているわけがない。かがみに比べれば、園崎の言うつかさなんて可愛いものだ。
「いいんだな園崎、お前は何もわかっちゃいねえ!俺はお前に、かがみは悪魔だと警告してやった。
それなのにお前はつかさの方が恐ろしいと言ってかがみから逃げるんだな」
「分かってないのはあんたの方だよ。つかさが豹変してしまえば、沢山の人が死んでしまう。
かがみを殺したあんたは絶対に逃げられない。私の警告を無視して、かがみを殺すって言うの!?」
今にも殴り合いを始めそうなほど、怒りあった両者が睨みあう。
三村は全プライドを賭けて魅音を睨む。魅音は鬼の表情を浮かべ、三村を睨む。
やがて、三村が口を開いた。
「俺はかがみを殺す。その後、お前の言うとおりつかさが豹変したら、つかさも殺してやる。
多少の犠牲は覚悟の上だ。どうもそうしなければ、あの極悪姉妹を止める事は出来無さそうだしな」
「……最後の忠告だよ。かがみを死なせたら、次に来るのはつかさによるさらなる殺戮だよ。
かがみは殺すのではなく、捕らえた方がいい。それでも殺すって言うなら────」
「…………ぬかせよ。捕えるだけじゃああの悪魔は止まらないんだ」
そう言うと三村は地面に放置しておいた金属バットを拾い、魅音に殴りにかかる。
咄嗟の出来事に、魅音は回避できない。しかし寸前の所で、右手で防御する事に成功する。
金属バットが唸りを上げ、魅音の右手に当たり、彼女は悲鳴を上げる。
「ぐぅっ!!」
「じゃあな園崎……かがみは本当に悪魔だ。それだけは、信じてくれ」
三村は痛がる魅音の横を通り抜け、闇へと消えて行った。
彼の目的は変わらない。放送局に行く事──
▼ ▼ ▼
【難題:柊かがみは死ぬべきなのか?】
答えは勿論イエスだ。園崎の言う事が仮に真実だったとしても、かがみを生かしておけば犠牲者が際限なく増えてしまう。
殺した後に目覚める怪物つかさなんて魔女に比べれば大したことないさ。かがみを殺す事に成功したのなら、つかさだって殺せるはずだ。
園崎は怯え過ぎなんだ。まあ、あの恐ろしいかがみを目の当たりにしてないから仕方ないかもしれないがな……
それにしても……クソ……折角仲間が出来たと思ったのに……園崎……畜生……!
──柊かがみめ!絶対に殺してやる!その後つかさが暴れるようなら、お前も俺が責任を持って殺してやる……!
実際、魅音が参加していた殺し合いでつかさが豹変したのは、姉を失った喪失感からである。
つかさ自身に悪意があり、怪物と化したわけではない。
それを知った上でつかさを悪人扱いし殺意を抱くのは、常識的な道徳を知り正常な判断が出来る者ならまずあり得ない事だ。
三村が(もし実際に豹変し、怪物と化したらという条件付きではあるが)つかさにすら容赦ないのは、全てはかがみへの憎しみのため。
恐ろしい悪魔を野放しにするなんて、彼には出来ない。一刻も早く殺してやりたい、もはや多少の犠牲は仕方ない。
三村はそればかり考える。
クールな正義の味方、三村信史が怪物姉妹を打ち破る瞬間は、はたして来るのだろうか。
【E-4 / 一日目 黎明】
【三村信史@漫画ロワ】
【状態】肉体的には健康、KOOL
【装備】金属バット@ニコロワ
【持物】支給品一式、支給品×0〜2
【方針/目的】
[基本方針]
柊かがみの犠牲者を出さない。
1、柊かがみの危険性を広く伝える
2、放送局に向かい、留守番電話を使うより効率よく情報の伝達を図る。
3、つかさを警戒。かがみの死後、つかさが豹変したなら、責任を持って殺す。
4、つかさなんかよりかがみの方が恐ろしいだろjk
※漫画ロワ185話「誰がために」の直後からです
※柊かがみが、自分と同じ殺し合い(漫画ロワ)から来ていると思い込んでいます。
※C−7『水族館』にある電話に、かがみは危険人物といった主旨の留守番電話メッセージが残されました。
【難題:柊かがみは死ぬべきなのか?】
答えはノゥ!圧倒的にノゥ!!
折角誠心誠意、豹変したつかさの恐ろしさを伝えたのに、三村さんは何にも分かってくれなかった。
悪魔だとか魔女とかいうが、豹変したつかさよりも恐ろしい存在なんて、正直言ってありえない。
他ならぬ私と、遊戯君には分かる。だってほんの数時間前、笑いながら追いかけてくるつかさから逃げまくりだったもん。
豹変したつかさは恐ろしく、そして悲しげだった。かがみが死んでしまうとそんな存在を許してしまう事になる。
それだけは絶対にダメ!例えかがみがどれだけ極悪であっても、私はつかさを悲しませるような真似なんてしたくないよ!
……それに、かがみが死んだら私もつかさに殺されるかもしれないしね……ああもう明日は我が身だよほんと……!
「ったく! いったいなーもう!」
私は殴られた右腕を擦りながら、三村さんの後を追う。
姿はもう闇の中に消えてしまってるが、行先は覚えている。
確か放送局だ。そう言っていた。絶対にかがみを殺させるわけにはいかない。
殺して一番後悔するのは三村さん……きっとあんたなんだよ?
……ああ、思い出すだけで背筋が凍る思いだよ。豹変したつかさよりもかがみの方が怖いとかあり得ないあり得ない。
【E-4/ 一日目 黎明】
【園崎魅音@ニコロワ】
【状態】右腕打撲
【装備】
【持物】支給品一式、支給品×0〜2
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの闇化を防ぐため、三村からかがみを守る
1、三村を追うため、放送局を目指す
2、三村の話を信じ、かがみを警戒(だけど半信半疑)
3、知り合いに会いたい
4、かがみなんかより闇つかさの方が恐ろしいだろjk
※死亡直前から参戦
投下終了です。矛盾などがありましたら遠慮なくどうぞ
おおっ、あんたはニコロワのあの人じゃないか1
本編でシリアスやっといて状態表でこいつらwww
乙
投下乙です
お互い刺激し合って誤解がえらいことにw
かがみとつかさ逃げてー!
投下乙!
二人揃って何をやっているんだww特にFOOLwww
そうだよなあ、魅音はつかさの方が怖いよなあ……
とりあえず柊姉妹逃げてー!
投下乙。
うわなんだこれwww なんて恐ろしい地獄の姉妹……じゃなくて2人の妄想w
2人のトラウマ、混ぜるな危険だww
投下乙!三村、いろいろ大変だなぁwつーかかがみ逃げろwwwwww
>>588氏、某スレの皆様方、ご指摘ありがとうございます。
参考になりました。心情とか、理由とかをですか…分かりました。その点に注目し、精進していきます。
投下乙!
かがみとつかさがエライ事に……w
いやー互いの情報を照らし合わせるだけでこんな事になるとは夢にも思わなかったw
このまま殺し合いでもしちゃうのかと不安になったぐらいだ……w
あと、特にKOOL自重しろwww
投下乙です!
これだ、これこそ情報と情報の錯綜劇だwww
いろんなロワから来てるんだから、そりゃ個人に対する印象も様々ですよねw
やっぱりらきすたキャラはいろんな意味で主役になりそうだ
それにしてもタイトルひっでw
さて、こちらも衝撃とかえると竜を投下します。
支援バトルロワイアル
鳥獣戯画――それは日本最古の漫画とも称される絵巻物だ。
価値は国宝。芸術性は天下一品級。全四巻から成る物語は戯画の集大成であると言えよう。
墨によって描かれたうさぎ、さるなどの生物は躍動感溢れる筆跡で人を思わせる立ち振る舞いをし、
それは現代における獣人という言葉に繋がり、技法としては擬人化に当て嵌められた。
両生類でありながら二足歩行を為し、人語を介する彼もまた、鳥獣戯画に描かれし一人だ。
名を、かえる――近代の漫画文化を嘆く一方で、エロ同人誌なるものにいたく感動を覚えた者である。
◇ ◇ ◇
「うおおおおおお! かがみぃぃぃぃぃぃん!!」
草原と林を境とする平坦な道に、怒号とも悲鳴ともつかぬ絶叫が木霊していた。
緑色の体躯を和の装束で包み込み、跳ねる、ではなく、走る、を実行するその姿。
生物学者が見れば泡を吹くだろう光景は、闇夜の怪奇とも取れ、俄かには信じがたい。
事実――かえるが、夜道を走っていた。
かえる、カエル、蛙、Frog……どう称そうともかえるはかえる。
あの、主に池を住まいとし、げこげこ鳴いては仲間内で合唱などするかえるである。
注釈するならば、彼はサン○オキャラクターでもケ○ン人でもない、紛うことなき純正のかえるなのである。
かえるは二本の足で立ったり人間の言葉を喋ったりはしない、という常識を振り払い、彼は立派に丘での生命活動を続けていた。
「かがみぃぃぃぃぃん! やっぱり君は生きていたんだねぇぇぇぇぇ!」
むき出しの眼球からは感涙が溢れ出しており、走りながら愛しい女の名を叫ぶ。
道化師と怪人が執り行った凄惨な洗礼を忘れさせるほどの感動が、かえるの思考中枢を支配していた。
それら、感動の起因となっている事実こそが――『柊かがみの生存』である。
その男、かえる。
かえるという生物は本来両生類であるが、このかえるは一人の男として、柊かがみという女に一方的な恋情を抱いていた。
出会いは、そう――同人ショップ『とらのあな』だったろうか。
自分自身、日本最古の漫画キャラクターとも言える存在であるかえるが、現代に普及する漫画文化『同人誌』に触れ、恋をした。
その同人誌というのが、らき☆すたのこな×かが本だ。
18禁マークのついた同人誌の中で乱れる彼女のなんとエロティカルファイバー・クロスボンバーなことか。
男性器もないのに興奮の極みに達してしまった。下品な話だが、あったら勃起を通り越して射精していたとも思う。
同人誌にはお相手として泉こなたも出演していたが、かえる惹かれたのは稀代のツンデレ少女、柊かがみのほうであった。
えっちなことには興味がない、そんな風な素振りを見せておきながら、いざこなたに迫られると途端にデレモードに移行し……
と、過去を振り返ってばかりではいられない(振り返ったのはかがみんのことばかりだが)。
かえるはここに来る以前にも殺し合いのゲームにつき合わされており、その中でかがみの訃報を聞いたりもしたのだが、まあきっと夢だったのだろう。
大事なのは現在である。支給された名簿の中にはたしかに柊かがみの名があった。
つまり、彼女はまだ生きている。この先死んでしまうかもしれない、という懸念と隣り合わせではあるが。
「ならば私が取るべき行動はただ一つ! かがみんと添い遂げるッ!!」
決意。
かえるによる『あかるい家族計画(かがみんと大往生するまで一緒プラン)』が動き出した。
ちなみに詳細はこうだ。
1:かがみんと会う。
2:かがみんと親密になる。
3:かがみんに告白される。
4:かがみんといちゃいちゃする。
5:かがみんと朝ちゅんする。
6:かがみんにプロポーズする。
7:かがみんと幸せな家庭を築く。子供は男女一人ずつ。
8:子供の結婚をきっかけに子供夫婦と別居、家を売り払い田舎でかがみんと農業を始める。
9:孫の名前をかがみんと考える。
10:年老いても夫婦二人三脚で穏やかに暮らす。
11:かがみんと子供、孫達に見守られながら92歳で老衰で逝く。
12:天国でかがみんを見守る。
まず、実際にかがみんに会ってみないことには始まらない。これは必須要項だ。
初めは友達から、友達以上恋人未満を関係を経て、恋人同士を目指す。
やはり男としては、惚れるより惚れられたい。よって告白はかがみんからがいい。
晴れて恋人同士になったらば、あとは思う存分いちゃいちゃして一線を越えてしまうのだ。
朝、すずめの囀りを耳にして目を覚まし、横では毛布に包まった全裸のかがみんが「おはよう」……いい! しゅごくいい!
そこまで行ってしまったならば、あとはもうプロポーズしかないだろう。これは定石どおり、男からだ。
そうしてスタートするかがみんとの幸せな家庭生活。人妻かがみんなんて想像するだけで脳が狂いそうだ。
子育ては夫婦生活の醍醐味、子供は男女一人ずつがいいが、大家族も捨てがたい。双子五つ子どんとこいだ。
かがみん似の子供たちはいつしか親元を離れ、巣立っていくだろう。その後はかがみんと共に隠居する。
おばあちゃんになったとてかがみんはかがみんだ。二人三脚で農業に勤しみ、孫の名前でも考えよう。
これは悩みどころではあるのだが、先に逝くのはどちらか、と考えればやはり自分のほうだろう。
かがみんに先立たれては正直余生がつまらないだろうし、それならば天国から家族を見守るほうがいい。
いずれはかがみんも自分を追って来る。彼女が追いついたならば、天国で夫婦生活の続きをしよう。
ああ、なんて素晴らしい将来設計だろう。穴という穴が見当たらない。
しかしこれらの壮大なプランも、かがみんが逝ってしまっては台無しになってしまう。
「よし決めた! かがみんと添い遂げるために、最後まで生き残る! かがみんと一緒に、二人で優勝すゆ!」
思い立ったら吉日。かえるは殺意の波動をその身に宿し、疾走を始めたのである。
かがみんを見つけたら即保護。好感度を上げつつかがみんを守るための騎士(ナイト)となる。
逆にかがみん以外の参加者を見つけたら、即殺害。獲物を狩る狩人(ハンター)となり、優勝への糧とする。
うむ……完璧(パーフェクト)だ。
――かえるの人生設計に、抜かりなし。
かえるwww
「待てい、そこ行く畜生よ!」
突っ走る栄光のロード――しかしその道程を阻む者が、かえるの眼前に現れた。
「ぬぅ……!?」
それはさながら――風。
かえるが駆ける平坦な道に、横風が訪れた。
渦巻く風は竜巻とも形容でき、小柄なかえるの身を吹き飛ばさん勢いで停止。
風がやむと同時、竜巻の中から現れたのは……『衝撃』的な男だった。
◇ ◇ ◇
瀟洒なクラッシクスーツを纏う男が、かえるの行く道に立ちふさがる。
会社員としてはごくありふれた格好でありながら、堅気の者ではない風格が漂うのは、スーツの下に隠れた屈強な肉体のためか。
右目には大仰な機械仕掛けの眼帯をしており、ワックスで塗り固めたような髪型は奇抜。ハートを思わせるような形だった。
「よもや、この地での初遭遇がカエルの化け物とはな」
眼光は、視線を合わせただけで卒倒してしまいそうなほど鋭い。
かえるは心臓を鷲掴みにされたような心持で、がたがたと足を震わせた。
「ワシの名は衝撃のアルベルト。貴様、先ほど柊かがみの名を口にしていたな?」
蛇に睨まれたかえるとはこのことだ。そういえば、以前の舞台では蛇に追い回されていたような気もする。
かえるは本来小心者であり、何人かの人間を手にかけた経験もあるのだが、戦場の空気に慣れているわけでもない。
見るからに百戦錬磨なその男、衝撃のアルベルトを前にして、かえるは死を覚悟した。
「柊かがみとはどういった関係だ? 知っていること、洗いざらい吐いてもらおうか――?」
死を覚悟した――のだが、アルベルトの口からかがみんの名が出るや否や、目の色が変わった。
「ほほう! おぬし、かがみんについて知りたいとな? いいだろういいだろう、教えてしんぜよう!」
アルベルトの脅迫紛いの質問を、かえるはさながら嫁を自慢するかのように語り返す。
出会いは同人ショップだった。やたらエロかった。○○が特に××で△△もすごかった。などなど。
ほとんどはこな×かが本の感想に終始してしまったが、アルベルトはかえるの嫁自慢を黙って聞き続けた。
「――というわけで、私は嫁のかがみんと一緒に、この殺し合いに優勝するのだ」
「ふうむ……なるほどのう。そのためには、柊かがみ以外の者を殺害することも厭わぬ、とな?」
「おお、そうじゃそうじゃ! そういうわけで……死ねぇぇぇぇぇい!!」
一通り語り終えるや否や、かえるは懐から脇差を取り出し、思い出したようにアルベルトに襲い掛かった。
跳ねる――この一動作に置いて、かえるの瞬発力を凌駕する生物など、この世にいまい。
跳躍と共に繰り出される脇差の刃が、アルベルトの心臓を狙う。
アルベルトはこの拙い奇襲を、一笑で返した。
「づぇぇぇぇぇぇぇいッ!」
気合の掛け声と共に、アルベルトは両の掌から衝撃波を放つ。
跳ねかかって来たかえるを嘲笑うかのごとく、豪快に吹き飛ばした。
かえるはびたん、びたんと数回、鞠のように地面を跳ねる。
跳ねることにかけては芸達者なかえるも、受け身の技術までは持ち合わせていなかった。
かえるは腹を向けて地面に倒れ、衝撃波をモロに食らった影響か、ぴくぴくと痙攣していた。
「ぐ、ぐぇぇぇ……」
それでも即死には至らなかったのだから、あれでなかなか頑丈なのかもしれない。
眼下の呻き声に、アルベルトはさもつまらなそうに鼻を鳴らした。
「フン。弱い。弱すぎる。ジジイや金ぴかまでとはいかずとも、それなりの猛者が集っているものと思っていたが……」
息も絶え絶えなかえるを見下ろしながら、アルベルトがトドメの一撃を放とうとして、
「――ッ!?」
突如、道の横合いから弾頭が飛来するのを察知した。
かえるへ向けようとしていた掌をそちらに切り替え、衝撃波での相殺を図る。
飛来した弾頭と、放った衝撃波がぶつかり合い――爆発。
かえると衝撃のアルベルト――二者接触の場は、RPG-7の業火に包まれた。
◇ ◇ ◇
623 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/19(月) 00:29:53 ID:kRdaJk9d
かえる\(^O^)/
「ほう。襲撃と共に去ったか……見事な一撃離脱戦法だ。しかし、相手が悪かったな」
炎が煌々と輝きを放つ背後、衝撃のアルベルトの身は、RPG-7を発射したと思われる茂みの中にあった。
その身は五体満足であり、スーツが煤で汚れてしまってはいたが、外傷らしい外傷もない。
近代火器の代表格とも言えるRPG-7で狙われながら、アルベルトは平然と生き永らえたのだ。
「あのようなかえるばかりか、と意気消沈しかけたところだが……なかなかどうして、楽しめそうではないか」
ちなみに、トドメを刺し損なったかえるは、爆風によってどこぞへと吹き飛ばされてしまった。
あのような小者、わざわざ探し出すのも億劫というもの。アルベルトは余裕の貫禄でもって捨て置くと決めた。
「せめて顔くらいは拝んでおきたかったが、それも次の機会を楽しみにしておくとしよう」
興味の転換先、肝心のRPG-7を放った人物だが、こちらは早々に退去したようだ。
強力な兵器を持ってしても衝撃のアルベルトを倒すには至らない、それを受け取っての決断の早さ、大いに評価できる部分である。
「それにしても、『柊かがみ』か……あのかえるの弁を鵜呑みにするとしても、やはりこれは……」
敵は既に去った。一時の戦闘中断に、衝撃のアルベルトはわずか警戒を緩める。
そして意識を傾けるのは、此度の催し、道化師と怪人の二人が執り行う『殺し合い』についてだった。
「よもや、あの二人が螺旋王の手先などとは……ふっ、ありえん話よの」
考察の軸に、まず前提を据えるとするならば――この殺し合いはアルベルトにとって『二度目』であるということだ。
BF団という悪の秘密結社に与し、日頃から国際警察機構などの敵対組織と死闘を繰り広げていた経歴を鑑みれば、『三度目』であるともいえよう。
「可能性があるとするならば、螺旋王の下ではなく上に立つ者か……屍のワシにとっては、瑣末よな」
もう一つの前提――それは、アルベルトが死人であるということ。
いや、正確に言えば死人『だった』。こうやって思考を巡らせている今は、心臓も真っ当に動いている。
つまり、蘇り。アルベルトは以前、螺旋王ロージェノムという者が開いた殺し合いの儀で、命を落としているのだ。
かえるが奉仕の対象とする柊かがみ、いや――『不死身の柊かがみ』の手によって。
「ラッド・ルッソ、結城奈緒、それに柊かがみの知人が多数……こやつらがすべてが同郷の者などとは、到底思えん」
名簿の中には、アルベルトと同じ死人の名が連なっていた。
しかしこれらの人物たちが、皆等しくアルベルトと同じ境遇に置かれているかと言えば、そうではない。
中にはアルベルトの知人でありながら、アルベルトを知らない者……ドッペルゲンガーのような存在とているだろう。
最も相応しい言葉を手繰るならば、『パラレルワールドの住人』とでも言うべきか。
「ワシはあのとき、確かに死んだのだ。今さら生にしがみつこうとも思わん。これも、機会などではない」
名簿に載っている『柊かがみ』がアルベルトを殺した『不死身の柊かがみ』である可能性も、否定した。
かえるの言うような漫画の中の住人である可能性も、ありうるはずがない。
アルベルトが知る『柊かがみ』は、螺旋王の実験場に残してきた『不死身の柊かがみ』ただ一人。
この地にいるかがみは、おそらくはアルベルトの顔すら知らない赤の他人だろう。
「死者の魂を攫い、偽りの肉体で蘇生させ、余興を演じろということか……そのための闘劇というのなら、大いに頷ける」
平行世界とでも言えばいいだろうか。互いに並び立ち、しかし決して交わらない世界が、二つ以上で存在を成す。
主催者はそれらの世界から参加者に相応しい人材を摘み、箱庭に放る……今回の場合は、黄泉路より摘んだ可能性とてあるか。
どちらにせよ瑣末事だ。螺旋王の力をBF団の糧としようとした前回ならいざ知らず、今回に至っては黒幕の内情を類推することすら馬鹿馬鹿しい。
覆らない事実として、衝撃のアルベルトは既に一度死んだ身なのである。
ラッド・ルッソを喰った不死身の柊かがみによって殺害された。
地獄に落ちるはずだった魂が、亡者となって闘劇を命じられた。
今回の一件は、ただそれだけなのである。
ならば、抗うか――?
馬鹿な、抗ってなんの意味があるというのか。
己の生き様を愚弄した道化師と怪人は万死に値するが、それもまた別の話。
死人に生を目指せ、と命じるほど無為なこともあるまい。
己を死人と認めるアルベルトもまた、生を熱望したりはしない。
死に逝く身、再び地獄に舞い戻るが正しき王道――しかし、しかしだ。
衝撃のアルベルトには、一つだけ欲求があった。
未練と言ってしまってもいい後悔、すなわち戦闘意欲が、四十路近い体に滾っていた。
東方不敗マスターアジア、英雄王ギルガメッシュ、神行太保・戴宗……彼らと果たせなかった決着が、未練でもあった。
宿敵はここにはいない。
己はいずれ死に逝く身の上。
戦意は滾るほどに熱く身を焦がす。
ならば、戦うしかあるまい。
「今のワシはBF団が幹部、十傑集の一員ですらない。死闘に飢えた一人の男として……この地の強者と共に果てようぞ!!」
衝撃のアルベルトは未来なき死者として、闘劇に身を殉じることを選んだ。
◇ ◇ ◇
RPG-7による攻撃が失敗に終わったと判断するや否や、少女はすぐさま逃走を図った。
支給された重火器は強力であったが、ここにはそれらの兵器を持ってしても撃破が難しい者がいるのだ、と教訓を身につけて。
「……」
少女は草葉の陰を匍匐前進で進みながら、手足や胸部が地面についているのだという実感を噛み締める。
それは、今までの生活を思えば掴み得るはずのない実感だった。回遊魚のような宿命を背負っていた、前世を思えば。
「……」
そう、前世。これは少女――いや『竜』にとって、来世にあたる幸福なのだろう。
人間のように二本の足で大地に立ち、人間のように武器を手に取り、人間のように地上で活動ができる。
常に飛び回っていないと死ぬ。そんな性質を持っていた以前の体とは、もう縁切りを果たしたのである。
「……ヒトって、素晴らしいアルネ」
アルベルトが追って来る気配がないと見るや否や、少女の形を成す竜は茂みから身を起こし、見事な二足歩行で天を仰いだ。
もう、あの空を飛び回ることもない。竜は縛られていた枷を外し、人間への一歩を踏み出したのである。
彼女に支給された近代科学の結晶、『萌えもんパッチ』なる宝具によって。
「これからは、人間として生きていくアル」
萌えもんパッチを装着した竜は、その姿を可愛らしい幼女へと変えた。
二本の角など元の姿の名残はあるが、アルベルトと一緒にいたかえるなどに比べれば、よっぽど人間らしい姿である。
幼女化したと同時に常に飛び回っていなければ死ぬという制約も外れ、こうやって地上で活動することが叶ったわけだ。
「これからも、人間として生きていたいアル。そのためには、ここにいる奴ら皆殺しにして生き残り目指すヨ」
ゆえに竜は、人間としての生を選んだ。それすなわち、竜の威厳を捨てての殺戮の道だ。
竜――その存在は日本古来より伝説と謳われ、高い知能と能力を秘めている。それは、人間などとは比べ物にならない。
姿は幼女だが、RPG-7のような重火器とて、巧みに使いこなす。まさに竜の化身が成せる業だった。
「高良みゆきも柊かがみも知ったこっちゃないネ。ワタシはワタシのためにがんばるヨ」
擬人化の力を得て、竜は夜空ではなく、夜道を行った。
◇ ◇ ◇
その頃、かえるはというと……
「う〜ん、かがみんとちゅっちゅしたいよぉ〜」
……悪運が強いことに、草葉の陰でのびていた。
【F-2/路上/1日目-深夜】
【衝撃のアルベルト@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd】
[状態]:健康
[装備]:衝撃のアルベルトのアイパッチ@アニロワ2nd
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1〜2個
[方針/行動]
基本方針:闘争に身を殉じる。勝利よりも『戦うこと』を優先。
1:強者を求め徘徊。誰であろうと手当たりしだいに勝負を挑む。
2:この地の『柊かがみ』に対して……?
[備考]
※死亡後より参加。
【E-1/路上/1日目-深夜】
【竜@オールジャンルバトルロワイアル】
[状態]:擬人化中、健康
[装備]:萌えもんパッチ@ニコロワ、RPG-7
[持物]:デイパック、基本支給品一式、RPG-7予備弾頭×5
[方針/行動]
基本方針:人間として暮らしていくため、優勝を目指す。
1:見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)
[備考]
※オールロワ113話「日本昔話:とりかえばや物語」より参加。
※竜のときは常に空を飛び回っていないと死にます。
※萌えもんパッチによって擬人化しています(姿はミニリュウの萌えもん版)。擬人化している間は空を飛んでいなくても死にません。
【F-1/路上の端/1日目-深夜】
【かえる@オールジャンルバトルロワイアル】
[状態]:気絶、全身各所に裂傷
[装備]:和服、脇差
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1個
[方針/行動]
基本方針:かがみんと一緒に優勝してかがみんと添い遂げる!
1:かがみん以外の参加者を殺す。
2:かがみんを発見したらまずは友達からスタートする。
[備考]
※オールロワ140話「B-5周辺顛末記」より参加。
投下乙!
アルベルトきたあああ!楽しみだwww
それに竜も萌えもんパッチで幼女になった訳だし、楽しみだ
だがかえる、てめーは無理だ
投下乙!
萌えもんパッチ出たあああ
出したらおもしろそうだと思っていたら竜がwしかもマーダーかよ!?
可愛いなあ……キョンのターゲットになってもおかしくないロリっぷりだw
そして衝撃氏の考察が合っているw
かえるは……相変わらずかえるだよなあw
投下乙!
竜に萌えもんパッチときたかwその発想はなかったw
アルベルトは相変わらず渋いぜー!
カエルは……まあどうでもいいや
投下乙ー!
パッチがきたーーwww
しかしかえるがいいキャラしすぎだwwww
投下乙。
かえるがダメ過ぎるwww いろいろとダメ過ぎるwww
竜は竜でフリーダムにしかし重火器使いこなすなんて、ぅゎ、ょぅι゛ょっょぃ
アルベルトもヤル気マンマンだし、さてどうなるか楽しみですw
投下乙
まあ何だ、三村といいアルベルトといい、かえるといい、かがみん大人気だなw
かがみん逃げて超逃げて
投下乙
かえるってだけで噴いてしまったw
竜は口調と中国的イメージで神楽を連想したがそんな事はなかったぜ
かがみがいかにロワで活躍(=暴走)してきたかがよく分かるなw
このかがみの人気者っぷりを見ていると。
投下乙!
かえるwなんだこの変態www
アルベルトはかっこいいのに……というか竜のアフターに吹いたwwwww
危険人物が一気に増えたなw 他ロワの自分のやったことがふりかかる原作かがみカワイソス
投下乙です
良くも悪くもかがみモテモテw
ところで現時点で対主催が無力、誤解フラグ持ち、変態、無気力とかロクなのいないな
とりあえずかがみの相関図的なものをまとめてみた
味方
なのは、村雨、ジョセフ
ヒナギク、らきすたキャラ全般
敵(危険視)
三村、シンヤ、セフィロス、魅音
シグナム、ラッド
???
ゴマモン、カエル、アルベルト
>>643 まだ投下されてないけど、アニ2のラッドと奈緒もきっとそこに入るだろうな。
かがみ、本当に回り濃すぎだろw
投下乙!お前らいい加減にしやがれw
今のところ対主催があんまり能動的じゃないな。もちろん仲間を得たりとかで変わるだろうが。
後は未登場がどうするのかだね。
そういえば◆jS4dQplqkA氏は来ないのかな…忙しいんだろうか。予約してたキャラひとり消費したしな
ここまでのスタンスまとめ
マーダー
でっていう、桂言葉、パピヨン、涼宮ハルヒ、黒井ななこ、相羽シンヤ、キョン、真・長門有希、武藤遊戯、アナゴ、6/氏(神)、竜
危険人物(スタンス不明&犠牲に構わない)
阿部高和、地球破壊爆弾No.V-7、三村信史、シグナム、かえる、衝撃のアルベルト
対主催
残り全部
であってる?
マーダーも微妙な奴が多くて分けにくいんだよ……
対主催はらきすた勢が対人関係ならともかく能力的に普通の女子高校生だからマーダー増やし過ぎると
パワーバランス崩れないか?
いや、マーダー同士で潰し遭えばOKだが?
パッピーはマーダーかな?朝倉(でっていう)に対しては必要があればそうかもしれないが、微妙じゃないか
パピヨンは漫画ロワだとあの時期は危険思想対主催だったっけ?
>>647 逆に考えるんだ。マーダーと対主催とかでわけるのではなく、変態と非変態で分ければいいさと考えるんだ。
>>651 変態と非変態で分けるなんて初めて聞いたw
これがカオスかw
何時もより予想がつかなくなった
えーと、非変態の対主催は何人居るんだ?
フェイト・T・ハラオウン、熱血王子投下します
一人の女性が森の中で立ちつくしていた。
黒いスーツと金色の長い髪が木々の隙間から入る月明かりに照らされ、女性に何とも言えない魅力を与えていた。
だが、肝心の女性自身の表情は暗い。
それどころか、その美しい顔を歪め、今にも泣き出してしまいそうにさえ見えた。
悲しみの感情、それを全身から感じさせながら口を開き、
「ごめん……な、さい……」
小さく、消え入りそうな声で謝罪の言葉を口にした……
彼女、フェイト・T・ハラオウンが殺し合いを強要される状況に陥ったのは、これが二度目である。
事の始まりは巨大隕石の衝突により死の星と化した地球、その隕石から現れたワームと呼ばれる怪物とフェイトは戦い続けていた。
昔からの戦友であるシグナムの他、対ワーム用の切り札「マスクドライダーシステム」の使い手と共に親友の故郷、海鳴市へと向かう途中のこと。
突然意識が遠のき、次の瞬間にはバインドで拘束されていた。
そして、一度目の殺し合いの舞台へと連れてこられたのだ……フェイトの母、プレシア・テスタロッサによって。
その殺し合いの中、フェイトは一人の少女と出会った。
柊つかさ――先ほど道化師のような異形の生物に殺された、彼女と瓜二つの少女と。
「ごめんなさい……ごめん、つかさ……」
フェイトはずっとつかさへの謝罪を繰り返していた。
赤いジャケットを着た青年に追われているつかさと出会い、ただの女子高生にはとても耐えきれない現実に混乱する彼女を諭し、元気付け、ようやく正気を取り戻してもらえた。
それからほとんど時を待たずして、フェイトは即席のバリケードの中につかさを待たせ、外部の偵察へと向かうことになる。
つかさが隠れているデパートから外に出た瞬間の事だった、二回目の殺し合いへと連れてこられたのは。
突然変わった景色に戸惑い、前回の事を思い出し、持っていたデバイスがなくなっていることに困惑する。
気づけば……目の前で、つかさが異形の生物によって殺されていた。
「――つかさ……っ!」
どうしようもなかったのかもしれない。
例えどう足掻こうが、こうなる運命だったとも考えられる。
だが、それでも悔んでしまう。
つかさを一人残さなければ。
デバイスのことよりも先につかさの事を気にかけていれば。
もしかしたら……助けられたかもしれない。
真実を言えば、あの場で殺されたのはつかさではないし、フェイトの選択もつかさを守るという一点に関してみれば間違いではなかった。
だが、フェイトはその事に気づけない。
デイパックを確認することすら忘れ、ただ自らの心を自身の感情で食らいつくしていく。
「……………さい」
「……え?」
かすかに聞こえた声に顔を上げる。
「……した………ごめん……なさい」
どこからか、小さく、何かに怯えるように謝り続ける声が聞こえる。
光源はわずかに漏れる月明かりだけで回りがよく見えない。
フェイトは声を頼りにその人の方へと近寄っていき、少しずつ見えるようになってきた姿に目を見開く。
「なのは……!?」
蹲りながらデイパックを探り続けているその人影、
薄暗いためよく見えないが、栗色のツインテール、それは彼女の親友、高町なのはのものとそっくりであった。
しかし先ほどから続いている謝罪の言葉、その声はなのはの物とは思えない、まるで男性のような声だ。
わずかに戸惑いながら、もしや喉が潰れるほどこの謝罪を繰り返しているのか、と慌てて声をかける。
「なのは! いったいどうしたの!?」
「……? 失くして、しまった……あの人の……ごめんなさい……」
「失くしたって、何を? 私も一緒に探すよ、ね、なのは」
「失くして……ごめんなさい……ずっとはめ込んでいたのに……なくしたら……」
フェイトの言葉に気づいたのか、ゆらり、と立ち上がりながらも呆然と謝罪を繰り返す。
その姿に言いえぬ嫌な予感を感じながら、フェイトはその様子を窺う。
「失くしてしまった……あの人の……」
「あの人の……何?」
一歩、フェイトの方へと『なのは』は近づく。
丁度その位置に月明かりが入り込み、その姿を、顔を照らし出す。
そう――
「 あ の 人 の 眼 を !」
両の瞳を潰された、その顔を。
「――――っ!?」
想像を超えた情景にフェイトは声を失い、数歩後ろへと下がってしまう。
月明かりによってはっきりと浮かび上がった姿は、高町なのはとはまるで別物だった。
その体は全身が黒いが……ウルトラマンレオの物。
その声は男の……赤木しげるの物。
唯一その頭部だけは、両の眼を失っていることと、やはり肌が黒いことを除けば高町なのはの物であった。
だが、当然ながらこの人物は高町なのはではない。
この男の名は熱血王子、漫画ロワの書き手である。
「い、いったい、何があったの……? どうして、なのはの顔を……」
幾分か声が上ずっているのを感じながら、フェイトはそれでも呼びかけるのを止めない。
なのはでなかったからどうだというのだ、目の前で苦しんでいる人を見捨てるわけにはいかない。
もう、つかさのような犠牲者は出したくないのだ。
「どうしよう、どうしよう、失くしてしまったら、許されない……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!」
「お、落ち着いて……あ、あの人の眼って……?」
だがフェイトの言葉は熱血王子には届かない。
そう、今の彼には何人の言葉も届きはしないのだ。
『分かってるよね? これでようやくサラマンダー卒業だけど、
私が手伝ってようやく殺せたんだから、まだ半人前……仮免マーダーってところだよ。こんなんじゃ誰も許してくれないよ?』
――ごめんなさい
『熱血王子さんがのろまだったせいでまた少数派が減っちゃうの……だからいっぱい殺して、もっといっぱい殺しきってね?』
――ごめんなさい
『あー、でも、目が無いってのもスカスカして不安だよね』
――あの人の眼……嫌だ、嫌だ、ごめんなさい、ごめんなさい
『それも落としたら、本 当 に 許 さ な い か ら ね ? 』
「あ、ああああ、あああああああ!!!!! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!」
突然の叫びにフェイトは身をすくませる。
今までとは様子が違う、何があったのかまったくわからないが、どう見ても放っておいていい状態ではないだろう。
多少手荒になろうともまずは抑えなくては、そう思い手を伸ばすが――逆にその手を切りつけられる。
「あうっ!?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
咄嗟に右手を抑えながら距離を取る。
熱血王子はアーミーナイフを片手に、謝罪の言葉を繰り返しながら更に斬りかかった。
「くっ……!」
その斬撃を更に後ろへ飛んで回避。
両目が失われているというのに、自分の位置を正確に掴んでいるかのような動きにフェイトは焦る。
音か、魔力か、どちらにしろ後手に回ったこの状況はまずい。
何せ相手は全身が文字通り黒ずくめなのだ、光源の少ないこの場所では気を抜いたらその姿はすぐに闇へと紛れてしまう。
今更ながら荷物を確認しておくべきだったと後悔しながら、なんとかこの場を切り抜ける方法を考える。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「お願い、話を聞いて! 私はあなたの敵じゃない!」
それでも呼びかけを続けるが、まったく意に介さず一歩、また一歩とフェイトへと近づいていく。
その反応に、フェイトは悔しそうに顔を歪めながら素早く詠唱を開始する。
デバイスが無い以上、自分の長所であるスピードは生かしきれないが――
「プラズマランサー、ファイアッ!!」
雷撃を纏った金色の魔力球を一度に二つ生み出し、熱血王子へと解き放つ。
狙いは甘い、熱血王子は数歩立ち位置をずらしただけでその魔力球を回避する。
改めてフェイトの方を向こうとし……全身に衝撃が走り、倒れ伏す。
「……っ!?」
「よし……!」
自らの体に隠すように作りだしていた、もう一つの魔力球を当てられたことに顔を綻ばせる。
ほんの少しの間、悔しげに熱血王子の事を見ながらフェイトはそのまま背を向け走り出した。
デバイス抜き、非殺傷設定の魔力球だ。大したダメージは与えられない。
まだ相手は何か手札を隠しているようだった、今の自分では相手を傷つけずに制することは難しいだろう。
だから退いた。
そう、自分はまた、一人の人間を置き去りにしたのだ。
斬りつけられたからといって、彼が危険人物とは限らない。
むしろあの様子を見る限り、何者かに想像を絶するような目にあわされ、恐怖から混乱していると考えられる。
そんな人間を、いわば被害者を自分は見捨てたのだ。
「ごめんなさい……!」
フェイトはただ走る。
その心に深い影を落としながら……ただ、走る。
【E-1/路上/1日目-深夜】
【フェイト・T・ハラオウン@なのはロワ】
[状態]:右手に浅い切り傷
[装備]:無し
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[方針/行動]
基本方針:一般人の保護
1:なのはに似た相手(熱血王子)の事情を聞き、救いたい。
※荷物をまだ確認していません
※愛媛のことをつかさだと思っています
※なのはロワ58話「やわらかな温もりに瞳閉じ」から参加
逃げられた。
殺せなかった。
まただ、
また殺すことができなかった。
結局自分はサラマンダーなのか、誰かの手助けがなければ誰も殺せないのか。
殺されてくれないのなら、頼む。
俺を、
この俺を殺してくれ。
俺を苦しみから解き放ってくれ!
――『何言ってるのかなあ、熱血王子さんは。
そんなんじゃ私もみんなも許してくれるはずないじゃない。
それでもいいの?』
「あ、ああ……!」
――『許されたかったら、もっといっぱい殺さないと、ね?』
「あああああああ!」
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
誰にも許されないのは嫌だ!!
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
熱血王子は切望する。
許しを願う、救いを求む。
だが、彼は知らない。
彼が許しを求める者、書き手2ndジョーカー、愛媛はすでにこの世に存在しないことを。
彼女が残した黒の心に追われ、彼はただ許しを乞う。
【E-1/路上/1日目-深夜】
【熱血王子@書き手2nd】
[状態]:黒化、両目損失、変身中
[装備]:朝倉涼子のアーミーナイフ@書き手2nd
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
[方針/行動]
基本方針:愛媛に許されるために殺す
1:黒く染まってない奴を優先して殺す
2:白に寝返りそうな奴も殺す。
3:お姉さまの眼はどこに……?
※書き手ロワ2nd、247話「熱血対熱血〜正義の系譜〜」熱血怪人との戦いの直前から参加
投下終了
矛盾、疑問、指摘などありましたらお願いします
失礼しました。
両者の現在位置を
【A-3/森/1日目-深夜】
に修正します
投下乙!
冒頭のフェイトさんの描写が良いなぁ……彼女の感情が良く伝わってくる。
そして熱血王子が怖い……おぉ、書き手2を読み進めないとー。
なのはの顔をして熱血王子を、静止させようとするフェイトさんの必死さの描写もピカイチ!
投下乙です!
熱血王子が軽くホラーだw
改めて文章に起こされると、凄まじい姿をしていることがわかる……w
しかし病んでる……フェイトさんは首つっこむべきかつっこまざるべきかw
変な時間ですけど、結城奈緒 投下しまーす。
まんまるの、大きな大きな鯨でも入れられそうな大きな空っぽの水槽。
静かな水面の真ん中に浮かぶ白い月を、赤い髪の少女はなんとなしにただぼぅっと見下ろしていた。
結城奈緒の現状に対する感想は、一言で表せば――馬鹿馬鹿しいだった。
それはそうであろう。
どこの誰とも知らぬ相手より殺し合いを強制されて、多少は自分なりに頑張ったと彼女は自負している。
それなのにも関わらず、ゲームの盤は引っくり返されまたいちからやり直し。
最初はHiME同士による蝕の祭。次は螺旋王による実験。そして此度は、怪しい怪人らによる殺し合い……。
「……ふざけんな」
昼間ならイルカが芸を見せているであろうそこには今は何もいない。広い観客席にいるのも奈緒一人だ。
とても寂しい空間だ。そして、彼女も寂しかった。
「金ぴかは……どう思う?」
問う。しかし答えは返ってこない。
彼女の手のひらには一つの金塊が乗っていた。
なぜかポケットではなく鞄の中に入っていた、とある傲慢な王の前の世界での成れの果てである。
一緒に歩いていた。後をついて行っていた。引きずられていたとも、追いつくのに精一杯だったともいう。
ただ、いつかは隣に立って歩きたいと彼女はそう思っていた。
そんな王様がいたという証拠で、そしてもう彼はいなくなってしまったという証拠だった。
「あんたはいないのに……、どうしてあいつらは……っ!」
鞄の中に入っていた名簿の中に「ギルガメッシュ」という名前はなかった。
死者すらも呼び出される対象ならば、いてもよかっただろうと何度読み直してもしかし、やっぱりそこにはなかった。
なのに、奈緒にとって最悪と言える名前が2つとも揃って名簿の中に存在していた。
「衝撃のアルベルト」 「柊かがみ」
彼らのことを考えると、特に柊かがみのことを考えると奈緒の身体に止められない震えが走る。
彼女は左腕に巻かれた黒いリボンを見る。それは柊かがみが己に施した魔女の呪い。その証であった。
リボンを解こうとしたり約束を破ると、呪いが発動して奈緒の身体へとかがみに与えた無数の傷が返されるという。
倍返しの呪詛――柊かがみのような不死身の身体を持っていない奈緒からすればそれは死に等しい。
「くそっ! くそっ! どうしてっ! どうして、こんなのばっかなんだ……っ!」
瞬間。奈緒の手にエレメントの力による手甲が現れ、真紅の爪先から幾本ものワイヤーが飛び出した。
それはプラスチックの椅子を割り、コンクリートの床に深い傷跡を刻み、鉄でできた支柱を切り刻み、荒れ狂う。
彼女の強い心を、彼女の激しい感情を伝える糸として、破壊の限りを尽くす。
いつも、大事なものがそうだとわかった時に、誰かがそれを持っていってしまう。だから、いつもひとりぼっち。
一本の線が見下ろしていた水面に映る月を割り、そのまま水槽の端まで達して分厚いアクリル板を切り裂いた。
僅かな時間の後、水槽は決壊しそこから1000トンを超える水が激しく溢れ出し始め、観客席を水中へと沈んでゆく。
我を忘れていた奈緒もここにきて冷静さを取り戻し、鞄を片手に取ると観客席を登ってその場を離れた。
★ ★ ★
「……あたしってついてないんだろうな。今更だけどさ」
動き出すに当たって使える物は入ってないかと鞄を検めた彼女の感想がそれであった。
前回に引き続きハズレとしか呼べない物ばっかりだったということだ。
金ぴかの鎧の破片に関しては役立たないとしても嬉しいところはあったが、他はハズレと断言できた。
いくら高性能であったとしても一度かぶると二度と脱げないヘルメットとか、どう考えても無用の長物である。
結局、戦うにはこの身とHiMEとしての能力であるエレメントしかないと改めて認識すると奈緒は動き始めた。
★ ★ ★
――それにしても……柊かがみ、か。これはまた相当な難敵が居たものだ。
水族館の中をなんとなしに歩いていた奈緒は聞こえてきた声に足を止め、そっと近づくと聞き耳を立てる。
聞こえてくるのは女と男の声で、どうやら二人は”柊かがみ”の正体について語っているらしい。
――変身して戦う能力があり。
――狡猾で善良な人間を利用する才に長けている。
――実力と知性を兼ね備え、卑怯な手を使うことも辞さない実力者。
――死んでは蘇って何度も殺し合いに参加しているのかもしれない。
廊下の隅でしゃがみこみ、また奈緒はガタガタとその身体を震わせていた。
柊かがみは間違いなく魔女だったのだ。
そして、螺旋王の実験場でもそうであったように他の場所でも同じ様に皆に災厄を齎していると言う。
変身できて、狡猾な知性と高い実力を兼ね備え、呪いを操り、不死身であって仮に殺しても蘇って来る……。
奈緒にとってはただただ恐ろしい話であった。
そして今回の殺し合い。おそらくは”柊かがみに目をつけられた者が集められている”と彼女は想像した。
先程の声の主も、彼らに忠告した電話の主も柊かがみを知っており、同時に少しずつそれは食い違っている。
つまりは、柊かがみが暗躍した幾つもの殺し合いの場から、彼女自身がお気に入りを集めて――
「――死ぬまで玩ばれる? いや、死んでも……何回死んでも、あいつの……あいつの、玩具」
奈緒の頬を、ボロボロと恐怖の涙が止め処なく零れ落ちていた。
★ ★ ★
「さっきの人達どこにいったんだろう……?」
水族館を出て奈緒は夜の市外を走る。
彼女は先程の声の主である男女を探していたが、震えと涙が止まり冷静さを取り戻すまでに時間が掛かった為見失っていた。
本来彼女は仲間を作ったり仲良しこよしとすることは好きじゃない。大嫌いと言ってもいい。
だがしかし、今は違う。柊かがみが敵である今だけは、主義を曲げてでも仲間を作るべきだと思った。
「……うぅ」
というよりも、もはや一人ではいられなかった。それぐらいに柊かがみが怖い。
前の世界では呪いに対しても嘘だと強がるぐらいはできたが、立て続けの異常事態と別世界の柊かがみの情報により
彼女のトラウマは主義や矜持を維持してはいられないほどに膨れ上がっていたのだ。
「探さないと……、あの魔女を倒してくれる……金ぴかみたいな強いやつ……っ!」
赤い髪の少女は走る。
救いを求めて。柊かがみのいない安息の世界を齎す何者かを求めて。
”柊かがみを滅ぼせばこの無限の殺し合いは終わる”とそう信じて――……
【C-6/市街/1日目-深夜】
【結城奈緒@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd】
[状態]:健康、柊かがみ恐怖症
[装備]:エレメント(能力)、黒いリボン@アニ2
[持物]:デイパック、基本支給品一式、黄金の鎧の欠片@アニ2、ゼロの仮面(蝶高性能)@書き手2
[方針/行動]
基本方針:柊かがみを滅ぼしてこの殺し合いを終わらせ、元の世界に帰る。
1:柊かがみを倒してくれる人を探して協力を仰ぐ。
[備考]
※登場時期は、212話「その少女、ゼロのリスタート」の直後です。
※柊かがみが全ての元凶であり、魔女である彼女を滅すれば殺し合いはなくなると思い込んでいます。
※左腕の黒いリボンを解くと、倍返しの呪いによって死ぬと思い込んでいます。
※衝撃のアルベルトは柊かがみの手下だと思い込んでいます。
【黒いリボン@アニ2】
アニ2内において、不死身の柊かがみにより奈緒の左手に巻かれた彼女の髪留めリボン。
これを勝手に解くと、与えた傷が倍になって帰ってくる呪いをかけたと脅されているため、奈緒はこれが解けない。
【黄金の鎧の欠片@アニ2】
アニ2内において、衝撃のアルベルトより破壊された黄金の鎧の破片。
路上に落ちていたこれを拾って奈緒はギルガメッシュが死んでると確信した……が、実は彼は死んでなかったりする。
【ゼロの仮面(蝶高性能)@書き手2)】
ぱっと見はルルーシュが被るゼロの仮面と同じだが、その耐久性は核爆発にびくともしないほど高い。
ヘルメットがなければ即死だったというシーンで確実に即死を防いでくれるが、一度装備すると死ぬまで外せない。
以上、投下終了しました。
投下乙です。
またもやかがみん包囲網w
実際、魔女みたいなかがみんもいるから始末が悪い。
かがみん包囲されすぎw
まともにかがみんに味方してくれる対主催が不足しているなww
なんだこの空間ww
未登場キャラ未予約キャラ
(1/9)【テラカオスバトルロワイアル (カオスロワ)】
/○赤木しげる
(1/7)【漫画キャラバトルロワイアル】
/○川田章吾
(2/6)【リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル (なのはロワ)】
/○スバル・ナカジマ/○セフィロス
ペースいいのかな?
かがみ包囲網ワロタwwww
予約きてたな。川田とセフィ残ったw
投下乙!
かがみん包囲網が凄まじいことに……w
そうだよなぁ、ここにも強烈なトラウマ持ちが居たよなぁw
なんかうっかり会話を聞いてしまって妄想がさらに酷くなってるww
「数多の戦いを駆けたかがみんが黒幕」説って、おい……!w
だがしかしこのかがみん包囲網を見てると
かがみん黒幕説もおかしくは見えない
黒幕はカオスかがみとか?
優勝者を倒して得た力で己の願いを叶えるとか・・・・・・
なら6/氏が3人もいる理由は……
てっとり早く三人の6/をハーレムにするため・・・・・・ちなみに蘇った女性参加者は全て彼女の性d(ryになります
男性参加者とばっちりw
セフィロスが残りました
ある意味一話退場よりかわいそうだと
セフィロスはかっこいいが参戦時期で大きく変わりそう
扱いにくいがSS職人さんがんばれ
まぁ、ロワの性質上かがみと出会った後ってのは確実だろうし、
かなり強力な敵意を持ってるから、かがみん涙目だなw
セフィロス予約来たー!!
これでかつる!!
セフィロスの予約きた
あっという間に埋まったな
さくさく行くね。順調だ。破棄しちゃった人達の没ネタも見たいな。
今日締め切りってあったっけ?
携帯故したらばに入れないのでここで。
予約延長お願いします……
漫画ロワでは空振ってたFOOLの誤報が、こんなところで大活躍とはw
全員予約で埋まったがまだ未登場なのは
ラッド・ルッソ@アニ2
赤木しげる(13)@カオスロワ
川田章吾@漫画ロワ
スバル・ナカジマ@なのはロワ
セフィロス@なのはロワ
この内、ラットとセフィロスはかがみんと敵対してたなw
川田は微妙
赤木は一応戦友
スバルは保護しようとするだろうな?
スバルはこなた優先じゃないかな
後出てないけどルルーシュ
書き手のメンバーにいなかったっけ?
姿がルルーシュの人
そういや忘却のウッカリデスとかいたが
確かにスバルはなのはロワでルルーシュと行動してたよ
そしてアニロワ2でアルフォンスはスバルと行動してた
そして姿がルルーシュの人がいる
ややこしいなw
パロロワ常連キャラが多いからな
人物相関図とか書いたら線まみれになりそうだ
5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd5nd
投下しまする。
703 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 00:12:16 ID:J48V/QJC
きた!支援
誰もいない森の茂みの中に体育座りして頭を抱えている男が一人。
6/は悩んでいた。
無論殺し合いの状況を打破するという一見無茶な方法を考えることもあるが、
今彼の頭にある問題はそれよりもずっと現実的である。
「ふ く が ほ し い」
そう、この6/という男、身に纏うものがないのだ。 とは言っても下半身のみだが。
元々、人が服を着るようになったのは、その場その場の環境から生き延びるためというものだった。
よって深夜といえど、気温的にはやや肌寒いという程度なので特に衣服を纏う必要性はない。
しかし衣類は環境に適応するためのものから文化、権力、組織、思想等を示すものとなっている。
また、文化というものは特に強く、地図には載っていない辺境の民族でさえ独自の衣類を持っているので、
日常で服を着ることがない人間はいないと言っても過言ではない。
よって日本という一般的な(彼がいた世界は色々混沌としていたがそれはその世界にとっても珍しい現象なので省略する)
文明の土地で生活を営んでいた6/にも屋外で裸を見られるという行為に対して羞恥心が存在する。
前述からわかって貰えるとは思うが、浴場等の少ない例外を除き、裸の人間がいるということは極めて異常であるということである。特定の性癖の人間でもない限りはその行為自体に嫌悪感を示し、異端と称して罰を与えられかねないのだ。
だから、悲鳴を上げられて逃げられようと、己の分身が小さいと罵倒されようと、貞操を奪われようと反論することはできないのだ。これぞ、刑法第百七十四条ナリ。・・・・・・成敗!!!
「されてたまるかってんだよ・・・・・・」
とにかく今は他人とコミュニケーションをとるためにも己の恥部を覆うものは必要ではあるがそれがないから悩んでいる。
下手に衣服を探しにいって他の参加者と出会ってしまってはまたいらぬ誤解を生むことになる。
男だったら話が通じるかもしれないが、女だった場合は逆上されて最悪そのまま殺されてしまうのだ。
いや男でも先ほどの阿部みたいな人間に会ってしまえば貞操を奪われてしまうのであろう。
とはいっても彼はすでに異形に貞操を奪われて耐えているので、人間に掘られても死亡してしまう可能性は少なく、
そのようなことをする人間自体非常に少ないのだが、本人はそのようなことを考えている場合ではない。
だがそんな袋小路に行き詰ってしまった彼に一つの転機が訪れる。
「う〜んらき☆すたキャラじゃないなぁ」
「そもそも同年代の男友達なんてほとんどいないからね」
聞こえてきた声は全く同質と言っても問題ない二人の少女の声。
同一人物と言っても差し支えがないだろうか。
それが自分のすぐ後ろから聞こえてきたのだから何の反応も示さないわけにはいかない。
男の心臓が跳ね上がるとともに恐怖が生まれるがそれを抑える。
そして勢いよく立ち上がって叫んだ。
「誰だ!」
「ひゃぁ!」
「うわっ!」
次に挙がった声は悲鳴だった。
6/の前の二人の少女は思わず後ずさり、警戒の意を見せる。
成人した一人の男が思いっきり声を張り上げているのだから、
二人とはいえまだ幼さを残す少女に与える威圧感はそれなりのものだ。
少女達は片方は目を両手で覆い、もう片方はそこまではしないものの、視線をそらしてできるだけ目が合わないようにしている。
果たしてこの男に、直視できないほどの覇気を出すことが出来たのだろうか。
それは今までの状況を思い出しながら次の一文を読んで頂ければわかるだろう。
>勢いよく立ち上がって
もちろん彼は下半身のみ生まれたままの姿である。
ということはつまりである。
∧_∧ やあ
(´・ω・`) / ようこそ、バーボンハウスへ。
/∇y692\ [ ̄ ̄] このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
|:::⊃:|:::::::::::::| |──|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| うん、「また」なんだ。済まない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ 仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
∇ ∇ ∇ ∇ /./| でも、この誤解に立ち会ったとき、君は、きっと言葉では言い表せない
┴ ┴ ┴ ┴ / / .| 「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ | 殺伐としたロワの中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | そう思って、この誤解フラグを立てたんだ。
(⊆⊇) (⊆⊇) (⊆⊇) |
|| || .|| | じゃあ、注文を聞こうか。
./|\ /|\ /|\
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .:とりあえずお前帰れ・・・・・・
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
またやっちまったよ・・・・・・
突然声かけられて何事かと立ち上がってしまったらこなた二人だけだった。
二人いることには突っ込まないのかって?
そんなもんカオスロワ5期で経験したからどうでもいいわい。 長門は三人いたみたいだし。
それよりも下半身丸出しで遭遇しちまったよこんちくしょう・・・・・・
これじゃあさっきのヒナギクみたいに変質者扱いされて逃げられちまう。
んでもって俺以外の6/も誤解されてそれどころか俺のこと信じてるやつらの足も引っ張って・・・・・・
アカギにアナゴに遊戯に南姉妹に長門夫婦すまねえただしかがみてめぇは駄目だ。
「あのぅ・・・・・・」
「ねえねえ早く逃げようよ!この人やばいって!」
ああそうだ逃げてくれ逃げてくれ、どうせ俺は誤解フラグの塊ですよーだ。
もう一人で服探しちゃうもんねー
「そんなわけにもいかないよ、この人は見覚えがある」
「え?」
え? 俺も見覚えあるけどそれはカオスロワであって他ロワあるいは原作では全く会ってないんすけど。
「まあ正確には知識にあるって程度なんだけどね」
「「はあ・・・・・・」」
もう一人のこなたと声が被る。
向こうも俺を知っているようだが他ロワで会っているのだろうか。
それとも覚えているのだろうか、そんなことを考えている俺に一つの記憶がよみがえった。
「泉こなたは名簿に一人しかいない・・・・・・!」
一体全体どういうことなのだろうか?
分身ハンマーで分裂したにしては二人の仕草は違いすぎるし、
変身アイテムが都合よく支給されているなら辻褄は合うが、今度は何故自分に変身した相手と行動を取るのかという疑問が生まれる。
初めて遭遇する参加者には混乱を与えるだけで、いちいち説明する手間が出来てしまうというだけだ。
だというと何故目の前の少女達は同じ姿をした人物とともにいるのだろうか。
元々同じ姿だというのなら説明もつく、と同時に頭に692を思い出す。 そういえばあいつ6期ではギアッチョなんだっけ?
何故5期エピローグから参戦の俺が6期を知っているのかはカオス書き手だからということにして置いてくれ。
ん、書き手?
「私は地球破壊爆弾って言うんだよ6/さん、でいいのかな?」
「まさかお前も書き手なのか!?」
ロワで会ってなくても書き手である以上はある程度の書き手は把握している。
とは言っても名前と所属しているロワと書いた話ぐらいだが。
目の前のこなたに似た少女はなんとアニロワで多彩な話とともに
終盤の山場、最終話を書いた◆S8pgx99zVs氏だったのだ。
序盤からこんな有名人についているとは俺もついているものだ。
ちなみに彼女(?)も俺を知っているみたいであり、そこは一人の書き手として誇らしかった。
・・・・・・誤解王だのロワ参加数が異常だの別の方面の方が有名だったみたいだが。
そしてお互いの素性を知った俺達は本物である泉こなたを説得することに成功、今に至るわけである。
ちなみに阿部さんに襲われたことを言ったら誤解はすっかり解けた。
「へーカオスロワってところは色んなキャラに会えるんだね」
「だけどあそこは大変だぜ? いつ死ぬかわかったもんじゃねえ」
「私はそこには参加したくないなぁ」
現在俺は俺が参加していたカオスロワの内容を話している。
とは言っても内容は5期の分だけであり、4期やそれ以前の話をすると
泉こなたの死生観とか変わってしまうかも知れないからこれは伏せておこう。
ついでにかがみの話をすると彼女の心が複雑な気持ちになるだろうから彼女の性格についても伏せておく。
「つまり6/さんは仲間と一緒に殺し合いを打破したってことだね」
正直世界を救ったとか言うなんて恥ずかしいので最後はそうとだけ言った。
嘘は言ってないからな。
「キャラクター達とそんなことできるなんて夢みたいだよ!」
「キャラクターねぇ・・・・・・」
「どうしたのさ?」
こなたの言葉に引っかかり首を傾げている俺に爆弾氏が不思議そうな顔で話しかけてくる。
だから俺は彼女達に言ってみせるのだ。
「あいつらを単なるキャラクターと言うのはやめてくれないか?」
あいつら、つまり俺が出会い共に笑い共に泣き、共に過ごした仲間達のことだ。
出会う前までは単なる二次元、作り物だと思っていた。
だからあいつらは文字通り薄っぺらい存在でいくらでも殺しても構わないと思っていたんだ。
でも現実は違った。 嫁、いや妻と呼ばせてもらおうか。
彼女の死を身近に体験した俺はその事実に涙を流した。
彼らの命の価値を否定した自分が嫌になったよ。 二次元も三次元も命の価値は同じなんだ。
それ以降はあいつらを『キャラクター』と思うことはせず、一人の人間として接してきたつもりだ。
そしてもっとあいつらのことを知ることができた。
俺やこなたと一緒に居たいというかがみの願い、
姉妹を失った春香と千秋の悲しみ、
そして仲間達や最愛の妻から受け取った輝きを俺は否定したくない。
殺し合いを終えて1年経った今でも時々思うんだ。
あいつらはひょっとして二次元から出てきたわけじゃなくて、
アニメや漫画の内容に限りなく近い、パラレルワールドから来た人間じゃないかなって。
「へえ・・・・・・中々面白い考察だね」
俺の考えを披露した後、爆弾氏は興味深そうに顎に手を当てた。
何か感心している様子だ。
「あ」
爆弾氏と同様に話に聞き入っていたこなたはなんとも間が抜けた声を出して口を開ける。
何か思い立ったことがあるのだろうか。
「私って爆弾さん達からはどう見えるんだろう」
どうって言われても・・・・・・
悪い、そこはアニメで見たときの姿でしか見えない。
そういやカオスロワでもそうだったな。
「私達がアニメや漫画で見ている姿しか見えないんだけどなぁ・・・・・・
こればっかりは私達だけがそう見えるだけかも知れないね」
「フィギュアもある意味三次元ってわけだね」
爆弾氏の素早い返答にこなたはすかさずつっこみを入れる。
なるほどそう来たか。
俺達はアニメや漫画で見た知識があるからそれで二次元に見えちまうだけかもな。
もしかしたら実際にはこなた達も三次元なわけで・・・・・・三次元のあいつらなんて想像できねえな。
まあ妻はどのみち俺にクリーンヒットな姿だろうけど。
「でもさーそれならここで一つ疑問が出てくるわけだよ」
こなたの疑問が解けた直後、今度は爆弾氏から新たな疑問が出てきたみたいだ。
「こなた達からは私達はどう見えるんだろうね」
「え?」
そういえば考えたこともなかった。
俺達から見たあいつらはアニメや漫画で見る姿だ。
でもその逆はどうだ?
あいつらから見た俺は俺から見える、俺が認知している俺の姿なのだろうか。
もしかしたら原作者の絵柄で見えているのだろうかわけがわからなくなる。
アニメ絵や漫画絵に描かれた自分の絵は是非見てみたいものだ。
最も爆弾氏は泉こなたの姿のままだろうが。
「世界さんですよ」
問いに答えたのは6/でもこなたでもなかった。
声を放つのはどこかの高等学校の制服を着た一人の少女である。
服装からしてこなたと同年代ではあるが、彼女とは違って年相応の身長をしており、
なにより服の外側からでもはっきりとわかる豊満なバストにヒップ。 男女限らず羨望の眼差しを受けるだろう美少女である。
だがしかし、現在の彼女に対して一般的な人間が美しさを感じることはない。
感情を映さぬ瞳に笑みで僅かに吊り上げられた唇。 そこからドスの効いた低い声が出ている。
さらに陶器のような白い肌は黒に近い色の血で所々染まっていた。
黒地で目立たないが恐らく制服にも多量のそれが付着していることだろう。
よって感じる第一印象は恐怖。 その一言である。
彼女の腕に掴まれた一つのオブジュとも言える美しき氷の剣でさえ、
今は彼女の存在を返って不気味にしているだけだ。
「これってかなりやばいんじゃないか・・・・・・?」
3人の間に割って入った乱入者を前に、最初に口を開いたのは6/だった。
アイスソードを構えながらゆっくり歩みよって来る少女から後ずさりながら、
仲間となったこなたと爆弾氏に問いかける。
「やばいってもんじゃないよこれは・・・・・・」
こなたも身の危険を察知して後6/同様後ずさっている。
血まみれの女が武器を持ってにじりよっているのだ。 警戒しないはずがない。
「逃げるしかないんじゃないかねぇ」
引きつった笑みを浮かべる二人とは対称的に表情を全く変えずに打開策を告げる爆弾氏。
彼らの思考は次の一点に集中していた。
ヤンデレ+アイスソード=最凶
「世界さん世界さん世界さん、世界さんが三人もいます」
「絶対正気じゃねえよ!」
自分達の姿ぐらいは自分達で把握しているつもりであり、
彼女の世界と言う人間になった覚えは一日足りともない。
三人の前に立ちふさがる少女が異常ということは誰の目が見ても明らかであった。
710 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 00:19:33 ID:J48V/QJC
支援…
支援…
「小さい世界さんが二人、大きい世界が一人・・・・・・あれ?」
危ない格好に意味不明の発言、
そしてスクールデイズというアニメを知っている三人がこの状況に出す答えは一つしかないだろう。
何故だか戸惑った少女の隙を逃すことなく6/達は一目散に逃げ出した。
【B-5/1日目-黎明】
【地球破壊爆弾No.V-7@書き手ロワイアル2nd】
[状態]:(〓ω〓.)、健康
[装備]:ソード・カトラス(能力)x2
[持物]:デイパック、支給品一式
[方針/行動]
基本方針:『らき☆すた計画』を成功させる。
1:リピーターロワかもね。6/の意見ももっと聞いてみようかでも今は桂言葉から逃げる。
2:泉こなた、6/と行動する。
3:こなたや自分の知り合いを見つけ出しパーティに加える。
4:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪
5:チート関係に関しては空気読む方向で。また簡単に変身しない。
[備考]
※登場時期は「238:trigger」の冒頭辺り。ウッカリデスが死亡するより前です。
※嫁はロリスキー一筋です。
※『らき☆すた計画』が何かは現在全くもって不明です。
深遠なる野望があるのかもしれませんが、ただらき☆すたキャラと親睦を深めたいだけかもしれません。
※投影したソード・カトラスは弾丸無限のコスモガンですが、撃つほどに体力を消耗します。
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:エンフィールドNo.2@アニ2(6/6+予備弾24発)、団長腕章@ニコロワ
[持物]:デイパック、支給品一式、魔法『フレイム・ボール』inエニグマの紙@漫画ロワ
[方針/行動]
基本方針:地球破壊爆弾No.V-7と同行して、何とか事態を解決できないか探ってみる。
1:言葉から逃げる。
2:色んな世界があるんだねー。
3:地球破壊爆弾、6/と共に行動。
4:自分や爆弾の知り合いを見つけ出して一緒に行動する。
5:”涼宮ハルヒ”に会えるのが楽しみ♪
[備考]
※登場時期は3年生になってから卒業するまでのうちのどこかです。
※地球破壊爆弾No.V-7の話を聞いて、参加者がフィクションを含む多数の世界から集められたものと知りました。
>こなたの備考に『6/の話を聞いて、フィクションが現実に存在する可能性も知りました』を追加で
【6/氏@カオスロワ】
[状態]:健康、下半身裸
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[方針/行動]
基本方針:仲間ともう二人の自分と合流し、主催者を倒す
1:葉から逃げる。
2:こなたと地球破壊爆弾と共に行動。
3:誤解されなくてうれしい。
4:着るものが欲 し い。
5:とりあえずもう誤解されたくない。
[備考]
※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
※自分以外の6/氏に関してはさほど深く考えていません。
※三人は桂言葉が襲ってきた北以外の方角に逃げてます。
「逃げられました」
誰もいなくなった森林で少女、桂言葉が嘆く。
普段の彼女なら背を向ける相手に対して遅れを取るはずはない。
逃げの姿勢を感じ取った瞬間即座に相手の逃走ルートを把握し、そこに向かって居合いを入れる。
今回も彼女に生まれた迷いがなければ行えたであろう、しかし今回は予想外の出来事なので失敗してしまった。
「少し驚きました・・・・・・まさか世界さんがついていたなんて」
別に運がついているとか霊が憑いているとかそういうものではなくてもっと物理的なものだ。
「ふた○り、っていうのでしょうか」
彼女に映った世界は下半身が裸であった。
それなら構わない。 だがそこには女にはついていないはずのものがついていたのだ。
少し考え込んだ彼女は僅かにだが歯を食いしばる。
「許せません・・・・・・あれで誠君を掘ったんですね」
愛する男の童貞どころか処女まで奪っていたのだろうかとでも考えているのだろう。
食いしばった歯は唇を切ってしまい、そこから血が肌に線を描く。
言葉の感情は珍しく憎しみ以外のものを見せ、それが彼女の新たな決意を生み出した。
「世界さん、誠君を掘った股間の汚らわしいものを切り落としてやりますからね」
こうして一人の男はまたとんでもない誤解を残したのであった。
【A-5/森/一日目-黎明】
【桂言葉@やる夫ロワ】
[状態]:知力低下、疲労(小)、上半身ずぶ濡れ
[装備]:アイスソード@ニコロワ
[持物]:支給品一式、不明支給品0〜2
[方針/行動]
基本方針:誠君を見つける。
1:世界さんは殺す。
2:世界さんの股間のアレを切り落とす。
※でっていう撃破後、ゴルゴたちと別れた直後からの参戦です。
※アイスソードの効果で知力が低下している間は、元ロワの末期状態(自分以外の人間が全て世界に見える)と同じ状態になります。※全ての世界がふた(ryだと思い込んでいます。
投下乙!
これからどうなるか凄く気になる展開でしたよー。
投下乙
こなた組はまったりしてるというか落ち着いてますね
しかし言葉、掘られたってw
投下乙!
692wwwいきなり乱入すんなw
そして言葉様は少し落ち着いて下さい
投下乙。
うわ、言葉、モロなオトコ相手でも世界認定かよw
この言葉には捕まりたくないww やばすぎるww
ちょっw雑談ネタがすぐさま組み込まれてるw
俺のレスがこなたの台詞として出てくるなんて予想外w
そして今度の誤解はマジやべええええ!
次にあったキャラは問答無用でちょんぎられそうでガクブル
レスどもです。 一応メインはロワに関する自分なりの考察+ニコロワの考察。
微妙に改行していないところがあるのでそこはwiki追加時にこっそり修正します。
そして桂言葉の位置は『B5の森』でお願い致します。
なんというか修正。wiki追加時のタイトルは
『空を見上げる少女達の瞳に映る世界』 でお願い致します。
>>719は自分なりの考察にニコロワの考察を加えたことを言ってみたかっただけです。
721 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 13:46:04 ID:XJzgkdgW
かがみやつかさは敵や誤解が多いのにこなたはパピヨン・アルフォンス・スバルとか
保護してくれそう奴らがいるな これが人徳か
確かに多いな
こう比較されるとかがみんがみじめに見えるw
ただ保護派の連中が『ここのこなた』を素直に保護するだろうか?
特にパピヨンは
確かにそういったセリフは漫画ロワでも言ってたし
その辺はアルベルトみたいな感じじゃないか?
関係ないことを言うが
このロワが始まる前はまさか仮面ライダー、テッカマン、ガイバーがそれぞれ集まるとは思わなかったなw
ん?なんかのスレの再利用中?
らき☆ロワの再利用中
セフィロス投下します
一人の故郷を持たない男がいた。
――はやてっ!
男は母を、親代わりを、親友をも失い。いつの日か英雄と呼ばれるようになった。
――……何故だ……何故、こんな馬鹿な真似をしたっ!
一人の男がいた。
――セフィロス、さん……ちゃんと、生き残ってよ……? 大事な人……管理局に、おるんやろ……?
大した力も信念もない、自らの意思すらも喰われかけた、脆弱な男がいた。
――死ぬな……はやて……死ぬなァッ!
二人の男は剣を交え、長き旅によって力を、信念を得た男は英雄を切り裂いた。
――初めて……名前で、呼んでくれた……ね……
とある一つの世界があった。
――……違う……違うんだ……
切り裂かれた男は、輪廻の流れより外れ、その世界へと現れた。
――何故、はやては死んだ
男はそこで出会った、長く男が忘れていた、友という言葉を思い出させてくれる人々に。
――憎い
そして、守り抜くと誓うこととなる、一人の少女と。
――お前達がはやてを傷付けた
男にとって、その少女を守る事こそが、全てだった。
――お前達がはやてを殺した
そして、男にとっての全ては……
――お前達がまた――俺から大切なものを奪ったのだ
儚く、消え去った。
――……ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!!!!
◇
ホテルの屋上。
そこから、セフィロスは下に広がる街並みを見下ろしていた。
時刻は深夜、だが、それを視野にいれても明かり一つ灯っていない街は不気味である。
「……よりによって、貴様がいないとはな、アンジール」
名簿を一瞥し、すぐにしまいこむ。
その瞳は何も写してはいない、あるのは、憎しみだけ。
「どちらにせよ、変わらないか」
憎い。
今まで、彼がここまで感情を表に出すことはほんの数えるほどしかなかった。
よもや他人のために怒るなど、彼を知っている者からすれば信じられないかもしれない。
しかし今、彼は見ただけでわかるほどの強い感情を、表に出していた。
「さぁクラウド、私は剣を手に取ったぞ」
全てが憎い。
アンジールが。アレックスが。仮面ライダーが。アーカードが。プレシアが。まだ見ぬ全ての人間達が。
仮にこの場にいる者たちが、八神はやてと関係なかったとしても。
そんなことは、もはやどうでもいい。
「お前以外に、私を消せる者などいない。お前が人々を守りたいと思うなら」
夜天の主を守ると誓った男はもういない。
今ここにいるのは、全人類を蹂躙しようとするジェノバでしかない。
「私を止めてみせろ。この場にいないお前が、私を止められるものならば止めてみるがいい」
羽音と共に右肩に漆黒の片翼が現れ、セフィロスは空へと舞い上がる。
それは、ほんの一欠片。
「シグナム……貴様には、告げねばなるまい」
わずかに残された夜天の主への想いが、烈火の将の名を刻み続けていた。
(ちょ、主の名前出てきた!? それにしても、パンツ赤いっす! とか言える空気じゃないッス……アリス達はいるんすかね? あー、こんな怖い野郎じゃなくて女の子に使われたい……)
彼の知っているそれとは大きく違う、
並行世界のシグナムのデバイスを持ち――
片翼の天使は、夜天の空を行く。
【D-5/上空/1日目-深夜】
【セフィロス@なのはロワ】
【状態】ジェノバ覚醒、片翼で飛行中
【装備】レヴァンティン@ニコロワ
【道具】デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品0〜2
【思考】
基本:全ての参加者をを皆殺しにする
1:シグナムにはやての事を伝える
2:もし仮面ライダーの娘(=かがみ)がいたら、優先的に殺す
※なのはロワ79話「月蝕」はやて死亡直後から参加
※レヴァンティンはニコロワ210話「城・逃・げでリセット!」から参加
【レヴァンティン@ニコロワ】
元動画は「くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)」
通称レバ剣。烈火の将シグナムの使う西洋の剣型のアームドデバイス。
ニコニコ補正のためテンションが高い。
投下終了
矛盾、疑問、指摘等ありましたらお願いします
投下乙です!
セフィロス怖いよセフィロス
そしてレバ剣、最後の最後で雰囲気ぶちこわしw
ちょwwwレバ剣きたー!
テンションが違いすぎて吹くw
投下乙です。
>>731 逆に考えるんだ、レバ剣がセフィロスを対主催に変える鍵と考えるんだ。
セフィロスに対してレバ剣がどう対応していくのか楽しみです
投下おつかれです!
レバ剣……よりにもよってニコロワからwww
しかしセフィロスがレバ剣にどんな反応見せるのか気になるなぁ
投下乙です
セフィロスの語りでしんみりしてたってのに……レバ剣このやろうw
しかしこのレバ剣ならニコ補正で何かしらしてくれそうだぜ
武藤遊戯と赤木しげる(13)で投下します
支援
遊戯は唐突なタイミングで、二つの理由から、支給品――たった今殺した少年の持っていた物――を漁る手を止めた。
一つは漁っていた支給品の中から思いもよらぬ物が出てきたこと。そしてもう一つは、後ろで明らかに何らかの物音がしたこと。
遊戯は恐ろしい程に素早い挙動で銃を振り上げると、後ろに佇む何者かに対し、その照準を合わせた。そのまま引き金を引こうとし、だが、指が引き金に掛かった時点で動きを止める。
「ククク……危ないな、全く。もう少しでこいつを壊すとこだった」
マーダーと化した遊戯。その彼に対し、唯一人質とすることができる物を、その男は所持していた。即ち、『千年パズル』を。
「そいつをこっちに渡せ」
静かに、だが果てしない威圧感を込めて遊戯が男に対し要求する。何処ぞの王様のように動揺をみせたりはしない。交渉を行う時にそんなことをすれば相手の思う壺に嵌るのは目に見えている。
「ククク……。まあ待ってくれ。こいつを渡すのは構わない。俺はこれがあんたにとってどういう物だかわかってるし、元々渡す予定で俺はあんたを見つけたわけだからな。だが、タダでってわけには行かない」
「交換……トレードってことだな。いいぜ。どんな物が欲しい? 俺が今持ってるのは……」
続けざまに言葉を発しようとする遊戯を、千年パズルを持つ手に力を加えることで、アカギは静かに制した。そしてそのままの状態で更に言葉を重ねる。
「まあ待てって。そう話を急ぐなよ……。こっちもこっちでやらなきゃならない事がある。……そこの死体、あんたがやったのか?」
男は静かにその言葉を投げかけた。そこにはそのことを攻めるるような気迫もなければ、問い詰めるような威圧も無い。ただ冷静に、状況を確認する、その目的のために発せられた言葉だというのは容易く見当が付いた。
「ああ。俺はこのゲームに、元主催として乗ることに決めたぜ」
支援
「なるほど。なら仕方ない……」
本当の事を言うと、元主催というところに男が何らかの反応を示すのでは、と期待した言葉だったのだが、男は表情一つ変えない。
男はそのまま、千年パズルの一番端の部分……最も脆い部分を掴み、それとは逆の部位を遊戯へと差し出した。
「ククク……あんたが危険人物だと分かった以上、こっちの初めのプラン通り交換、とは行かなくなった。まずはそっちの端を掴んで、この中のもう一人のあんたと話をしろ……」
アカギが手に持った千年パズルを遊戯の方に押し出してくる。遊戯はそれを静かに、だが鋭い視線で見つめた。
「俺との交換はその後だ。言うまでもないと思うが、銃を俺に向けたり、こいつを強引に奪い取ろうとしたら、その瞬間、交渉決裂っ……! 俺はこいつを破壊する」
……遊戯にはまともな交渉をする気はなかった。
千年パズルさえ手に入れられれば、その瞬間に目の前の男を撃ち殺す気でいた。
故に、男のこの行動は遊戯を苛立たせた。時間の無駄だ。行動に意味がない。まさか千年パズルの中にいる『もう一人の遊戯』……『AIBO』を利用して何かを仕掛けようというのだろうか?
それこそ馬鹿げている。『AIBO』のことは彼が一番良く知っている。あれこそ最も純粋且つ邪悪な存在だ。言う事を聞かせることなどまず不可能。
よしんば協力体制を築けたとしても、不要と感じられたら一切の躊躇いも情けも無く、後ろから爆殺される。
まさに悪の中の悪。
優しさを一切持たない『AIBO』ほどに恐ろしい物は無い。『AIBO』の脅威から逃れられるのは、同じ体に住む彼のみだ。
同じ世界にいるならば、他の者達は全員、地雷原に片足を突っ込んでいるような物である。もっとも、だからこそ、この世界でマーダーをする上では是が非でも欲しいものなのだが。
分からない。
男の行動の意味が。
どういう理由でこの行動をとるのか。
何の目的があるのか。
「……」
だが、結局のところ何らかの行動を起こさなければ、何も始まらない。
遊戯は男から視線を逸らさず、その手を千年パズルへと伸ばした。
……意識が流れ込んでくる。
遊戯の目の前に、彼と同じような見た目の、だが彼とは違い、優しくて善人そうな少年が現れていた。
悪い事なんて生まれてこの方一度も考えた事がありませんと言わんばかりの雰囲気を纏う少年。
だがその心はバリバリ裂けるドス黒いクレバスだ。
「やあ。会いたかったよ、もう一人の僕」
親しげな様子で『AIBO』が口を開く。思わずこちらが油断してしまいそうな優しい声音だ。
『AIBO』のことを知り尽くしているはずの遊戯でさえ気を抜いてしまいそうになる。
遊戯は落ち着いて数回呼吸を繰り返すと、男から視線を外さずに、意識を心中の『AIBO』に向けた。
「ああ、俺も会いたかったぜ、相棒」
「本当はもう少し君との再会の余韻に浸りたいところだけど、そうも言ってられないね、この状況じゃあ。説明してくれないかな、君の状況を」
「ああ、とは言っても俺はまだそんなに沢山のことはしていない。俺はここに来て、このゲームに乗ることに決めた。そしてそこのやつを殺した。まだそれだけしかしてない」
衝撃の告白と言えるだろうか。遊戯は自ら殺人者となったことを『AIBO』に知らせたのだ。
だが『AIBO』は表情をまるで変えなかった。カオスロワで既に何十人と殺している『AIBO』に、その言葉ははまるで影響を与えられない。『AIBO』は詰まらなそうな表情で遊戯の言葉を無視すると、
「その前は?」
静かに尋ねた。遊戯は一瞬こそ、言葉の意図が分からず動揺したが、すぐに表情を元に戻すと、
「何を言ってるんだ相棒。ここに飛ばされるまで俺達はカオスロワの主催をやってただろう?」
「ああ、なるほど。その時間から来たのか、君は」
『AIBO』が何処か意味深に呟いた。そして視線を外し、悩むようにして微かに顔をしかめると、再び遊戯の方に向き直る。
「いい、もう一人の僕。驚かないで聞いてね。僕の知ってる世界では、もう僕達が主催をしていたロワは終わってしまってる。更に言うなら僕達は既に死んだ」
「なっ!」
『AIBO』は分かりやすく、一から順に遊戯に対して説明した。喜緑によってロワが乗っ取られた事。それに対しての復讐は済ませた事。新たなロワが始まった事。そして……殺されたこと。
「……信じられないぜ。そんなことが……」
遊戯は大きく頭を振ると、話された内容の理解に勤めた。だが、その時間をほとんど与えず、『AIBO』は諭すよう言う。
「けど、事実だよ」
「だが、それじゃあ、なんで相棒や俺はここにいるんだ? 死んだんだろ?」
「僕らの世界じゃ死人が生き返るなんて日常茶飯事だったじゃない。僕だって死者蘇生のカードがあれば、それをチート化して死人を生き返らせられるよ」
『AIBO』が苦笑交じりに語る。その様子は何処か、人が心を許してしまうような愛らしさがある。
「僕としてはむしろ、君と僕と、更に言えばそこのアカギ君の間の時間のずれの方が気になるね。僕達のチートですら不可能だった時間操作……可能ならこれほどすごい能力もないよ」
『AIBO』の言葉に、思わず反射的に遊戯が頷く。『AIBO』恐ろしいほどの巨悪だが、やはりこういった面では頼りになる。
そこまで考えたところで、遊戯は小さく音を立てて自分の頬をはたいた。
(落ち着け俺。『AIBO』のペースに呑まれたら駄目だ。何時の間にか俺の意思とは無関係なところで全ての事態が動いてしまう……。意思をしっかり持て)
支援
「相棒、これからどうするんだ? 俺としては元主催者として、積極的に殺し合いに乗るつもりなんだが……」
気を取り直して遊戯が『AIBO』へと新たな言葉を投げかける。
これはある種の切り札だった。元主催というその単語の意味は、『AIBO』にも理解できるはずだ。そして、理解したなら、彼に同意し、マーダーとなるはず。
そうなれば、既にマーダーとして一人殺している彼が、これから先の主導権を握る事も出来る。
そんな遊戯の読みに対し、『AIBO』は二コリと笑った。邪気の全く無さそうな、まるで可愛い子供のような笑顔。
そっちの趣味のある人間なら男女に関係なく一発で落ちるだろう。
だがそこから吐かれる言葉はあまりにも辛辣だ。
「そんな下らないプライドや責任感は捨てた方がいいよ。そういうのに縛られるから、君はロワの主催を下ろされるんだ。もう少し考えて行動しなよ。何が賢くて、何が賢くないのか。君はとても傲慢で、下らないプライドに拘りすぎなんだ」
全ての言葉を発する間、全くといっていいほどにその優しげな表情を変えないのは流石という所だろうか。
ちょっぴりへこんだ遊戯は、それでも精神力を奮い立たせ、『AIBO』の雰囲気に飲まれないよう、言葉を重ねる。
「分かったぜ相棒。だが、じゃあお前の方針と目的ははどんなかんじなんだ? 何をするつもりで動いてるのか教えて欲しいぜ」
「悪いけど、それは今は言えない。君は心の中が表情や仕草に現れ過ぎるんだ。見てみなよ、アカギ君が哀れむような眼で僕らを見てる。まるで精神異常者を見るような目だ」
言われて、遊戯は思い出したかのように男……アカギの方に振り返った。
もしも今、『AIBO』との会話に夢中になっていた彼を、アカギが殺そうとしていたら……。
想像して、身震いする。そして今度からは常にあらゆる方向に注意を払い続ける事を心に誓う。
「僕の行動方針と目的は、アカギ君がいるこの場じゃあ、話せない。彼は君の表情や仕草だけで、僕らの会話の内容を把握しかねないんだ。ごめん」
『AIBO』がちらりと視線をアカギに向けつつ、侘びるようにして遊戯に語る。その表情があまりに真剣な物だから、遊戯は思わず頷いてしまった。
「分かったぜ相棒。今はお前に任せる事にするぜ」
遊戯は結局、『AIBO』に全てを任せることにした。なんだかんだ言って、『AIBO』の頭脳は本物だ。まず間違いなく、正しい判断を下せる。
……実のところこの時点で遊戯は『AIBO』に呑まれていたのだが、本人がそれに気付く事は無い。
「ありがとう、もう一人の僕。それじゃあ、まずは代わって」
「ああ」
遊戯が頷くと同時に、アカギと遊戯が互いに触れていた千年パズルが短く光を放った。同時に、見る見る内に遊戯の身長が縮んでいく。
そしてその光が止んだとき、そこにいたのは優しそうな笑顔を浮かべた『武藤遊戯』……別名『闇AIBO』だった。
「ククク……。上手く行ったようだな」
「うん。ありがとうアカギ君。約束通り、君が六期で主催側に付いたのは水に流すよ。もう一人の僕も五期の初期は主催側だったわけだしね」
「ククク……。なら次の話に入ろう……。そっちの所持品は?」
言われて、遊戯は持っている二つのデイバッグを確認する。その内の片方を空けた瞬間、ほんの少しだけその笑顔に驚愕が走ったが、それ以降は順々にアイテムを見ていく。
「そうだなあ。君が扱えそうなものって言うと……これなんか面白いかな」
呟きながら遊戯が取り出したのは奇妙な球だった。赤と白が中央で別れている、見た目的に言えば奇妙な球としか言いようがない。
「モンスターボール、だってさ。ええと、説明によると、『中になにかしらのポケモンが入っている。ポケモンはトレーナーの指示に従う』だって。中に何が入ってるかは僕にも分からないけど、そこはまあ君の得意なギャンブルって事で。どう?」
「なるほど。ククク……面白いっ。それでいい。それで『千年パズル』をここまで運んできた事はチャラだ」
「良かった」
支援
なんと! 支援
支援
?
支援 それは青春
闇AI☆BOのたくらみとは一体・・・・・・支援
アク禁のようですよ
どうしたスネーク?
応答しろ!!スネーク!?
スネェェェェェェェェェェェェェク!!!
755 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:04:58 ID:EGBdteLe
代理投下行くよー
存外素直に頷くアカギに、遊戯はあからさまにホッとした様子でモンスターボールを手渡す。あからさま過ぎて逆に怪しいくらいにホッとした様子だ。
「それともう一つ、僕は欲しい物があるって言ったよね?」
受け渡しが終わったところで、遊戯が再びアカギに言葉を放った。アカギはそれに小さく頷くと、
「ああ……このカードは俺が使う以上にお前が持った方が有効利用できそうだしな……。実のところを言えば、俺と組むのなら、ただでくれてやってもいいんだが……」
アカギが言うが、遊戯はデイバッグを探るのをやめない。
そのまま顔を向けずに、アカギに告げる。
「あはは。ごめんね。僕もどうしてもやりたい事があるからさ。そうだなあ……カードに吊り合いそうなのは、ないなあ……。あ、こっちの方面ならどうだろ。アカギ君、車って運転した事ある?」
「一応ある。あまり正しい方法で運転したとは言い難いが……」
「あはは。けど、あるんだね? じゃあ、ちょっと離れて」
アカギに告げると同時に、遊戯はデイバッグの中から多少恐る恐ると言った様子で、それを取り出した。それ……あまりにも巨大な、車というには明らかに相応しくないような存在……即ち、ロードローラー。
「どうぞ、乗って行って」
笑顔で言う遊戯に、アカギは思わず頬に一筋の汗を垂らしたが、すぐに自らのデイバッグを開くと、どうやってか、その中に強引にロードローラーを納めた。
「これは、乗って動くにはでかすぎる。マーダーからすればまさに格好の的っ……! 流石にそんな物に乗る気にはなれない。悪いが、これは別の使い方で使わせてもらう」
「そう。まあいいや」
遊戯は頷くと、アカギが差し出したカードを受け取った。かくして、滞り無く取引は終了。実際は遊戯の中ではもう一人の遊戯が五月蝿く文句を言っていたのだが、少なくとも外見上は滞りなく取引は終了した。
「じゃあ、約束通り、ここでお別れだ。これにて取引は終了っ……!」
「うん。じゃあね、アカギ君。君と居たのは僅かな時間だったけど、中々面白かったよ」
「ああ」
呟き、手を上げて、アカギが遊戯から離れて行く。その背はあまりにも無防備に見える。もしも今後ろから銃撃したら、アカギは死ぬだろう。制限を受けた遊戯のチート能力の一つ『爆☆殺』ですら死ぬだろう。どうすることも出来ずに。
実際のところ、遊戯……『AIBO』でない方の遊戯はそれを主張していた。だが『AIBO』は聞く耳を持たない。
だけですらなく、更に最悪の選択を行う。
756 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:05:47 ID:EGBdteLe
10 名前:チートと神域と時々古代[sage] 投稿日:2009/01/20(火) 21:50:58 ID:cEFB9Hgs0
「待って、アカギ君。やっぱりさっきの車じゃ、カードには吊り合わないよ。もう一つ、これも付ける」
そう言って遊戯が放ったのは、遊戯の持つ『千年パズル』と酷似した物だった。円の中心に眼が嵌められたような形の首飾り……『千年リング』
「そうかい。クク……。まあ、ありがたくもらっておこう」
それだけ言い残すと、今度こそ、アカギはその場から去っていった。そのまましばしの時間が経過する。
遊戯はアカギが間違いなくいなくなったと確信出来るような状況に至ると同時に、表と裏、共に心の内へと入り込んだ。もっとも、どっちが表でどっちが裏かは最早怪しいが……。
「おい、相棒!! あれは流石にまずいぜ。なんで千年リングを渡したんだ!! あれを俺たちで使えれば三つのチート能力……まさに無敵になれただろ!?」
遊戯が攻め立てる声音で、威圧感を持って言うが、『AIBO』は笑いながらそれを軽く流した。そこには一切の後悔がない。
「違うよ、もう一人の僕。確かにチート能力三つは強いけど、それも大前提……ここに来てから制限されてる僕らのチート能力が完全に解放されたら、だ」
『AIBO』が再び諭すようにして遊戯に語りかけて来る。そこには優しそうな口調と共に、反論を許さない強い意志がある。
「だからまず僕らがするのはチート能力の解放……つまりはこの首輪の解除だね。僕らのロワでは首輪にそんな機能は付いてなかったけど、他に原因があるとも思えないし……」
『AIBO』は身振り手振りを混ぜながら説明していく。その一つ一つの動作が、まるで何かの催眠術のようだ。
「この世界に掛かってるとしたら、主催側が僕らをここに送るのにも支障が生じるだろうしね。そうだなあ、まずは、主催の眼を僕等以外に向ける必要があるかな。僕らが怪しい行動をとっても、それが気取られないように。どう?」
「ああ。それ自体は分かるが、それが何故あいつに千年リングを渡した事に繋がるのかが分からないぜ」
「千年リングは争いを誘発させるための材料さ。バトルロワイヤルなんて面白い舞台に立って、中のバクラ君が大人しくしているわけ無いだろう? きっと絆とかを滅茶苦茶にしてくれるし、殺し合いも程よく加速してくれるよ」
757 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:06:40 ID:EGBdteLe
11 名前:チートと神域と時々古代[sage] 投稿日:2009/01/20(火) 21:54:14 ID:cEFB9Hgs0
『AIBO』はそこまで語ったところで苦笑した。何がそんなに面白いのか、遊戯にはいまいち分からなかったが……。
「まあ、アカギ君なら上手い事扱っちゃうかもしれいけど、それならそれでいい。アカギ君は対主催になるらしいからね。千年リングを彼が持てば相手がどんなに強いマーダーが相手でも、そう簡単には負けないよ」
『AIBO』はざっと説明を終えると、遊戯の理解を待った。
。
遊戯は考えるようにして顎に手を当てるが、しばらくして頷くと、口を開いた。
「つまりこういう事か? もしも千年リングが制御されなかったら、仲間の内部崩壊によって主催の興味を引く事が出来、制御されたらマーダーと対主催のバトルを面白くして、主催の興味を引ける」
遊戯の言葉に『AIBO』は嬉しそうに頷くと、あくまでも優しそうな表情で言う。
「そういうこと。まあ、どっちに転んでも、僕には美味しいってことだね」
「だが、そうそう上手く行くのか? 主催が反応しなかったらどうするんだ?」
遊戯が投げかける疑問に、『AIBO』は何処か楽しそうに答える。
もっとも、それは遊戯を恐怖こそさせ、安心など全くさせなかったが。
「するさ。もし僕が主催だったら、仲間内での争いや、信じあうものの絆の崩壊なんていうドロドロした物は、楽しいゲームを中断してでも見たいし、均衡したバトルっていうのは万人の興味を引くものなんだよ」
まるっきり第三者のような口調で『AIBO』が語りを続ける。その優しげな眼はいったい何を見ているのか。
「ロワを開くのは多分、主催者がそういうのを見たいからだと思うしね」
「じゃあ相棒。さっきは結局聞けなかったから今聞くぜ。相棒の方針と、後目的はなんなんだ?」
「方針は、そうだなあ。これからは出来るだけ他の人達に見つからないようにヒソヒソと行動する、かな」
『AIB』は悩むような仕草を交えつつ語る。実際に悩んでいるわけでは無いだろう、とだけ遊戯は推測できた。
「主催の経験上、僕らはこの首輪の仕組みをそこそこ知ってるからね。他の人と協力体制をとる必要も少ない。誰にも見つからないように必要な道具を見つけて、首輪を外す。所謂『空気キャラ』になれれば最高かな」
遊戯は再び顎に手を当てると、言われた事を順良くまとめ、『AIBO』の目的を推理する。
「……それで、俺たちの首輪を外した方法を使って、他の参加者の首輪も外して回って、対主催になるのか?」
書き手勢でもないのに普通にロワ用語使っているとは・・・・・・支援
759 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:07:28 ID:EGBdteLe
12 名前:チートと神域と時々古代[sage] 投稿日:2009/01/20(火) 21:56:37 ID:cEFB9Hgs0
遊戯の導き出した答えを、もう何度になるのか、『AIBO』は笑いながら否定する。
「何言ってるんだい、もう一人の僕。そんなことしたら主催のところに対主催が攻めて、下手したらロワが終わっちゃうじゃないか」
「分からない。分からないぜ、相棒。結局、相棒の目的はなんなんだ!?」
ついに遊戯が大声を出した。もっとも、ここは遊戯の心の中。どんなに大声を出そうとその声が届く相手は、ただ一人のみだ。もっとも、その一人はどんな大声も笑いながらそれを無視できる存在だが。
遊戯の大声に対し、やはり表情を優しげに保ちながら、対照的に静かに『AIBO』は答えた。
「僕は、君が以前失敗したことをもう一度やり直して、今度こそ成功させたいだけだよ。首輪を外すのはそのための手段だよ」
「もったいぶらずに話してくれよ。具体的な目的はなんなんだ?」
「それはねえ」
『AIBO』は静かに息を吸うと、相変わらずの優しげな、一転の曇りも無い笑みを浮かべたまま、言った。
「僕がこのロワの主催者になり変わって、このロワを成功に導くんだ」
【A-2/公園/一日目 黎明】
【武藤遊戯@カオスロワ】
【状態】闇AIBO
【装備】ワルサーPPK改(30/30)@現実 千年パズル@カオスロワ
【持物】支給品一式、遊戯王カード@ニコロワ、支給品×2(中身は確認しました)
【方針/思考】
[基本方針]
この世界のロワ主催者に、僕はなる!!
1、首輪を外すための道具を手に入れる。必要なら殺人も躊躇わない。むしろ多少、多めに殺した方が、絆を壊しやすいか?
2、とはいえ、出来る限り他の参加者には関わらず、空気でもいたい。
3、自分に関係ないところで主催の興味を引くような事を行わせたい。アカギ君と千年リングには期待。
※六期カオスロワ死後からの参戦です。
※主催者が時間を時間を操る能力を持っていると推測しています。
※闇のゲームにはほとんど制限が掛かってませんが、チート能力はほぼ封じられてます。
※ワルサーPPK改はただ弾が増えただけです。
※遊戯王カードの内訳は次の書き手さんに任せます。
※千年パズルがあれば誰でも中の遊戯とは話せます
【闇遊戯@カオスロワ】
【状態】健康
【方針/思考】
[基本方針]
AIBOに付いて行く
1、AIBOは俺の無念を晴らすために主催になろうとしてるのか?
2、AIBOにばかりいいところを取られて空気になりたくない
3、元主催の俺がロワを成り立たせなくていいのか……? まあ、相棒はいいって言ってるし、大丈夫だろう
※5ndで主催をやっていた時、幕張メッセに飛んだ後からの参戦です。
※『AIBO』がいなくなったり、信頼出来なくなったら、マーダーに戻る可能性があります
760 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:08:19 ID:EGBdteLe
13 名前:チートと神域と時々古代[sage] 投稿日:2009/01/20(火) 22:00:52 ID:cEFB9Hgs0
アカギは震えていた。
再び命と魂の削りあい……バトルロワイヤルに参加しているが故に。
それも、かつての彼の居た世界……死後に世界が用意された場ではなく、正真正銘の一度きり……たった一度、死ねば終わりのルールの世界でっ……!!
アカギがカオスロワ六期において主催に付いた理由は、あの世界での破滅は、ほとんど何も失わないからだ。死んだ後に和気藹々と死後の世界で仲良くやるようなのを、破滅とは言わない。
破滅に手が届く……魂が震えるようなギャンブルをするには主催の方がいい。それががほぼ全てである。
だが、この世界ならば、あの世界とは別の世界ならば話は別っ……!
アカギは感じ取っていた。この世界はさっきまでいた場所とは違う事……この世界には『破滅』が存在することをっ……!
(ククク……面白いっ。態々破滅のある世界を用意してバトルロワイヤルを開くとは、まさしく狂気の沙汰っ……! 俺は待っていたっ……! こういう事に巻き込まれるのをっ……!)
アカギはこのロワの主催は彼と似たような存在……同じように破滅をすぐ傍に置いて戦う事を楽しむ存在だと考えていた。そうでないなら、元主催で首輪の構造をある程度把握しているアカギや遊戯を、この世界に呼んだりはしないだろう。
単にバトルロワイヤルを楽しみたいなら、破滅しても安全のある程度約束されたかつての彼の世界……カオスロワの世界で、何も知らぬ哀れな参加者に限定してやればいいのに、それをしないのだから。
アカギが対主催になった何よりの理由……彼は戦いたかったのだ。そんな主催者と。明らかに狂気に触れている、主催者と。
(まずは首輪の解除だな……これがある限りは主催に喧嘩を売れない。幸い、俺が主催していたロワの物と、構造はそこまで変わらないらしい。流石にそのままと言う事でも無いようだが……)
アカギはそこで一旦思考を区切ると、周囲を見渡した。一瞬、何者かの声が聞こえたような気がしたのだ。
そのまましばらく周囲を警戒するが、以降の反応はない。呼吸をするような音も聞こえない。アカギは警戒を強めつつ、静かに思考を再開した。
(遊戯の言っていた能力の制限とやらの機能も、俺のロワの首輪には付いていなかった。今はやはり、情報と仲間を集める事に力を入れるべきだろう……)
本音を言えば、アカギは遊戯と組んで行動したかった。同じ元主催として、扱った首輪の情報を共有すれば、首輪の解除はかなり近付くはず。
結局のところ、遊戯は頑としてそれを拒んため、遊戯との取引は支給品の交換のみになってしまったが。
(まあ、あの千年パズルの中にいた方ならば兎も角、マーダーになったらしいもう片方の遊戯とは、出来る限りの関わりを避けたい……。考えようによっては今の状況こそ、まさに理想的展開っ……!)
知り合う事が出来た関係で、一応の利害の一致した関係。もう一度会うことがあったら、情報の交換くらいは出来る関係。常にマーダーと共にいざる終えないという地雷を抱え込み、それでいてこちらにとっての価値のある者に対して、まさに理想的な距離感と言える。
「ククク……」
アカギは心底楽しそうに笑いながら、歩む速度を速めた。仲間を探すにしても、首輪解除の情報を得るにしても、片端から回るのが有効なのは間違いない。
まずはここから最も近い、この島の端……北西をを目指す。
「おいおい、また妙なところに飛ばされて、王様に会ったと思ったら……、随分と面白え奴が俺様を持ってるじゃあねえか」
声は、何処からともなくアカギの耳に響いた。
【A-2/一日目 黎明】
【赤木しげる@カオスロワ】
【状態】神域 強運
【装備】強靭な顎と鼻(たぶんコンクリより硬い)、千年リング@なのはロワ
【持物】支給品一式、ロードローラー@漫画ロワ、モンスターボール@ニコロワ
【方針/思考】
[基本方針:仲間を集め、主催者を倒す
1、なんだ……今の声は?
2、片端から島を回り、情報と仲間を集める。
3、共に戦った6/、アナゴ、朝倉涼子、真・長門有希、南千秋、南春香、遊城十代を重点的に探す。彼が六期の主催だった事を知ってる者には五期の自分を語る。
4、ロワの後は元の世界に返りたくない。
761 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:08:52 ID:EGBdteLe
※六期カオスロワの主催者になった後の参戦です。
※もう一つ自分の名前があることについては、カオスロワの世界ではよくあったこと、と流しています。
※千年リングは誰でも身に付ける事が出来ます。
※モンスターボールの中身については次の書き手さんに任せます
762 :
代理投下:2009/01/20(火) 22:10:15 ID:EGBdteLe
代理投下終了。
中身読んでないので、俺の感想は後ほど。
代理乙! アカギ、ここにも死者スレは(ry
>>758 カオスロワは一味違うのだよ
投下乙
二人とも危険対主催で元主催者か…
どっちも腹黒すぎて怖いよママン
バクラがどう動くか楽しみ
装備wwwwww
よし、読み終わった。投下乙!
AIBO黒いなあ……。下手な無差別マーダーより怖そうだ。
そしてアカギとバクラとは、面白くなりそうなコンビだぜ……。
主催成り代わり希望とか…面白いじゃないか!
カオスロワ読んでないので、なんだかわからんがとにかくよし!
AIBOの思考が面白い
王様の扱いが酷くて笑えるw
投下乙
もう一人と違って超やる気満々なアカギも
真っ黒なAIBOも怖えーw
しかしアカギの装備は、アレいいのか?wカオスロワだからこそ使えた手じゃないのか
川田章吾、投下します。
飛び散る鮮血。巨大な槍に貫かれる、愛しい人。
川田章吾が「三度目の殺し合い」で、最後に見た光景はそれだった。
そこで意識はぷっつりと途絶え、気が付いた時には彼の体はどこかの体育館の中にあった。
そこで川田は「四度目の殺し合い」の開始を告げられ、一人の少女が死ぬところを見せつけられた。
それはついさっき、自分の目の前で殺されたはずの恋人だった。
◇ ◇ ◇
ここは刑務所。川田章吾は、牢獄の中にいた。ゲーム開始から約10分。彼はその間、微動だにしていなかった。
殺し合いの中で相思相愛の仲となった少女、柊つかさ。その彼女が死ぬ瞬間を、立て続けに二度も見せられた。
あり得ない事態に遭遇し、川田はひどく混乱していた。しかし、時が経てばやがてその混乱もおさまってくる。
心がある程度の冷静さを取り戻した時、川田の中にわき上がってきたのは「怒り」と「絶望」だった。
なぜ、つかさがあんな目に遭わされなければならないのか。なぜ、自分はまた愛しい人を守れなかったのか。
後から後から、脳内には後ろ向きな思いばかりが吹き出してくる。川田は大きくため息をつくと、牢の中に置かれていた粗末なベッドに腰を下ろす。
(さて、俺はどうするべきなのかね……)
混乱していた状態でも、川田は最低限のことは理解していた。自分はあの殺し合いの会場から更に拉致され、別の殺し合いに放り込まれたのだと。
この殺し合いの主催者が、なぜそんなことをしたのかはわからない。だが、どうでもいいことだ。
つかさを殺した主催者への怒りはある。だが今の川田は、それ以上に絶望していた。疲れていたと言ってもいい。
一度失ったものを、彼は取り戻しかけた。だがそれは、また彼の手からこぼれ落ちてしまった。
もはや彼に、四度目の殺し合いに挑む気力は残っていなかった。
(いっそのことこのまま動かずに、誰かが殺しに来るのを待つか……)
川田は体勢を変え、座っていたベッドにごろりと寝ころぶ。
何をするでもなく、ぼんやりと天井を見つめる川田。その時ふいに、彼の脳にあるフレーズが蘇った。
「優勝した者は、どんな願いでも叶える権利を与えられる」
それは、三度目の殺し合いで主催者が言っていたこと。そして今回の殺し合いでも、主催者は同じことを言っていた。
(そうか、俺としたことがショックが大きくて失念していた……。優勝すれば、つかささんを生き返らせることが出来るかもしれない……)
前回の主催者は、死者を蘇らせる力があった。死んだはずの自分や桐山たちが参加させられていたことが、何よりの証だ。
では、今回の主催者はどうだろう。おそらく、ある。でなければ、死んだはずのつかさをもう一度殺すなど出来ないからだ。
つかさは一度蘇生させられ、その上でもう一度殺された。
それが川田の考えだ。
殺すために生き返らせる。その非道な行いに、激しい怒りがわき上がる。
だがその怒りを感じている相手の意向に従わなければ、つかさを蘇らせることは出来ないのだ。
葛藤する川田。だが、答えはすぐに出た。つかさの命と憎い相手に従う屈辱、天秤にかけて重いのはどちらか。
つかさの命だ。
(本郷さん、ヒナギクさん、葉隠……。すまない、俺はみんなの思いを裏切る。
馬鹿なことだってのはわかってる。だが俺は……俺のつたない脳は決めちまったんだ。
どうせ帰るところなんてない身だ。この命、つかささんのために使わせてもらう!)
恩人の、仲間の思いを踏みにじってでも、つかさを生き返らせる。
すなわち、ゲームに乗って優勝する。それが、川田の決意だった。
(よし、それじゃあ支給品を確認しておくか。強力な武器があればいいんだがな……)
それ以上考えるのをいやがるかのように、川田は唐突に行動を切り替える。
彼がデイパックの中身を確かめると、そこからは三つの道具が出てきた。
ランダムの支給品が最大数である三つ入っていたことは喜ぶべきことだが、川田の表情は浮かない。
なぜなら、それらは見た限りではあまり役に立ちそうにない物ばかりだったからだ。
具体的に言うと、彼の支給品は義手、ベルト、カードの三つだった。
(いや、見た目で判断するのは利口じゃない……。前回の殺し合いでも、俺の常識じゃあり得ないような支給品がいくつか存在した。
これだって、ひょっとしたら十分役に立つ道具かもしれないんだ)
気を取り直し、川田は支給品の説明書に目を通していく。読み進めるにつれ、川田の表情は険しさを増していった。
偶然か意図的なものか、三枚の説明書には全てある単語が記されていた。
それは、「仮面ライダー」。
(何だよ、これは……。俺が本郷さんの知り合いだと知ってこんな事しやがったのか?)
「仮面ライダー」と聞けば、川田の脳裏には一人の男の顔が浮かぶ。
本郷猛。またの名を仮面ライダー1号。彼と川田の関わった時間は短い。
だが、それでも本郷という人間を理解するには十分だった。
「正義」。その一言で本郷猛という人間は表現できる。まさしく彼は、子供向けのテレビ番組に登場する正義の味方そのものだった。
その本郷と同じく、「仮面ライダー」の名を持つ者たちが使っていたという三つの道具。
おそらくは本郷がそうしたように、力無き者を悪の手から守るために……正義の行使のために使用されてきたのだろう。
(これを自分勝手な人殺しに利用するってことは……。本郷さんたちへのこれ以上ない侮辱だな)
川田の顔を、脂汗が伝う。一度固めた決意が、再び揺れ動く。
(おいおい、何を今更迷ってんだ、俺……。仲間の思いを踏みにじってでもつかささんを生き返らせるって、さっき誓ったばかりじゃねえか)
だがその揺れは、ほんの一瞬。川田の決意は、すぐにまた強固なものとなる。
(本当にすまねえ、本郷さん……。今度死んだら、あの世で土下座でも何でもするよ……。
もっともこことあそこじゃ違う世界の可能性があるから、死んでもあんたと同じあの世に行けるかどうかはわからねえけどな)
本郷への謝罪の念を胸に抱きながら、川田はベルトを手にする。説明書に書いてあったとおりにそれを腰に巻き、中心部を開ける。
するとどこからともなく、機械的なフォルムを持つバッタが地面を跳ねて川田の元へとやってきた。
川田はそのバッタをつかみ、開けられたベルトの中心部にセットする。本郷が使っていた、あの言葉を叫びながら。
「変身!」
『HENSHIN』
川田の叫びを、機械音声が復唱する。同時に、彼の体が鎧で覆われていく。
数秒後、そこにはすでに学生服を着た青年の姿はなかった。
そこにいたのは額から伸びる角のような突起が目を引く、緑色の戦士だった。
(なるほど、変身した本郷さんによく似てるぜ……)
ペットボトルを鏡代わりに自分の姿を確認し、川田は心の中で呟く。全体的に本郷と比べ機械的な印象を受けるが、目の辺りなどは変身した本郷とほとんど変わらない。
(で……。肝心の強さの方はどうなんだ……?)
試しに、自分が先程まで寝ころんでいたベッドを蹴り上げる川田。ベッドはあっさりと宙に舞い上がり、見るも無惨に変形して床に叩きつけられた。
(なるほど、さすが仮面ライダーってところか。本郷さんや葉隠みたいな強者と出くわさない限りは、武器なしでも戦えそうだ)
そう考える川田だが、その思考に慢心はない。そんな強者と出くわす可能性は、十分にあるのだから。
(自分より強いやつを相手にするなら、頭を使う必要がある。逆に言えば、頭を使えば自分より強いやつでも殺せるんだ。
その点、このカセットアームとやらは使えるな……。いくらでも応用が利く。
だけど、さすがに腕を持ち歩くのは気が引けるな。とりあえず変形させておくか)
川田は義手を取り出し、そこに付属のカートリッジをセットする。するといかなるメカニズムなのか、義手は瞬く間に変形しマシンガンとなった。
(ライダーの力にマシンガン……。こりゃちょっと引きがよすぎたかもな。
反動が来なけりゃいいんだが……。まあ、精神的なものを考えればトントンか。
さて、それじゃあぼちぼち繰り出すか。四度目の、くそったれなゲームによ!)
準備を整え、川田は牢獄を後にする。仮面ライダーという鎧に包まれた体に、闘志と殺意をみなぎらせながら。だが……。
(みんな……本当にすまねえ……)
仮面の下の瞳からは、なぜか涙が溢れていた。
◇ ◇ ◇
川田は、自分が冷静に考えた結果ゲームに乗ることを選んだと思っている。
だが恋人の死を二連続で見せられるという異常事態を前にして、彼の脳はまだ完全には正常な働きを取り戻してはいなかった。
川田は思い出していない。見せしめにされた少女が、つかさが持っているはずのない異能の力を使っていたことに。
川田は気づいていない。自分が名簿の確認を忘れるという凡ミスを犯していることに。
そしてその名簿には、「柊つかさ」という名前が記されていることに。
果たして川田が、それらに気づく時は来るのか。そして気づいたとしたら、その時彼はどうするのか。
その答えは、まだわからない。
【B-3/刑務所/一日目-深夜】
【川田章吾@漫画ロワ】
[状態]:混乱(本人は正常だと思っている)、キックホッパーに変身中
[装備]:ゼクトバックル(ホッパー)@なのはロワ、カセットアーム(マシンガンアーム)@書き手ロワ2nd
[持物]:支給品一式、サバイブ(烈火)@書き手ロワ2nd
[方針/行動]
基本方針:優勝し、つかさを生き返らせる
1:出来る限り効率的に参加者を殺していく。
※漫画ロワ201話「笑顔」より、つかさが斗貴子に殺された直後からの参戦です。
※愛媛のことをつかさだと思っています。
※ホッパーの変身に関する制限はなのはロワ準拠です(変身時間無制限、変身解除後は1時間変身不能、使用条件は「絶望」)
以上で投下終了です
誤字脱字、気になる点などありましたら指摘お願いします
サバイブのカード・・・・・・まさか王蛇サバイブくるか! 乙
うわぁぁ
つかさの味方だったはずの川田がすごいことに
投下乙です!
AIBO怖いー!!
そしてこっちの赤木はノリノリだなw
そして川田ー!名簿名簿!
パピヨンも名簿見てないし、三村はFOOLだし、漫画出典は何気にうっかりだなw
こちらもラッド、ランキング作成人投下します。
―――い、今ありのままに起こったことを話すぜ!
「突然ロワに呼ばれて殺し合いをさせられていたと思ったら、今度は別のロワに呼ばれていた……」
何を言っているのか分からねえと思うが、俺も何が起きているのか分からなかった……
クロススレとかランキングとかそんなちゃちなもんじゃねえ、もっと恐ろしいカオスロワの片鱗を味わったぜ!
……どうしよう、本当に。
街中を歩いていたら、人ごみに紛れてしまいそうな地味な男。
身に纏う服も、雰囲気も、全てが『平凡』の域を出ない。
そんな彼は―――今、ぴくりとも動いていない。
否、動けなくなったのだ。
「……うっ、……」
見てしまった。
ランキング作成人は、その眼で、はっきりと直視してしまったのだ。
自らの良く知る高良みゆきという少女―――キャラクター、だが―――が、またも自分の知る長門有希という少女に惨殺されたその瞬間を。
初めは、また殺し合いか、と呆れただけだった。
そしてまあとりあえず協力してくれる人でも探すか、と、殺し合いに二度参加したものとして慣れた反応を取っていたのだ。
―――彼女の死を、眼前に焼き付けるまでは。
「…………っ……うぐ……」
確かに、自分とて前回のロワで怪我を負った。
手負いの女性を助けたりもした。
人が死ぬ瞬間、というのも感じていた。
しかし―――それでも、彼はあくまで一般人。
ただの殺し方ではない、原型すらとどめず、顔をぐちゃぐちゃに潰して立ち去ったのだ。
どこの出典の長門だろう。消失か?消失なのか?
間違ってもアニの長門ではないと思いたい。あの感動的なエンディングをぶち壊しにしないでくれ。
確かにみwikiさんはネタキャラだしロワでは不幸だし、ズガンされる可能性はあった。
でも、だからと言って、あんなの―――
―――俺も、ああなるんじゃないだろうか。
「……死んでもいいや」
もう、沢山だった。
ランキング作成人は、恐怖のあまり―――思考を投げた。
何も考えたくなかった。考えるだけで、先ほどのえげつない高良みゆきの様子が脳裏に思い浮かび、吐き気を催すからだ。
ここに来る前にさんざん痛い目にあった。死亡フラグもたった。
その上今度は別の殺し合い―――もう、いい。
どうせ、自分も高良みゆきのように死ぬに決まってる。
書き手としては、まだ心残りもある。まだ書きたい話はたくさんあるし、クロススレの集計もしたい。……何だかんだ言って、彼は集計を楽しんでいたのだから。
でも、もう終わりだ。
ここに来るまでは抱いていたはずの、『誰かを守りたい』という気持ちは急速にしぼんでいた。
名簿を見れば、保護対象である黒井ななこが参加していることを知れただろう。
そうすれば、ここでこうすることはなく、彼女を探そうとすることができたかもしれない。
しかし、ランキング作成人は―――確認する気も起きないほど、疲れていた。
恐怖で、絶望で―――どうでもよかった。
自分がいなくても、きっと誰かがクロススレの集計をしてくれるだろう。
ロワだってそうだ、自分がいなくても他の誰かがリレーしてくれる……
「……もう、嫌だ……」
彼は、精神的に限界だった。
同じ書き手でも、自分は6/氏のように強くはなれない。
ロワに何回出ても耐えられるなんて、自分には到底無理だ。
前の会場では、ななこが目の前で怪我をしたから覚醒しただけ。
再び一人に戻り、支給品も何もかも没収された今、自分はやはりただの弱者のままなのだ。
孤独は、ランキング作成人からなけなしの勇気を奪い取った。
「……いっそのこと、誰か楽に殺してくれればいいのに……」
心の中では、分かっている。
こんなことではだめだ、と。名簿を確認し、知り合いがいないかどうかを確かめれなければならないと。
そして、書き手としてできることをすべきだ、と。
でも、もう疲れた。今なら、死んでも何にも後悔はない。
足跡が近づいてくる。
殺し合いに乗った人物だろうか?それでもいい。
できるだけ痛くないようにしてくれるなら、殺してくれて構わない。だから――――
「……お、俺は……死んだって構わない」
呟く。
足跡が、止まった。
「……どうせ俺は弱い、何の力もない……
一度なら頑張ろうとも思えた。でも……もう二回目なんてこりごりなんだ。
お前はマーダーか?対主催か?どっちでもいい。隙にしてくれ。ただ―――殺すならできるだけあっさりと俺を殺してほしい」
相手の顔も見えない、でも構わなかった。
相手が対主催で人殺しをしないというなら、それでも構わない。
自分は適当についていくだけだ。……どうせ、何の役にも立つまい。
もちろん、殺されるのは覚悟の上だ。
沈黙が、落ちる。
相手も何も口を開かない。
何か言ってくれ、と祈るランキング作成人。
しかし、相手は更に彼の予想を裏切ることをやってのけた。
なんと―――何も言わず、無言で自分の背後から離れていくではないか。
助けてもくれなければ、殺してもくれなかった。
興醒めじゃねえか、と呟いた声にはどこか聞き覚えがあった気がしたが、今はそれどころではない。
待てよ、そう言いかけてやめる。
自分で望んで殺してもらうなんて馬鹿みたいじゃないか。
じゃあどうすればいい、このままでいいのか?
「……どうすりゃいいんだよっ……」
喉にこみ上げてくる気味の悪さ。
自分も長門に襲われれば、みゆきのように言葉さえ発する間もなく死ぬだろう。
そうすれば、終わる。
もうこんな悪夢もみらずに済むのかもしれない。
「おい、てめえ!いつまで俺を閉じ込めておくつもりだよ!早く出せ!そして俺を可愛い女の子と会わせやがれッ!」
ディパックの中から、声がした。
……何だ?何が入っているんだ。
彼はその時初めて、支給品の存在を思い出す。
この声には、聞き覚えがあるな。自分の出ていたロワじゃないが……
「教えろボケ!ここにはレナや俺の嫁のティアナはいるのか?なあ!」
もしかして、クロスミラージュか?……ややキャラが崩壊しているが。
そう言えばニコニコ仕様はこんな感じだった気がするな。
……別にどうだっていい。
(どうせ、俺は死ぬんだ―――)
「確認くらいしやがれってんだ!……お前の仲間がいるかもしれねえんだぞ!?」
―――殺し合いは、やーめーろー!
その時。
俺は、思いだした。
あの殺し合いの会場で、カラオケセットを使ってそう叫んだ女性の顔を。
自分の良く知る漫画、らき☆すたのキャラ、黒井ななこ。
彼女は、自分より弱かった。それなのに、殺し合いを望まず、生徒の死を嘆きながら沙枝という少女を救いだそうとした。
教師として、大人として、自分以上にたくましく走り回っていた。
―――まさか、彼女も―――?
いや、彼女だけじゃない、他の書き手や前のロワで知り合った人たちも……?
そこで、ランキング作成人は、今までの絶望感が吹っ飛んだ。
怖い。しかし、もし自分の同行者がここにいるならば。
「……くっ……」
自分は何をやっていたんだ―――そう後悔する。
そう言えば、さきほど聞いた声も、アニメで聞き覚えのあるものだった。そう、ひ○し的な。
みゆきも長門もいた、ということは、ここにななこがいる可能性は十分にある。
―――何で死んでもいいなんて考えたんだよ、俺は!
「な、ほら知り合いいただろ?なな?ということで俺に感謝して美少女か美女に会わせろよ!絶対だぜ!」
一人ではないとすれば、ここで逃げるわけにはいかない。
ランキング作成人は名簿を開き、そしてやはり知り合いの名前を見つけ、嘆く。
「黒井先生……それにいつものことだけど6/さん!かえる……はあのかえるか?……紗枝……や狭霧とかいう危険人物はいないみたいだが……」
「おい、お前無視してんじゃねえよ!」
確認さえしてしまえば、あとは簡単だった。
何故、今まで自分は絶望していたのだろう。そんなことすら分からなかった。
決して、恐怖心がない訳ではない。
今も、高良みゆきの潰れた顔面を思い出すだけで、胸糞悪い気分だ。
しかし―――それでも。
「意地があんだろ、男の子には!」
ここに来る前、連れて来られていた場所でも呟いたその台詞を、もう一度。
ランキング作成人は、まっすぐに歩きだした。
ランキング作成人は、知らない。
黒井ななこは、自分と出会ったロワとは異なる世界から来ていることを。
そして、今の彼女は、生徒を想うが故に修羅の道を歩もうとしていることを。
「だーかーら、俺を無視すんなっつうのー!聞いてる、おい聞いてる!?」
【D-3/湖畔/1日目-深夜】
【ランキング作成人@オールジャンルバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品一式、未確認支給品1〜2、クロスミラージュ@ニコロワ
[方針/行動]
基本方針:ななこ、6/と言った知り合いと合流する
1:誰にも死んでほしくない。自分も死にたくない
※高良みゆきの死ぬ瞬間を目撃しました。
※ラッドの『声だけ』聞いています。
※
―――こいつは、傑作だ。
名簿に目を通したラッド・ルッソがはじめに抱いた感想は、それだった。
―――おいおいおいおいおいおい、これはどういうことだよ。俺はシンヤ君を殺したよなあ?なのに何だってシンヤ君の名前が書かれているんだよ!?
……もしかしてあれか?シンヤ君も実は不死者だった、って奴か?
ラッドの口元が、徐々に吊り上がっていく。
笑っているようにも見えるが、それは彼にとって、紛れもない『殺意』だ。
―――不死者だったとすれば、シンヤ君は殺す前に思っていた以上にこう考えているはずだよなあ?
俺は死なない、殺される訳がない、誰よりも強いのは俺だ――――ってなあ!
それは、彼にとってのスイッチだった。
殺したい。
今度こそ、いや、今度『も』、殺してやりたい。
相羽シンヤの―――人を見下した、自信に満ちた顔を思い出す。
相羽タカヤの―――「俺はお前なんかに殺されない」という言葉を思い出す。
彼の中の、スイッチが押される。
ぱちりと、ぱちりと、ぱちりと、ぱちりと。
殺したい。
死なない人間を、殺してやりたい。
自分は絶対に死なないと思っている人間を、―――神さえも、殺してみたい。
それはラッド・ルッソの信条であり、ルールであり、義務でもある。
―――やっぱり自分は死なねえと思ってるタカヤ君もいるな。……お、ナオちゃんもいるのか。
名簿を見ながら歩を進めていくラッド。
しばらく進んでいると、彼の知らない男の背中が見えた。
あいつもこの殺し合いで死なないと思っている奴だろうか、そう思って近づく。
しかし男の言葉を聞き、ラッドは自らの興奮が急速に冷めるのを感じた。
「……お、俺は……死んだって構わない」
―――死んだって、構わない、だあ?
タカヤとシンヤの兄弟を殺すことでいっぱいだった頭が、冴え渡る。
見れば目の前の男は、すっかりおびえきっており、声も震えていた。
―――やめだ。
ラッドは、マフィアであり、歪んだ価値観の持ち主ではあるが、決して殺人狂ではない。
彼が殺したいと願うのは、『自分は死なないと思っている人間』のみ。
自分に関係ないところで死ぬ分にはどうなろうと構わないが―――『死にたがっている』人間を殺す気になど、さっぱりなれないのだ。
「……興醒めじゃねえか」
これ以上この殺意を覚まされてはたまらない。
ラッドはその男から離れて立ち去っていく。
死にたがり、でも自らの婚約者のような美人ならともかく、あんな体を鍛えてもいなそうな男を殺すなんて面倒くさいことはしない。
―――ったくよお、あんな奴殺しても面白くも何ともねえよ。……これでますますあの二人に会いたくなってきたじゃねえか!……ん?
再びあのえらそうな兄弟のことをもう一度考え、そして思い返す。
一人、忘れていたのだ。
相羽兄弟でも、結城奈緒でも、他に放送で名前を聞いた覚えのある他の人間よりも。
もしかしたら、この場にいる中で誰よりも―――殺したい相手。
「……ああ、そういやもう一人いたなあ……俺が会わなきゃいけない奴が!」
『彼女』は、不死の体を持つ少女。
『彼女』は、自らに対して自慢げに『死なない』ことを語った命知らず。
「なあ、―――かがみちゃん?」
柊かがみ、のことを。
殺す。
柊かがみを―――殺す。
ラッドは、不死者というものの仕組みがよく分かってはいない。
だから、彼は不死の酒で不死者になれる、ということは理解していたが、不死者が他に何ができるのか、は知らなかった。
ただ、ラッドが分かっているのは。
かがみが自分に対して『死なない』と言った、ただそれだけの事実。
ラッドがかがみを殺そうと殴りかかったその時―――彼はこの場に飛ばされてきたのだ。
仕留めそこねた。
それだけは、何よりも理解している。
だから、――-今度こそ、殺す。
100回でも、200回でも殺してやる。死ななかったら首を刈り取って禁止エリアに放り込んでやる。
それでも死ななきゃ―――また、殺す。
それは矛盾しているようにも思えるが―――それは、ラッドを止める理由にはならない。
「……今頃、ここで思ってるんだろうなあ、かがみちゃんは」
その声は、どこまでも低く、不気味な色を帯びていた。
常人が見たならば発狂しているようにしか見えない表情で、笑う。
「自分は強い不死者だから、別の『バトルロワイアル』に巻き込まれても絶対に負けない、死ぬことなんてない―――ってなあ!」
「待ってろよ?タカヤ君にシンヤ君にかがみちゃん……俺が今度こそぶっ殺してやっからよお!」
そしてラッドは、ディパックの中に入った代物を思い出し、さらにその笑みを深める。
武器は入っていなかったが、一つだけ有用なものがあったのだ。
それは、ラッド本人にはまったく無意味なもの。
武器にもならなければ、金目になるかどうかも分からない。
しかし、それはラッドの心を躍らせた。
―――タカヤ君と決着を付けたいんだよなあ?シンヤくうん?
テッカマンエビルのクリスタル。
それが、ラッドに配られた支給品の一つだった。
ラッドは知らない。
ここにいる柊かがみは、彼の知り合いではなく、ましてや不死者でもなんでもないごく普通の少女であるということを。
そして、自分が、『不死身の柊かがみ』と同じ、不死者の体になってしまっているということを。
【E-3/道路/1日目-深夜】
【ラッド・ルッソ@アニ2】
[状態]:健康、不死者(不完全)
[装備]:なし
[持物]:支給品一式、テッカマンエビルのクリスタル@アニ2、未確認支給品1〜2(武器はない)
[方針/行動]
基本方針:自分は死なないと思っている人間、不死者を殺す。
1:かがみ、Dボゥイ、シンヤは特に念入りに殺す。
2:死にたがってる奴?女ならともかく、男なら殺す気なんて起きるかよ
※238話「ディナータイムの時間だよ(食前)」の、死亡前から参加。よって自分が不死者であるという事実にまだ気づいていません。
投下終了です。
タイトルは「しようぜ、バトルロワイアル!〜らき☆ロワ編〜」でお願いします。
投下乙です!
危ねえ、もうちょっと立ち直るの早かったら殺されてたよ!
ラッドはまた、絶妙な時期からの参加だなあ……。
かがみ包囲網がまた強大にw
クロミラもきたwwww
そしてかがみ包囲網新人さんごあんなーい
ラッドがかっこよく見えたような気がするけどまあいいや。
とりあえず東にいるシンヤ逃げてぇぇぇぇぇぇ!!!!
乙
投下乙
ラッドはやっぱこうなるか
それにしても
三村、魅音、シグナム
セフィロス、ラッド、、奈緒+シンヤ
かがみ逃げてー!!
投下乙
かがみ包囲網がまた・・・
アニ2ではいたジンや士郎といったラッドを止める奴いないからな
そして気づいたけどデバイスもどこから来るのかで大分かわるんだな
(なの・ニコ・カオス・アニ2・書き手)
特にクロスミラージュ
投下乙
川田名簿見ろよw
ラットはそうなるよな
でも本人が不死者で錯乱フラグ立ってるぞ
かがみん包囲網は三村、魅音、シグナム 、セフィロス、ラッド、奈緒、シンヤ
ロワ開始からここまで包囲されたキャラって他にいるの?
アニ2クロミラを出したいかもしれないw
全て「気合いでいいや」で納得して熱血対主催のクロミラと、ニコの変態クロスミラージュが絡んだらどうなるんだろうかw
>>793 かえる、キョン(貞操的な意味で危険)辺りも含んでいいかも。
一応セフィロスはかがみの名前を知らないのが幸いか
6/「ようやく俺も包囲網フラグ王の名を返上できそうです」
いや、6/氏(かがみ)がいる時点でかがみ包囲網の犠牲になりそうなんだがw
もちろん乱立スレ消費しようぜ
どこがいいかねぇ
>>800 乙
次はラノベと〜かな
それこそセフィロスなんかは外見しかしらないから、人違いと言っても聞かないしなw
上から使うかー。
それにしても結構ペース速いなw素晴らしいことだw
うんうんいいことだ
雑談も活発で楽しい
リアルタイムでのロワ初参加なんだけど最初は大体こんなもんじゃないの?
ロワ初期から見るのは初めてだけど早いペースみたいだね
このペースが続くことを祈るのみ
これで予約はあるけど未登場はスバルだけか
いろんな場所があるからいちがいには言えないけど
結構早いほうだと思うよ
だとしたら来週中までには50話突破しちゃいたいところだよな
そうだねー
ただ学生はテスト期間に突入だったりする
そこを乗り切れば春休みだから書き放題なんだが
インフルエンザで1週間休校だし今のうちに書きまくっておくかな・・・・・・
まあそう無理に先を急ぐ必要もないさ
最初は勢いも大事だけど、長く楽しむためにものんびり構えよう
学生書き手さんにも期待。センターは乗り越えたかな
どっかで学生だとレベルが…て話も見たが、社会人書き手さんの方が少ないような希ガス
しかしらき☆ロワに参加できるのって原作把握して他パロロワ把握してる人だから
こんな読み手書き手いるとは思ってなかったよ
パロロワ書き手で一番多いのは大学生らしいぜ
正直カオスとやる夫とニコと原作しか把握していない。その他は今ロワの台詞と心理描写で判断している
そう言われると自ロワを勧めたくなるなぁ。
300話以上あるし無理にとは言わないが、出てるキャラの話だけでも読んでって欲しい。
なのはロワを把握してる人ってどれくらいいる?
あそこはロワの性質上、設定背景とかがかなり特殊だから、一度目を通しておいた方がいいと思うんだが
ロワ自体は把握しているがその出展SSまでは把握しきれてない
それのさらに原作となるとなおさら
仮面ライダーやギアス、FF、遊戯王、ウルトラマンに犬夜叉に終わクロとか全部は無理
そういう意味では今のセフィロス予約してる書き手に期待している自分
自分もなのロワ自体は把握してるが他出典作品で分かるのがギアスとらき☆すたくらいしかないというw
まぁなのはロワからはそこまで把握難しいのは出てなくてよかった
だがちょっと待ってほしい。
あのセフィロス予約してる書き手のトリって……まさか……
そうそうあの人
なのはロワの参加者だが、
クロス作品からの参加はセフィロスと遊城十代とフェイトの3人。
なのは・スバル・シグナムの3人は、原作からの参戦だ。
ありがたい事に、フェイトのクロス先のキャラは出てきてない。
問題はセフィロスと十代だが、かなり有名な上に個性も強いし、大丈夫かな。
十代はGXの方になのは達が紛れた、って形だからほとんど変ってないっぽいし、そこまで難しそうではないな
セフィロスははやてが出てたらやばかったかもしれんが
ところで話を変えてしまうが
Dボゥイやシンヤがアナゴに会ったらどんなリアクションすると思う?
兄の声したサラリーマンが兄の技使う姿見て
>>824 それ以前に色々声かぶっている人が多いから
なんとも言えん。
あとどうでもいい電波
一度しか死ねない世界に着たぞ!(YATTA! YATTA!)
魔女狩りを成功させるぞ(YATTA! YATTA!)
今度こそ色々捕食するって言う(YATTA! YATTA!)
誤解から開放されるぞ(YATTTTAAAA!)
何故か知らんが葉っぱ隊の曲が、俺の中のらきロワのイメージソングになった
と言う事で雑談で、お前のらきロワのテーマソングを教えてくれ
声被ってる人どれくらいいるっけ?
>>825 考えてみて一番最初に思い浮かんだのはハヤテアニメ二期のOPだった。何故か。
シリアス系で行くなら鋼の錬金術師のリライトとか?
とりあえずアカギ二人と熱血王子が被ってるな
ルイズとアルも被ってた
不安だったので一時投下しました。
ご意見よろしくお願いします…。
そういやこのロワから生還した場合、やはりもとのロワの世界に戻るのだろうか
終わりが無いのが終わり……
>>829 これはこれでOKだと思います。
感想は本投下の時にでも。
カオスの連中はそのまま6期に続投だったりなw
>>829 「賭ける」は「BET」だから、「ベッド」ではなく「ベット」では?
多分大丈夫なんじゃないかと
これが本投下されたら、そろそろ次スレ用意する頃か? ものによっちゃ容量オーバーしちまうだろうし
>>835 春香姉さまは5期だと社長にしか体を許s(ry
>>829 十分にありだと思います
感想は投下後に
海馬的な意味で(社長)。
>>829 全然問題ない。 早く適当なスレ決めて投下する作業に戻るんだ!
生還出来たら本来の世界に帰還じゃだめですかw
>>829 問題ないと思います
>>829 問題ないです。投下ドゾー
そうだ、元の世界に帰らせてやれw
ジョジョロワみたいに生き残った人全員同じ所に、
そして平和に暮らす。
あと社長と春香は義兄弟になっちゃったから、
あっでもそれはそれでい(ry
ただその場合、6/氏(かがみ)は生還できても一生かがみの姿確定
それじゃ死んでも生還してもアカギ13歳は拗ねそうだ
社長と春香姉さまがけkk(ry
6/は老賢者とかがどうにかしてくれると予想
今度は移行前に早めにテンプレ貼って乗っ取っておこうぜ
でどこに投下すればいいんだ
上の方で声が話題になっていたので、調べてみた
書き手ロワ勢は、基本的に元になったキャラの声
抜けや間違いがあったらすまん
泉こなた 平野綾
柊かがみ 加藤英美里
柊つかさ 福原香織
高良みゆき 遠藤綾
小早川ゆたか 長谷川静香
岩崎みなみ 茅原実里
黒井ななこ 前田このみ
相羽シンヤ 子安武人
アルフォンス・エルリック 釘宮理恵
衝撃のアルベルト 秋元羊介
Dボゥイ 森川智之
結城奈緒 南里侑香
ラッド・ルッソ 藤原啓治
赤木しげる(19歳) 萩原聖人
桂ヒナギク 伊藤静
ジョセフ・ジョースター 大塚芳忠
パピヨン 真殿光昭
赤木しげる(13歳) 萩原聖人
アナゴ 若本規夫
朝倉涼子 桑谷夏子
真・長門有希 茅原実里
南千秋 茅原実里
南春香 佐藤利奈
武藤遊戯 緒方恵美
シグナム 清水香里
スバル・ナカジマ 沢城みゆき
セフィロス 森川智之
高町なのは(StS) 田村ゆかり
フェイト・T・ハラオウン(StS) 水樹奈々
遊城十代 KENN
ゴマモン 竹内順子
涼宮ハルヒ 平野綾
園崎魅音 雪野五月
前原圭一 保志聡一朗
クールなロリスキー 加藤英美里
静かなる 〜Chain-情〜 岩永哲哉
素晴らしきフラグビルド 長谷川静香
地球破壊爆弾No.V-7 平野綾
熱血王子 萩原聖人
忘却のウッカリデス 福山潤
桂言葉 岡嶋妙
キョン 杉田智和
前原圭一 保志聡一朗
ルイズ 釘宮理恵
>>849 よっぽどの大作じゃない限り、ここで足りると思うよ
おk 投下しまっする
明かりのついた百貨店、昼だとしたらたくさんの買い物客で賑わっていることだろう。
けれども生憎今は月が空を支配する夜であるので客どころかそこを取り仕切る店員の影もなく、
そこにあるのは寂しそうに陳列された商品のみである。
だが、それらを狙うハイエナもそこには存在するわけで、獣が通った道標としてとして所々荒らされていた。
「テッカマンになっても人間の作ったものを口にするとはな」
鯖の缶詰をこじ開けて素手で中身を取り出して口に入れる。
一口で平らげてしまったので次の鯖缶を手に取る。
見る人から見れば蛮族と罵ったことであろうが今の彼にはそのようなことを気にするまでもない。
さて突然であるが、皆は生物の三大欲求というものをご存知だろうか。
休息を求める睡眠欲、生殖活動のための色欲というものの他、人にはこの三大欲求の他に様々な欲が存在する。
その中で食欲と言うものは生物である以上は中々捨てることができないもののようで、
人を超える存在である男、相羽シンヤもその中の一つであった。
富、名声、力、そのようなくだらないものに縛られている人間をやめてテッカマンになった今でも、
人の欲に縛られているという事実を体感してしまい虫唾が走る。
事実、ここで人が作ったものによって己の飢えが凌がれているのだから。
「まあいい、それもこの殺し合いの中でだけだ」
鯖の味にも慣れてきたので今度はカレーのレトルトパックを手に取る。
調理など面倒だ、中身を空けるとそのまま飲み干してしまった。
テッカマンとなって戦うのはかなりの体力を消耗する。
そして切り札であるボルテッカを放った後にくる極度の空腹は耐え難いものである。
事実、少し休憩した後ここに歩いてくるまで飢えを凌ぐために食料をほとんど食べてしまったのだ。
そのためここに来た直後の彼の口の周りはチョココロネのクリームやパンのジャムまみれだった。
もちろん今は支給品であった布切れで拭いたから汚れは落ちているが。
「それにしても村雨と言ったかあの男、テッカマンでもないのによくここまでやってくれたな・・・・・・」
空になったパックをそこらへんに投げ捨てると同時に先ほど戦った男の名前を思い出した。
空腹感が消えたおかげで他のことに頭が回るようになったらしい。
ここに来るまでの経緯をざっと思い出してみる。
そもそも自分が百貨店にいるのは村雨良、というもう一つの異形との戦闘のせいである。
その後、数時間かけて動けるぐらいまで傷を癒して食料を求めてここにやってきたのだ。
化け物であるはずなのに兄と同じく人のために戦う『仮面ライダー』という存在が気に入らない。
確かに自分と対等にやり合う実力は持っている。 仮面ライダーというものはそれほどの実力者なのであろう。
テッカマンである自分に体術であそこまで渡り合うことができ、なおかつ制限がかかっているとはいえボルテッカすらも凌いでしまう、
これを化け物と言わずとしてなんと例えようか。 どんなに正義ぶろうが人ではない、異形に過ぎないのだ。
店内を適当に徘徊し、適当な食料をデイバックに入れて回った。
これで当分は戦闘による空腹は凌げるだろう。
食料の補給は済んだ、ならばいつまでもここにいる暇はない。
百貨店の自動扉が開き、外の空気を吸う。 と同時に真横から一つの気配を感じた。
「きゃっ!」
「っ!」
軽い悲鳴とともに横からの思わぬ衝撃でシンヤは転倒してしまう。
受身は取れたがその際片腕に先ほどの戦闘でうけたダメージが重なって激しい痛みをあげた。
制限のせいか、自然治癒能力を伴っても中々治らないものだ。
「ごめんだいじょ・・・・・・!」
自分にぶつかった人間であろう人物が軽率な声で言いかけたところで絶句した。
下等生物は自分に対する礼儀すらまともにできないのだろうか。
まずはこのような態度をとった無礼者の面でも拝んでおくか。
そう思って両腕の痛みに堪えつつ、テッククリスタルを取り出して体を起こす。
「大丈夫!? 今すぐ手当てをしないと!」
叫んだのは女だった。
この女が先ほどの無礼な行動ととったのだろうか。
女は慌てた様子でデイバックの中身を漁っている。
手当てすると言っただろうか。 ふと思い出し、体中を見てみる。
すると全身傷と痣だらけ、両腕にいたっては大量の血液で汚れているではないか。
もっとも血はすでに凝固してしまっているので失血の心配はない。
こんな姿を見ると初対面の人間はこういう反応をするだろうということを思い出す。
自分の正体を知ってしまったら真逆の対応をするだろうが。
「あーあった!これだこれだ」
女は鞄から包帯を取り出して半ば強引気味に自分の腕を取り、それに巻きつけてくる。
べたべたと馴れ馴れしく触る目の前の人間に対して虫唾が走る。 今すぐテックセットをして切り刻んでやろうか。
テッククリスタルを握る力が一層強くなる。
だが変身しようと思った矢先、女は顔を上げて問いかけてきた。
「あ、そういえばその傷一体何があったの?」
至極当然の質問であった。
いきなり傷だらけの人間がいたら誰だってそれに疑問を感じるだろう。
彼の体もまるで事故や災害に見舞われたかごとく傷だらけであったのだ。
別に隠す必要もないことなので、起こったことをありのままに話した。
「化け物と戦った。 名前は村雨良だ」
「化け物?」
嘘はついていない。 先ほど自分が経験したことをありのままに話しただけである。
テッカマンである自分にこれほどまでの傷を負わせ、痛みわけとなったもう一つの化け物、
村雨良、仮面ライダーという存在と戦っていたのだ。
「やつは化け物に変身して襲い掛かってきた。 その結果なんとか退けたがその有様がこれだ」
殺意を向けたのは自分であるが、先に攻撃をしてきたのは村雨である。
人ではない異形に姿を変え、自分にこれほどまで手傷を負わせた男だ。
そして悔しいことではあるが、接戦の末逃がしてしまったのも事実。
何一つ嘘は言ってない。
「でもそんなやつ相手によく生き残っていたよね」
それを女が疑問に思うのは当然である。
化け物と戦える人間がただの人間であるはずがない。
逃げた、であるならばまだ納得はいくが彼は戦って、それも退けたといった。
過程もなく合点がいくほど人間はうまくはできていない。
だから示すのだ。
お前の目の前にいる男も化け物だからだよ
目の前の男が化け物へと変貌をすれば女は驚愕の表情を浮かべるであろう。
人を絶望に陥し入れるということは支配であり、支配するものにとってはこの上ない優越感を誇れるのだ。
高位の存在が下位の存在を駆逐することは至極当然のことである。
それは生物にとっても当たり前であり、地球人でさえ過去に下位の知的生命体に同様のことをしてきたのだ。
その後も他の生命体を自分達の都合の良いように操作し時にはその命を奪うことさえ躊躇しない。
結局のところ今度はラダムが地球人を滅ぼす、ただそれだけのことなのだ。
むしろ排除せずにテッカマンという力を与えたラダムには敬愛の念すら持てる。 故に尽くすのみ。
さてもういいだろう。 痛みも引いてきた。
早く殺し合いに復帰しなければならないがまずはこの身の程知らずに絶望を刻み付けてやろう。
そう意気込んでテッククリスタルをもって片手を挙げる。
そして己の真の姿を曝け出すために変貌へのスイッチである言葉を高らかに
「テックセッ」
「包帯巻き終わってないのに動かしちゃ駄目だって」
叫ぶことはなかった。
合言葉を言う瞬間上げた腕を女によって降ろされてしまったからである。
人間に変身を邪魔されたという屈辱感と激しい怒りにより、表情が激しく歪む。
「ごめん痛かった? おじさんこういうことに慣れてなくってさー」
「・・・・・・」
何を勘違いしているんだこの女は。
こんなことをされたのはラッド以来である。
下等生物の分際で人の衣を脱ぎ捨て、テッカマンという仮面を被るということを妨害するとは本当に虫唾が走る。
包帯を巻き終わった瞬間に今度こそ惨殺してやろう。
「そういえばさー私これから放送局に向かうんだよね。 だから一緒に来ないかな?」
放送局だと? 目の前の女は確かにそう言ってきた。
少し疑問が生まれたのでこの女にもう少しだけ付き合ってやることにする。
すると女は真剣な目つきになってゆっくりと内容を話し始めた。
どうやら自分が殺そうとしているターゲットの一人、柊かがみを化け物と呼ぶ三村という男がいること。
その男は悪い男ではないがかがみに対してトラウマ持っているため、彼女を殺そうとしているということ。
そしてそうしてしまうと、柊つかさが化け物となってしまうこと。
それを止めるために放送局に向かった三村を追いかけていること。
話の内容に若干の矛盾が生じている気がしたが、自分が五体満足で生きている時点で大した問題ではないだろう。
それら自体はどうでもいい。 むしろ注目すべきは女が言った放送局というものだ。
思い浮かんだ考えに思わず口元が歪む。
「いいだろう、お前と一緒に行く。 だが一つ頼みたいことがある」
「どうしたのさ・・・・・・?」
女の表情が少し強張るが気にしない。
「『村雨良は人の皮を被った化け物だ』これをみんなに伝えてほしい」
「もちろんだよ!」
女はさっきとは打って変わって笑顔で返答した。
これでいい。 俺が呼びかけるよりは兄さんが知らないこの女が呼びかけたほうが効果はあるだろう。
それに放送によって俺がそこにいるとばれる可能性も低い。
それが終わったらこの女はもう用済みだ。
村雨、お前は正義面しているけど所詮人ではない化け物なんだよ。
人のために戦おうがいつかは裏切られる、人間というものはそんなものさ。
それを我が身で体感するといい。 そして絶望の中で死んでいけ。
それでもしぶとく生き残っていたらまた相手をしてやるよ。
兄さんとの決着の後だけどな。
「じゃあ手当てもできたことだし行きますか。 おじさん園崎魅音っていうんだ」
「俺はシンヤ、相羽シンヤだ」
魅音か。 まあ放送局までの付き合いだ、覚える必要もない。
そういえばまだ支給品を見てなかったな。
北東へと歩みをはじめながらデイパックの中身を見る。
さっきは食料以外はどうでもよかったが今は迂闊にテックセットできない以上武器に頼るしかない。
中の食べかすがついた布切れを手にとる。 ナプキン程度の役にしか立たなかったものだ。
だがしかし、デイパックの中をよく見ると説明書みたいな紙を発見した。
グルメテーブルかけ:これを敷いて食べ物の名前を言うとその食べ物が出てきます。20回まで使用可能。
「・・・・・・」
『これはまたうっかりしてたなー。 最初から支給品はちゃんと確認しなきゃいけないぞ』
何故かふざけた女の声が聞こえたような気がした。
【E-4/ 一日目 黎明】
【相羽シンヤ@アニ2】
【状態】:疲労(中)、全身に負傷(特に両腕に痛み有り)だが手当て済み。
【装備】:ブレードのテッククリスタル@アニ2
【所持品】:支給品一式(食料無し)、グルメテーブルかけ@ニコロワ残り20回、ヤクルト@ニコロワ、きしめん@ニコロワ、他食料、レッドアイズブラックドラゴンのカード(南夏奈)@カオスロワ
【思考・行動】
基本方針:Dボゥイとの決着をつける
1:・・・・・・
2:気に入らないけど今は魅音を利用する。でも用を果たしたり正体がばれたりしたら殺す
3:放送局に向かい、魅音に村雨が化け物であることを伝えさせ、彼を陥れる。
4:テッククリスタルは魅音にばれるか身の危険がない限りは使わない。
5:ラッド、村雨、かがみの殺害。
6:Dボゥイの分のテッククリスタルを手に入れる
7:ゆたかは手元に置いておく……?
【備考】
※参戦時期はアニ2、211話「The Incarnation of Devil」内でラッドに殺される前。
※テックセットは誰のものでも問題なく行えます(アニ2準拠)
※力の制限、特にボルテッカに関しては大きな制限が掛けられています(威力低下、疲労感と空腹感の増加など)
そのため、必要以上には使用しないように考えています。
※仮面ライダーZX(村雨良)を記憶に刻みました。
※空腹のあまりグルメテーブルかけ@ニコロワの説明を読んでませんでした。
そのため、グルメテーブルかけ@ニコロワはチョコとジャムで汚れています。使用には問題なし。
※南夏奈のカードはテラカオスに殺される直前から参戦。制限はニコロワ準拠で問題ないかと。
【園崎魅音@ニコロワ】
【状態】右腕打撲
【装備】
【持物】支給品一式、包帯@現実、不明支給品×1
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの闇化を防ぐため、三村からかがみを守る
1、シンヤくんどうしたんだろう?
2、三村を追うため、シンヤとともに放送局を目指す
3、シンヤの話を信じ、村雨良が危険人物であることをみんなに伝える
4、三村の話を信じ、かがみを警戒(だけど半信半疑)
5、知り合いに会いたい
6、かがみなんかより闇つかさの方が恐ろしいだろjk
※死亡直前から参戦
投下完了。 シリアスな話を書きたかったけどこうなってしまった。
後二次スパロワのシンヤのかわいさは異常
投下乙!
シンヤ可愛いよシンヤ
字面だけ見てるとヤンデレな女の子に見える!ふしぎ!
実際は子安ボイスだけどな!
魅音は空気読めてなくて延命したなww
GJ!
シンヤwwwこのうっかりさんめwww
あと、
>>850 テメーは俺を怒らせた。スバルの声優は斎藤千和。
投下乙です
何だかちゃくちゃくと包囲網が出来上がっていくような気がw
本編でもだけど園崎は優しいのか残酷なのか狡猾なのか迂闊なのかわからないキャラだなw
相手の言うこと鵜呑みにし過ぎと言うより自爆か?
投下乙です
魅音、とりあえず命拾いしたな
けど、まだピンチは続きそうだ
そして村雨さんも地味にピンチ! かがみはいつも通りだが
>>861 すまん、何か他のものとごっちゃになってしまったようだ
6/は山寺幸一だろう…… 主役的な意味で
それ以外は元ネタキャラの声でいいのかな
地球破壊爆弾はこなたの姿のままアーカードの声とかできるけどなw
シンヤwwwww支給品はちゃんと見とけよww
投下したいけど、支援してくれる人は今いるかなーと様子を伺ってみる。
ここに一人いる!
では、投下開始しまーす。よろしくー。
月の光に洗われるようにさやさやと静かにさざめく一面の広い草原。
そこを切り裂くかの様に一本の道路が通っており、そしてその上を一つの影が疾走していた。
「ksk! ksk〜!」
ksk(この場合はキョンがスケベなことをするの意味)と叫びながら走っているのは再び殖装したキョンだ。
人間――特に男といったものはどこまでいっても欲望に弱い。それが青春真っ盛りの妹フェチとなるなら尚更だろう。
殺し合いという理不尽な場に放り込まれ、その結果として気が触れて妹祭りなどというものを画策したとしてもそれは仕方がない。
むしろ、いたす場所を選ぶだけの理性が残っていたことを賞賛すべきか。
「すごい! 早い! 俺!」
というわけで、あっという間に娼館へとたどり着いたキョンは小脇に抱えていたゆたかを下ろすとその威容をまじまじと見た。
目の前にあるのはいかにもといった感じのソレっぽい建物だ。
目を回していたゆたかも気づいたのであろう。また、わたわたと逃げ始めたがキョンはがしっとその肩をつかんで引き寄せると、
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:/: ′ヘ : : |ヘ |ヽ|: :/:W } ゞ-' ム/: :|: : / ヘ j , ‐-、,__ ,.イ:/ 俺と合体したいだろう?
:\:{ ヾ、W{: : : :| __ }: : j/ |.:.:.:.:ヘ \ 弋,__,/ /.ノ.:.\ 常識的に考えて……
_>ー―f^:ヘ : : :| 、 _ , イ | : :/}: }.:.:.:.:.:iヘ \ ー / ./.:.:.:.:.:.\
,イノ⌒\ ` ヽ、:{ l>、 }: /j/ ,j/.:.:.:.:.:.:| ` / `'ー-r<´ ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
(_) \ >く^ヽ }/^∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::| ヽ' \/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::
震える彼女を連れてエロスワールドへの扉をくぐった。
☆ ☆ ☆
『妹の部屋』――おあつらえ向きなプレイルームがあると知ると、キョンは迷わずそこを選んだ。
使い古しの学習机。その脇にかかった真っ赤なランドセル。あまり大きくはないベッドの枕元のぬいぐるみ。
彼自身の実妹の部屋にも似ており、彼も大体は満足したが――
「妹スメルに欠けるな。作り物だから仕方がないことだが……まぁ、ここで祭りを行えばその点はクリアできるか……」
生活臭。具体的には妹スメルがしないことにいくらかの不満があったようだ。
タンスの中は空っぽだし、こまめに取り替えられるシーツや枕カバーは清潔そのもの。彼としては残念極まりなかった。
がしかし、その問題もこれから実際に妹がこの部屋でいくらかの時を過ごせば解消することができる。
ということで。
「笛を吹いてくれ」
「は?」
キョンはランドセルに刺さっていたリコーダーをベッドの上のゆたかへと突き出した。
「妹が吹いたリコーダーを舐めたいというのは兄として当然の欲求だ。だから、頼む」
「だが断る」
「……く! その返しは泉から教わったのか? あいつめゆたかたんに何を仕込んでいるんだ。
まぁこれは後でもいいや。じゃあ、そこのクッションに座っておならをしてくれ。後で匂いを嗅ぐから」
「………………」
「そんな白い目でお兄ちゃんを見るんじゃあない!」
キョンは椅子に腰掛けると額に手を当ててやれやれと呟いた。
まずは初歩の初歩からと考えているが、中々に妹祭りへの道は険しく遠いらしい。
「じゃあ、一回部屋から出るからさ。
その間に着替えを始めて、俺が扉を開いたところで『お兄ちゃんのスケベ』って言ってくれ」
「い、いやです」
「だったら、お互いに電気アンマごっこしないか? 楽しいぞう?」
「やです」
「無防備に足を開くことで神秘の三角地帯を無邪気に曝しインモラルなエロスを醸し出してくれ」
「そんなことしません!」
く――と、キョンの口から吐息が漏れた。
実の妹ならばことはスムーズに運ぶのだが、急造となるとやはり色々と無理があるらしい。
とはいえ、この殺し合いの場で兄と妹の絆を一からじっくりと育むのも難しいだろう。それこそロワが終わってしまう。
「ええい。こうなってはしかたがない!」
「……っ?」
一線を一足に飛び越えようと、彼は服を脱いだ。
☆ ☆ ☆
「な〜に、俺とゆたかたんの間に血のつながりはない」
故にオールオッケーだと、指をわきわきさせながらにじり寄ってくる男にゆたかはルイズと相対した時よりも強い恐怖を覚えていた。
目の前の男は超がつくほどの変態で自分の貞操は風前のともし火だ。
抵抗しようかと思っても、同じ妹候補であったはずのルイズはあっけなく殺されてしまった。
彼の気分一つで命すらも奪われかねない。となるとそれも怖くてできない。もっとも、そもそもそんな力は持っていなかったが。
「……ふ、笛を吹きますから。あの……その……、……」
「ほう? それは殊勝な心がけだなマイシスター。では早速、俺のホットなリコーダーを吹いてもらおうか」
命。続けて貞操には代えられぬと妥協案を示してみるものの、しかしリピドーの支配された男はその言葉を勘違いしたらしい。
股間のガイバーを突き出すとファランクスよろしくズンズンと突き出してくる。
「あ、あのあの……ちょ、ちょっと待って……」
「何、恐れることはないゆたかたんよ。こいつは噛み付いたりはしない。そっと触ってごらん?」
小早川ゆたかの貞操終了まで後僅か。そして、キョンの理性崩壊ははるか以前の話。
さて、ここよりこの物語の中で一番に純情だといえる彼女はいかなる逆転劇を見せてくれるのだろうか。
よもやこのままキョンにアレされちゃうのであろうか? いや、それは断じて許されはしないだろう。何より私が嫌だ。
ここまで来た以上、色々とあれな意味であれだとは思うがここからでもヒロインの座に戻れると私は信じたい。
「――うちの学校の生徒に何さらすんじゃーい!」
ということで、いささかご都合の感は否めないがここで正義の味方の乱入である。
その金髪が元の持ち主とよく似た黒井ななこは乱入するなり約束された勝利の剣を一閃。
ゆーちゃんの眼前へと突きつけられたそれを叩き落すと、革靴の裏でそれを踏みつけ壊れたクラリネットとした。
無謀な変態の断末魔が、バトルロワイアルの夜に響き渡る――……
★ ★ ★
「ふー、こんなもんか……」
そう言うと、一仕事終えたななこは額に浮かんだ汗を拭った。
その足元には哀れな変態の末路。エクスカリバーによって滅多刺しにされたキョンが転がっている。
一度と挿すことなく刺されて逝く。これもバトルロワイアルにおける無常の一つの形であった。よくある話でもある。
「大丈夫やったか? …………と」
振り返り、ベッドの隅で青くなっているゆたかの顔を見てななこの顔も曇った。
男に乱暴されそうになったからその恐怖で青くなっている――それは間違いではなかったが、しかしそれだけでもない。
ゆたかの震える瞳は、それは人殺しを見る目に他ならなかった。
「せやな……まぁ、そうなるわな……」
諦めを含んだ溜息がななこの口からこぼれる。
そう。自分自身は人殺しに他ならない。そうなると決めて、そして実際にその手を血に染めたのだ。
それが生徒達の為とはいえ、決して誰からか理解されるものではないとも解っていた。
「うちはこの通り、この殺し合いっちゅうのをちゃちゃっと終わらせたくてなぁ。
とはいえ、見知ったもんを殺すいうのは気が引ける話やし……小早川。早ぅ逃げ。殺されたないやろ?」
ことさらに明るく言ってのける。
これが正解だと。理解や同情を求めてはいけない。
教え子達を綺麗なまま生き残らせる為にも、自分との間には……汚れてしまった自分との間には明確な線引きが必要だった。
歩み寄って彼女達を汚してもいけないし、近づくことを許して同じ道を歩ませてもいけないのだ。
最初にそう決めたのだから。
「うちは――殺人鬼や。もう、ほんまもんのな……」
ひ――と、その言葉にゆたかの口から悲鳴が漏れる。
それでいいと、そうななこは思った。恐れられ嫌われれば、その方がよっぽど楽だから。
未練もなく、ただの礎としてこの身を犠牲にできるだろうと。
「さてと、この不届き者から荷物ひっぺがしていかんとな。拳銃でも持ってたら――っ!?」
しかしまだ、黒井ななこは人殺しではなかった。
なぜならば、ガイバーは剣で刺されたぐらいでは死には至らないからだ。
殖装の衝撃に、未だ不完全な殺人鬼は吹き飛ばされる。
★ ★ ★
「――やめて! やめてください! なんでもしますからっ!」
少女の悲痛な叫び声が『妹の部屋』に木霊していた。
その目の前では怒りに我を忘れたキョンがぐったりとしたななこを何度も何度も憎ましげに踏みつけている。
普通の人間を遥かに凌駕するガイバーの力で、何度も何度も……。
「この行き遅れが――っ! よくも、よくも俺のシンボルを! 再生できなかったらどうするつもりだったんだ!」
冷静でないから狙いが定まらないのか、それとも甚振るためなのか、血塗れながらもななこは辛うじて生きている。
内臓を痛めたのだろうか、口からは血を吐くばかりで最早悲鳴の一つもあがってはこない。
だが、ゆたかは気づいていた。彼女の口がずっと同じ形を繰り返しているのを――に・げ・ろ、と繰り返しているのを。
「お願いします。先生を殺さないでください。あなたの妹になります。だから――」
どれだけ怒り狂っていてもそれだけは聞き逃さないのか、妹という言葉を聞くとキョンは再び殖装を解いて下卑た笑みを浮かべた。
年増はゴミと言わんばかりにそれを意識から放り出すと、ゆたか――妹が待つベッドへと再び歩み寄る。
「とりあえず。いついかなる時でも俺を呼ぶ時はお兄ちゃん。またはそれに類する言葉を使用するように。
とはいえ、やはり俺は一番オーソッドクスな”お兄ちゃん”が好きだがな」
「……はい。お、おにぃ……ちゃん」
遂にそれが聞けたとキョンの顔に満面の笑みが浮かんだ。
お兄ちゃん――甘美な響きを持つ言葉である。その言葉一つで彼の中の怒りも何もかもが蕩けてゆく。
「よしよし。では散らかってしまったことだし部屋を移るか……と、どうした? 妹よ?」
「あ……あ……、あぁ……」