俺は待っていた、この趣向の板ができるこの時を!!
GANTZ 週刊ヤングジャンプ連載中のこの作品
この作品の登場キャラをアニメ、漫画キャラにして二次創作を作りたい!
原作の簡単なあらすじを説明すると
ある日、主人公は電車に轢かれて死亡する。
だが、死亡していたと思われた主人公は謎の部屋で目覚める
その部屋には自分と同じ状況の人間と動物?が数人
そして謎の黒い球ガンツが一つ
その球、ガンツから毎回戦う星人の特徴を教えられて、そのまま戦いの舞台へと転送される
時には星人を圧勝して全員生還な時もあるが主人公以外全滅など悲惨なことも多々ある
基本的には一回、星人を全滅させると日常に帰ることができ、ミッション終了時には得点が表示される
その得点の合計が100点になるまでは何回でもガンツに強制呼び出しをくらう
で、これをアニメキャラ、漫画キャラなどに置き換えての二次創作をしたい!
例えば
涼宮ハルヒの憂鬱から6人ほど交通事故にあい死亡したかと思われたが
ガンツに召還される、その奇妙な現象に驚くキョン、ハルヒら一行であったが
ガンツから指令が出される……
てめえら等は今から
この方をやっつけにいってくだちい
足もとがお留守星人
特徴
強いけど足もとがお留守
よくやられる
好きなもの
ブルマ
口癖
ベジータめ!
こうして、謎の足もとがお留守星人対SOS団の死闘が始まる
ガンツ知らんが足もとがお留守星人ワロタwwww
どんな感じで進めていくかは実際やってみないと分からないので
最初、自分で書いてみます
凄い期待するけど、展開の幅作んの難しそうだな……
>>1 なんか興奮してるとこに水差すようで悪いけど
今までにこういうのたくさん作られてたよ
主にやる夫系スレで
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 13:14:08 ID:ZOHxOGEz
水を差すようで悪いと思うなら言うなよ
そう思うのは俺だけ?
サイヤ人を倒しに行くのか……
いや、ベジータ星人か?
星人は原作で宇宙人と設定されてるキャラじゃなくていいのか?
自分としては、その辺はアバウトにしていくつもりですけど
原作でも小島多恵星人出てるし、星人側の条件は特にいらないかと
例であげたヤムチャ一人でもいいし、こち亀派出所軍団でも何でもいいと思う
ガンツから支給されるアイテムも、その時の登場キャラに関わるアイテムとか使えたら面白いかも
あと企画の基本的な流れですが
・投下前にトリップ付きで投下宣言
・投下は連載方式でも一括掲載でも構わない
・1ミッションを一人の書き手で最初から最後まで書いてもらう
・1ミッション終了ごとに一応のエンディングとしてもらう
・続きを書きたい人がいれば宣言することにより続編を書ける
と一応、仮ですが考えてみました。
これって小説みたいに書くの?
それとも台本台詞?
板からみて小説形式じゃないか?
どっちでもいいと思うよ
終わり
投下マダー?
アニメキャラ、漫画キャラじゃないとダメなの?
ネメシス召喚してスターズ星人を倒せとかもありなんかねw
>>17 キャラは基本的に何でもありです
>>18 基本的に個人創作になるので全然あり
ていうか書き溜めてからスレ立てろよ
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 15:40:51 ID:lWYWvc4V
投下のないスレ全部に同じこと言ってこい
遅くなって申し訳ないです。投下させてもらいます。
題名は「はじまり」
急になんだが、俺の名前は玄野計、高校一年だ。
今は学校からの帰りで健全な高校生らしく、駅のホームで週刊雑誌のグラビアを見ている。
いつも思うが、このグラビアタレント達は本当に生息しているのか?
少なくても、俺の高校にはいねーぞ。というより、こんなの見たこともない。
そんなこんなで待ち時間を有意義に過ごしていたら、変な婆さんが話しかけてきやがった。
「あのぉ、すみません 日出台へ行くにはここでいいんですか?」
知るかよ! 何で俺に聞くかな
確かここじゃなかったと思うけど、メンドクセーな
「あーそうそう」
「そうですか、有難うございます」
軽く袖にしてやったぜ、二度と話かけてくるなよ
そう思っていたら、何かを見たのか婆さんが振り返ってまた戻ってきやがった。
「あの…やっぱりここじゃ…ないみたいなんですけど」
そうくるか、カチンときたぜ
「あのさぁ、お婆ちゃんさぁ、もう少し自分で努力しなよ、人頼りにしないでさぁ」
言ってやった、かなり困った顔してる
「……すみません」
そうそう、そうやってどっかにいけばいい、俺にはそんな暇ねえんだよ
グラビアアイドルを見つめながら、こんなマヌケ面をしてなんだが
俺は世の中はっきり言って見下している。
その辺にいる加齢臭漂うおっさんも、長く生きてても、たいして深いこと考えてねえだろ
もちろん若い奴はなおさらだ。脳みそツルツルに違いない。
何か少し距離を置いたところに匂いのきつそうなホームレスがいるが最早論外だ。
もう俺以外の奴らはいつ消えてもいいと思っている。
そんな風にいつも通りの思いで、電車を待っていたら
今度は学生服でいかにも不良です、みたいな奴が隣に立ちやがった。
髪は後ろが長く、オールバック、更に身長も高くガタイもいい、俺のもっとも嫌いなタイプだ……ん?
おいおい、よく見るとこいつ加藤じゃねえか? 加藤勝
見れば見るほど間違いないぞ、小さい頃によく遊んだ記憶がある。
小学校で転校してからずいぶん荒れてるって聞いたけど、俺のこと覚えてねーだろーなー
よく遊んだよな……うん、一番よく遊んでたのがこいつだ。
あぁあ、しょーもねーヤンキーみたいになっちゃって
ドサッ
ん?何か変な音しなかったか?
……うわ、ホームレスのおっさんがホームから落ちてやがる
「うぅ……痛てて……」
痛ててとか言ってやがる
あーあ、やべーぞ、あのおっさん酔っ払ってんな
駅員もこねーし、さっきから声を掛けている奴はいるが降りて助けようとするやつなんかいないぞ
そうだよ、こんなオッサンのために助けにいくやつなんかいねえよ
……もしかしたら、このままいくと人間がバラバラになるとこ見えるんじゃね?
映画とか漫画でしか見たことねーもんな
いや、これは緊張するな。事故現場、初遭遇か
「おーい、おっさん」
「えー、マジー」
声を掛けたりしてるオッサンや野次馬している女子高生らは助ける気が一切ないみたいだし
これは、マジで見えるな……?なんか隣の加藤のやつ手震えてないか?
へっ、やっぱり震えてるぜヤンキー、人の死体見るの怖いか?
そーいや、子供の頃も気が小さかったもんなコイツ……
「おし、決めた」
……はぁ??
おいおい、何やってんだコイツ、なにホーム下に降りてんだよ
お前、頭おかしいんじゃねえの?
「なにやってんだアイツ! 死ぬぞ」
「危ねーぞ、おい上がれすぐ」
周りの声も聞こえねえのか、あのバカ
どーすんだよ、おい、何カッコつけてんだ
でも……まだスピーカーでアナウンスもされていないし、素早く行動すれば
「おい! オッサン起きろ!!」
「……うぅーん」
「おい!誰か、一緒に降りて手伝ってくれ!」
無理、無理に決まってんだろ
「! 駅員、何やってんだよー」
「誰か駅員呼びにいったのかよ」
ほらみろ、誰も自分の命かけてまで手伝うかよ
「あのなー、お前ら、俺も見殺しかよ」
んなこと言ったってお前の方が非常識だって、それより、もう諦めて登れっつの
……あ! しまった目が合った
おいおい、何だよその目はカンベンしてくれよ俺がやるわけねーだろ
「計ちゃん、計ちゃんだよな!」
「あ」
言われちまったよ、反則だろ、そんなの
周りのやつも何みてんだよ、おまえらがいけよー
って気がついたら降りてる俺、なんで?なんで降りる俺
覚えててもらって嬉しかったのか?
そんだけ? 死ぬかもしんねーんだぞ
「はやく」
うっせーよ、わかってんだよ
「しゃがんで、乗せるから」
乗せる?俺にか?この臭いオッサンを?
ああ、迷ってる時間がない! 命が掛かってる、こいつの言うとおりにした方がいい
「よし、そのまま引っ張ってもらって」
……何でこんなことになった。もう電車のライトが薄っすら見えている
うわ、死ぬかもしんない俺、駄目だ吐き気が
「よし、引き上げたぞ」
「君らも急いで上がるんだ!」
わかってるよ、糞……って全く届かねえよ、どうすんだよ俺
「もう駄目だ、走れ!」
走れ? 何言ってやがるこの馬鹿が
走ってどうすんだよ、電車よりも早く走れるのかお前は?
「ハァハァ、おい走ってどうなる?」
「停車の時は速度を落とすだろ! 最前列の車両の停車位置より前まで走れ!!!」
そっか気づかなかった、まだ、まだ助かる!
こんなに走るのは久しぶりだぜ
しかも、命賭けのレースときたもんだ。
あと3メートル、2メートル、1メートル……
「通過列車だぞ! 馬鹿ヤロウ!!」
……どこからか聞こえた声
通過列車か、そうか
俺と加藤の足は自然に止まっていた。
ついさっきまでグラビアアイドルに見とれてたのに
帰ってバラエティ番組観る予定だったのに
俺死んじまうんだ……怖い、死ぬの怖えぇー
「隙間、隙間探せ! どっか隙間」
「ねーよ!」
そして、列車はとまることなく俺達二人を跳ね飛ばしていた
最後に俺が見たのは加藤の吹き飛んだ首
きっと、その光景を見ている俺も首だけになっているだろうな……
――――――プツン
気がつくと俺、いや……俺達二人はどこか見たこともないマンションの一室にいた
その部屋には俺達以外に人が数人、それ以外には奇妙な物体がひとつ
黒くて丸い物体、どこか異様な雰囲気を醸し出すその球体が部屋の真ん中に置いてあるだけだった。
「君達も死に掛けたの?」
部屋にいたうちの一人、めがねをつけた冴えない男が聞いてくる
俺はその質問に答えることもなくただ呆然としていた。
何が起こったか、まったくわからなかったんだ。
でも……なんだか、もう帰れない場所のような
そんな気は……していた。
「君達のその動揺、やっぱり死にかけたんだね」
さっきまで走っていたから、息もまともにできない。
なんとか落ち着かせると加藤が
「ハアハア、よく知らないけど……ほらな、助かったろ」
「ホラって、お前……」
ふざけんなよ、お前のせいで死にかけたんじゃねえか!
くそ、嬉しそうな顔しやがって
「助かってない」
数人の中の一人、奥にいた白髪頭の老人が喋り出す
「ここが天国だよ、死んだんだよ私達は」
「はは……仮説のひとつですよね」
「私はついさっきまで、病院でガンと戦っていた、今は痛みも全てなくなっている、これをどう説明できる?」
死んでる?うそだ
心臓動いてるじゃん、息だってしてるぞ
「おい、計ちゃん見ろよ、東京タワーだぞ」
あッ?窓から見えるのが東京タワーだって?
……ほんとだ
そういや、ここもマンションの一室じゃねえか、天国なわけねーだろ、こんな所
ん?待てよ、なんでこいつらここにいるんだ?
勝手に外に出て帰ればいいじゃねえか
それに、部屋にあるこの球体、なんか変じゃねえか?
「あれ?おかしいなあ」
人が考え事してるのに、また加藤のやつが変なこと言ってやがる
「計ちゃん、ドアが開かねえ」
「はあ? 嘘だろ、俺にやらしてみて」
うっ、開かねえ、てかドアノブに触れない
触れないというか、滑るというか……なんだこりゃ?
「開かないっていうか、壁自体に触れないんだ、この部屋のどこも…出られたらこんな部屋にみんな大人しくしてないよ」
なんだ、このめがね、知ってたんなら先に言えよ
「携帯も電源入らないし」
「……音は? 隣近所に聞こえるように」
「すっごい音出しても全く反応なし」
ったく使えねえ大人だぜ
あー、今何時だろうなぁ、もうあの番組終わってんな
まあ、それよりこの状況だ、なんなのこれ?
周りを見渡してみると、いるのは、俺、加藤、めがね、白髪、俺と同年代っぽい男と女が一人
合計六人……共通点もあるように思えない
「みんな注目ー」
なんだよ、どっかの先生みたいな言い方しやがって、このめがね
「今からみんなで自己紹介しましょう、まず名前と職業……あとどうやって死んだか」
だから、死んでねえよ
「最初は私から、名前は山田雅史です、小学校で一年を受け持っています教師です」
うわ、それっぽいな
「スクーターに乗ってて事故っちゃいました、それじゃあ次に君」
って俺かよ、なんで俺からなんだよ
「えーっと、玄野計、高一……死に方はこいつの巻き添えで」
そう言って、加藤の方向いてやった
そーだ、元はといえばコイツが全部悪い
「そっか、そっか計ちゃんごめん、俺喜んで手伝ってくれてるとばっかり」
んなやついるかよ!!!
「あの、自己紹介を」
「あ……加藤勝、死因は電車にアタック」
なーにが、電車にアタックだよ。反省してんのかテメーは
ムカッ腹立つぜ、チクショー
「次は私かな、鈴木吾郎……みんな知らないかな?」
そういや、この白髪のおっさんポスターか何かで見たことあるな
「じゃあ次の人」
今度はあの女子高生か……何かどっかで見たことある気がするな
「ええと……桂木弥子です、好物はイチゴの佃煮です」
「……いや、好物じゃなくて」
「あっすみません、つい……死因は……自殺です」
聞いてやんなよ、めがね。言わないってことは何かあるってことだろ
でもやっぱり、どこかで見た気がするな
「で最後に……君いいかな?」
めがねが最後にまわしたのもよくわかる。確かにあいつからは変な空気が伝わってくる
「……泉新一、高校生……死因は……クソ!!!!」
そう言い自分の足元を殴りつけてやがる。こいつは狂いかけてるな、周りの奴らも驚いてる
「いや、いいよ、言いたくないなら言わなくていい」
何びびってんだよ、メガネ。俺にも聞いたんだから聞け
まあ俺は聞かないけど
「とりあえず、全員終わりましたねー、何ひとつ収穫はありませんが」
そうだろうよ、もういいから帰りたいぜ
『あーたーらーしーい、あーさがきた、きぼーうのあさーが』
ちょ、何だよ! ラジオ体操の音楽じゃね、これ
うるせえし、何か不気味だっつのどっから鳴ってんだよ
「これは…」
「この球から鳴っていないですか?」
桂木とか言う女子高生が球を指さしている。
よく見ると球になんか文字が出てないか
「なんか出てるぞ、文字?」
てめえ達の命はなくなりました。
新しい命をどう使おうと私の勝手です。
という理屈なわけだす
なんだこれ? 所々文字も変じゃないか?
「り」と「す」の文字だけ逆さに書いてやがる。
「これは……」
自然と、全員がざわめく
「待ってください、また違うものが浮かんできてます」
てめえ達は今からこの方をやっつけに行ってくだちい
足もとがお留守星人
特徴
強いけど足もとがお留守
よくやられる
好きなもの
ブルマ
口癖
ご、悟空っ!!
そして、文字の横にはその足もとがお留守星人と思われる顔写真
「なんかゲームでもはじまるんですかね?」
「なんだ、これは」
「………ネウロ」
「………計ちゃん、これは」
「……母さん」
ラジオ体操の音楽が流れる中、それぞれが様々な思惑を胸に抱え、始まるガンツの任務
その中、玄野計は自分の第六感から聞こえる警報を止めることができないでいた。
投下終了です。何話になるかわかりませんが連載方式を取らせてもらいます。
あと、まだまだ決めていかないといけないことがありますが
>>11に少し追加して
・投下前にトリップ付きで投下宣言
・投下は連載方式でも一括掲載でも構わない
・1ミッションを一人の書き手で最初から最後まで書いてもらう
・1ミッション終了ごとに一応のエンディングとしてもらう
・続きを書きたい人がいれば宣言することにより続編を書ける
・作品は台本形式、小説形式問わない
・基本は個人創作になるので、ガンツの球さえあれば登場人物、展開なども問わない
まだ企画のはじまりなので、好き勝手書いていきルールを決めていけたらいいと思ってます
34 :
wktk◇:2008/09/02(火) 18:24:41 ID:yQ74eKTe
wd
なんだろうね。
この盛り上がりに欠ける感じは。
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 13:55:35 ID:DjKGRS2+
板の雰囲気はいいのに、このスレにはネガキャンだけしにきてるやつが一人いるな
GANTZキャラ出るんだww
とりあえずどんなキャラ出したらいいか(俺も含め)戸惑ってる人達ばっかだろうし、
適当に漫画でもアニメでもゲームでもドラマでも映画でもいいから、誰かキャラクターの名前書いてってくれ。
少し参考にさせてもらうかもしれない。
ドラえもん
犀川創平
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 20:11:54 ID:5+N9bJY2
カイジ
一応、名前だけじゃわかりにくいと思うから作品タイトルも加えとく。と言うわけで
ヤーボ大佐『ディエンビエンフー』
『AKIRA』の金田
『狼と香辛料』のホロ
『スティール・ボール・ラン』のジャイロ・ツェペリ
『PSYREN』の朝河飛龍
『無敵看板娘』の太田明彦
『無敵看板娘』の敏行
『GANTZ』のぬらりひょん
ん〜、ある程度話は思いついてはいるんだが
どうしようかな
『星のカービィー』のカービィー
>>45 Youやっちゃいなよ
単発でもいいのか?
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 22:02:58 ID:5+N9bJY2
どっかにルールっぽいやつあったけど確か、基本どんなスタイルでも良かったぞ
『現実』のセガール
『VOCALOID』の初音ミク
キャラも集まったし……今夜あたり書いてみようかね
深夜になると思うけど今日投下するわ
『魔法少女リリカルなのは』のティアナ
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 00:08:27 ID:gQTcYtnF
書きながら投下になると思いますが、始めさせていただきます。
「グフフ」
「………」
チョコレートのにおいが充満していた。
決して広くない部屋だ。スケールに換算するなら十六畳と言ったところか……それでも、ウチの自室よりはでかいかもしれない。
十分な光量で照らし出された空間。窓の外に広がる風景から察するに今の時間帯が夜だと言う事がわかる。まぁ……今は暢気に時間の考察などしている場合ではないのだが……。
「グフフ」
「………」
チョコレートのにおいが充満した部屋の中に、太田明彦はもう一人の男と二人っきりで居た。
そのもう一人と言うのが……曰く表現し難いのだが。まぁ、つまり、巨漢だ。
太っている……とも表現できるだろう。しかし、何を隠そうその身長がやばい。
二メートルは軽く超えている。バスケットボーラー達の中に混じったとしてもどこにいるか分かるくらいだろう。巨体――転じて、巨大と表現するのが、最も正しいかもしれない。
本当に人間なのかとも疑いたくなるくらいだ。
「グフフ」
(……何故、笑う……)
そんな彼はさっきから突っ立ったまま延々と笑い続けている。初見から表情が変わっていない――ずっと笑顔のままだ。それがまた気味悪い。
着装している服は軍服……つまり、軍人ということになるが。
(じゃあ、何で俺はそんな軍人さんと一緒にこの部屋に居なくちゃならないんだ……)
記憶を手繰ってみる。この部屋に来る以前の、記憶。
確か……そうだ、いつもどおりの日常だったはずだ。実家の八百屋で店番しながら、時々出前に向かう、隣の中華飯店の快活な看板娘を見送りつつ――調子に乗ってる娘に鉄拳制裁を加えるおかみさんに乾いた笑みを送りつつ――そんな日常が展開していたはずだ。
気づいたらこの部屋だ。
前触れなんて一切なしに。
「……どうしたもんか」
嘆息し、頭髪を掻きながら、時々聞こえてくるグフグフを聞き流しつつ、ふと、視線を上げた――その時だった。部屋の中に、異変が起きていたのは。
「………え?」
この部屋の中央付近には、一つの巨大な球体が存在している。素材も不明な、光沢のある不可思議な物体だ。その球体の黒色の表皮から、一筋の光の筋が放たれていたのだ。
レーザー、と言うのが適切だろうか。
「な、なんだ!」
太田は咄嗟に飛び起き、壁際へと走り寄る。
彼と、巨体の男の前で――レーザーは一人の人体を作り上げていっていた。
「あ〜〜……ん??」
構築された女――女? は、欠伸をしながら部屋の中を見回す。
あくまでも太田視点だが――女、と呼ぶにはかなり頑丈そうな体の持ち主だ。つまり鍛え上げられた肉体、である。恰幅がいい。背も太田より高い。金髪の長髪――色の違う目。外国人――だろう、見たところ。
「あれ? なんだここ? ……俺……どうしちまったんだっけ?」
無骨な口調で言いながら、女はキョロキョロと視線の矛先を変えていく。まず確実に巨漢の男が視界に入ったはずなのだが、そいつは無視された。女が見つめた先に居たのは、太田だった。
「なぁ、おい。お前」
「え? ……お、俺っすか?」
「ここどこだかわかる?」
「いや、俺にもいまいち……」
引き攣った笑みでそう返すと、女はうーんと唸りながら小首を傾げる。やがて「まぁいっか」と呟くとその場に座り込んでしまった。
「そう言えば仕事中だったっけ? ……あーあ、急に居なくなっちまったから、先輩にどやされるだろうな……くそ」
ぶつぶつ言っている彼女は置いといて、太田はその背後の黒球を見遣る。
何が起きたのか――は、判断できた。彼女の口ぶり――それは、自分がこの部屋に現われた時と全く一緒だったからである。
(…俺も、こうやって送られてきたのか? ここに? …)
黒球から、続いての光線が打ち出されていた。
※現在メンバー ○名前【出演作品】
○太田明彦【無敵看板娘】
○ヤーボ大佐【ディエンビエンフー】
○ノイ【ドロヘドロ】
「………」
さて。
あれからどれだけ経ったのだろう……部屋の中には、太田も含め十人近くのメンバーが集まっていた。どいつもこいつも個性的なメンツである。普通すぎる太田が、逆に浮くくらいだ。
あの巨漢の男は相変わらずぐふぐふ笑ったまま。外人の女に関しては驚くことに床に横になって寝ていた。
とりあえず、そこからは送られてきた順に紹介する。
四人目は、普通の高校生だった。見たところは何の変哲もない。部屋に来たリアクションも、予想の範疇である。何ともうっとうしそうな顔で、壁際に立っている。
五人目は、これまた外国人っぽい男。奇抜な服装で、頭にテンガロンハットをかぶっている。慌てた様子こそなかったが、腰のホルダーの中から《てっきゅう》が無くなっているという事実にだけは、やたらと焦っていた。
六人目は、女……なのだが。そいつには耳が生えていた。
いや、耳なら太田にも生えている。問題は位置……頭部にぴょこんと揃っていたということである。毛髪と同じ色の毛におおわれたその耳は、狐か狼のものに近い。
かくいうその釣り目の女性も、全身から醸し出している気配のようなものが……人間とはかけ離れているような気がした。
七人目……普通の高校生、だと思ったが、かなりガタイがいい。そりゃあ、最初の二人には負けるかもしれないが、まぁ良い方だと思う。鋭い目つきで部屋の中を見渡しながら、完全に自分に近づくなと言うオーラを出している。
八人目……老人。老人だと思う。見かけは、老人だ。しかし、その全体像が……どこか、昔アニメか何かで見た《ぬらりひょん》に酷似している気がしてならない。
部屋に着た瞬間から「なんぞこれ、なんぞこれ」とうるさいし。そしてそれしか言わないし。
「アレは一体全体何なのじゃろうか。わっちにもよくわかりんせんが……」
獣耳の生えた女は言う。太田の隣、彼女はいつの間にか居た。
「良くないにおいが、するでありんす」
九人目と十人目……と、二人一緒にした方がいいだろう。ともかく最後の二人だが、この部屋の中では特にいかれた風体の男たちだった。
一方はピンク色の髪の眼鏡をかけた優男。白色の服を纏って、気味の悪い笑みを湛えつつ部屋の中を見回している。
もう一方も白い服。やたら巨大な襟の、蛇のような眼をした細い男だった。何かにイライラしたように、黒い玉を睨んだまま動こうとしない。
何はともあれ、そんなこんなで十人。
部屋の中は、完全に凍結していた。
※現在のメンバー
○太田明彦【無敵看板娘】 ○ホロ【狼と香辛料】
○ヤーボ大佐【ディエンビエンフー】 ○朝河飛龍【PSYREN】
○ノイ【ドロヘドロ】 ○ぬらりひょん【GANTZ】
○上条当麻【とある魔術の禁書目録】 ○ザエルアポロ・グランツ【BLEACH】
○ジャイロ・ツェペリ【スティールボールラン】○ノイトラ・ジルガ【BLEACH】
とりあえず第一話はこんな感じでどうでしょう。
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 12:32:18 ID:UKjFahXG
投下乙!
GJ
どうもどうも。とりあえず二話目が終わったら安価でもやろうかと思ったけど人が少ないし無理かな。
ともかく見てくれてありがとうございます。
投下乙。
知らないキャラ多いけど続きが楽しみだな
投下乙
普通に面白かったです
ていうかぬらりまで呼ばれてるしwどうなるんだよw
すげーカオスなメンバーだけど
そこが面白いなw
67 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 13:44:25 ID:LXmE1Gn6
このスレ見てから原作読んでみたけど、面白いなこれ
おう、面白いぞ
ちょ、原作の方急展開だな相変わらず
>>70 美味しかったですw
……でも誰か分からない自分が悔しいです!
投下させてもらいます。
第二話「まちがい」
草木もどこか緑をなくしている、名もない台地
周りには生き物と思われるものは一つもなく、普段ならば静寂だけが支配する場所
しかし、今、この地には複数の生物が両の足で地面を捉えていた。
どの生き物も少なからず人間の枠から外れているもの達
だが、その枠から外れているモノにしかできないことをやり遂げる為に集まった戦士達
その戦士達の目的……それは宇宙人撃破
そう、今この地球は宇宙人の襲来により、過去最大の危機を迎えていた!
その危機を超えるために、現れた戦士のうちの一人、三つ目の男が言う。
「舐めてたのは、貴様らだな」
そう言う男の前には、足の先から頭まで全てが緑色の生物が倒れ込んでいる。
「馬鹿な……サイバイマンの戦闘力は1200だぞ、パワーだけならラディッツにも匹敵する」
この場にいる中で一番の巨漢の男が、巨漢特有の低い声で驚く。
「やつの戦闘力はそれを超えるんだろ、単純な計算だ」
巨漢の男と同じ衣装を身にまとった男が、冷静に巨漢をたしなめる。
「そ、そうか……まあいい、サイバイマン、次は負けるなよ」
そう言うと倒れ込んでいる、緑色の生物と同等の形をした五匹のうち、一匹のサイバイマンと呼ばれるそれが前に出る。
それに対して戦士達の方から、長い髪をなびかせ前に出る男が一人
「オレにやらせてくれ、ここらでお遊びはいい加減にしろってとこをみせてやりたい」
「ヤムチャさん、そんならオレだって」
「いや、クリリンは一度ドラゴンボールで生き返っている、もし万一のことが起こってしまえば二度と生き返れない」
そう言いつつ、長髪の男ヤムチャは歩き出す。
「さあ、きやが……わっ……」
場に似合わず、倒れ込むヤムチャ、どうやら足元の石に躓いたらしい。
「ほら、オレがいきますよ、それに……新必殺技があるんですよ」
「そうか、それなら……負けんじゃねえぞ! クリリン」
石につまずいたのがキッカケなのか、それとも何かが働いたのか
ヤムチャに変わり、クリリンと呼ばれる坊主頭の男が、サイバイマンの相手をすることになった。
それは彼らにとって当たり前のことなのかも知れない……流れでそうなった、ただそれだけのこと
だが、遠い誰も知らない場所で誰も知らない物体だけが、只それだけが反応をしめしていた。
キュル、キュルキュル、キュル
古いカセットテープを巻き戻す時に似た音、その音がどこか誰も知らない場所で流れる。
マンションの一室、人は誰もいないその部屋で黒い球、ガンツだけが始動する。
……や……む……ち……ゃ……
薄い文字で球体に文字が流れる。
―――――玄野計含む六人が現れるのは、この一分後の話
そして、舞台は名もない荒れ果てた大地へと戻る。
「いくぞ! みんな離れてろ!」
「修行の成果を見せてやる!!」
そのクリリンの手から、眩い光とともにエネルギー波と呼ばれるものが飛び出す。
「すさまじいエネルギーだが、スピードが遅い! 避けろと言っていうようなものだ!」
緑の男、ピッコロが叫ぶが、周りの敵も味方も同じことを感じている。
だが、クリリンはそれを認めて、あざ笑うかのように小さく口を吊り上げる。
その笑みと同時に低速で伸びていたエネルギーの固まりが空へと舞い上がっていく。
「ばっ!!!」
大きな塊は空中でクリリンの声と同時に雷鳴のように大きな音を立て、敵それぞれに向かう
その様子は正に、エネルギー波のシャワーとなり敵に降り注いでいた。
だが、この場にいたZ戦士とサイヤ人たちはクリリンの必殺技により気づかなかった。
100メートルほど離れた場所に、ガンツからの使者六人が転送されてきたことに
簡素で量も少ないですが、投下終了です。
もっと見たい
投下乙。足もとがお留守星人ってマジでヤムチャかいw
ぼんやりとネタを考えてるんだけど、案内役がいないのはつらいな。
一エピソードだと参加者が状況把握するだけで話が終わりかねない。
参加者の中に原作の西君だけ入れてみるのはどうだろうか?
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/27(土) 13:52:31 ID:Ms1k32OE
寄生獣の後藤さんと範馬勇次郎VSオニ星人キボン
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 10:06:45 ID:zMZ1FrcW
応援
どうも。
漫画キャラ板でGANTZの西君の話を書かせてもらってる者です。
同じ様に創作している者としてはかなり気になるスレです。
応援させて下さい。
それはどうも
そちらの方も読みにいってみますね
第1話
ジジジジッ
気付くと『私』は黒い球の部屋にいた。
一体、ここは何処なんだろうか。窓の外からは東京タワーが見える。
ならば、ここは東京なんだろうか。窓を開けようとするが全く触れる事ができない。
誰が何の為に『私』をここに連れてきたのだろうか。
答えに至る事なく悩み続ける『私』の前に、黒い球からレーザービームが発射され、人間が描き出された。
ジジジジジジジジッ
「・・・・・・なんだ、ここは・・・・・・」
出てきたのは、額がやや禿げ上がっていて、髪の毛が天井に向かって逆立っている男だった。
「・・・・・・キサマ、何者だ・・・・・・ここは一体どこだ」
男は『私』を睨むなり、高慢ちきな口調で詰問して来た。
何故にこの男はこんなに偉そうなのだろうか。少しカチンと来たが、口には出さなかった。
ジジジジジジジジッ
またも黒い球から人間が出てきた。男はそれを見て、驚いていた。
「カッ、カカロットッ!?」
「・・・・・・んあ?何処だ、ここ?あれ?ベジータ?」
「キサマもここに・・・・・・・・・一体、ここは何なんだ?」
「・・・・・・オラも分かんねェよ・・・・・・・・・気が付いたら・・・・・ここにさァ」
額がやや禿げ上がった男は『ベジータ』
そして次に出てきた山吹色の服を着ている男は『カカロット』というらしい。
全く持って変な名前である。日本人ではないのだろうか。『私』は疑問に思った。
ジジジジジジジジッ
そんな『私』たち3人にお構いなしとばかりに黒い球は再び人間を出してきた。
「・・・・・・・・・なんだい、ここ・・・・・・あ・・・・・・ソンゴクウ」
「ん・・・・・・何でオラの名を・・・・・・おめェ、誰だ?オラ、おめェなんか知らねェぞ?」
「・・・・・・チッ、何でキサマも来るんだ?」
「うるさいね・・・・・・それはこっちの台詞だよ」
現れたのは、金色の髪の毛が美しく映えている女性だった。
どうやらベジータとカカロットとは知り合いらしい。
が、彼女はカカロットの事を『ソンゴクウ』といった。『私』にはその意味がさっぱりだった。
「言っておくがな・・・・・・オレはあれから更にレベルアップしたんだ!
キサマらカラクリ人形に、このベジータ様の本当の強さを教えてやる為にな!」
「ギャーギャー喚くんじゃないよ、鬱陶しいなァ!ソンゴクウ、こいつ何とかしな」
「まァまァ、今はケンカしてる場合じゃねェよ、ベジータ!
こういう時は協力し合った方がいい」
「協力だと!?ふざけるな!!オレはコイツやお前と協力しようとは蚊ほども思わん!」
「それはアタシも同じだよ」と、金髪の女性はプイッと向こうを向いてしまった。
ジジジジジジジジッ
そこへ、また人間が出てきた。
「・・・・・・な、なんだァ、おめェ、なに泣いてんだ?」
カカロット(ソンゴクウ)は、出てきた男がいきなり泣いているのを見て少しビビる。
「ひぐッひぐッぐッ、うッ、だッだッてェッ・・・・・・」
「・・・また妙なのが出てきやがッたぜ・・・・・・一体、何だってんだ」
男は見た感じ20代前半で、甲冑にも似た妙な服装をしていた。
そして、最も『私』の目に印象的に映ったのは、背中にデカデカと描かれている『1』という文字だった。
ただの直線なのか、或いは数字の「1」の事なのか。
「・・・・・・ちょッ、あんたッ、変なモン見せるんじゃないよッ!!」
突然、金髪の女性が顔を真っ赤にして激昂した。
よく見ると、泣いている若者の股間が今にも破裂しそうに膨れ上がっていたのだ。
「・・・・・・ゲッ」思わず、『私』は後退した。
「おめェ、泣きながら、チンコおったててるなんて変なヤツだなァ」
カカロット(ソンゴクウ)は特にドン引きする事なく、若者の股間を指差した。
ジジジジジジジジジッ
そこへまた人間が出てきた。
「んだ・・・・・・・・・ここは・・・・・・」
次に出てきた男は、顔が傷だらけだった。しかも口の両端にはピアスがあった。
「・・・・・・イチ・・・・・・・・・・てめェもいたのか・・・・・・何だ、ここは」
「うわッ、まッまた怖いヒトがッ・・・・・・」
「覚えてねェのか・・・・・・オレはお前にマンションから落とされてここに・・・・・・」
「キサマら!ヒトに断りなく勝手に喋ってるんじゃないッ!!」
ベジータはイラついて怒鳴った。「何者だッ、貴様等!オレをここに連れてきたのは貴様等か!?」
「・・・・・・ンだ、テメェ・・・・・・さっきからえらそうに・・・・・・オレが誰だか知らねェ様だな・・・・・・」
「低俗な地球人どもはどいつもこいつも皆同じにしか見えんがな」
「何を言ってやがんだ・・・・・・イカれてんのか?」
勢いでちょっくら書いた。
続きがあるかどーかはオレも分からん。
87 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/15(木) 10:51:26 ID:0pM+kFGZ
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,'::::::::/::::::/:/ !;;ハ::::::::| \!;;;ハ::::::::::::::ヽ. まあまあ、そう怒らずに仲良くいこうよ
i:::::::/!::::::i/〒テテ ヽ::::| テテテ'!ヽ\:::::::::', 他の人の紹介も詰まってることだし
!::::/::i::::::::ハ ヒ:;:;r ヽ! ヒ;:;r! !\::::!へハ!
V'! イi::::::/!:! "" "".l:::ヘ:::!:|
ヽ! ヽ!::|::i>、. 、_,、_, ,.イ:::|:::::レi::|
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|:::|::::|く\::::::!/:::::://|::::ト.:::::|::|
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ そうですよ、喧嘩はよくないです
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l`
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
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// // |: : : : : :!: : : : ,! : / ! !: : : :/ ヽ: :| ヽ`ヽ、 : : : :
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| : : : : |: : :/ !|/'ー- |、 l: : l ', l ヽ: ヽ: : : :
| : : : : |: :/l |__ | !: |. 、'| ヽ;!、: : : : ほら、一歩くんも言ってることだし
|: : : : :,!: !: l r ' i ! | | /`''―- 、ヾヽ: : : 仲良くして、次の人の紹介にいこうよ
!: : : イ|/: :,! !ヽ-'/ l:! !_ /l: :∧: : えーっと、加藤くんまで言ったから
',: : l l |': / ` ー' | r‐' i ./ ,' / : l : :! 次はそこのスーツの人かな?
ヽ:| | |: :! l、 ヽ.ノ,. ' /:/ : : | : l
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i: : : 彡〃〃ii lliヾ; ; : ---、彡:: : : : :l
lミ彡' ll l l¨ヾf´`ヾ、 彡:: : : :/
∨/i l! ヽ \ ≦彡斗^i
iヾlj __> ヾ、 ヾ// ニコリ、わたくしの番ですね。
. ゙Ll _ヾヾヾ、__,.ヘ リクノ
ヾi -=tッ、l l ィtッ=- _/
L、 〈:l l ,イ
ヽ <j ト、 ¬ / |
. ヽ、kヾニ´_/ / ,イi
. ヽヾ竺彡 / / ト、
_∧ヽ、__/ / /: :ヽ、
__/::l ヽ、_,.-‐'" /: : : : :`ヽ
f´: : : : / /**ヽ. /: : : : : : : : `ヽ
l: : : : : l ,イ****ハ /: : : : : : : : : : : :\
l: : : : : レ'ヾ__/ハ/:: :: :: :: :: :: : : : : : : :
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ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
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|:::::::::::::::::ノ わたくしは賭郎拾陸號立会人、門倉雄大と申します。
|/^_,ヽ,_ノ 以後お見知りおきを
ゝ ゚д゚)
/<▽>
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|:と),__」
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し'_つ
,,==二==、、
/ ヾヽ
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,-‐: :  ̄: : `:‐´: : : : : : : : : : : :ヽ | /
/:_:_: : ‐: : : : : : : : /: : : : : : : : : :`:ヽ.」/
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/ // : : : : /: :/:/ l: /l : : : / ┤A: : : : : : :l: : : : :l
'´ l : : : : /: /l/、__|/ l : : :/ l l l`:、: : : : :V: : : :l
l: : : : :l: :/l |T::::::::ト l: : l l:l ヽ: : : : : : ヽ: : :l
l: : : /:/: :l l lo::::::l V:/ テ'ミ=、」、: : : l: : l: : l
l: : :/ l/.: :l 辷り V b:::::::::://〉: : :ト: : l: / 門倉さんね、よろしく
l: / l l: :l 、 ` 辷:::り/ /ヘ: ::ハ: l/ (賭郎ってなんだろ?)
( ̄\ V l:/: 、 ,、,、__ . l:ハ: :ノ: ヽl
\_ `‐、,‐ l/: : :`>、_ `─ ' ,/:/: : l/: : :l` じゃあ次でラストかな?
( ̄ ̄` ‐' ,/ , \ l: : : : //: :`>,‐-─,<:´: :/: : : ハ: : : l そこの顎と鼻が尖ってる人よろしくー
 ̄ ⊃ , ‐,` l_ /: : : : :/- '´,-' l, ヽ: /: : : :ハ: : : :l
. r ´, ‐、 ィ l , ヽ l : : : :/ /_ / /: : : :く: : l: : : ヽ
.`‐´ フT //、 /l: : : / / >´ /: : : :/==ヽ: : : :ヽ
/ 冫' //,l / l: : イ / / /: : : : /彡彡=l : : : : ヽ
97 :
創る名無しに見る名無し:2009/02/09(月) 21:41:56 ID:JXIAGErO
期待あげ
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..__-/:::::: / /:| | :::::: ::::::::::|
.../::::::: .../:/ ./:::::| ..|\ |:::: ::::::::|
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.. /:::: /..../ |:/ ../:| | | |\. |:::| |\|:\:::::: :::::::::|
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|:: /_|/ |::|/ | V | | U | -\ ̄ ̄|::::::::\:::::: :::::|
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. | \ @ ::::| ::::\ @ / ::::: ::::| ::|/::::::::| | :|
|  ̄ ̄::::ノ :::::  ̄ ̄ ̄ :::: :::|:::::|/\:| |:::| 鼻と顎が尖っている?
| | ̄ :::::∪::| :|:::::::::|//::| それは僕のことなのか?
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. | ────── :::::::::::|..|ヽノ ::::|\
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i:::::::/!::::::i/〒テテ ヽ::::| テテテ'!ヽ\:::::::::',
!::::/::i::::::::ハ ヒ:;:;r ヽ! ヒ;:;r! !\::::!へハ!
V'! イi::::::/!:! "" "".l:::ヘ:::!:|
ヽ! ヽ!::|::i>、. 、_,、_, ,.イ:::|:::::レi::|
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l: /://: : : : :/::/':::::/: : : /::::-H、: : : : : lト、: ヽ
l://://: : : イミ土=、_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l `ヾ、
l/: :l l: : : イ:llo:::::::/:::/://:::テテヵl: : :ハ: : l (そりゃ私だって、某最強顎師の方を期待したけどねw)
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
. l: : : W/: : N 、 `‐':::l::l: : lN V
. l: : : : :ハ: : : ト、 ー= ノlハ: :ハl
l: : : : : :、: : : 「フ`‐- ,、-┬:T´: :l l/
. l: : : : :,レ、: : :ヾ、 /、`Y/:l:l: : l
/: : :rニミミヽ: : ヾ、-─┤ `┤: : l
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/: : :l l ハ ヾ、l、、l l////l
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l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ まあ、いいでしょう。
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル' 僕の名前は井川ひろゆきです。
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
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.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ これで、俺、計ちゃん、こなたさん
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、 一歩さん、門倉さん、井川さんの全員の紹介が終わりましたね
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ
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_,,..-'' /:/i:::::i:::ii::::';::::::::::T´- ‐ ‐.人- ‐ ‐ ‐ノ:::::::::;:'::::i:、ヽヽ;:ヾ、!
,!/ノ;ノr':"::: ::!:::::::::::`"'''''''"::::::`::""~:::::::::::::;:'::::::::ー-ヽヽ!ヽヽ、__,,.. ,
ノ,.!';:::':r'::: : : .i::::::::::::::::::::::;:::::::::::::;::::::::::::::::::/::::::::::::::::::;':;ヽ、-ヽ ,,ノ_,,.
ー--‐'' ,∠-'; '; : : :.!::::, : : :::;:::::::::::;::::: : : :/:::::::::::::::::;:':;':::::::::ヾ三ニ
_,,..-rr'';'": : .'.,.'.; : : :!::::, : : ::;:::::::::;::: : : /: : : ::::,:':;:'::::::::;:::::::::::ヽ、
‐''": : ', ';; ' ; : : ': : : : !::::::,...:...:....:;:::::;:: : : :/: : : :;:' ,:' ::::;:::':::::::::::::::::::ヽ-、
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ んー、これと言った共通点らしきものは見つからないですね
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l` 一体、どうしたらこの部屋から出られるのか……
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l あそこにある奇妙な物体以外、何もないですし
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
_,. -‐''"´ ̄```' ‐ .、._
,.‐'´ `‐.、
./ \
,i´ ヽ
/ i、
,i l
| |
| |
| |
| l
l ,l
゙i ,i
ヽ .,/
\ /
`‐、 ,. ‐'´
` ‐ 、. _ __ _,,.. -‐''"
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
. /: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
i: : : : : : : : ≧ヾ: : : : : : : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : >≠: : : : : : : : : : : : : : : : l
' ,ヾ、: : : :/イ/イヾ: : : : : : : : : : : : : : : l
i: : : 彡〃〃ii lliヾ; ; : ---、彡:: : : : :l
lミ彡' ll l l¨ヾf´`ヾ、 彡:: : : :/
∨/i l! ヽ \ ≦彡斗^i
iヾlj __> ヾ、 ヾ// こなた様は何かを知っておられるのでは?
. ゙Ll _ヾヾヾ、__,.ヘ リクノ 自己紹介をはじめに薦めたのも、こなた様だったと記憶しておりますが……
ヾi -=tッ、l l ィtッ=- _/
L、 〈:l l ,イ
ヽ <j ト、 ¬ / |
. ヽ、kヾニ´_/ / ,イi
. ヽヾ竺彡 / / ト、
_∧ヽ、__/ / /: :ヽ、
__/::l ヽ、_,.-‐'" /: : : : :`ヽ
f´: : : : / /**ヽ. /: : : : : : : : `ヽ
l: : : : : l ,イ****ハ /: : : : : : : : : : : :\
l: : : : : レ'ヾ__/ハ/:: :: :: :: :: :: : : : : : : :
l: : : : :l /*/*i /:: :: :: :: :: :: : : : : : : : : :
l: : : : l /****l. /:: :: :: : : : : : : : : : : : : : :
// ヾ
l| ,、 `
,.-.‐┼.──‐´: ├─.-.-、._
/::.::./::.::.::.::.::.:l::.::.::l:.::.::. ̄ヽ ̄ ̄`
/:.::.::.//:.::.::.::.::.::./l::.::.::l.::.::.:::.::ヽ::.ヽ
/:.::.::./:/.:.し.::/.:/.::ll.::.::∧l:.::.::.::l.:.ヽ:.::ヽ あ、ごめん。そういえば、まだ言ってなかったね。
l.::.::/.::l.::.:.:/77‐ /l.::./ lA、_::.:l:.::.:ミヽ:ヽ 毎回、説明から入っても聞かない人が多いから
|:.:://:l.::.::.:〃/u l |.:/ l|ヽ:.::.l.::.::.::l ヾ、 最近は、最初に自己紹介してもらうようにしてるんだ。
. l:.l/:.:l.::.::./ / ´l.:/ u ll l.::.l.::.N:.:l
l.::,r┤:./l 三三 l/ 三ヨヘ人/ ヾl んーっと、何から説明しようか……
│ヽ l:/::.l , ・l:N:.:/ `
l:l:.::.レ:.:丶_" ー'ー "_人l:./
ll:.::.::.l::.::.l:.>┬-,、..-‐:T:l:.::.ハ/
l.::.::.:ヽ.::.Y Y '┤、::.:l.l:.::.l
l.::.::./l:.::ヽ 「 ̄`l >l:.::.:l
/.::./ミミミ、:.l l l 彡|:.:/
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ここはどこなんだ?
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l 俺と加藤は電車に轢かれたはず
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l なんで、こんなマンションの一室にいるんだ?
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
|.;;;;;;;;;;;;|.〃! l;;,゙ノ ." .l二ノ lil./ |;;;;;;; !
l.;;;;;;;;;;! l゙l" /;;;;;./
l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
// ヾ
l| ,、 `
,.-.‐┼.──‐´: ├─.-.-、._
/::.::./::.::.::.::.::.:l::.::.::l:.::.::. ̄ヽ ̄ ̄`
/:.::.::.//:.::.::.::.::.::./l::.::.::l.::.::.:::.::ヽ::.ヽ
/:.::.::./:/.:.し.::/.:/.::ll.::.::∧l:.::.::.::l.:.ヽ:.::ヽ そうそう、自己紹介の時に言わなかった人がほとんどだけど
l.::.::/.::l.::.:.:/77‐ /l.::./ lA、_::.:l:.::.:ミヽ:ヽ みんな、死に掛けたか死んだ後に此処に来てるはずなんだよね
|:.:://:l.::.::.:〃/u l |.:/ l|ヽ:.::.l.::.::.::l ヾ、 私も未だ理由を知らないけど、それだけは確かだよ
. l:.l/:.:l.::.::./ / ´l.:/ u ll l.::.l.::.N:.:l
l.::,r┤:./l 三三 l/ 三ヨヘ人/ ヾl で、この場所もよく分からない。
│ヽ l:/::.l , ・l:N:.:/ ` 私がわかるのは、これから起こることだけ
l:l:.::.レ:.:丶_" ー'ー "_人l:./
ll:.::.::.l::.::.l:.>┬-,、..-‐:T:l:.::.ハ/
l.::.::.:ヽ.::.Y Y '┤、::.:l.l:.::.l
l.::.::./l:.::ヽ 「 ̄`l >l:.::.:l
/.::./ミミミ、:.l l l 彡|:.:/
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
. /: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
i: : : : : : : : ≧ヾ: : : : : : : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : >≠: : : : : : : : : : : : : : : : l
' ,ヾ、: : : :/イ/イヾ: : : : : : : : : : : : : : : l
i: : : 彡〃〃ii lliヾ; ; : ---、彡:: : : : :l
lミ彡' ll l l¨ヾf´`ヾ、 彡:: : : :/
∨/i l! ヽ \ ≦彡斗^i
iヾlj __> ヾ、 ヾ// …………
. ゙Ll _ヾヾヾ、__,.ヘ リクノ
ヾi -=tッ、l l ィtッ=- _/
L、 〈:l l ,イ
ヽ <j ト、 ¬ / |
. ヽ、kヾニ´_/ / ,イi
. ヽヾ竺彡 / / ト、
_∧ヽ、__/ / /: :ヽ、
__/::l ヽ、_,.-‐'" /: : : : :`ヽ
f´: : : : / /**ヽ. /: : : : : : : : `ヽ
l: : : : : l ,イ****ハ /: : : : : : : : : : : :\
l: : : : : レ'ヾ__/ハ/:: :: :: :: :: :: : : : : : : :
l: : : : :l /*/*i /:: :: :: :: :: :: : : : : : : : : :
l: : : : l /****l. /:: :: :: : : : : : : : : : : : : : :
____
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ …………
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル'
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
あえて言おう。支援するっ!
,,::'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::;::;:::;::;::;:::::::::;:::::::;:::::::::::::;::::::::::ヽ
/:::::::::;::''' '' ''' '' ' "'''"'''''' '''''''''''"'' :;;:::::: ヽ
./::::::::;:' ';::::::: !
/::::::::;' ;::::::::i
.i::::::::::; ;:::::::::!
i:::::::::::; ';:::::::::i
j;;:::'':;;'! ,_ _,,,,,_ ミ;:'':ミ
.〃:::::;:',.:'''''''!!!llim、、、 ,rmmiill!!!''" ヾ; ヾ;';'{
.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ それで、これから起こることっていうのは?
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ
,/;:::::::;::::!:';:::::::、ゝー====-!-====!:'::::::::::;'::::i::ヽヽ:! .!
_,,..-'' /:/i:::::i:::ii::::';::::::::::T´- ‐ ‐.人- ‐ ‐ ‐ノ:::::::::;:'::::i:、ヽヽ;:ヾ、!
,!/ノ;ノr':"::: ::!:::::::::::`"'''''''"::::::`::""~:::::::::::::;:'::::::::ー-ヽヽ!ヽヽ、__,,.. ,
ノ,.!';:::':r'::: : : .i::::::::::::::::::::::;:::::::::::::;::::::::::::::::::/::::::::::::::::::;':;ヽ、-ヽ ,,ノ_,,.
ー--‐'' ,∠-'; '; : : :.!::::, : : :::;:::::::::::;::::: : : :/:::::::::::::::::;:':;':::::::::ヾ三ニ
_,,..-rr'';'": : .'.,.'.; : : :!::::, : : ::;:::::::::;::: : : /: : : ::::,:':;:'::::::::;:::::::::::ヽ、
‐''": : ', ';; ' ; : : ': : : : !::::::,...:...:....:;:::::;:: : : :/: : : :;:' ,:' ::::;:::':::::::::::::::::::ヽ-、
____
/:;:;:;:;:`ヽ.
./;/ ヽ;:',
/;/ __,.ヘ、___!___
,. |/'"´::::|:::::ヽ::::::::::::`"'' 、
,. ,. ''::::::!:::::::::/|:::::::::i:::::::::::::::::::、:::::ヽ、
'´ /::::::::::::::::/レ|:::::::::i:::::ヽ、ヽ;:::::\:::::',
/:::::::::::::::::::/|:::::i::::::::::|\::::;i`ヘ::::::::\i えっと、まずはラジオ体操の例の音楽がそこの球体から流れるよ
,'::::::::/::::::/:/ !;;ハ::::::::| \!;;;ハ::::::::::::::ヽ. そしたら、次に球体の左右が飛び出してくるから、武器とそれぞれのスーツが出てくるから着てね
i:::::::/!::::::i/〒テテ ヽ::::| テテテ'!ヽ\:::::::::',
!::::/::i::::::::ハ ヒ:;:;r ヽ! ヒ;:;r! !\::::!へハ! スーツ着たら、また次の説明するから
V'! イi::::::/!:! "" "".l:::ヘ:::!:|
ヽ! ヽ!::|::i>、. 、_,、_, ,.イ:::|:::::レi::|
|::|:::|::::::`7:.r--r 7´|:::|::::|::::::::|::|
.|::|::::|:::;:イヽ!__/::::`>.,|::::|:::::::|::|
|:::|::::|く\::::::!/:::::://|::::ト.:::::|::|
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ラジオ体操??
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l そんなふざけたことが…!!
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
|.;;;;;;;;;;;;|.〃! l;;,゙ノ ." .l二ノ lil./ |;;;;;;; !
l.;;;;;;;;;;! l゙l" /;;;;;./
l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
\あーたーらしーい、あーさがきた、きぼーのあーさーが/
_,. -‐''"´ ̄```' ‐ .、._
,.‐'´ `‐.、
./ \
,i´ ヽ
/ i、
,i l
| |
| |
| |
| l
l ,l
゙i ,i
ヽ .,/
\ /
`‐、 ,. ‐'´
` ‐ 、. _ __ _,,.. -‐''"
〃⌒ヽ
{{
ヾ、___/ヽ_
/::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.::.:>
/::.::./::.::.::.::.::イ::.::.|::.ヽ::. \
|::.::/::.::.r::ナメ |::.::∧ヽ}::.:r、:\
|::. レ'::.::.〃 |::./ ∨|::.:リ\:
|::.::.|::.;イ≡≡|/ ≡≡l:.::|
〉::.:K}::ヽ''' 、__, ゚{::ト、| よいしょ
|::.:/::.|:.::.:ヽ し' ,.イ::l ねっ、そのふざけたことが起こったでしょ
/::/::.::j::>‐-、ヽ7フノ/::/ 毎回みんな真面目に聞いてくれないから大変だよ
/::/::.::// ゙ヽ  ̄、::::: ゙l, まあ、それでも今回はちゃんと聞いてくれてる方だけどね
|;:/::::://ヽ \ ヽ: _l_ ri ri
|::.{::.// ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
|::.|::.レ' l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
|::.|:/ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
/"ヽ 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/ ヽ ー──''''''""(;;) `゙,j" | | | !
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ………
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
|.;;;;;;;;;;;;|.〃! l;;,゙ノ ." .l二ノ lil./ |;;;;;;; !
l.;;;;;;;;;;! l゙l" /;;;;;./
l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
どきどき
____
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N (これは、思ったよりも深刻な事態の匂いがする、この少女の言うことを聞いた方がよさそうだ)
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ ……スーツを着れば、続きを教えてくれるんですよね?
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル'
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
// ヾ
l| ,、 `
,.-.‐┼.──‐´: ├─.-.-、._
/::.::./::.::.::.::.::.:l::.::.::l:.::.::. ̄ヽ ̄ ̄`
/:.::.::.//:.::.::.::.::.::./l::.::.::l.::.::.:::.::ヽ::.ヽ
/:.::.::./:/.:.し.::/.:/.::ll.::.::∧l:.::.::.::l.:.ヽ:.::ヽ なんか、私が犯人みたいな言い方だねー
l.::.::/.::l.::.:.:/77‐ /l.::./ lA、_::.:l:.::.:ミヽ:ヽ まあいいけどね
|:.:://:l.::.::.:〃/u l |.:/ l|ヽ:.::.l.::.::.::l ヾ、
. l:.l/:.:l.::.::./ / ´l.:/ u ll l.::.l.::.N:.:l
l.::,r┤:./l 三三 l/ 三ヨヘ人/ ヾl スーツを着てから、続きを話すよ
│ヽ l:/::.l , ・l:N:.:/ ` 私は廊下に出てるから、五分以内に着替えてね
l:l:.::.レ:.:丶_" ー'ー "_人l:./ じゃあ、よろしくー
ll:.::.::.l::.::.l:.>┬-,、..-‐:T:l:.::.ハ/
l.::.::.:ヽ.::.Y Y '┤、::.:l.l:.::.l
l.::.::./l:.::ヽ 「 ̄`l >l:.::.:l
/.::./ミミミ、:.l l l 彡|:.:/
五分後
,,. ====、、
/′ ヽヽ
′ リ
,、 /
,. -――ー-./: :`´ ̄ ̄ ` 丶、
´ ̄/´: : : : : :i: : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : ,: : :! : : : : : l : : ヽ: : : : : :ヽ
/ : / : : : / : /!: :l: : : : |、: : : l: : : : ヽ: :ヽ
/: :__/: : : : : r!-./、| : l : : : :! ヽ⌒i: : : : : ヽ: i
. // /: : / : : : l / ! : | : : : | ヽ: l: : : : : l: ',|
´ /: : :i : : : : ,!′ '、:l、: : :l ヽ!、 : : : :!: :',
i: : : |: : : : ir〒┬iヽ!ヽ: : l -〒┬r 、 : :!、 :! みんな、着替えたかなー?
|: : /|: : : :ハ {_,ノr| ヽ ! l_ ノr| ハ: : :トiN お、五人ともちゃん着替えてるね
l: / !: : /: :!.弋Zリ ` __弋Zク┴ヘ: :!'|
l/ /ヽ ! ̄ ̄`ヽ-‐ 、_,/ ヽN
{. ` 、 〉
l r`‐ 、_ , イ
丶 { / ̄ ヽ` //}|
\ Yヽ、 ` 、 __ ,/ / ,!|
{\ {‐ 、\. ` ′ ` ,/ /} !
r' r┴-‐'`ヽ\\ / /イ: l
{ \\\___///{: : !
,!、 ,. '">`_ー――_゙/ ヽ: l
/ ヽ-‐ _´ -‐''"  ̄ ̄ i: l
{  ̄ l: l
丶、 |: |
` 、 , -ー- 、 _____丿 l
_⊥__ .∧
ノ l _/ \__
ニニニ / / \__ 装
ノ L_ / / |\_
<._ ∧ |ノ ノ
__ ___/_\生_││_七ノ /
∠,,, ヘ ( _○コ)) _< ..>___ ノl l
(X)/ (_ ○コ) \/ ヾ │/ノノ
( (X )(_ ○コ) ヽ_ノ /ヽ_ノ ク ___ /l
│ (_ ○コ)ヽ ∪ / ‖ \/ │
\(X )_/ \_│_/丿ノ 》 ( )八_ノ ___
( ) ─ ‖ ((_))
( ) ((⌒)) \ ( ) \
( ) □=┌┐=□ ___‖____へ \ (X )
\ _ (_ _ ヽ \ \
__ □=○ヽ─ ヽヽつ\ (X) \\ (X)
フ (_ __ く/○ヽ─ ヽ │ __(X)_)___丿
l (_ __( く/○ヽ─ │ (_/⌒
l (_ __ ( く/○ _ノ\/ 着
J ( く/_ ノ
( ノ
スーツじぇねぇw
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ なんか、コスプレみたいで恥ずかしいですね、コレ
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l`
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
|| j|
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/ イ: : : : :  ̄: :i: : : : : : : : : :.\ V: .:[] ̄ ̄ ̄|
/ ´/: : : :/: : : : .:/|: : : : : : .:| : : ヽ: ミ!: .:ハ\____|
/: : : :/: : : : ./-、:.:|:.:. : : : トx―‐Y: : : | >\
. /: : : : ': : : : :/ |:.|: : : : : | \: : |l:.: : :|イヽ!\>
': : : : :|: : : : /._ V \: : | \||: : : |∧ '. なんか、毎回スーツの見た目が違うんだよね
l: : :,'|: :レl: : :ハ !丁テk ヽ:{ |: : : |: :|_| 私は今回、これで前回は……ま、いっか、私はコスプレ好きだしw
|: :/ |: : ∧:.:|∧ V::イ} `,==、 |: : | |-、: |
|:/ V: : :ハ:|: :.} ` ´ , ・ ': : | |_/: :|
\{ |: : : ゝ、 tーj イ : :/:.| : : :|
ハ: :\\/` ‐ _ァ-- t</: : :/:,イ : : : '.
':_:_:\: : トゝ /__/ /: :/X .|: : : :∧ みんな着たから、次の説明するね
/  ̄ |\! /--- 、/.// / ∧!. : : : :ハ 次は、その球体に私達が倒さないといけないキャラが出てくるから、用チェックして
| \| | | ,' ̄ ̄`// //, イ: : : : : : '. どうせ、聞かれると思うから先に答えるけど
| \ _∧V! | / /// |\: : : : : '. 倒さないといけない理由なんて私も知らない。ただ、生き残りたいなら倒すしかないだけだから
| ` ┤: :j ヽヾ |j/〉'_,. イ /∠_/|_ノ !: : : : :∧
〈 〉:./ \!/__-__´イ } 団|/ 長 |:. : : : : :ハ
∨---イ:/ f ̄¨[ ̄`=-、 ム―――f'′: l:. : : : :'.
∧ニニリ:ヽ_` フ/l ヽ_ノ ,イ| /|:.:. : :l: : : : : |
/: .:| ̄`;/ / X/ l__l ト、___/| |: : : :l: : : : : |
': : :/ヽ-/ / | l | ! | l: : : :|: : :|: : |
|: : /: :/ / ヽ! |__| | ' l: : : :|: : :|: : |
|: // / 、 | 〈 〉:.:. :|: : :|: : |
|: |,.</ | T --―彡i:.: : :|: : :|: : |
|: | \!  ̄ ∧ ヽ二二,イ: : : :|: /.|: : |
∨: : : \ / '. | r 7:.:. : :|/ |: /
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ (倒さないといけない……キャラ?……)
|/^_,ヽ,_ノ
ゝ ゚д゚)
/<▽>
|::::::;;;;::/
|:と),__」
|:::::::::|
| :::::::|
|_:::::::|
|::::::|
し'_つ
|| j|
'._ -―――┴- _
, ' ´ ______: : : ヽ
':./: : : / _____ ∨: : : :\
/ イ: : : : :  ̄: :i: : : : : : : : : :.\ V: .:[] ̄ ̄ ̄|
/ ´/: : : :/: : : : .:/|: : : : : : .:| : : ヽ: ミ!: .:ハ\____|
/: : : :/: : : : ./-、:.:|:.:. : : : トx―‐Y: : : | >\
. /: : : : ': : : : :/ |:.|: : : : : | \: : |l:.: : :|イヽ!\>
': : : : :|: : : : /._ V \: : | \||: : : |∧ '. おっ、出てきた出てきた
l: : :,'|: :レl: : :ハ !丁テk ヽ:{ |: : : |: :|_| みんな、見てねー。今回の敵はこれらしいから
|: :/ |: : ∧:.:|∧ V::イ} `,==、 |: : | |-、: |
|:/ V: : :ハ:|: :.} ` ´ , ・ ': : | |_/: :|
\{ |: : : ゝ、 tーj イ : :/:.| : : :|
ハ: :\\/` ‐ _ァ-- t</: : :/:,イ : : : '.
':_:_:\: : トゝ /__/ /: :/X .|: : : :∧
_,. -‐''"´ ̄```' ‐ .、._
,.‐'´ `‐.、
./ てめえら等は今から \
,i´この方をやっつけにいっちくだちい ヽ
/ i、
,i 鴨川ジム星人 l
| 特徴 魚 蛙 熊 武士 |
| |
| 好きなもの チャンピオンベルト |
| l
l ,l
゙i ,i
ヽ .,/
\ /
`‐、 ,. ‐'´
` ‐ 、. _ __ _,,.. -‐''"
____
/ ̄  ̄\
/ ヽ
| ∪ │
i≡ 二二 (し 二二 ≡i
iiソ┌---、_、,_, _--_┐ ヾii
l ̄l /´●ヽii」lii/ ●丶 l ̄l
l(qlゝヽ_ ノ l l丶_ ノ ヘ lp)l
ヽ_ l ´ ー一 | | ー一 丶 l_ ノ
! ⊂∪⊃ !
ヽ /___\ /
ヽ l (___) l /
\ __ __ /
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
`;:;:;:;:;:;:;:;:.゛;:"'゙´二ニミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ こ、これは……
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
''―‐'" , ゛
_,-,ニ二ニ=、
//
/:/
ヾ`、
>+:‐: ´: ̄:  ̄: :`:' ̄:l.、___,/
/: : : : /: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
/: : : /: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : 、:\
l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
/: :/: :/: : : _,:_∠L、:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
l: /://: : : : :/::/':::::/: : : /::::-H、: : : : : lト、: ヽ
l://://: : : イミ土=、_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l `ヾ、
l/: :l l: : : イ:llo:::::::/:::/://:::テテヵl: : :ハ: : l (……一歩くんか)
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
. l: : : W/: : N 、 `‐':::l::l: : lN V
. l: : : : :ハ: : : ト、 ー= ノlハ: :ハl
l: : : : : :、: : : 「フ`‐- ,、-┬:T´: :l l/
. l: : : : :,レ、: : :ヾ、 /、`Y/:l:l: : l
/: : :rニミミヽ: : ヾ、-─┤ `┤: : l
/: : / ̄\ヾヽ: : :ヾ、 l ll: : l
/: : / ヽヾヽ: : lヽ l /l: : l
/: : / l \ヾ、: l ヽ l //l: :/
/: : :l l ハ ヾ、l、、l l////l
____
/:;:;:;:;:`ヽ.
./;/ ヽ;:',
/;/ __,.ヘ、___!___
,. |/'"´::::|:::::ヽ::::::::::::`"'' 、
,. ,. ''::::::!:::::::::/|:::::::::i:::::::::::::::::::、:::::ヽ、
'´ /::::::::::::::::/レ|:::::::::i:::::ヽ、ヽ;:::::\:::::',
/:::::::::::::::::::/|:::::i::::::::::|\::::;i`ヘ::::::::\i まあ、みんなには見てーって言ったけど、結構いい加減なところがあるから気をつけてね
,'::::::::/::::::/:/ !;;ハ::::::::| \!;;;ハ::::::::::::::ヽ. そろそろ、転送されるけど続きはまた転送されてから話すよ
i:::::::/!::::::i/〒テテ ヽ::::| テテテ'!ヽ\:::::::::', 転送について話しても、これだけはいつも信じてもらえないからさ
!::::/::i::::::::ハ ヒ:;:;r ヽ! ヒ;:;r! !\::::!へハ!
V'! イi::::::/!:! "" "".l:::ヘ:::!:| スーツも着たし、あとはその球体の中にある色んな武器を持っておくといいよ
ヽ! ヽ!::|::i>、. 、_,、_, ,.イ:::|:::::レi::| おっ、今回は私からみたいだね
|::|:::|::::::`7:.r--r 7´|:::|::::|::::::::|::| じゃあ、先にいって待ってるから
.|::|::::|:::;:イヽ!__/::::`>.,|::::|:::::::|::|
|:::|::::|く\::::::!/:::::://|::::ト.:::::|::|
____
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ 消えていく……っ!
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル'
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l (なんなんだよ、これは!)
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
|.;;;;;;;;;;;;|.〃! l;;,゙ノ ." .l二ノ lil./ |;;;;;;; !
l.;;;;;;;;;;! l゙l" /;;;;;./
l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
,,::'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::;::;:::;::;::;:::::::::;:::::::;:::::::::::::;::::::::::ヽ
/:::::::::;::''' '' ''' '' ' "'''"'''''' '''''''''''"'' :;;:::::: ヽ
./::::::::;:' ';::::::: !
/::::::::;' ;::::::::i
.i::::::::::; ;:::::::::!
i:::::::::::; ';:::::::::i
j;;:::'':;;'! ,_ _,,,,,_ ミ;:'':ミ
.〃:::::;:',.:'''''''!!!llim、、、 ,rmmiill!!!''" ヾ; ヾ;';'{
.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ ……計ちゃん
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
. /: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
i: : : : : : : : ≧ヾ: : : : : : : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : >≠: : : : : : : : : : : : : : : : l
' ,ヾ、: : : :/イ/イヾ: : : : : : : : : : : : : : : l
i: : : 彡〃〃ii lliヾ; ; : ---、彡:: : : : :l
lミ彡' ll l l¨ヾf´`ヾ、 彡:: : : :/
∨/i l! ヽ \ ≦彡斗^i
iヾlj __> ヾ、 ヾ// ………
. ゙Ll _ヾヾヾ、__,.ヘ リクノ
ヾi -=tッ、l l ィtッ=- _/
L、 〈:l l ,イ
ヽ <j ト、 ¬ / |
. ヽ、kヾニ´_/ / ,イi
. ヽヾ竺彡 / / ト、
_∧ヽ、__/ / /: :ヽ、
__/::l ヽ、_,.-‐'" /: : : : :`ヽ
f´: : : : / /**ヽ. /: : : : : : : : `ヽ
l: : : : : l ,イ****ハ /: : : : : : : : : : : :\
l: : : : : レ'ヾ__/ハ/:: :: :: :: :: :: : : : : : : :
l: : : : :l /*/*i /:: :: :: :: :: :: : : : : : : : : :
l: : : : l /****l. /:: :: :: : : : : : : : : : : : : : :
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
`;:;:;:;:;:;:;:;:.゛;:"'゙´二ニミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ な、なんで会長が……
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ 一体どうなってるんだ
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
''―‐'" , ゛
_,. -‐''"´ ̄```' ‐ .、._
,.‐'´ `‐.、
./ てめえら等は今から \
,i´この方をやっつけにいっちくだちい ヽ
/ i、
,i 鴨川ジム星人 l
| 特徴 魚 蛙 熊 武士 |
| |
| 好きなもの チャンピオンベルト |
| l
l ,l
゙i ,i
ヽ .,/
\ /
`‐、 ,. ‐'´
` ‐ 、. _ __ _,,.. -‐''"
様々な思惑が交差していく中、一人、また一人とマンションの一室から消えていく
その先にあるものは、絶望なのか希望なのか……ガンツは答えてくれない
そして、舞台は移る。
,ィ, ------ 、
, . :―――: . 、. . {:/ \
/: : : : /: : : : : : : : : :ー┐ \
/: : : : :/: : : : : : : : : : : : : :/⌒ニ= 、 ヽ
′ : / : : : : : : : ,イ: :/ : / : : : \ \ /
|: : ,イ〃: : : : _ / //j: : :,イ: : : : : : :\ /
|: ://: : : : />x ' / : / |: : : : : ヽ: : ヘ /
レ': :/: :, :イ圷アfァ /: /≦: : : : }: :ヘ\ハ ふーん、今回はここか
/ V:':イ^V :| 弋zリ //んア/ : : : j\:ハ ヽ} ……鴨川ジム?見る感じボクシングジムかな?
,イ : : ーヘ :|xx , / ゞ' {:j:∧: /jl .Vjl //
/ : : : : : ∧{ ー、_, x‘j / j/ l || ヽ \/ ト
. / : : : : : : ://, ィ≧ー---=≦´:ハ | || ゝ /
彡_,r''" ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─
_,-| r'" 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ
<、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\
,l゙゙'l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j
/ l /;:: /{ ̄`)ノ ーーー \ /
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ そのようでございますね
|/^_,ヽ,_ノ それで、続きを聞かせてもらえるでしょうか?こなた様
ゝ ゚д゚) この先、行われることを……
/<▽>
|::::::;;;;::/
|:と),__」
|:::::::::|
| :::::::|
|_:::::::|
|::::::|
し'_つ
____
/:;:;:;:;:`ヽ.
./;/ ヽ;:',
/;/ __,.ヘ、___!___
,. |/'"´::::|:::::ヽ::::::::::::`"'' 、
,. ,. ''::::::!:::::::::/|:::::::::i:::::::::::::::::::、:::::ヽ、
'´ /::::::::::::::::/レ|:::::::::i:::::ヽ、ヽ;:::::\:::::',
/:::::::::::::::::::/|:::::i::::::::::|\::::;i`ヘ::::::::\i そうだね、えーっと、鴨川ジム星人だったかな?
,'::::::::/::::::/:/ !;;ハ::::::::| \!;;;ハ::::::::::::::ヽ. 今から、それを倒しにいくから
i:::::::/!::::::i/〒テテ ヽ::::| テテテ'!ヽ\:::::::::', 別に何もしなくてもいいけど、相手は私達を殺しに来るよ
!::::/::i::::::::ハ ヒ:;:;r ヽ! ヒ;:;r! !\::::!へハ!
V'! イi::::::/!:! "" "".l:::ヘ:::!:| 死にたくなかったら、殺すか逃げるかしかないから頑張ってね
ヽ! ヽ!::|::i>、. 、_,、_, ,.イ:::|:::::レi::| 何回か参加してるから、助けてあげたいのも山々だけど、そんな余裕、私にはないんだ
|::|:::|::::::`7:.r--r 7´|:::|::::|::::::::|::| ここまで、説明したのも、最後の良心なだけだから……
.|::|::::|:::;:イヽ!__/::::`>.,|::::|:::::::|::|
|:::|::::|く\::::::!/:::::://|::::ト.:::::|::|
/ ⌒`ー '' ⌒ `・、
γ /し^ 〜、/ー^ーヽ ヾ
;' τvw、,vwv~Vw、)λ
i ∧ ! 殺しにくる??
'l ,., ノl ノu ヽiヽ j そんな馬鹿な?
λ/ー- -`−ヽ,イ
!(|| ̄o` ,. 'o ̄ ||)!
ヾ| u `¨ ゙ `¨′ |/ 殺すか逃げるしかないって……
l\ ,-亠-, `' //
`l/l\ ̄, ̄ イヽ
/=| ` 、_/ |ニl.._
_..-‐'"´|=|\ ./|ニ| `ー-.._
|| j|
'._ -―――┴- _
, ' ´ ______: : : ヽ
':./: : : / _____ ∨: : : :\
/ イ: : : : :  ̄: :i: : : : : : : : : :.\ V: .:[] ̄ ̄ ̄|
/ ´/: : : :/: : : : .:/|: : : : : : .:| : : ヽ: ミ!: .:ハ\____|
/: : : :/: : : : ./-、:.:|:.:. : : : トx―‐Y: : : | >\
. /: : : : ': : : : :/ |:.|: : : : : | \: : |l:.: : :|イヽ!\>
': : : : :|: : : : /._ V \: : | \||: : : |∧ '. それじゃあ、みんな元気でね
l: : :,'|: :レl: : :ハ !丁テk ヽ:{ |: : : |: :|_| 生きて帰れたら、また詳しい説明してあげるから
|: :/ |: : ∧:.:|∧ V::イ} `,==、 |: : | |-、: |
|:/ V: : :ハ:|: :.} ` ´ , ・ ': : | |_/: :|
\{ |: : : ゝ、 tーj イ : :/:.| : : :| ピッ
ハ: :\\/` ‐ _ァ-- t</: : :/:,イ : : : '.
':_:_:\: : トゝ /__/ /: :/X .|: : : :∧
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| なっ、また消えた?
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
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l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
なにがおこるんだ?
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ (なんらかの超技術か……このスーツにしても我々賭郎が把握している技術ではない
|/^_,ヽ,_ノ そして、賭郎ですら把握していない事柄を知っている少女……彼女の言っていることは信用に足るだろう
ゝ ゚д゚) だが、信用できるということはイコールで彼女の告げた「殺しにくる」人物がいるということ……いるのか……この立会人である私が……混沌……その渦の中に)
/<▽>
|::::::;;;;::/
|:と),__」
|:::::::::|
| :::::::|
|_:::::::|
|::::::|
し'_つ
ズレた……orz
____
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ (なんらかの超技術か……このスーツにしても我々賭郎が把握している技術ではない
|/^_,ヽ,_ノ そして、賭郎ですら把握していない事柄を知っている少女……彼女の言っていることは信用に足るだろう
ゝ ゚д゚) だが、信用できるということはイコールで彼女の告げた「殺しにくる」人物がいるということ……
/<▽> いるのか……この立会人である私が……混沌……その渦の中に)
|::::::;;;;::/
|:と),__」
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し'_つ
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./::::::::;:' ';::::::: !
/::::::::;' ;::::::::i
.i::::::::::; ;:::::::::!
i:::::::::::; ';:::::::::i
j;;:::'':;;'! ,_ _,,,,,_ ミ;:'':ミ
.〃:::::;:',.:'''''''!!!llim、、、 ,rmmiill!!!''" ヾ; ヾ;';'{
.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ とりあえず、どうしましょうか?
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、 こなたさんが言ってたことが本当なら、ここから見える、あの人を倒せば終わるみたいですけど
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ
/ ̄  ̄\
/ ヽ
| ∪ │
i≡ 二二 (し 二二 ≡i
iiソ┌---、_、,_, _--_┐ ヾii
l ̄l /´●ヽii」lii/ ●丶 l ̄l 鷹村ぁー、小僧はどこにいった!
l(qlゝヽ_ ノ l l丶_ ノ ヘ lp)l
ヽ_ l ´ ー一 | | ー一 丶 l_ ノ
! ⊂∪⊃ !
ヽ /___\ /
ヽ l (___) l /
\ __ __ /
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
`;:;:;:;:;:;:;:;:.゛;:"'゙´二ニミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ ちょっと待ってください
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ 倒すって、あんなお年寄りに手を出すつもりですか?
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″ それに……会長は僕の恩人なんです!
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ こんな変な話に付き合う必要はないですよ!
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
''―‐'" , ゛
____
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N 会長?……一歩さんの知り合いなんですか
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ なら、これは何かのイタズラ、もしくはどっきりか何かかも知れませんね
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル' 正直、僕は格闘技に詳しくないので知りませんが、一歩さんもしかして格闘技界では有名だったりしませんか?
ヽ ト.、 'ー---- /″
/ヽ|. \ ー ,:く
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ 一応、日本フェザー級チャンピオンですけど
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l` 世界チャンピオンならまだしも、日本チャンピオンではそんな有名というほどでもないですよ
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
, '"  ̄` ー''⌒ヽ、
/ \
. / ヽ
l ,ィ j`ヘ. ハ .、 l
│ ,.ィノ-jノ lノ-リ‐l N ふっ、有名な人は意識が足りないことが多いですからね
. |. r'コ.r'=ヒァ= _ ;セァ=:|nノ 恐らく、一歩さんへのどっきりに僕達一般人も巻き込んで真実味を上げようということでしょう
l |.ヒ|.| `ー- ' / ー ' :||.|
. l. ヽl| u' 冫 :ル' まあ、分かった以上、こなたさんの言うことを聞く必要もない
ヽ ト.、 'ー---- /″ きっと彼女はスタッフ側だったんでしょうね
/ヽ|. \ ー ,:く 適当に騙されたフリしてあげますから、一歩さん頑張ってください
-‐''"|:.:.:.:.:ト、 \._. イ:.:.:.|`''ー-
:.:.:.:.:| .:.:.:.:| \ ,⊆ニ_ヽ、|:.:.:.:.:.
:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|. / r─--⊃、.:.:.:
:.:.:. |:.:.:.:.:.| ,.イ `二ニニうヽ.:.::
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ はあ、そういうものですか……まあ、あの鷹村さんなら、確かにやりそうですけど
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l` じゃあ、とりあえず、皆さんで一緒にジムの中に入りましょうか
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N ジムの紹介でもしますよ
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
,..-''゙´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \
,./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l,
,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;;;;iL;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
.l゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ !;;;;;;;| l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .|;;;;;;/ ..l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;.! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ .!;;;;l .!;lL;;il,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| (なんだよ、そういうことかよ
l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;i|;/ |;;;l゙ ||.|;;.!|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l 全く、変なことに巻き込まれて、こっちはうんざりだぜ)
l;;;;;;;;;;;;;;;;,l|jl!iニ..,,,,_. !;;l゙ ,,,.. 'lイl''|;;;;;;;ii;;;;;;;;;;l
l.;;;;;;;;;;;;;;||;lli!i;;iニt- .〃 .-j二゙リ'|;、;/.!;;;;;;;;,!
|.;;;;;;;;;;;;|.〃! l;;,゙ノ ." .l二ノ lil./ |;;;;;;; !
l.;;;;;;;;;;! l゙l" /;;;;;./
l;;;;;;;;.! /;;;;./
゙!_li l /;;,,/
゙f|、;.l, '''''''''''''''' ./;,i|!゙
゙"!,,ヽ ,, |'゙"
ヽ;゙'-..,_ ,..-'´il、
!;;;;;;;;;;;`゙''''''''''゙゙´;;;;;;;;;;;;;|
,..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!-,,,
____
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ (……現実が見えていない……いや、現実をみろという方が無理な話か
|/^_,ヽ,_ノ 現時点での不明確な点を全て奥へと仕舞い込み。ただ、一つの事柄で答えを得ようとする。
ゝ ゚д゚) それは一見、正しいと誤認しがちだが……違う。 リアルとは全てを総合して求めていく必要がある
/<▽> ターゲットが知り合い……それだけでイタズラと決め付けれるものでは決してない。むしろ、それを否定する事象の方がはるかに勝るというのに……
|::::::;;;;::/ ……そして、決定的なものがある……私は口に出すつもりは一切ないが……2009年2月12日現在、日本タイトルフェザー級チャンピオンは幕之内一歩ではないッ!!)
|:と),__」
|:::::::::|
| :::::::|
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|::::::|
し'_つ
またかよ……orz
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|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ (……現実が見えていない……いや、現実をみろという方が無理な話か
|/^_,ヽ,_ノ 現時点での不明確な点を全て奥へと仕舞い込み。ただ、一つの事柄で答えを得ようとする。
ゝ ゚д゚) それは一見、正しいと誤認しがちだが……違う。 リアルとは全てを総合して求めていく必要がある
/<▽> ターゲットが知り合い……それだけでイタズラと決め付けれるものでは決してない。むしろ、それを否定する事象の方がはるかに勝るというのに……
|::::::;;;;::/ ……そして、決定的なものがある……私は口に出すつもりは一切ないが……
|:と),__」 2009年2月12日現在、日本タイトルフェザー級チャンピオンは幕之内一歩ではないッ!!)
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し'_つ
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ じゃあ、入りましょうか……あっ、鷹村さん!
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l`
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
/ ̄ヽ
/ミへ,__シ
ツ ゚'д゚)
(´⌒ i ⌒`)
/' ノー' `ーi' ソ ……おう、一歩じゃねえか、会長が探してたぜ
(_ノヾ i キi i,,く
|= | /~鷹村'ヽノヽ
(_)/ l_/ヽu_)
l ̄ノ~ \ )
|ー,ノ ( =|
ノ=〈 . 〉:i
(__), (_`つ
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ はあ、そうですか……ところで、鷹村さん
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l` また僕を何か嵌めようとしたりしてませんか?
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
/ ̄ヽ
/ミへ,__シ
ツ ゚'д゚)
(´⌒ i ⌒`)
/' ノー' `ーi' ソ ああ?なんだそりゃ
(_ノヾ i キi i,,く ……しらねえよ
|= | /~鷹村'ヽノヽ
(_)/ l_/ヽu_) なんか臭せえけどな
l ̄ノ~ \ )
|ー,ノ ( =|
ノ=〈 . 〉:i
(__), (_`つ
'、 - 、ヽヽ} Y レ' lノV レi ,.
-、-ー`=. ` ` ′′ ′´イ- .._
-=._"^ ´ <`
_.-'' .` ぐ
‐'フ´. ゝ
‐'フ,' ノ7/'7 /7 |l |l. lヽ,ヾ''ヽ. ゞ 臭い?
. ノ イ ,' l ilrー| l、_l l | |_l L-} l‐liく l`
ノイ 「l |lフ7''q、ト{ l.l-‐ァf‐q<~` iヘ N
レl l} ! `‐' : } : `‐' .l .レi |l
| }  ̄´ 彡 ` ̄´ l^l }
.-‐、..,,_ ヽl ヽ::::- |、,/
/ ノ⌒'yー、) ヽ ‘ー--― ' .イ./
.〈´ ソ / 「`ヽ __,`r、 ` ̄ / |┐
. |! !" i レ' i レ ヘ} _.∠上┴`r、 ,∠-‐''"_,,l-、
|i. ! i ' 〈 ) `'ー、 `''ー-二二 -‐''''"´/ i `'ァー- ..,,_
. | ! : ノ`ヽ、 ` / / レ / / `'ー、
.. /⌒i /`l _ ,、
_,,..、 .| / ,..-、 ,、. l |/ 〉 .〈 .| ,.-、
l l | /´ l,、_ノ ,l | l |レ' _,,」 .`'´ 〉 _,,..、 ,..、
| i' '´_,,、 ,! L.-ヾ=,' l、_,.. 、 「Zノ ヽ `ー、 / ア
.| し''´ 」 _,.-'´ _, - '_´ ゙l_,〉 ヽ、 'l / /
.| ,,.-''´ (_,.- '´| L-'´ _) `ー',/ /
| .| ,.-'´ ,.-'" / /´
..l、_ノ {,.- '´| | 「 /
|,i `''"
,.. -'''''''''''''''''''''''''''''''' ..、
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/:::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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l::::::::::::::;へヾゞゞゞ 'y ///ッ' ヽ、::::: |
|:::\::::ヾ |:/::::>
<:::::::::::ヽ |:::::::::::>
⌒\:::ゝ.............. _ _ │ゞゞゞ
ヽ :| " "" / ´`ヽ _ 三,:三ー二|:
( 6 :| ` ● ノヽ--/ ̄ , ` ̄ ̄ ̄' |:
ヽ_ |  ̄ } ...| /!
|:::::::| _}`ー‐し'ゝL _:
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/::◎ヽ | `ヾ:::-‐'ーr‐'"==-
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.....// \::::::::::::::::| |:::::\ヽ
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_ _ .' , .. ∧_∧
∧ _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( )
, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i ←ひろゆき
/ 鷹 ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
`;:;:;:;:;:;:;:;:.゛;:"'゙´二ニミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ ちょっ、なにするんですか!鷹村さん!!
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″ 皆さん、大丈夫ですか?
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
''―‐'" , ゛
/ ⌒`ー '' ⌒ `・、
γ /し^ 〜、/ー^ーヽ ヾ
;' τvw、,vwv~Vw、)λ
i ∧ ! 自分は何とか……でも加藤くんが……っ!
'l ,., ノl ノu ヽiヽ j
λ/ー- -`−ヽ,イ
!(|| ̄o` ,. Χo ̄ ||)!
ヾ| u `¨ ゙ `¨′ |/
l\Χ,-亠-, `' //
`l/l\ ̄, ̄ イヽ
/=| ` 、_/ |ニl.._
_..-‐'"´|=|\ ./|ニ| `ー-.._
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./::::::::;:' ';::::::: !
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.i::::::::::; ;:::::::::!
i:::::::::::; ';:::::::::i
j;;:::'':;;'! ,_ _,,,,,_ ミ;:'':ミ
.〃:::::;:',.:'''''''!!!llim、、、 ,rmmiill!!!''" ヾ; ヾ;';'{
.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ うう、計…ちゃ…ん…
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ
,/;:::::::;::::!:';:::::::、ゝー====-!-====!:'::::::::::;'::::i::ヽヽ:! .!
_,,..-'' /:/i:::::i:::ii::::';::::::::::T´- ‐ ‐.人- ‐ ‐ ‐ノ:::::::::;:'::::i:、ヽヽ;:ヾ、!
,!/ノ;ノr':"::: ::!:::::::::::`"'''''''"::::::`::""~:::::::::::::;:'::::::::ー-ヽヽ!ヽヽ、__,,.. ,
ノ,.!';:::':r'::: : : .i::::::::::::::::::::::;:::::::::::::;::::::::::::::::::/::::::::::::::::::;':;ヽ、-ヽ ,,ノ_,,.
ー--‐'' ,∠-'; '; : : :.!::::, : : :::;:::::::::::;::::: : : :/:::::::::::::::::;:':;':::::::::ヾ三ニ
_,,..-rr'';'": : .'.,.'.; : : :!::::, : : ::;:::::::::;::: : : /: : : ::::,:':;:'::::::::;:::::::::::ヽ、
‐''": : ', ';; ' ; : : ': : : : !::::::,...:...:....:;:::::;:: : : :/: : : :;:' ,:' ::::;:::':::::::::::::::::::ヽ-、
_,,::":::::::::::;: ,':'::ir:7ニ、`".ヽ、ミ''''ー---ニー::;;;_::::::::::::ヽヽ:::::::
,,.:;';; ッ:::::::::; ,':':::::::/h:::::::ヽ ヽヾ'`ミーニーニ:::-ニー::;;_::::::ヽヽ:
'",//::::;:::;:',:'::::::::::/ i !:::::::/ ヽ. ヽヽっ::t 、 ヾ'''-.=-::;;ー=::;;_:ヽヽ
''"ノ/:::/;:',:':::::::::::/i. i !:::::::ii ヽ ヽヽ::::::ヽ ヽ、ヽ:ヽヾー=::;;_::::"'-
//:;/://::::::::::::::i i i .i::::i:::!i. ヽ ヽヽ::::::::ヽ 、ーヽ:ヽヽ::::::ー=::;;::
//i //:::::::;i::::::i i ! i。 i:::!! ! .、iヽヽ:::::::ヽヽヽヽ::ヽヽ::::::::::"-
. !/ !:i.i::::::::/i/!::i i. い::ii::!i 、.i、.i、ヽヽ:::::::ヽ.!、ヽヽ::ヽヽ:::::::::::
.i' i::!i:::::::::i=!、!:!. !. i、1i !i ! !ヽ!ヽ!ヾ、::::::::ヾヽヽヽ::ヽヽ::::::::
.!. ;:::ii:::::::::i,-!ヽ!ーi.、_. i ヾヾ X '" ! ! i、ヽヽ:::::::::!::ヽヽヽ、::ヾ、:::: カトーッッッ!!!!!
/1:!;1:;:::iT"テiiiヽr:ニ(!.iヽヽ、,,,,,,,,,,--+='i"'''+!、::ヾ、:::::::::。ヾヽ::::::。ヽ
./' !::X!:ii::i'、 ヽニ"_ヽ)ヾト, ヽ.!ヾァ'',:テ.ナii;:+、..,,! !:::i、:`::::::::::::::::>、::::::::::: おい、しっかりしろ!
' !i,! !ii::i.、ヽ`~~ ヽ/ ヽ´ !.(ヽ ' !''き1 /ヽ !::!i.!:::::、:::::::::ヽ'_ヽ:::::::: おい……おい!!
.i!i ,ィ!ii.ヽ. u. / ヽ ー=‐' ! !i i !:iヽ!ヽヽヽ! i.iヽ:::::
.い y '! ` / ` 、 ゚ ./っ .ii ヽr.'ヽi,=''ノ:::::
/. ' /,!. r' ゚ ゚ .! '`´' !./::i:/、、
./ : : ://: ! ヽ _ っ / /_ ノ:::::ii'ヽゝ
': : : ://: :.、 `ヾ: : : ; /´:`''":::::::/': : i:
: : :.//: : : i、.. Fニ''ー‐-..、 っ / !::;:::゚:::::::::i: : : :i
.: ://: : : : !ヽ !r'ラ'""テ''ヽ ,/ !;:!i::i、:i::;.ソ: : : !:
: :i.i: : : : : /:.ヽ /./ .! /;';' !i' ヾヽ!!/: : : /;':
.:i.i: : : : : :!: :i:ヽ. i .! ノ ,/ ;','/ ヽ.V: : : : :/: :
:i.!: : : : : i : ! :.ヽ ヽ ''ー-‐ア _,..-'".っ ; ゚ /: : : : :/: : :
.ヾ- : : : j; :!: : :ヽ ー`ニ~´ ,,..-'' : ノ '
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.i::::::::::; ;:::::::::!
i:::::::::::; ';:::::::::i
j;;:::'':;;'! ,_ _,,,,,_ ミ;:'':ミ
.〃:::::;:',.:'''''''!!!llim、、、 ,rmmiill!!!''" ヾ; ヾ;';'{
.ゞ'::::/ 、-twrr.、ヾヽ, r"~,:''T!!!ヲ'ゝ ' .i::::ミ
ミ::::::! ー=- .’ .i ヽ '''''''''´ . .!::ノ‐、
rニヾ:::! : !. ; ; i;//い
!/iゝヽi : .i .; ; !(ー、'1
.! r''),.ヾ , :. ;ヽ.; ; 'yレ'ノ うう、俺はもう駄目だ
ヽ,、-、(ヽ '、'' 'ソ'; i "'7、
/; i、" ヽ ,..,_;.._: ., ト、ノ! i
i ! iヽr.イ、 _,,..---‐―- 、 ./! .!:i ;i
ヾ, i:::! .!j:!、 ニニ:ニ.. ./、Li::!,/ ごめん、計ちゃん。
ノ;::`ーヽ::::!ヽ ./i;::'/!ヾ-..,,_
ー--―''"//;:::';::、ヽ! ヽ / .,:'/:::;':::、ヽ、_"''ー 俺さえいなければ、こんなことに巻き込まれないですんだのに……
_,,///;:::::';:::::、ヽ ヽ . ‐ ‐ . .,/ ,::'/:::::::;'::::::::ヾ、 "'''
ー''" ./ノ:::::::::';:::::::、ヽ. ,..ゝ---.、.,..-― '‐-、 //:::::::::;'::::::::ヽ:rヽ 本当に……ご……め……ん……
,/;:::::::;::::!:';:::::::、ゝー====-!-====!:'::::::::::;'::::i::ヽヽ:! .!
_,,..-'' /:/i:::::i:::ii::::';::::::::::T´- ‐ ‐.人- ‐ ‐ ‐ノ:::::::::;:'::::i:、ヽヽ;:ヾ、!
,!/ノ;ノr':"::: ::!:::::::::::`"'''''''"::::::`::""~:::::::::::::;:'::::::::ー-ヽヽ!ヽヽ、__,,.. ,
ノ,.!';:::':r'::: : : .i::::::::::::::::::::::;:::::::::::::;::::::::::::::::::/::::::::::::::::::;':;ヽ、-ヽ ,,ノ_,,.
ー--‐'' ,∠-'; '; : : :.!::::, : : :::;:::::::::::;::::: : : :/:::::::::::::::::;:':;':::::::::ヾ三ニ
_,,..-rr'';'": : .'.,.'.; : : :!::::, : : ::;:::::::::;::: : : /: : : ::::,:':;:'::::::::;:::::::::::ヽ、
‐''": : ', ';; ' ; : : ': : : : !::::::,...:...:....:;:::::;:: : : :/: : : :;:' ,:' ::::;:::':::::::::::::::::::ヽ-、
_,,::":::::::::::;: ,':'::ir:7ニ、`".ヽ、ミ''''ー---ニー::;;;_::::::::::::ヽヽ:::::::
,,.:;';; ッ:::::::::; ,':':::::::/h:::::::ヽ ヽヾ'`ミーニーニ:::-ニー::;;_::::::ヽヽ:
'",//::::;:::;:',:'::::::::::/ i !:::::::/ ヽ. ヽヽっ::t 、 ヾ'''-.=-::;;ー=::;;_:ヽヽ
''"ノ/:::/;:',:':::::::::::/i. i !:::::::ii ヽ ヽヽ::::::ヽ ヽ、ヽ:ヽヾー=::;;_::::"'-
//:;/://::::::::::::::i i i .i::::i:::!i. ヽ ヽヽ::::::::ヽ 、ーヽ:ヽヽ::::::ー=::;;::
//i //:::::::;i::::::i i ! i。 i:::!! ! .、iヽヽ:::::::ヽヽヽヽ::ヽヽ::::::::::"-
. !/ !:i.i::::::::/i/!::i i. い::ii::!i 、.i、.i、ヽヽ:::::::ヽ.!、ヽヽ::ヽヽ:::::::::::
.i' i::!i:::::::::i=!、!:!. !. i、1i !i ! !ヽ!ヽ!ヾ、::::::::ヾヽヽヽ::ヽヽ::::::::
.!. ;:::ii:::::::::i,-!ヽ!ーi.、_. i ヾヾ X '" ! ! i、ヽヽ:::::::::!::ヽヽヽ、::ヾ、:::: ふざけんなよ!!
/1:!;1:;:::iT"テiiiヽr:ニ(!.iヽヽ、,,,,,,,,,,--+='i"'''+!、::ヾ、:::::::::。ヾヽ::::::。ヽ
./' !::X!:ii::i'、 ヽニ"_ヽ)ヾト, ヽ.!ヾァ'',:テ.ナii;:+、..,,! !:::i、:`::::::::::::::::>、::::::::::: こんな簡単に死ぬかよ!死んでたまるかよ!!
' !i,! !ii::i.、ヽ`~~ ヽ/ ヽ´ !.(ヽ ' !''き1 /ヽ !::!i.!:::::、:::::::::ヽ'_ヽ:::::::: おい、目を覚ませカトー!!!!!
.i!i ,ィ!ii.ヽ. u. / ヽ ー=‐' ! !i i !:iヽ!ヽヽヽ! i.iヽ:::::
.い y '! ` / ` 、 ゚ ./っ .ii ヽr.'ヽi,=''ノ:::::
/. ' /,!. r' ゚ ゚ .! '`´' !./::i:/、、 お前にはまだ文句言い足りてねえんだよォォォ!!!!!
./ : : ://: ! ヽ _ っ / /_ ノ:::::ii'ヽゝ
': : : ://: :.、 `ヾ: : : ; /´:`''":::::::/': : i:
: : :.//: : : i、.. Fニ''ー‐-..、 っ / !::;:::゚:::::::::i: : : :i
.: ://: : : : !ヽ !r'ラ'""テ''ヽ ,/ !;:!i::i、:i::;.ソ: : : !:
: :i.i: : : : : /:.ヽ /./ .! /;';' !i' ヾヽ!!/: : : /;':
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.ヾ- : : : j; :!: : :ヽ ー`ニ~´ ,,..-'' : ノ '
llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll゙li,
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙′ !ii
llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!゙!゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙´゛. ̄´´゙゙゙゙~ .゙l、
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lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll, ゙l,、
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lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli,、 ,iil!ll'"~
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!゙゙゙ lllllii!
llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!゙゙´ ,,,,, ,,,,, ,llllllll!
llll!!゙゙゙゙゙゙゙!!!llllllllllllllllllll!゙゙~ _,,,,iiiilllllllllllllliiiiilillllllllllllll!゙゛ .'l,~ l!
lll .` i゛.゙\.゙゙lllllllllllllll '"゙~゛ _,,,,iiiiillll゙~""l!!!゙゙ .゙li、 l!
lll ./ l!llllllllllll′ ゙゙゙l!!lllllllllll´ '゙ ゙llil
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llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliiiillll!!!!!llllllllllllllllllllllllll!ll゙゙゙゙~,iiiii!lll!!!l゙゛
加藤勝 死亡
_,.. -‐―‐-- .. __
/´ . `ヽ 、
/ 、、: ヘ :::::::..... \
./ ‐-_ヽ!:...__>;::;;;;;;;::::::::...._ \
/ / \!´ \::::::::! ̄ ヽ、 ヽ,
`‐rt-'....,,,___」 \::! .ソ_,ノ ……カトー……カトーォォォォォォ!!!!!
!:.\::::.. ヽ >、:.、../_,、!、
, --v‐- 、 _ ヽ::.ヽ::::.. `、 / ニ,:',.':::::::(´
, - ';;/::ノ.:::// l ̄`―`-:;;\::.. ヽ / /jヽ:::::::::::)-‐'チ、
//.:::;ィ'":;∠;_/.:::!::::::............. トr-;;_ `、 / ,.-=';`-- -‐ii' ミ!ユ、
..:ヽ-'⌒/::;;-‐'´ └‐┴‐-----=;;:.ヽ;:::::..:;ノ::.::.ヽ;:::::::....... .. .oo!!_,,..-"-┘.....
/ ⌒`ー '' ⌒ `・、
γ /し^ 〜、/ー^ーヽ ヾ
;' τvw、,vwv~Vw、)λ
i ∧ ! くっ、まさか本当に死人が出るだなんて
'l ,., ノl ノu ヽiヽ j
λ/ー- -`−ヽ,イ
!(|| ̄o` ,. Χo ̄ ||)!
ヾ| u `¨ ゙ `¨′ |/
l\Χ,-亠-, `' //
`l/l\ ̄, ̄ イヽ
/=| ` 、_/ |ニl.._
_..-‐'"´|=|\ ./|ニ| `ー-.._
/ ̄ヽ
/ミへ,__シ
ツ ゚'д゚)
(´⌒ i ⌒`)
/' ノー' `ーi' ソ ギャーギャーうるせえなあ
(_ノヾ i キi i,,く 次はお前らだ。先か後かの違いしかねえよ
|= | /~鷹村'ヽノヽ
(_)/ l_/ヽu_)
l ̄ノ~ \ )
|ー,ノ ( =|
ノ=〈 . 〉:i
(__), (_`つ
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
`;:;:;:;:;:;:;:;:.゛;:"'゙´二ニミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ た、鷹村さんッ!
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ 止めてくださいッ!!
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
''―‐'" , ゛
____
|:::::::::::::::::::)
|:::::::::::::::::ノ 一歩様、駄目です。 明らかに様子がおかしい。
|/^_,ヽ,_ノ 一旦、逃走いたしましょう
ゝ ゚д゚)
/<▽>
|::::::;;;;::/
|:と),__」
|:::::::::|
| :::::::|
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|::::::|
し'_つ
ヽ'ー、' |''、
 ̄'!l、;:.l!;:.l./ 三 ミ
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;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.rミミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'''''liミ、
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:'';; ゙ミ
ir.i;:i.t.l_:ni,i、ッ_、;:;:;:.-ミミ で、でも……
:;:l,li,l ilニlニ|lコ、;:_,_;:;.ミ″
;:;ソ"゛ " (゚ )` !レ;;i, |ミ
" `""´U l゙.;;/
''_,,,,,,,,、 ",.ミirニ.. -ー'''''''―-..、
..,,,,,..) U ,/|/
``'' ,, / l
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/ ⌒`ー '' ⌒ `・、
γ /し^ 〜、/ー^ーヽ ヾ
;' τvw、,vwv~Vw、)λ
i ∧ ! 門倉さんの言う通りです
'l ,., ノl ノu ヽiヽ j 急いで、逃げましょう!
λ/ー- -`−ヽ,イ
!(|| ̄o` ,. Χo ̄ ||)!
ヾ| u `¨ ゙ `¨′ |/ ほらっ、玄野くんも急いで!
l\Χ,-亠-, `' //
`l/l\ ̄, ̄ イヽ
/=| ` 、_/ |ニl.._
_..-‐'"´|=|\ ./|ニ| `ー-.._
そして、逃走していく四人の男達
鷹村が襲ってきた理由とは?
カトーが死んで玄野が思うところは?
こなたは?
門倉の思惑は?
生きて帰れるのか?
散りばめたフラグを回収する気があるのか?
低クオリティながらも、次回へ続く
門倉さん冷静でかっこいいです><
ほとんどキャラはわからないけど面白そうだ
続きこないかな
あ
158 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/31(日) 11:27:05 ID:I8GRf7iz
げ
159 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/22(月) 00:12:20 ID:8r9KDobZ
あ
ちょっと面白そうかも
例えばなんだけど、1964年に死んだ男と1999年に死んだ男を同時に出すのって可能ですかね?
もしOKなら平山幸雄と赤木しげるで書いてみたいとか思ったり思わなかったり
161 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 09:17:58 ID:O/ARJDHL
かいてくれ・・・
ジジジジジジ…
「あッ また一人来た」
あれ?俺、電車に撥ねられて…なんでこんな部屋にいるんだ?病院か?ここは
「キミも死にかけたのか?」
「あッ、ああ……はい」
無精ヒゲを生やしたオッサンが話しかけてきた。
部屋には他にも何人か人がいる。オッサンの後ろには俺とタメぐらいの高校生が二人、
部屋の奥に大学生っぽい私服の男が二人、
あと、部屋の隅に根暗そうな女子高生が体育座りしている。
そして、部屋の中心には黒い球が置かれていた。
「あの、何なんすか?これ。帰っていいっすか?」
「いやね、帰ろうにもドアも窓も開かないッていうか、さわれないんだよ」
さわれない?さわれないッてなんだよ。さわれよ、普通に
と思いながら窓を開けようとすると、まるで磁石のSとNみたいに反発し合って、全く触れられない
「携帯の電源も入りません。隣の部屋に聞こえるように大声を出しましたが、まるで反応はありませんでした」
大学生くらいの男が言った
ハァ?閉じ込められてんのか?俺ら。帰れねーのかよ。見たいテレビあったのに
「とりあえず、一人ずつ自己紹介しないか?名前と職業、それから…どうやって死んだか。えーと、野村光男。高校の教師やってます。車で事故っちゃって、気付いたらここに」
げッ、このヒゲ面、教師かよ!どーりでさっきから偉そうだと思った
「じゃあ次、塩田」
「ふざけんな、お前がやれ。事故で同乗していたかわいい教え子を死なせましたと言え」
「……………この二人は塩田鉄人くんと奈良重雄くん。高一です。私の車に同乗していたため…」
うっわー、生徒の言いなりかよ。見たまんまのダメ教師だな
「じゃあ次は、キミね」
おッ、俺かよ!
「玄野計、高一、死因は…えッと、電車にアタック」
そーいや、加藤はどうした?俺と一緒に撥ねられた加藤は。
俺だけが連れて来られたのか?この変な部屋に。
「夜神月、大学生、事故死です」
「竜崎です。同じく大学生、事故死です」
やッぱ大学生か。つーか事故死じゃわかんねーだろ。詳細を言えよ、詳細を。
「泉こなた……高三……転落死」
うわッ、暗れぇー!なんかこッち見てるし!おい、ジロジロ見んな!
「これで全員か、おい、誰かここの事知ってる奴はいないのか?」「…………」
野村の問い掛けに答える者はなく、
代わりに、部屋の中央の黒い球からラジオ体操の音楽が鳴った。
「……そ〜れ、いッち、にぃ、さん!」
球の前面には「てめぇらの命はなくなりました…」とかいう文、次に『ねぎ星人』と書かれた子供の写真が表示され、そして球が左右と後ろの三方向に勢いよく展開した
左右のラックには銃が、後ろのラックには全員分の名前入りのケース、中にはラバースーツが収納されていた
「この方を殺して下ちい…。このスーツを着て、この銃で、このねぎ星人を殺せ。ということでしょうか」
竜崎が言った。どうもそういう意味らしい
「奈良が着るならピッタリの変態スーツだが…」
塩田が言い出すより先に、もう奈良は全裸になってスーツを着ようとしていた
「奈良、脱いだなら早くスーツを着るんだ。誰も貴様の粗チンなぞ見てはいない」
塩田に急かされスーツを着用した奈良は、何故か誇らしげだった。見ろ、くわえろと言わんばかりの表情だ。
うッわ、マジコスプレだな。これ、全員、絶対着なきゃいけないのか?
そうこう考えているうちに、奈良に続いて塩田と野村、夜神と竜崎まで全裸になり着替え始めた。
「一応、俺らも着ておくか」
「このスーツに何かあるかもしれません、着ておいた方がいいでしょう」
おいおい!みんな着るのかよ!じゃッ、じゃあ俺も…!
こうして、部屋にいた全員がスーツに着替えた。
ちょッと待て、あの暗い女子高生もここで全裸生着替えするのか!?全ッ然好みのタイプじゃないが、生まれて初めて女の裸を見れちゃうのか!?
だが、泉はよく見ると、セーラー服の下にスーツを着ていた。
あいつ、いつの間に着替えた…。
つーか、上に服着れるのかよ!
それに気付いて、脱いだ学ランを手に取ろうとしたその時、
「おい奈良、お前、頭消えてるぞ」
「えっ、あ、外だ」
奈良が頭から少しずつ消えていった。もう胸のあたりまで消え始めている。
「何あれ、どーなってんだ。CG?」
そう呟くと、ふと、塩田と目が合った
「えッ、何」
「つーか、お前も消えてるんだけど」
次の瞬間、急に視界が変わり、俺は夜の住宅街にいた。
奈良と俺に続いて、他の五人も部屋から転送されてきた。
どーいう技術か知らないが、人間が輪切りになって少しずつ、別の場所に転送された。
「信じらんねー…」
「あの球がやってんだぜ、多分」
また塩田が話し掛けてきた。
「お前は部屋に来るの最後だったから見てないよな。あの球からレーザーが出て、人間を書き出していったんだよ。全員そうやって部屋に来たんだ」
「お前は驚かないんだな…」
「俺は、お前や奈良と違って、既に剥けているからな」
どうやらここは東京のどこからしい。
誰かが、帰れるんじゃないかと言い出し、全員が歩き出そうとした時、泉が唐突に喋り始めた
「この地球には、人間にバレないように、犯罪者宇宙人が隠れて生活している。
私たちは、政府の秘密機関にスカウトされた。宇宙人を退治する為に」
「何だ〜、テレビの企画かなんかか?」
「アホか。どう考えても俺達、一度死んだだろ。テレビの企画でしたですむかっつの」
塩田があまりにアホな野村にツッコミを入れる。
「全部催眠術だよ。催眠術なら、死んだと思わせることだって簡単にできるんだよ。まぁ別に、信じなくてもいいけど
ゲームの制限時間は一時間、宇宙人を一匹につき、賞金は一千万」
「一千万!?」
塩田達三人の目の色が変わった。
「皆さん待って下さい。まだテレビの企画だと信じるには…」
納得いかない様子の竜崎だったが、それを塩田が遮った
「竜崎とやら、お前の言葉こそ信じるわけにはいかないな。そう言って賞金を独り占めする気に違いない!最近は何やら名前を変えて活動しているようだが…」
「塩田、やめろ!この人とガモウひろしに何の関係があるんだ!」
塩田達は急に何かを揉め出したが、奈良が割って入り騒ぎを収めると、
泉の持っていたレーダーでターゲットの大体の位置を確認し、移動を始めた。
残された俺と竜崎達も、ここでつっ立っているのも仕方ないので、塩田達の後に続いた。
「アバウトすぎだろ、このレーダー」
レーダーによると、この辺りの住宅地一帯のどこかに、ターゲットのねぎ星人が潜んでいるはずなのだが…
「一軒一軒、手分けして探っていくしかなさそうだな」
しかし、この塩田って奴、さッきまでこの状況を誰よりも疑って警戒してたのに、現金が絡んだ途端にこれかよ
つーか、本当にテレビなのか?だとしたらどッかにテレビカメラがあるはず…
今も撮られてるかもな…。全国に放送されんのか?俺のコスプレ姿が?うおーッ、恥ずかちー!上に服着りゃ良かッたーッ!
この辺りは、比較的新しめの家が多い住宅地だった。その中で、この築何十年かは経っていそうなボロアパートは少し目立っていた。
俺は正直、そこまでやる気が無かった。一千万という金額には驚いたが、目がすっかり『¥』になった塩田や奈良を出し抜く自信は無かった。
なので、適当なボロアパートを適当に調べていると…
アパートの一室、標札に『ねぎ』と書いてある。
もしかして、ここか!?
もしかして、俺が一千万ゲットか!?
この、オモチャみてーな銃で撃てばいいんだよな?それだけで一千万ゲット!?
ガチャ…
やべェ!気配に気づかれたのか!?ドアが中から開いたぞ!
中から現れたのは、黒球に表示されたのと同じ、顔色の悪い子供だった。
うおォッ!ねぎ星人!特殊メイクか!?ねぎみてーな顔色してやがるッ!気色悪ッ!
ともかく、今コイツを撃てば俺が一千万ゲットだ…
「くらえ、オラァッ!一千万ッ!」
カンッ カンッ
あれッ、トリガー引いても何も反応ねーぞ…
これで一応、撃ったことになんのか!?
「ねぎあげますッ!ねぎあげますッ!」
「あッ!逃げんなッ、くッそッ」
銃を向けたことで警戒させてしまったのだろうか、ねぎ星人は、俺とドアの隙間をすり抜けて逃げ出してしまった。
アパートから路地に出たねぎ星人は、すぐに夜神と竜崎に発見され、塩田達三人も駆け付けて、あっという間に囲まれていた。
「塩田君、このねぎ星人はあなたにお譲りします。私たちは賞金は要りませんので」
「えっ!いいの!?竜崎さん、やはり貴方は話がわかる方だ。では失礼して!」
塩田は銃の上下のトリガーに力を込めた。
ギョーン!
「……………」
「おい奈良、変な屁をこくんじゃない」
「塩田、いくら奈良の屁でも、ギョーンなんて音はしないだろう」
ババンッ!!
数秒の間を開けて、ねぎ星人の頭が勢いよく破裂した。肉片が四方に飛び散り、取り囲んでいた五人に降りかかる。
「えっ!!?」
「この銃の効果のようですね」
「ようですね…じゃねー!!ちゃっかり汚れ役を人に押し付けやがって!」
「いえ、撃ったらこうなるとは私も思いませんでした」
オイオイオイオイ!死んだぞ!しかも、とんでもなくグロテスクに!
気持ち悪ッ!作り物だとしても、直視できねー。さッき、最初に見つけた時に撃たなくて良かッたぜ…
これも催眠術なのかよ。こんなリアルな催眠術があんのか!?
いつの間にか、あの泉とかいう女子高生はいないし、なんか、一千万とかテレビとかいう話も怪しく思えてきたぞ。
「やっちまったな、塩田」
「ああ。塩田、お前の粗暴さを見て、こいつは平気で殺人を犯す奴なんじゃないかと俺は思っていたが…」
「野村先生、こいつは血も涙もない鬼ですよ」
「こ、こいつら、ここぞとばかりにボロクソ言いやがって…」
「待って下さい皆さん。何かが近付いてきます。とんでもないスピードです!!」
竜崎が言い終わった次の瞬間に、その「何か」はもう俺達の目の前にいた。
黒のコートを着た、身長二メートルを越えた大男だった。
顔は、死んだねぎ星人と同じように青白く、映画に出てくる怪人の特殊メイクそのものだった。
「う…お、ねぎ星人のオヤジか…?」
野村が目の前の怪人を見上げて言った。
なんかヤベェぞ、このねぎ親父、ヤバい気がする。めちゃくちゃ怒ってるし。
もう、催眠術とか、そんなんじゃ説明つかないレベルのヤバさを感じる…!
何となく、予感がする!俺達全員、コイツに殺される!!
「ズマッ!ズマッ!ズンダゴ、ゲーニバ!」
「何だ?グロンギ語か?奈良、翻訳できるか?」
「私の息子をよくも!と言ってるな」
マジかよ、こいつら!こんなバケモンが目の前にいるのに、スゲー余裕だなオイ!
「全員で一斉に撃つんです…。トリガーは上下とも引いて下さい。味方に当てないように気をつけて」
竜崎の合図で、全員が銃を上げた。
正直言って、俺だけでも逃げ出したい気分なんだが、さッきのコイツの移動スピードから逃げ切れるとは思えねー。
ここで全員で殺すしかねぇ…
やるしかねぇ!
「ジオニバッ!!!」
ギョーン!
ギョーン!
ギョーン!
ギョーン!ギョーン!
やっぱりな!撃ッた瞬間にはもう、そこにはいねーッ!!
コイツ異常なスピードで避けやがるッ!
「避けることは予測済みです…」
ギョーン!
………ババンッ!
竜崎の放った一撃が、ねぎ親父の腕を吹き飛ばした。
「グオォッ!!」
ガシッ!
だが、喜びもつかの間、ねぎ親父は、残った片腕で竜崎の頭を掴んで、持ち上げていた。
「竜崎!!」
「ぐうっ…」
ヤベーッ、ヤベーッ!頭からミシミシ音がしてるぞッ!
助けようにも竜崎を盾にされてちゃ迂闊に撃てねーッ
どッ、どーすりゃいいんだッ!
!?
竜崎の顔は、ねぎ親父の手に掴まれてほとんど隠れていたが、僅かに見えていた竜崎の口が、その時、微かに笑ったように俺には見えた。
「やはり、スーツを着て正解だったようです」
竜崎は、自分を吊り上げているねぎ親父の腕を掴んだ。
メキメキメキメキッという音と共に、竜崎の腕が膨脹し、ねぎ親父の腕に圧をかけるのが解った。
グシャッ!
「グオォーーーーーッ!!」
潰したッ!すッ、すげぇッ
それにあいつ、あのねぎ親父に頭握られて何ともねぇ。全部このスーツの力なのか!?
「ネギアゲマス…ユルシテクダサイ…」
ボロボロになったねぎ親父が許しを請いだした。
気づけばこっちも全員、さっきの戦闘で息が上がってしまって、トドメをさそうという者は誰もいない。
「ハァッ!ハァッ!もう、いいんじゃねーか?コイツはもう、戦えんだろ」
野村がそう言ったその時、どこからともなく飛んできたアンカー弾に、ねぎ親父が絡め取られた。
バチバチバチッ
空間が火花を上げ、そこから現れたのは、泉こなただった。
「なんとか、制限時間内みたいだね」
こいつ、何もない所からいきなり出てきたぞ。今更何見ても驚かねーが…
「ずッと、見てたのか?」
「うん、近くにいたよ。ずっとね」
よく見ると、泉の持っている銃は、俺達の銃とは形状が違う。恐らく、このねぎ親父にやッたように、敵を捕縛する為の銃なんだろう。
「今回はさぁ、アンタに点数譲ってあげるよ」
泉はそう言って、竜崎を見た。
「私ですか?」
「そう。その銃で、コイツ撃ってみなよ」
撃て、だッて!?トドメを刺せ、殺せッてのか!?
「だってさ、コイツ殺さなきゃ終わらないよ?このゲーム」
「泉さん、あなたは平気で殺せるんですか?この生物を」
「もう気付いてると思うけど、コイツ人間じゃないんだよ。気にすることないって…
そのスーツ、気持ち良かったでしょ。強くなった気がして。破壊するのって気持ちいいんだよ」
うわッ!こいつ、ヤベぇーッ!目がヤベェッ!
いるんだな、おい!こういう奴!
「どうやら、あなたは私とは違う人種のようです」
「………せっかく点数あげようと思ったのに。…まっ、いっか」
ジジジジジ…
泉が捕縛銃のトリガーを引いた。すると、ねぎ親父の頭部からレーザー光線が空に飛び、俺達が部屋から外に出た時のように頭から少しずつ消えていった。
「し…塩田、奈良がさっきから、あの子に熱い視線を送ってるようなんだが…」
「奈良、お前がああいう幼児体型の女が好きなのはわかるが…」
「えっ、奈良ってロリコンなのか!?」
奈良はロリコンだった。どうでもいい情報だが…。
ジジジジジッ
………
「綺麗だよねー…」
俺が視線をこちらに戻した時には、ねぎ親父の二メートルあった巨体は全てレーザーの光となって、住宅街の夜の空に消えていた。
「これは送る用の銃。そっちはブッ殺す用の銃」
「送る、ッて…どこに送ッたんだ…?」
「さぁ…。『上』かな」
『上』?その、上ッてのが何なのか、ねぎ親父が上でどんな目にあッてるのかはわからないが、
泉は、この場でねぎ親父を派手にブッ殺したッておかしくなかったのに、『送る』方を選んだ。
さッきはとんでもない電波女だと思ッたけど、一応空気読んだッつーか、少しはマシな思考をする奴なのか…?
「これから、またあの部屋に戻るよ」
そう言う泉の頭が既に消え初めていた。
「………お先」
周りを見ると、他の連中の頭も同じように消えていく。自分じゃ見えないけど多分、俺も。
俺達は全員、またどッかのマンションの一室に帰ッてきた。
「全員生還か。久しぶりだよ、こんなに大勢生き残るの」
泉が言った。
全員生きて帰れたのは、ハッキリ言ってこのスーツのお陰だ。
竜崎を盾にされたあの状況、もし生身ならあのまま全滅していたかもしれない。
いや、それ以前に、ねぎ親父の超スピードに銃を命中させられる竜崎がいなければ…。
泉はずっと隠れて見ていた。恐らく、俺達を囮にするために。
もし、俺達が殺されそうになったって、危険を冒してまで助けには来ないだろう。
何かが少しでも違っていたなら、俺達は今、生きてはいなかった。
「…ガンツが採点始めるよ」
「ガンツ?採点?そーいや、さッきも点数がどうとか言ッてたな」
「ガンツ…この球ですか。あなたが名付けたんですか?」
「違う。あたしじゃなくて、誰か。ずーっと前の誰かが」
ち〜ん
『こなた≡ω≡. 3てん total 90てん あと10てんで終わり』
3点ッていいのか?悪いのか?泉は不満そうな顔してるが…
『くろの 0てん やる気なちすぎ』
だよな〜。俺、何もしてねーもん。
『てつじん 1てん あと99てんで終わり』
『お奈良 0点』
『野村 0点』
『空気 0点 なんでコイツいれたんだろう』
夜神のことか。確かに存在感ねーなこいつ。顔はすげーイケメンなのに。
『える 0点』
竜崎、こいつが一番頑張ってたのに。つまり、敵を殺すか送るかしなきゃ点数にはならないッてことか。
「この点数、100点貯まると何があるんですか?」
「自由になれる…。100点を取るまでは、あと何回でもここに呼び出されて、また戦わされる」
「あなたは、もう何度もこんな夜を生き残ってきたということですか」
「そう、あたしがここに来たのは一年前。
何人も、人が死ぬのを見てきた…。あたしは…その中でずっと生き残ってきた」
聞かずとも大方の察しはついた。今回のように、新しく来た人間に何も情報を与えず泳がせ、敵が襲ってきたところを後ろからヤッつける。
泉は、今までもそうやって点数を稼いできたんだろう。
囮にされる人間はたまったもんじゃないが、生き残る為には仕方のないことかもしれない。
それどころか、正直、有効な戦略だと言ったっていい。
さッきのねぎ親父のようなバケモノと、正面からまともにやり合おうッて方が、どッちかっつーとイカれてる。
「君、塩田くんだっけ」
「なんだよ」
泉は唐突に塩田の方を向いて言った。
後ろの方で話を聞いているだけだった塩田は、急に声をかけられたことに少し意外そうな顔をしている。
「さっきの一千万の話、結局嘘だった訳だけど、何も言わないんだねぇ。
てっきりブチ切れて、殴り掛かってくると思ったのに」
仮にそうなっても返り討ちにしていた、と言いたげだ。
塩田が女を平気で殴るような奴なのか…それは置いといて、普通にやり合うならどう考えても塩田の圧勝だ。
だが、泉は俺達の知らないスーツや銃の機能を使うだろう。
さッきのように透明にでもなられたら、ここにいる全員を殺すことだってたやすい。
「俺は、お前のホラ話なんぞ最初から信じちゃいない。それに、このスーツと銃は使い方次第で一千万以上の価値があるだろ」
塩田は、自分の利益になることなら何だってやるだろう。
竜崎も普通じゃないと思ってたが、恐らく、この中で泉に次ぐ危険人物はこいつだ。
竜崎が盾にされた時、ただ一人塩田だけが銃を下ろさず、ねぎ親父を狙い続けていた。
竜崎が助からないと判断したなら、塩田は容赦なく人質ごと敵を撃っていただろう。
俺はなんとなく理解していた。今日みたいな戦いを何回、何十回と繰り返して生き残れるのは、竜崎や塩田のような人間だ。
俺は、はっきり言って生き残る自信がなかった。
自分は死ぬ側の人間……。次の戦いが終わって、生きている保証はない。
「もう、家に帰ッていいんだよな?」
「うん。ドア開いてるよ」
俺達は部屋を出て、マンション前の広場をぞろぞろと歩いていた。
さっきまでいたマンションを初めて外から見ることになったんだが、結構な高さの、程よく高級なマンションだ。
他の部屋には、普通に人が入って生活していた。他の部屋の住人がごく普通の日常を送る中で、あの一部屋だけが違う。死者が集められて、変なゲームをやらされる部屋が、日常に紛れて存在している。
…鍵とか、かけてこなくて良かッたのか…?鍵なんてあるのか知らねーが。
「何日後か、何週間後かわからないけど、またあの部屋に呼び出される…
あっ、そうそう。ガンツのこと外部の人間に喋っちゃ駄目だよ、頭バーンだから…
銃を使うのを人に見られても一緒だからね、塩田」
「そうかそうか」
なんか知らんが、親切に教えてくれてやがる…。
泉のやつ、もしかして塩田や竜崎は戦力として認めてんのか?戦力と言っても、泉にとっては敵を引き付ける囮部隊だが。
得に塩田は、ガンツ装備の汚い利用価値に気づく男だ。泉は、自分と似た黒いオーラでも感じたのかもな。
こうして見ていると、年の離れた兄妹のようで微笑ましい。別に年はそこまで離れちゃいない上に、実際は塩田より泉の方が年上なんだが…。
逆に、奈良に対しては目を合わせようともしない。奈良が自分にとって最も危険な性質の男だと、本能的にわかるのだろう。完全に拒絶している。
ガンツからの次の呼び出しがあったのは、丁度あの日から一週間後だった。
学校から帰って、家でテレビを見ていたら、激しい耳鳴りと金縛りに襲われた。
これがきっと、部屋に呼ばれる合図だったんだろう。
また始まるのか……。命懸けの宇宙人狩りが。
部屋には既に、俺意外のメンバーが全員揃っていた。
「あっれー……。今回は新しい人、いないみたいだね……。まぁ、いいけど」
「いつもは必ずいるんですか?新規の参加者は」
「まぁ……だいたい、いつもはね〜…」
そりゃ、そのはずだ。泉の戦闘スタイルは、他の参加者がいなきゃ成り立たねー。
いきなり訳もわからず戦わされて、俺達みたいに生き残るのは稀。ということは、生存者が泉一人の部屋に、毎回、ある程度の人員が補充されていたはずなんだ。
「もしかして、呼ばれる上限とか、決まッてんのかな…?」
「いや、ガンツが気まぐれなだけだよ。多い時は20人近く呼ばれるし…」
そう言って泉は、銃を何やらいじくっている。
あ〜た〜らし〜い、あ〜さがきた♪
ラジオ体操が流れた。どーやら、マジで新しいメンバーはいないみてーだ。
まぁ、いいかもな。うまく、このゲームのことを説明するのも面倒だし、信じてもらえるとも思えない。
「ふ〜ん、田中星人。こいつ自体は弱そうだな」
塩田はガンツの前にしゃがみ込み、星人の情報に目を通している。他の奴らは、銃や、スーツのケースに手を付け始めた。
前回のミッションから、一週間が経って、少し冷静な頭で状況を見つめ直すことができた俺は、
この異星人との戦いは、やりようによっては、そこまでヤバイものではないんじゃないか…つまり、思ったより楽に切り抜けられるんじゃないかという気がしていた。
他の奴はどうか知らないが、塩田と竜崎、少なくともこの二人は、今回も当然生き残るつもりで来ている。
いや、塩田に至っては、それだけに留まらず、今回で100点を取るぐらいの勢いだろう。
つまり、なんというか、上手く言えないが、この二人からは自信を感じる。こいつらの後についていけは、少なくとも死ぬことはないんじゃないかと思えてくる。
あとは、おこぼれを貰うみたいでみっともないが、あぶれた弱い敵を、ちまちまと倒していけば、俺にだって100点到達の可能性はある。
今回は、他の種類の銃も持っていッてみるかな……。この長い銃なんか、結構遠くまで狙えるんじゃねーか?
「おい野村、早く全員のスーツを配れよ」
ガンツの後ろでスーツケースを取り出している野村を、塩田が急かした。
しかし、野村はすぐに返事をしなかった。顔は真っ青になり、少し涙目になっている。
「スーツ………入ってないぞ」
「はぁ?」
野村は、空のケースを掲げて見せた。
驚くことに、既にスーツを着用している泉意外の、全員分のケースが空だった。
「えっ!?」
「塩田……、俺達全員、スーツを着たまま帰っただろ…。あれ、本当は、今回も着てこなきゃいけなかったんじゃないのか…」
後ろの方で銃をいじくっていた俺は、何か、聞いちゃいけないことを聞いてしまった気がした。
「プッ……くくくく……キミたち最高だよ。全員揃って、スーツ持って帰って、忘れてきましたぁ〜なんてさ…」
クッソッ!それもあん時、教えとけッつの!つーか、こうなると思って、わざと黙ってやがったのか!
「あんたら二人も、こないだは結構やるかもって思ったけど、やっぱ訂正〜」
…まぁ塩田が忘れるのはまだわかるけど、竜崎…お前ぐらいは持って来いよ!
「塩田、あたしのスーツを奪おうなんて考えないようにね。このスーツは持ち主にしか効果がないから、他人が着てもただの服だよ」
「俺にそんなマニアックな趣味はないっての」
塩田は、何か違う次元の話をしているようだった。
ヤベーって…。またあんな敵と、今度は生身で戦う…?死ぬッつの、普通に。一発でも攻撃喰らったら即死だッつの…。ざけんな……ざけんな……マジで
「ふッざッけんなッ!!」
気づくと、俺は泉につかみ掛かっていた。
「おい!なんか、あんだろ!スーツなくても生き残れる方法が!おい!おい!教えろッ!!」
「あ〜あ、みっともないね〜、取り乱して。ちょっと涙目だし…。あはは…泣いてんなよ、だからみっともないって」
「うるッせえッ!いーから教えろッ!」
「…教えない。潔く死ね」
!?
泉の頭が消え始めていた。
転送が、始まッてしまった…。
「言っとくけど、あたしは助けたりはしないよ……。あんた達が殺されていくのを、すぐ近くで見てるだけ…」
泉は、そう言い残し、部屋から完全に消失した。その後、すぐに俺達の転送も始まった。
希望は無かッた。俺は今から、ただ、理不尽に殺されにいくのだ。
運命に抗う気力すらもなかった。ただ、助けてくれ、見逃してくれ、これが夢であってくれ、と祈るだけだった。
178 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/23(日) 17:53:56 ID:tQC1K4HL
「皆さん、銃を忘れないで下さい。部屋から出ても、単独で行動せず、全員集まるのを待って下さい…」
竜崎…?こいつ、まさかこんな状況で……。
「私は、諦める気にはなれません。絶望的な状況ですが、まだ可能性はあります。とりあえず、一人一丁ずつ、このタイプの銃を持っていって下さい」
そう言って、長めの銃を皆に渡した。
狙撃か…。確かに、遠距離から気付かれずにゴルゴできれば、生還できる確率はグッと上がる。
勿論、事がそんなに上手くいくわけはないんだろーけど、わざわざ接近戦用のハンドガンしか持っていかないなんてのは、ハナっから可能性を棄ててるのと同じだ。
まだ、できることはあった……生き残る方法はあったんだ…!
「生きて帰りましょう…。一人も欠けることなく、必ず、生きて帰りましょう」
全員の転送が終わった。
また、どッかの住宅地みてーだ。少し先の方に、橋が、下には川が流れている。あるよな、こーいう場所。俺の実家の近くもこうだったよ。
そんなことを考えていると、橋の向こう側から、何かが歩いてくるのが見えた。
げッ!田中星人!……服装とか、ガンツに表示されたまんまだ。
まだ俺らとは距離があるぞ。今のッうち……今のうちに撃ッておけば…ッ…。
「皆さん、待って下さい。撃つのを少し、待って下さい」
竜崎が言った。こいつ、すっかり、こん中のリーダーだな。
「これは、私の中にあった、一つの仮説なんですが…」
「星人は無害かもしれない…ってか」
「塩田君、正解です。星人は、こちらから攻撃を仕掛けない限り、あちらも攻撃をすることはないんじゃないか…、ねぎ星人を見て、そう感じました」
オイオイ、そりゃわかんねーだろ。確かにねぎ親子は、俺らが手を出さなきゃ、無害だッたかもしんねー。
けど、あの田中星人…、見た感じどー見てもロボットだぞ。相手の敵意を判断する、そーいう思考があるかどうかすら怪しい。
一切の感情を持たず、無差別に攻撃してくるように見えるぜ…。
「どっちみち、もう、田中星人は、私達の存在に気付いています。この状態で狙撃の優位性は、既にありません」
「賭けるしかねーか。このまま、スルーしてもらって、一時間やり過ごすか?」
「そうでなくても、距離さえ開けば、狙撃のチャンスはあります。皆さん、敵意を見せないで下さい…、来ますよ」
ウィーン、ウィーン…。近くまで来た田中星人から、モーター音が聞こえる。
うッ!こいつ、マジでロボットだ。つーか、こっちを真っすぐ見てきやがる!頼む、このまますれ違ってくれーッ…!
「悠三クン?」
「………えっ?」
179 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 09:10:13 ID:z+M/f8lS
しえん
誰だよ、裕三ッて…!おい、竜崎!なんか返事しないとまずくねーか!?おい!?
「裕三……?人違いではないですか?」
ウィーン…ギギギ…
今まで、微かににこやかだった田中星人の表情が、次第に、怒りを表すものに変化しだした。
おッ、おいィーッ!!目茶苦茶怒ッてるじゃねーか!どーすんだよ!
コォォォ…!
田中星人の口が開き、口内に光が収束し始めた。
「ちょ…ちょッ!…おい!なんかこいつッ!エネルギー溜めてッ!なんか出るッ!!」
「まずいですね…。これは、光線でしょうか…。失敗しましたね。やはり先程、全員で撃っていれば…」
「じゃッ、じゃなくてッ!どーすりゃいい!!どーすりゃッ!おッ、おい!竜崎!!」
コオオオオオオオ!!
うおおッ、駄目だッ!もう駄目だッ!!しッ、死ぬッ!
ちょッ!ちょッ!待ッてッ!撃つなッ!まだ心の準備が…
ギョエエエエエエエッ!!!
181 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/24(月) 19:59:51 ID:vdg4TPDf
田中星人の怪音波は、俺達に向けてではなく、俺達とは真逆の方向、橋の上に向かって放たれた。
だが、至近距離にいた俺達への衝撃は凄まじかった。咄嗟に耳を塞がなければ、鼓膜が破れていただろう。
ギョエエエエエエエエエエエエ!!!
うッおぉおぉおッ!やッべえぇえぇ!耳がッあぁあぁ!!イッ!イカれるうッうぅう!!
その時、田中星人の攻撃が向けられた橋の上で、火花がスパークし、一瞬だがその中に、泉の姿が見えた。
泉は直ぐにまた見えなくなったが、バチバチと音を立てる火花が、泉の居場所を示していた。
泉は、橋の手摺りに乗って、下の川に飛び降りたようだった。
ギョエエエッ!!! ギョエエエエエエエエエ!!!
続けざまに怪音波を出しながら、田中星人も泉の後を追い、橋から川へと飛び降りていった。
田中星人が去った後も、俺達の周囲の空気は、ビリビリと振動していた。
「…おいおい、なんだよ今の」
「皆さん、大丈夫ですか」
「くッそッ!マジで死ぬかと思ったッ」
ギョーン!ギョーン!ギョーン!
橋の下から、例のブッ殺す銃の発射音が聞こえる。川の下で、泉が戦ってるようだった。
ギョーン!ギョーン!
どういう原理かわからないが、田中星人の怪音波によって、川の水面が派手に爆発し、泉が撃った後も同様に、水面が爆発する。
両者は、舞い上げられた水しぶきの中を戦っていた。
「おい塩田、あいつ消えなくなっちゃってるけど…」
「さっきのでステルスが壊れたんだろ」
泉のお得意の戦法が使えないッてことだ。どうせ敵には位置がバレてたみたいだから意味ねーけど。
泉こなたという女は、一年前からこの戦場で戦い続けているベテランで、既に90点の点数を獲得している。
だがそれは、囮やステルス機能に頼って得たもので、実際の彼女自身の戦闘能力は低い……。
…俺は、そう思っていた。だから、泉が、田中星人に視認されている状態で、あの音波攻撃をかわしていることは、あまりに予想外だった。
キュイイイイイ!!
ビキビキッ
泉の足のスーツが作動音を鳴らしながら膨脹し、水中の地面を蹴り飛ばす。
泉は、高速で連射される怪音波の中を、スーツの性能をフルに活かした超スピードと急ステップで避け続けていた。
おい、何だよ、あの動き……。人間の運動神経じゃねーぞ、ありゃー…。
ギョーン!ギョーンッ!
………ババンッ!バンッ!
若干のタイムラグの後、田中星人の上半身がバラバラに吹き飛び、空中に舞い上がった。
田中星人の外観はロボットそのものだったが、爆発し、中から飛び出したのは、オイルなんかじゃなかった。
戦場を舞っていた水しぶきが、一瞬にして、赤く染まった。
182 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/25(火) 15:41:00 ID:E0QSqvAy
「あいつ…すげーッ…。今回、ひょっとして、あいつ一人でやれんじゃねーか…?」
「どうでしょう…。レーダーの反応が複数、この場所に向かってきています。今の田中星人を倒したことで、敵に位置を知らせてしまったのかもしれません」
川の両端には、既に、怒りの形相の田中星人の集団が現れていた。
つーか量産型かよ、軽く十数匹はいるぞッ!
「泉ッ!!囲まれてんぞ!おいッ!!」
マジかよ…!いくらなんでも数が多すぎる。せめて一体ずつ来るなら、なんとかなったかもしんねーけど、こんな無茶苦茶……勝てる訳ねーッ!
ギョエエエッ!ギョエエエエエエ!!
ギョエエエエエエエエエエエエ!!!
ギョエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!
総勢、十五体の田中星人の大合唱に加え、川の水は、空気中に霧状に舞い上げられ、俺達には、もはや橋の下で何が起こっているのかすらわからなかった。
バンッ!バンッ!
ババンッ!!
一帯を覆った霧が赤く染まり、田中星人の頭部や腕が、空高く吹き飛び、ボトボトと落下していった。
バンッ!バンッ!
田中星人の肉片の雨は、更に、止むことなく降り続けた。
「すげぇ…、だいぶ殺してるぞ…。もッ、もしかすると、あいつ、もう、100点いッたんじゃねーか!?」
霧が晴れて、泉の姿が見えるようになった頃には、あれだけいた田中星人の群れは、三体だけを残して、全て肉片となっていた。
いッた!100点いッたッ!一体一点として計算しても、確実に100点を越えた…!
つーか、人の点数で、なに興奮してんだ、俺!
うおおッ!あと三匹!!やッ、やれッ、泉ッ!あと三匹ッ!!いけえッ!泉!!
しかし、さっきまでの猛攻が嘘のように、泉の動きは止まってしまっていた。
あと少しだった。敵を、あと三体残すところで…。
「はぁっ……はっ…スーツが…」
キュウウゥゥン……
……ドロッ
泉のスーツは、ダメージの蓄積限界を超えていた。
それまで、泉の全身を巡っていた力は抜けていき、スーツの各ポイントから、ドロドロとした液体となって流れ出た。
「……スーツが…オシャカになった…」
な…何だって…?オシャカ!?つまり、何だ、ダメになったのか?スーツが…つまり…
「スーツが機能しなくなったようです…。つまり、今、泉さんが攻撃を食らえば…」
食らえば…どうなっちまうんだ?川の水が、原子単位にまで分解されちまう、あの攻撃を生身で喰らったら……
「おッ!おいッ!助けッ、助けた方がッ」
口に出してから気付いたが、俺は、泉を助けたいと思っていた。あいつはさッき、俺達を見捨てたっていうのにだ。
何故そう思うのか?自分の事ながら、よくわからなかった。
俺はあいつに対して、一応、仲間意識みたいなものを感じているのか?
俺は今まで、周りの人間を見下していた。よく話しかけてくるクラスメートも、友達だなんて思ったことは一度もなかった。
家族だって、誰だって、馬鹿な連中は全員死ねばいいって思ってた。
こんな状況を共にしているからって、それは変わらないはずだった。
だが、泉は、はっきり言ってムカつく奴だったが、それでも俺は、あいつが死ぬところなんて想像できなかッた。
俺は、銃を構えて、スコープを覗いた。俺に続いて、他の皆も銃を構え、今にも怪音波を発射しようとしている田中星人を狙った。
「……駄目です…!敵はこちらを意識して、意図的に、泉さんの影に隠れている。今撃てば、泉さんに当ててしまいます」
またしても、誰も撃つことができない。ねぎ親父に竜崎が掴まれた時と同じだった。
そして、またしても、銃を下ろさず、敵を狙い続けていたのは、塩田だった。
「あいつに当てなきゃいいんだろ…!」
ギョーン!ギョーン!ギョギョーン!
塩田の狙いは正確だった。射線は、正確に泉の体の隙間を縫い、三体の田中星人の頭や、胴体に当たっていた。
だが、効果が発動するまでのタイムラグが、泉の命運を分けた。
田中星人の最期の攻撃が、無防備な泉に放たれるのを止めるには、それは僅かに遅すぎたのだ。
泉は、生きるために、あまりに多くの人間を犠牲にしてきた。
その報いが、今、訪れようとしていた。
ギョエエエエエエエエエ!!!
ババンッ バンッ ババンッ!
倒したッ…!倒したけど……
バラバラになった田中星人の肉片の中から、岸に引き上げられた泉は、
眼球が潰れ、歯は何本か抜け落ち、鼻や耳からも血を流していたが、まだ微かに息があった。
「がはっ…げほっ、げほ……。うぅ…」
ぅうッ…!!ひ、ひでえッ……
おい、耳からの出血はヤバいッて聞いたことあるぞ…。
「………脳の損傷が酷い……。これでは、処置しても助かりません…」
「…うっ、うう……か…がみん…、かがみん……」
わかッちゃいた。人が死ぬってことは、どういうことなのか。
こんな戦いをしていたら、当たり前のように死人が出ること、それが自分かもしれないことも理解していた。
だが、今俺の目の前で、一人の女子高生に訪れようとしている死は、理解とか認識とかそういうレベルじゃない、ただ無機質な現実だった。
「残りの敵を速攻で倒しにいけば…」
今まで黙っていた塩田が、口を開いた。
「今から速攻でミッションを終わらせれば、死にかけていても助かるらしいぜ。
…ミッション中に怪我をした場合は、怪我をする前の状態で部屋に戻れるんだとよ。少しでも息があれば…だけど」
泉は塩田に、聞かれてもいないのに、ガンツのルールや攻略法を色々教えていたらしい。
なんつーか、泉って、典型的なオタクタイプなんだろーな…。俺のクラスの松村と永沢も、ちょっと仲良くなったら、聞いてもいねーのに、アニメやアイドルの話を聞かせてくるもんな〜
…ッて、今はそんなこと、どーでもいいか。
とにかく、急いで残りの、敵を倒せば、泉は助かるらしいが、
それまで、こいつの命が持つのか?今に死んだっておかしくないように見えるけどな…。一応、まだ息はしているみたいだが。
それに、敵があと何匹残っているかもわからなかった。レーダーには、ここから少し離れた場所に、一カ所だけ反応がある。
最後の一匹なのだろうか…。いや、一カ所に複数固まっているのかもしれない。
そうだとしても、泉があれだけ倒したんだ…、そこまで多くは残ってはいないはず…。
俺達は、泉をその場に残して、レーダーに表示されたた地点を目指して、移動を開始した。
185 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/26(水) 09:01:05 ID:Ex5vZYwk
俺の嫁が・・・
レーダーを便りに俺達がたどり着いたのは、木造のボロいアパートだった。
ねぎ星人といい、宇宙人はボロアパートに住みたがる習性でもあるのか?
「どうする…、中に入るのか?」
「時間がありません、危険を承知で言います。突入しましょう」
やッぱ、それしかねーか…。
せめて、敵が屋外にいたなら、狙撃のしようがあった。そんな都合良くいくわけねーよな…。
竜崎が先頭になり、慎重に扉を開ける。
アパートというか、下宿屋みたいな作りだ。廊下が奥まで続き、左右にいくつか部屋が配置されている。
「なんだ、この煙…。ドライアイス?」
床付近の位置を、煙が覆っている。いッ、いらねーっつの、こんな演出…。
この煙の先に敵がいるのは明らかだった
「発生源は二階のようです。行きましょう」
二階は更に煙が充満していた。煙は、最奥の部屋のドアの隙間から漏れ出しているのが見える。
雰囲気でわかる…。このドアの向こうにいるのは、明らかに今までの田中星人とは別種だ。
思えば、この狭い空間を戦場に選んだ竜崎の判断は異常だった。もっといい作戦が、考えれば何かあったはずだった。
だがそれ以前に、この宇宙人との戦い自体がそもそも異常だったのだ。
スーツを着ていようが着ていまいが、強かろうが弱かろうが関係なく理不尽な死が訪れるこの世界で、理にかなったやり方が通用するわけがなかった。
命を曝して進むしかないことを、俺達はここにきてようやく、わかりはじめていた。
「私が先に行きます。あとのフォローはお願いします」
「ちょッ…何か作戦とかねーのかよ」
「撃ち合いになれば、タイムラグのぶん、こちらが不利です。不利ですが、相打ちには持ち込めます」
……聞かなきゃ良かッたぜ…。それは、つまり、要するに…
「万一、敵の攻撃を受けても、即死は免れる。それを利用します。要するに、捨て身、ゴリ押しです」
「この奥にいる奴が、どんな攻撃してくるかなんてわかんねーけど?」
「だから私が先に行くんです、塩田君。私がやられた場合、高速で動く敵に銃を当てられるのはあなただけです。頼りにしてますよ」
マジ?本当にそれだけ!?相打ち狙い?ハッ!?
オイオイ竜崎、お前こんなにいい加減な奴だッたか!?
俺達は、少し下がった位置から銃を構え、竜崎も銃を構えながら、依然煙の吹き出し続けるドアに近づいていく。
その時、
グルアアアアアアアアアアア!!!!
ドアの向こう側から突然、太く分厚い鳴き声…いや、雄叫びというべきであろう音が大音量で響き渡った。
次の瞬間、ドアが内側から打ち破られ、すぐ前にいた竜崎が吹っ飛ばされた。
更に不幸だったのは、前述の理由で、後ろにいた俺達の先頭が、塩田だったことだった。竜崎は塩田に衝突し、二人はそのまま階段の前まで吹ッ飛んだ。
「ははっ…!腕が折れてやがる…都合良く!」
「私もです。銃を構えていたのが災いしましたね」
ドアごと破壊された壁から煙が一気に吹き出し、中から巨大な怪鳥がのっそりと姿を現す。
それに連られるように、他の部屋のドアも開き、各部屋にいた田中星人が、この狭い廊下を埋め尽くした。
田中星人は、俺達の姿を認めると、デフォルトの穏やかな表情がみるみるうちに歪み、一斉に俺達を睨みつけた。
ハアッ!…ハアッ!撃たねーとッ!やべッ!撃たねーと…!!
俺は急いで、目の前の田中星人に銃を向けるが、トリガーを引く前に避けられてしまう。
クッソッ!俺も、他の連中も、当てる以前に撃ててすらいねえッ!!
無理!!無理だッこんなの!
コオオオオオオオオオオオ!!
そんなこんなやッてるうちに、田中星人達が、順々に必殺技の発射体制に入ってしまった。
絶体絶命だった。
今までも似たような状況はあったが、なんだかんだで生き延びてきた。だが、今回は、スーツも着てない、泉のような伏兵が潜んでいる訳でもない、助かる要素ッてやつが一つもない。
終わった。
終わった、俺の人生。地下鉄に轢かれた時に既に終わってたようなもんだったが。
つーか、あん時、泉を見捨てて、タイムオーバーまで粘っていれば…、次の戦闘で、スーツを着て、せめて今よりはマシな戦いができただろう。
だいたい、わざわざこんな危険な目に合ってる今、当の泉はとっくに死んでるかもしんねーのに。
まぁとにかく、完ッ璧、ゲームオーバーだ。詰んだ。俺は、死んだ。
………………………………………………………………………
「……………………!!!」
俺は、目の前の光景に唖然とした。田中星人達も、そしてその親玉であろう巨大な鳥も、口から泡を吹いて、動かなくなっていた。
死んだ……?勝手に死んだぞ…
…なんでだ…?
わけもわからないまま、俺達は部屋へと転送された。
……はははッ…。何だか知らんが、俺は生きてる。全員が生還できた…。
程なくして、泉が転送されてきた。
「………!!…ハアッ!ハアッ……………?」
そっか…、まだ田中星人と戦ってる最中の泉が転送されてくんのか…。なんかすっげー間抜けだな…。
「…終わった……?他の場所にもまだ残ってたはず……誰が終わらせたの…?スーツも無しで、どうやって…」
信じられない、といった様子だ
ははは…。まさか、こいつのこんな顔が見れるとは。なんか、ちょっと得した気分だ。
ち〜ん
ガンツの採点が始まった。
らいと 38てん total.38てん あと62てんで終わり
…………夜神…?どッ…どーして…
「おッ、お前だったのか?あのッ、最後の」
「ああ」
「一体、どうやッて……」
「……………」
…超能力かなんかか…?
そういえば……あの時、あの竜崎が、策も無しに敵の巣に飛び込んだことに、ずっと違和感があった。だが、こういうことなら、全て合点がいった。
つまり、あの無謀な作戦には、保険がかけられていた。夜神の能力という保険が…。
える 0てん total.0てん
てつじん 15てん total.16てん あと84てんで終わり
まぁ、端折るが、俺を含めて、後の連中は0点だった。
そして、最後に、泉の採点が表示された。
こなた≡ω≡. 65てん total.155てん 100てんめにゅ〜から選んでくだちい
1.記憶を消されて解放される
2.より強力な武器が手に入る
3.MEMORYから人間を一人再生する
…そーいや、100点いッてたんだったな、こいつ。余裕100点越えじゃねーか。
つーか、2番と3番ってなんだよ。3番なんか、何気に、凄いこと書いてあるぞ。
「ガンツ…、2番の強力な武器。今すぐ用意してね」
はッ!?解放じゃねーのか?そのために、今まで戦って、点数溜めてきたんじゃ…
泉は、部屋奥のドアを開け、中から、銃のようなものを持ってきた。今までの銃よりでけえ…確かに強力そうだ。
「つか、お前ッ…、何で武器なんか…。自由になれたのに…」
「……自由になったって意味ないんだよ。今更ね」
「ハァ…?それ、どーいう意味…」
「ははっ、何も知らないって可哀相だね。まァ、気楽でいいか、そーゆーのも」
泉はすっかり、元の調子に戻っていた。猫口がムカつく。
つーか、助けてもらった事に対して、お礼はなしかよ。
泉はガンツを何やらいじりはじめた。すると、七桁の数字が表示された。何かのタイマーだろうか、一秒ごとに減り続けている。
「これが、人類に残された時間だよ。カタストロフィ………あと一ヶ月で、この世界は終わる」
「ははッ…なんだそれ、少し前のノストラダムスみたいなもんか」
「だいぶ前だけどね、ノストラダムス。まぁ、信じないならそれでいいよ」
……………
信じない…ッてわけにもいかねー…。泉の言うことはともかく、ガンツが何かをカウントダウンしているのは事実だ。
予言なんかとは違う…、あれが0になったとき、確実に何かが起こる。いや、むしろ、このガンツが何かを起こすのかもしれない。
「人類が築いてきた価値観は崩壊し、強力な軍備を持つ者が地上を支配する。何も知らないクズ共は真っ先に死ぬ…」
「具体的に、何が起こるんだよ。空から星人でも降ってくんのか」
塩田が言った。
「…核戦争って説が有力だけど、あたしは信じてない。そんなレベルに収まるわけがない…。
ま、何が起こるとしても、それまで何回でも100点を取って、強力な装備を揃えておく必要があるってわけ」
俺は、まだ1点も取れてない立場だが、一応、100点とって自由になることを目標としていた。…ここにいるからには当然だ。
だが、何だッて?それじゃ、解放されたって、死亡確定じゃねーか。
スーツも銃も、記憶もない。本当に、わけもわからないまま死ぬことになる
じゃあ、戦うのか……。戦って、立ち向かッてなんとかなるもんなのか、そのカタストロフィってやつは…。
「一ヶ月後……、一ヶ月後に一体、何が起こるんだッ!早く描きやがれ、奥!!」
俺の悲痛な叫びが、ガンツ部屋に響き渡った。
第一部・大場つぐみ編、完。
190 :
創る名無しに見る名無し:2009/08/30(日) 01:22:47 ID:AopKm9Da
乙!
続き期待してる!
191 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 08:14:13 ID:ugr4iZE2
あげ
192 :
創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 19:55:47 ID:Enocmsqb
てきとーあげ
一応保守
hosyu
kon
「ねぇねぇ…」
「昨日さ…」
机に突っ伏して寝ようとしていた僕の耳に、クラスの女子の会話が聞こえる。
「また出たッてさ。黒い特殊部隊が…!」
『黒い特殊部隊』……
最近噂になっている都市伝説の一つ、
深夜のうちに発生する、建物や道路の謎の破壊現象だ。
黒い戦闘服に身を包んだ集団が宇宙人と戦った…ということらしい……。
僕も一度、破壊された建物や道路の写真をネットで見た。
道路に開いた無数の穴、粉砕されたブロック塀、屋根が吹き飛んだ民家……
なるほど確かに、人の力を超えた何かが激しく戦闘した痕跡のように見える。
が、
僕はこれを、何者かが行った大掛かりな悪戯だと疑っている。勿論、特殊部隊の噂を流したのも含めてだ。
こういうことをやるセンスは、僕は嫌いじゃない。
どこの誰の仕業か……、
こんな愉快なことを思い付いて、実行する奴の顔を一度見てみたいもんだ。
「高森! おい、起きてんでしょ…!」
女子の一人が僕に声をかけてきた。
「ちょっと……やめなよ。寝てるよ…高森くん」
「フリだよ、フリ! こいつ、いッつも寝たフリして休み時間乗り切ってんだって…!」
そこまで指摘されたら、もう返事をするしかなかった。
「…………なに」
僕は不機嫌そうに応えた。
別に話し掛けられるのが迷惑というわけではない。
彼女が僕に対してとるこのような図々しい態度は、受け入れるより反発することで釣り合いがとれる。
本能的に僕は、彼女との関係が成立するような対応をしていたのだ。
「ほらね、起きてた……。話す友達いないからって弁当食ってソッコー寝てんなよ、高森!」
彼女、三澤亜希は、僕の隣の席の机に腰掛け、僕を見下ろしていた。
三澤の座っている机は、僕の横の席の小林(男)のものだ。
こういう行動を当然のようにとれるのは、三澤は自分のルックスが良いことを自覚している証拠だ。
正常な感覚の男子ならば、三澤のケツが乗っかった机に悪い印象を持つ者は恐らくいないだろう……。
彼女は単に無神経なだけの女じゃない。
他人の領域に自分ならどこまで踏み込めるかを計算した上で行動する。
彼女でも、何かが上手くいかないなんてことがあるのだろうか……。
もしあるのなら、見てみたい気がした。
この、常に勝ち気で自信に満ちた三澤の計算が狂い、
激しくうろたえる瞬間がもしあるのならば……。
「高森も見たでしょ? 朝のニュース…」
「ああ……、なんか公園で…、また破壊現象だろ……」
「そう…! しかもあの公園、うちのすぐ近所なの! 部屋の窓から見えるの! 朝起きたら警察が…」
「ゴメン高森くん…。亜希の奴、朝からずっとこんな調子で……」
「ハハ……、大変だね…」
「あーあ…、昨日の夜さっさと寝ちゃわないで、真面目に勉強してれば良かったなぁ。そうすれば窓から戦闘が見れたかもしれないのに……」
「戦闘って……、お前まさか、特殊部隊が本当にいるとか思ってる?」
「!? いないんなら何なの……」
三澤の表情が明らかに変わった。
(こいつに直球で意見を言えるのは、このクラスでは僕くらいかもな……。
そのぶん後から、暴力なり暴言なり、それ相応の反撃は喰らうわけだが…)
「普通に考えてみろよ…。幽霊だって何だって、何かの自然現象をこじつけただけだろ。
ニュースじゃ、暴走族とかが物を壊して回ってるだけって言われてるし…
まぁ僕は、それプラス、誰かの悪ノリで捏造が加わってると思ってるけど……」
「けど、専門家は、壁や地面が内側から壊されてるッて…!
爆弾使ったとしてもあんな壊れ方はおかしいッて……」
「オカルト番組に出るような専門家だろ…。ああいう人って、適当にそれっぽいこと言って場が盛り上がれは金貰えるから…」
「…………」
三澤の計算が狂い、うろたえる瞬間……まさかこんなに早く見られるとは思わなかった。
僕は故意にそうしたわけじゃなかった。
いつもなら三澤は、議論に負けかかったところで、僕の人格を否定するような暴言を二、三言吐いて、自身の優位性を保つ。
だが今回は、三澤は『黒い特殊部隊』が実在していることに異常に執着していた。
『特殊部隊』の存在が否定されたままで、その話題から引き下がることができなかったのだ。
三澤が急に黙り込んだことで、教室内にも空気の変化が伝わった
窓際の僕達三人に注目が集まる……。
もう一人の女子も、三澤のただならぬ様子に顔を硬直させていた。
「い、いや、僕が言ったのも結局、ネットとかの受け売りだしさ……、実際はいるともいないとも言えないから……」
「あ、亜希、まだホントのところはわかんないんだしさ、そっ…そうだ、今度三人で現場を押さえに行こ……?」
「はァ!? 僕もかよ!」
三澤に対して下手なフォローは全くの逆効果だった。
同情によってプライドを傷つけられた三澤は、精神の動揺をもう隠しきれていなかった。
「!?………な…ッ……、ちが…う…ッて………!
な…にこれ……わたし…だけ、ば…かみた……いじゃん……!」
突然泣き出した三澤に、クラス中がざわめき始めた。
部屋のベッドに寝転びながら、僕は今日の三澤のことを考えていた。
彼女は『黒い特殊部隊』に今までにない執着を見せた…。
まさか本当に『黒い特殊部隊』が実在していると信じているのか?
あんな馬鹿げた噂を?
ここで僕は"もう一つの可能性"を考えた。同じくらい馬鹿げた可能性だが……
「三澤亜希が、建物を破壊して特殊部隊の噂を流した犯人……」
『特殊部隊』に対しての三澤のあの興味の持ち様はどうも不自然だ。
それを自己顕示欲の表れと考えることもできる。
「だが、建物の破壊をどうやって……?」
冷静に考えれば、そこが一番の疑問点だった。
誰が犯人であるにしても、そこまで大規模な破壊活動を何度も行って、誰にも目撃されないのはあまりに奇妙な話だ。
もっと多数の人間が関わっていて、極端に言えば街ぐるみで都市伝説をでっちあげたのなら、目撃情報が出ないことも可能だ。
だが、それなら尚更「何の為に?」
何の理由もなく、下らない都市伝説を作る為に大勢の人間が動くだなんてあまりに不可解だが………、
「集団で」「下らないことをする」
真っ先に僕の頭に浮かんだのは『宗教』だ。
「破壊活動は怪しい宗教団体の仕業………三澤もその一員…………」
流石にそうは思いたくなかったが……。
「確か、白川公園……だったな」
昨日事件があった公園、三澤の家はその近くだと言っていた。
行ったとして、三澤に会えるかはわからないが、
ただ僕は、今日起こったことには今日中に片を付けたかった。
202 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/19(月) 02:44:57 ID:x3kR2m1Q
自宅から自転車で約20分。
白川公園……
周囲を高級住宅に囲まれた、公園レベル(というものがあるのなら)中程度の公園。
昨晩の事件で封鎖されていて中は見ることができないが、丁度サッカーコート程の広さのようだ。
(三澤……、僕は三澤に会いに来たんだよな……)
この住宅地の中から『三澤』の標札を探してみるか……?
幸い一軒家ばかりだ。恐らくすぐ見つかるぞ……。
「………………」
だが、そんなことをしている僕はあまりに不格好すぎないか……?
三澤からしたら僕は不審者、ストーカーそのもの……
「…………………」
そもそも、わざわざ会いに来るなんて、僕のキャラじゃないぞ……!
『僕はあいつのことを欝陶しく思っている』……そうだったはずだろ……!
「……………………」
僕があいつの心配なんて、おかしいだろ……
今日のあの時だって、僕はあのまま手加減無しに論破するべきだったんだ……。
何をやっているんだ、僕は
この中から三澤の家を探そうだなんて……
……………………
うっ…………その思考を思い返しただけで鳥肌が立つ………
(僕は、事件現場を見にここまで来たんだ……)
必要以上に長居するのはおかしい。……帰ろう。
203 :
ルダボウ ◆XEyWMmr6sc :2010/04/25(日) 20:10:30 ID:s9R7/0sd
どうも。西の話を書いてるルダボウです。
>>196から書いてる方の非常に面白いです。
ガンツの外の人間からの視点というのが実に新鮮でした。
それに高森の一人称がとてもいい。
三澤亜希が座った椅子は誰も悪く思わないとか、実にリアルな思考だし、
面白いです。
よければ続き書いてくれませんかー?
205 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/25(日) 21:47:48 ID:0oybwm0x
アリの巣コロリってあるじゃん。
蟻の行列にポンと置くと、一瞬ビックリして列が乱れる。
邪魔だなと言わんばかりに迂回する列が出来る。
そのうち好奇心旺盛な一匹がアリの巣コロリに入る。
そいつをマネして何匹も入る。
毒とも知らずにツブツブを運び出す。一匹が一粒づつ。
いつのまにか行列はアリの巣コロリが折り返し地点になる。
黄色い粒と黒い蟻が作り出す模様は綺麗で見てて楽しい。
一匹が一粒づつ、丁寧にせっせと毒の粒を運ぶ。
せっせと、せっせと、せっせと、せっせと。
蟻さんって働き者だなと思う。俺も頑張らなきゃなと思う。
次の日、あれほど沢山いて俺を困らせた蟻が一匹もいない。
ほんとにいない。探してもいない。泣きたくなった。
このレスを見た人は4日後にあなたの大切な人がいなくなるでしょう・・・・
それが嫌ならこのレスを5つの板にコピペしてください。
信じるか信じないかはあなた次第です。
テスト
207 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 15:21:26 ID:/aar/NEh
人通りのない深夜の住宅街、
そこで僕が見たのは、人型の怪物と少女の戦闘だった。
月のない夜、数メートル間隔の街灯だけが、少女の纏った黒の戦闘スーツを照らし出していた。
悍ましい姿の怪物を前に、少女は果敢に攻める。
が、敵はそれをかわし、逆に少女の顔面を殴りつける。
「あ゛ッ…!」
少女の体が大きくのけ反った。
だが、丸太程の太さを持った腕が打ち付けられたにも関わらず、少女の顔には傷一つ付かなかった。
そして、その表情が痛みに歪むこともなかった。
視線は敵を捉えたまま、なおも少女は攻撃を続ける。
ダメだ……
ダメだ…三澤………!
そんな戦い方じゃ……………!
大きく亀裂の入った道路のアスファルトの上、
全身を襲う痛みの中、
僕は、たった一人で戦う少女の姿を見続けていた。
208 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 15:32:21 ID:/aar/NEh
翌日、登校して早々に、僕は三澤から昨日の報復を受けた。
教室の扉を開けた瞬間、中から飛び出してきた三澤にいきなり襟首を捕まれ、そのまま廊下の壁まで押しやられる。
「な、なっ……、なんッ、だっ……、なんだよ…!」
「あんたね……、昨日みたいなことまた言ったら、殺すからね……!」
「な、なんだ昨日のって……、うァッ!」
「ちょっ、亜希!高森くん浮いてる浮いてる!」
「だから昨日の!あの噂の話だッて!証拠があるわけでもないのにさ!あんたは人の話否定することしかできないわけ!?」
昨日は急に大人しくなったかと思えば、一日溜め込んだ感情やら何やらを全て怒りに転化させてぶつけてきた。
三澤は目茶苦茶な奴だった。
……だが、三澤が言う黒い特殊部隊の噂……、
確かに僕は昨日、彼女が言う通りその存在を否定した。
真夜中にひっそりと行われている、異星人と戦隊ヒーローの超バトル。
有り得ない話だ。普通に考えたなら。理屈で考えたなら……。
しかし、僕は………
僕は……
まだ残っている。
銃を握る感覚、
この世のものではない異形の怪物に追われる恐怖……。
それは僕の記憶に、余りにリアルに刻み付けられていた。
僕が今まで信じてきた、この世の法則とか、常識とか、
それらが全てひっくり返るような仮説を、僕は今、信じかかっている……。
「三澤……、僕も……なんとなくだが、あの噂が本当なんじゃないかって……、そんな気がしてきたんだ」
どうでもいいが、宙吊り状態では非常に話し辛かった。
209 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 15:42:09 ID:/aar/NEh
「………ハァ?…何なの急に」
「ゆ…夢で見たんだ。そう…、僕と三澤が……宇宙人と戦う夢を…………」
「は?」
「……」
「え……、え……?ちょっと……あんたと私?」
「あれは……夢って感じじゃなかった。まるで……昔…体験したことのような……」
その場が静まり返った。
いや、凍り付いたと言うべきなのか……。
「……な、なに言い出すの、ちょ…ちょッと……、キモいッて………」
「なっ……、いや、だからな、僕とお前が……」
「イ…イヤ……、高森キモいよ……」
顔を引き攣らせ、後ずさる三澤
「え…えーと、これって高森くん流の告白…なのかな……。よ、良かったね亜希!」
「よ、良くない!良くない!良くないッて!高森、もう二度と私を夢に出さないでよね!お願いだからマジでやめてよね!」
「……おい、僕は真面目に言ってるんだぞ。夢って言うよりあれは過去の記憶…ッ、ぐぇッ!」
「あ、亜希!首絞めてる!絞めてる!」
「せんせーぇ、三澤さんと高森くんがぁ……」
「おい!!おまえら何やってんだ!!やめろやめろ!!」
朝礼に来たクラス担任に発見され、僕と三澤は職員室へ連行されることとなった。
職員室の向かいの壁一面に描かれた絵。
三澤は、その作者を知って驚愕した。
「平成21年度 新入生入学記念 1-B 高森 章………、章……ショウ…?アキラ?……別に知りたかないけど……」
21年度、つまり去年一年生だった『高森章』という生徒……
三澤のよく知った高森のことだった。
「………………マジ……?」
ガラガラガラ…
「なんで僕まで怒られたんだ……。僕は被害者なのに」
「ちょッ、ちょッと高森!これは何なの!」
高森より先に職員室から出た三澤が早速騒いでいる。
下手に関わってまた職員室行きは御免なので、高森は限りなく素っ気ない返事をした。
「………何って、絵だろ」
「じゃなくて!」
そう言い三澤は、高森の名前が記された箇所を指差す。
「……あぁ、僕が以前に美術の賞を何回か取ってることが入学の時に知れててさ、それで…先生から描いてくれって言われたんだよ」
三澤は、へぇー…だの、ふぅーん…だの、適当な返事をしながら、高森の描いた絵をまじまじと見つめている。
「へぇー……、結構上手いかも……」
三澤は絵を見ながら呟くように言った。
「………………」
「……?褒められたんだから何か反応しなよ」
「い、いや……」
「……えッ、高森!?何!?照れてるの!?」
「……ち、ちがう……。……まぁ……、誰かの率直な感想が聞けたのは嬉しいかな…。正直、上手く描けてるかどうか自信なかったし……」
高森は絵を褒められることには慣れていたが、
それが普段、挨拶代わりに相手を罵倒する三澤からの言葉となると、流石に動揺した。
「た、高森ッ……!高森が慌ててる……いっちょ前に照れてるッ……!」
しどろもどろになって話し出す高森が、三澤は可笑しかった。
「も、もう教室行くぞ……、授業が始まる……」
「ははは…、ちょッと待ってよ……!せめて今の照れ顔を携帯で撮らせて……!」
ドンッ…
急ぎ足で教室に向かおうとした高森の胸の辺りに、何かがぶつかった。
212 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:02:59 ID:/aar/NEh
人……?
女子…か…?
高森の胸に、小柄な一年生の女子がすっぽりと収まっていた。
「あ、ごめん……」
「あッ……あッ………すいません……」
高森と女子は互いに一歩ずつ下がる。
「いや……、僕が急いでたから…。どこも、何ともないか?」
「あッ、ハイ、平気です」
「ちょッと高森、前ぐらい見なよ」
女子の視線が、高森から、後ろにいる三澤へと動く。
「……?」
「……そッ、それじゃ、失礼しました……」
一瞬、三澤と目が合い、慌てて視線を逸らした彼女は、すぐさま二階の一年生の教室へと駆けて行った。
「……………」
「三澤、僕たちも急がないと授業が始まるぞ……」
「……ああ、うん。………ところでさ、」
「……?」
「あんた、下の名前なんて読むの?」
「え………?」
213 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:06:31 ID:/aar/NEh
バァンッ!!
粉々になったブロック塀の粉塵が舞い上がる。
高森たち三人は、不意に遭遇してしまったターゲットの怪物の猛攻から必死で逃げていた。
「く……!何だこの状況は……!何で三対一でこっちが押されてるんだ………!」
「速過ぎるんですよッ!」
「誰か撃ってよ!」
ギョーン………
高森の持った銃から何とも言い難い気の抜けた音が発せられる。
「駄目だ……!外れた!……うわッ!」
グシャ!!
高森は間一髪で回避したが、敵の攻撃は足元のコンクリートを約30センチの深さにえぐった。
これまで、逃げながら応戦していた三人だったが、ここで三澤の足が止まる。
ガッ!!
敵の攻撃後の隙をついて、三澤の右ストレートが敵の顔面に命中……!
「三澤…!」
「三澤さんッ!」
214 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:11:08 ID:/aar/NEh
続けて、左ハイキック……
スーツの力で倍近くに質量を増した足が、敵の側頭部に浴びせられる……
ガッ!!!
同時に、高森が怯んだ敵に銃を構える。
ギョーン………!!
最期の一撃が放たれ、数秒のタイムラグ、
時が止まったかのような静寂………
「三澤さん、高森さんッ!更に三体の敵が接近しています!!」
バアンッ!!
星人の肉体が弾け飛ぶ。
至近距離で降り懸かる血と肉片に顔を覆いながら、三澤と高森は目を見合わせる。
『更に三体………!』
「向こうの方角から来ますッ!接触まであと数十秒!!」
「どうする!?藤岡はッ!?」
「藤岡さんは……」
「どーせステルスでしょ……!私達だけでやるしかないッて!!」
そう言って、低く屈み込んだ三澤のスーツが急激な膨張を始める。
ググッ
メキッメキメキ……
「…ハァッ………ただ攻められるぐらいならッ……、その前にッ、こっちから行ってやる……!!」
215 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:12:31 ID:/aar/NEh
「おいッ!何を…」
「三澤さんッ!無茶……」
ダンッ!!
固いアスファルトの地面を、まるで陸上トラックの土のように空中に蹴り上げながら、
三澤は、接近する敵の方角へと走り出す。
加速……、一歩足を踏み出すごとに加速していく……そして
バンッ!!
跳躍……!
上空30メートルの高さまで一気に跳躍。
民家を、ビルを越えていく。
高度を流れる風は激しく、ショートカットの髪が乱れなびく。
三澤は、地上に三体の敵の姿を捉えた。
216 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:18:20 ID:/aar/NEh
この高さから落下する経験は、当然、三澤にとって初めてのことだったが、
空中でバランスを崩し、自由が効かず体が回転しかかる中で、
三澤は右足のホルスターから長身の銃を抜き出し、遥か下方の星人に狙いを定めた……
高速で、落下しながらの射撃………
ビュオォオォオオオ……
風の音が鳴る中、三澤は何度も引き金を引いた。
ギョーン!
ギョーン!
ギョーンギョーンギョーンギョーン!
何度も…、何度も……
ギョーンギョーンギョーン
ギョーンギョーン
ギョーン!
ギョーン…………
ズダンッ!!
突如、上空から現れた黒いスーツの少女。
それを認識する間もなく、星人の一体が爆散………!
四方に舞った腕、足、それらが空中で更に粉々に弾け飛ぶ。
それに続いて、周囲の地面のあらゆる箇所が爆発を始める。
星人の血と肉、瓦礫と粉塵が舞う、まるで打ち上げ花火の内部のような幻想的な空間、
三澤は左足のホルスターから刀を引き抜き、振り抜く……
バッ!!
正面にいた二体目の星人の首が、その胴体から切り離された。
217 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:22:39 ID:/aar/NEh
その光景を数十メートル先で見ていた高森の脳裏に、不吉な絵が浮かぶ。
怪物の爪に、黒のスーツごと身体を切り裂かれる少女の絵………
「なんだ今の……」
「高森さんッ!最後の一体がッ…」
グググ……
不快な音を立て、星人の指先の爪が伸びる……!
今までの同種の敵が見せなかった攻撃に、三澤は目を見開く。
スピード主体の星人、その攻撃を肉眼で捉えることは不可能だった。
「三澤!!」
高森が叫ぶ中、鋭く伸びた星人の爪が、少女に振り降ろされた。
218 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 16:24:23 ID:/aar/NEh
黒い球体に召喚される以前から、既に、三澤亜希の日常は崩壊を始めていた。
父に愛人の存在が発覚した時、三澤がこれまで家族に思い描いてきた理想は崩れ去った。
母は徐々に精神を病んでいった。
幾度となく自殺を図った母を、三澤と弟は何度も止めた。
母の薬の量は、日毎に増えていき、
母の言動は、ぼやけて曖昧になっていった。
母と正常な会話をすることは、もう二度と叶わないことだと悟った時、三澤は世界が終わっていくのを感じた。
三澤と弟は仲が良かった。
弟が生まれて、共に過ごした十数年間、
それを言葉にして語ることはなかったが、二人は同じ苦しみを分かち合ってきた。
弟を事故で亡くした時、三澤の中で何かが壊れた。
キュイイイイイイ!!
星人の爪が振り降ろされる、その一瞬……
刀を持つ三澤の腕が、スーツ内を流れる液体で激しく脈打つ………
『全力で…』
『振り抜く……』
『どうせ早過ぎて攻撃が見えないなら……』
『防御を捨てる……』
『全力で振り抜く………!』
敵の攻撃はスーツを貫き、一撃死の可能性もあった。
だが、それを前にして、三澤の重心は更に前へ、前へと向かった。
ブンッ!!
三澤の身体、腕、そして手に持った刀が、瞬間の加速……!
『受け』ではない、
正面の敵目掛け、『切り込む』!!
220 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 18:05:14 ID:/aar/NEh
三澤の精神状態は、『あの日』を境に正常ではなかったが、
戦いの中では、死を恐れない『異常さ』こそが三澤の最大の武器になった。
三澤の攻撃は、決して止まらない……。
例え、胴を切り裂こうと、首を撥ねようと……、刀は止まらず、相打ち……!
三澤の『攻める意思』が、星人に恐怖を植え付ける……
本来、三澤の刀とかち合うことのなかったはずの敵の太刀筋を変えさせた。
三澤は、意思の強さで既に相手に勝っていた。
ガキイイイッ!!!
刃と刃がぶつかり合う……!
221 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/03(木) 18:07:20 ID:/aar/NEh
「ああ゛あぁアアアアアアアアッ!!!」
三澤の叫びに呼応するように、戦闘スーツの力が増す。
スーツの筋力に後押しされた刀の勢いは止まらなかった……。
バキ、バキッ……!
刀を受けた爪ごと、
星人の分厚い皮を、
肉を、
骨を、、両断………!
バッ!!
鮮やかな血飛沫が舞った。
「三澤!」
「三澤さんッ!」
高森たちが駆け寄る。
「ハァッ…、ハァ、はは…」
息を切らし、返り血に汚れた顔で、やっと三澤は満足に笑うことができた。
殺戮が支配する夜の世界は、三澤亜希の元いた日常より、ずっと優しかった。
222 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 08:51:31 ID:6VRh3tKB
「起立、礼……」
午後のホームルームが終わり、生徒達が帰宅を始める。
1-Aの担任、菅山は、その中から一人の女生徒を呼び止めた。
「倉本、ちょっといいか」
「…はい……?」
菅山は、教室に残った他の生徒に聞かれぬよう、小声で、手短に切り出した。
「……俺の気のせいならいいんだがな、最近お前、何かあったのかと思ってな…。余計な世話かもしれんが」
倉本陽菜は大人しい性格で、成績も良く、問題を起こすタイプの子ではない。
ただ、彼女の小動物のようなかわいらしい容姿は、学年を問わず校内の男子からの人気が高い。
菅山は、倉本にはその関連のトラブルがあるのではないかと睨んでいた。
「いえ、得に何もありません……」
「うーん…。でもなんだか、最近元気がないんじゃないか」
「すみません、体調が優れなくて……」
『体調が優れない……』
倉本にとっては、確かにそうだった。
ただし、精神的ストレスからくる体調不良……。
「男絡みのトラブル」
菅山の予想はあながち間違ってもいない。
「では、失礼します。心配かけてすみません」
「ああ、すまんな、引き止めてしまって。気をつけて帰れよ」
223 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 08:53:55 ID:6VRh3tKB
教室を出て、階段を下っていく。
菅山は良い教師なのだろうか。
問題を抱えた生徒の心配をするのは、教師として当然のことか。
それが例え、自身には到底処理しきれない問題でも……。
話すわけにはいかない。菅山には理解すらもできないことだから。
職員室前を通る………、
今朝のことを思い出す。
高森章……、彼は当時と何も変わっていなかった。
眼鏡をかけたショートカットの女生徒は、大分印象が違って見えて一瞬彼女だとわからなかったが、
あれは、三澤亜希だ……。
倉本にとって三澤は、憧れに近い存在だった。
捨て身同然の戦い方をする三澤に、時折危うさを感じることもあったが、それよりも圧倒的に頼もしさが勝った。
それとは対照的に、常に冷静な高森。
突っ走る三澤に対しての、彼のフォローは完璧だった(嫌々だったが)
自分がもし他人に頼るとしたら、あの頃のあの二人以外に、倉本は考えられなかった。
「倉本さァん……、一緒に帰ろーよ」
笑い調子の声が響く。
私の胸の辺りに、不快な感情が滲み出す……。
昇降口からこちらに手を振る男。
クラスメートの檜尾守(ひのお まもる)。
アイドルでも通用するであろう、学年一の美少年。
中性的な顔立ち、
整った口元を妖しく歪ませながら言う。
「先生に呼ばれてたよね……、何て言われた……?」
「大したことじゃないですよ…」
「…………あァそう……」
何が可笑しいのか、檜尾は常に半笑いだ。私の反応、一挙一動が常に可笑しいのか……。
私は檜尾を拒絶する態度を取りながらも、今、彼に言われた通りに下校を共にしている……。
檜尾は得体の知れない相手だが、私に対して何か直接の害を与えるわけではない……。
まぁ『害』、というなら、檜尾と同じ空間にいること自体が、私にとっては既に『害』以外の何物でもないのだが、
檜尾が得に何もしてこない以上、私はこれ以上の対応はできないでいた。
「今日暑いよね……。倉本さん、喉渇かない?」
「いえ……」
「まァいいや。ちょっと待っててよ……」
そう言い、檜尾は通り掛かったコンビニに一人入っていき、飲料コーナーからジュースとお茶を取る。
あのお茶は私に……?
檜尾の好意なのだろうか。
何の脈絡もなく、意図も不明。正直、あれを渡されたとして、受け取るべきか迷う。
かと言って、受け取らないのも不自然か……?
檜尾の行動は相変わらず、私に対しての実害はゼロなのだから……。
225 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 09:00:50 ID:6VRh3tKB
その時、私は、目の前の光景に少し違和感を覚える。
檜尾が両手に二本のペットボトルを持ったまま、店を退出………
「………………!」
「ハイ、お茶でいいよね?」
会計を通してないペットボトル飲料を手渡される。
「あ…の………、レジは……」
「あ〜……。まァ、ちょろいッて……こんなの」
「…………」
制服の下の素肌を冷たい汗が流れていくのがわかる……。
私は、つい、思わず受け取ってしまった……。
そして、檜尾にとっては、これを私が受け取ったという事実だけでいい……。
檜尾はこうやって、私に少しずつ自分を承認させている。
少しずつ、私の中の穴を広げている……。自分が入れる大きさになるまで、少しずつ……。
そうやって、私を支配しようとしている……。
何故、私は断れなかったのか……
何故、彼をここまで私の中に侵入させることを許したのか……
226 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/04(金) 09:05:17 ID:6VRh3tKB
三澤さん……
三澤さんなら……、
これがもし三澤さんなら、そもそもこんな男と一緒に帰ったりなんかしていない。
私は、怖かったから……
彼が怖かったから………
『拒絶』なんて、まるでできていない……
なんで……!
なんで、私はこんなに弱いの……!
ゾクゾクゾク………!!
背筋、首筋に悪寒が走る。
『合図』だ。
ミッションが……
星人との戦いが始まる………。
「丁度良かったね……、向こう行く前に飲み物ゲットできてさ……」
檜尾はジュースを一口飲み、横目で私を見る。
頭頂部から徐々に転送が始まっていた……
檜尾の顔の上半分は既に『向こう』へと消え、
残った下半分の、妖しく歪んだ唇が私に言う。
「お茶、飲みなよ……。水分ッて大切だよ……」
おお!高森と三澤の話の続きが書かれてる!凄い面白いですね。
高森と三澤のやり取りが実にリアリティがあるっていうか、
実際の学生の男女ふたりにありそうな自然なやり取りで素晴らしい。
特に三澤が高森の絵を褒める辺りとかの、高森の反応もいいし、
三澤の台詞も、実際の女子が言いそうな感じがします。
ガンツの小説を、ガンツの外の人間からの視点でここまで面白く出来るなんて
たいしたもんですよ。僕なんかまだまだです。
途中から新登場した倉本もなかなかいいキャラですね。
マイペースでいいので、また続きが思いついたらお願いしたいです。
228 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 14:47:11 ID:6vZKUXMu
ふあぁ……
いつも通り、小林の机に腰掛けた三澤が、昼食後の眠気に襲われ、もう何度目かの大きなあくびをする。
その横の席では、高森が机に突っ伏して完全に熟睡していた。
「あー駄目だ。なんか…、私も寝ようかなぁー……。ちひろ、30分になったら起こしてぇ…」
そう言い、机の上で横になろうとする三澤に、
ちひろと呼ばれた女子は、少し呆れた顔をした。
「亜希、またゲームして夜更かししたでしょ…」
「うん」
「しかも殺す系のゲームだろ」
「うん……ッて、うわッ!高森起きてたの!?」
机に伏せたまま半目を開けて、横の二人を見る高森。
お前らのせいで起きたんだよ、と、その表情が言っている。
「ていうか高森ヤバすぎる……。なんで私がやってるゲームのこと知ってるの……」
「なんとなくわかる。お前のことは」
真顔で答える高森。
……………………
「うわぁああああぁぁ!!」
絶叫。
耳を塞ぎ、目を強く閉じ、外界からの情報を遮断し、バタバタと暴れだす三澤。
「えーと……、殺すゲーム普通にやってる女の子も結構ヤバいよー…」
そんなちひろの呟きは、三澤の叫びの中に掻き消されていった。
「ほんとほんと!マジマジマジ!あれは絶対、何かのヤバい部屋だって」
「…まぁいいから小林、とりあえず教科書貸して」
「わかったわかった!ちょっと待てよ!」
教室出入口での男子生徒の会話。
騒がしい方の男子は、三澤が占領している席の本来の主、小林だった。
小林は、別クラスの友人に頼まれた教科書を机から取るため、三澤達のいる窓際へと向かう。
「あ、亜希…!小林くん戻ってきたよ…!」
「ん、…………あぁ…」
そう言いつつ、相変わらず眠そうな様子の三澤は、全く机から動く素振りを見せない。
「お…」
三澤の存在に気づく小林。
机に乗っかったままの三澤の前に小林が立ち、向かい合う二人。
この状況。
この状況でも三澤は、机からどこうとしない。
「ちょッ……!亜希…!」
「あー!どかなくていーよ三澤さん。ちょっと教科書だけ取らせて」
「どうぞどうぞ」
全くもって無邪気な笑顔で言う三澤。
230 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 14:51:28 ID:6vZKUXMu
「どうぞって……。ええー……あんた何様…」
「いやいや、全然構わねーし。俺いつも教室いねーから……ッと、あったあった!」
小林は、机の中から数学の教科書を取り出す。
小林節全開のふざけたノリで描かれた落書きは、その表紙にまで及んでいる。
三澤はそれに少し興味を惹かれたが、
たった今、人に貸そうとしている教科書を奪って読むのは流石に悪いと思い、食いつこうとする気持ちをグッと堪えた。
他人の席は平気で占領する三澤の善悪の線引きは、そんな微妙なラインでされていた。
「……小林」
その時、
教室出入口の友人の所へと向かおうとした小林を、高森が呼び止める。
小林と高森は、今まで得に会話らしい会話をしたことがない。
ましてや、高森の方から小林を呼ぶに至っては、全く初めてのことだった。
小林は少し驚いた顔で振り向く。
「なんだよ高森、もしかしてこれ(落書き)か?」
三澤の目が輝く。
「いや、さっき話していたことを詳しく聞かせてくれないか…」
「は?さッきの?」
小林は高森を真面目な奴だと認識していたが、今の高森は、それ以上に真剣だった。
つられて、小林の表情もやや硬いものになる。
それを確認したようなタイミングで、高森が言った。
「…『ヤバい部屋』ってなんだ……?」
231 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 14:53:06 ID:6vZKUXMu
小林から落書きだらけの教科書を受け取った友人は、思わず「うわっ」という声をあげた。
「授業終わったらすぐ返せよ。次借りたいって言う奴いるから」
「あ、ああ……。サンキュー…」
先程まで机に俯せで寝ていた高森の眠気は、完全に覚めていた。
高森は『特殊部隊』と『破壊現象』について、あれから自分なりに調べてはいたが、決定的な情報は何も見つからなかった。
破壊現象はあれ以降も続いているが、発生場所に関連性や規則性は見受けられない。
次の出現ポイントを予測することが困難なのは、既にネット上の暇人達が証明済みだ。
だが、高森が見た『夢』は、ネットや雑誌のどこにもには載っていない情報だった。
高森は、これが『夢』ではなく『記憶』であると睨んだ。
そして案の定、『破壊跡』の画像の中には、高森が夢で見たのと似た場所もいくつかあった。
しかしそれは、以前にネットで見た情報が夢に現れただけだ、とすれば、理屈は通る。
何も不思議なことではない。
それに、
仮に、その夢が全て過去に体験したことだったとして、全ての仮説が事実だったとしても、
高森が見るのが『予知夢』でない限り、
破壊活動真っ最中の現場に居合わせ、事実をこの目で確認することは不可能。
決定的な証拠が得られなければ、全ての仮説は仮説のまま。
調査は完全に行き詰まっていたのだが………
小林のどうでもいい会話の、『部屋』という単語が、何故だか高森には気になった。
『部屋』というものが夢に出てきたか……?
実際に見た夢の何割かは忘れるっていうよな……。
はっきりと覚えているのは、強烈な記憶…戦いの夢だけだった……。
だがこれは、……勘なのだろうか、小林の言う『部屋』に、何かがあるような気がする……。
自分でもよくわからないままに、高森は小林を引き止めていた。
232 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 14:58:59 ID:6vZKUXMu
「ええッと、何だっけ?部屋の話だよな?」
教科書を貸して戻ってきた小林は、高森の席の前に立ち、話し始める。
「まぁ要は、俺ん家マンションの二つ隣の部屋がなんか怪しいってことなんだけどー」
要点から話し出す小林。
三澤とちひろは、小林を呼んだ高森の意図がよくわからないままに話を聞いていた。
「だいたい夜なんだけど、部屋前の廊下で、その部屋の人と出くわしたりするんだよな。別に挨拶とかしねーけど、会釈程度しか」
「それで?」
「そしたらさ、部屋から出てくるのが一人や二人じゃねーの!ヤンキー風の男とか若い女とか、大勢。それを見て俺は思った。あー、この部屋はつまり…」
小林は二人の女子を見て、少し言葉を選ぶ様子を見せるが、
「ヤリ部屋ってやつね」
「ちょッ!亜希ーー!おまえーー!」
あまりに直接的な三澤の言い方にも、小林はペースを崩さずに続ける。
「…まぁ俺もそう思った。でも違ったんだな。その後に続いて部屋から出てきたのは、オッサンとかオバサンとか子供で……、その連中の繋がりは何よ?って思わねぇ?」
繋がりのない他者同士が集まる空間……
高森の精神が、静かにだが、徐々に高揚していく。
233 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/07(月) 15:00:40 ID:6vZKUXMu
「しかも、連中、いつも全く同じメンツじゃない。会う度に何人か新しい奴と入れ代わってんだぜ…。俺は何となく、あれはヤバい仕事の斡旋場か何かだと思ってんだけど…」
ヤバい仕事の斡旋………
『黒球』……『ミッション』……『採点』……
マンションの一室に集められた者達が、殺しの指令を受ける……
小林が狂った文法で紡いだ情報と、高森の断片的な記憶とが、いびつながらも強くリンクしていく……。
高森の中で『確信』が生まれた。
「小林…!」
席から立ち、小林と目を合わせる高森。
高森は、限りなく冷静を装うことを心掛けたが、強く握った手の震えは抑えられなかった。
「お前のマンションどこだ……?教えてくれ……!」
「は?」
掴んだ。
思わぬところから舞い込んだ、一つの決定的な手掛かりを、高森は掴んで離さなかった。
閉ざされた闇に光明が射した。
高森は、決して解けなかったはずのパズルの鍵を手にしていた。
私と高森は早速、その日の放課後に小林の家に行くことになった。
小林の家は、駅近くの15階建てマンションの最上階。
割と綺麗なマンションだけど……
ここが、黒い特殊部隊のアジト……?
私の中のイメージとは……、なんか違う。
私は別に、地下の秘密基地とかを期待してるわけじゃないけど、
もっと、例えばホラ、高層ビルのワンフロアとか……。
それが、ごく普通のマンションだなんて。
私達、ごく普通のマンションの一室を拠点に活動してます!なんて、あまりに格好つかなくない?
「夢が壊れるなぁ……」
私は呟きながら、高森とエレベーターに乗り込む。
15階のボタンを押し、エレベーターが上昇を始める。
静かな機械音だけが響く狭い空間。
気づくと、高森が無言で私のことを見ている。ジロジロと。
高森、な、なに見てる……?
ひょっとして、
……私服か!?私の私服がかわいいッて!?
…………
ハッ!当然だね!
私の制服姿しか見たことのない高森には、少し刺激が強すぎるかもね……!なーんて……
「その荷物はなんだよ」
………
に、にもつ…。
高森は私が抱えた大きめのバッグを指差していた。
この中身は……
「……ゲームと…」
「はァ!?ゲーム?」
「……それと、お菓子…」
「遊ぶ気満々だな……」
チン……
15階に到着。扉が開く。
「いいじゃん。夜になるまで暇でしょ。高森、格ゲーできる?」
「ゲームの相手なら、僕より小林の方がいいんじゃないか」
「…………」
な、なんだ……?高森、なんか冷たくない?
私、何か悪いことした?
…って、いつもしてるけど。
エレベーターを降り、そのフロアの奥へと進む。
小林の標札がかかった部屋…。
ピンポーン……
高森が、小林宅の呼び鈴を鳴らす。
小林が応答するまでの間、私と高森の目は、自然と、その二つ隣の部屋にいった。
その階の一番奥の角部屋ってやつだ。
標札は、ない。
ガチャ
ドアが開き、まだ制服のままの小林がドアから顔を出した。
「おうおう、上がれよ」
「ああ」
「おじゃましまーす」
「俺、一人暮らしだから、遅くまでいていいぞ。なんなら泊まってっても。客用の布団ねーけど」
泊まる…とかいう話になってる……。
こんなことがなければ、ひょっとしたら一生接点が無かったかもしれない小林の家に。
変な気分だ……。
こういう時って、そのまま勢い余って、何かの一線を越えちゃうんじゃないか…って期待と、同時に不安があって、
凄く、変な気持ちになる。
正直言うと、怖い……。
今夜、きっと私は、未知へと進んでしまう……。
この部屋の二つ隣には、例の部屋がある。
私にとって、夢は夢のままでよかった。
特殊部隊と宇宙人は、想像するだけで楽しかった。
いたらいいなって思ってたけど、本当にいるなら、見るのは怖い……。
怖い……。
非日常の扉を開けようとしている高森が、怖い……。
そんな高森には、私の声が届いていない……。
「もうやめよう」って言って、私が泣いたって、きっと高森は……。
……………
暗がりの部屋で、テレビゲームの画面だけが煌々と光る。
戦闘の途中で投げ出された2Dのキャラクターは、設定されたポーズを延々と繰り返している。
ガチャガチャ…
ザワザワ
ドアの向こうからの音。
………来た。例の部屋が開いた……。
僕は、音を立てないようにゆっくりと立ち上がり、ドアへと向かう。
「………うぅ…ん」
床で寝ている三澤が寝返りを打つ。
一瞬ヒヤリとしたが、どうやら熟睡しているみたいだ。
……僕は、二人の飲み物に細工をした。
予感がしたからだ。
あの部屋の秘密に触れたら、恐らくもう、元の日常には戻れない。
最悪、死が……、待っているかもしれない。
……そうなるのは、僕だけでいい。
三澤は途中から乗り気じゃなかったようだし……、僕の勝手な好奇心で彼女を巻き込むわけにはいかない。
静かに、ドアスコープを覗く。
小林が言っていた通りの、ヤンキー風の男達がエレベーターに向かうのが見える……。
着ているのは黒い戦闘服ではない。私服、ジャージとか……
……驚いた。僕の学校の制服を着た者もいる。
小柄な女生徒……、最近どこかで会ったか?顔に見覚えがある……。
その隣の男子生徒は、何か、目つきから危険な雰囲気を感じる……
……!!
僕は思わずドアから飛びのいた。
目が合った……!
ヤバい目つきの男子と……
僕に、気づいたのか……!?
完全に気配は殺していたはずだ。そんなはずはない…。
偶然だ……。
チン…
エレベーターの音。
しばらくして、ドアの向こうが静かになった。
僕は、ずっと、ドアの外の音に神経を研ぎ澄ませていたが、
………部屋に鍵をかける音は聞こえなかった。
迷うことはなかった。
僕は小林の部屋を出て、フロアの一番奥の、例の部屋の前へと向かう。
『夢』を見るようになってから、僕の中で非日常の存在が大きくなっていった。
特殊部隊のニュースには、強い興味を惹かれるようになった。
変な話だが、わかっていたんだ。
いつか僕は、この場所にたどり着く……って。
ドアノブを……回す。
ガチャ……
扉が、開いた……。
その部屋は角部屋の為か、小林の部屋とは微妙に作りが違った。
だが、部屋に入った僕が感じた違和感はそんなことじゃなかった。
物がない……。
玄関と、そこから見える廊下まで、何一つ、物が置いていない。
……異常だ。この時点で既に、この部屋は異常さを醸し出している。
一応、僕は靴を脱いで玄関を上がった。
………人の気配はない。
だが、それは今気づくべきことじゃない。
部屋に上がる前に、いや、それ以前……、
ドアを開ける前に、入念に確かめておくべきことだった。
僕は、相当焦っているな…。
焦っていることを自覚できているだけ、まだマシな方か……。
廊下を進んだ僕の目に飛び込んできた、奥の部屋の光景。
その異質さは、一般の理解を越えた現象が、全て現実に起こっていたことを意味していた。
中央に置かれた、巨大な黒い球体。
床には様々な形の銃のような物が、複数、散らばっている。
球体………、見覚えがある。
知っている。この銃の使い方を、僕は…!
心拍数が高まる。
はぁ…ッ…、
ハァッ…!
息が荒い。
どうする……。これから、どうすればいい?
とりあえず、この銃を手に取ってみるか……?
手が震え出す。
ものすごい量の汗が、体を伝っていく。
「ヤバい」
思わず口に出した。
な、なんだか知らないが、このままこの場所にいることは、ヤバい、気がする…!
い、いや、馬鹿な!
僕は危険なことは承知で来たはず。何を今更…!
「高森……」
「うぉアッ?!!」
驚きのあまり僕は、変な叫び声を上げてしまった。
気づかなかった。
三澤が、すぐ後ろに立っていたことに。
顔が青ざめる。
寝起きの目を擦りながら、部屋を見回す三澤。
最悪……
事態は最悪の状況へと発展した
この後、恐らく、僕の身に何かが起こる……。
僕は、その『何か』に彼女を……巻き込んだ……。
「高森……、この部屋…」
「に、逃げよう」
「えッ?」
「わ、わかるんだ……!この部屋にいたら……」
「な、何?」
僕の余りのうろたえ振りに、三澤も動揺する。
「とにかくヤバい気がする……!早くここから逃げないと……!!」
ゾクッ
背筋を走った、その日二度目の悪寒に、倉本陽菜は戦慄した。
道を行く前方で、ヤンキー風の男達が騒ぎだす。
「ハァア!?またかよ!ざッけんなッ!」
「メシ食わせろッつの!」
横を歩く檜尾守は、口元に笑みを浮かべる。
「な、なんで……また」
「さァね……。ちゃっちゃと終わらせて、ファミレス行こうよ……」
「ハッ、ハァッ、ハァッ」
「ち…ょッ、たッ…か…もりッ」
走る。三澤の手を握ったまま。
マンションの植木の茂みを一気に飛び越える。
「ハァッ…、逃げ…るッて、どこに…!」
「どッ、どこにって……」
……そうだ。
人だ。
破壊活動は今まで、人目を避けるようにひっそりと行われてきた。
人の大勢いるところなら、奴らも派手なことはできないはず……。
「街だ!とにかく、人の多い場所へ……!」
駅前の高級ホテル『ニューグランド西川』
僕は、ホテル前の道端に停車しているタクシーに声をかける。
「すみません、駅北の街まで……」
タクシーの運転手は、新聞片手にタバコを吸ったまま、
向こうから全速力で走って来た僕達に対するリアクションは一切ない。
なんだよ…このオッサン。よりによってこんな時に……!
「おいッ!とりあえず後ろのドア開けて!もうどこでもいいから乗せてってくれ!」
窓から手を突っ込み、運転手の肩を揺すった。
「うッ!おおオ?!」
運転手は驚き、辺りをキョロキョロと見渡す。
が、目の前にいる僕と三澤に視線が定まることはない。
……はっ?
次に彼は、窓の外に手を伸ばし、恐る恐る僕に触る。
触れた服の感触に驚き、僕のいるはずの場所を不思議そうに見回す。
は……
はは……なんだそれ。
逆パントマイムか!
客への嫌がらせも、ここまで凝った芝居されると、怒る気になれないなぁ……
「私達、この人に見えてない……」
三澤は僕に、冷たい現実を突き付けるように言った。
運転手は、ゆっくりと車のエンジンをかけ、発進させる。
彼は、怯えた表情で後方を何度も振り返りながら、道の向こうへと走り去っていった。
なんてこった……。
何故、ここまで大規模な破壊活動が行われて、これまで全く目撃者が出なかったのか。
不本意ながらも、この状況の中で、最大の謎は解かれてしまった。
見えていないんだ……、『ミッション』は、一般人には。
だとしたら、僕達が人目につく場所に逃げたって、まるで意味はない。
それどころか逆に、無関係の人々を巻き添えにする危険すら出てくる。
どうする……
どうする……!
恐らくもうすぐ、奴らが……!特殊部隊が…
「………」
一瞬、息が止まる。
先程まで確かに誰もいなかった場所に、一人の上品な中年女性が立っている。
ピッタリと体のラインに沿って全身を包んだ黒い服……、漆黒の戦闘スーツ。
手に持った小型の銃が街灯に照らされ、黒く、鈍く輝く。
「こんばんは」
中年女性は、丁寧に、上品な口調で挨拶をした。
その時、私は、私の身長より30センチ程高い位置、
空中に、何かが浮かんでいることに気づいた。
徐々に空間に形を現していくそれを、人の頭だと認識するまで、そう時間はかからなかった。
「…………ぅぅ゛ッ!」
喉元まで出かかった悲鳴を抑え込む。
スキンヘッドの頭、目つきの悪い若い男が、首だけの格好で私を睨んだ。
「おい、コイツじゃん……」
「あ、マジだわ……。こいつらだ」
気づくと、周りにも同じように、二人、ヤンキー風の男達が首までの状態で私達を見下ろしていた。
「どーする」
「とりあえず男は瞬殺だろ……」
「だよな」
高森の表情が強張る。
「女は」
「女はとりあえず脱がすだろ……」
「…………………!」
足が震える…
力が、入らない……
私達の周囲で、若い女や中年男性が、次々に、何もない空間から出現していく……。
皆同じ、黒いコスチュームを着用し、手には銃を所持している。
『黒い特殊部隊』
夜の闇に紛れて動き出す、漆黒の暗殺者集団。
彼らは今、最悪の形で私達の前に姿を現した。
ガシャ
ガチャッ
男達の手にした銃が、高森に向けられる。
見開いたままの目。
額を汗が流れる……。
成す術はない。
男達の背後で、まだ転送途中の檜尾は、薄い笑みを浮かべながら高森を見る。
軽く手を振る檜尾。
ふざけた口調で、最期の言葉を告げた。
「バイバ〜イ…」
バンッ!
今まさに、スキンヘッドの男が引き金を引こうとした瞬間、
高森の足元の地面が大きく膨らみ、破裂した。
高森とスキンヘッドの間を、勢い良く舞い上がった土とコンクリートが隔てる。
バンッ!
ババンッ!バンッ!
爆発の連鎖。
高森と三澤の周囲を包みこむ。
「う゛お!」
「何だオイ!」
高森の耳に誰かが囁く。
「跳んで逃げます。しっかり捕まって……」
幼い横顔に、強い意思を宿した瞳。
小さなその身体に黒のスーツを纏った少女、
倉本陽菜がそこにいた。
249 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/11(金) 20:12:59 ID:JCTNcb/7
「倉本……陽菜……」
倉本のその行動は、檜尾を愉しませた。
嬉しそうに呟いた檜尾は、小型の銃を構え、倉本達に狙いをつける……。
が、
銃のスクリーンにエラーが表示された。
「攻撃対象を増やしてロックオン妨害……、そんなこともできるんだ…」
瓦礫が宙を舞う中、倉本と檜尾の目が合う。
ほんの数分前よりも輝きを増した倉本の眼を見て、檜尾は笑った。
悪戯に小動物を虐待する子供のような、悪質な笑みを倉本に向ける。
その檜尾を、
倉本は強く、睨みつけた。
……バンッ!!
高森と三澤を抱え、倉本は高く跳び上がる。
「と、飛んでる…」
「ちょ……僕、高い所苦手で…僕……うわっあああ!」
駅前の高級ホテル、『ニューグランド西川』、屋上。
人二人という荷物を抱えたまま大ジャンプをした倉本は、オリンピック体操選手も驚きの、見事な着地を決めた。
ドガッ!ガシャ!
ゴロゴロゴロ
「あ゛ぅッ!」
ズシャァァーーー!!
………………
「痛てて……」
「おい、アンタ何なん…」
「高森さん!三澤さんッ!これはッ!どういうことなんですかあああ!!」
プルプルと身体を震わせ、顔を真っ赤にして怒り出す倉本。
「なんで、あなた達がターゲットに指定されてるんですか!!」
「え、何?…誰?」
「ターゲット指定……」
高森は、思い当たったという顔をする。
「僕達は、部屋に……入った……」
それを聞いた倉本は、ため息をつき、
大きなリアクションでうなだれた。
「ミッションの制限時間は……1時間です……」
倉本は腕を伸ばし銃を構え、ホテル屋上の周囲に注意を払いながら、静かな声で僕達に言った。
「あなたたち二人が生き残る方法は、この1時間を逃げ切ることです。私が協力します。絶対に死なせません」
「でもアンタ……倉本…さんは、連中の仲間じゃ…」
「私にとっては、あなたたちが仲間です……!」
倉本の顔が険しくなる。
「あなたたちがチームから抜けた後で、檜尾守という男が現れました……」
倉本が唐突に何の話をし始めたのか、僕は理解できた。
妖しく鋭く、危険な眼をしたあの男。
奴があの中で特別異質な存在だということは、既に僕も感じていた。
「……檜尾はカリスマでした。彼は、同時期に部屋に来たヤンキー集団や、年代も性別もバラバラのメンバーを見事に統率しました」
「……ですが、あいつは、とてつもなく邪悪な存在です……。わ…私を…、飲み込もうとしているのが、わかるんです…」
「…私はもう、あいつと同じ場所にいるのが嫌なんです……!」
倉本はそれを誰に向けて言ったわけでもない。
自分の心に向けて…、
深く刻み付けたそれは、決意だった。
「でも、私……良かったです…。嬉しいです…。またこうして三人一緒に……」
倉本の丸くかわいらしい目が、涙で潤む。
「高森ッて、女の子泣かせるの得意だよね」
「は…? はァ!?」
その時、涙を拭った倉本の目が大きく見開かれた。
「………来ます!!」
バッ!!
僕達の前方、空高くに黒い影が現れる。
スキンヘッドのヤンキー男…!
彼は表情を変えずに、空中から僕達を見下ろした。
ズルッ!ガシャ!
ドガッ!
ゴロゴロゴロ
ズザザザーーー!!
「ペッ」
埃の混じった唾を吐き捨て、スキンヘッドは即座に、高森と三澤に銃を構える。
だが、地上から190センチの位置にあるスキンヘッドの視界からは、
身体を屈めて接近する倉本は完全に死角となっていた。
ミキミキミキミキ…
彼が、自らの懐に入り込んでいるその存在に気づいた時、
低く構えた彼女の腕からは、今まさに渾身のアッパーカットが放たれようとしていた。
腰の位置から上目づかいで見上げる倉本と目の合ったスキンヘッドは、その一瞬、彼女の呟きを聞いた。
「全力で、振り抜く…!」
ガンッ!!!
100キロの肉付きの良い身体が、勢い良く夜空へと舞い上がった。
「凄い……」
体積二倍以上の相手を、拳一発で屋上からリングアウトさせた。
あの戦闘スーツの力……、
驚きと同時に、僕達にとってそれは脅威だった。
向こうは、その超人スーツを着た奴が何人もいるんだぞ……!
1時間逃げ切る!?
そんなことが可能なのか!?
「二人とも隠れてッ! 隠れて下さいッ!」
地上にいた残りのメンバーが次々とホテル上空に現れ、屋上に着地を始める。
ダンッ!ダンッ!ダンッ!
ダンッ!
ダンッ!
ザッ!
ヤンキー二人に、中年男性、中年女性、そして檜尾。
彼らは着地の勢いのままに、倉本の周囲を高速で移動しながら、取り囲む。
「ハァッ!ハァッ!」
倉本は必死に動きを目で追い、銃を向ける、だが……
五対一だ……!
無茶だッ!
「とりあえずスーツから壊そうか……」
檜尾の合図で、一斉に攻撃が始まった。
ギョーン!
ギョギョーン!
中年男性の銃が展開、発光し、逃げ走る倉本に放たれる。
数秒のタイムラグを経て……
バン、バンッ!!
ドンッ!
屋上フェンスとコンクリート床が大きく弾け飛んだ。
その時、脚から銃を抜こうとした倉本の前を、ヤンキーの一人が立ち塞ぐ。
ドッ!
「う゛あ゛!」
ヤンキーの蹴りが倉本の横腹に深くえぐり込む。
倉本はバランスを崩し、床に転がるが、
その目は、正面で銃を構えた中年女性を捉えていた。
手を着き、走り出す。
「あ゛ああああアアアアッ!!」
埃に汚れた顔で叫ぶ。
倉本は大きく腕を振りかぶり、中年女性の上品な顔を……
グシャ!!
ガシャン!!
吹き飛んだ身体はフェンスを曲げ宙を舞う。
失敗した福笑いのような顔のまま、中年女性はホテル上空から落下した。
255 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/20(日) 16:10:22 ID:UVc8FNRU
「ぐッ…ぅ……!」
攻撃後の勢い余って倒れ込んだ倉本を、ヤンキーの一人が押さえ付ける。
「ぅああ゛あ…!」
倉本はスーツの力で抜け出そうとするが、ヤンキーも同等の力でそれを押さえ込む。
負荷がかかったコンクリートの床に、激しいひび割れが生じた。
「荒井くん、ターゲットの二人を殺してきてよ。そこの物陰に隠れてるはずだから…」
パンク頭のヤンキー荒井は、銃を構え、屋上に保管されているホテルの資材を見回した。
「女の方だけ、ちょっと時間かかるけど」
その意味するところを察し、軽くニヤつく檜尾。
「ハハッ、いーよ…」
ギリッ…
強く噛み締めた歯が擦れる音。
「最低ッ! 最低です、あなたたちは…!!」
張り付けの地面から、檜尾の薄ら笑いを睨み付ける。
檜尾はそれに、優しく微笑んだ。
「倉本さん……、今回のことは、まァ…無かったことにしてさ、…これからも仲良くしよッか……」
こうして檜尾は、倉本にたっぷりの愛情を注ぐ。
「倉本さんは…ボク達の仲間だからね……」
受け入れ難い悪を許容させ、心を痛め付け、
でも決して壊してしまわないように、大事に大事に、残酷に育む。
「………ウ…ッ、…う゛ッ…… う゛う゛うぅ……」
徐々に擦り切れていく倉本陽菜が、檜尾はたまらなく愛おしかった。
逆立った髪を揺らしながら、
荒井は、資材の後ろに隠れた三澤亜希を発見する。
三澤は膝を抱え座り込み、小さく震えていた。
「……男の方はどうした?」
……………
……………
返答はない。
「……まぁいいや。とりあえず立てよ」
荒井は三澤の腕を掴む。
その時、
「……ぅ…、うッ…ぅ……」
その時、肩を震わせた三澤から、小さく嗚咽のようなものが聞こえてきた。
「…………はは…!」
怯える三澤の女の子らしい仕草は、荒井を一層興奮させた。
掴んだ腕を引き上げ、無理矢理に立ち上がらせる……。
グイッ
バサ………
…………
足元に何かが落ちる。
女物の、大きなバッグ。
空………
中身は空……。
それが何を意味するのか、荒井には全く理解できなかったが、
明らかな『異変』は、すぐ目の前に起きていた。
「……ぅ…ッ…ぐ……、ふ……ッ……ふふ……!」
笑っている……
引き寄せた三澤が、肩を震わせ笑いを堪えている。
いや、堪えきれず吹き出している。
『男がいない』
そこまで気にとめなかった違和感。
だが、その時感じたほんの少しの不安が、今、荒井の中に広がっていく。
「おい……、男はどこに…
ギョオオオオン…!!
………………
銃の作動音……
どこから……!?
まだその余韻が残る中、荒井は後方を振り返る。
ホテル内へ通じるエレベーター室の上……
長身の銃を上に向けた高森が立っていた。
注目が集まる。
全員が高森を……そして、高森が撃ったとされる上空を見上げる…。
星が広がるだけの、何もない夜空を。
強い風にさらされた高森の前髪が揺れる。
表情を変えずに、高森は言った。
「別に撃つのは上じゃなくたっていいんだけどな」
「……『下トリガー』は」
檜尾が目を見開く
「!! …多重ロックオン…!!」
キュウウウ…ン
スーツの異常音、そして
バアンッ!ババンッ!!
バンッ!!!バンッ!
バアアアアアアアアン!!!
倉本を取り押さえていたヤンキー、中年男性の上半身が、
一瞬、風船のように膨らみ、
弾け、
その中身をぶちまけた。
ビチャ!
ビシャアアアアアアアア!!
飛び交う鮮血を、檜尾は呆然と浴びた。
高森は、銃を持つ手を強く握る。
そうだ……
僕は何度も、こんな夜を生き延びてきた……
殺人。
自らの振るった狂気に、
高森章は今、確かな手応えを感じていた。
キュウウウ…ン
ドロッ
荒井のスーツ各所から液体が溢れ出す。
「あいつ、なんで知ってる……。ロックオンを…」
パシュッ!
放たれたレーザーアンカーのトライアングルが、身体に巻き付く。
三澤の構えた捕獲銃は、荒井を完全に拘束した。
「私も…、少なくとも…あんたよりは、この銃の使い方知ってるつもりだけど?」
三澤は、にんまりと笑い、捕獲銃を握ったままの拳を振り上げる。
「ちょ…それ違がッ」
ガンッ!!
ガッ!!
ヤンキーの手から自由になった倉本は、立ち上がりざまに檜尾を殴り付けた。
檜尾はそのまま、抗うこともなく、血溜まりの中に倒れ込む。
バシャァ!
「ハアッ……ハアッ…」
………
動かない……。
檜尾は虚ろな目をして、倒れたまま。
今しかない…。
檜尾にトドメを刺すには……、今しか…!
銃を抜き、構える。
倒れたままの檜尾に狙いをつける…。
「フウッ……」
トリガーを二つ引いて、全てが終わる…。
私を縛り付ける呪縛……
自らの手で、打ち砕き、解き放つ……!
ググ……
両手の指に力が入る…。
『檜尾は……』
『私を何度も助けた』
ミッション中、危険が迫った私を、
仲間を、
檜尾はその高い戦闘能力と指揮力で何度も救った。
………………
何で
何で今、そのことを思い出すの……
彼が今、私にとって敵であり、害であることに変わりはない…!
私が高森さん達側についた行動、それが彼との決別だったはず。
なのに、私は迷ってる。
わ、わたしは……
かれに、きらわれたくない、って……
…………………
チン……
後方でエレベーターの音がした。
高森と三澤が乗り込むのが見える。
「………………」
倒れた檜尾を横目に、倉本はエレベーターへと走った。
…………
屋上を浸した血溜まりの中、伸ばした手が首元に触れる。
檜尾は、自らのスーツに異常がないことを確認した。
ホテル前のロータリーにしゃがみ込んで携帯をいじっていた、黒いスーツの若い女、石川は、
ホテル内から飛び出した三つの人影に思わず立ち上がった。
「! 倉本!? と、ターゲットのガキ……」
戦う…という気は起きなかった。
三人は銃を持っていたし、
それに、第一あたしは倉本一人にだって勝てる気がしない。
それよりも、屋上だ。
屋上で一体何が起きたのか。
「どうなってんのマジで。ババアは落ちてくるしさ」
石川はエレベーターのボタンを激しく連打した。
数分後、
石川が屋上で見たものは、
血の海の中に倒れた、二体の下半身だけの死体。
捕縛され、更に殴られ気絶した荒井。
そこに、檜尾の姿はなかった。
カタカタ……
僕自身は何も変わらず、いつもの冷静な高森章だった。
ビチャ
エレベーター内に、血浸しでビショビショの倉本が入ってくる。
久々に嗅いだ、血の匂いだ。
「一階ッ!一階押すよ?」
「はいッ」
扉が閉まり、屋上の凄惨な光景との空間が隔たれる。
ずっと吹いていた強い風の音も止んだ。
……まだ、ミッション開始から十数分しか経過していない。
だが先程の戦闘で、檜尾達の戦力は、ほぼ壊滅したも同然だった。
このまま、逃げ切れる…かもしれない。
カタカタ……
「あのさ……」
「はい…?」
「安全ピンって、全然安全じゃないよね。私この間、指に刺さったよ?」
「え…?」
「なんだその会話……」
「え、ええと…」
「剥き出しのピンよりは安全って意味じゃないのか。多分…」
「あぁー…」
カタカタ……
三澤、その話のオチは?
ないのか?
今その話をして、何か意味があったのか?
ないよな?
「お前……この状況で、よくそんなどうでもいい話を……」
カタカタ…
カタカタカタカタカタカタ
何……
何の音…
「高森さん、手が……」
銃を持った右手の震え。
震えが収まらない。
僕自身は何も変わらない。いつもの冷静な高森章だ。
なのに、震える。右手だけが。
『人を殺した』
僕は、それを何とも思っていなかったはずだった。
だが、日常に慣れきった僕の体は、殺人を頑なに否定し、拒絶していた。
「ああ、さっきからなんか…。まぁ、じきに止まるだろ」
カタカタ
カタカタ
「高森」
カタカタカタカタ
「高森!!」
ダンッ!
三澤は、僕の肩を掴んで壁に押しやり、叩きつけた。
「う……」
普段、滅多に見せないような、真剣な表情。
三澤の目は真っ直ぐに僕を見る。
「私達を、護ってくれたんでしょ……」
「…………」
そうだった。
いつも、こうやって三澤が支えてくれた。
殺さなければいけない現実と理性との葛藤の中で、三澤がいたから、僕は正常でいられた。
そうだった。
いつも、そうだった。
「ぼく…は」
声が震えた。
「僕…は、いつも一人で……、それで…『強い』って思ってた…けど」
それは違った。
「何言ってんの……あんた弱いじゃん…」
三澤は微かに笑う。
「………う…ん……」
ガシャ…
力の抜けた右手から銃はすり抜け、床へと落ちる。
手の震えは、もう止まっていた。
ホテル前のロータリーにしゃがみ込んで携帯をいじっていた、黒いスーツの若い女、石川は、
ホテル内から飛び出した三つの人影に思わず立ち上がった。
「! 倉本!? と、ターゲットのガキ……」
戦う…という気は起きなかった。
三人は銃を持っていたし、
それに、第一あたしは倉本一人にだって勝てる気がしない。
それよりも、屋上だ。
屋上で一体何が起きたのか。
「どうなってんのマジで。ババアは落ちてくるしさ」
石川はエレベーターのボタンを激しく連打した。
数分後、
石川が屋上で見たものは、
血の海の中に倒れた、二体の下半身だけの死体。
捕縛され、更に殴られ気絶した荒井。
そこに、檜尾の姿はなかった。
残り10分。
高森達は、駅を北に抜けた繁華街を走っていた。
誰かが、その「10分」という残り時間を口にした時だった。
後方から迫る黒い影。
「!!」
「檜尾…!」
ギュン!ギュン!
アスリートの世界記録を二重にも三重にも塗り替えるような速さで檜尾は迫り、急速に距離を縮める。
「駄目だッ! 追い付かれる!」
「あと10分なのに!」
「………………」
倉本の表情が変わる。
これは自分の使命だった。
檜尾と、決着をつける。
「……私が食い止めます!! 二人は逃げて下さい!」
ザッ!
脚のホルスターから刀を抜き出し、刃を伸ばす。
「檜尾ッ…!」
ギュン!
減速することなく突っ込む檜尾へ向け、倉本は、
横の一閃……!
檜尾はそれを飛んで避わし、倉本の頭上をアクロバティックに舞う。
想定済みだった…
一打目を避けることは想定済み……!
振り向き、着地した檜尾に刀を振り上げる。
ブンッ!
更にもう一撃…
ブンッ!
だが、倉本の剣撃は、
いずれも空振り……!
完全に当たるコースの攻撃さえも、檜尾は、まるで空間が歪むような急速回避で翻弄する。
倉本は、早回しで撮ったアクション映画を目の前で見ているような気分だった。
有り得ないことだ。
これはCGで処理された映画でも、派手に崩した作画のアニメーションでもない。
この世界の物理法則を完全に無視したスタントが、
ごく普通の繁華街で展開している現実……!
当たらない!
倉本は焦る!
叫ぶ!
「うあああアアアア!!」
それはまさに、この地球を縛り付ける重力への暴挙。
『世界が壊れる』という現象は、ゲームの中ではよくあることだが、
今の檜尾の動きはまさに、現実世界の空間法則を処理の限界まで乱し、破壊するが如く、
檜尾は避ける!
避ける!
避ける!
バック転、バック宙、
檜尾は、当たるスレスレのところでいずれも回避…
ギョーン……
……………………
檜尾の動きが止まる。
左手で振った刀、
直後に倉本は右手で銃撃していた……
当たった……!
だが、檜尾は無反応で一歩踏み出す。
乱れた髪。表情のない目。
更に一歩、倉本に向かって歩みを進める。
ギョーン!ギョーン!
更に一歩。
一歩。
檜尾は歩み寄る。
撃たれていることにもお構い無しに。
無表情で接近する。
異常……
異常行動……
いつかの三澤亜希のような異常さが、
今、
私に向けて……
檜尾は遂には、倉本の目の前に、鼻がぶつかる程にまで迫る。
伸ばした檜尾の両手は倉本の首筋を、ゆっくりとなぞる。
パリン…
スーツの弱点を、その指は押し破った。
中から、血の色の液体が流れ出る……。
パタッ、パタタ
それは檜尾の腕を滴り、二人の足元を濡らした。
なに、これ……
スーツが……、急に……
午前零時
魔法が解けた。
今まで彼女を支えていた力は嘘のように抜け、
倉本陽菜は、ただの少女に戻っていた。
………
全身が震える。
身動きがとれない。
私は…負ける…
負ける…
殺される……
怖い
でも……
でも………
…………
相手を精神的に追い詰め、支配する檜尾の性質には吐き気がした。
でも、一番許せなかったのは、それを受け入れる自分の弱さだった。
私はもう嫌だ。
彼に屈服するのは……!
この極限状態の中、
気づいた時にはもう、眼前の檜尾に怒りをぶつけていた。
「殺すなら殺せばいい!! 私はッ! あなたのペットじゃない!!」
…………
檜尾の大きく見開いた目が私を見つめる。
女のような唇が開き、囁く。
「調子乗るな、倉本」
「! …んぅ゛ッ……!!」
……………………
……………………
『あの時、屋上で檜尾を撃てなかった』
『殺せなかった』
私の中の弱い心は、彼に嫌われたくないって言ったんだ。
信じられないけど、
私も、彼を必要としていた。
私は、飼われること、支配されることを、
嫌だったけど、
心の底では、望んでいたんだ。
きっと、一人になるのが怖くて
強く私と繋がれる人を、求めていた。
強く繋がれるのなら、それが歪んだ関係でも、良かった。
私は、何も変われない。
強い言葉を吐いたって、変われない。
変わることを拒否する自分がいるから。
高森…さん、三澤さん…、
こんな……私を見て、二人はどう思う…かな
情けない……かな
おとうさん、おかあさん…が……
こんな…わたしを…みたら…
「あと三分ッ!!」
「はッ…、はぁッ はッ」
人もまばらな深夜のアーケードを、全速力で駆け抜ける。
檜尾は追ってこない。今のところ…。
「このまま、逃げ切る…ッ…」
歩く通行人とすれ違う。
夜遊びの若者、飲み屋帰りの酔っ払いの傍を、高森はすり抜ける。
バンッ!
たった今すれ違った酔っ払いの頭が、高森の背後、すぐ目の前で爆発した。
僅かに、顔に血が降り懸かる。
「うッ!」
ギョーン ギョーン…
遥か後方から聞こえる、銃の不気味な発射音。
「うっあッ……! ハアッ、追わ…れ、てる…! ハッ、撃たれて、る!」
「……!」
後ろを振り返り、三澤は絶望の表情を浮かべた。
檜尾守。
薄い笑みを浮かべた死神、地獄の門番が僕達を追う。
倉本はどうした……
檜尾がここにいるということは、倉本は……
不吉な感覚に襲われる。
バリン!ガシャン!
その時、
高森達の向かう先、前方に、
アーケード屋根を破り、何者かが降り立った。
ダンッ!!
190センチの長身を屈めて着地したのは、スキンヘッドの男。
立ち上がり、無言で銃を構える。
「はっ、はアッ!?」
手加減一切無しの展開に、高森は思わず間抜けな声を上げた。
挟み撃ち……!
後ろには檜尾、行く先にはスキンヘッド。
逃げ場無し。
「うあッ! ちょッ! とッ!」
ギョーン!ギョーン!
追い撃ちをかけるように銃の発射音が響く。
「あああ゛あ! どッ! どーすれば……!」
ググググ…
次の瞬間、
高森の踏み出した地面がせり上がり
バアアアアアアン!
爆発。
大きく舞い上がった高森と三澤の身体は、閉店後の店のシャッターへと…
うッ…直撃コース…
ガッシャアアアアン!
「………… げほっ…」
「……ぅ…」
銃…は……
落とした……。
アーケードの反対側に転がる銃が見える。
破壊された地面の瓦礫の中には、三澤の銃も……。
いや、
仮に武器を持っていたとしても、二人相手に太刀打ちはできなかった。
屋上の件で僕の手は読まれているし……
って、つまりこれは…
王手。
なまじ極限で冷静になった頭だから、わかってしまう。
どんなに考えたって突破口はない。
完全なチェックメイトだった。
銃撃によって生じた煙の中から檜尾が現れる。
ゆっくりと、高森達に向かって歩き出す。
「なんだ、檜尾もいたのか」
後ろからスキンヘッドが近づく。
「悪いけど、そいつだけボクにやらせてよ……」
高森を指差す檜尾。
……
目が合う。
自分に盾突く者、脅威となる者は、何らかの方法で必ず潰してきた。
そうやって、自己を保ってきた。
女でも金でもない。
檜尾にとって、それがこの世で最大の価値だった。
屋上で高森に受けた屈辱。
それを今、直接清算することで、檜尾はこれからも自分であることができる……
「…ということで、女の方はあげるよ」
「どうも」
カチャッ……
ガシャ…
タイムアップまであと二分。
短いやり取りで済ませた二人は、
倒れ、追い詰められた高森達に、一斉に銃を向ける。
どう抗っても、勝ち目はない。
高森は終わりを悟った。
私達に突き付けられた、二つの黒い銃口。
最期。
最期の時。
「……すまない。三澤まで巻き込んで…」
高森の口調は、少し優しい。
「は、はは……」
私の口から自然と笑いが零れた。
何故だかわからない。もう何もかも終わってしまうのに。
「わ、わたしね、楽しかった…よ。高森と…」
「…………」
「色々話したり…とか、……たいしたことやってないけど…」
な、何言い出すんだ私は
いかん……自制が利かない。
「一緒にいた数ヶ月……たった数ヶ月だけど、楽しかった……。あはは…」
うわあああ…
もう最期だからって、変なこと口走ってる…
変なポエムにして綴り始めてる…
ヤバイ…
スキンヘッドの男が「オイオイ」とか言ってる…
恥ずかしい…
いっそ殺して…!
もう恥ずかしいから早く撃ってくれえー…!
「わ、わたしッ! 生まれ変わってもッ…!」
ドンッ!!
…………
それは檜尾にとって不可解なことだった。
高森と三澤が驚きの顔をしている。
目前の死に絶望していたはずの二人が、
何か、それ以上の事態を目撃している。
それは何か?
それは………
それは、檜尾の横にいたはずの長身の男が、突如、姿を消したこと。
スキンヘッドがいたはずの地面には、巨大なクレーターが発生していた。
「うッ!!」
ドンッ!!
飛びのく檜尾。
檜尾が今いた位置に、轟音と共に、同じようなクレーターが出来上がる。
あまりの事態に、檜尾は一瞬混乱した。
倉本!?
いや、違う。
この攻撃は………
「藤岡……!」
ドンッ!!
謎の攻撃。
見えない何者かの攻撃は、檜尾を狙い繰り返された。
それは、アーケードの屋根を突き破り、地上に無数のクレーターを作る、上空からの圧殺攻撃。
「クソッ…!」
檜尾は不可視の敵に向かって、がむしゃらにトリガーを引く。
ギョーン!ギョギョーン!
ドンッ!ドンッ!
「う…わ……」
目茶苦茶に破壊されていくアーケード街。
三澤達が見た光景は壮絶なものだった。
「見えない誰かが……戦っている…」
キュイィイ…
ギュンッ!
檜尾の持つ最大の特性は『スピード』
次を予測させない不規則な動きで、何者かが放つ圧殺攻撃を絶えず避け続ける。
だが、
その一瞬、
檜尾は、自らの動きがスローになるのを感じた。
望んだ速度で動かない手足、
それは、追われる悪夢の中のような感覚。
商店街のアーケードを揺らす轟音と衝撃の中、
走る檜尾のスーツから液体が流れ出る。
「………!」
スーツの機能が停止した時、
檜尾を取り囲んだ感情は恐怖、ではなかった。
………『怒り』
自らを凌駕する存在、
自らの上に立とうとする存在に、沸き上がる怒りが、
追い詰められた檜尾を更に突き動かした。
正面に向け、構えた銃が展開する。
「ざけんなよ藤岡ァア!!」
……………!
何もない空間に向けて放った一撃。
無音の時が流れる。
檜尾は、確かに手に伝わった手応えに、嬉々と表情を歪ませた。
命中………!
銃から照射された光が、一瞬、歪められたステルス空間を照らす。
巨大な銃を構えた、細いラインの影。
檜尾は光の中に、藤岡の微笑が揺れたのを見た。
ドンッ!!!
銃を伸ばした腕を残し、檜尾守はこの世界から消滅した。
「お…終わった……」
持ち主を失った銃と腕が、虚しく横たわる。
傍には、元は檜尾だった、血と肉のプールが出来上がっていた。
高森が時計を確認する。
1時間、経過。
タイムアップ………。
終わった。
圧倒的な力を持った何者かが、凄惨な夜を終わらせた。
ジリリリリ…!
早朝6時00分。
部屋の目覚ましが鳴る。
夢……?
あの夜の出来事は、全て夢…?
僕がいつも見る、変な戦いの夢の延長…?
謎の集団に追われて、どうにか生き延びて…
その後タクシーを拾って、三澤宅前の公園で……
……………
白川公園…
事件後にかけられていたシートは外されて、今はもう普通に利用できるらしい。
「三澤の家、やっぱりこのでかい家だったのか……」
「? ここ来たことあるの?」
「あ…、いや…。まぁいいや、じゃあ…僕も帰るよ。また明日…」
「あッ、ちょっと待って」
半ば逃げるようにその場を去ろうとした僕を、三澤は引き止める。
「私……、高森の携帯とか、メアド知らない…」
「? …ああ」
今更だな。
「別に不要だと思うけど」
…………
『不要』
何故それを言う必要がある?
黙って番号とアドレスを教えればいいだけの話だ。
ただ連絡先を教えるだけ。何も変なことじゃない。
僕は、三澤と距離を置きたいと思っている……?
今日みたいなことがあったから…。
エレベーターの中で、彼女が僕の心に触れたから……。
「あんたが不要でも、私は要るの」
………………
「う゛っ! いて…」
全身の筋肉痛に加え、店のシャッターに身体を打ち付けた時の打撲だろう。
昨日の事は夢じゃなかった、っていう証明……。
「ついでにコレも……昨日の証明…」
僕は携帯のメモリから三澤亜希の電話番号を表示させ、発信ボタンを押した。
プルル…
プルルル…ガチャ
「…ふぁい」
明らかに寝起きの声。
「……。電話したぞ。言われた通り」
「あー、ありあと…。おかげで置き…おきれた」
起きれてない。
こりゃ、電話切ったら二度寝するな。
「今日行くのか? 学校。全然寝れてないし、なんか全身痛いんだが」
「ああー、高森は普段、体動かさないからね…帰宅部だし」
「……」
「高森は……、絵は…もう描かないの?」
「ん…、まぁ気が向けば…」
「ふぅん…。あ、そういえばこの前さぁ……」
「ちょっと待て」
「電話で起こしてくれって言われて電話したのに、なんだか普通の会話になってないか?」
「なんで? だめ?」
駄目じゃない。
僕だって別に構わない。
けど今は、
今はな……
「僕達はターゲット指定されたって…。昨日を逃げ切ったことで、その指定は解除されたのか?」
「…わかんない」
「またそのうち、昨日みたいに狙われるかもしれない。最悪、今日にでも……」
「考えたって仕方なくない?」
「でも、それにしたって呑気すぎないか? 命の危険がまだあるかもしれないのに世間話だなんて…」
………
ここまで言って、僕は言ったことを後悔した。
…何言ってるんだ、僕は。
つまり、僕はどうしたいんだ。
僕はただ一人で不安がっているだけじゃないか。
三澤だって怖いに決まっている。それなのに僕は……。
「……死ぬかもしれないから……いつ死ぬかわからないから……私は普通の話がしたい」
「部屋にいた時も、私達、普通の話してたよ」
「……覚えてるのか…部屋でのこと」
「最近、夢に見てる…」
あの部屋から自由になって、僕に残ったのは戦闘の記憶で、三澤に残ったのは会話の記憶。
ずっと感じていた、僕と三澤の違い、温度差、ズレ、みたいなもの。
それがなんなのか、なんとなくわかった気がした。
「ごめん」
「なになに!? いきなりなんで謝るの?」
「なんとなく……」
筋肉痛の身体を引きずっての登校…。
本当に、鈍りきっているんだ…僕の体は。
何かスポーツでも始めるべきなのか……。
ファイッ、オー!
ファイッ、オー!
どこかの部活の朝練だ。
ランニング中の集団が僕を追い抜いていく。
うっ…、無理だ。
必要もないのに、あんな風に体を動かす気にはなれない…。
「高森さん」
そんな僕の背中にかかる声。
軋む体を無理に捻らせ振り向く。
「倉本…さん?!」
「おはようございます」
小柄な一年生。制服を着た倉本陽菜がいた。
「…無事だったんだ……」
「あはは…なんとか」
てっきり死んだと思っていた。
それも、僕が発生させた、本来なかったはずの戦闘で、彼女は犠牲になってしまったと……。
「……良かった。本当に」
思わず手を握った。
倉本は少し俯き、恥ずかしそうに笑う。
「良かったことがもう一つあります」
「?」
「恐らく、高森さんと三澤さんのターゲット指定は解除されています」
「………ほ、本当か…」
「恐らく…というのは、今までの前例からしか推察できないからです。恐らく、次のミッションでは普通に宇宙人がターゲットだろう、と」
「普通が宇宙人っていうのも変な話だな…」
というか、今までにターゲットを逃がした前例があるのか……。
もし狂暴な星人を逃がしたりしたら、相当悲惨なことになるんじゃないか…?
「まぁ…そういうことだから安心していいだろう…って藤岡さんが」
「藤岡…?」
「覚えていませんか? いつもステルスで…」
昨日、僕達を救った見えない奴か……。
「私も高森さんも三澤さんも、会話は疎か、姿を見たことすら一度もなくて…。あ、私は昨日初めて話しましたけど…」
「それで、採点の時にいつも『藤岡』って表示されるから、私達が勝手に藤岡って呼んでて…」
「な、なんだそいつは。色々おかしいぞ…」
ごもっともだと言うように、倉本は笑う。
「でも、意外と普通の人でしたよ」
規定の登校時刻の30分前。
だが、今日は朝練で早く来た者も多く、朝から騒がしい教室に入る。
ブブブ……
席へ着こうとした僕の、ポケットの中の携帯が震え出す。
三澤からのメールだった。
『二度寝しちゃった!テヘ 今から家出るから先生に遅刻するって言っといて〜』
「…………」
案の定…か。
早く起こしすぎたかな…。
「高森くん、亜希遅刻するって」
三澤と仲の良い女子だ。僕の顔の前に、携帯のメール画面をちらつかせる。
「僕にも同じ内容のメールが来た」
「あ、そうなの。……って、あれ…高森くんって亜希のメアド……」
何かに気づいて、少し嬉しそうな顔をする。
「まぁいいや。先生には私が言っておくね」
小声で「亜希を頼んだよぉー」とか言いながら、今日もカップリング脳全開の彼女は、若干スキップ気味に教室から出て行った。
ん…、藤岡……。
あいつも確か…、藤岡…って…
藤岡ちひろ…だったよな。
偶然だよな。珍しい姓じゃないし。
偶然だよな…?
朝のホームルームが始まる。
担任の長い話。
今までと何も変わらない日常。昨日のことが嘘だったみたいに。
ターゲット指定が解除された…。
もう僕達が狙われることはない。
じゃあ、昨日狙われたのは何だったのか。
そのいい加減さは何だ…。
でも、部屋にいた頃の僕の記憶は「そんなもんだ」と言う。
それで納得できる自分もいるんだ。
僕は、中途半端に片足だけを非日常の世界に突っ込んだ。
夢と現実の境から、その両方を見ている存在。
今朝のニュースで、駅北アーケードの破壊は報道されなかった。
理由は恐らく、死者が出たから。
全てを知る者の仕業なのかはわからないが、事件を隠蔽しようとする流れが確実にある。
昨日の体験を誰かに話すのは避けるべきだ。話して信じる人間は、まずいないと思うが…。
とにかく、特殊部隊の一件は全て忘れよう。それが自分の為だ。
授業間の休憩時間を机に突っ伏して寝ていた僕の耳に、騒がしい女子の声が聞こえる。
「ちひろ!」
「昨日凄かったの! 駅北の商店街で…! 高森と!」
「しかも、ニュースにもなってないの! 報道規制されてる! すごいよ!」
……………
手遅れ。
黙っておけ、なんて到底できっこないよな……こいつは。
しかも三澤は興奮し過ぎで、何が言いたいのかイマイチ相手に伝わっていない。
「だから…! えっとえっと、要は…!」
「つまり……高森くんと昨晩、凄かったの……?」
酷い勘違いをされている。
「高森、三澤さんのゲーム俺の家に置きっぱなんだけど。取りにこいよ」
小林の声。
すぐそこに三澤本人がいるのに、なんでわざわざそれを僕に言うんだ?
「あ゛ーーッ!もう!高森!起きてんでしょ!私の代わりに昨日の説明してよ!」
非常に面倒臭い現実。
逃げても逃げても、僕をそこに引っ張り込もうとする存在。
彼女がいる限り、逃避なんて、昨日のことは忘れて静かに生きようなんて無理な話だった。
まだ朦朧とする意識の中、僕は頭を起こし、重たい瞼を開いた。
「ホラね! 起きてるんなら返事しなよ、高森!」
別に迷惑じゃないけど、僕は今日も迷惑そうな顔をしている。
ジジジジ……
星人の肉体が少しずつ解かれ、データの光に変換され、夜空の星の間に消えていく。
高森が、最期の敵を転送した。
終わった……。
今回の戦闘で私は……、恐らく高森も、トータル100点に到達する。
100点の報酬は、『自由』『武器』『再生』の、どれか一つ。
高森は『自由』を選ぶだろう。
私は……、
私は、この世界に残ると決めていた。
自由を得たとして私は、日常に、あの世界に、もう何も感じない。
元々、逃げ出してきた世界なのだから。
それに、この世界にはまだ、倉本陽菜だっている。彼女が自由になれるまで、私は一緒に戦おう。
その後は……
その後は、この世界で、いつか訪れる死を待とう。
ふと高森の方を見る。
彼は、星人の光が消えて行った空をずっと見上げていた。
「……高森、何見てるの?」
「ああ、空が……」
高森の表情が、気のせいかいつもより明るい。
「あの月の辺り、凄く綺麗じゃないか?」
そう言い、夜空に遠く、白く輝く満月と雲を指差した。
この近辺はビルもなく、この時間帯は特別空気が澄んでいる。
月も雲も夜空の黒もはっきりと見える。
いつも街で見るぼんやりとした、霧掛かった月とは違う。
はっきりと、遠くだけれど、確かにそこに存在しているのがわかる。
「本当だ……」
「僕は、星のこととかあまり詳しく知らないけど、空を見るのは好きでさ……」
「……うん」
珍しかった。高森が自分のことを話し始めるなんて。
こんなことが、今までにあっただろうか。
「僕は、この世界って特別嫌なことはないけど、その代わり特別楽しいこともなくて……、まぁそれでいいかって思ってるけど……」
彼の言う『この世界』には、恐らく、星人との戦闘も含まれている。
彼は大抵のことを、動じずに難無くこなせるが、それは彼の世界から『色』を奪った。
彼の怒りや悲しみ、喜びといった感情の『色』を。
何も感じない、色のない世界。
私と似たそんな孤独を、私は彼から感じていた。
「でも、なんか、今日みたいな……、こういう空を見ると……」
「うん……」
「この世界は、結構いいかもしれないって……」
彼は時々、らしくないことを言う。真顔で。
凄く変だけど、
私はそれが、結構、好きなのかもしれない。
「…………この世界に……生きていて良かったって思えた……」
……………………
「………………はは、なにそれ…わかんないよ…」
わかんない。
私にはわかんないよ、高森。
私にとって、この世界には何もない……。
一人で、楽しいこと見つけないでよ。
それって、私だけ置いてかれるみたいで……
うっ……、ヤバい、涙が……。
………………………
……………涙……?
涙はもう流れないと思っていた。
私からも、色は消えた、って……
ずっと、そう思っていた……。
溢れた涙が頬を伝っていく。
………私はもう、とっくに見つけていたのかもしれない。
楽しいこととか、悲しいこと。
好きなこと。
高森の転送が始まる。
「高森…!」
駆け寄り、腕を掴む。
至近距離で目と目が合った。
「……?」
「……ありがとう」
高森は驚いた顔をする。
私の行動にだろうか、私の顔にだろうか。
私は今、どんな顔をしているんだろう。
瞼が熱く、涙で潤んだ世界が煌めいていく。
私は、きっと今……泣きながら笑っているんだ。
おしまい
乙です。
まず始めに断っておくけど、俺には霊感なんてない。
幽霊とかとは全く縁がないし、信じてもいない。
けど、あの時、俺は確かに見たんだ。
駅構内を暴走し、俺達に向かって突っ込んでくるトラックの運転席に、顔のない変な奴が乗っていたのを。
…でも、一緒にいた『マキ』は、トラックは無人だったって言うし…。
ん?
…じゃあ俺とマキはトラックに撥ねられて、今生きてんのかって?
………まぁ不思議なことに、無事じゃなかったのに、ピンピンしてる。
……死んだけど生きてる。
「あ…っ、あ…っ、あの男の子二人、かわいいっ!かわいすぎっ!」
それを、その男の子二人にも聞こえるように言ってしまうのが、この村田の癖だった。
部屋の隅に二人縮こまっていたハルカとマキは、脅えた視線で村田を見る。
「だって、二人とも女の子みたいな名前で呼び合ってて…。顔も女の子みたいで…。加えて、二人が仲良しさんなのが超絶たまんないよ!」
クルクル
ビシィー!
(うわぁ…なんだこの人…)
激しく悶える村田を直視できないハルカの横で、マキが口を開く。
「えーと…、俺は牧野っていって、省略されて『マキ』って…」
「それで、ハルカは、遼って書いてリョウじゃなくて『ハルカ』って読むみたいで…。えへへ、こいつはマジで女みたいな名前でぇ…」
マキは何故か申し訳なさそうな顔をして言う。
チンチーン
「採点が始まるな。丁度良いから、こっちも自己紹介するか?」
眼鏡をかけた男が、部屋の中心に置かれた黒球の横に立つ。
【メガネ(リーダー) 10点 トータル45点】
黒球に表示される、彼のあだ名と採点、それに似顔絵。
「俺は秋山。一応、この中のリーダーみたくなってる。よろしく!」
感じの良い好青年。
「ん゛っ、ん゛〜!あ゛ーあ゛ー!」
爽やかになった場の空気を掃うかのように、彫りの深い色黒の男が立ち上がり、声をあげる。
【相良(不良) 15点 トータル60点】
「そのリーダーよりも!点数とってんのは、この俺や!お前ら、生き残りたかったら、ついていく人間選んだ方がええぞ〜!」
したり顔で秋山をチラ見した相良は、どっかりと元の位置に座った。
【栗田 0点 トータル15点】
「え〜栗田です。よろしくぅ」
ちょっと女々しい感じの男。
【芦川 5点 トータル30点】
「え〜芦川です。よろしくぅ」
携帯を片手に立ち上がったやる気のない女は、直前の栗田の自己紹介をそっくりに真似てみせた。
「ええっ!俺の真似じゃん!やめてよぉ!」
「ええっ!俺の真似じゃん!やめてよぉ!」
【村田 10点 トータル42点】
「はいっ!村田裕美です!よろしくねーっ!」
よく通る声が部屋中に響く。
彼女は、ハルカとマキより年上だということはわかるが、身長は二人とさほど変わらない。
そんなミニマムな身体を目一杯に動かし、村田は満面の笑みで手を振る。
(劇団員みたいな人だ…)
この五人の若い男女が、俺達の前で化け物を次々惨殺していったのは、つい数十分前の出来事だ。
とりあえず俺は、その戦闘と、彼らのキャラクターとのギャップに驚かざるをえなかった。
得に、あの村田って姉ちゃんが、身の丈二倍もある巨大生物の首を軽々とへし折っていたこと…。
ゲームや漫画の中にしかいないようなクリーチャーが目の前に現れたことにも勿論驚いたけど、すぐにそんなことどうでもよくなった。
あんたらの方がよっぽど化け物だから…。
「わかったと思うけど、星人を倒すと点数が入るんだ。100点貯まるまで、これからも時々呼び出されて戦闘をさせられる」
化け物の筆頭、秋山が言った。
「銃の使い方とか、細かいことは村田から教わったらええわ。栗田!お前は絶対教えんな!余計、訳わからんくなるぞ!」
「ええー!」
「栗田、教育学部だよね。先生になるの諦めたら?」
「芦川さん酷いよ!」
「…………」
俺は困惑した。
命懸けの戦いをやらされているのに、なんだこのバイトみたいな…部活みたいな雰囲気…。
チンチンチーン
その時、黒球の採点画面が村田から切り替わる。
【藤岡 18点 トータル56点】
「チッ」
相良が舌打ちをする。
「藤岡?…って?」
マキが部屋中を見渡し、その一番の高得点の主を探す。
「あれ…7人しかいないよね?……あ、玄関の方かな?」
「いや、ここにいるよ」
「幽霊だからな、あいつは。幽霊!」
幽霊……?
幽霊部員?…部活だから…
「藤岡はいつも消えてるんだ」
さも当然の如く『消えてる』という言葉を使う秋山。
俺は改めて、ここが異常な空間だということを再認識した。
【ハルカ 0点 トータル0点】
【マキ 0点 トータル0点】
今回は、ただスーツを着せられて戦いを見てるだけだった。
俺達も、あんな風に戦えるようになれるのか…?
いや、ならなきゃいけないんだ…
戦えなければ……死が……
………
ガシャン!
「ハァッ!?トラック!?」
ガシャン!ガシャン!
「ひ、人轢いてる!!」
「ちょ…怖えーッて!!」
ブォォォ!
「おいおいおい!!」
「ヤバいヤバいこっち来る!」
「うあ」
ガシャン!!
…………
俺達は一度死んだ。
死んだけど生きてる。
生きてるけど、その命はかりそめのもの。
戦いを生き抜くことでしか、俺達の存在は維持できない。
あのマンションから出て、マキと共に帰路についた。
…でも俺は、家に帰るのを少し躊躇っていた。
だって今の俺は、半分は生きてるけど、助かったわけではなくて…保留っていうか…
それってつまり……つまりさ…
………
まぁ、そんなことを考えていて、家に向かう俺の足は少しばかり億劫だったんだ。
でも、それが幸いした。
あともう一歩を踏み出す前に、異変に気づくことができたのだから。
「………!」
路地の曲がり角から様子を伺う。
目を疑う光景だった。
「通夜……通夜やってる…」
「俺…の…通夜……やってる…」
家の前には喪服の人間が何人も。制服を着た同級生もいる。
みんな、知ってる顔だ。
泣いてる…みんな。
本来、喜ぶべきことだよな。死んで泣かれるなんて、幸せだよ。
でも俺、生きてるんだけど。
ここにいるんだけど。
どうなってるんだ……?
秋山さんの話では、ミッションが終わったら普通に家に帰れる…って……
帰れねーよ、これじゃ。
それに、マキの家は普通だった。通夜なんてやってなかったぞ…。
何で…?
何で俺だけこんなことになるんだ?
「死体が残るかどうかはタイミング次第」
「!?」
突然の背後からの声に振り向く。
……誰もいない。
夜の生暖かい風の音だけ
「即死の場合は問題ないけど、転送のタイミングで僅かでも息がある場合、黒球は死体処理をしない」
「だ…誰……」
噴き出す汗がシャツを濡らす。
その声は続けて言った。
「家には帰らない方がいい。前例はないけど、自分の通夜に飛び込みだなんて、ルールに接触したっておかしくない」
姿の見えない誰か。
女の声。
『幽霊』………
「藤岡ちひろです。よろしく」
オートロック、防犯カメラ付きのワンルームタイプ。
いかにも女性の一人暮らし用のマンション。
天井の角に設置された防犯カメラの前で、
誰もいないのに勝手に開く、ロック式の自動ドアの入口。
そして、勝手に開く郵便受け。
(これ、ほとんど心霊現象だよな…)
透明なままの藤岡さん、歩く心霊現象の後ろをついていく俺…。
階段を上り、3階の角部屋。
「角部屋がいいよ。しかも、うちは隣も下も空き部屋だし、気遣わなくていい」
普通…
この人は普通に喋る。
姿が見えない異常さとのギャップがヤバい。
マジで…どういう人なんだろう…この人…
藤岡さんの部屋に上がった俺は、小さなテーブルの前に座らされた。
すぐ横にはベッド。テレビにラジカセ、ノートパソコン。
何かの漫画のポスター、観葉植物、ぬいぐるみ。
普通の女の子の部屋らしいインテリア。
制服がハンガーに掛かってる。
声だけで若いとは思ってたけど、学生だったんだ…。
宙に浮いたグラスと、2リットルのお茶のペットボトル。
俺の目の前を浮遊し、テーブルに着地する。
どうやら藤岡さんは、俺の正面に座ったみたいで、床に敷かれた青のカーペットが脚の形に凹んでいる。
ジョロジョロジョロ…
ペットボトルが勝手に浮いて、中のお茶を注いでくれる…。
「どうも…」
心霊現象……もう慣れた…
藤岡さんはなんで常に消えてるんですか…?
そう聞いてみるか…
……
……いや、現在進行形で姿を見せない人にそれは愚問だ。
きっと、何か事情があるんだ…
…親切な人だ。この人は。
行くあてがないなら、うちに泊まっていい…って。
当然、行くあてなんかないに決まってた。俺は死んだことになってるから、友達の家なんかはアウトだし、
野宿とか、ネカフェに泊まったって、知り合いにバッタリ出くわす可能性がある。
そのへんの事情も知ってて、助けてくれたんだよな…。
「あ…の、ありがとうございます。藤岡さんがいなかったら俺…」
「つけてた」
「え?」
「キミの後をつけてた」
何言い出すんだ…この人…
尾行していた…?……なんで…
「なんか、家に帰りたくなさそうな顔してたから」
「………」
…その通り。俺は、通夜がやってるとか以前に、家に帰るのを躊躇っていた。
家が嫌いな訳じゃなかった。
家族は好きだったし、大切だったし…。
でも、だからこそ余計に不安だった。
「…ああ…、俺って、つまり、完全に生き返ったわけじゃないでしょ…。だから…」
「戦いで死ねば、結局家族を悲しませるから?」
家族…とか、悲しい…とかいう優しい言葉が、藤岡さんの口から出てきたことに少し驚く。
「それもあるけど…」
う……言うのか、これを…
でもなんか、俺は言おうとしてる…
誰にだって、マキにだって言えないようなこと…
「……俺…怖くて…やっぱ…自分がそのうち死ぬかもしれないって……怖いから…」
「………」
「だから…、こんな状態で家帰ったら…弱音吐いちゃいそうで……」
「………」
「いつも通りに…姉ちゃんと普通に話せないって…思って…」
なんで俺…この人に全部話してるんだろ…
こんな、自分の内面をさらけ出すような…
戦いが怖いってことまで…全部…
「普通なら……何よりも『会いたい』って思いますよね…理屈じゃなしに…」
「そうかもね」
「でも俺は…ダメな自分を見られる方が怖くて…」
い、いかん。
これはもう愚痴だ。他人に話すようなことじゃない。
「それが何より怖くて…」
でも、これが自分の本質だった。
こうやって言葉にしたことで、自分自身も初めてそれに出会えた。
「…そういう時って、あるよ」
俺をそれに導いたのは、顔も姿も見たことのないこの人だった。
あれからしばらく会話がない。
俺、なんか甘えちゃったよな…藤岡さんに。
いくら良い人だからって、よくないよな、こういうのは。
というか、言うべきか…言わないべきか…
『あのこと』を、藤岡さんに……
………
やっぱ、言わないでおくべき…か……
気づけば、藤岡さんのグラスは空。もう継ぎ足す様子もない。
出しっぱなしのお茶…冷蔵庫に片付けた方がいいかな…。
…………
「!!」
ちょッ…
「あああッ!ちょッと待ってッ!!藤岡さん!!」
ガタガタッ
「……………」
慌てて突然立ち上がった俺に、沈黙が走る。
「あ…の……お風呂入るんですよね…?」
「…………」
「えっと…ここじゃなくて……服脱ぐのはここじゃない方が…」
「え…どういうこと…?」
い、言うしかないよな。
仕方ないもんな…
「すいません……俺、実はさっきから見えてるんです……藤岡さんのこと…」
「え……」
藤岡さんは右手に付けた機械を一生懸命に確認している。
「なんか俺、目を凝らすと……いや、感情が高ぶると…かな、…見えちゃうみたいで……」
今、俺と藤岡さんの目が合っているのが、何よりの証拠になった。
「えっ…ええ……うそ…」
ドテッ
ガシャン!
うろたえてる…
ヤバい!目茶苦茶うろたえてる!
そうだよ…だいたい、ここまで徹底して姿を見せない人なんだ
そこには絶対に他人に触れられたくない何かがあるってことじゃないか…!
見えないフリしとけば良かった……って、それもどうなんだ…色々と…。
バチバチ…
バチッ
ステルスを解いた藤岡さんは、どこにでもいるような普通の女の子だった。
元々見えてた俺の目には、それが鮮明に見えるようになっただけだけど。
「どうして…見えるの…」
藤岡さんは俯いたまま、俺の顔を見ようとしない。
「あはは…わかんないや。俺、幽…霊が見えるから…?かな…?」
「…………」
藤岡さんの目は、俺の視線から逃れようと必死だ。
さっきまでの、俺をこの部屋まで引っ張ってきた時の勢いがまるでない。
まさかこんな風になるなんて…。
この人は、姿を見せないことで初めて、他人と対等な自分でいられたんだ…。
「…私…見られるのは…苦手で…」
絶対に見られたくない自分を隠し持っている…
俺と藤岡さんは、どこか似ていた。