歴史上の人物でバトルロワイルSSを書くスレ

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1名無しさん@お腹いっぱい。
名簿

ピタゴラス/アルキメデス/孔子/アレクサンドロス大王/ハンニバル/カエサル/クレオパトラ七世/始皇帝/項羽/曹操
カール大帝/ノルマンディー公ウィリアム/エル・シド/サラディン/リチャード獅子心王/イブン・バットゥータ/チンギスハン/エドワード黒太子/ジャンヌ・ダルク/シェークスピア
ルイ十四世/レオナルド・ダ・ヴィンチ/ミケランジェロ/コロンブス/ヴァレンシュタイン/エリザベス一世/ガリレイ/ニュートン/マリー・アントワネット/ロベスピエール
ナポレオン/ゲーテ/ベートーベン/ネルソン/ワシントン/ゴッホ/ファーブル/ダーウィン/リンカーン/西太后

40/40
2名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:30:12 ID:4X8dEU4W
ナポレオン「ぎゃあー」

ナポレオン爆死

ヒトラー「殺しあいしてね!」

ゲーム開始
【残り39人】
3名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:35:28 ID:Vx7yLLA9
シェークスピア「殺すべきか殺さぬべきか…それが問題だ」
4名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:37:38 ID:9Vi0JSbR
マリー・アントワネット「死ぬのが嫌なら相手を殺しちゃえばいいじゃない」
5名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:41:37 ID:YsXYCHTL
「むう。この征服王たるイスカンダルがこんな茶番に付き合う謂れはないわな……。王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ!)」

アレキサンダー大王一人勝ち
6名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:47:18 ID:IDxpG0Pm
始皇帝「それならワシもうちの軍勢呼んでやる」
7名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 17:57:20 ID:Vx7yLLA9
曹操「わしの軍勢は120万までおるぞ!」
8名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:01:15 ID:x8NetCfe
アルキメデス「図を壊すな!」
9名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:02:08 ID:t/OSvk9a
ジャンヌダルク「神様、こいつら殺しちゃって。」
10名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:09:23 ID:YsXYCHTL
芸術は、見るに堪えないものを表してはならない。


――ゲーテ――
11名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:09:56 ID:Vx7yLLA9
孔子「吾十五にして学に志ざす。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして殺し合いを知る、か。」
12名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:08:08 ID:jsr5QYsz
日本人すくなし
13名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:09:06 ID:CBhngnCB
スレタイ間違えてる時点でもうダメ
14名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:24:17 ID:X81ucJWJ
リンカーン「これは、人民の、人民による、人民のための殺し合いだ」
ロベスピエール「では、選民のあなたは死ねばいい!」
15名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:25:19 ID:W94LGBTt
ニュートン「りんご・・・りんごをくれないかい?」
16名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 19:37:55 ID:rfKXz4qH
山田風太郎に書いてもらいたかったな
17名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:34:59 ID:t/OSvk9a
ワシントン「諸君、私は戦争が好きだ。諸君、私は戦争が好きだ。諸君、私は戦争が大好きだ。」
18名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:40:17 ID:YsXYCHTL
項羽「素手でガチなら俺が一番強い」
19名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:44:14 ID:UC2mtqi6
クレオパトラ七世「わたくしが見ててさしあげるから、充分に殺し合うといいわ」
20名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 20:45:25 ID:UC2mtqi6
孔子「年長者を敬うのです。わしより若いやつは死ねばいい!」
21名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:00:31 ID:q7KDF7vn
【レス抽出】
対象スレ: 歴史上の人物でバトルロワイルSSを書くスレ
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あれ……?
22名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:46:12 ID:V5u7DD1H
日本史版名簿

卑弥呼/聖徳太子/道鏡/坂上田村麻呂/菅原道真/平将門/藤原道長/紫式部/平清盛/源義経
源頼朝/源実朝/日蓮/北条時宗/楠木正成/足利尊氏/足利義満/一級宗純/足利義教/日野富子
織田信長/武田信玄/上杉謙信/毛利元就/長宗我部元親/豊臣秀吉/千利休/徳川家康/山田長政/宮本武蔵
平賀源内/尾張宗春/松尾芭蕉/滝沢馬琴/良寛/坂本竜馬/近藤勇/西郷隆盛/上野彦馬/南方熊楠

40/40

最後は世界史編と日本史編の優勝者同士で決勝戦です
23名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:57:03 ID:YsXYCHTL
古田織部が入ってないのはなんで?
24名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 22:03:56 ID:9/BBaZle
それにしても誰も殺し合ってないな。
25名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 22:05:11 ID:7K9RKg2R
後、一級宗純ってもしかして一休宗純のこと?
いや、気になったもんで
26名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 22:06:25 ID:YsXYCHTL
>>24
バトルロワイルですからw
27名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:01:43 ID:iEJ1au8+
「殺し合い、となあ……」
殺し合いの舞台となった島の丁度中央に位置する教会の中で、一人名簿に目を落とす男がいた。
足を組んで椅子に座り、顎鬚を撫でながら微笑むその様子は、殺し合いという場には全くそぐわないように見える。
男の名はルイ十四世。フランスで「太陽王」と呼ばれ、絶対王政の最盛期を演じた英雄である。
「ふむ。カエサルやピタゴラスら古代の賢人も参加しておるのか。それに、我が国の英雄たるジャンヌ・ダルクの名も見えるな」
そうすると、この名簿の中で自分にとって聞き覚えがない人名、それも自分より後に書かれている名前は、自分よりも後の時代の人間だと考えるのが妥当だろう。
これらが厄介な相手となるかもしれぬな、とルイは思った。
自分より古い時代の英雄や、自分と同時代から連れてこられたと思われる人物ならその人柄も弱点もある程度は知っている。
しかし、自分より後世の人間ともなれば全く未知の相手だ。それが、友好的な性格の人間なのか、攻撃的な気性の者なのかすら判別できない。
「朕をこのような些事で煩わせるとは……あのヒトラーなる男、いかほどの人物かは知らぬが礼儀と分というものを知らぬ男らしいな」
煩わしい、そう呟いてルイは名簿をいくつもの紙片にやぶると床に投げ捨てた。
自分を煩わせるものなど、この世界にあってはならない。
それは自分が治める国家を煩わせるものであり、自分が統治する全ての人民を煩わせるものだからだ。
「さて、あのヒトラーなる男の言いなりになるのも癪であるな」
生き残るために自分以外の参加者を全て殺せ、とあの男は言ったが、それに乗るのはそれ自体が彼の敗北を意味する。
そもそも、国家そのものである彼が私欲のために人を殺すなどとは決してあってはならないことだ。
と、そこまで考えたとき、ルイは自分の背後で扉が開けられる音がしたのに気がついた。
振り向いてみると、そこにはみすぼらしい容貌の男が佇んでいた。
農奴のような小汚い衣服に、一片の誇りも生気も感じられない顔。そして、その男には片方の耳が無かった。
取るに足りない小人である、とルイは判断した。
「何者か」
ルイは荘厳な声で男に問いかける。男は微動だにしない。
「いかなる理由があって、朕の思索を中断させたのかと聞いておる」
太陽王はあくまで威圧的に男に問いかける。この程度の男に真正面から向かい合う必要など無い。
しかし、男は口を開こうとすらしない。その代わりに、徐に懐から『何か』を取り出した。
ルイの目には、それはただの鉄で出来た奇妙な形をした置物にしか見えなかった。
男はその鉄の塊をルイの胸元に向けた。
数瞬後、乾いた破裂音が教会に響いた。

「これは……何だ?」
ルイは逍遥するしかなかった。男は自分に指一本触れていない。
なのに自分の胸からは血が吹き出ていて、痛みとも熱さともしれない感覚が体中を襲っている。
まさか彼の時代の馬鹿でかい火縄銃が、後世には懐にしまえるような大きさにまで「進化」するとは、太陽王でも見通せないことだった。
何が起こったのかすらも理解できない中で、ただ一つルイは悟っていた。自分はここで死ぬのだと。
太陽王は顔を上げ、自分を撃った男を見据えると最後にこう呟いた。
「貴公の……生まれの地はいずこか?」
「ズンデルト。だが、今はサン・レミに住んでいる」
「そうか。ならば良し」
男がフランスに住んでいたことが、ルイにとっては唯一の救いだった。

太陽王の命を奪った狂気の画家、フィンセント・ファン・ゴッホは拳銃を胸にしまうと、ルイの死体に祈りすら捧げずにそこを立ち去った。
彼には他の参加者を殺して自分が生きのこる、という展望すらない。
ただ、出会った人間を手当たり次第に殺していくことだけを考えていた。

【一日目・午前一時/教会】

【ゴッホ】
[状態]健康
[装備]拳銃
[道具]支給品一式
[思考]
1、出会う人間を皆殺しにする

【ルイ十四世  死亡】
28名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:05:53 ID:LaXgARAe
ゴッホこええww
29名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:06:23 ID:D86CgnKt
一気にらしくなった。イイ!
30名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 00:11:30 ID:iEJ1au8+
ゴッホの状態表にこれが抜けてた

※拳銃自殺する直前の時期からの参戦です
31名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 01:13:16 ID:/mFSNqGi
ソロモン王はいないのか。
32名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:15:00 ID:LaXgARAe
 島の南端、波が引いては寄せてを繰り返す浜辺を眺めながら、一人の男が佇んでいる。潮の匂いを孕んだ風に、髪の
毛を靡かせながら遠くの水平線を見詰める姿には何処となく哀愁が漂っていて、覇気のようなものは存在していな
かった。
 この島に自分が居る理由は理解していた。あのヒトラーと云う者の声をその耳に聞き取る事は出来なかったが、手記
の手紙により、この島に送られてから知った。が、この男はそれを見ても、何一つ取り乱す事なく、またその瞳に怒り
の炎を灯すでもなく、無感情に髪を捨ててしまった。支給された武器も見ておらず、名簿ですら目を通してはいない。
凡そ生き残る気が寸毫も見えぬこの男が何をしたいのか、それを知る者は誰一人として居ないだろう。
 その彼が、陽光を受けて燦然と輝く水平線に目を向けるのを止めて、初めて行動を見せた。――彼は浜辺の砂の上に
腰を下ろすと、おもむろに鞄の中から紙とペンを取っていた。このペンは、彼に支給された、到底武器と称す事の出来
ない物であった。だが、彼にそれを知る由はない。ただ、鞄の中身を見てみたらペンが入っていただけの事である。

 男は考える暇もなく、ペンを動かして行く。一切の滞りもなく、まるでそう書かれる事が運命だったかのように、
ペンは紙面の上を流れて行った。その最中、今まで生気を感じさせなかった男の瞳の奥に、沸々と燃え上がるような、
情熱の焔が滾っていた。解放される事なく、狭い彼の中で猛然と揺れるその焔は、彼の表情に生気を蘇らせ、彼の手に
獅子奮迅の如く力を漲らせている。その姿は鬼のような禍々しさと、神の神聖さのどちらをも、醸し出していた。
 ――やがて、男はペンを落とした。波が幾度同じ動きを単調に繰り返したいたのか、日は随分と傾いていた。一心に
紙面の上にペンを滑らした男の手元には、音符が敷き詰められている。それによって、男がしていた行為が作曲で
あったのだと知れた。――何時からか、男の隣には見知らぬ男が立っていた。

「曲か」

 見知らぬ男は、そう云って初めて自分の方へと目を向けた男に視線を合わせた。紙を片手に座っている男の瞳に生気
は無い。あれ程激しく燃えていた焔の影も残してはいない。そこには意識が判然としているのかも知れぬ男が、茫然と
座っているだけである。彼の問いに、座っている男は何も答えず、黙って自分が使っていたのとは別の紙と使っていた
ペンを差し出した。それを受け取って、怪訝な眼差しになった男は首を傾げたが、座っている男が耳を指先で示して首
を振ったのを見て、耳を患っていると云う事実を解釈すると、先刻の問いと同じ内容を紙に書いてペンと共に手渡した。

 紙を受け取った男は、それを見るなり同じ紙にまたペンを滑らせて、すぐにそれを渡した。そこにはそうだ≠ニ
一言だけ書かれている。紙を渡された男は、そうか、と誰にも聞こえはしないであろう呟きを漏らすと、その場に
座った。そして、先刻と同じように紙とペンを受け取ると、文字を書き始めた。

君の武器はなんだ
解らない。恐らくそれだろう
ペンが武器とは、あの男も酷な事をする
どうでも構わない。私はこれを書き上げたら死ぬつもりだった
して、その曲は書き終えているのか
書き終えている
題名は
運命
由来は
運命が扉を叩く音だ。人など敵わぬ力を以て、扉を叩く音だ
ならば、我々はその運命によって抉じ開けられた扉の中に入ってしまった訳だ
33名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:16:32 ID:LaXgARAe
 それを受け取った男は、暫くペンを走らせた。先のように短い文字が並ぶのではなく、今度は長い文が紙の上に紡が
れる。それを待つ男も、何を云うでもなく、不評を漏らすでもなく、ただぼんやりと海を見詰めているだけだった。
 暫しの時間を要して、紙が渡される。男は、その一文字一文字を咀嚼するように、心中で読み始めた。

私は運命に屈しなかった。耳が聞こえずとも曲を書き続けた。だが、それも今日で意味を無くす。君の云う通り、
抉じ開けられた扉の中に無理やり引き摺り込まれたのだ。是非も無いままに。耳が聞こえぬ者がこの戦いを制すはず
もない。後ろに立たれれば、ナイフで頸動脈を切られて死ぬ。罠を仕掛けられれば、回避も叶わない。私は生きなが
ら、此処で死んでいるのだ。今まで運命に打ち勝ったと思っていたが、此処に来て更に強い運命が現れた。最早生き
る道など無い

 男は、思わず吹き出した。理由など無かった。ただ吹き出したかったから吹き出したのである。隣に座る男は何も云
わない。気分を害した様子も無ければ、他の感情も窺えない。男は笑った。己の身を危険に晒すと同義であるにも関わ
らず
、大きな声で笑った。幸いその声を聞く者は居なかったが、隣りに座る男にも聞こえていなかった。
 ――滑稽だ。男は思う。どうしようもなく滑稽であった。まるで道化師とパントマイマーのようだと男は考えた。
そうして、その気分を損なわぬ内に、男は文字を書き始めた。

すると、以前運命に打ち勝てなかった君が此処で出会った運命には敗れると云うのか
そうだ。耳を患ってから音楽に生きるのは苦痛だった。だが、それでも耐え得る物だった。今回はそうは行かない。
私に死ぬ以外の選択肢は与えられていないのだ。この運命に打ち勝てと云うのなら、超能力でも無ければ叶わない
私は耳も聞こえるし、目も見える健康な身体を持っているが、容易く殺される
君もこの運命に抗うような真似はしないと考えているのか
そうではない。だが、先刻君が云った事は私にも通ずる。後ろに立たれれば、誰であろうとも首を裂かれる。罠を
仕掛けられれば、誰かが掛かる。何も君だけの話じゃない。誰もがその可能性を持っている
私は、その可能性が他人よりも大きいのだ。無論死にたい訳ではない。音楽に生きる者が、他者の手によって命を
落とすなど私は願わない。願う事なら、音楽に生き続け、音楽に死にたいと思うが、それは叶わないのだ
人は多くを願うが、我々に必要な物はごく僅かだ。人生は短く、人間の運命には限りがあるのだから。ならば、人の
願いの中で殺すだの死ぬだのと云う物は、最も小さき物だ。君はそんな物に人生を捧げるのか。私からしてみれば、死
よりも、殺すよりも、君の願いは大きな物だ。そうして必要だ。ならばその方が良いに決まっている
その為に必要な物が、無いと云うのだ
私がそれだ。耳が聞こえぬのなら、私が聞こう。それだけで私達は他の者より有利になる。一人より二人が強いのは
当然であろう。君はそれでも先刻と同じ事を繰り返すのか

 その紙を受け取った男は、驚いたように隣の男を見遣った。殺し合うのが規則であるこの島で、自分に協力すると云
う。結局は一人しか生き残れぬこの島で協力と云う行為がどれほど愚かしいものなのか、解らない訳ではなかった。男
は隣の男と出会う前よりも、心なしか生気のある表情でペンを滑らせる。瞳に僅かな光が隠れているようであった。
34名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:21:34 ID:LaXgARAe
何故そうまでしようと思ったのか。君が云った事が真実であるならば、私は君を狂人だと疑うだろう

 その答えを紙に書く前に、男は笑った。柔らかな微笑である。それを見た男は、この男が狂人なのだと知った。その
答えにはこう書いてある。それは紛れもなく、彼に生きる道を示す物であり、また彼が行きたいと願った道であった。

私はただ、君が作った曲を聴きたいだけだ。丁度、君の云う運命に以前敗れてしまったものだから

 彼には愛した女性が居た。決して手が届かなくとも、彼の愛は途絶えなかったが、その女性の許嫁には勝てるはずも
なかった。運命と云わざるを得ない存在に、彼は消沈したが、それでも諦めずに自分の愛を彼女に伝え続けたが、やは
りその力は運命に及ばず、彼は自ら手を引いた。その折りにこの島に連れて来られ、一人の見知らぬ男と話している。
その男は運命に打ち勝ったと云った。けれども、今度は負けると云った。――彼はこの男に甚だ興味を持った。
 向ける先は違くとも、自分と同じように一途な想いを持ったこの男の耳になりたいと、心から思っていた。

 その男が、紙を差し出す。名前は≠ニ問いが書かれた紙である。彼は自分の名を手早く書いて、君はと付け足して
から男に手渡す。そして、彼らは互いの名を打ち明けあった。夜は近付いている。真赤な夕陽が海に沈んで行く。薄暮
の色と、宵の色が混じって濁った空が頭上にある。彼らは申し合わせたように立ち上がり、薄暗くなった森の中へと姿
を消して行った。

 人影が一切消えてから暫く経った浜辺で引いては寄せる波が、ざあと鳴っている。辺りは闇に包まれた。明かりが無
ければ地面さえ見る事は難しいだろう。その中で、一枚の紙切れが風に弄ばれていた。名前は≠ニ云う問いで始めら
れた後に、二人分の名前らしき文字が綴られている。一番最初の問いに書かれた名前ともう一つが、順にこうあった。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

 ――やがて、颯と吹いた風がその紙を、一寸先も見えぬ闇が広がる海へと、吹き飛ばして行った。

【ベートーベン】
[状態]健康(聴覚は無し)
[装備]ペンとメモ帳
[道具]支給品一式
[思考]
生き延びる為に闘うが極力戦いは避ける。

【ゲーテ】
[状態]健康
[装備]猟銃
[道具]支給品一式
[思考]
企画者側を何とかする。仲間をなるべく集めたい。

【死亡者無し】
35名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:22:30 ID:LaXgARAe
長くなってすまんかった。
あとそれぞれの人物の事とか間違ってるかもしれないけど勘弁してくれ。
36名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:26:41 ID:PTVnpVTf
おお、なんと上手い……ネタスレからどんどん脱却してくな。もっと見たいぜ。
37名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:27:41 ID:iEJ1au8+
乙。
そういやベートーベンは耳が聞こえなかったか……
歴史考証はそんなに気にする必要ないんじゃない?
38名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:41:57 ID:LaXgARAe
参戦した時期書くの忘れてた。
ベートーベンが運命作曲する前でゲーテがシャルロッテに失恋した後。
それにしてもゲーテ少年時代に六カ国語マスターとかすごいな。
39名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 02:47:04 ID:Oact3fbd
ネタスレかと思ったら普通に面白い罠
40名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 03:06:13 ID:PY20h1Yz
「神よ、あなたは私に試練をお与えになったのですね?」
甲冑に身を包み、金髪を肩口で切りそろえた少女はまるで神そのものが目の前にいるかのように語りかける。
いや、実際彼女の目には見えているのだ。いつも彼女を守り導く慈悲深い神が―――

少女、ジャンヌ・ダルクが目を覚ましたのは見慣れない狭い部屋だった。
見慣れぬ机の上に、やはり見慣れぬ道具が沢山置かれている。
実はそこは「小学校」という施設の「職員室」という部屋だったのだが、百年戦争の時代のフランスを生きた彼女にはそんな知識は無い。
「神が私を見守っていてくれるなら、きっとここには有用な武器が隠されているはず!!」
そう思い込み、職員の机を漁るジャンヌ。それというのも、彼女の支給品袋に入っていた支給品が全く役に立たないものだったからだ。
ここには屈強な戦士たちも多数集められているだろう。このままでは強襲されれば負けてしまう。
(これは神が与えられた試練。これを乗り越えることで、私は更に神に近づける―――)
その一心だけを胸に、ジャンヌはさながら火事場泥棒のように職員室を荒らしていく。
鬼気迫るとさえ言えた彼女の行動を止めたのは不意にかけられた声だった。
「もし、そこのお嬢さん」
しわがれた老人の声だった。しかし生粋の戦士であるジャンヌは警戒心を忘れず、咄嗟に机の陰に隠れてその声の主を恐る恐る盗み見る。
「ご心配には及びません。私はこんな殺し合いになど、協力するつもりはありません」
紳士の格好をした髭の長い老人は、そう言って帽子を取った。
「申し遅れました。私はチャールズ・ダーウィン。職業は、一応博物学者の端くれ、とでも言っておきましょうか」


ダーウィンとジャンヌは、職員室の椅子に腰掛けてお互いに情報交換をした。
その結果、お互いに違う時代から連れて来られたらしいこと、名簿に書かれている人物はその全てが歴史上の有名な人物であると考えていいと思われることを確認した。
「私ごときがなぜこのような場に古代の英雄たちと一緒に連れてこられたかは、全くわかりませんが」
老人は髭を撫でながら苦笑する。それはジャンヌの疑問でもあった。
てっきりここに集められているのは戦士ばかりだと思っていたのに、この老人はただの学者だという。
ということは、他にも戦うのには向かない人物がここに連れて来られているのかもしれない。
とすれば、自分のするべきことはただ一つだ。
「ダーウィンさん、あなたの身はこの私がお守りしましょう」
弱きものを守るため、ひいては国を守るために神の声に従い兵を上げたジャンヌにとって、この申し出は当然のものだった。
「おお、それはそれは」
老人は本気にしていないのか、相変わらず人懐っこそうな笑みを彼女に向ける。
「私は本気です。神に誓って、あなたには決して傷を負わせません」
そのジャンヌの言葉を聴いたとたん、ダーウィンの表情が一変した。
「神に誓って……ですか?」
しかし、ジャンヌはそれには気付かずに続ける。
「無論です。私は神のご加護を受けています。私に仇為すものは全て神の怒りに触れて滅びるはずです」
「神の……怒り……?」
老人の顔色とジャンヌの語気とは、ますます対照的に変化していった。
「神は私たちを導いて下さるでしょう。なぜなら、神は―――」
「神なんて、一体どこにいるというんですか」
とうとうジャンヌの声を遮り、ダーウィンが低くそれでいて耳に残る声を発した。
それを聞いたジャンヌは、全く信じられないものを視たというように表情と顔色を一変させる。
「何を言うのです!! 神はいつも私たちのそばにおられるではないですか!! だから、神は……」
「神が本当に弱きものや心の清いものを守ってくれるのなら、本当に神が全能であるのなら、なぜ、なぜ私の娘は死ななければならなかった!!」
ダーウィンは椅子を蹴って立ち上がった。
「アニーは、まだ十歳だったんだぞ!! あの子がどんな罪を犯したと言うのだ!! なぜあの子が死ななければならなかったというのだ!!
なぜ、神はあの子を……私たち夫婦の宝である子を、助けてくれなかったんだ!!」
そう叫んで、ダーウィンは床に突っ伏して両手で顔を覆った。
ジャンヌは一言もかける言葉を見つけられないままそこに立ち尽くしていた。
(なんと哀れな老人だろう。家族を亡くし、そして、神の愛さえも信じられなくなってしまったなんて)
41名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 03:07:20 ID:PY20h1Yz
【一日目・午前二時/小学校(職員室)】

【ダーウィン】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
ここから脱出する方法を模索する
※「種の起源」を発表する直前の時期からの参戦です

【ジャンヌ・ダルク】
[状態]健康
[装備]ガリレイの望遠鏡
[道具]支給品一式
[思考]
1・ダーウィンに哀れみを抱いている
2・弱いものを守る。敵対するものは容赦なく殺す
※オルレアンの町に向かっている途中からの参戦です
42名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 03:18:04 ID:Nu+t619o
なんか3作連続で面白いのが来てるな。特にベートーベン書いた人うめぇw
読みやすいし登場話でここまで面白いのはなかなかないと思った。
しかし何の話し合いもしていないのに状態票までついてよくあるロワの形式になっているとかどうなってんだw
43名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 03:44:49 ID:zvHmpYwB
どれも面白いな。
これは先が期待できるw
44名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 04:09:10 ID:ByaNIMBu
ちょ、クオリティ高いwパネぇwww
45名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 07:31:49 ID:BviDHmM9
なんかすごいスレだねここ
46名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 09:37:44 ID:Oact3fbd
ジャンヌ萌え
47名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 10:40:15 ID:+eNTA0m8
普通にネタだろと思って読んでたらシンプルに面白かった
どうかこのまま頑張って続けてほしい
48名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 11:09:00 ID:6hTuEAhL
ネタスレのまんま終わるだろうな……とか思って今日開いたら何このクオリティw
ちょっと俺も世界史勉強してくる
49名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 14:26:00 ID:udgIhVRS
ただのネタスレだと思ってたらなんだここwww
ちょっと色々調べてくる
50名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 17:38:41 ID:o3FFAc89
いつの間にか本格的になってたw
51名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 18:44:47 ID:opLs7rzO
ところでもうナポレオンは死亡扱いなの?
ナポレオンとネルソン会わせたいんだが……
52名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 19:30:35 ID:Vq/Z/4Vr
wikipediaで得た浅い知識で書いてみるか
53名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 19:56:12 ID:1QFLI1Wj
>>51
生存扱いでいいと思うよ。
というか誰か真面目なOP書いてみたらどうか、主催ヒトラーで。
見せしめは名簿に入ってない奴でもいいだろうし。
54名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:11:23 ID:LMBJOgaC
正直名簿も>>1で確定させず書いたもんがちでいい気がしてる
55名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:15:28 ID:6hTuEAhL
書いたもんがちだったらカオスになって荒れそうだから名簿は>>1のままで良いと思う。
ナポレオンの生死はOP書く奴に任せるとすればいいことだし。
>>22の日本史版とは同時進行?
世界史版は主催ヒトラーでいいとして日本史版はどうしようか……。
56名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 20:47:21 ID:1QFLI1Wj
世界史編=ヒトラー
日本史編=トージョー
決勝戦=ムッソリーニ

冗談です
57名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:42:05 ID:LaXgARAe
 その家屋の中には、見るからに高価そうな絵画や置物などが幾つも存在していた。大きな暖炉の上には清潔を常に保
たれていたのであろう数々の皿が立て掛けられ、今も窓から差し込む陽光を浴びて鮮やかな装飾を際立たせている。天
井に設置されたシャンデリアは、一寸もその美しさの輝きを損なう事なく、金色の光を降らしていた。床に敷かれた絨
毯にも気品が溢れており、まるで見る物全てが高級品に見える。その豪奢な部屋の中に、一人の男は頭を抱えて座り込
んでいた。

 服装は清潔で高貴な物に見受けられるが、髪の毛は自らの手で掻き回したのか、乱れている。頭を抱える手は小刻み
に震え、青白い顔には生者にあるべき生気が見出せない。翳った瞳に映す物はなく、彼の目の前にはどんなに高値の高
級な品々も、芸術に満ち溢れた絵画の美しい風景も、何一つとして意味を成していなかった。男は、虚ろな瞳を右へ左
へと彷徨わせながら、時折水分の不足によって異常なまでに罅割れた唇を動かして、何事かを呟いている。まるで、生
ける屍のような男は、かつて多くの喜劇と悲劇を世に送り出した偉大な脚本家と讃えられた頃の面影は、寸毫も残って
はいなかった。

「何故……何故私が……。ああ、アン、私に教えてくれ。何故私がこのような場所に居る?」

 頭を抱えたまま、男は更に背を丸くして呟き続ける。最愛の妻の名を呼んでも、答えは返って来ない。刻薄な響きを
持った風が、窓越しに颯と流れるばかりである。男は心持ち痩せこけたように見える頬を、頭に置いていた手を降ろし
ながら引っ掻いた。堅い爪が食い込み、鋭い痛みが頬を刺す。男は、これが夢なのだと思いたかった。
 ヒトラーと名乗る男に、殺し合いを命令されてから、これは夢の中の悲劇なのだと思った。が、頬を引っ掻けば
引っ掻くほどに、刻薄な現実は痛みと共に蘇る。明確な痛みが明確な現実を彼に齎し、それを信じたくないばかりに次
こそはと考え頬を掻く。幾度もその自傷行為は繰り返された。壁の片隅置かれた、年代物の振り子時計が時を刻む音を
鳴らす度に、男の爪は柔らかな頬の肉へと食い込んで、赤く染め上げて行く。最初は蚯蚓腫れ程度の傷が、回を重ねる
内に引き裂かれ、遂には生々しい光をぬらりと放つ血液が、血の涙のように彼の頬を伝う。男の両頬は、既に血に塗れ
ていた。

「何故だ……何故私が……」

 男は最早痛覚の片鱗すら感じてはいなかった。血が滴る頬は見るも凄惨な有様に成り果てている。手は真赤に染まり、
爪には自らの肉の欠片が付着して、時折大きな塊と共に床へと落ちた。男の頭の中には、今にも死ぬ者が見る走馬灯の
ように、過去の出来事が一気に押し返している。自らが成した大業の数々、築き上げた富みや名声、誰よりも高い矜持
――それら全てが、彼の中に舞い戻った。そして、その膨大な情報の数々と今の彼の状況との間に起り得る矛盾が、次
第に男の理性を蝕み始める。少し前までは、自分は穏やかで幸福な暮らしを謳歌していたのに、今では何時殺されると
も解らぬ恐怖の渦中に身を置いている。愛した妻も、二人の娘も、此処には居ない。幸福の反転、不幸の逆流――それ
は、まるで罅だらけの銅像のような現在の男を、完全に破壊し得る物であった。
 銅像に入った罅は次第に広がり、大きな裂け目となって次第にずれて行く。男の精神も同じように、最早正常な思考
を成す事すら出来なくなっていた。あるのは、自分をこのような場所へ強制的に招き入れたヒトラーと云う男への憎し
み、自分を殺そうと狙う他者への恐怖、生きて家族の元へと帰りたいと云う欲望――極端なまでに分裂した男の思考回
路は、次第に狂乱の道へと歩を進める。男はこの時、狂人染みた笑みさえ浮かべていた。
58名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:43:02 ID:LaXgARAe
「――悲劇だ。全き悲劇だ。私が書いたどの作品にも勝る陰惨な悲劇だ」

 男は引き攣った笑みを浮かべながら、云う。誰一人として観客の居ない舞台の上で、刻薄な脚本の元に踊らされる役
者のように、男の姿は滑稽であった。その内、悲劇だと繰り返し呟いていた男は、今までの憔悴した様子を見る影も無
くして笑い出した。背を反らせ、大きく口を開き、血走った目を見開いて、見るも醜穢な姿で嗤い、狂った。静かな室
内に醜い嗤い声が木霊する。男に残された感情はこの時、最早誰にも向いては居なかった。
 自分をこのような場所に招き入れたヒトラーと云う男への憎しみも、自分を殺そうと企む他者への恐怖も、家族の元
に帰りたいと願う欲望も、その全ては理不尽な世界への怨恨に収束されたのである。狂気に満ち満ちた表情は既に人間
のそれではない。見る物全てを憎み、この世に創造された全てを憎み、果てには神をも憎んだ。男は人でなくなり、悪
魔と化したのだ。悲劇の主人公の皮は剥がれ、醜く汚らわしい悪魔がその姿を露わにしたのだ。――それは、観客が居
たのなら悲劇にしか見えなかったのであろう。けれども男にとって、それは紛れもなく喜劇だったのである。

「ああ、喜劇だ! 人は殺し合う! 前世でも後世でも変わらぬ世の理だ! ならば私が喜劇の主人公に違いない! 
この悲劇の中に存在する喜劇の中で、最高の役割だ! 何もかもを殺し尽くした時、この物語の終幕が訪れるのだ!」

 男は叫びながら、豪奢な家具を、一つ残らず破壊し始めた。皿は幾つもの破片へと成り果てて、絵画の風景には風穴
が開けられて、男が投げた壺によってシャンデリアは破損した。男は嗤いながら破壊行為を続ける。自分を取り巻く何
もかもが破壊されるまで、それは終わらない。男にとって、物語は始まったばかりであった。全てを殺す物語は、まだ
幕を上げたばかりなのである。男の姿はこれより多くの者に見られるだろう。舞台の中の、滑稽な主人公として。

 やがて、男が全てを破壊し尽くして部屋を飛び出て行くと、白で統一されていた清潔な壁に、赤い文字で四行の詩が
書かれていた。その生々しい文字の光は、血液で書かれた物であるとすぐに知れる。それは男の内に眠る高貴な人間で
あった頃の彼が紡いだ叫びであったのか、また悪魔へと変貌した男の呪詛であったのか知る者は誰一人として居ない。

Good friend, for Jesus' sake forbear,
 To dig the dust enclosed here.
 Blest be the man that spares these stones,
 And cursed be he that moves my bones!
 ――この石に触れざる者に幸あれ わが骨を動かしたる者に呪いあれ!

 悪魔へと成り果て、自身の名さえ忘れた男のかつての名は、ウィリアム・シェイクスピアと云った。




【シェイクスピア】
[状態]健康(発狂)
[装備]機関銃(AK-47)
[道具]支給品一式
[思考]
1.何もかも殺し尽くす。
2.正常な思考は不可能。

【死亡者無し】
59名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:44:24 ID:LaXgARAe
さっき書きこめなくて焦ったけど復活して良かった……
60名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 22:47:45 ID:LaXgARAe
また参戦時期忘れた。

引退して少し経ったくらいの参戦。
61名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 23:54:17 ID:4JmDZOLt
乙。
シェイクスピアwwwwwまさかあんたが殺し合いに乗るとはwwww
相変らず文章力凄いな
62名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 01:37:16 ID:xdRf8Uwk
「ああ、なぜ私がこんな目に遭わねばならぬ……この私が……」
小学校の一室で、一人の老人が床にへたり込んで頭を抱えていた。
男の人生は挫折と屈辱に満ちていた。
貧しい家に生まれ、変わり者として学校では疎まれ、博物学者としても学会と世間の嘲笑に遭い……
そして、ついにはこの結末だ。
自分には人一倍の才能があったはずだ。それなのになぜ、こんな目に立て続けに遭わないといけない?
殺し合い。戦争などといったものとは訳が違う。文字通り、人間と人間が生きるためだけにお互いの命を奪い合うのだ。
しかも名簿を見る限り、その参加者の中には歴史に名を残す英雄も多数含まれている。
こんな場所で、ただの博物学者である自分がなぜ生き残れる?
「なんで、私ばかりがこんな目に遭わねばならない……この私が……!!」
生まれてきたときから、自分は世界において敗者だった。
この世界に生きる全ての者が、自分を見下し蔑んだ。
自分の生まれが貧しいからという理由だけで……

絶望しか感じていなかった老人の表情が一瞬にして変わったのは、名簿の中に見知った名前を見つけた時だった。
チャールズ・ダーウィン―――。
「そうか。あの男も、ここに呼ばれていたのか」
自分が知っている中でも、ルイ・パスツールと並んで最も忌まわしい名前。
この男は一見して、尊敬と敬愛を込めて彼に接していた。
しかし、その実はその瞳の奥底に軽蔑が込められていたのだと、彼は確信していた。
「そうか……この、最も私を見下していた男も、ここに……フフフ……クックククク」
彼の中に、この島に来てから始めての「希望」が生まれた。
彼は知らない。ダーウィンが彼に抱いた尊敬の情と友情は、紛れも無く本物だった。
しかし、彼はもはやその思いを、素直に受け止めることなど出来なかったのだ。
「……死ね」
その老人の乾いた唇から、誰に聞かせるわけでもないそんな言葉が零れた。
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、
死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ねえええええええ!!」
まるで狂人のごとく、呪いのような言葉を吐きながら笑う老人。
そうだ、どうせここにいるのはダーウィン以外も自分を見下すような人間ばかり。
この、類まれな才能を持った自分を……!!
63名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 01:38:03 ID:xdRf8Uwk
その時、教室の扉が開いて一人の男が中に入ってきた。
甲冑に身を包んだその姿は、一見して中世の騎士なのだとわかる。
「ご老人、いかがなされたのか?」
居住まいも堂々としたその姿は、まさに歴戦の戦士だった。明らかに老人の様子がおかしいのに気がついたのだろう、「自分を信用して欲しい」とでも言いたげに、両手を広げながら老人に歩み寄る。
「警戒されるには及ばない。わが名はエル・シド。スペインの地よりこの地へ参った。して、ご老人は―――」
騎士は、そこから先の言葉を発することが出来なかった。
耳を塞ぎたくなるような凄まじい轟音の後、そこに残されたのは顔面に無数の穴をあけられ、文字通り蜂の巣となって息絶えた騎士の体だった。
「死ねばいい……私の才能を認めない人間など、全て……」
老年の博物学者、アンリ・ファーブルは、まだ熱を帯びているニードルガンを小脇に抱えると騎士の死体には一瞥も与えず教室を出た。

【一日目・午前二時/小学校(教室)】

【ファーブル】
[状態]健康
[装備]ニードルガン
[道具]支給品一式
[思考]
目に付く人間を皆殺しにする
※「昆虫記」の一巻を出版した直後からの参戦です

【エル・シド  死亡】
※エル・シドの支給品は教室の中に放置されてます
64名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 13:50:26 ID:ZLqKveg7
みんな乙。
……何というか、こういう人間達って殺し合いに乗りやすいのかなぁ。
マーダーに限って支給品がアタリってのはやばいなw
65名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 14:14:47 ID:8c5GryMd
芸術家とか音楽家とか、なんか思い詰めやすいイメージがあるからかな……あと、プライドが高いイメージもあいまってマーダーがしっくりくる。
66名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 14:45:03 ID:MVF3JaBU
気の狂い方、思いつめ方が空想上(二次元)の存在とはダンチだからな。
ゴッホとか芥川とかすごい自殺の仕方だったらしいし……

それにしても文章すげぇw
67名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 23:52:46 ID:xdRf8Uwk
「異教徒なれば、このような状況でなくとも我が敵!!」
鬱蒼とした森の中。
一人の大柄な男が、剣の切先を目の前にいる男に向けていた。
対して向かい合う男は、その刃を眉間に突きつけられても眉一つ動かさずに肩をすくめていた。
剣を持った男は一見して中世の王族とわかる衣服を身に纏い、一方突きつけられているほうの男は中東を思わせる異郷風の装束を身に着けていた。
「愚かなる王よ。今は国や信じる神などに関わらず、生きて変えるために手を取り合うべきではないか」
「ならぬ!! 私は全てのキリスト教徒を守るのが使命なのだ!! 異教徒と手を組むことなど、私には許されない!!」
一切の妥協を認めない強い意志の元、王は「敵」に告げる。
(やれやれ、なぜリチャード獅子心王といい、キリスト教徒には頭の固い男が多いのか)
しかしその偉容に満ちた声を浴びせられても、対面する男には微塵も気圧された様子は無い。
それどころか、ますます呆れたような表情を浮かべると静かに指摘した。
「しかし、そんなもので私の命をどう奪うというのですか?」
そう、王が男に突きつけていたものは、どう見てもまともな剣ではなかった。
少々奇妙な形をしてはいるが、粗末な作りになっているらしきことは一見してわかった。
何より、それに殺傷能力が無いことはその形状を見れば明らかだった。
剣先が丸い剣など、人を刺すことも斬ることも出来るわけがない。
「ぬ……それは……それはだなあ……」
当然、そんなことには最初から気がついていた王は反論する言葉を持たず口ごもる。
「し、しかし、たとえそうであっても我は異教徒を滅せねばならぬのだ!!」
そう叫ぶと、やけになったようにその「剣」を振り上げて男へと殴りかかろうと―――

「うわあああああん!! お父様あああああ!! お母様ああああ!!」

二人の男は同時に動きを止めて振りむく。
流れるような金髪に青色の瞳、そして生まれの上流さをうかがわせる華美な衣装を身に着けた、年の頃十にも届くかどうかといった身なりの少女が、泣き叫びながら木々の間を駆けていった。
「おのれ、あんな子供まで!!」
剣を突きつけられていたほうの男は、慌ててその後を追おうとする。
「待て!! まだ我は貴様を見逃すわけには……」
「そなたも王であろう!! 王たるものが、些細な自分の争いなどにかまけて、幼き子供を見捨てるというのか!!」
「ぬ……それは……」
王は再び口ごもる。
「あのように叫びながら走り回っていて、もし殺人者にでも見つかったらどうする?
それとも、そなたの国では弱い子供などは見捨てるというのか?」
「……なにも、そこまで言わずともよかろう!!」
王は渋々といった様子で剣を下げた。
「あの子供を保護するまで、ほんの一時だけ貴様を見逃すことにしよう」
「そう言っている時間が勿体無いとは思わぬのか?」
二人は先を争うようにして、少女の後を追って走り始めた。
68名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 23:54:12 ID:xdRf8Uwk
【一日目・午前二時/森の中】

【カール大帝】
[状態]健康
[装備]おもちゃの剣
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を保護する
2:無駄な殺人はしないが、異教徒には容赦しない
※戴冠した直後からの参戦です

【サラディン】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を保護する
2:協力者を集め、ここから脱出する
※第三回十字軍との交戦中の時期からの参戦です

【カール大帝】
[状態]健康
[装備]おもちゃの剣
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を保護する
2:無駄な殺人はしないが、異教徒には容赦しない
※戴冠した直後からの参戦です

【エリザベス一世】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:パニック状態
※八歳の時点での参戦です
69名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:08:55 ID:Cw3YSQZU
カール大帝が分身した! ゴルゴムの仕業か!
70名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:17:48 ID:GRwKAODk
カール大帝2人wwwwww
71名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 02:59:51 ID:EeoCEo/Y
分身ワロタ
しかし普通に面白い 期待
72名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 14:52:33 ID:6FXXNqfS
幼女ktkrと思ったらエリザベス一世かw
しかしカール大帝いいキャラだな。
73名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:19:01 ID:gScJGDtZ
「嫌……お父様……お母様……!」

 小さな体躯でありながら、目前の恐怖から逃げ惑った少女はとうとう追い詰められてしまった。小さく首を振りなが
ら今は傍に居ない父親と母親に助けを求めるが、醜悪な笑みを浮かべながら、悠然と歩み寄って来る男にとって、それ
は最高の美酒に他ならなかった。最早逃げる手立ては無い。未だ幼くとも、逃れようもないその現実に彼女は気付かず
には居られなかった。自分は死ぬ、ただその事実ばかりが少女を追い詰める。男はそれを、何よりの楽しみにしていた。

「もう逃げる力も残ってはいまい。大人しく……いや、暴れた方が趣がある。さあ、悪漢に襲われる気持ちと云うのは
どのようなものだ? 高貴な身分であった頃には想像もしなかっただろう。それだからお前の悲鳴は心地良い」

 一歩、三歩と男は近付く。片方の手に握られた、鋭利な刃物がそれに呼応してぎらりと煌めく。刀よりは短い脇差は、
その男が握る事によってその恐ろしさを増加させたようであった。幼い少女には充分過ぎる恐怖――自分の持ち得る力
の全てを逃げる為に費やして、助けを呼ぶ為に費やした少女は最早一寸たりとも走れない。
 少女にはもう生きる手立てが無かった。背後には慄然するほどの空虚が広がっている。足の踵に合わせるようにして
途切れた大地から先は、青い海を映すばかりである。少女が横目に背後を見遣り、断崖の下を眺め通してみても、眼下
には鋭い角が切り立った岩が点在しており、到底落ちて助かる場所ではなかった。それらの絶望的な要素が、少女に未
来を悟らせる。――ああ、私はこの男に辱められて殺されるのだ。

「おと……っさま……おかあさま……っ」

 少女は、紺碧の双眸に涙を溜めて、首を振る。理不尽な現実を否定するかのように、止めてと男に懇願するように。
だが、それを見ても男は微塵も同情する素振りなど見せなかった。ただ、唇に象られた悪意の歪曲を、少女に見せ付け
るように更に曲げる。既に、男は手を伸ばせば少女に触れられる位置に居る。既に、男は脇差を振れば少女を殺せる位
置に居る。絶対絶命の四面楚歌。少女は祈る事さえ出来なかった。

「お前の怯える顔は極上だ。今まで歯牙に掛けてきたどんな者よりも美しい。お前はじっくりと愛でてから、殺してや
ろう。せめて顔に傷を付けるような真似はせぬ。心臓を一突きにして、僅かな時を数えて死ぬが良い」

 男はそう云って、にやりと笑うと脇差で少女の服を器用に切り裂いた。純白のドレスが無残に裂かれ、少女の身体が
露わになる。それでも彼女は王の娘である。無意識の内に、或いは能動的に、自らの肢体を出来得る限りこの男に見せ
まいと腕を用いて身体を覆う。座り込み、背後の断崖の恐怖にも負けずに身を縮める。それが少女の、僅かでありなが
ら最大の抵抗であった。
 だが、それが一層男の嗜虐心を煽ってしまった。男はこの娘にまず痛みを与えてやろうと思い立った。そうして、そ
れが思い立った時には脇差の切先を少女に向かって伸ばしていた。男にとって、その切先が少女に触れるまでの時間は
至福の時であった。下から自分を覗き込む、恐怖の一色に彩られた瞳はどんなに輝かしい宝石よりも価値があるように
思えて来る。男は故意に、緩慢な動作で切先を伸ばしていた。
 ――悪意と殺意の塊が少女に近付く。それが一寸先に進めば、その度に少女がしゃくりを上げる。やがて、今少女の
柔肌に脇差が触れようとした瞬間、突然何かが男の頬を掠めた。男にとって、自らの頬髭を何かが掠めて行った感触は、
この島に敷かれた規則の所為で幾倍もの恐怖を感じさせた。咄嗟に危険を感じた男は、少女に伸ばしていた脇差を引き、
背後を振り返る。――果たして、そこには何かを投擲した様子を見せる男と、弓の弦に矢を軋ませている二人の男の姿
があった。
74名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:20:57 ID:FvFDGt2D
エリザベスが美人キャラというのは斬新…
75名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:22:05 ID:gScJGDtZ
【チンギス・ハーン】
[状態]健康
[装備]脇差
[道具]支給品一式
[思考]
1.ロリータコンプレックス(鬼畜)
2.自分が生き残る事が最優先。

金を征服した後からの参戦。

【カール大帝】
[状態]健康
[装備]おもちゃの剣(投擲の為損失)
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を保護する
2:無駄な殺人はしないが、異教徒には容赦しない

【サラディン】
[状態]健康
[装備]弓矢セット
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を保護する
2:協力者を集め、ここから脱出する

【エリザベス一世】
[状態]健康(恐怖・困惑)
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:もう無理ぽ的な。



【死亡者なし】
76名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 21:43:52 ID:UYQKKsGi
ちょwあの変態誰かと思ったらチンギスハーンだったのかw
とりあえず乙
77名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 23:55:19 ID:hdqVeD8x
チンギ過ぎるwww
78名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 01:16:22 ID:oyHP39QW
エリザベスたんハァハァ
79名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/03(水) 01:41:46 ID:8IEIgst2
ピタゴラスの支給品袋に入っていたのは大量のエンドウ豆だった。
それを見たピタゴラスは天地が滅びるに等しいほどのショックを受け、心臓マヒでこの世を去った。

【一日目・午前一時/灯台】

【ピタゴラス  死亡】
80名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:14:29 ID:0UPcRHIa
数分の後、ようやくダーウィンは落ち着いた。
「すみませんでした、お嬢さん。私は娘を亡くして以来、神の愛などというものがどうしても信じられないのです」
ジャンヌは同情と侮蔑が混じりあった声で答える。
「あなたのお気持ちはわかります。私も、闘いの中で多くの仲間を失いましたから。
しかし、そうだとしても神の愛を疑うなどとは……」
二人の会話は、突如扉を開けて入ってきた人物によって遮られた。
その帽子を深く被った人物を見て、ダーウィンは思わず声を上げる。
「ファーブル先生!! ご無事だったのですね!!」
ダーウィンは、名簿の中に彼の名前を見つけてから、ずっとその身を案じていたのだ。
しかし、彼の喜びも、ファーブルがずっと自分に向けて銃のようなものの先を向けているのに気が付いた途端消えうせた。
「チャールズ・ダーウィン……こんなに早く遭えるとはツイていたよ。貴様は今から、ここで死ぬ」
「せ、先生……一体どうしたというんですか?」
そのただならぬ様子に、心から彼を敬愛していたダーウィンも戸惑いを隠せない。
「なんだ、その顔は? どうせ、こんな田舎生まれのじじいに何が出来るのかと、腹の中でせせら笑っているんだろう?」
ファーブルは、今まで誰にも見せたことが無いような薄気味悪い笑顔を見せた。
「先生、ご冗談を……」
ファーブルに歩み寄ろうとしたダーウィンを、ジャンヌがかばうように制する。そしてファーブルに向かって言った。
「貴様、そんな物を我らに向け、そんな口を叩く以上は、ここで斬り捨てられようと文句はあるまいな?」
ジャンヌの手元には実際には一本の剣すらありはしない。しかし、彼女は誇りだけを武器に敵の前に立つ。
「お待ち下さい、お嬢さん!!」
そんな彼女の殺気を感じ取り、ダーウィンが慌てて間に割って入る。
「先生、誤解です!! 私は本当に先生を、博物学の先輩として尊敬していました。
この私が先生を軽蔑することなど、絶対にあるものですか!!」
「黙れ!! 私を見下すインテリどものご高説はもうこりごりだ!! 貴様はここで死ぬんだよ!!」
ファーブルはどうしても信じることが出来ない。
この、後世には「進化論の父」として世界中の誰もが尊敬する存在になる大学者が、一介の昆虫学者である自分のことを本当に心から尊敬していたということに。
ファーブルはニードルガンの銃口をダーウィンに合わせると、ためらい無く銃口を引こうと……

「煩いぞ、貴様ら!! 朕の前でかような騒音を立てるとは何事か!!」
我が物顔で教室に入ってきた男の一言によって、張り詰めていた空気は一変した。
三人は狐につままれたような顔でその男の顔を見る。
一見して東洋人と分かる肌色と、王族にしても随分と華美な服装が目を引いた。
その男は、ファーブルが持っていたニードルガンを目にするとますます怒りをあらわにした。
「貴様、誰の許しを得て朕の前でかようなものを持っておる!! 双方とも、武器をしまえ!! 天子の御前であるぞ!!」
81名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 01:15:23 ID:0UPcRHIa
【一日目・午前二時半/小学校(職員室)】

【ダーウィン】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:ファーブルを説得する
2:ここから脱出する方法を模索する

【ジャンヌ・ダルク】
[状態]健康
[装備]ガリレイの望遠鏡
[道具]支給品一式
[思考]
1:ファーブル及び乱入してきた東洋人が危険人物であれば容赦なく殺す
1・ダーウィンに哀れみを抱いている
2・弱いものを守る。敵対するものは容赦なく殺す


【ファーブル】
[状態]健康
[装備]ニードルガン
[道具]支給品一式
[思考]
1:ダーウィンを殺す
2:他の二人も殺す
3:目に付く人間は全て殺す

【始皇帝】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
優秀な家臣を選抜し、ヒトラーを討つ
※中華統一の直後からの参戦です
82名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 09:15:55 ID:LO27Bh07
乙。
いよいよカオスめいてきたなw
銃相手にどこまで立ち回れるか楽しみだ。
83名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 16:51:46 ID:kBdEL+ZV
やっぱりファーブル怖いw
そしてダーウィンきっとそのうちに壊れるな
いやジャンヌが壊れるほうが先か?
84名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 19:09:46 ID:IP+sGaWW
ジャンヌは結構簡単に心折れそう。
ファーブルの大暴走期待
85名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/05(金) 04:40:05 ID:cWR+c9Gs
ジャンヌとダーウィンは一緒にいるとお互い崩壊へビシバシ突き進むよな
86名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 15:32:04 ID:q+k+Nnsx
ガリレオ(ククク・・・ブッーwwwダメだ笑いをこらえるんだ)

ルター「どうしましたかガリレオ君」

ガリレオ「それでも地球は回っている」
87名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 15:54:55 ID:q+k+Nnsx
↑すまん無視して下さい

おもちゃの剣ワロタ
88名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 13:21:50 ID:xMnSaQLX
超おもしれー!!クソスレかと思いきやなんぞこれwww
しかしアントワネットどうなるんだよ。パンとケーキで強いやつを懐柔するとかか?
俺としてはアントワネットとハンニバルに超期待してる!
89けんぜんなたたかい:2008/09/12(金) 19:36:14 ID:/ga+as/5
生きる為自分の身を守る為、その為に妾が使ったのは体であった。
男という物は可愛いもの、妾が可愛がってあげれば直ぐに聞き分けのいい子犬のように、妾の体に溺れ、虜となった。
妾と同じようにここに呼ばれたカエサルもそう、絨毯の中から現れた妾には驚いてはいたが、体を重ねるとすぐに妾の虜となった。
父と姉の政権争いなどを経て、妾は自身が無力な女であることを自覚している。だからこそ手段は選ばぬ。
使える物は全て使う。自身が無力な女であることも使い方次第では武器になる。妾は女としての魅力を磨き上げ、それを生き抜く為の武器とした。
ここでもそれは変わらない。屈強な男どもに妾はどうしても叶わぬ。ならばこの体を使い籠絡し、出し抜けばいい。とても簡単な事だ。
カエサルという強力な味方がいるのはありがたいが、いつ会えるかもわからぬ。当座は頼りになりそうな男を見つけ、妾の虜にしてくれよう。
そして妾は今、一人の男と一糸纏わぬ姿で寝台の上にいた。
ギリシアやエジプトではみない顔と肌をした男、名を曹操と言い、聞けばギリシアなどがある大陸の東の方の人間だという。
背こそ小さいが精悍な顔をした男であり、教養があり武芸もそこそこだという、丁度いい人材だ。
さあ、妾が愛してやろう。そして妾が虜となるがいい――。

※けんぜんなたたかいが発生しました。ここからは音声のみダイジェスト版でお楽しみください。
「ふふ、なかなかよいものを持っていますね、楽しみですわ」
「はっ……、ふっ……、んん……。なかなかお上手ですこと……」
「ひゃうっ!だ、駄目!そこ弱い!そこ弱いですからそんなに責めないでぇ!」
「あ゛みゃあ゛あ゛あ゛あ゛!らめっ!らめらのっ!知らない、こんらの知らなひぃっ!」
「ひゃあぁぁん!クレオパトラいすぎてバンザイしちゃうのぉ!バンザイ!バンザイ!ばんにゃんにゃいっ!」

曹操 WIN

※けんぜんなたたかいが終了しました。途中みさくら的表現がありました事お詫び申し上げます。引き続きSSをお楽しみください。

房中術、という物を知っているだろうか?
女性が己が体を用い男を骨抜きにする技であると同時に、男たちが女性に惑わされぬ様、己が体で女性の気持ちを自分に引きつける技でもある。
クレオパトラとしても今までいいように可愛がってきた男にこの様に反逆されるとは思っていなかったのであろう。
曹操の攻勢に、守り慣れていなかったクレオパトラは対処もできなかった。
その結果、クレオパトラは曹操に陥落。現在蕩けきった思考と表情で曹操に抱きついている。今まで男達を虜にしてきた美女が今やその男達と同じ状況に陥ってしまった。
さて、この曹操。特に思惑があってクレオパトラをだいた訳ではない。ただ彼は生粋の女好きであり、美人から誘ってきたから抱いたのである。一度美女を相手に痛い目を見たのに懲りないあたり流石というべきか。
曹操は考える、美人を手に入れたのはいいがこの先どうするか。そして何故、始皇帝の名が名簿に書かれているのか。
そして後少しで劉備を倒せると言ったところで呼び出してくれたヒトラーと名乗る男にどう反逆するか。
乱世の奸雄と呼ばれた男は静かに思考を開始する。

【一日目/深夜/民家の寝室】

【クレオパトラ七世】
[状態]曹操の虜、疲労大、恍惚
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品
[思考・状況]
1:今は何も考えられない

※カエサル生存、カエサリオス懐妊前から呼び出されました。

【曹操】
[状態]疲労中
[装備]な
[道具]支給品一式、不明支給品
[思考・状況]基本思考:殺し合いに反逆
1:なんで始皇帝の名前が……?
2:美人は美味しかったがこの後どうするか……。

※新野攻めのあたりから呼び出されました。
90名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 20:19:43 ID:lCZRi5tq
緊張感のない連中だww
91名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 20:22:22 ID:mHVJ7KWq
けんぜんなたたかいww
92名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 22:27:56 ID:xMnSaQLX
ばんにゃんにゃいっ!wwwww
93名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 23:30:34 ID:zdI7+O/W
そろそろまとめwikiでも……
94名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 16:26:52 ID:h8pl8YiV
曹操とカエサルって結構共通点あるよな
既存の社会概念を無視できる発想、人妻大好き、戦争政治文章なんでもござれな万能っぷり
この二人が出会うかと゛うか楽しみだ
95名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 19:01:37 ID:PvF8Cn/a
それにしてもクレオパトラに勝つとは曹操すごいな
96名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 07:53:13 ID:lIj8aOEd
>>88
ちなみに当時のフランスで、お菓子といえば菓子パンや焼き菓子程度のシンプルなもので、クリーム使ったりする贅沢品を指すものではなかった。
それどころか、小麦粉は買い占めにより高騰。菓子はパンより質の悪い粉を使って、味をごまかすために砂糖を入れたものだった。
つまり、当時のお菓子はパンより安かったのだ。
だからアントワネットの言葉は間違いじゃない、ってある漫画に書いてた。
97名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 11:47:16 ID:FrbBwuHm
そもそもマリーアントワネット本人が言ったセリフじゃないって説もあるけどね
98名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 16:13:21 ID:Pi8rUiEe
>>94そういうのに限って共闘してかませ犬みたいにやられそうだな
主人公達の目の前で
99名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 16:21:20 ID:u8o4gsbx
曹操 WIN wwwwww
100名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 18:49:57 ID:uTEcd1yq
>>96
ああ、SJ増刊でゼロの作者が描いてるやつね。
101名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/16(火) 19:00:05 ID:025nvvz/
まぁそういう名言みたいなもんは後世の捏造が多いだろうね
102名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 14:41:13 ID:eME6M2r1
続きマダー?
103名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 20:16:19 ID:oEyGGlMB
まだでてないキャラってまだ結構いるよね
104名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/17(水) 21:36:19 ID:aGwG5jBt
続きが見たいなら自分で書いたらいいじゃない
105名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/19(金) 11:16:27 ID:ShmAcO1Z
このスレは自分で書きたいと思うよりも読みたいと思うスレだ
だってどのキャラがどう動くか予測不可能だしな。いきなりゴッホにルイ十四世が殺られるし
ベートーベンとバッハの行動とシェイクスピアの行動とか超気になる
そんなわけで期待して待ってる

しかしなんでクレオパトラがみさくら語を使うのか分からんwしかも曹操とのコンビだし予想外すぐる
106どうしてこんなになるまで(ry:2008/09/21(日) 11:45:54 ID:s2/xASq5
クレオパトラ!クレオパトラ!クレオパトラ!クレオパトラぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!クレオパトラクレオパトラクレオパトラぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!クレオパトラ七世たんの黒髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
絨毯にくるまれたクレオパトラたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
邪魔者死んで良かったねクレオパトラたん!あぁあああああ!かわいい!クレオパトラたん!かわいい!あっああぁああ!
エジプトが安泰で嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!殺し合えって何さ!!!!あ……名簿をよく見たら…
ク レ オ パ ト ラ も 載 っ て い る?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!賽は投げられたぁああああ!!
この!ちきしょー!乗ってやる!!この殺し合いに乗っ…て…え!?見…てる?頭の中のクレオパトラちゃんが僕を見てる?
妄想のクレオパトラちゃんが僕を見てるぞ!クレオパトラちゃんが僕を見てるぞ!毛布一枚のクレオパトラちゃんが僕を見てるぞ!!
全裸のクレオパトラちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはクレオパトラちゃんがいる!!やったよアントニウス!!ひとりでできるもん!!!
あ、脳内のクレオパトラちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあコルネリアぁあ!!ユ、ユリアー!!ポンペイアぁああああああ!!!カリプルニアぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよクレオパトラへ届け!!この会場のクレオパトラへ届け!

【一日目/深夜/民家】

【カエサル】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1:この思いクレオパトラちゃんに届け
107名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 12:13:59 ID:7WGFZ+Af
なんだこの変態はwwwwwwwww
108名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 12:27:21 ID:KxeMkve4
なんか、偉人に対するイメージが音を立てて崩れていくwww
109名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:13:08 ID:7WGFZ+Af
纏めてみた。

生存:カエサル、クレオパトラ七世、始皇帝、曹操、カール大帝、サラディン、チンギスハーン、ジャンヌ・ダルク、
   シェークスピア、エリザベス一世、ゲーテ、ベートーベン、ゴッホ、ファーブル、ダーウィン

死亡:ピタゴラス、ルイ十四世、エル・シド、ナポレオン

未登場:アルキメデス、孔子、アレクサンドロス大王、ハンニバル、項羽、ノルマンディー公ウィリアム、リチャード獅子心王、イブン・バットゥータ
    エドワード黒太子、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、コロンブス、ヴァレンシュタイン、ガリレイ、ニュートン、
    マリー・アントワネット、ロベスピエール、ネルソン、ワシントン、リンカーン、西太后

まだまだ濃いのも薄いのも残ってるなあw
110名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 13:40:07 ID:UW+gykNv
ヤベwwwおもしろすぎるwww
腹筋を崩壊させる気かwww
111名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:36:50 ID:F3i6IT3v
このカエサルはダメな子だwwwww
112名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 14:56:03 ID:2a2CTRU1
そんなんだからブルータスに裏切られるんだwww
113名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 15:42:53 ID:ISw8b1PY
何これ、吹いたwwwww
114名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 19:32:06 ID:AxeOkx6A
やばい面白すぎるww
でもいいのかこんなキャラでwww
115名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 21:38:30 ID:ZAvGHFnR
変態と言う名の偉人www
116名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:18:28 ID:n9VnK4bo
「…まったく、訳が分からんわ」

始皇帝は小道を歩きにくい着物を着て歩いていた。

「この服じゃあ歩きにくいし…最悪だな…」

つい今さっき、ちょび髭を生やした見慣れない服装の男が朕達に殺し合えと命令した。
朕は命令されるのは嫌いだったから反抗しようとしたら目の前の男が首から血を出して倒れた。
…朕はあの場面で一体どうやってあの男が死んだかが分からない。
ただ分かっているのは…

「この首輪が影響している、ということか」
117名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:30:49 ID:n9VnK4bo

始皇帝はそう理解すると先程まで歩きにくかった着物を脱ぎ捨て、歩きやすい格好になった。その方がいざとなった時動きやすいし、体力の消耗も少ない。

「まるで薊柯に殺されそうになった気分のようだ…」

始皇帝はそう覚悟して支給品の十字が刻まれた盾を持ち、また歩き始めた。



【始皇帝】
〔状態〕COOLになれ始皇帝
〔装備〕十字軍の盾
〔道具〕十字軍の盾
〔思考・状況〕
1、この殺し合いを止め、皇帝になる
2、比較的協力はしたいが用心したい
3、COOLになれ始皇帝。朕はやれば出来る子


※皇帝即位時の参戦です。
118名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:33:52 ID:n9VnK4bo
>>117
始皇帝の現在地書き忘れてました。
【一日目/深夜/小道】
薊柯の字とか間違ってたらすいません…
119名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/21(日) 23:59:44 ID:s2/xASq5
投下乙と言いたいとこだが>>81で始皇帝出てるんだぜ
120名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:03:48 ID:9jhC3YA/
>>119
81の前の時間じゃね?
121名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/22(月) 00:05:16 ID:n9VnK4bo
>>119
ああ…そうでしたね…すいません。
すいませんがこのSSは破棄という事にして下さい。
ご指摘ありがとうございました。
偉人達確認してから出直します…
122名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/23(火) 02:18:09 ID:jTNW1jrG
>>2に吹いたのは俺だけでいい
123名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 11:04:26 ID:fsZhxtGl
まさかこんな良スレになるとは最初は思わんかった
124名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 20:29:25 ID:IX+24KXE
保守
125名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/03(金) 12:12:08 ID:XhCm4CZ6
生年順に並べてみた。ソースはウィキペディア。

ピタゴラス 前582-前496
孔子 前551-前479
アレクサンドロス大王 前356-前323
アルキメデス 前287-前212
始皇帝 前259-前210
ハンニバル 前247-前183
項羽 前232-前202
カエサル 前100-前44
クレオパトラ七世 前70-前30
曹操 155-220
カール大帝 742-814
ノルマンディー公ウィリアム 1027-1087
エル・シド 1045-1099
サラディン 1137-1193
リチャード獅子心王 1157-1199
チンギスハン 1162-1227
イブン・バットゥータ 1304-1368
エドワード黒太子 1330-1376
ジャンヌ・ダルク 1412-1431
コロンブス 1451-1506
レオナルド・ダ・ヴィンチ 1452-1519
ミケランジェロ 1475-1564
エリザベス一世 1533-1603
ガリレイ 1564-1642
シェークスピア 1564-1616
ヴァレンシュタイン 1583-1634
ルイ十四世 1638-1715
ニュートン 1643-1727
ワシントン 1732-1799
ゲーテ 1749-1832
マリー・アントワネット 1755-1793
ロベスピエール 1758-1794
ネルソン 1758-1805
ナポレオン 1769-1821
ベートーベン 1770-1827
リンカーン 1809-1865
ダーウィン 1809-1882
ファーブル 1823-1915
西太后 1835-1908
ゴッホ 1853-1890
ヒトラー 1889-1945
126名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 15:17:38 ID:2hATE6UT
乙。
……改めて見るとカオスなメンバーだなw
紀元前から第二次世界大戦(ぐらい)までって歴史認識の差が凄そうだ
127名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 19:16:55 ID:5G4KFzOG
そもそも世界の他の地域のことを知ってるキャラも少なそう
128名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:57:43 ID:NfPjfLbK
日本人がいないという不思議!まあ徳川家康とか織田信長が出てもどうなることやらだが
129名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 14:16:55 ID:/4jyNZfb
最近の人物がいないのはやっぱり色々とヤバイからかw
130名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 14:20:27 ID:yv1TFzaF
会津史の嘘またもや暴かれる

ネットを中心に物議をかもしてる会津史だが
この度、官軍による死体埋葬の禁止令が嘘だったと明確なものとなった。
元々「会津人の証言」という5次史料以下の代物を
会津系作家と会津観光協会が推して来た信憑性のないものだったが
福島県から「死体埋葬記」が発見され、会津史の創作に駄目出しを推す形になった。
5次史料以下の証言で建設した死体埋葬禁止令の慰霊碑や
推進してきた会津系作家や会津の言動が注目されています。

ソース:福島日報
131名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 14:06:41 ID:UaiFONNq
age
132名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 22:58:29 ID:Ex2SNMNP
期待保守
133名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/06(木) 03:51:54 ID:dG23gQ4+
良スレ保守
134創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 17:18:26 ID:lk1ruqoM
投下来ないかなー
地味に楽しみにしている自分ガイルw
135創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 22:18:50 ID:Fi/GHKtG
俺も楽しみにしてるw
136創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 21:39:03 ID:ro6G+j5U
>>109より
未登場:アルキメデス、孔子、アレクサンドロス大王、ハンニバル、項羽、ノルマンディー公ウィリアム、リチャード獅子心王、イブン・バットゥータ
    エドワード黒太子、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、コロンブス、ヴァレンシュタイン、ガリレイ、ニュートン、
    マリー・アントワネット、ロベスピエール、ネルソン、ワシントン、リンカーン、西太后

個人的に、ダヴィンチがどうなるのか楽しみ。少年が好きだったらしいし……w
書きたいけど、把握とかどうすればいいんだこれwww
名前すら知らない人とかもいるからまずは歴史の勉強か
発言が残っているならそれで口調とか性格とかを…でもカエサルとかクレオパトラみたいに崩壊している人もいるしw
137創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 21:47:47 ID:a5n7oBnl
もうオリキャラ上等でいいよw
138創る名無しに見る名無し:2008/11/24(月) 17:23:32 ID:OtdDPmc8
キャラはともかく、その人物がいた時代の歴史的背景を知らなきゃいけないって言う
ていうか地図無しでここまで来たの凄いなw
139創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 10:05:46 ID:2WvdTJSE
隻眼の男は夜道を歩く
「まったく、なぜこんな事に……」
辺りを警戒しつつも、思考を続ける
「殺し合いか。無駄な事をさせる。早急に国を立て直さなければならないというのに。まずは誰かに接触しなくてはなるまい。協力するにしろ敵対するにしろな」
名簿を思い出す
「アルキメデスには悪い事をした。今回も協力してもらえるだろうか。大王とはこんな時でなければぜひ会いたかったが」
ふと視界の先に小屋を見つけ、瞬間の迷いの後歩みを向ける
「他の人物はほとんど分からんな。大王やこの自分がいるところから見て、世界の偉人と言ったところか。まぁ、これでスキピオの小僧より上の事が世界によって示されたわけだ」
小屋まではあと10mもない。中からは何やら物音が聞こえる。辺りを見回し、より慎重に近付いて行った

【一日目・深夜・小屋(カエサル)前】

【ハンニバル・バルカ】(ザマの会戦後)
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:他人物との接触を模索
2:故郷への帰還を望む
140創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 13:24:36 ID:zfx680CN
ハンニバルキター!
141創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 10:12:02 ID:yHQgUwr/
期待age
142創る名無しに見る名無し:2008/12/01(月) 22:15:40 ID:iqN2usxi
小屋ってカエサルがいる小屋か
これは続きに期待
143創る名無しに見る名無し:2008/12/02(火) 22:59:58 ID:0n9n0tFe
「(ryクレオパトラに届け!」
思いよ届け!言ったよ!僕言ったよ!きっと伝わった……あれ?窓の向こうの方に人影?まさか……

見 ら れ た ! ?

というか聞かれた!?こっちくるよ。どうしよう。殺し合い乗るって言っちゃったよ!
はっきりと見えるくらいまで近付いて来た……ウホッいいおと……じゃなくてやられる!まずは落ち着いて話し合おうか!?
「やあごきげんよう。こんな夜中にどうしたんだい。落ち着いて話でもしないか」
「いや、何やら物音が聞こえたのでね。何事かと思ったんだ。話すなら、中に入らしてもらってもいいかな?」
とりあえず了承しといた。いきなり刺されない事を願おう。物音ってことは聞かれては無いのかな?

「お互い大変な事に巻き込まれたものだ。すまないが、何ももてなしはできない」
何とか落ち着いた雰囲気を取繕えたかな。見た限り、明確な敵意は持って無いように思えるし。少なくともすぐに刺される事はないはず。クレオパトラちゃんに会うまで死ねないし
「かまわんさ。こんな状態だしな。ところで、クレオパトラと言うのはエジプト王家のことか?もしそうならどういう関係なんだ?」
ばっちり聞かれてたみたいです。いつからいたんだ。しかもしっかり食い付いてきちゃってるし
「俺の嫁」
「何だって?」
聞かなかった事にされた。というかクレオパトラちゃんの王家知ってて、しかもあのリストの中となると凄い嫌な予想がするんですが。見た感じ軍人ぽいし
「ああその通りだ。エジプトの女王。私はただの知り合いだな。同じ人物を指しているかわ分からないが、もしかして君も縁のある者かな?」
ただの知り合いってとこでうさん臭そうな顔したな。ほんとにどこから聞いてたんだよ
「いや私は自国近隣にある国の話だから聞いた事があるだけで直接関わりがある訳ではない。しかし僅かでも繋がりがある者と出会えるとはこれは何かの縁か」
くそ太い運命の糸を感じるのですが。頼む予感外れてくれ
「それは奇遇なことだ。ところで、これからどう行動する?私としては、無用な争いは避けたい」
「私には、バールの神々に誓ったやらねばならぬことがある」
バールのようなもの?という電波を受信した。もちろん声には出さない
「そのために、何としてでも国へ帰還せねばならない。が、言われたままに行動するのは癪だし、そもそも私はそんなものは好まん。倒すのはヒトラーとかいうやつだけで十分、そう思わんか?」
144創る名無しに見る名無し:2008/12/02(火) 23:32:39 ID:0n9n0tFe
「私もその意見に同感だ。なんで言われた事をわざわざしてやる必要があるか」
うん。よく考えたら生き残れるの一人じゃクレオパトラちゃんとうにゃー出来ないじゃんな
「だから私は敵対する意思が無いものとは協力したいのだよ。君はどうだね?」
協力かー。はっ!もしかしてクレオパトラちゃんも誰かと協力してたら……相手は絶対に許さん。殺さねばなるまい。あ、女の子だったらいいや。むしろそうしてくれ。三人四人相手にモフモフにゃーも悪く無いんじゃね?来た、見た、ピーて
「私は敵対するつもりはない。とっととこのばかげた事を終わらせようか。ところであなたの名を教え貰えるかな?」
これ以外言い様が無いし。敵対すれば容赦しないって言われてるみたいなもんだし
「そうか有り難い。私の名はハンニバル。カルタゴのハンニバル・バルカだ」
ハンニバル来ちゃったー!!!???外れろよ勘!!
なんでローマ最大の敵と行動を共にしなくちゃならないんだ!バレたらヤられる!二重の意味でヤられる!!ハンニバルはローマのトラウマ
助けてアフリカヌス
助けてポンペイウス
助けてクレオパトラ
待て。落ち着くんだカエサル。ローマの神々を数えるんだ。相手は自分より前の時代の人物。名前を聞いても詳細は分からないはずだ。ここは誤魔化せ。動揺を顔に出すな
「私はカエサル。エジプトのカエサルだ」
クレオパトラちゃんの元へ行くためなら嘘だって平気さ


【一日目・深夜/小屋】

【カエサル】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式 +不明品1〜3
[思考]
1:この思いクレオパトラちゃんに届け
2:ハンニバルコエー
[備考]
身元の偽り

【ハンニバル】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1 とっととゲームを終らす
2 カエサルと一応手を組んでいる
145創る名無しに見る名無し:2008/12/03(水) 00:55:36 ID:tFySYNgi
綱渡りだなw
146創る名無しに見る名無し:2008/12/03(水) 01:00:38 ID:PXMvwkwh
そのころクレオパトラは…
147創る名無しに見る名無し:2008/12/03(水) 14:24:19 ID:3P/q53Sf
こんな今にも死にそうなカエサル見たのは初めてだw


今のところチームを組んでるのは
カエサル&ハンニバル
ダーウィン&ジャンヌダルク
カール大帝&サラディンか
どこもヤバそうだが
148創る名無しに見る名無し:2008/12/04(木) 10:20:47 ID:oCyM6Uk7
 やけに背の高い老人が、腰を曲げて家を喪った犬のように立ち尽くしていた。
 仰ぐように天に向かい、潤んだ瞳から涙を溢れ流しているが、決してそれを拭おうとはしない。
「由は義を貫き、淵は赤貧に果てた。仁に生きた我にが出来ようか」
 老いた彼の目に映るのは周公旦の姿であるが、問うても何一つ答えが帰ってこない。
 長年に渡る流浪の生活、道を解いても理解されぬ心労は彼の身体を蝕んでいる。
「日暮れて道遠し。残された時の幾漠たるや、我知らず」
 老いた彼に残された時間は少ない。否、もはやないだろう。しかし、死に行く老骨であっても彼は諦める事は出来なかった。
 それは殺し合いを生き伸びる、と言うことではなく失われた聖人の道を広げる事に他ならない。
 全てを捨てて世捨て人の様に陰棲するのでも、世を儚み石を抱いて汨羅に身を投げる事は出来ない。
 ただただ道を全うする。それだけが彼の望みだ。
 他の小人女人はすべからく醜く争うだろう。それは人の行いでなく畜生の行いに過ぎない。
 せめて自分はだけは人として、君子として死ぬべきなのだろう。それが自分の矜持であると、彼は考える。
 伯夷叔斉の兄弟は周の粟を食べるのを恥として首陽山にて果てた。ならば、と彼は自分も支給品の食料を食べるべきではない、とデイパックを投げ捨てた。
 木の根本に腰を降ろすと様々な想いが巡るが、彼はそれは未練であると切り捨てた。
 思い残す事があるならば、それは後の事である。死後、誰か自分を継ぐ者があるだろうか。それだけが気掛かりだ。
 冠が落ちた。彼は木が李でない事を確認すると、安心して冠を正した。
 殺されて干し肉にされた愛弟子の顔が思い浮かぶ。
「――由よ、君子は李下に冠を正さず。君子死す時は冠を正す――」

 人知れずして巨星墜ちる。
 孔夫子は道を全うしたが天寿を全う出来ずに、悲憤して果てた。

【一日目・深夜 孔子死亡】
149創る名無しに見る名無し:2008/12/04(木) 18:51:33 ID:IKyzR7yZ
いつの間にか結構投下されてるw
書き手の方々超GJです
150創る名無しに見る名無し:2008/12/04(木) 20:05:47 ID:np82Duwa
孔子誇り高いなw
151創る名無しに見る名無し:2008/12/04(木) 20:43:54 ID:JTvATGP/
登場話老衰死なんて話なのにクオリティ高いw
152創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 11:21:41 ID:1fBgQ6Bo
 その男は絶望の淵にいた。
 力は山を抜き気は世を蓋うと嘯いた彼は、共に生死を誓った僅かな手勢を失った事を嘆いていた。
 刀折れ矢尽き、手傷を負った彼の士気は低い。四方より祖国の歌が聞こえた時に、彼は生きる事を諦めていたのだ。
 かつて威光のからの凋落の寂しさは、哀しさは、甚だしい。
 虞美人は虞美人草となり、愛馬は名も知らぬ亭長に丁重に譲った。誰一人、馬一人として彼に付き従う者はいない。
 しかし、堕ちたと言えども万人の敵ならんとした万夫不当の彼に敵する者もない。
 彼の意思は一つ。出来るだけ勇猛に戦い華々しく散り、力及ばずして滅ぶのではなく天が彼を滅ぼすのだという事を証明するだけだ。
 彼は破れた訳ではない。股くぐりの匹夫や嫂と姦通した者など敵するにあわたず、成り上がり者など論ずるに能わず、彼を滅ぼそうとしているのは天意に他ならない。
 そう。前に敵はなく、彼の後ろに敵はなく、彼は天下に名を轟かせた西楚の覇王なのだ。
 ――剣は一人の敵、学ぶに足らず。我、万人の敵たらん。
 旗揚げした時の熱い情熱が身体を駆け巡り始める。
 先んずれば人を制す。降伏を認めず、秦兵10万を生き埋めにした気概が蘇る。天下を縦横に切り裂いた彼に怯懦はない。
 そう、彼が挑むのは天である。天が我を滅ぼすのなら、その是非を問わん。
 天道、是か非か。我が覇道、是か非か。
 支給品として与えられた異形の槍、御手杵を抜き放つ。巨大な穂先は彼にとって馴染み深い物ではないが、その重さがしっくりとする。
 振り回せば枯れ木が如きであり、風が切り裂かれてヒュンヒュンと唸る。
「亜父よ、鴻門の轍は踏まぬ」
 玉けつを挙げて決断を促した、骸骨を乞うた白髪の老臣を思い出す。その最後の諫言、豎子語るに足らず、が耳に蘇りもする。
「必死に生き、戦い、そして死ぬべし」
 昔、江東の子弟八千と共に江を渡れども、今は誰もない。散っていった彼らを慰める者は彼しかいない。
 彼の壮絶な生き様を天下に知らしめる事だけがそれを成し遂げるのだ。
 兵に勝敗あり。されど勝敗はなし。
 死地にありて死を決し、輝きを取り戻した大丈夫たる男子、西楚の覇王、項羽の最後の戦いの狼煙が上がった。

 余談ではあるが舜は重瞳子であり、項羽も重瞳子であるという。彼は英雄足り得るだろうか。

153創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 11:22:46 ID:1fBgQ6Bo
【項羽 一日目・深夜D−4】
[状態]疲弊せども士気は天を覆う。
[装備]御手杵
[道具]基本支給品
154創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 11:58:54 ID:XEebZpZT
項羽キター
155創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 14:42:11 ID:cc5yhKlQ
何気に武人で殺し合いに乗った人間って初めてか?
156創る名無しに見る名無し:2008/12/05(金) 20:31:54 ID:S5R5/WjZ
偉人と言うだけあって、みんな言いなりになるのが嫌みたいだしな
157祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:11:50 ID:DI67Pfx/

人々は彼をウォモ・ウニヴェルサーレ―――万能の人と呼称した。
絵画、彫刻、建築、土木、科学などあらゆる分野に精通する彼の他にこの名が相応しいものは居ないだろう。
彼は誰もが認める天才なのである。
それゆえに。だからこそ。
……このバトルロワイヤルに参加させられる羽目になったのである。


彼が目を覚ました時に居たのは何処かの講堂か何かだった。
正確には小学校の体育館に居たわけだが、彼の知識にある学校とはあまりに違うため講堂と捉えたのである。
気だるい頭を振りながら周囲を見回すとそこにいるのは彼だけではなかった。
皆、訝しみながら周りを見ていた。老人も子供も男も女も、全く関係がなくこの場にいるようだ。
さらには彼の認識が確かならば遥か古代の服装をしている者、あるいは見たことがない服装の者なども居る。
全く現状が掴めず首を傾げなにげなく手をやると何かが触れた。
「―――?」
それは首輪だった。何か金属で出来ていて、ぴたりと首に密着していた。
どういう絡繰なのかなにやら小さな明かりも点灯している。
周囲の人々もそれに気がついたのかざわめきが大きくなった、その時。

その男が現れたのである。
158祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:13:10 ID:DI67Pfx/


「諸君らは偉人だ!英雄だ!」
その男はいきなり声を張り上げた。その声量と言葉に室内のざわめきがぴたりと止まる。
彼も周囲の人々もその男を注視していた。
たった一言でこれだけの人々の注意を惹きつけるあたり、かなり演説術に長けているようだ。
「諸君らもご存じのとおり歴史に名を残すには何か他者より優れている部分が無ければならない」
その男は一同を見回す。
「例えば―――ここ」
男は右手の人差し指でこめかみをとんと叩いて彼の近くにいる老人を見つめる。……頭脳のことだろう。
「ここ」
続いて右頬をとんと叩いて彼より少し離れた美女に目を遣る。……容貌のことか。
「ここ」
さらに指で胸を示して部屋の隅にいた男を見る。……心。
「そしてもちろん―――ここ」
男は最後に左手で作った拳を示した。
―――力。或いは武力。
「諸君は私が選りすぐった各時代を代表する偉人である。
 よって諸君に力を貸して貰いたい。―――我が祖国をより素晴らしいものとするために」

男は大仰な身振りを交え演説を続ける。
部屋の一同は唖然としながらも男の話に惹きつけられているようだ。
話が確かならば此処にいるのは時代を代表する者たちである筈だが、
その彼らを惹きつけるこの男もある意味において時代を代表する者だということか。
「諸君は様々な才能に恵まれているが、一番秀でているのは誰なのか?
 最も秀でた才能とは何なのか?
 諸君らは興味がないかね?私は非常に興味がある。それさえ分かれば祖国の発展に大いに役に立つからだ。
 そこで私は祖国をより高めるために模擬実験を行おうと思う。
 諸君らはその実験に協力して貰いたいのだ。―――なあに簡単なことだ」
男は言葉を一旦切って一同を見回す。

「諸君らに、殺し合いをして貰いたい」


159祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:14:30 ID:DI67Pfx/



彼は耳を疑った。男の言っている意味がよく分からない。
他の者も理解しきれていないのか首をかしげ顔を見合わせている。
それでも武人らしき者たちは少しだけ眼光を強めているのは流石というべきなのか。
「では、順を追って説明しよう。
 諸君らがこの部屋を出て行く時に……ああ、一人ずつ時間をあけて出てもらうが、
 このデイパックを一つずつ配布しよう。
 中にはある程度の食糧飲料に地図と名簿、その他必要と思われるものが入っている。この支給品は皆一緒だ。
 そして最後に一番大切な装備品が一つ入れてある」
男は再び言葉を切り皆の理解を確かめるように見回した。
「この装備品は当たり外れが非常に大きいように設定してある。
 ……何故ならば運をも味方につけるのが真の英雄だと私は考えるからだ!
 しかし、薄幸というのもまた歴史に名を残すものであるから、運というものに自信がない者もいるだろう。
 安心して貰いたい。
『外れ』の装備品を引いた者が使い方次第で『当たり』の装備品を引いた者に勝利しうることは充分に可能である。
 諸君らならばそれが可能だと私は信じている」

160祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:15:50 ID:DI67Pfx/



淡々と、しかし大仰に男は演説を続ける。
その内容はどこか現実離れしていて、今だに彼のみならずこの部屋の大半の者が首を傾げているのも無理はない。
「ちなみに殺し合いの開始だが、この部屋を出たその瞬間からとする。
 つまり先に出たものほど有利になるわけだが、返り討ちにあう可能性もまたあるわけだから忘れないように。
 部屋を出る際、あるいは出てきた者を狙う際には注意を怠らないことをお勧めしよう。
 諸君が部屋を出た瞬間にニードルガンに襲われないとも限らないからな。
 ……それと、次に諸君の首の―――」
「ふざけるな貴様ァ!」
陶酔しきった演説を続ける男の言葉を遮ったのは軍服らしきものと大きな帽子を身にまとった男だった。
「貴様の祖国がどこかなぞ知らぬが、余は一刻も早くフランスの窮状を打破せねばならぬのだ。
 こんな愚か者の遊びになぞ付き合っていられるか!」
「……最初がまさか君とはな。―――いや、君だからこそ相応しいかも知れんな」
「貴様何を抜かしている。早く余をフランスに帰せ!民衆が余を待っているのだ、早く祖国を救わねば」
「それは不可能だ」
「不可能?……ふん、不可能という文字は愚か者の辞書にのみ―――」
軍人はそれ以上続けることが出来なかった。男がいきなり目の前に近づいたからである。
男は薄笑いを浮かべ、手に持った何か小さい装置を部屋中に見せびらかすように掲げた。
「私はドイツのアドルフ・ヒトラー。
 その節は我がドイツを属国にしてくれてありがとう、ナポレオン・ボナパルト」
ぽん、と小さい音がした。
言葉を終えるかどうかのうちに、ヒトラーが手に持った装置を親指で押した次の瞬間だった。
ナポレオンの体が一瞬停止し、その後首から大量の血を噴き出して倒れた。
その首は半分千切れている。―――首輪が爆発したのだ。
部屋の隅に居た少女の悲鳴が部屋中に響き渡った。


161祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:17:22 ID:DI67Pfx/

「静かにしてくれたまえ」
ちらりとヒトラーに目をやられて少女は悲鳴を呑み込んだ。
金髪の、華美な格好をした少女は何処かの王女だろうか。
―――きっと10歳に満たないであろうあんな子供までこの場にいるのか。
近くにいた大人が少女の顔を覆いナポレオンの死骸を見せないようにしてやっていたのを確認して
彼はヒトラーに目を戻した。
今、ここで騒ぎ立てることが得策でないことは皆が把握したようだった。
「流石偉人の諸君だ。状況を飲み込むのが早くて助かる」
ヒトラーはナポレオンには目もくれず一同に向き直ると、笑顔に戻る。
「先ほどの続きから説明しよう。……といっても諸君ならば全て把握してくれただろうがね。
 つまり、諸君の首に嵌っているのは見ての通り、爆弾だ。今は私がこの装置で作動させた。
 ―――ああ、安心してくれたまえ。今のは分かりやすく諸君に見ていただこうと考えてのことだ。
 あまりこれで死んでもらっては模擬実験にならないから可能な限り避けたいと私も考えている。
 ちなみに、私が手動で作動させる以外にも、外そうとしても勝手に自爆するから気をつけてくれたまえ」
首輪に手をやっていた何人かが慌てて手を離す。憎らしいくらいによく考えられた装置だ。
「さて、説明はほぼ終わりだが、最後に諸君が最も楽しみにしていることをお知らせしよう。
 つまり勝利条件と報酬だ」

ヒトラーは期待を持たせるかのように間をあける。実際に期待している者など誰も居ないのだろうが。
「諸君の中で最後まで生き残った一人の願いを何でも叶えよう!
 いいかね、な・ん・で・も、だ。どんなことでも構わない。不可能にみえることでも構わない。
 必ず叶えよう。……何故ならドイツの科学力は世界一だからだ!」
その時一瞬、どこかで欲望と狂気が生まれた気がしたのは―――彼の気のせいなのだろうか。


162祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:19:28 ID:DI67Pfx/

あの後、さらに小さな注意事項が加えられた。
「さあ諸君祝宴の始まりだ!」
というヒトラーの宣言とともに解散させられ、そして今彼は小高い丘にある大きな岩影に坐している。
彼とて混乱がなかったわけではないのでこうして初めから整理してみたが、
何度思い返しても馬鹿馬鹿しいとしか思えなかった。
―――戦争よりも馬鹿馬鹿しい。
戦争は嫌いだ。軍事技術の考案に明け暮れたこともあったが、それは過ちだったと確信している。
このバトルロワイヤルとやらは戦争よりも愚かで意味のないものだ。

よって彼のとるべき道は明らかだった。
―――ここから脱出する。
空を見上げてみる。以前鳥のような飛行機具を考案したことがあるが、それを発展させてはどうだろうか。
うまくいけば複数人運ぶことも可能かもしれない。
―――その前にこの首輪か。
脱出しようとして死んだのでは意味がない。まずはこの首輪を外すことを考えなければならない。
問題は彼にこの首輪の仕組みが全く分からないことだった。
きっとヒトラーの時代の科学技術は彼の時代よりも発展しているのだ。
しかし、未知の物を研究するのは彼の得意分野だ。
解体し、観察し、研究すれば首輪を外すことも可能なのではなかろうか。
―――そのためには首輪が必要か。


163祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:21:03 ID:DI67Pfx/

そう考えて彼は少し笑いたくなった。
解体用の首輪を得るということは誰か死んだ人間の首輪を探すということだ。
ヒトラーに逆らって死んだなら首輪は爆発してしまうのだから、
バトルロワイアルに乗った他人に殺された人間から首輪を貰うことになる。
―――己の脱出のために他人の死を願うわけか。
己の考えにめまいを覚えて少し頭を押さえた彼だが、すぐにあの時部屋に一瞬充満した欲望と狂気を思い出した。
……誰も死なないとはとても思えなかった。

頭をひと振りして彼は頭を入れ替える。
今やらねばならぬこと。今彼にしかできぬこと。それを考えるべきだ。
脱出は一人では不可能だし、また彼一人で脱出しても意味のないことだった。
己一人で逃げてもこのバトルロワイアルは終わらない。

まずは信頼できる仲間が欲しかった。
歴史に名を残す偉人達。この状況で信頼できるのはどのくらいいるのだろう。
腕に覚えのある者も多いのだろうから不用意に接触しても危険が増すだけだ。
彼は左手に持っている細長い筒を見る。
色々なものをよく見て研究することが大好きな彼にふさわしい装備品だ。


『万能の人』レオナルド・ダ・ヴィンチは周囲を「研究」し始めた。



【レオナルド・ダ・ヴィンチ】
[状態]健康
[装備]コロンブスの望遠鏡
[道具]支給品一式
[思考]
1 最終的には脱出する
2 1のために周囲を「研究」して信頼できる仲間を見つける
3 1のために首輪を「研究」して外す方法を模索する

164祝宴と研究の始まり:2008/12/07(日) 03:32:33 ID:DI67Pfx/
改めてオープニングを>2に沿って書いてみたw
ナポレオン書きたいって言ってた人が居たので迷ったけど、
死者リスト入りしてたのでそのままに。

一応ルールや装備などは原作に沿いましたが、
皆でいじくるのもできるように曖昧な書き方にしました。
細かいことはみんなで決めればいいかと……

歴史のことはwikiの引用盛りだくさんなので間違えてたらすみません。
あと>125氏には大変お世話になりましたありがとう!
165創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 12:02:18 ID:QIhllBCB
すげえええ、オープニング乙!!
クオリティ高えwww歴史的背景も把握していてGJ!
ヒトラーの演説も何となく雰囲気出ている
とにかくGJでした!



そしてまとめ

生存:カエサル、クレオパトラ七世、始皇帝、曹操、カール大帝、サラディン、チンギスハーン、ジャンヌ・ダルク、
   シェークスピア、エリザベス一世、ゲーテ、ベートーベン、ゴッホ、ファーブル、ダーウィン、ハンニバル
   項羽、レオナルド・ダ・ヴィンチ

死亡:ピタゴラス、ルイ十四世、エル・シド、ナポレオン、孔子

未登場:アルキメデス、アレクサンドロス大王、ノルマンディー公ウィリアム、リチャード獅子心王、イブン・バットゥータ
    エドワード黒太子、ミケランジェロ、コロンブス、ヴァレンシュタイン、ガリレイ、ニュートン、
    マリー・アントワネット、ロベスピエール、ネルソン、ワシントン、リンカーン、西太后

まだだ、まだ終わらんよ
166創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 12:17:11 ID:3S7a0KwQ
そして生存者の中でマーダー(殺し合いに乗った参加者)なのは
ゴッホ、シェイクスピア、ファーブル、チンギスハン、項羽かな?
167創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 12:54:00 ID:7myEyijr
「何者だ、貴様ら」

 少女を背後に置き、放たれれば容易く自分の身体を貫くであろう武器を構えた男を見て、彼は云った。圧倒的に不利な
立場に立たされているのはハンの方だったが、それでもその矜持故か、それとも本当に臆していないのか、彼は一歩も
引く事はなかった。それどころか挑戦的な眼差しで、挑発すらして見せる。少女を襲おうとしていた暴漢を打ち倒そうと
している二人は、それを見て敬服した。男の持つ指が矢を離れれば、ハンは一瞬にして命を落とすのだから。

「そのような幼い少女に暴力を振るうのは感心しない」
「ふん、何かと思えばそんな事。善い人を演じるのは楽しいか、偽善者よ」
「ならば悪とて同じ事よ。貴様は暴力を振るうのが楽しいか」

 男達はそうして睨み合う。しかし、弓を構えている男だけは、視線を別の所へ置いていた。そこには座り込みながら震える
少女の姿がある。少女は怯えた目付きで弓の先端を見詰めながら、はだけた服を必死に寄り合わせて震えている。しかし
男はそんな少女に笑顔を見せた。安心しても好いと云っているかのような笑顔である。少女は案外な顔をして男を見たが、
やがてそんあ少女にも花開くような笑顔が生まれた。そうして彼らは互いに頷き合う。――逃げる手立ては整っている。

「楽しいか? 馬鹿な事を聞く。楽しいからしているのだ。善き人が何を得する? あそこに集められた者達とて、偽善者
はきっと思った事よ。善い人を演じ続け、何も得せぬ内にこんな場所へ連れてこられ、そして積み上げた物は一瞬にして
灰燼と帰す。ならば壊してやろう。自分が壊されたのと同じように、全てを壊してやると。この戦いの中で、まだ偽善者を
装うと云うのなら、それは愚行だ。それが判らない訳ではあるまい。貴様は所詮、あの男に一番踊らされているだけだ」

 ハンは流れるようにそう云うと、脇差を天に翳す。彼が幾万の兵を従えた頂点に坐する男なのであると示すかのように。
 そしてその切先を二人の男に向かって突き付ける。貴様らは敵だ。幾万の敵を討ち滅ぼしてきた我の敵だと恫喝するように。

「さあ、かかって来るが好い! 我は逃げも隠れもしない。――このチンギス=ハンにかかって来るが好い!」

 ――正にその時、彼の中には油断が無くなると共に、ある一方で油断が生まれたに違いなかった。彼は目前の敵に対する
慢心を無くしている。飛んでくる矢でさえ手に持つ脇差で打ち払えるだろう。しかし、背後への油断は逆に肥大化したのだ。
彼の餌食でしかなかった小動物が、今この瞬間隠された牙を用いて、男を食い千切らんと襲いかかったのだ!

 小さな少女の特攻は、とても呆気なかった。音の背後から足に突撃をかけ、無防備な男は容易く重心を失い、身体の均衡を
失った。背中から倒れて行く中で、そしてまた背中が空虚であるのを知りながら、倒れ行く男は自分を死を大悟する。
 ――そして彼は見たのだ!
 倒れ行く中で、自分を見下ろす少女の瞳が恐ろしく冷たかったのを!
 自分が死ぬという絶対の現実を見た上で、口端を歪ませたのを!

 少女は確かに強くあった。少なくともこの戦いを切り抜けられる可能性を持つくらいには、素質を持っている。確認された
残虐性が、それを一層際立たせているのだ。何故ならサラディンは走ってこちらまで来いと示しただけに他ならず、決して
その暴漢を殺してから逃げて来いと云った訳ではないのだから。

 やがて何処からか、ぐしゃりと嫌な音が響く。
 サラディンのみならず、カールですら言葉を失った。あんなにも幼い少女が何故。
 ――人を殺して笑っているのか、と。






【カール、サラディン】
・少女に対して困惑。

【エリザベス一世】
[状態]健康
[装備]誰にも確認されていないが、サバイバルナイフ所持
[道具]支給品一式
[思考]
1:何かが芽生えた。

【チンギス=ハン死亡】
168創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 12:55:21 ID:7myEyijr
> 音の背後から足に突撃をかけ
男の背後から突撃をかけ

誤字訂正
169創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 13:16:14 ID:nijmLBHI
おいおい…本格始動しだしたぞこのロワ…
熱くなってきやがった…

ともかく書き手の皆様GJでした
170創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 21:59:01 ID:3EVldrU3
武器のサイズの制限とかあり?槍みたいのとか
171創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 22:39:30 ID:3S7a0KwQ
余りにもヤバそうな大きさでもなければ大丈夫だと思う
172創る名無しに見る名無し:2008/12/07(日) 23:08:40 ID:DI67Pfx/
デイパックに入っているとか書いちゃったけど
別にサイズは無視していいと思うw

他のロワとかだと他の参加者が普段持ってる武器とかがランダムに入っているってことがあるけど
ここだとどうなのかな。
ある程度規定した方がインフレしない気もするけど、どうなんだろう
173164:2008/12/07(日) 23:44:43 ID:DI67Pfx/
うわ……今見直してたらダヴィンチの装備品ジャンヌダルクとかぶってる……orz
書いた人超すいません。

書きなおした方がいい?
174創る名無しに見る名無し:2008/12/08(月) 09:00:14 ID:GWHI5ps0
>>173
精度や倍率が違うと脳内補完すればいいんでない?

銃の概念が無い人達が半分以上いるからもたせるもの迷うんだよなー
175創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 12:02:58 ID:EfIrGtRf
保守してみる
wikiで各人物のページ見てるがいい歴史の勉強になるなw
176創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 12:40:56 ID:lxU0wUFC
ここのまとめもそろそろ作るかな?
177貴婦人の決意:2008/12/14(日) 16:50:32 ID:a/x3g42V

マリー・アントワネットは心底困り果てていた。
「ここはお風呂はあるのかしら」
森の中を歩いて居るためか靴も服ももちろん体も汚れてきてしまっている。
―――あのヒトラーという男の人ももっと考えてくれればよかったのに。
どうせ連れてくるならば浴槽や替えの服などにも気を使って持ってきて欲しかったと思う。
が、考えてみれば男性などというものは往々にしてそんなものなのかもしれない。
マリーの周りでもそこまで気の利く男性はあまりいないのだから、
ヒトラーにだけそれを求めるのは酷というものだ。
人の上に立つ人間の心構えについて母がよく言っていたではないか。よく考えることが大切だと。
それでも、フランスに嫁いでからも続けている入浴をこんなところで止めたくはなかった。
なによりも……、入浴して寛げばこの不安から解放されそうな気がした。


マリーはまた座り込んで名簿を見てみた。
―――陛下のご先祖様までいらっしゃるわ。
確か太陽王と呼ばれた偉大な王である。その王までこんなところに連れてこられたのか。
……いや、偉大だからこそ連れてこられたのか。
あの場にいたのは全て偉人だとヒトラーは言っていた。
異国の人も多かったから誰がどんな人物なのか分からなかったけど、
太陽王の偉大さならばマリーだって知っている。きっと皆同じように偉大なのだろう。

が、マリーには分からないことが有った。
異国の人を含め王族らしき者たちが偉業を成したのであろうことはわかるのだが、
どこからどう見てもただの平民、むしろ貧民と呼ぶにふさわしい者も沢山いた。彼等は一体何をしたのだろう。
と、そこまで考えてマリーははたと思いついた。
―――彼らは従者なのね。
きっと偉人達と共に居た為に一緒に連れてこられてしまったのだろう。なんという不幸だろう。
いきなりこんなところに連れてこられて、偉人達に交じって殺し合いをしろだなんて、
どれだけ恐怖と不安に怯えていることだろう。
ならばマリーに出来ることは、いややらねばならないことは一つだ。
少し元気が出てきてマリーは立ち上がる。

フランス王妃として、偉大な家系の者として、
マリー・アントワネットは平民を見つけ出し慰めることにした。



【マリー・アントワネット】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1  平民(らしき人)を見たら慰める
2  お風呂に入りたい(最悪水浴びでも可)
178貴婦人の決意:2008/12/14(日) 16:51:47 ID:a/x3g42V

地位も名誉も金も美貌も知能も全て持っていた。
この世のすべては彼女の思うままだった。……人の命でさえも。
―――なのに、あの蛮族め。
西太后は唇を噛む。あの西の国の蛮族の男がそれを取り上げた。
こんな何もないところに連れてきた挙句、殺し合いをしろと抜かしたのだ。
殺し合いというのは西太后にとって『する』ものではなく『させる』あるいは『見る』ものだ。
自分が参加するなどあってはならない。武器を持って戦うことなぞ知能の足りない下賤の者がすべきだ。
屈辱だ。この自分が下賤の者と交わり競わねばならぬなど。
あの男の薄笑いを思い出し西太后は拳を握り締める。
―――なんでも願いを叶えてやるだと?
それは西太后のような者にこそ相応しい言葉だ。高貴な人間が下賤の者を操るための言葉だ。
それをあんな蛮族に言われねばならぬとは何と言う屈辱だろう。

このままでは済まさない、と西太后は思った。
あの男を殺さねば気が済まない。しかもただ殺すだけではない、苦しめて苦しめて殺さねば。
処刑の方法をあれこれと考えていると、とても良いことを思いついて西太后は手を打った。
―――今度は私が主催者になってやろう。
あの男は『なんでも』叶えるといった。
ならば、次は西太后がバトルロワイアルを開催し、そこにあの男をぶち込んでやるのだ。
あの薄笑いが恐怖にひきつるところを想像して西太后は舌舐めずりした。


そのためには勝者とならねばならない。
己が武器をもって戦うことなど到底考えられないから、誰か他人を操って西太后を守らせねばならない。
ならば他人と組む……というより操る他人を見つけることが必要だ。
平民でも弾避けくらいにはなるだろうし武人ならば武器を取って西太后を守らせることができる。
とそこまで考えたとき、近くの茂みが揺れた。

179貴婦人の決意:2008/12/14(日) 16:53:07 ID:a/x3g42V

「ああ、良かったわ」
現れたのは頭の軽そうな西の蛮族の女だった。
「あたくしはフランスのマリー・アントワネット。貴方は東洋の方かしら?」
その女は足を曲げて挨拶らしきものをすると西太后に向かって微笑んだ。
「最初に会うのが女の人だと少し安心ね。男の人だと少しだけ怖いもの」
西太后が無言なのをどう捉えたのか女はさらに近づいてくる。
「貴方はなにかお困りかしら?なにかあたくしにできることはある?」
―――この女は馬鹿なのだ。
西太后の正体も分からないのにこんな風に近づいてくるなんて。
が、馬鹿ほど操りやすいことも確かだ。……あちらから近づいてきたのだからこちらは利用するまでだ。
「私は西太后。困ったことだらけで、誰かに会いたいって思っていたの。……まずはこの首輪」
「そうよね、酷い装飾だわ。美しくないし、厳ついし。きっと職人の腕が悪かったのね。
 けど、安心して。フランスに帰れば陛下が外してくれると思うの。
 あたくしの陛下は錠前作りが得意なの、こんな首輪の鍵なんて簡単に作ってくださるわ」
「……あとは、一人で心細いわ。こんなかよわい女だけで」
「元気をだして。あたくしが一緒にいるわ。本当をいうとあたくしも一人で心細かったの。
 二人でいれば少しは怖くないでしょう?……そうだわ、二人で助けてくれる殿方を探さない?」
蛮族の女は西太后の手を包んで力を込める。
「一緒に居てくれるのね?」
「ええ。……そして泉を見つけたら一緒に水浴びしましょう?女性の嗜みですもの、貴方も気が安らぐわ」

男の中には西太后のように自分より賢い女は好まない愚か者も多い。
こんな愚かな女を連れ歩けば籠絡出来る男も増えるに違いない。
―――いざとなったら弾除け位にはなるだろう。
「お陰ですこし元気になってきたわ、ありがとうマリー」
女の手を振り払いたいのを我慢して西太后も微笑んだ。



【マリー・アントワネット】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1  平民(らしき人)を見たら慰める
2  助けてくれる殿方を探す 
3  お風呂に入りたい(最悪水浴びでも可)



【西太后】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1  優勝しヒトラーをバトロワに参加させる
2  1のために他人を味方につける
3  とりあえずマリーを上手く使いたい


180紳士の決意:2008/12/14(日) 16:54:39 ID:a/x3g42V


マクシミリアン・ロベスピエールは信じられない気持ちで名簿を眺めていた。
―――なぜあの女がここにいる。
彼の、いや全フランス国民の憎むべき対象の名前がそこにあった。
―――マリー・アントワネット。
国民の血税を浪費し財政を傾け、フランスを亡国に追いやろうとする愚かな美貌の王妃。
……あの女が偉人ということか。

ありえない、と彼は思った。
あの女が歴史に名を残すなど、決してありえない。
―――いや。
有りうるのかもしれない。旧体制を代表する愚かな王妃として名を残すのかもしれない。
だとしたら納得できなくはない。悪名もまた歴史に名を残すのだ。

彼は考えてみる。
あの女は今何をしているのだろう。
めそめそと泣いているのではないだろうか。
それとも早くも何処かの武人にでも殺されたか。
あの女が持っているのは美貌だけなのだからいずれにしても生き残るのは不可能だと思われた。
―――それでは困る。
あの女はこんなところで死んでいい立場ではない。
国民によって裁かれ、国民の前で懺悔し、国民の前で罪人として斬首されねばならない。
こんなところで野たれ死なれてもフランス国民の溜飲は下がらない。
新しい体制を作り上げる礎として国王と王妃の首は必要だ。そのくらいの役割は負ってもらわねば。
王妃としての役割も果たさずにこんなところで、
国民の知らないところで無残に死んでいくなどあってはならないことだった。


放っておけばあの女が死ぬのは時間の問題だった。
どうせ生き残る知恵も度量も有りはしないだろう。
―――死なせない、絶対に。
なんとしてもマリー・アントワネットを見つけ出しフランスへ連れ帰らねば。
あの女が死ぬのはフランスの地でなければいけない。


マクシミリアン・ロベスピエールはマリー・アントワネットを捜索することにした。




【マクシミリアン・ロベスピエール】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1  マリー・アントワネットをフランスへ連れ帰る
2  1のためにマリーを探す
3  1のために脱出方法を探る
181創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 16:57:23 ID:a/x3g42V
三人登場させてみました。

相変わらずwikiの引用だらけなので間違えてたらすみませんw
182創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 21:24:04 ID:iYakrzcP
もっとこいage
183創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 21:28:57 ID:haxDK0tF
西太后こえーーーーー
184創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 00:05:46 ID:iylCPOuj
連続投下乙!!
ここは地味だけどすごく面白いな
185創る名無しに見る名無し:2008/12/15(月) 05:13:28 ID:AC4B7cWn
未登場:アルキメデス、アレクサンドロス大王、ノルマンディー公ウィリアム、リチャード獅子心王、イブン・バットゥータ
    エドワード黒太子、ミケランジェロ、コロンブス、ヴァレンシュタイン、ガリレイ、ニュートン、ネルソン、ワシントン、リンカーン
186創る名無しに見る名無し:2008/12/16(火) 13:01:04 ID:6QScYERz
そろそろ地図が欲しいな
187創る名無しに見る名無し:2008/12/24(水) 15:12:19 ID:nYln90le
まとめサイトも欲しいな

今日はクリスマスだ、サンタよ作ってくれ
188自由の新たなる誕生を:2008/12/25(木) 15:12:39 ID:xsHO2+qv


今の自分はまるで奴隷のようだ、とエイブラハム・リンカーンは思った。
家畜のように首輪を嵌められ生殺与奪の権利を握られて。
挙句にこの究極の状況下ではまともな思考ですら封じられている。
―――こんなことがあっていいはずがない。
人間を家畜のように扱うなど。チェスの駒のように扱うなど。

ふと、体育館にいた人々を思い出してみる。
偉人ばかりということだが女性も子供も老人も、単なる一市民のようにしか見えない男もいた。
―――そんな人たちまで巻き込まれている。
リンカーンは遣る瀬無い思いを抱いた。
……もちろん勇猛な戦士や王族だからといって奴隷扱いされていいわけもないのだが、
なんとなく戦士や王族は己の力で道を勝手に切り開いていそうな気もして、
やはりリンカーンの関心は一般階級であろう人々へ向く。
―――闘わなければ。
リンカーンは拳を握る。
ヒトラーと闘って自由を彼らに与えなくては。……それこそが、リンカーンのすべきことのようだ。

一口にヒトラーと闘うといっても様々だ。
……武器をとるか?
これはリンカーン向きではないし他に向いていそうな人は沢山いた。彼らに任せるべきだろう。
……首輪を外して拘束力を弱めるか?
あいにくとリンカーンにそこまでの科学的知識はない。
かつて特許を取った装置もこの首輪を外す役には立たないだろう。
戦士には戦士の、学者には学者の、芸術家には芸術家の闘い方があるのだろうから、
リンカーンはリンカーンに相応しい闘いをすべきだ。
―――私は政治家だ。
ならば。
政治家には政治家の闘い方があるはずだ。


とりあえず態勢を整えるべく、ろくに確認していなかったデイバックを探っている時彼はそれを見つけた。
それと説明書を確認し、リンカーンは心の底から神に感謝した。
それは正に彼のためにあるといっても過言ではないくらい、とても相応しい『武器』だった。
―――全ての『人民』に『自由』を。
―――全ての『奴隷』に『解放』を。


エイブラハム・リンカーンは『武器』を握り締めて開けた場所を探すことにした。



【エイブラハム・リンカーン】
[状態]健康
[装備]拡声器
[道具]支給品一式
[思考]
1  人民の人民による人民のための自由をこの地上から絶やさない
2  1のために皆に呼び掛け、「演説」で皆の心を一つにする
3  1のために仲間を作る
189創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 15:15:46 ID:xsHO2+qv
メリークリスマス。
まとめサイトが作れないので投下してみました。

WIKIの引用だらけなので間違えてたらすみません。
知らない人ばっかで難しいですねえ
190創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 15:31:44 ID:WBRfBxvE
おお乙です。
リンカーンがどういう立振舞いを見せてくれるのか期待。
191創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 15:47:18 ID:7il89PWV
クリスマスプレゼント期待age


パロロワ乱立で削除の話あるけど
ここは平気か心配。
192創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 18:13:43 ID:3laPCXZS
ここは作品を発表してるから全然おkだよ
スレタイにあった作品発表をしてるスレは板趣旨に沿っているので削除しませんって
削除人さんが明言してる
193創る名無しに見る名無し:2008/12/25(木) 18:18:09 ID:vQevj5P4
数は少ないけど一つ一つやたら面白いもんね
194創る名無しに見る名無し:2008/12/29(月) 21:20:08 ID:h6jOYI4L
最近このスレが気になって仕方がないんだけど
三人ぐらいしか居ない気がしてとても不安w
ロワスレってどうやれば人が増えるんだろ
歴史版への宣伝は違う気もするし……

195創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 00:19:14 ID:PLajBdO6
俺もいるよ!
196創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 08:04:59 ID:8ik1/p/F
ここにいるぞ!
197創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 11:22:07 ID:FFRi0iXd
俺もいるぜ!
198創る名無しに見る名無し:2008/12/30(火) 17:44:34 ID:/LT2yCBc
俺も俺も!

……なんでこういう時だけ人が集まるんだw
199創る名無しに見る名無し:2009/01/04(日) 18:28:57 ID:f05Ig0oL
俺もいるよ!

実家帰ってて集まれなかった
200創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 09:15:38 ID:Aosjgahy
受験が終わったら本気出す…
201遥かなる旅路:2009/01/05(月) 16:50:25 ID:tZtDjomU
「狭い……狭い……狭い……狭い……」

ぶつぶつと、ぶつぶつと。
独り言を呟きながら殺し合いの地を歩き回る男が一人。
年は四十歳を過ぎた頃か。
肌の色からして東洋人だろう。
どう見ても英雄とは取れない凡人にしか見えない男が、何事かを病的なまでに繰り返し唱えている様は、
一種、異様な迫力を醸し出していた。
突如、悪趣味な殺人遊戯に巻き込まれ、気でも狂ってしまったのだろうか?
そうであるなら納得も同情もできるが、しかし、はっきり言って、進んで係わり合いになりたいと思う人物はいないだろう。
が、例外というのはいつの世にも居るもので。

「おい!!」
「へ? って、うわ!?」

突然の呼びかけに、己が手にしていたある物しか目に入っていなかった男は驚き、久しぶりに顔を上げる。
自分の世界に入り込んでいた男は気付いていなかったが、彼の目前には別の人間が聳え立っていた。
そう、聳え立って、だ。
何も話しかけてきた男の背が無茶苦茶高いというわけではない。
なのに、どうしたことだろう。
この上ない威圧感が、見知らぬ男の身からは感じられた。
鍛えられ、がっしりとした器も、その中身の前には到底霞むというもの。
そして、東洋人はやっと現状を認識する。
あろうことか眼前不注意だった自分は、男に対し正面から衝突していたということに。
そういえば頭が痛いと今更のように感じたが、それどころではない。
もしも腹を立てた男に襲いかかられでもしたら。
旅で鍛えた腕っ節が弱いとは思わないが、勝てる気は更々しなかった。
しくじった。
初対面の人間とも接しなれた自分らしからぬミスを嘆く。
後悔する間も与えず、日焼けした白人の男は、漸く冷静さを取り戻した男の手を強く掴む。
恐怖に黄色人種から青色人種にジョブチェンジ。
心の中でヒトラーに先ほどまで同様罵声を浴びせだす彼に、されど、いつまでたっても死は訪れはしなかった。
どころか。

「おお、お前もそう思うか! 全く、なってない、なんてなっていないのだ、あの男は!!
せっかくの未知の地だと言うのに、よりによってこのアレクサンダーをこんな狭い地に押し込めるとは!!」

なんか合意されちゃったりしている模様。
普通の人間なら戸惑うところだが、そこはそれ、1分前には見るからに危険人物だった東洋人。
ぱっと顔を綻ばせ、我が意を得たりとアレクサンドロスの手を握り返す。

202遥かなる旅路:2009/01/05(月) 16:51:30 ID:tZtDjomU
「分かりますか!! そうです、そうですよ!! 気がつけば見知らぬ場所にいた……。
こんな奇怪で面白い体験はまたとないのに、連れて来られたのは巨獣が跋扈する地でも、黄金伝説が囁かれる地でもない島一つ!!
ご丁寧に地図まで用意してくれちゃって、これじゃ探索する楽しみも半減だ!!」

常識人なら面食らう程に熱く語り出す男。
仮にも王を前に無礼ともとれる行動だが、同士を得たとばかりに笑うアレクサンドロスも大きく頷く。

「全くよ! 運命とは自ら切り拓くもの。 地図もまたしかり!! 己が足で歩き、征服し、作りこんでいくからこそ遠征はおもしろいのだ。
大体なんだ、この首輪は。見てもちっとも分からぬ技術ばかり。このような興味深いものを作れるのなら、もっと堂々と余に見せてみるが良かろうに!!」
「名簿だって同様です!! ほら、過去の英雄ばかり!! その様子だとあなたはかのアレクサンドロス大王なんでしょ?
うわ、感激だなあ!! あなたの時代、あなたが旅した地のことを是非教えていただきたい!!」

そのハイテンションっぷりにすらーっと流される驚愕の事実。
未知の世界に足を踏み込みまくった経験故か、ちょっとやそっとじゃ驚かない――いや、むしろ驚愕すらも楽しんでしまう二人。
いつの間にか取り出した名簿を手に、談義は更に加熱する。

「ふっはっはっはっは!! そうかそうか、聞きたいか!! いいぞ、教えてやろう!! 
しかしその言い様、名簿に何人か過去の偉人の名が乗っていたからもしやと思ってはいたが……」
「聞いて驚いてください!! なんと、私はあなたの時代より千五百年以上も先の人間なのです!!」
「なんと、千五百年だと!? 信じられぬことだが、むむむ、それだと色々納得もできる。よもや未来にまで遠征することになろうとは!!
流石の余も思いもしなかったわ!!」
「私もです!! あなたほどの人と話をできるなんて、世界を周ったかってと並ぶ経験です!!」
「何、世界を? この我がついぞ為し得切れなかったことをそちが? 気に入ったぞ、男よ!! そういえば名は何と言う?」
「イブン、イブン・バットゥータと申します。とはいえ、実質には世界半周止まりもいいところでしょうが、ね」
「よいよい、そちが大物であるには変わりあるまい。しかし、ふむ、未来とな。
先ほど会場の外に出ようとしたら首輪から怪しげな声が聞こえたので悪魔か何かの仕業だと訝しんだのだがな」
「10秒の猶予をやろうと言ってましたね、あの声は」
「うむ。いくらなんでも全力疾走でも間に合わぬと退きはしたが、ええい、外には未知の世界が待っていように手をこまねくばかりとは!
何としてでも首輪は外さねば!」
「同感です! 我々の更なる冒険の為に!」
「いざゆかん!」

がしっと握手を交わす二人の男。
今ここに世界を駆け巡った二人が、新たなる舞台を踏破しようと行動を開始する。
目指すは未知なる新世界。
首輪の解除も、主催者の打倒も、単なる過程にしか過ぎない。
さてさて、彼らの行方はいかに?
203遥かなる旅路:2009/01/05(月) 16:51:48 ID:tZtDjomU

【アレクサンドロス大王】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式 、不明支給品
[思考] 基本思考:未知なる世界を楽しむ
1まずは島の各所を見て回る
2島の外を探検したい
3上記の為に首輪解除
4未知の技術や文化を取り入れたい

【イブン・バットゥータ】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式 、不明支給品
[思考] 基本思考:未知なる世界を楽しむ
1まずは島の各所を見て回る
2島の外を探検したい
3未知の技術や文化を取り入れたい
4他の英雄たちからも冒険譚を聞きたい

「あ、言っておきますけど私、男色の気はありませんので」
「うぐぐ、残念だ」

あ、なんか普通に駄目かもしれない。ちゃんちゃん♪
204創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 18:25:27 ID:X2PZ5KDJ
最後ワロタw
いいなあ。なんて熱さだよこの二人。
205創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 20:41:16 ID:Aosjgahy
アレクきたー
だんだん出そろって来たねぇ
206創る名無しに見る名無し:2009/01/05(月) 23:03:23 ID:PrXY79s8
やべえ面白くなってきたぜ
207走れ、ネルソン:2009/01/06(火) 08:19:18 ID:4JWvVKhY
 ネルソンは激しく怒っていた。
 かの暴虐な独裁者――アドルフ・ヒトラーを打ち倒さずにはいられなかった。
 ヒトラーが気違い染みたゲーム、バトルロイヤルを主催しているからではない。
 ヒトラーが狂人である事は彼も心得ている。かの男ならやりかねない、とネルソンは考えている。
 何故ヒトラーが生きているのか? という疑問がないわけでもないが、ナチスに関わるオカルト的な噂は枚挙に暇がない。
 例えば、ラスト・バタリオンなどと言うものはナチス・ドイツという狂気の集団の産物として、様々な創作物の題材として重宝されている。
 故に、そんな事はネルソンにとって些細な事に過ぎない。
 問題は、ヒトラーが人種差別主義者である事だ。
 ヒトラー及びナチス・ドイツが行ってきた人種差別は、ネルソンにとって看過する事は出来ないのだ。
 ネルソンには温厚な政治家としてのイメージが強いが、人種差別と戦った闘士でもあるのだ。
 ヒトラー対する、人種差別に対する憤怒が眠らせていた闘士としての熱き血潮を呼び覚まし、静かなる闘志がさざ波となって湧き起こる。
 肉体はマグマの様に熱くなるが、さめた闘志は氷のように冷たく鋭利になる。
「――まずは装備を確認しましょうか」
 ネルソンは誰となく、それとなく呟き、支給されたデイパックを開けた。
 食料、水、参加者の名簿、そして大きなブルーダイヤ。
 武器の類いがない事に落胆するが、名簿に眼を通す。
「ほう、これは」
 名簿に記載されているのは名だたる偉人ではあったが、ネルソンはほくそ笑む。
 ざっと見たところ、みなネルソンよりも過去の時代の人物ばかりである。
 ネルソンの情報は他の参加者に漏れる事はないが、何人かの参加者の情報はネルソンは持っている。
 情報はアドバンテージとなるのだ。
「おや? まさか……」
 ネルソンは看過出来ない人物の名を見つけた。
「エイブラハム・リンカーン……奴隷解放の父か!」
 リンカーンの名を見つけると先程見せた落胆の表情が明るくなった。
 黒人として忌まわしきアパルトヘイトと戦ったネルソンは、アメリカにおいて奴隷を解放したリンカーンの存在は心強い。
 夜空に浮かぶ月が、大きなブルーダイヤ――ホープのダイヤの光が、ネルソン・マンデラを照らしていた。

208創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 08:19:34 ID:4JWvVKhY
【ネルソン・マンデラ】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式 、ホープのダイヤ
[思考]
・バトルロイヤルとは関係無しにヒトラーを倒す。
・出来ればリンカーンと合流する。
209創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 09:02:05 ID:Lr0i0DuC
ちょwwwネルソンってそっちかよw
歴史上の人物じゃないしw
210創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 12:27:37 ID:CIXoWKsR
発想の勝利だなw
っていうか支給品でいきなり死亡フラグが立ってるんですけどぉぉぉ!
211創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 13:43:05 ID:NwvWhZ/F
リンカーンも拡声器だしな〈死亡フラグ
212創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 14:58:56 ID:7332b/4S
アレクサンドロス大王とイブンのコンビいいなw
なんか見ててすごく癒される

ネルソンはww
213創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 15:52:26 ID:VdZZLcX8
未来からの出場者とはw
214創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 19:03:33 ID:w8MeFTW0
ちょ、提督じゃねえーw
いや、ちゃんと現在進行形の歴史上の人物だからありだけどさw
215創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 20:01:58 ID:9kK4E7/O
世界史取ってなかったから人物が全く分からないんだよね
でもここの話が面白いからついついwikiとかで勉強したくなるんだよなw
216数学者は真理を掴む:2009/01/07(水) 00:31:18 ID:DGM9rnSr

「私の円を壊さないでくれ」
シラクサのアルキメデスは顔を上げずに男に言った。
その言葉で足もとの図形に気がついた男は一歩退いて少し目を開く。
「これは……凄いな」
男の足元の地面には様々な円や円柱、数式などがびっしりと書いてある。
「その丸は円ではなく球だ」
男の視線に気が付いたアルキメデスはペン代わりの木の枝を動かしながら呟く。
平面では分かるわけもないのだが、それでもアルキメデスが今している計算は
「円について」ではなく「球について」であることをきちんと主張しておきたかった。
男はしばし黙った後、地面の図形を消さぬよう草むらを踏んでアルキメデスに近寄ってきた。
「……あんたは、この状況をどう思う」
男が横に座り込んで呟いた。アルキメデスは初めて手を止めて顔を上げる。
「興味がない」
「……興味がない?命がかかっていても?」
「今の私の興味は己の命ではないよ。これなんだ」

アルキメデスは地面をさす。地面にびっしりと書かれた図形と数式。
これこそが今のアルキメデスの最大の興味だ。
「私にはずっと頭を悩ませている難問があってね。―――それを解くための閃きをさっき急に得たんだ。
 しかしこの閃きってのは厄介でね、早く形にしないとすぐにどっかふわふわ行ってしまうんだ。
 ……だからちょっとでも早く形にすべくこうして捕まえようとしているわけだ。
 余計なことに頭を回している暇はないよ。取り掛かったことはすぐ済ませてしまわないと」
再び木の枝を動かしながらアルキメデスは男に笑う。
「……分かる気もするな」
男は足もとの図形を見ながら呟いた。
「僕も一旦取り掛かったことはそのまま仕上げてしまいたいといつも思う。
 ……けど、邪魔が入って大抵は上手くいかない。
 偉い奴らにあれを先にしろこれを先にしろって言われてばかりだ。
 ―――それに僕はあんたみたいにいい考えが急に降ってくることはない。
 いつだって苦しまないといい考えが出てこない」
「私だって降ってきた閃きが使えることなんてほとんどないさ。大抵は仕方のないことばかりだ」
アルキメデスは枝を動かしながら苦笑した。
「僕は一回もない。―――あんたは凡人の僕と違って天才なんだな」
アルキメデスは再び手を止めて男の顔を見た。
少し鼻が曲がり気難しそうなその顔はいかにも芸術家然としている。
「あんたも凡人には見えないがな」
「そんなことはない!」
男は急に声を荒げ、そんな自分にはっとしたようだった。
「……済まない、僕はすぐにカッとしてしまうんだ」
「気にするな、―――それより済まないが少しだけ黙ってくれないか?あと少しで解けそうなんだ」

217数学者は真理を掴む:2009/01/07(水) 00:31:56 ID:DGM9rnSr


その後アルキメデスは黙々と計算を続けた。
途中、一息だけついたときに目を上げると男は男で一心に何かしていた。
アルキメデスは少し笑うと再び計算に戻った。

どのくらい時間が経ったろうか。
永遠にも思えた深く濃い時間だったが、月の傾きを見るとそれほどでもなさそうだ。
……ついに、アルキメデスは真理を捕まえた。
深く息をついてようやく顔を上げると、男は黙ってアルキメデスを見つめていた。
「あんたは何を作っていたんだい。さっき何かしていたろう?」
「……これを、あんたに」
男が差し出したのは片手で持てる大きさの石だった。
「もっといい道具があれば綺麗に彫れたんだが」
「これは有難い。まさに私のための彫刻だ」
その彫刻は円柱に球体がくっ付いているものだった。
多少歪だが間違いようもなく今まさにアルキメデスが図形で描いて計算していたものだ。
「ちょうどいい、これを使って私の発見を証明して見せよう」

218数学者は真理を掴む:2009/01/07(水) 00:33:18 ID:DGM9rnSr


喜々として説明するアルキメデスを男は見つめる。時折質問を挟むので有る程度の理解はしているようだ。
「よって、体積の比と表面積の比が等しく 2:3 である、となるわけだ」
「……分かったような分からないような気がするな」
「ははは、私の人生最大の発見がそう簡単に理解されちゃあ私も立つ瀬がないさ。
 ―――さて、そろそろ私は満足だ」
アルキメデスは彫刻を眺めながら顔をしかめて首をひねっている男を見た。
「もう私を殺してくれても構わんよ。―――私が計算を終わるのを待っていたのだろ?」
「…………あんたが天才じゃなけりゃ良かったのに」
「私は自分で天才なんて思ったことはないよ。きっとあんたもそうなんだろうな、自分じゃ否定するみたいだが。
 ―――ああそうだ、私のデイパックはあんたが使ってくれ。待っていてくれたお礼だ。
 食糧もあるし、なんだか武器が入っていた。
 説明書きもあったが私には必要がなかったから読んでいないがね。何かの役には立つだろう」
男はアルキメデスのデイパックを開いて武器を取り出した。すこし迷っているようだ。
それをみてアルキメデスは苦笑する。
「迷わないでくれ、私は満ち足りた気分で逝きたいんだ。
 人生最大の発見をした直後に死ぬなんて理想的じゃないか。何も得ないまま苦しんで死ぬなんて冗談じゃない。
 ……ああそうだ、最後にあんたの名前を聞かせてくれないか?
 私は―――その様子だと知っているのかもしれないがシラクサのアルキメデスだ」

男は己の名前をつぶやいて眼を伏せながらアルキメデスに武器を向ける。
そんな男にアルキメデスは最高の笑顔を向けた。
「君が待っていてくれたお陰で素晴らしい発見ができた。
 ありがとう、フィレンツェのミケランジェロ・ブオナローティ」


アルキメデスは自ら人生最大の発見と認めた「球とそれに外接する円柱」の彫刻を握り締めて崩れ落ちた。




【ミケランジェロ・ブオナローティ】
[状態]健康
[装備]アイスピック(支給分) リチャード獅子心王のクロスボウ(アルキメデス分) 
[道具]支給品一式 ×2
[思考]
1  天才を殺す(努力派の凡人なら除外)
2 レオナルド・ダ・ヴィンチはとにかく嫌い
※アイスピックは岩を彫ったため少し損傷しています


219創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 00:36:04 ID:DGM9rnSr
【アルキメデス】  死亡(クロスボウ)



↑すみません忘れてました……
てなわけでもう二人登場。
最近人数増えたみたいで嬉しい限り。
wikiの引用ばかりなので史実と違ったらすみません。
220創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:46:40 ID:8txk1l+3
アルキメデス、良かった……のかなあ。
ミケランジェロ、テメーはダビデ像の下敷きになってしまえw

ネルソンの参戦時期が2008年11月4日以降だといいなあ、間違いなく参加者全員が絶句しそうだw
221創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 01:51:00 ID:uXoka+KQ
アルキメデスにしろ孔子にしろ、みんな独自の美学や信念や執着にまっすぐでいいよな
おもしろかったです
222創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 07:31:16 ID:Qj3cHdMV
アルキメデスゥー!!!
自分の生きた証となるものを打ち出してから死亡、か
この人なんかすごく好きだ
223創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 10:29:03 ID:RED/0I5A
ホレーショ・ネルソン「ちょ……俺もう出番無いの?」
224創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 14:46:15 ID:M0QW4bjL
ガリレイは暗闇の世界を歩いていた。その足取りはよたよたと覚束ないが、確りと大地を踏み締めている。

「殺し合い……か。馬鹿馬鹿しい」

フンと、鼻を鳴らし鼻白んだ。
殺し合いは彼の領分ではないし、彼はその様な事をする気もない。
ただ、願いを叶えられるという事には豊穣な美酒に比する程の魅了を感じる。
異端の烙印を押された自分の名誉を回復したいが、それよりも、なによりも故郷のフィレンツェの風光明媚な風景を、ガリレイは見たかった。

「全く……年老いても悩みは尽きる事がない」

一人ごちて嘆息すると、空気の質が変わったのに気付く。夜の寒気に混じり、敵意――否、濃密な殺気を感じたのだ。
殺気は、粘着質な感触でガリレイの身体を絡めとる。

「フハハハハーッ! 何処の誰だかは知らんが、我輩の万有引力の力で死ねっ!」

ガリレイは渾身の力を振り絞り、横っ飛びに飛ぶ。ガリレイには見えないが、先程まで彼がいた空間が拳大の石に寄って貫かれる。

「何者だ?」

「フン、我輩の名を知らんとは……。解らねば教えてやろう!」

力強い響きのある声が、ガリレイの周囲を支配する。

「我輩は希代の錬金術師――アイザック・ニュートン!」

「錬金術師だと?」

ガリレイはじっと身を動かさずに、ニュートンの気配を探る。

「凡愚には理解出来ぬか。ならば、我輩の万有引力をその身に刻み昇天せよっ!」

狂気染みた嘲笑が、ガリレイを包み込む。だが、ガリレイはニヤリと口端を歪める。
「この私が凡愚だと? ――面白い。異端と呼ばれし私の力を見せてやろう」

ニュートンは敵の放つ気の質が自分に近い事に気付いた。
手元にあるのはそこら辺で拾った唯の石。万有引力の法則をもってすれば敵をほふるには充分ではあるが、敵の威圧感は並々ならぬものがある。
が、ニュートンとて退く気はない。何故ならばニュートンには希代の錬金術師としてのプライドがある。
唯の怪しげな老人相手には退けない。

「かかってこないのか? 万有引力とやらの力を見せてみよ!」

「馬鹿め! そのような挑発に乗る程我輩は愚かではないわっ!」

ガリレイは、全身に力を溜め、握り拳を振りかぶる。

「――貴様に教えてやろう――。天が動いているのではない。地球が動いているのだ」

ガリレイは収縮された力を解放し、握り締めた拳を大地に叩きつけた。
刹那、圧倒的な破壊の嵐が吹き荒れ、轟音と共に大地が揺らいだ。

225創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 14:47:03 ID:M0QW4bjL
「軟禁されていた私が、頭の堅い審問官に――ひいてはローマ法王に見せる為に編み出した秘技・地動説!」

「ち、地動……説……だと?」

ニュートンの顔が恐怖と歓喜に歪む。
圧倒的な破壊の渦――地動説に、目の前の老人がガリレイである事に。

「ほう? 言葉もないか、若造」

ガリレイのしゃがれた声が、凶悪な響きが、ニュートンの脳髄を直撃する。

「――もし、貴君がガリレオ・ガリレイであるならば――このニュートン、とる道は唯一つ」

「地動説を見ても退かないか――その意気や良し!」

ニュートンは月明かりを頼りに疾風怒濤の勢いでガリレイに向かう。ガリレイは、その破竹の勢いに恐怖を感じるが、地動説の予備行動――振りかぶった構えを取る。

ニュートンは肉薄し、ガリレイは地動説を放つ。
空気を切り裂き、地を動かす力を秘めた拳は――ニュートンを捉える事は無かった。
「不肖、希代の錬金術師ニュートン! 天文学の巨人たるガリレオ・ガリレイ先生の教えを乞いたい!」

ニュートンはガリレイの足元に膝を折り、真摯な光を帯だ視線で、ガリレイを見上げる。
そこには一切の敵意はなく、敬意しかない。

ニュートンの声の清澄な響きに、ガリレイは拳を下ろした。

「ニュートンよ、私に何を学ぼうと言うのだ?」

「知れた事。――言葉には出来ぬ物。真理を追い求める確固たる信念!」

ガリレイはニュートンの言葉に、相好を崩した。

「ニュートンよ、その道は険しく果てない――。私とて拷問の恐怖に自説を曲げたのだ――」

ガリレイは糸の切れた操り人形のように地に倒れる。

「ガリレオ・ガリレイ先生!」

ニュートンはガリレイの手を取るが、その冷たさにガリレイが死に蝕まれている事を悟る。長年の軟禁生活、そして地動説がガリレイの体から生命を削ぎ落としたのだ。

「――ニュートン君。君は眩しい。私の到達出来なかった領域迄――君なら踏み込めるだろう。」

「――先生っ!」

ニュートンはガリレイに呼び掛けるが、ガリレイの瞳はニュートンの姿を捉えていない。

「おお……見える……私には見えるぞ! 懐かしいフィレンツェの……街が……」

226創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 14:47:41 ID:M0QW4bjL
「先生ーーーーーーーーー!」

ガリレイは息を引き取る前に、夢にまで見たフィレンツェの街並みを幻視し、死に顔は笑みに包まれていた。

ニュートンは、偉大なる先人の死に、慟哭する。

「先生の無念、この希代の錬金術師ニュートンが晴らして見せましょうっ!」



【ガリレイ死亡】

【アイザック・ニュートン】
[状態]悲嘆
[装備]そこら辺で拾った石。
[道具]基本支給品一式 ×2、ランダム支給品(未確認)
[思考]
1ガリレイの敵を撃つ。
2行く手を阻む者は倒す。

※万有引力は唯の投石。


猛烈にギャグを書きたくなったから書いた。
ぶっちゃけ破棄で良いです。

227創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 19:39:41 ID:O2l/xFxd
ちょw 超人技かよ
例え没でもまとめサイトには入れたいなあ
面白かったし幻のネタとして
228創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 20:18:59 ID:3R6eCax0
いやいや面白いじゃないかw
その前にこのロワで破棄とかあるのか?w
229創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 22:01:23 ID:t7WTijyL
※万有引力は唯の投石

ってあるしいいんじゃね?w
地動説はもう使い手いないだろうし、ちゃんと故郷への想いとか本人ネタ絡んでたし
230創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 23:47:07 ID:0zIRCZVi
何だこれ?何なんだ……。と思いつつおもしろかった。
231創る名無しに見る名無し:2009/01/09(金) 21:41:04 ID:Tgh5vpsT
個人的にはアリでいいとオモフ
232創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 07:04:03 ID:QdZCwcN3
残りの参加者入れ換えても良い?
233創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 07:47:25 ID:LLSI7ZJ/
一応最初の方でキリがなくなるからそのままで
とはなってたよね

ただ残りが地味な人が多いのも事実。
234創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 12:00:26 ID:GkjmPkys
「他が出揃ったのにある人物だけいつまでも書かれない」という状況になったらその人物は差し替えていいと思う
235創る名無しに見る名無し:2009/01/10(土) 15:03:36 ID:hPCDXrjo
入れ替えよりも足切りでいいんじゃない?
名簿外からアイツが出たからコイツも出すとかなるとキリがないし。
236輝く物は金か地位か宝石か:2009/01/11(日) 06:05:16 ID:1a+hbr9z
男は夜闇の中、隠すことなく晒した己が裸身に目を落とす。
正しくは自身の身体を写す水面に。
誤解なきよう言っておくが、別に彼は露出趣味を持っているとか、服を着ずに過ごす習慣のある蛮族の出身だとか、そう言う者ではない。
むしろ傍らに置かれた鎧を飾る宝石の数々を見るに、相当の地位の人物であることがわかる。
そんな彼が上半身だけとはいえ一糸纏わない姿になっているのは、あるものを確かめる為だった。
支給されたデイパック内から取り出したランタンが水鏡を照らす。
急な光量の増加に戸惑った男の眼は僅かな間の後、遂に探していた部位にピントを合わすことに成功する。
彼を死に至らしめた筈の矢に貫かれた部位へと。
そして知った。
矢傷が余すことなく治癒されていることを。

「フン、あの男、口だけではないということか」

縫合された後は僅かに残ってはいるが、なんら支障はあるまい。
どれだけ激しく動いたところで、恐らく再び傷が開くことはなかろう。
そう判断した男の口元に浮かぶは笑み。

「くっくっく、」

思いがけずに死から逃れ得たことに対する歓喜か?

「はっはっはっはっは、」

再び神なる地を取り戻す為の戦いを起こせることへの満足か?

「ああああっはっははははははははははははは!」

単に命を奪うことを渇望する狂った欲情か?


「……ふざけるな」

否。

「ふざけるな、アドルフ・ヒトラアアアアアアア!!」

断じて、否!
彼の内にあったのは純粋な怒り。
王たる彼に首輪を付けたことへでも、殺し合いの地に放り込んだことへでもなく。

「私は死ぬ筈だった。あの弓兵に殺されていた。戦いの中で。正当な戦闘をもって。その死を。私の最後を。貴様は、汚すというのかあああああああああ!!」

それが彼を思ってのイングランドの民によるものなら問題は無かった。
理解はすれど迎合する気はないあのスルタンのような慈悲によるものでも腹立ちはしたがまだ認めれた。
しかし、ヒトラーは違う。
奴はただ己が遊戯の為だけに彼を生かした。
キリスト教徒の彼にとって、死はなんら恐れるものでもなく、神に召されることだというのに。
その瞬間を彼は奪われたのだ、悪魔の手によって。
237輝く物は金か地位か宝石か:2009/01/11(日) 06:06:14 ID:1a+hbr9z
「なんたる屈辱、何たる侮辱っ!!」

彼だけではない。彼を殺した弓兵の勝利さえも奪われた。
戦場で熱さに負け鎧を脱いだ自分の愚行を悔いはすれど、彼は自身の仇を恨んではいなかった。
それどころか称賛さえしていた。
ライオンハートとまで称えられた自らを殺した相手だ。
貶めて何になる? そんなことをすればその程度の相手に自分は殺されたということではないか。
だからこそ、彼は死に際に下手人たる騎士を許すように言ったのだ。
それがどうしたことか。
のうのうと自分は生き延びてしまっている。
これでは面目丸つぶれだ。

傲慢なまでに誇り高いからこそ、彼の怒りは募っていく。
一度はいっそこの場で自殺しようものなら、殺しあえと言ったヒトラーの思惑に全く乗らなかったことになり、
最高の意趣返しになるのではとさえ考えた。

「そう、一度は、だ」

名簿に書かれたある名前を確かめた時、不覚にも彼の心は踊ってしまったのだ。
死んだ筈の人間。
決着を付けられなかった宿敵。
殉ずる教えも、信じる道も正反対だが、故にこそ惹かれる倒すべき男。
悪い冗談かと思ったが、ここに死んだのに生きている人間は既にいるのだ。
なら、ヒトラーの手で、あの男もまた蘇ったのだとしてもおかしくは無い。

現金なものだと彼は自嘲する。
されど仕方のないことなのだ。
奉じる神の違いから、召される先も異なってしまう。
決着をつける機会はここでしかない。

よって、

「悪いがまだかってと同じ死を迎える気はないっ!」

彼は、獅子心王リチャードは、瞬時に獲物を掴み、飛んで来た矢を切り払った。
彼の打破すべき敵、サラディンが使っていたのと同式の剣によって。

「殺されるならそれもよし、死なねば正しき流れに沿って、自ら命を絶つまでッ!!
そして、ヒトラー。我が唯一の心残りを晴らす機会を齎してくれた礼に、
この獅子心王リチャードを敵に回したことをたっぷりと後悔させてくれようぞ!!」

獅子は吠える。プライドという名の黄金の鬣を振るって。


【一日目 深夜 河原】
【リチャード1世】
[状態]健康
[装備]シャムシール
[道具]支給品一式
[思考]
1 サラディンと決着を付ける。
2 ヒトラーにどんな形でもいいから意趣返ししたい。
3 降りかかる火の粉は払う。
4 最終的に生き残ろうものなら自決する。
238輝く物は金か地位か宝石か:2009/01/11(日) 06:10:09 ID:1a+hbr9z




「自ら命を絶つだと? ふん、なら、俺が殺すまでもないということか」

リチャードの咆哮を鼻で笑い、狙撃手は身を翻し森へと駆けこむ。
リチャードとは違い、彼は命を賭けるつもりはないのだから。
纏いし漆黒の鎧が闇と同化し、あたかも彼の姿が消えるかのように目視に難しいものとなっていく。

「殺しあえ? ハッ、ちょうどいい。高等法院の奴から煩い出頭命令が来ていた所なんでな」

男の名はエドワード・オブ・ウッドストック。
百年戦争前期における主要な戦闘に参加し、ほとんど勝利を収めた優秀な軍人。

けれど、彼の心に信念や矜持は無く、

「人を殺して願いを叶える? OK、今までと同じじゃないか! さあって、何を頼もうかね、金か、土地か、地位か!」

求めるのは輝ける利権のみ。
 
【一日目 深夜 森】
【エドワード黒太子】
[状態]健康
[装備]クロスボウ
[道具]支給品一式
[思考]
1 優勝し大儲け
2 リスクは冒したくない
239創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 13:06:30 ID:59CJrrLm
投下乙
黒太子はマーダーか

しかし、リチャード獅子心王とかこういう系のキャラはやっぱり
異教徒を倒す>殺し合いから脱出
なんだなw
240創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 14:03:54 ID:nesyHiC7
獅子心王とかはほんとに戦争狂というかなんというか
241創る名無しに見る名無し:2009/01/11(日) 23:42:06 ID:aURNQizI
ブラックプリンスきたー

着々と出揃ってるな、楽しみ
242創る名無しに見る名無し:2009/01/12(月) 00:57:45 ID:+Y19XUVe
あと二三人で全員じゃね?
意外と頑張っているな地味キャラ多いのに……
243創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 20:54:37 ID:WqBjc8Zx
盛り上がってきたとこでそろそろ他のスレみたいに
予約制てのをやってみたいなあ
書き手は先を越される心配なしにじっくり書けるし
読み手はサラディンくるー!とか楽しみにできるし。

もちろん四五日くらいで日数制限してさ
・・・どうかなあ?
他のスレが羨ましかったんだよ実はさw
244創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 20:58:32 ID:nQFmedzR
いいんじゃないかなー
245創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 22:18:34 ID:xCIAIWTU
うーん悪いけど今まで通りでもいいと思うなぁ
ここはゆっくりしたロワだからいきなり予約制入れると焦っちゃいそうだ
延長とかで揉めることも多いって聞くし、いやいい部分もたくさんあるんだろうけど
とりあえずここの書き手さん達か書きやすい環境が一番だから
もうちょっと他の書き手さんの意見を待ってみたらどうだろう
246創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:09:51 ID:CFV2E20S
予約なしでいいんじゃない?
いつ来るか分からなくてふと確認すると投下来てたー!の方が楽しいな、俺はw
247創る名無しに見る名無し:2009/01/13(火) 23:24:50 ID:57t7mQA0
あー俺は予約制がいいかも

他のロワスレたまに行ったことないから一般的にはどうだか知らんが
書いてる間焦るんだよな早く書かないとこいつ誰かに書かれちゃうかもとか展開誰かとかぶるかもとか
俺が手早く書けりゃ問題ないんだろうが書いてる間他の投下が気になって気になってもー
こんな過疎スレなのにさw

ただ俺が予告して皆を期待させて満足させられる文章を書けるかというと物凄い疑問な上に
スレが伸びてて投下来た!?とわくわくしながらスレを覗くとすげえ楽しいのも事実だなw
248創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 03:10:05 ID:0oyuEtjT
ん〜、地図もまだないお祭りタイプのロワだし、このまま予約無しでもいい気もするけどなあ。
速度もそこまで早くないし。

ってか気軽で息抜きにもなるからたまに書いてんだしw
249創る名無しに見る名無し:2009/01/14(水) 08:41:18 ID:RpX7201L
地図とまとめ欲しいよなw
四五人しかいなそうだから難しいのかもしれんね
250創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 16:49:35 ID:J/NgqInV
「くくく・・・ここは、そうかやはり・・・」
男はこの場において余りに異質な風貌をしていた
「ならばここがあの・・・面白い。やってやる、ああそうさ。」
男は歩き出した。
その目はある確信を得た自信に満ち溢れていた

男 不明 (イレギュラー)
行動理念 ある確信を持ってそれに従って行動
武器 リニアレール式ニードルガン


251創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 16:50:11 ID:J/NgqInV
↑やっぱりスルーしてください
252創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 23:12:59 ID:2bnTA7AH
ヴァレンシュタインは悩んでいた。
「参ったな」
名簿をじっと見つめる。
どれもこれも、名だたる英雄ばかり。
「これだけ綺羅星のごとく並んでいると、果たして誰がいいものか悩む…」
ヴァレンシュタイン―最強の傭兵。
彼は主を求めていた。

彼は知っている。
自分に重大なものが欠けていることを。
それはカリスマか、あるいは人間性か、血筋といった正統性であるかもしれない。
さらに、軍事や政治に対する、自分のあまりにも合理的で繕わない性格が、王に相応しくないことを知っていた。
「私一人では、ダメだ」
まずは誰かに従い、彼と自分が生き残る。
その後主人を裏切って生き残れるか、それとも主人に裏切られて死ぬかは賭けだろう。
それでもこのまま一人でいるよりは勝率が上がる気がする。

ふと、後ろに気配を感じた。
253創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 23:14:13 ID:2bnTA7AH

「誰だ!?」
「きゃあ!」
持っていたグラディウスを構えると、悲鳴が上がった。
「王女…?」
(100年後のフランスではあったが)見慣れた王族の服飾と、女王には若すぎる年齢から
彼はそう推測し、剣を下ろした。
「いいえ、私はフランス王妃マリー・アントワネットですわ!」
誇らしげに言ってみせる。
頭の軽そうな女だな、と思う。
こいつよりはフェルディナントニ世の方がマシな気さえする。
「他に誰かに会われましたか?」
ひとまず情報は集めねば。
「人が名乗れば、そちらも名乗るのが貴族の心得でしょう」
「……ヴァレンシュタインと申します」
「まぁ…!三十年戦争でフランスの敵だった方ですね」
マリーもそれぐらいは知っていたらしい。
「でも許して差し上げます。感謝なさい」
なんで感謝しなきゃいけないのだ…。心の中でぼやく。
「マリー、あまり離れないでと言ったでしょう。…その殿方はどなた?」
西太后が現れ、ヴァレンシュタインの姿を確認する。
もちろんマリーとの会話を聞き、どうやら危害を加える気はないと知った上で姿を現したのだ。
「また女性ですか」
しかしマリーと違った、鋭い眼光と警戒を解かない態度に好感を覚える。
「私は西太后。守ってくださる殿方を探しています」
西太后はヴァレンシュタインに殺意がないことを知り、正直に言った。
「私と契約したいのですか?」
ヴァレンシュタインも西太后には興味を持っていた。
自分にないものを持ち、自分が持つものを持たないことに惹かれた。
この女なら、自分を捨て駒にはしないだろう。
武力を必要としているはず。
「ならばこのアルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタイン、貴公に仕えましょう」
西太后の手に口付けをする。
「さっそくお風呂を探してちょうだい!」
マリーが気が利かないと言わんばかりに命令した。
この女………。しかしまぁ、害はなさそうだし、最低盾にはなるだろう。
結局ヴァレンシュタインは言いなりになって、水場を探すのだった。
254創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 23:15:26 ID:2bnTA7AH
【ヴァレンシュタイン】
[状態]健康
[装備]グラディウス(カエサル時代のもの)
[道具]基本支給品一式
[思考]
1 西太后に仕える。
2 最後の二人になるまで裏切るつもりはない
3 アントワネットuzeeeeeee!


【マリー・アントワネット】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1 平民(らしき人)を見たら慰める
2 お風呂に入りたい(最悪水浴びでも可)


【西太后】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1 優勝しヒトラーをバトロワに参加させる
2 1のために他人を味方につける
3 マリーとヴァレンシュタインを上手く使いたい
255創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 03:42:59 ID:FER1j131
ヴァレンシュタインきたあああ!
なんか渋くてかっこいいなw
しかも優勝狙いっぽいのに、自分が最後に死ぬ可能性も考えた上で賭けと割り切ってるのがイカス!

あとマリー、空気嫁w
256創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 13:15:36 ID:pgux5mLv
ヴァレンシュタインかっこよすぎだな
あと、マリーは盾かw地味に死亡フラグがw
257創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 22:59:39 ID:LGd8aGGJ
二人の男が夜の闇に対峙していた。
この殺し合いの舞台では相手がどのような行動を取るのか分からない。
ゆえに二人は十分に距離をとって互いを観察しあっていた。
やがて、このままでは埒が明かないと思ったのか、片方の男がゆっくりと口を開いた。
「私はクリストファー・コロンブス。冒険家だ」
「なるほど。私はジョージ・ワシントン。君が辿り着いた新大陸で国を拓いた」
コロンブスはワシントンの説明に眉をひそめた。
「新大陸? 私が辿り着いたのはアジアだ」
「それは君の勘違いだったんだ。君が辿り着いたのは確かに……おい! 何をしている!」
ワシントンが話を止めたのは、コロンブスが支給品のサーベルを抜いたから。
そしてそれをワシントンに向けて振りかざし始めたからだ。
「うるさい! 貴様、私の大発見を愚弄する気か!」
「何を言うか。君が開拓した航路は確かに後の世界に重要な影響を及ぼしている」
「黙れ! 私は世界が丸いことを証明した! だから私が辿り着いたのが新大陸などであってはいけない!」
顔を真っ赤にし、我を忘れてサーベルを振り回すコロンブス。
ワシントンは半ば呆れ顔でつぶやいた。
「やれやれ、こんなだからアメリゴ・ベスプッチに新大陸の名を取られるんだ……」
錯乱気味のコロンブスとは対照的に、冷静に対処するワシントン。
彼は懐から支給された武器の拳銃を取り出し、性格に狙いを定めて引き金を……引いた。
「ぐっ……」
右肩から鮮血が流れる。
コロンブスはたまらず膝をついた。
「少し頭を冷やすがいい」
ワシントンはまた懐に銃をしまい、夜の闇に消えていく。
「私は行かなければならない。自由を取り戻すために」
それだけを言い残して。
258創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:00:20 ID:LGd8aGGJ
残されたコロンブスは考える。
本当にワシントンは新大陸から来たのか?
自分は間違っていたのか?
ここには世界中の人間が時代を超えて集められているという。
自分より後の時代の者からもっと話を聞こう。
そして、自分が世界に遺したものが何だったのか、真実を知りたいと願う。



【ジョージ・ワシントン】
[状態] 健康
[装備] リンカーン暗殺の銃
[道具] 基本支給品一式
[思考] ヒトラーを倒し自由を取り戻す

【クリストファー・コロンブス】
[状態] 肩から出血
[装備] サーベル
[道具] 基本支給品一式
[思考] 自分の航海について真実を知りたい
259創る名無しに見る名無し:2009/01/24(土) 23:32:53 ID:F8CC0f8H
うおおお新作できてるage!
ワシントンちょっと怖いぞwww
260創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 00:04:40 ID:qTR14DeE
未登場:ノルマンディー公ウィリアム、(ネルソン)

*ネルソンは>>1はホレーショ・ネルソンのつもりで出したかと思われるところ、
>>207-208はネルソン・マンデラとして登場させた。>>207-208を訂正するかは書き手次第。
261創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 00:06:39 ID:hh+4Ug9w
おおおおおおお
もしかしてもしかして全員でたんじゃね!?

誰か地味な人忘れてるかもしれないけどw
262創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 00:08:30 ID:hh+4Ug9w
ってさっそく忘れてた人がw
ごめんよ征服王……
263創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 00:14:31 ID:/kOXZ60F
マンデラは発想は素晴らしく面白いけど
今現在生きている人をこんなゲームに巻き込んでいいのか
ちょっと迷うよなw
264創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 01:04:38 ID:6tlSlNOQ
個人的には、歴史上の人物という点では間違いなく偉人の一人だし、問題は無いかと思う。
最も文明が進んだ時代からくるというのも面白いし。

まあとあるパロロワでは自国の現役総理大臣が参戦しているから(ry
265創る名無しに見る名無し:2009/01/25(日) 10:08:55 ID:Rz7XhWTh
マンデラさん駄目?
駄目なら破棄しても良いよ
266創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 00:46:49 ID:t9iMZQnT
じゃあマンデラさんに抗議されたらやめればいいんじゃないかな
267マンデラ:2009/01/26(月) 01:30:40 ID:pmA0QpBM
別にかまわんよ!
268創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 01:58:11 ID:K+OlNHko
某所より転載

俺>こんにちはマンデラさん
マンデラ>何か用かな?
俺>ロワに参加していますか?
マンデラ>している
俺>そうですかありがとうヨハネスブルグすごいですね
マンデラ>それほどでもない

やはりOKだった
しかもパロロワ出場しているのに謙虚にそれほどでもないと言った
すごいなー憧れちゃうなー
269創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 17:43:02 ID:WSNOSjLK
なにこの流れwwwwフイタw
270創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 20:02:52 ID:nBHiOLnP
やべえwマンデラさんかっこ良すぎww
271創る名無しに見る名無し:2009/01/26(月) 20:38:28 ID:oY33GcVY
いっそ提督のほうのネルソンはジョーカーにでも
272創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 18:44:32 ID:zdU9wdaf
>>268
チンギス、西太后「「か、かっこいいタルタル〜」」
273創る名無しに見る名無し:2009/02/04(水) 23:37:38 ID:nq9VjY7u
>>272
憧れちゃうにゃー
274創る名無しに見る名無し:2009/02/05(木) 22:55:27 ID:T+jzPVxY
>>273
クレオパトラ乙
275創る名無しに見る名無し:2009/02/11(水) 22:42:54 ID:3KhkTczX
シナリオは考えてるんだが、文章力がない…
会話ばっかりとか、会話が全然ないとかでもいいんだろうか?
(あまり公開したくないが、このスレを盛り上げたい)

ここ文章のレベルが高いから緊張する…
276創る名無しに見る名無し:2009/02/12(木) 00:45:39 ID:r/AZp7oN
明らかな矛盾があったりしない限り問題ない。

駄目な例:ワシントンが描写無く殺し合いに乗る。
277創る名無しに見る名無し:2009/02/13(金) 02:22:11 ID:Ai/nejvF
>>275
ある種お祭りみたいなもんだし、難しく考えすぎずに書いてみなはれw
278創る名無しに見る名無し:2009/02/14(土) 13:53:59 ID:wT1gQ+qD
会話が全然ないとか逆に読んでみたいな
279創る名無しに見る名無し:2009/02/16(月) 02:34:53 ID:sxLoMD85
ガリレオさんおめでとう!
ttp://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090215093.html
これもロワに参加したおかげですね!w
280創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 17:15:14 ID:oO/GgGCn
「ああ……あ……」
壁際に追い詰められた少女は、悲鳴とも嗚咽ともつかない声を漏らす。
背中には少女の退路を阻む冷たい壁。
そしてその反対側には、武器らしきものを手にして少女にゆっくりと迫る狂った太陽のような目をした男。
鬼ごっこはあっという間に終わり、彼女はもはや命を摘まれるのを待つのみの存在となっていた。
迫る男からは殺意は微塵も感じられないが、だからこそ恐ろしかった。
この男は「殺そう」と考えているのではない。あえて言葉にするなら「殺す」、それだけを考えているのだろう。
優勝して生還するでも、快楽のままに殺人を行うでもなくただ「殺す」。
倫理はなくとも理性を持った相手であればまだ戦う方法だってあっただろう。しかし、この敵相手には説得も交渉も無意味。
少女はここに到って、死を覚悟した。

思えば、自分の生涯はなんだったのだろう。
素性を隠し、本当の名前も隠し、ただ家名のため、領民のために尽くしてきた。
それが、最後にはこんな面妖なことに巻き込まれてこんな死に様を晒すことになろうとは。
(皆、すまない。イギリスの地を制するという我が望みは……)


「待たれよ」
壮年の男の声に、殺人者は息を止めて振り返る。
そこにいたのは、その身分を象徴する甲冑に身を包んだ騎士然とした男だった。
「どこの国、いつの時代の偉人かは知らぬが、無抵抗の相手に武器を突きつけるなど、恥ずべき行いだとは思わんのか?」
画家は男の声には答えなかった。そもそもその内容を理解できたかどうか。
ただ音も無く男に向き直ると、躊躇も思惑も無くその銃の引き金を引いた。
聞いたこともないような破裂音に、少女は失神せんばかりに驚く。
「ぬ……」
驚きは闖入した王とて同じことだった。男がその武器を自分に向けたのとほぼ同時に右足に強烈な痛みが走った。
見ると、鎧の隙間から鮮血が溢れている。
原理は不明だが、そのような武器らしい。
「名乗りもせずに攻撃するとは、そなたのわきまえている礼儀は随分私のものとは違うようだな」
威容を崩さないようにしながらも、王は顔を険しくした。
これほどの威力のある武器ならば、ひょっとしたらこの鎧すらも貫通するかもしれない。
それ以前に足をやらて、こちらに武器もないこの状況、間違いなく圧倒的に不利だ。
(おのれ……もはや、少女を無事に逃がしさえできれば僥倖といったところか)
勝算無く介入したことを後悔しながらも、王はどうにかこの殺人者を出し抜く手筈を練ろうとする。
が、次に画家の取った行為は王の予想を超えるものだった。
なんと画家は、自分に止めを刺そうともせず、少女を手にかけようともせずにそのまま走り去ってしまったのである。
「ま、待たれよ!! このような仕打ち、恥をかかされたにも等しい!!」
王は何とか立ち上がって男を追おうとしたが、右足の痛みに耐えられずにうずくまってしまう。
「大丈夫ですか?」
見上げると、男に追われていた少女が手を差し伸べていた。
「かたじけない。常の私であれば、あの程度の男に遅れなど取らぬところを」
つとめて穏やかに言いながらも、王の胸には屈辱感が渦巻いていた。
ヒトラーへの怒りで身を焦がしていた矢先に、またしてもこのような仕打ちを受けるとは。
しかしここで怒りに飲まれて我を忘れるわけにはいかない。この場所は今まで経験した殺しあいの場とは勝手が違う。
そのことは身に染みて学んだ。
あの男にはいずれしかるべき制裁を加えるとしよう。
「酷い怪我ですね……供回りの者等がおればこんな時にも慌てずに済むのですが」
少女は王の傷を見て、途方に暮れたように口を開く。そして自分の服の袖を破ると、それで傷口を巻いた。
「ほんの応急処置ですが、しないよりはいいはずです。どこかに道具があれば本格的な治療ができるのですが」
「心配には及ばない。この礼は必ず」
そう応じながら、王はこの少女の素性について考えていた。
この場に連れてこられたということは、それなりに業績を残した偉人であるはずだ。実際、相応の身分にあるらしい。
まだ若いようだが、どこかの王妃か領主の妻といった所だろうか。あるいは王かもしれない。
「申し遅れていたが、我が名はリチャード。イングランドの地を治める王だ。して、そなたは?」
その時王は、「イングランド」という言葉を口にしたときの少女の表情の変化に気が付かなかった。
そしてもちろん、この少女こそがイギリス征服王朝の始祖であるウィリアムその人であることなど、全くもって想像もしていなかった。
281創る名無しに見る名無し:2009/02/24(火) 17:15:59 ID:oO/GgGCn
【一日目 早朝 病院の外】
【リチャード1世(リチャード獅子心王)】
[状態]右足に重症
[装備]シャムシール
[道具]支給品一式
[思考]
1 少女と情報交換。ゴッホは絶対に許さない。
2 サラディンと決着を付ける。
3 ヒトラーにどんな形でもいいから意趣返ししたい。
4 降りかかる火の粉は払う。
5 最終的に生き残ろうものなら自決する。

【ノルマンディー公ウィリアム】
[状態]健康 実は少女
[装備]シャムシール
[道具]支給品一式
[思考]
1 リチャードと情報交換。

※ 父親からノルマンディー公の地位を継いだ数年後からの参戦です

【ゴッホ】
[状態]健康
[装備]拳銃
[道具]支給品一式
[思考]
1、出会う人間を皆殺しにする


さすがに女体化はまずいかなとか思いつつ
282創る名無しに見る名無し:2009/02/25(水) 00:21:37 ID:0lNfVuHt
おお、久しぶりに投下来てるぜ!
投下激しく乙です

リチャードかっこいいな、長生きしないタイプだw
そして女体化については、自分は構わないかと
283創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 00:19:36 ID:XOhQctIw
投下乙!
まさしく銃は剣より強しw
女体化?何、気にする事は無い。
284創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 00:49:08 ID:pvid9skV
新作きてるじゃないかー!!
リチャードといい、サラディンといい、ロリっ子に多くていいね。
女体化はどんとこいだぜー!
285創る名無しに見る名無し:2009/03/07(土) 21:23:39 ID:pPi9tZR+
保守
286創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 00:18:58 ID:+b93X64E
最後に出た時間と場所のまとめ

【午前零時/小学校(体育館)】レオナルド・ダ・ヴィンチ/●ナポレオン
【午前一時/教会】●ルイ十四世
【午前一時/灯台】●ピタゴラス
【午前二時/小学校(教室)】●エル・シド
【午前二時すぎ/森の中】カール大帝/サラディン/エリザベス一世/●チンギスハン
【午前二時半/小学校(職員室)】ダーウィン/ジャンヌ・ダルク/ファーブル/始皇帝

深夜辺り
【屋内】シェイクスピア
【民家の寝室】クレオパトラ七世/曹操
【小屋】カエサル/ハンニバル
【D-4】項羽
【森の中?】ヴァレンシュタイン/マリー・アントワネット/西太后
【森(河原近く)】エドワード黒太子
【島の南端】ベートーベン/ゲーテ
【場所不明】●孔子
【場所不明】ロベスピエール
【場所不明】リンカーン
【場所不明】アレクサンドロス大王/イブン・バットゥータ
【場所不明】ネルソン・マンデラ
【場所不明】ミケランジェロ/●アルキメデス
【場所不明】ニュートン/●ガリレイ
【場所不明】ワシントン/コロンブス

【早朝・病院の外】リチャード獅子心王/ノルマンディー公ウィリアム/ゴッホ

32/40
287創る名無しに見る名無し:2009/03/18(水) 00:09:23 ID:wprawQ9a
まとめお疲れ!
そしてこれから魅力的な人たちが死んでいくのか…むぅ
288創る名無しに見る名無し:2009/04/18(土) 22:50:00 ID:GPybKAmt
一ヶ月経過
289創る名無しに見る名無し:2009/05/19(火) 17:27:05 ID:nJURfXq8
さらに1ヶ月経過
290創る名無しに見る名無:2009/06/20(土) 01:49:57 ID:h168ZFbg
少女が見せた狂気は、ハンが息絶えたのを見届けると消えた。
「……怪我はないか?」
サラディンが駆け寄る少女に上着を貸してやる。
「ありがとう!」
ぺこり、と頭を下げる様子からは、先程の残虐性を感じられない。
「私のことはサラディンと呼んでくれ。こっちのおじさんはカールというんだ」
「ありがとう、サラディン様、カールおじさん!
私の名前はエリザベス」
にっこり笑ってみせると。
「待て!なぜ我がおじさんで、こっちの異教徒が様付けなのだ!」
カールが憤然と抗議した。
「サラディン様がおじさんって言ったから…」
「ははは、私のこともおじさんで構わない。それより…」
ハンの死体に目を向ける。
「あの人を埋めるから、少し待っていてくれ」

大振りの枝を使って穴を掘る。
「…見たか、あの時の顔を」
カールは手伝いこそしなかったが邪魔もせず、サラディンに話しかけた。
ただしその視線はエリザベスと周囲を、見張っている。
「ああ。あんな少女が、信じられない…」
「だが生き残るためには、そのしたたかさが必要なのかも知れぬ。
我々が守ってやっている間はともかく」
「…」
サラディンが手を止める。
「どうした」
「いや、思ったより話せる男だと思ってな。
もう私を殺す気はなくなったのか?」
「勘違いするな。一人では少女を守ることが出来ない。
あいにく私は、睡眠を取らずに見張りを続けることはできぬからな」
「ああ、そうだな」
「…ふん」
クックッと愉快そうに笑うサラディンを見て、カールが顔をしかめる。
「まずは少女のために、雨露をしのげる場所を探すぞ」
「分かった」
土を払うと、二人の男は少女とともに歩き始めた。
291創る名無しに見る名無:2009/06/20(土) 01:53:00 ID:h168ZFbg
【カール大帝】
[状態]健康
[装備]おもちゃの剣(投擲の為損失)
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を守る
2:無駄な殺人はしないが、異教徒には容赦しない

【サラディン】
[状態]健康
[装備]弓矢セット
[道具]支給品一式
[思考]
1:少女を守る
2:協力者を集め、ここから脱出する

【エリザベス一世】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式
[思考]
1:何を考えているか不明
292創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 17:40:52 ID:dwJF5lxt
投下乙
カール大帝いいキャラだなあw
293創る名無しに見る名無し:2009/06/29(月) 21:15:48 ID:s87LHvJJ
投下乙

かっこいいなこいつら
294創る名無しに見る名無し:2009/08/07(金) 21:22:12 ID:0PKY7uLs
保守
295創る名無しに見る名無し:2009/09/07(月) 16:35:46 ID:GmTxGMun
保守
296創る名無しに見る名無し:2009/10/05(月) 17:09:00 ID:rpV/ePLo
そろそろホシュ
297保守:2009/10/28(水) 01:52:59 ID:n2eVx/Am
保守
298創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 19:49:28 ID:RbsNIekW
保守
299創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 01:10:05 ID:sT1rYgBk
ほす!
300創る名無しに見る名無し:2010/03/23(火) 00:33:36 ID:p2xZOLX9
誰も居ない気がしつつ…保守
301創る名無しに見る名無し:2010/05/23(日) 22:00:01 ID:h2FvpYdy
ホシュ
302創る名無しに見る名無し:2010/06/06(日) 00:07:38 ID:WoCtq0dD
保守
303創る名無しに見る名無し
支援