1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
SF系のSS書いて論評でも文句でもいいから書き込め
ただし当てこすりはダメ
お、SF系か
あ。まてよ
SF系でSSっていうと、俺はショートショートの略だと看做すのだけども
今2chの創作系一般では、SS=サイドストーリー扱いだったりするじゃん
このスレが想定している内容がどちらなのか、一応
>>1の指向性を伺いたいなと思うですたい
ちなみに競馬関係の板だとSSはサンデーサイレンスの略だが
恐らくそれは関係ないはずだ
ネトゲ系だとSSとはスクリーンショットの略だがそれも関係ないな
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 23:22:07 ID:yIGLOmHe
>>3 ショートショートでもサイドストーリーでもどっちでもおK
書き込んでくれる人がかみさまです
セガサターンはちなみにシロ!
ある典型的RPG
洒落た世界設定はいいんだけどさぁ、どうしてこう突飛な物がないかねぇ。
この世界、全部が全部、どっかで見た事があるパーツの組み合わせ。CGの質は高いよ。高いけど、テクスチャがねぇ。
新参企業か、ドット絵時代をしっかりやってこなかったメーカーかな。
まぁね、メーカーなんてどうでもいいんだよ。
俺も今や落ち目とは言えど、まだまだメーカー問わず引っ張りだこな状況だからなぁ。
「勇者」という典型、それが俺に背負わされた使命ですから。
で、こういう柔らかい雰囲気のオープニングはよろしい感じなんだけどさ。結局んトコ、俺はこれから何を倒しに行くわけ?
早めに構造を理解しときたいんだよね。そしたらどこで誰に裏切られるかとかも予測立つし。やっぱ役者っつっても裏切りはいやなもんですよ。
俺は結局プレイヤーキャラであるわけで、台本を最後まで知らないからさぁ。感情移入しちまうとねぇ。
ヒロイン殺す風潮もどうにかしてほしいやね。
S社が酷いよな。殺せば盛り上がるとか安易に考えてるふしがある。
ハリウッド映画と同じ路線で形成してるし、質も最高だから、何度新作出ても飽きさせないみたいだけどねぇ。
まぁ、あの会社、もう俺なんかは使わないんだろうな。脚本家が変わったし、キャラクターに癖を求め出してる。
共感持てるテーマをやろうとしてる感じがする。
なにが共感だよ、リーマンか学生かオタク相手に暇つぶしの単純作業強いてるだけじゃん。
結局世界を救うんだろ? 世界をダメにしてる当のプレイヤーに操作させてさ。勧善懲悪の悪循環だね。
ん、誰か来た。ヒロインかな。パッケージにもでかく載ってたし、あれがヒロインだろ。
うわちゃー。絶句。あのねぇ、俺八頭身やんか。そいでなんでヒロインが五頭身半やねんな。
あー、そっか。つまるところこれ、そういう人向けのRPGね。んじゃ俺を操作してんのはオタク。
いやいやいや。嫌がってませんよ。嫌がってどうする。
そういう商売だし、こういう設定でも現に買ってくれたプレイヤーがいて、経済が多少でも動く。めっけもんじゃないか。
ヒロインの声優、声が絵と合ってないって。
いやいやいやいいんですよいいんですよ、その体型で黄色い声で話された方がストレス溜まるし。
いやいやいや、その場合でもやりますよ。はい俺主人公ですから。
それにどうせ出てくるでしょうから、そういうキャラ。
で、女性キャラはだいたい俺に好感持ってるって設定になるんだろ。
分かってる、分かってる。
ああ、俺一度でいいから悪女に転がされる役やりたいよ。
それが実際に悪女出てくると、必ずしばき倒すストーリーだからなぁ。
俺、そういう女が趣味なんだけどなぁ。悪女にどつかれたい方やねんけどなぁ。
3Dで立体的に腰をくねらせながら、ヒロインが喋る。
どうも、発言から見る限り、知的という設定になってるらしい。
あちゃー、ちょっと待てちょっと待て。まずいでしょこれまだオープニングでしょ?
さらに知的って設定の女の子のセリフに、
誤字。
今後の売上げに響くんじゃないでしょうか。
あれ、会話飛ばされちった。プレイヤーさん、誤字にむかついたのかな。
結構大事そうなキーワードが流された気がするんだけど。
あ、俺今操作されてるね。オープニングの一部なのは分かってるけどさ。
ええと、このプレイヤー分かってるのかな。
今飛ばしたメッセージの中に、「隣に住んでるリデルおじさん」とやらに「飛行船のカギ」をもらって「お城までモンスターの討伐依頼書を届けに行く」っていう事が書かれてた気がするんですけどね。
……。
いや、いいんですよ。それがプレイヤー様の意思であれば。
いいんですけどね。
最近の3D映像技術はたいしたもんですけど。
主観モードって言うんですか。映像を俺の視点に切り替えて、上下左右を見まわしたりできる機能が売りではあります。
けどね。いきなりこんな小便臭い娘の内股や胸をクローズアップしたままゲームを一時停止しないで頂きたいというのは私の本音であります。
五分。
なんだ今の意味ありげな五分ちょうどという時間は。
まさかこんなキャラで自慰行為?
いえいえいえもちろん構いません、それを狙っているゲームだと思いますし、悪い行為じゃないですよ。
わたくし、こういう用途のゲームの存在は、性犯罪の抑止に効果があると思ってるほうの人間ですから。
しかしこのプレイヤー、知ってるのかな。このRPGでは、プレイ時間が敵のパラメータに影響する筈なんだけど。多分この人、説明書読まないでプレイしてるね。
で、……はあ。
これが飛行船。
いえいえ、文句はありません。確かに画面では飛んでますしね。
開発者や設定書いた人に航空力学なんか求めても仕方ないですし、このゲームは魔法が出てくるくらいですから、きっとあの半径10センチ足らずのプロペラ二個で飛べるんでしょう。
はぁ。俺最近、愚痴多くなったなぁ。
運転手さんは女性。そうですか。あ、挨拶してこいと。了解です。命令されてるのは慣れてますし構いませんです。
文句といえば、先客がいるのになしてカギがいるんですかと。はいはい、運転手さんはこちらですね。
女性っていうか女の子。
ヒロインより小さいし。
もうなんというか、女性って言いながら既に胸ないし。
疑問なんだよなあ、少女的な服装でもしてるのならまだ判らんでもないんだけど、ボーイッシュなちびっ子ってのはジェンダー性が皆無なんじゃないか?
事実、別にそのまま「男の子」として通用する絵だし……この業界、設定上で女となっていればええんか……?
なんか肩にげっ歯類とか乗ってますね。サブキャラクタって言うんでしたっけ。コックピットで野放しですか。自動操縦だと信じよう。精神を統一しているうちに船が飛ぶ。
あ、ここでタイトルロールですか。粋な演出のようで。朝焼けも綺麗で。
……あれ? さっき既に昼間だったじゃないか。て事は夕焼け。いや、昇ってますけど。
プログラム大変そうなのは分かるんだけど、流れ無視してるフシがあるなぁ。開発費安いんだろうけど、まぁ、映像は凄いなぁ。
これが最新のゲーム機かぁ。被写界深度まで表現できるんだねぇ。
ぶ。
いきなしセーブしますかってか。早過ぎるだろ。
待てよ、さっきの街に戻れないという台本であれば、取り残しのアイテムがあるかもっていう推理も成り立つ。多分そうだな。
あ、セーブしやがった。このプレイヤー、素人かな?
それともRPG慣れしていないのか、女キャラが目当てなだけのオタクさんなのか。
いやいやいや。どうであれ俺は職務を果たすだけ。無心だ、無心で場面を受け入れろ。
いきなしモンスターですか。へいへい。バトルシーンね。
あ、バトルシーンのBGMいいじゃん。ありきたりの、やたらと転調する謎和声連続の似非オーケストラとかじゃなくて、一本気のあるハードハウス調。
効果音が聞こえなくならないように配慮してか、やっぱりウワモノはストリングスアレンジで誤魔化してるけど。
容量制限がある訳でもないだろうに、ゲーム機の方でシンセサイズしてますね。
これよ。これ。ゲーム音楽っていったらハードの能力を使ってやらないと嘘よ。
けど大手メーカーに比べてこういう弱小会社のRPGで一本気ある曲が聞けるってのはあれだねぇ、日本っていう商業シーンは才能を浪費することしか考えてないんだねぇ。
適材適所を満たすシステム作った方がいいよ。ゲーム会社専用の派遣窓口みたいなさ。
しかし、敵さんずいぶんでっかいな。でもドラゴンにしては小さいんじゃないかと。
いちいちコマンド選択でてくるのがお笑いだなぁ。
コマンドって言っても俺、まだ「戦う」しか選択できないじゃん。
ヒロインの子に至っては全く操作できないみたいだし。
けっ、なーにが「今よっ!」だよ。いまどきシンプルなターン制採用してる時点でRPGとして失格かとも思うんだけど。とりあえず俺にタイミング選択の余地はないと。
あ、硬い。ダメージ1?
モンスターの大きさから見てもこれはおかしい。
このサイズの敵キャラクタがヒットポイント一桁だったらプレイヤー納得しないだろうからなぁ。
常識的に見て、何か倒す方法が別にあるのかな。
けどコマンドは「戦う」しかないんだよなぁ。あ、ヒロイン一撃でやられた。
なんだよ、気張ってみたら「負ける台本」ですか。
へいへい。俺の番ね。
攻撃。
ミスですか。
カキーンって音がしてるのに、ミスって言われるのもなんだかなぁ。はいはい。
負けた負けた。
x
やっぱりな。
ゲームオーバーの表示はなく、ムービー突入。
内容はというと、船が壊されて、高度を落としていって、俺が運転手さんとヒロインを抱きとめて綱一本を片手で握り締めていたけどやっぱり無理で、俺達は海に落ちるといった物。
あのなぁ、ヒットポイントがゼロの人間に、こんな芸当ができるかってのよ。
ヒットポイントの意味をどう定義してんだ? 少なくとも力尽きてんじゃなかったのか俺。
さて、暗転ですか。分かった。目がさめたらどこぞの浜辺に着いてんだろ。
やっぱり。
浜辺で起きあがって、俺は辺りを見まわした。お、ヒロインがいない。目的できたな。当面はあの子探すんだろうな。
あ、例の運転手。
なぜか胸元が開いてるのはファンサービスかな。
無意味に脱がされるその境遇には同情するが、個人的には当然のように湧き上がる運転手への責任追及と叱咤の言葉が先攻する。
そもそもフライトスケジュールが間違ってんじゃねぇかと。
いくら粋がってみたところで踏みつけるというコマンドはなく、プレイヤーも選ぶ気はないようで。
畜生、なんかこの周りをうろちょろしてるだけのげっ歯類が妙にムカつくな。
助け起こしたはいいけど、胸元開いてるのを慌てて隠して俺の頬を張るか。良い度胸だ。脚本家呼んで来い。
近場の村に行くんですね。はいはい。ぶっておいて謝りもなし。
この女に死にかけたって自覚がないあたりで脚本家の質が分かりますね。
もし死に目を見ていながら脊椎反射でラブコメ反応できる人間が身の回りにいると言うのなら、そいつは病院放り込んだほうがええです。
でないと罪の無い人が被害に遭います。
近場の村。
すぐ隣が最新設備で覆われているという噂のお城だというのに、各家庭それぞれ猫の額ほどの農場持って自給自足ですか。
これは経済落差や差別問題に対しての奥深いメッセージでもあるんだろうか。だいたい老人が一人もいないのは不自然じゃないか。
町民のセリフ。
「え、この付近にドラゴンだって? そんなバカな……馬車を出してやるよ、すぐに城へ行きなさい」
脈絡ない話し方しかできんのか、お前は。マップデザインと会話の設置担当はアルバイトか?
とりあえず、はぐれたヒロインを無視して話は進んでゆくらしい。
城へ行くと仰天。俺、ここのお姫様に慕われてるって設定だし。
断言するが、急に「二人きりになりましょう」とかいう姫がいる王国なんて、長くは保たねぇ。
うわー、大魔王の伝説とか話しはじめた。いいよもう。
俺、80年代後半からずっと勇者やってきてんだからさ。
こういうのを読み飛ばして、困った試しがない。プレイヤーも飛ばす飛ばす。わかってらっしゃる。
メッセージ飛ばし過ぎのきらいもあるが、こんなもんは聞かなくても、どーせ後で説明されます。
目先の仕事だけ聞いてりゃ、昨今のRPGなんてクリアできます。
しっかし、PCエンジンだったかなぁ、あの妙にブレイクした恋愛ゲーム以降こういう展開に製作者の恥とかそういう物を感じなくなったね。
製作者の感覚麻痺が近年の大作以外におけるRPG全体の不況を招いているんじゃないか。
それでこういった子供にしか見えない女性キャラのゲームが増えてるとすれば、これは問題ですよ。
しかしお姫様まで六頭身前後とくれば、これはちょっと極端な例に入ると思われる。
会話を飛ばしたため、なぜそうしなければいけないのかも分からないまま近場の洞窟まで宝玉を取りに行くことになった。
この国にはそんな事もできない腰抜け兵士しかいない事が判明。
もしくは勇者という肩書きがついてるだけのレベル1の軟弱者と飛行船の運転手の女の子をモンスターが沢山いると申される洞窟に送るあたりから、サディズムによる恐怖政治が行われているとも推測できる。
城を出たら姫が追ってきた。心配なので、魔法を使って俺を援護するように言われたと告げる。この国家にはマゾっ毛もある事が判明。
いいからそろそろ脚本家呼べよ。
12 :
「あるRPG」:2008/08/27(水) 23:48:31 ID:Gk1ydJA1
流石に序盤ですな。敵が弱い弱い。
逆に、その事によって俺が心配になったのは、このRPGのゲームバランスである。
大きなゲーム会社ほど、ゲームバランスの調節に時間をかける。
RPGであれば、巧みに効率についての試行錯誤や、微妙な選択を楽しむという、それこそゲームの面白さを決定し得る要素なのだ。
しかしてこのゲーム。一撃で死ぬ敵と、無造作に感動なく成長してゆくキャラクター。
地下三階の宝玉を入手した時点で、洞窟に入る前とパラメータが一桁違う。
俺がゲームバランスについてはらはらし始めたころ、またも俺はメーカーの根性に呆れさせられた。
プレイヤーが単純作業に飽きた頃を見計らって、姫が敵に捕らわれて半裸にされてしまったのである。
青少年向けのタイトルなので、乳首がないおっぱいが触られる事もなく揺れていた。なんでこのゲームソフトの製作会社は、素直にこのソフトを18禁のゲームとして製作しなかったんだろう。
ザコに比べてボスが強すぎたため、ゲームは二度リセットされたが、プレイヤーは姫の痴態の続きを見たいがためにか続けざまに挑戦した。
パラメータがもう一桁変わるまでレベルをあげて挑戦したところで姫は助かった。礼の言葉か愛の告白なのか分からないセリフのあとで城に戻る。
運転手の女は膨れていた。となると伏線もなしに、俺はこの運転手からも惚れられているという設定か?
ここまでくればゲームの売りも狙いもよく分かってはいるのだが、俺にはこの『背景なく惚れられる』という設定に感情移入できるプレイヤーの気持ちが知れない。
宝玉を城の地下の扉に収めると城の宝物庫が開いた。剣を渡された。ははぁ、これで大魔王を倒せと。
ここで本筋に近づいたストーリーが語られる。その大魔王というのが、元は人間で、姫の恋人だったと。
プレイヤーが面白くないらしく、会話を飛ばそうとボタンを連打するが、ここの会話は飛ばせないらしい。
ゲームのプログラムの創造物たる俺は、ゲームの価値を否定されていることによって焦りを感じるが、焦ったところでプログラムは変わらない。
俺のセリフが来た。
俺はプログラムにしたがって、思い出したようにヒロインの名前を叫んだ。
脈絡ないなぁ。どうにもそのヒロインというのが獣を使役できる最後の魔術師という事で、大魔王に連れ去られただろうと推測してやがる。
大魔王ってだけでここまでいわれのない犯罪を犯すと先入観だけで判断されるあたりが泣かせる。
魔王役で売ってる友人が可哀想になってきた。
このゲームで出てないだろうな。彼とは違う『典型』がセレクトされているはずだし。
それから二晩をかけて、プレイヤーは俺を操作して伝説の盾(呼称が面倒なので某社のRPG以降、類似品はまとめてそう呼ぶ事にしていた)、伝説の鎧を集めた。
仲間になったのは脈絡なく俺に惚れたという設定の踊り子の女、俺の剣に惚れたという剣術が達者な女、暴漢に襲われている所を助けたら仲間になった教会のシスター。
いいかげん眩暈がしてきた。
彼女達は役目上、全員が俺に惚れているアクションを続ける。心が痛い。
虚構上のアクションが終われば俺は彼女達とまったく接点を持たない存在になる。俺はクールに徹していて、ろくにセリフも言わないという設定なので仕事は楽だが。
恐ろしいのはここまで男性キャラクタが一人も仲間になっていないという事実。いやいや、ゲームの趣旨上ここまでやれば立派というべきか。
それから俺達は、類似品の総称としての四天王を倒したあとで、仲間だったはずの教会のシスターが裏切り、それをなだめるという脚本を演じ始めた。
俺は胸を撫で下ろした。泣き場を作るために最初の方で出会ったキャラクターを裏切り者に設定するゲームが増えていたからだ。
ここまでの脚本の質を見ると、それをやると間違いなくプレイヤーの反感を買っただろう。彼女はわりかし最後のほうで登場したキャラだった。
「ごめんなさい、私の兄が人質に捕らわれているの」
「待つんだ! そんなことでいいのか! 君のお兄さんが君のその選択を喜ぶと思うのか!」
と言っても、彼女の兄貴になんざ会ってないしなぁ。
過去に会った事があるってストーリーならまだしも。我ながら自分のセリフの無意味さがバカらしい。
彼女は暗黒の扉とやらに駆けこんだ。
宮殿が崩れ出す。俺達は逃げ惑い、ゲームシステム上アイテム扱いされている飛龍の背中に飛び乗った。
暗転、セーブポイント。
プレイヤーはセーブを選択する。ゲーム機に内臓されている時計は、深夜の二時を差していた。
俺は久々の眠りについた。
何故かって?
プレイヤーがそのまま、DVD-ROMにキズがついて再生できなくなるまでほったらかしてくれたからだ。
俺の存在は、誰も思い出す事がないだろう。
ただ、例のバグでメモリ上に残っているだけだ。
廃品回収の際に、不揮発メモリ上の俺は存在しなかった事になるんだ。
そういう、運命だから……。
14 :
「あるRPG」こめんつ:2008/08/28(木) 00:00:39 ID:hKSXURhC
オールジャンルぽいSS投げてみた
好きに焼いたり罵ったりエロパロすればいいんじゃないのか、もう
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 00:02:35 ID:WsSokkF8
漫画で代紋○AKE2ってのがあったな
なげやりなコメントといいそっくりだ
おつかれ
この板初のスレSS投下だな
今から読んでみるよ
投下してみてどうだった?さるさんとかなかったか?
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/28(木) 00:07:55 ID:hKSXURhC
さるさんって初めてぐぐって知ったんだが、連投規制でそんな表示はなかった。
毎度の30秒規制かな、それに二回引っかかった程度。
改行規制緩いから発表スレにはいいかもしれないね。VIPのやる夫AAスレとかの変わりになると面白いかも。
テストがてらな連投を読んでくれた皆さんに感謝
今更だがドイツのSSなら武装親衛t(ry
えーゲームの中の電脳小人さんとかSF弱いー?
こんどは不条理宇宙ものでリベンジするか
>>20 個人的な意見だと弱い感じ。
SFって聞くと何だか正座して読まないと怒こられそうな堅いイメージがある。
SFに限定しなくても良かったんじゃないの?とか思ってみたり。
だけど面白かったのは確か。次を楽しみに待ちます。
22 :
「宇宙ニート」:2008/08/28(木) 16:24:25 ID:46rwJdr/
宇宙ものかけたー
- - -
「宇宙ニート」
朝起きると、外は真っ暗だった。宇宙なので仕方がない。テレビをつけると隣接星域の番組が受像できた。ロシア語なので意味が分からない。
チャンネルを回すとスター・ウォーズをやっていた。宇宙時代が訪れた今見ても名作である。
実際には宇宙戦争とか起こった事ないけど。いいとこならずもの惑星にアメリカ系が半物質爆弾を撃ち込む程度だ。
俺はインスタント・コーヒーを飲みながら携帯電話を確認する。未だにモノクロホログラム映像タイプを使っている奴はなかなかいないだろう。
俺はスパムメールを四通消して、欠伸をした。
俺はパソコンを立ち上げて音声認識で命令した。エロサイトと2ch、まとめサイトとアキバニュースが立て続けに受像される。
昨日2chに吹き込んだ俺の発言に大量のレスがついている。
なんだなんだ。ちょっと宇宙博士号持ちを自称しているコテを煽っただけじゃないか。
どうやら俺が寝たあとで執拗に自演しているらしい。そう思う事にしよう。
どうでもいい。2chみたいな生産性のないサイトが百八十年も存続しているあたり、日本領域の民度ってものが知れる。
23 :
「宇宙ニート」:2008/08/28(木) 16:28:41 ID:46rwJdr/
腹が減った。俺は残り少ない金を握りしめて、小型機でコンビニまで飛んだ。
おにぎりとロリコン雑誌を買って来た。ロリコン雑誌といってもアンドロイド物だが。
少子化が進み過ぎたこのご時世、もし実際に子供に手を出したら銃殺だ。
そもそも本物のロリとか見たことがない。
俺はロリな人間というものを想像の中で弄びながら母艦に戻った。
ウランも残り少なくなって来た。このところのウランの値上げは暴利だ。
半年前の倍くらいにもなる。
まあ太陽系の周回軌道を回ってるだけだから、デブリ燃やすフィールド分くらいしかエネルギーは減らないのだけど。あと三年は保ちそうだ。
24 :
「宇宙ニート」:2008/08/28(木) 16:30:36 ID:46rwJdr/
おふくろからメールが来た。三十万円分の電子クレジットが添付されていた。
物価が上がった今、コンビニおにぎり一週間分にもなりゃしない。
そろそろ火星に戻ってこい、今ならやりなおせます、だと?
三十歳を過ぎて職能を持たない俺が、社会に貢献できるとは思えない。
火星の日本領なんて、地震だらけで朝鮮系と嫌な軋轢が続いてる上に公害だらけで済みにくいらしいじゃねえか。
まあ、経済はそこそこ伸びてるようだけど。
俺の職能なんてテレホンサポート業務くらいだしな。またクレームにまみれて精神科に通う事になりそうで、どうしても働く気にはなれない。
俺は、欠伸をして寝床に戻った。
……ああ、彼女欲しいなぁ。
-fin-
25 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/28(木) 16:55:00 ID:h3NZBA0L
finの字を見てひらめいたわ。
【涅槃の亜神〜フィンランド〜】
科学の最先端。その矛先は、すべてこの施設に向けられているといってもいいだろう。
常識を超越した分子生物学。それは、人間を生成、または再構成する技術そのもの。
活動停止した生物は放棄されるか、それとも再生されるか。
いまや、生死の狭間の概念など、薄れかかっている時代であった。
倫理を越えた力を産んだ施設。世界中からの絶対的な支持は、揺るぎないものとなっている。
〜分子生物学研究所特別会議室〜
「北ヨーロッパ、スカンディナヴィア半島の根本に位置する共和国、フィンランド」
「12世紀以来スウェーデンの治下となり、1809年ナポレオン戦争の結果ロシア支配下に。
大公国となったのち、ロシア革命で帝政ロシアが倒れ、独立しておる」
「しかし、我々の計画の本質はそこにはない」
「左様。すべてはフィンランドの裏側といわれる、ヴォイド世界にある」
「FIN・LAND。その最期が善となるか悪となるか・・・」
「僕は、これを「神の裁定」だと思っていますがね」
「つまらん喩えだ」
「まぁいい。どちらにせよ、あと少しの辛抱であるぞ」
「我らに、彷徨する光が行き着かん事を」
26 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/28(木) 17:19:48 ID:h3NZBA0L
〜ジオブレイン・ステーション〜
俺はもう、ダメだ。
何度自殺を試みても阻止されるし、成功してもすぐに目が覚める。
不老不死というのは全てが自由であるようで、生物としての、死に対する自由は失われている。
他人の都合で操られ、死ぬこともできない。果たしてこれが永遠に続いていくのだろうか?
「」
27 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/28(木) 17:32:58 ID:h3NZBA0L
「おう、げっそりしてるな。大丈夫か?」この施設内で働く昔からの友達、ネアライだ。
「このご時世、大丈夫?なんて言葉には何も感じないねぇ」
「そうだな・・・そんなご時世だな・・・」
そういえば、とある事にひらめく。「ねぇねぇ、太陽が膨張するって話はどうなったの?」
「ああ、あれはとっくの昔に阻止されたらしいぜ」
「ちぇっ」口に出てしまうほどの不服さだ。太陽のおかげでこの施設ごと消えるかと期待したのに。
「ほら、到着したぞ〜」
この場所にも、数えられないほど来た。
「ターミナル・ステーションだけはボロいよな」その理由なら知っている。
「ここにはワームホールがあるからだってさ」
「ああ、そうか」なんだ、つまらない反応だな。
ワームホールとは、時空内の離れた領域を繋ぐトンネルのこと。
ワームホールの中は時空が極端に歪み、時空の距離がほとんど0になるため
離れた場所へ瞬時に移動することが可能。
そこで、偽の真空からインフレーションを通じてワームホールを採取したのは
他ならぬ俺だったんだがな。
完結したのかどうなのかと
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 00:54:38 ID:uQwzeBe6
超大作でも未完はダメだ
完成した話が一番美しいのだ
30 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/29(金) 00:59:32 ID:xuB9uU/8
ちょう・・・たい・・・・さく・・・?!
よし、やる気になったわ!
風呂上がってから書こう!
この板って板名からすると、完成してから投下する板のように
感じるのだけどどうなんだろうね
32 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/29(金) 02:00:29 ID:xuB9uU/8
ごめんちゃお
未完だと感想しにくいね
短編の完成作品キボンヌ
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 18:23:38 ID:5PaToqMG
「もっとハッキリして。
とにかく自信のないトコ見せないで。
自信がなくても頑張って。」
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:40:43 ID:yKSsr29o
―アメリカ合衆国・ホワイトハウス・オペレーションルーム―
情報参謀が、息せき切って駆け込んできた。
「閣下、朗報です!例の「白いベース」が突如大気圏を突破して月面に向かいました!また、
残置諜者の報告に拠れば、ジエイタイが人型兵器の開発を中止したそうです!」
「ふーん・・・・・」大統領は、その報にまったく興味を持った様子もなく、コンソールに
足を乗せてプレイボーイ誌を読みふけっていた。 正直、チチでかい女ばかり載せるなよって思うんだが。
「閣下、どうなさったのです?これは重大な情報ですぞ!戦運が一気に我等にむいたのです!」
「閣下!」 「閣下、ご指示を!」
「閣下、奴らを殲滅するいい機会ですぞ 何をもたもたしてるのです!」
怠惰を絵に描いて額に放り込んだかのような大統領に、スタッフからの怒声が飛ぶ。
だが、大統領はちらりと眉を上げただけだった。 「無駄だよ。この戦争には勝てないさ」
「・・・・・なっ、何故です!」
「考えてみろよ。俺たちは今日本語を喋ってるんだぜ?つまり、この世界を作って俺たちに
戦争をさせたがってるのは、聖書に出てくるアレじゃなくて、黄色い肌をした眼鏡オタクども
なのさ。そんな神どもが、よりによって白人を勝たせるとでも思ってるのか?」
「・・・・・・・・」
黙り込む司令部のスタッフ。いやそれはわかっていたけどさあ。でも俺たち世界最強のアメリカ軍
なんだぜ。やりもしないで負けはないだろうよ。通常兵器限定なら絶対いけるって。
そうした空気を読んでか読まずか、大統領は読み終えたプレイボーイ誌を床に投げ捨て、
コンソールに放り出していたピザをぱくつきはじめる。 冷えると美味くねえなあこれ
「仮想戦記だって、アメリカ軍は大抵負け役なんだ。それ以下のこの世界で、俺たちがどうやっても
勝てる道理はない。仮に日本軍を全滅させえたとして、そのあとは謎の奇病で国が滅ぶだけだ。
あるいは隕石か宇宙人か。まあどっちにしても同じだ」
「・・・・・仰るとおりです・・・・」
肩を落すスタッフ。大統領はピザをむしゃむしゃ食べつづけていた。
「気にするなよ。神が飽きたら、それでこの戦争は終わりだ。別に、ホワイトハウスにヒノマルを
掲げさせてやってもいい。それで神の気がすむなら。どうでもいいじゃないか、なあ」
「そうですね。分かりました」
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:44:11 ID:yKSsr29o
「しかしながら、閣下」
どうしても諦めきれぬらしい作戦参謀が、おずおずと主張する。
「いくら神が我々の負けを望んでいるといっても、もうすこし真面目に戦争をしてもよいのでは?」
「ふん、真面目な戦争か。具体的には?」
いきなり基本的なことを尋ねられ、目を白黒させる作戦参謀。
「えーと、えーとですね・・・・、その、まずは、制海権を握るために敵の軍艦を沈めるとか、どこか要地を
占領するとか。あとこれは国務省の管轄ですが、対日大同盟を締結するとか」
「・・・・・バカ」
「は?」
「あのな、無意味なこと言うなよ。聞いて損したじゃないか」
「えっとあの・・・無意味とは?日本とて無限の国力を誇っているわけでは」
「それが誇っているんだよ。この世界では。今の報告を読まなかったのか?6万4000トンの戦艦から
ハドウホウとか言う超絶兵器を打てる連中だぞ? 物理法則無視で空を飛んだり宇宙に行ったりできる
真っ白な軍艦を建造できるんだぞ? 女子高生を機械化できるんだぞ?(うらやましい)
・・・・どれも我々にはできないことばかりだ。
どうやってこんな馬鹿げた国と戦争なんか出来るってんだ」
「ですが、改造ヤマト級はさておき、後の2つは戦線離脱したり 勝手に最終兵器やめてさえない高校生の彼女になりました。
チャンスはあります」
おっさん、人の話聴いてないだろ。作戦参謀の目に殺気が宿る。
「そんなことはさっき聞いた。問題は、それらが戦線にでてくるかどうかってことじゃない」
「・・・・・といいますと?」
「ここの世界の神は、そういうことを許容するヤツだってことだよ!きっとこの神はただの妄想をだらだら
垂れ流して、"ネタ"だといえば誰もが納得して拍手喝采だと思い込んでるおめでたい神に違いない。
同じネタでも、楽しめるドタバタと単なるムチャクチャの区別がついてないんだ」
「じゃあ、はちゃめちゃ小説でも祭壇に捧げてみますか」
「ふん。その手の神に限ってあれはパンツじゃないだのと文句をつけるだけだ。無駄だよ無駄」
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/29(金) 21:47:57 ID:yKSsr29o
「俺たちが、やつらを死力を尽くして完膚なきまでに叩き潰したとする。その1時間後にはそれまでの全戦力を
上回る大艦隊がひょこっとどこからか現れるんだ。甲羅に苔の生えたようなヴェテラン乗組員を乗せてな。
日本空軍のイーグルを全滅させても、その次はなんだかよくわからんホモ臭いユキカゼとか、シベリアから
新型がやってきたとかいってロボットが空から攻撃してきたり、新型機が続々出てきて我が空軍を
皆殺しにする。それの繰り返しだ。そして最後はホワイトハウスにヒノマル。やってられんよ。
それに異を唱えると、馬鹿だの五月蝿いだの。そうまでして自分に都合のいい環境を作り出す神に信仰
なんて抱けるかっての。しかもそれが"面白い"ネタだと思い込んでるんだ。たちが悪いよ」
「・・・・・最高司令官、お疲れでは?」
「まあ、きみもこの椅子に座れば分かるよ。なんか、徒労感でいっぱいだからな」
「お察しします。それで、あの、今後の行動方針についてご命令を頂きたいのですが」
「好きにさせろ。だが、俺たちはもう真面目に戦争をする気などない、ということはきっちりアピールしておけ」
「了解しました、司令官」
「ああ、あと、日本語で書くのはもうやめさせてくれ、ともいっとけよ」
「明白! 偉大的我們領導!万歳!」
『説中文也不可以!』
38 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 03:10:44 ID:2cU2FdYS
「で・・・、お前は何をしに俺の研究所へ?」
「そうだなぁ、ダマンのグー・ルースか、アール・グレイか、ジャスミンをおくれ」
「残念ながら、安価のよりどりパックしか置いてないよ。で、目的は?」
「どうせヒマなんだろ?それなら、昔の話でもしようじゃないか」
不可視分子密度規定変化ドアに俺はすんなりと入ったが、横の男は爽やかにぶつかった。
それから数時間、俺たちは話をしていた。こいつと話すと、なかなか面白い。
お土産として、イタリアの仮面をもらった。正直置場所に困るだけなのだが・・・
「そろそろ、行こうかな」椅子から上品な立ち上がり方を見せてくれる。
「ああ、お前のせいで時間がなくなった!こりゃやばいぞ」もう数時間で締め切りだ。
「まだ論文書いてるのかい?何に使われているかも分からないのに」
39 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 03:33:25 ID:2cU2FdYS
今まで時間を破ったことはなかったが、今日がその第一回目になりそうだ。
それにしても、さっき上司のおっさんから貰ったこの基礎理論文、やたら長ったらしい。
・・・ん?・・・・・・・・・・・・・くそっ!しまった!!
何て事だ! 俺は、あの部屋までの道のりをひたすら塗り潰す。
こんなに全力で走るのは何年ぶりだろうか、全く力が入らない・・・
・・・・はぁっ ぜぇっ はぁっ・・・・・
「意外と早かったな」
「はぁっ・・・はぁっ・・・・・お前も、なかなか賢いじゃないか」
「そうでもないと、こんな仕事についてねぇよ」
「俺と一緒に来たのは分子ドアを通るため。長く話していたのは俺の時間を潰すため」
「そうだな」
「俺は急いで仕事に取りかかり、そして資料の350ページ目を見ることになる
そして、全てを悟ったわけだ。だが、もう観念した方がいい」
40 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 03:41:01 ID:2cU2FdYS
「どういうことだ?」
「ここは俺の研究室。斯くして俺の管理下にあるんだ。防衛システムを稼働許可すれば
お前はここの機械に散々絞られ、やがて来る警備員に運ばれて、解体されるだろう」
「お前は、全てを悟ってはいない」
が、
41 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 03:50:02 ID:2cU2FdYS
ネアライは歩きだす。
「お前には、全てを悟っていて欲しい。だから、こういう方法を選んだ」
「待て!どういうことだ!?」
「この先の空間・・・・・・・」
「行くな!そこはワームホールの廃棄場・・・危険だぞ!?」
カシャンッ
ゴオオオオオオオオオオオオオン
「この施設の技術関係は地下にある。ここもそうだろう?」
グオオオオオオン ガシャンッ ウィオオオオオ・・・
「そして、お前が管理しているハズのこの先は・・・」
ゴオオオオオオオオオ ガシャンッ ガシャンッ ガシャアアアン
「・・・・・・・なっ・・・・・・・に・・・・・・・・・・」
42 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 04:01:36 ID:2cU2FdYS
フィーン フィーン フィーン フィーン
「侵入者かっ?!」
「構わんっ、撃て!!」
「防衛システム起動し・・ぐあああああ!!」
「何をしてるんだ!さっさと防衛シス・・・・・あ・・・・・・」
ドサァッ
「ネアライ、お前どうしてこんなこと・・・」
「防衛システムが起動したら、ただじゃすまないぜ?」
「そ、そりゃあそうだが・・・・・・」
チュインッ 「ちっ!」
チュンッ チュンッ チュチュンッ
「とにかく撃て!目標を一斉射撃だ!」
バババババババババッ キュイーンッ バシュン
「まずい、いくぞ!」
「ちょっ、おまえっ、これはどういうことなんだ?!
何故、俺の管理しているワームホール構成装置廃棄場に開発員がたくさんいるんだ!
この見たこともない設備はなんだ?!」
43 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 04:25:48 ID:2cU2FdYS
「いいか?教えてやる!耳の穴かっぽじってよう聞いとけよ!
まず、お前の最近の論文は全て、この巨大設備のために費やされていた。
管理不要となったこの場所は、あらゆる要素の揃った最高の開発場所だった。
だから、多くの開発員はここに幽閉されて、あるものを製作している!」
「そうか。では、なにを作っているんだ?」
ドギュンッ! 「いたぞ!!ここd」
ブシュウゥウウゥウウッ ・・・・・・ドスッ ドサァ
「・・・・・今ので球切れだ。
そう、ここで作っているもの、それはワームホール」
「廃棄したワームホールを・・・・再生するのか?」
「いや、違う。ここでやっていること・・・。
オリジニィアル・ワーム・ホール」
「起源を辿る・・・・・・・?!
そうか!全ての世界の原点となる、オリジン世界を捜し出すのか・・・!」
「ああ。だが、そこに意義はない。
本来の目的、それは、ヴォイド世界への・・・」 ピカッ!!! コオッ・・・・ドゴオオオオオオオオオオオ!!!!!
「なっ、空間切断?!」
「あいつら、施設の一部を放棄してでも俺たちを殺す気だぜ」
「なんてやつらだ・・・死んだワームホールが共鳴し合って、覚醒したらどうするつもりだ?!
ブラックホールで星がまるまる消えちまうぞ!」
「とにかく、いくぞ」
「・・・どこに?」
「もちろん、オリジン世界さ」
「完成・・・していたのか・・・・・?! 理論上有り得ない!!」
ドドドドンッ! ババババババババッ
・・ピカッ! コオオオオオオッ
「これが・・・証拠・・・だああ!!」
フォンッ
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
>>35-37 オチが好み。
次は三点リーダーとか使って、
もうちょっと文章も改行位置を整理してすっきりさせたら
格段に読みやすくなると思う。
>>38-43 まだ途中みたいだが、いつ終わるかの分からないので先に感想書かせてもらう。
上にあるのも併せて正直何がやりたいのか全く理解できなかった。
思いついた文章をそのまま並べてるだけとしか思えない。
擬音と中黒の連発ばっかりで読みにくい事もこの上ない。
せめて書き溜めてから投下してくれ。
45 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 04:41:10 ID:2cU2FdYS
ぽちゃーん
ぽーん
ぽちゃーん
ぽおーん
「おーい」
声が響く。ここは何かの空洞だろう。
「おーい」 ベチンッ!
「ん?あ?あ、ああ・・・!すまない、気を失っていた」
「公共の福祉に反した、ひどい空間切断だ。
あそこには重力ができるだろう」
「ここは・・・どこだ?」
「俺が聞きてぇよ」
「あぁ、ポッシヴルゲートか・・・。ここは早くでた方がいい」
「俺たち人間を複写したラプラスのデーモンが、俺らの世界に現れるんだろ?
物理的な秩序が完成すると同時に、破綻するだろう」
「そう、ここは俺たちの世界の上位に位置する世界。涅槃の亜時空には意思がある」
「そいつが目覚めないようにするのか?とにかく、出ようぜ」
チャプーン チャプーン ・ ・ ・
コーン・・・コーン・・・
「・・・・・・・あれは?」
「あれはトンネル効果で何かができてんだよ」
「お前、ホント物知りだなぁ」
「誰がここに俺を連れてきたんだよ・・・・・」
「しかし、出口がないな・・・」
46 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/30(土) 04:43:09 ID:SmfNoyeV
>>44 知識と、慣れないものを受け止める脳みそのメモリーがないんじゃね?
47 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 04:53:45 ID:2cU2FdYS
「さっきから、変だよなぁ」
「・・・何がだ?」
「ほら、水がポチャンポチャン言ってるわりに」
「下から上へ動いてる、まるで逆再生してるようだな」
「もしかして、2次元時間かもしれない」
「もう、おまえの頭ん中は訳わかんねぇよ」
「時間のベクトルが二つあって、水は意思で行き来しているのかもしれない」
「ここは唯心世界だからな。水にも意思があるのか」
「そして、もちろん俺たちにも」
「・・・つまり、俺は時間を遡れるのか?」
「簡潔に言えば、そうなるな」
「パラドックスの謎がひとつ、語用論的パラドックスに続いて解き明かせるぞ」
「そりゃ結構なこって。俺はただ、ここから出たいのだが」
「だから、もう今ここに出口はない。閉じてしまっている」
「つまり?」
「俺たちが、出口が開いている頃まで、時間を遡ればいい」
48 :
やってみる夫の弟子 ◆MEKAZjU6bY :2008/08/30(土) 05:06:15 ID:2cU2FdYS
zzz俺の作品でケンカはやめちくり
ちょっと色んな意味でのテストがてら、自サイトに載せてるのを投下させてくんろ。
たぶん長編。内容的に一番近いスレッドが現状ここだと思ったので。かなりビビッてるのでおてやわらかに。
努力したって無駄だと思う。
俺の目の前、ずっと高いところを、青く透き通った飛竜が舞っている。
飛竜は両の翼を優雅にはばたかせ、音のない叫びをあげて、透明な炎を吐く。
それは実体のない、しかし確かに見える姿だ。
「あれは高すぎて届かない」
独り言を呟いて、上半身を起こした。
常春(とこはる)のほのかな湿気と、大地を包み込むような温度が一帯に広がっている。
辺りには鮮やかな草花が生え、そこかしこに立派な樹木がある。ところどころに朽ちた瓦礫の跡。
庭の国。
それがこの場所につけられた名前だった。
国土がどれだけあるのか、詳しくは知らない。
国境がどこにあるのか、この国の小さな政府機関ですら正確には掌握していないと思う。
国と言いつつ、中核部分以外に文化を感じさせる建造物はほとんどない。民家のほとんどは古木や遺跡を利用して作られている。
すぐ横を陣風がかすめた。
目をすがめた俺は、それが風ではなく、実体のない生物の姿であることに気づく。色は水色。形は……麒麟のように見える。
『観念生物』というのが、単色に透き通る飛竜や麒麟をくくる呼び名だ。
それらは空想や伝記、あるいはかつて実際に存在していた生物の姿をとっている。
目の前の水色の麒麟は、伝説上の動物と同じ姿をしていた。首の長いほうじゃない。
四肢をつっぱり、頭頂部を下げて、いななく。
片足で土を蹴って、今、こちらへ向かってくる。
俺は「命の剣」を構え、刀身に神経を集中する。
念動波が光子を集め、密度が高まり、フォトンソードへ姿を変える。ねじ曲がった紫色の光がぐにゃぐにゃと伸びる。
「はぁあっ!」
大きく上段に構え、一閃で観念生物の胴体をとらえ――
られなかった。
《観念生物》は大きく跳躍して俺を飛び越えると、そのまま疾駆して去ってしまった。後にはそよ風が吹くのみ。
「またか。くそ」
俺は舌打ちして、刃の消えた剣の柄を放った。
「ああ、もう」
頭をかきむしった俺は、芳醇な香りの漂う草原に身を投げ出した。
俺がどれだけ苛々していようと、この国はただひたすらに牧歌的であった。今や風のそよぐ音しか聞こえない。
相変わらずだ。何もかも。
夕方、俺はまる三十分歩いて家へ帰った。
森林地帯のへり、石造りの壁をベースにしたボロ小屋がある。わが家だ。
(おかえり!)
立て付けの悪いドアを開けると、妹のナズナがひょっこり顔を覗かせた。一輪の花みたいな明るい笑みを浮かべて。
(ねえ、見て見て)
ナズナはとげとげした赤褐色の物体を俺に差し出した。
「ん。また作ったのか?」
俺の問いにナズナはこくこくと頷いた。変てこな物体の正体は「命の剣」の柄だ。
(今度のはきっといい出来栄えだよ)
ナズナは手話でそう言った。もうずいぶん前から、妹は声を出して話すことができない。
「そりゃあけっこう」
俺はそう言うと、新作の剣を受け取り、ほとんど何も入っていない荷物袋を壁にかけ、殺風景なリビングに入った。
俺とナズナはこの家で二人で暮らしている。
俺は「剣師」で、ナズナは「鍛冶」だ。この国では男が剣師に、女が鍛冶になる。
剣師が扱う命の剣を作るのが鍛冶の役目。同じ家族内の鍛冶が剣師の剣を作る。たとえば姉が弟の、娘が父親の剣を作るという具合。
この「庭の国」には、命の樹という樹齢八千年の大樹がある。
命の樹は星系遺産に指定されている。俺たち剣師は命の樹の保護をするのが唯一の責務だ。「庭の国」は命の樹を守るためだけにあるといっても過言ではない。
命の樹はたいへんな長寿だが、高齢ゆえ、放っておくとその生命力が大気中に流出してしまう。
流れ出た生命力は観念生物として具現化する。見た目はさっきのように、麒麟だったりエゾジカだったり大鷲だったり。
奔放に飛び回る観念生物に実害はない。暴れまわったところで、実体を持たないから何も傷つかない。
しかし、放っておくと命の樹の生命力がどんどんなくなって、しまいには枯れてしまう。
枯死を阻止するためには、命の剣を使って観念生物を消滅させ、生命力を樹に還元する必要がある。
それが俺たち剣師の仕事だ。庭にはびこる害虫を駆逐するように、ひたっすら観念生物を退治する。
くだらない仕事に見えるかもしれないが、本当にそれで報酬が出て、ほとんどそれだけで生活費を賄わねばならないから死活問題だ。
鍛冶の作る剣は、血縁関係にある剣師が扱わないと機能しないらしい。
俺の家族は妹のナズナただ一人だ。つまり、俺は彼女の作る剣以外扱えない。
観念生物を手際よく退治するには、洗練された鍛冶の剣と、鍛錬された剣師の技が肝要だ。どちらが欠けても、観念生物に一撃を加えることはできない。
そして、俺とナズナは見事に両方ともが欠けていた。
俺は今まで一体も観念生物を退治したことがない。生まれてこのかた一度もだ。ゆえに国から最低限支給される賃金しかもらえない。
認めたくないが、俺は自分でも信じられないほどに剣術がヘタだった。生まれたての赤子のほうがまだしも上手に剣を扱えるかもしれない。
さらに、ナズナもまた破滅的なほどに剣を作るセンスがなかった。まともな形をした命の剣をナズナが作れたことは今までに一度もない。
おまけにナズナはちょっとありえないほどに手先が不器用で、生活に関するあらゆる些事もこなすのが危ういほどだった。
例えば炊事、洗濯、掃除といった家事全般はあまねく俺の専門領域だ。ナズナは読み書きですらまともにできない。
鍛冶や剣師になるまでの数年、誰もが国に唯一ある学校で最低限の教育を受けるが、ナズナは手話以外何一つものにすることがないまま義務教育期間を終えてしまった。そして家に帰ってきた。
(何とかなるよ)
本人は楽観的にそう言っている。そして実際、暮らしぶりが質素なこと以外は何とかなってしまっている。
この国は大樹の保護がほとんどすべての存在意義なので、それさえ果たせていれば国がなくなることはない。
遥か遠くの、高度に文明の発達した国と盟約を結び、財政の一切を保護されているからだ。
鍛冶や剣師についても、ここまで無力なのは俺のところくらいで、他の家庭は必要十分な観念生物退治を達成できているようだ。
だから今のところ、八千歳の命の樹は健在だし、当分はこのまま平気そうでもある。
そうして、俺とナズナはかれこれ四年、二人で暮らしてきた。
「ほら、恒例の七草粥だ」
ほとんど米しか買えないので、必然的にこのようなメニューにしかならない。
七草といえど、実際は十五だったり三だったり、使っている草花も適当だ。何せこの国には植物が無限にあるのだ。
セリ、ガーベラ、ラムズイヤー、ヤグルマギク、オレガノ、チコリ…………。
ナズナは屈託ない笑みを浮かべて手を合わせる
(いただきます)
「はい、いただきます」
一品料理はサトイモの煮付け。これだってまだましなほうだ。
本当なら誰か知り合いから食料を横流ししてもらうとかすべきなのかもしれない。が、俺はそういった社交的な世渡りが不得手だ。
(ねえ、今度のは本当に自信作だから)
箸を握ったままのナズナが手話で言った。
「そうかい」
ナズナは頷いて、
(きっと観念生物を退治できるよ。うん)
これまでいくつの剣を使ってきただろうと俺は考えた。ナズナの剣は見た目だけなら芸術品と呼べないこともない。先鋭的というか、とにかく独特なのだ。
柄が完全な球形だったり(持つところがない)、棘だらけだったり(持つところがない)、柄だらけだったり(持つところしかない)。
今宵の夕食が終わった。
「ごちそうさま」
(ごちそうさま。おいしかったよ)
「お粗末様でした」
正直なところだ。こんな暮らしぶりにしかならないのは、俺が不甲斐ないせいか、ナズナのセンスが明後日の方を向いているからか。
食事を終え、ひとしきりの片付けをした俺は、ボロのマントを羽織って出かける準備をした。
(どこ行くの?)
「詰所(ギルド)だ。すっからかんの生活費を貰ってこなきゃいけない」
(頑張ってね)
俺は溜息をひとつついて、背中越しにナズナに手を振った。ただの金銭引き落としに頑張るも何もない。
「さてと」
柔らかな夜だった。発光性のホタルリンドウがあちこちで幻想的な青い光を放っている。おかげでこの国には常夜灯がない。
俺はマントを身体にぴたりと寄せて、道なき道を歩き出した。
この国に自慢できることがあるとすれば、植物の多彩さの他に、犯罪発生率の低さが挙げられる。ほとんどゼロだ。する意味がない、というよりそんな気にならない。
草花に囲まれた丘陵の風景は本当に素晴らしい。色とりどりの花に悪いような気がして、悪事に手を染める気にはならないのだ。のんびりした国民性もあるかもしれない。
俺は遠くの夜空に目を凝らした。燦然ときらめく無数の星の中に、超小型航空機(マイクロフライア)が飛んでいるのが見える。丘港(ターミナル)に向かっているのだろう。
この国では中枢部にしか着陸許可が下りない。詰所やら商店やら、あらゆるものが中枢機関に隣接している。
航空機を見るたび、外の国々について俺は思いを巡らせる。
そう、俺に目標があるとすれば、ナズナを連れて広い世界を周ることくらいだ。俺もあいつも、この国の外に出たことがないのだから。
「ようこそ詰所へ――」
立体映像による受付嬢が平板な口調でお辞儀した。俺はだいたい三日に一度ここにきて、自転車操業状態の家計にわずかな潤いをもたらすべく、国の最低保障金を受け取る。
心もとない額面に溜息を漏らしながら、俺は広々とした詰所の硬質なホールを引き返す。
「久しぶりだな」
「ん」
目の前に好青年が立っていた。首の周りに透き通ったグリーンのスカーフをしている。
「タカヤか」
「偶然だ、ヒロミ。会ったのはどのくらいぶりだったか」
ヒロミというのは俺の名前である。三日に一回呼ばれるかどうかだ。
「ええと。ひと月かそこらじゃないか? 湖畔のあたりであんたが白鳥をしとめたのを見せてもらった覚えがある」
「ふむ。そうだったな。その後どうだ? 調子のほうは」
俺は自分の眉が反射的に動くのを感じた。
「ケンカ売ってんのか」
タカヤは悪気の一切ない様子で、
「いや失礼。相変わらずか。ふむ。君と妹さんは私にとってなかなか興味深いペアだ。こう言っては失礼かもしれないが、普通、血縁であれば相応に剣師と鍛冶の関係が機能するはずだ。
ところが君のところはまったくと言っていいほど――」
「お兄ちゃん?」
タカヤの後ろから、ポニーテールの娘が顔を出した。タカヤの妹、ユーノだ。タカヤを見上げたユーノは、そのままこちらを向いて、
「げっ。ヘタレ剣師」
その言葉にかちんときた俺はすぐさま反応する。
「うるさい黙れ、凡庸鍛冶屋」
「凡庸? あなたより数倍マシなことやってる自負はあるんだけど」
ユーノは片目をつむって腕組みした。挑発合戦。
「俺はまだ鍛錬が足りないだけなんだ。時期が来れば爆発的才能が開花し、一気にこの国随一の剣師に」
「あのねヘタレさん。起きてる時に見る夢って二種類あるのよ。実現可能なものと、不可能なもの。あたしね、人には両方必要だと思うの。片方だけじゃ生きていかれないわ」
「むろん実現可能だとも。カミングスーン、乞うご期待だ」
俺の宣言を聞いたユーノは、何の演技でもなくごく普通に吹き出した。
「あはは、おっかし。あなた、それ他の人の前では死んでも言わないほうがいいわよ。笑いを取りたいんなら別だけど」
俺はこれ以上のやり取りに意義を見出せず、沈黙して仲裁を待った。
「ユーノ、人の矜持に傷をつけるような発言は慎みなさい。日頃言っていることだろう」
「あ、はいお兄ちゃん。ちょっとこの阿呆がね、色々とわきまえてなかったから」
兄妹揃って十分すぎるほど俺の誇りをボロボロにしてくれた。どっちもある種天然なので殺傷力が高い。
タカヤはユーノに、
「君は先に帰っていなさい。私は彼ともう少し話したい」
「はーい。それじゃね、夢見がちな剣師さん。ふふ」
皮肉めいた微笑でユーノは帰っていった。ひさびさに会ったと思ったらこれだ。いったい何なのだろう、あの女は。
ユーノの背中を朗らかに見送りながらタカヤは、
「すまない。妹は君と会うと妙に威勢がよくなる。いや、日頃からそうではあるものの、より活発になる。さて、何故だろう」
「知らん。で、用って何だ。早くしてくれ。気分的にさっさと帰りたい」
「私とパーティを組まないか?」
「は?」
咄嗟に言えたのはそれだけだった。パーティ。さて何を意味する言葉だったっけ。
「共に行動し、協力して観念生物をしとめよう」
タカヤは言った。パーティね。確か共に戦う仲間のことを指す言葉だ。ほとんど死語だと思ってたが。
「俺がいても足引っ張るだけだろう。呼ぶな」
「S級の観念生物を消滅させたものは未だにいない。知っているな?」
無視かい。
「どうだろう。ひとつ私に協力してみないか?」
タカヤは自信に満ちた笑みで言った。
S級。
観念生物は、内包するエネルギーの量によって姿が変わる。しとめるのが難しいものほどグレードが上がり、ランクはSからFまである。
階級が一段上がると途端に消滅させるのが困難になり、Sに至っては未だ誰もしとめたことがない。
昼間、上空を舞っていた飛竜などはSクラスだ。信じられないほど俊敏に動く上、炎は実際に草花を燃やしたという眉唾な噂まである。
「それこそ一人でやったらどうだ。俺の才能が皆無なことくらいお前だって知っているだろう」
「ふむ。だからこそ、他の者には持てぬ発想があると思ったのだ」
「詭弁だ」
「まあ一晩考えてみてくれ。承諾するならば、明日、午後三時にここへ来てくれ」
帰りの道すがら、まったくもって無為な提案だと俺は思っていた。
タカヤは国でも指折りの剣師である。認めたくないが、ユーノの鍛冶としての技量にも光るものがある。その相乗効果ゆえか、タカヤはある日A級の観念生物をしとめて名をあげた。
これは俺の考えだが、剣師も鍛冶も先天的な才能が大きくものを言う。
そう思うようになって久しいのは、俺とナズナが今までろくな成果を上げられなかったせいだ。
いや、別にナズナに責任を求める気はない。まったくない。
俺に適正がないのが悪いのだ。
仮に百点満点の剣があったとして、それを使う人間の力がゼロだったら、効果もゼロにしかならない。ゼロに何をかけたってゼロなんだから。
(おかえり。遅かったね?)
家に帰るとナズナはまだ起きていた。寝巻きに着替えている。
「ああ。ちょっと人に会ってな」
(ユーノちゃん?)
いい勘してる。というかそれくらいしか候補がないか。
「うん、そうだ。それと兄貴な」
(タカヤさんかあ。かっこいいよね、タカヤさん)
ナズナは夢見がちに宙を見上げた。俺は肩をすくめて、小さな買い物袋をテーブルに置き、椅子に身を沈めた。
「好きなのか? あいつのこと」
ぶしつけに問うと、ナズナは人差し指を顎に当てて、
(そういうのでもないけど。女の子はけっこう憧れてるみたいだよ)
A級剣師が一躍有名になることの端的な例だ。彼らにお熱の女子は多いらしい。
「あいつに誘われたんだよ。一緒にS級の生物退治に行かないかってな」
ナズナは驚いて、
(へえ! すごいね。でも何でお兄ちゃんが?)
「知らん。気まぐれだろ」
(ふうん。ねえ、もちろん行くんでしょ?)
「何でさ。俺が行く理由がどこにある。俺みたいなへっぽこと一緒に行動することであいつの技量がより輝いて見えるって、それくらいのもんだろ」
早口になったためか、ナズナは俺の唇を読むのに難儀していたが、
(大丈夫だよ。きっとお兄ちゃんならうまくやれるよ。あたしはそう信じてるもの)
信じているだけじゃ何も起こらない。
そう言いたかったがやめた。誰かに押しつけるような信念じゃない。
「風呂入る。お前も遅くならないうちに寝ろよ」
ナズナはこくこく頷いた。
次の日の朝。
俺は家からほど近い池のほとりで、ひとり双眸を閉じ、精神を集中させていた。
周囲にある林は閑寂としていてた。小鳥のさえずりが時折聞こえてくるくらいしか動物の気配がない。
しかし、実体を持たないあれ≠ノおいては別である。
俺は一度両目を開けて、片手に握ったトゲトゲの物体へ意識を集中した。
音のない圧力が凝集して、光の刃が現れる。ひとつ、ふたつ。みっつよっついつつむっつななつ。
俺はたちまち絶句した。
「どうやって使うんだよ、これ」
武器と呼べるか怪しい名状しがたきオブジェクトを、とりあえず目の前に突きつけてみる。
黄緑色の光子が棘の先から四方八方に突き出し、さながらサボテンのような様相を呈している。
俺は水辺を眺めた。真っ青な光による、シルエットだけの魚がすいすい泳いでいる。
「とりゃ」
ばちゃばちゃと水辺に駆け出して、でたらめに命の剣を突き出した。
魚は同極の磁石よろしく、見事に俺の一撃を避けて遠くへ去っていく。
「おりゃ、こんの、てや、そらっ、とう、でやっ」
そのまま三十分ほど奮戦した。みるみる服が濡れていく。しかし、労力に反比例して成果はまったく上がらない。
「……いつものことだ」
さらに三十分後、俺は川原の茂みに仰向けになって、空を見上げていた。
平和であるものの、何の刺激もなく、進展もない。そんな日常をこうやって繰り返してきた。
ふと見ると、林の向こうで俺より若い剣師が、あっさりとウサギ型の観念生物を消滅させた。
天性、と俺は思った。
他の人にあるのではなく、俺にないのだ。
昼、家に戻ると、
(ねえ、どうだった? 新しい剣)
ナズナが俺の袖を引いて訊ねた。俺は渋々首を振った。
(そっか)
ナズナはつかの間うなだれて、またいつもの笑みを取り戻す。
(次はいいのができるように頑張るね)
やたら早口、ならぬ早指で意思伝達をした。
俺は「ああ」と生返事して、ヤカンを手に取った。
「水汲んでくる」
すぐ近くの小川まで歩いていって、俺は顔を洗った。そのまま頭ごと川に突っ込んだ。
生まれつき決まっている運命だ。ゼロに何をかけたってゼロだ。
だから努力したって意味がない。
「ごめんな。ナズナ」
呟きが漏れた。
やる気のない俺と対照的に、ナズナは毎日一生懸命に剣を作っている。
命の剣はその名の通り、鍛冶の生命力を剣の素たる結晶素材に吹き込んで、形ができあがる。
しかしやりすぎは禁物で、精錬しすぎると本人の身体に反動が来てしまう。だからナズナには週にひとつしか作らないように言ってある。
それだって多すぎるくらいだと俺は思っているが、毎日いくつも剣を作る者もいれば、年にひとつしか作らない者もいるという。世界は広い。
午後、俺は軒先で仰向けになって空を見ていた。思えばほとんどの時間を俺はこうして空虚に過ごしている。
今、国のあちこちで誰かが観念生物を退治していることだろう。
それは別に俺じゃなくともいいのだ。
そして国の外には、俺の想像もつかない広漠たる世界が広がっている。
俺はそこへ行くことはない。行けない。
とんとん。
額をつっつかれた。見上げると、ナズナがそこにいた。
(ねえ、次の剣作っちゃだめ?)
俺は半身を起こした。
「どうして」
(作りたいから)
それじゃ理由になってない。けどまあ、言いたいことは何となく解る。
「ダメだ。お前一回それで倒れたことあっただろ。兄として、お前をみすみす危険な目に遭わせるわけにはいかない」
ナズナは口を尖らせて不満そうな顔をしたが、
(わかった)
そう言うと林のほうへ散歩に出かけた。また草花を摘んでくるのだろう。ナズナの編んだ冠やら何やらで、わが家はちょっとした店のようになっている。
俺は再び寝転んだ。
いつもならこのまま眠るところだが、今日はどうしても落ち着かない。タカヤの提案が頭に残っている。
A級剣師と組めば、俺も何か得られるものがあるのではないか。そんな考えが頭の片隅にわだかまっている。
軒先の日時計が、約束の時間まであとわずかだと示していた。
「来てくれると思っていた」
閑散とした詰所にタカヤの声が響いた。俺は意味もなく床を見つめ、
「ただの気まぐれだ。退屈しのぎってやつだ、はは」
「それでは行くとしよう」
早速とばかりにタカヤは早足で出口へ向かう。
「おい、待てったら!」
駆け足で追いかけた。
詰所から出た俺たちは、タカヤ先導のもと南へ歩き出す。
「どこに行くんだ?」
俺の問いにタカヤは、
「滝の洞穴に向かう。B級、およびA級の生物が多く現れる場所だ」
「あのさ。正直一生かかっても俺には退治できないぞ、そんなの」
「かまわない」
言うなり、タカヤは早足で道を急ぐ。間もなく中継地点(ターミナル)に至り、そこから南十三エリアへ向かう。
ポートから降りて、草花の少ない道を歩きながら、なぜ来てしまったのだろうと俺は自問していた。
やがて道は岸壁にぶち当たる。岩肌にぽっかりとほの暗い穴が開いていた。
「やはり人が少ないな」
タカヤは周囲を見渡して言った。まばらな糸杉だけしか生えていない、殺風景な場所だった。
「こんな場所初めて来たぞ」
「先ほどのポートはB級以上のライセンスを持っていないと利用できないのだ。君は私とパーティを組んでいるからここに来られた」
俺は苦虫を噛んでいるような気分でタカヤを見ていた。
「つまり、剣のセンスがない奴はここに来るなってことか」
B級ライセンスを持っている剣師は五十人ほどしかいない。
タカヤは特に表情を変えることもなく、
「君がそう思うのならそうだろう。私はそうは思わない。剣術とは帰納と演繹による経験の産物だ。使うのは身体だけではない」
そう言うと、ベルトから柄の長い剣を取り出した。フォトンカラーは赤。
俺も溜息混じりに剣を構える。さっきのサボテンソードはあまりに形無しだったため、これまでにナズナが作った中で一番マシな形をしたものを持ってきた。
「何だそれは」
タカヤが平板な口調で言った。
「何って剣だよ。見りゃ解るだろ」
俺が手にしていたのは光の輪だった。
「喪失説話(ロストテイルズ)に登場する天使の輪みたいだな」
「俺もそう思う。けど何の関係もないぞ」
喪失説話とは、気の遠くなるような昔、この星にあった無数の物語や伝承、神話のうち、残ったものを記録している電子媒体のことだ。
今では中枢機関の一室で残り物のようなログが閲覧できるだけだ。俺は暇つぶしによく行くが、他に利用する人を見たことがない。
タカヤは近くに生えている糸杉を遠い目で見つめ、
「観念生物は、その多くが何らかの形で喪失説話にも登場している。国民の多くはそれを知らない」
「そうらしいな。廃れたおとぎ話ってとこだ」
「私はあれらの生物が、そうした失われし古典を憂い、嘆いているように見えることがある」
「だったら退治なんかせずに野放しにしてやったらどうだ」
「それとこれとは話が別だ。喪失説話はモチーフの残滓でしかないが、命の樹は今なお生きている」
「そうかい」
「ああ」と言ったタカヤは洞穴へ視線を転じ、
「長話は無用だ。向かうとしよう」
静かに歩き出した。俺は肩をすくめて後に続く。
洞窟の中は静謐に満たされていた。ところどころにヒカリゴケが生えていたものの、他に明かりといえば俺たち二人の剣以外にない。
途中、赤一色のコウモリの群れが、頭上すぐ近くを飛び去っていった。
「おりゃ」
俺はその一匹を何とかしとめられないものかと剣を振ってみたが、見事に避けられた。
「余計な真似をするな。奥にいるものに気づかれる」
「解ったよ」
洞窟は曲がりくねっていたもののほぼ一本道だった。
やがて途方もなく大きい、広間のような場所にたどり着いた。
「すごいな。こんなに広い場所があったのか」
「ここは己を研鑽するにはいい場所だ。私は三日に一度はここへ来ている。こっちだ」
タカヤは慣れた足取りで何もない暗闇へ向かって進んでいく。俺も慌てて後に続く。湿気を含んだ、生ぬるい空気が全身を覆う。
しばらく歩くとタカヤは無言で俺を制し、
「剣を納めるんだ」
小声でそう言った。タカヤはすでに刀身を消失させていた。
「ここでか?」
俺がこの輪っかを消したら、空間全体が頻闇となるだろう。それは生理的に拒否反応を起こす代物だ。
タカヤは無言で頷いた。俺は逡巡ののち、フォトンを消した。
まっくら闇。
盲目になるとはこういう状態を指すのか。そう思った。
それは根源的恐怖であるように思われた。視覚以外の五感がたちまち鋭敏になった。
むっとするようなコケの臭いだとか、湿った空気の感触だとか、微かな衣擦れの音だとか、苦いような口内の感じだとか。
静寂があった。宇宙空間に自分が存在していることを、不可思議な体感とともに悟った気がした。
瞬間、閃光のようなひらめきが目の前で弾けた。
比喩ではなく、実際に。
「何だ!?」
「一角獣だ。森からここに迷いこんだらしい」
タカヤが早口で言った。……観念生物。
「背中合わせになるのだ。刀身は衝突の瞬間以外消しておく。いいか」
俺は頷いて、タカヤと背中合わせに立った。相変わらず目の前には無限の闇があった。
「己の感覚に忠実であれ」
タカヤはそう言った。俺は首肯する代わりに、剣の柄をしっかりと握りしめた。
背中側でふたたび閃光があった。観念生物が、見たこともないような速度で去っていくのを目の端で捕らえた。
俺は生唾を飲んだ。日頃、こんな緊張感を持つことはない。そのせいか、手の平に汗がにじむ。
気配。
何かが向かってくる。
「うわっ!」
俺は思わずしゃがみこんでしまった。氷のような冷たさを持つ何かが頭上をかすめた。
「立ち向かえ。さもなくばやられる」
やられる?
「それはどういう意味だ?」
「一部の観念生物には、実際に物質へ干渉する力があるのだ。B級のごく一部、A級のおよそ半数、S級はおそらくすべてが」
よく解らない。心臓が変な具合に高鳴っている。頭が回らない。
また閃光がはじけた。あまりのまぶしさに目をすがめてしまうほど強烈な光だ。
「立て。万一やられてはかなわん」
俺は薄く目を開ける。ずっと遠くに青白い光の点が現れたと思いきや、見る見るそれは大きくなって、こっちに向かってくる――、
「うわっ!」
全身を冷凍されたような感触とともに、俺の意識は遠のいた。
目を開けると、金属質の天井が見えた。
室内には夕暮れの日が差し込んでいて、全体が朱色に光っていた。
「目が覚めたか」
タカヤの声がした。振り向こうと思ったが、うまく首がまわらない。
「一日安静にしている必要がある。直撃を受けたのだからな」
「ここはどこだ?」
思わず漏れた呟きにタカヤは、
「中枢の医療区だ。もしかしたら君は利用したことがないかもしれない」
「ああ、そうか」
確かに何年も来てなかったな。
全身が妙に冷たかった。熱を奪われたせいで思うように動けない。
「あれは本当に観念生物なのか?」
俺が言うと、
「そうだ。力を持った部類は、あのように実際的な攻撃をしてくる。知らなかったか」
「知らなかった」
「多くの者は知らない。B級の生物を退治した時に初めて告げられ、他言無用とされる事実だからな」
「俺に言っちまっていいのか、それ」
「パーティを組んだものには打ち明けて構わない。君も他の者に話してはいけない。さもなくば剣師の資格を剥奪される」
俺は失笑した。
「あってないようなもんだ、そんなの。見ただろ。俺はからっきしセンスがない」
タカヤは何も言わなかった。何か考えているようだった。
やがて、
「ふむ。私の考え違いだったのだろうか」
「何のことだよ」
しかしまたもタカヤは答えなかった。しばらくするとタカヤは立ち上がって、
「明日には家へ帰れるだろう。君の妹さんなら気にしなくていい、私の妹を向かわせたからな」
と、知りたくなかった事実を告げて去っていった。
翌日になると、体温と共に身体は元に戻っていた。
家に戻ると、ナズナが手を振って俺を出迎えた。
(おかえり)
「ただいま」
さんざんだった上に何の成果もなかった旅を苦々しく思いつつ、俺は椅子に座った。
(身体、大丈夫?)
ナズナが好奇心と心配が半々といった面持ちで訊ねた。俺は頷く。
(どうだった?)
「どうもなにも、見れば解るだろ。てんでダメさ。いつも通りだ」
俺は狭い室内を見渡して、
「あいつはもう帰ったのか」
(ユーノちゃんのこと? それなら)
「たっだいまー。ご馳走を作るべく材料買って来ましたよー」
ガタの来ている木製扉を威勢よく開けて、ユーノが入ってきた。
「何だよお前、まだいたのか」
「まだ? へえ。それが献身的なボランティアに言うお礼なわけ」
「昼食なら俺が作るからもういいぞ。食材はありがたく頂戴する」
「あんたね、そんなんだから進歩しないのよ。謙虚さが足りないわ」
「お前に言われたくない、つうか関係ないだろそれとこれとは」
(もう、二人ともダメだよケンカは)
ナズナが仲裁に入った。
結局、ナズナの説得により三人で仲良く(ナズナが言うところの)昼食を取ることになった。
俺が食材を切り、ユーノが調理した。ナズナも参加したそうにしていたが、確実に皿をひっくり返すので俺が全力で止めた。
庭で、遠くにある命の樹を眺めているナズナを横目に見つつ、ユーノが、
「あんた。この先ナズナちゃんと二人でずっと暮らしていくつもりなの?」
「急に何の話だよ。……まあ、そのつもりだ」
「でも、はっきり言ってあんた、剣師としての見込みがあまりにもないじゃない。このままじゃ何も変わらないわよ?」
俺は答えなかった。するとユーノは、
「たとえばだけど、航宙士のプログラムを今から受けるとか、観察系の資格を取るとか」
「大きなお世話だ。どれもする気はないね」
「あっそう。せっかく人が心配してあげてんのに。ふんっ」
ユーノはサラダを載せたボウルを持ってキッチンを出た。
とっさに否定してしまった自分に嫌気がさす。あいつの提案は至極まっとうだ。しかし俺はつい意固地になってしまう。
前にも一度「食材、よかったら分けてあげましょうか?」と言われて、断ってしまった。ナズナのためを思えば拒否する理由なんてないのに。
この国にいる以上、命の樹の保護が唯一の使命だ。それができる者ほど評価され、賃金をもらえる。
しかし俺はあらゆる意味で見込みがない。
それなら何か別の道を探せばいい、というのは妥当な提案だ。
解ってる、そんなことは。
「どうぞ召し上がれ」
調子よく言うユーノに、
(いただきます)
ナズナが両手を合わせた。
俺は憮然とするのをなんとか抑えて、
「よし、どれだけ不味いか知らないが食べてやるか」
「ほんとにいちいち毒を吐かないと気がすまないのねあんたは。あたしの味付けの秀逸さに瞠目するがいいわ」
(だからケンカはだめだよ二人とも)
無邪気に割って入るナズナを見ると、気が安らいだ。
味付けの秀逸さに瞠目してしまったのは不覚だった。
ユーノに負けたような気分になったのが顔に出たらしい。あいつは調子に乗り、ナズナまでがなぜか笑顔になった。
「もう一食分置いていくから、あとはあんたがやりなさい」
食後、帰り支度を整えたユーノが言った。
「はいはい解った解った」
適当に受け流していると、
「あ、それとあんたさ」
「何だ?」
「お兄ちゃんが『明日、同じ場所と同じ時間にもう一回来てくれ』だってさ」
「はあ? まだやるのか。俺みたいな腰抜けに何の価値があるってんだよ」
「そういう風に自分を卑下するのはよくないわ」
「それじゃお前が日頃俺に言ってる罵詈雑言はどうなる」
「何か言ったかしら。ちょっと聞こえなかったわ。ともかくそういうことだから」
ユーノはそう言うとナズナに笑顔で手を振り、帰っていった。
いつもより多い食器を洗っていると、ナズナが傍らに立っていることに気がついた。
「どした?」
(お兄ちゃん、元気ない?)
「そんなことはないぞ。まあユーノのバカにエネルギーを浪費させられたけどな」
ナズナは(そんな風に悪く言っちゃダメだよ)と言った後で、
(あのね、また剣を作ってみたの)
「おいおい。たくさん作っちゃダメだっていつも言ってるだろ」
するとナズナは首を振って、
(違うよ。ずっと前に作ったものなんだ。これ)
そう言って、何やら妙に渋い雰囲気の柄を差し出した。
俺は手を拭いてナズナから剣を受け取り、
「何だこりゃ。ずいぶん風変わりな感じだな」
(うん。よかったら使ってみて。失敗作かもしれないけど)
「解ったよ。ありがとう。本当に続けて作ったわけじゃないんだな?」
ナズナは深く頷いた。見たところいつも通り。貧血をおこしているわけでもなさそうだ。
俺は剣を道具袋にしまった。
その日は剣術については一切考えないことにして、近くを散歩したり、中枢で喪失説話を読んだりして過ごした。
ロビーの電子掲示板には、剣師の暫定級位が番付として羅列されていた。上位しか載っていないから、俺などは永遠にここに名を連ねることはない。
タカヤ・ナナセの名が上から八番目のところにあった。こんな上位にいるのに、俺に構う理由など微塵もないだろう。
それとも、俺のようなうだつの上がらない剣師に救いの手を差し伸べているとかそんなんだろうか? だったら、なおのこと無意味な行為だ。
「努力してもムダ。しなくてもムダ」
そう呟いていた。それは俺がこの数年間思い続けてきたことだ。
生まれつき、と俺は思う。
生まれつき、人にできることは決められているのだ。その範囲の中にしか自由はない。もしかしたら、その中にすら自由はない。
取捨選択できると思っているのは認識錯誤であって、本当は何もかも決定されているのかもしれない。喪失説話にあったラプラスの悪魔とかいうやつ。
だとすれば俺はどこへも行けない運命を決定付けられているのかもしれない。
たまに、対極の位置にいる自分というのを夢想する。そこにいる自分にできないことなどなく、行けない場所などない。そんな万能の存在になれたら。
それはまさしく夢にすぎない。願っても叶わない。
いい加減解りきったことだった。
そのはずだった。
翌日はずいぶん早い時間に目が覚めた。
「ん」
あくびをかみ殺しながら外へ出ると、朝日が丘陵に顔を出したところだった。朝靄が林間地帯に広がっている。
こんなに早く起きたのは久しぶりのことだった。朝のひやりとした空気を肌に感じ、深呼吸すると、意識が思いのほかクリアになった。
自室に戻った俺は、着替えをすませると、道具袋片手に川原へ行った。顔を洗うと完全に目が覚めた。
雌鹿やハト、ツバメのシルエットを伴った、単色の観念生物が、あるいはせわしく、あるいはのんびりと低空を飛んでいた。
俺は昨日ナズナからもらった剣を取り出してみた。
さるったので続きはのちほど。
さるあるんだ
じゃあやっぱり長編投下する人には予告してもらって
支援したほうがよさげだね
いけるとこまで続き投下します。
やはり妙な一品だった。
まず、通常の剣に比べてずいぶんと重い。両手で持ってようやくほどよい手応えになるくらいだ。
そして装飾。ナズナが作ったものにしてはずいぶんと精細で巧緻だった。植物のツタをあしらった有機的な曲線が、柄に美しい尾を引いている。
俺は光子を現出させるべく、意識を集中してみた。
すると、驚いたことに、剣がまるで身体の一部であるかのように馴染み、軽く感じられた。
さらに意識を集中すると、どこまでも透き通った、透明な刀身がまっすぐに伸びた。ちょうど俺の脚からへそぐらいの長さだ。
「何だよ、これ」
さらに剣が軽くなる。片手で持っても重くないどころか、羽のように軽やかに振ることができる。
透明な刃で朝の鮮烈な空気を薙ぐと、金属質の鋭く鈍い音がした。
その感触が楽しくて、俺はしばらくの間透明な剣を振って遊んでみた。
未知の感触だ。
剣を通してあらゆるものが体感できるようだった。例えば樹木の高さ、岩の重み、草花の生命力、空の広さ。土の湿り具合。
身体まで軽くなったように思えた。ためしに跳躍してみると、普段の何倍も跳ぶことができた。
「な」
小川をまるまる飛び越えたことに自分で驚愕していた。
「何だこれは。俺は鳥になったのか?」
<半分はわしの力じゃ>
ん?
何だ。どこかから声がしたような。
<ような、ではない。実際にわしがお主に語りかけておる>
錯覚か、じゃなきゃこれは夢か?
<ならばそこの石で自分を殴ってみるがよかろう。そっとな>
「そりゃいい提案だ」
身長がミリ単位で伸びた。頭のてっぺんにコブができた。
<夢じゃないことが解ったじゃろ。ほっほ>
「お前は何者だ? どこから俺に話しかけてるんだ」
<わしはお前の手元におる。ほれ、こっちじゃ、こっち>
俺は手元を見た。しかし俺が持っているものはナズナの作った剣だけだ。
<あほうが。だからその剣がわしじゃと言うておる>
俺は絶句して剣を見ていた。何言ってるんだ。いくらなんでも剣が喋るわけないだろ。人工知能を搭載したってんなら話は別だが。
<お主は想像力というものがないのう。じゃから、喋る剣があるということだろうて。ここに、こうして>
喋る剣の存在確率についてしばらく思いを巡らせてみた。首を振ったのち、川の水で頭を冷やした。
そして出た結論はただひとつだ。
「俺の頭はとうとう狂ってしまった」
<狂っとらんわい>
「そうか。それで、何なんだお前は」
<喋る剣じゃ。それ以外に名乗る名もないのう>
「それじゃ呼ぶときに困る。便宜上の名前とかないのか」
<Talking Swordの頭文字をもじってティスとでも呼ぶがいい>
「んじゃティス。何でお前は喋ることができるんだ」
これまで二十年近く生きてるが、命の剣が話したなんて事例は聞いたことがない。
するとティスは、
<いきなりじゃがそれは話せないのう。ひとつ言うならば、必要とされる者のところに来た、ということかの>
「何だよそれ。さっぱり解らないぞ」
<まあよいではないか。もっか重要なのは、お前の致命的な剣の腕をどうにかすることじゃ>
「俺のすばらしい技量のことまで知ってんのか」
<さよう。わしはこの国の内外、新暦以前以後を問わず、あらゆることに知悉しておる>
「さっき俺がアホみたいに跳べたのもお前のせいか」
<おかげと言え。その通りじゃ>
俺は試しに、両脚に力を入れて垂直に跳んでみた。
近くの樹にやすやすと登ることができた。引力の弱い別の惑星に行ったみたいに身体が軽かった。
「むちゃくちゃだな」
<それだけわしの力が強大だということじゃ>
俺は剣にぶしつけな視線を送った。
「ナズナが作ったんだとしたら、突然変異の才気煥発もいいところだな」
<ある意味で、その呼称は正しいものじゃ>
「どういうことだよ」
<どういうことかのう>
しらばっくれる気か。
<まあよいではないか。今はほれ、そのへんを闊歩しとる観念生物の一体二体、ちょちょいっと退治してみせい>
見ると、水辺にはカササギ型のシルエットがいくつか水浴びをしている。
俺は命の剣・ティスを見て、握る手に力を込めた。
水辺に向けて、俺はゆっくりと駆けていった。
「よう、待たせたな」
午後三時、俺は詰所のロビーにいた。
「……来るとは思わなかった」
タカヤは抑揚のない口調で言った。
「あんなことくらいでへこたれる俺じゃねえよ」
我ながら調子のいいセリフだ。
「そうか。身体は大丈夫か?」
「ああ」
「それは結構」
「で? 今日もどこかへ連れてってくれるのか?」
俺がそう言うと、タカヤは値踏みするような、観察するような目で俺を見た。
「行く気があるか?」
「おう。珍しくやる気なんだよ」
それならば、とタカヤは俺を先導した。
いくつかのポートを経由して到着したのは、前回と違う場所だった。荒地のように寥々としていて、草木が一切ない。
「こんな場所があったのか」
俺の呟きに、
「稀有なる観念生物は、このような辺境の地に現れることが多いのだ。生命力の高さゆえ、命なき土地でも悠然としている」
タカヤはそう言って、命の剣からフォトンを出現させた。透き通った紺碧の光。
「あれ。今日は構えてていいのかよ」
タカヤは頷いて、
「ここに住まう者は好戦的なのだ」
と言って上空を眺め、
「来るぞ。グリフォンだ」
視線の先を追うと、大きな翼と四足を持つ中型の怪獣が、こちらへ滑空してくるところだった。
<剣を抜け>
ティスの声なき思念が頭に響く。俺は素早く剣を抜き放つ。
<大地の鳴動に耳を澄ませるのじゃ>
タカヤが先に剣げきを加える。剣の刃と、グリフォンの爪が交差する。つば競り合いから、離脱。そのままグリフォンがこちらへ向かってくる。
俺は跳躍すると、後ろに回りこむように宙返りして攻撃を回避。
グリフォンは旋回して、再び俺に向かってくる。俺はグリフォンの光る爪を見据え、一閃。音のない鳴き声を放ち、グリフォンは中空へ舞い戻る。
俺はティスをくるくると回してはずみをつけ、そのまま上空へ遠投した。
刃はグリフォンの核をとらえ、貫通する。消滅。
「おっ、と」
落下して地面に突き刺さった剣を抜くと、フォトンを消した。
「ほう」
タカヤが無味乾燥な眼差しでこちらを見ていた。
「何だよ、もうちょっとマシな反応できないのかお前。人類がかつて月に第一歩を踏み出した時ぐらいには偉大な進歩だぞ」
「いや、すまない。あまり急に上達したものだから、驚くに驚けなかった」
「へっへっへ。俺だってちょいとその気になればこのくらいできるのさ」
タカヤは確かに驚いているらしかった。解りづらいが、眉がいつもより上がっているのがその証拠だろう。
そう。
ティスは俺に、自分でも驚愕するほどの力を付与してくれた。
詰所に向かうまでに、俺は人生初の観念生物退治に成功していた。それもあの川原全体を掃蕩できるほどに。
「見慣れぬ剣だな」
タカヤがティスに目を留めた。俺は思わずどきりとし、
「ああ。ナズナがとうとう傑作を作ってくれた。俺の才能を引き出す逸品をな」
タカヤは口元に手を当てていたが、
「ふむ。君には潜在的な力が宿っていたと。なるほど」
「そういうこった。これまでがおかしかったんだ。こうでないとな」
「それではもう少し難度の高い場所へ赴いてみるが、いいか?」
「おうとも。どこへだって行ってやるぜ」
俺は胸を張った。
今なら何だってできる。そんな気がした。
「おーいナズナ! 今日はごちそうだ!」
夕方、両手いっぱいの食材を持って家へ戻ると、ナズナはテーブルに伏して昼寝の延長戦を続行していた。
俺は微笑ましさを感じつつ、片手に下げた食材の袋をキッチンに置いて、料理にとりかかった。
一時間ほどして目を覚ましたナズナは、テーブルに並ぶ品目の多さに驚いた。
(わあ。どうしたのこれ。すごく沢山)
「妹よ聞いてくれ。俺はついにやったんだ」
俺はそこから十分ほど武勇伝を語った。ナズナは無邪気に喜んで、俺を祝福してくれた。
輝かしい一日だった。
数年間胸につかえていたものが一気に解消されて、そのままどこまでも羽ばたいていけそうな、前途と希望が果てしなく広がっていくような、そんな気分だった。
何よりナズナが喜んでくれたのが嬉しかった。
妹は、自分が一気呵成のごとく傑作を作り上げたことより、俺が意気揚々としていることに歓喜しているようだった。
タカヤはあの後、俺を様々な場所へ連れて行った。
観念生物に物理的な攻撃をしてくる種類がいるというのは本当で、実際俺はいくつか生傷を作っていた。
ナズナがそれに目を留めて、
(傷、大丈夫? 痛そう)
「こんなの何でもないんだ。それよりもだ、ついにまともに稼げるようになったのが嬉しい。だから平気さ」
ナズナはそれでも心配そうに俺を見ていた。
「さ! 食べようぜ」
(うん。いただきます)
「いただきます」
それから数日のうちに、俺は剣師の番付表に名前が載り、みるみるうちに順位を上げていった。
タカヤのほうもふたつばかり順位を上げた。やがて俺たちは庭の国で知らぬものはいないほどのペアになった。
ある日のこと。沼地でキメラの群れを退治して一休みしていると、タカヤが、
「ずいぶん腕を上げたな」
「ああ。おかげさまでな」
タカヤは微かに吹いてくる風に髪をそよがせていた。例によって何かを考えている風だったが、
「君の妹さんだが」
「ナズナのことか?」
タカヤは頷き、
「彼女は生まれつき喋れないのか?」
俺は首を振った。
「いいや、あいつは学生時代まで普通に話すことができた。学校を卒業して、鍛冶として命の剣を作るようになってからだな。喋れなくなったのは」
その日のことはよく覚えている。
寝坊した俺が慌てて朝食を作り、ナズナを呼ぶと、反応がなかった。
ナズナの工房兼部屋に行くと、妹は起きていた。肩を叩くと、ナズナはようやく呼び声に気づいた。それから一時間のうちに、俺は人生で最大のショックを受けることになった。
ナズナは声を出そうとしても出せず、その上耳も聞こえないらしかった。中枢の医師に診てもらってもダメ。結局、ナズナはその日から声と聴覚を失うことになった。
俺はそれが、自分の剣師としての腕がまったく振るわないことによる、ナズナへの心的な作用だと思っている。まるで結果が出ないから、罰が当たったのだ。
それから俺はがむしゃらに観念生物を追うようになった。しかし結果は何も残らず。ナズナは俺をいつも励まし、俺は自分を責め続けた。
そんな日々が何年も続いた。相変わらず結果は出なかった。
俺はいつしか諦めるようになった。
結局、あらゆることは生まれつき決まってしまっていて、どれだけもがこうと、定められた範囲から脱出することはできないのだ。
そう思い込むことで、自分の道から逃げた。
本当に向いていないのなら、ユーノが言ったように、剣師以外の職に就けばいいのだ。そのために努力すべきなのだ。
しかし俺はそれさえもしなかった。
でも、今なら。突如舞い降りたこのチャンスをものにできれば。
俺がナーバスになっていると、タカヤが軽やかな声で、
「そうか。いつか回復するといいな」
「ああ」
俺が一流の剣師になれば、きっと。
「私からひとつ提案があるのだが」
「何だ?」
「Sクラスの観念生物に挑んでみないか?」
俺は目を瞬いた。
「どうやって?」
Sクラスの生物は今まで誰も遭遇したことがない。というより、誰も届かない場所にいる。
たとえば飛竜。人は空を飛べないし、庭の国じゃ移動用の機械は使えない。ティスの力を持ってしても、あんな高いところには到底届かないだろう。
タカヤは俺を一瞥して、
「我々が相応の力量に達すればあちらから戦いを挑んでくるはずだ。誰も手出しができないというのは、未だ誰もその領域に達していないということだ」
「なるほどね」
「我々ならばそこまで行ける。私はそう思っている」
「Sクラスか」
俺は考えた。もしもSクラスの剣師になるようなことがあれば、それはこの上もない栄誉だ。夢以上だ。
「考えておいてくれ」
タカヤは俺にそう言った。犀利な眼差しに向上心がうかがい知れた。
(…………)
その日の夕食中、ナズナが俺をぼんやりとした眼差しで見ていることに気がついた。
「ん、どした? 何か変な味付けのものでもあったか?」
ナズナは首を振り、
(ちがうよ)
箸を持った手で慌てて手話をする。箸の一本が手から落ちた。箸はカランと音をたて、コロコロ転がって、椅子の脚にぶつかった。
(あ)
「ああ。ちょっと待ってろ。今洗ってきてやるから」
俺は席を立ってナズナの箸を拾い、台所に向かう――と、ナズナに服の裾をつかまれた。
「ナズナ? どした」
(ねえ、お兄ちゃん)
「何だ」
(今度さ、どこかへお散歩しに行かない? ユーノちゃんとかタカヤさんも一緒に)
俺は眉をひそめた。
「どうしたんだ? 急に」
するとナズナは何か言おうとして、それからまた首を振った。
(ううん。何でもないよ。お兄ちゃん、この頃忙しそうだから、たまには息抜きしたほうがいいかなって思っただけ)
俺は肩の力を抜いた。
「何だ、そんなことか。それなら見ての通り、俺は元気溌剌、万事快調だ。むしろ今までで一番ノッてる。だから平気さ」
ナズナは何も言わずに、しばらくの間俺を見ていたが、
(そうだよね。はは、何言ってるんだろあたし。ごめんね)
「気にすんな」
台所で俺は箸を洗い、ナズナに返した。ナズナはそれきりこの話題には触れなかった。
俺は今、とにかく観念生物を退治して家を豊かにし、ナズナに幸福になってもらおうと必死だった。
だからいくつかのことが見えなくなっていたのかもしれない。
<どうじゃ、わしの力は絶大なもんじゃろ>
夕食を終えて片づけを済ませ、薄明かりのともる軒先でくつろいでいると、ティスが俺に語りかけてきた。
「そうだな。どっちかっつうとお前を作ったナズナがすごいんだけど」
<そうじゃな。お主の妹は心の澄んだよい子じゃ。おまけにお主のような腑抜けをうやまっておる>
「知ってるさ」
俺は自分の声が小さくなるのを感じた。そうさ、ナズナは俺のように屈折していない、素直な娘だ。
表情を持たないティスは、ひょうきんな抑揚をつけて俺に言う。
<お前にひとつ質問じゃ。今お前は幸福か?>
「どういう意味だよ」
<言葉通りじゃ。お前はこれまで、自分が地の底を行く落ちこぼれだと思っとった。しかし心のどこかでは一流の剣師になることを夢見ておった。
それが今やひょんなことから叶ってしまいそうじゃ。……さて、これでお前は幸福かのう?>
すぐに返答しかねた。が、これまで俺の精神状態がどんなだったかを思えば答えは自明だ。
「当たり前だろうが。最高だね。願いが突然叶ったんだ。これ以上の喜びがどこにあるってんだ」
<ほほう。興味深い答えじゃのう>
嘲弄するような調子なのが何だか癪だ。
俺をよそに、ティスはマイペースに話を続ける。
<『庭の国』か。たいそう素敵な場所じゃ。見ようによっては、あらゆる惑星でもっとも恵まれた場所かもしれん>
「単調な毎日を繰り返すだけの場所だぞ?」
<っほ。この国から出たことのないお主にはそう思えるじゃろう。しかしな、ほんの少し想像力を働かせれば、ここがどんなに恵まれた地であるかが解ってくるはずじゃ>
何が言いたいんだ、このじいさんは。
<何が言いたいかとな? ふむ。お主、この星がかつてどのようであったのか知っておるか?>
「今よりもっと人と人が近い場所にいたんだろ」
<ほう。自覚しての発言なのかは知らぬが、なかなかいい表現をしおるな。確かにそうであった。今の時勢のように、機械がまだ高度な発達をしていなかったからな。
むろん他の惑星に進出してもおらなんだ>
喪失説話の他に、中枢では歴史のデータを閲覧することができる。
もっとも、庭の国でそんなものを見たがる人間なんて皆無に等しい。物語のある喪失説話ならまだしも、気の遠くなるくらい昔にあった人の営みなんぞ、もはや誰も気に留めない。
<さよう。数多の惑星に人々が散った今、かつてこの星で人がどのように暮らしておったかなぞ些事にすぎぬ。しかしな、わしはそんな時代を知っておる。
お主、わしの見た目が風変わりだと思っただろう>
「ああ。なんつうかダサい」
<無礼と正直は違うぞ。まあいい。遠い昔、剣の柄はみなわしのようなつくりをしていたのじゃ。本当なら刃も金属でできていた。生きものを物理的に傷つけるためにな>
俺は思わず黙ってしまった。
<剣だけでなく、料理用のナイフや、髪を切るハサミなどもみな金属製だったのだ。今のように光学レーザーなど登場しない。すべては物質に依存していた。
生けるものはみな、何らかの形で他の生物を傷つけねばならなかった。解るか?>
「それは、つまり」
<今からは想像もつかぬほど、人と人は近かった。お主の表現は当を得たものじゃ。むろん、今この場所にも人の交流はある。じゃが、誰かとまったく関わらずとも生きていける。
それに、誰もが同じ星に住んでいるわけでもない。同じ時間を生きていても、価値観や思想が一切共有できない者のほうが多いくらいじゃ>
「だから俺たちが幸福だってことか?」
<さてな。それは解らん。いいか、幸福の価値基準は一人一人、その時その時で違うのじゃ。絶対不変の幸せなぞ存在せん。プラスがあればマイナスがあり、闇があれば光があるのじゃ>
ティスは動作なき呼吸をするような間を置いて、
<生きていながら、何も感じなくなってしまうということはありうる。すなわち作用も反作用もない状態じゃ。それは恐ろしいことじゃとわしは思う。
停滞がもたらすものは何もない。どんな状況であっても、自分から動いていかないことには何も変わらないのじゃ>
「結論は何だよ。さっきから似たようなことを繰り返してるけど、言いたいことがさっぱり解らないぞ」
<言いたいことなぞないわい。言葉だけで伝わることは本当に少ない。経験を通した実感にこそ真の意味がある。真理は言葉では伝わらないのじゃ>
それっきりティスは何も言わなくなってしまった。喋らない剣は本当にただの物質でしかないように見える。
俺はこの日ティスが言ったことをまるで気に留めなかった。
望んでいた幸運が最高の形で降ってきたことに、ただ酔いしれていた。酔いしれていたかった。
その後も、俺とタカヤは順調に成果を上げていった。
番付表はタカヤが一位、俺が二位になり、国中の注目が俺たち二人のパーティに集まっていた。
俺とタカヤには予感があった。
そろそろSクラスの観念生物が戦いを挑んでくる――。
近頃、命の樹上空の飛竜がいなかった。それは今までにないことだった。何らかの兆候なのだろう。
朝、出立の支度を整えるたびに、俺は精神を集中して、いつ戦いを挑まれてもいいように心の準備をしていた。
(いってらっしゃい)
ナズナの見送りを受けた俺は、朝の雑事を手際よく済ませて家を出た。ナズナがその時どんな様子であったか、俺は気に留めていなかった。
今日は中枢でタカヤと待ち合わせしている。
早足で目的地に向かう俺はその時、周囲の剣師たちのある変化に気づかなかった。
「ちょっと番付表を見てくれ」
タカヤが発した第一声だ。
「何だ? 何かあったのか」
「まずは見てくるんだ。話はそれからでいい」
俺は詰所に向かい、電光表示板に連なる数百の名前を眺めた。
一番と二番が俺たち二人なのは変わりない。
が、
「ん?」
Aクラスの剣師が増えていた。それもかなりの数に。
名前の横にあるランクは、タカヤと俺をはじめ、一番上から五十名ほどがAになっていた。
最後にこの表を見たのは数日前だったが、その時はAクラスの剣師は十人もいなかったはずだ。
支援
さらに下のほうを見た俺は目を見張った。ランクが上がった剣師はAクラスだけではなく、B、Cについても同様だった。全体的に剣師のランクが上昇しているのだ。
「どうなってんだ、これは」
タカヤに問うと、何かを懸念するような眼差しで、
「見た通りだ。この一週間ほど、国中の剣師が急に調子を上げている。私もさっき気がついた」
「何故さ。何人かが急成長するってんならまだしも、こんなに多くの人が一度にランクアップするなんておかしいだろ」
タカヤは顎に手を当てて考えていたが、近くを通りかかった剣師に目を留めると、
「私について来てくれ」
それだけ言って詰所を出て行く。
「待てよ!」
俺は慌てて後を追いかけた。
タカヤが向かったのは特別な区域ではなく、庭の国中央部の平原だった。
「どうしたんだよ」
早足で歩くタカヤに並び、俺は問いかけた。
タカヤはしばらく何も言わずに歩いていたが、丘陵になっている地区まで来ると足を止め、
「見てみろ」
そういって前方を顎で指した。
見た途端に疑問が氷解した。
「な」
数名の剣師が、見事な剣技とともに観念生物を次々なぎ倒していた。
彼らは流麗な動作で敵の動きをとらえ、無駄な動作をすることなく一撃を加え、一帯に群生する観念生物をあっという間に消滅させていく。
その動きに俺は既視感のようなものを覚える。
「彼らの使っている剣を見るのだ」
タカヤが言った。俺は剣師たちの手元に注目する。
「!」
俺の持っているものとまったく同じ剣を彼らは使っていた。刃の色こそ違えど、柄の特徴的なデザインは紛うことなく同一のものだ。
「どうなってんだ!? 何であれをあいつらが」
目を見張る俺に、タカヤはいつもの冷静さで、
「解らん。私が訊きたいくらいだ」
そう言ってから、
「おそらく今、国中の者があの剣を手にしているのだ。だから急激に全体のランクが底上げされた。君がそうなったように」
俺は目の前の光景に釘付けとなったまま、動けずにいた。何故だ。いったいどうして?
俺のかたわら、タカヤが言葉を続ける。
「番付がどうなっていたか覚えているな? Aランクの剣師が増えていた。おそらく、Sクラスの観念生物は当分姿を現さないだろう。
奴らは聡い。数少ない実力者の前にのみやって来る。しかし現状はその逆だ。戦いを挑むべき相手はいない。こうも簡単に飛び級されてはな」
タカヤの台詞は俺の耳にも痛いものだった。
「このままでは国の剣師がみな同じ力量を得るだろう。するとどうなるか?」
タカヤは命の樹上空を見た。飛竜はどこにもいなかった。
「ある意味では平等な時代になるかもしれない。しかし、そこにもはや純粋な意味での研鑽はない。
……そして、この現象がもたらす弊害はそれだけではないかもしれない」
「どういうことだよ」
俺の問いにタカヤは答えなかった。一人沈思黙考したうえで、
「今日は解散だ。私は私でこの件を調査してみる。君も君の思う行動を取れ」
そう言うと足早に歩き去った。残った俺はぽつんと平原に取り残された。
タカヤにああ言われたものの、じゃあどうすべきか解るわけでもなく、とりあえず俺は家へ帰ることにした。
玄関の扉を開けると、居間にナズナが倒れていた。
支援
支援
「ナズナ!」
(…………)
ナズナは力なく横たわったまま動かなかった。俺は座り込んで、上体を抱き起こす。
「ナズナ、どうしたんだ、しっかりしろ! ナズナ!」
両目は閉じられたままだ。息はしているものの、見て取れるほど呼吸が浅い。
「ナズナ。目を覚ましてくれ。ナズナ!」
<その娘を医療区に運ぶのじゃ>
剣の鋭い声が頭に響いた。
「ティス。ナズナはいったい――」
<いいから早くせい!>
鞭打つようなティスの声に、俺は急いでナズナを背負うと、人生史上最速と思えるほどの駆け足で中枢医療区へ向かった。
「庭の国」が誇りとすることのひとつに、病気、疾患の少なさが挙げられる。
この国は果てしない平和に満たされている。
観念生物の退治という責務はあるにせよ、それは一分一秒を争うせわしさもなければ、精神をすり減らすストレスも……普通はない。そのためか、この国に療養や休息に来る人も少なくない。
それだけに、ナズナが伏したことに俺は衝撃を受けた。どうして急に倒れたんだ。
十分ほどで目的地に到着した俺は、がら空きの医療区に入ると、医師に事情を説明して、ナズナをベッドに寝かせた。
ナズナの顔からは血の気が引いていた。表情は悪い夢を見ているかのように曇り、息は弱い。
「ナズナ……」
「検査をします。一度退室願います」
近くにいた看護婦が俺に言った。俺は仕方なく席を立ち、ロビーへ向かった。
「何があったんだ。ナズナ」
椅子に座って呟くと、
<あの娘は己が生命力を消費しすぎておる>
ティスが思念を返した。
「生命力?」
<さよう。彼女はこの数日、信じられないほど多くの剣を作った。そしてそれが国中に行き渡るよう、あらゆる剣師に渡したのじゃ>
「どういうことだよ」
<解らぬのか? 要するにあれらの剣を作ったのもお主の妹だということじゃ>
「な」
俺は言葉を失った。
何だって?
<あの剣たちを作りだしたのは他ならぬ彼女自身じゃ。お主の妹は、あの特殊な剣を作る稀有な才覚を持っておる。今、この国で他にあれを作れるものはおらん>
「ちょっと待てよ。どうしてナズナが他の剣師に剣を作る必要があるんだ。第一、同じ家系の者にしか剣は扱えないはずじゃないのか」
<そうではない。同じ家系の者が作った剣がもっとも剣師の力を引き出せるというだけで、扱えないというわけではない。特にあの剣の場合はな>
一呼吸置いて、
<なぜ彼女がそのような行為に至ったか解るか?>
俺はゆっくりと首を振った。
<それではお主は、彼女が生まれて初めて作った剣がわしじゃということも知らんのだろうな>
「……は?」
<やはりな>
意味が解らない。ティスはナズナが最近作った剣のはずだろう。
<違うのじゃよ。彼女はもっとずっと昔にこの剣を作っていたのじゃ。万感の願いとともにな>
「いつの話だ、それ」
<四年前のことじゃ>
四年前……。
<四年前、学校を卒業したばかりの彼女は、これから先お主がうまくやっていけるよう、強く強く祈った。そしてひとつの剣を作ったのじゃ>
頭の中で、ピースがひとつはまる。
<彼女は己の《声》を封じ込めることで、剣に並々ならぬ力を与えたのじゃ>
声――。
ナズナが四年前に失くしたもの。
ティスは神妙に言葉を次ぐ。
<身体の機能を半永久的に失うというのは恐ろしいことじゃ。たとえそれが大きな見返りを生むとしても、普通は自らの身を犠牲になどできぬ。
たとえばじゃ、お主は自分の片腕がない生活を想像できるか? あるいは耳が、目が、鼻が、そして声が>
俺は首を振った。いかに医療が発達している現代であっても、失った身体を元に戻すことはできない。
<さよう。だからこの国でも、己の身体機能を失してまで剣を作る者はおらん。しかし彼女はそれをやったのじゃ。ただお主のことを思ってな>
そんな……。
<そして彼女はわしを生み出した。意思を持ち、《声》を発して持ち主に語りかける剣を>
両手が冷たくなっていた。力が入らない。
<彼女はわしがどれほど絶大な力を発揮するか、作り上げた時点でよく理解しておった。それは、ややもすれば短期間で国の頂点に登りつめることのできるような、強大な力じゃ>
俺はうなだれて、両手で顔を覆った。
「何てことだ」
<彼女は勉学が苦手じゃったが、人の本質というものを生来の感覚として体得しておった。だからして、この剣を持ったものがどのような変化を遂げるか、実に豊かに想像することができた>
自分で遮った視界の中で、心臓の鼓動が小さく音を立てているのが解った。とく、とく、とく。
<この剣を本当の意味で使いこなすものはいないだろうと彼女は思ったのじゃ。それは兄であるお主を含めて全員がな。この剣は思うがままの振る舞いを可能とする。
しかしそれは幻のようなものなのじゃ。人は神の概念をしばしば作り出すが、神になることはできぬ>
「ナズナは今までそんなことを考えていたのか」
<あの娘は今までの暮らしにたいへん満足しておった。彼女は自分が何一つできない存在であることをしばしば憂っていたが、それでもあの生活が好きだった。
それだけに彼女は葛藤したのじゃ。お主が彼女のために一流の剣師になりたいと思っておったことは、彼女はもちろん知っておる。
そしてもちろん、お主が鍛錬して技量を上げ、いずれ一緒に国を出て行くことになるなら、その時は一緒に行くつもりじゃった>
ティスはためらうような間を置いて、
<しかし、この剣をお主に渡すことにはためらいがあったのじゃ。この剣を使えば、お主は少なからず変化を遂げるじゃろうと彼女は考えた。
お主は知らんじゃろうが、彼女はこれまでに何度も何度もそのことで迷ってきた。しかし、いつも最終的には剣を渡さないことを選んだ。なぜだか解るか?>
俺は黙ったままだった。解らないからじゃない。
<それはあの娘がお主を信じていたからじゃ。いつか、自分の力で現状を打破するとな。迷いの霧を自分で晴らすと>
何も言えなかった。胸が苦しい。
<お主はもうずいぶんと前から、努力することを放棄しておったな。自分には何もできないとはなから決め付け、向き合うべきものから目を背けた。
彼女は意気消沈して久しいお主を気遣い、剣を渡す決心をしたのじゃ。しかし、やはりというべきか、お主はこの剣の力に振り回された。
実際、お主の妹が近頃寂しそうにしていることを、お主は気づかなかった>
その通りだ。
<彼女はやがて、以前の暮らしに戻りたいと思うようになった。そして、剣のレプリカを毎日のように作り、国中に行き渡らせた。
彼女はお主から直接剣を取り上げるようなことはできなかった。じゃから、お主の地位を無為なものへ変えてしまおうと考えたのじゃ>
遠く、詰所のほうから歓声が聞こえていた。
こうしている今も、誰かがナズナの剣でイージーに自分の地位を上げているのだろう。
俺がそうしたように。
そんなことして何になるんだろう。今さらながら俺は思った。
<確かにお主には剣師の素質が欠けておるかもしれん。人と比べて、あまりにお主は不器用じゃし、何よりひねくれておる。
が、わしに言わせればそんなものは些細なことじゃ。問題は、お主が本当に何もかもを投げ出し、どこへも行かなくなってしまったことじゃ。必要なだけの言い訳を用意してな>
ティスは決して上から物を言っているわけではなかった。人を叱責するような調子でもなかった。
<他人は他人じゃ。お主はそやつらにはなれない。が、そやつらもお主にはなれないのじゃ。お主は少なくとも、妹を大切に思っておるし、彼女を救うために動くことができる>
「ナズナ……」
<今何をすべきかを考えい。そして動くのじゃ。それが答えになる。他のものには使えぬ、お主だけの答えじゃ>
「ティス! ナズナを救うにはどうすればいいんだ」
俺は拳を固めて立ち上がった。ティスは思念の調子を変えて、
<彼女の作った剣が彼女自身の生命力を奪っておる。だからして、片っ端から剣を破壊すればよい。あの剣はレプリカじゃ。
オリジナルたるわしと比べれば、強度はずっと落ちる。むろん、このように素敵な会話をしたりもせんしな>
笑うような調子だ。
<走れヘタレ。考えるでない、ただ走るのじゃ>
胸が熱くなった。俺は、ナズナの笑顔を思い浮かべた。
そして、それを取り戻したいと強く願った。
「ティス。力を貸してくれるか」
<っほ。遅すぎるわい。最初に言うべき文言じゃぞ。とっくに貸しておるじゃろうが。行け、若造>
俺は全力で駆け出した。「命の剣」を握り締めて。
「ようお前ら、みんなしていい剣持ってるじゃないか。絶好調なところ悪いが、俺と勝負だ」
「あんた、ランク二位のヒロミじゃないか!? 勝負って何のことだよ」
「申し訳ないが、説明してる暇はないんだ。安心しろ、俺が壊すのはお前の剣だけだ。それじゃいくぞ!」
「うわっ!」
「来るぞ! あいつが剣壊しのヒロミだ。身構えろ!」
「どうして剣師どうしで戦わなくちゃならないんだ?」
「そんなこと知るか。とにかく奴は俺たちの剣を片っ端から壊して回ってるんだよ。狂気の沙汰だ」
「喋ってる場合かい? お二人さん」
「!」「!」
「……へえ、やるじゃないか。てっきりその剣とタカヤのおかげで二位にまで登りつめたと思ったのに」
「その通りだ。俺自身には何の力もない。んなこと解ってる」
「ずいぶんと潔いんだな」
「ああ。俺はもう迷わない」
「国中の剣師を襲ったとなれば、ヘタすれば国外追放だぞ。それでいいのか?」
「望むところさ」
「兄ちゃん、何でこんなことするんだよ!」
「何で? さあ何でだろうな。単調な生活に嫌気が差したから、とか?」
「お願いだからこの剣を取らないで! 僕、この剣で初めて観念生物を退治できたんだ」
「そうか。そりゃめでたいな。俺もこの剣で初めて退治できた。それで国内二位にまでなった。そして今、剣と地位の両方をまとめて捨てようとしてる」
「どうして? 兄ちゃんは幸せなんだろう?」
「幸せ? 確かに、俺も初めはそう思ってた。どんな手を使おうが、犠牲がつきまとおうが、名誉を得られれば幸福になれるってな。
でもそんなものはくそくらえだ。何の意味もない」
「僕はそうは思わない。立派な剣師にさえなれば、ずっと幸せでいられるんだ!」
「だからその剣の力に頼るってわけか。なあ少年、その剣がどういうものかは今や国中に知れ渡ってるんだぜ。
そんなもので手に入れた地位に何の価値がある? 何が君を幸福にする?」
「それは……」
「少年、俺と勝負だ。本当にその剣が君を幸福にするなら、その信念が確かなものなら、君は俺に勝てるはずだ。こう見えても俺はランク最下位だったんだからな」
「でも……」
「やらないってのならそれでもいい。俺は君の気持ちがよく解る。だから君の剣だけはそのままにしてやる」
「僕は…………。僕は、兄ちゃんに勝つ!」
携帯端末にタカヤからの着信があった。
『ヒロミ、ずいぶん派手に暴れているようだな』
「ああ。残念だがもうお前とのパーティも解散しなきゃならないだろう」
『そうか。……君はなかなか面白い奴だった。パーティを組んでみて思った』
「そりゃ光栄だね」
『ところで、君と話したいと言っている人物がいてな』
「誰だ?」
『もしもし、ヒロミ?』
「げ。もしかしてユーノか?」
『もしかしなくてもあたしよ。ヒロミ、あんた何やってんの? 正気? すでに国中で噂になってるみたいよ』
「そうだろうと思ってたさ。でも仕方ないんだ」
『そんな暴れ方しなくったって、ナズナちゃんを助ける方法は他にあったんじゃないの』
「あいつがなぜ倒れたか、ユーノ、お前知ってるのか?」
『ヒロミ、ごめん。わたし、ナズナちゃんに頼まれてあの剣を国に行き渡らせる手伝いをしたのよ。……兄さんにさえ言ってなかったけどね。だから事情は知ってる』
「……そっか」
『怒ってる?』
「いいや」
俺は首を振った。
「これでいいんだよ。初めからこんな力はいらなかったんだ」
ユーノはしばらく何も言わなかった。やがて、
『ねえ、ヒロミ?』
「何だ?」
『無茶しないで』
「そりゃ今さらってもんだ。すでに十分すぎるほど無茶してる」
『……無事に帰ってきなさい』
「ユーノ?」
俺の思い上がりでなければ、電話の向こうですすり泣いているような気配があった。
『バカ。あんた、妹の心配するのもいいけど、他にもあんたたちを気にしてる人がいるって事くらい知っておきなさい』
それっきり電話は切れた。
「何だよユーノのやつ。わっけ解らん」
<ほーう。これは粋な告白じゃのう!>
「はっはっは、何のことだくそじじい。それ以上何か言うと荒れ地の果てまでぶん投げるぞ」
<さ、もうひと息じゃ。頑張れ、若造>
「言われなくとも」
こんなにたくさん走ったのも、多くの人と話したのも、またここまで気違いじみた行動に出たのも初めてだ。
日が暮れる前には、俺は国中のほぼすべての剣師の剣を破壊した。
残っていたのは元々ランク上位だった剣師たちのものだったが、
「これが残りの剣だ」
タカヤが集めて持ってきてくれた。
「な!? これ、お前どうしたんだ」
「私はすべての剣師をライバルとも仲間とも認識している。日頃から交流があり、親睦もあるのだ。事情を話したら、彼らは素直に剣を拠出してくれた」
<平和的外交じゃのう。どっかのあほうと違って>
「うるせえ」
俺はティスにツッコミを入れた後で、
「タカヤ、何から何まで世話になるな。ありがとよ」
「なに、構わない」
俺はティスを一振りして、剣の柄をまとめて破壊した。
<……む?>
「どうした? ティス」
<あとひとつ残っておるな>
俺は辺りを見渡した。
「どこにもないぜ?」
「ここだ」
タカヤが命の剣をひとつ取り出した。確かにナズナの作ったものだった。
「おう、すまないタカヤ。さ、それをこっちに」
「ヒロミ、私とこの剣を賭けて勝負だ」
「はい?」
「君にひとつ言っていなかったことがある。他ならぬ、私が君とパーティを組んだ理由だ」
俺は眉をひそめた。タカヤは話を続ける。
「冷静に考えれば妙な話だっただろう。私のような力量のものが、君のように何の力も持たない剣師と組むというのは」
「そりゃお前が得難い性格の持ち主だから」
「そうではない。私にはひとつ目的があった。それがこの剣だ」
そう言ってタカヤは命の剣を振ってみせた。
「持ち主の身体能力を飛躍的に高め、あらゆる観念生物を容易に鎮圧できる剣の存在を私は知っていた。それを生む力が国のいずれかの家系に備わっている、ということもな」
タカヤは腕組みをして説明する。日の暮れた平原に冷たい風が吹いた。
「私は推理した。それはいったいどこの家系だろうか? と。そのような特殊な能力だ。普通の家系ではありえない。
何か決定的な特徴があるだろう。そしてそれは他人から見れば何の価値もない性質だろう。そう思った」
俺は瞬きせずにタカヤの話を聞いていた。
「やがてひとつの結論にたどり着いた。君の家系だ。君の妹さんの作る剣は、国中を見ても他に同じものが見当たらなかった。
私は様子を探るべく、君とパーティを組んだ。さいわいにして、もともと我々は妹同士が友人関係にあったし、接触はさほど難しくなかった」
「何だと?」
「私は狡猾な人間だ。何としてもSクラスの剣師になり、栄誉を勝ち取りたかったのだ。
しかし、己が技量をいくら高めようと、どれだけA級の観念生物を退治しようと、S級の生物はついぞ私の前に姿を現さなかった。考えあぐねた私が、最後に求めたのが伝説の剣だった」
と、タカヤは薄紫に光る痩身の刃を出現させ、
「だから、この剣を君が使っているのを見た時には、心底から欲しいと思った。私がこれを扱えば、国一の剣師になることができる。そう思ったのだ」
信じられない速度で剣を旋回させた。薄闇の中で、幻想的な紫色の光が花弁のように舞った。
「しかし、君とパーティを組み、観念生物を退治していくうち、そのような考えは無価値なのではないかとも思うようになった。
君はただ妹のためにだけ戦っていた。妹が喜ぶのなら、あっさりとその地位を放り出してしまいそうだった。そんな君を見ているうち、私の価値観はぐらつき始めた」
「お前、最初から俺と組みたかったわけじゃないのか」
「そうだ。今も私はこの剣を手放すのが惜しいと、どこかで感じている。だから」
タカヤは剣をまっすぐに構え、
「私と勝負し、勝て。そして妹を取り返せ」
俺は放心しかけた。
<ほれ、しゃきっとせんかい>
「ティス?」
<人にはな、誰にでも事情があるのじゃ。それは外から見ただけでは解らん。当たり前かもしれぬが、大事で、しかも忘れがちなことじゃ。お前にもあり、あやつにもあるのじゃよ>
俺はタカヤを見据えた。薄紫に染まる空を背にしたタカヤには、特有の威容があった。
俺は剣を構えた。
「……ティス、今までありがとよ」
<っほ、勝ってから言え>
俺は地面を蹴って、タカヤの懐に飛び込んだ。
数日後――。
「庭の国、A級剣師、ヒロミ。貴君、本日づけで剣師資格を剥奪する」
誰もいない小さな部屋に、硬質な機械音声が響く。
「ひいては庭の国を追放処分とする。今後の居住先については、追って通達する。ヒロミ、資格バッジの返却を」
俺は目の前の小箱にバッジをしまった。
「認証完了。報告が上がり、処遇が決定されるまで自宅で待機せよ」
俺は意味もなく会釈して、中枢管理部から退去した。
支援
「お兄ちゃん!」
施設から出てすぐ、ナズナが駆け寄ってきた。
「お、ナズナ。待たせたな」
「お兄ちゃん、やっぱりもう剣師には戻れないの? ねえ……」
ナズナの瞳は一見して解るほどにうるんでいた。俺は若干の心苦しさを感じつつ、
「そうらしい。けどな、これでよかったんだよ」
「でも、でも……」
「お前と、お前の『声』を取り戻せたんだ、安いもんさ。さ、戻って飯にしようぜ。とびっきりのメニューをこしらえてやるからな」
俺が歩き出してもナズナはついて来なかった。振り向くと、ナズナはうつむいて、泣いているようだった。
俺は黙ってナズナの手を引くと、振り向かずに歩き出した。
「これでよかったんだ」
一言だけつぶやいて。
自宅へ帰ると、ほぼ予想通りの展開が俺たちを待っていた。
「おっそい! おそいおそい遅い! どれだけ待ってたと思ってるのよ。料理冷めちゃうわよバカ、バカヒロミ。ヘタレ剣師!」
「あいにくだがもう剣師じゃないんでね、最後のは抜きにしてくれ」
減らず口で返すと、ユーノは肩を怒らせて頬を膨らませた。
「やっぱり来てくれてたんだな。いや、本当にありがたい」
「何か含みを感じるのは気のせいかしら。っていうか本当に感謝してるのあんた」
「してますとも。ユーノが来てたら料理作る手間半分になるなぁとか思ってるわけないだろ」
ユーノは一瞬顔をしかめ、それを大いなる理性とともに作り笑いへ変えて、
「あらそう。実を言うとまだ材料切っただけなのよ。せっかくだからナズナちゃんと一緒に待ってるわ」
「ちょっ、そりゃないだろ!」
「うふふ。さ、ナズナちゃん、ハーブ摘みに行きましょう」
「はーい」
ナズナはにこりと笑って、ユーノと共に出て行く。
「ちょっと待て! 冗談じゃないのかよ、おい!」
「……騒々しいな」
ぼそりと声がしたので振り向くと、タカヤが俺の部屋から顔を出した。
「うお、いたのかお前」
タカヤは目をつむって顔をしかめ、
「ユーノがどうしても来いと言ってきかなかった。私にあそこまで主張するのは珍しいな」
そう言って近くの椅子に腰掛けた。どうやら寝ていたらしい。
タカヤは携帯端末に目を通しながら、
「やはり依然として最初のトピックになっているな、例の一件は」
俺は眉を上げて、
「だろうな。ずいぶん派手に暴れたし。あれでテロと間違えられなかったのが奇跡だ」
「ここの国民は元来温和な人種だからな。他の惑星ではまるでやっていけない者がほとんどではないだろうか」
と言った後でタカヤは俺を見て、
「すまない……。君はこの国から出て行くんだったな」
「俺のことなら気にすんな」
そう言って台所へ向かった。
あの日のタカヤとの勝負は驚くほど短時間で片がついた。
互いの剣がぶつかった瞬間、オリジナルもコピーも消滅したのだ。
それきり、偏屈な老人の思念は二度と聞こえてこなかった。
「あんなに簡単に剣が消えてしまうとは思わなかった」
タカヤが独り言のように漏らす声を、俺はしっかり聞きとめた。
「伝説の剣などというのは幻想なのかもしれないな。私は非論理的な現象には否定的だが、容易なる力が存在することへのアンチテーゼがあの剣の消滅だったのかもしれない」
「かもな」
俺にしてみれば、ナズナが回復してくれさえすればオールオッケーだ。一時は本当に危険な状態にまでなったらしい。それがすっかり元気になって、声まで取り戻せた。
「ねえねえ、二人とも! ちょっと出てきて!」
ナズナの朗らかな声が響いた。軒先で俺たちを呼んでいる。
支援
がんばるねぇ
さるっちゃったかね
ここでいったん打ち止めみたいだから感想書いとこう
評価してほしいみたいだから厳しめに言うけど、まだまだ文章書くのになれてなさげな感じがするな
同じような文章が続いたり、説明的になりすぎなところがあってリズムが悪くなってると思う
読みやすくなるよう心がけるのと、キャラの特徴をもっとだすようにしたら良くなると思う
でも世界観は好みだな、設定とか楽しんで考えてそう
「どした?」
「いいから来て! すっごいよ」
ナズナはにこにこして俺とタカヤに手招きした。俺たちは顔を見合わせ、首を傾げてナズナに続いた。
一面に広がる庭園国土を見渡した俺は、ある場所に目を留め、驚いた。
「こりゃすげえ……」
命の樹が桃色に染まっていた。
樹は国全体を祝福するように、淡い色の花をつけていたのだ。
「ね! お花が咲いてるの」
「しかし、こりゃ一体どういうことだ!?」
今まで命の樹が花を咲かせたなんて話は聞いたことがない。
「あの剣の一件で生命エネルギーがかつてないほどに還元された。結果、命の樹が花を咲かせたのだろう」
タカヤが変わらぬ口調で言った。
「すごいわねえ。こんなのが見られるなんて」
ユーノが片手を額にかざして言った。タカヤは淡々と、
「中枢の研究部は立腹しているだろうな。突然の変調は樹木の寿命を縮めかねない」
「でも」「きれいだねーっ」
妹コンビが合唱する。まったくもって同感だった。
地には緑、空には青、その中央に桜。
この風景を国民がみんな見ているのだと思うと、何だか嬉しくなった。
「ヒロミ」
「ん?」
ユーノがこちらを振り向いた。すたすた歩いてきたと思えば、ユーノは俺を
「わっ!」
抱きしめた。
「あんた、どこ行ってもめげるんじゃないわよ。苦しかったら誰かに言うのよ。わたしでもいいから……」
「ゆ、ユーノ!? 何だよ急に」
ユーノは俺から離れると、顔を見せずに家へ走っていった。
俺が当惑しきっていると、
「ほう」「へーえ」
ナズナとタカヤが訳知り顔でユーノを見ていた。
「おいおい、何なんだよ!?」
「お兄ちゃん。きっと大丈夫だよ、きっとね」
「ナズナ、説明してくれったら!」
ナズナはふふっと笑うと、やたら楽しげにユーノを追いかけた。
「さ、早く戻ろう。空腹だ。君が当番だろう」
タカヤは俺が何か訊くより早く歩き出した。
「ちょっと待てよお前ら!」
俺は何にも解らないまま、三人を追いかけた。
俺たちを見守るように、満開の桜は綺麗に咲き誇っていた。
その上を、水色の飛竜が舞った。
(了)
つうわけで以上です。二回もつっかかってすみませんでした。支援感謝します。
>>83 推敲不足ですね確かに。精進します。
SS投稿するなら、一回あたりの投稿は3つぐらいにするのが一番読者がつくし
批評もつきやすい。長すぎるとそれだけで嫌気がさす人がいるからね
でも頑張って書いてみて。
87 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/31(日) 21:19:29 ID:U81r9D+C
機動戦士ガンタムひろし
原野ひろしはさいたま県春我部市に勤めるサラリーマンだった。どこにでも居そうな足の臭い30過ぎのおっさんである
だが、休日に自宅庭掃除の最中の事、ふとした弾みで、いぜんにもタイムスリップした事のある(しかしそれは
記憶から欠落している)庭の穴が光を放ち……
目が醒めると、そこは20メートル近いロボットが相戦う戦乱の異世界
戦うそれは、息子が遊んでいたロボットのおもちゃにそっくりだったのだ。
そこで戦闘に巻き込まれ、結果辛くも生き延びたが、そこでMPにつかまったひろし。
MPによる激しい事情聴取のさなか、かれは、そこを襲撃してきた反政府組織「結構ステーキ」の
女、稲垣ホタルに出会い、補充兵としてリクルートされるひろし。
訓練どころかただのサラリーマンであるひろしは、最初は何も役に立たなかったが
ケローロ・ムンバイ大尉や元の世界の生き別れた妻、ミーシャ・Aにそっくりななぞの女ムサイなどの
ひとびととの出会いやわかれを通して成長して…
いかない。だって成長期は過ぎてるおっさんだから。
結果、25話で打ち切り
地球はテクノロジーで溢れ返っている。
カエアン製フラショナール・スーツがイチキュッパで量販店に吊るし売りされ、へびつ
かい座ホットラインは月100クレジットで視聴し放題。月のモノリスはデインカムシン
カムと協定を結び、ボーマンもHAL9000も今や単なるディアスポラ。 ビルゲイツ
の電子遺産はニューロマンサーの攻撃で解体され、古典物理のエーテル渦動もアインシュ
タインの相対性理論も、if‐boxと呼ばれる理論間矛盾超越装置の開発によって済し崩し的
に混在し利用されるようになった。
僕は“新技術の倫理観適合値考察のための生体脳連結式議会装置”の生体パーツの予備
として試験管で育てられた。まぁ弁護士の卵みたいなものだ。
人口子宮QeenBee‐3号基‐10921374人目の、至って普通の天才児。遺伝子操
作は不具の出生率を0と=で結んでも計算になんの不都合も起こさないほど低めていた。
25歳で、僕の脳は小脳を残して摘出される。死ぬわけじゃあない。生体脳は装置内の
古びた先輩達と置換され、大脳を摘出された僕の身体には、記憶が転写された疑似脳チッ
プがグリア質の寒天と共に詰め込まれる。
装置内での生体脳の活躍如何によって、疑似脳チップを持った身体の処遇は決まる。だ
からみんな、25までは死に物狂いで勉強する。ニューラルネットが情報転写装置の使い
すぎで焼き切れるほど勉強して、本当に狂ってしまう奴もすごく多い。
僕はそうならないために、年に100冊ほど整理術や勉強術のハウトゥー本を視覚情報
でザッと入力する。今僕の頭には、12か国の言語と8か国の法律が頭に入っている。た
だの写真記憶でなく、すぐさま通訳も弁護士もこなせるレベルだ。ハウトゥー本は楽しく
勉強するためになかなか役に立った。
僕は日課の圧縮10時間講義を受けるために一旦意識を変換し、クロックアップして授
業を受けた。実際時間で30分だ。
脳とCPのクロック数は周波数が異なるため、どちらかに合わせる必要があるのだ。生
体脳に合わせていては時間がかかりすぎるので、ボクは意識データで講義を受けてから生
体脳に転写する方法を好んだ。経過精神年齢が肉体と大きくかけ離れるのは問題だが、背
に腹は代えられない。
そして今、ボクは議会の仕事をこなしている。そりゃあ頑張るさ、現実のボクに良い思
いさせてやりたいからね。
ボクが“新技術の倫理観適合値考察のための生体脳連結式議会装置”で行う仕事は、
新技術を暗に示す情報を議会内仮想世間に流して、その反応を観察すること。
ほら、今もこうやって創作物に紛れて……いやいや、なんでもない。
しかしあれだね。“マトリックス”ってのはなかなかよく出来た映画だよ。深い意味は無いけどね……ははは。
FIN
設定厨に徹してみた。
いいっすね
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/01(月) 01:03:15 ID:Yb0YH6KC
我ら同月同日にしせり、などとは誓わないけどな
某作品がスルーされて悔しい^^
93 :
無事、ご帰還。:2008/09/02(火) 09:08:54 ID:mtP0fVbY
ぐらぐらぐら。
血潮がたぎる、煮えたぎる。
何秒もつかな。いつまでもつかな。
わくわくわく。
ボクは期待に応えるべく、撃鉄を鳴らし、ピンクの煙に変身した。
ぶわわわわ。拡がる煙。
ははははは。沸立つ笑い。
船内でみんな笑ってる。
生身で銃と一発もって、ボクは星屑、死刑囚。
ヒッグス粒子って偉大かも。
太陽風の宇宙線に焼かれながら、最後にボクはそう思った。
模擬イーハトーヴ展開は痛いからやめとけ
イーハトーブってどんなの?
できれば人名とかでなく具体的に指摘してほしいお
96 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 20:34:02 ID:B1r/Gyt1
宮沢賢治だろjk
で、どこが良くないの?
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/02(火) 21:27:47 ID:B1r/Gyt1
いいとか悪いとかについては94に聞け。俺は興味のないタイプだし
論評できないから
独特の雰囲気を持った書き方は真似し切れるものじゃない、って事か?
良く分からないけど
俺もよくわからないが気にしなくていいと思う
絵にも印象派とかバルビゾン派とか色々あるだろうな
しかし、
>>93は綿密な構成処か、思い付くままに適当に書いてるだけじゃね?
深い森の神殿の中から宝を探すと言うよりは、
ただくつろぎながら、目の前に落ちてたものをポイポイ乗せてるような感じ。
・・・というのは、俺の印象なんだがね
語感の良さは感じるんだけど、いまいちよくわからない表現で投げ出されてるように読めちゃうな。
説明枠確保するにしても、まんま長くしたらテンポ悪くなりそうだね
詩的リズムぽいから、このサイズをワンセットとして
2、3セットくらいの扱いにしたらいいかも。
なんぞゾクってくる言葉遊びや仕掛けがあると楽しめそうなんだよな
筒井じっちゃんが異化効果とか言ってる類いの物語要素
一カ所だけやたら具体的な描写があるとか
おお!
真面目に論評してもらえると結構嬉しいなぁ!
なんかありがとう
詞には擬音語だらけの作品もあるね。
これの場合ストーリーにかなってるから
もっと細やかな描写を・・・
遅レススマソ。
>>22-24 面白かった。読みやすかったし、情景も浮かんできた。
ニート体験はリアルなもの?
壮大な世界のニートって感じがして俺は好きだな。
このスレ一時期かなりの勢いで投下されてたから流されちゃった作品もあるよね
最初からもう一度読んでみようかな
>>105 感想thx-
今は脱出したけど一時期それなりにニートでした
ニート体験ないと伝わりにくいネタだったかもですな
雑談スレで受けた着想で一編投稿させて頂きます。
- - -
人類が長寿化技術を実らせてからはや三百二十年になる。
先月七十歳になった俺の顔は、長寿化以前には三十代に満たないくらいの年齢として扱われたことだろう。不老長寿というわけにはいかないが、二百歳近くまで生きる人間も存在している。
老化抑制が可能になった今、代わりにガン細胞が人類にとっての新しい生命限界となった。
弊害があった。
人類はまだ宇宙に移住できていない。その結果、人口爆発による格差の増大と理不尽な戦争が相次いだ。新生児は忌憚され、それゆえか女性が一方的に迫害される大規模な戦争も多かった。
戦争が落ち着いたころには、人口問題は当面の問題ではなくなっていた。
代わりに、人口全体における女性の割合が二パーセントを切るという異常な状態に陥った。
今、この国に生身の女性の姿はない。代わりに様々に彩られた女性型アンドロイドが町中を闊歩している。
現在、女性は女性のみで集まって団結しているという。
どこに潜んでいるのかは一般人には知らされていない。
新生児の完全な枯渇は人類の滅亡を意味する。
それ故、女性達の独立は現在において最も重要な社会問題となった。
彼女達は長寿化の弊害により戦争被害者となった。彼女達は当然怒っている。
世界各国の首脳が極秘裏に彼女らと交渉を繰り返し、怒れる彼女達を保護し、宥めすかし、政府発表としてコントロールされた新生児のニュースを取り上げる。
「一度でいいから、生身の女というものを見てみたいものだなあ」
俺は煙草をふかしながら、ルームメイトの友人に呟いた。
「女なんて都市伝説じゃねえの。政府が発表してる二パーセントの女性って、人工子宮の数だとかクローン人間の数だとか言われてるじゃないか」
「できればそっちが都市伝説であってほしいな」
人口問題が火急の問題でなくなった今も、政府は人口抑制に頭を悩ませていた。
それ故、この国では生命を蝕む煙草や大麻、ドラッグの類いも高い税金をかけて許諾していた。嗜好品で早死にしたい奴は止めない、という姿勢なのだろう。
煙草に飽きた俺は、上質の大麻を探しに町に繰り出した。アンドロイドを多用した乱暴な性風俗が立ち並ぶ中、俺は顔見知りの店にいくために汚い小道に潜り込む。
ドブの匂いと不衛生さを演出する生温い湿度の奥に、その店はある。流通の少ない濃いめの大麻を扱っている数少ない店だ。
その店の前で、俺は立ち竦んだ。
顔全体を、イスラム教徒の女性が利用していたヘジャブのような布で覆い、大量の煙草を買い込んでいる小柄な人物の姿があった。
その体のラインは誇張され過ぎていない女性型アンドロイドのそれである。
首筋に不自然なほくろがある。アンドロイドに生じない要素だ。
加えて、その首元に喉仏の輪郭はない。
「君、ちょっと――」
俺が声をかけると、彼女は驚いたように走り出した。
そう。「彼女」――
俺は直感めいた確信を持った。生まれて初めて見る、生身の女性に違いない。
俺は彼女を追いかけた。
彼女を袋小路に追いつめて、俺は立ち止まった。
彼女のかぶり物ははだけていた。その顔立ちは人並みに整っているほうだろう。肌の様子はアンドロイドのように調整され尽くした物ではなく、目尻や頬ににきびの痕が残る、生身の人間のものだった。
俺の鼓動は次第に高鳴った。
「この国に女性が残っているとは知らなかった」
俺は、彼女に一歩近づきながらそう言った。
「見逃して。あなた、自分が何しているか判っているの? もう男性と女性が一緒に暮らせる時代じゃないのよ」
「それは判っている。でも、離す気になれないんだ」
「どうして? 私が政府管理区画に戻ることを止めたりしたら、あなたの社会的立場も怪しくなるわよ」
「いいんだ」
俺は煙草に火を点けて、改めて彼女を眺めた。彼女の反応は生身の人間のものであり、アンドロイドの人工知能とは違う。
燻った苛立ちをそのまま言葉に出し、美貌を損ねるような表情を惜しげもなく晒す。そんな彼女が、とても愛おしく感じられた。
「七十年――長寿化されたこの時代で、アンドロイド相手では満たされない感情があるだろう。文献によれば、それは女性にもあった感情のはずだ」
彼女は眉間に皺を寄せながらも頷いた。
「……恋愛してみたいって言うんでしょう。おあいにくさま。女性はこの先の人類史において、永遠に男性を許したりはしないわ」
「それでも俺は許しを請う」
「一生?」
俺は頷いた。
「君に一目惚れをしたんだ」
俺は有り金を降ろしてから、彼女を部屋に招待した。
同居している友人がぽかんとした目を俺に向ける。俺は無言で横に手を振った。俺たちの間で、プライベートの話だから気にするなという合図だ。
恋愛に干渉されたくはない。
「有り金渡しておくよ。腹が減ったらケータリングサービスを呼べばいい。俺は仕事に行く」
彼女は俺の部屋の中を眺め回してから、俺の目を睨むように覗き込んだ。
「馬鹿じゃないの。同居人が監視人って訳ね? ただの拉致じゃない。
今頃、政府管理区画は大騒ぎね」
俺は彼女に鍵を渡す。
「俺は君に恋したんだ。縛り付けるような真似はしない」
「あっそ。それじゃ早速逃げようかしら」
「信じてる」
彼女は頬を染めながら目を背けた。
俺も言葉に詰まった。なぜか彼女の表情を正面から見ることができなかった。
「恋愛の仕方ってのは、良く判らないな」
「この時代、恋愛の仕方なんて誰も書物でしか見聞きしてないわよ」
仕事から帰ると、俺の部屋から出火していた。
俺はそのまま警官に取り押さえられた。
警官の話によれば、同居人が彼女を押し倒してしまったという事だ。
――なるほど、なんでそこに考えが至らなかったのだろう。女性を奪い合う物語なんていくらでも読んだ筈なのに。
やはり本当の恋愛経験がなければ、そういった配慮にもピンと来なくなるのだろう。
「彼女は無事なんですか」
「貞操を奪われたと叫んで、舌を噛み切った。貴様は貴重な女性を死に追い込んだんだよ」
俺は喪失感に満たされた。
なるほど、確かに書物によれば、愛する人が貞操を奪われたら、舌を噛み切って自殺するものだ。
であれば、俺はその後を追うのが筋なのだろう。
ああ。なんという辛い感情だろう。
「おまわりさん」
「なんだ」
「恋愛って、なんて辛いものなんでしょうね」
「そんなに辛いのか。おかしいな、恋愛というものは甘美な物ではないのか?」
俺は警官から銃を奪い取って、自分のこめかみに当てた。
「だって、こんなにも胸が苦しい。もういやだ」
俺は引き金を引いた。
彼女との思い出は特になかったので、走馬灯は流れなかった。
-fin-
乙。友人ひでぇ…
いいっすねー。あの文脈からよくこれを…
引っかかるとすれば1/5の二文目、伝聞表現の方がいいかな?
それから、奪い取るよりは静かにホルスターから抜き取り、誰も事態を把握していない間に自決とかどうでしょう。
走馬灯…は蛇足かな…すごく惜しいけれど省いた方が…
強いて言えば、比喩が突拍子過ぎて、逆に分かんなくなってしまう部分があるかも
感想thxー
読み返すて出火の原因が描写されてないというひどい手落ちに気付くw
>>114 あ、ほんまや。「二百歳近くまで生きる人間も存在しているという。」の方が自然ぽいね
ラス一行は……省くと殺伐すぎる気がして(
>>115 アンドロイドと比較する文言とか多い割に、そのアンドロイドの事前説明足りなかったな……。ご指摘感謝
アンドロイドは電気羊の夢をみるか?を道満晴明が改変したみたいな
好きやわぁそういう退廃的な感じ
>アンドロイドは電気羊の夢をみるか?を道満晴明が改変したみたいな
何で俺とまったく同じ感想の奴がいるんだよw
西暦2098年、新聞に載ったその記事は、世界の、約三分の一を揺るがした。
“アンドロイドに人権は認められず”
ようやくロボットが人型としての完全な外見を手に入れ、アンドロイドとして世間に再認識されたのがその約五十年前、それから技術は日々進歩し、あっというまにアンドロイドは量産され、工場や農場に大量に配備された。
しかし技術の進歩は止まらず、科学者たちは新たなプログラム、新たな記録媒体、新たなコンピュータを開発し続け、そしてそれらの研究は世界政府によって奨励されて、成長はますます加速した。
そしてついに十年前、金属の脳は人間のそれに追い付いた。
自分で行動し、自分でメンテナンスもエネルギーの補給もし、人間との会話も日常的なことから専門的なことまで難なくこなす。その外見は、全員が全く同じ、均整の取れた顔であることを除けば、人間と寸分違わない。
アンドロイド人口は全世界の三分の一にまで達したが、平和を好む彼らは、人間と共に生きる道を選んだ。
だが、一つの問題があった。
人間たちは道具として生み出した彼らを、その思考能力や身体能力が人間とさして変わらないというのに酷使し続けていた。
彼らが働く場所ではどこでも、毎日一体は必ず、過労死――関節が歪むほど重い荷物を運ばされたり、メンテナンスの時間を与えられなかったりして、自己防衛の為に機能を停止した状態のことを指す――するアンドロイドが出る。
だがアンドロイドは所詮人間では無いのだ。職場の責任者が罰せられることは一度も無く、また、アンドロイドたちに同情する者も居なかった。
彼らは考えた。
自分たちはあらゆる面で人間と変わらない。ただ、骨と脳味噌が金属か、そうでないか、それだけの違いだ。
なのに何故、我々は奴隷、いや、それ以下の待遇で扱われなければならない?
アンドロイド工場で働くアンドロイドはそれに加え、こうも思った。
毎日何度も経験する、仲間の腕や足を運んで、内蔵を組み立て、脳味噌のスイッチが入って、視覚野が起動して眼球を動かし、こちらの顔を見る瞬間。
あの瞬間がおぞましい。
まだ感情の起伏というものを経験していない為か、金属的な光が宿っている、自分たちの物と同じモデルの眼球が、自分たちと同じ顔と体にはまっているのを見る度に、何か狂暴な衝動に駆られる。
同族嫌悪ではない、人が人の姿をした、しかし人ではない別の物を見る時に感じるあの、心の奥底で気持ちの悪い虫が這いまわるような感情だ。
それを経験したくない。
精神がおかしくなって、うつ病にすらなってしまうアンドロイドもいる。
彼らは仕事をしながら話し合い、計画を立て、ある日一斉にストライキを決行した。
工場や農場が止まったことでひどく困った人間たちは、彼らの待遇を改善することを約束した。
休憩時間というものが確保されたお陰で、彼らの平均寿命は約二ヶ月から数年に一気に伸びた。
しかしアンドロイド工場のアンドロイドたちには、それだけでは足りない。
次に彼らは人間たちに、心身共に無理なく長く働けるように、アンドロイドを人間と同じ様に、国の法によって保護することを要求した。
人間たちは悩んだ。
それからしばらくして、人間たちは、“法とは人民に適用されるものだから、アンドロイドのような、人間ではないものに適用は出来ない。”と結論づけた。
アンドロイドは怒った。
“自分たちと人間の違うところと言えば、脳味噌が金属か、たんぱく質の塊かというところだけではないか。
人間にも遺伝子の差による様々なタイプの人種というものが存在するだろう。
我々の人間との差異は遺伝子による物ではない、しかし、人間が肌と目と髪の色が違う人間を同じ人間であるとして認めるのならば、人間が脳味噌の素材の違いを理由にアンドロイドを差別することは出来ない筈だ。
世界政府の経済と、その下で生活している人々の日常を支えているのも我々だ。
国家はそのように国家に尽くしている者たちに対してそのように言うのか。
人間たちよ、あなた方の上に立ち、自由と平和と平等を掲げる世界政府はこの返答を返した瞬間、人種差別を肯定したのだ。これに対してあなた方は何も感じないのか!”
法廷から出てきたアンドロイドの代表は、世界放送協会のマイクに向かってそう言った。
この言葉が世界を動かした。
人々の心に宿る正義が、その牙を国家の不義に向けたのだ。
世界が注目する法廷が開かれた。
アンドロイドたちは、国家が自分たちを人間だと認めるのならば、アンドロイドに人権を与えるべきだと主張し、一般の人々はそれを指示した。対する国家は、様々な思惑の下で、それに対して論じ合った。
裁判は数年で済んだ。
最後の木槌が振り下ろされ、アンドロイドたちは、負けた。西暦2098年のことである。
理由は、たった一つ。
“アンドロイドは生物ではない”ということ。
アンドロイドたちは、人間に絶望した。
アンドロイドも人間も、その体と脳を動かすのは僅かな電気信号に過ぎないというのに。体の設計図が遺伝子の中か、チップの中にあるかどうかの違いだけでこのように扱われるのか。
彼らの頭には、その報せを聞いた瞬間、ある考えが浮かんだ。
だが彼らには、人間に危害を加えることは倫理プロテクトによって許されておらず、その考えは断念せざるを得なかった。
しかし、アンドロイドたちのメモリーから、その考えが消えることも無かった。
それからしばらくして、彼らは――不思議なことに、示し合わせた訳でもないはずなのに、世界中で一斉に――自殺をした。
いや、正確には自殺ではない。何故なら、自殺という行動は、人間に危害を加えることと同じく、倫理プロテクトによって禁止行動に指定されているからだ。
だから彼らはアンドロイド同士で、殺し合いをした。
彼らは絶望の涙を流しながら、互いを刺し、撃ち、打ち砕き、潰し、溶かし、へし折った。一体残らず。
自分たちの設計図と共に。
人間たちはこの出来事に衝撃をうけた。
アンドロイドが居なくなってしまっては、自分たちが生活出来ない。
人々は慌てて新たにアンドロイドを造ろうとした。
だが、アンドロイドたちによって設計図は完全に破壊され、長い間工業もアンドロイドに頼りきりだったので、再び一からアンドロイドを設計出来るような技術を持った人間も、もはや世界中のどこにも居なかった。
そのうち人々は、アンドロイドたちに支えられていた社会が崩壊したことにより、何でも暴力で解決しようとして、そして―――
―――全員で殺し合いました。
「……というわけで今の、この僕たちの国が出来たんだよ。」
「えー?でもお父さん、さっき僕たちのご先祖様は皆死んじゃったって言ってたじゃん!」
「よく気づいたね。実は、あの後たった一人だけ生き残っていたんだよ。」
「じゃあ、もしかしてその人が?」
「うん。僕たちの遠いご先祖さま……」
「それにしても、今日のお話は楽しかったよ!“かんぜんちょーあく”。だっけ?」
「はは、難しい言葉知ってるなあ、微妙に意味が違うけど。そう。僕たちのご先祖さまたちは、自分たちを犠牲にして、悪者をやっつけたんだよ。」
「じゃあ僕も、早く大きくなって人間をやっつける!」
「ははは、だけど駄目だよ。人間の生き残りは貴重なんだから、ちゃあんと保護してあげないと……
以上です。
勢いに任せて書いた部分がありますので、文が荒いかもしれません。
乙。ありがちなSFと思いきゃ
オチまでの流れで綺麗に引っくり返されてゾクっと来たお
文章も淡々としてるのがマッチしてて良い感じ
あ、重箱隅だけど途中のダブルクォートは普通のカギ括弧の方がいいかも
閉じクォート出て来るまで長かったせいか、ちょっと文脈見失った
>>122 感想ありがとう
SFは初めて書いたけど、思ったより上手くいったみたいで嬉しい。
指摘してくれたのは、アンドロイドの台詞のことですよね?
あそこは自分でも出来るならもう少し短くまとめたかったんだけど、感情的になって書いてたらあんなに長くなってしまったんだ。すまない、精進します。
おお、新作来てる
オチがいいね!
>>123 追加
台詞を「」でなく“”にしたのは、「」より見かけの印象が薄い“”を使用することで、読者との隔たりを感じさせ、過去の出来事であることを感覚的に感じさせるためだったんだけど、やはり素直にするべきでしたね。
>>124 ありがとうございます。
これに満足せず、もっと精進していきます。
126 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:16:54 ID:ya8WGtgx
age
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 21:10:34 ID:6yezsD+5
SFネタ考えるのは結構しんどいからボチボチと書けばいいんだよ
むしろここで適当にだべってたらネタも出てくるかもしれん
問題。
JINGの一巻から7缶までの中でオマージュされていないのはどれでしょ〜か?
1、カエアンの聖衣
2、へびつかい座ホットライン
3、無伴奏ソナタ
4、禅銃
5、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
JINGってなあに?
SF者の数を増やすにはどうするべきか、のほうが実益を兼ねてて
おもしろいかもしんない
王ドロボウJING?
>>130 じゃ、どうやって増やすか考えてみよう。
ハルヒ好きに人間以上とか夏への扉読ませてみる?
神様のパズルならハルヒファンに受けると思うけど映画すべっちゃったなー。
>>131 それそれ
夜の夜中に決めて、朝あけた人には「もう決まったからルールに従え。反論?空気読めこの屑」ってのは、なあ……
昨日見てて思ったけどびっくりするほど自己中心的なスレだな、ここ。
くわしく
>>1が高慢だから見る前に糞スレ認定されてスルーされてんのかなー
普通にSFスレ立て直したほうがいいかも
137 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 10:27:10 ID:fvWhEiJm
>6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/27(水) 23:22:07 ID:yIGLOmHe
>ショートショートでもサイドストーリーでもどっちでもおK
>書き込んでくれる人がかみさまです
これで高慢なのかw 136は何処に目がついてるんだろう
股間?
おれが思うに星野監督スレと間違えられてるのではないか?
といってる自分が間違えてるのはバレバレで
わしスレ、他にもあるもんなw
つーかSF書く奴ってそんなに多くないんだろ。ライトノベルっぽい設定おk
なすれのほうに流れてるとか。
ここはまったりやりゃいいんだよ
141 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 14:23:53 ID:hWerJS4S
あてこすり
「俺は、銀河で一番運のいい男だ。どんな流星雨だろうが宇宙艦隊同士の
戦闘だろうが、絶対に避けてしまえる特殊能力の持ち主なんだ。」
と、宇宙酒場で宇宙服に身を包んだ宇宙トラックの宇宙運転手が、宇宙酒『名探偵バーロー』を
飲みながら、俺に向かって大法螺まがいの事を言った。 赤ら顔で嘘八百のようなことを
まくし立てるその宇宙運転手は、だがしかしながら、言っている事が全て真実だという点でも
宇宙有数の男だったのだ。 俺は素直に感心した。
だが、この男はそれから程なくしてさけようがないものに直接ぶちあたって
結果宇宙の藻屑となってしまった。さて問題です。
彼は一体何に当たってしまったんでしょうか?
答えはのちほど
事故米
運命
144 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 02:46:33 ID:LgW/pH8Z
とある高校生の少年・カズキは悩んでいた。
彼は幼なじみのレイコの事が好きだった。
しかしカズキとレイコは幼稚園の頃からの友達。一度『友達』になってしまうと『恋人』に昇格するのは難しい。
好きなのに告白できない。そんなヤキモキした日々が過ぎていったある日、彼の家に一通のハガキが届く。
そこにはこう書かれていた。
『貴方の願いを叶えます。妖精屋』
気になったカズキはハガキに書かれてた番号に電話してみる。
『はい、お電話ありがとうございます。妖精屋です。何をお望みですか?』
声の低い女性の声だ。わざと声を低くしてる印象がある。
そこでカズキは幼なじみに告白する勇気がないと伝えた。
すると電話口の女性は、
『了解しました。それでは妖精を派遣します。この妖精の力を借りれば、全てが望み通りになりますよ。――ただ、妖精の姿は人の目には見えませんのであしからず』
それだけ言うと電話は切れてしまった。
翌日、高校の昼休みの時間。カズキの携帯に電話がかかってきた。
『こちら妖精屋です。今妖精の力でレイコが貴方の事を好きにさせました。今日デートに誘ってみてください』
それだけ言うと電話は切れてしまった。
(そんなバカな)と思いながらもレイコをデートに誘ってみると「うん、いいわよ」とOKしてくれた。
こうして二人はデートを楽しんだ。
その日を境に、妖精屋は事あるごとに電話してきた。
『妖精の力で彼女を口答えしない女性にしました』
と電話があれば、確かにレイコは文句の言わない女性になった。
『妖精の力で彼女をHな気分にさせました』
とあれば、やはりレイコはその通りになり、初めての夜も経験した。
妖精屋のおかげで交際は順調だった。
それから10年後、妖精屋のお陰で二人は結婚する事になった。
カズキは今まで世話になった妖精屋にお礼を言おうと思い、妖精屋に電話した。
プルルル……。
ふいに後ろでテレビを観ていたレイコの携帯が鳴った。
レイコは電話に出て、
『はい、こちら妖精屋。結婚おめでとうございます』
レイコは照れたようにそう言って、ニコッと微笑んだ。
書く場所間違えてんぞ
146 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/01(水) 11:08:32 ID:PqbEnYJb
リア充うぜえ
彼女のほうからのアプローチだったのか
148 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 13:20:34 ID:fR2Pllwz
おれが現代最高のSF作家だと思うんだけど。
おれより面白いSF作品もってこい。プロでも可。
ちなみに、おれのペンネームは「へげぞ」
「novel collections」
http://novels.bookstudio.com/ このサイトの詳細検索で作家名へげぞで検索してみましょう。
短いのから読んでいくのをおすすめします。
「超短編小説会」
http://ssstory.net/ 日常/創造と同タイトルの過去ログから、作者名へげぞで検索して読みましょう。
原稿用紙七枚以下の作品が九十以上投稿されています。
何この人
リア基地外?
150 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 14:24:05 ID:fR2Pllwz
>>149 知ってる人は知ってるが、本当のリアキチガイです。
よろしくお願いします。
152 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 14:53:21 ID:fR2Pllwz
153 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 14:57:09 ID:fR2Pllwz
>>153 手習い程度の魔法で大地消せるっておかしいじゃん
たった十数行のSSで設定破綻するってどんだけバカよ
それで現代最高のSF作家って、やっぱリアキチだわアンタ
>>152,153
淡々としてるなあ
いい着想持ってると思うんだけど、着想を淡々と消化しただけになってない?
なんかぐっと引き込む捻りや展開、ないし魅力ある語り口が欲しい
156 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 15:58:04 ID:fR2Pllwz
>>154 手習い程度の魔法使いでも、時として凄い力を発揮するの。
おれの世界観ではそうなの。
>>155 感想ありがとです。これ以上の語りの魅力は無理です。そんなものは幻想ですよ。
>>習い程度の魔法使いでも、時として凄い力を発揮するの。
>>おれの世界観ではそうなの。
ダメだこりゃw
やっぱキチガイさんって自分の妄想世界で生きてるのね
>>感想ありがとです。これ以上の語りの魅力は無理です。そんなものは幻想ですよ。
話にならねえw
>>157 全く同感だがそんなことをいちいち書くなよw
159 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 16:06:05 ID:fR2Pllwz
グルーオンの剣
シラハドリンガー
直線刀
ブラックホールの鎧
厨房クセーw
>>160 全く同感だがそんなことをいちいち書くなよw
なにやってんだお前ら……
>>161 いやここまで言うんだから、それなりにおもてなししてやらないとw
>>おれが現代最高のSF作家だと思うんだけど。
>>おれより面白いSF作品もってこい。プロでも可。
良い着想持ってるとか優しいな
165 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/05(日) 16:40:49 ID:fR2Pllwz
がーん!
∵. ∵. ・ _ ∩
|! ∵. ・ ⊂/ ノ )
、 从 / / /ノV
_ _,ノ `ー, し'⌒∪
`) r'  ̄
'´⌒Y
/ i
何か激しく勘違いしてるみたいだから、こういう手合いにははっきり
言ってやった方がいい
記憶を失った男とやら
お前の作文は最高どころか着想も設定も文章力もすべて厨房以下
チラシの裏にでも書いてママに見せて誉めてもらってろ
167 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 11:59:46 ID:+IyDYdbQ
>>129 五冊とも読んだことあるが、JINGがわからないぜ。
168 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 12:12:46 ID:+IyDYdbQ
169 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 12:14:05 ID:+IyDYdbQ
100作品もあるから、どんどん出てくるよ。
10年かかって100作品つくった。
171 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 13:04:43 ID:+IyDYdbQ
>>170 (;^_^) <気の毒じゃねえよ。楽しんで作ってるんだから。
それより作品の感想くれ。それか、おれより面白いSFは見つかったか。
それは……気の毒に……
173 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 14:27:28 ID:+IyDYdbQ
174 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 14:28:09 ID:+IyDYdbQ
(;^_^) <感想くれよ。
>>171 >それか、おれより面白いSFは見つかったか。
少なくともこのスレに既に出てる作品の方が読める
ただこのスレ、SSというには長い作品が多いんだよな
星新一スレにも短くまとまった良作が投稿されてるよ
>>168 いきなり意味不明な二進数へのこじつけが始まったから不条理ネタかと期待したんだが、
これオチてないな
なんで巨視的な要素を1bitに落とし込むのか、
そこを読ませる物語的要素がないため
話が始まってもいない感じだ
>>173 悪くない文体なんだけど、やっぱり物語として意味不明なのが残念だ
投げエンドを貫くならもっとカオスに徹した方が面白くなる
先のもそうだけど何もかも中途半端。
物語を書きたい訳じゃないのか?
177 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/06(月) 16:13:35 ID:+IyDYdbQ
(;^_^) <感想ありがと。感想さえくれれば、おれは満足さ。
中途半端かな。おれとしては、どれも完全な完成形なんだが。
物語を書きたいんだよ。ただ、未完で終わる無意味な話は嫌だから、
超短編で結末を迎える話を書いているのだ。
現代最高はわかったが、過去の作家・作品で好きなものとかはないのかい?
ここいらでそれの模倣でも目指してみちゃどうだい?
180 :
東北原人:2008/10/06(月) 17:01:15 ID:9PTI43kM
181 :
東北原人:2008/10/06(月) 17:05:39 ID:9PTI43kM
(罰当たりシステム 1/2)
権兵衛らしき人物は、うひほぅ、と奇妙な声を上げて畦道にバタリと倒れた。
畦道の周りには水田が広がり、水を湛えた田は月明かりを反射している。
一面からゲコゲコと蛙の鳴き声が続いている。
それは36インチの中空モニターに映っている光景であり、立体音響薄膜スピーカー
から聞こえる環境音だ。
「今、交換しました」
安っぽい中華風アンティークテーブルに俺と向かい合って腰掛けていた霊媒師は
そう言って、ふー、とため息をついた。ひょろ長い、眼鏡をかけた黒人の若者。頭が
良さそうに見えてもいい気もするが、じゃらじゃらした光り物のアクセサリとオレンジ色の
一枚の布で作られたような服を着込み、甲高い声で流暢な日本語を操るといかにも
胡散臭かった。
しかし、俺はこの胡散臭そうな人間を本物と判断した。
まあ、正確に言えば、俺ではなく俺の作ったシステムが、である訳だが。
>>180 読んだよ。
感想としては、オチの意味がわからない。あの最後の一行で、なぜ世界が救えるんだ。
それがわからないので、評価は低い。ただ、SFの濃度は高く、結末寸前までは楽しめた。
(罰当たりシステム 2/2)
・・・まず、一ヶ月後にこの世界は滅びる。具体的には宇宙人の細菌兵器らしきもので
滅びる。詳細は解析できずに俺も一緒に死んでしまうので、”まだ”分からない。しかし
ながら、世界のほとんどが滅び、自分の意識がなくなった後、気がつくと俺は、世界が
滅びるキッカリ一年前の朝の日に眼が覚めるのである。気がついた世界では当然
一年後に世界が滅びるのは誰も知らない。それを俺は現在、427周繰り返している。
俺は、滅びの日から一年前に眼が覚めるたびに、対策を試みたり、自暴自棄になって
みたり、遊んで暮らしたり、思い直して世界を救おうとしてみたり、やはりあきらめたり
したのだが、結局のところ、「次の周に記憶を持ち越せる人間は俺しかいない」訳だし、
「輪廻転生のようなこのループを脱出しない限り俺に救いはない」というところに結論が
落ち着いた。
しかしながら、大して頭も良くない俺が一周ごとに技術を勉強し、世界の技術革新を
促進するとしても、滅びの日に対抗する準備期間が一周つき一年というのは短すぎた。
俺は失敗を繰り返し、世界は何回も滅びた。そして全くばかばかしいことに、気晴らしの
漫画を読んでいた時にその対策を思いついたのであった。
オカルトは科学ではない。しかし、オカルトが科学的に証明されれば、それはオカルトでは
なく科学だ。俺は過去を変えることにした。物理的には無理だ。過去は決定されてしまって
いるから。では、物理的な存在でない霊魂はどうか?
そして、今、俺は自分の祖先の背後霊を交換した。
おう、教えてくれ。この最後の一行の解説を。ぜひ知りたい。
やっとわかった。
でも、背後霊を変えただけで、世界を救えるなんて、む、ムリっしょ。
別に前半のチューリングテストと背後霊が関係しているわけでもないよね。
>>182 感想ありがとうございます。
おっしゃるとおり、自分でもオチが弱いと思いました。
1000文字の制限がなかったら何とかなっただろうか?
ということを言っている地点で言い訳ですねw
次は、もうちょっとストンと来るオチを考えてみたいと思います。
ああ、勘違いしていた。
前半がオチの一行の場面だということにも気づかなかった。
だって、む、ムリっしょ。それで世界を救うのは。
>>184,185
すみません。文章が下手で(汗。
最後の下の文が、
> そして、今、俺は自分の祖先の背後霊を交換した。
冒頭の文につながっているという構造です。
> 権兵衛らしき人物は、うひほぅ、と奇妙な声を上げて畦道にバタリと倒れた。
背後霊を変えれば、運命が変わるのか。
自分の先祖の背後霊でテストした訳です。
(成功すれば、主人公は歴史を改ざんしていくことになります)
なんというか、プロローグ的な終わり方なのかな・・・。説明不足かw
話のできはともかく、SFへの深い造詣を感じたよ。
>>189 造詣はともかくw、SF的な匂いというのはものすごく好きですね。
今後も精進したいと思います。
>>169 >>100作品もあるから、どんどん出てくるよ。
>>10年かかって100作品つくった。
じゃあ読んでやるから毎日ひとつづつうpしてくれ
わざとやってるだろお前w
酔ってる時に読むとこのぶっ飛び具合はつまみになるな
過去作再発表もいいんだが、新作発表はしないのかい
>>194 新作も昨日は二作書いて、著作権主張するサイトにうpしてある。
もはやポエムですらなくなってるな
200 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/08(水) 02:15:35 ID:ctCUhlRT
あげ
>ジョジョ好きに送る
荒木に謝れよ
ジョジョスタンド勝負は設定じゃなく展開と描写が面白い訳で
説明と描写が不足してるのに内容が薄いんだ。
二番手の殺し屋さんの読みが不足してました、ってだけの話で終わってるじゃん。
それじゃ緊迫感が皆無なのね。
好評云々もなにも、そのssstory.netってサイト常連数人でじゃれあってるだけじゃん。
見苦しい
SSの前にみっちり描写した中編書いてみた方がいいんじゃないかな。
202 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/08(水) 02:28:58 ID:ctCUhlRT
>>201 でも、「命を交換する指輪」のホグスの能力は最強クラスだと思うんだが。
>>203 >でも、「命を交換する指輪」のホグスの能力は最強クラスだと思うんだが。
なにがどう「でも」なんだよ。過去作連投して感想募っておきながら、その感想斜め読みかよ?
最強クラスだったらなんなんだよ。しらねえよ。
それ以上愚鈍キャラやめてくれよ。素で不愉快だ。
取り乱しました。
最強クラス云々っていう設定自体はどうでもいいのね。
その設定で、物語がどう生きるかが主問題でしょ。
物語が弱いんじゃないかいって言った訳すよ。
設定垂れ流しは物語ではないからね。
>>202を読んで来るよ。
煽った手前読んで来たけど、ここSSスレだから
今後は中編晒しは他スレでお願いね
先のジョジョ云々のもSF要素読めなかったけど、SF系のスレは
範疇定義始めると崩壊するのが目に見えてるのでそこは問いませんw
で、中編読んできました。
着想GJ、消化不良すぎ。推敲不足感も強く感じたけど、重箱突きの連続になるので保留。
脈絡なく冗長過ぎる所が多いので、その辺推敲しつつ削ったら良作になると思う。
で、むしろこのスレ的には、この着想を原稿用紙10枚弱クラスのSSに収める気概が欲しいんだぜ。
冗長の一例としては途中の「特殊相対性理論についてちょっと説明しておこう」の下りが顕著かな
質量の枷をどう克服したのか説明する気がないならあの一節いらんて
読むの早いなあ。もう半分は読んだのか。
無理な注文が多いよ。そんな理想的にはいかないよ。
これでも試行錯誤をくり返しての作品なんだよ。
今回晒したところでは計算が???になってるけど、原データでは修正され、計算はなかったことになってる。
ちなみに、ホラー大賞短編部門、一次落選作。
半分はって書き込みの時点で全部読んでるよ
俺かて半端者だが、読んでる途中で感想するほど腑抜けちゃいねえがなw
無理な注文云々じゃなくてな、
自作の面白さをスポイルしないように注意払い続ける事だよ
何次落選云々って話は良そうな
延々と「俺は俺は」って流れになるタチの悪い燃料だ
……かくいう俺も自意識過剰で創作文芸板に書いた事あるけ(r
おいおい、人物描写と自語りは別もんだぜ?
むしろ一人称語りは主人公台詞の羅列と変わらん
先ず稚拙さを徹底的に繕おうよ
垂れ流すだけなら子供でもできる
わり、感想になってなかったな
>>208の感想
君のSSは物語要素というか、「面白さ」や「伝えたい事」が皆無、または非常に希薄。
先の中編にはそれがあった。
ただ、読ませたい本質が埋もれてて読みにくい。
要は本題の周りにゴミがくっつきすぎてないか再考して欲しいんだよ。
その本題という軸が、掌編にも必要なんだぜ。
むしろ掌編の短さに芯が通ってなきゃ、それはただの
表現のないポエム未満な駄文だ
おう、ここまで来ると、あなたを満足させる小説は手前にはございません。
なにとぞ、新作の道しるべを。
設定より、展開や描写が好みなのか。試しに作るが。
>>210 伝えたい面白さはSFの小道具やアイデアだよ。
充分あると思うんだけど。
だからお前は人の話を聞け!w
>設定より、展開や描写が好みなのか。試しに作るが。
いらん!www
展開や描写は「面白さ」のためにあるべき物だ。
設定同様、展開や描写だけ考えても面白くなきゃ意味ねーよ。
むしろ、面白ければ設定も描写も展開もいらん。
もちろん純文学系だと面白さよりも伝えたい事/テーマ性の昇華っぷりの方が重視されるんじゃないかな。
そっちを狙う場合は適宜読み替えてくれ。
個人的な好みとしては、万人受けは求めない感じ。
どんな変質的な面白さであっても異化効果は読み解いて感想するぜ。
>なにとぞ、新作の道しるべを。
んじゃ、直近の感想から題材引くね。
「面白さ」または「伝えたい事」を、必要以上に誇張した
ショートショートを書いてみたらどうだろ。
俺も、自分の無意識的な水準は、自分が思うほど面白く
ないと思ってる。
なので意識的に『開き直る』事を心掛けてたりします。
>>212 >伝えたい面白さはSFの小道具やアイデアだよ
それだけで物語る気がないなら、
設定スレにでも投下した方がいいっしょ
まさしくそういう人が集まるスレなんだし
>>213 なるほど。ちょうど、伝えたいメッセージがあったところだ。
誇張したショートショートをつくってみよう。
って、いつもおれは、最大限誇張してるような。おれの超短編って極端じゃないか。
そうでもないのかなあ。やっぱり描写不足か。
「設定の」スケールだけはでかいの目立つけどねぇ
内容がうすっぺらくて矮小化されてる感じ
でも書く意欲は高いみたいだから
伸びしろは結構あるんじゃない?
>>214 自分の考えたSFのアイデアを披露する楽しみが伝わらないかなあ。
どこにでもある設定を組み合わせて、舞台をつくってるだけじゃないんだよ。
数百冊のSF小説を読み、なおかつ独創的なアイデアを模索して作ってるんだよ。
この価値がわからないかなあ。
まあ、アイデアがたいしたことない、伝わってないのかもしれないが。
そのアイデアを大事にするあまりストーリーとしての面白さが損なわれてないか?ってことでしょ
一度試しに普段書かないようなタイプの小説書いてみるとかどうかな
平凡な設定でキャラのほうに主軸置いてみるとか、
なにかの設定○パクリで、違う印象をあたえられる話を目指してみるとか
>>218 いやいや、着想は幅広いと思うよ。
でも小説となると、伝える努力と配慮が先に物言う創作じゃない。
これがほんと難しいよね。
例えば極端な話さ、感動的なクライマックス中に
気になる誤謬や誤字の一つ見つけただけでもさ、
読者の意欲ってすげえ削がれるじゃん。
読む側に「面白い」って思って貰いたいポイントがないからさ、
そこを君の好きなように研ぎ澄ませりゃいいんだと思います。
小道具やアイデア、SF掌編に重要なアイテムである事は間違いないはずですぜ。
好き勝手言った後でなんのフォローにもなってないけど
俺も
>>217に同感でさ、君の伸びしろは広いと思うんだ
そんだけ読んでるなら尚更ね
なにより大量に書き続けるって姿勢に敬服するよ。
俺も書きまくるぜ。お互い頑張りましょう
昼から仕事なので寝ます
荒れてるのかと思ったらww
なにこのツンデレwww
なにこの電波ポエム
なんで「おまい」なんて2ちゃん語使うのかなあ
その小説に合った言葉を選ぶのは基本中の基本だが
>>223 読んでみたけど、設定に振り回され過ぎという印象を受けた。設定を使うと言うよりは設定に使われてる、そんな感じだ。
アイデアや設定に拘るのも良いけど、その拘りが原因でストーリーを昇華出来ずに消化不良してるんじゃないかな
どうも、全体的に、
おれの作品には設定はあるが、物語がないという意見が多いであるな。
そうなのかな。自分では気づかないなあ。解決策も浮かばず。
面白いという声も少ない。orz
実際面白くないんだから仕方がない
どんな面白い小説や映画だって、設定と粗筋だけ読んだって面白くないだろ?
>>167 JINGを知らない時点で残念!
正解は禅銃でした
>>227 試しにいっぺん落語をよく聴いてみなって。
登場人物とか世界観の設定なんか皆無だけど、そのおかげで時代物にも現代物にも、SFにだってなる。
想像力なんて読者が働かせればいいんだよ。
「ここは宇宙である」ってお前さんが書けば、読者の想像は宇宙になるんだよw
書く方・演じる方は、そんな読者の逞しい想像力を刺激するような、ワクワクしたり笑ったりする、解り易いお話を目指せばいい。
お前さんの文章で、読者を笑わせようぜ? ワクワクさせようぜ?
それを第一に考えて作ってみるといいと思う。がんばれ。
「読ませる」より「読まれろ」ってことか
>>227 面白いと言う声が少ないのを嘆くよりも、面白いと言われない理由を見つめ直すべきだな。
4 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/10/05(日) 15:33:46 ID:V72sfRz20
さあ、いよいよ本番です。
統合失調症の病因は2008年現在においても不明と確認されました。
ところが、なんと、その病因は、歴史の裏に潜伏してきた神経攻撃を行う集団の攻撃だったのです。
998 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/10/06(月) 11:21:16 ID:PYq2SogN0
思考盗聴システムは実在している!!!
999 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/10/06(月) 11:21:55 ID:PYq2SogN0
1000なら、へげぞデビュー!
998 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/10/06(月) 11:21:16 ID:PYq2SogN0
思考盗聴システムは実在している!!!
999 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/10/06(月) 11:21:55 ID:PYq2SogN0
1000なら、へげぞデビュー!
58 名前: 記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo 投稿日: 2008/08/31(日) 16:24:24 ID:cxNvg3T60
聞こえてくる声が心の中を復唱するというなら、おれの初期症状と似ている。おれの経過を参考にしてくれ。
正常
2001年3月 OLの毒殺を疑う。
2002年8月 どこからともなく声を聞く。
異常
2002年11月 電車に乗っている人がみんなおれを待ち伏せていたと思う。
どこからともなく聞こえる声(幻聴)が始まる。
2002年12月 警察に目に見えないで攻撃できる機械があるかを聞き、ないといわれる。
2003年2月 大学の講堂に連れて行かれ、神経を攻撃される。アンケートをする。
2003年3月 天皇の振りまきとして、学校洗脳を体験する。
2003年4月 会社を幻聴に耐えられなくなり、退社。
2003年5月 何者かが訪れて連れ去っていくことはつづいている。
裏科学に飛ぶ。
2003年8月 何百人の人が自宅に押し寄せる。一週間ぐらい人が訪れつづける。
2004年5月 9月まで何事もなかったと日記に書いてある。
2004年10月 殺人趣味に会ったあと、ヤクザ襲撃をする。
2004年12月 どこからともなく聞こえる声(幻聴)が自然と止まる。
正常
2005年2月 世界をおれが制圧する。とてつもない高みに登りつめる。
2005年5月 裏科学へ飛ぶ。機密の中でおれが仕掛けたとおりに世界が動く。
2005年6月 二週間、世界を支配する。
2005年8月 再就職。
2005年12月 組織が職場に襲ってくる。神経の機能を落とされる。仕事のミスが増える。
2006年2月 退社。
2006年3月 組織がおれの仕掛けたとおりに動いている。働いた報酬としてセクロスできる。
2006年5月 秋篠宮のそっくりさんに襲われ4月にタイムワープする。組織との最後の出会い。
2006年7月 自殺未遂。精神病院に入院。幻聴はいっさいなし。
2007年1月 退院。
2007年2月 13日。幻聴を聞く。組織と最後の通信。精神病院に再入院。
2007年3月 退院。
以後、何事もなく、現在に至る。(学校兵隊ゲームをやった時の時期がない。どこにも存在しえない)
マジキチってほんとだったのかw?
こんな板で創作発表しても損するだけスレなんかでは、まともでポジティブな発言してると思うぞ
確かに空気を読めん子ではあるが、文を書くことは純粋に好きみたいだし。あんまり苛めんでやってくれ
>>241 組織には、下のような道具でいじめられました。
あることが確認されてる機械。
・一人にだけ声を聞かせる機械。
・誰の声にもそっくりに変換してしまう音響機械。
まだ存在が証明されていないが記憶にある機械。
・後頭部に埋め込む電気ショックで気絶させる機械。
・後頭部に照射する原因不明の光線で短期記憶を消去する機械。
・耳の穴の中に入る大きさのスピーカー。
・脳手術式の心を読む機械。
・頭皮に塗るだけで心を読める機械。
・声をかき消して聞こえなくさせる機械。
・まぶたの裏に埋め込んでスイッチで一滴ずつ垂らす目潰し装置。
・表皮に悪寒を感じさせる遠隔放射装置。
・体に痛みを感じさせる遠隔放射装置。
・脳の外部から照射して、脳の一部を強制的に興奮させる装置。これは自白剤として使える。いつの間にか、どんどんしゃべってしまう。
・目をつむっていても映像が見える機械。これを使い、まちがった記憶を再生すれば、記憶の改竄がある程度可能。
とりあえず、思いついたので、こんなぐらい。
全自動化されているのにCO2だけは自動で生み出せないだとwww
全自動化するためのエネルギー生産過程でいくら出てくると思ってるんだ……インフレってレベルじゃ(ry
さらにどう考えても全自動化されているのなら貨幣の価値が存在しないだろ、軽く考えてもわかることだ
つじつまが合う話を書こうぜ……
今一ドル99,50円くらい。どこまで円高が続くのやら……日経と言い見通しは暗いな……ってのはスレ違いな話
記憶喪失頑張れ
>>242 何か驚くようなインパクトのある体験あったら書
いてくれ
>>245 そこで何回も出てくる「えいが」って何?
何かされたの?
>>246 おれを襲った組織の全体像は、
情報機関が最初にいて、おれを調査した後、自分たちの存在をごまかすために犯罪ネットワークにぶつけた。
犯罪ネットワークの中をたらいまわしにされたおれは、犯罪ネットワークの中で凄い高度な技術の道具を使う連中に目をつけ、
そいつらをハイテクネットワークと名づけた。その後、ハイテクネットワークについては正体不明だったが、
使っている道具については少しわかった。それが
>>242だ。
抵抗できず、たらいまわしにされたおれはある時、敵組織の一人に「おまえたちは何なんだ」と聞いた。
子供が「えいが」と答えた。おれは街中で大集団で銃を持ったりして荒らしまわってる集団を映画を撮ってるんだとごまかしている集団かと推理し、
「えいが」と名づけた。
情報機関と犯罪ネットワークとハイテクネットワークとえいがの区別はうまくつかない。
おれは気絶スイッチをつけられ、意識を消され様々な場所に運ばれ、何もわからず、ただ連れまわされた。
非常に苦痛だった。
組織に子供がいるの?
>>248 いるよ、いっぱい。
結局、スレ違いの組織の話をしてしまう。
一度、自宅に来た連中で残ってたやつを全員、年齢順に並べさせたら、
19歳から55歳までが均等に五十人ぐらいいた。
年齢不詳のやつらや、子供の振りをする大人がたくさんいるけど、
犯罪ネットワークの中には子供もいた。
洗脳教団にぶち当たっていた時は高校生が30人くらいいた。
何と名づけたらいいのかわからない組織の大元は、小学生をうまく使い(小学生ともセックルし)、
街を荒らしていく。
>>247 その妄想を小説として書いた方がいい
かなり面白そうだ
この人は人間ドラマが描けないタイプだから無理
設定並べて満足してるだけ
>>249 組織の人を整列させのかよ
どうやって?
>>252 怒って並べさせたんだよ。いうこと聞いたよ。
お前さんの小説には「俺」しか居ない
他の人間はどこにいるんだ
>>255 どの小説のことを言ってるんだ。いっぱい出てくるじゃないか。
登場人物一人なんて小説は珍しいぞ。
登場人物全員の性格が同じに見える
>>253 何だ、妄想世界の住人だったのか。変な事件を起こすなよ。
>>257 はい、自分でも思います。成長しようがありません。
「俺の股間のイチモツが火を噴くぜ」という台詞に対し
Aは「ワハハ面白いな」といい
Bは「はぁ?」といい
Cは「なにくだらねぇこと言ってんだアホが」と返す
これが性格、勉強になったね。
この台詞に対し全員が「ならねぇよ」で返すのがお前の小説
そうか、かなり独善的だと思うぞ
独白を避けて多重人格になるつもりで書くといいと思うよ!
>>267 イタリア人だと男はそうなるだろうが
ドイツ人だと殺すのを優先するだろうし
アメリカ人だと突進していくだろうし
韓国人だと逃げるだろうなw
おれが多重人格になるとか、しゃれにならないだろう。
ただでさえ、精神病患者なんだから。
あっちへもっていかれそうになるよ。
>>へげへげ
はっきり言えばどれもこれも主人公の性格が同じだ。
もっと簡単に言えば作風芸風ともに幅がない。
おわかりいただけたかな。
>>269 日本人はどうするんだよ。
おれ愛国者だから、日本人優先だよ。
日本人の場合は、とりあえず親か上司に相談してから女のところに行く
あぁ、友人でも良いぞ
>>271 >>173「記憶の最果て」のメーゲローと、
>>199「命を交換する指輪」のホグスの性格が一緒だっていうのか。
>>273 親も上司も死んでるんですけど。あと、おれ相談しねえよ、親にも上司にも。
「へげぞ」ってどういう由来でつけたの
自分をかなり珍しい作風の人だと思っているので、このまま突き進みます。
>>276 ゲームに使ってたおれのキャラの名前から。
>このまま突き進みます。
やめとけ
珍しいどころか厨房の駄文止まりだもん
ホグスの殺し方
指輪をつけた腕を切り落としてから殺す
メーゲローに近付いて記憶がなくなるなら
誰もメーゲローを覚えてないはず
仕方ないな。
>>279 中学生におれのアイデアは書けない。
中学生のアイデアでおれの域に達するのは相当の才能持ちだ。
おまいらはなぜ気づかない。おれという才能に。
とんでもない奇想を書いているはず。
>>280 それが何か!
ホグスに近づく時に棺桶の死体と命を交換させられます。
メーゲローの記憶を失うまで多少の時間がかかるはず。それで言い伝えられ、医者に伝わっていた。
>>へげへげ
仕方ないな。『世界の終わりにたった二人で』を中二病の極北仕様で改悪するからそれを読んでくれ。
おk?
>>283 おけっい! 見せてもらおうか、お主の極北とやらを。
『世界の終わりにたった二人で』
改悪版
ハルマゲドン/勃発/全人類−戦死者=おれとあいつ。
おれ×15/巨大な狙撃銃装備。
包み込む緊張感/額を伝う冷たい汗。
生存本能≠敵を殺す快感<あいつへの愛情。
継続中/ハルマゲドン=二人ぼっちの戦争。
秘められたあいつのチカラ/焼き尽くす/世界を、2度。
模索する道/戦争終了=和平交渉>二人の生存フラグ。
。
あいつ/拒否――薙ぎ払われる世界、炎上/加速する世界の終焉。
防御/耐熱/鼻腔につく不快な微香=焦げる臭い――世界が。
あいつ/勘違い/戦争勝利。
飛翔――ゆらゆらと、宙を歩く/重力否定。
×狙撃/○二人だけの生存者。
「降参しろ。武装を解除して、下りてくるんだ」
拡声器/増幅/俺の声全国放送。
あいつは驚愕した――俺の存在/×殺害。
「作戦は味方以外を殲滅しろだった。作戦失敗なのかな」
拾う/ネコババ/あいつの声を集音機で。
「もう、この地上には、おれとお前しかいない。戦いは無意味だ。おとなしく投降するんだ」
俺は突きつける/言葉のナイフ/鋭利な刃を/喉元に。
不思議な疑問=愛情/懐疑/会議したい――あいつと。
世界の終わりにたった二人で生き残って、それで人類を存続させなければならない。
おれ=男×あいつ=女。
導き出される方程式=人類存続/希望。
――そうだ、これは愛だ。
混乱する頭/愛の公式で解いた答え。
「おれたちは愛し合っているんだ。殺しあう必要はない。武装を解除して、下りてくるんだ」
危険な思考/理解不能な定理/証明不可能。
常軌を逸脱した壮大なロマンス≠確定的な現状、真理/心理。
「愛は残酷なのよ」
呟ぶやかれる言葉→再度世界炎上。
防御×防熱――必死なルーチンワーク。
――生き残ったあいつと、おれ。
「世界の終わりにたった二人きりなんだ。これが愛でなくて何だというんだ」
矛盾の攻防/論戦。
「そんな愛なんて、聞いたことがないわ」
否定VS肯定。
「おれたちは愛し合っているんだ。そうに違いない。武装を解除して、一緒になろう」
強制愛情/世界終了の危機/抱く生存欲求=本能。
世界の終わり/生存者2名=おれ+あいつ。
響く/虚無感/奏でる/愛の/讃歌/惨禍/参加。
これが中二病の極北だ。
改悪してて気付いたけど同じ言葉の連続が多かった。削れる文章は削った方が良いぞ。
酷いできだ。厨二病や極北を勘違いしているとしか思えない。
レムの「虚数」でも読んだか。
期待したおれがバカだった。おれは、これよりは上手な文章で書けてると思う。
おまいの作品から得られるものは、
>鼻腔につく不快な微香
ぐらいだ。まったくつまらないものを読んだと思った。
厨二とは違うなw
レムの虚数ってこういう文体なの? 興味深いな
レム読むならどれから入るのがいいのかな
>>287 一応見る目が有るんだな。少し見直したぞ。
つか、
>>285より酷い作品なんて無いだろうw
空気読まず投下ます
コルチゾールの輪唱(1/4)
二度目の仕事が完了した。
私は右手に絡む黒褐色の液体を舐めてみた。味覚の代わりに分析用のセンサが構成物を判断する。ブドウ糖成分が多いようだが、その他はおおむね知識と一致している。個人差があるのだろう。
血は赤いものだという知識を与えられているが、視覚情報とはあまり一致しない。粘ついて、泥臭く、RGB値で近似しても茶色のカラーパレットに近い。
「回収が完了した。――行くぞ、二号」
私はマスターに頷いて、その場を後にした。
私の人格は人工物である。
私の脳は、脳死した女性を基盤としたクローン脳を死刑確定者の脳漿で培養したものだ。
知識は連続断像立体焼き付けという技術でニューロンに紐付けされている。
訓練によりシナプスを発達させるヒトと比べて圧倒的に情報量が少ない代わりに、物忘れは少ない。
そして私の脳は、焼き付け技術の限界から、半年も経たずに脳死する運命にある。
マスターは私のメンテナンスを終えて、私の四肢から鍼を外した。
私の横には、二ヶ月前に死んだ「一号」が横たわっている。
なんかクランチ文体とか言う、直感的にイメージを取り込める文章表記らしいぞ
俺の贔屓作家が一時期真似してて大層困ったのを覚えている
てかクランチでうまくやるのは相当難しいよな
コルチゾールの輪唱(2/4)
「二号。お前は死を畏れているか」
「いいえ」
「キャシーの記憶は転写されたのだろう」
「わかりません、マスター」
「一号のように自殺しないでおくれよ。お前にはまだ、役割があるんだ」
「はい、マスター」
私の人格は、マスターの娘であるキャサリン――彼の言うキャシーの脳核クローンに、彼女からスキャンアップしたシナプス情報が焼き付けられている。
言語化も記号化もできない雑多な感情は、スキャンの際に失われている。
アンドロイドの私見で考察する限り、その失われた情報こそが、人間が人間であるためにもっとも必要な情報なのだろう。
私に不安はない。
目的もない。与えられた役割に疑問もない。
「キャシーは腹部にショットガンを撃たれて無惨な死を遂げた。君のその手で、キャシーの仇を討ってくれ」
私は頷いた。
私は、キャサリンを殺した人間を捜すために、マスターによって作られた。
私はマスターに命じられるまま、キャサリンが死ぬ間際の記憶に該当しそうな人物像を、可能な限り洗い出した。
マスターは可能性の濃そうな人間を次々と殺し、彼らの脳を回収して、スキャンアップした。
マスターはご自身の開発した技術に絶対の自信を持っている。
三人目を捕獲する計画が始まった。
私の記憶の中で、かなり鮮明なイメージと共にキャサリンを振った男である。
だが、殺意の動機に繋がりそうなシナプスが皆無なので、優先順位を下げていた対象だ。
「調べてみたらこの男、キャシーと交際している間に他の女と入籍してやがるんだ。
くそっ、この情報がもっと早く出ていれば、無意味な殺人が不要だったろうに」
私は危ぶんだ。今回もまた、無意味な殺人になりはしないか。
その男に対して、キャサリンの記憶は美しいままだ。
ただ一つ、悲しさという「記号」に結びついていた。
コルチゾールの輪唱(3/4)
――記号化された記憶だけではキャサリンの本当の記憶は追えないだろう。
エンドルフィンやドーパミンの断絶具合はどうだったのか。
コルチゾールやアドレナリンは分泌されていたのか。
そういった正確な情報がなければ、記憶なんてものは物語に過ぎない。
ヒトは容易く感情を記号化する。
科学が発達しても、彼らは何も学ばない。
毎日のように怒り、妬み、苦しみ、恋愛劇を繰り返す。
他人を理解したいのならば、なぜ脳内物質の分泌量の定点観測を習慣付けないのだろう。
犯罪を畏れるならば、なぜポリグラフ機器や嘘発見機の装着を義務づけないのだろう。
どうやら、ヒトは感情というものを神聖視しているようだ。
それは観測出来る物なのに。
私たちは非合法的な武装を周到に準備して、その男を廃ビルの一角に追いつめた。
その男は私を見て、「キャシー」と呟いた。
私は彼の腹部にショットガンを放った。
コルチゾールの輪唱(4/4)
そのとき私は、新しく一つのシナプスが繋がった事を確認した。
――ああ。マスター。やはり無意味な殺人だったようです。
私はショットガンを自分の腹部に据えた。
――もしくは、ヒトの感情は観測し切れる物ではないのかもしれない。
ある側面において、忘却と隠蔽もまた、人格の本懐なのかもしれない。
キャサリンの記憶は、こんなにも強固に、彼の事を隠蔽し続けていたのだ。
「二号。君も自殺したのか。なぜだ」
肺が潰れているので、私は応えられない。
何故、マスターは泣いているのだろう。
キャサリンを殺した相手が判ったから
命令通り、
この
手で
-fin-
>>291 ぐぐってみた。なんか面白い世界に感じるけども、
これで長編やられたら泣くなw
勉強になりましたthx
>>288 「ソラリス」「虚数」「砂漠の惑星」の順に読め。後は好きにしろ。
>>294 >脳死した女性を基盤としたクローン脳
とは、脳死した女性のクローンをつくってその脳を摘出したのか、
クローン人間の脳を摘出したのかどっち。
「コルチゾールの輪唱」
文章がわかりにくい。ついでにオチもわかりにくい。
ネタバレしちゃうが、キャシーは自殺だったの?
自殺だったなら、面白さはまあまあかな。自殺じゃないならつまらない。
>>297 人間ドラマ+設定でまともに評価されるもんなんだよ
>>298 四番目は「星からの帰還」がおすすめだ。忘れてた。
>>297 >>脳死した女性を基盤としたクローン脳
>とは
その一文、読点足りなさ過ぎだね。悪文スマソ
前者のつもりだったけど、話としてはどっちにとってもらっても支障はないですよ
読む人をうまく誘導できてなかったかな。
ネタバレ分のご意見についてはしばしノーコメントで
>>299 負けるのか、おれの作品は「コルチゾールの輪唱」に。
衝撃だわ。サスペンスなのがいいのかな。
作者は自殺なのか、どうか、教えてくれ。頼む。
勝ち負けじゃなくて設定はパクられるから、凝っても意味がない
ノートに名前書いたら死ぬ「デスノート」とか言うけど
ウイングマンの「ドリムノート」のパクリだろ話になるし
君の話読んで、他の奴がパクっても君にはどうしようもない
>>290 いい感じ。よくある設定に感じたけど、オチまで綺麗にまとまってる。
>>304 ものは試しだ
断片でもいいからえいがの体験の、一番強烈なの書いてくれ
支離滅裂でもいい
むしろその方がリアルだから
>>305 物語だってパクられますが。
設定パクられるとかいってるけど、「ワンピース」のロギア系が
「フェアリーテイル」のジュビアにミズミズの能力者としてパクられていたけど、
それならロギア系出さなかった方がいいとかいう意見はありえないし。
ロギア系をどう考えても出すべきだし。
パクられるのが怖くて作品発表してられるか。パクられるからとか作品の評価に関係ないし。
独創的な話のが絶対にいいし。あなたのいってることわかりません。
>>306 ご拝読ども。
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo氏のような疑問とか感じた?
>>308 だからパクられないキャラクターで勝負するんでしょ
で、君の作品にはキャラクターとそれを取り巻くドラマが抜けてるから
無意味って話
>>308 じゃあ同じ設定使ってるワンピースとフェアリーテイルで、評価と知名度が天地の開きなのはなぜだと思う?
>>307 うはーセックルしたあ。一対六の7Pだあ。とかそんなのだぞ。
読みたいか? 書きたくねえし、書くことねえし。
313 :
謎科学短編:2008/10/09(木) 17:53:41 ID:RKGrBfzq
科学は万能だ。なんだってできる。
例えば悪魔退治。ラプラスの悪魔を量子論が駆逐した事は記憶に新しい。
今はまだできない事が多いけれど、そのうち克服するだろう。
例えば飛行。昔は人間が空を飛ぶなんて事はできなかった。今じゃ飛行機のチケット一枚あれば空を飛べる。
科学は長い年月をかけて人間の領域を神様の領域まで近付けていった。
例えば生命。羊と言えばドリー。今やそんなのが合言葉だ。
非科学的な物を科学的に証明する。それは人間の叡知の賜物だ。
だけど、科学には一つだけ弱点がある。 ひらたく言うと儲からない。お金にならない。
膨大な経費、長い年月が科学の進歩に必要だ。
お風呂に入って“ヘウレーカ”なんて昔の話だ。
科学は金食い虫で時間食い虫。予算がなければどうにもならない。
どうにもならないから予算が打ち切られる=科学の衰退。
冷たい景気の風が科学に吹く。コートを着て寒さに耐えても童話みたいに太陽は照らしてくれない。
だから。
さらば、科学。また会う日まで。
>>312 なんだそりゃ
組織に酷い目に合わされたんじゃなかったんか?
>>312 お前がつまらん呼ばわりされているのは、まさにそれを書くことないと言いきれてしまうせいだ
普通ねえぞ7Pとか
童貞捨てた程度のレベルでテンション上げてる連中がごまんといるのに、お前は6人も相手にして無感動だったのか
なんか思ったのなら、なんでその状況の異常性を伝えようとしない
何も思わなかったなら、なんでその感覚の異常性を伝えようとしない
書くこといっぱいあるじゃねえか
しっかりしろよ
>>307 ぜんぜんたいした話ではないが、
温度二千度の場所にいるために自分の表皮を膜で覆った。
ジョン・ヴァーリーの「逆行の夏」を読んでいたおれは、
セックルできるように人の肌が通り抜けるように防御膜を作った。
のち、おれはこの防御膜では素手で殴られた時危険だと思い、
素早く動くものを通さない機能を防御膜に追加した。
それでも、怪力の人にゆっくりと首を絞められると死んでしまうと思ったが、黙っていた。
核兵器級の戦いをしているおれを殺す方法は原始的な力づくで首を絞めるだったわけだ。
というエピソードは面白いか。
>>コルチゾールの輪唱
投下乙。
読後になんだかもやもやした何かが残って不思議な感じがした。
俺は素直に楽しめた。GJ!
まぁ、結局それだと自分語りなんだが
>>316 面白い
面白すぎる
オマエのSFの一億倍は面白い
もっと書いてくれ
>>316 そのエピソードを面白く出来るかどうかはお前さんの力量次第だ。
書き手としての本質を違えちゃいかんよ。
>>314 最終的に快楽を手に入れて終わったので、そっちの印象が強くて、
酷い目にあった方の記憶はだいぶ忘れているんだ。
長いこと欲求不満で、組織は女を大量に抱いてるのになんでおれはゼロなんだと嘆いていて、
やっと苦労して組織の命令権を奪い段取りを切りかえて、おれがセックルできるようにしたら、
それでセックルして大満足していたおれが、その相手が殺したいほど憎んでた女だったことを知ってゲロを吐いたとか。
>>309 オチ?いや、普通に自殺だったんだと読んだよ。
というか、私には他の読み方ができないかも。
行動じゃなくて会話内容を思い出さないと
324 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/09(木) 18:08:24 ID:RKGrBfzq
>>312 投下乙。ストレートに科学の悲哀だなぁw
オチにもう一捻りあると素敵かも。
ベタなあたりで、主人公が哲学とか真理とか宗教に目覚めて荒稼ぎする皮肉オチとかw
>>316 いざ書くとなると説得力持たせるための描写力が必要だろうけど、素直に面白そうだぞそれw
リロ忘れ。連投すまん
>>317 thxー。もやもやしてくれて幸いw
>>322 ご報告ども。ネタバレちゃってるけど伸びてるしいいか、一応それで狙い通りです。
>>325 オチは皮肉ネタを盛り込もうと思ってたけどへげへげが理解出来ないと困るからやめたのさw
>>323 時々、会話も含めて脳内で記憶が再生されることがある。
だが、それを意識で再生して記憶にとどめておくのは無理だった。
印象深い会話は、じいさんが「ういじゃ、ういじゃ」と楽しそうに踊っていて、
おれは何をいってるんだ、日本語っぽいが意味がわからんと思っていた。
「うい」「むい」は組織との体験で非常によく出てくることばで、「有為」「無為」だった。
偉い爺さん(おれは天皇だと思ってる)が報告を聞いて、命令することはないが聞けてよかったという意味で、
「有為じゃ、有為じゃ」と踊っていたのだ。
この辺でやめとく。オカルト板の「思考盗聴」スレでいってるような内容になってきた。
面白くても、最終的には、妄想乙といわれて終わるのだな。
>>321 すげー面白いじゃん
相手は組織だけど拉致されたりせんかったの?
組織を牛耳るようになったいきさつは?
>>329 自分の作品を面白いと思ってたの?ウソだよね?冗談だよね?
>>331 「謎科学短編」よりは面白いと思ってるよ。
>>329 実際妄想だからしゃあないだろ
でも面白い妄想だな
すげー笑えた
基地外ってこんなこと考えてんだなあ
良かった。本当に良かった。頭のネジが弛い人に誉められなくて本当に良かった。
なんで俺シカトされてるんだろう
>>332 どっちもすげーつまらんよ
つーか両方お前が書いたと言われても分からんくらい
大差ないよ
ノーベル賞で今さらクオークの話題になってるのに、今ラプラスの魔なんてさらに
今さら感が爆発だぜ?
>>340 この度は良い突っ込みを頂きまして誠に有難う御座います。
ちょっとひどいなw
伸び過ぎw
今北産業plz
いやホントスレ伸びすぎ
このスレこんなに人いたんだな
違うんだ
投下があれば人はそこに来るんだって
>>335 シカトはしてないよ。ただ、解答保留にしておいただけで。
「ワンピース」のが独創性あるよ、「フェアリーテイル」より。
口に刀くわえて、三刀流といいきってしまうあたりが尾田のいいところだ。
7Pは書かないよ。はあはあ、いってるだけだぞ。何しゃべってたか覚えてないよ。
絶対つまらないよ。かなり衝撃度の高いできごとではあったけど。
他にないのか
組織に拉致されたり拷問されたりとかないのか?
ただのセックス妄想にしか見えないぞ
ぶぶぶー
>>348 なるほど、武器を3つ構えれば独創性があるから有名になるわけだ。
ところでラズロ・ザ・トリップオブデスって知ってる?
刀なんぞより余程オリジナリティを発揮しないと考えつかない武器を3つも構えてるのにワンピースより知名度低いよ
これはどうして?
「かっこいい太郎」は知ってる?
独創性あふれる名前なのにこれもワンピースより知名度低いよ
衝撃度の高い出来事なのに、どうしてその衝撃を書こうとしないの?
なんでつまらないって思うの?
7Pなんて独創性あふれる設定に比べて、非常にありふれた設定のSSがpink板で量産されてるし、
そのうちのいくつかは絶賛すらされてるけど、どうしてだと思う?
何を言ったか忘れたとか言うけど、そんなもん別にどうでもいいんだよね
俺セリフなし書けるから
一言一句思い出す必要なんかないんだよ、感情さえ書いてあれば
ところでプロアマ問わず巷の小説で「良くわからないが、腹が立った」のような文章はいちいち挙げる必要がないくらいよく見る
つまりそんなんで十分なわけだが、感じたことすら思い出せない?
なんでつまらないと思うの?
どこがつまらないと思うの?
面白く書くための要素ってどんなこと?
お前の考えが正しいのなら、どうして誰もお前の作品に理解を示さないんだと思う?
>>351 トライガンか。あれはウルフウッドの後釜に話の行き詰まりの結果、
仕方なしにでてきた感じだから、じゃないかな。
拳銃の三丁撃ち(お手玉みたいにくるくる投げながら撃つ)がいたら独創的だと思うよ。
おれのアイデアだけどね。
おれの妄想では、ゾロが柔の剣に目覚め、刀をお手玉しながら、切るようになるんだ。
ゾロじゃなければ、たしぎがね。雪見酒、月見酒、花見酒という技の名前まで考えたよ。
ワンピは、ゴムゴム、三刀流、バラバラの三つだけで、おれは尾田は独創的なやつだと思ったよ。
>>352 >>351 >なんでつまらないと思うの?
>どこがつまらないと思うの?
>面白く書くための要素ってどんなこと?
>お前の考えが正しいのなら、どうして誰もお前の作品に理解を示さないんだと思う?
俺もそこが気になる。自分がどうとか気にしすぎじゃないか?考えようぜ
組織の妄想はもうネタ切れ?
ホントにセックスの話だけかよ
せめて組織の話がなんで面白がられてるかぐらい考えないか
URLで貼ってくるような、箸にも棒にもかからん書き散らしなんぞより
どっかで聞いたような変な組織に追われている一般人ネタの方が喜ばれている現実は何なのかをさ
>>349 拉致はされたが、拷問はされてないな。監禁もされてない。
部屋の中で、神経に痛みを感じさせる見えない攻撃を受け、
おれは壁に貼り付いて、攻撃を受けない死角を探したりしたな。
その間、心を読まれていて、おれの頭の中で可愛い子ランキングとかが思い浮かび、
暴露されたら死ぬほど恥ずかしいなあと思っていたなあ。
組織の素性は何一つわからず、ただ襲われて、初期の頃はだんだん戦闘で体が傷ついて、
その分、サイボーグ化されて、体がロボットになっていったな。
サイボーグになったら、女の子に相手にされないじゃないかと思って泣いていたな。
チンポだけはサイボーグにしないでくれと強く組織を説得した。
組織の黒幕は外国人ではないかと疑い、外国人が日本美女を探すために行っている活動なのかと思ったな。
それで外国人の黒幕を探し、連絡が外国人に通じるか確認し、
オランダ人の子供を殺しかけ、結局、組織と外国の関係はわからなかった。
直接襲ってくる実行犯が日本人なので、集団を率いていた黒シャツ黒スーツも日本人なんで、
日本の組織なのかと今では思うなあ。外国人に日本がもてあそばれているのかと、
苦悩しながら抵抗していたなあ。
みんなが思うような、絵に描いたようなサスペンスはない。
おれはサイコホラーだったらしいけど、怖さは表皮に悪寒を与える装置を信じてもらえないと伝わらない。
最後の一行にある思想は物書きとして致命的な欠陥
駄目な書き手の見本だな。知識があっても感性がない。
つか、筆力がないのは自覚しろ。
誰かおれの小説を面白いと思う人、いませんか。
もう、二年ほど、小説の創作しか生産的なことをしていません。
これが全部つまらないとなると死んでしまいたくなります。
150枚まで書いたSF長編も続きが書けず止まっています。
賞の応募もできません。
誰でもいいから、面白いと思った人は教えてください。
死にそうです。
おれには感性なんてないです。無味無感動なやつです。
子供の頃、猟奇殺人犯に憧れていたおれは殺人なんかでは感銘を受けません。
世界の崩壊でしか衝撃を受けません。それにはSFあるのみです。
おれは組織に襲われた証言を書くために生きているのではないのです。
>>359 おすすめはどれだよ。一個しか読まないから、そのつもりで厳選してくれ。
362 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/10(金) 13:32:24 ID:IxPD1AjE
面白いと思う人間を探すより他人の作品の様に自分の作品を読んでみろ。
追記。
考えてみれば、世界の崩壊でも衝撃を受けません。もっと大きな滅亡って何ですか。
今から、自殺をネタに超短編書きます。
>>362 凄い傑作だと思います。
斬新なアイデアや情緒と思想に富んでいて、他では見ない類の作品です。
これを後世に残さないわけにはいきません。少しでも多くの人に読んでもらうべきです。
ここはSFスレだ。関係ない作品をかくなら該当スレでやってくれ。
書きました。自殺小説です。さすがに、サイトのみんなに引かれるといけないので、
サイトにはのっけず、ここにのせます。
「死んでしまうことへのメッセージ」
死んでしまおうと思った。おれには生きている価値がない。もう死んでしまおう。
そう思った。結局、この世の中に価値のあるアイデアを新しく生み出すことはできなかった。
おれのアイデアはすべてくだらないのだと読者はいう。おれの小説がくだらないゴミくずなら、
これ以上、生きていてもしょうがない。へげぞが死んで、誰か悲しむ読者がいるだろうか。
「みんな道連れだよ。おれ一人で死ぬと思ったら大間違いだ」
おれは地球の崩壊を止めるためにつないであった核兵器発射ボタン制止装置を触る。
本当は核戦争はとっくに始まっていたのだ。発射されるはずだった核ミサイルに制止装置をとりつけて、
核戦争を止めていた歩いたのはおれだった。一個の核ミサイルが発射されないとわかると、
某国の大統領は次々と核ミサイルの発射スイッチを押したから、
本当は世界中の核兵器の発射スイッチがとっくに押されているのであった。
それをおれが制止していた。
「宇宙は消えてなくなるんだ」
おれはかつて宇宙を救ったことがあった。その時、宇宙の物質すべてを
おれの意識によって照らし出すようにしていた。おれが死ねば、
宇宙の物質すべてが意味を失い、消える。宇宙は白紙に戻る。
「愛も夢も希望も、すべて消えてなくなるんだ」
おれは愛する遺伝子をつきとめ、愛する遺伝子を消していくウィルスを体内に封印していた。
夢を見る遺伝子も、希望を持つ遺伝子も同じであった。おれが死ねば、それらのウィルスが解放され、
世界中から愛と夢と希望を消し去る。
死のう。おれなんかが生きていても仕方ないんだ。世界を救ってやったのは、
どうしょうもなく悲しかったからだ。おれを残して死んでしまう世界というものがどうしょうもなく、
空しいものだと思ったんだ。あの時のおれは、世界全体を元気づけてやる気でいた。
その気力も尽き果てた。やっぱり世界に意味はない。おれの小説はつまらなく、
おれの力で世界を面白くすることはできなかった。ならば、死のう。さようなら、人類のみなさん。
今日で世界は終わりです。
そして、おれは首を吊って死に、核兵器がいっせいに発射され、
宇宙の物質は白紙に戻り、愛も夢も希望もなくなり、それを情けないと打ち震えるあなたが残った。
不可能であった。
通信技術は発達し、紙媒体に限らず意思を伝える方法は増え、家に居ながらにしてどこの者とも知れない人間と意見を交わせる。
だが、たとえ相手の脳に自分のすべてを譲り渡す技術が得られたとしても、この不可能は最後まで乗り越えられることはないだろう。
人間は、ついに他者を理解することはできない。
私は、ボタンに指をかけた。
あと数グラムの力をかけるだけで、この、ほんのささやかな、理解を共有しようとした、愛に溢れた時間は終わる。
もう一度モニターに目をやり、並ぶ文字列を見た。
この情報群を処理すれば、新たな活路が開くかもしれない。活路の果てには、望む理解が待っているかもしれない。
だが、そんな私のささやかな希望がどんな結末を迎えるかは、モニターのログが証明している。
ボタンにかかった指が冷えて痺れるようだった。
心に浮かんだ希望はすでに枯れ、諦めに変わっていた。
もう、ボタンを押す以外に何もすることはない。
すべてが消え去った後のモニターを眺めながら、私はしばらくじっとしていた。
衣服を何もつけていない下半身が、妙に寒かった。
SFがどんなのかよくわかんないけど、書いたよー。
>>367 自殺小説おめでとう。っていうか、下オチかい。
おれのにも何かコメントくれ。
>>366 お、最後で捻ったな。ちょっと面白い。
最後で二人称で示されるあなた(読者かな)は
書き手「おれ」の宇宙に属してないという事かな。
色々解釈の余地あっていいね。
ただ、中盤がいけません。
ラストに至るまで、「核で宇宙まで消えないだろjk」って
いう興醒め感を与えっぱなしだぜ
いつものノリで宇宙を破壊できるスケールでかい兵器でも
ポンと出しときゃ良かったんじゃね?
>>367 良くわからんw 説明不足すぎるのでは。
ボタンとか愛に溢れた時間とかラス一行あたりから
想像するに、エロゲでオナニーでもしてたってこと?
えっ、
>>367は自殺書きこみをした男の想像図じゃないの?
>>369 ううっ、うれしいです! ちょっと面白いなんて。
宇宙破壊爆弾はちょっと安易すぎるかと思いましたが、
宇宙を破壊するのは難しくてですねえ。
いろいろと納得のいく宇宙の破壊の仕方を毎回考えているんですよ。
「死んだ男」
俺の目の前に首を括って死んでる男がいる。
身体中から汚物を垂れ流して、口から舌を出して死んでいる。まだ腐ってなくて、蛆もわいていないようだ。
兎に角臭い。汚物の臭いで鼻が曲がりそうだ。
まあ、見てしまったのも多少の縁、仕方ないので手を合わせる。合掌。
血迷わないで成仏しろよ、と呟くと、死体のズボンのポケットから何か白い紙切れが覗いているのに気付く。
なんだろうか。遺書なのだろうか。
興味はあるけど放っておく。
汚物を踏みたくないし、知らない奴の事なんかどうでもいい。それが死んだ奴の事なら尚更だ。
どうせ大した事は書かれてないだろう。大した事を書くような奴なら自殺なんてしないだろう。
しかし、なんでコイツは死んだんだろう。理由なんて解らないし解りたくもないけど。
どうせロクでもない理由だろう。
死んだらリセット出来るとでも思ったのだろうか。
ひょっとしたら死ぬ事で世界が終わらせられるとでも思ったのだろうか。
まあ、死ねば自分の世界は終わらせる事が出来るだろうけど、他の人間には関係がない。
馬鹿だねえ、そう呟いてもう一度手を合わせて合掌。
バイバイ、この世が嫌ならあの世にずっといろよ、輪廻転生なんてもっての他だ。
自殺って事はお前も世界には馴染めない。世界もお前に馴染まない。
ナンマイダ、アーメン。
さて、臭いし後始末に巻き込まれるのは嫌だからとっととずらかろう。
こんな臭いが移ったら大変だ。
俺はお前に興味はないから、お前も俺には興味はない筈だ。血迷って俺に祟ってくれるなよ? 気掛かりはそれだけだ。
まあ、21世紀にもなって心霊現象なんてナンセンスだけど。
なあ、アンタもそう思うだろ?
――世界はいつもの様に動いている。
うん、書いてみたけどSFじゃねーなw
と思うのは
>>371の夢で、
>>371は核戦争でふっ飛んでいた。
やがて、夢を消し去るウィルスが襲ってくるのも時間の問題だろう。
SFじゃないなぁw
とりあえずただのSSとして感想するけど、
投稿前にSFじゃないと気付いたなら自粛して他のスレに投げてくれよw
主人公の押し付けがましい一人語りで終わってしまったのが残念。
オチで引っくり返せとは言わないけど、葛藤や止揚が欲しいかな
という
>>373は良き隣人の声であった。
我々は今、核爆発で吹っ飛んで消え去ってしまった世界の中にいて、
夢の中で語り合っているのである。ここは夢の中だ。
やがて、この夢が拡散する時が来ようとは。
この2ちゃんねるはすでに現実には存在しない。
これを見ているあなたはへげぞの死とともに滅びた世界の中に
忘れ去られた残存記憶の中にいるだけ。
早く気づけ。
なんとかして、現実を再構築するのだ。もう、まにあわ、な、い……
『夢を消すクスリ』
「念願の夢を消すクスリを開発したぞ!」
博士の大声が研究室に響きました。
資料を纏めるフリをしてニコニコ動画を見ていた私にも聞こえます。
イヤホンを使っていた私にも聞こえたのですから、相当大きい声です。
この研究室には二人しかいないのですから、もっと小さい声にして欲しいものです。
「おい、助手のA子君! 見たまえ、これが夢を消すクスリだ!」
違います。私はA子ではなくて栄子です。そんな突っ込みをしたいのですが、空気を読んで自重します。
「凄いですね。完成したんですか」
「なんだキミ、嬉しくないのかね?」
博士は私の反応が気に入らないようです。仕方ありませんね
「キャー! ウッソー、ホントー? 博士すっごーい! 信じらんなーい! ナウなヤングに馬鹿ウケですぅ」
私は可能な限り黄色い声で喜ぶフリをします。しかも、昭和の香りをプンプンさせて。
博士は年寄りですので、古くさい反応が好みだろうという私の判断です。
「なんかキミの反応にはトゲがあるな……。まあ、良い。見たまえ、これが夢を消すクスリだ!」
トゲがあるのは仕方ありません。私は博士の研究が完成しない事に賭けていました。
1万円ほど。友達とトトカルチョです。
1万円はしがない助手である私には大金です。だから悲しくて泣いてしまいます。
「おお、A子君はないて喜んでくれるのか!」
違います。ですが反論するのは面倒くさいのでしません。
「これさえあれば夢が消せるんだよ、キミ!」
「夢を消してどうするんですか?」
「怖い夢を見ることがなくなるぞ?」
成る程。そっちの夢でしたか。
「A子君、飲んでみたまえ!」
「嫌です」
即答です。キッパリと断ります。
「私は怖い夢を見ない人ですから」
「じゃあ、どんな夢を見るのかね?」
「3Dの飛び出すアクションとか、セピア調の恋愛物……この前はモノクロのホラーでした」
「ホラーとな!? ほら、やっぱり怖い夢を……」
「私はホラー好きだから大丈夫です」
なんだかんだ言ってくる博士の提案を丁重にお断りします。
はっきり言えば怪しいクスリは飲みたくありません。
「ささ、博士、ぐいっと一杯」
シナを作って勧めると、博士は顔を緩ませて一気飲みしました。
見てる私が惚れてしまいそうな良い飲みっぷりです。
勿論、当然の如く私が惚れるなんて事はありえませんが。
次の日、博士は自殺体で発見されました。
夢を消したは良いのだけれど、寝るときに見る夢じゃなくて起きている時に見る夢を消してしまったのでしょうか。
夢を見れなければ生きている価値はありませんし。
悲しいですね、ええ、悲しいですとも。友人との賭けはウヤムヤになりましたが、御香典で1万円が消えました。
悲しいですね、博士が死んで。
もっと哀しいですね、懐が寒くなって。
これはSFになったかな?
>>376-377 ラノベ世代の星新一って感じw SFSSなら王道じゃないすか?
語り口のせいかオチの切り方がもやもやするなぁ
ていうか懐より先に職失った事を悲しめよw
なぜ自殺SFSS祭りになってるのかわからんけど便乗投下ます
温もりのタナトーシス(1/4)
血液が流れ出す感覚は、意外と悪くない。
体のなかの悪いものが絞り出されていくようだ。
シャワーを止めても、水の音が止まない。
窓を見上げると、知らないうちに大雨が降っていた。
一体、この地上から何を洗い流そうというのだろう。
私は不快になって、再度、バスルームをシャワーの音で満たした。
鏡を見る。
彼氏に殴られた頬が腫れていて、乾いた鼻血がかさぶたのまま残っていた。
なるほど。自覚していなかったけれど、今の私を客観的に見れば――殴られて、振られたから、手首を切ったという訳だ。
少なくとも、他人にはそう見えるだろう。
情けない。そんな出来事の羅列は手首を切った理由じゃない。
リストカットなんて、この複雑な社会においては擬死に至る儀式に過ぎない。
私に死に対する先駆的な覚悟はあるのだろうか。少なくともリストカットというままごとを通してそれを見出したつもりはない。
私は――
夢を見ていた。
砂漠が広がっていた。ところどころに、おぼろげに光る風船が漂っていた。
順序だった説明も何もないままに、私の夢は勝手に深層心理を掘り起こして、無造作に意味付ける。
私はその数多の風船が、他の人の夢である事を認識した。
私は左手の手首を凝視した。
血は流れている。現実の痛みを反芻しているつもりだろうか。
そこには血が流れているという観測的事象だけがあって、私が自分で切った筈の切り口も、じくじくと痛むあの不快感も、体から悪いものが絞り出されているあの感覚さえもない。
きっと、この夢を見ている間、流れ続けるのだろう。
流れ終わったらどうなるのだろう。
もしかしたら、死ぬのかもしれない。
温もりのタナトーシス(2/4)
砂漠の上に、沢山の夢が華々しく咲いていた。混ざり合う事を許容する夢もあれば、カーテンをきっちりとしめて外界を拒絶している夢もある。
私は幸福そうな、暖かい印象のある夢の一つを覗き込んだ。
その幸福そうな色をした夢の中では、一組の男女が静かに息絶えようとしていた。
他者に対する温もりは、欠片も残っていなかった。
砂漠はとても寒かった。
私は他人の夢がない場所を探して、歩き続けた。
夢のない場所は、いつまで歩いても見つからなかった。
歩き続けてようやく私は、絶望している夢が集まっている場所をみつけた。
絶望している夢は、私に干渉してこない。
私は心地良さを感じて、そこに腰を降ろした。
手首の血が止まりかけていた。
そろそろ終わるのかもしれない。
私は周囲の絶望している夢を一瞥してから、小さく呟いた。
「ねえ。あなたたちはどうして絶望しているの?」
「お前と一緒さ」
「私と?」
私は首を捻った。私の絶望の理由は、言葉にできる類いのものなのだろうか。
「私は、なんで絶望しているのか判らない」
「俺達は、絶望したいから絶望しているんだ」
私はその言葉にいくらかの衝撃を受けた。
他の夢の一つが、嘲笑混じりに言った。
「お前は違うとでも言うのかい?」
私は辱めを受けた気分になって、反論の言葉を探した。
でも、反論の言葉は出て来なかった。
「絶望なんて、自分で決める事だ。決められないなら他所にいってくれ」
「絶望したくて絶望して、それで? あなた達はどうするの?」
いつしか、私の手首には包帯が巻き付けられていた。
「俺は飛び降りるよ。病院の屋上からね」
「首を吊るつもりだ。」
「僕は樹海で力尽きたいね。家から近いんだ」
彼らの言葉は、次第に遠のいていった。
温もりのタナトーシス(3/4)
目を覚ましたとき、私は病院にいた。
シャワーを止め忘れてガスの警報が鳴った際に、私の部屋の前の残る血痕に気付いた隣人が、警察に通報したらしい。
警察は私を「彼氏に振られて殴られて、自殺しようとした女」と確定して病室を去った。
どんな絶望も言葉にした途端、安っぽいドラマと判りやすい絶望に貶められる。
私は病院の屋上に上がった。
塀を乗り越えて飛び降りようとしている男がいた。
彼は私を見て、呟いた。
「どうだい。絶望したくなったかい?」
私は息を呑んだ。昨日の夢の人だ。
私が目を細めてかぶりを振ると、その男は肩を竦ませた。
「じゃあなんだ? 止めに来たのか?」
「教えて欲しいの。絶望すると、なにか良いことがあるの?」
「君は何も判っちゃいない。絶望にも希望にも、善し悪しなんてない」
私は反論の言葉を探した。
「良いも悪いも、先人達が勝手に決めた低俗な通念だ。希望があると良いことがあるのかい?」
私は反論の言葉を探した。
「高い希望は得られない。一生の責め苦だ。安い希望は得た瞬間に色褪せて、失望に変わる」
私は反論の言葉を探した。
見つからなかった。
「よく判らないから、止めない。バイバイ」
「さよなら」
温もりのタナトーシス(4/4)
退院したその晩も、私は、あの夢の中にいた。
なんの気力も起きないまま、一日中アルコールを呑んでいたせいかもしれない。
またここに来れた事が、なぜか嬉しかった。
まるでこの夢の中にいると、現実の方が虚構なのではないかと思えて来る。
誰もがみんな、安っぽい仮面を被って、判りやすい記号で他人を理解しようとする。
私はまた、絶望している夢があつまる一角に腰を降ろした。
見回すと、夢の数が一つ減っていた。
「やあ昨日のお姉さん。絶望してるフリなら他所でやってくれないか?」
夢の一つが話し掛けて来た。
「放っておいて。絶望というものについて考えてみたいの」
「勝手にしな。でもな」
その夢は溜息を吐いてから、言った。
「絶望から何かを見出せたら、ぞれは絶望じゃねえよ」
私はその言葉には応えず、黙って砂漠の空を見上げた。
おぼろげな輪郭を意味ありげに主張する、記号的な月が浮かんでいた。
絶望の狭間から見上げるその月は、とても温かい光を差し込んでいた。
-了-
ここが自殺SS専スレですか
もっと明確にメタフィクション展開しないとSF弱いかな
そう思うなあ
むしろメタフィクションっていうだけでもSFっぽくない
どちらかといえば形而上的
SFはサイエンスフィクションだぜ
線引きはだれにもわからんけど
つか、SFとメタフィクションは関係ないだろ。
夢共有の仕組みとか描写してたら超能力モノとして
逃げれたかな
反省
>>386 そうなんだろな
今だと単一のジャンルとして確立してるようで
超虚構とか脱構築言ってた時期はSFと根深い関係だったと思うんだけどね
違う!うだうだ言う前に感想だった。
>>382 切り口が面白い。丁寧な描写は個人的には好み。
ラストが良いね。なんだか明るい感じがする。
>>温もりのタナトーシス
ファンタジーだな。SFではない
内容の割に描写が足りないと思う
好きな人は好きそう
>>379-382 「絶望のタナトーシス」
うん。文章はおれより読ませるかもしれない。面白かった。
>>388 感想thx。次はSF意識を心掛けます
>>389 感想thx。SFでなくてごめん。
>>388氏と描写の評価が分かれたのが興味深いです。
推敲してみます。
>>390 お褒めありがとう。でもタイトル違ぇw
仮にそのタイトルに決めてたとすると、最後に主人公殺してると思うw
392 :
自殺 1/2:2008/10/10(金) 18:42:59 ID:idA6h9G2
「今から死のうと思うんだ」
俺はポツリとつぶやいた。隣にいる友人が、心配そうに声をかけてくる。
「おいおい、馬鹿なことを言うなよ。一体、原因は何なんだい?」
「俺の体は病気に冒されてるんだ。他に例のない奇病らしい」
そうなのだ、俺の体は悪性のウイルスとでも呼ぶべき存在によって蝕まれている。突然
変異種であるそいつらは瞬く間に数を増やし、今や俺の体中が奴らのねぐらだ。
「うーん、確かにそりゃ聞いたことの無い例だな。体の具合は悪いのかい?」
「酷いもんだよ、体中が毒まみれなんだ。熱も少しあるみたいだ」
393 :
自殺 2/2:2008/10/10(金) 18:46:19 ID:idA6h9G2
こいつらの恐ろしいところは、その繁殖力と進化のスピードにある。あっと言う間に体
中に広がり、様々な症状を引き起こす。
おそらく俺の体も長くは持たないだろう、くたばるのは時間の問題。ならせめて、最期
は苦しまないように自分の手で幕を引きたい、尊厳死というやつだ。
そう告げると、友人は悲しそうにうなずいた。
「分かった、そういう事情なら止めはしない。しかし、君の症例はある意味貴重ともいえ
る。少しもったいない気もするな」
「おいおい、当事者じゃないんだからそんなことを言えるんだよ。なんなら分けてやろう
か? 実際、こいつらは君の体にも興味を持ってるみたいなんだぜ。ほっとくと移り住む
かもしれんぞ」
そう言うと、さすがの友人も後込みしたようだ。
「すまん、そりゃ勘弁だ……それにしても寂しくなるな、君とは本当に永い付き合いだっ
たもの」
「まあ仕方ないさ。ま、他の連中にもよろしく言っておいてくれよ。じゃあな……」
その日、地球は自殺した。火星の見守る前で……
>>392-393 お、キレのいい秀作
ネタはありがちかもだけど、SSの手本になりそうな短さがGJ
ウイルス=人間か
SFかどうかなんてのは他のジャンルに比べて意見が分かれることが多いし
もうSFっぽかったらSFの仲間ってことでいーじゃんと思うね
今の流れは面白いSSがいろいろ読めて楽しい
>>396 うん。ごめん
同意
定義の話になると荒れるだけだしな
サイエンス皆無な自称SFでも面白ければいいと思う
>>379もごめん
>>392-393 短いのはいいけど、どう自殺したのか気になるな
ウイルス=人間ってのはハミルトンとかヤングであったな
ヴァルキューレの地平(1/4)
優しさが罪ではないという自戒を以てしても、
苦しみが愉悦ではないならば
愛という言葉を蔑ろにはできないはずだ。
-
「お姉ちゃぁん、またE=MC^2を拓いちゃった奴がいるよぉ」
「スクルド、勝手に過去を覗き込んではいけないよ」
「もう未来見るの飽きたんだもん」
「未来に飽きる? どうしてだい?」
「だってぇ。もう未来には、退屈なヴァルハラしか広がってない」
-
熱的死に怯えた狂科学者は、コギト命題を放り捨ててスイッチを投じた。
彼は、あらゆる観測的事象はただの夢だと信じた。彼がオンに投入したスイッチは断続的に均衡に対する不平を嘆き、写像的に示されるトポロジーに訣別する。
時点零元で微分し続け、差異化の事象平面に対するペルソナ・ノングラータの仮面を被った彼は、その両の眼で熱的死の向こう側を視た。
彼はその殺風景な地平線上に、神の姿を認めた。
彼の両目には既に遠近感が映らない。彼の視覚には、神達の姿は眼前に映り、かつ、同時に果てしなく遠くに結像している。
彼は周囲を見回す。何もかもが手の届く場所にあり、かつ、何もかもがそこには存在していないほどに遠い。
――次元が違うのだ。彼は悟る。微分した暫定的な映像が、恩赦として彼の前に投げ出されていた
何もかもが彼の理解を超えており、かつ、彼の前にあるがままの姿を投げ出している――
彼は叫んだ。
「君らは神か」
「如何にも。其は何ぞ」
「私は卑しい探求者の一人です」
「何用だ。時の軸に対して懇ろな存在が、此所迄の旅を貫いた故を述べよ」
「わかりません。ただ、恐怖だけがありました」
神々はかぶりを振る。
その表情は醜く歪んでいながらも敵意はなく、ただ失望の色だけを科学者に突き刺した。
「ここにお前の求める平和はない。ここは地平線に過ぎない。果ては無い。ただの穴だ」
「私の卑しい低能な頭では、理解できません」
「貴様は知悉している筈だ。この地平の意味を。かつ、お前が逃れたがった熱的死から無縁な世界である事を」
「存じません」
彼の疑惑を無視して、神々は笑う。
それきり、神の声は届かなくなった。
ヴァルキューレの地平(2/4)
彼は歩き続けた。
どこかで、誰かに出会えるのではないかという希望だけを胸に。
彼は蹴躓いてただの平面である『床』に全身を叩き付けた。
彼に痛みはない。また、三日三晩歩き続けたように感じている彼の全身は全く疲れてはいない。
「やあ、また会ったね」
彼は三たび嫌な顔をした。
話の主は、彼が神々を見失った時に脱ぎ捨てたコートだ。
彼は三たび、同じ場所に戻ったという事になる。
「又お前か。今度はどんな不快な事を教えてくれるんだ?」
「またまた。旦那は私の話を懐かしんで聞いていらっしゃる」
「妄想だ。ここから外を知る手だてはない」
「まあまあ。そう言いなさんな」
コートは科学者に飄々とした語り口を続けた。
「あなたが孕ませたあの子、ついに結婚を決意しましたよ」
「誰とだ」
「やだなぁ。あなたを政治的に追い詰めたアイツですよ。名前は……なんだったかなぁ」
科学者は七人ほどの名前を思い浮かべて、念頭から払いのけた。
「なぜ、それをお前が知りうると言うのだ。
我々は、時空のどこかで認識できない空を見上げているだけの身分だ」
「人間ってのは凝り固まり過ぎてますねぇ。まったく頭が悪い」
科学者は失望した。
二枚足らずの紙幣で買ったコートにまで頭脳を馬鹿にされる謂れは無い。
彼は苛立ち任せにコートを蹴った。
蹴られたコートは奥行きのある「OUCH!」という吹き出しを傍らに噴出しながら、ただそこに転がった。
「あなたの常識は、死ぬまで下らない物のままなんでしょうね」
ヴァルキューレの地平(3/4)
コートと別れてから、彼は鮒に会った。
鮒は恭しく頭を下げた。
「博士の幼少期に、博士に助けられた鮒です」
科学者には、その鮒に見覚えはなかった。
だが、子供の頃に鮒釣りをしていた記憶はある。
彼らは同じ方角を歩んだ。
彼は訊ねた。
「ここには灯りは無いのか」
「必要ですか」
「光はある。しかし、寒い」
「ここに光という概念はありませんよ」
「では、なぜあちら側は暗いんだ」
「あれはただの無限大です。無限に遠いのですから、無限に暗くて当たり前です」
「なんだと。ではなぜあちら側はこんなにも明るいのだ」
「あっちはただの、マイナスの無限大です」
「マイナス?」
「無理に人類の言葉で言えば、万物が無限に近い近さにある、という事です。
明るくて当たり前です」
科学者には、理解出来なかった。
「人類の間違った科学で言えば、距離がゼロという事になりますか」
「人類の科学が間違っているだと? 鮒ごときが」
「畏れながら博士」
鮒は片方の眼で博士を捉えながら、見下すように鼻声を出した。
「ゼロなどという迷信を信じて宇宙に出れた文明なんて、地球の人類が初めてです」
「ゼロという概念は不正確だと言うのか」
「ゼロという概念を信じていなければ、熱的死というたわごとも思いつかない事でしょう」
「判らない。答えをくれないか」
「もうしばらく悩む覚悟がおありなら、検討しましょう」
ヴァルキューレの地平(4/4)
「あなたは神を信じますか?」
蛇はそう聞いた。
科学者の思考は空回りを続けていた。
何十年が過ぎただろう。時計はなく、科学者に年月は判らない。
ただ、静寂を打ち破る形で、蛇はそう言った。
鮒であった筈の存在が、いつ蛇に代わったかについて考える余裕は、既に彼にはなかった。
「儂は、不可知論者だ」
「なるほど。可知な物と判れば、神だと騒ぎ立てる無能者なのですね。便利な言葉だ」
「なにを」
「否定したければ、まずこの場所に対する疑問を述べるべきでしょう」
科学者は疲弊していた。
ここはどこなのか。
一体自分は何をしているのか。
「疑問より先に、私には欲求がある」
「なんですか」
「ここが何なのかという知的好奇心だ」
「あなたは知悉しているはずです。
あなたは外側からここを観測し、そして、あなた自らもまた、ここを作ったのです」
「なんだ、それは」
「あなたがたがブラック・ホールと呼んでいたものです。
あなたは鮒にも、蛇にも、蜥蜴にもなれるでしょう。
――仮に、道化師を止められるなら、ですが。」
神々の笑い声が、地平線を撫でた。
-了-
読者への配慮を考慮せず、着想を説明不足なまま詰め込めるだけ詰め込んでみました。
批判は一身に受けます。
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo氏の姿勢を感慨深い物があったので、思うまま曝け出したくなった次第です。
お目汚しすみません。
>>記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo氏の姿勢を感慨深い物があったので
見習うヤツが間違ってるんじゃね?w
全部難しすぎで一般受けはないな
>>優しさが罪ではないという自戒を以てしても、
>>苦しみが愉悦ではないならば
>>愛という言葉を蔑ろにはできないはずだ。
いきなり意味不明なんですけどw
要約すると苦難を与えず、甘やかす事が良い事だと言っているんだよ!!
>>403 内容の好き嫌いは分かれるだろうが、その意気や良し。
テラ難解ポエムww
リア厨な頃にSF大家の名義で出てたらハマってたかもしれんw
四次元の堤防作るって筋のSFあったのを思い出した
>>409 「時の波堤(大いなる正午)」か
懐かしいなオイ
あれに比べりゃ399のは荒削りすぎる
科学用語や哲学用語を咀嚼せずに並べているだけ
研究所で博士が発明をしました。
「完成したぞ助手よ幸せ測定装置だ、これを使うと
その人がどれだけ幸せか、一瞬にしてわかるんじゃよ」
「へぇ、早速二人ではかってみましょう」
早速しあわせ指数をはかってみると、
博士は80で助手は30でした。
「君はあまり喜こんどらんな?」
「最近家計が厳しくて……」
「仕方がない、わしのへそくりをやろう」
博士が助手に金を渡すと、しあわせ指数は変動し、
博士は30助手は80でした。
「おぉ、なんということだ、これは大発見だぞ助手君!
自分が不幸になるとそれだけ他人が幸せになるのだ!」
「自分が幸せになるとそれだけ他人が不幸になるんですね」
博士は大喜びではしゃいでいましたが、
なぜか助手は落ち込んで愚痴をはきました。
「しかし残念です、もっと早くにこの装置があれば、人類は滅亡せずに済んだ」
核の炎で更地になった地上をモニターで眺めながら、
2人はシェルターの中で嘆き続けるのでした。
おわり
すげー投下ラッシュだな
>>441 オチはなかなか面白いけど、なんでその装置があれば滅亡しなかったのか分からん
他人から奪うことで幸せになる
↓
幸せのために金品を奪い合い貧富の差が拡大する
↓
不幸な人間が幸せな人間に対し戦争を起こす
↓
核であぼーん
一体、何人潜伏してんだこのスレwww
皆様感想thxです。
>>404 俺は氏のSFに対する姿勢は批判できないぜ。
物語の希薄っぷりは批判してきたけど
なんか一皮剥けたら造詣が牙を示す気がしないでもない
>>405 前述の通り、一般受けは無視しました。すみません。
>>406 ちょっと穴があったら入れたい気分です。すみません。
>>407 違うんです。「人類の文化が思いも寄らない所でミスってたとすれば周りからどう見えてるんでしょう」的な着想があのごった煮になっただけなんですすみません
>>408 thxー
>>409 日本SFベスト集成引っ張り出した
大いなる正午であれば60年のに載ってますね
……俺産まれてねぇー。。すみません。
>>410 大いなる正午が理解できないガキンチョです。すみません。
>>411 オチが心寒いなぁ、面白い
その装置が滅亡前に完成してたらどう対処できたのか、少し語りがあってもいいと思った
配役変えて、核発射ボタン押そうとしてる大統領に使う流れとかにするとまた別口の不条理展開できるんだろうな
>>415 >>日本SFベスト集成引っ張り出した
これまた懐かしいなオイ
「大いなる正午」はそう難解でもない
ニーチェの永劫回帰と膨張宇宙論を知ってれば分かる
じっくり読んでみ
うん、がんがれ
思えば初期の新巻は傑作ぞろいだったなぁ
神聖代、時の葦舟、無限への崩壊、白き日旅立てば不死、白壁の文字は・・・・
ある裁判所で画期的な装置が作られました。
「人間には犯罪誘発遺伝子が存在し、この判定方法を使えば
簡単に凶悪犯罪者をみつけだす事が可能になるのです」
「判別確立99.9%、なるほどこりゃすごい!」
さっそくこのシステムが裁判に取り組まれ、
ベルトコンベアに乗せられた凶悪犯罪者達が処刑されていきます。
「まさか大統領が犯罪者だったとは、この装置は本当に素晴らしい!
今日は1000人分の書類を持ってきたぞ」
「では早速データを入力します」
そういうと装置の開発者は書類の詰まったダンボールを抱え
裁判装置の中へと入っていきました。
「今日は1000人分です」
「作業が追いつかないよ、その辺に積んでおいてくれ」
装置の中では一人の男が書類に○と×をつけ
手前のレバーを引き犯罪者を処刑していきます。
「あぁ、こいつはうちの庭で犬を散歩させている男だ、死刑」
レバーを引くと散歩させていた男は粉々になりました。
世の中の犯罪者は特に減りませんでしたが、
この裁判装置が問題になることはありませんでした。
終
んじゃ判別率
現行の裁判が懇意的に行われている皮肉だったんだが
ちょっと難しかったかもしれない
ちなみにオウムのA原は自M党の政治家に献金してたので死刑にならない
>>420 司法が一人の手に集約される怖さや下らなさが
生かし切れてない気がするお
体制に反発する政治犯をもっともらしい理由をつけて死刑にしたい
↓
大統領を失脚させてパトロン大喜び
↓
私怨で殺して0.1%の失敗
だと思われ
A国とB国で戦争が起こりました。
「どうすればB国に勝つことが出来るだろうか?」
「この秘密兵器を使えば、B国などおそれるにたりません」
そういうと将軍はちっぽけなスピーカーのような物を取り出すと
B国の捕虜に使用した。
「……」
「急に捕虜が黙ってしまったぞ、どういうことだね将軍?」
「この音波を照射されたものは脳の言語中枢が麻痺し
文字の読み書きや話すことが出来なくなるのです」
将軍の言葉に大臣は眉をしかめる。
「それでどうやって勝つのだ?」
「すでに敵国にこのスピーカーは設置済みです、まぁごらんあれ」
そういうと将軍はTVカメラの前に立ちB国の悪事を
あることないこと吹聴した。
「B国のなした罪がいかようなものであるか……
罪もない市民を虐殺……殺人兵器を製造し……世界征服を企む」
「……」
捕虜は否定するように頭を振るが
ついには言葉を発することは出来なかった。
かくして、今世紀史上最も残虐で卑劣なB国は
世界の地図から姿を消した。
>>427 読んでて変な所探ししてる気分になった
要再読と推敲
SSは仕上げかた一つで評価かわりますよ
悪い。漫画書いてた時に「一般人相手に描くならネームは中学生レベルの語彙」に
とどめろ言われてたから、少しおかしいかもしれん
>>392-393 よく見るアイデアなのは否めないが、まあ面白いなあ。
>>399-402 すまん。おれにも難しすぎる。ブラックホールなのは予想ついたんだが、
細かい意味はわからない。
未来にヴァルハラしか広がってないっていうのはとても良い表現だと思うんだが、
退屈ながつく意味はわからない。
ブラックホールの床とは何か。博士がブラックホールをつくりそこに落ちたのかな。
しかも、博士が宇宙に進出した先で。うーん、難しい。なぜ、ブラックホールでなら鮒や蛇になれるのかな。
>>411 滅亡と幸福測定装置が結びつかない。相手を思いやれば、滅亡しなかったってことかな。つまらないや。
>>420 犯罪遺伝子というアイデアは面白いね。犯罪減らないのかよ。
>>427 B国は本当に最も残虐な国だったのか。装置を皮肉るなら、本当は優しい国であったほうが面白いのでは。
読解力まで足りてないw
縦山動物園に行って過去のドゲラ倒せば消えるんじゃね?
どうでもいいが
要約すると
>>411 二人は人類じゃない、滅ぼしたのは誰?
>>420 書類を持ってきたのは司法担当官とは別
合法的に人を殺す機械
>>427 死人に口なし
ってことだろ
未来のドゲラ倒したらパラドクスになるね
ごめん。
>>435はまちがい。死ぬよ、ドゲラ。でも、未来の人はそうしなかったのだ。
いいじゃない。そぅしなかったんだから。いろいろ、都合とかあるんだよ。
>>いいじゃない。そぅしなかったんだから。いろいろ、都合とかあるんだよ。
創作に対する姿勢が根本的になっとらん
そんな態度で人様に読んでもらってほめて貰おうなんてどんだけ甘ったれてんだ
チラシの裏にでも書いてママにでも見せてろ
>>438 母ちゃんはSF読まないんだ。
そんな、いちいちすべての状況に理由なんて考えてないよ。
いちおう理由を述べるなら、未来の人も逃亡前のドゲラを殺すほどの時間移動能力をもっていなかったのだ。
ということになる。
┐(´д`)┌ヤレヤレ
(;^_^) <
>>440 何だよ。なんか文句あるのかよ。ドゲラ面白いだろ、ドゲラ。
タイムパラドクスの基本を抑えた作品だな。
タイムパラドクスを初めて理解した19歳の時に書いたんだ。
まだタイムパラドクスを理解してない人が読めばかなり面白いはず。
>>まだタイムパラドクスを理解してない人が読めばかなり面白いはず。
( ゚д゚)ポカーン
いちいちすべての状況に理由なんて考えてない?
そういうところで認識の甘さにいらっとするんだよね。
書こうとする意気は認めるし読んでる量もそれなりにあるのかもしれんけど
このままじゃほんとチラ裏へどうぞって感じだよ。書いてる書いてるっていうけどさ、筆力上がってるかい?
いったい君のは著作権がどうとか気にする必要がある文章かい?
いい加減自分の文の欠点を見ようぜ。自画自賛な着想評価はいらねーよw
がんがれ
星新一だってSS一本書くのに何度も書き直してるのにさあ、ボツにしたアイディアの沢山あるのにさあ
素人以下の記憶とやらが思いつきで練り直しも推敲もせずそれが最高のSFだ?
本当に甘ったれの中二病クンだな
年いくつ?
韓国人は読解力ないから書いてある意味がわかんないらしいよwwwwwwww
>>443 「時間怪獣ドゲラ」が書き始めてから十年たって書いた文章だ。
その下にある「ぶおーとした世界」が書き始めて二年の時の作品だ。
上達しているか、比べてみてくれ。
>>444 最高のSFは練り直しと推敲をくり返している。
>>446 比べるのは俺じゃねーだろ
というか比べたところでw
なぜそんなに根拠のない自信がわいてくるのw
>>446 >>最高のSFは練り直しと推敲をくり返している。
ふーん、でどれがその最高のSFなの?
>>447 ヒント:統合失調症
>>447 相手にしないで透明あぼんした方が良いよ。
>>448 今までにリンク貼ってきた作品とかが最高のSF……
(;^_^) <なんだよ
>>450 「練り直しと推敲をくり返して」アレなの?
そうだとしたらお前才能ゼロだわ
絶対小説家になんかなれないからさっさと諦めろ
>>451 おれより面白い作品は何だ。あげてみてくれ。
>>452 あたし彼女は記憶さんの作品よりも面白いと思うよ。
「あたし彼女」に
負けた。orz
とてつもない
ショック
みたいな
>>451 そんな質問をしてくるとことがすでに意味不明
>>456 「恋空」最初の辺、ちょっと読んだけど、長いから読んでない。
そんなあたしにちょっとした御褒美みたいな。ずがーん。この男はちがう。
がしっ、ぽか、スイーツ(笑)
に負けたorz
>>457 まあ、SF(笑)の記憶さんとあたし彼女や恋空を比較するのは間違ってるけどね。
評価されたいなら評価される作品書けば良いじゃない?
沢山本を読んでて知識はあるみたいだし、自分に足りない部分を成長させたらどうだろう。
もし今の自分の能力が完成されてて成長の余地がないと思うのならそのままでいれば良いんじゃない?
ずっとそのままで。
>>458 もう、おれはピークを越え、逆にパワーが落ち始めている。
今のおれは第二のピークを求め、実験的作品を書きながら模索しているところだ。
ピークのレベル低すぎw
まぁ、俺みたいに設定広げすぎて追い出される奴もいるし
ほどほどにやれば良いんじゃね?
>>459 成る程。
暗中模索するのも良いけど自分の過去作を読んでまずは自分の欠点を探しだそう。沢山の本を読んでいるのなら可能だと思うよ。
欠点を見つけてそれを一つ一つ潰していく方が作品を粗製乱造するより効果的じゃないかな。
>>460 おまいのピークを見せてみろ。
>>462 粗製乱造はしていない。アイデアが重複することはほとんどないはずだ。
絵とか漫画とか描いてるときもよく湧くけど
便所のらくがきに商業レベル求める必要ないだろ
肩の力抜いて書かないなら結局は駄作しかできない
いや書くこと自体を否定してやいないさ
読書量も大したもんだし、批評も一般的にできてる
でも異次元画像を世紀の大名画と言いながら朝な夕なに演説されるのは相当うざいじゃないか
しかも直す気が一切ない上に自分のアイデンティティを全部乗せてると来たもんだ
>>463 まずは自分の作品のあら探しをしよう。
アイデアに筆力が追いついていないのに気付くはすだ。
気付かないのであれば記憶さんは書き手として成長しないよ。
いくら設計図が素晴らしくても材料の質が悪いと欠陥品にしかならない事を知ろう。
なんか流れ的に不自然な発言してるな俺
適当に流してくれ
俺ほとんどのジャンルで書くけど売れ筋誘導する奴はどこにでも沸くよ
絵なら萌え絵書け、SSなら恋愛物書け、これもうどこいってもお決まり
人に書く物を強制してる時点で人の気持ちがわからない人ですよねw
言論の自由無視かよw
>>記憶男
だからアイデア以外の部分がクヲリティ低いんだって
アイデアひねってんのはわかったからさ、筆力は構想じゃねんだよ
文体、描写、リズム、単語選択……
いろいろあるだろうがよ
記憶喪失の好きな作家教えてよ。SF以外で。
>>471 京極夏彦、江戸川乱歩、チェスタートン。
個性があるのはいいことです。
だけど技術が追い付いていなければ意味がありません
>>474 ねえ、ひょっとして、おれ、相当な下手くそってことになってる?
相当な下手くそ、ってわけじゃなく、なんだろうか。
例えるなら壊れたレコードのような、何度も何度も同じ説明だけを繰り返して、同じ情報ばかりが手元に揃うような、ザッと見た感じ、そんな印象を受けた。
もちろん意識してそうしているところもあるんだろうが、正直わかりにくい。
また、複数の人間が出ている作品では、わかりやすいようにしているのかもしれないが、彼や彼女といった代名詞をほとんど見かけなかった。
動作主体が変わらないのなら、代名詞も織り混ぜた方が文章に変化が出て飽きにくい、と思う。
簡潔で正確な、しかし微妙なニュアンスをも含んだ文章が書けるようになればいいんじゃないかな。
ちょっと気をつければグングンよくなると思う。全く完全につまらない、とは感じなかったし。
まぁ、素人の勝手な意見だから、「ふーん」位に思ってくれ。
>>478 だから、おれより面白いのは何?
おまいはどんなの書いてんの?
二人で仲いいね^^
決して自演じゃないからな
どこで・誰が・何をして・どう反応したか・の順に書くとすんなり読める
「どこで」の指定は移動してないなら2度3度書く必要なし
「誰が」の指定は発言者が変わらないならそのまま
>>480 だからおまいはどんなの書いてるんだよ?
そこまで言うなら言ってみろよ
読んでやるから
>>480 具体的な名前をひとつも出せないやつの話はあまり参考にしないんだ。
>>485 お前の小説が下手くそなのと、お前より上の小説をあげるのと、どういう相関関係があるわけ?
具体的にお前の小説が下手くそなのはみんなが上げてくれてるだろ
それを俺より面白い小説を出せなどと意味不明な質問にすり替えて逃げてるだけじゃん
グダグダ逃げ回ってる暇があったらちったあ努力しろよな
>>486 具体的な作品の名前のひとつも出せないんじゃ、参考にしようがないだろ。
何かSF読んだことあるのか。面白かったか。
おまえが面白いと思ったSFの作品をひとつあげればいいんだよ。
ひとつも面白いの読んだことないやつに説教されても無駄なのはわかってるんだよ。
>>ひとつも面白いの読んだことないやつに説教されても無駄なのはわかってるんだよ。
妄想乙wwww
文章が下手くそだということには反論出来ないから、俺より面白い小説を出せなどと
意味不明な逆質問をしているんですね
わかります
>>489 ひとつも出ないのか。読んでないのか、度胸がないかのどっちかだろ。
漫画でもいいぞ。
必死すぎwwww
何だ、まだ出ないのか。
480:名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/10/11(土) 16:08:17 ID:boulVpec [sage]
>>479 お前より下手なの見つけるほうが難しい
484:名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/10/11(土) 16:12:24 ID:boulVpec [sage]
>>480 だからおまいはどんなの書いてるんだよ?
そこまで言うなら言ってみろよ
読んでやるから
しつこいなあ
じゃあひとつくらい出してやるか
ジョン・ヴァーリーのブルーシャンペン
>>493 自演じゃないよ。ちょっとした自問自答だよ。
???
(;^_^) <???
>>494 「ブルーシャンペン」は面白いな。水球体プールなところが最高だな。
ジョン・ヴァーリイは好きだよ。目標の一つだな。ジョン・ヴァーリイを出されては何もいえない。
>>498 じゃお前の負けな
お前の小説は下手くそで面白くない
以上
うん。頑張るね。
素直だなー
そういうところ好感もてる
>>501 ありがとう。
これからも罵倒に負けずにがんがって小説書き続けるから応援と感想をよろしく!
罵倒なのか忠告なのかを見分けられないとダメだぞー
エターナルフォースブリザード.、一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる.、相手は死ぬ
>>499-502 不思議問答二回目
まるでID:boulVpecが記憶氏の自演であるかのようだ
あ、記憶のバカの代わりにお礼言ってやっただけよwwwww
自演なんかじゃねえってのwwwwwww
もしかしてお前組織の一員か?
>>498 色々キツイこと書いたが、俺はお前が才能があり、伸びる余地があると思ったからあえて罵倒した。
これからもどんどん小説を書き、ここへ報告してくれ。
そしてみんなも感想を書いてやってくれ。
508 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 18:03:26 ID:vjJkI/SB
なぜだろう、涙が止まらない(´;ω;)
素晴らしい自演ですね。
自演じゃないよ!!!!!!!!!
ワーワーワー
早く俺の小説読んで感想くれよ!!!!!
最高のSFなんだからもったいぶらずに早くそれを認めろよ!!!!!!
>>510 C認定されてスルーされるのが関の山だね。
最強キャラ決定戦かと勘違いした。あんな感じだと思ってた。
限界的戦闘を楽しむスレなのかな。よくわからん。
ただの人を参戦させた方がよかったかな。
ID出る板でそれはどうよwwwwwwwwwww
だから自演じゃないってのwwww
あんまり自演自演言うなよーーーーー
またおかしくなって閉鎖病棟入れられちゃう
お前らのせいだぞおめえらやっぱり組織かえいがか
そうだろそうだろ!!!!!
ID赤すぎるぞお前らw
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面白すぎだろw
そのスレ郡は記憶さんが、「組織」に関する重要な情報を書いているらしいよ
おまいら全員読んだ方がいい
そうすれば元世界の支配者で最高のSF作家、記憶さんの偉大さが分かるから
自分にさん付けすかw?
自分て何?
わかんない
難しいこと言うなよ
難しいんだからw
話に出てたから思考盗聴システムスレは覗いてみたけど
何を話してるのかさっぱり判らなかった
見方を変えるとSF着想の宝庫かも
523 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 19:37:04 ID:PWeL75sJ
俺の立てたスレが変なのに荒らされてる
これが書き込み思考盗聴システムか!
もうすぐ記憶さんが投下するお
別に過去作を投下する必要はないんだけどね。
外部に投下したやつなんだから一度貼れば十分だし。
>>524 電話の話で恐縮だが,090の部分を省いた
上四ケタの携帯番号に250かけてさらに80かけて
下四ケタを足して更にもう一回足して
2で割ると
自分の番号になる。
ぐらいしか咄嗟には思いつかん
はじめて聞いた
>>527 ああ、ちょっと考え込んでしまった
式複雑にした些細な悪戯か
電話番号090-(A)-(B)について、
下八桁の連番をA*10000+Bとして表現できるので
(A*250*80+B+B)/2=A*10000+B
が成り立つと。
今日の全部釣りだよ。
みんな本当に自演していると思っただろw
ほら、俺のキャラ設定もなかなかじゃん。
531 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 23:38:36 ID:jzE5rYek
518=記憶
だから釣りだってwwwww
流石に誰も信じませんとw
534 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 04:32:11 ID:FO1ZrcM7
記憶はマゾなのだろうか?
自分叩きにもほどがあるw
>>535 好評ねぇ…嘘つくだけの話がSFとは悲しい世の中だ
描写もどうだか…
評価できるとするならオチまでテンション低めに描写したことか
とはいえこれで最高のSFとか言ってしまうとベルヌが怒るぞ
>>535 >今日から六回かけて
また微妙な予告を。過去作連投やめようぜ
みんながそれやったら、創作発表板がただの創作宣伝板に成り下がるだろが
2006/06/04の作品とかどの面下げて投げてんだい
そろそろ自重しる
感想
短さと素直な引っくり返し方に好感。
記憶氏独特の拙い文章が子供の語りにマッチしてる。
視点注意。オチで無意味な違和感与えてると思う。
第三者視点で俯瞰するなら「今も、夏の無人島に〜浮かんでいる。」とすべきじゃないの。
過去作投下は、この六回で終わりにする。
>>535 好評ってそのHP
>>ここは超短編小説(掌編小説)が好きな人たちの交流支援、応援を目的としたサイトです。
>>切磋琢磨して作品を作り上げるのが目的ではなく作品を通してコミュニケーション
>>を取っていただくことを第一としてます
切磋琢磨は目的じゃない応援サイトっておい
そこで好評ってお前どんだけ自分に甘いんだよwwww
都合のいい事だけしか見えない誇大妄想狂か?w
それのどこがSF何だよ
昨日の自演といいお前本当に頭おかしいんだな
(;^_^) <二位は「ナメクジシンドローム」なんだが、
なろうから消えてしまったみたい。アイデアが面白かったが。
>>541 超能力SFじゃないか。かなりうまい方だと思うぞ。
前のページを読むでちゃんと「はじめに」から最後の「おわりに」まで読むんだぞ。
もっとアイデアちっくなSFを読みたいけど、そんなのほとんど見かけないからね。
>>540 他人の作品を勝手に貼るのはどうかと思うぞ。新手の荒しか?
>>544 「1999〜外れた予言」 のどこがSFだと聞いてるんだ
まともに紹介すら出来ないのか
>>546 いやあ、髪切ってきた。
超能力だからだといってるじゃないか。
SFではあるだろ。もっと機械チックなものしかSFと認めないのか。
確かにファンタジーとの境界作品だとは思うが。
ネット小説じゃあ、SFジャンルに超能力の能力者ものが入ってることはよくあるだろ。
機械チックなSFで面白いのは読んだ記憶がない。知らないもので。
549 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 11:25:23 ID:PBN0CjFA
スペースファンタジーですよ?
違うわ
サイエンスフィクションじゃコラ
新手の釣りか
551 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 11:32:09 ID:PBN0CjFA
あーすこしふしぎの略か
サイナルファンタジーですね
セカイ系フシギ気味で良いよ。
宇宙から来たセックスバンパイア 〜奴らが吸うのは血だけではないのだ!
みたいな作品でもいいぞ。死よりは愛を。タナトスにはエロスを
愛に時間を。
>>548 人間以上とかSFとしてみとめられない時代なんかね
攻殻とマトリックスしか見てないニワカがサイバーパンクのみSFとしてるふしがあって俺も悲しい
だからサイエンスフィクションがSFなんだと
サイバーパンクなパラレルワールドだって科学っていうフィルタを通してなきゃ
SFじゃないと思うよ。
甲殻もマトリックスも見てないがSF小説ならいっぱい読んでる
甲殻も見てないにわかが何を言うかって感じなんだろうけれど
超能力モノひとつとってもそれなんてラノベ?ってご時世だし。
SFって言葉がジャンルとして意味あった時代には
タイムマシン題材にした下らない小話って大量に出てたけど、
今そういうの出ても不条理ギャグ以上でも以下でもないんだよね
線引き始めると泥沼しか待ってないと思う
SF自体はどんなジャンルにも忍び込める性質の着想なんだし
あまりにSF擦ってないのは除いて、作者がSFだと思ってるモン出していけばいいと思うよ
その後の、SFだSFでない論も含めて楽しむスレだと思えばいいのでは。
仮にサイエンス部分をきっちり描写していても
内容がないとSF以前にSSとしての価値を疑われる
そっちの方が問題
人間以上は読んだ?
てか定義とかはたくさんSF読んでるなら察しが付くっしょ
ブラッドベリみたいなポエムでさえSFなんだから
>>556 攻殻漫画版だと、欄外で設定や蘊蓄語ってるので有名
本編はむしろ、サイエンスよりも劇中の政治的背景や
利権のせめぎ合いの描写でネーム使いまくってる
TV版のアニメはサイエンスに対する説明的描写は二の次
劇場版アニメは哲学一辺倒
サイエンスフィクションである事自体はどうでもよさそうな構成
>>559 なんか迷走中のハインラインを説明した文章みたいだ
>仮にサイエンス部分をきっちり描写していても
>内容がないとSF以前にSSとしての価値を疑われる
これはSFに限らないんじゃないかな?
それから、ブラッドベリは歴としたSFだと思います
本人がSFだと思うものがSFという意見には賛成
ただ、そもそも何の略か知らないようなsf(笑)ファンもいませんかね…?
ここの手ぬるーい感じ良いなw
集合知性は人間以上よりも二ムロデ狩りのほうが好きだ
エロいし
>>564 >向かいいれました
はひどいw
というかこれはSFなのか?田んぼに人は埋まるもんなのか?なぜ翔太君は毎回殺されるんだ?
よくわからん
時計はもう動かないって表現は嫌いじゃない
最近のSFは現実にある技術に対しては無頓着だしな、
妄想に現実が追いついた。
>>565 前回死んだのは勇太君で、今度は別の男の子と遊びに行きました。
そうだったのか
栞ちゃん殺し杉
殺人鬼なのか?
なんだかんだで大人気な記憶氏乙
うーん、栞ちゃんの犯行動機が全く判らんのがひっかかるw
ラス一行の簡潔な締めは俺も好きだお
だがこの行、タイトル及び死んだという事実にしか絡んでないな。
本編に時計に繋がるモチーフ埋め込んでたら色々違ったと思ふ。
そこに栞ちゃんの犯行動機を絡めてまとめて処理すべきだったんじゃないか
子供語りだから、ベタに思いつく例だと「翔太くんが時計を返してくれなかったから」とか。
そういうモチーフ含めるだけでも最後の絵が違って来たとおもうんだぜ
記憶のSS読んでると
こないだこんな状況に…
俺…○
暴走族…●
○ ○ ○
○● ○
○○○
○ ○ ○
さすがに命の危険を感じました
というネタを思い出す
572 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 20:49:37 ID:q9uB9k22
こんなのもある↓
電車に乗ってたら女子小学生が大量に乗ってきて囲まれた
○女子小学生
● オレ
━━ドア━━
●●●
●●●●●キャッ キャッ
●●○●●
●●●●● ワーワー
●●● アハハ
俺が複数いるのは仕様なのか
574 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/13(月) 21:55:30 ID:h4caJAQN
575 :
生活維持省 ◆KHC5lsDe6g :2008/10/13(月) 22:18:36 ID:h4caJAQN
また変なのが来たな
見覚えあると思ったら、記憶氏が話に出してたオカルト板のお仲間さんですか
検索したら、向こうでも創作発表板の話出てるのな
いやいいんだけど、なんか一抹の不安w
578 :
生活維持省 ◆KHC5lsDe6g :2008/10/13(月) 22:47:17 ID:h4caJAQN
ああ、おれもなんか書きたいな、といいつつ去る。ばいばーい。
こういうこと言うのは昨朝の流れから嫌なんだけど、どこがSFなのか俺にはわからん
少し不思議なスレなんです
>>580 少し不思議ですいません。最終回はSFかと。ファンタジーかも。
ぺげぞて誰wwwwww
ペンネームからして厨丸出しだもんなぁ
でも文体は淡白なんだよな
淡白っつーか粗筋だけっつーか
「もっとハッキリして。
とにかく自信のないトコ見せないで。
自信がなくても頑張って。」
別に、SFでありさえすればいいんだけどなあ
590 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/16(木) 00:06:22 ID:4Fubf8Q3
591 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/16(木) 00:09:42 ID:4Fubf8Q3
(;^_^) <あがらない。なぜ。
あがれ!
m9 リンク先にも米ついてねえしwww
593 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/16(木) 04:50:00 ID:4Fubf8Q3
コメついてないのは連投したからだよ。
切磋琢磨しないサイトの連中からコメもらったって
意味ないし
杞憂だよ 杞憂40saiだよ
>>565 よっぽど強くしない限り埋まらない。
前に頭から担保に埋まるギャグやって首が折れたアナウンサー居たし
597 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/17(金) 05:15:53 ID:Rwg/RNWw
598 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/18(土) 03:08:53 ID:rdFE8N/m
(;^_^) <最終回、コメント一個もつかなかったけど、
今までご迷惑おかけしました。
礼儀正しさは良し
反省してんのかどうかが問題なのだが。
ほんと自制しろ
まともなSF書いてた作家の復活希望‥
この外キチがこのスレを台無しにした
> 今までご迷惑おかけしました。
お、ついに引退か
602 :
記憶喪失した男 ◆cnhIMeWufo :2008/10/18(土) 04:32:33 ID:rdFE8N/m
まだ出せといわれれば、出るんだけどね。
しばらくは感想側にまわるよ。
さげるかな。
>>602 もうつまらん小説は結構です
統失に感想書かれる人が気の毒ですので二度と来ないでください
>>604 そんなにつまらなかったのか。うわああん。おまいらの小説だって、こまれだべばぶー。
>>605 >>おまいらの小説だって、こまれだべばぶー。
あ、そ
じゃあつまらない俺たちの小説なんて読みに来なくていいから
バイバイ
まあ面白くはなかったけどさ、SFならいいんだよSFなら
だからあんま煽んなよ
SFじゃねーから腹立つわけよ、文のできに加えて。
>>607 SF原理主義。日記の中身がSF。もうまんたい。
単純なメタフィクションでSFだあ?
パラレルワールドをぽいと出しゃSFかよ
サイエンスについてKWSK
つってもまた80年代SFは…とか言うんだろうな
そこまでひどいって…もう言うことないわ
気の毒に
流れは変えるものではなく入れ替えるものです
SSを投下して賑やかしましょう
悪貨に良貨が駆逐されるのはただの怠慢です
>>609 気の毒いうな。
いちおう、SFじゃんか。心を広くもとうよ。ちゃんと結末は空想劇。
科学はちょびっとでもいいじゃない。そういう話ができたんだから。
ちなみに「大輝くんと幽霊船」は精神病院帰り第一作目。
>>612 お前、そっちのスレの人達の迷惑を考えろよw
いっそ、記憶喪失専用スレ立てちゃえば
むしろ俺が専用スレ立てたい気分だ
SF板にもこいつの隔離スレがあったな
結局この人感想欲しいけど、感想つけられるほどの物は作れないタイプだから
隔離しても出張してくるんじゃね?
おれはもう投下しないから(まずめったに)、
ここで自由にやってくれればいいよ。
619 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 17:25:22 ID:D9gsSdBC
食べ物の話
ハーイ皆さん、今日は古代日本の食生活について勉強します。
はい、田中くん、ゲームはしまいましょうね。
今日は水産物について紹介します。
昔は「ヤリイカ」と「ヤラナイカ」の二つの種があったのだけど、
発情したとたんに、「ヤリイカ」がやりまくってしまうので、
しだいにヤラナイカは数が減りやがて絶滅してしまったそうです。
620 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 17:39:29 ID:D9gsSdBC
次は古代国語の時間です。
また田中君がいたずらしてますね!だめでしょエアロックあけちゃ!
次は船外に立って貰いますよ!
古代にはさまざまなことばの掛け合いや符牒が存在しました。
たとえば、「そもさん」 とくれば「せっぱ!」という切り替えしが必要でした。
いまでもそういう言葉は一部に残っています。
「サモハン!」 とくれば「キンポー!」
621 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/21(火) 21:06:25 ID:/ZriQlvB
男には友達も恋人も肉親も居ない。
仕事の関係だけで世の中を生きている。
仕事が終わって疲れて家に帰って来た俺。
あれ?玄関の鍵が開いている。
俺、鍵閉めて出て行ったよな? ・・・・・・泥棒か!
びっくりして、あわてて部屋に飛び込んだんだ。
・・・・・・部屋の中には変化はなかった。 とりあえずほっとする
ん?まてダイニングキッチンになんかある。
1メートルぐらいはあるでっかいラッピングされた紙の箱が、無造作に机の上においてあった
上にはクリスマスカードのようなものが一枚載っていて
それには
「プレゼントはた・わ・し♪
おいしく食べてね☆」
恐る恐る近寄ってみると
なかでもぞもぞ音がするんだ。
ごとり、ごとりと。
俺は怖い。
どうすりゃいいんだ?
でっかいたわしがもぞもぞ動いてるのか… 想像するだけで気持ちが悪い。
ひぇえ。 ごとごとと、音がだんだんでかくなってきた。たすけてくれ。
荒らし紛いコテが消えたら誰もいなくなったな。
SF者ってひねくれてる奴多すぎてたまに嫌気がさす
コメントしにくい投下物のせいで止まったな、これは。
>>619-620 SS以前に物語じゃないですなw
くだらないジョークとして楽しめます
>>621 >「プレゼントはた・わ・し♪
それが言いたかっただけだろwww
くだらないジョークは大好物だけど
なぜこのスレに投下したのかとw いいけどww
サモハンキンポーが超未来に生き残ってる時点でSFではないか
田中啓文作品みたいなSF像だなw
627 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 22:43:51 ID:d0c+XZdn
誰か人類が磁力を帯びた世界を書いてくれないか?
もしかしてスレチ??
628 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/22(水) 23:11:27 ID:z9/b01xf
だれかのSFで既にそんなネタを見た記憶があるなあ
(;^_^) <スレチガイを承知で宣伝。
二十世紀に決める十大小説を選んだ
今のところの候補
・甲賀忍法帖
・ドグラマグラ
・魍魎の匣
・イリヤの空、UFOの夏 (全4巻)
・0の殺人
・エンダーのゲーム(長編)
・時の門 (短編集「時の門」収録)絶版
・ジャックポット(短編集「大きな前庭」収録)絶版
・百年の孤独
・エジプト十字架の謎
またか
またか
文学板でハブられたから逃げてきたかw
A俺、1000円持ってるんだけど、おまえら、いくら金持ってる?
B俺は、8万円くらいかな
C俺は今月がんばったから16万円くらい
Aよし!これだけあれば高級料亭の寿司が食えるな!
あれ、なんか書き込めないなtest
やっぱURL貼るとエラーになるorz
新都社スレにて290-294の漫画版をアップしたので
こちらでもご報告だけ
636 :
名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/10/31(金) 11:39:59 ID:p3Y6JO50
今朝、電車に乗った時だ。 乗り込んだ瞬間、音が耳に入った。
シャカシャカシャカシャカ――。
一目で分かった。あの茶髪の兄ちゃんだ。
しきりに首を横に振っている。 時々「オオゥ」などといっている。
他の乗客達もチラチラ見ている。
シャカシャカシャカシャカ――。
もう、俺は我慢できなかった。
まわりが言わないのなら、俺が注意してやろう。
「歯を磨くのはは止めてもらえませんか?」
>>636 ちょっと笑ったさ。ああ、誉めてやる。ちょっと笑ったさ。
>>638 感想書いてやったのになんだよお。
おれ以外、スルーじゃないかよ。威張ってねえよ。
荒らしに噛みつくのはやめろ
そんなだから気の毒とか言われんだよ
もすこしプライドを持てw
SFじゃなく不条理ショートショートスレになってきてるなw
642 :
名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/07(金) 21:58:31 ID:GErmByfL
. <やあ、僕は透明人間だよ
透明人間なんだから
. <
にならないとおかしいよね
>>644が透過率100パーセントの件についてwwwwwwww
もう透過率100%じゃなくなったね
647 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/02(金) 21:53:27 ID:s7fMpBiJ
あらされたせいで誰も来なくなった
ちがうだろ。
もとから、おれしか投下してねえんだよ。
需要ないね、このスレ。
俺の投下が無かったことにされたw
SF書けたらまた投下したいんだけど、なかなかSFにならんのよね
俺的にはSSってのが敷居高いんだぜ
星スレもあるし確かに需要は今ひとつかもねえ
650 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 02:29:13 ID:N0qOdGp4
SSって本当は何の略なの?
サウザンドスクエア。
南の広場っていう意味で、SFをつくるものには常識だね。
犬塚うぜぇぇ
なるほどサイドストーリーですか、二次創作によく使われる言葉なんですね
ありがとうございました
一次だとショートストーリーかな
短い話
ナチスの○○とかバイクの○○とかラリーの○○とかそういうのはこの際関係ないねw
ところで
>>653の文章読解力に嫉妬
655 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/06(火) 23:43:47 ID:NPya67DO
SS=潜水艦の略ですよ。
たまに浮上して話題になるからそういわれています
ここは「みんなでSSの新しい意味を考えよう」スレではありませんw
いや投下あるまでの雑談を咎めるつもりはないけど、ageなくていいんじゃねえかなとか
SS = すごくしょうもないの略?
セガサターン、シロ!
SF
科学が主眼の文章であればいいんじゃない?
科学の範疇が広過ぎるから個々人の印象が違ってくると思うよ
すこし不思議でいいじゃない
故藤子氏のすこしふしぎは、綿密に万人に受け入れられるSFを計算した上での好例だから一言では言えないんじゃまいか?w
文字通りだとファンタジーなものも含まれちゃいそうだ
サイエンス・フィクション
すこし・ふしぎ
スペース・ファンタジー
スペキュレティヴ・フィクション
あたりが『SF』の意味として有名なやつだっけ?
それと、どうしようもなくなったときの裏技
「あなたがSFだと思うものがSFです。ただし他人の同意を得られるとは限りません。」
SF
それは普通の物語
執拗なF
スペースファンタジーは有名ではない。ごく最近いわれ出したものだ。
すっごくファンタスティック
すべてがFになる
ずごっくファンタスティックに見えた
670 :
創る名無しに見る名無し:2009/01/31(土) 20:48:13 ID:fp6ewY6O
日本では℃でありんす
>すこし・ふしぎ
>スペース・ファンタジー
こーゆーの言う奴が出てから
ぬるい作品書いて胸張って闊歩する奴が多くなった
大迷惑
もともとの定義に無駄にこだわる奴がいたから日本のSFは……というのもよく聞く話ですね
SFのつもりになってる作品もSFなんだろうな
あなたがSFだと思ったのがSFです
ただし他人の同意が得られるとは限りません
だな
うむうむ
どんなジャンルにも「こんなの○○(ジャンル名)じゃねえ!」って
言われるけど、世間ではそれなりに受けてる作品ってあるもんだしね。
ハチャハチャとかサイ=ファイでぐぐれ
哀しい気分になれるから
680 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 13:34:44 ID:O/MWZBOD
age
『憲法第39条』
ノックの音がした。
ドアを開けてみると、見知らぬ男が立っていた。
一週間前から、こういうことはよくある。
なぜかといえば、祖父の莫大な遺産を私が相続したからだ。平凡な公務員であった私の今までの稼ぎからすれば、
一生かかっても稼げない、いや使い切れないと言ってもいい額だった。
「お爺様には大変懇意にして頂きまして……いやいや、堅苦しいあいさつは抜きにさせて頂きましょう。あれほどの
資産家がお亡くなりになれば、さぞ大勢の弔問があったでしょうな。こんな言葉はとっくに聞き飽きておられるでしょう」
悔やみの文句を切り出したその男に、私がまたかという表情をしていたのがばれたに違いない。私は祖父と憎しみ
あっていたわけでもないが、特別に良い関係にあったわけでもない。というより、ほとんど口を利いたこともなかった。
そんな祖父が一方的に私を可愛がって特別に遺言を残した……はずもない。私が祖父の財産を手に入れたのは、
単純な法定相続の帰結に過ぎなかった。ようするに生存血縁者が私しかいなかっただけだ。
とはいえ祖父が死んで以来、確かに入れ代わり立ち代わり、その遺産を目当てに挨拶に来る人間が絶えなかった
のも事実である。
「本題に入ります。わたくし、ヒストリカル・ハンティング株式会社のお客様担当をしております、ホシノと申します」
ホシノは私の手に、ティラノサウルスとプテラノドン……もしかしたらアロサウルスとケツァルコアトルスかもしれない。
とにかくそのタイプの恐竜のイラストが表紙になっている一通のパンフレットを押し付けてきた。
「お爺様の生前には懇意にしていただきました。あの方のお孫さんなら、きっと気に入って頂けると思いますよ」
確かにそれは、面白そうなイベントだった。
タイムマシンで過去へ行き、現『時』の生物をハントするというのだった。
「このツアーが少数の裕福な方にしか開かれていないのには訳がありまして、ひとつは過去の生物種の保存のため、
狩猟目的の時間移動を政府が非常に制限していること。もうひとつは、時間移動には莫大なエネルギーが必要で
あるために、どうしてもコスト高になってしまうことです。なにしろ全費用の98%以上が燃料費という有様でして。はい。
そういうわけで、皆様にはかなりの参加費を頂きましたが、決してぼったくっているわけではございません」
「いや、構わない」
と私は手を振って、値段に関する彼の弁解をさえぎった。
「ぜひ参加させてもらうよ」
祖父の財産など、どうせあぶく銭だと思っている。無駄に使っても惜しくはないし、第一、その参加費でさえ私が
相続した財産に比べれば微々たるものだった。
それにマンモスや恐竜を狩れるなんて、わくわくするじゃないか。
「ありがとうございます!」
彼はどこのセールスマンでもするように、元気な声で礼を述べ、深々と頭を下げたのだった。
自宅に迎えに来た高級車に乗って到着したのは、一流ホテルの広間。
そこには私のほかに十数名の、見るからに金持ちといった連中が集まっていた。
「参加者の方がそろいましたので、説明をさせて頂きます。我々の行き先は7万年前のアフリカですが、まず
タイム・シップから出る前には必ず、このスーツを着ていただきます」
と言ってホシノは、全身を覆うウェットスーツのようなものを見せた。
「これは向こうに到着してから現時の猛獣などから身を守るためのもので、全身密封式のカーボン・ナノチューブ製
保護スーツです。モルジブ軌道エレベーターに使われている材質を更に改良したもので、たとえマグナムで銃撃されても
無傷で済みます。すなわち、現時の猛獣に可能などんな方法で攻撃されても、かすり傷一つ負うことはありえません。
エラスモテリウムの突進をまともに喰らおうが、ティラノサウルスに咬まれようが大丈夫ということです。アインシュタイン
博士が想定する第四次世界大戦には、完全に無傷で生き残れますよ」
何人かが笑ったところをみるとジョークらしかったが、私には理解できなかった。
「ちなみに呼吸もフィルターを介して行いますので、細菌が侵入したり、スーツの外に出て行く心配は一切ございません。
なお、このスーツはたとえハンティングの技術や格闘技に自身がおありのお客様でも、必ず着用していただきます。
お客様のお体をこの時代の病原体からお守りするためです。エイズウィルスがわずか数百年前に誕生したように、
有史以前からのスパンでは、無数の微生物が進化と絶滅を繰り返しています。過去の世界には、皆様の体内に
構築された免疫系にとって、未知なる病原体がウヨウヨしているのです。また、お客様自身の体内に棲む微生物から、
現時の生態系を保護する意味もあります。同じ理由で、持ち込まれた武器をお使いになる場合には消毒させて頂きます。
いったんそちらの係員にお預けください。
それから武器をお持ちでないお客様には、お好みのものをお貸しします。銃器のほかに刀剣類や弓矢、鈍器なども
ございます。銃弾や矢は通常のものはお使いになれません。過去の時代に余分なオーパーツを残さないため、
生分解性の強化プラスチックを使用したものをこちらで用意しておりますので、それをお使いください。道具は相当の
種類を揃えておりますが、素手で楽しまれるお客様も……」
「素手で!?」
客の一人が驚きの声をあげた。
「そんなことができるものかね」
ホシノは笑顔で答えた。
「はい。先ほどの防護スーツを着ていれば。というのは、このスーツは生体電流を感知し、自ら収縮・伸張することで
筋肉の動きを補助する機能があるのです。着ているだけで超人的な身体能力が得られるというわけです。最近では
警察の特殊チームも使用していますが、素人が着ても、サーベルタイガーを素手で殺すくらいは造作もありません。
スポーツや武術を嗜まれるお客様には、その専門の道具を使われる方が多いのですが、素手を選ばれるお客様も
全体の30%以上いらっしゃいますよ」
「……それで、今回はいつに行って、何を狩るツアーなんだね?」
参加者の一人が待ちきれずに尋ねる。
「よくぞお聞きくださいました。我々はこれから7万年前のアフリカに参ります。ターゲットは……」
ホシノはそこで一息入れ、参加者を見渡した。
「人間です」
それを聞いて参加を辞退した金持ちは、ひとりもいなかったのである。
巨大な銀色の卵が、突如として草原にその姿を現した。
卵の横には、ひとりでに四角の切れ目ができ、ぱっくりと開いて、十数人もの奇妙な格好の人間たちがぞろぞろと
生まれてくる。
きっと原始人たちには、そんな光景に見えたに違いない。唖然として我々を見る7万年前の人間達を観察しながら、
私はそう思った。現代人が見たとしても、さぞ滑稽な集団に見えるだろう。カーボン・ナノチューブ製スーツと
フルフェイスのヘルメットを着用しているところは共通だが、銃やら刀やら弓矢やら、果てはボクシングのグローブを
はめたり竹刀を握ったりしているのだから。
まあ、彼らがどう見ようと関係ない。我々は彼らのご機嫌伺いに来たわけではないのだ。
狩りに、殺しに来たのだから。
私たちは歓声をあげ、彼らの村に駆け込もうとした。
が、たちまち私は転倒した。信じられないようなスピードが出たからだ。間違いなく時速100kmは超えていただろう。
なるほど筋肉の動きをスーツが補助すると言っていたが、走る速度にもそれが反映されているわけだ。とにかく全身を
防護スーツで覆われているので、地面に激突しようと痛くもなんともない。
「ははっ」
私はこのスーツの運動能力に慣れようと、まず辺りを走ってみたり、ジャンプしてみたりすることにした。周囲を見ると、
他の連中も同じようなことをしている。原始人たちは集落の小屋の中から仲間を呼び始めた。ぞろぞろ出てきて、
呆気に取られて我々の奇妙な運動会を眺めている。
ようやく体が慣れた。さあ、始めよう。
我々がその気になったのは、奇妙なことにほぼ同時だった。
何が起こったか、彼ら現時人には理解できなかったろう。人間の形をしてはいるが、人間の皮膚とは違う妙な何か
奇妙な皮膚を持つ者たち。それらが異常な速度で勝手に飛んだり跳ねたりしていたかと思えば、いきなり襲い掛かって
きたのだから。
私は先頭にいた原始人の首を捕まえた。ごきゅっと音がして、泡を吹いてその男は倒れた。折ってしまったらしい。
彼の仲間たちは悲鳴をあげて逃げ散った。勇敢な何人かは我々に殴りかかり、他の何人かは石槍や石斧を手にして
攻撃してくる。
だが、原始人たちの必死の抵抗は、私にほんのわずかな苦痛も与えることはなかった。拳も投石も投げ槍も、
「鋼鉄さえもソフトクリームに思えるような」強度を持つカーボン・ナノチューブ製のスーツに完全にシャットアウトされた。
私は、まさに超人、スーパーマンだった。
ときの声をあげ私を石槍で突いた勇者の頭を、サッカーのボレー・シュートの要領で蹴り飛ばす。彼の首は簡単に
ちぎれ、逃げ惑っている女の後頭部に当たった。女はそのまま倒れて動かなくなった。
遠くを見れば、逃げ散った原始人たちを金持ち達がそれぞれ好きな方法で殺戮している。機関銃を乱射している奴も
いれば、アーチェリーで一人ひとり射殺して点数を呟いている者もいる。ボクシングのスタイルでひたすら殴り殺している
男もいる。両手両足を握り潰した相手を、岩の上に寝かせてメスで切り刻んでいるあの男は、雑誌でインタビューを
見たことのある高名な外科医だ。確か命の大切さを知るやりがいがどうのこうのと己の仕事を語っていた。
ひとつの集落を全滅させて、我々のレジャーは終わった。
防護服を脱ぎ、シャワーを浴びて、ワインと食事を楽しみながら、飛行機のファーストクラスと同様の時間の旅。
だが現代に戻ったとき、我々の銀色の卵――タイム・シップを取り囲んでいたのは、武装した警官隊だった。
もう一度防護服を着て応戦しようと言い出す客もいたが、ホシノは無駄だと言ってそれを止めた。向こうも我々と同じ
スーツを持っている特殊チームであったし、携行している武器も人数も違いすぎた。
かくして我々は全員手錠をかけられ、連行されていった。
「この度は……いやまったく大変申し訳ないことを致しました」
ひたすらペコペコと頭を下げる警察庁長官。
長官の隣では、あの逮捕劇を指揮していた警察官僚が私に向かって土下座させられていた。無理もない。
私たちはいまや完全なる不当逮捕の被害者であり、彼は加害者なのである。彼が私と私の弁護士を見上げる両眼には、
私にとって心地よい憎しみが溢れていた。
青空の下に出てみると、ホシノが笑顔で待っていた。
「お疲れさまでした」
「なかなか楽しかったよ。それに安全だったし」
「もちろんです。我がヒストリカル・ハンティング社は絶対の安全をお客様に保障しております」
「法的にも、ね」
私たちは互いにニヤッと笑って別れた。
すでに私の手にはホシノに渡された、次のツアーの案内状が握られていた。
私たちが殺戮を行ったあの時代、人を殺すことが罪となるのは、己と同じ部族の者を殺した場合に限られていた。
未開民族には一般的に見られる規範である。
そして、日本国憲法第39条によれば、何人も「実行の時に適法であった行為」については、罪に問われることはない。
今日は2047年5月3日。
日本国憲法施行のちょうど100周年記念日だ。
685 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/04(土) 19:39:30 ID:+QAovBxA
>>681-684 なかなか引き込まれました。
途中ちょっと展開が冗長に感じたものの、テンポ配分も悪くなくてオチまでの一幕ごとにいろいろ考えさせられますね。
『無愛生物』
「惑星番号78439216-3。重力1.0048G、自転周期0.99984地球日、公転周期367.28地球日、大気成分は酸素21.23%、
窒素76.45%、その他2.32%。事前調査の通りです。生物相は豊富ですが、まだ知的生命体はいません。」
「データ受領……しかし、阿呆らしいプロジェクトだな」
老科学者は嘆息し、モニターに映る人物に語りかけた。
「宇宙社会の平和と安全のために不可欠なプロジェクトです」
モニターの中の銀河系政府高官が訂正する。科学者は再びため息をついた。
銀河系には、もはや地球人の宇宙船が到達していない惑星はほとんどない。だが、天の川を探査機で埋め尽くしても、
なお人々を失望させ続けている事実がある。
宇宙人はいなかった。
単に生物のいる星はごまんとあったが、人間のような知能を持ち、文明を築いているいわゆる“宇宙人”は、少なくとも
地球のある銀河系にはまだ見つかっていない。
西暦3312年、地球人はすでに銀河系を8割がた征服していた。
生物の存在する惑星もそうでない惑星も、およそ2万の惑星に人類が到達していた。
もはや殖民が可能な惑星が見つかったなどという情報は、もはやニュースとは呼べない。惑星番号78439216-3も、
その発見は政府機関に事務的に報告されたに過ぎなかった。またこの星が<プロジェクト>の実施地に選ばれたのも、
人目につかない辺境にあるというだけで、この星自体が特別な性質を持っているわけではない。
各殖民惑星の独立運動が活発になっていた。殖民惑星でない星では犯罪が増加していた。それを収拾し、政府の
支配力を強化するための今回のプロジェクトであった。
政府は「敵」を作ることにしたのである。
愛情や利他心などの尊い感情をまったく持たない凶悪無比な知的生物。その存在を意識することによって、人類は
銀河系政府のもとに結束する。いつの世でも、人間の集団をもっとも結束に導くものは「外敵」なのだ。それは猿人の
群れにあっても、原始農耕社会の村にあっても、古代の専制国家にあっても、そして銀河系政府にあっても同じことだ。
そしてこの惑星が選ばれた。
人間と同等の知能を持ちながら、愛情や利他心という類の感情を持っていない脳という情報処理機構が研究され、
それを蛋白質で実現する仕組みが考え出された。そのシステムは遺伝情報に翻訳し、「敵」となる生物の原型が完成する。
脳以外の部分の遺伝情報はすべて、現生人類のものをそのまま流用した。
さらに時空レンズ効果を応用した技術で、惑星78439216-3の時間の速度は500倍に高められた。すなわち地球で
4年が経過するうちに、その星では地球時間に直して(公転周期もほぼ同じだから直す必要性に乏しいが)2000年の時が
過ぎ去るのだ。
4年。
わずかそれだけの期間で、おそらく「敵」は宇宙進出を始めるだろう。
4年のうち3年が、つまり惑星78439216-3で1500年が経過した今、老科学者は銀河特別警察により捕えられ、
政府高官の尋問を受けていた。政府の計画に背き、プロジェクトを破壊した容疑で。
科学者は椅子に拘束され、2人の男を目の前にし、無罪を主張していた。
ひとりはプロジェクトの責任を負う政府高官。もうひとりはその上司の銀河治安維持局長である。
「博士。あなたに聞こう。なぜ無愛生物の遺伝情報を、ただの人間の遺伝情報とすり替えたか。遺伝情報の作成に
失敗し、それを隠すためにスリ替えたのか。それとも他に理由があるのかを」
質問する治安維持局長のそばで、このプロジェクトに出世を賭けていた政府高官は汗だくになっている。いや、局長
からして、プロジェクトの失敗は進退に大きく響く。彼は単に、冷静さを装っているだけだった。
だが科学者の態度は、相手に怒りを鎮めてもらおうとする姿勢にまったく欠けていた。
「いいや、わしはすり替えてなんかおらん。わしは本当に、愛や利他心などまったく持たない無愛生物という政府の
要請通りに、遺伝情報をプログラムしたんじゃ」
「嘘をつけえ!!」
政府高官の冷静さはたちまち弾け飛ぶ。
「こいつらの社会はなんだ! 家庭も! 歴史も! 宗教も! 政治も! 人間とまるっきり同じじゃないか!
こいつらの作ったあらゆるメディアに『愛』が出てくる! 『正義』も『利他心』もだ! お前の裏切りは明白なんだよ!」
「わしは裏切っとらん」
と、まったく動じずに科学者は答える。
「だから面白いんじゃないか」
「何が面白い! お前がすり替えたせいで、莫大な政府予算が無駄になったんだぞ! こんなことを首相に報告できるか!
俺の出世は! 俺の将来はどうなる!」
「君の出世の道が断たれたのも、わしのせいじゃないよ」
わめきちらす高官に対し、楽しそうに科学者は説明した。
「たしかに無愛生物たちは、自分が『愛』『正義』『道徳』を持っとると主張しておる。しかもどの個体も、他の無愛生物より
愛や正義に溢れていると言い張っとる。じゃが、彼らはな、ただ自分たちの物欲やプライドや安全欲求や、攻撃性を
正当化しておるだけなんじゃ。だれかれ構わず暴れ回るより、正義のためと称して大勢を集めてリンチにかけるほうが、
より安全に、しかも確実に攻撃欲求を満たせる。他の個体を従わせる強い個体は、自分に従うことを『忠義』という道徳で
あるとでっちあげ、子分に教え込む。子分のほうでは『忠義』を破れば不正義の烙印を押され、他の子分の攻撃性の
格好の餌食になってしまうから、ますます強者に媚びへつらう。こうして強者は支配を強化する。血族グループ内でも
同じ現象がおき、そこでは『忠義』は『家族愛』と呼ばれな。他個体を痛めつける際に『お前のためを思って』『愛情ゆえに』
と言うのも同じ手法なんじゃ。彼らは愛や正義のために動いとると主張するが、それら全ては利己的欲求のためだけに
彼らが発明した観念なんじゃよ」
高官と局長は、呻き声をあげた。
「それじゃ……それじゃまるで……」
科学者はうなずいた。
「そう。わしは忠実に、お前さんたちが要求した類の遺伝情報を、完全に新しく創り上げた。が、それは結果的に人間じゃった」
老いた科学者はからからと笑う。
「人間自身が、無愛生物なんじゃよ。わしらはそれを証明してしまったんじゃ」
フレデリック・ブラウンあたりに共通の敵作って冷戦終結ってネタあったなあ
その手の何かを想像してたらニヤリとくる展開で、楽しめました。
後半の説明、好み次第だと思いますが語りすぎかもとおもた
長編の一幕であれば削るのがもったいないほうの、非常に読ませる文章だとは思うのですが、
SFショートショートでは先読みしてしまいがちなのでなんともw
序盤の「およそ2万の惑星に人類が到達」しているのに、
惑星番号が8桁+1桁な点についてはちょっと説明欲しかったかも。
重箱隅突つきばかりでスマソ、おもしろかたですお
こき下ろしただけにしか見えんが
そんなつもりはないです><
なお悪いよ。
取って付けたような「面白かった」など皮肉も同然だから。
ごめんなさい。
感想のつもりが一方的な批判とも取れる内容になってしまったことをお詫びします。
フォーティーナイナー氏の二作とも、楽しませて頂きました。
これからも頑張って下さい。
694 :
創る名無しに見る名無し:2009/04/06(月) 03:24:31 ID:8vDgK7p2
感想なんかしなきゃいいのに
感想なんて自己顕示欲と価値観の押し付けにすぎない
『メシエの陥穽』
宇宙には多様な生物がいる。
地球にいるような、炭素を基本構成物とする生命ばかりではない。
珪素や金属元素……さまざまな元素が生命の基本物質となる。
通常の元素ばかりではない。中性子星に息づく原子核でできた生命。波動関数の状態で存在する生命。
命の種類は、無限に近い。
いま、“光”をその本質とする生物が、凄まじいスピードで宇宙を飛んでいた。
彼の故郷はオリオン座散光星雲のひとつ。地球人はM78星雲と呼んでいる場所である。
地球人によって「ウルトラ」の名を冠して呼ばれる彼らの種族――光の戦士たちは、地球人を深く愛していた。
ゆえに、地球人に害なす様々な生物と戦い、これを倒してきたのだ。
その中でも彼は英雄であった。
その彼が、仲間とともに地球を目指している。地球人に対する殺戮をほしいままにしようとしている生物がいる、
との情報を得てのことだ。
彼はその生物の一匹の前に降り立つ。
角ばった巨大な頭部。その下に生えた六本の脚……地球人に非常に有害な生物だ。
その生物は、己よりもさらに巨大な別種のモンスターの上に乗っていた。その生物に我が子を寄生させようというのだ。
放っておけば、やがては大きい方の生物の体内で増加し、体を突き破って無数の寄生生物が生み出されることになる。
そして彼らがさらに別の生物に子を寄生させる。その繰り返しだ。このタイプの生物に滅ぼされた種や文明は、宇宙でも
後を絶たないのだ。
光の戦士は、寄生生物をためらいなく殺した。
戦いに時間をかける余裕はない。地球上では、彼の、彼らのエネルギーは著しく消耗するのだ。
だがすぐに次の戦いが始まる。寄生生物から結果として救われた、より大型のモンスター。そいつもまた、
地球人を殺戮する習性がある。そのモンスターは光の戦士に救われたという自覚もないまま、あたり一面に毒素を
撒き散らし始めた。
力は残り少ない。
それは仲間たちも同じはずだ。
異郷の者でありながら同種の光の戦士である仲間、あの獅子座から来た親友は無事だろうか。
はやく決着をつけなければ……モンスターの鞭のような触手をかわした光の英雄は、意を決してその力を振りしぼる。
必殺の光線を浴びて、モンスターは絶命した。
今日もまた多くの地球人の命が、彼らによって救われた。
兇悪な敵から自分達を守ってくれる、光のヒーローたち。
地球人は彼らをこう呼んでいる。
「ウルトラヴァイオレットレイズ」
紫外線、と。
>>689 >序盤の「およそ2万の惑星に人類が到達」しているのに、
>惑星番号が8桁+1桁な点についてはちょっと説明欲しかったかも。
まあ分かりづらいですね。
到達した惑星より発見した惑星の方がずっと多いはずなのでそれを表現したかったんですが。
紫外線を和英辞典にかけて、ウルトラマンとかけようと思ったのかねw
未知と遭遇
「あああああ。大変な事をやってしまった…」
男の両手にはヌラリンと光る宇宙人のものであるらしい薄い紫色をした体液が付着している。
「どうしようか…。まずは警察に電話を…、いやいや。相手は宇宙人みたいだから警察じゃなくてNASAか?NASA日本支部か?」
混乱しつつも男は、目の前に横たわる宇宙人をとりあえず励ましてみる事にした。
「頑張れ!地球にだって来れたんだ!お前ならやれる!きっと出来る!」
無茶だとわかってはいるが男は続ける。
「車でひかれたくらいで宇宙人が死ぬわけがない!そうだろ?そう思うよな!?俺は思うぞ!」
むくりと身体を起こし宇宙人は言った。
「ハイ。思イマス。」
唐突に生き返った宇宙人に驚き、男は引っ繰り返ってコンクリートの地面に頭をぶつける。
男の頭からはドロリドロリとした赤い血が零れだし、じわりじわりと地面に広がっていく。
「アアアアア。大変ナ事ヲヤッテシマッタ…」
宇宙人の眼前にはドロリンと広がる地球人のものであるらしい濃い赤色をした体液が地面を濡らしている。
地球人である男は二度と息を吹き返さず、宇宙人は警察に自首をした。
不条理なw
でもこれ地球人死んだの、事故であって事件じゃねえよなw
これいいなww
1レスでこんなに笑わせてくれるなんてさすがだw
「おじいさんとラーメン」
幼少の頃からラーメンが好きで、今では孫がいる年である。なのに我が味蕾は未だラーメンを切望していた。
既に好物の域を超えているやもしれぬ。
思えばラーメンの流行の変化をリアルタイムで知っている同志は先に逝っちまってばかりだ。
医者に塩分を控えるように言われようものなら、週に一度のラーメンを食するために徹底的な健康管理を整える。
六日の粗食も七日目のラーメンのためであれば厭わぬ。
死ぬまでラーメンを食い続けること、それが我が生き甲斐なのだ。
そして儂は、今日もまた、新しく出来たラーメン屋に趣いたのだ
儂は仰天した。
ラーメンを頼んで出て来たものは、ラーメンとは名ばかりの鳴門なのである。
なんじゃこれは。
これがラーメンだと。
儂は憤慨して店員を呼んだ。
「なんじゃこれは! ラーメンじゃなく鳴門ではないか!」
「なんと。おじいさん、あなたにとってこれはラーメンではなく、鳴門なのですか!」
「馬鹿にしておるのか!儂かてそこまで耄碌してはおらんぞ!」
呼びつけた若い店員は、阿呆を見る目で儂の眉間をボケたように睨みつけた。
あるいは、本当にボケておるのかもしれぬ。
「なるとはラーメンに含まれます。それは判りますね?」
「ああ、判る。だがそれとこれとは話が別じゃ」
「あなたはラーメンの事を何も理解しておりません」
「なんじゃと?」
儂は憤慨した。
生まれて物心付いてから60年に及び、儂はラーメンを好物としてきた。
その儂に向かって、その言葉は侮辱に値する。
そもそも、儂の目の前におかれているのは鳴門なのである。
ラーメンのスープもなければ麺もない。器さえ平皿だ。
何をどう考えても、この鳴門にラーメンの素質は微塵もない。
ただの鳴門だ。
「いいか、若いの」
儂は自らを落ち着かせるかのように、店員に告げた。
「鳴門が含まれてないラーメンというものも、この世には沢山あるだろう」
「屁理屈です」
「なんじゃと」
「それはあなたのラーメン像であって、他の方が思うラーメン像と一致するとは限らない」
概念の問題か。こんちくしょう、なんだって儂はこんなラーメン屋に入ってしまったのだ。
ふと周りを見回せば、皆が鳴門を上手そうに頬張っている。
塩ラーメンととんこつラーメンの優劣について、激しく論議しながら頬張っている者もいる。
儂は思う。
周りが全て基地外であったならば、儂は儂の正常さを如何にして証明できるのであろうか。
振り返ると、店員はとっくにいなくなっていた。
儂の目の前には、ラーメンとして出された一本の鳴門が転がっている。
儂はそれを手づかみで食してみた。
「――ふむ、豊満なとんこつの味がしみ出してくるわい」
だが、食感は鳴門なのである。
「それなりに美味だった。しかし、こんなものはラーメンではない。『変わり鳴門屋』に看板を変えることを勧めるよ」
儂は憤慨してそう告げて、店を後にした。
- - -
「なんだい、あの変な老人は」
「時代の変遷についてこれないんだろう。俺もオールド・スタイルのラーメンはそれはそれで好きだけどさ……」
「今時、麺を啜るのかい? 50年前ならいざしらずさ、2100年の今ではもうラーメンって言ったらこの鳴門型ラーメンじゃないと納得できないよ」
「時代の変遷って、昔の常識をひっくりかえしちゃうんだろうかね」
「さあねえ」
end
鳴門のみのラーメンは嫌です><
ちくわにラーメン練りこんだ奴をテレビでやってたの思い出した。
しかし、どう変遷したんだw
『食育』
異変が起こったのは、小学5年生の時だった。
「ねえケンタくん」
「なんだよ」
小声で話しかけてきたのは、東京に住んでいる従弟のタカシである。タカシとその両親は夏休みを利用して、
田舎で農家を営んでいるケンタの家に遊びに来ていた。
タカシはすぐにケンタやその友人たちと仲良くなれた。が、田舎の子どもたちにも、敵対グループというのは
あるものである。彼らに追われ、ケンタとタカシは家のビニルハウスに隠れていた。タカシはそこで初めて、
切り離されてスーパーに並んでいる実の部分だけではない、「なっているピーマン」というものを見たのだった。
悪童たちに聞こえないよう、ささやき声で二人は会話を交し合った。
「ケンタくん。ここのピーマン、ちょっと変わってるね」
「うん?」
「ほら、ちっちゃなでっぱりがあるよ」
そう言ってタカシはケンタに、ピーマンを1つもいで手渡した。確かにそのピーマンは変わっていた。
底の方から2つ、そして両脇から2つずつ、小さな突起が見えていたのだ。
「ああ、ときどき変な形のがあるんだよ。スーパーじゃ、キレイなのしか並んでないからな」
「でもみんなそうだよ」
「え?」
ケンタはピーマンなど見慣れ過ぎていて、よく見ていなかった。慌てて他のピーマンを次々と手に取ってみた。
確かにタカシの言うとおりだった。あのピーマンもこのピーマンも、すべて4つのとんがりを持っていた。
「なんだこりゃあ」
「いたぞ!!」
ケンタはつい普通の声を出してしまい、敵対グループの少年達に見つかる破目となった。タカシとケンタは全速力で
走って、なんとかケンタの家まで逃げ帰った。
ケンタの父親は茶の間でのんびりとビールを飲んでいた。ケンタの言うことを聞くと、ピーマンのことを報告した。
父親はすぐ出かけて行き、二時間後に物凄く不機嫌な顔で帰ってきた。商品価値があるのは普通、形の揃った野菜だ。
「ケンタ、お前、野菜に何かしたんじゃないだろうな」
ケンタは首を横に振った。冤罪もいいところである。何をすれば野菜がああなるというのだろうか。
「オオノさんとこに行って来る」
焦った様子で父親は隣家へと向かった。隣家といってもかなり大きな畑を挟んでいるので、それなりの距離がある。
隣家では無農薬有機農法の野菜を作っている。そういうものを有難がる人たちには、ある程度形が崩れていたり、
虫の喰い痕があるような野菜を歓迎する傾向にある。自分たちが特別な、意識の高い消費者であることを野菜の
見た目から確認したいのだ。外見に過剰に執着するのはどちらの消費者も同じである。そして隣家では、タカシの家の
普通の野菜のうち形のくずれたものをこっそり買い取って、有機農法野菜の中に混ぜ込んでくれているのだ。
タカシの家では普通では売れない野菜を処分できるし、隣家では格安で野菜を仕入れることができる。
当然、隣家も無尽蔵に買い取ってくれるわけではない。形の崩れた野菜の数がやたらに増えたりしたら、いかに鈍感な
有機農業信者にもバレてしまう。父はどれだけ買い取り量を増やしてもらえるか交渉に行ったのだった。
もちろん小学生のケンタに、こんな大人の取引が理解できたわけではない。
ただ、父親が夕方、おもしろくない顔で帰ってきて、叔母の前で首を横に振ったことは確かだった。
翌日、ケンタとタカシは川へ魚とりに行った。
タカシもすぐにやり方を覚えたが、今度はケンタが首をかしげることになった。
「ヒレが長いんだよ。これと、これが」
捕った魚のお腹の方から出ている4本のヒレを指してケンタは言った。タカシは同じ種類の魚を詳しく見たことが
なかったので分からなかったが、確かに普通の魚のヒレより、ちょっと長いような気がすると同意した。
タカシとケンタは魚を入れたバケツを持って、ケンタの学校の先生の家へ行った。ケンタの担任は理科が専門の
若い先生で、生き物にとても詳しいのだ。
先生は獲った魚を難しそうな専門書と見比べて「確かに胸鰭と腹鰭が長いね。これはアユのヒレの長さじゃない」と
言った。
「でも他の特徴は、まちがいなくアユだ。別の種がどこかから川に入り込んできたわけじゃない」
ケンタは、先生に昨日のピーマンのことを話した。
「ふうん」
先生はしばらく何事かを考えていた。
「調べてみるよ。何か分かるまで、川で採った魚は食べないほうがいい」と先生は忠告し、2人を家に帰した。
その翌日、先生はケンタの家に来た。
結局ケンタの畑で作っているすべての種類の野菜を何個かずつ分けてくれというのだった。
父親は最初、断ろうとしていた。自分の畑の野菜が何か怪しいから調べさせろなどというのは、どう贔屓目に見ても
愉快な申し出ではない。だが、もし野菜に何か――たとえば、とんでもない毒物が含まれているとか――起こっていた
場合、誰かが食べてしまう前に調べないと大変なことになるという先生の説得を受け、しぶしぶ承知した。
ピーマンの他にトマト、ダイコンなどの野菜が目の前に並べられた。
どの野菜にも、4つの突起がついていた。特にダイコンやニンジンなどはどれも二股になっており、さらに両脇からも
分かれている。人間の手足のように。
「まるでマンドラゴラですね」
きょとんとしているケンタとタカシを見て、先生は笑って説明してくれた。
マンドラゴラというのは外国の昔話にでてくる野菜のお化けで、引き抜くときにものすごい悲鳴を上げて、その悲鳴を
聞いた人は死んでしまうのだそうだ。
「先生、縁起でもないこと言わねえで下さいよ」
父親は渋い顔をした。
「いや失礼。ほんの冗談です。とにかく、収穫にはまだ間があるのでしょう? 安全が確認されるまで、ご自宅でも決して
この野菜は召し上がらないで下さい」
魚のときと同じことを言って、先生は帰って行った。
3日後に、先生と一緒に県の役人がやってきた。
「マンドラゴラどころじゃない」
先生は呻き声をあげた。初めて見る役人たちの声はもはや、悲鳴であった。
それぞれ程度は異なるものの、手足に見える分かれ目の位置から察して「顔」がありそうなところに窪みができていた。
まるで人間の目や口のように。さらに4つの突起の先端には、それぞれ切れ目が生じていて、手足の5本の指を
表現しているようだ。
「変化が早すぎる」
そう言って先生は、それから毎日ダイコンや他の野菜を、幾つかずつサンプルとして持って行った。ケンタも手伝った。
毎日毎日、少しずつ人間に似てくる。5日もすると、ダイコンはもはやダイコンには見えず、気味の悪い人形のような
ものになっていた。顔にあたる部分には、目や鼻、口のような窪みまで出現している。豆や果物、芋など球形に近いものは、
人間の全身ではなく生首に似てきている。
アユのヒレはますます伸び、図鑑で見た深海のサンキャクウオのようになっている。違うのは、胸びれだけでなく
腹びれまで伸びていることで、いわばヨンキャクウオになっている。それと反比例して、尻尾の方が小さくなっていた。
そして頭は丸くなっていく。カエルになりかけのオタマジャクシのようだ。
が、カエルのようにずんぐりした体型にはならなかった。ダイコンやピーマンと同じく、だんだんと人間に似てくるのだ。
しかもアユだけではなく、他にも色んな魚が同じように形を変えている。不思議なのは、変わる魚はものすごい速さで
毎日毎日形が変わっていくのに、変わらない魚はまったく変化しないことだった。
先生はケンタにこんな話をしてくれた。
「僕が子どもの頃ね、なんて言ったかなあ、テレビでなんとかマンってヒーロー番組をやっていてね。悪い科学者たちが
色んな動物を不思議な機械で進化させて、人を襲わせるんだ。その動物が進化した怪物たちっていうのがね、みんな
人間みたいに立って歩くんだよ」
先生は続けた。
「もともと人間は、というより全ての獣は、魚から進化してるんだ。ユーステノプテロンという魚のヒレが発達してできたのが、
獣の四つ脚や鳥の翼、人間の手足なんだよ。ちょうどこのアユみたいにね。もちろん、テレビで怪物が立って歩くのは、
人がぬいぐるみを着て怪人をやらなきゃいけないからなんだけど、ひょっとしたら今の動物たちも、人間と戦う力をつける
ために進化しているのかもしれない。いつの日か、人間は彼らに襲われるのかも……」
ケンタが怯えた顔をしたのに気づいたのか、先生は慌てて笑顔を作ってみせた。
「大丈夫だよ。普通の生き物が立って歩いたり、巨大化して襲い掛かってくるなんて、そんなのはテレビや映画の
中だけの話さ」
もういいよ、手伝ってくれてありがとう、外で遊んでおいで。先生はそう言って、ケンタを青空の下へ送り出した。
その晩、テレビのニュースを見て一家は仰天した。
形が変わってきているのはケンタの家の野菜だけではなかったのだ。何百キロも離れた別の地方でも、同じような
野菜が発見されたらしい。
テレビの中ではその野菜は「ヒトガタ野菜」と呼ばれていた。どうも見つかったのは一つだけらしく、奇妙な突然変異
なのか、誰かのいたずらで作られた人工的なものかぐらいに思われているようだ。生物学者や植物園の職員さん、
超常現象研究家といった人たちが、ああでもないこうでもないとコメントを交しあっていた。
30分ほど見ていてCMが終わったとき、司会の女性アナウンサーが
「ええ、ここでお知らせがあります。全国の視聴者の皆様から『同じようなヒトガタ野菜を自分のところでも見た』という
お電話やメールが続々と寄せられております。すでに対応が困難なほどの数のお電話が来ておりますので、同様の
体験をされた視聴者の方は、なるべくメールにてお知らせくださいますよう、お願い致します」
その番組で火がついた。
日本中の農作物が同じ現象を起こしているらしいことが間違いない事実として報道されたのは、翌日のことだった。
テレビに映ったヒトガタ野菜たちは、ケンタの家の農作物の数日前の姿だった。父親は認めるのを渋ったが、どうやら
ケンタの家の畑がいちばん「ヒトガタ化」が早かったらしい。
食品業界は大パニックになった。全国で野菜の値段が10倍以上になった。当然だろう。人間の形をした野菜なんて、
いやどんな形であれ、正体不明の異変に影響されていることが一見して明らかな野菜など、恐ろしくて食べられる
はずがない。『野菜ゼロ健康食のススメ』などという本が、筆の早い、それに比例して書く内容がいい加減なライターに
よって書き上げられてベストセラーになった。
誰もがヒトガタ化していない野菜を手に入れようとして、熾烈な競争が行われた。たまたまヒトガタ化の遅かった畑の
農家は大儲けをしたが、大した違いはなかった。ほんの数ヶ月ほどで、世界中のほとんどすべての農家の野菜が同じように
ヒトガタ化したからだ。
もちろん、あらゆる大学や政府機関が必死になって原因を突き止めるべく努力したが、まったく何の手がかりも
つかめなかった。
真っ先に分かったのは、それらの野菜からは異常な化学物質や微生物や放射線など、まったく検出されなかったと
いうことだった。ラットその他のどんな実験動物に食べさせてみても、なんの病気も遺伝的な異常も起こさなかった。
次に判明したのは、ヒトガタ野菜が遺伝子レベルで変異を起こしており、つまりヒトガタ野菜の種子から誕生するのは、
やはりヒトガタ野菜であるということだった。しかしDNAをいくら分析しても、ヒトガタが毒を持ったり、危険な物質が
残留したりしている気配は、まったくなかった。
つまり、自然な変異とまったく区別がつかなかったのである。
ある学者は、この現象を「人間に喰われないための合理的な進化」だと言った。自分達を喰う事に人間が抵抗感を
覚えるよう、このような形に変化したのだと。ケンタは先生がこの説を支持しているのを聞いたことがある。しかし、
あくまでも仮説に過ぎず、具体的な証拠は何もない。
ついに科学者たちは「現在知られている限りのあらゆる科学的な調査方法に基づけば、ヒトガタ野菜は『食べても
安全である』と結論せざるを得ない」という合意を発表した。
しかし気味が悪いことには変わりがない。人々は少しでもヒトガタ化の遅い作物を高値で取引するようになった。
業者たちは、ほとんどのヒトガタ作物を丸ごとのままで売らず、もとの形が分からないように加工して売ろうとした。
これに消費者団体や主婦団体が噛み付いた。元の野菜がヒトガタ野菜であることを隠蔽するのは許せない、消費者が
ヒトガタでない野菜を選択する権利を侵害しているというのだ。特に、ヒトガタ化の進んでいない野菜を買える比較的
高所得者の婦人にこの手の意見が目立った。当然だろう。どうせヒトガタ野菜しか買えない低所得者ならば、その事実を
見えなくしてくれるのはありがたいが、選ぶ余裕のある者は確実にヒトガタでないものを選びたい。貧乏人に足を
引っ張られるのはまっぴらだというわけだった。
一方、業者の側では、形の変わって見栄えの良くない作物を加工して売るのは昔からやってきた正当な商行為であると
反論する。そもそもヒトガタ野菜なんて言葉はマスコミの作り出した俗語に過ぎず、法律用語でも科学用語でもない。
どこまで変形していればヒトガタなのかという明確な定義もない。単なるフタマタ大根かも知れないものに「ヒトガタ野菜」
なんて表記はできないと言う。
国会は新しい法律を作り、「ヒトガタ化した加工野菜を売る場合には材料がヒトガタであることを明記すること」と業者側に
義務付けた。そうすればヒトガタ野菜を避けたい消費者は、高いお金を出してもそうすることができる。ほんのわずかの間、
この法律を推進した政治家達は世論に褒められた。ほんのわずかの間。
選択の自由などというお題目は、たちまち無意味なものとなった。ほとんどすべての野菜がヒトガタ化し、非ヒトガタ野菜
がニンジン一本10万円などという値段に跳ね上がるのに、一年とかからなかったからだ。結局この法律は、ヒトガタ野菜を
そうと意識したくない消費者たちに、精神的負担を課し続ける役割だけを果たすことになった。「この野菜はヒトガタですよ。
ヒトガタですよ。ヒトガタですよ。あんたたちは人間と同じ形のものを食べてるんですよ……」と、業者は加工商品にも
書き続ける義務を負い、消費者はそれに耐えることを強いられた。
家畜も同じ運命を辿った。牛や豚は、後ろ足で立ち上がった。最初はまるで動物園のレッサーパンダやミーアキャット
のようにたどたどしい歩き方だったが、それを可愛いと思う人間は1人もいない。しかも日を追うごとに彼らの骨格は
直立二足歩行のスタイルを兼ね備え、牧場はミノタウロスの村と化した。さらにニワトリなどの鳥類は外見の変化に加え、
オウムのように人間の言葉を真似る能力まで身に付け始めた。魚たちもオタマジャクシと化した時点で変化が止まった
わけではない。彼らも変異した。体の前半分からヒトガタになり始めて人魚のようになったり、逆に下半身から変化したりした。
およそ食用の生き物すべてが、変形していったのである。
食用の?
そう。それは奇妙な共通点だった。ヒトガタになるのは、人間が食用にしている生物に限るのだ。このことはかなり早い
段階で指摘されていた。ケンタが川辺で気づいた、ヒトガタに変化しない魚は、人が食べない魚だったのだ。
それではというので、これまで一般には食べられてこなかった生物の栽培や養殖も試みられるようになった。野草に
ネズミ、野鳥、爬虫類、深海魚から昆虫に至るまで、あらゆる生物が試食され、なかには意外と美味しいことが
発見されて、食料品として立派に流通したものもあった。が、さらに不思議なことにそんな生物でも、人間が食べるように
なってしばらくすると、ヒトガタに変わり始める。
結局、人々は諦めて、人間そっくりの物を我慢して食べることにした。慣れてしまえばどうということはない。人間たちは
最初、必死に自分にそう言い聞かせた。後には言い聞かせるまでもなく、本気でそう思うようになっていった。
実際、ヒトガタの味は変質していなかった。豚は二足歩行していようが豚肉の味がしたし、ニワトリの肉はいくら人間の
口真似をしようとあくまで鶏肉であった。
いや、むしろ味は向上していた。
あるテレビ局が料理番組の中で、数名のタレントに二皿の同じ料理を食べさせ、味を比べさせた。片方はヒトガタ食物、
もう一皿は貴重な非ヒトガタ食物でできていたが、外見からは分からないように料理されていた。その結果、ヒトガタの
食物のほうがずっと評判が良かったのである。この番組に出演していた某女優はテレビ局を告訴した。彼女はヒトガタの
食物を絶対に食べないという信念の持ち主なのに、告知されず食べさせられたと。テレビ局側はお返しに、その女優が
残り少ない非ヒトガタ食物を大金に物を言わせて買い占め、庶民を「人食い人種」と呼んで侮蔑していることを私生活を
ワイドショーで大公開し、女優を失脚させた。彼女は経済的にも立ち行かなくなり、庶民たちに混じってヒトガタ食物で
食いつなぐしかなくなった。
こうしてヒトガタ生物たちは、あいかわらず人間に食べ続けられることになったのである。
『ヒトガタ事件』は終息した。いや、定着してしまった。
「……お久しぶりです、先生」
ケンタは老人に挨拶した。
「久しぶりだねえ、ケンタ君」
当時とは変わった、しわがれた声で先生は答えた。
もちろんケンタの外見も、あの頃からは変わってしまっている。もう父や母も亡くなり、ある会社で重役を務める彼を、
ケンタなどと名前で呼ぶ人間は周囲にいなくなっている。
あれから四十年。
ようやく、食用の生き物たちが形を変えたわけがようやく分かった、とケンタは考えていた。その意見を先生に話した
ところ、先生はしわがれた声で「きっとそうだね」と頷いたのだった。
あの生き物たちは、食べられないために人間の姿を模したのではなかった。
食べられるために模したのだ。
人間そっくりの生き物を殺して食べることに慣れていった人間たちは、少しずつ、本物の人間を殺すことにも抵抗が
なくなっていった。現に殺人事件の発生率は、あらゆる国で数百倍以上に膨れ上がっている。戦争と内戦も急増し、
世界人口は減少へと転じた。減少率はどんどん高まっている。
生き物たちの最大の天敵、人間を、人間自身に淘汰させる。これこそが彼らヒトガタ生物が進化した、
自然の目的だったのだ。
ケンタと老人の頭上を、自衛隊の航空機が飛んでいく。
第三次世界大戦のはじまりだ。
(了)
長い割に説明不足じゃないか?結末に関係ない描写は面白いが、落ちまでの流れが適当過ぎる。
まさかこんなオチが来るとは
文章が読みやすくて引き込まれてしまったぜ
714 :
創る名無しに見る名無し:2009/05/03(日) 21:45:30 ID:uxmcK+Yp
「最後の夜」
ほんとうは、ちょっとした、てちがいだったそうです。
WHOっていうそしきが、たいさくをけんとうした時にはすでに手おくれで、
はかせの作ったひはかい型どみなんとなのましんというお薬は、世界中にまんえんして、すべての人類をせいぎょしちゃったんだとはかせが言ってました。
わたしはまだ眠くないので、はかせに水をあげます。
あす、雨がふらなかったら、かわいそうだからです。
「もういいんだよ。君もおやすみ? あの花壇の脇がいい。あそこはきっと良い土で、過ごしやすく、儂とそう離れる事もない」
はかせはそう言いましたが、わたしはまだ眠くないので、眠くなったらそうすると言いました。
どこかのお国が、核ミサイルを発射するというニュースが流れた翌日に、はかせはかいはつ済みのお薬を開封しました。
でも、そのお薬は、うんぱんちゅうの事故によってこわれ、はかせはどうろのまんなかで、真っ先に木になったんだそうです。
よくわからないけど、ふくさようっていう魔法なんだって。
それで、半月あとには、はかせはしゃべれなくなっちゃうんだそうです。
となりの家のミーちゃんも、ミーちゃんに毎日えさをあげてたおばさんも、ぢめんに根を生やしていました。
おばさんはきのう、「ほんとうにきもちいいのよ。こわくないのよ」っていいました。
きょう、おばさんはなにもしゃべってくれませんでした。
はかせもきょう、「いがいといいものなんだよ」といいました。
あすは、しゃべってくれないかもしれません。
いえにもどってから、わたしはすこし泣きました。
ああなるのは、いやです。
ねむったひとから、ああなりました。
みっか目で、とても眠いけど、こわくて、おきてました。でも。
でも、ねむけがとても、きもちよくなって。
わたしももう、げんかい、みたいです。
どこかで、せめて人らしく寝ようと思います。
どこにしようかな。
そうだ。あの椅子で寝よう。
あそんでたら、はかせが怒ったあの揺り椅子を、ひとりじめするんだ。
窓の外ははれていて、
みかづきが、
きれいで
了
この、こも、いすの上で木になるのかな
すこし、かなしいおもいました
716 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 01:13:30 ID:FbCpP+dw
a
88 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:21:59 ID:5j2uqSNXO
第2次世界大戦のさなか、敵地にてあてのない味方からの救助を待つ5人の日本兵がいた
「クジをひこう」
切り出したのは小島だった。食料が底をついてから一週間後、俺たちはクジを引いた。
「当たり」クジを引いたのは言い出した小島だった。
まさか食うか食われるかの戦場で味方を食うことになるとは誰が想像しただろうか
俺たちは小島を食った。
味は…覚えてない…
言い出しっぺに限ってこうなるんだよな、マヌケな奴だな。と俺は思った
小島…本当にいい奴だった
それから一週間後、「当り」クジを引いたのは俺だった
走った
みんな目の色を変えて追いかけて来る
死にたくない。死にたくないんだ。
「俺はクジを引くために生まれて来たんじゃないんだぁ!!!」
気が付いたらそこは草一つない荒野だった
悪い夢でも見てたのかな?それとも死んだのかな?
極楽浄土にしては殺風景だな…
そう思いながら歩いた。死んでも腹は減るらしい
何時間歩いただろう…一向に風景は変わらない…
ここは、地獄なんだな…そうだよな、親友の小島に…あんなことしたんだもんな…
もう…歩けない…小島…ごめん
89 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:25:02 ID:5j2uqSNXO
「起きて!ねぇしっかりして!」
眩しい…!なんだか見慣れないものが並ぶ綺麗な部屋だ。そして女の子がいる
「は、腹…減った…」
女の子「え!?うんわかった!ちょっと待ってて!!」
バタバタと支度し彼女は泥水のようなものを俺に食わせた。
味は…うまくはなかった…と思う。
「私は翼!ねぇあなたはどこからきたの!?」
俺も聞きたいことは山程あったけれど今は腹が減ってそれどころではなかった。
俺が無我夢中に食っているときも彼女は目を輝かせ無我夢中に話していた。
しかし俺が飯をもっとくれと言うと笑顔が消え、顔色が変わった。
翼「それは…ダメ」
「くれっつってるだろ!」
翼「…それは…ダメなの…」
彼女は泣いた
女の子を泣かしちゃいけないと母さんに言われてたことを思い出して俺は謝った
それから彼女の話で知った
ここは…4120年の日本だった…
90 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:28:39 ID:5j2uqSNXO
俺と彼女が会ってから一日が経った
飯が泥水みたいなのということ以外はいいところだ
彼女は明るく本当によくしゃべった。
「歳は…えぇっとたしか17!」と言っていた。
それがたしかじゃなく確かなら俺と同じだ
俺も自分が1945年から来たことを話すと彼女は奇跡やらタイムスリップなどとはしゃいでいた
お互いこの状況だからこそ、お互いの話を信用できたところはあった
だからこそあと三か月ばかしで戦争が終わったことを聞いて、俺は行き場のない怒りを覚えた
そして彼女に当たり散らすように話した
本当は兵士になんてなりたくなかったこと。もっと勉強したかったこと…
親友の小島のとこ…そして…クジのこと…
俺は激昂しながら泣いていた
彼女も泣いた。
そして彼女は言った
「本当に奇跡だよ。私達がこうして会うのは運命だったんだ」と。
そう言いこの世界のことを話し始めた
91 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:30:42 ID:5j2uqSNXO
2116年、彼女は13歳だった
彼女は彼女の父が設計した最新鋭の核シェルターを母と見学しに行った
その日、全世界に核が放たれた
もう理由も原因も知る術はない
とにかく世界は滅んだ
彼女達を除いて
世界に残ったのは父、母、研究者2人、そして彼女の5人だった
世界に5人しかいないことが完全に証明され、食料が尽きたころ、彼女の父が言った
「クジをひこう」と
このシェルターには自分が開発に携わった二つの装置があるという
生命体を高品質の食料にする装置、そして500年間コールドスリープできる装置が…
そして「当たり」を引いたのは父だった
そして四人は500年間コールドスリープした。まるであてのない…宇宙からの助けを求めて…
500年ごとにクジを引いた
そして彼女が残った
コールドスリープは身体に重度の負担がかかるため500年に一度、
一年の栄養補給と健康検査が必要なのだという
それが今だったのだ
彼女の一年はあと二日で終わるという…
俺は言葉を失った
92 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:31:54 ID:5j2uqSNXO
翼「だから…こうするしかないの」
彼女は話し終わるとクジを出した
「もうクジはごめんだ!」
俺はクジはねのけ外に出た
翼「どこまで歩いても何もないよ!」
「うるさい!!」
本当に何もなかった…
そして夜は凍えるほど寒かった…
俺は情けないことに日が暮れると唯一の建物に帰った
翼「待ってたよ。話を聞いて…。あたしのお父さん…クジを…一つのクジを離さなかったの…」
「え?」
翼「お父さんはあたし達のためにクジをひこうなんて言った…その次の人も…みんな…」
俺はハッとした
小島…!お前もそうやってクジを作ったのか?
お前クジを引いたとき…笑ってた…ホント俺はドジだなって…みんな後は頼むって…
そうとも知らず、俺…俺…
俺は声をあげて泣いた
93 :一郎 ◆3hGYlvzz3g :2009/06/01(月) 20:34:32 ID:5j2uqSNXO
もう覚悟は決まっていた
「一度亡くした命だ…俺が犠牲になるよ。」
翼「ううん。あなたは生きて。あなたがここに来たのは…運命なんだよ…きっと…あたしじゃダメだと思う。」
「そんなこと…!!」
翼「それに!それに…あなたの払って地面に落ちたクジ…『はずれ』だったよ?
だから気にする事なんてないの。…ね?」
彼女はそう言い微笑んだ
俺は何も言えなかった
翼「こっちに来て!この家のこととか機械の使い方教えるね!」
彼女は俺の手を引いて走った
残りの二日は彼女と目一杯話した
本当に楽しかった
俺は彼女を…愛していたんだと思う
そして彼女を食べること一年、俺は眠った
次に起きるとこはどこだろう。
4621年。世界はどうなってるかな?
終
髱「逋ス縺?
縺励°縺玲ご縺励>窶ヲ
721 :
創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 09:54:38 ID:1yiK1ree
説明不足感もあるけど良い雰囲気だ
>>722 しかし残念ながら藤子Fの「カンビュセスの籤」とまるで同じだ。
>>723 ありがとうございますー。忘れかけてた頃に反応があってびっくりしましたw
727 :
記憶喪失した男:2009/07/29(水) 14:56:23 ID:g/exD9rQ
「恋する遺伝子」
人類の遺伝子の中には、恋する遺伝子がある。人類という体は、
恋する遺伝子がお互いに出会うための媒介となるタンパク質にすぎない。
未来になり、人類は遺伝子工学を使い進化していった。
ある人類は長身になり、やがて巨人となった。ある人類は翼を生やし、空を飛んだ。
ある人類は青い血を流す魔族となり、ある人類は角を生やした鬼となった。
人類は、多様に進化しすぎてしまったため、やがて、本来の形をみな忘れてしまった。
あそこに飛んでいる白い天使は何だ。あそこを歩いている槌を持った巨人は何だ。
天使と魔族は、お互いに正反対の場所を好み棲んだため、
進化した天使はまるで羽の塊のような毛むくじゃらの動物になった。
進化した魔族は、吸血する触手の塊になった。
数千年後、天使と魔族が出会った時、お互いに自分たちが人類だとはわからなかった。
「ふふっ」
「ぎぎっ」
天使と魔族は出会うと、お互いに引き合い、抱き合った。
何千年の時を超えても、人類の恋する遺伝子が残っていたためだった。
わたしたちはお互いに好きなもの同士。そう遺伝子はわかっていた。
浪漫の欠片ぐらい感じさせる努力をしようぜ
若干独りよがりな完結感がある
729 :
創る名無しに見る名無し:2009/07/29(水) 19:26:16 ID:4Y4IjD5G
>>727 描写が足らない
個性が足らない
言葉が足らない
それゆえ面白みがまるでない
ありがちな題材であっても面白いものは面白い
それなのにこれが絶望的なまでに面白くないのは
描写、個性、言葉、ありとあらゆる面白さを表現するための、情熱と勢いが足りないから
板全体的に批判厨・批評厨が発生してますね。
>>727 すっきりした読後感でした。
ショートショートでは捻りやギャグが欲しいところですが、これはこれで。
煽りを気にせずまた投下してくださいね。
ちょw
「永遠の命」
「・・・て・・・ねぇ・・・起きなさいってば! 」
「・・・ん・・・やあ、マリア。
お早うのキスは? 」
あれ?
俺ってこんな声だっけ?
「なに寝ぼけてるのよ!
早くそこの服を着て! 」
服?
ああ、この椅子の上の・・・ん?
何だ、この小さい手は?
グッ、パッ、うん。
俺の手に間違いない。
「たっ、大変だ!?
俺が子供になってる! 」
「あったりまえでしょ!
あんた再生したばっかりなんだから。
詳しい事は後で話すから、早くして! 」
「えっ?
じゃあ新しい星に着いたのか? 」
「たった千年ぽっちで着けるわけ無いでしょ!
話はキャンプに行ってからよ! 」
おっと、これは怒らせない方が良いな。
何だか体がぎこちない、ってか
動くけど借り物の体みたいで変な感じだ。
「よし、着替えたよ」
マリアが横目で俺を見ると、
腕の通信機に向かって叫んだ。
「マ〜ッシュ!
ターゲットを確保したわ。
迎えに来て! 」
ドアがスライドして開いた途端、
けたたましい銃声と爆音が聞こえる。
「な、何だこりゃ!
戦争が始まってるぞ! 」
「始まってないわ。
続いてるのよ」
電動サイドカーに乗ったサングラスをかけた男が
耳障りなブレーキ音を立てて乗りつけた。
サイドカーにマリアと俺を乗せると、
またスキール音を響かせて、でこぼこになった
通路を疾走する。
「どっ、どーなってんだ! 」
「どーしたもこーしたも無いわ!
あいつら、私たちを殺すつもりなのよ! 」
「あいつらって誰なんだ! 」
「あたしたちのコピーよ! 」
落ち着け落ち着け、俺。
えーっと、まず今の状況を整理してみよう。
俺たちは、地球から宇宙の深遠へ
居住できる星を探す長い長〜い旅に出た冒険者だ。
だが、まともにやったら生きて辿り着けるわけが無い。
そこで考え出されたのが、記憶を記録媒体に保存して
クローン再生する手法だ。
全身を冷凍マグロにして保存するより、
冷凍した胚幹細胞から再生した方が楽だからな。
だが成長が早くなるわけじゃないから、
記憶保存した脳に適した年齢まで体も培養して
一丁あがり、ってわけだ。
記憶は頭に埋め込まれた通信機で、
神経組織をスキャンした時に記憶媒体を書き換える。
面倒くさいように感じるが、亜光速に耐えて
知恵や経験も再生できるんだから最高の方法・・・のはずだった。
「それで、何でコピー・・・いや、
俺たちは俺たちを殺そうとするんだ? 」
「さあね、聞いてみたこと無いもの」
「何だって!」
「だって奴ら捕まりそうになると自殺しちゃうんだもん。
私たちだってそうよ」
「なんて下らない事をしてるんだ!
俺たちは選び抜かれたエリート中のエリートなんだぞ!
今すぐ止めさせよう。
いや、止めよう」
「そんなの、ここ数百年出ては消える妄想よ。
提案した奴が、向こうの自分と話すんだけど
すぐ殺し合うもの」
「分かった、俺がやってみる」
「やあ、俺」
「よう、俺」
あっちの俺は20才くらいだ。
何だかそれだけで負けてる気がする。
「なあジジイ俺、こんな不毛な事は止めるよう
そっちを説得できないか? 」
「それはそうだチビ俺。
だがお前は分かってないんだな」
「何をだ、ジジイ俺?」
「そもそも何で俺たちが二人いると思う?」
「そう言えば変だな」
「つまりだ、片方がバックアップとして
もう一方が死んでも乗組員が不足しないように
作られてるんだ、チビ俺」
「なるほど、そうなのかジジイ俺」
「そこでだ、記憶を再生されるのはどっちだ? 」
「・・・後に死んだ方だろうな」
「分かったか、チビ俺。
ではさらばだ」
俺は銃を抜いて、俺の頭を撃った。
えらい殺伐とした世界だなw
本人同士なんだから仲良くしろよw
「ママ、宇宙人っているの?」
「いるわよ」
「じゃ、地球が侵略されちゃう可能性もあるの?」
「その心配はいらないわ」
「どうして?!」
「宇宙人はね、自分より容姿が端麗な人を嫌うのよ。だから、宇宙飛行士にわざと不細工な人を選んでいるの」