1 :
天之御名無主:
海賊(平安時代ごろの瀬戸内の海賊等)が航海するときに、
海での災害を避けるために持衰(じさい)という人間を伴ったようです。
荒波などで難破しそうになると海に投げ込んで生贄にしていたらしいです。
何か持衰(じさい)についてご存知の方いますか?
2 :
天之御名無主:2001/07/28(土) 21:44
>>1 漫画読むのもほどほどにな。
ってオレモナー。
まあ、弟橘姫辺りが元祖かな。
3 :
天之御名無主:2001/07/28(土) 22:11
大塚 英志 著/森 美夏 著
『木島日記』2(100%コミックス)角川書店刊
でも、よめば。
それなりにわかるんじゃない(w
たしか2巻だったと思うよ。
1巻だったかなー
漫画?
すみません、私はレスに書かれたものは一切読んだことないです・・
皆川博子の『瀧夜叉』なんですけど、この人は
時代考証は変なことはないと思うので。。
でもまぁ、漫画みたいなものなのかなぁ?
そういう漫画的なものでしかないフィクションだとしたら
それはそれでいいのですが、
実際にはどうなのでしょう。
漫画・フィクション・ファンタジー?関係は無しでお願いします。
>1さん
それは失礼いたしました。
じゃ、それなりに、やってみます。
わたしゃ2≠3なんですが、「弟橘媛が云々」というのは、
『古事記』に、ヤマトタケルノミコトの東征の折に、海上で嵐かなんかで
船が進まなくなったので、弟橘媛が海に身を投げて海神をなだめるという話があるからです。
持衰というのは、『魏志』倭人伝が初出らしいです。
>>1でかかれた役割をします。
一切の穢れをその身に受け、髪を結わず、切らず、つめなども切らず…のような姿で船に乗り込み、
災難に遭えば、その身は海に沈められ、災難に遭わなければ、褒美を沢山もらえた、ということだそうです。
うろ覚えですけど。
しかも、『木島日記』の受け売りですが、それなりにまともだと思います。
瀬戸内での事は知らないですが、何かのお役に立てば…。
>>7 どうもありがとうございます。魏志倭人伝にあるのですか・・
どうも、私が読んだものでは褒美はもらえないようなのです。
褒美という、役割に対する代償みたいなものが無いようで・・
ただ、生きているかぎりそうやって船に乗らされ、
何かあれば海に投げ入れられるという。
持衰は幼少時からその役割のためだけに神社で育てられるということなので
神社関係の方は何かご存知ないかな、と思ったのですが。。
木島日記というのは聞いたことがあります。それも読んでみますね。
9 :
天之御名無主:2001/07/29(日) 23:17
2人しかいないのかよこのスレ。
10 :
1:2001/07/30(月) 19:24
>>9 いいえ、三人のようです。9さんが参加くだされば4人になります。
よろしく。
11 :
3:2001/07/31(火) 11:10
とりあえず、『木島日記』2に書いてあったものを。
『日本書紀』 巻第七 日本武尊
乃ち海中に至りて、暴風忽に起りて、王船漂蕩ひて、え渡らず。時に王に従ひまつる妾有り。弟橘媛と曰う。王に啓して曰さく、「今風起き浪沁くして、王船沈まむとす。是必に海神の心なり、願はくは賤しき妾が身を、王の命に贖へて海に入らむ」とまうす。言訖りて、乃ち瀾を披けて入りぬ。暴風即ち止みぬ。
『魏志』倭人伝
其の行来、海を渡りて中国に詣るとき、恒に一人をして、頭を梳けらず、機蝨を去らず、衣服垢汚し、肉を食せず、婦人に近づかず、喪人の如くせしむ。これを名づけて持衰となす。若し行く者吉善なれば、共にその生口と財物とを顧し、若し疾病あるか、暴害に遭わば、便ち之を殺さんと欲す。其れ持衰謹まずと謂うなり。
12 :
天之御名無主:2001/07/31(火) 11:48
13 :
天之御名無主:2001/07/31(火) 18:26
ジサイのことはじさい知ってたけど、平安時代にもあったとは驚いた。
出展なんです?
>>11=3さん
ありがとうございます。どうも魏志倭人伝にあるものと同じようですね。
遠洋航海の時に伴ったということですか。
神社については何も無しですね・・・
>>12さんもありがとう。
11さんのとこにも書かれているのですが「キ蝨」ってなんだろうと
思ったのですがどうもシラミとかみたいですね(蝨がシラミみたい)。
>>13 皆川博子『瀧夜叉』(文春文庫)です。文春というところがチトあやしいですが。
>>14 まぁまぁ。
>>13ですよ(笑)
16 :
1:2001/07/31(火) 22:55
15は1です。自分でも調べてみますね。
17 :
1:2001/08/01(水) 07:16
とりあえず皆川博子『瀧夜叉』の中での持衰について書きだしておきます。
時代:承平7年(西暦937年?)
舟について:四国伊予の日振島→下総への航海
藤原純友の舟。水手(漕ぎ手)20人あまりの大きなもの
持衰について:遣唐使の時に必ず伴っていたとの記述あり
船路の災いを身に受ける。荒の時は海神の贄として海に投げ入れられる
水や食べ物は十分に与えられ、ある種の敬いの対象になっている
瀬戸内にある家舟(えぶね)という各世帯にいる奴(やっこ)から
選ばれるらしい。5歳くらいの時に神籤で選び出され、
持衰としての運命を受け入れるようずっと神社で育てられる。
持衰は時化の度に失うので常に補充されなければならない。
身繕い(入浴や髪を梳かすことなど)はしてはならない。
黥(いれずみ)を目〜頬〜こめかみにかけて入れられてる。
18 :
天之御名無主:2001/08/06(月) 14:18
持衰については、遠洋航海に伴ったのではなく、家にいて沐浴せず、
髪をとかさずなどのタブーを守っていたという解釈もあります。持衰
という語自体は『魏志倭人伝』に出てくるだけだと思いますが、
『万葉集』巻十九、4263の歌に
櫛も見じ 屋内(やぬち)も掃かじ 草枕 旅行く君を
斎(いは)ふと思(も)ひて
というのがあります。これは遣唐使の副使として入唐する大伴胡麻呂
宿禰に対する餞の歌ですが、「櫛も見ない」つまり髪をくしけずらない、
屋内を掃かないなど、持衰に似たタブーが記されていますが、記述は
明らかに家にいる状態を描いています。
19 :
1:2001/08/06(月) 21:01
レス、どうもありがとうございます。
そうですね、家屋内にいるときのことを歌っていますね。
君(= 大伴胡麻呂)の旅の道中の安全を祈って
この人は残って持衰のやっていたようなことをしているのですね。
ということは、旅中に同伴するか否かは別として、
身体の状態を出掛けたときのままにしておくということがポイントなのでしょうか。
時間を止めるという意味なのかしらん。
20 :
3:2001/08/06(月) 21:28
>>18,19
何となく、茶断ちとか何とか断ちっぽい感じがする。
その辺とはどうなんでしょうかね。
21 :
1:2001/08/07(火) 08:47
>>20 ああー、そういう「願掛け」みたいなものとの共通性かぁ・・
身なりを整えることを断つ。
思ったのですが、穢れを溜め込むということでもあるのですが、
それによって災いを呼び寄せるんではないでしょうか。
避雷針みたいに。
22 :
天之御名無主:2001/08/07(火) 10:05
災いを呼び寄せるね〜。
離れている場合はいいでしょうけど、
同じ船にのってる時はまずいでしょ。
むしろ人ならぬ人、不可侵の存在に
なって霊力を発揮するってほうが近
いんじゃないでしょうか?
23 :
天之御名無主:2001/08/07(火) 18:10
「魏志倭人伝」の持衰ですが、これも船に乗って同行するんじゃなく
て、国元にいるのではないでしょうか。というのは、
「肉を食せず、婦人に近づかず」
と言ってますよね。肉はともかく、普通こういう船は男だけ乗るもの
だと思うんです。だったら、婦人に近づくも何も最初からできないわけ
なのに、わざわざそれを禁じるというのは、国元にいていろんなタブー
を守ることを言っているのではないか。
24 :
天之御名無主:2001/08/07(火) 21:04
とゆーか、通常人と逆の生き方をしてる点がミソなんだよ。
祭りのときに一時的に普段の生活規範を捨てるのと同様の状態を
船内の一部につくるんだよ。
25 :
1:2001/08/08(水) 01:22
今日はレスが沢山。
>>22 ヒトでないものという記述は『瀧夜叉』にもあります。
黥がその印ですね。ただ、霊力というものがあるかどうか・・
舟にいる場合は時化になったら投げ込みますから
逆に舟は安全になるのではないかと思ったのですが。
>>23 「暴害に遭わば、便ち之を殺さんと欲す」とありますが、
航海した一行に何かあったときは国元にいる持衰を殺させるということでしょうか?
そのへんがあったので・・ただし、どちら(同伴する・残る)の者もいるのでしょうね。
>>24 ヒトでないものということですね。
祭りについて何も知らないのですが、そういうものなのですか?
26 :
1:2001/08/08(水) 01:42
えーと、とりあえず
>>17に『瀧夜叉』という本の文脈で語られる
持衰の特徴を書いているのですが、この文脈のみによれば
穢れを溜め込むことで災いを引き寄せているということになり、
とりあえずこれは働きとしてあったと思われます。
皆さんが調べてくださって これ以外の色々な持衰が出て来ました。
が、その形態(身繕いしない等)・作用(何かあったら殺す)は
同じ物と考えられ、同伴した場合としなかった場合があるらしい。
まだわかっていないこととして、育てられ方、あるいは
持衰とされる人間の出自があります。これについては何か無いでしょうか。
調べてみたのですが、神官に育てられるという記述を見つけただけで不明です。
神官に育てられる=神社にいるとは思うのですが、全てがそうなのか不明です。
27 :
天之御名無主:02/01/27 15:02
あげ
持衰は男しかならなかったということでしょうか。
29 :
天之御名無主:02/05/16 18:11
女が長期間、不潔な状態でいるのは難しいからじゃない?
前に事情で1週間ぐらい入浴できなかったことあるけど、
体中、特に股間はすごくカユくなって辛かったよ。
構造上、感染症になりやすいし。
30 :
天之御名無主:02/05/17 07:34
ずっと持蓑だと思っていた罠。
ぼうぼうの蓑着たイメージがいいんだもん。
持衰で検索して出てくるのもほとんどは概出ですが、
・持斎とも書く。斎戒するから持斎なのだと考えてみるテスツ
・対馬では遠くまで行く船に少年を乗せる風習があった
という情報がありました。
31 :
天之御名無主:02/05/17 09:23
173 :参加するカモさん :02/03/12 09:46
みんなメルマガ読んでる?
あれ読むとひろゆきの性格よくわかるよ
すっごい陰湿。
根暗。
正直、引くよ。2chの管理人って、こういう奴なのかって。
176:参加するカモさん :02/03/12 11:18
ひろゆきの裁判の報告の仕方はよくわかったけど、たまには相手側の言い分も聞いてみたいね
まったく違う状況だったりしてw
177:参加するカモさん :02/03/12 11:42
ひろゆきさんっては自分の都合の良いことしか報告しないし、都合が悪くなると
報告しなくなっちゃうんだよね、、
それにしてもひろゆきさんてば見事に陰湿な文章書くなあ。。
32 :
天之御名無主:02/05/17 11:24
弟橘姫は役柄が持衰っぽいのだが。
33 :
天之御名無主:02/05/17 23:48
狭霧たんは持衰だたのか。
34 :
天之御名無主:02/05/18 01:50
弟橘姫は持衰というより人柱って気もする。
女性の持衰がいないとしたら、月経があるのも理由になるかと思う。
せっかく穢れを溜め込んでも、月イチペースで流れたんじゃ
長い航海には使えないかも?
35 :
天之御名無主:02/05/19 01:26
数人乗りの小船に安全を祈る役割の女性をいちいち乗せていると非効率だし
陸で採取などに従事する労働力もいなくなる。
だから女性は兄弟や夫の無事を陸で祈りながら働くのが常で、
船に乗り組んで安全を祈ることはなかった。
で、見習いのために乗せていた年端も行かない半人前の子供が
「倭」ではいつしか守り神扱いされるようになっていった。
子供が乗っている船は無茶をしないため実際に安全だったとも考えられる。
それが、船が大きくなると持衰という専門職に分化した。
だから持衰(ここでは船に乗り組むタイプ)は必ず海洋民族の男性である。
…という仮説を立ててみたのですが、ところどころ飛躍してますかね。
>子供が乗っている船は無茶をしないため実際に安全だったとも考えられる。
という部分だけは カズが記者会見開いて残念がるくらい 勘違いで無理があると思われ。
いやー単に「いつしか」と書いとくよりマシかと思ったんですが。
だめですか。そうですか。
ではどのような背景があったと考えるべきでしょうか?
まあ実際の役割や事実は手間かけて調査・考証しなければ
分からないので置いといて(オイオイ..
35さんはどの興味で背景を組み立てたいのかね?
厨房だと「呪術や生贄」としての持衰とかへ興味もつのだろうけど
35読むと「子供の属性」や「家系としての持衰」に興味ありそに思えるのだが。
家系…といいますか、持衰という職業の発生でしょうか。
なぜ選ばれた者とされるようになったのか。
確実にこうだろう、と判断できるソースはなさそうですので
根拠が薄くても推察してみたいという程度ですけど。
40 :
天之御名無主:02/06/02 21:31
「[オカルト]不潔の恐怖!風呂になんか入らネーヨ!!Part8」
……開いた私がバカでした。
でも正直、メンドくさいよね<風呂
下準備とかいろいろさ〜
43 :
天之御名無主:02/06/04 00:18
Part8というのが何げにこわひ
44 :
天之御名無主:02/06/04 23:40
あまり詳しいことは言えないのですが
うちの教授に持衰について聞いた際
「呪術・生贄・人柱というようなものではなく
神に仕える存在ではないか。そう考えると天皇に近いものがある」
と言っていました。古代の天皇も神に仕える存在として
その神憑り的な力が弱まらぬよう髪を梳らず髭も伸ばしたまま
という魏志倭人伝内の持衰の著述に近い姿をしていたとされている
ことから出てきた考えだと思いますが
天皇≒(ある意味国家を守る為の)持衰という考えについて
どう思われますか?
長文スマソ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
Λ_Λ | 君さぁ こんなスレッド立てるから |
( ´∀`)< 厨房って言われちゃうんだよ |
( ΛΛ つ >―――――――――――――――――――‐<
( ゚Д゚) < おまえのことを必要としてる奴なんて |
/つつ | いないんだからさっさと回線切って首吊れ |
\____________________/
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ… (-_-) ハヤクシンデネ…
(∩∩) (∩∩) (∩∩)
(^^)
48 :
天之御名無主:03/03/10 21:42
大和岩雄「鬼と天皇」のなかでも持衰についていろいろ書かれてるよ
(^^)
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
53 :
天之御名無主:03/05/23 01:31
>>30 持斎と云う名字の人に会ったことがあります。
何か関係があるのでしょうかね?
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
56 :
天之御名無主:03/09/12 00:32
57 :
天之御名無主:03/12/19 19:41
58 :
天之御名無主:04/01/17 10:16
弟橘姫だったけ、ミヤズ姫だったっけ、ヤマトタケルを助けようとして
東京湾に身投げした人がいたよね。そういう迷信が跋扈していた
時代背景でもって記紀と倭人伝を結ぶ共時性というのか---それを
示すものとして面白いのではないか。(今で言えばバラストだよ)
59 :
天之御名無主:04/01/24 23:18
海賊ってひとごろししてたひとおおいの?
持衰って何語?
名づけて持衰、っつーぐらいだから、中国語じゃないよね。
和語ジサイに当て字したのかな?
61 :
天之御名無主:04/06/07 03:34
木島日記にそんなのありましたね。
62 :
天之御名無主:2005/10/02(日) 23:10:53
63 :
天之御名無主:2005/10/04(火) 03:42:27
松本セイチョウが、卑弥呼=ジサイみたいな事書いていたよ。
クナ国との戦争に負けたときに責任とって殺されたって。
64 :
天之御名無主:2005/10/08(土) 02:11:04
持衰って何だか影贄に似てますね
65 :
天之御名無主:2006/05/21(日) 23:42:05
なにそれ?
67 :
天之御名無主:2007/02/10(土) 03:46:18
保守してみる
保守
宮本常一「忘れられた日本人」中の梶田富五郎翁のはなしに出てくる
「メシモライ」。5〜6才のみなしごを船に乗せる慣わしで村の相互扶助制度
なんだろうけど、持衰を連想した。メシモライは船中にて特に仕事は無く、
もちろん生贄にされるということも無く、無為の童子神というカンジですが。
70 :
天之御名無主:2008/07/10(木) 17:08:52
保守
71 :
天之御名無主:2008/07/12(土) 17:31:50
皆川博子の「滝夜叉」にも出てたな
72 :
天之御名無主:2008/11/02(日) 16:01:36
母の旧姓が持斎です。
何か関係があるのでしょうか。
73 :
天之御名無主:2009/05/15(金) 11:58:07
木島日記とゆうマンガに持衰ついて書かれていました
学研の卑弥呼の学習漫画に載ってたよ
主人公が無事航海終わったから褒美貰ってた
76 :
天之御名無主:2010/08/14(土) 17:36:57
アメリカ彦蔵もそうだったのかな?
77 :
天之御名無主:
フィクションだけどドラマで「被取締役」ってのもあったな。どこかの企業が雇用対策で本当に設けたらまさに現代版持衰?