山窩だそうです

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216さらりと語ろう
三角寛『サンカ社会の研究』第4章第5節から
「火明命の裔孫とされる田地火(タジベ)の一族は、
「赤土刺の断ち薦」(ツチカミのタちゴモ)として、
第16代仁徳天皇の御世に、蝮(まむし)取りの勅命を受けた。」

同書の解題(沖浦和光)から
「三角が強調している「民族の血」とは、
火明命の裔孫とされている田地火(タジベ)の一族から始まり、
第16代仁徳天皇の御代に蝮取りの勅命を受けたという
サンカ一族の誇りある血族をさしている。」


柳田国男『にが手の話』から
「蝮取りのニガテは蝮を怖れず、手を出しても咬まれず、或はまた
これに逢うと蝮は動けなくなって、安々とつかまるとまで信ぜられて居る。
・・・その手には特徴があるように言われている。たとえば蝮指といって、
手の指の端の関節だけを曲げて、次の節を突き張ることが出来る。
蝮指の人は五本揃えて熊手などのように、たやすく上だけを屈められる。
・・・現に白状すれば自分などもその一人だった・・・

このニガ手の特質を持つ家または一まきを、
カジハラとかフジワラとかいって居る地方があった。
・・・もう一つ変わったことに耳たぶに穴のある人というのが折々あって、
中国の某地ではそれをもまたカジハラと呼んでいる。」

柳田国男『にが手と耳たぶの穴』から
「蛇を怖れない素質の人があって、
それには耳たぶに窪みがあるということを、方々で言い伝えている。
・・・現にこの春亡くなった娘なども、私がその話をすると笑い出して、
自分にも小さい窪みがあるといった。
それでは遺伝はどうだろうかと、そのまた子になる女児を見ると、
これにも燐寸のさきほどの浅い窪みがあるのであった。」