○ 月 ○

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88天之御名無主
月にはウサギがいてモチをついているという話は聞いた事があると思う。
この話のもとは中国からきている。そしてウサギがついているのはモチではないのだ。
ここでのウサギは西王母という中国神話に登場する女神の眷属である。
そしてウサギは杵と臼を持って丸薬をつくるための薬をついているのである。
西王母は古代中国から信仰され続けた強力な女神で、はるか西方の玉山の山頂に住み、
不老不死の丸薬を所有している。この薬を西王母から命じられつくっているのがウサギである。
西王母はヒョウの尾と牙を持った女神とされ、その名の通り西の方に住んでいる。
西を守護する四神は白虎というトラでこれは毛類(獣のたぐい)の霊長とされる存在である。
西王母にはこの白虎のイメージが重ねられていて毛類の一つ、ウサギが西王母の眷属の一つとなっている。
毛類すべてが西王母の眷属と考えてよいだろう。
満ち欠けを繰り返す月は生と死を繰り返す不老不死の信仰に通じている。
そして、その月の上にはウサギの模様がくっついているのだ。
それに加えて上記の神の信仰が重なって今の月のウサギになっている。
ただ、どうしたわけか日本ではいつのまにかウサギは月でモチをついていることになっているのである。