境界

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287273
>>284 類型のギリシャ神話ではオルフェウスは妻を「拒否」してない

えっと、前掲の小澤氏の異類婚姻譚に関する考察を私流に要約するとこんな感じです。

 (1)インドネシア、パンジャブ、エスキモー等
    異類の正体: 動物(外見も動物)
    受け入れ方: 人間と同じように扱い、配偶者として共生していく
 (2)日本
    異類の正体: 動物(外見は動物の場合と人間の場合がある)
    受け入れ方: 正体が露見したら一緒には過ごせない(別離)
 (3)ヨーロッパ
    異類の正体: 人間(魔法で容姿を変えられ救済を待っている人間)
    受け入れ方: 魔法が解けて、人間にもどる

(3)ヨーロッパではキリスト教信仰により、異類の姿をしたものは邪神・魔物の類であり、
さもなければ魔法によって変身させられた人間であるとしているのに対し、
(1)(2)群は動物が喋ったり求婚したりということがごく自然に受け容れられている。

その一方で、(1)インドネシア、パンジャブ、エスキモー等では、動物が動物であると
判明しても人間と同じように扱うが、(2)(3)群は動物と人間の間での婚姻はあっては
ならないもの、拒否すべきものと考えている。

(1)系の「人間も自然の一部」という考え方にも属さず、(3)系のキリスト圏の考え方にも属さない
(2)系(日本)が特異であると、そんな感じの主張を小澤氏はされています。


※ ヨーロッパも、キリスト教以前は284氏の指摘のように、(1)系だったらしい。
288天之御名無主:03/12/19 03:57
メリュジーヌは別離だね