103 :
スネーカー教徒:
すみません、某掲示板で質問したら返事来なかったんでここで質問させてもら
います。
ギリシャ神話と日本神話の類似はよく指摘されますがどういう経由でやってきた
のでしょうか?黒海沿岸に建設された植民市のギリシャ人と交流したスキタイ人
が朝鮮半島へ伝えた可能性がいわれていますが。
104 :
スネーカー教徒:2001/07/11(水) 08:23
もっと具体的に書きますと、イザナギノミコトが死んだ妻を黄泉の国まで迎
えに行く話はオルフェウスとエウリュディケの話と同じですし、妻を見てはな
らないと言われて結局見てしまい失敗するというパターンも一致します。
デメテルが弟のポセイドンの乱暴に怒り岩屋に隠れるというのも記紀における
スサノオの乱暴に怒りアマテラスが岩戸に隠れるという天岩戸の神話とそっくりです。
デメテル神話ではバウボという女性が自分の恥部をみせ笑わせ怒りを解くというのは
日本神話におけるアメノウズメの役割と同じです。
探せばもっと共通点があるかもしれません。
105 :
スネーカー教徒:2001/07/11(水) 13:05
最後に考古学的な面から1つ。H.シュリーマンが800万年前に
絶滅したと思われる哺乳類の化石をトロイヤ発掘中に発見しトロヤ人
は化石を集めていたと考えました。ある神話学者はギリシャ神話の中
に登場する巨大なモンスターや巨人はギリシャ人が大きな化石の骨を
見つけそこから生み出されたものだ、と主張します。実際、考古学的
裏づけとして神話で怪物たちが登場する地域からは巨大生物――例えば
、サイ、マンモスや象等――の化石が発見されます。ギリシャの人々は
出てきた骨を巨人の骨とかと勘違いし、神話として残したのでしょう。
http://www.archaeology.org/0003/abstracts/monsters.html
106 :
天之御名無主:2001/07/11(水) 13:30
>>103 いきなり伝播と決めてかかると、電波あつかいされかねんよ。
しかも無条件にギリシャ→日本を前提にしちゃぁ。
考えられるバリエーション。
1.ギリシャ→日本
2.日本→ギリシャ
3.どこか→日本・どこか→ギリシャ
4.偶然
5.社会構造がある程度似た構造になるように、神話も似たような話に
なることがある(4.とあまり変わらんか)
107 :
スネーカー教徒:2001/07/12(木) 04:20
とりあえず2から
2. 竹内文書とかを信じない限り年代的に無理があるかと。
3.これはおもしろい。ギリシャ神話のデウカリオンの大洪水神話を
メソポタミア起源とするならば中近東あたりを影響の中心とするか。
4と5.それはわかりますが、しかし文明や文化というのは他地域と接触しあうもの
だから伝播のほうが優先度は高くすべきだと思います。あとユング派等の心理学者の
深層心理学的解釈はどうもいまいち信用ならない。
108 :
神話の伝播について :2001/07/12(木) 08:05
なぜ神話が隔絶した地域で類似するのか。
実は伝播の方が例外的と考えられています。
特に前近代では、神話・伝承は生活形態や政治に直結しています。
ですから神話が伝播する場合は、神話を伝える人々の人的移動なり交流
なりが伴う。
従って神話エピソードの伝播があった場合、それだけではなく、他の文化
要素の伝播、伝播中間地域での波及の痕跡なども生じていなければおかしい。
こうした痕跡を探ると、伝播は普通想像されるほどの頻度ではみられない、
とされています。
ギリシア神話と日本神話の場合、中間地域にそうした伝播経路の痕跡は
みられないはずです。
従ってこの場合、伝播と考えるべきではない。
109 :
スネーカー教徒:2001/07/12(木) 12:10
>>108 中間地域の痕跡なら新羅の文化がスキタイ文化の影響
を多く受けているという話があります。別に騎馬民族が日本に
来たとはいいませんが朝鮮半島からそのスキタイ文化が日本に
持ち込まれたんじゃないでしょうか。
それに地域によって他文化の影響を受けやすい地域、受けにくい地域もあるでしょうから
中間地域に痕跡が絶対無ければならないといはいえないと思います
(仮にユーラシア大陸東西をまたにかける騎馬民族やあるいは交易集団
がいたとして)。
あと108さんの世界中の神話において、違う地域における神話の類似
についての意見は上の4か5ですか?4か5ならそれを支持する有力
な証拠とかはあるのでしょうか?
110 :
108:2001/07/12(木) 12:29
>>109 私の神話エピソード類似についての考え方は
基本的に5です。(伝播は例外的とみなす立場です)
ただし、社会構造よりも、文化のタイプと生態環境の影響が重大と
考えています。
それからエピソードが似ていても、体系化された神話の内での
位置付けが違えば、エピソードの意味機能は異なると考えています。
また民族の慣習など社会的な意味付けが異なれば、エピソードの
形式的な類似もさして意味がないと考える立場です。
こちらの方が、私にとっては5より重要ですね。
ひらたく言えば、どんな民族集団がどのように神話を伝えていたか
を切り離してのエピソード研究は文芸批評的な意味しかない、と
考えています。
ギリシア神話について、私個人は、先住の海洋交易型民族
の文化圏に、遊牧騎馬民文化の影響を受けた農耕民族が侵入し
社会的に混交する過程で形成された、とみなす意見に説得力を
感じています。
日本神話との類似もそうした観点から説明できるのではないか、と
これは推測ですが思っています。
スキタイの神話については私は無知なので意見保留です。
スキタイ神話とギリシア神話、
スキタイ神話と日本神話、それぞれの比較検討をいったん別けて
おこなってもらえると助かります。
111 :
スネーカー教徒:2001/07/13(金) 09:07
112 :
108:2001/07/14(土) 20:31
>>111=スネーカー教徒さんへ
このスキタイとギリシア神話を関連づける観点は、私は知らなかったです。
確かに興味深いと思います。
ホメロスでもアマゾネスは黒海沿いの国出身とされていますし。
ただ、“Scythians Iranians”とか“ Anatolian Scythians”とか言われると
めんくらっちゃいますね。
ちょっとまだ、ご紹介いただいたHPの英文きちんと読めてるか自信ないんですけど。
内陸アジアのスキタイと、“Scythians Iranians”だの“ Anatolian Scythians”
だのの系譜関係、または移動の前後関係がどう考えられているのか知りたいですね。
大づかみには、「スキタイ→ギリシア」ってラインと、「スキタイ→内陸アジア→新羅」の
ラインが明瞭にされると、興味深いと思います。
(両者の中をつなぐのが「内陸アジアのスキタイと、“Scythians Iranians”だの
“ Anatolian Scythians”だのの系譜関係」ってことで)
で、日本神話への伝播を唱えようとすると、新羅から日本への部分に最大のネックが
ありますよね。
言うまでもないですけど、例の遊牧騎馬民族渡来説、または遊牧騎馬文化渡来説の事
です。
私は今でも、日本神話とギリシア神話の伝播関係は否定的懐疑ですけど。
このギリシア神話スキタイルーツ説はとても興味深く拝見しました。
いろいろ裏をとったり捕捉したりしていかないと、今は自分なりの意見言えないです
けど。(当分言える見込みもないですし)
とても興味深いと思います。
いいお話を教えていただけたと感謝しています。
>日本神話との関連として牡鹿を追いかける兄弟の話があげられていましたが
>日本神話にそんな話ありましたっけ?
ねぇ。ありましたっけ?そんなの??