ぬらりひょんは「ぬらりひょん」という単語を擬人化した妖怪。
『広辞苑』には「ぬらり-ひょん(滑瓢)」の項で
@「ぬらりくらり」に同じ。
(『浮世草子』「好色敗毒散」より「その形ぬらりひょんとしてたとへば鯰に目口もないやうなもの」)
A瓢箪鯰(ひょうたんなまず)のようにつかまえどころのない化物。
またぬらりひょんは、“瓢箪で鯰を捕らえよ”の禅問答よろしく、つれない様子を意味するようになる。
『化物尽くし』などの絵巻に描かれるぬらりひょんの巨大な後頭部はひょうたんを、しまりのない顔はナマズをイメージしているのだろうか。
また『化物婚礼絵巻』にもひょうたん頭になまず髭の上下を着た化け物が描かれるが、これもぬらりひょんではなかろうか。
ttp://www.athome.co.jp/academy/culture/cul24ph9_10.html (上段中央部分に、ぬらりひょん<瓢箪鯰>と思われる姿の化け物がいる)
江戸語では駕籠から出ることを「ぬらりん」といい、また突然現れることを「ひょん」というところから、鳥山石燕は『』駕籠から降りて、玄関に上がり込む
通人の姿でぬらりひょんを表現している。また足元を照らす燭台や、通い帳などが同時に描かれるところから、ぬらりひょんに仮託して吉原通いをする楽隠居を風刺しているともされる。
ttp://www.linet.gr.jp/~kojima/Kyogokudou/Sekien/nurarihyon.jpg 後世に妖怪総大将とか、家に勝手に上がり込むとか、はては客人信仰まで持ちだして、ぬらりひょんが無意味に巨大化しているが、
まさに、ぬらりくらりとつかみどころがないという、元の意味からすれば面目躍進。
つれない様子なのに、根拠不明の情報に思いっきり現代人は「釣られている」。
まさにぬらりひょんは一級の釣り師ですね。