ネイティヴアメリカンの神話

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190天之御名無主
インディアンの宗教では、自然は絶えず衰退し、動物も植物も減少し、人間は徐々に
飢えていくものとなっている。あちこちの神話や言い伝えでも、それが顕著に表れている。

インディアン部族は常に様々な儀式で、これを何とか防ごうとしてきた。
その一番有名なのが、平原部族の「サンダンス」で、この名称の由来はスー族の
「ウィワンヤンク=ワチピ(太陽を見つめながらの踊り)」からきたもの。
191天之御名無主:2005/11/15(火) 00:55:28
サンダンスは過酷な試練を強いるものが多くて、祭のハイライトにピアッシングを
用いるものもある。(マンダン族やラコタ=スー族) 自分の胸や腕に杭を突き刺し、
皮紐で御柱とつなぎ、それが引きちぎれるまで太陽を見つめながら踊る。

なんでこんなことをするかという理由は、「自分の身体は自分にとって一番大切なものだから、
その自分の肉体を大精霊に捧げるのだ」と彼らは言っている。

最近でも未だに「部族の中で男らしさを誇示するためのもの」と
されている出版物が多いが、これは完全な誤り。

192天之御名無主:2005/11/15(火) 01:04:13
このサンダンスの目的は「世界を作り直す」ことにある。サンダンスを終えれば、
大自然や超自然的な力は再びよみがえり、部族の幸福に力を貸してくれる。

流血の儀式を伴うサンダンスは、マンダン族の「オーキーパ」や
スー族の「ウィワンヤンク=ワチピ」など一部のもので、カイオワ族やシャイアン族は
ピアッシングをしない。が、白人はサンダンス自体を野蛮で残酷な儀式であるとして
徹底的に弾圧した。シャイアン族は「我々はスー族みたいにピアッシングはしないから」と
言って、やっとなんとか開催させてもらっていた(?)が、それでもある儀式は禁止され、
もう70年以上行われていない。
193天之御名無主:2005/11/15(火) 01:14:08
北ダコタのミズーリ上流のマンダン族の神話も、かつて世界は水しかなかった。
マンダン族のサンダンス「オーキーパ」は、水の精霊に捧げられる。体に杭を通す
「ピアッシング」は、マンダン族が始めたものらしい。 この「オーキーパ」の儀式も、永らく
白人によって弾圧禁止されてきたが、20年ほど前からインディアンの宗教が白人から
自由化されて、それと同時に復活したらしい。どの程度の復活なのかは知らんけど。
194旅人希望:2005/11/15(火) 15:47:22
今回出かけた時に、唯一持って行った本に儀式というものについて書いてあって。祈りというのは、
祈りに供えて身を清め、こころからその大いなる力の助けを求め、捧げものをすること、と
まとめてありました。アメリカのいわゆるミッドランド(私は近しい人たちとは「ジーザスランド」
と呼んでいますが)は、本当の「祈り」の意味を知らない人たちで満ちている。そして、彼らの教えは
一生懸命働いたものが金持ちになる。だから、金持ちは偉くて尊敬されるべき人々だ、と真剣に信じている。
どこに行っても、「自分を売り込む」のが大切で、自分が利益を得たことで誰かが損をしている、というような
自然の絶対法、「お金や資源はふって湧くものではなく、有限でただ常に場所をかえているだけ」
ということに気づかない。

私はサンダンスのことをよく知りませんが、かなりハードな儀式だと聞いています。ああいった伝承、
つまり書いて残されることのない伝統は、こうも長く弾圧されると復活は難しいのでしょうね。

少し前に(ブッシュの戦争が始まった頃ですね。よく考えてみると。)ルーマニアやキューバから圧政を
免れて来たという設定の人たちがそろって「だから私はアメリカに来た。自由を求めてやってきた。」
といってニッコリ笑うコマーシャルをやっていました。今思い出しても胸が悪くなります。

西洋人や白人を一つにまとめてすべての罪をきせることはしたくないですが、アメリカのメインストリーム
は、ゴーマンでアサハカで無知な人たちでできています。ゆくゆくは自分の子孫も苦しむことになる、
ということになぜ気づかないのでしょうか?
195天之御名無主:2005/11/15(火) 23:07:07
ワシントン政府がコソボを爆撃したとき、欧州の人たちは心底驚いていた。
そして、「アメリカはインディアンから土地を盗んだんじゃないか。なのにどうして、
土地を盗んだといって俺達を殺すんだ」という、ラジカルな論議が巻き起こっていたっけ。

「個人が日本の一市町村と同等の面積の土地を所有する国」 こんなものは悪夢としか思えない。

テキサスからコマンチやカイオワやトンカワを追い出し、コアユルテカンを絶滅させたあと、白人は
馬競争をやった。一番遠くまで先に馬を走らせたら、そこまでの土地はそいつのものになる。
こんな狂った武勇伝の記念碑が、ご当地には誇らしげに建っているらしい。
196天之御名無主:2005/11/15(火) 23:19:21
アングロサクソンの宗教への介入は、占領下の日本もそうだったけど、
インディアンに対しては傲慢きわまるもので、未だにこの日本にまで、
一般新聞紙の記事になって、おかしな話が届いてるよ。

アパッチ族の、思春期を迎えた娘達のための儀式は、4日以上も続く
楽しく喜びに満ちた祝典らしいが、保留地時代に入って、白人監督官達は
これを無駄にだらだら続く祭と捉えた。そして、同じ年齢になった娘だけが揃って、
一年に一日だけ行えと強制した。それも、白人にとっての祝い日である7月4日の
「独立記念日」に。こんな権利がどこにあるのかと思うね
197天之御名無主:2005/11/15(火) 23:30:47
>>194 ナバホとスーは、70年代のレッド=パワー運動を経て、80年代に入ってから
部族交流が深まって、ついにはナバホ族も、ピアッシング儀式を伴うサンダンスを始めてますね。

とりわけ、オグララ族(>>157のテトン傘下の七支族の一つ)の宗教指導者で、
もう亡くなったけどマシュー=キングというメディスンマンが、もう全米のインディアン部族に
サンダンスの儀式を指導し、広めたそうですよ。
198天之御名無主:2005/11/15(火) 23:47:52
マシュー=キング翁が言うには、「白人はわざと中途半端にわしらインディアンを
改宗した」らしい。そうして伝統派とキリスト教派とごっちゃにしておいて、たがいが
非難し合い、揉めさせるようにして、部族の結束を破壊するよう仕向けたものらしい。

この二十年ほどで、インディアンにかなり宗教が復活してると聞くけど、どんなもんでしょう?
199天之御名無主:2005/11/15(火) 23:59:55
>>198
>この二十年ほどで、インディアンにかなり宗教が復活してると聞くけど、どんなもんでしょう?

復活しているというふうに見ることもできるが
新しく創られていると見ることもできる。

前のものと今のものが別物だと言える世代が激減したのがこの20年
ともいえるのではないか。
200天之御名無主:2005/11/16(水) 00:21:48
ですね。 「シティー・インディアン」と呼ばれる、もう部族の言葉も土地も失って、
白人の中に混じって暮らす人たちが、近年、そういう大きなサンダンスなどに続々
やってくるらしい。それと、やはりペヨーテ儀式(=アメリカ・インディアン教会)の普及が
かなり進んできたとは言うんですけどね。 向こうにおられる旅人さんの意見を聞いてみたいな
201?旅人希望:2005/11/16(水) 13:07:34
私は今現在あまりネイティブの友人がすぐまわりにいないので、ナバホ国にいた時のことしか
わからないんですが。。。ネイティブ アメリカン チャーチとトラディショナルな儀式は半々くらい
だったかな。いまだにクリスチャンもいますよ。本当に伝統に厳しいメディスンマンの家以外は、
大抵どっちもやってます。クリスチャンで伝統儀式に参加する人もいます。(日本で神事と仏事に
出るのと同じとか?)

202旅人希望:2005/11/16(水) 13:24:47
ニューメキシコ州だったら、ギャラップやアルバカーキ辺りで育ったナバホには、どん欲な人が
いましたね。結局、バックグラウンドがしっかりしていないと、自分を失う人が多く、そうなって初めて
自分がどこから来たのか知りたい、と伝統的な世界に入って行く人も多い。18、19でもとアルコール
中毒とかいますからね。
203旅人希望:2005/11/16(水) 13:35:16
アメリカで、宗教が政治に介入すべきではない、というと理解できない人が多いです(もちろん白人)。
204旅人希望:2005/11/16(水) 13:46:20
サンダンスもチラチラ話は聞きました。私は一度ファイアーダンスで、ダンサーをやらせてもらった
ことがあって、それはすごい光栄ですばらしい経験でしたが、後から干害が続いたとき、トラディショナルな
ネディスンマンで、わたしが踊ったせいだと言い出す人が出たんです。だから、それ以来はもう少し
尊敬を示す意味で遠慮しようと思い、軽く誘われても断りました。だから、ちょっと残念ではありますが
サンダンスもペヨーテミーティングも行ったことはないです。
205天之御名無主:2005/11/17(木) 01:03:22
それはいい体験しましたねえ。そうやって怒る人がいるというのは、それだけ
その人の信仰が篤いということでもありますね。

サンダンスが(金を取るとか)コマーシャリズムに走って良識的伝統派の
顰蹙を買った時代もあったらしいけど、近年はサンダンスが広まりすぎてる傾向も
あるらしい。南北ダコタでは、御柱にする綿の木が、将来足りなくなるかもしれないと
指摘する声もあるそうな。
また、数年前から女性で(女人禁制のはずの)ピアッシングに参加するものも現れて、
ついに数年前に死者がでてしまった。

まあしかしこういうことは理不尽な弾圧化の反動とも取れるし、沈滞してるよりはいいかも