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大人の名無しさん:
主要各紙に紹介され、「負け犬の遠吠え(酒井順子)」と並ぶ、ちまたで話題の
エッセイ「結婚の条件(小倉千加子)」より一部抜粋。
〜三十代後半にさしかかる独身の女性が、吐息をつきながら、私にある日こう言った。
「自分がいつも人に『女としては変わっている』と言われていた理由が今になって
やっと分かりました。私は会社にいるとき、誰にも負けずに仕事をすることばかり
考えて、仕事のできる男を見つけることを考えなかったからです。女の子なら普通
はそういう生き方をちゃんと準備しておくという常識が私には欠けていたんです。
私は女ではなくただの人間だったんです!」〜
〜就職と結婚は同じである。究極のところ、選ぶことをやめればできるが、無意識
のレベルで選んでいるから就職も結婚もできないのである。〜
〜どこかに理想の人が絶対いる、それまで待っていようと決め、待ち続けたまま
腐っていく女性は、実は膨大にいる。〜
〜女性は、現在の自分の生活水準を保障してくれる男を探し、男性はユートピア的
場所となる女を探す。しかし、そんな理想の相手はどこにもいない。〜
〜社会学者の山田昌弘氏は、女性にとって都合のいい、すべて条件を兼ね備えた
「理想の男性」を求める女子学生にこう言って、諭すそうである。「そんな徳の
高い男性は、徳の高い女性ととっくに結婚してるんだから、きみのような徳の低
い人は徳の低い男性で妥協しなさい」〜
〜結婚とは、女性と男性が持つ資源の交換であり、自分の資源を棚に上げて、相
手にばかり要求水準を高くしても、永遠に「適当な相手」は見つからない。自分
の資源価値(市場価格)を、直視することは苦しい。アンケートを取ると女性が
男性に求める最大の条件は「経済力」であり、男性が、容易には口にしないが本
音のところで固執しているのは「美人」であることである。結婚とは「カネ」と
「カオ」の交換であり、女性は自分の「カオ」を棚に上げて「カネ」を求め、男
性は自分の「カネ」を棚に上げて「カオ」を求めている。誰かが本当のことを教
えてやらねばならない。〜
〜恐らく彼女たちの半数は夢が叶わぬまま「生涯未婚者」になっていくと思われる。
彼女たちには、生活苦と孤独苦の二重苦が待ち受けている。結婚は、彼女たちに
とって、「生存」を賭けた最後のチャンスなのだ。〜
〜高収入と家事への参加という要求に応えられる男性は実際いくらいるだろうか?
女性学の研究の結果では、男性で家事の分担をすすんでできるのは、非競争部門−
公務員・教員−の男性でないと無理となっている。〜
〜親からお見合いの話を持ち込まれると、断固としてそれをはねつける未婚女性は
多数いる。「もう、放っておいてよ。結婚なんかする気ないんだから」と言いなが
ら、いよいよあとがなくなると、結婚しなくてはと焦りだし、親に内緒で結婚情報
サービス会社に登録する女性が結構存在するという。〜